diff --git "a/data.jsonl" "b/data.jsonl" new file mode 100644--- /dev/null +++ "b/data.jsonl" @@ -0,0 +1,4485 @@ +{"problem_id": "097001", "problem_text": "希薄溶液の束一的性質でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["蒸気圧降下", "凝固点降下", "沸点上昇", "表面張力低下", "浸透圧"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "希薄溶液の束一的性質とは、溶質の種類に無関係にオスモル濃度(溶液中の分子とイオンのモル濃度)に依存する性質のことである。希薄溶液における蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧は束一的性質を示す。"} +{"problem_id": "097002", "problem_text": "ある化合物の25^{\\circ} Cにおける分解が、半減期3日の一次反応に従うとする。この化合物100 mgを6日間、25^{\\circ} Cで保存したときの残存量として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["17 mg", "25 mg", "33 mg", "50 mg", "75 mg"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "問題文に「半減期3日」、「1次反応に従う」とあることから、3日後(半減期経過後)残存量は50%となり、6日後(半減期\\times 2経過後)残存量は25%となる。このことから、この化合物100 mgを6日間、25^{\\circ} Cで保存したときの残存量は、100 mg\\times 1/4=25 mgとなる。"} +{"problem_id": "097003", "problem_text": "Ag_{2}CrO_{4}の溶解度がS(mol/L)であるとき、溶解度積(K_{sp})と溶解度の関係式として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["K_{sp} = 2S", "K_{sp} = S^{2}", "K_{sp} = 2S^{2}", "K_{sp} = 2S^{3}", "K_{sp} = 4S^{3}"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "難溶性電解質の溶解度積(K_{sp})は、飽和溶液中における陽イオンと陰イオンの濃度の積で表される。◉Ag_{2}CrO_{4}の飽和溶液中での[Ag^{+}]、[CrO_{4}^{2-}]を求める\n問題文に「Ag_{2}CrO_{4}の溶解度がS(mol/L)であるとき」と記載されていることから、[Ag^{+}]=2S、[CrO_{4}^{2-}]=Sとなる。◉Ag_{2}CrO_{4}の溶解度積を求める\nK_{sp}=[Ag^{+}]^{2}[CrO_{4}^{2-}]=[2S]^{2}[S]=4S^{3}となる。"} +{"problem_id": "097004", "problem_text": "電気泳動において、イオン性物質の移動速度と比例するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イオン性物質の半径", "イオン性物質の電荷", "溶液の粘度", "溶液のpH", "電極間の距離"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "電気泳動において、イオン性物質の移動速度はイオン性物質の半径、イオン性物質の電荷、溶液の粘度、電極間の距離等の影響を受けて変化する。その中でも、イオン性物質の移動速度に比例するのは、「イオン性物質の電荷」である。なお、イオン性物質の半径、溶液の粘度、電極間の距離はイオン性物質の移動速度に反比例する。"} +{"problem_id": "097005", "problem_text": "紫外可視吸光度測定法において、吸光度と比例するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["透過度", "透過率", "試料の濃度", "比吸光度の対数", "モル吸光係数の対数"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "吸光度測定法において、吸光度はLambert-Beerの法則に基づく。【Lambert-Beerの法則】\n吸光度Aは濃度、層長に比例する。Lambert-Beerの法則より、吸光度に比例するのは「試料の濃度」である。"} +{"problem_id": "097006", "problem_text": "以下の反応はどれに分類されるか。1つ選べ。", "choices": ["置換反応", "脱離反応", "付加反応", "転位反応"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "設問の反応では、1-メチルヘキサノールからOHとHが脱離してH_{2}Oが生成している。このことから、設問の反応は脱離反応である。【選択肢にある各反応の概要】\n置換反応: 化合物の原子(団)が他の原子(団)に置き換わる反応\n脱離反応: 化合物から2つの原子(団)が離れ、多重結合を生成する反応\n付加反応: 化合物の多重結合が開列し、新たな原子団が結合する反応\n転移反応: 化合物を構成する原子(団)が結合位置を変え、分子構造の骨格変化がみられる反応"} +{"problem_id": "097007", "problem_text": "ベンゾジアゼピン骨格を持つのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "ベンゾジアゼピン骨格は下記の構造である。ベンゾジアゼピン骨格を有する化合物は選択肢3のニトラゼパムである。1:誤\nベンジルペニリシンカリウムの構造であり、ペナム骨格を有する。2:誤\nインドメタシンの構造であり、インドール骨格を有する。3:正\n4:誤\nクロルプロマジンの構造であり、フェノチアジン骨格を有する。5:誤\nナロキソンの構造であり、モルヒナン骨格を有する。"} +{"problem_id": "097008", "problem_text": "以下の化合物のうち、光学活性を示さないのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "光学活性を示すとは、ある化合物が偏光面を回転する性質を有することである。光学活性を示す物質は、一般に構造中にキラル中心を有するが、構造中にキラル中心を有するにも関わらず、光学活性を示さないもの(分子内対称面を有するメソ化合物)も存在する。1:光学活性を示す。2:光学活性を示す。3:光学活性を示さない。分子内対称面を有する。メソ化合物\n4:光学活性を示す。"} +{"problem_id": "097009", "problem_text": "窒素の酸化数が最も大きいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["一酸化二窒素", "一酸化窒素", "二酸化窒素", "亜硝酸", "硝酸"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "一般に中性分子の酸化数の総和は0、酸素原子、水素原子の酸化数はそれぞれ、「-2」、「+1」である。これらのことから、選択肢の化合物に含まれる窒素の酸化数を算出することができる。1:誤\n一酸化二窒素の分子式はN_{2}Oである。N_{2}Oの窒素の酸化数を以下のように計算することができる。窒素Nの酸化数\\times 2+(-2)=0\n窒素Nの酸化数=+1\n2:誤\n一酸化窒素の分子式はNOである。NOの窒素の酸化数を以下のように計算することができる。窒素Nの酸化数+(-2)=0\n窒素Nの酸化数=+2\n3:誤\n二酸化窒素の分子式はNO_{2}である。NO_{2}の窒素の酸化数を以下のように計算することができる。窒素Nの酸化数+(-2)\\times 2=0\n窒素Nの酸化数=+4\n4:誤\n亜硝酸の分子式はHNO_{2}である。HNO_{2}の窒素の酸化数を以下のように計算することができる。(+1)+窒素Nの酸化数+(-2)\\times 2=0\n窒素Nの酸化数=+3\n5:正\n硝酸の分子式はHNO_{3}である。HNO_{3}の窒素の酸化数を以下のように計算することができる。(+1)+窒素Nの酸化数+(-2)\\times 3=0\n窒素Nの酸化数=+5"} +{"problem_id": "097010", "problem_text": "ヒドロキシ基(OH基)を持つ3つの化合物について、酸性の強いものから弱いものへ並べた正しい順番はどれか。1つ選べ。", "choices": ["A>B>C", "A>C>B", "B>A>C", "B>C>A", "C>A>B", "C>B>A"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "Aはアルコール性の水酸基を有し、ほぼ中性を示す。B(カルボン酸を構造中に有する)はC(フェノール性水酸基を有する)に比べ酸性度が高い。よって、酸性の強いものから弱いものを並べた正しい順番はB>C>A(選択肢4)である。[参考]\n代表的な酸性を示す官能基の酸性度の強弱を以下に示す。スルホン酸(-SO_{3}H)>カルボン酸(CO_{2}H)>フェノール>アルコール(R-OH)"} +{"problem_id": "097011", "problem_text": "ホルモンとその作用との対応のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "097012", "problem_text": "原核生物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["赤痢アメーバ", "黄色ブドウ球菌", "インフルエンザウイルス", "皮膚糸状菌", "マラリア原虫"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "原核生物とは、細胞内に核膜を有しない生物であり、細菌(一般細菌)、古細菌は、原核生物に該当する。また、真核生物とは、細胞内に核膜を有する生物であり、原虫(原生動物)、真菌、高等植物、動物は、真核生物に該当する。1:誤\n赤痢アメーバは原虫であり、真核生物に該当する。2:正\n黄色ブドウ球菌は細菌であり、原核生物に該当する。3:誤\nインフルエンザウイルスはウイルスであり、原核生物、真核生物いずれにも該当しない。4:誤\n皮膚糸状菌は真菌であり、真核生物に該当する。5:誤\nマラリア原虫は原虫であり、真核生物に該当する。"} +{"problem_id": "097013", "problem_text": "DNAの構造について、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["構成塩基は、アデニン、グアニン、シトシン及びウラシルである。", "アデニンと対をなす塩基はグアニンである。", "構成糖としてD-リボースを含む。", "ヒトの染色体DNAは環状構造をとる。", "生理的条件下では主に右巻きらせん構造をとる。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nDNAの構成塩基は、プリン塩基であるアデニン、グアニンとピリミジン塩基であるシトシン、チミンである。なお、ピリミジン塩基であるウラシルはRNAの構成塩基である。2:誤\nDNAでは、アデニンとチミンは2本の水素結合を形成し対をなし、グアニンとシトシンは3本の���素結合を形成し対をなす。3:誤\nDNAは構成糖として、2-デオシキ-D-リボースを含む。なお、RNAは構成糖として、D-リボースを含む。4:誤\nヒトの染色体DNAは環状構造ではなく、鎖状構造をとる。5:正\nDNAは生理条件下、主に右巻きの二重らせん構造を形成している。"} +{"problem_id": "097014", "problem_text": "セロトニンの生合成の前駆体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アラキドン酸", "L-チロシン", "コリン", "L-トリプトファン", "L-ヒスチジン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "セロトニンの生合成の前駆体は、L-トリプトファンである。L-トリプトファンは、水酸化反応及び脱炭酸反応によりセロトニンとなる。"} +{"problem_id": "097015", "problem_text": "抗原抗体反応を利用した測定法でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ラジオイムノアッセイ(RIA)によるホルモンの定量", "酵素免疫測定法(ELISA)によるサイトカインの定量", "赤血球凝集反応による血液型判定", "ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によるDNAの検出", "ウエスタンブロット法によるタンパク質の検出"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\nラジオイムノアッセイ(RIA)は、放射性同位元素を標識として利用し、抗原抗体反応により目的物質を検出定量する方法である。2:正しい\n酵素免疫測定法(ELISA)は、酵素を利用し、抗原抗体反応により目的物質を検出定量する方法である。3:正しい\n赤血球凝集反応による血液型判定は、赤血球表面に存在する抗原に対する抗体を加えて、抗原抗体反応により血液型を判定する方法である。4:誤っている\nポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法は、耐熱性DNAポリメラーゼやプライマーを用いて微量のDNA試料から目的とするDNAを複製する方法であり、抗原抗体反応を利用した方法ではない。5:正しい\nウエスタンブロット法は、電気泳動と抗原抗体反応を利用し、特定のタンパク質を検出する方法である。"} +{"problem_id": "097016", "problem_text": "過剰に摂取すると、悪心、嘔吐、頭痛などを主症状とする急性中毒を起こすのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ビタミンA", "ビタミンB_{12}", "ビタミンD", "ビタミンE", "ビタミンK"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "過剰に摂取すると、悪心、嘔吐、頭痛などを主症状とする急性中毒を起こすのは、ビタミンAである。ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、過剰に摂取すると急性中毒(症状: 頭痛、悪心、嘔吐など)、慢性中毒(症状: 脱力、頭痛など)が現れることがある。なお、ビタミンDの過剰摂取による中毒症(高カルシウム血症による悪心・嘔吐、多尿、脱力、腎不全など)が報告されているが、ビタミンB_{12}、ビタミンE、ビタミンKについては特に過剰摂取による中毒症は報告されていない。"} +{"problem_id": "097017", "problem_text": "2005年以降の年齢階級別死亡率において、20歳〜29歳の死因の第1位はどれか。1つ選べ。", "choices": ["悪性新生物", "心疾患", "脳血管疾患", "自殺", "不慮の事故"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "2005年以降の年齢階級別死亡率^{*}において、20〜29歳の死因の第1位は自殺である。参考\n年齢階級別死亡率^{*}0〜4歳:先天性異常\n5〜14歳:不慮の事故\n15〜39歳:自殺\n40〜89歳:悪性新生物\n90〜99歳:心疾患\n100歳以上:老衰\n*平成21年度におけるデータ"} +{"problem_id": "097018", "problem_text": "疾病の二次予防に該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["健康教室", "予防接種", "集団検診", "在宅機能訓練", "職場環境の改善"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "一次予防\n生活習慣の改善、生活環境の改善、健康教育による健康増進を図り、予防接種による疾病の発生予防、事故防止による傷害の発生を予防すること\n例)健康教室、職場環境の改善、予防接種\n二次予防\n発生した疾病や障害を検診などにより早期に発見し、早期に治療や保健指導などの対策を行い、疾病や傷害の重症化を予防すること\n例)集団検診\n三次予防\n治療の過程において保健指導やリハビリテーション等による機能回復を図るなど、社会復帰を支援し、再発を予防すること\n例)在宅機能訓練"} +{"problem_id": "097019", "problem_text": "VDT(visual display terminal)作業従事者に多くみられる健康障害はどれか。1つ選べ。", "choices": ["熱中症", "職業性レイノー症候群", "頸肩腕症候群", "難聴", "潜函病"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "VDT(visual display terminal)作業従事者などに多くみられる健康傷害は、頸肩腕症候群である。頸肩腕症候群では症状として、頸部、肩、上腕部、手指に痛み、こわばり、しびれなどが現れる。"} +{"problem_id": "097020", "problem_text": "異物代謝において、メルカプツール酸生成に関与する酵素はどれか。1つ選べ。", "choices": ["カテコールO-メチルトランスフェラーゼ", "グルタチオンS-トランスフェラーゼ", "スルホトランスフェラーゼ", "ロダネーゼ", "UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "選択肢のうち、メルカプツール酸生成に関する酵素は、グルタチオンS-トランスフェラーゼである。構造中にエトポシドを有する異物は、グルタチオンS-トランスフェラーゼによりグルタチオン抱合体となり、その後、加水分解を受けシステイン抱合体となる。システイン抱合体はN-アセチルトランスフェラーゼによりメルカプツール酸となる。"} +{"problem_id": "097021", "problem_text": "癌抑制遺伝子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["src", "fos", "kit", "H-ras", "p53"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "癌抑制遺伝子とは、細胞の癌化を抑制する遺伝子であり、損傷したDNAの修復やアポトーシスを促し細胞増殖のコントロールなどに関与する。また、癌遺伝子とは、正常細胞の癌化を促す遺伝子であり、細胞の異常増殖や悪性化(癌化)などに関与する。"} +{"problem_id": "097022", "problem_text": "メタロチオネインの構成アミノ酸のうち、約1/3を占めるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["グリシン", "メチオニン", "トリプトファン", "システイン", "アルギニン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "メタロチオネインは、分子量約6000〜7000の低分子タンパク質であり、重金属に結合することでその毒性を抑制する。メタロチオネインの構成アミノ酸のうち、約1/3を占めるのはシステインである。なお、メタロチオネインには、芳香族アミノ酸(チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンなど)は含まれていない。"} +{"problem_id": "097023", "problem_text": "ジエチル-p-フェニレンジアミン(DPD)法による水道水中の残留塩素の測定において、DPDと速やかに反応して赤色を呈するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["HClO", "NH_{2}Cl", "NHCl_{2}", "NCl_{3}", "CHCl_{3}"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "DPD(ジエチル—p—フェニレンジアミン)法では、水道水中の残留塩素を測定することができる。DPD法において使用される試薬DPD(ジエチル—p—フェニレンジアミン)と速やかに反応するのは遊離残留塩素(HClO、ClO^{-})である。なお、KIを加えた後2分の間にDPDと反応するのは、結合残留塩素(クロラミン: NH_{2}Cl、NHCl_{2}、NCl_{3})である。"} +{"problem_id": "097024", "problem_text": "大気汚染に係る環境基準の項目として、設定されていないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["一酸化炭素", "二酸化硫黄", "浮遊粒子状物質", "二酸化窒素", "二酸化炭素"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "環境基本法により、大気汚染に係る環境基準が設定されている。その内訳を以下に示す。1.大気汚染に係る環境基準\n規制対象物質: 二酸化硫黄、一酸化炭素、浮遊粒子状物質、二酸化窒素、光化学オキシダント\n2.有害大気汚染物質に係る環境基準\n規制対象物質: ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン\n3.ダイオキシン類に係る環境基準\n規制対象物質: ダイオキシン類\n4.微小粒子状物質に係る環境基準\n規制対象物質: 微小粒子状物質"} +{"problem_id": "097025", "problem_text": "医療機関により廃棄される“血液の付着したガーゼ(未滅菌)”が該当する区分として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["産業廃棄物", "特別管理産業廃棄物", "事業系一般廃棄物", "家庭系一般廃棄物", "特別管理一般廃棄物"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "医療機関より廃棄される血液の付着したガーゼ(未滅菌)は、感染性を有する一般廃棄物である。上記より、医療機関より廃棄される血液の付着したガーゼ(未滅菌)は、特別管理一般廃棄物に該当する。"} +{"problem_id": "097026", "problem_text": "薬物の安全域の計算式はどれか。1つ選べ。", "choices": ["LD_{50}- ED_{50}", "ED_{50}- LD_{50}", "LD_{50}\\times ED_{50}", "ED_{50}/ LD_{50}", "LD_{50}/ ED_{50}"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬物の安全域とは、薬物の安全性を示す値であり、LD_{50}(50%致死量)/ ED_{50}(50%有効量)の比で計算される。安全域の大きい薬物ほど、LD_{50}に比べ、ED_{50}が小さいため安全に使用できる薬物である。参考\nLD_{50}: 投与した動物の半数が死亡する用量\nED_{50}: 投与した動物の半数に薬効が現れる用量"} +{"problem_id": "097027", "problem_text": "競合的アンタゴニストを加えることによりアゴニストの用量-反応曲線が矢印のように変化した。正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "アンタゴニストとは、生体内受容体に働き神経伝達物質やホルモンなどの働きを阻害する薬物のことである。競合的アンタゴニストを加えると、アゴニストと受容体の結合が競合的に阻害されるため、アゴニストの反応率は低下するが、アゴニストの量を増加させると、反応率が増加し最終的にはアゴニストの反応率は100%となる。このことより、競合的アンタゴニストを加えると、アゴニストの用量-反応曲線は高用量側にシフトする。"} +{"problem_id": "097028", "problem_text": "アトロピンの薬理作用として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["瞳孔括約筋収縮", "唾液分泌抑制", "消化管運動促進", "胃酸分泌促進", "子宮平滑筋収縮"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "アトロピンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することで抗コリン作用を示す。それにより、瞳孔括約筋弛緩、唾液分泌抑制、消化管運動抑制、胃酸分泌抑制、子宮平滑筋弛緩などの作用を示す。"} +{"problem_id": "097029", "problem_text": "終板の持続的脱分極により骨格筋弛緩作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["パンクロニウム", "ベクロニウム", "ダントロレン", "スキサメトニウム", "A型ボツリヌス毒素"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "終板の持続的脱分極により骨格筋弛緩作用を示すのは、スキサメトニウムである。1:誤\nパンクロニウム及びベクロニウムは、神経筋接合部のニコチン性アセチルコリン受容体(N_{M}受容体)を競合的に遮断することにより、骨格筋弛緩作用を示す。2:誤\n解説1参照\n3:誤\nダントロレンは、リアノジン受容体を遮断して横行小官から筋小胞体への興奮の伝達過程を遮断することで筋小胞体からのCa^{2+}の遊離を抑制し、骨格筋弛緩作用を示す。4:正\n5:誤\nA型ボツリヌス毒素は、運動神経終末からのアセチルコリンの遊離を抑制することにより、骨格筋弛緩作用を示す。"} +{"problem_id": "097030", "problem_text": "フェンタニルの鎮痛作用発現に関わる作用点はどれか。1つ選べ。", "choices": ["GABA_{A}受容体", "グルタミン酸NMDA受容体", "オピオイド\\micro受容体", "ドパミンD_{2}受容体", "電位依存性Na^{+}チャネル"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "フェンタニルは、合成麻薬性鎮痛薬であり、選択的にオピオイド\\micro受容体を刺激し上行性痛覚伝導路を遮断することで鎮痛作用を示す。"} +{"problem_id": "097031", "problem_text": "GABAトランスアミナーゼ阻害作用を有する抗てんかん薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["カルバマゼピン", "フェニトイン", "ジアゼパム", "エトスクシミド", "バルプロ酸"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nカルバマゼピン及びフェニトインは、脳神経細胞のNa^{+}チャネルを遮断し、抗てんかん作用を示す。2:誤\n解説1参照\n3:誤\nジアゼパムはベンゾジアゼピン系薬であり、ベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABA_{A}受容体機能を亢進する。それにより、脳内神経細胞内へのCl^{-}の流入を促進し、抗てんかん作用を示す。4:誤\nエトスクシミドは、T型Ca^{2+}チャネルを遮断し、抗てんかん作用を示す。5:正\nバルプロ酸は、GABAトランスアミナーゼを阻害することで、中枢内GABAの分解を抑制し、抗てんかん作用を示す。"} +{"problem_id": "097032", "problem_text": "ドブタミンの強心作用発現に関わる作用点はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\beta _{1}受容体", "アセチルコリンM_{2}受容体", "アデニル酸シクラーゼ", "プロテインキナーゼA", "ホスホジエステラーゼ"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "ドブタミンは、選択的にアドレナリン\\beta _{1}受容体を刺激し、強心作用を発現する。"} +{"problem_id": "097033", "problem_text": "L型Ca^{2+}チャネルを遮断することにより冠動脈拡張作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ニトログリセリン", "ジピリダモール", "アルプレノロール", "ジルチアゼム", "硝酸イソソルビド"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ジルチアゼムはCa^{2+}チャネル遮断薬であり、L型Ca^{2+}チャネルを遮断することで冠動脈拡張作用を示す。1:誤\nニトログリセリン及び硝酸イソソルビドは亜硝酸化合物であり、グアニル酸シクラーゼを活性化することで、冠動脈拡張作用を示す。2:誤\nジピリダモールは、ホスホジエステラーゼ阻害及び赤血球でのアデノシン再取り込みを阻害することで冠動脈拡張作用を示す。3:誤\nアルプレノロールは非選択的アドレナリン\\beta 受容体遮断薬であり、\\beta _{2}受容体を遮断することで冠動脈収縮作用を示す。4:正\n5:誤\n解説1参照"} +{"problem_id": "097034", "problem_text": "Na^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送系の抑制により利尿作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["チアジド系利尿薬", "ループ利尿薬", "カリウム保特性利尿薬", "浸透圧利尿薬", "炭酸脱水酵素阻害薬"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "Na^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送系の抑制により利尿作用を示すのは、ループ利尿薬である。1:誤\nチアジド系利尿薬は、遠位尿細管でNa^{+}-Cl^{-}共輸送系を抑制し、尿細管でのNa^{+}の再吸収を抑制することで利尿作用を示す。2:正\n3:誤\nカリウム保持性利尿薬は、遠位尿細管および集合管に存在するNa^{+}-K^{+}交換系を抑制し、尿細管でのNa^{+}の再吸収を抑制することで利尿作用を示す。4:誤\n浸透圧利尿薬は、尿細管の管腔内の浸透圧を上昇させることで利尿作用を示す。5:誤\n炭酸脱水酵素阻害薬は、近位尿細管において炭酸脱水酵素を阻害することにより、近位尿細管に存在するNa^{+}-H^{+}交換系を抑制し、尿細管でのNa^{+}の再吸収を抑制することで利尿作用を示す。"} +{"problem_id": "097035", "problem_text": "ムコタンパク質のジスルフィド結合(-S-S-)を切断して低分子化し、喀痰の粘度を低下させるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アンブロキソール", "ジヒドロコデイン", "アセチルシステイン", "ジモルホラミン", "ノスカピン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ムコタンパク質のジスルフィド結合(-S-S-)を切断して低分子化し、喀痰の粘度を低下させるのは、アセチルシステインである。1:誤\nアンブロキソールはブロムヘキシンの活性代謝物であり、肺サーファクタント分泌亢進作用などにより、去痰作用を示す。2:誤\nジヒドロコデインは麻薬性鎮咳薬であり、延髄の咳中枢を抑制することで鎮咳作用を示す。3:正\n4:誤\nジモルホラミンは延髄の呼吸中枢を直接刺激して、呼吸興奮作用を示す。5:誤\nノスカピンは非麻薬性鎮咳薬であり、延髄の咳中枢を抑制することで鎮咳作用を示す。"} +{"problem_id": "097036", "problem_text": "ヒスタミンH_{2}受容体遮断作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メトクロプラミド", "ファモチジン", "モサプリド", "スルピリド", "プログルミド"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ヒスタミンH_{2}受容体遮断作用を示すのは、ファモチジンである。1:誤\nメトクロプラミドは、ドパミンD_{2}受容体遮断作用を示す。2:正\n3:誤\nモサプリドは、セロトニン5-HT_{4}受容体刺激作用を示す。4:誤\nスルピリドは、ドパミンD_{2}受容体遮断薬作用を示す。5:誤\nプログルミドは、ガストリン受容体遮断作用を示す。"} +{"problem_id": "097037", "problem_text": "甲状腺ホルモン産生阻害作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["チアマゾール", "オキシトシン", "プロチレリン", "クロミフェン", "ソマトレリン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "甲状腺ホルモン産生阻害作用を示すのは、チアマゾールである。1:正\n2:誤\nオキシトシンは脳下垂体後葉ホルモンであり、律動的に子宮平滑筋を収縮させる。3:誤\nプロチレリンは甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)製剤であり、下垂体前葉を刺激して甲状腺刺激ホルモン(TSH)及びプロラクチン分泌を促進する。4:誤\nクロミフェンは抗エストロゲン薬であり、視床下部及び下垂体前葉のエストロゲン受容体を遮断し、性腺刺激ホルモン(Gn-RH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)の分泌を促進することで排卵を誘発する。5:誤\nソマトレリンは成長ホルモン放出促進ホルモン(GH-RH)製剤であり、成長ホルモン分泌促進作用を有する。"} +{"problem_id": "097038", "problem_text": "ヒスタミンH_{1}受容体遮断作用を持たないケミカルメディエーター遊離抑制薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["クロルフェニラミン", "プロメタジン", "クロモグリク酸", "ジフェンヒドラミン", "ケトチフェン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "クロモグリク酸は、ケミカルメディエーター遊離抑制薬であり、ケミカルメディエーターの遊離は抑制するが、ヒスタミンH_{1}受容体遮断作用は持たない。他の選択肢の薬物(クロルフェニラミン、プロメタジン、ジフェンヒドラミン、ケトチフェン)はヒスタミンH_{1}受容体遮断作用を持つ。"} +{"problem_id": "097039", "problem_text": "セファゾリンの抗菌作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["RNA合成阻害", "DNA複製阻害", "タンパク質合成阻害", "細胞膜合成阻害", "細胞壁合成阻害"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "セファゾリンはセフェム系抗生物質であり、細菌細胞壁を構成するペプチドグリカンの生合成に関与するトランスペプチダーゼと結合して、細菌細胞壁合成を阻害することで抗菌作用を示す。"} +{"problem_id": "097040", "problem_text": "DNAトポイソメラーゼIを阻害して抗悪性腫瘍作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ネダプラチン", "ブレオマイシン", "メルカプトプリン", "イリノテカン", "マイトマイシンC"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "DNAトポイソメラーゼIを阻害して抗悪性腫瘍作用を示すのは、イリノテカンである。1:誤\nネダプラチンは白金化合物であり、DNA二重鎖に架橋を形成することにより、DNA合成を阻害し、抗悪性腫瘍作用を示す。2:誤\nブレオマイシンは、細胞内で鉄(Fe^{2+})とキレートを形成し、酵素存在下でラジカルを発生させDNA鎖を切断することで、抗悪性腫瘍作用を示す。3:誤\nメルカプトプリンは、生体内でチオイノシン酸に変換され、イノシン酸に拮抗することでプリンヌクレオチドの生合成を抑制し、抗悪性腫瘍作用を示す。4:正\n5:誤\nマイトマイシンCは、DNAに架橋形成、フリーラジカルによるDNA鎖の切断を介して、DNA合成を阻害し、抗悪性腫瘍作用を示す。"} +{"problem_id": "097041", "problem_text": "経口投与された薬物が吸収される過程はどれか。1つ選べ。", "choices": ["小腸\\rightarrow 全身循環系\\rightarrow 肝臓\\rightarrow 門脈", "小腸\\rightarrow 門脈\\rightarrow 肝臓\\rightarrow 全身循環系", "小腸\\rightarrow 肝臓\\rightarrow 門脈\\rightarrow 全身循環系", "小腸\\rightarrow 全身循環系\\rightarrow 門脈\\rightarrow 肝臓", "小腸\\rightarrow 門脈\\rightarrow 全身循環系\\rightarrow 肝臓", "小腸\\rightarrow 肝臓\\rightarrow 全身循環系\\rightarrow 門脈"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "薬物が吸収されるとは、薬物が投与部位から全身循環血に移行することである。経口投与された薬物は、小腸粘膜を透過し、門脈を通じて肝臓に移行し、その後全身循環系に到達する。"} +{"problem_id": "097042", "problem_text": "薬物の生体膜透過機構のうち、トランスポーターを介するが、ATPの加水分解で産生されるエネルギーを必要としないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["単純拡散", "促進拡散", "一次性能動輸送", "二次性能動輸送", "膜動輸送"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "トランスポーターを介するが、ATPの加水分解で産生されるエネルギーを必要としないのは、促進拡散である。1:誤\n単純拡散は、トランスポーターを介さない生体膜透過機構であり、ATPの加水分解で産生されるエネルギーを必要としない。2:正\n3:誤\n一次性能動輸送及び二次性能動輸送は、トランスポーターを介し、ATPの加水分解で産生されるエネルギーを必要とする生体膜透過機構である。一次性能動輸送では、直接ATPの加水分解で産生されるエネルギーを利用し、二次性能動輸送では、間接的にATPの加水分解で産生されるエネルギーを利用する。4:誤\n解説3参照\n5:誤\n膜動輸送は、トランスポーターを介さないが、ATPの加水分解で産生されるエネルギーを必要とする生体膜透過機構である。"} +{"problem_id": "097043", "problem_text": "薬物の血漿タンパク結合の測定に際し、非結合形薬物を分離する方法として、一般的なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["溶媒抽出法", "塩析法", "再結晶法", "逆浸透法", "限外ろ過法"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬物の血漿タンパク結合の測定に際し、非結合形薬物を分離する方法として、一般的なのは限外ろ過法である。限外ろ過法では、薬物などの低分子化合物を通すが、タンパク質などの高分子化合物を通さない小孔を持つ限外ろ過膜を用いて、遠心分離により、結合形薬物と非結合形薬物を分離することで、薬物の血漿タンパク結合を測定することが可能である。"} +{"problem_id": "097044", "problem_text": "ヒトの肝臓において、薬物の酸化、還元、加水分解、抱合の全ての代謝反応が行われる細胞内小器官はどれか。1つ選べ。", "choices": ["核", "ゴルジ体", "小胞体", "ミトコンドリア", "リソソーム"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ヒトの肝臓において、薬物の酸化、還元、加水分解、抱合の全ての代謝反応が行われる細胞内小器官は小胞体である。肝細胞の小胞体では、シトクロムP450による酸化反応、NADPH-シトクロムP450還元酵素による還元反応、エステラーゼによる加水分解反応、UDP-グルクロン酸転移酵素による抱合反応など全ての代謝反応が行われている。"} +{"problem_id": "097045", "problem_text": "主として未変化体のまま体内から尿中に排泄されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ゲンタマイシン", "テオフィリン", "ニフェジピン", "フェニトイン", "リドカイン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "選択肢のうち、主として未変化体のまま体内から尿中に排泄される薬物(腎消失型薬物)は、ゲンタマイシンである。なお、他の選択肢の薬物(テオフィリン、ニフェジピン、フェニトイン、リドカイン)は、主として肝の代謝により消失する薬物である。"} +{"problem_id": "097046", "problem_text": "水酸化アルミニウムを含む制酸剤とともに経口投与すると、キレートを形成して吸収が低下するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["オメプラゾール", "ノルフロキサシン", "フェノバルビタール", "リボフラビン", "ワルファリン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ニューキノロン系薬物であるノルフロキサシンは、2価以上の金属イオン(Al^{3+}、Ca^{2+}、Mg^{2+}など)を含む薬剤と併用すると、キレートを形成し吸収が低下する。よって、水酸化アルミニウムを含む制酸剤とともに経口投与すると、キレートを形成して吸収が低下するのはノルフロキサシンである。"} +{"problem_id": "097047", "problem_text": "薬物を除去する能力を表すパラメーターで、血流速度と同じ単位をもつのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["分布容積", "消失半減期", "消失速度定", "血中濃度-時間曲線下面積", "クリアランス"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬物を除去する能力を表すパラメーターで、血流速度(単位: 容積/時間)と同じ単位をもつのは、クリアランス(単位: 容積/時間)である。"} +{"problem_id": "097048", "problem_text": "Fickの第一法則に従う膜透過において、薬物の透過速度と反比例するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ドナー側(高濃度側)の薬物濃度", "レシーバー側(低濃度側)の薬物濃度", "薬物の拡散係数", "膜の厚さ", "薬物の膜への分配係数"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "Fickの第一法則に従う薬物の透過速度と反比例するのは、膜の厚さである。なお、Fickの第一法則に従う薬物の透過速度と比例するのは、薬物の拡散係数、薬物の膜への分配係数、膜の表面積である。"} +{"problem_id": "097049", "problem_text": "o/w型エマルションの性質として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["水に滴下したとき、水表面で容易に広がる。", "スダンIIIを少量添加すると全体が着色される。", "w/o型エマルションよりも電気伝導度が小さい。", "半透膜を透過する。", "水を加えると粘度が増加する。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "エマルションとは内相及び外相が液体で構成されている乳剤であり、o/w型エマルションとは、内相が油、外相が水で構成されている乳剤のことである。1:正\no/w型エマルションは外相が水であるため、水になじみやすい。よって、o/w型エマルションに水に滴下したとき、水表面を容易に広がる。2:誤\nスダンIIIは、脂溶性色素である。そのため、o/w型エマルションにスダンIIIを少量添加すると内相であ��油が着色される。3:誤\n油に比べ、水の方が電気は流れやすい。そのため、o/w型エマルションは、w/o型エマルションよりも電気伝導性が大きい。4:誤\nコロイド粒子及び祖粒子(コロイドより大きい粒子)は半透膜と透過することができない。エマルション中に存在する分散媒の粒子はコロイド粒子及び粗大粒子であるため、o/w型エマルションは半透膜を透過できない。5:誤\nエマルションに内相を加えると粘度が上昇し、外相を加えると粘度は低下する。よって、o/w型エマルションに水を添加すると、粘度は低下する。"} +{"problem_id": "097050", "problem_text": "沈降法によって粒子径を求めるときに用いる式はどれか。1つ選べ。", "choices": ["コゼニーカーマン式", "ラングミュアー式", "BET式", "ストークス式", "ブラッグ式"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "沈降法によって粒子径を求めるときに用いる式は、ストークス式である。1:誤\nコゼニーカーマン式は、空気透過法で用いられる式である。コゼニーカーマン式によって、空気抵抗から粒子の比表面積を求めることができる。2:誤\nラングミュアー式及びBET式は、ガス吸着法で用いられる式である。ラングミュアー式及びBET式によって、単分子飽和吸着量を求めることができる。3:誤\n解説2参照\n4:正\n5:誤\nブラッグの式は、X線回折法で用いられる式である。"} +{"problem_id": "097051", "problem_text": "直接打錠用の結合剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["結晶セルロール", "ヒプロメロース", "ショ糖", "ポビドン", "ヒプロメロースフタル酸エステル"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "直接打錠用の結合剤として用いられるのは、結晶セルロースである。1:正\n2:誤\nヒプロメロースは、フィルムコーティング剤皮や湿式顆粒圧縮法の結合剤として用いられる。3:誤\nショ糖は、糖衣コーティング剤皮や賦形剤として用いられる。4:誤\nポビドンは、湿式顆粒圧縮法の結合剤として用いられる。5:誤\nヒプロメロースフタル酸エステルは、腸溶性コーティング剤として用いられる。"} +{"problem_id": "097052", "problem_text": "空気で吹き上げた原料粉体に結合剤溶液を噴霧して造粒する方法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["噴霧乾燥造粒法", "撹拌造粒法", "流動層造粒法", "押出し造粒法", "乾式造粒法"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "空気で吹き上げた原料粉体に結合剤溶液を噴霧して造粒する方法は、流動層造粒法である。1:誤\n噴霧乾燥造粒法は、熱風を送り込んだ装置内に医薬品溶液又は懸濁液とした原料をノズルより噴霧し、瞬時に溶媒を揮発させ、造粒する方法である。2:誤\n撹拌造粒法は、撹拌羽根により、試料を撹拌しながら注液ロートより結合剤を加え、造粒する方法である。3:正\n4:誤\n押出し造粒法は、液状の結合剤を加えた練合物をスクリーンから押し出し、造粒する方法である。5:誤\n乾式造粒法には、破砕造粒法がある。破砕造流法は、試料を圧縮ローラーでシート状に圧縮し、これを破砕機で粉砕することで造粒する方法である。"} +{"problem_id": "097053", "problem_text": "点眼剤に適用される日本薬局方一般試験法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルコール数測定法", "製剤均一性試験法", "エンドトキシン試験", "発熱性物質試験法", "無菌試験法"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "点眼剤に適用される日本薬局方一般試験法は、無菌試験法、点眼剤の不溶性異物検査法、点眼剤の不溶性微粒子試験法である。1:誤\nアルコール数測定法は、アルコール数を測定する試験であり、チンキ剤又はその他のエタノールを含む製剤に適用される。2:誤\n製剤均一性試験法は、個々の製剤間での有効成分含量の均一性の程度を示すための試験であり、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、用時溶解又は用時懸濁して用いる注射剤などに適用される。3:誤\nエンドトキシン試験法は、エンドトキシンを検出又は定量する試験であり、静脈投与に用いる注射剤及び注射剤を製するのに用いる水性溶剤、透析用剤(血液透析溶剤、腹膜透析溶剤)などに適用される。4:誤\n発熱性物質試験法は、発熱性物質の有無を調べる試験であり、静脈投与に用いる注射剤及び注射剤を製するのに用いる水性溶剤などに適用される。5:正"} +{"problem_id": "097054", "problem_text": "薬物の経口徐放性製剤化の目的として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬効の持続", "コンプライアンスの改善", "副作用の軽", "肝初回通過効果の回避", "血中濃度の急激な上昇の回避"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "徐放性製剤とは、製剤からの主薬の放出速度を穏やかにした製剤のことである。薬物を経口投与した場合、肝初回通過効果を必ず受けるため、経口投与製剤を徐放性にしても、肝初回通過効果を回避することはできない。"} +{"problem_id": "097055", "problem_text": "脂質二分子膜から成る微粒子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["リピッドマイクロスフェア", "リポソーム", "高分子ミセ", "デンドリマー", "シクロデキストリン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "脂質二分子膜から成る微粒子は、リポソームである。リポソームは細胞膜や生体膜の構成成分であるリン脂質を利用して作った小胞体である。1:誤\nリピッドマイクロスフェアは、大豆油をレシチンで乳化したo/w型エマルションである。2:正\n3:誤\n高分子ミセルは、界面活性剤の会合体(界面活性剤が複数、弱い分子間力によって集合した状態)である。4:誤\nデントリマーは、中心部(コア)から規則的に分岐した樹状の高分子である。5:誤\nシクロデキストリンは、D-グルコースが6〜8個環状に結合した包接化合物である。"} +{"problem_id": "097056", "problem_text": "肝細胞がんの腫瘍マーカーとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["AFP(\\alpha -fetoprotein)", "CA 19-9(carbohydrate antigen 19-9)", "PSA(prostate specific antigen)", "CYFRA 21-1(cytokeratin 19 fragment)", "SCC(squamous cell carcinoma related antigen)"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "肝細胞がんの際に陽性を示す腫瘍マーカーとして、AFPやPIVKA-IIがある。1:正\n2:誤\nCA 19-9は、消化器系がん(膵臓がん、胆道がん、大腸がん)の腫瘍マーカーである。3:誤\nPSAは、前立腺がんの腫瘍マーカーである。4:誤\nCYFRA 21-1は、非小細胞肺がんの腫瘍マーカーである。5:誤\nSCCは、子宮頸がんや食道がんなどの扁平上皮がんの際に陽性を示す腫瘍マーカーである。"} +{"problem_id": "097057", "problem_text": "高LDLコレステロール血症に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["食事直後に血清LDLコレステロール値が上昇する。", "血清がクリーム状である。", "LDL受容体機能不全が原因となる。", "冠動脈疾患の危険因子とはならない。", "甲状腺機能亢進症に合併する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "高LDLコレステロール血症は、II型脂質異常症であり、LDL受容体異常・欠損などの要因によって発症する。1:誤\n血清LDLコレステロール値は、食事の影響を受けにくいため、食事直後に血清LDLコレステロール値が上昇することはない。なお、食事直後に上昇するのは、血清トリグリセリド値である。2:誤\n高LDLコレステロール血症では、血清は透明になる。なお、血清がクリーム状になるのは、高キロミクロン血症(トリグリセリド含有率が高い状態)である。3:正\n4:誤\n高LDLコレステロール血症が持続すると、血管内膜に侵入したLDLが酸化変性することで動脈硬化の原因となることがある。そのため、高LDLコレステロール血症は狭心症などの冠動脈疾患の危険因子となる。5:誤\n甲状腺機能亢進症では、基礎代謝が亢進し、コレステロールの胆汁酸への異化が促進するため、低LDLコレステロール血症を誘発することがある。"} +{"problem_id": "097058", "problem_text": "インフルエンザの薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ザナミビル水和物は、B型の患者に有効である。", "アスピリンは、小児の解熱薬として推奨される。", "アマンタジン塩酸塩は、B型の患者に有効である。", "ニューキノロン系抗菌薬が第一選択薬である。", "オセルタミビルリン酸塩は、症状発現直後の使用では有効性がない。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "ザナミビル水和物は、ノイラミニダーゼ阻害薬であり、A型及びB型インフルエンザの治療及び予防に用いられる。1:正\n2:誤\nアスピリンをウイルス感染により発熱した小児(15歳未満)に使用した場合、ライ症候群を引き起こすとの報告例がある。そのため、アスピリンは15歳未満のインフルエンザ患者には原則投与しない。なお、インフルエンザに���ける小児の解熱薬としては、アセトアミノフェンが推奨される。3:誤\nアマンタジン塩酸塩のB型インフルエンザへの有効性は認められていない。なお、アマンタジンは、A型インフルエンザに有効である。4:誤\nインフルエンザはウイルス感染症であるため、ニューキノロン系抗菌薬は無効である。5:誤\nオセルタミビルリン酸塩は、症状発現後速やかに投与を開始することで有効性を示す(症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータが得られていない)。"} +{"problem_id": "097059", "problem_text": "アルツハイマー病の病態として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["急激に発症する。", "安静時振戦が現れる。", "まだら認知症を呈する。", "幻視がみられる。", "初期には短期記憶が障害される。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nアルツハイマー病では、認知障害などの症状が緩徐に発症する。2:誤\nアルツハイマー病では、安静時振戦が認められることはない。なお、安静時振戦はパーキンソン病で多くみられる症状である。3:誤\nアルツハイマー病では、まだら認知症を呈することはない。なお、まだら認知症は、脳血管性認知症でみられる症状であり、脳の血流の状態の善し悪しによって、同じ事をしてもできる時と、できない時が繰り返し起きたりする。4:誤\nアルツハイマー病では、幻視がみられることはない。なお、幻視がみられるのは、主にレビー小体型認知症である。5:正\nアルツハイマー病は、初期には短期記憶の障害などの精神神経症状があらわれ、後期には無言や寝たきりなどの運動症状を呈する。"} +{"problem_id": "097060", "problem_text": "次の抗うつ薬のうち、緑内障を合併している患者に使用できるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イミプラミン塩酸塩", "アミトリプチリン塩酸塩", "フルボキサミンマレイン酸塩", "アモキサピン", "マプロチリン塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢の抗うつ薬のうち、緑内障を合併している患者に使用できるのは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)であるフルボキサミンマレイン酸塩である。なお、イミプラミン塩酸塩、アミトリプチリン塩酸塩、アモキサピンのような三環系抗うつ薬やマプロチリン塩酸塩のような四環系抗うつ薬は、抗コリン作用を有するため、(閉塞隅角)緑内障を合併している患者に使用することはできない(投与禁忌)。"} +{"problem_id": "097061", "problem_text": "関節リウマチの治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["セツキシマブ", "インフリキシマブ", "トラスツズマブ", "ベバシズマブ", "ゲフィチニブ"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "選択肢のうち、関節リウマチの治療薬は、インフリキシマブである。インフルキシマブ以外に関節リウマチに用いられる分子標的薬として、エタネルセプト、アダリムマブ、ゴリムマブ、トシリズマブ、アバタセプトなどがある。1:誤\nセツキシマブは、EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんに用いられる。2:正\n3:誤\nトラスツズマブは、HER2過剰発現が確認された乳がんや転移性乳がん、治癒切除不能な進行・再発の胃がんなどに用いられる。4:誤\nベバシズマブは、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんや手術不能又は再発乳癌に用いられる。5:誤\nゲフィチニブは、非小細胞肺がんに用いられる。"} +{"problem_id": "097062", "problem_text": "統合失調症の陽性症状はどれか。1つ選べ。", "choices": ["思考の貧困", "自閉", "妄想", "意欲の低下", "感情の平板化"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "統合失調症の陽性症状では、本来ないものをあると思い込むなどの症状(幻覚や妄想など)がみられる。なお、統合失調症の陰性症状では、本来あるものが欠如している症状(思考の貧困、自閉、意欲低下、感情の平板化など)がみられる。"} +{"problem_id": "097063", "problem_text": "糖尿病患者で心不全を併発した場合に禁忌となる医薬品はどれか。1つ選べ。", "choices": ["グリメピリド", "ナテグリニド", "ボグリボース", "ピオグリタゾン塩酸塩", "アログリプチン安息香酸塩"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "糖尿病患者で心不全を併発した場合に禁忌となる医薬品はピオグリタゾン塩酸塩である。ピオグリタゾン塩酸塩はインスリン抵抗性改善薬であり、動物試験において循環血漿量の増加に伴う代償性の変化と考えられる心重量の増加がみられており、また、臨床的にも心不全を憎悪あるいは発症したとの報告がある。"} +{"problem_id": "097064", "problem_text": "糖尿病の三大合併症に該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["結膜炎", "角膜炎", "黄斑変性症", "網膜症", "緑内障"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "長時間高血糖状態が持続すると、ソルビトールの産生亢進などにより、細小血管障害が生じる。この細小血管障害により糖尿病の三大合併症である腎症、網膜症、末梢神経障害が認められる。"} +{"problem_id": "097065", "problem_text": "癌化学療法において、制吐に用いられる医薬品として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ブロモクリプチンメシル酸塩", "ランソプラゾール", "ラニチジン塩酸", "スクラルファート水和物", "アプレピタント"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "癌化学療法において、制吐に用いられる医薬品は、アプレピタントである。アプレピタントは、ニューロキニン1(NK_{1})受容体遮断薬であり、癌化学療法による嘔吐に対して、5-HT_{3}受容体遮断薬及デキサメタゾンと併用される。1:誤\nブロモクリプチンメシル酸塩は、パーキンソン病の治療に用いられる。2:誤\nランソプラゾールは、消化性潰瘍の治療に用いられる。3:誤\nラニチジン塩酸塩は、消化性潰瘍の治療に用いられる。4:誤\nスクラルファート水和物は、消化性潰瘍の治療に用いられる。5:正"} +{"problem_id": "097066", "problem_text": "医薬品の妊婦に対する投与の可否を検討する資料として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["lndex Medicus", "Drug lnteraction Facts", "Drugs in Pregnancy and Lactation", "Meyler's Side Effects of Drugs", "Goodman&Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "医薬品の妊婦に対する投与の可否を検討する際用いる資料は、Drugs in Pregnancy and Lactationである。1:誤\nlndex Medicusは、米国国立医学図書館が作製・発行している医学・薬学・看護学・毒性に関する資料(二次資料)である。2:誤\nDrug lnteraction Factsは、医薬品の相互作用をまとめた三次資料である。3:正\n4:誤\nMeyler's Side Effects of Drugsは、医薬品の副作用をまとめた三次資料である。5:誤\nGoodman&Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeuticsは、薬理学に関する情報をまとめた三次資料である。"} +{"problem_id": "097067", "problem_text": "医薬品の安定性に関して最も詳細な情報が得られるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医療用医薬品添付文書", "Drug Safety update", "医療用医薬品製品情報概", "医薬品・医療機器等安全性情報", "医薬品インタビューフォーム"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "医薬品の安定性に関して最も詳細な情報が得られるのは、医薬品インタビューフォームである。医薬品インタビューフォームは、添付文書の補完と医薬品の適正使用や評価のための裏付けとなる情報などが集約された総合的な医薬品の解説書である。1:誤\n医療用医薬品添付文書は、医療用医薬品の警告、禁忌、効能・効果、用法・用量、相互作用、副作用などが記載されている。2:誤\nDrug Safety update(DSU: 医薬品安全対策情報)は、医療用医薬品添付文書の「使用上の注意」の改訂内容についてまとめた資料である。3:誤\n医療用医薬品製品情報概要は、医薬品の普及と適正使用の推奨を目的として、製薬企業が作製する資料である。4:誤\n医薬品・医療機器等安全性情報は、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度によって集約された情報のうち、重要な副作用について記載されている資料である。5:正"} +{"problem_id": "097068", "problem_text": "問題志向型システム(POS)の説明として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方設計支援システムの一部である。", "EBMで問題点を定式化する際の手法の1つである。", "服薬遵守のための方法論である。", "患者の抱える医療上の問題に焦点をあてる問題解決法である。", "臨床研究の計画を決定するために必要な手法である。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "問題志向型システム(POS: Problem Oriented System)とは、患者の医療上における問題点に焦点をあてて、最も良い方法で解決していくシステムのことである。"} +{"problem_id": "097069", "problem_text": "遺伝子多型がワルファリンの薬効に最も影響する薬物代謝酵素はどれか。1つ選べ。", "choices": ["CYP1A2", "CYP2C9", "CYP2C19", "CYP2D6", "CYP3A4"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "CYPの分子種の中で、遺伝子多型が確認されているものとして、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6がある。ワルファリンの主な代謝酵素はCYP2C9であることから、遺伝子多型がワルファリンの薬効の最も影響する代謝酵素はCYP2C9である。"} +{"problem_id": "097070", "problem_text": "加齢に伴い増大するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["肺活量", "体脂肪率", "腎血漿流量", "胃酸分泌量", "血漿中アルブミン濃度"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "加齢に伴い増大するのは、体脂肪率である。なお、肺活量、腎血漿流量、胃酸分泌量、血漿中アルブミン濃度は加齢に伴って低下する。"} +{"problem_id": "097071", "problem_text": "薬剤師が倫理的に配慮すべき事項として、ふさわしくないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["職務上知り得た患者の秘密を守る。", "薬剤師職能間の相互協調に努める。", "医薬品の安全性の確保に努める。", "地域医療の向上のための施策に協力する。", "社会全体の医薬品消費量の増加を促す。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬剤師が倫理的に配慮すべき事項は、日本病院薬剤師会が定めた「日本倫理規定」に制定されている。1:ふさわしい\n薬剤師倫理規定第9条「秘密の保持」に、薬剤師は、職務上知り得た患者等の秘密を、正当な理由なく漏らさないと規定されている。2:ふさわしい\n薬剤師倫理規定第8条「職能間の協調」に、薬剤師は、広範にわたる薬剤師職能間の相互協調に努めるとともに他の関係職能を持つ人々と協力して社会に貢献すると規定されている。3:ふさわしい\n薬剤師倫理規定第6条「医薬品の安全性等の確保」に、薬剤師は、常に医薬品の品質、有効性及び安全性の確保に努める。また、医薬品が適正に使用されるよう、調剤及び医薬品の供給に当たり患者等に十分な説明を行うと規定されている。4:ふさわしい\n薬剤師倫理規定第7条「地域医療への貢献」に、薬剤師は、地域医療向上のための施策について、常に率先してその推進に努めると規定されている。5:ふさわしくない"} +{"problem_id": "097072", "problem_text": "薬剤師のみが資格要件を満たすのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬局の管理者", "店舗販売業の店舗管理者", "医薬部外品製造販売業の総括製造販売責任者", "生物由来製品の製造管理者", "麻薬管理者"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "薬剤師のみが資格要件を満たすのは、薬局の管理者である。1:正\n2:誤\n店舗販売業の店舗管理者の資格要件は、薬剤師又は登録販売者である。3:誤\n医薬部外品製造販売業の総括製造販売責任者の資格要件は、厚生労働省令で定める基準に該当する者(薬剤師、大学等で薬学又は化学に関する専門課程を修了した後、旧制中学又は高校等で薬学又は化学に関する専門課程を修了した後、医薬品又は医薬部外品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に3年以上従事した者等)である。4:誤\n生物由来製品の製造管理者の資格要件は、厚生労働大臣の承認を受けた製造業者、又は厚生労働大臣の承認を受けた者である。5:誤\n麻薬管理者の資格要件は、医師、歯科医師、獣医師又は薬剤師である。"} +{"problem_id": "097073", "problem_text": "薬剤師免許の絶対的欠格事由に該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["成年被後見人", "視覚障害者", "精神機能障害", "麻薬中毒者", "罰金以上の刑に処せられた者"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "選択肢のうち、薬剤師免許の絶対的欠格事由に該当するのは、成年被後見人である。以下に、薬剤師免許の絶対的欠格事由及び相対的欠格事由についてまとめる。<薬剤師免許の絶対的欠格事由: 免許を与えない基準>\n未成年者、成年被後見人、被保佐人\n<薬剤師免許の相対的欠格事由: 免許を与えないことがある基準>\n心身の障害により薬剤師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの\n麻薬、大麻又はあへんの中毒者\n罰金以上の刑に処された者\n薬事に関し犯罪又は不正の行為があった者\n補足\n2019年12月の薬剤師法改正により、成年被後見人又は被保佐人は、薬剤師免許の絶���的欠格事由ではなくなった"} +{"problem_id": "097074", "problem_text": "医療法に基づく医療の基本理念に含まれていないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["生命の尊重", "個人の尊厳の保持", "相互信頼", "包括医療", "安楽死"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "医療法に基づく医療の基本理念に含まれていないのは、「安楽死」である。安楽死とは、助かる見込みがない病人を本人の希望に従って、苦痛のない方法で医師などが消極的あるいは積極的手段により死なせることである。"} +{"problem_id": "097075", "problem_text": "医療法に規定される病院の病床の種別に該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["精神病床", "感染症病床", "救急病床", "療養病床", "一般病床"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "医療法に規定される病院の病床の種別に該当しないのは、「救急病床」である。他の選択肢、「精神病床」「感染症病床」「療養病床」「一般病床」は以下のように医療法に規定されている。①精神病床\n病院の病床のうち、精神疾患を有する者を入院させるためのもの\n②感染症病床\n病院の病床のうち、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に規定する一類感染症、二類感染症(結核を除く。)、新型インフルエンザ等感染症及び指定感染症の患者並びに新感染症の所見がある者を入院させるためのもの\n③結核病床\n病院の病床のうち、結核の患者を入院させるためのもの\n④療養病床\n病院又は診療所の病床のうち、①〜③に掲げる病床以外の病床であって、主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるためのもの\n⑤一般病床\n病院又は診療所の病床のうち、①〜④に掲げる病床以外のもの"} +{"problem_id": "097076", "problem_text": "サリドマイドによって引き起こされた薬害で問題となった有害事象はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アザラシ肢症", "亜急性脊髄視神経症", "劇症肝炎", "無類粒球症", "アナフィラキシーショック"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "サリドマイドによって引き起された薬害で問題となった有害事象は、「アザラシ肢症」である。妊娠初期の妊婦が睡眠薬としてサリドマイドを服用することにより、手足の長骨の欠損や高度の発育不全により手足が著しく短縮した状態で生まれるアザラシ肢症が多発した。なお、「亜急性脊髄視神経症(スモン)」は整腸剤のキノホルムによって引き起された薬害である。"} +{"problem_id": "097077", "problem_text": "地域保険はどれか。1つ選べ。", "choices": ["組合管掌健康保険", "国民健康保険", "国家公務員共済組", "船員保険", "全国健康保険協会管掌健康保険"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "地域保険に該当するのは、「国民健康保険」である。医療保険は、職域保険と地域保険に大別されており、その概要を以下に示す。<職域保険>\n全国健康保険協会管掌健康保険、組合管掌健康保険、国家公務員共済組合、地域公務員共済組合、私学教職員共済組合、船員保険\n<地域保険>\n国民健康保険"} +{"problem_id": "097078", "problem_text": "地域薬局の役割に該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["セルフメディケーションの支援", "医薬品の販売", "調剤", "地域住民の健康診断", "在宅医療への参画"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "地域薬局の役割に該当しないのは、「地域住民の健康診断」である。地域住民の健康診断は、市町村保健センターや病院等で行われるものである。地域薬局の役割には、調剤、医薬品の販売、医薬品の適正使用の推進、休日・夜間医療活動、災害時の活動、薬物乱用防止の推進、在宅医療・居宅医療への参画、一般用医薬品の販売、健康相談によるセルフメディケーションの支援などがある。"} +{"problem_id": "097079", "problem_text": "治験審査委員会に必須の構成員はどれか。1つ選べ。", "choices": ["治験実施医療機関の長", "治験責任医師", "治験依頼者の代表", "医学・薬学等の専門的知識を有する者以外の者", "治験薬管理者"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、治験審査委員会に必須の構成員は、「医学・薬学等の専門的知識を有する者以外の者」である。治験審査委員会の構成員には、「医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者以外の者」以外に「��施医療機関と利害関係を有しない者」「治験審査委員会の設置者と利害関係を有しない者」を含む必要がある。なお、実施医療機関の長や治験責任医師、治験薬管理者などの治験チーム及び治験依頼者(関係者を含む)は、治験審査委員会の構成員にはなれない。"} +{"problem_id": "097080", "problem_text": "インフォームド・コンセントの目的として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医療過誤の責任を回避する。", "提供する医療について患者の同意を得る。", "提供される医療について患者が理解する。", "患者の自己決定権を尊重する。", "患者の知る権利を尊重する。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "インフォームド・コンセントとは、医療行為(投薬・手術・検査など)や治験などの対象者(患者や被験者)が、治験や臨床試験・治験内容についてよく説明を受け十分理解した上で、対象者が自らの自由意思に基づいて医療従事者との方針において同意することである。インフォームド・コンセントは、医療過誤の責任を回避するために行うものではない。"} +{"problem_id": "097081", "problem_text": "文中の [::] に入る適切な語句はどれか。1つ選べ。世界保健機関(WHO)は、「ファーマシューティカルケアとは、薬剤師の活動の中心 に [:::]を据える行動哲学である。ファーマシューティカルケアは、患者の保健及び生活の質の向上のため、明確な治療効果を達成するとの目標をもって、薬物療法を施す際の、薬剤師の姿勢、行動、関与、倫理、機能、知識、責務ならびに技能に焦点を当てるものである」と定めている。", "choices": ["国民医療の経済性", "国際保健への貢献", "無報酬での奉仕", "薬剤師の権利", "患者の利益"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "世界保健機関(WHO)はファーマシューティカルケアを以下のように定義している。「ファーマシューティカルケアとは、薬剤師の活動の中心に [患者の利益] を据える行動哲学である。ファーマシューティカルケアは、患者の保健及び生活の質の向上のため、明確な治療効果を達成するとの目標をもって、薬物療法を施す際の、薬剤師の姿勢、行動、関与、倫理、機能、知識、責務ならびに技能に焦点を当てるものである」"} +{"problem_id": "097082", "problem_text": "文中の [ ::: ] に入る適切な語句はどれか。1つ選べ。チーム医療とは「多種多様な医療スタッフが、[ :::] を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」と一般的に理解されている。", "choices": ["業務負担の軽減", "医師への依存", "人件費の削減", "各々の高い専門性", "医行為の規制緩和"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "チーム医療とは、医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師、栄養士などの多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供することである。"} +{"problem_id": "097083", "problem_text": "腎機能が低下した患者へ投与する際、減量の必要性が少ないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルベカシン硫酸塩", "メロペネム水和物", "レボフロキサシン水和物", "セファゾリンナトリウム水和物", "アジスロマイシン水和物"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "アジスロマイシン水和物は主に胆汁中排泄、消化管分泌により消失するため、腎機能が低下している場合でも減量する必要はない。なお、アルベカシン硫酸塩、メロペネム水和物、レボフロキサシン水和物、セファゾリンナトリウム水和物は腎消失型薬物であるため、腎機能が低下した患者へ投与する際、減量する必要がある。"} +{"problem_id": "097084", "problem_text": "保険薬局において、調剤を行う上で疑義照会が不要な場合はどれか。1つ選べ。", "choices": ["賦形剤の使用が必要と考えられた。", "医薬品の規格が特定できなかった。", "併用禁忌の組合せを発見した。", "医薬品名が略号で記載されていた。", "用量の記載が抜けていた。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "保健薬局において、調剤を行う上で疑義照会が不要なのは、賦形剤の使用が必要と考えられた場合である。なお、保健薬局において、疑義照会せず、薬剤師の判断で行うことができることとして、調剤学上当然の措置があげられる。<調剤学上当然の措置>\n・添加剤(賦形剤、保存剤、安定化剤、溶解補助剤、等張化剤など)を使用する\n・組合せ剤の調製"} +{"problem_id": "097085", "problem_text": "横紋筋融解症が現れやすくなるので、シンバスタチンとの併用が禁忌とされているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["コレスチラミン", "ハロペリドール", "イトラコナゾール", "プロプラノロール塩酸塩", "葛根湯"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "横紋筋融解症が現れやすくなるので、シンバスタチンとの併用が禁忌とされているのは、イトラコナゾールである。シンバスタチンとイトラコナゾールを併用すると、イトラコナゾールのCYP3A4阻害作用により、シンバスタチンの代謝が抑制される。それにより、シンバスタチンの血中濃度が上昇することで副作用である横紋筋融解症が現れやすくなるため、両者は併用禁忌である。"} +{"problem_id": "097086", "problem_text": "文中の【 ::: 】に入る適切な語句はどれか。1つ選べ。患者から医薬品を使用後に重篤な副作用が現れたとの訴えがあった。添付文書に記載されていない症状であったため、【 ::: 】に基づき薬剤師から厚生労働大臣に状況を報告した。", "choices": ["日本薬局方", "再審査制度", "医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)", "医薬品・医療機器等安全性情報報告制度", "プレアボイド報告"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "医師、歯科医師、薬剤師その他医療関係者は、医薬品を使用した患者に重篤な副作用が現れた際に、必要があると認められる場合には、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に基づき、その旨を厚生労働大臣に報告する。"} +{"problem_id": "097087", "problem_text": "病院の薬剤部門を構成する各セクション(室)の中で、薬剤管理指導料の施設基準として、必要なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["調剤室", "製剤室", "医薬品情報管理室", "薬務室", "試験室"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "病院の薬剤部門を構成する各セクション(室)の中で、薬剤管理指導料の施設基準として、必要なのは医薬品情報管理室である。薬剤管理指導料を算定するためには、厚生労働大臣の定める施設基準に適合する必要がある。【薬剤管理指導に関する施設基準】\n当該保険医療機関に常勤の薬剤師が、2人以上配置されているとともに、薬剤管理指導に必要な体制がとられていること\n医薬品情報の収集及び伝達を行うための専用施設(医薬品情報管理室)を有し、常勤の薬剤師が1人以上配置されていること\n医薬品情報管理室の薬剤師が、有効性、安全性等薬学的情報の管理及び医師等に対する情報提供を行っていること\n当該保険医療機関の薬剤師は、入院中の患者ごとに薬剤管理指導記録を作成し、投薬又は注射に際して必要な薬学的管理指導を行い、必要事項を記入するとともに、当該記録に基づく適切な患者指導を行っていること:等"} +{"problem_id": "097088", "problem_text": "病院において使用記録を20年間保存しなければならないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["麻薬", "腫瘍用薬", "放射性医薬品", "血液製剤類", "ワクチン類"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "病院において使用記録を20年間保存しなければならないのは、血液製剤類である。血液製剤類は、特定生物由来製品に指定されている。病院において特定生物由来製品を使用した場合は、その使用記録を特定生物由来製品管理簿に記入し、その使用した日から起算して少なくとも20年間保存しなければならない。"} +{"problem_id": "097089", "problem_text": "医薬品の保存条件や使用期限に関して、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["冷所は、特に規定がなければ1〜15^{\\circ} Cを示す。", "常温は、15〜30^{\\circ} Cを示す。", "室温は、1〜30^{\\circ} Cを示す。", "使用期限は、適切な保存条件下で未開封での期限を示す。", "医薬品の保存にふさわしい相対湿度は、45〜55%程度とされている。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n2:誤っている\n常温とは、15〜25^{\\circ} Cを示す。3:正しい\n4:正しい\n使用期限は、適切な条件下において未開封の状態で保存された医薬品の成分、性状、品質を保証した期間のことである。5:正しい\n一般に、医薬��の保存にふさわしい相対湿度は、45〜55%程度が望ましいとされている。"} +{"problem_id": "097090", "problem_text": "一般用医薬品の第1類医薬品の取扱いとして、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["第2類医薬品と区別して陳列した。", "医薬品を購入しようとする人の手が直接触れられない場所に陳列した。", "医薬品を購入しようとする人からの相談に薬剤師が対応した。", "医薬品を購入しようとする人に、その医薬品の情報を記載した書面を用いずに説明した。", "現在使用している医療用医薬品との重複がないか確認した。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n一般用医薬品を陳列する場合には、区分(第1類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品)ごとに分け、陳列する必要がある。2:正しい\n第1類医薬品は、事故防止の観点から購入者の直接手の触れられない場所に陳列する必要がある。3:正しい\n第1類医薬品を購入しようとする人から相談があった場合は、薬剤師が対応する必要がある。4:誤っている\n第1類医薬品を購入しようとする人に、その医薬品について説明する場合には、その医薬品の情報が記載された書面を用いて説明する必要がある。5:正しい\n区分に関係なく、一般用医薬品を販売する際には、使用中の医療用医薬品と重複投与がないか確認する必要がある。"} +{"problem_id": "097091", "problem_text": "放射線及び放射能に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["娘核種の半減期が親核種の半減期よりも十分長い場合には、放射平衡を利用したミルキングにより娘核種を得ることができる。", "軌道電子捕獲では、中性子が放出される。", "NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメーターは、\\gamma 線のエネルギーを測定し、\\gamma 線放射核種の推定に利用される。", "\\gamma 転移では、原子番号1が減少するが、質量数は変化しない。", "\\gamma 線は、\\alpha 線及び\\beta 線に比べ透過性が高い。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nミルキングとは、放射平衡において親核種から娘核種を分離する操作のことであり、親核種の半減期が娘核種の半減期よりも十分長い場合に、ミルキングにより娘核種を得ることができる。2:誤\n軌道電子捕獲(EC)とは、陽電子過剰核種が軌道電子を取り込んで、陽子1個を中性子1個に変換する壊変のことである。軌道電子捕獲に従って放出されるのは、中性微子(ニュートリノ)であり、中性子ではない。3:正\nNaI(Tl)シンチレーションスペクトロメーターは、\\gamma 線により励起された原子が基底状態に戻る際に放出する蛍光のエネルギースペクトルを測定し、\\gamma 線放出核種の推定に利用される。4:誤\n\\gamma 転移では、電磁波が放出され、その娘核種の原子番号及び質量数は共に変化しない。5:正"} +{"problem_id": "097092", "problem_text": "次の化学反応式に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、\\Delta H^{0}はアンモニアの標準生成エンタルピーであり、(g)は気体状態を示す。", "choices": ["反応が平衡状態にあるとき、温度を低下させると反応は右方向に進行する。", "反応が平衡状態にあるとき、圧力をかけると反応は左方向に進行する。", "触媒の添加により、反応の生成エンタルピーを低下させることができる。", "温度を変化させて、ファントホッフプロットを行うと、右上がりの直線性のプロットが得られる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nアンモニアの標準生成エンタルピーが「-46.1 kJmol^{-1}」であることから、アンモニアの生成(右向きの反応)は発熱反応であるといえる。反応が平衡状態にあるとき、温度を低下させると発熱反応が進行する。これらのことから、反応が平衡状態にあるとき、温度を低下させると反応は右方向に進行する。2:誤\n反応が平衡状態にあるとき、圧力をかけると気体分子が減少する方向に反応が進行する。このことから、反応が平衡状態にあるとき、圧力をかけると反応は右方向に進行する。*本反応では、水素分子と窒素分子の結合反応であり、反応が右側に進行すると気体分子は減少する。3:誤\n触媒の添加により、活性化エネルギーを低下させることができるが、反応の生成エンタルピーを低下させることはできない。4:正\nファントホッフプロッ��(縦軸: 平衡定数の対数、横軸: 温度の逆数)の傾きは-\\Delta H^{0}/Rであり、発熱反応では\\Delta H^{0}が負の値を示すため、右上がりの直線性のプロットが得られる。"} +{"problem_id": "097093", "problem_text": "図は、3種類の電解質(NaOH,CH_{3}COOH,NaCl)溶液のモル伝導率(Λ)と濃度(c)の平方根との関係を示している。図中のa〜cと電解質の正しい組合せはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "NaCl、NaOHは強電解質であり、強電解質を含む溶液のモル電気伝導率は濃度の平方根に対してほぼ直線的に減少する。CH_{3}COOHは弱電解質であり、弱電解質を含む溶液のモル電気伝導率は濃度の平方根に対して急激に減少する。上記のことから、cは、弱電解質(CH_{3}COOH)を含む溶液のモル電気伝導率であるといえる。NaOHとNaClを含む溶液のモル電気伝導率については、解離して生成する陽イオン(Na^{+})によるモル電気伝導率は同じであるが、解離して生成する陰イオン(OH^{-}、Cl^{-})によるモル電気伝導率は異なる。他の陰イオンよりも、OH^{-}によるモル電気伝導率の方が大きいため、NaClを含む溶液よりも、NaOHを含む溶液のモル電気伝導率の方が大きい。したがって、aは強電解質(NaOH)を含む溶液のモル電気伝導率Λであり、bは強電解質(NaCl)を含む溶液のモル電気伝導率Λであるといえる。"} +{"problem_id": "097094", "problem_text": "反応A\\rightarrow Bは、反応物Aの濃度Cに関して2次反応である。この反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、反応物Aの初濃度をC_{0}、反応速度定数をk、半減期をt_{1/2}とする。", "choices": ["圧力、温度が一定ならば、C_{0}が変化してもkは一定である。", "C_{0}が2倍になれば、反応速度は2倍になる。", "C_{0}が2倍になれば、t_{1/2}は1/2になる。", "濃度の逆数1/Cを反応時間に対してプロットすると、傾きが(ln2)/kの直線が得られる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n反応次数に関わらず、圧力、温度が一定の条件下において、反応速度定数kはC_{0}の変化の影響を受けず一定である。2:誤\n2次反応では、反応速度は濃度の2乗に比例する。そのため、C_{0}が2倍になれば、反応初速度は4倍になる。3:正\n2次反応では、半減期t_{1/2}はC_{0}に反比例する。そのため、C_{0}が2倍になれば、半減期t_{1/2}は1/2倍になる。4:誤\n2次反応において、濃度の逆数1/Cを反応時間に対してプロットすると、傾きが反応速度定数kの右上がりの直線が得られる。"} +{"problem_id": "097095", "problem_text": "日本薬局方フェニレフリン塩酸塩の定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。本品を乾燥し、その約0.1gを精密に量り、ヨウ素瓶に入れ、水40 mLに溶かし、0.05 mo1/L臭素液50 mLを正確に加える。更に塩酸5 mLを加えて直ちに密栓し、振り混ぜた後、15分間放置する。次にヨウ化カリウム試液10 mLを注意して加え、直ちに密栓してよく振り混ぜた後、5分間放置し、遊離したヨウ素を0.1 molチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬: デンプン試液1 mL)。同様の方法で空試験を行う。", "choices": ["本品1モルに対して、3モルの臭素が反応する。", "臭素1モルに対して、3モルのヨウ化カリウムが反応する。", "ヨウ素1モルに対して、1モルのチオ硫酸ナトリウムが反応する。", "チオ硫酸ナトリウム液による滴定は、中和滴定である。", "チオ硫酸ナトリウム液の滴定量は、空試験の方が多くなる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "本問は、酸化還元滴定による日本薬局方フェニレフリン塩酸塩の定量法に関する問題である。1:正\nフェニレフリン塩酸塩1モルに対して、3モルの臭素が反応する。2:誤\n臭素1モルに対して、2モルのヨウ化カリウムが反応する。Br_{2}+2KI:\\rightarrow I_{2}+2KBr\n3:誤\nヨウ素1モルに対して、2モルのチオ硫酸ナトリウムが反応する。I_{2}+2Na_{2}S_{2}O_{3}\\rightarrow 2NaI+Na_{2}S_{4}O_{6}\n4:誤\nチオ硫酸ナトリウム液による滴定は、酸化還元滴定である。5:正\n空試験では、フェニレフリン塩酸塩が含まれておらず、臭素が多く存在する。その溶液にヨウ化カリウムを添加すると、多くのヨウ素が遊離されるため、本試験より空試験の方がチオ硫酸ナトリウム液の滴定量が多くなる。"} +{"problem_id": "097096", "problem_text": "医薬品分析法のバリデーションに関��る記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["「真度」とは、均質な検体から採取した複数の試料を繰り返し分析して得られる一連の測定値が、互いに一致する程度のことである。", "「特異性」とは、試料中に共存すると考えられる物質の存在下で、分析対象物を正確に測定する能力のことである。", "「検出限界」とは、試料中に含まれる分析対象物の定量が可能な最低の量又は濃度のことである。", "「直線性」とは、分析対象物の量又は濃度に対して直線関係にある測定値を与える分析法の能力のことである。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "分析法バリデーションとは、医薬品の試験法に用いる分析法が、分析法を使用する意図に合致していること、すなわち、分析法の誤差が原因で生じる試験の誤りの確率が許容できる程度であることを科学的に立証することである。1:誤\n「真度」とは、真の値からの偏りの程度のことであり、真の値と測定値の総平均との差で表される。なお、均質な検体から採取した複数の試料を繰り返し分析して得られる一連の測定値が、互いに一致する程度のことを「精度」という。2:正\n「特異性」とは、試料中に共存すると考えられる物質(不純物、分解産物、配合成分など)の存在下で、分析対象物を正確に測定する能力のことで、分析法の識別能力を表す。3:誤\n「検出限界」とは、試料に含まれる分析対象物の検出可能な最低の量又は濃度のことである。なお、試料中に含まれる分析対象物の定量が可能な最低の量又は濃度のことを「定量限界」という。4:正"} +{"problem_id": "097097", "problem_text": "クロマトグラフィーに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ろ紙クロマトグラフィーは、ろ紙に含まれる水を固定相とする分配クロマトグラフィーである。", "固定相としてオクタデシルシリル化したシリカゲルを用いる逆相分配クロマトグラフィーでは、極性の高い溶質が先に溶出する。", "アミノ酸分析に用いられる陽イオン交換クロマトグラフィーでは、塩基性の強いアミノ酸から順に溶出される。", "サイズ排除(ゲルろ過)クロマトグラフィーでは、分子量の小さな溶質から順に溶出される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nろ紙クロマトグラフィーは、一般にろ紙に吸着した水を固定相とする分配クロマトグラフィーである。なお、ろ紙クロマトグラフィーには、分配クロマトグラフィーの他に、ろ紙にアルミナやシリカゲルを混和させた吸着クロマトグラフィーや、イオン交換樹脂を用いたイオン交換クロマトグラフィーがある。2:正\nオクタデシルシリル化シリカゲルは極性が低いため、固定相としてオクタデシルシリル化シリカゲルを用いる逆相分配クロマトグラフィーでは、極性の低い溶質が固定相に固定される。そのため、極性の高い溶質が先に溶出し、極性の低い溶質は後で溶出する。3:誤\n陽イオンクロマトグラフィーでアミノ酸の分離を行う場合、試料溶液のpHを低くし、酸性アミノ酸、中性アミノ酸、塩基性アミノ酸を+に荷電させ、固定相に保持させる。その後、移動相のpHを徐々に上昇させると、等電点の低いアミノ酸(酸性アミノ酸)から順に溶出される。4:誤\nサイズ排除(ゲルろ過)クロマトグラフィーでは、分子量の大きい溶質はゲルに保持されることなく溶出する。そのため、分子量の大きい溶質から先に溶出される。"} +{"problem_id": "097098", "problem_text": "低分子量の薬物分析を行う際の試料の前処理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["水溶液中の目的物質を有機層に抽出するための有機溶媒として、ジエチルエーテルや1-ブタノールなどが用いられる。", "水溶液中の目的物質がカルボン酸であれば、水溶液をアルカリ性にすると有機溶媒で抽出されやすくなる。", "水溶液中のタンパク質を不溶化し除去するために添加する有機溶媒として、アセトニトリルやメタノールなどが用いられる。", "水溶液中のタンパク質を不溶化し除去するために添加する酸として、塩酸、硝酸が適している。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n水溶液中から目的物質を有機層に抽出する溶媒抽出法では、水と混和しにくい有機溶媒(ジエチルエーテルや1-ブタノールなど)が用いられる。2:誤\n溶媒抽出法により目的物質を抽出する場合、目的物質を分子形にすると抽出効率が高くなる。一般に、目的成分が酸性物質(カルボン酸など)の場合、水溶液のpHが低くすると、有機層に抽出されやすくなる。3:正\n有機溶媒を用いて行う除タンパク法では、メタノールやアセトニトリルなどの水と混和しやすい有機溶媒が用いられる。4:誤\n酸を用いて行う除タンパク法では、かさ高い酸(過塩素酸やトリクロロ酢酸など)が用いられる。なお、塩酸や硝酸では良好な除タンパク効果が得ることができない。"} +{"problem_id": "097099", "problem_text": "蛍光光度法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["蛍光は、分子が基底状態から励起状態に遷移する際に観測される。", "光源として、通常、重水素ランプが用いられる。", "蛍光スペクトルを測定すると、ラマン散乱光が観測されることがある。", "蛍光量子収率は、蛍光強度をモル吸光係数で除した値である。", "溶液中の蛍光物質の濃度が十分に希薄であれば、蛍光強度は蛍光物質の濃度に比例する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n蛍光は、分子中の電子が励起一重項状態から基底一重項状態に遷移する際に観測される。2:誤\n蛍光光度測定法の光源には、通常、キセノンランプ、レーザー、アルカリハライドランプが用いられる。なお、重水素ランプは、紫外可視吸光度測定法の光源として用いられる。3:正\n蛍光物質に励起光を照射すると、溶媒中の分子が強制振動し、励起光と同じ波長を有するレイリー散乱光と励起光と異なる波長を有するラマン散乱光が生じることがある。よって、蛍光スペクトルを測定する際、レイリー散乱光及びラマン散乱光が観測されることがある。4:誤\n蛍光量子収率(\\phi )は、放射された蛍光量子の数を吸収した励起光量子の数で除した値である。\\phi =放射された蛍光量子の数/吸収した励起光量子の数\n5:正\n希薄溶液における蛍光強度(F)は、励起光の強さ(I_{0})、蛍光量子収率(\\phi )、モル吸光係数(\\epsilon )、蛍光物質の濃度(c)、セルの層長(l)に比例する。F=k・I_{0}・\\phi ・\\epsilon ・c・l::::k: 定数"} +{"problem_id": "097100", "problem_text": "脂質の二分子膜に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["両親媒性脂質の親水基どうしが向かい合わせとなった分子膜である。", "温度が高くなると、脂質分子の回転・拡散の運動性が高まる。", "不飽和脂肪酸鎖の二重結合が通常トランス型をとり、流動性を増大させる。", "リポソームは、球状ミセル集合体である。", "ゲル状態の二分子膜にコレステロールを加えると、膜の流動性が低下する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n脂質の二分子膜(脂質二重層)では、両親媒性脂質(リン脂質)の親水基は外側を向いており、疎水基どうしが内側で向かい合わせとなっている。2:正\n脂質の二分子膜(脂質二重層)は、流動性を有しており、その流動性は温度により変化する。温度が高くなると、脂質分子の運動性が高まるため、脂質の二分子膜(脂質二重層)の流動性も高まる。3:誤\n脂質の二分子膜(脂質二重層)に含まれる不飽和脂肪酸鎖の二重結合は、通常シス型をとり、流動性を高めている。4:誤\nリポソームとは、脂質二重層からなる閉鎖小胞のことである。なお、球状ミセルとは、脂質分子の疎水基を内側に向けて集合したものである。5:誤\n脂質の二分子膜(脂質二重層)がゲル状態にあるとき、コレステロールを加えると、脂質の二分子膜を構成する脂質の運動性が増加するため、膜の流動性が増加する。なお、脂質の二分子膜(脂質二重層)が液晶状態にあるとき、コレステロールを加えると、脂質の二分子膜を構成する脂質の運動性が低下するため、膜の流動性が低下する。"} +{"problem_id": "097101", "problem_text": "日本薬局方に収載されているエフェドリン((1R,2S)-2-methylamino-1-phenylpropan-1-ol)の正しい構造はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "命名するに当たって、まず1位、2位の炭素を同定する必要がある。命名に「1-ol」とあることから、OH基が結合している炭素が1位の炭素であるとわかる。その後、原子番号の大きい順に順位づけし、RS表示を考える。番号付けとRS表示は以下の通りである。"} +{"problem_id": "097102", "problem_text": "l-メントールに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["l-メントールは不斉炭素原子を4つ持つ。", "AはBのエナンチオマーである。", "BはCのジアステレオマーである。", "CはAの環を反転させたものである。", "l-メントールの最も安定な配座はCである。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nl-メントールは不斉炭素原子を3つ持つ。2:正\nA、Bの関係を確認するために、構造を下記のように書き換え、RS表示を行う。A(1S,2R,5S)とB(1R,2S,5R)の絶対配置がすべて逆であるため、AはBのエナンチオマーである。3:誤\nB、Cの関係を確認するために、構造を下記のように書き換え、RS表示を行う。Bについては、解説2参照\nB(1R,2S,5R)とC(1R,2S,5R)の絶対配置がすべて同じであるため、BとCは同一化合物である。4:誤\nA(1S,2R,5S)とC(1R,2S,5R)の絶対配置がすべて逆であるため、CはAのエナンチオマーであり、環反転したものではない。5:誤\nCは置換基がすべてaxial位(垂直方向)にあるため、不安定な配座である。"} +{"problem_id": "097103", "problem_text": "含窒素複素環化合物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["水溶性は、ピリジンよりキノリンの方が高い。", "塩基性は、ピロリジンよりピロールの方が弱い。", "重クロロホルム中で測定した^{1}H-NMRのうち、炭素原子に結合した水素のシグナルは、ピリジンよりピペリジンの方が高磁場に観測される。", "芳香族求電子置換反応は、ピロールよりピリジンの方が速い。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nピリジン及びキノリンの構造を以下に示す。上記の構造より、キノリンに比べ、ピリジンの方が炭素数が少ない。そのため、ピリジンの方が水に溶けやすい(水溶性が高い)。2:正\nピロリジン及びピロールの構造を以下に示す。ピロリジンの構造中に含まれる窒素のローンペアは、プロトンを受け入れることができるため、ピロリジンは塩基性を示すが、ピロールの構造中に含まれる窒素のローンペアは2p軌道に収容され芳香族性に寄与し、プロトンを受け入れることができないため、塩基性を示さない。このことから、塩基性はピロリジンよりピロールの方が弱い。3:正\nピリジン及びピペリジンに結合したプロトンを以下に示す。ピリジンは芳香族性を示し、ピペリジンは芳香族性を示さない。芳香属性を示さない複素環に直接結合した水素のシグナルは、芳香族性を示す複素環に直接結合した水素のシグナルに比べ、高磁場側に現れる。よって、炭素原子に結合した水素のシグナルは、ピリジンよりピペリジンの方が高磁場に観測される。4:誤\nピリジンとピロールを比較すると、6員環で6個の\\pi 電子を有するピリジンの方が、5員環で6個の\\pi 電子を有するピロールよりも電子密度が低いため、芳香族求電子置換反応は、ピロールよりピリジンの方が遅い。"} +{"problem_id": "097104", "problem_text": "反応後、水で後処理すると、エタノール以外のアルコール化合物を生成するのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nアセトアルデヒド(CH_{3}CHO)にグリニャール試薬であるブチルマグネシウムブロミド(CH_{3}CH_{2}CH_{2}CH_{2}MgBr)を反応させると、求核付加反応によりアルコール化合物であるヘキサン-2-オールが生成する。2:誤\nハロゲン化アシルである塩化アシル(CH_{3}COCl)は、ルイス酸存在下ではアシルカチオンとなる。上記の反応で生成したアシルカチオンは、ベンゼンと反応しアセトフェノンが生成する。3:正\nアセトアルデヒド(CH_{3}CHO)は塩基性条件下では、アセトアルデヒドのエノラートイオンとなる。上記の反応で生成した、アセトアルデヒドのエノラートイオンとアセトアルデヒド(CH_{3}CHO)が反応して、アルコール化合物であるアルドール(3-ヒロドキシブタナール)が生成する。4:誤\n酢酸エチル(CH_{3}COOCH_{2}CH_{3})は塩基性条件下では、酢酸エチルのエノラートイオンとなる。上記の反応で生成した、酢酸エチルのエノラートイオンと酢酸エチルが反応して、アセト酢酸エチルが生成する。"} +{"problem_id": "097105", "problem_text": "医薬品ア〜ウについて、正しい記述はどれか。2つ選べ。", "choices": ["アの環内の窒素はsp混成である。", "イは、(S)-プロリン(L-プロリン)のN-置換体である。", "ウは、炎色反応試験で赤色を呈する。", "アが最も水に溶けやすい。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n医薬品ア(イミプラミン塩酸塩)の環内の窒素は、共役に関与しているため、sp^{2}混成である。2:正\n医薬品イ(カプトプリル)は、(S)-プロリン(L-プロリン)の構造中の窒素部分に置換基が導入されているN-置換体である。3:誤\n医薬品ウ(インドメタシン)は、構造中に塩素を有するため、炎色反応で緑色を呈する(バイルシュタイン反応)。4:正\n医薬品ア、イ、ウを比較すると、医薬品アは塩酸を添加することで塩を形成しているが、医薬品イ、ウは塩を形成していない。一般に塩は水に溶けやすいことから、医薬品アが最も水に溶けやすいと考えられる。"} +{"problem_id": "097106", "problem_text": "以下の記述は、日本薬局方に収載されているアスピリンの確認試験である。[ :::] に入れるべき化合物の名称はどれか。1つ選べ。本品0.5 gに炭酸ナトリウム試液10 mL を加えて5分間煮沸し、希硫酸10 mL を加えるとき、酢酸のにおいを発し、白色の沈殿を生じる。また、この沈殿をろ過して除き、ろ液にエタノール(95)3 mL及び硫酸3 mLを加えて加熱するとき、[:::] のにおいを発する。", "choices": ["酢酸", "酢酸エチル", "ギ酸", "メタノール", "フェノール"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "アスピリンに炭酸ナトリウム試液を加えて加水分解を行ったあと、希硫酸を加えるとサリチル酸と酢酸が生成する。*この反応で生成したサリチル酸は白色沈殿する。生成した酢酸にエタノールを加えて加熱すると酢酸エチルが生成する。上記の反応を利用して、アスピリンの確認試験を行う。"} +{"problem_id": "097107", "problem_text": "2つの5員環化合物(A、B)から図に示す反応を以下の操作手順で行った。この反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。【実験操作】 100 mLの丸底フラスコにB(60 mmo1)を入れ、無水ベンゼン(50 mL)に溶かす。これを約5^{\\circ} Cに冷却し、A(66 mmo1)の無水ベンゼン(5mL)溶液を5分間で滴下する。室温で10分間撹拌後、さらに10分間加熱還流させると、化合物CとD の生成を確認した。放冷後、石油エーテル(約30 mL)をゆっくりと加え、冷却すると、生成物Cが析出した。", "choices": ["この反応はディールス・アルダー反応とよばれる。", "この反応はエンド則に従い、主にCを生じる。", "Aからヒドリドがとれて生じる化合物は芳香族性を示す。", "Bの名称は無水フタル酸である。", "Cを単離するには、ひだつきろ紙を用いて吸引ろ過するのが最も適している。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n本反応は、A(シクロペンタ-1,3-ジエン(4\\pi 電子系))とB(無水マレイン酸(2\\pi 電子系))の\n[4+2]付加反応であり、ディールス・アルダー反応とよばれる。2:正\n本反応のようにジエン又はジエノフィルが共に環状構造である場合、ディールス・アルダー反応では、エンド則に従い、エンド付加物 C が優先的に生成する。3:誤\nAからヒドリド(H-)がとれて生成するシクロペンタジエンは、芳香族性を示さない。なお、A からプロトン(H+)がとれて生成するシクロペンタジエニルアニオンは、芳香族性を示す。4:誤\nBの名称は無水マレイン酸である。なお、無水フタル酸は以下のような構造をしている。5:誤\n吸引ろ過を行う場合、ろ紙ロートに密着させる必要があるため、ろ紙をひだ状にせず用いる必要がある。"} +{"problem_id": "097108", "problem_text": "図は日本薬局方医薬品イブプロフェン(ラセミ体)の^{1}H-NMRスペクトル(500 MHz, CDCl_{3})と部分拡大図である。ピークhはCDCl_{3}に含まれる残留CHCl_{3}で、これを7.26 ppm として化学シフトを示している。次の記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["拡大図中のピークaは、アとクがそれぞれシングレット(3H分)のシグナルとして観測されたものである。", "拡大図中のピークbはコのシグナルで、隣接メチンプロトンであるケとのカップリングによりダブレットとして観測されてい���。", "拡大図中のピークcに対応するプロトンはイである。", "拡大図中のピークeに対応するプロトンはケである。", "拡大図中のピークf、gは、ウ、エ、オ、カのシグナルである。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nピークaは、コとクがダブレット(6H分)のシグナルとして観測されたものである。コとクは等価なプロトンであり、隣にプロトンが1つ存在するため、ダブレット(6H分)のシグナルとして観測される。2:誤\nピークbはアのシグナルで、イとのカップリングによりダブレットとして観測されている。アは、隣にプロトンが1つ存在するため、ダブレット(3H分)のシグナルとして観測される。3:誤\nピークcに対応するプロトンはケである。ケは、隣にプロトンが6つ存在するため、マルチプレット(1H分)のシグナルとして観測される。4:誤\nピークeに対応するプロトンはイである。イは、隣にプロトンが3つ存在するため、カルテット(1H分)のシグナルとして観測される。5:正\nピークf、gは、ウ、エ、オ、カのシグナルである。ウ、エ、オ、カは、p-二置換ベンゼンに結合したプロトンであり、ダブレット(2H分)のシグナルとして2組観測される。"} +{"problem_id": "097109", "problem_text": "チロシン由来のアルカロイドはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nモルヒネは、構造中にイソキノリン骨格を有し、チロシン由来のアルカロイドである。2:誤\nピロカルピンは、構造中にイミダゾール骨格を有し、ヒスチジン由来のアルカロイドである。3:正\nベルベリンは、構造中にイソキノリン骨格を有し、チロシン由来のアルカロイドである。4:誤\nエボジアミンは、構造中にインドール骨格を有し、トリプトファン由来のアルカロイドである。5:誤\nスコポラミンは、構造中にトロパン骨格を有し、オルニチン由来のアルカロイドである。"} +{"problem_id": "097110", "problem_text": "基原植物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["オウレンとオウバクの基原植物はミカン科に属し、主要成分としてインドールアルカロイドを含む。", "ゲンチアナとリュウタンの基原植物はリンドウ科に属し、主要成分としてセコイリドイド配糖体を含む。", "ダイオウとセンナの基原植物はマメ科に属し、主要成分としてビアントロン類を含む。", "トウキとセンキュウの基原植物はセリ科に属し、主要成分としてリグナン類を含む。", "オンジとセネガの基原植物はユリ科に属し、主要成分としてステロイドサポニンを含む。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nオウレンとオウバクの基原植物は、それぞれキンポウゲ科、キカン科に属している。オウレン、オウバクは主成分として、共にイソキノリンアルカロイドであるベルベリンを含有している。2:正\nゲンチアナとリュウタンの基原植物は、リンドウ科に属している。ゲンチアナとリュウタンは主成分として、セコイリドイド配糖体であるゲンチオピクロシドを含有している。3:誤\nダイオウとセンナの基原植物は、それぞれタデ科、マメ科に属している。ダイオウとセンナは主成分として、共にビアントロン類であるセンノシドを含有している。4:誤\nトウキとセンキュウの基原植物は、セリ科に属している。トウキとセンキュウは主成分として、共にフタリド類であるリグスチリドを含有している。5:誤\nオンジとセネガの基原植物は、ヒメハギ科に属している。オンジとセネガはトリテルペノイドサポニンを含有している。"} +{"problem_id": "097111", "problem_text": "中枢神経系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["随意運動に関与する一次運動野は、大脳皮質の頭頂葉に存在する。", "大脳辺縁系は系統発生的に古い皮質であり、本能や情動及び記憶に関与する。", "線条体は被殻と淡蒼球からなり、錐体外路系に関与する。", "間脳の視床には、自律神経系の高位中枢が存在する。", "中枢神経系に分布する血管の血液脳関門では、物質の透過性が制限されている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n随意運動に関与する一次運動野は、大脳皮質の前頭葉に存在する。2:正\n大脳辺縁系は古皮質及び旧皮質からなり、系統発生的に古い皮質である。大脳辺縁系は本���や情動(怒り、恐れ、喜び、悲しみなど)及び記憶に関与する。3:誤\n線条体は大脳基底核に存在し、被殻と尾状核からなる。大脳基底核は、錐体外路系に関与する。4:誤\n自律神経系の高位中枢は、間脳の視床ではなく、間脳の視床下部に存在する。5:正\n中枢神経系に分布する血管の血液脳関門では、血管の内皮細胞が密着結合することにより、水溶性物質や高分子物質の透過性が制限されている。"} +{"problem_id": "097112", "problem_text": "消化器系に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["胃では、胃底腺の主細胞がトリプシノーゲンを分泌することにより、タンパク質の消化が行われる。", "回腸では、膵液と腸液や胆汁の作用によって、三大栄養素すべての消化が行われる。", "消化された栄養素は、主として空腸と結腸の上皮細胞から吸収される。", "脂質は、吸収された後にキロミクロンとなり、主に門脈から肝臓を経て全身へ送られる。", "消化管の運動や腺分泌は、副交感神経刺激によって亢進する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n胃では、ペプシンによりタンパク質の消化が行われる。ペプシンは、胃の主細胞から分泌されたペプシノーゲンが胃酸により変換され生成される。2:誤\n小腸は、十二指腸、空腸、回腸で構成されており、回腸では、三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)すべての消化は行われていない。それに対し、十二指腸、空腸では、膵液と腸液や胆汁の作用によって、三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)すべての消化が行われる。3:誤\n消化された栄養素は、主に小腸上部(十二指腸、空腸)の上皮細胞から吸収される。なお、結腸は大腸の一部であり、主に水分の吸収を行っている。4:誤\n脂質は、吸収された後にキロミクロンとなり、主にリンパ管に移行する。リンパ管に移行したキロミクロンは、胸管を経て左鎖骨下静脈から循環血を介して、全身へ送られる。5:正\n消化管の運動や腺分泌は、交感神経刺激により抑制され、副交感神経刺激により亢進する。"} +{"problem_id": "097113", "problem_text": "ほ乳類細胞の細胞膜を介した物質移動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["細胞膜の透過性は分子やイオンの大きさに依存するので、H^{+}は自由に移動できる。", "酸素分子は、細胞内外の濃度勾配に従って単純拡散により移動する。", "細胞膜にあるCa^{2+}ポンプ(P型Ca^{2+}-ATPアーゼ)は、細胞外のCa^{2+}を細胞内へ輸送する。", "多くの細胞において、グルコースは特異的なトランスポーターによって細胞内へ運ばれる。", "エキソサイトーシス(exocytosis)は、トランスポーターでは運べない大きな分子を細胞内に取り込む膜動輸送である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n細胞膜は、脂質二重層で構成されているため、H^{+}などのイオンは細胞膜を自由に透過することはできない。2:正\n酸素分子や二酸化炭素などの荷電していない小さな分子は、濃度勾配に従って単純拡散により細胞膜を通過する。3:誤\nCa^{2+}は細胞内よりも細胞外に多く存在する。細胞膜にあるCa^{2+}ポンプ(P型Ca^{2+}-ATPアーゼ)は、ATPを利用して、細胞内のCa^{2+}を細胞外へ輸送している。4:正\nグルコースは水溶性であり、単純拡散により細胞内に移行することはできないため、多くの細胞において、特異的なトランスポーター(GULT)によって細胞内に運ばれる。5:誤\nエキソサイトーシス(exocytosis)は、トランスポーターでは運べない大きな分子を細胞外に排出する膜動輸送である。一方、トランスポーターでは運べない大きな分子を細胞内に取り込む膜動輸送をエンドサイトーシス(endocytosis)という。"} +{"problem_id": "097114", "problem_text": "下図に示すヒトのバソプレシンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["下垂体前葉から分泌されるホルモンである。", "腎臓に作用して水の再吸収を促進する。", "エドマン(Edman)分解を行うと、最初にグリシン残基が切断される。", "カルボキシ末端のアミノ酸残基は、翻訳後修飾を受けている。", "塩基性アミノ酸は含まれていない。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nバソプレシンは、下垂体後葉から分泌されるホルモンである。2:正\nバソプレシンは、腎の遠位尿細管後半部及び集合管に存在するバソプレシンV_{2}受容体に作用して水チャネル(アクアポリン)を発現させ、水の再吸収を促進する。3:誤\nエドマン(Edman)分解とは、ペプチド鎖のN末端から順にアミノ酸を切断し、その配列を決定していく方法のことである。バソプレシンをエドマン(Edman)分解すると、最初にシステイン(Cys)残基が切断される。4:正\n翻訳後修飾とは、翻訳してペプチド鎖が形成された後、実際に機能する成熟タンパク質になるために行われる修飾のことである。図よりバソプレシンのグリシン残基のカルボキシ基が翻訳後修飾のよりアミド化されていることがわかる。5:誤\nバソプレシンには、塩基性アミノ酸であるArg(アルギニン)が含まれている。"} +{"problem_id": "097115", "problem_text": "酵素に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["酵素は、反応に必要な活性化エネルギーを低下させ、反応速度を増加させる。", "ミカエリス(Michaelis)定数が小さいほど、基質と酵素との親和性が高い。", "最適pHとは、酵素活性が最大になる反応系のpHのことである。", "酵素は、競合阻害剤と不可逆的に結合して活性が阻害される。", "酵素活性に必須の因子(補因子)の中には、酵素と共有結合しているものがある。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n酵素は、触媒として作用し、反応に必要な活性化エネルギーを低下させ、反応速度を増加させる。2:正しいミカエリス(Michaelis)定数(K_{m})とは、酵素と基質の解離定数のことであり、K_{m}が小さいほど酵素と基質の親和性が高い。3:正しい\n酵素活性は、pH、温度の影響を受けて変化する。最適pHとは、酵素活性が最大になるpHのことであり、至適温度とは、酵素活性が最大となる温度のことである。4:誤っている\n競合阻害剤は、酵素分子と可逆的に結合することにより酵素活性を阻害する可逆的阻害剤である。よって、酵素は、競合的阻害剤と可逆的に結合して活性が阻害される。5:正しい\n酵素活性に必須の因子(補因子)には、補酵素と補欠分子族が存在する。その中でも、補欠分子族は酵素と共有結合することにより酵素活性を増大させる。"} +{"problem_id": "097116", "problem_text": "真核細胞における遺伝子の転写及びその生成物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メッセンジャーRNA(mRNA)は細胞質で合成される。", "RNAは、1種類のRNAポリメラーゼにより合成される。", "合成されたmRNAの5'末端にはキャップ構造が、また、3'末端にはポリAがそれぞれ付加される。", "成熟mRNAにはイントロンが含まれる。", "RNAポリメラーゼのプロモーターヘの結合には、基本転写因子が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n真核細胞では、メッセンジャーRNA(mRNA)の合成に関わるRNAポリメラーゼIIが核質に存在する。そのため、真核細胞ではメッセンジャーRNA(mRNA)は核内で合成される。なお、原核細胞ではmRNAは細胞質で合成される。2:誤\n真核細胞では、RNAの合成に3種類のRNAポリメラーゼ(RNAポリメラーゼI、RNAポリメラーゼII、RNAポリメラーゼIII)が関与する。なお、原核細胞ではRNAの合成に1種類のRNAポリメラーゼが関与する。RNAポリメラーゼI: rRNA前駆体の合成に関与する\nRNAポリメラーゼII: mRNA前駆体の合成に関与する\nRNAポリメラーゼIII: tRNAの合成に関与する\n3:正\n合成されたmRNAの5'末端にはキャップ構造(7-メチルグアノシン)が、また、3'末端にはポリA(ポリアデニル酸)がそれぞれ付加される。4:誤\n成熟mRNAにはイントロンは含まれていない。mRNA前駆体にはエキソンやイントロンが含まれているが、スプライシングによりイントロンが除去されて成熟mRNAとなる。5:正\n真核細胞のRNAポリメラーゼは直接DNA上のプロモーターを認識することができない。RNAポリメラーゼがDNA上のプロモーターに結合するためには、基本転写因子が必要である。"} +{"problem_id": "097117", "problem_text": "遺伝子に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["点突然変異の結果、コードされるアミノ酸が変化するものをナンセンス変異とよぶ。", "DNAの相同組換えを利用し、特定の遺伝子を破壊したノックアウトマウスを作製できる。", "一塩基多型(SNP���は、薬物代謝酵素活性の個体差の原因となることがある。", "複数の遺伝子を体細胞に導入することで、多能性を獲得した幹細胞を人工的に作製できる。", "糖尿病や動脈硬化症などの生活習慣病は、通常、多遺伝子性疾患である。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\n点突然変異とは、遺伝子DNA中の単一のヌクレオチドの変化で生じる突然変異のことであり、点突然変異の結果、コードされるアミノ酸が変化するものをミスセンス変異とよぶ。なお、ナンセンス変異とは、変異によりアミノ酸に対応するコドンが終止コドンに変化し、タンパク質の合成が途中で終結してしまう突然変異のことである。2:正しい\nDNAの相同組換えを利用して、正常な遺伝子と機能を破壊した遺伝子と入れ替えることにより、特定の遺伝子を破壊したノックアウト動物(ノックアウトマウス)を作製できる。3:正しい\n一塩基多型(SNP)により、発現するタンパク質の活性や発現量に変化が生じることがあり、このことが、個体差の原因なることがある。よって、一塩基多型(SNP)は、薬物代謝酵素活性の個体差の原因となることがある。4:正しい\n複数の遺伝子を体細胞に導入することで、多能性を獲得した細胞(人工多能性幹細胞: iPS細胞)を作製することが可能である。5:正しい\n糖尿病、動脈硬化症、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は、通常、複数の遺伝子が発症に関わる多遺伝子性疾患であり、また、遺伝的因子以外にも環境因子も発症に関わっているため、多因性疾患でもある。"} +{"problem_id": "097118", "problem_text": "免疫に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ナチュラルキラー(NK)細胞は、あらかじめ抗原感作を受けなくとも、腫瘍細胞やウイルス感染細胞を傷害する。", "マクロファージの表面にあるToll様レセプターは、細菌の菌体成分の識別のための受容体としてはたらく。", "好中球が同一の異物により反復刺激を受けると、記憶細胞となり食作用が増強される。", "T細胞は、細胞表面に免疫グロブリンをもたないため、抗原を認識することができない。", "肥満細胞(マスト細胞)は、細胞表面の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスII分子により抗原を認識する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nナチュラルキラー(NK)細胞は、あらかじめ抗原感作を受けなくとも、腫瘍細胞やウイルス感染細胞に対して細胞傷害活性を示す。2:正\nマクロファージの表面にあるToll様レセプター(TLR)は、細菌の菌体成分(細胞壁細分のリポ多糖体やペプチドグリカンなど)を識別するパターン認識受容体としてはたらいている。3:誤\n好中球は自然免疫を担っており、同一の異物による反復刺激により、記憶細胞へと分化することはない。なお、同一の異物による反復刺激により記憶細胞へと分化するのは、B細胞やT細胞である。4:誤\nT細胞は、細胞表面に免疫グロブリンをもたないが、T細胞受容体(TCR)を有するため、抗原を認識することが可能である。なお、細胞表面に免疫グロブリンを有し、抗原を認識することが可能なのは、B細胞である。5:誤\n肥満細胞(マスト細胞)には、その細胞表面にIgE抗体のFc領域が結合できる受容体が発現している。肥満細胞(マスト細胞)は、この受容体にIgE抗体が結合し、抗原を捕捉し架橋形成することで、抗原を認識する。なお、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスII分子は、樹状細胞、B細胞、マクロファージなどの抗原提示細胞に発現している。"} +{"problem_id": "097119", "problem_text": "ヒトの抗体及びその遺伝子に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["定常部は、重鎖(H鎖)及び軽鎖(L鎖)に存在する。", "H鎖の定常部及び可変部をコードする遺伝子は、染色体上で離れて存在する。", "H鎖の可変部は、V、D及びJの3つの遺伝子断片によってコードされる。", "遺伝子の組換えにより、可変部の多様性が生み出される。", "L鎖の可変部の種類は、V遺伝子の数とほぼ等しい。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n抗体は可変部と定常部からなり、共に重鎖(H鎖)及び軽鎖(L鎖)に存在する。2:正しい\nヒトにおいて、抗体分子のH鎖の定常部及び可変部をコードする遺伝子は、第14染色体上に存在し、それぞれが離れて存在する。3:正しい\nH鎖の可変部をコードする活性型遺伝子は、V遺伝子群(約50種)、D遺伝子群(約30種)、J遺伝子群(約6種)から1つずつ遺伝子断片を選択し作り出される。そのため、H鎖の可変部の多様性が生み出される。4:正しい\n可変部については、H鎖およびL鎖より構成されており、それぞれの遺伝子の組換えにより、多様性が生み出される。5:誤っている\nL鎖の可変部は、V遺伝子とJ遺伝子の2つの遺伝子断片によってコード化されている。L鎖の可変部をコードする活性型遺伝子は、V遺伝子群、J遺伝子群から1つずつ遺伝子断片を選択し作り出される。そのため、L鎖の可変部の種類は、V遺伝子の数より多い。"} +{"problem_id": "097120", "problem_text": "ウイルスに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["インターフェロンは、ウイルス表面の受容体に結合して作用する。", "A型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを阻害することにより、ウイルスの増殖が抑制される。", "成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスHTLV-1は、RNAウイルスである。", "ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、宿主T細胞表面のCD4とケモカイン受容体を介して感染する。", "B型肝炎ウイルスにより肝炎を発症した患者の血清には、感染性のウイルス粒子が検出される。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\nインターフェロンは、ウイルス表面の受容体に結合するのではなく、ウイルス感染細胞のINF受容体に結合して、細胞内のウイルスの増殖を阻止する。2:正しい\nA型及びB型インフルエンザウイルスは、ノイラミニダーゼ(NA)有している。A型及びB型インフルエンザウイルスのNAが阻害されると、宿主細胞よりインフルエンザウイルスが放出されなくなり、インフルエンザウイルスの増殖が抑制される。3:正しい\n成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスHTLV(ヒトT細胞白血病ウイルス)-1は、レトロウイルス科に分類されるRNAウイルスである。4:正しい\nヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、ヘルパーT細胞表面のCD4及びケモカイン受容体を介して感染する。5:正しい\nB型肝炎を発症した患者の血清からは、感染性を有するウイルス粒子およびHBV-DNAが検出される。"} +{"problem_id": "097121", "problem_text": "栄養素の消化・吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["糖質の膜消化では、単糖と二糖が生じる。", "ラクトースを構成する2種の単糖の吸収は、同じトランスポーターによって行われる。", "カルシウムの吸収は、フィチン酸によって促進される。", "ヘム鉄の吸収は、ビタミンCによって促進される。", "中鎖脂肪酸の吸収は、胆汁酸を必要としない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n膜消化とは、小腸上皮細胞の微絨毛膜表面に存在する消化酵素により行われる消化であり、糖質の膜消化により生じるものは単糖のみである。2:正\nラクトースを構成する2種類の糖は、ガラクトースとグルコースである。ガラクトース及びグルコールは、共に同じトランスポーター(Na^{+}/グルコース共輸送体)により能動的に細胞内に取り込まれる。3:誤\nフィチン酸は、消化管内でカルシウムと不溶性塩を形成し、カルシウムの吸収を阻害する。4:誤\nヘム鉄(ポルフィリン核にFe^{2+}が配置したもの)の吸収は、ビタミンCによって促進されることはない。なお、無機鉄に含まれるFe^{3+}は、ビタミンCによりFe^{2+}に還元されることで吸収が促進されることがある。5:正\n中鎖脂肪酸及び短鎖脂肪酸の吸収は、胆汁酸を必要としない。なお、長鎖脂肪酸の吸収には、胆汁酸を必要とする。"} +{"problem_id": "097122", "problem_text": "正味タンパク質利用率はタンパク質の栄養価を表す指標の1つで、生物価と並んで広く用いられている。ある食品中の正味タンパク質利用率を知るために、無タンパク質食で一定期間飼育したラットに被検食品を与えて調べてみたところ、次の結果が得られた。被検食品の正味タンパク質利用率として、最も適切な値はどれか。1つ選べ。正味タンパク質利用率=(体内保留窒素量/摂取窒素量)\\times 100 被検食品を介した摂取窒素量=500 mg 被検食品摂取時の糞中窒素量=120 mg 無タンパク質食摂取時の糞中窒素量=20 mg 被検食品摂取時の尿中窒素量=50 mg 無タンパク質食摂取時の尿中窒素量=10 mg", "choices": ["48", "56", "64", "72", "84"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "正味タンパク質利用率は、①式より求められる。正味タンパク質利用率=(体内保留N量/摂取N量)\\times 100 …①\n吸収N量は、②式より求められる。吸収N量=摂取N量-(被検食品摂取時の糞中N量-無タンパク質食摂取時の糞中N量)…②\n②式より\n吸収N量=500 mg-(120 mg-20 mg)=400 mg\n体内保留N量は、③式より求められる。体内保留N量=吸収N量-(被検食品摂取時の尿中N量-無タンパク質食摂取時の尿中N量)…③\n③式より\n体内保留N量=400 mg-(50 mg-10 mg)=360 mg\n①式より\n正味タンパク質利用率=(360 mg/500 mg)\\times 100=72"} +{"problem_id": "097123", "problem_text": "食品添加物のうち、保存料として使用が許可されているのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "選択肢のうち、保存料として使用が許可されているのは、選択肢2: プロピオン酸及び選択肢4: パラオキシ安息香酸エチルである。1:誤\nアセスルファムカリウムの構造であり、甘味料として使用が許可されている。2:正\n3:誤\nチアベンダゾールの構造であり、防カビ剤として使用が許可されている。4:正\n5:誤\nD-キシリトールの構造であり、甘味料として使用が許可されている。"} +{"problem_id": "097124", "problem_text": "食品における農薬の残留基準に関する記述の[:::]に入れるべき語句の正しい組合せはどれか。1つ選べ。食品衛生法の改正により、食品中の残留農薬については [:a:] 制度が施行された。多くの農薬について食品中の残留基準が定められ、残留基準のない農薬等については、食品衛生法に基づき「人の健康を損なうおそれのない量」として一律基準 [:b:] ppmが設定された。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "食品衛生法改正(2003年(平成15年))により、食品中の残留農薬についてはポジティブリスト制度が施行(2006年(平成18年))された。ポジティブリスト制度では、多くの農薬について食品中の残留基準が定められ、残留基準のない農薬等については、食品衛生法に基づき「人の健康を損なうおそれのない量」として一律基準0.01 ppmが設定された。なお、食品中の残留農薬についてポジティブリスト制度が施行される前は、ネガティブリスト制度を採用しており、残留基準の定められていない農薬については規制対象外とされていた。"} +{"problem_id": "097125", "problem_text": "保健統計に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["粗死亡率は、年齢構成の影響を受けるため、年齢構成の異なる集団の比較には適していない。", "PMI(50歳以上死亡割合)は、人口や年齢構成がわからなくても算出できるため、国際的に健康水準を測る指標として利用される。", "年齢3区分別人口における老年人口は、75歳以上の人口である。", "ある年齢における平均余命は、その年の平均寿命から年齢を差し引くことで算出される。", "国勢調査は、人口の規模、構造などの特徴を明らかにするための人口動態調査である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n粗死亡率は、(年間の死亡数/人口)\\times 1000で表され、年齢構成の影響を受けるため、年齢構成の異なる集団の比較には適していない。なお、年齢構成の異なる集団の死亡率を比較する際に用いることができる指標には、年齢調整死亡率がある。2:正\nPMI(50歳以上死亡割合)は、50歳以上死亡数/全死亡数で表され、全死亡数と年齢別死亡数を把握できれば算出可能であるため、人口統計が不十分な発展途上国でも算出することが可能である。よって、PMI(50歳以上死亡割合)は、国際的に健康を測る指標として利用される。3:誤\n年齢3区分別人口における老年人口は、65歳以上の人口である。人口は、年齢別に以下のように分類されている。0〜14歳の人口: 年少人口\n15〜64歳の人口: 生産年齢人口\n65歳以上の人口: 老年人口\n4:誤\nある年齢における平均余命は、その年の平均寿命(0歳児の平均余命)から年齢を差し引くことで算出することはできない。なお、ある年齢における平均余命は、同時に出生した10万人の集団を想定し、年齢別死亡率をもとに作成した生命表より算出して求める。5:誤\n国際調査は、5年ごとに行われる人口静態調査であり、氏名、性別、生年月日、教育、居住期間、職業などを調査し、人口の規模、構造などの特徴を明らかにするために行われる。"} +{"problem_id": "097126", "problem_text": "ある集団を対象に生活習慣と癌の罹患状況をある一時点で同時に調査し、喫煙者では咽頭癌の有病率が高いという結果を得た。[ ::: ]に入れるべき語句の正しい組合せはどれか。1つ選べ。この研究は [: a :] であり、その結果からは、[ : b :] 。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "横断的研究とは、一時点において要因と疾患の関連性について研究を行うことであり、縦断的研究とは、二時点にわたって要因と疾患の関連性について研究を行うことである。本問の研究は、ある一時点について同時に調査しているため、横断的研修である。横断的研究では、有病率を用いて疾病と要因の関係を調べる方法であるため、その要因が疾病の発生前に関与しているのか、疾病の発生後に関与しているのか不明である。"} +{"problem_id": "097127", "problem_text": "以下の研究に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。1883年、遠洋航海に出ていた練習船の乗員376名のうち169名が脚気に罹るという事態が発生した。海軍医務局長の高木兼寛は、脚気の原因が食事の質であると考え、特に食事中の炭素: 窒素比の値が15を超えると発生することに注目した。1884年、季節、乗組員、航路などの条件を一致させ、白米主体の食事から麦飯や洋食に変えただけで航海を実施したところ、脚気はほとんど発生せず、全員無事に帰国した。鈴木梅太郎が脚気の予防因子を米糠から抽出するのに成功したのは、その25年以上も後のことである。", "choices": ["この研究は、疫学の症例対照研究に相当する。", "この研究では、脚気の予防に有効な因子は炭水化物である可能性が示唆される。", "この研究では、白米に脚気の原因物質が含まれている可能性が排除できない。", "鈴木梅太郎が得た抽出物の有効成分は、のちにビタミンB1であることがわかった。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n本研究では、脚気の原因が食事にあると考え、脚気に罹患していない人に対して、白米主体の食事から麦飯や洋食に変えて研究を行っていることから、仮説を設定し、これを基に介入研究を行っているといえる。2:誤\n本研究では、白米を麦飯及び洋食に変更することで脚気が減少している。白米、麦飯及び洋食には、いずれも炭水化物が含まれていることから、脚気の予防に有効な因子は炭水化物でないといえる。3:正\n本研究では、白米主体の食事から麦飯及び洋食に変更することで脚気が減少していることから以下の2つの可能性を推察できる。①白米中に脚気の原因物質が含まれる。②麦飯及び洋食に脚気を予防する物質が含まれている。よって、本研究では、白米に脚気の原因物質が含まれている可能性が排除できない。4:正\n米糠から抽出された脚気を予防する有効成分は、ビタミンB1である。"} +{"problem_id": "097128", "problem_text": "労働衛生に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["すべての事業所に対して、安全衛生管理のため、衛生管理者を置くことが義務づけられている。", "作業環境管理や健康管理は、職業病予防の基本的な労働衛生管理である。", "作業管理は、暴露濃度を指標として実施する。", "薬剤師には、業務内容にかかわらず、特殊健康診断が義務づけられている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n労働安全衛生法に基づき、常時50名以上の労働者を使用する事業所に対して、衛生管理者を置くことが義務づけられている。2:正\n基本的な労働衛生管理は以下の3つの項目で行われている。・作業環境管理\n作業環境中の有害因子の状態を把握して、できるかぎり良好な状態で管理していくこと\n・作業管理\n環境を汚染させないような作業方法や、有害要因の暴露、作業負担を軽減するような作業方法を定めて、それが適切に実施されるように管理すること\n・健康管理\n労働者個人個人の健康の状態を健康診断により直接チェックし、健康の異常を早期に発見したり、その進行や増悪を防止したり、さらには、元の健康状態に回復するための医学的���び労務管理的な措置をすること\n3:正\n作業管理は、暴露濃度を指標として実施する。なお、作業環境管理は、環境中の濃度を指標として実施する。4:誤\n特殊健康診断とは、法令で定められた業務または特定の物質を取り扱う労働者を対象にした健康診断のことである。よって、薬剤師は法令で定められた業務または特定の物質を取り扱う場合には、特殊健康診断を行わなければならない。"} +{"problem_id": "097129", "problem_text": "感染性疾患と、主な感染源の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nジフテリアは、ジフテリア菌によって引き起される感染性疾患であり、主に気道由来の飛沫により感染する。2:正\n成人T細胞白血病は、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)によって引き起される感染性疾患であり、血液、精液、母乳などの体液を介して感染する。3:誤\nエキノコックス症は、エキノコックス(条虫類)によって引き起される感染性疾患であり、エキノコックスの成虫に感染しているキツネ、イヌなどの糞便内の虫卵を経口摂取することで感染する。4:誤\nE型肝炎は、E型肝炎ウイルスによって引き起される感染性疾患であり、主に飲食物を介して経口的に感染する。"} +{"problem_id": "097130", "problem_text": "次の性行為感染症のうち、病原体がウイルスであるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["梅毒", "軟性下疳", "淋病", "尖圭コンジローマ", "B型肝炎"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "選択肢のうち、病原体がウイルスのものは、尖圭コンジローマ(原因: ヒトパピローマウイルス)及びB型肝炎(原因: B型肝炎ウイルス)である。なお、梅毒(原因: 梅毒トレポネーマ)、軟性下疳(原因: ヘモフィリス・デュクレイ)、淋病(原因: 淋菌)の病原体は細菌である。"} +{"problem_id": "097131", "problem_text": "暴露により尿中の馬尿酸濃度が上昇するのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アニリン", "ニトロベンゼン", "トルエン", "フェノール", "ベンジルアルコール"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "馬尿酸とは、安息香酸のグリシン抱合体であり、トルエン及びベンジルアルコールに暴露すると尿中の馬尿酸の濃度が上昇する。トルエン及びベンジルアルコールは生体内で安息香酸へ代謝され、その後、グリシン抱合を受けると馬尿酸となる。1:誤\nアニリンは、生体内でCYPにより水酸化され、p-アミノフェノールに変化した後、硫酸抱合又はグルクロン酸抱合を受け、硫酸抱合体又はグルクロン酸抱合体となる。2:誤\nニトロベンゼンは、生体内で還元され、アニリンとなる。その後の反応は「解説1」と同様の反応が起こる(解説1参照)。3:正\n4:誤\nフェノールは、生体内で硫酸抱合又はグルクロン酸抱合を受け、フェノールスルフェート又はフェノールグルクロニドとなる。5:正"} +{"problem_id": "097132", "problem_text": "化学物質と発癌作用に関する組合せのうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["解なし"], "comment": "化学物質による発癌過程には、イニシエーション、プロモーション、プログレッションがある。イニシエーションを誘発する物質を発癌イニシエーター、プロモーションを誘発する物質を発癌プロモーターという。・イニシエーション\n変異DNAを有する変異細胞が生成\n・プロモーション\n変異細胞が過剰に増殖し、癌細胞としての性質を獲得\n・プログレッション\n生成した癌細胞が異常に増殖し、癌組織へと成長\n1:正しい\nフェノバルビタールは、肝癌の発癌プロモーターである。2:誤っている\nサッカリンは、以前、膀胱癌のプロモーターとされていたが、近年、膀胱癌のプロモーターとして作用するという科学的根拠が十分でないとする知見が一般的になりつつある。3:誤っている\nナイトロジェンマスタードは、代謝を受けることなくイニシエーションに関わる発癌イニシエーター(一次性発癌物質)である。4:「正しい」とも「誤っている」ともとれる。胆汁酸自体には、大腸癌プロモーション作用はないとされているが、胆汁酸の代謝物(デオキシコール酸など)が、大腸癌プロモーション作用を有する。5:正しい\n12-O-テトラデカノイルホルボール13-アセテート(TPA)は、��膚癌の発癌プロモーターである。"} +{"problem_id": "097133", "problem_text": "アスベストに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ケイ素を含む有機化合物である。", "酸やアルカリに耐性である。", "Ames試験で陽性を示す。", "大気汚染防止法では、特定粉じんに指定されている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nアスベストは天然に存在する繊維状のケイ酸塩鉱物であり、ケイ素を含む無機化合物である。2:正\nアスベストは、酸やアルカリ、熱に耐性を有するため、耐火、耐熱、防音などの目的で建築資料として使用されてきた。3:誤\nアスベストを吸入することにより、肺癌、中皮腫などを引き起すが、その機序は、アスベスト繊維が気管支や肺に突き刺さることにより長期間にわたって炎症が生じ、肺の組織が傷つけられ続けることで繊維化が生じることに加え、発生した活性酸素のよりDNAが損傷された結果、遺伝子異常が起こり、細胞が癌化する可能性があると考えられている。このことより、アスベスト自体がDNAに作用して細胞が癌化しているわけではない。よって、アスベストは、Ames試験で陰性を示す。4:正"} +{"problem_id": "097134", "problem_text": "「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」(平成21年改正)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["対象となる化学物質の中には、環境中で分解されやすいものも含まれる。", "ポリ塩化ジベンゾ-p—ジオキシン(PCDD)は、第一種特定化学物質に指定されている。", "監視化学物質の設定は、化学物質の環境への放出量を把握することを目的としている。", "第二種特定化学物質は、高蓄積性を有し、ヒトへの長期毒性又は高次補食動物への毒性を有する。", "優先的に安全性評価を行う必要がある化学物質として、優先評価化学物質が設定されている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n化審法の規制対象となる第二種特定化学物質及び優先評価化学物質には、環境中で分解されにくいものと環境で分解されやすいものが含まれている。2:誤\nポリ塩化ジベンゾ-p—ジオキシン(PCDD)は、ダイオキシン類である。化審法においてダイオキシン類は規制対象とはならない。3:誤\n監視化学物質の設定は、難分解性かつ高濃縮性を有するが、人又は高次捕食動物に対する長期毒性が明らかでない化学物質について毒性が明らかになるまでの間、法的に監視することを目的としている。なお、化学物質の環境への放出量を把握することを目的としているのは、PRTR制度である。4:誤\n第二種特定化学物質は、高蓄積性を有しないが、ヒトへの長期毒性又は高次補食動物への毒性を有する。5:正\n優先評価化学物質とは、人又は生活環境動植物への長期毒性が明らかであるとは認められず、当該化学物質による環境の汚染により人の健康に係る被害又は生活環境動植物の生息もしくは生育に係る被害を生ずるおそれがあるかどうかについての評価(リスク評価)を優先的に行う必要がある化学物質のことである。"} +{"problem_id": "097135", "problem_text": "メタノール中毒患者に対する治療方法として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エタノール投与", "活性炭投与", "炭酸水素ナトリウム投与", "葉酸投与", "血液透析"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "メタノールは、生体内でアルコール脱水素酵素によりホルムアルデヒドとなり、さらにアルデヒド脱水素酵素によりギ酸となる。メタノールの代謝により生じたホルムアルデヒドやギ酸がメタノール中毒である視力障害、代謝性アシドーシスなどを引き起こす。メタノールの中毒患者に対しては、以下の処置が行われる。・エタノールの投与:目的: メタノールの代謝を抑制する。・炭酸水素ナトリウムの投与:目的: 代謝性アシドーシスの改善\n・葉酸の投与:目的: ギ酸を二酸化炭素に変換する反応を促進する。・血液透析:目的: 血中のメタノールの除去"} +{"problem_id": "097136", "problem_text": "フロン類について、数値が0であるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["特定フロン分子内の水素原子数", "代替フロン分子内のフッ素原子数", "我が国で工業的製造が許可されている特定フロン種の数", "パーフルオロカーボンの地球温暖化係数"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n特定フロンであるクロロフルオロカーボン(CFC)の構成元素は、塩素、フッ素、炭素であり、水素は含まれていない。2:誤\n代替フロンであるハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)とハイドロフルオロカーボン(HFC)の構成元素には、フッ素が含まれている。3:正\n現在、我が国では、オゾン層保護法(特定物質の規制等によるオゾン層保護に関する法律)により、特定フロンの製造は禁止されている。4:誤\n地球温暖化係数とは、二酸化炭素を基準(二酸化炭素の地球温暖化係数: 1)として、濃度当たりの温室効果の強さを表した値であり、パーフルオロカーボンの地球温暖化係数は5,000〜10,000である。"} +{"problem_id": "097137", "problem_text": "生物濃縮に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["環境汚染物質だけでなく、栄養物質にも見られることがある。", "生物濃縮の程度は、化学物質の性質のうち蓄積性よりも難分解性に依存する。", "1-オクタノール/水間の分配係数は、濃縮係数と正の相関を示す。", "濃縮係数は、化学物質の環境中濃度に対する生体内濃度の百分率で表される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "生物濃縮とは、栄養物質や環境汚染物質を環境中よりも生体内に高い濃度で蓄積する現象である。1:正\n2:誤\n生物濃縮の程度は、化学物質の性質のうち難分解性よりも蓄積性に依存する。難分解性の物質であっても、体外へ排泄されやすいものについては、生物濃縮を起こしにくい。3:正\n分配係数が大きいものは脂溶性が高く、体内に蓄積しやすい。よって、分配係数と濃縮係数は正の相関を示す。4:誤\n濃縮係数とは、化学物質の環境中濃度に対する生体内濃度であり、次式で表される。濃縮係数=化学物質の生体内濃度/化学物質の環境中濃度"} +{"problem_id": "097138", "problem_text": "水道原水に塩素を注入すると、塩素注入量と残留塩素濃度について図のような関係がみられた。これに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["aの塩素量を塩素要求量という。", "(b-a)の塩素量を塩素消費量という。", "純水の場合には、この原水に比べて、塩素消費量と塩素要求量が大きい。", "aとcの間で主に検出される残留塩素は結合残留塩素である。", "我が国の水道水消毒では、b以上の塩素量を注入する方法が用いられている。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "塩素注入量と残留塩素濃度を示すグラフより、この水道原水には、還元性無機物及び有機物、アンモニア及びアミン類を含むことがわかる。1:誤\nこの水道原水には、還元性無機物及び有機物を含んでいることから、aまで塩素を注入しても残留塩素濃度は上昇しない。水に塩素を注入し、初めて残留塩素を認めるのに必要な塩素量のことを塩素消費量といい、グラフ中のaは塩素消費量に該当する。なお、塩素要求量とは、水に塩素を注入し、初めて遊離残留塩素を認めるのに必要な塩素量であり、cの塩素量のことである。2:誤\n解説1参照\n3:誤\n純水(還元性無機物及び有機物、アンモニア及びアミン類を含まない)では、塩素を注入すると速やかに遊離残留塩素を認めるので、塩素消費量と塩素要求量はともに0である。よって、純水の場合には、この原水に比べて、塩素消費量と塩素要求量は小さい。4:正\nこの原水に塩素を注入するとa〜cの間で、結合残留塩素を生じる。5:誤\n我が国の水道水消毒では、c以上の塩素量を注入する方法が用いられている。その理由として、2つのことがあげられる。・遊離残留塩素が生成すること\n・アンモニア及びアミン類を除去できること"} +{"problem_id": "097139", "problem_text": "活性汚泥法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["活性汚泥法は、生物膜法の一種である。", "活性汚泥中には、原生動物は存在しない。", "曝気槽では、微生物による有機物の酸化分解反応が起こる。", "余剰汚泥は、消化槽で好気的に処理される。", "フロックの沈殿性が低下すると、有機物の除去効率は下がる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "活性汚泥法とは、下水処理における二次処理(生物学的処理)であり、浮遊生物法の一種である。活性汚泥法で用いられる活性汚泥中には、好気性微生物(多種の細菌、原生動物など)が含まれている。1:誤\n前記参照\n生物膜法には、微生物をろ材や薄板に膜状に固定させた生物膜によって下水処理を行う散水ろ床法や接触曝気法などがある。2:誤\n前記参照\n3:正\n曝気槽では、下水に空気を送り込むことによって、好気性微生物による有機物の酸化反応が起こる。4:誤\n余剰汚泥は、消化槽で嫌気的に処理される。消化槽で処理された余剰汚泥から、メタンガス、アンモニア、硫化水素などが発生する。5:正\n活性汚泥中に糸状菌が混入し、フロックの沈降性が低下すると有機物の除去効率は低下する。このような状態のことをバルキングという。"} +{"problem_id": "097140", "problem_text": "PRTR制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["産業廃棄物の不法投棄を防止するためのものである。", "PRTR法で定められている第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質は、ともにPRTR制度の対象である。", "対象化学物質の届出排出先として、事業所における埋立処分の割合が最も大きい。", "国際的な対応として、バーゼル条約が発効している。", "対象化学物質のうち、届出排出量・移動量が最も多い化学物質はトルエンである。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n産業廃棄物の不法投棄を防止するためのものは、マニフェスト制度である。PRTR制度とは、人の健康や生態系に有害である可能性がある化合物について、事業所から環境中への排出量や廃棄物としての事業所外への移動量を事業者が、国に届けるとともに、国はその集計や推計に基づき排出量・移動量を公表する制度のことである。2:誤\nPRTR法では対象化学物質を第一種指定化学物質と第二種指定化学物質に分類している。その中でも、PRTR制度の対象となるのは、第一種指定化学物質である。3:誤\nPRTR制度対象化学物質の届出排出先には、大気への排出、公共水域への排出、土壌への排出、事業所内での埋立処分があり、このうち、割合が最も大きいのは、大気への排出である。4:誤\nPRTR制度における国際的な対応としては、1992年の地球サミットで採択されたアジェンダ21がある。なお、バーゼル条約は、有害廃棄物の国境を越える移動について規制している。5:正\nPRTR制度対象化学物質には、ベンゼンやトルエンなどの揮発性炭化水素、ダイオキシンやトリクロロエチレンなどの有機塩素系化合物などがあり、そのうち、届出排出量・移動量が最も多い化学物質はトルエンである。"} +{"problem_id": "097141", "problem_text": "医薬品の製造販売業及び製造業に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["製造販売業者が、医薬品を自社工場で製造する場合には、製造業の許可が必要である。", "製造販売業者が、自ら輸入した医薬品を薬局開設者に販売する場合には、医薬品販売業の許可を必要としない。", "製造業者は、製造する品目ごとに製造許可を受ける必要がある。", "製造業者が、自ら製造した医薬品を店舗販売業者に販売する場合には、医薬品販売業の許可を必要としない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n医薬品製造販売業者は、医薬品を自社工場で製造する場合であっても、製造業の許可を受けなければならない。2:正\n医薬品製造販売業者が、自社製品(自ら製造又は輸入した医薬品)を薬局開設者に販売する場合には、医薬品販売業の許可を必要としない。3:誤\n医薬品製造業者は、厚生労働省令で定める区分に従い、製造所ごとに製造許可を受ける必要がある。なお、医薬品製造販売業者は種類ごとに製造販売業の許可を受け、品目ごとに製造販売の承認を受ける必要がある。4:誤\n医薬品製造業者は、医薬品を製造することはできるが、販売することはできない。よって、医薬品製造業者が、自ら製造した医薬品を医薬品販売業者(店舗販売業者、配置販売業者、卸売販売業者)に販売する場合には、医薬品製造販売業の許可を受ける必要がある。"} +{"problem_id": "097142", "problem_text": "医療法の規定に照らし、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["大学の附属病院であれば、特定機能病院と称することができる。", "病院の管理者は、診療に従事していなくても、臨床研修を修了した医師でなければならない。", "外来患者の処方���んをすべて院外処方せんとしている病院であれば、専属の薬剤師を置かなくてもよい。", "病院においては、医薬品に係る安全管理の体制が確保されなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n特定機能病院と称するためには、以下の要件を満たし、厚生労働大臣の承認を受ける必要がある。①高度な医療を提供する能力を有すること\n②高度な医療技術の開発及び評価を行う能力を有すること\n③厚生労働省令で定める数以上の患者を入院させるための施設を有すること:等\nよって、大学の付属病院であっても、要件を満たし、厚生労働大臣の承認を受けなければ、特定機能病院と称することはできない。2:正\n病院又は診療所の開設者は、その病院又は診療所が医業をなすものである場合は臨床研修等修了医師に、これを管理させなければならない。3:誤\n病院又は医師が3人以上勤務する診療所には、専属の薬剤師を置かなければならない。4:正"} +{"problem_id": "097143", "problem_text": "麻薬小売業者AとBの間における麻薬小売業者間譲渡許可(以下「許可」という。)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["許可を受けた場合、麻薬の在庫不足で調剤することができない場合に限り、その不足分をAとBの間で譲渡・譲受することが可能となる。", "許可を受けるためには、AとBの麻薬業務所が同一の都道府県内にある必要はない。", "許可の申請書は、共同して地方厚生(支)局長に提出しなければならない。", "許可を受けた後は、AがBとの間で譲渡・譲受を行った麻薬については、品名、数量等を麻薬帳簿に記載する必要はない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "麻薬小売業者は、調剤された麻薬以外の麻薬を譲り渡すことはできない。ただし、麻薬小売業者間譲渡許可を受けることによって、薬局が麻薬不足で調剤することができない場合に限り、その不足分を両薬局間で譲渡・譲受することが可能となる。両薬局の間で譲渡・譲受を行った麻薬については、品名、数量等を麻薬帳簿に記載する必要がある。麻薬小売業者間譲渡許可を受けるためには、両薬局とも同一都道府県内にある必要があり、麻薬小売業者間譲渡許可の申請する場合、その申請書を共同して地方厚生(支)局長に提出する必要がある。"} +{"problem_id": "097144", "problem_text": "毒物及び劇物取締法に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["毒物は、毒薬と区別することなく、一緒に鍵のかかる設備に貯蔵することができる。", "毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を直接に取り扱わない営業所についても毒物劇物取扱責任者を置かなければならない。", "医薬品の店舗販売業者であれば、毒物及び劇物を販売できる。", "毒物の容器及び被包には、「医薬用外」の文字及び赤地に白色をもって「毒物」の文字を表示しなければならない。", "毒物劇物営業者は、その取扱いに係る毒物又は劇物が盗難にあい、又は紛失したときは、直ちに、その旨を警察署又は消防機関に届け出なければならない。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n毒物は、その他の物と区別して鍵のかかる設備に貯蔵しなければならない。よって、毒物と毒薬を一緒に貯蔵することはできない。2:誤\n毒物劇物営業者は、毒物及び劇物を直接に取り扱わない営業所には毒物劇物取扱責任者を置く必要がない。なお、毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を直接取り扱う製造所、営業所等には、毒物劇物取扱責任者を置かなければならない。3:誤\n医薬品の店舗販売業者は、毒物及び劇物を販売することはできない。なお、医薬品の店舗販売業者が毒物及び劇物を販売するためには、毒物劇物販売業の登録を受ける必要がある。4:正\n毒物の容器及び被包には、「医薬用外」の文字及び赤地に白色をもって「毒物」の文字を表示しなければならない。なお、劇物の容器及び被包には、「医薬用外」の文字及び白地に赤色をもって「劇物」の文字を表示しなければならない。5:誤\n毒物劇物営業者は、その取扱いに係る毒物又は劇物が盗難にあい、又は紛失したときは、直ちに、その旨を警察署に届け出なければならない。"} +{"problem_id": "097145", "problem_text": "医薬品副作用被害救済制度の説明として、誤��ているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による健康被害を救済する制度である。", "救済は、医療費や障害年金などの給付によって行われる。", "救済給付金は、国の補助金で賄われている。", "救済給付の申請は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対して行う。", "輸血用血液製剤などの生物由来製品を介した感染による健康被害は、この制度の救済対象ではない。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n医薬品副作用被害救済制度とは、医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による健康被害が発生した場合に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が医療費等の副作用救済給付を行い、その健康被害を救済する制度である。2:正しい\n独立行政法人医薬品医療機器総合機構による「医薬品の健康被害による救済」は、副作用救済給付(医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金、葬祭費)によって行われる。3:誤っている\n救済給付金は、許可医薬品製造販売業者からの拠出金(副作用拠出金)で賄われている。なお、副作用救済給付業務を運営するに当たり必要な事務費については、その2分の1が国の補助金で賄われている。4:正しい\n救済給付の請求は、健康被害を受けた本人(又は遺族)が独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対して直接行う。5:正しい\n輸血用血液製剤などの生物由来製品を介した感染による健康被害は、生物由来製品感染等被害救済制度の救済対象となり、医薬品副作用被害救済制度の救済対象とはならない。"} +{"problem_id": "097146", "problem_text": "我が国の社会保障制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["社会保障は、憲法に根拠を置いている。", "年金制度は、社会保険方式の社会保障である。", "医療保険制度は、社会扶助方式の社会保障である。", "生活保護制度は、社会保険方式の社会保障である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "我が国の社会保障制度は日本国憲法に基づいて行われている。社会保障制度には、社会保険(医療保険、雇用保険、労災保険、介護保険など)に加え、社会福祉、公的扶助(生活保護など)、保健医療・公衆衛生がある。また、社会保障制度には、社会保険方式と社会扶助方式があり、年金制度、医療保険制度は、社会保険方式の社会保障であり、生活保護制度は、社会扶助方式の公的扶助である。参考\n・社会保険方式: 保険料を財源として、保険技術を用いて給付を行う方式\n・社会扶助方式: 租税を財源として、保険技術を用いず給付を行う方式"} +{"problem_id": "097147", "problem_text": "医療経済に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["医薬品生産金額の約50%は、一般用医薬品が占めている。", "国民医療費の財源には、保険料と公費のほかに患者の一部負担金が含まれる。", "新医薬品の薬価は、通常、後発医薬品が薬価基準に収載されるまでの間は変動しない。", "薬剤経済分析は、薬物治療を効果と費用の両者から評価するために行われる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n平成22年度の医薬品生産金額のうち、医療用医薬品の占める割合は、90.7%、一般用医薬品の占める割合は、9.3%である。2:正\n国民医療費は、保険料、公費、その他(患者の一部負担金等)で賄われている。3:誤\n通常、医薬品の薬価は、毎年改定される。4:正\n薬剤経済分析とは、医薬品や医療技術の費用対効果を評価する方法である。薬剤経済分析の手法には、費用最小化分析、費用/効果分析、費用/効用分析、費用/便益分析などがある。"} +{"problem_id": "097148", "problem_text": "医薬分業及び保険調剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["いわゆる医薬分業率とは、全患者のうち投薬が必要とされた患者への処方件数に対する院外処方せん枚数の割合である。", "医薬分業の機能を活かすためには、処方せんを発行する医療機関と保険調剤を行う薬局の経営が一体となっていることが望まれる。", "保険調剤された後発医薬品の割合に応じて、当該保険薬局において算定する調剤報酬が異なる仕組みがある。", "保険調剤を受けた者に交付する領収書には、調剤報酬の内容がわかるような記載が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n医薬分業率は、外来患者(入院患者以外の患者)への投薬のための処方件数に対する薬局への処方せん枚数(院外処方せん枚数)の割合である。医薬分業率(%)=(院外処方せん枚数/外来患者への処方せん枚数)\\times 100\n2:誤\n保険薬局は、保険医療機関と経済的、機能的、構造的に独立していなければならない。3:正\n調剤された後発医薬品の割合に応じて、後発医薬品調剤体制加算を調剤基本料に加算することができる。調剤された後発医薬品の割合に応じて、算定する調剤報酬が異なる。4:正\n保険調剤を受けた者に交付する領収書には、個別の費用ごとに区分して調剤報酬の内容を記載する必要がある。"} +{"problem_id": "097149", "problem_text": "新有効成分含有医薬品(既に製造販売の承認を与えられている医薬品と有効成分が明らかに異なる医薬品)の製造販売承認プロセスに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["承認申請書に添付すべき資料には、製造方法に関する資料は含まれない。", "審査報告書は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が依頼した大学や医療機関の専門家が作成する。", "提出資料の信頼性を調査するため、治験を実施した医療機関に対して現地調査が行われる場合がある。", "薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、厚生労働大臣が承認する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n承認申請書に添付すべき資料には、製造方法並びに規格及び試験方法等に関する資料が含まれている。なお、製造方法並びに規格及び試験方法等に関する資料以外には、起源または発見の経緯及び外国における使用状況等に関する資料、安定性に関する資料、薬理作用に関する資料、吸収、分布、代謝及び排泄に関する資料、急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、催奇形性その他の毒性に関する資料、臨床試験等の試験成績に関する資料を添付する必要がある。2:誤\n審査報告書は、厚生労働省の依頼により、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が作成する。3:正\n提出資料の信頼性を調査するために、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が治験を実施した医療機関に対して現地調査を行うことがある。4:正\n厚生労働大臣は、新医薬品の承認について、あらかじめ、薬事・食品衛生審議会の意見を聴かなければならない。"} +{"problem_id": "097150", "problem_text": "コミュニケーションに関する説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["対人コミュニケーション(パーソナルコミュニケーション)では、情報が送り手から不特定多数の聞き手に一方向に送られる。", "対面で会話をする場合、情報の受け手は、話し手の表情や声の調子など言葉以外のものから多くの情報を得ることができる。", "聞き手が話し手の伝えたい言葉を共感的に繰り返すことは、話を受け止めていることを話し手に伝える方法のひとつである。", "答える側が決まった答えではなく、どのようにでも答えられるように聞く質問の形式を「閉じた質問」という。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n対人コミュニケーション(パーソナルコミュニケーション)とは、2者間または少数間のコミュニケーションであり、情報が送り手から不特定多数の聞き手に一方向に送られることはない。パーソナルコミュニケーションでは、情報は直接の会話または電話、郵便、メールなどによって、双方向でやり取りされる。なお、問題文は、マスコミュニケーションに関する記述である。2:正\n情報の受け手に伝わる情報には、言語で伝わるもの以外に、言語以外(身体動作、身体接触、身体的特徴、声の大きさ、テンポなど)で伝わるものもある。3:正\n聞き手が話し手と同じような体験をしているように言葉を繰り返すと、話し手は話を受けとめてもらえていると感じる。このような効果をミラーリング効果という。4:誤\n答える側が決まった答えではなく、どのようにでも答えられるように聞く質問の形式を「開いた質問」という。なお、閉じた質問とは、聞かれた人が、「はい」か「いいえ」、「数値」などで答えられる質問のことをいう。"} +{"problem_id": "097151", "problem_text": "��胞膜受容体の情報伝達系に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["平滑筋のGsタンパク質共役型受容体が刺激されると、小胞体からのCa^{2+}遊離が促進される。", "心筋のGiタンパク質共役型受容体が刺激されると、K^{+}の細胞外流出が抑制される。", "血管内皮細胞のアセチルコリンM_{3}受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介して一酸化窒素合成酵素が阻害される。", "腎臓のナトリウム利尿ペプチド受容体が刺激されると、チロシンキナーゼの活性化による自己リン酸化が起こる。", "脊髄のグリシン受容体が刺激されると、Cl^{-}の透過性が亢進する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n平滑筋のGsタンパク質共役型受容体が刺激されると、アデニル酸シクラーゼが活性化され、細胞内cAMP量が増加する。それにより、筋小胞体からのCa^{2+}の放出が抑制される。2:誤\n心筋のGiタンパク質共役型受容体が刺激されると、K^{+}チャネルが活性化され、K^{+}の細胞外への流出が促進される。それにより、心筋細胞膜が過分極することで心機能が抑制される。3:誤\n血管内皮細胞のムスカリンM_{3}受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介して一酸化窒素(NO)合成酵素が活性化される。それにより、NO産生が亢進することで血管平滑筋が弛緩する。4:誤\n腎臓のナトリウム利尿ペプチド受容体が刺激されると、受容体内のグアニル酸シクラーゼが活性化され、cGMP産生が亢進する。5:正\n脊髄のグリシン受容体が刺激されると、グリシン受容体に内蔵されているCl^{-}チャネルが開口し、Cl^{-}の透過性が亢進する。"} +{"problem_id": "097152", "problem_text": "交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ナファゾリンは、アドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激し、鼻粘膜血管を拡張させる。", "エフェドリンは、アドレナリン\\beta 受容体刺激作用及び交感神経節後線維終末からのノルアドレナリン遊離促進作用を示す。", "クロニジンは、交感神経節後線維終末のアドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激し、ノルアドレナリン遊離を促進する。", "ラベタロールは、アドレナリン\\beta _{1}受容体を選択的に遮断し、眼圧を低下させる。", "ブナゾシンは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を選択的に遮断し、眼圧を低下させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nナファゾリンは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を選択的に刺激し、鼻粘膜血管を収縮させる。2:正\nエフェドリンは、混合型交感神経興奮薬であり、アドレナリン\\beta 受容体刺激作用(直接作用)と交感神経終末からのノルアドレナリン遊離促進作用(間接作用)を併せもつ。3:誤\nクロニジンは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を選択的に刺激し、交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を抑制する。4:誤\nラベタロールは、アドレナリン\\alpha 、\\beta 受容体遮断薬であり、\\alpha _{1}受容体遮断による血管拡張作用及び\\beta _{1}受容体遮断による心機能抑制作用により血圧を低下させる。5:正\nブナゾシンは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を選択的に遮断し、ブドウ膜強膜流出路からの眼房水流出を促進することで眼圧を低下させる。"} +{"problem_id": "097153", "problem_text": "副交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ジスチグミンは、シュレム管を開放し、眼房水の流出を促進する。", "ベタネコールは、ムスカリン様作用を示し、腸管の蠕動運動を促進する。", "カルバコールは、真性及び偽性コリンエステラーゼのいずれによっても分解されにくい。", "プロパンテリンは、前立腺肥大による排尿障害を改善する。", "ピロカルピンは、瞳孔括約筋を収縮させ、縮瞳を引き起こす。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\nジスチグミンは、可逆的コリンエステラーゼ阻害薬であり、アセチルコリンの分解を抑制することで副交感神経を興奮させ、シュレム管を開口し、眼房水流出を促進する。2:正しい\nベタネコールは、直接型副交感神経興奮薬であり、腸管平滑筋のムスカリン性アセチルコリン受容体を刺激することで、腸管の蠕動運動を促進する。3:正しい\nカルバコールは、アセチルコリンのアセチル基をカルバモイル基に置換した化合物であり、真性及び偽性コリンエステラーゼのいずれによっても分解されにくい。4:誤っている\nプロパンテリンは、副交感神経遮断薬であり、膀胱平滑筋を弛緩させることで、尿排泄を抑制するため、前立腺肥大症に伴う排尿障害を悪化させる。5:正しい\nピロカルピンは、直接型副交感神経興奮薬であり、瞳孔括約筋のムスカリン性アセチルコリン受容体を刺激することで縮瞳を引き起こす。"} +{"problem_id": "097154", "problem_text": "知覚神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["コカインは、血管拡張作用を持つため、局所麻酔作用の持続時間が短い。", "プロカインは、皮膚・粘膜浸透力が強いエステル型局所麻酔薬で、表面麻酔に用いられる。", "テトラカインは、非イオン型が神経細胞膜の内側から作用し、電位依存性Na^{+}チャネルを遮断する。", "オキセサゼインは、強酸性下でも局所麻酔作用を示し、胃潰瘍に伴う疼痛を緩和する。", "リドカインは、血中エステラーゼによる代謝物がアレルギー反応を起こしやすい。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nコカインは、交感神経終末部のアミントランスポーター阻害によりノルアドレナリンの再取り込み阻害を介した血管収縮作用を持つため、他の局所麻酔作用薬に比べ、局所麻酔作用の持続時間が長い。2:誤\nプロカインは、エステル型の局所麻酔薬であり、皮膚・粘膜透過力が弱いため、表面麻酔以外の局所麻酔に用いられる。3:誤\nテトラカインは、非イオン型で神経細胞内に入り、神経細胞内でイオン型となり神経細胞膜の内側から電位依存性Na^{+}チャネルを遮断する。4:正\nオキセサゼインは、他の局所麻酔薬とは異なり、強酸性条件下でも局所麻酔作用を発揮できる薬物であり、胃潰瘍に伴う疼痛を緩和する。5:誤\nリドカインは、アミド型の局所麻酔薬であり、血中エステラーゼによる分解を受けにくい。なお、局所麻酔薬によるアレルギー反応は、血中エステラーゼにより分解を受けるエステル型でみられやすい。"} +{"problem_id": "097155", "problem_text": "全身麻酔薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["亜酸化窒素は、最小肺胞内濃度(MAC)が大きく、酸素欠乏症を起こしやすい。", "エンフルランは、ハロタンに比べ、カテコールアミンによる心室性不整脈を誘発しやすい。", "プロポフオールは、GABA_{B}受容体を刺激し、速やかな麻酔作用を示す。", "チオペンタールは、代謝及び排泄が速やかなため、作用が短時間で消失する。", "ケタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を刺激し、意識の解離をもたらす。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n亜酸化窒素は、最小肺胞内濃度(MAC)が大きいため、麻酔作用を示すには高濃度を吸入する必要がある。亜酸化窒素を高濃度吸入すると、酸素欠乏症を起こしやすくなる。2:誤\nエンフルランは、心筋カテコールアミン感受性増大作用が弱いため、ハロタンに比べ、カテコールアミンによる心室性不整脈を誘発しにくい。3:誤\nプロポフォールは、GABA_{A}受容体の機能を亢進することで、速やかな麻酔効果を示す。4:誤\nチオペンタールは、脂溶性が高く、脳に速やかに移行し、その後、他の脂肪組織に移行するため、作用が短時間で消失する。5:誤\nケタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を非競合的に遮断することで、意識の解離をもたらす解離性麻酔薬である。"} +{"problem_id": "097156", "problem_text": "中枢神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ドネペジルは、中枢のアセチルコリンエステラーゼを阻害し、低下したコリン作動性神経伝達を促進する。", "セレギリンは、脊髄多シナプス反射を抑制し、痙性麻痺における過剰な筋緊張を緩和する。", "炭酸リチウムは、縫線核のセロトニン作動性神経活動を選択的に抑制し、抗躁作用を示す。", "エダラボンは、脳虚血障害により発生したフリーラジカルを消去し、神経細胞の酸化的障害を抑制する。", "チザニジンは、脊髄のニコチン性アセチルコリン受容体の機能を抑制し、腰痛症の筋緊張を緩和する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nドネペジルは、中枢のアセチルコリンエステラーゼを可逆的に阻害し、脳内ア��チルコリン濃度を増加させ、低下したコリン作動性神経伝達を促進する。2:誤\nセレギリンは、モノアミンオキシダーゼB(MAO_{B})を選択的に阻害し、ドパミン分解を阻害してドパミン量を増大させる。3:誤\n炭酸リチウムの作用機序はまだ完全に解明されていないが、特異的にイノシトール-1-リン酸分解酵素を阻害することによるイノシトールリン脂質代謝回転(PI代謝回転)を抑制していると考えられている。4:正\nエダラボンは、脳虚血障害により発生したフリーラジカルを消去し、脂質過酸化を抑制する作用により脳梗塞急性期に伴う機能障害を改善する目的で用いられる。5:誤\nチザンジンは、中枢性筋弛緩薬であり、脊髄及び脊髄上位中枢のアドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激して、脊髄多シナプス反射を抑制することで筋弛緩作用を示す。"} +{"problem_id": "097157", "problem_text": "不整脈治療薬の作用機序について正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ニフェカラントは、心筋のNa^{+}チャネルを選択的に遮断するが、不応期に影響を与えない。", "ベラパミルは、房室結節のK^{+}チャネルを選択的に遮断し、房室伝導速度を低下させる。", "キニジンは、心筋のNa^{+}チャネルとK^{+}チャネルを遮断し、活動電位持続時間を短縮する。", "ソタロールは、心筋のK^{+}チャネル遮断作用と\\beta 受容体遮断作用を示す。", "ベプリジルは、心筋の\\beta 受容体遮断作用とCa^{2+}チャネル遮断作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nニフェカラントは、III群の抗不整脈薬であり、心筋のK^{+}チャネルを選択的に遮断し、不応期を延長させる。2:誤\nベラパミルは、IV群の抗不整脈薬であり、洞房結節のCa^{2+}チャネルを選択的に遮断し、房室伝達速度を低下させる。3:誤\nキニジンは、Ia群の抗不整脈薬であり、心筋のNa^{+}チャネルとK^{+}チャネルを遮断し、活動電位持続時間を延長する。4:正\nソタロールは、III群の抗不整脈薬であり、心筋のK^{+}チャネル遮断作用と\\beta 受容体遮断作用を示す。5:誤\nベプリジルは、IV群の抗不整脈薬であり、心筋のCa^{2+}チャネル、Na^{+}チャネル、K^{+}チャネル遮断作用を示すが、\\beta 受容体遮断作用を示さない。"} +{"problem_id": "097158", "problem_text": "循環器系作用薬に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アメジニウムは、交感神経終末へのノルアドレナリン再取り込みと不活性化を阻害し、昇圧作用を示す。", "シルデナフィルは、サイクリックGMP(cGMP)の分解を抑制し、勃起障害と肺動脈性肺高血圧症を改善する。", "ベラプロストは、末梢血管拡張及び血小板凝集抑制により、末梢循環障害を改善する。", "ボセンタンは、エンドセリン受容体を遮断し、肺動脈性肺高血圧症を改善する。", "ファスジルは、アドレナリン\\beta _{2}受容体を活性化し、クモ膜下出血後の脳血管れん縮を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nアメジニウムは、交感神経終末へのノルアドレナリン再取り込みを阻害することに加え、モノアミンオキシダーゼ(MAO)を阻害することで、ノルアドレナリンの不活性化を阻害し、昇圧作用を示す。2:正しい\nシルデナフィルは、ホスホジエステラーゼVを阻害することで、サイクリックGMP(cGMP)の分解を抑制し、勃起障害と肺動脈性肺高血圧症を改善する。3:正しい\nベラプロストは、プロスタグランジンI_{2}誘導体であり、末梢血管拡張及び血小板凝集抑制により、末梢循環障害を改善する。4:正しい\nボセンタンは、血管収縮性ペプチドであるエンドセリンの受容体(ET_{A}/ET_{B})を非選択的に遮断し、エンドセリンによる血管収縮を抑制することで、肺動脈性肺高血圧症を改善する。5:誤っている\nファスジルは、ミオシンホスファターゼ阻害に関与するRhoキナーゼを阻害し、平滑筋収縮に必要なミオシン軽鎖のリン酸化を阻害することにより、血管平滑筋を弛緩させ、クモ膜下出血後の脳血管れん縮を抑制する。"} +{"problem_id": "097159", "problem_text": "消化管に作用する薬物に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カルメロース(カルボキシメチルセルロース)は、腸管内で水分を吸収して膨張し、腸管運動を促進する。", "ロペラミドは、腸管のオピオイド\\micro 受容体���刺激し、腸管運動を抑制する。", "メペンゾラートは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断し、腸管運動を抑制する。", "次硝酸ビスマスは、腸粘膜表面のタンパク質に結合することで被膜を形成し、腸粘膜を保護する。", "トリメブチンは、腸管のドパミンD_{2}受容体を遮断し、低下した腸管運動を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nカルメロース(カルボキシメチルセルロース)は、膨張性下剤であり、腸管内で水分を吸収して膨張し、腸管運動を促進する。2:正しい\nロペラミドは、腸管のオピオイド\\micro 受容体を刺激し、アセチルコリンの遊離を抑制することで腸管運動を抑制する。3:正しい\nメペンゾラートは、腸管平滑筋のアセチルコリンM_{3}受容体を遮断し、腸管運動を抑制する。4:正しい\n次硝酸ビスマスは、腸粘膜表面のタンパク質に結合することで、不溶性の被膜を形成し、腸粘膜保護と消炎作用、防腐作用を示す。5:誤っている\nトリメブチンは、コリン作動性神経シナプス前膜のオピオイド\\micro受容体に作用し、アセチルコリンの遊離を調節することで、腸管運動低下時には腸管運動を亢進し、腸管運動亢進時には腸管運動を抑制する作用を有する。"} +{"problem_id": "097160", "problem_text": "糖尿病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グリベンクラミドは、スルホニル尿素受容体と結合し、膵臓\\beta 細胞からのインスリン分泌を促進する。", "メトホルミンは、ATP感受性K^{+}チャネルを活性化し、肝臓での糖新生を抑制する。", "ピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\gamma (PPAR\\gamma )を刺激し、アディポネクチンの発現を抑制する。", "アカルボースは、多糖類の分解を可逆的に阻害し、腸管からの糖の吸収を遅延させる。", "ナテグリニドは、高血糖状態で増加する細胞内ソルビトールの蓄積を抑制し、末梢神経障害を改善する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正グリベンクラミドは、スルホニル尿素(SU)薬であり、スルホニル尿素受容体と結合し、ATP感受性K^{+}チャネルを遮断することで、膵臓\\beta 細胞からのインスリン分泌を促進する。2:誤\nメトホルミンは、ビグアナイド系薬であり、AMP依存性プロテインキナーゼを活性化し、肝臓での糖新生抑制や末梢での糖の利用を促進することで、血糖降下作用を示す。3:誤\nピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\gamma (PPAR\\gamma )を刺激し、アディポネクチンの発現を促進することでTNF-\\alpha 産生を低下させ、インスリン抵抗性を改善する。4:正\nアカルボースは、\\alpha -グルコシダーゼ、\\alpha -アミラーゼを阻害し、多糖類の分解を可逆的に阻害することで、腸管からの糖の吸収を遅延させる。5:誤\nナテグリニドは、速効型インスリン分泌促進薬であり、SU構造を有しないが、SU剤と同様の機序により、膵臓\\beta 細胞からのインスリン分泌を促進する。"} +{"problem_id": "097161", "problem_text": "脂質異常症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["コレスチラミンは、末梢脂肪組織からの遊離脂肪酸の動員を抑制し、トリグリセリド合成を低下させる。", "エゼチミブは、小腸からのコレステロールの吸収を選択的に阻害する。", "プロブコールは、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールに対する抗酸化作用により抗動脈硬化作用を示す。", "クロフィブラートは、脂肪酸の\\beta 酸化を抑制し、トリグリセリド合成を低下させる。", "イコサペント酸エチルは、肝臓でのコレステロールから胆汁酸への異化を促進し、LDL受容体を増加させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nコレスチラミンは、陰イオン交換樹脂であり、腸管内において胆汁酸と結合し、胆汁酸の排泄を促進させることによりコレステロールの吸収を抑制する。なお、末梢脂肪組織からの遊離脂肪酸の動員を抑制し、トリグリセリド合成を低下させるのは、ニコチン酸誘導体(ニコモール、ニセリトロール)である。2:正\nエゼチミブは、小腸に存在するコレステロールトランスポーターを阻害することにより小腸からのコレステロールの吸収を選択的に阻害する。3:正\nプロブコールは、低密度リポタンパク質(LDL)コレス���ロールに対する抗酸化作用により抗動脈硬化作用を示すことに加え、コレステロールの胆汁酸への異化促進作用により、血清コレステロール低下作用を示す。4:誤\nクロフィブラートは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\alpha (PPAR\\alpha )を活性化し、肝細胞における脂肪酸の\\beta 酸化を促進することによりトリグリセリド(TG)合成を低下させる。5:誤\nイコサペント酸エチルは、LPLを活性化し、TGの分解を促進することにより血清TGを低下させる。"} +{"problem_id": "097162", "problem_text": "血液に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アルガトロバンは、プロスタノイドIP受容体を刺激し、血小板凝集を阻害する。", "ウロキナーゼは、フィブリノーゲンに強く結合し、フィブリンの生成を抑制する。", "ダルテパリンは、アンチトロンビンIIIに結合し、Xa因子の活性を阻害する。", "トラネキサム酸は、プラスミンのリシン結合部位に結合し、プラスミンによるフィブリンの分解を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nアルガトロバンは、抗トロンビン薬であり、アンチトロンビンIII非依存的に抗トロンビン作用を示し、フィブリン生成や血小板凝集を抑制する。2:誤\nウロキナーゼは、血液中に存在するプラスミノーゲンのプラスミンへの変換を促進し、フィブリン分解を促進する。3:正\nダルテパリンは、低分子ヘパリン製剤であり、アンチトロンビンIIIに結合し、セリンプロテアーゼの活性を抑制することで、Xa因子の活性を阻害する。4:正\nトラネキサム酸は、プラスミンやプラスミノーゲンのリシン結合部位に結合し、プラスミンやプラスミノーゲンがフィブリンに結合することを抑制することで、プラスミンによるフィブリンの分解を阻害する。"} +{"problem_id": "097163", "problem_text": "非ステロイド性抗炎症薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メロキシカムは、シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)よりCOX-1に対して強い阻害作用を有し、胃腸障害を起こしやすい。", "アスピリンは、COX-2をアセチル化により選択的に阻害するため、胃粘膜刺激作用は弱いが、ぜん息発作を誘発することがある。", "ジクロフェナクは、強い抗炎症作用を有するが、中枢性の副作用は極めて弱い。", "メフェナム酸は、生体内で活性型に代謝され、COX-2を選択的に阻害する。", "セレコキシブは、COX-1とCOX-2に対し強い阻害作用を有し、心血管障害を起こしやすい。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nメロキシカムは、シクロオキシゲナーゼ1(COX-1)よりCOX-2に対して強い阻害作用を有し、胃腸障害を起こしにくい。2:誤\nアスピリンは、非選択にCOXをアセチル化することにより阻害するため、胃粘膜刺激作用は強い。また、COXを阻害することで、相対的にロイコトリエンの生成が促進するため、ぜん息発作を誘発することがある。3:正\nジクロフェナクは、他のNSAIDに比べると、強い抗炎症作用を示すが、血液脳関門を通過しにくいため、中枢性の副作用は現れにくい。4:誤\nメフェナム酸は、生体内で活性型に変化することなく、COXを非選択的に阻害する。5:誤\nセレコキシブは、COX-2を選択的に阻害するため、心血管障害を起こしやすい(海外において、COX-2選択的阻害剤等の投与により、心筋梗塞、脳卒中等のリスクを増大させると報告されている。)。参考\n・COX-1: 構成型シクロオキシゲナーゼ:多くの細胞に分布している。・COX-2: 誘導型シクロオキシゲナーゼ:炎症時に種々のサイトカインにより誘導される。"} +{"problem_id": "097164", "problem_text": "抗菌薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["バンコマイシンは、DNAジャイレースを阻害し、細菌のRNA合成を抑制する。", "テトラサイクリンは、細菌リボソーム30Sサブユニットに結合し、アミノアシルtRNAのリボソームヘの結合を阻害する。", "リファンピシンは、細菌リボソーム50Sサブユニットに結合し、タンパク質合成を阻害する。", "エリスロマイシンは、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、細菌のDNA複製を阻害する。", "レボフロキサシンは、細胞壁ペプチドグリカン合成初期段階のUDPサイクルを阻害し、細菌の細胞壁合成を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nバンコマイシンは、グリコペプチド系抗生物質であり、ペプチドグリカンポリマーのペンタペプチドC末端のD-アラニル-D-アラニンに結合することで細胞壁合成を阻害する。2:正\nテトラサイクリンは、テトラサイクリン系抗生物質であり、細菌リボソーム30Sサブユニットに結合し、アミノアシルtRNAのリボソームヘの結合を阻害することで、タンパク質の合成を阻害する。3:誤\nリファンピシンは、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、結核菌のRNA合成を抑制する。4:誤\nエリスロマイシンは、マクロライド系抗生物質であり、細菌リボソーム50Sサブユニットに結合し、タンパク質合成を阻害する。5:誤\nレボフロキサシンは、ニューキノロン系抗菌薬であり、細菌のDNAジャイレースを阻害し、細菌のDNA合成を抑制する。"} +{"problem_id": "097165", "problem_text": "抗ウイルス薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ジドブジンは、細胞内で水酸化を受けて活性化され、ウイルスの増殖に必要なプロテアーゼを阻害する。", "リトナビルは、ウイルスの逆転写酵素を競合的に阻害する。", "アシクロビルは、細胞内でアシクロビル三リン酸となり、ウイルスのDNAポリメラーゼを阻害する。", "ガンシクロビルは、ウイルスのノイラミニダーゼを阻害する。", "オセルタミビルは、その活性代謝物がウイルスの脱殻を阻害し、核内へのウイルスの侵入を阻止する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nジドブジンは、細胞内でリン酸化されて、ジドブジン三リン酸となり、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の逆転写酵素を競合的に阻害する。2:誤\nリトナビルは、HIVプロテアーゼを競合的に阻害する。3:正\nアシクロビルは、細胞内でリン酸化されてアシクロビル三リン酸となり、ウイルスのDNAポリメラーゼを阻害する。4:誤\nガンシクロビルは、細胞内でリン酸化されてガンシクロビル三リン酸となり、DNA依存性DNAポリメラーゼを阻害し、抗ウイルス作用を示す。5:誤\nオセルタミビルは、その活性代謝物がノイラミニダーゼを選択的に阻害し、ウイルス感染細胞からの遊離を抑制する。"} +{"problem_id": "097166", "problem_text": "薬物吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["鼻粘膜は、全身作用を目的としたペプチド性薬物の投与部位として利用されている。", "吸入されたステロイドは、その大部分が全身循環血に吸収され治療効果を示す。", "ニトログリセリンの経皮吸収型製剤は、胸の近傍に貼付しなければならない。", "ウィテップゾールを基剤とする坐剤は、体温で基剤が融解し主薬が吸収される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n鼻粘膜は、消化管粘膜に比べ分子量の大きい薬物を吸収できるため、全身作用を目的としたペプチド性薬物の投与部位として利用されている。2:誤\n吸入されたステロイドは、その大部分が吸入部位に留まることで効果を示す。3:誤\nニトログリセリンの経皮吸収製剤は、経皮から吸収され薬理効果を示すため、胸部以外にも、腰、腕に貼付することでも効果を示す。4:正\nウィテップゾールは油脂性基剤に該当するため、ウィテップゾールを基剤とする坐剤は、体温で基剤が融解し主薬が吸収される。"} +{"problem_id": "097167", "problem_text": "単純拡散による薬物の生体膜透過に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イオン形薬物は、非イオン形薬物と比べて透過性が高い。", "脂溶性薬物は、水溶性薬物と比べて透過性が高い。", "高分子薬物は、低分子薬物と比べて透過性が高い。", "透過速度はMichaelis-Menten式で表される。", "構造類似薬物の共存により、透過速度が低下する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n単純拡散による薬物の生体膜透過では、pH分配仮説が成立し、分子形の薬物及び脂溶性の薬物は透過しやすい。2:正\n解説1参照\n3:誤\n単純拡散による薬物の生体膜透過では、高分子薬物は、低分子薬物と比べて透過性が低い。4:誤\n単純拡散による薬物の生体膜透過では、その透過速度はFickの法則に従う。なお、透過速度がMichaelis-Menten式で表されるのは、担体輸送(能動輸送、促進拡散)である。5:誤\n単純拡散による薬物の生体膜透過では、構造類似薬物が共存しても��透過速度は変化しない。なお、構造類似薬物の共存により、透過速度が低下するのは、担体輸送(能動輸送、促進拡散)である。"} +{"problem_id": "097168", "problem_text": "薬物の組織移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["皮膚、筋肉、脂肪などの組織では、組織単位重量あたりの血流量が小さいために、一般に血液から組織への薬物移行が遅い。", "脈絡叢では上皮細胞どうしが強固に結合し、血液脳脊髄液関門を形成している。", "分子量5,000以下の薬物は、筋肉内投与後、リンパ系に選択的に移行する。", "組織結合率が同じ場合、血漿タンパク結合率が低い薬物に比べ高い薬物の分布容積は大きい。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n組織単位重量あたりの血流量は、薬物の組織への移行性に関与しており、皮膚、筋肉、脂肪などの組織では、組織単位重量あたりの血流量が小さいために、一般に血液から組織への薬物移行が遅い。2:正\n脈絡叢は、血液と脳脊髄液の間に存在しており、脈絡叢では上皮細胞どうしが強固に結合し、血液脳脊髄液関門を形成している。3:誤\n分子量5,000以下の薬物は、筋肉内投与後、ほとんどは血管に移行する。なお、分子量5,000以上の薬物は、筋肉内投与後、リンパ系に選択的に移行する。4:誤\n分布容積V_{d}は、下記の式で表される。V_{p}: 血漿容積、V_{t}: 組織容積、f_{p}: 血漿中非結合率、f_{t}: 組織中非結合率上記の式より、組織結合率が同じ(f_{t}が同じ)場合、血漿タンパク結合率が低い薬物に比べ高い(f_{p}が小さい)薬物の分布容積は小さいといえる。"} +{"problem_id": "097169", "problem_text": "シトクロムP450(CYP)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ヒト肝組織中の存在量が最も多い分子種はCYP2D6である。", "エタノールの生体内での酸化反応に関与する。", "グルクロン酸抱合反応を担う主な酵素である。", "遺伝的要因によりCYP2C19の代謝活性が低い人の割合は、白人と比較して日本人の方が少ない。", "セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含む健康食品の摂取で、CYP3A4の誘導が起こる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nヒト肝組織中に存在比が最も多い分子種はCYP3A4である。2:正\nエタノールの生体内での酸化反応には、アルコール脱水素酵素、カタラーゼ及びCYP2E1が関与する。3:誤\nグルクロン酸抱合反応を担う主な酵素は、UDP-グルクロン酸転移酵素である。4:誤\n遺伝的要因によりCYP2C19の代謝活性の低い人(PM: poor metabolizer)の割合は、白人(約3%)と比較して日本人(約20%)の方が多い。5:正\nセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含む健康食品は、CYP3A4誘導作用を有する。"} +{"problem_id": "097170", "problem_text": "P-糖タンパク質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["二次性能動輸送担体の1つである。", "小腸上皮細胞に発現し、薬物の吸収を妨げる。", "脳毛細血管内皮細胞に発現し、薬物の中枢移行を促進する。", "肝細胞に発現し、薬物の胆汁排泄を促進する。", "腎尿細管上皮細胞に発現し、薬物の再吸収を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nP糖タンパク質は、一次性能動輸送担体であり、直接ATPを利用することで薬物を輸送する。2:正\nP糖タンパク質は、小腸上皮細胞の刷子側膜に発現し、薬物を血液側から消化管側に輸送することで、薬物の吸収を妨げている。3:誤\nP糖タンパク質は、脳毛細血管内皮細胞に発現し、薬物を脳血管内皮細胞から血管側に輸送することで、薬物の中枢移行を抑制する。4:正\nP糖タンパク質は、毛細胆管側膜に発現し、薬物を血管側から毛細胆管側に輸送することで薬物の胆汁中排泄を促進する。5:誤\nP糖タンパク質は、腎尿細管上皮細胞に発現し、薬物を細胞内から尿細管側に輸送することで薬物の尿中排泄を促進する。"} +{"problem_id": "097171", "problem_text": "薬物Bの併用が薬物Aの体内動態に及ぼす影響として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nメトクロプラミドは、胃内容排泄速度を増大させるため、小腸上部に存在する担体から吸収されるリボフラビンの消化管吸収を抑制する。2:正\nエリスロマイシンは、CYP3A4阻害作用を有するため、トリアゾラムの肝代謝を阻害する。3:誤\n炭酸水素ナトリウムは、尿のpHを上昇させ、尿中のサリチル酸の分子形の割合を低下させるため、サリチル酸の尿細管再吸収が抑制される。4:正\nメトトレキサートとプロベネシドは、共に近位尿細管に存在する有機アニオン輸送系によって分泌されるため、メトトレキサートとプロベネシドを併用すると、メトトレキサートの尿細管分泌が阻害される。"} +{"problem_id": "097172", "problem_text": "ある薬物100 mgをヒトに静脈内投与したところ、下の片対数グラフに示す血中濃度推移が得られた。この薬物を50 mg/hの速度で定速静注するとき、投与開始2時間後の血中薬物濃度(\\micro g/mL)に最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["1.8", "3.6", "7.2", "14.4", "28.8"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "設問のグラフより、本薬物の半減期t_{1/2}は2 hであることから、消失速度定数k_{e}を以下のように求めることができる。k_{e}=0.693/t_{1/2}=0.693/2 h=0.3465 h^{-1}また、設問のグラフより、投与量Dを100 mgとしたときの投与直後濃度C_{0}は10 \\micro g/mLであることから、分布容積V_{d}を以下のように求めることができる。V_{d}=D/C_{0}=100 mg/10 \\micro g/mL=100 mg/10 mg/L=10 L\nこれらのことから、本薬物の全身クリアランスCL_{tot}を以下のように求めることができる。CL_{tot}=k_{e}・V_{d}=0.3465 h^{-1}・10 L=3.465 L/h\nこの薬物を50 mg/hの速度で定速静注するとき、定常状態の血中濃度C_{ss}を以下のように求めることができる。C_{ss}=k_{0}/CL_{tot}=50 mg/h/3.465 L/h\\fallingdotseq 14.4 mg/L=14.4 \\micro g/mL\n定速静注で半減期と同じ時間投与した場合の血中濃度は、定常状態の血中濃度の半分となることから、この薬物を50 mg/hの速度で定速静注したときの投与開始2時間後(半減期後)の血中薬物濃度(\\micro g/mL)は14.4 \\micro g/mL/2=7.2 \\micro g/mLとなる。"} +{"problem_id": "097173", "problem_text": "肝代謝のみで消失する薬物を経口投与する場合において、以下の変化が生じたとする。血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が2倍に上昇するのはどれか。2つ選べ。ただし、この薬物の消化管からの吸収率は100%とし、肝臓での挙動はwell-stirred modelに従うものする。", "choices": ["肝血流速度が1/2に低下した場合", "タンパク結合の置換により血中非結合形分率が2倍に上昇した場合", "結合タンパク質の増加により血中非結合形分率が1/2に低下した場合", "肝代謝酵素の誘導により肝固有クリアランスが2倍に増加した場合", "肝代謝酵素の阻害により肝固有クリアランスが1/2に低下した場合"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "問題文に「肝代謝のみで消失する薬物」、「この薬物の消化管からの吸収率は100%」とあることから、小腸で初回通過効果をまぬがれた割合F_{g}=1、全身クリアランスCL_{tot}は肝クリアランスCL_{h}と等しく、消化管吸収率F_{a}=1であることがわかる。これらのことから、血中濃度-時間曲線下面積AUCを以下のように変形することができる。<1-E_{h}を求める>\n\n1-E_{h}、CL_{h}をはじめに求めたAUCの式に代入すると以下の式が得られる。上記より、この薬物の血中濃度-時間曲線下面積AUCは、投与量Dに比例し、血漿タンパク結合率f、肝固有クリアランスCL_{int}に反比例する。よって、この薬物の血中濃度-時間曲線下面積AUCが2倍に増加するのは、「結合タンパク質の増加により血中非結合形分率が1/2に低下した場合」と「肝代謝酵素の阻害により肝固有クリアランスが1/2に低下した場合」である。"} +{"problem_id": "097174", "problem_text": "薬物の溶解及び製剤からの放出に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ヒグチ(Higuchi)の式において、放出される薬物の累積量は時間の平方根に比例する。", "ヒクソン-クロウェル(Hixson-Crowell)の式は、粒度分布を持つ粉体の溶解現象を表す式である。", "固体分散体中の薬物は、その薬物結晶に比べて溶解速度が小さい。", "安定形の結晶は、準安定形の結晶に比べて溶解速度が大きい。", "無水物は、水和物に比べて水中での溶解速度が大きい。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nヒグチ(Higuchi)式は、マトリックス製剤において成立する式であり、以下の式で表される。Q=[D・(2A-C_{s})]・C_{s}・t^{1/2}Q: 累積薬物放出量、D: マトリックス中の薬物の拡散係数、A: マトリックス中の全薬物量\nC_{s}: マトリックス中の薬物の溶解度、t: 時間\n上記の式より、放出される薬物の累積量は時間の平方根と比例する。2:誤\nヒクソン-クロウェル(Hixson-Crowell)の式は、シンク条件下、同一粒子径の球形粒子であると仮定した場合に成立する式であり、粒度分布を持つ粉体の溶解現象を表す式ではない。3:誤\n固体分散体とは、薬物を水溶性高分子に分散させたものであり、固体分散体中の薬物は、その薬物結晶に比べて溶解速度は大きい。4:誤\n安定形の結晶は、準安定形の結晶に比べて、溶解度が小さいため、溶解速度も小さくなる。5:正\n無水物は、水和物に比べて、溶解度が大きいため、溶解速度も大きくなる。"} +{"problem_id": "097175", "problem_text": "界面活性剤の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ソルビタンモノステアレートのHLB(hydrophile-lipophile balance)値は、ソルビタンモノラウレートのHLB値に比べて小さい。", "水溶液の当量伝導度(モル伝導率)は、ある濃度以上で急激に上昇する。", "アルキル硫酸ナトリウムの直鎖アルキル基(C_{10}H_{21}~C_{18}H_{37})の炭素数が増加すると、クラフト点は高くなる。", "臨界ミセル濃度以上では、溶液中にミセルとしてのみ存在する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nHLB(hydrophile-lipophile balance)値は、界面活性剤の親油性と親水性のバランスを表す値であり、一般に炭素鎖の長い界面活性剤の方が、HLBの値は小さい。よって、ソルビタンモノステアレート(アルキル鎖の炭素数: 18)のHLB値は、ソルビタンモノラウレート(アルキル鎖の炭素数: 12)のHLB値に比べて小さい。2:誤\n界面活性水溶液の当量伝導度は、臨界ミセル濃度まで穏やかに低下し、臨界ミセル濃度以上で急激に低下する。3:正\nクラフト点とは、イオン性界面活性剤の水に対する溶解度が急激に上昇する温度のことであり、一般にアルキル鎖の炭素数が増加するとクラフト点は高くなる。よって、アルキル硫酸ナトリウムの直鎖アルキル基(C_{10}H_{21}~C_{18}H_{37})の炭素数が増加すると、クラフト点は高くなる。4:誤\n臨界ミセル濃度以上では、界面活性剤はモノマー(単分子)及びミセルとして存在している。"} +{"problem_id": "097176", "problem_text": "粉体の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["粉砕しても、その比表面積は変化しない。", "粉砕すると、安息角は小さくなる。", "粒子径が大きいほど、空隙率が大きい粉体層を形成する。", "個数平均径D_{n}と質量平均径D_{w}を比較すると、D_{n}\n・アテローム性血栓性脳梗塞\n高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、多量の飲酒など\n・心原性脳塞栓症\n心房細動など\n2:正しい\nシロスタゾールは、血小板凝集抑制薬であり、本剤服用中は通常よりも出血しやすくなる。よって、本剤を服用中の患者には、通常よりも出血しやすくなることを説明し、異常な出血が認められた場合には医師に連絡するよう注意を促す必要がある。3:正しい\nシロスタゾールは、血小板凝集抑制薬であり、本剤服用中に出血を伴う治療(手術や抜歯など)を受ける場合、注意が必要である。よって、他院(他科)を受診する際には、本剤を服用していることを医師に必ず伝えるよう患者に注意を促す必要がある。4:正しい\nシロスタゾール及びプロスタグランジンE_{1}製剤は共に血小板凝集抑制作用を有するため、両剤を併用することにより、出血を助長することがある。5:誤っている\nシロスタゾールとオメプラゾールを併用すると、オメプラゾールによりシロスタゾールの代謝が抑制され、作用が増強することがある。"} +{"problem_id": "097219", "problem_text": "脳梗塞の発症には、生体の止血機構が関わっている。止血機構に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血小板から放出されるトロンボキサンA_{2}により、血管平滑筋が収縮する。", "血小板内のサイクリックAMP(cAMP)量が増加すると、血小板凝集が促進される。", "血小板が活性化されると、主な生理活性物質としてヒスタミン及び血小板活性化因子(PAF)が放出される。", "血管内皮細胞で産生されたプロスタグランジンI_{2}の作用により、強固な血小板血栓が形成される。", "血小板血栓の周囲でフィブリノーゲンからフィブリンが形成され、血液凝固が進行する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n血小板から放出されるトロンボキサンA_{2}(TXA_{2})は、血管平滑筋収縮、気管支平滑筋収縮、血小板凝集促進などの生理作用を有する。"} +{"problem_id": "097220", "problem_text": "糖代謝に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["血液中のD—グルコースは、脳の活動にとって必須の物質である。", "筋肉で生成した乳酸は、肝臓に運ばれてD—グルコースへと変換される。", "グリコーゲンは、UDP-グルコースを基質とし、グリコーゲンシンターゼの作用により合成される。", "筋肉では、グリコーゲンが分解され、血液中にD—グルコースが放出される。", "アドレナリン(エピネフリン)により、肝臓から血液中へのD—グルコースの放出が促進される。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正し��\n通常、脳はエネルギー源として、D—グルコースしか用いることはできない。よって、D—グルコースは、脳のエネルギー源として必須の物質である。2:正しい\n筋肉内で生成した乳酸は、血液を介して肝臓に運ばれてグルコース-6-ホスファターゼによりD—グルコースに変換され、再び筋肉に運ばれエネルギー源として利用される。3:正しい\nグリコーゲンは、動物の貯蔵多糖であり、余剰のグルコースがグルコース-6-リン酸、グルコース-1-リン酸を経て、UDP-グルコースに活性化されて、グリコーゲンシンターゼが働くことで合成される。4:誤っている\n筋肉では、グルコース-6-ホスファターゼが存在しないため、グリコーゲンをD-グルコースに変換することはできない。なお、肝臓や腎臓では、グルコース-6-ホスファターゼが存在するため、グリコーゲンをD—グルコースに変換することが可能である。5:正しい\nアドレナリンは、肝臓の\\beta _{2}受容体を刺激し、グリコーゲンホスホリラーゼを活性化する。それにより、グリコーゲンからD-グルコースの生成が促進する。"} +{"problem_id": "097221", "problem_text": "高血糖の患者の症状を悪化させる可能性のある薬物はどれか。2つ選べ。", "choices": ["メトトレキサート", "クエチアピンフマル酸塩", "プレドニゾロン", "ランソプラゾール", "ビルダグリプチン"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "高血糖の患者の症状を悪化させる可能性のある薬物は、クエチアピンフマル酸塩及びプレドニゾロンである。なお、クエチアピンフマル酸塩については、重篤な副作用として、高血糖症状に加え、低血糖症状も現れることがあるため、注意が必要である。"} +{"problem_id": "097222", "problem_text": "48歳男性。白血病に対する化学療法として、イマチニブメシル酸塩錠の投与が開始された。イマチニブメシル酸塩錠に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["染色体検査又は遺伝子検査により、慢性骨髄性白血病と診断された患者に使用する。", "嘔吐のリスクを軽減するため、セロトニン受容体遮断薬を用いる。", "妊婦又は妊娠している可能性のある婦人への投与は禁忌である。", "消化管吸収が悪いため、空腹時にコップ一杯の水とともに服用する。", "CYP3A4による代謝を受けるため、CYP3A4活性を阻害する薬剤と併用する場合、血中濃度が上昇する可能性がある。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\nイマチニブメシル酸塩の適応症を以下に示す。・慢性骨髄性白血病(染色体検査又は遺伝子検査により慢性骨髄性白血病と診断された場合)\n・KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍\n・フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病:など\n2:正しい\n抗悪性腫瘍薬であるイマチニブメシル酸塩による嘔吐のリスクを軽減するために、セロトニン5-HT_{3}受容体遮断薬(オンダンセトロン塩酸塩水和物など)を用いる。3:正しい\nイマチニブメシル酸塩は、妊娠又は妊娠している可能性のある婦人に禁忌である。4:誤っている\nイマチニブメシル酸の服用時には、消化管刺激作用を最低限に抑えるため、食後に多めの水で服用する必要がある。5:正しい\nイマチニブメシル酸塩は、主にシトクロムP450(CYP3A4)で代謝されるため、CYP3A4活性を阻害する薬剤と併用すると、血中濃度が上昇する可能性がある。"} +{"problem_id": "097223", "problem_text": "イマチニブが作用する標的タンパク質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["染色体転座により生成するキメラタンパク質である。", "セリン又はトレオニンをリン酸化する活性を有する。", "持続的なキナーゼ活性を有する。", "Gタンパク質の一種で、細胞増殖を制御する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "イマチニブが作用する標的タンパク質には、Bcr-Abl、v-Abl、c-Ablチロシンキナーゼ、KITチロシンキナーゼなどがある。Bcr-Ablチロシンキナーゼは、第9番染色体と第22番染色体が相互転座で生じるbcr-abl遺伝子を持つ異常染色体(フィラデルフィア染色体)により生成するキメラタンパク質であり、持続的なチロシンキナーゼ活性を有し、過剰な細胞増殖を引き起す。"} +{"problem_id": "097224", "problem_text": "72歳女性。肺癌に合併した閉塞性肺炎のため、入院中に抗菌化学療法を受けていた。��熱と腹痛、頻回の水様下痢などの消化器症状を呈し粘血便が見られたため糞便培養検査を行ったところ、ディフィシル菌(Clostridium difficile)及びその毒素が検出された。上記の症状を起こしやすい化学療法薬はどれか。2つ選べ。", "choices": ["クリンダマイシンリン酸エステル", "アンピシリンナトリウム", "ゲンタマイシン硫酸塩", "メトロニダゾール"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "本患者は、抗菌化学療法中、高熱と腹痛、頻回の水様下痢などの消化器症状を呈し粘血便が見られたため糞便培養検査を行ったところ、ディフィシル菌(Clostridium difficile)及びその毒素が検出されていることから、偽膜性大腸炎を発症していると考えられる。偽膜性大腸炎を起こしやすい薬物には、リンコマイシン系抗生物質(クリンダマイシンリン酸エステル)、ペニシリン系抗生物質(アンピシリンナトリウム)、セフェム系抗生物質がある。"} +{"problem_id": "097225", "problem_text": "上記の症状が誘起された原因として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["菌のゲノムDNAに変異が起こった。", "腸内の細菌叢が変化した。", "菌が芽胞を形成した。", "毒素タンパク質の高次構造が変化した。", "菌の薬物代謝酵素の発現が誘導された。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "抗菌薬投与による菌交代現象により腸内細菌叢が変化し、偽膜性大腸炎を発症していると考えられる。"} +{"problem_id": "097226", "problem_text": "必須微量元素に関する以下の問に答えよ。微量元素と、それを構成成分とする酵素との組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nアルコールデヒドロゲナーゼにはCu(銅)は含まれていない。なお、アルコールデヒドロゲナーゼにはZn(亜鉛)は含まれている。2:正\n3:誤\nキサンチンオキシダーゼにはCo(コバルト)は含まれていない。なお、キサンチンオキシダーゼには、Mo(モリブデン)は含まれている\n4:正\n5:誤\nカタラーゼにはMn(マンガン)は含まれていない。なお、カタラーゼにはFe(鉄)は含まれている。"} +{"problem_id": "097227", "problem_text": "経口及び経腸栄養補給が困難な60歳男性に対して高カロリー輸液に総合ビタミン注射液を混合して投与していた。3ヶ月経過したところで、経口摂取が可能となり、高カロリー輸液が中止になった。その後、男性より「食事の味がわからない」との訴えがあった。この原因として欠乏が考えられる微量元素はどれか。1つ選べ。", "choices": ["Cu", "Zn", "Co", "Se", "Mn"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "男性より「食事の味がわからない」との訴えがあったことから、この男性には味覚障害が現れていると考えられる。Zn(亜鉛)が欠乏すると、味覚障害が生じるため、この男性は長期間の輸液療法によりZn(亜鉛)欠乏が生じていると考えられる。"} +{"problem_id": "097228", "problem_text": "40歳男性。8月3日の早朝、下痢、腹痛、嘔吐と発熱を訴えて救急外来を受診した。医師が問診したところ、前夜に友人5人とイカ釣りに出かけ、船上で釣ったイカをイカそうめん(細切りの刺身)にして食べたとのことであった。友人5人も同様の症状を訴えているという。医師は食中毒と診断し、便の検査をオーダーするとともに、薬剤師に治療薬についての処方提案を求めた。この症例において、食中毒の原因として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["サルモネラ属菌", "ノロウイルス", "アニサキス", "腸炎ビブリオ", "ウェルシュ菌"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本問の時期は8月3日(夏期)であり、魚介類(イカ)の生食により下痢、腹痛、嘔吐、発熱などの食中毒症状を示していることから、この食中毒の原因として最も可能性が高いのは「腸炎ビブリオ」である。1:誤\nサルモネラ属菌による食中毒は、動物の糞尿により汚染された鶏卵、食肉などが原因となることがある。2:誤\nノロウイルスによる食中毒は、カキなどの二枚貝の生食などが原因となることがある。3:誤\nアニサキスによる食中毒は、魚介類の生食などが原因となることがあり、冬期に発生しやすい。細切りされたイカでは、アニサキスによる食中毒が起こることが稀である。4:正\n5:誤\nウェルシュ菌による食中毒は��肉類や魚介類を加熱調理後放置されたものを食することが原因となることがある。"} +{"problem_id": "097229", "problem_text": "この患者の初期の治療に最も適した薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["セフェム系抗菌薬", "電解質輸液", "止瀉薬", "解熱鎮痛薬", "鎮痙薬"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "腸炎ビブリオによる食中毒では、下痢や嘔吐により水分や電解質が失われることがある。そのため、腸炎ビブリオによって起こった食中毒に対しては、水分や電解質を補うために電解質輸液の点滴を行う。"} +{"problem_id": "097230", "problem_text": "56歳男性。35年間の喫煙歴があり、最近、息苦しいことが多いことから、禁煙相談のため薬局に来た。そこで、薬剤師が禁煙の重要性を説明することにした。薬剤師が、喫煙者に最も起こりやすい疾患として念頭におくべきものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["慢性閉塞性肺疾患", "狭心症", "小細胞肺癌", "非小細胞肺癌", "食道癌"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "喫煙は、慢性閉鎖性肺疾患(COPD)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、食道癌のリスク要因となるが、これらの疾患の中で喫煙者に最も起こりやすい疾患は、COPDである。COPDは、タバコの煙を主とする有害物質を長期に吸入暴露することで生じる炎症性疾患である。"} +{"problem_id": "097231", "problem_text": "喫煙に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["2000年以降の日本人男性の喫煙率は、低下する傾向にある。", "2000年以降の日本人女性の喫煙率は、上昇する傾向にある。", "妊産婦の喫煙は、低出生体重児のリスクファクターである。", "タバコの煙に含まれるベンゾ[a]ピレンは、一次発癌物質である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n厚生労働省国民健康栄養調査の成人喫煙率によると、2000年以降の日本人男性の喫煙率は低下傾向である。平成12年:\n男性の喫煙率(47.4%):平成23年:\n男性の喫煙率(32.4%)"} +{"problem_id": "097232", "problem_text": "保健薬局にて以下の処方せんを受け取った。この患者への指導として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["BMIの算出方法とその値が25以上を肥満と判定することを説明した。", "継続できる有酸素運動を勧めた。", "家庭での血圧測定の重要性について説明した。", "患者の疾病が食生活や喫煙などの生活習慣と深く関わっていることを説明した。", "毎日、空腹時血糖値を測ることを指導した。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:適切である\n処方薬より、本患者は、高血圧症、脂質異常症に罹患していると考えられる。本患者に対しては高血圧症、脂質異常症のリスク要因である肥満に注意するように説明する必要がある。そのため、肥満の指標であるBMIの算出方法とその値が25以上を肥満と判定することを説明することは適切である。2:適切である\n適度な有酸素運動により高血圧症、脂質異常症の改善が認められるため、本患者に対して、継続できる適度な有酸素運動を勧めることは適切である。3:適切である\n処方薬より、本患者は高血圧症に罹患していると考えられるため、家庭での血圧測定の重要性について説明することは適切である。4:適切である\n食生活や喫煙などの生活習慣が高血圧症や脂質異常症の発症に深く関わっているため、本患者に対して疾病と食生活や喫煙などの生活習慣が深く関わっていることを説明することは適切である。5:適切でない\n毎日、空腹時血糖値を測ることを指導するのは、糖尿病患者に対する指導である。よって、本患者に対して行う服薬指導としては不適切である。"} +{"problem_id": "097233", "problem_text": "この処方から推定される疾患が基礎となって発症する代表的な生活習慣病はどれか。2つ選べ。", "choices": ["痛風", "脳血管疾患", "心疾患", "悪性新生物", "肺気腫"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "本患者が罹患している高血圧症と脂質異常症は、動脈硬化性疾患(脳血管疾患、心疾患)のリスクファクターである。"} +{"problem_id": "097234", "problem_text": "午前8時半頃、半裸で意味不明の言葉を叫びながら路上で暴れていた男性が警察官に保護された。言動から薬物中毒が疑われたため、警察官は救急車を手配し、男性は救急病院に搬送された。���性の来院時の状態は以下の通りであり、担当医師から、救急救命室担当の薬剤師に、原因薬物の検査と治療薬の提案が依頼された。【身体所見】 呼吸数: 42/分、脈拍: 160/分、体温: 38^{\\circ} C、瞳孔 散大・対光反射減弱、発汗なし、歯咬み・歯ぎしり著明、口唇チアノーゼ、四肢の冷感、呼吸時に「ウー、ウー」と喘ぎながら首を左右に常同的に振る、左上肢に多数の注射痕あり 原因薬物と推定されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["大麻", "ヘロイン", "LSD", "メタンフェタミン", "トリアゾラム"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "路上で暴れていたことや身体所見(呼吸数増加、頻脈、体温上昇、瞳孔散大)より、患者は中枢興奮している状態であると考えられ、また、左上肢に多数の注射痕があることから、注射により薬物を摂取していると考えられる。これらのことから、原因薬物はメタンフェタミンであると推定される。なお、大麻、LSD(リゼルギン酸ジエチルアミド)、トリアゾラムは経口により摂取されるため、原因薬物とは考えられず、ヘロイン(ジアセチルモルヒネ)は注射により摂取されるが、呼吸数減少、縮瞳が認められるため、原因薬物とは考えられない。"} +{"problem_id": "097235", "problem_text": "この患者の治療に最も適切な薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "097236", "problem_text": "52歳男性。左片麻痺を主訴に受診し、CT検査で右頭頂葉に腫瘤を認めたため入院精査を行うことになった。造影MRIで、右頭頂葉にリング状に造影剤増強効果を示す20\\times 23 mm径の腫瘤と広範な周辺浮腫を認めた。また、胸部単純X線検査では左下肺野に腫瘤影を認めた。原発性肺癌の脳転移が疑われ、原発巣の確認と全身の転移巣の検索を目的として、PET-CT検査を行うことになった。核医学の専門医から、PET-CT業務を担当する薬剤師に検査薬の調製と品質検定が依頼された。調製すべき検査薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["^{99m}TcO_{4}^{-}", "^{67}Ga-クエン酸", "^{15}O-酸素ガス", "^{123}I-3-ヨードベンジルグアニジン", "^{18}F-フルデオキシグルコース"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "問題文に「PET-CT検査を行うことになった。」とあることから、調製すべき検査薬はPET-CT検査に用いられるものとなる。選択肢のうち、PET-CT検査に用いられるのは、^{15}O-酸素ガスと^{18}F-フルデオキシグルコースである。また、問題文に「肺癌の脳転移が疑われ」とあることから、脳の糖代謝や悪性腫瘍の診断に用いられる^{18}F-フルデオキシグルコースを調製すべきである。"} +{"problem_id": "097237", "problem_text": "この検査薬の体内分布を測定するには何を検出すればよいか。1つ選べ。", "choices": ["陽子線", "陽電子線", "特性X線", "\\gamma 転移で放出される電磁波", "消滅放射線"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "^{18}F-フルデオキシグルコースに含まれる^{18}Fは\\beta\n^{+}壊変する核種である。^{18}Fの壊変時に放出されるポジトロン(陽電子)は、体内の電子と衝突し180度方向に2本の\\gamma\n線(消滅放射線)を放出する。PETでは、この\\gamma\n線(消滅放射線)を測定して画像化する。"} +{"problem_id": "097238", "problem_text": "ある薬剤師が、中学校の学校薬剤師として委嘱された。以下の問に答えよ。学校薬剤師として以下の行為を行った。適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["校舎屋上の貯水タンクを改修したので、水道水に大腸菌が検出されないことを確認した。", "保健室のベッドについて、ダニの有無を検査した。", "処方せんを学校へ持参した生徒がいたので、保健室で調剤した。", "節電のために蛍光灯の数を減らしたので、教室の照度が十分か調べた。", "麻薬や覚せい剤の危険性について指導した。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "学校薬剤師は、学校内で処方せんによる調剤を行うことはない。学校薬剤師は、環境衛生検査(水道水の水質検査、害虫検査、教室の照度の確認など)に従事することや、危険な薬物(麻薬、覚せい剤など)の乱用についての指導及びその防止教育などを行う。"} +{"problem_id": "097239", "problem_text": "勤務する学校の水道水中の残留塩素を検査したところ、遊離残留塩素濃度は0.2 mg/L、結合残留塩素濃度は0.3 mg/Lであった。これ��関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["結合残留塩素が基準を満たしているので、塩素消毒は十分である。", "遊離残留塩素が基準を満たしているので、塩素消毒は十分である。", "結合残留塩素が基準を満たしていないので、塩素消毒は不十分である。", "遊離残留塩素が基準を満たしていないので、塩素消毒は不十分である。", "遊離残留塩素及び結合残留塩素がともに基準を満たしていないので、塩素消毒は不十分である。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "水道水水質基準において、「給水栓における残留塩素は、遊離残留塩素として0.1\nmg/L以上または結合残留塩素として、0.4\nmg/L以上」と定められている。勤務する学校の水道水の遊離残留塩素濃度は0.2\nmg/L、結合残留塩素濃度は0.3\nmg/Lであり、遊離残留塩素が基準を満たしているので、塩素消毒は十分であるといえる。"} +{"problem_id": "097240", "problem_text": "6月、海水浴シーズンを迎え、県の担当課から県内の保健所に管内の海水浴場の適合検査を行うように指示があった。水質検査担当の薬剤師は、海水浴場に出かけ、船上から油膜の有無、透明度を確認した上で、検査用の海水を採取した。担当薬剤師が検査すべき項目はどれか。2つ選べ。", "choices": ["ふん便性大腸菌群数", "一般細菌数", "塩化物イオン濃度", "生物化学的酸素要求量(BOD)", "化学的酸素要求量(COD)"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "水浴場水質判定基準における検査項目は、ふん便性大腸菌群数、油膜の有無、COD(化学的酸素要求量)、透明度の4項目である。"} +{"problem_id": "097241", "problem_text": "水質汚濁の検査項目とその測定法との組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nふん便性大腸菌群数の測定には、メンブランフィルター法が用いられる。標準寒天培地法は一般細菌の測定法である。"} +{"problem_id": "097242", "problem_text": "室内空気を汚染させる原因物質には、二酸化炭素、一酸化炭素、じんあい、微生物、化学物質などがある。医療施設では清浄度によるゾーニングがなされ、各エリアの空調管理が行われている。室内環境管理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["室内空気を衛生的に保つため、二酸化炭素濃度は1.0%以下とされている。", "レジオネラ症の主症状は、激しい下痢である。", "二酸化炭素は、通常、検知管法で測定される。", "ホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因となる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n室内の二酸化炭素濃度は、建築衛生法、ビル管理法で0.1%(1,000 ppm)以下と定められている。2:誤\nレジオネラ症の主症状は、肺炎などの呼吸器疾患である。3:正\n二酸化炭素の測定には、通常、検知管法を用いる。4:正\nホルムアルデヒドは、揮発性有機化合物(VOC)であり、シックハウス症候群の主な原因物質である。参考\nシックハウス症候群とは、壁紙やフローリングなどの建材に含まれる化学物質が原因で起こる健康障害のことである。"} +{"problem_id": "097243", "problem_text": "4人の患者が入院している病室の必要換気量が90 m^{3}/hであるとき、この病室の必要換気回数(回/h)はどれか。1つ選べ。ただし、この病室は、床面積60 m^{2}、床から天井までの高さ3 mの直方体とする。", "choices": ["0.3", "0.5", "1", "2", "3"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "097244", "problem_text": "ある日の午後、保険薬局に処方せんを持った小学生が保護者とともに来局した。光化学スモッグ注意報が発令されていたが、校庭でサッカーをしていたという。光化学スモッグ発生時の対処法についての指導として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["注意報が発令されたら屋外での活動を控える。", "目がチカチカしたら水道水で目を洗う。", "屋内では窓を閉めて過ごす。", "うがいをする。", "つばのある帽子をかぶる。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "光化学スモッグは、大気中の光化学オキシダントの濃度が高まり、光化学オキシダントが凝集し生成する。光化学スモッグの暴露により、目や喉の痛み、吐き気、頭痛などの症状が現れることがある。1:適切である\n注意報が発令された場合、大気中の��化学オキシダント濃度が高くなっているため、屋外での活動を控えるように指導する。2:適切である\n光化学スモッグの暴露によって目がチカチカする場合には、水道水で目を洗うように指導する。3:適切である\n室内に光化学スモッグが入らないように、屋内では窓を閉めて過ごすように指導する。4:適切である\n光化学スモッグの暴露によって喉の痛みや咳が出る場合には、うがいを行うように指導する。5:適切でない\nつばのある帽子をかぶっても、光化学スモッグの暴露は避けることができない。そのため、つばのある帽子をかぶるように指導することは適切ではない。"} +{"problem_id": "097245", "problem_text": "光化学オキシダントに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["主として固定発生源から排出される一次汚染物質であり、酸性雨の原因となる。", "化石燃料の不完全燃焼により発生し、主として自動車がその発生源である。", "環境基準の達成率は高いが、大都市圏において特別措置法による低減対策が行われている。", "炭素、酸素、水素、塩素が加熱される過程で非意図的に生成する。", "炭化水素を含む揮発性有機化合物と窒素酸化物が反応して生成する酸化性物質である。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "光化学オキシダントは、炭化水素を含む揮発性有機化合物と窒素酸化物が反応して生成する酸化性物質であり、二次汚染物質に該当する。なお、選択肢1は二酸化硫黄、選択肢2は一酸化炭素、選択肢3は二酸化窒素及び粒子状物質、選択肢4はダイオキシン類に関する記述である。"} +{"problem_id": "097246", "problem_text": "34歳女性。統合失調症が疑われて入院した。幻覚、妄想は処方1により軽減したが、乳汁分泌が生じた。血液検査の結果を確認した薬剤師の提案により処方2に変更となった。処方変更の根拠となった血液検査項目はどれか。1つ選べ", "choices": ["プロラクチン", "コルチゾール", "エストラジオール", "テストステロン", "アルドステロン"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "設問に乳汁分泌が生じたとなっていることから、血中プロラクチン濃度が上昇していると考えられる。"} +{"problem_id": "097247", "problem_text": "処方1でリスペリドンが乳汁分泌を引き起こす作用機序として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヒスタミンH_{1}受容体遮断", "セロトニン5-HT_{1A}受容体遮断", "アセチルコリンM_{2}受容体刺激", "ドパミンD_{2}受容体遮断", "アドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "リスペリドンは、セロトニン・ドパミン受容体遮断薬(SDA)であり、ドパミンD_{2}受容体遮断作用によりプロラクチン分泌を促進し、乳汁分泌促進を伴う乳汁漏出症を引き起すことがある。"} +{"problem_id": "097248", "problem_text": "67歳男性。災害時、救護所に本人のお薬手帳を持参し、医師に処方を求めた。お薬手帳を確認したところ、エナラプリルマレイン酸塩錠を服用していたことが判明した。救護所にはエナラプリルマレイン酸塩錠が置いていなかった。エナラプリルマレイン酸塩錠の代替薬として、以下の在庫品目のうち、薬剤師が医師に提案する最も適切な薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["トラネキサム酸カプセル", "バルサルタン錠", "デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物錠", "ニトログリセリン舌下錠", "セフジニルカプセル"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "エナラプリルの適応症は、高血圧、軽症から中等症の慢性心不全である。エナラプリルを慢性心不全に用いる場合には、ジギタリス製剤、利尿薬と併用することとされているため、エナラプリルは高血圧に対して処方されていたと考えられる。選択肢の薬物のうち、高血圧に用いられる薬物は、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体遮断薬であるバルサルタン錠である。"} +{"problem_id": "097249", "problem_text": "エナラプリルの薬理作用の機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アンギオテンシン変換酵素を阻害して、アンギオテンシンIIの生成を抑制する。", "アンギオテンシンII受容体を遮断して、アンギオテンシンIIによる血管収縮を抑制する。", "キニナーゼIIを阻害して、ブラジキニン量を増加させる。", "一酸化窒素合成酵素を阻害して、一酸化窒素の生成を���制する。", "ホスホリパーゼA_{2}を阻害して、プロスタグランジンの生成を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "エナラプリルはアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬であり、ACEを阻害して、アンギオテンシンIからアンギオテンシンIIの生成を抑制することにより、アンギオテンシンIIによる血管収縮を抑制して血圧を低下させる。また、エナラプリルは、ACEと同一酵素であるキニナーゼIIも阻害するためブラジキニンの分解が抑制することでブラジキニン量を増加させる。"} +{"problem_id": "097250", "problem_text": "61歳女性。気管支ぜん息で以下の薬剤が処方された。この患者に対する薬剤師の服薬指導として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1及び2について、吸入療法の手技を定期的に確認した。", "処方1について、気管支ぜん息の症状が軽減したらすぐに休薬するよう指導した。", "処方1について、発作の状況により自己判断で吸入回数を調節するよう指導した", "処方1について、吸入後は副作用防止のために必ずうがいをするよう指導した。", "処方2について、副作用を防止するために、息苦しい程度では使用しないよう指導した。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n気管支ぜん息の吸入療法では、手技が不十分であることにより効果が得られていないことがある。そのため、定期的に手技指導と吸入方法の確認を行うことが必要である。2:誤\n処方1は、発作抑制薬(コントローラー)として継続的に使用される薬剤であり、症状が軽快または消失しても、自己の判断で使用を中止しないように指導する。3:誤\n解説2参照\n4:正\n副腎皮質ホルモン薬の吸入は、副作用としてカンジダ症などの口腔内感染症を起こすことがある。そのため、吸入後は必ずうがいをするように指導する。5:誤\nプロカテロールは、発作発現時に使用する発作緩解薬(リリーバー)であり、ぜん息発作時(息苦しいなど)に使用する必要がある。"} +{"problem_id": "097251", "problem_text": "処方1及び処方2に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フルチカゾンプロピオン酸エステルは、トロンボキサンA_{2}受容体を遮断し、気道過敏性を抑制する。", "フルチカゾンプロピオン酸エステルは、サイトカインの産生抑制作用や好酸球の浸潤抑制作用により気道の炎症を抑制する。", "プロカテロールは、アドレナリン\\beta _{2}受容体を剌激し、気管支平滑筋を弛緩させる。", "プロカテロールは、ホスホジエステラーゼを阻害してサイクリックAMP(cAMP)濃度を高め、気管支平滑筋を弛緩させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nフルチカゾンプロピオン酸エステルは副腎皮質ステロイド性薬であり、抗炎症作用及び抗アレルギー作用を有し、サイトカインの産生抑制作用、好酸球の浸潤抑制作用などを有する。なお、トロンボキサンA_{2}受容体を遮断する薬物には、セラトロダスト、ラマトロバンなどがある。"} +{"problem_id": "097252", "problem_text": "85歳女性。ひとり暮らし。交付された処方せんを、保険薬局に持参した。処方せん受付時に患者から、最近、薬の飲み忘れと飲み間違いが多いとの訴えがあった。なお、このことは医師に話していないということであった。薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["お薬カレンダーを利用するなど、飲み忘れを防ぐ方法を指導した。", "処方医には問い合わせず、アトルバスタチンカルシウム水和物とアムロジピンベシル酸塩の配合剤で調剤した。", "飲み忘れた時は、翌日に2回分を飲むよう指導した。", "処方医に上記の件を報告し、一包化を提案した。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nお薬カレンダーとは、決められた時間に飲まなければならない薬を曜日毎に朝・昼・晩などと整理して収納できるカレンダーのことである。飲み忘れ防止の方法として、お薬カレンダーの利用を提案するのは適切である。2:誤\n配合剤に変更することは、処方変更に該当するため、処方医に問い合わせる必要がある。3:誤\n飲み忘れた時に、2回分を一度に服用すると副作用が現れやすくなるため、2回分を一度に服用すべきではない。4:正\n薬の飲み忘れと飲み間違いが多いとの訴えがあった場合には、��み忘れ防止の対策として一包化を提案することは適切である。"} +{"problem_id": "097253", "problem_text": "この処方により経過を見たところ、低K^{+}血症が認められた。その原因となった薬剤の作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["上皮性Na^{+}チャネル遮断", "炭酸脱水酵素阻害", "腎集合管における水の再吸収抑制", "Na^{+}-K^{+}交換系抑制", "Na^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送系抑制"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "処方されている薬物の中で、低K^{+}血症を認める可能性が高いのはループ利尿薬のフロセミドである。フロセミドは、ヘンレ係蹄上行脚においてNa^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送系を抑制することで、利尿作用を示す。また、尿中Na^{+}を増加により、遠位尿細管後半部から集合管におけるNa^{+}とK^{+}の交換機構を介したNa^{+}再吸収とK^{+}分泌機構を亢進させ、K^{+}の尿中排泄を促進し低K^{+}血症を引き起こす。"} +{"problem_id": "097254", "problem_text": "45歳女性。婦人科外来にて、以下の薬剤が処方された。この処方の適応となる疾患又は症状として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["子宮内膜症", "卵巣癌", "閉経前乳癌", "更年期障害", "骨粗しょう症"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "リュープロレリン酢酸塩注射用:3.75 mg/バイアル:1バイアルは、子宮内膜症、月経過多、閉経前乳癌、前立腺癌などに用いられる。リュープロレリン酢酸塩注射用は、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)の誘導体であるリュープロレリンを放出制御型製剤としたものである。リュープロレリン酢酸塩は、LH-RH受容体を持続的に刺激することで、受容体の脱感作を誘発し、下垂体からの性腺刺激ホルモンの分泌を低下させ、卵巣におけるエストラジオール産生能を低下させる。"} +{"problem_id": "097255", "problem_text": "リュープロレリンの薬理作用として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アロマターゼ阻害による血中エストラジオールの濃度上昇", "下垂体での性腺刺激ホルモンの産生能低下", "下垂体の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)受容体持続刺激による受容体の脱感作", "下垂体からのプロラクチンの遊離抑制", "卵巣におけるエストラジオールの産生能亢進"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "問254解説:参照"} +{"problem_id": "097256", "problem_text": "75歳女性。脊椎椎体骨折と診断された。投薬に際して、以下の服薬指導が行われた。起床時にコップ一杯の水とともに服用して下さい。水以外の飲食を避け、他の薬剤の服用も避けて下さい。服用後少なくとも30分経ってから食事をとり、食事を終えるまで横にならないで下さい。また、歯科を受診する場合には、必ずこの薬を服用していることを医師に伝えて下さい。上記の服薬指導が行われた薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アレンドロン酸ナトリウム水和物錠", "ラロキシフェン塩酸塩錠", "メナテトレノンカプセル", "乳酸カルシウム水和物錠", "アルファカルシドール錠"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "アレンドロン酸ナトリウム水和物錠が処方されている場合には、アレンドロン酸による副作用である食道潰瘍などを避けるため、起床してすぐにコップ1杯の水(約180 mL)とともに服用し、服用後すぐに横にならないよう指導する。また、アレンドロン酸服用中に歯科治療を行うと、顎骨壊死・顎骨骨髄炎が現れることがあるため、本剤服用中に歯科を受診する場合には、本剤を服用していることを医師に伝えるように指導する。"} +{"problem_id": "097257", "problem_text": "問256に記載された薬剤の有効成分の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アレンドロン酸は、活性型ビタミンD存在下にオステオカルシンの生成を促進し、骨形成を促進する。", "ラロキシフェンは、骨の上皮小体ホルモン(PTH)受容体にアゴニストとして作用し、骨吸収を抑制する。", "メナテトレノンは、カルシトニンの分泌を促進し、骨芽細胞の機能を亢進して骨形成を促進する。", "乳酸カルシウムは、ヒドロキシアパタイトの結晶形成を促進し、破骨細胞による骨吸収を抑制する。", "アルファカルシドールは、腸管でのCa^{2+}吸収を促進し、血清カルシウム値を上昇させる。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nアレンドロン酸はヒドロキ��アパタイトに結合し、破骨細胞に特異的に取込まれ、アポトーシスを誘導することにより、骨吸収を抑制する。なお、活性型ビタミンD存在下にオステオカルシンの生成を促進し、骨形成を促進するのはメナテトレノンである。"} +{"problem_id": "097258", "problem_text": "65歳男性。自宅トイレで転倒し、救急搬送された。右中大脳動脈閉塞による脳梗塞と診断され、以下の薬剤が投与された。この治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["虚血部位の血流が再開し、出血性梗塞が現れることがある。", "再投与によりアナフィラキシーショックが起こる可能性があるので、観察を十分に行う。", "発症6時間後でも投与開始可能である。", "血液凝固阻止作用を有する薬剤あるいは血小板凝集抑制作用を有する薬剤との併用が推奨されている。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nアルテプラーゼを用いると、虚血部位の再開通にて血流が再開することにより、脳浮腫や出血性梗塞が現れることがあるため、観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行う。2:正\nアルテプラーゼはタンパク質製剤であり、初回投与時に感作が成立すると、再投与によりアナフィラキシー反応等が起きる可能性があるため、観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行う。3:誤\nアルテプラーゼを虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善に用いる場合は、発症から4.5時間以内に投与を開始する。なお、アルテプラーゼを急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解に用いる場合は、発症から6時間以内に投与する。4:誤\n血液凝固阻止作用を有する薬剤あるいは血小板凝集抑制作用を有する薬剤とアルテプラーゼを併用すると、出血傾向が助長されることがあるため、これらの薬剤を併用しないことが望ましい。"} +{"problem_id": "097259", "problem_text": "アルテプラーゼに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["セリンプロテアーゼを阻害して、血栓形成を抑制する。", "フィブリノーゲンを分解することにより、血栓を溶解する。", "フィブリンに対する親和性が高く、血栓上でプラスミノーゲンをプラスミンに転化させる。", "\\alpha _{2}プラスミンインヒビターによる不活性化を受けやすい。", "投与後の出血症状には、プロタミンが奏効する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "アルテプラーゼは、t-PA(組織プラスミノーゲン活性化因子)製剤であり、フィブリン血栓上のプラスミノーゲンをプラスミンに変換し、フィブリン分解を促進することで血栓を溶解する。また、アルテプラーゼは、ウロキナーゼ(u-PA:\nウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子)とは異なり、\\alpha\n_{2}プラスミンインヒビターによる不活性化を受けにくい。なお、セリンプロテアーゼを阻害して、血栓形成を抑制するのはアルガトロパン、ガベキサート、ナファモスタット、ヘパリンなどがある。"} +{"problem_id": "097260", "problem_text": "63歳女性。関節リウマチと診断され、処方1で治療を行った。サラゾスルファピリジンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["T細胞及びマクロファージでのサイトカイン産生を抑制する。", "IgMのS-S結合切断作用を示す。", "おとりのヒト型可溶性腫瘍壊死因子(TNF)受容体として働き、TNF-\\alpha の作用を抑制する。", "ピリミジン合成を阻害し、細胞増殖を抑制する。", "関節リウマチ以外に潰瘍性大腸炎に用いられる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "サラゾスルファピリジンは、T細胞及びマクロファージからのサイトカイン(IL-1、IL-2及びIL-6)産生を抑制することで抗リウマチ作用を示す。また、腸内細菌により分解され、その際、生成する5-アミノサリチル酸が抗炎症作用を示すため、潰瘍性大腸炎にも用いられる。1:正\n2:誤\nIgMのS-S結合切断作用を示す抗リウマチ薬は、ペニシラミンとブシラミンである。3:誤\nおとりのヒト型可溶性腫瘍壊死因子(TNF)受容体として働き、TNF-\\alpha の作用を抑制する抗リウマチ薬はエタネルセプトである。4:誤\nピリミジン合成を阻害し、細胞増殖を抑制する抗リウマチ薬は、レフルノミドである。5:正"} +{"problem_id": "097261", "problem_text": "処方1で治療を行ったが、10週間後も効果がなく、処方2への変更が検討されている。処方2の服薬指導として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["1週間のうちの特定の日に服用することを強調して、誤用、過量投与を防止する。", "効果発現までには時間がかかることを説明する。", "間質性肺炎を発症することがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難などの症状があらわれた場合には、直ちに連絡するように説明する。", "口内炎があらわれた場合には、直ちに連絡するように説明する。", "関節リウマチの治療において、他剤が無効の場合にのみ使用すると説明する。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nメトトレキサートを関節リウマチに用いる場合、「通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6\nmgとし、1週間単位の投与量を1回又は2〜3回に分割して経口投与する。分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する。1回又は2回分割投与の場合は残りの6日間、3回分割投与の場合は5日間休薬する。」となっており、服用方法が複雑である。そのため、服薬指導時に特定の日に服用することを強調して、誤用、過量投与を防止する必要がある。"} +{"problem_id": "097262", "problem_text": "56歳男性。骨髄内臍帯血移植が行われた。移植後、真菌感染症が疑われ、以下の処方について主治医から医薬品情報管理室に相談があった。主治医からの相談に対する医薬品情報管理室の薬剤師の対応として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["添付文書によりアムホテリシンBリポソーム製剤の用法・用量を確認した。", "アムホテリシンBリポソーム製剤の調製法と注意点を伝えた。", "医薬品適正使用のために、真菌感染症の診断が確定した後で処方するように提案した。", "投与中に発熱、悪寒、悪心などが発現した場合、点滴を一時中断し、患者の様子を見るように伝えた。", "副作用防止のため、腎機能、肝機能、血清電解質の検査を定期的に行うように提案した。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "真菌感染症が疑われる場合、起炎菌を同定してから抗真菌薬を用いると症状が悪化することがあるため、アムホテシリンBを使用後、起炎菌が同定され、適応菌種に該当しない場合、他の治療薬に変更することを検討する。"} +{"problem_id": "097263", "problem_text": "アムホテリシンBに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エルゴステロール生合成を阻害し、真菌細胞膜合成を抑制する。", "真菌細胞膜のエルゴステロールに結合し、真菌細胞膜を障害する。", "真菌細胞壁を構成する\\beta -グルカン生合成を阻害する。", "真菌細胞内でフルオロウラシルに変換され、真菌のDNA及びRNA合成を阻害する。", "スクアレンエポキシダーゼを活性化し、エルゴステロールの分解を促進させ、真菌細胞膜を障害する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "アムホテリシンは、ポリエン系抗真菌薬であり、真菌細胞膜のエルゴステロールに結合し、真菌細胞膜機能を障害して細胞膜の透過性を高め、細胞質成分を漏出させることで抗真菌作用を示す。選択肢1はアゾール系抗真菌薬(イトラコナゾールなど)、選択肢3はキャンディン系抗真菌薬(ミカファンギンなど)、選択肢4はフルシトシン、選択肢5はテルビナフィン、ブテナフィンに関する記述である。"} +{"problem_id": "097264", "problem_text": "36歳女性。術後の病理検査により卵巣癌Ic期と診断され、パクリタキセルとカルボプラチンの併用療法が予定されている。処方1及び2は、この化学療法に対する支持療法である。処方2のデキサメタゾン錠の投与目的として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["化学療法に伴う骨髄抑制の軽減", "化学療法に伴う消化器症状(悪心・嘔吐)の軽減", "化学療法に伴う感染症の予防", "抗炎症作用による化学療法の効果の増強", "化学療法に伴う血栓形成の予防"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "本患者に対しては卵巣癌の治療のため、TC療法(パクリタキセル、カルボプラチン併用療法)が予定されている。パクリタキセル及びカルボプラチンは副作用として、悪心、嘔吐を起こすことがあるため、それを予防する目的で、5-HT_{3}受容体遮断薬(グラニセトロンなど)及びデキサメタゾンを前投与する。"} +{"problem_id": "097265", "problem_text": "この患者に使用が予定されている薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["パクリタキセルは、微小管の安定化を引き起こし、有糸分裂を阻害する。", "カルボプラチンは、癌細胞のDNAを架橋し、増殖を抑制する。", "グラニセトロンは、ドパミンD_{2}受容体を遮断し、消化管運動を調整する。", "デキサメタゾンは、タンパク同化作用と鉱質コルチコイド作用が共に強力である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nパクリタキセルは、タキサン系抗悪性腫瘍剤であり、微小管構成タンパク質であるチュブリンと結合し、微小管の過剰形成・安定化を引き起こすことで、有糸分裂を阻害する。"} +{"problem_id": "097266", "problem_text": "29歳女性。以下の処方せんを保険薬局に提出し、調剤を依頼した。調剤前に患者から情報収集したところ、妊娠の可能性があるが、医師には伝えていないとのことであった。添付文書には「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい」との記載がある。薬剤師の対応として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方せん通り調剤し、妊娠が確定したら相談するよう伝える。", "「投与しないことが望ましい」との記載であり、禁忌ではないのでそのまま調剤する。", "医師に妊娠の可能性があることを伝え、処方変更の有無と今後の対応を確認する。", "薬剤師として投与すべきではないと判断し、患者に説明した上で、調剤を行わない。", "調剤を保留し、産婦人科の受診を勧める。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "設問では、妊娠の可能性を医師に伝えていないことから、医師は妊娠の有無を考慮した上でクロルプロマジン塩酸塩錠を処方していないと考えられる。また、クロルプロマジンの添付文書には「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい」との記載があるため、本患者に対する投与の可否を医師に確認する必要がある。"} +{"problem_id": "097267", "problem_text": "妊娠時の薬物動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬物のタンパク結合に関与する血清中アルブミン濃度は、非妊娠時に比べて上昇する。", "大部分の薬物は、能動輸送により血液胎盤関門を透過する。", "胎盤にはシトクロムP450等の薬物代謝酵素が発現し、胎児の未発達な代謝能力を補っている。", "胎児のエネルギー源であるグルコースは、胎盤に発現しているグルコーストランスポーターによって母体から供給される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n血清中アルブミン濃度は、非妊娠時に比べて、妊娠時の方が低下する。"} +{"problem_id": "097268", "problem_text": "12歳女児。てんかんの治療のため、以下の薬剤が処方された。秤取すべき20%散の全量は何gか。1つ選べ。", "choices": ["1", "2", "4", "14", "28", "56"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "設問では、バルプロ酸ナトリウム散20%が原薬量として1日400 mg処方されている。このことから、1日当たりの秤取量(製剤量)を以下のように求めることができる。1日当たりの秤取量(製剤量)=400 mg/日/20/100=2000 mg/日=2 g/日\nまた、本処方の投与日数は14日であることから、秤取すべき20%散の全量(製剤量)を以下のように求めることができる。秤取すべき20%散の全量(製剤量)=2 g/日\\times 14日=28 g"} +{"problem_id": "097269", "problem_text": "バルプロ酸の血中濃度を低下させ、てんかん発作が再発することがあるため、禁忌となる抗生物質の種類はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アミノグリコシド系", "カルバペネム系", "セフェム系", "テトラサイクリン系", "マクロライド系"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "バルプロ酸の血中濃度を低下させ、てんかん発作が再発することがあるため、禁忌となる抗生物質は、カルバペネム系抗生物質(イミペネムなど)である。"} +{"problem_id": "097270", "problem_text": "入院中の糖尿病患者の喀痰よりメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が検出されたため、バンコマイシン塩酸塩注射液を投与することとなった。この治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["副作用として視力障害が現れることがあるので、観察を十分に行うとともに、患者に対して目が��すむ等を感じた場合はすぐに連絡するように説明した。", "急性腎不全等の重篤な腎障害が現れることがあるので、投与中は腎機能検査値に注意することを医師に提案した。", "ヒスタミン遊離によるレッドネック症候群を引き起こすことがあるため、60分以上かけて点滴静注するように医師に情報提供した。", "時間依存型の殺菌効果を示すため、有効血中濃度を長時間維持することが必要である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nバンコマイシン塩酸塩は、副作用として、視力障害を起こすとの報告はされていない。なお、バンコマイシン塩酸塩は、副作用として、第8脳神経障害(目眩、耳鳴、聴力低下など)を起こすことがある。2:正\nバンコマイシン塩酸塩は、副作用として、急性腎不全、間質性腎炎を起こすことがある。そのため、バンコマイシン塩酸塩投与中は、腎機能検査値に注意する必要がある。3:正\nバンコマイシン塩酸塩注射液を急速に投与するとヒスタミン遊離に起因するレッドネック症候群(顔、頸の紅班性充血、そう痒等)や血圧低下等の副作用を起こすことがあるため、60分以上かけて点滴静注する。4:誤\nバンコマイシン塩酸塩は、時間依存型抗菌薬であり、PAEを示すため、AUC /MICを高くすることで抗菌作用が強く現れることから、投与量を増加し、AUCを増加させる必要がある。"} +{"problem_id": "097271", "problem_text": "この患者に、バンコマイシン塩酸塩1 gを点滴静注して血清中濃度を測定したところ、投与終了3時間後に28.3 \\micro g/mL、11時間後に6.9 \\micro g/mLであった。バンコマイシンの消失速度定数(h^{-1})に最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["0.2", "0.4", "0.6", "0.8", "1.0"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "点滴投与終了後、バンコマイシンの血清中濃度は、1次反応に従って減少する。本設問では、「血清中濃度を測定したところ、投与終了3時間後に28.3\n\\micro\ng/mL、11時間後に6.9\n\\micro\ng/mLであった」となっていることから、8時間でバンコマイシンの血清中濃度が約1/4に低下したことになる。1次反応では、血中濃度が1/4になる時間は、半減期\\times\n2であることから、バンコマイシンの半減期t_{1/2}は、4\nhであることがわかる。消失速度定数k_{e}は、以下の式で表される。"} +{"problem_id": "097272", "problem_text": "50歳男性。てんかん治療のため以下の処方に従い服薬を続けている。定常状態時の血清中フェニトイン濃度を測定したところ12 \\micro g/mLであり、てんかん発作は安定している。この治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["過量投与により、眼振、構音障害、運動失調、眼筋麻痺などの症状が出現することがあるので十分観察する。", "フェニトインの薬理作用は、血清タンパク質と結合していない遊離形濃度ではなく、総血清中濃度と関連する。", "定期的に肝・腎機能検査、血液検査を行うことが望ましい。", "用量を増加させると、腎尿細管分泌が飽和するため、用量と血清中濃度の関係は非線形となる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nフェニトインの過量投与により、眼振、構音障害、運動失調、眼前麻庫などの症状が出現することがある。このような症状が現れた場合には、血中濃度を測定し、投与量を再検討する必要がある。2:誤\nフェニトインの薬理作用は、総血清中濃度ではなく、血清タンパク質と結合していない遊離形薬物濃度と関連する。3:正\nフェニトイン投与中は、副作用を防止するために、定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。4:誤\nフェニトインは、肝代謝が生じやすい薬物である。フェニトインの用量を増加させると、肝代謝の飽和が生じるため、用量と血清中濃度の関係は非線形となる。"} +{"problem_id": "097273", "problem_text": "定常状態におけるフェニトインの体内からの消失速度はMichaelis-Menten式で表される。この患者における最大消失速度(mg/day)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、Michaelis定数を8 mg/L、バイオアベイラビリティを100%とする。", "choices": ["150", "240", "420", "1,500", "2,400", "4,200"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "097274", "problem_text": "65歳男性。甲状腺機能亢進症の治療を受けている。心房細動による頻脈のため、ジゴキシンによる治療が開始された。この治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジゴキシンは治療域が狭い薬物なので、治療薬物モニタリング(TDM)を行う。", "甲状腺機能亢進症の患者は、ジゴキシンの血中濃度が高くなり作用が増強することがあるので注意する。", "ジゴキシンは主に肝代謝により消失するので、肝障害時には減量する必要がある。", "悪心、嘔吐、不整脈などの中毒症状に注意する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nジゴキシンは、治療域(有効血中濃度: 0.5〜1.5 ng/mL)が狭い薬物であり、治療薬物モニタリング(TDM)対象薬物である。2:誤\n甲状腺機能亢進症の患者では、代謝、排泄能が促進しているため、ジゴキシンの血中濃度が低くなり作用が減弱することがある。3:誤\nジゴキシンは主に腎排泄により消失ので、腎障害時には減量する必要がある。4:正\nジゴキシンの過量投与により、ジギタリス中毒(悪心、嘔吐、不整脈など)が現れることがある。"} +{"problem_id": "097275", "problem_text": "この患者におけるジゴキシンの全身クリアランスは4.0 L/h、経口投与時のバイオアベイラビリティは80%である。定常状態平均血中濃度を1.0 ng/mLに維持するための1日当たりの経口投与量(mg/day)はいくらか。1つ選べ。", "choices": ["0.004", "0.032", "0.096", "0.120", "0.250"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "097276", "problem_text": "病院薬剤部において、以下のA〜Dの注射剤を購入して保管することになった。保管管理方法について、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aは、常に施錠して保管しなければならない。", "Bは、常に施錠して保管しなければならない。", "Cは、室温で保存可能であり、その有効期間は検定合格の日から3年である。", "Dは、医療従事者が常時在室するなど注意している場合を除き、施錠して保管しなければならない。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n注射用アムホテリシンBは、毒薬であり、他のものと区別し常に施錠して保管しなければならない。2:誤\nアルプロスタジル注射液は、劇薬であり、他のものと区別し保管する必要はあるが、常に施錠して保管する必要はない。3:誤\n人血清アルブミン製剤は、室温での保存が可能であり、その有効期間は検定合格日から2年である。4:正\nジアゼパム注射液は、向精神薬であり、医療従事者が常時在室するなど注意している場合を除き、施錠して保管しなければならない。"} +{"problem_id": "097277", "problem_text": "添加物の中に界面活性剤が乳化剤として含まれているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["A", "B", "C", "D"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "注射剤Bのアルプロスタジル注射液は、リピッドマイクロスフェアを利用した製剤であり、界面活性剤であるレシチンが乳化剤として含まれている。なお、C、Dには界面活性剤は含まれておらず、Aには界面活性剤であるデスオキシコール酸ナトリウムが溶解補助剤として含まれている。"} +{"problem_id": "097278", "problem_text": "医薬品として未承認のヒドロキノンの軟膏剤を院内製剤として調製してほしいと、皮膚科の医師から薬剤部に依頼があった。この製剤に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["病院内の審査委員会で承認を得て調製し、使用した。", "使用する患者からインフォームド・コンセントを得た。", "調製した病院の患者のみに使用できる。", "効果及び副作用の監視、評価を行った。", "副作用が生じたとき、医薬品副作用被害救済制度の対象となる。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n院内製剤(ヒドロキノン軟膏など)を調製、使用するためには、病院内の審査委員会で承認を得たのち、病院長の許可を受ける必要がある。2:正しい\n未承認の院内製剤(ヒドロキノン軟膏など)を使用する場合には、患者に対するインフォームド・コンセントを十分に行い、患者から同意を得て使用する必要がある。3:正しい\nヒドロキノン軟膏は、院内製剤であり、調製した病院の患者のみに使用することが可能である。4:正しい\n院内製剤(ヒドロキノン軟膏など)を使用するにあたり、より良質な製剤を患者に提供するために、院内製剤の効果及び副作用の監視、評価を行う。5:誤っている\n���内製剤(ヒドロキノン軟膏など)の使用により生じた副作用については、医薬品副作用被害救済制度の対象とはならない。医薬品副作用被害救済制度とは、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、入院を要すると認められる程度の医療を必要とする疾病、日常生活が著しく困難になるような障害、又は死亡等の健康被害が発生した場合に、その健康被害を救済する制度のことである。"} +{"problem_id": "097279", "problem_text": "薬剤部で油脂性基剤を用いて調製することになった。基剤として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["バニシングクリーム", "コールドクリーム", "マクロゴール軟膏", "プラスチベース", "白色ワセリン"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "選択肢のうち、油脂性基剤に該当するのは、プラスチベース、白色ワセリンである。なお、バニシングクリームはo/w型の乳剤性基剤、コールドクリームはw/o型の乳剤性基剤、マクロゴール軟膏は水溶性基剤である。"} +{"problem_id": "097280", "problem_text": "外科病棟の看護師から医薬品情報管理室に「HIV感染患者の血液が付着した金属製の作業台の消毒に何を用いたらよいか」と問い合わせがあった。適切な消毒剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["消毒用エタノール", "1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液", "10%ポビドンヨード水溶液", "0.05%クロルヘキシジングルコン酸塩水溶液", "0.05%ベンザルコニウム塩化物水溶液"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "選択肢のうち、HIVに有効で、かつ、金属製の作業台の消毒に用いることができるのは、消毒用エタノールである。なお、1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液、10%ポビドンヨード水溶液は、HIVに有効であるが、金属製の作業台の消毒に用いることができない。0.05%クロルヘキシジングルコン酸塩水溶液、0.05%ベンザルコニウム塩化物水溶液は、HIVに無効である。"} +{"problem_id": "097281", "problem_text": "消毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["物質中のすべての微生物を殺滅又は除去することをいう。", "消毒法は、化学薬剤を用いる化学的消毒法と、湿熱や紫外線などを用いる物理的消毒法に分けられる。", "消毒剤は、一般に20^{\\circ} C以上で使用し、定められた接触時間を守る必要がある。", "エンドトキシンを不活化できる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n消毒とは、物質中の病原性を示す微生物を殺滅または除去することで、感染能力を失わせる処置のことである。なお、物質中のすべての微生物を殺滅又は除去することを滅菌という。"} +{"problem_id": "097282", "problem_text": "在宅患者訪問薬剤管理指導の際、患者の家族よりアスピリン腸溶錠100 mgを嚥下しにくいので粉砕して飲ませても良いかとの質問があった。回答内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["家族が粉砕して服用させてください。", "薬局に戻り粉砕し分包したものをお届けします。", "粉砕せずにぬるま湯に溶かして服用させてください。", "医師に処方変更を依頼します。", "服用できないことを次回の診察時に医師に相談してください。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "腸溶錠を粉砕すると、腸溶性の効果が失われてしまうため、一般に腸溶錠を粉砕することはない。よって、腸溶錠を嚥下しにくいので粉砕して飲ませても良いかとの質問があった場合には、医師に処方変更を依頼する必要がある。"} +{"problem_id": "097283", "problem_text": "この錠剤には以下の5つの添加剤が含まれる。腸溶性コーティング剤として使用されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カルメロース", "トウモロコシデンプン", "メタクリル酸コポリマー", "マクロゴール6000", "タルク"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nカルメロースは、水と接触すると水を吸収し膨張するため、崩壊剤として用いられる。"} +{"problem_id": "097284", "problem_text": "70歳男性。マイコプラズマ肺炎の治療のため、以下の薬剤が処方された。両薬剤をそれぞれ秤量した後、分包する方法として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["乳鉢と乳棒を用いて混和し、分包する。", "乳鉢とスパーテルを用いて混和し、分包する。", "混和せずに2段分割(2度撒き)で分包する。", "混和せずに別々に分包する。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "ドライシロップ剤は、通常、単独で分包する。よって、本処方(エリスロマイシンドライシロップとビオフェルミンR散)は混和せずに別々に分包する。"} +{"problem_id": "097285", "problem_text": "エリスロシンドライシロップはプロドラッグ製剤である。この場合のプロドラッグ化の目的として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["胃内での溶解性の向上", "胃内での分解の抑制", "小腸粘膜透過性の改善", "肝初回通過効果の回避", "細菌内への取り込みの促進"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "エリスロマイシンは、酸に不安定な抗生物質であり、胃酸により分解されやすい。エリスロマイシンドライシロップ(一般名:\nエリスロマイシンエチルコハク酸エステル)は、エリスロマイシンの胃内での分解を抑制する目的で合成されたプロドラッグである。"} +{"problem_id": "097286", "problem_text": "60歳男性。半年前より、咳及び痰が出現しているが、軽度であり放置していた。今回、会社の健康診断で肺の腫瘤陰影を指摘され、呼吸器内科を受診した。【検査所見】 特になし。【喫煙歴】 20歳頃より現在まで喫煙中。現在20本/日 【検査所見】 胸部X線: 右肺門部に径3 cmの腫瘤陰影が認められた。気管支内視鏡検査: 右主気管支の圧迫像が認められた。気管支肺生検: 小細胞肺癌の診断であった。本症例の治療に適切な薬物はどれか。2つ選べ。", "choices": ["フルオロウラシル", "ブレオマイシン塩酸塩", "ゲムシタビン塩酸塩", "イリノテカン塩酸塩", "シスプラチン"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "【検査所見】より、小細胞肺癌と診断されている。選択肢の薬物のうち、小細胞肺癌の治療に用いられるのは、イリノテカン塩酸塩とシスプラチンである。なお、イリノテカン塩酸塩とシスプラチンの併用を行う化学療法をIP療法という。1:誤\nフルオロウラシルは、主に消化器癌の治療に用いられる。2:誤\nブレオマイシン塩酸塩は、非小細胞肺がんの治療に用いられる。3:誤\nゲムシタビン塩酸塩は、非小細胞肺がんや膵臓がんに用いられる。4:正\n5:正"} +{"problem_id": "097287", "problem_text": "上記の治療開始後に胸痛を訴えたため、CT及びPET検査を行ったところ、胸椎に骨転移が認められた。患者は胸痛が強く、痛みによる睡眠障害も出現していたため、疼痛緩和治療としてモルヒネ硫酸塩水和物徐放錠が処方された。この薬剤の病院における取扱いに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["施設内で使用する麻薬処方せんであったので、麻薬処方せんに入院患者の住所を記載することを省略した。", "施設に常勤している医師が処方したので、麻薬処方せんに麻薬施用者番号を記載することを省略した。", "薬剤部において収納スペースが狭かったので、覚せい剤とー緒に施錠できる堅固な金庫内に保管した。", "薬剤部の金庫内で保管中に不要になったので、都道府県知事に麻薬事故届を提出して適切に廃棄した。", "病棟において残薬が生じたので、麻薬管理者に返却することなく回収困難な方法にて廃棄した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n麻薬処方せんは、一般処方せん記載事項の他に、患者の住所及び麻薬施用者免許証番号の記載が必要である。このうち、病院内で使用する麻薬処方せんについては、患者の住所を省略できる。なお、病院内で使用する麻薬処方せんであっても、麻薬施用者免許証番号を省略することはできない。"} +{"problem_id": "097288", "problem_text": "75歳男性。数年前の健康診断でPSAがやや高値(5.1 ng/mL)であったが、自覚症状もないため、放置していた。最近になり、腹圧をかけないと尿が出なくなり、血尿が出現したため、泌尿器科を受診した。また、腰痛も自覚するようになった。【検査所見】 直腸診により、前立腺は栗の実大であり、左右は非対称、また、一部に硬結が触知された。腫瘍マーカー検査: PSA 40 ng/mL 前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)12 ng/mL (正常値3 ng/mL以下) MRI検査: 所属リンパ節の腫大が認められた。骨シンチグラフィー検査: 骨盤及び腰椎に硬化性病変が認められた。本症例に関する記述のうち、適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["本症例は男性ホルモン依存性の疾患である。", "本疾患は前��腺外腺の腫瘍化が主な原因である。", "PSAの高値は確定診断として用いられない。", "放射線療法は適応とならない。", "前立腺全摘除手術を行った後に薬物療法を行う。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "PSA及び前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)が高く、直腸診により硬結が触知されていることから、本患者は前立腺癌であると考えられる。また、骨シンチグラフィー検査により骨盤及び腰椎に硬化性病変が認められていることから前立腺癌が骨転移を起こしていると考えられる。1:適切である。前立腺癌では、前立腺外腺の腫瘍化が主な原因であり、アンドロゲン(男性ホルモン)が関与している。2:適切である\n解説1参照\n3:適切である\nPSAの高値は、前立腺肥大症でも示すことがあるため、本症の確定診断として用いることはできない。なお、前立腺癌の確定診断には前立腺針生検が用いられる。4:適切でない\n前立腺癌の早期〜中期には、放射線療法を適用することがある。また、前立腺癌の進行期に認められる疼痛を緩和する目的で放射線療法を適用することがある。5:適切でない\n前立腺全摘除手術は、早期〜中期に対して行うが、本症例のような進行期癌に対しては行わない。なお、進行期癌に対しては、手術より薬物療法が優先される。"} +{"problem_id": "097289", "problem_text": "この患者に対して、初めて以下の薬剤が処方された。この患者に対する服薬指導の内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。この患者に対して、初めて以下の薬剤が処方された。この患者に対する服薬指導の内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["発熱、乾性咳嗽、全身倦怠感、呼吸困難の増悪が現れた場合には、服薬を継続して次回受診時に医師にその旨を伝えるように指導した。", "この処方薬を服用後、14日間休薬し、これを1クールとして服用を繰り返す必要があることを説明した。", "この薬は性腺刺激ホルモンの作用を弱める薬であることを説明した。", "少なくとも1ヶ月に1回、定期的に肝機能検査を行う必要性を説明した。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nフルタミド服用中に発熱、乾性咳嗽、全身倦怠感、呼吸困難の増悪などが現れた場合には、フルタミドの副作用である間質性肺炎を起こしている可能性があるため、服薬を中止し直ちに受診するように指導する。"} +{"problem_id": "097290", "problem_text": "70歳男性。数日前から続く腹痛を伴う下痢を訴えて受診した。この患者に対する治療薬として、最も不適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ロペラミド塩酸塩", "ブチルスコポラミン臭化物", "ピコスルフアートナトリウム水和物", "ビフィズス菌製剤", "タンニン酸アルブミン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本患者は腹痛を伴う下痢を訴えて受診している。そのため、本患者に対する治療薬として、最も不適切なのは大腸刺激性下剤であるピコスルファートナトリウムである。なお、ロペラミド塩酸塩、タンニン酸アルブミン、ブチルスコポラミン臭化物は止瀉薬、ビフィズス菌は整腸薬として本患者に用いられる可能性がある。"} +{"problem_id": "097291", "problem_text": "この患者は、翌日から水様便となり、下痢が止まらず再度受診した。このとき初めて「下痢症状を発現する前に生肉を摂っていた」ことを告げた。以下の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["細菌性食中毒では、急性胃腸炎の症状を示す。", "血液から分離した菌のベロ毒素の産生について検査し診断する。", "溶血性尿毒症症候群や脳症を併発することがある。", "水分及び電解質の補給には、市販の「スポーツ飲料水」も用いられる。", "消化管運動を抑制する薬剤は用いない。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "設問に「下痢症状を発現する前に生肉を摂っていたこと」とあることから、本患者の症状の原因は、感染性胃腸炎であると考えられる。また、選択肢の内容より、本患者は腸管出血性大腸炎に罹患していると考えられる。腸管出血性大腸菌の感染の有無については、糞便から分離した菌のベロ毒素の産生について検査し診断する。"} +{"problem_id": "097292", "problem_text": "45歳女性。皮膚科クリニックで爪白癬と診断され、以下の処方せんを持って薬局を訪れた。この患者���疾患とその薬物治療に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["定期的な肝機能検査を行う。", "食直後の服薬は、イトラコナゾールの吸収を阻害するので、疑義照会をする必要がある。", "内服に比べ、静脈内注射が推奨される。", "服薬終了後は、3週間の休薬が必要である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nイトラコナゾールは、副作用として肝障害を起こすことがある。そのため、イトラコナゾールを長期間投与する場合には、定期的に肝機能検査を行う必要がある。2:誤\nイトラコナゾールを用いて爪白癬の治療を行う場合は、イトラコナゾールカプセルのパルス療法が行われる。パルス療法では、イトラコナゾールを1回200 mg、1日2回朝夕食直後服用を1週間投与し、その後、3週間の休薬を行う。これを1クールとし、3クール(3ヶ月間)繰り返す。3:誤\n解説2参照\n4:正\n解説2参照"} +{"problem_id": "097293", "problem_text": "この患者が「最近寝つきが悪く、よく眠れないので困っている」と訴えたので、近医を紹介したところ、睡眠薬の処方について問い合わせがあった。推奨できる薬物として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["トリアゾラム", "ロルメタゼパム", "アルプラゾラム", "フルニトラゼパム", "エチゾラム"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "本患者に推奨できる薬物は、イトラコナゾールと併用しても特に問題ない「ロルメタゼパム」である。イトラコナゾールは、シトクロムP450の阻害作用を有するため、シトクロムP450で代謝される薬物と併用するとシトクロムP450で代謝される薬物(トリアゾラム、アルプラゾラム、フルニトラゼパム、エチゾラム)の作用が増強される。そのため、イトラコナゾールとシトクロムP450で代謝される薬物の併用は推奨されない。ロルメタゼパムは、主にグルクロン酸抱合を受け、体内から排泄されるため、イトラコナゾールと併用しても特に問題ない。"} +{"problem_id": "097294", "problem_text": "62歳男性。高血圧症。冠動脈疾患治療のため、2年前に経皮的冠動脈形成術を受け、薬物を服用していた。その後、症状悪化のため、開胸心臓手術の適応となり手術目的で入院した。以下の薬物のうち、手術前に出血予防のため休薬期間を要し、さらにCYP2C19遺伝子多型により体内動態が影響を受ける薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["マニジピン塩酸塩", "アスピリン", "アテノロール", "テルミサルタン", "クロピドグレル硫酸塩"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢の薬物のうち、手術前に出血予防のため休薬期間を要し、さらにCYP2C19遺伝子多型により体内動態が影響を受ける薬物はクロピドグレル硫酸塩である。クロピドグレル硫酸塩は、血小板凝集抑制であり、手術前に出血予防のため7〜14日間休薬する必要がある。また、クロピドグレル硫酸塩は、主にCYP2C19で代謝され、活性代謝物となり、血小板凝集抑制作用を示すため、CYP2C19遺伝子多型により体内動態に影響が現れる薬物である。"} +{"problem_id": "097295", "problem_text": "この患者(体重50 kg)の手術時の血圧コントロールのために、ニトログリセリン注25 mg/50 mL瓶を輸液ポンプを用いて、4 \\micro g/kg/分の速度で点滴静注する予定である。この注射剤1瓶で投与可能な最大時間として、最も近いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["30分", "60分", "90分", "120分", "240分"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "設問に「輸液ポンプを用いて4\n\\micro\ng/kg/分の速度で点滴静注する。」とあることから、本患者(体重50\nkg)への投与速度は、4\n\\micro\ng/kg/分\\times\n50\nkg=200\n\\micro\ng/分=0.2\nmg/分の速度となる。このことから、注射剤1瓶(25\nmg/50\nmL)で投与可能な最大時間は以下のように求められる。25\nmg/0.2\nmg/分=125分"} +{"problem_id": "097296", "problem_text": "68歳女性。腰痛を主訴に整形外科に通院し、以下の薬剤が処方されていた。歩行等に問題はない。腰椎骨密度は、若年成人平均値(YAM)比が1年前は67%であったのに対し、1ヶ月前の結果は69%と改善傾向を示した。本疾患及び患者について、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腸管からのカルシウム吸収が低下している。", "骨吸収、骨形成がともに低下しているが、骨形成の低下が改善されている。", "脊椎圧迫骨折、大腿骨頸部骨折などの骨折の危険性がある。", "血清カルシウム濃度の制御に副甲状腺ホルモン、カルシトニン、活性型ビタミンDが関与する。", "血清カルシウム濃度は上昇している。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "68歳女性。主訴: 腰痛。腰椎骨密度は、若年成人平均値(YAM)比が70%未満、リセドロン酸ナトリウム錠が処方されている。これらのことから、本患者は骨粗しょう症であると考えられる。1:正しい\n一般に、高齢者の骨粗しょう症の患者では、腸管からのカルシウム吸収は低下している。2:誤っている\n本症例では、骨吸収抑制作用を有するリセドロン酸ナトリウムの服用により骨密度(YAM: 67%\\rightarrow 69%)が改善しているため、主に骨吸収が抑制され骨密度が改善されたと考えられる。3:正しい\n骨粗しょう症患者では、骨の脆弱化により、脊椎圧迫骨折や大腿骨頸部骨折などの危険性がある。4:正しい\n血清カルシウム濃度の制御には、副甲状腺ホルモン(パラトルモン)、カルシトニン、活性型ビタミンDが関与している。副甲状腺ホルモン(パラトルモン)、活性型ビタミンDは血清カルシウム濃度の上昇に、カルシトニンは血清カルシウム濃度の低下に関与している。5:誤っている\n骨粗しょう症では、血清カルシウム濃度は正常範囲内にあることが多い。また、本患者はリセドロン酸を服用していることから、副作用として、低カルシウム血症を起こすことがある。"} +{"problem_id": "097297", "problem_text": "この患者が同居の家族と一緒に処方せんを持って保険薬局を訪れた。薬は、本人が自分で管理していた。今回、リセドロン酸ナトリウム錠とレバミピド錠の残薬があることがわかった。この患者の服薬上の問題に対して、適切と考えられる対応はどれか。1つ選べ。", "choices": ["リセドロン酸ナトリウム錠は、起床時服用のため飲み忘れがあると判断し、朝食後服用への変更を医師に提案した。", "レバミピド錠は、昼の飲み忘れが多いと判断し、朝食後に2錠、夕食後に1錠服用するように指導した。", "骨密度はほぼ改善しているので、ロキソプロフェンナトリウム錠の服用中止を提案した。", "同居の家族にも処方薬の服用方法を説明し、服用確認をお願いした。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nリセドロン酸ナトリウム錠は、Ca、Mg等の金属含量の高い飲料や食物、あるいは他の薬剤と同時に服用すると、キレートを形成し、本剤の吸収を妨げることがあるため、起床時に服用する必要がある。よって、朝食後服用への変更を医師に提案することは不適切である。"} +{"problem_id": "097298", "problem_text": "72歳女性。胃潰瘍で通院中の消化器内科より、血圧150/68 mmHgのため循環器内科の受診を勧められた。自覚症状は特にない。【身体所見】 身長162 cm、体重65 kg、脈拍75/分 整 【血液検査】 血中尿素窒素(BUN)28 mg/dL、血清クレアチニン(Scr)1.0 mg/dL Na^{+}136 mEq/L、K^{+}3.6 mEq/L、Cl^{-}101 mEq/L 下記の記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["本態性高血圧と2次性高血圧の発症頻度はほぼ同じである。", "仮面高血圧とは医療機関での血圧測定値は正常であるが、自宅での測定値が高値のものをいう。", "収縮期血圧140 mmHg以上又は拡張期血圧90 mmHg以上で心血管疾患の発症率は高くなる。", "血管の性状を観察するためには、眼底検査が有用である。", "腎障害などの合併症を持つ患者は、臓器灌流圧を保つため、合併症のない患者ほど降圧しない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:誤っている\n本態性高血圧とは、原因が特定できない高血圧のことであり、高血圧全体の約90%を占める。2:正しい\n仮面高血圧とは、医療機関での血圧測定値は正常であるが、自宅での測定値が高値を示すことであり、高血圧と診断されにくい。3:正しい\n収縮期血圧140 mmHg以上又は拡張期血圧90 mmHg以上で高血圧と診断される。高血圧状態を放置すると、心血管疾患、脳血管疾患の発症率が高くなる。4:正しい\n眼底検査は、血管の性状を唯一直接観察できる方法であり、高血圧による動脈硬化の進行具合を確認することができる。5:誤っている\n高血圧は腎障害を進行させることがあるため、腎障害などの合併症を持つ患者は、合併症のない患者の目標血圧よりも、さらに低い目標血���(収縮期血圧130 mmHg未満/拡張期血圧80 mmHg未満)を設定する。"} +{"problem_id": "097299", "problem_text": "この患者は、循環器内科の受診後、以下の処方により治療中である。服薬指導中に錠剤が喉につかえやすいとの訴えがあった。上記の処方で、錠剤の粉砕が可能なものはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ニフェジピン徐放錠20 mg", "トリクロルメチアジド錠1 mg", "オメプラゾール腸溶錠20 mg", "アルジオキサ錠100 mg"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "徐放性製剤、フィルムコーティング剤、腸溶性製剤、舌下錠は、原則、粉砕することはない。よって、選択肢の薬物のうち、粉砕可能なものは、トリクロルメチアジド錠、アルジオキサ錠である。"} +{"problem_id": "097300", "problem_text": "55歳男性。高血圧を指摘され、Ca^{2+}チャネル遮断薬を処方されているが、不定期にしか受診していなかった。今回、足に傷ができて治らないと相談に来局した。右足に直径5 cm大の皮膚潰瘍があり、病変部は悪臭を伴っていた。すぐ、内科受診を勧めた。内科受診時、以下の所見を示した。【身体所見】 BMI 27、血圧150/90 mmHg 【尿検査】 尿潜血(-)、尿タンパク(2+)、尿糖(4+)、ケトン体(-) 尿中Cペプチド 50 \\micro g/日(正常値35〜140 \\micro g/日) 【血液検査】 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)25 IU/L アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)30 IU/L \\gamma -グルタミルトランスペプチダーゼ(\\gamma -GTP)50 IU/L 血中尿素窒素(BUN)20 mg/dL、血清クレアチニン(Scr)1.0 mg/dL 空腹時血糖 210 mg/dL、HbA1_{C} 9.6% この患者に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["膵臓のインスリン分泌能は廃絶している。", "血圧は130/80 mmHg未満を維持するように治療する。", "腎病変の早期検出には尿中アルブミンを検査する。", "食事療法が必要である。", "足の病変は、細小血管障害が関与している。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "身体所見(足に傷ができて治らない、皮膚潰瘍がある)および検査値(尿糖、尿タンパク、尿中Cペプチド、空腹時血糖、HbA1c)より、本患者は2型糖尿病とそれに伴う糖尿病下肢壊疽、糖尿病性腎症を合併していると推測される。1:誤っている\n尿中Cペプチドが正常範囲内にあるため、膵臓のインスリンは廃絶していないと推定される。尿中Cペプチドは、膵臓のランゲルハンス島から分泌されるプロインスリンより生成されるため、内陰性インスリン分泌能を確認するための指標として用いられる。2:正しい\n糖尿病患者の降圧目標値は、130/80 mmHg未満である。3:正しい\n腎病変の初期には、尿中にアルブミンが検出されるため、尿中アルブミンを検査する。なお、腎病変が進行すると血清クレアチニン値が上昇する。4:正しい\n糖尿病の治療をするに当たっては、食事療法と運動療法が基本となる。5:正しい\n足の病変(糖尿病下肢壊疽)には、末梢神経障害、細小血管障害、白血球の貪食能低下が関与している。"} +{"problem_id": "097301", "problem_text": "この患者の処方薬として考えられる医薬品とその医薬品添付文書に記載されている成人に対する1日投与量の制限との組合せのうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nグリベンクラミドは、通常1日1.25〜2.5\nmgで用いられ、1日最高投与量は10\nmgである。"} +{"problem_id": "097302", "problem_text": "55歳男性。尋常性乾癬の治療のため、シクロスポリンカプセル25 mgが処方された処方せんを保険薬局に持参した。この男性は、2ヶ月前の来局時に、近所の内科医よりニフェジピン徐放錠20 mg、ピタバスタチンカルシウム錠1 mg、ファモチジン錠20 mgを投薬されていることが、薬歴簿に記載されていた。そこで、医薬品添付文書の「使用上の注意-相互作用」の項目を確認したところ、薬歴簿に記載されていた薬剤の中に、シクロスポリンとの併用が問題となる薬剤が含まれていた。この相互作用について、内科医から投薬されている医薬品の添付文書を用いてさらに確認することとした。医薬品添付文書の「使用上の注意-相互作用」以外に、この相互作用に関する情報が掲載されていると考えられる項目はどれか。2つ選べ。", "choices": ["禁忌", "用法・用量に関する使用上の注意", "薬物動態", "臨床成績", "取扱い上の注意", "承認条件"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "医薬品添付文書において、相互作用に関する情報は、「使用上の注意-相互作用」以外に「警告」、「禁忌」、「原則禁忌」、「使用上の注意-慎重投与」、「使用上の注意-重要な基本的注意」、「薬物動態」などに記載される可能性がある。"} +{"problem_id": "097303", "problem_text": "薬剤師が処方鑑査を行った後、最初にとるべき対応として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方せんに従って調剤し、副作用に関する注意事項を説明して薬剤を交付した。", "処方せんに従って調剤し、内科医から投薬されている薬は一時服用を中止するように説明した上で薬剤を交付した。", "処方医にシクロスポリンの処方変更に関する疑義照会を行った。", "ただちに近所の内科医に併用薬剤の変更に関する疑義照会を行った。", "薬歴簿の記録が2ヶ月前の情報であったので、現在の併用薬を患者に再確認した。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬歴簿より、シクロスポリンとの併用が問題になる薬剤を確認した場合には、患者に対して現在服用中の薬物について再確認する必要がある。現在も薬歴簿に記載されている薬剤を服用している場合には、処方医にシクロスポリンの処方変更に関する疑義照会を行う必要がある。"} +{"problem_id": "097304", "problem_text": "EBMに関する以下の問に答えよ。ある薬物療法において、治療群と対照群における生存数と死亡数が以下の表のように表せるとき、オッズ比と相対リスクの組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "オッズ比及び相対リスクは、要因の罹患に対する影響を考察する際に用いられる指標であり、以下ように求めることができる。"} +{"problem_id": "097305", "problem_text": "急性心筋梗塞発症後の患者を対象にして、心血管系疾患による死亡に対するアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の予防効果を評価するためにメタアナリシスを行った。その結果、対照群に対するACE阻害薬群の心血管系疾患による死亡のオッズ比は0.83(95%信頼区間: 0.70〜0.98)であった。これに対する考察として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["オッズ比が0.83と1に近い値であるため、両群間で心血管系疾患による死亡リスクに統計学的に有意な差はみられない。", "オッズ比が1未満であるため、ACE阻害薬には心血管系疾患による死亡リスクを減少させる傾向がある。", "オッズ比の95%信頼区間に0.28の幅があるため、ACE阻害薬は心血管系疾患による死亡リスクを統計学的に有意に減少させていない。", "オッズ比の95%信頼区間が1をはさんでいないため、このメタアナリシスは統計学的に有意な結果を与えている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nオッズ比が1未満であるため、ACE阻害薬には心血管系疾患による死亡リスクを減少させる傾向があると考えられる。"} +{"problem_id": "097306", "problem_text": "薬局製造販売医薬品(以下「薬局製剤」という)について、以下の問に答えよ。薬局製剤に係る製造販売業の許可を受けた薬局開設者に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["当該薬局以外の薬局で製造された薬局製剤を販売することはできない。", "薬局製剤を販売する場合には、薬剤師又は登録販売者に、当該薬局において対面で販売させなければならない。", "薬局製剤を販売の目的で調剤室に貯蔵してはならない。", "製造販売承認を受けた薬局製剤たる漢方処方製剤について、その成分又は分量を加減法により変更して製造販売することができる。", "薬局製剤の製造業の許可を受けることなく当該医薬品を製造することができる。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n薬局製造販売医薬品(薬局製剤)とは、薬局開設者が当該薬局における設備及び器具をもって製造し、当該薬局において直接利用者に販売する医薬品のことである。よって、薬局開設者は当該薬局以外の薬局で製造された薬局製剤を販売することはできない。2:誤\n薬局製剤を販売する場合には、薬剤師に、当該薬局において対面で販売させなければならない。3:誤\n薬局開設者は、原則として、薬局製剤を調剤室以外の場所に貯蔵し、陳列してはならない。4:誤\n薬局製剤は、その製造方法等が定められており、その規定に基づき製造しなければならない。よって、製造販売承認を受けた薬局製剤たる漢方処方製剤であっても、その成分又は分量を変更し、承認内容と異なるものを製造販売してはならない。5:誤\n薬局製剤を製造するためには、薬局製剤の製造業の許可を受ける必要がある。"} +{"problem_id": "097307", "problem_text": "かぜ症状を訴えて薬局を訪れた来局者に、薬局製剤の葛根湯を販売することとなった。来局者への説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["胃の弱い人でも安心して服用できる。", "インターフェロン製剤との併用は禁忌である。", "頭痛や肩こりにも効果がある。", "食前又は食間に服用する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n著しく胃腸の虚弱な者は、葛根湯を服用することにより、食欲不振、悪心、嘔吐等が現れることがあるため、服用前に医師又は薬剤師に相談することとされている。"} +{"problem_id": "097308", "problem_text": "薬局に納入される医薬品を管理するために必要な事項について、以下の問に答えよ。卸売販売業者からの医薬品納入時に行う検収に際し、薬局で確認する事項として、最も優先順位の低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医薬品名", "包装単位", "保管方法", "納品された個数", "薬価"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "卸売販売業者からの医薬品納入時に行う検収に際し、薬局で確認する事項として、最も優先順位の低いのは「薬価」である。検収とは、卸売販売業者より医薬品を点検し受け取ることであり、検収時には以下の項目を確認する。<検収時に確認する項目>\n医薬品名、剤形、規格、包装単位、納品された個数、有効期限、使用期限、流通過程における保存状況、破損の有無、保存方法:など"} +{"problem_id": "097309", "problem_text": "医薬品の直接の容器又は直接の被包に記載することが義務づけられていないのはどれか。1つ選べ。ただし、表示の特例の適用はないものとする。", "choices": ["製造販売業者の氏名又は名称及び住所", "製造番号又は製造記号", "重量、容量又は個数等の内容量", "用法、用量その他使用及び取扱い上の必要な注意", "厚生労働大臣の指定する医薬品にあっては、その使用の期限"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "医薬品の直接の容器又は直接の被包に記載することが義務づけられていないのは、「用法、用量その他使用及び取扱い上の必要な注意」である。用法、用量その他使用及び取扱い上の注意事項については、添付文書又は容器もしくは被包のいずれかに記載することが義務づけられている。医薬品の直接の容器又は直接の被包への記載事項することが義務づけられている項目(原則)を以下に示す。・製造販売業者の氏名又は名称及び住所\n・医薬品の名称\n・製造番号又は製造記号\n・重量、容量又は個数等の内容\n・日本薬局方に収められている医薬品は、「日本薬局方」の文字及び記載するように定められた項目\n・基準設定医薬品は、貯法、有効期限等の基準\n・一般用医薬品は、区分ごとに「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」の文字\n・日本薬局方収載医薬品以外の医薬品は、有効成分の名称、分量\n・習慣性医薬品は「注意-習慣性あり」の文字\n・処方せん医薬品は「注意-医師等の処方せんにより使用すること」の文字\n・厚生労働大臣の指定する医薬品は、「注意-人体に使用しないこと」の文字\n・厚生労働大事の指定する医薬品は、その使用の期限"} +{"problem_id": "097310", "problem_text": "保険薬局で処方せんを受け付けた際の薬剤師の対応について、以下の問に答えよ。薬剤師法その他関連法令の規定に照らし、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方内容に疑問を感じただけでは、調剤を断る正当な理由にはならない。", "疑義照会をせず調剤を行った結果生じた被害については、民法による損害賠償の責任を問われることがある。", "医師又は歯科医師の発行した処方せんであることを免許証番号で確認する。", "処方せんを持参した者が患者自身でない場合は、患者との関係を確認し調剤録に記載しなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n処方内容に疑問を感じただけでは、調剤を断る正当な理由とはならない。処方内容に疑問を感じた場合は、処方医に疑義照会し、調剤する必要がある。2:正\n疑義照会をせず調剤を行った結果生じた被害については、民法による損害賠償の責任(債務不履行責任等)に加え、刑法による業務上過失致死傷による懲役もしくは禁錮または罰金の責任を問われることがある。3:誤\n医師又は歯科医師の免許証番号は、処方せんの記載事項に含まれていないため、免許証番号を確認することで、医師又は歯科医師の発行した処方せんであることを確認することはできない。4:誤\n調剤録に処方せんを持参した者に関する記載項目はないため、処方せんを持参した者が患者自身でない場合であっても、患者との関係を調剤録に記載する必要はない。"} +{"problem_id": "097311", "problem_text": "受け付けた処方せんに疑義が生じたため、電話で病院の医師に問い合わせた。疑義照会を行う際の注意点として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["こちらの名前を名乗ってから処方医に取り次いでもらう。", "患者のプライバシーに配慮し、患者名は告げずにイニシャルで照会をする。", "電話では相手の顔や身振りが見えないので、相手の状況や感情を気遣う。", "疑問点を明確にし、照会する内容を整理してから照会をする。", "何回も問い合わせることのないように、照会前に処方せんの内容をもう一度確認する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "疑義照会を行う際、患者の氏名をイニシャルで伝えると患者を特定することが難しいため、疑義照会を行う際、患者の氏名はフルネームで伝える必要がある。<疑義照会を電話で行う際の流れ・注意点>\n疑問点を明確にし、照会する内容を整理した後、何回も問い合わせることのないように、処方せんの内容をもう一度確認する。その後、電話をかけ、こちらの名前を名乗ってから処方医に取り次いでもらい、できるだけ正確に要領よく、疑義照会を済ませることが重要である。また、電話では相手の顔や身振りが見えないので、相手の状況や感情を気遣うことも大切である。"} +{"problem_id": "097312", "problem_text": "薬局における医薬品の取扱いについて、以下の問に答えよ。患者が亡くなったので、その家族から当該薬局で調剤した以下の薬剤を処分してほしいと申し出があった。当該薬局で廃棄する場合に都道府県知事に届け出なければならない医薬品はどれか。1つ選べ。", "choices": ["コデインリン酸塩散1%", "アミオダロン塩酸塩錠", "フェンタニル貼付剤", "メチルフェニデート塩酸塩錠", "トリアゾラム錠"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "患者の死亡等によりその家族から処分してほしいと返却された薬物を廃棄する際に都道府県知事に届け出なければならないのは、フェンタニル貼付剤である。フェンタニル貼付剤は、麻薬に該当する。返却された麻薬を廃棄する場合は、廃棄後30日以内に、都道府県知事に「調剤済麻薬廃棄届」を提出しなければならない。なお、コデインリン酸塩散1%は劇薬、アミオダロン塩酸塩錠は毒薬、メチルフェニデート塩酸塩錠及びトリアゾラム錠は向精神薬に該当する。"} +{"problem_id": "097313", "problem_text": "メチルフェニデート塩酸塩錠に当てはまり、かつ、トリアゾラム錠に当てはまらないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["保管は、業務に従事する者が実地に盗難防止に必要な注意をしている場合以外は、鍵をかけた施設内で行わなければならない。", "廃棄は、焼却、酸・アルカリ等による分解、希釈、他の薬剤との混合等、回収が困難な方法で行わなければならない。", "卸売業者から譲り受けたときは、品名(販売名)・数量、譲り受けの年月日、譲り受けの相手方の営業所等の名称・住所を記録し、2年間保存しなければならない。", "一定数量以上の盗難、紛失等が生じたときは、速やかに都道府県知事に届け出なければならない。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "メチルフェニデート塩酸塩錠及びトリアゾラム錠は共に向精神薬であり、メチルフェニデート塩酸塩錠は第一種向精神薬、トリアゾラム錠は第三種向精神薬に該当する。メチルフェニデート塩酸塩錠に当てはまり、かつ、トリアゾラム錠に当てはまらないのは���選択肢3の内容である。第一種向精神薬及び第二種向精神薬については、卸売業者から譲り受けたときは、品名(販売名)・数量、譲り受けの年月日、譲り受けの相手方の営業所等の名称・住所を記録し、2年間保存しなければならないが、第三種向精神病薬については、このような規定はない。"} +{"problem_id": "097314", "problem_text": "総合感冒薬を求めて来局したAさんに薬剤師が応対した。その結果、Aさんは翌日、国民体育大会に選手として参加することが明らかとなった。総合感冒薬に含まれる成分で、Aさんに推奨できないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イブプロフェン", "dl-メチルエフェドリン塩酸塩", "クレマスチンフマル酸塩", "アセトアミノフェン", "リゾチーム塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "国民体育大会に選手として参加することになっているAさんに対して、総合感冒薬に含まれる成分で推奨できないのは、dl-メチルエフェドリン塩酸塩である。メチルエフェドリンは、中枢興奮作用を有し、服用することにより血流を増加させるため、世界アンチドーピング機関においてドーピング禁止薬物に指定されている。"} +{"problem_id": "097315", "problem_text": "問314で推奨できない成分の原末について、薬事関係法規による規制区分として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["毒薬", "劇薬", "麻薬", "向精神薬", "覚せい剤原料"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "覚せい剤取締法において、dl-メチルエフェドリン塩酸塩の原末は、覚せい剤原料に指定されている。なお、エフェドリン及びメチルエフェドリンの含有量が10%以下の製剤は、覚せい剤原料に該当しない。"} +{"problem_id": "097316", "problem_text": "介護保険制度及びそれに関わる薬局薬剤師の業務について、以下の問に答えよ。介護保険制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["保険者は都道府県である。", "保健・医療・福祉にわたる介護サービスを総合的に利用できるようにした制度である。", "被保険者には第1号被保険者と第2号被保険者がある。", "給付には、要支援者を対象とするものはない。", "要介護状態は10段階に区分されている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n介護保険の保険者は、市町村及び特別区である。2:正\n介護保険制度とは、保健・医療・福祉にわたる介護サービスを総合的に利用できるようにした制度のことである。3:正\n介護保険制度の被保険者には、以下の者がいる。・第1号被保険者: 市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者\n・第2号被保険者: 市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者\n4:誤\n介護保険の給付には、以下の3つがある。・介護給付: 要介護者に対する\n・予防給付: 要支援者に対する\n・市町村特別給付: 要介護者又は要支援者の状態の軽減又は悪化の防止に資する\n5:誤\n要介護状態の区分は5段階で構成されている。なお、要支援状態の区分は2段階で構成されている。"} +{"problem_id": "097317", "problem_text": "薬局薬剤師が医師の指示により、患者の居宅での指導(居宅療養管理指導)を行う場合の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["介護保険披保険者証の確認を行う。", "居宅療養管理指導を行うには、患者の同意が必要である。", "訪問結果について医師に情報提供を行う。", "薬学的管理指導計画を策定する。", "じょく瘡の状態を確認し、状態が悪化している場合には外用剤の塗布を行う。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n介護保険による居宅療養管理指導を行う際、介護保険被保険者証を確認した後、患者及びその家族に十分な説明を行い、同意を得る必要がある。"} +{"problem_id": "097318", "problem_text": "保険薬局で、国民健康保険の被保険者であるAさんから、内科医院と歯科医院のそれぞれから発行された処方せんを同時に受け付けた。調剤報酬の請求と支払いの仕組みについて、以下の問に答えよ。なお、Aさんは公費負担の対象者ではない。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["療養の給付に関し支払われる費用の額は、調剤報酬点数表に基づき計算される。", "療養の給付に関し支払われる費用の請求は、社会保険診療報酬支払基金に行う。", "保険薬局は��Aさんの経済状況を考慮して一部負担金を免除することができる。", "療養の給付に係る審査は、保険者自身が行うことができる。", "療養の給付に関して保険者が保険薬局に支払う費用は、すべて保険料で賄われている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n保険調剤における調剤報酬の額は、調剤報酬点数表に基づき計算される。2:誤\n本患者は国民健康保険の被保険者であることから、保険調剤による調剤報酬の請求は、通常、国民健康保険団体連合会に対して行う。3:誤\n保険薬局の判断で、保険調剤による一部負担金を割引又は免除することはできない。4:正\n保険者は、療養の給付に係る審査を行うことができる。なお、保険者は、通常、療養の給付に係る審査を社会保険診療報酬支払基金又は国民健康保険団体連合会に委託している。5:誤\n療養の給付に関して保険者が保険薬局に支払う費用は、保険料及び国又は地方公共団体からの補助金により賄われている。"} +{"problem_id": "097319", "problem_text": "Aさんの調剤報酬明細書(レセプト)の作成に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["調剤報酬明細書は、月毎にまとめて記載しなければならない。", "内科と歯科の調剤報酬明細書は、分けて作成しなければならない。", "同じ被保険者証記号番号のAさんの家族の請求は、同じ調剤報酬明細書に記載して請求しなければならない。", "調剤報酬明細書には、処方せんを発行した医師の名前を記載しなければならない。", "調剤報酬明細書には、調剤した薬剤師の名前を記載する必要はない。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n保険薬局における調剤報酬明細書は、月ごとかつ患者ごとに作成する。また、複数の保険医療機関より発行された処方に基づいて調剤を行った場合は、調剤報酬明細書を保険医療機関ごとに分けて作成する。"} +{"problem_id": "097320", "problem_text": "一般用医薬品の販売について、以下の問に答えよ。一般用医薬品の販売における薬局薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["特定銘柄の製品を指定して来局した購入希望者に対しては、症状や体質等を確認する必要はない。", "第1類医薬品に該当する製品の購入希望者のうち、以前も同じ製品を購入したことが明らかな者に対しては、薬剤師の判断で情報提供をせずに販売することができる。", "購入した製品について相談を受けたときには、その製品が該当する一般用医薬品の区分にかかわらず、相談に応じる。", "一般用医薬品での自己治療の範囲を超えていると薬剤師が判断した場合には、購入希望者に受診を勧める。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n特定銘柄の製品を指定して来局した購入希望者に対しても、その一般用医薬品が購入者にとって適切なものであるかを判断するために、症状や体質等を確認する必要がある。2:誤\n薬剤師の判断で情報提供をせずに第1類医薬品を販売することはできない。なお、購入希望者から説明不要である旨の申し出があった場合には、情報提供することなく、第1類医薬品を販売することができる。3:正\n一般用医薬品の購入希望者より相談を受けたときには、一般用医薬品の区分にかかわらず、薬剤師又は登録販売者は、購入希望者からの相談に応じる必要がある。4:正\n一般用医薬品での自己治療の範囲を超えていると判断した場合には、購入希望者に受診勧奨する必要がある。"} +{"problem_id": "097321", "problem_text": "一般用医薬品であるガスター10^{®}(ファモチジン10 mg含有)を求めて消費者が来局した。薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["使用者の年齢に関係なく服用できると説明した。", "併用薬を確認した。", "ガスター10^{®}の情報提供を、医療用医薬品の添付文書を使用して行った。", "ファモチジン製剤の医療用医薬品であるガスター^{®}錠10 mgと、効能・効果、用法・用量が同じであると説明した。", "3日間服用しても症状が改善しない場合には、再度、相談に来るように説明した。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nガスター10^{®}は小児(15歳未満)及び高齢者(80歳以上)は服用できない医薬品である。"} +{"problem_id": "097322", "problem_text": "医薬品の副作用への対応について、以下の問に答えよ。患者から「数日前にそちらで受け取った薬を服用してから体調が悪い」と電話での問い合わせが保険薬局にあった。保険薬局の薬剤師が患者に確認すべき項目として、最も優先順位が低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者の氏名", "処方せんを発行した医療機関名", "現在の状態", "服用後の経過時間", "服用した量"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "患者から「数日前にそちらで受け取った薬を服用してから体調が悪い」と問い合わせがあったことから、副作用が現れた可能性がある。副作用が現れた可能性がある場合には、患者より「患者の氏名」、「服用後の経過時間」、「服用した量」、「現在の状況」を確認する必要がある。"} +{"problem_id": "097323", "problem_text": "薬事法に基づく医薬品副作用情報の報告・提供義務に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医薬品製造販売業者は、自社製品について知り得たすべての副作用症例について15日以内に報告する義務がある。", "医療機関に勤務する薬剤師以外の薬剤師には、副作用報告に関する義務はない。", "すべての病院の開設者は、副作用による保健衛生上の危害の拡大を防止するため必要があると認めるときは、その副作用の報告を義務づけられている。", "卸売販売業者には、医薬品の安全性情報を医薬関係者に提供するよう努める義務はない。", "自ら調剤を行わない薬局の開設者には、副作用報告に関する法律上の義務はない。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n医薬品製造販売業者は、自社製品についての副作用を知った場合には、製造販売した医薬品の副作用の重篤度に応じて、15日以内または30日以内にその旨を厚生労働大臣に報告する義務がある。"} +{"problem_id": "097324", "problem_text": "チーム医療について、以下の問に答えよ。チーム医療に関する記述のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["チーム医療推進の背景には、医療の高度化及び複雑化に伴う医療現場の疲弊があげられる。", "チーム医療に期待される具体的な効果として、医療の効率性の向上による医療従事者の負担の軽減があげられる。", "チーム医療を進める上で、ガイドライン、プロトコール等を活用することが重要である。", "チーム医療の推進には、医療と介護の連携も必要である。", "チーム医療は、経済性を優先する医療体系のため、根拠に基づいた医療の実践にはならない。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:適切である\n現在、医療の高度化及び複雑化に伴い、個々の医療スタッフだけでは、患者にとって良質な医療を提供することに限界が生じてきているため、チーム医療が推進されている。2:適切である\nチーム医療では、個々の医療従事者が役割を分担することで、医療の効率性が向上し、医療従事者の負担が軽減されることが期待される。3:適切である\nチーム医療を進める上で、ガイドライン、プロトコール、クリニカルパス等を活用することで良質な医療を提供することができる。4:適切である\n5:適切でない\nチーム医療は患者にとって良質な医療を提供するためのものであり、経済性を優先する医療体系ではない。また、チーム医療では、多くの医療従事者が連携し治療に携わるため、根拠に基づいた医療の実践につながる。"} +{"problem_id": "097325", "problem_text": "チーム医療への薬剤師の参画に関する記述のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["専門化された医療に対応するため、がん専門薬剤師等の専門薬剤師の養成も重要である。", "医療事故防止のため、医薬品情報を他職種に提供することは重要である。", "チーム内の情報共有のため、他職種が用いる専門用語を理解することが重要である。", "チーム内の情報共有のため、患者に提供する説明文書は専門用語で記述することが重要である。", "保険薬局の薬剤師もチーム医療の一員として期待される。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:適切である\n薬剤師がチーム医療に参画し、専門化された医療に対応するために、がん専門薬剤師や感染制御専門薬剤師等の専門薬剤師を養成することが推奨されている。"} +{"problem_id": "097326", "problem_text": "保険調剤における処方内容の疑義照��に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医師には自らが交付した処方せんに関して、薬剤師からの疑義照会に対応する義務がある。", "処方せんに不備があっても薬剤師として明確に判断できることは、疑義照会する必要はない。", "処方せんに疑義があっても患者に確認して解消された場合には、疑義照会する必要はない。", "処方された医薬品の用法が記載されていない場合は、添付文書の用法に合わせて投薬するので疑義照会の必要はない。", "疑義照会により処方内容が変更になった場合は、医療機関に処方せんの再発行を求めなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n処方医は、その交付した処方せんに関し、薬剤師から疑義の照会があった場合には、これに適切に対応しなければならない。2:誤\n処方せんに不備(用法、用量が記載されていない等)がある場合、薬剤師は処方医に対して疑義照会する必要がある。3:誤\n処方せんに疑義がある場合、薬剤師は処方医に対して疑義照会する必要がある。4:誤\n解説2参照\n5:誤\n疑義照会により処方内容が変更になった場合は、その旨を処方せんに記載する必要があるが、医療機関に処方せんの再発行を求める必要はない。"} +{"problem_id": "097327", "problem_text": "胃の全摘手術を目的として入院してきた患者の持参薬の中に抗血栓薬が含まれていた。手術による大量出血のリスクを回避するため、薬剤師がその中止を提案した。抗血栓薬とその投与中止期間の組合せのうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "抗血栓薬の手術前の投与中止期間を以下に示す。"} +{"problem_id": "097328", "problem_text": "以下の処方について患児の家族に確認したところ、散剤の服用は困難であったため、疑義照会を行った。その結果、ブロムヘキシン塩酸塩シロップ0.08%に変更となった。秤量するブロムヘキシン塩酸塩シロップは総量で何mLか。1つ選べ。ただし、用法・用量及び投与日数の変更はない。", "choices": ["3.0", "7.5", "10.0", "12.0", "30.0"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "ブロムヘキシン塩酸塩細粒2%が1日0.3 g[製剤量]、4日分処方されていることから、ブロムヘキシン塩酸塩細粒の製剤全量は、1.2 gであり、その中に含まれる成分の量を以下のように算出することができる。1.2 g\\times 0.02=24mg(成分量)\nブロムヘキシン塩酸塩細粒に含まれる成分量(0.024 g)に相当するブロムヘキシン塩酸塩シロップ0.08%(0.8 mg/1 mL)の総量(mL)は、以下のように算出することができる。24 g/0.8 mg/1 mL=30 mL"} +{"problem_id": "097329", "problem_text": "高カロリー輸液療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腸閉塞で消化管からの栄養補給ができない患者に適用できる。", "乳酸アシドーシスの予防のため、ビタミンB_{1}の併用が必要である。", "腎不全患者では、窒素に対する非タンパク質カロリーの比を150~200に設定する。", "ナトリウムイオンの1日投与量として、20~30 mEq/kgを目安とする。", "浸透圧比を1~2に設定する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n腸閉塞など消化管からの栄養補給が不十分である場合、高カロリー輸液療法を適用することが可能である。2:正\n高カロリー輸液療法を行うと、高カロリー輸液に含まれるブドウ糖によって多量のビタミンB_{1}が消費される。ビタミンB_{1}が不足した状態でブドウ糖が供給されると、嫌気的解糖系によりブドウ糖は乳酸へと代謝される。よって、高カロリー輸液療法中は、乳酸アシドーシスの予防のため、ビタミンB_{1}の併用が必要である。3:誤\n窒素に対する非タンパク質カロリー(NPC/N)比とは、アミノ酸以外の栄養素から得られるエネルギー量とアミノ酸に含まれる窒素量の比のことであり、腎不全患者では、窒素量を制限する必要があるため、NPC/N比を300〜500に設定する必要がある。なお、健常人では、NPC/N比を150〜200に設定する。4:誤\nヒトが生体維持のために必要な1日のナトリウムイオン量は約90〜120 mEqとされている。よって、ナトリウムイオンの1日投与量として、1~2 mEq/kgを目安とする。5:誤\n高カロリー輸液療法では、中心静脈に緩徐に輸液を投与するため、浸透圧の高いものを使用しても、疼痛及び組織障害などを起こすことはない。よって、高カロリー輸液の浸透圧比を1〜2に設定する必要はない。"} +{"problem_id": "097330", "problem_text": "薬局製造販売医薬品(薬局製剤)の製造及び販売にあたり、義務づけられていないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["封の実施", "添付文書の作成", "作業記録の患者への提供", "製造した医薬品の試験検査", "製造した薬局名の表示"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "薬局製造販売医薬品(薬局製剤)の製造及び販売にあたり、「作製記録を患者に提供すること」は義務づけられていない。なお、薬局製剤の製造及び販売にあたっては、封の実施、直接の容器への表示(薬局の名称及び所在地、医薬品の名称など)、添付文書の作成、製造・試験等に関する記録の作成及び保存が義務づけられている。"} +{"problem_id": "097331", "problem_text": "以下の処方により、投与されるナトリウムの量(mEq/日)として、最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、ホスホマイシンナトリウム(C_{3}H_{5}Na_{2}O_{4}P)の分子量は182、Naの原子量は23とする。", "choices": ["15", "22", "33", "43", "57"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "本処方では、ホスホマイシンナトリウム点滴静注用0.5 g(力価)/バイアルが3バイアル/回、1日2回処方されている。このことから、ホスホマイシンが1日3 g処方されていることになる。ホスホマイシン3 gの物質量(mmol)は、以下のように算出できる。3 g/ホスホマイシンの分子量(182-23\\times 2+2=138)=0.0217 mol=21.7 mmol\nホスホマイシンとナトリウムは1: 2で結合することから、ホスホマイシン21.7 mmolに結合しているナトリウムを以下のように算出することができる。21.7\\times 2=43.4 mmol\nこれらのことから、ホスホマイシンナトリウム点滴静注用0.5 g(力価)が6バイアル中に含まれるナトリウム量を以下のように算出することができる。43.4 mmol\\times 電荷=43.4 mEq\n参考\n電解質量(mEq): mEq=mmol\\times 価数"} +{"problem_id": "097332", "problem_text": "42歳男性。重症筋無力症に対して、以下の薬剤が処方された。重大な副作用の典型的な初期症状はどれか。2つ選べ。", "choices": ["排尿困難", "便秘", "発汗", "頻脈", "縮瞳"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "本患者に処方されているジスチグミン臭化物錠は、可逆的コリンエステラーゼ阻害薬であり、内因性アセチルコリンの作用を増強させるとともに、骨格筋のニコチンN_{M}受容体直接刺激作用を有するため、重症筋無力症の治療に用いられる。ジスチグミン臭化物錠は、重大な副作用として、コリン作動性クリーゼ(初期症状: 下痢、発汗、徐脈、縮瞳、唾液分泌過多など)を起こすことがある。"} +{"problem_id": "097333", "problem_text": "68歳男性。身長172 cm、体重82 kg。心筋梗塞の既往歴を有し、高血圧と糖尿病のため、以下の処方で治療を継続している。この患者に対する指導として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["納豆やクロレラはアスピリン腸溶錠の作用を増強するため、摂取しないように指導した。", "心筋梗塞の再発予防のため、オルメサルタンメドキソミル錠により血圧を下げる必要があることを説明した。", "食品包装に表示されているナトリウム量を参考にして、1日のナトリウム摂取量が6gを下回るように指導した。", "心血管保護のため、強度の運動を行うよう推奨した。", "処方2により低血糖症状が現れた場合は、ブドウ糖又はショ糖を摂取するよう指導した。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n納豆、クロレラとアスピリン腸溶錠を併用してもアスピリンの作用が増強することはない。2:正\n虚血性心疾患(心筋梗塞など)は、高血圧により誘発されることがある。そのため、心筋梗塞の再発を予防するため、オルメサルタンメドキソミル錠により血圧を下げる必要があることを説明する。3:誤\n高血圧に罹患している場合、1日当たりの食塩摂取量が6 gを下回るように指導する必要がある。なお、食品の包装にはナトリウム量が記載されており、ナトリウム量(mg)より食塩量(g)を算出する必要がある。【参考】食塩量(g)=Na(mg)\\times 2.54/1000\n4:誤\n心筋梗塞などの虚血性心疾患の既往歴を有する患者が、強度の運動を行うと、心臓での酸素要求量が増加により虚血性心疾患が悪化することがある���そのため、本患者には、強度な運動を推奨することはできない。5:正\nSU剤(グリメピリドなど)やビクアナイド系血糖降下薬(メトホルミンなど)を服用中に低血糖症状が現れた場合には、ブドウ糖又はショ糖を摂取するよう指導する。"} +{"problem_id": "097334", "problem_text": "以下の医薬品を適正に使用するために患者から情報収集する内容及びその理由の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nリゾチーム塩酸塩は、鶏卵の卵白由来のタンパク質を成分としているため、鶏卵アレルギーのある患者に投与するとアレルギー症状を引き起こすことがある。よって、リゾチーム塩酸塩を使用する場合は、鶏卵アレルギーの有無を確認する必要がある。2:正\nクロルフェニラミンマレイン酸塩は抗ヒスタミン薬であり、副作用として眠気を催すことがある。よって、クロルフェニラミンマレイン酸塩を使用する場合は、自動車の運転の有無を確認する必要がある。3:正\nミソプロストールはプロスタグランジン製剤であり、子宮収縮による流産を引き起こす可能性がある。よって、ミソプロストールを使用する場合は、妊娠の有無を確認する必要がある。4:誤\nジゴキシンと喫煙との相互作用は報告されていない。5:誤\nグレープフルーツジュースとテオフィリンとの相互作用はほとんど認められない。なお、グレープフルーツジュースは、主に小腸のCYP3A4を阻害するため、主にCYP3A4で代謝される薬物の血中濃度を上昇させる。"} +{"problem_id": "097335", "problem_text": "循環器系疾患の薬物治療に関して、薬剤師が医師へ提案する内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["徐脈を伴う重症心不全の患者に対して、心機能改善を期待してプロプラノロール塩酸塩を使用する。", "心房細動を伴うWPW(Wolff-Parkinson-White)症候群のある患者に対して、抗不整脈作用を期待してベラパミル塩酸塩を使用する。", "QT時間が延長している患者に対して、心室頻拍への移行防止を期待してソタロール塩酸塩を使用する。", "肥大型閉塞性心筋症の患者に対して、心筋収縮力の増強を期待してジゴキシンを使用する。", "アンギオテンシン変換酵素阻害薬による治療を受けている慢性心不全の患者に対して、予後改善効果を期待してカルベジロールを使用する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n徐脈を伴う重症心不全患者にプロプラノロール塩酸塩を投与すると、徐脈及び重症心不全が悪化することがある。よって、プロプラノロール塩酸塩は、高度な徐脈及び重症心不全の患者に対して投与禁忌である。2:誤\nWPW症候群の患者にベラパミル塩酸塩を投与すると、本剤の房室伝導抑制作用により心房の興奮が副伝導路を通りやすくなる結果、心室細動を生じることがある。3:誤\nQT時間が延長している患者に対して、ソタロール塩酸塩を投与すると、過度のQT延長により不整脈を起こすことがある。よって、ソタロール塩酸塩は、QT時間が延長している患者に対して投与禁忌である。4:誤\n肥大型閉塞性心筋症の患者に対して、ジゴキシンを投与すると、左室流出路閉塞を悪化させることがある。よって、ジゴキシンは、肥大型閉塞性心筋症の患者に対して投与禁忌である。5:正\nアンギオテンシン変換酵素阻害薬による治療を受けている慢性心不全の患者に対して、カルベジロールを投与すると、慢性心不全の予後を改善することがある。よって、カルベジロールは、アンギオテンシン変換酵素阻害薬による治療を受けている慢性心不全の患者に対して、予後改善効果を期待して使用されることがある。"} +{"problem_id": "097336", "problem_text": "注射剤の投与に際して使用する医療器材に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["プロポフォールの脂肪乳剤を点滴静注する際に、ポリ塩化ビニル製の輸液セットを使用する。", "ニトログリセリン注射液を乳酸リンゲル液で希釈して点滴静注する際に、ポリ塩化ビニル製の輸液セットを使用する。", "硝酸イソソルビド注射液を5%ブドウ糖注射液で希釈して点滴静注する際に、ポリエチレン製の輸液セットを使用する。", "ダイズ油を主成分とする脂肪乳剤を点滴静注する際に、輸液ラインに微生物ろ過フィルターを装置する。", "ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有するタクロリムス注射液を生理食塩液に希釈して点滴静注する際に、ポリ塩化ビニル製の輸液セットを使用する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nプロポフォール注射剤及びタクロリムス注射液には、可溶化剤として界面活性剤が含まれており、その可溶化剤により、ポリ塩化ビニル(PVC)製の輸液セットに可塑剤として含まれているフタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)(DEHP)が溶出することがある。よって、プロポフォール注射剤及びタクロリムス注射液を投与する際は、DEHPを含まない輸液セットを使用することが望ましい。2:誤\nニトログリセリン及び硝酸イソソルビドを希釈して点滴静注する際に、PVC輸液セットを使用すると、ニトログリセリン及び硝酸イソソルビドが吸着することがある。よって、ニトログリセリン及び硝酸イソソルビドを希釈して点滴静注する際には、ポリエチレン製またはポリプロピレン製の輸液セットを使用する。3:正\n解説2参照\n4:誤\nダイズ油を主成分とする脂肪乳剤などのエマルション製剤を点滴静注する際に、輸液ラインに微生物ろ過フィルターを装置すると、エマルションの安定性が低下することがある。よって、ダイズ油を主成分とする脂肪乳剤を点滴静注する際に、輸液ラインに微生物ろ過フィルターを装置しない。5:誤\n解説1参照"} +{"problem_id": "097337", "problem_text": "以下の用語(略語)のうち、肝機能を示すマーカーはどれか。2つ選べ。", "choices": ["AST", "BUN", "CPK(CK)", "CRP", "\\gamma -GTP(\\gamma -GT)", "HbA1_{C}", "INR", "WBC"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "選択肢の用語(略語)のうち、肝機能を示すマーカーは、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼを示すASTと\\gamma -グルタミルトランスペプチターゼ(\\gamma -グルタミルトランスフェラーゼ)を示す\\gamma -GTP(\\gamma -GT)である。1:正\n2:誤\nBUNは、血液尿素窒素の略語であり、腎機能の指標として用いられる。3:誤\nCPK(CK)は、クレアチンホスホキナーゼ(クレアチニンキナーゼ)の略語であり、筋肉細胞壊死の有無を調べる際に用いられる。4:誤\nCRPは、C反応性タンパク質の略語であり、炎症の有無を調べる際に用いられる。5:正\n6:誤\nHbA1_{C}は、糖化ヘモグロビンの略語であり、糖尿病の指標として用いられる。7:誤\nINRは、プロトロンビン時間国際正規化比の略語であり、ワルファリンの効果判定に用いられる。8:誤\nWBCは、白血球数の略語であり、感染症の有無や血液疾患の有無を調べる際に用いられる。"} +{"problem_id": "097338", "problem_text": "保険薬局における麻薬の取扱いに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方せんにより麻薬を調剤する場合は、麻薬小売業者の免許は不要である。", "麻薬を購入する時は、麻薬譲渡証を麻薬卸売業者から受け取り、麻薬譲受証を麻薬卸売業者に渡す。", "麻薬を調剤する時は、在庫数と帳簿上の残数を確認する。", "麻薬処方せんを保存する際には、一般の処方せんとは別にする。", "麻薬帳簿は、最終記載の日から2年間保管する。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\n保険薬局において、処方せんにより麻薬を調剤する場合は、麻薬小売業者の免許が必要である。2:正しい\n保険薬局において、麻薬卸売業者より麻薬を購入する時は、麻薬譲渡証を麻薬卸売業者から受け取り、麻薬譲受証を麻薬卸売業者に渡す必要がある。3:正しい\n麻薬を調剤した時は、使用した数量を帳簿に記載し、在庫数と帳簿上の残数を確認する必要がある。4:正しい\n5:正しい\n麻薬小売業者は、麻薬帳簿を備え、譲渡・譲受、廃棄した麻薬の品名及び数量等を記載し、最終記載の日から2年間保管する必要がある。"} +{"problem_id": "097339", "problem_text": "保険調剤後の調剤録に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["調剤済みの処方せんに必要事項を記入して調剤録とした。", "保険薬局開設者が、調剤録を最終の記入日から5年間保存したので廃棄した。", "1回目の分割調剤時に、調剤録に代えて処方せんに必要事項を記入した。", "処方せんに関する医師への疑義照会の内容を調剤録に記載した。", "患者の被保険者証記号番号を調剤録に記載した。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n保険調剤した際、調剤済みとなった処方せんに必要事項を記入したものは、調剤録とすることが可能である。2:正しい\n薬局開設者は、調剤録を最終の記入日から3年間保存しなければならない。よって、設問のように調剤録を最終記載日から5年間保存したものを廃棄することは問題ない。3:誤っている\n保険調剤により1回目の分割調剤を行い、調剤済みとならなかった場合、処方せんに必要事項を記載するとともに、調剤録への必要事項を作成した。4:正しい\n医師等に疑義照会した場合には、疑義照会した内容を調剤録に記載する必要がある。5:正しい\n調剤録には、患者の被保険者証記号番号、保険者名、生年月日等を記載する必要がある。"} +{"problem_id": "097340", "problem_text": "保険調剤における先発医薬品から後発医薬品への変更に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、後発医薬品への変更が可能とされた処方せんとする。", "choices": ["患者へ後発医薬品に関する説明を行い、同意を得た上で変更を行った。", "後発医薬品に変更する際に、適応症を確認した。", "錠剤の先発医薬品を散剤の後発医薬品に、薬剤師の判断で変更して調剤した。", "医療機関には変更に伴う情報提供を行わなかった。", "交付済の後発医薬品を後日先発医薬品と交換した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n後発医薬品への変更調剤を行う場合、患者へ後発医薬品に関する説明を行い、同意を得る必要がある。2:正\n先発医薬品と後発医薬品では、適応症が異なることがある。そのため、先発医薬品を後発医薬品に変更する際には適応症について確認する必要がある。3:誤\n錠剤と散剤は類似する別剤形に該当しないため、錠剤の先発医薬品を散剤の後発医薬品に変更することはできない。内服薬を後発医薬品に変更調剤する場合は、類似する別剤形(①、②、③)に変更することが可能である。①錠剤(普通錠)、錠剤(口腔内崩壊錠)、カプセル剤、丸剤\n②散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤(内服用固形剤として調剤する場合に限る)\n③液剤、シロップ剤、ドライシロップ剤(内服用液剤として調剤する場合に限る)\n4:誤\n後発医薬品への変更調剤を行った場合は、医療機関に変更に伴う情報提供を行う必要がある。5:誤\n後発医薬品への変更を行った場合、交付後の後発医薬品を先発医薬品に交換することはできない。"} +{"problem_id": "097341", "problem_text": "一般用医薬品の配合成分及び使用法と、その医薬品を長期連用した場合に生じる可能性のある副作用との組合せのうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\nナファゾリン塩酸塩は、血管収縮作用を有するため、鼻粘膜の充血に用いられる。ナファゾリン塩酸塩を含む点鼻液を過度に用いると、鼻粘膜の血管の反応性が低下し、副作用として、二次充血を起こすことがある。2:正しい\nフルオシノロンアセトニドは、抗炎症作用を有するため湿疹や皮膚炎などに用いられる。フルオシノロンアセトニドを含む塗布剤を長期間連用すると、副作用として、ステロイド皮膚(皮膚の萎縮、毛細血管の拡張、紫斑など)を起こすことがある。3:正しい\nブロモバレリル尿素を含む内服剤を長期連用または連用中に投与中止すると、副作用として、せん妄、振戦などを起こすことがある。4:誤っている\nカンゾウエキスには有効成分として、グリチルリチンが含まれている。グリチルリチンは、副作用として、低カリウム血症、高血圧などを伴う偽アルドステロン症を起こすことがある。5:正しい\nコデインリン酸塩水和物を含む内服剤を長期間連用すると、副作用として、薬物依存を起こすことがある。"} +{"problem_id": "097342", "problem_text": "薬剤性の皮膚粘膜眼症候群が疑われる代表的な初期症状はどれか。2つ選べ。", "choices": ["発熱(38^{\\circ} C以上)", "紅斑", "黄疸", "四肢のしびれ", "空咳"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "皮膚粘膜眼症候群は、スティーブンス・ジョンソン症候群ともよばれ、初期症状として、38^{\\circ} C以上の発熱、全身の皮膚、粘膜に紅斑や水疱、びらんなどを呈する。"} +{"problem_id": "097343", "problem_text": "薬局での受診勧奨に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["一般用医薬品を使用したが症状が悪化したとの訴えがあったので、受診勧奨を行った。", "受診勧奨時に、同意を得ないで来局者の情報を医師に提供した。", "症状が重篤であったが、かかりつけの医療機関が休診日であったため受診勧奨しなかった。", "一般用医薬品の効能・効果にはない症状であったため、受診勧奨を行った。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n一般用医薬品を使用して症状が悪化したと患者から訴えがあった場合、一般用医薬品では患者の状態を改善できていない可能性があるため、受診勧奨を行う必要がある。2:誤\n受診勧奨する際、来局者の情報を医師に提供する場合、来局者の同意を得る必要がある。3:誤\n症状が重篤で病院を受診する必要がある場合、かかりつけの医療機関が休診日であっても他の医療機関を受診するように勧める必要がある。4:正\n一般用医薬品で対応できない症状がある場合、受診勧奨する必要がある。"} +{"problem_id": "097344", "problem_text": "地域における薬剤師の活動に関する記述のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["学校における衛生活動や児童・生徒への薬の教育にたずさわる。", "地域住民の健康増進に積極的にかかわる。", "未使用の医療用医薬品を回収し、有効期限内の医薬品を再利用する。", "保健機能食品に関する情報提供を行う。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "地域における薬剤師の活動について、適切でないのは、未使用の医療用医薬品を回収し、有効期限内の医薬品を再利用することである。<地域における薬剤師の主な活動>\n・学校薬剤師として、小・中・高等学校の学校衛生活動や児童・生徒への薬の教育にたずさわる。・医薬品、医薬部外品、健康機能食品などについて情報提供を行い、地域住民の健康増進に貢献する。・大規模災害発生時、避難所などでの服薬指導、医薬品の供給等にたずさわる。:など"} +{"problem_id": "097345", "problem_text": "消毒薬の説明として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["グルタラールは、医療器具の消毒に使用できる。", "ポピドンヨードは、皮膚や創傷面の消毒に使用できる。", "ベンザルコニウム塩化物は、口腔内の消毒に使用できる。", "消毒用エタノールは、芽胞を形成した細菌に対して有効である。", "次亜塩素酸ナトリウムは、B型肝炎ウイルスに有効である。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\nグルタラールは、種々の材質(金属製、ゴム製、プラスチックなど)に腐食性を有しないため、医療機器の消毒に使用できる。なお、グルタラールは毒性が強いため、人体の消毒に使用できない。2:正しい\nポビドンヨードは、皮膚・粘膜の創傷面、熱傷、感染部位の消毒、手指・皮膚の消毒に使用できる。なお、ポビドンヨードは酸化作用を有するため、医療機器の消毒に使用できない。3:正しい\nベンザルコニウム塩化物は、粘膜の消毒に用いられるため、口腔内の消毒に使用できる。4:誤っている\n消毒用エタノールは、芽胞を形成した細菌に対して効果が認められていない。5:正しい\n次亜塩素酸ナトリウムは、消毒作用が強く、B型肝炎ウイルス(HBV)に対しても有効である。"} +{"problem_id": "098001", "problem_text": "双極子モーメントが最も大きい分子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["HF", "HCl", "HBr", "HI", "H_{2}"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "双極子モーメントとは、分子内部の電荷の偏りの程度のことである。ハロゲン水素化物では、電気陰性度が大きいハロゲンを含むものほど、電荷の偏りが大きくなるため、双極子モーメントが大きくなる(HF>HCl>HBr>HI)。また、H_{2}のような等核二原子分子では、極性がなく、双極子モーメントは0である。"} +{"problem_id": "098002", "problem_text": "コロイド粒子の物性と最も関連性のない現象はどれか。1つ選べ。", "choices": ["チンダル現象", "ブラウン運動", "塩析", "コンプトン散乱", "電気二重層の形成"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "コロイド粒子の物性と関連性があるのは、チンダル現象、ブラウン運動、塩析、電気二重層の形成などである。なお、コンプトン効果とは、中エネルギーの\\gamma 線が軌道電子に衝突してエネルギーの一部を与えて、エネルギーの小さい全く別の\\gamma 線となって入射方向と異なった方向に散乱する現象のことである。"} +{"problem_id": "098003", "problem_text": "放射性核種のうち、\\beta ^{+}線を放出するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["^{14}C", "^{18}F", "^{32}P", "^{35}S", "^{60}Co"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "選択肢の放射性核種のうち、\\beta ^{+}線を放出するのは^{18}Fである。なお、^{14}C、^{32}P、^{35}Sは\\beta ^{-}線を放出し、^{60}Cは\\beta ^{-}線および\\gamma 線を放出する"} +{"problem_id": "098004", "problem_text": "最も強い陽イオン交換能をもつ樹脂の交換基はどれか。1つ選べ。", "choices": ["2級アミン", "3級アミン", "スルホン酸", "カルボン酸", "4級アンモニウム"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、陽イオン交換能をもつ樹脂の交換基は、マイナスに帯電しているスルホン酸とカルボン酸である。スルホン酸はカルボン酸に比べ、低いpHでマイナスに帯電するため、陽イオン交換能の大小関係はスルホン酸>カルボン酸となる。"} +{"problem_id": "098005", "problem_text": "「溶液は赤紫色を呈し、その硫酸酸性溶液に過酸化水素試液を加えるとき、泡だって脱色する」ことによって確認される化合物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["過マンガン酸塩", "臭素酸塩", "第一鉄塩", "第二銅塩", "ヨウ化物"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "「溶液は赤紫色を呈し、その硫酸酸性溶液に過酸化水素試液を加えるとき、泡だって脱色する」ことによって確認できる化合物は、過マンガン酸塩である。"} +{"problem_id": "098006", "problem_text": "核酸塩基であるアデニンとグアニンに共通する複素環骨格はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "核酸塩基であるアデニンとグアニンに共通する複素環骨格は、選択肢5のプリン骨格である。他の選択肢の構造式は、1: ピリジン、2: ピラジン、3: インドール、4: プテリジンである。"} +{"problem_id": "098007", "problem_text": "AとBが互いに立体配座(コンホメーション)異性体でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "立体配座(コンホメーション)異性体とは、結合を切断しなくても、単結合の回転によって生じる異性体のことである。1:ブタンの立体配座異性体である\nAはアンチ型配座、Bはゴーシュ型配座である。2:シクロヘキサンの立体配座異性体である。Aはいす形配座、Bは船形配座である。3:ブタ-1,3-ジエンの立体配座異性体である。Aはs-trans配座、Bはs-cis配座である。4:立体配座異性体でない。Aはブタ-2-エンのtrans形、Bはブタ-2-エンのcis形であり、単結合の回転によって生じる異性体ではない。5:trans-1,2-ジメチルシクロヘキサンの立体配座である。A及びBはともにいす形配座であり、Aはアキシアル形、Bはエクアトリアル形である。"} +{"problem_id": "098008", "problem_text": "付加反応はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n反応過程より、ベンゼン環のCに結合しているHが-NO_{2}に置き換わっている。よって、本反応は置換反応(ベンゼンに対する求電子置換反応)である。2:誤\n反応過程より、シクロヘキサノールの脱水反応により、二重結合が形成されている。よって、本反応は脱離反応である。3:正\n反応過程より、1,3-ジエンとジエノルフィンが加熱により反応し、6員環化合物が生成している。本反応は、[4+2]付加環化反応(ディールス・アルダー反応)である。4:誤\n反応過程より、フェノールの水酸基のHが-CH_{3}に置き換わっている。よって、本反応は置換反応(ヨウ化メチルに対する求核置換反応)である。"} +{"problem_id": "098009", "problem_text": "次亜塩素酸の塩素の酸化数は+1である。次亜塩素酸の化学式はどれか。1つ選べ。", "choices": ["HClO", "HClO_{2}", "HClO_{3}", "HClO_{4}", "ClO_{2}"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "一般に中性分子の酸化数の総和は0、酸素原子、水素原子の酸化数はそれぞれ、「-2」、「+1」である。これらのことから、選択肢の化合物に含まれる塩素の酸化数を算出し、次亜塩素酸の化学式を予測することができる。1:正\nHClO(次亜塩素酸)\n(+1)+塩素の酸化数+(-2)=0であることから、塩素の酸化数は+1である。2:誤\nHClO_{2}(亜塩素酸)\n(+1)+塩素の酸化数+2\\times (-2)=0であることから、塩素の酸化数は+3である。3:誤\nHClO_{3}(塩素酸)\n(+1)+塩素の酸化数+3\\times (-2)=0であることから、塩素の酸化数は+5である。4:誤\nHClO_{4}(過塩素酸)\n(+1)+塩素の酸化数+4\\times (-2)=0であることから、塩素の酸化数は+7である。5:誤\nClO_{2}(二酸化塩素)\n塩素の酸化数+2\\times (-2)=0であることから、塩素の酸化数は+4である。"} +{"problem_id": "098010", "problem_text": "塩基性が最も強い含窒素化合物はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nベンゼンに結合しているニトロ基の窒素原子の非共有電子対は酸素との配位結合に使用される。よって、ニトロ基の窒素原子に非共有電子対が存在しないため、塩基性を示さない。2:誤\nベンゼンに結合しているシアノ基の窒素原子の非共有電子対は、sp混成軌道上に存在する。よって、シアノ基の窒素原子の非共有電子対はs性が高く、塩基性を示さない。3:誤\nピロールの窒素の非共有電子対は芳香族性に関与している。よって、ピロールの窒素の非共有電子対は、非局在化しており、塩基性を示さない。4:誤\nアミドの窒素原子の非共有電子対は、共鳴に関与している。よって、アミドの窒素原子の非共有電子対は、共鳴により非局在化しており、塩基性をほとんど示さない。5:正ジエチルアミンの窒素原子の非共有電子対は、sp^{3}混成軌道に存在し、塩基性を示す。"} +{"problem_id": "098011", "problem_text": "心臓に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["全身から集まってきた血液は、右心房に流入する。", "三尖弁は、左心房と左心室の間に存在する。", "洞房結節は、拍動のペースメーカーとして働く。", "冠状動脈は、心筋に酸素と栄養素を供給する。", "心筋の収縮には、Ca^{2+}が関与する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n全身から集まってきた血液は、大静脈から右心房に流入する。2:誤っている\n三尖弁は、右心房と右心室の間に存在する。なお、左心房と左心室の間に存在する弁は、僧帽弁である。3:正しい\n洞房結節は、上大静脈の結合部付近の右心房に存在し、心拍リズムの形成に必要な興奮を発生させて、拍動のペースメーカーとして働く。4:正しい\n冠状動脈は、大動脈起始部から分枝し、心筋に酸素と栄養素を供給する。5:正しい\n心筋細胞内で遊離Ca^{2+}が上昇すると、アクシンとミオシンの滑りこみによる筋収縮が起こる。"} +{"problem_id": "098012", "problem_text": "血小板の前駆細胞はどれか。1つ選べ。", "choices": ["赤芽球", "肥満細胞", "巨核球", "マクロファージ", "形質細胞"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "血小板の前駆細胞は、巨核球である。血小板は以下の過程で生成される。多能性幹細胞 \\rightarrow 骨髄系幹細胞 \\rightarrow 巨核芽球 \\rightarrow 巨核球 \\rightarrow 血小板\nなお、赤芽球は赤血球の前駆細胞である。"} +{"problem_id": "098013", "problem_text": "タンパク質の翻訳後修飾において、糖鎖による修飾を受けるアミノ酸残基はどれか。1つ選べ。", "choices": ["L-アラニン", "L-システイン", "L-トリプトファン", "L-アスパラギン", "L-グルタミン酸"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、タンパク質の翻訳後修飾において、糖鎖による修飾を受けるアミノ酸は、L-アスパラギン残基である。タンパク質の翻訳後修飾は、L-セリン、L-トレオニン、L-チロシン残基の水酸基、L-アスパラギンのカルバモイル基で起こりやすい。"} +{"problem_id": "098014", "problem_text": "ヒトの染色体に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["23対の染色体から構成される。", "男性はX、Yの性染色体をもつ。", "DNAはヒストンと結合している。", "分裂期の細胞で明瞭に観察される。", "末端部分をセントロメアとよぶ。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nヒトの染色体は、46本(23対)であり、44本(22対)の常染色体と2本(1対)の性染色体から構成される。2:正しい\n男性はX、Yの性染色体をもつ。なお、女性はX、Xの性染色体をもつ。3:正しい\nDNAはヒストン8量体(ヒストンコア)に結合してヌクレオソームを構成している。4:正しい\n染色体は、真核細胞の有糸分裂における核分裂時に明確に観���される。5:誤っている\n染色体の末端部分をテロメアとよぶ。なお、セントロメアとは、染色体の中心部寄りの狭窄した部分のことである。"} +{"problem_id": "098015", "problem_text": "マイコプラズマに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["一般細菌より大型である。", "真核生物である。", "増殖には生細胞への寄生が必要である。", "細胞壁をもたない。", "病原性は知られていない。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "マイコプラズマは、単細胞原核生物であり、人工培地で増殖できる微生物である。マイコプラズマの特徴として、一般細菌より小さく、細胞壁を持たないことがあげられる。また、マイコプラズマには、マイコプラズマ肺炎の原因となる肺炎マイコプラズマなどが存在する。"} +{"problem_id": "098016", "problem_text": "n-3系脂肪酸はどれか。1つ選べ。", "choices": ["リノール酸", "オレイン酸", "アラキドン酸", "\\alpha -リノレン酸", "\\gamma -リノレン酸"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、n-3系脂肪酸は\\alpha -リノレン酸(18: 3、\\Delta ^{9、12}^{、15})である。なお、リノール酸(18: 2、\\Delta ^{9、12})、アラキドン酸(20: 4、\\Delta ^{5、8}^{、11、14})、\\gamma -リノレン酸(18: 3、\\Delta ^{6、9}^{、12})はn-6系脂肪酸であり、オレイン酸(18: 1、\\Delta ^{9})はn-9系脂肪酸である。"} +{"problem_id": "098017", "problem_text": "毒素型食中毒を引き起こす菌はどれか。1つ選べ。", "choices": ["Clostridium perfringens", "Salmonella enterica serovar Enteritidis", "Staphylococcus aureus", "Vibrio parahaemolyticus", "Campylobacter jejuni"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nClostridium perfringens(ウェルシュ菌)は、感染型の食中毒を引き起す。2:誤\nSalmonella enterica serovar Enteritidis(サルモネラ・エンテリティディス)は、感染型の食中毒を引き起す。3:正\nStaphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)は、毒素型の食中毒を引き起す。4:誤\nVibrio parahaemolyticus(腸炎ビブリオ)は、感染型の食中毒を引き起す。5:誤\nCampylobacter jejuni(カンピロバクター)は、感染型の食中毒を引き起す。"} +{"problem_id": "098018", "problem_text": "人口動態統計における「死産」の定義について正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["妊娠満1週以後の死児の出産", "妊娠満4週以後の死児の出産", "妊娠満12週以後の死児の出産", "妊娠満28週以後の死児の出産", "妊娠満35週以後の死児の出産"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "人口動態統計における「死産」とは、「妊娠満12週以後の死児の出産」と定義されている。"} +{"problem_id": "098019", "problem_text": "要因曝露に起因する疾病発生頻度が得られる疫学研究手法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["無作為化比較試験", "症例対照研究", "記述疫学", "横断研究", "コホート研究"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "要因曝露に起因する疾病発生頻度が得られる疫学研究手法は要因-対照研究(コホート研究)である。要因-対照研究(コホート研究)では、要因の暴露の有無によって分けられた集団について将来に向かって観察し、疾病の発生率を両集団で比較する。・無作為化比較試験\nデータの偏り(バイアス)を軽減するために、被験者を無作為(ランダム)に2つの群に分け実施する疫学研究手法\n・症例対照研究\n疾病を有する群(症例)と有さない群(対照)を設定し、問題となる要因の曝露状況を調査して比較検討する疫学研究手法\n・記述疫学\n疾病の発生要因に関する仮説を設定する疫学研究手法\n・横断研究\nある一時点における要因と疾病との関連性について調査を行う疫学研究手法"} +{"problem_id": "098020", "problem_text": "世界保健機関(WHO)が直接担当しない活動はどれか。1つ選べ。", "choices": ["感染症対策", "衛生統計", "地球温暖化防止対策", "エイズ対策", "たばこ対策"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "世界保健機関(WHO)が直接担当していないのは、地球温暖化防止対策である。世界保健機関(WHO)は、「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として設立された国連の専門機関であり、感染症対策(エイズ、エボラ出血熱、新型インフルエンザ、コレラ、結核、天然痘、ポリオなど)、衛生統計、たばこ規制枠組条約のよるたばこ対策などに関与している。"} +{"problem_id": "098021", "problem_text": "感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)に定められた感染症のうち、平成23年以前に国内においてヒトでの報告例がないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["コレラ", "レジオネラ症", "細菌性赤", "つつが虫病", "鳥インフルエンザ(H5N1)"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)に定められた感染症のうち、平成23年以前に国内においてヒトでの報告例がないのは、鳥インフルエンザ(H5N1)である。鳥インフルエンザ(H5N1)は、感染症法において二類感染症に指定されている。"} +{"problem_id": "098022", "problem_text": "グリシン抱合を受ける化合物はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "グリシン抱合は、カルボキシ基を有する化合物に対して起こしやすい。よって、選択肢4(安息香酸)はグリシン抱合を受ける。1:誤\nアセトアミノフェン\n水酸基を有するため、主に硫酸抱合またはグルクロン酸抱合を受ける。2:誤\nフェノール\n水酸基を有するため、主に硫酸抱合またはグルクロン酸抱合を受ける。3:誤\n2,4-ジニトロクロロベンゼン\nハロゲンやニトロ基を有するため、グルタチオン抱合を受ける。4:正\n安息香酸\n前記参照\n5:誤\nイソニアジド\nアミノ基を有するため、主にアセチル抱合を受ける。"} +{"problem_id": "098023", "problem_text": "シアン中毒の解毒薬として用いられる薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["チオ硫酸ナトリウム", "プラリドキシムヨウ化物(PAM)", "ナロキソン", "デフェロキサミン", "ジメルカプロール"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "シアン中毒の解毒薬として用いられる薬物には、チオ硫酸ナトリウムや亜硝酸アミル、ヒドロキシコバラミンがある。【他の選択肢の解毒薬の用途】\n・プラリドキシムヨウ化物(PAM): 有機リン系化合物による中毒\n・ナロキソン: モルヒネによる急性中毒\n・デフェロキサミン: 鉄による中毒\n・ジメルカプロール: ヒ素による中毒"} +{"problem_id": "098024", "problem_text": "水道法施行規則に基づいてその含有量の下限値が定められている水道水成分はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ナトリウム及びその化合物", "残留塩素", "カルシウム、マグネシウム等(硬度)", "亜鉛及びその化合物", "塩化物イオン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "水道法施行規則に基づいてその含有量の下限値が定められている水道水成分は、残留塩素である。水道水施行規則において、残留塩素の基準は、遊離残留塩素0.1 mg/L(結合残留塩素0.4 mg/L)以上と定められている。"} +{"problem_id": "098025", "problem_text": "環境基本法で規定された以下の公害のうち、環境基準が設定されていないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["騒音", "振動", "大気汚染", "水質汚濁", "土壌汚染"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "典型7公害(大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、悪臭、地盤沈下)のうち、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音に対しては環境基本法による環境基準が定められており、振動、悪臭、地盤沈下に対しては環境基本法による環境基準値が定められていない。"} +{"problem_id": "098026", "problem_text": "インスリン受容体はどれに分類されるか。1つ選べ。", "choices": ["Gqタンパク質共役型受容体", "Giタンパク質共役型受容体", "イオンチャネル内蔵型受容体", "酵素内蔵型受容体", "核内受容体"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "インスリン受容体は、チロシンキナーゼ(酵素)内蔵型受容体である。インスリン受容体以外に酵素内蔵型受容体として、上皮成長因子受容体(EGFR)などがある。"} +{"problem_id": "098027", "problem_text": "プロプラノロールは、気管支ぜん息患者において気管支狭窄を起こすことがある。この作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断", "アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断", "アドレナリン\\beta _{2}受容体遮断", "ヒスタミンH_{1}受容体遮断", "ロイコトリエン受容体遮断"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "プロプラノロールは、非選択的\\beta 受容体遮断薬であり、気管支平滑筋に存在するアドレナリン\\beta _{2}受容体を遮断し、気管支平滑筋を収縮することにより、気管支狭窄を起こす可能��がある。"} +{"problem_id": "098028", "problem_text": "コリンエステラーゼを可逆的に阻害するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アトロピン", "カルバコール", "エドロホニウム", "ブチルスコポラミン", "プラリドキシム(PAM)"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nアトロピンは、抗コリン薬であり、ムスカリン受容体遮断作用を有する。2:誤\nカルバコールは、コリン作動薬であり、ムスカリン受容体刺激作用を有する。3:正\nエドロホニウムは、コリンエステラーゼ阻害薬であり、コリンエステラーゼの陰性部にのみに結合することで、コリンエステラーゼを可逆的に阻害する。また、骨格筋に存在するニコチン性アセチルコリンN_{M}受容体刺激作用も有する。4:誤\nブチルスコポラミンは、抗コリン薬であり、ムスカリン受容体遮断作用を有する。5:誤\nプラリドキシム(PAM)は、コリンエステラーゼのエステル水解部から有機リン化合物を解離させることで、コリンエステラーゼを再賦活化させる。"} +{"problem_id": "098029", "problem_text": "リドカインの局所麻酔作用発現に関わる作用点はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヒスタミンH_{1}受容体", "セロトニン5-HT_{3}受容体", "電位依存性Na^{+}チャネル", "アデニル酸シクラーゼ", "GABA_{B}受容体"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "リドカインは、アミド型の局所麻酔薬であり、非イオン型で知覚神経の細胞膜を通過し、その後、知覚神経細胞膜の内側から陽イオン型で電位依存性Na^{+}チャネルを遮断することにより痛覚の伝導を抑制し、局所麻酔作用を示す。"} +{"problem_id": "098030", "problem_text": "ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断により、抗パーキンソン病作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アマンタジン", "トリヘキシフェニジル", "セレギリン", "エンタカポン", "ブロモクリプチン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断により、抗パーキンソン病作用を示すのは、トリヘキシフェニジルである。トリヘキシフェニジルは中枢性抗コリン薬であり、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することにより抗パーキンンソン病作用を示す。1:誤\nアマンタジンは、ドパミン作動性神経終末からドパミンの遊離を促進し、抗パーキンソン病作用を示す。2:正\n3:誤\nセレギリンは、B型モノアミンオキシダーゼを阻害することにより、中枢内ドパミン濃度を増大させ、抗パーキンソン病作用を示す。4:誤\nエンタカポンは、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害することにより、レボドパの中枢移行性を増大させ、抗パーキンソン病作用を示す。5:誤\nブロモクリプチンは、中枢のD_{2}受容体を直接刺激することで、抗パーキンソン病作用を示す。"} +{"problem_id": "098031", "problem_text": "選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害により抗うつ作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["パロキセチン", "ミアンセリン", "アモキサピン", "トラゾドン", "ミルナシプラン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害により抗うつ作用を示すのは、ミルナシプランである。パロキセチンは選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、ミアンセリンは四環系うつ薬、アモキサピンは三環系うつ薬、トラゾドンはセロトニン再取り込み阻害と5-HT_{2}受容体拮抗作用を有する抗うつ薬である。"} +{"problem_id": "098032", "problem_text": "ジゴキシンの強心作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\beta _{1}受容体", "Na^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送系阻害", "Na^{+},K^{+}-ATPase阻害", "ホスホジエステラーゼIII阻害", "アデニル酸シクラーゼ活性化"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ジゴキシンは、強心配糖体であり、心筋細胞膜のNa^{+},K^{+}-ATPaseを阻害し、Na^{+}/Ca^{2+}交換系を抑制することで、細胞内Ca^{2+}濃度を上昇させ、強心作用を示す。"} +{"problem_id": "098033", "problem_text": "血管平滑筋のアドレナリン\\alpha _{1}受容体の選択的遮断により、降圧作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ベタキソロール", "ロサルタン", "フェントラミン", "プラゾシン", "クロニジン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "血管平滑筋のアドレナリン\\alpha _{1}受容体の選択的遮断により、降圧作用を示すのは、プラゾシンである。1:誤\nベタキソロールは、選択的\\beta _{1}受容体遮断であり、心機能抑制作用、レニン分泌抑制作用を示す。2:誤\nロサルタンは、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体遮断であり、血管収縮抑制作用を示す。3:誤\nフェントラミンは、非選択的アドレナリン\\alpha 受容体遮断薬であり、血管拡張作用を示す。4:正\n5:誤\nクロニジンは、\\alpha _{2}受容体刺激薬であり、ノルアドレナリン遊離抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "098034", "problem_text": "急性膵炎の治療に用いられるタンパク質分解酵素阻害薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["プロパンテリン", "ウルソデオキシコール酸", "フロプロピオン", "ニザチジン", "ナファモスタット"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "急性膵炎の治療に用いられるタンパク質分解酵素阻害薬は、ナファモスタットである。1:誤\nプロパンテリンは、ムスカリン受容体を遮断することにより、鎮痙作用を示す。2:誤\nウルソデオキシコール酸は、胆汁分泌を促進させることにより、胆汁うっ滞を改善する。3:誤\nフロプロピオンは、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼを阻害することにより、胆汁排泄促進作用を示す。4:誤\nニザチジンは、ヒスタミンH_{2}受容体を遮断することにより、胃酸分泌抑制作用を示す。5:正"} +{"problem_id": "098035", "problem_text": "ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)\\alpha を刺激するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["フルバスタチン", "エゼチミブ", "コレスチラミン", "フェノフィブラート", "コルヒチン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)\\alpha を刺激するのは、フェノフィブラートである。1:誤\nフルバスタチンは、HMG-CoA還元酵素阻害薬であり、HMG-CoA還元酵素を阻害することでコレステロールの生合成を抑制する。2:誤\nエゼチミブは、小腸コレステロールトランスポーターを阻害することで、外因性コレステロールの吸収を阻害する。3:誤\nコレスチラミンは、陰イオン交換樹脂であり、消化管内で胆汁酸を吸着して糞中への排泄を促進させることにより、外因性のコレステロールの吸収を阻害する。4:正\n5:誤\nコルヒチンは、チュブリンと結合して微小管形成を阻害することで、白血球の遊走を抑制する。"} +{"problem_id": "098036", "problem_text": "トラネキサム酸の止血作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["トロンビン阻害", "アンチトロンビンIII阻害", "組織因子阻害", "第Xa因子阻害", "プラスミン阻害"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "トラネキサム酸は、プラスミン及びプラスミノーゲンのリシン結合部位に結合することで、プラスミンによるフィブリン分解を抑制し、止血作用を示す。"} +{"problem_id": "098037", "problem_text": "シクロスポリンの免疫抑制作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["カルシニューリンの阻害", "ジヒドロ葉酸還元酵素の阻害", "ピリミジン合成経路の阻害", "プリン合成経路の阻害", "インターロイキン-6(IL-6)受容体の遮断"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "シクロスポリンは、ヘルパーT細胞のイムノフィリン(シクロフィリン)と複合体を形成して、カルシニューリン活性を阻害し、インターロイキン-2などのサイトカイン産生を抑制することで免疫抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "098038", "problem_text": "セラトロダストの抗アレルギー作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ロイコトリエン受容体遮断", "トロンボキサンA_{2}受容体遮断", "シクロオキシゲナーゼ-2阻害", "5-リポキシゲナーゼ阻害", "ホスホリパーゼA_{2}阻害"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "セラトロダストは、トロンボキサンA_{2}受容体を遮断することで、抗アレルギー作用を示すため、気管支ぜん息の治療に用いられる。"} +{"problem_id": "098039", "problem_text": "核酸合成を阻害し、抗真菌作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ナイスタチン", "フルシトシン", "ミカファンギン", "ミコナゾール", "テルビナフィン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nナイスタチンは、真菌細胞膜の構成成分であるエルゴステロールに結合することにより、膜機能を障害する。2:正\nフルシトシンは、真菌内に取り込まれ、5-フルオロウラシルとなりチミジル酸合成酵素を阻害する��とで、核酸合成を抑制する。3:誤\nミカファンギンは、真菌細胞壁を構成する\\beta -1,3-D-グルカンの生合成を阻害する。4:誤\nミコナゾールは、ラノステロールのC-14脱メチル酵素を阻害することで、真菌細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの生合成を抑制する。5:誤\nテルビナフィンは、スクアレンエポキシダーゼを阻害することで、真菌細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの生合成を抑制する。"} +{"problem_id": "098040", "problem_text": "閉経後乳がん治療薬レトロゾールの作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アロマターゼ阻害", "トポイソメラーゼII阻害", "ジヒドロ葉酸還元酵素阻害", "アンドロゲン受容体遮断", "エストロゲン受容体遮断"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "閉経後乳がん治療薬レトロゾールは、アロマターゼを阻害することでアンドロゲンからエストロゲンへの変換を抑制する。"} +{"problem_id": "098041", "problem_text": "胃内容排泄速度を上昇させる薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アトロピン", "イミプラミン", "プロパンテリン", "メトクロプラミド", "モルヒネ"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "胃内容排泄速度を上昇させる薬物は、メトクロプラミドである。メトクロプラミドは、ドパミンD_{2}受容体を遮断することで、アセチルコリンの遊離を促進し、胃内容排泄速度を上昇させる。なお、抗コリン薬(アトロピン、プロパンテリン)、三環系抗うつ薬(イミプラミン)、モルヒネなどは胃内容排泄速度を低下させる。"} +{"problem_id": "098042", "problem_text": "アルブミンに最も結合しやすいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イヌリン", "ゲンタマイシン", "ワルファリン", "クレアチニン", "リチウム"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "アルブミンに最も結合しやすいのは、ワルファリンである。ワルファリンは、アルブミン結合部位サイトIに結合する。"} +{"problem_id": "098043", "problem_text": "種々のシトクロムP450分子種の発現を誘導する代表的な薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["イトラコナゾール", "エリスロマイシン", "セファレキシン", "シメチジン", "フェノバルビタール"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "種々のシトクロムP450分子種の発現を誘導する代表的な薬物は、フェノバルビタールである。なお、イトラコナゾール、エリスロマイシン、シメチジンは、シトクロムP450阻害作用を有する。"} +{"problem_id": "098044", "problem_text": "薬物の尿中排泄に重要な働きをする腎小体を糸球体とともに構成しているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヘンレ係蹄", "ボーマン嚢", "集合管", "近位尿細管", "遠位尿細管"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "腎臓の最小単位であるネフロンは、腎小体と尿細管から構成される。そのうち、腎小体は、糸球体とボーマン嚢で構成され、尿細管は、近位尿細管、ヘンレ係蹄、遠位尿細管、集合管で構成される。"} +{"problem_id": "098045", "problem_text": "ある薬物が併用薬物の体内動態を変動させる要因のうち、併用薬物の血中濃度を低下させるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["消化管吸収の促進", "肝代謝酵素の阻害", "胆汁排泄の阻害", "腎尿細管再吸収の阻害", "腎尿細管分泌の阻害"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、薬物相互作用により、併用薬物の血中濃度を低下させるのは、腎尿細管再吸収の阻害である。薬物相互作用により、腎において再吸収の阻害が起こると、併用薬物は排泄されやすくなるため、併用薬物の血中濃度が低下する。なお、他の選択肢(消化管吸収の促進、肝代謝酵素の阻害、胆汁排泄の阻害、腎尿細管分泌の阻害)については、併用薬物の血中濃度を増加させる要因となる。"} +{"problem_id": "098046", "problem_text": "薬物動態が線形モデルに従うとき、投与量に比例するパラメータはどれか。1つ選べ。", "choices": ["吸収速度定数", "血中濃度時間曲線下面積", "消失半減期", "全身クリアランス", "分布容積"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "薬物動態が線形モデルに従うとき、投与量に比例するパラメータは、血中濃度時間曲線下面積である。線形モデルおいて、血中濃度時間曲線下面積(AUC)は次式で表される。AUC=体内薬物未変化体総量/全身クリアランス\n線形モデルおいて、全身クリアランスは一定の��を示すため、AUCは体内薬物未変化体総量に比例する。また、体内薬物未変化体総量は、投与量に比例することから、線形モデルにおいて、AUCは投与量に比例する。"} +{"problem_id": "098047", "problem_text": "薬物動態に線形性が成り立っているとき、経口投与後の平均吸収時間を算出する式はどれか。1つ選べ。ただし、経口投与後と静脈内投与後の平均滞留時間(MRT)を、それぞれMRT_{po}とMRT_{iv}とする。", "choices": ["MRT_{po}+MRT_{iv}", "MRT_{po}-MRT_{iv}", "MRT_{iv}-MRT_{po}", "MRT_{po}/MRT_{iv}", "MRT_{iv}/MRT_{po}"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "薬物動態に線形性が成り立っているとき、経口投与後の平均吸収時間(MAT)は、経口投与後の平均滞留時間と静脈内投与後の平均滞留時間の差で算出することができる。MAT=MRT_{po}-MRT_{iv}"} +{"problem_id": "098048", "problem_text": "薬物の血中濃度測定に基づいて投与設計を行う条件として、必要性が最も低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者からの採血が可能であること", "薬物定量法が確立していること", "薬物の有効血中濃度域が広いこと", "薬物の有効血中濃度域が既知であること", "薬物血中濃度と薬理効果の間に相関関係があること"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "薬物の血中濃度測定に基づいて投与設計を行う条件として、必要性が最も低いのは、薬物の有効血中濃度域が広いことである。有効血中濃度域が広い薬物では、一般に投与量の上限と下限の幅が広く、過量投与による副作用が発現しにくいため、血中濃度測定に基づいて投与設計を行う必要性は低い。"} +{"problem_id": "098049", "problem_text": "フルオロウラシルのプロドラッグはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ドキシフルリジン", "エノシタビン", "シスプラチン", "イリノテカン", "シクロホスファミド"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "フルオロウラシルのプロドラッグには、腫瘍組織へのターゲティングを目的としたドキシフルリジンがある。なお、フルオロウラシルのプロドラッグには、ドキシフルリジン以外に、作用持続化を目的としたカルモフールがある。"} +{"problem_id": "098050", "problem_text": "弱酸性薬物の水溶液のpHが、その薬物のpKaより2高いとき、水溶液中の薬物の分子形: イオン形の存在比に最も近いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["1: 100", "1: 10", "1: 1", "10: 1", "100: 1"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "ある溶液のpHにおける弱酸性薬物の分子形とイオン形の存在比は、以下のHenderson-Hasselbalch式を用いて算出することができる。弱酸性薬物の pKa が X だとすると、本設問の条件では、水溶液の pH は X+2 となる。これらのことから、分子形とイオン形の存在比は以下のように算出することができる。"} +{"problem_id": "098051", "problem_text": "日本薬局方製剤総則で、口腔内に適用する製剤に分類されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["分散錠", "チュアブル錠", "口腔内崩壊錠", "付着錠", "発泡錠"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "日本薬局方製剤総則で、口腔内に適用する製剤に分類されるのは、付着錠である。付着錠の他、口腔内に適用する製剤として、バッカル錠、ガム剤がある。なお、他の選択肢は、経口投与する製剤に分類されている。"} +{"problem_id": "098052", "problem_text": "曇点を有する界面活性剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ステアリン酸ナトリウム", "ベンザルコニウム塩化物", "ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル", "レシチン", "ラウリル硫酸ナトリウム"], "text_only": true, "answer": ["解なし"], "comment": "曇点を有する界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。選択肢のうち、非イオン性界面活性剤に該当するものがないため、「解なし」となった問題である。選択肢3の名称が「ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル」となっていれば、選択肢3が正答となる。"} +{"problem_id": "098053", "problem_text": "薬物の結晶多形を検出できる方法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["空気透過法", "X線回折法", "旋光度法", "粘度測定法", "気体吸着法"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "薬物の結晶多形を検出できる方法は、X線回折法である。X線回折法では、結晶にX線を照射し、X線回折パターンの違いにより結晶多形を検出することが可能である。"} +{"problem_id": "098054", "problem_text": "水中油型の乳��性基剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["マクロゴール", "白色ワセリン", "精製ラノリン", "流動パラフィン", "親水クリーム"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "水中油型の乳剤性基剤は、親水クリームである。なお、マクロゴールは水性基剤、白色ワセリン、流動パラフィンは油脂性基剤、精製ラノリンは油中水型乳剤性基剤に該当する。"} +{"problem_id": "098055", "problem_text": "日本薬局方で散剤に対して規定されている試験はどれか。1つ選べ。", "choices": ["エンドトキシン試験法", "不溶性微粒子試験法", "微生物限度試験法", "重金属試験法", "溶出試験法"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "日本薬局方で散剤に対して規定されている試験は、溶出試験法及び製剤均一性試験法(分包品)である。1:誤\nエンドトキシン試験法は、(皮内、皮下及び筋肉内投与のみに用いるものを除く)注射剤・注射剤に添付された溶解液、注射剤の調製に用いる水性溶剤、透析用剤などに適用される。2:誤\n不溶性微粒子試験法は、注射剤及び添付された溶解液・腹膜透析用剤、点眼剤及び添付された溶解液などに適用される。3:誤\n微生物限度試験は、製剤総則において、「非無菌製剤であっても、微生物による汚染や増殖を避け、必要に応じて微生物限度試験法を適用する」となっている。4:誤\n重金属試験は、エキス剤や流エキス剤などに適用される。5:正\n溶出試験法は、散剤、懸濁剤、シロップ剤(懸濁したもの)、経口ゼリーなどに適用される。"} +{"problem_id": "098056", "problem_text": "以下の心電図第II誘導で、QT間隔に相当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["a-c間", "b-d間", "c-d間", "a-d間", "a-e間"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "QT間隔とは、QRS波の開始(a)から、T波の終わり(e)までの間隔のことであり、心室の活動電位の持続時間を表す指標として用いられる。設問の心電図について\na: Q波:b: R波:c: S波:d: T波:e: T波の終了"} +{"problem_id": "098057", "problem_text": "以下の胃潰瘍治療薬のうち、高プロラクチン血症を起こす危険性のある薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ミソプロストール", "プログルミド", "スルピリド", "ピレンゼピン塩酸塩水和物", "スクラルファート水和物"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、高プロラクチン血症を起こす危険性のある薬物は、スルピリドである。プロラクチンは、下垂体のドパミンD_{2}受容体を介して分泌が調節されており、ドパミンによりプロラクチンの分泌が抑制される。スルピリドはドパミンD_{2}受容体遮断薬作用を有するため、高プロラクチン血症を起こす可能性がある。"} +{"problem_id": "098058", "problem_text": "ネフローゼ症候群に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["すべての場合に、高血圧を呈する。", "すべての場合に、低アルブミン血症を呈する。", "高コレステロール血症になることはまれである。", "浮腫を伴うことはまれである。", "小児での発症はまれである。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ネフローゼ症候群では、高度のタンパク尿により、浮腫、低タンパク血症、高コレステロール血症を呈する。ネフローゼ症候群の診断基準として、「タンパク尿: 3.5 g/日以上」、「低アルブミン血症: 血清アルブミン値3.0 g/dL以下」がある。"} +{"problem_id": "098059", "problem_text": "尿路結石に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["腎結石、尿管結石、膀胱結石及び尿道結石に分類される。", "主症状は、疼痛と血尿である。", "結石が膀胱に落下すると、痛みは消失する。", "自然排石は、まれである。", "超音波検査により診断できる。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n尿路結石は、上部尿路結石(腎結石、尿管結石)と下部尿路結石(膀胱結石、尿道結石)に分類されている。2:正しい\n尿路結石では、尿細管に結石がつまることにより、激しい疼痛が生じ、また、結石により尿細管が傷つくことにより、血尿が観測されることがある。3:正しい\n結石が尿細管から膀胱に移行すると、痛みは消失し、頻尿などの症状を呈する。4:誤っている\n約10 mm以下の小結石は、自然排石されやすい。5:正しい\n尿路結石の診断法として、尿検査、腹部単純X線、超音波検査で診断を行う。"} +{"problem_id": "098060", "problem_text": "正常妊娠に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["受精直後から、尿妊娠反応検査が陽性となる。", "妊娠の経過とともに、母体のクレアチニンクリアランスが低下する。", "妊娠の経過とともに、母体の血清アルブミン値が上昇する。", "妊娠の経過とともに、薬物の催奇形性に対する感受性が高くなる。", "妊娠の経過とともに、母体は鉄欠乏性貧血を起こしやすい。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n尿妊娠反応検査は、妊娠4週頃から陽性反応を示すため、受精直後から陽性とはならない。2:誤\n妊娠の経過とともに、体液量が増大するため、クレアチニンクリアランスは増大する。3:誤\n妊娠の経過とともに、母体の血清アルブミン値は低下する。4:誤\n催奇形性に対する感受性が最も高くなるのは、絶対感受性期(妊娠2ヶ月頃)である。5:正\n妊娠の経過とともに、母体は多くの鉄を胎児に供給する必要があるため鉄欠乏性貧血を起こしやすくなる。"} +{"problem_id": "098061", "problem_text": "クッシング症候群の病態に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["満月様顔貌", "中心性肥満", "高カリウム血症", "耐糖能異常", "無月経"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "クッシング症候群とは、副腎皮質からの慢性的なコルチゾール、アルドステロン、アンドロゲンの過剰分泌により特異的な臨床症状を示す症候群のことである。クッシング症候群で認められる症状を以下に示す。・コルチゾールによる糖質コルチコイド作用: 満月様顔貌、中心性肥満、耐糖能異常\n・アルドステロンによる鉱質コルチコイド作用: 低カリウム血症、高血圧\n・アンドロゲンによる作用: 無月経"} +{"problem_id": "098062", "problem_text": "うつ病性障害の主な症状に該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["記憶障害", "悲哀感", "不眠", "思考障害", "自殺念慮"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "うつ病性障害の症状として、記憶障害を認めることはまれである。なお、うつ病性障害の主な症状として、抑うつ、興味または喜びの消失、悲哀感、体重減少、不眠、焦燥、易疲労感、思考障害、自殺念慮などが認められる。"} +{"problem_id": "098063", "problem_text": "アレルギー性鼻炎の治療薬として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シメチジン", "タクロリムス水和物", "クラリスロマイシン", "レバミピド", "セチリジン塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "アレルギー性鼻炎の治療薬として用いられるのは、第二世代抗ヒスタミン薬であるセチリジン塩酸塩である。1:誤\nシメチジンは、ヒスタミンH_{2}受容体遮断薬であり、消化性潰瘍の治療に用いられる。2:誤\nタクロリムス水和物は、免疫抑制薬であり、臓器移植後の拒絶反応の抑制に用いられる。3:誤\nクラリスロマイシンは、マクロライド系抗生物質であり、感染症の治療に用いられる。4:誤\nレバミピドは、防御因子増強薬であり、消化性潰瘍の治療に用いられる。5:正"} +{"problem_id": "098064", "problem_text": "関節リウマチに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["女性に多い。", "初期症状に、朝の手指のこわばりがある。", "関節の炎症は、対称性に起こる。", "主な関節病変は、滑膜炎である。", "腫瘍壊死因子\\alpha (TNF-\\alpha )の産生低下により発症する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n関節リウマチは、女性に多く、免疫学的機序(TNF-\\alpha 、IL-6の産生の増加)により滑膜に炎症が生じる。2:正しい\n関節リウマチは初期症状として、朝起床時の手指関節のこわばり等が認められる。3:正しい\n関節リウマチでは、小関節に炎症が現れ、その炎症は左右対称にみられる。4:正しい\n解説1参照\n5:誤っている\n関節リウマチは、腫瘍壊死因子\\alpha (TNF-\\alpha )、IL-6の産生増加により発症する。"} +{"problem_id": "098065", "problem_text": "レジオネラ•ニューモフィラ(Legionella pneumophila)感染症及びその治療について正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["原因菌は、グラム陰性球菌である。", "主に血液を介して感染する。", "市中肺炎の中で最も頻度が高い。", "集団発生が見られる。", "ペニシリン系抗生物質の静脈内投与が、第一選択である。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n本感染症の原因菌は、グラム陰性桿菌である。2:誤\n本感染症は、汚水等を吸引することによって感染する(経気道感染)。3:誤\n市中肺炎の中で頻度が高いのは、肺炎球菌やインフルエンザ菌による肺炎である。4:正\n本感染症の原因菌は、水冷式空調設備の冷却水などで増殖することが多く、集団感染を起こすことがある。5:誤\n本感染症の第一選択薬は、ニューキノロン系抗菌薬やマクロライド系抗生物質である。"} +{"problem_id": "098066", "problem_text": "子宮頸がんに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["60歳代に発症のピークがある。", "ヘルペスウイルスが、発症の主な原因となる。", "予防には、ワクチンが有効である。", "組織学的には、腺がんの割合が多い。", "血清CEA(carcinoembryonic antigen)値が上昇する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n本疾患の発症のピークは、30〜40代に認められる。2:誤\n本疾患の主な原因は、ヒトパピローマウイルス(16、18型)である。3:正\n本疾患の予防法として、ワクチンが有効である。4:誤\n組織学的には、扁平上皮癌がんの割合が多く、腫瘍マーカーとして、血清SCC(squamous cell carcinoma antigen)値の上昇が認められる。5:誤\n解説4参照"} +{"problem_id": "098067", "problem_text": "市販後に比べ、治験で得られる情報には限界がある。その原因となる治験の特徴として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["症例数が少ない。", "交絡要因が多い。", "使用期間が短い。", "併用薬や併用療法に制限が加えられている。", "被験者の年齢幅が狭い。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "治験で得られる情報の限界については、「5 toos」で表される。5 toos\n・too few: 被験者数(症例数)が少ない\n・too simple: 合併症や併用療法を有する患者が制限されている\n・too median-age: 被験者の年齢幅が狭い(小児、高齢者が除外されている)\n・too narrow: 適応症が限定されている\n・too brief: 投与期間が短い\n治験では、「年齢の幅が狭い」「合併症を有する患者が制限されている」「適応症が限定されている」ことから、交絡因子が少ない。参考\n交絡因子とは、実験結果に影響を与える調査因子以外の因子"} +{"problem_id": "098068", "problem_text": "EBMの実践において、以下の情報源の中でエビデンスレベルが最も高い情報源はどれか。1つ選べ。", "choices": ["メタアナリシス", "症例報告", "ケースコントロール研究", "専門家の意見", "アウトカム研究"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "EBMの実践において、エビデンスレベルが最も高い情報源は、メタアナリシスである。メタアナリシスとは、過去に独立して行われた複数の臨床研究データを収集・統合し、統計的方法を用いて解析した手法でエビデンスレベルの高い研究方法である。選択肢のエビデンスレベルの順番は、メタアナリシス、アウトカム研究、ケースコントロール研究、症例報告、専門家の意見の順に低くなる。"} +{"problem_id": "098069", "problem_text": "抗悪性腫瘍薬の治験効果に関する真のエンドポイントとして適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["腫瘍径の縮小", "生存期間の延長", "投与薬剤の減量", "腫瘍マーカー値の低下", "体重の増加"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "エンドポイントとは、治療行為の有効性を示す評価項目のことであり、真のエンドポイントと代替エンドポイントがある。真のエンドポイントは、本来求めたい結果のことであり、代替エンドポイントとは、治療行為に対する評価を短期間で行うための評価項目のことである。抗抗悪性腫瘍薬の治療効果に関する真のエンドポイント、代替エンドポイントを以下に示す\n真のエンドポイント: 生存期間の延長\n代替エンドポイント: 腫瘍怪の縮小、腫瘍マーカー値の低下"} +{"problem_id": "098070", "problem_text": "SOAP形式による患者記録の作成において、A(Assessment)に記すべき内容として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者は、先週末より筋肉痛があると訴えている。", "2週間前に、シンバスタチンの服用を開始した。", "薬剤性の筋障害が疑われる。", "薬物アレルギーの既往はない。", "処方医に、シンバスタチンの中止を提案する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "SOAP形式とは、薬歴の経過記録の���法であり、S(Subjuctive: 主訴や患者の訴えなどの主観的情報)、O(Objective: 理学的所見などの客観的情報)、A(Assessment: 評価、分析など)、P(Plan: 検査や治療の指針、今後の治療計画など)にわけて患者情報を記載する。1:誤\n患者の訴えに該当するため、Sに記載する。2:誤\n薬歴で「2週間前に、シンバスタチンの服用を開始したこと」を確認した場合、Oに記載する。3:正\n4:誤\n薬歴で「薬物アレルギーの既往はないこと」を確認した場合、Oに記載する。5:誤\n処方医に対する提案については、Pに記載する。"} +{"problem_id": "098071", "problem_text": "薬事法で薬局の管理者の義務とされているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬局開設許可証を掲示すること", "薬局の業務内容について都道府県知事に報告すること", "薬局の管理に関する事項を記録するための帳簿を備えること", "勤務する薬剤師その他の従業者を監督すること", "薬局の休止、廃止又は再開に関する届出をすること"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "薬局の管理者の義務は、「勤務する薬剤師その他の従業員を監督」「薬局の構造設備及び医薬品その他物品の管理」「業務について薬局開設者に意見する」「薬局の管理に関する帳簿に必要事項を記載する」等である。他の選択肢は、薬局開設者の業務に該当する。"} +{"problem_id": "098072", "problem_text": "医薬品製造販売業の許可を得るために適合する必要がある基準はどれか。1つ選べ。", "choices": ["GCP(Good Clinical Practice)", "GLP(Good Laboratory Practice)", "GVP(Good Vigilance Practice)", "GMP(Good Manufacturing Practice)", "GPSP(Good Post-marketing Study Practice)"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "医薬品製造販売業の許可を得るために適合する必要がある基準はGVP(Good Vigilance Practice)「医薬品の製造販売後における安全管理の基準」である。1:誤\nGCP(Good Clinical Practice): 「医薬品の臨床試験の実施の基準」\n2:誤\nGLP(Good Laboratory Practice): 「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準」\n3:正\n4:誤\nGMP(Good Manufacturing Practice): 「医薬品等及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準」\n5:誤\nGPSP(Good Post-marketing Study Practice): 「医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準」"} +{"problem_id": "098073", "problem_text": "薬剤師免許に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["免許を取り消された経歴を持つ者には与えられない。", "米国の薬剤師免許を有していれば、我が国の免許が与えられる。", "免許証の再交付申請中は、薬剤師業務に従事することはできない。", "現住所を変更した場合は、免許証の訂正を申請しなければならない。", "薬剤師名簿に登録されて免許が発効する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n免許を取り消された経歴を持つ者でも、その者がその取り消しの事由に該当しなくなったとき、再免許を与えることができる。2:誤\n米国の薬剤師免許を有していることは、我が国における国家試験の受験資格を与えられることがあるが、自動的に免許が与えられることはない。3:誤\n薬剤師名簿に登録されたものであれば、免許証の再交付申請中であっても、薬剤師業務に従事することができる。4:誤\n現住所は、薬剤師名簿の登録事項ではないため、訂正を申請する必要はない。5:正\n薬剤師免許は、薬剤師国家試験に合格した者の申請により、薬剤師名簿に登録されて発効する。"} +{"problem_id": "098074", "problem_text": "医療法で規定する医療提供の理念に該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とする。", "医療を受ける者の意向を十分に尊重する。", "国民自ら健康の保持増進に努める。", "医療の担い手の地位向上に努める。", "医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係を基本とする。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "医療法で規定する医療提供の理念に該当しないのは、「医療の担い手の地位向上に努める」である。医療法で規定する「医療提供の理念」を以下に示す。①医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は良質かつ適切な��のでなければならない。②医療は、国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎として、医療を受ける者の意向を十分に尊重し、医療提供施設、医療を受ける者の居宅等において、医療機能に応じ効率的に、かつ、福祉サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携を図りつつ提供されなければならない。"} +{"problem_id": "098075", "problem_text": "麻薬及び向精神薬取締法で規制される麻薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["オキサゾラム", "メタンフェタミン", "ブプレノルフィン", "フェニルプロパノールアミン", "コカイン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "麻薬及び向精神薬取締法で規制される麻薬に該当するのは、コカインである。1:誤\nオキサゾラムは、第三種向精神薬である。2:誤\nメタンフェタミンは、覚せい剤である。3:誤\nブプレノルフィンは、第二種向精神薬である。4:誤\nフェニルプロパノールアミン(50 %以下を含有するものを除く)は、覚せい剤原料である。5:正"} +{"problem_id": "098076", "problem_text": "医薬品副作用被害救済制度発足の直接の契機となった薬害事案はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ペニシリンによるショック", "キノホルムによるスモン(SMON)", "ソリブジンとフルオロウラシル系抗がん剤の併用による骨髄抑制", "血液製剤によるC型肝炎ウイルス感染", "血液製剤によるHIV感染"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "医薬品副作用被害救済制度は、医薬品を適正使用したにもかかわらず、副作用による一定の健康被害が生じた場合に医療費等の給付を行い、これにより被害者の救済を図る制度である。医薬品副作用被害救済制度発足の直接の契機となった薬害は、キノホルムによるスモン(SMON: 亜急性脊髄視神経末梢神経障害)である。"} +{"problem_id": "098077", "problem_text": "我が国において、医薬品の薬効大分類別生産金額の順位が、平成15年以降のいずれの年においても第1位なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["呼吸器官用薬", "循環器官用薬", "アレルギー用薬", "生物学的製剤", "抗生物質製剤"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "我が国において、医薬品の薬効大分類別生産金額の順位が、平成15年以降のいずれの年においても第1位なのは「循環器官用薬(強心剤、不整脈用剤、利尿剤、血圧降下剤、血管収縮剤、血管拡張剤、高脂血症用剤)」である。"} +{"problem_id": "098078", "problem_text": "後発医薬品を対象としていない制度はどれか。1つ選べ。", "choices": ["再審査制度", "再評価制度", "副作用・感染症報告制度", "医薬品・医療機器等安全性情報報告制度", "医薬品副作用被害救済制度"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "後発医薬品を対象としていない制度は、再審査制度である。再審査制度は、新医薬品等に対して適用される制度であり、市場における品質、有効性、安全性の再確認を行うものである。なお、再評価制度、副作用・感染症報告制度、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度、医薬品副作用被害救済制度については、先発医薬品だけでなく後発医薬品も対象となる。"} +{"problem_id": "098079", "problem_text": "医薬品の治験における一般的な第I相試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["多数の患者を対象とする。", "薬物動態を調べる。", "至適用法・用量を決定する。", "有効性を検証する。", "二重盲検比較試験によって実施する。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "医薬品の承認申請のために行われる治験(臨床試験)には、第I相から第III相試験までの試験がある。"} +{"problem_id": "098080", "problem_text": "医療を受ける患者の権利として認めるべきものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["別の患者の薬剤服用歴を閲覧する。", "希望する薬剤の処方を医師に強要する。", "自動車運転を避けるべき旨の服薬指導に従わない。", "医学研究に参加することを拒否する。", "受けた治療の自己負担金の支払いを拒否する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "医療を受ける患者の権利に関する倫理規範には、「リスボン宣言」がある。リスボン宣言には、良質の医療を受ける権利、選択の自由の権利、情報に関する権利、患者の自己決定権などが明記されており、医学研究(治験)への参加は、患者の同意が必要であり、患者自身が医学研究に��加することを拒否することが認められている。"} +{"problem_id": "098081", "problem_text": "薬剤師の任務は薬剤師法第1条に規定されている。この条文の [:::] に当てはまるのはどれか。1つ選べ。「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他 [:::] をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。」", "choices": ["医薬品管理", "地域医療", "薬事衛生", "医薬品開発", "医薬品適正使用"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "薬剤師法第1条において、薬剤師の任務は、「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。」と規定されている。"} +{"problem_id": "098082", "problem_text": "経口糖尿病用薬のうち、重度の腎障害患者に対して禁忌でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ボグリボース", "メトホルミン塩酸塩", "シタグリプチンリン酸塩水和物", "グリメピリド", "ピオグリタゾン塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "選択肢の経口糖尿病用薬のうち、重度の腎障害患者に対して禁忌でないのは、ボグリボースである。ボグリボースは、重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者、重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者などに投与禁忌とされている。なお、ボグリボースは、重篤な腎障害のある患者に対して慎重投与とされている。*注意*\nシタグリプチンリン酸塩水和物については、2013年8月に重度の腎機能障害患者への投与が禁忌から慎重投与に変更されている。"} +{"problem_id": "098083", "problem_text": "セベラマー塩酸塩錠の用法として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["朝昼夕食前", "朝昼夕食直前", "朝昼夕食直後", "朝昼夕食後", "朝昼夕食2時間後"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "セベラマー塩酸塩は、透析中の慢性腎不全患者の高リン血症の改善に用いられる。本剤は、1回1〜2 gを1日3回食直前に経口投与するとされている。"} +{"problem_id": "098084", "problem_text": "貯蔵又は陳列する場合に、薬事法により常時施錠が義務づけられている医薬品はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ジスチグミン臭化物錠", "ゾピクロン錠", "フルニトラゼパム錠", "ラニチジン塩酸塩錠", "インターフェロンベーター1b(遺伝子組換え)注射用"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "貯蔵又は陳列する場合に、薬事法により常時施錠が義務づけられている医薬品は、毒薬に指定されているジスチグミン臭化物錠である。貯蔵又は陳列する場合に、薬事法により常時施錠が義務づけられているものには、毒薬、麻薬、覚せい剤、覚せい剤原料がある。"} +{"problem_id": "098085", "problem_text": "完全静脈栄養法(TPN)施行時のビタミンB_{1}不足によって発症することがあるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["溶血性貧血", "高アンモニア血症", "壊血病", "代謝性アルカローシス", "乳酸アシドーシス"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "完全静脈栄養法(TPN)では多量のブドウ糖が投与されるため、TPN施行中は体内で多量のビタミンB_{1}が消費され欠乏する。ビタミンB_{1}が欠乏した状態では、嫌気的解糖系によりブドウ糖は乳酸に代謝されるため、代謝性アシドーシスを発症する。"} +{"problem_id": "098086", "problem_text": "入院患者に麻薬を処方する場合、麻薬を含む院内処方せんに必ず記載しなければならないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者の住所", "病院の所在地", "病院の名称", "麻薬施用者の免許証番号", "処方せんの使用期間"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "麻薬処方せんには、医師法、歯科医師法で規定されている記載事項に加え、麻薬施用者免許証番号、患者住所を記載する必要がある。麻薬を含む院内処方せんの場合、患者住所を省略することはできるが、麻薬施用者免許証番号を省略することはできない。"} +{"problem_id": "098087", "problem_text": "入院患者に対する薬剤師の業務内容のうち、薬剤管理指導料算定の要件となるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["注射薬の混合調製", "投薬・注射歴の管理", "定数配置薬の管理", "バイタルサインの測定", "摂取栄養量管理"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "薬剤管理指導料を算定するためには、厚生労働省が定める施設基準に適合しているとして地方厚生局長の届け出た保健医療機関が、入院患者に対して、薬学的管理指導を行う必要がある。また、その他の算定要件として、施設基準を満たした保健医療機関の薬剤師は、入院中の患者ごとに薬剤管理指導記録を作成し、投薬又は注射に際して必要な薬学的管理指導を行い、必要事項を記載するとともに、当該記録に基づく適切な指導を行うことなどがあげられる。"} +{"problem_id": "098088", "problem_text": "治療によって潰瘍性大腸炎の症状が好転し、6ヶ月間安定している。この状態を表す医学用語はどれか。最も適切なのを1つ選べ。", "choices": ["完治", "寛解", "再発", "再燃", "増悪"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "「治療によって潰瘍性大腸炎の症状が好転し、6ヶ月間安定している。」この状態を医学用語で寛解という。1:誤\n完治とは、病気やけがなどが完全に治ることである。2:正\n3:誤\n再発とは、治まっていた病気が再び起こることである。4:誤\n再燃とは、治まっていた病状や症状が再び悪化することである。5:誤\n増悪とは、病状などがさらに悪化することである。"} +{"problem_id": "098089", "problem_text": "感冒における「水様鼻汁」や「くしゃみ」などの症状に用いられる漢方薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["大建中湯", "大黄甘草湯", "小青竜湯", "芍薬甘草湯", "牛車腎気丸"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "感冒における「水様鼻汁」や「くしゃみ」などの症状に用いられる漢方薬は、小青竜湯である。1:誤\n大建中湯は、胃下垂、胃アトニー、弛緩性下痢、弛緩性便秘、慢性腹膜炎、腹痛に用いられる。2:誤\n大黄甘草湯は、便秘症に用いられる。3:正\n4:誤\n芍薬甘草湯は、急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛に用いられる。5:誤\n牛車腎気丸は、下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみに用いられる。"} +{"problem_id": "098090", "problem_text": "学校薬剤師を配置しなくてもよい学校はどれか。1つ選べ。", "choices": ["幼稚園", "小学校", "中学校", "高等学校", "大学"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "「大学以外の学校には、学校薬剤師を置くものとする」と学校保健安全法に規定されている。"} +{"problem_id": "098091", "problem_text": "熱力学に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["系の内部エネルギーは、その系の現在の状態だけで決まり、その状態に至る経路は関係しない。", "孤立系で不可逆変化が起これば、エントロピーは増大する。", "状態量には示強性と示量性があり、温度は示量性の状態関数である。", "熱力学第三法則でいう純物質の完全結晶のエントロピーは、絶対零度ではゼロである。", "ギブズ自由エネルギーは、エントロピー、エンタルピー及び温度の関数である"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n系の内部エネルギーは状態関数に該当するため、その系の現在の状態だけで決まり、その状態に至る経路は関係しない。2:正しい\n熱力学第二法則では、「可逆過程では孤立系のエントロピーは一定であり、不可逆過程では孤立系のエントロピーは増大する。」と定義されている。したがって、「孤立系で不可逆変化が起これば、エントロピーは増大する。」といえる。3:誤っている\n状態量には示強性と示量性があり、示強性状態関数は、系の大きさや系に含まれる物質量に依存せず、示量性状態関数は、系の大きさや系に含まれる物質量に依存する。・示強性状態関数: 温度、圧力、濃度:など\n・示量性状態関数: 体積、質量、エンタルピー、エントロピー、自由エネルギー:など\n4:正しい\n5:正しい\nギブズ自由エネルギーは、エントロピー、エンタルピー及び温度の関数であり、次式で表される。G=HーT・S\n(G: ギブズ自由エネルギー、H: エンタルピー、T: 絶対温度、S: エントロピー)\n解答\n3"} +{"problem_id": "098092", "problem_text": "図は、水素分子のモル熱容量(定容熱容量(C_{v,m}))と温度との関係を表す。C_{v,m}の温度依存性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、この温度依存性に、水素分子における電子運動は関与しないと仮定する。Rは気体定数(J・mol^{-1}・K^{-1})を表す。", "choices": ["100 Kより低い温度では、水素分子が液化しているため、���容熱容量は低い値を示す。", "100 Kより低温での定容熱容量は、水素分子の並進運動のみが寄与する。", "298 Kにおける定容熱容量は、水素分子の並進運動エネルギー、回転運動エネルギー、振動運動エネルギーより求められる。", "温度の上昇にともない水素分子が回転運動、振動運動のエネルギー準位へと分布できるようになり、定容熱容量が増大する。", "10,000 Kにおいては、水素分子の開裂が起こるため、定容熱容量が高い値を示す。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "水素分子の定容熱容量には、100 Kより低い温度では、並進運動エネルギーのみが、100 Kから1,000 Kの温度では、並進運動と回転運動エネルギーが、1,000 K以上の温度では、並進運動、回転運動、振動運動エネルギーが関与する。1:誤\n100 Kより低い温度では、並進運動のみが関与するため、定容熱容量は低い値を示す。2:正\n解説1参照\n3:誤\n298 Kにおける定容熱容量は、水素分子の並進運動エネルギー、回転運動エネルギーより求められる。4:正\n5:誤\n10,000 Kにおいては、並進運動、回転運動、振動運動エネルギーが関与するため、定容熱容量が高い値を示す。"} +{"problem_id": "098093", "problem_text": "式は、相転移温度と圧力の関係を表したクラペイロンの式である。相転移に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。\\Delta_{trs}V: 相転移に伴う体積変化、p: 圧力、T: 温度、\\Delta_{trs}H: 相転移に伴うエンタルピー変化", "choices": ["固体と液体が共存する状態では、純物質は圧力をかけると固体から液体へと変化する。", "純物質は、圧力が高くなると沸点が上昇する。", "純物質の状態図における昇華曲線の傾きは負となる。", "相転移に伴うエンタルピー変化と相転移温度から、相転移に伴うエントロピー変化を求めることができる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "098094", "problem_text": "互いに混ざり合わない2つの液相間における分配平衡に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["溶質の分配係数は、溶け込んでいる溶質の濃度に比例して大きくなる。", "一定温度、一定圧力下での分配係数は、それぞれの液相における溶質の標準化学ポテンシャル差により決まる。", "有機相と水相を利用した親油性化合物の抽出では、誘電率の低い有機溶媒の方が抽出率は高い。", "それぞれの液相における溶質の標準化学ポテンシャルが温度に依らず一定の時、定圧下で液相の温度を上昇させると、分配係数は低下する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n溶質の分配係数は、水中の溶質濃度(C_{水})に対する有機溶媒中の溶質濃度(C_{有機溶媒})で表される(C_{有機溶媒}/C_{水})。溶け込んでいる溶質の濃度が変化すると、C_{水}及びC_{有機溶媒}は共に変化するため、溶質の分配係数は変化しない。2:正\n一定温度、一定圧力下では、有機溶媒相及び水相における標準化学ポテンシャルの差により分配係数を決定することができる。3:正\n有機相と水相を利用した親油性化合物の抽出を溶媒抽出法という。誘電率の低い有機溶媒は脂溶性が大きく、親油性化合物となじみやすいため、溶媒抽出法では、誘電率の低い有機溶媒を用いた方が抽出率は高くなる。4:誤\nそれぞれの液相における溶質の標準化学ポテンシャルが温度に依らず一定の時、定圧下で液相の温度を上昇させても、各相における標準化学ポテンシャルが変化しないため、分配係数は一定である。"} +{"problem_id": "098095", "problem_text": "0.10 mol/Lリン酸400 mLと0.20 mol/L水酸化ナトリウム300 mLを混合した水溶液の25^{\\circ} CにおけるpHに最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、リン酸のpK_{a1}=2.12、pK_{a2}=7.21、pK_{a3}=12.32(各25^{\\circ} C)とする。また、log2=0.30、log3=0.48とする。", "choices": ["4.7", "6.9", "7.2", "7.7", "9.8"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "リン酸は三塩基酸であることから、0.10 mol/Lリン酸400 mL(リン酸を0.04 mol含有)と0.20 mol/L水酸化ナトリウム300 mL(水酸化ナトリウムを0.06 mol含有)と混合した水溶液中では、以下のように2段階で反応が進行する。反応した結果、0.02 molのH_{2}NaPO_{4}と0.02 molのHNa_{2}PO_{4}を含む700 mLの溶液が生成する。溶液中には弱酸(H_{2}NaPO_{4})とその塩(HNa_{2}PO_{4})が1: 1で含まれているため、その溶液のpHはリン酸における2段階目の酸解離指数(pK_{a2}=7.21)とほぼ等しくなる。"} +{"problem_id": "098096", "problem_text": "日本薬局方容量分析用標準液、標準試薬、指示薬、滴定の種類の組合せとして正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n2:誤\n1 mol/L塩酸を標定する際に用いられる標準試液は、炭酸ナトリウムである。3:正\n4:誤\n0.1 mol/L硝酸銀液は、沈殿滴定に用いられる。"} +{"problem_id": "098097", "problem_text": "試料から難(不)揮発性薬毒物を分離するためのスタス•オット(Stas-Otto)法の概要を図に示す。モルヒネが最も多く回収される画分の番号はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "①酒石酸酸性でエーテル抽出\n第三級アミンの窒素が、酒石酸と塩を形成し水溶性となり水層へ移行する。②NaOHアルカリ性でクロロホルムまたはエーテル抽出\nフェノール性水酸基が、強アルカリ性条件下、イオン形となり水層へ移行する。③一度弱酸性にしたのち、アンモニアでアルカリ性とし、クロロホルム-イソプロパノール(3: 1)で抽出\n一度弱酸性にすることで、フェノール性水酸基が分子形となる。その後、アンモニアで弱アルカリ性にすると、モルヒネは、分子形となり有機層へ移行する。"} +{"problem_id": "098098", "problem_text": "日本薬局方イソソルビドの定量法に関する記述1〜3のうち、正しいのはどれか。また、(:a:)に入る係数として4〜6のうち、正しいのはどれか。それぞれ1つずつ選べ。ただし、イソソルビドの[\\alpha ]^{20}_{D}=+45.5とする。「本品約10 gを精密に量り、水に溶かし、正確に100 mLとし、層長100 mmで20\\pm 1^{\\circ}Cにおける旋光度\\alpha_{D}を測定する。", "choices": ["旋光度の測定には、通例、光線としてナトリウムスペクトルのD線が用いられる。", "物質が旋光性を持つためには、分子の中に少なくとも1個の不斉炭素がなければならない。", "イソソルビドの溶液は、偏光の進行方向に向き合って見るとき、偏光面を左に回転させる。", "4.55", "2.20", "0.455"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n日本薬局方一般試験法の旋光度測定には、通例、光線としてナトリウムスペクトルのD線が用いられる。2:誤\n分子内に不斉炭素をもたなくても旋光性を示す物質が存在する。3:誤\nイソソルビドの比旋光度が「+45.5」であることから、イソソルビドの溶液は、右旋性を示すことがわかる。右旋性を示す物質の溶液は、偏光の進行方向に向き合って見るとき、偏光面を右に回転させる。5:正\n設問に「イソソルビド(C_{6}H_{10}O_{4})の量(g)=\\alpha_{D}\\times(:a:)」とあることから、量り取った10 gに含まれるイソソルビドの純品の量をx(g)すると、(:a:)に該当する数値を求めることができる。比旋光度は、次式で表される。量り取った10 gに含まれるイソソルビドの純品の量をx(g)すると、c=x/100(g/mL)となる。比旋光度の式に、[\\alpha]^{20}_{D}=+45.5、l=100、c =x/100を代入すると、xの値は、\\alpha_{D}\\times 2.20となる。"} +{"problem_id": "098099", "problem_text": "質量分析法に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法は、主にタンパク質のアミノ酸配列の決定に利用される。", "MALDI法は、一般に飛行時間型質量分析計(TOF—MS)と組合せて用いられる。", "液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)のイオン化には、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法がよく用いられる。", "ESI法では、試料分子は大気圧下でイオン化される。", "m/z値が1,000.0と1,000.1の2本のピークが明瞭に区別できる場合の分解能は10,000である。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\nマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法は、質量分析の際に行われるイオン化の方法であり、主にタンパク質の同定に利用されている。一般にタンパク質のアミノ酸配列の決定にはEdmann分解やタンデム質量分析(MS/MS)によって行われる。2:正しい\nMALDI法は、一般に飛行時間型質量分析計(TOF-MS)と組み合わせることにより、タンパク質などの質量分析に利用される。3:正しい\n液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)は、液体クロマトグラフィーにより分離された試料を連続的���質量分析計へ導入する方法であり、試料のイオン化には、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法がよく用いられる。4:正しい\nエレクトロスプレーイオン化(ESI)法では、試料分子を大気圧下でイオン化することができる。5:正しい\n分解能(R)は、隣り合った2本のピークが明瞭に区別できる場合の分離度を示すものであり、次式により求めることができる。よって、m/z値が1,000.0と1,000.1の2本のピークが明瞭に区別できる場合の分解能を以下のように求めることができる。"} +{"problem_id": "098100", "problem_text": "タンパク質の構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["\\alpha ヘリックスや\\beta シートの形成には、ペプチド結合のC=OとN-H間の水素結合が大きく寄与する。", "タンパク質中の側鎖間には、共有結合が存在しない。", "金属タンパク質中の金属イオンは、金属結合によりタンパク質と結合している。", "膜タンパク質の膜貫通領域には、親水性のアミノ酸残基が多い。", "通常、タンパク質は、高濃度の尿素溶液により変性する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n\\alpha ヘリックスや\\beta シートなどの二次構造の形成には、ペプチド結合の「C=O」の酸素と「N-H」の水素が形成する水素結合が大きく寄与する。2:誤\nタンパク質中の側鎖間には、共有結合(ジスルフィド結合など)が存在する。3:誤\n金属タンパク質中の金属イオンは、一般に配位結合によりタンパク質と結合している。金属結合は、金属原子と金属原子間の結合のことである。4:誤\n膜タンパク質の膜貫通領域には、疎水性のアミノ酸残基が多い。5:正\n変性とは、一次構造は変化せず、高次構造のみが破壊され、タンパク質の性質が変化することである。タンパクの変性を促す物質には、高濃度尿素、2-メルカプトエタノール、ドデシル硫酸ナトリウムなどがある。"} +{"problem_id": "098101", "problem_text": "以下の日本薬局方収載医薬品の構造式と化学名の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n本化合物は、主たる官能基がケトンであるため、本化合物の主鎖はbutan-2-oneである。よって、本化合物の化学名は、4-(6-Methoxynaphthalen-2-yl)butan-2-oneとなる。2:誤\n本化合物は、環状構造の4位の炭素が不斉炭素であり、S体ではなくR体である。よって、本化合物の化学名は、(4R)-4-Aminoisoxazolidin-3-oneとなる。3:誤\n本化合物は、主たる官能基がエステルであるため、本化合物の主鎖はbenzoateである。エステルのアルコール由来の部分の名称は、(dimethylamino)ethylである。よって、本化合物の化学名は、2-(Dimethylamino)ethyl 4-(butylamino)benzoate monohydrochlorideとなる。4:正\n本化合物は、主たる官能基がアルコールであるため、本化合物の主鎖は、propane-1,2-diolである。主鎖の3位に2-methoxyphenoxyが結合しており、構造式に「及び構造異性体」とあることから、2位の不斉炭素がR体とS体の化合物の混合物であるラセミ体であり2RSと表記する。よって、本化合物の化学名は、(2RS)-3-(2-Methoxyphenoxy)propane-1,2-diolとなる。"} +{"problem_id": "098102", "problem_text": "以下の芳香族置換反応のうち、主生成物の構造を正しく示しているのはどれか。2つ選べ。ただし、すべての反応は終了後、適切な後処理を施してある。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nベンゼン環に結合した-OH基、-CH_{3}基は、電子供与基として働き、オルト-パラ配向性を示す。本化合物においては、OH基の方が、電子供与性が強いため、配向性は-OH基によって決定される。このことから下記の反応が進行する。2:正\nオルト位又はパラ位に-NO_{2}基のような電子求引基を有するハロゲン化アリールでは、求核置換反応が進行する。このことから下記の反応が進行する。3:正\nベンゼンに結合した-CH_{3}基は、電子供与基として働き、オルト-パラ配向性を示し、-NO_{2}基は電子求引基として働き、メタ配向性を示す。このことから下記の反応が進行する。4:誤\nナフタレンの求電子置換反応は、主として1位で進行する。"} +{"problem_id": "098103", "problem_text": "AとBはそれぞれ互いに異性体である。以下の反応のうち、主生成物がAになるものはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nアルケンへのHClの付加反応は、マルコフニコフ則にしたがって進行する。よって、本反応による主生成物はAである。2:誤\nアルケンへのBr_{2}の付加反応は、トランス(アンチ)付加で進行する。よって、本反応による主生成物はBである。3:誤\n酸化白金触媒下、アルケンへのH_{2}の付加反応は、シス(シン)付加で進行する。よって、本反応の主生成物はBである。4:正\nアルケンにm-CPBAを反応させると、シス(シン)付加が進行し、エポキシドを生成する。その際、アルケンの立体的特徴は保持される。よって、本反応の主生成物はAである。5:誤\nアルケンにOsO_{4}を反応させると、シス(シン)付加が進行し、その後、NaHSO_{3}で還元的処理を行うと1,2-ジオールが生成する。よって、本反応の主生成物はBである。"} +{"problem_id": "098104", "problem_text": "以下の反応のうち、主生成物の構造を正しく示しているのはどれか。2つ選べ。ただし、すべての反応は終了後、適切な後処理を施してある。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤ベンズアルデヒドに水酸化ホウ素ナトリウムを反応させると、ベンズアルデヒドに対するヒドリド(H^{-})の求核付加反応が進行し、その後、処理すると第1級アルコールが生成する。2:誤\nケトンにシアン化ナトリウムを反応させると、ケトンに対するシアン化物イオンの求核付加反応が進行し、その後、処理するとシアノヒドリンが生成する。3:正\nケトンを塩基で処理すると、エノラートイオンが生成する。生成したエノラートイオンが、アルデヒドに対する求核付加反応が進行し、\\beta -ヒドロキシケトンを生成する。その後、脱水が起こり\\alpha ,\\beta 不飽和ケトンが生成する。4:誤\nエステルにグリニャール試薬を反応させると、エステルに対するグリニャール試薬の求核置換反応が進行し、ケトンを生成する。さらに、生成したケトンに対するグリニャール試薬の求核置換反応が進行し、その後、処理すると第3級アルコールが生成する。5:正\n酸無水物にアルコールを反応させると、酸無水物に対するアルコールの求核置換反応が進行し、エステルが生成する。"} +{"problem_id": "098105", "problem_text": "アミンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["第一級アミンをケトンと反応させると、イミンが生成する。", "第二級アミンを無水フタル酸と反応させると、フタルイミドが生成する。", "第三級アミンを酸塩化物と反応させると、カルボン酸アミドが生成する。", "エチルメチルアミンはAとBの平衡混合物として存在する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n第一級アミンとケトンを反応させると、求核付加反応を起こし、その後、脱水によりイミンを生成する。2:誤\n第二級アミンに無水フタル酸を反応させても、フタルイミドは生成しない。なお、アンモニアに無水フタル酸を反応させると、フタルイミドが生成する。3:誤\nアミンと酸塩化物が反応するためには、アミンの窒素原子に水素が結合している必要があるため、第三級アミンと酸塩化物は反応しない。なお、第一級アミンと第二級アミンに酸塩化物を反応させると、カルボン酸アミドが生成する。4:正\nエチルメチルアミンは、sp^{3}混成軌道をとっており、四面体構造をとる。この四面体の3頂点には置換基が存在するとともに1頂点にはローンペアが存在するため、鏡像異性体(A、B)が存在するが、A、Bの間で反転が容易に起こる。そのため、エチルメチルアミンはAとBの平衡混合物として存在する。"} +{"problem_id": "098106", "problem_text": "日本薬局方収載医薬品クロルジアゼポキシド(A)とオキサゾラム(B)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aに炎色反応試験を行うと緑色を呈するのは、AにN\\rightarrow Oが含まれるからである。", "Aの合成原料は、CにNH_{2}OHを作用させて得られるオキシム誘導体である。", "Bに希塩酸を加え、水浴中で10分間加熱後冷却して得た液は、芳香族第二級アミンの定性反応を呈する。", "BはDの第二級アミンとケトンのカルボニル基が縮合して生じるイミニウムを経て合成できる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nAの構造中に塩素が含まれているため、炎色反���試験を行うと緑色を呈する(バイルシュタイン反応)。2:正\nA(クロルジアゼポキシド)の合成原料は、下記に示すオキシム誘導体である。Aの合成原料であるオキシム誘導体はCにNH_{2}OHを作用させることにより得られる。3:誤\nBに希塩酸を加え、水浴中で10分間加熱後冷却すると、アミドが加水分解され、芳香族第一級アミン(下図の赤点線)を生成する。よって、Bに希塩酸を加え、水浴中で10分間加熱後冷却して得た液は、芳香族第一級アミンの定性反応を呈する。4:正\nDの第二級アミンがカルボニル基に対して、求核付加反応を起こし、イミニウムイオンを生成し、その後、イミニウムの炭素に対して、構造中のヒドロキシ基が反応し、B(オキサゾラム)を生成する。"} +{"problem_id": "098107", "problem_text": "プロプラノロールは、エナンチオマー間で交感神経のアドレナリン\\beta 受容体遮断作用に差があることが知られている。プロプラノロールの受容体結合部位との相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ファーマコフォアでは、三次元的な構造が重要である。", "側鎖上のイソプロピル基は、結合部位と水素結合を形成する。", "側鎖上のNHは、結合部位と疎水性相互作用する。", "側鎖上のOHは、結合部位と水素結合を形成する。", "エーテル結合の酸素は、結合部位とイオン結合を形成する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n医薬品の三次元的な構造が異なることにより、受容体との結合性が異なるため、ファーマコフォア(その医薬品の構造のうち、標的とする生体分子と結合するための必要不可欠な構造要素のこと)では、三次元的な構造が重要である。2:誤\n側鎖上のイソプロピル基は炭素原子と水素原子のみから構成されており不対電子を有しないため、水素結合を形成することはできない。なお、側鎖上のイソプロピル基は、結合部位と疎水性相互作用を示す。3:誤\n側鎖上のNHは窒素原子に不対電子を有しており、結合部位と水素結合を形成する。4:正\n側鎖上のOHは酸素原子に不対電子を有しており、結合部位と水素結合を形成する。5:誤\nエーテル結合の酸素は不対電子を有しており、結合部位と水素結合を形成する。"} +{"problem_id": "098108", "problem_text": "生薬の抽出液Aに対する確認試験にはBが使用される。この試験で検出される成分Cとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nオウレンの水抽出液に塩酸/過酸化水素水溶液を加えると、オウレンに含まれるアルカロイド(ベルベリン)により、液は赤紫色に変化する。2:誤\nウワウルシの熱湯抽出液に塩化鉄(III)試液を加えると、ウワウルシに含まれるタンニンにより、液は暗紫色に変化する。3:誤\nビャクジュツのエタノール抽出液にバニリン塩酸試液を加えると、ビャクジュツに含まれるセスキテルペン(アトラクチロン)により、液は、赤~赤紫色に変化する。4:正\nチンピの温メタノール抽出液にリボン状マグネシウム/塩酸試液を加えると、チンピに含まれるフラボノイドにより、液は赤紫色に変化する。5:誤\nオンジの無水酢酸抽出液に硫酸を加えると、オンジに含まれるサポニンにより2層に分離した液の境界面は赤褐色、上層は淡青緑色~褐色に変化する。"} +{"problem_id": "098109", "problem_text": "生物活性天然物とその生合成経路に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nカンプトテシンなどのキノリンアルカロイドであり、フィゾスチグミンはインドールアルカロイドである。両化合物は共にトリプトファン由来のアルカロイドであり、アミノ酸経路により生合成される。2:誤\nチモールはモノテルペノイドであり、イソプレノイド経路により生合成される。レスベラトロールはスチルベノイドであり、シキミ酸経路と酢酸-マロン酸経路の複合経路により生合成される。3:誤\nポドフィロトキシンはリグナンであり、シキミ酸経路により生合成される。テトラサイクリンは、酢酸-マロン酸経路により生合成される。4:正\nシアニジン、ダイゼインは共にイソフラボンであり、シキミ酸経路と酢酸-マロン酸経路の複合経路により生合成される。"} +{"problem_id": "098110", "problem_text": "図は、分子式C_{10}H_{12}O_{3}の化合物(A)の^{1}H-NMRスペクトル(500 MHz,CDCl_{3})と部分拡大図である。この図から推定されるAの構造はどれか。1つ選べ。なお、6.00 ppm付近に現れる1H分の幅広いシグナルは重水を添加した後に消失した。また、7.26 ppmのシグナルはCDCl_{3}に含まれる微量のCHCl_{3}に起因するものである。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "設問にあるシグナルより、以下のように考えることができる。・1 ppm付近に3H分のトリプレットがあることから、構造中に-CH_{2}-CH_{3}があると考えられる。\\rightarrow これにより、構造1、4、5のいずれか\n・1.8 ppm付近に2H分のマルチプレットがあることから、構造中に-CH_{2}-CH_{2}-CH_{3}があると考えられる。\\rightarrow これにより、構造4、5のいずれか\n・4.2 ppm付近に2H分のトリプレットがあることから、構造中にO-CH_{2}-CH_{2}があると考えられる。\\rightarrow これにより、構造5:確定\nなお、重水の添加により消失したシグナルは-OHによるシグナルであると推察される。"} +{"problem_id": "098111", "problem_text": "皮膚に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["表皮の細胞は、ケラチンを合成している。", "マイスネル(Meissner)小体は、温覚の受容器である。", "体性感覚の刺激は、視床下部で中継され、大脳皮質に投射される。", "交感神経刺激により立毛筋が収縮すると、鳥肌が立つ。", "皮膚ではビタミンDが合成される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:正しい\n表皮に存在する細胞のひとつであるケラチノサイトは、ケラチンを合成している。2:誤っている\nマイスネル(Meissner)小体は、触覚の受容器である。なお、温覚の受容器としては温受容器と冷受容器がある。3:誤っている\n体性感覚の刺激は、視床で中継され、大脳皮質に投射される。4:正しい\n立毛筋は平滑筋であり、交感神経により支配されている。立毛筋が収縮すると毛が直立し、鳥肌が立つ。5:正しい\n皮膚では紫外線の作用により、プロビタミンD_{3}(7-デヒドロコレステロール)からビタミンD_{3}(コレカルシフェロール)が合成される。"} +{"problem_id": "098112", "problem_text": "図は、ある内分泌器官の顕微鏡像をスケッチしたものである。この器官に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["A層から分泌されるホルモンは、腎臓に作用してNa^{+}や水の再吸収を促進し、体液を保持する。", "B層から分泌されるホルモンには、抗炎症作用、免疫抑制作用がある。", "C層から分泌される主要なホルモンは、ペプチドホルモンである。", "皮質の機能が亢進するとアジソン病になる。", "髄質を支配する交感神経終末からは、ノルアドレナリンが放出される。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "図の内分泌器官は副腎であり、副腎皮質と副腎髄質から成り立っている。また、副腎皮質はA層(球状層)、B層(束状層)、C層(網状層)から成り立っている。A層、B層、C層から分泌されるホルモンとその特徴を以下に示す。・A層(球状層)から分泌されるホルモン\n鉱質コルチコイド: 腎臓の遠位尿細管後半部及び集合管の上皮細胞に作用し、Na^{+}や水分の再吸収促進し、体液量を保持する。・B層(束状層)から分泌されるホルモン\n糖質コルチコイド: 抗炎症作用、免疫抑制作用、血糖上昇作用、タンパク異化作用、脂質分解促進作用\n・C層(網状層)から分泌されるホルモン\n男性ホルモン: ステロイドホルモンの一種\n1:正\n前記参照\n2:正\n前記参照\n3:誤\n前記参照\n4:誤\n皮質の機能が亢進すると、鉱質コルチコイド、糖質コルチコイドなどの分泌が亢進するクッシング症候群が認められる。なお、アジソン病は副腎の機能低下により認められる疾患である。5:誤\n副腎を支配する交感神経終末からは、アセチルコリンが分泌され、そのアセチルコリンの作用により副腎髄質からノルアドレナリンやアドレナリンが分泌される。"} +{"problem_id": "098113", "problem_text": "コレステロールに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["コレステロール生合成に関与する肝臓の3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素遺伝子は、コレステロールによって発現が抑制される。", "細胞内のコレステロー���の量が増加すると、細胞表面にある低密度リポタンパク質(LDL)受容体の数が増加する。", "肝臓でコレステロールから生成した胆汁酸は、その大部分が糞便中へ排泄される。", "細胞膜のコレステロールは、その大部分が脂肪酸とのエステル型として存在する。", "精巣では、コレステロールからアンドロゲンが生合成される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nコレステロールが増加すると、HMG-CoA還元酵素の遺伝子発現は抑制される。2:誤\n細胞表面にある低密度リポタンパク質(LDL)受容体は、コレステロールの細胞内への取込みに関与している。細胞内のコレステロールの量が低下すると、LDL受容体量が増加し、細胞内へのコレステロールの取込みが亢進する。3:誤\n肝臓でコレステロールから生成した胆汁酸は、その大部分が腸肝循環によって再利用され、一部は糞便中に排泄される。4:誤\n細胞膜のコレステロールは、その大部分が遊離型として存在する。なお、細胞内で貯蔵されているコレステロールやリポタンパク質中のコレステロールは、主にエステル型として存在している。5:正\n精巣では、コレステロールを原料として、アンドロゲン(テストステロンなど)が生合成される。"} +{"problem_id": "098114", "problem_text": "図は、アロステリック酵素として知られるある酵素について、基質Aの濃度と反応初速度の関係を示したものである。曲線1及び3は、酵素反応系に、それぞれ酵素に結合する物質X及びYを加え、また曲線2は何も加えずに測定した結果である。なお、X及びYは基質Aと構造上の類似性が低い。この結果に関する考察のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["X及びYのいずれも存在しないとき、基質Aの濃度を高めていくと、ある濃度以上になると反応速度が急に増加する。", "基質Aの濃度が十分に高いときには、X、Yの存在あるいは非存在にかかわらず、反応速度はほぼ等しい。", "Xの存在下では、酵素の基質Aに対する見かけの親和性が低下する。", "基質Aの濃度が低いときには、Yによって酵素活性が阻害される。", "X及びYが結合する酵素の部位は、基質Aが結合する部位とは異なると考えられる。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "アロステリック酵素とは、酵素の活性中心以外に酵素活性を変化させる因子(アロステリックエフェクター)との結合部位を有しており、アロステリックエフェクターが結合することにより、酵素の立体構造が変化し、酵素活性が変化する酵素のことである。アロステリックエフェクターには、酵素活性を上昇させる正のアロステリックエフェクターと酵素活性を低下させる負のアロステリックエフェクターが存在する。1:正しい\nグラフより、物質Xも物質Yも存在しない(曲線2)において、基質Aの濃度が上昇すると、ある濃度以上になると反応初速度が急に上昇している。2:正しい\n基質Aの濃度が十分大きいとき(グラフの右側)、グラフ1〜3の反応初速度はほとんど同じ値を示している。3:誤っている\n物質X存在下(曲線1)では、物質Xも物質Yも存在しない(曲線2)に比べ反応初速度が大きいため、物質Xの存在により、酵素と基質Aとの見かけの親和性が増大していると考えられる。4:正しい\n物質Y存在下(曲線3)では、物質Xも物質Yも存在しない(曲線2)に比べ反応初速度が小さいため、物質Yによって酵素活性が阻害されていると考えられる。5:正しい\n物質Xと物質Yはアロステリックエフェクターであり、基質Aの結合部位と異なる部位に結合する。"} +{"problem_id": "098115", "problem_text": "神経伝達物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グルタミン酸は、オキサロ酢酸にアスパラギン酸のアミノ基が転移し生合成される。", "グリシンは、中枢神経系ではセリンからセリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼの働きで生合成される。", "\\gamma -アミノ酪酸(GABA)は、アスパラギン酸の脱炭酸により生合成される。", "セロトニンは、チロシンの水酸化と脱炭酸により生合成される。", "アドレナリンは、酸化的脱アミノ化とメチル化を受け、体外に排泄される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nグルタミン酸は、\\alpha -ケトグルタル酸にアスパラギン酸のアミノ基が転移し生合成���れる。2:正\nグリシンは、抑制性の神経伝達物質として作用しており、主にセリンからセリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼの働きによって生合成される。3:誤\n\\gamma -アミノ酪酸(GABA)は、グルタミン酸の脱炭酸反応によって生合成される。4:誤\nセロトニンは、トリプトファンの水酸化と脱炭酸によって生合成される。なお、チロシンの水酸化と脱炭酸によって生合成されるのはドパミンである。5:正\nアドレナリン等のカテコールアミン類は、体内でモノアミンオキシダーゼ(MAO)の酸化的脱アミノ化と、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)によるメチル化を受け、体外に排泄される。"} +{"problem_id": "098116", "problem_text": "核酸及び遺伝情報に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["DNAの塩基の構成比率を調べたところ、グアニンとシトシンの和が40%であった。このDNAはアデニンとチミンをそれぞれ30%含むと推定される。", "核酸の構成単位であるヌクレオチドは、塩基、ヘキソース及びリン酸から成る。", "DNAの熱変性は、分子内ホスホジエステル結合の加水分解による。", "遺伝情報は、DNAからmRNAに転写され、その情報をもとにタンパク質が合成される。", "64種類のコドンのうち、対応するアミノ酸のないコドンは1つである。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nDNAに含まれる核酸塩基は、アデニン(A)-チミン(T)間、グアニン(G)-シトシン(C)間で水素結合を形成している。このことより、AとTの含有量は等しく、GとCの含有量も等しいといえる。本設問では「グアニンとシトシンの和が40%であった」となっていることから、残りの60%には、アデニン(A)とチミン(T)がそれぞれ30%ずつ含まれると考えられる。2:誤\n核酸の構成単位であるヌクレオチドは、塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシン)、ペントース及びリン酸から成り立っている。3:誤\nDNAの変性(融解)とは、温度、pHなどの環境変化により、2本のヌクレオチド鎖の塩基間に形成されている水素結合を切断され、DNAの二重らせん構造が一本鎖ずつに解離することである。4:正\n遺伝情報からタンパク質が合成されるまでの流れを以下に示す。①: DNAからmRNAへの転写\n②: 翻訳: mRNAの情報をもとにタンパク質を合成\n5:誤\n64種類のコドンのうち、対応するアミノ酸のないコドンは3つ(UAA、UAG、UGA)である。対応するアミノ酸がないコドンは、タンパク質合成を停止させるため、終止コドン、ナンセンスコドンといわれる。"} +{"problem_id": "098117", "problem_text": "遺伝子工学に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ヒトの皮膚より作製したcDNAライブラリーには、ヒトゲノムDNA配列のほとんどすべてが含まれる。", "制限酵素は、特定のDNA塩基配列を認識し切断するエキソヌクレアーゼである。", "ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、標的とするDNA領域を少量の試料から短時間で増幅することができる。", "DNAの塩基配列決定法には、ジデオキシリボヌクレオチドを用いる方法がある。", "ヒトの糖タンパク質をコードする遺伝子を大腸菌で発現させると、ヒトと同一のアミノ酸配列及び糖鎖を有する糖タンパク質が合成される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\ncDNAライブラリーを構成しているcDNAはmRNAを鋳型として作製したDNAであるためイントロン配列等が含まれていない。よって、ヒトの皮膚より作製したcDNAライブラリーに、ヒトゲノムDNA配列のほとんどすべてが含まれるわけではない。2:誤\n制限酵素は、特定のDNA塩基配列を認識し切断するエンドヌクレアーゼである。3:正\nポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、DNAポリメラーゼを用いたDNA増幅反応であり、標的とするDNA領域を少量の試料から短時間で増幅することが可能である。4:正\nジデオキシリボヌクレオチドを用いてDNAの塩基配列決定する方法をジデオキシ法(Sanger法)という。ジデオキシ法は、DNA合成反応の途中でジデオキシリボヌクレオチドが取り込まれ、DNA合成の伸長反応が特定の位置でランダムに停止することを利用した塩基配列の決定方法である。5:誤\n大腸菌などの原核生物では、翻訳後修飾に関わる細胞内小器官が存在せず、糖鎖付加やリン酸化などのタンパク質の修飾が起こらないため、ヒトと同一のアミノ酸配列及び糖鎖を有する糖タンパクを合成することはできない。"} +{"problem_id": "098118", "problem_text": "レトロウイルスに関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ゲノムとして2本鎖DNAをもつ。", "増殖の過程に逆転写酵素が関与する。", "宿主細胞の表面に存在する受容体に結合したのち、細胞内に侵入する。", "ウイルスゲノムに由来するDNAが、宿主細胞ゲノムに組込まれプロウイルスとなる。", "ヒト免疫不全ウイルス(HIV)及びB型肝炎ウイルス(HBV)は、いずれもレトロウイルス科に属する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:誤っている\nレトロウイルスは、RNAウイルスであり、ゲノムとして1本鎖RNAを有する。2:正しい\nレトロウイルスは、宿主細胞内で増殖する過程で逆転写酵素(RNA依存性DNAポリメラーゼ)を用いてウイルスRNAからウイルスDNAを合成する。3:正しい\nレトロウイルスは、エンベロープに存在する糖タンパク質が宿主細胞の表面に存在する受容体に結合したのち、細胞内に侵入する。4:正しい\n宿主細胞内で合成されたウイルスDNAは、インテグラーゼの作用により宿主細胞ゲノムDNAに組込まれ、プロウイルスとなる。5:誤っている\nヒト免疫不全ウイルス(HIV)はレトロウイルス科に属するが、B型肝炎ウイルス(HBV)はヘパゾナウイルス科に属する。"} +{"problem_id": "098119", "problem_text": "細胞傷害性のリンパ球を誘導する実験を(1)〜(4)の手順で行った。この実験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["系統B由来のマウスを標的細胞として用いたときに細胞傷害が観察される。", "(3)で培養した脾臓細胞からT細胞を除去すると、細胞傷害性が低下する。", "(3)の培養中に、系統Bのマウス由来のリンパ球の増殖が認められる。", "系統A及び系統Bのマウスの間で、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の差異が小さい場合には、細胞傷害性が高くなる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "実験内容の概要を以下に示す。(1)免疫応答反応に関わる細胞を多く含む脾臓細胞を系統A及び系統Bのマウスから抽出して単離\n(2)系統Aのマウス由来の脾臓細胞にX線を照射し、細胞の増殖能を失わせた。\\rightarrow このとき、細胞の増殖能が失われているため、系統Aのマウス由来の脾臓細胞では、T細胞などのリンパ球の増殖も起こらない。(3)細胞増殖能のない系統Aのマウス由来の脾臓細胞に無処理の系統Bのマウス由来の脾臓細胞を混合\n\\rightarrow 系統Aのマウス由来の脾臓細胞は、系統Bのマウス由来の脾臓細胞に含まれるT細胞などのリンパ球より細胞傷害を受け、消滅する。1:誤\n系統Aのマウス由来の脾臓細胞は、細胞増殖能がないため、系統B由来のマウスを標的細胞として用いても細胞傷害は観測されない。2:正\nこの実験における細胞傷害は、主にT細胞によるものであるため、脾臓細胞からT細胞を除去すると、細胞傷害性は低下する。3:正\n前記参照\n4:誤\n主要組織適合遺伝子複合体(MHC)は、免疫学的自己を決定する遺伝子群のことであり、MHCが一致すれば自己、不一致であれば非自己と認識する。MHCの差異が小さい場合には、非自己と認識されにくいので、細胞障害性は低くなる。"} +{"problem_id": "098120", "problem_text": "アレルギー及び自己免疫疾患に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アナフィラキシーショックは、IgE抗体の関与するI型アレルギーの機序で引き起こされる。", "接触性皮膚炎は、主に活性化されたT細胞やマクロファージによって引き起こされるIV型アレルギーである。", "胎児の赤血球抗原により母体が感作され生成する抗体は、IgMクラスであるため、胎盤を通過しやすく新生児溶血性貧血の原因となる。", "ニコチン性アセチルコリン受容体に対する自己抗体は、重症筋無力症の発症に関与する。", "バセドウ病は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体に対する自己抗体の作用による甲状腺機能亢進が原因となる。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nアナフィラキシーショックは、I型アレルギーに分類され、アナフィラキシーショックの発症にはIgE抗体が関与する。2:正しい\n接触性皮膚炎は、IV型アレルギーに分類され、主に活性���されたT細胞やマクロファージによって引き起こされる。3:誤っている\n胎児の赤血球抗原により母体が感作され生成する抗体はIgGクラスであり、胎盤を通過しやすく新生児溶血性貧血の原因となる。新生児溶血生貧血は、母児間での血液型不適合により出産時に胎児のみが保有する血液型抗原に母体が感作され、IgG抗体を生じることにより引き起こされる。4:正しい\n重症筋無力症は、自己免疫疾患であり、神経筋接合部のニコチン性アセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生されることによって発症する。5:正しい\nバセドウ病では、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体に対する自己抗体(抗TSH抗体)が産生され、TSH受容体を刺激することで過剰に甲状腺ホルモンが放出される。"} +{"problem_id": "098121", "problem_text": "ビタミンKに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["容易に胎盤を通過する。", "ビタミンK依存性タンパク質のグルタミン酸残基を\\gamma -カルボキシル化する酵素の活性発現に必要である。", "プロトロンビンの発現を、主として転写レベルで制御している。", "ワルファリンは、ビタミンK再生経路を活性化する。", "オステオカルシンは、ビタミンK依存性タンパク質である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nビタミンKは胎盤を通過しにくい。それにより新生児では、ビタミンK欠乏症が起こりやすい。2:正\nビタミンKは、ビタミンK依存性タンパク質のグルタミン酸残基を\\gamma -カルボキシル化する酵素(ビタミンK依存性カルボキシラーゼ)の活性発現に必要である。3:誤\nビタミンKは、プロトロンビンの発現を主として翻訳後修飾の段階で制御している。4:誤\nワルファリンは、ビタミンKエポキシドレダクターゼを阻害し、ビタミンK再生経路を阻害することで、抗凝血作用を示す。5:正\n骨形成に関わるオステオカルシンは、ビタミンK依存性タンパク質である。"} +{"problem_id": "098122", "problem_text": "図に示したアミノ酸から、食品の腐敗に伴って生成する物質はどれか。2つ選べ。", "choices": ["アグマチン", "スカトール", "カダベリン", "トリプタミン", "メチルメルカプタン"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "本問の構造は、トリプトファンである。トリプトファンは、食品の腐敗に伴って、便臭の原因であるスカトールや腐敗アミンであるトリプタミンとなる。1:誤\nアグマチンは、腐敗アミンであり、アルギニンが脱炭酸反応を受けることによって生じる。2:正\n3:誤\nカダベリンは、腐敗アミンであり、リジンが脱炭酸反応を受けることによって生じる。4:正\n5:誤\nメチルメルカプタンは、石油精製工場、し尿処理場、下水処理場で発生する悪臭物質である。"} +{"problem_id": "098123", "problem_text": "食品に由来する発がん物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["亜硝酸と二級アミンからのニトロソアミンの生成は、pHが7付近で最も起こりやすい。", "サイカシンは、体内で\\beta -グルコシダーゼによって代謝されたのちメチルカチオンを生じる。", "べンゾ[a]ピレンは、食品の焦げた部分などに含まれる多環芳香族炭化水素の一種である。", "タンパク質を加熱したときに生成するGlu-P-1は、エポキシ体に代謝されて変異原性を示す。", "ジャガイモを揚げたときなどに生成するアクリルアミドは、ヘテロサイクリックアミンの一種である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n亜硝酸と二級アミンからのニトロソアミンの生成は、酸性条件下(pH3付近)で最も起こりやすい。2:正\nサイカシンは、ソテツの実に含まれる発ガン性物質であり、体内で\\beta -グルコシダーゼによって代謝されたのちメチルカチオンを生じる。3:正\nべンゾ[a]ピレンは、多環芳香族炭化水素の一種であり、食品の焦げた部分から検出される発がん性物質である。4:誤\nタンパク質に含まれるグルタミン酸を加熱したときに生成するGlu-P-1(ヘテロサイクリックアミン)は、体内でシトクロムP450によるN-水酸化反応を受けヒドロキシルアミン誘導体となり、その後、アセチル化され、ニトレニウムイオンとなり変異原性を示す。5:誤\nアクリルアミドは、ジャガイモを揚げたときに、アスパラギン酸とグルコースがメイラード反応を起こして生成する物質であり、ヘテロサイクリックアミンではない。ヘテロサイクリックアミンとは、アミノ酸やタンパク質の加熱で生じる変異原性物質のことであり、Trp-P-1、Glu-P-1、MeIQなどがある。"} +{"problem_id": "098124", "problem_text": "腸管出血性大腸菌に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腸管出血性大腸菌による食中毒は、近年(2005〜2010年)の発生件数が最も多い食中毒である。", "感染後産生されるベロ毒素が、重篤な中毒症状を起こす。", "二次感染は起こさない。", "腸管出血性大腸菌感染症は、新興感染症の1つである。", "腸管出血性大腸菌感染症は、感染症法^{(注)}において、二類感染症に分類される。(注: 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n近年(2005〜2010年)において発生件数の多い食中毒は、カンピロバクターやノロウイルスによるものである。2:正\n腸管出血性大腸菌は、感染後ベロ毒素を産生し、それにより、溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起すことがある。3:誤\n腸管出血性大腸菌は、少量の菌でも感染するため、二次感染を引き起すことがある。このように直接食品を介さずに起こる感染を「腸管出血性大腸菌感染症」とよぶ。4:正\n新興感染症とは、「かつて知られていなかった、新しく認識された感染症で、局地的に、あるいは国際的に公衆衛生上問題となる感染症」と定義される。代表的な新興感染症には、腸管出血性大腸菌のほか、後天性免疫不全症候群、クロイツフェルト・ヤコブ病、C型ウイルス肝炎などがある。5:誤\n腸管出血性大腸菌感染症は、感染症法^{(注)}において、三類感染症に分類される。"} +{"problem_id": "098125", "problem_text": "国勢調査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["調査年の7月1日午前0時に国内に常住する者を対象とする。", "人口静態統計である。", "確定人口とは、大規模調査年の人口のことである。", "結果は、生命表の作成に用いられる。", "日本に住んでいる外国人は調査対象に含まれない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n国勢調査は、統計法に基づき、国勢統計を作成する目的で、5年ごと(西暦の末尾が0と5の年)に、調査年の10月1日午前0時に国内に常住する者を対象とする。2:正\n国勢調査は人口静態統計である。3:誤\n国勢調査は、10年ごとの大規模調査と5年ごとの簡易調査に大別される。確定人口とは、大規模調査年及び簡易調査年の人口のことである。4:正\n生命表とは、ある期間における死亡状況(年齢別死亡率)が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の者が1年以内に死亡する確率や平均してあと何年生きられるかという期待値などを死亡率や平均余命などの指標によって表にしたものであり、生命表を作成する際に、確定人口が用いられる。5:誤\n日本に3ヶ月以上常在する外国人も調査対象に含まれる。"} +{"problem_id": "098126", "problem_text": "以下の疫学調査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。イタイイタイ病は富山県神通川地域に発生し、1968(昭和43)年に公害病として認定された疾患である。図1はその当時の神通川地域のカドミウム汚染地域と汚染の程度、図2はその当時の50歳以上女子人口のイタイイタイ病有病率を示したものである。", "choices": ["患者発生地域と汚染地域が一致するために、カドミウムを原因とする仮説が立つ。", "この調査は、介入研究である。", "この調査は、症例対照研究である。", "この調査では、交絡因子に関する情報は得られない。", "この結果からオッズ比を求めることができる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "図1には「水田土壌上層のカドミウムの分布」図2には「50歳以上女子人口のイタイイタイ病有病率(%)」が記載されており、本問では、記載された図1、図2より仮説をたてていることから、この問題における疫学調査は記述疫学に該当する。1:正\n調査結果から、カドミウム汚染地域と患者発生地域はほぼ一致していることから、イタイイタイ病の原因は、カドミウムであるという仮説が成り立つ。2:誤\nこの調査は、記述疫学である。介入研究とは、疾病と因果関係がありそうな要因を人為的に除去あるいは適用し、調査を行うことである。3:誤\nこの調査は、記述疫学である。症例対照研究とは、ある疾患をもつ患者群ともたない対照群について疾病の原因となると思われる要因に過去に曝露されていたかどうかを比較する研究で、オッズ比を求めることにより、研究の対象となる要因と疾患の因果関係を推定することができる。4:正\n交絡因子とは、調べようとする要因以外に調査結果に影響する別の因子のことであり、この調査では、カドミウムとイタイイタイ病有病率以外のことは不明であるため、交絡因子に関する情報は得られない。5:誤\n本問の調査は、記述疫学であるためオッズ比を求めることはできない。"} +{"problem_id": "098127", "problem_text": "「21世紀における国民健康づくり運動」(健康日本21)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["健康を増進し、生活習慣病の発生を予防する「一次予防」に重点をおく。", "運動の概念は、世界保健機関(WHO)がオタワ憲章で提唱したヘルスプロモーションと共通する。", "平均寿命の延伸を目標に掲げている。", "法的基盤は「高齢者の医療の確保に関する法律」である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "健康日本21「21世紀における国民健康づくり運動」の基本理念は、「すべての国民が健康で明るく元気に生活できる社会の実現のために壮年死亡の減少、健康寿命の延伸と健康に関する生活の質の向上を目指し、一人一人が自己の選択に基づいて健康を増進する。そして、その個人の活動を社会全体が支援すること。」となっている。また、基本方針としては、生活習慣病の発生を予防する一次予防の重視、健康づくり支援のための環境整備、健康づくり運動の目標設定とその評価、多様な健康増進運動実施主体機関間の連携があげられる。1:正\n前記参照\n2:正\nオタワ憲章で提唱したヘルスプロモーションとは、「人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし、改善することができるようにするプロセス」と定義され、健康日本21の概念と共通する。3:誤\n健康日本21では、健康寿命の延伸を目標に掲げている。4:誤\n健康日本21の法的基盤は、「健康増進法」である。"} +{"problem_id": "098128", "problem_text": "ディフィシル菌(Clostridium difficile)による偽膜性大腸炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["本菌の不活化には、消毒用エタノールの使用が有効である。", "糞口感染を含む接触感染により、院内感染が拡大しやすい。", "抗菌薬の連続投与により、発症する場合がある。", "発症を確認した場合、使用している抗菌薬の投与量を増やすことが望ましい。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nディフィシル菌は芽胞形成菌であり、消毒用エタノールでは不活化することはできない。なお、ディフィシル菌に有効な消毒薬は、グルタラールや高濃度の次亜塩素酸ナトリウムである。2:正\nディフィシル菌は、院内感染を起こすことがあり、その感染経路は糞口感染を含む接触感染である。3:正\n抗菌薬を連続投与することにより、菌交代現象が起こり、ディフィシル菌による偽膜性大腸炎を引き起すことがある。4:誤\nディフィシル菌による偽膜性大腸炎を発症した場合は、使用している抗菌薬の投与を中止し、バンコマイシン塩酸塩やメトロニダゾールを投与する。"} +{"problem_id": "098129", "problem_text": "生活習慣病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["精神疾患は、生活習慣病に含まれる。", "虚血性心疾患は、我が国における心疾患による死亡の主な原因である。", "喫煙は、歯周病のリスク要因とならない。", "肥満は、高血圧症のリスク要因である。", "「日本人の食事摂取基準(2010年版)」における「推奨量」は、生活習慣病の一次予防を目的として設定された指標である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などは生活習慣病に含まれるが、精神疾患は、生活習慣病に含まれない。2:正\n心疾患による死亡の主な原因は、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)である。3:誤\nタバコの煙には多くの有害物質が含まれており、喫煙を続けることにより歯周病にかかりやすいといわれている。4:正\n高血圧��のリスク要因には、肥満、過剰の塩分摂取などがある。5:誤\n「日本人の食事摂取基準(2010年版)」において、生活習慣病の一次予防を目的として設定された指標は「目標量」である。「推奨量」とは、ある母集団のほとんど(97〜98%)が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量のことである。"} +{"problem_id": "098130", "problem_text": "シトクロムP450に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["還元型が酸素分子と結合すると450 nmに吸収極大を示す。", "NADPH-シトクロムP450還元酵素を介して電子を受け取る。", "活性中心にCu(II)を含有する。", "スーパーオキシドアニオンを利用する。", "還元反応を触媒することがある。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nシトクロムP450の還元型が一酸化炭素と結合すると450 nmに吸収極大を示す。2:正\nシトクロムP450は異物酸化過程で、NADPH-シトクロムP450還元酵素を介して電子を受け取る。3:誤\nシトクロムP450は活性中心にFeを含有している。含まれているFeは、還元型ではFe^{2+}、酸化型ではFe^{3+}として存在している。4:誤\nシトクロムP450は、異物酸化過程で分子状酸素(O_{2})を利用する。5:正\nシトクロムP450は、主に酸化反応を触媒する酵素であるが、嫌気的条件では、還元反応を触媒することがある。"} +{"problem_id": "098131", "problem_text": "代謝活性化に抱合反応が関与するのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nアフラトキシンB_{1}の構造である。アフラトキシンB_{1}はシトクロムP450によってエポキシ化され、代謝活性化される。2:誤\n塩化ビニルの構造である。塩化ビニルはシトクロムP450によってエポキシ化され、代謝活性化される。3:正\n2-アセチルアミノフルオレンの構造である。2-アセチルアミノフルオレンはシトクロムP450によってN-水酸化反応を受けヒドロキシルアミン誘導体となり、その後、硫酸抱合を受け、ニトレニウムイオンやカルボニウムイオンとなる。4:正\n4-ニトロキノリン1-オキシドの構造である。4-ニトロキノリン1-オキシドは体内で還元された後、アシル抱合を受け、4-ヒドロキシアシルアミノキノリン1-オキシドとなる。5:誤\nベンゾ[a]ピレンの構造である。ベンゾ[a]ピレンはシトクロムP450によるエポキシ化及びエポキシドヒドロラーゼによる加水分解を受け、代謝活性化される。"} +{"problem_id": "098132", "problem_text": "メトヘモグロビン血症の原因となる化学物質はどれか。2つ選べ。", "choices": ["アニリン", "イソニアジド", "ニトロベンゼン", "ペニシリン", "\\alpha -メチルドパ"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "メトヘモグロビン血症とは、血液中のメトヘモグロビンが増えた状態である。メトヘモグロビンとは、赤血球内のヘモグロビン中の核をなす2価の鉄イオンが酸化されて3価の鉄イオンになったものであり、酸素結合・運搬能力が失われた状態である。選択肢のうち、メトヘモグロビン血症の原因となる物質は、アニリン及びニトロベンゼンである。アニリンはシトクロムP450によりフェニルヒドロキシルアミンとなり、メトヘモグロビン血症を引き起こし、ニトロベンゼンは腸内細菌によりフェニルヒドロキシルアミンとなり、メトヘモグロビン血症を引き起す。"} +{"problem_id": "098133", "problem_text": "カドミウムに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["現在、我が国で収穫された米からカドミウムは検出されなくなっている。", "ヒトにおけるカドミウムの消化管吸収率は、およそ90%である。", "体内に吸収されたカドミウムは、メタロチオネインと結合することにより毒性が高まる。", "カドミウムは、国際がん研究機関(IARC)において、ヒトに対する発がん性がある化学物質に分類されている。", "カドミウムの主要な慢性毒性は、腎近位尿細管障害である。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n米にはカドミウムが蓄積しやすく、我が国で収穫された米1 kg中には平均してカドミウムが0.06 mg程度含まれている。2:誤\nヒトにおけるカドミウムの消化管吸収率は、2〜6%程度である。3:誤\n体内に吸収されたカドミウムは、メタロチオネインと結合することにより毒性が軽減する。メタロチオネインは、分子量約6000〜7000の低分子タ��パク質であり、重金属に結合することでその毒性を抑制する。4:正\n国際がん研究機関(IARC)では、発がんの原因と考えられる物質について、その発がん性の程度により5つのグループに分類している。カドミウムは、国際がん研究機関(IARC)において、ヒトに対する発がん性がある化学物質(グループ1)に分類されている。5:正\nカドミウムを慢性的に摂取することにより、腎近位尿細管障害が現れる。それにより、カルシウムの再吸収やビタミンDの活性化が阻害され、骨軟化症が引き起される。"} +{"problem_id": "098134", "problem_text": "電離放射線の人体影響に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["影響は、確定的影響と確率的影響とに分けることができる。", "確定的影響には、しきい値が存在しない。", "等価線量は、人体への被曝線量を評価するために用いられる。", "酸素効果とは、酸素の存在により放射線の影響が減弱されることである。", "脂肪組織は、骨髄組織と同程度の感受性を示す。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n電離放射線の人体に対する影響は、確定的影響と確率的影響に分類することができる。2:誤\n確定的影響には、しきい値が存在する。確定的影響においては、しきい値以上の線量の被曝により生体への影響が発生し、受ける線量が多くなるほど障害の大きさが増大する。3:正\n人体への被曝線量を評価するためには、等価線量や実効線量が用いられる。4:誤\n酸素効果とは、酸素の存在により放射線の影響が増大されることである。5:誤\n脂肪組織に比べ、骨髄組織は放射線感受性が高い。"} +{"problem_id": "098135", "problem_text": "各項目で示した性質について、A欄の物質とB欄の物質を比較したとき、A欄の物質がより高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n3,3',4,4'-テトラクロロビフェニル(毒性等価係数: 0.0001)は、2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン(毒性等価係数: 1)に比べ、毒性がより低い。2:正\n亜ヒ酸はヒ酸に比べ、急性毒性がより高い。3:誤\nCHClF_{2}は代替フロンであり、特定フロンであるCCl_{2}F_{2}に比べ、対流圏における安定性が低い。4:正\nアルキルベンゼンスルホン酸塩は、陰イオン性界面活性剤であり、直鎖型の方が分岐鎖に比べ、水圏で分解されやすい。よって、直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸は、分岐鎖型アルキルベンゼンスルホン酸に比べ、水圏における生分解性が高い。"} +{"problem_id": "098136", "problem_text": "COD(化学的酸素要求量)の測定法に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["COD値は、測定法の違いによって異なる。", "過マンガン酸は、二クロム酸より酸化力が強い。", "二クロム酸法では、還流による加熱操作が必要である。", "アルカリ性過マンガン酸法では、Cl^{-}の妨害を防ぐためにAgNO_{3}を用いる。", "酸性高温過マンガン酸法は、工場排水試験のJIS法に用いられている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:正しい\nCODの測定法には、二クロム酸法、酸性高温過マンガン酸法、アルカリ性過マンガン酸法があり、測定法によって得られるCOD値は異なる。2:誤っている\n酸性高温過マンガン酸法やアルカリ性過マンガン酸法は、二クロム酸法に比べ、酸化力が弱い。3:正しい\n二クロム酸法では、還流冷却器を付けて2時間の加熱操作が必要である。4:誤っている\nアルカリ性過マンガン酸法は、Cl^{-}の影響を受けにくいため、Cl^{-}の妨害を防ぐためにAgNO_{3}を用いる必要はない。なお、酸性高温過マンガン酸法では、Cl^{-}の影響を受けるため、Cl^{-}の妨害を防ぐためにAgNO_{3}を用いる。5:正しい"} +{"problem_id": "098137", "problem_text": "大気中窒素酸化物の定量法であるザルツマン法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ザルツマン法を用いた自動測定器による連続自動測定法は、環境基準の測定法として用いられている。", "サーマルNO_{x}とフューエルNO_{x}を分別定量することができる。", "酸化剤として硫酸酸性の過マンガン酸カリウム溶液が用いられる。", "ザルツマン試薬は、NOとNO_{2}の両方と反応する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "ザルツマン法は、NO_{2}を含む試料空気をザルツマン試薬(N-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩、スルファニル酸および酢酸の混合溶液)に通じると、ジアゾ化反応が起こり、液が橙赤色を呈することを利用したNO_{2}濃度の測定方法である。1:正\n大気中のNO_{2}などの窒素酸化物を規制する環境基準の測定法として、ザルツマン法を用いた自動測定器による連続自動測定法が用いられている。2:誤\nザルツマン法では、NOとNO_{2}を分別定量することはできるが、サーマルNO_{x}とフューエルNO_{x}を分別定量することはできない。・サーマルNO_{x}: 高温燃焼に起因する大気中の窒素の酸化により生成する窒素酸化物\n・フューエルNO_{x}: 燃料中の窒素化合物の酸化により生成する窒素酸化物\n3:正\n大気中のNOを測定するために、酸化剤として硫酸酸性の過マンガン酸カリウム溶液を用いる。4:誤\nザルツマン試薬は、大気中のNO_{2}と反応することができるが、NOとは反応しない。"} +{"problem_id": "098138", "problem_text": "アスマン通風湿度計と乾カタ温度計を用いて、室温25^{\\circ} Cの部屋における感覚温度を測定するときの感覚温度の高低に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["同じ乾カタ温度計を用いるならば、そのアルコール柱が38^{\\circ} Cから35^{\\circ} Cに降下する時間が長い方が、感覚温度は低い。", "乾カタ温度計のアルコール柱が38^{\\circ} Cから35^{\\circ} Cに降下する時間が同じならば、その温度計のカタ係数が大きい方が、感覚温度は低い。", "気動が小さい方が、感覚温度は低い。", "気湿が高い方が、感覚温度は低い。", "アスマン通風湿度計の湿球示度が低い方が、感覚温度は低い。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n同じ乾カタ温度計を用いた場合、アルコール柱が38^{\\circ} Cから35^{\\circ} Cに降下する時間が長い方が、冷却力が小さいため、感覚温度が高い。2:正\n乾カタ温度計のアルコール柱が38^{\\circ} Cから35^{\\circ} Cに降下する時間が同じ場合、温度計のカタ係数が大きい方が、冷却力が大きいため、感覚温度は低い。3:誤\n室温25^{\\circ} Cにおいて、気動が小さい方が、感覚温度は高い。4:誤\n室温25^{\\circ} Cにおいて、気湿が高い方が、感覚温度は高い。5:正\nアスマン通風湿度計の湿球示度が低い方が、湿度が低いため、感覚温度は低い。"} +{"problem_id": "098139", "problem_text": "マニフェスト(産業廃棄物管理票)を発行しなければならない場合はどれか。2つ選べ。", "choices": ["排出事業者が、自治体が指定した収集・運搬業者に事業系ゴミの収集を依頼する場合。", "排出事業者が、産業廃棄物を自ら処理(自己処理)する場合。", "処分業者が、中間処理したものをさらに最終処分業者に委託する場合。", "排出事業者が、特別管理産業廃棄物の処理を他人に委託する場合。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "マニフェスト(産業廃棄物管理票)とは、産業廃棄物の排出事業者が、産業廃棄物の処理を処理業者に委託する場合に、不法投棄等の不適正処理の防止を図るために発行される管理表のことである。1:誤\n排出事業者が、自治体が指定した収集・運搬業者に事業系ゴミの収集を依頼する場合、マニュフェストを発行する必要はない。2:誤\n排出事業者が、産業廃棄物を自己処理する場合、マニュフェストを発行する必要はない。3:正\n処分業者が、産業廃棄物を中間処理したものをさらに最終処分業者に委託する場合、マニュフェストを発行する必要がある。4:正\n排出事業者が、特別管理産業廃棄物の処理を他人に委託する場合、マニュフェストを発行する必要がある。"} +{"problem_id": "098140", "problem_text": "大気中の濃度について環境基準が定められている物質はどれか。2つ選べ。", "choices": ["トルエン", "ダイオキシン類", "ホルムアルデヒド", "光化学オキシダント", "ジクロロプロパン"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "大気中の濃度について環境基準が定められている物質については、「大気に係る環境基準」で以下のように定められている。1.大気汚染に係る環境基準\n規制対象物質: 二酸化硫黄、一酸化炭素、浮遊粒子状物質、二酸化窒素、光化学オキシダント\n2.有害大気汚染物質に係る環境基準\n規制対象物質: ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン\n3.ダイオキシン類に係る環境基準\n規制対象物質: ダイオキシン類\n4.微小粒子状物質に係る環境基準\n規制対象物質: 微小粒子状物質"} +{"problem_id": "098141", "problem_text": "医薬品等の製造業の許可に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方せん医薬品を製造するには、第一種医薬品製造業の許可を受ける必要がある。", "薬局等構造設備規則に適合することが、許可の要件となっている。", "医薬品製造業の許可を受けていれば、医薬部外品も製造することができる。", "製造品目を追加する場合には、追加品目ごとに許可申請が必要である。", "薬局製造販売医薬品を製造する薬局は、薬局ごとに製造業の許可が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n第一種医薬品製造業の許可は存在せず、第一種医薬品製造販売業の許可が存在する。処方せん医薬品の製造販売するためには、第一種医薬品製造販売業の許可が必要である。2:正\n製造業の許可基準には、構造設備基準、申請者の適否基準がある。構造設備基準は「薬局等構造設備規則」に規定されている。3:誤\n医薬品製造業の許可を受けていても、医薬部外品を製造することはできない。医薬品等の製造業の許可は、許可区分(医薬品、医薬部外品、化粧品)に従い製造所ごとに与えられる。4:誤\n製造業の許可は、許可区分(医薬品、医薬部外品、化粧品)に従い製造所ごとに与えられるため、同じ許可区分内の品目を追加する場合であれば、新たに製造業の許可を受ける必要はない。5:正\n薬局製造販売医薬品を製造する薬局は、薬局ごとに製造販売業の許可及び製造業の許可が必要である。"} +{"problem_id": "098142", "problem_text": "消費者への販売に当たり、薬事法に基づく販売業の許可及び薬局開設の許可のいずれも必要としないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["高度管理医療機器", "特定保守管理医療機器", "指定医薬部外品(有効成分の名称・分量を表示すべきものとして厚生労働大臣が指定した医薬部外品)", "日本薬局方ブドウ酒", "人の身体の構造に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、機械器具等でないもの(医薬部外品及び化粧品を除く。)"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:許可が必要\n高度管理医療機器を消費者に販売するためには、高度管理医療機器の販売業の許可が必要である。2:許可が必要\n特定保守管理医療機器を消費者に販売するためには、特定保守管理医療機器の販売業の許可が必要である。3:許可が不要\n4:許可が必要\n日本薬局方ブドウ酒は医薬品である。医薬品を消費者に販売するためには、医薬品販売業の許可又は薬局開設の許可が必要である。5:許可が必要\n設問の記述は医薬品の定義に該当する。医薬品を消費者に販売するためには、医薬品販売業の許可又は薬局開設の許可が必要である。"} +{"problem_id": "098143", "problem_text": "毒薬又は劇薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["経口投与での急性毒性(LD_{50})は、毒薬又は劇薬を指定するときの基準として用いられる。", "毒薬には、その直接の容器又は直接の被包に、白地に黒枠、黒字をもって、その品名及び「毒」の文字を記載する。", "毒薬又は劇薬を譲渡する際に譲受人から交付される文書には、品名、数量、使用目的等の記載が必要である。", "劇薬を貯蔵又は陳列する場所には、施錠が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n毒薬、劇薬を指定するときの基準として、急性毒性(LD_{50})が用いられる。経口投与において、LD_{50}が30 mg/kg以下のものを毒薬に指定し、LD_{50}が300 mg/kg以下のものを劇薬に指定している。2:誤\n毒薬には、その直接の容器又は直接の被包に、黒地に白枠、白字をもって、その品名及び「毒」の文字を記載する。3:正\n毒薬又は劇薬を譲渡する際に譲受人から交付される文書には、品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲受人の氏名、住所、職業、署名又は押印が必要である。4:誤\n劇薬を貯蔵又は陳列する場所には、施錠は不要である。なお、毒薬を貯蔵又は陳列する場所には、施錠する必要がある。"} +{"problem_id": "098144", "problem_text": "調剤に関わる薬剤師法の規定のうち、条文に例外規定があるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方せん���よらなければ調剤してはならないこと", "薬剤師でない者は調剤してはならないこと", "調剤した薬剤の容器又は被包に法定事項を記載すること", "調剤した薬剤について適正な使用のための情報を提供すること", "薬局以外の場所で調剤してはならないこと"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:例外規定なし\n薬剤師は、医師、歯科医師又は獣医師の処方せんによらなければ、販売又は授与の目的で調剤してはならない。2:例外規定あり\n原則として、薬剤師でないものは調剤してはならないが、医師、歯科医師、獣医師は、自己の処方せんにより調剤することができる。3:例外規定なし\n調剤した薬剤の容器又は被包には、患者の氏名、用法・用量、調剤年月日、調剤した薬剤師の氏名、調剤した薬局等の所在地を記載しなければならない。4:例外規定なし\n薬剤師は、調剤したときは、患者又はその看護に当たっている者に対し、調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報を提供しなければならない。5:例外規定あり\n薬剤師は、原則として、薬局以外の場所で調剤を行ってはならない。ただし、病院又は診療所等の調剤所で院内調剤を行うことができる。また、災害等の特殊な事情により薬局で調剤することができない場合には薬局以外の場所で調剤することが可能である。"} +{"problem_id": "098145", "problem_text": "医療提供体制の確保に関する医療法の規定について、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["基本方針は、良質かつ適切な医療を効率的に提供するために定める。", "基本方針は、都道府県知事が定める。", "医療計画は、市町村(特別区を含む)ごとに作成される。", "都道府県は、医療従事者の確保のための事項を定める。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n厚生労働大臣は、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図るための基本的な方針を定めるものとする。2:誤\n基本方針は、厚生労働大臣が定める。3:誤\n医療計画は、厚生労働大臣が定めた基本方針に従い、都道府県ごとに作成される。4:正\n都道府県が定める医療計画には、医師・歯科医師・薬剤師・看護師その他医療従事者の確保に関する事項が含まれている。"} +{"problem_id": "098146", "problem_text": "毒物及び劇物取締法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬局開設者は、毒物又は劇物の販売業の登録を受けなくても、毒物又は劇物を販売することができる。", "毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を直接に取り扱う製造所、営業所又は店舗ごとに、原則として、専任の毒物劇物取扱責任者を置かなければならない。", "毒物又は劇物の販売業の登録には、一般販売業の登録、農業用品目販売業の登録、家庭用品目販売業の登録及び特定品目販売業の登録の4種がある。", "毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を交付する場合には、交付の相手方が18歳未満の者でないことを確認しなければならない。", "毒物劇物営業者は、劇物の容器及び被包に、「医薬用外」及び「劇物」の文字の表示があれば、その劇物を貯蔵する場所に、これらの文字を表示しなくてもよい。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n薬局開設者であっても、毒物又は劇物の販売業の登録を受けたものでなければ、毒物又は劇物を販売することはできない。2:正\n3:誤\n毒物又は劇物の販売業の登録には、家庭用品目販売業の登録はない。毒物又は劇物の販売業の登録には、一般販売業の登録、農業用品目販売業の登録、特定品目販売業の登録の3種がある。4:正\n毒物又は劇物は、18歳未満の者、精神障害者、麻薬等の中毒者に交付が禁止されている。よって、毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を交付する場合には、交付の相手方が18歳未満の者でないことを確認しなければならない。5:誤\n毒物劇物営業者は、劇物の容器及び被包に加え、その劇物を貯蔵する場所に、「医薬用外」及び「劇物」の文字の表示をしなければならない。"} +{"problem_id": "098147", "problem_text": "以下の医薬品によって健康被害が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度の救済対象となり得るのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["家族の他の者に処方された抗生物質", "薬局製造販売医薬品", "在宅医療のために処方された麻薬", "国内では開発中のため海外から個人輸入した降圧薬"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "医薬品副作用被害救済制度の救済対象となり得るのは、許可医薬品が適正な使用目的に従い、適正に使用されたにもかかわらず、発生した有害反応の場合である。1:誤\n患者自身以外に処方された医薬品を使用することは、許可医薬品の不適切な使用に該当するため、医薬品副作用被害救済制度の救済対象とはならない。2:正\n薬局製造販売医薬品は、許可医薬品に該当するため、医薬品副作用被害救済制度の救済対象となる。3:正\n在宅医療のために処方された麻薬は、許可医薬品の適切な使用に該当するため、医薬品副作用被害救済制度の救済対象となる。4:誤\n国内では開発中のため海外から個人輸入した降圧薬は、許可医薬品に該当しないため、医薬品副作用被害救済制度の救済対象とはならない。"} +{"problem_id": "098148", "problem_text": "健康保険法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["保険薬局でなければ、保険調剤を行うことはできない。", "保険薬剤師の登録の有効期間は、6年である。", "保険薬局で保険調剤を行う薬剤師は、全員が保険薬剤師の登録を受けなければならない。", "保険医療機関の指定を受けた病院で調剤を行う薬剤師は、保険薬剤師の登録を受けなければならない。", "保険薬局が、調剤報酬を不正に請求した場合には、地方社会保険医療協議会に諮問することなく、保険薬局の指定が取り消される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n保険薬局の指定を受けた薬局でなければ、保険調剤を行うことはできない。2:誤\n保険薬剤師の登録は、登録の取り消しを受けない限り有効である。3:正\n保険薬局において、保険調剤に従事する薬剤師は保険薬剤師の登録を受けなければならない。4:誤\n保険医療機関で調剤を行う薬剤師は、保険薬剤師の登録を受ける必要はない。5:誤\n厚生労働大臣が保険薬局の指定を取り消そうとするときには、地方社会保険医療協議会に諮問する必要がある。"} +{"problem_id": "098149", "problem_text": "医薬品の再評価制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["当該医薬品の承認時の医学・薬学の水準に基づいて評価が行われる。", "臨床試験の実施を必要とする場合がある。", "新有効成分含有医薬品は、通常、承認から8年後に再評価の対象となる。", "希少疾病用医薬品は対象にならない。", "製造販売業者が提出した資料の調査は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が行う。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n再評価制度は、既に承認されている医薬品について、現時点の医学・薬学等の学問水準に照らして、品質、有効性及び安全性を確認する制度である。2:正\n再評価を行うに当たり、製造販売後臨床試験を実施する場合がある。3:誤\n厚生労働大臣が再評価を受けるべき旨を公示したときに、再評価の対象となる。なお、新有効成分含有医薬品は、通常、承認から8年後に再審査の対象となる。4:誤\n希少疾病用医薬品も再評価制度の対象となる。5:正\n厚生労働大臣は、製造販売業者が提出した資料の調査を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に行わせることができる。"} +{"problem_id": "098150", "problem_text": "薬剤師が患者に応対するときのコミュニケーション技法又は態度についての説明のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["開いた質問の利点として、必要な情報を限られた時間で効率よく得られることがあげられる。", "共感的態度とは、患者が感じていることを、薬剤師ができる限り同じように感じようとする態度である。", "パターナリズムに基づく医療では、十分な説明を受けた患者の意思が医療の方針に反映される。", "アサーションを用いた表現法では、患者の権利や主張を考慮に入れながら、薬剤師が主張したいことを伝える。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n開いた質問とは、患者が自由に回答できる質問方法であり、その利点として、一度に多くの情報を得ることができることがあげられる。なお、設問の内容は、閉じた質問の利点についての記述である。2:正\n共感的態度とは、薬剤師が患者の感情を共有し、患者と同じように感じようとする態度のこと��ある。3:誤\nパターナリズムとは、強い立場にある者(医療者)が、弱い立場(患者)にある者の利益になるように、本人の意思に反して行動に介入・干渉することである。よって、パターナリズムに基づく医療では、十分な説明を受けた患者の意思が医療の方針に反映されない。4:正\nアサーションとは、自分の意見も相手の意見も大切にする自己表現のことである。アサーションを用いた表現法では、患者のことも考慮に入れながら、薬剤師の主張したいことも伝える。"} +{"problem_id": "098151", "problem_text": "グラフは、摘出平滑筋の収縮に対する薬物Aと薬物Bの濃度-反応曲線を示している。この実験結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、これらの薬物は同一の受容体結合部位にのみ作用し、また、受容体への結合は可逆的で速やかに起こるものとする。", "choices": ["薬物Aは部分刺激薬(partial agonist)である。", "薬物AのpD_{2}値は約6である。", "薬物Bは完全刺激薬(full agonist)であり、その内活性(intrinsic activity)は100である。", "10^{-5}Mの薬物Bによる収縮は、10^{-6} Mの薬物Aにより抑制されると推定できる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nグラフより、薬物Aの薬物濃度が上昇しても、最大反応に対して50%の収縮を示していることから、薬物Aは部分刺激薬(partial agonist)であるといえる。2:誤\npD_{2}値は、その薬物の最大反応の50%の反応を示す薬物濃度(EC_{50})の負の対数である。よって、薬物AのおよそのpD_{2}値はグラフより、pD_{2}値=-log(EC_{50})=-log10^{-7}=7となる。3:誤\nグラフより、薬物Bの薬物濃度が上昇すると、最大反応(100%の収縮)を示していることから、薬物Bは完全刺激薬(full agonist)であり、また、その内活性は1であるといえる。4:正\nグラフより、10^{-6}Mの薬物Aも10^{-5}Mの薬物Bもそれぞれの最大反応を示す用量であり、受容体に最大限結合する濃度である。よって、10^{-6}Mの薬物Aと10^{-5} Mの薬物Bを併用すると、同一の受容体において競合的阻害現象が起こり、薬物A(部分刺激薬)により薬物B(完全刺激薬)の収縮は抑制されると推定できる。"} +{"problem_id": "098152", "problem_text": "薬物依存に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["テトラヒドロカンナビノールは、身体的依存を生じるが、精神的依存は生じない。", "エタノールは、身体的依存及び精神的依存を生じる。", "休薬により退薬症状を生じる状態を、身体的依存と呼ぶ。", "依存性薬物は、脳内報酬系におけるドパミン作動性神経を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nテトラヒドロカンナビノールは、大麻の主成分であり、精神的依存は生じるが、身体的依存はほとんど生じない。2:正\nエタノールは、身体的依存及び精神的依存に加え、耐性も生じる。3:正\n身体的依存とは、身体が薬物の存在下に適応した状態であり、休薬により退薬症状(離脱症状)を発現する状態のことである。4:誤\n精神的依存の形成・維持には、脳内報酬系といわれる中脳辺縁系ドパミン作動性神経系の活性化が関与している。依存性薬物は、脳内報酬系におけるドパミン作動性神経を活性化する。"} +{"problem_id": "098153", "problem_text": "交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アテノロールは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断し、脳血管平滑筋を弛緩させる。", "ドブタミンは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激し、鼻粘膜の血管を収縮させる。", "メトキサミンは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を刺激し、末梢血管を収縮させる。", "プロカテロールは、アドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激し、気管支平滑筋を弛緩させる。", "エフェドリンは、交感神経終末でのノルアドレナリンの再取り込みを促進し、気管支平滑筋を弛緩させる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nアテノロールは、選択的アドレナリン\\beta _{1}受容体遮断薬であり、心機能低下作用、レニン分泌抑制作用を示す。2:誤\nドブタミンは、選択的アドレナリン\\beta _{1}受容体刺激薬であり、心機能亢進作用を示す。3:正\nメトキサミンは、選択的アドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激薬であり、血管収縮作用を示す。4:正\nプロカテロールは、選択的アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬であり、気管支平滑筋弛緩作用を示す。5:誤\nエフェドリンは、直接アドレナリン\\beta 受容体を刺激するとともに、交感神経終末に作用してノルアドレナリンの遊離を促進することにより、気管支平滑筋弛緩作用を示す。"} +{"problem_id": "098154", "problem_text": "中枢性及び末梢性筋弛緩薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ベクロニウムは、筋小胞体のリアノジン受容体を遮断する。", "ダントロレンは、骨格筋のニコチン性アセチルコリン受容体を遮断する。", "チザニジンは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激し、脊髄多シナプス反射を抑制する。", "スキサメトニウムは、血漿中のコリンエステラーゼにより加水分解を受けて活性体を生じる。", "A型ボツリヌス毒素は、運動神経終末からのアセチルコリン遊離を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nベクロニウムは、骨格筋のニコチンN_{M}受容体を競合的に遮断する。2:誤\nダントロレンは、筋小胞体のリアノジン受容体を遮断する。3:正\nチザニジンは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激し、脊髄多シナプス反射を抑制することで筋弛緩作用を示す。4:誤\nスキサメトニウムは、血漿中のコリンエステラーゼにより加水分解され不活性化される。5:正\nA型ボツリヌス毒素は、運動神経終末からのアセチルコリン遊離を抑制し、筋弛緩作用を示す。"} +{"problem_id": "098155", "problem_text": "催眠薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ゾルピデムは、ベンゾジアゼピンω_{1}受容体に選択性の高い催眠薬で、筋弛緩作用に基づく副作用は少ない。", "ラメルテオンは、メラトニン受容体を刺激し、睡眠覚醒リズムを調節する。", "エスタゾラムは、中枢のヒスタミンH_{1}受容体を遮断し、睡眠を導入する。", "フェノバルビタールは、抗痙れん作用が現れる用量以下で鎮静・催眠を引き起こす。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nゾルピデムは、鎮静・催眠作用に関与するベンゾジアゼピンω_{1}受容体に選択性の高い催眠薬であり、筋弛緩作用に関与するベンゾジアゼピンω_{2}受容体にほとんど作用しないため、筋弛緩作用に基づく副作用は少ない。2:正\nラメルテオンは、メラトニンMT_{1}及びMT_{2}受容体を刺激し、睡眠覚醒リズムを調節する。3:誤\nエスタゾラムは、GABA_{A}受容体-Cl^{-}チャネル複合体のベンゾジアゼピン受容体に結合することで、睡眠作用を示す。4:誤\nフェノバルビタールは、鎮静・催眠作用が現れる用量以下で抗痙れん作用を引き起こす。"} +{"problem_id": "098156", "problem_text": "抗てんかん薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カルバマゼピンは、電位依存性Na^{+}チャネルを遮断し、強直間代発作を抑制する。", "バルプロ酸は、セロトニン5-HT_{1A}受容体を遮断し、すべての型の全般発作を抑制する。", "プリミドンはGABAトランスアミナーゼを阻害するので、フェノバルビタールとの併用で相乗効果が期待できる。", "クロナゼパムは、ベンゾジアゼピン受容体を遮断し、複雑部分発作を抑制する。", "エトスクシミドは、T型Ca^{2+}チャネルを遮断し、欠神発作を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nカルバマゼピンは、電位依存性Na^{+}チャネルを遮断し、Na^{+}流入を抑制することで、強直間代発作や部分発作を抑制する。2:誤\nバルプロ酸は、GABAトランスアミナーゼを阻害し、GABAの分解を抑制することで、すべての型の全般発作を抑制する。3:誤\nプリミドンは、生体内で一部代謝され、フェノバルビタールとなり、GABA_{A}-Cl^{-}チャネル複合体のバルビツレート結合部に結合することで抗けいれん作用を示す。プリミドンとフェノバルビタールは作用点が同じであるため、併用すると相加効果が期待できるが、相乗効果は期待できない。4:誤\nクロナゼパムは、GABA_{A}受容体-Cl^{-}チャネル複合体のベンゾジアゼピン受容体に結合することで、複雑部分発作やミオクロニー発作などを抑制する。5:正\nエトスクシミドは、T型Ca^{2+}チャネルを遮断し、T電流を減少させることで欠神発作を抑制する。"} +{"problem_id": "098157", "problem_text": "心不全治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カルペリチドは、アデニル酸シクラーゼを活性化し、利尿作用と血管拡張作用を示す。", "デノパミンは、アドレナリン\\beta _{1}受容体を刺激し、心筋収縮力を増大させる。", "エナラプリルは、アンギオテンシンAT_{1}受容体を遮断し、心負荷を軽減させる。", "オルプリノンは、グアニル酸シクラーゼを直接活性化し、心筋収縮力を増大させる。", "ピモベンダンは、トロポニンのCa^{2+}感受性を上昇させ、心筋収縮力を増大させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nカルペリチドは、遺伝子組換え\\alpha 型ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)製剤であり、ANP受容体に結合し、グアニル酸シクラーゼを活性化して細胞内のcGMP濃度を上昇させることにより血管拡張作用及び利尿作用を示す。2:正\nデノパミンは、選択的アドレナリン\\beta _{1}受容体刺激薬であり、心筋収縮力増強作用を示す。3:誤\nエナラプリルは、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬であり、アンギオテンシンIIの生成を抑制する。これにより、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系の亢進を抑制し、心負荷を軽減させる。4:誤\nオルプリノンは、ホスホジエステラーゼIIIを選択的に阻害し、心筋細胞内cAMP濃度を上昇させることで、心筋収縮力増強作用を示す。5:正\nピモベンダンは、心筋の収縮調節タンパク質(トロポニンC)のCa^{2+}に対する感受性増強作用とホスホジエステラーゼ阻害作用により、心筋収縮力を増大させる。"} +{"problem_id": "098158", "problem_text": "虚血性心疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジピリダモールは、アデノシンの細胞内への取り込みを促進し、冠血管を拡張させる。", "ニトログリセリンは、静脈還流量を減少させ、心臓に対する前負荷を軽減する。", "ビソプロロールは、心拍数と収縮力を減少させることで、心筋の酸素消費量を低下させる。", "ニコランジルは、ATP感受性K^{+}チャネルを遮断し、冠血管を拡張させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nジピリダモールは、アデノシントランスポーターを阻害することで赤血球へのアデノシンの取り込みを抑制し、血液中アデノシン濃度を上昇させることで、冠血管を拡張させる。2:正\nニトログリセリンは、生体内で一酸化窒素を遊離し、グアニル酸シクラーゼの活性化を介してcGMP濃度を上昇させることで、血管拡張作用を示す。静脈が拡張すると、静脈還流量が減少するため、ニトログリセリンは、心臓に対する前負荷を軽減させる。3:正\nビソプロロールは、選択的にアドレナリン\\beta _{1}受容体を遮断することで、心機能を抑制して心筋の酸素消費量を低下させる。4:誤\nニコランジルは、一酸化窒素遊離作用とATP感受性K^{+}チャネル開口作用により、血管拡張作用を示す。"} +{"problem_id": "098159", "problem_text": "利尿薬に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["マンニトールは、尿細管からほとんど再吸収されず、尿細管腔内の浸透圧を上昇させる。", "ブメタニドは、近位尿細管においてNa^{+}-H^{+}交換系を阻害する。", "トリアムテレンは、遠位尿細管から集合管においてNa^{+}チャネルを遮断し、Na^{+}の再吸収を抑制する。", "トリクロルメチアジドは、遠位尿細管においてNa^{+}-Cl^{-}共輸送系を抑制する。", "カンレノ酸は、アルドステロン受容体を遮断し、Na^{+}の再吸収を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\nマンニトールは、浸透圧性利尿薬であり、尿細管管腔内の浸透圧を上昇させ、尿細管からの水の再吸収を抑制することで利尿作用を示す。2:誤っている\nブメタニドは、ループ利尿薬であり、腎臓尿細管のヘンレ係蹄上行脚においてNa^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送系を抑制することで利尿作用を示す。3:正しい\nトリアムテレンは、K保持性利尿薬であり、遠位尿細管末部や集合管のNa^{+}チャネルを遮断し、Na^{+}-K^{+}交換系を間接的に抑制することで利尿作用を示す。4:正しい\nトリクロルメチアジドは、チアジド系利尿薬であり、主に遠位尿細管においてNa^{+}-Cl^{-}共輸送系を抑制することで利尿作用を示す。5:正しい\nカンレノ酸は、抗アルドステロン薬であり、遠位尿細管から集合管においてアルドステロン受容���を遮断し、Na^{+}-K^{+}交換系を抑制することで利尿作用を示す。"} +{"problem_id": "098160", "problem_text": "呼吸興奮薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素を抑制することで代謝性アルカローシスを起こし、呼吸中枢を刺激する。", "ジモルホラミンは、延髄の呼吸中枢に直接作用し、呼吸興奮を起こす。", "フルマゼニルは、ベンゾジアゼピン受容体に結合し、ベンゾジアゼピン系薬による呼吸抑制を改善する。", "ドキサプラムは、オピオイド\\micro 受容体を遮断し、モルヒネによる呼吸抑制を改善する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nアセタゾラミドは、炭酸脱水酵素を抑制することで代謝性アシドーシスを起こし、呼吸中枢を刺激する。それにより、換気量が増大するため、呼吸性アシドーシスや睡眠時無呼吸症候群が改善する。2:正\nジモルホラミンは、延髄の呼吸中枢に直接作用し、呼吸興奮作用を示すことに加え、血管運動中枢に直接作用し、血圧上昇作用を示す。3:正\nフルマゼニルは、ベンゾジアゼピン受容体遮断薬であり、ベンゾジアゼピン系薬による呼吸抑制を改善する。4:誤\nドキサプラムは、主に頸動脈小体及び大動脈小体の末梢化学受容器を介して呼吸中枢を興奮させることで麻酔時や中枢神経抑制薬による中毒における呼吸抑制を改善する。"} +{"problem_id": "098161", "problem_text": "抗アレルギー薬の薬物名及び主たる作用機序の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nオザグレルは、トロンボキサン合成酵素を阻害し、TXA_{2}産生を抑制することにより気道収縮抑制作用を示す。2:誤\nザフィルルカストは、ロイコトリエン(LT)受容体を遮断することにより気管支収縮抑制作用を示す。3:正\nスプラタストは、ヘルパーT細胞からのインターロイキン4の産生を抑制し、IgE抗体産生を抑制する。4:誤\nラマトロバンは、TXA_{2}受容体を遮断することにより抗アレルギー作用を示す。5:誤\nオロパタジンは、ヒスタミンH_{1}受容体遮断作用及びケミカルメディエーター遊離抑制作用により抗アレルギー作用を示す。"} +{"problem_id": "098162", "problem_text": "消化器系疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ラモセトロンは、セロトニン5-HT_{3}受容体の刺激により、下痢型過敏性腸症候群の症状を改善する。", "アトロピンは、Oddi括約筋のれん縮を抑制する目的で、急性膵炎の疼痛の治療時にモルヒネと併用される。", "モサプリドは、消化管のドパミンD_{2}受容体の遮断により、アセチルコリンの遊離を増大させ、消化管運動を促進する。", "ラクツロースは、腸内で乳酸菌により分解されて有機酸を遊離し、アンモニア産生菌の生育を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nラモセトロンは、セロトニン5-HT_{3}受容体遮断薬であり、セロトニンによる腸管収縮を抑制するため下痢型過敏性腸症候群を改善する。2:正\n急性膵炎の疼痛時にモルヒネが用いられる場合、モルヒネのOddi括約筋収縮作用により膵液の排出が抑制されることが問題となる。この問題を解決するため、Oddi括約筋収縮を抑制する目的で、抗コリン薬であるアトロピンが併用される。3:誤\nモサプリドは、セロトニン5-HT_{4}受容体を刺激薬し、コリン作動性神経からのアセチルコリン遊離を増大させることで消化管運動を促進する。4:正\nラクツロースは、消化管内の腸内細菌により乳酸及び酢酸となり、腸管内のpHを低下させることでアンモニア産生菌の生育を抑制する。"} +{"problem_id": "098163", "problem_text": "副腎皮質ホルモンとそれに関連する薬物に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メチラポンは、11\\beta -ヒドロキシラーゼ(CYP11B1)の阻害によりコルチゾール産生を抑制する。", "リシノプリルは、アンギオテンシンIIの産生阻害により、副腎皮質におけるアルドステロン分泌を抑制する。", "ヒドロコルチゾンは、細胞内に存在する受容体と複合体を形成し、標的遺伝子に結合することで遺伝子発現を変化させる。", "デキサメタゾンは、コルチゾールに比べて、糖質コルチコイド作用は強いが、鉱質コルチコイド作用は弱い。", "エプレレノンは、糖質コルチコイド受容体の遮断により利尿作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nメチラポンは、ステロイドホルモンの生合成過程において11\\beta -ヒドロキシラーゼ(CYP11B1)を阻害し、コルチゾール産生を抑制する。脳下垂体前葉の機能が正常であれば、血中コルチゾール濃度が低下することにより、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌が亢進するため、下垂体ACTH分泌能検査に用いられる。2:正しい\nリシノプリルは、アンギオテンシン変換酵素を阻害し、アンギオテンシンIIの産生を阻害することにより副腎皮質からのアルドステロン分泌を抑制する。3:正しい\nヒドロコルチゾンは、ステロイドホルモンであり、細胞質に存在するステロイドホルモンの受容体と複合体を形成し、転写因子として作用することにより遺伝子発現を変化させる。4:正しい\nデキサメタゾンは、合成糖質コルチコイド製剤であり、天然糖質コルチコイドであるコルチゾールと比較し、糖質コルチコイド作用は強いが、鉱質コルチコイド作用は弱い。5:誤っている\nエプレレノンは、鉱質コルチコイド(アルドステロン)受容体を選択的に遮断することにより、腎でのNa^{+}-K^{+}交換系を抑制して利尿作用を示す。"} +{"problem_id": "098164", "problem_text": "骨粗しょう症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アレンドロン酸は、ヒドロキシアパタイドに結合し、骨芽細胞の機能を亢進する。", "イプリフラボンは、副甲状腺ホルモン受容体を遮断し、骨形成を促進する。", "エルカトニンは、カルシトニンの分泌を促進し、骨粗しょう症の疼痛を緩和する。", "カルシトリオールは、活性型ビタミンD_{3}製剤で、Ca^{2+}の腸管からの吸収及び腎臓での再吸収を促進する。", "ラロキシフェンは、エストロゲン受容体を刺激し、骨吸収を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nアレンドロン酸は、ビスホスホネート製剤であり、ヒドロキシアパタイトに結合し破骨細胞の活性化を抑制することにより骨吸収を抑制する。2:誤\nイプリフラボンは、カルシトニン分泌を促進するとともに、直接的に破骨細胞の機能を抑制することにより、骨吸収を抑制する。3:誤\nエルカトニンは、カルシトニン製剤であり、カルシトニン受容体に結合し骨吸収を抑制するとともに、骨粗しょう症による疼痛も抑制する。4:正\nカルシトリオールは、活性型ビタミンD_{3}製剤であり、腸管からのCa^{2+}吸収及び腎でのCa^{2+}再吸収を促進することで、血中Ca^{2+}濃度を上昇させるとともに、破骨細胞、骨芽細胞を活性化させて、骨代謝回転を亢進させる。5:正\nラロキシフェンは、エストロゲン受容体刺激作用及び遮断作用を示す選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)であり、骨のエストロゲン受容体を刺激することで骨吸収を抑制する。また、ラロキシフェンは、乳房細胞や子宮内膜においてエストロゲン受容体を遮断するため、乳がんや子宮体がんの発症を抑制する。"} +{"problem_id": "098165", "problem_text": "抗菌薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["バンコマイシンは、ペプチドグリカン末端に結合し、細胞壁の合成を阻害する。", "ミノサイクリンは、細胞膜を障害し、細菌の細胞内物質を漏出させる。", "イソニアジドは、ミコール酸の生合成を阻害し、結核菌に対して抗菌作用を示す。", "ホスホマイシンは、細菌のリボソーム30Sサブユニットに作用し、アミノアシルtRNAとリボソームの結合を阻害する。", "セフジニルは、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、RNA合成を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nバンコマイシンは、細菌の細胞壁合成酵素の基質であるD-アラニル-D-アラニンに結合し、細菌の細胞壁合成を阻害する。2:誤\nミノサイクリンは、テトラサイクリン系抗菌薬であり、70Sリボソームの30Sサブユニットに結合することことにより細菌のタンパク質合成を阻害する。3:正\nイソニアジドは、結核菌に特異的な細胞壁成分であるミコール酸の生合成を阻害することで、抗結核作用を示す。4:誤\nホスホマイシンは、細菌の細胞壁の成分であるペプチドグリカンの合成を初期段階で抑制し��細菌の細胞壁合成を阻害する。5:誤\nセフジニルは、セフェム系抗生物質であり、細菌の細胞壁合成酵素であるトランスペプチダーゼ(ペニシリン結合タンパク質: PBP)に結合することで、細菌の細胞壁合成を阻害する。"} +{"problem_id": "098166", "problem_text": "薬物の消化管吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["弱酸性薬物を経口投与した場合、胃で溶解した後、小腸で析出し、吸収が不良となることがある。", "弱塩基性薬物の単純拡散による吸収は、一般に、消化管内のpHが低い方が良好である。", "多くの薬物は、胃で良好に吸収されるため、胃内容排泄速度の変化により吸収が影響を受けることはない。", "リボフラビンは脂溶性が高く、小腸全体から良好に吸収される。", "アンピシリンは、親水性が高く膜透過性が低いため、吸収改善のための脂溶性のプロドラッグが開発されている。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n弱酸性薬物は、小腸よりpHが低い胃で溶解している場合、小腸においても溶解している。よって、弱酸性薬物を経口投与した場合、胃で溶解した後、小腸で析出することはない。2:誤\n弱塩基性薬物はアルカリ性条件下で分子形として存在している。よって、弱塩基性薬物の単純拡散による吸収は、一般に、消化管内のpHが高い方が良好である。3:誤\n多くの薬物は、小腸で良好に吸収されるため、胃内容排泄速度の変化により吸収に変化が現れることがある。4:誤\nリボフラビンは水溶性が高く、小腸上部に存在する特殊輸送系により吸収される。5:正\nアンピシリンは、親水性が高く膜透過性が低いため、吸収改善のための脂溶性のプロドラッグ(バカンピシリンなど)が開発されている。"} +{"problem_id": "098167", "problem_text": "薬物の経皮吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["表皮の最も外側は角質層と呼ばれ、薬物の皮膚透過のバリアーとなる。", "汗腺や毛穴などの付属器官は有効面積が小さいので、薬物吸収への寄与は少ない。", "経皮投与では薬物の肝初回通過効果を回避できない", "皮膚組織には代謝酵素が存在しないため、経皮吸収改善を目的としたプロドラッグ化は有効ではない。", "皮膚をフィルムで密封すると角質層が水和し、薬物の皮膚透過性は低くなる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n表皮の最も外側は角質層と呼ばれ、薬物が透過しにいため、薬物の皮膚透過のバリアーとなる。2:正\n汗腺や毛穴などの付属器官は有効面積が小さいので、薬物吸収への寄与(影響)は少ない。3:誤\n経皮投与において、薬物は肝臓を介さず循環血中に移行する。そのため、経皮投与では肝初回通過効果を回避することが可能である。4:誤\n皮膚組織には代謝酵素が存在するため、経皮吸収改善を目的としたプロドラッグ化が有効である。5:誤\n皮膚をフィルムで密封すると角質層が水和し、薬物の皮膚透過性は高くなる。"} +{"problem_id": "098168", "problem_text": "血液脳関門に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血液脳関門の実体は、脈絡叢上皮細胞である。", "分子量の大きい薬物は、血液脳関門を透過しやすい。", "血液脳関門には種々の栄養物質の輸送系が存在し、一部の薬物はこの輸送系によって脳内へ分布する。", "薬物の水溶性が高いほど、単純拡散による脳への移行性は大きい。", "脳毛細血管内皮細胞に存在するP-糖タンパク質は、一部の薬物の脳内移行を妨げている。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n血液脳関門の実体は、脳毛細血管内皮細胞である。なお、血液脳脊髄液関門の実体は、脈絡叢上皮細胞である。2:誤\n分子量の大きい薬物や水溶性が高い薬物は、一般に血液脳関門を透過しにくい。3:正\n血液脳関門にはグルコールやアミノ酸など脳内に移行させる輸送系が存在する。脳内にアミン酸を移行させる輸送系は、レボドパの脳内への移行に関与している。4:誤\n解説2参照\n5:正\n血液脳関門に存在するP-糖タンパク質は、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ドキソルビシンなどの脳内移行を妨げている。"} +{"problem_id": "098169", "problem_text": "薬物の肝臓への分布及び胆汁中排泄に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["肝実質��胞の血管側膜には種々の輸送担体が発現し、多くのアニオン性薬物やカチオン性薬物の肝取り込みに関与している。", "肝実質細胞から毛細胆管への薬物輸送機構は、多くの場合、薬物の濃度勾配を利用した単純拡散である。", "分子量の小さい薬物ほど、胆汁中へ排泄されやすい。", "血中においてアルブミンに結合している薬物もDisse腔に入り、肝実質細胞の近傍に到達することができる。", "肝臓において抱合代謝を受け、胆汁中に排泄された薬物は、一般に分子量が大きく親水性が高いので、すべて糞便中へ排泄される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n肝実質細胞の血管側膜に存在する有機アニオン輸送系や有機カチオン輸送系は、多くのアニオン性薬物やカチオン性薬物の肝取り込みに関与している。2:誤\n肝実質細胞から毛細胆管への薬物輸送は、多くの場合、ATPやイオン濃度勾配を利用した能動輸送によるものである。3:誤\n分子量が500〜1,500の薬物が胆汁中へ排泄されやすい。4:正\n肝血管の内皮細胞は不連続内皮である。そのため、血中のアルブミンに結合している薬物は、Disse腔(血管内皮細胞と肝細胞の間)に入り、肝実質細胞の近傍に到達することができる。5:誤\n肝臓においてグルクロン酸抱合代謝を受け、胆汁中に排泄された薬物の一部は、腸管内で腸内細菌の持つ\\beta -グルクロニダーゼにより脱抱合を受け、腸肝循環することがある。"} +{"problem_id": "098170", "problem_text": "薬物相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["併用により薬物の血中濃度は変化せず、薬効が変化する相互作用を、薬物動態学的相互作用という。", "併用により薬物の血中濃度が変化する相互作用を、薬力学的相互作用という。", "薬物代謝酵素が、薬物の代謝物と共有結合することで阻害される場合、薬物が血中から消失しても、その酵素活性は直ちには回復しない。", "併用薬剤数が多くなるほど、相互作用の発現を互いに打ち消しあうため、薬物相互作用が起こる可能性は小さくなる。", "薬物代謝酵素の誘導は、その酵素で代謝される薬物によってのみ起こる。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n併用により薬物の血中濃度は変化せず、薬効が変化する相互作用を、薬力学的相互作用という。なお、薬物動態学的相互作用とは、併用により薬物の血中濃度が変化する相互作用のことである。2:誤\n解説1参照\n3:正\n薬物代謝酵素が、薬物の代謝物と共有結合することで阻害される場合、その阻害は不可逆的となるため、薬物が血中から消失しても、その酵素活性は直ちには回復しない。4:誤\n併用薬剤数が多くなるほど、薬理作用、副作用が重複したり、肝代謝、腎排泄の阻害などが認められることが多くなるため、薬物相互作用が起こる可能性が高くなる。5:誤\n薬物を代謝する酵素に関係なく、代謝酵素の誘導が起こることがある。"} +{"problem_id": "098171", "problem_text": "体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う薬物1,000 mgをヒトに急速静脈内投与したところ、投与直後と10時間後の血中濃度は、それぞれ100 \\micro g/mL及び10 \\micro g/mLであった。この薬物の全身クリアランス(L/h)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、ln10=2.3とする。", "choices": ["0.92", "1.4", "2.3", "9.2", "46"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "薬物の体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う場合、全身クリアランスCL_{tot}は、①式より求めることができる。CL_{tot}=k_{e}・V_{d}……①:::k_{e}: 消失速度定数、V_{d}: 分布容積\n\n問題文に「投与直後と10時間後の血中濃度は、それぞれ100 \\micro g/mL及び10 \\micro g/mLであった」と記載されていることからk_{e}を以下のように求めることができる。lnC=lnC_{0}-k_{e}・t\nC_{0}: 初期の血中濃度、C: t時間後の血中濃度t: 時間\nln 10=ln 100-k_{e}・10\n\n問題文に「1,000 mgをヒトに急速静脈内投与した」「投与直後の血中濃度は100 \\micro g/mLであった」と記載されていることからV_{d}を以下のように求めることができる。これらのことから、①式よりCL_{tot}を求めることができる。CL_{tot}=k_{e}・V_{d}=0.23 hr^{-1}・10 L=2.3 L/hr"} +{"problem_id": "098172", "problem_text": "体内動態が線形性を示す薬物Aは、肝代謝と腎排泄によって体内から消失し、���常時における肝代謝クリアランスは全身クリアランスの20%である。また、腎疾患時に薬物Aの肝代謝クリアランスは変化しないが、腎排泄クリアランスは糸球体ろ過速度(GFR)に比例して変化する。薬物Aを投与中の患者において、GFRが正常時の25%に低下したとする。薬物Aの血中濃度時間曲線下面積(AUC)を腎機能正常時と同じにするには、投与量を腎機能正常時の何%に変更すればよいか。最も近い値を1つ選べ。", "choices": ["20%", "40%", "80%", "120%", "250%"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "体内動態が線形性を示す場合、血中濃度時間曲線下面積(AUC)は①式で表すことができる。CL_{tot}: 全身クリアランス:X_{0}: 体内薬物移行量\n<腎機能正常時の肝・腎クリアランスを求める>\n問題文に「体内動態が線形性を示す薬物Aは、肝代謝と腎排泄によって体内から消失し、正常時における肝代謝クリアランスは全身クリアランスの20%である」とあることから腎機能正常時の肝・腎クリアランスを以下のように求めることができる。CL_{肝(正常)}=0.2 CL_{tot}_{(正常)}:::CL_{腎(正常)}=0.8 CL_{tot}_{(正常)}:CL_{tot}_{(正常)}: 腎機能正常時の全身クリアランス\nCL_{肝(正常)}: 腎機能正常時の肝クリアランス\nCL_{腎(正常)}: 腎機能正常時の腎クリアランス\n<腎疾患時の全身クリアランスを求める>\n問題文に「腎疾患時に薬物Aの肝代謝クリアランスは変化しないが、腎排泄クリアランスは糸球体ろ過速度(GFR)に比例して変化する。」とあることからGFRが正常時の25%に低下した場合の患者の全身クリアランスを以下のように求めることができる。CL_{肝(腎疾患)}=CL_{肝(正常)}=0.2 CL_{tot}_{(正常)}CL_{腎(腎疾患)}=0.8 CL_{tot}_{(正常)}\\times 0.25=0.2 CL_{tot}_{(正常)}CL_{tot}_{(腎疾患)}=CL_{腎(腎疾患)}+CL_{肝(腎疾患)}=0.2 CL_{tot}_{(正常)}+0.2 CL_{tot}_{(正常)}=0.4 CL_{tot}_{(正常)}:CL_{tot}_{(腎疾患)}: 腎疾患時の全身クリアランス\nCL_{肝(腎疾患)}: 腎疾患時の肝クリアランス\nCL_{腎(腎疾患)}: 腎疾患時の腎クリアランス\nこれらのことから、腎疾患により全身クリアランスが40%に低下しているため、①式より薬物Aの血中濃度時間曲線下面積(AUC)を腎機能正常時と同じにするには、投与量を腎機能正常時の40%に変更すればよい。"} +{"problem_id": "098173", "problem_text": "固体薬物の溶解速度を回転円盤法で測定し、以下の結果を得た。シンク条件下のみかけの溶解速度定数(min^{-1}・cm^{-2})に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、円盤の有効表面積は1 cm^{2}とし、試験中は変化しないものとする。また、溶液温度は一定であり、薬物の溶解度は0.5 mg/mLとする。", "choices": ["0.010", "0.014", "0.016", "0.018", "0.020"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "溶解過程が拡散律速となる場合、その溶解速度は、Noyes-Whitney式(①式)で表すことができる。<薬物の表面積Sを求める>\n問題文に「円盤の有効表面積は1 cm^{2}」とあることから、Sを以下のように求めることができる。S=1 cm^{2}<(C_{s}-C)を求める>\n問題文に「シンク条件下」「薬物の溶解度は0.5 mg/mL」とあることから、(C_{s}-C)を以下のように求めることができる。C_{s}―C\\fallingdotseq C_{s}=0.5 mg/mL\n<溶解速度を求める>\nシンク条件下では、濃度と時間が比例関係になるため、速度が一定になる(本設問のデータより6 minまでは、時間と濃度の関係は比例関係にあるため、6 minまではシンク条件である)。このことから、表のデータより溶解速度を以下のように求めることができる。これらのことから、①式よりみかけの溶解速度定数k(min^{-1}・cm^{-2})を以下のように求めることができる。0.010 mg・mL^{-1}・min^{-1}=k・1 cm^{2}・0.5 mg/mL\nk=0.020(min^{-1}・cm^{-2})"} +{"problem_id": "098174", "problem_text": "乳剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["o/w型の乳剤は、電気伝導性を示さない。", "合一しても振とうすればもとの分散状態に戻る。", "w/o/w型やo/w/o型などの多重乳剤がある。", "分散媒と分散相の密度差を小さくすると、乳剤の分散状態は安定化する。", "w/o型の乳剤は、メチレンブルーを加えると全体が着色される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\no/w型の乳剤は、分散媒(外相)が水であり、電気を通しやすく電気伝導性を示す。2:誤\n合��とは、クリーミングを起こした乳剤または凝集を起こした乳剤をそのまま放置すると分散相(内相)の粒子同士が結合し大きな粒子になることである。合一した状態の乳剤は、振とうしてももとの分散状態には戻らない(再分散不可)。3:正\n乳剤には、w/o/w型やo/w/o型などの多重乳剤がある。4:正\n分散媒(外相)と分散相(内相)の密度差を小さくすると、分散相(内相)が沈降及び浮上しにくくなるため、乳剤の分散状態は安定化する。5:誤\nメチレンブルーは水に溶けやすいため、w/o型の乳剤にメチレンブルーを加えても、分散媒(外相)は着色されないため、全体は着色されない。"} +{"problem_id": "098175", "problem_text": "薬物の物性に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["非晶質は、熱力学的に平衡状態にある。", "共融混合物では、異なる成分どうしが結晶格子を形成している。", "水和物結晶は、その無水物結晶よりも水に対する溶解度が高い。", "固溶体中において、薬物は結晶状態で分散している。", "結晶多形において、準安定形に比べて安定形の方が融点が高い。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n非晶質は、原子や分子の配列がランダムになっており、結晶に比べエネルギー準位が高く、熱力学的に非平衡状態にある。2:誤\n共融混合物では、それぞれ各成分どうしが結晶格子を形成しており、異なる成分どうしは結晶格子を形成していない。3:誤\n水和物結晶は、その無水物結晶に比べ安定であるため、その無水物結晶よりも水に対する溶解度が低い。4:誤\n固溶体とは、二種類以上の物質が完全に溶け合い、固体全体が均一な状態となったものであり、固溶体中において、薬物は結晶状態で分散していない。5:正\n安定形は準安定形に比べ、固相から液相に相転移しにくいため、結晶多形において、準安定形に比べて安定形の方が融点が高い。"} +{"problem_id": "098176", "problem_text": "日本薬局方製剤総則の目に投与する製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["点眼剤の非水性溶剤として、植物油を用いることはできない。", "点眼剤及び眼軟膏剤の容器として、通例、気密容器を用いる。", "点眼剤は、発熱性物質試験法に適合しなければならない。", "懸濁性点眼剤中の粒子は、通例、最大粒子径75 \\micro m以下である。", "眼軟膏剤には、保存剤を加えることができない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n点眼剤の非水性溶剤には、植物油及びプロピレングリコールが用いられる。2:正\n点眼剤及び眼軟膏剤に用いる容器は、通例、気密容器である。3:誤\n発熱性物質試験法は点眼剤には規定されていない。点眼剤に規定されている試験として無菌試験法、不溶性異物検査法、不溶性微粒子試験法がある。4:正\n懸濁性点眼剤中の粒子は、通例、最大粒子径75 \\micro m以下であり、また、眼軟膏剤中の粒子の最大粒子径も75 \\micro m以下である。5:誤\n眼軟膏剤は、保存剤としてパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノールを使用することが可能である。"} +{"problem_id": "098177", "problem_text": "造粒法に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["破砕造粒法は、混合した粉末状の原料を圧縮成形した後、粉砕する方法なので、不定形の造粒物が得られる。", "攪拌造粒法は、攪拌翼を高速回転させながら、結合剤溶液を噴霧して造粒する方法なので、重質で球形の造粒物が得られる。", "噴霧乾燥造粒法は、熱風気流中に薬物と添加剤からなる溶液もしくは懸濁液を噴霧し、急速に乾燥する方法なので、球形の造粒物が得られる。", "流動層造粒法は、熱風気流中に吹き上げた粉末に結合剤を噴霧して造粒する方法なので、流動層内で圧密化を受け、重質で球形の造粒物が得られる。", "押し出し造粒法は、一定孔径のスクリーンから薬物と添加剤からなる混練物を押し出し、適当なサイズでカットして造粒する方法なので、円柱状の造粒物が得られる。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n破砕造粒法は、混合した粉末状の原料を圧縮成型してシート状に成型し、破砕機で破砕することにより造粒する方法であり、不定形の造粒物が得られる。2:正しい\n撹拌造粒法は、撹拌翼を回転させながら薬物混���物を撹拌し、結合剤溶液を噴霧して造粒する方法であり、重質で球形の造粒物が得られる。3:正しい\n噴霧乾燥造粒法は、熱風気流中に薬物と添加剤からなる溶液もしくは懸濁液を噴霧し、急速に溶媒を乾燥させて造粒する方法であり、小さい球形の造粒物が得られる。4:誤っている\n流動層造粒法は、熱風気流中に吹き上げた粉末に結合剤を噴霧して造粒する方法であり、低密度で不定形〜球形の造粒物が得られる。5:正しい\n押し出し造粒法は、一定孔径のスクリーンから薬物と添加剤からなる混練物を押し出し、適当なサイズでカットして造粒する方法であり、円柱状の造粒物が得られる。"} +{"problem_id": "098178", "problem_text": "医薬品を保存する容器・包装に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["セロファンのフィルムは、防湿効果に優れる。", "静脈内投与する注射剤には、プラスチック製容器を用いることはできない。", "吸入粉末剤に用いる容器は、通例、密閉容器とする。", "ピロー包装は、ラミネートフィルムを用いて顆粒剤などを1回服用量ごとに充てんしたものである。", "Press through package(PTP)包装は、帯状にシート包装された形態をいう。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nセロファンは、固形医薬品を保存する包装に用いられ、その防湿効果は低い。2:誤\n注射剤の容器は、注射剤用ガラス容器試験法の規定に適合する無色のものである。別に規定する場合には、注射剤用ガラス容器試験法の規定に適合する着色容器またはプラスチック製医薬品容器試験法の規定に適合するプラスチック製水性注射容器を用いることができる。3:正\n吸入粉末剤に用いる容器は、通例、密閉容器とされている。4:誤\nピロー包装とは、PTPあるいはSP包装した医薬品の防湿性をより高めるために、小包装単位ごとにラミネートフィルムなどで二次包装したものを指す。5:誤\nPTP包装は、ポリ塩化ビニルとアルミニウム箔からできており、錠剤やカプセル剤の包装形態のことをいう。"} +{"problem_id": "098179", "problem_text": "グラフは、ある放出制御型製剤についての溶出試験を下に示す条件で実施した結果である。このグラフから推察される製剤的な特徴に関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、薬物の溶解度はpHによって変化しないものとする。溶出試験の条件 ・試験サンプル 放出制御型製剤:1錠 ・試験装置 溶出試験法:第2法(パドル法) ・試験温度 37^{\\circ} C ・試験液 0分〜120分:—:溶出試験第1液(pH1.2) 120分〜180分:—:溶出試験第2液(pH6.8)", "choices": ["腸溶性製剤からの薬物溶出で、pHに依存して溶出量が変化している。", "不溶性マトリックス型製剤からの薬物溶出で、マトリックス中の拡散が薬物溶出の律速となっている。", "浸食(エロージョン)型製剤からの薬物溶出で、水溶性マトリックスの溶解もしくは浸潤に伴って薬物が溶出する。", "リザーバー型製剤からの薬物溶出で、水溶性成分からなる錠剤を被覆している不溶性高分子膜を介して薬物が溶出する。", "浸透圧ポンプ型製剤からの薬物溶出で、錠剤内への水の侵入に伴って薬物が溶出する。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "設問のグラフ(縦軸: 溶出率、横軸: 時間の平方根)より、時間の平方根と溶出率が比例の関係にあることを読みとることができる。溶出率と時間の平方根が比例の関係を示すのは、不溶性マトリックス型製剤からの薬物の溶出の場合である(Higuchi式)。なお、マトリックス型製剤は基剤中の薬剤の拡散が律速段階となる。"} +{"problem_id": "098180", "problem_text": "リポソームに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["大豆油とレシチンで調製される閉鎖小胞であり、静脈内投与後、炎症部位へ選択的に移行する薬物運搬体として利用される。", "脂質二重膜からなる閉鎖小胞であり、水溶性及び脂溶性いずれの薬物も含有することができる。", "通例、直径数\\micro m〜数百\\micro mの大きさで、薬物を芯物質としてこれを高分子物質で被覆したものであり、薬物の安定化や放出制御に利用される。", "ポリエチレングリコールで表面を修飾することで、血中滞留性が向上する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nリポソームは、脂質二重膜からなる閉鎖小胞であり、水溶性及び脂溶性いずれの薬物も含有することが可能である。なお、大豆油とレシチンで調製されるO/W型乳剤で、静脈内投与後、炎症部位へ選択的に移行する薬物運搬体として利用されるのは、リピドマイクロスフェアである。2:正\n解説1参照\n3:誤\n通例、直径数\\micro m〜数百\\micro mの大きさで、薬物を芯物質としてこれを高分子物質で被覆したものであり、薬物の安定化や放出制御に利用されるのは、マイクロカプセルである。4:正\nリポソームの表面をポリエチレングリコールで修飾すると水溶性が高くなり、血中滞留性が向上する。"} +{"problem_id": "098181", "problem_text": "大規模地震の被災地に設けられた仮設病院で、透析患者が食後の胃痛を訴えた。薬剤師は、その患者が胃潰瘍のためゲファルナートカプセル100 mgを1回1カプセル、1日2回で服用していたことを、お薬手帳から把握した。仮設病院にはゲファルナートカプセル100 mgの在庫がない。医師に代替薬として提案する場合、最も適切な薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["スクラルファート水和物細粒", "ロペラミド塩酸塩カプセル", "セトラキサート塩酸塩カプセル", "乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒", "ピコスルファートナトリウム水和物内用液"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "医師に代替薬を提案する際には、患者の状態及び服用している薬の薬効などを考慮する必要がある。1:誤\nスクラルファート水和物は、ゲファルナート同様、胃の防御因子増強薬であるが、アルミニウムを含有するため、透析患者に投与することはできない。2:誤\nロペラミド塩酸塩は止瀉薬であり、ゲファルナートと薬効が異なる。3:正\nセトラキサート塩酸塩は、ゲファルナート同様、胃の防御因子増強薬であり、透析患者に投与することができる。よって、医師に代替薬として提案する薬剤として、セトラキサート塩酸塩カプセルが最も適切である。4:誤\n乾燥水酸化アルミニウムゲルは、ゲファルナート同様、胃の防御因子増強薬であるが、アルミニウムを含有するため、透析患者に投与することはできない。5:誤\nピコスルファートナトリウム水和物は瀉下薬であり、ゲファルナートと薬効が異なる。"} +{"problem_id": "098182", "problem_text": "57歳男性。5時間前に左前胸部痛が突然出現し、2時間程続いたので近医を受診した。急性心筋梗塞の疑いがあり、心電図上、心室性期外収縮の頻発を認めたため、緊急措置としてリドカイン塩酸塩の筋肉注射を受けた。その後、救急病院に転送された。救急病院入院時の心電図検査で胸部誘導にST上昇が確認された。この患者の病態及び治療に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["クレアチンキナーゼ(CK)の総活性は、筋肉注射の影響を受ける。", "トロポニンTを測定したところ、高値を示した。", "心エコー図で左心室の動きに、異常は認めなかった。", "冠動脈内血栓溶解療法(PTCR)の適応も考えた", "リドカイン塩酸塩の静脈内投与を開始した。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nクレアチンキナーゼ(CK)は、骨格筋や心筋細胞に多く存在する酵素である。筋肉注射により筋肉組織が破壊されるとCKの総活性は高値を示す。2:正しい\n心筋が壊死することにより、心筋細胞に含まれている酵素(トロポニンT、CK、乳酸脱水素酵素)が血液中に流出するため、それらの酵素は高値を示す。3:誤っている\n左前胸部痛が突然出現していることから、心エコー図で左心室の動きに運動異常が認められる可能性が高い。4:正しい\n本症例では、5時間前に左前胸部痛が突然出現していることから、アルテプラーゼを用いた冠動脈内血栓溶解療法(PTCR)が行われることがある。5:正しい\nリドカイン塩酸塩の静脈内投与は急性心筋梗塞時の心室性不整脈の予防に用いられる。"} +{"problem_id": "098183", "problem_text": "再生不良性貧血に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["発症の原因の1つにウイルス感染症がある。", "末梢血の血小板数が増加する。", "末梢血の網状赤血球数は正常である。", "血清鉄値が低下する。", "エリスロポエチン産生が亢進する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "再生不良性貧血とは、骨髄幹細胞の障害により赤血��やその前駆細胞、白血球、血小板が減少し、汎血球減少症を引き起こす疾患である。1:正\n再生不良性貧血の発症の原因には、薬剤、放射線、ウイルス感染症など様々なものが関与している。2:誤\n前記参照\n3:誤\n前記参照\n4:誤\n再生不良性貧血では、骨髄幹細胞の障害により赤血球形成が低下し、赤血球合成に必要な血清鉄の消費が低下するため、血清鉄値が増加する。5:正\n再生不良性貧血により赤血球が減少し、血中の酸素分圧が低下すると、腎でのエリスロポエチン産生が亢進される。"} +{"problem_id": "098184", "problem_text": "胆石症に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["脂肪分の多い食事を大量に摂取した数時間後に、疼痛発作を起こしやすい。", "胆石があっても、自覚症状のない患者が半数以上である。", "胆石が総胆管に嵌頓するとALP、\\gamma -GTP、総ビリルビン値の上昇が見られる。", "重篤な疝痛発作のとき、第一選択薬としてモルヒネが用いられる。", "胆嚢がんでは、胆石を伴うことが多い。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "胆石症とは、胆道系にビリルビン結石やコレステロール結石が形成される疾患のことであり、胆石が嵌頓することで疼痛を生じる。1:正しい\n胆石症では、脂肪分の多い食事を大量に摂取することにより胆嚢が収縮し、疼痛発作を起こすことがある。2:正しい\n胆石症の患者は、ほとんど自覚症状を有しない無症候性胆石症である。3:正しい\n胆石が総胆管に嵌頓すると胆汁がうっ滞し、胆道系の酵素であるALP、\\gamma -GTPや総ビリルビン値の上昇が認められる。4:誤っている\n胆石による疝痛発作時には、非ステロイド性抗炎症薬や鎮けい薬を第一選択薬として用いる。なお、モルヒネなどの麻薬性鎮痛薬は、oddi括約筋の収縮により総胆管内圧を上昇させ、症状を悪化させることがあるため、胆石による疝痛発作時には用いられない。5:正しい\n胆嚢がんでは、約過半数に胆石症を伴う。"} +{"problem_id": "098185", "problem_text": "膵がんとその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["大多数は、膵内分泌腺から発生する。", "黄疸を伴うことはない。", "血糖値の上昇を伴うことがある。", "化学療法として、ゲムシタビン塩酸塩が用いられる。", "遠隔転移がある場合でも、5年生存率は80%以上である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n膵がんのほとんどは、膵管がんであり、膵外分泌腺から発生する。2:誤\n膵がんは主な症状として、腹痛、黄疸、腰背部痛、体重減少を起こす。3:正\n膵がんでは、インスリン分泌機能の低下により血糖値の上昇を伴うことがある。4:正\n膵がんに対する化学療法として、ゲムシタビン塩酸塩やTS-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)が用いられる。5:誤\n膵がんは早期発見が難しく、予後が極めて悪い。"} +{"problem_id": "098186", "problem_text": "副甲状腺機能亢進症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["原発性は、骨形成の促進を伴う。", "二次性は、高カルシウム血症を示す。", "原発性及び二次性ともに、血清PTH(parathyroid hormone)高値を示す。", "原発性は、副甲状腺がんに由来するものが多い。", "維持透析下に発症した症例には、シナカルセト塩酸塩が有効である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "副甲状腺機能亢進症には、原発性と二次性(続発性)がある。原発性: 副甲状腺自体に腺腫(主に良性腫瘍)などの病変が発生することが原因となって発症する。二次性(続発性): 腎疾患などによる低カルシウム血症が原因となって発症する。原発性、二次性(続発性)いずれの場合においても副甲状腺ホルモン(パラトルモン: PTH)の産生・分泌が亢進し、骨吸収の促進が認められる。1:誤\n前記参照\n2:誤\n前記参照\n3:正\n前記参照\n4:誤\n前記参照\n5:正\nシナカルセト塩酸塩は、副甲状腺のカルシウム受容体に結合することにより低カルシウム血症によるPTHの分泌を抑制する。よって、シナカルセト塩酸塩は、維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の治療に用いられる。"} +{"problem_id": "098187", "problem_text": "50歳男性。徐々に筋力低下及び筋萎縮を認めた。検査の結果、萎縮は神経原性と判明した。以下の疾患のうち該当する疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["多発性筋炎", "遠位型ミオパチー", "筋萎縮性側索硬化症", "筋強直性ジストロフィー", "進行性筋ジストロフィー"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n多発性筋炎とは、原因不明の炎症性筋疾患である。2:誤\n遠位型ミオパチーとは、遠位筋が主に障害されることにより末梢の筋力低下を伴う筋肉変性疾患である。3:正\n筋萎縮性側索硬化症とは、運動神経の変性により筋萎縮が生じる神経変性疾患である。4:誤\n筋強直性ジストロフィーとは、筋強直現象を伴う遺伝性の筋肉変性疾患である。5:誤\n進行性筋ジストロフィーとは、遺伝性で進行性の筋肉変性疾患である。"} +{"problem_id": "098188", "problem_text": "アトピー性皮膚炎及びその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["非免疫学的要因として、皮膚バリアー機能の低下がある。", "血清IgG値が増加する。", "アゼラスチン塩酸塩錠では、眠気を起こさない。", "タクロリムス水和物軟膏が、使用できる。", "重症例では、タクロリムス水和物カプセルの内服を行う。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "本疾患は、皮膚に炎症や痒み等の症状が増悪と寛解を繰り返しながら出現する疾患であり、その要因には免疫学的要因と非免疫学的要因が関与している。1:正\n本疾患の発症には、非免疫学的要因としてセラミドなどの異常による皮膚バリアー機能の低下が関与している。2:誤\n本疾患の発症には、免疫学的要因としてI型アレルギーが関与するため、血清IgE値の増加や好酸球の増加が認められる。3:誤\nアゼラスチンはヒスタミンH_{1}受容体遮断薬であり、中枢抑制作用を有するため、副作用として眠気を起こすことがある。4:正\nタクロリムス水和物軟膏は、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎の治療に用いられる。5:誤\nタクロリムス水和物含有製剤のうち、軟膏剤のみアトピー性皮膚炎に適用することができる。"} +{"problem_id": "098189", "problem_text": "スティーブンス•ジョンソン症候群に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["失明の原因となりうる。", "中毒性表皮壊死症が重症化した病態である。", "皮膚粘膜移行部に、粘膜病変が認められる。", "薬剤性が疑われる場合は、原因薬物同定のために、内服誘発テストを行う。", "重症例では、副腎皮質ステロイド薬の外用剤が、第一選択薬として用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)では、角膜上皮細胞が障害され最終的に失明に至ることがある。2:誤\nSJSが重症化すると、中毒性表皮壊死症(ライエル症候群)に移行することがある。3:正\nSJSでは皮膚粘膜移行部に、粘膜病変が認められる。4:誤\nSJSの原因が薬剤によるものと疑われる場合には、原因薬物を同定するために、貼付試験(パッチテスト)が行われる。5:誤\nSJSの重症例に対する治療には、第一選択薬として副腎皮質ステロイド性薬の全身投与(点滴静注)が用いられる。"} +{"problem_id": "098190", "problem_text": "抗リン脂質抗体症候群に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["基礎疾患として、全身性エリテマトーデス(SLE)が認められることが多い。", "自己抗体が陽性である。", "重篤な動静脈血栓症を引き起こしやすい。", "流産及び胎児死亡などの危険因子である。", "妊娠時には、ワルファリンカリウムの経口投与が用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n抗リン脂質抗体症候群(APS)は、基礎疾患として全身エリテマトーデス(SLE)が認められることが多い。2:正しい\nAPSでは、抗カルジオリピン抗体などの自己抗体が陽性を示す。3:正しい\nAPSでは、自己抗体により血液が凝固しやすくなるため、重篤な動静脈血栓症を引き起こしやすい。4:正しい\nAPSに罹患している妊婦では、胎盤機能不全が認められるため、習慣的流産や子宮内における胎児死亡を引き起こしやすい。5:誤っている\nワルファリンは催奇形性を有するため、妊娠時のAPSの治療においてはワルファリンを使用せず、ヘパリンを用いる。なお、ASPの治療には一般に抗凝固薬(ワルファリンなど)や抗血小板薬(少量のアスピリン)などが用いられる。"} +{"problem_id": "098191", "problem_text": "造血幹細胞移植時における移植片対宿主病(GVHD)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["移植後1週間以内に好発する。", "予防として、移植前日から免疫抑制薬注射剤の持続投与を開始する。", "レシピエントのリンパ球がドナーの造血幹細胞を攻撃して生着不全を起こす反応である。", "ドナーのリンパ球がレシピエントの組織を攻撃して起こる疾患である。", "発症を予防するために、移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行う。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n移植片対宿主病(GVHD)には、急性GVHDと慢性GVHDが存在し、急性GVHDは移植後約1〜3週間程度で発症することが多く、慢性GVHDは移植後3ヶ月以降に発症することが多い。2:正\nGVHDを予防するために移植前日から免疫抑制薬(シクロスポリン、タクロリムスなど)注射剤の持続投与を開始する。3:誤\nレシピエント(臓器移植を受ける者)のリンパ球がドナー(臓器提供者)の造血幹細胞を攻撃して生着不全を起こす反応は、宿主対移植片病(HVGD)である。なお、GVHDはドナーのリンパ球がレシピエントの組織を攻撃して起こる疾患である。4:正\n解説3参照\n5:誤\n造血幹細胞移植時のGVHDの予防では、免疫抑制薬の投与が行われる。なお、輸血後GVHDの予防では、輸血血液製剤に対してあらかじめ放射線照射が行われる。"} +{"problem_id": "098192", "problem_text": "薬物治療の効果判定の統計処理に用いられるTukey法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["すべての群の同時対比較を行う検定方法である。", "1つの対照群と2つ以上の処理群を比較検定する方法である。", "分散が等しくないデータの比較検定に適している。", "正規分布に従わないデータの比較検定に適している。", "パラメトリックなデータの比較検定に適している。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n本法は、多群を比較する際、すべてのペアにおける比較(同時対比較)を行えるようにした方法である。例えば、A、B、Cの3群を比較する場合、A-B、A-C、B-Cのようにすべてのペア比較を行えるようにした方法である。2:誤\n1つの対照群と2つ以上の処理群を比較検定する方法は、Dunnett法である。Dunnett法は、多群の1つの群を基準として、その他の群とのペア比較を行えるようにした方法である。例えば、A、B、Cを比較する場合、Aを基準としてA-B、A-Cの比較を行えるようにした方法である。3:誤\n本法は、等分散性、正規性を示すデータ(パラメトリックなデータ)の比較検定に用いられる。4:誤\n解説3参照\n5:正\n解説3参照"} +{"problem_id": "098193", "problem_text": "必要治療数(NNT)に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["統計的有意差を検出するために必要な症例数のことである。", "相対危険度減少率の逆数で示される。", "絶対危険度減少率が大きくなるほど大きい値となる。", "必要治療数が大きいほど有効な治療法であると考えられる。", "プラセボ群での有効率が25%、実薬群での有効率が50%の場合、必要治療数は4である"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n必要治療数(NNT: number needed to treat)は、「治療効果を一例観察するためにその治療を何人に行えばよいか」を表す指標である。2:誤\nNNTは、絶対危険度減少率の逆数で示される。なお、絶対危険度減少率は以下の式で表される。絶対危険度減少率=プラセボ群の疾患発生率-実薬群の疾患発生率\n絶対危険度減少率=実薬群の有効率-プラセボ群の有効率\n3:誤\nNNTは、絶対危険度減少率が大きくなるほど小さい値となる(解説2参照)。4:誤\nNNTが大きい治療法は、治療効果を一例観測するのに、その治療を多くの人に行う必要がある。そのため、NNTが大きい治療法は有効性の低い。5:正\nプラセボ群での有効率が25%、実薬群での有効率が50%の場合、絶対危険度減少率を以下のように求めることができる(算出する式については、解説2参照)。絶対危険度減少率=0.5-0.25=0.25\nまた、NNTは絶対危険度減少率の逆数であるため、NNTを以下のように求めることができる。NNT=1/0.25=4"} +{"problem_id": "098194", "problem_text": "ジクロフェナクナトリウム錠の内服を開始した患者に対して、POSを利用した薬剤管理指導業務の一環として初期計画を立て���。計画の分類及び内容が正しいのはどれか。2つ選べ。なお、分類のOP、CP、EPはそれぞれobservational plan、care plan、education planを表す。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "初期計画は、OP(observational plan: 観察計画)、CP(care plan: ケア計画)、EP(education plan: 教育計画)の3つの情報に分類される。OP: 身体症状や自覚症状、体調変化、検査値など、観察すべき事項を記載する\nCP: 治療薬の選択など、治療の目的、治療の方針を記載する\nEP: 副作用の初期症状や薬の服用法など、患者に対して指導すべきことを記載する\n1:正\n便の状態など観察すべき事項については、OPに記載する。2:誤\nジクロフェナクナトリウム錠の内服で消化管出血が起こった場合、ジクロフェナクナトリウム坐剤に変更することは不適切である。なお、本設問のような治療方針についてはCPに記載する。3:誤\n副作用の初期症状など患者に説明すべき事項については、EPに記載する。4:正\n薬の服用法など患者に説明すべき事項については、EPに記載する。5:誤\n患者の身体症状など観察すべき事項については、OPに記載する。"} +{"problem_id": "098195", "problem_text": "新生児の特徴に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["糸球体ろ過速度が小さい。", "体重当たり水分量が少ない。", "血液脳関門が未発達である。", "グルクロン酸抱合代謝能が未発達である。", "薬物の血中タンパク質結合能が低い。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n新生児では、腎機能が未発達であるため、糸球体ろ過速度が小さい。2:誤っている。新生児では、体重当たり水分量が多い。3:正しい\n新生児では、血液脳関門が未発達であるため、多くの薬物が中枢に移行しやすい。4:正しい\n新生児では、グルクロン酸抱合代謝能が未発達であるため、主にグルクロン酸抱合によって代謝される薬物の血中濃度が上昇しやすい。5:正しい\n新生児では、アルブミン合成能が未発達であるため、薬物の血中タンパク質結合能が低い。"} +{"problem_id": "098196", "problem_text": "60歳男性。2年前に拡張型心筋症と診断され、その後、内服加療中だったが、症状が悪化し、夜間就寝中に呼吸苦が出現したため、救急外来を受診し、慢性心不全の急性増悪の診断で入院することとなった。この患者に対して、フロセミドとドブタミン塩酸塩の注射剤が投与されることになった。フロセミド注射液とドブタミン塩酸塩注射液の添加物とpHを以下に示す。この患者へのフロセミド注射液の投与に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ドブタミン塩酸塩注射液と混合してワンショット静注する。", "ドブタミン塩酸塩注射液とともに注射用水に希釈して点滴静注する。", "ドブタミン塩酸塩注射液とは別に静脈内投与する。", "高カリウム血症に注意して投与する。", "不整脈に注意して投与する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nフロセミド注射液はアルカリ性(pH8.6〜9.6)に調製されており、フロセミドの溶解性を高めている。フロセミド注射液のpHが低下するとフロセミドが析出することがあるため、フロセミド注射液とドブタミン注射液は混合しない。2:誤\n解説1参照\n3:正\nフロセミド注射液とドブタミン注射液を併用する場合、ドブタミン塩酸塩注射液とは別にフロセミド注射液を静脈内投与または筋肉内投与する。4:誤\nフロセミドは副作用として、低カリウム血症を起こすことがあるため、フロセミド注射液を投与する際、低カリウム血症に注意する必要がある。5:正\nフロセミドは副作用として、低カリウム血症を伴う心室性不整脈があらわれることがあるため、フロセミド注射液を投与する際、不整脈に注意する必要がある。"} +{"problem_id": "098197", "problem_text": "腎臓のヘンレ係蹄上行脚におけるNa^{+}、Cl^{-}の再吸収により、髄質間質に高浸透圧が形成される。生理的状態における髄質間質の塩化ナトリウム(式量: 58.4)濃度は29 g/L、尿素(分子量: 60.1)濃度は12 g/Lである。これらの溶質が形成する浸透圧(Pa(N/m^{2}))に最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、間質の体液は理想状態にあり、気体定数は8.31(J・mol^{-1}・K^{-1})、体液は37^{\\circ} Cとし、塩化ナトリウムは完全に解離状態にあるとする。", "choices": ["1.8\\times 10^{4}", "1.8\\times 10^{5}", "3.1\\times 10^{5}", "1.8\\times 10^{6}", "3.1\\times 10^{6}"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "098198", "problem_text": "56歳男性。身長166 cm、体重56 kg。5年前に高血圧を指摘され、処方1で治療を行っていた。1年前から全身倦怠感、口渇が出現し持続するため、近くの診療所を受診したところ、糖尿病と診断され、食事療法と運動療法を指摘された。しかし、血糖コントロールが改善しなかったため、今回、処方2の薬剤が追加された。この患者に対する服薬指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グリベンクラミド錠を飲み忘れて食後1時間以上経過した場合、翌朝に2回分を服用すること。", "グリベンクラミド錠の服用により体重が増加することがあるので、食事療法と運動療法をしっかり行うこと。", "グリベンクラミドの代謝物で尿が赤みを帯びることがあるが、問題がないので飲み続けること。", "テモカプリル塩酸塩錠の有効性を損なう場合があるので、納豆の摂取は避けること。", "テモカプリル塩酸塩錠の服用により、咳が出た場合には、医師又は薬剤師に連絡すること。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nグリベンクラミド錠を飲み忘れて食後1時間以上経過した場合、翌朝に1回分を服用するように指導する。2:正\nグリベンクラミド錠は、インスリン分泌が促進作用を有するため、服用することにより体重が増加することがある。よって、グリベンクラミド錠服用中は食事療法と運動療法を行うように患者に指導する必要がある。3:誤\nグリベンクラミドの代謝物により尿が赤みを帯びることはない。なお、代謝物により、尿が赤みを帯びる糖尿病治療薬には、エパルレスタットがある。4:誤\n納豆により、テモカプリル塩酸塩錠の有効性を損なうことはない。5:正\nテモカプリル塩酸塩錠の副作用には空咳があるため、テモカプリル塩酸塩錠の服用により、咳が出た場合には、医師又は薬剤師に連絡するように指導する。"} +{"problem_id": "098199", "problem_text": "グリベンクラミドの作用機序である膜電位変化として、最も近い値はどれか。1つ選べ。膵臓ランゲルハンス島\\beta 細胞における平衡膜電位\\phi _{m}(mV)は、以下の式で近似されるとする。ただし、静止状態でP_{K^{+}}はP_{Na^{+}}の25倍の値を示し、一方、グリベンクラミド存在下では、P_{K^{+}}はP_{Na^{+}}の4倍にまで阻害されるとする。また、静止膜電位は-69 mV、細胞内外のイオン組成は変化しないと仮定する。log_{10}1.8=0.26、log_{10}2.8=0.45、log_{10}3.8=0.58とする。", "choices": ["+35mV", "+25mV", "+15mV", "-15mV", "-25mV"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "グリベンクラミド服用時の膜電位変化を求めるには、透過係数及びイオンの組成を平衡膜電位\\phi\n_{m}(mV)の式に代入する必要がある。・グリベンクラミド服用時の透過係数\n「グリベンクラミド存在下では、P_{K^{+}}はP_{Na^{+}}の4倍にまで阻害されるとする。」と記載されていることから、グリベンクラミド存在下では、P_{K^{+}}=4 P_{Na^{+}}となる。・イオンの組成\n設問に与えられた表から読み取る。これらのことから、以下のようにグリベンクラミド服用時の平衡膜電位\\phi m(mV)を求めることができる。静止膜電位が-69 mV、グリベンクラミド服用時の平衡膜電位が-34 mVであることから、グリベンクラミドを服用することにより変化した膜電位は+35 mVとなる。"} +{"problem_id": "098200", "problem_text": "50歳男性。躁病のため3年前より処方1の薬剤を服用しており、状態は良好であった。最近、高血圧と診断され、処方2の薬剤を併用しながら、低塩食を続けていたが、食欲不振、振戦、傾眠が増強してきたので、近医で診察を受けた。食欲不振、振戦、傾眠が増強した理由として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["低塩食により血清中リチウムイオン濃度が上昇した。", "トリクロルメチアジド錠服用により血清中リチウムイオン濃度が上昇した。", "アムロジピンベシル酸塩錠服用により血清中リチウムイオン濃度が上昇した。", "低塩食により血清中リチウムイオン濃度が低下した。", "トリクロルメチアジド錠服用により血清中リチウムイオン濃度が低下した。", "アムロジピンベシル酸塩錠服用により血清中リチウムイオン濃度��低下した。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "食欲不振、振戦、傾眠が増強した理由は、体内にリチウムが蓄積することによるリチウム中毒によると考えられる。低塩食により食塩(NaCl)の摂取が減ると体内のナトリウムイオン(Na^{+})濃度が低下し、それにより一価のカチオンであるリチウムイオン(Li^{+})の再吸収が促進される。また、ナトリウムイオン(Na^{+})の排泄を促進するチアジド系利尿薬を服用すると、体内のナトリウムイオン(Na^{+})濃度が低下し、それにより一価のカチオンであるリチウムイオン(Li^{+})の再吸収が促進される。"} +{"problem_id": "098201", "problem_text": "治療薬物モニタリング(TDM)に指定されている血清中リチウムイオン濃度の測定には原子吸光光度法が用いられる。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["原子吸光光度法は、光が原子蒸気層を通過するとき、励起状態の原子が特有波長の光を吸収する現象を利用する。", "原子吸光光度法の光源部には主にキセノンランプが用いられる。", "原子吸光光度法の試料原子化部にはフレーム方式、電気加熱方式、冷蒸気方式がある。", "定量に際しては、干渉やバックグラウンドを考慮する必要がある。", "リチウム原子は、黄色光を選択的に吸収する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n原子吸光光度法では、光が原子蒸気層を通過するとき、基底状態の原子が特有波長の光を吸収する現象を利用する。"} +{"problem_id": "098202", "problem_text": "10歳女児。上気道炎で、咳と痰がひどいため以下の薬剤が処方された。この処方では組合せ水剤として交付することが望ましい。その理由として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["クレゾールスルホン酸が加水分解される。", "ブロムへキシンが分解する。", "デキストロメトルファンが分解する。", "ブロムヘキシンとデキストロメトルファンとの複合体が析出する。", "ブロムへキシンとクレゾールスルホン酸との複合体が析出する。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "ブロムヘキシン塩酸塩シロップの有効性分であるブロムヘキシンは塩基性物質であり、メジコンシロップに含有されている添加物のクレゾールスルホン酸カリウムは酸性物質である。ブロムヘキシン塩酸塩シロップとメジコンシロップを配合すると、ブロムヘキシンとクレゾールスルホン酸カリウムが反応し、ブロムヘキシンクレゾールスルホン酸塩が形成され、白濁する。"} +{"problem_id": "098203", "problem_text": "日本薬局方ブロムヘキシン塩酸塩の定量法を以下に示す。「 :::」 の中に入れるべき数値として、正しいのはどれか。1つ選べ。「本品を乾燥し、その約0.5 gを精密に量り、ギ酸2 mLに溶かし、無水酢酸60 mLを加え、50^{\\circ} Cの水浴中で15分間加温し、冷後、0.1 mo1/L過塩素酸で滴定する(指示薬:クリスタルバイオレット試演2滴)。ただし、滴定の終点は液の紫色が青緑色を経て黄緑色に変わるときとする。同様の方法で空試験を行い、補正する。0.1mo1/L過塩素酸1mL=「:::::」mg C_{14}H_{20}Br_{2}N_{2}・HCl」", "choices": ["20.63", "41.26", "82.52", "103.1", "206.3"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "非水滴定によるブロムヘキシン塩酸塩の定量法に関する問題である。本定量法では、ブロムヘキシン溶液に無水酢酸を添加していることから、ブロムヘキシンの第1級アミンがアセチル化される(反応1)。(反応1)の生成物と過塩素酸が反応することを利用して定量を行う。上記の反応より、ブロムヘキシンと過塩素酸は1:1で反応する。=n0.1mo1/L過塩素酸1mLには、過塩素酸は、0.1(mol/L)\\times 1(mL)=0.1(mmol/mL)\\times 1(mL)=0.1 mmol含まれている。ブロムヘキシンと過塩素酸は、1:1で反応するため、0.1 mo1/L過塩素酸1mLに対応するブロムヘキシン量は0.1 mmolである。よって、「 ::: 」に入る数値は、412.59 g/mol\\times 0.1 mmol=41.26 となる。"} +{"problem_id": "098204", "problem_text": "65歳男性。腰痛がひどいため、ガドテル酸メグルミン注射液を用いて造影検査を実施した結果、椎間板ヘルニアと診断され、以下の薬剤が処方された。この患者に対する情報提供の内容として、適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["造影検査の数日後までに、発熱、発疹、悪心、血圧低下、呼吸困難等が現れた時には、速やかに主治医に連絡する。", "処方1より、脱力感、ふらつき、眠気等が発現することがあるので、車の運転は控える。", "処方1の薬の作用が減弱するので、クロレラの摂取を控える。", "処方2により、光線過敏症を発現することがあるので、本剤を使用中及び使用後も当分の間、外出時には貼付部を衣服やサポーターなどで遮光する。", "処方3の薬の作用が減弱するので、グレープフルーツジュースの摂取を控える。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:適切である\nガドテル酸メグルミン注射液と投与すると、ショックやアナフィラキシー様症状等を引き起こす可能性があるため、発熱、発疹、血圧低下、呼吸困難等が現れた場合には、速やかに主治医に連絡するよう指導する必要がある。2:適切である\nエペリゾンは、副作用として、脱力感、ふらつき、眠気などが現れることがある。3:適切でない\nクロレラを摂取してもエペリゾンの作用が減弱することはない。4:適切である\nケトプロフェンの副作用として、光線過敏症(発疹・発赤、かゆみ、むくみ、水疱など)が現れることがあるため、本剤を使用中及び使用後も当分の間、外出時には貼付部を衣服やサポーターなどで遮光する必要がある。5:適切でない\nグレープフルーツジュースを摂取しても、ジクロフェナクの作用が減弱することはない。"} +{"problem_id": "098205", "problem_text": "ガドテル酸メグルミンは代表的なMRI用造影剤である。次の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["MRI装置は、円筒形の強力な磁石とラジオ波の発振器及び受信器からなる。", "^{1}Hのように核スピンが1/2の核種は、外部磁場に対して2通りの配向をとる。", "ガドテル酸メグルミンは、ガドリニウムイオン(Gd^{3+})にメグルミンを配位させたキレート製剤である。", "Gd^{3+}は主として周辺に存在する水素原子核の縦緩和時間(T_{1})を延長する。", "臓器や器官が骨に囲まれていても、MRIでは内部画像を得ることができる。"], "text_only": true, "answer": ["解なし"], "comment": "1:正しい\nMRI装置は、円筒形の強力な磁石とラジオ波の発振器及び受信器などから構成される。"} +{"problem_id": "098206", "problem_text": "58歳女性。呼吸器感染症。肺炎球菌が同定され、注射用ピペラシリンナトリウムが処方された。注射用ピペラシリンナトリウムに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["最小発育阻止濃度又はそれに近い濃度で殺菌的に作用する。", "腎尿細管分泌の阻害によりメトトレキサートの腎排泄を遅延させる。", "主に肝臓で代謝されるため肝障害のある患者には禁忌である。", "トブラマイシンと併用する場合は、配合変化を避けるため別経路で投与する。", "溶解後は速やかに使用する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n本剤は、\\beta -ラクタム系抗生物質であり、時間依存型の抗菌作用を示す。そのため、本剤は最小発育阻止濃度又はそれに近い濃度で殺菌的に作用を示す。2:正しい\n本剤は、メトトレキサートの尿細管分泌を阻害し排泄を遅延させ、メトトレキサートによる副作用を増強するおそれがある。3:誤っている\n本剤は、主に腎臓から排泄されるため、高度の腎障害患者への投与は慎重投与となっている。4:正しい\n本剤とトブラマイシン等のアミノグリコシド系抗生物質を配合すると、アミノグリコシド系抗生物質の活性が低下する。よって、本剤とトブラマイシンを併用する場合は、それぞれ別経路で投与する必要がある。5:正しい\n本剤は、用時溶解して用いる凍結乾燥製剤であり、加水分解等の反応により有効成分が分解しないよう溶解後は速やかに使用する。"} +{"problem_id": "098207", "problem_text": "ピペラシリン(A)の構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aの部分構造BはL-メチオニンとD-バリンで構成されている。", "Bの骨格Cをセファムとよぶ。", "Cの左側に存在する環状アミドをラクタムとよぶ。", "ペニシリン系抗生物質に対する耐性菌が産生する\\beta -ラクタマーゼは、Aの四角で囲んだ部分に存在するアミド結合を切断する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nAの部分構造BはL-システイン(点線で囲まれた部分)とD-バリン(実線で囲まれた部���)から構成されている。"} +{"problem_id": "098208", "problem_text": "48歳男性。腎移植後、拒絶反応予防のため、タクロリムス水和物顆粒剤を1回5 mgで1日2回経口投与されている。タクロリムスに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["顆粒剤からカプセル剤への切り換えに際しては血中濃度をモニターし、吸収変動がないことを確認する。", "血液中で多くは赤血球画分に分布する。", "フェノバルビタールの併用により血中濃度が上昇する。", "乾燥弱毒生風疹ワクチンとの併用は禁忌である。", "スピロノラクトン投与中の患者には禁忌である。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n顆粒剤からカプセル剤に変更すると、血中濃度推移が変化することがあるため、血中濃度をモニターし、吸収変動がないことを確認する必要がある。2:正しい\nタクロリムスは、血液中で赤血球画分に多く分布する。3:誤っている\nタクロリムスは主にCYP3A4で代謝されるため、CYP3A4誘導薬(フェノバルビタール、リファンピシンなど)と併用すると、血中濃度が低下することがある。4:正しい\n免疫抑制下で生ワクチン(乾燥弱毒性麻しんワクチン、乾燥弱毒性風しんワクチン、経口生ポリオワクチン等)を摂取すると、発症する可能性があるため、タクロリムスと生ワクチンの併用は禁忌である。5:正しい\nタクロリムスは、副作用として高カリウム血症を引き起こすことがあるため、タクロリムス服用中はカリウム保持性利尿薬(スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム、トリアムテレン)の併用あるいはカリウムの過剰摂取を行わない。"} +{"problem_id": "098209", "problem_text": "タクロリムス水和物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。タクロリムス水和物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["テトラサイクリン系抗生物質に分類される。", "L-プロリンを含む。", "テトラヒドロフラン環を含む。", "四角で囲んだ三置換アルケンの立体化学はEである。", "強アルカリ性で安定に存在する。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nタクロリムス水和物は、マクロライド系免疫抑制薬に分類される。"} +{"problem_id": "098210", "problem_text": "腎機能が低下した患者では、溶解補助剤であるヒドロキシプロピル-\\beta -シクロデキストリンが蓄積することにより腎機能がさらに悪化することがある。この溶解補助剤が用いられている注射剤はどれか。1つ選べ。ただし、(:::)内は有効成分名を示す。", "choices": ["ホスミシンS静注用1 g(ホスホマイシンナトリウム)", "オメプラール注用20(オメプラゾールナトリウム)", "イトリゾール注1%(イトラコナゾール)", "セフメタゾン静注用0.5 g(セフメタゾールナトリウム)", "硫酸カナマイシン注射液1000 mg(カナマイシン硫酸)"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "イトリゾール注1%の有効性分であるイトラコナゾールは水に溶けにくいため、溶解補助剤であるヒドロキシプロピル-\\beta -シクロデキストリンを添加することで溶解性を高めている。なお、他の選択肢は有効成分を塩(酸性薬物はカリウムやナトリウムを添加することにより塩を形成しており、塩基性薬物は硫酸や塩酸を添加することで塩を形成している)にすることにより溶解性を高めている。"} +{"problem_id": "098211", "problem_text": "ヒドロキシプロピル-\\beta -シクロデキストリンは\\beta -シクロデキストリン(\\beta -CD)の誘導体である。\\beta -CDに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["\\beta -CDは7つのグルコースから構成されている。", "単糖間は、すべて\\beta -グリコシド結合でつながっている。", "\\beta -CDやクラウンエーテルのように、分子の空孔に他の分子を取り込む現象を抱合という。", "\\beta -CDは外側が親水性で、空孔に疎水性の化合物を取り込み可溶化する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n\\beta\n-シクロデキストリン(\\beta\n-CD)は、設問の構造式より7つのグルコースが結合したものであることがわかる。なお、6つのグルコースから形成されているシクロデキストリンを\\alpha\n-シクロデキストリンといい、8つのグルコースから形成されているシクロデキストリンを\\gamma\n-シクロデキストリンという。"} +{"problem_id": "098212", "problem_text": "40歳女性。糖尿病治療を行っていたところ、下肢のしびれの訴えがあり、八味地黄丸エキス顆粒が処方された。八味地黄丸エキス顆粒の使用法及び使用上の注意に関する記述のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["本剤には附子が含まれているので、小児等には慎重に使用する。", "身体を温める作用があるので、冷えのある患者に使用する。", "流早産の危険性があるので、妊婦には使用しないことが望ましい。", "主な副作用は、胃部不快感、食欲不振、腹痛などの消化器症状である。", "高血圧症の患者には使用してはならない。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "八味地黄丸エキス顆粒の構成生薬は、ジオウ、サンシュユ、サンヤク、ブクリョウ、タクシャ、ボタンピ、ケイヒ、ブシである。1:適切である\n本剤に含まれている附子(ブシ)にはアコニチンが含まれており、心毒性を示すため、小児には慎重に投与する必要がある。2:適切である\n本剤は身体を温める作用を有するため、冷えのある患者に用いられる。3:適切である\n本剤に含まれるボタンピにより流早産の危険性があり、またブシ末の副作用があらわれやすくなるため、妊婦には投与しないことが望ましい。4:適切である\n本剤は副作用として消化器症状(食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘など)が発現することがある。5:適切でない\n本剤は、腎炎、糖尿病、坐骨神経痛、前立腺肥大、高血圧などに用いられる。"} +{"problem_id": "098213", "problem_text": "八味地黄丸の構成生薬の1つである附子は減毒のために高圧蒸気処理による修治が行われる。この修治で引きおこされる主な化学反応はどれか。1つ選べ。", "choices": ["酸化反応", "還元反応", "加水分解反応", "アルキル化反応", "脱水反応"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本剤の構成生薬の一つであるブシは毒性が強いため、高圧蒸気処理による修治が行われる。ブシに含まれるアコニチンは、修治することにより加水分解され弱毒化される。"} +{"problem_id": "098214", "problem_text": "2012年5月、利根川水系の各浄水場の水質検査で国の基準をはるかに超える化学物質としてホルムアルデヒドが検出された。ホルムアルデヒドの検出•定量は、ペンタフルオロベンジルヒドロキシルアミン(A)と反応させ、生じた化合物(B)に対して行う。Bの分析法として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["非競合型イムノアッセイ法", "ガスクロマトグラフ-質量分析法", "原子吸光光度法", "示差熱分析法", "紫外可視分光光度法"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "水質試験法では、ホルムアルデヒドの検出・定量に「溶媒抽出-誘導体化-ガスクロマトグラフ-質量分析法」を用いることと規定されている。<水質試験法によるホルムアルデヒドの検出・定量>\nホルムアルデヒドとペンタフルオロベンジルヒドロキシルアミン(A)を反応させ、それによって生成する生成物Bを溶媒抽出したものを試料溶液とする。得られた試料溶液の一定量をガスクロマトグラフ-質量分析計に注入し、検出・定量を行う。"} +{"problem_id": "098215", "problem_text": "今回の水質異常の原因物質であり、加水分解によりホルムアルデヒドを発生する化合物はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "選択肢5のヘキサメチレンテトラミンは構造中に活性メチレン(-NH-CH_{2}-NH-)を有するため、加水分解されホルムアルデヒドを生成する。"} +{"problem_id": "098216", "problem_text": "60歳女性。乳がんの腸骨転移による骨病変のため、ゾレドロン酸水和物注射液が投与されることになった。ゾレドロン酸水和物注射液による重大な副作用はどれか。2つ選べ。", "choices": ["急性腎不全", "顎骨壊死", "増殖性歯肉炎", "骨粗しょう症"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "ゾレドロン酸水和物注射液は重大な副作用として、急性腎不全、間質性腎炎、うっ血性心不全、低カルシウム血症、間質性肺炎、顎骨壊死・顎骨骨髄炎などを起こすことがある。"} +{"problem_id": "098217", "problem_text": "ゾレドロン酸は、骨代謝に影響する薬物である。骨代謝に関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カルシウムが、血液中から吸収されて骨に沈着���ることを骨吸収という。", "骨芽細胞は、コラーゲンなどの有機物を分泌し、骨形成を進行させる。", "上皮小体ホルモン(PTH)は、腎臓からのカルシウムの排泄を促進させる。", "上記の処方から、この患者では高カルシウム血症が生じていると考えられる。", "ゾレドロン酸は、破骨細胞を活性化させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nカルシウムが、血液から供給されて骨に沈着することを骨形成という。なお、骨吸収とは、破骨細胞によって骨のカルシウムが融解して、血液中のカルシウム濃度が上昇することである。"} +{"problem_id": "098218", "problem_text": "62歳女性。身長148 cm、体重68 kg。糖尿病のため、食事療法及び運動療法に加え、処方1による治療を受けていたが、効果不十分のため処方2による治療に変更された。リラグルチドによる治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["1型糖尿病に適用される薬剤である。", "単独投与による低血糖のリスクは低いが、スルホニルウレア剤を併用した場合は低血糖を引き起こしやすい。", "自己会合を起こしたリラグルチドが、投与部位から緩徐に吸収されるため、持続的な効果が期待できる。", "他の薬物療法で十分な効果が得られない場合に限り使用できる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n本剤は2型糖尿病に適用される薬剤である。なお、1型糖尿病患者はインスリン製剤による速やかな治療が必須となるため、本剤を投与すべきでない(投与禁忌)。2:正\n本剤は、血糖依存的にインスリン分泌を促進して血糖値を低下させるため、単独投与での低血糖を起こしにくい。だたし、糖尿病用薬(スルホニルウレア剤)と併用した場合、低血糖の発現頻度が単独の場合より高くなるおそれがある。3:正\n本剤は自己会合により緩徐に吸収されること、アルブミンと結合して代謝酵素(DPP-4及び中性エンドペプチターゼ)に対する安定性を示すことで、持続的な効果が期待できる。4:誤\n本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮する。"} +{"problem_id": "098219", "problem_text": "ミチグリニド及びリラグルチドは、インスリンの分泌に影響する薬物である。インスリンに関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["インスリンは、別々に生合成されたA鎖とB鎖がジスルフィド結合でつなぎあわされたポリペプチドである。", "インスリンは、生合成された後、細胞内の顆粒に蓄えられる。", "血液中のグルコース濃度が上昇すると、インスリン産生細胞内のATP濃度の低下を介して、インスリンの分泌が促進される。", "リラグルチドは、膵臓のランゲルハンス島に存在する\\beta 細胞に作用する。", "ミチグリニドは、細胞内のCa^{2+}濃度の低下を介してインスリンの分泌を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nインスリンは、A鎖(アミノ酸残基21個)とB鎖(アミノ酸残基30個)が2つのジスルフィド結合でつなぎあわされたペプチドであり、プロインスリンが切断されることにより生合成される。"} +{"problem_id": "098220", "problem_text": "45歳男性。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による感染症のため、以下の薬剤が処方された。処方されたテイコプラニンは、細菌細胞壁ペプチドグリカンの合成阻害によりMRSAに対して抗菌作用を示す。ペプチドグリカンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グラム陽性菌に特有の構造体であり、グラム陰性菌には存在しない。", "N-アセチルムラミン酸のホモポリマー及びペプチドから構成され、網目構造を形成する。", "細胞膜の内側に層状構造で存在する。", "細菌の形態維持及び浸透圧からの菌体保護の役割をもつ。", "涙や鼻汁に含まれるリゾチームにより分解される。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n細菌細胞壁ペプチドグリカンは、グラム陽性菌とグラム陰性菌のどちらにも存在する構造である。なお、グラム陽性菌は厚いペプチドグリカン層、グラム陰性菌は薄いペプチドグリカン層を有する。2:誤\n細菌細胞壁ペプチドグリカンは、N-アセチルムラミン酸とN-アセチルグルコサミンから形成されるコポリマー及びペプチドから構成され、網目構造を有する。3:誤\n細菌細胞壁ペプチドグリカンは、細胞膜の外側に層状構造で存在している。4:正\n細菌細胞壁ペプチドグリカンは、細菌の形態維持及び浸透圧からの菌体保護作用を有する。5:正\nリゾチームは涙や鼻汁に含まれている加水分解酵素であり、細菌細胞壁を構成するペプチドグリカン内の\\beta (1\\rightarrow 4)結合を加水分解する。"} +{"problem_id": "098221", "problem_text": "テイコプラニンの使用上の注意に関する記述のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["腎障害を引きおこす可能性のある薬剤との併用を避けることが望ましい。", "MRSA感染症以外への適応は認められていない。", "投与開始後24時間までの累積尿中排泄率は約30%であるため、腎機能に応じた投与量の調節は必要ない。", "投与期間中は、血中濃度をモニタリングすることが望ましい。", "30分以上かけて緩徐に点滴静注することが推奨されている。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:適切\n本剤は副作用として腎障害を起こすことがあるため、他の腎障害を引き起こす可能性のある薬物と併用すると、腎障害が増強される恐れがある。"} +{"problem_id": "098222", "problem_text": "45歳女性。身長148 cm、体重52 kg。体表面積は1.44 m^{2}、クレアチニンクリアランスは40 mL/minであった。StageIIの卵巣がんに対する化学療法として次の治療を受けることになった。この処方を受けとった薬剤師が確認する内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カルボプラチンの総投与回数。", "カルボプラチンを混和する液が注射用水であること。", "腎機能が低下しているため、カルボプラチンの減量を考慮すること。", "パクリタキセルの点滴ルートに、DEHP(可塑剤の1種)が含まれないこと。", "パクリタキセルの投与を、0.22 \\micro m以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して行うこと。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:適切\nカルボプラチンは多くのがん治療に用いられ、治療するがんの種類によって投与回数、休薬期間などが異なるため、カルボプラチンを投与する際は、総投与回数を確認する必要がある。2:不適切\nカルボプラチン注射液は使用するにあたり、ブドウ糖又は生理食塩水に溶解する必要があるため、混和する液に注射用水を用いることは不適切である。3:適切\nカルボプラチンは腎消失型薬物であるため、本患者のように腎機能が低下している場合にはカルボプラチン減量を考慮する必要がある。4:適切\nパクリタキセルの溶解液はDEHP(フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル))を溶出させるため、パクリタキセルの溶解液が接触する部分に可塑剤としてDEHPを含有しているものの使用を避ける必要がある。5:適切\nパクリタキセルの希釈液は、過飽和状態にあるためパクリタキセルが結晶として析出する可能性があるので、本剤投与時には、0.22ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与する。"} +{"problem_id": "098223", "problem_text": "パクリタキセルとカルボプラチンは、細胞の増殖に影響を与える薬物である。細胞増殖に関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["がん原遺伝子は、正常な細胞増殖には関与しない。", "DNAの損傷は、DNA複製前に細胞周期のG_{2}/Mチェックポイントにおいてチェックされる。", "パクリタキセルは、微小管の脱重合を阻害して細胞分裂を抑制する。", "カルボプラチンは、DNAの構成塩基に結合してDNA複製を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nがん原遺伝子とは、変異することによりがん遺伝子へと変化する遺伝子のことであり、変異するまでは正常細胞の増殖遺伝子として働く。"} +{"problem_id": "098224", "problem_text": "55歳男性。身長168 cm、体重82 kg。血清クレアチニン値1.8 mg/mL。気管支ぜん息の既往症がある。高尿酸血症と診断され、以下の薬剤が処方された。この処方の内容及び患者指導に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["日頃の尿酸値のコントロールが重要であることを説明し、服薬遵守を促す。", "テオフィリンが処方された場合は、アロプリノールとの相互作用に注意する。", "アロプリノールの大部分はオキシプリノールに代謝されるため、腎機能に合わせた減量を考慮する必要はない。", "海藻類の摂取をなるべく控えるよう指導する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n高尿酸血症の治療においては、日頃の尿酸値をコントロールすることで痛風発作を誘発しないようにすることが非常に重要であるため、アロプリノールをしっかり服用するように説明する。2:正\nテオフィリンはキサンチンオキシダーゼにより代謝されるため、キサンチンオキシダーゼを阻害するアロプリノールとの相互作用に注意する必要がある。3:誤\nアロプリノールの主代謝物であるオキシプリノールは腎臓で消失するため、腎機能に合わせた減量を考慮する必要がある。4:誤\n海藻類は尿のpHをアルカリ化することにより尿酸排泄を促進するため、海藻類を積極的に摂取するように説明する。"} +{"problem_id": "098225", "problem_text": "アロプリノールは、核酸の代謝に影響する薬物である。ヒトにおけるヌクレオチドの合成及び分解に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プリン塩基の分解による最終産物は尿素である。", "サルベージ経路では、ヌクレオチドの分解で生じたヌクレオシドや塩基が再利用される。", "ピリミジンヌクレオチドが分解されて、キサンチンが生成する。", "アロプリノールは、キサンチンオキシダーゼを阻害する。", "プリンヌクレオチドの生合成では、プリン骨格が合成された後に5-ホスホリボシル1-ピロリン酸が付加される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nプリン塩基の分解による最終産物は尿酸である。"} +{"problem_id": "098226", "problem_text": "45歳の男性に対して、ブドウ糖を25%含む高カロリー輸液用基本液(1,400 mL)、アミノ酸を10%含む総合アミノ酸輸液(600 mL)、高カロリー輸液用微量元素製剤(2 mL)、総合ビタミン製剤(5 mL)、ダイズ油を20%含む脂肪乳剤(100 mL)が処方された。この処方における非タンパク質性カロリー(kcal)/窒素量(g)の値(NPC/N)はいくつか。Atwater係数を用いて計算し、最も近い値を1つ選べ。ただし、アミノ酸の窒素の含有量を16%、脂肪乳剤(100 mL)に含まれるダイズ油以外の成分(アミノ酸は含まれていない)のカロリーを20 kcalとする。", "choices": ["130", "150", "170", "190", "210"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "<ブドウ糖によるカロリーを求める>\n1400 mL\\times 25 g/100 mL=350 g\n350 g\\times 4 kcal/g=1400 kcal\n<脂質によるカロリーを求める>\n・ダイズ油によるカロリー\n100 mL\\times 20 g/100 mL=20 g\n20 g\\times 9 kcal/g=180 kcal\n・ダイズ油以外の成分のカロリー\n20 kcal\n<総窒素量を求める>\n600 mL\\times 10 g/100 mL\\times 0.16=9.6 g\nこれらのことから、非タンパク質性カロリー(kcal)/窒素量(g)の値(NPC/N)を以下のように求めることができる。NPC/N=(ブドウ糖によるカロリー+脂質によるカロリー)/窒素量=1600/9.6=166.6\\fallingdotseq 170 kcal/g"} +{"problem_id": "098227", "problem_text": "この処方の調剤及び使用に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["微量元素製剤は、アミノ酸と配合変化を生じるため混合しない。", "脂肪乳剤は、他の薬剤とは混合しない。", "脂肪乳剤投与時は、インラインフィルターを使用しない。", "総合ビタミン製剤は水溶性ビタミンのみ含有するため、脂溶性ビタミンを別途投与する必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n微量元素製剤とアミノ酸を混合しても配合変化は生じないため、混合することが可能である。"} +{"problem_id": "098228", "problem_text": "生後11ヶ月男児。約2週間前より体に発赤や湿疹が多数出現し、小児科を受診した。その結果、食物によるアトピー性皮膚炎と診断され、薬物治療とともに原因食物除去も医師より提案された。母親が処方せんを保険薬局に持参し、薬剤師に薬物治療のみならず日常の食事や生活の注意点についても相談した。食物によるアトピー性皮膚炎における日常生活の注意点について、薬剤師が母親に説明をした。説明の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬物治療で症状が改善した場合、母親の判断で薬剤の服用をすぐ中止する。", "皮膚の清潔を保持し、保湿するなどのスキンケアも重要である。", "乳児期に発症する食物アレルギーは、成長に���い耐性を獲得する場合が多い。", "症状が改善した場合には、すぐに食物制限を解除する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nアトピー性皮膚炎は、増悪と寛解を繰り返す慢性疾患であり、症状が改善しても再び症状が現れることがあるため、自己の判断で薬剤の服用を中止しないように説明する。2:正\nアトピー性皮膚炎を治療するにあたっては、皮膚の清潔を保ち、保湿するなどのスキンケアが重要である。3:正\n乳児に発症する卵、乳製品、小麦による食物アレルギーは成長するに伴って耐性を獲得し、寛解することが多い。4:誤\n食物アレルギーにおいて、原因食物の摂取を制限することにより症状が改善した場合でも、すぐに食物制限を解除してはならない。なお、食物制限を解除するためには、アレルギーテストを行う必要がある。"} +{"problem_id": "098229", "problem_text": "食物アレルギー原因食品とその表示に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["乳児期の食物アレルギーの原因食品として最も多いのは、大豆である。", "鶏卵中の食物アレルギーの主な原因物質は、卵黄に存在するタンパク質である。", "食品中のアレルギー物質の表示は、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(JAS法)に定められている。", "落花生は重篤な症状を引き起こし、生命にかかわることもあるので、特定原材料に指定されている。", "小麦に関しては、キャリーオーバーの場合でも、表示が義務づけられる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n乳児期の食物アレルギーの原因食品として最も多いのは卵である。"} +{"problem_id": "098230", "problem_text": "一部の遺伝子疾患は新生児マススクリーニングにより診断され、早期に適切な治療を行うことができる。一方、成長後に発症することで明らかになる遺伝子疾患もある。新生児マススクリーニングに関する記述について、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["先天性代謝異常等検査ともいう。", "対象疾患には、血友病が含まれる。", "検体には、生後約1週目に採取した尿が用いられる。", "検査には、公費負担制度がある。", "対象は、発見頻度が非常に低い(数百万人に1人程度の)疾患である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n新生児マススクリーニングは、別名先天性代謝異常等検査ともいわれる。2:誤\n新生児マススクリーニングの対象疾患は、フェニルケトン尿症、メイプルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、ガラクトース尿症、先天性副腎過形成症、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)であり、対象疾患には、血友病は含まれていない。3:誤\n検体には、生後5〜7日目の血液が用いられる。4:正\n新生児マススクリーニングには、公費負担制度が導入されている。5:誤\n新生児マススクリーニングの対象疾患の発見頻度は様々であり、最も発見頻度が高いクレチン症で約4000人に1人の頻度で発見される。"} +{"problem_id": "098231", "problem_text": "14歳女児。かつて新生児マススクリーニングで異常は見つからなかった。しかし、肝機能の異常が認められたため精査した結果、遺伝性疾患であるウイルソン病と診断され、以下の薬剤が処方された。この処方の調剤に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ペニシラミンと酢酸亜鉛水和物を同時に内服すると、作用が減弱するので疑義照会する。", "ピリドキサールリン酸エステル水和物は、酢酸亜鉛水和物の副作用を防止する目的で使用することを患者に説明する。", "酢酸亜鉛水和物は、ウイルソン病の病態として生じる吸収低下による亜鉛欠乏の改善を目的として使用することを患者に説明する。", "貧血の症状が現れた場合、受診するよう患者に説明する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nペニシラミンは、重金属とキレートを形成し重金属の吸収を阻害する作用を有するため、ペニシラミンと酢酸亜鉛水和物を同時に服用すると亜鉛の吸収が阻害され、酢酸亜鉛水和物の作用が減弱する。本処方ではペニシラミンと酢酸亜鉛が同時に処方されているため、疑義照会する必要がある。2:誤ペニシラミンは、ビタミンB6の吸収を阻害するため、ペニシラミン服用によるビタミンB6の不足を防止する目的で���ピリドキサールリン酸エステル水和物が使用されている。3:誤\n酢酸亜鉛水和物は、腸管細胞でのメタロチオネインの生成を誘導し、腸管での銅の吸収を抑制するため、酢酸亜鉛水和物は、ウイルソン病に効果を示す。4:正\nペニシラミンは、重大な副作用として白血球減少症、無顆粒球症、顆粒球減少症、血小板減少症、再生不良性貧血を起こすことがあるため、貧血の症状が現れた場合は、受診するように患者に説明する。"} +{"problem_id": "098232", "problem_text": "小児と一緒に薬局を訪れた母親から、薬剤師に対して予防接種に関する相談があった。小児に予防接種を受けさせる場合に、接種時期に関わらず任意接種となることを説明すべき疾病はどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジフテリア", "インフルエンザ", "流行性耳下腺炎", "ポリオ"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "予防接種には、予防接種法で定められた予防接種(定期接種)と任意での予防接種(任意接種)の2つが存在する。定期接種には、接種時期が決められており、接種時期以外での接種は任意接種となる。1:誤\nジフテリアの予防接種は、生後3ヶ月から生後90ヶ月にある者に対して定期接種が行われる。2:正\nインフルエンザの予防接種は、原則65歳以上の者に対して定期接種が行われるが、小児に対しての接種時期が決められていないため、小児がインフルエンザの予防接種を受ける場合には任意接種となる。3:正\n流行性耳下腺炎の予防接種は、予防接種法に定められた予防接種ではないため、接種年齢・接種時期に関わらず、任意接種となる。4:誤\nポリオの予防接種は、生後3ヶ月から生後90ヶ月にある者に対して定期接種が行われる。"} +{"problem_id": "098233", "problem_text": "予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["我が国においては、麻疹の感染は完全に抑えられているとはいえない。", "麻疹と風疹の混合ワクチンの接種時期は、生後12〜24月未満と小学校就学前である。", "結核の予防接種は行われていない。", "DPT混合ワクチンには、百日咳菌のトキソイドが含まれている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n我が国において、麻疹の発生数は減少傾向を示しているが、麻疹の感染を完全に抑えられていない。"} +{"problem_id": "098234", "problem_text": "42歳女性。健康診断(人間ドック)で眼底出血を指摘され、薬局の薬剤師に相談した。対応した薬剤師は、過去に患者が定期的な健康診断を受けていなかったこと、及び生活習慣病との関連性を疑わせるような生活背景が聴き取れたので、内科への受診勧奨をすることにした。その時に直接的な原因として想定しておくべき生活習慣病はどれか。優先順位の高いものを2つ選べ。", "choices": ["脂質異常症", "肥満症", "糖尿病", "高尿酸血症", "高血圧症"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "眼底出血とは、眼底の網膜に起こる出血のことであり、その原因は、高血圧、糖尿病、動脈硬化、外傷などがあげられる。"} +{"problem_id": "098235", "problem_text": "特定健康診査及び特定保健指導に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["特定健康診査は、メタボリックシンドロームに着目したものである。", "特定健康診査の結果、腹囲、血圧、脂質検査、血糖検査などの基本項目が、1つでも正常値から外れると、特定保健指導の対象者となる。", "特定保健指導には、リスクの程度に応じて、動機付け支援、積極的支援がある。", "特定健康診査は、三次予防に重点を置いている。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n特定健康診査は、内臓脂肪型肥満を基本とするメタボリックシンドローム(内臓脂肪型症候群)に着目したものである。2:誤\n特定保健指導の対象者は以下のように階層化されている。3:正\n解説2参照\n4:誤\n特定健康診査は、三次予防には該当しない。特定健康診査は生活習慣病の発症を予防する一次予防に該当する。"} +{"problem_id": "098236", "problem_text": "48歳男性。アセトアミノフェン錠を大量に服用し、病院に搬送されてきた。服用後4時間程度と推定され、血漿中アセトアミノフェン濃度は200 \\micro g/mLを超えており、解毒薬による治療が必要と判断された。アセトアミノフェンは代謝活性化を受けて毒性を示す��活性代謝物と考えられているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "アセトアミノフェンは構造中にヒドロキシ基を有しており、通常、グルクロン酸抱合や硫酸抱合を受けて排泄されるが、大量に服用した時には、シトクロムP450(CYP)により代謝活性化されN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンを生成する。"} +{"problem_id": "098237", "problem_text": "この男性に使用すべき解毒薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["フルマゼニル", "ペニシラミン", "プラリドキシムヨウ化物(PAM)", "N-アセチルシステイン", "アトロピン硫酸塩"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nフルマゼニルは、ベンゾジアゼピン系薬物による中毒に用いられる解毒薬である。"} +{"problem_id": "098238", "problem_text": "50歳男性。近医にて高血圧、不眠症のため以下の薬剤が処方され来局した。薬剤師が薬歴を確認したところ、他院より爪白癬のためイトラコナゾール錠が処方されており、服用中であった。そこで、今回の処方医に疑義照会を行い処方薬の変更を提案した。その内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エナラプリルマレイン酸塩錠をテルミサルタン錠に変更", "エナラプリルマレイン酸塩錠をニフェジピン錠に変更", "トリアゾラム錠をゾルピデム錠に変更", "トリアゾラム錠をゾピクロン錠に変更", "トリアゾラム錠をジアゼパム錠に変更"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "イトラコナゾールはCYP3A4阻害作用を有しているため、主にCYP3A4で代謝されるトリアゾラムと併用することはできない(併用禁忌)。このため、トリアゾラムを他の薬剤に変更する必要がある。トリアゾラムは睡眠導入薬であり、同じような効果を示すものにゾピクロンやゾルピデムがある。ゾピクロンはCYP3A4で代謝され、イトラコナゾールと相互作用を起こすため変更薬として不適切である。それに対して、ゾルピデムはCYP3A4で代謝されるが、CYP阻害薬との相互作用は特に報告されていないため変更薬として適切である。"} +{"problem_id": "098239", "problem_text": "イトラコナゾールによる相互作用の機序として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["PXRを介したCYP3A4の誘導", "代謝物によるCYP3A4の活性化", "代謝物によるCYP3A4の不可逆的阻害", "CYP3A4のヘム鉄への配位による阻害", "CYP3A4の分解促進"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "イトラコナゾールは、CYP3A4のヘム鉄に配位結合することでCYP3A4の活性を阻害する。"} +{"problem_id": "098240", "problem_text": "身近な家庭用品に含まれる化学物質には、健康への影響があり法律による規制を受けるものがある。下着、靴下などのしわや縮みを防ぐために樹脂加工剤が使用される。この樹脂加工剤に由来し、ヒトの健康に影響を与える化学物質としてこれらの繊維製品に含まれる可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["トリクロロエチレン", "塩化ビニル", "メタノール", "ホルムアルデヒド", "トリフェニルスズ化合物"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "下着、靴下などのしわや縮みを防ぐために用いられる樹脂加工剤には、ヒトの健康に影響を与える化学物質としてホルムアルデヒドが含まれている。"} +{"problem_id": "098241", "problem_text": "有害物質を含有する家庭用品に対しては、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」による規制基準が定められている。この化学物質の場合、どのような性質を想定してこの基準が定められているか。1つ選べ。", "choices": ["肝臓障害を起こすおそれがある。", "発がん性を有する。", "アレルギーを起こしやすい。", "中枢神経障害を起こすおそれがある。", "生殖機能障害を起こすおそれがある。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ホルムアルデヒドは、抗原性が強くアレルギー感作を起こしやすいため、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」により樹脂加工品に対して規制基準が設けられている。"} +{"problem_id": "098242", "problem_text": "水道水を高架水槽に貯水し、改めて塩素消毒装置を通したのち校内に給水している学校で、学校薬剤師が水道水及び給水せんにおける水の両方について水質試験を実施した。その結果の一部を以下に示す。この結果から推測される内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["校内給水系統での汚染はない。", "校内給水系統に、し尿浄化槽排水が混入しているおそれがある。", "高架水槽内部が汚染されているおそれがある。", "塩素消毒装置が機能を果たしていない可能性がある。", "貯水する前の水道水が汚染されているおそれがある。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "各水質試験の基準値を以下に示す。pH: 5.8〜8.6、遊離残留塩素: 0.1 mg/L以上、塩化物イオン: 200 mg/L以下\n全有機炭素: 3 mg/L以下、一般細菌数: 100集落/mL以下、大腸菌数: 検出されないこと\n各測定項目の結果より\n・貯水する前の水道水: 測定項目すべてにおいて基準値を満たしている\\rightarrow 汚染されていない\n・給水栓における水: 遊離残留塩素、全有機炭素、一般細菌数が基準値を満たしていない\\rightarrow 汚染されている\n1:誤\n前記参照\n2:誤\n大腸菌が検出されていないため、し尿浄化槽排水は混入していないと考えられる。3:正\n貯水する前の水道水は汚染されていないが、給水栓における水が汚染されているため、校内給水系統での汚染があると考えられる。4:正\n給水せんにおける水の遊離残留塩素は、基準値を満たしていないため、塩素消毒装置が機能を果たしていない可能性がある。5:誤\n前記参照"} +{"problem_id": "098243", "problem_text": "学校薬剤師が試料採取の現場で測定する必要のある項目はどれか。1つ選べ。", "choices": ["遊離残留塩素", "塩化物イオン", "全有機炭素", "一般細菌", "大腸菌"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "水質試験項目の測定場所を以下に示す。・採水現場で直ちに測定:\n残留塩素、水温\n・採水現場で行うことが望ましい:\npH、一般細菌数、大腸菌\n・試験室で測定:\n塩化物イオン、全有機炭素、亜硝酸態窒素及び硝酸態窒素"} +{"problem_id": "098244", "problem_text": "抗がん剤の調製時には曝露防止対策をとり、使用した器具や汚染物を適切に処理する必要がある。抗がん剤調製時の曝露及び汚染防止対策として、適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["クリーンベンチ内で調製を行った。", "バイアルから薬液を吸引する時に、薬液を吸引しやすいようにバイアル内を一時的に陽圧にした。", "床や作業台が汚染したので、手袋を装着し、汚染箇所をペーパータオルで外側から中心に向かって拭きとった。", "使用済みの器具や空の容器、残液などの廃棄物を密封できるコンテナに入れて廃棄した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:不適切\n抗がん剤の調整は、薬剤の飛散を防止するため、クラスII以上の安全キャビネット内で行うことが望ましい。2:不適切\n薬液を吸引するときにバイアル内を陽圧にすると、吸引時薬液が飛び散ることがあるため、バイアル内を陰圧にする必要がある。3:適切\n床や作業台などが汚染した場合に、手袋を着用し、汚染箇所が広がらないようにペーパータオルで外側から中心に向かって拭き取る必要がある。4:適切\n抗がん剤調製後に出る廃棄物(使用済みの器具、空の容器、残液など)は他の廃棄物と区別できる密封可能な容器に廃棄する。"} +{"problem_id": "098245", "problem_text": "病院で抗がん剤調製時に生じた廃棄物のうち、特別管理産業廃棄物に該当するのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["消毒用アルコール綿", "ガーゼ", "破損したガラス容器", "ペーパータオル", "注射針"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "廃棄物には一般廃棄物と産業廃棄物があり、その中でも爆発性、毒性、感染性などにより人の健康または生活環境に被害を与える恐れのある廃棄物を特別管理一般廃棄物および特別管理産業廃棄物としている。抗がん剤を調製したときに発生した廃棄物は特別に管理する必要があるため、特別管理一般廃棄物または特別管理産業廃棄物に該当する。特別管理一般廃物物:\n抗がん剤調製時に発生した消毒用アルコール綿、ガーゼ、ペーパータオル\n特別管理産業廃棄物:\n抗がん剤調製時に発生した破損したガラス容器、注射針"} +{"problem_id": "098246", "problem_text": "47歳女性。眼科外来にて、以下の薬剤が処方された。処方1及び処方2で期待される薬理作用として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断して、ブドウ膜強膜流出経路からの眼房水の流出を促進する。", "炭酸脱水酵素を阻害して、眼房水の産生を抑制する。", "アドレナリン\\beta _{2}受容体を遮断して、眼房水の産生を抑制する。", "コリンエステラーゼを阻害して毛様体筋を収縮させ、シュレム管からの眼房水の流出を促進する。", "プロスタグランジンF_{2}_{\\alpha }受容体を刺激して、ブドウ膜強膜流出経路からの眼房水の流出を促進する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "処方1: ラタノプロストは、プロスタグランジンF_{2}_{\\alpha }受容体を刺激して、ブドウ膜強膜流出経路からの眼房水の流出を促進することにより眼内圧を低下させる。処方2: ブリンゾラミドは、炭酸脱水酵素を阻害し、眼房水の産生を抑制することにより眼内圧を低下させる。1:誤\nアドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断して、ブドウ膜強膜流出経路からの眼房水の流出を促進する薬物は、ブナゾシン塩酸塩である。2:正\n3:誤\nアドレナリン\\beta _{2}受容体を遮断して、眼房水の産生を抑制する薬物は、チモロールマレイン酸塩などである。4:誤\nコリンエステラーゼを阻害して毛様体筋を収縮させ、シュレム管からの眼房水の流出を促進する薬物は、ジスチグミン臭化物である。5:正"} +{"problem_id": "098247", "problem_text": "これらの処方薬を使用するにあたって薬剤師が患者に行うべき指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["点眼前には石鹸などで十分に手を洗う。", "点眼液の容器の先を眼瞼に固定して点眼する。", "夕方の点眼時は、2剤の点眼間隔を1分間あける。", "点眼後はすぐに開眼し、眼球を上下左右に動かす。", "全身性の副作用を軽減するために、点眼後涙嚢部を圧迫する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n点眼前には石鹸などで十分に手を洗う必要がある。"} +{"problem_id": "098248", "problem_text": "70歳男性。泌尿器科外来にて、以下の薬剤が処方された。この処方で期待されるタムスロシンの薬理作用として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセチルコリンM_{3}受容体を遮断し、膀胱平滑筋を弛緩させる。", "アドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激し、膀胱平滑筋を弛緩させる。", "コリンエステラーゼを阻害し、膀胱平滑筋を収縮させる。", "アドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断し、前立腺平滑筋や尿道括約筋を弛緩させる。", "テストステロンの産生を抑制し、前立腺を縮小させる。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "タムスロシン塩酸塩は、選択的\\alpha _{1A}受容体遮断薬であり、前立腺平滑筋や尿道括約筋を弛緩させることにより前立腺肥大による排尿障害を改善する。1:誤\nアセチルコリンM_{3}受容体を遮断し、膀胱平滑筋を弛緩させる薬物は、プロピベリン塩酸塩やコハク酸ソリフェナシンである。2:誤\nアドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激し、膀胱平滑筋を弛緩させる薬物は、クレンブテロール塩酸塩である。3:誤\nコリンエステラーゼを阻害し、膀胱平滑筋を収縮させる薬物は、ジスチグミン臭化物やネオスチグミン臭化物である。4:正\n5:誤\nテストステロンの産生を抑制し、前立腺を縮小させる薬物は、クロルマジノン酢酸エステルである。"} +{"problem_id": "098249", "problem_text": "この処方薬について薬剤師が患者に説明すべき基本的注意のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["めまい等が現れることがあるので、高所作業、自動車運転等危険を伴う作業に従事する場合は注意してください。", "起床時に血圧が上昇することがあるので、注意してください。", "唾液又は水で服用してください。", "かみ砕かずに服用してください。", "寝たままの状態では、水なしで服用しないでください。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:適切\n本剤は\\alpha\n_{1}受容体遮断作用を有しているため、副作用として血圧下降によるめまいや起立性低血圧を起こすことがある。そのため、本剤服用中に高所作業や自動車運転等危険を伴う作業に従事する場合は注意するように説明する。"} +{"problem_id": "098250", "problem_text": "69歳女性。近医より紹介され、不整脈の精密検査目的で入院することになり、以下の処方薬を持参した。血清クレアチニン値は1.4 mg/dLであり、AST及びALTはそれぞれ30、35 IU/Lであった。持参薬を確認した薬剤師が担当医に提案すべき内容として、最も適切なのはどれ��。1つ選べ。", "choices": ["トリアゾラム錠には重大な薬剤性不整脈が知られているため中止する。", "肝機能が低下しているので、カルベジロール錠をプロプラノロール塩酸塩錠に変更する。", "肝機能が低下しているので、ラベプラゾールナトリウムを減量する。", "腎機能が低下しているので、ワルファリンカリウムを減量する。", "腎機能が低下しているので、シベンゾリンコハク酸塩を減量する。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nトリアゾラム錠は副作用として重大な薬剤性不整脈を起こすとの報告はない。2:誤\n本患者のAST、ALTは基準値範囲内にあることから、本患者の肝機能は正常である。よって、肝機能低下による薬剤の変更は不要である。3:誤\n解説2参照\n4:誤\n本患者の血清クレアチニン濃度は高値を示していることから、本患者の腎機能は低下している。ワルファリンカリウムは肝消失型薬物であるため、腎機能に応じて投与量を調節する必要はない。5:正\n本患者の血清クレアチニン濃度は高値を示していることから、本患者の腎機能は低下している。シベンゾリンコハク酸塩は腎消失型薬物であるため、腎機能に応じて投与量を調節する必要がある。"} +{"problem_id": "098251", "problem_text": "処方された個々の薬剤の薬理作用として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カルベジロールは、アドレナリン\\beta 受容体遮断作用に加え、アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断作用も有する。", "カルベジロールは、プロプラノロールと異なり、内因性交感神経刺激作用(ISA)を有する。", "シベンゾリンは、心筋のNa^{+}チャネル遮断作用とK^{+}チャネル開口作用を有し、活動電位の持続時間を短縮する。", "ベプリジルは、電位依存性L型Ca^{2+}チャネルを遮断し、房室結節の有効不応期を延長する。", "ワルファリンは、アンチトロンビンIIIの作用を増強し、抗凝固作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nカルベジロールは、アドレナリン\\alpha\n\\beta\n受容体遮断薬であり、アドレナリン\\beta\n受容体遮断作用に加え、アドレナリン\\alpha\n_{1}受容体遮断作用も有する。"} +{"problem_id": "098252", "problem_text": "糖尿病患者が以下の処方せんを持って保険薬局に来局した。なお、この薬局には初めての来局である。処方されたこれらの薬剤の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["\\alpha -アミラーゼを競合的に阻害し、食後高血糖を抑制する。", "ATP感受性K^{+}チャネルを遮断し、膵\\beta 細胞を脱分極させる。", "ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害し、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の分解を抑制する。", "GLP-1受容体を直接刺激し、血糖値を低下させる。", "グルカゴンの分泌を抑制し、血糖値の上昇を抑制する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "ボグリボースは\\alpha -グルコシダーゼ阻害薬であり、\\alpha -グルコシダーゼを競合的に阻害し、二糖から単糖への分解を抑制する。シタグリプチンリン酸塩はジペプチジルペプチターゼ-4(DPP-4)阻害薬であり、DPP-4を阻害することによりインクレチン(グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、グルコース依存性インスリン分泌刺激ペプチド(GIP))の分解を抑制し、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進するとともに、グルカゴン分泌を抑制する。1:誤\n前記参照\n2:誤\nATP感受性K^{+}チャネルを遮断し、膵\\beta 細胞を脱分極させる薬物は、スルホニル尿素(SU)剤(トルブタミド、グリベンクラミドなど)である。3:正\n前記参照\n4:誤\nGLP-1受容体を直接刺激し、血糖値を低下させる薬物は、GLP-1アナログ製剤(リラグルチド、エキセナチドなど)である。5:正\n前記参照"} +{"problem_id": "098253", "problem_text": "この患者への服薬指導時の対応として、適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ボグリボースは、インスリンの分泌を促進すると説明する。", "ボグリボースの副作用として、腹部膨満、放屁が増加することを説明する。", "シタグリプチンは、血糖値をコントロールするホルモンであるインクレチンの作用を増強し、血糖値を下げると説明する。", "低血糖の症状が現れた場合、砂糖水を飲むように説明する。", "腎臓の働きが悪いと言われたことがあるかどうか確認する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:不適切\nボグリボースはインスリン分泌促進作用を有しない。"} +{"problem_id": "098254", "problem_text": "70歳男性。経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋症)の患者に以下の薬剤が処方された。薬剤師として処方医に情報提供すべき内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アスピリンと併用する必要がある。", "投与開始日にはローディングドーズを必要とする。", "重大な副作用として血栓性血小板減少性紫斑症(TTP)が発生することがあるので、投与開始後2ヶ月間は2週間に1回程度の血液検査を考慮する。", "クロピドグレルの用量調節には、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の測定が必要である。", "本剤による血小板凝集抑制が問題となるような手術の場合には、14日以上前に投与を中止することが望ましい。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:適切\n本剤を経皮的冠動脈形成術(PCI)が適応される虚血性心疾患に用いる場合\n・アスピリン(81〜100 mg/日)と併用すること\n・ステント留置患者への本剤投与時には該当医療機器の添付文書を必ず参照すること\n・PCI施行前に本剤75 mgを少なくとも4日間投与されている場合、ローリングドーズ投与は必須ではない\nとされている。2:適切\nPCI施行前に本剤を投与していない場合には、ローリングドーズ(投与開始日に300 mgを投与すること)を必要とする。3:適切\n本剤を使用することにより、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)等の重大な副作用が発現することがあるため、投与開始2ヶ月間は、2週間に1回の血液検査を考慮する。4:不適切\n本剤の用量調節では、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の測定は行わない。用量調節の際、APTTの測定を行うのは、ヘパリンの場合である。5:適切\n本剤による血小板凝集抑制が問題となるような手術の場合には、14日以上前に投与を中止することが望ましい。"} +{"problem_id": "098255", "problem_text": "クロピドグレルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["肝臓で活性代謝物に変換され、抗血小板活性を示す。", "ADP受容体サブタイプP2Y_{12}受容体を刺激する。", "血小板のアデニル酸シクラーゼ活性を増強する。", "血小板のシクロオキシゲナーゼを阻害する。", "抗凝固薬と併用しても、出血傾向は増強されない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "098256", "problem_text": "63歳男性。腎不全で透析施行中の入院患者に以下の薬剤が追加で処方された。この患者の治療に関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ロスバスタチンカルシウム錠は、透析患者に対して禁忌である。", "ナテグリニド錠は、透析患者に対して禁忌である。", "服薬指導時に、食事中のタンパク質量が制限されていることを確認する。", "服薬指導時に、患者の手足のむくみを確認する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nロスバスタチンカルシウム錠は、透析患者に対して投与することが可能である。2:正\nナテグリニド錠は、低血糖を起こすおそれがあるため、透析を必要とするような重篤な腎機能障害のある患者には投与禁忌である。3:誤\n透析を受ける前は腎機能を保護する目的から厳しいタンパク制限が必要であるが、透析によりタンパク質の原料であるアミノ酸が失われるため、透析施行中はアミノ酸を補充する目的でタンパク質を一定量摂取する必要がある。4:正\n透析療法の効果を判定するために、患者に対して手足のむくみを確認する必要がある。"} +{"problem_id": "098257", "problem_text": "その後、患者に貧血症状が出たため、エポエチンアルファが処方された。この処方薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["トロンボポエチン受容体を刺激する。", "赤芽球前駆細胞に直接作用して、赤血球への分化・増殖を促進する。", "血漿中の鉄と結合して造血組織に移行し、ヘモグロビン合成系への鉄の供給を促進する。", "赤血球増多により、副作用として血栓塞栓症を起こすことがある。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n本剤は、トロンボポエチン受容体刺激作用を有しない。なお、トロンボポエチン受容体を刺激することにより血小板増加作用を示す薬物には、エルトロンボパグ\nオラミンなどがある。"} +{"problem_id": "098258", "problem_text": "45歳女性。関節リウマチの治療を受けていたが、既存治療では効果不十分であったため、処方変更となり以下の処方せんを持って薬局を訪れた。患者に対する薬剤師の対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["今回の処方変更の前に胸部レントゲン検査やツベルクリン反応などを受け、結核に感染していないことを患者に確認した。", "本剤により免疫が抑制されるため、持続的な発熱やせきが出ても心配ないことを説明し、患者の不安を和らげた。", "患者が事前に自己注射の十分な教育訓練を受け、自らが確実に自己注射できるかどうかを確認した。", "紅斑、発赤、疼痛、腫脹、そう痒などの注射部位反応が報告されているので、投与毎に注射部位を変えるように指導した。", "多発性硬化症などの脱髄疾患やうっ血性心不全の既往歴の有無を確認した。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:適切\n本剤の投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-\\gamma 試験又はツベルクリン反応検査を行い、結核の有無を確認する必要がある。2:不適切\n本剤により免疫が抑制されるため、本剤使用中に発熱、倦怠感等が現れた場合には感染症を発症している可能性がある。そのため、本剤使用中に発熱、倦怠感等が現れた場合には速やかに連絡するよう説明する必要がある。3:適切\n本剤の自己投与については、医師がその妥当性を慎重に検討し十分な教育を受けたのち患者自ら確実に投与できると確認した上で実施される。4:適切\n本剤投与により投与部位反応(紅斑、発赤、疼痛、腫脹、そう痒など)が報告されているため、投与毎に注射部位を変える必要がある。5:適切\n本剤を多発性硬化症などの脱随疾患やうっ血性心不全の患者に投与すると、症状が悪化するおそれがあるため、多発性硬化症などの脱随疾患やうっ血性心不全の患者には投与禁忌とされている。"} +{"problem_id": "098259", "problem_text": "エタネルセプトの作用として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["腫瘍壊死因子-\\alpha (TNF-\\alpha )に対するキメラ型モノクローナル抗体で、TNF-\\alpha と受容体の結合を選択的に阻害する。", "TNF受容体に対する完全ヒト型モノクローナル抗体で、TNF-\\alpha と受容体の結合を選択的に阻害する。", "ヒト型可溶性TNF受容体-Fc融合タンパク質で、TNF-\\alpha と細胞表面TNF受容体の結合量を選択的に抑制する。", "インターロイキン-6(IL-6)受容体に対するヒト型モノクローナル抗体であり、IL-6と受容体の結合を阻害する。", "抗原提示細胞膜のCD80/CD86に結合し、CD28を介した共刺激シグナルを阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本剤はヒト型可溶性TNF受容体とFc領域の融合タンパク質であり、ヒトTNF可溶性レセプター部分が過剰に産生されたTNF-\\alpha\nをおとり受容体として捕捉し、細胞表面のレセプターとの結合を阻害することにより抗リウマチ作用、抗炎症作用を示す。1:誤\n腫瘍壊死因子-\\alpha\n(TNF-\\alpha\n)に対するキメラ型モノクローナル抗体で、TNF-\\alpha\nと受容体の結合を選択的に阻害する薬物は、インフリキシマブである。"} +{"problem_id": "098260", "problem_text": "65歳女性。アレルギー疾患で初めて外来にかかり、以下の漢方薬が処方された。お薬手帳を確認したところ他院の処方薬に併用注意の薬剤があり、医師に問合せを行った。以下の薬剤がお薬手帳に記載されていた。併用に注意すべき薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["フロセミド錠", "スピロノラクトン錠", "エチゾラム錠", "ファモチジン錠", "ロキソプロフェンナトリウム水和物錠"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本処方は小青竜湯である。本処方と相互作用を起こす可能性があるため併用に注意する薬剤及び薬物には、マオウ含有製剤、カテコールアミン製剤、キサンチン系製剤、カンゾウ含有製剤、グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤、ループ利尿薬、チアジド系利尿薬がある。選択肢のうち、フロセミドはループ利尿薬に該当するため、本処方との併用に注意する必要がある。"} +{"problem_id": "098261", "problem_text": "前問の薬剤が併用注意となる理由として、最も留意すべきものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カンゾウが併用薬のカリウム排泄作用を増強する。", "カンゾウが併用薬のナトリウム再吸収作用を阻害する。", "カンゾウが併用薬のシクロオキシゲナーゼ阻害作用を抑制する。", "マオウが併用薬のベンゾジアゼピン受容体への親和性を増大させる。", "マオウが併用薬の胃内pH上昇作用を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "小青竜湯の構成生薬であるカンゾウは、アルドステロン様作用により低カリウム血症を誘発する。また、フロセミドは副作用として低カリウムを起こすことがある。両薬物ともカリウム排泄作用を有することから、両薬物を併用することにより低カリウム血症を誘発しやすくなるため、両薬物は併用注意の組合せである。"} +{"problem_id": "098262", "problem_text": "80歳男性。喀痰よりMRSAが検出され、以下の薬剤が処方された。この患者の薬物療法において、薬剤師が考慮すべき検査項目はどれか。2つ選べ。", "choices": ["最小発育阻止濃度(MIC)", "QT間隔", "フィブリノーゲン", "尿中ミクログロブリン", "血中テストステロン"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "アルベカシンは、アミノグリコシド系抗生物質であり、濃度依存性の抗菌作用を示すため、薬効を判定する際の指標として、C_{max}/MICを用いる。また、アミノグリコシド系抗生物質は腎消失型であるため、腎機能の指標(血清クレアチニン濃度、クレアチニンクリアランス、尿中ミクログロビンなど)を基に投与量を設定する。"} +{"problem_id": "098263", "problem_text": "MRSAに対するアルベカシンの抗菌作用機序として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["細菌のDNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、転写を抑制する。", "細菌のエルゴステロール生合成を阻害し、細胞膜の透過性を高める。", "細胞壁前駆体である直鎖状ペプチドグリカン末端のD-アラニル-D-アラニンと結合し、細胞壁の合成を阻害する。", "細菌のリボソーム30Sサブユニットに結合し、タンパク質の合成を阻害する。", "細菌の微小管に結合し、有糸分裂を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "098264", "problem_text": "55歳男性。体重60kg。クレアチニンクリアランス40 mL/min。ヘルペス脳炎のため、以下の処方が出された。アシクロビルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["抗ウイルス作用発現には、感染細胞内でのウイルス由来のチミジンキナーゼによるリン酸化が必要である。", "生体内でバラシクロビルに変換され、抗ウイルス活性を示す。", "単純ヘルペスウイルス(HSV)1型の増殖を抑制するが、HSV2型の増殖は抑制しない。", "活性化体に変換されてdGTPと競合し、ウイルスのDNA合成を阻害する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本剤は、ヘルペス群ウイルス感染細胞内でウイルス誘導のチミジンキナーゼによりリン酸化されて、活性型のアシクロビル三リン酸となる。活性型のアシクロビル三リン酸はdGTPと競合し、ウイルスDNAポリメラーゼを阻害することによりウイルスDNAの合成を阻害する。2:誤\n解説1参照。なお、バラシクロビルは、アシクロビルのプロドラッグであり、肝初回通過効果過程でアシクロビルに変換され効果を示す。3:誤\n本剤はHSV1型及びHSV2型の増殖を抑制する。4:正\n解説1参照"} +{"problem_id": "098265", "problem_text": "医療スタッフに対する薬剤の情報提供として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アナフィラキシーショックが現れる場合がある。", "減量や投与間隔の延長を考慮する必要はない。", "意識障害(昏睡)、せん妄などの精神神経症状が現れる場合がある。", "汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、播種性血管内凝固症候群が現れる場合がある。", "HSVの増殖を抑制するため、速やかに投与を開始することが重要である。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:適切\nアシクロビルは、重大な副作用として、アナフィラキシーショック、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少症、播種性血管内凝固症候群、急性腎不全、精神神経症状、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、間質性肺炎などを起こすことがある。"} +{"problem_id": "098266", "problem_text": "病棟で医師から薬剤���に先発医薬品と後発医薬品の違いについて質問があった。後発医薬品に関する説明として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["先発医薬品と有効成分が異なることがある。", "先発医薬品と添加物が異なることがある。", "承認を受けた効能・効果は先発医薬品と異なることがある。", "先発医薬品にはない剤形のものがある。", "先発医薬品に比べて味が工夫され飲みやすくなっている薬剤がある。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "先発医薬品と後発医薬品については、有効成分は同じであるが、添加物、有効成分の含有量、効能・効果、剤形が異なるものがある。また、先発医薬品に比べて味が改善され飲みやすくなっている後発医薬品も存在する。"} +{"problem_id": "098267", "problem_text": "後発医薬品は、先発医薬品と生物学的に同等である必要がある。製剤間の生物学的同等性を規定する薬物動態パラメータはどれか。2つ選べ。", "choices": ["分布容積", "最高血中濃度", "消失半減期", "平均滞留時間", "血中濃度時間曲線下面積"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "「生物学的に同等である」とは、「循環血中に移行する薬物の速度と量が同等である」ことを示している。製剤間の生物学的同等性を規定する薬物動態パラメータには、最高血中濃度(C_{max})、最高血中濃度到達時間(T_{max})、血中濃度時間曲線下面積(AUC)がある。"} +{"problem_id": "098268", "problem_text": "80歳女性。体重65 kg。うっ血性心不全、高血圧症、慢性腎不全と診断され、以下の薬剤を服用していた。アレルギー歴、肝機能障害、副作用歴なし。昨日、食欲不振と不整脈等の体調変化が認められ、救急救命センターに運ばれた。ジゴキシン錠0.25 mg フロセミド錠40 mg スピロノラクトン錠25 mg デノパミン錠5 mg バルサルタン錠40 mg 診察した医師はジギタリス中毒を疑い、薬剤師に情報提供を求めた。ジギタリス中毒に関する内容として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["消化器症状として食欲不振、悪心がある。", "視覚異常として黄視・複視がある。", "血漿中ジゴキシン濃度(トラフ値)が2 ng/mLを超えると、中毒症状の発現頻度が高くなる。", "肝機能障害のある患者では中毒症状を起こしやすい。", "一般に、ジゴキシン除去を目的とした血液透析は無効である。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\nジギタリス中毒では、不整脈(高度の徐脈、発作性心房性頻拍等)、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、視覚異常(黄視、緑視、複視等)などの症状が現れることがある。2:正しい\n解説1参照\n3:正しい\nジゴキシンの有効血中濃度は0.5〜1.5 ng/mLとされており、また、中毒域は2.0 ng/mL以上とされている。4:誤っている\nジゴキシンは腎消失型薬物であり、腎機能障害のある患者では血中濃度が増加し中毒症状を起こしやすい。なお、肝機能障害のある患者は腎機能障害患者に比べ、中毒症状を起こすことは少ない。5:正しい\nジゴキシンを過量投与した場合の対応として、血液透析は一般に無効であるとされている。"} +{"problem_id": "098269", "problem_text": "この患者で推定される薬物の体内分布に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["高齢であるため体脂肪率が増加しており、脂溶性の高い薬物の脂肪組織への蓄積が生じやすい。", "高齢であるため血清中の\\alpha _{1}-酸性糖タンパク質濃度が低下しており、塩基性薬物の非結合型分率が上昇している。", "心不全により血流が増大しており、薬物の分布容積の増大が起こりやすい。", "慢性腎不全により血漿中のアルブミン濃度が低下しており、酸性薬物の非結合形分率が上昇している。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n高齢者では体脂肪率が増加しているため、脂溶性の高い薬物は脂肪組織に蓄積しやすい。"} +{"problem_id": "098270", "problem_text": "10歳男児。体重30 kg。てんかんのためフェノバルビタールを服用していた。最近、傾眠傾向にあり、母親が心配になり、男児と医療機関を受診した。薬剤師がフェノバルビタールの血清中濃度を測定したところ40 \\micro g/mLであり、治療有効濃度を超えていた。男児の肝機能及び腎機能は正常であった。この患者への処置として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アトロ���ン硫酸塩水和物の静注", "フルマゼニルの静注", "炭酸水素ナトリウムの点滴静注", "塩化アンモニウムの点滴静注", "ホリナートカルシウムの静注"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本患者はフェノバルビタールの血中濃度が中毒域(フェノバルビタールの治療有効濃度: 15〜35 \\micro g/mL)にあるため、それにより傾眠傾向にあると考えられる。フェノバルビタールは酸性薬物であるため、その解毒には尿のpHをアルカリ性にする炭酸水素ナトリウムが用いられる。1:誤\nアトロピン硫酸塩は抗コリン作用を有するため、有機リン系化合物やカルバメート系農薬中毒の解毒に用いられる。2:誤\nフルマゼニルはベンゾジアゼピン受容体遮断作用を有するため、ベンゾジアゼピン系薬物の解毒に用いられる。3:正\n4:誤\n塩化アンモニウムは尿のpHを酸性にするため、塩基性薬物の解毒に用いられる。5:誤\nホリナートカルシウムは体内で活性葉酸となるため、メトトレキサートの解毒に用いられる。"} +{"problem_id": "098271", "problem_text": "前問で選択した薬物がフェノバルビタールの体内動態に及ぼす影響として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["消化管吸収の阻害", "尿細管再吸収の抑制", "尿細管分泌の促進", "受容体での拮抗", "胆汁中排泄の促進"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "炭酸水素ナトリウムは尿のpHをアルカリ性にし、尿中の酸性薬物の分子形の割合を低下させることにより尿細管再吸収を抑制する。"} +{"problem_id": "098272", "problem_text": "65歳男性。保険薬局に異なる診療科の処方せんを同時に持参した。呼吸器内科の処方薬剤のうち、整形外科の処方薬剤と併用禁忌であるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イソニアジド錠", "シプロフロキサシン錠", "L-カルボシステイン錠", "レバミピド錠"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "チザニジンと併用禁忌の薬物は、シプロフロキサシンである。シプロフロキサシンとチザニジンを併用すると、シプロフロキサシンがCYP1A2を阻害し、チザニジンの血中濃度を上昇させ、それにより著しい血圧低下、傾眠、めまい及び精神運動能力の低下等が現れるため、両薬剤は併用禁忌である。"} +{"problem_id": "098273", "problem_text": "上記の併用禁忌となる相互作用の主なメカニズムはどれか。1つ選べ。", "choices": ["キレート形成", "代謝酵素の阻害", "トランスポーターの誘導", "尿のpHの変化", "受容体での拮抗"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "問272解説参照"} +{"problem_id": "098274", "problem_text": "53歳男性。体重50 kg。胃がんと診断され、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤とシスプラチンとの併用療法が施行されることになった。この患者において、シスプラチンの点滴静注終了後の体内動態は線形2-コンパートメントモデルに従い、\\alpha 相(分布相)の半減期は10分、\\beta 相(消失相)の半減期は42時間であった。片対数グラフに示す血清中濃度推移として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "2-コンパートメントモデルで消失する薬物の血中濃度推移には、薬物投与直後の\\alpha 相(分布相)と\\alpha 相終了後の\\beta 相(消失相)が認められる。2-コンパートメントモデルに従う薬物の血清中濃度推移(片対数グラフ)を以下に示す。問題文に「シスプラチンの点滴静注終了後の体内動態は線形2-コンパートメントモデルに従い、\\alpha 相(分布相)の半減期は10分、\\beta 相(消失相)の半減期は42時間であった」と記載されていることから、\\alpha 相(分布相)の半減期が10分、\\beta 相(消失相)の半減期が42時間である選択肢4のグラフがシスプラチンの血中濃度推移を表している。"} +{"problem_id": "098275", "problem_text": "今回の治療法の副作用とその対策に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["嘔気・嘔吐の副作用発現頻度が高い。", "骨髄抑制などの副作用を回避するために、血液検査を頻回行う。", "シスプラチンによる腎毒性軽減のために、大量の輸液投与を行う。", "利尿剤の併用は禁忌である。", "副作用予防のために、いずれの薬剤も休薬期間が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n本化学療法では、ほぼ全例に悪心・嘔吐、食欲不振等���消化器症状が認められる。"} +{"problem_id": "098276", "problem_text": "保険薬局にて、以下の処方せんを受け付けた。粉末薬品の混合に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["互いに相互作用を起こさない水に可溶な2種の結晶性粉末を混合すると、臨界相対湿度は上昇する。", "水に可溶な結晶性粉末と不溶な結晶性粉末とを混合すると、水に可溶な結晶性粉末の臨界相対湿度は低下する。", "粉末薬品の混合性は、粉末薬品の粒子形状の影響を受ける。", "2種の粉末薬品を混合する場合、粒子の密度差が大きいほど混合性がよい。", "粉末薬品の混合は、粒子間の結合性及び付着性が小さい場合には平均粒子径の差が近いほど容易である。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n互いに相互作用を起こさない水に可溶な2種類の結晶性粉末を混合すると、臨界相対湿度は低下し、吸湿しやすくなる(エルダーの仮説)。2:誤\n水に可溶な結晶性粉末と不溶な結晶性粉末とを混合しても、水に可溶な結晶性粉末の臨界相対湿度は変化しない。3:正\n粉末薬品の混合性は、粉末薬品の粒子径、形状、密度の影響を受ける。なお、粉末薬品の粒子径、形状、密度が近いほど、粉末粒子の混合性は良くなる傾向にある。4:誤\n解説3参照\n5:正\n解説3参照"} +{"problem_id": "098277", "problem_text": "この2つの処方の調剤方法として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1は、混合すると変色する場合があるが、薬効には影響がないので、混合して分包する。処方2は、混合して分包する。", "処方1は、混合すると変色する場合があるが、薬効には影響がないので、混合して分包する。処方2は、混合せず別包とする。", "処方1は、混合せず別包とする。処方2は、混合すると変色する場合があるが、薬効には影響がないので、混合して分包する。", "処方1、処方2ともに混合せず、それぞれ別包とする。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "・処方1\nダイオウ末と酸化マグネシウムを混合すると赤色を帯びるが薬効には問題がない。そのため、両薬剤は配合注意の組合せであり、混合して分包するか混合せず別包とする。・処方2\nアスピリン末と炭酸水素ナトリウムを混合するとアスピリンの加水分解が起こる。そのため、両薬剤は配合不適の組合せであり、混合せず別包とする。"} +{"problem_id": "098278", "problem_text": "75歳男性。血糖コントロール不良で入院した。眼底検査のために眼科を受診したところ、眼圧上昇が認められたので、以下の薬剤が処方された。ベットサイドで今回の処方に対する服薬指導を行う前に、カルテ等から調べておく患者情報として、優先度の高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["HbA1_{c}値", "低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)値", "気管支ぜん息の既往歴", "高尿酸血症の既往歴", "心疾患の既往歴"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "チモロールマレイン酸塩はアドレナリン\\beta 受容体遮断薬であり、以下の患者には投与しないこととされている(投与禁忌)。・気管支ぜん息、又はその既往歴のある患者、気管支痙攣、重篤な慢性閉鎖性疾患のある患者\n・コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(II、III度)、心原性ショックのある患者\nよって、本剤を服薬指導する前に、気管支ぜん息の既往歴、心疾患の既往歴を調べておく必要がある。"} +{"problem_id": "098279", "problem_text": "チモプトールXE点眼液には、以下の添加物が用いられている。【添加物】ジェランガム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ベンゾドデシニウム臭化物、D—マンニトールこの点眼液が持続性を示す機構として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["涙液中のナトリウムイオンと反応しゲル化するため。", "薬物と添加物が不溶性の複合体を形成しているため。", "薬物が徐放性微粒子に内封されているため。", "薬物がo/w型エマルションの油層に保持されているため。", "高分子を結合させたプロドラッグであるため。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "本剤は、添加物であるジェランガムが涙液中のナトリウムイオンと反応しゲル化することにより持続性を示す。"} +{"problem_id": "098280", "problem_text": "35歳男性。てんかんの持病があり、処方1によりコント���ールされていた。あるとき、2日間激しい下痢が続き、救急外来を受診した。患者からの聴取により黄色ブドウ球菌による食中毒が疑われた。医師が処方2を追加する際に、薬剤師に意見を求めてきた。医師に対する情報提供として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ロペラミド塩酸塩カプセル1 mgを追加すべきである。", "バルプロ酸の血中濃度の低下を懸念して、TDMを実施すべきである。", "バルプロ酸の副作用リスクが高まるため、肝機能検査を実施すべきである。", "ビフィズス菌錠は、耐性乳酸菌錠に変更すべきである。", "アンピシリンは、バルプロ酸との相互作用により中枢性けいれんを誘発するので、併用禁忌である。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n食中毒による下痢に対して止瀉薬を使用すると食中毒の原因菌の排泄が抑制されてしまう。そのため、ロペラミド塩酸塩のような止瀉薬を食中毒による下痢に対して使用しない。2:正\nデパケンR錠はバルプロ酸ナトリウムを含む徐放錠であり、効果を発揮するためには一定時間消化管内に留まる必要がある。本患者は下痢をしており、薬剤の排出が速くなっていることから十分に血中薬物濃度が上昇しない可能性が考えられる。そのため、この患者に対してTDMを実施するべきである。3:誤\nバルプロ酸ナトリウムは肝消失型薬物であり、肝機能の低下により副作用のリスクが高まるため肝機能の低下が疑われる場合には、肝機能検査をすべきである。しかし、本患者は下痢をしておりバルプロ酸の血中濃度が低下していると考えられるため、肝機能検査を実施する必要性は低い。4:正\nアンピシリンとビフィズス菌錠を併用するとビフィズス菌が死滅することため、ビフィズス菌錠を耐性乳酸菌錠に変更すべきである。5:誤\nアンピシリンとバルプロ酸を併用することにより中枢性のけいれんを誘発するとの報告はない。なお、バルプロ酸と併用することにより中枢性のけいれんを誘発する薬物には、カルバペネム系抗生物質(パニペネム・ベタミプロン、メロペネム水和物、イミペネム水和物・シラスタチンナトリウムなど)がある。"} +{"problem_id": "098281", "problem_text": "デパケンR錠は、マトリックス型の徐放錠である。マトリックス型徐放錠の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["服用後速やかに崩壊し、内包された徐放性顆粒から薬物が放出される。", "速放性顆粒と徐放性顆粒を混合し、打錠した製剤である。", "徐放層と速放層の2層からなる錠剤である。", "速放性の外殻層と徐放性の内殻錠からなる錠剤である。", "基剤中に薬物が均一に分散している。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "マトリックス型製剤は、主薬を基剤中(ワックスや高分子マトリックス)に均一に分散させた製剤のことである。デパケンR錠は内側に多孔性マトリックス構造を有しており、その上に徐放膜、糖衣が施されている。"} +{"problem_id": "098282", "problem_text": "65歳男性。体重53 kg。疼痛緩和治療を受けているがん患者である。モルヒネの副作用としての便秘がひどくなり、処方変更がなされた。疼痛緩和治療に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["上記の処方変更は、オピオイドローテーションの一例である。", "WHO方式3段階がん疼痛治療ラダーの第1段階では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)かペンタゾシンのいずれかが用いられる。", "フェントステープへの切り替えの際は、レスキュードーズを考慮する必要がある。", "フェントステープ使用時には、NSAIDsなどの鎮痛補助剤の併用は避けるべきである。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nWHO方式3段階がん疼痛治療ラダーの第3段階においては、通常、モルヒネから使用されるが、モルヒネを使用しても鎮痛効果が不十分な場合や副作用が強い場合については、他のオピオイド製剤(オキシコドン、フェンタニルなど)に切り替える場合がある。この方法をオピオドローテーションという。2:誤\nWHO方式3段階がん疼痛治療ラダーの第1段階では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)かアセトアミノフェンのいずれかが用いられる。\n・第1段階(患者の痛みが軽い)\n非オピオイド鎮痛薬(NSAIDs: ロキソプロフェンNaなど)、アセトアミノフェン\n・第2段階(第1段階で不十分)\n弱オピオイド鎮痛薬(コデイン、トラマゾール:など)+NSAIDs\n・第3段階(第2段階で不十分)\n強オピオイド鎮痛薬(モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル:など)+NSAIDs\n3:正\nレスキュードーズとは、突然痛みが増強した場合に鎮痛薬を追加投与することである。オピオイドローテーション時には、急激な痛みの悪化が認められることがあるため、レスキュードーズを考慮する必要がある。4:誤\n解説2参照"} +{"problem_id": "098283", "problem_text": "今回処方されたフェントステープに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["支持体、薬物を含む膏体及びライナーから構成される。", "貼付24時間後も、製剤中に薬物が残存している。", "膏体を構成するスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体は、水に不溶である。", "高温とならない所に保管する。", "ハサミ等で切って使用しても差しつかえない。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n本剤は、支持体、薬物を含む膏体及びライナーから構成される(下図参照)。"} +{"problem_id": "098284", "problem_text": "47歳男性。気管支ぜん息の治療中である。この患者に以下の薬剤が新たに処方された。この患者に対する服薬指導の内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ぜん息発作重積状態の時に使用してもよい。", "用時振とうして使用すること。", "吸入ステロイド薬単独使用時と比べ、ステロイド薬の減量が可能である。", "発作が起こらなくても毎日定期的に使用する。", "薬剤噴霧と吸入のタイミングを同調できない時には、スペーサーの使用を勧める。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:不適切\n本剤は、気管支喘息治療における長期管理薬(コントローラー)として使用されるが、発作改善薬(リリーバー)として使用することはできない。2:適切\n本剤は、主薬と噴霧ガスを均一にするために用時振とうして使用する必要がある。3:適切\n本剤には長時間作用型アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬であるサルメテロールが含有されているため、吸入ステロイド薬単独使用時と比べ、ステロイド薬の減量が可能である。4:適切\n本剤は、長期管理薬(コントローラー)として使用されるため、発作が起こらなくても毎日定期的に使用する必要がある。5:適切\n本剤を吸入する際には、薬剤噴霧と吸入のタイミングを同調させる必要がある。薬剤噴霧と吸入のタイミングを同調させることが困難な場合には、吸入補助器であるスペーサーの使用を勧める。"} +{"problem_id": "098285", "problem_text": "この薬剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["全身作用を目的とした吸入エアゾール剤である。", "肺深部まで薬物を送達させるために、エアゾール粒子の空気力学径が30〜100 \\micro mの大きさに設計されている。", "速く吸入する方が吸入効率がよい。", "吸入後に息を止める必要はない。", "容器は、密封容器である。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n本剤は肺・気道局所に対する作用を目的とした製剤であり、全身作用を目的とした製剤ではない。"} +{"problem_id": "098286", "problem_text": "経口及び経腸的に栄養摂取不能な体重50 kgの男性患者に栄養輸液が処方された。高カロリー輸液の調製時に、処方に含まれる1日当たりの成分量を確認したところ、以下の様であった。処方医に確認すべき項目はどれか。1つ選べ。", "choices": ["糖質: 250 g", "アミノ酸: 75 g", "脂質: 150 g", "Na^{+}: 100 mEq", "K^{+}: 80 mEq"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "高カロリー輸液を調製するにあたって、糖質、アミノ酸、脂質、Na^{+}、K^{+}の1日投与量の目安及び体重50 kgの場合の投与量の目安を以下に示す。・糖質: 約5〜10 g/kg/日:体重50 kgの場合、1日約250〜500 g\n・アミノ酸: 約1〜2 g/kg/日:体重50 kgの場合、1日約50〜100 g\n・脂質: 約1 g/kg/日:体重50 kgの場合、1日約50 g\n・Na^{+}: 約1〜2 mEq/kg/日:体重50 kgの場合、1日約50〜100 mEq\n・K^{+}: 約1〜2 mEq/kg/日:体重50 kgの場合、1日約50〜100 mEq"} +{"problem_id": "098287", "problem_text": "この患者の栄養状態の評価に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["体重が1週間に0.5 kgの割��で増加している場合には、水分負荷の過剰を疑う。", "上腕三頭筋の皮下脂肪厚は、体脂肪量の推定に用いられる。", "筋タンパク量の推定には、上腕筋囲長が用いられる。", "中心静脈栄養時は1日摂取熱量が一定なので、血糖値のチェックは不要である。", "栄養状態の短期的変動を評価するには、血清トランスサイレチン値よりも血清アルブミン値の方が適している。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n体重の変化については、主にカロリー摂取量と消費量のバランスが関与している。体重が一定期間一定の割合で増えている場合、カロリー摂取が過剰であることを疑う。"} +{"problem_id": "098288", "problem_text": "68歳女性。体重51 kg。副腎皮質ステロイド薬の吸入エアゾール剤で気管支ぜん息の治療を受けていた。しかし、噴霧と吸気のタイミングを合わせることができず、以下の処方に変更された。この薬剤とピークフローメーターに関する指導内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["まず息を吐いてから、薬物を深く吸い上げるように指導した。", "この薬剤のマウスピースが汚れた場合には、水洗いするように指導した。", "この薬剤の有効成分は、肺内に到達後、活性体になることを説明した。", "ピークフローメーターは、最大吸気流量を簡便に測定するものであることを説明した。", "ピークフロー値は、気道閉塞の状態の客観的な指標なので、毎日測定するように指導した。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n本剤はドライパウダー吸入式ステロイド薬であり、本剤を吸入する際には息を吐いてから薬物を深く吸い上げるように指導する。2:誤\n本剤のマウスピースが汚れた場合には、水洗いせず、乾いた布で拭き取るように指導する。3:誤\n本剤に含まれているブデソニドはアンテドラッグであり、気道及び肺においては活性体であるが血液移行後に不活性体となる。4:誤\nピークフローメーターは、最大呼気流量を簡易に測定するものであることを説明する。5:正\nピークフロー値は、気道閉塞の状態の客観的な指標なので、毎日、朝、夕の決まった時間に測定するように指導する。"} +{"problem_id": "098289", "problem_text": "この症例と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["口腔内カンジダ症の発症に対して注意が重要である。", "ステロイド薬の投与量から、重症ぜん息症状が持続していると考えられる。", "ステロイド薬の投与経路を、吸入から内服に変更することにより減量できる。", "ぜん息発作時には、ロイコトリエン受容体拮抗薬が著効する。", "インフルエンザの予防のためのワクチン接種は推奨されない。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n本剤に含まれているブデソニドは副腎皮質ステロイド性薬であり、免疫抑制作用を有しているため、吸入後、口腔内に残存すると口腔内カンジダ症を発症させることがある。そのため、本剤使用後はうがいをする必要がある。"} +{"problem_id": "098290", "problem_text": "55歳男性。体重52 kg。保険薬局に以下の処方せんを持参した。この症例の病態と薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["抗コリン薬は認知症症状をきたしやすく、高齢者では使用を控える。", "Wearing-offの症状に対する処方である。", "Hoehn and Yahrの重症度分類が用いられる。", "神経変性疾患として、アルツハイマー病より有病率が高い。", "On-offとはレボドパ製剤の1回服用後の効果持続時間が短縮していく症状である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n中枢においてアセチルコリンは認知機能に関与しているため、高齢者に対して抗コリン薬を用いると認知症状を誘発しやすい。2:誤\nWearing-offとは、レボドパの効果時間が短縮し、次回投与時間までレボドパの効果が持続しない状態のことである。\n①レボドパの用量又は投与回数を増やす\n②レボドパの効果を持続させる薬剤(セレギリン、エンタカポン)を併用する\n3:正\nパーキンソン病の臨床症状の重症度の判定には、Hoehn and Yahrの重症度分類が用いられる。4:誤\nパーキンソン病とアルツハイマー病の有病率の大小関係は、パーキンソン病<アルツハイマー病となっている。5:誤\nOn-offとは、レボド���の血中濃度に関わらずパーキンソン病の症状が改善したり悪化したりする現象のことである。"} +{"problem_id": "098291", "problem_text": "この患者に対する服薬指導時の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["前回の来局から本日までの日数と前回の投与日数を確認した。", "手のふるえが見られたが、患者に確認することなくPTPシートのまま投薬した。", "尿が出にくくないか確認した。", "自動車の運転は差支えないと説明した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n前回の来局から本日までの日数を確認することで残薬の有無を確認することができる。"} +{"problem_id": "098292", "problem_text": "関節リウマチ患者200人をランダムに割付けし、単盲検の並行群間試験を実施したところ、103人が試験薬投与群、97人が対照群に割付けられた。14週間の試験期間において、試験薬投与群では35人が試験を完了できずに脱落、対照群では6人が脱落した。[解析1]脱落者を除き、試験を完了した試験薬投与群68人、対照群91人で治療効果を検討した。[解析2]脱落者も試験完了者とともに解析に組み入れた。この研究結果を解釈するにあたって、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["単盲検試験では、被験者は割付けの内容を知らない。", "並行群間試験では、各群に被験薬又は対照薬が投与され、エンドポイントが観察される。", "評価指標の内容が、真のエンドポイントを反映するかどうかを確認する。", "関節リウマチの治療を意図したときの有効性をみるには、[解析2]よりも[解析1]の結果を重視する。", "[解析2]の解析方法は、intention-to-treat analysisと呼ばれる。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:適切\n単盲検試験では、評価者(医師など)は割付け内容を把握しているが、被験者は割付け内容を把握していない。2:適切\n並行群間試験では、被験者を被検薬群と対象薬群に無作為に割り付け、各群を同時に指定期間調査し、その結果を比較評価する試験であり、エンドポイント(試験薬の有効性を示す評価項目)を観測することができる。3:適切\n真のエンドポイントとは、本来求めたい評価項目であり、短期間では評価が困難なことが多い。そのため、本試験のような並行群間試験では、短期間で評価が可能な代替エンドポイントを評価項目として設定し、その内容が真のエンドポイントに反映するかを確認する。4:不適切\n治療を行うに当たり完全に治療を実施できる者もいれば何らかの理由により治療を途中で残念する者もいる。そのため、治療の有効性を確認するためには、脱落者も含めた解析が重要視される。このことから、関節リウマチの治療を意図したときの有効性をみるには、[解析1]よりも[解析2]の結果を重視する。5:適切\n[解析2]のような治療しようとした全例を解析対象とする方法を「intention-to-treat analysis」という。"} +{"problem_id": "098293", "problem_text": "被験者をエントリーするにあたり、関節リウマチの診断を行うために自己抗体の測定を行うこととした。選択基準として用いるのに適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["抗二本鎖DNA抗体陽性", "抗Sm抗体陽性", "抗リン脂質抗体陽性", "抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)抗体陽性", "抗マイクロゾーム抗体陽性"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n抗二本鎖DNA抗体は、全身性エリテマトーデスの診断に用いられる。"} +{"problem_id": "098294", "problem_text": "35歳男性。体重60 kg。庭で作業中、スズメバチに刺された。局所が腫れ上がるとともに、呼吸困難を感じ、さらに全身にじんま疹が出現した。そこで救急外来を受診した。この患者の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["マスト(肥満)細胞の脱顆粒が起こる。", "症状のピークは数時間後である。", "循環血液量が増加し、血圧が上昇する。", "咽頭や気管の浮腫を伴う。", "徐脈の合併が多い。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "本症例は、スズメバチに刺され、局所が腫れ上がり、呼吸困難、全身にじんましんが生じていることからアナフィラキシーショックを発症したと考えられる。1:正\nアナフィラキシーショックでは、肥満細胞の脱顆粒によりヒスタミンやロイコトリエンなどのケミカルメディエーターが放出される。2:誤\n��ナフィラキシーショックは、即時型アレルギーであるため、アレルゲン暴露後30分〜1時間後に症状のピークが認められる。3:誤\nアナフィラキシーショックでは、血管が拡張し、血圧下降によるショックが認められる。また、血管拡張により反射性頻脈も認められる。4:正\nアナフィラキシーショックでは、ケミカルメディエーターの遊離により咽頭や気管支に浮腫を伴う。5:誤\n解説3参照"} +{"problem_id": "098295", "problem_text": "その後、入院加療にて改善した。今後、同様の反応を繰り返す危険性があるため、退院時にアドレナリンの自己注射薬が処方された。症状発現時にいつでも自己注射ができるよう、薬剤師が「患者向医薬品ガイド」を参考に服薬指導した。「患者向医薬品ガイド」に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["「くすりのしおり」の別称であり、同一のものである。", "当該医薬品の製造販売業者が作成している。", "すべての医療用医薬品について作成されている。", "薬剤の効果に関する内容は記載されていない。", "医薬品医療機器総合機構が管理している医薬品医療機器情報提供ホームページから入手できる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "「患者向医薬品ガイド」は患者や患者の家族に医療用医薬品の正しい理解と、重大な副作用の早期発見などに役立ててもらう資料であり、当該医薬品の製造販売業者が作成する。1:誤\n「くすりのしおり」は、患者と医療者のコミュニケーションの促進のための医療情報であり「患者向医薬品ガイド」とは異なる。"} +{"problem_id": "098296", "problem_text": "35歳女性。体重52 kg。左前胸部の肋骨に沿って帯状にかゆみが発生し、発赤し、数日後に激しく痛み出した。帯状疱疹と診断され、神経ブロックで痛みをとりながら薬物治療を行った。しかし、皮疹が治った後も疼痛は3ヶ月以上続いた。この疾患の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["両側性に症状がみられることが多い。", "抗水痘帯状疱疹ウイルス抗体価が高値でも帯状疱疹に罹患する。", "帯状疱疹では、その多くにウイルス血症を起こす。", "ウイルス再感染が原因である。", "免疫力低下や過労が危険因子である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n帯状疱疹のほとんどは身体の片側に症状(神経性疼痛、知覚神経に沿う帯状の紅斑など)が現れる。2:正\n抗水痘帯状疱疹ウイルス抗体価が高値を示す場合でも、免疫力の低下、過労により帯状疱疹に罹患することがある。3:誤\n帯状疱疹において、水痘帯状疱疹ウイルスは知覚神経に局在しており、ウイルス血症を認めることは稀である。4:誤\n帯状疱疹は、ウイルスの再感染ではなく回帰感染が原因で罹患する。5:正\n解説2参照"} +{"problem_id": "098297", "problem_text": "疼痛に対してプレガバリンを処方することになり、医師から薬剤師に問い合わせがあった。当該医薬品の医薬品インタビューフォームを情報源とすることが適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["開発時の臨床試験における副作用発現件数", "日本で承認されている適応症以外の海外における適応症", "投薬期間制限の有無", "生殖発生毒性試験の結果", "薬価"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "インタビューフォーム(IF)とは、医療用医薬品添付文書では不十分な情報を補うために日本病院薬剤師会が記載要項を策定し、当該医薬品の製薬企業が制作および提供している医薬品情報である。IFには、臨床試験に関する項目、非臨床試験に関する項目、取り扱い上の注意に関する項目などが記載されている。"} +{"problem_id": "098298", "problem_text": "既存の降圧薬Xを対照とした新規降圧薬Yの非劣性を検討する治験を実施することになった。YがXに対して非劣性であると結論づけられるケースとして、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Xと比較してYの血圧低下幅が、統計的に有意に大きかった。", "XとYとの間で、血圧低下幅に統計的に有意な差が認められなかった。", "5 mmHgの差を許容しうる下限同等限界として試験を行った結果、XよりYの方が血圧低下幅が小さかったが、その差は統計的に5 mmHgより有意に小さかった。", "投与前と比較してXは危険率5%未満、Yは危険率1%未満でいずれも統計的に有意に血圧を低下させた。", "XとYの血圧低下幅の母平均の比が0.80〜1.25の範囲にあった。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nXと比較してYの血圧低下幅が統計的に有意に大きい場合、YはXよりも劣っていない(非劣性である)といえる。2:誤\nXとYとの間で、血圧低下幅に統計的に有意な差が認められなかった場合、YはXよりも劣っていない(非劣性である)とはいえない。3:正\n本設問のような非劣性試験では、あらかじめ下限同等限界(定められた範囲内では差がないとされる値)を定めて試験を行うことがある。XよりYの方が血圧低下幅が小さかったが、その差な統計的に下限同等限界(本設問では5 mmHg)より有意に小さいため、YとXは同等である(YはXよりも劣っていない(非劣性である))といえる。4:誤\n危険率とは、有意水準ともいわれ、検定によって得られた情報の精度を表す指標である。危険率よりXに比べYが劣っているかいないかを判定することはできない。また、投与前と比較した治験内容からXに比べYが劣っているかいないかを判定することはできない。5:誤\n試験製剤と対照製剤の母平均の比が0.80〜1.20のときは同等であるとみなしてもよい。本設問では母平均の比が0.80〜1.25であることからYはXよりも劣っていない(非劣性である)とはいえない。"} +{"problem_id": "098299", "problem_text": "この治験を院内で実施するに当たり以下の対応をした。適当なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["治験審査委員会において、倫理的、科学的観点から治験の実施の適否に関する審査を行った。", "治験審査委員会における審査を、病院長を含む5名以上に依頼した。", "治験薬管理者として、治験責任医師を指名した。", "被験者に対して治験内容の説明を文書で渡すとともに平易な言葉で行い、同意を文書で得た。", "治験が中止となったので、この治験に関する記録を直ちに破棄した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n治験審査委員会は、倫理的、科学的観点から治験の実施の適否について調査審議を行う。"} +{"problem_id": "098300", "problem_text": "42歳女性。体重48 kg。喫煙をはじめてから20年になる。1日20本程度喫煙していた。風邪気味であったため近医を受診した際、医師から禁煙を強く勧められ、禁煙補助医薬品を使用することになった。禁煙補助医薬品のニコチン含有製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ガム製剤は、処方せん医薬品である。", "ガム製剤は、ゆっくり噛んで使用する。", "貼付剤は、妊婦に使用できる。", "貼付剤の使用を開始した後、喫煙本数を徐々に減らす。", "ガム製剤と貼付剤の併用が推奨される。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nニコチン含有のガム製剤は、一般用医薬品(指定第二類医薬品)である。2:正\nニコチン含有のガム製剤は、タバコを吸いたいと思ったとき、1回1個をゆっくりと間をおきながら、30〜60分間かけて噛む。3:誤\nニコチン含有の貼付剤は、妊婦または妊娠していると思われる婦人には投与することはできない(投与禁忌)。4:誤\nニコチン含有の貼付剤の使用開始とともに、禁煙する必要がある。5:誤\nニコチン含有のガム製剤と貼付剤を併用すると、ニコチンの過剰摂取によりニコチン中毒症状(吐き気、めまい、腹痛など)が現れることがあるため、両剤は併用しない。"} +{"problem_id": "098301", "problem_text": "喫煙が発症のリスクファクターとされていない疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["食道がん", "膀胱がん", "自然気胸", "潰瘍性大腸炎", "慢性気管支炎"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "喫煙は、各種がん(食道がん、膀胱がん、肺がん、胃がんなど)、呼吸器疾患(慢性気管支炎、肺気腫、自然気胸など)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)歯周病などのリスクファクターとなる。なお、潰瘍性大腸炎は遺伝的因子、環境因子、免疫異常が複雑に重なりあって発症するため、喫煙は潰瘍性大腸炎のリスクファクターとはされていない。"} +{"problem_id": "098302", "problem_text": "68歳男性。身長160 cm、体重50 kg。2年前に大腸がんの手術を受けたが、再発を認めたため、以下の処方(FOLFIRI)にて治療を受けることになった。この処方に関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方1は、インフュージョンリアクション(infusion reaction)の予防のために使用する。", "処方2は、処方3の薬剤の効果を高めるために使用する。", "処方3は、アルコールを含有しているため、アルコールに敏感な患者には使用しない。", "処方4は、ルアーチップタイプの注射器を用いて混合•調製することが適切である。", "処方5は、携帯型ディスポーザブル注入ポンプを用いることにより、入院しなくても実施ができる。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n処方1は、FOLFIRI療法実施中に現れる悪心・嘔吐の予防のために使用する。2:誤\n処方2は、処方4、5の薬剤の効果を高めるために使用する。3:誤\n処方3の添加剤や溶媒には、アルコールは含まれていない。4:誤\n処方4のような抗悪性腫瘍薬は、注射針の脱落を防止するため、ルアーロックタイプの注射器を用いて混合・調製する必要がある。5:正\n携帯型ディスポーザブル注入ポンプとは、一定速度で薬物を注入できる装置のことであり、この装置を用いると、患者自身が自宅で処方5を投与することができる。"} +{"problem_id": "098303", "problem_text": "この患者において、UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)の遺伝子多型検査をした結果、UGT1A1^{*}6のホモ接合体であったため、FOLFOX6に処方を変更することにした。正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["グラニセトロン塩酸塩注射液をパロノセトロン塩酸塩注射液に変更", "グラニセトロン塩酸塩注射液をアプレピタントカプセルに変更", "イリノテカン塩酸塩水和物注射液をオキサリプラチン注射液に変更", "イリノテカン塩酸塩水和物注射液をエピルビシン塩酸塩注射液に変更", "フルオロウラシル注射液をシタラビン注射液に変更", "フルオロウラシル注射液をメトトレキサート注射液に変更"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "イリノテカンは、体内でカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN-38)に変換される。SN-38は、主に肝の代謝酵素であるUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)の一分子種であるUGT1A1によりグルクロン酸抱合され、SN-38のグルクロン酸抱合体(SN-38G)となり、主に胆汁中に排泄される。UGT1A1には、UGT1A1^{*}6、UGT1A1^{*}28などの遺伝子多型が存在し、UGT1A1^{*}6もしくはUGT1A1^{*}28の遺伝子多型を有する患者では、SN-38の代謝が遅延する傾向にある。これらのことから、UGT1A1^{*}6のホモ接合体である患者に対しては、イリノテカン塩酸塩を投与することができないため、イリノテカン塩酸塩をオキサリプラチンに変更したFOLFOX6療法が行われる。"} +{"problem_id": "098304", "problem_text": "1歳6ヶ月男児。身長80 cm、体重10 kg。てんかんの治療のためにバルプロ酸ナトリウムを投与することになった。この患児において、定常状態におけるバルプロ酸の平均血清中濃度が60 \\micro g/mLとなるように初期投与量を設定したい。バルプロ酸ナトリウムの1日経口投与量(mg)として、最も適切な値を1つ選べ。ただし、バルプロ酸ナトリウム投与により求めた小児における経口クリアランスの代表値は男児で12.5 mL/h/kgとする。", "choices": ["18", "30", "180", "300", "1,800"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "繰り返し経口投与時の経口投与量D(mg)は、次式で表される。<経口クリアランス(CL_{tot}/F )を求める>\n経口クリアランスの代表値は12.5 mL/h/kgであることから、本患者(体重10 kg)の経口クリアランス(CL_{tot}/F )を以下のように求めることができる。CL_{tot}/F =12.5 mL/h/kg\\times 10 kg=125 mL/h\n経口クリアランス(CL_{tot}/F )が125 mL/h、平均血中濃度C_{ss}が60 \\micro g/mL、投与間隔\\tau に24 hであることから、バルプロ酸ナトリウムの1日投与量を以下のように求めることができる。"} +{"problem_id": "098305", "problem_text": "この患児に、バルプロ酸ナトリウムシロップ5%が、前問で設定した1日投与量で1日2回、30日分処方された。調剤する際に、1回服用量が整数mLになるように、単シロップを用いて最小限の賦形を行うことにした。内服液剤容器の容量(mL)として、最も適切な容器を1つ選べ。ただし、内用液剤容器の選択は、薬剤の総量を超えた最小の容量のものを選択する。", "choices": ["60", "100", "200", "300", "500"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "前問の結果より、バルプロ酸ナトリウムを成分量として、1日当たり180\nmg投与する必要がある。<バルプロ酸ナトリウムシロップ5%の1日当たりの製剤量を求める>\nバルプロ酸ナトリウムシロップ5%には1\nmL中に50\nmgのバルプロ酸ナトリウムを含有する(50\nmg/mL)。よって、バルプロ酸ナトリウムシロップ5%の1日当たりの製剤量は、180\nmg/50\nmg/mL=3.6\nmLとなる。<賦形剤を加えた後のシロップの総量を求める>\n1日製剤量が3.6\nmLであり、1日2回投与されていることから、1回当たりの製剤量は、1.8\nmLとなる。設問に「1回服用量が整数mLになるように、単シロップを用いて最小限の賦形を行う」とあることから1回当たりの服用量が2\nmLになるように単シロップを用いて賦形を行う。よって、賦形剤を加えた後のシロップの総量は、2\nmL/回\\times\n2回/日\\times\n30日=120\nmLとなる。設問に「内用液剤容器の選択は、薬剤の総量を超えた最小の容量のものを選択する。」とあることから、シロップの総量(120\nmL)が入る最小の容器である200\nmLの内溶液剤容器が最も適切な容器である。"} +{"problem_id": "098306", "problem_text": "60歳男性(患者A)。感冒症状により医療機関を受診し、以下の処方が追加となった。服用開始2日後、調剤した薬局の薬剤師Bに「尿が出なくなりAさんが入院した」と連絡が入った。疑われる原因として、可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アナフィラキシーショック", "中毒性表皮壊死症", "抗コリン作用", "肝機能障害", "横紋筋融解症"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "総合感冒剤Pには、抗コリン作用を示すプロメタジンメチレンサリチル酸塩が含まれているため、本剤を服用することにより膀胱平滑筋が弛緩し排尿困難が起こることがある。よって、尿が出なくなった原因として、可能性が最も高いのは「抗コリン作用」である。"} +{"problem_id": "098307", "problem_text": "前問の連絡の数日後、薬剤師BがAさんに関することで問い合わせを受けた。この問い合わせに対して、Aさんの情報を薬剤師Bから提供することが適切でないのはどれか。2つ選べ。なお、第三者への情報提供に対する Aさんの同意は得ていない。", "choices": ["Aさんの友人から、入院した理由を聞かれたとき。", "Aさんの勤務先の上司から、服用薬剤の名称を聞かれたとき。", "入院先の主治医から、Aさんの服用薬剤の銘柄を聞かれたとき。", "同じ薬局の別の薬剤師CがAさんに服薬説明をする際に、薬剤師CからAさんの症状を聞かれたとき。", "Aさんの服用薬剤の製造販売業者から、副作用症状の情報提供を求められたとき。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "薬剤師には、刑法による守秘義務があり、業務上知り得た患者の秘密を、正当な理由なく他人に漏らしてはならない。また、個人情報保護法により、本人の同意なく個人の情報を第三者にもらしてはならない。1:不適切\nAさんの友人、Aさんの勤務先の上司は第三者に該当するため、Aさんの同意なく情報提供することはできない。"} +{"problem_id": "098308", "problem_text": "感冒症状を訴えて来局した男性(36歳)のお薬手帳から、バルサルタン錠を現在服用していることがわかった。この男性に販売する一般用医薬品に含まれる成分として、避けるべきものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["リゾチーム塩酸塩", "ジヒドロコデインリン酸塩", "トラネキサム酸", "ブロムヘキシン塩酸塩", "プソイドエフェドリン塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本患者はバルサルタン錠を服用していることから、高血圧症に罹患している可能性が考えられる。一般用医薬品に含まれるプソイドエフェドリン塩酸塩は、血管収縮作用や心機能亢進作用を有するため、高血圧患者に対しては使用することができない(投与禁忌)。なお、リゾチーム塩酸塩は卵白アレルギーの患者に投与禁忌、ジヒドロコデインリン酸塩は重篤な呼吸抑制のある患者や気管支ぜん息発作中の患者に投与禁忌とされている。"} +{"problem_id": "098309", "problem_text": "この男性に推奨した感冒薬は指定第二類医薬品であった。この医薬品に対する薬局での対応について、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["直接の容器に「指定第2類医薬品」の文字がないので、不正表示品と判断した。", "情報を提供するための設備から2メートル離れた商品棚に陳列した。", "薬剤師が別の来局者に応���していたので、登録販売者が販売した。", "「この医薬品は、第二類医薬品のうち、人体に対する作用が比較的緩和なものとして厚生労働大臣が指定した医薬品である」旨の説明をした。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n指定第二類医薬品の直接の容器に、「第2類医薬品」の文字とあわせて、「2」の数字を四角枠か丸い枠で囲んだものが表記されていないものは、不正表示品となる。"} +{"problem_id": "098310", "problem_text": "保険調剤を行うに当たって、薬剤の特性や患者からの情報をもとに調剤方法や投与方法を工夫することも、薬剤師の重要な業務である。その1つに分割調剤があげられる。薬局において分割調剤を行い、調剤済みとならなかった場合の薬剤師の対応として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方せんに調剤済みの旨を記入しなかった。", "調剤録に調剤量を記入しなかった。", "処方せんに記名押印した。", "処方せんは薬局で保管し、コピーを患者に渡した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n分割調剤を行い、調剤済みとならなかった場合、処方せんには調剤量や調剤年月日の記入、調剤した薬剤師の記名押印又は署名は必要であるが、調剤済みの旨を記入する必要はない。2:誤\n解説1参照。3:正\n解説1参照。4:誤\n分割調剤を行い、調剤済みとならなかった場合、コピーではなく処方せんそのものを患者に返却する必要がある。"} +{"problem_id": "098311", "problem_text": "処方せん受け付け時に患者から得た情報によって薬剤師が対応した事例のうち、分割調剤に係る調剤報酬を算定できる行為はどれか。2つ選べ。なお、処方せんには先発医薬品が記載されており、後発医薬品への変更を不可とする旨の記載はなかったものとする。", "choices": ["患者が後発医薬品への変更に不安をもっていることがわかったので、14日分処方のところ、1回目の調剤として後発医薬品を5日分交付した。", "患者が後発医薬品への変更に不安をもっていることがわかったので、30日分処方のところ、先発医薬品と後発医薬品をそれぞれ15日分交付した。", "新たに抗がん剤が7日分処方され、患者が副作用に強い不安をもっていることがわかったので、1回目の調剤として3日分交付した。", "吸湿性がある薬剤が60日分処方され、1回目の調剤として安定性が保証されている30日分を交付した。", "トリアゾラム錠0.25 mgの処方であったが、患者が半分に割って服用していることがわかったので、0.25 mg錠を半分に分割して交付した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "分割調剤に係る調剤報酬を算定できるのは以下の場合である。・先発医薬品を初めて後発医薬品に変更して調剤を行う場合であって、患者の希望により後発医薬品を試用する場合(選択肢1の場合)\n・長期投与(14日分を超える投薬)にかかる処方せんにおいて、安定性が補償できない等の理由により薬剤の保存が長期間困難である場合(選択肢4の場合)"} +{"problem_id": "098312", "problem_text": "医療用麻薬は、不正流通による乱用を未然に防止するため、法律で薬局においても厳格な管理が求められている。薬局における麻薬の取扱いについて以下の問に答えよ。調剤のために麻薬を取り扱う薬局に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["厚生労働大臣から麻薬小売業者の免許を取得しなければならない。", "麻薬の譲り受け、保管、交付等の管理を行う薬剤師は、都道府県知事から麻薬管理者の免許を取得しなければならない。", "覚せい剤原料は、麻薬と一緒に麻薬保管庫内に保管することができる。", "麻薬卸売業者からの麻薬の購入は、同一都道府県内にある麻薬卸売業者に限定される。", "麻薬処方せんは、調剤済みとなった日から5年間、保存しなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n薬局で麻薬を調剤するためには、都道府県知事から麻薬小売業者の免許を取得しなければならない。2:誤\n麻薬管理者とは、都道府県知事の免許を受けて、麻薬診療施設で施用され、または施用のために交付される麻薬を業務上管理する者のことである。薬局で麻薬を取扱うにあたり、薬剤師は麻薬管理者の免許を取得する必要はない。3:誤\n覚せい剤原料は麻薬と一緒に保管することはできない。なお、覚せい剤は麻薬と同一の設備に保管することができる。4:正\n麻薬卸売業者は、所在地の都道府県の区域内にある麻薬卸売業者、麻薬小売業者、麻薬診療施設の開設者及び麻薬研究施設の設置者以外の者に麻薬を譲り渡してはならない。よって、麻薬卸売業者からの麻薬の購入は、同一都道府県内にある麻薬卸売業者に限定される。5:誤\n薬局において麻薬処方せんは、調剤済みとなった日から3年間、保存しなければならない。"} +{"problem_id": "098313", "problem_text": "薬局における麻薬の廃棄又は再使用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬局業務を廃止するので、不要となった麻薬を都道府県知事に届け出ることなく廃棄した。", "在庫していた麻薬の有効期限が切れたので、都道府県知事に麻薬廃棄届を提出し、保健所職員の立会いのもとで廃棄した。", "調剤中に破損した麻薬を管理薬剤師が薬局の他の職員の立会いの下、焼却処分した。", "患者の家族から不要となった麻薬が返却されたので、品質に問題がないことを確認して再使用した。", "ファクシミリにより送信された麻薬処方せんの内容に基づきオキシコドン塩酸塩徐放錠を調製したが、患者が受け取りに来なかったので、再使用した。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n薬局において、不要となった麻薬(有効期限切れ、調剤中に破損したものなど)を廃棄する際には、麻薬の品名、数量等について、当該薬局の所在地の都道府県知事にあらかじめ「麻薬廃棄届」を届け出て、麻薬取締員や保健所職員等の立会いのもとで廃棄する。"} +{"problem_id": "098314", "problem_text": "45歳男性から、「特定健康診査を受けたところ、医師から尿酸値が高いと指摘された。食生活を改善するように言われたが、何に注意すればいいかわからない。」と薬局の薬剤師に相談があった。摂取を控えるよう指導すべき食品はどれか。最も適切なものを2つ選べ。", "choices": ["ビール", "牛乳", "ほうれん草", "鶏レバー", "鶏卵"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "プリン体を多く含む食品(鶏レバー、イワシ干物、あんこう肝酒蒸しなど)を摂取すると、プリン体から尿酸が生合成され、また、アルコール飲料を摂取すると、尿酸の排泄が低下する。よって、尿酸値が高い場合、プリン体を多く含む食品およびアルコール飲料の摂取を控える必要がある。"} +{"problem_id": "098315", "problem_text": "特定健康診査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["保険者が法律に基づいて加入者に実施する。", "60歳以上の者は対象とならない。", "診査の結果に応じて特定保健指導が行われる。", "原則として受診者が費用を支払う。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n特定健康診査については、高齢者医療確保法に基づき、保険者が加入者に対して実施する。"} +{"problem_id": "098316", "problem_text": "70歳男性の患者が持参した以下の内容の処方せんを、土曜日の15時に保険薬局で受け付け、調剤を行った。お薬手帳及び患者への確認により、非ステロイド性消炎鎮痛剤が他院からも処方されていることがわかり、処方医に照会し、イブプロフェン顆粒の処方は削除となった。また、それ以外の処方内容は適切であった。なお、本薬局の土曜日の開局時間は、8時から19時である。調剤報酬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["調剤報酬は、調剤技術料、薬剤料及び特定保険医療材料料の3つで構成される。", "調剤報酬を決定する際、厚生労働大臣は、中央社会保険医療協議会の意見を聴く。", "調剤報酬点数表は、報酬額が点数で示されており、1点は10円である。", "「重複投薬・相互作用防止加算」は、調剤基本料に加算される。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n調剤報酬は、「調剤技術料(調剤基本料+調剤料+各種加算)」、「薬学管理料」、「薬剤料」、「特定保険医療材料料」の4つで構成される。2:正\n保険医療に要する費用の算定方法などを決定する際には、厚生労働大臣は中央社会保険医療協議会の意見を聴くこととされている。3:正\n保険調剤に対する調剤報酬の算定方法については、調剤報酬算定表により定められている。調剤報酬算定表は、報酬額が点数で示されており、1点は10円である。4:誤\n「重複投薬・相互作用防止加算」は、調剤基本料ではなく、薬学管理料のうち、「調剤管理料」に加算される。"} +{"problem_id": "098317", "problem_text": "患者に一部負担金を請求した際に、患者より調剤報酬算定内容に関して説明を求められた。その説明内容として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["調剤料は、調剤を行うことによる技術料です。この場合は、内服1剤、外用1剤の算定となります。", "夜間・休日等加算は、土曜日の13時以降に調剤を行ったので算定しました。", "嚥下困難者用製剤加算は、処方せんの指示に従い、錠剤を粉砕したので算定しました。", "計量混合調剤加算は、2種類の錠剤を粉砕し、混合して分包したので算定しました。", "重複投薬・相互作用防止加算は、医師に疑義照会し、処方が削除となったので算定しました。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n内服薬は、服用時点が同一である薬剤について、内服1剤を算定することができる。また、外用薬は、1調剤(2種類の軟膏を混ぜ合わせた場合は1調剤と考える)について、外用1剤を算定することができる。よって、本処方は(処方1)について内服1剤、(処方3)について外用1剤の算定が可能である。"} +{"problem_id": "098318", "problem_text": "在宅患者に対する薬剤師の業務について、以下の問いに答えよ。保険薬局の保険薬剤師が行った在宅患者訪問薬剤管理指導に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["介護支援専門員(ケアマネージャー)の指示により行った。", "薬剤師でない従業員に業務の実施を指示した。", "中心静脈栄養法の対象患者に行った。", "病院に入院中の患者に行った。", "同一月内に、複数の薬局が同じ患者に対し在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "在宅患者訪問薬剤管理指導とは、居宅において療養を行っている患者(医療機関に通院することが困難な患者)に対して、薬剤師が患者の家を訪問して薬学的管理指導を行う業務である。1:誤\n在宅患者訪問薬剤管理指導は、医師の指示に基づき、薬剤師が患者の家を訪問して薬学的管理指導を行う。2:誤\n解説1参照\n3:正\n在宅患者訪問薬剤管理指導は、中心静脈栄養法の対象患者やがん末期患者などに対して実施する。4:誤\n前記参照\n5:誤\n同一月内に、他の保険医療機関もしくは保険薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導を行っている場合、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定することはできない。"} +{"problem_id": "098319", "problem_text": "在宅医療・介護についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["在宅患者訪問薬剤管理指導は、介護保険法に基づく居宅サービスの1つである。", "介護支援専門員は、寝たきり状態の要介護者に対して必要な援助を行うことを業務としている。", "保険薬局の開設者は、居宅療養管理指導を行う指定居宅サービス事業者とみなされる。", "在宅患者に対する居宅療養管理指導の給付に当たって、保険薬局は、患者が介護保険の適用を受けていることを確認する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n在宅患者訪問薬剤管理指導は、健康保険法に基づく居宅サービスの1つである。なお、介護保険法に基づく居宅サービスは、居宅療法管理指導である。"} +{"problem_id": "098320", "problem_text": "ある病院が製薬企業からの依頼を受けて治験を実施することになった。病院での治験薬の取扱いに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["治験薬を処方できるのは、治験責任医師又は治験分担医師に限られる。", "治験薬を調剤できるのは、治験薬管理者から指名された薬剤師に限られる。", "治験薬の服薬指導は、薬剤師が行える。", "治験薬の安全性に関する情報は、患者に提供してはならない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n治験を実施するに当たって、治験薬を処方できるのは、治験責任医師又は治験分担医師に限られる。なお、治験責任医師とは、治験実施医療機関において、治験に係る業務を統括する医師又は歯科医師のことであり、また、治験分担医師とは、治験実施医療機関において、治験責任医師の指導の下、治験業務を分担して行う���師又は歯科医師のことである。2:誤\n治験薬の調剤は、治験に関する手順書に従ってどの薬剤師でも行うことが可能である。3:正\n治験薬の調剤及び服薬指導は、通常、薬剤師が行う。4:誤\n治験薬に関する情報については、有効性に関する情報のほか、安全性に関する情報に関しても、患者に情報提供する必要がある。"} +{"problem_id": "098321", "problem_text": "治験に関して製薬企業が行った業務について、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["第II相試験の開始に先立ち、厚生労働大臣に治験の計画を届け出た。", "治験責任医師に治験実施計画書の作成を依頼した。", "治験薬管理者に治験薬概要書の作成を依頼した。", "治験施設支援機関(SMO)に治験協力者(CRC)の派遣を委託した。", "モニタリング担当者が当該治験の監査を実施した。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n製薬企業(治験を依頼する者)は、治験を開始する前にあらかじめ治験計画を厚生労働大臣に届け出なければならない。"} +{"problem_id": "098322", "problem_text": "薬剤師が病棟で抗生物質注射薬を溶解しようとしたところ、バイアル内にガラス片様の異物が混入しているのを発見し、当該製品の製造販売業者に通報した。この通報が当該医薬品の製造販売業者の品質保証責任者に伝えられた。その場合の品質保証責任者の対応として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["通報を受けたのち、薬事監視員の指示を待って、品質管理業務手順書を作成した。", "品質不良のおそれが判明した段階で、速やかに総括製造販売責任者に報告した。", "品質不良が判明したので、自らの判断で当該製品の回収措置を決定した。", "回収した製品を直ちに廃棄せず、区分して一定期間保管した。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n品質管理業務手順書は、薬事監視員の指示によって作成するものではなく、予め作成しておく必要がある。2:正\n品質保証責任者は、品質不良またはそのおそれに係る事項を速やかに総括製造販売責任者に報告する必要がある。3:誤\n品質不良が判明した場合、当該製品の回収措置の決定については、品質保証責任者が行うのではなく、総括製造販売責任者が行う。4:正\n品質保証責任者は、回収した医薬品を区分して一定期間保管した後、適切に処理する必要がある。"} +{"problem_id": "098323", "problem_text": "医療機関で用いられる医薬品の回収(リコール)情報を入手した際の薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["「医薬品の安全使用のための業務に関する手順書」に従い、該当する医薬品を速やかに回収した。", "回収情報の第一報を、医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)の電子メールで知ったので、製造販売会社に連絡をとり詳細情報を確認した。", "回収対象の製品がクラスIに該当していたため、そのまま使用してもまず健康被害の原因になるとは考えられないと判断した。", "回収対象の製品は健康被害を引き起こす可能性があると考え、薬剤師の判断で同種同効の他の医薬品に変更し調剤した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n「医薬品の安全使用のための業務に関する手順書」とは、医薬品の採用、管理・使用などをまとめたものである。医薬品の回収(リコール)情報を入手した場合、医療機関は「医薬品の安全使用のための業務に関する手順書」に従い、該当する医薬品を速やかに回収する必要がある。"} +{"problem_id": "098324", "problem_text": "医療事故への薬剤師の対応について、以下の問に答えよ。医療事故を防ぐための薬剤師の行為として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["コンピューターで制御されている調剤機器を使用したので、調剤鑑査をしなかった。", "薬剤交付時には、引き換え券だけでなく患者の氏名を口頭で確認した。", "薬局内で発生したヒヤリ・ハット事例を収集・分析し、スタッフに周知徹底した。", "散剤を包装容器から装置びんに補充する時に、複数の薬剤師で確認し合いながら行った。", "処方どおり間違えずに調剤するだけでなく、処方そのものに誤りが無いか確認しながら調剤した。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\nコンピューターで制御されている調剤機器を使用した場合でも、薬剤師が調剤鑑査を行う必要がある。2:正しい\n薬剤交付時には、薬剤の渡し間違いを防止するために引き換え券だけでなく患者の氏名の確認も行う必要がある。3:正しい\n今後の医療事故などの防止に繋がるため、ヒヤリ・ハット事例を収集・分析し、スタッフに周知徹底することは重要である。4:正しい\n散剤を包装容器から装置びんに充填する際は、複数の薬剤師で確認する必要がある。5:正しい\n調剤するに当たって、薬剤師は処方そのものに誤りがないかを確認する必要がある。"} +{"problem_id": "098325", "problem_text": "調剤による医療事故が発生した場合の薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["事故を起こした当事者が常に主体となって、事態を把握し対応する。", "健康被害の有無を確認する前に、事故の原因を特定する。", "事故の記録には、客観的な事実のみを経時的に整理して記載する。", "事故の原因が特定されなくても、医療事故の対象となった患者や家族には誠意を持って対応する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n医療事故が発生した場合は、第三者が主体となって、客観的に事態を把握し対応する必要がある。"} +{"problem_id": "098326", "problem_text": "厚生労働省医政局通知(平成22年4月30日付け医政発0430第1号)では、チーム医療において薬剤師が主体的に薬物療法に参加することが非常に有益であるとされている。薬剤師がチーム医療の中で取り組むべき業務として、不適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方の変更や検査のオーダーについて、医師等と協働して実施する。", "注射剤を投与するため、静脈に留置針を穿刺する。", "副作用の発現状況や有効性の確認を行い、必要に応じて薬剤の変更等を提案する。", "外来がん化学療法を受けている患者に対し、医師等と協働してインフォームド・コンセントを実施する。", "入院患者の持参薬の内容を確認した上で、医師に対し服薬計画を提案する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "医療スタッフの協働・連携によるチーム医療に関する厚生労働省医政局通知(平成22年4月30日医政発0430第一号)には、チーム医療において薬剤師を積極的に活用することが可能な業務について記載されている。薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダーについて、医師・薬剤師等により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、専門的知見の活用を通じて、医師等と協働して実施すること。薬剤選択、投与量、投与方法、投与期間等について、医師に対し、積極的に処方を提案すること。薬物療法を受けている患者(在宅の患者を含む。)に対し、薬学的管理(患者の副作用の状況の把握、服薬指導等)を行うこと。薬物の血中濃度や副作用のモニタリング等に基づき、副作用の発現状況や有効性の確認を行うとともに、医師に対し、必要に応じて薬剤の変更等を提案すること。薬物療法の経過等を確認した上で、医師に対し、前回の処方内容と同一の内容の処方を提案すること。外来化学療法を受けている患者に対し、医師等と協働してインフォームド・コンセントを実施するとともに、薬学的管理を行うこと。入院患者の持参薬の内容を確認した上で、医師に対し、服薬計画を提案するなど、当該患者に対する薬学的管理を行うこと。定期的に患者の副作用の発現状況の確認等を行うため、処方内容を分割して調剤すること\n抗がん剤等の適切な無菌調製を行うこと。選択肢1、3、4、5については、薬剤師がチーム医療の中で取り組むべき業務である。なお、薬剤師は、注射剤を投与するために、静脈に留置針を穿刺することはできない。"} +{"problem_id": "098327", "problem_text": "保険調剤において医師への照会対象となる処方内容はどれか。1つ選べ。ただし、監査項目欄に示した項目以外に疑義はないものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:疑義照会不要\nドンペリドン錠の投与日数については、制限は設けられていない。2:疑義照会不要\nファモチジン錠の用法については、「1日2回(朝食後、夕食後または就寝前)、また、1日1回(就寝前)経口投与する」とされている。3:疑義照会不要\nアシクロビル錠の用法については、「1日5回経口投��する」とされている。4:疑義照会不要\nアカルボース錠の用法については、「1日3回食直前に経口投与する」とされている。5:疑義照会必要\nトリアゾラム錠の投与日数については、制限が設けられており、「30日まで」とされている。"} +{"problem_id": "098328", "problem_text": "68歳男性。不整脈の既往あり。性機能不全を訴え医療機関を受診した。タダラフィル錠を処方しようとした医師が、お薬手帳を確認したところ、以下の処方歴が判明したため、医師がかかりつけ薬局に対してタダラフィル錠の適正使用に関する問い合わせを行った。薬剤師が行う情報提供の内容として不適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アミオダロン塩酸塩錠と併用できる。", "腎障害がある患者では、減量を検討する。", "血圧には影響を及ぼさない。", "重度の肝障害がある患者には使えない。", "服薬は1日1回までである。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:適切\nタダラフィルは、硝酸剤及びNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミルなど)と併用禁忌であるが、アミオダロン塩酸塩と併用できる。2:適切\nタダラフィルを中等度以上の腎障害がある患者に投与すると、健常人に比べAUCが増加することがあるため、腎障害患者では、減量を検討する必要がある。3:不適切\nタダラフィルは血管拡張作用を有するため、本剤服用により血圧低下が認められる。4:適切\nタダラフィルは重度の肝障害のある患者に投与禁忌とされている。5:適切\nタダラフィルの用法は1日1回とし、投与間隔は24時間以上とされている。"} +{"problem_id": "098329", "problem_text": "図は吸入粉末剤(ドライパウダー)の吸入の様子を示したものである。吸入方法として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "吸入粉末剤(ドライパウダー)を吸入する際の手順を以下に示す。1.吸入器を水平に持つ(吸入口を下に向けると薬剤が下に落ちてしまう)。2.1回吸入分の薬剤をセットする。3.吸入器を水平にしたまま、吸入器に息がかからないように軽く息を吐く。4.吸入口を加え、速く深く吸い込む。"} +{"problem_id": "098330", "problem_text": "保険薬局における内服薬の薬袋の記載に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方医の氏名を記載しなかった。", "処方せん発行日を記載しなかった。", "薬剤の使用期限を記載しなかった。", "調剤した薬局の所在地を記載しなかった。", "調剤日を記載しなかった。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "保険薬局における内服の薬袋には、次にあげる5項目を必ず記載しなければならない。・患者の氏名\n・用法、用量\n・調剤年月日\n・調剤した薬剤師の氏名\n・調剤した薬局の名称及び所在地"} +{"problem_id": "098331", "problem_text": "カリウム補給が必要な患者に対し、以下の薬剤が処方された。患者に供給されるカリウム量は1分間当たり何mmol(mEq)か。最も近い値を1つ選べ。ただし、K及びClの原子量はそれぞれ39.0及び35.5とする。", "choices": ["0.45", "0.22", "0.11", "0.055", "0.028"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "<塩化カリウム点滴液 15w/v% 10 mLに含まれるK^{+}のモル数を求める>\n塩化カリウム点滴液に含まれるKClの量を以下にように求めることができる。15w/v%(150 mg/mL)\\times 10 mL=1500 mg KCl\n1500 mg KClに相当するKClのモル数を以下のように求めることができる。1500 mg/(39.0+35.5)=20 mmol\nKClはK^{+}とCl^{-}が1: 1で結合しているため、塩化カリウム点滴液 15w/v% 10 mLに含まれるK^{+}のモル数は20 mmolである。20 mmolのK^{+}を6時間(360分)で投与することから、患者に供給されるカリウム量は1分間当たり20 mmol/360min\\fallingdotseq 0.055 mmol/minである。"} +{"problem_id": "098332", "problem_text": "高カロリー輸液を無菌的に混合調製することになった。クリーンベンチの作業環境と機器の管理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["JIS規格クラス5(米国航空宇宙局規格のクラス100に相当)の性能のものを用いることが望ましい。", "HEPAフィルターでろ過された空気により装置内が陰圧に保たれている。", "汚染の機会減少のため、通風の開始と同時に混合調製を開始する。", "終業時の作業面の清拭は、原則として上から下へ、奥から手前へ行う。", "混合調製は、清浄な環境を確保するため、殺菌灯を点灯したまま行う。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n高カロリー輸液を無菌的に混合調製するためには、JIS規格クラス5(米国航空宇宙局規格のクラス100に相当)の性能のクリーンベンチを用いることが望ましい。2:誤\nHEPAフィルターでろ過された空気によりクリーンベンチ内は陽圧に保たれており、装置の中から外に空気が流れるようになっている。3:誤\nベンチ内の空気を入れ替えるために、高カロリー輸液を調製する15分以上前から通風する必要がある。4:正\n作業終了後、ベンチ内の清拭は、原則として上から下へ、奥から手前へ行う。5:誤\n清浄な環境を確保するために混合調製を行う前まで殺菌灯を点灯しておく必要がある。混合調製を行う際、殺菌灯を点灯しておくと、医薬品の品質が低下したり、調製者が殺菌灯に暴露するため、殺菌灯を消灯した状態で混合調製を行う。"} +{"problem_id": "098333", "problem_text": "病院内の感染予防に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["米国疾病管理予防センターの普遍的予防策(ユニバーサルプレコーション)は、医療従事者の保護を中心とした考えである。", "標準予防策(スタンダードプレコーション)は、感染症を有する患者に対する対策である。", "標準予防策では、手袋、マスク、ガウン等の着用基準を定めている。", "感染経路別予防策とは、院内感染した患者の動線を調査して感染防止策を立てる方法である。", "入院する前から既に感染しており、入院後に発症した感染症も院内感染症とみなされる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n米国疾病管理予防センター(CDC)の普遍的予防策(ユニバーサルプレコーション)は、医療従事者の保護を中心とした考え方であり、全ての患者の血液、体液、分泌物、排泄物は、感染の危険性があるとして対応する感染予防策である。2:誤\n標準予防策(スタンダードプレコーション)は、すべての患者に実施する感染予防策である。3:正\n標準予防策では、患者の血液などの湿性生体物質に触れる時、手袋、マスク、ガウン等の着用基準を定めている。4:誤\n感染経路別予防策とは、病原体の感染経路(接触感染、飛沫感染、空気感染)を遮断することで感染防止策を立てる方法である。5:誤\n院内感染とは「病院内において生体内に侵入した微生物により惹起される感染症」と定義されている。よって、入院する前から既に感染し、入院後に発症した感染症は院内感染とはならない。"} +{"problem_id": "098334", "problem_text": "問題志向型の診療録に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["主目的は、医師の備忘録である。", "基本的な構成として患者情報(基礎データ)、問題(プロブレム)リスト、初期計画、経過記録の4つを含む。", "患者情報(基礎データ)には、家族構成などの本人以外の個人情報は記載しない。", "初期計画の記載方法の1つにSOAP方式がある。", "経過記録は、問題(プロブレム)ごとに分けて記録する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n問題志向型の診療録(POMR)は、患者の抱える問題点を最良の方法で解決すること目的として記載される診療記録のことである。2:正\nPOMRは「患者情報(基礎データ)」、「問題(プロブレム)リスト」、「初期計画」、「経過記録」の4つの項目を含む。3:誤\n患者情報(基礎データ)には、患者の主訴、既往歴、副作用歴、アレルギー歴、家族構成などが記載される。4:誤\n初期計画には、問題点ごとに「観察計画」「治療計画」「教育計画」の3つの項目を記載する。なお、SOAP方式は経過記録の記載方式である。5:正\n経過記録は、問題(プロブレム)ごとに分けてSOAP形式で記載する。"} +{"problem_id": "098335", "problem_text": "漢方薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["虚実や陰陽などの体質や病態に応じて使用される。", "漢方処方に用いられる生薬は、すべて日本薬局方に収載されている。", "西洋医学的には全く異なる疾患であっても、同一の漢方薬が処方されることがある。", "漢方薬と西洋薬の組合せに併用禁忌はない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n漢方薬は体質、病態(虚証・実証���陰・陽)に応じて使用する。2:誤\n漢方処方に用いられる生薬のほとんどは日本薬局方に収載されているが、一部未収載のものもある。3:正\n西洋医学的には全く異なる疾患であっても、患者の状態によって同一の漢方薬が処方されることがある。4:誤\n漢方薬と西洋薬の組合せにも併用禁忌の組合せは存在する。その一例として、小柴胡湯とインターフェロン製剤の組合せがあげられる。"} +{"problem_id": "098336", "problem_text": "病院で働く職種と主な職務内容の組合せのうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "臨床工学技士とは、生命維持管理装置(人工呼吸器、人工心肺装置、血液浄化装置など)の操作及び保守点検を行う。なお、「身体に障害のある者に対し、基本的動作能力の回復を図るため、治療体操等の運動や物理的手段を加える」を行うのは、理学療法士である。"} +{"problem_id": "098337", "problem_text": "法律に基づいた医薬品の管理及び取扱いに関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["フェンタニルクエン酸塩注射液とメチルフェニデート塩酸塩錠を、鍵のかかる同一の保管庫で保管した。", "麻薬施用者が、疾患の治療を目的としてジアセチルモルヒネ散を施用した。", "1%のコデインリン酸塩水和物散を、麻薬保管庫に保管しなかった。", "スキサメトニウム塩化物注射液を、劇薬用の冷所保管庫に保管した。", "セレギリン塩酸塩錠を、他の医薬品と区別して覚せい剤保管庫に保管した。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n麻薬は覚せい剤以外の医薬品と区別して鍵のかかる堅固な設備内に保管しなければならない。フェンタニルクエン酸塩注射液は麻薬に該当し、メチルフェニデート塩酸塩錠は向精神薬に該当するため、両薬剤を鍵のかかる同一の保管庫で保管することはできない。2:誤\n麻薬施用者は、ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)を施用することはできない。3:正\n1%のコデインリン酸塩水和物散は、麻薬に該当しないため、麻薬保管庫に保管する必要はない。4:誤\nスキサメトニウム塩化物注射液は毒薬に該当するため、毒薬用の冷所保管庫に保管する。5:誤\nセレギリンは覚せい剤原料に該当するため、覚せい剤保管庫に保管する必要はない。"} +{"problem_id": "098338", "problem_text": "医薬品情報源に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["「医薬品・医療機器等安全性情報」は、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度により収集された情報をもとに、日本医薬情報センターが発行するものである。", "「医療用医薬品添付文書」は、薬事法で規定された法的根拠のある情報源である。", "「医薬品インタビューフォーム」は、添付文書の情報を補完する目的で、日本病院薬剤師会が発行する資料である。", "「医療用医薬品品質情報集」は、原薬の品質を評価した情報集である。", "「医薬品安全対策情報」は、医療用医薬品添付文書の「使用上の注意」の改訂情報を収載したものである。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n「医薬品・医療機器等安全性情報」は、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度により収集された情報をもとに、厚生労働省が発行するものである。2:正\n「医療用医薬品添付文書」は、薬事法で規定された法的根拠のある情報源であり、各種医療情報の中で唯一法的根拠をもつ。3:誤\n「医薬品インタビューフォーム」は、添付文書の情報を補完する目的で、日本病院薬剤師会が記載要項を策定し、製薬企業が作成・提供している医薬品情報である。4:誤\n「医療用医薬品品質情報集」は、後発医薬品の品質評価のための進捗状況、溶出パターンなどをまとめた情報集である。5:正\n「医薬品安全対策情報」は、DSU(Drug Safety Update)ともいわれ、医療用医薬品添付文書の「使用上の注意」の改訂情報を収載したものである。"} +{"problem_id": "098339", "problem_text": "患者が入院時に持ち込んだ医薬品(持参薬)等に関する入院先の医療機関の薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["当該医療機関の採用薬ではなかったので、持参薬の入院中の服用状況を診療録に記載しなかった。", "同一銘柄の医薬品が採用されていなかったので、持参薬の情報に加えて院内で採用されている同種同効薬の情報を担当医に提供した。", "持参薬を粉砕し分包したので、調剤料を算定した。", "持参薬以外にサプリメントの使用について確認した。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n持参薬が医療機関の採用薬であるかないかは関係なく、患者の治療状況を確認するために持参薬の服用状況を診療録に記載する必要がある。2:正\n今後、薬物療法を行うに当たって、持参薬の内容及びそれに代わる医薬品(代替薬)に関する情報を担当医に提供する必要がある。3:誤\n持参薬を粉砕し分包しても、調剤料を算定することはできない。4:正\n入院時には、持参薬以外に使用中のサプリメント、一般用医薬品、副作用歴、アレルギー歴についても確認する必要がある。"} +{"problem_id": "098340", "problem_text": "薬剤管理指導業務に関する記述のうち、不適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["対象患者ごとに指導記録を作成した。", "患者の訴えや自覚症状を傾聴し、副作用の早期発見に努めた。", "小児に対して直接指導ができないと判断し、母親に服薬指導を行った。", "対象患者に使用される全ての薬剤について、薬学的管理指導を行った。", "施設に勤務している薬剤師は1名であったが、薬学的管理指導を行い薬剤管理指導料を算定した。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n当該保険医療機関内の薬剤師は、入院中の患者ごとに薬剤管理指導記録を作成し、使用される全ての薬剤の投薬又は注射に際して必要な薬学的管理指導を行い、必要事項を記入するとともに、当該記録に基づく適切な患者指導を行う必要がある。2:正しい\n当該保険医療機関内の薬剤師は、過去の投薬・注射及び副作用発現状況等を患者又はその家族から聴取し、副作用の早期発見に努める必要がある。3:正しい\n小児及び精神障害者等に対して、直接指導できないと判断した場合は、その家族に対して服薬指導等を行う。4:正しい\n解説1参照\n5:誤っている\n薬学的管理指導を行い、薬剤管理指導料を算定するためには、2名以上の薬剤師が施設に勤務していなければならない。"} +{"problem_id": "098341", "problem_text": "ペン型インスリン製剤を患者に交付した後の使用方法及び保管方法の記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["使用前には空打ちを行う。", "毎日同一部位に注射する。", "未使用の製剤は、凍結して保管する。", "未使用の製剤は、室温で保管する。", "使用開始後の製剤は、室温で保管する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nインスリンを正確に投与するために、ペン型インスリンを使用する前には必ず空打を行う。2:誤\n毎日、同一の部位に注射すると、皮膚の萎縮やしこりが認められることがあるため、注射部位を毎回かえる必要がある。3:誤\n未使用の製剤は、凍結を避け2〜8^{\\circ} Cで保管し、使用開始後の製剤は、室温で保管する。4:誤\n解説3参照\n5:正\n解説3参照"} +{"problem_id": "098342", "problem_text": "初めて来局した患者から一般名処方の保険処方せんを受け取った。初めての投薬であることを患者に確認した。調剤薬を決定する上で、最も適切な対応はどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方医に販売名を照会する。", "薬剤師の判断に基づいて先発医薬品を選択する。", "薬剤師の判断に基づいて後発医薬品を選択する。", "患者に先発医薬品又は後発医薬品の使用に関する意向を確認する。", "処方医に先発医薬品又は後発医薬品の使用に関する意向を確認する。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "医薬品名が一般名で記載されている処方せんを調剤する際には、患者に先発医薬品又は後発医薬品の使用に関する意向を確認後、患者の意向に添った調剤を行う必要がある。"} +{"problem_id": "098343", "problem_text": "35歳男性。一般用医薬品を求めて来局した。胸焼けを訴えたので、商品A(ファモチジン製剤、第一類医薬品)又は商品B(制酸を目的とする製剤、第二類医薬品)を使用するのが良いと判断した。この時の対応として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["登録販売者が、書面を用いて情報提供し商品Aを販売した。", "薬剤師が、口頭で情報提供し商品Aを販売した。", "薬剤師が、書面を用いて情報提供し商品Bを販売した。", "��録販売者が、口頭で情報提供し商品Bを販売した。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n登録販売者は、商品A(ファモチジン製剤、第一類医薬品)を販売することはできない。2:誤\n薬剤師は、商品A(ファモチジン製剤、第一類医薬品)を販売する場合には、書面を用いて必要な情報を提供する必要がある。3:正\n薬剤師及び登録販売者は、商品B(制酸を目的とする製剤、第二類医薬品)を販売する際には、必要な情報を書面もしくは口頭で提供するように努めなければならない。4:正\n解説3参照"} +{"problem_id": "098344", "problem_text": "病院の医師から保険薬局に対して、保険処方せんに基づいた在宅患者訪問薬剤管理指導の依頼があった。薬剤師の対応のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬学的管理指導を、医師の指示に基づいて行った。", "病院薬剤師にはこの業務が行えないことを、患者家族に説明した。", "家庭用血圧計で血圧を毎日測定し、記録するよう指導した。", "薬の服用が困難であることを確認した上で、処方医に剤形の変更を提案した。", "副作用が発現している可能性があったので、処方医に電話で報告した。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n在宅患者訪問薬剤管理指導では、薬剤師は、医師の指示に基づき、薬学的管理指導計画を策定し、患家を訪問して、薬歴管理、服薬指導、服薬支援、薬剤服用状況及び薬剤保管状況の確認等の薬学的管理指導を行い、当該指示を行った医師に対して訪問結果について必要な情報提供を文書で行う。2:誤っている\n病院薬剤師も在宅患者訪問薬剤管理指導を行うことができる。3:正しい\n在宅患者訪問薬剤管理指導において、薬剤師は患者に対して毎日バイタルサイン(血圧、体温、脈拍など)を測定し、記録するように指導することがある。4:正しい\n在宅患者訪問薬剤管理指導を行った際に剤形が不適切であることに気づいた場合、薬剤師は処方医に対して剤形の変更を提案することができる。5:正しい\n在宅患者訪問薬剤管理指導を行った際に副作用が発現している可能性があることに気づいた場合、薬剤師は処方医にその旨を報告する必要がある。"} +{"problem_id": "098345", "problem_text": "小学校から担当の学校薬剤師に対して、ノロウイルス感染対策として給食室の調理台や調理器具の消毒に関して質問があった。塩素濃度200 ppmの次亜塩素酸ナトリウム液を3 L準備するには、6 w/v%次亜塩素酸ナトリウム消毒液が何mL必要か。1つ選べ。", "choices": ["1", "3", "10", "30", "100"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "<塩素濃度200 ppmの次亜塩素酸ナトリウム液3 Lに含まれる次亜塩素酸ナトリウムの量を求める>\n200 ppm(200\\times 10^{-6}=0.0002)\\times 3 L=0.0002\\times 3000 mL=0.0002\\times 3000 g=0.6 g\n<6 w/v%次亜塩素酸ナトリウム消毒液の容積を求める>\n0.6 gの次亜塩素酸ナトリウムを準備するために必要な6 w/v(0.06 g/mL)%次亜塩素酸ナトリウム消毒液の容積を以下のように求めることができる。0.6 g/0.06 g/mL=10 mL"} +{"problem_id": "099001", "problem_text": "塩化ナトリウム結晶中で働く相互作用のうち、主要なものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ロンドン(分散)力", "水素結合", "静電相互作用", "疎水性相互作用", "双極子-双極子相互作用"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "塩化ナトリウム(NaCl)結晶は、陽イオン(Na^{+})と陰イオン(Cl^{-})が静電相互作用(クーロン力)によって引き合い、イオン結合を形成することによってできる結晶である。よって、塩化ナトリウム結晶中で働く主要な相互作用は、静電相互作用である。"} +{"problem_id": "099002", "problem_text": "下図は、ある反応の平衡定数Kの自然対数を絶対温度T(K)の逆数に対してプロットしたものである。直線の傾きが示す熱力学的パラメータはどれか。1つ選べ。", "choices": ["活性化エネルギー", "遷移状態エネルギー", "内部エネルギー変化", "標準反応エントロピー変化", "標準反応エンタルピー変化"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "設問のグラフは、縦軸が平衡定数Kの自然対数、横軸が絶対温度Tの逆数であることから、ファントホッフプロットである。ファントホッフプロットの傾きは、標準反応エンタルピーの変化\\Delta H^{0}/気体定数Rであることから、ファントホッフプロッ���の傾きが示す熱力学的パラメータは標準反応エンタルピー変化である。"} +{"problem_id": "099003", "problem_text": "懸濁液における粒子の沈降速度と比例関係にあるものはどれか。1つ選べ。ただし、粒子は球状であり、ストークスの法則が成り立つものとする。", "choices": ["分散媒の密度", "粒子の密度", "分散媒の粘度", "粒子の半径", "粒子の半径の2乗"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "沈降速度は、粒子の半径の2乗と比例の関係を示す。ストークス式は沈降速度vを表す式であり、以下のように表される。"} +{"problem_id": "099004", "problem_text": "「0.0120」で表される数値について、有効数字の桁数はどれか。1つ選べ。", "choices": ["1桁", "2桁", "3桁", "4桁", "5桁"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "有効数字の桁数を見る際は、0でない最高位の数字を一桁目と数え始め(設問にある0.0120の場合、小数第二位の1が一桁目となる)、それ以降の桁数を数える。よって、0.0120の有効数字は3桁である。"} +{"problem_id": "099005", "problem_text": "次の測定法のうち、最もエネルギーが低い電磁波を用いるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["赤外吸収スペクトル法", "核磁気共鳴スペクトル測定法", "X線回析測定法", "紫外可視吸光度測定法", "蛍光光度法"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "選択肢のうち、最もエネルギーが低い電磁波を用いるのは、核磁気共鳴スペクトル測定法である。なお、選択肢にあるそれぞれの測定法に用いられる電磁波は、赤外吸収スペクトル法(赤外線)、核磁気共鳴スペクトル測定法(ラジオ波)、X線回析測定法(X線)、紫外可視吸光度測定法及び蛍光光度法(紫外線、可視光線)である。"} +{"problem_id": "099006", "problem_text": "1,4-ジヒドロピリジンはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1,4-ジヒドロピリジンは、ピリジンの1位、4位にそれぞれ1つずつ水素が付加した構造をしている。よって、1,4-ジヒドロピリジンの構造式は3となる。なお、その他の選択肢の構造名は、1: 2-ピリドン、2: 1,2-ジヒドロピリジン、4: 2,5-ジヒドロピリジン、5: 2-ピロリンである。"} +{"problem_id": "099007", "problem_text": "次のうち、求核置換反応でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:求核置換反応である。求核試薬である^{-}NH_{2}が2-クロロピリジンの2位の炭素に付加した後、塩素イオンが脱離する。2:求核置換反応である。求核試薬であるジメチルアミンがカルボニル基の炭素に付加した後、塩素イオンが脱離する。3:求核置換反応である。アルコールから水が脱離した後、カルボカチオン中間体に求核試薬であるBr^{-}が水酸基の隣の炭素に結合する。4:求核置換反応である。酸触媒下、求核試薬であるアルコールがカルボン酸の炭素に付加した後、水が脱離する。5:求核置換反応ではない。濃硝酸(HNO_{3})と濃硫酸(H_{2}SO_{4})の混液から生じた求電試薬であるニトロニウムイオン(NO_{2}^{+})がベンゼン付加した後、プロトンが脱離する。"} +{"problem_id": "099008", "problem_text": "AとBが互いにジアステレオマーの関係にあるのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "099009", "problem_text": "ルイス酸はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、ルイス酸に該当するのは、選択肢4の三フッ化ホウ素である。三フッ化ホウ素は、構造中に空軌道を有するフッ素が存在し、電子対を受け取ることができるためルイス酸として働く。なお、他の選択肢(1: トリメチルアミン、2: ジメチルスルフィド、3: トリフェニルスルファン、5: テトラヒドロフラン)は、非電子対を有するため、ルイス塩基に該当する。"} +{"problem_id": "099010", "problem_text": "ベンズアミド1 gに200 mLの有機溶媒を加え、200 mLの水とともに分液ロートで振り混ぜた。静置後に二層となり、ベンズアミドは主に上層に含まれていた。このとき使用した有機溶媒はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセトニトリル", "メタノール", "クロロホルム", "酢酸エチル", "アセトン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、水を振り混ぜ、静置後に二層に分離する有機溶媒は酢酸エチル、クロロホルムである。ベンズアミドは脂溶性が高いため、有機溶媒層に溶解しやすい。問題文に「ベンズアミドは上層に含まれていた」とあることから、使用されている有機溶媒は、水と混ざり合わず二層に分離し、かつ比重が水より小さい酢酸エチルである。"} +{"problem_id": "099011", "problem_text": "気管の内面を覆う上皮組織を示す模式図はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "気管の内面を覆う上皮組織は、一般に細胞の表層に線毛をもつ多列繊毛上皮(多列円柱繊毛上皮)である。1:誤\n図は単層扁平上皮であり、血管、I型肺胞上皮細胞などでみられる。2:誤\n図は単層円柱上皮であり、消化管上皮などでみられる。3:誤\n図は重層扁平上皮であり、尿道、角膜の一部や、表皮、食道上皮などでみられる。4:誤\n図は移行上皮であり、膀胱や尿管などの尿路粘膜上皮でみられる。5:正"} +{"problem_id": "099012", "problem_text": "下半身のリンパ液が集まる脈管はどれか。1つ選べ。", "choices": ["右リンパ本幹", "胸管", "右鎖骨下動脈", "腹大動脈", "下大静脈"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "下半身のリンパ液が集まる脈管は胸管である。下半身と左上半身のリンパ液は、胸管に集まり、左静脈角(左鎖骨下静脈と左内頸静脈の合流部)に流入する。また、右上半身のリンパ管は、右リンパ本管に集まり、右静脈角(右鎖骨下静脈と右内頸静脈の合流部)に流入する。"} +{"problem_id": "099013", "problem_text": "一酸化窒素合成酵素(NOシンターゼ)により一酸化窒素(NO)を生成するアミノ酸はどれか。1つ選べ。", "choices": ["L-トリプトファン", "L-アスパラギン", "L-リシン", "L-アルギニン", "L-グルタミン酸"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "一酸化窒素合成酵素(NOシンターゼ)により一酸化窒素(NO)を生成するアミノ酸は、L-アルギニンである。L-アルギニンから産生されたNOは血管平滑筋へと移行し、グアニル酸シクラーゼの活性化によるサイクリックGMP(cGMP)の産生を促進する。cGMPの平滑筋細胞内濃度上昇が上昇すると、血管平滑筋は弛緩する。"} +{"problem_id": "099014", "problem_text": "真核細胞におけるメッセンジャーRNA(mRNA)の開始コドンに対応するアミノ酸はどれか。1つ選べ。", "choices": ["L-トリプトファン", "L-アラニン", "L-グルタミン酸", "L-メチオニン", "L-ヒスチジン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "真核生物のおけるmRNAの開始コドンはAUGであり、L-メチオニンに対応している。参考\n開始コドンとは、mRNA上でタンパク質の合成の開始を指定するコドンのことである。"} +{"problem_id": "099015", "problem_text": "抗ウイルス活性を示すサイトカインはどれか。1つ選べ。", "choices": ["インターフェロン\\alpha (IFN-\\alpha )", "インターロイキン(IL-2)", "エリスロポエチン(EPO)", "腫瘍壊死因子\\alpha (TNF-\\alpha )", "顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nインターフェロン\\alpha (IFN-\\alpha )は、ウイルス感染細胞に働きかけてウイルスRNAやウイルスmRNAの分解・不活化を促進することで抗ウイルス活性を示すサイトカインである。2:誤\nインターロイキン(IL-2)は、T細胞の増殖促進作用を示すサイトカインである。3:誤\nエリスロポエチン(EPO)は、骨髄における赤血球産生促進作用を示すサイトカインである。4:誤\n腫瘍壊死因子\\alpha (TNF-\\alpha )は、抗腫瘍作用や好中球活性化作用を示すサイトカインである。5:誤\n顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)は、顆粒球の分化、増殖を誘導するサイトカインである。"} +{"problem_id": "099016", "problem_text": "ヒトの必須アミノ酸はどれか。1つ選べ。", "choices": ["L-プロリン", "L-グルタミン", "L-セリン", "L-アスパラギン", "L-リシン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "ヒトの必須アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、トレオニン、メチオニン、ヒスチジン、リシンの9種である。参考\n必須アミノ酸とは、生体内で必要量を合成することできず、食物として摂取しなければならないアミノ酸のことである。"} +{"problem_id": "099017", "problem_text": "保存料として使用されている食品添加物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["過酸化水素", "ジフェニル", "高度サラシ粉", "エリソルビン酸", "安息香酸"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n過酸化水素は、殺菌剤として使用されている。2:誤\nジフェニルは、防カビ剤として使用されている。3:誤\n高度サラシ粉は、殺菌剤として使用されている。4:誤\nエリソルビン酸は、酸化防止剤(還元剤)として使用されている。5:正\n安息香酸は、保存料として使用されている。"} +{"problem_id": "099018", "problem_text": "我が国の死亡統計において、1985年以降緩やかな上昇傾向を示している指標はどれか。1つ選べ。", "choices": ["妊産婦死亡率", "周産期死亡率", "乳児死亡率", "粗死亡率", "年齢調整死亡率"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "粗死亡率は、(死亡数/人口)\\times 1,000であり、人口1000人に対する死亡数を示している。我が国では、1985年頃から人口の高齢化により粗死亡率は穏やかな増加傾向を示している。"} +{"problem_id": "099019", "problem_text": "「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」において二類感染症に指定されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["結核", "風しん", "ペスト", "コレラ", "細菌性赤痢"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "感染症法において二類感染症に指定されているのは、急性灰白髄炎(ポリオ)、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限られる)、鳥インフルエンザ(病原体がインフルエンザウイルスA属インフルエンザAウイルスであって、その血清亜型がH5N1であるものに限られる)である。感染症法において、風しんは五類感染症、ペストは一類感染症、コレラ及び細菌性赤痢は三類感染症に指定されている。"} +{"problem_id": "099020", "problem_text": "塩素消毒に強い抵抗性を示す病原体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["インフルエンザウイルス", "レジオネラ属菌", "大腸菌", "クリプトスポリジウム", "赤痢菌"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "塩素消毒に強い抵抗性を示す病原体として、クリプトスポリジウム(原虫)があげられる。多くの病原体は塩素により殺菌されるが、クリプトスポリジウムは環境中においてオーシスト(胞嚢体)として存在するため、塩素消毒に対して強い抵抗性を示す。"} +{"problem_id": "099021", "problem_text": "「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」によって規制されている第一種特定化学物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["塩化トリフェニルスズ", "トリクロロエチレン", "ポリ塩化ビフェニル", "ポリ塩化ジベンゾフラン", "ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」によって規制されている第一種特定化学物質は、ポリ塩化ビフェニル(PCB)である。なお、塩化トリフェニルスズ(選択肢1)、トリクロロエチレン(選択肢2)は第二種特定化学物質である。また、ポリ塩化ジベンゾフラン(選択肢4)、ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン(選択肢5)はダイオキシン類であり、化審法よる規制を受けない。"} +{"problem_id": "099022", "problem_text": "生体への影響を考慮した電離放射線の実効線量の単位はどれか。1つ選べ。", "choices": ["クーロン", "グレイ", "シーベルト", "ベクレル", "カンデラ"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nクーロン(C)は、電気量及び電荷量を表す単位である。2:誤\nグレイ(Gy)は、吸収線量を表す単位である。3:正\nシーベルト(Sv)は、実効線量、等価線量の単位である。4:誤\nベクレル(Bq)は、放射能量を表す単位である。5:誤\nカンデラ(Cd)は、光度を表す単位である。"} +{"problem_id": "099023", "problem_text": "水道水の総硬度を測定する試験法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ジエチル-p-フェニレンジアミン(DPD)法", "エチレンジアミン四酢酸(EDTA)による滴定法(エリオクロムブラックT法)", "インドフェノール法", "硝酸銀滴定法(モール法)", "オルトフェナントロリン法"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "水道水の総硬度を測定する試験法は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)による滴定法(エリオクロムブラックT法)である。1:誤\nDPD法は、残留塩素の測定に用いられる。2:正\n3:誤\nインドフェノール法は、アンモニア態窒素の測定に用いられる。4:誤硝酸銀滴定法は��塩化物イオン(Cl^{-})の測定に用いられる。5:誤\nオルトフェナントロリン法は、鉄の測定に用いられる。"} +{"problem_id": "099024", "problem_text": "自然大気に占める体積比(%)の大きさの順序を正しく表示しているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["二酸化炭素>メタン>アルゴン", "二酸化炭素>アルゴン>メタン", "メタン>二酸化炭素>アルゴン", "アルゴン>二酸化炭素>メタン", "アルゴン>メタン>二酸化炭素"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "自然大気の組成とその体積比(%)を次に示す。窒素(約78%)>酸素(約21%)>アルゴン(約0.9%)>二酸化炭素(約0.04%)>メタン(約0.00014%)"} +{"problem_id": "099025", "problem_text": "シロアリ駆除剤として建材に用いられ、シックハウス症候群の原因物質の1つとされた化学物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["パラジクロロベンゼン", "フタル酸ジ-n-ブチル", "アセトアルデヒド", "ホルムアルデヒド", "クロルピリホス"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "パラジクロロベンゼン、フタル酸ジ-n-ブチル、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、クロルピリホスは、揮発性有機化合物VOCであり、シックハウス症候群の原因物質である。1:誤\nパラジクロロベンゼンは、衣服の防虫剤として用いられる。2:誤\nフタル酸ジ-n-ブチルは、塗料、顔料、接着剤として用いられる。3:誤\nアセトアルデヒド、ホルムアルデヒドは、建材の接着材として用いられる。4:誤\n解説3参照\n5:正\nクロルピリホスは、シロアリ駆除剤として用いられる。"} +{"problem_id": "099026", "problem_text": "次の伝達物質のうち、Gタンパク質と共役する受容体がないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["グリシン", "ドパミン", "グルタミン酸", "\\gamma -アミノ酪酸(GABA)", "セロトニン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nグリシンが結合するグリシン受容体は、Cl^{-}チャネル内蔵型受容体のみであり、Gタンパク質と共役する受容体はない。2:誤\nドパミンが結合するドパミン受容体には、D_{1}受容体とD_{2}受容体などがあり、どちらもGタンパク質と共役する受容体である。3:誤\nグルタミン酸が結合するグルタミン酸受容体には、NMDA受容体、non-NMDA受容体といったイオンチャネル内蔵型受容体と、mGlu_{1}〜mGlu_{8}受容体のような代謝調節型受容体がある。前者はNa^{+}チャネルやCa^{2+}チャネルなどのカチオンチャネルを内蔵する受容体であり、後者はGタンパク質と共役する受容体である。4:誤\n\\gamma -アミノ酪酸(GABA)が結合する\\gamma -アミノ酪酸(GABA)受容体には、GABA_{A}受容体、GABA_{B}受容体、GABA_{C}受容体がある。このうち、GABA_{A}受容体とGABA_{C}受容体はCl^{-}チャネル内蔵型受容体であり、GABA_{B}受容体はG_{i}タンパク質と共役する受容体である。5:誤\nセロトニンが結合するセロトニン受容体には、5-HT_{1}〜5-HT_{7}受容体がある。このうち5-HT_{3}受容体のみがイオンチャネル内蔵型受容体であり、その他の受容体はGタンパク質と共役する受容体である。"} +{"problem_id": "099027", "problem_text": "部分受容体刺激薬に関する記述として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["受容体の立体構造を変化させる力は、完全受容体刺激薬と同等である。", "完全受容体刺激薬の存在下で相乗作用を示す。", "固有活性によって最大作用が決まる。", "内因性受容体刺激物質の作用を変化させない。", "濃度を上げれば受容体を最大限に活性化する"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n立体構造を変化させる力は、完全受容体刺激薬に比べ、部分受容体刺激薬の方が弱い。2:誤\n完全受容体刺激薬の存在下で、部分受容体刺激薬を使用すると、完全受容体刺激薬の作用を減弱させるおそれがある。3:正\n固有活性(内活性)とは、各受容体刺激薬により生じる最大作用の強さを表す値のことであり、固有活性によって最大作用が決まる。4:誤\n部分受容体刺激薬は内因性受容体刺激物質と拮抗的に作用するため、内因性受容体刺激物質の作用を減弱させるおそれがある。5:誤\n濃度を増加させ、受容体に100%結合させても、部分受容体刺激薬は、100%の活性作用を示すことはできない。"} +{"problem_id": "099028", "problem_text": "ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断する頻尿治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["オキシブチニン", "ナフトピジル", "クレ���ブテロール", "ベタネコール", "ネオスチグミン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断する頻尿治療薬は、オキシブチニンである。オキシブチニンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断作用及び平滑筋直接作用により、膀胱平滑筋を弛緩させ、尿の排泄を抑制する。1:正\n2:誤ナフトピジルは、前立腺及び尿道に存在する\\alpha _{1D}受容体遮断作用により、前立腺平滑筋及び尿道平滑筋を弛緩することで、前立腺肥大に伴う排尿障害を改善する。3:誤クレンブテロールは、膀胱平滑筋に存在する\\beta _{2}受容体刺激作用により、膀胱平滑筋を弛緩させ腹圧性尿失禁を改善する。4:誤\nベタネコールは、ムスカリン性アセチルコリン受容体の刺激により、膀胱平滑筋を収縮させ膀胱内圧を高めることで、手術後、分娩後および神経因性膀胱などの低緊張性膀胱による排尿困難を改善する。5:誤\nネオスチグミンは、コリンエステラーゼ(ChE)を可逆的に阻害することにより、副交感神経や運動神経などコリン作動性神経の機能を亢進させることで、手術後及び分娩後における排尿障害を改善する。"} +{"problem_id": "099029", "problem_text": "麻酔下の動物に、アドレナリンを静脈注射すると急速な血圧上昇とそれに続く下降が認められた。しかし、ある薬物を前処置後に先と同量のアドレナリンを静脈注射すると血圧下降のみが認められた。前処置した薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["スコポラミン", "フェントラミン", "イソプレナリン", "プロプラノロール", "クロニジン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "アドレナリンを静注すると、血管平滑筋においては\\alpha _{1}受容体刺激作用が\\beta _{2}受容体刺激作用に比べて優位に現れるため、急速な血圧上昇とそれに続く下降が認められる。本設問では、ある薬物を投与することにより、血圧降下のみ認められていることから、前処置として非選択的\\alpha 受容体遮断薬フェントラミンを投与したと考えられる。"} +{"problem_id": "099030", "problem_text": "ブロチゾラムの催眠作用の発現に関わる受容体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アデノシン受容体", "ヒスタミンH_{1}受容体", "ムスカリン性アセチルコリン受容体", "ベンゾジアゼピン受容体", "カンナビノイド受容体"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ブロチゾラムは、チエノジアゼピン系催眠薬であり、GABA_{A}受容体-Cl^{-}チャネル複合体のベンゾジアゼピン受容体(ベンゾジアゼピン結合部位)と結合することでGABAのGABA_{A}受容体を介した中枢抑制作用を増加させ、催眠作用を示す。"} +{"problem_id": "099031", "problem_text": "ペロスピロンが統合失調症の陽性症状を改善する機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\alpha _{2}受容体刺激", "セロトニン5-HT_{2}受容体遮断", "セロトニン5-HT_{4}受容体刺激", "ドパミンD_{1}受容体遮断", "ドパミンD_{2}受容体遮断"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "ペロスピロンは、セロトニン・ドパミンアンタゴニスト(SDA)であり、統合失調症の治療薬として用いられる。ペロスピロンは、ドパミンD_{2}受容体遮断作用により陽性症状(幻覚、妄想など)を、セロトニン5-HT_{2}受容体遮断作用により陰性症状(感情の平板化、自閉など)を改善する。"} +{"problem_id": "099032", "problem_text": "心臓に対する選択性が高く、頻脈性不整脈に用いられるCa^{2+}チャネル遮断薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アゼルニジピン", "エホニジピン", "シルニジピン", "ベラパミル", "マニジピン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "心臓に対する選択性が高く、頻脈性不整脈に用いられるCa^{2+}チャネル遮断薬は、ベラパミルである。アゼルニジピン、エホニジピン、シルニジピン、マニジピンは血管に対する選択性が高いジヒドロピリジン系Ca^{2+}チャネル遮断薬であるため、高血圧などの治療に用いられるが、頻脈性不整脈には用いられない。"} +{"problem_id": "099033", "problem_text": "交感神経終末へのノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、透析時の血圧低下を改善する薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アメジニウム", "デノパミン", "エチレフリン", "フェニレフリン", "ミドドリン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "交感神経終末へのノルアドレナリン���再取り込みを阻害することで、透析時の血圧低下を改善する薬物は、アメジニウムである。アメジニウムは、交感神経終末へのノルアドレナリンの再取り込み阻害作用とモノアミノキシダーゼ(MAO)阻害作用をもち、間接的に交感神経機能を亢進させて血圧低下を改善する。1:正\n2:誤\nデノパミンは、選択的\\beta _{1}受容体刺激薬であり、心拍出量増加作用を示す。3:誤\nエチレフリンは、\\alpha \\beta 受容体刺激薬であり、\\alpha _{1}受容体刺激により血圧上昇作用、\\beta _{1}受容体刺激により心拍出量増加作用を示す。4:誤\nフェニレフリンは、選択的\\alpha _{1}受容体刺激薬であり、血管平滑筋収縮による昇圧作用を示す。5:誤\nミドドリンは、選択的\\alpha _{1}受容体刺激薬であり、血管平滑筋収縮による昇圧作用を示す。"} +{"problem_id": "099034", "problem_text": "ミソプロストールの消化管粘膜保護作用に関わる受容体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["セロトニン5-HT_{3}受容体", "ヒスタミンH_{2}受容体", "アセチルコリンM_{1}受容体", "ドパミンD_{2}受容体", "プロスタノイドEP受容体"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "ミソプロストールは、プロスタグランジンE_{1}誘導体であり、プロスタノイドEP受容体の刺激を介して血管拡張作用や胃酸分泌抑制作用を示し、それらにより消化管粘膜保護作用を示す。"} +{"problem_id": "099035", "problem_text": "ヒドロコルチゾンの薬理作用として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["尿中カルシウム排泄の増加", "感染症の誘発及び増悪", "脂肪組織での脂肪分解促進", "胃酸分泌の抑制", "血糖値の上昇"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ヒドロコルチゾンは、天然糖質コルチコイドであり、その代表的な薬理作用には、尿中カルシウム排泄の増加および腸管からのカルシウム吸収抑制、免疫抑制作用、抗炎症作用、脂肪組織での脂肪分解促進作用、タンパク異化作用、糖利用抑制および糖新生促進による血糖上昇作用、プロスタグランジン生成抑制による胃酸分泌促進作用などがあげられる。"} +{"problem_id": "099036", "problem_text": "尿酸合成に関わる酵素を選択的に阻害する薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["コルヒチン", "ブコローム", "プロベネシド", "フェブキソスタット", "ラスブリカーゼ"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "尿酸合成に関わる酵素を選択的に阻害する薬物は、フェブキソスタットである。フェブキソスタットは、非プリン構造を有しており、キサンチンオキシダーゼを選択的に阻害することによって尿酸合成を抑制する。1:誤\nコルヒチンは、白血球の微小管タンパクと結合することで微小管形成を阻害し、炎症部位への白血球遊走抑制作用を示す。2:誤\nブコロームは、腎尿細管での尿酸再吸収を抑制することにより尿酸排泄促進作用を示す。3:誤\nプロベネシドは、近位尿細管において尿酸トランスポーターを阻害することによって尿酸の再吸収を阻害し、尿酸排泄を促進する。4:正\n5:誤\nラスブリカーゼは、血中の尿酸をアラントインと過酸化水素に分解し尿中に排泄することにより、血中の尿酸値を低下させる。"} +{"problem_id": "099037", "problem_text": "アンチトロンビン非依存的にトロンビンを直接阻害する薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["フォンダパリヌクス", "アルガトロバン", "ダルテパリン", "ダナパロイド", "パルナパリン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "アンチトロンビン非依存的にトロンビンを直接阻害する薬物は、アルガトロバンである。アルガトロバンは、アンチトロンビンIII非依存的にトロンビンの活性部位に結合し、トロンビンを直接阻害することで抗凝固作用を示す。なお、フォンダパリヌクス、ダルテパリン、ダナパロイド、パルナパリンは、アンチトロンビンIIIに結合しその作用を増強することで、第Xa因子の活性を抑制し抗凝固作用を示す。"} +{"problem_id": "099038", "problem_text": "ヒスタミンH_{1}受容体遮断作用を有する抗アレルギー薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ザフィルルカスト", "トラニラスト", "フェキソフェナジン", "セラトロダスト", "ラマトロバン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ヒスタミンH_{1}受容体遮断作用を有する抗アレルギー薬は、フェキソフェナジンである。フェキソフェナジンは、ヒスタミンH_{1}受容体遮断作用、ケミカルメディエーター遊離抑制作用により抗アレルギー薬作用を示す。1:誤\nザフィルルカストは、ロイコトリエン(LT)受容体遮断作用により抗アレルギー作用を示す。2:誤\nトラニラストは、ケミカルメディエーターの遊離抑制作用により抗アレルギー作用を示す。3:正\n4:誤\nセラトロダストやラマトロバンは、トロンボキサンA_{2}(TXA_{2})受容体遮断作用により抗アレルギー作用を示す。5:誤\n解説4参照"} +{"problem_id": "099039", "problem_text": "ノイラミニダーゼを阻害する抗ウイルス薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アシクロビル", "アマンタジン", "オセルタミビル", "リトナビル", "ガンシクロビル"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nアシクロビルは、DNAポリメラーゼを阻害する抗ウイルス薬である。2:誤\nアマンタジンは、ウイルスの脱殻に関与するM_{2}チャネルを阻害する抗ウイルス薬である。3:正\nオセルタミビルは、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを選択的に阻害する抗ウイルス薬である。4:誤\nリトナビルは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)のプロテアーゼを競合的に阻害する抗ウイルス薬である。5:誤\nガンシクロビルは、ウイルスDNAポリメラーゼを競合的に阻害することによってDNA鎖複製を阻害する抗ウイルス薬である。参考\nノイラミニダーゼとは、細胞表面のウイルス受容体からシアル酸残基を除去する酵素であり、新しく形成されたインフルエンザウイルスの宿主細胞からの遊離に関与する。"} +{"problem_id": "099040", "problem_text": "Bcr-Ablチロシンキナーゼを阻害し、抗悪性腫瘍作用を示す薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["メトトレキサート", "イマチニブ", "ブレオマイシン", "ゲフィチニブ", "イリノテカン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "Bcr-Ablチロシンキナーゼを阻害し、抗悪性腫瘍作用を示す薬物はイマチニブである。イマチニブは、慢性骨髄性白血病でみられるフィラデルフィア染色体由来のBcr-Ablチロシンキナーゼを阻害し、抗悪性腫瘍作用を示す。1:誤\nメトトレキサートは、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害し、チミジル酸合成系およびプリン合成系を抑制することにより抗悪性腫瘍作用を示す。2:正\n3:誤\nブレオマイシンは、フリーラジカルの生成により非酵素的にDNA鎖を切断することで、抗悪性腫瘍作用を示す。4:誤\nゲフィチニブは、EGFR(上皮成長因子受容体)チロシンキナーゼを選択的に阻害し、腫瘍細胞の増殖を抑制することにより抗悪性腫瘍作用を示す。5:誤\nイリノテカンは、トポイソメラーゼIの阻害を介してDNA合成を阻害し、抗悪性腫瘍作用を示す。"} +{"problem_id": "099041", "problem_text": "肝初回通過効果を受ける可能性が高い投与経路はどれか。1つ選べ。", "choices": ["経口投与", "舌下投与", "経皮投与", "経肺投与", "経鼻投与"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "肝初回通過効果を受ける可能性が高い投与経路は、経口投与である。経口投与された薬物は、腸管から吸収され、門脈を介して肝臓に取り込まれ肝初回通過効果を受けてから、循環血に移行する。なお、経口投与以外の投与経路より投与された薬物は、門脈を介することなく、循環血に移行するため、ほとんど肝初回通過効果を受けない。"} +{"problem_id": "099042", "problem_text": "薬物の血漿タンパク結合の解析に用いられる式はどれか。1つ選べ。", "choices": ["Henderson-Hasselbalch式", "Langmuir式", "Augsberger式", "Arrhenius式", "Cockcroft-Gault式"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "薬物の血漿タンパク結合の解析に用いられる式は、Langmuir式である。1:誤\nHenderson-Hasselbalch式は、弱酸性薬物や弱塩基性薬物の分子形の濃度とイオン形の濃度の比を求める式である。2:正\n3:誤\nAugsberger式は、年齢より小児薬用量を算出する際に用いられる式である。4:誤\nArrhenius式は、反応速度定数と温度の関係を表す式である。5:誤\nCockcroft-Gault式は、性別、年齢、体重、血清クレアチニン濃度よりクレアチニンクリアランスを算出する際に用いられる式である。"} +{"problem_id": "099043", "problem_text": "遺伝子多型により、イソニアジドの体内動態に大きく影響を及ぼす代謝酵素はどれか。1つ選べ。", "choices": ["CYP1A2", "CYP2C19", "CYP2D6", "UGT1A1", "NAT2"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "イソニアジドは、N-アセチル転移酵素により代謝される。そのため、イソニアジドの体内動態は、N-アセチル転移酵素2(NAT2)の活性の高い個体群(RA: rapid acetylator)と低い群(SA: slow acetylator)で大きく異なる。"} +{"problem_id": "099044", "problem_text": "腸肝循環を受けやすい薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["リチウム", "ゲンタマイシン", "セファレキシン", "プラバスタチン", "アシクロビル"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢の薬物のうち、腸肝循環受けやすい薬物は、プラバスタチンである。腸肝循環とは、胆汁中排泄された薬物が消化管へ移行した後、消化管より再び吸収され、門脈から肝臓に取り込まれることである。腸肝循環されやすい代表的な薬物には、インドメタシン、ジゴキシン、モルヒネ、プラバスタチンなどがある。"} +{"problem_id": "099045", "problem_text": "フェロジピン服用患者が避けるべき飲食物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["グレープフルーツジュース", "牛乳", "コーヒー", "ブロッコリー", "納豆"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "グレープフルーツジュースに含まれているフラノクマリン類は、フェロジピンの代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、フェロジピン服用患者は、グレープフルーツジュースの摂取を避ける必要がある。"} +{"problem_id": "099046", "problem_text": "体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う薬物800 mgをヒトに単回静脈内投与したところ、投与直後の血中濃度は40 \\micro g/mL、投与6時間後の血中濃度は5 \\micro g/mLであった。この薬物の消失半減期(h)に最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["0.5", "1", "2", "3", "4"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う薬物は、1次反応に従い体内から消失し、消失半減期ごとに1/2に減少していく。設問に、「投与直後の血中濃度は40 \\micro g/mL、投与6時間後の血中濃度は5 \\micro g/mLであった。」とあることから、この薬物の血中濃度は時間とともに以下のように変化していくと考えられる。"} +{"problem_id": "099047", "problem_text": "治療薬物モニタリング(TDM)が必要とされる代表的な抗生物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アンピシリン", "イミペネム", "エリスロマイシン", "テイコプラニン", "セフジニル"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "治療薬物モニタリング(TDM)が必要とされる代表的な抗生物質には、グリコペプチド系抗生物質(バンコマイシン、テイコプラニン等)やアミノグリコシド系抗生物質(アルベカシン、アミカシン、ゲンタマイシン、ストレプトマイシン等)がある。"} +{"problem_id": "099048", "problem_text": "コロイド分散系はどれか。1つ選べ。", "choices": ["赤血球浮遊液", "懸濁性点眼液", "5%ブドウ糖液", "生理食塩液", "5%ポリソルベート80水溶液"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "分散系は分散相の粒子径により、分子分散系(分散相の粒子径: 1 nm以下)、コロイド分散系(分散相の粒子径: 1 nm〜1 \\micro m)、粗大分散系(分散相の粒子径: 1 \\micro m以上)に分類される。・分子分散系(分散相の粒子径: 1 nm以下)\n生理食塩水、5%ブドウ糖液\n・コロイド分散系(分散相の粒子径: 1 nm〜1 \\micro m)\n5%ポリソルベート80水溶液\n・粗大分散系(分散相の粒子径: 1 \\micro m以上)\n赤血球浮遊液、懸濁性点眼液"} +{"problem_id": "099049", "problem_text": "懸濁性注射剤にせん断応力を与えて、等温下で静置するとき、粘度が徐々に回復する現象を何というか。1つ選べ。", "choices": ["ニュートン流動", "塑性流動", "クリーミング", "ダイラタンシー", "チキソトロピー"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "懸濁性注射剤にせん断応力を与えて、等温下で静置するとき、粘度が徐々に回復する現象をチキソトロピーという。1:誤\nニュートン流動とは、降伏値をもたず、せん断応力及びせん断速度が増加しても、粘度が変化しない流動のことである。2:誤\n塑性流動とは、ある一定のせん断応力(降伏値)までは流動せず、その値を超えたらニュートン流動のようにせん断応力及びせん断速度が増加しても、粘度が変化しない流動のことである。3:誤\nクリーミングとは、乳剤を放置すると、内相(分散層)粒子が沈降または浮上する現象のことである。4:誤\nダイラタンシーとは、せん断応力及びせん断速度が増加すると、それに伴って、粘度が次第に大きくなる現象のことである。5:正"} +{"problem_id": "099050", "problem_text": "製剤総則において、粒状に造粒した経口投与する製剤と規定されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["発泡錠", "散剤", "顆粒剤", "分散錠", "懸濁剤"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "製剤総則において、粒状に造粒した経口投与する製剤と規定されているのは、顆粒剤である。1:誤\n発泡錠は、水中で急速に発砲しながら溶解又は分散する錠剤である。2:誤\n散剤は、経口投与する粉末状の製剤である。3:正\n4:誤\n分散錠は、水に分散して服用する錠剤である。5:誤\n懸濁剤は、有効成分を微細均質に懸濁した経口液剤である。"} +{"problem_id": "099051", "problem_text": "薬物の胃内における分解の回避を目的とした剤形はどれか。1つ選べ。", "choices": ["糖衣錠", "腸溶錠", "トローチ剤", "シロップ剤", "チュアブル錠"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "薬物の胃内における分解の回避を目的とした剤形は、腸溶錠である。腸溶錠は、酸不溶性の腸溶性基剤を用いて皮膜を施して、有効成分の胃内放出を防いでいる。"} +{"problem_id": "099052", "problem_text": "無菌製剤と規定されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["含嗽剤", "吸入液剤", "注腸剤", "眼軟膏剤", "軟膏"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "製剤総則において無菌製剤と規定されているのは、注射剤、腹膜透析用剤、点眼剤、眼軟膏剤などである。1:誤\n含嗽剤は、口腔、咽頭などの局所に用いる液状の製剤である。2:誤\n吸入液剤は、液状の吸入剤である。3:誤\n注腸剤は、液状又は粘稠なゲル上の製剤である。4:正\n眼軟膏剤は、結膜嚢などの眼組織に用いる半固形の無菌製剤である。5:誤\n軟膏剤は、皮膚に塗布する有効成分を基剤に溶解又は分散させた半固形状の製剤である。"} +{"problem_id": "099053", "problem_text": "図のように錠剤の上部が剥離する打錠障害はどれか。1つ選べ。", "choices": ["キャッピング", "スティッキング", "スラッギング", "バインディング", "ケーキング"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "設問の図のように錠剤の上部が剥離する打錠障害を「キャッピング」という。キャッピングとは、粒子どうしの結合力が弱い場合に、錠剤の上部が剥離する打錠障害のことである。選択肢のうち、スティッキング及びバインディングも打錠障害に該当する。・スティッキング\n粉粒体の吸着力が強すぎる場合に、錠剤が杵に付着し、錠剤の一部が剥がれる打錠障害\n・バインディング\n粉粒体の吸着力が強すぎる場合に、錠剤原料が臼へ吸着し、排出の際に錠剤側面に垂直の引っ掻き傷がつく打錠障害"} +{"problem_id": "099054", "problem_text": "同一化学組成の化合物aとbの粉末X線回折パターンが下図のようになった。この図から推定される化合物aとbの関係はどれか。1つ選べ。", "choices": ["同一の結晶形である。", "非晶質と結晶である。", "結晶多形である。", "粒子径が異なる。", "真密度が等しい。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "粉末X線回折法では、縦軸: 回折強度、横軸: 回折角2θ(度)のスペクトルが得られる。粉末X線回折法によって得られるスペクトルは以下のように読み取ることができる。・シグナルが現れている回折角が同一: 同一の結晶構造を有する物質\n・シグナルが現れている回折角が異なる: 結晶構造が異なる物質(結晶多形)\n・シグナルが散漫: 非晶質\n本設問では、シグナルが現れている回折角が異なるため、結晶多形の関係にあるといえる。"} +{"problem_id": "099055", "problem_text": "消化管障害の軽減を目的としたプロドラッグはどれか。1つ選べ。", "choices": ["テモカプリル塩酸塩", "ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム", "アセメタシン", "カンデサルタンシレキセチル", "エリスロマイシンステアリン酸塩"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nテモカプリル塩酸塩は、テモカプリラートのプロドラッグであり、脂溶性を高めることにより吸収性を改善している。2:誤\nヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウムは、ヒドロコルチゾンのプロドラッグであり、ナトリウム塩とすることにより水溶性を増大させ、作用を持続化している。3:正\nアセメタシンは、インドメタシンのプロドラッグであり、エステル���導体化することにより消化管障害を軽減させている。4:誤\nカンデサルタンシレキセチルは、カンデサルタンのプロドラッグであり、脂溶性を高めることにより吸収性を改善している。5:誤\nエリスロマイシンステアリン酸塩は、エリスロマイシンのプロドラッグであり、ステアリン酸塩とすることにより胃内安定性を高めている。"} +{"problem_id": "099056", "problem_text": "鉄欠乏性貧血において、上昇する検査値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["フェリチン", "血清鉄", "ヘマトクリット", "ヘモグロビン", "総鉄結合能"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "鉄欠乏性貧血とは、鉄の吸収量の低下(摂取不足、胃切除など)や、鉄の必要量の増加(成長・妊娠など)が原因となって体内における鉄(貯蔵鉄、血清鉄など)が不足し、ヘモグロビン合成が障害されることにより発症する貧血である。本疾患では、体内における鉄の不足に伴いトランスフェリンが大量に産生されるため、総鉄結合能(血液中の全トランスフェリンに結合し得る鉄の量)は上昇する。なお、本疾患では、フェリチン(貯蔵鉄)、血清鉄(トランスフェリン結合鉄)ヘマトクリット値(全血液中に占める赤血球容積の割合)、ヘモグロビン値は低下する。"} +{"problem_id": "099057", "problem_text": "弁膜症を合併しない心房細動の症例において、抗凝固療法の必要性を判断する上で、重要性が低い合併症はどれか。1つ選べ。", "choices": ["高血圧", "心不全", "糖尿病", "貧血", "脳梗塞の既往"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "心房細動では、脈拍が不規則になることや血液の流動性が低下するなどの要因により、血栓が生成しやすくなる。心房細動に加え、脳梗塞、高血圧、心不全、糖尿病等を併発している場合、血栓や塞栓を生じるリスクがさらに高まるため、抗凝固療法の必要性が高くなる。"} +{"problem_id": "099058", "problem_text": "急性前骨髄球性白血病について、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["フィラデルフィア染色体が形成される。", "CD20抗原が認められる。", "転座染色体t(8:22)が認められる。", "PML-RAR\\alpha 融合遺伝子が認められる。", "BRCA1遺伝子に変異が認められる。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "急性前骨髄球性白血病では、PML-RAR\\alpha 融合遺伝子(15番染色体のPML遺伝子と17番染色体のRAR\\alpha 遺伝子が融合して生じるキメラ遺伝子)が認められる。なお、フィラデルフィア染色体(9番と22番の染色体が相互転座して生じる染色体)が認められるのは、慢性骨髄性白血病と一部の急性リンパ性白血病である。"} +{"problem_id": "099059", "problem_text": "心不全の患者に使用が禁忌である薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ボグリボース", "グリベンクラミド", "ナテグリニド", "ピオグリタゾン塩酸塩", "グリメピリド"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、心不全の患者に使用が禁忌であるのは、ピオグリタゾン塩酸塩である。ピオグリタゾンはインスリン抵抗性改善であり、腎臓でのNa^{+}再吸収促進作用により、体循環血液量を増加させるため、心不全の悪化させる可能性がある。"} +{"problem_id": "099060", "problem_text": "統合失調症の陰性症状として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["妄想", "幻覚", "失見当識", "食欲亢進", "意欲欠如"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "統合失調症は、脳内伝達物質(ドパミンやセロトニン、グルタミン酸など)の作用異常によっておこる内因性精神疾患である。その症状は陽性症状(幻覚、幻聴、妄想、思考の混乱、異常行動など)と、陰性症状(意欲欠如、無気力、無関心など)に大別される。なお、選択肢3の失見当識は認知障害の一種であり、統合失調症の症状として現れることはほとんどない。"} +{"problem_id": "099061", "problem_text": "不眠症の適応を有する薬物のうち、メラトニン受容体を介して効果を発現するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ゾルピデム酒石酸塩", "ゾピクロン", "ラメルテオン", "リルマザホン塩酸塩水和物", "トリアゾラム"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、メラトニン受容体を介して効果を発現するのは、ラメルテオンである。ラメルテオンはメラトニン(MT_{1}、MT_{2})受容体を刺激し、睡眠-覚醒リズムを調整することにより不眠症を改善する。"} +{"problem_id": "099062", "problem_text": "バセドウ病に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["体重増加を認める。", "脈拍数が減少する。", "発汗が抑制される。", "血清TSH値が増加する。", "手指の振戦を認める。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "バセドウ病は、免疫系の異常により起こる甲状腺機能亢進症であり、本疾患では甲状腺ホルモン作用の増強に基づく症状(体重減少、頻脈、発汗、手足振戦など)が認められる。また、体内で甲状腺ホルモンが増加するため、負のフィードバックにより血清TSH値は低下する。"} +{"problem_id": "099063", "problem_text": "骨粗しょう症の治療薬のうち、エストロゲン受容体に直接作用する薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["デノスマブ", "テリパラチド", "イプリフラボン", "ラロキシフェン塩酸塩", "アルファカルシドール"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "骨粗しょう症の治療薬のうち、エストロゲン受容体に直接作用する薬物はラロキシフェンである。ラロキシフェン塩酸塩は選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)であり、骨組織のエストロゲン受容体に直接作用して骨吸収を抑制する。1:誤\nデノスマブはヒトモノクローナル抗体製剤であり、破骨細胞分化因子であるRANKLに特異的に結合し、骨吸収を抑制する。2:誤\nテリパラチドは遺伝子組み換えPTH(ヒト副甲状腺ホルモン)製剤であり、間欠投与により骨芽細胞を増加させて骨形成を促進する。3:誤\nイプリフラボンは、直接的な骨吸収抑制作用とエストロゲンのカルシトニン分泌促進作用を増強することによる間接的な骨吸収抑制作用を有する。4:正\n5:誤\nアルファカルシドールは活性型ビタミンD_{3}製剤であり、腸管でのカルシウムの吸収、腎臓でのカルシウムの再吸収を促進することにより血中カルシウム濃度を上昇させ、骨形成を促進する。"} +{"problem_id": "099064", "problem_text": "アナフィラキシーショックに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["主にIV型アレルギー反応である。", "化学伝達物質の放出により、毛細血管の拡張が起こる。", "ラテックスなどの皮膚接触も原因となり得る。", "ぜん鳴や呼吸困難に対して、アミノフィリンが有用である。", "血圧低下に対して、アドレナリンが有用である。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\n本疾患は、外来性抗原(ハチ毒、薬物、特定の食べ物等)が体内に侵入し、I型アレルギー反応を起こすことにより誘発される疾患である。2:正しい\n本疾患は症状として、血管拡張による血圧低下や気管支収縮による呼吸困難などを呈することがある。3:正しい\nゴムの原料であるラテックスの皮膚接触も、アナフィラキシーショックの原因となることがある。4:正しい\n本疾患で認められる呼吸困難に対して、気管支拡張作用を有するアミノフィリンが有効である。5:正しい\n本疾患で認められる血管拡張作用による血圧低下に対して、アドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激作用を有するアドレナリンが有効である。"} +{"problem_id": "099065", "problem_text": "風しんについて誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["妊娠初期の罹患は胎児に奇形を発症させるリスクがある。", "RNAウイルスによる感染である。", "発しんは、治療しなくても数日で消退する。", "特異的IgM抗体が急性期の血清中に出現する。", "予防には、不活化ワクチンを接種する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n妊娠初期に風しんウイルスに初感染すると、経胎盤感染により胎児に難聴、白内障、心奇形等が生じるおそれがある。2:正しい\n風しんを引き起こす風しんウイルスは、RNAウイルスである\n3:正しい\n風しんによる発しんは、特に治療をしなくても通常2、3日で消退する。4:正しい\n風しんウイルスに感染すると、血中で急性期にはIgM抗体が、回復期にはIgG抗体が上昇する。5:誤っている\n風しんの予防には生ワクチンを用いる。風しんのワクチンは通常、麻しん・風しん混合ワクチン(MR混合ワクチン)として接種される。"} +{"problem_id": "099066", "problem_text": "医薬品等の安全性に関する重要な情報であり、緊急安全性情報に準じ厚生労働省の指示で製造販売業者が作成し、指示後1ヶ月以内に医療関係者へ伝達��るものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["PMDA医療安全情報", "安全性速報", "医薬品安全対策情報", "医薬品・医療機器等安全性情報", "医療用医薬品製品情報概要"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "医薬品等の安全性に関する重要な情報であり、緊急安全性情報に準じ厚生労働省の指示で製造販売業者が作成し、指示後1ヶ月以内に医療関係者へ伝達するものは、「安全性速報(ブルーレター)」である。安全性速報(ブルーレター)は、医薬品・医療機器の添付文書が改訂された際、その内容が一般的な使用上の注意の改訂情報よりも迅速な安全対策措置をとる場合に発出される。1:誤\nPMDA医療安全情報は、医療従事者に対して安全に使用するために注意すべき点などを、図解等を用いてわかりやすく解説し、広く周知することを目的としたものである。2:正\n3:誤\n医薬品安全対策情報(Drug Safety Update(DSU))は、医療用医薬品添付文書の「使用上の注意」の改訂に関する情報をまとめたものである。4:誤\n医薬品・医療機器等安全性情報は、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度によって収集された情報をもとに、厚生労働省が作成する資料である。5:誤\n医療用医薬品製品情報概要は、医薬品の普及並びに適正使用の推進を目的として製薬企業が作成する資料である。"} +{"problem_id": "099067", "problem_text": "正規分布が仮定できる数値データについて、2群間の平均値の差の検定に用いる統計手法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["符号検定", "カイ二乗検定", "Studentのt検定", "Fisherの直接確率法", "Wilcoxonの順位和検定"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "正規分布が仮定できる数値データについて、2群間の平均値の差の検定に用いる統計手法は、「Studentのt検定」である。1:誤\n符号検定は、対応のある群間のデータを+・-に変換して、優劣や大小を決定する検定法である。2:誤\nカイ二乗検定は、複数群における発現率を比較する検定法である。3:正\n4:誤\nFisherの直接確率法は、標本数が少なくカイ二乗検定を行うことができない場合に用いる検定法である。5:誤\nWilcoxonの順位和検定は、ノンパラメトリックなデータの母集団の中央値に差があるかどうかを決定する検定法である。"} +{"problem_id": "099068", "problem_text": "最新の臨床上のエビデンスが要約されている情報集を用い、効率的にEBMを実践したい。情報源として最も適切なものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["USP-DI", "Up to Date", "Drug Safety Update", "Physicians' Desk Reference", "British National Formulary"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "選択肢のうち、最新の臨床上のエビデンスが要約されている情報集は、「Up to Date」である。Up to Dateは、薬物の包括的情報や疾病に対する推奨治療法など、臨床の現場で生じる疑問を解決するための情報が収載されており、4ヶ月ごとに内容が更新されている。"} +{"problem_id": "099069", "problem_text": "バイタルサインに含まれないものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["体温", "血圧", "脈拍数", "腱反射", "呼吸数"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "バイタルサインとは、生命が維持されていることを示す基本的な生命徴候(体温、呼吸、脈拍、血圧、意識レベルなど)のことである。"} +{"problem_id": "099070", "problem_text": "乳汁分泌を抑制することから、授乳婦に投与すべきでない薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アミオダロン塩酸塩", "シクロスポリン", "ドキソルビシン塩酸塩", "ブロモクリプチンメシル酸塩", "炭酸リチウム"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、乳汁分泌を抑制することから、授乳婦に投与すべきでない薬物は、ブロモクリプチンメシル酸塩である。ブロモクリプチンメシル酸塩は、ドパミンD_{2}受容体刺激作用によりプロラクチンの分泌を抑制し、乳汁分泌を抑制する。なお、他の選択肢の薬物(アミオダロン塩酸塩、シクロスポリン、ドキソルビシン塩酸塩、炭酸リチウム)は、母乳中に移行するため、授乳婦に投与すべきでないとされている。"} +{"problem_id": "099071", "problem_text": "希少疾病用医薬品の指定の条件において、我が国におけるその用途に係る対象者数として規定されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["5,000人未満", "10,000人未満", "50,000人未満", "100,000人未満", "200,000人未満"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "希少疾病用医薬品の指定要件を以下に示す。・その用途に係る対象者の数が本邦において50,000人に達しないこと。・申請に係る医薬品又は医療機器につき、製造販売の承認が与えられるとしたならば、その用途に関し、特に優れた使用価値を有することとなる物であること。上記より、希少疾病用医薬品の指定の条件において、我が国におけるその用途に係る対象者数として規定されている人数は50,000人未満である。"} +{"problem_id": "099072", "problem_text": "薬剤師法に定める薬剤師の任務又は業務でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["調剤", "医薬品の供給", "処方せん中の疑わしい点の医師、歯科医師又は獣医師への照会", "調剤した薬剤についての患者等への情報提供", "検査のための採血"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢のうち、薬剤師法に定める薬剤師の任務又は業務でないのは、「検査のための採血」である。検査のための採血については医業に該当するため、薬剤師が行うことができない。"} +{"problem_id": "099073", "problem_text": "医療法において、地域医療支援病院の要件に該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["救急医療を提供する能力", "原則として200床以上の病床", "他の医療機関から紹介された患者に対する医療の提供", "医薬品情報管理室の設置", "高度な医療技術の開発を行う能力"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢のうち、医療法において、地域医療支援病院の要件に該当しないのは、高度な医療技術の開発を行う能力である。参考\n<地域医療支援病院の要件の概要>\n・他の病院又は診療所から紹介された患者に対し医療を提供し、かつ、当該病院の建物の全部若しくは一部、設備、器械又は器具を、当該病院に勤務しない医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者の診療、研究又は研修のために利用させるための体制が整備されていること。・救急医療を提供する能力を有すること。・地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること。・厚生労働省令で定める数(200名)以上の患者を入院させるための施設を有すること。・手術室、調剤所、集中治療室、医薬品情報管理室等を有すること。:など"} +{"problem_id": "099074", "problem_text": "ヒト乾燥硬膜の使用により発現した疾患であって、薬事法に生物由来製品に関する規定が設けられる契機となったのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["B型肝炎", "無菌性髄膜炎", "ギラン・バレー症候群", "クロイツフェルト・ヤコブ病", "後天性免疫不全症候群"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ヒト乾燥硬膜の使用により発現した疾患であって、薬事法に生物由来製品に関する規定が設けられる契機となった疾患は、クロイツフェルト・ヤコブ病である。"} +{"problem_id": "099075", "problem_text": "[::::] に入る適切な語句はどれか。1つ選べ。保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則において、保険薬局が担当する療養の給付及び被扶養者の療養は、薬剤又は治療材料の支給並びに[ ::: ]における薬学的管理及び指導とされている。", "choices": ["居宅", "病院", "診療所", "介護老人保健施設", "調剤を実施する薬局"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則において、保険薬局が担当する療養の給付及び被扶養者の療養は、薬剤又は治療材料の支給並びに「居宅」における薬学的管理及び指導とされている。"} +{"problem_id": "099076", "problem_text": "後発医薬品はその先発医薬品との生物学的同等性が求められている。同じ規格の内用固形製剤において、後発医薬品がその先発医薬品と同一であることが必要なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["製造方法", "定量法", "有効成分の含量", "添加物の種類", "製品の重量"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "後発医薬品は、原則として先発医薬品と有効成分、成分含量、投与経路、用法・用量が同一である。"} +{"problem_id": "099077", "problem_text": "過去10年間の統計を踏まえて、施設数の多い順序を正しく表示しているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["一般診療所>病院>薬局", "一般診療所>薬局>病院", "薬局>病院>一般診療所", "薬局>一般診療所>病院", "病院>薬局>一般診療所"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "平成24年���における施設数の順序は、一般診療所(100,152軒)>薬局(55,797軒)>病院(8,565軒)であり、過去10年間の統計においても、平成24年度と同じく、施設数の順序は一般診療所>薬局>病院となっている。"} +{"problem_id": "099078", "problem_text": "医薬品の承認申請資料の非臨床試験のうち、GLP(Good Laboratory Practice)が適用されない試験はどれか。1つ選べ。", "choices": ["単回投与毒性試験", "遺伝毒性試験", "がん原性試験", "薬効薬理試験", "依存性試験"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "医薬品の承認申請資料の非臨床試験のうち、GLP(Good Laboratory Practice: 医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準)が適用されないのは、薬効薬理試験である。なお、医薬品の承認申請資料の非臨床試験のうち、GLP(Good Laboratory Practice: 医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準)が適用されるのは、毒性試験(単回投与毒性試験、反復投与毒性試験、生殖・発生毒性試験、遺伝毒性試験(変異原性試験)、がん原性試験、依存性試験等)、一部の薬理学的試験(安全性薬理試験)である。"} +{"problem_id": "099079", "problem_text": "75歳男性。体調悪化のため昨夜から入院している。本日、薬剤師が調剤した薬剤を持って初めてこの男性と面談することになった。薬剤師の最初の質問として最も優先すべきなのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["「この錠剤は服用できますか。」", "「お名前を教えていただけますか。」", "「病院に持参されたお薬はありますか。」", "「いつから体調が悪くなったのですか。」", "「お薬のことで、何か心配なことはありますか。」"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "薬剤師が初めて患者と面談するに当たって、患者間違いに関連した医療事故を防止するために、患者の名前を確認する必要がある。よって、薬剤師の最初の質問として最も優先すべきなのは、「お名前を教えていただけますか。」であるといえる。"} +{"problem_id": "099080", "problem_text": "医療の担い手である薬剤師に求められる倫理観として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["積極的に自己研鑽に励む。", "患者の利益のために職能の最善を尽くす。", "安全性よりも利便性を優先して医薬品を供給する。", "品位と信用を損なう行為をしない。", "職務上知り得た患者の秘密を、正当な理由なく漏らさない。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "日本薬剤師会が定めている「薬剤師倫理規定」について以下に示す。前:文\n薬剤師は、国民の信託により、憲法及び法令に基づき、医療の担い手の一員として、人権の中で最も基本的な生命・健康の保持増進に寄与する責務を担っている。この責務の根底には生命への畏敬に発する倫理が存在するが、さらに、調剤をはじめ、医薬品の創製から、供給、適正な使用に至るまで、確固たる薬の倫理が求められる。薬剤師が人々の信頼に応え、医療の向上及び公共の福祉の増進に貢献し、薬剤師職能を全うするため、ここに薬剤師倫理規定を制定する。第1条(任務)\n薬剤師は、個人の尊厳の保持と生命の尊重を旨とし、調剤をはじめ、医薬品の供給、その他薬事衛生をつかさどることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって人々の健康な生活の確保に努める。第2条(良心と自律)\n薬剤師は、常に自らを律し、良心と愛情をもって職能の発揮に努める。第3条(法令等の遵守)\n薬剤師は、薬剤師法、薬事法、医療法、健康保険法、その他関連法規に精通し、これら法令等を遵守する。第4条(生涯研鑽)\n薬剤師は、生涯にわたり高い知識と技能の水準を維持するよう積極的に研鑽するとともに、先人の業績を顕彰し、後進の育成に努める。第5条(最善尽力義務)\n薬剤師は、医療の担い手として、常に同僚及び他の医療関係者と協力し、医療及び保健、福祉の向上に努め、患者の利益のため職能の最善を尽くす。第6条(医薬品の安全性等の確保)\n薬剤師は、常に医薬品の品質、有効性及び安全性の確保に努める。また、医薬品が適正に使用されるよう、調剤及び医薬品の供給に当たり患者等に十分な説明を行う。第7条(地域医療への貢献)\n薬剤師は、地域医療向上のための施策について、常に率先してその推進に努める。第8条(職能間の協調)\n薬剤師は、広範���わたる薬剤師職能間の相互協調に努めるとともに他の関係職能を持つ人々と協力して社会に貢献する。第9条(秘密の保持)\n薬剤師は、職務上知り得た患者等の秘密を、正当な理由なく漏らさない。第10条(品位・信用等の維持)\n薬剤師は、その職務遂行にあたって、品位と信用を損なう行為、信義のもとる行為及び医薬品の誤用を招き濫用を助長する行為をしない。"} +{"problem_id": "099081", "problem_text": "調剤済となった保険処方せんに薬局で記載しなければならない事項はどれか。1つ選べ。", "choices": ["保険医療機関コード", "調剤年月日", "薬局開設者の氏名", "調剤した医薬品のロット番号", "後発医薬品への変更希望の有無"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "調剤済となった保険処方せんには、以下に示す項目を記載しなければならない。・調剤済みの旨\n・調剤年月日\n・薬剤師の記名押印又は署名\n・調剤した薬局の名称及び所在地\n・医師の同意を得て処方せんに記載された医薬品を変更して調剤した場合は、その変更内容\n・医師に疑義を確認した場合は、その回答内容"} +{"problem_id": "099082", "problem_text": "散剤を調剤する場合、賦形剤として乳糖水和物が適さないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ジゴキシン", "アミノフィリン水和物", "ヨウ化カリウム", "プレドニゾロン", "フェノバルビタール"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "選択肢のうち、散剤を調剤する場合、賦形剤として乳糖水和物が適さないのは、アミノフィリンである。なお、乳糖水和物で賦形すると配合変化を起こすため、賦形する際にデンプンを用いる散剤には、アミノフィリンやイソニアジド末、\\beta -ガラクトシダーゼ散などがある。"} +{"problem_id": "099083", "problem_text": "医療用医薬品の有効成分が転用された一般用医薬品を何というか。1つ選べ。", "choices": ["ダイレクトOTC", "スイッチOTC", "オーファンドラッグ", "後発医薬品", "処方せん医薬品"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "医療用医薬品の有効成分が転用された一般用医薬品を「スイッチOTC」という。なお、新規有効成分が直接一般用医薬品として開発、承認されたものを「ダイレクトOTC」という。"} +{"problem_id": "099084", "problem_text": "我が国において健康被害をもたらし社会問題となった薬物とその症状あるいは疾病の組合せのうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "我が国において健康被害をもたらし社会問題となった薬物とその症状あるいは疾病の組合せを以下に示す。・サリドマイド: 胎児に四肢奇形(アザラシ肢症)\n・クロロキン: クロロキン網膜症\n・キノホルム: 知覚神経障害(SMON: 亜急性脊髄視神経症)\n・ペニシリン: アナフィラキシー様症状\n・ソリブジン: 5-フルオロウラシルとの併用による重篤な血液障害"} +{"problem_id": "099085", "problem_text": "病院内で職種横断的に活動する医療チームの1つにNSTがある。NSTが行う主な業務として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者の栄養管理支援", "患者の緩和ケア", "患者のメンタルケア", "病院内の感染対策", "病院内の医療安全管理"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "NST(nutrition support team: 栄養サポートチーム)が行う主な業務内容を以下に示す。・個々の患者又は症例に応じた栄養評価及び栄養管理\n・栄養薬剤の最適な選択と適正使用\n・医療従事者に対する適正な栄養管理の教育、指導\n・感染症や褥瘡の発生予防:など"} +{"problem_id": "099086", "problem_text": "患者と面談する際、上から見た位置関係のうち、最も患者が薬剤師と抵抗なく話し合えるとされるのはどれか。1つ選べ。ただし、顔の向きは下記に示したものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "薬剤師と患者が座る位置をずらすことにより視線を合わせることなく、話し合うことができる。このことから、薬剤師と患者は向かいあって座らず、薬剤師が患者とずれた位置に座ることがよいとされている。"} +{"problem_id": "099087", "problem_text": "三環系抗うつ薬に対して過敏症の既往歴のある患者に使用を避けるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["フェノバルビタール", "カルバマゼピン", "フェニトイン", "アセタゾラミド", "ジアゼパム"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "カルバマゼピンは、三環系抗うつ薬に類似した三環構造を有しているため、本剤もしくは三環系抗うつ薬に対して過敏症の既往歴のある患者に対して使用禁忌となっている。"} +{"problem_id": "099088", "problem_text": "注射用バンコマイシン塩酸塩の添付文書に、使用上の注意として「60分以上かけて点滴静注すること」と記載がある。これによって予防できる副作用はどれか。1つ選べ。", "choices": ["回転性のめまい", "水様便を伴う下痢", "下肢の浮腫", "顔や頸部の発赤", "眼球結膜の黄変"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "注射用バンコマイシン塩酸塩を60分以上かけて点滴静注することにより予防できる副作用は「顔や頸部の発赤」である。注射用バンコマイシン塩酸塩を急速なワンショット静注又は短時間での点滴静注と行うとヒスタミンが遊離されることにより、顔や頸部などに発赤、掻痒等のレッドネック症候群や血圧低下の副作用が発現することがある。"} +{"problem_id": "099089", "problem_text": "粘膜に使用される消毒薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["グルタラール", "過酢酸", "消毒用エタノール", "ベンザルコニウム塩化物", "フェノール"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nグルタラールは、高水準の消毒薬であり、器具等の消毒に使用される。2:誤\n過酢酸は、高水準の消毒薬であり、器具等の消毒に使用される。3:誤\n消毒用エタノールは、中水準の消毒薬であり、皮膚、医療器具等の消毒に使用される。4:正\nベンザルコニウム塩化物は、低水準の消毒薬であり、粘膜、皮膚、家具、床等の消毒に使用される。5:誤\nフェノールは、中水準の消毒薬であり、皮膚、医療機器、排泄物等の消毒に使用される。"} +{"problem_id": "099090", "problem_text": "経口投与する上で、患者の腎機能を考慮する必要性が最も高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ピルシカイニド塩酸塩水和物カプセル", "ラベプラゾールナトリウム錠", "バルプロ酸ナトリウム錠", "プロプラノロール塩酸塩錠", "ニフェジピンカプセル"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "経口投与する上で、患者の腎機能を考慮する必要性が最も高いのは、腎消失型薬物であるピルシカイニド塩酸塩水和物カプセルである。なお、他の選択肢の薬物は、肝消失型薬物である。"} +{"problem_id": "099091", "problem_text": "^{90}Srは以下に示す放射壊変により、放射性核種^{90}Yを経て、^{90}Zrの安定核種になる。^{90}Yの放射能の時間推移を示す曲線はどれか。1つ選べ。ただし、時間ゼロにおける^{90}Srの放射能は5\\times 10^{4} Bqとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本反応のように親核種^{90}Srの半減期が娘核種^{90}Yの半減期に比べてはるかに長い(親核種の半減期が娘核種の半減期の1000倍以上を示す)場合、時間の経過と共に親核種が放出する放射能と娘核種が放出する放射能が同じになる永続平衡が成立する。親核種^{90}Srが壊変しはじめたときは、娘核種^{90}Yは存在しないため、娘核種^{90}Yが放出する放射能は0であるが、時間の経過とともに娘核種^{90}Yの放射能は親核種^{90}Srの放射能(5\\times 10^{4} Bq)に近く。"} +{"problem_id": "099092", "problem_text": "1\\times 10^{5}N/m^{2}、107^{\\circ} Cで水素1.0 molと酸素0.50 molを反応させ、水(気体)を合成した。この反応に伴い243 kJの熱が発生した。水素と酸素はすべて反応し、温度及び圧力は一定であった。この反応に伴う内部エネルギー変化(kJ)に最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、気体定数R=8.31(J mol^{-1}K^{-1})とする。", "choices": ["-360", "-240", "-120", "120", "240", "360"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "内部エネルギーの変化\\Delta Uは以下の式で表すことができる。\\Delta U=q+w q: 熱、w: 仕事\n<熱を求める。>\n反応に伴い243 kJの熱が発生していることから、熱qは-243 kJである。<仕事を求める。>\n仕事wは以下の式で表すことができる。w=-p\\Delta V::p: 圧力、V: 体積\nまた、完全気体(理想気体)の状態方程式(pV=nRT)より、仕事wは以下のように表される。w=-\\Delta nRT::\\Delta n: 反応により変化したモル数、R: 気体定数、T: 絶対温度\n水素1.0 molと酸素0.50 molを反応させると、水(気体)1.0 molが合成されるため\\Delta nは-0.50 molとなる。また、温度107^{\\circ} C(107+273=380 K)、気体定数R=8.31(J mol^{-1}K^{-1})であること��ら、仕事wを以下のように求めることができる。w=-{(-0.5 mol)\\times 8.3 J mol^{-1}K^{-1}\\times (107+273)K}=1578.9 J\\fallingdotseq 1.6 kJ\nこれらのことから、内部エネルギーの変化\\Delta Uを以下のように求めることができる。\\Delta U=-243 kJ+1.6 kJ\\fallingdotseq -241 kJ"} +{"problem_id": "099093", "problem_text": "ある薬物Aの水に対する溶解度は5 w/v%であり、1次反応速度式に従って分解し、その分解速度定数は0.02 h^{-1}である。この薬物1.5 gを水10 mLに懸濁させたとき、残存率が90%になる時間(h)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、溶解速度は分解速度に比べて十分に速いものとする。", "choices": ["2.5", "7.5", "13.5", "15", "75"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "<初期の全薬物濃度C_{0}を求める。>\n問題文に「薬物1.5 gを水10 mLに懸濁させた」となっていることから、薬物Aの初期の全薬物濃度C_{0}を以下のように求めることができる。1.5 g/10 mL=15 g/100 mL=15 w/v%\n<反応次数、反応速度定数を考える。>\n溶解速度が分解速度に比べて十分に速く、C_{0}>溶解度C_{s}(5 w/v%)であることから、全薬物濃度CがC_{s}に達するまでは、みかけ上0次反応で反応が進行する。みかけ上0次反応で進行するときの速度定数k_{0}は以下のように表される。k_{0}=k_{1}\\times C_{s}k_{1}: 1次反応の速度定数\n問題文に「溶解度は5 w/v%」「1次反応速度式に従って分解し、その分解速度定数は0.02 h^{-1}である。」と記載されていることから、k_{0}を以下のように求めることができる。k_{0}=0.02 h^{-1}\\times 5 w/v%=0.10 w/v%h^{-1}\nこれらのことより、残存率が90%(全薬物濃度が13.5 w/v%)に達するまでの時間tは、以下のように求めることができる。C=C_{0}-k_{0}t\n13.5=15-0.10\\times t:::t=15(h)"} +{"problem_id": "099094", "problem_text": "表面・界面張力に関する記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["表面・界面張力は表面・界面過剰ギブズ自由エネルギーとして表すことができ、その単位はJ/m^{2}で表される。", "油滴が水中に存在するとき、サイズが小さい油滴ほどエネルギー的に安定である。", "界面活性剤とは、表面・界面過剰ギブズ自由エネルギーを増大させる化合物の総称である。", "食塩水は、純水に比べて表面張力が大きい。", "ヘキサンは、純水に比べて表面張力が大きい。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n表面・界面張力は表面・界面過剰ギブズ自由エネルギーとして表すことができ、その単位はJ/m^{2}またはN/mで表される。2:誤\n油滴が水中に存在するとき、サイズが小さい油滴ほど単位質量当たりの油に多くの水が接触するため、エネルギー的に不安定である。3:誤\n界面活性剤とは、表面・界面過剰ギブズ自由エネルギーを低下させる化合物の総称である。4:正\n水に食塩を溶解すると、負の吸着を起こすため、表面張力が上昇する。よって、食塩水は、純水に比べて表面張力が大きい。5:誤\n分子間力が強い物質ほど表面張力は大きい。ヘキサンは無極性物質であり、極性を有する純水に比べると、分子間力が弱いため、ヘキサンは、純水に比べて表面張力が小さい。"} +{"problem_id": "099095", "problem_text": "低分子やイオンの水溶液中における拡散係数Dに関する記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、理想状態における拡散を仮定する。", "choices": ["Dは水和による影響を受けない。", "Dは溶液の粘度に反比例する。", "Dは絶対温度に比例する。", "Dは溶質の半径に比例する。", "Dは溶質の濃度に比例する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "拡散係数Dは以下の式で表される。R: 気体定数、T: 絶対温度、η: 溶媒の粘度、r: 溶質の半径、N: アボガドロ定数\n上記の式より、拡散係数Dは、溶媒の粘度ηと溶質の半径rに反比例し、絶対温度Tに比例する。"} +{"problem_id": "099096", "problem_text": "以下の記述は日本薬局方アスピリンの定量法に関するものである。「本品を乾燥し、その約1.5 gを精密に量り、0.5 mol/L水酸化ナトリウム液50 mLを正確に加え、二酸化炭素吸収管(ソーダ石灰)を付けた還流冷却器を用いて10分間穏やかに煮沸する。冷後、直ちに過量の水酸化ナトリウムを0.25 mol/L硫酸で滴定する(指示薬: フェノールフタレイン試液3滴)。同様の方法で空試験を行う。0.5 mol/L水酸化ナトリウム液1 mL=[ ア ]mgC_{9}H_{8}O_{4}」 定量法に関する記述のうち、正しい��はどれか。2つ選べ。ただし、アスピリンの分子量は180.16である。", "choices": ["「精密に量る」とは、指示された数値の質量をその桁数まで量ることを意味する。", "下線部の操作は、アスピリンの加水分解反応(けん化)を促進するために行う。", "空試験により、空気中の二酸化炭素が0.5 mol/L水酸化ナトリウム液に溶け込んだ影響を補正することができる。", "0.25 mol/L硫酸の代わりに0.5 mol/L塩酸で同様の操作を行うと、[:ア:]に示した対応量は2倍となる。", "[:ア:]に入る数値は90.08である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n設問の記述は、「正確に量る」に関する記述である。なお、「精密に量る」とは、量るべき最少位を考慮し、0.1 mg、10 \\micro g、1 \\micro g又は0.1 \\micro gまで量ることを意味する。2:正\n下線部の操作では、塩基性条件下、加熱することによりアスピリンのエステル部分を加水分解(けん化)するために行っている。3:正\n本法では、空気中の二酸化炭素と水酸化ナトリウムが反応することにより、滴定結果に誤差を生じる恐れがある。空試験を行うことにより空気中の二酸化炭素による誤差を補正することができる。4:誤\n逆滴定用の標準液を変化させても、医薬品と標準液の対応量は変化しない。なお、対応量とは、標準液1mLに対応する(標準液1mLと反応する)試料の質量のことである。5:誤\n1 molのアスピリンは、2 molの水酸化ナトリウムと反応するため、対応量を以下のように計算することがきる。2 mol/L水酸化ナトリウム液1 L= 180.16 g C_{9}H_{8}O_{4}2 mol/L水酸化ナトリウム液1 mL= 180.16 mgC_{9}H_{8}O_{4}0.5 mol/L水酸化ナトリウム液1 mL= 180.16 mg\\times 1/4 C_{9}H_{8}O_{4}=45.04 mgC_{9}H_{8}O"} +{"problem_id": "099097", "problem_text": "液体クロマトグラフィーに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["質量分布比(k')が小さいほど、試料はカラムに保持されやすい。", "同一の分離条件で2つの化合物の保持時間が同じ場合、分離係数(\\alpha )は0である。", "理論段数(N)が大きい値を示すほど、優れた分離系である。", "テーリングしたピークのシンメトリー係数(S)は、1.0より小さい。", "ピークの完全分離とは、分離度(R_{s})1.5以上を意味する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n質量分布比(k‘)は、カラムの保持力を示す値であり、k‘が小さいほど、資料はカラムに保持されにくく、速やかにカラムから溶出する。2:誤\n分離係数(\\alpha )は、以下の式で表すことができる。上記の式より、同一の分離条件で2つの化合物の保持時間が同じ(t_{R1}=t_{R2})場合、分離係数(\\alpha )1となる。3:正\n理論段数(N)とは、カラム中における物質のバンドの広がりの度合いを表す指標であり、その数値が大きいほど、優れた分離系である。4:誤\nシンメトリー係数(S)とは、クロマトグラム上のピークの対称性を示すものである。シンメトリー係数とピークの形の関係を以下に示す。上記より、テーリングしたピークのシンメトリー係数(S)が1より大きい。5:正日本薬局方一般試験法において、ピークの分離度(R_{S})が1.5以上を示す場合、2つのピークは完全に分離しているとみなしてよいと定義されている。"} +{"problem_id": "099098", "problem_text": "電気泳動法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["イオン性物質の移動速度は電場の強さに比例する。", "SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動では、タンパク質は陽極から陰極に向かって泳動される。", "SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動では、ゲルの濃度が高いほど、タンパク質の移動度が大きくなる。", "等電点電気泳動では、電極間にpH勾配を形成させてタンパク質の分離を行う。", "アガロースゲル電気泳動でDNAを分離するには、試料に臭化エチジウムを加える必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n電気泳動におけるイオン性物質の移動速度は、電場の強さ、電圧、イオン性物質の電荷、電極間の距離、溶媒の粘度、イオン性物質の半径の影響を受ける。・イオン性物質の移動速度と比例するもの\n電場の強さ、電圧、イオン性物質の電荷\n・イオン性物質の移動速度と反比例するもの\n溶媒の粘度、電極間の距離、イオン性物質の半径\n2:誤\nSDS-ポリアクリルアミドゲ��電気泳動でタンパク質を分離する場合、還元剤(2-メルカプトエタノールなど)により、タンパク質の立体構造を破壊し、そこに界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)を加えることによりタンパク質を負に帯電させる。その後、電気泳動を行うため、タンパク質は陰極から陽極に向かって泳動される。3:誤\n電気泳動に用いられるゲルは網目構造をしており、濃度が高くなると網目が細かくなるため、ゲルの濃度が高いほど、タンパク質の移動度は小さくなる。4:正\n等電点電気泳動法は、酸や塩基を添加することにより電極間にpH勾配を形成させ、等電点の異なる物質を分離する方法である。5:誤\n臭化エチジウムは、分離したDNAを検出する際に用いられる試薬であり、アガロースゲル電気泳動により試料を分離する際に添加する必要はない。"} +{"problem_id": "099099", "problem_text": "次の記述は、酸が混在する中性医薬品の純度試験に関するものである。以下の試験から求められる酸の残存量は、硫酸に換算して何%以下か。最も近い値を1つ選べ。ただし、硫酸の分子量を98.08とする。「本品を5.0 gを新たに煮沸して冷却した水50 mLに溶かし、フェノールフタレイン試液3滴及び0.01 mol/L水酸化ナトリウム液0.60 mLを加えるとき、液の色は赤色である。」", "choices": ["0.006", "0.012", "0.12", "0.3", "0.6"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "本試験において、水酸化ナトリウムを加えた後、フェノールフタレインにより液の色が赤くなっていることから、0.01 mol/L水酸化ナトリウム液0.60 mLにより中性医薬品に混在する酸が中和されたと考えられる。本設問では、中性医薬品に混在する酸を硫酸に換算した際の残存量を求める必要があるため、中和反応が以下のように起こっていると考える。H_{2}SO_{4}+2NaOH\\rightarrow Na_{2}SO_{4}+2H_{2}O\n0.01 mol/L水酸化ナトリウム液0.60 mLには、水酸化ナトリウム0.006 mmolが含まれており、また、上記反応式より硫酸と水酸化ナトリウムは1: 2で反応するため、0.01 mol/L水酸化ナトリウム液0.60 mLで中和できる硫酸量は0.003 mmolである。硫酸の分子量は98.08であるため、このときの硫酸の質量は、98.08\\times 0.003 mmol\\fallingdotseq 0.294 mg=0.294\\times 10^{-3} gとなり、これは中性医薬品5.0 gの約0.006%にあたる。"} +{"problem_id": "099100", "problem_text": "X線回折法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["X線源のターゲット(対陰極)には、CuやMoが用いられる。", "測定には、連続X線が通常用いられる。", "X線結晶構造解析では、回折斑点の強度から結晶の格子定数が求められる。", "粉末X線回折法では、結晶構造に基づいた同心円状の回折像が得られる。", "X線を結晶に照射すると、主にその物質中の原子核の強制振動が起こり、散乱X線が生じる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本法におけるX線源にはX線管球が用いられる。X線管球では、管球内で加熱された陰極から出た熱電子を電場により加速し、ターゲット(対陰極)に照射することでX線を発生させる。本法で用いるX線を発生させる場合には、対陰極の金属にCuやMoが用いられる。2:誤\n本法の測定においては、通常、特性X線が用いられる。特性X線(固有X線)とは、対陰極に用いた金属に固有の波長を有するX線のことである。3:誤\nX線結晶構造解析では、回折斑点の強度から結晶の電子密度が求められる。なお、X線結晶構造解析において、結晶の格子定数は、回折斑点の間隔より求めることが可能である。4:正\n粉末X線回折法では、試料にX線を照射するとあらゆる方向に回折X線を生じることから結晶構造に基づいた同心円状の回折像が得られる。5:誤\nX線を結晶に照射すると、主にその物質中の電子の強制振動が起こり、散乱X線が生じる。"} +{"problem_id": "099101", "problem_text": "次の構造式で示される日本薬局方収載医薬品クロラムフェニコールの正しい化学名はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "この化合物の主たる官能基はアミドであることから、この化合物の主鎖はacetamideである。また、主鎖の2位の炭素には2つの塩素が結合しているため、「2,2-Dichloro」となり、N位には(1R,2R)-1,3-dihydroxy-1-(4-nitrophenyl)propan-2-ylが結合しているため、「N- [(1R,2R)-1,3-dihydroxy-1-(4-nitrophenyl)\npropan-2-yl]」(選択肢5)となる。"} +{"problem_id": "099102", "problem_text": "芳香族性を示すのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "・環全体が平面構造(環を構成している原子がすべてsp^{2}混成軌道をとる)\n・4n+2個の\\pi 電子を有する(n=0、1、2、…)【ヒュッケル則】\n1:誤\nシクロブタジエンは、4個の\\pi 電子を有しており、芳香性を示さない。2:正シクロヘプタトリエニルカチオンは、6個の\\pi 電子を有しており、また環の構成原子がすべてsp^{2}混成軌道であるため、芳香性を示す。3:誤\nシクロオクタテトラエンは、8個の\\pi 電子を有しており、芳香性を示さない。4:正\nシクロペンタジエニルアニオンは、6個の\\pi 電子を有しており、また環の構成原子がすべてsp^{2}混成軌道であるため、芳香性を示す。5:誤\nシクロペンタジエニルカチオンは、4個の\\pi 電子を有しており、芳香性を示さない。"} +{"problem_id": "099103", "problem_text": "メトキシベンゼン(アニソール)Aの一般的な合成法を以下に示した。これに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["S_{N}2機構で進行する。", "カルボカチオン中間体を経由して進行する。", "ヨードメタン(C)の代わりにCH_{3}SO_{3}CH_{3}を利用することができる。", "プロトン性極性溶媒を使用すると反応が速く進行する。", "Aは、DとEから合成することも可能である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "本合成法は、ウィリアムソン(Williamson)のエーテル合成法である。本合成法では、立体障害の小さいハロゲン化アルキルに対してナトリウム塩を求核的に攻撃させることによりエーテル合成を行う。1:正本反応は、立体障害の小さいヨードメタン(C)に対してナトリウムフェノキシド(B)のマイナスイオンを求核的に攻撃させることにより進行するため、S_{N}2機構で進行する。2:誤本反応はS_{N}2反応であり、カルボカチオン中間体を経由しない一段階反応である。なお、カルボカチオン中間体を経由して進行するのはS_{N}1反応である。3:正ヨードメタンのヨウ素は比較的安定なアニオンとして脱離しやすいため、本反応が進行する。CH_{3}SO_{3}CH_{3}を利用した場合においても、CH_{3}SO_{3-}が比較的安定なアニオンとして脱離しやすいため、本反応は進行する。4:誤プロトン性極性溶媒を使用すると、溶媒中のH^{+}(プロトン)と塩基である求核試薬が中和するため反応が妨げられる。5:誤\nブロモベンゼン(D)は、求電子置換反応が進行しやすく、求置換反応は進行しにくいため、ナトリウムメトキシド(E)のメトキシドイオンによる求核置換反応でエーテルを合成することはできない。"} +{"problem_id": "099104", "problem_text": "主生成物の構造が正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、すべての反応は終了後、適切な後処理 を施してある。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正アミドを水酸化アルミニウムリチウム(LiAlH_{4})により還元すると、アミドのカルボニル部分がメチレン基となり、対応するアミンが生成する。2:誤カルボン酸を水酸化アルミニウムリチウム(LiAlH_{4})により還元すると、第一級アルコールが生成する。3:正塩化アシルを水素化ホウ素ナトリウム(NaBH_{4})により還元すると、第一級アルコールが生成する。4:誤酸無水物を水酸化アルミニウムリチウム(LiAlH_{4})により還元すると、第一級アルコールが生成する。5:誤エステルを水酸化アルミニウムリチウム(LiAlH_{4})により還元すると、第一級アルコールが生成する。"} +{"problem_id": "099105", "problem_text": "アスコルビン酸(ビタミンC)中の、下線をつけたH原子のうち最も酸性度が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "H原子の酸性度は、電気陰性度の強い原子に結合するものほど高いことから、C原子に結合しているH原子(2、4)よりも、O原子に結合しているH原子(1、3、5、6)の方が酸性度は高い。また、酸は一般にその共役塩基が安定であるほど酸性度が高いため、共役塩基が共鳴安定化を受けるH原子(5、6)は共鳴安定化を受けないH原子(1、3)よりも酸性度が高い。共鳴安定化を受けるH原子(5、6)について比較すると、5の方が長い共役系をもつため、安定性が高い。これらのことから、最も���性度が高いH原子は5である。"} +{"problem_id": "099106", "problem_text": "ドネペジル(A)は、\\alpha ,\\beta -不飽和カルボニル化合物(B)を生成するアルドール縮合を経て合成される。このアルドール縮合において用いられるカルボニル化合物は1〜6のうちどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "アルドール縮合では、2分子のカルボニル化合物(アルデヒドまたはケトンなど)から\\beta -ヒドロキシカルボニル化合物が生成し、その後、脱水により\\alpha ,\\beta -不飽和カルボニル化合物が生成する。ドネペジル(A)の前駆体である化合物Bより、脱水前の\\beta -ヒドロキシカルボニル化合物を推察する。"} +{"problem_id": "099107", "problem_text": "アミノ酸(C)の生合成過程の一部を示した図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aはアスパラギン酸を酸化すると得られる。", "AからBへの変換において生じるXは水である。", "Bはラクタム構造をもつ。", "BはNADHによって還元されて最終的にCになる。", "Cの名称はヒスチジンである。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nAはグルタミン酸のカルボキシ基をアルデヒド基に還元すると得られる。2:正\nAからBへの変換反応において、以下の反応が進行している。Aの窒素が同分子内のアルデヒド炭素を求核攻撃することにより環状構造が生成する。生成した環状構造から水が脱離する(脱水反応が起こる)。3:誤\nBはアミド構造を有していないため、ラクタム構造を持たない。4:正\nBはNADHの作用により2つのH原子を受け取ってCになっていることから、BはNADHによって還元されて最終的にCになると考えられる。5:誤\nCの名称はプロリンである。"} +{"problem_id": "099108", "problem_text": "生薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ハンゲはサトイモ科カラスビシャクの塊茎を用いる生薬で、消炎、利尿を目的に用いられる。", "バクモンドウはユリ科ジャノヒゲの茎を用いる生薬で、鎮咳、去痰を目的に用いられる。", "サンシシはアカネ科クチナシの果実を用いる生薬で、鎮静、利胆を目的に用いられる。", "ケイヒはクスノキ科Cinnamomum cassia Blumeの根を用いる生薬で、健胃、解熱を目的に用いられる。", "シャクヤクはボタン科シャクヤクの根を用いる生薬で、鎮痛、鎮痙を目的に用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nハンゲはサトイモ科カラスビシャクのコルク層を除いた塊茎を用いる生薬で、有効成分としてホモゲンチジン酸などを含有しており、去痰、鎮吐、鎮咳を目的に用いられる。2:誤\nバクモンドウはユリ科ジャノヒゲの根の膨大部を用いる生薬で、有効成分としてステロイドサポニンなどを含有しており、鎮咳、去痰を目的に用いられる。3:正\nサンシシはアカネ科クチナシの果実を用いる生薬で、有効成分としてゲニポシドやクロシンなどを含有しており、鎮静、利胆を目的に用いられる。4:誤\nケイヒはクスノキ科Cinnamomum cassia Blumeの樹皮または周皮の一部を除いたものを用いる生薬で、有効成分としてタンニン類などを含有しており、健胃、解熱を目的に用いられる。5:正\nシャクヤクはボタン科シャクヤクの根を用いる生薬で、有効成分としてモノテルペン配糖体のペオニフロリンなどを含有しており、鎮痛、鎮痙を目的に用いられる。"} +{"problem_id": "099109", "problem_text": "強心配糖体ジギトキシンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アグリコンであるジギトキシゲニンはイソプレノイド経路で生合成される。", "構成糖は、2,6-ジデオキシ糖のD-ジギトキソースである。", "17位に\\beta ,\\gamma -不飽和5員環ラクトンが結合したカルデノリド類である。", "ステロイド骨格のA/B環、B/C環、及びC/D環はいずれもtrans配置である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nジギトキシンのアグリコンであるジギトキシゲニンは、イソプレノイド経路で生合成されている。なお、アグリコンとは、配糖体の糖以外の構造部分(非糖部)のことである。2:正\nジギトキシンの構成糖は、2位と6位にヒドロキシ基をもたない2,6-ジデオキシ糖のD-ジギトキソースである。3:誤\nジギトキシンは、17位に\\alpha ,\\beta -不飽和5員環ラクトンが結合したカルデノリド類である。4:誤\nジギトキシンのステロイド骨格のB/C環はtrans配置、A/B環、C/D環はcis配置である。"} +{"problem_id": "099110", "problem_text": "日本薬局方エテンザミドは、化合物Aを経て合成される。図はAの^{1}H-NMRスペクトル(400 MHz、CDCl_{3}、基準物質はテトラメチルシラン)である。Aの構造は1〜5のうちどれか。1つ選べ。なお、アとカのシグナルは重水(D_{2}O)を添加するとほぼ消失した。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "ベンゼン環に結合するプロトン由来のシグナルは、8〜6 ppm付近に出現する。8〜6 ppmに出現するシグナルが2H分の二重線2本が出現している場合には、その化合物はp-二置換ベンゼン誘導体である。本スペクトルでは、8〜6 ppm付近に2H分の二重線2本が出現していないことから、この化合物はp-二置換ベンゼン誘導体でない選択肢1、4、5によるスペクトルである可能性がある。また、OH及びNHのプロトン由来のシグナルは、重水(D_{2}O)添加により消失する。問題文に「アとカのシグナルは重水(D_{2}O)を添加するとほぼ消失した。」とあることから、OH及びNHのプロトンが合計3個存在する選択肢1、3によるスペクトルである可能性がある。これらのことから、本スペクトルを示す化合物は、選択肢1であることがわかる。"} +{"problem_id": "099111", "problem_text": "図は、膵臓の顕微鏡写真であり、形態の異なる領域(A及びB)が観察される。これらの領域は、それぞれ内分泌あるいは外分泌に関わっている。正しい記述はどれか。2つ選べ", "choices": ["Aからは、血糖値を高めるホルモンが分泌される。", "Bからは、筋細胞においてグルコース輸送担体(GLUT4)の発現を増加させるホルモンが分泌される。", "Aで産生されるソマトスタチンは、十二指腸に分泌される。", "Bからは、脂肪の消化を促進する胆汁酸が分泌される。", "消化管ホルモンのセクレチンによって、Bからの膵液分泌が促進される。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "図中のAはランゲルハンス島であり、Bは外分泌腺である。ランゲルハンス島は分泌物を血液中に分泌する内分泌に関わっており、外分泌腺は分泌物を消化管などに分泌する外分泌に関わっている。1:正\nランゲルハンス島\\alpha 細胞からは、血糖値を高めるホルモンであるグルカゴンが分泌される。2:誤\n外分泌腺からは、膵液が分泌される。筋細胞においてグルコース輸送担体(GLUT4)の発現を増加させ血糖値を下げるはたらきをもつホルモンは、インスリンであり、ランゲルハンス島\\beta 細胞から分泌される。3:誤\nランゲルハンス島\\delta 細胞で産生されたソマトスタチン(膵臓ホルモン)は、十二指腸ではなく血中に分泌される。4:誤\n外分泌腺であるBから分泌されるのは膵液であり、タンパク分解酵素、脂質分解酵素、糖質分解酵素などを含む消化液である。なお、脂肪の消化・吸収を促進する胆汁酸は、肝臓で合成される。5:正\nセクレチンは十二指腸のS細胞から分泌される消化管ホルモンであり、外分泌腺からの膵液分泌を促進する。"} +{"problem_id": "099112", "problem_text": "骨格筋、心筋及び平滑筋に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["骨格筋の収縮には、ムスカリン性アセチルコリン受容体が関与する。", "心筋細胞では、細胞外からのCa^{2+}流入は、細胞質のCa^{2+}濃度の上昇に関与しない。", "平滑筋は、細胞内cAMP濃度が上昇すると弛緩する。", "骨格筋、心筋及び平滑筋の収縮は、いずれも運動神経によって調節されている。", "クレアチンリン酸は、骨格筋においてATPの供給源となる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n骨格筋の収縮には、ニコチン性アセチルコリンN_{M}受容体が関与する。2:誤\n心筋細胞では、細胞外からCa^{2+}流入は、細胞質のCa^{2+}濃度の上昇に関与する。なお、心筋の収縮は、筋小胞体から放出されたCa^{2+}および細胞外から流入したCa^{2+}の双方による細胞内Ca^{2+}濃度上昇により引き起される。3:正\n平滑筋細胞内のcAMP濃度が上昇すると、プロテインキナーゼAが活性化される。プロテインキナーゼAが活性化されると、ミオシン軽鎖キナーゼが不活化され、平滑筋は弛緩する。4:誤\n骨格筋の収縮は運動神経によって調節されており、心筋及び平滑筋の収縮は自律神経によっ��調節されている。5:正\nクレアチンリン酸は、高エネルギー化合物であり、骨格筋においてADPからATPを合成する際に利用され、ATPの供給源となる。"} +{"problem_id": "099113", "problem_text": "ヒトにおける脂肪酸の代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["マロニルCoAは、アセチルCoAのカルボキシル化により生成する。", "炭素数が奇数の脂肪酸が主に生合成される。", "デサチュラーゼ(不飽和化酵素)による反応では、主にトランス型の不飽和脂肪酸が生合成される。", "オレイン酸からアラキドン酸が生合成される。", "脂肪酸の\\beta 酸化では、アシルCoAが2炭素単位ずつ連続的に酸化分解される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nマロニルCoAは、アセチルCoAがカルボキシル化されることにより生成する。2:誤\n生体内では、炭素数が偶数の脂肪酸が主に生合成される。生体内に存在する脂肪酸は、アセチルCoA(炭素数2)を出発物質として、炭素が2個ずつ伸長する反応により生成する。3:誤\nデサチュラーゼ(不飽和化酵素)による反応では、主にシス型の不飽和脂肪酸が生合成される。デサチュラーゼは、生体内において主にシス型二重結合を導入し不飽和脂肪酸を生合成する酵素である。4:誤\nヒト生体内では、オレイン酸からアラキドン酸を生合成されない。なお、一部の植物では、オレイン酸からアラキドン酸が生合成される。5:正\n脂肪酸の\\beta 酸化は、主としてミトコンドリア内で起こり、アシルCoAが2炭素単位ずつ連続的に酸化分解される。"} +{"problem_id": "099114", "problem_text": "乳酸脱水素酵素(lactate dehydrogenase: LDH)は、下記の反応を触媒する酵素である。図1は、ヒト心臓の細胞質にあるLDHのアイソザイムを用いて、さまざまなpHの溶液中で、ピルビン酸(P)からL-乳酸(L)が生成する反応(P\\rightarrow L)、あるいはL-乳酸からピルビン酸が生成する反応(L\\rightarrow P)について調べたときの酵素活性の相対値を示している。また、図2は、NAD^{+}とNADHの吸収スペクトルを示している。L-乳酸を基質として血清中の本酵素の活性を測定するとき、方法と考察に関する記述のうち適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["反応液は、血清(披検試料)、L-乳酸、NAD^{+}及び緩衝液から成る。", "試料である血清を加えない反応液を調整し、これについても同様に測定する。", "活性測定に用いる緩衝液のpHは、8.5に調整する。", "一定時間反応させた後、反応液の340 nmの吸光度の減少を測定する。", "血清中の本酵素の活性は、心臓傷害の指標になると考えられる。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "問題文に、「L-乳酸を基質として血清中の本酵素の活性を測定するとき」とあるため、L-乳酸からピルビン酸が生成する反応(L\\rightarrow P)についての方法及び考察について考える必要ある。1:適切であるL\\rightarrow Pについて調べるためには、血清(被検試料)、L-乳酸(基質)、NAD^{+}及び緩衝液から成る反応液を用いる。2:適切である\n被検試料(血清)を含まない反応液を用いた試験も行い、本試験と比較することにより試料以外に起因するLDH活性を補正することができる。3:適切である\n活性測定に用いる緩衝液のpHは、測定の感度をよくするために、最も反応の起こりやすいpHに調節する必要がある。図1より、L\\rightarrow Pの反応が起こりやすいpH(至適pH)は8.5であるため、活性測定に用いる緩衝液のpHを8.5に調整する必要がある。4:適切でないL\\rightarrow Pでは、L-乳酸とNAD^{+}からピルビン酸、NADH、H^{+}が生じる。図2よりNADHは340 nmに吸収極大を示すため、340 nmの吸光度の増加を測定することによって酵素活性を確認する。5:適切である\n心筋にはLDHが存在し、心筋梗塞等の心臓傷害に際してLDHが心細胞内から血液中に漏出する。このことから血清中のLDH活性は心臓傷害の指標となる。"} +{"problem_id": "099115", "problem_text": "図はミトコンドリア及びその一部を拡大した模式図である。ミトコンドリアの部位①〜④に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["細胞質でつくられたNADHは、①を通過できるが③は通過できない。", "クエン酸回路に関わる酵素は、主に②に存在する。", "電子伝達系(呼吸鎖)の構成成分であるユビキノン(補酵素Q、CoQ)は��主に③に存在する。", "NADHに由来する電子が電子伝達系を移動するとき、④におけるH^{+}(プロトン)の濃度は②よりも高くなる。", "電子伝達系に共役する酸化的リン酸化によって、ATPが②で生成される。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "ミトコンドリアの部位①〜④について以下に示す。①ミトコンドリア外膜: 分子量5000以下の低分子を比較的自由に透過させる\n②膜間腔\n③ミトコンドリア内膜(クリステ): 膜透過に関する選択性が高い\n④ミトコンドリアマトリックス\n1:正\n細胞質でつくられたNADHは、ミトコンドリア外膜(①)を通過できるがミトコンドリア内膜(③)は通過できない。2:誤\nクエン酸回路に関わる酵素は、主にミトコンドリアマトリックス(④)に存在する。3:正\n電子伝達系(呼吸鎖)の構成成分であるユビキノンは電子伝達系の構成成分の一つであり、ミトコンドリア内膜(③)に存在する。4:誤\nNADHに由来する電子が電子伝達系を移動するとき、H^{+}はミトコンドリアマトリックス(④)側から膜間腔(②)側に汲み出されため、ミトコンドリアマトリックス(④)におけるH^{+}の濃度は膜間腔(②)よりも低くなる。5:誤\n酸化的リン酸化によって、ATPがミトコンドリアマトリックス(④)で生成される。なお、酸化的リン酸化による ATPの生成には、ミトコンドリア内膜(③)に存在するATP合成酵素が関与している。"} +{"problem_id": "099116", "problem_text": "染色体及びDNAに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ヒストンの化学修飾により、クロマチンの構造が変化する。", "転写が活発に行われている染色体の領域では、ヌクレオソームが凝縮している。", "DNAは、RNAに比べてアルカリ加水分解を受けやすい。", "真核細胞の染色体末端にあるテロメアは、DNA末端の保護に寄与する。", "DNA水溶液(pH7.0)は、280 nmで吸収極大を示す。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nクロマチンは、ヒストンにDNAが巻き付く形で結合した形で存在している。ヒストンの化学修飾により、ヒストンの電荷等が変化し、DNAとの親和性が変化するため、クロマチンの構造も変化する。2:誤\n転写が活発に行われている染色体の領域では、ユークロマチンが多く存在しており、ヌクレオソームが比較的分散している。一方、転写が起こりにくい染色体の領域では、ヘテロクロマチンが多く存在しており、ヌクレオソームが凝集している。3:誤\nRNA: リボースの2'ヒドロキシ基がアルカリ条件下で分子内求核置換反応を起こすため、分解されやすい\nDNA: 2'位にヒドロキシ基がないため安定である\nよって、DNAはRNAに比べてアルカリ加水分解を受けにくい。4:正\n真核細胞の染色体末端にあるテロメアは、エキソヌクレアーゼによる分解を防ぎ、DNA末端の保護に寄与している。5:誤\n核酸塩基は260 nm付近で吸収極大を示すため、DNA水溶液は260 nmで吸収極大を示す。なお、芳香族アミノ酸は280 nm付近で吸収極大を示す。"} +{"problem_id": "099117", "problem_text": "真核細胞におけるメッセンジャーRNA(mRNA)に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["3'末端に付加されるポリ(A)(ポリアデニル酸)は、mRNAの安定性に関与する。", "多くの遺伝子において、ポリ(A)の付加に関与するシグナル配列が存在する。", "5'末端のキャップ構造は、転写開始反応に関わる。", "核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)は、スプライシングに関与する。", "スプライシングにより、1つの遺伝子から複数種のmRNAがつくられることがある。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nmRNAの3'末端に付加されているポリ(A)は、エキソヌクレアーゼによるmRNAの分解を防ぐ作用を有するため、mRNAの安定性に関与している。2:正しい\n多くの遺伝子には、ポリ(A)付加に関与するシグナル配列(AAUAAA)が存在し、合成中のRNAは、ポリ(A)付加に関与するシグナル配列付近で切断される。その後、ポリ(A)付加に関与するシグナルを認識することができるポリ(A)ポリメラーゼが作用し、ポリ(A)が付加される。3:誤っている\n5'末端のキャップ構造は、mRNAの分解を防ぐ働きを有する他、翻訳の開始反応に関わる。4:正しい\nスプライシングとは、転写により合成されたヘテロ��RNA(hnRNA、mRNA前駆体)からイントロン部分を除去してエキソン配列同士を結合させる反応である。スプライシングには、核内低分子RNA(snRNA)とタンパク質の複合体である核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)が関与している。5:正しい\n選択的スプライシングにより、1つの遺伝子から複数種のmRNAが作られることがある。参考\n・選択的スプライシング\nmRNAの成熟過程において、同一の遺伝子から異なる組合せでエキソンを結合し、複数のmRNAが作られる機構のこと"} +{"problem_id": "099118", "problem_text": "1950年代後半、F.M.バーネットは、多様な抗原に対して特異的な免疫応答が起こるしくみを説明するためにクローン選択説を提唱した。クローン選択説の内容に合致する記述はどれか。2つ選べ。", "choices": ["リンパ球の抗原受容体の多様性は、受容体ポリペプチド鎖がさまざまな抗原を鋳型として、それぞれに特異的な折りたたまれ方をすることで生み出される。", "個体発生の段階で多様なリンパ球クローンが生成し、その中から特定の抗原と結合する受容体をもつクローンが選択され増殖する。", "ある抗原に反応するリンパ球は、その抗原とは異なる抗原に結合する抗体を分泌する細胞に分化する。", "自己成分に強く反応するリンパ球クローンは、免疫系が未成熟な時期に周囲の自己成分と接触することにより除去される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nリンパ球(B細胞、T細胞)の抗原受容体の多様性は、抗原受容体の遺伝子DNAの再編成により生み出される。2:正\n多様な抗原に対して特異的な免疫反応が起こる仕組みを説明するために提唱されたクローン選択説では、「個体発生の段階で多様なリンパ球クローンが生成し、これらのうち、侵入した抗原と結合受容体をもつリンパ球クローンが選択され増殖する。」とされている。3:誤\nある抗原に反応するBリンパ球は、その抗原と同一の抗原に結合する抗体を分泌する細胞に分化する。4:正\n自己成分に強く反応するリンパ球クローンは、自己攻撃性を示すリンパ球になる可能性があることから、免疫系が未成熟な時期に自己成分と接触することにより除去される。"} +{"problem_id": "099119", "problem_text": "抗体産生に関わる免疫細胞の役割に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["抗体産生細胞(形質細胞)は、T細胞が抗原刺激を受け分化した細胞である。", "抗体産生には、2型ヘルパーT(Th2)細胞が分泌するIL-4、IL-5、IL-6などのサイトカインが重要である。", "マクロファージや樹状細胞は、抗原断片を主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI分子に結合させ、ヘルパーT細胞に対して提示する。", "活性化されたT細胞の分泌するIL-2は、キラーT細胞の増殖及び分化には関与するが、ヘルパーT細胞には作用しない。", "抗原によるリンパ球活性化における共刺激シグナル(補助シグナル)は、抗原受容体とは異なる細胞膜成分を介する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n抗体産生細胞(形質細胞)は、B細胞が抗原刺激を受けて分化した細胞である。2:正\n抗体産生には、2型ヘルパーT(Th2)細胞が分泌するIL-4、IL-5、IL-6などのサイトカインによる抗原刺激が必要である。3:誤\nマクロファージや樹状細胞は、抗原断片を主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスII分子に結合させ、ヘルパーT細胞に対して提示する。4:誤\n活性化されたT細胞の分泌するIL-2は、キラーT細胞、ヘルパーT細胞、NK細胞、B細胞の増殖及び分化に関与する。5:正\n抗原によるリンパ球の活性化には、以下の2つのシグナルが必要である。・第1シグナル\nT細胞受容体がMHC分子を介して抗原を特異的に認識することで発生するシグナル\n・第2シグナル(補助シグナル)\n抗原提示細胞の細胞膜上に発現する成分に対して、リンパ球の抗原受容体とは異なる細胞膜成分が作用する共刺激シグナル"} +{"problem_id": "099120", "problem_text": "インフルエンザウイルスに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["インフルエンザウイルスは、遺伝子としてRNAをもち、レトロウイルス科に分類される。", "A型インフルエンザウイルスに含まれる赤血球凝集素(ヘマグルチニン)とノイラミニダーゼは、エンベロープに存在しスパイク構造物(��起)を構成する。", "赤血球凝集素は、増殖した子孫ウイルスが感染細胞から離脱を促進させる。", "ノイラミニダーゼは、ウイルスが宿主細胞に感染するときに、細胞表面の受容体認識及び結合に関わる。", "赤血球凝集素及びノイラミニダーゼには、それぞれ抗原性の異なる複数の種類が知られる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nインフルエンザウイルスは、遺伝子としてRNAをもち、オクソミクソウイルス科に分類される。2:正\nA型インフルエンザウイルスは、エンベロープ(ウイルス粒子を覆う膜状の構造)を有しており、そこには、赤血球凝集素(ヘマグルチニン、HA)とノイラミニダーゼ(NA)が存在し、それぞれスパイク構造物(突起)を構成している。3:誤\n増殖した子孫ウイルスの感染細胞からの離脱を促進するのは、ノイラミニダーゼ(NA)である。なお、赤血球凝集素は、ウイルスが宿主細胞に感染するときに、細胞表面の受容体認識及び結合に関わる。4:誤\n解説3参照\n5:正\nA型インフルエンザウイルスの表面には、抗原性の異なる赤血球凝集素が16種類、ノイラミニダーゼが9種類存在することが知られている。"} +{"problem_id": "099121", "problem_text": "タンパク質とその栄養価に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["タンパク質100 gに含まれる窒素の量は平均6.25 gである。", "生物価が高いタンパク質ほど正味タンパク質利用率も高い。", "生物価に対する正味タンパク質利用率の割合が消化吸収率である。", "タンパク質中の必須アミノ酸の中で、含量が最も少ないアミノ酸を第一制限アミノ酸という。", "一定時間に尿中に排泄される窒素量から、タンパク質の体内での燃焼量を推定することができる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nタンパク質100 gに含まれる窒素の量は平均16 gである。なお、タンパク質の平均窒素含有率が16%であることから、タンパク質の平均窒素含有率の逆数(窒素係数)は、6.25である。2:誤\n正味タンパク質利用率は生物価と消化吸収率の積であり、生物価が高いタンパク質が必ずしも正味タンパク質利用率が高いとは限らない。3:正\n正味タンパク質利用率は生物価と消化管吸収率の積であることから、生物価に対する正味タンパク質利用率の割合が消化吸収率となる。4:誤\nタンパク質に含まれる必須アミノ酸のうち、必要量に対して最も不足率が大きいものを第一制限アミノ酸という。5:正\n吸収されたタンパク質の窒素成分はすべて尿中に排泄されるため、尿中に排泄される窒素量より、体内で燃焼したタンパク質量を推定することができる。体内で燃焼したタンパク質量は以下の式より求められる。体内で燃焼されたタンパク質量=尿中の窒素量\\times 窒素係数(6.25)"} +{"problem_id": "099122", "problem_text": "「日本人の食事摂取基準(2010年版)」において耐容上限量が設定されているビタミンはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ビタミンB_{1}", "ビタミンE", "ビオチン", "ビタミンC", "ビタミンA"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "選択肢のうち、「日本人の食事摂取基準(2010年版)」において耐容上限量が設定されているビタミンは、ビタミンA、ビタミンEである。ビタミンAは、過剰摂取で頭痛などの症状がみられ、ビタミンEは、過剰摂取で出血傾向がみられる。参考\n耐容上限量\nこの値をこえて摂取した場合、過剰摂取による健康障害が発生するリスクがゼロでなくなることを示す値"} +{"problem_id": "099123", "problem_text": "次の図は、ある栄養素の(A)のの年次推移(1990年の値を100として表示してある)及び(B)2010年における年齢層別の1日摂取量(g)を示したものである。この栄養素はどれか。1つ選べ。", "choices": ["炭水化物", "鉄", "カルシウム", "タンパク質", "ナトリウム", "脂質"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "選択肢の栄養素を以下の観点より推察することができる。・グラフAより、1990年に比較して近年においては摂取量(相対値)が減少傾向\n・グラフBより、摂取量が1日3〜5 g\n上記のことから、グラフA、Bについてはナトリウムであると考えられる。なお、2010年(平成22年)における食塩の摂取量は、男性11.4 g/日、女性9.8 g/日であり、これらをナトリウム摂取量に換算すると男性4.51 g/日、女��3.86 g/日となる。"} +{"problem_id": "099124", "problem_text": "油脂の変質試験法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。試験操作:試料油脂約1 gを共栓つき三角フラスコに精密に量りとり、酢酸・クロロホルム(3: 2)混液25 mLに溶かす。フラスコ内の空気を窒素ガスで置換し、飽和ヨウ化カリウム溶液1 mLを加えてよく振り混ぜる。暗所で10分間放置後、水30 mLを加えてよく振り混ぜ、デンプン試液を指示薬として、0.01 mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。", "choices": ["滴定の終点では溶液が淡黄色から青紫色に変化する。", "主に油脂中のアルデヒド類が反応する。", "指標の値は、油脂1 kgあたりで表す。", "指標の値は、変質の進行に伴い減少する。", "指標の値は、変質の進行に伴い初めは増加するが、その後減少する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n過酸化物価を測定する試験操作の滴定では、ヨウ素をチオ硫酸ナトリウムで滴定していることから青紫色ないし赤紫色が消失した(無色になる)ときを終点とする。2:誤\n過酸化物価の測定では、主に油脂中のヒドロペルオキシド(過酸化物)が反応する。3:正\n過酸化物価の指標の値は、油脂1 kg当たりのヨウ素のミリ当量数で表す。4:誤\n本試験で測定する過酸化物(ヒドロペルオキシドなど)は、油脂の変質における自動酸化の一次生成物であるため、変質の進行に伴い初めは増加するが、時間が進行すると、徐々に分解し、二次生成物(アルデヒド、ケトン)へと変化する。そのため、本試験の指標の値は、変質の進行に伴い初めは増加するが、その後減少する。5:正\n解説4参照"} +{"problem_id": "099125", "problem_text": "次の記述は、ある食中毒の事例に関するものである。[::]の中に入るべき字句の正しい組合せはどれか。1つ選べ。73歳と70歳の姉妹。早朝、脱力感、複視、眼瞼下垂などの症状が現れ、さらに呼吸困難を訴えたため、救急搬送された。症状から[:A:] による食中毒が疑われ、自宅に残っていた食品を調べたところ、真空パック食品の食べ残しから[:A:] の毒素が検出されたため、診断が確定した。対症療法に加えて坑毒素血清による治療が行われた結果、容態は改善した。[:A:] による食中毒の予防には、冷蔵したり冷凍するなど[:A:] が増殖しにくい状態に食品を保つこと、[:B:] は易熱性であるので食品を食べる前に十分に加熱することなどが有効である。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["6"], "comment": "食べ残した食品から細菌が産生した毒素が検出されているため、本症例は毒素型食中毒である可能性が高い。また、問題文中の「脱力感、複視、眼瞼下垂などの症状が現れ、さらに呼吸困難を訴えた」、「真空パック食品の食べ残し」と記載されていることから、食中毒の原因は、神経毒素を産生する嫌気性菌であるボツリヌス菌によるものと考えられる。ボツリヌス菌は、毒素型食中毒を引き起こす菌であり、菌自体は芽胞を形成するため耐熱性であるが、毒素は易熱性であるため、食品を食べる前に十分加熱することなどにより食中毒を予防することができる。"} +{"problem_id": "099126", "problem_text": "次の図は、我が国の人口の推移を示したものである。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["自然増減率は、出生率と死亡率の差から求められる。", "人口増減率から将来の出生率を予測できる。", "昭和25年に人口増減率が一時的に上昇しているが、これには第一次ベビーブームが関係している。", "昭和50年に人口増減率が一時的に上昇しているが、これは海外から日本に流入する者(外国籍の者を合む)が増加したためである。", "今後20年間、人口は横ばいのまま推移すると予測されている。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n自然増減率は、出生率と死亡率の差で表すことができる。自然増減率: 年間の出生数と死亡数の差を人口1,000人当たりで表したもの\n出生率: 出生数を人口1,000人当たりで表したもの\n死亡率: 死亡数を人口1,000人当たりで表したもの\n2:誤\n人口増減率は、出生数以外の要因(死亡、人口移動(流入と流出))によっても変化するため、人口増減率から将来の出生数を予測することはできない。3:正\n昭和25年に人口増減率が一時的に上昇しているが、こ��には第一次ベビーブームが関係している。第一次ベビーブーム: 第二次世界大戦後の結婚ラッシュに伴う出生率の急激な上昇のこと\n4:誤\n昭和50年に人口増減率が一時的に上昇しているが、これには第二次ベビーブームが関係している。第二次ベビーブーム: 第一次ベビーブームで生まれた人たちによる出生率の上昇のこと\n5:誤\n今後20年間、人口は減少すると予測されている。"} +{"problem_id": "099127", "problem_text": "下表は、喫煙と疾病罹患の要因対照研究の結果を示したものである。この結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、交絡因子、喫煙中断者、追跡不能者はないものと仮定する。注)1日25本以上喫煙する人を喫煙者とした。", "choices": ["相対危険度が最も高い疾病は慢性気管支炎である。", "寄与危険度が最も高い疾病は虚血性心疾患である。", "オッズ比が最も高い疾病は肝硬変である。", "喫煙と疾病罹患の関連性が最も強い疾病は肺がんである。", "喫煙をやめると、罹患しなくなると想定される人数が最も多い疾病は肺がんである。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n要因対象研究において、相対危険度は以下の式より求めることができる。相対危険度=暴露群の発生率/非暴露群の発生率\n上記の式より、各疾患の相対危険度を以下のように求めることができる。肺がん: (414/10000)/(115/10000)=3.6\n慢性気管支炎: (153/10000)/(85/10000)=1.8\n虚血性心疾患: (1491/10000)/(994/10000)=1.5\n肝硬変: (30/10000)/(25/10000)=1.2\nよって、相対危険度が最も高い疾患は「肺がん」である。2:正\n要因対象研究において、寄与危険度は以下の式より求めることができる。寄与危険度=暴露群の発生率-非暴露群の発生率\n上記の式より、各疾患の寄与危険度を以下のように求めることができる。肺がん: (414/10000)-(115/10000)=299/10000\n慢性気管支炎: (153/10000)-(85/10000)=68/10000\n虚血性心疾患: (1491/10000)-(994/10000)=497/10000\n肝硬変: (30/10000)-(25/10000)=5/10000\nよって、寄与危険度が最も高い疾患は「虚血性心疾患」である。3:誤\n本研究は要因対象研究であるため、オッズ比を算出することはできない。4:正\n要因と疾病の関連性の強さを判断する際には、相対危険度を用いて評価する。解説1の結果より、喫煙と疾病罹患の関連性が最も強い疾病は「肺がん」であると判断できる。5:誤\n要因をやめることで、疾患に罹患しなくなると想定される人数を比較する際、寄与危険度を比較する。解説2の結果より、喫煙をやめると、罹患しなくなると想定される人数が最も多い疾病は「虚血性心疾患」であると判断できる。"} +{"problem_id": "099128", "problem_text": "我が国における性感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["性器クラミジア感染症の患者数は、性感染症の中で最も多く、その対策が急務となっている。", "新規HIV感染者(平成20-24年)の大半は男性であり、感染の原因としては、同性間の性的接触によるものが最も多い。", "B型肝炎については、輸血を介した新規の発症者も増え続けている。", "淋菌感染症の患者数は公衆衛生の向上により30年前に比べ激減しており、平成20年以降感染の報告はない。", "梅毒の予防に有効なワクチンが実用化されている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n性感染症の中で患者数が最も多いのは、性器クラミジア感染症である。性器クラミジアに罹患すると、男性では急性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、女性では子宮頸管炎、子宮内膜炎、卵管炎を起こすことがある。2:正\n新規HIV感染者(平成20-24年)は1000人を上回っており、その大半は男性であり、感染の原因としては、同性間の性的接触によるものが最も多い。3:誤\nB型肝炎は、血液を介して感染するが、献血時の精度が向上したため、輸血を介したB型肝炎の感染はほとんど見られなくなった。4:誤\n淋菌感染症の患者数は、公衆衛生の向上により30年前に比べ激減したが、平成20年以降も年間約1万人程度の感染の報告がある。5:誤\n梅毒の予防に有効なワクチンは、まだ開発されていない。◉性感染症のまとめ"} +{"problem_id": "099129", "problem_text": "小児の髄膜炎による死亡や後遺症を予防することを目的として、平成25年から定期接種が行われ��ことになったワクチンはどれか。2つ選べ。", "choices": ["不活化ポリオワクチン", "麻しん・風しん混合ワクチン", "インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン", "ヒトパピローマウイルスワクチン", "小児用肺炎球菌ワクチン"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "小児の細菌性髄膜炎の主な原因菌は、インフルエンザ菌b型(Hib)と肺炎球菌であり、これらに感染すると、死亡率が高く、重篤な後遺症を起こす割合も高い。そのため、平成25年から、小児髄膜炎による死亡や後遺症を予防することを目的として、インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの定期接種が行われるようになった。1:誤\n不活化ポリオワクチンは、平成24年9月からポリオウイルスによる小児の髄膜炎や四肢の麻痺を予防することを目的として定期接種が行われている。2:誤\n麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)は、平成18年4月から麻しん、風しんを予防することを目的として定期接種が行われている。3:正\n前記参照\n4:誤\nヒトパピローマウイルスワクチンは、平成25年4月から子宮頸がんを予防することを目的として定期接種が行われている。5:正\n前記参照"} +{"problem_id": "099130", "problem_text": "有害物質とその生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n無機鉛の生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標は、\\delta -アミノレブリン酸、コプロポルフィリンである。無機鉛に曝露されると、ヘム合成酵素(\\delta -アミノレブリン酸脱水酵素およびフェロキレターゼ)が阻害されるため、尿中の\\delta -アミノレブリン酸、コプロポルフィリンが増加する。2:正カドミウムの生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標は、\\beta _{2}-ミクログロブリンである。カドミウムに曝露されると、腎臓の近位尿細管障害が起こるため、尿中に\\beta _{2}-ミクログロブリンが排泄されるようになる。3:誤\n水銀の生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標は、無機水銀である。水銀は、主に無機水銀、金属水銀、アルキル水銀(メチル水銀など)として存在している。・無機水銀は、ほとんど未変化体のまま尿中に排泄される。・金属水銀は、酸化され無機水銀として尿中排泄される。・メチル水銀は、ほとんどが毛髪中に排泄される。なお、コプロポルフィリンは、無機鉛暴露の生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標である。4:誤\nキシレンの生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標は、メチル馬尿酸である。キシレンは、生体内でシトクロムP450による代謝およびグリシン抱合を受けたあと、メチル馬尿酸となる。なお、クレゾールは、トルエン曝露の生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標である。5:誤\nベンゼンの生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標は、フェノールである。ベンゼンは生体内でシトクロムP450による代謝を受けたあと、フェノールとなる。なお、マンデル酸は、スチレン曝露の生物学的モニタリングに用いられる尿中の指標である。"} +{"problem_id": "099131", "problem_text": "有効半減期が18年、物理学的半減期が29年である放射性核種の生物学的半減期に最も近いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["3年", "11年", "29年", "37年", "47年"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "有効半減期T_{e}は、物理学的半減期T_{p}と生物学的半減期T_{b}より以下のように表すことができる。1/T_{e}=1/T_{p}+1/T_{b}T_{e}=(T_{p}\\times T_{b})/(T_{p}+T_{b})問題文に「有効半減期が18年」、「物理学的半減期が29年」となっていることから、以下のように生物学的半減期T_{b}を求めることができる。18=(29\\times T_{b})/(29+T_{b})T_{b}\\fallingdotseq 47"} +{"problem_id": "099132", "problem_text": "A及びBの条件をともに満たす薬物はどれか。1つ選べ。A: 覚せい剤取締法により覚せい剤に指定されている。B: シモン反応陽性である。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nフェニルプロパノールアミンの構造である。フェニルプロパノールアミン(50%以下を含有するものを除く)は、覚せい剤取締法により、覚せい剤原料に指定されている。2:正\nメタンフェタミンの構造である。メタンフェタミン��、覚せい剤取締法により、覚せい剤に指定されており、シモン反応陽性を示す。3:誤\nエフェドリンの構造である。エフェドリン(10%以下を含有するものを除く)は、覚せい剤取締法により、覚せい剤原料に指定されている。4:誤\nアンフェタミンの構造である。アンフェタミンは、覚せい剤取締法により、覚せい剤に指定されているが、シモン反応陽性を示さない。5:誤\nメチルエフェドリンの構造である。メチルエフェドリン(10%以下を含有するものを除く)は、覚せい剤取締法により、覚せい剤原料に指定されている。"} +{"problem_id": "099133", "problem_text": "図は、ある被験化合物について、ネズミチフス菌(Salmonella enterica serover Typhimurium)のTA100株を用いてAmes試験を行った結果である。この実験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ネズミチフス菌のTA100株は、ヒスチジン要求性である。", "復帰変異部位のDNA配列は、野生株の当該部位のDNA配列と常に同一である。", "被験化合物は、塩基対置換型の変異原性を示す。", "S9mixは、動物の肝可溶性画分にNADPHなどの補酵素類を加えたものである。", "被験化合物のS9mixによる代謝産物は、変異原性を示さない。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nネズミチフス菌のTA100株は、塩基対置換型のヒスチジン要求性株である。2:誤\n復帰変異部位のDNA配列は、野生株の当該部位のDNA配列と同一であるとは限らない。3:正\nネズミチフス菌のTA100株は、ヒスチジンがないと増殖できないように塩基対が置換されていることから、被験化合物の塩基対置換型の変異原性を検出することができる。設問のグラフより、S9mix非添加系では、被験化合物濃度の上昇とともに復帰変異コロニー数が増加している。このことから、被験化合物は、塩基対置換型の変異原性を示すと考えられる。4:誤\nS9mixは、シトクロムP450などの異物代謝酵素を含む動物の肝ホモジネート9000\\times g上清(肝可溶性画分及び肝ミクロソーム画分)にNADPHなどの補酵素類を加えたものである。5:誤\n設問のグラフより、S9mix添加系では、被験化合物濃度の上昇とともに復帰変異コロニー数が増加している。このことから、被験化合物のS9mixによる代謝産物は、変異原性を示すと考えられる。"} +{"problem_id": "099134", "problem_text": "メタロチオネインに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["分子量は6,000〜7,000で、280 nmに極大吸収をもつ。", "カドミウムや無機水銀により発現が誘導される。", "亜鉛やカドミウムなどの2価の金属とは結合するが、1価や3価の金属とは結合しない。", "重金属に結合し、その毒性を軽減するだけでなく、活性酸素種を消去する作用ももつ。", "生理的条件下で、大部分は金属を結合していない遊離型の状態で存在する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nメタロチオネイン(分子量: 6,000〜7,000)は、金属結合性のタンパク質であり、重金属に結合し、その毒性を軽減するだけでなく、活性酸素種を消去する作用を有する。メタロチオネインを構成するアミノ酸には、芳香族アミノ酸が含まれていない。そのため、メタロチオネインは、280 nmに極大吸収をもたない。2:正\nカドミウムや無機水銀などに曝露されると、メタロチオネインの発現が誘導される。3:誤\nメタロチオネインは、亜鉛やカドミウムなどの2価の金属だけでなく、1価や3価の金属とも結合する。4:正\n解説1参照\n5:誤\nメタロチオネインは、生理的条件下では、鉛などの金属と結合した結合型の状態で存在する。"} +{"problem_id": "099135", "problem_text": "農薬とその急性中毒に対する処置・解毒法の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nパラコートの急性中毒に対しては、胃洗浄、輸液、強制利尿等を行う。なお、酸素吸入によりパラコートによる肺障害が進行するため、パラコートの急性中毒に対して酸素吸入を行ってはならない。2:正\nジクロルボスの急性中毒時に対しては、プラリドキシムヨウ化物(PAM)やアトロピンの投与を行う。3:誤\nカルバリルの急性中毒時に対しては、アトロピンの投与を行う。なお、カルバリルは、コリンエステラーゼ(ChE)をカルバモイル化することによりChEを阻害するため、ChEからカルバモイル基を除去ことができないPAMは、カルバリルの急性毒性に対して有効ではない。4:正\n塩基性硫酸銅の急性中毒時に対しては、ペニシラミンの投与を行う。5:誤\n硫酸タリウムの急性中毒時に対しては、プルシアンブルーの投与を行う。なお、メチレンブルーは、薬剤性のメトヘモグロビン血症(アニリンやニトロベンゼンによるメトヘモグロビン血症)の解毒に用いられる。"} +{"problem_id": "099136", "problem_text": "以下の文中の[:ア:]及び[:イ:]に入れる適切な記号、式の組合せのうち、正しいのはどれか。1つ選べ。一定量の化学物質A及びBを溶解した1-オクタノールに等量の水を加え、十分に混合した。二相に分離したのち各相中の濃度を測定した。Aについては1-オクタノール中の濃度がほとんど変化しなかったのに対し、Bについては1/1,000に減少した。この結果から高濃縮性が予想される[:ア:]の濃度が一定となるよう設定した水槽中で、魚類を一定期間飼育したところ、この化学物質についての濃縮係数[:イ:]の値は5,000となり、[:ア:]は生物濃縮を受けやすい化学物質であることが確かめられた。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "ア\n問題文に「一定量の化学物質A及びBを溶解した1-オクタノールに等量の水を加え、十分に混合した。二相に分離したのち各相中の濃度を測定した。Aについては1-オクタノール中の濃度がほとんど変化しなかったのに対し、Bについては1/1,000に減少した。」と記載されていることから、化学物質A及びBについて、以下のように考えることができる。・A: 1-オクタノール(脂溶性の溶媒)から水に移行していないため、脂溶性である。・B: 1-オクタノール(脂溶性の溶媒)から水に移行しているため、水溶性である。これらのことから、高濃縮性が予想される化学物質は、Aであるといえる。イ\n生物濃縮の度合いを表す濃縮係数は、次のように表すことができる。「濃縮係数=生体内の濃度/環境中の濃度」\n問題文に「魚類を一定期間飼育したところ、この化学物質についての濃縮係数[:イ:]の値は5,000となり」と記載されていることから、濃縮係数(イ)を表す式は、「飼育終了時の魚の体内の濃度/飼育終了時の水槽水中の濃度」である。"} +{"problem_id": "099137", "problem_text": "富栄養化に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["富栄養化に伴って異常繁殖した動物性プランクトンは、肝毒性を示すミクロシスチンを産生する。", "富栄養化に伴って異常繁殖した放線菌や藍藻類の中には、カビ臭物質であるトリハロメタンを産生するものがある。", "富栄養化の制限因子は窒素とリンであり、生活雑排水の寄与が大きい。", "富栄養化によってプランクトンが大量増殖するとともに、魚介類も異常繁殖する。", "富栄養化は閉鎖系水域で発生しやすく、赤潮やアオコの発生要因となっている。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n肝毒性を示すミクロシスチンを産生するのは、動物性プランクトンではなく、植物性プランクトンである。2:誤\nトリハロメタンは、カビ臭物質ではない。放線菌や藍藻類が産生するカビ臭物質には、ジオスミンや2-メチルイソボルネオールがある。3:正\n富栄養化とは、生活雑排水及び工場排水によって、閉鎖性水域(湖沼、海域)の窒素及びリンの濃度が上昇し、それに伴って植物プランクトンが異常増殖する現象のことである。4:誤\n富栄養化によってプランクトンが大量増殖すると、水中の溶存酸素(DO)が減少することや植物プランクトンの死骸がえらに詰まるなどの要因により、魚介類に対して酸欠被害をもたらすことがある。5:正\n富栄養化は閉鎖性水域で発生しやすく、海域においては「赤潮」、湖沼においては「水の華」の発生要因となっている。"} +{"problem_id": "099138", "problem_text": "逆転層と大気の安定度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["放射性逆転は、地表近くにおいてよりも上空においての方が生じやすい。", "盆地などの低地において、冷たい空気が周りの斜面に沿って降りてきて起こる逆転のことを地形性逆転という。", "寒気団が暖気団の下に入り込んで起こる逆転のことを沈降性逆転という。", "逆転層内では汚染物質(例えば煙突の煙)は拡散しやすい。", "実際の大気の気温減率(高度が上がるにしたがって気温が下がる割合)が乾燥断熱減率(0.98^{\\circ} C/100 m)より大きいとき、大気は不安定となる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n放射性逆転では、上空においてよりも地表近くにおいての方が生じやすい。放射性逆転は、晴天の日没後、放射冷却により、上空よりも地表付近の温度が低下しやすくなることで発生する。2:正\n地形性逆転は、周囲の高地から冷たい空気が斜面に沿って降りてくることにより発生する。3:誤\n寒気団が暖気団の下に入り込んで起こる逆転のことを前線性逆転という。なお、沈降性逆転とは、高気圧圏内の上空において、空気が断熱圧縮することにより生じる逆転のことである。4:誤\n逆転層内では大気の動きが悪くなる(大気が安定な状態となる)ため、汚染物質は拡散しにくい。5:正\n実際の大気の気温減率(高度が上がるにしたがって気温が下がる割合)が乾燥断熱減率(乾燥した空気塊が断熱的に上昇した場合、その空気塊の膨張により温度が下がる割合: 0.98^{\\circ} C/100 m)よりも大きい場合、大気の拡散性が大きくなるため、大気は不安定となる。"} +{"problem_id": "099139", "problem_text": "気温26.5^{\\circ} Cの室内で、カタ係数360(mcal/cm^{2})のカタ温度計を用いて、そのアルコール柱が38^{\\circ} Cから35^{\\circ} Cに下降する時間を5回測定したところ、測定値の平均値は95秒であった。このとき室内の気動(m/sec)はいくらか。最も近い値を1つ選べ。なお、気動(V )は以下の計算式により算出することができる。", "choices": ["0.14", "0.20", "0.28", "0.48", "1.5"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "<カタ冷却力Hを求める>\nカタ冷却力Hは以下の式より求めることができる。H=f/T\nf: カタ係数(mcal/cm^{2})\nT: カタ温度計のアルコール柱が38^{\\circ} C〜35^{\\circ} Cの下降するまでに要する時間(秒)の平均値\n問題文に「カタ係数360(mcal/cm^{2})」「測定値の平均値は95秒」とあることから、Hを以下のように求めることができる。H=360/95\\fallingdotseq 3.8\n<気動Vを求める>\nH\\fallingdotseq 3.8:θ=36.5-26.5=10^{\\circ} C:H/θ=0.38:であることから、設問にある気動1 m/sec以下(H/θ≦0.60)の場合の式を用いて以下のようにVを求めることができる。V={(0.38-0.20)/0.40}^{2}\\fallingdotseq 0.20"} +{"problem_id": "099140", "problem_text": "廃棄物処理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["我が国の一般廃棄物最終処分場の残余容量と残余年数は、2000年以降減少し続けている。", "産業廃棄物の処理は、直接再生利用、中間処理(減量化と再生利用)、最終処分に分けられ、総排出量の約50%が最終処分されている。", "産業廃棄物の不法投棄を防止するため、産業廃棄物の処理を委託する排出業者にはマニフェストの交付が義務付けられている。", "PRTR制度は、第一種指定化学物質と第二種指定化学物質の両方に適用される。", "海洋への廃棄物処理及び有害廃棄物の越境移動を防止するための国際的対応として、ロンドン条約及びバーゼル条約がそれぞれ締結されている。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n残余容量とは、最終処分場で処理することが可能な廃棄物の容積であり、残余年数とは、現在使用されている最終処分場が満杯になるまでの年数のことである。2000年(平成12年)以降、我が国の一般廃棄物最終処分場の残余容量はほとんど変化していない(減少傾向〜横ばい)が、残余年数は増加している。2:誤\n産業廃棄物の処理は、直接再生利用、中間処理(減量化と再生利用)、最終処分に分けられ、総排出量の約4%が最終処分されている。3:正\n産業廃棄物の不法投棄を防止するために、産業廃棄物の処理を委託する排出業者にはマニフェストを交付する義務が課せられている。4:誤\nPRTR制度とは、人の健康や生態系に悪影響を及ぼすおそれのある化学物質の排出量及び移動量を事業者自らが把握して国に届出を行い、国は届出データや統計資料などを用いた推計に基づき、排出量及び移動量を集計及び公表する制度のことであり、第一種指定化学物質のみ適応される。5:正\n海洋への廃棄物処理については、ロンドン条約で規制されており、有害廃棄物の越境移動については、バーゼ��条約で規制されている。"} +{"problem_id": "099141", "problem_text": "処方せん医薬品並びに毒薬及び劇薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["体外診断用医薬品は、処方せん医薬品として指定される。", "正当な理由があれば、処方せんを受けた者以外の者に対して、処方せん医薬品を販売または授与することができる。", "薬局開設者は、処方せん医薬品の販売又は授与を記録した帳簿を、最終の記載の日から3年間保存しなければならない。", "業務上劇薬を取り扱う者は、貯蔵する場所に「医薬品」及び「劇」の文字を表示しなければならない。", "毒薬は、かぎをかけた場所に他の物と区別して貯蔵しなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n人の身体に直接使用されることがなく、疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品(体外診断用医薬品)は、処方せん医薬品から除かれる。2:正\n正当な理由(災害時に医師の受診が困難な場合)がある場合、処方せんを受けた者以外の者に対して、処方せん医薬品を販売または授与することができる。3:誤\n薬局開設者は、処方せん医薬品の販売又は授与を記録した帳簿を、最終の記載の日から2年間保存しなければならない。4:誤\n業務上劇薬を取り扱う者は、貯蔵する場所に「医薬品」及び「劇」の文字を表示する必要はない。5:正\n毒薬は、他の物と区別し、かぎをかけた場所に貯蔵、陳列する必要がある。"} +{"problem_id": "099142", "problem_text": "医薬品の広告に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["堕胎を暗示する広告を行ってはならない。", "製造方法に関する広告は、規制されない。", "広告の内容については、あらかじめ厚生労働大臣の許可を受けなければならない。", "医薬関係者以外の一般人を対象とする広告方法が制限される医薬品がある。", "医薬品の製造販売業者は、承認前の医薬品の広告を行なうことができる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n医薬品の広告には、堕胎を暗示する文書又は図画を用いてはならない。2:誤\n医薬品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、虚偽又は誇大な記事を広告してはならない。3:誤\n医薬品の広告については、その内容についてあらかじめ厚生労働大臣の許可を受ける必要はない。4:正\n政令で定めるがんその他の特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品については、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告方法が制限されている。5:誤\n承認前の医薬品については、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。"} +{"problem_id": "099143", "problem_text": "薬剤師免許(以下「免許」という。)に対する処分等に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["免許の処分に当たっては、薬事・食品衛生審議会の意見を聴かなければならない。", "薬剤師が成年被後見人となったときは、免許が取り消される。", "戒告は最も軽い処分であるため、再教育研修の対象とはならない。", "薬剤師業務の停止期間は3年以内である。", "免許を取り消された者が再び免許を取得しようとする場合は、改めて国家試験を受けて合格しなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n免許の処分に当たっては、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。2:正\n薬剤師が成年被後見人又は被保佐人になったときは、免許が取り消される(絶対的欠格事由)。3:誤\n厚生労働大臣は、薬剤師が戒告、業務停止、免許の取り消し処分を受けた場合には、再教育研修を受けるように命ずることができる。4:正\n薬剤師業務の停止処分の期間については、3年以内とされている。5:誤\n免許を取り消された者が再び免許を取得しようとする場合は、改めて国家試験を受け合格する必要はない。補足\n2019年12月の薬剤師法改正により、成年被後見人又は被保佐人は、薬剤師免許の絶対的欠格事由ではなくなった"} +{"problem_id": "099144", "problem_text": "安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律に規定されている基本理念に掲げられていないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["血液製剤は、その安全性の向上に常に配慮して、製造、供給又は使用されなければ���らない。", "血液製剤は、貴重なものであること等から、適正に使用されなければならない。", "血液製剤は、できるだけ低廉な価格で供給されるようにしなければならない。", "血液製剤は、国内自給が確保されることを基本とするとともに、安定的に供給されるようにしなければならない。", "血液製剤に関する施策の策定及び実施に当たっては、公正の確保及び透明性の向上が図られるよう努めなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律に規定されている基本理念を以下に示す。一:血液製剤は、その原料である血液の特性にかんがみ、その安全性の向上に常に配慮して、製造され、供給され、又は使用されなければならない。二:血液製剤は、国内自給が確保されることを基本とするとともに、安定的に供給されるようにしなければならない。三:血液製剤は、献血により得られる血液を原料とする貴重なものであること、及びその原料である血液の特性にかんがみ、適正に使用されなければならない。四:国、地方公共団体その他の関係者は、この法律に基づく施策の策定及び実施に当たっては、公正の確保及び透明性の向上が図られるよう努めなければならない。"} +{"problem_id": "099145", "problem_text": "麻薬及び向精神薬の取扱いについて、正しいのはどれか。2つ選べ。なお、地方厚生(支)局長は、厚生労働大臣から権限が委任されているものとする。", "choices": ["向精神薬を用いて動物実験等の研究を行う施設の設置者の登録は、地方厚生(支)局長又は都道府県知事が行う。", "麻薬研究者が研究用の麻薬を製造する場合は、その都度、都道府県知事の許可が必要である。", "海外旅行をする際、向精神薬を携帯するには、地方厚生(支)局長の許可が必要である。", "家庭麻薬製造業者は、特段の許可を受けることなくコデイン、ジヒドロコデイン及びその塩類を麻薬製剤業者に譲り渡すことができる。", "向精神薬輸出業者が第一種向精神薬を輸出する際には、その都度、地方厚生(支)局長の許可が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n向精神薬を用いて動物実験等の研究を行う施設(向精神薬試験研究施設)の設置者の登録について以下に示す。・国の設置する向精神薬試験研究施設の設置者の登録\n厚生労働大臣(厚生労働大臣から権限が委任されている場合は地方厚生(支)局長)が行う\n・その他の向精神薬試験研究施設の設置者の登録\n都道府県知事が行う\n2:誤\n麻薬研究者が研究用の麻薬を製造する場合は、特別な手続きは要しない。なお、麻薬製造業者又は麻薬製剤業者若しくは家庭麻薬製造業者は、麻薬又は家庭麻薬を製造しようとするときは、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。3:誤\n海外旅行をする際、自己の疾病の治療の目的で向精神薬を携帯するには、厚生労働大臣の許可が必要である。4:誤\n家庭麻薬製造業者は、特段の許可を受けることなく、麻薬を譲り渡してはならない。5:正\n向精神薬輸出業者は、第一種向精神薬を輸出しようとするときは、その都度、厚生労働大臣(地方厚生(支)局長)の許可を受けなければならない。"} +{"problem_id": "099146", "problem_text": "毒物及び劇物取締法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬剤師は毒物劇物取扱責任者になることができる。", "毒物劇物営業者は、交付を受ける者が18歳未満でないことを事前に確認すれば、ナトリウム、ピクリン酸など、引火性、発火性もしくは爆発性のある毒物又は劇物として政令で定められたものを交付することができる。", "特定毒物は、製剤をあせにくい黒色に着色しなければ販売してはならない。", "シアン化合物を業務上使用する電気めっき業の事業者は、都道府県知事に所定の事項を届け出なければならない。", "毒物劇物営業者が政令で定める技術上の基準に従って毒物又は劇物を廃棄する際には、都道府県知事への届け出が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n毒物劇物取扱責任者になることができる者を以下に示す。・薬剤師\n・厚生労働省令で定める学校で、応用化学に関する学課を修了した者\n・都道府県知事が行う毒物劇物取扱��試験に合格した者\n2:誤\n毒物劇物営業者は、年齢を確認することに加え、その交付を受ける者の氏名及び住所を確認した後でなければ、引火性、発火性又は爆発性のある毒物又は劇物として政令で定めるもの(ナトリウム、ピクリン酸など)を交付することはできない。3:誤\n特定毒物の着色基準はその品目によってそれぞれ異なり、赤、青、黄、深紅、緑等に着色が義務付けられているものがある。なお、製剤をあせにくい黒色に着色しなければ販売してはならないのは、政令で定める農業用の毒物及び劇物である。4:正\nシアン化合物を業務上使用する電気めっき業の事業者は、シアン化合物を取り扱うこととなった日から三十日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、所定の事項を、その事業場の所在地の都道府県知事に届け出なければならない。5:誤\n毒物劇物営業者が毒物又は劇物を廃棄する際には、政令で定める技術上の基準に従って廃棄する必要があるが、その旨を都道府県知事に届ける必要はない。"} +{"problem_id": "099147", "problem_text": "製造物責任法に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["損害賠償の請求権には時効がない。", "医薬品の添付文書の記載の不備は、製造物の欠陥とはならない。", "医薬品に副作用が生じれば、直ちに製造物としての欠陥になる。", "製造物の欠陥により生じた生命や身体への被害が対象であり、財産への被害は対象ではない。", "製造物を引き渡した時における科学又は技術に関する知見によって欠陥を認識することができなかった場合には、製造業者は損害賠償責任を負わない。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n製造物責任法の損害賠償の請求権には、時効が存在する。製造物責任法の損害賠償の請求権に関する時効の要件を以下に示す。・被害者又はその法定代理人が損害及び賠償義務者を知った時から3年間\n・製造業者等が当該製造物を引き渡した時から10年を経過したとき(ただし、身体に蓄積した場合に人の健康を害することとなる物質による損害又は一定の潜伏期間が経過した後に症状が現れる損害については、その損害が生じたときから10年とする)\n2:誤\n製造物責任法における「欠陥」については、以下の3つに大別される。・製造上の欠陥\n・設計上の欠陥\n・指示・警告上の欠陥\n添付文書の不備は上記のうち「指示・警告上の欠陥」にあたり、製造物の欠陥となる。3:誤\n医薬品に副作用が生じても、設計通りの品質を有し、有効性、安全性(副作用情報等)が明示されていれば、欠陥のない製造物とみなされる。4:誤\n製造物責任法においては、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めている。5:正"} +{"problem_id": "099148", "problem_text": "わが国の医療保険制度の説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["基本的にすべての国民が何らかの医療保険制度に加入する国民皆保険である。", "加入者は全国のすべての医療機関で療養の給付を受けることができる。", "加入者が納めた保険料に応じて、給付される療養の種類に違いがある。", "保険で給付される療養と保険外で給付される療養を併用できる場合がある。", "75歳以上の者は、保険料を負担しない制度に加入する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nわが国の医療保険制度は、基本的にすべての国民が何らかの公的医療保険に加入する国民皆保険制度である。2:誤\n医療保険加入者は、保険医療機関等定められた医療機関において療養の給付(保険診療、保険調剤)を受けることができる。3:誤\n加入者が納めた保険料に関わらず、給付される療養の種類は同一である。4:正\n健康保険では、原則として給付される療養に保険適用外のものが含まれると、保険適用内の療養費を含めすべての医療費が自己負担となる。しかし、一部の保険外診療(評価療養又は選定療養)を受けたときについては、保険外併用療養費として保険給付が認められている。5:誤\n75歳以上の者は、原則として、被保険者が保険料を支払う後期高齢者医療制度に加入する。"} +{"problem_id": "099149", "problem_text": "処方せん医薬品の製造販売業者が遵守しなければならないGVP(Good Vigilance Practice)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["市販直後調査の実施期間は、承認時からの6ヶ月間である。", "安全管理統括部門及び安全管理責任者を置かなければならない。", "医薬情報担当者は、医薬関係者を訪問すること等により、安全管理情報の収集、提供を行う。", "再審査にあたり、申請資料が本基準に適合しているかが調査される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n市販直後調査は、医薬品の適正使用を促し、重篤な症例等の発生を迅速に把握するために行われ、その実施期間は、医薬品の製造販売業者が販売を開始した後の6ヶ月間である。2:正\n第一種製造販売業者は、安全管理統括部門と安全管理責任者を置かなければならない。3:正\n医薬情報担当者は、医薬品の適正な使用に資するために、医療関係者を訪問すること等により安全管理情報を収集し、提供を行う。4:誤\n再審査にあたり、申請資料が「医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準(GPSP)」に適合しているかが調査されるが、GVPに適合しているかについては調査されない。"} +{"problem_id": "099150", "problem_text": "医療機関の長と治験審査委員会に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["同一被験薬の第II相試験に引き続き第III相試験を同一医療機関で実施する際は、当該医療機関の長は治験審査委員会の意見を聴く必要はない。", "医療機関の長は、治験審査委員会が当該医療機関で治験を実施することが適当でない旨の意見を述べた時であっても、自らの判断で当該治験の実施を承認できる。", "治験審査委員会においては、医療機関の長からの依頼により、治験実施計画書、治験薬概要書、説明文書等の資料に基づき治験の妥当性を審査する。", "医療機関の長は、モニタリング報告書を受け取った時は、当該医療機関において治験が適切に行われたかどうか、治験審査委員会の意見を聴く必要がある。", "医療機関の長は、当該医療機関の治験審査委員会の審議に参加することができる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n実施医療機関の長は、同一医療機関において同一被検薬の治験を継続的に行う場合についても、あらかじめ治験審査委員会の意見を聴かなければならない。2:誤\n実施医療機関の長は、治験審査委員会が当該医療機関で治験を実施することが適当でない旨の意見を述べた時は、当該治験の実施を承認することはできない。3:正\n治験審査委員会は、実施医療機関の長からの依頼により、治験実施計画書、治験薬概要書、説明文書等の資料に基づき治験の妥当性を審査する。4:正\n実施医療機関の長は、モニタリング報告書を受け取った時は、当該実施医療機関において治験が適切に行われているかどうか又は適切に行われたかどうかについて、治験審査委員会の意見を聴く必要がある。5:誤\n次に掲げる者は、治験審査委員会の審議に参加することができない。・治験依頼者の役員又は職員その他の治験依頼者と密接な関係を有する者\n・自ら治験を実施する者又は自ら治験を実施する者と密接な関係を有する者\n・実施医療機関の長、治験責任医師等又は治験協力者"} +{"problem_id": "099151", "problem_text": "生体内情報伝達をつかさどる受容体に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["細胞膜受容体には、Gタンパク質共役型、イオンチャネル内蔵型及び1回膜貫通型がある。", "神経筋接合部に存在するニコチン性アセチルコリン受容体は、Gタンパク質共役型である。", "血管内皮増殖因子(VEGF)受容体は、1回膜貫通型である。", "心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体は、イオンチャネル内蔵型である。", "サイトカイン受容体は、核内に存在する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n細胞膜受容体には、以下に示す3つの型が存在する。・Gタンパク質共役型(7回膜貫通型)\n・イオンチャネル内蔵型(4〜5回膜貫通型)\n・酵素活性内蔵型(1回膜貫通型)\n2:誤\n神経筋接合部に存在するニコチン性アセチルコリン受容体(N_{N}受容体)は、イオンチャネル(Na^{+}チャネル)内蔵型である。3:正\n血管内皮増殖因子(VEGF)受容体は、酵素活性内蔵型(チロシンキナーゼ型)受容体であり、1回膜���通型である。4:誤\n心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体は、酵素活性内蔵型(膜結合性グアニル酸シクラーゼ型)であり、1回膜貫通型である。5:誤\nサントカイン受容体は、核内ではなく細胞表面に存在する。"} +{"problem_id": "099152", "problem_text": "アドレナリン作動薬の基本骨格に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["基本骨格はフェニルエチルアミンである。", "芳香環とアミノ基の間に炭素原子が3個存在する場合に、最も強いアドレナリン受容体刺激作用を示す。", "アミノ基に結合しているアルキル置換基が大きいほど、アドレナリン\\beta 受容体刺激作用が強い。", "芳香環の3,4位にヒドロキシ基がつくことで、アドレナリン\\alpha 及び\\beta 受容体刺激作用は最大となる。", "芳香環のヒドロキシ基がなくなると、中枢作用が強くなる。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\nアドレナリン作動薬の基本骨格は、フェニルエチルアミンである。2:誤っている\n構造中にフェニルエチルアミン(芳香環とアミノ基の間に炭素原子が2個存在する構造)を有する場合に、最も強いアドレナリン受容体刺激作用を示す。3:正しい\nアミノ基に結合しているアルキル置換基が大きいほど、\\beta 受容体への選択性は高くなる。4:正しい\n構造中にカテコール骨格(芳香環の3,4位にヒドロキシ基が結合している構造)を有する場合に、アドレナリン\\alpha 及び\\beta 受容体刺激作用が最大となる。5:正しい\n芳香環のヒドロキシ基がなくなると、脂溶性が増大し血液脳関門を通過しやすくなるため、中枢作用が強くなる。"} +{"problem_id": "099153", "problem_text": "眼に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ラニビズマブは、血管内皮増殖因子(VEGF)の働きを抑制し、脈絡膜の血管新生を抑制する。", "イソプロピルウノプロストンは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を選択的に遮断し、眼房水流出を促進する。", "アプラクロニジンは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激し、眼圧を低下させる。", "ピロカルピンは、コリンエステラーゼを阻害し、瞳孔括約筋を収縮させる。", "トロピカミドは、毛様体の炭酸脱水酵素を阻害し、眼圧を低下させる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nラニビズマブは血管内皮増殖因子(VEGF)に対するヒト化モノクローナル抗体製剤であり、VEGFに結合することによりVEGFの働きを抑制し、脈絡膜の血管新生を抑制する。2:誤\nイソプロピルウノプロストンヒト線維柱帯細胞における大コンダクタンスカルシウム依存性カリウムチャネルを活性化し、眼房水排出を促進する。3:正\nアプラクロニジンはアドレナリン\\alpha _{2}受容体刺激薬であり、眼房水の産生を抑制することに加え、ブドウ膜強膜流出路からの眼房水流出を促進し眼圧を低下させる。4:誤\nピロカルピンは、ムスカリンM_{3}受容体刺激薬であり、瞳孔括約筋を収縮させる。5:誤\nトロピカミドは、ムスカリン受容体遮断薬であり、毛様体筋のムスカリンM_{3}受容体を遮断することにより毛様体筋の収縮を抑制し、シュレム管を閉塞させ眼圧を上昇させる。"} +{"problem_id": "099154", "problem_text": "運動神経を付けたまま摘出したラット神経-骨格筋標本を用いた実験において、終板の膜電位変化と筋の張力変化を同時に記録した。下図は、運動神経の電気刺激で発生する終板の活動電位(図中A)と筋の張力変化(図中B)を示したものである。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["A型ボツリヌス毒素は、Aに影響せず、Bを抑制する。", "ベクロニウムは、A及びBを抑制する。", "スキサメトニウムは、Aに影響せず、Bを抑制する。", "ダントロレンは、Aに影響せず、Bを抑制する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "・図中A\n運動神経の電気刺激で発生する終板の活動電位を表している。終板における活動電位は、運動神経刺激により遊離されたアセチルコリンがN_{M}受容体を刺激し、Na^{+}チャネルが開口することにより発生する。・図中B\n骨格筋の張力変化を表している。骨格筋の張力は、終板膜電位の変化により筋小胞体からCa^{2+}が放出され、骨格筋が収縮することにより上昇する。1:誤\nA型ボツリヌス毒素は、運動神経終末か��のアセチルコリンの遊離を抑制する。よって、A型ボツリヌス毒素は、A及びBを抑制する。2:正\nベクロニウムは、N_{M}受容体を遮断する。よって、A及びBを抑制する。3:誤\nスキサメトニウムは、持続的な脱分極を起こし、アセチルコリンによる神経伝達を阻害する。よって、Aに影響を与え、Bを抑制する。4:正\nダントロレンは、筋小胞体に存在するリアノジン受容体に作用してCa^{2+}の放出を抑制し、興奮収縮連関を阻害する。よって、Aに影響せず、Bを抑制する。"} +{"problem_id": "099155", "problem_text": "痛みの治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["トラマドールは、Ca^{2+}チャネルを直接遮断して、グルタミン酸の過剰放出を抑制する。", "フェンタニルは、ノルアドレナリンの再取り込みを促進して、下行性の痛覚抑制系を活性化する。", "プレガバリンは、オピオイド\\micro 受容体を刺激して、上行性の痛覚伝導系を抑制する。", "メキシレチンは、Na^{+}チャネルを遮断して、知覚神経軸索における興奮伝導を抑制する。", "ゾルミトリプタンは、セロトニン5-HT_{1B}及び5-HT_{1D}受容体を刺激して、脳血管を収縮させる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nトラマドールは非麻薬性鎮痛薬であり、オピオイド\\micro 受容体刺激による上行性痛覚伝導路の抑制及びセロトニン、ノルアドレナリンの再取り込み阻害作用による下行性疼痛抑制系の活性化により鎮痛作用を示す。2:誤\nフェンタニルは合成麻薬性鎮痛剤であり、\\micro 受容体刺激による上行性痛覚伝導路の抑制により鎮痛作用を示す。3:誤\nプレガバリンは、求心性一次知覚神経の電位依存性Ca^{2+}チャネルの\\alpha _{2}\\delta サブユニットに結合し、グルタミン酸などの神経伝達物質の遊離を抑制することにより神経障害性疼痛や線維筋痛症に伴う疼痛に効果を示す。4:正\nメキシレチンは、神経細胞膜のNa^{+}チャネルを遮断し、知覚神経軸索における興奮伝導を抑制することにより糖尿病性神経障害に伴うしびれに効果を示す。5:正\nゾルミトリプタンは、セロトニン5-HT_{1B}及び5-HT_{1D}受容体を刺激して、脳血管を収縮させることにより片頭痛に対して効果を示す。"} +{"problem_id": "099156", "problem_text": "抗てんかん薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ガバペンチンは、\\gamma -アミノ酪酸(GABA)トランスポーターを阻害して、シナプス間隙のGABA量を増加させる。", "クロバザムは、ベンゾジアゼピン受容体に結合し、GABA作動性神経伝達を増強する。", "スルチアムは、炭酸脱水酵素を阻害し、神経細胞の過剰興奮を抑制する。", "フェノバルビタールは、神経細胞内へのCl^{-}流入を抑制し、神経細胞膜を過分極させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nガバペンチンは、電位依存性Ca^{2+}チャネルの\\alpha _{2}\\delta サブユニットに結合し、グルタミン酸などの神経伝達物質の遊離を抑制する\n2:正\nクロバザムはベンゾジアゼピン系薬であり、ベンゾジアゼピン受容体に結合し、GABAのGABA_{A}受容体に対する親和性を増大させる。3:正\nスルチアムは、脳組織内で炭酸脱水酵素を阻害し、神経細胞の過剰興奮を抑制する。4:誤\nフェノバルビタールはバルビツール酸系薬であり、バルビツール酸結合部位に結合することによりCl^{-}チャネル開口を介してCl^{-}流入を促進し、神経細胞膜を過分極させる。"} +{"problem_id": "099157", "problem_text": "末梢循環を改善する薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいはどれか。2つ選べ。", "choices": ["イソクスプリンは、血管平滑筋のアドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激する。", "エポプロステノールは、血管平滑筋のプロスタノイドIP受容体を刺激する。", "カリジノゲナーゼは、酵素作用によりキニノーゲンを産生させる。", "タダラフィルは、血管平滑筋のグアニル酸シクラーゼを阻害する。", "ボセンタンは、エンドセリンET_{B}受容体を選択的に遮断する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nイソクスプリンはアドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬であり、血管平滑筋のアドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激し、血管平滑筋を弛緩させることにより末梢循環を改善する。2:正\nエポプロステノールはプロスタグランジンI_{2}製剤で��り、血管平滑筋のプロスタノイドIP受容体を刺激しcAMP濃度を上昇させ、血管平滑筋を弛緩させることにより末梢循環を改善する。3:誤\nカリジノゲナーゼはカリクレイン製剤であり、キニノーゲンを酵素的に分解することでブラジキニンの産生を促進し、血管平滑筋を弛緩させることにより末梢循環を改善する。4:誤\nダタラフィルは、ホスホジエステラーゼVを阻害しcGMP濃度を上昇させ、血管平滑筋を弛緩させることにより末梢循環を改善する\n5:誤\nボセンタンは、エンドセリンET_{A}、ET_{B}受容体を非選択的に阻害して、血管平滑筋を弛緩させることにより末梢循環を改善する。"} +{"problem_id": "099158", "problem_text": "利尿薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["トルバプタンは、集合管のバソプレシンV_{2}受容体を刺激する。", "トラセミドは、抗アルドステロン作用を有するため、フロセミドと比較して低カリウム血症を起こしにくい。", "イソソルビドは、遠位尿細管から集合管のアルドステロン受容体を遮断する。", "インダパミドは、ヘンレ係蹄上行脚におけるNa^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送系を阻害する。", "アセタゾラミドは、近位尿細管でのHCO_{3}^{-}の排泄を増加させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nトルバプタンは、バソプレシンV_{2}受容体を遮断し、腎集合管での水の再吸収を阻害することにより利尿作用を示す。2:正\nループ利尿薬は、ヘンレ係蹄上行脚におけるNa^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送系を阻害して利尿作用を示し、副作用として低カリウム血症を起こしやすい。トラセミドは、抗アルドステロン作用を併せもつループ利尿薬であり、フロセミド(ループ利尿薬)と比較して低カリウム血症を起こしにくい。3:誤\nイソソルビドは浸透圧性利尿薬であり、尿細管腔内の浸透圧を上昇させ水の再吸収を抑制することにより利尿作用を示す。4:誤\nインダパミドは非チアジド系利尿薬であり、遠位尿細管におけるNa^{+}-Cl^{-}共輸送系を阻害し水の再吸収を抑制することにより利尿作用を示す。5:正\nアセタゾラミドは炭酸脱水酵素阻害薬であり、腎尿細管上皮細胞において炭酸脱水酵素を阻害し、Na^{+}-H^{+}交換系を抑制することによりHCO_{3}^{-}の排泄を増加させる。"} +{"problem_id": "099159", "problem_text": "肝臓疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ラクツロースは、腸内細菌により分解されてアンモニアを生成し、血中アンモニア濃度を上昇させる。", "インターフェロンは、種々の抗ウイルスタンパク質の合成を誘導する。", "ラミブジンは、DNAトポイソメラーゼを阻害し、C型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。", "エンテカビルは、DNAポリメラーゼを阻害し、B型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nラクツロースは腸管内で腸内細菌により乳酸に代謝されるため、消化管内のpHを低下させ、腸内細菌によるアンモニアの生成を抑制し、血中アンモニア濃度を低下させる。2:正\nインターフェロンは、ウイルス感染細胞表面の受容体に結合することで、抗ウイルスタンパク質(プロテインキナーゼやホスホジエステラーゼ等)の合成を誘導する。3:誤\nラミブジンは、B型肝炎ウイルス(HBV)感染細胞内でリン酸化されてラミブジン三リン酸となり、デオキシシチジン三リン酸と競合的に拮抗し、DNAポリメラーゼ阻害することによりHBVの増殖を抑制する。4:正\nエンテカビルは、B型肝炎ウイルス(HBV)感染細胞内でリン酸化されてエンテカビル三リン酸となり、デオキシグアノシン三リン酸と競合的に拮抗し、DNAポリメラーゼを阻害することによりHBVの増殖を抑制する。"} +{"problem_id": "099160", "problem_text": "ホルモン関連薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["チアマゾールは、ペルオキシダーゼを阻害し、甲状腺ホルモンの産生を抑制する。", "トリロスタンは、3\\beta -ヒドロキシステロイド脱水素酵素を阻害し、コルチゾールの産生を促進する。", "ゴナドレリンは、副腎皮質を刺激し、糖質コルチコイドの産生を促進する。", "テルグリドは、ドパミンD_{2}受容体を遮断し、プロラクチン遊離を抑制する。", "オキシトシンは、子宮平滑筋を収縮させ、分娩を誘発する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nチアマゾールは、ペルオキシダーゼを阻害しチログロブリンとヨウ素の結合を阻害することにより、甲状腺ホルモンの産生を抑制する。2:誤\nトリロスタンは、コルチゾールの生合成に関わる酵素の一つである3\\beta -ヒドロキシステロイド脱水素酵素を特異的に競合阻害し、コルチゾールの産生を抑制する。3:誤\nゴナドレリンは性腺刺激ホルモン放出ホルモン製剤であり、下垂体前葉を刺激してゴナドトロピンを分泌促進し、性ホルモンの産生、分泌を促進する。4:誤\nテルグリドは、下垂体前葉のドパミンD_{2}受容体を刺激し、プロラクチン遊離を抑制する。5:正\nオキシトシンは、子宮平滑筋を律動的に収縮させ、分娩を誘発する。"} +{"problem_id": "099161", "problem_text": "糖尿病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ミグリトールは、\\alpha -グルコシダーゼ阻害作用と\\alpha -アミラーゼ阻害作用により食後高血糖を抑制する。", "グリベンクラミドは、血糖依存的にインスリン分泌を促進する。", "ピオグリタゾンは、アディポネクチンの産生を高め、インスリン抵抗性を改善する。", "メトホルミンは、AMP依存性プロテインキナーゼを抑制することにより、肝臓での糖新生を抑制する。", "ミチグリニドは、スルホニル尿素(SU)構造を待たないが、膵\\beta 細胞のSU 受容体に結合する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nミグリトールは、\\alpha -グルコシダーゼ阻害作用により食後高血糖を抑制するが、\\alpha -アミラーゼ阻害作用を有しない。なお、\\alpha -グルコシダーゼ阻害作用と\\alpha -アミラーゼ阻害作用により食後高血糖を抑制する薬物にはアカルボースがある。2:誤\nグリベンクラミドはスルホニル尿素(SU)剤であり、膵B(\\beta )細胞のSU受容体に結合して、血糖非依存的にインスリン分泌を促進する。3:正\nピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体\\gamma (PPAR\\gamma )を刺激し、アディポネクチンの産生を高めることに加え、TNF-\\alpha 産生を抑制することによりインスリン抵抗性を改善する。4:誤\nメトホルミンは、AMP依存性プロテインキナーゼを活性化することにより、肝臓での糖新生を抑制することに加え、末梢での糖利用を促進する。5:正\nミチグリニドは、スルホニル尿素(SU)構造を待たないが、膵\\beta 細胞のSU 受容体に結合し、ATP感受性K^{+}チャネルを閉口させることによりインスリン分泌を促進する。"} +{"problem_id": "099162", "problem_text": "血小板に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["チクロピジンは、ADPのP2Y_{12}受容体を遮断することでアデニル酸シクラーゼ活性を増強し、サイクリックAMP(cAMP)を増加させる。", "シロスタゾールは、ホスホジエステラーゼIIIを選択的に阻害し、cAMPを増加させる。", "サルポグレラートは、セロトニン5-HT_{1}受容体を遮断し、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制する。", "オザグレルは、プロスタノイドTP受容体を遮断し、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制する。", "ベラプロストは、プロスタノイドIP受容体を刺激し、サイクリックGMP(cGMP)を増加させる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nチクロピジンは、ADPのP2Y_{12}受容体(G_{i}タンパク質共役型受容体)を遮断し、サイクリックAMP(cAMP)を増加させて血小板凝集を抑制する。2:正\nシロスタゾールは、ホスホジエステラーゼIIIを選択的に阻害し、cAMPを増加させて血小板凝集を抑制する。3:誤\nサルポグレラートは、セロトニン5-HT_{2}受容体(G_{q}タンパク質共役型受容体)を遮断し、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制して血小板凝集を抑制する。4:誤\nオザグレルは、トロンボキサン合成酵素を阻害し、TXA_{2}の合成を阻害することにより血小板凝集を抑制する。5:誤\nベラプロストはプロスタグランジンI_{2}誘導体であり、プロスタノイドIP受容体(G_{s}タンパク質共役型受容体)を刺激し、cAMPを増加させて血小板凝集を抑制する。"} +{"problem_id": "099163", "problem_text": "非ステロイド性抗炎症薬及び解熱鎮痛薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["セレコキシブは、シクロオキシゲナーゼ(COX)-2を選択的に阻害するため、血栓塞栓症のリスクは低い。", "メフェナム酸は、成人ぜん息患者のぜん息発作を誘発することはない。", "アスピリンは、水痘やインフルエンザに感染している小児にライ(Reye)症候群を起こすことがある。", "ロキソプロフェンは、消化管障害の軽減を目的としたプロドラッグである。", "アセトアミノフェンは、COX-1及びCOX-2を阻害するため、消化管障害が多い。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nセレコキシブは、シクロオキシゲナーゼ(COX)-2を選択的に阻害するため、副作用として消化管障害などを起こしにくい。なお、セレコキシブを投与することにより心血管系血栓塞栓症のリスクを増大させるとの報告がある。2:誤\nメフェナム酸は、COXを阻害することによりロイコトリエン類の合成を亢進させ、ぜん息発作を誘発することがある(アスピリンぜん息)。3:正\nアスピリンは、水痘やインフルエンザに感染している小児にライ(Reye)症候群を起こすことがあるため、原則として水痘やインフルエンザに感染している15歳未満の小児には投与しない(投与禁忌)。4:正\nロキソプロフェンは、体内で還元されて活性体となり作用するプロドラッグであり、消化管障害の軽減を目的として製剤化されたものである。5:誤\nアセトアミノフェンはほとんどCOX-1及びCOX-2阻害作用を示さないため、消化管障害を起こしにくい。"} +{"problem_id": "099164", "problem_text": "感染症治療薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["テイコプラニンは、リボソームの50Sサブユニットに結合し、タンパク質の合成を阻害する。", "ジダノシンは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の逆転写酵素を阻害し、HIVの増殖を抑制する。", "テルビナフィンは、スクアレン-2,3-エポキシダーゼを阻害し、真菌細胞膜成分のエルゴステロールの生合成を阻害する。", "フルシトシンは、ラノステロールC-14脱メチル化酵素を阻害し、真菌細胞膜成分のエルゴステロールの生合成を阻害する。", "リファンピシンは、ペプチドグリカン前駆体と結合し、細胞壁の合成を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nテイコプラニンは、細菌細胞壁合成前駆体のペプチドC末端D-アラニルD-アラニンと結合して細胞壁合成を阻害する。2:正\nジダノシンは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染細胞内でリン酸化を受けてジデオキシアデノシン5-三リン酸となり、ウイルスの逆転写酵素を阻害して増殖を抑制する。3:正\nテルビナフィンは、スクアレン-2,3-エポキシダーゼの阻害し、真菌細胞膜成分のエルゴステロールの生合成を阻害することにより、抗真菌作用を示す。4:誤\nフルシトシンは真菌細胞内で5-フルオロウラシルへと変換され、さらに代謝を受けた後チミジル酸合成酵素(チミジル酸シンターゼ)を競合的に阻害し、真菌のDNA合成を阻害することにより、抗真菌作用を示す。5:誤\nリファンピシンは、細菌のDNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、RNA合成を阻害することにより、抗菌作用を示す。"} +{"problem_id": "099165", "problem_text": "抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メルカプトプリンは、生体内でチオイノシン酸に変換され、アデニル酸及びグアニル酸の生合成を阻害する。", "ビンクリスチンは、DNAをアルキル化し、がん細胞のS期移行を阻害する。", "ゲムシタビンは、生体内でリン酸化され、DNAトポイソメラーゼIIを阻害する。", "タモキシフェンは、エストロゲン受容体を遮断し、乳がん細胞の増殖を阻害する。", "トラスツズマブは、CD20抗原を有する細胞を補体依存的に傷害する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nメルカプトプリンは、生体内でチオイノシン酸に変換されて、プリン塩基であるアデニル酸及びグアニル酸の生合成を阻害する。2:誤\nビンクリスチンは、微小管の構成タンパク質であるチュブリンに結合し、微小管重合を阻害することにより、がん細胞のM期(細胞分裂期)を抑制する。3:誤\nゲムシタビンは、生体内でリン酸化され、活性体(二リン酸化体、三リン酸化体)となる。・二リン酸化体: リボヌクレオチドレダクターゼ阻害により間接的にDNA合成を阻害\n・三リン酸化体: DNAに組み込ま���ることで直接的にDNA合成を阻害\n4:正\nタモキシフェンは、乳がん組織のエストロゲン受容体を拮抗的に遮断し、乳がん細胞の増殖を阻害する。5:誤\nトラスツズマブは、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)が過剰に発現しているがん細胞の増殖を抑制する。なお、CD20抗原を有する細胞を補体依存的に傷害するのは、リツキシマブである。"} +{"problem_id": "099166", "problem_text": "薬物の生体膜輸送についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["単純拡散による輸送速度は薬物濃度差に比例するが、促進拡散及び能動輸送で飽和性が見られる。", "単純拡散による輸送は生体エネルギーを必要としないが、促進拡散及び能動輸送では生体エネルギーを必要とする。", "単純拡散及び促進拡散の場合、薬物の濃度勾配に従って輸送されるが、能動輸送では濃度勾配に逆らって輸送される場合がある。", "能動輸送はトランスポーターを介して起こるが、単純拡散及び促進拡散にはトランスポーターは関与しない。", "単純拡散及び促進拡散の場合、構造類似体の共存による影響は受けないが、能動輸送では影響を受ける場合がある。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n単純拡散による輸送速度は、Fickの法則に従うため、その輸送速度と薬物濃度差は比例の関係を示す。促進拡散及び能動輸送はMichaelis-Menten式に従うため、それらの輸送では飽和性が見られる。2:誤\n単純拡散及び促進拡散による輸送は生体エネルギーを必要としないが、能動輸送では生体エネルギーを必要とする。3:正\n単純拡散及び促進拡散では、濃度勾配に従った輸送が起こるが、能動輸送では、濃度勾配に逆らった輸送が起こることがある。4:誤\n促進拡散及び能動輸送は、トランスポーターを介して起こるが、単純拡散にはトランスポーターは関与しない。5:誤\n単純拡散の場合、構造類似体の共存による影響を受けないが、能動輸送及び促進拡散では、構造類似薬物の共存により、膜透過速度が低下することがある。"} +{"problem_id": "099167", "problem_text": "薬物の経口吸収動態についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["インドメタシンファルネシルは、高脂防食を摂取した後に服用すると、脂肪成分と結合するため、吸収量が減少する。", "リファンピシンの反復投与により、小腸上皮細胞のP-糖タンパク質の発現が誘導され、ジゴキシンの吸収量が増大する。", "リボフラビンは、十二指腸付近のトランスポーターにより吸収されるので、プロパンテリン臭化物の併用により吸収量が増大する。", "セファレキシンの吸収は、ペプチドトランスポーターPEPT1を介したNa^{+}との共輸送により行われる。", "グリセオフルビンは、その粒子径が小さいほど有効表面積が大きく、溶解が速いため、吸収速度が大きい。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nインドメタシンファルネシルは脂溶性が高いため、高脂肪食を摂取した後に服用すると、胆汁酸の可溶化作用により吸収量が増加する。2:誤\nジゴキシンは小腸上皮細胞のP糖タンパク質により管腔側への排出されるため、リファンピシンの反復投与により小腸上皮細胞のP-糖タンパク質の発現が誘導されると、ジゴキシンの吸収量は低下する。3:正\nリボフラビンは、十二指腸上部に存在するトランスポーターより吸収される。そのため、リボフラビンと胃内容排泄速度(GER)を減少させる薬物(プロパンテリンなど)を併用すると、リボフラビンを輸送する担体に飽和現象が認められにくくなり、リボフラビンの吸収量が増加する。4:誤\nセファレキシンの吸収は、ペプチドトランスポーター(PEPT1)を介したH^{+}との共輸送により行われる。5:正\nグリセオフルビンのような難溶性物質は、その粒子径が小さいほど有効表面積が大きく、溶解が速いため、吸収速度が大きい。"} +{"problem_id": "099168", "problem_text": "下図は、薬物と血漿タンパク質との結合実験の結果から得られた両逆数プロットである。この薬物の血漿タンパク質に対する結合定数K((\\micro mol/L)^{-1})として最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、図中のrは血漿タンパク質1分子あたりに結合している薬物の分子数を、[D_{f}] (\\micro mol/L)は非結合形薬物濃度を示す。", "choices": ["25", "50", "100", "125", "250"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "設問の図は、薬物と血漿タンパク質との結合実験の結果から得られた両逆数プロットである。両逆数プロットの縦軸切片、横軸切片より、薬物の血漿タンパク質に対する結合定数Kや結合部位数nを求めることができる。両逆数プロットの縦軸切片は、結合部位数の逆数値(1/n)であり、横軸切片は、結合定数の負の値(-K)である。よって、設問のグラフより、この薬物の血漿タンパク質に対する結合定数Kは、125である。"} +{"problem_id": "099169", "problem_text": "イトラコナゾールによるシトクロムP450(CYP)の阻害機構はどれか。1つ選べ。", "choices": ["CYPのアポタンパク質に配位結合する。", "CYPのアポタンパク質に共有結合する。", "CYPのヘム鉄に配位結合する。", "CYPのヘム鉄に共有結合する。", "CYPの分解を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "イトラコナゾールは、CYPのヘム鉄に配位結合するにより、CYPの活性を阻害する。イトラコナゾールがCYPのヘム鉄に配位結合すると、酸素が結合できなくなりCYPの活性が可逆的に阻害される。"} +{"problem_id": "099170", "problem_text": "次のグラフのうち、薬物の血漿中濃度に対する尿中排泄速度(dX_{u}/dt)及び腎クリアランス(CL_{r})の関係が正しく示されているのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "尿中排泄速度は腎クリアランスと血中濃度の積で表されることから、各グラフの尿中排泄速度、腎クリアランス、血中濃度の関係が正しいかを確認することで回答を導くことが可能である。1:誤\n血漿中濃度の増加に伴って、腎クリアランスが増加している。この場合、尿中排泄速度は2次的に上昇するが、本グラフにおいて尿中排泄速度が一定である。よって、このグラフは不適切なグラフである。2:正\n血漿中濃度が増加しているが、腎クリアランスは一定である。この場合、尿中排泄速度は血漿中濃度に比例して増加する。3:正\n血漿中濃度の増加に伴って、腎クリアランスは低下している。この場合、尿中排泄速度は頭打ちになる。4:誤\n解説2参照\n5:誤\n血漿中濃度の増加に伴って、腎クリアランスが増加している。この場合、尿中排泄速度は2次的に上昇するが、本グラフにおいて尿中排泄速度が一定である。よって、このグラフは不適切なグラフである。"} +{"problem_id": "099171", "problem_text": "薬物相互作用の回避方法に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["セフジニルは鉄イオンとキレートを形成して溶解性が低下するため、鉄剤の併用が必要な場合には、互いの服用時間を2〜3時間ずらす。", "セントジョーンズワートは、小腸上皮細胞のCYP3A4やP-糖タンパク質の発現を誘導するので、タクロリムス水和物との併用を避ける。", "プロベネシドはアンピシリンの腎尿細管分泌を阻害するので、抗生物質を腎排泄型でないものに変更する。", "シメチジンは肝CYP3A4を阻害し、トリアゾラムの作用時間の著しい延長を引き起こすので、睡眠導入薬を非代謝型であるブロチゾラムに変更する。", "フルルビプロフェンとノルフロキサシンを併用すると痙れんを起こすことがあるので、フルルビプロフェンをアセトアミノフェンに変更する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\nセフジニルと鉄を併用すると、難溶性のキレートを形成することによりセフジニルの溶解性が低下し、吸収が低下することがある。そのため、セフジニルと鉄を併用する場合には、互いの服用時間を2〜3時間ずらすことにより、相互作用を回避することができる。2:正しい\nセントジョーンズワートを服用することにより、小腸上皮細胞のCYP3A4とP-糖タンパク質が誘導されるため、セントジョーンズワートとタクロリムスを併用すると、タクロリムスの吸収が低下し、血中濃度が低下する可能性がある。そのため、セントジョーンズワートとタクロリムスの併用を避けることにより、相互作用を回避することができる。3:正しい\nプロベネシドはアンチピリンの腎尿細管分泌を阻害するため、アンチピリンを腎排泄型でないものに変更することで、相互作用を回避することができる。4:誤っている\nシメチジンは肝CYP3A4を阻害するため、トリアゾラムやブ���チゾラムの血中濃度を上昇させる。そのため、トリアゾラムをブロチゾラムに変更しても相互作用を回避することはできない。5:正しい\nノルフロキサシンのGABA受容体結合阻害作用が、フルルビプロフェンとの併用により増強される。そのため、フルルビプロフェンをアセトアミノフェンに変更することにより、相互作用を回避することができる。"} +{"problem_id": "099172", "problem_text": "薬物A、B、C、Dを同じ投与量で急速静脈内投与したところ、下図のような血漿中濃度推移が得られた。これらの薬物の体内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["これらの薬物の中で、最も全身クリアランスが大きいのは薬物Aである。", "薬物Bと薬物Cの直線の傾きは、平行関係にあるので、分布容積が等しい。", "薬物Bと薬物Dは、縦軸の切片が等しいので、分布容積が等しい。", "薬物Cは薬物Dと比較して、分布容積は小さいが消失速度定数は大きい。", "これらの薬物の中で、消失速度定数が最も大きいのは薬物Dである。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "血漿中濃度の対数値を時間に対してプロットすると、縦軸切片より初期の血中濃度C_{0}、傾きより消失速度定数k_{e}を求めることができる。また、分布容積V_{d}は、投与量D/初期の血中濃度C_{0}であることから、Dが同じ場合、C_{0}とV_{d}は反比例の関係が成立する。1:誤\n薬物Aは縦軸切片が最も大きいため、V_{d}が最も小さく、また、傾きも最も小さいことから、k_{e}も最も小さい。よって、薬物Aの全身クリアランスは最も小さい。*全身クリアランスは消失速度定数k_{e}と分布容積V_{d}の積より求めることができる。2:誤\n薬物Bと薬物Cの直線の傾きは、平行関係にあるためk_{e}は等しいが、縦軸の切片が異なるためV_{d}は異なる。3:正\n4:誤\n薬物Cと薬物Dを比較すると、薬物Cは縦軸切片及び傾きが小さい。そのため、薬物Cは薬物Dと比較して、V_{d}は大きいがk_{e}は小さい。5:正\nA〜Dの薬物の中で、薬物Dの傾きが最も大きい。そのため、これらの薬物の中でk_{e}が最も大きいのは薬物Dである。"} +{"problem_id": "099173", "problem_text": "薬物Aの体内動態は線形1-コンパートメントモデルに従い、血中消失半減期は7時間、分布容積は20 Lである。この薬物10 mg を5時間ごとに操り返し経口投与したところ、定常状態における平均血中濃度は0.8 \\micro g/mLとなった。薬物Aの経口投与後のバイオアベイラビリティとして、最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、ln2=0.693とする。", "choices": ["0.1", "0.2", "0.4", "0.6", "0.8"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "<バイオアベイラビリティを求める式をたてる>\n繰り返し投与では、以下の式が成立する。\\tau ・C_{ss}=AUC\n上記の式を変換すると、バイオアベイラビリティFを次のような式で表すことができる。\\tau : 投与間隔、C_{ss}: 定常状態の平均血漿中濃度、X_{0}: 体内へ移行した未変化体総量、D: 投与量、k_{e}: 消失速度定数、V_{d}: 分布容積\n<消失速度定数を求める>\n消失速度定数k_{e}は以下の式より求めることができる。k_{e}=0.693/t_{1/2}t_{1/2}: 消失半減期\n問題文に「血中消失半減期は7時間」とあることから、消失速度定数k_{e}を以下のように求めることができる。k_{e}=0.693/t_{1/2}=0.693/7\\fallingdotseq 0.1 hr^{-1}\nこれらのことから、バイオアベリラビリティFを以下のように求めることができる。"} +{"problem_id": "099174", "problem_text": "pKa=5.2の1価の弱酸性薬物水溶液に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、イオン形薬物はすべて溶解するものとする。", "choices": ["pH5.2の溶液中では、分子形の薬物のみが存在する。", "pH7.2の溶液中では、イオン形薬物分率は約1%である。", "pH6.2における溶解度は、pH5.2と比較して約10倍である。", "pH7.2における溶解度は、pH5.2と比較して約50倍である。", "pH7.2における溶解度は、pH5.2と比較して約100倍である。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "弱酸性薬物の分子形の濃度とイオン形の濃度の比は、以下の式(Henderson-Hasselbalch式)で表される。また、弱酸性薬物の溶解度C_{s}は、以下の式より求めることができる。C_{s}=C_{s}_{分子}(1+10^{pH-pKa})\n<分子形の濃度とイオン形の濃度の比を求める>\npH=5.2\n分子形: イオン形=1: 1\npH=7.2\n分子形: イオン形=1: 100\n*pH7.2におけるイオン形分率���100/101\\times 100\\fallingdotseq 99(約99%)\n<溶解度を求める>\npH5.2\nC_{s}=C_{s}_{分子}(1+10^{5.2-5.2})=2\\times C_{s}_{分子}\npH6.2\nC_{s}=C_{s}_{分子}(1+10^{6.2-5.2})=11\\times C_{s}_{分子}\n*pH5.2に比べ、約5倍\npH7.2\nC_{s}=C_{s}_{分子}(1+10^{7.2-5.2})=101\\times C_{s}_{分子}:*pH5.2に比べ、約50倍\nこれらのことから、「pH7.2における溶解度は、pH5.2と比較して約50倍である。」"} +{"problem_id": "099175", "problem_text": "界面活性剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ラウリル硫酸ナトリウムは、液体表面に吸着されにくく、負吸着を示す。", "界面活性剤水溶液の表面張力は、臨界ミセル濃度以上で急激に低下する。", "イオン性界面活性剤の水への溶解度は、クラフト点以上で急激に上昇する。", "非イオン性界面活性剤の水への溶解度は、曇点以上で急激に低下する。", "HLB(hydrophile-lipophile balance)値が5未満の界面活性剤は、水に極めて溶けやすい。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nラウリル硫酸ナトリウムは界面活性剤であり、水に溶解すると液体表面に吸着(正の吸着)し、表面張力を低下させる。2:誤\n界面活性剤水溶液の表面張力は、臨界ミセル濃度以下では低下するが、臨界ミセル濃度以上ではほとんど変化しない。3:正\nイオン性界面活性剤水溶液をクラフト点以上にすると、溶液中のイオン性界面活性剤がミセル形成するため、イオン性界面活性剤の水への溶解度は急激に上昇する。4:正\n非イオン性界面活性剤水溶液を曇点以上にすると、非イオン性界面活性剤の親水基と水との間で形成されていた水素結合が切断され、非イオン性界面活性剤の水和度が低下する。5:誤\nHLB値が7より小さい界面活性剤は、水に溶けにくい。"} +{"problem_id": "099176", "problem_text": "大小2種類の粒子径を有する同一物質の混合粒子の質量を、分散沈降法により沈降天秤を用いて測定したところ、図に示す結果を得た。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、粒子の沈降はストークスの式に従うものとする。", "choices": ["大粒子と小粒子の粒子径比は2: 1である", "大粒子と小粒子の粒子径比は4: 1である。", "大粒子と小粒子の質量比は1: 2である。", "大粒子と小粒子の質量比は2: 3である。", "大粒子と小粒子の質量比は1: 4である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "<大粒子と小粒子の質量比を求める>\n沈降初期(0〜10分の間)では大粒子と小粒子が同時に沈降していると考えられ、それ以降(10〜40分の間)では、小粒子のみが沈降していると考えられる。10〜40分累積沈降量の推移より、小粒子が10分間で0.1 g沈降している。このことより、小粒子の質量は次のように求めることができる。小粒子の質量=0.1 g/10分\\times 40分=0.4 g\nまた、累積質量の全量が0.5 gであることから、大粒子の質量を以下のように求めることができる。大粒子の質量=0.5 g-0.4 g=0.1 g\nこれらのことから、大粒子と小粒子の質量比は1: 4である。<大粒子と小粒子の粒子形比>\n大粒子の沈降時間は10分、小粒子の沈降時間は40分であることから、大粒子と小粒子の沈降速度の比は4: 1である。沈降速度は粒子径の2乗に比例するため、大粒子と小粒子の粒子径の比は、2: 1となる。"} +{"problem_id": "099177", "problem_text": "高分子材料に関する記述のうち、正しいのはどれ か。2つ選べ。", "choices": ["ゼラチン水溶液に貧溶媒のエタノールを加え続けると、ゼラチンの高濃度相(コアセルベート)が分離する。", "ヒアルロン酸ナトリウムは、優れた保水性を有する天然高分子である。", "マクロゴール6000は、常温で液体である。", "セラセフェートは、pH2付近で溶解する胃溶性高分子である。", "カルメロースカルシウムは、水に容易に溶解し、増粘剤として用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nゼラチンのような親水コロイドを溶解した水に貧溶媒であるエタノールを加えると、ゼラチンの高濃度相と低濃度相の2相に分離する。なお、この現象をコアセルベーションという。2:正\nヒアルロン酸ナトリウムは、優れた保水性を有する天然高分子である。3:誤\nマクロゴールの末尾の数字は平均分子量を示しており、マクロゴールの末尾の数字が1000未満のものは常温で液体、1000以上のものは固体として存在する。よって、��クロゴール6000は、常温で固体である。4:誤\nセラセフェート(酢酸フタル酸セルロース)は、中性〜アルカリ性下(腸内)で溶解する腸溶性高分子であり、腸溶性コーティング剤として用いられる。5:誤\nカルメロースカルシウムは、水に溶解せず、水を吸収して膨張する性質をもつことから崩壊剤として用いられる。"} +{"problem_id": "099178", "problem_text": "ターゲティングに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["受動的ターゲティングとは、標的部位を特異的に認識できる抗体や糖タンパク質などを薬物に結合させて体内分布を制御する手法である。", "逆ターゲティングとは、副作用を発現する部位への薬物分布を回避する手法である。", "リポソームは、内部の疎水性コアに薬物を含有させた高分子ミセル製剤である。", "昇圧化学療法とは、抗がん薬をマイクロカプセルなどのキャリアーに封入して、腫瘍の栄養動脈に注入する治療法である。", "標的細胞内で特異的に発現する酵素により親薬物に変換されるプロドラッグを用いることで、薬物の標的細胞への選択的作用が得られる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n受動的ターゲティングとは、生体の血管透過性などの生理学的、解剖学的特性、あるいは正常組織と病態組織の違いを利用して、相対的に標的部位での薬物濃度を高める手法のことである。なお、標的部位を特異的に認識できる抗体や糖タンパク質などを薬物に結合させて体内分布を制御する手法は、能動的ターゲティングである。2:正\n3:誤\nリポソームとは、内部の親水性コアに薬物を含有させた高分子ミセル製剤である。4:誤\n昇圧化学療法の概要を以下に示す。・抗がん剤とアンギオテンシンIIを併用する\n・アンギオテンシンIIが腫瘍組織における血管より正常の組織における血管をより収縮する。・正常組織に比べ、腫瘍組織の血管透過性が亢進し、それにより抗がん剤の腫瘍組織への移行性が向上する。5:正\n標的細胞内で特異的に発現する酵素により親薬物に変換されるプロドラッグにドキシフルリジンがある。ドキシフルリジンは、腫瘍部位で活性の高いピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼにより5-フルオロウラシルに変換されることを利用して組織移行性を向上させている。"} +{"problem_id": "099179", "problem_text": "局所作用を目的とした製剤はどれか。2つ選べ。", "choices": ["ブプレノルフィン塩酸塩坐剤", "バンコマイシン塩酸塩散", "デスモプレシン酢酸塩水和物点鼻液", "ブデソニド吸入液", "ツロブテロール貼付剤"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "薬剤には、全身作用を示すものと局所作用を示すものがある。全身作用と局所作用の概要を以下に示す。・全身作用: 有効成分が循環血液中に移行して標的部位に達し作用を発現する\n・局所作用: 有効成分が循環血液中に移行せず適用部位で作用を発現する\n1:全身作用を目的とした製剤\nブプレノルフィン塩酸塩坐剤は、直腸から吸収されて循環血液中に移行し、中枢神経系に到達して作用を発現する。2:局所作用を目的とした製剤\nバンコマイシン塩酸塩散は、ほとんど消化管から吸収されることなく、消化管で作用を示す。3:全身作用を目的とした製剤\nデスモプレシン酢酸塩水和物点鼻液は、鼻粘膜から吸収されて循環血液中に移行し、腎に到達して作用を発現する。4:局所作用を目的とした製剤\nブテゾニド吸入液は、ほとんど吸収されることなく気道において抗炎症作用を示す。5:全身作用を目的とした製剤\nツロブテロール貼付剤は、皮膚から吸収されて循環血液中に移行し、気道平滑筋に到達して作用を発現する。"} +{"problem_id": "099180", "problem_text": "凍結乾燥注射剤を製造するプロセス中のA、B、Cにあてはまる単位操作の正しい組合せはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "凍結乾燥注射剤を製造する過程では、薬物と添加剤を溶剤に溶解させた後ろ過滅菌を行い(A)、あらかじめ洗浄・滅菌した注射溶剤の容器に充てんする。その後、凍結乾燥(B)させて水分を取り除いたのち密封(C)を行い、検査・包装する。"} +{"problem_id": "099181", "problem_text": "22歳男性。小児期より、インスリンの皮下注射を毎朝施行していたが、就職し、生活が不規則になっていた。その男性がある朝、倒れているのが発見された。意識不鮮明。呼びかけに答えない。血圧90/60 mmHg、呼吸数20/分、脈拍100/分整。尿カテーテルを挿入し尿検査したところ、尿糖(+++)、タンパク(+)、ケトン体(+++)だった。動脈血液ガス分析を施行した時のpHの値に最も近いと考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["8.0", "7.6", "7.4", "7.2", "6.0"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "尿検査(尿糖(+++)、ケトン体(+++))の結果より、本患者は、糖尿病性ケトアシドーシスによる昏睡を起こしていると考えられる。糖尿病性ケトアシドーシスでは、血液のpHは酸性側に傾いていることから、患者の動脈血pHは7.35未満であると推測される(通常の血液のpHは7.35〜7.45である)。また、血液のpHが6.0になると、通常、死に至ることから、本患者の動脈血pHに最も近い値は7.2であると考えられる。"} +{"problem_id": "099182", "problem_text": "66歳男性。労作性狭心症のため2週間前にカテーテル治療(Percutaneous coronary intervention, PCI)を受けステントを挿入された。その後退院し、外来受診となった。現在の処方薬 本日の検査結果 LDL-コレステロール122 mg/dL、HDL-コレステロール53 mg/dL、トリグリセリド110 mg/dL、空腹時血糖90 mg/dL、HbA1c(JDS)値5.6%、HbA1c(NGSP)値6.0% 本症例に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["脂質検査はすべて正常であり、アトルバスタチンカルシウム水和物の投与を中止する。", "血糖はコントロール不良なので、経口糖尿病用薬の追加が必要である。", "クロピドグレル硫酸塩の血小板凝集抑制作用は、CYP2C19遺伝子多型により変動する。", "アスピリンによる消化性潰瘍の副作用に注意が必要である。", "抗血小板薬の併用の必要はない。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n脂質検査値について以下に示す。・LDL-コレステロール:140 mg/dL以上\n・HDL-コレステロール:40 mg/dL以下\n・トリグリセリド:150 mg/dL以上\n上記のいずれかを確認した場合、脂質異常症であると診断される。本患者の脂質検査はすべて正常であるが、本患者のようにステントを挿入された患者では、LDL-コレステロールを100 mg/dL未満に抑える必要がある。よって、本患者は、アトルバスタチンカルシウム水和物の投与を継続することが望ましい。2:誤\n血糖に関する検査値について以下に示す。・空腹時血糖126 mg/dL未満\n・HbA1c(JDS)値6.1%未満\n・HbA1c(NGSP)値6.5%未満\n上記の場合、血糖コントロールは良好であるとされる。検査値より、本患者の血糖コントロールは良好であり、経口糖尿病用薬の追加は必要ない。3:正\nクロピドグレル硫酸塩は主にCYP2C19によって代謝を受けるため、CYP2C19遺伝子多型によりクロピドグレル硫酸塩の血小板凝集抑制作用は変動する。4:正\nアスピリンは、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害し、プロスタグランジン(PG)産生を抑制するため、副作用として胃酸分泌増加や胃粘膜産生低下等による消化性潰瘍を起こすことがある。5:誤\n冠動脈へのステント留置処置後は、血栓が形成されやすい状態となっているため、少なくとも施術後3ヶ月間は、血栓症のリスク軽減するために抗血小板薬を併用する必要がある。"} +{"problem_id": "099183", "problem_text": "子宮内膜症に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["不妊症の原因の一つである。", "主訴は生理痛が多い。", "卵管や卵巣にも病変が発生する。", "子宮内膜の増殖は、プロゲステロンにより促進される。", "GnRH(gonadtropin-releasing hormone)アゴニストが治療に用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n本疾患により、排卵不全、着床不全等がみられることから、本疾患は不妊症の原因の一つである。2:正しい\n本疾患の症状として、生理痛、下腹部痛、性交痛、不妊等が現れる。3:正しい\n本疾患では、卵管、卵巣、膣等の子宮粘膜上皮以外の場所に子宮内膜やその組織が発生する。4:誤っている\n子宮内膜の増殖は、エストロゲンにより促進されるため、エストロゲンの分泌、感受性が亢進すると、子宮内膜が異常に増殖し、本疾患を引き起こす。5:正しい\n本疾患の治療薬には、GnRHアゴニストが用いられる。GnRHアゴニストは、反復投与により性腺刺激ホルモ��放出ホルモンの受容体を減少させ、エストロゲンの分泌抑制を誘発し、子宮内膜の増殖を抑制する作用を有する。"} +{"problem_id": "099184", "problem_text": "60歳男性。5年前に肝硬変と診断され、1年前から腹水が認められるようになった。3日前から、軽度の意識障害を認めるようになったため来院した。来院時、診察所見として、羽ばたき振戦を認めた。この患者において、意識障害の軽減が期待できる経口製剤はどれか。2つ選べ。", "choices": ["ランソプラゾール錠", "スピロノラクトン錠", "カナマイシン一硫酸塩カプセル", "ウルソデオキシコール酸錠", "ラクツロースシロップ"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "本症例では、肝硬変により軽度の意識障害、羽ばたき振戦を認めていることから、肝性脳症を引き起こしていると考えられる。肝性脳症による意識障害を軽減するためには、高アンモニア血症の改善やFisher比の是正を行えばよい。選択肢のうち、肝性脳症の意識障害を軽減するために用いられる薬物は、カナマイシン一硫酸塩カプセルとラクツロースシロップである。それぞれの作用を以下に示す。・カナマイシン一硫酸塩は、NH_{3}産生菌を抑制して高アンモニア血症を改善する。・ラクツロースは腸管内で有機酸に分解されて腸管内pHを低下させ、アンモニアの生産・吸収を抑制して高アンモニア血症を改善する。1:誤\nランソプラゾールはプロトンポンプ阻害薬であり、胃潰瘍、十二指腸潰瘍等の治療に用いられる。2:誤\nスピロノラクトンはカリウム保持性利尿薬であり、肝性浮腫等の治療に用いられる。3:正\n4:誤\nウルソデオキシコール酸は肝庇護薬であり、慢性肝炎時の肝機能改善に用いられる。5:正"} +{"problem_id": "099185", "problem_text": "腎機能が低下している患者において、腎機能を急激に悪化させる危険性が高い処置はどれか。2つ選べ。", "choices": ["生理食塩水の点滴静脈注射", "アセトアミノフェン錠による鎮痛", "イオパミドール注射液を用いた胸部CT検査", "プラゾシン塩酸塩錠による降圧", "ゲンタマイシン硫酸塩注射液による感染症治療"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "選択肢のうち、腎機能が低下している患者において、腎機能を急激に悪化させる危険性の高いものは、「イオパミドール注射液を用いた胸部CT検査」「ゲンタマイシン硫酸塩注射液による感染症治療」である。・イオパミドールは、重篤な腎障害患者には原則禁忌とされている。理由: 本剤の主たる消失経路が腎臓であり、腎機能低下患者では排泄遅延から急性腎不全等、症状が悪化することがある。・ゲンタマイシンは、腎障害のある患者に慎重投与とされている。理由: 高い血中濃度が持続し、腎障害が悪化するおそれがある。"} +{"problem_id": "099186", "problem_text": "アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬の吸入剤による気管支ぜん息の薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["短時間作用型は、長期管理における基本治療薬である。", "サルメテロールキシナホ酸塩は長時間作用型である。", "短時間作用型は、1日1吸入を基本とし、効果不十分の場合は1時間以上間隔をあけて使用する。", "副作用として、高カリウム血症がある。", "副作用として、振戦がある。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬の吸入剤には長時間作用型のものと短時間作用型のものが存在する。それぞれの用途を以下に示す。・長時間作用型: 喘息の長期管理薬(コントローラー)として用いられる。・短時間作用型: 喘息の発作改善薬(リリーバー)として用いられる。1:誤\n前記参照\n2:正\nサルメテロールキシナホ酸塩は長時間作用型であり、長期管理薬として用いられる。3:誤\n短時間作用型は、1日1〜4回の吸入を基本とし、効果不十分の場合は3〜6時間ほど間隔をあけて使用する。4:誤\nアドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬は、副作用として低カリウム血症、振戦、頻脈等がある。5:正\n解説4参照"} +{"problem_id": "099187", "problem_text": "脳血管障害に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ラクナ梗塞では、軽度の運動障害や感覚障害を呈し、意識障害はほとんど見られない。", "アテローム血栓性脳梗塞では、活動時に突然発症し、片麻痺、���識障害を高頻度に認める。", "心原性脳梗塞では、一過性脳虚血発作が先行する例が多く、安静時に好発する。", "クモ膜下出血では、意識障害を示すことは少ない。", "脳出血では、意識障害を高頻度に認める。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nラクナ梗塞は、細い穿通枝動脈の閉塞であり、その症状として、軽度の運動障害や感覚障害を呈するが、意識障害はほとんど見られない。2:誤\nアテローム血栓性脳梗塞は、脳主冠動脈の動脈硬化部位に血栓が形成されることにより起こる閉塞であり、安静時に好発する。3:誤\n心原性脳梗塞は、心臓内で形成された血栓が遊離することにより起こる脳動脈の閉塞であり、活動時に突然発症し、片麻痺、意識障害を高頻度に認める。4:誤\nクモ膜下出血は、脳動脈瘤の破裂等によりクモ膜下腔に起こる出血であり、その症状として、突然の激しい頭痛、嘔吐、意識障害等が見られる。5:正\n脳出血は、高血圧等により脳実質内に起こる出血であり、その症状として、意識障害、片麻痺、頭痛、嘔吐、構音障害等が見られる。"} +{"problem_id": "099188", "problem_text": "パーキンソン病の典型的な症状として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["企図振戦", "突進現象", "固縮", "姿勢反射障害", "丸薬まるめ運動"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "パーキンソン病は、中脳・黒質にあるドパミン作動性神経の変性を原因とする疾患であり、以下のような症状を呈する。・姿勢反射障害(突進現象)\n・筋固縮\n・安静時振戦(丸薬まるめ運動)\n・無動\nなお、企図振戦は、意図的な動作を行った際手足に震えが生じる症状であり、小脳障害で認められる。"} +{"problem_id": "099189", "problem_text": "メニエール病の病態及び治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["めまいは反復性である。", "蝸牛内の内リンパ液が減少している。", "聴力は正常である。", "ベタヒスチンメシル酸塩が内服で用いられる。", "プロプラノロール塩酸塩が静注で用いられる。", "プロカテロール塩酸塩水和物が内服で用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本疾患でみられるめまいは反復性である。2:誤\n本疾患では、蝸牛内の内リンパ液が増加している。3:誤\n本疾患により、難聴や耳鳴りが起こることがある。4:正\n本疾患の治療には、ベタヒスチンメシル酸塩が内服で用いられる。ベタヒスチンメシル酸塩は、内耳の血液循環を改善し、内リンパ水腫を除去することによりめまいを抑制する。5:誤\nプロプラノロール塩酸塩は、副作用としてめまいを起こすことがあるため、メニエール病の治療には用いられない。6:誤\nプロカテロール塩酸塩水和物は、副作用としてめまいを起こすことがあるため、メニエール病の治療には用いられない。"} +{"problem_id": "099190", "problem_text": "緑内障の病態と薬物療法に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["レボドパは、原発性閉塞隅角緑内障の患者には禁忌である。", "ラタノプロストは、ぶどう膜強膜流出路からの房水の流出を促進させる。", "ドルゾラミド塩酸塩は、毛様体上皮細胞の炭酸脱水酵素を阻害して房水産生を抑制する。", "チモロールマレイン酸塩の点眼薬は、気管支ぜん息のある患者には投与禁忌である。", "ジピベフリン塩酸塩は、原発性閉塞隅角緑内障の患者に用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nレボドパは、体内で代謝されてノルアドレナリンとなり、交感神経を刺激して瞳孔散大筋を収縮させることにより、眼房水の排泄を抑制するため、原発性閉塞隅角緑内障の患者には禁忌である。2:正しい\nラタノプロストはプロスタグランジンF_{2}_{\\alpha }誘導体であり、ぶどう膜強膜流出路からの房水の流出を促進させる。3:正しい\nドルゾラミド塩酸塩は、毛様体上皮細胞のII型炭酸脱水酵素を阻害して眼房水産生を抑制する。4:正しい\nチモロールマレイン酸塩は\\beta 受容体遮断薬であり、気道平滑筋収縮作用により気管支ぜん息を悪化させることがあるため、気管支ぜん息のある患者には投与禁忌である。5:誤っている\nジピベフリン塩酸塩は、交感神経興奮作用による一過性の眼圧上昇を示すため、原発性閉塞隅角緑内障の患��には投与禁忌である。なお、ジピベフリン塩酸塩は、眼房水産生抑制作用や排出促進作用により眼圧を低下させる働きも併せもつため、開放隅角緑内障の治療には用いることができる。"} +{"problem_id": "099191", "problem_text": "関節リウマチに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["滑膜細胞からは、IL-6やTNF-\\alpha などの炎症性サイトカインが分泌される。", "合併症として、間質性肺炎がある。", "リウマトイド因子は、IgMのFc部分に対する自己抗体である。", "全身の大小の関節が障害されるが、脊椎は障害されない。", "手指では、特に遠位指節間関節(DIP)が障害されやすい。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n本疾患では、滑膜細胞からIL-6やTNF-\\alpha などの炎症性サイトカインが分泌され、骨破壊が亢進する。2:正\n本疾患は、関節炎を主症状とする全身性免疫疾患であり、合併症として、間質性肺炎、リウマトイド結節、貧血、血管炎等の関節外症状を起こすことがある。3:誤\nリウマトイド因子は、IgGのFc部分に対する自己抗体であり、関節リウマチ患者の多くで認められることから、関節リウマチのマーカーとして利用されている。4:誤\n本疾患における関節症状は手指等の小関節から始まることが多いが、症状の進行にしたがって大関節、脊髄まで障害される場合もある。5:誤\n本疾患では手指の近位指節間関節(PIP)や中指節間関節(MCP)が障害されやすく、遠位指節間関節(DIP)は障害されにくい。"} +{"problem_id": "099192", "problem_text": "58歳男性。体重55 kg。直腸がんの再発のため、オキサリプラチン、フルオロウラシル、レボホリナートカルシウム、薬物Xによる治療を受けた。治療開始10日頃より、顔面にざ瘡様皮膚炎が起こり、その後皮膚亀裂及び爪周囲炎が見られた。この症状は薬物Xの副作用と考えられた。薬物Xにあてはまるものはどれか。2つ選べ。", "choices": ["セツキシマブ", "クリゾチニブ", "テムシロリムス", "イリノテカン硫酸塩水和物", "パニツムマブ"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "本症例では、直腸がんの再発に対して、オキサリプラチン、フルオロウラシル、レボホリナートカルシウムによるFOLFOX療法を行っている。FOLFOX療法では、分子標的薬であるベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブが併用して投与されることがある。選択肢のうち、FOLFOX療法と併用されるのは、「セツキシマブ」「パニツムマブ」である。セツキシマブ、パニツムマブは共に副作用として、ざ瘡様皮膚炎、皮膚亀裂、爪周囲炎等を起こすことがある。"} +{"problem_id": "099193", "problem_text": "医薬品の承認申請時に作成されるCTD(Common Technical Document)に含まれないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["品質に関する文書", "非臨床試験報告書", "臨床試験報告書", "薬価設定に関する文書", "販売計画書"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "医薬品承認申請時に用いられる資料の形式を国際的に共通化することにより、医薬品の承認申請を迅速に行えることが期待できるため、医薬品の承認申請時に作成される資料は、CTD(Common Technical Document)に従い作成するよう国際的に統一化されている。医薬品承認申請時の添付資料は以下の5部より構成されており、そのうち、第2〜5部までをCTDにしたがって作成する。第1部: 申請書など行政情報及び添付文書に関する情報\n第2部: CTDの概要\n第3部: 品質に関する文書\n第4部: 非臨床試験報告書\n第5部: 臨床試験報告書\n上記より、薬価設定に関する文書(選択肢4)、販売計画書(選択肢5)はCTDには含まれない。"} +{"problem_id": "099194", "problem_text": "多変量解析の各手法のうち、量的変数を目的変数に用いるものはどれか。2つ選べ。", "choices": ["重回帰分析", "ロジスティック回帰分析", "判別分析", "数量化I類", "数量化II類"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "多変量解析では、量的変数と質的変数を用いて、原因側のデータ(説明変数)と結果側のデータ(目的変数)より何らかの結果を予測するものである。多変量解析においては、分析法の種類により目的変数、説明変数が異なる。以下に説明変数及び目的変数と分析法の種類の関係を示す。参考\n量的変数: 数値(数量)で表される変数(例: 血圧、身長、体重など)\n質��変数: 数値で表現できない変数(例: 有効・無効、男性、女性など)"} +{"problem_id": "099195", "problem_text": "新生児、乳児への投与禁忌とその理由に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["スルファメトキサゾール・トリメトプリム顆粒剤は、高ビリルビン血症を発症する恐れがあるため、新生児には投与禁忌である。", "クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウム注射剤は、呼吸抑制を起こすことがあるため、低出生体重児、新生児には投与禁忌である。", "アミノ安息香酸エチル末(内用)は、メトヘモグロビン血症を起こすことがあるため、乳児には投与禁忌である。", "ジアゼパム坐剤は、中枢神経抑制作用が強いので、乳児には投与禁忌である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nスルファメトキサゾールはサルファ剤であり、血漿タンパク質と強く結合することから、新生児に投与すると、タンパク置換により高ビリルビン血症を発症する恐れがあるため、新生児には投与禁忌である。2:誤\nクロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウム注射剤は、新生児に投与するとグレイ症候群を引き起こす可能性があるため、新生児には投与禁忌となっている。3:正\nアミノ安息香酸エチル末(内用)は、乳児に投与するとメトヘモグロビン血症を起こすことがあるため、乳児には投与禁忌である。4:誤\nジアゼパム坐剤は、代謝機能が未発達な乳児には慎重投与であるとされているが、投与禁忌ではない。"} +{"problem_id": "099196", "problem_text": "病棟の看護師から、点滴静注しているラインの側管からジアゼパム注射液を注入したところ、ラインに残存する他の注射液と混ざり、白濁してしまったとの問い合わせが薬剤部にあった。ジアゼパム注射液において、上記白濁が起こった理由として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["亜硫酸塩を含む注射剤との混合により、加水分解を受けた。", "希釈により溶解度が低下した。", "酸性注射液との混合に伴うpHの低下により、溶解度が低下した。", "カルシウムやマグネシウム塩を含む注射剤との混合により、難溶性塩を生成した。", "生理食塩液との混合により、塩析が起こった。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ジアゼパムは脂溶性が高いため、非水性溶媒(プロピレングリコールやエタノールなど)を用いて注射液としている。そのため、他の注射液との混合により非水性溶媒が希釈されると、ジアゼパムの溶解性が低下し、沈殿を生成することにより注射液が白濁する。"} +{"problem_id": "099197", "problem_text": "25^{\\circ} Cにおけるジアゼパム水溶液(20 \\micro g/mL)の注射筒基材への吸着はpH依存性を示す。pH3.2におけるジアゼパム注射筒基材への吸着が2.3 \\micro g/mgであった。pH7.0における吸着に最も近い値(\\micro g/mg)はどれか。1つ選べ。ただし、ジアゼパムのpKa=3.5、吸着によるジアゼパムの濃度変化は無視できるものとし、吸着は分子形薬物濃度に比例するものとする。また、log2=0.30、log3=0.48とする。", "choices": ["0.1", "2.0", "3.5", "5.5", "7.0"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "099198", "problem_text": "84歳男性。急性膵炎で緊急入院し、注射用ナファモスタットメシル酸塩10 mgを投与することになった。この注射剤に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["溶解には、生理食塩液を用いる。", "約2時間かけて、静脈内に点滴注入する。", "血管外漏出により、注射部位に炎症を起こすことがある。", "本剤の投与により、高カリウム血症が現れることがある。", "アミノ酸輸液製剤との混合を避ける。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\n本剤を生理食塩液で溶解することにより、白濁あるいは結晶が析出するおそれがあるため、本剤の溶解には、生理食塩液を用いない。2:正しい\n本剤を膵炎の急性症状の改善に用いる場合の用法・用量を以下に示す。・通常、ナファモスタットメシル酸塩10 mgを5%ブドウ糖注射液500 mLに溶解し、約2時間前後かけて点滴注入する。3:正しい\n本剤が血管外漏出すると、注射部位が炎症またはそれに伴う壊死を起こすことがある。4:正しい\n本剤を投与すると、腎からのカリウム排泄抑制により、高カリウム血症が現れることがある。5:正しい\nアミノ酸輸液製剤と本剤を混合すると、アミノ酸輸液製剤に含まれる電解質と本剤が反応することにより白濁あるいは結晶が析出するおそれがある。"} +{"problem_id": "099199", "problem_text": "ナファモスタットメシル酸塩製剤に亜硫酸塩を含む注射剤を混合した場合、及び混合しない場合の残存率の経時変化を求めた(図1)。また、pHと分解速度定数との関係も求めた(図2)。これらのデータから考えられることはどれか。2つ選べ。ただし、これらの実験は37^{\\circ} Cで行った。ナファモスタットメシル酸塩製剤に亜硫酸塩を含む注射剤を混合した場合、及び混合しない場合の残存率の経時変化を求めた(図1)。また、pHと分解速度定数との関係も求めた(図2)。これらのデータから考えられることはどれか。2つ選べ。ただし、これらの実験は37^{\\circ} Cで行った。", "choices": ["残存率の対数と時間との間に直線関係が認められることから、2次反応とみなすことができる。", "残存率R(%)との分解速度定数kの関係はk=-2.303log(R/100)/tで表すことができる。ただし、tは時間を表す。", "亜硫酸塩なし、pH5〜7の範囲において、加水分解反応は酸触媒作用により促進される。", "亜硫酸イオンは、触媒作用により分解速度を増大させる。", "図のデータから加水分解反応の活性化エネルギーを求めることができる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n図1では、残存率の対数と時間との間に直線関係が認められることから、本反応は1次反応である。"} +{"problem_id": "099200", "problem_text": "3歳男児。急性白血病で化学療法を施行中であるが、感染症治療のため、以下の処方せんが発行された。この処方せんの疑義照会について、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ノルフロキサシン小児用錠は粉砕投与できない。", "スクラルファート細粒と同時投与するとノルフロキサシン小児用錠の効果が減弱することがある。", "イトラコナゾール内用液はノルフロキサシン小児用錠と併用禁忌なので、テルビナフィン塩酸塩錠へ変更すべきである。", "イトラコナゾール内用液は空腹時の服用が推奨される。", "アセトアミノフェンシロップはノルフロキサシン小児用錠の効果を増強させる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nノルフロキサシン小児用錠は、苦味や吸湿性を軽減するためにフィルムコーティングが施されている錠剤であり、吸湿性や苦味などに問題がなければ粉砕することが可能である。2:正\nノルフロキサシン小児用錠とスクラルファート細粒を併用すると、スクラルファートに含まれているアルミニウムとノルフロキサシンが不溶性のキレートを形成し、ノルフロキサシンの消化管からの吸収性が低下する。3:誤\nイトラコナゾール内用液はノルフロキサシン小児用錠と併用禁忌ではない。そのため、イトラコナゾール内用液をテルビナフィン塩酸塩錠に変更する必要はない。4:正\nイトラコナゾールは脂溶性が高く、弱塩基性薬物であることから、溶解させるためには、食事による胆汁酸の分泌及び胃酸の分泌を必要とする。そのため、イトラコナゾール固形状製剤は、食直後に服用することとなっている。一方、イトラコナゾール内用液には、溶解補助剤として塩酸が含まれており、消化管内で溶解しやすいように設計されている。よって、イトラコナゾール内用液は、空腹時の服用が推奨される。5:誤\nアセトアミノフェンシロップがノルフロキサシン小児用錠の効果を増強させるという報告はない。"} +{"problem_id": "099201", "problem_text": "以下の表は、処方された薬物の物性を示したものである。薬物間相互作用が予想される組合せはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "処方されている医薬品の物性を以下に示す。・ノルフロキサシン\nカルボン酸とアミンを持つことから、両性化合物である(pKaが2つある)。白から微黄色の結晶粉末。・スクラルファート\n構造に硫酸アルミニウム塩を持つことから、酸性度が高い(pKaが低い)。・イトラコナゾール\n脂溶性が高い(分配係数が大きい)。・アセトアミノフェン\nフェノール性水酸基を持つことから、非常に酸性度が低い(pKaが高い)。上記より、選択肢1:\nスクラルファート、選択��2:\nイトラコナゾール、選択肢3:\nアセトアミノフェン、選択肢4:\nノルフロキサシンである。本患者に処方された医薬品の中で、薬物間相互作用が予想される医薬品の組合せは、スクラルファート(選択肢1)とノルフロキサシン(選択肢4)である。"} +{"problem_id": "099202", "problem_text": "35歳女性。関節リウマチで通院中の患者に以下の処方せんが発行された。患者への情報提供に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メトトレキサートカプセルを服用し忘れたときは、葉酸と一緒に服用する。", "妊娠の疑いがある場合には、すべての薬剤の服用を速やかに中止して、医療機関に連絡する。", "高熱や咳が続く場合には、直ちに医療機関に連絡する。", "サラゾスルファピリジン腸溶錠を服用し忘れても、次回に2回分まとめて服用してはならない。", "尿が黄赤色になることがある。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\n本症例では、メトトレキサートによる副作用を軽減するために葉酸が処方されている。メトトレキサートの副作用を軽減する目的で葉酸を用いる場合、メトトレキサートを最後に服用した時点から24〜48時間後に葉酸を服用する。2:正しい\n妊婦又は妊娠している可能性のある患者にメトトレキサートは投与禁忌となっていることから、妊娠の疑いがある場合には、すべての薬剤の服用を速やかに中止して、医療機関に連絡する。3:正しい\nメトトレキサートは、重大な副作用として間質性肺炎、肺線維症を起こすことがあり、また、サラゾスルファピリジンは、重大な副作用として間質性肺炎を起こすことがある。これらの副作用は初期症状として、発熱、咳、息切れなどが現れることがあるため、高熱や咳が続く場合には、直ちに医療機関に連絡する。4:正しい\nサラゾスルファピリジン腸溶錠を服用し忘れた場合には、次回に2回分まとめて服用せず、1回分服用するように指導する。5:正しい\nサラゾスルファピリジンを服用すると、尿・汗等の体液が黄赤色に着色することがある。"} +{"problem_id": "099203", "problem_text": "メトトレキサートの治療薬物モニタリングには、イムノアッセイが利用されている。イムノアッセイに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メトトレキサートのような低分子は抗原性を示さないので、抗体作製には、高分子と結合させる必要がある。", "競合法では、測定対象物質の存在量に依存してシグナル強度が減少する用量依存曲線が得られる。", "蛍光偏光イムノアッセイでは、蛍光標識した抗原が抗体に結合すると抗原の回転運動が減少するため、蛍光偏光度は減少する。", "Enzyme multiplied immunoassay technique(EMIT)は、均一系イムノアッセイの1種である。", "凝集比濁法では、免疫複合体の形成により粒子が凝集する性質を応用している。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nメトトレキサートのような低分子物質は抗原性を示さないため、メトトレキサートのような低分子物質を用いて抗体作製する場合には、高分子を結合させることが必要である。"} +{"problem_id": "099204", "problem_text": "58歳男性。がんの転移の有無を診断するため、フルデオキシグルコース(^{18}F)を用いた陽電子放出断層撮影法(PET)検査を実施することとなった。フルデオキシグルコース(^{18}F)を用いるPET検査に関して誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["本剤は虚血性心疾患の診断にも用いられる。", "投与前から撮像までは安静にする。", "本剤は血漿中でほとんど代謝されずに存在し、未変化体のまま排泄される。", "画像のコントラストをあげるために、同時にグルコースを服用する。", "炎症部位等に集積し、偽陽性所見を呈する可能性がある。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n本剤は悪性腫瘍、脳腫瘍、虚血性心疾患、難治性部分てんかんの脳グルコース代謝異常領域の診断に用いられる。2:正しい\n本剤にはグルコースが添加されているため、体を動かすことにより、筋肉などへ集積する性質を有する。そのため、添付文書には「本剤投与前から撮像前は安静にして、激しい運動は行わないこと」と記載されている。3:正しい\n4:誤っている\n本剤投与時にグルコースを服用する��、グルコースが病変部に集積し、本剤が病変部に集積しにくくなるため、画像のコントラストが低下する。5:正しい"} +{"problem_id": "099205", "problem_text": "PETに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["^{11}C、^{18}F、^{201}Tlはいずれも陽電子を放出する核種であり、PETに利用される。", "PETで用いられる^{18}F核種は、^{18}OにX線を照射することで製造される。", "放射性核種から放出された陽電子は、生体内の電子と結合して、ほぼ180度の方向に2本の\\gamma 線を放出して消滅する。", "PETはX線CTと組み合わせることにより、安定同位体で標識した薬物の体内動態を画像表示することができる。", "PETの核医学画像からは対象臓器の機能情報は得られない。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n^{11}C、^{18}Fは陽電子を放出し、^{201}Tlは\\gamma\n線を放出する。よって、^{11}C、^{18}FはPETに利用されるが、^{201}Tlは、PETに利用されない。"} +{"problem_id": "099206", "problem_text": "63歳男性。脂質異常症と診断され、食事療法及び運動療法とともにフルバスタチンナトリウム錠20 mgによる治療を受けていたが、改善がみられなかった。そこで、以下の処方に変更された。この患者への薬剤師による服薬指導の内容として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["脂質異常症は自覚症状がないが、服薬は重要であることを説明した。", "食事療法及び運動療法は継続するように指導した。", "コレスチミド錠を飲み忘れた場合、就寝前にフルバスタチンナトリウム錠と一緒に服用するように指導した。", "筋肉痛や脱力感がある場合は受診するように指導した。", "便秘が起こることがあると説明した。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n脂質異常症は自覚症状が現れにくいが、合併症として、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患や脳血管障害などの動脈硬化症状を引き起こすことがある。そのため、これら合併症を予防する目的で、食事療法や運動療法とともに薬物療法を行うことが重要である。2:正しい\n解説1参照\n3:誤っている\nフルバスタチンナトリウムとコレスチミドを一緒に服用すると、フルバスタチンナトリウムがコレスチミドに吸着され、フルバスタチンナトリウムの吸収性が低下する。4:正しい\nフルバスタチンナトリウム及びコレスチミドは、重大な副作用として横紋筋融解症を起こすことがあり、その初期症状として、筋肉痛や脱力感が現れることがある。そのため、これらの症状がみられた場合には、受診するように指導する。5:正しい\nコレスチミドを服用することにより、便秘が起こることがある。"} +{"problem_id": "099207", "problem_text": "フルバスタチンナトリウムのほかにも、以下の例のように分子内にフッ素原子が導入された医薬品が数多く開発されている。医薬品の設計において水素原子をフッ素原子に置き換えることにより期待される主な効果はどれか。2つ選べ。", "choices": ["炭素-フッ素結合は切断されにくいので、生体内での安定性が高まる。", "親水性の向上により、吸収が促進される。", "フッ素は電気陰性度が大きいので、分子のイオン化が促進される。", "分子全体の大きさにはほとんど影響を与えずに生物活性が増強される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n炭素-フッ素結合は炭素-水素結合に比べて切断されにくいため、水素原子をフッ素原子に置き換えることによって、医薬品の生体内での安定性が高まる。"} +{"problem_id": "099208", "problem_text": "61歳男性。2日ほど前から左側腹部に軽度の疼痛があり、皮疹が認められた。帯状疱疹と診断され、以下の薬剤が処方された。なお、検査値を確認したところ、ASTは31 IU/L、ALTは23 IU/L、クレアチニンクリアランスは40 mL/minであった。これらの処方について、提案すべき処方変更として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["バラシクロビル塩酸塩錠556 mgの用法・用量を1回2錠(1日4錠)、1日2回、朝夕食後投与に変更する。", "バラシクロビル塩酸塩錠556 mgの用法・用量を1回3錠(1日9錠)、1日3回、朝昼夕食後投与に変更する。", "バラシクロビル塩酸塩錠556 mgをアシクロビル錠400 mgに変更し、用法はそのままとする。", "アセトアミノフェン錠300 mgをロキソプロフェンナトリウム水和物錠60 mgに変更��、用法はそのままとする。", "アセトアミノフェン錠300 mgをチアラミド塩酸塩錠100 mgに変更し、用法はそのままとする。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "問題文に「検査値を確認したところ、ASTは31 IU/L、ALTは23 IU/L、クレアチニンクリアランスは40 mL/minであった。」と記載されていることから、本患者は、肝機能は正常であるが、腎機能は低下している。本患者に処方されているバラシクロビル塩酸塩錠556 mg(バラシクロビルとして500 mg)は腎消失型薬物であることから、腎機能が低下している患者に対しては投与量を調節する必要がある。腎機能低下患者に対するバラシクロビルの用法及び用量について以下に示す。本患者は帯状疱疹と診断されており、また、クレアチニンクリアランス40 mL/minであることから、バラシクロビル塩酸塩錠556 mg(バラシクロビルとして500 mg)の用法・用量を1回2錠(1日4錠)、1日2回、朝夕食後投与に変更する必要がある。"} +{"problem_id": "099209", "problem_text": "バラシクロビルは、加水分解によりアシクロビルに変換され活性を発現する。切断される位置はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "バラシクロビルは、主に肝臓に存在するエステラーゼにより加水分解され、アシクロビルとL-バリンに変換される。このことから、構造中のエステル部分(設問の構造式のおける3の部分)が加水分解されると判断できる。"} +{"problem_id": "099210", "problem_text": "40歳女性。身長154 cm、体重54 kg。造血幹細胞移植の前治療で注射用シクロホスファミド水和物をシクロホスファミド(無水物換算)として50 mg/kg/dayで投与することになった。なお、点滴静注の場合は、シクロホスファミド(無水物換算)100 mgあたり5 mLの注射用水を用いて溶解後、1日当たりの必要量(X mL)を量りとり、補液で希釈し用いる。シクロホスファミドの調製と投与に関して正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["X=27である。", "補液には生理食塩液を用いる。", "大量投与する時には、出血性膀胱炎予防のためメスナ(2-メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム)を投与する。", "治療効果を向上させるため、シクロホスファミド投与終了後24時間は輸液の投与を避ける。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nシクロホスファミドの1日当たりの投与量は、2,700 mg(50 mg/kg/day\\times 54 kg=2,700 mg)であり、問題文に「点滴静注の場合は、シクロホスファミド(無水物換算)100 mgあたり5 mLの注射用水を用いて溶解後、1日当たりの必要量(X mL)を量りとり」と記載されていることから、Xは135 mL(2,700 mg\\times 5 mL/100 mg)となる。2:正\nシクロホスファミドを点滴静注する場合には、溶解後、適当な補液(一般に生理食塩液)で希釈するとされている。3:正\nシクロホスファミドは代謝され、抗悪性腫瘍作用を示す活性代謝物と出血性膀胱炎の原因となるアクロレインになる。シクロホスファミドを大量投与するときには、アクロレインによる出血性膀胱炎を予防するためにメスナ(2-メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム)を投与する必要がある。4:誤\n泌尿器系障害を防止するために、シクロホスファミド投与終了後24時間は150 mL/h以上の尿量を確保するように1日3 Lの輸液投与を行う必要がある。"} +{"problem_id": "099211", "problem_text": "シクロホスファミド(A)は、ヒト肝ミクロソーム中のシトクロムP450(P450)によりメチレン炭素に水酸基が導入され、B、Cを経てホスホラミドマスタード(E)に代謝されたのち、最終的に活性体であるナイトロジェンマスタード(F)となる。Step1において水酸基が導入される炭素はAの1〜5のうちどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "化合物Aと化合物Cを比較して変化した部分から、どの炭素に対して水酸基が導入されているか判断することができる。化合物Cより、化合物Aにおける選択肢1〜4の炭素部分では変化が起きていないと判断できることから、選択肢5の炭素に水酸基が導入されたと考えられる。下記にAからCが生成する過程を示す。"} +{"problem_id": "099212", "problem_text": "Step3においてEとともに生じる化合物Dとして最も適切な構造はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "化合物Cと化合物Eを比較すると、化合物Cのリン酸エステル部分(下図の赤点線部分)が加水分解されることによって、化合物Dの前駆体と化合物Eが生成すると考えられる。また、化合物Dの前駆体は脱水反応により化合物Dとなると考えられる。"} +{"problem_id": "099213", "problem_text": "53歳女性。開腹手術にて大腸がんを切除した。手術は予想通り終わり、手術後2日目から大建中湯が処方された。本症例において大建中湯の服用により最も期待される効果はどれか。1つ選べ。", "choices": ["内蔵鈍痛予防", "感染予防", "腸閉塞(イレウス)予防", "創傷治癒亢進", "免疫力増強"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "大建中湯は、術後の腸閉塞の予防で用いられる。本症例では、開腹手術にて大腸がんを切除していることから、術後の腸閉塞(イレウス)を予防することを期待して本剤が処方されたと考えられる。"} +{"problem_id": "099214", "problem_text": "大建中湯に配合される生薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["サンショウは、辛味成分としてヒドロキシ-\\alpha -サンショオールを含有する。", "ニンジンは、精油成分としてギンセンノシドRg_{1}を含有する。", "カンキョウは、苦味成分として[6]-ギンゲロールを含有する。", "コウイは、甘味成分としてマルトースを含有する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "大建中湯に配合される生薬は、サンショウ、ニンジン、カンキョウ、コウイである。1:正"} +{"problem_id": "099215", "problem_text": "70歳女性。腰痛を訴え来院した。骨密度が低下していることが明らかになり骨粗しょう症と診断され、以下の薬剤が処方された。1年経過後の腰椎骨密度測定値は、若年成人平均値の65%で、半年前の値より3%下がっていた。さらに椎体骨折が1か所認められ、腰痛症状も改善されていなかった。そこで、以下の処方に変更となった。処方1のアレンドロン酸錠の服薬指導で誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["胃腸障害を起こしやすいので、服用後なるべく早く食事をとってください。", "カルシウム、マグネシウム等の含量の高いミネラルウォーターでは飲まないようにしてください。", "この錠剤は溶け易いので、少量の水で飲んでも構いません。", "服用後少なくとも30分は横にならないでください。", "服用を忘れて、朝食をとってしまった時は、翌朝の起床時に飲んでください。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:誤っている\n本剤は、2価以上の金属カチオン(カルシウム、マグネシウム等)とキレートを形成し、吸収低下を起こす。よって、服用後30分間は水以外の飲食を避ける必要がある。2:正しい\n本剤をカルシウム、マグネシウム等の含量の高いミネラルウォーターで服用すると、吸収低下を起こすことがある。そのため、本剤をカルシウム、マグネシウム等の含量の高いミネラルウォーターで服用することを避ける必要がある。3:誤っている\n本剤は胃腸障害を起こしやすいため、コップ一杯(約180 mL)程度の十分な量の水で服用する必要がある。4:正しい\n本剤を服用後すぐに横になると、副作用として食道潰瘍を起こすことがあるため、本剤服用後少なくとも30分は横にならないようにする必要がある。5:正しい\n本剤は週1回服用する製剤であり、服用を忘れて朝食をとってしまった時は、その日の服用は中止して翌朝の起床時に服用する。"} +{"problem_id": "099216", "problem_text": "処方3のテリパラチド製剤に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["使用開始後も冷蔵庫に入れて保存する。", "注射は腹部又は大腿部に行う。", "本剤はカルシトニン製剤である。", "骨粗しょう症以外の代謝性骨疾患の患者にも使用できる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n本剤は使用開始後も冷蔵庫に入れ、凍結を避け、2〜8^{\\circ}\nCで遮光保存する。"} +{"problem_id": "099217", "problem_text": "骨粗しょう症は、体内のカルシウム代謝と深く関わっている。生体のカルシウムイオン(Ca^{2+})濃度の調節に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["細胞膜にはATPの加水分解エネルギーを用いて細胞外にCa^{2+}を排出するCa^{2+}ポンプが存在する。", "腸管からのCa^{2+}の吸収は、カルシトリオール(活性型ビタミンD_{3})により促進される。", "カルシトニンは骨吸収を促進し、血漿中へのCa^{2+}遊離を増加させる。", "腎臓におけるCa^{2+}の再吸収は、副甲状腺(上皮小体)ホルモンによって抑制される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n細胞膜にはATPの加水分解エネルギーを用いるCa^{2+}ポンプが存在し、それにより、Ca^{2+}は細胞内(Ca^{2+}が低い)から細胞外(Ca^{2+}が高い)へ排出されている。2:正\nカルシトリオール(活性型ビタミンD_{3})は小腸上皮細胞に存在する核内受容体に結合し、Ca^{2+}結合タンパク質の産生を促進することにより、腸管からのCa^{2+}の吸収を促進する。3:誤\nカルシトニンは、甲状腺ろ胞細胞から分泌されるホルモンであり、骨吸収抑制や腎尿細管からのCa^{2+}再吸収抑制を介して血漿中Ca^{2+}濃度を低下させる。4:誤\n副甲状腺(上皮小体)ホルモン(パラトルモン)は、骨吸収促進作用や腎臓に置けるCa^{2+}の再吸収促進を介して血漿中Ca^{2+}濃度を増加させる。"} +{"problem_id": "099218", "problem_text": "57歳男性。身長165 cm、体重70 kg。20歳代前半よりほぼ毎日、日本酒にして1日3合(540 mL)程度の飲酒を続けている。1年ほど前に下肢のむくみを自覚し、近医を受診した結果、肝機能障害を指摘されたが放置していた。最近、全身の倦怠感を強く感じるようになり来院した。非代償性肝硬変と診断され、以下の薬剤が処方された。この処方薬による副作用について、患者に対する薬剤師の説明内容として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["めまい等が現れる場合があるので、自動車運転、高所作業又は危険を伴う機械の操作などには十分注意してください。", "急に胃のあたりがひどく痛む場合があるので、その際には直ちに医師又は薬剤師に申し出てください。", "しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難、片方の足の急激な痛みや腫れ等の症状がみられる場合があるので、その際には直ちに医師又は薬剤師に連絡してください。", "から咳、息苦しさ、息切れ等が生じる場合があるので、その際には直ちに医師又は薬剤師に連絡してください。", "手足のこわばりやしびれ、脱力感、筋肉の痛み等が現れる場合があるので、その際には直ちに医師又は薬剤師に連絡してください。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nスピロノラクトン錠、フロセミド錠は利尿薬であり、副作用としてめまいやふらつきが現れる場合があるため、自動車運転、高所作業又は危険を伴う機械の操作などには十分注意するよう指導する。2:誤\n記述のように説明するのは、副作用として胃腸障害を起こす薬物(NSAIDs、副腎皮質ホルモンなど)が処方されている場合である。3:誤\n記述のように説明するのは、副作用として血栓症や塞栓症を起こす薬物(エストロゲン製剤など)が処方されている場合である。4:誤\n記述のように説明するのは、副作用として空咳を起こす薬物(アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬など)が処方されている場合である。5:誤\n記述のように説明するのは、副作用として横紋筋融解症を起こす薬物(フィブラート系薬剤やスタチン系薬剤など)が処方されている場合である。"} +{"problem_id": "099219", "problem_text": "肝臓の機能と非代償性肝硬変の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["分枝鎖アミノ酸は、主に肝臓で代謝される。", "アルブミン産生の低下は、浮腫の誘因となる。", "アンモニアから尿素への変換の低下は、肝性脳症の誘因となる。", "ビリルビンからヘモグロビンヘの変換が抑制されると、黄疸が生じる。", "ヘパリン合成が低下すると、出血傾向となる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n分枝鎖アミノ酸は、主に筋肉で代謝される。なお、主に肝臓で代謝されるアミノ酸は、芳香族アミノ酸(トリプトファンやチロシンなど)である。"} +{"problem_id": "099220", "problem_text": "65歳男性。一過性脳虚血発作と診断され、血栓・塞栓の治療のため以下の薬剤が処方された。本薬剤の服用にあたり、患者に対する服薬指導として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["服用開始後2ヶ月間は、定期的に検査を行う必要があるので、原則として2週間に1回受診してください。", "発熱、倦怠感などの症状が現れた場合には、服用を中止し、直ちに医師又は薬剤師に連絡してください。", "手術や歯の治療を受ける場合、この薬を飲んでいることを医師又は歯科医師に伝えてください。", "この薬の服用期間中は、市販のクロレラ食品や青汁の摂取を避けて下さい。", "風邪などで他の薬を薬局で購入する場合は、この薬を飲んでいることを薬剤師に伝えてください。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n本剤服用開始後2ヶ月以内に血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の重大な副作用が発現し、死に至る例も報告されていることから、本剤服用開始後2ヶ月間は原則として2週間に1回受診し、血液検査及び肝機能検査を行うこととされている。2:正しい\n本剤の副作用である血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害では症状として発熱、倦怠感などを呈することがある。よって、本剤服用中にこれらの症状が現れた場合には、服用を中止し、直ちに医師又は薬剤師に連絡する必要がある。3:正しい\n本剤は血小板凝集抑制剤であることから手術や歯の治療を受ける場合は、予め本剤服用中の旨を医師又は歯科医師に伝える必要がある。4:誤っている\n本剤とクロレラ食品や青汁の相互作用は特に知られていない。なお、クロレラ食品や青汁によって作用が減弱するため摂取を避けるべき医薬品は、ワルファリンである。5:正しい\n風邪などの症状に頻用される一般用医薬品には、アスピリン等が含まれていることが多く、チクロピジン塩酸塩と相互作用を起こす可能性がある。よって、風邪などで他の薬を薬局で購入する場合は、本剤服用中であることを薬剤師に伝える必要がある。"} +{"problem_id": "099221", "problem_text": "脳梗塞の発症に関連する血小板の活性化及び血液凝固に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血小板の活性化により、顆粒に含まれているプロスタグランジンI_{2}が放出される。", "アデノシン二リン酸は、血小板のGタンパク質共役型受容体を刺激して、アデニル酸シクラーゼを活性化する。", "セロトニンは、ホスホリパーゼCの活性化を介して、血小板の凝集を抑制する。", "プロトロンビンから変換されたトロンビンは、フィブリノーゲンからフィブリンを形成する。", "プロトロンビンの生合成過程には、ビタミンK依存的な反応が含まれる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n血小板の活性化により、顆粒に含まれているトロンボキサンA_{2}、セロトニン、アデノシン二リン酸(ADP)が放出される。なお、プロスタグランジンI_{2}は、血管内皮細胞より放出される。"} +{"problem_id": "099222", "problem_text": "56歳男性。身長165 cm、体重63 kg。直腸がんと診断され、フルオロウラシル・ホリナートカルシウム・イリノテカン塩酸塩水和物療法(FOLFIRI)とセツキシマブ(遺伝子組換え)製剤との併用療法が開始された。上記併用療法における医薬品の使用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フルオロウラシルは、急速静注後、持続静注する。", "ホリナートカルシウムは、フルオロウラシルの副作用を抑制する目的で投与する。", "イリノテカン塩酸塩水和物は、フルオロウラシル投与後に点滴静注する。", "セツキシマブは、KRAS遺伝子変異の有無を考慮した上で使用する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nFOLFIRI療法の手順を以下に示す。手順1: ホリナートカルシウム、イリノテカンを2時間かけて点滴静注\n手順2: フルオロウラシルを急速静注\n手順3: フルオロウラシルを46時間かけて点滴持続静注\n2:誤\nホリナートカルシウムは、フルオロウラシルの作用を増強する目的で投与する。3:誤\n解説1参照。4:正\nセツキシマブは、抗ヒトEGFRモノクローナル抗体であり、KRAS遺伝子の変異が認められる場合、効果が低下するとの報告がある。そのため、本剤はKRAS遺伝子変異の有無を考慮した上で使用する。"} +{"problem_id": "099223", "problem_text": "図は、動物細胞の構造を模式的に表したものである。セツキシマブの標的分子である上皮増殖因子受容体(EGFR)の細胞における局在について、正しい場所を示しているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "上皮増殖因子受容体(EGFR)は、細胞膜に存在するチロシンキナーゼ型受容体である。"} +{"problem_id": "099224", "problem_text": "65歳女性。身長162 cm、体重56 kg。B細胞性非ホジキンリンパ腫と診断され、次の治療を受けることになった これらの処方に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1の薬剤は、infusion reactionを軽減させる目的で投与される。", "処方2の薬剤は、特定生物由来製品に指定されている。", "処方2の薬剤を使用する前に、B型肝炎ウイルスの有無を確認する。", "処方2の希釈時及び希釈後に、成分の凝集を避けるため泡立つまで激しく振とうする。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nリツキシマブ投与によるinfusion reaction(抗体医薬品の投与後24時間以内に生じるアナフィラキシー様症状)を軽減するために、抗ヒスタミン薬(d-クロルフェニラミンマレイン酸塩など)及び解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)が用いられる。2:誤\nリツキシマブ製剤は、特定生物由来製品ではなく、生物由来製品に指定されている。3:正\nリツキシマブをB型肝炎ウイルスキャリア患者に投与すると劇症肝炎又は肝炎を増悪することがある。そのため、リツキシマブを使用する前に、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認する必要がある。4:誤\nリツキシマブ製剤を希釈時及び希釈後に激しく振とうすると、リツキシマブ同士が凝集するおそれがある。そのため、リツキシマブ製剤を希釈時及び希釈後に激しく振とうしないこととされている。"} +{"problem_id": "099225", "problem_text": "リツキシマブについて、医薬品添付文書から(a)〜(c)の情報が得られた。これらを参考にして、本剤に関する正しい記述を2つ選べ。(a)本剤は、マウス-ヒトキメラ型のモノクローナル抗体である。(b)本剤を実験動物に静注投与した結果、末梢血液中のB細胞(Bリンパ球)数は著しく減少したが、T細胞(Tリンパ球)数には変化を認めなかった。(c)ヒト補体の存在下で、本剤をCD20陽性のヒト培養細胞に作用させたところ、その50%が溶解したが、同じ条件でCD20陰性の細胞は溶解しなかった。", "choices": ["マウス抗体の定常部とヒト抗体の可変部を遺伝子工学的に融合し作製された抗体である。", "CD20分子に含まれる複数のエピトープ(抗原決定基)を認識し結合する。", "T細胞に比べ、B細胞への結合能が高いと考えられる。", "古典経路による補体活性化を誘導すると考えられる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nリツキシマブはマウス-ヒトキメラ型のモノクローナル抗体であり、マウス抗体の可変部とヒト抗体の定常部を有する。"} +{"problem_id": "099226", "problem_text": "66歳女性。2ヶ月ほど前から労作時の息切れと体のだるさを感じ、病院を受診した。女性は6年前に胃がんで胃全摘術を受け、2年前まで定期的な検査通院をしていた。身体所見及び血液学的検査値は、脈拍108/分、血圧105/60 mmHg、赤血球125万/\\micro L、白血球3,500/\\micro L、血小板13万/\\micro L、Hb 4.4 g/dL、Ht 14%、MCV 110 fLであった。女性には、ビタミン成分を含有する薬剤Aの投与が行われ、ミネラル成分を含有する薬剤Bが処方された。この症状を改善する目的で投与された薬剤Aに含まれるビタミンはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "本患者は、2ヶ月ほど前より労作時の息切れと体のだるさを感じていることに加え、胃全摘術を受けており、また、血液学的検査で赤血球数の低下(基準値: 約400〜500万/\\micro L)、ヘモグロビン(Hb)低値(基準値: 約12〜15 g/dL)、ヘマトクリット(Ht)低値(基準値: 約40〜45%)、MCV高値(基準値: 80〜100 fL)が認められている。これらのことから、本患者は、鉄欠乏性貧血及びビタミンB_{12}欠乏性巨赤芽球性貧血を発症していると推察される。よって、本患者に投与された薬剤Aは選択肢2のヒドロキシコバラミン(ビタミンB_{12})である。なお、選択肢1: コレカルシフェロール(ビタミンD_{3})の構造、選択肢3: リボフラビン(ビタミンB_{2})、選択肢4: チアミン塩酸塩(ビタミンB_{1})、選択肢5: ビオチンである。"} +{"problem_id": "099227", "problem_text": "薬剤Bの服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血圧が上がることがありますので、定期的に血圧を測定しましょう。", "眠くなることがありますが、ご心配ありません。", "便の色が黒っぽくなることがありますが、ご心配ありません。", "出血すると、血が止まりにくくなることがありますが、その時は医師に相談してください。", "この薬と同時に飲むと吸収が悪くなる薬がありますので、薬剤師に相談してください。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "本患者は鉄欠乏性貧血であると推察される(問226解説参照)。よって、本患者に対して処方されたミネラル成分を含む薬剤Bは、鉄剤である。鉄剤が処方された場合に服薬指導時に伝えておくべきことを以下に示す。・服用により便が黒くなることがあるが、心配せず、服用をそのまま続けても問題ないこと\n・同時に飲むと吸収が悪くなる薬があるので、併用薬がある場合、薬剤師に相談すること\n・副作用として、胃腸障害を起こすこと:など"} +{"problem_id": "099228", "problem_text": "39歳男性。勤務先の健康診断で少し血圧が高いことを指摘され、内科を受診した。医師からは、運動療法と食事療法を勧められ、薬物治療は特に行う必要はないと言われたが、特定保健用食品を使用したいということで、薬局を訪れて薬剤師に相談した。この男性に勧める特定保健用食品の関与成分として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["難消化性デキストリン", "キシリトール", "大豆イソフラボン", "キトサン", "ラクトトリペプチド"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本患者は健康診断で血圧が高いことを指摘されていることから、血圧が高めな方に適する「ラクトトリペプチド」を含有する特定保健用食品を勧めるべきである。1:誤\n難消化性デキストリンを含有する特定保健用食品は、血糖値が気になる方に適している。2:誤\nキシリトールを含有する特定保健用食品は、虫歯の予防をしたい方に適している。3:誤\n大豆イソフラボンを含有する特定保健用食品は、骨の健康が気になる方に適している。4:誤\nキトサンを含有する特定保健用食品は、コレステロールが高めな方に適している。5:正"} +{"problem_id": "099229", "problem_text": "特定保健用食品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["疾病リスク低減表示が認められているものがある。", "特別用途食品には含まれない。", "個別許可型や規格基準型がある。", "錠剤やカプセルの形態は認められていない。", "厚生労働大臣が表示の許可を行う。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n特定保健用食品には、「特定保健用食品」「特定保健用食品(疾病リスク低減表示)」「特定保健用食品(規格基準型)」「条件付き特定保健用食品」があり、このうち、「特定保健用食品(疾病リスク低減表示)」は、疾病リスク低減表示が認められている。"} +{"problem_id": "099230", "problem_text": "80歳男性。特別養護老人ホームに入居中。発熱、食欲不振、全身の倦怠感、体重減少などの症状があり、病院で検査を受けた。胸部X線撮影で肺尖部陰影が認められ、喀痰検査で結核菌が検出されて結核と診断された。結核に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["主な感染経路は接触感染である。", "最近(2009〜2011年)、我が国では年間約千人の患者が新たに発生している。", "最近(2009〜2011年)、新たに発生した患者の約半数は70歳以上の高齢者である。", "DOTS(直接服薬確認療法)が行われている。", "結核菌の消毒には消毒用エタノールは無効である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n結核の主な感染経路は、経気道感染(飛沫感染、空気(飛沫核)感染)である。2:誤\n最近(2009〜2011年)、我が国では年間約23,000人以上の患者が新たに発生している。3:正\n4:正\nDOTS(直接服薬確認療法)とは、服薬を確認しながら抗結核薬を投薬することにより抗結核薬の服薬を継続させる方法のことである。薬物療法により結核を治療する際には、治療効果を発現させることに加え、耐性菌を出現させないようにするために抗結核薬をしっかり服用させる必要があるため、DOTS(直接服薬確認療法)が行われている。5:誤\n結核菌の消毒には消毒用エタノールは有効である。"} +{"problem_id": "099231", "problem_text": "この患者には、イソニアジド、リファンピシン、エタンブトール塩���塩が処方された。エタンブトール塩酸塩の最も重大な副作用として、薬剤師が留意しなければならないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["聴覚障害", "腎機能障害", "視力障害", "嗅覚障害", "味覚障害"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "エタンブトール塩酸塩は、重大な副作用として視神経障害による視力低下、中心暗点、視野狭窄、色覚異常等の視力障害を起こすことがある。"} +{"problem_id": "099232", "problem_text": "49歳女性。秋の連休に山ヘハイキングに行った。帰宅後、上腕部に違和感を感じ約3 mmのダニが付着しているのに気付いた。そこで、直ちに皮膚科を受診してダニを取り除き、近所の保険薬局を訪れて、処方された副腎皮質ステロイドを含有するチューブ入りの軟膏を受け取った。女性は、医師より「ワン・フィンガー・チップ・ユニット(1FTU)」の量を塗布するように指示があったと薬剤師に話した。この単位に相当する軟膏の目安量はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "「ワン・フィンガー・チップ・ユニット(1FTU)」とは、大人の一差し指の先端から第一関節までチューブから絞り出した量が約0.5 gになるというおおよその目安量のことである。"} +{"problem_id": "099233", "problem_text": "ダニが媒介する感染症はどれか。2つ選べ。", "choices": ["破傷風", "重症急性呼吸器症候群(SARS)", "日本脳炎", "重症熱性血小板減少症候群(SFTS)", "つつが虫病"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "選択肢のうち、ダニが媒介する感染症は、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、つつが虫病である。重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の病原体はSFTSウイルスであり、主にマダニによって媒介され、また、つつが虫病の病原体はつつが虫リケッチアであり、主にツツガムシによって媒介される。"} +{"problem_id": "099234", "problem_text": "医療従事者の医薬品による被曝の問題として、抗がん剤調製時における薬剤の飛散及び揮発がある。次の抗がん剤のうち、常温で気化するため、閉鎖系の調製器具を使用しなければならないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シタラビン", "ゲムシタビン塩酸塩", "ドキソルビシン塩酸塩", "マイトマイシンC", "シクロホスファミド水和物"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢のうち、常温で気化するため、閉鎖系の調製器具を使用する必要があるのは、シクロホスファミド水和物である。シクロホスファミドの融点は約45^{\\circ} Cであることから常温で気化する。なお、シクロホスファミド以外に常温で気化しやすい抗がん剤には、イホスファミドなどがある。"} +{"problem_id": "099235", "problem_text": "医療従事者を含む労働者の健康を保持するために、作業環境管理、作業管理及び健康管理がある。この3管理を定めている法令はどれか。1つ選べ。", "choices": ["労働基準法", "労働安全衛生法", "環境基本法", "環境影響評価法", "健康増進法"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "作業環境管理、作業管理、健康管理を定めている法令は「労働安全衛生法」である。労働安全衛生法では労働者の健康を保持するために以下の項目を定めている。・作業環境管理\n目的:\n作業環境を的確に把握し、種々の有害要因を取り除いて、良好な作業環境を確保する。・作業管理\n目的:\n有害な物質やエネルギーを適切に管理し、労働者への影響を少なくする。・健康管理\n目的:\n健康診断などにより労働者の健康状態を把握し、労働者の健康障害を未然に防ぐ"} +{"problem_id": "099236", "problem_text": "10月のある夕方、薬局を男性が訪れた。その日、友人から初物のカキ(牡蠣)をもらったため、昼に友人や家族と自宅の居間で、生ガキと、炭火で焼きながら焼ガキを食したとのこと。全員が頭痛、嘔吐及びめまいを起こしたが、別室に移って休んだところ、少し落ち着いたとのことであった。これらの症状を引き起こした原因として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["腸炎ビブリオ", "ノロウイルス", "腸管出血性大腸菌", "二酸化窒素", "一酸化炭素"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "問題文に「生ガキと、炭火で焼きながら焼ガキを食したとのこと。全員が頭痛、嘔吐及びめまいを起こしたが、別室に移って休んだところ、少し落ち着いた」と記載��れていることから、症状を起こした原因は細菌性食中毒や毒素型食中毒ではなく、室内にある有害ガスであると考えられる。また、室内で炭火を用いていることから室内では一酸化炭素が発生していると考えられる。これらのことから、頭痛、嘔吐及びめまいの原因は「一酸化炭素」であると考えられる。"} +{"problem_id": "099237", "problem_text": "この男性に対する薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒液で調理器具を消毒することを勧めた。", "消毒用エタノールで調理器具を消毒することを勧めた。", "調理中は部屋の換気を十分に行うことを勧めた。", "一般用医薬品の胃腸薬を勧めた。", "医療機関への受診を勧めた。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "一酸化炭素は炭素化合物の不完全燃焼により発生するため、一酸化炭素中毒が現れた場合には、部屋の換気を十分に行う必要がある。また、一酸化炭素中毒では急性期の症状に加え、遅延性神経障害が現れる可能性があるため、一酸化炭素中毒になった場合には、医療機関を受診する必要がある。なお、選択肢1はノロウイルスによる食中毒が現れた場合の対応であり、選択肢2は腸炎ビブリオによる食中毒が現れた場合の対応である。"} +{"problem_id": "099238", "problem_text": "パーキンソン病の疑いで入院した患者に対し、交感神経の機能を評価するために、\\gamma 線を放出する放射性医薬品を用いて画像診断を行うことになった。次の医薬品のうち、この画像診断で使用される放射性医薬品(核種)はどれか。1つ選べ。", "choices": ["3-ヨードベンジルグアニジン(^{123}I)", "過テクネチウム酸ナトリウム(^{99m}Tc)", "塩化インジウム(^{111}In)", "クエン酸ガリウム(^{67}Ga)", "クリプトン(^{81m}Kr)"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "選択肢にある放射性医薬品のうち、交感神経の機能を評価するために用いられるものは、選択肢1の3-ヨードベンジルグアニジン(^{123}I)である。3-ヨードベンジルグアニジン(^{123}I)は、交感神経伝達物質であるノルアドレナリンと同様に神経終末への取り込まれるという性質を有していることから、心シンチグラフィによる心臓疾患の診断、腫瘍シンチグラフィによる神経芽腫、褐色細胞腫の診断や交感神経機能が障害されるパーキンソン病の診断に用いられる。他の選択肢の「効能・効果」を以下に示す。・過テクネチウム酸ナトリウム(^{99m}Tc)の効能・効果\n脳腫瘍及び脳血管障害の診断、甲状腺疾患の診断、唾液腺疾患の診断、異所性胃粘膜疾患の診断\n・塩化インジウム(^{111}In)の効能・効果\n骨髄シンチグラムによる造血骨髄の診断\n・クエン酸ガリウム(^{67}Ga)の効能・効果\n悪性腫瘍の診断や炎症性病変の診断\n・クリプトン(^{81m}Kr)の効能・効果\n局所肺血流検査、局所肺換気能検査、局所脳血流検査"} +{"problem_id": "099239", "problem_text": "\\gamma 線に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["電磁波の一種である。", "電離放射線の中で、放射線荷重係数が最も大きい。", "電子と衝突して消滅し、その際、別の種類の放射線が放出される。", "医療用のプラスチック製品の滅菌に用いられる。", "厚さ1 cmのアクリル板で遮蔽できる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n\\gamma\n線は電磁波の一種である。"} +{"problem_id": "099240", "problem_text": "大気中には、花粉や土埃、ディーゼル排気粒子など様々な種類の粒子状物質が存在し、これらを吸入すると有害作用が現れることがある。大気中に浮遊する粒子状物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["環境基準が定められている「浮遊粒子状物質」は、粒径が10 \\micro m以下の粒子のことである。", "2000年以降、浮遊粒子状物質の環境基準達成率は、10%程度で椎移している。", "環境基準が定められている「微小粒子状物質」は、粒径が0.1 \\micro m以下の粒子のことである。", "ハイボリュームエアサンプラーは、浮遊粒子状物質の試料採取に使われる装置の1つである。", "非分散型赤外分析法は、浮遊粒子状物質の定量に用いられる方法の1つである。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n環境基準が定められている「浮遊粒子状物質(SPM)」��、粒径が10 \\micro m以下の粒子のことである。なお、環境基準が定められている「微小粒子状物質(PM2.5)」は、粒径が2.5 \\micro m以下の粒子のことである。2:誤\n2000年以降(2011年を除く)、浮遊粒子状物質の環境基準達成率は、90%程度で推移している。なお、2011年(平成23年)の浮遊粒子状物質の環境基準達成率は、黄砂の影響により70%となっている。3:誤\n解説1参照\n4:正\n浮遊粒子状物質の測定には、重量濃度測定法(重量法)が用いられている。重量法において浮遊粒子状物質の試料採取に使用される装置には、ハイボリュームエアサンプラーとローボリュームエアサンプラーがある。5:誤\n非分散型赤外分析法は、一酸化炭素、二酸化炭素の定量に用いられる方法の1つである。"} +{"problem_id": "099241", "problem_text": "18歳男子。3月の土曜日、朝から快晴で花粉が舞っており、夕方過ぎより激しいくしゃみが出るようになり近所の薬局を訪れた。対応した薬剤師は、この男子が毎年春にアレルギー性鼻炎で悩んでいることを知っており、一般用医薬品で症状を抑えることにした。翌週の水曜日には入学試験があるため、薬剤師はベクロメタゾンプロピオン酸エステルを含む点鼻薬を選択した。この薬剤の服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["来年の春まで、続けて使いましょう。", "眠くなる成分は入っていませんので、安心して使用してください。", "くしゃみがひどく続くときには、のどに噴霧してかまいません。", "症状が改善したら、使用回数を減らして様子をみましょう。", "1日に何回使用してもかまいません。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "ベクロメタゾンプロピオン酸エステルを含む点鼻薬を使用するにあたっての注意点を以下に示す。・成人には、通常1日2回(1日最大4回)、左右の鼻腔内にそれぞれ1回ずつ噴霧する。・使用間隔は3時間以上あける。・症状が改善すれば使用回数を減らす。・症状が再び悪化した場合は、使用回数を増やしてもよい。・1年間に1ヶ月間を超えて使用しない。・点鼻用のみに使用する。・眠気を誘発する成分を含有していないため、本剤使用により眠くなる心配はない。"} +{"problem_id": "099242", "problem_text": "56歳男性。腹痛のため近所の薬局を訪れて薬剤師に相談した。男性は、長年にわたって印刷工場で校正印刷用の印刷機の操作を行っているが、時々激しい腹痛があることを薬剤師に話した。男性が働いている工場の内部は換気が不十分で、同じ作業に従事している同僚数人も同様の症状を訴えているとのことであった。薬剤師は男性の目を見て、眼球結膜が黄色を帯びていることに気づいた。相談を受けた薬剤師の対応として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ビフィズス菌製剤の服用を提案した。", "ブチルスコポラミン臭化物製剤の服用を提案した。", "ピレノキシン製剤の点眼を提案した。", "眼科医を受診するように勧めた。", "内科医を受診するように勧めた。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "問題文に「時々激しい腹痛がある」「工場の内部は換気不十分」「同じ作業に従事している同僚も同じ症状を訴えている」「眼球結膜が黄色を帯びている」と記載されていることから、この男性は、工場内部で発生している有害物質により内臓が障害され、黄疸が現れている可能性がある。よって、この男性に対しては内科を受診するように勧める必要がある。"} +{"problem_id": "099243", "problem_text": "この印刷工場で使用され、症状を引き起こす原因となった可能性が高いと考えられる化学物質はどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "症状を引き起こす原因となった可能性の高い化学物質は、ジクロロメタン(選択肢2)と1,2-ジクロロプロパン(選択肢5)である。なお、ジクロロメタン及び1,2-ジクロロプロパンに長期間暴露すると、胆管がんを引き起こすことがある。"} +{"problem_id": "099244", "problem_text": "インスリンの自己注射を行っている患者に使用済みの針を入れる廃棄容器を渡して、医療機関でその容器を回収することにした。この容器に表示することが推奨されているマークはどれか。1つ選べ。(本問では黒色の単色表示としてある)", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "使用済みの針は感染性廃棄物であることから、この使用済みの針を廃棄する容器に表示することが推奨されているマークはバイオハザードマーク(選択肢1)である。なお、感染性廃棄物の性状によりバイオハザードマークの色を分けることが推奨されている。感染性廃棄物の性状とバイオハザードマークの色の関係を以下に示す。・黄色: 鋭利なもの(注射針等)\n・橙色: 固形状のもの(血液のついたガーゼ等)\n・赤色: 液状又は泥状のもの(血液等)"} +{"problem_id": "099245", "problem_text": "医療機関における廃棄物とその処理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血液は、特別管理産業廃棄物に該当する。", "感染性廃棄物は、施設内で滅菌処理を行った後に廃棄しなくてはならない。", "使用済みの注射針は、専用廃棄容器を用いれば一般廃棄物とすることができる。", "感染性廃棄物を適切に管理するために、発生状況を把握して分別する。", "病院から排出された紙おむつは、すべて感染性廃棄物として処理する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正"} +{"problem_id": "099246", "problem_text": "65歳女性。咳と痰がひどいため近医を受診。保険薬局で薬剤師が以下の処方せんを受け付け、お薬手帳を確認し処方監査を行った。お薬手帳には以下の薬剤が記載されていた。この中で上記処方と併用した場合、処方医に対し、疑義照会の対象になる薬剤はどれか。2つ選べ。", "choices": ["モンテルカストナトリウム錠", "フルボキサミンマレイン酸塩錠", "八味地黄丸エキス顆粒", "葛根湯エキス顆粒", "ガスター10(ファモチジンを含有する一般用医薬品)"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "選択肢のうち、上記処方と相互作用を起こす薬物は、フルボキサミンマレイン酸塩(選択肢2)と葛根湯エキス顆粒(選択肢4)である。・フルボキサミンマレイン酸塩錠はCYP1A2阻害作用を有している。本剤とテオフィリンと併用すると、テオフィリンの代謝が阻害されるため、両剤は併用注意の組合せである。・葛根湯の構成生薬であるマオウは、中枢興奮作用を有している。本剤とテオフィリンと併用すると中枢興奮作用が増強されることがあるため、両剤は併用注意の組合せである。"} +{"problem_id": "099247", "problem_text": "処方された薬剤及びお薬手帳に記載されていた薬剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["テオフィリンは、ホスホジエステラーゼを阻害し、気管支拡張作用を示す。", "ブデソニドは、細胞膜に発現する特定の1回膜貫通型受容体に結合することで炎症メディエーターの産生を抑制する。", "アンブロキソールは、肺サーファクタントの産生を促進し、去痰作用を示す。", "モンテルカストは、5-リポキシゲナーゼを阻害することでロイコトリエンの産生を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nテオフィリンは、気管支平滑筋細胞内でホスホジエステラーゼを阻害し、サイクリックAMP濃度を上昇させ、気管支拡張作用を示す。"} +{"problem_id": "099248", "problem_text": "40歳男性。心室頻拍・心室細動の既往歴がある。内科診療所にて、ピロリ菌の除菌を行うこととなった。また、同時に貧血があることを指摘され、除菌と同時に治療することとなり、以下の薬剤が処方された。処方された薬剤の作用に関する記述として、いずれの薬剤にも該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["酸性条件下で、H^{+},K^{+}-ATPaseを可逆的に阻害する。", "細菌のリボソームに結合し、タンパク質合成を阻害する。", "細菌のトランスペプチダーゼを阻害し、細胞壁合成を阻害する。", "腸内細菌叢を正常化し、整腸作用を示す。", "鉄欠乏性貧血患者において、血清鉄を増加させる。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "今回処方されている薬剤の作用を以下に示す。・ランソプラゾールカプセル\n酸性条件下でH^{+},K^{+}-ATPaseを非可逆的に阻害することにより胃酸分泌を抑制する。・アモキシシリンカプセル\n細菌のトランスペプチダーゼを阻害して細胞壁合成を阻害する。・クラリスロマイシン錠\n細菌リボソームの50Sサブユニットに結合してタンパク質合成を阻害する。・酪酸菌錠\n腸内細菌叢を正常化し、整腸作用を示す。・クエン酸第一鉄ナトリウム錠\n血清鉄を増加させる\n上記より、本処方には、選択肢1の作用を有する薬物は含まれていない。"} +{"problem_id": "099249", "problem_text": "上記処方の中で、この患者の既往歴に対して最も注意が必要な薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ランソプラゾールカプセル", "アモキシシリンカプセル", "クラリスロマイシン錠", "酪酸菌錠", "クエン酸第一鉄ナトリウム錠"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "問題文に「心室頻拍・心室細動の既往歴がある」と記載されていることから、副作用としてQT延長や心室頻拍、心室細動を起こすクラリスロマイシンを投与する場合は注意が必要である。"} +{"problem_id": "099250", "problem_text": "37歳男性。食欲不振、消化不良の症状があった。自らの判断で、六君子湯 (ニンジン、ハンゲ、ブクリョウ、ソウジュツ、タイソウ、チンピ、カンゾウ、ショウキョウ)を購入し、服用していた。しかし、下血を伴う下痢と腹痛を繰り返すようになり、近医を受診したところ、潰瘍性大腸炎と診断され、以下の薬剤が処方された。処方された薬剤及び六君子湯に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["六君子湯は、グレリンの分泌を介して食欲不振などの胃腸症状を改善する。", "サラゾスルファピリジンは、腸内細菌により、5-アミノサリチル酸とスルファピリジンに分解される。", "サラゾスルファピリジンは、潰瘍性大腸炎以外に消化性潰瘍の治療に用いられる。", "プレドニゾロンは、コルチゾールに比べ、鉱質コルチコイド作用が強く、糖質コルチコイド作用が弱い。", "治療を長期間継続する場合には、サラゾスルファピリジンを徐々に減量してプレドニゾロンによる維持療法とする。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nグレリンとは、摂食亢進作用や消化管運動亢進作用をもつホルモンのことである。六君子湯は、グレリンの分泌促進を介して、食欲不振などの胃腸症状を改善する。2:正\nサラゾスルファピリジンは、腸内細菌の還元作用により、5-アミノサリチル酸とスルファピリジンに分解され、このうち、5-アミノサリチル酸は腸管内で抗炎症作用を示す。3:誤\nサラゾスルファピリジンは、潰瘍性大腸炎の治療に用いられるが、消化性潰瘍の治療には用いられない。4:誤\nプレドニゾロンは、コルチゾールに比べ、鉱質コルチコイド作用が弱く、糖質コルチコイド作用が強い。5:誤\n潰瘍性大腸炎の寛解維持療法には、プレドニゾロンのような合成副腎皮質ステロイド製剤は用いられない。なお、潰瘍性大腸炎の寛解維持療法には、免疫抑制剤や5-アミノサリチル酸等が用いられる。"} +{"problem_id": "099251", "problem_text": "六君子湯の重大な副作用はどれか。2つ選べ。", "choices": ["間質性肺炎", "偽アルドステロン症", "血圧低下", "ミオパシー"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "六君子湯は重大な副作用として、偽アルドステロン症、ミオパシー、肝機能障害、黄疸を起こすことがある。"} +{"problem_id": "099252", "problem_text": "37歳女性。脂質異常症のため病院で以下の薬剤が処方されている。ピタバスタチンなどのスタチン系薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素を非競合的に阻害する。", "肝細胞膜表面の低密度リポタンパク質(LDL)受容体を増加させ、血中からのLDLコレステロール取り込みを促進する。", "血中トリグリセリド濃度には影響しない。", "肝細胞以外で高密度リポタンパク質(HDL)受容体を増加させ、血中HDLコレステロールを低下させる。", "重大な副作用として、横紋筋融解症を引き起こすことが報告されている。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nスタチン系薬は、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素を競合的に阻害し、コレステロールの生合成を抑制する。2:正\nスタチン系薬は、肝臓におけるコレステロールの生合成を抑制し、肝臓内コレステロール量を低下させることにより肝細胞膜表面の低密度リポタンパク質(LDL)受容体を増加させ、血中からのLDLコレステロール取り込みを促進する。3:誤\nスタチン系薬を持続的に使用すると、血中コレステロールが低下するとともに、間接的に��中トリグリセリド濃度が低下する。4:誤\nスタチン系薬は、血中HDLコレステロールを上昇させる。5:正\nスタチン系薬は、重大な副作用として、横紋筋融解症やミオパチー、肝機能障害等を起こすことがある。"} +{"problem_id": "099253", "problem_text": "この患者が、自宅で熱傷を負い緊急受診し、抗菌薬を投与されることとなった。担当医師より抗菌薬の選択について問い合わせがあった。ピタバスタチンカルシウム錠との併用において、薬物動態上、注意を要する抗菌薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["レボフロキサシン水和物", "クリンダマイシン塩酸塩", "エリスロマイシンステアリン酸塩", "セフカペンピボキシル塩酸塩", "アジスロマイシン水和物"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、ピタバスタチンカルシウム錠との併用において、薬物動態上、注意を要する抗菌薬は「エリスロマイシンステアリン酸塩」である。エリスロマイシンはピタバスタチンを肝細胞内に取り込む有機アニオントランスポーター(OATP1B1)を阻害する作用を有する。このことから、エリスロマイシンとピタバスタチンを併用すると、ピタバスタチンの肝への取り込みが阻害され、血中濃度が上昇し、横紋筋融解症等の副作用が現れるおそれがある。"} +{"problem_id": "099254", "problem_text": "一般用医薬品であるリアップX5(5%ミノキシジル製剤)を求めて女性が薬局を訪れた。ミノキシジルはATP感受性K^{+}チャネル開口作用を待つ。この作用により引き起こされる可能性のあるものはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血糖上昇", "気道収縮", "冠動脈収縮", "反射性徐脈", "末梢血管拡張"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n本剤は、膵臓ランゲルハンス島\\beta 細胞のATP感受性K^{+}チャネルを開口させ、インスリン分泌を抑制し、血糖値を上昇させる可能性がある。2:誤\n本剤は、気道平滑筋のATP感受性K^{+}チャネルを開口させ、気管支平滑筋弛緩による気道拡張を起こす可能性がある。3:誤\n本剤は、血管平滑筋のATP感受性K^{+}チャネルを開口させ、血管平滑筋弛緩による冠動脈拡張および末梢血管拡張を起こす可能性がある。4:誤\n本剤は、低血圧による反射性頻脈を起こす可能性がある。5:正\n解説3参照。"} +{"problem_id": "099255", "problem_text": "販売時の来局者への対応として重要性の最も低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["使用者の年齢を確認した。", "使用者の性別を確認した。", "使用者に気管支ぜん息の既往歴がないことを確認した。", "使用者に高血圧の既往歴がないことを確認した。", "使用者に心臓・腎臓の障害がないことを確認した。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、本剤販売時に確認する事項として、最も重要性が低いのは、気管支ぜん息の既往歴を確認することである。なお、本剤を販売するに当たっては、以下のことを確認する必要がある。・年齢、性別\n・アレルギー歴\n・高血圧、低血圧の既往歴\n・心臓又は腎臓における障害の有無\n・甲状腺機能障害の有無:など"} +{"problem_id": "099256", "problem_text": "80歳女性。軽度のアルツハイマー型認知症と診断され、ドネペジル塩酸塩(5 mg/日)で内服治療を続けてきた。認知症が進行し、10 mg/日に増量しても効果が認められなかった。そのため医師より中等度から高度アルツハイマー型認知症の適応をもつ併用可能な薬剤の相談を受けた。推奨すべき薬剤の成分はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ガランタミン臭化水素酸塩", "リバスチグミン", "メチルフェニデート塩酸塩", "メマンチン塩酸塩", "アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "アルツハイマー型認知症治療には、中枢性コリンエステラーゼ阻害薬(中枢性ChEI: ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)やNMDA型グルタミン酸受容体拮抗薬(メマンチン)などが用いられている。アルツハイマー型認知症治療薬の選択について以下に示す。・軽度\n中枢性ChEIのうち、いずれかを1剤選択して投与する。効果が認められないか、不十分な場合、他の中枢性ChEIへの変更を考慮する。・中等度\n中枢性ChEIもしくはメマンチンのいずれかを投与する。効果が認められないか、不十分な場合、他の中枢性ChEIに変更又は、中枢性ChEIとメマンチンの併用を考��する。・重度\nドネペジル又はメマンチンを用いる。ドネペジルの用量を増量(5 mg/日\\rightarrow 10 mg/日)するか、ドネペジルとメマンチンを併用する。注意: 治療薬を選択する際、中枢性ChEIを併用することはない。本症例では、医師より中等度から高度アルツハイマー型認知症の適応をもつドネペジルと併用可能な薬剤について相談を受けていることから、「メマンチン塩酸塩(選択肢4)」を推奨すべきである。"} +{"problem_id": "099257", "problem_text": "前問で推奨された成分の作用機序として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["脳エネルギー代謝の賦活", "アセチルコリンエステラーゼの可逆的阻害", "ニコチン性アセチルコリン受容体の刺激", "グルタミン酸NMDA受容体の非競合的遮断", "ブチリルコリンエステラーゼの可逆的阻害"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "メマンチン塩酸塩は、NMDA受容体を非競合的に遮断し、グルタミン酸神経系の機能異常を抑制する。"} +{"problem_id": "099258", "problem_text": "30歳男性。会社内昇格人事で1年前に営業職のリーダーを命じられた。リーダーとしての仕事に順応できず、ストレスを抱え、入眠困難、食欲低下が半年続いた。今回かかりつけのクリニックを受診し、軽症のうつ病と診断された。主治医より、治療薬について問い合わせがあった。主治医に推奨すべき薬剤の成分はどれか。2つ選べ。", "choices": ["パロキセチン塩酸塩水和物", "クロザピン", "イフェンプロジル酒石酸塩", "ミルタザピン", "ラモトリギン"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "問題文に「軽度のうつ病と診断された」と記載されていることから、うつ病の適応を有する「パロキセチン塩酸塩水和物(選択肢1)」や「ミルタザピン(選択肢4)」を主治医に推奨すべきである。"} +{"problem_id": "099259", "problem_text": "前問で推奨した成分の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Na^{+}チャネル遮断による神経興奮の抑制", "Cl^{-}チャネル遮断によるGABA作動性神経系の抑制", "セロトニントランスポーター阻害によるセロトニン作動性神経系の活性化", "ノルアドレナリントランスポーター阻害によるノルアドレナリン作動性神経系の活性化", "シナプス前部のアドレナリン\\alpha _{2}受容体遮断によるセロトニンとノルアドレナリンの放出促進"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "099260", "problem_text": "68歳男性。10年前より、糖尿病の治療を継続中である。定期検診時に随時尿の尿中アルブミン/クレアチニン比が350 mg/gであった。本日の診察時の血圧は150/95 mmHgであり、高血圧治療のためロサルタンカリウム錠25 mgが追加となった。この患者にロサルタンカリウム錠が追加された理由及びその使用上の留意点について誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腎動脈狭窄のある患者へも安全に使用することができる。", "タンパク尿を伴う2型糖尿病の糖尿病性腎症に適応がある。", "血清カリウム値を確認する必要がある。", "血清クレアチニン値の経過を確認する必要がある。", "血糖値が上昇する可能性がある。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:誤っている\n本剤を両側腎動脈狭窄の患者又は片側腎動脈狭窄のある患者に投与すると、腎血流量の減少や糸球体ろ過の低下により、急速に腎機能が低下するおそれがある。そのため、治療上やむ得ないと判断される場合を除き、腎動脈狭窄のある患者に対して本剤の使用を避ける必要がある。2:正しい\n本剤は、高血圧及びタンパク尿を伴う2型糖尿病のおける糖尿病性腎症に適応がある。3:正しい\n本剤は、副作用として高カリウム血症を起こすことがある。そのため、本剤を投与する際には、血清カリウム値を確認する必要がある。4:正しい\n本剤を服用することにより、血清クレアチニン値が上昇することがある。そのため、本剤投与中は定期的に血清クレアチニン値の経過を確認する必要がある。5:誤っている\n本剤を服用することにより、血糖値が上昇するとの報告はない。なお、本剤を服用することにより血糖値が低下する可能性がある。"} +{"problem_id": "099261", "problem_text": "ロサルタンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["主代謝物(カルボン酸体)も、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体を遮断する。", "アルドステロンの産生を促進する。", "腎の輸出細動脈を拡張させて糸球体内圧を低下させる。", "グルカゴンの分泌を促進する。", "ブラジキニン分解酵素(キニナーゼII)を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正ロサルタンは、体内で一部が主代謝物であるカルボン酸体に変換される。主代謝物であるカルボン酸体もロサルタンと同様、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体を遮断する。2:誤ロサルタンは、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体を遮断することにより、アルドステロンの産生を抑制する。3:正\nロサルタンは、腎の輸出細動脈を拡張させて糸球体内圧を低下させる。4:誤\nロサルタンは、グルカゴンの分泌を促進しない。5:誤ロサルタンは、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体遮断薬であり、ブラジキニン分解酵素であるキニナーゼII(=アンギオテンシン変換酵素:\nACE)を阻害しない。なお、ACE阻害薬(カプトプリル、リシノプリルなど)は、ブラジキニン分解酵素であるキニナーゼII(=アンギオテンシン変換酵素:\nACE)を阻害する。"} +{"problem_id": "099262", "problem_text": "64歳男性。大腸がんのため腫瘍摘出手術を受けた。その後、外来にてオキサリプラチン・カペシタビン療法を半年間続けている。処方された抗悪性腫瘍薬の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["微小管を安定化し、細胞分裂を抑制する。", "DNA鎖に架橋を形成し、DNA複製を阻害する。", "血管内皮増殖因子(VEGF)を阻害し、血管新生を抑制する。", "生体内で5-フルオロウラシルに変換され、DNA合成を阻害する。", "ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害し、プリン生合成系を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "・オキサリプラチン(白金錯体化合物)の作用機序\nDNA鎖内及びDNA鎖間に白金架橋を形成し、DNAの複製及び転写を阻害する。・カペシタビンの作用機序\n5-フルオロウラシル(5-Fu)のプロドラッグであり、生体内で5-Fuに変換後、さらに代謝され5-フルオロデオキシウリジン酸(5-FdUMP)となり、デオキシウリジン酸(dUMP)と拮抗することによりチミジル酸合成酵素(TMP合成酵素)を阻害して、DNA合成を阻害する。1:誤\n微小管を安定化し、細胞分裂を抑制する薬物は、パクリタキセルやドセタキセルなどである。2:正\n3:誤\n血管内皮増殖因子(VEGF)を阻害し、血管新生を抑制する薬物は、ベマシズマブなどである。4:正\n5:誤\nジヒドロ葉酸還元酵素を阻害し、プリン生合成系を抑制する薬物は、メトトレキサートなどである。"} +{"problem_id": "099263", "problem_text": "薬剤師が患者と面談中、「最近、朝の洗顔時、水が手先にぴりっとくることがあります。また、手足の皮膚が硬くなり、ひび割れが起きました。」との訴えがあった。この患者の症状の原因として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["オキサリプラチンによる骨髄抑制に伴う症状", "オキサリプラチンによる末梢神経障害", "カペシタビンによる手足症候群", "カペシタビンによる下肢浮腫", "カペシタビンによる皮膚粘膜眼症候群"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "問題文に「最近、朝の洗顔時、水が手先にぴりっとくることがあります。また、手足の皮膚が硬くなり、ひび割れが起きました。」との訴えがあった。と記載されていることから、この患者の症状の原因として最も可能性が高いのは、カペシタビンによる手足症候群であると考えられる。手足症候群は、カペシタビン、ソラフェニブ、スニチニブ等を投与することにより起こる副作用であり、その初期症状として手足の感覚異常、角化による皮膚の硬化、ひび割れ、びまん性発赤、色素沈着などを呈する。"} +{"problem_id": "099264", "problem_text": "60歳男性。肺がん治療のためシスプラチンとエトポシドの併用療法と放射線治療を行う予定である。主治医より制吐薬に関する問い合わせがあった。薬剤師としての回答内容について誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["放射線照射に伴う悪心・嘔吐にはグラニセトロンが有効である。", "急性悪心・嘔吐にはグラニセトロンが有効である。", "遅発性悪心・嘔吐にはアプレピタントが有効である。", "予測性の悪心・嘔吐にはロラゼパムが有効である。", "グラニセトロンとアプ��ピタントは併用できない。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n放射線照射に伴う悪心・嘔吐には、セロトニン5-HT_{3}受容体遮断薬(グラニセトロンなど)が有効である。2:正しい\n抗癌剤投与による急性悪心・嘔吐には、セロトニン5-HT_{3}受容体遮断薬と副腎皮質ステロイド薬が併用される。また、急性悪心・嘔吐の重症例では、セロトニン5-HT_{3}受容体遮断薬と副腎皮質ステロイド薬に加え、アプレピタントが併用される。3:正しい\n抗癌剤投与による遅発性悪心・嘔吐には、アプレピタントが有効である。4:正しい\n予測性の悪心・嘔吐には、ベンゾジアゼピン系薬(ロラゼパムなど)が有効である。5:誤っている\n解説2参照"} +{"problem_id": "099265", "problem_text": "嘔吐を抑制する薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グラニセトロンは、求心性迷走神経終末のセロトニン5-HT_{1}受容体を遮断する。", "アプレピタントは、中枢神経系のタキキニンNK_{1}受容体を遮断する。", "アプレピタントと同様の制吐作用機序を持つ薬物として、ジメンヒドリナートがある。", "ロラゼパムは、中枢神経系のドバミンD_{2}受容体を刺激する。", "ロラゼパムと同様の制吐作用機序を持つ薬物として、アルプラゾラムがある。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nグラニセトロンは、求心性迷走神経終末のセロトニン5-HT_{3}受容体を遮断し、抗癌剤による悪心・嘔吐を抑制する。"} +{"problem_id": "099266", "problem_text": "40歳男性。薬局で下記の成分を含有する一般用医薬品を購入した。この一般用医薬品の主な効能・効果として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["胃酸過多、胸やけ、胃部不快感、胃痛", "下痢、軟便", "かぜの諸症状(のどの痛み、鼻水、鼻づまり、くしゃみなど)の緩和", "急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状の緩和", "慢性便秘、常習性便秘"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "男性が購入した一般用医薬品の「効能・効果」は、胃酸過多、胸やけ、胃部不快感、胃痛である。男性が購入した一般用医薬品の成分についてまとめる。・メチルメチオニンスルホニウムクロライド: 粘膜修復作用\n・水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、酸化マグネシウム: 制酸作用\n・ロートエキス3倍散: 胃酸分泌及び胃腸運動抑制作用\n・ウイキョウ末、ショウキョウ末、チョウジ末: 健胃作用\n・ビオヂアスターゼ2000(消化酵素): 消化促進作用"} +{"problem_id": "099267", "problem_text": "この患者が近医でマイコプラズマ肺炎と診断され、薬局に処方せんを持ってきた。薬局では処方薬のミノサイクリン塩酸塩錠を調剤して、これを服用中は上記の一般用医薬品の服用を控えるように指導した。その理由として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ミノサイクリンの溶解が促進され、吸収速度が上昇する。", "難溶性のキレートが形成され、ミノサイクリンの吸収量が減少する。", "ミノサイクリンの胃内での分解が促進され、吸収量が減少する。", "ミノサイクリンの消化管上皮細胞内での代謝が抑制され、吸収量が増加する。", "胃内容排出速度が低下し、ミノサイクリンの吸収が遅延する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "テトラサイクリン系抗生物質(ミノサイクリンなど)と2価以上の金属カチオンを併用すると、難溶性のキレートを形成し、テトラサイクリン系抗生物質の吸収性が低下する。患者が購入した一般用医薬品には、水酸化アルミニウムと酸化マグネシウムが含まれているため、ミノサイクリン塩酸塩錠と同時に服用すると難溶性のキレートが形成され、ミノサイクリンの吸収量が低下する。"} +{"problem_id": "099268", "problem_text": "32歳女性。消化器外来に通院中。数日前からじん麻疹を発症し、抗アレルギー薬が追加処方されることになった。担当医師から薬剤師に対して、「患者がなるべく眠くならない薬剤を希望しているが、推奨できるものは何か」と問い合わせがあった。薬剤師が推奨すべき抗アレルギー薬として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シプロヘプタジン塩酸塩水和物", "エバスチン", "フェキソフェナジン塩酸塩", "セチリジン塩酸塩", "ホモクロルシクリジン塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "問題文に、担当医師から「患者がなるべく眠くならない薬剤を希望しているが、推奨できるものは何か」と問い合わせがあったと記載されていることから、選択肢の中から最も眠気の少ない「フェキソフェナジン塩酸塩」を推奨する必要がある。フェキソフェナジン塩酸塩は中枢移行性が低く(血液脳関門に存在するP糖タンパク質により、脳内への移行が妨げられる)、眠気をほとんど起こさないという特徴を有する。"} +{"problem_id": "099269", "problem_text": "図は薬物の血液脳関門透過速度と1-オクタノール/水分配係数の関係を示したものである。前問で選択した薬物について、正しい記述はどれか。1つ選べ。ただし、B群の薬物においては血液脳関門透過速度と分子量で補正した分配係数との間に、図に示す直線関係がみられている。図は薬物の血液脳関門透過速度と1-オクタノール/水分配係数の関係を示したものである。前問で選択した薬物について、正しい記述はどれか。1つ選べ。ただし、B群の薬物においては血液脳関門透過速度と分子量で補正した分配係数との間に、図に示す直線関係がみられている。", "choices": ["アミノ酸やグルコースなどの栄養物質と同様にA群に属する。", "B群に属し、血液脳関門透過はpH分配仮説に従う。", "B群に属し、脳内への移行にトランスポーターが関与している。", "レボドパやバクロフェンと同様にC群に属する。", "C群に属し、P-糖タンパク質によって脳内への移行が妨げられる。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "薬物の特徴により、血液脳関門透過速度と分配係数の関係は、A群、B群、C群に分類することができる。・A群の薬物\n分配係数が小さく、血液脳関門透過速度が速い(水溶性であるが、血液脳関門透過速度が速い)。\\rightarrow\n担体により血液脳関門を透過している可能性が高い。・B群の薬物\n分配係数が大きくなるにつれて、血液脳関門透過速度が速くなっている(脂溶性の度合いが大きくなるにつれて、血液脳関門透過速度が速くなっている)。\\rightarrow\n受動拡散により血液脳関門を透過している可能性が高い。・C群の薬物\n分配係数が大きく、血液脳関門透過速度が遅い(脂溶性であるが、血液脳関門透過速度が遅い)。\\rightarrow\nP糖タンパク質により、脳内への移行が妨げられる可能性が高い。フェキソフェナジンは、P糖タンパク質により脳内への移行が妨げられる薬物であることから、C群の薬物に該当する。"} +{"problem_id": "099270", "problem_text": "40歳男性。体重65 kg。病院で腎移植後、シクロスポリンを含む処方による治療を継続中である。1年後の定期検診で脂質異常症と高血圧症を指摘された。これらの症状を改善する次の薬物のうち、シクロスポリンと併用禁忌なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アムロジピンベシル酸塩", "イコサペント酸エチル", "カルテオロール塩酸塩", "コレスチラミン", "ロスバスタチンカルシウム"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "シクロスポリン投与中にロスバスタチンを併用すると、シクロスポリンがOATP1B1(有機アニオン輸送系)及びBCRP(乳癌耐性タンパク質)等の機能を阻害することにより、ロスバスタチンの血漿中濃度が上昇し、副作用である横紋筋融解症が発現しやすくなる。そのため、両薬剤は併用禁忌となっている。"} +{"problem_id": "099271", "problem_text": "前問において併用禁忌となる相互作用の主なメカニズムはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ペプチドトランスポーターを介した小腸吸収の阻害", "有機アニオントランスポーターを介した肝取り込みの阻害", "肝CYP3A4による代謝の亢進", "糸球体ろ過速度の上昇", "有機カチオントランスポーターを介した尿細管分泌の阻害"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "シクロスポリンとロスバスタチンを併用すると、シクロスポリンがロスバスタチンの肝臓への取り込みに関与する有機アニオントランスポーターを阻害するため、ロスバスタチンの血漿中濃度が上昇し、副作用である横紋筋融解症が発現しやすくなる。"} +{"problem_id": "099272", "problem_text": "23歳女性。体重45 kg。てんかんと診断され、下記の処方による治療が開始された。この患者で予想される定常状態でのフェニトイン血中濃度とその解釈として、最も適切な��はどれか。1つ選べ。ただし、この患者におけるフェニトインの体内動態に関するパラメータとして、ミカエリス定数5 \\micro g/mL、みかけの最大消失速度10 mg/kg/dayが得られている。", "choices": ["血中濃度は10 \\micro g/mLと予想され、有効濃度域を下回っていると考えられる。", "血中濃度は10 \\micro g/mLと予想され、有効濃度域の下限付近と考えられる。", "血中濃度は10 \\micro g/mLと予想され、有効濃度域の上限付近と考えられる。", "血中濃度は20 \\micro g/mLと予想され、有効濃度域の下限付近と考えられる。", "血中濃度は20 \\micro g/mLと予想され、有効濃度域の上限付近と考えられる。", "血中濃度は20 \\micro g/mLと予想され、有効濃度域の上限を超えていると考えられる。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "フェニトインの消失速度は、Michaelis-Menten式で表される。また、定常状態では、注入速度=消失速度の関係が成立するため、以下のような関係式が成立する。本症例では「フェニトイン錠100 mg:1回1錠(1日3錠)」処方されていることから、1日当たりの注入速度は300 mg/dayとなる。これらのことから、C_{ss}を以下のように求めることができる。フェニトインの有効濃度域は10〜20 \\micro g/mLであるため、定常状態でのフェニトインの血中濃度は、有効濃度域の下限付近にあると考えられる。"} +{"problem_id": "099273", "problem_text": "フェニトインの投与量が増加したとき、代謝飽和のために値が小さくなる薬物動態パラメータはどれか。1つ選べ。", "choices": ["全身クリアランス", "分布容積", "血中消失半減期", "最高血中濃度/投与量", "血中濃度時間曲線下面積/投与量"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "フェニトインの投与量の増加により、代謝の飽和(消失の飽和)が生じた場合のパラメータ変化を以下に示す。・全身クリアランスの低下\n・消失速度定数の低下\n・消失半減期の延長\n・最高血中濃度/投与量の増加\n・血中濃度時間曲線下面積/投与量の増加"} +{"problem_id": "099274", "problem_text": "36歳男性。体重70 kg、気管支ぜん息の治療中である。吸入ステロイド薬で良好にコントロールされていたが、急性発作により、夜間救急を受診した。サルブタモール硫酸塩の吸入を反復したが改善せず、アミノフィリン点滴静注の処方が出された。テオフィリンの溶解度を上昇させる目的で、アミノフィリン注射液に含有されている添加剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["エチレンジアミン", "ポリエチレングリコール", "\\beta -シクロデキストリン", "ドデシル硫酸ナトリウム", "ベンジルアルコール"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "アミノフィリン注射液には、テオフィリンの溶解度を上昇させる目的で、エチレンジアミンが添加されている。エチレンジアミンは、テオフィリンと可溶性複合体を形成することで、テオフィリンの溶解度を上昇させている。"} +{"problem_id": "099275", "problem_text": "この患者における定常状態での血中テオフィリン濃度を15 \\micro g/mLとしたい。テオフィリンの点滴静注速度(mg/h)として適切な値はどれか。1つ選べ。ただし、この患者におけるテオフィリンの血中消失半減期は7時間、分布容積は 32 L、ln2=0.693とする。", "choices": ["12", "24", "36", "48", "60"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "<消失速度定数を求める>\n血中消失半減期は7時間であることから、消失速度定数を以下のように求めることができる。消失速度定数=0.693/血中消失半減期=0.693/7 h\\fallingdotseq 0.1 h^{-1}<全身クリアランスを求める>消失速度定数: 0.1 h^{-1}、分布容積: 32 Lであることから、全身クリアランスを以下のように求めることができる。全身クリアランス=消失速度定数\\times 分布容積=(0.1 h^{-1})\\times(32 L)=3.2 L・h^{-1}<定常状態における点滴速度を求める>\n定常状態での血中テオフィリン濃度を15 \\micro g/mLとするための点滴速度を以下にように求めることができる。定常状態における点滴速度=全身クリアランス\\times 定常状態の血中濃度定常状態における点滴速度=3.2(L・h^{-1})\\times 15 \\micro g/mL\\fallingdotseq 48 mg/h"} +{"problem_id": "099276", "problem_text": "この患者にアミノフィリン注射液(250 mg/10 mL)を前問で求めたテオフィリンとしての静注速度で1時間かけて点滴静注する場合、使用する薬液量(mL)として最も適切な値はどれか。1���選べ。ただし、アミノフィリン中のテオフィリン含量は80 w/w%とする。", "choices": ["0.6", "1.2", "1.8", "2.4", "3.0"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "テオフィリンを前問で求めた速度(48 mg/h)で1時間点滴静注した場合、その投与量は48 mgとなる。アミノフィリン中のテオフィリンの含量は80 w/w%であることから、以下のようにアミノフィリンとしての投与量を求めることができる。テオフィリンの投与量=アミノフィリンの投与量\\times 0.8\nアミノフィリンの投与量=テオフィリンの投与量/0.8=48 mg/0.8=60 mg\nアミノフィリン注射液(250 mg/10 mL)であることから、以下のようにアミノフィリンを60 mg含有するアミノフィリン注射液の容量を求めることができる。アミノフィリン注射液の濃度\\times アミノフィリンの容量=アミノフィリンの量\nアミノフィリンの容量=アミノフィリンの量/アミノフィリン注射液の濃度\nアミノフィリンの容量=60 mg/250 mg/10 mL=2.4 mL"} +{"problem_id": "099277", "problem_text": "アミノフィリン点滴静注を行う際の注意事項に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["肝障害のある患者では、血中テオフィリン濃度が上昇しやすい。", "喫煙習慣のある患者では、血中テオフィリン濃度が上昇しやすい。", "ニューキノロン系抗菌薬を併用している患者では、テオフィリンの中毒症状が現れることがある。", "過量投与では、痙れんが発現しやすい。", "過量投与の処置としては、輸液による排泄促進が有効である。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\nテオフィリンは肝消失型薬物であるため、肝障害のある患者では、血中テオフィリン濃度が上昇しやすい。2:誤っている\n喫煙習慣のある患者ではCYP1A2が誘導されているため、テオフィリンの代謝が促進され、血中濃度が低下することがある。3:正しい\nニューキノロン系抗菌薬はCYP1A2阻害作用を有するため、ニューキノロン系抗菌薬を併用している患者では、テオフィリンの代謝が抑制され、中毒症状が現れることがある。4:正しい\nテオフィリンの過量投与では、以下の中毒症状が現れる。・精神神経症状(頭痛、不眠、不安、興奮、痙れん、せん妄、意識障害、昏睡等)\n・消化器症状(悪心、嘔吐等\n5:正しい\nテオフィリンを過量投与した際には以下の処置が有効である。・消化管内のテオフィリンを除去する方法\n胃洗浄、活性炭の経口投与等\n・血中テオフィリンを除去する方法\n活性炭を吸着剤とした血流灌流、血液透析、輸液による排泄促進等"} +{"problem_id": "099278", "problem_text": "22歳女性。中等度のアトピー性皮膚炎にて受診している。今回、顔面、頸部、体幹、腕等に炎症を認めたため、次の薬剤が処方された。次の記述のうち、服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["タクロリムス水和物軟膏は皮膚萎縮の副作用があるので、顔面に使用しないように指導した。", "デキサメタゾン吉草酸エステル軟膏は、炎症が軽くなれば使用を直ちに中止するように指導した。", "ヒルドイドローションは、入浴直後に使用すると効果的であると指導した。", "アゼラスチン塩酸塩は眠気を誘発するため、車を運転しないように指導した。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nタクロリムス水和物軟膏は、副作用として適用部位の刺激感(熱感、疼痛等)があるが、顔面皮膚にも使用することができる。2:誤\nデキサメタゾン吉草酸エステル軟膏は副腎皮質ステロイド性薬であり、炎症症状が軽くなると共に、徐々に減量する。3:正\nヒルドイドローションは皮膚乾燥をおこしやすい入浴直後に使用すると効果的である。4:正\nアゼラスチン塩酸塩はH_{1}受容体遮断薬であり、副作用として眠気が認められることがあるため、服用中は車を運転しないように指導する必要がある。"} +{"problem_id": "099279", "problem_text": "ヒルドイドローション0.3%に含まれる添加物とその役割との組み合わせのうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "ヒルドイドローションに含まれている添加剤とそれぞれの役割を以下に示す。・グリセリン:\n保湿剤\n・パラオキシ安息香酸エチル:\n保存剤\n・セタノール:\n乳化補助剤\n・白色ワセリン:\n油脂性基剤\n・モノステアリン酸グ��セリン:\n乳化剤"} +{"problem_id": "099280", "problem_text": "65歳女性。関節リウマチで内服薬を服用していたが、十分な治療効果が認められなかったため、モノクローナル抗体(遺伝子組換え)製剤が投与されることとなった。次の製剤のうち、関節リウマチに適応があるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アダリムマブ皮下注", "ウステキヌマブ皮下注", "トシリズマブ点滴静注用", "トラスツズマブ注射用", "バシリキシマブ静注用"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "選択肢にある薬物のうち、関節リウマチの治療に用いられるのは、「アダリムマブ皮下注」「トシリズマブ点滴静注用」である。選択肢の薬物の特徴を以下に示す。・アダリムマブ: 完全ヒト型抗TNF-\\alpha モノクローナル抗体\n関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎などの治療に用いられる。・ウステキヌマブ: ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体\n尋常性乾癬、関節症性乾癬の治療に用いられる。・トシリズマブ: ヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体\n関節リウマチの治療などに用いられる。・トラスツズマブ: 抗HER2ヒト化モノクローナル抗体\nHER2過剰発現が確認された乳がん\nHER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃がんの治療に用いられる。・バシリキシマブ: 抗ヒトIL-2受容体\\alpha 鎖(CD25)モノクローナル抗体\n腎移植後の急性拒絶反応の抑制に用いられる。"} +{"problem_id": "099281", "problem_text": "前問で選択した2種の注射剤に共通する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["密閉容器に保存されている。", "遮光し、2〜8^{\\circ} Cで保存する。", "生理食塩液に対する浸透圧の比は6である。", "無菌試験法に適合する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n両剤ともに、密封容器に保存されている。"} +{"problem_id": "099282", "problem_text": "55歳男性。体重67 kg。C型慢性肝炎の治療のため、以下の薬剤が処方された。上記処方に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ウイルス陰性化率は、ウイルスの遺伝子型の影響を受ける。", "リバビリンは、単剤で強い抗ウイルス効果を示す。", "B型慢性肝炎にも著効を示す。", "主な副作用として発熱がある。", "葛根湯は併用禁忌である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nC型肝炎ウイルスの遺伝子型(ジェノタイプ)には、1a、1b、2a、2bが存在する。C型肝炎の治療においては、C型肝炎ウイルスの遺伝子型(ジェノタイプ)によりインターフェロンによる治療効果が異なる。よって、インターフェロン治療において、ウイルス陰性化率はウイルスの遺伝子の影響を受ける。2:誤\nC型肝炎の治療においてリバビリンの単独療法は無効である。なお、C型肝炎の治療においてリバビリンはペグインターフェロンと併用して用いられる。3:誤\nペグインターフェロンとリバビリンの併用療法はC型肝炎に著効を示すが、B型肝炎には著効を示さない。4:正\nペグインターフェロンとリバビリンの併用療法では、主な副作用として、発熱、筋肉痛、倦怠感、抑うつ、間質性肺炎等を起こすことがある。5:誤\nペグインターフェロン及びリバビリンと葛根湯との相互作用は報告されていない。なお、ペグインターフェロンは小柴胡湯と併用禁忌である。"} +{"problem_id": "099283", "problem_text": "ペグインターフェロン アルファ-2bは、インターフェロン アルファ-2bにメトキシポリエチレングリコールを結合させたものである。この結合の目的として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["水溶性の向上", "抗原性の低下", "タンパク質分解酵素に対する安定性の向上", "肝臓への標的指向化", "糸球体ろ過の抑制"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "インターフェロン\nアルファ-2bに両親媒性物質であるメトキシポリエチレングリコールを結合させ、インターフェロン\nアルファ-2bをPEG化する目的を以下に示す。・水溶性の向上\n・抗原性の低下\n・タンパク質分解酵素に対する安定性の向上\n・糸球体ろ過の抑制:等\nなお、肝臓への標的指向化は、PEG化の主目的ではない。"} +{"problem_id": "099284", "problem_text": "65歳男性。血液透析が施行されており、以下の薬剤を処方されていた。今回の検査において、eGFR(推算糸球体ろ過速度)15 mL/min/1.73 m^{2}���血中リン濃度5.5 mg/dL、補正血中カルシウム濃度11.0 mg/dL、血中アルブミン濃度3.7 g/dLという結果となり、以下の処方に変更になった。上記処方に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カルタン錠は、血中リン濃度を上昇させる目的で処方された。", "今回の処方変更は、血中カルシウム濃度が高値を示しているためである。", "セベラマー塩酸塩錠は、経口投与されたカルシウムの吸収を促進させる。", "セベラマー塩酸塩錠は、血中リンの排泄を促進する薬剤である。", "セベラマー塩酸塩錠の重大な副作用として、腸管穿孔や腸閉塞がある。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nカルタン錠(沈降炭酸カルシウム製剤)は、消化管においてカルシウムとリンを結合させることによりリンの吸収を抑制し、血中リン濃度を低下させる。2:正\nカルタン錠(沈降炭酸カルシウム製剤)は副作用として、高カルシウム血症を起こすことがある。本患者は検査において、補正血中カルシウム濃度(基準値: 8.5〜10.5 mg/dL)が高値を示しているため、高カルシウム血症を起こしにくいセベラマー塩酸塩への処方変更が行われたと考えられる。3:誤\nセベラマー塩酸塩錠は、消化管においてリンを吸着することによりリンの吸収を抑制し血中リン濃度を低下させる。4:誤\n解説3参照。5:正\nセベラマー塩酸塩錠は重大な副作用として、腸管穿孔や腸閉塞を起こすことがある。"} +{"problem_id": "099285", "problem_text": "セベラマー塩酸塩錠に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["主薬は、消化酵素で分解されて活性体となる。", "主薬は、カチオン性ポリマーである。", "主薬は、水に速やかに溶解する。", "胃で作用する製剤である。", "浸透圧を利用して主薬を放出する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "本剤の主薬は、カチオン性ポリマーであり、消化管においてリンを吸着することによりリンの吸収を抑制する。"} +{"problem_id": "099286", "problem_text": "70歳男性。1ヶ月前から息切れが出現し、病院を受診した。心機能低下を指摘され、慢性心不全と診断された。以下の内容の処方せんを待って保険薬局を訪れた。既往歴: 特記すべきことなし。常用薬なし。本症の重症度の指標として適切な検査項目はどれか。1つ選べ。", "choices": ["血清カリウム値", "血漿脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値", "血清尿酸(UA)値", "血清クレアチニン(Cr)値", "血清クレアチンキナーゼ(CK)値"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "選択肢のうち、慢性心不全の重症度の指標として適切な検査項目は、血漿脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値である。BNPは、主として心室で合成され分泌されるホルモンであり、慢性心不全ではBNP値が上昇する。"} +{"problem_id": "099287", "problem_text": "上記処方せんに対する疑義照会の内容として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方1は、心不全に用いる初回投与量としては過量であること。", "処方2は、心不全に用いる初回投与量としては過量であること。", "処方3は、心不全に用いる初回投与量としては過量であること。", "処方1、2は、心不全の患者では併用禁忌であること。", "処方3は、心不全の患者には就寝前の投与が推奨されていること。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "本症例では、慢性心不全と診断され、今回の処方が初めて出されていることから、各薬剤の初回量、相互作用、投与方法について確認する必要がある。初回量について処方1、3については特に問題ないが、処方2については、初回量としては過量である。処方2(ビソプロロールフマル酸塩)を慢性心不全の治療に用いる場合の初回量を以下に示す。<慢性心不全の治療にビソプロロールフマル酸塩を用いる場合の初回量>\n通常、成人にはビソプロロールフマル酸塩として、1日1回0.625\nmg経口投与から開始する。"} +{"problem_id": "099288", "problem_text": "65歳女性。身長160 cm、体重50 kg。てんかんの既往があり、現在フェニトイン100 mg錠を1回1錠、1日2回朝夕食後服用している。34歳時に子宮筋腫の手術を受け輸血された。55歳からC型慢性肝炎による代償期肝硬変の診断で近医に通院していた。今回、以下の薬剤が追加となった。この処方に関する記述のうち、正しいのはどれか。1��選べ。", "choices": ["溶解する水は、80^{\\circ} C以上の湯を用いる。", "溶解後、室温で24時間まで保存できる。", "溶解後の浸透圧が高いので下痢に注意する。", "主成分は芳香族アミノ酸である。", "この処方だけで一日に必要な熱量を摂取できる。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n本剤を熱湯で溶解するとタンパク質が変性するおそれがあるため、本剤を溶解する際は水又は温湯(約50^{\\circ} C)を用いる。2:誤\n本剤は、通常、用時溶解するが、溶解後保存する場合には以下のことに注意する必要がある。・溶解後やむなく保存する場合は冷所で保存することが望ましい。・溶解後10時間以内に使用する必要がある。3:正\n本剤溶解後の浸透圧は高いため、消化管内に水分を引き寄せることから、副作用として下痢、腹部膨満感、嘔気、嘔吐といった消化器症状を起こすことがある。4:誤\n本剤の主成分は分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)である。なお、本剤は、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)を多く含有する。本剤は、Fischer比(分岐鎖アミノ酸/芳香族アミノ酸)を増加させることにより、肝性脳症を改善することができる。5:誤\n本剤を投与することにより、必要なタンパク質を補うことはできるが、1日に必要な熱量を摂取することはできない。そのため、残りの必要熱量については、食事より摂取する必要がある。"} +{"problem_id": "099289", "problem_text": "その後、フェニトインの副作用発現が疑われたため、血漿中フェニトイン濃度を測定したところ、トラフ値が15 \\micro g/mLであった。この測定結果を踏まえて、この患者のフェニトイン用量を設定するにあたり、考慮することとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["代謝酵素が遺伝的に欠損している。", "肝初回通過効果による代謝が低下している。", "血漿タンパク結合率が低下している。", "消化管吸収率が低下している。", "腎クリアランスが低下している。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本症例では、フェニトインの濃度は有効血中濃度域(有効血中濃度:\n10〜20\n\\micro\ng/mL)にあるにも関わらず、副作用発現が疑われている。このことより、以下のことを考えることができる。・フェニトインの濃度が有効血中濃度域にあることから、「代謝酵素が遺伝的に欠損している」「肝初回通過効果による代謝が低下している」とは考えられない。・フェニトインの濃度が有効血中濃度域にあるにも関わらず副作用発現が疑われることから、「フェニトインの血漿タンパク結合率が低下することにより、遊離型のフェニトインが増加し、組織移行性が増大している」と考えられる。"} +{"problem_id": "099290", "problem_text": "75歳男性。アレルギー性鼻炎のため耳鼻科を受診後、保険薬局で以下の処方せんの調剤薬を受け取り、夕方から服薬を開始した。翌日午前中に、尿が出にくくなったと訴えて、この薬局に相談に来た。薬剤師は処方薬による副作用を疑った。この薬局の薬剤師が担当医へ提案すべき内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方1を中止。", "処方1をクロルフェニラミン製剤へ変更。", "処方2を中止。", "処方2を減量。", "処方3を中止。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本患者は尿が出にくくなったと訴えていることから、本患者に現れた症状の原因は、処方1のクレマスチン錠の抗コリン作用による尿閉であると考えられる。"} +{"problem_id": "099291", "problem_text": "この患者が病院を受診した。直腸診で、弾性があり硬い腫瘤が直腸前壁に触知された。最も疑われる疾病と、当該疾病の診断が確定したときの治療薬の組み合わせとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["直腸がん-フルオロウラシル", "直腸がん-イリノテカン塩酸塩水和物", "前立腺肥大症-デュタステリド", "前立腺肥大症-フルタミド", "腎不全-シラザプリル水和物", "腎不全-ロサルタンカリウム"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "問題文に「直腸診で、弾性があり硬い腫瘤が直腸前壁に触知された。」と記載されていることから、本患者は、前立腺肥大症に罹患している可能性が高い。選択肢3、4のうち、前立腺肥大症の治療に用いられるのはデュタステリドである。デュタステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンへ変換する1型及び2型5\\alpha\n還元酵素を阻害して、前立腺の肥大を抑制する。"} +{"problem_id": "099292", "problem_text": "54歳男性。検査の結果、アジソン病の確定診断を受け、経口ホルモン補充療法が施行されることとなった。アジソン病の典型的な所見はどれか。2つ選べ。", "choices": ["低血圧", "血清カリウム値の低下", "色素沈着", "体重増加", "好酸球減少"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "アジソン病は後天性の慢性副腎皮質機能低下症であり、以下に示すことが起こる。・鉱質コルチコイドの分泌低下\\rightarrow 低ナトリウム血症、低血圧、高カリウム血症\n・糖質コルチコイドの分泌低下\\rightarrow 全身倦怠感、易疲労感、体重減少、好中球増加\n・男性ホルモンの分泌低下\\rightarrow 無月経、脱毛、勃起不全\n・上記に示すホルモン分泌の低下によりACTHの分泌増加\\rightarrow 皮膚色素沈着"} +{"problem_id": "099293", "problem_text": "アジソン病に対する副腎皮質ホルモン補充の薬物投与設計として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "アジソン病の治療では、一般に天然の糖質コルチコイドであるヒドロコルチゾンの補充が基本であり、合成副腎皮質ホルモン、鉱質コルチコイドの補充は必要しない。通常、ヒドロコルチゾンの分泌は早朝に最大となることから、ヒドロコルチゾンは、朝食後に多く投与し、昼食後および夕食後には少量投与する。"} +{"problem_id": "099294", "problem_text": "初発の急性リンパ性白血病である21歳男性患者に対して、抗がん剤による寛解導入療法を実施することとなった。治療後に発症する可能性のある腫瘍崩壊症候群について、薬剤師がこの患者に説明することとなった。薬剤師は、重篤副作用疾患別対応マニュアルを利用することにした。重篤副作用疾患別対応マニュアル及びそれを利用した服薬指導に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["当該マニュアルは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページから入手した。", "当該マニュアルは、患者向け、医師向け、薬剤師向けの3部構成である。", "この副作用を予防するために、十分に水分補給するように指導した。", "体液を酸性側に傾けるための薬を服用することを説明した。", "好発時期は、治療開始後1〜2週目であることを説明した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n重篤副作用疾患別対応マニュアルは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページから入手することが可能である。2:誤\n重篤副作用疾患別対応マニュアルは、患者向け、医療従事者向けの2部で構成されている。3:正\n腫瘍崩壊症候群では、抗がん剤の投与により、多くの腫瘍細胞が崩壊して細胞内成分が流出し、血漿中のカリウム、リン、尿酸濃度が上昇する。本疾患を予防するためには、カリウム、リン、尿酸の濃度を低下させるために水分を積極的に摂取することに加え、尿酸の排泄を促進させるために体液をアルカリ側に傾ける薬を服用する必要がある。4:誤\n解説3参照\n5:誤\n腫瘍崩壊症候群の好発時期は、治療開始後12〜72時間以内である。"} +{"problem_id": "099295", "problem_text": "腫瘍崩壊症候群に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["血清リン値が著しく増加する。", "血清カリウム値が著しく低下する。", "腎機能低下を引き起こす。", "予防には、抗がん剤の投与開始前にラスブリカーゼを点滴投与するのが有効である。", "腎機能が正常な場合には、アロプリノールの経口投与が有効である。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n腫瘍崩壊症候群では、抗がん剤の投与により、多くの腫瘍細胞が崩壊して細胞内成分が流出し、血漿中のカリウム、リン、尿酸濃度が上昇する。"} +{"problem_id": "099296", "problem_text": "44歳女性。処方薬だけでは頭痛が十分に抑えきれないと訴え、一般用医薬品のロキソプロフェンナトリウムを購入するために薬局を訪れた。本人に確認すると、片頭痛がひどく、ロキソプロフェンナトリウムは3ヶ月前からほぼ毎日、処方薬は1年前から月に20回程度服用しているとのことである。お薬手帳から処方薬はスマトリプタン��50 mgであることがわかった。この患者に対する薬局の薬剤師の対応として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["スマトリプタン錠50 mgは片頭痛の予防薬なので毎日定時に服用しているか確認した。", "スマトリプタン錠50 mgの効果が不十分な場合、ロキソプロフェンナトリウムは服用せずに、スマトリプタン錠を1時間間隔で服用するように指導した。", "一般用医薬品のロキソプロフェンナトリウム錠の含量は、医療用より少ないので、増量が可能であると説明した。", "ロキソプロフェンナトリウムの販売を控え、処方医に相談するよう指導した。", "スマトリプタン錠50 mgの服用を中止して、ロキソプロフェンナトリウムだけにするように指導した。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nスマトリプタンは片頭痛の予防ではなく、発作に用いるものであることから、発作時にのみ服用しているか確認する。2:誤\nスマトリプタン錠50 mgを服用しても効果が不十分な場合には、スマトリプタン錠50 mgを追加投与することが可能である。その際は、投与間隔を2時間以上あける必要がある。3:誤\n一般用医薬品のロキソプロフェンナトリウム錠と医療用医薬品のロキソプロフェンナトリウム錠は共に1錠当たりロキソプロフェンナトリウム(無水物として)を60 mgを含有している。4:正\n本症例では、ロキソニン及びスマトリプタンの使用回数が多いことから、本患者は、薬物乱用頭痛(薬物乱用により頭痛症状が悪化する)であるの可能性がある。そのため、ロキソプロフェンナトリウムの販売を控え、処方医に相談するよう指導する必要がある。5:誤\n解説4参照"} +{"problem_id": "099297", "problem_text": "片頭痛に関する記述のうち誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["一次性頭痛に分類される。", "日常生活動作によって痛みが増悪することが多い。", "随伴症状として、光・音・臭過敏、悪心・嘔吐を伴うことが多い。", "入浴によって痛みが増悪することが多い。", "発症は、男性に多い。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n一次性頭痛とは、基礎疾患に起因しない頭痛である。一次性頭痛には、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛がある。"} +{"problem_id": "099298", "problem_text": "30歳男性。全身倦怠感、食欲不振、下痢、体重減少を訴えて受診した。抗HIV抗体が陽性であり、CD4陽性リンパ球の減少が見られた。後天性免疫不全症候群(AIDS)の診断を受け、薬物療法を開始することとなった。HIV感染症の治療に用いられるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ファムシクロビル錠", "エファビレンツ錠", "アタザナビル硫酸塩カプセル", "エンテカビル水和物錠", "リバビリンカプセル"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "選択肢のうち、HIV感染症の治療に用いられるのは、「エファビレンツ錠」「アタザナビル硫酸塩カプセル」である。選択肢にある薬物の特徴を以下に示す。・ファムシクロビル\n体内で代謝を受けてペンシクロビルとなり、その後、感染細胞内でウイルス由来のチミジンキナーゼによりリン酸化され、さらに宿主細胞由来キナーゼにより三リン酸化体となり、ウイルスDNAポリメラーゼを阻害する。・エファビレンツ\nHIVの逆転写酵素を非競合的に阻害することによりHIVの増殖を抑制する。・アタザナビル硫酸塩\nHIVプロテアーゼの活性部位に選択的に結合することでHIVの増殖を抑制する。・エンテカビル水和物\nウイルス感染細胞内でリン酸化されてエンテカビル三リン酸に変化した後、B型肝炎ウイルス由来のDNAポリメラーゼを阻害する。・リバビリン\nウイルス感染細胞内でリン酸化されリバビリン三リン酸に変化した後、C型肝炎ウイルス由来のRNAポリメラーゼを阻害する。"} +{"problem_id": "099299", "problem_text": "この患者への治療に関する記述のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["治療目標は、血中ウイルス量を検出限界以下に抑え続けることである。", "治療は、原則として多剤併用療法で開始する。", "治療により免疫機能の指標が改善したら、速やかに薬剤の服用を中止する。", "患者に対して、日和見感染の予防と早期発見の方法を説明する。", "抗HIV薬は、併用薬との相互作用に注意する必要があるので、他医療機関を受診する際には抗HIV薬を服用中であるこ��を申し出るように指導する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:適切である\n本感染症の治療目標は、血中ウイルス量を長期にわたって検出限界以下に抑え続けることである。"} +{"problem_id": "099300", "problem_text": "62歳女性。身長160 cm、体重45 kg。体表面積1.5 m^{2}。20歳から60歳まで1日10本喫煙していた。精査の結果、病期分類T2N2M0の肺がん(病理組織型X)と診断された。臨床検査所見 【末梢血検査】 WBC 4,300/\\micro L、Hb 10.4 g/dL、Plt 15万/ \\micro L 【生化学検査】 クレアチニンクリアランス75 mL/min 【腫瘍マーカー】 CEA 4.8 ng/mL(正常値5 ng/mL以下)SCC 0.2 ng/mL (正常値1.5 ng/mL未満)、NSE 69.9 ng/mL(正常値9 ng/mL以下) この患者の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腫瘍増殖速度は極めて遅い。", "非小細胞肺がんが疑われる。", "重要な危険因子は喫煙である。", "イリノテカン塩酸塩が治療薬の一つとして用いられる。", "ゲフィチニブが治療薬の一つとして用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "本症例では、腫瘍マーカーNSE(神経特異性エノラーゼ)が高値であることに加え、カルボプラチン、エトポシドの併用療法(CE療法)が施行されていることから、本患者は小細胞肺がんに罹患していると考えられる。1:誤\n小細胞肺がんでは、腫瘍増殖速度が速い。2:誤\n前記参照\n3:正\n喫煙は、小細胞肺がんの主な危険因子である。4:正\n小細胞肺がんの主な化学療法を以下に示す。・IP療法(イリノテカン+シスプラチン)\n・PE療法(シスプラチン+エトポシド)\n・CE療法(カルボプラチン+エトポシド)\n5:誤\nゲフィチニブは、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がんの治療薬として用いられる。"} +{"problem_id": "099301", "problem_text": "この患者に以下のがん化学療法を実施することになった。化学療法に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エトポシドの投与量は、この患者の体表面積から算出する。", "処方1は、経時的に結晶が析出することがあるので、希釈をしないでそのまま急速静脈内投与するように提案した。", "処方1の投与には、ポリ塩化ビニル製の点滴セットを使用する。", "カルボプラチンの投与量は、目標とする血中薬物濃度時間曲線下面積(AUC)を決めて、カルバートの式を用いて計算する。", "カルボプラチンの副作用を軽減させるために、投与後1日3,000 mL以上の輸液を投与するように処方提案した。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nエトポシドの投与量は、体表面積から算出する。"} +{"problem_id": "099302", "problem_text": "48歳女性。身長160 cm、体重65 kg。営業職。1年ほど前から胸焼けやゲップなどがあり市販の胃腸薬で対応していた。最近、その症状が改善されず、また、突然、咳込んだりすることがあったため、消化器内科を受診したところ、逆流性食道炎と診断され、以下の処方が開始された。この患者の治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["オメプラゾールの主たる代謝酵素はCYP2C9であるため、ワルファリンとの併用は注意すべきである。", "オメプラゾールの代謝に関して、日本人を含むモンゴル系人種で2%程度のPM(poor metabolizer)が存在する。", "オメプラゾールの代謝に関して、EM(extensive metabolizer)の患者では、PM患者より、症状の改善が期待できる。", "患者に、噛んだり砕いたりせずに服用するように指導する。", "オメプラゾールの投与により、胃がんによる症状が隠ぺいされることがあるので、悪性でないことを確認して治療することが重要である。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nオメプラゾールの主たる代謝酵素はCYP2C19である。オメプラゾールとワルファリンを併用すると、ワルファリンの作用が増強することがあるため、両剤は併用注意の組合せである。2:誤\nオメプラゾールの主たる代謝酵素であるCYP2C19の(PM: poor metabolizer)は、日本人を含むモンゴル系人種で13〜20%存在する。3:誤\nCYP2C19の(EM: extensive metabolizer)の患者では、PM患者より、オメプラゾールが早く代謝されるため、症状の改善がみられにくい。4:正\nオメプラゾール錠は腸溶性錠であるため、噛んだり砕いたりせずに服用する。5:正\nオメプラゾールの投���により、胃がんの症状(胃部不快感、吐き気、胸やけなど)が抑えられ、隠蔽されることがある。そのため、オメプラゾールを投与する際には、内視鏡などで悪性でないことを確認する必要がある。"} +{"problem_id": "099303", "problem_text": "オメプラゾール錠を4週間服用した結果、胸焼けなどの症状は明らかに改善したが、以前からの咳は継続していた。そこで、文献検索により、逆流症状を有する患者の慢性の咳に対するプロトンポンプ阻害薬の効果に関する論文を入手した。その論文の中に以下の図が掲載されていた。この図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メタアナリシスの結果を示す際によく用いられ、ファンネルプロットと呼ばれる。", "検討に用いられた3つの研究結果が不均一とはいえないことが確認できる。", "横の線は、標準誤差を表す。", "最下段のひし形は、3つの研究結果を統合したものである。", "逆流症状を有する患者の慢性の咳に対して、プロトンポンプ阻害薬は、プラセボよりも有意に効果があると、読み取れる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "問題に添付されている図は、フォレストプロットである。フォレストプロットには、メタアナリシスの結果が示されており、上段には個々の研究結果、最下段にはこれらを統合した結果を示している。フォレストプロットの読み取り方を以下に示す。<フォレストプロットの読み取り方>\n・95%信頼区間(横線及び◆の横幅)がオッズ比1を挟んでいる場合\n結果に有意差がない\n・95%信頼区間(横線及び◆の横幅)がオッズ比1を挟んでいない場合\n結果に有意差がある\n・四角(■):\n個々の研究結果の平均値\n・横線(―):\n個々の研究結果の95%信頼区間\n・菱形(◆)の中心:\n統合した結果の代表値\n・菱形(◆)の横幅:\n統合した結果の95%信頼区間\n1:誤\n前記参照\n2:正\n図の左下にあるTest\nfor\nheterogenenityにP=0.88(P>0.05なら不均一ではない)とあることから、この研究結果は、不均一とはいえない。3:誤\n前記参照\n4:正\n前記参照\n5:誤\n問題文に添付されている図より、各研究結果の95%信頼区間が1を挟んでおり、また、総合結果の95%信頼区間も1を挟んでいるため、逆流症状を有する患者の慢性の咳に対して、プロトンポンプ阻害薬は、プラセボよりも有意に効果があると、読み取ることはできない。"} +{"problem_id": "099304", "problem_text": "60歳女性。10年ほど前に尿タンパクを指摘されていたが放置していた。その後、疲れやすくなったため、8年ほど前に近医を受診した。腎機能低下を指摘され、薬物療法が開始された。症状は徐々に進行し、現在は慢性腎不全の保存期である(検査値: 血清クレアチニン値3.0 mg/dL、血清カルシウム値8.8 mg/dL、血清リン値4.4 mg/dL、血清カリウム値5.0 mEq/L)。以下の処方を受けているが、最近、胸のむかつきなどの胃炎症状を訴えている。この女性患者にニザチジンを投与することとなった。なお、腎機能が正常な女性において、ニザチジンの全身クリアランスに占める腎クリアランスの割合は90%、eGFRを120 mL/min/1.73 m^{2}とし、ニザチジンの腎クリアランスはeGFRに比例し、腎外クリアランスは腎機能の影響を受けないと仮定した。また、eGFRの推定には次のノモグラムを用いた。腎機能正常者におけるニザチジンの1日量300 mgとするとき、この患者に対するニザチジンの1日量として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["30 mg", "60 mg", "90 mg", "120 mg", "150 mg"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "<腎機能が正常な女性の腎クリアランスと腎以外のクリアランスを求める>\n問題文に「腎機能が正常な女性において、ニザチジンの全身クリアランスに占める腎クリアランスの割合は90%」と記載されていることから、腎機能が正常な女性の腎クリアランスと腎以外のクリアランスを以下のように考えることができる。腎クリアランス=全身クリアランス\\times 0.9\n腎以外のクリアランス=全身クリアランス\\times 0.1\n<本患者の腎クリアランス、腎以外のクリアランス、全身クリアランスを求める>\n問題文中のノモグラフを用いて、eGFRを推定する。*eGFRの推定の方法*\n・左に年齢(60歳)をプロットする\n・右に血清Cr(3.0 mg/dL)をプロットする\n・両プロットを直線でつなぎeGFR(mL/min/1.73 m^{2})との交点を確認する\nこの結果、本患者のeGFRは13 mL/minであると推定できる。このことから、本患者の腎機能は腎機能正常者の約10%(13 mL/min/120 mL/min)まで低下しており、本患者の腎クリアランスと腎以外のクリアランスを以下のように考えることができる。腎クリアランス=全身クリアランス\\times 0.9\\times 0.1=全身クリアランス\\times 0.09\n腎以外のクリアランス=全身クリアランス\\times 0.1\nまた、本患者の全身クリアランスを以下のように求めることができる。本患者の全身クリアランス=腎クリアランス+腎以外のクリアランス=全身クリアランス\\times 0.09+全身クリアランス\\times 0.1=全身クリアランス\\times 0.19\n上記より、本患者のニザチジンの全身クリアランスは腎機能正常患者の約20%まで低下していると考えることができる。これらのことから、投与量を腎機能正常患者の20%にする必要があるため、この患者に対するニザチジンの1日量は、60 mg(300 mg\\times 0.2)とすべきである。"} +{"problem_id": "099305", "problem_text": "この患者の薬学的管理に関する記述のうち、適切ではないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["テモカプリル塩酸塩錠は、血清カリウム値を上昇させることがある。", "炭酸水素ナトリウムは、代謝性アシドーシスに対して処方される。", "高リン血症を併発した場合には、炭酸マグネシウムの投与を考慮する。", "クレメジンカプセル200 mgは、他剤との相互作用を避けるため服用時期を変更するよう疑義照会する。", "消化管へのポリスチレンスルホン酸カルシウムの蓄積を避けるため、便秘を起こさせないようにする。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:適切である。テモカプリルはアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬であり、副作用として高カリウム血症を起こすことがある。"} +{"problem_id": "099306", "problem_text": "44歳の女性が薬局を訪れ、家族のための常備薬として、以下の一般用医薬品の購入を希望した。薬局での情報収集により、家族構成は夫45歳、長女22歳、長男10歳の4人家族であることがわかった。有効成分(1錠中) アスピリン500 mg 成人服用量1回1錠 この女性に対する本剤の注意点の説明として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["他の解熱鎮痛薬と同時に服用しないでください。", "長男が用いる時は1回半錠とし、1錠は服用しないでください。", "胃・十二指腸潰瘍の治療を受けている人は服用しないでください。", "服用前後は飲酒をしないでください。", "出産予定日12週以内の妊婦は服用しないでください。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n本剤は他の解熱鎮痛薬との併用により、副作用発現リスクが増大するおそれがあるため、本剤と他の解熱鎮痛薬を同時に服用しないよう指導する必要がある。2:誤っている\n本剤は小児(15歳以下)に服用させないこととされている。本患者の長男は10歳であるため、本剤を服用することができない。3:正しい\n本剤を服用することにより消化性潰瘍が悪化するおそれがあるため、胃・十二指腸潰瘍の治療を受けている人は本剤を服用しないよう指導する必要がある。4:正しい\n本剤をアルコールと併用することにより消化性潰瘍の副作用発現リスクが増大するおそれがあるため、本剤を服用前後は飲酒をしないよう指導する必要がある。5:正しい\n本剤を妊娠時に服用すると、妊娠期間の延長、分娩時出血の増加、催奇形性等の副作用が発現するおそれがあるため、出産予定日12週以内の妊婦は本剤を服用することができない。"} +{"problem_id": "099307", "problem_text": "一般用医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものは一般用医薬品である。", "薬局開設者又は店舗販売業者は、配置による方法で一般用医薬品を販売してはならない。", "薬剤師又は登録販売者は、相談者の症状をもとに病名を診断し、使用する一般用医薬品を決定して販売する。", "薬剤師又は登録販売者は、その薬局又は店舗において一般用医薬品を購入した者からその医薬品について相談を受けた場合、情報提供をしなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n一般用医薬品とは、医薬品のうち、その���能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであり、医療用医薬品以外の医薬品のことである。"} +{"problem_id": "099308", "problem_text": "24歳女性。クローン病と診断され、メサラジンで治療していたが効果不十分のため、生物由来製品であるインフリキシマブ(遺伝子組換え)が処方された。インフリキシマブの使用に関する記述について、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["インフリキシマブの使用はクローン病の根治が目的である。", "使用記録簿は当該施設で20年間保存することが義務付けられている。", "結核の既感染者には胸部レントゲン検査等を定期的に行う。", "製造に用いた原料について患者に説明する義務がある。", "重篤な副作用に対し十分対応できる医療機関で使用する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n本剤は、クローン病の根治が目的ではなく、クローン病の寛解導入、寛解維持を目的として用いられる。2:誤\n本剤は生物由来製品であり、使用記録簿の保存は義務付けられていない。なお、使用記録簿を当該施設で20年間保存することが義務付けられているのは、特定生物由来製品である。3:正\n本剤を使用することにより結核の発症や結核既感染者の症状顕在化・悪化を起こす可能性がある。そのため、本剤を結核の既感染者が使用する場合には、定期的に胸部レントゲン検査等を行う必要がある。4:誤\n本剤は生物由来製品であり、製造に用いた原料について患者に説明することは義務付けられていない。なお、製造に用いた原料について患者に説明する義務があるのは、特定生物由来製品である。5:正\n本剤は、重篤な副作用に十分対応できる医療機関で使用する必要がある。"} +{"problem_id": "099309", "problem_text": "以下の表示は、インフリキシマブの直接の容器に付すために作成したものである。この他に、法令の規定により記載しなければならない事項はどれか。2つ選べ。以下の表示は、インフリキシマブの直接の容器に付すために作成したものである。この他に、法令の規定により記載しなければならない事項はどれか。2つ選べ。", "choices": ["製造販売業者の氏名又は名称及び住所", "製造年月日", "製造番号又は製造記号", "主な添加物"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "医薬品の直接の容器又は直接の被包への記載事項することが義務づけられている項目(原則)を以下に示す。・製造販売業者の氏名又は名称及び住所\n・医薬品の名称\n・製造番号又は製造記号\n・重量、容量又は個数等の内容\n・日本薬局方に収められている医薬品は、「日本薬局方」の文字及び記載するように定められた事項\n・基準設定医薬品は、貯法、有効期限等の基準\n・一般用医薬品は、区分ごとに「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」の文字\n・要指導医薬品は、厚生労働省令で定められた事項\n・日本薬局方収載医薬品以外の医薬品は、有効成分の名称、分量\n・習慣性医薬品は「注意-習慣性あり」の文字\n・処方せん医薬品は「注意-医師等の処方せんにより使用すること」の文字\n・厚生労働大臣の指定する医薬品は、「注意-人体に使用しないこと」の文字\n・厚生労働大臣の指定する医薬品は、その使用の期限\n上記より、設問のラベルに記載された事項の他に法令の規定により記載しなければならない事項は、製造販売業者の氏名又は名称及び住所(選択肢1)と製造番号又は製造記号(選択肢3)である。"} +{"problem_id": "099310", "problem_text": "学校薬剤師のAさんは、日頃から学校環境の維持改善や医薬品の適正使用、薬物乱用防止などについて学校長に指導助言している。Aさんは学校長から以下の5つの相談を受けた。これらのうち、学校環境衛生基準に規定されていないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["教室が暗く感じます。照度測定をお願いします。", "校舎内にネズミがいます。アドバイスをお願いします。", "道路工事の音が気になります。騒音レベルの測定をお願いします。", "水道水の臭いが気になります。水質検査をお願いします。", "運動場の土壌が放射性物質に汚染されていないかどうか検査をお願いします。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢の中で、学校環境衛生基準に規定されていないのは、「運動場の土壌の���射性物質による汚染の検査(選択肢5)」である。学校衛生環境基準に規定されている検査項目を以下に示す。・教室等の環境に係る学校環境衛生基準(換気及び保温等、採光及び照明、騒音)\n・飲料水等の水質及び施設・設備に係る学校環境衛生基準\n・学校の清潔、ネズミ、衛生害虫等及び教室等の備品の管理に係る学校環境衛生基準\n・水泳プールに係る学校環境衛生基準\n・日常における衛生管理に係る学校衛生基準:等"} +{"problem_id": "099311", "problem_text": "また、Aさんは学校長から、社会問題になっている違法ドラッグについて助言してほしいと頼まれたので、薬事法における指定薬物の規制を確認した。指定薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有している蓋然性が高く、身体に使用された場合に保健衛生上の危害の発生のおそれがある物が、指定薬物に指定される。", "指定薬物は、いかなる場合でも製造し、輸入し、販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵してはならない。", "指定薬物は、有害性が高いと認められた場合、自動的に麻薬としての規制も受ける。", "厚生労働大臣は、緊急を要する場合、薬事・食品衛生審議会の意見を聴かずに指定薬物を指定することができる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n指定薬物とは、「中枢神経系の興奮もしくは抑制または幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(大麻、覚醒剤、麻薬及び向精神薬並びにあへん及びけしがらを除く)として、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するもの」である。"} +{"problem_id": "099312", "problem_text": "体調の不良を訴えて成人男性が薬局を訪れた。薬剤師が男性に質問した結果、現在の服用薬、副作用歴、アレルギー歴はないことを確認した。この男性が訴えた内容が以下のものであった場合、一般用医薬品で対応が可能と考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["咳がひどく呼吸音がゼイゼイ、ヒューヒューという。", "痰に血液が混じっている。", "耳下腺が腫れている。", "水のような鼻水が出ている。", "筋肉痛を伴う39^{\\circ} Cの急な発熱がある。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、一般用医薬品で対応可能な症状は「水のような鼻水が出ている(選択肢4)」である。1:誤\n設問のような症状が出ている場合、ぜん息の可能性があるため、受診するように勧める。2:誤\n設問のような症状が出ている場合、結核や肺がんの可能性があるため、受診するように勧める。3:誤\n設問のような症状が出ている場合、流行性耳下腺炎などの可能性があるため、受診するように勧める。4:正\n5:誤\n設問のような症状が出ている場合、インフルエンザの罹患している可能性があるため、受診するように勧める。"} +{"problem_id": "099313", "problem_text": "薬剤師は、この男性の事例は一般用医薬品で対応できないと判断し、受診勧奨を行った。この男性は、医療機関で受診し、再び薬局を訪れた。薬剤師法に照らし、薬剤師の行為として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ファクシミリで処方内容の連絡を受けていた薬剤を調製したが、この男性が処方せんを持参しなかったため、その薬剤を交付しなかった。", "この男性が処方せんに記載された薬剤とは異なる成分の薬剤を希望したため、その薬剤を調剤した。", "処方せんに用法の記載がなかったため、一般的な用法を説明した。", "お薬手帳の記載から、処方された薬剤が以前使用されたことがあるとわかったため、情報提供を行わなかった。", "この男性から薬袋は不要であると申し出があったため、薬剤のみを交付した。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n薬剤師は、医師、歯科医師又は獣医師の処方せんによらなければ、販売又は授与の目的で調剤してはならない。よって、患者が処方せんを持参しなかった場合には、薬剤を交付してはならない。"} +{"problem_id": "099314", "problem_text": "35歳男性。微熱、鼻水、咳の症状を訴えて薬局を訪れ、対応した薬剤師が、以下の成分からなる総合感冒薬を販売することとなった。この男性には服用薬はなく、副作用歴、アレルギー歴のいずれもないことを確認した。この男性から、この総合感冒薬を服用した後に以下の症状の訴えがあった場合、直ちに服用を中止させ医師への受診勧奨を行わなければならない事例はどれか。2つ選べ。", "choices": ["便秘気味になった。", "口が渇いた。", "眠気を催した。", "高熱が出て、目の粘膜に水ぶくれができた。", "服用後すぐに息苦しさが現れた。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "本剤のような総合感冒薬では、副作用として皮膚粘膜眼症候群(初期症状: 高熱、全身倦怠感、水疱、びらん等)、アナフィラキシー様反応(初期症状: 発疹、発赤、呼吸困難等)等を起こすことがあるため、本剤服用後、それらの初期症状が認められた場合には、受診勧奨を行う必要がある。"} +{"problem_id": "099315", "problem_text": "その後、この男性が医療機関で受診したところ、当該症状は、医薬品の副作用であると診断され、副作用被害救済制度の説明がなされた。副作用被害救済制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["添付文書に記載されている用法・用量に従わずに使用した場合、救済の対象とならないことがある。", "副作用被害救済制度には、葬祭料の支給に関する規定はない。", "副作用被害救済の請求があった場合、対象となる疾病等が医薬品の副作用によるものであるかどうか等の医学的薬学的判定については厚生労働大臣が行う。", "医薬品の副作用による疾病について医療費及び医療手当が支給されるには、必ず入院治療が行われる必要がある。", "医薬品の副作用によって障害が残った場合、障害年金は障害の程度にかかわらず、一律決まった額が支給される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した健康被害に対して、副作用被害救済制度が適用される。よって、添付文書に記載されている用法・用量に従わず使用した場合、救済の対象とならないことがある。"} +{"problem_id": "099316", "problem_text": "83歳男性。脳梗塞で寝たきり状態となり、自宅で療養中である。この患者の家族からの訴えに応じて、保険薬局の薬剤師が以下のことを行った。処方医への確認なしで薬剤師が行った対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n医薬品を廃棄し使用可能な薬剤を整理することは、処方医への確認なしで薬剤師が行うことができる。2:誤\n剤形を変更する(散剤を水剤に変更する等)際には、処方医に確認する必要がある。3:誤\n用法を変更する(服用回数を減らす等)際には、処方医に確認する必要がある。4:正\n薬の服用忘れを防ぐために服薬カレンダーを勧めることは、処方医への確認なしで薬剤師が行うことができる。5:誤\n用量を変更する(服用錠数を2倍にする等)際には、処方医に確認する必要がある。"} +{"problem_id": "099317", "problem_text": "この患者は要介護認定を受けていた。薬剤師の行う居宅療養管理指導に関して正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["通所介護を受けるために滞在している施設においても実施できる。", "提供した居宅療養管理指導の内容について、速やかに記録を作成し、医師又は歯科医師に文書で報告する。", "保険薬局では厚生労働大臣の許可を受けなければ実施できない。", "薬剤師が1人の保険薬局でも実施できる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n居宅療養管理指導は、通院が困難な利用者の居宅又は居宅している施設において行うものであることから、通所介護を受けるために滞在している施設では、居宅療養管理指導を実施することはできない。"} +{"problem_id": "099318", "problem_text": "医薬分業の進展とともに、かかりつけ薬局の重要性が高まっている。かかりつけ薬局を訪れたAさんは、1週間前より以下の処方にて薬を服用中である。「明日早朝より10日間出張のため、薬が3日分不足することになる。電話したが、医師は不在であると看護師に言われた。」と相談があった。なお、センノシド錠は「処方せん医薬品以外の医薬品」に分類されている。(処方) センノシド錠12 mg:1回2錠(1日2錠) 1日1回:就寝前:14日分 薬剤師の最初の対応として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["3日分お渡しします。出張後処方せんを医師からもらってきてください。", "看護師に伝えておきますので、3日分お渡しします。", "同じ有効成分を含有する一般用医薬品がありますが、いかがですか。", "明日医師に連絡して処方日数を変更してもらいますので、3日分お渡しします。", "あなたの知人のBさんが同じ薬を服用しています。Bさんに相談されてはいかがでしょう。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n処方せんが交付される前に調剤することはできない。2:誤\n看護師に不足分を伝えて、医薬品を渡すことはできない。3:正\n不足薬と同じ有効成分を含む一般用医薬品がある場合には、一般用医薬品の購入を勧めることが望ましい。4:誤\n後日、処方医に連絡して処方日数を変更することはできない。5:誤\n薬剤師には、守秘義務があり、知人の服用歴などを正当な理由なく伝えるべきではない。"} +{"problem_id": "099319", "problem_text": "医薬分業に関わる記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["最近の処方せん受取率は、全国平均で約80%である。", "薬局薬剤師には、地域医療におけるチーム医療の一員としての役割が期待されている。", "医薬分業の利点には、医師と薬剤師がそれぞれの専門分野で業務を分担し、国民医療の質的向上を図ることがあげられる。", "「かかりつけ薬局」の意義として、薬歴管理により重複投薬、相互作用の有無の確認などができ、薬物療法の有効性・安全性が向上することがあげられる。", "業務の責任を明確にするため、病院薬剤師と薬局薬剤師は連携せずに、独立して業務を行うことが求められる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:誤っている\n最近の処方せん受取率は、全国平均で約65%程度である。"} +{"problem_id": "099320", "problem_text": "50歳男性。狭心症、脂質異常症及び頻尿で処方1の薬剤を服用していた。今回、患者の勃起不全に対し、他の医療機関から処方2の薬剤が処方された。処方2の薬剤を服用した後、患者は急激な血圧低下により意識障害を起こし救急車で病院に運ばれた。処方1の中でシルデナフィルクエン酸塩と併用禁忌の薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["プロピベリン塩酸塩錠20 mg", "シンバスタチン錠5 mg", "硝酸イソソルビド徐放カプセル20 mg", "アロチノロール塩酸塩錠10 mg", "イコサペント酸エチル粒状カプセル600 mg"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "処方1の中でシルデナフィルクエン酸塩と併用禁忌の薬剤は、硝酸イソソルビド徐放カプセルである。シルデナフィルは、ホスホジエステラーゼVを阻害することによりサイクリックGMP(cGMP)量を増加させ、血管平滑筋を弛緩させる。一方、硝酸イソソルビドは、グアニル酸シクラーゼを活性化し、cGMP量を増加させ、血管平滑筋を弛緩させる。このことより、両剤を併用するとcGMPが増加し、過度の血圧低下を起こす可能性があるため、両剤は併用禁忌とされている。"} +{"problem_id": "099321", "problem_text": "この副作用症例と副作用感染症報告制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["製造販売業者は、病院から最初に情報を入手してから30日以内に厚生労働大臣へ報告する必要がある。", "製造販売業者は、病院での副作用症例の情報収集業務を他社に委託できない。", "病院の医師が厚生労働大臣に対し副作用報告をした場合、被疑薬の製造販売業者は厚生労働大臣に対し副作用を報告する必要はない。", "病院の薬剤師は、製造販売業者の副作用症例の情報収集業務に協力するよう努める必要がある。", "病院開設者は、院内で発生した全ての重篤な副作用症例を管轄の保健所長に対し報告する必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n製造販売業者は、医薬品の副作用により意識障害等の死亡につながるおそれのある症例を知ったとき、以下のように対応する必要がある。・使用上の注意から予測できないものである場合\\rightarrow\n15日以内に厚生労働大臣に報告\n・新医薬品で市販後2年を経過していないものである場合\\rightarrow\n15日以内に厚生労働大臣に報告\n・上記以外の場合\\rightarrow\n30日以内に厚生労働大臣に報告\n本症例における副作用は、添付文書に記載されている副作用であり��測することが可能であるため、製造販売業者は、30日以内に厚生労働大臣へ報告する必要がある。"} +{"problem_id": "099322", "problem_text": "70歳女性。圧迫骨折で入院中であり、以下の薬剤が処方された。昨日から咳と38^{\\circ} Cの発熱が続いている。この処方において、患者の腎機能が低下している場合に、最も注意しなければならない薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["イプリフラボン錠200 mg", "メコバラミン錠500 \\micro g", "ジクロフェナクナトリウム錠25 mg", "エペリゾン塩酸塩錠50 mg", "乳酸カルシウム水和物"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、腎機能が低下している場合に、注意しなければならない薬剤は、ジクロフェナクナトリウムである。ジクロフェナクナトリウムなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、腎血流量低下作用により腎機能障害を悪化又は誘発させることがあるため、腎機能障害患者には慎重投与、重篤な腎機能障害患者には投与禁忌とされている。"} +{"problem_id": "099323", "problem_text": "退院後、この患者は、入院していた医療機関の処方せんとともに、別の医療機関からの処方せんを保険薬局に持参した。薬局の薬剤師が確認したところ、処方せん中に重複している薬剤があることを発見した。処方変更が必要と考え電話で処方医に問い合せたところ、処方医は他の患者の診察中であり、「処方どおりに調剤してください」とだけ回答があった。その後の薬剤師の行動として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医師が処方変更に応じないことへの不満を患者に伝えた。", "処方どおりに調剤し、注意して服用するよう患者に指導した。", "薬剤師の判断で、重複した薬剤を処方から削除して調剤した。", "医師の心情に配慮して、次回の処方から変更してもらうことにした。", "医師に正確に情報が伝わっていない可能性があると考え、再度医師に確認した。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない。本症例のように、処方せん中に重複している薬剤があり、疑義照会をしたにも関わらず、処方薬が変更されない場合については、薬剤師は、医師に正確に情報が伝わっていない可能性があると考え、再度医師に確認する必要がある。"} +{"problem_id": "099324", "problem_text": "病院における医療チームには、診療科ごとのチームのほかに、栄養サポートチーム、感染制御チーム、褥瘡対策チームなどの活動範囲が複数の診療科にわたる機能別のチームがある。チーム医療における薬剤師の行為に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["感染制御チームの一員として、医療スタッフに対し、抗菌薬の適正使用について教育を行った。", "褥瘡対策チームの一員として、外用薬の選択及び塗布方法について患者に説明した。", "栄養サポートチームにおいて、経口による栄養摂取が可能な患者に高エネルギー投与が必要と考え、TPN(Total Parenteral Nutrition)を提案した。", "がん化学療法チームにおいて、イリノテカンによる遅延性下痢が発現した患者に対し、半夏瀉心湯の使用を提案した。", "緩和医療チームにおいて、がん性疼痛を訴えた患者に対し、モルヒネが投与開始となったので、予防的な緩下剤の使用を提案した。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n薬剤師は感染制御チームの一員として、以下のことを行う。・医療スタッフに対して抗菌薬の適正使用についての教育\n・院内における抗菌薬の使用状況のチェック\n・抗菌薬の選択についての提案:等\n2:正しい\n薬剤師は褥瘡対策チームの一員として、以下のことを行う。・褥瘡の状態に応じた外用薬の選択\n・患者及び医療スタッフに対して褥瘡治療薬の使用方法の説明:等\n3:誤っている\n薬剤師は栄養サポートチームの一員として、以下のことを行う。・患者の状況に応じた栄養療法の支援:等\n経口による栄養摂取が可能な患者に対しては、経口栄養法が望ましいことから、経口投与が可能な患者に対しては、中心静脈栄養法(TPN)を提案することは適切ではない。4:正しい\n薬剤師はがん化学療法チームの一員として、以下のことを行う。・がん化学療法における副作用に対する適切な処置の提案\n・適切な抗がん剤の選択についての提案:等\nイリノテカンによる遅延性下痢が発現した患者に対し、半夏瀉心湯の使用を提案することは適切である。5:正しい\n薬剤師は緩和ケアチームの一員として、以下のことを行う。・急に強い痛みが生じた患者に対する臨時追加投与(レスキュードーズ)の提案\n・疼痛コントロールがうまくいかなくなった場合の他のオピオイド鎮痛剤への変更の提案\n・便秘などの副作用を軽減するための処方を提案:等"} +{"problem_id": "099325", "problem_text": "医療チームに関する説明について、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["チームの治療方針は、チームの構成員が個別に設定した目標に基づいて決定する。", "プライバシー保護の観点から、職能として知り得た患者情報は、できるだけ共有しない。", "薬剤が投与されていない患者についても、薬剤師がチームに関わる意義がある。", "病院の診療科が少ない場合には、機能別の医療チームを構成する必要性が低い。", "チームの構成員に、患者や家族を含めることも必要である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nチームの治療方針は、チームの構成員が個別に設定した目標に基づいて決定するのではなく、患者や家族を含めたチーム全体で決定する必要がある。"} +{"problem_id": "099326", "problem_text": "患者情報の取扱いに関する記述のうち、個人情報保護の観点から不適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["暗号化により特定の個人を識別できないデータだったので、個人情報に該当しないと考えた。", "薬局において、処方せんの記載内容について疑義照会を行うために、発行元の医療機関に当該処方せんをFAX送信した。", "当院に通院している患者が意識不明で他院に救急搬送された。本人の同意を得ずに搬送先の担当医に当該患者の処方歴を知らせた。", "介護保険施設において、開催した行事で撮影した写真を、利用者の同意を得ずにホームページに掲載した。", "現在、患者の看護にあたっている娘に対して、患者本人の同意を得ることなく、調剤している薬剤の情報提供を行った。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:適切\n個人情報とは、特定の個人を識別することができる情報である。よって、暗号化により特定の個人を識別できないデータは、個人情報に該当しないと考えることができる。2:適切\n疑義照会の内容を確認するために、発行元の医療機関に当該処方せんをFAX送信することは、調剤業務を行うにあたって適切な行為であるといえる。3:適切\n意識を失った患者の場合、同意を得ることができない。また、意識を失った患者の治療をするに当たり、処方歴の情報は有用であるため、本人の同意を得ずに搬送先の担当医に当該患者の処方歴を知らせることは適切である。4:不適切\n個人が特定できる場合、その写真は個人情報に該当する。よって、個人情報保護の観点から介護保険施設において、開催した行事で撮影した写真を、本人の同意を得ることなくホームページに掲載することはできない。5:適切\n調剤した薬剤に対する情報提供は、患者又はその看護にあたっているものに行うことができる。"} +{"problem_id": "099327", "problem_text": "45歳男性。アトルバスタチンカルシウム錠10 mgを1日1錠、就寝前に3週間服用していたところ、尿の色が赤褐色になったので、薬の副作用を疑った。留意すべき血液検査項目はどれか。2つ選べ。", "choices": ["直接ビリルビン", "クレアチンキナーゼ", "ミオグロビン", "低比重リポタンパクコレステロール", "プロラクチン"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "アトルバスタチン服用中に尿の色が赤褐色になった場合、その副作用である横紋筋融解症が発現している可能性がある。横紋筋融解症では、横紋筋よりクレアチニンキナーゼ及びミオグロビンが血液中に移行するため、血液中のクレアチンキナーゼ及びミオグロビンの上昇が認められることがある。"} +{"problem_id": "099328", "problem_text": "血液製剤の取扱いについて、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血液製剤の凝固防止の目的でエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム水和物を���うことがある。", "放射線を照射した血液製剤は、血清ナトリウム値が上昇するので、照射後速やかに用いる。", "人血清アルブミン製剤は凍結保存する。", "人血小板濃厚液は採血後、20〜24^{\\circ} Cで振とうしながら貯蔵し、その有効期間は96時間である。", "人全血液は採血後、2〜6^{\\circ} Cに貯蔵し、その有効期間は21日間である。"], "text_only": true, "answer": ["解なし"], "comment": "1:誤\n血液製剤に添加されている血液凝固防止剤は、クエン酸ナトリウムである。なお、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム水和物は、TDMで用いられる採血管内で血液が凝固するのを防止するために使用される。2:誤\n血液に放射線を照射すると、血液中に含まれる細胞が破壊されるため、放射線を照射した血液製剤では、血清カリウム値が上昇する。3:誤\n人血清アルブミン製剤は凍結を避けて室温で保存する。4:誤\n人血小板濃厚液は、20〜24^{\\circ} Cで保存し、その有効期間は4日間(採血日を1日目として、4日目まで)と定められている。有効期間4日間と有効期間96時間は異なる(有効期間4日間≠有効期間96時間)ため、本設問は誤りの記述である。5:正"} +{"problem_id": "099329", "problem_text": "薬局にクレマスチンフマル酸塩シロップ(クレマスチンフマル酸塩の含有率: 0.0134 w/v%)が在庫されている。クレマスチンとして1日量2 mgを投与したい。秤量すべきクレマスチンフマル酸塩シロップの1日量(mL)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、クレマスチンフマル酸塩とフマル酸の分子量をそれぞれ460と116とする。", "choices": ["2.0", "5.0", "15", "20", "60"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "<クレマスチンフマル酸塩シロップに含まれるクレマスチンの含有率を求める>\nクレマスチンフマル酸塩の分子量が460、フマル酸の分子量が116であることから、クレマスチンの分子量は334である。クレマスチンフマル酸塩シロップのクレマスチンフマル酸塩含有率が0.0134 w/v%であることから、クレマスチンのw/v%を以下のように求めることができる。クレマスチンフマル酸塩: クレマスチン=460: 334=0.0134 w/v%: クレマスチン含有率(w/v%)\nクレマスチン含有率\\fallingdotseq 0.01 w/v%(100 mL中に10 mg含有)\n<秤量すべきクレマスチンフマル酸塩シロップの1日量(mL)を求める>\n本設問では、クレマスチンとして1日量2 mg投与することになっているため、秤量すべきクレマスチンフマル酸塩シロップの量を以下のように求めることができる。2 mg=秤量すべき量\\times 10 mg/100 mL\n秤量すべき量=20 mL"} +{"problem_id": "099330", "problem_text": "内用液剤の一般的な調製に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["粘稠性の内用液剤は、メートグラスよりディスペンサーを用いた方が正確に秤量できる。", "内用液剤の添付文書には、配合変化情報という記載項目が設けられている。", "麻薬は、最初に秤量する。", "秤量した薬液は、元の容器に戻さない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n粘稠性の内用液剤は、粘度が高く、メートグラスを用いても正確に秤量することは困難である。それに対して、ディスペンサーでは、粘稠性の内用液剤でも正確に秤量することが可能である。2:誤\n添付文書の記載事項には、「配合変化情報」という項目は設けられていない。なお、配合変化に関する情報は、添付文書の「適応上の注意」やインタビューフォームの「他剤との配合変化」の欄に記載されている。3:誤\n処方内容に麻薬が含まれている場合には、麻薬は最後に秤量する。4:正\n秤量した薬液を元の容器に戻すと、未使用の薬液の品質が低下するため、秤量した薬液は元の容器に戻さず廃棄する。"} +{"problem_id": "099331", "problem_text": "成人患者に対する処方のうち、必ず疑義照会が必要なものはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "上記の処方内容のうち、疑義照会が必要なのは、選択肢3、5である。・選択肢3(ラニナミビルオクタン酸エステル水和物吸入粉末剤20 mg)\n成人のインフルエンザの治療に用いる場合\nラニナミビルオクタン酸エステルとして、40 mgを単回吸入\n成人のインフルエンザの予防に用いる場合\nラニナミビルオクタン酸エステルとして、40 mgを単回吸入する。また、20 mgを1日1回、2日間吸��投与する。・選択肢5(レボフロキサシン錠500 mg)\n通常、成人にはレボフロキサシンとして1回500 mgを1日1回経口投与する。"} +{"problem_id": "099332", "problem_text": "医師への疑義照会に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["錠剤を服用するのが苦手との申し出があり、疑義照会をせずにドキサゾシンメシル酸塩錠2 mgの処方に対して粉砕して調剤した。", "モメタゾンフランカルボン酸エステル軟膏0.1%の用法に「医師の指示通り」と記載されていたので、疑義照会をせずに調剤した。", "プレドニゾロン散1%0.05 g(1回量)が処方されていたので、疑義照会をせずに賦形剤を0.2 g(1回量)を加えて調剤した。", "70歳の男性にトリアゾラム錠が0.5 mg(1回量)処方されていたので、疑義照会をした。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n薬剤師の判断で錠剤を粉砕して調剤することができないため、疑義照会により粉砕の可否を確認してから調剤する必要がある。2:誤\n用法に「医師の指示通り」と書かれている場合は、用法が不明確であるため、疑義照会により用法を確認してから調剤する必要がある。3:正\n薬剤師の判断で添加剤(賦形剤、安定剤、保存剤など)を加えて調剤することは可能である。4:正\nトリアゾラムは、成人に対して1回0.25〜0.5 mgで用いられるが、高齢者に対しては1回0.125〜0.25 mgで用いることとされている。よって、70歳の男性にトリアゾラム錠が0.5 mg(1回量)処方された場合、疑義照会する必要がある。"} +{"problem_id": "099333", "problem_text": "56歳男性。以前より内科で処方されているワルファリンカリウム錠を服用している。以前の服薬指導時には、何も問題はなかったが、今回の来局時に「2日前から歯磨き時に歯茎の出血が止まりにくくなった。」との訴えがあった。出血の原因として疑われるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["シメチジン含有の一般用医薬品の服用", "クロレラの摂取", "イコサペント酸エチル含有のサプリメントの摂取", "納豆の摂取"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "本患者は、来局時に「2日前から歯磨き時に歯茎の出血が止まりにくくなった。」と訴えていることから、以前から服用しているワルファリンカリウムの作用が増強していると考えられる。1:正\nワルファリンカリウムとシメチジンを併用すると、シメチジンのCYP阻害作用によりワルファリンの代謝が抑制され、作用が増強することがある。2:誤\nワルファリンカリウム服用中にビタミンK含有食品(クロレラや納豆など)を摂取すると、ワルファリンのビタミンK拮抗作用が減弱することがある。3:正\nワルファリンカリウム服用中にイコサペント酸エチルを摂取すると、イコサペント酸エチルの血小板凝集抑制作用により出血が生じやすくなる。4:誤\n解説2参照"} +{"problem_id": "099334", "problem_text": "下記の処方薬と併用すると、薬物相互作用により、吸収が低下するのはどれか。2つ選べ。(処方) ニザチジン錠150 mg:1回1錠(1日2錠) 1日2回:朝食後・就寝前:30日分", "choices": ["ゲフィチニブ錠", "シンバスタチン錠", "イトラコナゾール錠", "レボチロキシンナトリウム錠", "ノルフロキサシン錠"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "ニザチジン錠と併用すると、薬物相互作用により、吸収が低下するのは、ゲフィチニブ錠とイトラコナゾール錠である。ゲフィチニブおよびイトラコナゾールは難溶解性の塩基性薬物であるため、胃内pHの上昇により溶解性が低下する。よって、ゲフィチニブ錠及びイトラコナゾール錠とH_{2}受容体遮断薬(シメチジン、ニザチジンなど)を併用すると、ゲフィチニブとイトラコナゾールの吸収性が低下することがある。"} +{"problem_id": "099335", "problem_text": "28歳女性。潰瘍性大腸炎の中等症の増悪との診断で入院した。プレドニゾロン錠5 mg 1日8錠の処方が1ヶ月間継続されている。留意すべき副作用はどれか。2つ選べ。", "choices": ["低血糖", "血圧低下", "体重減少", "満月様顔貌", "骨組しょう症"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "プレドニゾロンは副作用として、誘発感染症、消化性潰瘍、緑内障、心筋梗塞、脳梗塞、動脈瘤、高血糖、血圧の上昇、体重増加、満月様顔貌(中心性肥満)、骨組しょう症などを起こすことがある。"} +{"problem_id": "099336", "problem_text": "医薬品安全性情報報告に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["化粧品が原因と疑われる健康被害も報告対象となる。", "患者名はフルネームで記入する。", "報告された情報は、公開されることはない。", "因果関係が明確でない場合でも報告対象となる。", "独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に直接提出する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "医薬品安全性情報報告とは、医薬品又は医療機器(化粧品や医薬部外品を含む)の使用によって発生する健康被害等の情報を、医薬関係者等が厚生労働大臣に報告する制度である。1:正\n医薬品安全性情報報告とは、医薬品(医療用医薬品、一般用医薬品)、化粧品、医薬部外品により発生する健康被害が報告対象となる。2:誤\n報告書には患者のプライバシーを保護するため、患者名をフルネームで記入せず、イニシャルで記入する。3:誤\n報告された情報は、施設名及び患者のプライバシー等に関する部分を除き、安全対策の一環として広く公表されることがある。4:正\n医薬関係者が保健衛生上の危害発生の防止等のために必要があると認めた健康被害を報告するため、因果関係が明確でない場合でも報告対象となる。5:誤\n前記参照"} +{"problem_id": "099337", "problem_text": "10歳女児。2日前から発熱(体温38.5^{\\circ} C)が続き、下痢および嘔吐のため小児科を受診した。血圧低下、頻脈などの所見はみられなかった。この患児に輸液剤を投与する場合、細胞外液と細胞内液の両方の補給が可能な開始液(1号液)の組成として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nNa^{+}、Cl^{-}を共に154(mEq/L)含有していることから生理食塩液である。2:正\nK^{+}を含まず、Na^{+}、Cl^{-}を生理食塩液の1/2〜2/3程度含有していることから開始液(1号液)である。3:誤\nK^{+}を含み、Na^{+}、Cl^{-}を生理食塩液の1/4程度含有していることから維持液(3号液)である。4:誤\nK^{+}を含まず、Na^{+}、Cl^{-}を生理食塩液の1/5程度含有していることから術後回復液(4号液)である。5:誤\nブドウ糖を5%含有していることから、5%ブドウ糖注射液である。"} +{"problem_id": "099338", "problem_text": "27歳男性。体重60 kg。7月中旬に開催されたマラソン大会に参加中、意識がもうろうとなり、救急搬送された。緊急検査の結果、心電図に異常はなかった。血清ナトリウム値は110 mEq/L、血清カリウム値は4.0 mEq/Lであった。低ナトリウム血症治療のために3%塩化ナトリウム液の調製依頼があったので、生理食塩液500 mLに10%塩化ナトリウム注射液を加えて調製した。10%塩化ナトリウム注射液の添加量として最も近い値(mL)はどれか。1つ選べ。", "choices": ["50", "80", "100", "120", "150"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本設問の内容より、生理食塩液500 mLに10%塩化ナトリウム注射液を加えて、3%塩化ナトリウム液を調製する。その際、必要な10%塩化ナトリウム注射液の添加量をX mLとする。<それぞれの液体に含まれている塩化ナトリウムの量を求める>\n・生理食塩液500 mL: 500 mL\\times (0.9 g/100 mL)=4.5 g(A)\n・10%塩化ナトリウム注射液: X mL\\times (10 g/ 100 mL)=0.1 X g(B)\n・調製後の3%塩化ナトリウム液: (500+X)\\times (3 g/100 mL)=15+0.03 X g(C)\n<10%塩化ナトリウム注射液の添加量を求める>\nA及びBの和とCは等しいことから10%塩化ナトリウム注射液の添加量(X mL)を以下のように計算することができる。4.5+0.1 X=15+0.03 X\n0.07 X=10.5\nX=150"} +{"problem_id": "099339", "problem_text": "女性患者から、現在の肥満の程度を教えて欲しいと尋ねられた。この患者の身長は150 cm、体重は75 kgである。現在の体重は標準体重の何倍か。最も近い値を1つ選べ。ただし、標準体重はBMI法で求めることとする。", "choices": ["1.2", "1.3", "1.4", "1.5", "1.6"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "BMIは、下記の式で算出することができる。BMI=体重(kg)/[身長(m)]^{2}BMIの標準値は22、この患者の身長は150 cm=1.5 mであることから、BMI法により標準体重(kg)を以下のように求めることができる。22=標準体重/(1.5)^{2}標準体重=49.5(kg)\nこの患者の体重は75 kgであることから、現在の体重は標準体重の1.5倍(75/49.5\\fallingdotseq 1.5)となる。"} +{"problem_id": "099340", "problem_text": "本日(平成26年3月2日)、厚生太郎さんが保険薬局に下記の処方せんを持参し、薬の交付を求めた。薬剤師が確認したところ、不備があるため、調剤できないと判断した。その理由はどれか。2つ選べ。なお、押印は朱色である。", "choices": ["処方せんの使用期限欄の記載がない。", "処方せんの使用期限が過ぎている。", "「以下余白」の記載がない。", "用法の記載に不備がある。", "変更不可欄に医師の署名がない。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n処方せんに「特に記載がある場合を除き、交付の日を含めて4日以内に保険薬局に提出すること」と記載されているため、処方せんの使用期限欄の記載がないことは問題ない。2:誤\n本処方せんの交付の日は、平成26年2月27日であり、平成26年3月2日以内(交付日を含めて4日以内)に保険薬局に提出すればよいため、処方せんの使用期限を過ぎていない。3:正\n処方欄の余白には、偽造処方せん作成を防止するため、「以下余白」や「斜線」により余白である旨を表示する必要がある。本処方せんには「以下余白」の記載がないため、不備がある。4:正\n処方2の用法が記載されていないため、本処方せんの用法の記載に不備がある。5:誤\n後発医薬品へ変更してもよい場合、医師は変更不可欄に署名又は記名押印はしないため、変更不可欄に医師の署名がないことは問題ない。"} +{"problem_id": "099341", "problem_text": "患者に生じたイベントに伴い予測される主な生体内の反応のうち、不適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:不適切\n出血性ショックでは、体温の低下、発汗、頻脈などが認められる。2:適切\nチアノーゼでは、動脈血酸素飽和度の低下により、皮膚や粘膜の暗紫色変化が認められる。3:適切\n貧血の中でも、鉄欠乏性貧血では全身倦怠感、息切れ、動悸に加え、爪の変形や舌炎、嚥下障害などが認められる。4:不適切\n\\beta 遮断薬の服用により、脈拍数の低下や気管支平滑筋収縮作用に伴う呼吸困難などが認められる。5:適切\nネフローゼでは、尿中のタンパク質の増加に伴い、尿の泡立ちの増大が認められる。"} +{"problem_id": "099342", "problem_text": "医薬品による事故を防ぐための記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["散剤秤量時には、散剤調剤鑑査システムを活用する。", "装置びんへの散薬の補充は、2人の薬剤師でダブルチェックを行う。", "薬剤交付時、本人確認は患者の名字で行う。", "注射剤の調製後は、針刺し事故防止のためリキャップする。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n散剤調剤鑑査システムとは、医薬品の容器に付いているバーコードを読み取ることにより、秤取した医薬品や秤取量を記録用紙にプリントアウトできるようにしたものである。医薬品による事故を防止するために、散剤秤量時に散剤調剤鑑査システムを活用することは有用である。2:正\n装置びんへの散薬の補充ミスは、不特定多数の患者への調剤過誤につながるため、特に注意が必要である。医薬品による事故を防止するために、装置びんへの散薬の補充を2人以上の薬剤師で行うことは有用である。3:誤\n患者間違いを防止するために、薬剤交付時に行う本人確認は患者のフルネームを確認することが望ましい。4:誤\n針刺し事故を防止するために、使用後の注射針はリキャップをせず、廃棄することが望ましい。"} +{"problem_id": "099343", "problem_text": "治療薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["タクロリムスは、血清試料を用いて測定する。", "アミカシン硫酸塩は、血中濃度を一定に維持する投与方法が望ましい。", "ジゴキシンを測定対象とした時の採血は、定常状態に達した後の追加投与前が望ましい。", "血清バンコマイシン濃度が、ピーク値として60 \\micro g/mL以上の時、有効治療域となる。", "血清リチウム濃度のトラフ値が2.0 mEq/Lを超えたときは、減量・休薬が必要となる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nタクロリムスは血球と血漿間の薬物分配が室内温度や放置時間により変動することがあるため、TDMを行う際には、全血試料を用いる。2:誤\nアミカシン硫酸塩は濃度依存型の抗生物質であるた��、最高血中濃度を高くすることにより抗菌作用が強くなる。また、アミカシン硫酸塩の最低血中濃度(トラフ値)が一定濃度以上に維持されると、腎障害を起こしやすくなる。このため、アミカシン硫酸塩を投与する際は、以下のことに注意する必要がある。・最高血中濃度を高くなるようにする。・トラフ値を一定値以下に下げるようにする。3:正\nジゴキシンを測定対象とした時の採血は、定常状態に達した後のトラフ値を示す時間(投与前)が望ましい。4:誤\nバンコマイシンの有効治療域は、ピーク値: 25〜40 \\micro g/mL、トラフ値: 5〜10 \\micro g/mLである。なお、バンコマイシン濃度の副作用発現域は、ピーク値: 60 \\micro g/mL以上であることから、血清バンコマイシンの濃度がピーク値として60 \\micro g/mL以上の時、副作用が発現する可能性が高くなる。5:正\nリチウムの有効治療域は、0.4〜1.2 mEq/Lであるため、血清リチウム濃度のトラフ値が2.0 mEq/Lを超えたときは、減量・休薬が必要となる。"} +{"problem_id": "099344", "problem_text": "医療安全確保のため、病院での採用医薬品品目数を増やさない努力をすることが奨励されている。今回、薬事委員会でジフルコルトロン吉草酸エステルクリーム0.1%を採用することになり、同種同効の医薬品を採用品目から削除することとなった。削除対象として適当な薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ジフェンヒドラミンラウリル硫酸塩軟膏4%", "プレドニゾロンファルネシル酸エステルゲル1.4%", "クロタミトンクリーム10%", "クロトリマゾールクリーム1%", "フルオシノニドクリーム0.05%"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "医療安全確保のため、病院での採用医薬品品目数を増やさないように、新たな医薬品を採用した場合には同種同効薬を削減することが推奨されている。採用されることになったジフルコルトロン吉草酸エステルクリーム0.1%はVery storong(とても強い)に分類される副腎ステロイド性薬を含むクリーム剤である。選択肢のうち、同種同効の医薬品はフルオシノニドクリーム0.05%であることから、フルオシノニドクリーム0.05%を削減することが望ましい。"} +{"problem_id": "099345", "problem_text": "次の薬物の過量投与時の対応・処置に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n炭酸リチウムの過量投与時には、リチウムの排泄を促進するために補液、利尿薬(マンニトール、アミノフィリン等)を投与する必要がある。2:誤\nフェノバルビタールの過量投与時には、フェノバルビタールの排泄を促進するために尿をアルカリ性にする炭酸水素ナトリウムを投与する必要がある。フェノバルビタールなどの酸性薬物は、尿のpHが高くなると分子形分率が低下するため、再吸収されにくくなる。3:誤\nジアゼパムなどのベンゾジアゼピン系薬の過量投与時には、ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬であるフルマゼニルを投与する必要がある。なお、ナロキソン塩酸塩は、モルヒネの解毒に用いられる。4:正\nヘパリンナトリウムの過量投与時には、塩基性薬物であるプロタミン硫酸塩を投与する必要がある。ヘパリンは酸性ムコ多糖であり、塩基性薬物により中和される。5:誤\nカプトプリルの過量投与時には、体液量を増加させ血圧を回復させるために生理食塩水を投与する必要がある。なお、カプトプリルは副作用として高カリウム血症を起こすことがあるため、塩化カリウムを併用すると、高カリウム血症が現れやすくなる。"} +{"problem_id": "100001", "problem_text": "次に示す単位のうち、SI基本単位でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["m(メートル)", "kg(キログラム)", "J(ジュール)", "K(ケルビン)", "s(秒)"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "SI基本単位には、m(メートル: 長さ)、kg(キログラム: 質量)、K(ケルビン: 温度)、s(秒: 時間)、cd(カンデラ: 光度)、A(アンペア: 電流)、mol(モル: 物質量)の7つの単位がある。J(ジュール)はSI誘導(組立)単位であり、熱量、仕事量、エネルギーの単位として用いられる。"} +{"problem_id": "100002", "problem_text": "正逆反応とも一次反応で進行する反応を考える。k_{1}=0.01 min^{-1}、k_{-1}=0.02 min^{-1}のとき、反応物Aと生成物Bの割合は時間ととも��どのように変化するか。1つ選べ。ただし、反応開始時の反応物Aの割合を1とする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "可逆反応において平行定数Kは以下のように表すことができる。K=k_{1}/k_{-1}=平衡状態におけるBの濃度/平衡状態におけるAの濃度問題文に「k_{1}=0.01 min^{-1}、k_{-1}=0.02 min^{-1}のとき」とあることから、K=0.01/0.02=平衡状態におけるBの濃度/平衡状態におけるAの濃度となるため、平衡状態におけるAの濃度: 平衡状態におけるBの濃度=2: 1=2/3(0.67): 1/3(0.33)となる。"} +{"problem_id": "100003", "problem_text": "次に示す放射性核種のうち、放出される\\gamma 線が診断に用いられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["^{3}H", "^{14}C", "^{32}P", "^{90}Sr", "^{201}Tl"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢の放射性核種のうち、\\gamma 線を放出するのは^{201}Tlである。^{201}Tlは心筋シンチグラフィによる心臓疾患の診断に用いられる。なお、他の選択肢は\\beta ^{-}線を放出する放射性核種である。"} +{"problem_id": "100004", "problem_text": "分析法バリデーションにおいて、分析法で得られる測定値の偏りの程度を示すパラメータはどれか。1つ選べ。", "choices": ["真度", "精度", "特異性", "直線性", "検出限界"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n真度とは、真の値からの偏りの程度のことで、真の値と測定値の総平均との差で表される。2:誤\n精度とは、均質な検体から採取した複数の試料を繰り返し分析して得られる一連の測定値が、互いに一致する程度のことで、測定値の分散、標準偏差又は相対標準偏差で表される。3:誤\n特異性とは、試料中に共存すると考えられる物質の存在下で、分析対象物を正確に測定する能力のことで、分析法の識別能力を表す。4:誤\n直線性とは、分析対象物の量又は濃度に対して直線関係にある測定値を与える分析法の能力のことである。5:誤\n検出限界とは、試料に含まれる分析対象物の検出可能な最低の量又は濃度のことである。"} +{"problem_id": "100005", "problem_text": "0.10 mol/L塩酸水溶液のpHとして最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、塩酸は完全解離するものとする。", "choices": ["-0.10", "0.00", "0.10", "1.0", "2.0"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "pHは以下の式より求めることができる。pH=-log[H^{+}]\n問題文に塩酸は、完全に解離すると記載されていることから、0.10 mol/L塩酸水溶液中では、[H^{+}]は、0.10 mol/L(10^{-1} mol/L)存在する。よって、0.10 mol/L塩酸水溶液のpHは1.0(pH=-log[10^{-1}]=1.0)となる。"} +{"problem_id": "100006", "problem_text": "1828年に、ウェーラー(Wöhler)によって無機化合物(シアン酸アンモニウム: NH_{4}OCN)から初めて合成された有機化合物はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "ウェーラー(Wöhler)によって無機化合物(シアン酸アンモニウム: NH_{4}OCN)から初めて合成された有機化合物は「尿素(選択肢4)」である。この合成実験が行われる前までは、有機化合物は有機生命体だけが作り出せるものと考えられていた。"} +{"problem_id": "100007", "problem_text": "非共有電子対(孤立電子対)がsp^{2}混成軌道に収容されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "選択肢のうち、非共有電子対(孤立電子対)がsp^{2}混成軌道に収容されているのはフランの酸素原子にある非共有電子対(孤立電子対)である。フランの酸素原子にある2対の非共有電子対のうち、一方がsp^{2}混成軌道、もう一方がp軌道に収容されている。1:誤\nアセトニトリルの窒素原子にある非共有電子対は、sp混成軌道に収容されている。2:正\n3:誤\nアニリンの窒素原子にある非共有電子対については以下の2パターンが考えられる。・アニリンの窒素原子がベンゼン環と共鳴しない場合アニリンの窒素原子にある非共有電子対は、sp^{3}混成軌道に収容されている。・アニリンの窒素原子がベンゼン環と共鳴している場合\nアニリンの窒素原子にある非共有電子対は、p軌道に収容されている。4:誤\nピロールの窒素原子にある非共有電子対は、p軌道に収容されている。5:誤トリメチルアミンの窒素原子にある非共有電子対はsp^{3}混成軌道に収容されている。"} +{"problem_id": "100008", "problem_text": "メソ化合物はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "選択肢5は、不斉炭素を2つ有し、分子内対称面を持つため、メソ化合物である。選択肢1、2、4については、不斉炭素を2つ有するが、分子内対称面を持たないため、メソ化合物ではない。また、選択肢3については、不斉炭素を有しないため、メソ化合物ではない。"} +{"problem_id": "100009", "problem_text": "不対電子を1つもつのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["NO^{+}", "NO", "N_{2}O", "NO_{3}^{-}", "HNO_{3}"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "選択肢のうち、不対電子を持つのは、選択肢2である。選択肢2の電子配置を以下に示す。"} +{"problem_id": "100010", "problem_text": "IUPACの置換命名法において、最も優先順位の高い官能基はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ケトン(-CO-)", "アルコール(-OH)", "エステル(-COOR)", "アミン(-NH_{2})", "チオール(-SH)"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "IUPAC置換命名法の官能基の優先順位は以下のようになっている。アンモニウム(-N^{+}R_{3})>カルボン酸(-CO_{2}H)>エステル(-COOR)>アミド(-CONHR)>ニトリル(-CN)>アルデヒド(-CHO)>ケトン(-CO-)>アルコール(-OH)>チオール(-SH)>アミン(-NH_{2})"} +{"problem_id": "100011", "problem_text": "下図の器官Aから放出される代表的なホルモンはどれか。1つ選べ。", "choices": ["成長ホルモン", "チロキシン", "グルカゴン", "甲状腺刺激ホルモン", "アルドステロン"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "図の器官Aは甲状腺である。甲状腺濾胞上皮細胞から甲状腺ホルモン(トリヨードチロニン、チロキシンなど)が分泌される。1:誤\n成長ホルモンは、脳下垂体前葉から分泌される。2:正\n3:誤\nグルカゴンは、膵臓ランゲルハンス島\\alpha (A)細胞から分泌される。4:誤\n甲状腺刺激ホルモンは、脳下垂体前葉から分泌される。5:誤\nアルドステロンは、副腎皮質球状層から分泌される。"} +{"problem_id": "100012", "problem_text": "外胚葉を主な起源とする器官はどれか。1つ選べ。", "choices": ["骨", "心臓", "肺", "大腸", "脊髄"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "受精卵は卵割により胎盤胞を形成し、その後、分化することにより外胚葉、中胚葉、内胚葉の三胚葉を形成する。外胚葉、中胚葉、内胚葉はそれぞれ以下の器官となる。・外胚葉: 表皮、汗腺、爪、脳、脊髄、神経、感覚器など\n・中胚葉: 骨格、軟骨、筋肉、心臓、血管、腎臓、卵巣など\n・内胚葉: 口、食道、胃、腸、肝臓、肺など"} +{"problem_id": "100013", "problem_text": "ヒトの細胞でパルミチン酸(C16: 0)が\\beta 酸化を受けるのはどこか。1つ選べ。", "choices": ["細胞質", "核", "小胞体", "ミトコンドリア", "ゴルジ体"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "パルミチン酸は、細胞質で活性化されアシルCoAになった後、カルニチンと結合しアシルカルニチンとなり、ミトコンドリアマトリックス内に移行する。その後、アシルCoAに変換され\\beta 酸化を受ける。"} +{"problem_id": "100014", "problem_text": "ヌクレオチドのピリミジン骨格のde novo合成に利用されるアミノ酸はどれか。1つ選べ。", "choices": ["L-メチオニン", "L-チロシン", "L-バリン", "L-アスパラギン酸", "L-トリプトファン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ピリミジンヌクレオチドのde novo合成(新生合成)は、L-アスパラギン酸とカルバモイルリン酸が縮合することにより生成したオロト酸とホスホリボシルピロリン酸(PRPP)が反応し、オロチジル酸(OMP)が生成することから始まる。"} +{"problem_id": "100015", "problem_text": "細菌の内毒素(エンドトキシン)に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["グラム陰性菌外膜の成分である。", "主成分はタンパク質である。", "外毒素に比べ、加熱処理に対して安定である。", "細菌の種類により、構造的な多様性がある。", "宿主の免疫反応をかく乱し、ショック症状をおこす。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "細菌毒素には、内毒素と外毒素が存在する。・内毒素(エンドトキシン)\nグラム陰性菌の外膜の構成成分であるリポ多糖であり、熱で分解されにくい。・外毒素(エキソトキシン)\n菌体内で生合成され菌体外に分泌されるペプチドまたはタンパク質であり、熱で分解されやすい。1:正しい\n前記参照\n2:誤っている\n前記参照\n3:正しい\n前記��照\n4:正しい\n内毒素(エンドトキシン)は、細菌により構造的な多様性がある\n5:正しい\n内毒素(エンドトキシン)は、全身性の炎症、発熱、内毒素ショックなどをおこす。"} +{"problem_id": "100016", "problem_text": "野菜に含まれていないビタミンはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ビタミンB_{1}", "ビタミンB_{2}", "ビタミンB_{6}", "ビタミンB_{12}", "ビタミンE"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、野菜に含まれていないビタミンは、ビタミンB_{12}(コバラミン)である。ビタミンB_{12}は腸内細菌によって合成されるため、肉、卵、肝臓、牛乳などの動物性食品に含まれている。"} +{"problem_id": "100017", "problem_text": "水分活性を低下させることにより食品の腐敗を防止する方法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["冷凍", "糖漬", "酢漬", "加熱", "真空包装"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n冷凍は、温度を低下させることにより微生物の増殖を抑える方法である。2:正\n糖漬は、微生物が増殖に使用する水分(自由水)を低下させることにより微生物の増殖を抑える方法である。3:誤\n酢漬は、pHを低下させることにより微生物の増殖を抑える方法である。4:誤\n加熱は、熱により微生物の増殖を抑える方法である。5:誤\n真空包装は、酸素濃度を低下させることにより好気性微生物の増殖を抑える方法である。"} +{"problem_id": "100018", "problem_text": "老年化指数を表す式はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "老年化指数は、年少人口100人に対する老年人口の割合であり、高齢化の指標として用いられている。"} +{"problem_id": "100019", "problem_text": "完全人工栄養を使用するなど、母乳を介した垂直感染を防ぐ対策がなされる病原体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["C型肝炎ウイルス", "梅毒トレポネーマ", "単純ヘルペスウイルス", "ヒトT細胞白血病ウイルス", "風しんウイルス"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "完全人工栄養を使用するなど、母乳を介した垂直感染を防ぐ対策がなされる病原体は、ヒトT細胞白血病ウイルスである。1:誤\nC型肝炎ウイルスは、産道を介して垂直感染することがある。2:誤\n梅毒トレポネーマは、胎盤及び産道を介して垂直感染することがある。3:誤\n単純ヘルペスウイルスは、産道を介して垂直感染することがある。4:正\n5:誤\n風しんウイルスは、胎盤を介して垂直感染することがある。"} +{"problem_id": "100020", "problem_text": "強力な発がんプロモーターとして知られている化学物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アフラトキシンB_{1}", "ジメチルニトロソアミン", "サイカシン", "プタキロシド", "オカダ酸"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢のうち、発がんプロモーターとして働く化学物質は、オカダ酸である。なお、他の選択肢(アフラトキシンB_{1}、ジメチルニトロソアミン、サイカシン、プタキロシド)は発がんイニシエーターである。参考\n・発がんプロモーター\n単独では発がん性を示さず、イニシエーターの作用を促進させる働きをする化学物質などのこと\n・発がんイニシエーター\nDNA変異を起こす化学物質のこと"} +{"problem_id": "100021", "problem_text": "「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)において、難分解性、高蓄積性及びヒト又は高次補食動物への長期毒性を有する化学物質の分類はどれか。1つ選べ。", "choices": ["監視化学物質", "優先評価化学物質", "特定毒物", "第一種特定化学物質", "第二種特定化学物質"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)では、規制対称の物質を以下のように分類している。上記の表より、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)において、難分解性、高蓄積性及びヒト又は高次補食動物への長期毒性を有する化学物質の分類は、「第一種特定化学物質」である。"} +{"problem_id": "100022", "problem_text": "放射線に対する感受性が最も高い器官又は組織はどれか。1つ選べ。", "choices": ["脂肪組織", "皮膚", "リンパ組織", "肺", "神経組織"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "放射線に対する感受性は、細胞分化が盛んな組織ほど、また、未分化な組織ほど高い。よって、リンパ組織は放射線感受性が高く、脂肪���神経組織は放射線感受性が低い。"} +{"problem_id": "100023", "problem_text": "温室効果を有するが、オゾン層を破壊しない物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["クロロフルオロカーボン", "パーフルオロカーボン", "ハイドロクロロフルオロカーボン", "ハロン", "臭化メチル"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "パーフルオロカーボンは、温室効果作用を示すが、構造中に塩素を含まないため、オゾン破壊作用を示さない。なお、選択肢1、3、4は、温室効果作用及びオゾン破壊作用を有し、選択肢5は、温室効果作用を有しないがオゾン破壊作用を有する。"} +{"problem_id": "100024", "problem_text": "「生活環境の保全に関する環境基準」項目のうち、閉鎖性海域における富栄養化の指標はどれか。1つ選べ。", "choices": ["大腸菌群数", "COD(化学的酸素要求量)", "n-ヘキサン抽出物質", "全リン", "全亜鉛"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "「生活環境の保全に関する環境基準」項目のうち、閉鎖性海域における富栄養化の指標は「全窒素、全リン」である。他の選択肢は、「生活環境の保全に関する環境基準」において以下に示す指標として用いられている。・大腸菌群数: し尿汚染の指標\n・COD(化学的酸素要求量): 有機物汚染の指標\n・n-ヘキサン抽出物質: 海域の油分による汚染\n・全亜鉛: 水性生物への影響"} +{"problem_id": "100025", "problem_text": "大気汚染防止法で「特定粉じん」に指定されている物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ディーゼル排気粒子", "ばいじん", "スギ花粉", "鉛ヒューム", "石綿"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "大気汚染防止法において、「粉じん」とは、物の破砕やたい積等により発生し、又は飛散する物質ことであり、「特定粉じん」と「一般粉じん」に分類されている。・特定粉じん: 人の健康に被害を生じるおそれのある物質\n石綿(アスベスト)のみ\n・一般粉じん: 特定粉じん以外の粉じん\nセメント粉、石炭粉、鉄粉:など"} +{"problem_id": "100026", "problem_text": "ムスカリン性アセチルコリン受容体には直接作用せず、アセチルコリンによる平滑筋収縮を増強する薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ネオスチグミン", "ベタネコール", "イソプレナリン", "スコポラミン", "フロプロピオン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nネオスチグミンは可逆的コリンエステラーゼ(ChE)阻害薬であり、アセチルコリン(ACh)の分解を阻害することにより平滑筋収縮を間接的に増強する。2:誤\nベタネコールはムスカリン性アセチルコリン受容体刺激薬であり、ムスカリン性アセチルコリン受容体を直接刺激することにより平滑筋を収縮させる。3:誤\nイソプレナリンは非選択的アドレナリン\\beta 受容体刺激薬であり、アドレナリン\\beta 受容体を刺激することにより平滑筋を弛緩させる。4:誤\nスコポラミンは抗コリン薬であり、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することにより平滑筋収縮を抑制する。5:誤\nフロプロピオンはカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬であり、ノルアドレナリンの分解を阻害することによりOddi括約筋など平滑筋を弛緩させる。"} +{"problem_id": "100027", "problem_text": "自律神経節において節前線維から節後線維への神経伝達を行う受容体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["グルタミン酸NMDA受容体", "セロトニン5-HT_{3}受容体", "ニコチン性アセチルコリン受容体", "\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体", "グリシン受容体"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "自律神経節において節前線維から遊離したアセチルコリンは、節後線維ニコチン性アセチルコリン(NN)受容体を刺激して神経伝達を行う。なお、グルタミン酸NMDA受容体、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体、グリシン受容体は中枢神経系に存在し、セロトニン5-HT_{3}受容体は、中枢神経系、交感神経節、化学受容器引き金帯(CTZ)などに存在する。"} +{"problem_id": "100028", "problem_text": "テトラカインの局所麻酔作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["K^{+}チャネル活性化", "K^{+}チャネル遮断", "Na^{+}チャネル活性化", "Na^{+}チャネル遮断", "Ca^{2+}チャネル活性化"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "テトラカインは局所麻酔薬であり、知覚神経細胞膜のNa^{+}チャネルを遮断することにより局所麻酔作用を示す。局���麻酔薬は、非イオン型(分子型)で知覚神経細胞膜を通過し、細胞内で陽イオン型に変換された後、知覚神経の軸索の内側から電位依存性Na^{+}チャネルを遮断する。"} +{"problem_id": "100029", "problem_text": "麻薬拮抗性鎮痛薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["フェンタニル", "モルヒネ", "ペンタゾシン", "ペチジン", "オキシコドン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "麻薬拮抗性鎮痛薬とは、モルヒネの作用を減弱させる鎮痛薬のことであり、ペンタゾシンは麻薬拮抗性鎮痛薬に分類される。ペンタゾシンは、\\micro 受容体には弱い拮抗薬あるいは部分的作動薬として作用し、オピオイド\\kappa 受容体には刺激薬として作用するため、単独で投与すると鎮痛作用を示すが、モルヒネと併用するとモルヒネの作用を減弱させる。"} +{"problem_id": "100030", "problem_text": "心筋のトロポニンのCa^{2+}感受性を高めて、強心作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["コルホルシンダロパート", "ミルリノン", "ジゴキシン", "ピモベンダン", "デノパミン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "心筋のトロポニンのCa^{2+}感受性を高めて、強心作用を示すのは、ピモベンダンである。1:誤\nコルホルシンダロパートは、アデニル酸シクラーゼを直接活性化することによりサイクリックAMP(cAMP)濃度を上昇させ、強心作用を示す。2:誤\nミルリノンは、ホスホジエステラーゼIIIを阻害することによりcAMP濃度を上昇させ、強心作用を示す。3:誤\nジゴキシンは、心筋細胞膜のNa^{+},K^{+}-ATPaseを阻害することにより心筋細胞内のNa^{+}濃度を上昇させ、強心作用を示す。4:正\n5:誤\nデノパミンは、アドレナリン\\beta _{1}受容体を刺激し、アデニル酸シクラーゼを活性化することによりcAMP濃度を上昇させ、強心作用を示す。"} +{"problem_id": "100031", "problem_text": "心室筋の活動電位を下図の実線から破線へ変化させるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["プロパフェノン", "メキシレチン", "プロカインアミド", "シベンゾリン", "アミオダロン"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "設問の図において実線から破線への変化では、活動電位の脱分極相(0相)の抑制と再分極相(3相)の促進により活動電位持続時間(APD)の短縮が認められることから、心室筋の活動電位を実線から破線へ変化させる薬物は、Vaughan Williams 分類でIb群に属する薬物(メキシレチン、リドカインなど)と考えられる。なお、プロパフェノンは、Vaughan Williams 分類のIc群、プロカインアミドやシベンゾリンは、Vaughan Williams 分類のIa群、アミオダロンは、Vaughan Williams 分類のIII群に分類される。"} +{"problem_id": "100032", "problem_text": "カリウム保持性利尿薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["スピロノラクトン", "ブメタニド", "アセタゾラミド", "D-マンニトール", "メフルシド"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nスピロノラクトンは、カリウム保持性利尿薬であり、集合管主細胞(及び遠位尿細管)においてアルドステロンと競合的に拮抗し、Na^{+}-K^{+}交換反応を抑制することによりNa^{+}の再吸収及びK^{+}の排泄を抑制する。2:誤\nブメタニドは、ループ利尿薬であり、ヘンレ係蹄上行脚におけるNa^{+}-K^{+}-2 Cl^{-}共輸送系を阻害し、Na^{+}、K^{+}、Cl^{-}の再吸収を抑制する。3:誤\nアセタゾラミドは、炭酸脱水酵素阻害薬であり、主として近位尿細管細胞内の炭酸脱水酵素を阻害し、Na^{+}-H^{+}交換系を抑制する。4:誤\nD-マンニトールは、浸透圧性利尿薬であり、尿細管内の浸透圧を上昇させることによりNa^{+}や水の再吸収を抑制する。5:誤\nメフルシドは、チアジド系類似薬であり、ヘンレ係蹄及び遠位尿細管におけるNa^{+}、Cl^{-}の再吸収を抑制する。"} +{"problem_id": "100033", "problem_text": "胃腸管に発現する受容体で、刺激されることで消化管運動を亢進させるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["オピオイド\\micro 受容体", "アセチルコリンN_{M}受容体", "アドレナリン\\beta _{2}受容体", "セロトニン5-HT_{4}受容体", "ドパミンD_{2}受容体"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "胃腸管に発現する受容体で、刺激されることで消化管運動を亢進させるのは、セロトニン5-HT_{4}受容体である。セロトニン5-HT_{4}受容体はGsタンパク質共役型受容体であり、胃腸管に発現しており、刺激されることによりアセチルコ��ンを遊離させる。それにより腸管平滑筋のムスカリンM_{3}受容体が刺激され、蠕動運動が亢進する。"} +{"problem_id": "100034", "problem_text": "ガベキサートの急性膵炎治療効果に関わる機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["タンパク質分解酵素阻害", "H^{+},K^{+}-ATPase阻害", "ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断", "ヒスタミンH_{2}受容体遮断", "シクロオキシゲナーゼ阻害"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "急性膵炎は、活性化された膵液中のタンパク質分解酵素(トリプシンなど)により膵臓細胞が自己消化され、膵臓やその他の主要な臓器に炎症と障害が引き起こされる疾患である。ガベキサートは、タンパク質分解酵素(トリプシンなど)を阻害することにより急性膵炎に治療効果を発現する。"} +{"problem_id": "100035", "problem_text": "デスモプレシンの抗利尿作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["バソプレシンV_{1}受容体刺激", "バソプレシンV_{1}受容体遮断", "バソプレシンV_{2}受容体刺激", "バソプレシンV_{2}受容体遮断", "バソプレシン分泌抑制"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "デスモプレシンは、選択的にバソプレシンV_{2}受容体を刺激し、腎臓における水の再吸収を促進させることにより抗利尿作用を示す。"} +{"problem_id": "100036", "problem_text": "グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激する糖尿病治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アカルボース", "グリベンクラミド", "ピオグリタゾン", "メトホルミン", "リラグルチド"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nアカルボースは、\\alpha グルコシダーゼ阻害薬であり、多糖から単糖への分解を阻害することにより消化管からの糖の吸収を抑制する。2:誤\nグリベンクラミドはスルホニル尿素(SU)であり、ATP依存性K^{+}チャネルを遮断することによりインスリン分泌を促進する。3:誤\nピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)\\gamma に作用することによりインスリン抵抗性を改善する。4:誤\nメトホルミンはビグアナイド系薬剤であり、AMP依存性プロテインキナーゼを活性化することにより糖新生の抑制や末梢での糖の利用を促進する。5:正\nリラグルチドは、膵臓の\\beta 細胞上に存在するグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激することによりグルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進する。"} +{"problem_id": "100037", "problem_text": "小腸コレステロールトランスポーター阻害薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["イコサペント酸エチル", "エゼチミブ", "コレスチミド", "シンバスタチン", "フェノフィブラート"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nイコサペント酸エチルは、リポタンパクリパーゼ(LPL)を活性化し、トリグリセリド(TG)の分解を促進することにより血清TGを低下させる。2:正\nエゼチミブは、小腸に存在するコレステロールトランスポーターを阻害することにより小腸からのコレステロールの吸収を選択的に阻害する。3:誤\nコレスチミドは、陰イオン交換樹脂であり、腸管内において胆汁酸と結合し、胆汁酸の排泄を促進させることによりコレステロールの吸収を抑制する。4:誤\nシンバスタチンは、ヒドロキシメチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素を競合的に阻害し、肝臓におけるコレステロール合成を阻害する。5:誤\nフィブラートラートは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\alpha (PPAR\\alpha )を活性化し、肝細胞における脂肪酸の\\beta 酸化を促進することによりトリグリセリド(TG)合成を低下させる。"} +{"problem_id": "100038", "problem_text": "ダルテパリンの凝固因子阻害活性について正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["トロンビン(第IIa因子)のみを阻害する。", "第Xa因子よりも第IIa因子を強く阻害する。", "第IIa因子と第Xa因子を同等に阻害する。", "第IIa因子よりも第Xa因子を強く阻害する。", "第Xa因子のみを阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ダルテパリンは低分子ヘパリン製剤であり、トロンビン(第IIa因子)よりも第Xa因子を強く阻害することにより血液凝固を抑制する。"} +{"problem_id": "100039", "problem_text": "モンテルカストの抗アレルギー作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["トロンボキサンA_{2}受容体(プロスタノイドTP受容体)遮断", "トロンボキサン合��酵素阻害", "ヒスタミンH_{1}受容体遮断", "5-リポキシゲナーゼ阻害", "ロイコトリエン受容体遮断"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "モンテルカストはロイコトリエン受容体選択的薬であり、ロイコトリエン受容体を遮断することにより抗アレルギー作用を示す。参考\n・トロンボキサンA_{2}受容体(プロスタノイドTP受容体)遮断薬\nセラトロダスト、ラマトロバンなど\n・トロンボキサン合成酵素阻害薬\nオザグレルなど\n・ヒスタミンH_{1}受容体遮断薬\nジフェンヒドラミン、メキタジン、フェキソフェナジンなど"} +{"problem_id": "100040", "problem_text": "抗真菌薬ブテナフィンが阻害するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シトシン透過酵素", "ラノステロールC-14脱メチル化酵素", "DNAトポイソメラーゼII", "トランスペプチターゼ", "スクアレンエポキシダーゼ"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "ブテナフィンはベンジルアミン系抗真菌薬であり、スクアレンエポキシダーゼを阻害し、真菌細胞膜のエルゴステロールの生合成を阻害することにより抗真菌作用を示す。"} +{"problem_id": "100041", "problem_text": "弱酸性薬物の単純拡散による消化管吸収に及ぼす管腔内pHの影響として正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、薬物は全て溶解しているものとする。", "choices": ["pHが低下すると分子形分率が低下し、吸収が増加する。", "pHが低下すると分子形分率が低下し、吸収が減少する。", "pHが低下すると分子形分率が上昇し、吸収が増加する。", "pHが低下すると分子形分率が上昇し、吸収が減少する。", "pHの変化によって、吸収は変化しない。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "単純拡散による消化管吸収において、分子形の薬物が吸収されやすく、イオン形薬物は吸収されにくい。pHが低下にすると、弱酸性薬物の分子形分率が上昇する。よって、弱酸性薬物は、pHが低下すると分子形分率が上昇し、吸収が増加する。"} +{"problem_id": "100042", "problem_text": "血液脳脊髄液関門の実体を形成している細胞はどれか。1つ選べ。", "choices": ["神経細胞", "毛細血管内皮細胞", "脈絡叢上皮細胞", "アストロサイト", "周皮細胞"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "血液脳脊髄液関門の実体は脈絡叢上皮細胞である。血液脳脊髄液関門は血液と脳脊髄液の間に存在しており、血液から脳脊髄液への薬物の移行を制御している。"} +{"problem_id": "100043", "problem_text": "グルクロン酸抱合反応に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["UDP-グルクロン酸転移酵素により触媒される。", "シトクロムP450による酸化的代謝物にのみ起こる。", "UDP-グルクロン酸が必要である。", "薬物のフェノール性水酸基にも起こる。", "主に細胞のミクロソーム画分に活性がある。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "グルクロン酸抱合反応は、UDP-グルクロン酸を補酵素として、ミクロソーム画分に局在するUDP-グルクロン酸転位酵素により触媒される第II相反応である。本反応は、シトクロムP450による酸化的代謝物の他、薬物や生体内物質のアミノ基、カルボキシル基、水酸基などに対しても起こる。"} +{"problem_id": "100044", "problem_text": "腎尿細管上皮細胞刷子縁膜に存在し、薬物の尿細管分泌に関与する一次性能動輸送体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["H^{+}/ペプチド共輸送体", "Na^{+},K^{+}-ATPase", "H^{+}/有機カチオン逆輸送体", "Na^{+}/グルコース共輸送体", "P-糖タンパク質"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢のうち、腎尿細管上皮細胞刷子縁膜に存在し、薬物の尿細管分泌に関与する一次性能動輸送体は、P糖タンパク質である。腎臓の近位尿細管には、P糖タンパク質以外にも、有機アニオン輸送系、有機カチオン輸送系が薬物の尿細管分泌に関与している。"} +{"problem_id": "100045", "problem_text": "プロベネシドの併用によってメトトレキサートの血中からの消失が遅延する主要な原因はどれか。1つ選べ。", "choices": ["肝代謝の飽和", "肝取り込みの阻害", "血漿タンパク結合の阻害", "脳移行の阻害", "腎排泄の阻害"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "プロベネシド及びメトトレキサートは、共に腎臓の近位尿細管に存在する有機アニオン輸送系により分泌される。そのため、メトトレキサートにプロベネシドを併用すると、プロベネシ��がメトトレキサートの有機アニオン輸送系による尿細管分泌を競合的阻害し、血中からの消失を遅延させることがある。"} +{"problem_id": "100046", "problem_text": "薬物の経口投与時におけるバイオアベイラビリティを増加させるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["消化管内での溶解性の低下", "小腸上皮細胞における膜透過性の低下", "小腸上皮細胞における薬物代謝酵素の誘導", "肝臓における薬物代謝酵素の阻害", "肝臓における胆汁中排泄の促進"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "バイオアベイラビリティ(BA)とは、投与した薬物に対する循環血中に移行した薬物の割合のことであり、肝臓における薬物代謝酵素の阻害が起こると、肝臓において初回通過効果を受けにくくなるため、BAが増加する。1:誤\n消化管内での薬物の溶解性が低下すると、消化管における薬物の吸収率が低下するため、BAは低下する。2:誤\n小腸上皮細胞における膜透過性が低下すると、消化管における薬物の吸収率が低下するため、BAは低下する。3:誤\n小腸上皮細胞における薬物代謝酵素が誘導されると、小腸における初回通過効果を受けやすくなるため、BAは低下する。4:正\n5:誤\n肝臓における胆汁中排泄が促進されると、肝臓において初回通過効果を受けやすくなるため、BAは低下する。"} +{"problem_id": "100047", "problem_text": "体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う薬物において、全身クリアランスと分布容積がともに2倍に上昇すると、消失半減期はどうなるか。1つ選べ。", "choices": ["4倍になる。", "2倍になる。", "変化しない。", "1/2倍になる。", "1/4倍になる。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "線形1-コンパートメントモデルでは、全身クリアランスCL_{tot}と分布容積V_{d}は以下の式で表される。CL_{tot}=k_{e}・V_{d}(k_{e}: 消失速度定数)上記の式より、全身クリアランスと分布容積がともに2倍に上昇しても、消失速度定数k_{e}は変化しない。また、線形1-コンパートメントモデルでは、消失半減期t_{1/2}は以下の式で表される。よって、上記の式より、線形1-コンパートメントモデルに従う薬物において、全身クリアランスと分布容積がともに2倍に上昇しても消失半減期t_{1/2}は変化しない。"} +{"problem_id": "100048", "problem_text": "薬物の経口投与量と血中濃度時間曲線下面積(AUC)の関係が下図のようになる理由として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["消化管吸収の飽和", "消化管代謝の飽和", "肝代謝の飽和", "胆汁排泄の飽和", "腎排泄の飽和"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "設問のグラフように投与量の増加に伴って、投与量に対するAUC(AUC/D)が低下している場合、血漿タンパク結合の飽和、消化管吸収の飽和、腎臓における再吸収の飽和が起こっている可能性がある。なお、消化管代謝の飽和、肝代謝の飽和、胆汁排泄の飽和、腎排泄の飽和が認められた場合には、投与量に対するAUC(AUC/D)が増加する。"} +{"problem_id": "100049", "problem_text": "一般に、薬物粉末の粒子径が小さいほど薬物の溶解速度が大きくなる理由として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["飽和溶解度の増大", "比表面積の増大", "粒子表面の拡散層の減少", "薬物分子の拡散係数の増大", "飽和層と内部溶液の薬物濃度差の減少"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "薬物の溶解速度(dC/dt)は以下のNoyes-Whitney式で表される。k: 溶解速度定数、S: 固体の比表面積、C_{s}: 固体の溶解度、C: t時間後における薬物\n薬物粉末の粒子径が小さいほど、比表面積が大きくなるため、Noyes-Whitney式より溶解速度が大きくなることがわかる。"} +{"problem_id": "100050", "problem_text": "20^{\\circ} Cの条件下で、表面張力が最も大きいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エタノール", "クロロホルム", "グリセリン", "水", "ベンゼン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、20^{\\circ} Cの条件下で、最も表面張力が大きいのは「水」である。表面張力とは、単位面積の表面をつくるのに要する仕事のことであり、水素結合、クーロン力、ファンデルワールス力などの分子間力の影響を受ける。水(液体)では水素結合を3〜4個形成しており、分子間力がとても強いため、表面張力が大きい。"} +{"problem_id": "100051", "problem_text": "粉体の流動性を表す指標として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["真密度", "安息角", "比表面積", "形状係数", "接触角"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "安息角は静止又は運動している粉体堆積層の自由形成傾斜が水平面となす角度のことであり、粉体の流動性を表す指標として用いられる。1:誤\n真密度とは、粉体そのものの密度のことである。2:正\n3:誤\n比表面積とは、単位質量当たりの粉体の表面積のことである。4:誤\n形状係数とは、粒子の形状を表した数値のことである。5:誤\n接触角とは、固体と液体の間に構成される角度のことである。"} +{"problem_id": "100052", "problem_text": "ニュートン流体のせん断速度を縦軸に、せん断応力を横軸になるよう図を作成した。得られた図に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["粘度が大きいほど、直線の傾きは大きくなる。", "縦軸との切片は降伏値を表す。", "曲線はチキソトロピーを表す。", "原点を通り、下に凸の曲線となる。", "原点を通る直線となる。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "ニュートン流動のせん断速度を縦軸に、せん断応力を横軸になるよう作成した図(レオグラム)は、原点より延びる直線となる(下図参照)。1:誤\n粘度が大きいほど、直線の傾きは小さくなる。2:誤\n降伏値とは、流動するのに必要なせん断応力のことである。塑性流動や準塑性流動のレオグラムの横軸の切片は降伏値を表す。3:誤\nチキソトロピーとは、応力を加えると粘度が一時的に低下し、しばらく放置すると穏やかに粘度がもとの状態に戻る現象のことであり、非ニュートン流動でみられる。4:誤\n原点を通り、下に凸の曲線となるのは、準粘性流動のレオグラムである。5:正"} +{"problem_id": "100053", "problem_text": "カールフィッシャー法を用いて測定するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["沈降速度", "表面張力", "水分", "電気伝導率", "密度"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "カールフィッシャー法(水分測定法)は、メタノールなどの低級アルコール及びピリジンなどの有機塩基の存在で、水がヨウ素及び二酸化イオウと定量的に反応することを利用して水分を測定する方法である。"} +{"problem_id": "100054", "problem_text": "以下の添加剤のうち、崩壊剤として用いられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カルメロールカルシウム", "ヒプロメロースフタル酸エステル", "乳酸・グリコール酸共重合体", "エチルセルロース", "ステアリン酸マグネシウム"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nカルメロースカルシウムは、崩壊剤として用いられる。2:誤\nヒプロメロースフタル酸エステルは、腸溶性コーティング剤皮として用いられる。3:誤\n乳酸・グリコール酸共重合体は、生分解性高分子であり、放出制御型マイクロカプセル製剤の基剤として用いられている。4:誤\nエチルセルロースは、徐放性コーティング剤として用いられる。5:誤\nステアリン酸マグネシウムは、滑沢剤として用いられる。"} +{"problem_id": "100055", "problem_text": "生体に投与後、長時間0次放出を示す製剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["腸溶性高分子コーティング顆粒", "胃溶性高分子コーティング顆粒", "腸溶性高分子固体分散体顆粒", "ワックスマトリックス型錠剤", "浸透圧ポンプ型錠剤"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢のうち、生体に投与後、長時間0次放出を示す製剤は、浸透圧ポンプ型錠剤である。浸透圧ポンプ型錠剤における薬物放出の流れを以下に示す。①外皮(放出制御膜)を覆っている薬物コーティング層より薬物が速やかに放出される。②外皮(放出制御膜)を通じて製剤内に浸透した水分によりプッシュ層が膨張する。③プッシュ層の膨張に伴って薬物層1、薬物層2が薬物放出口から一定速度(0次速度)で放出される。"} +{"problem_id": "100056", "problem_text": "肝障害により血清AST値が上昇する機構として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ASTの胆汁排泄が低下する。", "肝臓におけるASTの代謝が低下する。", "ASTの肝細胞への取り込みが低下する。", "肝細胞内のASTが血中に放出される。", "肝臓におけるASTの生合成が亢進する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)は、肝細胞に多く含まれる酵素である。��細胞が何らかの障害を受けると、肝細胞内からASTが血液中に放出され、血清AST値が上昇することがある。"} +{"problem_id": "100057", "problem_text": "高度な徐脈を認める高血圧患者(但し、他に合併症、臓器障害を有さない)に対して、使用すべきでない降圧薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["リシノプリル水和物", "アムロジピンベシル酸塩", "アテノロール", "トリクロルメチアジド", "オルメサルタンメドキソミル"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "高度な徐脈を認める高血圧患者に対して、使用すべきでない降圧薬は、\\beta 受容体遮断薬であるアテノロールである。アテノロールなどの\\beta 受容体遮断薬は、心機能を抑制する作用があり、副作用として心不全、徐脈、房室ブロック等が現れることがあるため、高度な徐脈を認める患者に対して、投与禁忌となっている。なお、リシノプリル水和物(ACE阻害薬)、アムロジピンベシル酸塩(Ca拮抗薬)、トリクロルメチアジド(チアジド系利尿薬)、オルメサルタンメドキソミル(ARB)は、高度な徐脈を認める患者に使用することが可能である。"} +{"problem_id": "100058", "problem_text": "クロルフェニラミンマレイン酸塩を含有する一般用医薬品の添付文書に記載されている、「突然の高熱、さむけ、のどの痛み等があらわれる。」に該当する重篤な副作用はどれか。1つ選べ。", "choices": ["無顆粒球症", "肝機能障害", "間質性肺炎", "うっ血性心不全", "ショック(アナフィラキシー)"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "クロルフェニラミンを含有する一般用医薬品は、重篤な副作用として、突然の高温、さむけ、のどの痛み等の症状(感冒様症状)が現れる無顆粒球症を起こすことがある。"} +{"problem_id": "100059", "problem_text": "子宮体がんに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["子宮筋層に発生する。", "ヒトパピローマウイルスが原因である。", "若年者に高頻度に発症する。", "発症にエストロゲンが関与している。", "不正性器出血はまれである。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "子宮体がんは、子宮内膜に発生する上皮性悪性腫瘍であり、その発症には、主にエストロゲンが関与している。本疾患の好発年齢は、50歳代から60歳代であり、主な症状として、不正性器出血、おりもの、下腹部の痛みが認められる。なお、ヒトパピローマウイルスが原因で発症するのは、子宮頸癌である。"} +{"problem_id": "100060", "problem_text": "慢性閉塞性肺疾患に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["喫煙が主な原因である。", "右心不全によって悪化する。", "病期・重症度は、肺活量により評価する。", "増悪予防のためインフルエンザワクチンの接種が推奨される。", "抗コリン薬の吸入が有効である。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n慢性閉鎖性肺疾患(COPD)は肺の炎症性疾患であり、その主な原因は喫煙である。2:正しい\n右心不全により、肺血流量が低下し呼吸困難がさらに増悪する。3:誤っている\nCOPDの病期・重症度は、1秒量・1秒率の低下より判断する。4:正しい\nCOPD患者はインフルエンザに罹患すると、症状が増悪することがあるため、インフルエンザワクチンを接種することが推奨される。5:正しい\nCOPDの薬物療法では、気管支拡張作用を有する抗コリン薬やアドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬が用いられる。"} +{"problem_id": "100061", "problem_text": "頭蓋内圧亢進の状態において見られる病態・症状として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["頭痛", "うっ血乳頭", "嘔吐", "脳ヘルニア", "回転性めまい"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "頭蓋内圧亢進の状態において見られる症状は、頭痛、嘔吐である。また、頭蓋内圧亢進状態では、うっ血乳頭(視神経乳頭が発赤、腫脹した状態)、脳ヘルニア(脳が頭蓋内圧亢進や浮腫によって押し出された状態)などが現れる。なお、回転性めまいは、頭蓋内圧亢進で認められることは稀であり、内耳障害などの末梢性のめまいで認められることが多い。"} +{"problem_id": "100062", "problem_text": "原発性睡眠障害に分類されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["うつ病", "不安神経症", "統合失調症", "ナルコレプシー", "アスペルガー症候群"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "睡眠障害は、原因が明確でない原発性(一次性)睡眠障害となにかしらの原因で誘発される続発性(二次性)睡眠障害に大別される。・原発性睡眠障害\nナルコレプシー\n・続発性睡眠障害うつ病、不安神経症、統合失調症、アスペルガー症候群により誘発される睡眠障害など"} +{"problem_id": "100063", "problem_text": "ヒトヘルペスウイルスおよびその感染症に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["感染症状が消失していれば、ウイルスも体内から消失している。", "水痘と帯状疱疹の原因ウイルスは同じ型である。", "DNAウイルスである。", "突発性発疹を引き起こす。", "口唇に水疱や潰瘍を引き起こす。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\n感染症状が消失しても、ヒトヘルペスウイルスは体内に残存している。2:正しい\n水痘と帯状疱疹の原因ウイルスは、同じ型(ヒトヘルペスウイルス3型)である。3:正しい\nヘルペスウイスルは、DNAウイルスである。4:正しい\nヒトヘルペスウイルス6,7型は、突発性発疹を引き起こす。5:正しい\nヒトヘルペスウイルス1型は、口唇に水疱や潰瘍を引き起こす。"} +{"problem_id": "100064", "problem_text": "結核に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["2週間以上持続する高熱が主訴である。", "肺に限定した疾患である。", "ツベルクリン反応検査は、I型アレルギー反応を利用している。", "初感染経路は飛沫による経気道感染である。", "病変は、血行性に広がる様式はとらない。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n結核に罹患すると、微熱(37〜38^{\\circ} C)が長期間持続するが、高熱(39〜40^{\\circ} C)が持続することは稀である。2:誤\n結核菌による病変は、多くの臓器(腎臓、リンパ節、骨、脳など)で認められる。なお、結核患者の8〜9割は、肺結核である。3:誤\nツベルクリン反応検査では、IV型アレルギー反応を利用して、結核菌に対する免疫能を調べる。4:正\n結核菌感染症の主な感染経路は、結核菌の飛沫による経気道感染(空気感染、飛沫核感染)である。5:誤\n結核菌は血行性に体中に広がり細胞に寄生して潜伏する。"} +{"problem_id": "100065", "problem_text": "がん化学療法による好中球減少症に対して用いられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メスナ", "レノグラスチム", "ラスブリカーゼ", "ホリナートカルシウム", "パロノセトロン塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nメスナは、シクロホスファミドやイホスファミドから生じるアクロレインによる出血性膀胱炎を軽減するために用いられる。2:正\nレノグラスチムは、顆粒球コロニー刺激因子製剤であり、がん化学療法による好中球減少症に対して用いられる。3:誤\nラスブリカーゼは、がん化学療法による腫瘍崩壊症候群による高尿酸血症に対して用いられる。4:誤\nホリナートカルシウムは、メトトレキサート投与による副作用(骨髄機能抑制等)を軽減するために用いられる。5:誤\nパロノセトロン塩酸塩は5-HT_{3}受容体拮抗薬であり、がん化学療法に伴う悪心・嘔吐に対して用いられる。"} +{"problem_id": "100066", "problem_text": "「Drug Safety Update」とよばれている医薬品情報源はどれか。1つ選べ。", "choices": ["緊急安全性情報", "医薬品安全対策情報", "重篤副作用疾患別対応マニュアル", "安全性速報", "医薬品・医療機器等安全性情報"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "Drug Safety Update(DSU)とよばれる医薬品情報源は、医薬品安全対策情報である。Drug Safety Update(DSU)には、医療用医薬品添付文書の使用上の注意などの改訂情報が記載されている。1:誤\n緊急安全性情報は「イエローレター」ともいわれ、予期せぬ重大な副作用など緊急を要する場合に、厚生労働省の指示により製薬企業が作成し、1ヶ月以内に製薬企業からMR(医薬情報担当者)を通じて医薬関係者に配布・伝達される情報である。2:正\n3:誤\n重篤副作用疾患別マニュアルは、厚生労働省が重篤度から判断して必要性が高いと考えられる副作用について、包括的にまとめたものである。4:誤\n安全性速報は「ブルーレター」ともいわれ、医薬品・医療機器の添付文書が改訂された際、その内容が一般的な使用上の注意の改訂情報よりも迅速な安全対策措置をとる���合に発出される。5:誤\n医薬品・医療機器等安全性情報は、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度によって収集された情報をもとに、厚生労働省が作成する資料である。"} +{"problem_id": "100067", "problem_text": "仮説検定における第一種の過誤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["誤った統計手法で対立仮説を棄却する過誤", "棄却すべきでない対立仮説を誤って棄却する過誤", "棄却すべきでない帰無仮説を誤って棄却する過誤", "棄却すべき対立仮説を棄却し損なう過誤", "棄却すべき帰無仮説を棄却し損なう過誤"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "仮説検定を行う際に生じる判定の過誤には、第一種の過誤と第二種の過誤がある。・第一種の過誤\n本来、差がないのに誤って棄却すべきでない帰無仮説を棄却する過誤のこと\n・第二種の過誤\n本来、差がないと判定し、棄却すべき帰無仮説を棄却し損なう過誤のこと"} +{"problem_id": "100068", "problem_text": "研究デザインを、エビデンスのレベルの高い順に記載しているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ランダム化比較試験>症例対照研究>前向きコホート研究", "前向きコホート研究>非ランダム化比較試験>症例集積", "ランダム化比較試験>前向きコホート研究>症例対照研究", "症例集積>非ランダム化比較試験>症例報告", "症例対照研究>前向きコホート研究>ランダム化比較試験"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "臨床研究には様々な研究デザイン(研究の型)があり、研究デザインによって得られるエビデンスレベルが異なる。研究デザインのエビデンスレベル(科学的根拠の水準、情報の信頼性)を以下に示す。ランダム化試験のメタアナリシス>ランダム化二重盲検比較試験>ランダム化比較試験>前向きコホート研究>症例対象研究"} +{"problem_id": "100069", "problem_text": "二重盲検試験における「盲検」の説明として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["被験者の背景情報がわからない状態で、処置群と対照群に割り付けること", "被験者を処置群と対照群に、無作為に割り付けること", "前向き試験と後ろ向き試験と、それぞれ独立に行うこと", "被験者にエンドポイントを知らせずに試験を行うこと", "処置群か対照群かがわからない状態で試験をすること"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "二重盲検試験における「盲検」とは、処置群か対照群かがわからない状態で試験をすることである。二重盲検試験を行うことにより主観に基づくデータの偏り(バイアス)を取り除くことができる。そのため、二重盲検試験は質の高いデータを得るために有用な方法である。"} +{"problem_id": "100070", "problem_text": "ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)過剰発現が確認された手術不能乳がんの治療に用いられる薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["エルロチニブ塩酸塩", "ラパチニブトシル酸塩水和物", "クリゾチニブ", "スニチニブリンゴ酸塩", "ゲフィチニブ"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)過剰発現が確認された手術不能乳がんの治療に用いられる薬物は「ラパチニブトシル酸塩水和物」である。1:誤\nエルロチニブ塩酸塩は、上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬であり、切除不能な再発・進行性の非小細胞肺がんに用いられる。2:正\n3:誤\nクリゾチニブは、ALK融合タンパク質のチロシンキナーゼ阻害薬であり、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに用いられる。4:誤\nスニチニブリンゴ酸塩は、マルチターゲット型PTK阻害薬であり、イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍、根治切除不能又は転移性の腎細胞がんに用いられる。5:誤\nゲフィチニブは、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬であり、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺がんに用いられる。"} +{"problem_id": "100071", "problem_text": "薬剤師を「医療の担い手」と明記している法律はどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬剤師法", "医薬品医療機器等法(旧称: 薬事法)", "医療法", "健康保険法", "国民健康保険法"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "薬剤師を「医療の担い手」と明記している法律は、医療法である。【医療法:第1条の2】\n医療は、生命の尊厳と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手と医���を受ける者との信頼関係に基づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない。"} +{"problem_id": "100072", "problem_text": "薬剤師免許に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["未成年者、成年被後見人又は被保佐人には、免許は与えられない。", "免許の申請書は、卒業した大学を経由して厚生労働大臣に提出する。", "免許の効力は、申請者が免許証を受け取った時から生じる。", "免許を取り消されても、免許証を厚生労働大臣に返納する義務はない。", "免許証が破れたという理由では、再交付を申請することはできない。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "薬剤師免許は、未成年者、成年被後見人又は被保佐人には、与えられない(絶対的欠格事由)。1:正\n2:誤\n免許申請書は、住所地の都道府県を経由して厚生労働大臣に提出する。3:誤\n薬剤師免許は、薬剤師名簿に登録された時点より効力を生じる。4:誤\n免許を取り消されたら、5日以内に住所地の都道府県知事を経由して、免許証を厚生労働大臣に返納しなければならない。5:誤\n破ったり、汚したり、失ったときには、免許証の再交付を申請することができる。補足\n2019年12月の薬剤師法改正により、成年被後見人又は被保佐人は、薬剤師免許の絶対的欠格事由ではなくなった"} +{"problem_id": "100073", "problem_text": "医療法において、医療提供体制の確保を図るための計画(医療計画)を定めると規定されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["国", "都道府県", "市町村", "医療法人", "保健所を設置する市又は特別区"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "医療法において、医療提供体制の確保を図るための計画(医療計画)を定めると規定されているのは、都道府県である。都道府県は、基本方針に即して、かつ、地域の実情に応じて、生活習慣病等の治療又は予防に係る事業に関する事項、救急医療等の確保に係る事業に関する事項、医師・歯科医師・薬剤師・看護師その他の医療従事者の確保に関する事項、医療の安全の確保に関する事項などの医療計画を定める。なお、医療提供体制の基本方針は、厚生労働大臣が定める。"} +{"problem_id": "100074", "problem_text": "医師法、歯科医師法、薬剤師法の第一条によって定められる医師、歯科医師、薬剤師の共通の任務はどれか。1つ選べ。", "choices": ["医療を効率的に提供する体制の確保", "国民の健康な生活の確保", "医療を受ける者の利益の保護", "各職種間の業務連携", "生命の尊重と個人の尊重の保持"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "医師法、歯科医師法、薬剤師法の第一条によって定められる医師、歯科医師、薬剤師の共通の任務は、「国民の健康な生活の確保」である。医師法、歯科医師法、薬剤師法の第一条を以下に示す。<医師法第一条>\n医師は、医療および保健指導を掌ることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。<歯科医師法第一条>\n歯科医師は、歯科医療および保健指導を掌ることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。<薬剤師法第一条>\n薬剤師は、調剤、医薬品の供給、その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。"} +{"problem_id": "100075", "problem_text": "次の物質の原体のうち、覚醒剤原料として規制されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["リゼルギン酸", "フェニルプロパノールアミン", "サフロール", "アンフェタミン", "無水酢酸"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "選択肢のうち、覚醒剤原料として規制されているのは、フェニルプロパノールアミンの原体である。フェニルプロパノールアミン(50%以下を含有するものを除く)は、覚せい剤取締法により、覚せい剤原料として規制されている。1:誤\nリゼルギン酸は、麻薬及び向精神薬取締法において麻薬向精神薬原料として規制されている。2:正\n3:誤\nサフロールは、麻薬及び向精神薬取締法において麻薬向精神薬原料として規制されている。4:誤\nアン���ェタミンは、覚醒剤取締法において覚醒剤として規制されている。5:誤\n無水酢酸は、麻薬及び向精神薬取締法において麻薬向精神薬原料として規制されている。"} +{"problem_id": "100076", "problem_text": "次の薬物のうち、他の薬物との相互作用が原因となった薬害事象を引き起こしたのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["サリドマイド", "クロロキン", "キノホルム", "ソリブジン", "アミノピリン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、他の薬物との相互作用が原因となった薬害事象を引き起こしたのは、ソリブジンである。ソリブジンとフルオロウラシルを併用することにより、フルオロウラシルの代謝が阻害され、重篤な副作用である血液障害等が発生した。"} +{"problem_id": "100077", "problem_text": "医療保険制度において、「療養の給付」に含まれないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["診察", "薬剤又は治療材料の支給", "食事療養", "処置、手術その他の治療", "居宅における療養上の管理"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、医療保険制度において、「療養の給付」に含まれないのは、食事療養である。健康保健法に定められている「療養の給付」を以下に示す。・診察\n・薬剤又は治療材料の支給\n・処置、手術その他の治療\n・居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護\n・病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護"} +{"problem_id": "100078", "problem_text": "国民医療費に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["一般用医薬品の購入費用は含まれない。", "財源の80%以上は、保険料である。", "薬局調剤医療費は、近年横ばい傾向にある。", "薬剤料が占める割合は、50%を超えている。", "国民所得に占める割合は、1%以下である。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "国民医療費とは、医療機関などにおける疾病の治療に要する費用を中心に推計したものであり、以下のものは国民医療費に含まれない。・正常な妊娠や分娩などに要する費用\n・健康の維持・増進を目的とした健康診断、予防接種などに要する費用\n・一般用医薬品の購入費用:など\n1:正\n2:誤\n国民医療費の財源の割合(平成24年度)\n保険料: 約48.8%、公費: 約38.6%、その他: 約12.6%\n3:誤\n薬局調剤医療費は、近年増加傾向にある。4:誤\n薬剤料の割合は、約35.0%である。(平成24年度)\n5:誤\n国民所得に占める割合は、約11.2%である。(平成24年度)"} +{"problem_id": "100079", "problem_text": "医薬分業率(%)を表す計算式はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "医薬分業率は、外来処方件数に対する薬局への処方せん枚数(院外処方せん枚数)の割合であり、以下の計算式で表される。医薬分業率(%)=(薬局への処方せん枚数/外来処方件数)\\times 100"} +{"problem_id": "100080", "problem_text": "ヘルシンキ宣言における倫理的原則にあてはまらないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["研究の実施内容を研究計画書に明示すること", "研究によって生じるリスクを最小化させるための措置を講じること", "被験者のプライバシー及び尊厳を守ること", "被験者に研究に関する十分な説明を行うこと", "被験者の利益にかかわらず、研究目的の重要性を優先すること"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "ヘルシンキ宣言(ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則)は、1964年にフィンランドの首都ヘルシンキで開かれた世界医師会において採択された人体実験に対する倫理規範であったが、現在では人間を対象とする医学研究の倫理的原則として適用されている。ヘルシンキ宣言において、「被験者の利益は科学と社会への寄与よりも重要視されるべきである」とされている。"} +{"problem_id": "100081", "problem_text": "EBMの実践手順で、「 ::: 」に入る適当な語句はどれか。1つ選べ。患者の問題の定式化 \\rightarrow 情報の収集 \\rightarrow 「 ::: 」\\rightarrow 患者への適用", "choices": ["患者満足度の推察", "情報の批判的吟味", "治療アウトカムの設定", "医療者の臨床経験", "動物実験による確認"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "EBM(Evidence-Based-Medicine: 根拠に基づく医療)とは、曖昧な経験や直感に頼らず、根拠に基づいて医療を提供していくことである。EBMの実践手順を以下に示す。患者情報の定式化(患者の問題を明らかにする)\\rightarrow 情報の収集(問題解決のための情報を収集する)\\rightarrow 情報の批判的吟味(得られた情報を吟味する)\\rightarrow 患者への適用(情報を吟味した結果、患者の問題点を解決できそうなものを適用する)"} +{"problem_id": "100082", "problem_text": "薬剤師が保険調剤の調剤録を作成するタイミングとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、分割調剤の場合を除く。", "choices": ["処方せん受け付けた時", "処方監査を終了した時", "計数・計量調剤を終了した時", "調剤薬鑑査を終了した時", "処方せんが調剤済となった時"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬剤師が保険調剤の調剤録を作成するタイミングとして適切なのは、「処方せんが調剤済みになった時」である。(分割調剤の場合を除く)"} +{"problem_id": "100083", "problem_text": "血漿分画製剤に分類されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["人全血液", "新鮮凍結人血漿", "加熱人血漿たん白", "人赤血球濃厚液", "人血小板濃厚液"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "血液製剤の分類を以下に示す。・輸血用血液製剤\n全血製剤: 人全血液\n成分製剤: 人赤血球濃厚液、新鮮凍結人血漿、人血小板濃厚液\n・血漿分画製剤\nアルブミン製剤: 人血清アルブミン、加熱人血漿たん白\n人免疫グロブリン\n人血液凝固第VIII因子\n人アンチトロンビンIII"} +{"problem_id": "100084", "problem_text": "【::: 】に入る適切な語句はどれか。1つ選べ。平成18年に良質な医療を提供する体制の確立を図るために医療法等が改正され、平成19年4月から、医療の安全確保の一環として「医薬品の安全使用のための 【:::】 」の作成が義務付けられた。", "choices": ["お薬手帳", "業務手順書", "在庫管理台帳", "薬局構造設備基準", "ヒヤリ・ハット事例報告書"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "平成18年6月に良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等が改正され、病院、診療所、歯科診療所及び助産所の管理者には、医療の安全確保の一環として「医薬品の安全使用のための業務手順書」の作成が義務付けられた。医薬品の安全使用のための業務手順書には以下のことが記載されている。・病院等で用いる医薬品の採用・購入に関する事項\n・医薬品の管理に関する事項\n・入院患者及び外来患者に対する医薬品の使用に関する事項\n・事故発生時の対応:など"} +{"problem_id": "100085", "problem_text": "感染制御チームにおける薬剤師の役割として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["病棟ラウンドへの参画", "注射薬の無菌調製の推進", "使用済針のリキャップの推進", "耐性菌などの感染関連情報の収集・提供", "TDMによる抗菌薬の投与設計"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "感染制御チーム(ICT: Infection Control Team)における薬剤師の役割として適切でないのは、「使用済針のリキャップの推進」である。ICTにおいて薬剤師は、針指し事故を防止するため、使用済針のリキャップの禁止を推進すべきである。感染制御チーム(ICT: Infection Control Team)における薬剤師の役割には、以下のような項目があげられる。・病棟ラウンドの参画\n・注射剤の無菌調製の推進\n・使用済針のリキャップの禁止の推進\n・耐性菌などの感染関連情報の収集・提供\n・TDMによる抗菌薬の投与設計の提案\n・消毒薬の適正使用の指導\n・手洗い及び手指消毒についての指導:など"} +{"problem_id": "100086", "problem_text": "ある薬剤を服用している患者から「足がむくむ」、「尿量が少なくなった」、「排尿時の尿の泡立ちが強い」との訴えがあり、副作用を疑った。下記の中で最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["横紋筋融解症", "高血糖", "出血性膀胱炎", "腎性尿崩症", "ネフローゼ症候群"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "「足がむくむ」、「尿量が少なくなった」、「排尿時の尿の泡立ちが強い」を呈する副作用は、ネフローゼ症候群である。ネフローゼ症候群では、大量のタンパク尿、低タンパク血症が起こり、それにより高脂血症(脂質異常症)と浮腫が認められる病態である。ネフローゼ症候群の診断基準として、「タンパク尿: 3.5 g/日」、「低アルブミン血症: 血清アルブミン値3.0 g/dL以下」がある。"} +{"problem_id": "100087", "problem_text": "患者の抱える医療上の問題点を問題ごとに明確化し、患者の立場で解決していくシステム(略号)はどれか。1つ選べ。", "choices": ["PEM", "PMS", "SOAP", "POS", "POMR"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "患者の抱える医療上の問題点を問題ごとに明確化し、患者の立場で解決していくシステム(略号)は「POS: Problem Oriented System」である。1:誤\nPEMは、処方イベントモニタリング(Prescription Event Monitoring)の略号である。2:誤\nPMSは、市販後調査(Post Marketing Surveillance)の略号である。3:誤\nSOAPとは、経過記録の方法の頭文字をとったものである。S: (Subjective data: 主観的事項)\nO: (Objective data: 客観的事項)\nA: (Assessment又はAnalyssi: 評価)\nP: (Plan: 計画)\n4:正\n前記参照\n5:誤\nPOMRは、問題志向型診療録(Problem Oriented Medical Record)の略号である。"} +{"problem_id": "100088", "problem_text": "インターフェロン製剤を投与中のC型肝炎の患者に禁忌である薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["小柴胡湯", "葛根湯", "ラクツロース", "ウルソデオキシコール酸", "リバビリン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "インターフェロン製剤と小柴胡湯を併用すると、間質性肺炎が現れることがあるため、両剤は併用禁忌とされている。"} +{"problem_id": "100089", "problem_text": "注射剤を混合する時に、配合変化の有無を調べる情報源として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["日本薬局方", "医療用医薬品添付文書", "医療用医薬品品質情報集", "医薬品インタビューフォーム", "保険薬事典"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "注射剤を混合する時に、配合変化の有無を調べる情報源として、医薬品インタビューフォームが用いられる。医薬品インタビューフォームには、その薬剤に関する情報が多く記載されており、配合変化については「他剤との配合変化(物理化学的変化)」の項目に記載されている。"} +{"problem_id": "100090", "problem_text": "患者中心のチーム医療において、医療スタッフ共通の診療スケジュール表とも呼ばれるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["チャート", "ムンテラ", "バリアンス", "アサーション", "クリニカルパス"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "患者中心のチーム医療において、医療スタッフ共通の診療スケジュール表を「クリカルパス」と呼ぶ。クリニカルパスには、疾患ごとに治療・検査・ケア・処置・指導などの内容やタイミング、時間軸に沿った治療方法などが記載されている。1:誤\nチャートとは、図表やグラフ等のことである。2:誤\nムンテラとは、医師から患者やその家族に病状を説明することである。3:誤\nバリアンスとは、クリニカルパスで予想されたプロセスと異なる過程や結果のことである。4:誤\nアサーションとは、相手も自分も大切にする自己表現法のことであり、コミュニケーション技法の1つである。5:正\n前記参照"} +{"problem_id": "100091", "problem_text": "分子間相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["酸素原子の電気陰性度は硫黄原子より大きいため、分子間に働く水素結合はH_{2}Oの方がH_{2}Sよりも強い。", "静電的相互作用によるポテンシャルエネルギーは、距離の2乗に反比例する。", "分散力は、ロンドン力とも呼ばれ、そのポテンシャルエネルギーは距離の4乗に反比例する。", "ファンデルワールス相互作用は、分子間の距離により引力として働く場合と斥力として働く場合がある。", "疎水性相互作用はファンデルワールス相互作用により説明される。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正酸素原子の電気陰性度は硫黄原子より大きいため、H_{2}Oの水素原子は、H_{2}Sの水素原子よりも強い正の電荷を帯びる。よって、分子間に働く水素結合はH_{2}Oの方がH_{2}Sよりも強い。2:誤\n静電的相互作用によるポテンシャルエネルギーUは、距離に反比例する。なお、静電的相互作用によるポテンシャルエネルギーUは以下の式で表される。Q、q: 粒子のもつ電荷、\\epsilon : 溶媒の誘電率r: 粒子間の距離\n3:誤\n分散力は、ロンドン力とも呼ばれ、そのポテンシャルエネルギーは距離の6乗に反比例する。4:正\nファンデルワールス相互作用とは、電荷のない中性分子又は原子間に働く引力又は斥力のことであり、分子間の距離により引力として���く場合と斥力として働く場合がある。5:誤\n疎水性相互作用とは、水中に存在する無機性物質(疎水物質)が水を避けて会合する際にみられる相互作用のことであり、水のエントロピーの増大により説明される。"} +{"problem_id": "100092", "problem_text": "下の図は、マクスウェル・ボルツマン分布則に基づいた、温度の異なる、ある理想気体の運動の速さ分布である。図中の曲線Aは温度T_{1}=150 Kの場合、曲線Bは温度T_{2}の場合を示す。気体の運動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、図中の分子運動は並進運動のみを表しているものとする。", "choices": ["T_{2}は、約300 Kである。", "各曲線における最大確率速度(頂点における速度)は、それぞれの平均の速さより小さい。", "分子量が2倍、温度T_{1}の理想気体における分布曲線は、曲線Aと比べて、右側にシフトし広がる。", "温度が高くなれば、速さの分布は広がる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤最大確率速度u_{m}(分布曲線の傾きが0(グラフの頂点)に相当する速度)は、以下の式で表すことができる。u_{m}=(2RT/M)^{1/2}\nR: 気体定数、T: 絶対温度、M: 分子量最大確率速度u_{m}の式より最大確率速度と温度の平方根は比例の関係にある。グラフより、曲線Bの最大確率速度は、曲線Aの最大確率速度の2倍であることから曲線Bの温度は曲線Aの温度の4倍のときのグラフである。よって、T_{2}は、約600 Kである。2:正\n平均速度>最大確率速度(グラフの頂点に相当する速度)の関係がある。3:誤分子量が2倍になると、気体分子運動の速さが遅くなるため、温度T_{1}の理想気体における分布曲線は、曲線Aと比べて、左側にシフトする。4:正\n温度が高くなると、気体分子は激しく運動するため、速さの分布は広がる(右側にシフトする)。"} +{"problem_id": "100093", "problem_text": "次の文章の「 :::」 に入る数値及び記号の正しい組み合わせはどれか。1つ選べ。理想溶液がその気相と平衡にある場合、各成分の蒸気圧は溶液中のモル分率に比例する。成分XとYから成る液体を理想溶液とみなすとき、成分Xのモル分率0.5の溶液と平衡にある蒸気の成分Xのモル分率は 「:①:」 となる。ただし、成分XとYの蒸気圧をそれぞれ500 hPa、1000 hPaとする。また、成分X、Yが理想溶液とみなせず、XとYの分子間相互作用が同種分子間の相互作用よりも弱い場合の圧力は 「:②: 」のようなグラフになる。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["7"], "comment": "①\n<理想溶液の蒸気圧を求める>\nラウールの法則より理想溶液の蒸気圧を以下のように求めることができる。純Xの蒸気圧が500 hPaであり、そのモル分率が0.5であることから、Xが示す蒸気分圧=500 hPa\\times 0.5=250 hPaとなり、また、純Yの蒸気圧が1000 hPaであり、そのモル分率が0.5であることから、Yが示す蒸気分圧=1000 hPa\\times 0.5=500 hPaとなる。これらのことより、理想溶液の蒸気圧=250 hPa+500 hPa=750 hPaとなる。<蒸気における各成分のモル分率を求める>\n設問に「平衡にある」となっていることから、溶液における蒸気圧と蒸気における蒸気圧が等しいと考えられる。よって、ドルトン分圧の法則より、蒸気分圧から、各成分のモル分率を以下のように求めることができる。Xのモル分率=250 hPa/750 hPa=0.33\nYのモル分率=500 hPa/750 hPa=0.67\n②\n設問に「成分X、Yが理想溶液とみなせず、XとYの分子間相互作用が同種分子間の相互作用よりも弱い場合」とあることから、XとYを混合すると活量係数が1より大きくなり、Aのようなグラフになる。参考\n・ラウールの法則\n理想溶液の蒸気圧=純物質の蒸気圧\\times モル分率\n・ドルトン分圧の法則\n理想気体の蒸気圧=全蒸気圧\\times モル分率"} +{"problem_id": "100094", "problem_text": "タンパク質の構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["円二色性スペクトル法により、タンパク質の一次構造を決定することができる。", "\\alpha ヘリックスや\\beta シートは、タンパク質中に見られる二次構造である。", "基質が酵素分子に結合する際に生じる誘導適合(induced fit)とは、酵素分子を堅固な剛体として仮定したときに生じる変化をいう。", "酵素の等電点とは、その酵素の至適pHのことである。", "ヘモグロビンと酸素との結合は、協同性を示し、この協同現象は、ヘ���グロビンの四次構造変化により説明される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n円二色性スペクトルからはタンパク質の一次構造情報を得ることはできない。なお、円二色性スペクトルからタンパク質の二次・三次構造情報を得ることが可能である。2:正\n\\alpha ヘリックスや\\beta シートは、ペプチド結合C=Oの酸素とN-H水素間に形成される水素結合でつくられるタンパク質の二次構造である。3:誤\n誘導適合とは、酵素分子が柔軟に構造の変化(コンフォメーション)を起こすことができると仮定したときに生じる変化をいう。なお、誘導適合(induced fit)とは、基質(リガンド)が酵素分子に結合すると、酵素分子自身が変化し、触媒機能を発現しやすいように構造が変化する(コンフォメーション)ことである。4:誤\n等電点は、至適pHとは異なる。・等電点\n溶媒液中において両性電解質の電荷が0になるときのpH\n・至適pH\n酵素に最高の活性を与えるときのpH\n5:正\nヘモグロビンは、酸素の運搬に関わるヘムタンパク質であり、ヘモグロビンと酸素との結合は協同性を示す。ヘモグロビンは、酸素分圧の上昇により四次構造が変化することにより酸素との親和性が増加し、また、酸素分圧の低下により四次構造が変化することにより酸素との親和性が低下する(この現象を協同現象という)。この協同現象により体内での酸素の運搬が調整されている。"} +{"problem_id": "100095", "problem_text": "NAD^{+}及びCH_{3}CHOの還元反応及び標準電位を以下に示した。NAD^{+}+H^{+}+2e^{-}\\rightarrow NADH :標準電位、-0.320 V(pH7、25^{\\circ} C)CH_{3}CHO+2H^{+}+2e^{-}\\rightarrow CH_{3}CH_{2}OH:::標準電位、-0.197 V(pH7、25^{\\circ} C)pH7、25^{\\circ} Cにおける、NAD^{+}/NADH及びCH_{3}CHO/CH_{3}CH_{2}OHからなる化学電池が放電するときの標準ギブズエネルギーの変化(kJ・mol^{-1})の値に最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、ファラデー定数F=9.65\\times 10^{4}C・mol^{-1}とする。", "choices": ["-49.9", "-23.7", "-11.9", "11.9", "23.7"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "<標準起電力を求める>NAD^{+}/NADH及びCH_{3}CHO/CH_{3}CH_{2}OHからなる化学電池が放電するときの標準起電力(E^{標準})は、以下の式より求めることができる。E^{標準}=(CH_{3}CHO/CH_{3}CH_{2}OHの標準電位)-(NAD^{+}/NADHの標準電位)CH_{3}CHO/CH_{3}CH_{2}OHの標準電位が-0.197 V、NAD^{+}/NADHの標準電位が-0.320 Vであることから、E^{標準}を以下のように求めることができる。E^{標準}=-0.197-(-0.320)=0.123 V\n<標準ギブズエネルギーの変化を求める>標準ギブズエネルギーの変化(\\Delta G^{標準})は、以下の式より求めることができる。\\Delta G^{標準}=-nFE^{標準}::n: 移動する電子の数、F: ファラデー定数移動する電子数が2、ファラデー定数Fが9.65\\times 10^{4}C・mol^{-1}、E^{標準}が0.123 Vであることから、\\Delta G^{標準}を以下のように求めることができる。\\Delta G^{標準}=-2\\times 9.65\\times 10^{4}(C・mol^{-1})\\times 0.123(V)=-2\\times 9.65\\times 10^{4}(C・mol^{-1})\\times 0.123(J/C)=-23,739 (J・mol^{-1})=-23.7 kJ・mol^{-1}"} +{"problem_id": "100096", "problem_text": "紫外可視吸光度測定法に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、図のように測定に用いた単色光の入射光の強さをI_{0}、透過光の強さをIとする。", "choices": ["透過度tはt=I/I_{0}で表される。", "透過度tと吸光度Aの間には、A=2-logtの関係がある。", "層長を2倍にすると、透過度は2倍になる。", "試料溶液が十分に希薄な場合、濃度を2倍にすると吸光度Aは2倍になる。", "吸光度の単位はcd(カンデラ)である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n透過度は入射光の強さに対する透過光の強さで表される。2:誤\n透過度tと吸光度Aの間には、A=-logtの関係がある。透過度Aは次のように表すことができる。3:誤\n層長を2倍にすると、吸光度が2倍となる。なお、層長が2倍になると透過光の強さをIが小さくなるため、透過度も小さくなる。4:正\n希薄溶液の場合、吸光度Aは濃度、層長に比例する(Lambert-Beerの法則)。よって、試料溶液が十分に希薄な場合、濃度を2倍にすると吸光度Aは2倍になる。5:誤\n吸光度は単位を有さない。なお、cd(カンデラ)は光度の単位である。"} +{"problem_id": "100097", "problem_text": "誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法及び原子吸光光度法に関す��記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ICP発光分光分析法では、試料原子が基底状態から励起状態に遷移する際の発光を観測する。", "ICP発光分光分析法では、高周波誘導結合法により得られたアルゴンプラズマ中に試料を導入する。", "原子吸光光度法の光源には、中空陰極ランプが用いられる。", "原子吸光光度法で測定する原子スペクトルは、連続スペクトルである。", "原子吸光光度法において、銀イオンは冷蒸気方式により原子化される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n解説2参照\n2:正\n誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法では、高周波誘導結合法により得られたアルゴンプラズマ中に試料を導入し、高温の熱エネルギーによって励起された原子が基底状態に戻る際に発光する原子発光スペクトルの波長及び強度を測定し、元素の同定や定量分析を行う。3:正\n原子吸光光度法の光源には、中空陰極ランプや放電ランプが用いられる。4:誤\n原子吸光光度法で測定する原子スペクトルは、輝線スペクトルである。5:誤\n原子吸光光度法において、水銀の原子化には冷蒸気方式が用いられる。"} +{"problem_id": "100098", "problem_text": "キャピラリー電気泳動に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["中性の電解質溶液を満たしたフューズドシリカ製キャピラリーの内壁は、シラノール基の解離により正電荷を帯びる。", "フューズドシリカ製キャピラリーと中性の緩衝液を用いて電気泳動を行うと、陰イオン性物質は中性物質よりも速く泳動される。", "ミセル動電クロマトグラフィーでは、泳動液にイオン性界面活性剤を添加することで、中性物質の分離が達成される。", "キャピラリーゾーン電気泳動では、泳動液のpHが高いほど、中性試料成分の泳動速度が遅くなる。", "キャピラリーゲル電気泳動でDNAを分離すると、サイズの小さなものから順に検出される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤フューズドシリカ(溶融石英)製キャピラリーの内壁のシラノール基(Si-OH)は、pH3以上で解離する。そのため、中性(pH7)の電解質溶液を満たしたフューズドシリカ製キャピラリーの内 壁は、シラノール基(Si-O^{-})の解離により負電荷を帯びる。2:誤\nフューズドシリカ製キャピラリーと中性の緩衝液を用いて電気泳動を行うと、電気浸透流(正電荷の流れ)が発生する。この電気浸透流を利用し、物質を分離する方法をキャピラリーゾーン電気泳動という。本法により、陰イオン性、中性物質を分離すると、陰イオン性物質は電気浸透流と逆向きに引き寄せられながら泳動されるため、中性物質よりも遅く泳動される。3:正\nミセル動電クロマトグラフィーとは、泳動液に陰イオン性界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム)を添加し、電気泳動を行う方法のことであり、本法により中性物質を分離することが可能である。4:誤\nキャピラリーゾーン電気泳動では、泳動液のpHが高いほど、キャピラリーの内壁にあるシラノール基(Si-OH)が解離しやすくなり、強い電気浸透流が発生する。そのため、泳動液のpHが高いほど、中性試料成分の泳動速度が速くなる。5:正\nキャピラリーゲル電気泳動では、ゲルの抵抗を受けにくいサイズの小さいものから順に検出される。"} +{"problem_id": "100099", "problem_text": "液体クロマトグラフィーを用いた鏡像異性体の分離法には、キラル固定相法、キラル移動相法、ジアステレオマー誘導体化法がある。各法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["キラル移動相法では分析対象物に対する対掌体を移動相溶液に添加してエナンチオマー分離を行う。", "ジアステレオマー誘導体化法は、誘導体化により通常の分配クロマトグラフィーで分離することを目的とする。", "あるラセミ混合物を分離したとき、異性体間のピークの分離度(R_{S})は1.2であった。このとき、2つのピークは完全分離しているといえる。", "キラルカラムに固定化される光学活性な高分子として、多糖類誘導体やタンパク質が広く用いられている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nキラル移動相法は、キラルセレクター(シクロデキストリンやキラルクラウンエーテルなど)��移動相に添加する方法であり、エナンチオマー間でのキラルセレクターとの複合体形成能の違いにより、エナンチオマーの分離を行う。2:正\nジアステレオマー誘導体化法は、エナンチオマーをジアステレオマーに誘導体化することにより分離する方法である。ジアステレオマー間では、物理化学的性質が異なるため、エナンチオマーをジアステレオマーに誘導体化することにより通常の分配クロマトグラフィーで分離することが可能となる。3:誤\n日本薬局方一般試験法において、ピークの分離度(R_{S})が1.5以上を示す場合、2つのピークは完全に分離しているとみなしてよいと定義されている。よって、異性体間のピークの分離度(R_{S})が1.2であるとき、2つのピークは完全分離しているとはいえない。4:正\nキラル固定相法では、キラルセレクター(多糖類誘導体やタンパク質)を固定相担体の表面に固定し、エナンチオマー間でのキラルセレクターとの複合体形成能の違いにより、エナンチオマーの分離を行う。"} +{"problem_id": "100100", "problem_text": "水酸基を有する医薬品Xのデータは以下の通りである。次の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。分子量: 200 300 nmにおけるモル吸光係数: 20,000比旋光度[\\alpha ]^{20}_{D}: -30°〜 -33°", "choices": ["医薬品Xの300 nmにおける比吸光度E^{1%}_{1 cm} は1,000である。", "医薬品Xの1.0\\times 10^{-6}mol/L溶液の旋光度を層長100 mmのセルを用いて測定すると-3.0°〜 -3.3°となる。", "医薬品Xの赤外吸収スペクトルにおいて、水酸基の伸縮振動スペクトルの波数は、測定溶媒との水素結合形成により減少する。", "医薬品Xの結晶を作成しX線(波長1.54 Å(0.154 nm))を照射した。このとき、回折角2θが60°の回折点由来の面間隔は0.89 Åである。ただし、3^{1/3}=1.73とする。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n比吸光度E^{1%}_{1 cm}とモル吸光度係数\\epsilon の間には、以下のような関係式が成立する。\\epsilon =20,000、M=200であることから、E^{1%}_{1 cm}を以下のように求めることができる。E^{1%}_{1 cm}は1000となる。2:誤比旋光度[\\alpha ]^{20}_{D} は、以下の式で表される。\\alpha : 旋光度、l: 層長、c: 濃度\n旋光度\\alpha を求めるためには、cの単位を(g/mL)にする必要がある。c=1.0\\times 10^{-6}mol/L、分子量: 200であることから、c=1.0\\times 10^{-6}mol/L=1.0\\times 10^{-6}\\times 200 g/1000 mL=2.0\\times 10^{-7}g/mL比旋光度[\\alpha ]^{20}_{D}=-30°〜-33°、c=2.0\\times 10^{-7}g/mL、l=100 mmであることから、旋光度\\alpha を以下のように求めることができる。\\alpha は、-6.0\\times 10^{-6}〜-6.6\\times 10^{-6}となる。3:正\n4:誤\nX線を結晶に照射し、回折がみられる場合、ブラッグの式が成立する。ブラッグの式: 2dsinθ=nλ\nθ: 入射X線と結晶面の角度、d: 面間隔、n: 整数、λ: 波長\nλ=1.54 Å、θ=30°であることから、面間隔dを以下のように求めることができる。2dsin30°=n\\times 1.54 Å:::(sin30°=1/2)\nd=n\\times 1.54 Åとなる。この結果から、面間隔dは、1.54 Åの整数倍であることがわかる。"} +{"problem_id": "100101", "problem_text": "有機化合物1〜5がそれぞれ100 mg溶解しているジエチルエーテル(エーテル)溶液100 mLについて、エーテルと同体積の各水溶液を用いて、分液ロートによる以下の抽出操作を行った。主としてエーテル層Aに含まれる有機化合物はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "抽出を行う前のジエチルエーテルに含まれている有機化合物は、1: 安息香酸、2: フェノール、3: エチレングリコール、4: アニリン、5: ジフェニルアミンである。本設問における抽出操作の流れを以下に示す。①:飽和NaHCO_{3}水溶液を用いる分液操作\n②:2 mol/L NaOH水溶液を用いる分液操作\n③:2 mol/L 塩酸を用いる分液操作①:飽和NaHCO_{3}水溶液(弱アルカリ性の水溶液)による分液操作\n・弱アルカリ性水溶液中\nイオン形で存在: 安息香酸\n分子形で存在: フェノール、エチレングリコール、アニリン、ジフェニルアミン\n水層には、イオン形で存在する安息香酸と水溶性が高いエチレングリコールが残存し、エーテル層には分子形で存在するフェノール、アニリン、ジフェニルアミンが残存する。②:2 mol/L NaOH水溶液(強アルカリ性の水溶液)による分液操作\n・強アルカリ性水溶液中\nイオン形で存在: フェノール\n分子形で存��: アニリン、ジフェニルアミン\n水層には、イオン形で存在するフェノールが残存し、エーテル層には分子形で存在するアニリン、ジフェニルアミンが残存する。③:2 mol/L 塩酸(強酸性水溶液)を用いる分液操作\n・強酸性水溶液中\nイオン形で存在: アニリン\n分子形で存在: ジフェニルアミン\n水層には、イオン形で存在するアニリンが残存し、エーテル層には分子形で存在するジフェニルアミンが残存する。上記の結果より、エーテル層Aに含まれる有機化合物は、ジフェニルアミン(選択肢5)である。"} +{"problem_id": "100102", "problem_text": "化合物Aのヒドロホウ素化-酸化反応の主生成物Bとして正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、ラセミ体が生成する場合は片方の鏡像異性体のみを示してある。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "アルケンにボラン(BH_{3})を反応させると、シン付加が進行し、その生成物を塩基性条件下(OH^{-})、過酸化水素(H_{2}O_{2})で処理すると、逆マルコフニコフ型のアルコールが生成する。"} +{"problem_id": "100103", "problem_text": "カルボニル化合物AをアルケンCに変換するのに必要な試薬Bはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "本反応は、カルボニル化合物AとホスホニウムイリドからアルケンCが生成していることから、Wittig反応であると考えられる。生成物Cより、ホスホニウムイリドの構造を以下のように推測することができる。推測されるホスホニウムイリドを生成するに当たっては、以下の反応が起こっていると考えられる。"} +{"problem_id": "100104", "problem_text": "電子移動を示す矢印(細い矢印)で記した機構が主となって、実際に進行し生成物が得られる反応はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:誤酢酸(CH_{3}COH_{2})にメトキシドイオン(CH_{3}O^{-})を反応させると、酸塩基反応が進行し、酢酸イオンとメタノールが生成する。2:誤2-ブロモ-2-メチルプロパン((CH_{3})_{3}CBr)に水を反応させても設問のようなS_{N}2反応は進行しない。なお、2-ブロモ-2-メチルプロパン((CH_{3})_{3}CBr)に水を反応させると、S_{N}1反応により、2-メチルプロパン-2-オールを生成する。3:正\nベンゼンにニトロニウムイオンを反応させると、芳香族求電子置換反応により、ニトロベンゼン生成する。4:誤\nクロロベンゼンのようなハロゲン化アリールにおける炭素-ハロゲン結合は容易に開裂しないため、設問の反応のようにクロロベンゼンにアミドイオンを反応させても、アニリンは生成しない。なお、液体アンモニア中で、クロロベンゼンにアミドイオンを反応させると、アニリンが生成する。5:誤\n2-メチルプロパンのようなアルカン類における炭素-水素結合は容易に開裂しないため、設問のように2-メチルプロパンに塩素を反応させても、2-クロロ-2-メチルプロパンは生成しない。なお、2-メチルプロパンに塩素ラジカルを反応させると、2-クロロ-2-メチルプロパンが生成する。"} +{"problem_id": "100105", "problem_text": "次の医薬品のうち、医薬品そのもの、または代謝物が、標的酵素の活性部位と共有結合を形成するのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nオセルタミビルリン酸塩の構造である。オセルタミビルはプロドラッグであり、その活性代謝物がウイルス増殖に必要な酵素であるノイラミニダーゼと非共有結合することによりノイラミニダーゼの活性を阻害する。2:誤\nプラバスタチンナトリウムの構造である。プラバスタチンは、ヒドロキシグルタリル-CoA(HMG-CoA)からメバロン酸への還元反応を触媒するHMG-CoA還元酵素と非共有結合することによりHMG-CoA還元酵素の活性を阻害する。3:正\nフルオロウラシル(5-FU)の構造である。フルオロウラシル(5-FU)は生体内で5-フルオロウデオキシウリジル酸(5-FdUMP)に変換されチミジル酸合成酵素と共有結合することによりチミジル酸合成酵素の活性を阻害する。4:誤\nファモチジンの構造である。ファモチジンはH_{2}受容体と非共有結合することによりH_{2}受容体を競合的に阻害する。5:正\nベンジルペニシリンカリウムの構造である。ベンジルペニシリンは、細菌の細胞壁を構成するペプチドグリカンの生合成に関与するトランスペプチダーゼに共有結合することによりトランスペプチダーゼの活性を阻害し、細菌の細胞壁合成を阻害する。"} +{"problem_id": "100106", "problem_text": "カンデサルタン:シレキセチルに関する記述のうち誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ベンゾイミダゾール骨格をもつ。", "テトラゾリル基は、カルボキシ基の生物学的等価体とみなされる。", "シレキセチルはステムである。", "経口投与後生じる活性代謝物(カンデサルタン)には不斉炭素原子が存在しない。", "ビフェニル基は親水性を示す。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:正しい\n2:正しい\n生物学的等価体とは、生体内において同一の性質(生物学的等価性)を示す官能基のことである。本剤のテトラゾリル基はカルボキシ基と生体内において同一の性質を示す。3:誤っている\nステムとは、医薬品一般名の共通の接尾語のことであり、化学構造、薬理作用、薬効が類似している医薬品に付けられる。アンギオテンシンII受容体拮抗薬のステムは、「サルタン(-sartan)」である。4:正しい\nカンデサルタン部分には、不斉炭素原子は存在しない。なお、シレキセチル部分には、不斉炭素原子は存在する。5:誤っている\nビフェニル基は、疎水性を示す。"} +{"problem_id": "100107", "problem_text": "インドメタシンは、フィッシャー(Fischer)のインドール合成によって得ることができる。このインドール合成に用いられる化合物はどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "6"], "comment": "フィッシャー(Fischer)のインドール合成では、以下の反応機構によりインドール環を合成することができる。上記の反応における反応物と生成物を比較すると、生成物のIの部分はフェニルヒドラジンより、生成物のIIの部分はケトンより生成したと考えられる。選択肢1〜3の構造においてフェニルヒドラジン類似構造を有するのは、選択肢1であり、また、選択肢4〜6のうち、上記のIIに該当する構造を与えるケトンは、選択肢6である。"} +{"problem_id": "100108", "problem_text": "合成したインドメタシンの構造解析を^{1}H-NMR(400 MHz、CDCl_{3}、基準物質はTMS)によって行った。図Aは、^{1}H-NMRスペクトルである。なお、ア〜ウ及びキのシグナルは、一重線である。構造解析結果に関する記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。なお、カルボキシ基の水素のシグナルは図A中では観測されていない。", "choices": ["基準物質として用いられるTMSは、トリメチルシランである。", "インドール環2位のメチル基のシグナルは、図Aのアである。", "インドール環4位の水素のシグナルは、図Aのカである。", "CDCl_{3}の重水素のシグナルは、図Aのキである。", "図Aのオのシグナルとクのシグナルは互いにカップリングしている。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n基準物質として用いられるTMSは、テトラメチルシランである。2:正\n芳香族(ベンゼン環、インドール環など)に結合したメチル基のシグナルは、2〜3 ppm付近に現れるため、アのシグナルは、インドール環2位のメチル基によるシグナルであると推定できる。3:正\nインドール環4位の水素は、隣接する炭素に水素が存在しないことからカップリングを起こさず、また、インドール環6位の水素とダブルカップリングを起こす。そのため、インドール環4位の水素のシグナルは1H分のシグナルは、図Aのカである。4:誤^{1}H-NMRスペクトルには、重水素によるシグナルは現れない。なお、図Aのキは、溶媒として用いた重水クロロホルム(CDCl_{3})に含まれる不純物のクロロホルム(CHCl_{3})のプロトンに由来するシグナルである。5:誤\n図Aのオのシグナルはインドール環に結合している水素に由来するシグナルであり、クのシグナルはベンゼン環に結合している水素に由来するシグナルである推定される。オのシグナルを示す水素とクのシグナルを示す水素は、隣接していないため、オのシグナルとクのシグナルは互いにカップリングしていない。"} +{"problem_id": "100109", "problem_text": "写真A〜Eに示した生薬に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aの基原植物はホンアンズ、アンズで、鎮咳薬として利用される。", "Bの基原植物はカラスビシャクで、鎮吐薬、去痰薬として利用される。", "Cの基原植物はカギカズラで、鎮痙薬、鎮静薬として利用される。", "Dの基原植物はボタンで、鎮痛薬、鎮痙薬として利用される。", "Eの基原植物はウマコケモモで、尿路殺菌薬として利用される。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:正しい\n設問の写真Aは、キョウニン(杏仁)であり、その基原植物はホンアンズ、アンズで、鎮咳薬として利用される。2:正しい\n設問の写真Bは、ハンゲ(半夏)であり、その基原植物はカラスビシャクで、鎮吐薬、去痰薬として利用される。3:正しい\n設問の写真Cは、チョウトウコウ(釣藤鈎)であり、その基原植物はカギカズラで、鎮痙薬、鎮静薬として利用される。4:誤っている\n設問の写真Dは、リュウタン(竜胆)であり、その基原植物は、トウリンドウで、苦味健胃薬として利用される。5:誤っている\n設問の写真Eは、サンシン(山梔子)であり、その基原植物は、クチナシで、鎮静、解熱、消炎薬として利用される。"} +{"problem_id": "100110", "problem_text": "構造式AとBで示されるタンニンに関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["化合物A及びBは、塩化鉄(III)試液で呈色する。", "化合物Aは、シキミ酸と酢酸-マロン酸の複合経路で生合成される。", "化合物Aに含まれる糖は、D-マンノースである。", "化合物Bは、加水分解型タンニンである。", "化合物Bは、1-ブタノール中で塩酸と加熱すると赤色を呈する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "設問の化合物Aは、ゲラニイン、ゲンノショウコの主成分である加水分解型タンニンであり、化合物Bは、ケイヒの主成分である縮合型タンニンである。1:正\n塩化鉄(III)試液はフェノール性水酸基の呈色試薬である。化合物A及びBは構造中にフェノール性水酸基を有するため、塩化鉄(III)試液で呈色する。2:誤\n化合物Aは、シキミ酸経路により生合成される。なお、化合物Bは、シキミ酸と酢酸-マロン酸の複合経路で生合成される。3:誤\n化合物Aに含まれる糖は、D-グルコースである。4:誤\n前記参照\n5:正\n化合物Bを酸で処理すると、紅色の色素であるアントシアニジンを生成する。"} +{"problem_id": "100111", "problem_text": "下図はヒト表皮の模式図である。この図についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["①の層は、ビメンチンが重合した中間系フィラメントを豊富に含む。", "②の層には、毛細血管が豊富に分布している。", "②の層にある細胞Aは、触覚の受容に関与する。", "③の層では、細胞の新生と増殖が起こっている。", "③の層にある細胞Bは、日焼けに関連する物質を産生している。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "設問の図において、①: 角質層、②: 有棘層、③: 基底層である。また、②の層に存在する細胞Aはランゲルハンス細胞であり、抗原提示に関与しており、③の層に存在する細胞Bはメラニン細胞であり、日焼けに関連するメラニンを産生している。1:誤\n①の層は、ケラチンからなる中間系フィラメントを豊富に含む。なお、ビメンチンが重合した中間系フィラメントは、線維芽細胞、グリア細胞に含まれる。2:誤\n表皮(角質層、淡明層、顆粒層、有棘層、基底層)には、血管は存在しないことから、②の層には、血管は存在しない。3:誤\n前記参照\n4:正\n③の層には、幹細胞が存在し、この細胞は表皮の主たる構成細胞であるケラノサイトを絶えず産生している。5:正\n前記参照"} +{"problem_id": "100112", "problem_text": "神経細胞では、さまざまな刺激によって膜電位の変化が生じる。図(1)及び(2)は、異なる刺激に伴う神経細胞の膜電位の経時変化を示している。これに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、図の横軸は時間、縦軸は膜電位を示す。", "choices": ["Aで示した電位は静止膜電位と呼ばれ、通常0 mVである。", "静止膜電位は、主にCa^{2+}チャネルによって形成される。", "Na^{+}が細胞内へ流入すると、図(1)矢印(あ)のように膜電位が変化する。", "K^{+}が細胞内へ流入すると、図(1)矢印(い)のように膜電位が変化する。", "Cl^{-}が細胞外へ流出すると、図(2)のように膜電位が変化する。", "図(2)のように、膜電位変化を生じさせる神経伝達物質として、\\gamma -アミノ酪酸(GABA)がある。"], "text_only": false, "answer": ["3", "6"], "comment": "1:誤\nAで示した電位は静止膜電位と呼ばれ、通常、神経細胞においては-60〜-90 mVである。2:誤静止膜電位は、主にK^{+}チャネルによって形成される。3:正Na^{+}が細胞内へ流入すると、脱分極が起こり、図(1)矢印(あ)のように膜電位がプラスになる。4:誤K^{+}が細胞外へ流出すると、再分極が起こり、図(1)矢印(い)のように膜電位がマイナスになる。5:誤Cl^{-}が細胞内へ流入すると、図(2)のような過分極が起こる。6:正図(2)のように過分極が起こす物質には、\\gamma -アミノ酪酸(GABA)がある。\\gamma -アミノ酪酸(GABA)は、Cl^{-}チャネル内蔵型受容体であるGABA受容体に結合することで、Cl^{-}チャネルを開口し、図(2)のように過分極が起こす。"} +{"problem_id": "100113", "problem_text": "図(1)は、細胞の核内における代表的な一対の相同染色体を表しており、図(2)〜(5)は、体細胞分裂におけるこの染色体のようすを模式的に描いたものである。以下の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["細胞周期は、図(1)\\rightarrow (4)\\rightarrow (2)\\rightarrow (5)\\rightarrow (3)の順序で進行する。", "図(2)では、紡錘体が観察される。", "図(4)は、2倍体細胞を表している。", "図(5)は、S期の細胞を表している。", "図(2)及び(5)で観察される紡錘糸の形成は、コルヒチンによって促進される。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "細胞周期の概要を以下に示す。\\rightarrow G_{1}期\\rightarrow S基\\rightarrow G_{2}期\\rightarrow M期\\rightarrow G_{1}期\\rightarrow \nDNA合成(複製)準備期\n\nDNA合成(複製)期\n分裂準備期\n<分裂期(M期)>\n・前期\n染色体が形成された後、中心体が分裂し、両端へ移動して紡錘体が形成される。・中期(図(2)に該当)\n倍加した染色体に両端に達した紡錘体から紡錘糸が伸びる。この時期には染色体が細胞の赤道面に並ぶ。・後期(図(5)に該当)\n紡錘糸によって染色体が引っ張られ、染色体が分離する。・終期\n紡錘糸に引っ張られ染色体が極に到達すると、核膜が再形成される。染色体がほどけて染色糸となり、核小体が現れて核分裂が終了する。1:正\n前記参照\n2:正\n前記参照\n3:誤\n図(4)では、細胞内に4セットのゲノムが存在する4倍体細胞である。4:誤\n前記参照\n5:誤\nコルヒチンは、チューブリンに結合し、微小管の重合を阻害することにより紡錘糸の形成を抑制する。◉関連問題を解いて理解を深めよう\n第96回薬剤師国家試験:問51\n第103回薬剤師国家試験:問112"} +{"problem_id": "100114", "problem_text": "図はヒト解糖系の反応経路の概略を表したものである。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。なお、Pはリン酸基を表している。", "choices": ["①の反応は、ミトコンドリアのマトリックスで起こる。", "②の反応は、アロステリック酵素により触媒され、ATPにより促進される。", "③の反応には、補酵素としてNAD^{+}が用いられる。", "④の反応に伴い、ADPからATPが生成される。", "⑤の反応は、好気的条件下で促進される。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n①の反応は、細胞質で起こる。なお、解糖系に関与する酵素はすべて細胞質に存在していることから、解糖系に関与する反応はすべて細胞質で行われる。2:誤\n②の反応を触媒する酵素(ホスホフルクトキナーゼ)は、アロステリック酵素であり、ATPにより活性が阻害され、ADPにより活性が促進される。3:正\n③の反応には、補酵素として、NAD^{+}を必要とする。4:正\n④の反応は、ADPからATPを生成するリン酸化反応である。5:誤\n⑤の反応は、一般に、嫌気的条件下で促進される。参考\nアロステリック酵素とは、基質と結合する基質結合部位以外にアロステリックエフェクター(調節因子)との結合部位を有し、活性が調節される酵素のことである。"} +{"problem_id": "100115", "problem_text": "マウスのある組織から目的のタンパク質を精製し、その性質を明らかにするため、以下の2つの実験を行った。実験方法と考察に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。【実験1】 精製したタンパク質のジスルフィド結合を還元後、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。ゲル中のタンパク質を染色すると、単一のバンドが観察された。分子量が既知の5種類の標準タンパク質についても同様の操作を行い、図1の結果を得た。【実験2】 精製したタンパク質を用いてゲルろ過クロマトグラフィーを行った。分子量が既知の6種類の標準タンパク質についても同様の操作を行い、図2の結果を得た。", "choices": ["【実験1】では、電気泳動の前に、精製したタンパク質試料にSDSと2-メルカプトエタノール(2-ME)を含む緩衝液を加えて加熱した。", "【実験1】のタンパク質の染色には、臭化エチジウム(ethidium bromide)を用いた。", "【実験2】では、カラムから溶出したタンパク質を検出するため、溶出液の260 nmにおける吸光度を連続的に測定した。", "【実験1】の結果より、精製したタンパク質の単量体(モノマー)の分子量は、およそ25,000 Daと考えられる。", "【実験1】及び【実験2】の結果より、精製したタンパク質は4量体(テトラマー)として存在すると考えられる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n【実験1】では、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行っている。本法では、電気泳動の前に、精製したタンパク質試料にSDSと2-メルカプトエタノールを含む緩衝液を加えて加熱する。本法において、SDSと2-メルカプトエタノール加える目的を以下に示す。SDS: 試料タンパク質を負に帯電させるために添加される。2-メルカプトエタノール: タンパク質間のジスルフィド結合を開裂するために添加される。2:誤\n【実験1】のタンパク質の染色には、銀染色又はクマーシーブリリアントブルー染色が用いられる。なお、臭化エチジウムは、DNAやRNAなどの核酸の染色に用いられる。3:誤\n【実験2】では、溶出したタンパク質を検出するため、芳香族アミノ酸の吸収極大に近い280 nmにおける吸光度を測定する方法がある。4:正\n【実験1】では、タンパク質を還元し、単量体(モノマー)としている。図1の横軸より、精製したタンパク質の単量体(モノマー)の分子量は、およそ25,000と考えられる。5:誤\n【実験1】の結果より単量体の分子量は、およそ25,000であると考えられる。また、【実験2】の結果を示す図2の横軸より、精製タンパク質の分子量は、およそ50,000であると考えられる。これらのことから、精製したタンパク質は2量体として存在していると考えられる。"} +{"problem_id": "100116", "problem_text": "あるタンパク質の遺伝子において1塩基置換型の変異が起こった結果、対応するアミノ酸がグルタミン酸からバリンに置き換わった変異タンパク質が生じた。考えられるDNAの塩基の置換はどれか。下表を参考にして、1つ選べ。", "choices": ["TAC\\rightarrow TAG", "TAC\\rightarrow TGC", "GAA\\rightarrow AAA", "GAA\\rightarrow GTA", "GAG\\rightarrow GAA", "GAG\\rightarrow GAT"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "本問は、タンパク質の遺伝子において1塩基置換型の変異が起こり、生合成されるタンパク質のグルタミン酸(Glu)がバリン(Val)に変化するときのDNAの塩基の置換を考える問題である。この問題を解くにあたり、確認すべき項目は、DNAセンス鎖におけるGluのコード、Valのコードである。遺伝暗号表には、mRNAにおけるアミノ酸に対応するコードが記載されていることから、遺伝暗号表よりDNAセンス鎖におけるGluのコード、Valのコードを確認するには、UをTに置換する必要がある。<遺伝暗号表のGluのコード、Valのコード>\n・Gluのコード: GAA、GAG\n・Valのコード: GUU、GUC、GUA、GUG\n\n・Gluのコード: GAA、GAG\n・Valのコード: GTT、GTC、GTA、GTG\n上記の過程で確認したコードで、1ヵ所塩基の異なる組合せは、GAA\\rightarrow GTA又はGAG\\rightarrow GTGの2種類である。"} +{"problem_id": "100117", "problem_text": "ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法により、図の破線で囲んだ塩基配列を増幅したい。適切なプライマーの組合せはどれか。1つ選べ。なお、プライマーの塩基数は簡素化して始めの6塩基のみを記している。また、本法において用いるDNAポリメラーゼは5'\\rightarrow 3'の方向にDNA鎖を伸長する。", "choices": ["5′-CTAGTT-3′ 5′-ATCGGC-3′", "5′-AAGGAT-3′ 5'-CCCGTT-3′", "5′-TAGGAA-3′ 5'-GGGCAA-3′", "5′-AAGGAT-3′ 5'-TTGATC-3′", "5′-CGGCTA-3′ 5'-CCCGTT-3′"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "プライマーとは、DNA合成の起点となる短鎖DNA及び短鎖RNAのことである。PCR法により、図の破線で囲んだ塩基配列を増幅させるには、3'側の塩基配列に相補的な塩基配列を有するプライマーを結合させる必要がある。よって、図の下のDNAを増殖するためには、AACGGGに相補的な塩基配列を有する「5′-CCCGTT-3'」をプライマーとして結合させ、図の上のDNAを増殖するためには、TTCCTAに相補的な塩基配列を有する「5′-AAGGAT-3'」をプライマーとして結合させる必要がある。"} +{"problem_id": "100118", "problem_text": "1920年代後半、F.Griffithは、マウスを用いた肺炎球菌の感染実験を行った。下記はその概要である。この実験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["(4)でS型の生菌が多量に検出されたことから、加熱処理が不完全であったためにS型菌が一部生存していたものと考えられる。", "(4)でマウスが発症したのは、S型の加熱死菌由来の物質がR型菌に取り込まれた結果、R型菌の性質が変化したためと考えられる。", "(4)でマウスが発症したのは、S型菌が芽胞を形成したことにより、加熱処理に対して抵抗性を獲得したためと考えられる。", "この実験結果から、接合と呼ばれる現象が細菌間の遺伝子伝達に重要であることが示される。", "この実験結果から、形質の変化をもたらす物質が耐熱性であることが考えられる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "本問の実験内容より考えられることを以下にまとめる。(1)、(2)の実験結果\n・莢膜(きょうまく)をもつS型菌(強毒株)は、肺炎を起こすが、莢膜をもたないR型菌は、マウスに肺炎を起こさない。(3)の実験結果\n・S型菌の加熱滅菌したものは肺炎を起こさない。(4)の実験結果\n・S型菌の加熱死菌から遊離した莢膜合成に関わるDNAをR型の生菌が取り込み、R型菌が形質転換を起こし、S型菌に変化することにより肺炎を起こした。1:誤\n(3)の実験結果より、加熱後、S型菌が一部生存していたとは考えられない。2:正\n(4)の実験結果参照\n3:誤\n解説2参照\n4:誤\n接合とは、生きた細菌どうしの一部が融合し、細菌のDNAの一部が伝達される現象のことである。(4)の実験では、加熱死菌を用いているため、接合を起こすとは考えられない。5:正\n(4)で形質変化させた物質は、加熱後のS型菌由来であることから耐熱性であると考えられる。"} +{"problem_id": "100119", "problem_text": "下図は、ある抗原をマウスに投与したときの血液中の抗体価を調べた実験結果である。実験では、同一の抗原を矢印(1)及び(2)で示す時期に投与した。曲線A及びBは、それぞれIgGあるいはIgMのいずれかの測定値である。これに関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["曲線AはIgG、曲線BはIgMの測定値をそれぞれ示している。", "曲線Bの30日目以降に認められる抗体価の急激な上昇には、記憶細胞の形成が関与する。", "(2)の抗原投与の後、曲線Bのように急激に抗体価が上昇する現象は、自然免疫の特徴である。", "(2)の抗原投与の後、曲線Aに比べ曲線Bがより顕著に上昇する現象には、抗体のクラススイッチが関与する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n一次免疫応答(ある抗原が生体に初めて侵入したときに起こる免疫反応)では、先にIgMが産生され、次にIgGが産生される。よって、曲線A: IgM、曲線B: IgGの測定値をそれぞれ示している。2:正\n曲線Bの30日目以降に認められる抗体価の急激な上昇は、2度目の抗原刺激によるものであり、一次免疫応答で形成された記憶細胞の形成が関与している。3:誤\n(2)の抗原投与の後、曲線Bのように急激に抗体価が上昇する現象は、獲得免疫の特徴である。4:正\nクラススイッチとは、産生する抗体の可変部(V領域)のアミノ酸配列は変化することなく、定常部(C領域)のアミノ酸配列が変化する現象のことである。一次免疫応答により一部のB細胞はクラススイッチによりIgGを産生することができる記憶細胞となる。そのため、(2)の抗原投与後、曲線Aに比べ曲線Bがより顕著に上昇する現象がみられる。"} +{"problem_id": "100120", "problem_text": "感染防御に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ケモカインは、好中球及びマクロファージを感染局所に誘引するが、好酸球には作用しない。", "マクロファージの細胞膜に存在するToll様レセプター(TLR)は、細菌表面の特徴的な構造を認識する免疫グロブリンである。", "好中球のNADPHオキシダーゼにより、スーパーオキシドアニオンが生成する。", "細胞小器官の一つであるゴルジ体は、細菌を取り込んだ食胞(ファゴソーム)と融合し、食胞内の細菌の消化・分解を促す。", "インターフェロン(IFN)-\\gamma は、マクロファージを活性化し、その殺菌作用を強化する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nケモカインとは、白血球遊走作用をもつサイトカインの総称である。ケモカインには、好中球、マクロファージ、好酸球やT細胞、NK細胞などを感染局所に誘引する作用を有するものがある。2:誤\nマクロファージの細胞膜に存在するToll様レセプター(TLR)は、免疫グロブリンでなく、抗原を識別するパターン認識受容体の一種である。なお、B細胞の表面には、抗原を特異的に認識するための受容体として免疫グロブリンが発現している。3:正\n好中球が抗原を貪食すると、NADPHオキシダーゼにより酸素から活性酸素であるスーパーオキシドアニオンが生成され、それにより、取り込んだ抗原を殺菌・消化分解している。4:誤\n本設問の記述は、リソソームに関する記述である。なお、ゴルジ体は、分泌物の合成及び排泄物を蓄積する機能を有する細胞小器官である。5:正\nインターフェロン(IFN)-\\gamma は、マクロファージを活性化し、その殺菌作用、腫瘍傷害作用、オートファジー機能を促進する。"} +{"problem_id": "100121", "problem_text": "エネルギー代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["非タンパク質呼吸商の値から、脂質と糖質の燃焼割合が推定できる。", "基礎代謝量は、安静時エネルギー消費量とも呼ばれる。", "糖質、脂質、タンパク質の物理的燃焼価を四捨五入して得られた整数値は、Atwater係数と呼ばれる。", "基礎代謝基準値は、年齢や性別にかかわらず一定である。", "成人の推定エネルギー必要量は、基礎代謝量に身体活動レベルを乗じて算出される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n非タンパク質呼吸商の値から、脂質と糖質の燃焼割合を推定することが可能である。非タンパク質呼吸商が1.0に近い: 糖質の燃焼割合が多い\n非タンパク質呼吸商が0.7に近い: 脂質の燃焼割合が多い\n2:誤\n基礎代謝量とは、生きていくために必要な1日の最小限のエネルギー量であり、安静時エネルギー消費量とは異なる。3:誤\nAtwater係数(生物的燃焼値)とは、糖質、脂質、タンパク質1 gを酸素下で燃焼させた熱量(物理的燃焼値)に、吸収率を考慮にいれたエネルギー量のことである。4:誤\n基礎代謝基準値は、単位体重当たりの基礎代謝量のことであり、年齢や性別により異なる値を示す。5:正\n推定エネルギー必要量は、以下の式で算出される。推定エネルギー必要量=基礎代謝量\\times 身体活動レベル"} +{"problem_id": "100122", "problem_text": "ある食品に含まれる食品添加物を分析したところ、我が国では使用が禁止されている着色料が検出された。検出された禁止着色料はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "我が国において、食品の着色料として使用が認められているものは、官能基としてカルボキシ基あるいはスルホン酸基を有する酸性水溶性化合物である。選択肢のうち、カルボキシ基あるいはスルホン基を有しない化合物は選択肢1のパラローズアニリンであり、食品の着色料として使用が禁止されている。なお、他の選択肢は、食品着色料として使用が認められている。選択肢2: 食用赤色102号(ニューコクシン)、選択肢3: 食用赤色105号(ローズベンガル)、選択肢4: 食用青色2号(インジゴカルミン)、選択肢5: 食用緑色3号(ファストグリーンFCF)"} +{"problem_id": "100123", "problem_text": "平成20年に、数種の有害化学物質で汚染された事故米を食用の米と偽って転売する事件が起こった。この事例に見られるように、米は化学物質による汚染が比較的多い食品である。米を汚染する可能性が高い有害物質はどれか。2つ選べ。", "choices": ["ベンゾ[a]ピレン", "アフラトキシンB_{1}", "パツリン", "パラジクロロベンゼン", "メタミドホス"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "米を汚染する可能性が高い有害物質には、農薬であるメタミドホスやカビ毒であるアフラトキシンB_{1}などがある。"} +{"problem_id": "100124", "problem_text": "図A及びBは、我が国における出生や死亡に関わる人口動態指標の1950年以降の年次推移である。この図に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Aの値が低下傾向を示す一因に、晩婚化に伴う出産開始年齢の高齢化があげられる。", "Aの値は、総人口と出生数のみから求めることができる。", "Aの値が1971年から1974年にかけて高い値を示すのは、第1次ベビーブーム世代の女性が出産適齢期にさしかかったことによる。", "Bの値が1983年頃から緩やかな上昇傾向を示しているのは、人口の高齢化の影響によるものである。", "Bの値は人口の年齢構成の影響を受けるが、Aの値は影響を受けない。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "図Aは低下傾向を示していることから、出生率の年次推移であると推察され、Bは近年増加傾向を示していることから死亡率の年次推移であると推察される。1:正しい\n出生率が低下傾向を示す要因として、晩婚化に伴う出産開始年齢の高齢化があげられる。2:正しい\n出生率=(出生数/総人口)\\times 1000\n3:正しい\n4:正しい\n死亡率が1983年頃から緩やかな上昇傾向を示しているのは、人口の高齢化により、総人口に対する死亡数が穏やかに上昇したからである。5:誤っている\n出生率は出産が可能な年齢の女性人口により変動し、死亡率は高齢者人口により変動することから、出生率及び死亡率は共に人口の年齢構成の影響を受ける。"} +{"problem_id": "100125", "problem_text": "図は我が国の平均寿命の年次推移を示したものである。1947年から1960年にかけての平均寿命の著しい延伸の主な原因はどれか。2つ選べ。", "choices": ["0〜4歳の感染性疾患による死亡率の低下", "10歳代の不慮の事故による死亡率の低下", "20歳代の結核による死亡率の低下", "40歳代の脳血管疾患による死亡率の低下", "50歳代の胃がんによる死亡率の低下"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1947年から1960年にかけての平均寿命の著しい延伸の主な原因として2つのことが考えられる。・衛生、栄養状態の改善により0〜4歳の感染性疾患による死亡率が低下したこと\n・抗結核薬の普及により20歳代の結核による死亡率が低下したこと"} +{"problem_id": "100126", "problem_text": "ある疾患を有する患者と健常人から得られたゲノムDNAを使用し、疾患原因の候補遺伝子の一塩基多型(SNP)と疾患との関連について検討したところ、下記の結果を得た。この疾患の発症に関して、遺伝子型TTの、その他の遺伝子型に対するオッズ比に最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["0.52", "1.3", "6.8", "9.1", "12"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "オッズ比は以下の式で表すことができる。設問の表より\n健常人における要因あり(遺伝子型TTを有する): 2人\n健常人のおける要因なし(遺伝子型AA、ATを有する): 198人\n患者における要因あり(遺伝子型TTを有する): 20人\n患者における要因なし(遺伝子型AA、ATを有する): 218人\nこれらのことから、遺伝子型TTの、その他の遺伝子型(遺伝子型AA、AT)に対するオッズ比を以下のように求めることができる。"} +{"problem_id": "100127", "problem_text": "肝炎ウイルス感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["多くは、C型肝炎ウイルスの持続感染者(キャリア)である。", "B型肝炎及びC型肝炎は、輸血によりまん延したことがある。", "A型肝炎ウイルスの持続感染者(キャリア)は、B型肝炎やC型肝炎に比べて多い。", "B型肝炎ウイルスは、失活しやすく感染力が弱いため、医療施設内で感染することはない。", "E型肝炎ウイルスは、主に輸血により感染する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n肝細胞がんによる死亡者の7〜8割は、C型肝炎ウイルスの持続感染者(キャリア)である。2:正\nB型肝炎及びC型肝炎は、過去に輸血によりまん延したことがある。なお、B型肝炎は主に体液、血液を介して感染し、C型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染する。3:誤\nA型肝炎ウイルスの持続感染者(キャリア���は、B型肝炎やC型肝炎に比べて少ない。4:誤\nB型肝炎ウイルスは、消毒薬や加熱処理で失活しにくい。そのため、医療施設内での感染が問題となることがある。5:誤\nE型肝炎ウイルスは、ブタなどの動物の内臓、肉の生食を介して感染する。"} +{"problem_id": "100128", "problem_text": "「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["1類感染症の対象疾患は、すべてウイルスが原因の疾患である。", "3類感染症の対象疾患は、すべて細菌が原因の疾患である。", "1〜4類感染症は、すべて全数把握対象疾患である。", "1〜4類感染症の患者は、すべて特定業種への就業が制限される。", "4類及び5類感染症の対象疾患は、いずれも人から人へ直接感染することはない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n感染症法における1類感染症の対象疾患を以下に示す。・ウイルスが原因の疾患\nエボラ出血熱、クリミア・コンゴ熱、マールブルグ熱、ラッサ熱、南米出血熱、痘そう\n・細菌が原因の疾患\nペスト\n2:正\n感染症法においる3類感染症の対象疾患を以下に示す。・細菌が原因の疾患\n腸管出血性大腸菌、コレラ、細菌性赤痢、パラチフス、腸チフス\n3:正\n1〜4類感染症は、すべて全数把握対象疾患である。なお、5類感染症の一部は全数把握対象疾患である。4:誤\n感染症法において、1〜3類感染症の患者は特定業種への就業が制限されるが、4、5類感染症の患者は特定業種への就業が制限されない。5:誤\n4類感染症の対象疾患は、動物やその死体などを介して人に感染するため、人から人へ直接感染することはないが、5類感染症の対象疾患は、人から人へ感染する。"} +{"problem_id": "100129", "problem_text": "予防接種法に基づく定期予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["学校内での集団感染を防ぐため、インフルエンザワクチンは6歳で接種する。", "ワクチン接種により起こる痛み、腫れ、発赤等の軽度な副反応は、完全には防ぐことができない。", "麻しん及び風しんは、中学校就学以降に感染しやすいため、そのワクチンは11〜12歳で接種する。", "乳児や小児の間で流行する感染症の定期予防接種は、母子免疫が消失する前の生後早い時期に設定されている。", "BCGワクチンは、予防効果を高めるため1歳と5歳で接種する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nインフルエンザの定期予防接種は、以下に示す者に対して行う。・65歳以上の者\n・60歳以上65歳未満であって、心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害を有する者として厚生労働省が定める者\n2:正\nワクチン接種に伴い、痛み、腫れ、発赤等の軽度の副反応が認められる場合があるが、これらを完全に防ぐことができない。3:誤\n麻しん及び風しんのワクチンの定期接種は、2回に分けて行われる。・生後12〜24月未満(1歳代)\n・5歳以上7歳未満であって、小学校就学に達するまでの日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間\n4:正\n乳児や小児の間で流行する感染症の定期予防接種は、母子免疫が消失する前の生後早い時期に設定されている。母子免疫が消失する前の期間に定期予防接種される感染症として、ジフテリア・破傷風・百日咳・急性灰白随炎、Hib感染症、肺炎球菌感染症などがある。5:誤\nBCGワクチンの定期予防接種は、生後6ヶ月未満にある者に対して行う。"} +{"problem_id": "100130", "problem_text": "生体内での次の反応のうち、シトクロムP450による酵素反応が関わらないのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:関与する\n本反応は、四塩化炭素がCYPによる還元的脱ハロゲン化を受けて、トリメチルラジカルとなる反応である。2:関与する\n本反応は、トルエンがCYPにより酸化され、ベンジルアルコールとなる反応である。3:関与する\n本反応は、フェナセチンがCYPによりO-脱メチル化を受けて、アセトアミノフェンとなる反応である。4:関与しない\n本反応は、マラチオンがカルボキシルエステラーゼにより加水分解される反応である。5:関与する\n本反応は、ベンゾ[a]ピレンがCYPによりエポキシ化を受けて、ベンゾ[a]ピレ��-7,8-エポキシドとなる反応である。"} +{"problem_id": "100131", "problem_text": "Trp-P-2(下図)は、シトクロムP450で酸化された後、第II相反応を経て活性化される。この代謝的活性化に関わる第II相反応はどれか。2つ選べ。", "choices": ["グルクロン酸抱合", "硫酸抱合", "グルタチオン抱合", "グリシン抱合", "アセチル抱合"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "Trp-p-2は、シトクロムP450によりN-水酸化を受けヒドロキシルアミンとなる。次に第II相反応であるアセチル抱合、硫酸抱合を受け、最終的にナイトレニウムイオン(ニトレニウムイオン)、カルボニウムイオンが生成され発がん性を示す。"} +{"problem_id": "100132", "problem_text": "化学物質とその毒性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ハロタンは、アレルギー反応を引き起こし、肝毒性を発現する。", "ホルムアルデヒドは、紫外線による活性化を受けて皮膚毒性を発現する。", "カルバリルは、活性酸素種の産生を介して肺毒性を発現する。", "ジクロルボスは、シトクロムcオキシダーゼに結合し、神経毒性を発現する。", "アニリンとニトロベンゼンの血液毒性発現には、共通の代謝物の生成が関与する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nハロタンは、シトクロムP450により代謝されてトリフロオロアセチルクロニドとなり、タンパク質と結合し、抗原化することによりアレルギー性の肝毒性を発現する。2:誤\nホルムアルデヒドは、紫外線による活性化を受けることなく、皮膚毒性を発現する。3:誤\nカルバリルは、可逆的にコリンエステラーゼを阻害し、神経毒性を発現する。4:誤\nジクロルボスは、コリンエステラーゼ(ChE)のセリン残基に不可逆的に結合し、神経毒性を発揮する。5:正\nアニリンとニトロベンゼンの血液毒性であるメトヘモグロビン血症の発現には、共通の代謝物(フェニルヒドロキシルアミン)の産生が関与している。"} +{"problem_id": "100133", "problem_text": "ダイオキシン類に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ダイオキシン類は、コプラナーPCBを除き、有機化合物の燃焼時や2,4,5-Tなどの除草剤製造時の不純物として生成される非意図的生成物である。", "ダイオキシン類の内分泌かく乱作用は、ダイオキシン類がアンドロゲン受容体にアンタゴニストとして結合することに基づく。", "ダイオキシン類の毒性は、塩素の置換数が多いほど強い。", "ある土壌試料についてダイオキシン類を分析したところ、下表の結果を得た。この土壌試料の毒性等量は630 pg-TEQ/gである。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nコプラナーPCBを除く、ダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCD))は、有機化合物の燃焼時や2,4,5-Tなどの除草剤製造時の不純物として生成される非意図的生成物である。2:誤\nダイオキシン類の内分泌かく乱作用は、ダイオキシン類の芳香族炭化水素の受容体を介した抗エストロゲン作用に基づく。3:誤\nダイオキシン類の毒性と塩素の置換数には相関性がない。なお、ダイオキシン類の中で最も毒性の高いものは、2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-p-ジオキシン(2,3,7,8-TCDD)である。4:正\n毒性等量(TEQ)は、ダイオキシン類の濃度とTEF(毒性等価係数)の積の総和である。本設問における土壌の毒性等量(TEQ)を以下のように求めることができる。土壌試料の毒性等量(TEQ)=(400 pg/g\\times 0.1)+(300 pg/g\\times 0.3)+(500 pg/g\\times 1)=630 pg-TEQ/g\n参考\n・毒性等価係数\n最も毒性の強い2,3,7,8-TCDDの毒性を1として、その他のダイオキシン類の毒性の相対的な強さを現した値"} +{"problem_id": "100134", "problem_text": "紫外線UVA、UVB、UVCに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["UVBはUVAより皮膚透過性が高い。", "UVBはUVAよりオゾン層の透過率が小さい。", "UVBは皮膚に色素沈着(サンタン)を引き起こすが、UVAはサンタンを引き起さない。", "UVBは皮膚のDNAに損傷を与える。", "地上部での光化学オキシダントの生成に寄与するのは主にUVCである。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nUVBはUVAより皮膚透過性が低い。なお、紫外線の皮膚透過性の大きさは、UVA>UVB>UVCである。2:正\nUVBはUVAよりオゾン層の透過率は���さい。なお、紫外線のオゾン層透過率の大きさは、UVA>UVB>UVCである。3:誤\nUVA及びUVBの皮膚に対する影響を以下に示す。UVA: 主にメラニン色素が皮膚表面に沈着するサンタンを引き起こす。UVB: 主に皮膚が赤く炎症を起こす急性症状であるサンバーンを引き起こす。4:正\nUVBは皮膚のDNAに損傷を与える。よって、UVBは皮膚がんの原因となることがある。5:誤\nUVCは成層圏に存在するオゾン層にほとんど吸収されるため、地上部での光化学オキシダントの生成にはほとんど寄与しない。"} +{"problem_id": "100135", "problem_text": "生態系を維持するための施策及び意義に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ロンドン条約は、絶滅のおそれのある野生動植物種が過度に国際取引に利用されることがないように、これらの種を保護することを目的としている。", "カルタヘナ議定書は、遺伝子組換え技術により改変された生物による、生物の多様性の保全に及ぼす悪影響を防止するための措置を規定している。", "京都議定書(1997年)において温室効果ガスの排出量の削減目標を設定したが、この値に森林吸収量や他国での排出削減共同事業等による削減量は考慮されなかった。", "我が国では、特定外来種が在来種の生息・生育を脅かしたり、農林水産業に被害を及ぼすなど、様々な被害を及ぼす場合、国等が必要に応じて防除を実施することが法令で定められている。", "遺伝子組換え作物の環境に対する影響は、食品安全委員会が評価する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n絶滅のおそれのある野生動植物種が過度に国際取引に利用されることがないように、これらの種を保護することを目的としているのは、ワシントン条約である。なお、ロンドン条約は、放射性廃棄物及びその他の廃棄物の海洋への故意の投棄を制限することを目的としている。2:正\nカルタヘナ議定書は、現代のバイオテクノロジーにより改変された生物による、生物の多様性の保全に及ぼす悪影響を防止するための措置を規定している。3:誤\n京都議定書(1997年)において設定された温室効果ガスの排出量の削減目標の値には、森林吸収量や他国での排出削減共同事業等による削減量が考慮されている。4:正\n我が国では、外来生物法により、特定外来種が在来種の生息・生育を脅かしたり、農林水産業に被害を及ぼすなど、様々な被害を及ぼす場合、国等が必要に応じて防除を実施することが定められている。5:誤\n遺伝子組換え作物の環境に対する影響は、環境省、農林水産省などが行っている。なお、食品安全委員会は、遺伝子組換え食品のヒトへの安全性の評価を行っている。"} +{"problem_id": "100136", "problem_text": "以下は、水道水の水質基準項目の1つを測定する試験法に関する記述である。文中の(:::)に入れるべき試薬と字句の正しい組合せはどれか。1つ選べ。試験水に(:ア:)を含む反応液を加えて反応させ、対照と比べて、(:イ:)の有無を観察する。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "・試薬a\n4-メチルウンベリフェリル-\\beta -D-グルクロニド(MUG): 大腸菌の検出に用いられる\nMUGは、大腸菌が有する\\beta -グルクロニダーゼにより、\\beta -D-グルクロン酸と4-メチルウンベリフェロンに分解される。なお、4-メチルウンベリフェロンは、360 nm付近の紫外線を照射することにより、青白色の蛍光を発する。・試薬b\no-ニトロフェニル-\\beta -D-ガラクトピラノシド(ONGP): 大腸菌群の検出に用いられるONGPは、大腸菌群が有する\\beta -ガラクトシダーゼにより、\\beta -D-ガラクトースとo-ニトロフェノール(黄色)に分解される。水道水の水質基準項目である大腸菌の試験法として、特定酵素基質培地法(MUG法)が用いられている。MUG法では、試験水に(a)を含む反応液を加えて反応させ、対照と比べて、(青色蛍光の増加)の有無を観察する。"} +{"problem_id": "100137", "problem_text": "下水処理で用いられる活性汚泥法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["下水処理工程の二次処理で用いられる。", "第一(最初)沈殿池で得られた汚泥は、活性汚泥として利用される。", "活性汚泥は静置した時、均一に分散しやすい特徴を有する。", "汚水中の有機物の分解除去だけでなく、無機リンや窒素も除去される。", "好気性微生物による酸化作用を利用している。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n下水処理工程の第二処理では、活性汚泥法及び散水ろ床法などの生物学的処理が行われる。2:誤\n第一(最初)沈殿池で得られた汚泥は生下水に含まれていた浮遊物であり、活性汚泥ではない。なお、第二(最終)沈殿池でえられた汚泥は、一部活性汚泥として再利用される。3:誤\n活性汚泥の入った下水を第二(最終)沈殿池で静置すると、活性汚泥がフロックを形成し、沈殿を生成する。よって、活性汚泥は静置した時、沈殿しやすい特徴を有する。4:誤\n標準活性汚泥法では、下水中の無機リンや窒素をほとんど除去することができない。なお、嫌気好気活性汚泥法では、無機リンや窒素を除去することができる。5:正\n活性汚泥法では、活性汚泥に含まれる好気性微生物による酸化作用により有機物を酸化分解している。"} +{"problem_id": "100138", "problem_text": "ある工場排水の生物化学的酸素要求量(BOD)を測定するため、試料に希釈植種水を加えて10倍に薄めたところ、希釈15分後の溶存酸素は9.0 mg/Lであり、20^{\\circ} Cで5日間培養した後には溶存酸素は5.0 mg/Lとなった。希釈植種水は、BOD 20 mg/Lの河川水を5%含み、植種水の希釈に用いた水の5日間の溶存酸素消費量は0.2 mg/Lであった。この排水のBOD(mg/L)に最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["20", "25", "30", "35", "40"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "<希釈植種水の20^{\\circ} C、5日間の溶存酸素消費量を求める>\n問題文に「希釈植種水は、BOD 20 mg/Lの河川水を5%含み、植種水の希釈に用いた水の5日間の溶存酸素消費量は0.2 mg/Lであった。」とあることから、希釈植種水の20^{\\circ} C、5日間の溶存酸素消費量を以下のように求めることができる。希釈植種水の20^{\\circ} C、5日間の溶存酸素消費量=20 mg/L\\times 0.05+0.2 mg/L\\times 0.95=1.19 mg/L\n<工場排水を10倍に薄めたものの20^{\\circ} C、5日間の溶存酸素消費量を求める>\nある工場排水のBODをx mg/Lとすると、ある工場排水の20^{\\circ} C、5日間の溶存酸素消費量はx mg/Lとなる。工場排水と希釈植種水の配合割合は、工場排水: 希釈植種水=1: 9であることから、工場排水を10倍に薄めたものの20^{\\circ} C、5日間の溶存酸素消費量を以下のように求めることができる。工場排水を10倍に薄めたもの溶存酸素消費量=x\\times 0.1+1.19 \\times 0.9\\fallingdotseq 0.1 x+1.07(mg/L)\n問題文に「希釈15分後の溶存酸素は9.0 mg/Lであり、20^{\\circ} Cで5日間培養した後には溶存酸素は5.0 mg/Lとなった。」とあることから、20^{\\circ} C、5日間の溶存酸素消費量は、9.0 mg/L-5.0 mg/L=4.0 mg/Lである。このことから、ある工場排水のBOD(x mg/L)を以下のように計算することができる。0.1 x+1.07 =4.0\n0.1 x=2.93\nx=29.3(mg/L)"} +{"problem_id": "100139", "problem_text": "溶液導電率法を用いた大気中の硫黄酸化物の測定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["二酸化硫黄SO_{2}の「大気汚染に係る環境基準」項目としての測定法の1つとして定められている。", "吸収液にはトリエタノールアミン溶液が用いられる。", "試料大気中のSO_{2}が吸収液に吸収されると、亜硫酸イオンSO_{3}^{-}が生成するため、吸収液の導電率は増加する。", "大気中のSO_{2}だけでなく三酸化硫黄SO_{3}も測定される。", "アンモニアが共存すると干渉作用を起こすため、アンモニアの妨害除去の目的でアジ化ナトリウムを吸収液に添加する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正「大気汚染に係る環境基準」の測定項目である二酸化硫黄SO_{2}の測定法には、溶液導電率法が用いられる。2:誤\n溶液導電率法では、吸収液として微量の硫酸を含む過酸化水素溶液が用いられる。なお、吸収液にトリエタノールアミン液を用いるのは、トリエタノール・パラロザリニリン法である。3:誤試料大気中のSO_{2}が吸収液に吸収されると、硫酸イオンSO_{4}^{2-}が生成するため、吸収液の導電率は増加する。4:正溶液導電率法では、硫黄酸化物(二酸化硫黄SO_{2}や三酸化硫黄SO_{3})が測定される。5:誤\n試料空気中にアンモニアが共存すると干渉作用を起こすため、アンモニアの妨害除去の目的として、シュウ酸トラップを試料大気導入口に装着する。"} +{"problem_id": "100140", "problem_text": "騒音に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["人間が聴覚で感じる音の大きさは、同じ音圧レベルの音でも、周波数が変われば変化する。", "現在、騒音レベルの単位にはデシベル(dB)が用いられている。", "暗騒音とは、音として認識されない程度の微小騒音の総和のことをいう。", "騒音に係る環境基準は、騒音規制法により定められている。", "新幹線鉄道騒音に加え、在来鉄道騒音に係る環境基準が定められている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n音圧レベルの単位にはdB(デシベル)が用いられており、また、周波数の単位にはHz(ヘルツ)が用いられている。同じ音圧(dB: デシベル)であっても、周波数(Hz: ヘルツ)によって人間が聴覚で感じる音の大きさは変化するため、騒音を評価する際には、音圧レベル以外に周波数についても考慮する必要がある。2:正\n3:誤\n暗騒音とは、対象としている騒音以外にその場で発生している騒音のことである。4:誤\n騒音に係る環境基準は、環境基本法により定められている。5:誤\n「道路に面する地域の騒音」「道路に面する地域以外の地域の騒音」「航空機騒音」「新幹線鉄道騒音」には環境基準が定められているが、「在来鉄道騒音」には環境基準は定められていない。"} +{"problem_id": "100141", "problem_text": "医薬品の製造又は製造販売に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["製造業の許可は、製造しようとする医薬品の品目ごとに受けなければならない。", "業として医薬品の小分けを行おうとする者は、製造業の許可を受けなければならない。", "製造業の許可の申請を行った場合、許可基準への適合の有無についての調査が行われる。", "第一種医薬品製造販売業の許可を受ければ、すべての医療用医薬品を製造販売することができる。", "日本薬局方に収載されている医薬品は、承認審査を受けずに製造販売することができる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n医薬品の製造の許可は、厚生労働省で定められる区分に従い、製造所ごとに与えられる。なお、品目ごとに受けなければならないのは、医薬品の販売の許可である。2:正\n業として医薬品の小分けを行おうとする者は、製造業の許可を受ける必要がある。なお、小分けとは、既存の製品を容器から取り出し、その品質に変化を与えることなく、他の容器に充填する行為のことである。3:正\n医薬品(体外診断用医薬品を除く)製造業の許可の申請を行った場合、許可基準への適合の有無について書面による調査又は実地の調査が行われる。4:誤\n第一種医薬品製造販売業の許可を受けても、すべての医療用医薬品を製造販売することはできない。5:誤\n医薬品(体外診断用医薬品を除く)の製造販売をしようとする者は、品目ごとにその製造販売について、以下に示す手続きを受けなければならない。・厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品を製造販売しようとする場合: 届出が必要\n・厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品以外を製造販売しようとする場合: 承認が必要\n上記より、日本薬局方に収載されている医薬品であっても、厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品を除き、承認審査を受けなければ製造販売することはできない。"} +{"problem_id": "100142", "problem_text": "医薬品医療機器等法(旧称: 薬事法)で規制される指定薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["指定薬物を含有する植物は、すべて指定薬物として規制される。", "指定薬物の製造、販売等が認められる「医療等の用途」とは、疾病の診断、治療又は予防の用途及び犯罪鑑識の用途のみである。", "指定薬物の広告に関する規制はない。", "厚生労働省は、医薬品医療機器等法(旧称: 薬事法)の規定に違反して販売された指定薬物を薬事監視員に回収させることができる。", "医薬品医療機器等法(旧称: 薬事法)の規定に違反して指定薬物を販売した者に対する罰則は、罰金のみである。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n指定薬物に指定された物質を含有する物質は指定薬物として規制される。ただし、サルビア ディビノラム以外の植物を除く。よって、サルビア ディ���ノラム以外の指定薬物を含む植物は、指定薬物として規制されない。2:誤\n指定薬物の製造、販売等が認められる「医療等の用途」について、以下にまとめる。・疾病の診断、治療又は予防の用途\n・国や地方公共団体等の機関における学術研究又は試験検査\n・医薬品等を業務上取り扱う場所に立ち入り検査した際、収去した指定薬物の試験\n・犯罪鑑識の用途:など\n3:誤\n指定薬物の広告は、医療関係者等向けの新聞または雑誌により行う場合、その他主として指定薬物を医療等の用途に使用する者を対象として行う場合を除き、何人も行ってはいけない。4:正\n厚生労働大臣または都道府県知事は、医薬品医療機器等法の規定に違反して貯蔵、陳列、製造、輸入、販売、授与された指定薬物を薬事監視員に回収させることができる。5:誤\n医薬品医療機器等法(旧称: 薬事法)の規定に違反して指定薬物を販売した者には、罰金以外にも懲役が課せられることがある。"} +{"problem_id": "100143", "problem_text": "希少疾病用医薬品として指定されたものに対して、国又は厚生労働大臣がとる施策として医薬品医療機器等法(旧称: 薬事法)に規定されていないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["製造販売承認の申請にかかる審査について、他のものに優先して行うことができる。", "試験研究を促進するために必要な資金の確保に努める。", "試験研究を促進するために必要な税制上の措置を講ずる。", "製造所における製造管理又は品質管理の方法が基準に適合しているかの調査について、他のものに優先して行うことができる。", "再評価制度の対象から除外する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "希少疾病用医薬品として指定されたものに対して、国又は厚生労働大臣がとる施策として医薬品医療機器等法(旧称: 薬事法)に規定されていないのは、「再評価制度の対象から除外すること」である。希少疾病医薬品であっても、再評価の必要な医薬品として公示された場合には再評価が行われる。"} +{"problem_id": "100144", "problem_text": "保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["保険薬局は、保険調剤に際して、患者に被保険者証の提示を求めることはできない。", "保険薬局は、後発医薬品の備蓄に関する体制の確保に努めなければならない。", "保険薬局は、保険医療機関との連携を強化するため、保険医療機関と一体的な経営を行うよう努めなければならない。", "保険薬局は、患者が不正行為により療養の給付を受けたときは、意見を付して、その旨を全国健康保険協会又は当該健康保険組合に通知しなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n保険薬局は、保険調剤に際して、療養の給付の資格があるかどうかを確認するために患者に被保険証の提示を求めることができる。2:正\n保険薬局は、後発医薬品の備蓄に関する体制及びその他の後発医薬品の調剤に必要な体制の確保に努めなければならない。3:誤\n保険薬局は、保険医療機関と一体的な経営を行ってはならない。4:正\n保険薬局は、患者が詐欺その他不正行為により療養の給付を受け、又は受けようとしたときは、意見を付して、その旨を全国健康保険協会又は当該健康保険組合に通知しなければならない。"} +{"problem_id": "100145", "problem_text": "「医薬品○○」は、製薬企業Bが製造販売承認を得て、製造所Aが製造する一般用医薬品である。下図は「医薬品○○」の販売の流れを示している。「医薬品○○」を販売するにあたり、医薬品の販売業の許可を得る必要があるものとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["A〜Eのすべて", "A〜Dのみ", "CとDとEのみ", "CとDのみ", "DとEのみ", "Dのみ"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "・製造所A(製造業者)\nその製造した医薬品を医薬品の製造販売業者または製造業者に販売するとき\n\\rightarrow 医薬品販売業の許可は不要\n・製薬企業B(製造販売業者)\nその製造した医薬品を薬局開設者または医薬品の製造販売者、製造業者もしくは販売業者に販売するとき\\rightarrow 医薬品販売業の許可は不要\n・医薬品卸C\n医薬品を販売するにあたって、医薬品の卸売販売業の許可が必要\n・薬店D\n医薬品を販売するにあたって、���薬品店舗販売の許可が必要\n・薬局E\n薬局開設者は、医薬品販売業の許可を受けることなく、業として医薬品を販売することができる"} +{"problem_id": "100146", "problem_text": "医薬品の製造販売後安全対策に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["医薬品の製造販売業者は、その製造販売した医薬品の副作用によるものと疑われる症例等で厚生労働省令で定めるものを知ったときは、その旨を厚生労働大臣(情報の整理を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に行わせることとした場合は、PMDA)に報告しなければならない。", "再審査制度とは、過去に承認された医薬品について、現時点での医学・薬学等の学問レベルで、有効性、安全性等を再確認するものである。", "医薬品リスク管理計画(RMP)は、開発段階から安全対策を実施することで、製造販売後の医薬品の安全性の確保を図ることを目的とするものである。", "再評価制度とは、新医薬品の承認後一定の期間を定めて、有効性、安全性等の確認を行うものである。", "市販直後調査とは、医薬関係者への適正使用のための情報提供や医薬関係者からの副作用情報の収集について、PMDAが実施するものである。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n医薬品の製造販売業者は、その製造販売した医薬品の副作用によるものと疑われる症例等で厚生労働省令で定めるものを知ったときは、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならない。2:誤\n過去に承認された医薬品について、現時点での医学・薬学等の学問レベルで、有効性、安全性等を再確認するものは、再評価制度である。なお、再審査制度とは、新医薬品の承認後一定期間を定めて、有効性、安全性等の確認を行う制度である。3:正\n医薬品リスク管理計画(RMP: Risk Management Plan)は、医薬品の開発から市販後まで一貫したリスク管理をひとつの文書にわかりやすくまとめたものであり、開発段階から安全対策を実施することで、製造販売後の医薬品の安全性の確保を図ることを目的として作成される。4:誤\n解説2参照\n5:誤\n市販直後調査は、医薬品製造販売業者が行うものである。なお、市販直後調査とは、医薬品製造販売業者が販売を開始した後の6ヶ月間、診療において、医薬品の適正な使用を促し、副作用の発生などを迅速に把握するために行われる調査のことである。"} +{"problem_id": "100147", "problem_text": "治験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["治験の対象となる薬物について初めて治験の計画の届出をした者は、届出の日から直ちに治験を依頼することができる。", "治験の計画を届け出た治験依頼者は、治験を行う医療機関を追加しても、治験計画の変更届を提出する必要はない。", "厚生労働大臣は、治験の依頼に関する基準に適合しているかどうかを調査するため、当該職員に治験薬を業務上取り扱う場所に立ち入り、検査させることができる。", "治験依頼者は、治験薬の容器に治験用である旨、治験依頼者の氏名及び住所、化学名、用法又は用量、及び効能又は効果を記載しなければならない。", "治験依頼者は、治験薬の副作用によるものと疑われる死亡につながるおそれのある症例を知ったときは、定められた期間内に厚生労働大臣(情報の整理を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に行わせることとした場合は、PMDA)に報告しなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n治験の対象となる薬物について初めて治験の計画の届出をした者は、届出後30日を経過した後でなければ、治験を依頼することはできない。2:誤\n治験の計画を届け出た治験依頼者は、治験計画に変更(治験を行う医療機関を追加するなど)が生じた場合、その旨を届け出なければならない。3:正\n4:誤\n治験依頼者は、治験薬に添付する文書、その治験薬又はその容器若しくは被包に以下のことを記載してはならない。・予定される販売名\n・用法又は用量\n・効能又は効果\n<参考: 治験薬の容器又は被包に記載しなければならない事項>\n・治験用である旨\n・治験依頼者の氏名及び住所\n・化学名又は識別記号\n・製造番号又は製造記号\n・貯蔵方法、有効期限等を定める必要のあるものについては、その内容\n5:正\n治験依頼者は、治験薬の副作用によるものと疑われる死亡につながるおそれのある症例を知ったときは、定められた期間内(7日以内)に厚生労働大臣(情報の整理を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に行わせることとした場合は、PMDA)に報告しなければならない。"} +{"problem_id": "100148", "problem_text": "文部科学省及び厚生労働省が定める遺伝子治療臨床研究に関する指針において、被験者の人権保護のために規定されている事項はどれか。2つ選べ。", "choices": ["被験者の選定に当たっては、病状、年齢、同意能力等を考慮し、慎重に検討しなければならない。", "同意能力を欠くなど被験者本人の同意を得ることが困難な場合は、実施機関が設ける審査委員会の承認があれば、同意に代えることができる。", "被験者が、説明を受けたにもかかわらず、同意しなかった場合、何らかの不利益な扱いを受けても、やむを得ない。", "文書により自由意志による本人の同意がなされた場合、撤回できるのは遺伝子治療が開始される前までである。", "被験者の同意を得るに当たっては、定められているすべての事項について、可能な限り平易な用語を用いて説明しなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n2:誤\n同意能力を欠く等被験者本人の同意を得ることが困難な場合は、被験者の意思及び利益を代弁できると考えられる者の文書による同意が必要である。3:誤\n被験者が説明を受け同意しなかった場合であっても何らかの不利益を受けることはない。4:誤\n文書により自由意志による本人の同意がなされた場合であっても随時これを撤回することができる。5:正"} +{"problem_id": "100149", "problem_text": "50歳男性。半年前に胃潰瘍と高血圧を指摘され、現在は、カルシウム拮抗薬を服用している。本日の診察で糖尿病を指摘され、\\alpha -グルコシダーゼ阻害薬が処方された。処方せんを持って保険薬局を訪ねたところ、薬剤師から症状について質問されたため、男性は「胃潰瘍も治り、血圧も下がっています。血糖値は高いのですが、症状は何もありません。それなのにまた薬が追加になって、がっかりしています。」と答えた。この患者の気持ちに対する共感的な発言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["「私も同じような経験があります。心配ないですよ。」", "「胃潰瘍と高血圧に加えて糖尿病までかかられて、お気の毒です。」", "「症状がないのに薬が追加されて、がっかりされているのですね。」", "「薬を飲めば血糖値が下がりますから、がっかりする必要はありません。」", "「なぜ、がっかりとした気持ちになったのでしょうか。」"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "共感的態度とは、患者の立場に立って理解するように努めることである。本問においては、患者が「胃潰瘍も治り、血圧も下がっています。血糖値は高いのですが、症状は何もありません。それなのにまた薬が追加になって、がっかりしています。」と答えていることから、「症状がないのに薬が追加されて、がっかりされているのですね。」と対応することが共感的な発言として最も適切である。"} +{"problem_id": "100150", "problem_text": "65歳女性。検査目的で入院中であったが、本日、医師から膵臓がんの診断を告げられた。病棟の担当薬剤師が患者の様子を把握するために病室を訪問したところ、患者は笑顔で「こうなったのは運命ですから、仕方ないです。覚悟はできていますから、心配しないでください。」と話した。薬剤師はこの患者のふるまいは「防衛機制」によるものと感じた。防衛機制についての説明として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["心の安定を保つために、無意識に不安や苦痛を回避しようとする反応のこと", "自らの可能性を実現して自分の使命を達成し、人格内の一致をはかること", "良好な関係を構築するために、相手の心理状態をできるだけ正確に理解すること", "様々な外的刺激が加わった時に生じる生体のゆがみのこと", "病気になったことで、今まで当然のように行ってきたことができなくなること"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "防衛機制とは、心や精神の安定を保つために、無意識に不安・苦痛・罪悪感などを回避しよ��とする反応のことである。"} +{"problem_id": "100151", "problem_text": "受容体刺激薬と遮断薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["刺激薬のpD_{2}値が大きいほど、効力が小さい。", "pA_{2}値は、競合的遮断薬の効力を示す。", "受容体に結合した競合的遮断薬は、高濃度の刺激薬を共存させても受容体から解離しない。", "遮断薬のうち、アロステリック部位に結合するものを、競合的遮断薬という。", "部分刺激薬は、完全刺激薬により生じる最大反応を減弱させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\npD_{2}値は、以下の式で表される。pD_{2}=-logEC_{50}EC_{50}(50%効果濃度): 薬物が最大反応50%を示す濃度のこと\n上記の式より、pD_{2}値が大きいほど、EC_{50}が小さく効力が大きい。2:正\npA_{2}値は、以下の式で表される。pA_{2}=-log(作動薬による用量-反応曲線を2倍だけ高濃度側に平行移動させるのに必要な競合的拮抗薬のモル濃度)\n上記の式より、pA_{2}値が大きいほど、競合的遮断薬の効力が大きい。3:誤\n競合的遮断薬は、受容体と可逆的に結合しているため、刺激薬の濃度を増加させると、受容体から解離する。4:誤\n遮断薬のうち、アロステリック部位に結合するものを、非競合的遮断薬という。5:正\n部分刺激薬と完全刺激薬を併用すると、完全刺激薬により生じる最大反応は減弱させる。"} +{"problem_id": "100152", "problem_text": "レニン-アンギオテンシン系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\beta _{1}受容体遮断薬は、レニン分泌量を減少させる。", "アルドステロン受容体遮断薬は、レニン分泌量を減少させる。", "アンギオテンシンIIAT_{1}受容体遮断薬は、アルドステロン分泌量を増加させる。", "レニン阻害薬は、血中アンギオテンシンIとアンギオテンシンIIの量を減少させる。", "アンギオテンシン変換酵素阻害薬は、血中のブラジキニン量を減少させる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nアドレナリン\\beta _{1}受容体が刺激されることによりレニン分泌が促進されることから、アドレナリン\\beta _{1}受容体遮断薬物により、レニン分泌は低下する。2:誤\nアルドステロン受容体遮断薬の作用により、血中ナトリウム濃度が低下すると、レニン-アンギオテンシン系が亢進し、レニン分泌量が増加する。3:誤\nアンギオテンシンIIがアンギオテンシンIIAT_{1}受容体を刺激するとアルドステロン分泌が促進される。よって、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体遮断薬により、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体が遮断されるとアルドステロン分泌量が低下する。4:正\nレニン阻害薬(アリスキレンフマル酸塩)は、血中アンギオテンシンIとアンギオテンシンIIの量を減少させる。5:誤\nアンギオテンシン変換酵素阻害薬は、キニナーゼIIを阻害することによりブラジキニンの分解を抑制し、血中ブラジキニン量を増加させる。"} +{"problem_id": "100153", "problem_text": "交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フェニレフリンは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を選択的に刺激して、血管を収縮させる。", "フェントラミンは、非競合的にアドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断して、血圧を下降させる。", "ラベタロールは、アドレナリン\\beta _{1}受容体遮断作用があるため、反射性頻脈を引き起こす。", "ミドドリンは、アドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激することで、子宮平滑筋を弛緩させる。", "チラミンは、短時間内に反復的に静脈内投与されると、その昇圧作用が次第に弱くなる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正フェニレフリンは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を選択的に刺激薬することにより、血管平滑筋を収縮させる。2:誤フェントラミンは、競合的にアドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断することにより、血圧を下降させる。3:誤ラベタロールは、アドレナリン\\alpha ・\\beta 受容体遮断薬である。ラベタロールは、\\alpha 受容体遮断による降圧作用により反射性頻脈を引き起こす可能性があるが、\\beta _{1}受容体遮断作用を併せもつため、反射性頻脈を起こしにくい。4:誤ミドドリンは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を選択的に刺激することにより、血管平滑筋を収縮させる。なお、アドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激することで子宮平滑筋を弛緩させる薬物には、リトドリンなどがある。5:正\nチラミンは、間接型交感神経興奮薬であり、短時間内に反復的に投与すると、シナプス小胞のノルアドレナリンが枯渇し、その昇圧作用が次第に弱くなる(タキフィラキシーを起こす)。"} +{"problem_id": "100154", "problem_text": "副交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アセチルコリンは、血管内皮細胞において一酸化窒素合成酵素(NOS)活性を低下させる。", "アセチルコリンのアセチル基をカルバモイル基に置換すると、コリンエステラーゼによる分解を受けにくくなる。", "コリンエステラーゼ阻害薬は、ニコチン様作用のみを示す。", "ブチルスコポラミンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を非競合的に遮断する。", "プロパンテリンは、第四級アンモニウム化合物で、末梢のムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断して鎮痙作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nアセチルコリンは、血管内皮細胞に存在するムスカリン受容体を刺激することにより、一酸化窒素合成酵素(NOS)活性を上昇させる。それにより、アセチルコリンは、NOを介した血管拡張作用を示す。2:正\nアセチルコリンのアセチル基をカルバモイル基に置換した薬物には、カルバコールやベタネコールがある。カルバコールやベタネコールは、アセチルコリンに比べ、コリンエステラーゼによる分解を受けにくい。3:誤\nコリンエステラーゼ阻害薬は、アセチルコリンの分解を抑制し、アセチルコリンによるムスカリン様作用及びニコチン様作用を増強する。4:誤\nブチルスコポラミンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を競合的に遮断する。5:正\nプロパンテリンは第四級アンモニウム化合物であり、消化管から吸収されにくい。そのため、プロパンテリンは、消化管においてムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することにより鎮痙作用を示す。"} +{"problem_id": "100155", "problem_text": "催眠・鎮静作用を示す薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フルニトラゼパムは、少量でrapid eye movement(REM)睡眠を強く抑制する。", "レボメプロマジンは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のGABA結合部位に作用する。", "ジフェンヒドラミンは、中枢のヒスタミンH_{1}受容体を遮断する。", "トリアゾラムは、細胞内のCl^{-}流入を促進することで、神経の興奮を抑制する。", "フェノバルビタールは、グルタミン酸NMDA受容体を刺激する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nフルニトラゼパムなどのベンゾジアゼピン系薬は、rapid eye movement(REM)睡眠抑制作用は弱い。なお、REM睡眠抑制作用が強い催眠薬には、フェノバルビタールなどのバルビツール酸系薬がある。2:誤\nレボメプロマジンはフェノチアジン系抗精神病薬であり、ドパミンD_{2}受容体遮断作用を有する。3:正\nジフェンヒドラミンは第一世代ヒスタミンH_{1}受容体遮断薬であり、中枢のヒスタミンH_{1}受容体を遮断する。4:正\nトリアゾラムはベンゾジアゼピン系薬であり、GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、Cl^{-}チャネルを開口させ、細胞内のCl^{-}流入を促進することにより、神経の興奮を抑制する。5:誤\nフェノバルビタールはバルビツール酸系薬であり、GABA_{A}受容体のバルビツレート結合部位に結合し、Cl^{-}チャネルを開口させ、細胞内のCl^{-}流入を促進することにより、神経の興奮を抑制する。"} +{"problem_id": "100156", "problem_text": "精神疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["パロキセチンは、セロトニン5-HT_{3}受容体を遮断する。", "トラゾドンは、セロトニン5-HT_{2A}受容体を刺激する。", "タンドスピロンは、セロトニン5-HT_{1A}受容体を刺激する。", "ヒドロキシジンは、セロトニンの再取り込みを阻害する。", "ミルナシプランは、セロトニン及びノルアドレナリンの再取り込みを阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nパロキセチンは、選択的にセロトニンの再取り込み阻害作用を有することから、抗うつ薬として用いられる。2:誤\nトラゾドンは、セロトニン再取り込み阻害と5-HT_{2}受容体拮抗作用を有する\n3:正\nタンドスピロンは、選択的にセロトニン5-HT_{1A}受容体刺激薬作用を有することから、神経症における抑うつ状態の改善などに用いられる。4:誤\nヒドロキシジンは、抗ヒスタミン作用及び中枢抑制作用を有することから、神経症における不安・緊張・抑うつに用いられる。5:正\nミルナシプランは、セロトニン及びノルアドレナリンの神経終末への再取り込み阻害作用を有することから、抗うつ薬として用いられる。"} +{"problem_id": "100157", "problem_text": "心疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ブクラデシンは、細胞膜通過後、サイクリックAMPとなり、心筋の収縮力を増強する。", "ジピリダモールは、ATP感受性K^{+}チャネルの開口により抗狭心症作用を示す。", "マニジピンは、心筋細胞のT型Ca^{2+}チャネルを選択的に遮断する。", "プロプラノロールは、冠動脈れん縮を抑制して、心筋への酸素供給を増大させる。", "カルペリチドは、膜結合型グアニル酸シクラーゼを活性化し、利尿作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nブクラデシンは、細胞膜通過後、サイクリックAMP(cAMP)に変換され、細胞内cAMP量を増加させる。本剤は、細胞内cAMP量を増加させることにより心筋収縮力増強作用や血管拡張作用を示す。2:誤\nジピリダモールは、アデノシンの赤血球の取り込みを阻害することで血中アデノシン濃度を上昇させ、冠血管が拡張し、心臓への酸素供給量を増大させる。なお、ATP感受性K^{+}チャネルの開口により抗狭心症作用を示すのは、ニコランジルである。3:誤\nマニジピンは、血管平滑筋細胞のL型膜電位依存性Ca^{2+}チャネルを遮断することにより、血管平滑筋を弛緩させることにより血圧を低下させる。4:誤\nプロプラノロールは、アドレナリン\\beta 受容体遮断薬であり、冠血管のアドレナリン\\beta _{2}受容体を遮断することにより冠血管を収縮させるため、心筋への酸素供給を低下させる。5:正\nカルペリチドは、ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)であり、ANP受容体を刺激することにより受容体内の膜結合型グアニル酸シクラーゼを活性化させ、細胞内cGMP量を増加させる。本剤は、細胞内cGMP量を増加させることにより血管拡張作用及び利尿作用を示す。"} +{"problem_id": "100158", "problem_text": "気管支ぜん息治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["オキシトロピウムはIgE抗体の産生を抑制する。", "プロキシフィリンは、ホスホジエステラーゼを阻害して、気管支平滑筋細胞内のサイクリックAMP量を増加させる。", "サルメテロールは、気管支平滑筋のアセチルコリンM_{3}受容体を選択的に遮断する。", "アゼラスチンは、肥満細胞からのヒスタミンおよびロイコトリエン類の遊離を抑制する", "セラトロダストは、トロンボキサン合成酵素を選択的に阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nオキシトロピウムは、ムスカリンM_{3}受容体を遮断することによりアセチルコリンによる気管支収縮を抑制する。なお、IgE抗体の産生を抑制する気管支ぜん息治療薬には、スプラタストがある。2:正\nプロキシフィリンはキサンチン誘導体であり、ホスホジエステラーゼ阻害作用を有しており細胞内cAMP量を増加させることにより気管支平滑筋を弛緩させる。3:誤\nサルメテロールは、気管支平滑筋のアドレナリン\\beta _{2}受容体を選択的に刺激することにより気管支平滑筋を弛緩させる。4:正\nアゼラスチンは、ヒスタミンH_{1}受容体遮断作用及び肥満細胞からののケミカルメディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエンなど)遊離抑制作用を有する。5:誤\nセラトロダストは、トロンボキサンA_{2}受容体を遮断薬することにより気管支収縮を抑制する。なお、トロンボキサン合成酵素を選択的に阻害する気管支ぜん息治療薬は、オザグレルである。"} +{"problem_id": "100159", "problem_text": "消化器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["センナは、大腸のアウエルバッハ神経叢に作用し、腸運動を抑制する。", "ウルソデオキシコール酸は、胆汁中の胆汁酸を増加させるとともに、コレステロール胆石を溶解する。", "ピペリド��ートは、Oddi括約筋の収縮を抑制する。", "ラモセトロンは、消化管内在神経叢のセロトニン5-HT_{3}受容体を刺激し、便秘を改善する。", "ポリカルボフィルカルシウムは、小腸上部で吸収され、大腸内水分保持作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nセンナに含まれるセンノシドは、経口投与後腸管内で腸内細菌により加水分解を受け、大腸のアウエルバッハ神経叢に作用し、腸運動を亢進する。2:正\nウルソデオキシコール酸は、胆汁中の胆汁酸を増加させるとともに、胆石表面のコレステロールをミセル化して溶解する作用を示す。3:正\nピペリドレートは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することによりアセチルコリンによるOddi括約筋の収縮を抑制する。4:誤\nラモセトロンは、消化管内在神経叢のセロトニン5-HT_{3}受容体を遮断し、セロトニンによる腸管収縮を抑制するため、下痢型過敏性腸症候群に用いられる。5:誤\nポリカルボフィルカルシウムは、経口投与後消化管内で吸収されず、消化管内において水分調節作用を示すため、下痢型及び便秘型過敏性腸症候群に用いられる。"} +{"problem_id": "100160", "problem_text": "糖質コルチコイドに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["標的細胞の細胞質で、受容体と結合し、核内へ移行する。", "細胞性免疫を抑制するが、体液性免疫を抑制しない。", "タンパク異化作用により、骨粗しょう症を引き起こす。", "下垂体に作用し、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌を促進する。", "腎集合管に作用し、Na^{+}及びK^{+}の排泄を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n糖質コルチコイドは、標的細胞の細胞質で受容体と結合し、核内へ移行することにより遺伝子の転写を調節する。2:誤\n糖質コルチコイドは、細胞性免疫及び体液性免疫を共に抑制する。3:正\n糖質コルチコイドは、タンパク異化作用により、骨基質タンパク質を減少させることがあるため、副作用として骨粗しょう症を起こすことがある。4:誤\n糖質コルチコイドは、脳下垂体に作用し、負のフィードバック作用を示すことにより副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌を抑制する。5:誤\n糖質コルチコイドは、腎臓の遠位尿細管及び集合管に作用し、Na^{+}の再吸収を促進するとともに、K^{+}排泄を促進する。"} +{"problem_id": "100161", "problem_text": "呼吸器系に作用する薬物について、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジヒドロコデインは、モルヒネより鎮咳作用は強いが、依存性形成作用は弱い。", "アンブロキソールは、II型肺胞上皮細胞からの肺表面活性物質(肺サーファクタント)の分泌を促進し、去痰作用を示す。", "カルボシステインは、ムコタンパク質のジスルフィド結合を切断して、痰の粘度を低下させる。", "ノスカピンは、延髄の咳中枢を抑制して鎮咳作用を示すが、呼吸中枢抑制作用はない。", "ナロキソンは、末梢性化学受容器を刺激して呼吸興奮を引き起こす。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nジヒドロコデインは、モルヒネと比較すると鎮咳作用及び依存性形成作用がともに弱い。2:正\nアンブロキソールは、ブロムヘキシンの活性代謝物であり、II型肺胞上皮細胞からの肺表面活性物質(肺サーファクタント)の分泌を促進し、去痰作用を示す。3:誤\nカルボシステインは、喀痰中のシアル酸とフコースの構成比を正常化し、痰の粘性を低下させることにより去痰作用を示す。なお、ムコタンパク質中のジスルフィド結合を切断して去痰作用を示すのは、アセチルシステインである。4:正\nノスカピンは、延髄の咳中枢を抑制することにより鎮咳作用を示すが、呼吸中枢抑制作用を有しない。5:誤\nナロキソンは、オピオイド\\micro 受容体を遮断することにより、モルヒネなどオピオイド\\micro 受容体刺激薬による呼吸抑制を改善する。なお、末梢性化学受容器を刺激して呼吸興奮を引き起こす薬物には、ドキサプラムがある。"} +{"problem_id": "100162", "problem_text": "止血薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カルバゾクロムは、血管に作用して血管透過性を抑制し、血管抵抗性を高める。", "フィトナジオンは、プロトロンビンの生合成を阻害し、高プロトロンビン血症を改善する。", "トラネキサム酸は、プラスミンやプラスミノーゲンのフィブリンへの結合を促進し、血液凝固を引き起こす。", "プロタミンはヘパリンと結合し、ヘパリンの抗凝固作用を消失させる。", "ヘモコアグラーゼは、ヘモグロビンと塩を形成し、止血作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nカルバゾクロムは、アドレノクロム(アドレナリンの酸化体)にセミカルバジドを結合させた薬物であり、毛細血管透過性を抑制し、毛細血管の抵抗性を増大させる。2:誤\nフィトナジオンは、ビタミンK製剤であり、プロトロンビン生成を促進し、低プロトロンビン血症を改善する。3:誤\nトラネキサム酸は、プラスミンやプラスミノーゲンのリシン結合部位に結合し、プラスミンとフィブリンとの結合を抑制することにより線溶系を抑制する。4:正\n塩基性薬物であるプロタミンは、酸性ムコ多糖であるヘパリンと結合することによりヘパリンの抗凝固作用を消失させる。5:誤\nヘモコアグラーゼは、トロンビン様作用、トロンボプラスチン様作用、血小板凝集促進作用などにより止血作用を示す。"} +{"problem_id": "100163", "problem_text": "関節リウマチの治療に用いる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["レフルノミドは、ピリミジン合成系を阻害し、リンパ球の増殖を抑制する。", "サラゾスルファピリジンは、抗原提示細胞のCD80/CD86に結合し、CD28を介した共刺激シグナルを阻害する。", "ペニシラミンは、カルシニューリンを阻害し、ヘルパーT細胞でのインターロイキン-2産生を抑制する。", "オーラノフィンは、腫瘍壊死因子\\alpha (TNF-\\alpha )と特異的に結合し、TNF-\\alpha の細胞膜受容体への結合を阻害する。", "メトトレキサートは、キメラ型モノクローナル抗体製剤に対する中和抗体の産生を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nレフルノミドは、生体内で代謝されて活性代謝物となり、ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼを阻害することにより、ピリミジン生合系を阻害し、リンパ球の増殖を抑制する。2:誤\nサラゾスルファピリジンは、T細胞及びマクロファージからのサイトカイン産生を抑制し、抗リウマチ作用を示す。抗原提示細胞のCD80/CD86に結合し、CD28を介した共刺激シグナルを阻害する抗リウマチ薬は、アバタセプトである。3:誤\nペニシラミンは、リウマトイド因子などの免疫複合体の分子内のジスルフィド結合を解離させることにより抗リウマチ作用を示す。なお、カルシニューリンを阻害し、ヘルパーT細胞でのインターロイキン-2産生を抑制するのは、タクロリムスである。4:誤\nオーラノフィンは、自己抗体の産生抑制、炎症性細胞の機能抑制などにより抗リウマチ作用を示す。なお、腫瘍壊死因子\\alpha (TNF-\\alpha )と特異的に結合し、TNF-\\alpha の細胞膜受容体への結合を阻害するのは、インフリキシマブやアダリムマブ、ゴリムマブなどの抗リウマチ薬である。5:正\nメトトレキサートは、キメラ型モノクローナル抗体製剤(インフルキシマブなど)に対する中和抗体の産生を抑制する。"} +{"problem_id": "100164", "problem_text": "ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アバカビルは、HIVインテグラーゼを阻害して、HIVゲノムが宿主細胞ゲノムに組み込まれるのを妨げる。", "マラビロクは、dGTPと拮抗してHIV-1の逆転写酵素を競合的に阻害する。", "ネビラピンは、HIV-1の逆転写酵素の疎水ポケット部分に結合して酵素活性を阻害する。", "ネルフィナビルは、HIVプロテアーゼを阻害して、HIV前駆体ポリタンパク質の切断を妨げる。", "ラルテグラビルは、ウイルスDNAに取り込まれてDNA鎖伸長を停止させる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nアバカビルは、細胞内でリン酸化され、ウイルスDNAに取り込まれ、dGTPと拮抗してHIV-1の逆転写酵素を競合的に阻害する。2:誤\nマラビロクは、ケモカイン受容体(CCR5)に選択的に結合し、HIVの細胞内への侵入を阻害する。3:正\nネビラピンは、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤であり、核酸と競合せずにHIV-1の逆転写酵素の疎水ポケット部分に結合して酵素活性を阻害する。4:正\nネルフィナビルは、HIVプロテアーゼを阻害して、HIV前駆体ポリタンパク質の切断を妨げることにより、HIVウイルスの増殖を抑制する。5:誤\nラルテグラビルは、HIVインテグラーゼを阻害して、HIVゲノムが宿主細胞ゲノムに組み込まれるのを妨げる。"} +{"problem_id": "100165", "problem_text": "抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["パクリタキセルは、チューブリンの重合を阻害し、有糸分裂を抑制する。", "カルボプラチンは、DNA鎖に架橋を形成し、DNAの複製を阻害する。", "ブレオマイシンは、活性酸素を発生させ、DNA鎖を切断する。", "ベバシズマブは、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)に対するモノクローナル抗体で、血管新生を阻止する。", "ボルテゾミブは、プロテアソームを活性化し、転写因子NF-\\kappa Bの作用を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nパクリタキセルは、チューブリンの重合を促進し、微小管を過剰形成・安定化させることにより有糸分裂を阻害する。2:正\nカルボプラチンは、DNA鎖に架橋を形成することによりDNAの複製を阻害する。3:正\nブレオマイシンは、酵素存在下で活性酸素(ラジカル)を発生させ、DNA鎖を切断する。4:誤\nベバシズマブは、ヒト血管内皮細胞増殖因子(VEGF)に対するヒト化モノクローナル抗体であり、血管新生を阻止することにより腫瘍細胞の増殖を抑制する。なお、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)に対するモノクローナル抗体製剤には、トラスツズマブがある。5:誤\nボルテゾミブは、骨髄腫細胞等の腫瘍細胞に存在するプロテアソームを阻害し、転写因子NF-\\kappa Bの作用を阻害する。"} +{"problem_id": "100166", "problem_text": "薬物の吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["口腔粘膜から吸収される薬物は、肝初回通過効果を回避できるが、小腸と比較して口腔の粘膜が非常に厚いため、速やかな吸収が期待できない。", "肺からの薬物吸収は、一般に、I型肺胞上皮細胞を介した単純拡散によるものである。", "皮膚の角質層の厚さには部位差があることから、薬物の経皮吸収も部位により大きく異なることがある。", "鼻粘膜は、主に吸収を担う多列繊毛上皮細胞が密に接着していることから、バリアー機能が高く、一般に薬物吸収は不良である。", "坐剤の適用は、即効性は期待できるものの、経口投与時と同程度に肝初回通過効果を受ける。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n口腔粘膜から吸収される薬物は、肝初回通過効果を回避することができ、また、小腸と比較して口腔粘膜は薄いため、速やかな吸収が期待できる。2:正\n肺からの薬物吸収は、一般に、I型肺胞上皮細胞を介した単純拡散によるものである。・I型肺胞上皮細胞\n極めて薄い膜状の単層扁平な細胞で、ガス交換に関与している。・II型肺胞上皮細胞\n立方体の大型な細胞で、肺サーファクタントの分泌に関与している。3:正\n角質層は、皮膚の最も外側に存在しており、経皮からの薬物吸収に大きく関与している。皮膚の角質層の厚さには部位差があることから、薬物の経皮吸収も部位により大きく異なることがある。4:誤\n鼻粘膜は、主に吸収を担う多列繊毛上皮細胞が密に接着しているが、薄く、バリアー能が低いため、一般に鼻粘膜を介した薬物の吸収は良好である。5:誤\n坐剤により投与された薬物は、肝初回通過効果を回避することができ、速やかに効果を発揮するため、即効性を期待できる。"} +{"problem_id": "100167", "problem_text": "薬物代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["シトクロムP450(CYP)による酸化的代謝と比較して、抱合代謝やアルコールの酸化は肝疾患による影響を受けにくい。", "高齢者では、CYPによる酸化的代謝とグルクロン酸抱合代謝が同程度に低下する。", "喫煙はCYP1A2の誘導を引き起こし、トリアゾラムの血中濃度を低下させる。", "CYPの遺伝子多型では、代謝活性が上昇する場合や低下する場合がある。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n肝疾患(脂肪肝や肝硬変など)に罹患すると、シトクロムP450(CYP)は減少するが、抱合反応やアルコールの酸化に関与する酵素はほとんど変化しないため、シトクロムP450(CYP)による酸化的代謝と比較���て、抱合代謝やアルコールの酸化は肝疾患による影響を受けにくい。2:誤\n加齢に伴い、CYPの活性は低下するが、グルクロン酸抱合能はほとんど変化しない。3:誤\n喫煙はCYP1A2の誘導を引き起すが、トリアゾラムは主にCYP3A4で代謝されるため、喫煙によりトリアゾラムの血中濃度はほとんど変化しない。4:正\n遺伝子多形とは、人口の1%以上の頻度でヒトにみられる遺伝子の変異のことであり、CYPの遺伝子多型では、代謝活性が上昇する場合や低下する場合がある。"} +{"problem_id": "100168", "problem_text": "肝臓で一部が代謝され、一部は未変化体のまま胆汁排泄される薬物について、その肝クリアランスが低下する要因となり得るのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["心拍出量の増大", "血中タンパク結合の阻害", "肝取り込みの阻害", "肝代謝酵素の誘導", "胆汁排泄の阻害"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "肝臓において、薬物は代謝及び胆汁排泄により消失する。このことから、肝クリアランスは、肝臓における代謝クリアランスと胆汁排泄クリアランスの影響を受けて変化する。また、肝クリアランスは、肝血流量の影響を受けて変化する。1:誤\n心拍出量の増大により肝血流量が増大するため、肝クリアランスは増大する。2:誤\n血中タンパク結合の阻害により、遊離型の薬物濃度が増大し、薬物の肝臓への移行性が増大するため、肝クリアランスは増大する。3:正\n肝取り込み阻害により、薬物の肝臓への移行性が低下するため、肝クリアランスは低下する。4:誤\n肝代謝酵素の誘導により代謝クリアランスが増大するため、肝クリアランスは増大する。5:正\n胆汁排泄の阻害により胆汁排泄クリアランスが低下するため、肝クリアランスは低下する。"} +{"problem_id": "100169", "problem_text": "新生児・小児の薬物動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["新生児では成人に比べ体重当たりの総体液量が多いので、水溶性薬物であるセフェム系抗生物質などは、体重当たりの投与量が成人より多めに設定されることが多い。", "新生児の体表面積当たりの糸球体ろ過速度は成人の20〜30%であり、成人と同程度になるには5〜7年を要する。", "フェニトイン代謝能は、生後、急激に上昇する。", "一般に、硫酸抱合と比較して、グルクロン酸抱合代謝能の発達は早い。", "1〜3歳児におけるテオフィリンの体重当たりのクリアランスは、成人より低い。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n新生児の体重当たりの総体液量が約75%、成人の体重当たりの総体液量約60%となっており、新生児では成人に比べ体重当たりの総体液量が多いので、細胞外液中に存在しやすい水溶性薬物であるセフェム系抗生物質などは、体重当たりの投与量が成人より多めに設定されることが多い。2:誤\n新生児の体表面積当たりの糸球体ろ過速度は成人より低く、成人と同程度になるには生後8〜12ヶ月を要する。3:正\nフェニトインの代謝に関与するCYP2C9は、生後、急激に発現する。4:誤\n新生児において、硫酸抱合に関与する酵素は十分に発現しているが、グルクロン酸抱合に関与する酵素はほとんど発現していない。よって、一般に、新生児・小児では、硫酸抱合と比較して、グルクロン酸抱合代謝能は低い。5:誤\n1〜3歳児におけるテオフィリンの体重当たりのクリアランスは、成人より高い。"} +{"problem_id": "100170", "problem_text": "薬物を静脈内投与したとき、表に示すパラメータが得られた。この薬物の全身クリアランスに関する記述として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、この薬物は肝代謝と腎排泄によって体内から消失し、肝血流量は100 L/hとする。", "choices": ["肝血流量の変動の影響を顕著に受ける。", "肝代謝酵素阻害の影響を顕著に受ける。", "肝代謝酵素誘導の影響を顕著に受ける。", "薬物が結合する血漿タンパク質量の変動の影響を顕著に受ける。", "腎機能の変動の影響を顕著に受ける。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "設問のデータに、尿中未変化体排泄率が10%とあることから、この薬物は、肝消失型薬物(肝臓で90%消失)である。よって、この薬物の全身クリアランスを以下のように表すことができる。全身クリアランス\\fallingdotseq 肝クリアランス\n設問の表のデータ及び「���血流量が100 L/h」より、この薬物の肝抽出率を以下のように計算することができる。肝クリアランス=全身クリアランス\\times 0.9=90 L/h\n肝抽出率=肝クリアランス/肝血流量=90 L/h/100 L/h=0.9\nこの薬物の肝抽出率は0.9であることから、この薬物は、肝血流量依存性薬物である。これらのことから、この薬物の全身クリアランスは、肝血流量の変動の影響を顕著に受けると考えられる。"} +{"problem_id": "100171", "problem_text": "薬物Aをヒトに60 mg経口投与した後の血中濃度時間曲線下面積(AUC)が600 ng・h/mLであった。薬物Aを8時間毎に経口投与し、定常状態における平均血中濃度を150 ng/mLにしたい。投与量(mg)として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、薬物Aの体内動態は、線形1-コンパートメントモデルに従うものとする。", "choices": ["30", "60", "90", "120", "150"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "繰り返し投与における投与量Dは以下の式より求めることができる。CL_{tot}: 全身クリアランス、C_{ss}: 定常状態における平均血中濃度、\\tau : 投与間隔、F: バイオアベイラビリティ\n<経口クリアランスCL_{tot}/Fを求める>\nAUCは以下の式で表すことができる。X_{0}: 循環血中移行量\n上記の式を変換すると以下のようになる。問題文に「60 mg経口投与した後の血中濃度時間曲線下面積(AUC)が600 ng・h/mL」とあることから、経口クリアランス(CL_{tot}/F)を以下のように求めることができる。CL_{tot}/F=60 mg/600 ng・h/mL=60 mg/0.6 mg・h/L=100 L/h\n<繰り返し投与における投与量Dを求める>CL_{tot}/F=100 L/h、\\tau =8 h、C_{ss}=150 ng/mLであることから、繰り返し投与における投与量Dを以下のように求めることができる。D=100 L/h\\times 150 ng/mL\\times 8 h=100 L/h\\times 150 \\micro g/L\\times 8 h=120000 \\micro g=120 mg"} +{"problem_id": "100172", "problem_text": "治療薬物モニタリング(TDM)に活用されている母集団薬物速度論に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["1点の血中濃度測定値から、その患者の薬物動態パラメータが推定できるのは、母集団パラメータを事前情報として用いるからである。", "母集団薬物速度論は、個体内変動の要因解析に利用されることも多い。", "母集団薬物速度論は普遍性が高いため、同種同効薬であれば、同じ母集団パラメータを適用できる。", "母集団薬物速度論を用いても、薬物投与後の血液採取時間に関する情報がなければ、患者の薬物動態パラメータの推定は不可能である。", "体重や腎機能は個々の患者によって異なるため、母集団薬物速度論モデルに組み込んでも薬物動態の予測精度は向上しない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "母集団薬物速度論(ポピュレーションファーマコキネティクス: PPK)では、薬物を投与した多くの患者から集約されたデータを解析することによって、母集団パラメータを得ることができる。<母集団パラメータ>\n・薬物動態パラメータの平均値\n・患者間変動(個体間変動: 年齢、性別、体重、腎機能など)\n・患者内変動(個体内変動: 測定誤差など)がある。1:正\n1点の血中濃度測定値と母集団パラメータを用いることにより、その患者の薬物動態パラメータを推測することができる。2:誤\n母集団薬物速度論は、主に個体間変動の要因解析に用いられる。3:誤\n薬物ごとで薬物動態パラメータは異なるため、同種同効薬の母集団薬物速度論を行う場合でも、同じ母集団パラメータを適用することはできない。4:正\n母集団薬物速度論を用いても、血中濃度測定値のみでは、患者の薬物動態パラメータを推定することはできない。なお、母集団薬物速度論を用いて、患者の薬物動態パラメータを推定するためには、血中濃度測定値に加え、血液採血時間、投与量、投与時間などの情報が必要である。5:誤\n母集団パラメータには、患者間変動に関するデータ(年齢、体重、性別、腎機能など)が得られているため、体重や腎機能を母集団薬物速度論モデルに組み込むことにより、薬物動態の予測精度は向上する。"} +{"problem_id": "100173", "problem_text": "薬物の溶解及び放出に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["結晶多形間で異なる溶解度を示すのは、各々の固相における化学ポテンシャルが異なるためである。", "Higuchi式において、単位面積当たり��累積薬物放出量の平方根は、時間に比例する。", "球体である薬物粒子が、形状を維持したまま縮小しながら溶出する時の溶解速度定数は、Hixson-Crowell式を用いて算出できる。", "回転円盤法により、固体薬物の表面積を経時的に変化させて溶解実験を行い、Gibbs式を用いることで薬物の溶解速度定数を算出できる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n結晶多型間では、化学ポテンシャルが異なるため、溶解度が異なる。なお、結晶多形には、安定形や準安定形があり、安定形の方が準安定形に比べ化学ポテンシャルが小さいため、溶解度が小さい。2:誤\nHiguchi式において、単位面積当たりの累積薬物放出量は、時間の平方根に比例する。3:正\nシンク条件下、同一粒子径の球体である薬物粒子が、形状を維持したまま縮小すると仮定した場合、Hixson-Crowell式を用いて、溶解速度定数を求めることができる。4:誤\n回転円盤法により、固体薬物の表面積を一定にし、溶解実験を行い、Noyes-Whitney式を用いることで薬物の溶解速度定数を算出できる。"} +{"problem_id": "100174", "problem_text": "界面活性剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["イオン性界面活性剤において、アルキル鎖が長くなるほどクラフト点は低くなる。", "親水性親油性バランス(HLB)値が小さい界面活性剤ほど、疎水性が高い。", "HLB値が3.7の界面活性剤2 gと、HLB値が11.5の界面活性剤1 gを混合して得た界面活性剤のHLB値は、7.6である。", "イオン性界面活性剤水溶液のモル電気伝導率は、臨界ミセル濃度以上で急激に減少する。", "臨界ミセル濃度以上では、界面活性剤分子はミセルを形成するため、単分子として溶解しているものはない。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nクラフト点とは、ミセル形成によりイオン性界面活性剤の溶解度が急激に上昇する温度のことであり、イオン性界面活性剤のアルキル鎖が長くなるほど溶解性が低下するため、クラフト点は高くなる。2:正\n親水性親油性バランス(HLB)値が小さい界面活性剤ほど疎水性が高く、HLB値が大きい界面活性剤ほど親水性が高い。3:誤\n界面活性剤Aと界面活性剤Bを混合した場合に得られる界面活性剤ABのHLB値は、以下の式を用いて求めることができる。問題の条件より、混合して得た界面活性剤のHLB値を以下のように求めることができる。4:正\nイオン性界面活性剤水溶液のモル電気伝導率は、臨界ミセル濃度以下で緩やかに減少し、臨界ミセル濃度以上で急激に減少する。5:誤\n臨界ミセル濃度以上の界面活性剤水溶液中において、界面活性剤分子は、単分子の状態及びミセルの状態で存在している。"} +{"problem_id": "100175", "problem_text": "高分子及びその溶液に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["線状高分子は、良溶媒中で収縮してコイル形状となる。", "マクロゴール20000(分子量20,000のポリエチレングリコール)は、室温で水に不溶である。", "毛細管粘度計は、非ニュートン流体の粘度測定に適する。", "高分子溶液の極限粘度から、高分子の平均分子量を求めることができる。", "Voigt粘弾性の力学的モデルでは、応力一定のとき、ひずみは時間と共に増大し、一定の値に収束する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n線状高分子は、良溶媒中で広がり線状となって存在し、貧溶媒中では収縮してコイル形状で存在する。良溶媒: 高分子と親和性が高い溶媒:貧溶媒: 高分子と親和性が低い溶媒\n2:誤\nマクロゴールは水溶性であるため、分子量に関係なく水に溶解する。なお、マクロゴールは分子量によって存在状態が異なり、分子量が1000以下では液状、1000以上では固形状で存在する。3:誤\n毛細管粘度計は、非ニュートン流体(軟膏、高分子溶液、懸濁液等)の粘度測定には適していない。4:正\n高分子希薄溶液の粘度を極限粘度といい、極限粘度から高分子の平均分子量を求めることが可能である。5:正\nVoigt粘弾性の力学的モデルでは、応力一定のとき、ひずみは時間と共に増大し、一定の値に収束する。この現象をクリープ現象という。Voigt(フォークト)粘弾性の力学的モデル: バネとダッシュポットを並列に結合したモデル"} +{"problem_id": "100176", "problem_text": "真密度が1.2 g/cm^{3}の粉体を500 mLの容器にすり切り充てんしたところ、粉体層の空隙率は25%であった。この容器をタッピングしたところ、粉体層の空隙率は17%となった。タッピング後の粉体層のかさ密度(g/cm^{3})に最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["0.7", "0.8", "0.9", "1.0", "1.1"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "【タッピング前のデータより、粉体の真の容積、粉体の質量を求める】容器の大きさが500 mL(cm^{3})であり、空隙率25%、真密度が1.2 g/cm^{3}であることから、粉体の真の容積、粉体の質量を以下のように求めることができる。粉体の真の容積=500\\times (1-空隙率)=500\\times (1-0.25)=375 cm^{3}粉体の質量=375\\times 1.2=450 g\n【タッピング後の粉体の見かけの容積を求める】真の容積が375 cm^{3}であり、空隙率17%であることから、粉体の見かけの容積を以下にように求めることができる。1-空隙率=粉体の真の容積/粉体の見かけの容積粉体の見かけの容積=粉体の真の容積/(1-空隙率)=375/0.83\\fallingdotseq 451 cm^{3}\n上記のことから、タッピング後の粉体層のかさ密度(g/cm^{3})を以下のように求めることができる。かさ密度=粉体の質量/粉体の見かけの容積=450/451\\fallingdotseq 1 g/cm^{3}"} +{"problem_id": "100177", "problem_text": "注射剤の溶剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["通例、生理食塩液及びリンゲル液は、注射用水の代用として用いることができる。", "皮内、皮下及び筋肉内投与のみに用いる水性溶剤は、エンドトキシン試験法の適用を受ける。", "エタノールやプロピレングリコールは、非水性注射剤の溶剤として用いることができる。", "鉱油試験に適合する流動パラフィンは、非水性注射剤の溶剤として用いることができる。", "溶剤に注射用水を用いた場合は、添付する文書、容器もしくは被包に、溶剤が注射用水であることを記載する必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n通例、生理食塩液及びリンゲル液又はその他の適切な水性溶液は、注射用水の代用として用いることができる。2:誤\n皮内、皮下及び筋肉内投与のみに用いる水性溶剤は、エンドトキシン試験法に適合する必要はない。なお、皮内、皮下及び筋肉内投与のみに用いるものを除く水性溶剤は、エンドトキシン試験法に適合する必要がある。3:正\n非水性注射剤の溶媒としては、以下のものを用いることができる。・鉱油試験(非水性溶剤中の鉱油の混在を試験)に適合した植物油\n・その他の適切な有機溶剤(エタノールやプロピレングリコールなど)\n4:誤\n鉱油(流動パラフィンなど)は、非水性注射剤の溶剤として用いることはできない(解説3参照)。5:誤\n溶剤に注射用水もしくは0.9%以下の塩化ナトリウム液を用いた場合は、添付する文書、容器もしくは被包に、用いた溶剤の名称を記載する必要はない。"} +{"problem_id": "100178", "problem_text": "下図は、乾燥工程中における乾燥時間と試料温度及び試料の含水率との関係を表している。乾燥に関する以下の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["乾燥初期の期間(I)では、試料温度の上昇にエネルギーが消費されるので、乾燥速度は低下する。", "試料の含水率は、全乾燥工程中、直線的に減少する。", "期間(II)では、加える熱量と水分の蒸発に伴う気化熱が等しくなり、乾燥速度及び試料温度はほぼ一定となっている。", "限界含水率より含水率が低くなる期間(III)では、試料温度が上昇しても、乾燥速度は低下する。", "乾燥終了時には、含水率は0%になっている。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "設問のグラフは、乾燥時間と試料温度、含水率の関係を示している。限界含水率: 恒率乾燥期から減率乾燥期に移行する際の含水率\n平衡含水率: 見かけ上乾燥が低下しているときの含水率\n1:誤\n乾燥速度は、含水率のグラフの傾きより確認することができる。期間(I)では、乾燥時間の経過とともに含水率のグラフの傾きが大きくなっていることから乾燥速度は上昇している。2:誤\n設問のグラフより、含水率は期間(II)では直線的に減少しているが、期間(I)および期間(III)では曲線的に減少している。3:正\n期間(II)の状態を以下に示す。・グラフの試料温度より、試料の温度一定の状態\n・含水率のグラフの傾きが一定であることから、乾燥速度は一定\n4:正\n期間(III)の状態を以下に示す。・グラフの試料温度より、試料の温度は上昇\n・乾燥時間の経過とともに含水率のグラフの傾きが小さくなっていることから、乾燥速度は減少\n5:誤\n平衡含水率はみかけ上乾燥が停止したときの含水率を示しており、グラフの平衡含水率より、乾燥終了時でも含水率は0%にはならないと考えられる。"} +{"problem_id": "100179", "problem_text": "滅菌に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["最終滅菌法を適用できる医薬品には、通例、10^{-4}以下の無菌性保証水準が得られる条件で滅菌が行われる。", "通常、医薬品の分解における活性化エネルギーは、滅菌の活性化エネルギーに比べて大きい。", "加熱滅菌における微生物の死滅は、見かけ上2次速度過程となる。", "発熱性物質(パイロジェン)は、250^{\\circ} C、30分以上の乾熱滅菌で破壊される。", "医療器具や衛生材料の滅菌には、酸化エチレンガスが広く用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤最終滅菌法を適用できる医薬品には、通例、10^{-6}以下の無菌性保証水準(滅菌操作後、滅菌対象物に微生物が生存する確率が100万分の1)が得られる条件で滅菌が行われる。2:誤\n通常、医薬品の分解における活性化エネルギーは、滅菌の活性化エネルギーに比べて小さい。このことから、高温において医薬品の分解速度定数が、菌が死滅する速度定数より小さくなるため、高温において、医薬品の分解を抑えた状態で滅菌することが可能となる。3:誤\n加熱滅菌における微生物の死滅は、見かけ上1次速度過程であると考えられている。4:正\n発熱性物質(パイロジェン)は、熱に強く通常の加熱滅菌では破壊されないが、250^{\\circ} C、30分以上の乾熱滅菌で破壊される。5:正\n医療器具や衛生材料の滅菌には、低温下での滅菌が可能であり、被滅菌物を損傷することがない酸化エチレンガスが広く用いられる。"} +{"problem_id": "100180", "problem_text": "ある液剤を25^{\\circ} Cで保存すると、1次速度式に従って分解し、100時間後に薬物含量が96.0%に低下していた。この薬物の有効性と安全性を考慮すると、薬物含量が90.0%までは投与が可能である。この液剤の有効期間は何日か。1つ選べ。ただし、log2=0.301、log3=0.477とする。", "choices": ["6", "8", "10", "12", "14"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1次反応における濃度と時間の関係は以下の式より表される。C: t時間後の薬物濃度、C_{0}: 初期の薬物濃度\nk: 反応速度定数、t: 時間\n<反応速度定数kを求める>\n問題文に「100時間後に薬物含量が96.0%に低下していた」とあることから、反応速度定数kを以下のように求めることができる。<有効期限を求める>\n問題文に「薬物含量が90.0%までは投与が可能」とあることから、(有効期間)を次のように求めることができる。"} +{"problem_id": "100181", "problem_text": "ぜん息患者が重積発作を起こし、チアノーゼの所見を認めた。本症例のチアノーゼに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["口唇粘膜が青紫色に変化している。", "動脈血酸素分圧の低下を示している。", "貧血がある場合に発現しやすい。", "指の皮膚温の低下は見られない。", "血中メトヘモグロビン量が増加している。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本患者は、ぜん息重積発作により、低酸素状態となり、中枢性のチアノーゼが現れたと考えられる。1:正しい\nチアノーゼでは、動脈血酸素分圧が低下し、二酸化炭素と結合した還元ヘモグロビンが増加することにより、口唇粘膜が青紫色に変化する。2:正しい\n解説1参照\n3:誤っている\n貧血によりヘモグロビン量が低下している状態では、還元ヘモグロビンが増加しにくいため、チアノーゼが出現しにくい。4:正しい\n中枢性チアノーゼでは、指の皮膚温の低下は認められない。なお、末梢性チアノーゼでは、指の皮膚温の低下が認められることがある。5:正しい\n中枢性チアノーゼの原因として、血中のメトヘモグロビンの増加があげられる。"} +{"problem_id": "100182", "problem_text": "58歳男性。既往歴なし。息切れ、胸痛等の自覚症状はなかったが、健康診断の胸部レントゲン検査で、心拡大を指摘されたため、近医を受診した。心臓超音波検査で壁厚の異常は見られなかったが、心内腔が拡大し、全周性に壁運動が低下していた。血圧138/82 mmHg、脈拍数72/分、心電図上異常なし。腎機能、肝機能異常なし。血漿BNP値は78 pg/mLで軽度上昇していた。本症例に対する第一選択薬として、薬剤師が推奨すべき薬物はどれか。2つ選べ。", "choices": ["アミオダロン塩酸塩", "ドブタミン塩酸塩", "エナラプリルマレイン酸塩", "ピモベンダン", "ビソプロロールフマル酸塩"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "本症例では、壁厚の異常なし、心内腔の拡大、全周性に壁運動が低下していることから、拡張型心筋症であり、また、血漿BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)値が軽度上昇していることから、軽度の慢性心不全状態にあると推測される。選択肢のうち、軽度の慢性心不全に対して用いられるのは、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬であるエナラプリルマレイン酸塩と選択的\\beta _{1}受容体遮断薬であるビソプロロールフマル酸塩である。"} +{"problem_id": "100183", "problem_text": "悪性リンパ腫に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["通常、リンパ節腫大は見られない。", "骨髄造血幹細胞が腫瘍化したものである。", "B細胞性では、CHOP療法とCD20に対する抗体療法の併用が有効である。", "胃に限局した病変では、ヘリコバクター・ピロリ感染の検査が必要である。", "T細胞に由来するものはない。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫)では、頚部、腋下などにリンパ節腫大が見られることが多い。2:誤\n悪性リンパ腫は、骨髄造血幹細胞が腫瘍化したものではなく、リンパ系細胞が腫瘍化したものである。3:正\nB細胞性の悪性リンパ腫では、ほとんどの症例においてCD20抗原が発現しているため、CHOP療法とCD20に対する抗体療法の併用(R-CHOP療法: リツキシマブ、シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩、プレドニゾロンの併用療法)が有効とされている。4:正\n胃に発現する低悪性度のMALTリンパ腫は、ヘリコバクター・ピロリ菌を除菌することにより、改善することが多い。よって、胃に限局した病変では、ヘリコバクター・ピロリ感染の検査が必要である。5:誤\n悪性リンパ腫には、T細胞に由来するものがある。"} +{"problem_id": "100184", "problem_text": "C型慢性肝炎の治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["インターフェロン\\alpha 、\\beta 、\\gamma のいずれも治療に用いられる。", "ウイルスのジェノタイプにより、インターフェロン治療の有効性が異なる。", "エンテカビル水和物の併用により、インターフェロン治療の有効性が向上する。", "リバビリンは、単独治療で用いられる。", "テラプレビルは、CYP3A阻害作用を有する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nC型慢性肝炎の治療には、インターフェロン\\alpha 、\\beta は用いられるが、インターフェロン\\gamma は用いられない。インターフェロン\\gamma については、腎がん、慢性肉芽腫症に伴う重症感染の頻度と重篤度の軽減に用いられる。2:正\nC型肝炎ウイルス(HCV)には、ジェノタイプ(遺伝子の型: 1a、1b、2a、2b)によりインターフェロン治療の有効性が異なる。インターフェロン治療はジェノタイプ2a、2bに対しては効果が認められやすいが、ジェノタイプ1a、1bに対しては効果が認められにくい。3:誤\nエンテカビルはB型慢性肝炎の治療及びB型肝炎ウイルスの増殖抑制に用いられるが、C型肝炎の治療には用いられない。なお、C型肝炎のインターフェロン治療に併用することで、インターフェロンに治療効果を向上させるのは、リバビリンである。4:誤\nリバビリンは、C型慢性肝炎におけるウイルス血症の治療に用いられ、インターフェロン製剤と併用する。5:正"} +{"problem_id": "100185", "problem_text": "60歳男性、身長172 cm、体重72 kg。10年前に2型糖尿病と診断され、経口血糖降下薬を内服していた。血圧136/86 mmHg、脈拍70/分。血清カリウム値4.2 mEq/L、血清クレアチニン値0.7 mg/dL、空腹時血糖値126 mg/dL、HbA1c 7.4%(JDS)、血清総タンパク7.4 g/dL、血清アルブミン4.0 g/dL。尿中アルブミン値(クレアチニン補正)1回目: 120 mg/g、2回目: 80 mg/g(基準値30 mg/g未満)。この症例に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["糖尿病の治療を行っても、腎機能の障害は改善しない。", "降圧目標は140/90 mmHgであり、本症例では達成されている。", "尿細管障害がアルブミン尿の原因である。", "タンパク尿のため、浮腫が出現している。", "レニン-アンギオテンシン系の活性を低下させることにより、腎障害の進行を抑制できる。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本症例では、空腹時血糖値(基準値: 70〜109 mg/dL)及びHbA1c(基準値: 4.3〜5.8%)が基準値をこえていることに加え、尿中アルブミン値(クレアチニン補正)が高値を示していることから、糖尿病性腎症に罹患していると推察される。1:誤\n本患者における腎機能の障害は、糖尿病によるものと考えられるため、糖尿病の治療を行うと、腎機能の障害は改善される可能性がある。2:誤\n糖尿病患者の降圧目標は、130/80 mmHgとされていることから、本症例では、降圧目標を達成できていない。3:誤\n糖尿病患者では、糸球体が障害されることによりアルブミン尿が誘発される。4:誤\n糖尿病患者においては、尿中にタンパク質が排泄され、血液中のタンパク質が減少することにより浮腫を起こすことがある。本患者において、尿中にタンパク質が排泄されているが、血清総タンパク(基準値: 6.5〜8.0 g/dL)及び血清アルブミン(基準値: 3.7〜4.9 g/dL)は、基準値範囲内にあることから、浮腫は出現していない。5:正\nレニン-アンギオテンシン系の活性を低下させることにより、腎の輸出細動脈の収縮による糸球体内圧の上昇を抑制することができるため、腎障害の進行を抑制することができる。"} +{"problem_id": "100186", "problem_text": "急性糸球体腎炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["IV型アレルギーにより発症する。", "B群溶血性連鎖球菌感染が、主な発症原因である。", "糸球体ろ過値の低下が見られる。", "血尿を認める。", "ループ利尿薬は禁忌である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n本疾患はIII型アレルギーによって発症する。本疾患の発症の機序を以下に示す。・主にA群\\beta 溶血性連鎖球菌などの上気道感染により免疫複合体が形成される\n・形成された免疫複合体が糸球体に沈着する\n*本疾患の原因となる免疫複合体の形成にはIII型アレルギーが関与している。2:誤\n解説1参照\n3:正\n本疾患では、腎機能の低下により糸球体ろ過値(糸球体ろ過量: GFR)の低下、血尿、タンパク尿、浮腫、高血圧などが見られる。4:正\n解説3参照\n5:誤\n本疾患では、タンパク尿による浮腫が見られるため、その症状を軽減するためにフロセミドなどのループ利尿薬が用いられることがある。"} +{"problem_id": "100187", "problem_text": "間質性肺炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["肺胞隔壁を主な病変部位とする炎症性疾患である。", "特発性と2次性に分類され、シアル化糖鎖抗原KL-6上昇は特発性に特徴的である。", "肺がんなどの放射線治療に合併することがある。", "関節リウマチでは、ほとんどの患者で合併する。", "特発性では、湿性咳が主な症状である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n間質性肺炎では、肺胞と肺胞の間を埋める組織である肺胞隔壁に炎症や線維化病変が認められる。2:誤\nシアル化糖鎖抗原KL-6とは、II型肺胞上皮細胞や呼吸器上皮細胞で産生される糖タンパク質のことである。特発性と2次性間質性肺炎、いずれの間質性肺炎でもシアル化糖鎖抗原KL-6は上昇する。・特発性間質性肺炎: 原因不明な間質性肺炎\n・2次性間質性肺炎: 原因(薬剤、放射線治療、膠原病など)が明確な間質性肺炎\n3:正\n解説2の「2次性間質性肺炎」参照\n4:誤\n関節リウマチ患者では、間質性肺炎を合併することがあるが、その頻度は約10〜30%程度である。5:誤\n特発性及び2次性間質性肺炎の主な症状として、発熱、乾性咳、息切れ・呼吸困難が現れる。"} +{"problem_id": "100188", "problem_text": "原発性甲状腺機能低下症の臨床所見はどれか。2つ選べ。", "choices": ["うつ状態", "体重減少", "血中甲状腺刺激ホルモン濃度低下", "血清総コレステロール値上昇", "動悸"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本疾患により甲状腺ホルモンの分���が低下すると、抑うつ、体重増加、血清コレステロール値の上昇、徐脈、血圧低下などの症状が現れる。2:誤\n解説1参照\n3:誤\n本疾患では、甲状腺ホルモン(トリヨードチロニン、チロキシン)の分泌が低下し、甲状腺刺激ホルモンの分泌を調節している脳下垂体前葉へのフィードバックが起こりにくくなり、甲状腺刺激ホルモンの分泌が上昇する。4:正\n解説1参照\n5:誤\n解説1参照"} +{"problem_id": "100189", "problem_text": "高尿酸血症及び痛風に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["高尿酸血症の病型としては、尿酸産生亢進型が多い。", "食事療法として、プリン体の摂取を制限する。", "痛風関節炎の極期には、コルヒチンが最も有効である。", "尿路結石の予防のため、尿のアルカリ化を行う。", "痛風発作時には、ただちに尿酸降下薬を用いる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n高尿酸血症の病型及びその頻度について以下に示す。・尿酸産生亢進型(約10%)\n・尿酸排泄低下型(約60%)\n・両方の混合型(約30%)\n2:正\n高尿酸血症の原因である尿酸は、プリン体が代謝されることにより産生されるため、高尿酸血症の患者では食事療法としてプリン体の摂取制限が行われる。3:誤\n痛風関節炎の極期(痛みが非常に強い時期)には、インドメタシン等の非ステロイド性抗炎症薬の短期大量投与を行う。なお、コルヒチンは、痛風発作時に起こる好中球の走化性因子に対する反応性を低下させ痛風発作を特異的に抑制するため、痛風発作の前兆期に使用する。4:正\n高尿酸血症患者では、尿中に排泄される尿酸により尿のpHが酸性側に傾き、尿路結石の形成が促進されるため、クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウムなどを投与することにより尿のアルカリ化を行う。5:誤\n痛風発作時に尿酸降下薬を用いると、血中尿酸値が急激に変化し、症状が悪化することがあるため、痛風発作時に尿酸下降薬は用いず、インドメタシン等の非ステロイド性抗炎症薬の投与を行う。"} +{"problem_id": "100190", "problem_text": "22歳女性。5日前、晴天の日に友人とハイキングに行った後、39〜40^{\\circ} Cの発熱と関節痛が出現した。2日前より顔面に蝶形紅斑を認めた。医師により全身性エリテマトーデスを強く疑われた。この疾患に特徴的な症状及び臨床検査所見はどれか。2つ選べ。", "choices": ["末梢血好中球数が増加する。", "関節の変形を示す。", "日光過敏症状を示す。", "抗dsDNA抗体が上昇する。", "抗内因子抗体が上昇する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "全身エリテマトーデス(SLE: systemic lupus erythematosus)は、自己抗体が産生されることにより全身の臓器に炎症を生じる自己免疫疾患である。1:誤\nSLEでは、赤血球、白血球、血小板の減少(汎血球減少)がみられるため、末梢血好中球数が減少する。2:誤\nSLEでは、関節の変形を伴わない多発性関節炎や関節痛がみられることがある。3:正\nSLEでは、日光過敏症状がみられることがある。4:正\nSLEでは、dsDNA(double stand DNA: 抗二本鎖DNA)抗体が上昇する。5:誤\nSLEでは、抗内因子抗体は上昇しない。なお、抗内因子抗体が上昇するのは、悪性貧血に罹患した場合である。"} +{"problem_id": "100191", "problem_text": "白内障とその治療に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["白内障は、眼球内の水晶体が混濁した状態をいう。", "後天性白内障の一因に、副腎皮質ステロイド薬の副作用がある。", "混濁した水晶体を、薬物療法で再び透明にすることは困難である。", "白内障の初期に、毛様体細胞の膨化が認められる。", "ピレノキシン点眼剤が、治療に用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n白内障とは、水晶体タンパク質の変性により水晶体が混濁する疾患のことである。2:正しい\n後天性白内障の原因として、加齢、糖尿病、副腎皮質ステロイド性薬の副作用などがあげられる。3:正しい\n白内障の薬物療法には、ピレノキシンやグルタチオンを含有した点眼薬が用いられる。白内障の薬物療法では、水晶体の混濁の進行を抑制することができるが、水晶体の透明度を回復させることはできない。4:誤っている\n白内障では、水晶体線維細胞の膨化が認められるが、毛様体細胞の膨化は認められない。5:正しい\n解説3参照"} +{"problem_id": "100192", "problem_text": "医薬品A〜Eに関して、投与群と対照群の間でイベントXの発症率を比較した論文を収集したところ、以下の情報が得られた。なお、対照群はいずれも同じ標準薬を用いていた。・Aは、Xの発症率を対照群の1/5に減少させた。・Bを投与した被験者1,000名におけるXの発症者数は、25名であった。・C投与群のX発症の相対危険度は、0.25であった。・D投与群のX発症のオッズ比は、7/39であった。・Eは、Xの発症率を10%低下させた。いずれの論文においても、対照群におけるXの発症率は12.5%であった。以上の結果から、Xの発症を抑制する効果が最も劣ると考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["A", "B", "C", "D", "E"], "text_only": false, "answer": ["解なし"], "comment": "\n「Xの発症率を対照群の1/5に減少させた」と記載されていることから、A投与群の発症率=(Xの発症率: 12.5%)\\times 1/5=2.5%\n\n「投与した被験者1,000名におけるXの発症者数は、25名であった」と記載されていることから\nB投与群の発症率=25/1000=2.5%\n\n「X発症の相対危険度は、0.25であった」と記載されていることから\nC投与群の発症率を以下のように求めることができる。\n「X発症のオッズ比は、7/39であった」と記載されていることから\nD投与群の発症率を以下のように求めることができる。D投与群のオッズ=7/39\\times 125/875=7/39\\times 1/7=1/39\nD投与群のオッズより、D投与群の発症率を以下のように求めることができる。D投与群の発症率=1/(1+39)=0.025=2.5%\n\n「Xの発症率を10%低下させた」と記載されていることから、以下の2つの考え方ができる。パターン1\nE投与群の発症率=12.5-10.0=2.5%\nパターン2\nE投与群の発症率=12.5\\times (1-0.1)=11.25%\nこれらのことから、E投与群の考え方で下記のように解答が異なるため、本問は、「解なし」となった。・パターン1の場合: C投与群の発症率が最も高くなる。・パターン2の場合: E投与群の発症率が最も高くなる。"} +{"problem_id": "100193", "problem_text": "試験期間12ヶ月の臨床試験に参加した5名の被験者の経過が、以下のようになった。1名が2ヶ月後に死亡 1名が4ヶ月後に追跡不能となり打ち切り 1名が6ヶ月後に追跡不能となり打ち切り 1名が8ヶ月後に死亡 1名が12ヶ月後の試験終了時まで生存 カプラン-マイヤー法を用いて表した生存曲線として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "試験期間12ヶ月の臨床試験に参加した5名の被験者の経過をもとにカプランマイヤー生存曲線を記載すると「選択肢2」のようになる。・1名が2ヶ月後に死亡: 被験者5名のうち、1名が死亡\n生存率=1\\times (1-1/5)=0.8\n・1名が4ヶ月後に追跡不能となり打ち切り: 生存率に変化なし\n・1名が6ヶ月後に追跡不能となり打ち切り: 生存率に変化なし\n・1名が8ヶ月後に死亡: 残った被験者2名のうち、1名が死亡\n生存率=0.8\\times (1-1/2)=0.4\n・1名が12ヶ月後の試験終了時まで生存: 残った被験者1名が12ヶ月生存: 生存率に変化なし"} +{"problem_id": "100194", "problem_text": "骨粗鬆症治療薬である新薬Aの評価を行うため文献を収集した。椎体骨折予防効果を既存薬Yと比較した無作為化二重盲検比較試験のデータが得られ、新薬Aによる予防効果が大きいことが示されていた(図)。この結果から得られる新薬Aの治療必要数(NNT)が25であるとき、図の(ア)に入る数値として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["5", "10", "15", "20", "25"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "治療必要数(NNT: number needed to treat)は、「治療効果を一例観察するためにその治療を何人に行えばよいか」を表す指標であり、絶対危険度減少率の逆数で示される。なお、絶対危険度減少率は以下の式で表される。・絶対危険度減少率=対照群の疾患発生率-治療群の疾患発生率\n・絶対危険度減少率=治療群の有効率-対照群の有効率\n上記より、(ア)に入る数値を以下のように求めることができる。問題文より「新薬Aの治療必要数(NNT)が25」、問題の図より「対照群の疾病発症率: 30/500」、「治療群の疾病発症率: (ア)/500」であることから、(ア)を以下のように求めることができる。治療必要数=1/絶対危険度減少率=1/(30/500-(ア)/500)=25\n(ア)=10"} +{"problem_id": "100195", "problem_text": "20名の被験者において、CYP2D6の遺伝子型を解析したところ、以下の結果が得られた。この被験者集団におけるCYP2D6遺伝子の*10アレルの頻度として、正しいのはどれか。1つ選べ。なお、アレルの頻度とは、ある集団で、該当する遺伝子配座においてそのアレルが占める割合のことをいう。", "choices": ["15%", "40%", "50%", "60%", "65%"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "アレルとは、相同の遺伝的配位にあって、異なる遺伝情報を有する遺伝子のことであり、対立遺伝子ともよばれる。設問の表より、この実験の結果を以下のように読み取ることができる。・実験に用いられたCYP2D6の遺伝子の数: 2\\times 20=40個\n・*1/*10の遺伝子型由来の*10の数: *1/*10\\times 9人=9個\n・*10/*10の遺伝子型由来の*10の数: *10/*10\\times 3人=6個\n・*5/*10の遺伝子型由来の*10の数: *5/*10\\times 1人=1個\n上記の実験結果より、CYP2D6の遺伝子40個のうち、*10は16個であることから、CYP2D6遺伝子の*10アレルの頻度を以下のように求めることができる。CYP2D6遺伝子の*10アレルの頻度=16/40=0.4=40%"} +{"problem_id": "100196", "problem_text": "慢性動脈閉塞症(バージャー病)の65歳男性。安静時にも疼痛を訴えるため、医師からプロスタグランジンE_{1}(アルプロスタジル)注射剤を投与したいと、朝のカンファレンスにおいて提案があった。プロスタグランジンE_{1}製剤として、\\alpha -シクロデキストリンを含む注射用アルプロスタジルアルファデクスと、リポ化製剤のアルプロスタジル注射液が院内で採用されている。医師は、2つの製剤に関する情報提供を薬剤師に求めた。注射用アルプロスタジルアルファデクスは、\\alpha -シクロデキストリン及び乳糖水和物を含む用時溶解型の凍結乾燥製剤である。提供する情報として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["溶解液には、生理食塩液を用いる。", "溶解後1時間経過したものは、廃棄する。", "静脈及び動脈内に持続的な投与が可能である。", "本剤による治療は、対症療法に位置づけられる。", "出血している患者には投与しない。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n本剤の溶解液には、生理食塩液を用いる。2:誤っている\n本剤を溶解した溶液は、1時間経過してもほとんど分解しないため、溶解後1時間経過したものも廃棄する必要はない。なお、本剤を溶解した溶液中では、菌が繁殖することがあるため、溶解後はなるべく速やかに使用することが望ましい。3:正しい\n本剤は点滴静注及び動脈内に持続的に注射することが可能である。4:正しい\n本剤による治療は原因療法ではなく、対症療法である。5:正しい\n本剤は出血を助長するおそれがあるため、出血している患者には投与禁忌とされている。"} +{"problem_id": "100197", "problem_text": "アルプロスタジル注射液10 \\micro gは、以下の組成のリポ製剤である。アルプロスタジル:::10 \\micro g精製ダイズ油:::::200 mg高度精製卵黄レシチン:36 mgオレイン酸::::::4.8 mg濃グリセリン:::: 44.2 mgpH調整剤薬剤師が、医師に対して提供するアルプロスタジル注射液の情報として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["透明な溶液である。", "凍結して保存する。", "5%ブドウ糖注射液に混和して、点滴静注することができる。", "ポリ塩化ビニル製の輸液セットを用いる必要がある。", "病変部位に集積する性質をもつ。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n本剤は、白色の乳濁液である。"} +{"problem_id": "100198", "problem_text": "注射用アルプロスタジルアルファデクス中の\\alpha -シクロデキストリンは、プロスタグランジンE_{1}をモル比1:1で包接する。注射用アルプロスタジルアルファデクス(20 \\micro g)を25^{\\circ} C、1 mL注射用水に溶解した。この時、65%のプロスタグランジンE_{1}が\\alpha -シクロデキストリンから解離していた。プロスタグランジンE_{1}の\\alpha -シクロデキストリンへの包接化の平衡定数(L・mol^{-1})として最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、この注射用粉末にはプロスタグランジンが56.4 nmol、\\alpha -シクロデキストリンが685 nmol含まれるとする。", "choices": ["8.1\\times 10^{2}", "9.0\\times 10^{2}", "9.0\\times 10^{3}", "8.1\\times 10^{4}", "9.0\\times 10^{5}"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "問題文に「\\alpha -シクロデキストリンは、プロスタグランジンE_{1}をモル比1:1で包接する」とあることから、プロスタグランジンE_{1}の\\alpha -シクロデキストリンへの包接化の平衡定数K(L・mol^{-1})を次のように表すことができる。問題文に「この注射用粉末にはプロスタグランジンが56.4 nmol、\\alpha -シクロデキストリンが685 nmol含まれる」、「65%のプロスタグランジンE_{1}が\\alpha -シクロデキストリンから解離していた」、「1 mL注射用水に溶解した」とあることから、平衡状態におけるそれぞれの濃度を以下のように求めることができる。[遊離型プロスタグランジンE_{1}]\n56.4\\times 0.65\\fallingdotseq 36.7 nmol/mL=36.7\\times 10^{-6} mol/L\n[包接化合物]\n56.4\\times 0.35\\fallingdotseq 19.7 nmol/mL=19.7\\times 10^{-6} mol/L\n[遊離型\\alpha -シクロデキストリン]\n685-19.7=665.3 nmol/mL=665.3\\times 10^{-6} mol/L\nこれらのことから、Kは以下のように求めることができる。"} +{"problem_id": "100199", "problem_text": "リポ化製剤であるアルプロスタジル注射液は、ダイズ油を分散体の主成分とする油滴分散体である。この分散体を球体としたとき、分散体の内圧は、外圧に対してどの程度高いのか。最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、以下に示すヤング・ラプラスの式が成り立つとし、油滴分散体の直径は、約120 nm、分散体の主成分であるダイズ油の注射液界面に対する界面ギブズエネルギーは、25 mJ/m^{2}とする。ただし、分散体中の界面活性剤の影響はないものとする。\\Delta P:液滴内外の圧力差\n\\gamma: 界面張力\nr:液滴の半径", "choices": ["8.3\\times 10^{4}Pa", "1.7\\times 10^{5}Pa", "4.2\\times 10^{5}Pa", "8.3\\times 10^{5}Pa", "1.7\\times 10^{6}Pa"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "<油滴分散体の半径を求める>\n問題文に「油滴分散体の直径は、約120 nm」とあることから、液滴の半径rは60 nm(60\\times 10^{-9} m)となる。<界面張力を求める>\n問題文に「界面ギブズエネルギーは、25 mJ/m^{2}」とあることから、界面張力\\gamma は25 mJ/m^{2}(25\\times 10-3 J/m^{2}=25\\times 10^{-3} N・m/m^{2}=25\\times 10^{-3} N/m)となる。問題文のヤング・ラプラスの式より、液滴内外の圧力差(\\Delta P)を以下のように求めることができる。"} +{"problem_id": "100200", "problem_text": "医師から組換え医薬品に関する情報を求められた。そこで、薬剤師が組換え医薬品について情報収集を行った。組換え医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["キメラ型の抗体医薬品は、ヒト由来の可変領域とマウス由来の定常領域を有する。", "組換え型ワクチン(ウイルス様粒子ワクチン)は、生ワクチンと比較してワクチンに由来する感染症への感染リスクが低い。", "組換え医薬品には、ステロイドホルモン、血液凝固因子、血小板活性化因子、サイトカイン、モノクローナル抗体などがある", "がん治療に用いられる抗体医薬品の標的には、細胞表面抗原や増殖因子、血管新生に関わる分子などがある。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nキメラ型の抗体医薬品は、マウス由来の可変領域とヒト由来の定常領域を有する。2:正\n組換え型ワクチンは、遺伝子組換え技術を用いて作成したウイルス様粒子であり、抗原性を示すが、病原性を有しない。それに対し、生ワクチンは病原性減じた病原体を用いたもので、抗原性及び病原性を有する。よって、組換え型ワクチン(ウイルス様粒子ワクチン)は、生ワクチンと比較してワクチンに由来する感染症への感染リスクが低い。3:誤\n組換え医薬品には、血液凝固因子、サイトカイン、モノクローナル抗体などがあるが、ステロイドホルモンや血小板活性化因子(PAF)などはない。4:正\nがん治療に用いられる代表的な抗体医薬品にはリツキシマブ、トラスツズマブ、ベバシズマブがある。リツキシマブは細胞表面抗原であるCD20、トラスツズマブは増殖因子であるHER2、ベバシズマブは血管新生に関わる分子VEGFを標的として抗悪性腫瘍作用を示す。"} +{"problem_id": "100201", "problem_text": "組換え医薬品に分類される抗体医薬品は凍結乾燥品であることが多い。組換え医薬品の凍結乾燥に関する記述の①、②の組合せとして適切なのはどれか。1つ選べ。水に溶けている試料の凍結乾燥品を調製する場合、水の変化を表す主たる現象は(:①:)である。また(:①:)の現象の��移エンタルピーは、(:②:)のプロットの傾きから求められる。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "①\n試料の凍結乾燥品を得るためには、試料水溶液を凍結させた後、減圧を行い、水を昇華させる必要がある。よって、①に当てはまる語句は「昇華」である。"} +{"problem_id": "100202", "problem_text": "43歳男性、体重53kg。呼吸器内科に通院中、肺炎を繰り返すようになり、気管支アスペルギルス症と診断され、入院となった。入院時の持参薬は以下のとおりであり、入院中も継続して服用した。注射用ボリコナゾールを初日に600 mg、2日目以降は400 mgを1日2回に分けて点滴静注し、投与開始4日目と8日目に血中濃度を測定した。その後、点滴静注からボリコナゾール錠200 mgを1回1錠(1日2錠)1日2回の内用剤に切り換えることになった。病棟の薬剤師が行うこととして、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ボリコナゾール錠は、現在服用中の他の薬剤と一緒に食後に服用するよう患者に指導した。", "ボリコナゾールを、内用剤に切り換えた後、必要に応じて血中濃度を測定するよう医師に提案した。", "肝機能検査値の変化に注意するようカルテに記載した。", "咳がおさまったので、持参薬のうちコデインリン酸塩散の中止を医師に提案した。", "ボリコナゾール錠を服用し忘れたときは、次回にまとめて2錠を服用しないよう患者に指導した。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:不適切\nボリコナゾール錠を食後に服用すると吸収性の低下、吸収の遅延が認められることから、食後に服用せず、食間に服用する。2:適切\nボリコナゾールは血中薬物モニタリング(TDM)対象薬剤である。ボリコナゾールの注射剤から内用剤に切り替える際、血中濃度の変動が認められることがあるため、必要に応じて血中濃度測定を行う必要がある。3:適切\nボリコナゾール錠は重大な副作用として肝障害を起こすことがあるため、投与にあたっては、観察を十分に行い、必要に応じて肝機能検査を定期的(月に1〜2回)行うこととされている。4:適切\nコデインリン酸塩散1%は鎮咳目的で処方されているため、咳がおさまっている場合には、医師にコデインリン酸塩散1%を中止するように提案する。5:適切\nボリコナゾール錠を服用し忘れたときは、次回服用時に1回分を服用するように説明する必要がある。"} +{"problem_id": "100203", "problem_text": "血漿中ボリコナゾール濃度の定量に際し、下記の除タンパク操作を行った。「:::」に入る最も適切な試薬はどれか1つ選べ。「血漿試料に内標準物質、「:::」、および酢酸エチルを加えて振とう・混和し、遠心分離を行って上層の有機層を回収する。溶媒を留去し、液体クロマトグラフィー用移動相に溶解して液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)で分析する」", "choices": ["希塩酸", "エタノール", "エチレンジアミン四酢酸(EDTA)水溶液", "過酸化水素水", "飽和炭酸水素ナトリウム水溶液"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "本実験では、血漿試料に酢酸エチルを加えて振とう・混和し、遠心分離を行って上層の有機層を回収した後、ボリコナゾールの分析を行っていることから、溶媒抽出法により、ボリコナゾールを抽出していると考えられる。ボリコナゾールは塩基性薬物であるため、溶媒抽出法により有機層にボリコナゾールを効率よく抽出するためには、「飽和炭酸水素ナトリウム」を添加し、血漿をアルカリ性にする必要がある。"} +{"problem_id": "100204", "problem_text": "悪性リンパ腫の患者に対し、注射用シクロホスファミド水和物950 mgを500 mLの生理食塩液に溶解し、90分間かけて点滴静注することとなった。調製を担当する薬剤師が注意することとして、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ガウン、手袋(二重)、マスク、キャップなどで皮膚を覆った状態で、安全キャビネット内で調製する。", "バイアルに生理食塩液を加えるときは、予めシリンジで相当する空気を送り込んでバイアル内を陽圧状態にしておく。", "溶解操作を行ったときには、必ず目視で完全に溶解したことを確認する。", "シリンジは、注射針が外れるのを防ぐため、ルアーロック式が望ましい。", "調製によって生じたゴミは、チャック付のビニール袋等に入れ���。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:適切\n抗悪性腫瘍薬(シクロホスファミドなど)を混合調製の際には、ガウン、手袋(二重)、マスク、キャップなどで皮膚を覆った状態で、安全キャビネット内で調製する。2:不適切\nバイアルに生理食塩液を加えるときに、抜針時の薬液飛散を防止する目的で、予めシリンジで相当する空気を抜いてバイアル内を陰圧状態にしておく必要がある。3:適切\nシクロホスファミドの溶解操作を行ったときには、必ず目視で完全に溶解したことを確認する。4:適切\n抗悪性腫瘍薬混合調製時には、注射針が外れるのを防ぐため、ルアーロック式のシリンジを用いることが望ましい。5:適切\n抗悪性腫瘍薬調製によって生じたゴミは、チャック付きのビニール袋等に入れてから廃棄する。"} +{"problem_id": "100205", "problem_text": "調製作業後、安全キャビネット周辺のシクロホスファミドの飛散状況を液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)を用いて確認することになった。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。調製作業後、安全キャビネット周辺のシクロホスファミドの飛散状況を液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)を用いて確認することになった。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["本薬物は難揮発性物質であるので、トリメチルシリル(TMS)化などの誘導体化が必要である。", "本薬物は、大気圧イオン化法であるエレクトロスプレーイオン化(ESI)法によりイオン化される。", "塩素の安定同位体は、整数原子量が35と37のものがほぼ3: 1で存在するため、本薬物の分子イオンピークをMとすると、質量数がM、M+2、M+4の3本のピークは、強度比約1: 2: 1で観測される。", "本薬物の定量に重水素標識体を内標準物質として用いる際には、その放射性があるため、使用場所が制限される。", "本薬物のような低分子の測定では、タンデム型質量分析計を用い、プリカーサーイオン(前駆イオン)とそこから生成するプロダクトイオンを選択することで、薬物に対する選択性が向上する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nシクロホスファミドは揮発性物質である。なお、液体クロマトグラフィー(LC)を用いて、薬物を検出する場合、試料の揮発性を上昇させるトリメチルシリル(TMS)化は不要である。なお、トリメチルシリル化は、ガスクロマトグラフィーを行う際、薬物の揮発性を上昇させる目的で行われることがある。"} +{"problem_id": "100206", "problem_text": "43歳男性。胃潰瘍の治療のため、オメプラゾール腸溶錠20 mgを1日1回投与されることになった。オメプラゾール腸溶錠を適切に使用するための情報として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["逆流性食道炎の治療にも用いられる。", "小腸の管腔内で活性体に変化する。", "通常、胃潰瘍の治療では、最長8週間まで投薬できる。", "CYP2D6の活性が低い場合は、オメプラゾールの血中濃度が上昇しやすい。", "併用すると、アタザナビル硫酸塩の吸収率が高まる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n本剤はプロトンポンプ阻害薬であり、胃潰瘍に加え、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎の治療にも用いられる。2:誤本剤は、胃壁細胞の酸性領域に集約し活性体となり、H^{+},K^{+}-ATPaseを不可逆的に阻害することにより胃酸分泌を抑制する。3:正\n本剤は、胃潰瘍及び逆流性食道炎に対し、最長8週間まで投与することが可能であり、また、十二指腸潰瘍に対し、最長6週間まで投与することが可能である。4:誤\n本剤は、主にCYP2C19によって代謝されるため、CYP2D6の活性が低い場合でも、血中濃度はほとんど変化しない。なお、本剤をCYP2C19の活性が低い患者に投与すると血中濃度が上昇することがある。5:誤\n本剤投与により胃内pHが上昇すると、アタザナビル硫酸塩の溶解性が低下し、吸収率が低くなることがある。よって、本剤とアタザナビル硫酸塩は併用禁忌である。"} +{"problem_id": "100207", "problem_text": "オメプラゾールの構造及びその生体内での変化に関して誤っている記述はどれか。1つ選べ。", "choices": ["オメプラゾールはイオウ原子上に不斉中心を持つ。", "Aはオメプラゾールの分子内置換反応によって生成する。", "BからCへの変換によって生成する分子Eは水である。", "Cは酵素Fのシステイン残基と反応してDになる。", "オメプラゾールは酵素Fを不可逆的に阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\nオメプラゾールの構造中に含まれるスルフィニル基(S=O)のは不斉中心となる(下図参照)。スルフィニル基には、ローンペアも併せて4つの異なる原子および原子団が結合しているため、不斉中心となる。2:誤っている\nオメプラゾールと構造Aを比較すると、下図の赤点線で囲んだ二重結合が単結合となり、水素が付加していることから、構造Aはオメプラゾールの分子内付加反応により生成すると考えられる。3:正しい\n構造Bと構造Cを比較すると、下図の青点線で囲んだHとOHが脱離して構造Cが生成していることより、構造Bから構造Cへの変換によって生成する分子は水であると考えられる。4:正しい構造Cは酵素F(H^{+},K^{+}-ATPase)のシステイン残基の-SH基と反応して構造Dとなる。5:正しいオメプラゾールは活性体(構造C)に変化した後、酵素F(H^{+},K^{+}-ATPase)とジスルフィド結合することにより酵素F(H^{+},K^{+}-ATPase)を不可逆的に阻害する。"} +{"problem_id": "100208", "problem_text": "53歳男性。2型糖尿病のため、以前よりグリベンクラミド錠2.5 mg 1錠とピオグリタゾン塩酸塩錠15 mg 1錠を1日1回服用していた。春の定期健康診断で、胃がんが見つかり、手術の適応となった。手術時には、経口薬が使えないため、以下の処方に切り替えることとなった。(処方) カリウム含有維持輸液製剤:500 mL 20%:グルコース:40 mL 超速効型:インスリン:15単位 よく混和し50 mL/時間で滴下し1時間ごとに血糖値をチェックすること 上記の処方により、手術時及び術後に血糖値のコントロールが必要な理由として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["感染症のリスクが高くなる。", "アルカローシスになりやすい。", "高浸透圧性昏睡を生じる可能性がある。", "手術侵襲により高血糖を起こしやすい。", "創傷治癒の遅延が生じやすい。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "血糖コントロールが不良な状態(高血糖の状態)では、以下のようなことが起こることがある。・免疫力の低下により感染症のリスクが高くなる。・糖尿病性ケトアシドーシスを誘発することがある。・血漿浸透圧が上昇し、高浸透圧性昏睡を生じる可能性がある。・手術侵襲によりカテコールアミン、ステロイドホルモン等が分泌され、高血糖が悪化する。・創傷治癒の遅延が生じる。"} +{"problem_id": "100209", "problem_text": "次の化学構造で表されるヒトインスリンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["A鎖のC末端のアミノ酸はグリシンである。", "ヒトインスリンのアミノ酸の一部を置換した超速効型インスリンは、二量体を形成しにくい。", "3つのジスルフィド結合はすべて、2本のペプチド鎖を互いに結合させている。", "ジスルフィド結合は、システイン残基の酸化反応によって形成される。", "インスリンは肝臓でA鎖とB鎖に開裂し、活性を発現する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nA鎖の構造式の右側であるC末端のアミノ酸はアスパラギンである。なお、A鎖の構造式の左側であるN末端のアミノ酸はグリシンである。"} +{"problem_id": "100210", "problem_text": "74歳女性。大腸がんを原発とし転移性肺がんとなった。病棟薬剤師1名が常駐する緩和ケア病棟に入院となり、下記の薬剤が処方された。服用3日後、この患者は亡くなり、病棟から上記の薬剤が担当薬剤師に返却となった。担当薬剤師の麻薬の廃棄への対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["返却された麻薬は、麻薬帳簿または廃棄簿に返却数を記載した。", "担当薬剤師は返却された麻薬を回収が困難な方法で、1人で廃棄した。", "調剤済みの麻薬であったので、廃棄後、廃棄届を提出しなかった。", "廃棄後、麻薬帳簿または廃棄簿に廃棄したことを記載した。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n患者に交付された麻薬が返却された場合、麻薬帳簿または廃棄簿に必要事項(返却日、品名、返却数など)を記載する必要がある。2:誤\n患者より返却された調剤済みの麻薬を廃棄する場合、麻薬管理者(麻薬管理者がいない麻薬診療施設においては麻薬施用者)が他の職員立ち会いのもと回収が困難な方法で廃棄し、30日以内に「調剤済麻薬廃棄届」を都道府県知事に提出する必要がある。3:誤\n解説2参照\n4:正\n患者より返却された調剤済みの麻薬を廃棄した後、麻薬帳簿または廃棄簿に廃棄したことを記載する必要がある。"} +{"problem_id": "100211", "problem_text": "モルヒネの構造をもとに開発された鎮痛薬はどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["解なし"], "comment": "選択肢の構造(作用)については、1:\nデキストロメトルファン(鎮咳作用)、2:\nペンタゾシン(鎮痛作用)、3:\nロベリン(呼吸興奮作用)、4:\nロルメタゼパム(催眠作用)、5:\nペチジン(鎮痛作用)となっており、モルヒネの構造をもとに開発された鎮痛薬は、選択肢2の「ペンタゾシン」である。【解なしの理由】\n選択肢5のペチジンの開発の経緯については、抗コリン薬の探索中に偶然発見されたものであることから、モルヒネをもとに開発された鎮痛薬とはいえない。このことから本問は「解なし」となった。"} +{"problem_id": "100212", "problem_text": "80歳女性。2年前に軽度アルツハイマー型認知症と診断され、現在ドネペジル塩酸塩錠5 mgを服用している。改訂長谷川式簡易知能評価スケールを用いて評価した結果、ここ1年で軽度から中等度に悪化した。そこで、カンファレンスで治療方針について話し合うことになった。薬剤師からの提案事項として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ガランタミン臭化水素酸塩錠を併用する。", "ビペリデン塩酸塩錠を併用する。", "ガランタミン臭化水素酸塩錠に変更する。", "メマンチン塩酸塩錠に変更する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "アルツハイマー型認知症治療には、中枢性コリンエステラーゼ阻害薬(中枢性ChEI: ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)やNMDA型グルタミン酸受容体拮抗薬(メマンチン)などが用いられている。アルツハイマー型認知症治療薬の選択について以下に示す。・軽度\n中枢性ChEIのうち、いずれかを1剤選択して投与する。効果が認められないか、不十分な場合、他の中枢性ChEIへの変更を考慮する。・中等度\n中枢性ChEIもしくはメマンチンのいずれかを投与する。効果が認められないか、不十分な場合、他の中枢性ChEIに変更又は、中枢性ChEIとメマンチンの併用を考慮する。・重度\nドネペジル又はメマンチンを用いる。ドネペジルの用量を増量(5 mg/日\\rightarrow 10 mg/日)するか、ドネペジルとメマンチンを併用する。注意: 治療薬を選択する際、中枢性ChEIを併用することはない。本症例では、アルツハイマーの症状が軽度から中等度に悪化していることから、ドネペジル塩酸塩をガランタミン臭化水素酸塩に変更するか、メマンチン塩酸塩に変更することが適切である。"} +{"problem_id": "100213", "problem_text": "以下の各医薬品と、それらが作用する酵素あるいは受容体に対する内在性の基質あるいはリガンドの組合せとして正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n基質又はリガンド: グリシンの構造\nドネペジル塩酸塩により阻害されるコリンエステラーゼの基質は、アセチルコリンである。2:誤\n基質又はリガンド: \\gamma -アミノ酪酸(GABA)\nビペリデン塩酸塩により遮断されるムスカリン性アセチルコリン受容体のリガンドは、アセチルコリンである。3:正\n基質又はリガンド: グルタミン酸\nメマンチン塩酸塩により遮断されるグルタミン酸NMDA受容体のリガンドは、グルタミン酸である。4:正\n基質又はリガンド: アセチルコリン\nガランタミン臭化水素酸塩により阻害されるコリンエステラーゼの基質は、アセチルコリンである。"} +{"problem_id": "100214", "problem_text": "36歳女性。常に下腹部が張っていて、排便回数は3〜4日に一度であり、排便後もすっきりしない。最近は顔に吹き出物ができ、なかなか治らないため来局した。薬剤師と相談し、大黄甘草湯を購入することとなった。この際、薬剤師が確認、指導する内容として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["他の下剤の使用の有無を確認した。", "妊娠していないかを確認した。", "薬だけに頼らず、適度な運動を心掛けるよう指導した。", "症状が良くならなくても、少なくとも2週間は服用するよう指導した。", "脱力感や筋肉痛が現れ、徐々に強くなるようなら服用をやめ、申し出るよう指導した。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "顧客が購入した漢方薬である大黄甘草湯(構成生薬: ダイオウ、カンゾウ)は、便秘薬として用いられる。1:適切\n大黄甘草湯は緩下作用を有するため、販売するにあたり同じような薬効を有する薬物を使用していないか確認する必要がある。2:適切\n大黄甘草湯に含まれているダイオウは、子宮収縮作用及び骨盤内臓器の充血作用を有するため、妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。3:適切\n適度な運動を行うことで、大腸の動きが活発になり便秘症を改善することができるため、適度な運動を行うように指導することは適切である。4:不適切\n大黄甘草湯を使用しても症状の改善が認められない場合には、継続投与を避け受診するように説明する必要がある。5:適切\n大黄甘草湯に含まれているカンゾウは、副作用として、偽アルドステロン症やミオパチーを引き起こすことがある。そのため、本剤服用中に脱力感や筋肉痛が現れた場合には、服用を中止するなど適切な処置を行う必要がある。"} +{"problem_id": "100215", "problem_text": "大黄甘草湯に含有されるセンノシドA及びその誘導体に関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["センノシドAは、トリテルペンの一種である。", "化合物A〜Cは腸内細菌が産生する酵素によって生成される。", "炭素aの絶対配置はSである。", "化合物Cは、化合物Bの酸化的開裂によって生じる。", "大黄甘草湯が示す瀉下作用の活性本体は化合物Cである。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nセンノシドAは、アントロンが2分子からなるビアンスロン配糖体の一種である。2:正\nセンノシドAにヒト腸内細菌\\beta -グルコシダーゼが働き、化合物A、化合物Bが生じ、さらにヒト腸内細菌が産生する還元酵素が働き化合物Cを生じる。・化合物B: セニジンA\n・化合物C: レインアンスロン\n3:誤\n下図より、H(優先順位4)を奥にして、優先順位の順番が右回りであることから、炭素aの絶対配置はRである。4:誤\n化合物Cは、化合物Bにヒト腸内細菌が産生する還元酵素が働き還元されることにより生じる。5:正"} +{"problem_id": "100216", "problem_text": "20歳女性。体重40 kg。劇症肝炎のため、兄を臓器提供者とした生体部分肝移植を受けた。タクロリムス水和物カプセル1 mg 1回2カプセル(1日4日カプセル)1日2回:朝夕食後投与にて維持療法を行っていたが、下記の処方が追加になった。本患者の薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["悪性腫瘍の発生に注意する。", "高血糖症状の副作用発現に注意する。", "免疫低下による感染の防止のため、乾燥弱毒生風しんワクチンを摂取する。", "ミコフェノール酸モフェチルは、タクロリムス水和物の副作用を軽減する目的で使用する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nタクロリムス水和物及びミコフェノール酸モフェチルは免疫抑制作用を有するため、両剤を併用すると、過度の免疫抑制により悪性リンパ腫及び他の悪性腫瘍が発生する可能性がある。2:正\nタクロリムス水和物は重大な副作用として高血糖が起こすことがある。3:誤\n免疫抑制薬(タクロリムス水和物、ミコフェノール酸モフェチルなど)と乾燥弱毒生風しんワクチン(生ワクチン)を併用すると、風しんを発症する可能性が増加するため、免疫抑制薬と乾燥弱毒生風しんワクチンは併用禁忌である。4:誤\nミコフェノール酸モフェチルは、本患者の肝移植後の拒絶反応を抑制する目的で用いられている。"} +{"problem_id": "100217", "problem_text": "移植臓器に対する拒絶反応及びその制御に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["臓器提供者(ドナー)と受容者(レシピエント)が親子であれば、一般に拒絶反応は起こらない。", "ドナーとレシピエントのヒト白血球抗原(HLA)の不適合は、拒絶反応の要因となる。", "移植された臓器が、レシピエントの免疫反応により傷害される反応を移植片対宿主反応(graft-versus-host reaction, GVHR)という。", "移植後、数日から数週間で起こる急性拒絶反応に、T細胞は��与しない。", "タクロリムスは、細胞内の特定のタンパク質と複合体を形成し、転写因子の活性化に関わるホスファターゼを阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n移植臓器に対する拒絶反応は、ヒトの白血球抗原(HLA)の不一致が原因となる。親子間でも、HLAが適合することがほとんどないため、拒絶反応が起こる可能性が高い。"} +{"problem_id": "100218", "problem_text": "77歳男性。163 cm、65.0 kg、body mass index (BMI) 24.5。現在、糖尿病治療のため、下記の薬剤を服用している。これまで、HbA1c(国際標準値)は7.0%前後で推移していたが、最近になり9.0%まで上昇したため、以下の処方が追加された。上記の追加処方に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["低血糖のリスクは、特にスルホニルウレア剤との併用により増加するおそれがある。", "併用により低血糖が起こった場合には、砂糖を摂取するように患者に伝える。", "ボグリボースとの併用は禁忌なので、疑義照会が必要である。", "飲み忘れを防止するために、食後服用への変更も可能である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nアログリプチンは、DPP-4(ジペプチジルペプチターゼ-4)阻害薬であり、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)、GIP(グルコース依存性インスリン分泌促進ペプチド)の不活化を遅延させることによりグルコース依存的にインスリン分泌を促進する。アログリプチン安息香酸塩錠単剤では、低血糖を起こしにくいが、スルホニルウレア(SU)剤やインスリン製剤等の糖尿病治療薬と併用すると、低血糖のリスクが増加するおそれがある。2:誤\n本患者は、\\alpha -グルコシダーゼ阻害薬であるボクリボース錠を服用していることから、低血糖が起こった場合には、ブドウ糖を摂取する必要がある。3:誤\nアログリプチン安息香酸塩錠とボクリボース錠を併用すると、低血糖を発現するおそれがあるため、両薬剤は併用注意とされている。4:正\nアログリプチン安息香酸塩錠は、通常、成人では、1日1回服用することとなっているため、飲み忘れを防止するために、食後服用への変更も可能である。"} +{"problem_id": "100219", "problem_text": "糖尿病では血糖値の異常が起こる。グルコース代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血糖値は、筋肉から血中へグルコースが放出されることにより、維持される。", "インスリンは、血液から筋肉へのグルコースの取り込みを促進させ、血糖値を低下させる。", "筋肉中で嫌気的代謝により生成した乳酸は、肝臓に運ばれてグルコースに変換される。", "飢餓時には、肝臓でタンパク質が分解され、生成したアラニンが筋肉へ運ばれてグルコースに変換される。", "筋肉でのグリコーゲンの合成と分解は、肝臓とは異なり、同一の酵素によって触媒される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n血糖値は、肝臓や腎臓から血中へグルコースが放出されることにより、維持される。なお、筋肉ではグルコース6-ホスファターゼの活性が低いため、グリコーゲンより生じたグルコース6-リン酸からグルコースを生成することはできない。"} +{"problem_id": "100220", "problem_text": "55歳男性。現在、統合失調症の治療のためピモジド製剤を服用中で、コントロール良好である。健康診断(人間ドッグ)にて混合型脂質異常症及び萎縮性胃炎との診断を受けた。ピロリ菌(Helicobacter pylori)感染の疑いがあり精査したところ陽性であった。そこで、脂質異常症の治療及びピロリ菌の除菌をすることになり、以下の処方せんを持って薬局を訪れた。この処方せんを受け取った薬剤師が、疑義照会すべき内容はどれか。2つ選べ。", "choices": ["プラバスタチンNa錠の用法", "イコサペント酸エチルカプセルの用法", "ランソプラゾールカプセルとイコサペント酸エチルカプセルの相互作用", "アモキシシリンカプセルとプラバスタチンNa錠の相互作用", "クラリスロマイシン錠とピモジド製剤の相互作用"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "本処方のうち、疑義照会すべき内容を以下に示す。・イコサペント酸エチルカプセルは、通常、食直後に服用する。本処方では、イコサペント酸エチルの用法が食前となっているため、食直後に変更するように疑義照会する必要がある。・クラリスロマイシンは、CYP3A4阻害作用を有するため、ピモジド製剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。このことから、両薬剤は併用禁忌である。本患者は、ピモジド製剤を服用中であるため、クラリスロマイシン錠を投与することができないことについて、疑義照会する必要がある。"} +{"problem_id": "100221", "problem_text": "ピロリ菌は、菌に特徴的な代謝反応を利用して胃内で生存することができる。この反応は、菌による感染の診断法として用いられている。この代謝反応はどれか。1つ選べ。", "choices": ["L-グルタミンからL-グルタミン酸とアンモニアを生成する反応", "ホスホエノールピルビン酸とADPからピルビン酸とATPを生成する反応", "尿素からアンモニアと二酸化炭素を生成する反応", "L-アルギニンから尿素とL-オルニチンを生成する反応", "アセチルCoAとオキザロ酢酸から補酵素A(CoA)とクエン酸を生成する反応"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ピロリ菌は、尿素を二酸化炭素とアンモニアに変換し、胃酸を中和することにより胃内でも生存することができる。この反応で生成する二酸化炭素を測定することにより、ピロリ菌の感染の有無を診断することができる。"} +{"problem_id": "100222", "problem_text": "46歳男性。体重90 kg。足の親指が痛みだしたので、近医を受診したところ、痛風と診断されフェブキソスタット製剤が処方された。フェブキソスタットの作用点としての生体内代謝反応はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nウラシルにジヒドロウラシルデヒドロゲナーゼが働き、ジヒドロウラシルが生成する還元反応である。2:誤\nヒスチジンにヒスチジンデカルボキシラーゼが働き、ヒスタミンが生成する脱炭酸反応である。3:正\nキサンチンにキサンチンオキシダーゼが働き、尿酸が生成する酸化反応である。フェブキソスタットは、本反応を触媒するキサンチンオキシダーゼを選択的に阻害する。4:誤\nチロシンにチロシン3-モノオキシゲナーゼが働き、ドパが生成する水酸化反応である。5:誤\nアデノシンにアデノシンデアミナーゼが働き、イノシンが生成する脱アミノ化反応である。"} +{"problem_id": "100223", "problem_text": "今回の処方薬との相互作用が問題となるものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アザチオプリン", "テプレノン", "イミプラミン塩酸塩", "タムスロシン塩酸塩", "ジゴキシン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "フェブキソスタット製剤と相互作用が問題となるのは、アザチオプリンである。フェブキソスタットとアザチオプリンを併用すると、フェブキソスタットがアザチオプリンの代謝物であるメルカプトプリンの代謝酵素(キサンチンオキシダーゼ)を阻害することにより、メルカプトプリンの血中濃度が上昇し、骨髄抑制等の副作用を増強する可能性がある。"} +{"problem_id": "100224", "problem_text": "性ホルモンは、互いに類似の構造を有するステロイドホルモンである。多様な生理作用をもち、体毛の発育にも影響をおよぼす。性ホルモンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["下図のホルモンAがテストステロン、ホルモンBがエストラジオールである。", "ホルモンAは、ホルモンBにアロマターゼが作用して合成される。", "テストステロンは、精巣のセルトリ細胞により産生・分泌される。", "テストステロンは、タンパク質同化作用があり、骨格筋を発達させる。", "エストラジオールは、骨吸収を促進して骨のリモデリングを活性化する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nホルモンAはエストラジオール(卵胞ホルモン)、ホルモンBはテストステロン(男性ホルモン)である。2:正\nアロマターゼは、テストステロンのステロイド骨格A環を芳香環に変換する酵素である。ホルモンA(エストラジオール)は、B(テストステロン)にアロマターゼが作用して合成される。3:誤\nテストステロンは、精巣のライディッヒ細胞により産生・分泌される。なお、セルトリ細胞は、精細管内で精細胞の間に存在する細胞であり、精細胞を支持・保護する役割を持つ。4:正\nテストステロンは、タンパク質同化促進作用、成長促進作用、精子形成促進作用を��する。5:誤\nエストロゲンは、カルシトニン分泌を促進することで骨吸収を抑制する。"} +{"problem_id": "100225", "problem_text": "国際大会出場予定の男子レスリング選手が、ヒゲを濃くする成分を含有した塗り薬があることを友人から聞いて来局した。選手なので強そうな風貌になりたいとのことであった。この薬局の薬剤師が、顧客に十分な説明をした上で、とるべき対応として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["テストステロンを含有する軟膏を販売した。", "エストラジオールを含有する軟膏を販売した。", "ミノキシジルを含有するローション剤を販売した。", "ヒドロコルチゾン酢酸エステルを含有するクリームを販売した。", "男性ホルモンを主成分とした軟膏はあったが、販売しなかった。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "国際大会出場予定の選手に対しては、ドーピング禁止物質を販売することはできない。以下にドーピング禁止物質について示す。ドーピング禁止物質については、世界アンチドーピング機構(WADA)によって\n「I:\n常に禁止される物質」\n「II:\n競技会(時)に禁止される物質」\n「III:\n特定競技において禁止される物質」\nに分類されている。I:\n常に禁止される物質無承認物質、タンパク同化薬、ペプチドホルモン、成長因子、アドレナリン\\beta\n_{2}受容体刺激薬、ホルモン関連薬及び代謝調節薬、利尿薬及び隠蔽薬、フェネチルアミン及びその誘導体\nII:\n競技会(時)に禁止される物質\nIに加えて、興奮薬、麻薬、カンナビノイド、糖質コルチコイド\nIII:\n特定競技において禁止される物質\nI、IIに加えて、アルコール、アドレナリン\\beta\n受容体遮断薬"} +{"problem_id": "100226", "problem_text": "68歳女性。胃全摘出術の既往がある。半年前に意識障害を起こし入院中。21週前から経腸栄養療法を開始し、3日前の検査の結果、白血球数減少と貧血を認めた。出血の傾向はなく、骨髄穿刺の結果からは骨髄抑制は認められなかった。検査値 白血球数: 3.0\\times 10^{3}/\\micro L、赤血球数: 2.86\\times 10^{6}/\\micro L、ヘモグロビン: 8.4 g/dL、ヘマトクリット: 25.1%、血小板数: 18.7\\times 10^{4}/\\micro L、総タンパク質: 7.8 g/dL、アルブミン: 4.2 g/dL、トランスフェリン: 275 mg/dL この患者の栄養管理に対する薬剤師の対応として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["タンパク質・エネルギー低栄養状態に関連した貧血の可能性について医師に伝えた。", "n-3系脂肪酸を多く含む経腸栄養剤への変更を医師に提案した。", "血中の銅濃度を測定するよう医師に提案した。", "鉄剤の追加処方を医師に提案した。", "過去6ヶ月間の体重変動を確認した。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n総タンパク質(基準値: 約6.5〜8.0 g/dL)、アルブミン(基準値: 約4.0〜5.0 g/dL)ともに基準値範囲内であり、低栄養状態による貧血の可能性は低いと考えられる。2:誤\n本患者は、長期間(21週間)経腸栄養療法を行っていることから、必須微量元素(Cu、Znなど)が欠乏しやすい状態にある。このことから、本患者な銅欠乏による貧血に罹患していると考えられる。銅欠乏による貧血に対して、n-3系脂肪酸を多く含む経腸栄養剤を投与しても症状の改善を期待することはできない。3:正\n選択肢2参照\n4:誤\nトランスフェリン(基準値: 200〜340 mg/dL)は基準値内であり、鉄欠乏による貧血の可能性は低いと考えられる。5:誤\n本患者は低栄養状態でない(解説1参照)ことから、過去6ヶ月間の体重変動を確認する必要はない。"} +{"problem_id": "100227", "problem_text": "栄養素及び栄養状態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["タンパク質・エネルギー低栄養状態が長期に続くと、体内の窒素平衡は正となる。", "n-3系脂肪酸は小腸からの吸収の際、胆汁酸とミセルを形成しない。", "銅の小腸からの吸収は、過剰の亜鉛の摂取により阻害される。", "非ヘム鉄の小腸からの吸収は、ビタミンCにより促進される。", "Body mass index(BMI)が22の場合、「やせ」と判定される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n摂取した食事中の窒素量と排泄された窒素量が等しい状態のことを、窒素平衡にあるという。タンパク質・エネルギー低栄養状態が長期に続くと、摂取した食事中の窒素に比べ���排泄される窒素量が多くなるため、体内の窒素平衡は負となる。"} +{"problem_id": "100228", "problem_text": "35歳男性とその妻30歳。テレビで青汁のCMを見て薬局を訪れ、下記の表示があった保健機能食品(商品A及び商品B)を選んで薬剤師に相談した。夫婦共々、子供を希望しているが、現在妊娠はしていない。この夫婦の相談に対する説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["青汁に含まれている成分だけでは保健機能食品とはならないこと。", "低カリウム血症の人には禁忌であること。", "過剰に摂取しても問題がないこと。", "Aは特定保健用食品、Bは栄養機能食品であること。", "妊娠3ヶ月以内や妊娠を希望する人は、用量として多く摂取すること。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n保健機能食品は、「特定保健用食品」と「栄養機能食品」に分類される。特定保健用食品と表示するためには、消費者庁の許可が必要であり、また、栄養機能食品と表示するためには成分の含有量が基準値の範囲内の量でなければならない。よって、含まれている成分だけでは、保健機能食品とはならない。なお、商品Aには、キトサンが含まれているため、特定保健用食品に分類され、商品Bには、栄養機能食品としての規格基準の範囲内(24〜1000 mg)のビタミンCが含まれているため、栄養機能食品に分類される。2:誤\n青汁にはカリウムが含有されているため、高カリウム血症の人は、青汁の摂取を控える必要がある。3:誤\n保健機能食品には、1日当たりの摂取目安量が表示されており、摂取目標量を超えて摂取することは好ましくない。4:正\n解説1参照\n5:誤\n保健機能食品は、妊娠3ヶ月以内や妊娠を希望する人であっても、1日当たりの摂取目安量を超えて摂取することは好ましくない。"} +{"problem_id": "100229", "problem_text": "商品Aの許可表示として最もふさわしいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["コレステロールが気になる方の食生活の改善に役立ちます。", "動脈硬化症の発症を抑えるのに役立ちます。", "食後の急激な血糖値の上昇を抑えます。", "血圧が高めの方、気になる方に適します。", "食事中の脂肪の吸収を抑え、体脂肪が気になる方に適します。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "商品Aには、キトサンが含まれており、コレステロールが高めの人に適する食品である。よって、商品Aの許可表示として最もふさわしいのは「コレステロールが気になる方の食生活の改善に役立ちます。」である。"} +{"problem_id": "100230", "problem_text": "11歳男児。給食後の体育の授業中に、顔面、頸部、躰幹にじん麻疹が突然出現し、意識消失により病院へ搬送された。その後、入院加療により改善し、退院時にアドレナリンの自己注射薬の処方を受けた。この患者は、アドレナリンの自己注射薬を初めて携帯することになった。注射薬交付にあたって指導すべき内容に関して適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["必ず本人が自己注射してください。", "使用後は、症状が改善しても必ず医療機関で診察を受けてください。", "小学生なので、臀部に注射してください。", "緊急時には衣服の上から注射しても大丈夫です。", "有効期限が切れる前に、医療機関を受診して新しい製品の処方を受けてください。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "本症例では、給食後の体育の授業中に、顔面、頚部、体幹にじん麻疹が突然出現し、意識消失していることから、食品に含まれるアレルゲンの吸収が運動により促進され、アナフィラキシーを発現したと考えられる。1:適切でない\n本人が自己注射できない場合には、その他の者(保護者、教職員など)が注射する必要がある。2:適切である\n本剤は、アナフィラキシーが発現したときに、医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐための補助治療薬である。本剤使用後は、症状が改善しても必ず医療機関で診察を受けるように指導する必要がある。3:適切でない\n本剤は、臀部からの注射を避け、大腿部の前外側に注射する。4:適切である。本剤は、緊急時には衣服の上からでも注射可能である。5:適切である。"} +{"problem_id": "100231", "problem_text": "この症状の原因となる可能性が高い特定原材料及びそれらを用いた��工食品の表示に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["食品衛生法で、当該原材料を含む旨の表示が義務付けられている。", "現在、表示が義務付けられている特定原材料は、えび、かに、たこなど7品目である。", "当該原材料が重量で5%以上含まれている場合に表示義務が生じる。", "対面販売や量り売り販売の場合は、表示義務はない。", "当該原材料を使用した食品添加物については、表示が免除されている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n食品衛生法で、特定原材料を含む加工食品については、特定原材料を含む旨の表示が義務付けられている。特定原材料とは、特にアレルギーを起こしやすいとされる食品のうち、発症数・重篤度から考えて、表示する必要が高いものとして表示が義務化された7品目(えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生)のことである。注意:\n現在、特定原材料は8品目(えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生、くるみ)に変更されている\n2:誤\n特定原材料にはたこは含まれていない(解説1参照)。3:誤\n特定原材料が含まれている場合には、含量に関わらず表示する必要がある。4:正\nあらかじめ袋や箱等の容器包装に入れられたすべての加工食品に対しては、特定原材料を含む旨の表示が義務付けられているが、対面販売や量り売り販売の場合は、特定原材料を含む旨の表示が義務付けられていない。5:誤\n特定原材料を使用した食品添加物についても、表示が義務付けられている。"} +{"problem_id": "100232", "problem_text": "41歳男性。山歩きの時に採取したきのこや山菜を、おひたしにしてその日の夕食で食べたところ、1時間後に口唇のしびれが出現した。症状が次第に悪化し、激しい嘔吐、四肢のしびれ、呼吸困難を起こしたため、救急搬送された。病院到着時に重篤な心室性不整脈が出現したため、アミオダロン塩酸塩注射液が投与された。アミオダロン塩酸塩注射液を使用する際の注意事項として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["希釈する場合は、生理食塩液を用いる。", "点滴静注する場合は、滴下型の持続注入ポンプを使用する。", "投与開始後は、心電図の連続監視下で患者の状態を把握する。", "投与開始後は、肝機能モニタリングを実施する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n本剤を希釈する際には、ブドウ糖を用いる。なお、本剤を生理食塩液で希釈すると、沈殿が生じることがある。2:誤\n本剤は、容量型の持続ポンプを用いて投与する。なお、本剤を投与する際、滴下型の注入ポンプを用いると、液滴サイズが縮小することがあり、過少投与になるおそれがある。3:正\n本剤は重大な副作用として、心不全、Torsades de pointes、徐脈からの心停止などを起こすことがあるため、心電図の連続監視を十分に行い、異常が認められた場合は、投与を中止する等の適切な処置を行うこととされている。4:正\n本剤投与後24時間以内に重篤な肝障害を生じ、肝不全や死亡に至ることがあるため、本剤投与後よりAST(GOT)及びALT(GPT)等の肝機能の慎重なモニタリングを行い、異常が認められた場合には、減量あるいは投与を中止するなど適切な処置を行うこととされている。"} +{"problem_id": "100233", "problem_text": "植物とその有毒成分の組合せのうち、本症状の原因として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "本症状(口唇のしびれ、激しい嘔吐、四肢のしびれ、呼吸困難、重篤な心室性不整脈)の原因として最も可能性が高いのは、トリカブトに含まれる有毒成分であるアコニチンである。1:誤\nツキヨタケ(有毒成分: イルジンS)は中毒症状として、悪心・嘔吐・下痢などの胃腸障害を引き起こす。2:誤\nタマゴテングタケ(有毒成分: \\alpha -アマニチン)は中毒症状として、コレラ様の激しい下痢、肝臓や腎機能障害を起こす。3:誤\nジギタリス(有毒成分: ジキトキシン)は中毒症状として、悪心・嘔吐・不整脈等を引き起こす。4:誤\nワラビ(有毒成分: プタキロシド)は、発がん性を有する。5:正"} +{"problem_id": "100234", "problem_text": "60歳女性。以前より糖尿病と診断され、食事や運動に気をつかい、服薬コンプライアンスも良好であったが、最近���労作時に息切れがあり、体重も増加して悩んでいた。女性から「最近靴が履きにくくなった」との訴えもあり、薬剤師が女性のふくらはぎを軽く押してみたところ、押した所が元に戻らなかった。女性が服用中の以下の薬剤のうち、上記の原因として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ピオグリタゾン塩酸塩錠", "トルブタミド錠", "八味地黄丸", "メコバラミン錠", "エパルレスタット錠"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "以下にそれぞれの選択肢の疾患を示す。選択肢1: 高血圧症\n選択肢2: 糖尿病\n選択肢3: 心疾患\n選択肢4: 悪性新生物\n選択肢5: 脳血管疾患"} +{"problem_id": "100235", "problem_text": "下図は、我が国における糖尿病、悪性新生物、脳血管疾患、心疾患及び高血圧症の総患者数の年次推移を表したものである。糖尿病に該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "以下にそれぞれの選択肢の疾患を示す。選択肢1: 高血圧症\n選択肢2: 糖尿病\n選択肢3: 心疾患\n選択肢4: 悪性新生物\n選択肢5: 脳血管疾患"} +{"problem_id": "100236", "problem_text": "22歳女性。数日前より下腹部に違和感があり、外陰部のかゆみに加え、おりものに異常がみられた。テレビで膣カンジダ症に使用する薬が発売されたことを知って来局し、薬剤師に相談した。薬局薬剤師が、膣カンジダ症に使用する薬を販売するにあたり必ず確認しなければならないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["以前に医師から膣カンジダ症の診断・治療を受けたことがあるか。", "喫煙したことがあるか。", "高血圧症と診断されたことがあるか。", "現在の体重はどのくらいか。", "妊娠している可能性があるか。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "膣カンジダ症に使用される一般用医薬品は、「初めて発症したと思われる人(以前に医師から膣カンジダ症の診断・治療を受けたことがない人)」「妊婦または妊娠していると思われる人」は使用することができない。そのため、薬局薬剤師が、膣カンジダ症に使用する薬を販売する際には「以前に医師から膣カンジダ症の診断・治療を受けたことがあるか。」、「妊娠している可能性があるか。」を確認する必要がある。"} +{"problem_id": "100237", "problem_text": "膣カンジダ症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カンジダ属菌は常在真菌であり、日和見感染を引き起こす。", "性交経験がない女性にも発症することがある。", "感染症法^{(注)}では5類感染症に分類される。(注)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律", "女性から男性へのカンジダ属菌の感染はない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nカンジダ属菌は体表に存在している常在菌であり、免疫力が低下すると日和見感染を引き起こす。2:正\n常在しているカンジダ属菌により膣カンジダ症を発症することがあるため、性交経験がない女性にも膣カンジダ症を発症することがある。3:誤\n膣カンジダ症は、感染症法の1〜5類感染症には分類されていない。4:誤\n性交により女性から男性へカンジダ属菌が感染することがある。男性がカンジダ属菌に感染すると、亀頭や包皮に発赤、痒み、びらんなどの症状を呈することがある。"} +{"problem_id": "100238", "problem_text": "41歳男性。就寝中に胸部圧迫感が出現。近医で検査の結果、冠れん縮性狭心症と診断され、薬物療法が開始された。患者情報は以下の通りである。血圧130/75 mmHg、心拍数58回/分、呼吸数14回/分 喫煙30本/日、飲酒 ビール350 mL\\times 3本/日、営業職で残業が多い 薬剤交付時に患者に伝えるべき注意事項として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["内服薬は、副作用として低血糖を起こしやすい。", "内服薬の効果が現れにくくなるので、納豆を摂取することは避ける。", "内服薬は、症状が改善しても自己判断での服薬の中断はしない。", "エアゾール剤は、発作時の痛みの程度に応じて噴霧回数を調節する。", "エアゾール剤は、噴霧孔を上にして垂直に立てて持ち、噴霧孔をできるだけ口に近づけて噴霧する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nニフェジピン徐放錠は、副作用として低血糖を起こすとの報告はない。2:誤\n納豆を摂取してもニフェジピン徐放錠の効果についてはほとんど影響を受けない。なお、納豆を摂取することにより薬効が減弱する薬物として、ワルファリンがある。3:正\nニフェジピン徐放錠の服用を急に中止すると、症状が悪化することがあるため、休薬する際には徐々に減量する必要がある。4:誤\n速効型ニトログリセリンエアゾール剤は、胸痛発作時に1回1噴霧を舌下に投与する。なお、効果不十分な場合は、1回噴霧を追加投与する。よって、本剤は、発作時の痛みの程度に応じて噴霧回数を調節する製剤ではない。5:正\n速効型ニトログリセリンエアゾール剤を噴霧する際には、噴霧孔を上にして垂直に立てて持ち、噴霧孔をできるだけ口に近づけて噴霧する。"} +{"problem_id": "100239", "problem_text": "冠れん縮性狭心症の重大な危険因子として喫煙がある。我が国における喫煙及び喫煙対策に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["2000年以降の日本人男性の喫煙率は低下しており、現在、欧米諸国に比べかなり低い。", "環境基本法では、病院の管理者に、利用者の受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めることを義務づけている。", "2013年度から開始された「21世紀の国民健康づくり運動(健康日本21(第2次))」で、未成年の喫煙率0%をはじめ、喫煙に関する目標が設定されている。", "特定保健指導の対象者の選定・階層化には、喫煙歴の有無も加味される。", "医師によるニコチン依存症患者への禁煙指導は、医療保険給付の対象外である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n2000年以降の日本人男性の喫煙率は低下しているが、現在、欧米諸国に比べて高い。2:誤\n病院の管理者に、利用者の受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めることを義務づけているのは、健康増進法である。3:正\n2013年度から開始された「21世紀の国民健康づくり運動(健康日本21(第2次))」では、喫煙に関する目標が設定されている。<健康日本21(第2次)における喫煙に関する目標>\n・未成年の喫煙率を0%にする。・成人、妊娠中の喫煙の低下\n・受動喫煙の割合の低下\n4:正\n特定保健指導の対象者は以下のように階層化されている。5:誤\n医師によるニコチン依存症患者への禁煙指導は、医療保険給付の対象となる。"} +{"problem_id": "100240", "problem_text": "薬局で向精神薬の処方量を不正に多くした偽造処方せんが見つかった。偽造処方せんを持ってきたのが中学生であったため、通っている中学校側とも相談し、臨時に生徒を対象とした薬物乱用防止講座を開くこととなった。その薬物乱用防止講座の内容に関する記述のうち、適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬物を遊びや快楽のために、1回使用しただけでも薬物乱用とみなされる。", "安息香酸ナトリウムカフェインは、第一種向精神薬である。", "薬物乱用を取り締まる法律のひとつとして「麻薬及び向精神薬取締法」がある。", "薬物乱用者には、身体的依存は見られない。", "処方せん調剤された向精神薬でも、薬物乱用の対象となる場合がある。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:適切である\n薬物乱用とは、医薬品を医療目的以外に使用すること、又は医療目的にない薬物を不正に使用することとされており、薬物を遊びや快楽のために、1回使用しただけでも薬物乱用とみなされる。2:適切でない\n安息香酸ナトリウムカフェインは、向精神薬ではない。3:適切である\n薬物乱用を取り締まる法律には、「麻薬及び向精神薬取締法」、「覚せい剤取締法」、「毒物及び劇物取締法」などがある。4:適切でない\n薬物乱用者には、薬物依存(身体的依存、精神的依存)が見られることがある。5:適切である\n処方せん調剤された向精神薬を医療目的以外に使用した場合は、薬物乱用の対象となる。"} +{"problem_id": "100241", "problem_text": "乱用が問題となっている下記の薬物のうち、向精神薬でないものはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:麻薬に指定されている\nリゼルギン酸ジエチルアミド(LSD)の構造\n2:麻薬に指定されている\nコカインの構造\n3:向精神薬に指定されている\nクロルプロマジンの構造\n4:向精神薬に指定されている\nフェノバルビタールの構造\n5:向精神薬に指定されている\nクロルジアゼポキシドの構造"} +{"problem_id": "100242", "problem_text": "70歳男性。甲状腺がんの多発性骨転移による疼痛があり、外部放射線照射療法及びオピオイドの投与を行ったがコントロールが困難であった。疼痛緩和を目的として、放射性医薬品を使用することになった。この患者に投与すべき薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヨウ化ナトリウム(^{123}I)カプセル", "イットリウム(^{90}Y)イブリツモマブチウキセタン注射液", "フルデオキシグルコース(^{18}F)注射液", "ジメルカプトコハク酸テクネチウム(^{99m}Tc)注射液", "塩化ストロンチウム(^{89}Sr)注射液"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n放射線荷重係数は、放射線の種類により異なる。放射線荷重係数を以下に示す。ストロンチウムから放出される放射線は、\\beta ^{-}線であり、その放射線荷重係数は1である。2:正ストロンチウムから放出される\\beta ^{-}線は、低LET放射線である。なお、LETとは、放射線が媒質中を通過する際に媒質に与えるエネルギーのことであり、放射線の種類の違いを表す指標として用いられている。3:正ストロンチウムから放出される\\beta ^{-}線は、粒子線である。4:誤内部被曝とは、放射線源が体内に存在することに起因する被曝のことである。塩化ストロンチウムから放出される\\beta ^{-}線により、内部被曝による生体への影響が現れることがある。5:誤\\beta ^{-}線は薄い紙一枚を透過するため、ストロンチウムから放出される\\beta ^{-}線を薄い紙一枚で遮断することはできない。なお、\\beta ^{-}線は、アルミ板、プラスチック板で遮断することが可能である。"} +{"problem_id": "100243", "problem_text": "この患者に投与すべき薬剤から放出され、疼痛緩和に寄与する放射線に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["放射線荷重係数は20である。", "低LET(線エネルギー付与)放射線である。", "粒子線である。", "内部被曝による生体影響はない。", "薄い紙一枚で遮蔽できる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n放射線荷重係数は、放射線の種類により異なる。放射線荷重係数を以下に示す。ストロンチウムから放出される放射線は、\\beta\n^{-}線であり、その放射線荷重係数は1である。2:正ストロンチウムから放出される\\beta\n^{-}線は、低LET放射線である。なお、LETとは、放射線が媒質中を通過する際に媒質に与えるエネルギーのことであり、放射線の種類の違いを表す指標として用いられている。3:正ストロンチウムから放出される\\beta\n^{-}線は、粒子線である。4:誤内部被曝とは、放射線源が体内に存在することに起因する被曝のことである。塩化ストロンチウムから放出される\\beta\n^{-}線により、内部被曝による生体への影響が現れることがある。5:誤\\beta\n^{-}線は薄い紙一枚を透過するため、ストロンチウムから放出される\\beta\n^{-}線を薄い紙一枚で遮断することはできない。なお、\\beta\n^{-}線は、アルミ板、プラスチック板で遮断することが可能である。"} +{"problem_id": "100244", "problem_text": "最近改築した小学校の学校保健安全委員会で、養護教諭から、「めまいや頭痛、のどの痛みなどを訴えて、保健室に来る児童が増えた。」との報告があった。また、保護者からは、「最近、子供の集中力が低下した。」との声が多く聞かれた。原因究明のため、学校薬剤師が教室等の室内空気について速やかに検査を行うべき項目として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["揮発性有機化合物濃度", "二酸化炭素濃度", "一酸化炭素濃度", "二酸化窒素濃度", "ダニまたはダニアレルゲン量"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "問題文に「最近改装した小学校」「めまいや頭痛、のどの痛みなどを訴えて、保健室に来る児童が増えた。」「最近、子供の集中力が低下した。」と記載されていることから、原因究明のため、学校薬剤師が教室等の室内空気について速やかに検査を行うべき項目は「揮発性有機化合物(VOC)濃度」である。VOCの室内濃度が高くなると、集中力の低下、めまい、頭痛、のどの痛みなどの症状を呈するシックハウス症候群がみられることがある。"} +{"problem_id": "100245", "problem_text": "検査項目とその測定法の組合せのうち、正しいのはどれか。2���選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "選択肢にある検査項目とその測定法について以下に示す。揮発性有機化合物濃度(VOC: volatile organic compounds)\n高速液体クロマトグラフ法やガスクロマトグラフ-質量分析法\n二酸化炭素濃度\n検知管法\n一酸化炭素濃度\n赤外線吸収法、検知管法\n二酸化窒素濃度\nザルツマン法\nダニまたはダニアレルゲン\nダニ: 顕微鏡による匹数計数\nダニアレルゲン量: 酵素免疫測定法(ELISA法)"} +{"problem_id": "100246", "problem_text": "32歳女性。喫煙歴5年、禁煙を試みたいと薬局を訪れた。現在、不眠症で、ゾピクロン錠を不眠時に服用している。禁煙のためにニコチンガム、ニコチンパッチ、バレニクリン酒石酸塩錠のいずれかを使用するか悩んでいるとのことだった。薬剤師が来局者に説明する内容として、適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ニコチンパッチは、高用量から開始し、段階的に減らします。", "ニコチンパッチは、妊婦にも使用できます。", "ニコチンガムは、コーヒーや炭酸飲料を飲んだあとは吸収がよくなります。", "ニコチンガムは、むかつきやのどへの刺激が起こることがあります。", "バレニクリン酒石酸塩錠は、喫煙に代わってニコチンを補充する薬剤ではありません。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:適切である\nニコチンパッチは、高用量から開始し、段階的に減量する。【医療用ニコチンパッチの使用方法】\n通常、最初の4週間はニコチネルTTS30から貼付し、次の2週間はニコチネルTTS20を貼付し、最後の2週間はニコチネル TTS10を貼付する。なお、最初の4週間に減量の必要が生じた場合は、ニコチネルTTS20を貼付する。2:適切でない\nニコチンパッチは、妊婦または妊娠している可能性のある婦人に投与禁忌である。3:適切でない\nニコチンは弱塩基性薬物であり、酸性条件下において分子形分率が低下するため、吸収性が低下する。コーヒーや炭酸飲料を飲んだあと口腔内は酸性に傾くため、ニコチンの吸収性は低下する。4:適切である\nニコチンを摂取することにより、むかつきやのどへの刺激が起こることがある。5:適切である\nバレニクリン酒石酸塩錠には、ニコチンが含まれていないため、喫煙に代わってニコチンを補充する薬剤ではない。なお、バレニクリンは、\\alpha _{4}\\beta _{2}ニコチン受容体部分刺激薬であり、弱いニコチン受容体刺激作用を有するため、禁煙に伴う離脱症状やタバコに対する切望感を軽減する。"} +{"problem_id": "100247", "problem_text": "この患者に関連する薬物依存・耐性の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ゾピクロンとニコチンは、いずれも精神的依存を起こすが、身体的依存は生じない。", "ゾピクロンとニコチンは、いずれも耐性を生じない。", "ニコチンは、中脳辺縁ドパミン神経系を活性化する。", "バレニクリンは、ニコチン性アセチルコリン受容体の部分刺激薬であり、ニコチン依存症の喫煙者の禁煙による退薬症候を軽減する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nゾピクロン及びニコチンは、いずれも連用することにより薬物依存(精神的依存、身体的依存)及び耐性を生じることがある。"} +{"problem_id": "100248", "problem_text": "17歳男性。高等学校での授業中に黒板の文字が見えにくくなり眼科を受診した。仮性近視であると診断され、以下の薬剤が処方された。お薬手帳を確認したところ、整形外科で湿布薬を処方されていることがわかった。この点眼剤に関する記述のうち、適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["緑内障の患者には禁忌である。", "点眼後、しばらくは強い光を直接見ないように注意する。", "湿布薬の揮発性成分の影響があるので、開封した湿布薬と一緒に保管しない。", "容器に記載されている使用期限は開封後の品質を保証するものである。", "指示通りに使用すると、約1週間で無くなる量である。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:適切である\nトロピカミドは抗コリン薬であり、房水の排出を抑制することにより眼圧を上昇させるため、緑内障患者には投与禁忌である。2:適切である\nトロピカミドは抗コリン薬であり、瞳孔括約筋を弛緩させ瞳孔を開口させる(散瞳を起こす)ため、本剤点���後、しばらくは強い光を直接見ないように注意する。3:適切である\n湿布薬の揮発成分が点眼剤の有効成分に影響を与えることがあるため、開封した湿布薬と点眼薬は一緒に保管しない。4:適切でない\n容器に記載されている使用期限は未開封の状態での品質を保証するものである。5:適切でない\n一般に点眼剤の一滴の容積は、20〜50 \\micro Lであることから5 mLで100回以上点眼すること可能である。よって、指示通り使用しても1週間で無くなることはない。"} +{"problem_id": "100249", "problem_text": "トロピカミドによる仮性近視改善に関わる機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ムスカリン性アセチルコリン受容体の刺激により毛様体筋が収縮し、水晶体の厚さが増して屈折率が上昇する。", "ムスカリン性アセチルコリン受容体の刺激により毛様体筋が弛緩し、水晶体は扁平化して屈折率が減少する。", "ムスカリン性アセチルコリン受容体の遮断により毛様体筋が収縮し、水晶体の厚さが増して屈折率が上昇する。", "ムスカリン性アセチルコリン受容体の遮断により毛様体筋が弛緩し、水晶体は扁平化して屈折率が減少する。", "コリンエステラーゼの活性化により毛様体筋が収縮し、水晶体の厚さが増して屈折率が上昇する。", "コリンエステラーゼの活性化により毛様体筋が弛緩し、水晶体は扁平化して屈折率が減少する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "仮性近視とは、水晶体の肥厚により、焦点が網膜より前になっている軽度の近視のことである。トロピカミドは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断し、毛様体筋を弛緩させ、水晶体を扁平化して屈折率を減少させることにより、仮性近視を改善することが可能である。"} +{"problem_id": "100250", "problem_text": "66歳男性。パーキンソン病と診断され、以下の薬剤で治療してきたが、最近、薬の効果持続時間が短縮してきた。この患者の薬物治療の対応策として、ふさわしくないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["レボドパ100 mg・カルビドパ配合錠を増量する。", "プラミペキソール塩酸塩水和物徐放錠を追加する。", "エンタカポン錠を追加する。", "セレギリン塩酸塩錠を追加する。", "チアプリド塩酸塩錠を追加する。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "本症例では、レボドパ・カルビドパ配合錠を服用していたが、最近、薬の効果持続時間が短縮してきていることから、Wearing off現象が現れてきていると考えられる。\n・レボドパの服用量や服用回数を増やす。・COMT阻害薬であるエンタカポンとレボドパを併用し、レボドパの効果を長続きさせる。・MAO_{B}阻害薬であるセレギリンなどを併用し、レボドパの効果を長続きさせる。・レボドバ製剤にプラミペキソールなどのドパミンアゴニストを追加投与する。上記より、選択肢1〜4にある内容については、この患者の薬物治療の対応策として適切である。なお、チアプリド塩酸塩は、中枢のドパミンD_{2}受容体遮断薬であり、副作用としてパーキンソン症候群を起こすことがあるため、本患者に投与するとWearing off現象を悪化させる可能性がある。"} +{"problem_id": "100251", "problem_text": "処方薬および前問中の薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カルビドパは、末梢性芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害薬で、レボドパが末梢でドパミンに変換されるのを抑制する。", "プラミペキソールは、ドパミン神経からのドパミン遊離を促進する。", "エンタカポンは、ドパミンD_{2}受容体を刺激する。", "セレギリンは、モノアミン酸化酵素Bを阻害することによりドパミンの代謝を抑制する。", "チアプリドは、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼを阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nカルビドパは、芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼを阻害し、レボドパが末梢でドパミンへの変換されるのを抑制することにより、レボドパの中枢移行性を増加させる。"} +{"problem_id": "100252", "problem_text": "28歳女性。統合失調症と診断され、今回、初めて以下の薬剤が処方された。処方された薬物に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体の働きを高め、睡眠を誘発する。", "ドパミンD_{2}受容体を刺激し、運動機能の低下をもたらすことがある。", "セロトニン5-HT_{2}受容体を遮断し、統合失調症の陰性症状を改善する。", "モノアミン酸化酵素Bを阻害し、下垂体からのプロラクチン遊離を促進する。", "セロトニン5-HT_{1A}受容体を遮断して、抗不安作用を示す。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "本患者に処方されたリスペリドンとブロチゾラムについて以下に示す。・リスペリドン\nセロトニン・ドパミン受容体遮断薬(SDA)であり、セロトニン5-HT_{2}受容体を遮断することにより統合失調症の陰性症状を改善し、ドパミンD_{2}受容体を遮断することにより統合失調症の陽性症状を改善する。・ブロチゾラム\nチエノジアゼピン系誘導体であり、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体に存在するベンゾジアゼピン結合部位に結合し、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体の働きを高め、睡眠を誘発する。"} +{"problem_id": "100253", "problem_text": "この患者への服薬指導および処方薬に関する説明の内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["月経不順となることがあります。", "口渇が現れることがあります。", "服用中は自動車の運転など危険を伴う作業をしないようにしてください。", "リスペリドン口腔内崩壊錠は、通常、徐々に減量する薬剤です。", "ブロチゾラム口腔内崩壊錠は、服用後に一時的な記憶の抜け落ちを起こすことのある薬剤です。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:適切である\nリスペリドン口腔内崩壊錠は副作用として、月経障害、無月経、不規則月経などを起こすことがある。"} +{"problem_id": "100254", "problem_text": "64歳男性。不安定狭心症のため、PCI(経皮的冠動脈インターベンション)を受けた。その後の治療薬として新たに以下の薬剤が処方された。処方された薬剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方された用量のアスピリンは、血管内皮細胞のプロスタグランジンI_{2}生成よりも、血小板のトロンボキサンA_{2}生成をより強く阻害する。", "アスピリンは、ロスバスタチンによる筋肉痛を緩和する目的で処方されている。", "チクロピジンの活性代謝物が遮断するADPのP2Y_{12}受容体は、Gqタンパク質共役型受容体である。", "チクロピジンの副作用として、血栓性血小板減少性紫斑病、無顆粒球症及び重篤な肝障害がある。", "ロスバスタチンは、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoA(HMG-CoA)の生合成を阻害し、血清中の低比重リポタンパク質(LDL)量を減少させる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nアスピリンは低用量で用いた場合と高用量で用いた場合で、作用の現れ方が異なる。・アスピリンを低用量(100〜300 mg/日)で用いた場合\n血小板のシクロオキシゲナーゼが不可逆的に阻害され、血小板内のトロンボキサンA_{2}生成が強く阻害されるため、血小板凝集抑制作用が現れる。・アスピリンを高用量(300 mg/日以上)で用いた場合\n血小板のシクロオキシゲナーゼに加え、血管内皮細胞のシクロオキシゲナーゼも阻害され、血管内皮細胞のプロスタグランジンI_{2}の生成も阻害されるため、血小板凝集抑制作用が低下する。2:誤\nアスピリンは、PCIにより挿入されたステント周辺の血栓形成を抑制する目的で処方されている。3:誤\nチクロピジンの活性代謝物が遮断するADPのP2Y_{12}受容体は、Giタンパク質共役型受容体である。4:正\nチクロピジンは重大な副作用として、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症及び重篤な肝障害を起こすことがある。5:誤\nロスバスタチンは、HMG-CoA還元酵素を阻害し、肝臓におけるコレステロールの生合成を阻害することにより肝細胞膜LDL受容体数を増加させる。その結果、血清LDLの肝への取込みが促進され、血清LDLが減少する。"} +{"problem_id": "100255", "problem_text": "この患者への説明および指導の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アスピリン腸溶錠は、術後の経過が良ければ、一週間程度で中止します。", "チクロピジン塩酸塩錠には、狭くなった血管を拡げる作用があります。", "定期的に血液検査を必要とする薬剤が処方されていますので、2週間後に受診してください。", "筋肉痛や脱力感が起こることがありますが、一時的なものなの���心配ありません。", "出血しやすくなるので、歯肉や鼻などからの出血があれば受診してください。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nアスピリン腸溶錠は、PCIにより挿入されたステント周辺の血栓形成を抑制する目的で処方されているため、術後、長期間服用する必要がある。"} +{"problem_id": "100256", "problem_text": "55歳女性。気管支ぜん息のため吸入ステロイド薬を用いて治療中である。高血圧症となったため、降圧薬も用いることとなった。この患者に対して禁忌である薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["シルニジピン錠", "イミダプリル塩酸塩錠", "テルミサルタン錠", "クロニジン塩酸塩錠", "カルテオロール塩酸塩徐放性カプセル"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本患者は、気管支ぜん息の治療中であることから、非選択的アドレナリン\\beta 受容体遮断薬であるカルテオロール塩酸塩を投与することはできない(投与禁忌)。"} +{"problem_id": "100257", "problem_text": "前問の薬剤のうち、血管平滑筋細胞に直接作用して血管を拡張させるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["シルニジピン錠", "イミダプリル塩酸塩錠", "テルミサルタン錠", "クロニジン塩酸塩錠", "カルテオロール塩酸塩徐放性カプセル"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nシルニジピンは、血管平滑筋細胞膜に存在する電位依存性L型Ca^{2+}チャネルを遮断する。よって、シルニジピンは、血管平滑筋細胞に直接作用して血管を拡張させる。"} +{"problem_id": "100258", "problem_text": "55歳男性。下記の処方せんを持って来局した。患者は半年前にヘリコバクター・ピロリ菌が陽性と診断され、かかりつけ医にて一次除菌を行ったが不成功であった。今回、二次除菌療法を行うことになった。二次除菌療法で使用される「:薬剤1:」として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["クラリスロマイシン錠200 mg", "アジスロマイシン錠250 mg", "メトロニダゾール錠250 mg", "メベンダゾール錠100 mg", "アルベンダゾール錠200 mg"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "ヘリコバクター・ピロリ菌の一次除菌療法及び二次除菌療法で用いられる薬剤について以下に示す。<一次除菌療法で用いられる薬剤>\n・プロトンポンプ阻害薬(オメプラゾール、ランソプラゾール、ボノプラザンなど)\n・アモキシシリン\n・クラリスロマイシン\n<二次除菌療法で用いられる薬剤>\n・プロトンポンプ阻害薬(オメプラゾール、ランソプラゾール、ボノプラザンなど)\n・アモキシシリン\n・メトロニダゾール"} +{"problem_id": "100259", "problem_text": "「:薬剤1:」の作用機序として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヒスタミンH_{2}受容体を遮断する。", "DNAの二本鎖を切断する。", "リボソームの50Sサブユニットと結合し、タンパク質合成を阻害する。", "H^{+},K^{+}-ATPaseを非可逆的に阻害する。", "ウレアーゼを阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "前問の薬剤1(メトロニダゾール)の作用機序を以下に示す。メトロニダゾールは、原虫又は菌体内の酸化還元系によって還元を受け、ニトロソ化合物(R-NO)に変化する。このニトロソ化合物が抗原虫作用、抗菌作用を示す。また、反応の途中で生成したヒドロキシラジカルがDNAを切断し、DNAらせん構造の不安定化を招く。なお、選択肢1はH_{2}受容体遮断薬、選択肢3はマクロライド系抗生物質、選択肢4はプロトンポンプ阻害薬、選択肢5はエカベトナトリウムの作用機序である。"} +{"problem_id": "100260", "problem_text": "68歳男性。骨転移のある前立腺がんと診断され、以下の薬剤が処方された。以下の記述のうち、いずれの処方薬にも該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シクロオキシゲナーゼを阻害し、プロスタグランジンの生成を抑制する。", "アンドロゲン受容体を遮断し、前立腺がん細胞の増殖を抑制する。", "黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)受容体を競合的に遮断し、ゴナドトロピンの分泌を抑制する。", "下垂体の機能を抑制し、精巣からのテストステロン分泌を抑制する。", "骨吸収を抑制し、高カルシウム血症を改善する。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:該当する\n処方4のジクロフェナクNaの作用機序である。2:該当する\n処方3のビカルタミドの作用機序である。3:該当しない\n本処方に含まれていないデガレリクスの作用機序である。4:該当する\n処方1のゴセレリン酢酸塩の作用機序である。ゴセレリン酢酸塩は、下垂体のLH-RH受容体を持続的に刺激することにより、LH-RH受容体のダウンレギュレーションを引き起こし、ゴナドトロピン及び性ホルモンの分泌を抑制し、前立腺がんに対する抗腫瘍効果を示す。5:該当する\n処方5のゾレドロン酸水和物の作用機序である。ゾレドロン酸水和物は、ビスホスホネート製剤であり、骨のヒドロキシアパタイトに結合し、破骨細胞に取り込まれ、骨吸収を抑制することにより悪性腫瘍による高カルシウム血症を改善する。"} +{"problem_id": "100261", "problem_text": "この患者への服薬に関する説明および指導の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1の薬剤を使い始めたころに、一時的に尿の出が悪くなることがあります。", "処方2の薬剤使用中は、出血が止まりにくくなるので、抜歯などは控えてください。", "処方3の薬剤は、痛みをやわらげたり、骨折を予防するのに有効です。", "処方4の薬剤は、挿入による刺激で便意が起こることがあるので、できるだけ排便後に使用してください。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n処方1(ゴセレリン酢酸塩デポ)の使い始めには、血清中テストステロン濃度の一過性上昇による尿閉、排尿困難が発現することがある。"} +{"problem_id": "100262", "problem_text": "66歳男性。最近、腰痛が原因で、寝付きも良くないため、整形外科を受診した。骨粗しょう症と診断され、処方せんを持って薬局を訪れた。処方された薬剤の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アンドロゲン受容体に結合し、タンパク質同化を促進する。", "オステオカルシンのカルボキシ化を介し、骨形成を促進する。", "カルシウムとリンの腸管からの吸収を促進する。", "カルシトニン受容体に結合し、骨吸収を抑制する。", "ヒドロキシアパタイトに結合し、骨吸収を抑制する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nアンドロゲン受容体に結合し、タンパク質同化を促進する薬物として、メテノロンやナンドロロンなどがある。2:正\nオステオカルシンのカルボキシ化を介し、骨形成を促進する薬物として、メナテトレノンがある。メナテトレノンはビタミンK_{2}製剤であり、オステオカルシン(骨基質タンパク質)のグルタミン酸残基のカルボキシ化を介して、\\gamma -カルボキシグルタミン酸残基を生成することにより骨形成を促進する。3:正\nカルシウムとリンの腸管からの吸収を促進する薬物として、アルファカルシドールがある。アルファカルシドールはビタミンD_{3}製剤であり、肝臓で25位が水酸化され活性型ビタミンD_{3}となり、カルシウムとリンの腸管からの吸収を促進する。4:誤\nカルシトニン受容体に結合し、骨吸収を抑制する薬物として、エルカトニンなどがある。5:誤\nヒドロキシアパタイトに結合し、骨吸収を抑制する薬物として、アレンドロン酸ナトリウムやリセドロン酸ナトリウムなどがある。"} +{"problem_id": "100263", "problem_text": "薬剤師はこの処方に関して医師へ疑義照会を行った。疑義が生じた薬剤として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ラロキシフェン塩酸塩錠", "アルファカルシドールカプセル", "L-アスパラギン酸カルシウム錠", "メナテトレノンカプセル", "セレコキシブ錠"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "ラロキシフェン塩酸塩錠の「効能・効果」は、閉経後骨粗鬆症となっていることから、男性に処方されている場合には、疑義照会する必要がある。"} +{"problem_id": "100264", "problem_text": "65歳男性。糖尿病性腎症により入院した。血糖コントロールのためのインスリン製剤のほか、以下の薬剤が処方された。この患者への服薬説明および指導の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1の薬剤は、小腸で吸収されて、血液中の有害物質を吸着して排泄させます。", "処方2および3の薬剤は、いずれも血圧を下げます。", "処方2の薬剤で血清カリウム値が低くなることがあります。", "グレープフルーツジュースは、処方3の薬剤の作用を増強する恐れがあります。", "処方4の薬剤は、毎日注射しないと効果が得られません。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n球形吸着炭細粒(処方1)は、小腸で吸収されず、消化管内で有害物質(尿毒症毒素など)を吸着して排泄させることにより、腎不全患者の尿毒症症状を改善する。2:正\nロサルタンK(処方2)はアンギオテンシンIIAT_{1}受容体拮抗薬、フェロジピン(処方3)はCa拮抗薬であり、いずれも血圧を下げる作用を有する。3:誤\nロサルタンK(処方2)はアンギオテンシンIIAT_{1}受容体を遮断し、アルドステロンの分泌を抑制することにより尿細管におけるK^{+}の排泄を抑制するため、副作用として高K血症を起こすことがある。4:正\nグレープフルーツジュースは小腸のCYP3A4を阻害し、フェロジピン(処方3)の小腸における代謝を阻害するため、フェロジピン(処方3)の作用を増強させることがある。5:誤\nダルベポエチンアルファ(処方4)は、初回量として週に1回投与、維持量として1週に1回、2週に1回投与することで効果が得られる。"} +{"problem_id": "100265", "problem_text": "ダルベポエチンアルファの薬理作用および副作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["単球および単球形前駆細胞に作用して、増殖を促進する。", "エリスロポエチン(EPO)のEPO受容体に対する親和性を高める。", "エポエチンアルファと比較して、持続的な赤血球造血作用を示す。", "血圧低下を起こしやすい。", "血液粘稠度が上昇し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n本剤は、赤芽球系前駆細胞のエリスロポエチン(EPO)受容体に特異的に結合し、赤血球前駆細胞を分化・増殖させることにより、赤血球の増殖を促進する。"} +{"problem_id": "100266", "problem_text": "65歳女性。老年内科を受診、骨粗しょう症と診断され、下記の処方が出された。薬剤師が行う服薬指導の内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["180 mL程度の十分な量の水と一緒に服用するよう指導した。", "噛んだり、口中で溶かしたりせずに服用するよう指導した。", "起床後、食事を摂ってから服用するよう指導した。", "服用を忘れた場合には、気がついたときにすぐ服用するよう指導した。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n本剤は副作用として、食道炎や食道潰瘍を起こすことがあるため、180 mL程度の十分な量の水で服用する必要がある。2:正\n本剤は水溶性フィルムコーティング錠であり、噛んだりなめたりすることで成分が溶け出すことがあるため、噛んだり、口中で溶解したりせずに服用する必要がある。3:誤\n本剤を水以外の飲料、食物、他の薬物と同時に服用すると、吸収が低下することがあるため、起床後すぐに服用し、服用後少なくとも30分は水以外の飲食を避ける必要がある。4:誤\n本剤の服用を忘れた場合は、翌日に1錠服用し、その後はあらかじめ定めた曜日に服用する。"} +{"problem_id": "100267", "problem_text": "この患者は、日常的に牛乳を飲用していることがわかった。リセドロン酸Na錠の牛乳による服用についての記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["牛乳中の油脂成分によりリセドロン酸の溶解が促進され、良好に吸収される。", "牛乳中の油脂成分により胃粘膜が保護されるので、服用後、すぐに横になって良い。", "リセドロン酸は、牛乳中のカルシウムイオンとキレートを形成するので、吸収が低下する。", "カルシウム補給のためにも、牛乳での服用が推奨されている。", "リセドロン酸は、牛乳中の成分とは特に相互作用しないので、水で服用した場合と比べて、吸収に違いは認められない。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "リセドロン酸Naは、2価以上の金属イオン(Ca^{2+}、Mg^{2+}など)と不溶性のキレートを形成する。そのため、リセロドン酸Naを牛乳で服用すると、リセドロン酸と牛乳中のカルシウムイオンがキレートを形成することによりリセドロン酸の吸収が低下することがある。"} +{"problem_id": "100268", "problem_text": "35歳女性。妊娠初期に妊娠糖尿病と診断され、食事療法を行っていたが血糖コントロールが不良となったため、薬物療法の開始が検討された。この患者に用いる薬物として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アカルボース", "ヒトインスリン(遺���子組換え)", "シタグリプチンリン酸塩水和物", "ナテグリニド", "メトホルミン塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "妊娠中に血糖コントロールが不良となった場合には、経口血糖降下薬と投与せず、インスリンを投与する。"} +{"problem_id": "100269", "problem_text": "薬物の胎盤透過に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["一般に、分子量5,000以上の薬物も透過して胎児へ移行する。", "胎盤にはP-糖タンパク質が発現し、薬物の胎盤への移行を促進している。", "多くの薬物の胎盤透過は、pH分配仮説に従う。", "一般に、母体中の血漿タンパク質結合形薬物は、胎盤へ移行しない。", "一般に、水溶性の高い薬物ほど胎盤を透過しやすい。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n薬物の胎盤通過過程では、合胞体性栄養膜細胞(血液胎盤関門)を通過する必要がある。一般に、分子量1,000以上の薬物、水溶性の高い薬物は血液胎盤関門を透過しにくい。2:誤\n胎盤にはP-糖タンパク質が発現しており、薬物の胎盤への移行を制御している。3:正\n4:正\n母体中の血漿タンパク質結合形薬物は分子量が大きいため、胎盤へ移行しない。5:誤\n解説1参照"} +{"problem_id": "100270", "problem_text": "腎移植を受けた患者が退院間近になり、病棟担当薬剤師が退院時服薬指導のために病室を訪問した。患者から、「移植コーディネーターから、退院後の食生活で特にセントジョーンズワートや柑橘類、生魚などの摂取は控えるように言われているのですが、どのような理由なのでしょうか」との質問があった。なお、当該患者にはシクロスポリンが処方されている。上記の質問に対する薬剤師の回答として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["セントジョーンズワートは、免疫抑制薬の働きを弱める恐れがあるからです。", "セントジョーンズワートは、免疫抑制薬の血中濃度を高める恐れがあるからです。", "柑橘類の中には免疫抑制薬の働きを弱めてしまうものがあるからです。", "生魚の成分には免疫抑制薬の働きを強めてしまうものがあるからです。", "生魚に付着している微生物によって食中毒を起こす恐れがあるからです。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nセントジョーンズワートは、CYP3A4誘導作用を有するため、免疫抑制薬(シクロスポリン)の代謝を促進し、血中濃度を低下させ、作用を減弱する恐れがある。2:誤\n解説1参照\n3:誤\n柑橘類の中(グレープフルーツなど)には、小腸のCYP3A4を阻害し、免疫抑制薬(シクロスポリン)の作用を増強させるものがある。4:誤\n生魚の成分により、免疫抑制薬の働きが強くなるとの報告はされていない。5:正\n免疫抑制薬(シクロスポリン)投与中は、免疫力が低下するため、生魚に付着している微生物によって食中毒を起こす恐れがある。"} +{"problem_id": "100271", "problem_text": "シクロスポリンの経口投与時の体内動態および投与設計に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["シクロスポリンの投与量は、腎移植後の日数に関わらず一定に保つことが推奨される。", "シクロスポリンの投与設計は、一般にトラフ濃度に基づいて行われる。", "シクロスポリンによる腎移植後の拒絶反応のコントロールが不良の場合は、シクロスポリンとタクロリムスの併用を行う。", "血清クレアチニン値の上昇が観察された場合は、シクロスポリンによる副作用の可能性があるため、直ちに休薬する必要がある。", "自己乳化型マイクロエマルション製剤投与後のシクロスポリンの消化管吸収は、胆汁分泌量や食事の影響を受けにくい。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nシクロスポリンの腎移植時の用法・用量を以下に示す。通常、移植1日前から1日量9〜12\nmg/kgを1日2回に分けて経口投与し、以後1日2\nmg/kgずつ減量する。維持量は1日量4〜6\nmg/kgを標準とするが、症状により適宜増減する。2:正\nシクロスポリンはTDM対象薬剤であり、投与直前のトラフ値を参考にして投与量を調節する必要がある。3:誤\nシクロスポリンによる腎移植後の拒絶反応のコントロールが不良の場合でも、シクロスポリンとタクロリムスを併用することはない。なお、シクロスポリンとタクロリムスを併用すると、シクロスポリンの血中濃��が上昇し、腎障害等の副作用が現れやすくなるため、両剤は併用禁忌とされている。4:誤\n血清クレアチニン値が上昇した場合、以下の2つのことが考えられる。・シクロスポリンによる副作用の可能性\n対処方法:\nシクロスポリンの減量、休薬を行う\n・シクロスポリンの効果不十分による拒絶反応が発現している可能性\n対処方法:\nシクロスポリンの増量又は他剤への変更を行う\n5:正\nシクロスポリンの自己乳化型マイクロエマルション製剤は、乳化するために胆汁酸を必要としないため、その消化管吸収は、胆汁分泌量や食事の影響を受けにくい。"} +{"problem_id": "100272", "problem_text": "メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症の患者に対しバンコマイシンが投与されていたが、効果が得られなかったため、テイコプラニンの使用に関して医師と協議した。テイコプラニンの使用上の留意点として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["投与終了1〜2時間後の血中濃度を測定する必要がある。", "レッドマン症候群を避けるため、30分以上かけて点滴静注する。", "血中タンパク結合率が低いため、血中アルブミン濃度を考慮する必要はない。", "バンコマイシンと比べて消失半減期が長いため、負荷投与が必要である。", "初期投与量は、腎機能に応じて調節する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nテイコプラニンはTDM対象薬剤であり、薬効及び副作用をコントロールするために投与直前のトラフ値を測定する必要がある。2:正\nテイコプラニンを急速静注すると、ヒスタミン遊離に起因するレッドマン症候群を起こすことがあるため、テイコプラニンは30分以上かけて点滴静注する必要がある。3:誤\nテイコプラニンの血中タンパク結合率は90%と高く、血中アルブミン濃度により薬効が変化することがあるため、テイコプラニンを投与する際には、血中アルブミン濃度を考慮する必要がある。4:正\nテイコプラニンは、バンコマイシンと比べて消失半減期が長く、定常状態に到達するまでの時間が長くなるため、迅速に定常状態に到達させるために負荷投与を行う必要がある。5:誤\nテイコプラニンは腎消失型薬物であり、腎機能に応じて投与量を調節するが、初期投与量を調節せず、投与4日目以降から腎機能に応じて投与量を調節する。"} +{"problem_id": "100273", "problem_text": "テイコプラニンの静脈内投与終了後の血中濃度推移について、分布終了後の遅い時間(消失相)の血中濃度データを用いて線形1-コンパートメントモデルで解析した場合と、初期の分布相のデータも含めて線形2-コンパートメントモデルで解析した場合では、得られる薬物動態パラメータの値が異なる。薬物動態パラメータの関係について正しい記述はどれか。2つ選べ。", "choices": ["2-コンパートメントモデルから得られる全身クリアランスは、1-コンパートメントモデルから得られる値よりも小さい。", "2-コンパートメントモデルにより推定される投与終了直後の血中濃度は、1-コンパートメントモデルから得られる値よりも小さい。", "2-コンパートメントモデルから得られる中央コンパートメントの分布容積は、1-コンパートメントモデルから得られる分布容積よりも小さい。", "2-コンパートメントモデルから得られる消失相の半減期は、1-コンパートメントモデルから得られる半減期よりも短い。", "2-コンパートメントモデルから得られる血中濃度時間曲線下面積は、1-コンパートメントモデルから得られる値よりも小さい。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "100274", "problem_text": "院内のレジメンを管理する委員会において、制吐薬として用いる薬物について薬剤師が説明した。「この薬物は、5-HT_{3}受容体拮抗薬です。他の5-HT_{3}受容体拮抗薬に比べて消失半減期が約42時間と長く、そのため遅発期の悪心・嘔吐にも効果があります。」 薬剤師が説明した薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アザセトロン塩酸塩", "オンダンセトロン塩酸塩水和物", "グラニセトロン塩酸塩", "トロピセトロン塩酸塩", "パロノセトロン塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "問題文に「この薬物の体内動態は線形1-コンパートメントモデルに従う」と記載されていることから、この薬物は1次反応に従って消��すると考える。<急速静脈内投与したときの初期の血中濃度C_{0}を求める>問題文に「0.75 mgを急速静脈内投与する」「分布容積は750 Lとする」と記載されていることから、この薬物0.75 mgを急速静脈内投与したときの初期の血中濃度C_{0}を以下のように計算することができる。C_{0}=D/V_{d}=0.75 mg/750 L=0.001 mg/L=0.001 \\micro g/mL=1 ng/mL\n<7日後の血中濃度を求める>\n7日(24時間\\times 7日=168時間)後の血中濃度Cは、本剤の半減期(42時間)4回経過した時の血中濃度であるため、7日後の血中濃度を以下のように計算することができる。C=C_{0}\\times (1/2)^{4}=1 ng/mL\\times 1/16=0.0625 ng/mL"} +{"problem_id": "100275", "problem_text": "この薬物0.75 mgを急速静脈内投与するとき、7日後の血中濃度に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、この薬物の体内動態は線形1-コンパートメントモデルに従うものとし、分布容積は750 Lとする。", "choices": ["0.25 \\micro g/mL", "0.125 \\micro g/mL", "0.0625 \\micro g/mL", "0.25 ng/mL", "0.125 ng/mL", "0.0625 ng/mL"], "text_only": true, "answer": ["6"], "comment": "問題文に「この薬物の体内動態は線形1-コンパートメントモデルに従う」と記載されていることから、この薬物は1次反応に従って消失すると考える。<急速静脈内投与したときの初期の血中濃度C_{0}を求める>問題文に「0.75\nmgを急速静脈内投与する」「分布容積は750\nLとする」と記載されていることから、この薬物0.75\nmgを急速静脈内投与したときの初期の血中濃度C_{0}を以下のように計算することができる。C_{0}=D/V_{d}=0.75\nmg/750\nL=0.001\nmg/L=0.001\n\\micro\ng/mL=1\nng/mL\n<7日後の血中濃度を求める>\n7日(24時間\\times\n7日=168時間)後の血中濃度Cは、本剤の半減期(42時間)4回経過した時の血中濃度であるため、7日後の血中濃度を以下のように計算することができる。C=C_{0}\\times\n(1/2)^{4}=1\nng/mL\\times\n1/16=0.0625\nng/mL"} +{"problem_id": "100276", "problem_text": "65歳男性。変形性関節症の治療中であり、以下の薬剤が処方された。本テープ剤の使用に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["原因療法ではなく、対症療法である。", "アスピリン喘息の患者に対しては禁忌である。", "光線過敏症の既往歴を持つ患者に対しては禁忌である。", "湿疹または発疹の部位には使用しない。", "胃不快感などの消化器症状が現れることがある。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n本テープ剤は、変形関節症の疼痛緩和の目的で処方されていることから、原因療法でなく、対症療法で用いられている。2:正しい\nロキソプロフェンは、シクロオキシゲナーゼを阻害し、リポキシゲナーゼ経路活性化させロイコトリエン産生を亢進させることにより、気管支を収縮させ、喘息様発作(アスピリン喘息)を引き起こすことがある。そのため、本テープ剤はアスピリン喘息の患者に対して禁忌である。3:誤っている\n本テープ剤は光線過敏症を起こしにくい薬剤である。そのため、本テープ剤は光線過敏症の既往歴を持つ患者に対して禁忌ではない。なお、ケトプロフェンを含有するテープ剤は、光線過敏症を起こしやすいため、使用中もしくは使用中止後当分の間、貼付部位に直接日光に当てないよう注意する必要がある。4:正しい\n本テープ剤を損傷皮膚や粘膜にテープ剤を使用すると、皮膚刺激を生じやすい。そのため、本テープ剤を湿疹または発疹の部位には使用しない。5:正しい\nロキソプロフェンは、プロスタグランジンの生合成を阻害することにより副作用として胃腸障害を起こすことがある。"} +{"problem_id": "100277", "problem_text": "本テープ剤に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["室温で保存する。", "製剤均一性試験法の適用を受ける。", "溶出試験法の適用外である。", "膏体は支持体に展延されている。", "水を含む基剤を用いた貼付剤である。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n本テープ剤は室温で保存することとされている。2:正しい\n貼付剤のうち経皮吸収型製剤は、製剤均一性試験法の適用を受ける。3:正しい\n貼付剤には、溶出試験法は適用されない。なお、溶出試験法は、経口投与製剤に規定される試験法である。4:正しい\n本テープ剤は、有効成分を膏体に混和し、その膏体を支持体またはライナー(剥離体)に展延した製��である。5:誤っている\nテープ剤は、ほとんど水を含まない基剤を用いた製剤である。なお、パップ剤は、水を含む基剤を用いた製剤である。"} +{"problem_id": "100278", "problem_text": "入院中の5歳女児。体重21 kg。39.0^{\\circ} Cの発熱が認められたので、アセトアミノフェン坐剤200 mgが投薬されることになった。アセトアミノフェン坐剤の投薬に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["小児に対して一日当たりの最大用量が決められている。", "この患児に重篤な肝障害がある場合には禁忌である。", "この患児に重篤な心機能不全がある場合には禁忌である。", "過度の体温下降が現れることがある。", "この患児がインフルエンザに罹患している場合には禁忌である。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n本剤については、「小児科領域における解熱・鎮痛」の効能・効果に対する最大用量が設定されている。なお、本剤については、幼児、小児に対してアセトアミノフェンとして1日総量60mg/kgを限度とするとされている。2:正しい\n本剤は、重篤な転帰をとるおそれがあるため、重篤な肝障害のある患者には投与禁忌である。3:正しい\n本剤は、循環系のバランスが損なわれ、心不全が増悪するおそれがあるため、重篤な心機能不全のある患者には投与禁忌である。4:正しい\n本剤は、過度の体温下降、虚脱、四肢冷却を起こすことがある。5:誤っている\n本剤はインフルエンザに罹患している患児に対しても使用することができる。なお、NSAID(ジクロフェナクナトリウムなど)を含有する坐剤については、ライ症候群とよばれる脳症を誘発するおそれがあるのでインフルエンザに罹患している患児には投与禁忌である。"} +{"problem_id": "100279", "problem_text": "本坐剤の基剤には、半合成油脂性基剤であるハードファット(ウィテプゾール)が用いられている。ハードファットに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["直腸内の水分により速やかに溶解し、主薬を放出する。", "冷所保存してはならない。", "飽和脂肪酸のモノ、ジ、トリグリセリドの混合物である。", "坐剤の成形にプラスチック製容器は使用できない。", "結晶多形が存在する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nハードファットは油脂性基剤であり、体温により溶融し主薬を放出する。なお、水溶性基剤については、直腸内の水分のより溶解し、主薬を放出する。"} +{"problem_id": "100280", "problem_text": "70歳男性。同居している家族がインフルエンザを発症したので、予防のために近医を受診したところ以下の処方が出された。本吸入剤の予防投与に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ザナミビル水和物の用法・用量は、治療に用いる場合と異なる。", "感染者と接触後3日目に投与を開始する。", "投与後異常行動の発現のおそれはない。", "A型およびB型インフルエンザの予防に効果がある。", "ザナミビル水和物の予防効果は吸入中止後も長期に持続する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本剤は、インフルエンザウイルス感染症の予防に用いる場合と治療に用いる場合で用法・用量が異なる。・治療に用いる場合\n2ブリスターを、1日2回、5日間投与\n・予防に用いる場合\n2ブリスターを、1日1回、10日間投与\n2:誤\n本剤をインフルエンザウイルス感染症の予防に用いる際は、感染者と接触後1.5日以内に投与を開始する。3:誤\n因果関係は不明であるが、本剤の使用後に異常行動等の精神神経症状を発現した例が報告されている。4:正\n本剤は、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療又はその予防に効果を示す。5:誤\n本剤の予防効果は、投与している期間のみ持続する。"} +{"problem_id": "100281", "problem_text": "本吸入剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["添加されている乳糖粒子は、薬物粒子同士の過度な凝集を抑える働きがある。", "薬物粒子は、吸入時に効率よく気道に到達する空気力学径である20 \\micro m前後の粒子径に設計されている。", "薬物粒子が吸湿すると流動性が低下するため、防湿性の包装が施されている。", "吸入時に、薬物粒子が二次粒子を形成するように設計されている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n本剤の有効成分であるザナミビルの粒子径は小さく(ほとんどが5\n\\micro\nm以下)、付着凝集性が高いため、そのままの状態だと薬物粒子同士が凝集してしまう。それを防ぐために、粒子径が増大させる目的で乳糖粒子が添加されている。2:誤\n本剤に含まれている薬物粒子は、吸入時に効率よく気道に到達する空気力学径である1〜5\n\\micro\nm前後の粒子径に設計されている。なお、粒子径が20\n\\micro\nm前後のものは、主に口腔や咽頭に付着するため、本剤の目的部位である気道まで到達する薬剤量が少なくなる。3:正\n吸湿による流動性の低下を防止するために、本剤には防湿性の包装(両面アルミニウムのブリスター包装)が施されている。4:誤\n本剤は、吸入時に二次粒子(薬物粒子に乳糖を付着させた状態)から一次粒子(乳糖が離れた薬物粒子のみの状態)を形成するように設計されている。"} +{"problem_id": "100282", "problem_text": "75歳男性。2日前から腹部に痛みを伴う赤い発疹が認められた。この発疹は小さな水ぶくれとなり帯状に広がり、激しい痛みとなった。近医を受診し、帯状疱疹と診断され、病院に入院となり、以下の薬剤が処方された。上記の処方に対し、病棟薬剤師が注意すべき内容として、最も優先順位が低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["バラシクロビルによる精神神経症状の発現", "肝機能障害時におけるバラシクロビルの用量調節", "ナプロキセンによる消化性潰瘍の発生", "ナプロキセンによる気管支ぜん息の誘発", "ナプロキセンによる浮腫及び高血圧の発現"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:優先順位が高い\nバラシクロビルは、副作用として精神神経症状(意識障害、せん妄、妄想、幻覚、錯乱)を発現する可能性がある。2:優先順位が低い\nバラシクロビルの活性代謝物であるアシクロビルは、腎消失型の薬物であるため、腎機能が低下した患者に投与する際は用量調節を行う必要がある。3:優先順位が高い\nナプロキセンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)であり、副作用として消化性潰瘍を発現する可能性がある。4:優先順位が高い\nナプロキセンはNSAIDであり、気管支収縮を引き起こすことにより、気管支ぜん息様発作を誘発する恐れがある。5:優先順位が高い\nナプロキセンはNSAIDであり、プロスタグランジン生成を抑制することにより、腎障害、浮腫や高血圧を発現する可能性がある。"} +{"problem_id": "100283", "problem_text": "アシクロビルのプロドラッグであるバラシクロビルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アシクロビルにエチレングリコールを結合させた化合物で、体内吸収後の血中滞留性はアシクロビルより優れている。", "主に肝臓のエステラーゼで加水分解されてアシクロビルに変換される。", "経口投与後のアシクロビルとしてのバイオアベイラビリティは、消化管からの吸収率が高まるため、アシクロビル経口投与時のそれより高くなる。", "経口投与後のアシクロビルとしてのバイオアベイラビリティは、肝臓での代謝を回避できるため、アシクロビル経口投与時のそれより高くなる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "バラシクロビルは、アシクロビルにバリンをエステル結合させ、消化管に存在するペプチドトランスポーターで輸送させることにより、アシクロビルの吸収性を改善したプロドラッグである。バラシクロビルは、肝初回通過効果により、エステラーゼにより加水分解され、活性代謝物のアシクロビルに変換され、その後、ヘルペスウイルス感染細胞内でリン酸化を受け、抗ウイルス作用を示す。"} +{"problem_id": "100284", "problem_text": "70歳男性。1年ほど前から夜間頻尿、残尿感を認めていたので、近くの泌尿器科を受診した。前立腺肥大症と診断され、以下の薬剤が処方された。この患者への指導の内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この薬は、肥大した前立腺を直接的に縮小させ症状を改善すると説明した。", "この薬は、効果が現れるまでに通常数ヶ月間かかることを説明した。", "この薬で、めまい、立ちくらみが現れることがあるので自動車の運転に注意するように指導した。", "この薬は、口腔内崩壊錠であるが、噛み砕かずに服用するように説明した。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤本剤は、肥大した前立腺を直接的に縮小させ症状を改善させる作用を有しない。なお、本剤は、前立腺や尿道のアドレナリン\\alpha _{1A}受容体を選択的に遮断し、前立腺平滑筋を弛緩させ、尿道内圧を低下させることにより排尿障害を改善させる。2:誤\n本剤は、服用後数日で効果が現れる。3:正\n本剤は、アドレナリン\\alpha 受容体遮断作用を有するため、血圧降下によるめまい、立ちくらみを生じる恐れがある。そのため、本剤服用中は、めまい、立ちくらみが現れることがあるので自動車の運転に注意する必要がある。4:正\n本剤は、徐放性顆粒を含有している口腔内崩壊錠であることから、服用する際には噛み砕かないように注意する必要がある。"} +{"problem_id": "100285", "problem_text": "処方された口腔内崩壊錠に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["錠剤表面が、水不溶性高分子でコーティングされている。", "錠剤表面が、腸溶性高分子でコーティングされている。", "口腔粘膜からの薬物吸収を期待した製剤である。", "滑沢剤として、ステアリン酸塩が添加されている。", "水に溶け易い糖類が、添加されている。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n本剤は、コア粒子を核として薬物層、徐放性被膜、腸溶性被膜の3層でコーティングされた顆粒が含有されている口腔内崩壊錠である。よって、本剤は錠剤表面をコーティングしたものではない。2:誤\n解説1参照\n3:誤\n本剤は口腔内崩壊錠であり、口腔粘膜からの吸収を期待した製剤ではなく、消化管からの吸収を期待した製剤である。4:正\n本剤には滑沢剤としてステアリン酸カルシウムが添加されている。5:正\n本剤には賦形剤として水に溶解しやすい乳糖水和物が添加されている。"} +{"problem_id": "100286", "problem_text": "76歳男性。体重72 kg。先週より腰痛があり、整形外科を受診し、神経障害性疼痛の診断を受けた。同日保険薬局を訪れ、処方せんをお薬手帳と共に保険薬局の薬剤師に手渡した。手帳には以下の記載があり、約2週間前から胃潰瘍治療薬を服用していることを薬剤師は確認した。今回の処方せんは以下のとおりであった。腎機能を評価する上で、糸球体ろ過量(値または率、GFR)を最も正確に評価できるものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["血清クレアチニン値", "血中尿素窒素(BUN)値", "イヌリンクリアランス値", "尿中\\beta _{2}ミクログロブリン値", "PSP値(フェノールスルホンフタレイン試験)"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、腎機能を評価する上で、糸球体ろ過量(値または率、GFR)を最も正確に評価できるものは、イヌリンクリアランス値である。イヌリンは、肝臓で代謝を受けず、糸球体で100%ろ過されることにより消失することに加え、血漿タンパク質と結合しないため、そのクリアランス値はGFRに相当する。"} +{"problem_id": "100287", "problem_text": "薬剤師が、プレガバリンカプセルの添付文書を確認したところ、クレアチニンクリアランス(mL/min)≧60の場合の初期投与量「1回75 mg、1日2回」、≧30 - <60の場合の初期投与量「1回75 mg、1日1回」、≧15 -<30の場合の初期投与量「1回50 mg、1日1回」と記載されていた。この患者の薬物治療に対する薬剤師の対応として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["お薬手帳の処方1の薬剤とプレガバリンとの併用は禁忌であると考えて、お薬手帳に記載された内科医に疑義照会した。", "お薬手帳の処方2の薬剤とプレガバリンとの併用は禁忌であると考えて、今回の処方医に疑義照会した。", "プレガバリンの投与量が少ないと考えて、今回の処方医に疑義照会した。", "プレガバリンの投与量が少ないと考えて、お薬手帳に記載された内科医に疑義照会した。", "適切な用量の処方であると判断して、調剤を行った。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "Cockcroft-Gault式を用いて、血清クレアチニン値、体重、年齢より、患者のクレアチニンクリアランス値(CL_{cr})を求めることができる。"} +{"problem_id": "100288", "problem_text": "66歳男性。高血圧、心房細動とアレルギー性鼻炎のため、内科から下記の薬剤が処方されていた。最近、歩行すると足が痛くなるようになったため、外科を受診���たところ、下肢静脈瘤と診断され、1ヶ月後に手術を行うことになった。外科の担当医より、手術前のワルファリンの休薬期間とその代替薬について外科病棟担当薬剤師に質問があった。以下の組合せのうち、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "ワルファリンは抗凝血薬であり、その術前休薬期間は、3〜5日間とされている。また、選択肢のうち、ワルファリンの代替薬として用いることができるのは、ヘパリンである。ヘパリンは、ワルファリンと同様に抗凝血作用を示し、作用時間が短いことから、術前のワルファリンの代替薬として用いることができる。なお、シロスタゾールは血小板凝集抑制薬であり、服薬中止後も作用が持続するため、術前のワルファリンの代替薬としては不適切である。"} +{"problem_id": "100289", "problem_text": "上記の処方薬剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジソピラミドリン酸塩徐放錠は、不応期を短縮させ房室ブロックに用いる。", "ワルファリンカリウム錠は、血栓形成を抑制し、脳梗塞の発症を予防する。", "ランソプラゾール口腔内崩壊錠は、併用薬の酸化的分解の抑制のため用いる。", "ニフェジピン徐放錠は、労作時狭心症発作時の治療に用いる。", "レボセチリジン塩酸塩錠は、鼻汁分泌を抑制し、アレルギー性鼻炎に用いる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nジソピラミドは、Na^{+}チャネル及びK^{+}チャネル遮断することから、不応期を延長させる作用を有する。本剤は、心房細動などの頻脈性不整脈に用いられるが、徐脈を悪化させるおそれがあるため、高度の房室ブロック及び洞房ブロックのある患者へ投与することはできない(投与禁忌)。"} +{"problem_id": "100290", "problem_text": "74歳女性。糖尿病を患っており、在宅での治療のためインスリン製剤の自己注射を行っていた。本日、患者より投薬を受けている薬局に電話があり、「昨日から下痢が続き、食事が普段の半分くらいしか摂れないため、主治医に連絡したが、休診で連絡が取れないので、生活面でどのようにしたらよいか。」との質問があった。質問を受けた時点で、薬剤師が患者に確認するべき事項として優先度の高いものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["前回外来受診時の尿タンパク量", "前回外来受診時の血糖値", "前回外来受診時のHbA1c値", "直近の血糖自己測定値", "肥満度"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本患者は、下痢が続き、食事が十分に摂れない場合の対応について薬剤師に質問している。本症例のような場合には、薬剤師はシックデイにおける対応を心掛ける必要がある。シックデイでは、血糖値が乱れやすくインスリン作用不足による高血糖や、食事摂取不十分による低血糖など様々な状態が引き起こされる可能性があるため、まずは直近の血糖自己測定値を確認することによって、今後の対応を検討する必要がある。"} +{"problem_id": "100291", "problem_text": "薬剤師は、患者宅を訪問して対応することとした。患者の質問に対する現状での回答内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["食事が摂れなくてもインスリン製剤の使用は続ける。", "下痢をしていない時の食事内容を続ける。", "野菜スープなどミネラル分を含むものを中心に水分摂取を心掛ける。", "炭水化物の摂取は、下痢をしていない時の食事よりも少なくする。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nインスリン製剤の使用を中止すると、ケトアシドーシスなどの重篤な合併症を引き起こす恐れがあるため、食事が充分に摂取できていない場合においてもインスリン製剤の使用を中止してはならない。食事が充分に摂取できていない場合には、血糖値を測定し単位数を加減しながらインスリン製剤の使用を続ける必要がある。"} +{"problem_id": "100292", "problem_text": "2歳女児。体重10 kg。1日数回の全身強直間代性けいれんを発現し、ミオクローヌスてんかんと診断され、バルプロ酸ナトリウムシロップの投与が開始された。投与開始3ヶ月頃、呼びかけに反応しないなどの意識障害が頻回に見られたため入院加療となり、バルプロ酸の血漿中トラフ濃度と血漿アンモニア窒素値が測定された。バルプロ酸��血漿中トラフ濃度は60 \\micro g/mLであった。測定結果の判断として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["有効安全濃度域下限の約1/10であった。", "有効安全濃度域下限の約1/5であった。", "有効安全濃度域内にある。", "有効安全濃度域上限の約5倍であった。", "有効安全濃度域上限の約10倍であった。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "バルプロ酸の有効安全濃度域は、40〜120 \\micro g/mLとされていることから、本患者の測定値は、有効安全濃度域内にあると判断できる。"} +{"problem_id": "100293", "problem_text": "この患者の血漿アンモニア窒素値は、180 \\micro g/dL(正常値12〜66 \\micro g/dL)であった。この原因として、最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ミオクローヌス発作にともなう筋障害", "ミオクローヌス発作にともなう低酸素血症", "ミオクローヌス発作にともなう腎血流の低下", "バルプロ酸による肝実質細胞の障害", "バルプロ酸による尿素サイクルの阻害", "バルプロ酸による腸内のウレアーゼの阻害"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "バルプロ酸やその代謝物は、尿素サイクルに関与するカルバモイルリン酸シンターゼIを阻害する作用を有しており、副作用として高アンモニア血症を引き起こす可能性がある。なお、バルプロ酸は、重篤な高アンモニア血症が現れることがあるため、尿素サイクル異常症の患者には投与禁忌とされている。"} +{"problem_id": "100294", "problem_text": "84歳女性。女性の家族が近所の保険薬局に処方せんを持参した。最近になって女性の記銘力低下(物忘れ)が気になり、脳神経外科を受診したとのことであった。医師により軽度のアルツハイマー型認知症と診断され、今回が初回投薬となった。その処方内容は次の通りであった。薬剤師が、この処方せんを確認して調剤を行う場合、その対応として最も適切なのはどれか。1つ選べ。なお、ドネペジル塩酸塩錠は、3 mg、5 mg、10 mg錠が製品化されている。", "choices": ["ドネペジル塩酸塩錠は3 mgから開始するので、医師に疑義照会した。", "ドネペジル塩酸塩錠は5 mgが維持量なので、問題はないと判断した。", "ドネペジル塩酸塩錠は初回負荷量として10 mgを投与するので、医師に疑義照会した。", "ドネペジル塩酸塩錠とレバミピド錠の併用は禁忌なので、医師に疑義照会した。", "レバミピド錠は中枢神経系の副作用軽減を目的とすることを説明した。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n本患者に対して、ドネペジル塩酸塩錠が初めて処方されていることから、ドネペジル塩酸塩錠を3 mgから開始することについて疑義照会する必要がある。ドネペジル塩酸塩錠の用法・用量について以下に示す。<ドネペジル塩酸塩錠の用法・用量>\n「通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3 mgから開始し、1~2週間後に5 mgに増量し、経口投与する。高度のアルツハイマー型認知症患者には、5 mgで4週間以上経過後、10 mgに増量する。なお、症状により適宜減量する。」\n2:誤\n解説1参照\n3:誤\n解説1参照\n4:誤\nドネペジル塩酸塩錠とレバミピド錠を併用することは可能である。5:誤\nドネペジル塩酸塩の副作用である消化性潰瘍を軽減することを目的としてレバミピドが処方されていると考えられる。"} +{"problem_id": "100295", "problem_text": "アルツハイマー型認知症の病因・病態として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["脳内コリン作動性神経系の著しい亢進を認める。", "前頭葉を中心として全般的脳萎縮を認める。", "アミロイド\\beta オリゴマーが、神経細胞周囲に蓄積する。", "大脳皮質を中心に、老人斑と神経原線維変化を認める。", "中核症状として徘徊がある。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n本疾患では脳内コリン作動性神経系の著しい低下を認める。"} +{"problem_id": "100296", "problem_text": "今回、病棟薬剤師として、初めて精神科病棟を担当することとなった。そこで、病棟において使用されている薬剤のうち、特に副作用に注意しなければならない薬剤をリストアップすることにした。以下の薬剤の中で、緊急安全性情報が発出された薬剤の副作用発現を調べるために、血液の検査を行う必要のあるものはどれか。2つ選べ。", "choices": ["セルトラリン塩酸塩錠", "オランザピン錠", "ミルタザピン錠", "リスペリドン錠", "クエチアピンフマル酸塩錠"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "選択肢のうち、緊急安全性情報が発出された薬剤は、オランザピン錠とクエチアピンフマル酸塩錠である。オランザピン錠、クエチアピンフマル酸塩錠は、血糖上昇による糖尿病性ケトアシドーシス及び糖尿病昏睡について緊急安全性情報が発出された。緊急安全性情報の内容を以下に示す。<緊急安全性情報の内容>\n・糖尿病の患者あるいは糖尿病の既往歴のある患者に投与しないこと\n・本剤投与中は、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと\n・患者及びその家族に対し、十分に説明すること"} +{"problem_id": "100297", "problem_text": "この副作用はどれか。1つ選べ。", "choices": ["肝機能障害", "高血糖", "高カリウム血症", "腎機能障害", "横紋筋融解症"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "問296解説確認"} +{"problem_id": "100298", "problem_text": "64歳男性。風邪気味のため近くの薬局を訪れ、薬剤師に一般用医薬品の相談をした。男性が持参したお薬手帳には、以下の内容が記載されており、1年以上継続して服用していることがわかった。男性の症状を聴取したところ、喉がイガイガして痰のからむ咳があるが、鼻水、発熱および頭痛はないとのことであった。薬剤師は、以下の成分を含む一般用医薬品の中から、この男性に適した薬剤を推奨することにした。推奨する一般用医薬品の成分として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["L-カルボシステイン、ブロムヘキシン塩酸塩", "アセトアミノフェン、エテンザミド", "デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、リゾチーム塩酸塩", "ジメモルファンリン酸塩、ブロムヘキシン塩酸塩、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩", "イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n本患者は症状として、痰のからむ咳を呈していることから、去痰薬であるL-カルボシステイン、ブロムヘキシン塩酸塩を推奨することは適切である。2:誤\n本患者は症状として、発熱および頭痛がないことから、解熱鎮痛薬であるアセトアミノフェン、エテンザミドを推奨することは適切ではない。3:正\n本患者は症状として、痰のからむ咳を呈していることから、鎮咳薬であるデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、去痰薬であるリゾチーム塩酸塩を推奨することは適切である。4:誤\n本患者は、タムスロシンを服用していることから、前立腺肥大症に罹患していると考えられる。前立腺肥大症に罹患している患者には、抗コリン薬であるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩を推奨することはできない。なお、ジメモルファンリン酸塩は鎮咳薬、ブロムヘキシン塩酸塩は去痰薬であり、この男性患者に推奨する医薬品として適切である。5:誤\n本患者は症状として、発熱および頭痛がないことから、解熱鎮痛薬であるイブプロフェン、鎮痛補助薬であるアリルイソプロピルアセチル尿素を推奨することは適切でない。"} +{"problem_id": "100299", "problem_text": "この患者に対して適切でないと判断された一般用医薬品について、その理由にあてはまるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["症状を改善させる成分が含まれていない。", "現在使用中の薬物により代謝が阻害され、QT延長を引き起こす成分が含まれている", "排尿筋を弛緩させ、排尿困難を悪化させる成分が含まれている。", "腺細胞を増殖させ、排尿困難を悪化させる成分が含まれている。", "尿道括約筋を弛緩させ、排尿困難を悪化させる成分が含まれている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "問298解説確認"} +{"problem_id": "100300", "problem_text": "54歳女性。数年前から関節リウマチを患い、整形外科でメトトレキサートカプセルによる治療を受けていた。患者が処方せんを薬局に持参した際、「今までの薬だけでは改善しないので、次回から飲み薬に加えて点滴する薬を新しく追加すると医師から言われた。」と薬剤師に話した。この患者に新しく追加される点滴薬として、考えられるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["オマリズマブ", "アダリムマブ", "リツキシマブ", "インフリキシマブ", "セツキシマブ"], "text_only": true, "answer": ["解なし"], "comment": "選択肢のうち、関節リウマチ��治療に用いられる薬物は、アダリムマブとインフリキシマブである。以下にアダリムマブ製剤およびリツキシマブ製剤の投与経路について示す。・アダリムマブ製剤: 皮下注\n・インフリキシマブ製剤: 点滴静注\n上記より、この患者に追加される点滴薬は、「インフリキシマブ」である。<解なしの理由>\n関節リウマチ治療薬を選択する問題である場合については、選択肢2、選択肢4が解答となるが、今回の問題では「点滴薬として」と記載されていることから、選択肢2のみが解答となる。"} +{"problem_id": "100301", "problem_text": "この患者から、「その点滴する薬を使用する前に、検査をして確認することがあると医師に言われたが、何を検査するのか。」と質問された。対応した薬剤師の回答として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["リウマトイド因子", "胸部レントゲン", "血糖値", "ヘモグロビン値", "ツベルクリン反応"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "インフリキシマブを投与することにより免疫機能が低下し、結核を発症する恐れがある。そのため、本剤を投与する前には結核の有無を確認する必要がある。結核の有無の確認方法を以下に示す。・十分な問診及び胸部レントゲン反応検査\n・インターフェロン-\\gamma\n遊離試験又はツベルクリン反応検査\n・適宜胸部CT検査:等"} +{"problem_id": "100302", "problem_text": "地区の小学校の校長から担当の学校薬剤師に連絡があり、「適切な手洗い方法を児童に指導して欲しい」との依頼があった。学校薬剤師は小学校を訪れて児童に手洗いの指導を行った。手洗いが不充分になりやすく、指導の優先度が高い部位は以下のどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "手洗いが不十分になりやすい部位を以下に示す。・指先\n・指の付け根の間\n・親指の周り\n・手首:等"} +{"problem_id": "100303", "problem_text": "手洗いが、感染防止に有効である可能性の高い感染症はどれか。2つ選べ。", "choices": ["C型肝炎", "デング熱", "インフルエンザ", "日本脳炎", "O-157感染症"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "選択肢のうち、手洗いが、感染防止に有効である可能性の高い感染症は、主に接触感染を起こす「インフルエンザ」と主に経口感染する「O-157感染症」である。なお、C型肝炎は主に血液から感染するため、手洗いにより感染を防止することはできない。また、デング熱、日本脳炎は主に蚊を媒介して感染するため、手洗いにより感染を防止することはできない。"} +{"problem_id": "100304", "problem_text": "25歳女性。急性骨髄性白血病に対して同種造血幹細胞移植術が施行された。ある時期から38^{\\circ} C以上の発熱が10日間以上続き、肺右下葉の気管支肺胞洗浄液の所見に基づいて侵襲性肺アスペルギルス症と診断された。なお、この診断がなされた時点での患者のクレアチニンクリアランス値は20.5 mL/minであった。肺アスペルギルスに関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["好中球減少症患者で発症しやすい。", "温泉や24時間入浴機器の使用が感染源となりやすい。", "空調機器等を介した院内感染に注意が必要である。", "グラム陰性桿菌の感染症である。", "血中(1,3)-\\beta -D-グルカン濃度が低下する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n本感染症は、好中球減少症など免疫機能が低下した患者で発症しやすい。2:誤\n温泉や24時間入浴機器の使用が感染源となりやすいのは、レジオネラ感染症である。3:正\n本感染症の原因となるアスペルギルス属の真菌が空調機器等を介して病棟に運ばれ、院内感染を引き起こすことがある。4:誤\n本感染症は真菌感染症であり、細菌による感染症ではない。5:誤\n本感染症に罹患すると、真菌細胞壁の構成成分である(1,3)-\\beta -D-グルカン濃度が血液中で増加する。"} +{"problem_id": "100305", "problem_text": "この患者に対して、イトラコナゾール注射剤は使用できないと病棟薬剤師は判断した。その理由として、正しいのはどれか。1つ選べ。なお、イトラコナゾール注射剤には、1%イトラコナゾールの他に添加剤としてヒドロキシプロピル-\\beta -シクロデキストリン、プロピレングリコール、塩酸を含む。", "choices": ["イトラコナゾールがアスペルギルス症に対して無効であ���ため", "イトラコナゾールが腎排泄型薬物であるため", "イトラコナゾールが肺に移行しないため", "添加物が腎機能を低下させるため", "添加物が造血幹細胞の増殖を抑制するため", "添加物に催奇形性があるため"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "イトラコナゾール注射液には、溶解補助剤としてヒドロキシプロピル-\\beta\n-シクロデキストリンが含まれており、これが腎組織に蓄積することによる腎機能低下を起こすことがある。そのため、本剤はクレアチニンクリアランス値が30\nmL/分未満である高度腎機能障害患者には投与することができない(投与禁忌)。"} +{"problem_id": "100306", "problem_text": "32歳女性。皮膚科より尋常性乾癬と診断を受け、以下の薬剤を初めて服用することになった。なお、医師からは治療の説明を受けている。薬剤師は、処方せん受付時に、患者が医師から受けた説明内容を確認した。この薬剤を使用するにあたり、確認すべき項目のうち、優先度が高いものはどれか。2つ選べ。", "choices": ["日光浴", "避妊", "食事の回数", "起床時間", "献血"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "本剤の添付文書には、以下のように記載されている。・本剤には催奇形性があるので、妊娠する可能性のある婦人で他に代わるべき治療法がない重症な患者にやむを得ず投与する場合には、投与中及び投与中止後少なくとも2年間は避妊させること\n・本剤には催奇形性があり、また副作用の発現頻度が高いので、投与中及び投与中止後少なくとも2年間は献血を行わないよう指導すること\n上記より、本剤を使用するにあたり、確認すべき項目のうち、優先度が高いものは「避妊」、「献血」である。"} +{"problem_id": "100307", "problem_text": "この患者に関する情報の薬局における取扱いとして適切なのはどれか。2つ選べ。なお、必要な事項は薬歴に記載している。", "choices": ["患者から薬歴開示の求めがあったが、薬歴は薬局の情報であるという理由で開示を拒否した。", "患者が不慮の事故で亡くなったので、薬歴の情報を家族の同意を得ずに第三者に提供した。", "患者の勤務先から、健康診断の準備のためとして処方内容の問い合わせがあったが、患者の同意がないとの理由で回答を拒否した。", "処方せんに疑義が生じたため、患者の同意を得ずに処方医に疑義照会した。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n患者本人から、当該本人の個人情報(診療録、薬歴など)の開示を求められた場合には、原則として、その情報を開示しなければならない。"} +{"problem_id": "100308", "problem_text": "病院では、医療法の規程に基づき、医療の安全管理体制を確保することになっている。病院の管理者が、医療法の規程に基づいて、医薬品に係る安全管理体制の確保のために講じなければならない措置はどれか。2つ選べ。", "choices": ["従業者に対する研修の実施", "医薬品購入に係る委員会の設置", "情報の収集などの改善方策の実施", "医薬品保管庫の保守点検の実施"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "病院の管理者は、医薬品に係る安全管理体制の確保のための措置を講じなければならない。医薬品に係る安全管理体制の確保のための措置を以下に示す。<医薬品に係る安全管理体制の確保のための措置>\n・医薬品の使用に係る安全な管理のための責任者の配置\n・従事者に対する医薬品の安全使用のための研修の実施\n・医薬品の安全使用のための業務に関する手順書の作成及び当該手順書に基づく業務の実施\n・医薬品の安全使用のために必要となる情報の収集その他の医薬品の安全使用を目的とした改善のための方策の実施"} +{"problem_id": "100309", "problem_text": "医薬品安全管理のために、薬剤師が病棟における薬剤の在庫確認を行った。内科病棟を巡回した際、医療安全の観点から、病棟に在庫することが適切でない成分を含む注射剤として、指摘すべきものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ペンタゾシン", "ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム", "L-アスパラギン酸カリウム", "リドカイン塩酸塩", "アドレナリン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、病棟に在庫することが適切でない成分を含む注射剤は、「L-アスパルギン酸カリウム」である。注射用のカリウム製剤は���本的に希釈して投与する製剤であるが、医療現場において原液のまま投与されることによる事故事例が報告されている。日本医療機能評価機構及び心臓血管外科専門医認定機構より、本製剤について救急カートを含め、救急部を含む全外来、病棟から撤廃することなどその取扱いについての警告が発出されている。"} +{"problem_id": "100310", "problem_text": "薬剤師が医師に同行して、糖尿病治療中の在宅患者を訪問した際、患者の家族よりおしりが赤くなっていると訴えがあった。医師が診察したところ、尾骨部周辺から多くの滲出液がでていた。薬剤師は、医師から「褥瘡になっている。まず、外用剤に滲出液を吸収させたい。適切な薬剤はないか。」と相談された。以下の製剤のうち、薬剤師が提案するものとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["白色ワセリン", "親水クリーム(親水軟膏)", "マクロゴール軟膏", "単軟膏", "吸水軟膏"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本症例では、医師より「外用剤に滲出液を吸収させたい」と相談されたていることから、滲出液を吸収する作用を有するマクロゴール軟膏を提案すべきである。なお、白色ワセリン、単軟膏は創傷面の保護に用いられ、親水クリーム、吸水クリームは乾燥した組織に水分を与える際に用いられる。"} +{"problem_id": "100311", "problem_text": "後日、この患者の処方せんを薬局がファクシミリで受け取った。薬剤師は、再度患者宅を訪問し、以下の業務を行った。適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬剤の効果を確かめるために、患者から同意を得た上で採血を行い血糖を測定した。", "患者が服薬しやすいように服薬カレンダーに薬剤をセットした。", "患者宅の残薬が服用可能であったため、薬剤師の判断で処方された数量を変更して調剤した。", "薬剤の効果が不十分と考えられたため、処方医に疑義照会した。", "薬剤の副作用が発現していると考えられたため、薬剤師の判断で服用量の減量を指示した。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n採血は医行為に該当するため、薬剤師が実施することはできない。"} +{"problem_id": "100312", "problem_text": "73歳男性。突然、下肢に力が入らなくなり、来院した。検査の結果、ギランバレー症候群と診断され、医師より免疫グロブリン製剤を手配するよう院内の薬剤部に依頼があった。免疫グロブリン製剤を管理する上で、行わなければならないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["製造番号又は製造記号の記録", "冷凍保管", "献血、非献血に分けて保管", "使用した患者の氏名及び住所の記録", "施錠できる場所に保管"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本剤は、特定生物由来製品に指定されている。特定生物由来製品を使用した際には、特定生物由来製品管理簿に必要事項を記載する必要がある。<特定生物由来製品管理簿の記載事項>\n・使用対象者の氏名及び住所\n・使用した製品の名称及び製造番号または製造記号\n・使用した年月日\n・保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するために必要な事項\n2:誤\n本剤は、凍結を避け10^{\\circ} C以下で保存する必要がある。3:誤\n本剤の容器・被包には、「献血」、「非献血」が記載されているが、本剤を保管する際、献血又は非献血に分ける必要はない。4:正\n解説1参照\n5:誤\n本剤は施錠できる場所に保管する必要はない。"} +{"problem_id": "100313", "problem_text": "免疫グロブリン製剤等の血漿分画製剤の国内自給を推進するために必要とされている国の方針でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["必要な献血量の確保", "原料血漿の有効利用", "国内製造品の製造費用の補助", "医療関係者に対する意義の啓発", "適正使用の推進"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "血漿分画製剤(免疫グロブリンなど)の国内自給を推進するために必要とされている国の方針について以下に示す。・必要な献血量を確保すること\n・原料血漿を有効利用すること\n・血液に由来する製剤の意義についての啓発に取り組むこと\n・適切かつ適正な使用を推奨すること\nなお、血漿分画製剤の国内自給を推進するために「国内製造品の製造費用の補助を行うこと」は国の方針には該当しない。"} +{"problem_id": "100314", "problem_text": "50歳男性。がんによ���疼痛を緩和する目的で、在宅にてオキシコドン塩酸塩水和物徐放錠と非ステロイド性抗炎症薬で治療を行っている。疼痛はコントロールできており、重篤な副作用もみられなかった。昨晩より突発性の疼痛が発現したとの訴えが主治医にあり、今回、オキシコドン塩酸塩水和物散が臨時追加投与されることとなった。オキシコドン塩酸塩水和物散の服薬指導に関する記述として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["今まで処方されている鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬)は、今後も服用してください。", "以前よりも便秘症状がひどくなることがあります。", "食事に関係なく服用しても大丈夫です。", "オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠との服用間隔は、2時間以上あけてください。", "この薬剤の追加投与で、ウトウトすることがあります。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n本剤は臨時追加投与(レスキュードーズ)として処方されているため、今まで処方されている鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬)に加え、本剤を服用する必要がある。2:正しい\n本剤は副作用として便秘、眠気などを起こすことがあるため、本剤を臨時追加投与することにより便秘症状がひどくなったり、眠気が増すことがある。3:正しい\n本剤は臨時追加投与(レスキュードーズ)として処方されているため、食事に関係なく痛みが増強した際に服用する。4:誤っている\n解説3参照\n5:正しい\n解説2参照"} +{"problem_id": "100315", "problem_text": "オキシコドンは麻薬として規制されている。麻薬に関する規制のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬局の開設者は、特段の申し出がない限り、麻薬小売業者の免許を受けた者とみなされる。", "麻薬小売業者が麻薬処方せんを受け付ける場合は、麻薬施用者の医師免許番号が記載されていることを確認しなければならない。", "麻薬小売業者は、麻薬の滅失等の事故が生じたときは、すみやかに都道府県知事に届け出なければならない。", "麻薬小売業者は、特段の許可なく、別の麻薬小売業者に麻薬を譲渡することができる。", "麻薬小売業者は、年に1回、1年間に譲渡、譲受した麻薬の品名及び数量を都道府県知事に届け出なければならない。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n薬局において、麻薬処方せんにより調剤された麻薬を譲り渡すためには、薬局開設者が都道府県知事から麻薬小売業者の免許を受ける必要がある。"} +{"problem_id": "100316", "problem_text": "タイル職人が、タイルの汚れを落とす目的で薬局に塩酸を買いに来たので、販売することにした。塩酸(塩化水素35%含有)使用時の注意事項の説明として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["屋内での使用時は換気を行ってください。", "漂白作用を強める場合、塩素系漂白剤と混ぜて使用してください。", "強い刺激臭があるので吸い込まないよう注意してください", "皮膚に付着した時は、すぐにアルカリ液で中和してください。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n塩酸を屋内で使用する際には、揮発した塩酸による生体への悪影響(眼、皮膚、気道が障害される等)を防止するために換気を行う必要がある。2:誤\n塩酸と塩素系漂白剤を混ぜると、有害なガスが発生する可能性があるため、塩素と塩素系漂白剤は混ぜて使用しない。3:正\n揮発した塩酸には、強い刺激臭があるため、注意が必要である。4:誤\n塩酸が皮膚に付着したときは、アルカリ液で中和せず多量の水で洗い流す必要がある。なお、皮膚に付着した塩酸をアルカリ液で中和すると、中和により生じる熱により火傷を起こす可能性がある。"} +{"problem_id": "100317", "problem_text": "塩酸(塩化水素35%含有)は毒物劇物取締法により劇物に指定されている。毒物、劇物の取扱いについて正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬局開設者は、特段の申し出がない限り、毒物劇物営業者とみなされる。", "毒物又は劇物の販売業の登録には、一般販売業、農業用品目販売業及び特定品目販売業の3種がある。", "毒物劇物営業者は、毒物を貯蔵する場所に、「医薬用外」及び「毒物」の文字を表示しなければならない。", "毒物劇物営業者は、20歳未満の者に、毒物又は劇物を交付してはならない。", "毒物劇物営���者における販売又は授与にかかる書面の保存義務期間は、2年間である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n毒物又は劇物の販売業者の登録を受けなければ、薬局開設者であっても、毒物劇物営業者とはみなされない。"} +{"problem_id": "100318", "problem_text": "30歳女性。薬局に便秘薬を求めて来局した。会話の中からこの女性は授乳中であることがわかった。一般用医薬品に含有される成分のうち、この女性が、授乳している期間は使用しないか、使用中は授乳を避けるべきものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["日本薬局方センナ末", "ピコスルファートナトリウム水和物", "ビサコジル", "水酸化マグネシウム", "日本薬局方グリセリン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "授乳している期間は使用しないか、使用中は授乳を避ける必要がある一般用医薬品に含まれる成分は、「日本薬局方センナ末」である。"} +{"problem_id": "100319", "problem_text": "この女性から、購入した一般用医薬品の外箱に表示された「医薬品副作用被害救済制度」について質問された。この制度の説明として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["救済の内容としては、医療費、医療手当、障害年金などの給付があります。", "医療用医薬品も対象となりますが、一部、この制度の対象とならないものもあります。", "副作用被害が生じた場合、担当医師が独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に対して、医療費等の給付の請求を行うことになります。", "製造販売業者の賠償責任が明らかな健康被害が生じた場合でも、この制度による救済が行われることがあります。", "海外で買ってきた、外国でのみ製造販売承認を受けた医薬品もこの制度の対象になります。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "医薬品副作用被害救済制度とは、許可医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による健康被害が生じた場合に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が医療費等の副作用救済給付を行い、その健康被害を救済する制度である。1:正\n本制度における救済給付の内容には、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金、葬祭費等がある。"} +{"problem_id": "100320", "problem_text": "咳込み状態が改善しないため医療機関を受診した患者が、以下の処方せんを持って保険薬局に来局した。その際、後発医薬品変更について教えてほしいと説明を求められた。ただし、処方1〜3は先発医薬品、処方5は後発医薬品名である。後発医薬品への変更についての記述のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方1について、後発医薬品に変更できないのでこのまま調剤する。", "処方2について、後発医薬品の説明を行ったうえで患者が希望した場合は、後発医薬品を調剤する。", "処方3について、後発医薬品の説明をするが、患者が先発医薬品を希望する場合はそのまま調剤する。", "処方4について、一般名処方なので先発医薬品で調剤する。", "処方5について、在庫がないので、患者の了解が得られれば、医師に確認しないで同一金額以下で、同一成分の別銘柄の後発医薬品を調剤する。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:適切\n処方1については、「変更不可」の欄にチェックが付いていることに加え、「保険医署名」の欄に処方医の署名があるため、後発医薬品には変更できない。2:適切\n処方2については、「変更不可」の欄にチェックがないため、患者に対して後発医薬品について説明を行ったうえで、患者が後発医薬品を希望した場合、後発医薬品を調剤することが可能である。3:適切\n処方3については、「変更不可」の欄にチェックがないため、患者に対して後発医薬品について説明を行ったうえで、患者が先発医薬品を希望した場合、そのまま調剤する。4:不適切\n処方4については、一般名で処方されているため、先発医薬品又は後発医薬品を調剤することが可能である。5:適切\n処方5については、「変更不可」の欄にチェックがないため、患者の了解が得られれば、医師に確認しないで同一金額以下で、同一成分の別銘柄の後発医薬品を調剤することが可能である。"} +{"problem_id": "100321", "problem_text": "この患者は、後発医薬品への切り替えを希望した。当該患者への後発��薬品に関する説明のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["後発医薬品は、先発医薬品の再評価が終了した後に市場で提供されます。", "後発医薬品は、先発医薬品と同等の臨床効果、作用が得られる医薬品です。", "後発医薬品は、先発医薬品と比べて多くの場合、価格が安くなります。", "後発医薬品に含まれる添加剤は、どれも先発医薬品と同一です。", "日本は欧米諸国に比べて、後発医薬品の使用割合が高い状況です。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n後発医薬品は、先発医薬品の再審査期間及び特許期間が終了した後に販売される。"} +{"problem_id": "100322", "problem_text": "30歳女性。片頭痛のためリザトリプタン安息香酸塩錠(以下「薬剤1」とする)が処方され、保険薬局を訪れた。この女性の姉(32歳)も昨年より片頭痛のため、当薬局からクリアミン配合錠A1.0(以下「薬剤2」とする)の投薬を受けている。今日は付き添いで一緒に来局した 注)薬剤2: エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン配合錠 この姉妹から、これらの薬について説明を求められた。薬剤師が行った説明の中で適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬剤1は、定期的に服用してください。", "薬剤1は、服用しても痛みが治まらない時は、2時間以上あければ追加して服用できます。", "薬剤2は、片頭痛の予兆や前兆が現れた時にも服用してください。", "薬剤2は、妊婦又は妊娠している可能性のある女性は服用できません。", "姉妹間での薬のやり取りはしないで下さい。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:不適切\n薬剤1(リザトリプタン安息香酸塩錠)は、片頭痛を予防するために定期的に服用する薬剤ではない。なお、薬剤1は片頭痛発作時に服用する。2:適切\n薬剤1(リザトリプタン安息香酸塩錠)には、服用しても効果が不十分な場合には、前回の投与から2時間以上間隔をあければ、追加投与することが可能である。3:適切\n薬剤2(クリアミン配合錠A1.0)は、片頭痛の予兆や前兆が現れたときに1日2〜3回服用する。4:適切\n薬剤2(クリアミン配合錠A1.0)には、エルゴタミン酒石酸塩が含まれているため、妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与禁忌である。5:適切\n処方された医薬品については、処方された本人のみ服用することが可能である。"} +{"problem_id": "100323", "problem_text": "これらの2つの薬剤の効果と費用はいずれも異なっている。薬剤師は、エルゴタミンを含む配合剤に対するリザトリプタン安息香酸塩錠の費用対効果を評価した資料を調べた。この資料では、質調整生存年(QALY)を用いた効果の期待値と費用の期待値から増分費用効果比が算出されていた。この薬剤経済分析の手法として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["費用最小化分析", "費用効果分析", "費用効用分析", "費用便益分析", "費用感度分析"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "薬物経済分析の手法の概略を以下に示す。"} +{"problem_id": "100324", "problem_text": "80歳女性の家族より「一昨日、処方せんにより調剤してもらった薬を服薬してから母親の体のふらつきがひどくなり、今朝転倒した。」と薬局に連絡があった。調剤した薬剤師が確認したところ、薬剤量を誤って多く調剤した可能性が疑われた。この時点での当該保険薬局における対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["本人の状況・状態を確認する。", "家族を安心させるため、補償を約束する旨を伝える。", "状況を管理薬剤師・開設者に報告する。", "確認した事実関係を隠さないで患者側に説明する。", "他の患者への事象拡大を防止するための策を講じる。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:適切\n調剤過誤が発覚した場合、患者への健康被害の有無・健康被害の程度を確認する必要がある。2:不適切\n調剤過誤の可能性が疑われる状態で、補償について説明することは適切でない。3:適切\n状況を確認した後、管理薬剤師・開設者に報告する必要がある。4:適切\n調剤過誤発生時には、「隠さない」、「ごまかさない」、「非を相手に押し付けない」を意識し、確認した事実関係を患者に説明する必要がある。5:適切\n調剤過誤が発生した場合、その結果を踏まえ、今後の対策を立てて全関係職員に周知するなど、他の患者への事象拡大を防止するための策を講じる必要がある。"} +{"problem_id": "100325", "problem_text": "処方された薬剤の用量を誤って調剤した場合、医療事故につながる可能性がある。下図は、公益財団法人日本医療機能評価機構で収集した医療機関におけるヒヤリ・ハット事例の報告件数に基づいて作成されている。図のア〜オに入る語句として適切なのはどれか。1つ選べ。なお、この報告件数には以下の①〜③に該当する事例が含まれている。①:医療に誤りがあったが、患者に実施される前に発見された事例。②:誤った医療が実施されたが、患者への影響が認められなかった事例又は軽微な処置・治療を要した事例③:誤った医療が実施されたが、患者への影響が不明な事例データの出所公益財団法人日本医療機能評価機構、医療事故情報収集事業平成24年年報(注)当事者とは、当該事象に関係したと医療機関が判断した者であり、複数回答が可能である。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "・ヒヤリ・ハット報告項目の内訳(医療事故情報収集等事業:平成24年:年報)\n薬剤(ア)>療養上の世話>ドレーン・チューブ>検査>治療・措置>医療機器等(イ)\n・ヒヤリ・ハット当事者職種の内訳(医療事故情報収集等事業:平成24年:年報)\n看護師(ウ)>薬剤師(エ)>医師(オ)"} +{"problem_id": "100326", "problem_text": "医療スタッフの協働・連携によるチーム医療が推進されている。病院内のチーム医療の中で、薬剤師が実施することが推奨されている業務として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬物療法を受けている患者への薬学的管理を実施する。", "薬物の血中濃度に基づき投与量の変更を提案する。", "医師の指示のもと動脈留置カテーテルから薬剤を投与する。", "副作用のモニタリングに基づき薬剤の変更を提案する。", "医師等と事前に作成・合意されたプロトコールに基づき薬剤を変更する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "医師の指示のもとであったとしても、薬剤師は薬剤を投与することはできないため、選択肢3の内容は病院内のチーム医療の中で、薬剤師が実施することが推奨されている業務に該当しない。参考\n医療スタッフの協働・連携によるチーム医療に関する厚生労働省医政局通知(平成22年4月30日医政発0430第一号)には、チーム医療において薬剤師を積極的に活用することが可能な業務について記載されている。1.薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダについて、医師・薬剤師等により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、専門的知見の活用を通じて、医師等と協働して実施すること。2.薬剤選択、投与量、投与方法、投与期間等について、医師に対し、積極的に処方を提案すること。3.薬物療法を受けている患者(在宅の患者を含む。)に対し、薬学的管理(患者の副作用の状況の把握、服薬指導等)を行うこと。4.薬物の血中濃度や副作用のモニタリング等に基づき、副作用の発現状況や有効性の確認を行うとともに、医師に対し、必要に応じて薬剤の変更等を提案すること。5.薬物療法の経過等を確認した上で、医師に対し、前回の処方内容と同一の内容の処方を提案すること。6.外来化学療法を受けている患者に対し、医師等と協働してインフォームドコンセントを実施するとともに、薬学的管理を行うこと。7.入院患者の持参薬の内容を確認した上で、医師に対し、服薬計画を提案するなど、当該患者に対する薬学的管理を行うこと。8.定期的に患者の副作用の発現状況の確認等を行うため、処方内容を分割して調剤すること。9.抗がん剤等の適切な無菌調製を行うこと。"} +{"problem_id": "100327", "problem_text": "病院内において薬剤師が行う医薬品の管理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["医薬品管理の主な目的は、品質の保証された医薬品を安定供給することである。", "ロット番号の管理は、健康被害拡大防止を目的とした医薬品の回収時に役立つ。", "一定数量を病棟に配置し、使用分を補充する方法を発注点方式という。", "経過措置品目に指定された医薬品は、告示された翌日から保険医療で使うことができない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n医薬品管理の主な目的は、品質の保証された医薬品を安定供給することである。品質の保証された医薬品を安定供給するためには、医薬品の使用期限、保管状況等を確認する必要がある。2:正\n医薬品回収時には、回収対象、ロット番号、数量、出荷時期等が発表されるため、ロット番号の管理は、医薬品回収時に役立つ。3:誤\n一定数量を病棟に配置し、使用分を補充する方法を定数配置方式である。4:誤\n経過措置品目に指定された医薬品は、告示された期日まで使用することができる。"} +{"problem_id": "100328", "problem_text": "65歳女性。体重50kg。絶飲絶食であり、維持期に用いる1日当たりの高カロリー輸液の組成を考えることになった。この患者の1日当たりに必要な総エネルギー量は、予測式から基礎代謝量を求め、活動因子および障害因子を考慮して算出したところ、1400 kcalであった。高カロリー輸液組成において、非タンパクカロリー/窒素比(NPC/N)が、150になるようにしたい。10%アミノ酸輸液の投与量として最も近いものはどれか。1つ選べ。ただし、タンパク質には窒素が16%含まれるものとする。また、20%脂肪乳剤250 mL(500 kcal)1本を末梢静脈より投与する予定である。", "choices": ["50 mL", "100 mL", "300 mL", "400 mL", "500 mL"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "10%アミノ酸輸液の投与量をx mLとする。<非タンパクカロリーを求める>\nアミノ酸1 g当たりのカロリーが4 kcalであることから、アミノ酸によるカロリーを以下のように求めることができる。x mL\\times 10 g/100 mL\\times 4 kcal/g=0.4 x kcal\n基礎代謝量が1400 kcalであることから、非タンパクカロリー(NPC)は1400-0.4 x kcalとなる。<輸液に含まれている窒素の量を求める>\nタンパク質には窒素が16%含まれていることから、輸液に含まれている窒素の量を以下のように求めることができる。x mL\\times 10 g/100 mL\\times 0.16=0.016 x g\nこれらのことから、非タンパクカロリー/窒素比(NPC/N)=150となるようにするための10%アミノ酸輸液の投与量を以下のように求めることができる。(1400-0.4 x)/0.016 x=150\nx=500"} +{"problem_id": "100329", "problem_text": "20%ブドウ糖液を調製して、末梢静脈から点滴投与する注射処方せんが発行された。薬剤師は高浸透圧による静脈炎が発生する可能性があると判断し、処方医に疑義照会した。20%ブドウ糖液の血漿に対する浸透圧比として最も近いのはどれか。1つ選べ。なお、血漿の浸透圧を290 mOsm/Lとし、ブドウ糖の分子量は180とする。", "choices": ["2.1", "2.6", "3.2", "3.8", "4.2"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "◉20%ブドウ糖液のモル濃度を求める\n20%ブドウ糖液1 L中に含まれるブドウ糖は200 g(20 g/100 mL\\times 1 L)であることから、1 L中に含まれるブドウ糖のモル数は、1.111 mol/L(200/180=1.1111…)=1111 mmol/Lである。◉20%ブドウ糖液のオスモル濃度を求める\nブドウ糖は非電解質であることから、溶液中で解離しないため、20%ブドウ糖液のオスモル濃度(mOsm/L)は、20%ブドウ糖液のモル濃度と等しくなる。20%ブドウ糖液のオスモル濃度(mOsm/L)=1111 mOsm/L\n浸透圧比とは、体液(血漿)浸透圧に対する製剤の浸透圧の比のことであり、血漿の浸透圧が290 mOsm/Lであることから、浸透圧比を以下のように求めることができる。浸透圧比=1111(mOsm/L)/290(mOsm/L)\\fallingdotseq 3.8"} +{"problem_id": "100330", "problem_text": "非小細胞肺がん患者への処方1〜3に関する薬剤師の対応として適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["体重と年齢から投与量を計算して確認した。", "ドセタキセルは希釈せずに急速静注投与するよう疑義照会した。", "シスプラチンは生理食塩液で希釈するよう疑義照会した。", "処方監査時に血液学的検査値を確認した。", "処方監査時に体温を確認した。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:適切でない\nドセタキセル注及びシスプラチン注は共に体表面積から投与量を設定する。よって、体表面積から投与量を計算し、投与量が適切かどうかを確認する必要がある。2:適切でない\nドセタキセルは、通常、添付の溶解液に溶解後、生理食塩水または5%ブドウ糖液に混和し、1時間以上かけて点滴静注する。3:適切である\nシスプラチン注は、塩化物イオン濃度の低い溶液では活性が低下するため、通常、生理食塩水に混和して使用する。本処方では、シスプラチン注と5%ブドウ糖注射液がセットで処方されているため、5%ブドウ糖注射液を生理食塩液に変更するよう疑義照会する必要がある。4:適切である\nドセタキセル及びシスプラチンを投与すると、骨髄抑制や汎血球減少症などの重大な副作用が起こることがあるため、投与するに当たり患者から血液学的検査値を確認する必要がある。5:適切である\nドセタキセルを投与すると、感染症が増悪し致命的となることがあるため、発熱を有し感染症が疑われる患者には投与しないこととされている(投与禁忌)。このことから、処方鑑査時に体温を確認する必要がある。"} +{"problem_id": "100331", "problem_text": "院内の安全対策研修会で、下記の事例をもとに医療事故の対応を多職種で議論した。事例 60歳女性。関節リウマチの診断で今回より初めてメトトレキサートカプセル2 mg 3カプセルが4週間分処方された。本来、週1回服用のところ、連日服用で28日分調剤された。服用開始18日目に倦怠感、食欲不振、歯肉出血が出現したため自己判断で服用を中止した。その3日後に外来受診し、検査の結果、口腔粘膜障害、胃腸障害、肝機能障害、骨髄抑制が認められたため緊急入院となった。議論の中で、この患者への処置について薬剤師が意見を求められた。この薬剤の特徴から考えて効果的なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ホリナートカルシウムの投与", "ビタミンK製剤の投与", "薬用炭の投与", "炭酸水素ナトリウム注射薬の投与"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "本症例では、メトトレキサート週1回服用するところ、18日間連続服用していることに加え、メトトレキサートの中毒症状(倦怠感、食欲不振、歯肉出血)が出現していることから、メトトレキサートの中毒症状に対する処置を講じる必要がある。<メトトレキサートの中毒症状に対する処置>\n・メトトレキサートの毒性を軽減するためにホリナートナトリウムを投与する\n・メトトレキサートの排泄を促進するために水分補給を行う\n・メトトレキサートの排泄を促進するために炭酸水素ナトリウム注射薬を投与し尿のアルカリ化を行う"} +{"problem_id": "100332", "problem_text": "6歳女児。高熱とひどい咳のため受診し、マイコプラズマ肺炎と診断され、以下の薬剤が処方された。服用開始3日目に、オレンジジュースに混ぜて服用させたところ、子供が苦くて飲めないと連絡があった。苦みが増したのはオレンジジュースのどのような要因によるものか。1つ選べ。", "choices": ["酸性", "アルカリ性", "フラボノイドを含有", "カリウムを含有", "ナトリウムを含有"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "クラリスロマイシンシロップ用10%の主薬であるクラリスロマイシンは苦味を有する。そのため、本剤には、クラリスロマイシンの苦みを軽減するためにコーティングが施されている。本剤に施されているコーティングは酸性条件下で溶解するため、酸性を示す液体(オレンジジュース、スポーツドリンク、乳酸菌飲料など)を混合すると、苦味が出現する。"} +{"problem_id": "100333", "problem_text": "64歳女性。本日、以下に示す皮膚科の処方せんを持って保険薬局を訪れた。服薬指導時に、抗がん剤を服用していることがわかった。その抗がん剤を服用し始めてから手のひらと足の裏が赤くなり痛みが生じるとともに、かかとがカサカサするようになったと訴えた。見せてもらうと色素沈着も認められた。皮膚科の医師からは抗がん剤の副作用を抑えるための軟膏であると言われている。この副作用を引き起こす薬物として最も想定されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イマチニブ", "ソラフェニブ", "ゲフィチニブ", "ダサチニブ", "ニロチニブ"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "抗がん剤の使用により、「手のひらと足の裏が赤くなり痛みが生じた」、「かかとがカサカサする」、「色素沈着」などの症状が現れていることから、本患者には抗がん剤の副作用である手足症候群が出現している可能性がある。副作用として手足症候群を起こしやすい抗がん剤薬物には、フルオロウラシル、ドセタキセル、カペシタビン、ソラフェニブ、スニチニブなどがある。"} +{"problem_id": "100334", "problem_text": "65歳男性。体重72 kg。非弁膜症性心房細動との診断で下記の処方薬を服用していた。数日前から、めまい、ふらつき、冷汗、手の震え、軽度の意識障害にて昨日入院となった。本日病室を訪問した薬剤師は、下記の処方薬を日頃欠かさず服用していたことを付添いの家族から聴取した。また、カルテから入院時検査結果が血清クレアチニン値は2.0 mg/dL、BUNは39 mg/dL、空腹時血糖は40 mg/dLであることを確認した。担当の薬剤師は、入院時の不快症状と検査値から薬の副作用を疑い、医師に薬剤の変更を提案しようと考えた。該当する薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["シベンゾリンコハク酸塩錠", "ベラパミル塩酸塩錠", "ニコランジル錠", "ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル", "ニフェジピン徐放錠"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本患者は、めまい、ふらつき、冷汗、手の震え、軽度の意識障害等の症状が現れていることに加え、空腹時血糖が40 mg/dLであることから、低血糖状態にあると考えられる。処方されている薬物のうち、副作用として低血糖を起こすのは、ジベンゾリンコハク酸塩である。シベンゾリンコハク酸塩はインスリン分泌促進作用を有しており、また、腎消失型薬物である。このことから、本患者のような腎障害患者(血清クレアチニン値及びBUNが高値)にシベンゾリンコハク酸塩を投与すると、副作用である低血糖症状が現れやすい。"} +{"problem_id": "100335", "problem_text": "漢方処方とその主な効能・効果の組み合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n<半夏厚朴湯の効能・効果>\n不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症\n2:正\n<小青竜湯の効能・効果>\n気管支炎、気管支喘息、鼻炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、感冒\n3:誤\n<六君子湯の効能・効果>\n胃炎、胃アトニー、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐\n4:正\n<抑肝散の効能・効果>\n神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症\n5:誤\n<大建中湯の効能・効果>\n胃下垂、胃アトニー、弛緩性下痢、弛緩性便秘、慢性腹膜炎、腹痛"} +{"problem_id": "100336", "problem_text": "市立病院に勤務する新人薬剤師が、はじめて病棟で患者を担当することになった。59歳男性。前立腺がんが原発であったが骨に転移し激しい痛みを伴っており、がんに対する化学療法と痛みに対する緩和ケアが必要とされる。そこで、この薬剤師は患者への介入を考えるため、患者のカルテを閲覧した。薬剤師の行動として通常許容されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者氏名をイニシャル化し、私的所有のUSBメモリに患者情報を記録し、自宅に持ち帰った。", "患者の氏名と使用医薬品名をノートに記録し、製薬企業の学術担当者に見せて相談した。", "他院の友人に依頼して、類似症例のカルテのコピーを入手し、参考にした。", "大学の図書館で調べものをするので、患者個人情報を持ち出した。", "薬剤部内の症例検討会で発表するために、カルテに基づく資料を匿名化したうえで作成した。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n患者氏名をイニシャル化しても、私的所有のUSBメモリに患者情報を記録し、自宅に持ち帰ることは、薬剤師の行動として通常許容されるものではない。2:誤\n患者情報を記録やコピーをして治療に関わっていない第三者に見せることは、薬剤師の行動として通常許容されるものではない。3:誤\n解説2参照\n4:誤\n病院内から、患者個人情報を持ち出すことは、薬剤師の行動として通常許容されるものではない。5:正\n患者に関する資料を匿名化した上で勉強会の資料を作成することは、薬剤師の行動として通常許容されるものである。"} +{"problem_id": "100337", "problem_text": "3歳男児。急性中耳炎に対し、以下の薬剤が処方された。この事例に対応した薬剤情報提供として適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["1回量は2 mLであることを伝えた。", "感染を防止する作用があることを伝えた。", "消化管障害が現れることがあることを伝えた。", "説明する時間がなかったので添付文書を渡した。", "エタノールが含まれることを伝えた。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:適切\n1回量は、1.33 mL(デキサメタゾンエリキシル0.01%)+0.67 mL(単シロップ)であることから、2 mLとなる。2:不適切\nデキサメタゾンは副腎皮質ステロイド性薬であり、免疫力低下作用を有するため、感染症を誘発する可能性がある。3:適切\nデキサメタゾンは、重篤な副作用として消化性潰瘍、消化管穿孔などを起こすことがある。4:不適切\n薬剤を交付する際には、服薬指導をする必要がある。5:適切\nデキサメタゾンエリキシル剤には、エタノールが含まれている。"} +{"problem_id": "100338", "problem_text": "病棟で抽出された以下の問題点について、薬剤師の対応・判断として適切と考えられるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アドヒアランス不良の患者に対し、薬剤情報提供書と薬物実物を用いて指導を行った。", "患者の意識が低かったので服用薬に対する理解度を高めるため、一包化調剤で対応した。", "高血圧患者より2種類の内服薬の管理がうまくできないとの申し出があり、医薬品情報を調査して配合剤への変更が可能かを検討した。", "注射用セフェム系抗生物質投与時の患者観察に関する看護師の相談に対して、初回投与時に問題が無かったので同一薬剤2回目以降の観察は不要と回答した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nアドヒアランス不良(治療に積極的でない)患者に対しては、薬剤情報提供書と薬物実物を用いて指導することは有効な手段である。2:誤\n患者の服用薬に対する理解度を高めるためには、薬を服用する意義、副作用等について説明する必要がある。なお、一包化調剤は飲み忘れの多い患者に対して行う必要がある。3:正\n複数の薬剤をうまく服用できない患者に対しては一包化調剤もしくは配合剤の投与を検討する。4:誤\n注射用セフェム系抗生物質の投与により副作用として、アナフィラキシーが現れることがあるため、初回投与時に問題が無かった場合でも、2回目投与以降も観察する必要がある。"} +{"problem_id": "100339", "problem_text": "薬局製造販売医薬品(薬局製剤)の製造・販売に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬局における設備・器具で製造し、その薬局において直接消費者に販売又は授与する医薬品である。", "薬局製剤は、厚生労働大臣の承認・許可を受けた薬局でしか製造・販売できない。", "薬局製剤は、漢方薬を主体とした漢方製剤は含まれない。", "薬局製剤は薬局独自の品目を、独自の製法によって製造することが可能である。", "薬局製剤の製造販売にあたっては添付文書を作成する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n薬局製剤とは、薬局における設備及び器具をもって製造し、その薬局において直接消費者に販売または授与する医薬品のことである。2:誤\n薬局製剤は、都道府県知事により製造業、製造販売業の許可を受けた薬局でしか製造・販売できない。3:誤\n薬局製剤には、漢方薬を主体とした漢方製剤も含まれる。4:誤\n薬局製剤は、薬局製剤指針に記載されている製造方法にしたがって製造しなければならない。5:正\n薬局製剤の製造販売する際には、添付文書を作成することに加え、医薬品の封、直接の容器への表示、医薬品の試験、作業(管理)記録の作成と保存が義務付けられている。"} +{"problem_id": "100340", "problem_text": "卸業者から納品された医薬品の外箱側面に下記の記載があった。この医薬品の検収・保管に関する記述のうち誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["外箱に破損がないか、開封されていないか確認した。", "納品伝票の内容が外箱に書かれた記載と一致するか確認した。", "第二種向精神薬の譲受簿に記録した。", "盗難防止のため、麻薬金庫に保管した。", "保管場所の温度は25^{\\circ} Cに設定した。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "検収とは、納品された医薬品を検査して受け取ることである。検収時には、医薬品名、剤形、規格、会社名(メーカー名)、包装単位、数量、有効期限、使用期限、製造年月日、製造番号(ロット番号)、外観上からの品質確認、配送中の保存状況などを確認する必要がある。1:正しい\n医薬品検収時には、外観からの品質確認(外箱の破損、開封されていないか等の確認)を行う必要がある。2:正しい\n医薬品検収時には、伝票の内容(医��品名、剤形、規格、会社名(メーカー名)、包装単位、数量、有効期限、使用期限、製造年月日、ロット番号など)と外箱に記載されている内容が一致するか確認する必要がある。3:誤っている\nジアゼパム錠は、第三種向精神薬に指定されているため、譲受簿を記載するは必要ない。4:誤っている\nジアゼパムは、向精神薬であるため、麻薬と一緒に保管できない。5:正しい\n本剤の貯法が室温(1〜30^{\\circ} C)保存となっているため、保管場所の温度を25^{\\circ} Cに設定することは適切である。"} +{"problem_id": "100341", "problem_text": "近隣の高齢者とその家族から熱中症について薬局に質問があった。薬剤師の説明として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["室内でも温度や湿度が高いと発症することがあります。", "初期症状としては、めまいや立ちくらみが現れることがあります。", "意識障害が出ている場合、その場所で意識が戻るまで安静にさせて下さい。", "のどが渇かなくても、こまめに水分摂取と適度の塩分補給が必要です。", "高齢者は、汗をかきにくく、発症しやすくなるので注意が必要です。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:適切\n室内であっても温度や湿度が高いと、体温調節がうまくできなくなり、熱中症を発症することがある。2:適切\n熱中症の初期症状として、めまい、筋肉痛、手足のしびれ、立ちくらみが現れることがある。3:不適切\n意識障害が出ている場合、高度の熱中症を発症している可能性があるため、すぐに医療機関に搬送する必要がある。<熱中症の重症度と対処>\nI度(軽度): めまい、筋肉痛、手足のしびれ\nII度(中等度): 頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感\nIII度(高度): II度の症状に加え、意識障害、痙れん、肝機能障害、腎機能障害、血液凝固障害\nI度: 現場で対処可能、II度: 速やかに医療機関への受診、III度: すぐに病院に搬送\n4:適切\n熱中症は、体内の水分や塩分のバランスが崩れることで発症することがあるため、のどが渇かなくても、こまめに水分摂取と適度の塩分補給が必要である。5:適切\n高齢者は、汗をかきにくく、体温調節がうまくできないことから熱中症を発症しやすいので注意する必要がある。"} +{"problem_id": "100342", "problem_text": "夏のある日曜日の午前中、薬局に男性から電話があった。その内容は、「早朝からひどい水様便で何度もトイレに行く状態だ。熱はない。昨夜寝る前に冷たいビールを飲んだ。これからそちらに行く。」とのことであった。この男性に薦める一般用医薬品の成分として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["タンニン酸アルブミン", "ピレンゼピン塩酸塩水和物", "スクラルファート水和物", "ロペラミド塩酸塩", "大黄"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "設問の男性は症状として水様便を呈しているが、熱がないことから感染症の下痢であるとは考えにくい。このことから、この男性に薦める一般用医薬品の成分として適切なのは、止瀉作用を有するタンニン酸アルブミン、ロペラミド塩酸塩である。1:正\n2:誤\nピレンゼピン塩酸塩水和物は、胃酸分泌抑制作用を有するため、胃痛や胸やけ、胃酸過多、胃もたれに用いられる。3:誤\nスクラルファート水和物は、胃粘膜保護作用を有するため、胃痛、胸やけ、吐き気、もたれ、胃部不快感に用いられる。4:正\n5:誤\n大黄は、大腸刺激作用を有するため、便秘に用いられる。"} +{"problem_id": "100343", "problem_text": "次の5名の健康診断の情報から、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)として特定健康診査・特定健康指導を受けるように強く指導するべき対象者の番号はどれか。1つ選べ。ただし、対象者はすべて喫煙歴はないものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "特定健康診査・特定保健指導は、内臓脂肪型肥満を基本とするメタボリックシンドローム(内臓脂肪型症候群)に着目したものであり、その対象者の年齢は、40〜74歳である。よって、選択肢1、5は年齢的に特定保健指導の対象外となる。【積極的支援対象者の要件】\n男性: 腹囲85cm以上、女性: 腹囲90cm以上で高血圧(収縮期血圧: 130mmHg以上 かつ/または拡張期血圧: 85mmHg以上)、脂質代謝異常(血清トリグリセリド: 150mg/dL以上、かつ/または、血清HDLコレステロール: 40mg/dL未満)、高血糖(空腹時血糖値: 110mg/dL以上)のうち、2つ以上併せ持った者\n上記より、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)として特定健康診査・特定健康指導を受けるように強く指導するべき対象者は、選択肢4の者である。"} +{"problem_id": "100344", "problem_text": "65歳男性。身長178 cm、体重75 kg。食道がんの術前・術後の栄養管理に栄養サポートチーム(NST)が関与することになった。ただし、本患者の食道に通過障害はあるものの、水分摂取は可能で食道以外に障害はなかった。術後においても、水分摂取は可能であった。この患者に対する栄養療法に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["術前の栄養管理は、経腸栄養療法は実施できない。", "術後の栄養管理には、経腸栄養療法が適している。", "末梢静脈栄養療法では、1日あたりに必要となる糖質量を投与することができない。", "経腸栄養剤としては、半消化態栄養剤よりも成分栄養剤の方が適している。", "経腸栄養療法よりも、中心静脈栄養療法の方が感染性リスクは少ない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n問題文に「本患者の食道に通過障害はあるものの、水分摂取は可能で食道以外に障害はなかった」とあることから、本患者の食道以外の消化管は機能していると考えられる。本患者のように消化管が機能している場合においては経腸栄養療法を行うことが望ましい。2:正\n解説1参照\n3:正\n静脈栄養療法おいて、1日あたりに必要となる糖質量を投与するには、高濃度(高浸透圧)の糖質輸液を投与しなければならない。末梢静脈より高浸透圧の糖質輸液を投与すると細胞が壊死するおそれがあるため、末梢静脈栄養療法では、1日あたりに必要となる糖質量を投与することができない。4:誤\n本患者の食道以外の消化管は機能していると考えられるため、成分栄養剤(吸収するために消化機能を必要としない栄養剤)よりも半消化態栄養剤(吸収するために消化機能を有する)の方が適している。5:誤\n経腸栄養療法よりも、中心静脈栄養療法の方が感染性リスクは高い。"} +{"problem_id": "100345", "problem_text": "ある日、以下の処方せんを持った5歳男児の両親が保険薬局を訪れた。この薬局には、ドライシロップの在庫が全くなく、医師に疑義照会してオセルタミビルリン酸塩カプセル75 mgを脱カプセルして調剤することになった。この処方を全量調剤するのに必要なオセルタミビルリン酸塩カプセルの最少数はいくつか。1つ選べ。", "choices": ["4カプセル", "5カプセル", "6カプセル", "7カプセル", "8カプセル"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "<オセルタミビルリン酸塩の成分量を求める>\nオセルタミビルリン酸塩ドライシロップ3%が製剤量として2.6 g/日\\times 5日分=13 g処方されていることから、オセルタミビルリン酸塩が成分量を以下のように求めることができる。13 g\\times 0.03=13000 mg\\times 0.03=390 mg\n<オセルタミビルリン酸塩をカプセルの数を求める>\nオセルタミビルリン酸塩カプセル75 mgは1カプセル中に75 mgのオセルタミビルリン酸塩が含まれていることから、390 mgのオセルタミビルリン酸塩をカプセルで用意するための数を以下のように求めることができる。390 mg/75 mg=5.2カプセル\nよって、オセルタミビルリン酸塩カプセルは最低限6カプセル必要となる。"} +{"problem_id": "101001", "problem_text": "同圧下で最も沸点の高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["HF", "HCl", "HI", "H_{2}O", "H_{2}S"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "沸点は、分子間の結合力が強いほど高くなる傾向にある。そのため、HFやH_{2}Oなど水素結合を形成する分子は沸点が高い。HFとH_{2}Oでは、H_{2}Oの方が多くの水素結合を形成するため、HFに比べ、H_{2}Oの方が沸点は高い。"} +{"problem_id": "101002", "problem_text": "下図のような反応において、E_{3}が示すものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["活性化エネルギー", "活性化自由エネルギー", "活性化エンタルピー", "活性化エントロピー", "反応熱"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "E_{3}は、反応物のエネルギーと生成物のエネルギーの差であり、反応熱を示している。なお、E_{1}は反応物のエネルギーと遷移状態のエネルギーの差であり、正反応の活性化エネルギーを示しており、E_{2}は生成物のエネルギーと遷移状態のエネルギーの差であり、逆反応の活性化エネルギーを示している。"} +{"problem_id": "101003", "problem_text": "示強性状態関数の熱力学的パラメータはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ギブズ自由エネルギー(G )", "エンタルピー(H )", "圧力(P )", "エントロピー(S )", "内部エネルギー(U )"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "状態関数には、示量性状態関数(物質量に依存する状態関数)と示強性状態関数(物質量に依存しない状態関数)が存在する。・示量性状態関数: 体積、質量、内部エネルギー、ギブズ自由エネルギー、エントロピー、エンタルピーなど\n・示強性状態関数: 温度、圧力、密度、濃度、化学ポテンシャルなど"} +{"problem_id": "101004", "problem_text": "クロマトグラフィーで用いられるパラメータのうち、クロマトグラム上のピーク相互の保持時間の関係を示す値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["分離係数", "シンメトリー係数", "保持容量", "理論段数", "理論段高さ"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n分離係数\\alpha は、クロマトグラフ上のピーク相互の保持時間の関係を示す。2:誤\nシンメトリー係数Sは、クロマトグラフ上のピークの対称性の度合いを示す。S=1: ピークが正規分布を示す\nS>1: 立ち上がりが急なピークを示す(テーリング)\nS<1: 立ち上がりが穏やかなピークを示す(リーディング)\n3:誤保持容量V_{R}は、保持時間が現れるまでに使用した移動相の容量のことである。4:誤\n理論段数Nは、カラム内における物質のバンドの広がりの度合いを示す。5:誤\n理論段高さHは、カラムの長さ/理論段数で算出され、カラムの性能を比較する際に用いられる指標である。"} +{"problem_id": "101005", "problem_text": "pHメーターを用いたpH測定に最も関係する物理定数はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アボガドロ定数", "ファラデー定数", "プランク定数", "ボルツマン定数", "リュードベリ定数"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "試料のpHは、次式によって表される。pHs: pH標準液のpH\nE: 試料溶液中でガラス電極と参照電極を組み合わせた電極の起電力\nEs: pH標準液中でガラス電極と参照電極を組み合わせ電極の起電力\nR: 気体定数\nT: 熱力学的温度\nF: ファラデー定数\n上記の式には、定数としてファラデー定数F及び気体定数Rが含まれている。参考\nアボガドロ定数: 1 mol当たりの粒子の数を表す定数\nファラデー定数: 電子1 mol当たりの電荷を表す定数\nプランク定数: 光量子のエネルギーと振動数に関する比例定数\nボルツマン定数: 気体定数をアボガドロ定数で除した値\nリュードベリ定数: 原子の発光および吸光スペクトルに関する定数"} +{"problem_id": "101006", "problem_text": "カテコールアミンに分類されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "カテコールアミンとは、以下の骨格を有する化合物の総称である。*画像が不鮮明な場合は、クリックしてください\nよって、選択肢3(アドレナリン)がカテコールアミンに分類される。"} +{"problem_id": "101007", "problem_text": "下線で示した元素の酸化数が+2のものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["CrO_{3}", "MnO_{2}", "K_{3}[Fe(CN)_{6}]", "CuSO_{4}", "Ag_{2}O"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤三酸化クロム(CrO_{3})中のクロムの酸化数は+6である。クロムの酸化数+(-2)\\times 3=0\nクロムの酸化数=+6\n2:誤二酸化マンガン(MnO_{2})中のマンガンの酸化数は+4である。マンガンの酸化数+(-2)\\times 2=0\nマンガンの酸化数=+4\n3:誤フェリシアン化カリウム(K_{3}[Fe(CN)_{6}])中の鉄の酸化数は、+3である。(+1)\\times 3+鉄の酸化数+(-1)\\times 6=0\n鉄の酸化数=+3\n4:正硫酸銅(CuSO_{4})中の銅の酸化数は+2である。銅の酸化数+(+6)+(-2)\\times 4=0\n銅の酸化数=+2\n5:誤酸化銀(Ag_{2}O)中の銀の酸化数は、+1である。銀の酸化数\\times 2+(-2)=0\n銀の酸化数=+1"} +{"problem_id": "101008", "problem_text": "共鳴構造式として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "共鳴構造とは、原子自身の位置は同じで電子の位置のみが異なる互いに相互変換可能な構造のことである。1:正しい\n酢酸イオンの共鳴構造である。2:正しい\nジアゾメタンの共鳴構造である。3:誤っている\n両��造式は、化学式は同じであるが水素原子の結合位置が異なるため、互いに共鳴構造ではない。4:正しい\nジアゾメタンの共鳴構造である。5:正しい\nアセトアニオンの共鳴構造である。"} +{"problem_id": "101009", "problem_text": "化合物Aの最も安定な立体配座を表しているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "化合物Aは、1位と4位のメチル基が上下に結合していることから、trans-1,4-ジメチルシクロヘキサンである。1:正\ntrans-1,4-ジメチルシクロヘキサンであり、メチル基が共にエクアトリアル結合しているため安定な配座である。2:誤\ntrans-1,4-ジメチルシクロヘキサンであり、メチル基が共にアキシアル結合しているため不安定な配座である。3:誤\ntrans-1,3-ジメチルシクロヘキサンであり、Aと構造が異なる。4:誤\ncis-1,3-ジメチルシクロヘキサンであり、Aと構造が異なる。5:誤\ncis-1,4-ジメチルシクロヘキサンであり、Aと構造が異なる。"} +{"problem_id": "101010", "problem_text": "最も酸性度が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "酸性度の大小関係は、無機酸>カルボン酸>炭酸>フェノール>チオール>アルコールである。このことから、カルボキシル基を有する選択肢2、3は酸性度が高い。選択肢2には、電気陰性度が大きいフッ素が3つ結合しており、そのフッ素が電子吸引基として働くことにより共役塩基をより安定状態にする。そのため、選択肢2が最も酸性度が高い。"} +{"problem_id": "101011", "problem_text": "下図はヒトの眼球断面の模式図である。1〜5のうち水晶体はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1: 角膜、2: 水晶体、3: 硝子体、4: 毛様体、5: 網膜である。1:誤\n角膜は、血管を欠く無色透明な膜であり、入射光を透過させる。2:正\n水晶体は、透明な細胞組織であり、厚さを変化させることでレンズとしての作用を示す。3:誤\n硝子体は、透明なゼリー状の物質であり、眼球の形を保つ働きを有する。4:誤\n毛様体は、眼房水の生成および焦点調節に関与している。5:誤\n網膜は、光化学受容器が存在し、視覚伝導路の起点となる。"} +{"problem_id": "101012", "problem_text": "下図のアミノ酸のうち、脱炭酸反応によりヒスタミンを生じるのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "脱炭酸反応によりヒスタミンを生じるアミノ酸は、L-ヒスチジン(選択肢5)である。なお、1はL-システイン、2はL-アスパラギン、3はL-アラニン、4はL-バリンの構造式である。"} +{"problem_id": "101013", "problem_text": "翻訳過程において、リボソームへアミノ酸を運ぶ役割を担うRNAはどれか。1つ選べ。", "choices": ["rRNA(リボソームRNA)", "tRNA(トランスファーRNA)", "mRNA(メッセンジャーRNA)", "miRNA(マイクロRNA)", "siRNA(低分子干渉RNA)"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nrRNA(リボソームRNA)は、タンパク質合成に関わるリボソームを構成するRNAである。2:正\ntRNA(トランスファーRNA)は、タンパク質合成において、アミノ酸をリボソームへ輸送するRNAである。3:誤\nmRNA(メッセンジャーRNA)は、タンパク質合成のための情報を有するRNAである。4:誤\nmiRNA(マイクロRNA)は、短鎖一本鎖RNAであり、タンパク質と複合体(RISC)を形成し、標的となるmRNAと結合することにより、遺伝子発現を抑制するRNAである。5:誤\nsiRNA(低分子干渉RNA)は、短鎖二本鎖RNAであり、miRNA(マイクロRNA)と同様にタンパク質と複合体(RISC)を形成し、標的となるmRNAと結合することにより、遺伝子発現を抑制するRNAである。"} +{"problem_id": "101014", "problem_text": "DNAウイルスはどれか。1つ選べ。", "choices": ["インフルエンザウイルス", "ポリオウイルス", "C型肝炎ウイルス", "ヒトパピローマウイルス(HPV)", "ヒト免疫不全ウイルス(HIV)"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nインフルエンザウイルスは、オルトミクソウイルス科に属するRNAウイルスである。2:誤\nポリオウイルスは、ピコルナウイルス科に属するRNAウイルスである。3:誤\nC型肝炎ウイルスは、フラビウイルス科に属するRNAウイルスである。4:正\nヒトパピローマウイルス(HPV)は、パピローマウイルス科に属するDNAウイルスである。5:誤\nヒト免疫不全ウイルス(HIV���は、レトロウイルス科に属するRNAウイルスである。"} +{"problem_id": "101015", "problem_text": "貪食能を有し、単球に由来する細胞はどれか。1つ選べ。", "choices": ["B細胞", "ヘルパーT細胞", "形質細胞", "マクロファージ", "肥満細胞"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nB細胞は、形質細胞に分化し、体液性免疫に関わるリンパ球である。2:誤\nヘルパーT細胞は、免疫担当細胞の調節を行うリンパ球である。3:誤\n形質細胞は、B細胞から生成される細胞であり、抗体を産生に関与する。4:正\n血液中の単球が組織中に移行すると、マクロファージに分化する。マクロファージは、強い貪食能を有する。5:誤\n肥満細胞(マスト細胞)は、貪食能を有しない。肥満細胞(マスト細胞)は、I型アレルギーや炎症の惹起に関与する。"} +{"problem_id": "101016", "problem_text": "ビタミンCの還元作用により、小腸からの吸収が促進されるミネラルはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カルシウム", "リン", "鉄", "マンガン", "カリウム"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "非ヘム鉄はFe^{2+}の状態で小腸上皮細胞に存在するDMT1を介して吸収されるが、Fe^{3+}はほとんど吸収されない。ビタミンCは還元作用を有しており、鉄を還元(Fe^{3+}\\rightarrow Fe^{2+})することで、小腸からの鉄の吸収を促進する。"} +{"problem_id": "101017", "problem_text": "酸化防止剤に指定されている食品添加物はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n安息香酸は、保存料に指定されている。2:誤\nオルトフェニルフェノールは、防カビ剤に指定されている。3:誤\nサッカリンは、甘味料に指定されている。4:正\nジブチルヒドロキシトルエン(BHT)は、酸化防止剤に指定されている。5:誤\nアセスルファムカリウムは、甘味料に指定されている。"} +{"problem_id": "101018", "problem_text": "我が国で遺伝子組換え食品として販売・流通が認められていないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["大豆", "米", "トウモロコシ", "パパイヤ", "アルファルファ"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "我が国で遺伝子組換え食品として、販売・流通が認められているのは、食品8種(大豆、トウモロコシ、ジャガイモ、ナタネ、ワタ、アルファルファ、テンサイ、パパイヤ)、添加物9種(キモシン、\\alpha -アミラーゼ、リパーゼ、プルラナーゼ、リボフラビン、\\alpha -グルコシルトランスフェラーゼ、グルコアミラーゼ、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、アスパラギナーゼ)である。"} +{"problem_id": "101019", "problem_text": "最近10年間(平成17年以降)で、我が国において、発生患者数が最も多い食中毒の病因物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["黄色ブドウ球菌", "カンピロバクター・ジェジュニ/コリ", "サルモネラ属菌", "腸管出血性大腸菌(ベロ毒素産生)", "ノロウイルス"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "最近10年間(平成17年以降)で、我が国において、発生患者数が最も多い食中毒の病因物質は、ノロウイルスである。なお、最近10年間(平成17年以降)で、我が国において、発生件数が最も多い食中毒の病因物質は、カンピロバクター・ジェジュニ/コリである。"} +{"problem_id": "101020", "problem_text": "食品衛生法に基づき、リンゴジュースについて基準値が定められているカビ毒はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アフラトキシンB_{1}", "ステリグマトシスチン", "オクラトキシンA", "パツリン", "エルゴタミン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "パツリンは、Penicillium expansum等のカビによって産生されるカビ毒であり、主にリンゴ及びその加工品から検出されることがある。よって、食品衛生法に基づき、リンゴジュース及び原料用リンゴ果汁について、パツリンの基準値として0.05 ppmが定められている。"} +{"problem_id": "101021", "problem_text": "疾病の一次予防に該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["従業員を対象とした特定健康診査・特定保健指導", "喫煙者を対象とした禁煙教室", "糖尿病患者を対象とした栄養指導", "うつ病患者を対象とした社会復帰支援", "新生児を対象としたタンデムマススクリーニング"], "text_only": true, "answer": ["1", "2(いずれか一つを選択で正解とする)"], "comment": "1:正\n従業員を対象とした特定健康診査・特定保健指導は、生���習慣病の発症の予防及び早期発見・早期治療を目的として行われるため、一次予防及び二次予防に該当する。2:正\n喫煙者を対象とした禁煙教室は、喫煙による咽頭がんや歯周病等の発症の予防を目的として行われるため、一次予防に該当する。3:誤\n糖尿病患者を対象とした栄養指導は、糖尿病患者の状態の悪化を予防する目的で行われるため、三次予防に該当する。4:誤\nうつ病患者を対象とした社会復帰支援は、うつ病患者が早期に社会復帰する目的で行われるため、三次予防に該当する。5:誤\n新生児を対象としたタンデムマススクリーニングは、病気の早期発見・早期治療を目的として行われるため、二次予防に該当する。"} +{"problem_id": "101022", "problem_text": "ヒトにおける抱合反応に利用されないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["S-アデノシルメチオニン", "アセチルCoA", "メルカプツール酸", "活性硫酸", "タウリン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:利用される\nS-アデノシルメチオニンは、メチル抱合における供与体として利用される。2:利用される\nアセチルCoAは、アセチル抱合における供与体として利用される。3:利用されない\nメルカプツール酸は、グルタチオン抱合により生成する物質であり、抱合反応に利用されることはない。4:利用される\n活性硫酸は、硫酸抱合における供与体として利用される。5:利用される\nタウリンは、タウリン抱合における供与体として利用される。"} +{"problem_id": "101023", "problem_text": "化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)において、蓄積性の判定に用いられる試験はどれか。1つ選べ。", "choices": ["活性汚泥を用いた分解度試験", "コイを用いた濃縮度試験", "ネズミチフス菌を用いた復帰突然変異原性試験", "マウスを用いた反復投与毒性試験", "ミジンコを用いた急性遊走阻害試験"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n活性汚泥を用いた分解度試験は、環境中での化学物質の分解性を調べる試験である。2:正\nコイを用いた濃縮度試験は、化学物質の蓄積性を調べる試験である。3:誤\nネズミチフス菌を用いた復帰突然変異原性試験は、化学物質の変異原性を調べる試験である。4:誤\nマウスを用いた反復投与毒性試験は、化学物質のヒトへの長期毒性を調べる試験である。5:誤\nミジンコを用いた急性遊走阻害試験は、化学物質の動植物への毒性を調べる試験である。"} +{"problem_id": "101024", "problem_text": "自然放射線被爆のもととなる放射性核種はどれか。1つ選べ。", "choices": ["^{40}K", "^{90}Sr", "^{131}I", "^{137}Cs", "^{239}Pu"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "^{40}Kは天然放射性核種であり、自然放射線曝露の主な原因である。なお、^{90}Sr、^{131}I、^{137}Cs、^{239}Puは人工放射性核種である。"} +{"problem_id": "101025", "problem_text": "閉鎖性水域における富栄養化の制限因子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["カリウム", "亜鉛", "鉄", "硫黄", "リン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "富栄養化を防止するため、湖沼と海域においては全窒素、全リンに環境基準が設定されている。【参考】\n富栄養化は、閉鎖性水域で、主に生活排水に起因する窒素N、リンP濃度が上昇し、植物プランクトンが異常増殖することによって発生する。"} +{"problem_id": "101026", "problem_text": "Ca^{2+}に対して高い透過性を示すイオンチャネル内蔵型受容体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["セロトニン5-HT_{2}受容体", "グルタミン酸NMDA受容体", "アセチルコリンN_{M}受容体", "GABA_{A}受容体", "グリシン受容体(ストリキニーネ感受性)"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nセロトニン5-HT_{2}受容体は、Gqタンパク質共役型受容体である。2:正\nグルタミン酸NMDA受容体は、Ca^{2+}、Na^{+}、K^{+}チャネル内蔵型である。3:誤\nアセチルコリンN_{M}受容体は、Na^{+}チャネル内蔵型である。4:誤\nGABA_{A}受容体は、Cl^{-}チャネル内蔵型である。5:誤\nグリシン受容体(ストリキニーネ感受性)は、Cl^{-}チャネル内蔵型である。"} +{"problem_id": "101027", "problem_text": "ある受容体への競合的遮断薬A、B、CのpA_{2}値がそれぞれ、9.3、7.9、8.2である場合、拮抗作用の強い順番として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["A>B>C", "A>C>B", "B>A>C", "B>C>A", "C>A>B"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "pA_{2}値は、作動薬の用量-��応曲線を2倍だけ高濃度側へ平行移動させるのに必要な競合的遮断薬のモル濃度A_{2}の負の対数(-log)値である。pA_{2}値が大きいほど、低濃度で作用薬の用量-反応曲線を2倍だけ高濃度側へ平行移動させることができるため、拮抗作用が強い競合的遮断薬であるといえる。よって、拮抗作用の順番はA(pA_{2}値: 9.3)>C(pA_{2}値: 8.2)>B(pA_{2}値: 7.9)となる。"} +{"problem_id": "101028", "problem_text": "リトドリンの子宮収縮抑制作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断", "アドレナリン\\alpha _{2}受容体刺激", "アドレナリン\\beta _{1}受容体遮断", "アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激", "アドレナリン\\beta _{3}受容体遮断"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "リトドリンは、子宮平滑筋の\\beta _{2}受容体を刺激し、子宮収縮抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "101029", "problem_text": "脳梗塞の際に産生されるフリーラジカルを消去し、脳保護作用を示す薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ファスジル", "オザグレル", "アルガトロバン", "ウロキナーゼ", "エダラボン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nファスジルは、Rhoキナーゼを阻害し、血管の収縮、炎症性細胞の活性化、血管内皮細胞の損傷を抑制するため、くも膜下出血術後の脳血管れん縮などの治療に用いられる。2:誤\nオザグレルは、トロンボキサン合成酵素を阻害し、血小板凝集抑制作用を示すため、くも膜下出血後の脳血管れん縮などの治療に用いられる。3:誤\nアルガトロバンは、選択的にトロンビンを阻害し、フィブリン生成や血小板凝集を阻害するため、発症後48時間以内の脳血栓症急性期の治療に用いられる。4:誤\nウロキナーゼは、主に循環血中でプラスミノーゲンからプラスミンの生成を促進し、血栓溶解促進作用を示すため、脳塞栓症(発症後5日以内で、コンピューター断層撮影において出血の認められないもの)の治療に用いられる。5:正\nエダラボンは、フリーラジカルを消去して脂質過酸化を抑制し、脳細胞の酸化的傷害を抑制するため、脳梗塞急性期に伴う神経症候などの治療に用いられる。"} +{"problem_id": "101030", "problem_text": "ドパミンD_{2}受容体の部分刺激薬で、統合失調症の陽性症状と陰性症状を改善するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ブロモクリプチン", "スピペロン", "ハロペリドール", "スルピリド", "アリピプラゾール"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nブロモクリプチンは、麦角系ドパミンD_{2}受容体作動薬であり、パーキンソン病の治療に用いられる。2:誤\nスピペロンは、ブチロフェノン系ドパミンD_{2}受容体遮断薬であり、統合失調症の陽性症状の治療に用いられる。3:誤\nハロペリドールは、ブチロフェノン系ドパミンD_{2}受容体遮断薬であり、統合失調症の陽性症状の治療に用いられる。4:誤\nスルピリドは、ドパミンD_{2}受容体遮断薬であり、統合失調症の陽性症状の治療、胃・十二指腸潰瘍やうつ病の治療に用いられる。5:正\nアリピプラゾールは、ドパミンD_{2}受容体部分刺激薬であり、統合失調症の陽性症状と陰性症状の治療に用いられる。アリピプラゾールは、ドパミンD_{2}受容体を部分的に刺激するため、脳内でドパミンが大量に放出されているときも少量放出されているときもドパミンD_{2}受容体刺激による安定したシグナル伝達を行う。"} +{"problem_id": "101031", "problem_text": "ジゴキシンが直接阻害するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Na^{+}-Ca^{2+}交換体", "Na^{+},K^{+}-ATPase", "アデニル酸シクラーゼ", "ホスホジエステラーゼ", "プロテインキナーゼA"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ジゴキシンは、Na^{+},K^{+}-ATPaseを直接阻害し、心筋細胞内Na^{+}濃度を上昇させる。その結果、Na^{+}-Ca^{2+}交換系を介して細胞内Ca^{2+}濃度を上昇させることにより強心作用を示す。"} +{"problem_id": "101032", "problem_text": "高血圧症治療薬の作用機序でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["レニン阻害", "アンギオテンシン変換酵素阻害", "アルドステロン受容体遮断", "アドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激", "アドレナリン\\alpha _{2}受容体刺激"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:作用機序である\nレニン阻害薬は、アンギオテンシノーゲンからアンギオテンシンIへの変換を阻害し、アンギオテンシ��I及びアンギオテンシンIIの濃度を低下させ、血管収縮を抑制する。2:作用機序である\nアンギオテンシン変換酵素阻害薬は、アンギオテンシンIからアンギオテンシンIIへの変換に関わる酵素を阻害し、血管収縮を抑制する。3:作用機序である\nアルドステロン受容体遮断薬は、アルドステロンの作用を競合的に阻害し、Na^{+}-K^{+}交換系を抑制することにより、血圧降下作用を示す。4:作用機序ではない\nアドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激薬は、血管平滑筋に存在するアドレナリン\\alpha _{1}受容体を刺激し、血管収縮作用を示す。5:作用機序である\nアドレナリン\\alpha _{2}受容体刺激薬は、延髄血管運動中枢に存在するアドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激し、交感神経の緊張を低下させ、血圧降下作用を示す。"} +{"problem_id": "101033", "problem_text": "消化管のセロトニン5-HT_{4}受容体を刺激することにより、胃腸運動を促進するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ロペラミド", "ドンペリドン", "モサプリド", "ベタネコール", "トリメブチン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nロペラミドは、消化管のオピオイド\\micro受容体を刺激してアセチルコリンの遊離を抑制するため、胃腸運動を抑制する。2:誤\nドンペリドンは、消化管のドパミンD_{2}受容体を遮断してアセチルコリンの遊離を促進するため、胃腸運動を促進する。3:正\nモサプリドは、消化管のセロトニン5-HT_{4}受容体を刺激してアセチルコリンの遊離を促進するため、胃腸運動を促進する。4:誤\nベタネコールは、消化管のムスカリン性アセチルコリン受容体を刺激して腸管運動を促進する。5:誤\nトリメブチンは、腸のコリン作動性神経、アドレナリン作動性神経シナプスの前膜の\\micro受容体を刺激することで腸管運動亢進時には、腸管運動を抑制し、腸管運動低下時には、腸管運動を促進する。"} +{"problem_id": "101034", "problem_text": "前立腺がん治療に用いるアンドロゲン受容体遮断薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["メテノロン", "レトロゾール", "テストステロン", "クロミフェン", "フルタミド"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nメテノロンは、男性ホルモンであるテストステロンの男性化作用を弱め、タンパク質同化作用を増強したタンパク同化ステロイドである。2:誤\nレトロゾールは、脂肪細胞や乳がん細胞においてアンドロゲンからエストロゲンの合成を阻害するアロマターゼ阻害薬である。3:誤\nテストステロンは、主に精巣から分泌される男性ホルモン(アンドロゲン)である。4:誤\nクロミフェンは、主に視床下部のエストロゲン受容体を遮断するエストロゲン受容体遮断薬である。5:正\nフルタミドは、前立腺がん組織のアンドロゲン受容体を遮断するアンドロゲン受容体遮断薬であり、前立腺がんの治療に用いられる。"} +{"problem_id": "101035", "problem_text": "腎において尿酸の再吸収に関わる輸送体を阻害する痛風・高尿酸血症治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ベンズブロマロン", "ラスブリカーゼ", "コルヒチン", "フェブキソスタット", "クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合製剤"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nベンズブロマロンは、腎臓の近位尿細管に存在する尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害し、腎臓における尿細管の再吸収を抑制する。2:誤\nラスブリカーゼは、遺伝子組換え型尿酸オキシダーゼであり、血中の尿酸をアラントインと過酸化水素に分解することで尿酸値を低下させる。3:誤\nコルヒチンは、チュブリンに結合して微小管形成を阻害し、白血球の炎症部位への遊走を抑制する。4:誤\nフェブキソスタットは、非プリン型キサンチンオキシダーゼ阻害薬であり、キサンチンオキシダーゼを阻害し、尿酸の生合成を阻害する。5:誤\nクエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合製剤は、尿をアルカリ化することで、尿酸結石の合成を抑制する。"} +{"problem_id": "101036", "problem_text": "血小板のプロスタノイドIP受容体を刺激して、血小板凝集を抑制するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ナファモスタット", "チクロピジン", "ダルテパリン", "ベラプロスト", "シロスタゾール"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nナファモスタットは、タンパク分解酵素を阻害することにより血液凝固阻害作用を示す。2:誤\nチクロピジンは、血小板に存在するADP受容体P2Y_{12}を遮断することにより血小板凝集抑制作用を示す。3:誤\nダルテパリンは、アンチトロンビンIIIに結合し、第Xa因子、トロンビンの作用を抑制することにより血液凝固阻害作用を示す。4:正\nベラプロストは、プロスタノイドIP受容体を刺激することにより血小板凝集抑制作用を示す。5:誤\nシロスタゾールは、血小板及び血管平滑筋のホスホジエステラーゼIIIを選択的に阻害することにより血小板凝集抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "101037", "problem_text": "好中球前駆細胞の分化・増殖を促進する顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ピリドキシン", "ダルベポエチンアルファ", "フィルグラスチム", "エルトロンボパグ", "メコバラミン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nピリドキシンは、ビタミンB_{6}製剤であり、ヘモグロビンのヘムの合成を促進するため、鉄芽球性貧血の治療に用いられる。2:誤\nダルベポエチンアルファは、持続性エリスロポエチン製剤であり、赤芽球コロニー形成細胞に作用して赤芽球の分化・増殖を促進するため、腎性貧血の治療に用いられる。3:正\nフィルグラスチムは、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤であり、好中球の分化・増殖を促進するため、がん化学療法による好中球減少症の治療に用いられる。4:誤\nエルトロンボパグは、トロンボポエチン受容体作動薬であり、骨髄前駆細胞から巨核球への分化を誘導し、血小板数を増加させるため、慢性特発性血小板減少性紫斑病の治療に用いられる。5:誤\nメコバラミンは、ビタミンB_{12}製剤であり、ビタミンB_{12}欠乏による巨赤芽球性貧血の治療に用いられる。"} +{"problem_id": "101038", "problem_text": "シクロオキシゲナーゼをアセチル化し、不可逆的に酵素活性を阻害する非ステロイド性抗炎症薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アスピリン", "ピロキシカム", "エトドラク", "ジクロフェナク", "チアラミド"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nアスピリンは、シクロオキシゲナーゼ(COX)のセリン残基をアセチル化することにより不可逆的に酵素活性を阻害する。2:誤\nピロキシカムは、COXを阻害し、プロスタグランジン(PG)合成を抑制することにより鎮痛・抗炎症作用を示す。3:誤\nエトドラクは、COX-2を阻害し、炎症部位でのPG合成を阻害することにより鎮痛・抗炎症作用を示す。4:誤\nジクロフェナクは、COXを阻害し、プロスタグランジン(PG)合成を抑制することにより鎮痛・抗炎症作用を示す。5:誤\nチアラミドは、塩基性非ステロイド性抗炎症薬であり、COX阻害作用は極めて弱いか、ほとんど認められない。"} +{"problem_id": "101039", "problem_text": "腫瘍壊死因子-\\alpha (TNF-\\alpha )と結合し、その作用を抑制するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シクロスポリン", "オーラノフィン", "ブシラミン", "エタネルセプト", "アバタセプト"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nシクロスポリンは、ヘルパーT細胞において、シクロフィリンと複合体を形成し、カルシューリンの活性化を阻害することにより免疫抑制作用を示す。2:誤\nオーラノフィンは、自己抗体産生を抑制することにより抗リウマチ作用を示す。3:誤\nブシラミンは、分子内に2個のSH基を有するシステイン誘導体で、リウマトイド因子や免疫複合体のジスルフィド結合(-S-S—)を解離させ、抗リウマチ作用を示す。4:正\nエタネルセプトは、完全ヒト型可溶性TNF\\alpha /TNF\\beta レセプター製剤であり、おとり受容体として過剰に産生されたTNF-\\alpha と細胞表面のTNF-\\alpha 受容体との結合を阻害することにより、抗リウマチ作用を示す。5:誤\nアバタセプトは、抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合し、CD28を介した共刺激シグナルを阻害することによりT細胞の活性化を抑制して抗リウマチ作用を示す。"} +{"problem_id": "101040", "problem_text": "抗ウイルス薬ラミブジンが阻害する酵素はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ノイラミニダーゼ", "インテグラーゼ", "逆転写酵素", "HIVプロテアーゼ", "チミジンキナーゼ"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ラミブジンは、細胞内でリン酸化され活性代謝物となり、逆転写酵素を競合的に阻害することによりウイルス増殖を抑制する。"} +{"problem_id": "101041", "problem_text": "消化管からの吸収率が最も高い薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["インスリン", "ゲンタマイシン", "スキサメトニウム", "セファレキシン", "バンコマイシン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nインスリンは、分子量が大きいため、ほとんど消化管から吸収されない。2:誤\nゲンタマイシンは、水溶性が高いため、ほとんど消化管から吸収されない。3:誤\nスキサメトニウムは、水溶性が高いため、ほとんど消化管から吸収されない。4:正\nセファレキシンは、構造中にペプチド類似構造を有し、ペプチドトランスポーターを介した能動輸送により消化管から吸収されるため、消化管からの吸収率が高い。5:誤\nバンコマイシンは、分子量が大きく水溶性が高いため、ほとんど消化管から吸収されない。"} +{"problem_id": "101042", "problem_text": "薬物の乳汁移行性について正しい記述はどれか。1つ選べ。", "choices": ["乳汁は血漿に比べて塩基性であるため、弱塩基性薬物は乳汁中に移行しやすい。", "乳汁は血漿に比べて塩基性であるため、弱酸性薬物は乳汁中に移行しやすい。", "乳汁は血漿に比べて酸性であるため、弱塩基性薬物は乳汁中に移行しやすい。", "乳汁は血漿に比べて酸性であるため、弱酸性薬物は乳汁中に移行しやすい。", "乳汁と血漿のpHは同じであるため、薬物が弱酸性あるいは弱塩基性であることは、乳汁移行性に影響を及ぼさない。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "乳汁のpH6.6〜6.8であり、血漿(pH7.4)に比べ酸性である。弱塩基性薬物は、血漿から乳汁中に移行すると分子形分率が低下(イオン形分率が増加)するため、乳汁中に滞留しやすい。"} +{"problem_id": "101043", "problem_text": "一般に薬物の水溶性が低下する代謝反応はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルキル側鎖の水酸化", "N-脱アルキル化", "エステルの加水分解", "グルクロン酸抱合", "アセチル抱合"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nアルキル側鎖の水酸化により、極性が増加するため、薬物の水溶性が増加する。2:誤\nN-脱アルキル化により、メチル基やエチル基などが脱離することで極性が増加するため、薬物の水溶性が増加する。3:誤\nエステルの加水分解により、カルボキシ基およびヒドロキシ基を生じることで極性が増加するため、薬物の水溶性が増加する。4:誤\nグルクロン酸抱合により、グルクロン酸が薬物に添加されることで極性が増加するため、薬物の水溶性が増加する。5:正\nアセチル抱合により、極性基に無極性基(アセチル基)が結合することで極性が低下するため、薬物の水溶性が低下する。"} +{"problem_id": "101044", "problem_text": "腎クリアランス(CL_{r})と糸球体ろ過速度(GFR)、分泌クリアランス(CL_{s})、再吸収率(FR)の関係を正しく表しているのはどれか。1つ選べ。ただし、f_{u}は血漿中タンパク非結合形分率を示すものとする。", "choices": ["CL_{r}=f_{u}・GFR+CL_{s}-FR", "CL_{r}=f_{u}・GFR+CL_{s}+FR", "CL_{r}=f_{u}・GFR-CL_{s}+FR", "CL_{r}=(f_{u}・GFR+CL_{s})・(1-FR)", "CL_{r}=(f_{u}・GFR+CL_{s})・FR"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "腎臓において、薬物は糸球体ろ過、尿細管分泌、尿細管再吸収を受け消失する。このことから、腎クリアランス(CL_{r})は、ろ過クリアランス(CL_{ろ過})、分泌クリアランス(CL_{s})、再吸収率(FR)を用いて以下のように表すことができる。CL_{r}=(CL_{ろ過}+CL_{s})・(1-FR)ろ過クリアランスは、糸球体ろ過速度(GFR)と血漿中タンパク非結合分率(f_{u})より以下のように表すことができる。CL_{ろ過}=f_{u}・GFR\nこれらのことから、腎クリアランスは以下のように表すことができる。CL_{r}=(f_{u}・GFR+CL_{s})・(1-FR)"} +{"problem_id": "101045", "problem_text": "体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う薬物を経口投与した場合、最高血中濃度到達時間が遅延する原因として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["吸収速度定数の増大", "投与量の低下", "分布容積の低下", "消失速度定数の低下", "吸収率の増大"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う薬物を経口投与した場合、最高血中濃度到達時間(T_{max})は、吸収速度定数及び消失速度定数と反比例の関係を示す。このことから、T_{max}が遅延する原���は、消失速度定数の低下である。"} +{"problem_id": "101046", "problem_text": "全身クリアランスが50 L/hである薬物を10 mg/hの速度で点滴静注した場合の定常状態における血中濃度(\\micro g/mL)に最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["0.2", "0.5", "2", "5", "50"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "101047", "problem_text": "血中薬物濃度に基づく治療薬物モニタリング(TDM)において、効果発現と副作用リスクの指標としてトラフ値とピーク値の測定が推奨される薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ゲンタマイシン", "タクロリムス", "フェノバルビタール", "ジゴキシン", "リドカイン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "TDMでは、一般に次回投与直前(トラフ値)を測定するが、ゲンタマイシンのTDMについてはトラフ値およびピーク値の測定を行う。<ゲンタマイシンのTDMの方法>C_{peak}とトラフ値を測定する。C_{peak}は組織分布が完了した時点おける血中濃度とし点滴開始1時間後(30分で投与した場合、終了30分後)に採血を行う。トラフ値は投与前30分以内に採血を実施する。"} +{"problem_id": "101048", "problem_text": "陽イオン性界面活性剤に分類されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["デオキシコール酸ナトリウム", "ベンゼトニウム塩化物", "ホスファチジルコリン(レシチン)", "ラウリル硫酸ナトリウム", "ラウロマクロゴール"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "界面活性剤は、イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤に分類され、さらにイオン性界面活性剤は、陽イオン性、陰イオン性、両性界面活性剤に分類される。1:誤\nデオキシコール酸ナトリウム及びラウリル硫酸ナトリウムは、陰イオン性界面活性剤である。2:正\nベンゼトニウム塩化物は、陽イオン性界面活性剤である。3:誤\nホスファチジルコリン(レシチン)は、両性界面活性剤である。4:誤\n解説1参照\n5:誤\nラウロマクロゴールは、非イオン性界面活性剤である。"} +{"problem_id": "101049", "problem_text": "不揮発性の電解質を溶解させた希薄水溶液において、溶質の濃度上昇とともに値が減少するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イオン強度", "凝固点", "沸点", "浸透圧", "溶質のモル分率"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nイオン強度とは、溶液中のすべてのイオン種について、それぞれのイオンのモル濃度と電荷の2乗の積を加え合わせたものである。希薄溶液において、溶質の濃度上昇とともにイオン強度の値は大きくなる。2:正\n希薄溶液において、溶質の濃度が上昇すると、凝固点降下、沸点上昇、浸透圧増大が認められる(溶液の束一的性質)。3:誤\n解説2参照\n4:誤\n解説2参照\n5:誤\n溶質の濃度が上昇すると、溶液中の溶質の割合が増加するため、溶質のモル分率は上昇する。"} +{"problem_id": "101050", "problem_text": "有効成分を臼歯と頬の間で徐々に溶解させ、口腔粘膜から吸収させる剤形はどれか。1つ選べ。", "choices": ["口腔内崩壊錠", "発泡錠", "チュアブル錠", "舌下錠", "バッカル錠"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n口腔内崩壊錠は、口腔内で速やかに溶解又は崩壊する錠剤である。2:誤\n発砲錠は、水中で急速に発砲しながら溶解又は分散する錠剤である。3:誤\nチュアブル錠は、咀嚼して服用する錠剤である。4:誤\n舌下錠は、舌下ですみやかに溶解させ、有効成分を口腔粘膜から吸収させる口腔用錠剤である。5:正\nバッカル錠は、臼歯と頬の間で徐々に溶解させ、有効成分を口腔粘膜から吸収させる口腔用錠剤である。"} +{"problem_id": "101051", "problem_text": "医薬品の酸化を防ぐために加えられる添加剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["結晶セルロース", "アスコルビン酸", "ステアリン酸マグネシウム", "ショ糖", "パラオキシ安息香酸ブチル"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n結晶セルロースは、賦形剤、崩壊剤、結合剤として用いられる。2:正\nアスコルビン酸は、抗酸化剤として用いられる。3:誤\nステアリン酸マグネシウムは、滑沢剤として用いられる。4:誤\nショ糖は、賦形剤、結合剤、矯味剤として用いられる。5:誤\nパラオキシ安息香酸ブチルは、保存剤として用いられる。"} +{"problem_id": "101052", "problem_text": "噴出する圧縮空気の気流により粒子を加速させて、粒子どうしあるいは粒子と容器壁との衝突���より粒子を微細化する粉砕機はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ローラーミル", "ボールミル", "コロイドミル", "ジェットミル", "ハンマーミル"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nローラーミルは、3本の連続するローラーを逆回転させ、粒子を粉砕する装置のことである。2:誤\nボールミルは、容器を回転させ、ボールと粒子がぶつかる衝撃などにより粒子を粉砕する装置のことである。3:誤\nコロイドミルは、きわめて接近して回転する2枚の平行な円盤を用いて、粒子を微粉化してコロイド程度の大きさにする装置のことである。4:正\nジェットミルは、噴出する圧縮空気の気流により粒子を加速させて、粒子どうしあるいは粒子と容器壁との衝突により粒子を微細化する装置のことである。5:誤\nハンマーミルは、ハンマーを高速回転させて粒子に衝撃などを与えることにより粒子を粉砕する装置のことである。"} +{"problem_id": "101053", "problem_text": "静脈内に投与する注射剤に適用される日本薬局方一般試験法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["崩壊試験法", "溶出試験法", "エンドトキシン試験法", "制酸力試験法", "摩損度試験法"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n崩壊試験法は、経口製剤に適用され、規定された試験時間内に崩壊するかどうかを確認する試験である。2:誤\n溶出試験法は、経口製剤に適用され、溶出試験法の規格に適合しているかどうかを判定するための試験である。3:正\nエンドトキシン試験法は、注射剤(内皮、皮下、筋肉内投与のみの注射剤を除く)に適用され、エンドトキシンの含有の有無を確認する試験である。4:誤\n制酸力試験法は、胃において酸と反応し、制酸作用をもたらす製剤の制酸作用を求める試験である。5:誤\n摩損度試験法は、剤皮を施していない圧縮形成錠の摩損度を測定する試験である。"} +{"problem_id": "101054", "problem_text": "日本薬局方において、腸溶性製剤の崩壊試験に用いられる崩壊試験第1液と崩壊試験第2液のpHの組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "日本薬局方において、腸溶性製剤の崩壊試験に用いられる崩壊試験第1液(胃酸を想定したもの)のpHは約1.2、崩壊試験第2液(小腸液を想定したもの)のpHは約6.8である。"} +{"problem_id": "101055", "problem_text": "マトリックス型放出制御製剤からの薬物放出がHiguchi式に従うとき、時間tまでの単位面積当たりの累積薬物放出量について、正しい記述はどれか。1つ選べ。", "choices": ["tに比例する。", "tの平方根に比例する。", "tの立方根に比例する。", "tに反比例する。", "tの平方根に反比例する。", "tの立方根に反比例する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ヒグチ(Higuchi)式は、マトリックス製剤において成立する式であり、以下の式で表される。Q=[D・(2A-C_{s})]・C_{s}・t^{1/2}Q: 累積薬物放出量、D: マトリックス中の薬物の拡散係数、A: マトリックス中の全薬物量C_{s}: マトリックス中の薬物の溶解度、t: 時間\n上記の式より、時間tまでの単位面積当たりの累積薬物放出量は、tの平方根に比例する。"} +{"problem_id": "101056", "problem_text": "膵がんとの関連が最も高い腫瘍マーカーはどれか。1つ選べ。", "choices": ["AFP(\\alpha -fetoprotein)", "PSA(prostate specific antigen)", "CYFRA 21-1(cytokeratin 19 fragment)", "CA 19-9(carbohydrate antigen 19-9)", "SCC抗原(squamous cell carcinoma related antigen)"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "膵臓がんとの関連が最も高い腫瘍マーカーは、CA 19-9である。1:誤\nAFPは、肝細胞がんの腫瘍マーカーである。2:誤\nPSAは、前立腺がんの腫瘍マーカーである。3:誤\nCYFRA 21-1は、非小細胞肺がんの腫瘍マーカーである。4:正\n5:誤\nSCC抗原は、子宮頸がんや食道がんなどの扁平上皮がんの際に陽性を示す腫瘍マーカーである。"} +{"problem_id": "101057", "problem_text": "心電図上QT間隔の延長を誘発する可能性が最も高い抗不整脈薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["メキシレチン", "ベラパミル", "アミオダロン", "プロプラノロール", "ジゴキシン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "心電図上QT間隔の延長を誘発する可能性が最も高い抗不整脈薬は、アミオダロンである。アミオダロンは、Vaughan William分類III群に分類され、K^{+}チャネル遮断作用を示し、副作���として、QT延長症候群を起こす可能性がある。なお、他の選択肢の薬物も抗不整脈の治療に用いられるが、副作用としてQT延長症候群を起こす可能性は低い。1:誤\nメキシレチンは、Vaughan William分類Ib群に分類され、Na^{+}チャネル遮断作用を示す。2:誤\nベラパミルは、Vaughan William分類IV群に分類され、Ca^{2+}チャネル遮断作用を示す。3:正\n4:誤\nプロプラノロールは、Vaughan William分類II群に分類され、アドレナリン\\beta 受容体遮断作用を示す。5:誤\nジゴキシンは、強心配糖体であり、Na^{+}-K^{+}ATPase阻害作用を示す。"} +{"problem_id": "101058", "problem_text": "クッシング症候群の臨床症状及び所見に該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["低血圧", "低血糖", "中心性肥満", "筋力増強", "皮膚の肥厚"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "クッシング症候群とは、副腎からの慢性的なコルチゾール、アルドステロン、アンドロゲンの過剰分泌により特異的な臨床症状を示す症候群のことである。クッシング症候群で認められる症状を以下に示す。・コルチゾールによる糖質コルチコイド作用\n満月様顔貌、中心性肥満、耐糖能異常(高血糖)、筋力の低下、皮膚の菲薄化"} +{"problem_id": "101059", "problem_text": "中枢性尿崩症の病態について、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["オキシトシンの分泌が低下する。", "尿浸透圧が上昇する。", "バソプレシンの分泌が低下する。", "近位曲尿細管が障害される。", "血清Na値が低下する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "中枢性尿崩症とは、下垂体後葉からのバソプレシン(ADH)の分泌不全により腎における水の再吸収が抑制され、多尿症を生じる疾患のことである。中枢性尿崩症では、水の再吸収が抑制されるため、尿浸透圧が低下し、血清Na値が増加する。"} +{"problem_id": "101060", "problem_text": "低血糖の典型的な症状及び状態に該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["動悸", "体温上昇", "意識レベルの低下", "発汗", "頭痛"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "低血糖とは、血中グルコース濃度が基準値(70〜110 mg/dL)以下の状態のことである。血中グルコース濃度が50〜60 mg/dLになると低血糖の典型的な症状が現れる。低血糖の典型的な症状として、不安感、動悸、頻脈、発汗、振戦、体温低下、頭痛、視力障害、複視、意識レベルの低下(昏睡)などが認められる。"} +{"problem_id": "101061", "problem_text": "メニエール病の典型的な病態及び症状に該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["難聴", "耳鳴", "浮動性めまい", "眼振", "耳閉感"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "メニエール病では、内耳の内リンパ液の増加などにより回転性めまいが数分から数時間にわたって続き、それに伴って耳鳴、難聴、耳閉塞感が生じる。また、めまい発作時には、眼振が観察されることがある。なお、メニエール病においては、浮動性めまい(身体が浮いているような感じ、揺れているような感じのめまい)が現れることは稀である。"} +{"problem_id": "101062", "problem_text": "骨量に対する作用として、骨吸収抑制を主な作用機序としない骨粗しょう症治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ビスホスホネート製剤", "SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレータ)", "エストロゲン製剤", "ビタミンK_{2}製剤", "カルシトニン製剤"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:骨吸収抑制を主な作用機序とする\nビスホスホネート製剤は、破骨細胞に取り込まれ、骨吸収を抑制する。2:骨吸収抑制を主な作用機序とする\nSERM(選択的エストロゲン受容体モジュレータ)及びエストロゲンは、破骨細胞のエストロゲン受容体に結合し、骨吸収を抑制する。3:骨吸収抑制を主な作用機序とする\n解説2参照\n4:骨吸収抑制を主な作用機序としない\nビタミンK_{2}製剤は、オステオカルシンのグルタミン酸残基の\\gamma -カルボキシル化を促進し、骨形成を促進する。5:骨吸収抑制を主な作用機序とする\nカルシトニン製剤は、破骨細胞のカルシトニン受容体に作用し、骨吸収を抑制する。"} +{"problem_id": "101063", "problem_text": "ハチ刺され等に起因するアナフィラキシー反応に対し自己注射で用いられる昇圧薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ドブタミン塩酸塩", "ドパミン塩酸塩", "フェニレフリン塩酸塩", "アドレナ���ン", "イソプレナリン塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "アナフィラキシー反応に対し自己注射で用いられるのは、アドレナリンである。アドレナリンはアドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激作用により昇圧作用、アドレナリン\\beta _{1}受容体刺激作用により強心作用、持続的昇圧作用、アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激作用により気管支拡張作用を示すため、アナフィラキシー反応に対して用いられる。"} +{"problem_id": "101064", "problem_text": "催吐性リスクの高い抗がん薬に対する制吐療法に用いるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["オキセサゼイン", "モルヒネ塩酸塩", "パロノセトロン塩酸塩", "ラニチジン塩酸塩", "ブロモクリプチンメシル酸塩"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "催吐性リスクの高い抗がん剤(シスプラチンなど)を投与する際には、嘔吐を防止するためにアプレピタント、5-HT_{3}受容体遮断薬(パロノセトロン塩酸塩、グラニセトロン塩酸塩など)、デキサメタゾンリン酸塩エステルナトリウムの3剤を併用する。"} +{"problem_id": "101065", "problem_text": "ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに用いる薬物として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ゲフィチニブ", "クリゾチニブ", "パゾパニブ", "ソラフェニブ", "ダサチニブ"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nゲフィチニブは、上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬であり、手術不能または再発非小細胞肺がんの治療に用いられる。2:正\nクリゾチニブは、チロシンキナーゼ阻害薬であり、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんの治療に用いられる。3:誤\nパゾパニブは、マルチキナーゼ阻害薬であり、根治切除不能または転移性の腎細胞がん及び悪性軟部腫瘍の治療に用いられる。4:誤\nソラフェニブは、マルチキナーゼ阻害薬であり、根治切除不能または転移性の腎細胞がん及び切除不能な肝細胞がん、根治切除不能な分化型甲状腺がんの治療に用いられる。5:誤\nダサチニブは、チロシンキナーゼ阻害薬であり、慢性骨髄性白血病及び再発または難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の治療に用いられる。"} +{"problem_id": "101066", "problem_text": "一般用医薬品の添付文書に記載する必要のない項目はどれか。1つ選べ。", "choices": ["改訂年月", "添付文書の必読及び保管に関する事項", "製品の特徴", "薬効薬理", "消費者相談窓口"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "<一般用医薬品の添付文書に記載する項目>\n1.改訂年月\n2.添付文書の必読及び保管に関する事項\n3.販売名、薬効名及びリスク区分\n4.製品の特徴\n5.使用上の注意\n6.効能又は効果\n7.用法及び用量\n8.成分及び分量\n9.保管及び取扱い上の注意\n10.消費者相談窓口\n11.製造販売業者等の氏名又は名称及び住所\n上記より、一般用医薬品の添付文書には、薬効薬理を記載する必要はない。"} +{"problem_id": "101067", "problem_text": "ヘリコバクター・ピロリの除菌治療に用いられない薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ランソプラゾール", "アモキシシリン", "メトロニダゾール", "ファモチジン", "クラリスロマイシン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ヘリコバクター・ピロリ菌の1次除菌では、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン、プロトンポンプ阻害薬の3剤併用療法を行う。1次除菌で除菌を完了できなかった場合には、クラリスロマイシンをメトロニダゾールに変更して2次除菌を行う。なお、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療には、ファモチジンのようなH_{2}受容体遮断薬は用いられない。"} +{"problem_id": "101068", "problem_text": "臨床試験におけるプライマリーエンドポイント(主要エンドポイント)について正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["最終目標となる死亡率の低下のことである。", "1つの試験において、複数あるのが望ましい", "主観的に評価できるものが望ましい。", "主としてQOLに関する評価項目である。", "臨床試験の主要な目的に基づく、客観的評価が可能な項目である。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "エンドポイントとは、治療行為の意義を評価するための評価項目のことであり、エンドポイントには、真のエンドポイント(治療または治験で本来求めたい結果)と代用エンドポイント(���期間で評価することができる項目)がある。代用エンドポイントが複数ある場合、客観的に優先順位を付ける。優先順位の高い代用エンドポイントをプライマリーエンドポイント、優先順位の低い代用エンドポイントをセカンダリーエンドポイントという。1:誤\n死亡率の低下、QOLの向上などは真のエンドポイントに該当する。2:誤\nプライマリーエンドポイントは、複数の代用エンドポイントから優先順位の高いものが1つ選択される。3:誤\nプライマリーエンドポイントは、客観的に評価できるものが望ましい。4:誤\n解説1参照\n5:正"} +{"problem_id": "101069", "problem_text": "消失経路の観点から、腎機能障害時に投与量の補正が必要な薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アテノロール", "プロプラノロール", "アセトアミノフェン", "デキストロメトルファン", "アミオダロン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "アテノロールは、腎消失型薬物であり、腎機能障害時に投与量の補正が必要である。アテノロールについては、クレアチニンクリアランス値及び糸球体ろ過量が35 mL/min以下の場合、投与間隔を延ばすなど慎重に投与することとされている。"} +{"problem_id": "101070", "problem_text": "重症肝硬変がもたらす薬物動態学的影響として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["肝細胞への酸素供給の増加", "肝細胞への薬物取り込みの増加", "酸性薬物の血漿中非結合形分率の増大", "肝血流量の増加", "CYP2C19の活性亢進"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n肝硬変が重症化すると、肝血流量が低下し、それに伴って肝細胞への酸素供給の低下が認められる。2:誤\n肝硬変が重症化すると、肝細胞が線維化によって、肝細胞への薬物の取り込みが減少する。3:正\n肝硬変が重症化すると、肝臓でのアルブミン合成能が低下するため、酸性薬物の血漿中非結合形分率が増大する。4:誤\n解説1参照\n5:誤\n肝硬変が重症化すると、シトクロムP450(CYP)の活性が低下する。"} +{"problem_id": "101071", "problem_text": "インフォームド・コンセントに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["治療におけるデメリットについても説明する必要がある。", "プライバシーの保護のために必須とされている。", "医療従事者が治療を受ける場合には必要とされない。", "説明を受ける側の理解度は考慮しなくてよい。", "パターナリズムに基づくものである。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "インフォームド・コンセントとは、患者が医療者から治験内容等に十分な説明を受け、治験に関する内容(メリット、デメリット)について理解した上で、患者の自由意思に基づいて同意することである。"} +{"problem_id": "101072", "problem_text": "専ら薬局開設者等に医薬品を販売するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["店舗販売業", "配置販売業", "卸売販売業", "医薬品製造業", "医薬品製造販売業"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "専ら薬局開設者等に医薬品を販売するのは、医薬品卸売販売業者である。卸売販売業は医薬品を薬局開設者、医薬品の製造販売業者、製造業者もしくは販売業者又は病院、診療所もしくは飼育動物診療施設の開設者その他厚生労働省令で定める者に対し、販売し、または授与する業務を行う。1:誤\n店舗販売業は、一般消費者に対して、要指導医薬品、一般用医薬品を販売する。2:誤\n配置販売業は、一般消費者に対して、一般用医薬品を販売する。3:正\n4:誤\n医薬品製造業は、医薬品製造販売業者又は製造業者に対して、自社製品を販売することができる。5:誤\n医薬品製造販売業は、薬局開設者又は医薬品の製造販売業者、製造業者もしくは医薬品販売業者に対して、自社製品を販売する。"} +{"problem_id": "101073", "problem_text": "薬剤師法において、薬剤師が、販売又は授与の目的で調剤したときに、患者又は現にその看護に当たっている者に対して、情報の提供とともに行わなければならないとされているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["療養の方法の指導", "薬学的知見に基づく指導", "療養上の世話", "処方箋の写しの交付", "疑義照会の有無の告知"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "薬剤師は、調剤した薬剤の適正な使用のため、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当���っている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。"} +{"problem_id": "101074", "problem_text": "医療法の目的として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["保険給付の確保", "副作用被害の救済", "良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保", "医薬品等の品質の確保", "薬物乱用の防止"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "医療法は、医療を受ける者による医療に関する適切な選択を支援するために必要な事項、医療の安全を確保するために必要な事項、病院、診療所及び助産所の開設及び管理に関し必要な事項並びにこれらの施設の整備並びに医療提供施設相互の機能の分担及び業務の連携を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、もって国民の健康の保持に付与することを目的としている。"} +{"problem_id": "101075", "problem_text": "麻薬小売業者の免許を受けている薬局における麻薬(ジアセチルモルヒネを除く)の取扱いのうち、事前に許可を受ける必要があるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["家庭麻薬の廃棄", "同一都道府県内の麻薬卸売業者からの購入", "麻薬処方箋に基づく調剤", "同一都道府県内の薬局間での譲渡・譲受", "調剤済麻薬の廃棄"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "麻薬小売業者の免許を受けている薬局において、同一都道府県内の薬局間での麻薬(ジアセチルモルヒネを除く)の譲渡・譲受を行う際は、事前に許可を受ける必要がある。1:誤\n家庭麻薬は、麻薬に該当しないため、廃棄する際に許可を必要としない。2:誤\n麻薬小売業者の免許を受けている薬局は、同一都道府県内の麻薬卸売業者からの購入及び麻薬処方箋に基づく調剤を行うことができる。3:誤\n解説2参照\n4:正\n5:誤\n調剤済麻薬を廃棄する際には、30日以内に都道府県に届け出なければならない。"} +{"problem_id": "101076", "problem_text": "長期大量投与により網膜症を生じて、薬害の原因となった医薬品はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ソリブジン", "クロロキン", "サリドマイド", "ペニシリン系抗生物質", "アミノピリン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nソリブジンと5-フルオロウラシル(5-Fu)の併用により、5-Fuの代謝が抑制され、血液障害等の副作用が発現した。2:正\nクロロキンの使用により、クロロキン網膜症(視野の欠損、視力低下など)が発現した。3:誤\nサリドマイドの使用により、アザラシ肢症(胎児の四肢の発育不全)が発現した。4:誤\nペニシリン系抗生物質の使用により、アナフィラキシーショックが発現した。5:誤\nアミノピリンが配合されたアンプルの使用により、ショックが発現した。"} +{"problem_id": "101077", "problem_text": "日本国内において就業者数が最も多いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医師", "歯科医師", "薬剤師", "看護師", "臨床検査技師"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "2014年(平成26年)の看護師数(就業者)は、1,086,779人と、医師、歯科医師、薬剤師、臨床検査技師に比べ最も多い。"} +{"problem_id": "101078", "problem_text": "すでに承認されている医薬品について、その時点での知見に基づいて承認の可否を見直す制度はどれか。1つ選べ。", "choices": ["使用成績調査", "医薬品リスク管理", "薬価改定", "再評価", "製造販売後臨床試験"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "すでに承認されている医薬品について、その時点での医学・薬学等の学問水準における知見に基づいて承認の可否を見直す制度は、再評価制度である。"} +{"problem_id": "101079", "problem_text": "医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準はどれか。1つ選べ。", "choices": ["GLP", "GCP", "GMP", "GVP", "GPSP"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nGLP(Good Laboratory Practice)は、医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準である。2:誤\nGCP(Good Clinical Practice)は、医薬品の臨床試験の実施の基準である。3:誤\nGMP(Good Manufacturing Practice)は、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準である。4:誤\nGVP(Good Vigilance Practice)は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準である。5:誤\nGPSP(Good Post-marketing Study Practice)は、医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準である。"} +{"problem_id": "101080", "problem_text": "製造販売後臨床試験の実施において、臨床研究コーディネーターである薬剤師が被験者候補者である患者に行った説明(下線部)のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。患者「副作用が出たときはどうなるのですか。」 薬剤師「健康被害が生じた場合は、適切な治療が行われます。」① 薬剤師「健康被害を補償する保険にも加入しています。」② 患者「この試験に参加しなければ、どうなりますか。」 薬剤師「参加しなくても、不利益を受けることはありません。」③ 患者「参加しない場合、主治医のA先生に申し訳ないように思うのですが。」 薬剤師「A先生に良く思われたければ、参加したほうがよいと思います。」④ 患者「途中でやめられますか。」 薬剤師「参加してからも、いつでもやめることができます。」⑤", "choices": ["①", "②", "③", "④", "⑤"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:適切である\n臨床研究コーディネーター(CRC)が被験者候補者に対して、健康被害が生じた場合の対応及びそれを補償する保険について説明することは適切である。2:適切である\n解説1参照\n3:適切である\nCRCが被験者候補者に対して、治験に参加しないこと又は参加を取りやめることにより不利益を受けないことを説明することは適切である。4:不適切である\n解説3参照\n5:適切である\nCRCが被験者候補者に対して、治験の参加をいつでも取りやめることができることを説明することは適切である。"} +{"problem_id": "101081", "problem_text": "「患者の生活の質(quality of life)を改善するという明確な結果をもたらすためにとられる薬物療法を、責任をもって遂行すること」と定義される行動哲学を示す用語として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["care plan", "evidence-based medicine", "narrative-based medicine", "pharmaceutical care", "problem-oriented system"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\ncare plan(ケア計画)とは、薬物療法が効果的に行われるようにする介入計画のことである。2:誤\nevidence-based medicine(訳: 根拠に基づく医療)とは、臨床結果をもとに患者にとって最適な治療とは何かを分析し、実施される医療のことである。3:誤\nnarrative-based medicineとは、物語に基づいた医療であり、患者の語りを通じて、患者の抱える問題点に対して全人的(身体的、精神・心理的、社会的)にアプローチする臨床手法のことである。4:正\n5:誤\nproblem-oriented system(問題志向型システム)とは、患者の医療上の問題点に焦点を当て、患者にとって最善の方法で問題を解決していく考え方のことである。"} +{"problem_id": "101082", "problem_text": "医薬品の使用によって健康被害が生じた場合に、医療従事者が厚生労働大臣(情報の整理を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に行わせることとした場合には、PMDA)に提出するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["インシデント報告書", "プレアボイド報告書", "DIニュース", "安全性速報", "医薬品安全性情報報告書"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nインシデント報告書(ヒヤリ・ハット報告書)とは、過誤につながる医療行為についての情報を把握・分析するため報告書のことである。2:誤\nプレアボイド報告書とは、薬剤師が直接薬物療法に関与し、患者の不利益(副作用・相互作用など)を回避、軽減した事例を収集した報告書のことである。3:誤\nDIニュースとは、医療機関内の医薬品情報室(DI室)から定期的に発信される医薬品情報のことである。4:誤\n安全性速報(ブルーレター)とは、緊急安全性情報(イエローレター)に準じて重要な情報を伝達するものとして厚生労働省の指示により製造販売業者が作成する試料のことである。5:正\n医薬品安全性情報報告書とは、医薬品の副作用および感染症によると疑われる症例について、医療従事者がその旨を報告する際に用いる報告書のことである。"} +{"problem_id": "101083", "problem_text": "院内感染の原因菌の1つであるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の主要な感染経路はどれか。1つ選べ。", "choices": ["空気感染", "飛沫感染", "接触感染", "昆虫媒介感染", "垂直感染"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "院内感染にお��て、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、主に皮膚や粘膜の直接的な接触や、手すり、便座等の表面を介しての接触で病原体が付着することにより感染する(接触感染)。"} +{"problem_id": "101084", "problem_text": "卵白アレルギーのある患者に禁忌である薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["リゾチーム塩酸塩", "アンブロキソール塩酸塩", "シプロヘプタジン塩酸塩水和物", "ブロムヘキシン塩酸塩", "プロカテロール塩酸塩水和物"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "リゾチーム塩酸塩は、卵白由来のタンパク質を有効成分としていることから、卵白アレルギーの患者への投与は禁忌である。"} +{"problem_id": "101085", "problem_text": "血液凝固因子製剤を患者に使用した場合、血液製剤管理簿を作成する意義として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["在庫切れの防止", "使用頻度の把握", "購入価格の把握", "有効期限切れの防止", "保健衛生上の危害の発生又は拡大の防止"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "血液凝固因子製剤は、特定生物由来製品に該当する。特定生物由来製品とは、生物由来製品のうち、販売し、貸与し、または授与した後において、当該生物由来製品による保健衛生上の危害の発生または拡大を防止する措置を講ずることが必要なものであって、厚生労働省大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。このことから、血液凝固因子製剤を患者に使用した場合、血液製剤管理簿を作成するのは、保健衛生上の危害の発生又は拡大の防止するためである。"} +{"problem_id": "101086", "problem_text": "熱に不安定な薬物の水溶液を滅菌するのに最も適した方法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["高圧蒸気滅菌", "乾熱滅菌", "ろ過滅菌", "高周波滅菌", "ガス滅菌"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n高圧蒸気滅菌とは、適当な温度及び圧力の飽和蒸気中で加熱することにより微生物を滅殺する方法のことである。本法では、加熱を行うため、熱に不安定な薬物の滅菌には不向きである。2:誤\n乾熱滅菌とは、乾燥空気中で加熱することにより微生物を滅殺する方法のことである。本法では、加熱を行うため、熱に不安定な薬物の滅菌には不向きである。3:正\nろ過滅菌とは、滅菌用フィルターを用いて微生物を除去する方法のことである。4:誤\n高周波滅菌とは、高周波を直接照射し、発生する熱により微生物を滅殺する方法のことである。本法では熱が発生するため、熱に不安定な薬物の滅菌には不向きである。5:誤\nガス滅菌とは、滅菌ガスを用いた滅菌法である。本法に用いる滅菌ガスは、水に溶け、毒性を示すため、水溶液の滅菌に不向きである。"} +{"problem_id": "101087", "problem_text": "下図は、ある生理食塩液製剤のラベルの一部を示したものである。①の値として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["23", "58.5", "77", "154", "308"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "生理食塩液は、0.9%NaCl水溶液であり、水1000 mL中に9 gのNaClが含まれている。9 gのNaClをモルに換算すると、9/58.5=0.15385 mol=153.85 mmol\\fallingdotseq 154 mmolとなる。水中でNaClはほぼ完全に解離するため、Na^{+}のmol数も154 mmolとなる。このことから、生理食塩液1000 mL中におけるNa^{+}の電解質濃度を以下のように計算することができる。Na^{+}の電解質濃度=154 mmol/L\\times Na^{+}の電荷=154 mmol/L\\times 1=154 mEq/L"} +{"problem_id": "101088", "problem_text": "「1件の重大事故の背後には29件の小さな事故があり、その背景には300件の事故に至らない事例がある」という経験則はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ドミノの法則", "ハインリッヒの法則", "マーフィーの法則", "ムーアの法則", "メラビアンの法則"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nドミノの法則とは、リスクが連続的に発生し、最後のドミノが倒れることにより事故になるという考え方である。この考え方より、リスクの連鎖を止めることができれば、事故の発生を防止することができる。2:正\nハインリッヒの法則とは、「1件の重大事故の背後には29件の小さな事故があり、その背景には300件の事故に至らない事例がある」という労働災害における経験則である。この経験則より、300件の事故に至らなかった事例を減らすことにより重大な事故を防止することができる。3:誤\n��ーフィーの法則とは、先人の経験から数々の経験則をまとめたもののことである。4:誤\nムーアの法則とは、「半導体の集積率は18ヶ月で2倍になる」という半導体業界の経験則である。5:誤\nメラビアンの法則とは、人が誰かと初対面で会ったときに受ける印象を決定づける要素について実験的に分析したものである。その実験結果によると、初対面の人物に影響を与えた因子の割合は、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%であるとされている。"} +{"problem_id": "101089", "problem_text": "調剤録を作成するにあたり、該当する事項があった場合、記載が必要なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["後発医薬品の使用に関する患者の意向", "患者の身長及び体重", "患者の副作用歴", "疑義照会の結果", "残薬の状況"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "調剤録の記載事項を以下にまとめる。<薬剤師法における調剤録の記載事項>\n患者の氏名及び年齢\n薬名及び分量\n調剤年月日\n調剤した薬剤師の氏名\n処方せん発行年月日\n処方せんを交付した医師等の氏名\n処方せんを交付した医師等の住所又は勤務する病院等の名称及び所在地\n医師等に同意を得て処方せんに記載された医薬品を変更して調剤した場合の変更内容\n医師に疑わしい点を確かめた場合の回答内容\n<健康保健法における調剤録の記載事項>\n薬剤師法に規定されている事項\n患者の被保険者証記号番号、保険者名、生年月日及び被保険者被扶養者の別\n当該薬局で調剤した薬剤について処方せんに記載してある用量、既調剤量及び使用期間\n当該薬局で調剤した薬剤についての薬剤点数、調剤手数料、請求点数及び患者負担金額"} +{"problem_id": "101090", "problem_text": "大雨の翌日、床上浸水の被害にあった男性が、汚水に浸かった室内を消毒する目的で薬局を訪れた。この男性に提案する消毒剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["グルタラール液", "ベンザルコニウム塩化物液", "ポピドンヨード液", "アクリノール液", "オキシドール"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "大雨により床上浸水が起こった場合、下水等が混入した汚水により室内が汚染され、それにより感染症を起こす可能性がある。そのため、室内が汚水被害にあった場合、感染を予防するために消毒を実施する必要がある。ベンザルコニウム塩化物は、皮膚への刺激性やにおいがほとんどないため、大雨により床上浸水が起こった場合に用いる消毒薬として最も適切である。"} +{"problem_id": "101091", "problem_text": "下図は、ある純物質のエントロピーの温度依存性を示したグラフである。純物質の状態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["物質の温度Tが0\n設問の条件1: A 10 g及びPA 10 gを、それぞれ1 Lの水に完全に溶解させている\n設問の条件2: PAはAが重合してできた合成高分子(分子量m: Aの分子量PA水溶液のモル濃度となる。これらのことから、浸透圧: A水溶液>PA水溶液である。②\n浸透現象では、溶質のモル濃度が薄い方から濃い方に溶媒が移動するため、A水溶液の液面は高くなる。"} +{"problem_id": "101094", "problem_text": "水溶液中のイオン間相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["強電解質のモル伝導率は、濃度に比例して増加する。", "難溶解性塩であるAgClの溶解度は、NaNO_{3}の添加によるイオン強度の増大とともに増大する。", "高濃度の強電解質溶液におけるイオンの平均活量係数は、1より大きくなることがある。", "水中における電解質のイオン間相互作用は、アルコールなどを添加して溶媒の誘電率が低下すると減少する。", "アルカリ金属における極限モル伝導率は、K^{+}腸炎ビブリオによる食中毒(10件程度)となっている。3:正\nウェルシュ菌による食中毒の発生件数は多くないが、1件あたりの平均患者数は多い。4:正\n食肉や魚介類はウェルシュ菌に汚染されていることが多く、また、鍋底が嫌気的になりやすい大型鍋を用いて加熱処理してもウェルシュ菌は死滅しない。このことから、給食や学生食堂など大型鍋を用いて調理する場所において、食肉を調理したカレーやシチューなどの食品によりウェルシュ菌による食中毒が発生することが多い。5:誤\nウェルシュ菌による食中毒の潜伏期間は、6〜18時間であり、主な症状として下痢や腹痛が現れる。"} +{"problem_id": "101126", "problem_text": "合計特殊出生率及び下図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["合計特殊出生率は、15歳から39歳までの女性を対象として算出する。", "合計特殊出生率は、既婚女性のみを対象として算出する。", "合計特殊出生率は、総再生産率の約2倍の値となる。", "下図から、1960年には、夫婦一組あたりの平均子供数が2人であったことがわかる。", "下図から、合計特殊出生率の低下には、未婚率の上昇が影響している可能性が考えられる。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n合計特殊出生率は、「15歳〜49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」で、それぞれの年齢における出生率から算出される。2:誤\n合計特殊出生率は、既婚女性のみではなく未婚女性を含めた女性を対象として算出する。3:正\n合計特殊出生率は1人の女性あたりの平均の子供の数であり、また、総再生産率は1人の女性あたりの平均の女児の数である。男児と女児はだいたい1: 1で生まれるため、合計特殊出生率は、総再生産率の約2倍の値となる。4:誤\n1960年の合計特殊出生率が2.0を示して���ることから、1960年には、1人の女性あたりの平均子供数が2人であったことがわかる。5:正\n設問の図より、年齢別未婚率の上昇とともに合計特殊出生率が減少していることから、合計特殊出生率の低下には、未婚率の上昇が影響している可能性が考えられる。"} +{"problem_id": "101127", "problem_text": "第二次世界大戦後、四日市地域ではコンビナート(火力発電、石油精製、石油化学の工場群)が次々に操業を開始した。その後、市への悪臭の苦情及び汚染地域でのぜん息患者が増加したが、これらの現象はコンビナート操業前には認められなかった。そのため、1961年から5年間の国民健康保険のレセプト(診療報酬明細書)をもとに、汚染地区と汚染がみられなかった地区(対照地区)の住民約3万人について、二酸化硫黄による大気汚染と地域住民の気管支ぜん息などの健康被害の調査が行われた。以下の図:1〜3は、その調査結果である。図1 四日市の雨水のpHの経年変化 (市内18ヶ所の平均) 図2 気管支ぜん息受診割合の推移 (50歳以上) 図3 二酸化硫黄週平均濃度と気管支ぜん息の週累積発作回数 (1961年1月〜3月の汚染地区) この疫学調査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この調査は、症例対照研究である。", "1961年の時点で、四日市市内では頻繁に酸性雨が認められていた。", "対照地区でも気管支ぜん息の受診があったことから、二酸化硫黄が原因物質である可能性は低いと考えられる。", "1961年以降、汚染地区で、気管支ぜん息の受診割合が対照地区に比べ多いことから、二酸化硫黄曝露と健康被害との間には関連があると考えられる。", "二酸化硫黄濃度が高くなると、気管支ぜん息の発作回数が増加する傾向が認められる。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nこの調査では、二酸化硫黄による大気汚染と気管支ぜん息などの健康被害の関係を調べている。よって、この調査は、要因対照研究(コホート研究)である。2:誤\n酸性雨とは、pH5.6以下の雨のことである。図1より1961年の時点で、四日市市内ではほとんど酸性雨が認められていない。3:誤\n図2より、対照地区に比べ、汚染地区の受診割合が高いことから、二酸化硫黄が気管支ぜん息の原因物質である可能性は高い。4:正\n解説3参照\n5:正図3より、SO_{2}週平均濃度(ppm)と週累積発作回数に相関性が認められることから、二酸化硫黄濃度が高くなると、気管支ぜん息の発作回数が増加する傾向が認められる。"} +{"problem_id": "101128", "problem_text": "コーヒー摂取と発がんとの関係を調べるため、10,000人を対象として10年間のコホート研究を行った結果、コーヒー摂取(1日4杯以上)の有無によって肺がん発症率には差が見られないというデータが得られた(表1)。そこで、コーヒーを多飲する人には、喫煙者が多いのではないかと考え、さらに解析を行った(表2)。この解析に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["喫煙(1日5本以上)による肺がん発症の相対危険度は6.0と計算される。", "喫煙1日5本未満の者では、コーヒー摂取(1日4杯以上)が肺がん発症の相対危険度を低下させることがわかる。", "喫煙者(1日5本以上)の肺がん発症の相対危険度に、コーヒー摂取は影響を与えないことがわかる。", "コーヒー摂取1日4杯未満かつ喫煙1日5本未満である群が、最も肺がんの罹患率が低いことがわかる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n喫煙(1日5本以上)による肺がん発症の相対危険度は2.5である。相対危険度=肺がん発症率(喫煙)/肺がん発症率(非喫煙)=(50/5000)/(20/5000)=2.5\n2:正\n喫煙1日5本未満の者のコーヒー摂取(1日4杯以上)における肺がん発症率の相対危険度は、0.5である。相対危険度=肺がん発症率(5本未満、4杯以上: 有)/肺がん発症率(5本未満、4杯以上: 無)=(5/2000)/(15/3000)=0.5\nよって、喫煙1日5本未満の者では、コーヒー摂取(1日4杯以上)が肺がん発症の相対危険度を低下させることがわかる。3:正\n喫煙者(1日5本以上)のコーヒー摂取(1日4杯以上)有りにおける肺がん発症率の相対危険度は、1.0である。相対危険度=肺がん発症率(5本以上、4杯以上: 有)/肺がん発症率(5本以上、4杯以上: 無)=(30/3000)/(20/2000)=1.0\nよって、喫���者(1日5本以上)の肺がん発症の相対危険度に、コーヒー摂取は影響を与えないことがわかる。4:誤\n本研究において、最も肺がんの罹患率が低いのは、コーヒー摂取1日4杯以上かつ喫煙1日5本未満の群である。"} +{"problem_id": "101129", "problem_text": "エボラ出血熱とMERS(中東呼吸器症候群)の両方にあてはまる記述はどれか。2つ選べ。", "choices": ["病原体はウイルスである。", "自然宿主である野生動物を介して感染が拡大する。", "発症した際の致死率は5%未満である。", "感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)で一類感染症に分類される。", "検疫感染症に指定されている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nエボラ出血熱とMERS(中東呼吸器症候群)の病原体はともにウイルスである。エボラ出血熱の病原体はエボラウイルス、MERS(中東呼吸器症候群)の病原体はMERSコロナウイルスである。2:誤\nエボラ出血熱は、患者の体液(血液、唾液、分泌液)が傷口や粘膜に接触することにより感染する。MERS(中東呼吸器症候群)は、ヒト・ヒト間の接触及び患者からの飛沫により感染する。3:誤\nエボラ出血熱を発症した際の致死率は50〜90%であり、MERS(中東呼吸器症候群)を発症した際の致死率は、30〜40%である。4:誤\nエボラ出血熱は、感染症法で一類感染症に分類され、MERS(中東呼吸器症候群)は、感染症法で二類感染症に分類される。5:正\n検疫感染症とは、日本には病原体が常在しない感染症のうち、検疫法の規定により、検疫所が行う検疫の対象となる感染症のことである。エボラ出血熱及びMERS(中東呼吸器症候群)は検疫感染症に指定されている。"} +{"problem_id": "101130", "problem_text": "母子感染に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["妊娠初期にサイトメガロウイルスに初感染すると、母子感染を起こすことがある。", "ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の母子感染を防ぐため、ワクチンの接種が推奨されている。", "B型肝炎ウイルスは、母体にワクチンを接種することにより、胎児への感染を防ぐことができる。", "風疹は高率で胎内感染を起こすため、その予防を目的に、妊娠前の抗体検査が推奨されている。", "トキソプラズマ感染による先天異常は、ワクチンにより防ぐことができる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n妊娠初期にサイトメガロウイルスに初感染すると、胎児に感染することがある。先天性サイトメガロウイルス感染症では、低出生体重、紫斑、肝炎、難聴、発達障害、てんかんなどの症状が現れる。2:誤\nヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対する効果的なワクチンは開発されていない。よって、ワクチンを接種することでHIVの母子感染を防ぐことはできない。3:誤\nB型肝炎母子感染防止対策では、出生した児に対してB型肝炎ヒト免疫グロブリンとHBワクチンを投与する。4:正\n妊娠中に風疹に初感染すると、先天性風疹症候群の児が生まれてくる可能性がある。よって、その予防を目的に、妊娠前に抗体検査を行い、抗体がない場合については、風疹ワクチンを接種することが推奨されている。5:誤\nトキソプラズマに対する効果的なワクチンは開発されていない。よってトキソプラズマ感染による先天異常は、ワクチンにより防ぐことはできない。"} +{"problem_id": "101131", "problem_text": "体内からの化学物質の排泄に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["尿や胆汁以外にも、唾液腺、汗腺、及び涙腺を介して、化学物質は排泄される。", "血液への溶解度が高く、かつ脂溶性が高い化学物質は、呼気中への排泄が速い。", "化学物質の胆汁への排泄効率は、その分子量に依存しない。", "爪や毛髪も化学物質の排泄経路とみなすことができる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n体内の化学物質は、尿や胆汁を介した排泄に加え、唾液腺、汗腺、涙腺を介して排泄される。2:誤\n血液への溶解度が高く、かつ脂溶性が高い化学物質は、体内に蓄積しやすいため、呼気中への排泄は遅い。3:誤\n胆汁への排泄率は、化学物質の分子量に依存する。分子量500以上の物質は胆汁中に排泄されやすいが、分子量が500以下の物質は尿中に排泄されやすい。4:正\nヒ素、メチル水銀は、爪や毛髪を介して排泄される。"} +{"problem_id": "101132", "problem_text": "発がん物質A〜Eの代謝と発がん作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aは、それ自身がDNAと反応する一次発がん物質である。", "Bの究極的代謝活性体は、シトクロムP450による酸化を受けた後に生成するメチルカチオンである。", "Cの究極的代謝活性体は、シトクロムP450による酸化を受けた後に生成する9,10-ジオール体である。", "Dの代謝活性化には、シトクロムP450とエポキシドヒドロラーゼが関わっている。", "Eの究極的代謝活性体は、シトクロムP450によりメチル基が酸化された後にN-脱メチル化で生成するメチルカチオンである。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nAはナイトロジェンマスタードの構造であり、それ自身がDNAと反応する一次発がん物質である。2:正\nBはジメチルニトロソアミンの構造である。ジメチルニトロソアミンはシトクロムP450により酸化され、活性代謝物であるメチルカチオンとなり、二次発がん物質として作用する。3:誤\nCはベンゾ[a]ピレンの構造である。ベンゾ[a]ピレンはシトクロムP450により酸化され7,8-エポキシドとなり、その後、エポキシドヒドロラーゼによって7,8-ジオール体となる。7,8-ジオール体はさらにシトクロムP450により酸化され7,8-ジオール9,10-エポキシド体となり、二次発がん物質として作用する。4:誤DはアフラトキシンB_{1}の構造である。アフラトキシンB_{1}はシトクロムP450によってエポキシ化され、代謝活性化される。よって、アフラトキシンB_{1}の活性化にはエポキシドヒドロラーゼは関与していない。5:誤\nEは4-ジメチルアミノアゾベンゼンの構造である。4-ジメチルアミノアゾベンゼンは、シトクロムP450によるN-脱メチル化を受け、さらに、水酸基が導入されることにより代謝活性化され、二次発がん性物質として作用する。"} +{"problem_id": "101133", "problem_text": "ある乱用薬物について、呈色反応に基づく簡易検査を行ったところ、以下の構造を有する化合物が生成し、アルカリ性条件下で赤色を呈した。この乱用薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アンフェタミン", "メタンフェタミン", "メトカチノン", "MDMA", "4-メトキシアンフェタミン"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "生成物の構造より、本呈色反応では、アンフェタミンとp-ニトロベンゼンジアゾニウムクロライドが反応し、アルカリ性条件下で赤色を呈したと考えられる。"} +{"problem_id": "101134", "problem_text": "「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["蓄積性がないものも対象物質に含まれている。", "対象物質は、すべて長距離移動性を有する。", "非意図的生成物である対象物質に対し、その排出を削減することが定められている。", "ヒトに対する長期毒性が不明なものも対象物質に含まれている。", "対象物質は、すべて化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)の規制対象物質である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "残留性有機汚染物質(POPs)の性質及び種類を以下に示す。・性質\n①難分解性\n②生物体内に濃縮しやすい(高蓄積性)\n③長距離を移動し、地球全体を汚染する可能性がある(長距離移動性)\n④ヒトへの健康及び生態系に対して有害性がある(毒性)\n・種類\n①農薬、殺虫剤(アルドリン、DDTなど)\n②工業化学物質\n③非意図的生成物(ダイオキシンなど)\n1:誤\nPOPs条約対象物質は、すべて高蓄積性を有する。2:正\nPOPs条約対象物質は、すべて長距離移動性を有する。3:正\nPOPs条約には、「非意図的生成物の排出の削減及び廃絶」が定められている。4:誤\nヒトに対する長期毒性が不明なものも対象物質に含まれない。5:誤\n化審法の規制対象物質にはダイオキシン類が含まれていない。POPs条約対象物質のなかには、化審法の規制対象物質に含まれていないものもある。"} +{"problem_id": "101135", "problem_text": "ハロアルカン類の化合物には、オゾン層破壊効果や温室効果を持つものがある。それらは、オゾン層破壊効果の強弱に基づき3つの群に分類される。下図は、冷媒として使用するハロアルカン類の国内出荷量を、地球温暖化係数を用いて二酸化炭素相当量に���算し、その経年変化を表したものである。②群に分類される化合物の構造式を2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1990年代前半は、オゾン破壊作用が強いフロン類が用いられていたが、1996年頃からオゾン破壊作用の弱いフロン類が用いられるようになり、2000年頃からオゾン破壊作用を有しないフロン類が用いられるようになった。本設問のグラフの推移より①群はオゾン破壊作用の強いもの(CFC: クロロフルオロカーボン)、②群はオゾン破壊作用の弱いもの(HCFC: ハイドロクロロフルオロカーボン)、③群はオゾン破壊作用を有しないもの(HFC: ハイドロフルオロカーボン)であると判断できる。1:誤\nCFCであり、①群に該当する。2:正\nHCFCであり、②群に該当する。3:誤\nHFCであり、③群に該当する。4:正\nHCFCであり、②群に該当する。5:誤\nCFCであり、①群に該当する。"} +{"problem_id": "101136", "problem_text": "環境中の水に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["水圏は、生態系の構成要素の1つである。", "海洋は、地球表面の約90%を占める。", "地球に存在する海水と淡水の質量比率は約4: 1である。", "表層水は、地下水に比べ、我が国では水道水源としての取水量が多い。", "地下水は、表層水に比べ、自浄作用が強く汚染されにくい。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n生態系は、生物圏及びそれを取り巻く非生物環境(気圏、水圏、地圏、生物圏)から構成されている。2:誤\n地球表面は、主に海洋および陸地で構成されており、その割合は7: 3である。3:誤\n地球に存在する水のうち、約97.5%が海水であり、残り約2.5%が淡水である。よって、地球に存在する海水と淡水の質量比率は約40: 1である。4:正\n我が国の水道水源は、表層水(ダム湖: 47.4%、河川水: 25.2%、湖沼水: 1.5%)>地下水(井戸水19.5%、伏流水: 3.5%)である。5:誤\n地下水は表層水に比べ、微生物が少なく自浄作用が弱い。"} +{"problem_id": "101137", "problem_text": "水中の溶存酸素(DO)の測定法(ウインクラー法)に関する次の記述のa〜cに入るべき語句の正しい組合せはどれか。1つ選べ。ウインクラー法では、アルカリ性条件下で硫酸マンガンから生じた水酸化マンガンと、試料中のDOが反応することにより、速やかに酸素が(:a:)され、亜マンガン酸の(:b:)沈殿を生じる。次に、硫酸を加えることで、DOと当量の(:c:)が遊離するのでチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、DOを求める。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "溶存酸素(DO)の測定法であるウインクラー法の流れを以下に示す。1.アルカリ性条件下、硫酸マンガンMnSO_{4}が反応し、水酸化マンガンMn(OH)_{2}を生じる。2.水酸化マンガンMn(OH)_{2}が溶存酸素(DO)と反応して、亜マンガン酸H_{2}MnO_{3}(褐色沈殿)となり、酸素が固定される。3.硫酸酸性条件下、亜マンガン酸H_{2}MnO_{3}とヨウ化カリウムKIが反応し、ヨウ素I_{2}を遊離する。4.遊離したヨウ素I_{2}をチオ硫酸ナトリウム(Na_{2}S_{2}O_{3})で滴定する。"} +{"problem_id": "101138", "problem_text": "大気汚染物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["硫黄酸化物の主な発生源は、自動車のガソリンエンジンである。", "光化学オキシダントは、炭化水素と硫黄酸化物が太陽光の作用により光化学反応して生成する。", "浮遊粒子状物質には、発生源から直接排出された一次生成粒子と、大気中でガス成分が反応して生じた二次生成粒子がある。", "炭化水素類を成分とする溶剤を使用する工場、事業所は、非メタン炭化水素の主な発生源の1つである。", "窒素酸化物は、排煙を塩基性の水溶液に接触させることにより、効果的に除去することができる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n硫黄酸化物の主な発生源は、工場などの固定発生源である。なお、ガソリンには硫黄がほとんど含まれていないため、自動車のガソリンエンジンからはほとんど硫黄酸化物は発生しない。2:誤\n光化学オキシダントは、炭化水素と窒素酸化物が太陽光の作用により光化学反応して生成する。3:正\n浮遊粒子状物質(SPM)とは、大気中に浮遊する粒子状物質のうち、粒子径が10 \\micro m以下のものであり、SPMには、発生源から直接大気中に排出さ��る一次生成粒子と、硫黄酸化物、窒素酸化物、炭化水素などのガス状の物質が反応して大気中で生成する二次生成粒子がある。4:正\n非メタン炭化水素の主な発生源は、炭化水素類を成分とする溶媒を使用する塗装工場、印刷工場及び自動車である。5:誤\n窒素酸化物は水に溶けにくいため、塩基性の水溶液に接触させてもほとんど除去することはできない。窒素酸化物は多くの場合、アンモニア接触還元法で処理される。"} +{"problem_id": "101139", "problem_text": "下の図は、ある晴れた風がない冬の日の早朝、ある町の風景を示したものである。この町は平野にあり、左側には工場がある。この工場の煙突からは煙が出ており、ある高さから右の方にのびていた。このときの気象条件に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["このときの大気の安定度は、非常に低い状態だったと推測される。", "放射冷却が発生した可能性が高い。", "煙突付近の気温が地表付近の気温よりも高い可能性がある。", "地表付近で汚染物質が発生しても、その濃度は速やかに低下する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n図より、煙が上空に拡散せず、右側に延びていることから、大気の状態は安定しており逆転層状態(上空の温度が高く、地上付近の温度が低い状態)にあると考えられる。2:正\n晴れた風のない冬の日の早朝では、放射冷却が起こり、放射性逆転層が形成されることがある。本設問では、条件及び図より、放射冷却による逆転層が発生していると考えられる。3:正\n放射性逆転層では、地表よりも上空の温度は高くなっているため、煙突付近の気温は地表付近よりも高いと考えられる。4:誤\n大気が安定な状態にあることから、地表付近で発生した汚染物質は拡散せず、高い濃度を維持する。"} +{"problem_id": "101140", "problem_text": "ある教室の室内環境について、以下の数値を得た。アスマン通風乾湿計の乾球温度 21.0^{\\circ} C アスマン通風乾湿計の湿球温度 15.0^{\\circ} C 黒球温度計の示度 22.5^{\\circ} C 湿度図表から求めた相当湿球温度 16.0^{\\circ} C(黒球温度に対応する湿球温度) 気動 1.0 m/sec これらの値と、以下の補正感覚温度(CET)図表(座標軸のタイトルは表示していない)を用いて求められる熱輻射を考慮した補正感覚温度、実効輻射温度の正しい組合せはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["6"], "comment": "<熱輻射を考慮した補正感覚温度>\n熱輻射を考慮した補正感覚温度は、以下のように求めることができる。①左縦軸に黒球温度の示度をプロットする。\\rightarrow 22.5^{\\circ} Cをプロット\n②右縦軸に湿度図表から求めた相当湿球温度(黒球温度に対応する湿球温度)をプロットする。\\rightarrow 16.0^{\\circ} Cをプロット\n③①、②でプロットした点を直線で結び、その直線が気動1.0 m/secの曲線と交わる点の示度から、熱輻射を考慮した補正感覚温度を求めることができる。\\rightarrow 18.2^{\\circ} C\n<実効輻射温度>\n実効輻射温度は、黒球温度計の示度とアスマン通風湿度計の乾球の示度の差より求めることができる。実効輻射温度=黒球温度計の示度-アスマン通風湿度計の乾球の示度=22.5^{\\circ} C-21.0^{\\circ} C=1.5^{\\circ} C"} +{"problem_id": "101141", "problem_text": "薬剤師の守秘義務(刑法第134条)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["親告罪である。", "正当な理由がある場合には、秘密を漏らしても、守秘義務違反にならない。", "守秘義務違反によって懲役刑に処されることはない。", "医師と薬剤師の守秘義務では、規定されている刑罰に差がある。", "業務上知り得た秘密であっても、その後、薬剤師でなくなった場合には、その秘密を漏らしても、守秘義務違反にならない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n親告罪とは、告訴がなければ裁判にかけられない罪のことであり、秘密を漏らしたことを告訴されることにより守秘義務違反に問われることがある。2:正\n正当な理由がある場合には、秘密を漏らしても、守秘義務違反にならない。3:誤\n守秘義務違反によって、懲役刑(6ヶ月以下)又は罰金刑(10万円以下)に処されることがある。4:誤\n医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師などの職についているものまたはこれらの職にあったものに規定されている守秘義務に違反した際の刑罰に差はない。5:誤\n職務を辞した者、喪失した者でも守秘義務違反は課せられる。"} +{"problem_id": "101142", "problem_text": "医薬品の製造販売業及び製造業に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["製造業の許可は、品目ごとに受けなければならない。", "製造業の許可には、第1種と第2種の区分がある。", "製造業の許可については、GQPが許可要件である。", "製造販売業者が、医薬品を自社工場で製造する場合には、製造業の許可が必要である。", "製造販売業者が、自ら輸入した医薬品を薬局開設者に販売する場合には、医薬品販売業の許可が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n医薬品製造業の許可については、厚生労働省令で定める区分ごとに従い、厚生労働省が製造所ごとに与える。2:誤\n医薬品製造業の許可には、第1種、第2種の区分はない。第1種、第2種の区分が存在するのは医薬品製造販売業の許可である。3:誤\n製造業の許可要件、製造販売業の許可要件を以下に示す。◇製造業の許可要件\n・製造所の構造設備(薬局等構造設備基準に適合)\n・申請者の人的要件\n◇製造販売業の許可要件\n・申請に係る医薬品、医薬部外品、化粧品または医療機器の品質管理の方法が、GQPに適合していること\n・申請に係る医薬品、医薬部外品、化粧品または医療機器の製造販売後安全管理の方法が、GVPに適合していること\n・申請者の人的要件\n上記より、製造業の許可について、GQPは許可要件に含まれていない。4:正\n医薬品の製造業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を製造することはできない。よって、製造販売業者が、医薬品を自社工場で製造する場合には、製造業の許可が必要である。5:誤\n医薬品の製造販売業が、その製造または輸入した医薬品を薬局開設者等に販売するときは、販売業の許可は必要ない。"} +{"problem_id": "101143", "problem_text": "指定薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["麻薬及び向精神薬取締法に基づき、厚生労働大臣が指定する。", "販売を行う際には、指定薬物販売業の許可を得る必要がある。", "大麻は、指定薬物に該当しない。", "厚生労働大臣は、指定薬物である疑いがある物品を発見し、必要があると認めるときは、当該物品の販売者等に対し、検査を受けるべきことを命ずることができる。", "指定薬物を廃棄しようとする者は、その数量等を都道府県知事に届け出て、職員の立会の下で廃棄しなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "指定薬物とは、「中枢神経系の興奮もしくは抑制または幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(大麻、覚醒剤、麻薬及び向精神薬並びにあへん及びけしがらを除く)として、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するもの」である。1:誤\n指定薬物は、麻薬、向精神薬を除くものとなっているため、麻薬及び向精神薬取締法による規制は受けない。2:誤\n指定薬物販売業の許可は存在しない。3:正\n4:正\n厚生労働大臣または都道府県知事は、指定薬物である疑いがある物品を発見した場合において、保健衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、当該物品の販売者等に対して、検査を受けるべきことを命ずることができる。5:誤\n指定薬物を廃棄する際に届出等を行う規制はない。"} +{"problem_id": "101144", "problem_text": "医療従事者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["看護師は、原則として、医師の指示がなくても、医薬品を授与し、医薬品についての指示をすることができる。", "薬剤師は、病棟業務においては、診療の補助を業として行える。", "医師は、治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、原則として、処方箋を交付しなければならない。", "診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒むことはできない。", "保健師とは、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n看護師は、医師の監督下でなければ、医薬品を授与し、薬品についての指示をすることはできない。2:誤\n病棟業務において、診療の補助を業として行うことができるのは看護師である。3:正\n医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護にあたっている者に対して処方せんを交付しなければならない。4:正\n5:誤\n設問の記述は、助産師に関する記述である。なお、保健師とは、「厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者」である。"} +{"problem_id": "101145", "problem_text": "毒物及び劇物取締法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["特定毒物研究者は、特定毒物を学術研究以外の用途で使用することができる。", "毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を直接に取り扱う製造所、営業所又は店舗ごとに、原則として、専任の毒物劇物取扱責任者を置かなければならない。", "毒物劇物営業者は、毒物又は劇物の譲渡に係る書面を、販売又は授与の日から10年間保管しなければならない。", "毒物劇物営業者は、その取扱いに係る毒物又は劇物が盗難にあい、又は紛失したときは、直ちに、その旨を警察署に届け出なければならない。", "毒物劇物営業者は、その製造所、営業所又は店舗の名称を変更したいときは、新たに登録を受けなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n特定毒物研究者は、特定毒物を学術研究以外の用途に供してはならない。2:正\n毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を直接取り扱う製造所、営業所等には、毒物劇物取扱責任者を置かなければならない。3:誤\n毒物劇物営業者は、毒物又は劇物の譲渡に係る書面を、販売又は授与の日から5年間保管しなければならない。4:正\n毒物劇物営業者は、その取扱いに係る毒物又は劇物が盗難にあい、又は紛失したときは、直ちに、その旨を警察署に届け出なければならない。5:誤\n毒物劇物営業者は、その製造所、営業所又は店舗の名称を変更したときは、30日以内に、製造業者又は輸入業者にあってはその製造所又は営業所の所在地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に、販売業者にあたってはその店舗の所在地の都道府県知事に、その旨を届け出なければならない。"} +{"problem_id": "101146", "problem_text": "医薬品副作用被害救済制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["救済給付金は、国からの補助金で賄われている。", "キノホルムによるスモン(SMON)が制度発足の契機となった。", "治験薬による健康被害も救済対象になる。", "予防接種法の規定による定期の予防接種で生じた健康被害は、救済対象とならない。", "健康被害の程度によらず、救済される制度である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n救済給付金は、許可医薬品製造販売業者からの拠出金(副作用拠出金)で賄われている。なお、副作用救済給付業務を運営するに当たり必要な事務費については、その2分の1が国の補助金で賄われている。2:正\n医薬品副作用被害救済制度発足の直接の契機となった薬害は、キノホルムによるスモン(SMON: 亜急性脊髄視神経末梢神経障害)である。3:誤\n医薬品副作用被害救済制度の救済対象となり得るのは、許可医薬品が適正な使用目的に従い、適正に使用されたにもかかわらず、発生した有害反応(入院を要すると認められる程度の疾病、日常生活が著しく制限される程度の障害、死亡)の場合である。4:正\n許可医薬品の副作用による健康被害であっても、予防接種法の規定による予防接種を受けたことによるものである場合は、救済対象にはならない。5:誤\n解説3参照"} +{"problem_id": "101147", "problem_text": "公的医療保険制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["国民皆保険制度が成立したのは、昭和30年代である。", "国民健康保険の保険者は、国である。", "最も加入者が多いのは、後期高齢者医療制度である。", "全国健康保険協会管掌健康保険は、被用者保険である。", "生活保護受給者は、国民健康保険に加入する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n国民皆保険制度は、昭和36年(1961年)に成立した。2:誤\n国民健康保険の保険者は、市町村(特別区を含む)又は国民健康保険組合である。3:誤\n後期高齢者医療制度に比べ、国民健康保険、全国健康保険協会管掌健康保険、組合管掌健康保険の方が加入者が多い。4:正\n被用者保険には、全国健康保険協会管掌健康保険、組合管掌健康保険、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私学教務員共済組合、船員保険がある。5:誤\n生活保護受給者は、国民健康保険に加入せず、生活保護における医療扶助を受ける。"} +{"problem_id": "101148", "problem_text": "下図は、ある県内の保険医療機関2施設、保険薬局2施設及び患者宅との位置関係を図示したものである。以下の説明のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。A県B市 A県C市", "choices": ["アの調剤所は、患者がウで受け取った処方箋に基づき調剤することができる。", "ウは、患者に対する調剤は一切できない。", "エは、患者がアで受け取った処方箋を持参した際に、在庫がなければ調剤を断ることができる。", "エは、イで分割調剤を行った後の処方箋を受け付けた場合、残りの分の調剤を行うことができる。", "エには無菌調剤室がないが、適切に手続きをすれば、エの薬剤師がイの無菌調剤室を利用して無菌調剤を行うことができる。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nア(病院の調剤所)では、ウ(診療所)が発行した処方箋に基づいて調剤を行うことはできない。2:誤\nウ(診療所)は、その診療所の医師の処方箋による調剤を行うことができる。3:誤\nエ(保険薬局)は、患者が処方箋を持参した際に、正当な理由なく調剤を断ることはできない。在庫がないことは、調剤を断る正当な理由にはならない。4:正\n分割調剤において、最初に調剤を受けた保険薬局とは別の保険薬局で残りの調剤を受けることができる。よって、エ(保険薬局)は、イ(保険薬局)で分割調剤を行った後の処方箋を受け付けた場合、残りの分の調剤を行うことができる。5:正\n適切な手続きをすれば、無菌調剤室を有する薬局は、無菌調剤室を有しない薬局の依頼を受けて無菌調剤室を提供することができる。よって、適切に手続きをすれば、エ(無菌調剤室を有しない薬局)の薬剤師がイ(無菌調剤室を有する薬局)の無菌調剤室を利用して無菌調剤を行うことができる。"} +{"problem_id": "101149", "problem_text": "治験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["新有効成分について、我が国で初めて治験計画の届け出をした者は、届け出の日から30日以内に治験を開始しなければならない。", "希少疾病用医薬品の治験には、GCPは適用されない。", "治験薬に添付する文書には、予定される販売名や予定される効能効果を記載してはならない。", "健康成人を対象とした治験への参加の同意については、文書での同意を要しない。", "治験審査委員会には、医学、薬学等の専門的知識を有する者以外の者の参加が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n新有効成分について、初めて治験の計画の届出をした者は、届出後30日を経過した後でなければ、治験を依頼し、又は自ら治験を実施してはならない。2:誤\n医薬品の臨床試験においては、GCP(Good Clinical Practice)が適用される。希少疾病医薬品の治験においても例外なくGCP(Good Clinical Practice)が適用される。3:正\n治験に添付する文書、その治験薬又はその容器若しくは被包には、予定される販売名、効能又は効果及び用法又は用量を記載してはならない。4:誤\n治験責任医師等は、被験者となるべき者を治験に参加させるときは、あらかじめ治験の内容等について被験者本人の理解を得るよう、文書により適切な説明を行い、文書により同意を得なければならない。5:正\n治験審査委員会の構成員には、「医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門的知識を有する者以外の者」「実施医療機関と利害関係を有しない者」「治験審査委員会の設置者と利害関係を有しない者」を含む必要がある。"} +{"problem_id": "101150", "problem_text": "リスボン宣言に基づく未成年患者への医療従事者の対応として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者が他の医師の意見を求めないよう配慮する。", "患者からの質問は直接受けず、保護者経由で受ける。", "患者本人の意思が治療に反映されるように考慮する。", "治療を保護者が拒否する場合には、いかなる状況にあっても、それに従う。", "成人の患者よりも治療の選択の幅を狭くする。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n患者は「選択の自由の権利」を有するため、他の医師の意見を求める権利を有する。2:誤\n患者は「自己決定権」を有するため、患者からの質問を直接受けて、治療の自己決定に必要な情報を直接患者に提供する必要がある。3:正\n患者は「自己決定権」を有するため、患者本人の意思が治療に反映されるように考慮する必要がある。4:誤\n治療を保護者が拒否する場合であっても、本人に判断能力があれば、本人の意思を尊重する必要がある。5:誤\n患者は「選択の自由の権利」を有するため、未成年の患者であっても成人の患者と同程度の治療の選択の幅を与える必要がある。"} +{"problem_id": "101151", "problem_text": "次の筋細胞に存在する異なった標的分子に働き、収縮機能に対して相反する作用を示す薬物の組合せはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血管平滑筋細胞におけるアセチルコリンとフェニレフリン", "瞳孔括約筋細胞におけるアセチルコリンとネオスチグミン", "気管支平滑筋細胞におけるアセチルコリンとイソプレナリン", "骨格筋細胞におけるアセチルコリンとツボクラリン", "骨格筋細胞におけるアセチルコリンとダントロレン"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n異なった標的分子に働いているが、作用が相反していない\n・アセチルコリン血管平滑筋のM_{3}受容体刺激\\rightarrow 血管収縮\n・フェニレフリンアドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激\\rightarrow 血管収縮\n2:誤\n異なった標的分子に働いているが、作用が相反していない\n・アセチルコリン瞳孔括約筋細胞のM_{3}受容体刺激\\rightarrow 瞳孔括約筋収縮\n・ネオスチグミンコリンエステラーゼ阻害\\rightarrow アセチルコリンの分解を抑制\\rightarrow 瞳孔括約筋細胞のM_{3}受容体刺激\\rightarrow 瞳孔括約筋収縮\n3:正\n異なった標的分子に働き、作用が相反している\n・アセチルコリン気管支平滑筋のM_{3}受容体刺激\\rightarrow 気管支収縮\n・イソプレナリン\nアドレナリン\\beta 受容体刺激\\rightarrow 気管支拡張\n4:誤\n同じ標的分子に働き、作用が相反している\n・アセチルコリン骨格筋細胞ニコチンN_{M}受容体刺激\\rightarrow 骨格筋収縮\n・ツボクラリン骨格筋細胞ニコチンN_{M}受容体を競合的に遮断\\rightarrow 骨格筋弛緩\n5:正\n異なった標的分子に働き、作用が相反している\n・アセチルコリン骨格筋細胞N_{M}受容体刺激\\rightarrow 骨格筋収縮\n・ダントロレン筋小胞体のリアノジン受容体に作用\\rightarrow 筋小胞体からのCa^{2+}遊離抑制\\rightarrow 骨格筋弛緩"} +{"problem_id": "101152", "problem_text": "交感神経系に作用する薬物について、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エチレフリンは、間接型のアドレナリン作動薬で、タキフィラキシーを生じる。", "ブナゾシンは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断して、末梢血管抵抗を減少させる。", "ブリモニジンは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を遮断して、眼房水の排出を促進する。", "チモロールは、アドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激して、気管支を拡張させる。", "ニプラジロールは、アドレナリン\\beta 受容体遮断作用に加えて、ニトログリセリンに類似した血管拡張作用を有する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nエチレフリンは、直接型アドレナリン\\alpha ・\\beta 刺激薬であり、アドレナリン\\alpha 及び\\beta 受容体を刺激することにより末梢血管を収縮させるとともに心拍出量を増大させる。なお、タキフィラキシーが薬物には、チラミンなどがある。2:正\nブナゾシンは、選択的アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断薬であり、血管平滑筋のアドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断することにより血圧を低下させる。3:誤\nブリモニジンは、選択的アドレナリン\\alpha _{2}受容体刺激薬であり、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激することにより眼房水産生抑制作用及びブドウ膜強膜流出路を介した眼房水排出促進作用を示す。4:誤\nチモロールは、非選択的アドレナリン\\beta 受容体遮断薬であり、気管支平滑筋のアドレナリン\\beta _{2}受容体を遮断���ることにより気管支を収縮させる。5:正\nニプラジロールは、ニトロ基を有する非選択的アドレナリン\\beta 受容体遮断薬であり、アドレナリン\\beta 受容体を遮断することにより心機能低下作用を示すとともに、ニトログリセリンと同様の血管拡張作用(一酸化窒素(NO)を遊離することにより血管を拡張させる)を示す。"} +{"problem_id": "101153", "problem_text": "自律神経節遮断薬の効果として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血圧降下", "頻脈", "唾液分泌亢進", "縮瞳", "消化管運動亢進"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "自律神経節遮断薬の効果は、各臓器に対して優位に働く神経節に強く現れる。交感神経が優位な臓器: 血管、汗腺\n副交感神経が優位な臓器: 心臓、毛様体筋、消化管、膀胱、唾液腺\n1:正\n血管は、交感神経が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、交感神経の作用が抑制され、血管が拡張することにより血圧降下が認められる。2:正\n心臓は、副交感神経が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、副交感神経の作用が抑制され、心機能が亢進することにより頻脈が認められる。3:誤\n唾液腺は、副交感神経が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、副交感神経の作用が抑制され、唾液分泌が抑制される。4:誤\n瞳孔括約筋は、副交感神経が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、副交感神経の作用が抑制され、瞳孔括約筋が弛緩することにより散瞳が認められる。5:誤\n消化管は、副交感神経が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、副交感神経の作用が抑制され、消化管運動が抑制される。"} +{"problem_id": "101154", "problem_text": "局所麻酔薬メピバカインに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["構造の特徴からエステル型の局所麻酔薬に分類される。", "細胞の内側から電位依存性Na^{+}チャネルに作用する。", "太い神経線維より細い神経線維に対する興奮伝導抑制作用が強い。", "炎症巣では細胞外液が酸性側に傾くため、局所麻酔効果が高くなる。", "粘膜からの浸透性が高いので、表面麻酔に用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n本剤は、アミド型の局所麻酔薬である。2:正本剤は、分子型で知覚神経の細胞膜を透過し、細胞内で陽イオンに変換された後、細胞の内側から電位依存性Na^{+}チャネルを遮断する。3:正\n局所麻酔薬は、一般に、太い神経繊維より細い神経繊維に対する興奮伝導抑制作用が強い。4:誤\n炎症巣では細胞外液が酸性に傾くため、本剤のイオン形が増加し、細胞膜透過性が低下することにより局所麻酔作用が減弱する。5:誤\n本剤は、粘膜からの浸透性が低いため、表面麻酔には用いられない。"} +{"problem_id": "101155", "problem_text": "催眠薬の作用機序について、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ベンゾジアゼピン系薬は、GABAによるGABA_{A}受容体の活性化を増強する。", "ゾピクロンは、オレキシン受容体を選択的に遮断する。", "ラメルテオンは、メラトニン受容体を選択的に刺激する。", "エチゾラムは、ヒスタミンH_{1}受容体を選択的に遮断する。", "バルビツール酸系薬は、GABA_{A}受容体のGABA結合部位に結合し、Cl^{-}チャネルを開口する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nベンゾジアゼピン系薬(トリアゾラムなど)は、ベンゾジアゼピン受容体に結合し、GABAのGABA_{A}受容体の活性化を増強する。2:誤\nゾピクロンは、非ベンゾジアゼピン系薬であり、GABA_{A}受容体-Cl^{-}チャネル複合体のベンゾジアゼピン結合部位であるω_{1}及びω_{2}受容体に結合する。なお、オレキシン受容体を選択的に遮断するのはスボレキサントである。3:正\nラメルテオンは、メラトニン受容体作動薬であり、MT_{1}受容体及びMT_{2}受容体を選択的に刺激する。4:誤\n解説1参照\n5:誤\nバルビツール酸系薬は、GABA_{A}受容体-Cl^{-}チャネル複合体のバルビツール酸結合部位に結合し、GABA_{A}受容体を介したCl^{-}流入を促進する。"} +{"problem_id": "101156", "problem_text": "神経障害性疼痛(糖尿病性神経障害に伴う痛みなど)の治療薬には、一次知覚神経に発現するイオンチャネルに作用するものがある。その作��機序として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["電位依存性Ca^{2+}チャネルを遮断し、神経伝達物質の遊離を抑制する。", "電位依存性K^{+}チャネルを遮断し、神経伝達物質の遊離を抑制する。", "ATP感受性K^{+}チャネルを遮断し、神経伝達物質の遊離を抑制する。", "電位依存性Cl^{-}チャネルを遮断し、神経の興奮を抑制する。", "電位依存性Na^{+}チャネルを遮断し、神経の興奮を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "神経障害性疼痛(糖尿病性神経障害に伴う痛みなど)の治療には、プレガバリンやメキシレチンなどが用いられる。プレガバリンは、電位依存性Ca^{2+}チャネルの\\alpha _{2}\\beta サブユニットとの結合を介してCa^{2+}チャネルの細胞表面での発現量及びCa^{2+}流入を抑制し、神経伝達物質(グルタミン酸などの興奮性神経伝達物質)の遊離を抑制する。また、メキシレチンは、知覚神経の電位依存性Na^{+}チャネルを遮断し、神経の興奮を抑制する。"} +{"problem_id": "101157", "problem_text": "Ca^{2+}チャネル遮断薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アムロジピンは、心筋のL型Ca^{2+}チャネルを遮断するが、血管平滑筋のL型Ca^{2+}チャネルは遮断しない。", "ベラパミルは、血管平滑筋のL型Ca^{2+}チャネルを遮断するが、心筋のL型Ca^{2+}チャネルは遮断しない。", "シルニジピンは、血管平滑筋のL型Ca^{2+}チャネル及び交感神経終末のN型Ca^{2+}チャネルを遮断する。", "ジルチアゼムは、房室結節のL型Ca^{2+}チャネルを遮断する。", "ベプリジルは、Ca^{2+}チャネル遮断作用に加えて、K^{+}チャネル活性化作用を有する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nアムロジピンは、血管選択性が高いため、特に血管平滑筋のL型Ca^{2+}チャネルを遮断する。2:誤\nベラパミルは、心臓選択性が高いため、特に心筋のL型Ca^{2+}チャネルを遮断する。3:正\nシルニジピンは、血管平滑筋のL型Ca^{2+}チャネル及び交感神経終末のN型Ca^{2+}チャネルを遮断するため、血管拡張作用及びノルアドレナリン遊離抑制による心拍数減少作用を有する。4:正\nジルチアゼムは、洞房結節、房室結節に存在するL型Ca^{2+}チャネルを遮断する。5:誤\nベプリジルは、Ca^{2+}チャネル遮断作用に加えて、Na^{+}チャネル、K^{+}チャネル遮断作用も有する。"} +{"problem_id": "101158", "problem_text": "利尿薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["インダパミドは、Na^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送体を選択的に阻害する。", "ブメタニドは、Na^{+}-Cl^{-}共輸送体を選択的に阻害する。", "トラセミドは、Na^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送体を阻害するとともに、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体を遮断する。", "カンレノ酸は、集合管上皮細胞のNa^{+}チャネルの発現を抑制する。", "トリアムテレンは、集合管上皮細胞のNa^{+}チャネルを遮断する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nインダパミドは、非チアジド系利尿薬であり、主に遠位尿細管におけるNa^{+}-Cl^{-}共輸送体を阻害する。2:誤\nブメタニドは、ループ利尿薬であり、ヘンレ係蹄上行脚のNa^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送体を阻害する。3:誤\nトラセミドは、ループ利尿薬であり、ヘンレ係蹄上行脚のNa^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送体を阻害することに加え、アルドステロン受容体を遮断する。4:正\nカンレノ酸は、カリウム保持性利尿薬であり、遠位尿細管から集合管に存在するアルドステロン受容体を遮断することにより、集合管上皮細胞のNa^{+}チャネルの発現を抑制する。5:正\nトリアムテレンは、カリウム保持性利尿薬であり、集合管上皮細胞のNa^{+}チャネルを遮断する。"} +{"problem_id": "101159", "problem_text": "呼吸器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["チペピジンは、咳中枢に作用せず、気管支を拡張させて鎮咳作用を示す。", "モンテルカストは、核内受容体に作用し、気管支ぜん息に伴う炎症を抑制する。", "アンブロキソールは、ブロムヘキシンの活性代謝物であり、肺サーファクタントの分泌を促進させる。", "アセチルシステインは、気道粘液のムコタンパク質のジスルフィド結合を開裂して、去痰作用を示す。", "フルマゼニルは、肺伸展受容器を選択的に抑制し、鎮咳効果を示す。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nチペピジンは、延髄の咳中枢を抑制して鎮咳作用を示すことに加え、気管支腺分泌を亢進して気道粘膜線毛上皮運動を亢進することにより去痰作用を示す。2:誤\nモンテルカストは、ロイコトリエン受容体を遮断し、炎症惹起メディエーターであるLTD_{4}やLTE_{4}による気管支収縮、血管透過性亢進を抑制することにより炎症を抑制する。3:正\nアンブロキソールは、ブロムヘキシンの活性代謝物であり、肺表面活性物質である肺サーファクタントの分泌を促進させる。4:正\nアセチルシステインは、気道粘液のムコタンパク質のジスルフィド結合を開列し、喀痰の粘度を低下させることにより去痰作用を示す。5:誤\nフルマゼニルは、GABA_{A}受容体-Cl^{-}チャネル複合体のベンゾジアゼピン結合部に結合し、ベンゾジアゼピン系薬の作用を減弱させるため、ベンゾジアゼピン系薬の解毒薬として用いられる。"} +{"problem_id": "101160", "problem_text": "消化器系に作用する薬物の副作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ピレンゼピンは、アセチルコリンM_{2}受容体を選択的に遮断し、心悸亢進を引き起こす。", "ミソプロストールは、プロスタノイドEP受容体を遮断し、子宮収縮を引き起こす。", "メトクロプラミドは、ドパミンD_{2}受容体を遮断し、乳汁漏出を引き起こす。", "ブチルスコポラミンは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断し、口渇を引き起こす。", "メペンゾラートは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断し、頻尿を引き起こす。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nピレンゼピンは、迷走神経に存在するムスカリン性アセチルコリン受容体を選択的に遮断するため、心臓に対する作用は弱く、ほとんど心悸亢進を引き起すことはない。2:誤\nミソプロストールは、子宮平滑筋のプロスタノイドEP受容体を刺激することにより子宮収縮作用を示す。3:正\nメトクロプラミドは、ドパミンD_{2}受容体を遮断し、プロラクチン分泌を促進するため、副作用として乳汁分泌を引き起すことがある。4:正\nブチルスコポラミンは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断するため、副作用として口渇を引き起すことがある。5:誤\nメペンゾラートは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断するため、副作用として排尿困難、尿閉を引き起すことがある。"} +{"problem_id": "101161", "problem_text": "ホルモン関連薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ゴセレリンは、持続的投与によりゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体の脱感作を引き起こし、卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)の分泌を抑制する。", "ダナゾールは、黄体ホルモン受容体とアンドロゲン受容体を遮断し、排卵を抑制する。", "クロルマジノンは、5\\alpha -還元酵素を阻害し、テストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を阻害する。", "シナカルセトは、カルシトニン受容体を刺激し、副甲状腺(上皮小体)ホルモンの分泌を促進する。", "モザバプタンは、バソプレシンV_{2}受容体を遮断し、集合管における水の再吸収を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nゴセレリンはGn-RH誘導体である。ゴセレリンを持続的に投与すると、Gn-RH受容体の感受性が低下し、卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)の分泌が抑制される。2:誤\nダナゾールは、合成男性ホルモン剤であり、下垂体に存在する黄体ホルモン受容体を刺激し、FSH、LHの分泌を抑制することにより排卵を抑制するとともに、子宮内膜に存在するアンドロゲン受容体を刺激し、子宮内膜の増殖を抑制する。3:誤\nクロルマジノンは、合成黄体ホルモン製剤であり、アンドロゲン受容体を遮断することによりアンドロゲンの作用を減弱させる。4:誤\nシナカルセトは、副甲状腺に存在するカルシウム受容体を刺激し、副甲状腺(上皮小体)ホルモン(パラトルモン)の分泌を抑制する。5:正\nモザバプタンは、集合管におけるバソプレシンによる水の再吸収を抑制し、尿量を増加させる。"} +{"problem_id": "101162", "problem_text": "脂質異常症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フェノフィブラートは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\alpha (PPAR\\alpha )を阻害し、血中トリグリセリドを低下させる。", "アトルバスタチンは、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素を阻害し、肝細胞の低密度リポタンパク質(LDL)受容体を増加させる。", "コレスチミドは、LDLコレステロールの酸化を抑制する。", "プロブコールは、LDL受容体に依存しない機構で血中LDLコレステロールを低下させ、家族性高コレステロール血症に奏効する。", "ニセリトロールは、胆汁酸再吸収を抑制し、肝臓でのコレステロールから胆汁酸への異化を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nフェノフィブラートは、PPAR\\alpha を活性化し、リポタンパク質リパーゼ(LPL)を増加させることによりトリグリセリドの分解を促進する。2:正\nアトルバスタチンは、HMG-CoA還元酵素を阻害し、肝臓でのコレステロールの合成を抑制することにより肝細胞表面の低密度リポタンパク質(LDL)受容体を増加させる。3:誤\nコレスチミドは、陰イオン交感樹脂であり、消化管内で胆汁酸を吸着し胆汁酸の再吸収を阻害することによりコレステロールの再吸収を抑制する。4:正\nプロブコールは、肝臓においてコレステロールから胆汁酸への異化を促進し、血中LDLコレステロールを低下させ、家族性高コレステロール血症に奏効する。5:誤\nニセリトロールは、脂肪細胞のアデニル酸シクラーゼを阻害し、脂肪細胞からの遊離脂肪酸の放出を抑制することにより血中トリグリセリドを低下させる。"} +{"problem_id": "101163", "problem_text": "抗アレルギー薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["クロモグリク酸は、肥満細胞からのケミカルメディエーターの遊離を抑制し、I型アレルギー反応を抑制する。", "オザグレルは、トロンボキサンA_{2}受容体を遮断し、気管支平滑筋の収縮を抑制する。", "セラトロダストは、ロイコトリエン受容体を遮断し、血管透過性亢進を抑制する。", "ジフェンヒドラミンは、5-リポキシゲナーゼを阻害し、気管支平滑筋の収縮を抑制する。", "スプラタストは、インターロイキン-4やインターロイキン-5の産生を抑制し、IgEの産生を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nクロモグリク酸は、肥満細胞へのCa^{2+}の流入を抑制することによりケミカルメディエーター(ヒスタミンやロイコトリエンなど)の遊離を抑制し、I型アレルギーを抑制する。2:誤\nオザグレルは、トロンボキサン(TX)合成酵素を阻害し、TXA_{2}の産生を抑制することにより気管支平滑筋収縮や毛細血管透過性亢進を抑制する。3:誤\nセラトロダストは、TXA_{2}受容体を遮断し、気管支平滑筋収縮や毛細血管透過性亢進を抑制する。4:誤\nジフェンヒドラミンは、ヒスタミンH_{1}受容体を遮断し、気管支平滑筋の収縮を抑制する。5:正\nスプラタストは、インターロイキン-4やインターロイキン-5の産生を抑制し、IgEの産生及び好酸球浸潤を抑制する。"} +{"problem_id": "101164", "problem_text": "\\beta -ラクタム系抗菌薬の耐性発現及び副作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["\\beta -ラクタム環を開裂するセファロスポリナーゼを産生する細菌は、セファレキシンに対する耐性を示す。", "スルバクタムは、緑膿菌に対して強い抗菌活性を示すが、セファロスポリナーゼによって容易に分解される。", "セフォタキシムは、セファロスポリナーゼを不可逆的に阻害し、\\beta -ラクタム系抗菌薬の治療効果を高める。", "メロペネムは、腎尿細管に存在するデヒドロペプチダーゼIにより分解され、その分解物が腎毒性を引き起こす。", "セフメタゾールは、ジスルフィラム様作用を有するので、投与期間中に飲酒すると血中アセトアルデヒド濃度が上昇しやすくなる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nセファレキシンは、第一世代セフェム系抗生物質であり、\\beta -ラクタム環を開裂するセファロスポリナーゼにより分解される。よって、セファロスポリナーゼを産生する細菌は、セファレキシンに対する耐性を示す。2:誤\nスルバクタムは、\\beta ラクタマーゼに不可逆的に結合することでその活性を阻害する薬物であり、それ自身に抗菌作用を有しない。3:誤\nセフォタキシムは、第三世代セフェム系抗生物質であり、トランスペプチターゼを阻害することにより細菌の細胞壁合成を阻害する。なお、セファロスポリナーゼを不可逆的に阻害し、\\beta -ラクタム系抗菌薬の治療効果を高めるのは、\\beta ラクタマーゼ阻害薬である。4:誤\nメロペネムは、カルバペネム系抗生物質であり、デヒドロペプチターゼIに安定であるため、分解物が腎毒性を引き起すことはほとんどない。5:正\nセフメタゾールは、第二世代セフェム系抗生物質であり、構造中にN-メチルテトラゾールチオール基を有しておりジスルフィラム様作用を示す。"} +{"problem_id": "101165", "problem_text": "抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エトポシドは、DNA鎖に架橋を形成し、DNA合成を阻害する。", "ビンクリスチンは、チューブリンの重合を阻害して微小管分解を引き起こし、細胞分裂を抑制する。", "シタラビンは、細胞内で三リン酸ヌクレオチドに変換され、トポイソメラーゼIIを阻害してDNA合成を阻害する。", "ゲフィチニブは、上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼを選択的に阻害する", "イマチニブは、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)チロシンキナーゼを選択的に阻害し、血管新生を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nエトポシドは、トポイソメラーゼIIを阻害することにより腫瘍細胞におけるDNA合成を抑制する。2:正\nビンクリスチンは、微小管タンパク質であるチューブリンに結合し、その重合を阻害することにより有糸分裂を抑制する。3:誤\nシタラビンは、細胞内でシタラビン三リン酸ヌクレオチドに変換され、DNA合成時にデオキシシチジン三リン酸と競合しDNAポリメラーゼを阻害することによりDNA合成を阻害する。4:正\nゲフィチニブは、上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼを選択的に阻害し、腫瘍細胞の増殖に関与するシグナル伝達を抑制する。5:誤\nイマチニブは、BCR-ABLチロシンキナーゼ、KITチロシンキナーゼなどを選択的に阻害し腫瘍細胞の増殖に関与するシグナル伝達を抑制する。"} +{"problem_id": "101166", "problem_text": "薬物の生体膜透過機構に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["単純拡散では、薬物は濃度勾配に従って透過し、その透過速度はMichaelis-Menten式により表すことができる。", "促進拡散はトランスポーターを介した輸送であるため、構造の類似した化合物の共存により透過速度が低下する場合がある。", "一次性能動輸送は、ATPの加水分解により得られるエネルギーを直接利用する。", "膜動輸送による高分子の細胞内取り込みでは、生体膜自体の形態的変化は起きない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n単純拡散では、薬物は濃度勾配に従って透過し、その透過速度においては、Fickの法則が成立する。2:正\n促進拡散はトランスポーターを介した輸送であるため、構造の類似した化合物が共存すると競合拮抗現象が認められ、その透過速度は低下する。3:正\n一次性能動輸送は、ATPの加水分解により得られるエネルギーを直性利用し、薬物の輸送を行う。4:誤\n膜動輸送による高分子の細胞内の取り込み(エンドサイトーシス)では、生体膜の形態学的変化が起こる。"} +{"problem_id": "101167", "problem_text": "薬物の組織分布に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["組織移行性の大きい薬物の分布容積は、血漿容積に近い値となる。", "組織成分との結合が強い薬物の分布容積は、総体液量を超えることがある。", "薬物の組織分布が平衡に達すると、血漿中と組織中の非結合形分率は等しくなる。", "組織中非結合形分率に対する血漿中非結合形分率の比が大きい薬物ほど、分布容積は大きい。", "炎症性疾患時には\\alpha _{1}-酸性糖タンパク質の血漿中濃度が低下し、塩基性薬物の分布容積が増大する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤分布容積V_{d}は①式で表される。(血漿の容積: V_{d}_{血}、組織の容積: V_{d}_{組}、血漿中薬物濃度: C_{血}、組織中薬物濃度: C_{組})組織移行性の大きい薬物では、C_{組}>C_{血}となることから、V_{d}>V_{d}_{血}となる。2:正分布容積V_{d}は②式で表される。(血漿の容積: V_{d}_{血}、組織の容積: V_{d}_{組}、血漿中非結合形分率: f_{血}、組織中非���合形分率: f_{組})組織成分との結合が強い薬物では、f_{組}が小さい値を示すため、V_{d}>総体液量となる。3:誤\n薬物の組織分布が平衡に達すると、「血漿中遊離薬物濃度=組織中遊離薬物濃度」の関係が成立する。4:正②式より、組織中非結合形分率f_{組}に対する血漿中非結合形分率f_{血}の比が大きい薬物ほど、分布容積は大きくなる。5:誤炎症性疾患時には\\alpha _{1}酸性糖タンパク質の血漿中濃度が増加し、塩基性薬物の血漿中非結合形分率が低下する。そのため、炎症性疾患時には、塩基性薬物の分布容積は低下する。"} +{"problem_id": "101168", "problem_text": "薬物A 10 mgを静脈内投与した後の血中濃度時間曲線下面積(AUC)は250 \\micro g・h/Lであり、尿中に未変化体として5 mgが排泄された。また、10 mgを経口投与した後のAUCは45 \\micro g・h/Lであり、糞便中に未変化体として2 mgが排泄された。薬物Aの小腸利用率(小腸アベイラビリティ)として適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、薬物Aの消化管管腔中での代謝・分解は無く、静脈内投与後は肝代謝と腎排泄によってのみ消失し、消化管管腔中への分泌、胆汁中排泄は無いものとする。また、薬物Aの体内動態には線形性が成り立つものとし、肝血流速度は80 L/hとする。", "choices": ["0.04", "0.2", "0.3", "0.6", "0.9"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "バイオアベイラビリティFは①式で表される。F=F_{a}\\times F_{g}\\times F_{h}……①\nF_{a}: 小腸粘膜透過率\nF_{g}: 小腸で初回通過効果をまぬがれた割合(小腸アベイラビリティ)\nF_{h}: 肝臓で初回通過効果をまぬがれた割合(肝臓アベイラビリティ)\n\nAUC_{経口}: 経口投与時の血中濃度時間曲線下面積、AUC_{静注}: 静脈内投与時の血中濃度時間曲線下面積\nD_{経口}: 経口投与時の投与量、D_{静注}: 静脈内投与時の投与量\n\n\n*肝消失割合: 静脈内投与時の肝臓で代謝されて消失した薬物量/静脈内投与時の投与量\nE_{h}: 肝抽出率、CL_{h}: 肝クリアランス\nQ_{h}: 肝血流量、X_{0}_{静注}: 静脈内投与時の体内に移行した未変化体総量\nこれらのことから、①式より、F_{g}を以下のように求めることができる。0.18=0.8\\times F_{g}\\times 0.75::F_{g}=0.3"} +{"problem_id": "101169", "problem_text": "薬物の腎排泄に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["糸球体の基底膜は陽性に帯電しているため、酸性薬物は塩基性薬物よりろ過されやすい。", "投与された薬物のすべてが腎排泄によって消失するとき、その腎クリアランスはクレアチニンクリアランスにほぼ等しい。", "フェノールスルホンフタレインは、主に尿細管分泌により体内から消失するため、腎機能測定に用いられる。", "OAT1は近位尿細管上皮細胞の刷子縁膜に存在し、細胞内の有機カチオンを管腔内へ排出する。", "尿細管における弱塩基性薬物の再吸収は、尿のpHが大きくなると増大し、その腎クリアランスは低下する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n糸球体の基底膜は陰性に帯電しているため、マイナスに帯電しやすい酸性薬物は、プラスに帯電しやすい塩基性薬物よりろ過されにくい。2:誤\n腎クリアランスは、ろ過クリアランス、分泌クリアランス、再吸収率により変化する。また、クレアチニンクリアランスはろ過クリアランスとほぼ同じ値である。これらのことから、投与された薬物のすべてがろ過によって消失する場合、その腎クリアランスはクレアチニンクリアランスにほぼ等しくなる。3:正\nフェノールスルホンフタレインは、主に尿細管分泌により体内から消失するため、その腎クリアランスより腎臓の分泌機能を測定することが可能である。4:誤\nOAT1(有機アニオントランスポーター1)は近位尿細管上皮細胞の側底膜側に存在し、血液中の有機アニオンを細胞内へ輸送する。5:正\n弱塩基性薬物の分子形分率は、pHが大きくなるに伴って増大することから、尿細管における弱塩基性薬物の再吸収は、尿のpHが大きくなると増大し、その腎クリアランスは低下する。"} +{"problem_id": "101170", "problem_text": "薬物Aの血中濃度が薬物Bの併用によって上昇する組合せはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nシンバスタチンとエリスロマイシンを併用すると、エリスロ���イシンの代謝物がCYP3A4を阻害することによりシンバスタチンの代謝が阻害され、血中濃度が上昇する。2:誤\nトリアゾラムとリファンピシンを併用すると、リファンピシンがCYP3A4を誘導することによりトリアゾラムの代謝が促進され、血中濃度が低下する。3:誤\nプラバスタチンとコレスチラミンを併用すると、コレスチラミンがプラバスタチンを吸着することによりプラバスタチンの吸収が阻害され、血中濃度が低下する。4:正\nプロカインアミドとシメチジンを併用すると、シメチジンが腎臓の近位尿細管に存在する有機カチオン輸送系を阻害することによりプロカインアミドの分泌が阻害され、血中濃度が上昇する。5:誤\nワルファリンとアスピリンと併用すると、アスピリンがワルファリンとアルブミンとの結合を阻害するため、ワルファリンの組織移行性が増大し、血中濃度が低下する。"} +{"problem_id": "101171", "problem_text": "薬物Aは、静脈内投与後、肝臓における代謝と腎排泄によってのみ消失し、正常時は肝クリアランスが全身クリアランスの80%であること、腎排泄は糸球体ろ過のみによって起こることがわかっている。ある肝疾患患者において、血中アルブミン濃度の低下により薬物Aの血中タンパク非結合形分率が2倍に上昇し、肝クリアランスは4分の1に低下していた。この患者に対し、正常時の2分の1の血中濃度時間曲線下面積(AUC)が得られるようにするには、静脈内投与量を正常時の何%にすればよいか。1つ選べ。ただし、薬物Aの体内動態には、いずれの場合にも線形性が成り立つものとする。", "choices": ["30", "60", "80", "100", "120"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "血中濃度時間曲線下面積AUCは、①式で表される。X_{0}: 体内に移行した未変化体総量:CL_{tot}: 全身クリアランス<正常時の肝クリアランスCL_{肝}、腎クリアクリアランスCL_{腎}を求める>問題文に「肝臓における代謝と腎排泄によってのみ消失し、正常時は肝クリアランスが全身クリアランスの80%であること、腎排泄は糸球体ろ過のみによって起こることがわかっている」と記載されていることからCL_{肝}及びCL_{腎}を以下のように求めることができる。CL_{肝}=CL_{tot}\\times 0.8CL_{腎}=CL_{ろ過}=GFR・f=CL_{tot}\\times 0.2CL_{ろ過}: ろ過クリアランス、GFR: 糸球体ろ過速度、f: タンパク非結合分率\n<肝疾患時の肝クリアランスCL_{肝(肝疾患)}を求める>問題文に「肝クリアランスは4分の1に低下していた」と記載されていることから、CL_{肝(肝疾患)}を以下のように求めることができる。CL_{肝(肝疾患)}=CL_{tot}\\times 0.8\\times 1/4=CL_{tot}\\times 0.2\n<肝疾患時の腎クリアランスCL_{腎(肝疾患)}を求める>問題文に「タンパク非結合形分率が2倍に上昇し」と記載されていることから、CL_{腎(肝疾患)}を以下のように求めることができる。CL_{腎(肝疾患)}=GFR・f\\times 2=CL_{tot}\\times 0.4\n<肝疾患時の全身クリアランスCL_{tot}_{(肝疾患)}を求める>CL_{tot}_{(肝疾患)}=CL_{肝(肝疾患)}+CL_{腎(肝疾患)}=CL_{tot}\\times 0.2+CL_{tot}\\times 0.4=CL_{tot}\\times 0.6\nこれらのことから、①式より正常時の2分の1のAUCが得られるようにするための投与量を以下のように考えることができる。肝疾患により、全身クリアランスが60%に低下していることから、AUCを1/2とするためには、X_{0}が30%になるように投与すればよい。よって、静脈内投与量を正常時の30%にすればよい。"} +{"problem_id": "101172", "problem_text": "薬物A 50 mgを、粉末製剤あるいは液剤として経口投与した後の血中濃度時間曲線下面積(AUC)は等しく、1,500 \\micro g・h/Lであった。一方、血中濃度に関する1次モーメント時間曲線下面積(AUMC)は、粉末製剤の場合が9,000 \\micro g・h^{2}/L、液剤の場合が7,500 \\micro g・h^{2}/Lであった。薬物Aの粉末製剤の平均溶出時間(h)に相当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["0.2", "1.0", "1.2", "5.0", "11.0"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "粉末製剤の平均溶出時間は、次式より求めることができる。粉末製剤の平均溶出時間=粉末製剤の平均滞留時間MRT_{粉}-液剤の平均滞留時間MRT_{液}<粉末製剤の平均滞留時間MRT_{粉}を求める>\nAUMC_{粉}: 粉体製剤の1次モーメント時間曲線下面積AUC_{粉}: 粉体製剤として経口投与した後の血中濃度時間曲線下面積\n<液剤の平均滞留時間MRT_{液}を求め��>\nAUMC_{液}: 液剤の1次モーメント時間曲線下面積AUC_{液}: 液剤として経口投与した後の血中濃度時間曲線下面積\nこれらのことから、粉末製剤の平均溶出時間を以下のように求めることができる。粉末製剤の平均溶出時間=6 h-5 h=1.0 h"} +{"problem_id": "101173", "problem_text": "治療薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血清中ジゴキシン濃度を免疫学的測定法で測定する場合、腎障害患者や妊婦では内因性交差物質が測定値に影響を及ぼすことがある。", "アジスロマイシン投与時には、第8脳神経障害の副作用を回避するためにTDMが行われる。", "テオフィリンの投与量は、患者のクレアチニンクリアランスを指標に決定される。", "TDMは、血中薬物濃度と薬効・副作用との間に相関がない薬物において有用である。", "薬物によっては血清分離剤に吸着するため、血清分離剤を含む採血管を使用した場合には、血清中濃度を低く見積もる場合がある。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n腎不全患者、肝不全患者、新生児、妊婦の血清中には、DLIS(digoxin-like immunore active substance)が存在することがある。そのため、腎不全患者、肝不全患者、新生児、妊婦に対して、血清中ジゴキシン濃度を免疫学的測定法で測定する場合、測定値に誤差が認められることがある。2:誤\nアジスロマイシン投与時には、第8脳神経障害の副作用を回避するためにTDMを行うことはない。なお、第8脳神経障害の副作用を回避するためにTDMを行う抗生物質には、アミノグリコシド系抗生物質、グリコペプチド系抗生物質がある。3:誤\nクレアチニンクリアランスは腎機能の指標であり、テオフィリンなどの肝消失型薬物の投与量の決定には用いられない。4:誤\nTDMの目的は、血中濃度をコントロールすることにより薬効及び副作用をコントロールすることにある。そのため、TDMは血中薬物濃度と薬効・副作用との間に相関がある薬物において有用である。5:正\nフェニトインなどの血清分離剤に結合する薬物は、血清分離剤を含む採血管を使用した場合に、血清中濃度を低く見積もる場合がある。"} +{"problem_id": "101174", "problem_text": "医薬品粉体のぬれ及び吸湿に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ぬれやすいほど粉体に対する液体の接触角が大きい。", "水溶性の結晶性粉体では、臨界相対湿度(CRH)未満において急激な吸湿は起こらない。", "CRHでは、粉体粒子表面を覆う薬物の飽和水溶液の水蒸気圧と、空気中の水蒸気圧が等しい。", "粉体は、吸湿により安息角が減少する。", "2種類の水溶性の結晶性粉体を混合して得られた粉体のCRHは、個々の粉体のCRHと比べて高い。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n接触角とは、固体表面と液体がなす角度のことであり、ぬれやすいほど固体に対する液体の接触角は小さい。2:正\n臨界相対湿度(CRH)とは、水溶性粉体が急激に吸湿するときの相対湿度のことであり、水溶性の結晶性粉末では、CRH未満において急激な吸湿は認められない。3:正\n空気中の水蒸気圧が、粉体粒子表面を覆う薬物の飽和水溶液の水蒸気圧より大きくなると、水溶性粉体は吸湿する。よって、CRHでは、粉体粒子表面を覆う薬物の飽和水溶液の水蒸気圧と空気中の水蒸気圧が等しい。4:誤\n粉体は、吸湿により付着凝集性が大きくなるため、安息角が増大する。5:誤\n2種類の水溶性の結晶性粉末を混合して得られた粉体のCHRは、個々の粉体のCRHと比べ低く吸湿しやすくなる(エルダーの仮説)。"} +{"problem_id": "101175", "problem_text": "球状の医薬品懸濁粒子は、溶媒中を次式で表される速度で沈降する。次の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、設問中のパラメータ以外は変化しないものとする。", "choices": ["本式は、等加速度沈降している場合に成立する。", "粒子径が1/3倍になれば、粒子の沈降速度は1/9倍になる。", "溶媒の粘度が上昇すれば、粒子の沈降速度は増大する。", "粒子密度が小さくなれば、粒子の沈降速度は低下する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n本式(ストークス式)は、等速沈降している場合に成立する。2:正\nストークス式より、粒子の沈降速度は粒子径の2乗に比例する。よって、粒子径が1/3倍になれば、粒子の沈降速度は1/9倍となる。3:誤\nストークス式より、粒子の沈降速度は粘度に反比例する。よって、溶媒の粘度が上昇すれば、粒子の沈降速度は減少する。4:正\nストークス式より、粒子の沈降速度は、(粒子密度-溶媒の密度)に比例する。よって、粒子密度が小さくなれば、粒子の沈降速度も低下する。"} +{"problem_id": "101176", "problem_text": "1価の弱酸性化合物(pKa=6.1)の水に対する溶解度は、pH 1のとき0.1 \\micro g/mLであった。この化合物の溶解度が1 mg/mLとなるpHはいくらか。最も近い値を1つ選べ。ただし、イオン形は完全に水に溶解するものとする。", "choices": ["2", "5", "7", "10", "12"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "酸性薬物の溶解度C_{S}は①式により求めることができる。C_{S}=C_{S}_{分子}(1+10^{pH-pKa})……①C_{S}_{分子}: 分子形の溶解度\nこの化合物はpKa=6.1の弱酸性薬物であり、pH1においてほとんど分子形として存在していることから、C_{S}_{分子}は0.1 \\micro g/mLと考えられる。これらのことから、①式よりこの化合物の溶解度が1 mg/mLとなるpHを以下のように求めることができる。1 mg/mL=0.1 \\micro g/mL(1+10^{pH-pKa})1000 \\micro g /mL=0.1 \\micro g/mL(1+10^{pH-pKa})10^{4}=(1+10^{pH-pKa})10^{4}\\fallingdotseq 10^{pH-pKa}4=pH-pKa4=pH-6.1\npH=10.1"} +{"problem_id": "101177", "problem_text": "湿式顆粒圧縮法による錠剤の製造プロセスにおいて、ア〜エに当てはまる単位操作の組合せとして適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "・湿式顆粒圧縮法\n主薬、添加物を粉砕しその後粉体を分級し混合する。その混合物に溶液状の結合剤を加え練合し造粒後乾燥する。乾燥物を整粒し滑沢剤を加え混合し打錠を行う。"} +{"problem_id": "101178", "problem_text": "医薬品の容器・包装に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["SP(Strip Package)は、ポリ塩化ビニルなどで成型したくぼみに錠剤やカプセル剤を入れたものである。", "ピロー包装は、包装された医薬品の防湿性を高めるために、ラミネートフィルムなどで二次包装したものである。", "密閉容器の規定がある場合には気密容器を用いることはできない。", "プレフィルドシリンジは、注射液をあらかじめ注射器に充てんした製剤である。", "プラスチック製医薬品容器試験法は、輸液の容器のみに適用される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nSP(Strip Package: ストリップ包装)は、ラミネートフィルム(アルミ箔あるいはセロファンに低密度ポリエチレンなどの熱可塑性高分子フィルムを重ねたフィルム)で作られたヒートシール型の包装形態のことである。なお、ポリ塩化ビニルなどで成型したくぼみに錠剤やカプセル剤を入れたものは、PTP(Press Through Package)である。2:正\nピロー包装は、PTPやSP包装された医薬品の防湿性を高めるために、小包装単位ごとにラミネートフィルムなどで二次包装したものである。3:誤\n日本薬局方に定められている密閉容器、気密容器、密封容器の密閉度の大小関係は、密閉容器<気密容器<密封容器である。よって、気密容器の方が密閉容器に比べ密閉度が高いため、密閉容器の規定がある場合には気密容器を用いることが可能である。4:正\nプレフィルドシリンジは、あらかじめ注射溶液、懸濁性注射液、乳濁性注射液などを注射器に充てんした製剤である。5:誤\nプラスチック製医薬品容器試験法は、プラスチック製医薬品容器全般に適用される試験であり、輸液の容器のみに適用される試験ではない。"} +{"problem_id": "101179", "problem_text": "ある経皮吸収型製剤の断面図(模式図)を以下に示す。in vitro放出試験における本製剤からの累積薬物放出量と時間の関係を示したグラフとして、正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、放出試験中、薬物貯蔵層内、放出制御膜内及び粘着層内の薬物濃度は一定に保たれ、かつシンク条件が成立しているものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本製剤の断面図(模式図)に放出制御膜があることから、本製剤は放出制御膜を利用した膜制御型(リザーバー型)放出制御製剤であることがわかる。膜制御型(リザーバー型)放出制御製剤では、シンク条件において0次速度に従って主薬が放出されるため、累積薬物放出量と時間の関係は直線関係を示す。"} +{"problem_id": "101180", "problem_text": "EPR(Enhanced Permeability and Retention)効果の説明として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["腫瘍組織で活性の高い酵素によって薬物が代謝活性化を受け、腫瘍組織特異的に効果が発現する。", "腫瘍組織特異的なトランスポーターの利用により、薬物の腫瘍組織への移行性と滞留性が向上する。", "薬物を含む微粒子がマクロファージに貪食され、薬物が長時間血液中に滞留する。", "アンギオテンシンIIの併用投与により、腫瘍組織の血管透過性が選択的に上昇し、薬物の移行性が向上する。", "腫瘍組織では、通常組織と比較して毛細血管の透過性が亢進し、リンパ管が未発達なので、薬物を含む微粒子の腫瘍組織への移行性と滞留性が向上する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nカペシタビンやドキシフルリジンに関する記述である。カペシタビンやドキシフルリジンは、それ自体に活性はないが、腫瘍組織で活性化され、腫瘍組織特異的に効果を発現する。2:誤^{18}F-FDG(フルオロデオキシグルコース)に関する記述である。^{18}F-FDGは、^{18}Fにグルコースを添加することでグルコーストランスポーターによって腫瘍組織に取り込まれることを利用して、腫瘍組織への移行性と滞留性が向上している。3:誤\n薬物を含む微粒子がマクロファージに貪食されると、薬物が血液中に滞留する時間が短縮する。4:誤\n昇圧化学療法に関する記述である。抗がん剤とアンギオテンシンIIを併用すると、アンギオテンシンIIが選択的に腫瘍組織の血管透過性を亢進させるため、抗がん剤の組織移行性が増大する。5:正\n腫瘍組織などの異常組織では、血管内皮細胞の間隙が大きいので、正常な血管では透過しないような大きな物質が多く透過する。また、腫瘍組織ではリンパ管が未発達であり細胞内の粒子や高分子はリンパ管を介して排出されにくく腫瘍組織に滞留しやすい。このような現象をEPR効果という。"} +{"problem_id": "101181", "problem_text": "72歳男性。1年前より、一定の距離を歩行すると右のふくらはぎ(腓腹筋)に痛みを感じていたが、歩行をしばらく中止すると改善するので、放置していた。1ヶ月前から次第に症状が悪化してきたため、近医を受診した。このとき測定した血圧は、以下の通りであった。またMRIで右総腸骨動脈に閉塞を認めた。この患者に対する治療薬について、医師から薬剤師に相談があった。提案すべき適切な薬剤はどれか。2つ選べ。(血圧) 左:上腕:138/72 mmHg::足関節:152/78 mmHg 右:上腕:134/70 mmHg::足関節: 94/52 mmHg", "choices": ["ワルファリンカリウム", "シロスタゾール", "ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩", "リバーロキサバン", "サルポグレラート塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "本患者は自覚症状として、間欠性跛行(痛みがあるが、歩行をしばらく中止すると改善する)があり、また、右側の足関節上腕血圧比(ABI)が0.9以下(右足関節の収縮期の血圧/右上腕の収縮期の血圧\\fallingdotseq 0.7)であることから、本患者は、閉塞性動脈硬化症(ASO)であると考えられる。ASOの治療には、血小板凝集抑制作用及び血管拡張作用を有する「シロスタゾール」「サルポグレラート」が用いられる。1:誤\nワルファリンは、ビタミンK拮抗作用を有する抗凝血薬であり、ASOの治療には用いられない。2:正\n3:誤\nダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩は、直接トロンビン阻害作用を有する抗凝血薬であり、ASOの治療には用いられない。4:誤\nリバーロキサバンは、血液凝固因子第Xa因子阻害作用を有する抗凝血薬であり、ASOの治療には用いられない。5:正"} +{"problem_id": "101182", "problem_text": "65歳男性。慢性閉塞性肺疾患の既往歴あり。数年前から労作時に息切れ、動悸を覚えるようになった。数日前から風邪様症状が出現し、夜間咳嗽、喀痰とともに起坐呼吸の状態となった。身体所見: 身長172 cm、体重69 kg、血圧140/85 mmHg、脈拍108/分(不整)、頸静脈怒張、収縮期雑音、下肢の浮腫著明。検査所見: BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)716 pg/mL(基準値18.4 pg/mL以下)。胸部X線写真: 心胸郭比(CTR)71.5%、心電図: 心房細動と左室肥大。この患者に対する治療薬について、医師から薬剤師に相談があった。提案すべき治療薬として適切でないものはどれか。2つ選べ。", "choices": ["リシノプリル水和物", "フロセミド", "カルペリチド", "メキシレチン塩酸塩", "リキシセナチド"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が上昇していることに加え、起坐呼吸や頸静脈怒張が認められていることから、本患者は、慢性心不全(急性増悪期)の可能性がある。また、心電図結果より不整脈(心房細動)に罹患していると考えられる。1:適切である\nリシノプリル水和物は、アンギオテンシン変換酵素阻害薬であり、慢性心不全の治療に用いられる。2:適切である\nフロセミドは、ループ利尿薬であり、慢性心不全の治療に用いられる。3:適切である\nカルペリチドは、\\alpha 型心房性ナトリウム利尿ペプチド製剤であり、急性心不全や慢性心不全の急性増悪期の治療に用いられる。4:適切でない\nメキシレチン塩酸塩は、Ib群に分類されている抗不整脈薬であり、頻脈性不整脈(心室性)の治療に用いられるが、心房細動の治療には用いられない。5:適切でない。リキシセナチドは、GLP-1受容体刺激薬であり、2型糖尿病の治療に用いられる。"} +{"problem_id": "101183", "problem_text": "42歳女性。身長161 cm、体重51 kg。既往歴及び喫煙歴なし。月経困難症のため、近隣の婦人科を受診し、ドロスピレノン・エチニルエストラジオールの配合剤が処方された。薬剤を服用しはじめてから数ヶ月後に、かかりつけ薬局の薬剤師に「急に息切れがし、胸が痛くなった」と電話による相談があった。薬剤師は、安全性速報で注意喚起されているこの配合剤の副作用であると推定し、服用を中止してすぐに救急医療機関を受診するよう指導した。この副作用はどれか。1つ選べ。", "choices": ["急性心筋梗塞", "不整脈", "狭心症", "肺塞栓症", "気胸"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本患者に現れている症状は、肺血栓症で認められる症状となっているため、薬剤師は、安全性速報で注意喚起されているこの配合剤の副作用(血栓症)であると推定し、服用を中止してすぐに救急医療機関を受診するよう指導したと考えられる。参考「ドロスピレノン・エチニルエストラジオール配合剤(商品名: ヤーズ^{®}配合錠)」は、血栓症について安全性速報が発出されている(2014年1月)。"} +{"problem_id": "101184", "problem_text": "播種性血管内凝固症候群(DIC)に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["悪性腫瘍や産科的疾患などの基礎疾患を有する。", "多発性微小血栓による循環障害を生じる。", "凝固系と線溶系が同時に亢進する。", "血小板数が増加する。", "基礎疾患の治療に並行して、ヘパリンや合成プロテアーゼ阻害薬による治療を行う。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\nDICの発症には、敗血症、白血病、固形がん、産科的疾患などが関与している。2:正しい\nDICでは、全身の血管内に微小血栓が形成され、多臓器不全を生じる。3:正しい\nDICでは、凝固系の亢進により二次的線溶系が亢進するため、凝固系と線溶系が同時に亢進する。4:誤っている\nDICでは、凝固系が亢進することで血小板が消費されてしまうため、血小板数は減少する。5:正しい\nDICの治療では、基礎疾患の治療に加え、DICの病態に応じた治療を行う。凝固優位型DICではヘパリンによる治療を行い、線溶優位型DICでは、合成プロテアーゼ阻害薬(ガベキサートやナファモスタット)による治療を行う。"} +{"problem_id": "101185", "problem_text": "42歳女性。健康診断で高血圧症を指摘されたため、内科を受診した。検査の結果、血清カリウムの低下、血漿レニン活性の低下、血漿アルドステロン濃度の上昇を認めた。さらに検査入院し、カテーテル検査にて両側副腎静脈より採血し、血漿アルドステロン濃度を測定したところ、片側のアルドステロン濃度の著明な上昇がみられた。他の生化学的検査値には異常を認めず、特記すべき家族歴もなかった。この患者の病側副腎摘出手術を行うまでの期間、高血圧症に対する治療薬について、医師より薬剤師に相談があった。提案すべき治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["トリクロルメチアジド", "スピロノラクトン", "ア��スキレンフマル酸塩", "バルサルタン", "リシノプリル水和物"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "本患者は、高血圧、血漿カリウム値の低下、血漿レニン活性の低下、血漿アルドステロン濃度の上昇を認めており、また、他の生化学的検査値には以上を認めず、特記すべき家族歴もない。これらのことから、本患者は原発性アルドステロン症に罹患していると考えられる。原発性アルドステロン症では、過剰のアルドステロンの分泌により高血圧になることがあるため、その治療薬として抗アルドステロン作用を有するスピロノラクトンが用いられる。"} +{"problem_id": "101186", "problem_text": "36歳男性。既往歴に特記すべきことなし。体のだるさとともに、突然、上眼瞼と下肢に浮腫が出現した。血圧は140/85 mmHgで、血液検査・尿検査を行ったところ、結果は以下のとおりであった。血液検査: 白血球5,800/\\micro L、Hb 14.2 g/dL、血小板数25\\times 10^{4}/\\micro L、AST 32 IU/L、ALT 38 IU/L、血中尿素窒素(BUN)23 mg/dL、血清クレアチニン1.2 mg/dL、クレアチニンクリアランス80 mL/min、Na 138 mEq/L、K 4.5 mEq/L、Cl 102 mEq/L、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)268 mg/dL、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)39 mg/dL、トリグリセリド190 mg/dL、血清総タンパク5.6 g/dL、血清アルブミン2.6 g/dL、空腹時血糖98 mg/dL、HbA1c 5.6% 尿検査: 尿潜血(-)、尿タンパク(4+)3.8 g/day、尿比重1.018 精査の結果、ステロイドのパルス療法が開始された。この患者の推定される病態として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["痛風腎", "糖尿病", "ネフローゼ症候群", "急性肝炎", "多発性硬化症"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本患者の注目すべき血液検査及び尿検査項目を以下に示す。・血清総タンパク5.6 g/dL\n・血清アルブミン2.6 g/dL\n・尿タンパク(4+)3.8 g/day\nこれらの項目より、本患者には血清中タンパク質の低下、尿中タンパク質の増加が認められている。このことから、本患者は、ネフローゼ症候群であると推定される。なお、ネフローゼ症候群の診断必須条件は「タンパク尿(3.5 g/日以上)、低タンパク血症(血清総タンパク質量6.0 g/dL以下、血清アルブミン量3.0 g/dL以下)」である。"} +{"problem_id": "101187", "problem_text": "58歳男性。21歳のとき、統合失調症を発症。その後、精神科への入退院を繰り返し、昨日、本院に入院。検査の結果、耐糖能異常が診断された。薬歴として以下の処方が記載されていた。この患者の処方に対して薬剤師が、医師に処方変更を提案するとき、削除を提案すべき薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ハロペリドール錠", "オランザピン錠", "フルニトラゼパム錠", "酸化マグネシウム錠", "フルバスタチン錠"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "検査の結果、耐糖能異常と診断されていることから、副作用として高血糖や耐糖能異常が認められる薬剤を削除する必要がある。本処方のうち、副作用として高血糖や耐糖能異常を起こすのは、オランザピン錠である。オランザピン錠は、血糖値の上昇による糖尿病性ケトアシドーシス及び糖尿病性昏睡について緊急安全性情報が発出されている。"} +{"problem_id": "101188", "problem_text": "臓器移植の拒絶反応に用いる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グスペリムスは、抗CD25モノクローナル抗体であり、急性拒絶反応の治療に用いられる。", "タクロリムスは、カルシニューリンを阻害して、T細胞におけるインターロイキン-2の産生を抑制する。", "ミコフェノール酸モフェチルは、急性拒絶反応治療の第一選択薬である。", "抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンは、急性拒絶反応の治療に用いられる。", "シクロスポリンは、ほ乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)阻害作用に基づく免疫抑制により、腎移植に用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nグスペリムスは、細胞傷害性Tリンパ球の前駆細胞から傷害性Tリンパ球への成熟及び細胞傷害性Tリンパ球の増殖を抑制することによって拒絶反応の進行を妨げるとともに、活性化Bリンパ球の増殖又は分化を抑制することによって抗体産生を抑制する。なお、抗CD25モノクローナル抗体であり、急性拒絶反応の治療に用いられるのは、バシリキシマブで���る。2:正\nタクロリムスは、活性化されたT細胞におけるカルシュニューリン活性を阻害して、インターロイキン2(IL-2)の産生を抑制することにより免疫抑制作用を示す。3:誤\n臓器移植後の急性拒絶反応治療の第一選択薬は、副腎皮質ステロイド性薬である。急性拒絶反応が認められた場合には、はじめにステロイドパルス療法を行う。4:正\n抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンは、ヒトT細胞表面抗原に結合し、補体依存性の細胞傷害を惹起させることにより、免疫抑制作用を示す。5:誤\nシクロスポリンは、T細胞の受容タンパク質であるシクロフィリンと結合し、この複合体がカルシニューリンのホスファターゼ活性を阻害することにより免疫抑制作用を示す。ほ乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)阻害作用に基づく免疫抑制薬はエベロリムスである。"} +{"problem_id": "101189", "problem_text": "口腔咽頭カンジダ症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["HIV感染者で罹患率が低い。", "ステロイド吸入患者で罹患率が高い。", "がん患者で罹患率が低い。", "舌痛、口腔内出血、口腔粘膜の白苔、潰瘍などの臨床症状を示す。", "ニューキノロン系抗菌薬による初期治療が第一選択である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "口腔咽頭カンジダ症は、免疫力の低下に伴う日和見感染症として発症するため、HIV感染者、ステロイド吸入患者、抗悪性腫瘍薬投与中のがん患者などが罹患しやすい。口腔咽頭カンジダでは、舌痛、口腔内出血、口腔粘膜の白苔、潰瘍などの臨床症状を呈し、その治療には、抗真菌薬(アゾール系抗真菌薬、アムホテリシンB、キャンディン系抗真菌薬であるミカファンギンなど)が用いられる。"} +{"problem_id": "101190", "problem_text": "55歳男性。進行下行結腸がん手術施行後、テガフール・ウラシル配合剤を内服していた。その後、脾転移、腹膜播種が認められ、FOLFOX+ベバシズマブ療法が開始された。12コース施行後、効果が不十分なため、FOLFIRI+パニツムマブ療法へ変更となった。このがん化学療法施行前に行う遺伝子検査はどれか。2つ選べ。", "choices": ["EGFR", "KRAS", "UGT1A1", "B-Raf", "Bcr-Abl"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "FOLFIRI(フルオロウラシル、レボホリナート、イリノテカン塩酸塩)+パニツムマブ療法を行う前には、KRAS遺伝子検査及びUGT1A1遺伝子検査を行う必要がある。イリノテカンは、体内でカルボキシルエステラーゼにより活性化されSN-38となる。SN-38はUGT1A1によりグルクロン酸抱合を受け不活性化される。UGT1A1に遺伝子多型が認められる場合、SN-38が不活性化されず体内に蓄積し、イリノテカンの副作用である骨髄抑制などが現れることがある。パニツムマブは、ヒト型抗EGFRモノクローナル抗体であり、EGFRに結合し、RAS遺伝子の活性化を抑制することで、がん細胞の増殖・分化を抑制する。KRAS遺伝子が変異している場合は、前記のような作用が認められず、がん細胞の増殖・分化を抑制することができない。"} +{"problem_id": "101191", "problem_text": "製薬企業の医薬情報担当者の役割として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["医療機関を訪問することにより、自社の医療用医薬品を中心とした医薬情報を医療関係者に提供し、適切な価格交渉を行う。", "医薬品の有効性情報や安全性情報を医療現場から収集し、企業に報告する。", "常に安全性よりも有効性に重点をおいて情報を提供する。", "自社の治験薬に関するデータの収集及び解析を行う。", "緊急安全性情報を医療機関に伝達する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "医薬情報担当者とは、医薬品の適正な使用に資するために、医療関係者を訪問すること等により安全管理情報を収集し、提供することを主な業務として行う者をいう。(厚生労働省令第135号)\n1:誤\n医療用医薬品の価格交渉は、主に卸売販売業者の営業担当者(MS)が行う。2:正\n3:誤\n医薬品を適正に使用するため、有効性よりも安全性に重点をおいて情報を提供する。4:誤\n治験薬に関するデータの収集及び解析は、製薬会社または開発業務受託機関(CRO)の統計解析担当者が行う。5:正\n医薬情報担当者は、緊急安全性情報が発出された場合、その内容について医療機関に情報提供を行う必要がある���"} +{"problem_id": "101192", "problem_text": "ある疾患Xは、日本人の有病率が0.2%である。Xに対する疾患マーカーMは、Xに罹患した患者において99%の確率で陽性を示すが、1%の確率で陰性を示す。また、Xに罹患していない患者では2%の確率で陽性を示し、98%の確率で陰性を示す。ある日本人患者が疾患マーカーMで陽性を示したとき、その患者がXに罹患している確率(陽性予測値)として、最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["9%", "25%", "73%", "97%", "98%"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "日本人1,000人に対してマーカーMを用いて、疾患Xを検査したことを仮定して考える。疾患Xの有病率が0.2%であることから1,000人中2人が疾患Xに罹患しており、998人が疾患Xに罹患していない。・疾患Xに罹患している人のうち陽性を示す人数\n疾患Xに罹患した患者において99%の確率で陽性を示すことから、疾患Xに罹患している人のうち陽性を示す人数=2人\\times 0.99=1.98人\n・疾患Xに罹患していない人のうち陽性を示す人数\n疾患Xに罹患していない患者において2%の確率で陽性を示すことから、疾患Xに罹患していない人のうち陽性を示す人数=998人\\times 0.02=19.96人\n陽性予測値は、陽性を示す全体の人数に対する疾患Xに罹患している人のうち陽性を示す人数である。これらのことから、陽性予測値を以下のように求めることができる。陽性予測値=1.98/(1.98+19.96)\\fallingdotseq 0.09"} +{"problem_id": "101193", "problem_text": "コホート研究の指標の中で、「絶対リスク減少率」に該当するのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["曝露群と非曝露群の危険度の比", "治療することにより、ある転帰がどの程度抑えられたかを減少率で表した値", "対照群における結果因子の発生率と治療群における結果因子の発生率の差", "症例群が曝露した割合と対照群が曝露した割合の比", "治療必要数の逆数"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n曝露群と非曝露群の危険度の比は、「相対危険度」である。2:誤\n治療することにより、ある転帰がどの程度抑えられたかを減少率で表した値は、「相対リスク減少率」である。3:正\n対照群における結果因子の発生率と治療群における結果因子の発生率の差は、「絶対リスク減少率」である。4:誤\n症例群が曝露した割合と対照群が曝露した割合の比は、症例対照(ケースコントロール)研究で用いられる「オッズ比」である。5:正\n療必要数とは、一人の患者の治療効果を確認するためには、その治療を何人に施す必要があるのかを表す値であり、絶対リスク減少率の逆数で表される。よって、治療必要数の逆数は、「絶対リスク減少率」である。"} +{"problem_id": "101194", "problem_text": "仮説検定を危険率1%で行ったところ、帰無仮説は棄却できなかった。この検定結果に関する記述として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["第1種の過誤が生じている可能性がある。", "帰無仮説は肯定されたと解釈される。", "危険率を5%とすれば、帰無仮説は棄却されやすくなる。", "危険率を変えなければ、標本数を増やしても、帰無仮説が棄却される見込みは変わらない。", "第2種の過誤を犯す可能性の程度は1%である。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "仮説検定とは、対立仮説(証明したいこと)と帰無仮説(対立仮説と逆の仮説)を設定し、危険率をもとに帰無仮説を棄却して証明したことを裏付ける方法である。1:誤\n第1種の過誤とは、本来、差がないにも関わらず、誤って棄却すべきでない帰無仮説を棄却する過誤のことであり、今回の検定結果では「帰無仮説は棄却できなかった」となっていることから第1種の過誤が生じている可能性はない。2:誤\n「帰無仮説を棄却できなかった」とは、「帰無仮説を棄却するだけの証拠がなかった」ということであり、「帰無仮説が肯定された」ということではない。3:正\n危険率とは第1種の過誤が起こる確率を示していることから、危険率が大きくなると帰無仮説は棄却されやすくなる。4:誤\n標本数が増加すると、データの偏りがなくなることから、帰無仮説が棄却される見込みに変化が認められる。5:誤\n危険率が1%であることから、第1種の過誤を起こす可能性の程度は1%である。なお、第2種の過誤とは、棄却すべき帰無仮説を棄却し損なう過誤のことである。"} +{"problem_id": "101195", "problem_text": "以下の図は、3群以上の間で仮説検定を行う場合の、データの種類に応じた仮説検定法の選択とその順序の概要を示したものである。図の①、②、③の組合せとして適切なのはどれか。1つ選べ。なお、post hoc多重比較検定にはTukeyの検定、Scheffeの検定、Dunnettの検定などが含まれる。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "3群以上の間で仮説分析を行う際、用いるデータが正規分布かどうか判断する。・データ正規分布に従っていない場合\nノンパラメトリックな多群の同時比較法であるKruskal-Wallis検定を行う。・データが正規分布に従っている場合\n一元配置分散分析で各データの平均値の差を分析し、その後、post hoc多重比較検定(Tukeyの検定、Scheffeの検定、Dunnettの検定など)を行う。参考\n・Tukeyの検定\n多群を比較する際、すべての対について比較を行う方法\n・Scheffeの検定\n各群の対比較に加え、複数データ群を含むグループ間のデータの比較も行う方法\n・Dunnettの検定\n1つの群を基準とし、その他の群と対比較を行う方法"} +{"problem_id": "101196", "problem_text": "65歳女性。体重50 kg。術後肺炎を発症し、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)と緑膿菌による複合感染症と診断され、アルベカシン硫酸塩とピペラシリンナトリウムの各注射液が静脈内投与された。なお、この女性の腎機能は正常である。アルベカシン硫酸塩の最も適切な投与法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["1回50 mg、60分かけての点滴投与を1日1回、数日間にわたって実施した。", "1回50 mg、4時間かけての点滴投与を1日1回、数日間にわたって実施した。", "1回200 mg、60分かけての点滴投与を1日1回、数日間にわたって実施した。", "1回200 mgワン・ショットでの静脈内投与を1日3回、数日間にわたって実施した。", "1回200 mg、24時間かけての持続点滴投与を数日間にわたって実施した。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "アルベカシン硫酸塩注射液の用法・用量を以下に示す。通常、成人にはアルベカシン硫酸塩として、1日150〜200 mg(力価)を30分〜2時間かけて点滴静注する。必要に応じ、1日150〜200 mg(力価)を2回に分けて点滴静注することもできる。また、静脈内投与が困難な場合、アルベカシン硫酸塩として、1日150〜200 mg(力価)を1回又は2回に分けて筋肉内注射することもできる。"} +{"problem_id": "101197", "problem_text": "アミノグリコシド系抗生物質と\\beta -ラクタム系抗生物質の両水溶液を混合して残存率を測定したところ、下のようなグラフが得られた。ただし、横軸は時間(h)、縦軸は抗生物質の残存率(%)を片対数プロットしたものである。このグラフでBは(:①:)である。また、このグラフからBは(:②:)に従って分解していると考えられる。①、②の組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["解なし"], "comment": "設問のグラフは、アミノグリコシド系抗生物質、\\beta\n-ラクタム系抗生物質を単独投与したときの血中濃度推移を示しており、アミノグリコシド系抗生物質と\\beta\n-ラクタム系抗生物質の両水溶液を混合して残存率を測定したときのグラフではないため、正答を導くことができない。"} +{"problem_id": "101198", "problem_text": "77歳女性。以下の処方箋を持って薬局を訪れた。患者の話から、最近、ものが飲み込みにくいとのことであった。この処方に関する疑義照会として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["簡易懸濁法で投与するよう提案する。", "粉砕せず、そのまま舌下に含むことを提案する。", "同用量のニフェジピンカプセルに変更し、脱カプセルして朝食後に舌下に含むことを提案する。", "同用量のニフェジピンカプセルに変更し、脱カプセルしてゼリーなどに混ぜて朝食後に服用するよう提案する。", "同用量のニフェジピンの持効性細粒に変更し、朝夕食後に分けて投与するよう提案する。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n簡易懸濁法とは、錠剤やカプセルを粉砕・開封せず、そのまま温湯に入れ崩壊懸濁させたあと経管投与する方法である。ニフェジピン徐放錠を簡易懸濁法で投与すると徐放性が失われるため、適切な投与方法とはいえない。2:誤\nニフェジピン徐放錠をそのまま舌下に含むことで吸収性が増大するため、適切な投与方法とはいえない。3:誤\nニフェジピンカプセルには、軟カプセル剤と硬カプセル剤があるが、共に脱カプセルに向いていないため、適切な投与方法とはいえない。4:誤\n解説3参照\n5:正\nニフェジピンの持効性細粒に変更することで、ニフェジピン徐放錠(24時間持続)と同じような効果が得られ、嚥下困難にも対応できるため、適切な投与方法であるといえる。"} +{"problem_id": "101199", "problem_text": "今回処方されているニフェジピンは、血管拡張性の血圧降下薬である。ポアズイユの法則に従えば、脈拍数、心拍出量、血液の粘度が一定条件下で、血圧は末梢の毛細血管の半径の4乗に反比例する。この条件下で、ニフェジピンにより血圧180 mmHgの高血圧患者の毛細血管半径が7%増大したときの血圧(mmHg)に最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["165", "155", "145", "135", "125"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "設問に「ポアズイユの法則に従えば、脈拍数、心拍出量、血液の粘度が一定条件下で、血圧は末梢の毛細血管の半径の4乗に反比例する。」と記載されていることから、血圧180\nmmHgの高血圧患者の毛細血管半径が7%増大したときの血圧を以下のように計算することができる。・ニフェジピン投与前k\\times\n1/r^{4}=180\nmmHg\nk:\n定数、r:\nニフェジピン投与前の毛細血管の半径\n・ニフェジピン投与後k\\times\n1/(1.07r)^{4}=k\\times\n1/r^{4}\\times\n(1.07)^{-4}=180\nmmHg\\times\n(1.07)^{-4}\\fallingdotseq 137\nmmHg"} +{"problem_id": "101200", "problem_text": "60歳女性。身長150 cm、体重45 kg。めまい、ふらつき、冷汗、軽度の意識障害を主訴として受診し、入院することとなった。入院時に病室を訪問した薬剤師が持参薬を確認したところ、下記の薬剤を日ごろ欠かさず服用していたことが分かった。入院時の血清クレアチニン値1.5 mg/dL、BUN 29 mg/dL、AST 25 IU/L、ALT 30 IU/L、PT-INR 2.0、空腹時血糖値40 mg/dLであった。薬剤師はこの女性の主訴の原因として、服用中の薬物の副作用を疑った。最も可能性の高い薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": [" シベンゾリンコハク酸塩", "ベラパミル塩酸塩", "ワルファリンカリウム", "ロキソプロフェンナトリウム", "テプレノン"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "めまい、ふらつき、冷汗、軽度の意識障害は、低血糖時に現れる症状である。また、入院時の空腹時血糖値40 mg/dLであることから、本患者は低血糖状態にあることがわかる。服用中の薬物のうち、副作用として低血糖を起こすのは、シベンゾリンコハク酸塩である。シベンゾリンコハク酸塩は、インスリン分泌促進作用を有するため、服用中は低血糖症状が現れないか注意する必要がある。"} +{"problem_id": "101201", "problem_text": "患者に低血糖症状が疑われたため、血糖値を検査することになった。血中グルコースの測定法に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["市販の簡易血糖測定器に用いられる酵素には、グルコースオキシダーゼやグルコースデヒドロゲナーゼなどがある。", "電極法では、グルコースから酵素反応により生じる過酸化水素をガラス電極で測定する。", "屈折率を利用した糖度計によって測定する。", "簡易カラムにより他の単糖とグルコースを分離し、エチジウムブロマイドにより蛍光測定する。", "グルコースと酵素及びNADP^{+}を反応させ、生じたNADPHを吸光度法により測定する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n血中グルコースの測定法には、以下の方法がある。・グルコースキシダーゼ(GOD)を用いる方法\nグルコースオキシダーゼ/ペルオキシダーゼ(GOD-POD)比色法\nグルコースオキシダーゼ(GOD)電極法\n・グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を用いる方法\nグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)電極法\n・ヘキソキナーゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼを用いる方法\nヘキソキナーゼ/グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ法\n2:誤GOD電極法では、採取した血液中のグルコースがGODによりグルコノラクトンへと酸化される際に生じる過酸化水素H_{2}O_{2}を過酸化水素電極で測定する。3:誤\n糖度計とは、屈折率、旋光度等を利用して食品中の糖度を測定する装置のことであり、血中グルコース濃度の測定には用いられない。4:誤\nエチジウムブロマイド��、DNAにインターカレーションし、蛍光を発することからDNAの蛍光検出試薬として用いられる。5:正ヘキソキナーゼ/グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ法に関する記述である。ヘキソキナーゼ/グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ法では、血中グルコースにヘキソナーゼを反応させ、グルコース-6-リン酸とADPを生じさせる。NADP^{+}存在下、生成したグルコース-6-リン酸にグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼを反応させ、生じたNADPHを吸光度法により測定する。"} +{"problem_id": "101202", "problem_text": "45歳男性。下記の処方箋を保健薬局に持参した。薬剤師がインタビューしたところ、患者は「医師からはピロリ菌の一次除菌と聞いている」と回答した。処方監査による判断として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["1日1回朝食後を1日1回朝食前に変更する。", "1日1回朝食後を1日1回夕食後に変更する。", "それぞれの薬剤の1日量を2倍にして、1日2回朝夕食後に変更する。", "7日分を3日分に変更する。", "7日分を14日分に変更する。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "ヘリコバクター・ピロリの除菌おいては、通常、成人にはオメプラゾールとして1回20 mg、アモキシシリン水和物として1回750 mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200 mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。本設問においては、オメプラゾール1回20 mg、アモキシシリン水和物1回750 mg及びクラリスロマイシン1回200 mg、1日1回朝食後で処方されているため、それぞれの薬剤の1日量を2倍にして、1日2回朝夕食後に変更する必要がある。"} +{"problem_id": "101203", "problem_text": "ヘリコバクター・ピロリ菌の感染診断には尿素呼気試験法が用いられる。この方法は^{13}Cで標識した尿素を服用し、ピロリ菌が持つウレアーゼ活性で生じる呼気中の二酸化炭素を赤外吸収スペクトル法で検出するものである。これに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["赤外線は紫外線よりも短波長である。", "赤外線は分子振動によって双極子モーメントが変化するときに吸収される。", "赤外吸収スペクトル法では、紫外可視吸光度法とは異なり、ランベルト-ベール(Lambert-Beer)の法則が成立しない。", "^{13}CO_{2}の逆対称伸縮振動は^{12}CO_{2}と比べ低い波数側に検出される。", "^{12}CO_{2}の測定には2350 cm^{-1}付近の吸収が用いられ、これは指紋領域に含まれる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n赤外線は紫外線より長波長である。2:正\n分子振動により双極子モーメントが変化する際、赤外線が吸収される。この原理を用いて物質の同定・定量を行う方法を赤外吸収スペクトル法という。3:誤\nランベルト-ベール(Lambert-Beer)の法則とは、「希薄溶液において、吸光度は濃度、層長に比例する。」という法則である。赤外吸収スペクトル法では、紫外可視吸光度法と同様、吸光度を測定しているため、ランベルト-ベール(Lambert-Beer)の法則が成立する。4:正フックの法則より、分子を構成する原子の質量が大きいほど分子運動の振動数は小さくなるため、^{13}CO_{2}の逆対称伸縮振動は^{12}CO_{2}と比べ低い波数側に検出される。5:誤赤外吸収スペクトル法において、波数1500\ncm^{-1}未満の領域は指紋領域であり、波数1500\ncm^{-1}以上の領域は特性吸収帯である。よって、^{12}CO_{2}による2350\ncm^{-1}付近の吸収は、特性吸収帯に含まれる。"} +{"problem_id": "101204", "problem_text": "74歳男性。意識障害のため救急搬送されてきた。水分貯留をともなう高血圧性緊急症と診断され、治療方針を話し合う中でニカルジピン塩酸塩とフロセミドの投与が検討された。緊急対応のため注射製剤が選択された。この薬物投与に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ニカルジピン塩酸塩注射液とフロセミド注射液を注射筒内で混合して投与できる。", "ニカルジピン塩酸塩は急速静注が推奨される。", "両剤とも生理食塩液又はブドウ糖注射液で希釈できる。", "フロセミドは、電解質失調に注意して投与する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n酸性注射液のニカルジピン塩酸塩注射液と、アルカリ性注射液のフロセミド注射液を混合するとpHの変化により白濁するため、混合せず別々に投与する。2:誤\n高血圧��治療する際、ニカルジピン塩酸塩注射液は点滴静注で用いられる。3:正\nニカルジピン塩酸塩注射液及びフロセミド注射液はともに生理食塩水又はブドウ糖注射液で希釈することが可能である。4:正\nフロセミド注射液の利尿効果は急激に現れることがあるため、電解質失調に注意して投与する必要がある。"} +{"problem_id": "101205", "problem_text": "処方薬の物性を測定する目的で、種々のpHで水溶液(50\\micro g/mL)を調製し、その5 mLずつに、それぞれ1-オクタノール5 mLを加えてよく振り混ぜ、分配平衡に達した後、水層中の薬物濃度を測定した。以下の表は、処方されたどちらかの薬物の結果である。この結果に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、この薬物は1-オクタノールとの相互作用を起こさず、また、イオン形薬物の1-オクタノールへの分配は起こらないものとする。", "choices": ["塩基性薬物ニカルジピンの測定結果である。", "酸性薬物フロセミドの測定結果である。", "この薬物の分配係数は、約10である。", "この薬物のpKaは、約6.0である。", "この薬物のpKaは、約4.0である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n水層のpHの増加に伴い、水層中の薬物濃度が増加していることから、水層のpHの増加に伴いイオン形が増加する薬物であると考えられる。よって、この測定結果は、酸性薬物であるフロセミドのものである。2:正\n解説1参照\n3:誤\nこの薬物の分配係数(真の分配係数)は以下の式により求めることができる。真の分配係数=1-オクタノール中の分子形濃度/水中の分子形濃度\n酸性薬物はpHが低いとき、ほとんど分子形で存在するため、pH1のときのデータより真の分配係数を以下のように求めることができる。真の分配係数=1-オクタノール中の分子形濃度/水中の分子形濃度=49.5/0.5=99\n4:誤\n解説5参照\n5:正pH=pKaのとき、水層中の分子形の濃度とイオン形の濃度が等しいため、みかけの分配係数=真の分配係数/2が成立する。みかけの分配係数は以下の式より求めることができる。みかけの分配係数=1-オクタノール中の薬物濃度/水中の薬物濃度\n上記の式より、pH4におけるみかけの分配係数を以下のように求めることができる。みかけの分配係数=1-オクタノール中の薬物濃度/水中の薬物濃度=49/1.0=49\npH4において、みかけの分配係数=真の分配係数/2が成立していることから、この薬物のpKaは、約4.0である。"} +{"problem_id": "101206", "problem_text": "10歳女児。体重34 kg。昨夜より咽頭痛がひどかったため、母親が小児科を受診させ、以下の処方箋をかかりつけの保険薬局へ持参した。処方箋を受け取った薬剤師が薬剤服用歴とお薬手帳で現在服用中の薬剤を確認したところ、以下の①〜⑤であった。現在服用中の薬剤のうち、セフジニル細粒との相互作用が問題となるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["バルプロ酸Na徐放顆粒", "ビフィズス菌微粒", "溶性ピロリン酸第二鉄シロップ", "プランルカストシロップ用", "フェキソフェナジン塩酸塩シロップ用"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "セフジニルと鉄を同時に服用すると、不溶性のキレートを形成し、セフジニルの吸収が低下する。よって、現在服用中の薬剤のうち、セフジニル細粒との相互作用が問題となるのは、溶性ピロリン酸第二鉄シロップである。"} +{"problem_id": "101207", "problem_text": "セフジニルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。セフジニルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["セフェム系抗生物質である。", "細菌の細胞壁生合成に関わる酵素をアルキル化することで作用を示す。", "\\beta -ラクタマーゼによってaの位置で加水分解される。", "オキシムはZ配置である。", "アミノイミダゾリル基をもつ。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nセフジニルはセフェム構造を有するセフェム系抗生物質である。2:誤\nセフジニルなどの\\beta\n-ラクタム系抗生物質は、細菌の細胞壁合成に関わる酵素(トランスペプチターゼ)をアシル化することにより、酵素を不活性化する。3:誤\n\\beta\n-ラクタマーゼは、\\beta\n-ラクタム環のアミド結合を加水分解し、セフジニルの抗菌活性を失活させる。4:正\nセフジニル中のオキシムのE・Z配置については、以下のように考えることができる。上記より優先順の高い原子、原子団が同じ方向に結合しているため、セフジニル中のオキシムはZ配置である。5:誤\nセフジニルは、アミノチアゾリル基を有する。"} +{"problem_id": "101208", "problem_text": "72歳男性。いつもは21時頃に床に入り、夜間に1〜2回トイレに起きることはあるが、眠れていた。1週間前より寝つきが悪くなり、内科を受診した。以下の処方箋が出され、保険薬局に持参した。併用薬はなく、肝機能、腎機能に異常はない。この薬剤を服用するのは初めてである。今回の処方に関する服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["眠れるようになれば、いつ服用をやめても構いません。", "就寝前に飲酒しても構いません。", "眠れなければ、服用量を増やしても構いません。", "グレープフルーツジュースを飲むのは避けてください。", "カフェイン(コーヒー、紅茶など)の摂取は、夕方以降は避けてください。"], "text_only": false, "answer": ["解なし"], "comment": "1:正or誤\n薬剤師の判断で服用中止について説明することは不適切である。ただ、「眠れるようになれば、服用を中止しても問題ない」との意図が医師にある場合については、この指導内容も間違いとはいえない。よって、問題の条件が不足していることから、本設問は正とも誤ともとることができる。2:誤\n飲酒により、ゾルピデムの中枢抑制作用が増強することがある。そのため、就寝前の飲酒を控えるように説明する必要がある。3:誤\n薬剤師の判断で用法、用量を変更することは不適切である。4:正\nゾルピデムはCYP3A4で代謝されることから、グレープフルーツジュースにより血中濃度が上昇することがある。そのため、グレープフルーツジュースを飲むのを控えるように説明する必要がある。5:正\nカフェインは中枢興奮作用を有するため、カフェインを夕方以降に摂取すると本剤の作用が減弱する恐れがある。そのため、カフェイン(コーヒー、紅茶など)の摂取は、夕方以降は控えるように説明する必要がある。"} +{"problem_id": "101209", "problem_text": "ゾルピデム酒石酸塩に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["窒素原子アはsp^{3}混成軌道をもつ。", "破線で囲んだ環は芳香族性をもつ。", "窒素原子イは、3つの窒素原子のうち最も塩基性が高い。", "酒石酸の立体異性体は、図に示したものを含めて4つある。", "この酒石酸は、(2R,3R)の立体配置を有する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤窒素原子アはsp^{2}混成軌道をもつ。2:正\n破線で囲んだ環は、イミダゾール環とピリジン環が縮合したイミダゾピリジン環であり、10\\pi 電子系の芳香族性を示す。3:誤\n窒素原子イのローンペア芳香属性に寄与しており、p軌道に収容されているため、塩基性を示さない。4:誤\n一般に構造中に不斉炭素が2つ存在すれば、立体異性体が4つ存在するが、酒石酸は立体異性体の中にメソ体が存在するため、その立体異性体の数は3つである。5:正\nこの酒石酸は、(2R,3R)の立体配置を有する。"} +{"problem_id": "101210", "problem_text": "散剤の主薬の処方量が少ない場合には、賦形剤の添加により、かさを増し、分包誤差を極力少なくすることができる。賦形をする際は、一般的に賦形剤として乳糖やデンプンなどを、主薬によって選択して用いる。構造式Aで表される乳糖に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["D-グルコフラノースとD-ガラクトフラノースがグリコシド結合している。", "還元糖である。", "グルコシダーゼによって、2つの単糖に分解される。", "水に溶かすと異性化し、旋光性を失う。", "\\beta (1\\rightarrow 4)結合をもつ。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n乳糖は、D-ガラクトピラノースとD-グルコピラノースが\\beta -グリコシド結合している。2:正\n乳糖は、D-グルコピラノース残基部分にアノマー性OH基を有することから鎖状構造に変化することかできる。鎖状に変化した乳糖はアルデヒド基を有するため、還元性を示す。3:誤\n乳糖は、\\beta -ガラクトシダーゼにより2つの単糖(D-ガラクトースとD-グルコース)に分解される。4:誤\n乳糖を水に溶かすと、D-グルコピラノース残基部分のアノマー性OH基が\\alpha 位にある\\alpha -乳糖とアノマー性OH基が\\beta ��にある\\beta -乳糖で相互変換が起こる(解説2参照)。そのため、乳酸を水に溶かすと旋光度が変化する変旋光が認められる。5:正\n解説1参照"} +{"problem_id": "101211", "problem_text": "以下のうち、一般的に乳糖を賦形剤として用いるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アミノフィリン水和物末", "イソニアジド末", "ヨウ化カリウム末", "\\beta -ガラクトシダーゼ散", "ロートエキス散"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nアミノフィリン水和物末と乳糖を混合すると、配合変化を起こし変色する。よって、アミノフィリン水和物末の賦形剤には乳糖を用いず、デンプンを用いることが望ましい。2:誤\nイソニアジド末と乳糖を混合すると、配合変化を起こしイソニアジドの含量が低下する。よって、イソニアジド末の賦形剤には乳糖を用いず、デンプンを用いる必要がある。3:正\nヨウ化カリウム末及びロートエキス散は乳糖と配合変化を起こさない。よって、ヨウ化カリウム末及びロートエキス散の賦形剤として乳糖を用いる。4:誤\n\\beta\n-ガラクトシダーゼ散と乳糖を混合すると、配合変化を起こし乳糖が分解されてしまう。よって、\\beta\n-ガラクトシダーゼ散の賦形剤には乳糖を用いず、デンプンを用いる必要がある。5:正\n解説3参照"} +{"problem_id": "101212", "problem_text": "63歳女性。日曜日の午後、急に左耳が聞こえにくくなった。翌朝まで様子をみたが改善しなかったため、近隣の耳鼻科を受診したところ、突発性難聴と診断された。以下の薬剤が処方され、保険薬局に来局した。薬剤師が服薬指導する内容の記述として適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["寝付きが悪くなることがあります。", "難聴の症状が改善すれば、プレドニゾロン錠は途中で服用を中止しても構いません。", "プレドニゾロン錠は、朝食後6錠、昼食後4錠、夕食後2錠を3日間服用してください。", "メコバラミン錠は光に弱い薬です。光を避けて保管してください。", "テプレノンカプセルは胃粘膜を保護する薬です。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:適切である\nプレドニゾロンの副作用として、不眠、頭痛、めまいなどが現れることがある。2:不適切である\nプレドニゾロンの投与を急に中止すると、離脱症状(発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等)が現れることがあるため、投与を中止する場合には徐々に減量する必要がある。3:不適切である\n突発性難聴に治療にプレドニゾロンを用いる場合には、最初、投与量を多く設定し、徐々に投与量を減らしていく。よって、本患者には、処方1(1〜3日目)\\rightarrow 処方2(4〜6日目)\\rightarrow 処方3(7〜9日目)の順で服用するように説明する必要がある。4:適切である\nメコバラミン錠は、光によって分解するため、光を避けて保存する必要がある。5:適切であるテプレノンは、プロスタグランジンE_{2}、I_{2}の産生を促進し、胃粘膜血流を改善することにより胃粘膜保護作用を示す。"} +{"problem_id": "101213", "problem_text": "プレドニゾロンの確認試験に赤外吸収スペクトルが利用できる。以下の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["吸収帯Aはヒドロキシ基に由来する。", "吸収帯BはC-O単結合に由来する。", "吸収帯Cはカルボニル基に由来する。", "吸収帯DはC-H結合に由来する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正吸収帯A(3600〜3200 cm^{-1}付近)は、プレドニゾロンのヒドロキシ基のO-H伸縮運動に由来する。2:誤吸収帯B(3000〜2800 cm^{-1}付近)は、アルカンのC-Hの伸縮運動に由来する。3:正吸収帯C(1710 cm^{-1}付近)は、プレドニゾロンの20位に存在するカルボニル基の伸縮運動に由来する。4:誤吸収帯D(1660 cm^{-1}付近)は、プレドニゾロンの3位に存在する\\alpha , \\beta 不飽和ケトンのカルボニル基の伸縮運動に由来する。"} +{"problem_id": "101214", "problem_text": "35歳女性。体重45 kg。昨夜より40^{\\circ} Cの発熱が続いたため、医療機関を受診した。発汗はなく、全身の関節がひどく痛かった。下記の生薬を含む漢方エキス細粒が処方された。なお、処方量は常用量である。この漢方処方について、薬剤師が留意すべき点として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["浮腫が出現することがある。", "動悸を起こすことがある。", "発汗を促すため、水分補給が必要である。", "高カリウム血症を起こすことがある。", "甲状腺機能亢進症の患者には、慎重に投与する必要がある。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "配合生薬より、本患者に処方された漢方薬は「麻黄湯」である。麻黄湯が処方されている場合は、カンゾウ(有効成分: グリチルリチン酸)、マオウ(有効成分: エフェドリン)の副作用について注意する必要がある。・カンゾウ(有効成分: グリチルリチン酸)の副作用\n偽アルドステロン症(高血圧、低カリウム血症)、ミオパシー:など\n・マオウ(有効成分: エフェドリン)の副作用\n不眠、発汗過多、頻脈、動悸:など\nまた、マオウについては、副作用として動悸、頻脈が現れることがあるため、循環器系に障害のある患者又は甲状腺機能亢進症の患者には慎重に投与する必要がある。"} +{"problem_id": "101215", "problem_text": "この処方に含まれるそれぞれの生薬の主成分A〜Dに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["化合物Aは、芳香をもつ精油成分であり、化合物名は2-phenyl-1-propenalである。", "化合物Bは、ステロイド代謝酵素を活性化し低カリウム血症を起こす。", "化合物Cは、4種の立体異性体のうち、最も強い交感神経興奮作用を示す。", "化合物Dは、加水分解を受けるとグルコース2分子、ベンズアルデヒド及び青酸を生じる。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n化合物Aは、ケイヒの精油成分であり、化合物名は、(2E)-3-phenyl-2-propenalである。2:誤\n化合物Bは、カンゾウの主成分であるグリチルリチン酸の構造である。グリチルリチン酸は、腸内細菌により活性体であるグリチルレチン酸に変換され、コルチゾールを代謝する酵素である11\\beta -水酸化ステロイド脱水酵素を競合的に阻害することによりコルチゾールの作用を増強させる。それにより、偽アルドステロン症が誘発され、低カリウム血症を起こすことがある。3:正\n化合物Cは、マオウの主成分であるl-エフェドリンの構造である。エフェドリンには2つの不斉炭素が存在することから、4種の立体異性体が存在する。その中でもl-エフェドリンはアドレナリンと類似構造を有するため、最も強い交感神経興奮作用を示す。4:正\n化合物Dは、キョウニンの主成分であるアミグダリンの構造である。アミグダリンは加水分解を受けるとグルコース2分子、ベンズアルデヒド及び青酸を生じる。"} +{"problem_id": "101216", "problem_text": "55歳女性。身長160 cm、体重70 kg。起床時右手が思うように動かなくなり、救急外来を受診した。CT検査にてアテローム血栓性脳梗塞と診断され、入院にて急性期治療を受けた。この患者の血液検査データは以下の通りである。また、医師は重篤な腎障害があると判断した。クレアチニンクリアランス20 mL/min、BUN 40 mg/dL、ALT 7.1 U/L、AST 12.5 U/L、\\gamma -GTP 10.0 U/L、血小板数20\\times 10^{4}/\\micro L 以下は、退院時の再発抑制のための薬物である。この患者への投与が適切でないのはどれか。1つ選べ。なお、退院直前の検査データは入院時と大きな変化はなかった。", "choices": ["シロスタゾール", "ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩", "チクロピジン塩酸塩", "低用量アスピリン", "クロピドグレル硫酸塩"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "アテローム血栓性脳梗塞の再発を予防には、抗血小板薬の投与が推奨されている。よって、本患者に対して直接トロンビン阻害薬であるダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩を投与することは不適切である。ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩は、非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の抑制に用いられるが、アテローム血栓性脳梗塞の再発を予防には用いられない。また、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩は、重度の腎障害患者に用いることができない。"} +{"problem_id": "101217", "problem_text": "脳梗塞の発症には血小板凝集反応が関与するものがある。この反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["トロンボキサンA_{2}は、血管内皮細胞から放出され、血小板凝集を抑制する。", "損傷した血管壁内から露出したコラーゲンは、血小板凝集を抑制する。", "活性化された���小板どうしは、フィブリノーゲンを介して結合する。", "プロスタグランジンI_{2}は、活性化された血小板から放出され、血小板凝集を促進する。", "ADP(アデノシン5'-二リン酸)は、活性化された血小板から放出され、血小板凝集を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nトロンボキサンA_{2}(TXA_{2})は、主に活性化された血小板から放出され、血小板凝集を促進する。また、TXA_{2}は、血管平滑筋のTXA_{2}受容体に結合することで、血管収縮作用を示す。"} +{"problem_id": "101218", "problem_text": "65歳女性。B細胞性非ホジキンリンパ腫と診断され、本日より外来にてR-CHOP療法施行のため来院した。診察後、以下の薬剤が処方された。【R-CHOP療法: CHOP療法(シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩、プレドニゾロン)にリツキシマブを加えたがん化学療法の1つ】 この薬物療法を初めて受ける患者への指導内容として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["人ごみへの外出は避け、外出から戻ったときは、うがいや手洗いをしてください。", "体がだるく感じたときには、プレドニゾロン錠の服用を中止できます。", "吐き気があるときは、食べられるものを少量ずつ食べるようにしてください。", "インフュージョンリアクションを回避するため、解熱剤と抗アレルギー薬が処方されています。", "本治療により脱毛が起こることがあります。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:適切である\n本療法施行時には、シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、プレドニゾロンによる免疫力低下が認められるため、人ごみへの外出は避け、外出から戻ったときは、うがいや手洗いをするように指導する。2:不適切である\nプレドニゾロンの投与を急に中止すると、離脱症状(発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等)が現れることがあるため、体がだるく感じても、自己判断でプレドニゾロン錠の服用を中止しないように指導する。3:適切である\n本療法施行時には、シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩による悪心・嘔吐・食欲不振が認められることがあるため、吐き気があるときは、食べられるものを少量ずつ食べるように指導する。4:適切である\n本療法に用いられるリツキシマブにより、インフュージョンリアクションが起こることがある。そのため、インフュージョンリアクションを回避することを目的として、解熱剤(イブプロフェン)と抗アレルギー薬(d-クロルフェニラミンマレイン酸塩)が処方されていることを説明する。5:適切である\n本療法による副作用として、脱毛が現れることがあるため、本療法施行中に脱毛が現れることがあることを説明する。"} +{"problem_id": "101219", "problem_text": "下図は免疫グロブリンG(IgG)の模式図である。R-CHOP療法に用いられるリツキシマブに該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "リツキシマブは、可変部がマウス由来、定常部がヒト由来の構造をもつキメラ型モノクローナル抗体である。よって、選択肢1の模式図がリツキシマブの構造である。なお、選択肢3はマウス抗体、選択肢4はヒト化抗体、選択肢5は完全ヒト型抗体であり、選択肢2に該当する抗体製剤は存在しない。"} +{"problem_id": "101220", "problem_text": "薬剤師は疾病予防にも関わるべきであり、ワクチンに関する知識を深める必要がある。薬剤師として知っておくべきワクチンに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["麻疹、風疹、水痘及びおたふくかぜのワクチン接種不適当者には妊婦が含まれる。", "B型肝炎ワクチンは抗体価を検査しながら複数回接種することがある。", "副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤を服用している患者では、生ワクチンの接種ができない場合がある。", "インフルエンザワクチンは、卵アレルギーの人に対しては注意して接種する。", "結核に対する抗体がない場合は、ツベルクリンを接種する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n麻疹、風疹、水痘及びおたふくかぜのワクチンは、生ワクチンであり妊婦に投与することはできない。2:正しい\nB型肝炎ワクチンは、通常、3回接種する。そ���後、HBs抗体検査を行い、抗体の上昇が認められない場合には、B型肝炎ワクチンの追加接種を行うことがある。3:正しい\n副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤を服用している患者は、免疫力が低下している状態になっているため、生ワクチンを接種すると、生ワクチンに含まれるウイルスが異常増殖し、それにより感染症を発症する可能性がある。4:正しい\nインフルエンザワクチンは、鶏卵を用いて調製されている。そのため、鶏卵アレルギーの人がインフルエンザワクチンを接種する場合は注意する必要がある。5:誤っている\nツベルクリンは結核菌の感染を診断するために用いられる抗体であり、結核菌の抗体産生を目的として接種するものではない。結核菌の抗体産生を目的として接種するワクチンは、BCGワクチンである。"} +{"problem_id": "101221", "problem_text": "予防接種に用いる抗原(ワクチン)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ウイルスに対する生ワクチンは、接種後の免疫応答能を高めるため、天然に存在するウイルスの毒性をより高めたものである。", "我が国におけるインフルエンザワクチンの主成分は、ウイルスから分離・精製したノイラミニダーゼを不活化したものである。", "ワクチンの中には、病原体構成成分の組換え体タンパク質を主成分とするものがある。", "トキソイドは、病原体が産生する毒素を、免疫原性を残したまま無毒化したものである。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n生ワクチンとは、ウイルスや細菌の感染力を残したまま弱毒化したものであり、接種することにより免疫力を獲得することができるワクチンのことである。"} +{"problem_id": "101222", "problem_text": "フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病と診断を受けた患者が、イマチニブメシル酸塩錠の服用を始めたが、効果が不十分であった。そのため、他の薬剤に切り換えることとなった。切り換えの薬物として推奨されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ゲフィチニブ", "ソラフェニブトシル酸塩", "ダサチニブ水和物", "クリゾチニブ", "エルロチニブ塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病と診断を受け、イマチニブメシル酸塩錠の服用を始めたが、効果が不十分であった。この症例において、切り替え薬物として用いられるものにダサチニブ水和物がある。ダサチニブ水和物は、BCR—ABLチロシンキナーゼ阻害薬であり、イマチニブ抵抗性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病に用いられる。"} +{"problem_id": "101223", "problem_text": "フィラデルフィア染色体が形成される変異の分類として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["置換", "欠失", "逆位", "挿入", "転座"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "フィラデルフィア染色体は、9番の染色体と22番の染色体の相互転座により生じる。・置換:\nDNAのヌクレオチドが別のヌクレオチドに入れ替わることにより起こる遺伝子異常\n・欠失:\n染色体やDNAの一部が失われることにより起こる遺伝子異常\n・逆位:\n同一の染色体が2箇所で切断され、逆転し再結合することにより起こる遺伝子異常\n・挿入:\nあるDNA配列に他のDNA配列の一部が組み込まれることにより起こる遺伝子異常\n・転座:\n染色体の一部が同一又は他の染色体に位置を変えることにより起こる遺伝子異常"} +{"problem_id": "101224", "problem_text": "65歳女性。以下の処方箋をもって保険薬局を訪れた。この患者に対する薬剤師の指導として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["よく噛めば、水なしで服用しても構いません。", "症状を悪化させないために、毎日無理のない軽い運動を心がけてください。", "日常生活において、乳製品や緑黄色野菜をとるように心がけてください。", "起床時に飲み忘れたら、就寝時に服用してください。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n本剤が口腔内、咽頭部に残ると副作用の原因となることがあるため、噛んだり口腔内で溶かしたりせず、コップ1杯の水(約180 mL)で服用する必要がある。2:正\nアレンドロン酸経口ゼリーが処方されていることから、本患者は骨粗しょう症であると考えられる。骨粗しょう症の症状を悪化させないために、毎日無理のない軽い運動を行うことや乳製品や緑黄色野菜を摂取することは効果的である。3:正\n解説2参照\n4:誤\n本剤を飲み忘れた場合は、その日のうちに服用せず、翌朝に起床時に服用し、次回からは決められた曜日の起床時に服用する。"} +{"problem_id": "101225", "problem_text": "骨代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["骨芽細胞は、コラーゲンを細胞外へ分泌する。", "骨細胞は未分化細胞であり、増殖能を有する。", "破骨細胞は、アルカリ性ホスファターゼを細胞外へ分泌する。", "副甲状腺(上皮小体)ホルモンは、破骨細胞の働きを減弱させる。", "1\\alpha ,25-ジヒドロキシビタミンD_{3}(活性型ビタミンD_{3})は、小腸からのCa^{2+}の吸収を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n骨芽細胞は、コラーゲンやオステオカルシンなどの有機物及びリン酸カルシウムなどの無機物を細胞外へ分泌する。2:誤\n骨細胞は、骨芽細胞から分化した成熟細胞であり、増殖能を有しない。3:誤\n破骨細胞は、酸性ホスファターゼ、加水分解酵素などを細胞外に分泌する。4:誤\n副甲状腺(上皮小体)ホルモンは、副甲状腺から分泌され、破骨細胞の働きを増強させ骨吸収を促進する。5:正活性型ビタミンD_{3}は、カルシウム結合タンパク質の生合成を促進することにより小腸からのCa^{2+}の吸収を促進する。"} +{"problem_id": "101226", "problem_text": "65歳女性。食道がんを切除後、経口による栄養補給が不可能となったため、高カロリー輸液(Total Parenteral Nutrition)療法が適用となった。2週間投与したところで、患者が病棟薬剤師に口内炎による痛みを訴えた。薬剤師は、ビタミンの補充が必要と判断した。このとき、補充を提案すべきビタミンとして適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ビタミンA", "ビタミンB_{2}", "ビタミンD", "ビタミンE", "葉酸"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "TPN療法では、腸管より栄養素を供給しないため、腸内細菌が必要とする栄養素が腸管に届かず腸内細菌叢のバランスが崩れることがある。それにより、腸内細菌が産生するビタミンが体内で不足し、様々な症状が現れることがある。本設問では、患者が口内炎を訴えていることから、ビタミンB_{2}及び葉酸が体内で不足していると考えられる。"} +{"problem_id": "101227", "problem_text": "栄養素の補給に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["高カロリー輸液に含まれるビタミンB_{12}が機能を発現するには、胃の内因子が必要である。", "高カロリー輸液にビタミンB_{1}を過剰に添加すると、ウェルニッケ脳症を引き起こす。", "亜鉛の補給は、褥瘡の防止・早期修復に効果を示す。", "高カロリー輸液にセレンを添加しないと、心機能異常を起こすことがある。", "肝機能が著しく低下した患者の高カロリー輸液には、グルタミンを多く添加する必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n胃の内因子は、腸管からのビタミンB_{12}を吸収するために必要なものである。高カロリー輸液では、ビタミンB_{12}は直接血液中に投与されているため、胃の内因子がなくても機能を発現することが可能である。"} +{"problem_id": "101228", "problem_text": "56歳女性。パーキンソン病及び慢性胃炎で治療中のため、保険薬局に処方箋を持参した。処方1を継続服用していたが、振戦が改善されないため、本日より処方2が追加された。薬剤師は服薬指導の際に、患者にチーズを食べすぎないように指導した。この患者にとって、チーズの成分の中で問題となるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["トランス脂肪酸", "デヒドロ酢酸ナトリウム", "チラミン", "ナイシン", "ラクトース"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本日追加されたセレギリン塩酸塩は、モノアミンオキシダーゼB(MAO_{B})阻害作用を有するため、チーズに含まれるチラミンの分解を抑制する。チラミンは、交感神経刺激作用を有していることから、チラミンが体内に蓄積すると高血圧、頭痛、吐き気などの症状を呈する。"} +{"problem_id": "101229", "problem_text": "チーズの中の成分が問題となる理由として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["この食品成分が、胃に障害を与え胃炎を悪化させる。", "この食品成分が、処方された薬物��代謝酵素を阻害する。", "この食品成分が、処方された薬物の代謝酵素の発現を誘導する。", "この食品成分が、処方された薬物の消化管からの吸収を阻害する。", "処方された薬物が、この食品成分を代謝する酵素を阻害する。", "処方された薬物が、この食品成分を代謝する酵素の発現を誘導する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "問228解説参照"} +{"problem_id": "101230", "problem_text": "少年スポーツクラブの懇親会のバーベキューで、大人3名、子供10名が鶏肉を焼いて食べた。その3日後に、この懇親会に参加した者のうち、子供4名が発熱及び下痢を伴う腹痛を発症した。患児の全員が近医を受診し、点滴静注などの治療を受けた。その後、この食中毒の原因はカンピロバクターと同定された。カンピロバクターによる食中毒に罹患した患児の保護者に対する、薬剤師による衛生管理を含めた指導及び助言として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["下痢が続いている間は、糖分や電解質を含むスポーツ飲料の摂取は控える。", "下痢が続いても、下痢止めは使用しない。", "鶏肉の内部は汚染されていないので表面を軽くあぶってから、子供に食べさせる。", "鶏肉を取扱った手を洗ってから、他の食品を取扱う。", "鶏肉を生食する際には一度冷凍し、カンピロバクターを死滅させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n下痢が続いている間は、脱水症状になる可能性があるため、糖分や電解質を含むスポーツ飲料などを適度に摂取する必要がある。2:正\n下痢止めを使用すると、腸内のカンピロバクターの排出が抑制されるため、下痢が続いても下痢止めは使用しない。3:誤\n鶏肉の内部にも菌は存在するため、鶏肉の調理過程で内部まで十分加熱する必要がある。4:正\nカンピロバクターによる二次汚染を防止するため、鶏肉を取扱った手を洗ってから、他の食品を取扱うようにする必要がある。5:誤\n冷凍してもカンピロバクターを完全に死滅させることはできない。"} +{"problem_id": "101231", "problem_text": "カンピロバクターによる食中毒に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カンピロバクターは鳥類等の腸管に常在し、鶏肉を汚染しやすい。", "野生生物により汚染された環境水を飲むことにより発症することがある。", "牛レバーの生食により発症することがある。", "カンピロバクターは乾燥に弱いため、殻の表面が乾燥している鶏卵の生食による発症のリスクは低い。", "再興感染症の1つに位置づけられている。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nカンピロバクターはトリの腸管に常在しており、鶏肉を汚染しやすい。2:正しい\n野生生物により汚染された環境水を消毒せずに飲むことにより、カンピロバクターによる食中毒を発症することがある。3:正しい\n牛レバーによる生食が原因となったカンピロバクターによる食中毒事例が報告されている。4:正しい\nカンピロバクターは乾燥に弱いため、表面が乾燥した鶏卵の生食による発症のリスクは低い。5:誤っている\nカンピロバクターは再興感染症ではない。なお、再興感染症とは、「既知の感染症で、既に公衆衛生上の問題とならない程度までに患者が減少していた感染症のうち、近年再び流行し、患者数が増加したもの」と定義されている。"} +{"problem_id": "101232", "problem_text": "特定健康診査を受けた本人に、実施機関から健診結果及びこれに応じた生活習慣の改善に関する情報が届いた。特定健康診査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["内臓脂肪型肥満に着目した健康診査である。", "特定健康診査の対象者は、後期高齢者である。", "特定健康診査を受けるのは個人に課せられた義務であり、健康保険組合等の医療保険者は干渉しない。", "特定健康診査の結果から、生活習慣病の発症リスクが高い人に対して生活習慣を見直すサポートが実施される。", "特定健康診査に関わる個人情報は、個人情報保護法の対象にならない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n特定健康診査は、内臓脂肪型肥満に着目した健診であり、身体計測、血圧測定、血液検査等を行うことにより生活習慣病の発症のリスクが高い人を抽出し、その人に対して専門的知識を��する者(医師、保健師、管理栄養士など)から保健指導を受けてもらうことを目的として行われる。2:誤\n特定健康診査の対象者は、40〜74歳の医療保険加入者である。3:誤\n各医療保険の保険者が医療保険加入者に対して実施を義務づけており、個人に受診を義務づけたものではない。4:正\n解説1参照\n5:誤\n特定健康診査に関わる個人情報は、個人情報保護法の対象となり、医療保険者は個人情報保護法に従い健診・保健指導の結果データを厳重に管理することが義務づけられている。"} +{"problem_id": "101233", "problem_text": "特定健康診査におけるメタボリックシンドロームの診断基準となっている検査項目はどれか。2つ選べ。", "choices": ["血圧", "空腹時血糖値", "尿酸値", "血清クレアチニン値", "\\gamma -GTP値"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "特定健康診査におけるメタボリックシンドロームの診断基準となっている検査項目は腹囲、血圧、血糖、脂質である。<測定項目の基準値>\n腹囲: 男性85 cm以上、女性90 cm以上\n高血圧: 収縮期血圧: 130 mmHg:以上:かつ/または:収縮期血圧: 85 mmHg以上\n高血糖: 空腹時血糖: 100 mg/dL:以上\n脂質代謝異常: 血清トリグリセリド: 150 mg/dL以上:かつ/または:HDL: 40 mg/dL未満\n腹囲が基準値以上で、高血圧、高血糖、脂質代謝異常の3つの項目のうち2項目以上該当する者をメタボリックシンドロームが強く疑われる者とし、1項目該当する者をメタボリックシンドローム予備軍と考えられるものとしている。"} +{"problem_id": "101234", "problem_text": "34歳女性。検診で乳がんの疑いを指摘された。血縁者の多くが乳がんを発症していたため、乳がんの遺伝子検査及び組織診断を受けた。その結果、HER2陽性乳がんと診断された。骨転移があるため、ドセタキセル/カルボプラチン/トラスツズマブの併用療法のレジメンに従い、薬物治療が始まった。遺伝性乳がんの発症に関わる遺伝子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["APC", "BRCA1", "NF1", "p53", "RB", "VHL"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "遺伝性乳がんの発症に関わる遺伝子は、BRCA(brest cancer susceptibility gene)1である。BRCA1はがん抑制遺伝子であり、その変異及び組換えが生じることによりDNA修復タンパク質の産生が低下し、乳がんや卵巣がんを引き起す。"} +{"problem_id": "101235", "problem_text": "ドセタキセル/カルボプラチン/トラスツズマブの併用療法について、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["トラスツズマブ投与前及び投与期間中に適宜心機能検査をする。", "トラスツズマブはアナフィラキシー様症状に注意して投与する。", "トラスツズマブの代表的な副作用に骨髄抑制がある。", "カルボプラチンの投与期間中は血清電解質濃度及び腎機能検査を行う。", "カルボプラチンはアナフィラキシー様症状に注意して投与する。", "カルボプラチンの代表的な副作用に骨髄抑制がある。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nトラスツズマブの投与により心不全等の重篤な心障害が現れ、死亡に至った例が報告されている。そのため、本剤投与開始前には患者の心機能を確認する必要がある。2:正しい\nトラスツズマブ投与中又は投与開始後24時間以内に多く現れるinfusion\nreactionのうち、アナフィラキシー様症状、肺障害等の重篤な副作用が発現し死亡に至った例が報告されている。そのため、アナフィラキシー様症状等が現れないか患者の状態を十分に観察しながら本剤を投与する必要がある。3:誤っている\nトラスツズマブは重大な副作用として、心障害、アナフィラキシー様症状、間質性肺炎を起こすことはあるが、骨髄抑制を起こすとの報告はされていない。4:正しい\nカルボプラチンは重大な副作用として、汎血球減少症等の骨髄抑制や急性腎不全、肝不全などを起こすことがある。そのため、カルボプラチン投与期間中は血清電解質濃度及び肝機能検査や腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察する必要がある。5:正しい\nカルボプラチン投与により、アナフィラキシーを起こすことがある。そのため、アナフィラキシー様症状等が現れないか患者の状態を十分に観察しながら本剤を投与する必要がある。6:正しい\n解説4参照"} +{"problem_id": "101236", "problem_text": "77歳男性。3月中旬のある日、昼食の時間になり、家族が男性��探したところ、男性は農機具等が置いてある小屋でうずくまっていた。顔面は蒼白であり、声をかけてもうなずくだけで言葉が出なかった。また、足下に嘔吐物があった。支えても歩くことができなかったため、救急車で病院に搬送した。家族の話から、この男性は朝10時頃から小屋で畑仕事の準備をしていたという。診察した医師は、化学物質による中毒を疑い、検査を依頼した。病院で行うべき処置として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["胃を洗浄する。", "活性炭を投与する。", "制吐剤を投与する。", "輸液を投与する。", "利尿剤を投与する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "化学物質による中毒を起こしている状態に制吐剤を用いると、中毒物質が体内に残留してしまうため、制吐剤を投与することは適切な処置とはいえない。胃を洗浄すること、活性炭を投与することで胃や消化管に残っている中毒原因物質の吸収を減少させることが可能であり、また、輸液の投与、利尿剤の投与により尿量を増加させ中毒原因物質の排泄を促進させることができる。"} +{"problem_id": "101237", "problem_text": "この男性の血液を検査したところ、コリンエステラーゼ活性が著しく低下していた。中毒の原因と考えられる化学物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["クロルピクリン", "グルホシネート", "パラコート", "メソミル", "硫酸タリウム"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "問題文に「コリンエステラーゼ活性が著しく低下していた」と記載されていることから、選択肢のうち、中毒の原因となった化学物質は、コリンエステラーゼ阻害作用を有するメソミルであると考えられる。メソミルは、カルバメート系農薬であり、可逆的にコリンエステラーゼを阻害することにより毒性を示す。1:誤\nクロルピクリンは、主に土壌のくん蒸剤として用いられる。クロルピクリンは、酵素のSH基と結合し、酵素を不活性化することにより毒性を示す。2:誤\nグルホシネートは、含リンアミノ酸系農薬であり、主に除草剤として用いられる。グルホシネートは、グルタミンの生合成を阻害し、体内にアンモニアを蓄積させることにより毒性を示す。3:誤\nパラコートはビピリジニウム農薬であり、主に除草剤として用いられる。パラコートは、体内に吸収され、血中から肺に取り込まれた後、パラコートラジカルとなり、肺障害を引き起す。4:正\n5:誤硫酸タリウムは、主に殺鼠剤として用いられる。硫酸タリウムは細胞内にK^{+}の流入を抑制することにより毒性を示す。"} +{"problem_id": "101238", "problem_text": "薬物乱用が社会的な問題となっているため、中学校より学校薬剤師に薬物乱用防止講座を実施してほしいとの要請があった。この講座の中で、中学生に伝える内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方された医薬品であれば、どのような目的で使用しても薬物乱用とはいわない。", "危険ドラッグを1回使用しただけでも薬物乱用という。", "大麻を所持しているだけで、使用していない場合は処罰の対象とはならない。", "シンナーや覚せい剤を使い続けて病的な状態になると、ストレスを感じただけで幻覚が生じることがある。", "薬物乱用によって意欲が減退することはあるが、暴力的になることはない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n薬物乱用とは、医薬品を医療目的以外で使用したり、医療目的でない薬物を不正に使用することである。よって、処方された医薬品を医療目的に使用しなかった場合については薬物乱用に該当する。2:正\n使用回数に関わらず、医療目的でない薬物を不正に使用した場合は薬物乱用に該当する。3:誤\n大麻取締法において、大麻取扱者(大麻栽培者及び大麻研究者)以外の者は大麻を所持してはならないとされている。4:正\nシンナーや覚せい剤を使い続けて病的な状態になると、脳の機能に異常をきたしストレスを感じただけでも薬物を乱用したときと同様の幻覚や妄想が現れることがある。5:誤\n薬物乱用によって意欲が減退したり、暴力的になることがある。"} +{"problem_id": "101239", "problem_text": "最近5年間(平成22年以降)の我が国における覚せい剤事犯の検挙状況に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["覚せい剤事犯の検挙人員は、薬物(覚せい剤、大麻、麻薬及び向精神薬、あへん)事犯別検挙人員のうち最も多くを占める。", "覚せい剤事犯の検挙人員全体のうち、約半数を占めているのは30歳未満である。", "覚せい剤事犯の検挙人員全体に占める50歳以上の割合は、増加している。", "覚せい剤事犯の検挙人員全体に占める初犯者の割合は、約80%である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n最近5年間(平成22年以降)において、覚せい剤事犯の検挙人員は約57,000人であり、薬物(覚せい剤、大麻、麻薬及び向精神薬、あへん)事犯別検挙人員のうち最も多くを占める。なお、他の薬物の検挙人数は「大麻:\n約8,800人、麻薬及び向精神薬:\n約1700人、あへん:\n約70人」である。2:誤\n最近5年間(平成22年以降)において、覚せい剤事犯の検挙人数全体のうち、30歳未満の検挙人数の割合は約20%である。3:正\n最近5年間(平成22年以降)において、覚せい剤事犯の検挙人員全体に占める50歳以上の割合は、増加傾向にある。4:誤\n最近5年間(平成22年以降)において、覚せい剤事犯の検挙人員全体に占める初犯者の割合は約40%であり、再犯者の割合は約60%である。"} +{"problem_id": "101240", "problem_text": "36歳男性。CD20陽性の再発低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫のため、イットリウム(^{90}Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)を投与することになり、注射液の調製が依頼された。イットリウム(^{90}Y)イブリツモマブ:チウキセタン(遺伝子組換え)注射液はイブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)にイットリウム(^{90}Y)を結合させて調製する。調製について誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["製品名と規格、検定日、使用量、使用日、患者名、調製者名等を記載した記録簿を作成し保管する。", "調製は、微生物の汚染を防ぐためにクリーンベンチ内で行う。", "飛散防止のためにバイアル内は陰圧に保つ。", "放射性医薬品が分注されたシリンジには、医薬品の名称、量及び患者氏名を記入したシールを貼付する。", "調製時に発生した放射性廃棄物は、専用のドラム缶に封入し保管廃棄する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n放射性医薬品使用記録簿には、製品名と規格、検定日、使用量、使用日、患者名、調製者名等が記載され、その保管期間は、5年以上と定められている。2:誤っている\n本剤の調製は、調製者の被曝を避け、無菌操作で行う必要がある。よって、本剤の調製は安全キャビネット内で行う必要がある。3:正しい\n本剤調製時、バイアル内が陽圧状態にあると、針を抜き取る際、内容物が噴出して放射性物質による汚染や被曝が起こるおそれがある。よって、本剤調製時は、バイアル内を陰圧に保つ必要がある。4:正しい\n放射性医薬品が分注されたシリンジには、医薬品の名称・量及び患者氏名を記入したシールを貼付し、その後、被曝を防止するため、放射性医薬品専用の保管ボックスに封入し保管する。5:正しい\n調製時に発生した放射性廃棄物については、専用の容器に封入し保管廃棄する。"} +{"problem_id": "101241", "problem_text": "^{90}Yに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["主に\\beta 線を放出する。", "半減期は約1週間である。", "^{90}Srとの間に放射平衡が成り立つ。", "神経組織に特異的効果を示す。", "光電効果やコンプトン散乱を引き起こす。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正^{90}Yは、主に\\beta\n^{-}線を放出する。2:誤^{90}Yの半減期は、64.1時間である。3:正^{90}Srは放射壊変により、放射性核種^{90}Yを経て、^{90}Zrの安定核種になる。^{90}Srの半減期は、^{90}Yの半減期に比べ十分長いため、^{90}Srと^{90}Yの間には、永続平衡が成立する。4:誤^{90}Yは、神経組織に対して集積性を示さないため、神経組織に特異的効果を示さない。5:誤^{90}Yから放出される\\beta\n^{-}線は、弾性散乱、制動放射などを引き起す。なお、光電効果やコンプトン散乱を引き起すのは、\\gamma\n線である。"} +{"problem_id": "101242", "problem_text": "学校薬剤師が、小学校の屋外にあるプールの水質検査を、プールの対角線上の3点の水面下20 cmのA、B、Cで実施した。結果は下表の通りであった。学校薬剤師が行う説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プール水の遊離残留塩素が基準を満たしていないと指摘した。", "プール水のpHが基準を満たしていないと指摘した。", "遊離残留塩素の基準を満たすことはプール熱の発生予防や、クリプトスポリジウムの増殖予防に有効であると説明した。", "晴天時、紫外線の強いときは遊離残留塩素の消費が高まると説明した。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n学校保健安全法における学校環境衛生基準において、水泳プールの遊離残留塩素は、0.4 mg/dLであることが規定されている(1.0 mg/dL以下が望ましい)。よって、A、B、Cいずれのプール水も遊離残留塩素の基準を満たしていない。2:誤\n学校保健安全法における学校環境衛生基準において、水泳プールのpHは5.8以上8.6以下と規定されている。よって、A、B、Cいずれのプール水もpHの基準を満たしている。3:誤\n遊離残留塩素によってプール熱の原因ウイルス(アデノウイルス)を死滅させることができるため、残留塩素の基準を満たすことはプール熱の発生予防に有効である。一方、遊離残留塩素によってクリプトスポリジウムを死滅させることはできないため、残留塩素の基準を満たすことはクリプトスポリジウムの増殖予防には有効でない。4:正\n遊離残留塩素である次亜塩素酸は、紫外線により光分解を受け塩素と酸素に分解されるため、晴天時、紫外線の強いときは遊離残留塩素の消費が高まる。"} +{"problem_id": "101243", "problem_text": "プール水の検査項目でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["塩化物イオン", "大腸菌", "一般細菌", "過マンガン酸カリウム消費量", "総トリハロメタン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "選択肢のうち、プール水の検査項目でないのは、塩化物イオンである。水泳プールに係る学校環境衛生基準(学校保健安全法)を以下に示す。"} +{"problem_id": "101244", "problem_text": "58歳男性。糖尿病のため、食事療法及び運動療法に加え、経口糖尿病治療薬による治療を受けていた。効果不十分のため、ペン型インスリン製剤を用いることになった。インスリン製剤の選択に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["超速効型及び速効型インスリン製剤は、インスリンの追加分泌を補うのに用いる。", "持効型及び中間型インスリン製剤は、インスリンの基礎分泌を補うのに用いる。", "スルホニル尿素系薬を併用する場合、速効型インスリン製剤を用いる。", "混合型インスリン製剤を毎食前1日3回投与すると、生理的なインスリン動態に近づけることができる。", "速効型インスリン製剤を毎食前1日3回投与し続けると、再び経口糖尿病薬に反応するようになることが期待できる。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "インスリンの分泌には食事等に関係なく常に一定のインスリンが分泌される基礎分泌と食事により血糖値が上昇することで多くのインスリンが分泌される追加分泌がある。インスリン製剤には様々な種類のものがあり、それぞれ持続時間及び役割が異なる。1:正しい\n2:正しい\n3:誤っている\nスルホニルウレアなどの経口糖尿病薬を継続しながらインスリンを併用するBOT(basal supported oral therapy)では、持続型インスリン製剤が1日1回用いられる。4:正しい\n混合型インスリン製剤には超速効型又は速効型インスリンと中間型インスリン又は持効性インスリンを混合したものがあり、基礎分泌および追加分泌を補充することができるため、混合型インスリン製剤を毎食前(毎食直前)1日3回投与すると、生理的なインスリン動態に近づけることができる。5:正しい\n速効型インスリン製剤を毎食前1日3回投与し続けることにより、膵ランゲルハンス\\beta 細胞を休息させることができるため、インスリン分泌能が回復し再び経口糖尿病薬に反応するようになることがある。"} +{"problem_id": "101245", "problem_text": "医療機関に返却された針の廃棄方法で正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["回収した使用済み針の処理責任は、市町村が負う。", "使用済み針と未使用の針は、廃棄前に必ず分別しなければならない。", "使用済み針は、特別管理一般廃棄物として扱う。", "使用済み針は、回収後滅菌しても感染性廃棄物と同様の扱いをする。", "未使用の針は、感染性廃棄物と同様の扱いを��る。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n回収した使用済みの針は、医療産業廃棄物に該当するため、その処理責任は排出事業者が負う。2:誤\n使用済み針は感染性廃棄物として取扱い、未使用の針は感染性廃棄物と同様の取扱いをする。よって、使用済み針と未使用の針は必ず分別しなくてもよい。3:誤\n使用済み針は、感染性を有する産業廃棄物であるため、特別管理産業廃棄物として扱う。4:正\n医療廃棄物のうち、感染性のない鋭利なものについては、感染性廃棄物と同様の取扱いをする。よって、滅菌後の使用済み針及び未使用の針は、感染性廃棄物と同様の扱いをする。5:正\n解説4参照"} +{"problem_id": "101246", "problem_text": "70歳女性。以前より消化器内科にて 【:薬剤1:】 による薬物治療を受けている。最近、別の医院を受診し、パーキンソン病と診断され、レボドパにて薬物治療を行うこととなった。レボドパを標準維持量まで増量したが、症状の改善が見られず、薬物相互作用が疑われた。【:薬剤1:】 は、脳内でレボドパの効果に影響した可能性がある。【 :薬剤1:】 はどれか。1つ選べ。", "choices": ["プロパンテリン臭化物", "ラベプラゾールナトリウム", "スクラルファート", "スルピリド", "テプレノン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "レボドパは中枢内でドパミンに変換され、ドパミンD_{2}受容体を刺激することによりパーキンソン病を改善する。本症例では、レボドパを標準維持量まで増量したが症状の改善が認められないことから薬剤1によりレボドパの作用が減弱していると考えられる。選択肢のうち、レボドパの作用を減弱させる薬剤は、ドパミンD_{2}受容体遮断作用を有するスルピリドである。"} +{"problem_id": "101247", "problem_text": "薬物相互作用を回避するため、【:薬剤1:】 を中止したところ、幻覚症状が発現した。その機序として最も可能性の高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ドパミン受容体に対する刺激と遮断のバランスがくずれ、刺激優位となった。", "ドパミン受容体に対する刺激と遮断のバランスがくずれ、遮断優位となった。", "アセチルコリン受容体に対する刺激と遮断のバランスがくずれ、刺激優位となった。", "アセチルコリン受容体に対する刺激と遮断のバランスがくずれ、遮断優位となった。", "薬剤1 を中止することで脳内ドパミン濃度が増加した", "薬剤1 を中止することで脳内アセチルコリン濃度が増加した。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "ドパミンD_{2}受容体遮断作用を示すスルピリドの投与を中止することで、ドパミン受容体に対する刺激と遮断のバランスがくずれ、刺激優位となり、幻覚症状が発現したと考えられる。"} +{"problem_id": "101248", "problem_text": "55歳男性。前立腺肥大に伴う排尿障害に対して単剤で薬物治療中だったが、時々、急に抑えられないような強い尿意を感じるとの訴えがあったため、新たな薬剤が追加されて、次のような処方となった。この処方に関して患者に確認する内容として重要度が高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["咳がひどく出ることはありませんか。", "食欲不振になっていませんか。", "味(甘、塩、酸、苦)を感じにくいことはありませんか。", "めまいや立ちくらみを感じることはありませんか。", "排尿した後に尿が残った感じはありませんか。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "シロドシンはアドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断作用を有しているため、シロドシンを服用することによりめまいや立ちくらみなどの起立性低血圧症状が現れることがある。また、プロピベリンはアセチルコリンM_{3}受容体遮断作用及び膀胱排尿筋直接弛緩作用を有するため、プロピベリンを服用することにより前立腺肥大症では排尿困難がさらに悪化し、残尿感が現れることがある。"} +{"problem_id": "101249", "problem_text": "この患者において新たに追加された処方薬の作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断による尿道内圧の低下", "アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激による外尿道括約筋の弛緩", "アドレナリン\\beta _{3}受容体刺激による膀胱排尿筋の収縮", "アセチルコリンM_{2}受容体刺激による内尿道括約筋の弛緩", "アセチルコリンM_{3}受容体遮断による膀胱排尿筋の弛緩"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本症例では、前立腺肥大に伴う排尿障害に対して、シロドシンで薬物治療中であったが、強い尿意を感じるとの訴えがあったため、その症状を改善するためにプロピベリンが新たに追加された。プロピベリンは、アセチルコリンM_{3}受容体遮断作用及びCa^{2+}チャネル遮断作用により膀胱平滑筋を弛緩させ、過活動膀胱における尿意切迫感などを改善する。"} +{"problem_id": "101250", "problem_text": "70歳男性。もともと歩行が困難であったが、最近、薬の飲み忘れが増え、通院も困難になってきた。医師の指示に基づき、保険薬局の薬剤師が在宅訪問薬剤管理を行うこととなった。在宅訪問において薬剤師に求められている行為としてふさわしくないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["残薬を整理し、処方量の調整を医師に提案する。", "血圧などのバイタルサインをチェックし、医師に報告する。", "コンプライアンスの向上を目的とし、剤形変更を医師に提案する。", "家族から求めのあった口腔ケア用スポンジブラシを提供する。", "患者の一部負担金を減免する。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "薬剤師は患者の一部負担金を減免することはできないため、在宅訪問によって患者の一部負担金を減免することは薬剤師には求められていない。在宅訪問において薬剤師に求められていることを以下に示す。・患者の服用状況を確認し、残薬を管理すること\n・バイタルサインの確認(フィジカルアセスメント)を行うことにより、薬剤の薬効や副作用の有無を確認すること\n・コンプライアンス向上のための剤形変更や一包化調剤について医師に提案すること\n・家族の求めに応じて口腔ケア用スポンジブラシ、服薬補助具などを提供すること:など"} +{"problem_id": "101251", "problem_text": "処方された薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アンギオテンシンII受容体を遮断する。", "セロトニン受容体を遮断する。", "アセチルコリン受容体を遮断する。", "グルタミン酸受容体を遮断する。", "アドレナリン受容体を遮断する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "処方されている薬物の作用機序を以下に示す。・ドネペジル塩酸塩\n中枢性コリンエステラーゼ阻害し、脳内アセチルコリン量を増加させることによりアルツハイマー型認知症に対して効果を示す。・バルサルタン\nアンギオテンシンIIAT_{1}受容体を遮断し、アンギオテンシンIIによる血圧上昇作用を抑制する。・アスピリン(低用量)\n血小板内のシクロオキシゲナーゼCOXを阻害し、トロンボキサンA_{2}(TXA_{2})の産生を抑制することにより血小板凝集抑制作用を示す。・サルポグレラート塩酸塩\n血小板及び血管平滑筋の5-HT_{2}受容体を遮断することにより血小板凝集抑制作用及び血管収縮抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "101252", "problem_text": "45歳女性。卵巣がん。がん性疼痛に対して以下の薬剤を使用してきたが、疼痛が増強してきたので、追加処方を検討することにした。ロキソプロフェンNa錠に追加する薬剤として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["コデインリン酸塩散10%", "セレコキシブ錠", "モルヒネ硫酸塩水和物徐放錠", "メサドン塩酸塩錠"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "がん性疼痛の治療において、鎮痛薬については「WHO3段階除痛ラダー」に従って選択する。・第1段階(患者の痛みが軽い)\n非オピオイド鎮痛薬(NSAIDs: ロキソプロフェンNa、インドメタシンなど)、アセトアミノフェン\n・第2段階(第1段階で不十分)\n弱オピオイド鎮痛薬(コデイン、トラマドール:など)+NSAIDs\n・第3段階(第2段階で不十分)\n強オピオイド鎮痛薬(モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル:など)+NSAIDs\n本症例では、ロキソプロフェンNaを使用してきたが、痛みが増強していることから追加する薬剤としてコデインリン酸塩酸10%、モルヒネ硫酸塩水和物徐放錠が適切である。なお、メサドン塩酸塩錠については、他のオピオイド鎮痛薬では十分な鎮痛効果が得られない場合に用いられるため、本症例の段階でメサドン塩酸塩錠を追加投与することは不適切である。"} +{"problem_id": "101253", "problem_text": "前問で適切と考えた追加処方薬の薬理作用(副作用を含む)として、��しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["中脳や延髄に作用し、脊髄への下行性抑制系神経を抑制することで鎮痛作用を示す。", "プロスタグランジンの産生を抑制し、解熱作用を示す。", "肝臓の薬物代謝酵素によってモルヒネに変換されて鎮痛作用を示す。", "延髄の化学受容器引き金帯(CTZ)を抑制し、制吐作用を示す。", "消化管運動を抑制し、便秘を起こす。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nモルヒネ、コデイン、メサドンは、中脳や延髄に作用して下行性痛覚抑制系神経を活性化することにより鎮痛作用を示す。"} +{"problem_id": "101254", "problem_text": "30歳男性。気管支ぜん息の治療のため以下の薬剤が処方された。この処方薬で生じる可能性のある副作用として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アナフィラキシー", "肺炎", "口腔カンジダ症", "振戦", "血清カリウム濃度上昇"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n本剤の副作用として、アナフィラキシーが現れることがある。2:正しい\n慢性閉塞性肺疾患患者において、本剤との関連が否定できない肺炎が報告されている。3:正しい\nフルチカゾンプロピオン酸エステルは、免疫抑制作用を示すため、副作用として口腔カンジダ症を起こすことがある。4:正しい\nサルメテロールキシナホ酸塩は、骨格筋の\\beta _{2}受容体刺激作用を示すため、副作用として振戦を起こすことがある。5:誤っている\nサルメテロールキシナホ酸塩は、選択的に\\beta _{2}受容体を刺激し、カリウムの細胞内への取り込みを促進することにより、血清カリウム濃度の低下を起こすことがある。"} +{"problem_id": "101255", "problem_text": "上記の処方薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フルチカゾンは、細胞質のグルココルチコイド受容体に結合し、核内に移行する。", "フルチカゾンは、NF-\\kappa Bを活性化して、抗炎症作用を示す。", "サルメテロールは、気管支平滑筋のアドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激し、アデニル酸シクラーゼを活性化する。", "フルチカゾンは、血糖上昇作用を有するが、サルメテロールはその作用を減弱する。", "サルメテロールは、心機能抑制作用を有するが、フルチカゾンはその作用を減弱する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nフルチカゾンは、合成副腎皮質ステロイド性薬であり、細胞質のグルココルチコイド受容体に結合し、核内に移行することにより、抗炎症作用や免疫抑制作用などを示す。"} +{"problem_id": "101256", "problem_text": "73歳男性。入院中の患者。切除不能の胃がんに対して、S-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)/シスプラチン療法を開始し、その後、退院して外来化学療法で治療を継続することとなった。治療開始時又は退院時に薬剤師が患者に対して行う説明として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["S-1の服用においては、休薬期間が設けられています。", "治療効果を高めるために、水分の摂取量を制限してもらうことがあります。", "投与期間中には、重篤な副作用を回避するため、定期的に血液検査を行う必要があります。", "悪心・嘔吐、食欲不振等が起きることがあります。", "激しい下痢、腹痛が起きることがあります。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:適切\nS-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)は、通常、28日間連続で投与し、その後14日間休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。2:不適切\nシスプラチン投与中に水分摂取を控えると、シスプラチンが体内に蓄積し、腎障害が現れやすくなる。そのため、シスプラチン投与中は水分摂取量の制限をせず、尿量確保に注意する必要がある。3:適切\nS-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)による骨髄抑制、劇症肝炎等の重篤な副作用を回避するために、定期的に血液検査を行う必要がある。4:適切\nS-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)及びシスプラチンを投与することにより、悪心・嘔吐、食欲不振等の消化器障害が起こることがある。5:適切\nS-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)及びシスプラチンを投与することにより、腸管粘膜が障害されることによる激しい下痢及び腹痛が生じることがある。"} +{"problem_id": "101257", "problem_text": "この化学療法の副作用を軽減する薬物に関する記述として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アザセトロンは、化学受容器引き金帯(CTZ)と求心性迷走神経終末のセロトニン5-HT_{3}受容体を遮断し、急性の悪心・嘔吐を抑制する。", "タンニン酸アルブミンは、大腸のアウエルバッハ神経叢を刺激し、大腸のぜん動運動を促進する。", "アプレピタントは、ニューロキニンNK_{1}受容体を遮断し、遅発性の悪心・嘔吐を抑制する。", "D-マンニトールは、管腔内浸透圧上昇を介して近位尿細管のナトリウム再吸収を抑制し、尿量を増加させる。", "レノグラスチムは、顆粒球系幹細胞に作用し、好中球を増加させる。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しいアザセトロンは、延髄の化学受容器引き金帯(CTZ)と求心性迷走神経終末のセロトニン5-HT_{3}受容体及び腸管クロム親和性細胞上の5-HT_{3}受容体を遮断し、制吐作用を示す。2:誤っている\nタンニン酸アルブミンは、腸管内で分解され、タンニン酸を遊離する。タンニン酸は、粘膜組織のタンパク質と結合して不溶性被膜を形成することにより止瀉作用を示す。3:正しいアプレピタントは、ニューロキニンNK_{1}受容体を選択的に遮断し、遅発性の悪心・嘔吐を抑制する。アプレピタントは、5-HT_{3}受容体遮断薬、デキサメタゾンと併用することで、シスプラチンによる嘔吐を抑制することが可能である。4:正しい\nD-マンニトールは、糸球体でろ過され、その後尿細管からほとんど吸収されないため、管腔内浸透圧を上昇させる。それにより、近位尿細管のナトリウム再吸収を抑制され、尿量が増加する。5:正しい\nレノグラスチムは、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤であり、顆粒球系幹細胞に作用し、好中球を増加させる。"} +{"problem_id": "101258", "problem_text": "62歳女性。3年前に糖尿病と診断され、処方1及び処方2で治療中。最近、手足に痛みやしびれ感があるため処方3が追加となった。処方3の服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["痛みやしびれ感の改善があれば、薬をやめても構いません。", "アルコールは薬の作用に影響しますので、控えてください。", "ぼんやりしたり、めまい、意識消失などが起こることがあります。", "血液を固まりにくくし、血のめぐりを良くすることで痛みをやわらげます。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n本剤の急激な投与中止により、不眠、悪心、頭痛、下痢、不安及び多汗症等の症状が現れることがあるため、投与を中止する場合には、少なくとも1週間以上かけて徐々に減量する必要がある。よって、痛みやしびれ感が改善されても、指示された用法・用量をまもって服用するように説明する必要がある。2:正\n本剤服用中にアルコールを摂取すると、本剤とアルコールによる認知機能障害及び運動機能障害が相加的に現れることがある。よって、本剤服用中は、アルコールの摂取を控えるように説明する必要がある。3:正\n本剤服用によりめまい、傾眠、意識障害等が現れることがある。よって、本剤服用によりぼんやりしたり、めまい、意識消失が現れることを説明する必要がある。4:誤\n本剤には、血流を改善して、血のめぐりを良くすることにより痛みを和らげる作用はない。本剤は興奮性神経伝達物質の放出を抑制することにより神経障害性疼痛に対して効果を示す。よって、本剤は痛みのもととなる物質を抑えることで、神経が障害されていることによる痛み及びしびれを改善すると説明する必要がある。"} +{"problem_id": "101259", "problem_text": "処方1〜3の薬物の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アルドース還元酵素を阻害し、末梢神経障害を改善する。", "AMP依存性プロテインキナーゼを活性化し、肝臓での糖新生を抑制する。", "ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\alpha (PPAR\\alpha )を活性化し、インスリン抵抗性を改善する。", "オピオイド\\micro 受容体を刺激し、鎮静作用を示す", "ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害し、インクレチンの作用を増強する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nアルドース還元酵素を阻害し、グルコースからソルビ��ールの生成を抑制することによりソルビトールによる末梢神経障害を抑制する薬物は、エパルレスタットである。"} +{"problem_id": "101260", "problem_text": "70歳女性。1ヶ月前から四肢の筋力低下と、眠れないほどの四肢及び腰部の痛みがある。整形外科を受診し、以下の薬剤が処方された。上記の処方に関する服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["服用後、なるべく早く食事をとるように指導する。", "服用後、横になって安静にするように指導する。", "歯科を受診する場合に、服用中の薬剤について歯科医師に告知するように指導する。", "自動車の運転など、危険を伴う機械の操作に従事しないように指導する。", "腰痛が改善したら、直ちに服薬を中止するように指導する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nリセドロン酸Naと水以外の飲料や食物を同時に服用するとキレートを形成し、本剤の吸収が低下することがある。よって、本剤は起床後すぐに多めの水で服用し、服用後少なくとも30分間は水以外の飲食物の摂取を避けるように説明する必要がある。2:誤\nリセドロン酸Naは食道に留まることで食道潰瘍や食道炎を起こすことがあるため立位あるいは座位で服用し、服用後30分間は横にならないように説明する必要がある。3:正\nリセドロン酸Naなどのビスホスホネート製剤による治療を受けている患者において顎骨壊死、顎骨骨髄炎が現れることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。よって、歯科を受診する場合にリセドロン酸Na服用中であることを伝えるように説明する必要がある。4:正\nアルプラゾラムの服用により眠気や注意力・集中力の低下が起こることがあるため、自動車の運転など危険を伴う機械操作に従事しないように説明する必要がある。5:誤\n腰痛が改善しても骨量が正常に戻っているとは限らないため、腰痛が改善してもリセドロン酸Naやカルシトリオールカプセルをしっかり服用するように説明する必要がある。"} +{"problem_id": "101261", "problem_text": "リセドロン酸の作用機序として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["骨のエストロゲン受容体に結合し、骨芽細胞を増加させ骨形成を促進する。", "ヒドロキシアパタイトに結合したのち骨芽細胞に取り込まれ、アポトーシスを起こす。", "オステオカルシンのカルボキシ化を介し、前駆細胞から破骨細胞への分化を阻害する。", "メバロン酸代謝経路のファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害し、破骨細胞の機能を抑制する。", "カルシウムの腸管からの吸収を促進し、血中Ca^{2+}値を上昇させる。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n骨のエストロゲン受容体に結合し、骨芽細胞を増加させ骨形成を促進させることにより骨粗しょう症の治療を行う薬物にはエストラジオールやラロキシフェンがある。"} +{"problem_id": "101262", "problem_text": "59歳男性。2日前より上気道感染症状(軽度の咳)を訴えていたが、今朝、突然の悪寒、震えと発熱39^{\\circ} Cを認め受診した。肺炎球菌が検出されたので抗菌薬が処方されることとなった。検査所見: 呼吸数10/分、右肺野にラ音聴取。胸部X線にて右肺野に肺炎像を認める。ALT 10 IU/L、AST 19 IU/L、\\gamma -GTP 22 IU/L、血清クレアチニン値5.5 mg/dL、クレアチニンクリアランス21 mL/min この患者に対して投与量を調節する必要性が低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["注射用イミペネム・シラスタチンナトリウム", "アジスロマイシン水和物錠", "セフィキシム水和物カプセル", "アンピシリン水和物カプセル", "レボフロキサシン水和物錠"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "本患者は、血清クレアチニン値5.5 mg/dL、クレアチニンクリアランス21 mL/minであることから腎機能が低下している。イミペネム・シラスタチンナトリウム、セフィキシム水和物、アンピシリン水和物、レボフロキサシン水和物はいずれも腎消失型薬物であり、腎機能が低下した患者では腎機能に応じて投与量を調節する必要がある。それに対し、アジスロマイシン水和物は、一部肝臓で代謝されるが、大部分が胆汁中排泄を介して糞中から排泄されるため、腎機能が低下した患者に投与する際、投与量を調節する必要性が低��。"} +{"problem_id": "101263", "problem_text": "前問中の薬物の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["イミペネムは、UDP-N-アセチルムラミン酸の合成を阻害する。", "アジスロマイシンは、細菌のリボソーム50 Sサブユニットに結合し、タンパク質合成を阻害する。", "セフィキシムは、細菌のリボソーム30 Sサブユニットに結合し、タンパク質合成を阻害する。", "アンピシリンは、ペプチドグリカン前駆体のペプチジル-D-アラニンに結合し、細胞壁合成を阻害する。", "レボフロキサシンは、細菌のDNAジャイレースを阻害し、DNAの複製を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nイミペネムは、\\beta\n-ラクタム系抗生物質であり、細菌の細胞壁合成に関与するトランスペプチダーゼに結合し、細菌の細胞壁合成を阻害する。なお、UDP-N-アセチルムラミン酸の合成を阻害する薬物としてホスホマイシンがある。"} +{"problem_id": "101264", "problem_text": "57歳男性。胸部の激痛、呼吸困難、意識障害にて救急搬送された。心電図所見にて急性心筋梗塞と診断され、直ちにアルテプラーゼが投与された。容態は安定に向かっている。初期治療として投与されたアルテプラーゼについて正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["生物由来製品である。", "発症後24時間以内なら投与開始可能である。", "皮下注射にて投与する。", "血液凝固阻止作用を有する薬剤との併用が推奨される。", "大手術後、日の浅い患者(14日以内)には禁忌である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nアルテプラーゼは、組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)であり、生物由来製品に該当する。2:誤\n本剤を急性心筋梗塞に用いる場合は、発症後6時間以内に投与を開始する必要がある。なお、本剤を虚血性脳血管障害急性期に用いる場合は、発症後4.5時間以内に投与を開始する必要がある。3:誤\n本剤を急性心筋梗塞に用いる場合は、静脈内に投与する。4:誤\n本剤は、血栓溶解薬であり、血液凝固阻止作用を有する薬剤、血小板凝集抑制作用を有する薬剤及び他の血栓溶解剤と併用すると出血の危険性が増大するため、両薬剤を併用する際は注意する必要がある。5:正\nアルテプラーゼを急性心筋梗塞に用いる場合、出血するおそれのある患者には投与することができない(投与禁忌)。・出血するおそれのある患者\n頭蓋内出血の既往又は頭蓋内腫瘍、動静脈奇形、動脈瘤などの出血性素因のある患者\n脳梗塞の既往のある患者(3ヶ月以内)\n頭蓋内あるいは脊髄の手術又は障害を受けた患者(3ヶ月以内)\n消化管出血又は尿路出血の既往のある患者(21日以内)\n大手術後、日の浅い患者(14日以内)"} +{"problem_id": "101265", "problem_text": "発症後24時間が経過した時点で心室性期外収縮が継続していたので、リドカインの投与が決定した。この症例に用いるリドカイン製剤として正しいのはどれか。1つ選べ。なお(:::)内は投与部位を示す。", "choices": ["アドレナリン含有注射液製剤(硬膜外)", "筋注用0.5%溶解液製剤(筋肉内)", "静注用2%製剤(静脈内)", "注射液2%製剤(硬膜外)", "ビスカス2%製剤(経口)"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nアドレナリン含有注射液製剤(硬膜外)は、硬膜外麻酔、伝達麻酔、浸潤麻酔に用いられる。2:誤\n筋注用0.5%溶解液製剤(筋肉内)は、抗生物質製剤の筋注時の疼痛緩和に用いられる。3:正\n静注用2%製剤(静脈内)は、心室性期外収縮、心室性発作性頻拍、急性心筋梗塞時及び手術に伴う心室性不整脈の予防、上室性期外収縮、上室性発作性頻拍に用いられる。4:誤\n注射液2%製剤(硬膜外)は、硬膜外麻酔、伝達麻酔、浸潤麻酔に用いられる。5:誤\nビスカス2%製剤(経口)は、表面麻酔に用いられる。"} +{"problem_id": "101266", "problem_text": "リドカインの代謝・消失に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["肝血流量が低下している患者では、リドカインの血中濃度は減少する。", "リドカインは、肝初回通過効果を受けやすい。", "リドカインの肝クリアランスは、血中タンパク結合率の変動の影響を受けにくい。", "リドカインは主としてCYP2C9により代謝されるため、CYP2C9が欠損している患者では血中濃度が上昇する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nリドカインは肝血流依存型薬物である。肝血流量の低下に伴って、リドカインの肝クリアランスが低下し、血中濃度が上昇することがある。2:正\nリドカインは肝消失型薬物であり、肝初回通過効果を受けやすい。3:正\nリドカインは肝血流依存型薬物であり、その肝クリアランスは以下のように表される。肝クリアランス\\fallingdotseq 肝血流速度\nよって、リドカインの肝クリアランスは、血中タンパク結合率の変動の影響を受けにくい。4:誤\nリドカインは主としてCYP3A4により代謝されるため、CYP3A4が欠損している患者では血中濃度が上昇することがある。"} +{"problem_id": "101267", "problem_text": "アルテプラーゼ、リドカインのいずれかに関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\beta 受容体を遮断し、異所性ペースメーカー活性を抑制する。", "K^{+}チャネルを遮断し、不応期を延長する。", "心室筋のNa^{+}チャネルを遮断するとともに、活動電位持続時間を短縮する。", "プラスミノーゲンをプラスミンに変換し、血栓を溶解する。", "フィブリノーゲンに対する親和性が高く、出血を起こしにくい。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nアドレナリン\\beta 受容体を遮断し、異所性ペースメーカー活性を抑制する薬物としてプロプラノロールなどがある。2:誤K^{+}チャネルを遮断し、不応期を延長するとしてIa群抗不整脈薬(ジソピラミド、キニジンなど)及びIII群抗不整脈薬(アミオダロン、ソタロールなど)がある。3:正リドカインはIb群抗不整脈薬であり、心室筋のNa^{+}チャネルを遮断するとともに、活動電位持続時間を短縮する。4:正\nアルテプラーゼは組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)であり、プラスミノーゲンをプラスミンに変換し、生成したプラスミンがフィブリンを分解することにより血栓を溶解する。5:誤\nアルテプラーゼは、同様の作用を有するウロキナーゼに比べ、フィブリンに対する親和性が高く、出血を起こしにくい。"} +{"problem_id": "101268", "problem_text": "38歳男性。腰痛により整形外科を受診し、以下の処方箋をもって保険薬局に初めて来局した。この処方に関して、薬剤師が患者に対し、習慣的な摂取の有無を確認する必要性が最も高い食品・嗜好品はどれか。1つ選べ。", "choices": ["チーズ", "オレンジジュース", "麦茶", "納豆", "タバコ"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nチーズは、モノアミン代謝酵素(MAO)で代謝されるチラミンが多く含有しているため、MAO阻害薬(セレギリンなど)と相互作用を起こすことがある。2:誤\nオレンジジュースは、口腔内pH及び消化管内pHを低下させるため、ニコチンの口腔内からの吸収を低下させることや難溶解性塩基性薬物(イトラコナゾール、ゲフィチニブなど)の消化管からの吸収を促進させることがある。3:誤\n麦茶と薬物の相互作用は特に報告されていない。4:誤\n納豆は、ビタミンKが多く含有しているため、ワルファリンの作用を減弱させることがある。5:正\n喫煙することにより、CYP1A2が誘導されるため、CYP1A2で代謝される薬物(チザニジン、ラメルテオン、テオフィリン)の代謝が促進され作用の減弱が認められることがある。"} +{"problem_id": "101269", "problem_text": "前問で選択した食品あるいは嗜好品の摂取により生じる可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方薬の吸収が促進され、副作用が発現する。", "CYP1A2の誘導により、処方薬の効果が減弱する。", "CYP3A4の阻害により、処方薬の副作用が発現する。", "処方薬の腎排泄が阻害され、副作用が発現する。", "処方薬の血中濃度には影響がないが、効果が減弱する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "問268解説参照"} +{"problem_id": "101270", "problem_text": "腫瘍内科カンファレンスにおいて、薬剤師が抗腫瘍薬の治療薬物モニタリング(TDM)に関する以下の説明を行った。「この薬物は特定薬剤治療管理料算定が認められている抗腫瘍薬です。経口投与で用いられ、定められた最小有効トラフ濃度を超えていることをTDMによって確認することが望ましいです。」 この抗腫瘍薬に該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イマチニブメシル酸塩", "ゲムシタビン塩酸塩", "ドキソルビシン塩酸塩", "ペメ���レキセドナトリウム水和物", "メトトレキサート"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "選択肢のうち、特定薬剤治療管理料の算定が認められる薬物は、イマチニブメシル酸塩及びメトトレキサートである。・イマチニブメシル酸塩\nTDMにおいて、最小有効トラフ濃度が1,000 ng/mLを超えていることを確認する\n*問271に「定常状態にける血中濃度のトラフ値が1,000 ng/mLとなる1回あたりの投与量」と記載されていることからもイマチニブメシル酸塩に関する問題であることがわかる。・メトトレキサート\nTDMにおいて、投与24時間後、48時間後、72時間後に定められた濃度以下であることを確認する"} +{"problem_id": "101271", "problem_text": "成人男性に対して前問の薬物を12時間毎に繰り返し経口投与するとき、定常状態における血中濃度のトラフ値が1,000 ng/mLとなる1回あたりの投与量はどれか。1つ選べ。ただし、この薬物の体内動態は線形1-コンパートメントモデルに従うものとし、100 mgを単回経口投与したときの最高血中濃度は400 ng/mL、血中消失半減期は12時間とする。また、本剤の吸収は速やかであり、吸収にかかる時間は無視できるものとする。", "choices": ["125 mg", "250 mg", "375 mg", "500 mg", "625 mg"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "問題文に「本剤の吸収は速やかであり、吸収にかかる時間は無視できるものとする。」と記載されていることから、吸収時間を考慮せず静注時と同様に本設問を考えることができる。<本設問を解くときのpoint!>\n・静注時\n最高血中濃度=投与初期の血中濃度\n・投与間隔=血中消失半減期\n定常状態の最高血中濃度(ピーク値)=2\\times\n投与初期の血中濃度\n定常状態の最低血中濃度(トラフ値)=投与初期の血中濃度\nこれらのことより、定常状態における血中濃度のトラフ値が1,000\nng/mLとなるようにするためには、最高血中濃度(=投与初期の血中濃度)が1,000\nng/mLとなるように投与すればよい。問題文に「100\nmgを単回経口投与したときの最高血中濃度は400\nng/mL」とあることから、最高血中濃度(=投与初期の血中濃度)が1,000\nng/mLとなるようにするためには1回250\nmg投与すればよい。"} +{"problem_id": "101272", "problem_text": "58歳男性。本態性高血圧症及び狭心症に対して外来で薬物治療を受けていたが、急に症状が悪化したため入院となった。薬剤師が面談し、薬物の使用状況等について尋ねたところ、めまいや、一過性の意識障害などの症状が現れることが時々あったため、最近になって自己判断で服薬を止めていたことが判明した。この患者が服用していた薬物として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アリスキレンフマル酸塩", "エナラプリルマレイン酸塩", "カンデサルタンシレキセチ", "ニフェジピン", "フロセミド"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "問題文に「本態性高血圧症及び狭心症に対して外来で薬物治療を受けていた」と記載されていることから、本患者は高血圧及び狭心症の治療に用いることができるニフェジピンを服用していた可能性が高い。なお、他の選択肢の薬物は、高血圧に用いられるが狭心症に用いられない。"} +{"problem_id": "101273", "problem_text": "服薬中止のきっかけとなった症状は、この患者が最近摂取し始めた食品あるいは一般用医薬品との相互作用に起因すると考えられた。摂取していた可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["牛乳", "鉄製剤", "アルミニウムを含む制酸剤", "グレープフルーツジュース", "セントジョーンズワートを含む健康食品"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "問題文に「薬物の使用状況等について尋ねたところ、めまいや、一過性の意識障害などの症状が現れることが時々あった」と記載されていることから、ニフェジピンの効果が強く現れたことで服用を中止したと考えられる。選択肢のうち、ニフェジピンの効果を増強させるものは「グレープフルーツジュース」である。グレープフルーツジュースには、フラボノイド、フラノクマリンが含まれており、それらにより小腸に存在するCYP3A4を阻害されるため、グレープフルーツジュースとニフェジピンを併用するとニフェジピンの小腸での代謝を阻害され、血中濃度が上昇することがある。"} +{"problem_id": "101274", "problem_text": "54歳女性。2年前に���血圧及びうっ血性心不全と診断され、以下の処方による薬物治療を受け、状態は安定していた。昨日、食欲不振と吐き気を訴え受診し、緊急入院となった。ジゴキシンの血中濃度を測定したところ、2.2 ng/mLであった。持参薬確認のため薬剤師が面談したところ、鼻水が出て喉が痛いなど風邪気味の症状のため1週間前に近医を受診し、そこで処方された薬を服用しているとのことであった。患者がこの1週間に服用していた薬物として最も可能性の高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセトアミノフェン", "クラリスロマイシン", "セフジニル", "リファンピシン", "レボフロキサシン水和物"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "ジゴキシンの血中濃度を測定したところ、2.2 ng/mLであることから、ジゴキシンの血中濃度は中毒域にある(ジゴキシンの有効血中濃度: 0.5〜1.5 ng/mL:中毒域: 2.0 ng/mL)。:よって、この患者が服用していた薬物は、ジゴキシンの血中濃度を上昇させる「クラリスロマイシン」である。"} +{"problem_id": "101275", "problem_text": "この患者で起きている相互作用として可能性が高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["CYP3A4によるリシノプリルの代謝が抑制された。", "CYP3A4によるジゴキシンの代謝が促進された。", "P-糖タンパク質によるリシノプリルの排泄が促進された。", "P-糖タンパク質によるジゴキシンの排泄が抑制された。", "腸内細菌叢への影響によりジゴキシンの不活化が抑制された。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "クラリスロマイシンは、P-糖タンパク質によるジゴキシンの排泄抑制や腸内細菌によるジゴキシンの不活性化の抑制により、ジゴキシンの血中濃度を上昇させる。"} +{"problem_id": "101276", "problem_text": "50歳女性。2型糖尿病と診断され内服薬で治療を行っていたが、血糖コントロール不良のため、インスリン導入目的で入院となり、以下の薬剤をペン型注入器を用いて投与することとなった。薬剤師が患者に指導する内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["十分に混和し、均一にしてから使用してください。", "注射を忘れた場合は、次回2倍量を注射してください。", "注入ボタンを押したら速やかに針を抜いてください。", "腹部、大腿部、上腕部などの投与部位を決め、その中で注射場所を毎回変えてください。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本剤は懸濁注射液であるため、使用前には十分に混和し、均一にしてから使用する必要がある。2:誤\n2倍量のインスリンを注射すると低血糖を起こす可能性があるため、注射を忘れた場合には、次回2倍量を注射しないように説明する必要がある。3:誤\nインスリンを確実に注入するため、注入後5〜10秒以上注入ボタンを押したまま保持し、その後注入ボタンを押したまま針を抜く必要がある。4:正\n投与部位によりインスリンの吸収性が異なるため、投与部位を決める必要がある。また、同じ場所に注射すると注射箇所にしこりができることがあるため、毎回同じ場所に注射せず、異なる場所に注射する必要がある。"} +{"problem_id": "101277", "problem_text": "下図は、今回処方された注射剤(ヒトイソフェンインスリン水性懸濁注射液)とインスリンヒト注射液を、それぞれヒトの皮下に投与した後のインスリン血中濃度推移を示している。処方された注射剤に該当する血中濃度推移と、この製剤の特徴に関する記述の組合せのうち、正しいのはどれか。1つ選べ。なお、処方された注射剤には、添加剤としてプロタミン硫酸塩が含まれている。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["6"], "comment": "本剤において、インスリンはプロタミン硫酸塩と溶解性の低い複合体として存在しており、徐々にインスリンが血液中に移行する(血中濃度推移がイのような推移をたどる)。"} +{"problem_id": "101278", "problem_text": "78歳女性。アルツハイマー型認知症と診断され、処方薬見直しのため入院していた。退院の際、仙骨部に発赤が見つかった。医師から家族に対し褥瘡のリスクについて説明があり、下記の薬剤が処方された。薬剤師が、患者の家族に対し、処方された薬剤ならびに介護上の注意点について説明した。説明内容として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["栄養状態が良くないと褥瘡は治りにくいので、十分な栄養をとらせてください。", "体圧分散寝具は、褥瘡の予防及び治療に有効です。", "本剤には、創面保護効果があります。", "本剤には、抗炎症作用があります。", "本剤は、褥瘡からの滲出液が多いときにも使用できます。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:適切\n褥瘡の原因の1つに栄養状態が悪いことがあげられる。栄養状態が悪いと圧迫により損傷した組織が修復されず褥瘡の治療の妨げとなることがある。2:適切\n体圧分散寝具を用いることにより、一定部位への圧迫を分散させることができるため、褥瘡の発生率を低下させることができる。3:適切\n本剤の基剤には、油脂性基剤(白色ワセリン)が含まれているため、本剤には、創面保護効果、皮膚軟化作用、肉芽形成作用がある。4:適切\n本剤の有効成分であるジメチルイソプロピルアズレンには、抗炎症作用、創傷治癒促進作用、抗アレルギー作用が認められている。5:不適切\n本剤の基剤には、油脂性基剤(白色ワセリン)が含まれているため、褥瘡からの滲出液が多いときには本剤を使用しない。"} +{"problem_id": "101279", "problem_text": "本剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["本剤3 g中にジメチルイソプロピルアズレンが10 mg配合されている。", "白色ワセリンは、水溶性基剤である。", "精製ラノリンは、吸水能を有する。", "2種の軟膏基剤のうち、白色ワセリンの方が強い乳化作用を示す。", "主薬が水にほとんど溶けないことが、本軟膏基剤が選択されている理由の1つである。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n本剤は0.033%(0.33\nmg/g)であることから、本剤3\ng中のジメチルイソプロピルアズレンを以下のように計算することができる。3\ng\\times\n(0.33\nmg/g)=0.99\nmg\\fallingdotseq 1.0\nmg\n2:誤\n白色ワセリンは、油脂性基剤である。3:正\n精製ラノリンは羊毛の抽出物を精製したものであり、その主成分はコレステロールであり吸水能を有する。4:誤\n精製ラノリンの主成分はコレステロールであり、白色ワセリンに比べ強い乳化作用を有する\n5:正\nジメチルイソプロピルアズレンはほとんど水に溶けないため、油脂性基剤である白色ワセリンが選択されている。"} +{"problem_id": "101280", "problem_text": "初期臨床研修医に対し、緩和ケアチームのメンバーである薬剤師が、フェンタニル製剤の特徴について講義をしている。フェンタニル及びフェンタニル製剤に関する説明として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フェンタニルは、腎機能が悪い患者には禁忌である。", "フェンタニルは、がん性疼痛治療の他、全身麻酔にも用いられる。", "フェンタニル貼付剤は、オピオイド導入に適する。", "フェンタニル貼付剤をハサミ等で切って使用することは避ける。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nフェンタニルは、腎障害患者に禁忌ではない。フェンタニルを腎・肝障害患者に投与すると代謝・排泄が遅延し副作用が現れやすくなるため、フェンタニルは腎機能障害患者に対して慎重に投与する必要がある。2:正\nフェンタニル注射液は、全身麻酔、全身麻酔における鎮痛、局所麻酔における鎮痛の補助、激しい疼痛(術後疼痛、癌性疼痛など)に対する鎮痛に用いられる。3:誤\nフェンタニル貼付剤は、モルヒネ等のオピオイド製剤を使用しても十分な効果が得られないときに用いられるため、オピオイド導入には適さない。4:正\nフェンタニル貼付剤をハサミ等で切って使用すると、徐放性が失われる可能性がある。よって、本剤をハサミ等で切って使用することは避ける必要がある。"} +{"problem_id": "101281", "problem_text": "フェンタニル貼付剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["貼付部位の温度が上昇するとフェンタニルの吸収量が増大することがある。", "吸収されたフェンタニルは、肝初回通過効果を受ける。", "副作用発現時には貼付剤をはがすことで投与を中断できる。", "急性の疼痛発作時にも有効である。", "鎮痛効果は貼付部位周辺に限定される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n貼付部位の温度が上昇するとフェンタニルの吸収量が増加し、過量投与により死に至るおそれがある。2:誤\n経皮から吸収された薬物は��肝臓を介さず循環血中に移行するため、肝初回通過効果を受けない。3:正\n副作用発現時には貼付剤をはがすことによりフェンタニルの投与を中断することができる。4:誤\n本剤は急性の疼痛には用いられない。なお、本剤はフェンタニルの血中濃度を一定に保つことができるため、癌性疼痛及び慢性疼痛の管理に用いられる。5:誤\n経皮から吸収された薬物は循環血中に移行するため、本剤による鎮痛効果は体全体に現れる。"} +{"problem_id": "101282", "problem_text": "75歳男性。かねてから緑内障治療のため、処方1の薬剤を使用していた。両目が充血し、目やにも出ることから、かかりつけの眼科医を受診したところ、細菌性結膜炎と診断され、処方2が新たに追加された。これらの処方薬の使用方法について、薬剤師が患者に指導する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["点眼後は、数回まばたきをし、薬液が患部全体にいきわたるようにする。", "点眼後は、目頭を圧迫する。", "夕方の点眼時は、2剤を間隔をあけずに連続して点眼する。", "夕方の点眼時は、処方2の薬剤を先に点眼する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n点眼後まばたきをすると薬液が飛び散るため、まばたきせず閉眼する必要がある。2:正\n点眼後目頭を圧迫することで、点眼液が涙管や鼻腔に流れることを防ぐことが可能である。3:誤\n(処方1)は持続性点眼液であり、眼表面に滞留するため、(処方1)と他の点眼液を併用すると、(処方1)が他の点眼液の吸収を妨げる可能性がある。よって、(処方1)と他の点眼液を併用する場合は、他の点眼液を先に点眼し、その後、10分間あけて(処方1)を点眼する。4:正\n解説3参照"} +{"problem_id": "101283", "problem_text": "処方1の点眼液には、下記の添加剤が含まれている。それぞれの添加剤の使用目的のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。添加剤ベンザルコニウム塩化物、塩化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、アルギン酸", "choices": ["ベンザルコニウム塩化物は、主薬の酸化防止剤として添加されている。", "塩化ナトリウムは、等張化剤として添加されている。", "リン酸二水素ナトリウムは、着色剤として添加されている。", "水酸化ナトリウムは、保存剤として添加されている。", "アルギン酸は、主薬の眼表面での滞留性向上の目的で添加されている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nベンザルコニウム塩化物は、保存剤として添加されている。2:正\n塩化ナトリウムは、等張化剤として添加されている。3:誤\nリン酸二水素ナトリウムは、pH調整剤として添加されている。4:誤\n水酸化ナトリウムは、pH調整剤として添加されている。5:正\nアルギン酸は、主薬の眼表面での滞留性向上の目的で添加されている。本剤はアルギン酸により持続性を発揮している。"} +{"problem_id": "101284", "problem_text": "65歳男性。在宅で高カロリー輸液療法を実施することとなった。かかりつけ薬局の薬剤師が、高カロリー輸液の調製と安全使用に関する実地研修を受けるため、病院の薬剤部を訪れた。高カロリー輸液を安全に調製、使用するために、病院薬剤師がかかりつけ薬局の薬剤師に行う指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["混合調製には、無菌室あるいはクリーンベンチを使用するのが望ましい。", "コアリング防止のため、注射針はゴム栓の指定位置に斜めに刺す。", "重篤なアシドーシスの発現を防止するため、ビタミンCを添加する。", "高カロリー輸液用総合ビタミン剤は投与間際に混合し、輸液バッグ全体を遮光する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n高カロリー輸液の混合には、無菌室(クリーンルーム)あるいはNASA規格のクラス100のクリーンベンチを用いることが望ましい。2:誤\nコアリングとは、注射針がゴム栓を削り取りゴム片が薬液に混入することである。コアリングを防止するためには、ゴム栓面に対して注射針を垂直にゆっくり刺す必要がある。3:誤高カロリー輸液投与時には、重篤なアシドーシスの発現を防止するため、ビタミンB_{1}を添加する必要がある。4:正\n総合ビタミン剤は、光で分解されやすいビタミンA、K、Dなどを含有しているため、投与間際��混合する。総合ビタミン剤を配合した後は、配合したビタミンが分解しないように輸液バッグ全体を遮光する。"} +{"problem_id": "101285", "problem_text": "糖・電解質水溶液からなる室とアミノ酸水溶液からなる室が、隔壁によって、2室に分けられた構造の高カロリー輸液剤(ダブルバッグ製剤)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["通例、保存剤が添加されている。", "バッグを両手で強く押すことにより、隔壁部を開通させる。", "2室に分かれているため、混合するまでメイラード反応を回避できる。", "脂肪乳剤を同時に投与する場合は、糖・電解質水溶液からなる室に混合する。", "混合した製剤は、2時間以内に全量を投与する。解答・解説"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n通例、注射剤には必要に応じて添加剤(溶解補助剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、等張化剤など)が含有されているが、大量に投与する輸液には、保存剤は添加されていない。2:正\nダブルバック製剤は、バッグを両手で強く押すことにより隔壁部を開通させ、溶液を混合して用いる。3:正\nメイラード反応とは、ブドウ糖(還元糖)とアミノ酸が反応し、褐色色素であるメラノイジンが生成する反応である。ダブルバック製剤では、糖とアミノ酸が分離されているため、混合するまでメイラード反応を回避できる。4:誤\n脂肪乳剤を輸液に混合すると、脂肪乳剤の安定性が損なわれる。そのため、脂肪乳剤は輸液と混合せず末梢静脈から投与する。5:誤\n混合した輸液製剤は、24時間以内の全量を投与する。"} +{"problem_id": "101286", "problem_text": "40歳男性。活動期のクローン病と診断された。主治医より患者の栄養状態把握及び改善のため、院内栄養サポートチームに介入の依頼があった。この患者に対する栄養療法に関して、薬剤師が院内栄養サポートチームでとるべき対応について、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["消化及び吸収障害が重篤な場合は、半消化態栄養剤を第一選択として提案する。", "成分栄養剤を用いる場合は、脂溶性ビタミンや不足する微量元素の投与を提案する。", "重度な下痢症状が認められたり、広範な小腸病変が認められる場合は、TPN(Total Parenteral Nutrition)の実施を提案する。", "栄養療法と薬物療法の併用は推奨されないことを提案する。", "経腸栄養療法と併用する食事としては高脂肪食を提案する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n消化及び吸収障害が重篤な場合は、静脈栄養法(TPN: 中心静脈栄養、PPN: 末梢静脈栄養)を第一選択として提案する。なお、半消化態栄養剤は、窒素源がタンパク質又はポリペプチドの形で含有されており、消化機能が正常か軽度に障害されている患者に用いられる。2:正\n成分栄養剤は、数種類の脂溶性ビタミンや必須微量元素を含んでいるが、成分栄養剤の摂取のみでは脂溶性ビタミンや微量元素が不足する可能性がある。よって、成分栄養剤を用いる場合は、脂溶性ビタミンや不足する微量元素の投与を提案する。3:正\n重度な下痢症状が認められたり、広範な小腸病変が認められる場合は、静脈栄養法(TPN: 中心静脈栄養、PPN: 末梢静脈栄養)の実施を提案する。4:誤\nクローン病の治療では薬物療法により炎症を抑制し、食事療法により栄養状態を改善することでよりよい治療効果が得られる。よって、クローン病の治療において栄養療法と薬物療法の併用が推奨されていることを提案する。5:誤\nクローン病では消化機能が低下しているため、高脂肪食を摂取すると消化管に脂肪が滞留し腹痛、下痢を引き起すことがある。よって、クローン病の治療において経腸栄養療法と併用する食事としては低脂肪食を提案する。"} +{"problem_id": "101287", "problem_text": "クローン病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["緩解と増悪を繰り返す。", "小腸及び大腸に病変が限局する。", "薬物治療により根治できる。", "好発年齢は10歳代後半から20歳代である。", "ほとんどの症例に粘血便が見られる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nクローン病は、緩解(寛解)と憎悪を繰り返す疾患であり、根治させる治療法はいまだ確立されていない。"} +{"problem_id": "101288", "problem_text": "60歳男性��2年前にうつ病と診断され、薬物治療を行ってきた。ここ数ヶ月、仕事が多忙になり、気分の落ち込みが激しくなった。本日受診した結果、主治医はこれまでの抗うつ薬を1錠から2錠に増量した。以下のうち、この患者において注意すべき重大な副作用はどれか。1つ選べ。", "choices": ["腎不全", "セロトニン症候群", "間質性肺炎", "横紋筋融解症", "無菌性髄膜炎"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "セルトラリンは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)であり、重大な副作用として、セロトニン症候群、悪性症候群、痙攣、昏睡、肝機能障害、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、アナフィラキシー、QT延長、心室頻拍などを起こすことがある。"} +{"problem_id": "101289", "problem_text": "薬局薬剤師が、前問の重大な副作用を早期発見するために患者にあらかじめ説明する事項として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["高熱が出るようでしたら、お知らせください。", "下痢を起こすようでしたら、お知らせください。", "手足が勝手に動くことがあれば、お知らせください。", "不安やいらいらが高まるようであれば、お知らせください。", "手にピリピリする感覚や、やけどしたときのような痛みがあれば、お知らせください。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "セロトニン症候群は症状として、不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈:などが認められることがある。なお、選択肢5の症状はカペシタビンやスニチニブの副作用である手足症候群の症状である。"} +{"problem_id": "101290", "problem_text": "60歳女性。下部消化管内視鏡検査によりS状結腸がんが指摘された。さらにCTによる精査の結果、肺と肝臓に転移が見られた。手術適応がなく、外来にて、オキサリプラチン、レボホリナートカルシウム、フルオロウラシルを用いたがん化学療法を行うこととなった。本化学療法における副作用への対応に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["痛風腎の予防のために尿のアルカリ化及びアロプリノールの投与が必要である。", "重篤な過敏症状の発現時には、ステロイド及び抗ヒスタミン薬の静注を行う。", "白血球数低下を伴う発熱時には感染症を疑い、直ちに十分量の抗生物質を投与する。", "投与2〜3日後に筋肉痛及び関節痛が発現した場合には、鎮痛薬を投与する。", "出血性膀胱炎のリスクを軽減するために必要量の輸液を投与する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n設問の記述は、腫瘍崩壊症候群に伴って起こる高尿酸血症に対する対応策である。FOLFOX療法(オキサリプラチン、レボホリナートカルシウム、フルオロウラシルを用いた化学療法)では、腫瘍崩壊症候群を起こすことはほとんどない。なお、腫瘍崩壊症候群を起こす薬物にはイマチニブ、ニロチニブ、カペシタビン、セツキシマブなどがある。2:正\nFOLFOX療法では、重篤な過敏症状が発現することがある。本療法により重篤な過敏症状の発現した場合は、ステロイド及び抗ヒスタミン薬の静注を行う。3:正\nFOLFOX療法では、好中球減少症などの白血球数の低下に伴い感染症を起こすことがある。本療法中に白血球減少を伴う発熱時には感染症を疑い、直ちに十分量の抗生物質を投与する。4:誤\n設問の記述は、筋肉痛、関節痛に対する対応策である。FOLFOX療法では、筋肉痛、関節痛を発現することはほとんどない。なお、筋肉痛、関節痛を起こす抗悪性腫瘍薬にはパクリタキセルなどがある。5:誤\n設問の記述は、出血性膀胱炎に対する対応策である。FOLFOX療法では、出血性膀胱炎を起こすことはほとんどない。なお、出血性膀胱炎を起こす抗悪性腫瘍薬にはシクロホスファミド、イホスファミドなどがある。"} +{"problem_id": "101291", "problem_text": "大腸がんに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["発がん過程において高頻度で見つかる変異は、EGFR、p53、KRASの3遺伝子である。", "早期の場合はほとんどが無症状だが、脳転移による頭痛で発見される例が多い。", "腫瘍の大きさや発生部位によって腹痛、血便、腸閉塞などの症状を呈する。", "扁平上皮がんが大半を占���る。", "血清CEAとCA19-9は、再発の診断に有用な腫瘍マーカーである。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n大腸がんの発がん過程において高頻度で見つかる変異は、がん遺伝子であるKRASやがん抑制遺伝子であるp53、APCの3遺伝子である。なお、大腸がんの発がん過程にEGFR変異はほとんど関係していない。2:誤\n大腸がんは早期の場合、ほとんどが無症状であるが、進行するに伴って腹痛、血便、腸閉塞などの症状を呈する。なお、大腸がんは肝臓や肺に転移することはあるが脳に転移することは稀である。3:正\n腫瘍の大きさや発生部位(上行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸)によって症状が異なる。・上行結腸:\n自覚症状が現れにくい、腹痛\n・下行結腸、S状結腸:\n腸閉塞、便秘、間歇的な下痢\n・直腸:\n血便、残便感\n4:誤\n大腸がんのほとんどは腺がんである。5:正\n大腸がんの腫瘍マーカーには血清CEA(がん胎児性抗原)やCA19-9が用いられ、転移や再発の診断に有用である。"} +{"problem_id": "101292", "problem_text": "65歳女性。高血圧症治療のために通院している病院で、慢性心不全(NYHA分類I度)と診断された。本日の受診時にむくみなどの自覚症状はないが、心臓超音波検査では左室機能が低下していると指摘された。血圧: 132/80 mmHg、脈拍: 78回/分整 副作用歴: リシノプリルによる空咳 薬歴: 半年前より:テルミサルタン錠40 mg:1日1回 医師は薬剤を追加するに際し、薬剤師に相談した。この患者に追加する心不全治療薬として、最も推奨される薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ジゴキシン", "フロセミド", "カプトプリル", "カルベジロール", "イソプロテレノール"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、NYHA分類I度の治療に用いられるのは、ACE阻害薬であるカプトプリルと\\alpha \\beta 受容体遮断薬であるカルベジロールである。本患者は以前にリシノプリルによる空咳を起こしたことがあるため、本患者に対しては、カルベジロールを処方することが推奨される。"} +{"problem_id": "101293", "problem_text": "前問で推奨される追加薬物に関して適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ジゴキシン導入直後から心筋の収縮力が改善する。", "治療薬物モニタリング(TDM)の対象薬物である。", "導入時に高用量の負荷投与を行い、続けて維持量を投与する。", "導入時に心不全が悪化することがある。", "レニンの分泌を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "カルベジロールは\\alpha \\beta 受容体遮断薬であり、\\alpha _{1}受容体遮断作用により血管を拡張させ、\\beta _{1}受容体遮断作用により心機能を抑制する。それにより本剤は心臓への負荷を軽減して、慢性心不全の予後を改善する。1:誤\n解説4参照\n2:誤\n本剤は、治療薬物モニタリング(TDM)の対象薬物ではない。3:誤\n本剤は、低用量から投与を開始し、続けて維持量を投与する。4:正\n導入時に心機能の収縮力が抑制され、心不全が悪化することがある。5:誤\n本剤の\\beta 受容体遮断作用により、レニン分泌は抑制される。"} +{"problem_id": "101294", "problem_text": "61歳女性。閉経している。針生検病理診断の結果、ER(エストロゲンレセプター)陽性、PR(プロゲステロンレセプター)陽性、HER2陰性の湿潤性乳管がんと診断され、乳房温存手術が施行された。術後の放射線療法に加え、薬物療法が開始された。この患者の術後薬物療法に用いられる薬剤として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アナストロゾール", "ビカルタミド", "リュープロレリン酢酸塩", "タモキシフェンクエン酸塩", "トラスツズマブ"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "乳がんの発症には女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)が関与しており、乳がんの診断ではER(エストロゲンレセプター)、PR(プロゲステロンレセプター)、HER2(human epidermal growth factor receptortype2)の測定を行う。その検査結果により用いる治療薬が異なる。・腫瘍細胞ER陽性の場合\n閉経前乳がん: リュープロレリン、タモキシフェンクエン酸塩\n閉経後乳がん: アナストロゾール、タモキシフェンクエン酸塩\n・HER2陽性の場合\nトラスツズマブ\n本患者は、閉経しており、ER(エストロゲンレセプター)陽性、PR(プロゲステロンレセプター)陽性、HER2陰性であることから、本患者に対しては、治療薬としてアナストロゾールやタモキシフェンクエン酸塩を用いる。なお、選択性2のビカルタミドは抗アンドロゲン薬であり、前立腺がんの治療に用いられる。"} +{"problem_id": "101295", "problem_text": "術後2年経過時に、高カルシウム血症や脊髄圧迫症候など骨転移にともなう合併症状が現れた。骨転移や、その合併症状に対して用いられる薬剤はどれか。2つ選べ。", "choices": ["オマリズマブ", "メナテトレノン", "ゾレドロン酸水和物", "デノスマブ", "ラロキシフェン塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nオマリズマブは、ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体であり、気管支ぜん息(既存治療によってもぜん息症状をコントロールできない難治の患者に限る)の治療に用いられる。"} +{"problem_id": "101296", "problem_text": "82歳女性。関節リウマチと診断され、現在は以下の処方が出されている。メトトレキサートカプセルの服薬指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["めまい、ふらつきなどの低血糖症状が起こる場合があります。", "毎日服用する薬ではないので注意してください。", "発熱、のどの痛み、風邪のような症状があらわれた場合は、すぐに医師の診察を受けてください。", "尿の色がオレンジ色になることがあります。", "痛みがおさまったら服薬をやめてください。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nメトトレキサートの使用により低血糖症状を起こしたとの報告はない。2:正\n本患者に対して、メトトレキサートカプセルが週に2回(毎週月曜日、火曜日)処方されている。よって、毎日服用する薬ではないので注意するように説明する。3:正\nメトトレキサートは、重大な副作用として無顆粒球症を起こすことがある。よって、無顆粒球症の初期症状である発熱、のどの痛み、風邪のような症状が現れた場合、すぐに医師の診察を受けるように説明する必要がある。4:誤\nメトトレキサートの使用により尿の色がオレンジ色になるとの報告はない。5:誤\nメトトレキサートの服用を中止すると再び炎症が進行して痛みを生じる可能性がある。よって、痛みがおさまっても服用を続けるように説明する必要がある。"} +{"problem_id": "101297", "problem_text": "この患者において関節リウマチの症状が悪化したため、生物学的製剤の追加を考慮することとなった。メトトレキサートとの併用が前提で投与されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["テムシロリムス", "リツキシマブ", "トシリズマブ", "アバタセプト", "インフリキシマブ"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nテムシロリムスは、mTOR阻害薬であり、根治切除不能又は転移性の腎細胞がんの治療に用いられる。"} +{"problem_id": "101298", "problem_text": "67歳男性。16年前にHIV感染が判明し、ジドブジン(ZDV)とラミブジン(3TC)による治療を開始したが、7年前から服薬を自己中断していた。6年前の結核罹患を契機にロピナビル・リトナビル(LPV・RTV)配合剤を追加して治療を再開したが、その2年後から再び服薬を自己中断していた。全身倦怠感が徐々に進行し、血液検査(CD4陽性リンパ球、HIV-RNA定量)の結果、3TC・アバカビル硫酸塩配合剤とLPV・RTVによる治療を開始することになった。本症例と治療薬について適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["3TCは単独投与しても薬剤耐性を起こさない。", "結核罹患の一因として、服薬の自己中断が考えられる。", "全身倦怠感の悪化は、典型的なZDVの副作用である。", "無症候性となった場合、血液検査の必要はない。", "肝機能が低下した場合、配合剤ではなく個々の薬剤の投与を考慮する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nHIVは感染初期から薬剤耐性を発現しやすく、特に抗HIV薬の単独投与では、その可能性が高くなる。よって、3TCは単独で投与せず他の抗HIV薬と併用する必要がある。2:正\n結核に罹患した一因として、抗HIV薬の服用を中断することにより、HIV感染症が進行しCD4陽性リンパ球が減少したことが考えられる。3:誤\n抗HIV薬の服用中断後に全身倦怠感が出現していることから、AIDS(後天性免疫不全症候群)発症により全身倦怠感が悪化したと考えられる。4:誤\n無症候性となった場合でも、HIV-RNA量やCD陽性リンパ球数を検査し、CD陽性リンパ球数が350/\\micro L以下に低下した場合には、日和見感染を防止する目的で抗HIV薬による治療を開始することが推奨されている。5:正\n3TC・アバカビル硫酸塩配合剤は、3TCとアバカビル硫酸塩が固定量含有されているため、各成分の用量を調節することはできない。アバカビル硫酸塩は肝消失型薬物であり、肝機能が低下している患者に投与すると血中濃度が上昇することがあるため、アバカビル硫酸塩を肝疾患患者に投与する際には、投与量の調節及び投与の中止を検討する必要がある。よって、肝機能が低下した場合、3TC・アバカビル硫酸塩配合剤でなく個々の薬剤の投与を考慮する必要がある。"} +{"problem_id": "101299", "problem_text": "HIV感染症について正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["母乳を介した感染はしない。", "無症候期は、感染後、数週間である。", "一過性のインフルエンザ様症状が感染初期(感染後数週間)に起こる。", "進行した場合、CD4陽性リンパ球数が減少する。", "日和見感染が、感染初期に起こる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nHIVの主な感染経路は、性行為感染、母子感染(経胎盤、経産道、経母乳感染)、血液媒介感染である。"} +{"problem_id": "101300", "problem_text": "71歳男性。50年前から喫煙習慣がある(喫煙指数: 1200)。階段歩行時に息切れを訴え近医を受診し、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断され、以下の処方が出された。処方1の薬剤を使用するにあたり、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["前立腺肥大症があるかを確認する。", "口腔内カンジダ症予防のため、チオトロピウムの吸入後はよくうがいをするよう患者に伝える。", "フドステインの併用により、チオトロピウムの作用が増強するおそれがあることを患者に伝える。", "喫煙者はチオトロピウムの作用が増強するおそれがあることを患者に伝える。", "副作用として、口渇が現れることがあることを患者に伝える。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n本剤は前立腺肥大による排尿障害のある患者に対して投与禁忌であるため、本剤を投与する際には前立腺肥大症であるか確認する必要がある。2:誤\n本剤を吸入することにより、口腔内カンジダ症を発症することはないため、吸入後うがいをする必要はない。なお、吸入後うがいをする必要がある薬剤は、副腎皮質ステロイド性薬を含有する吸入剤である。3:誤\n本剤とフドステインの相互作用は特に報告されていない。4:誤\n喫煙により本剤の作用が増強するとの相互作用は特に報告されていない。5:正\n本剤は抗コリン作用を有するため、副作用として口渇が現れることがある。"} +{"problem_id": "101301", "problem_text": "上記の患者に関連した記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フドステインは去痰の目的に用いられている。", "気管支ぜん息と異なり、禁煙は治療に影響を与えない。", "病状が増悪するので、インフルエンザワクチン接種は禁忌である。", "テオフィリンにより、尿閉の副作用が出やすいので注意が必要である。", "改善が見られなければ、サルメテロールキシナホ酸塩の追加を考慮する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nフドステインは、痰(気道粘液)の主成分であるムチンを分泌する杯細胞の過形成を抑制すること及び痰のシアル酸とフコースの構成比を正常化することにより慢性呼吸器疾患の去痰に効果を示す。"} +{"problem_id": "101302", "problem_text": "23歳女性。体重60 kg。てんかん発作に対してフェニトイン1日150 mgで治療を開始した。2週間後の受診で、治療開始後もてんかん発作が起こったとの訴えがあった。アドヒアランスは良好であった。血中濃度測定を行ったところ5.0 \\micro g/mLであり、医師より薬剤師に増量の目安について相談があった。肝機能、腎機能に異常はなく、フェニトインの血中濃度に影響を及ぼす併用薬はなかった。本症例でフェニトインの投与設計を行うにあたり、体内からの消失速度はミカエリス・メンテンの式に従い、K_{m}=5.0 \\micro g/mLであると仮定した。このとき、血中濃度が定常状態において中毒域(20 \\micro g/mL以上)にならない範囲での、1日最大投与量(mg)の推定値に最も近いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["200", "225", "325", "450", "650"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "フェニトインの消失速度はミカエリス・メンテン式に従うことから、消失速度を以下の式で表すことができる。V_{max}: 最大消失速度:C: 血中濃度:K_{m}: ミカエリス定数\nまた、定常状態においては消失速度=注入速度が成立する。<最大消失速度V_{max}を求める>1日150 mgで投与しているときの定常状態の血中濃度が5.0 \\micro g/mLであり、K_{m}=5.0 \\micro g/mLであることから、最大消失速度V_{max}を以下のように求めることができる。これらのことから、血中濃度が定常状態において20 \\micro g/mLとなるときの注入速度(mg/日)を以下のように求めることができる。注入速度=240 mg/日\nよって、血中濃度が定常状態において中毒域(20 \\micro g/mL以上)にならない範囲での、1日最大投与量(mg)の推定値は225 mgとなる。"} +{"problem_id": "101303", "problem_text": "前問で計算した投与量で治療を続けていたが、中毒症状を発現したため血中濃度を測定したところ30 \\micro g/mLであった。原因として考えられる患者の遺伝的特徴はどれか。1つ選べ。", "choices": ["CYP2D6の変異型遺伝子をもつ。", "CYP2C9の変異型遺伝子をもつ。", "CYP2C19の野生型遺伝子をもつ。", "CYP3A5の野生型遺伝子をもつ。", "UGT1A1の変異型遺伝子をもつ。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "血中濃度が中毒域に到達しないように投与量を設定したにも関わらず、血中濃度が中毒域(20\n\\micro\ng/mL以上)に到達していることから、本患者はフェニトインの主な代謝酵素であるCYP2C9に変異があると考えられる。"} +{"problem_id": "101304", "problem_text": "64歳男性。BMI 28.5。糖尿病で近医に通院中であった。全身倦怠感を訴え、浮腫も認められたため精査目的で入院となった。入院時の持参薬と検査データは以下の通りである。(検査データ) BUN 49.8 mg/dL、血清クレアチニン4.38 mg/dL、血圧152/93 mmHg、Hb 8.5 g/dL、Alb 2.7 g/dL、Na 140 mEq/L、K 4.9 mEq/L、空腹時血糖224 mg/dL、HbA1c 7.1%、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)99 mg/dL、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)48 mg/dL、トリグリセリド(TG)120 mg/dL、尿タンパク(3+) 病棟の担当薬剤師は、入院直後にこの患者と面談し、持参薬と服薬状況を確認した。薬の飲み残しが多かったため、薬剤師が治療についての考えを聴いたところ、次のような発言があった。「ちゃんとやらなければならないことは分かっていますし、自分なりにやろうと努めていますが、なかなか実践できません。」この発言から、男性は、行動変容ステージモデルのどの段階にあると考えられるか。適切なのを1つ選べ。", "choices": ["無関心期", "関心期", "準備期", "実行期", "維持期"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "行動変容ステージモデルでは、人が行動を変える場合は「無関心期」\\rightarrow 「感心期」\\rightarrow 「準備期」\\rightarrow 「実行期」\\rightarrow 「維持期」の5つのステージを通ると考える。本患者の発言に「自分なりにやろうと努めていますが、なかなか実践できません。」とあることから、まだ実践できていないが近い将来行動を変えようという準備ができていると読み取れるため、この男性は行動変容ステージモデルの「準備期」の段階にあると考えられる。"} +{"problem_id": "101305", "problem_text": "検査データに基づいて、薬剤師は薬物治療のアセスメントを行った。以下の検査データのうち、正常値の範囲に入っていないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["HbA1c", "血圧", "LDL-C", "血清カリウム", "TG"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "正常範囲に入っていないのは、HbA1c、血圧である。選択肢のある検査値のデータの正常値を以下に示す。・HbA1c:\n4.6〜6.2%\n・血圧:\n収縮期血圧≦140\nmmHg\n又は\n拡張期血圧≦90\nmmHg\n・LDL-C(LDLコレステロール):\n140\nmg/dL未満\n・血清カリウム:\n3.5〜4.9\nmEq/L\n・TG(トリグリセリド):\n70〜150\nmg/dL"} +{"problem_id": "101306", "problem_text": "この患者の検査データ及び病態を考慮し、薬剤師が医師に変更あるいは追加を提案する治療法として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["グリメピリド及びメトホルミンの増量", "カリウム製剤の追加", "フロセミドの追加", "コレスチラミンの追加", "ベザフィブラートの追加"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nグリメピリ��は重篤な腎障害患者に禁忌であり、メトホルミンは腎障害患者(軽度障害を含む)に禁忌である。本患者は、腎障害を有している(BUN、血清クレアチニン値が高値を示している)ことからグリメピリド及びメトホルミンの増量を行うことは不適切である。2:誤\n本患者は、血清カリウムが正常範囲内にあるため、カリウム製剤を追加することは不適切である。3:正\n本患者には糖尿病性腎症に伴う浮腫が認められているため、浮腫を改善するためにフロセミドを追加投与することは適切である。4:誤\n本患者は、LDL-C、HDL-C、TGが正常範囲内にあるため、コレスチラミン、ベザフィブラートを追加投与することは不適切である。5:誤\n解説4参照"} +{"problem_id": "101307", "problem_text": "この患者は、ある臓器の障害により浮腫を生じていたが、その後、同じ臓器の障害による貧血を生じた。この貧血の機序として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["トランスフェリンの産生が抑制されるため。", "血尿が生じるため。", "エリスロポエチンの分泌が減少するため。", "内因子の分泌不全が起こるため。", "ヘモグロビンの消費が増加するため。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本患者のような重度の腎機能障害では、エリスロポエチンの産生・分泌の減少による腎性貧血を生じる可能性がある。"} +{"problem_id": "101308", "problem_text": "62歳男性。切除不能の再発直腸がんに対して、カペシタビンとオキサリプラチン併用化学療法を開始することになった。外来化学療法室の薬剤師は、男性には循環器内科の受診歴があり、以下の薬剤を服用中であることを確認した。薬剤師は以下の検査データを確認した。化学療法の開始に伴う相互作用による重篤な副作用を回避するため、定期的にモニタリングすべき検査データとして、特に重要なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["クレアチニンキナーゼ値", "PT-INR値", "血清カリウム値", "血糖値", "白血球数"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "カペシタビンとワルファリンの併用により、血液凝固能検査値異常、出血が発現し死亡に至った例も報告されている。カペシタビンとワルファリンの相互作用による重篤な副作用を回避するためには、定期的に血液凝固能検査(プロトロンビン時間、PT-INR値)を行い必要な措置を行う必要がある。"} +{"problem_id": "101309", "problem_text": "カペシタビンは添付文書に休薬期間を設けるように記載されているが、休薬期間を設けない処方がなされた。薬剤師が疑義照会をせずに、そのまま調剤したため、患者に健康被害が生じた。薬剤師が問われる可能性のある法的責任として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["民法に基づく不法行為責任", "刑法に基づく業務上過失傷害罪", "薬剤師法に基づく薬剤師業務の停止", "薬剤師法に基づく戒告", "医療法に基づく罰金刑"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "疑わしい点があるにも関わらず疑義照会せずにそのまま調剤したため、患者に健康被害を生じさせた場合、薬剤師は、以下の法的責任を問われることがある。・民事的責任:\n民法に基づく不法行為責任\n・刑事的責任:\n刑法に基づく業務上過失傷害罪\n・行政的責任:\n薬剤師法に基づき戒告、業務停止(3年以内)、免許の取り消し\nなお、医療法には薬剤師に対する刑罰は規定されていないため、医療法に基づく罰金刑を問われることはない。"} +{"problem_id": "101310", "problem_text": "20代女性。下肢のむくみによる不快感を訴え来局した。仕事で1日中立っていることが多く、特に夕方に下肢に重みを感じている。薬剤師はこの女性からの情報をもとに、要指導医薬品である「赤ぶどう葉乾燥エキス混合物」製剤を販売することになった。薬剤師の対応として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["説明を要しない旨の申し出があったので、適正使用のための情報提供を省略した。", "友人の分も購入したいと申し出があったので、症状を詳しく聞いたうえで販売した。", "販売した薬剤師の氏名、薬局名、薬局の連絡先を伝えた。", "販売後、品名、数量、販売日時等を書面に記録し保管した。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n要指導医薬品を販売する際、購入者が説明を要しない旨の申し出があった場合でも薬剤師は購入者に対して書面を用いて情報提供する必要がある。なお、第一類医薬品を販売する際、購入者が説明を要しない旨の申し出があった場合には、適正使用のための情報提供を省略することができる。2:誤\n要指導医薬品を使用する者以外に者(薬剤師等は除く)に対して、要指導医薬品を販売することはできない。3:正\n薬局において要指導医薬品を販売する場合には、販売した薬剤師が氏名、薬局名、薬局の連絡先等を伝えなければならない。4:正\n薬局において要指導医薬品を販売した後、品名、数量、販売日時、販売を行った薬剤師の氏名及び情報提供した薬剤師の氏名、購入者が情報提供及び指導内容を理解したことの確認の結果を書面に記録し保管する必要がある。"} +{"problem_id": "101311", "problem_text": "要指導医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["容器等に「要指導医薬品」の文字が記載されている。", "薬局医薬品である。", "需要者が選択して購入する。", "特定販売(いわゆるインターネット販売など)が可能である。", "貯蔵する場所には、かぎをかけなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n要指導医薬品については、その直接の容器又は直接の被包に、「要指導医薬品」の文字が記載されていなければならない。この文字は原則として黒枠の中に黒字で記載するが、容器の色と比較して明瞭に判読できない場合は、白枠の中に白字で記載することができる。"} +{"problem_id": "101312", "problem_text": "50代男性。いままで頭痛を感じたことはなかったが、しばらく前から違和感をおぼえ、妻が持っていたアセトアミノフェン(300 mg/1錠)を主成分とした一般用医薬品(第2類)を1週間前より服用している。1回1錠、1日2回服用し、症状は和らいではいるものの、いまだに軽度の頭痛を感じる。半月後には時間も取れるので受診するつもりだが、それまでの間、一般用医薬品で対応したいと思い、相談のため来局した。図は男性が服用しているアセトアミノフェン製剤の直接の被包(外箱)を示したものである。図中の表示以外に記載が法令で義務付けられているのはどれか。2つ選べ。ただし、省略等の表示の特例の適用はないものとする。", "choices": ["「第2類医薬品」の文字", "使用上の注意", "保管上の注意", "製造番号又は製造記号", "価格"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "設問の被包には、医薬品の直接の容器に記載すべき事項である「一般用医薬品の区分(第2類医薬品)」及び「製造番号又は製造記号」が記載されていない。なお、使用上の注意及び保管上の注意については、添付文書又はその容器若しくは被包に記載しなければいけない事項に該当するため、添付文書に記載されていれば、その容器もしくは被包に記載されている必要はない。参考\n<医薬品の直接の容器又は直接の被包への記載事項>\n・製造販売業者の氏名又は名称及び住所\n・医薬品の名称\n・製造番号又は製造記号\n・日本薬局方収載医薬品に、「日本薬局方」の文字\n・要指導医薬品は、「要指導医薬品」の文字\n・一般用医薬品は、区分ごとに、厚生労働省令で定める事項\n・習慣性医薬品は、「注意-習慣性あり」の文字\n・処方せん医薬品は、「注意-医師等の処方箋により使用すること」の文字\n・厚生労働大臣が指定する医薬品は、その使用期限:等"} +{"problem_id": "101313", "problem_text": "薬剤師の対応として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["このまま服用して、しばらく様子をみてください。", "1日3回まで服用できるので、昼食後も服用してください。", "安全性の高い医薬品なので、1回2錠に増量して服用してください。", "半月後といわず、すぐに受診してください。", "軽度の痛みなので、イブプロフェンを主成分とした一般用医薬品に変更してください。", "貯蔵する場所には、かぎをかけなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "アセトアミノフェンを主成分とする一般用医薬品は、5〜6回服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、医師、薬剤師等に相談することとされている。設問の男性は、1週間前よりこの一般用医薬品を服用しているにも関わらず、いまだに軽度の頭痛を感じていることから受診勧奨��ることが適切であると考えられる。"} +{"problem_id": "101314", "problem_text": "肺炎球菌感染症予防のためのワクチン(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)の接種にあたり、薬剤師が病院のスタッフに対して、このワクチンに関する情報を提供した。薬剤師が提供する情報として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["高齢者にのみ接種できる。", "不活化ワクチンである。", "すべての肺炎に対して予防効果がある。", "品質が変化する可能性があるので凍結させない。", "製造番号、投与日、投与対象者などの記録を20年間保管する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n本ワクチンは、高齢者以外の者も接種することは可能である。なお、予防接種法において、本ワクチンの定期接種の年齢が定められている(原則として、該当する年度に年齢の下1桁が5又は0となる高齢者(65歳以上))。2:正\n本ワクチンは、不活化ワクチンである。3:誤\n本ワクチンは、23種類の血清型により誘発される肺炎には予防効果があるが、すべての肺炎に予防効果を示さない。4:正\n本ワクチンは、品質変化を避けるため遮光し凍結を避けて8^{\\circ} C以下で保存する必要がある。5:誤\n本ワクチンは、生物由来製品であるため、使用記録(製造番号、投与日、投与対象者等)を保管する必要はない。なお、特定生物由来製品を使用した場合は、使用記録を20年間保管する必要がある。"} +{"problem_id": "101315", "problem_text": "肺炎球菌ワクチンは、生物由来製品として指定されている。生物由来製品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["製造販売業者が、その製品等の感染症に関する知見に基づいた評価を定期的に報告する制度がある。", "遺伝子組換え技術を応用して製造される生物由来製品の添付文書には、その旨を記載しなければならない。", "製造業者が自らその製造を実地に管理しようとするときは、都道府県知事に届け出なければならない。", "生物由来製品を廃棄する場合は、あらかじめ都道府県知事に届け出なければならない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n生物由来製品については、製造販売業者が最新の論文等によって得られた知見に基づいた評価を定期的に報告する制度(生物由来製品に関する感染症定期報告制度)がある。"} +{"problem_id": "101316", "problem_text": "60歳男性。多発性骨髄腫の診断により、治療を受けている。今回、サリドマイドカプセル100 mg 1日1回の経口投与を開始することになった。サリドマイド製剤は希少疾病用医薬品であるとともに、副作用防止体制がとられている。本剤に関する記述のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["製造販売業者による安全管理体制が構築されている。", "再審査期間は20年とされている。", "女性にも投与が可能である。", "承認時に、全症例の製造販売後調査を実施することとされた。", "多発性骨髄腫への使用は、再発又は難治性の場合に限られる。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:適切\n本剤の製造販売業者は、「サリドマイド製剤安全管理手順(TERMS)」を作成することにより、本剤における安全管理体制を構築している。2:不適切\n本剤は希少疾病医薬品に指定されており、再審査期間は10年とされている。3:適切\n本剤を女性に投与することは可能である。なお、本剤は催奇形性を示すことから妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対しては投与禁忌である。4:適切\n本剤の承認条件の一部を以下に示す。<再発又は難治性の多発性骨髄種>\n国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施し、定期的に、その結果を公表すること。<らい性結節性紅斑>\n国内のらい性結節性紅斑での投与症例が極めて限られていることから、再審査期間中は、本剤投与症例全例を登録して安全性及び有効性に関する製造販売後調査を実施すること。5:適切\n本剤は「再発又は難治性の多発性骨髄種」に用いられる。"} +{"problem_id": "101317", "problem_text": "希少疾病用医薬品の指定等に関する手続きのうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["指定申請にあたっては、その用途に係る本邦における対象者の数に関する資料が必要である。", "指定にあたっては、薬事・食品衛生審議会の意見を聴く必要がある。", "指定が行われたときは、その旨が公示される。", "指定を受けた者が試験研究を中止しようとするときは、あらかじめ、届け出なければならない。", "指定が取り消されたときは、その旨は公示されない。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n希少疾病医薬品は、対象者の数が我が国において5万人に達しないこととされていることから、希少疾病医薬品の指定を受けるにあたり、我が国における対象者数に関する資料が必要である。"} +{"problem_id": "101318", "problem_text": "83歳男性。血糖コントロール不良のため、在宅訪問による服薬管理を行ってほしいと内科医から保険薬局に依頼があった。保険薬剤師が男性宅を訪問したとき、多くの糖尿病治療薬の飲み残しがあった。また家族からの情報で、この男性は耳鳴りを訴え、耳鼻科からの投薬を受けていることを確認した。認知機能の低下は顕著ではない。薬剤師は、この男性の服薬アドヒアランス低下に関わる問題点を確認した。それに対する薬剤師の対応のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "本設問の男性は多くの問題点を有しており、それによりアドヒアランス(患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること)が低下している。それぞれの問題点に対して不適切な対応は「選択肢2」である。薬の副作用が怖いので飲まない患者に対しては、起こり得る副作用や服用しないことにより起こるリスクについて十分説明し、患者に理解してもらったうえで服用してもらう必要がある。"} +{"problem_id": "101319", "problem_text": "この男性は、介護保険の給付を受けるために申請をすることになった。介護保険制度に関する説明のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["75歳以上の人は、自己負担金が免除されます。", "要介護状態区分は、介護認定審査会が判定します。", "要介護状態は、要介護1と2の2つに区分されています。", "要介護認定を受けた場合、訪問による薬剤管理指導に係る給付は、医療保険が優先されます。", "介護支援専門員は、サービス計画書(ケアプラン)の作成などを行います。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n介護保険の一部負担金は、原則として1割負担である。"} +{"problem_id": "101320", "problem_text": "下図は、製造販売業者から独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ報告された、一般用医薬品が原因と疑われる副作用の数を円グラフで示したものである。図のア及びイに入る薬効分類の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "厚生労働省 医薬品・医療機器等安全性情報No293に記載されている「薬効群別副作用症例数の状況(平成19年度から平成23年度)」以下に示す。よって、図のアには「総合感冒剤(かぜ薬)」が入り、図のイには「漢方製剤」が入る。(注意!: 設問の図とデータの出所の年度が異なる。データの出所を基に解説を作成。)"} +{"problem_id": "101321", "problem_text": "医薬品による危害の発生又は拡大の防止のために定められている施策に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["患者が、直接、PMDAに副作用を報告する制度はない。", "医薬品の製造販売業者は、その製造販売をしている医薬品について、副作用等を知ったときは、内容にかかわらず30日以内に厚生労働大臣に報告しなければならない。", "国は、医薬品の使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のための施策を策定しなければならない。", "薬剤師は、医薬品の製造販売業者が行う適正な使用のために必要な情報の収集に協力するよう努めなければならない。", "都道府県知事は、医薬品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、製造販売業者に対して、当該医薬品の販売の一時停止を命ずることができる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n平成24年3月より、患者又はその家族が、直接、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に副作用を報告する患者副作用報告���ステムが導入された。"} +{"problem_id": "101322", "problem_text": "保険薬局の管理薬剤師が、新人の薬剤師に保険調剤について指導を行った。管理薬剤師が説明する内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["調剤を行う場合は、患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認しなければならない。", "調剤を行った場合は、その翌月末までに、当該調剤に関する必要な事項を調剤録に記載しなければならない。", "調剤済みとなった麻薬処方箋の保管期間は、5年間である。", "後発医薬品に変更可能な処方箋を調剤するときは、患者に対して後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n保険薬剤師は、調剤を行う場合、患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認しなければならない。2:誤\n保険薬剤師は、調剤を行った場合、調剤後すみやかに、当該調剤に関する必要な事項を調剤録に記載しなければならない。3:誤\n調剤済みとなった麻薬処方箋の保管期間は、他の処方箋と同様、3年間である。4:正\n保険薬剤師は、後発医薬品に変更可能な処方箋を調剤するときは、患者に対して後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない。なお、この場合においては、後発医薬品を調剤するように努めなければならない。"} +{"problem_id": "101323", "problem_text": "保険調剤は、「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」に基づくものである。この規則の根拠となっている法律はどれか。1つ選べ。", "choices": ["介護保険法", "医療法", "健康保険法", "薬剤師法", "医薬品医療機器等法"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(薬担規則)は、健康保険法の規定に基づいて定められた厚生労働省令である。"} +{"problem_id": "101324", "problem_text": "25歳男性。19時に来局した。男性は「本日、夕方から咳こみがひどく、おなかの調子も良くない。熱はないのでかぜの初期症状だと思う。明日から始まる国体に選手として参加するのだが、夜間診療している医療機関に行く時間がない。薬局で買えるかぜ薬と胃薬で早く対処したい。」と訴えた。以下の成分を含む一般用医薬品のうち、ドーピング禁止物質^{*}を含まないのはどれか。2つ選べ。(*世界アンチ・ドーピング機構が定める禁止表に記載されている物質)", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "ドーピング禁止物質については、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)によって「I: 常に禁止される物質」「II: 競技会(時)に禁止される物質」「III: 特定競技において禁止される物質」に分類されている。I: 常に禁止される物質無承認物質、タンパク同化薬、ペプチドホルモン、成長因子、アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬、ホルモン関連薬及び代謝調節薬、利尿薬及び隠蔽薬\nII: 競技会(時)に禁止される物質\nIに加えて、興奮薬、麻薬、カンナビノイド、糖質コルチコイド\nIII: 特定競技において禁止される物質\nI、IIに加えて、アドレナリン\\beta 受容体遮断薬\n1:ドーピング禁止物質が含まれている\n本剤に含まれているホミカエキス散には、ストリキニーネが含まれている。ストリキニーネは興奮作用を有しており、ドーピング禁止物質に該当する。2:ドーピング禁止物質が含まれている本剤に含まれているメトキシフェナミン塩酸塩は、アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬作用を有しており、ドーピング禁止物質に該当する。3:ドーピング禁止物質は含まれていない\n4:ドーピング禁止物質が含まれている\n本剤に含まれているプソイドエフェドリン塩酸塩は、交感神経興奮作用を有しており、ドーピング禁止物質に該当する。5:ドーピング禁止物質は含まれていない"} +{"problem_id": "101325", "problem_text": "この男性に対する薬剤師の説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["漢方製剤であれば、どの製品でも使用できます。", "健康食品・サプリメントの使用にも、注意が必要です。", "かぜ薬と胃薬であれば、今晩使用した分は、明日の朝までに体外に排出されます。", "ドーピング禁止物質は、新しく追加されたり変更されることがあります。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n漢方製剤の構成生薬にドーピング禁止物質が含まれているものが���る。麻黄:\nエフェドリン、メチルエフェドリン、プソイドエフェドリン\nホミカ:\nストリキニーネ\nドーピング禁止物質が漢方製剤にも含まれていることを説明する。2:正\n健康食品・サプリメントについては容器には表示されていないがドーピング禁止物質が含まれている可能性があるため、健康食品・サプリメントの使用についても注意するように説明する。3:誤\n夜服用した薬物が翌朝に代謝・排泄されず、体内に残っている可能性があるため、ドーピング禁止物質が含まれているかぜ薬、胃薬については前日に服用しないように説明する。また、ドーピング禁止物質には「I:\n常に禁止される物質」があるため、それらの物質を含む医薬品は競技会前日でなくても服用しないようにする必要がある。4:正\nドーピング禁止物質については、毎年改定されている。"} +{"problem_id": "101326", "problem_text": "薬剤師がチーム医療の中で、積極的に行うことが期待されている行為として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬剤の投与量、投与方法、投与期間等を薬剤師の判断で変更する。", "薬物の血中濃度や副作用のモニタリング等に基づき、薬剤師の判断で薬剤の変更を行う。", "入院患者の持参薬の内容を確認した上で、薬剤師の判断で服薬計画を立案し、医師に対し提案する。", "在宅患者に対して、栄養状態を考慮したうえで薬剤師の判断で輸液の投与を行う。", "長期処方においては、薬局で患者の副作用の発現状況を定期的に確認するために、薬剤師の判断で、医師に照会後、処方内容を分割して調剤する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "医療スタッフの協働・連携によるチーム医療に関する厚生労働省医政局通知(平成22年4月30日医政発0430第一号)には、チーム医療において薬剤師を積極的に活用することが可能な業務について記載されている。薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダについて、医師・薬剤師等により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、専門的知見の活用を通じて、医師等と協働して実施すること。薬剤選択、投与量、投与方法、投与期間等について、医師に対し、積極的に処方を提案すること。薬物療法を受けている患者(在宅の患者を含む。)に対し、薬学的管理(患者の副作用の状況の把握、服薬指導等)を行うこと。薬物の血中濃度や副作用のモニタリング等に基づき、副作用の発現状況や有効性の確認を行うとともに、医師に対し、必要に応じて薬剤の変更等を提案すること。薬物療法の経過等を確認した上で、医師に対し、前回の処方内容と同一の内容の処方を提案すること。外来化学療法を受けている患者に対し、医師等と協働してインフォームドコンセントを実施するとともに、薬学的管理を行うこと。入院患者の持参薬の内容を確認した上で、医師に対し、服薬計画を提案するなど、当該患者に対する薬学的管理を行うこと。定期的に患者の副作用の発現状況の確認等を行うため、処方内容を分割して調剤すること。抗がん剤等の適切な無菌調製を行うこと。上記の内容より、薬剤師がチーム医療の中で、積極的に行うことが期待されている行為として適切なのは選択肢3、5である。なお、薬剤の変更、薬剤の投与量、投与方法、投与期間の変更、薬剤の投与については薬剤師の判断で行うことができないため、選択肢1、2、4については薬剤師業務として不適切である。"} +{"problem_id": "101327", "problem_text": "以下の処方に従い調剤された薬剤を監査した結果、問題とならない総重量(分包紙を含む)はどれか。1つ選べ。なお、分包紙重量は4包=2.5 gとする。", "choices": ["24.8 g", "32.5 g", "35.5 g", "42.7 g", "49.7 g"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "<シロップの総量を求める>\nエリスロマイシンエチルコハク酸エステルシロップ用20%(200 mg/g)が原薬量として1日1,200 mg処方されていることから、1日の製剤量を以下のように求めることができる。1,200 mg/日/200 mg/g=6 g/日\n本剤は5日分処方されていることから、シロップの総量を以下のように求めることができる。6 g/日\\times 5日=30 g\n<分包紙総重量を求める>\n本剤の用法、投与日数が1日4回 5日分となっていることから、分包紙の包数は20包であり、また、分包紙重量は4包=2.5 gであることから、分包紙総重量を以下のように求めることができる。20包\\times 2.5 g/4包=12.5 g\n調剤された散剤を鑑査する際、分包した散剤の重量のばらつき誤差は変動係数6.1%以下、また全量の誤差は2%以下であることが望ましいとされていることから、本剤の総量は29.4〜30.6 gの範囲に入っていることが望ましい。よって、問題とならない総重量(分包紙を含む)の範囲は41.9 g〜43.1 gとなる。"} +{"problem_id": "101328", "problem_text": "5歳女児。欠伸発作(てんかん小発作)と診断され、保険薬局へ処方箋を持参した。処方量 [ :A:] mgと秤取量[ :B: ]gの組合せで最も適切なのはどれか。1つ選べ。なお、エトスクシミドの原薬量は成人量として1日450 mgである。小児への投与量は下記の式で計算せよ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "\n本患者は5歳であることから以下のように1日当たりの小児量を求めることができる。本剤は1日2回に分けて服用するため、1回当たりの量は、90 mg/回となる。\nエトスクシミド散50%(500 mg/g)が1日当たりの原薬量として180 mg/日処方されていることから1日当たりの製剤量を以下のように求めることができる。180 mg/日/500 mg/g=0.36 g/日\n本剤は7日分処方されていることから、エトスクシミド散50%の実秤取量を以下のように求めることができる。0.36 g/日\\times 7日=2.52 g"} +{"problem_id": "101329", "problem_text": "72歳男性。薬局に以下の処方箋を持参した。検査値を見せてもらうと血清カリウム値が基準値の上限を超えていた。薬剤師が処方医に疑義照会すべき医薬品はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ランソプラゾール口腔内崩壊錠", "スピロノラクトン錠", "アムロジピン錠", "ピタバスタチンCa錠", "メトプロロール酒石酸塩錠"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "設問に「血清カリウム値が基準値の上限を超えていた」と記載されていることから、副作用として高カリウム血症を起こす「スピロノラクトン錠」の投与について疑義照会する必要がある。スピロノラクトンは抗アルドステロン薬であり、アルドステロンの作用を減弱させ、遠位尿細管および集合管に存在するNa^{+}-K^{+}交換系を抑制することにより、高カリウム血症を引き起こす。"} +{"problem_id": "101330", "problem_text": "薬局において薬剤師の判断で行ってよい調剤行為はどれか。2つ選べ。", "choices": ["水剤の調剤において服用しやすくするために賦形剤を添加した。", "処方箋に使用期限の指定はなかったが、交付年月日から3日目だったので調剤した。", "処方箋中の錠剤を同一銘柄の散剤に変更した。", "処方箋中の医薬品名が略語で記載されていたため、薬歴を参考にして調剤した。", "処方箋中に疑義内容があったが、他の患者で照会済の内容であったのでそのまま調剤した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n保健薬局において、疑義照会せず、薬剤師の判断で行うことができることとして、調剤学上当然の措置があげられる。<調剤学上当然の措置>\n・添加剤(賦形剤、保存剤、安定化剤、溶解補助剤、等張化剤など)を使用する\n・組合せ剤の調製\nこのことから、水剤の調剤において服用しやすくするために賦形剤を添加することは薬剤師の判断で行ってもよい。2:正\n保険処方箋の使用期間は特に記載のある場合を除き、交付日を含めて4日以内と定められている。このことから、処方箋に使用期限の指定はなく、交付年月日から3日目だった場合、薬局の薬剤師の判断で調剤を行ってもよい。3:誤\n処方箋中の錠剤を同一銘柄の散剤に変更するには、疑義照会する必要がある。4:誤\n医薬品名が略語で記載されている場合、疑義照会せずに調剤することはできない。5:誤\n処方箋中に疑義内容があった場合、他の患者で照会済みの内容であったとしても疑義照会する必要がある。"} +{"problem_id": "101331", "problem_text": "薬剤師が以下の処方箋を受け取った。薬局には図中1〜5の調剤器具がある。本処方箋の調剤に使用する調剤器具として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "(処方1)を秤量する際には、スパーテル(選択肢4)が必要であり、(処方2)を秤量、混合する際には、軟膏板及び軟膏へら(選択肢3)が必要である。他の選択肢���器具の用途を以下に示す。メートグラス(選択肢1): 内用液剤の秤量\n乳鉢及び乳棒(選択肢2): 散剤の混和、錠剤の粉砕\n篩(選択肢5): 錠剤を粉砕した際の篩過"} +{"problem_id": "101332", "problem_text": "非小細胞肺がんに対して外来化学療法室でカルボプラチン/パクリタキセル(TC)療法を実施することになり、レジメンに従って以下の処方が出された。これら以外には内服薬、注射薬ともに処方されていない。これらの処方に関する記述として誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["パクリタキセルとカルボプラチンの投与順はどちらが先でもよい。", "アルコールに過敏であるかを事前に確認する必要がある。", "カルボプラチンは高度の催吐性リスクに分類される。", "重大な副作用として末梢神経障害がある。", "腎機能を考慮して投与量を決定する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:誤っている\nレジメンは、投与順に処方が記載されているため、パクリタキセル投与後にカルボプラチンを投与する。なお、カルボプラチンの後にパクリタキセルを投与すると、パクリタキセルの排泄が阻害され、パクリタキセルの副作用である骨髄抑制等が現れる可能性がある。2:正しい\nパクリタキセル注射液には、添加物として無水エタノールが含有されていることから、アルコールに過敏であるかを事前に確認する必要がある。3:誤っている\nカルボプラチンは中等度の催吐性リスク(催吐頻度: 30〜90%)に分類される。なお、高度の催吐性リスク(催吐頻度: 90%以上)に分類される薬物には、シスプラチン、シクロホスファミドなどがある。4:正しい\nパクリタキセルは重大な副作用として、末梢神経障害を起こすことがある。5:正しい\nカルボプラチンは腎消失型薬物であり、腎機能を考慮したカルバート式(Calvert式)を用いて投与量を決定する。"} +{"problem_id": "101333", "problem_text": "手術時に使う手指消毒薬としてクロルヘキシジングルコン酸塩を0.2 w/v%含有する70 vol%エタノールを3 L調製したい。95 vol%エタノール、5 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩を用いて調製する場合、それぞれ何mL用いるか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "<95 vol%エタノールの必要量(mL)を求める>\n70 vol%エタノール3 Lを調製するためには、成分量として3 L\\times 0.7=2.1 L=2,100 mLのエタノールが必要となる。95 vol%エタノールで成分量として2,100 mLのエタノールを用意するためには、95 vol%エタノールがX mL必要である。X mL\\times 0.95=2,100 mL X=2,210\n<5 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩の必要量(mL)を求める>\nクロルヘキシジングルコン酸塩を0.2 w/v%含有する70 vol%エタノールを3 Lを調製するためには、成分量として3 L\\times 0.002=0.006 L=6 gのクロルヘキシジングルコン酸塩が必要となる。5 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩で成分量として6 gのクロルヘキシジングルコン酸塩を用意するためには、5 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩がY mL必要である。Y mL\\times 0.05=6 g Y=120 mL"} +{"problem_id": "101334", "problem_text": "麻薬の取扱いに関する以下の記述のうち、行わなければならない行為はどれか。2つ選べ。", "choices": ["麻薬譲受証及び麻薬譲渡証をもって譲受し、検収時にロット番号を確認する。", "麻薬帳簿とともに、鍵をかけた堅固な金庫内に保管する。", "麻薬処方箋に、麻薬施用者の記名押印又は署名、免許証の番号が記載されていることを確認する。", "使用済みの貼付剤は、すべて回収し、記録後に廃棄する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n麻薬を譲受する際には、麻薬譲受証及び麻薬譲渡証の交換が必要である。また、麻薬の検収する際には、麻薬譲渡証の記載事項及び押印等に不備がないこと、麻薬譲渡証の品名、数量、製品番号(ロット番号)と現品が相違ないこと、麻薬の容器には証紙による封かんがなされていることを確認する必要がある。2:誤\n麻薬を保管する場所には、麻薬以外の医薬品(覚せい剤を除く)や現金及び書類(麻薬帳簿等)等を一緒に保管することはできない。3:正\n麻薬処方箋には、患者の氏名、患者の住所、麻薬の品名、分量、用法、用量、処方箋の使用期間、処方箋発行年月日、麻薬施用者の記名押印又は署名、免許証番号、麻薬診療施設の名称、所在地を記載しなければならない。4:誤\n回収した使用済みの貼付剤は、他の医薬品と同様の方法で廃棄し、廃棄した内容については帳簿に記載する必要はない。"} +{"problem_id": "101335", "problem_text": "55歳女性。3日前から腹部膨満感と嘔気があり、昨日からの腹痛と間欠的な嘔吐のため受診した。診察の結果、血圧98/62 mmHg、脈拍104/分、尿量低下、Na^{+}130 mEq/L、K^{+}3.5 mEq/L、Cl^{-}90 mEq/Lであり、細胞外液減少を認めた。この患者に投与する輸液の組成として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "診察の結果、細胞外液減少が認められていることから、本患者に対しては等張性電解質輸液(生理食塩液、リンゲル液、乳酸リンゲル液)を投与する必要がある。1:誤\n5%ブドウ糖液の組成である。5%ブドウ糖液は、脱水症(特に水欠乏時)に用いられる。2:誤\n低張性電解質輸液である4号液(術後回復液)の組成である。4号液は、術後早期の水分・電解質補給に用いられる。3:誤\n低張性電解質輸液である3号液(維持液)の組成である。3号液は、経口摂取不能又は不十分な場合の水分・電解質の補給・補正に用いられる。4:誤\n低張性電解質輸液である2号液(維持液)の組成である。2号液は、脱水症及び手術前後の水分・電解質の補給・補正に用いられる。5:正\n等張性電解質輸液である乳酸リンゲル液の組成である。"} +{"problem_id": "101336", "problem_text": "調剤室にある錠剤棚のAとBに配置していた医薬品が採用中止となり、下記の新規採用医薬品と入れ替えることにした。この薬局の業務手順書は、法的及び安全管理の観点から医薬品の一般名称での50音順で配列し、規制区分も考慮している。新規採用医薬品: Aとして、トラマドール塩酸塩カプセル50 mg、トリアゾラム錠0.25 mg、トリクロルメチアジド錠1 mg Bとして、フェノバルビタール錠30 mg、フェブキソスタット錠20 mg、フェンタニル舌下錠100 \\micro g AとBに入れる適切な組合せはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "本設問では、医薬品の規制区分(毒薬、劇薬、麻薬、向精神薬など)を考慮にいれ、医薬品の配置を設定する必要がある。A\nAの周囲のドキサゾシン錠1 mgとトリヘキシフェニジル錠2 mgは普通薬であることからAに配置するのは普通薬である。トラマドール塩酸塩カプセル50 mgは劇薬、トリアゾラム錠0.25 mgは向精神薬、トリクロルメチアジド錠1 mgは普通薬である。よって、Aにはトリクロルメチアジド錠1 mgを配置する。B\nBの周囲のフェキソフェナジン錠60 mgとフドステイン錠200 mgは普通薬であることからBに配置するのは普通薬である。フェノバルビタール錠30 mgは劇薬・向精神薬、フェブキソスタット錠20 mgは普通薬、フェンタニル舌下錠100 \\micro gは麻薬である。よって、Bにはフェブキソスタット錠20 mgを配置する。"} +{"problem_id": "101337", "problem_text": "下の図は一般的な外来初回診療の流れを示している。選択肢の語句を[A]〜[E]に当てはめたとき、[C]に入るものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["検査", "診断", "診察", "経過観察", "治療"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "一般的な外来初回診療の流れを以下に示す。受付 \\rightarrow 診察(病状、病因を調べる) \\rightarrow 検査 \\rightarrow 診断(健康状態、病気の種類や病状を判断する) \\rightarrow 経過観察又は治療"} +{"problem_id": "101338", "problem_text": "54歳男性。腎細胞がん治療の内服薬導入のため入院し、1週間で退院することとなった。退院時に手足症候群への対応を含む以下の処方箋が交付され、近所の薬局に持参した。この患者への服薬指導として適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["熱い風呂は、控えましょう。", "直射日光に当たらないようにしましょう。", "手足に痛みが現れたら、薬の使用を中止してください。", "白色ワセリンは副作用の予防になるので毎日使いましょう。", "足に密着したきつめの靴下を履きましょう。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "手足症候群とは、抗悪性腫瘍薬(特にフルオロウラシル、ドセタキセル水和物、カペシタビン、ソラフェニブトシル酸塩、スニチニブリンゴ酸塩など)の使用により手や足の皮膚細胞が障害されることにより起こる副作用である。手足症候��の予防法とその具体例を以下に示す。<手足症候群の予防法とその具体例>\n①物理的刺激を避ける\n締め付けの強い靴下を着用しない。足に合った靴下を着用する。長時間の歩行を避ける。洗剤類にじかに触れないようにする。②熱刺激を避ける\n熱い風呂やシャワーを避ける。③皮膚の保護\n保湿剤(ヘパリン類似物質含有軟膏、白色ワセリンなど)を塗布する。厚めの靴下を履く。④2次感染を予防する\n清潔をこころがける。⑤直射日光を避ける\n外出時には日傘、帽子、手袋を使用する。1:適切\n2:適切\n3:不適切\nソラフェニブトシル酸塩服用中に手足に痛みが現れた場合には、副作用である手足症候群が発症した可能性がある。そのような場合は、ソラフェニブの服用を継続するか、中止するかは症状によって異なるため、薬の服用を勝手に中止せず、医師または薬剤師に相談するように説明する。4:適切\n5:不適切"} +{"problem_id": "101339", "problem_text": "病院における医薬品採用に関する記述として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医療用医薬品製品情報概要が、医薬品の情報源として最も重視される。", "新しい作用機序をもつ医薬品は、医師の申請通りに採用する。", "後発医薬品は主成分が同じなので、購入価格のみを考慮して採用を決定する。", "薬事委員会などを設置し、採否について審議する。", "新規医薬品採用時の安全性評価において、海外の臨床試験データは参考にしない。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n医薬品を採用する際、医薬品の情報源として最も重視されるのは、医療用添付文書及びインタビューフォームである。なお、医療用医薬品製品情報概要は、医薬品の普及並びに適正使用を推進するために製薬企業が当該医薬品の概略を記載した試料であり、医療用添付文書やインタビューフォームに比べ信頼性は低い。2:誤\n医薬品を採用する際は、薬事委員会で審議した上で採用の可否を決定する。3:誤\n後発医薬品と先発医薬品は、主成分は同じであるが、剤形や添加物、適応症などが異なることがあるため、購入価格のみ考慮して採用を決定するのではなく、剤形や添加物、適応症なども考慮して採用を決定する必要がある。4:正\n解説2参照\n5:誤\n新規医薬品採用時の安全性評価において、海外の臨床データがある場合には、海外の臨床データについても参考にする。"} +{"problem_id": "101340", "problem_text": "医薬品情報に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["二重盲検比較試験は、メタアナリシスよりもエビデンスレベルが高い。", "医療用医薬品の添付文書は、医薬品医療機器等法によりその記載内容が規定された公的文書である。", "能動的情報提供とは、医療従事者や患者などからの質問に対して情報提供を行うことである。", "二次資料は、新しい知見の報告を主体とし原著記事を収載した資料である。", "緊急安全性情報は、緊急に安全対策上の措置を講じる必要がある場合に、医薬品の製造販売業者等が作成する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nメタアナリシスとは、独立して行われた複数の臨床研究のデータを収集し、統合的に総合評価する統計解析法のことであり、最もエビデンスレベル(信頼性)の高い研究方法である。2:正\n医療用医薬品添付文書の記載事項については、医薬品医療機器等法により規定されている。医療用医薬品添付文書は、各種医薬品情報の中で唯一法的根拠をもつ。3:誤\n医療従事者や患者などからの質問に対して情報提供を行うことは、受動的情報提供に該当する。なお、能動的情報提供とは、不特定多数の医療従事者や患者に積極的に情報提供を行うことである。4:誤\n新しい知見の報告を主体とし原著記事を収載した資料は一次資料である。なお、二次資料とは、一次資料の内容を要約したものや一次資料の検索を容易にしたものである。5:正\n緊急安全性情報は、緊急に安全対策上の措置を講じる必要がある場合に厚生労働省の指示を受けた日から1ヶ月以内に製造販売業者が作成する資料であり、イエローペーパーともよばれる。"} +{"problem_id": "101341", "problem_text": "8歳男児。ぜん息でかかりつけ医に以下の処方を出してもらっている。しかし、発作が頻発し症状が重篤化したため救急車で病院に搬送された。かかりつけ医が処方した薬のアドヒアランスを確認したところ、しっかり服用できていた。発作時の薬物療法として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アミノフィリンの点滴", "ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウムの点滴", "クロモグリク酸ナトリウムの吸入", "プロカテロール塩酸塩水和物の吸入", "サルブタモール硫酸塩の吸入"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "気管支ぜん息治療薬には、発作治療薬(リリーバー)と長期管理薬(コントローラー)がある。・発作治療薬(リリーバー)として用いられるもの\nアミノフィリンの点滴(選択肢1)\nヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウムの点滴(選択肢2)\nプロカテロール塩酸塩水和物の吸入(選択肢4)\nサルブタモール硫酸塩の吸入(選択肢5)\n・長期管理薬(コントローラー)として用いられるもの\nクロモグリク酸ナトリウムの吸入(選択肢3)"} +{"problem_id": "101342", "problem_text": "50歳女性。関節リウマチの診断を受け、生物学的製剤の導入目的で入院した。入院前よりメトトレキサート、ジクロフェナクナトリウムを服用している。入院2日目の朝、薬剤師が病棟へ行くと、「吐き気が4、5日前からあり、食欲もない。」と訴えがあった。さらに薬剤師が尋ねると、下痢はしていないが便は黒っぽい、胸や肩、頭の痛みはないということであった。入院時検査データ 血圧96/74 mmHg、脈拍95回/分 白血球3700/\\micro L、赤血球220万/\\micro L、血小板15万/\\micro L ヘモグロビン10.2 g/dL、ヘマトクリット24.1% その他の所見 発熱(-)、粘膜乾燥気味、眼瞼結膜は蒼白 薬剤師は副作用を疑い、直ちに担当医師に報告した。考えられる副作用として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["髄膜炎", "再生不良性貧血", "消化性潰瘍", "偽膜性大腸炎", "血小板減少症"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本患者は、ジクロフェナクナトリウムを服用していることに加え、自覚症状として「吐き気」があり、便が黒っぽいことからジクロフェナクナトリウムの副作用である消化性潰瘍を発症している可能性がある。他の選択肢の初期症状を以下に示す。髄膜炎: 発熱、頭痛、悪心、嘔吐など\n再生不良性貧血: 貧血症状、発熱、紫斑、出血など\n偽膜性大腸炎: 激しい腹痛、下痢、発熱など\n血小板減少症: 紫斑、出血など"} +{"problem_id": "101343", "problem_text": "62歳男性。頭痛、のどの痛み、痰の絡む咳、鼻水に加え鼻閉症状を訴えて来局した。男性に質問したところ、仕事で車を運転していること、毎日晩酌し、1日20本の喫煙をしていることがわかった。現在、服用している薬はない。そこで、下記の成分が含まれる一般用医薬品を提案した。販売時に薬剤師が情報提供・指導する内容として適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["低血糖を起こすことがありますので注意してください。", "薬を飲む前後はお酒を飲まないでください。", "眠くなる成分は入っていませんので、服用後の車の運転は大丈夫です。", "便秘をすることがありますので注意してください。", "のどが渇くことがあるので、適宜水分を補給してください。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:適切でない\n総合感冒薬Aには、低血糖を誘発するような成分は含まれていない。2:適切である\nアルコールによりd-クロルフェニラミンマレイン酸塩及びジヒドロコデインリン酸塩の中枢抑制作用が増強するため、服用中は飲酒を控える必要がある。3:適切でない\nd-クロルフェニラミンマレイン酸塩及びジヒドロコデインリン酸塩は、中枢抑制作用を有するため、服用中に眠気を誘発することがある。4:適切である\nジヒドロコデインリン酸塩は、腸管運動を抑制するため、副作用として便秘が現れることがある。5:適切である\nd-クロルフェニラミンマレイン酸塩、抗コリン作用を有するため、副作用として口渇が現れることがある。"} +{"problem_id": "101344", "problem_text": "7歳女児。近医の皮膚科にてアトピー性皮膚炎と診断され、母親が以下の処方箋を保険薬局に持参した。薬剤師が母親に服薬指導する内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["タクロリムス軟膏は、傷やただれているところに使用して下さ���。", "ベタメタゾン吉草酸エステルクリームは、症状が改善されても自己判断で中止しないで下さい。", "ヘパリン類似物質クリームは、皮膚の保湿効果があります。", "ヘパリン類似物質クリームは、傷やただれがあるところに塗らないで下さい。", "フェキソフェナジン塩酸塩は、眠気を起こしにくい薬です。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:適切でない\nタクロリムス軟膏を傷やただれているところに使用すると、吸収が促進され、血中濃度が上昇し、副作用である腎障害が発現する可能性がある。そのため、タクロリムス軟膏を使用する場合には、あらかじめ傷口の処置を行い、傷やただれの改善を確認した後に、本剤の使用を開始する。2:適切である\nベタメタゾン吉草酸エステルは副腎皮質ステロイド性薬である。ベタメタゾン吉草酸エステルクリームを急に中止すると、ステロイド離脱症候群(低血圧、低血糖、低ナトリウム血症、高カリウム血症など)が現れることがある。3:適切である\nヘパリン類似物質クリームは、角質水分保持増強作用を示すため、皮膚の保湿効果を有する。4:適切である\nヘパリン類似物質クリームを使用する際、傷やただれを避けて使用する必要がある。5:適切である\nフェキソフェナジン塩酸塩は、第二世代抗ヒスタミン薬であり、脳内移行性が低く、眠気を誘発しにくい。"} +{"problem_id": "101345", "problem_text": "52歳男性。身長170 cm。血液検査の結果、血清ナトリウム濃度が147 mEq/Lであり、高張性脱水と診断され、輸液により水分を補給することになった。この男性の水分欠乏量を血清ナトリウム濃度から算出した場合、最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、この男性の健常時の体重は70 kg、血清ナトリウム濃度の目標値を140 mEq/L、体水分量を体重の60%とする。", "choices": ["1.0 L", "1.5 L", "2.0 L", "2.5 L", "3.0 L"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "高張性脱水(体内の水分が不足し、電解質濃度が高い状態)を治療するに当たっては、不足した水分を補う必要がある。血清ナトリウム濃度より水分欠乏量を以下のように求めることができる。147 mEq/L\\times この男性の脱水状態の体液量=140 mEq/L\\times この男性の健常児の体液量\n147 mEq/L\\times この男性の脱水状態の体液量=140 mEq/L\\times 42 L\nこの男性の脱水状態の体液量=42 L\\times 140/147\\fallingdotseq 40 L\nこの男性の水分欠乏量=42 L-40 L=2.0 L"} +{"problem_id": "102001", "problem_text": "次の関係式のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["1 kHz=1\\times 10^{6} Hz", "1 nm=1\\times 10^{-9} m", "1 ppm=1\\times 10^{-3} %", "1 \\micro g=1\\times 10^{-3} g", "1 w/v%=1\\times 10^{-2} g/L"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤: 1 kHz=1\\times 10^{3} Hz\n2:正\n3:誤: 1 ppm=1\\times 10^{-6}=1\\times 10^{-4} %\n4:誤: 1 \\micro g=1\\times 10^{-6} g\n5:誤: 1 w/v%=1\\times 10^{-2} g/mL=1\\times 10 g/L"} +{"problem_id": "102002", "problem_text": "陽イオンと陰イオンが水和している状態を最も適切に表しているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "水素原子に比べ、酸素原子は電気陰性度が大きいため、水分子において酸素原子は部分的に負電荷(\\delta ^{-})を帯び、水素原子は部分的に正電荷(\\delta ^{+})を帯びる。よって、陽イオンが水和する際には陽イオンと酸素原子が引き合い、陰イオンが水和する際には陰イオンと水素原子が引き合う。"} +{"problem_id": "102003", "problem_text": "\\alpha 壊変により放出される\\alpha 粒子はどの元素の原子核に相当するか。1つ選べ。", "choices": ["^{1}H", "^{4}He", "^{7}Li", "^{11}B", "^{12}C"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "\\alpha 壊変により放出される\\alpha 粒子はヘリウム原子核(^{4}_{2}He^{2+})である。"} +{"problem_id": "102004", "problem_text": "日本薬局方において、容量分析用標準液のファクターfは、通例どの範囲にあるように調製されるか。1つ選べ。", "choices": ["0.850〜1.150", "0.900〜1.100", "0.950〜1.050", "0.970〜1.030", "0.990〜1.010"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ファクターfとは、調製した容量分析用標準液の規定された濃度(mol/L)からのずれの度合いを表す数値である。日本薬局方において、容量分析用標準液のファクターfは通常「0.970〜1.030」の範囲に入るように調製される。"} +{"problem_id": "102005", "problem_text": "酵素反応速度を表す式はどれか。1つ選���。", "choices": ["ミカエリス・メンテンの式", "ファントホッフの式", "ヤングの式", "ブラッグの式", "ストークスの式"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "酵素反応速度を表す式は、ミカエリス・メンテンの式である。1:正\n2:誤\nファントホッフの式は、平衡定数と温度の関係を示す式である。3:誤\nヤングの式は、固体、液体-固体、液体の表面張力と接触角の関係を示す式である。4:誤\nブラッグの式は、X線回折現象が認められる際に成立する式である。5:誤\nストークスの式は、沈降速度と粒子径、溶媒の粘度の関係を示す式である。"} +{"problem_id": "102006", "problem_text": "シスプラチン((SP-4-2)-Diamminedichloroplatinum)はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "シスプラチンの構造式は、選択肢1である。以下にシスプラチンの化学名について説明する。SP-4: 平面四角形型\n-2: 平面四角形型に結合している優先順位①の配位子に対してトランス位にある配位子の優先順位が②\nDiammine: アンミン(金属錯体において、配位子としてのアンモニアの名称)が2つ\ndichloro: 塩素が2つ\nplatinum: 白金"} +{"problem_id": "102007", "problem_text": "キラルな化合物はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "キラルな化合物とは、その鏡像体と重ね合せることができない化合物のことである。キラル化合物は、一般に不斉炭素を有する。なお、不斉炭素を有する化合物の中でも分子内対称面を持つものはメソ化合物といわれ、キラル化合物ではない。選択肢1、2、5: 不斉炭素を有しないため、キラルな化合物ではない。選択肢3: 不斉炭素及び分子内対称面を有するため、メソ化合物である(キラルな化合物ではない)。選択肢4: 不斉炭素を有し、分子内対称面を有しないため、キラルな化合物である。"} +{"problem_id": "102008", "problem_text": "ラジカル中間体を経る反応はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n本反応はカルボカチオン中間体を経由する一分子求核置換(S_{N}1)反応である。2:誤\n本反応は中間体を経由しない二分子脱離(E2)反応である。3:正\n本反応はベンジルラジカル中間体を経由する反応である。4:誤\n本反応は中間体を経由しない二分子求核置換(S_{N}2)反応である。5:誤\n本反応は中間体を経由しないDiels-Alder反応である。"} +{"problem_id": "102009", "problem_text": "オゾン(O_{3})の構造式として最もふさわしいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "オゾンの中央の酸素は電子を供与することによりプラスに帯電し、供与を受けた酸素はマイナスに帯電して存在している。また、オゾンは以下のような共鳴構造をとっている。"} +{"problem_id": "102010", "problem_text": "次のアミノ酸のうち、破線で囲んだ部分の塩基性が最も強いのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "構造中にローンペアを有する窒素(N)が存在する化合物はH^{+}(プロトン)を受け取ることができるため、塩基性を示す。1:誤\nL-アスパラギン酸の構造である。破線で囲んだ部分はカルボン酸であり、酸性を示す。2:正\nL-アルギニンの構造である。破線で囲んだ部分はグアニジノ基であり、その共役酸は共鳴安定化するため、強い塩基性を示す。3:誤\nL-グルタミンの構造である。破線で囲んだ部分はカルバモイル基であり、窒素に存在するローンペアが隣のカルボニル基と共鳴するため、塩基性を示さない。4:誤\nL-トリプトファンの構造である。破線で囲んだ部分はインドール-3-イル基であり、窒素に存在するローンペアが芳香族性に寄与するため、塩基性を示さない。5:誤\nL-ヒスチジンの構造である。破線で囲んだ部分はイミダゾール-4-イル基であり、1位の窒素に存在するローンペアは芳香属性に寄与するため、塩基性を示さないが、3位の窒素に存在するローンペアは芳香属性に寄与しないため、塩基性を示す。"} +{"problem_id": "102011", "problem_text": "下図はヒトの消化器系の模式図である。1〜5のうち、直腸はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "設問の模式図において1: 胃、2: 十二指腸、3: 空腸、4: 下行結腸、5: 直腸である。直腸は肛門に近い消化管��あり、直腸上部、中部、下部に分けられる。"} +{"problem_id": "102012", "problem_text": "ω6系(n-6系列)の脂肪酸はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "不飽和脂肪酸は、末端のメチル基(ω位)から何番目の炭素に初めて二重結合が存在するかによって分類される。ω6系列(n-6系列)の脂肪酸はω位から6番目に初めて二重結合が存在する脂肪酸であることから選択肢4(アラキドン酸)がω6系列(n-6系列)に分類される。"} +{"problem_id": "102013", "problem_text": "真核細胞でのmRNAのプロセシングによる成熟過程において、イントロンの除去に関わるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["スプライソソーム", "ヌクレオソーム", "オートファゴゾーム", "プロテアソーム", "リソソーム"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "真核細胞でのmRNAのプロセシングによる成熟過程において、イントロンの除去に関わるのは、スプライソソームである。スプライソソームはタンパク質とRNAの複合体で、転写されたmRNA前駆体からイントロンを取り除いて成熟RNAにする機能を有する。1:正\n2:誤\nヌクレオソームは、クロマチンの基本構造であり、ヒストン8量体にDNAが巻き付いた構造をしている。3:誤\nオートファゴゾームとは、細胞が自己の内容物を消化するために、その内容物を膜で取り込んだ状態の小胞のことである。4:誤\nプロテアソームとは、ユビキチン化されたタンパク質をATP依存的に分解する酵素の複合体のことである。5:誤\nリソソームとは、種々の加水分解酵素を含む細胞小器官のことである。"} +{"problem_id": "102014", "problem_text": "真菌に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ミトコンドリアをもたない。", "エルゴステロールを含む細胞膜をもつ。", "葉緑体をもつ。", "細胞壁をもたない。", "原核生物に分類される。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "真菌は真核生物であり、エルゴステロールを含む細胞膜及びキチンや\\beta -グルカンなどを主成分とする細胞壁を有し、また、ミトコンドリアなどの細胞小器官を有する。なお、真菌は植物ではないため、葉緑体を有しない。"} +{"problem_id": "102015", "problem_text": "初回の免疫により最も早期に分泌される抗体のクラスはどれか。1つ選べ。", "choices": ["IgA", "IgD", "IgE", "IgG", "IgM"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "初回免疫応答(一次免疫応答)で最も早期に分泌される抗体はIgMである。なお、同一抗体における二回目以降の免疫応答(二次免疫応答)ではIgGが急速かつ大量に産生される。"} +{"problem_id": "102016", "problem_text": "リノール酸において、変質の開始反応となる水素の引き抜きが最も起こりやすい部位はどこか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "リノール酸などの油脂の変質は、光や熱の作用により活性メチレン(二重結合に挟まれたメチレン(-CH_{2}))から水素が引き抜かれることで起こる。よって、リノール酸において、変質の開始反応となる水素の引き抜きが最も起こりやすい部位は選択肢3のメチレンである。"} +{"problem_id": "102017", "problem_text": "フェニルケトン尿症患者が摂取しないように気をつける必要のある食品添加物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アスパルテーム", "アセスルファムカリウム", "キシリトール", "サッカリン", "スクラロース"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "フェニルケトン尿症では、フェニルアラニンからチロシンを生成する際に必要な酵素(フェニルアラニン水酸化酵素)が欠損しているため、フェニルケトン尿症の患者は、フェニルアラニンを摂取しないようにする必要がある。アスパルテームはアスパラギン酸とフェニルアラニンメチルエステルからなるジペプチドであり、代謝されるとフェニルアラニンを生じるため、フェニルケトン尿症の患者は、アスパルテームを摂取しないようにする必要がある。"} +{"problem_id": "102018", "problem_text": "ブタのレバーを生で食べることにより感染するリスクが最も高いウイルスはどれか。1つ選べ。", "choices": ["A型肝炎ウイルス", "B型肝炎ウイルス", "C型肝炎ウイルス", "E型肝炎ウイルス", "ノロウイルス"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、ブタのレバーを生で食べることにより感染するリス���が最も高いウイルスは、E型肝炎ウイルスである。E型肝炎ウイルスは、ブタなどの動物の内臓、肉の生食を介して感染する。1:誤\nA型肝炎ウイルスは、主に汚染された水及び魚介類を介して感染する。2:誤\nB型肝炎ウイルスは、主に血液、体液を介して感染する。3:誤\nC型肝炎ウイルスは、主に血液を介して感染する。4:正\n5:誤\nノロウイルスは、主に汚染されたカキなどの貝類を介して感染する。"} +{"problem_id": "102019", "problem_text": "母子感染する病原体のうち、新生児の心臓奇形と難聴のリスクを高めるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)", "サイトメガロウイルス", "風しんウイルス", "トキソプラズマ原虫", "梅毒トレポネーマ"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "母子感染する病原体のうち、新生児の心臓奇形と難聴のリスクを高めるのは、風疹ウイルスである。1:誤\nヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)は、母乳感染することがある。HTLV-1に感染すると潜伏期間20年〜30年を経て、成人T細胞白血病(ATL)を発症することがある。2:誤\nサイトメガロウイルスは、母乳感染、経胎盤感染、産道感染することがある。サイトメガロウイルスに感染すると新生児に奇形、聴力障害、肝機能異常などを誘発することがある。3:正\n4:誤\nトキソプラズマ原虫は、経胎盤感染することがある。トキソプラズマ原虫に感染すると新生児に水頭症、視力障害を誘発することがある。5:誤\n梅毒トレポネーマは、経胎盤感染することがある。梅毒トレポネーマに感染すると、早期先天性梅毒や後期先天性梅毒を発症することがある。"} +{"problem_id": "102020", "problem_text": "以下の疾患のうち生活習慣病に含まれないものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルコール性肝疾患", "脳血管疾患", "歯周病", "COPD(慢性閉鎖性肺疾患)", "1型糖尿病"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "生活習慣病とは、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する症候群」と定義され、代表的なものとして、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、アルコール性肝疾患、歯周病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、2型糖尿病などがある。なお、1型糖尿病は自己免疫疾患であり、生活習慣とは無関係に膵\\beta 細胞が障害されることで発症する。"} +{"problem_id": "102021", "problem_text": "特定健康診断で、作業者の尿中から下図の構造の物質が検出された。作業者が曝露されたと考えられる物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アニリン", "キシレン", "スチレン", "トルエン", "ベンゼン"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "設問の構造式は馬尿酸である。トルエンや安息香酸に曝露すると尿中に馬尿酸が排出される。1:誤\nアニリンに曝露すると尿中にp-ニトロフェノールが排出される。2:誤\nキシレンに曝露すると尿中にメチル馬尿酸が排出される。3:誤\nスチレンに曝露すると尿中にマンデル酸が排出される。4:正\n5:誤\nベンゼンに曝露すると尿中にフェノールが排出される。"} +{"problem_id": "102022", "problem_text": "生体内で起こる次の代謝反応のうち、シトクロムP450の寄与が小さいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["フェナセチンのO-脱アルキル化", "N-アセチルアミノフルオレインのN-水酸化", "パラチオンの酸化的脱硫化", "四塩化炭素の還元的脱ハロゲン化", "エタノールの酸化"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "設問の反応のうち、シトクロムP450の寄与が小さいのは、エタノールの酸化である。エタノールの大部分(8〜9割)は、生体内でアルコールデヒドロゲナーゼ(アルコール脱水素酵素: ADH)によりアルデヒド酸化された後、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(アルデヒド脱水素酵素: ALDH)により酢酸となる。なお、エタノールの一部は、CYP2E1によりアルデヒドに代謝される。"} +{"problem_id": "102023", "problem_text": "赤外線の特徴や生体への影響に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["紫外線に比べ、皮膚における透過性が低い。", "視光線に比べ、波長が短い。", "ガラス工などの高温作業従業者における白内障の原因となる。", "日焼けによる色素沈着の原因となる。", "遠赤外線は殺菌灯に用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n紫外線に比べ、皮膚における透過性が高い。2:誤\n可視光線に比べ、波長が長い。3:正\nガラス工などの高温作業場で働く作業員は、赤外線に曝露することが多く、赤外線による水晶体内のタンパク質の変性により白内障になりやすい。4:誤\n日焼けによる色素沈着の原因となるのは、紫外線である。5:誤\n遠赤外線は暖房器具などに用いられるが、殺菌灯に用いられることはない。なお、殺菌灯に用いられるのは紫外線である。"} +{"problem_id": "102024", "problem_text": "アスマン通風乾湿計と乾カタ温度計のみを用いて測定できる室内空気環境の指標はどれか。1つ選べ。", "choices": ["必要換気量", "気動", "熱輻射", "湿カタ冷却力", "補正感覚温度"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "アスマン通風乾湿計と乾カタ温度計のみを用いて測定できるのは、「気動」である。気動はアスマン通風乾湿計で測定できる気温と乾カタ温度計から測定できる乾カタ冷却力より測定することができる。1:誤\n必要換気量は、室内の汚染物質を一定濃度以下にするために必要な換気量のことであり、室内で発生する汚染物質の量より算出することができる。2:正\n3:誤\n熱輻射とは、赤外線等の熱源を考慮にいれた温度のことであり、黒球温度計により測定することができる。4:誤\n湿カタ冷却力とは、衣服が濡れた状態におけるその周辺の空気による熱損失の尺度であり、湿カタ温度計より測定することができる。5:誤\n補正感覚温度とは、熱輻射による影響を考慮した感覚温度のことであり、アスマン通風乾湿計、乾カタ温度計および黒球温度計により測定することができる。"} +{"problem_id": "102025", "problem_text": "環境基本法で規定された以下の公害のうち、環境基準が設定されていないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["大気汚染", "悪臭", "騒音", "土壌汚染", "水質汚濁"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "環境基本法において、環境基準が設定されているのは、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音である。"} +{"problem_id": "102026", "problem_text": "受容体刺激薬(アゴニスト)の結合部位に不可逆的に結合する遮断薬(アンタゴニスト)を加えることにより、アゴニストの用量-反応曲線が点線Aから実線Bのように変化した。正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、余剰受容体はないものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "受容体刺激薬(アゴニスト)結合部位に不可逆的に結合する遮断薬が結合すると、アゴニストが受容体に結合できなくなるため、アゴニストの最大反応率は低下する。"} +{"problem_id": "102027", "problem_text": "Gタンパク質共役型受容体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体", "ストリキニーネ感受性グリシン受容体", "ニコチン性アセチルコリン受容体", "ヒスタミンH_{2}受容体", "インスリン受容体"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体は、グアニル酸シクラーゼ共役型受容体である。2:誤\nストリキニーネ感受性グリシン受容体は、Cl^{-}チャネル内蔵型受容体である。3:誤\nニコチン性アセチルコリン受容体は、Na^{+}チャネル内蔵型受容体である。4:正\nヒスタミンH_{2}受容体は、Gsタンパク共役型受容体である。5:誤\nインスリン受容体は、チロシンキナーゼ型受容体である。"} +{"problem_id": "102028", "problem_text": "シルデナフィルと硝酸薬の併用により増加し、血圧下降の主因となる物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["サイクリックAMP", "サイクリックGMP", "一酸化窒素(NO)", "イノシトール三リン酸(IP_{3})", "ジアシルグリセロール"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "シルデナフィルは、血管平滑筋においてホスホジエステラーゼ(PDE)Vを選択的に阻害することによりサイクリックGMP(cGMP)を増加させる。また、硝酸薬は一酸化窒素(NO)を放出し、グアニル酸シクラーゼを活性化することによりcGMPを増加させる。両剤を併用すると細胞内cGMPが増加し、血管平滑筋が弛緩することにより血圧降下を起こすことがある。"} +{"problem_id": "102029", "problem_text": "ナファゾリンの充血除去作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激", "アドレナリン\\alpha _{2}受容体遮断", "アドレナリン\\beta _{1}受容体刺激", "アドレナリ��\\beta _{2}受容体遮断", "アドレナリン\\beta _{3}受容体刺激"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "ナファゾリンは、選択的アドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激薬であり、血管平滑筋のアドレナリン\\alpha _{1}受容体を刺激することにより血流量を減少させて充血を除去する。"} +{"problem_id": "102030", "problem_text": "GABAトランスアミナーゼを阻害し、抗てんかん作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ガバペンチン", "エトスクシミド", "ジアゼパム", "ゾニサミド", "バルプロ酸"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "GABAトランスアミナーゼを阻害し、抗てんかん作用を示すのは、バルプロ酸である。1:誤\nガバペンチンは、興奮性神経系の前シナプスに存在する電位依存性Ca^{2+}チャネルに結合し、興奮性伝達物質(グルタミン酸など)の遊離を抑制することにより抗てんかん作用を示す。2:誤\nエトスクシミドは、T型Ca^{2+}チャネルを遮断し、T電流を減少させ神経細胞の過興奮を抑制することにより抗てんかん作用を示す。3:誤\nジアゼパムは、GABA_{A}受容体-Cl^{-}チャネル複合体のベンゾジアゼピン受容体に結合し、GABA_{A}の受容体の機能を亢進させることにより抗てんかん作用を示す。4:誤\nゾニサミドは、T型Caチャネル及びNaチャネルに対して、それぞれのチャネルにおける電流の阻害作用を示すことで抗てんかん作用を示す。5:正"} +{"problem_id": "102031", "problem_text": "Ca^{2+}チャネル遮断作用により効果を示す抗不整脈薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ソタロール", "ベラパミル", "リドカイン", "ニフェカラント", "ピルシカイニド"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nソタロールはVaughan Williams分類のIII群の抗不整脈薬であり、K^{+}チャネル遮断及びアドレナリン\\beta 受容体遮断により抗不整脈作用を示す。2:正\nベラパミルはVaughan Williams分類のIV群の抗不整脈薬であり、Ca^{2+}チャネル遮断により抗不整脈作用を示す。3:誤\nリドカインはVaughan Williams分類のIb群の抗不整脈薬であり、Na^{+}チャネル遮断により抗不整脈作用を示す。4:誤\nニフェカラントはVaughan Williams分類のIII群の抗不整脈薬であり、K^{+}チャネル遮断により抗不整脈作用を示す。5:誤\nピルシカイニドはVaughan Williams分類のIc群の抗不整脈薬であり、Na^{+}チャネル遮断により抗不整脈作用を示す。"} +{"problem_id": "102032", "problem_text": "K^{+}チャネル開口作用と分子内からの一酸化窒素(NO)遊離作用を併せもつ狭心症治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ニコランジル", "ペプリジル", "ミノキシジル", "グリベンクラミド", "硝酸イソソルビド"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "ニコランジルは、一酸化窒素を遊離すること及びATP感受性K^{+}チャネル開口することにより血管拡張作用を示すことから、狭心症治療薬として用いられている。1:正\n2:誤\nペプリジルは、心筋細胞においてCa^{2+}、Na^{+}、K^{+}チャネルを遮断することにより抗不整脈作用を示すことから、不整脈治療薬として用いられる。3:誤\nミノキシジルは、血管平滑筋細胞のATP感受性K^{+}チャネルを開口することにより血管拡張作用を示すことから、壮年性脱毛症の進行予防に用いられる。4:誤\nグリベンクラミドは、膵臓ランゲルハンス島\\beta (B)細胞のATP感受性K^{+}チャネルを遮断することによりインスリン分泌促進作用を示すことから、2型糖尿病治療薬として用いられる。5:誤\n硝酸イソソルビドは、NO遊離させ細胞内サイクリックGMP(cGMP)を増加させることにより血管拡張作用を示すことから、狭心症治療薬として用いられる。"} +{"problem_id": "102033", "problem_text": "トリクロルメチアジドにより血中濃度が低下するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Ca^{2+}", "Na^{+}", "低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)", "尿酸", "グルコース"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "トリクロルメチアジドは、近位尿細管の有機アニオン輸送系により尿中へ分泌され遠位尿細管に存在するNa^{+}-Cl^{-}共輸送体を阻害するため、血中のNa^{+}、Cl^{-}が共に低下する。なお、トリクロルメチアジドは副作用として、血中Ca^{2+}の増加、血清脂質の増加、高尿酸血症、低K^{+}血症を起こすことがある。"} +{"problem_id": "102034", "problem_text": "カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害し、Oddi括約筋を弛緩さ���る排胆薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ポリエンホスファチジルコリン", "グリチルリチン", "ウルソデオキシコール酸", "パパベリン", "フロプロピオン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nポリエンホスファチジルコリンは、ホスファチジルコリンとして生体内に取り込まれ、肝細胞膜を安定化し、肝細胞内の酵素活性を維持することにより慢性肝疾患による肝機能を改善する。2:誤\nグリチルリチンは、抗炎症作用、免疫抑制作用により肝機能を改善する。3:誤\nウルソデオキシコール酸は、肝細胞での胆汁分泌を促進させることにより胆汁うっ滞を改善する。また、本薬物は胆汁分泌促進するため、胆石溶解作用も有する。4:誤\nパパベリンは、平滑筋のホスホジエステラーゼを阻害することにより平滑筋の痙れん状態を改善する。5:正\nフロプロピオンは、カテコールアミン-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害し、ノルアドレナリン(NAd)の分解を抑制することによりOddi括約筋を弛緩させ胆汁の十二指腸への排泄を促進する。"} +{"problem_id": "102035", "problem_text": "ビルダグリプチンの血糖降下作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["\\alpha -グルコシダーゼ阻害", "ATP感受性K^{+}チャネル遮断", "アルドース還元酵素阻害", "ジペプチジルペプチダーゼ(DPP-4)阻害", "グリコーゲン合成酵素阻害"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ビルダクリプチンは、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬であり、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の分解に関与するDPP-4を可逆的に阻害し、GLP-1濃度を上昇させることにより血糖依存的にインスリン分泌促進作用及びグルカゴン分泌抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "102036", "problem_text": "チアマゾールの作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["甲状腺ホルモン受容体遮断", "甲状腺ペルオキシダーゼ阻害", "甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体遮断", "副甲状腺ホルモン(パラトルモン)分泌抑制", "カルシトニン分泌抑制"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "チアマゾールは、甲状腺のペルオキシダーゼを阻害し、チログロブリンとヨウ素の結合を阻害することにより甲状腺ホルモン(トリヨードチロシン、チロキシン)の生合成を抑制する。"} +{"problem_id": "102037", "problem_text": "シロスタゾールの血小板凝集抑制作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["プロスタノイドIP受容体刺激", "セロトニン5-HT_{2}受容体遮断", "シクロオキシゲナーゼ阻害", "ホスホジエステラーゼIII阻害", "トロンボキサン合成酵素阻害"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "シロスタゾールは、血小板のホスホジエステラーゼ(PDE)IIIを阻害し、細胞内サイクリックAMP(cAMP)濃度を上昇させることにより血小板凝集抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "102038", "problem_text": "抗アレルギー薬エピナスチンの作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヒスタミンH_{1}受容体遮断", "トロンボキサンA_{2}合成阻害", "プロスタノイドTP受容体遮断", "プロスタグランジンE_{2}合成阻害", "プロスタノイドEP受容体遮断"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "エピナスチンは第二世代抗ヒスタミン薬であり、ヒスタミンH_{1}受容体遮断作用とケミカルメディエーター遊離抑制作用により抗アレルギー作用を示す。"} +{"problem_id": "102039", "problem_text": "ゲンタマイシンの作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["葉酸合成阻害", "細胞壁合成阻害", "タンパク質合成阻害", "DNA複製阻害", "DNAからRNAへの転写阻害"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ゲンタマイシンは、アミノグリコシド系抗生物質であり、主としてリボソーム30Sサブユニットに不可逆的に結合し、タンパク質合成を阻害する。"} +{"problem_id": "102040", "problem_text": "抗腫瘍薬パクリタキセルの作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["DNAアルキル化", "チューブリン脱重合阻害", "アロマターゼ阻害", "トポイソメラーゼII阻害", "ピリミジン代謝阻害"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "パクリタキセルは、タキサン系抗悪性腫瘍薬であり、微小管構成タンパク質チューブリンに結合することにより微小管の脱重合を阻害し、有糸分裂を阻害する。"} +{"problem_id": "102041", "problem_text": "薬物の腸肝循環の経路はどれか。1つ選べ。", "choices": ["肝臓 \\rightarrow 門脈 \\rightarrow 胆管 \\rightarrow 腸管 \\rightarrow 肝臓", "肝臓 \\rightarrow 門脈 \\rightarrow 腸管 \\rightarrow 胆管 \\rightarrow 肝臓", "肝臓 \\rightarrow 胆管 \\rightarrow 門脈 \\rightarrow 腸管 \\rightarrow 肝臓", "肝臓 \\rightarrow 胆管 \\rightarrow 腸管 \\rightarrow 門脈 \\rightarrow 肝臓", "肝臓 \\rightarrow 腸管 \\rightarrow 門脈 \\rightarrow 胆管 \\rightarrow 肝臓", "肝臓 \\rightarrow 腸管 \\rightarrow 胆管 \\rightarrow 門脈 \\rightarrow 肝臓"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "薬物の腸肝循環では、肝臓から胆管を経て腸管に排泄された薬物が再び門脈を経て肝臓に移行する。"} +{"problem_id": "102042", "problem_text": "二次性能動輸送の駆動力となるイオン濃度勾配を形成する一次性能動輸送担体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["Na^{+},K^{+}-ATPase", "Na^{+}/グルコース共輸送体", "Na^{+}/H^{+}交換輸送体", "P-糖タンパク質", "H^{+}/ペプチド共輸送体"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "能動輸送には、ATPを直接利用する一次性能動輸送とATPを間接的に消費する二次性能動輸送が存在する。・一次性能動輸送担体\nNa^{+},K^{+}-ATPase、P-糖タンパク質\n・二次性能動輸送担体\nNa^{+}/グルコース共輸送体、H^{+}/ペプチド共輸送体\n一次性能動輸送担体であるNa^{+},K^{+}-ATPaseは、二次性能動輸送担体(Na^{+}/グルコース共輸送体、H^{+}/ペプチド共輸送体)の駆動力となるイオン勾配を形成する。"} +{"problem_id": "102043", "problem_text": "ヒドロキシ基を有する薬物(R-OH)のグルクロン酸抱合体を示す化学構造はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "ヒドロキシ基を有する薬物(R-OH)のグルクロン酸抱合体を示す構造式は、選択肢2の構造である。なお、選択肢1: 硫酸抱合体を示す構造式、選択肢3: アセチル抱合体を示す構造式、選択肢4: メチル抱合体を示す構造式、選択肢5: アミノ酸抱合体を示す構造式である。"} +{"problem_id": "102044", "problem_text": "薬物を点滴静注したとき、定常状態における血中薬物濃度は2 \\micro g/mLであった。また、その時の尿中薬物濃度は200 \\micro g/mLであり、尿量は1 mL/minであった。この薬物の腎クリアランス(mL/min)に最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["2", "10", "100", "200", "400"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "腎クリアランスCL_{腎}は、以下の式で表される。CL_{腎}=UV/P\nU: 尿中薬物濃度、V: 時間当たりの尿量、P: 血漿中薬物濃度\nよって、CL_{腎}を以下のように求めることができる。CL_{腎}=200 \\micro g/mL\\times 1 mL/min/2 \\micro g/mL=100 mL/min"} +{"problem_id": "102045", "problem_text": "一般に、高齢者において増大するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["胃内容排出速度", "血漿中アルブミン濃度", "脂溶性薬物の体重あたりの分布容積", "肝臓での薬物代謝活性", "糸球体ろ過速度"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n高齢者では消化管運動及び胃内容排泄速度は低下する。2:誤\n高齢者では肝臓でのタンパク合成能が低下し、血漿中アルブミン濃度は低下する。3:正\n高齢者では総水分量の低下に伴い、相対的に体脂肪率が増加するため、脂溶性薬物の組織移行性が増大し、脂溶性薬物の体重当たりの分布容積も増大する。4:誤\n高齢者では、肝臓での薬物代謝活性は低下する。5:誤\n高齢者では、腎血流量が低下するため、糸球体ろ過速度も低下する。"} +{"problem_id": "102046", "problem_text": "患者のクレアチニンクリアランスに基づいて投与設計が行われる治療薬物モニタリング(TDM)対象薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["テオフィリン", "テイコプラニン", "セファレキシン", "シンバスタチン", "リドカイン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "患者のクレアチニンクリアランスに基づいて投与設計が行われる治療薬物モニタリング(TDM)対象薬は、テイコプラニンである。なお、テオフィリン及びリドカインはTDM対象薬剤であるが、肝消失型薬物であるため、これらの薬剤の投与設計する際には、クレアチニンクリアランスを用いない。"} +{"problem_id": "102047", "problem_text": "腎尿細管分泌過程に飽和がみられる薬物において、投与量の増大に伴い値が低下するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["血中濃度時間曲線下面積/投与量", "腎クリアランス", "消失半減期", "平均滞留時間", "血中非結合形分率"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "腎尿細管分泌過程に飽和がみられる薬物の投与量を増大させると、ある一定の濃度より薬物が腎から排出されにくくなるため、腎クリアランスは低下する。なお、腎尿細管分泌過程に飽和が認められると、血中濃度時間曲線下面積/投与量は増大し、消失半減期及び平均滞留時間は延長する。"} +{"problem_id": "102048", "problem_text": "肝代謝と腎排泄により体内から消失する薬物について、全身クリアランス(CL_{tot})、腎クリアランス(CL_{r})及び肝血流速度(Q_{h})から肝抽出率を算出する式はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "薬物の肝抽出率(E_{h})は以下の式で表される。E_{h}=CL_{h}/Q_{h}CL_{h}: 肝クリアランス、Q_{h}: 肝血流量_{}また、肝代謝と腎排泄により体内から消失する薬物の全身クリアランス(CL_{tot})は以下の式で表される。CL_{tot}=CL_{h}+CL_{r}CL_{r}: 腎クリアランス_{}これらのことから、薬物の肝抽出率(E_{h})を以下のように求めることができる。E_{h}=(CL_{tot}-CL_{r})/Q_{h}"} +{"problem_id": "102049", "problem_text": "下図のような拡散制御膜において、溶質分子が単位時間に透過する物質量と反比例の関係にあるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["溶質の膜中での濃度差(C_{1}-C_{2})", "溶質の膜中での拡散係数", "溶質の分配係数(C_{1}/C_{in})", "膜の厚さ", "膜の有効表面積"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "拡散制御膜における単位時間当たりの物質の透過量(膜透過速度)は、Fickの法則に従って変化する。Fickの法則において、膜透過速度は「溶質の膜中での濃度差(C_{1}-C_{2})」「溶質の膜中での拡散係数」「溶質の分配係数(C_{1}/C_{in})」「膜の有効表面積」に比例するが、「膜の厚さ」には反比例する。"} +{"problem_id": "102050", "problem_text": "エマルションの分散媒と分散相の密度差により、分散相が浮上する現象はどれか。1つ選べ。", "choices": ["凝集", "塩析", "合一", "クリーミング", "ケーキング"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "エマルションの分散媒と分散相の密度差により、分散相が浮上する現象を「クリーミング」という。1:誤\n凝集とは、分散相の粒子どうしに引力が働き、集合体を形成する現象のことである。2:誤\n塩析とは、親水コロイドに多量の電解質(塩類)を添加することにより親水コロイドの電気二重層及び水和層が破壊され、凝集、沈降する現象ことである。3:誤\n合一とは、乳剤(エマルション)を放置すると、内相どうしが結合し大きな粒子になる現象のことである。4:正\n5:誤\nケーキングとは、懸濁剤(サスペンション)を放置すると、自由沈降が起こり、底面部に沈積層が形成される現象のことである。"} +{"problem_id": "102051", "problem_text": "以下のレオグラムのA点から求められるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヤング率", "降伏値", "チキソトロピー", "動粘度", "弾性率"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "設問のレオグラムは、塑性流動(ビンガム流動)を示している。塑性流動(ビンガム流動)では、ある一定の応力より大きな応力を加えると流動し始める特徴を有する。この流動し始める応力を降伏値とよび、設問のグラフのA点に該当する。なお、塑性流動(ビンガム流動)を示す物質には、軟膏、チンク油などがある。"} +{"problem_id": "102052", "problem_text": "医薬品を造粒する目的として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["流動性の向上", "含量均一性の改善", "真密度の増大", "充てん性の向上", "発塵の防止"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "造粒とは、粉末の粒子径を増大させる操作のことであり、医薬品を造粒することにより流動性の向上、含量均一性の改善、充填性の向上、発塵の防止が可能である。なお、真密度とは粉体中の空隙を取り除いた状態の密度であり、造粒によって変化することはない。"} +{"problem_id": "102053", "problem_text": "粉末X線回折測定法により評価される医薬品の物性はどれか。1つ選べ。", "choices": ["比表面積", "空隙率", "結晶性", "吸湿性", "旋光度"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "粉末X線回折測定法は、結晶、結晶多型及び溶媒和結晶の同定、判定又は定量、結晶性の定性的評価や結晶化度の測定に用いられる方法である。本測定法では、無配向化した粉末試料にX線を照射し、その物質中の電子を強制振動��せることにより生じる干渉性散乱X線による回折強度を測定する。"} +{"problem_id": "102054", "problem_text": "経口投与する固形製剤の著しい生物学的非同等性を防ぐことを目的として実施される一般試験法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["制酸力試験法", "製剤均一性試験法", "崩壊試験法", "溶出試験法", "消化力試験法"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "経口投与する固形製剤の著しい生物学的非同等性を防ぐことを目的として実施される一般試験法は溶出試験法である。溶出試験法は、経口製剤について溶出規格に適合しているかどうかを判定するために行われ、また、著しい生物学的非同等性を防ぐために行われる。1:誤\n制酸力試験法は、胃において酸と反応し、制酸作用を発現する医薬品原体及び製剤の制酸力を求める試験法である。2:誤\n製剤均一性試験は、個々の製剤の間での有効成分含量の均一性の程度を示すための試験法である。3:誤\n崩壊試験法は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ用剤、丸剤が試験液中、定められた条件で規定時間内に崩壊するかどうかを確認する試験法である。4:正\n5:誤\n消化力試験法は、消化酵素剤の原体及び製剤のでんぷん消化力、タンパク消化力及び脂肪消化力を測定する試験法である。"} +{"problem_id": "102055", "problem_text": "腸溶性製剤に関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["有効成分の血液中での分解を防ぐことができる。", "有効成分の胃に対する刺激作用を低減できる。", "体温によって溶融し、薬物を放出する。", "ペプシン分解性の基剤でコーティングされている。", "即放性製剤に分類される。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "腸溶性製剤とは、腸管内で溶解する基剤でコーティングを施すことにより有効成分が腸管内で放出されるように設計された製剤である。腸溶性製剤にすることにより有効成分の胃に対する刺激作用の低減や胃内不活性化を防止することができる。1:誤\n本製剤では、有効成分の胃での分解を防ぐことができる。2:正\n3:誤\n本製剤では、胃内と腸管内のpHが異なることを利用し、有効成分を放出させる。4:誤\nペプシン(主に胃内においてタンパク質を分解する酵素)分解性の基剤は、本製剤のコーティング剤には用いられない。5:誤\n本製剤は放出調節製剤に分類される。"} +{"problem_id": "102056", "problem_text": "乳がんの腫瘍マーカーとして有用なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["CA15-3(carbohydrate antigen 15-3)", "CYFRA21-1(cytokeratin 19 fragment)", "NSE(neuron specific enolase)", "SCC(squamous cell carcinoma related antigen)", "PIVKA-II(protein induced by vitamin K absence or antagonist-II)"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "乳がんの腫瘍マーカーには、CA15-3が用いられる。1:正\n2:誤\nCYFRA21-1は、非小細胞肺がんの腫瘍マーカーとして用いられている。3:誤\nNSEは、小細胞肺がんの腫瘍マーカーとして用いられている。4:誤\nSCCは、子宮頸がんや食道がんなどの扁平上皮がんの腫瘍マーカーとして用いられている。5:誤\nPIVKA-IIは、肝細胞がんの腫瘍マーカーとして用いられている。"} +{"problem_id": "102057", "problem_text": "閉塞性動脈硬化症に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["若い女性に好発する。", "間欠性跛行が特徴的症状である。", "上肢の動脈に多発する。", "血管炎を伴う。", "患肢に熱感がある。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n本疾患は、50歳以上の男性に好発する。2:正\n本疾患の特徴的な症状として、間欠性跛行(歩行などで下肢に負担をかけると、次第に下肢の疼痛・しびれ・冷えを感じ、一時休息することにより症状が軽減し、再び運動が可能となる状態)が認められる。3:誤\n本疾患は、下肢の動脈硬化により血管が閉塞し発症する疾患であり、通常、血管炎を伴わない。4:誤\n解説3参照\n5:誤\n本疾患では、血流不全により患肢の冷感やしびれ感などが認められる。"} +{"problem_id": "102058", "problem_text": "汎血球減少症を呈する代表的な疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["溶血性貧血", "鉄欠乏性貧血", "腎性貧血", "再生不良性貧血", "播種性血管内凝固症候群"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、汎血球減少症を呈する疾患は、再生不良性貧血である。再生不良性貧血は、様々な原因により造血幹細胞が減少し、それにより汎血球減少症(赤血球、白血球、血小板が減少する)を呈する疾患である。本疾患では、汎血球減少症を呈するため、貧血症状、易感染性、出血傾向などを示す。"} +{"problem_id": "102059", "problem_text": "インスリン分泌を促進し、食後高血糖を改善する薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["メトホルミン塩酸塩", "ピオグリタゾン塩酸塩", "ナテグリニド", "ボグリボース", "イプラグリフロジンL-プロリン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nメトホルミン塩酸塩は、AMP依存性プロテインキナーゼを活性化し、肝臓での糖新生を抑制、末梢での糖利用を促進することにより高血糖を改善する。2:誤\nピオグリタゾン塩酸塩は、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\gamma (PPAR\\gamma )を活性化し、インスリン抵抗性を軽減することにより高血糖を改善する。3:正\nナテグリニドは、膵臓ランゲルハンスB(\\beta )細胞に存在するSU受容体に結合し、インスリンの分泌を促進することにより高血糖を改善する。4:誤\nボグリボースは、\\alpha -グルコシダーゼを阻害し、二糖から単糖の生成を抑制することにより食後の高血糖を改善する。5:誤\nイプラグリフロジンL-プロリンは、腎臓の近位尿細管に存在するSGLT2(sodium-glucose cotransporter2)を阻害し、グルコースの再吸収を抑制することにより高血糖を改善する。"} +{"problem_id": "102060", "problem_text": "パーキンソン病患者に特徴的な症状はどれか。1つ選べ。", "choices": ["躁状態", "下痢", "高血圧", "上肢の筋弛緩", "すくみ足"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "パーキンソン病の原因は、中脳・黒質由来のドパミン作動性神経の変性や青斑核由来のアドレナリン作動性神経の変性などと考えられており、その主症状としては、運動症状(静止的振戦、筋固縮、無動、すくみ足、姿勢反射障害)と非運動症状(便秘、起立性低血圧、抑うつ、睡眠障害、認知症など)が認められる。"} +{"problem_id": "102061", "problem_text": "状況にかかわりなく漫然とした不安が持続する神経症はどれか。1つ選べ。", "choices": ["広場恐怖", "強迫性障害", "外傷後ストレス障害(PTSD)", "全般性不安障害", "社会不安障害"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "状況にかかわりなく漫然とした不安が持続する神経症は「全般性不安障害」である。1:誤\n広場恐怖とは、逃げられない状況や助けを求められない状況において不安を感じる精神障害である。2:誤\n強迫性障害とは、強迫観念(かぎのかけ忘れが心配で外出できないなど)により、何度も同じ行動を繰り返してしまう精神障害である。3:誤\n外傷後ストレス障害(PTSD)とは、強いストレスを受けた後、強い不安や不眠、抑うつ状態が長期間続く精神障害である。4:正\n5:誤\n社会不安障害とは、人に注目される状況や人が多くいる場所で強い苦痛を感じる精神障害である。"} +{"problem_id": "102062", "problem_text": "アトピー性皮膚炎に関する記述のうち、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["皮膚のバリア機能が亢進している。", "対症療法が治療の中心となる。", "湿疹は左右非対称にみられる。", "おもにII型アレルギーが関与している。", "抗ヒスタミン薬が第1選択薬である。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n本疾患では、皮膚のバリア機能が低下している。2:正\n本疾患は、多病因性の疾患であり、原因療法を行うことは難しい。よって、本疾患の治療の中心は対症療法となる。3:誤\n本疾患による湿疹は、左右対称に認められる。4:誤\n本疾患の発症には、主にI型アレルギーが関与している。5:誤\n本疾患の第1選択薬として、副腎皮質ステロイド薬の外用剤が用いられる。"} +{"problem_id": "102063", "problem_text": "がん性疼痛の病態及び薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["速効性製剤のレスキュー投与は、突出痛に対して用いられる", "WHO方式がん疼痛治療法では、痛むときに素早く鎮痛薬を投与することを基本とする。", "骨転移による限局的な鋭い痛みのほとんどは、神経障害性疼痛に分類される。", "軽度の痛みであっても、アセトアミノフェンは用いない。", "口腔粘膜吸収フェンタニル製剤は、過量投与により呼吸抑制を起こさない。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n突出痛に対しては、速効性製剤のレスキュー投与(追加投与)を行う。2:誤\nWHO方式がん疼痛治療法では、規則正しく鎮痛薬を服用することにより痛みをコントロールすることを基本とされており、痛むときに鎮痛薬を投与する頓用のみにより痛みをコントロールすることは推奨されていない。3:誤\n痛みには、侵害受容体の刺激により発生する侵害受容性疼痛と感覚神経の障害によって発生する神経障害性疼痛がある。また、侵害受容性疼痛には、骨や筋肉の異常より発生する体性痛と内臓の異常により発生する内臓痛に分類される。骨転移による限局的な鋭い痛みのほとんどは、侵害受容性疼痛の体性痛に分類される。4:誤\n軽度の痛みに対しては、NSAIDやアセトアミノフェンが用いられる。5:誤\n口腔粘膜吸収フェンタニル製剤の過量投与により、呼吸抑制が起こることがある。"} +{"problem_id": "102064", "problem_text": "単純ヘルペスウイルス感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["性器感染の多くは、HSV-1による。", "免疫機能亢進時に発症する。", "性器ヘルペスは、性交の翌日に好発する。", "成人の口唇ヘルペスの多くは、ウイルスの再活性化により発症する。", "確定診断は、細胞診により行う。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n単純ヘルペスウイルスには、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)と単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)の2つの型が存在し、性器感染の多くはHSV-2が原因となることが多い。2:誤\n本感染症は、免疫機能低下時に発症することが多い。3:誤\n性器ヘルペスは、ウイルス感染後2〜10日間の潜伏期間を経て発症するため、性交の翌日に発症することはまれである。4:正\n成人の口唇ヘルペスの多くは、免疫機能低下時にウイルスが再活性化することにより発症する。5:誤\n本感染症の確定診断は、組織培養によるウイルス分離やHSV抗原やDNA検出により行う。"} +{"problem_id": "102065", "problem_text": "ウイルス肝炎に関する記述のうち、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["A型は多くが慢性化しやすい。", "B型は経口感染である。", "C型は血液感染である。", "B型はRNAウイルスが原因である。", "C型はDNAウイルスが原因である。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nA型肝炎ウイルス(HAV)によって誘発される肝炎は、ほとんど自然に治癒するため、慢性化することはまれである。2:誤\nB型肝炎ウイルス(HBV)は、非経口的に感染する。3:正\nC型肝炎ウイルス(HCV)は、血液を介して感染する。4:誤\nB型肝炎の原因となるHBVは、DNAウイルスである。5:誤\nC型肝炎の原因となるHCVは、RNAウイルスである。"} +{"problem_id": "102066", "problem_text": "後発医薬品の承認申請資料として必要なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["加速試験に関する資料", "効力を裏付ける試験に関する資料", "副次的薬理・安全性薬理に関する資料", "反復投与毒性に関する資料", "がん原性に関する資料"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "後発医薬品(ジェネリック医薬品)とは、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含有し、同一経路から投与する製剤で、効能・効果、用法・用量が原則的に同一であり、先発医薬品と同等の臨床効果・作用が得られる医薬品のことである。後発医薬品の承認申請する際には、以下の資料を提出する必要がある。・製造方法並びに規格及び試験方法等に関する資料: 「規格及び試験方法に関する資料」\n・安定性に関する資料: 「加速試験に関する資料」\n・吸収、分布、代謝、排泄に関する資料: 「生物学的同等性に関する資料」"} +{"problem_id": "102067", "problem_text": "「患者向医薬品ガイド」に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["厚生労働省が作成している。", "処方箋医薬品では、すべての品目で作成される。", "一般用医薬品についても作成されている。", "PMDAの医薬品医療機器情報提供ホームページに掲載されている。", "別名「くすりのしおり」ともよばれる。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n「患者向医薬品ガイド」は患者や家族に医療用医薬品の正しい理解と重大な副作用の早期発見などに役立てる資料であり、当該医薬品の製造販売業者が作成する。2:誤\n「患者向医薬品ガイド」は、すべて���医薬品について作成されていない。「患者向医薬品ガイド」の作成が望まれる医療用医薬品は\n・添付文書に警告欄が設けられているもの\n・添付文書の「効能・効果に関連する使用上の注意」、「用法・用量に関連する使用上の注意」又は「重要な基本的注意」の項に、重篤な副作用回避等のために「患者に説明する」旨が記載されているもの\n・患者に対して、特別に適正使用に関する情報提供が行われているもの\nである。3:誤\n「患者向医薬品ガイド」は、一般用医薬品については作成されていない。4:正\n「患者向医薬品ガイド」は、PMDAが管理している医薬品医療機器情報提供ホームページから入手することができる。5:誤\n「くすりのしおり」は、患者と医療者のコミュニケーションの促進のための医療情報であり「患者向医薬品ガイド」とは異なる。"} +{"problem_id": "102068", "problem_text": "t分布に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["平均値に対して左右非対称の分布である。", "平均値は1である。", "ガウス分布ともよばれる。", "母集団の標準偏差が未知のときの統計解析に使用される。", "順序尺度データの統計解析に使用される。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nt分布は平均値に対して左右対称の分布である。2:誤\nt分布においての平均値は0である。3:誤\nガウス分布は正規分布の別名である。4:正\nt分布は母集団の標準偏差が未知の場合、母平均を推定する際に用いられる。5:誤\nt分布は、連続データに関する確率分布であることから、非連続データ(順序尺度データや名義尺度データ)の解析には使用されない。"} +{"problem_id": "102069", "problem_text": "ある病院で新たに降圧薬Aを採用することになった。そこで薬剤師Xは当該病院において、高血圧患者にAを投与した場合と投与しない場合との間で、消化器症状の発現率に差があるかを観察・調査する研究を計画した。なお、高血圧患者にAを投与するか否かは、それぞれの主治医による薬物治療上の判断に基づき、薬剤師Xは介入しないものとした。この研究に該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["randomized controlled trial", "prospective cohort study", "retrospective cohort study", "case-control study", "meta-analysis"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "本研究において、薬剤師は研究に介入せず、患者の状態変化を観察、調査していることから、観察研究を行なっているといえる。観察研究には、前向きコホート研究(prospective cohort study)、後ろ向きコホート研究(retrospective cohort study)、症例対症研究(case-control study)があり、その中でも本研究では、薬物投与後の経過を観察する研究であることから、前向きコホート研究(prospective cohort study)であるといえる。"} +{"problem_id": "102070", "problem_text": "新生児の特徴を成人と比較したとき、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["胆汁酸塩の生成が多い。", "肝臓のグルクロン酸抱合能が高い。", "薬物の皮膚透過性が低い。", "成人とは異なるシトクロムP450分子種が発現している。", "胃内pHが低い。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n新生児では、胆汁酸生成能が未発達であるため、成人に比べ胆汁酸塩の生成が少ない。2:誤\n新生児では、肝臓のグルクロン酸抱合能が未発達であるため、成人に比べ肝臓のグルクロン酸抱合能は低い。3:誤\n新生児では、角質層が薄く薬物透過に対するバリア能が低いため、成人に比べ薬物の皮膚透過性が高い。4:正\n新生児では、成人では存在しないCYP3A7が発現している。CYP3A7は生後徐々にその発現量が減少し、成人では存在しなくなる。5:誤\n新生児では、胃酸分泌機能が未発達であるため、成人に比べ胃内pHが高い。"} +{"problem_id": "102071", "problem_text": "日本国憲法第25条において保障されている権利として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。【日本国憲法第25条】 1:すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する 2:国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。", "choices": ["財産権", "参政権", "自己決定権", "人格権", "生存権"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "日本国憲法第25条において保障されている権利は、「生存権」である。なお、財産権は��本国憲法第29条、参政権は日本国憲法第15条、自己決定権、人格権は日本国憲法第13条で保証されている。"} +{"problem_id": "102072", "problem_text": "希少疾病用医薬品について、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["治験の届出が免除される。", "期限付きの製造販売承認となる。", "試験研究は中止することはできない。", "指定が取り消されることがある。", "再審査期間は4年である。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "希少疾病医薬品とは、その用途に係る対象患者数が本邦において5万人未満であり、かつ当該医薬品等に製造販売の承認が与えられた場合に、その用途に関し、特に優れた使用価値を有することとなるものであるとして、厚生労働大臣が指定する医薬品のことである。1:誤\n希少疾病医薬品の治験を行う場合には、あらかじめ治験の計画を届け出なければならない。2:誤\n希少疾病医薬品については、期限付きの製造販売承認とはならない。なお、期限付きの製造販売承認となるのは、再生医療等製品である。3:誤\nあらかじめ厚生労働大臣に届け出ることにより、希少疾病医薬品の試験研究を中止することができる。4:正\n対象患者数の要件を欠くと認められた場合や他の医薬品が承認されることにより、医療上に必要な要件を欠く場合などの理由により、希少疾病医薬品の指定が取り消されることがある。5:誤\n希少疾病医薬品の再審査期間は、最長10年間である。"} +{"problem_id": "102073", "problem_text": "厚生労働大臣が、薬剤師の免許の取り消し等の処分をするにあたって、あらかじめ意見を聴かなければならないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医道審議会", "都道府県知事", "内閣府", "薬事・食品衛生審議会", "裁判所"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "厚生労働大臣が、薬剤師の免許の取り消し等の処分をするにあたって、あらかじめ意見を聴かなければならないのは医道審議会である。医道審議会とは、医師・歯科医師等の行政処分に関する事項、薬剤師免許取消し等の行政処分等の審議を行う厚生労働大臣の諮問機関である。"} +{"problem_id": "102074", "problem_text": "医療を受ける者に対する医療の担い手の責務として、医療法に規定されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["福祉サービスの提供", "医療技術の普及", "医療計画の策定", "効率的な説明", "良質かつ適切な医療の提供"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "医療の担い手(医師、歯科医師、薬剤師、看護師等)は、医療の受ける者に対し、良質かつ適切な医療を行うように努めなければならない。また、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るように努めなければならない。"} +{"problem_id": "102075", "problem_text": "薬局で向精神薬を取扱う場合、法令に基づいて届出が必要とされているのはどれか。1つ選べ。なお、薬局は、向精神薬営業者に関して別段の申し出はしていないものとする。", "choices": ["処方箋に基づく譲渡", "他の薬局への譲渡", "向精神薬卸売業者からの譲受", "廃棄", "一定量以上の滅失、盗難等の事故"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬局開設者は、都道府県知事に別段の申し出をしない限り、向精神薬卸売業者及び向精神薬小売業者の免許を受けたものとみなされる。1:誤\n向精神薬小売業者の免許を有する場合、届け出ることなく、処方箋に基づき向精神薬を譲渡することが可能である。2:誤\n向精神薬卸売販売業者の免許を有する場合、届け出ることなく、他の薬局へ向精神薬を譲渡することが可能である。3:誤\n向精神薬小売業者の免許、向精神薬卸売業者の免許を有する場合、届け出ることなく、向精神薬卸売業者から向精神薬を譲受することができる。4:誤\n向精神薬を廃棄する際には届け出る必要はない。5:正\n向精神薬取扱者(向精神薬卸売業者、向精神薬小売業者)は、その所有する向精神薬につき、厚生労働大臣が定める量以上の滅失、盗取、所在不明その他の事故が生じたときは、速やかに、その向精神薬の品名及び数量その他の必要事項を大臣又は都道府県知事に届け出る必要がある。"} +{"problem_id": "102076", "problem_text": "医薬品副作用被害救済制度における副作用救済給付の対象として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医療費", "医療��当", "障害年金", "休業保障", "葬祭費"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "医薬品副作用被害救済制度は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が実施しており、その副作用救済給付の対象には医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金、葬祭料があるが、休業保障はない。"} +{"problem_id": "102077", "problem_text": "ソリブジン事件に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["市販直後に副作用である間質性肺炎を多数発症した。", "長期大量投与により亜急性脊髄視神経症を発症した。", "アナフィラキシーショックによる死亡例が発生した。", "他の医薬品との相互作用により死亡例が発生した。", "慢性疾患への投与により網膜症を発症した。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ソリブジン事件とは、抗ウイルス薬であるソリブジンと抗がん剤である5-フルオロウラシル(5-Fu)を併用することにより、ソリブジンの代謝物(ブロモビニルウラシル)が5-Fuの代謝を阻害し、血液障害等の副作用により死亡例が発生した薬害事件のことである。1:誤\n市販直後に副作用である間質性肺炎を多数発症したのは、イレッサ事件である。2:誤\n長期大量投与により亜急性脊髄視神経症を発症したのは、スモン事件である。3:誤\nアナフィラキシーショックによる死亡例が発生したのは、ペニシリンショック死事件やアンプル入りかぜ薬事件である。4:正\n5:誤\n慢性疾患への投与により網膜症を発症したのは、クロロキン事件である。"} +{"problem_id": "102078", "problem_text": "自営業などの人を対象とする医療保険はどれか。1つ選べ。", "choices": ["船員保険", "国民健康保険", "共済組合", "組合管掌健康保険", "全国健康保険協会管掌健康保険"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "自営業などの人を対象とする医療保険は、国民健康保険である。"} +{"problem_id": "102079", "problem_text": "リスボン宣言に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["人を対象とする医学系研究の倫理的原則である。", "日本では法的拘束力がある。", "患者が他の医師の意見を求める権利が示されている。", "研究倫理委員会の役割が示されている。", "医療従事者の権利が示されている。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "リスボン宣言には、医療における患者の権利が示されている。以下にリスボン宣言の概要を示す。・良質な医療を受ける権利\n・選択の自由の権利\n・自己決定権\n・意識のない患者\n・法的無能力の患者\n・患者の意思に反する処置\n・情報に対する権利\n・守秘義務に対する権利\n・健康教育を受ける権利\n・尊厳に対する権利\n・宗教的支援に対する権利\n1:誤\n人を対象とする医学系研究の倫理的原則を規定しているのは、ヘルシンキ宣言である。2:誤\nリスボン宣言は倫理規定であり、法的拘束力を有しない。3:正\nリスボン宣言には、患者が他の意思を求める権利(選択の自由の権利)が示されている。4:誤\n研究倫理委員会の役割については、ヘルシンキ宣言に規定されている。5:誤\nリスボン宣言には、医療従事者の権利は示されていない。"} +{"problem_id": "102080", "problem_text": "薬局に処方箋を持参した成人患者が、半年前から継続処方されている薬について、「この薬は、あまり飲みたくないです」と訴えた。この訴えの次に薬剤師が患者にかける言葉として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["「それでは中止しましょうか。よい薬が処方されているのに残念です。」", "「すでに処方されているので、変更することはできません。」", "「それは医師に言っていただかないと困ります。」", "「副作用が少ないですから、安心して飲んでください。」", "「飲みたくないことについて、少し話を聞かせていただけますか。」"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬剤師は患者の抱える問題点を最善の方法で解決するために、患者背景をしっかり把握して対応する必要がある。本症例では「この薬は、あまり飲みたくないです(患者の抱える問題点)」と訴えている患者に対して、患者の背景を把握するために「飲みたくないことについて、少し話を聞かせていただけますか。」と対応することが最も適切であるといえる。"} +{"problem_id": "102081", "problem_text": "���患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること」を意味するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドヒアランス", "インフォームド・コンセント", "カウンセリング", "クリニカルパス", "コンプライアンス"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "「患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること」をアドヒアランスという。1:正\n2:誤\nインフォームド・コンセントとは、治療や臨床試験・治験の内容について十分な説明を行い、治療や臨床試験・治験を受ける者の理解と同意を得ることである。3:誤\nカウンセリングとは、依頼者の抱える問題・悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて行われる相談援助のことである。4:誤\nクリニカルパスとは、疾患ごとの診療基準となるスケジュール表のことである。クリニカルパスには、疾患ごとに治療・検査などの内容やタイミング、患者の状態などが時間軸に沿ってまとめられている。5:誤\nコンプライアンスとは、患者が医師の指示どおりに服薬することである。"} +{"problem_id": "102082", "problem_text": "医療機関や薬局において血液凝固因子製剤を取扱う際の留意点として、関連法規に記載のないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["他のものと区別し、鍵のかかる金庫に保管する。", "使用に関する適切な説明を行い、患者の理解を得るように努める。", "患者ごとに使用記録を作成する。", "作成した使用記録を20年間保管する。", "本剤に由来すると疑われる感染症に関する情報を厚生労働省に報告する。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "血液凝固製剤などの血液製剤は、特定生物由来製品に指定されている。1:記載がない\n特定生物由来製品を他のものと区別して、鍵のかかる金庫に保管する必要はない。2:記載がある\n特定生物由来製品を使用するにあたっては、有効性及び安全性その他適正な使用のために必要な事項について、患者に対し書面等により適切な説明を行い、その理解を得るように努めなければならない。3:記載がある\n特定生物由来製品を使用した際には、患者ごとに特定生物由来製品使用に関する記録を作成し、患者の氏名及び住所、血液製剤製品名及び製造番号、使用年月日などを記載しなければならない。また、その使用に関する記録を使用した日から起算して20年間保管しなければならない。4:記載がある\n解説3参照\n5:記載がある\n特定生物由来製品に由来すると疑われる感染症が認められた場合は、「医薬品・医療機器等安全性情報報告制度」により、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならない。"} +{"problem_id": "102083", "problem_text": "薬袋に記載する事項として必須なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方医名", "処方箋発行日", "薬品名", "使用上の注意", "調剤年月日"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬剤師法第25条により薬袋に記載する必須事項は以下の5項目が定められている。・患者の氏名\n・用法、用量\n・調剤年月日\n・調剤した薬剤師の氏名\n・調剤した薬局の名称及び所在地"} +{"problem_id": "102084", "problem_text": "妊婦への投与が禁忌である医薬品はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセトアミノフェン", "インスリン", "炭酸リチウム", "プレドニゾロン", "ヘパリンナトリウム"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、妊婦への投与が禁忌である医薬品は、炭酸リチウムである。炭酸リチウムの添付文書には以下のように記載されている。妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。「動物実験(ラット、マウス)で催奇形性作用が、またヒトで心臓奇形の発現頻度の増加が報告されている。」"} +{"problem_id": "102085", "problem_text": "医療用医薬品としてすでに使われている有効成分が転用された要指導医薬品及び一般用医薬品を何というか。1つ選べ。", "choices": ["指定薬物", "ジェネリック医薬品", "オーファンドラッグ", "スイッチOTC", "ダイレクトOTC"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "医療用医薬品としてすでに使われている有効成分が転用された要指導医薬品及び一般用医薬品をスイッチOTCという。1:誤\n指定薬物とは、中枢神経系の興奮もしくは抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化作用を含む。)を有する蓋然性が���く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(大麻、覚せい剤、麻薬、向精神薬、あへん及びけしがらを除く)のことである。2:誤\nジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発医薬品と同一の有効成分が同一量含有されており、同一の投与経路で用いられる医薬品のことである。3:誤\nオーファンドラッグ(希少疾病医薬品)とは、「国内の対象患者数が5万人未満であること」、「その用途に関し特に優れた使用価値を有すること」のなどの要件に基づき、厚生労働大臣が指定したものである。4:正\n5:誤\nダイレクトOTCとは、医療用として使用成績のない成分が、直接、要指導医薬品や一般用医薬品として販売されている医薬品のことである。"} +{"problem_id": "102086", "problem_text": "B型肝炎患者の血液で床が汚染された場合に適用される消毒薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ポビドンヨード", "次亜塩素酸ナトリウム", "エタノール", "クロルヘキジングルコン酸塩", "ベンザルコニウム塩化物"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nポビドンヨードは、中水準消毒薬であり、B型肝炎ウイルスに有効であるが、床の消毒には適していない。2:正\n次亜塩素酸ナトリウムは、中水準消毒薬であり、B型肝炎ウイルスに有効であり、床の消毒に適している。3:誤\nエタノールは、中水準消毒薬であり、B型肝炎ウイルスに十分な消毒効果を示さない。4:誤\nクロルヘキシジングルコン酸塩は、低水準消毒薬であり、B型肝炎ウイルスに無効である。5:誤\nベンザルコニウム塩化物は、低水準消毒薬であり、B型肝炎ウイルスに無効である。"} +{"problem_id": "102087", "problem_text": "薬局において、薬剤師法に基づき、作成が義務づけられているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬剤情報提供書", "お薬手帳", "領収書", "明細書", "調剤録"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬局において、薬剤師法に基づき、作成が義務づけられているのは、「調剤録」である。1:誤\n薬剤情報提供書とは、薬剤の名称、用法、用量、効能・効果、使用上の注意などが記載された書類であり、薬剤師法に基づき、作成が義務づけられていない。2:誤\nお薬手帳とは、患者情報、薬剤服用歴、アレルギー歴などが記載された手帳であり、法律に基づき、作成が義務づけられていない。3:誤\n領収書、明細書については、薬剤師法に基づき、作成が義務づけられていない。なお、領収書、明細書については、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(薬担規則)に基づき、患者に対して無償で交付することが義務づけられている。4:誤\n解説3参照\n5:正"} +{"problem_id": "102088", "problem_text": "特定生物由来製品に該当しない生物由来製品はどれか。1つ選べ。", "choices": ["人免疫グロブリン製剤", "血小板製剤", "生ワクチン", "人血清アルブミン製剤", "血液凝固因子製剤"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "・生物由来製品\n人その他の生物(植物を除く。)に由来するものを原料又は材料として製造される医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するもの\n生物由来製品に該当するもの: ワクチン(生ワクチン、不活化ワクチン)、トキソイドなど\n・特定生物由来製品\n生物由来製品のうち、販売し、賃貸し、又は授与した後において当該生物由来製品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置を講ずることが必要なものであって、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するもの\n特定生物由来製品に該当するもの: 人血液製剤(全血製剤、血小板製剤、人免疫グロブリン製剤、人血清アルブミン製剤、血液凝固因子製剤)"} +{"problem_id": "102089", "problem_text": "マオウを含む漢方薬を服用する患者に、薬剤師が伝えるべき副作用として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["筋肉痛", "浮腫", "動悸", "血圧低下", "鼻汁過多"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "マオウを含む漢方薬を服用すると、マオウの有効成分であるエフェドリンにより交感神経興奮作用(血圧上昇、動悸、発汗、食欲不振、吐き気等)が認められることがある。なお、筋肉痛や浮腫については、カン���ウを含む漢方薬を服用すると現れることがある。"} +{"problem_id": "102090", "problem_text": "100 mmの水平な直線上の左端を「痛みなし」。右端を「最悪な痛み」として、患者自身に現在の痛みがどの程度かを指し示してもらい、左端からの長さをもって痛みの程度を数値化した。この方法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["VAS(Visual Analogue Scale)", "FPS(Face Pain Scale)", "NRS(Numerical Rating Scale)", "VRS(Verbal Rating Scale)", "MMSE(Mini-Mental State Examination)"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "100 mmの水平な直線上の左端を「痛みなし」。右端を「最悪な痛み」として、患者自身に現在の痛みがどの程度かを指し示してもらい、左端からの長さをもって痛みの程度を数値化したものを「VAS(Visual Analogue Scale)」という。1:正\n2:誤\nFPSは、顔の表情により痛みの程度を表し、現在の痛みに一番近い顔の表情を患者自身に選択してもらう方法である。3:誤\nNRSは、数値により痛みの程度(0: 痛みなし〜10: 最もひどい痛み)を表し、現在の痛みに一番近い数値を患者自身に選択してもらう方法である。4:誤\nVRSは、言葉により痛みの程度(全く痛みがない、中程度の痛み、極度の痛みなど)を表し、現在の痛みに一番近い表現を患者自身に選択してもらう方法である。5:誤\nMMSEは、認知機能を確認する検査方法である。"} +{"problem_id": "102091", "problem_text": "以下の化学反応式における熱力学的パラメータに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。ただし、この反応における温度をT、平衡定数をK、反応速度定数をk_{1}、k_{2}とする。また、気体定数をRとする。", "choices": ["この反応の標準自由エネルギー差\\Delta G^{0}は、\\Delta G^{0}=-RTlnKで表すことができる。", "いくつかの温度で測定した平衡定数から、反応の標準エンタルピー変化(\\Delta H^{0})を求めることができる。", "\\Delta H^{0}が正のときは吸熱反応となり、温度を上げると平衡が左にずれる。", "反応速度定数k_{1}は、exp(-E_{a}/RT)に比例する。なお、E_{a}は一般に活性化エネルギーといわれる。", "活性化エネルギーが高いほど反応速度に対する温度の影響は大きい。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n可逆反応において、標準自由エネルギーの差\\Delta G^{0}と平衡定数Kの関係は以下の式で表すことができる。\\Delta G^{0}=-RTlnK\n2:正しい\nいくつかの温度で測定した平衡定数から、ファントホッフプロットを得ることができ、その傾きより反応の標準エンタルピー変化(\\Delta H^{0})を求めることができる。3:誤っている\n温度が上昇すると、吸熱反応が促進するため、\\Delta H^{0}が正(吸熱反応)のときは、温度を上げると平衡は右にずれる。4:正しい\n反応速度定数kと温度Tの関係は以下のアレニウス式より表される。k=Aexp(-E_{a}/RT):A: 頻度因子\nよって、反応速度定数k_{1}は、exp(-E_{a}/RT)に比例する。5:正しい\n活性化エネルギーが高いほど温度の変化により、反応速度の変化率が大きいため、活性化エネルギーが高いほど反応速度に対する温度の影響は大きい。"} +{"problem_id": "102092", "problem_text": "金属MとそのイオンM^{n+}からなる半電池の標準電極電位E^{0}に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["E^{0}は、金(Au)の半電池を基準とした相対値として測定される。", "E^{0}は、イオンM^{n+}の活量が1のときの値である。", "E^{0}は、負の値をとらない。", "E^{0}は、温度に依存せず一定である。", "E^{0}が正の大きな値であるほど、M^{n+}+e^{n-}\\rightleftharpoons Mの反応は右に進みやすい。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤標準電極電位E^{0}は、標準状態(電池内の反応に関わる全ての金属の活量が1)において、水素(H)の半電池を基準(0V)としたときの相対値として測定される。2:正\n解説1参照\n3:誤標準状態における水素(H)に比べ、酸化されやすい(イオン化されやすい)金属は、E^{0}が負の値を示す。4:誤温度が変化すると反応性が変化するため、E^{0}は温度の影響を受け変化する。5:正E^{0}が正の大きな値であるほど、還元反応が進行しやすいため、反応は右(電子を受け取る方向)に進みやすい。"} +{"problem_id": "102093", "problem_text": "下図の実線はある純物質の化学ポテンシャルと温度の関係を示したグラフである。次の記述の��ち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["このグラフの傾きはモルあたりのエントロピーを表す。", "温度がT_{2}のとき、二相が共存しており、自由度は2である。", "温度がT_{3}のとき、液相よりも気相の化学ポテンシャルが高いため、この純物質は自発的に気相に変化する。", "この純物質に不揮発性溶質を溶かしたとき、液相の化学ポテンシャルのグラフは図中のbの方向に移動する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "本設問のグラフを次のように読み取ることができる。・T_{1}より低温\n低温状態であることから、純物質は固体で存在する。T_{1}で化学ポテンシャルが変化していることから、T_{1}は融点(凝固点)であると考えられる。・T_{1}〜T_{2}\n融点(凝固点)より高温であることから、純物質は液体で存在する。T_{2}で化学ポテンシャルが変化していることから、T_{2}は沸点であると考えられる。・T_{2}より高温\n沸点より高温であることから、純物質は気体で存在する。1:正\n化学ポテンシャル\\microと温度Tの関係は以下の式で表すことができる。\\micro=h-T・s\nh: モル当たりのエンタルピー、s: モル当たりのエントロピー\nよって、化学ポテンシャル\\microと温度Tの関係を示すグラフの傾きは、モルあたりのエントロピーを示す。2:誤\n自由度Fは以下の式より求めることができる。F=C+2-P\nC: 成分の数、P: 相の数温度がT_{2}(沸点)とき、液体と気体の二相が共存している。よって、T_{2}のときの自由度Fを以下のように求めることができる。F=1+2-2=1\n*純物質の場合: 成分の数は1であることから、C=1である。3:誤化学ポテンシャルが低い方向に自発的に反応が進行する。温度がT_{3}のとき、液相よりも気相の化学ポテンシャルが低いため、この純物質は自発的に気相に変化する。4:正純物質に不揮発性物質を溶解すると、凝固点降下(T_{1}が左側に移動)及び沸点上昇(T_{2}が右側に移動)が認められるため、液相の化学ポテンシャルのグラフは図中のbの方向に移動する。"} +{"problem_id": "102094", "problem_text": "球状高分子の半径r(m)の逆数r^{-1}と水中での拡散係数D(m^{2}・s^{-1})の間にグラフのような関係が成り立つとする。いま、半径rの球状高分子Aの拡散係数D_{A}が10.0\\times 10^{-11}m^{2}・s^{-1}であったとき、半径2.5 rの球状高分子Bの拡散係数D_{B}(m^{2}・s^{-1})に最も近いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["1.6\\times 10^{-11}", "4.0\\times 10^{-11}", "10.0\\times 10^{-11}", "25.0\\times 10^{-11}", "62.5\\times 10^{-11}"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "拡散係数Dは、以下の式で表される。D=k_{B}T/6\\pi ηrk_{B}: ボルツマン定数、T: 絶対温度、η: 溶液の粘度、r: 粒子の半径\nこの式より、拡散係数は粒子の半径に反比例することがわかる。設問の条件より\n・球状高分子A半径rのとき、拡散係数10.0\\times 10^{-11}m^{2}・s^{-1}である。・球状高分子B半径2.5 r(球状高分子Aに比べ半径が2.5倍)のとき、拡散係数と粒子の半径が反比例することから、拡散係数は球状高分子Aの0.4倍である4.0\\times 10^{-11}m^{2}・s^{-1}となる。"} +{"problem_id": "102095", "problem_text": "ある受容体(R)に結合するリガンド(L)があり、LはRと1: 1で結合する。この平衡反応の解離定数(K_{d})を1\\micro Mとする。1\\micro MのRが存在しているところにLの濃度が [:ア: ]\\micro Mとなるように添加したとき、平衡状態において全受容体のうちLが結合した受容体の割合は20%となった。[:ア:] にあてはまる数値に最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、系の体積変化は無視できるものとする。", "choices": ["0.25", "0.45", "0.50", "0.75", "0.80"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "この反応における解離定数K_{d}は以下の式で表すことができる。K_{d}=[R]・[L]/[RL]\n[R]: 平衡状態におけるLに結合していないRの濃度\n[L]: 平衡状態におけるRに結合していないLの濃度\n[RL]: 平衡状態におけるRとLの結合型濃度設問に「この平衡反応の解離定数(K_{d})を1\\micro Mとする」「1\\micro MのRが存在している」「平衡状態において全受容体のうちLが結合した受容体の割合は20%」とあることから、[R]=1\\micro M\\times 0.8=0.8\\micro M、[RL]=1\\micro M\\times 0.2=0.2\\micro Mとなり、[L]を以下のように求めることができる。1\\micro M=0.8\\micro M・[L]/0.2\\micro M\n[L]=0.25 \\micro M\n添加したLの濃度は、「平衡状態におけるRに結合していないLの濃度」と「平衡状態におけるRと結合したLの濃度」の和であることから、以下のように求めることができる。添加したLの濃度=0.25\\micro M+0.2\\micro M=0.45\\micro M"} +{"problem_id": "102096", "problem_text": "日本薬局方フェノール(C_{6}H_{6}O: 94.11)の定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。本品約1.5 gを精密に量り、水に溶かし正確に1000 mLとし、この液25 mLを正確に量り、ヨウ素瓶に入れ、正確に0.05 mol/L臭素液30 mLを加え、更に塩酸5 mLを加え、直ちに密栓して30分間しばしば振り混ぜ、15分間放置する。次に【 :A:】 7mLを加え、直ちに密栓してよく振りまぜ、クロロホルム1 mLを加え、密栓して激しく振り混ぜ、遊離したヨウ素を0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬: デンプン試液1 mL)。同様の方法で空試験を行う。0.05 mol/L臭素液1 mL=【:B:】 mg C_{6}H_{6}O", "choices": ["【 :A:】 に入る試液は、ヨウ化カリウム試液である。", "【 :B:】 の対応量は、4.705である。", "下線においてクロロホルムを加える理由は、沈殿した2,4,6-トリブロモフェノールを溶解させるためである。", "臭素液のf=1.000の場合、空試験の0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液の理論量は15.0 mLである。", "試料を約1.5 g量るとは、1.30 gから1.70 gの範囲内で秤量することである。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nフェノールの定量法では、フェノールに一定過量の臭素を加え、余った臭素をヨウ化カリウムと反応させ、生成したヨウ素をチオ硫酸ナトリウムで滴定する。2:誤\n標準液1 mLに対する医薬品量(対応量)は以下の式より求めることができる。フェノール1 molに対して臭素3 molが反応することから、この反応における対応数は3であり、また、標準液(臭素液)の濃度が0.05 mol/L、フェノールの分子量が94.11であることから、以下のように対応量を求めることできる。3:正\nフェノール1 molに対して臭素3 molを反応させると、2,4,6-トリブロモフェノールが沈殿する。生成した沈殿物(2,4,6-トリブロモフェノール)が滴定の精度を悪くするため、沈殿物を溶解させるためにクロロホルムを加える。4:誤\n臭素はヨウ素に変換され、ヨウ素はチオ硫酸ナトリウムと1: 2で反応するため、空試験の0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液の理論量を以下のように求めることができる。・空試験(フェノールを含んでいない状態)において存在する臭素のmol数を求める。0.05 mol/L\\times 1.000\\times 30 mL=0.0015 mol=1.5\\times 10^{-3} mol・空試験における臭素の量(ヨウ素の量)に対応する0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウムの容積を求める。1.5\\times 10^{-3}molの臭素(ヨウ素)の量を反応させるためには、3.0\\times 10^{-3}molのチオ硫酸ナトリウムが必要である。よって、0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウムの容積を以下のように求めることができる。0.1 mol/L\\times チオ硫酸ナトリウムの容積=3.0\\times 10^{-3} mol\nチオ硫酸ナトリウムの容積=30 mL\n5:誤\n日本薬局方において、定量に供する試料の採取量に「約」を付けたものは、記載された量の\\pm 10%の範囲であると規定されている。よって、試料を約1.5 g量るとは、1.35 gから1.65 gの範囲内で秤量することである。"} +{"problem_id": "102097", "problem_text": "ヒトの体液は主に炭酸と炭酸水素イオンの濃度バランスによりpH7.4に維持されている。pH7.3のアシドーシスを起こした患者の体液中のHCO_{3}^{-}/H_{2}CO_{3}の存在比に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、炭酸は次式のように解離し、その2つのpKaは、それぞれpK_{a1}=6.1、pK_{a2}=10.5とする。またlog_{10}1.6=0.2とする。", "choices": ["1.6", "2.0", "8.3", "16", "20"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "炭酸は酸性物質であるため、Henderson—Hasselbalchの式(①式)より、水溶液中の分子形(H_{2}CO_{3})とイオン形(HCO_{3}^{-})の割合を求めることができる。設問の反応式より、H_{2}CO_{3}、HCO_{3}^{-}の割合を求める際に用いるpKaは、pK_{a1}(=6.1)であることがわかる。これらのことから、pH7.3のアシドーシスを起こした患者の体液中のHCO_{3}^{-}/H_{2}CO_{3}の存在比を以下のように求めることができる。"} +{"problem_id": "102098", "problem_text": "クロマトグラフィーの分離パラメータに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ピーク高さと保持時間が同じなら、ピーク幅が狭いほど理論段数(N)は大きい。", "��ンメトリー係数(S)が1より小さいとき、ピークはテーリングしている。", "カラムの長さが2倍になると、理論段高さ(H)は2倍になる。", "同一の分離条件で2つの化合物の保持時間が同じ場合、両者の分離係数(\\alpha )は1である。", "分離度(R_{s})は、2つのピークの保持時間の関係を示し、ピーク幅には依存しない。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n理論段数(N)とは、カラム中における物質のバンドの広がりの度合いを表す指標であり、その数値が大きいほどカラムの分離効率がよい。ピーク高さと保持時間が同じなら、ピーク幅が狭いほど物質の分離率がよいため、理論段数(N)は大きいといえる。なお、理論段数は以下の式で表すことができ、保持時間が同じ場合、ピーク幅が狭いほど理論段数が大きいといえる。2:誤\nシンメトリー係数(S)とは、クロマトグラム上のピークの対称性を示すものである。シンメトリー係数とピークの形の関係を以下に示す。3:誤\n理論段高さとは、一理論段高さ当たりの長さであり、カラムの長さによって変化しない。4:正\n分離係数(\\alpha )は、クロマトグラフ上のピークの相互の保持時間の関係を示したもので以下の式で表すことができる。上記の式より、同一の分離条件で2つの化合物の保持時間が同じ場合、両者の分離係数(\\alpha )は1となる。5:誤分離度(R_{S})は、ピーク相互の保持時間とそれぞれのピークの幅の関係を示したもので以下の式で表すことができる。上記の式より、分離度(R_{s})は、ピーク幅に依存して変化する。"} +{"problem_id": "102099", "problem_text": "核磁気共鳴スペクトル測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["核磁気共鳴スペクトルの測定には、一般にラジオ波領域の電磁波が用いられる。", "^{19}Fを利用して有機化合物中にあるフッ素の核磁気共鳴スペクトルを測定できる。", "ベンゼンの水素は、\\pi 電子による遮へい効果を受ける。", "測定溶媒中に重水を添加することにより、アルケンに結合している水素のシグナルを消失または移動させることができる。", "プロトン間のスピン-スピン結合定数は、外部磁場の強さの影響を受ける。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n核磁気共鳴スペクトルの測定では、外部磁場中におかれた化学物質にラジオ波を照射し、低エネルギーの核スピン状態から高エネルギーの核スピン状態に遷移する現象を利用して、化学物質の構造を解析する。2:正\n外部磁場の中に原子核を置くと、そのエネルギー状態が低エネルギーと高エネルギーの準位に分裂することがある。この効果をゼーマン分裂という。ゼーマン分裂において、エネルギー準位は2I+1に分裂し、I≠0の場合、NMRを測定することができる。^{19}Fにおいては、I=1/2であるため、^{19}Fを利用して有機化合物中にあるフッ素の核磁気共鳴スペクトルを測定できる。3:誤\n分子内に\\pi 電子(芳香環、二重結合、三重結合)が存在すると、外部磁場により、\\pi 電子が環電流を生じて、局所的に誘起磁場が発生し、近傍の原子核の共鳴周波数に影響を与える。この現象を磁気異方性効果という。上記の図より、ベンゼン環の\\pi 電子が環電流を生じることで、ベンゼン環の上下、内部には遮へい効果が現れ、ベンゼン環の外部には、反遮へい効果が現れる。よって、ベンゼンの水素は、\\pi 電子による反遮へい効果を受ける。4:誤\nアルケンに結合している水素は、重水を添加しても重水素に置換されることがないため、測定溶媒中に重水を添加しても、アルケンに結合している水素のシグナルを消失または移動させることはできない。なお、ヘテロ原子に結合した水素(-OHや-NH)は、重水を添加すると重水素に置換されるため、測定溶媒中に重水を添加することにより、ヘテロ原子に結合している水素のシグナルを消失または移動させることができる。5:誤\nスペクトルで表されるシグナルは、近くに存在するプロトンにより作られる磁場の影響を受け、分裂して現れる。このシグナルの分裂間隔をスピン-スピン結合定数といい、この値は外部磁場の影響を受けず、常に一定となる。"} +{"problem_id": "102100", "problem_text": "質量分析法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["モノアイソトピック質量は、各原子の全ての安定同位体を天然存在比に基づいて考慮することで算出される。", "質量スペクトルの中で、強度が一番大きいピークは基準ピークとよばれる。", "電子イオン化法(EI)は、タンパク質の分子量測定に適している。", "飛行時間型の質量分析計では、質量電荷比(m/z)の大きいイオンほど遅く移動し、飛行時間が長い。", "m/z=200.100と200.050の2つのピークを分離できる分解能は、2000である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nモノアイソトピック質量とは、各元素における天然存在比が最大の同位体の計算精密質量のことである。なお、各原子の全ての安定同位体を天然存在比に基づいて考慮した質量を平均質量という。2:正\n質量スペクトルは、縦軸に基準ピークに対する相対強度、横軸に質量/電荷(m/z)をとって表される。質量スペクトルの中で、強度が一番大きいピークを基準ピークといい、質量スペクトルではこのピークを相対強度100%として表される。3:誤\n電子イオン化法(EI)は、気体状試料に熱電子を照射することにより分子量1000程度以下の揮発性化合物をイオン化する方法であり、揮発しにくく、分子量の大きいタンパク質の分子量測定には適していない。4:正\n飛行時間型の質量分析計は、イオン化部でイオン化した化学物質を検出器まで飛行させることにより化学物質を分離する装置であり、質量電荷比(m/z)の大きいイオンほど遅く移動し、飛行時間が長い。5:誤\n分解能Rとは、隣り合ったピークの分離度を示すものであり、以下の式で表される。R=M/\\Delta M\nM: 質量Mのピーク:\\Delta M: 質量Mのピークと隣接するピークの差\n上記の式より、m/z=200.100と200.050の2つのピークを分離できる分解能を以下のように求めることができる。R=M/\\Delta M=200.100/(200.100-200.050)=200.100/0.050\\fallingdotseq 4000"} +{"problem_id": "102101", "problem_text": "次の反応のうち、主生成物がラセミ体として生じるのはどれか。1つ選べ。(THF: テトラヒドロフラン)", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nアルケンに対してボランを反応させるとシン付加が進行する。その後、塩基性条件下、過酸化水素で処理すると、逆マルコフニコフ型のアルコールが生成する。生成物はキラル炭素を1つ有することから、エナンチオマーの混合物(ラセミ体)である。2:誤\nアルケンに対してm-クロロ過安息香酸を反応させるとシン付加が進行する。本設問における生成物はキラル炭素を2つ有し、かつ分子内対称面を有することからメソ化合物である。3:誤\nアルケンに対して臭素を反応させるとアンチ付加が進行する。本設問における生成物はキラル炭素を2つ有し、かつ分子内対称面を有することからメソ化合物である。4:誤\n硫酸酸性下、アルケンに対して水を反応させるとマルコフニコフ型のアルコールが生成する。本設問における生成物はキラル炭素を有しないため、ラセミ体ではない。5:誤\nアルケンに対して四酸化オスミウムを反応させた後、亜硫酸水素ナトリウムで還元的に処理すると、グリコールが生成する。本設問における生成物はキラル炭素を2つ有し、かつ分子内対称面を有することからメソ化合物である。"} +{"problem_id": "102102", "problem_text": "次の反応で得られる主生成物Aの構造式として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "アルケンにオゾン(O_{3})を反応させるとオゾニドが生成し、その後、ジメチルスルフィド((CH_{3})_{2}S)で還元するとカルボニルが生成する。よって、本設問の反応は以下のように進行し、主生成物Aとして選択肢5が得られる。"} +{"problem_id": "102103", "problem_text": "次の反応で得られる化合物中のH(a〜c)に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["a、b、cのすべてがLiAlH_{4}由来である。", "aとbがH_{3}O^{+}由来、cがLiAlH_{4}由来である。", "aとbがLiAlH_{4}由来、cがH_{3}O^{+}由来である。", "aとbのどちらか一方がH_{3}O^{+}由来、もう一方とcがLiAlH_{4}由来である。", "aとbのどちらか一方がLiAlH_{4}由来、もう一方とcがH_{3}O^{+}由来である。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "LiAlH_{4}(水素化アルミニウムリチウム)は、カルボン酸を還元してアルデヒドを経て第���級アルコールまで還元することができる還元剤である。本反応では、LiAlH_{4}由来のヒドリド(H^{-})が、カルボニル炭素(\\delta ^{+})に対して反応を起こし、その後、H_{3}O^{+}由来のプロトン(H^{+})がカルボニル酸素(\\delta ^{-})に対して反応を起こすことによりアルコールを生成する。よって、aとbがLiAlH_{4}由来のH、cがH_{3}O^{+}由来のHであると考えられる。"} +{"problem_id": "102104", "problem_text": "ジクロフェナクナトリウムは、化合物Aから化合物Bを経由して合成できる。化合物Bはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "塩化アルミニウム(ルイス酸)存在下、化合物Aを加熱するとフリーデル・クラフツ反応が進行して化合物Bを生成する。アルカリ条件下、化合物Bを加熱処理すると、アミドが加水分解されてアミンとカルボン酸塩となり、ジクロフェナクナトリウムが生成する。"} +{"problem_id": "102105", "problem_text": "体内でグアニンは、以下のようにキサンチンを経て尿酸へ変換される。キサンチンの構造式として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "生体内でグアニンは、グアニンデアミラーゼの作用により加水分解され、キサンチンが生成する。その後、キサンチンはキサンチンオキシダーゼの作用により酸化されて尿酸に変換される。"} +{"problem_id": "102106", "problem_text": "次に示した医薬品の活性成分Aに関する記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["N末端のアミノ酸はD-プロリンである。", "C末端では、L-プロリンの環内の窒素がN-エチル化されている。", "L-ロイシンのエナンチオマーであるD-ロイシンが含まれている。", "経口投与には適さない。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "設問に示された医薬品の活性成分Aは、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)誘導体であるリュープロレリン酢酸塩である。1:誤\n活性成分AのN末端に結合しているアミノ酸はL-プロリンである。2:誤\n活性成分AのC末端では、L-プロリンの環内の窒素はアルギニン(Arg)とペプチド結合(赤の点線部分)している。なお、L-プロリンのカルボキシ基は、エチルアミノ基(青の点線部分)が結合している。3:正\n活性成分Aには、N末端から6番目にD-Leu(D-ロイシン)が含まれている。4:正\n活性成分A(リュープロレリン酢酸塩)はペプチドホルモンであり、消化管からの吸収性が悪く、また、消化分解されるため、経口投与には適さない。"} +{"problem_id": "102107", "problem_text": "ビルダグリプチンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ピペリジン環を有している。", "破線で囲んだ炭素骨格中のすべてのシクロヘキサン環は、いす形配座をとっている。", "a及びbで示される2つの窒素原子のうち、bの方が塩基性が強い。", "cで示される不斉炭素原子は、R配置である。", "d及びeで示される2つの炭素原子はいずれもキラル中心(立体中心)ではない。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nビルダグリプチンは、ピロリジン環を有している。2:正\n破線で囲まれた炭素骨格はアダマンタン骨格である。アダマンタンは3つのいす型配座のシクロヘキサン環が三次元的に配列した化合物である。3:誤ローンペアを有する窒素(N)はH^{+}(プロトン)を受け取ることができるため、塩基性を示す。aの窒素はローンペアを有するため、塩基性を示すが、bの窒素は隣接するカルボニル基と共鳴するため、ローンペアが非局在化しており、塩基性を示さない。よって、a及びbで示される2つの窒素原子のうち、aの方が塩基性が強い。4:誤\ncで示される不斉炭素原子は、S配置である。5:正\nd及びeで示される2つの炭素原子には同じ原子団が結合しているため、いずれもキラル中心(立体中心)ではない。"} +{"problem_id": "102108", "problem_text": "下図は、ある化合物の^{1}H-NMRスペクトル(400 MHz、CDCl_{3}、基準物質はテトラメチルシラン(TMS))である。この化合物の構造式として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、イのシグナルは一重線であり、拡大図A、B及びCの拡大率はそれぞれ異なる。また、エのシグナルはヒドロキシ基のプロトンに由来する。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "設問のスペクトルでは、1.3 ppm付近に6H分のダブレットが現れており、3.2 ppm付近に1H分のマルチプレットが現れていることから、構造中にイソプロピル基を有すると推定される。また、2.4 ppm付近に3H分のシングレットが出現していることから、構造中に芳香環に結合したメチル基を有すると推定される。これらのことから、設問のスペクトルを示す構造式は、選択肢1の構造式であると推定される。"} +{"problem_id": "102109", "problem_text": "天然物A〜Eの生合成に関する記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["天然物Aは、イソプレン単位3個から生合成される。", "天然物Bは、2分子のフェニルプロパノイドから生合成される。", "天然物Cは、1分子のアセチルCoAと7分子のマロニルCoAから生合成される。", "天然物Dは、1分子のフェニルプロパノイドと2分子のマロニルCoAから生合成される。", "天然物Eは、チロシンから生合成される。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤天然物A(ホルボール)はジテルペノイドであり、イソプレン(C_{5})単位4個から生合成される。2:正天然物B(ポドフィロトキシン)は、2分子のフェニルプロパノイド(C_{6}-C_{3})から生合成される。3:正\n天然物C(エモジン)はアントラキノン類であり、1分子のアセチルCoAと7分子のマロニルCoAから生合成される。4:誤\n天然物D(クエルセチン)はフラボノイドであり、1分子のフェニルプロパノイドと3分子のマロニルCoAから生合成される。5:誤\n天然物E(レセルピン)はアルカロイドであり、トリプトファンから生合成される。"} +{"problem_id": "102110", "problem_text": "生薬に関する記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ロートコンは、ナス科基原由来植物生薬で、トロパンアルカロイドを含有する。", "リュウタンは、フラボノイド配糖体を主成分とし、苦味健胃薬として用いられる。", "リュウコツは、硫酸ナトリウムを主成分とし、精神安定を目的として用いられる。", "インチンコウは、果実を用部にする生薬であり、胆汁分泌促進作用がある。", "トチュウは、トチュウの樹皮を用部にする生薬であり、リグナンを含有する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nロートコンは、ナス科基原由来植物生薬で、トロパンアルカロイド(l-ヒヨスチアミン)を含有し、鎮痛、鎮痙作用を有する。2:誤\nリュウタンは、苦味配糖体(ゲンチオピクロシド)を主成分とし、苦味健胃薬として用いられる。3:誤\nリュウコツは、炭酸カルシウムを主成分とし、精神安定を目的として用いられる。4:誤\nインチンコウは、頭花を用部にする生薬であり、胆汁分泌促進作用がある。5:正\nトチュウは、トチュウの樹皮を用部にする生薬であり、リグナンやイリドイドを含有し、強壮作用、鎮痛作用を有する。"} +{"problem_id": "102111", "problem_text": "下図は心臓の洞房結節の活動電位波形である。これに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["交感神経の興奮により静止膜電位が低下し、心拍数が変化する。", "4相での変化は、Na^{+}チャネルの開口による細胞内へのNa^{+}流入に起因する。", "0相での変化は、L型Ca^{2+}チャネルの開口による細胞内へのCa^{2+}流入に起因する。", "3相での変化は、K^{+}チャネルの開口による細胞外へのK^{+}流出に起因する。", "3相での変化が、心室筋の弛緩を起こす。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n交感神経の興奮により、細胞膜に存在するL型Ca^{2+}チャネルが活性化し、細胞内へのCa^{2+}の流入が促進するため、静止膜電位が増加し、心拍数が変化する。2:誤\n洞房結節の細胞には、Na^{+}チャネルが少ないため、洞房結節の膜電位の変化にはNa^{+}ほとんど影響を与えない。なお、洞房結節における4相(緩徐脱分極相)での変化は、T型Ca^{2+}チャネルの開口による細胞内へのCa^{2+}流入に起因する。3:正\n洞房結節における0相(脱分極相)での膜電位の変化は、L型Ca^{2+}チャネルの開口による細胞内へのCa^{2+}流入に起因する。4:正\n洞房結節における3相(再分極相)での膜電位の変化は、K^{+}チャネルの開口による細胞外へのK^{+}流出に起因する。5:誤\n洞房結節における膜電位の変化は、固有心筋の収縮および弛緩とは無関係であるため、洞房結節における3相(再分極相)での膜電位の変化と心室筋���収縮及び弛緩とは相関性がない。"} +{"problem_id": "102112", "problem_text": "下図は自律神経系(交感神経系、副交感神経系)の遠心路の模式図である。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、図中の神経系A、神経系B、神経系Cは交感神経系あるいは副交感神経系のいずれかを示す。", "choices": ["神経系Aは、副交感神経系である。", "神経系Aの興奮により、大部分の血管平滑筋が収縮する。", "神経系Bの節前線維は、主に胸随及び腰随の側角から発する。", "神経系Bの興奮時には、瞳孔括約筋が収縮して、散瞳が起こる。", "神経系Cの神経終末からノルアドレナリンが放出される。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n神経系Aは、節前線維が長く節後線維が短い、また、節前線維と節後線維の比率が1: 1であることから、副交感神経系である。なお、神経系Bは、節前線維が短く節後線維が長い、また、節前線維と節後線維の比率が1: 多数であることから、交感神経系である。2:誤\n神経系A(副交感神経系)が興奮すると、節後線維終末からアセチルコリンが放出され、それにより血管内皮細胞膜上のムスカリン性アセチルコリン受容体が刺激され、血管内皮細胞内で一酸化窒素の合成が促進する。血管内皮細胞で合成された一酸化窒素は、血管平滑筋に移行し、グアニル酸シクラーゼが活性化し、その結果、血管平滑筋を弛緩させる。3:正\n神経系B(交感神経系)の節前線維は、主に胸随及び腰随の側角から発している。なお、神経系A(副交感神経系)の節前線維は、主に仙随の側角から発している。また、神経系A(副交感神経系)の節前線維は、脳幹(中脳、延髄など)にも存在する。4:誤\n神経系B(交感神経系)の興奮時には、瞳孔散大筋が収縮して、散瞳が起こる。5:誤\n神経系Cは、支配器官までの間に節を有していないことから、副腎髄質を直接支配する交感神経系である。神経系Cの神経終末からアセチルコリンが放出される。"} +{"problem_id": "102113", "problem_text": "ヒトの体内で働くタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["膵臓から分泌されるキモトリプシンは、タンパク質のC末端から順次アミノ酸を遊離する。", "トリプシンの触媒作用には、その活性部位にあるセリン残基が関与する。", "トリプシノーゲンは、十二指腸上皮細胞から分泌されるエンテロペプチダーゼ(エンテロキナーゼともよばれる)により小腸内でトリプシンに変換される。", "アンチトロンビンIIIは、主として血管内皮細胞から分泌され、トロンビンの活性を阻害する。", "組織プラスミノーゲンアクチベーターは、血液凝固反応で形成されたフィブリンの分解反応を触媒する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nキモトリプシンは、膵臓からキモトリプシノーゲンとして十二指腸に分泌され、十二指腸で活性体となり、芳香族アミノ酸のカルボキシ基側のペプチド結合を切断する。なお、タンパク質のC末端から順次アミノ酸を遊離するのは、カルボキシペプチダーゼである。2:正\nトリプシンは、セリンプロテアーゼであり、その活性部位にあるセリン残基が触媒作用に関与している。3:正\nトリプシノーゲン(トリプシンの前駆体)は、膵臓から十二指腸に分泌され、その後、エンテロペプチダーゼ(エンテロキナーゼ)によりトリプシンに変換される。4:誤\nアンチトロンビンIIIは、主として肝臓から分泌され、トロンビンの活性を阻害することにより血液凝固を阻止する。5:誤\n組織プラスミノーゲンアクチベーターは、プラスミノーゲンをプラスミンに変換する反応を触媒する酵素である。なお、プラスミノーゲンから生成したプラスミンがフィブリンの分解反応を触媒する。"} +{"problem_id": "102114", "problem_text": "下図は、ヒトの尿素回路(オルニチン回路)の概略を示している。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["①と②の反応では、ATPが消費される。", "②の反応は、この回路の律速段階である。", "化合物Aは、一酸化窒素(NO)合成酵素の基質となる。", "NH_{3}の窒素原子は、この回路により化合物Bに組み込まれる。", "この回路の一部の反応はペルオキシソーム内で行われているが、それ以外は���胞質で行われる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n①と②の反応では、共にATPが消費される。①の反応\nアンモニアと二酸化炭素からカルバモイルリン酸が生成する際、2つのATPが消費される。②の反応\nシトルリンからアルギノコハク酸が生成する際、1つのATPが消費される。2:誤\n尿素回路(オルニチン回路)の律速段階は、カルバモイルリン酸シンターゼにより触媒されている①の反応である。3:誤\n化合物Aはオルニチンであり、一酸化窒素(NO)合成酵素の基質となるはならない。なお、一酸化窒素(NO)合成酵素の基質となるのは、アルギニンである。4:正\n化合物Bは尿素である。NH_{3}の窒素原子は、この回路により最終的に尿素(化合物B)に組み込まれ、体外に排泄される。5:誤\n尿素回路(オルニチン回路)を触媒する酵素群は、主に肝臓のマトリックス及び細胞質に存在している。アンモニアからシトルリンが生成する反応は肝臓のミトコンドリア内で行われるが、その他の反応は細胞質内で行われる。"} +{"problem_id": "102115", "problem_text": "ピリミジンヌクレオチドの代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ピリミジン骨格の生合成には、グルタミンとアスパラギン酸が利用される。", "ピリミジンヌクレオチドの生合成は、最終産物のシチジン5'-三リン酸(CTP)によりフィードバック阻害される。", "デオキシウリジン5'-一リン酸(dUMP)からデオキシチミジン5'-一リン酸(dTMP)の生合成において、S-アデノシルメチオニンがメチル基供与体として働く。", "ピリミジンヌクレオチドの分解により、尿酸が生成される。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nde novo経路(新生合成)におけるピリミジンヌクレオチドの生合成には、グルタミンとアスパラギン酸が利用される(前記参照)。2:正\nピリミジンヌクレオチドの生合成は、CTPによりカルバモイルアスパラギン酸が生成する過程が抑制されることによりフィードバック阻害される。3:誤\nデオキシウリジン5'-一リン酸(dUMP)からデオキシチミジン5'-一リン酸(dTMP)の生合成において、メチル基供与体として働くのは、N^{5}N^{10}-メチレンテトラヒドロ葉酸である。4:誤\nピリミジンヌクレオチドの分解により、\\beta -アラニン、\\beta アミノイソ酪酸、アンモニアが生成する。このうち、アンモニアについては尿素サイクルによって尿素となり尿中に排泄される。なお、分解されることにより尿酸を生成するのは、プリンヌクレオチドである。"} +{"problem_id": "102116", "problem_text": "真核細胞におけるmRNAからタンパク質への翻訳過程に関する記述について、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["翻訳過程は、開始、伸長及び終結の3段階の反応により完結する。", "遺伝子の転写反応が完結する前に、翻訳開始反応が起こる。", "翻訳開始反応は、mRNAの5'末端側から3'末端側の方向に進行する。", "リボソームがもつペプチジルトランスフェラーゼ活性により、ペプチド鎖伸長反応が起こる。", "アミノアシルtRNAの生成には、ATPのエネルギーを利用してアミノ酸が活性化される必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n翻訳過程は、開始、伸長、終結の3段階の反応により完結する。・開始\nmRNAの開始コドンにアミノアシルtRNA、リボソームが結合し、開始複合体を形成する。・伸長\nリボソーム上のP部位に存在するアミノ酸又はペプチドは、ペプチジルトランスフェラーゼの作用によりA部位に存在するアミノ酸に転移しペプチドが伸長される。・終結\nリボソームのA部位にmRNA終止コドンが到達し、終始因子(遊離因子)が導入されることによりペプチド鎖はリボソームから切り離され翻訳が終結する。2:誤っている\n遺伝子の転写反応が完結した後に、翻訳開始反応が起こる。3:正しい\n翻訳開始反応は、mRNAの5'末端側から3'末端側の方向に進行する。4:正しい\n解説1参照\n5:正しい\nアミノアシルtRNAは、tRNAにアミノ酸が結合したものであり、ATP存在下、アミノ酸がアミノアシルtRNA合成酵素(アミノ酸活性化酵素)により活性化された後、tRNAと結合することにより生成する。"} +{"problem_id": "102117", "problem_text": "マウスのある細胞において、タンパク質(ア)及び(イ)の産生は転写因子Xにより調節されている。両タンパク質の産生に対するその転写因子の機能を明らかにするため、以下のsiRNA(低分子干渉RNA)導入実験を行った。実験方法、原理と考察に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。【実験】 転写因子Xに対するsiRNAを導入していない細胞A及び導入した細胞Bを24時間培養した。その後、細胞を破壊し、全タンパク質を回収して、それぞれ試料A及びBとした。同一タンパク質量の試料A及びBを用いてSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、分離されたゲル中のタンパク質をニトロセルロース膜に転写した。次に、そのニトロセルロース膜においてタンパク質(ア)及び(イ)に対する特異的抗体を用いた抗原抗体反応を行った。その結果、図のようにそれぞれのタンパク質に特異的なバンド(黒色)を検出した。なお、実験に用いた。siRNAは特異的に転写因子XのmRNAをノックダウンすること、そのノックダウン効果は培養24時間の時点で最大となること、さらにタンパク質(ア)及び(イ)のニトロセルロース膜への転写効率に差がないことを確認している。", "choices": ["転写因子Xの遺伝子が存在する染色体が、導入されたsiRNAにより破壊される。", "図は、サザンブロット法を用いて得られた結果である。", "転写因子Xは、タンパク質(ア)をコードする遺伝子の転写を抑制的に調節していると考察される。", "タンパク質(イ)の産生は、転写因子Xにより抑制的に調節されると考察される。", "転写因子XのsiRNAによるノックダウン効果は、細胞Bをさらに培養することにより減弱すると予想される。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "siRNA(small interfering RNA)は、それと相補的な配列をもつmRNAと結合し、これを阻害・切断することによりタンパク質合成を抑制する。本実験では、タンパク質(ア)及び(イ)の産生に対するその転写因子Xの機能を明らかにするために、転写因子Xに対するsiRNAを導入しない細胞A及び導入した細胞Bを24時間培養し、試料A及び試料Bを作成している。試料AにはsiRNAが導入されていないため転写因子Xの機能は保たれており、試料BにはsiRNAが導入されているため転写因子Xの機能は低下している。本実験の結果として考えられることを以下に示す。・タンパク質(ア): 左の電気泳動\n試料A(転写因子Xの機能あり): バンドの広がりが狭いことから、タンパク質合成量が少ない\n試料B(転写因子Xの機能低下): バンドの広がりが広いことから、タンパク質合成量が多い\nこのことから、転写因子Xは、タンパク質(ア)の生成を抑制していると考えられる。・タンパク質(イ): 右の電気泳動\n試料A(転写因子Xの機能あり): バンドの広がりが広いことから、タンパク質合成量が多い\n試料B(転写因子Xの機能低下): バンドの広がりが狭いことから、タンパク質合成量が少ない\nこのことから、転写因子Xは、タンパク質(イ)の生成を促進していると考えられる。1:誤\n転写因子XのmRNAが、導入されたsiRNAにより破壊される(前記参照)。2:誤\n設問より、抗原抗体反応によりタンパク質を検出していることから、図は、ウエスタンブロット法を用いて得られた結果であると考えられる。なお、サザンブロット法とは、目的DNA断片に相補的なプローブを加えて、目的DNAを検出する方法である。3:正\n前記参照\n4:誤\n前記参照\n5:正\n問題文に「ノックダウン効果は培養24時間の時点で最大となる」と記載されていることから、細胞Bをさらに培養する(24時間以上培養する)ことにより転写因子XのsiRNAによるノックダウン効果は、減弱すると予想される。"} +{"problem_id": "102118", "problem_text": "免疫系における胸腺の役割に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["T細胞の前駆細胞は骨髄で作られた後、胸腺に移動して分化・成熟する。", "胸腺において、T細胞抗原受容体の遺伝子の再構成が起こる。", "胸腺は、成人において造血が行われる主要な器官である。", "胸腺は、二次リンパ器官の一つである。", "B細胞は主として胸腺で産生され、リンパ節で分化・成熟する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nT細胞の前駆細胞は骨髄で産生された後、胸腺に移動して分化・成熟し、免疫反応を行う二次リンパ器官に移��する。2:正\nT細胞抗原受容体(TCR)の遺伝子の再構成は、胸腺において行われ、多様なTCRを発現に関与する。これによりT細胞は多くの抗原を認識することが可能となる。3:誤\n成人において、造血が行われるのは骨髄である。骨髄には、すべての血球に分化可能な多能性造血幹細胞が存在し、種々の血球細胞及び未熟なリンパ球が産生される。4:誤\n胸腺は、リンパ球の産生や分化、成熟に関与する一次リンパ器官である。5:誤\nB細胞は、主として骨髄で産生・分化し、二次リンパ器官に移動して成熟B細胞となる。"} +{"problem_id": "102119", "problem_text": "移植片拒絶反応について調べるため、2種類の近交系のマウス(A/AとB/B)を用いて、下記のような交配を行った。これらのマウスを用いて皮膚の移植実験を行った。以下に実験結果を示す。なお、A/A、A/B及びB/Bは組織適合抗原の遺伝子型を表している。[交配手順] ①:A/Aの親マウスとB/Bの親マウス間で交配し、雑種第一代(F_{1})マウスを得た。②:F_{1}マウス同士を交配して雑種第二代(F_{2})マウスを得た。[実験結果] ①:A/Aの親マウス同士の移植、B/Bの親マウス同士の移植は常に成立した。②:A/Aの親マウスとB/Bの親マウスの間の移植は常に失敗した。以上の移植実験結果に基づき、移植が常に成立すると予想されるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["A/Aの親マウスから、F_{1}マウスへの移植", "F_{1}マウスから、A/Aの親マウスへの移植", "A/Aの親マウスから、F_{2}マウスの移植", "F_{1}マウスから、B/Bの親マウスへの移植", "F_{2}マウスから、F_{1}マウスへの移植"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "移植される側が組織適合抗原の同じ型を有する場合、移植が成立する。このことから、移植の成立有無について下記のように考えることができる。A/A \\rightarrow A/A: 移植される側が同じ型を有するため、移植成立\nB/B \\rightarrow B/B: 移植される側が同じ型を有するため、移植成立\nA/B \\rightarrow A/A or B/B: 移植される側が同じ型を有しないため、移植不成立\nA/A or B/B or A/B \\rightarrow A/B: 移植される側が同じ型を有するため、移植成立\n1:正\nA/Aの親マウスから、F_{1}マウス(A/B)への移植では、常に移植成立する。2:誤\nF_{1}マウス(A/B)から、A/Aの親マウスへの移植では、常に移植が成立しない。3:誤\nA/Aの親マウスから、F_{2}マウス(A/A or A/B or B/B)の移植では、移植が成立しない場合がある。4:誤\nF_{1}マウス(A/B)から、B/Bの親マウスへの移植では、常に移植が成立しない。5:正\nF_{2}マウス(A/A or A/B or B/B)から、F_{1}マウス(A/B)への移植では、常に移植が成立する。"} +{"problem_id": "102120", "problem_text": "細菌の毒素に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腸管出血性大腸菌が産生するベロ毒素は、宿主細胞のタンパク質合成を阻害する。", "コレラ毒素は、宿主の神経筋接合部でのアセチルコリンの遊離を抑制し、筋肉の麻痺を引き起こす。", "ボツリヌス毒素は、宿主細胞内でアデニル酸シクラーゼを活性化し、サイクリックAMP濃度の上昇をもたらす。", "グラム陰性菌の内毒素(エンドトキシン)は、外膜に存在するリポ多糖である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n腸管出血性大腸菌が産生するベロ毒素は、N-グリコシダーゼ活性を有し、宿主のタンパク質合成を阻害する。本毒素は、その作用により出血性大腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こす。2:誤\nコレラ毒素は、宿主のGsタンパク質をADP-リボキシル化することにより宿主細胞内でアデニル酸シクラーゼを持続的に活性化し、サイクリックAMP濃度の上昇をもたらす。本毒素は、その作用により腸管粘膜表面からの水分分泌亢進による下痢を引き起こす。3:誤\nボツリヌス毒素は、宿主の神経筋接合部の運動神経終末に作用することにより宿主の神経筋接合部でのアセチルコリンの遊離を抑制し、筋肉の麻痺を引き起こす。4:正\nグラム陰性菌の内毒素(エンドトキシン)は、外膜に存在するリポ多糖であり、O抗原及びRコアオリゴ糖、リピドAから構成されている。"} +{"problem_id": "102121", "problem_text": "下図は、午前に1回だけ(午前7〜8時)食事を摂取した際に考えられる血糖値と血中インスリン濃度の経時変化(午前0〜午後1時)を示したものである。この図に関する���述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aの時点の血糖値は、主に筋肉から放出されたグルコースに由来する。", "Bの時点の血糖値の上昇には、小腸粘膜上皮細胞のSGLT1によるグルコースの取り込みが関与している。", "Bの時点において、インスリンは膵臓から十二指腸の管腔内に分泌され、グルコースの腸管での吸収を促進する。", "Cの時点において、インスリン依存的に活性化されたGULT4により筋肉にグルコースが取り込まれている。", "Cの時点において、インスリン依存的に肝臓でのグリコーゲンの分解が促進されている。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nAの時点において血糖値が維持されているのは、主に肝臓においてグリコーゲン分解が起こり、血液中にグルコースが放出されているからである。2:正\nBの時点(食事中)において血糖値が上昇しているのは、腸管内において食事に含まれている多糖がグルコースにまで分解され、小腸粘膜上皮細胞のSGLT1により吸収されているからである。3:誤\nインスリンは十二指腸管腔内には放出されず、血液中に放出される。4:正\nCの時点(食後)において血糖値が低下しているのは、インスリン依存的に活性化されたGULT4により筋肉にグルコースが取り込まれるからである。5:誤\nCの時点(食後)において、インスリン依存的に肝臓でのグリコーゲンの分解が抑制されている。"} +{"problem_id": "102122", "problem_text": "食品表示法に基づく食品表示に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["n-3系脂肪酸、ビタミンK及びカリウムは、栄養機能食品の栄養成分として栄養機能表示が認められている。", "特定保健用食品において、疾病リスク低減表示が認められている関与成分には、葉酸、カルシウム及びヘム鉄がある。", "機能性表示食品では、科学的根拠を有する関与成分について、企業の責任において疾病リスク低減表示が認められている。", "食品に含まれるナトリウムは、食塩相当量ではなく、ナトリウム量として表示する。", "特定原材料又はL-フェニルアラニン化合物を含む加工食品では、表示可能面積が小さくても、これを含む旨の表示を省略してはいけない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n栄養機能食品とは、栄養成分(ビタミン、ミネラル)の補給のために利用される食品のことである。栄養機能食品において、栄養機能表示の対象となる栄養成分を以下に示す。・ミネラル\nカルシウム、亜鉛、銅、鉄、カリウム、マグネシウム\n・ビタミン\nビタミンA、B_{1}、B_{2}、B_{6}、B_{12}、C、D、E、K、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン\n・その他\nn-3系脂肪酸\n2:誤\n現在、特定保健用食品における疾病リスクの低減表示が認められているのは「若い女性のカルシウム摂取と将来の骨粗鬆症になるリスクの関係」「女性の葉酸摂取と神経管閉塞障害をもつ子供が生まれるリスクの関係」2つである。よって、特定保健用食品において、疾病リスクの低減表示が認められている成分は、カルシウムと葉酸である。3:誤\n機能性表示食品では、疾病リスクの低減表示は認められていない。なお、疾病リスクの低減表示が認められているのは、特定保健用食品である。4:誤\n食品に含まれるナトリウムについては、ナトリウム量ではなく、食塩相当量で表示する。5:正\n特定原材料又はL-フェニルアラニン化合物を含む加工食品では、これらを含む旨を表示する必要があり、表示可能面積が小さくても、これらを含む旨の表示を省略することはできない。"} +{"problem_id": "102123", "problem_text": "50歳代の夫婦が、家庭菜園で栽培したナスを入れたスパゲティーを食べたところ、ふらつき、ろれつがまわらない、意識混濁などの症状を呈し、救急外来を受診した。摂取したナスは、チョウセンアサガオに接木して栽培したとのことであった。このナスに含まれるチョウセンアサガオ由来の有害成分として考えられるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アコニチン", "アミグダリン", "スコポラミン", "チャコニン", "l-ヒヨスチアミン"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "チョウセンアサガオ由来の有害成分は、スコポラミン、l-ヒヨスチアミンであり、それらは副交感神経遮断作用によりふらつき、ろれつ���まわらない、意識混濁などの症状を引き起こす。1:誤\nアコニチンはトリカブトの有害成分であり、ナトリウムチャネルに結合し持続的に活性化することにより麻痺を引き起こす。2:誤\nアミグダリンは青梅の有害成分であり、シトクロムオキシダーゼを阻害することにより呼吸抑制などを引き起こす。3:正\n4:誤\nチャコニンはジャガイモの発芽部及び緑化した皮に含まれる有害成分であり、非特異的なコリンエステラーゼの阻害により腹痛、胃腸障害、縮瞳、意識障害などを引き起こす。5:正"} +{"problem_id": "102124", "problem_text": "以下の表における観察集団(1)及び観察集団(2)の人口統計についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["粗死亡率は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が高い。", "老年人口割合は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が高い。", "65歳以上死亡数の死亡総数に対する割合は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が低い。", "基準集団の人口構成を用いた年齢調整死亡率は、観察集団(1)では41より小さい値になる。", "基準集団の人口構成を用いた年齢調整死亡率は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が高い値を示す。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n粗死亡率とは、人口1000人当たりの死亡数である。設問の表より観察集団(1)及び観察集団(2)は共に死亡率(人口千対)は41となっていることから、観察集団(1)及び観察集団(2)の粗死亡率は等しい。2:正\n老年人口割合(%)は、総人口に対する老年人口の割合である。観察集団(1)及び観察集団(2)の老年人口割合は以下のように求められる。観察集団(1)の老年人口割合=300/1000\\times 100=30%\n観察集団(2)の老年人口割合=400/1000\\times 100=40%\nよって、老年人口割合は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が高い。3:誤\n観察集団(1)及び観察集団(2)の65歳以上の死亡数の死亡総数に対する割合は以下のように求められる。観察集団(1)の老年人口割合=30/41\\times 100=73.2%\n観察集団(2)の老年人口割合=32/41\\times 100=78.0%\nよって、65歳以上死亡数の死亡総数に対する割合は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が高い。4:正\n年齢調整死亡率とは、年齢構成を調整した死亡率のことである。基準集団の人口構成を用いた年齢調整死亡率は、以下の式で表される。上記の式より、観察集団(1)の年齢調整死亡率を以下のように求めることができる。よって、観察集団(1)の年齢調整死亡率は33であり、41より小さい値になる。5:誤\n年齢調整死亡率を求める式(解説4参照)を用いて、観察集団(2)の年齢調整死亡率を以下のように求めることができる。よって、基準集団の人口構成を用いた年齢調整死亡率は、観察集団(1)より観察集団(2)の方が低い値を示す。"} +{"problem_id": "102125", "problem_text": "喫煙者と非喫煙者における脳血管疾患の年齢階級別発生率を調べ、喫煙と脳血管疾患との関係を調べたところ、表に示す結果が得られた。この結果に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この表は、症例-対照研究の結果を示している。", "この表における相対危険度は、喫煙をやめることによって脳血管疾患発症数がどれくらい減少できるかを示している。", "全ての年齢群のうち、55〜59歳の群は、喫煙が脳血管疾患を発症させるリスクが最も高いと考えられる。", "65〜69歳の群の相対危険度の値が全ての年齢群の値より低いのは、加齢によって脳血管疾患の発症率が喫煙の有無にかかわらず高くなるためであると考えられる。", "喫煙と脳血管疾患発生率との関係を解析する上で、年齢が交絡因子となっている。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nこの表は、対象集団を要因の有無(喫煙、非喫煙)によって分け、将来に向かって疾病(脳血管疾患)の発生率を比較していることから、要因-対照研究の結果を示している。2:誤\nこの表における相対危険度は、喫煙が脳血管疾患を発症させるリスクが何倍になるかを示している。なお、喫煙をやめることによって脳血管疾患発症数がどれくらい減少できるかを示しているのは、寄与危険度である。3:誤\n全ての年齢群のうち、喫煙が脳血管疾患を発症させるリスクが最も高いと考えられるの���、相対危険度が最も高い45〜49歳の群である。4:正\n65〜69歳の群では、相対危険度の値が全ての年齢群の値より低く、非喫煙者の脳血管疾患の発生率が他の年齢階級より高くなっている。その理由として考えられるのは、加齢によって脳血管疾患の発症率が喫煙の有無にかかわらず高くなるためであると考えられる。5:正\n交絡因子とは、疾患の発生(脳血管疾患の発生)に影響を与える調査目的(喫煙、非喫煙)以外の要因のことであり、本調査結果を解析する上で、年齢は交絡因子となっている。"} +{"problem_id": "102126", "problem_text": "C型肝炎ウイルス(HCV)感染歴と肝細胞がん発症の関係を調べるため、ある病院において、肝細胞がんの患者100人、及び対照群として性・年齢・喫煙歴・アルコール摂取歴をマッチングされた別の病気の患者200人を選び出し、抗HCV抗体の有無を調べた。その結果、肝細胞がん患者の80人、対照群の20人が抗体陽性者であった。この調査から求められる肝細胞がん発症におけるHCV感染歴のオッズ比として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["4.0", "4.9", "8.0", "16", "36"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "オッズ比は、対照群の要因曝露オッズ比に対する症例群の要因曝露オッズ比より求めることができる。<対照群の要因曝露オッズ比を求める>\n対照群として別の病気の患者200人を選び出し、そのうち20人が抗HCV抗体陽性者であることから、対照群の要因曝露オッズ比を以下のように求めることができる。抗体陽性者/抗体陰性者=20/180=1/9\n<症例群の要因曝露オッズ比を求める>\n肝細胞がんの患者100人のうち、80人が抗HCV抗体陽性者であることから、症例群の要因曝露オッズ比を以下のように求めることができる。抗体陽性者/抗体陰性者=80/20=4\nこれらのことから、肝細胞がん発症におけるHCV感染歴のオッズ比を以下のように求めることができる。症例群の要因曝露オッズ比/対照群の要因曝露オッズ比=4/1/9=36"} +{"problem_id": "102127", "problem_text": "下表は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」において、ある1つの類型に分類される感染症の特徴及び主な対応・措置を示したものである。この類型に分類される感染症はどれか。2つ選べ。", "choices": ["腸管出血性大腸菌感染症", "中東呼吸器症候群(MERS)", "ジカウイルス感染症", "クロイツフェルト・ヤコブ病", "デング熱"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」においては、危険度と特徴に応じて感染症を1〜5類感染症に分類している。本設問の表にある感染症の特徴及び主な対応・措置については、4類感染症を示すものである。設問の感染症のうち、4類感染症に該当するものは、ジカウイルス感染症、デング熱である。1:誤\n腸管出血性大腸菌感染症は3類感染症に分類される。・3類感染症の特徴\n感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた危険性が高くないが、特定の職業への就業によって感染症の集団発生を起こし得る感染症\n・3類感染症の主な対応・措置\n特定職業への就業制限、消毒等の対物処置\n2:誤\n中東呼吸器症候群(MERS)は2類感染症に分類される。・2類感染症の特徴\n感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた危険性が高い感染症\n・2類感染症の主な対応・措置\n状況に応じて入院、疑似症患者および無症候病原体保有者を患者として対応、特定職種への就業制限、消毒等の対物措置\n3:正\n前記参照\n4:誤\nクロイツフェルト・ヤコブ病は5類感染症に分類される。・5類感染症の特徴\n国が感染症の発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を一般国民や医療関係者に提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症\n・5類感染症の主な対応・措置\n感染症の発生状況の収集・分析とその結果の公開、提供を行う\n5:正\n前記参照"} +{"problem_id": "102128", "problem_text": "下図は、死因別にみた死亡率の年次推移を、1947年から2014年まで示した結果である。各死因の死亡率の変遷の理由について正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["①の死亡率の上昇には人口の高齢化は関与しない。", "1995年前後に②の死亡率が急激に減少し、④��死亡率が増加したのは、国際ルールの変更により、死因の統計処理法が変わったことによる。", "③の死亡率が1980年代から増加してきたのは、新しい種類の③として、抗菌剤が効かない新興感染症が急激に増えたためである。", "④の死亡率が1970年代から減少傾向にあるのは、食生活の変化によってカルシウムの摂取量が増えたことが主要な要因と考えられる。", "1950年まで死因のトップであった⑤の死亡率が激減したのは、新たな治療薬などの医療の進歩、衛生水準の向上や栄養状態の改善によるところが大きい。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "設問のグラフにある①〜⑤の死因は以下の通りである。①悪性新生物、②心疾患、③肺炎、④脳血管疾患、⑤肺結核\n1:誤\n悪性新生物による死亡は、40〜50代ぐらいから上昇することから悪性新生物(①)の死亡率の上昇には人口の高齢化が関与する。2:正\n1995年前後に心疾患(②)の死亡率が急激に減少し、脳血管疾患(④)の死亡率が増加したのは、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」の改定により死亡診断書の記載方式が変更されたためである。3:誤\n肺炎による死亡者の95%以上は65歳以上の高齢者であることから、肺炎(③)の死亡率が1980年代から増加してきたのは、人口の高齢化により肺炎よる死亡者が増えたためである。4:誤\n脳血管疾患(④)の死亡率が1970年代から減少傾向にあるのは、食生活の変化によってナトリウムの摂取量が減ったことによる血圧低下が主要な要因と考えられる。5:正\n1950年まで死因のトップであった肺結核(⑤)の死亡率が激減したのは、新たな治療薬などの医療の進歩、衛生水準の向上や栄養状態の改善によるところが大きい。"} +{"problem_id": "102129", "problem_text": "食道がんのリスク上昇との関連性が示されているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["塩・塩蔵品の過剰摂取", "過度の飲酒", "熱い飲食物の摂取", "動物性脂肪に富む食事の摂取", "運動不足"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "食道がんのリスク上昇との関連性が示されているのは、過度の飲酒、熱い飲食物の摂取、喫煙である。なお、野菜、果物を摂取することにより食道がんのリスクを低下させることができる。1:誤\n塩・塩蔵品の過剰摂取は、胃がんのリスクを上昇させる。2:正\n3:正\n4:誤\n動物性脂肪に富む食事の摂取は、大腸がんのリスクを上昇させる。5:誤\n運動不足は、肥満を誘発し大腸がんのリスクを上昇させる。"} +{"problem_id": "102130", "problem_text": "グルタチオン抱合に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["基質の求核性部位にグルタチオンが結合する。", "この反応を触媒する酵素は、グルタチオンペルオキシダーゼである。", "この抱合反応の後に起こるメルカプツール酸の生成には、アセチル抱合が関与する。", "アセトアミノフェンの代謝的活性化に関与する。", "1,2-ジブロモエタンの代謝的活性化に関与する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nグルタチオン抱合では、基質(主にハロゲンやニトロ基などの電子求引基やエトポシドを持つ基質)の求電子部位にグルタチオンS-転移酵素(グルタチオンS-トランスフェラーゼ)の触媒作用によりグルタチオンが結合する。2:誤\n解説1参照\n3:正\nグルタチオン抱合により生成したグルタチオン抱合体は、加水分解を受けシステイン抱合体となり、その後アセチル抱合を受けメルカプツール酸となる。4:誤\nグルタチオン抱合は、アセトアミノフェンの解毒に関与する。5:正\n1,2-ジブロモエタンは、グルタチオン抱合により代謝的活性化を受けエピスルホニウムイオンとなる。"} +{"problem_id": "102131", "problem_text": "染料などの工業原料に使用され、N-水酸化により代謝的活性化されて膀胱がんの原因となるのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "染料などの工業原料に使用され、N-水酸化により代謝的活性化されて膀胱がんの原因となるのは、選択肢3(O-トルイジン)と選択肢5(ベンジジン)である。他の選択肢の構造の概要を以下に示す。選択肢1(Trp-P-1)は、トリプトファンの加熱により生成し、シトクロムP450の作用によりニトレニウムイオンとなり発がん性を示す。選択肢2(ジメチルニ��ロソアミン)は、第2級アミン、亜硝酸から生成し、シトクロムP450の作用によりメチルカチオンとなり発がん性を示す。選択肢4(サイロシン)は、キノコに含まれるアルカロイドであり、発がん性を有しない。"} +{"problem_id": "102132", "problem_text": "化学物質の遺伝毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Ames試験は、化学物質の遺伝毒性をSalmonella Typhimurium変異株の復帰突然変異の出現頻度により検出する方法である。", "Ames試験で用いる細菌は、ヒトや動物の組織と同様の異物代謝反応を起こす変異株である。", "化学物質による染色体切断後の修復の度合いを観察する試験として、特定の細菌を用いたコメットアッセイがある。", "ほ乳動物細胞を用いたin vitro小核試験では、細胞分裂が阻害されて生じる小核を検出する。", "遺伝毒性の有無は、Ames試験に加え、げっ歯類又はほ乳動物細胞を用いた試験を組み合せて評価される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nAmes試験では、Salmonella Typhimuriumのヒスチジン要求性変異株に被検化合物を加えて培養し、ヒスチジン非要求性株への復帰突然変異の出現の有無により被検化合物の遺伝毒性を検出する。2:誤\nAmes試験で用いるSalmonella Typhimuriumのヒスチジン要求性変異株は、ヒトや動物の組織に存在する異物代謝反応を起こす酵素が欠損している。3:誤\nコメットアッセイとは、被検化学物質によるDNAの損傷をゲル電気泳動法により検出する方法である。4:誤\nほ乳動物細胞を用いたin vitro小核試験では、化学物質の遺伝毒性で生じる染色体断片からなる小核を確認する。5:正\n遺伝毒性の有無は、Ames試験に加え、げっ歯類を用いた遺伝毒性試験やほ乳動物細胞を用いた遺伝毒性試験を組み合せて評価される。"} +{"problem_id": "102133", "problem_text": "有害化学物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["マラチオンは残留性が低いので、残留農薬基準値は定められていない。", "2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシンの毒性等価係数は1である。", "鉛の消化管吸収率は、成人より幼児の方が高い。", "有機スズ化合物に内分泌かく乱作用が認められるため、缶詰の内側をスズメッキするのは禁止されている。", "無機ヒ素はヒト体内でメチル化を受け、毒性の低いアルセノベタインに変換される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nマラチオンは有機リン系殺虫剤であり、米(玄米)、落花生、トウモロコシ、綿花に残留することがあるため、残留農薬基準値が定められている。2:正\nダイオキシン類は構造によって毒性が異なり、その毒性の強さは毒性等価係数によって表される。毒性等価係数は、ダイオキシン類の中でも毒性が最も高い2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシンを「1」として表される。3:正\n鉛の消化管吸収率は、成人(約10〜15%)より幼児(約40〜50%)の方が高い。4:誤\n有機スズ化合物は船舶や漁網の防腐剤として使用されていたが、内分泌撹乱作用が認められたため、現在では、化審法により製造、輸入、使用が禁止されている。なお、缶詰の内側のメッキに使用されるのは無機スズである。5:誤\n無機ヒ素はヒトの体内でメチル化を受け、メチルアルソン酸、ジメチルアルソン酸に変換されるが、アルセノベタインに変換されることはない。なお、アルセノベタインは甲殻類に高濃度に存在する。"} +{"problem_id": "102134", "problem_text": "ある農薬を様々な濃度で餌に混ぜ、ラットに2年間与え、慢性毒性を評価したところ、何らの病変も認められなかった最大の農薬濃度は0.02%であった。以下の条件のとき、この農薬の1日許容摂取量(ADI、mg/kg体重/日)として最も近い値はどれか。1つ選べ。ラットの1日あたりの摂餌量: 25 g ラットの平均体重: 250 g ヒトの平均体重: 50 kg 安全係数: 100", "choices": ["0.01", "0.2", "5", "20", "125"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ADIとは、ヒトが生涯にわたり毎日摂取し続けたとしても影響が出ないと考えられる1日当たりの量を、体重1 kg当たりで表した値であり、以下の式で表される。ADI=NOAEL\\times 1/安全係数\nNOAEL: 無毒性量(生体に有害な反応を起こさない最大量)\n\n「ラットの1日あたりの摂餌量: 25 g」、「ラットの平均体重: 250 g」、「何らの病変も認められなかった最大の農薬濃度は0.02%であった」となっていることから、NOAELを以下にように求めることができる。NOAEL=25 g/日(摂取量)\\times 0.0002/250 g(ラットの体重)=20(mg/kg/日)\nこれらのことから、ADIを以下のように求めることができる。ADI=20(mg/kg/日)\\times 1/100=0.2(mg/kg/日)"} +{"problem_id": "102135", "problem_text": "化学物質A〜D及び「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["化学物質A、B、Cは、いずれも第一種特定化学物質である。", "化学物質Dは第一種特定化学物質であるが、特定の用途においては代替品がないので、環境汚染のおそれがない場合に限り、例外的に使用が認められている。", "第二種特定化学物質は、難分解性、低蓄積性で、ヒト及び生活環境動植物への長期毒性をもつ化学物質である。", "化学物質Aは油症事件で問題になった物質で、この事件は化審法制定の契機となった。", "監視化学物質とは、分解性があり、蓄積性が認められなくても、ヒトへの長期毒性又は生活環境動植物への長期毒性のおそれのある化学物質のことである。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "各選択肢の化学物質名を以下に示す。A: ポリ塩化ビニル(PCB)、B: 2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン(2,3,7,8-TCDD)、C: DDT、D: パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)\n1:誤\n化学物質A、Cは第一種特定化学物質であるが、化学物質Bは非意図的生成物であるため化審法の規制対象外である。2:正\n化学物質Dは、第一種特定化学物質であるが、以下の用途において例外的に使用が認められている。エッチング剤の製造、半導体用のレジストの製造、業務用写真フィルムの製造\n3:誤\n第二種特定化学物質は、難分解性または分解性であり、低蓄積性で、ヒトへの長期毒性又は生活環境動植物への生態毒性、被害のおそれが認められる化学物質である。4:正\n化学物質Aは油症事件の問題となった化学物質であり、この油症事件が化審法制定の契機となった。5:誤\n監視化学物質とは、難分解性、高蓄積性であるが毒性が不明な化学物質のことである。"} +{"problem_id": "102136", "problem_text": "放射線の線量に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["実効線量とは、物理的な測定値ではなく、放射線による発がんと遺伝的影響を評価するために用いられる線量である。", "実効線量を求めるのに用いられる組織荷重係数は、肝臓が最も大きい。", "等価線量を求めるのに用いられる放射線荷重係数は、\\alpha 線の方が\\gamma 線より大きい。", "等価線量を表す単位としてグレイ(Gy)、実効線量を表す単位としてシーベルト(Sv)が用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n実効線量は、人における確率的影響(発がんや遺伝的影響)を評価するために用いられる線量であり、その単位はシーベルト(Sv)で表される。2:誤\n組織荷重係数とは、組織ごとに放射線による影響を受ける度合いを数値化したものであり、生殖腺が最も大きく、皮膚や骨表面では小さい値を示す。3:正\n放射線荷重係数とは、放射線の種類による被曝の大きさを補正するための係数であり、\\alpha 線の方が\\gamma 線より大きい。4:誤\n等価線量及び実効線量を表す単位は共にシーベルト(Sv)である。なお、グレイ(Gy)は吸収線量の単位として用いられている。"} +{"problem_id": "102137", "problem_text": "水の浄化法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["普通沈殿-緩速ろ過は、我が国で最も利用されている浄化法である。", "緩速ろ過は、水中の有機物の除去率において、急速ろ過に比べて劣る。", "薬品沈殿とは、凝集剤として硫酸アルミニウムを添加することにより、負電荷を持つ汚濁粒子を電気的に中和し、凝集塊として沈殿させる方法である。", "急速ろ過では、主に生物化学的作用により、ろ過を行う。", "緩速ろ過、急速ろ過のいずれを用いても、我が国の水道水では塩素剤による消毒が義務づけられている。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n我が国で最も利用されている浄化法は、薬品沈殿-急速ろ過である。薬品沈殿-急速ろ過は、普通沈殿-緩速ろ過に���べ処理速度が速く、省スペースで行うことが可能であるため、我が国で最も利用されている浄化法である。2:誤\n緩速ろ過では、ろ材表面に存在する生物ろ過膜により有機物が吸着・分解されるため、生物ろ過膜が形成されない急速ろ過に比べ水中の有機物の除去率は高い。3:正\n薬品沈殿で用いられる硫酸アルミニウムは、原水中の負電荷を持つ汚染粒子を電気的に中和し、凝集塊として沈殿させることができる。4:誤\n解説2参照\n5:正\n水道水の浄化法として緩速ろ過、急速ろ過のいずれを用いた場合でも、我が国では塩素剤による消毒が義務づけられている。"} +{"problem_id": "102138", "problem_text": "6種類の有機化合物を水に溶解し、生物化学的酸素要求量(BOD)^{(注1)}及び2種類の測定法による化学的酸素要求量(COD)を求めた。下表は、このBODとCODを、理論的酸素要求量^{(注2)}に対する割合(%)として示したものである。この表から考えられる記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。^{(注1}^{)}BODは、試料に植種水を加え、20^{\\circ} C、5日間に消費された溶存酸素量(DO)の値から求めた。^{(注2}^{)}理論的酸素要求量とは、化合物1 gが酸化されてCO_{2}及びH_{2}Oに分解されるのに必要な酸素消費量(g)を示す。ただし、窒素化合物中のアミノ基はNH_{3}に分解されるものとして算出した。", "choices": ["BODとCODの間には、有機化合物の種類にかかわらず、比例関係が認められる。", "酸性高温過マンガン酸法では、糖質はカルボン酸やアミノ酸に比べ、酸化されにくい。", "2種類のCODの測定法のうち、二クロム酸法の方が有機化合物の種類にかかわらず、強い酸化力を示す。", "この実験に用いた植種水中の微生物は、6種類の化合物のうち、酢酸に対して最も高い酸素消費量(gO/g)を示す。", "湖沼から採取した試料水にグリシンが大量に含まれる場合には、酸性高温過マンガン酸法によるCODが、その試料水の酸素消費量を最も良く反映する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n設問の表より、有機化合物の種類に関わらずBODとCODの間には比例関係は認められない。2:誤\n酸性高温過マンガン酸法では、カルボン酸(酢酸、プロピオン酸)、アミノ酸(グリシン、L-グルタミン酸)のCODの理論的酸素要求量の割合に比べ、糖質(グルコース、ラクトース)のCODの理論的酸素要求量の割合が高いため、糖質は酸化されやすい。3:正\nCODの理論的酸素要求量の割合は、すべての有機化合物において酸性高温過マンガン酸法に比べ二クロム酸法の方が高いため、二クロム酸法の方が有機化合物の種類に関わらず、強い酸化力を示す。4:正\nこの実験において植種水はBODの測定に用いられていることから、植種水中の微生物の酸素消費量は「理論的酸素要求量\\times BODの理論的酸素要求量に対する割合(%)」から算出することができる。酢酸における植種水中の微生物の酸素消費量は、1.07(gO/g)\\times 0.82=0.877(gO/g)であり、全有機化合物の中で最も高い値を示す。5:誤\n酸性高温過マンガン酸法におけるグリシンのCODの理論的酸素要求量に対する割合は3%であり、他の有機化合物のCODの理論的酸素要求量に対する割合に比べ小さい値を示すことから、グリシンが大量に含まれる場合には、他の有機化合物が大量に含まれる場合よりも酸素消費量の変化が小さい(酸素消費量に反映しにくい)。"} +{"problem_id": "102139", "problem_text": "光化学オキシダント及びその測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["光化学オキシダントの大部分はオゾンであるが、一部にペルオキシアセチルナイトレート(PAN)も含まれている。", "光化学オキシダントの環境基準達成率は、一般環境大気測定局及び自動車排出ガス測定局いずれにおいても低い水準となっている。", "光化学オキシダントは、微量の硫酸を含む過酸化水素水を吸収液として用いる溶液導電率法により測定される。", "光化学オキシダントの発生には、空気中の硫黄酸化物が関与している。", "光化学オキシダントの発生量は、オゾン層の破壊により減少している。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n光化学オキシダントには、オゾン、ペルオキシアセチルナイトレート(PAN)などの酸化性物質が含まれており、そ���大部分はオゾンである。2:正\n光化学オキシダントの環境基準達成率は、一般環境大気測定局及び自動車排出ガス測定局いずれにおいても他の大気汚染物質(二酸化窒素、二酸化硫黄、浮遊粒子状物質)に比べ低い水準となっている。3:誤\n光化学オキシダントの測定には、中性ヨウ化カリウム法が用いられる。なお、溶液導電率法は、大気汚染物質である二酸化硫黄の測定法として用いられている。4:誤\n光化学オキシダントの発生には、空気中の窒素酸化物、炭化水素が関与している。光化学オキシダントは、空気中の窒素酸化物と炭化水素が紫外線の作用により光化学反応を起こすことにより生成する。5:誤\nオゾン層の破壊により、地表に到達する紫外線量が増加し、光化学オキシダントの発生(解説4参照)が促進する。よって、光化学オキシダントの発生量は、オゾン層の破壊により増大している。"} +{"problem_id": "102140", "problem_text": "シックハウス症候群の原因物質として厚生労働省が定めた指針値があるのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "選択肢のうち、シックハウス症候群の原因物質として厚生労働省が定めた指針値があるのは、選択肢3(ホルムアルデヒド)と選択肢5(パラジクロロベンゼン)である。なお、他の選択肢(選択肢1(ベンジルアルコール)、選択肢2(ヘキサクロロシクロヘキサン)、選択肢4(二酸化窒素))については、シックハウス症候群の原因物質として厚生労働省は指針値を定めていない。"} +{"problem_id": "102141", "problem_text": "医薬品医療機器等法に規定される医療機器に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["人の疾病の診断、治療又は予防に使用されることを目的としたプロブラムも医療機器に該当することがある。", "人体に対するリスクの大きさによって、「高度管理医療機器」、「管理医療機器」、「一般医療機器」に分類される。", "添付文書の記載事項は法令で定められていない。", "再生医療等製品も医療機器に含まれる。", "高度管理医療機器の販売においては、薬剤師による対面での情報提供が義務づけられている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n医療機器とは、人もしくは動物の疾病の診断、治療、予防等に使用されること、又は人もしくは動物の身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く)であって政令の定めるものをいう。機械器具等には、機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラムが含まれている。2:正\n医療機器は、人体に対するリクスの大きさによって、「高度管理医療機器」、「管理医療機器」、「一般医療機器」に分類されている。3:誤\n医療機器の添付文書の記載事項については、医薬品医療機器等法で定められている。医療機器の添付文書には「使用方法その他使用及び取扱い上の必要な注意」「保守点検に関する事項」等を記載する必要がある。4:誤\n解説1参照\n5:誤\n高度管理医療機器の販売において、薬剤師による対面での情報提供は義務づけられていない。"} +{"problem_id": "102142", "problem_text": "医薬品の製造販売業者における総括製造販売責任者に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["厚生労働大臣が指定する医薬品を製造する場合に置かなければならない。", "選任にあたり必要とされる資格要件はない。", "品質管理及び製造販売後安全管理に係る業務に関する法令及び実務に精通し、公正かつ適正に業務を行わなければならない。", "業務を公正かつ適正に行うために必要があると認めるときは、製造販売業者に対し文書により必要な意見を述べなければならない。", "品質保証責任者及び安全管理責任者との相互の密接な連携を図らなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "医薬品医療機器等法において、医薬品の製造販売業者は、医薬品の品質管理、及び製造販売後安全管理を行わせるため、総括製造販売責任者を置かなければならないとされている。1:誤っている\n厚生労働大臣が指定する医薬品以外の医薬品を製造する場合においても、医薬品の製造販売業者は、総括製造販売責任者を置かなければならない���2:誤っている\n医薬品の製造販売業者においては、原則として薬剤師が総括製造販売責任者に選任される。3:正しい\n医薬品の製造販売業者における総括製造販売責任者は、品質管理及び製造販売後安全管理に係る業務に関する法令及び実務に精通し、公正かつ適正に業務を行わなければならない。4:正しい\n医薬品の製造販売業者における総括製造販売責任者は、業務を公正かつ適正に行うために必要があると認めるときは、製造販売業者に対し文書により必要な意見を述べ、その写しを5年間保管しなければならない。5:正しい\n医薬品の製造販売業者における総括製造販売責任者は、医薬品の品質管理に関する業務の責任者(品質保証責任者)及び製造販売後安全管理に関する責任者(安全管理責任者)との相互の密接な連携を図らなければならない。"} +{"problem_id": "102143", "problem_text": "医薬品の製造販売の承認に関して、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["承認を受けずに製造販売できる医薬品がある。", "医療上特にその必要性が高いと認められる場合、承認審査が優先して行われる。", "原薬等登録原簿に収められている原薬等を原材料とする場合は、登録されていることを証する書面をもって承認申請の資料の一部にすることができる。", "国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病のまん延などを防止するために緊急に必要な医薬品の場合は、特例的に承認される制度がある。", "製造販売業者は、承認事項の一部を変更しようとする場合、厚生労働省令で定める軽微な変更であれば、その内容を記録して保存することでそれを行うことができる。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品及び体外診断用医薬品については、承認を受けずに届出を行うことによって製造販売することができる。2:正しい\n希少疾病医薬品の製造販売等、医療上特にその必要性が高いと認められる場合には、承認審査が優先して行われる。3:正しい\n原薬等登録原簿に収められている原薬等を原材料として製造される医薬品の承認を受ける場合には、当該登録原簿に登録されていることを証する書面をもって承認申請の資料の一部にすることができる。4:正しい\n次のいずれかに該当する場合には、特例的に承認される制度(特例承認)が存在する。・国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病のまん延その他の健康被害の拡大を防止するため緊急に使用されることが必要な医薬品であり、かつ、当該医薬品の使用以外に適当な方法がないこと。・その用途に関し、外国において、販売し、授与し、又は販売又は授与の目的で貯蔵し、もしくは陳列することが認められている医薬品であること。5:誤っている\n製造販売業者は、承認事項の一部を変更しようとする場合、厚生労働省令で定める軽微な変更であれば、その内容を厚生労働大臣に届け出ることにより、承認事項の変更を行うことができる。"} +{"problem_id": "102144", "problem_text": "薬剤師免許に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬剤師が被補助人になった場合には、免許が取り消される。", "薬剤師免許証の交付によって効力が生じる。", "薬剤師国家試験に合格した者には、申請手続を要せず免許が与えられる。", "視覚又は精神の機能の障害により薬剤師の業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者は、免許を与えられないことがある。", "絶対的欠格事由である成年被後見人とは、判断能力が欠けているのが通常の状態にある者として、家庭裁判所から後見開始の審判を受けた者である。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n薬剤師が免許を取り消されるのは、成年被後見人又は保佐人になったときである(絶対的欠格事由)。なお、被補助人になったときに薬剤師の免許が取り消されることはない。2:誤\n薬剤師免許の効力は、薬剤師名簿に登録された時点より生じる。3:誤\n薬剤師国家試験に合格した者には、申請手続きを行うことにより免許が与えられる。4:正\n薬剤師の相対的欠格事由の1つ\n5:正\n成年被後見人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者として、家庭裁判所に後見開始の審判を受けた者である。なお、成年被補佐人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者として、家庭裁判所に補佐開始の審判を受けた者である。補足\n2019年12月の薬剤師法改正により、成年被後見人又は被保佐人は、薬剤師免許の絶対的欠格事由ではなくなった"} +{"problem_id": "102145", "problem_text": "安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血液製剤は、医薬品医療機器等法上の医薬品から除外されている。", "血液製剤を製造販売する場合は、この法律の規定による許可を受けなければならない。", "病院又は診療所以外の場所において、血液製剤の原料とする目的で、業として人体から採血するには、厚生労働大臣の許可が必要である。", "業として採血することは、医業にあたる。", "血液製剤の原料とする目的で採血するときは、その対価を支払うことができる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n血液製剤は、医薬品医療機器等法上の医薬品に該当する。2:誤\n血液製剤を製造販売する場合には、医薬品医療機器等法の規定による製造販売業の許可を受けなければならない。3:正\n血液製剤の原料とする目的で、業として、人体から採血しようとする者は、採血を行う場所ごとに、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。4:正\n業として採血することは、医業に該当する。5:誤\n何人も、有料で、人体から採血し、又は人の血液の提供のあっせんをしてはならない。"} +{"problem_id": "102146", "problem_text": "介護保険に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["介護保険の被保険者が、自己の居宅で受けた介護サービスは、保険給付の対象とならない。", "介護給付を受けようとする被保険者は、保険者である都道府県に対し医師の診断書を添えて申請する必要がある。", "介護保険の第2号被保険者の保険料は、被保険者が加入する医療保険者が徴収する。", "要介護状態とは、1年以上継続して常時介護を要すると見込まれる状態をいう。", "要介護状態は5段階に、要支援状態は2段階に区分されている。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n介護保険の被保険者が、自己の居宅で受けた介護サービス(訪問介護、居宅療養管理指導など)は、介護保険の保険給付の対象となる。2:誤\n介護給付を受けようとする被保険者は、保険者である市町村または特別区の対し被保険者証を添えて申請する必要がある。なお、介護給付を受けるための申請をするにあたって医師の診断書は必要ではない。3:正\n介護保険の第2号被保険者とは、市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者のことであり、その者の保険料は、被保険者が加入する医療保険の保険者を通じて徴収している。4:誤\n要介護状態とは、身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生労働省令で定める期間(原則6ヶ月)にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態のことである。5:正\n介護保険において、要介護状態は5段階(1〜5)、要支援状態は2段階(1〜2)に区分されている。"} +{"problem_id": "102147", "problem_text": "我が国の薬価基準制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬価とは、国により決定される医薬品の公定価格である。", "薬価基準は、医療法に基づく厚生労働大臣告示として公表される。", "新医薬品の薬価算定は、原価計算方式を原則とする。", "医療用医薬品であっても、薬価基準に収載されていないものがある。", "薬価改定は、5年ごとに行うよう定められている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n薬価は診療報酬および調剤報酬における薬剤料の算定の基礎となる価格であり、国により決定される医薬品の公定価格である。2:誤\n薬価基準は、健康保険法に基づく厚生労働大臣告示として公表される。3:誤\n新医薬品の薬価算定には、原価計算方式と類似薬効比較方式が用いられるが、基本となるのは、類似薬効比較方式である。新医薬品の価格算定\n・比較対照薬を選定できる場合: 類似薬効比較方��+補正加算\n・比較対照薬を選定できない場合: 原価計算方式\n4:正\n薬価基準には保険診療や保険調剤に使用する医薬品の品目が収載されているため、医療用医薬品であっても保険対象外の医薬品の品目(バイアグラ、プロペシアなど)については収載されていない。5:誤\n薬価改定は、毎年行われている。"} +{"problem_id": "102148", "problem_text": "下図は、平成15(2003)年度及び平成25(2013)年度の制度区分別国民医療費の給付分等の割合を示したものである。ア、イ、ウ及びエにあてはまるのはどれか。1つ選べ。注)厚生労働省「平成15年度国民医療費の概況」及び「平成25年度国民医療費の概況」を基に作成した。端数処理により、合計が100%にならないものがある。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "制度区分別国民医療費とは、国民医療費を医療保険等給付分、後期高齢者医療給付分(老人保健給付分)、公費負担医療給付分、患者負担分の4つの区分に分けたものである。以下に平成15(2003)年度と平成25(2013)年度の制度区分別国民医療費の給付分等の割合の内訳を示す。・平成15(2003)年度の制度区分別国民医療費の給付分等の割合\n医療保険等給付分: 44.7%、老人保健給付分: 33.8%、公費負担医療給付分: 5.8%、患者負担分: 15.7%となっている。・平成25(2013)年度の制度区分別国民医療費の給付分等の割合\n医療保険等給付分: 47.0%、後期高齢者医療給付分: 32.7%、公費負担医療給付分: 7.4%、患者負担分: 12.5%となっている。よって、選択肢2が正解となる。なお、高齢者の医療については、平成19(2007)年まで老人保健制度が行われていたが、平成20(2008)年以降、後期高齢者医療制度が導入されることとなった。それにより、制度区分別国民医療費についても「老人保健給付分」が「後期高齢者医療給付分」へと変更された。"} +{"problem_id": "102149", "problem_text": "下図は、ある疾患に対して使用可能な2つの薬剤による治療の費用対効果を比較するために作成した決定樹(判断樹)モデルである。治療プログラム(薬物治療)の経済評価において、このようなモデルを用いた分析の特徴として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["目的や状況に応じて条件設定ができる。", "臨床研究と一体化してデータを収集する。", "モデルの構築やデータ収集においてバイアスは発生しない。", "仮定に基づくシミュレーションを行う。", "臨床試験と同程度の時間と費用を要する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本モデルのような決定樹(判断樹)モデルにおいては、過去に得られたデータをもとに目的や状況に応じて条件の設定を行い、その条件に応じて治療を行なった場合のシュミレーションすることにより費用対効果の比較を行う。2:誤\n本モデルのような決定樹(判断樹)モデルにおいては、過去に得られたデータをもとにシュミレーションすることから臨床研究と一体化してデータを収集する必要がない。そのため、費用が安く、短時間で費用対効果の比較を行うことが可能である。3:誤\n患者背景が異なるため、モデル構築やデータ収集をする際にバイアスが発生することがある。4:正\n解説1参照\n5:誤\n解説2参照"} +{"problem_id": "102150", "problem_text": "89歳のAさんは、独居であり、居住地と同じ市内の2つの医療機関(B病院、C診療所)に通院し、いずれからも薬を処方されている。Aさんは、B病院の処方箋の調剤をD薬局で受け、C診療所では診療所の中で薬を受け取っている。Aさんは2つの医療機関からの薬について混乱する場合があるという。地域の薬局に求められる役割を踏まえて、D薬局の薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aさんの服薬情報を一元的に把握したいと考え、通院する医療機関をB病院だけにするようにAさんに勧めた。", "混乱を避けるため、C診療所で受け取った薬の情報とD薬局で受け取った薬の情報は、別々のお薬手帳で管理するように伝えた。", "Aさんから夜間に電話で調剤の求めがあったため、電話で聞き取った薬を調剤して、Aさんの自宅に行き、処方箋と引き換えに渡した。", "開局時間外にも相談に対応できるように、Aさんに相談用の電話番号を伝えた。", "Aさんとのやりとりを通じて入手した情報から、Aさんが混乱��ないような処方提案を処方医に行った。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n服薬情報を一元的に把握するために、通院する医療機関を変更するように勧めることは不適切な対応である。服薬情報を一元的に把握するためには、お薬手帳に2つの医療機関から処方されている医薬品をまとめて記載し、患者に対して医療機関を受診する際、お薬手帳を提示するように説明する必要がある。2:誤\n解説1参照\n3:誤\n薬剤師は電話による調剤に応じることはできない。薬剤師法において、薬剤師は医師等の処方箋によらなければ調剤することはできない。4:正\n地域薬局の役割として、開局時間以外にも随時電話相談を行える体制を整えることが求められている。5:正\n医療機関との連携をとるために患者とのやりとりを通じて入手した情報より、必要に応じて処方医に処方提案を行うことは適切な対応である。"} +{"problem_id": "102151", "problem_text": "細胞膜受容体の細胞内情報伝達系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アセチルコリンN_{M}受容体(筋肉型ニコチン性アセチルコリン受容体)を刺激すると、イオンチャネルが開口し、終板電位が発生する。", "ヒスタミンH_{1}受容体を刺激すると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化され、細胞内サイクリックAMP(cAMP)濃度が上昇する。", "アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激すると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化され、イノシトール三リン酸及びジアシルグリセロールが産生される", "オピオイド\\kappa 受容体を刺激すると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼ活性が抑制され、細胞内cAMP濃度が減少する。", "セロトニン5-HT_{3}受容体を刺激すると、イオンチャネルが開口し、抑制性シナプス後電位が発生する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正アセチルコリンN_{M}受容体(筋肉型ニコチン性アセチルコリン受容体)は、Na^{+}チャネル内臓型受容体である。アセチルコリンN_{M}受容体を刺激すると、Na^{+}チャネルが開口し、Na^{+}が細胞内に流入することにより脱分極が起こり、終板電位が発生する。2:誤ヒスタミンH_{1}受容体は、Gqタンパク質共役型受容体である。ヒスタミンH_{1}受容体を刺激すると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化され、イノシトール三リン酸及びジアシルグリセロールが産生される。3:誤アドレナリン\\alpha _{2}受容体はGiタンパク質共役型受容体である。アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激すると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼ活性が抑制され、細胞内cAMP濃度が減少する。4:正\nオピオイド\\kappa 受容体はGiタンパク質共役型受容体である。オピオイド\\kappa 受容体を刺激すると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼ活性が抑制され、細胞内cAMP濃度が減少する。5:誤セロトニン5-HT_{3}受容体は、Na^{+}チャネル内臓型受容体である。セロトニン5-HT_{3}受容体を刺激すると、Na^{+}チャネルが開口し、興奮性シナプス後電位が発生する。"} +{"problem_id": "102152", "problem_text": "交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["サルブタモールは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を選択的に刺激して、血管平滑筋を収縮させる。", "クレンブテロールは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を選択的に刺激して、血管平滑筋を弛緩させる。", "ドブタミンは、アドレナリン\\beta _{1}受容体を選択的に刺激して、心筋収縮力を増大させる。", "チモロールは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を選択的に遮断して、眼圧を低下させる。", "フェニレフリンは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を選択的に刺激して、散瞳を引き起こす。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nサルブタモールは、アドレナリン\\beta _{2}受容体を選択的に刺激して、気管支平滑筋を弛緩させる。2:誤\nクレンブテロールは、アドレナリン\\beta _{2}受容体を選択的に刺激して、気管支平滑筋及び膀胱平滑筋を弛緩させる。3:正\nドブタミンは、アドレナリン\\beta _{1}受容体を選択的に刺激して、心筋収縮力を増大させる。4:誤\nチモロールは、アドレナリン\\beta 受容体を遮断して、眼房水の産生を抑制して眼圧を低下させる。5:正\nフェニレフリンは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を選択的に刺激して、散瞳を引き起こす。"} +{"problem_id": "102153", "problem_text": "副交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ピペリドレートは、アセチルコリンM_{2}受容体を選択的に遮断して、胃酸分泌を抑制する。", "オキシブチニンは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断して、膀胱平滑筋収縮を抑制する。", "ネオスチグミンは、コリンエステラーゼを可逆的に阻害して、手術後の腸管麻痺を改善する。", "トロピカミドは、アセチルコリンM_{3}受容体を刺激して、瞳孔括約筋を収縮させる。", "シクロペントラートは、毛様体筋のアセチルコリンM_{1}受容体を刺激して、シュレム管を開放する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nピペリドレートは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断し、子宮平滑筋及び消化管平滑筋収縮を抑制する。2:正\nオキシブチニンは、アセチルコリンM_{3}受容体遮断作用及び平滑筋直接作用により、膀胱平滑筋収縮を抑制する。3:正\nネオスチグミンは、コリンエステラーゼを可逆的に阻害し、コリン作動性神経の機能を亢進させることにより消化管運動を促進させるため、手術後の腸管麻痺を改善に用いられる。4:誤\nトロピカミドは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断し、瞳孔括約筋を弛緩させる。5:誤\nシクロペントラートは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断し、毛様体筋を弛緩させ、シュレム管を閉塞させることにより眼圧を上昇させる。また、上記の作用により、瞳孔括約筋を弛緩させ、隅角を閉塞させることにより眼圧を上昇させる。"} +{"problem_id": "102154", "problem_text": "下記の化学構造を有する局所麻酔薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬物Aは、血中偽性コリンエステラーゼにより容易に分解される。", "薬物Bは、血中偽性コリンエステラーゼにより容易に分解される。", "薬物Cは、血中偽性コリンエステラーゼにより分解されない。", "薬物Bは、生理的pHにおいては、イオン型と非イオン型の平衡状態で存在し、非イオン型が速やかに細胞内に入る。", "薬物Cは、生理的pHにおいては、イオン型と非イオン型の平衡状態で存在し、細胞内では非イオン型がより強くNa^{+}チャネルを遮断する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "設問の構造より、薬物A、Cがエステル型(R-CO-O-R)の局所麻酔薬、薬物Bがアミド型(R-NH-CO-R)の局所麻酔薬であることがわかる。構造中にエステルを有する局所麻酔薬(薬物A、C)は、偽性コリンエステラーゼにより分解されやすいが、構造中にアミドを有する局所麻酔薬(薬物B)は、偽性コリンエステラーゼにより分解されにくい。局所麻酔薬は、弱塩基性薬物であり、生理的pHではイオン型と非イオン型の平衡状態で存在し、非イオン型が細胞膜を通過することができるため、細胞内で陽イオンとなることで作用を発現する。なお、薬物A: アミノ安息香酸エチル、薬物B: リドカイン、薬物C: プロカインである。"} +{"problem_id": "102155", "problem_text": "全身麻酔薬、麻酔補助薬及び催眠薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プロポフォールは、メラトニン受容体を選択的に刺激し、催眠作用を示す。", "チアミラールは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のバルビツール酸結合部位に作用し、細胞外へのCl^{-}流出を促進する。", "レミフェンタニルは、血液中の非特異的エステラーゼにより速やかに代謝されるため、作用持続時間はモルヒネよりも短い。", "ゾルピデムは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体の\\alpha _{1}サブユニット(ω_{1}受容体)に選択的に作用し、睡眠作用を示す。", "エスタゾラムは、セロトニン5-HT_{1A}受容体に部分刺激薬として作用し、睡眠作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nプロポフォールは、超短時間型静脈麻酔薬であり、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体Cl^{-}チャネル複合体におけるGABAの作用を増強することにより催眠作用を示す。なお、メラトニン受容体を選択的に刺激し、催眠作用を示すのはラメルテオンである。2:誤\nチアミラールは、バルビツール酸系薬であり、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のバルビツール酸結合部位に作用し、細���内へのCl^{-}流入を促進する。3:正\nレミフェンタニルは、麻薬性鎮痛薬であり、選択的にオピオイド\\micro 受容体を遮断することにより強い鎮痛効果を示す。本薬は、血液中の非特異的エステラーゼの作用により速やかに代謝されるため作用持続時間は短い。4:正\nゾルピデムは、非ベンゾジアゼピン系催眠薬であり、GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン受容体の\\alpha _{1}サブユニット(ω_{1}受容体)に選択的に作用し、睡眠作用を示す。5:誤\nエスタゾラムは、ベンゾジアゼピン系催眠薬であり、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体Cl^{-}チャネル複合体におけるGABAの作用を増強することにより催眠作用を示す。"} +{"problem_id": "102156", "problem_text": "痛みを伴う疾患に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アミトリプチリンは、下行性疼痛抑制系の神経終末でのセロトニン及びノルアドレナリン再取り込みを阻害し、痛覚情報伝達を抑制する。", "トラマドールは、シクロオキシゲナーゼ-2を阻害し、プロスタグランジンの産生を抑制する。", "プレガバリンは、求心性一次知覚神経の電位依存性Ca^{2+}チャネルの\\alpha _{2}\\delta サブユニットに結合し、神経伝達物質の遊離を抑制する。", "スマトリプタンは、セロトニン5-HT_{1B/1D}受容体を遮断し、片頭痛を緩和する。", "デュロキセチンは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{B}受容体を刺激し、筋緊張を伴う疼痛を緩和する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nアミトリプチリンは、三環系抗うつ薬であり、下行性疼痛抑制系の神経終末でのセロトニン及びノルアドレナリン再取り込みを阻害し、痛覚情報伝達を抑制することにより末梢神経障害性疼痛に対して効果を示す。2:誤\nトラマドールは、非麻薬性鎮痛薬であり、オピオイド\\micro 受容体刺激による上行性痛覚伝導路の抑制及びセロトニン、ノルアドレナリンの再取り込み阻害作用による下行性疼痛抑制系の活性化により鎮痛作用を示す。3:正\nプレガバリンは、求心性一次知覚神経の電位依存性Ca^{2+}チャネルの\\alpha _{2}\\delta サブユニットに結合し、グルタミン酸などの神経伝達物質の遊離を抑制することにより神経障害性疼痛や線維筋痛症に伴う疼痛に効果を示す。4:誤\nスマトリプタンは、セロトニン5-HT_{1B/1D}受容体を刺激し、脳血管を収縮させることにより片頭痛を緩和する。5:誤\nデュロキセチンは、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)であり、下行性疼痛抑制系の神経終末でのセロトニン及びノルアドレナリン再取り込みを阻害し、痛覚情報伝達を抑制することにより糖尿病性神経障害に伴う疼痛及び線維筋痛症に伴う疼痛に対して効果を示す。"} +{"problem_id": "102157", "problem_text": "中枢神経疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ラモトリギンは、K^{+}チャネルの活性化により神経細胞膜を過分極させ、抗てんかん作用を示す。", "ガランタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して神経細胞内へのCa^{2+}流入を抑制し、認知機能障害を改善する。", "エンタカポンは、末梢におけるカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害して、レボドパの脳内移行量を増加させる。", "フェニトインは、電位依存性L型Ca^{2+}チャネルを選択的に遮断し、抗てんかん作用を示す。", "タリペキソールは、ドパミンD_{2}受容体を選択的に刺激し、錐体外路障害を改善する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nラモトリギンは、Na^{+}チャネルを遮断し、神経細胞膜の脱分極を抑制することにより抗てんかん作用を示す。2:誤\nガランタミンは、中枢性アセチルコリンエステラーゼを選択的に阻害することにより脳内アセチルコリンの量を増加させる。また、ニコチン性アセチルコリン受容体に対してアロステリック活性化リガンドとして結合し、アセチルコリンに対する受容体の感受性を亢進させることにより脳内アセチルコリン機能を増強させる。この作用により、本薬物はアルツハイマー認知症の進行を抑制する。3:正\nエンタカポンは、末梢におけるカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害して、レボドパの脳内移行量を増加させる。この作用により、本薬物はレボドパ・カルビドパ又��レボドパ・ベンセラシド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off)を改善する。4:誤\nフェニトインは、主に電位依存性Na^{+}チャネルを遮断し、抗てんかん作用を示す。5:正\nタリペキソールは、ドパミンD_{2}受容体を選択的に刺激し、錐体外路障害を改善することにより抗パーキンソン病作用を示す。"} +{"problem_id": "102158", "problem_text": "高血圧症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プロプラノロールは、傍糸球体細胞からのレニン分泌を抑制する。", "アリスキレンは、アンギオテンシンIの産生を抑制する。", "カプトプリルは、一酸化窒素(NO)の産生を抑制する。", "カンデサルタンは、アンギオテンシンIIの産生を抑制する。", "エプレレノンは、アルドステロンの分泌を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nプロプラノロールは、非選択的\\beta 受容体遮断薬であり、傍糸球体細胞のアドレナリン\\beta _{1}受容体を遮断することによりレニン分泌を抑制する。2:正\nアリスキレンはレニンを直接阻害することによりアンギオテンシノーゲンからアンギオテンシンIの産生を抑制する。3:誤\nカプトプリルはアンギオテンシン変換酵素(ACE)を阻害することによりアンギオテンシンIからアンギオテンシンIIの産生を抑制する。4:誤\nカンデサルタンは、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体を遮断することによりアンギオテンシンIIによる血管収縮及び副腎皮質からのアルドステロンの分泌を抑制する。5:誤\nエプレレノンは、アルドステロン受容体を遮断することによりアルドステロンによる昇圧作用を抑制する。"} +{"problem_id": "102159", "problem_text": "消化器に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ドンペリドンは、ドパミンD_{2}受容体を遮断して副交感神経終末からのアセチルコリンの放出を抑制し、止瀉作用を示す。", "ラモセトロンは、セトロニン5-HT_{3}受容体を遮断して腸管運動を抑制する。", "ロペラミドは、オピオイド\\micro 受容体を刺激して腸管運動を抑制する。", "プログルミドは、ヒスタミンH_{2}受容体を遮断して胃酸分泌を抑制する。", "アコチアミドは、プロスタノイドFP受容体を刺激して胃酸分泌を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nドンペリドンは、ドパミンD_{2}受容体を遮断して副交感神経終末からのアセチルコリンの放出を促進し、消化管運動を促進することにより消化器症状改善作用を示す。2:正\nラモセトロンは、消化管内在神経叢に存在するセトロニン5-HT_{3}受容体を遮断して腸管運動を抑制する。3:正\nロペラミドは、コリン作動性神経終末のオピオイド\\micro 受容体を刺激し、アセチルコリンの遊離を抑制することにより腸管運動を抑制する。4:誤\nプログルミドは、胃壁細胞のガストリン受容体を遮断することにより胃酸分泌を抑制する。5:誤\nアコチアミドは、アセチルコリンエステラーゼを阻害し、シナプス間隙のアセチルコリンの量を増加させることにより腸管運動を促進する。"} +{"problem_id": "102160", "problem_text": "脂質異常症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["クリノフィブラートは、リポタンパク質リパーゼ(LPL)の発現を増加させるほか、アポリポタンパク質C-IIIの発現抑制を介してLPLの活性を亢進させる。", "プロブコールは、肝臓においてコレステロールの異化排泄を促進するほか、抗酸化作用を示す。", "イコサペント酸エチルは、コレステロールの腸肝循環を抑制して血中の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)値を低下させる。", "フルバスタチンは、アセチルCoAからのヒドロキシメチルグルタリルCoA産生を選択的に阻害することで、コレステロール合成を抑制する。", "エゼチミブは、小腸からのコレステロール吸収を抑制するほか、肝臓におけるコレステロール産生を減少させる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nクリノフィブラートは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\alpha (PPAR\\alpha )を活性化することによりリポタンパク質リパーゼ(LPL)の発現を増加させるほか、LPLの活性を抑制するアポリポタンパク質C-IIIの発現抑制を介してLPLの活性を亢進さ���る。2:正\nプロブコールは、肝臓においてコレステロールから胆汁酸への異化排泄を促進するほか、低密度リポタンパク質(LDL)に対して抗酸化作用を示す。3:誤\nイコサペント酸エチルは、脂質合成系の酵素の活性を調節している転写因子SREBP-1cの活性化を抑制することにより血中のトリグリセリドを減少させる。4:誤\nフルバスタチンは、ヒドロキシメチルグルタリルCoAからメバロン酸の産生に関与する酵素(ヒドロキシメチルグルタリルCoA還元酵素: HMG-CoA還元酵素)を選択的に阻害することによりコレステロール合成を抑制する。5:誤\nエゼチミブは、小腸コレステロールトランスポーター(NPC1L1)を阻害することにより外因性コレステロールの吸収を抑制して肝細胞内のコレステロールの含量を低下させる。"} +{"problem_id": "102161", "problem_text": "骨粗しょう症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["デノスマブは、抗TNF-\\alpha (腫瘍壊死因子-\\alpha )抗体で、前駆細胞から破骨細胞への分化を抑制する。", "テリパラチドは、カルシトニン受容体を刺激し、破骨細胞による骨吸収を抑制する。", "ミノドロン酸は、メバロン酸経路のファルネシル二リン酸合成酵素を活性化し、骨芽細胞から骨細胞への分化を促進する。", "カルシトリオールは、ビタミンD受容体を刺激し、腸管からのカルシウム吸収を促進する。", "ラロキシフェンは、エストロゲン受容体に対し、骨組織ではエストロゲン様作用を示すが、乳房では抗エストロゲン作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nデノスマブは抗RANKLモノクローナル抗体であり、RANKLに結合し、RANKL/RANKシグナル系を阻害することにより前駆細胞から破骨細胞への分化を抑制する。2:誤\nテリパラチドは遺伝子組み換えパラトルモン製剤であり、間欠投与で前駆細胞から骨芽細胞への分化促進作用や骨芽細胞のアポトーシス抑制作用を示すことにより骨形成を促進する。なお、カルシトニン受容体を刺激し、破骨細胞による骨吸収を抑制するのは、エルカトニンである。3:誤\nミノドロン酸はビスホスホネート製剤であり、骨のヒドロキシアパタイトに結合し破骨細胞に取り込まれた後、メバロン酸代謝経路のファルネシルピロリン酸(二リン酸)合成酵素を阻害することにより破骨細胞の機能を抑制する。4:正\nカルシトリオールは活性型ビタミンD製剤であり、ビタミンD受容体を刺激することにより腸管からのカルシウム吸収、腎尿細管からのカルシウムの再吸収を促進する。5:正\nラロキシフェンは選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)であり、骨組織ではエストロゲン様作用を示すが、乳房では抗エストロゲン作用を示す。"} +{"problem_id": "102162", "problem_text": "血液・造血組織に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ダルベポエチンアルファは、赤芽球前駆細胞に作用して赤血球への分化・増殖を促進し、腎性貧血を改善する。", "メコバラミンは、胃切除後の患者において低下している食物からのビタミンB_{6}の吸収を促進し、巨赤芽球性貧血を改善する。", "葉酸は、血漿中の鉄の造血組織への移行を促進し、鉄芽球性貧血を改善する。", "フィルグラスチムは、顆粒球系前駆細胞からの好中球産生を促進し、好中球減少症を改善する。", "ミリモスチムは、トロンボポエチン受容体を刺激し、血小板減少症を改善する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nダルベポエチンアルファは持続性エリスロポエチン製剤であり、赤芽球前駆細胞に作用して赤血球への分化・増殖を促進し、腎性貧血を改善する。2:誤\nメコバラミンはビタミンB_{12}製剤であり、胃切除後の患者において低下している食物からのビタミンB_{12}の吸収を促進し、巨赤芽球性貧血を改善する。3:誤\n葉酸は、DNAやアミノ酸合成の補酵素として働き、巨赤芽球性貧血を改善する。4:正\nフィルグラスチムは顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤であり、顆粒球系前駆細胞からの好中球産生を促進し、好中球減少症を改善する。5:誤\nミリモスチムはマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)製剤であり、単球・マクロファージの分化・増殖を促進し、単球・マクロファージを増加させる。"} +{"problem_id": "102163", "problem_text": "抗アレルギー薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["オマリズマブは、B細胞におけるIgE産生を抑制する。", "ケトチフェンは、トロンボキサン合成酵素を阻害する。", "ラマトロバンは、プロスタノイドTP受容体を遮断する。", "スプラタストは、IgEに結合し、肥満細胞からのケミカルメディエーターの遊離を抑制する。", "プランルカストは、ロイコトリエン受容体を遮断する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nオマリズマブはヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体であり、IgEに結合し、IgEと高親和性受容体(Fc\\epsilon RI)の結合を阻害することにより肥満細胞や好塩基球からのケミカルメディエーターの遊離を抑制する。2:誤\nケトチフェンは第二世代抗ヒスタミン薬であり、肥満細胞や好塩基球からのケミカルメディエーター遊離を抑制することに加え、ヒスタミンH_{1}受容体を遮断し、ヒスタミンの作用を抑制する。3:正\nラマトロバンはプロスタノイドTP受容体(トロンボキサンA_{2}受容体)遮断薬であり、プロスタノイドTP受容体を遮断することによりトロンボキサンA_{2}の作用を抑制する。4:誤\nスプラタストはTh2サイトカイン阻害薬であり、ヘルパーT細胞においてインターロイキン-4及びインターロイキン-5の産生を抑制し、B細胞でのIgE抗体産生を抑制する。5:正\nプランルカストはロイコトリエン受容体遮断薬であり、ロイコトリエン受容体を遮断し、ロイコトリエンの作用を抑制する。"} +{"problem_id": "102164", "problem_text": "抗ウイルス薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["バラシクロビルは、アシクロビルに変換された後、単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼでリン酸化され、ウイルスDNAの複製を抑制する。", "リトナビルは、インフルエンザウイルスのNS3-4Aプロテアーゼを阻害し、感染細胞からのウイルスの遊離を抑制する。", "テラプレビルは、C型肝炎ウイルスのノイラミニダーゼを阻害し、ウイルスRNAの合成を阻害する。", "ザナミビルは、HIVのプロテアーゼ活性を阻害し、ウイルス構成タンパク質の産生を抑制する。", "ジドブジンは、感染細胞内でリン酸化され、HIV逆転写酵素を競合的に阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nバラシクロビルはアシクロビルのプロドラッグであり、体内でアシクロビルに変換された後、単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼでリン酸化され、アシクロビル一リン酸となる。アシクロビル一リン酸は、さらに細胞性キナーゼによりアシクロビル三リン酸となり、DNA依存性DNAポリメラーゼを阻害し、ウイルスDNAの複製を抑制する。2:誤\nリトナビルは、HIVのプロテアーゼ活性を阻害し、ウイルス構成タンパク質の産生を抑制する。3:誤\nテラプレビルは、C型肝炎ウイルスのNS3-4Aセリンプロテアーゼを阻害し、ウイルスRNAの合成を阻害する。4:誤\nザナミビルは、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを阻害し、感染細胞からのウイルスの遊離を抑制する。5:正\nジドブジンは、感染細胞内でリン酸化され、ジドブジン三リン酸となり、HIV逆転写酵素を競合的に阻害する。"} +{"problem_id": "102165", "problem_text": "薬物の経口吸収に及ぼす食事の影響とそのメカニズムの組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nインドメタシン ファルネシルは脂溶性が高いため、食事により胆汁酸が分泌されると可溶化され吸収量が増大する。2:誤\nエチドロン酸二ナトリウムは、食物成分と不溶性のキレートを形成するため、食事により吸収量が低下する。3:正\nセファクロルは、食事により胃内容排出速度が低下すると吸収が遅延する。4:誤\nメナテトレノンは脂溶性が高いため、食事により胆汁酸が分泌されると可溶化され吸収量が増大する。5:誤\nリボフラビンは吸収部位特異性薬物であり、食事により胃内容排出速度が低下すると時間当たりに十二指腸に移行する量が低下し、トランスポーターの飽和が起こりにくくなるため、吸収量が増大する。"} +{"problem_id": "102166", "problem_text": "ある薬物のアルブミンへの結合定数は10(\\micro mol/L)^{-1}、結合部位数は2である。この薬物のアルブミン結合に関するScatchardプロットを実線で表し、結合が競合的に阻害された場合を点線で表すとき、正しい図はどれか。1つ選べ。ただし、図中の\\gamma はアルブミン1分子あたりに結合している薬物の分子数を、[Df](\\micro mol/L)は非結合薬物濃度を示す。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["6"], "comment": "Scatchardプロットにおいて、縦軸切片は結合部位数nと結合定数Kの積(nK)の値を示しており、横軸切片は結合部位数nの値を示している。問題文に「ある薬物のアルブミンへの結合定数は10(\\micro mol/L)^{-1}、結合部位数は2である。」と記載されていることから、競合阻害が認められる前のグラフ(実線)の縦軸切片は20(\\micro mol/L)^{-1}、横軸切片は2となる。また、競合阻害が認められた場合には、結合部位数nは変化しないが、結合定数Kが低下するため、競合阻害が認められた後のグラフ(点線)の縦軸切片は低下し、横軸切片は変化しない。"} +{"problem_id": "102167", "problem_text": "薬物とその活性代謝物の組合せとして、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nイミプラミンは、主にCYP2C19及び一部のCYP1A2によりN-脱メチル化を受け、活性代謝物であるデシプラミンとなる。2:正しい\nサラゾスルファピリジンは、腸内細菌に還元され、活性代謝物である5-アミノサリチル酸となる。3:誤っている\nニトラゼパムは、ニトロ基が還元され、7-アミノニトラゼパムとなり、その後アセチル化により7-アセトアミドニトロベンザムとなる。ニトラゼパムの代謝物は薬理活性を示さない。4:正しい\nプリミドンは、CYP3A4により2位のメチレン基が水酸化され、活性代謝物であるフェノバルビタールとなる。5:正しい\nモルヒネは、グルクロン酸転移酵素により6位の水酸基がグルクロン酸抱合され、活性代謝物であるモルヒネ-6-グルクロニドとなる。"} +{"problem_id": "102168", "problem_text": "抗不整脈薬の体内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["キニジンは、腎尿細管分泌によって大部分が未変化体のまま排泄されるため、肝障害が全身クリアランスに及ぼす影響は小さい。", "心筋梗塞時には\\alpha _{1}-酸性糖タンパク質の血漿中濃度が減少し、ジゾピラミドの全身クリアランスが上昇する。", "ジルチアゼムは、腎臓からの未変化体の排泄率が高いため、腎障害時には全身クリアランスが低下する。", "プロカインアミドは、腎尿細管において有機アニオン輸送系を介して分泌されるため、プロベネシドの併用により全身クリアランスが低下する。", "心拍出量が減少したうっ血性心不全の患者では、健常人に比べ、プロプラノロールの全身クリアランスが低下する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nキニジンは、主に肝臓によって消失する薬物であり、肝障害が全身クリアランスに及ぼす影響は大きい。2:誤心筋梗塞時には\\alpha _{1}-酸性糖タンパク質の血漿中濃度が増大し、塩基性薬物であるジソピラミドの遊離型薬物濃度が低下する。それによりジソピラミドの組織移行性が低下し、全身クリアランスが低下する。3:誤\nジルチアゼムは、主に肝臓によって消失する薬物であり、肝障害時には全身クリアランスが低下する。4:誤\nプロカインアミドは、腎尿細管に存在する有機カチオン輸送系により分泌されるため、プロベネシドと併用しても全身クリアランスはほとんど変化しない。5:正\n心吐出量が減少したうっ血性心不全患者では肝血流量が低下するため、肝血流依存型の肝消失型薬物であるプロプラノロールの全身クリアランスが低下する。"} +{"problem_id": "102169", "problem_text": "薬物相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["シクロスポリンの併用により、プラバスタチンの肝臓への移行が阻害され、その血中濃度は上昇する。", "ノルフロキサシンの併用により、フルルビプロフェンの肝臓での代謝が阻害され、その薬理作用は増強される。", "アスコルビン酸の併用により、サリチル酸の尿細管からの再吸収が阻害され、その腎クリアランスは大きくなる。", "セントジョーンズワートの長期摂取により、ワルファリンの消失半減期が延長し、出血傾向が引き起こされる。", "エリスロマイシンは、CYP3A4を不活性化し、フェロジピンの血中濃度を上昇させる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nプラバスタチンは、有機アニオン輸送系を介して肝臓に取り込まれ消失する。シクロスポリンは、有機アニオン輸送系阻害作用を有しており、プラバスタチンと併用すると、プラバスタチンの肝臓への移行を抑制し、血中濃度を上昇させる。2:誤\nノルフロキサシンとフルルビプロフェンを併用すると、GABA抑制作用が増強され、中枢性のけいれんを起こすことがある。3:誤\nアスコルビン酸により尿のpHが低下するため、アスコルビン酸とサリチル酸を併用すると酸性薬物であるサリチル酸の再吸収が促進されるため、腎クリアランスは低下する。4:誤\nセントジョーンズワートは、酵素誘導作用を有するため、セントジョーンズワートとワルファリンを併用すると、肝消失型薬物であるワルファリンの消失半減期が短縮される。5:正\nエリスロマイシンは、CYP3A4阻害作用を有しており、肝消失型薬物のフェロジピンの血中濃度を上昇させる。"} +{"problem_id": "102170", "problem_text": "タクロリムスの治療薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["血液中の赤血球画分に多く分布するため、測定サンプルとして血清ではなく全血を使用する。", "腎障害の発現を回避するために、血中濃度のピーク値を20 ng/mL以下に維持することが望ましい。", "主に未変化体として胆汁中に排泄されるため、肝機能が低下した患者では血中濃度が高くなる。", "CYP3A4やP-糖タンパク質を誘導する薬物を併用している患者では、血中濃度が高くなる。", "血中濃度が治療域に維持されていても十分な効果が得られない場合には、シクロスポリンの併用を検討する。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n本剤は血液中の赤血球画分に多く分布するため、TDMを行う際には全血(血球+血漿)を測定サンプルとして用いる。2:誤\n本剤の使用により重大な副作用として急性腎不全やネフローゼ症候群を起こすことがある。本剤の腎障害の発現は血中濃度と相関性が高いため、それらを回避するために血中濃度のトラフ値を20 ng/mL以下に維持することが望ましい。3:誤\n本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4により代謝されるため、肝機能が低下した患者では血中濃度が上昇する。4:誤\n本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4により代謝されるため、CYP3A4を誘導する薬物を併用すると血中濃度が低くなる。5:誤\n本剤とシクロスポリンは併用禁忌の組み合わせとされているため、本剤の効果が不十分な場合においてシクロスポリンを併用することはできない。"} +{"problem_id": "102171", "problem_text": "ある薬物を含む散剤(薬物100 mg/g)を繰り返し経口投与し、定常状態における平均血中濃度を2.0 \\micro g/mLとしたい。投与間隔を8時間とするとき、1回あたりの散剤の投与量(g)として最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、この薬物の体内動態は線形1-コンパートメントモデルに従い、全身クリアランスは120 mL/min、この散剤における薬物のバイオアベイラビリティは80%とする。", "choices": ["0.18", "0.36", "0.92", "1.2", "1.4"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "繰り返し経口投与時の経口投与量D(mg)は、次式で表される。<経口投与量D(mg)を求める>\n定常状態における平均血中濃度を2.0 \\micro g/mL、投与間隔を8時間、全身クリアランスは120 mL/min、バイオアベイラビリティは80%であることから、経口投与量D(mg)を以下のように求めることができる。また、この薬物を含む散剤(100 mg/g)を用いて、144 mgの薬物を投与するためには、散剤1.4 gを投与する必要がある。"} +{"problem_id": "102172", "problem_text": "以下のア、イ、ウで示される物質を様々な濃度で水に溶解し、一定温度下で濃度と表面張力の関係を調べたところ、下図に示すI、II、IIIのようになった。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["曲線Iを示す物質は「ア」である。", "曲線Iにおいて、C_{1}より高い濃度では水相表面における物質の濃度(吸着量)は飽和して一定である。", "曲線IIを示す物質は「ウ」である。", "曲線I、IIのように右下がりの曲線となるような物質の水相表面への吸着様式を正吸着という。", "曲線III���示す物質は「イ」であり、水中より水相表面の濃度が低くなる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "設問のア、イ、ウで示される物質は、ア: プロパノール、イ: ドデシル硫酸ナトリウム、ウ: 塩化ナトリウムである。1:誤\n曲線Iは濃度の増加に伴って表面張力が急激に減少していることから、曲線Iを示す物質は界面活性剤(イ: ドデシル硫酸ナトリウムなど)である。2:正\n曲線Iにおいて、C_{1}より高い濃度では表面張力が一定になっていることからC_{1}は臨界ミセル濃度であることがわかる。臨界ミセル濃度以上の界面活性剤溶液では、水相表面における物質の濃度(吸着量)は飽和して一定である。3:誤\n曲線IIは濃度の増加に伴って表面張力が軽度に減少していることから、曲線IIを示す物質は脂肪酸、アルコール(ア: プロパノールなど)である。4:正\n曲線I、IIのように濃度の増加に伴って表面張力が低下する物質は、水相表面に吸着する特徴を有することから、その吸着様式を正吸着という。なお、曲線IIIのように濃度の増加に伴って表面張力が増加する物質は、水相表面に吸着せず水相内部に存在することから、その吸着様式を負吸着という。5:誤\n曲線IIIは濃度の増加に伴って表面張力が増加していることから、曲線IIIを示す物質は無機塩類(ウ: 塩化ナトリウムなど)である。曲線IIIは負吸着を起こすため、水中より水相表面の濃度が低くなる。"} +{"problem_id": "102173", "problem_text": "高分子及び高分子水溶液に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["天然高分子の分子量は不均一であるが、合成高分子は重合度が均一で分子量の分布はない。", "高分子の性質は、高分子を構成するモノマーの種類や比率によって決まり、直鎖状、分枝状などの構造による影響を受けない。", "等電点付近のpH領域において、タンパク質は分子が広がった状態となるため、溶液の粘度が高くなる。", "高分子溶液のコアセルベーションは、相分離により高分子の濃厚な相と希薄な相に分かれる現象である。", "極限粘度(固有粘度)は、高分子水溶液の還元粘度を濃度に対してプロットし、濃度\\rightarrow 0となるように外挿した時の切片の値である。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n生体高分子などの天然高分子は、一般に分子量は均一であるが、合成高分子は合成条件や合成機構により分子量が不均一性を示す。2:誤\n高分子の性質は、高分子を構成するモノマーの種類、比率、構造(直鎖状、分枝状など)による影響を受けて変化する。3:誤\n等電点付近のpHでは、タンパク質の電荷が\\pm 0の状態にあり、タンパク質は水になじみにくい状態となる。貧溶媒中において、タンパク質などの高分子は集合する。そのため、等電点付近のpH領域において、タンパク質は集合し、その溶液の粘度が低くなる。4:正\n親水性の高分子溶液にアルコール又は逆の電荷を有する高分子を添加すると、相分離により高分子の濃厚な相と希薄な相に分離するコアセルベーションが認められる。5:正\n極限粘度(固有粘度)とは、高分子希薄溶液における粘度のことであり、高分子水溶液の還元粘度を濃度に対してプロットし、濃度\\rightarrow 0となるように外挿した時の切片の値より求められる。"} +{"problem_id": "102174", "problem_text": "25^{\\circ} Cの水溶液中における薬物A及び薬物Bの濃度を経時的に測定したところ、下図のような結果を得た。次に、両薬物について同一濃度(C_{0})の水溶液を調整し、25^{\\circ} Cで保存したとき、薬物濃度がC_{0}/2になるまでに要する時間が等しくなった。C_{0}(mg/mL)に最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["2.40", "3.60", "3.75", "9.60", "10.0"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "薬物A及び薬物Bの特徴について以下にまとめる。・薬物A\n片対数プロットにおいて、濃度と時間の関係が直線関係: 1次反応によって分解\n半減期は濃度に無関係に一定の値を示す。t_{1/2}=ln2/k_{1}・薬物B\n濃度と時間の関係が直線関係: 0次反応によって分解\n半減期は濃度に比例して変化する。t_{1/2}=C_{0}/2k_{0}グラフの傾き: -k_{0}=-10/16:k_{0}=5/8 mg・mL^{-1}・日^{-1}\nこれらのことから、薬物Aの半減期は濃度に関係なく3日であることから、薬物Bの半減期が3日になるときの初濃度C_{0}が、薬物濃度がC_{0}/2になるまでに要する時間が等しくなるC_{0}(mg/mL)となる。よって、薬物濃度がC_{0}/2になるまでに要する時間が等しくなるC_{0}(mg/mL)を以下のように求めることができる。3日=C_{0}/2\\times (5/8 mg・mL^{-1}・日^{-1}):C_{0}=3\\times 5/4 mg・mL^{-1}=3.75 mg・mL^{-1}"} +{"problem_id": "102175", "problem_text": "放出制御製剤に用いられる添加剤に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エチルセルロースは、水に不溶であり、徐放性のコーティング剤として用いられる。", "乳酸・グリコール酸共重合体は、生体内分解性であり、持続性注射剤用マイクロスフェアの基剤として用いられる。", "ヒドロキシプロピルセルロースは、水和によりゲル化するため、徐放性のマトリックス基剤として用いられる。", "ヒプロメロースは、pH5以下の水溶液には溶解しないため、腸溶性の被膜剤として用いられる。", "エチレン・酢酸ビニル共重合体は、経皮治療システムの放出制御膜基剤として用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\nエチルセルロースのような水に不溶なものは、徐放性のコーティング剤として用いられる。2:正しい\n乳酸・グリコール酸共重合体は、生体内で加水分解されるため、持続性注射剤用マイクロスフェアの基剤として用いられる。乳酸・グリコール酸共重合体を基剤として用いている代表的な注射剤としてリュープロレリン酢酸塩注射剤がある。3:正しい\nヒドロキシプロピルセルロースは、水を加えるとゲル化するため、徐放性のマトリックス基剤として用いられる。4:誤っている\n腸溶性の被膜剤として用いられるのは、ヒプロメロースフタル酸エステル、セラセフェートなどである。なお、ヒプロメロースは、胃溶性の被膜として用いられている。5:正しい\nエチレン・酢酸ビニル共重合体は、不溶性高分子であり、経皮治療システムの放出制御膜基剤として用いられる。"} +{"problem_id": "102176", "problem_text": "固形製剤の製造工程と製剤機械に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["流動層造粒装置は、混合、造粒、乾燥を1つの装置内で行うことができる。", "V型混合機は、容器固定型混合機に分類される。", "糖衣は、フィルムコーティングに比べ、短時間でのコーティング処理が可能である。", "直接打錠法では、原料粉末をそのまま打錠機で圧縮成形するため、滑沢剤の添加を必要としない。", "ハンマーミルは、粉砕時に熱が発生するため、熱に弱い医薬品の粉砕には適さない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n流動層造粒装置は、熱気流により吹き上げられた粉体に結合剤溶液を噴霧して造粒する方法であり、混合、造粒、乾燥を1つの装置内で行うことができる。2:誤\nV型混合機は、本体が回転することにより粉体を混合する回転型の混合機である。なお、容器固定型混合機には、リボン型混合機やスクリュー型混合機がある。3:誤\n糖衣コーティングは、白糖を主成分とするシロップを繰り返しコーティングして製するため、フィルムコーティングと比較して、工程に要する時間が長い。4:誤\n直接打錠法では、原料粉末に結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤を加えて均一にしたものを、直接圧縮形成して錠剤を製する。滑沢剤は、打錠器具への付着防止のために圧縮形成する前に添加される。5:正\nハンマーミルは、ハンマーを高速回転させて粒子に衝撃などを与えることにより粒子を粉砕する装置のことであり、粉砕時に熱が発生するため、熱に弱い医薬品の粉砕には適さない。"} +{"problem_id": "102177", "problem_text": "製剤に用いられる容器及び包装に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["容器とは、医薬品を入れるもので、栓、蓋なども含む。", "密閉容器とは、通常の取扱い、運搬又は保存状態において、固形又は液状の異物が混入せず、内容医薬品の損失、風解、潮解又は蒸発を防ぐことができる容器である。", "包装適格性には、製剤の保護、製剤と包装の適合性、包装に用いる資材の安全性及び投与時の付加的な機能の要素が含まれる。", "1 mLのアンプル容器に充填された注射液についても、その容器に記載する名称は省略できない。", "吸入エアゾール剤に用いられる定量噴霧式吸入器には、通例、気密容器を用いる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n容器とは、医薬品を入れるもので、栓や蓋なども容器の一部である。2:誤\n密閉容器とは、通常の取り扱い、運搬又は保存状態において、固形の異物が混入することを防ぎ、内容医薬品の損失を防ぐことができる容器である。なお、設問の内容は、気密容器に関する記述である。3:正\n包装適格性(製剤の包装として適しているかどうか)には、製剤の保護、製剤と包装の適合性、包装に用いる資材の安全性及び投与時の付加的な機能の要素が含まれる。4:誤\n2 mL以下のアンプル容器などについて、その名称中「注射液」、「注射用」または「水性懸濁注射液」の文字の記載は、「注」、「注用」または「水懸注」の文字の記載をもって代えることが可能である。5:誤\n吸入エアゾール剤に用いられる定量噴霧式吸入器には、通例、耐圧性の密封容器を用いる。"} +{"problem_id": "102178", "problem_text": "固形製剤の評価に用いられる一般試験法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腸溶錠の崩壊試験では、崩壊試験第1液中で耐酸性を評価した後、試験に用いた錠剤を引き続き使用して、崩壊試験第2液中での崩壊性を判定する。", "収着—脱着等温線測定法における水分の収着とは、医薬品粉体に水分の吸着及び吸収の両方が起こることである。", "溶出試験法の1つであるフロースルーセル法は、徐放性製剤の試験方法であり、即放性製剤には適用されない。", "製剤均一性試験法において、医薬品の有効成分含量が25 mg以上かつ有効成分濃度が25%以上の素錠の場合には、質量偏差試験が適用できる。", "製剤の粒度の試験法で用いるふるいは、18号ふるいの方が、30号ふるいに比べてより細かい粒子をふるい分けることができる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n崩壊試験とは、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ用剤、丸剤が試験液中、定められた条件で規定時間内に崩壊するかどうかを確認する試験法である。腸溶錠の崩壊試験では、崩壊試験第1液(pH約1.2)と崩壊試験第2液(pH約6.8)における試験を別々に行う。2:正\n固相-水間の相互作用には、水分と固相表面で起こる相互作用である吸着および水分が固相中へ浸透する吸収があり、それら両方の反応が起こることを収着という。3:誤\n溶出試験法の1つであるフロースルーセル法は、徐放性製剤及び即放性製剤どちらにも適応される。4:正\n製剤均一性試験とは、個々の製剤の間での有効成分含量の均一性の程度を示すための試験法である。製剤均一性試験は含量均一性試験または質量偏差試験のいずれかの方法で試験される。・素錠の場合\n医薬品の有効成分含量が25 mg以上かつ有効成分濃度が25%以上: 質量偏差試験\nそれ以外の場合: 含量均一性試験\n5:誤\nふるい番号が大きいふるいの方が、より細かい粒子をふるい分けることができるため、30号ふるいの方が、18号ふるいに比べてより細かい粒子をふるい分けることができる。"} +{"problem_id": "102179", "problem_text": "下図は、浸透圧を利用した放出制御システム(OROS^{®*})が応用されたメチルフェニデート塩酸塩徐放錠の断面図である。以下の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["溶出の初期では、外皮(放出制御膜)を覆っている薬物コーティング層から薬物放出が起こる。", "体内の水分が外皮を通じて内側に浸透する。", "プッシュ層の膨張に伴って、薬物放出口から薬物層1、2中の薬物が放出される。", "外皮の膜全体から、内部の薬物が徐々に放出される。", "外皮は内部の不溶性成分と一緒に糞便中に排出される。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "浸透圧を利用した放出制御システム(OROS^{®*})が応用されたメチルフェニデート塩酸塩徐放錠(商品名: コンサータ錠)の主薬の放出及び残った外皮の排出の流れを以下に示す。①外皮(放出制御膜)を覆っている薬物コーティング層より薬物が速やかに放出される。②外皮(放出制御膜)を通じて製剤内に浸透した水分によりプッシュ層が膨張する。③プッシュ層の膨張に伴って薬物層1、薬物層2が薬物放出口から一定速度(0次速度)で放出される。④薬物放出後、残った外皮は、内部の不溶性成分と一緒��糞便中に排出される。"} +{"problem_id": "102180", "problem_text": "体温と発熱に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["体温は延髄にある体温調節中枢によって調節される。", "体温を変化させる生物学的因子の1つに月経周期がある。", "インターロイキン-1は内因性発熱物質である。", "体温調節中枢でのプロスタグランジンE_{2}の産生が発熱に関与する。", "発熱をきたす疾患の1つに膠原病がある。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\n体温は視床下部に存在している体温調節中枢によって調節されている。2:正しい\n体温を変化させる生物学的因子には、概日リズム(24時間周期で変動する日内変動: サーカディアンリズム)や女性においては性ホルモンの分泌の周期(月経周期)が存在する。3:正しい\n内因性発熱物質には、インターロイキン-1、インターロイキン-6、インターフェロンなどが存在する。4:正しいプロスタグランジンE_{2}が体温調節中枢に働くと、セットポイントが上昇することにより正常体温以上に体温が上昇する。5:正しい\n膠原病とは、全身の血管や皮膚、筋肉、関節などに炎症がみられる病気の総称で、症状として原因不明の発熱や湿疹、関節痛が認められる。"} +{"problem_id": "102181", "problem_text": "ネフローゼ症候群の治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["初期治療の基本は副腎皮質ステロイド薬である。", "タンパク尿改善と静脈血栓予防に抗血小板薬が用いられる。", "浮腫の改善には抗アルドステロン薬が第1選択薬となる。", "高カリウム血症を併発するときは、球形吸着炭が用いられる。", "高コレステロール血症が持続する場合はエゼチミブが第一選択薬となる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n本症候群の初期治療では、副腎皮質ステロイド薬が用いられる。2:正\n本症候群では、血中タンパク質の減少によりタンパク合成が亢進することに伴って肝機能も亢進する。それにより肝臓における血液凝固因子の生成が促進され、静脈血栓症の合併が認められることがある。この状態を改善するために抗血小板薬であるジピリダモールが用いられることがある。また、ジピリダモールは、尿タンパクを減少させる作用を有するため、タンパク尿も改善する。3:誤\n本症候群における膠質浸透圧の低下による浮腫の改善には、第1選択薬としてループ利尿薬が用いられる。4:誤\n本症候群に併発する高カリウム血症には、ループ利尿薬やポリスチレンスルホン酸ナトリウムが用いられる。5:誤\n本症候群では、血中タンパク質の減少によりタンパク合成が亢進することに伴って肝機能も亢進する。それにより肝臓におけるコレステロールの生成が促進され、高コレステロール血症の合併が認められることがある。この状態を改善するためにコレステロールの合成を抑制するヒドロキシメチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素阻害薬が用いられる。"} +{"problem_id": "102182", "problem_text": "22歳男性。1ヶ月ほど前から体に違和感があり、「就職したばかりで慣れないので緊張しているのかな?」と思っていた。「少し前にショックな出来事があり、その事を引きずっているのかな?」とも思っていた。数日前、「背後で上司が自分の事を非難する声」が聞こえてきた。その声は毎日のように続き、そのことを考えると不眠となった。受診の結果、統合失調症と診断され、薬物治療が開始されることとなった。この症例に関し、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["統合失調症の発症は、思春期から青年期ではまれである。", "急性期の治療には非定型抗精神病薬の多剤併用療法が推奨される。", "定型抗精神病薬による治療を開始した際の注意すべき副作用に悪性症候群がある。", "多元受容体作用抗精神病薬(MARTA)による治療では、体重増加に注意する必要がある。", "錐体外路症状の発症予防のため、レボドパの併用が推奨される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n本疾患は、主として思春期〜青年期の10歳代〜30歳代で発症する。2:誤\n本疾患の急性期には、激しい陽性症状(幻覚、妄想など)が認められることがあるため、その症状を治療するために定型抗精神病薬(ハロペリドール等)による薬物���法が推奨される。3:正\n定型抗精神病薬は、ドパミンD_{2}受容体遮断作用を有するため、副作用として悪性症候群(症状: 高熱、意識障害、呼吸困難、循環虚脱など)を起こすことがある。4:正\n抗精神病薬は、副作用として体重増加をきたすことがある。体重増加の副作用については、特に多元受容体作用抗精神病薬(MARTA: オランザピン、クエチアピン)で生じやすい。5:誤\n抗精神病薬は、ドパミンD_{2}受容体遮断作用を有するため、副作用として錐体外路症状を起こすことがある。それらの症状が認められた場合には、レボドパを併用せず、原因薬物の減量や錐体外路症状を起こしにくい他の薬物に変更することを検討する。"} +{"problem_id": "102183", "problem_text": "中耳炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["中耳炎は鼻炎、咽頭炎に続いて発症することが多い。", "急性中耳炎は成人に好発し、耳痛と耳漏が主症状である。", "急性中耳炎では、軽症でも初期から抗菌薬を投与する。", "慢性中耳炎の主な起因菌は肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリスである。", "慢性中耳炎の主な症状は、耳漏と難聴である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n中耳炎は、主に鼻炎や咽頭炎などの上気道炎から細菌が中耳に移行することにより発症する。2:誤\n急性中耳炎は小児に好発し、その主症状として、耳痛、耳漏、発熱が現れることがある。3:誤\n急性中耳炎の治療において、初期段階(発症後3日間)では抗菌薬を投与せず、対症療法により経過観察を行い、その後、改善が認められない場合には抗菌薬の投与を検討する。4:誤\n急性中耳炎の主な起因菌は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリスであり、慢性中耳炎の主な起因菌は、黄色ブドウ球菌などである。5:正\n慢性中耳炎では鼓膜に突孔をきたし、その症状として、耳漏、難聴が現れることがある。"} +{"problem_id": "102184", "problem_text": "45歳男性。仕事上、接待での飲食が多く、最近の半年間で4 kgの体重増加を認めた。右母趾の関節痛が生じたため近医を受診したところ、血清尿酸値の高値を指摘され、非ステロイド性抗炎症薬の服用により関節痛の改善を認めた。この患者の治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["痛風関節炎を繰り返す場合は血清尿酸値の目標を6.0 mg/dL以下とする。", "血清クレアチニン値2.0 mg/dL以上の腎機能障害を伴う場合はベンズブロマロンを選択する。", "尿路結石を合併する場合はベンズブロマロンを選択する。", "尿酸排泄促進薬を使用する場合は、尿アルカリ化薬を併用する。", "痛風関節炎の再発防止のため、少量の非ステロイド性抗炎症薬を継続投与する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "本患者は、血清尿酸値が高く、非ステロイド性抗炎症薬の服用により関節痛の改善が認められていることから、痛風発作による関節痛を起こしたと考えられる。1:正\n痛風関節炎を繰り返す場合には生活指導及び薬物治療を行い、血清尿酸値を4.0〜6.0 mg/dLにコントロールする必要がある。2:誤\n血清クレアチニン値2.0 mg/dL以上の腎機能障害を伴う場合に尿酸排泄促進薬であるベンズブロマロンを使用すると、尿酸排泄量の増大により腎機能をより悪化させる可能性がある。そのため、血清クレアチニン値2.0 mg/dL以上の腎機能障害を伴う場合には、尿酸合成阻害薬であるアロプリノールやフェブキソスタットが用いられる。3:誤\nベンズブロマロンは、尿酸排泄促進作用により尿路結石を悪化させることがあるため、尿路結石と伴う患者に対しては投与禁忌とされている。4:正\n尿酸排泄促進薬を使用する場合には、尿酸の析出を抑制するために、尿アルカリ化薬(クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物配合剤)を併用し、尿のpHを約6.0〜7.0に保つ必要がある。5:誤\n痛風関節炎の極期には、非ステロイド性抗炎症薬を短期間で大量投与するが、痛みが消失すれば使用を中止する。"} +{"problem_id": "102185", "problem_text": "85歳男性。介護老人保健施設に入所中であったが、COPD(慢性閉鎖性呼吸器疾患)の悪化と嚥下障害のため入院となった。入院時に仙骨部の皮疹が指摘された。このような患者の長期療養に関する記述のうち���正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["体動による摩擦は、褥瘡の主な発症要因である。", "低栄養は、褥瘡のリスクファクターになる。", "食事からの摂取カロリーの不足を補うためには、成分栄養剤を経口投与する。", "栄養管理では、換気障害が著しい場合は糖質を増やして脂質を減らすことが推奨される。", "2ヶ月以上経口摂取が困難な場合には、経鼻胃管栄養より胃瘻の方が適している。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n褥瘡とは、長期にわたり同じ体勢で寝たきり等になった場合、体と支持面(ベットなど)との接触局所で血行が不全となり、周囲組織に壊死を起こすもののことであり、その主な要因は、身体に加わる外力による血行不良である。2:正\n褥瘡のリスクファクターには低栄養状態があり、低栄養状態ではタンパク合成の低下、亜鉛不足等により褥瘡の誘発、悪化、治癒の遅延が認められる。3:誤\n成分栄養剤とは、窒素源が合成アミノ酸の形で含有されている栄養剤であり消化機能が低下している患者に用いられる栄養剤である。本患者には嚥下障害が認められているが、消化吸収機能ついては特に問題ないため、食事からの摂取カロリーの不足を補うために成分栄養剤を経口投与することは適切ではない。4:誤\n換気障害が著しい場合には、体内の二酸化炭素の排出量が低下するため、脂質(燃焼する際に二酸化炭素の生成が少ない)を増やして糖質(燃焼する際に二酸化炭素の生成が多い)を減らすことが推奨される。5:正\n経管栄養療法を行うに当たって、6週間未満の短期間の場合、経鼻栄養療法を行い、6週間以上の長期間の場合、経瘻療法を行う。"} +{"problem_id": "102186", "problem_text": "インフルエンザの病態、診断及び治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["インフルエンザウイルスは、A、B、Cの3つの型に分類され、いずれもヒトに感染して典型的なインフルエンザ症状を発症させる。", "インフルエンザによる死亡率が最も高い年代は、15歳以下の子供である。", "迅速診断には、鼻腔・咽頭拭い液を用いた酵素免疫測定法が用いられる。", "インフルエンザを発症した小児の解熱には、アセトアミノフェンは推奨されない。", "慢性呼吸器疾患などのハイリスク患者にはオセルタミビルの予防内服が認められている。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nインフルエンザウイルスは、ウイルス粒子内の抗原性の違いから、A、B、Cの3つの型に分類されており、いずれもヒトに感染するが、典型的なインフルエンザ症状(高熱、関節痛、筋肉痛等)を引き起こすのはA、B型である。なお、インフルエンザウイルスC型に感染したときには、軽い上気道炎を引き起こす。2:誤\nインフルエンザによる死亡率が最も高い年代は、65歳以上の高齢者である。3:正\nインフルエンザの迅速診断には、酵素免疫法を利用した迅速測定キッドが用いられる。迅速診断キッドでは、検体として、鼻腔拭い液、鼻腔吸入液、鼻汁などを用いることでインフルエンザA型及びB型の抗原を検出することができる。4:誤\nインフルエンザを発症した小児の解熱にNSAID(アスピリン、ジクロフェナクナトリウムなど)を用いるとライ症候群を起こすことがあるため、インフルエンザを発症した小児の解熱には、アセトアミノフェンが推奨される。5:正\nオセルタミビルの予防内服については以下の場合に認められている。原則として、インフルエンザ感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者\n・高齢者(65歳以上)\n・慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者\n・代謝性疾患患者(糖尿病)\n・腎機能障害患者"} +{"problem_id": "102187", "problem_text": "58歳男性。既往歴なし。20歳頃より現在まで喫煙継続中(20本/日)。半年前より、軽度の咳嗽及び喀痰がみられたが放置していた。しかし最近、会社の健康診断で肺の腫瘤陰影を指摘され、呼吸器内科を受診した。胸部エックス線では、右肺門部に径3 cm大の腫瘤陰影が認められ、経気管支内視鏡検査では、右主気管支の圧迫像が認められた。さらに気管支肺生検の結果、小細胞肺癌と診断された。本患者の治療に適切な薬物はどれか。2つ選べ。", "choices": ["フルオロウラシル", "イリノテカン塩��塩", "ゲムシタビン塩酸塩", "ブレオマイシン塩酸塩", "シスプラチン"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "小細胞肺癌の治療には、以下の化学療法が行われる。・IP療法(イリノテカン塩酸塩+シスプラチン)\n・PE療法(シスプラチン+エトポシド)\n・CE療法(カルボプラチン+エトポシド)\nなお、フルオロウラシル、ゲムシタビン塩酸塩、ブレオマイシン塩酸塩は以下の癌の治療に用いられる。フルオロウラシル: 胃癌、肝癌、結腸・直腸癌、乳癌、膵癌、子宮頸癌など\nフルオロウラシル+他の抗悪性腫瘍薬又は放射線: 肺癌、食道癌など\nゲムシタビン: 非小細胞肺癌、膵癌、胆道癌など\nブレオマイシン: 皮膚癌、頭頸部癌、肺癌(特に原発性及び転移性扁平上皮癌)など"} +{"problem_id": "102188", "problem_text": "薬物の鎮痛効果について並行群間比較試験を実施することになった。600名の患者を薬物A投与群300名と薬物B投与群300名に分け、各々の薬物について投与後の鎮痛効果をレベル1〜10までの10段階で評価した。この評価データが正規分布していない場合、薬物Aと薬物Bの鎮痛効果の差を比較するための適切な統計手法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["Chi-square test", "Student's t-test", "Kruskal-Wallis test", "Mann-Whitney U-test", "McNemar's test"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢の検定法の概要を以下に示す。・Chi-square test\nカイ2乗分布を用いて観測された事象の相対頻度がある頻度分布に従うかどうかを確認する検定法\n・Student's t-test\n対応がない2群間を比較するパラメトリック検定法\n・Kruskal-Wallis test\n3群間を比較するノンパラメトリック検定法\n・Mann-Whitney U-test\n対応がない2群間を比較するノンパラメトリック検定法\n・McNemar's test\n対応のある2群間を比較する際に用いられる検定法\n比較に用いるデータの性質により、統計手法が異なる。・データが連続データ(間隔尺度、計量尺度)の場合: パラメトリック検定法\n・データがカテゴリーデータ(名義尺度、順序尺度)の場合: ノンパラメトリック検定法\n本試験において、比較に用いたデータ(鎮痛効果をレベル1〜10までの10段階で評価: 順序尺度)は、カテゴリーデータであることから、本試験の検定法には、ノンパラメトリック検定法が用いられる。また、本試験は薬物A投与群、薬物B投与群と異なる個体を用いた対応のないデータであることから、本試験の検定法には、Mann-Whitney U-testが用いられる。"} +{"problem_id": "102189", "problem_text": "薬物Aと薬物Bをそれぞれ200名の患者に投与して、ある副作用の発現割合を比較したところ、副作用が発現した人は薬物A群で40名、薬物B群で15名であった。患者の内訳を詳細に調査した結果、薬物A群で100名、薬物B群でも100名が重症の患者であった。報告によると、薬物A投与の場合、副作用発現に重症度の影響はみられないが、薬物B投与では、重症の患者は、重症でない患者に比較すると副作用発現割合が2倍高くなることがわかっている。この場合、次の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["この試験における重症度は交絡因子である。", "多変量解析によりバイアス要因を解析することができる。", "重症度による層別化を行うことにより、解析段階で調整して比較することができる。", "重症の場合、薬物Aにおける副作用の発現割合は薬物Bと比較して小さい。", "重症でない場合、薬物Aにおける副作用の発現割合は薬物Bと比較して大きい。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n交絡因子とは、調べようとする要因(この試験では薬物A、薬物Bを投与)以外に調査結果(この試験では副作用の発現頻度)に影響する別の因子のことであり、この試験においては重症度が副作用の頻度に影響を与えていることから、この試験における重症度は交絡因子であるといえる。2:正しい\n多変量解析とは、複数の要因に対する結果を解析する手法であり、この試験では薬物、重症度と副作用の関係を解析していることからバイアスの要因を解析することが可能である。3:正しい\n重症度を階層化(重症、重症でない)を行うことにより、解析段階で交絡因子を取り除いて、比較することが可能である。4:誤っている\n・薬物A: 副作用発現に重症度の影響はみられない\n(副作用の発現人数: 重症=重症でない)\n重症の患者: 100名:副作用発現: 20名::20%副作用発現\n重症でない患者: 100名:副作用発現: 20名::20%副作用発現\n・薬物B: 重症の患者は、重症でない患者に比較すると副作用発現割合が2倍高くなる\n(副作用の発現人数: 重症=重症でない\\times 2)\n重症の患者: 100名:副作用発現: 10名::10%副作用発現\n重症でない患者: 100名:副作用発現: 5名::5%副作用発現\nよって、重症の患者では、薬物Aにおける副作用の発現頻度の割合は薬物Bと比較して大きい。5:正しい\n解説4参照"} +{"problem_id": "102190", "problem_text": "EBMの実践において、臨床研究論文の批判的吟味を行う際の「外的妥当性」に該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["研究デザイン", "被験者の割り付け方法", "脱落者の取り扱い方法", "統計解析方法", "眼前の患者への適用の可否"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "EBMは、Evidence-Based-Medicineの頭文字をとったものであり、「根拠に基づく医療」と訳され、現在利用可能な最も信頼できる情報を踏まえて、目の前に患者にとって最も良い治療を行うことである。EBMは5つのステップに分けて考える。ステップ1: 患者の問題の定式化\nステップ2: 情報収集\nステップ3: 情報の批判的吟味\nステップ4: 情報の患者への適応\nステップ5: ステップ1〜ステップ4の評価\nこの問題の選択肢については、ステップ3、4で吟味される内容となっている。・ステップ3\nステップ2において得られた情報が本当に正しいものである、信用できるものであるか(内的妥当性: 研究内部の妥当性)を吟味する。内的妥当性を評価するポイント\n研究デザイン、被験者の割り付け、脱落者の取り扱い方法、統計解析方法:など\n・ステップ4\nステップ3において内的妥当性が適切である場合、目の前の患者にステップ2、3で得られた情報をどのように適用するか(外的妥当性)を考える。"} +{"problem_id": "102191", "problem_text": "36歳女性。主婦。最近、左乳房の腫瘤に気付き、病院の乳腺外来を受診した。身体所見: 身長158 cm。体重50 kg。血圧128/70 mmHg。左乳房の触診にて、内上方に1 cm大の硬結を触知した。生理周期28日。検査所見: 尿所見 正常、末梢血検査 異常なし。生化学的検査・腫瘍マーカー検査: CEA 8.0 ng/mL(正常値5.0 ng/mL以下)、エストロゲン感受性(+)、プロゲステロン受容体(+)、HER2蛋白 陰性。CEA: carcinoembryonic antigen HER2: human epidermal growth factor receptor type 2 検査の結果、外科的手術を行い、その後、薬物治療を行うこととなった。この患者に適応となる薬物はどれか。2つ選べ。", "choices": ["トラスツズマブ", "アナストロゾール", "タモキシフェンクエン酸塩", "ゴセレリン酢酸塩"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "本患者の生化学的検査・腫瘍マーカー検査では、「CEA 8.0 ng/mL(正常範囲外)、エストロゲン感受性(+)、プロゲステロン受容体(+)、HER2蛋白 陰性」となっており、また、年齢が36歳(閉経前)であることから、本患者は、閉経前のエストロゲン受容体感受性乳癌であると考えられる。選択肢のうち、エストロゲン受容体感受性閉経前乳癌に用いられるのは、「タモキシフェンクエン酸塩」「ゴセレリン」である。なお、他の選択肢については、以下の疾患治療に用いられる。・トラスツズマブ\nHER2過剰発現が確認された乳癌\nHER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌\n・アナストロゾール\n閉経後乳癌"} +{"problem_id": "102192", "problem_text": "虚血性心疾患とその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["労作性狭心症の発作の原因は、冠動脈の攣縮である。", "不安定狭心症は、心筋梗塞に移行しやすい。", "心筋梗塞発作後、数時間でST波の低下が認められる。", "硝酸薬は耐性を生じることがあるため、テープ剤や軟膏剤の場合には休薬期間を設けることが推奨される。", "\\beta 遮断薬は冠動脈が攣縮している狭心症の第1選択薬として用いる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n労作性狭心症は、冠動脈の器質的狭窄(主に動脈硬化)により心筋への酸素供給量が低下した状態に労作が加わることで、一過性の心筋虚血が起こり胸痛を来す疾患である。よって、労作性狭心症の発作の原因は、冠動脈の器質的狭窄(主に動脈硬化)である。なお、冠動脈の��縮が原因で起こる狭心症は、安静時狭心症である。2:正\n不安定狭心症は、プラークの破綻や血栓形成により心筋梗塞に移行する可能性の高い狭心症である。3:誤\n心筋梗塞発作後、ST波の上昇が認められる。4:正\n狭心症の発作予防のために持続性の硝酸薬を長時間使用していると、耐性を生じることがあるため、休薬期間を設けることが推奨されている。5:誤\n\\beta 遮断薬は冠動脈が攣縮を誘発するため、冠動脈が攣縮している狭心症の治療には用いられない。なお、冠動脈が攣縮している狭心症の治療にはCa^{2+}チャネル遮断薬が用いられる。"} +{"problem_id": "102193", "problem_text": "病態と生体リズムの関係について、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["喘息発作による呼吸困難が起きやすいのは、午後である。", "高血圧症患者において血圧が最も高くなりやすいのは、夕方である。", "歯の痛みが発現しやすいのは、正午頃である。", "うつ病のうつ状態が最も強いのは、夕方である。", "コレステロールの生合成が高まるのは、午前中である。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n喘息発作による呼吸困難が起きやすいのは、夜間〜明け方である。2:正\n3:誤\n歯の痛みは、一般に夜間に出現しやすい。4:誤\nうつ病のうつ状態が最も強いのは、朝方である。5:誤\nコレステロールの生合成が高まるのは、夜間である。"} +{"problem_id": "102194", "problem_text": "患:者: 72歳男性。既往歴: 高血圧で降圧剤を内服。現病歴: 1年ほど前より尿勢の低下、排尿回数の増加がみられ、とくに飲酒後の排尿困難を感じていたが放置していた。その後、数種の一般用医薬品を服用したところ排尿ができなくなり、下腹部膨満感が出現。間欠的に激しい痛みも出現したため、救急車にて来院した。尿道カテーテルを留置したところ800 mLの尿の流出があった。2日間カテーテルを留置後に抜去したところ、自排尿は得られたが前立腺の容積も大きく、残尿も多かったため経尿道的前立腺切除術を施行した。前立腺特異抗原(PSA)値は3.9 ng/mLであった。下記の診断・検査のうち、前立腺肥大症と前立腺がんの鑑別に役立つのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["国際前立腺症状スコア", "尿流量測定", "残尿量測定", "前立腺容積", "直腸診"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "直腸診により直接前立腺を触れたときの感触が前立腺肥大症と前立腺がんでは異なるため、前立腺肥大症と前立腺がんの鑑別に直腸診を行うことがある。<直腸診をしたときの前立腺の感触>\n・前立腺肥大症\n弾力性があり、表面が滑らか\n・前立腺がん\n弾力性がなく石のように硬い、表面が凸凹している\nなお、直腸診だけでは、前立腺がんと確定することはできないため、前立腺がんの疑いがある場合は、生検による診断が必要となる。1:誤\n国際前立腺症状スコアは、前立腺肥大症の重症度を評価するために用いられる指標である。2:誤\n尿流量測定は、排尿障害を評価するための検査である。前立腺肥大症および前立腺がんでは共に排尿障害をきたすため、尿流量測定では、前立腺肥大症と前立腺がんを鑑別することはできない。3:誤\n残尿量測定は、排尿障害を評価するための検査である。前立腺肥大症および前立腺がんでは共に排尿障害をきたすため、残尿量測定では、前立腺肥大症と前立腺がんを鑑別することはできない。4:誤\n前立腺容積は、前立腺肥大症の重症度を評価するために用いられる指標である。5:正"} +{"problem_id": "102195", "problem_text": "患者に聞いたところ、次の成分を含む一般用医薬品を服用したことがわかった。ジフェンヒドラミン:(催眠改善薬)ファモチジン::::(胃腸薬)フェキソフェナジン:(アレルギー専用鼻炎薬)これらの一般用医薬品服用後に生じた排尿困難の機序と考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヒスタミンH_{1}受容体遮断", "ヒスタミンH_{2}受容体遮断", "アセチルコリンM_{3}受容体遮断", "アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断", "ロイコトリエンCysLT_{1}受容体遮断"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本患者が服用しているジフェンヒドラミンは、ヒスタミンH_{1}受容体遮断薬であり、抗コリン作用を有するため、本薬物を服用することにより膀胱平滑筋に存在するアセチルコリンM_{3}受容体が遮断され、膀胱平滑筋が弛緩し排尿困難をきたしたと考えられる。"} +{"problem_id": "102196", "problem_text": "70歳男性。脳腫瘍の疑いがあり、ガドペンテト酸ジメグルミン注射液を造影剤として用いてMRI検査を行うこととなった。男性は、2型糖尿病と高血圧症と診断され、以下の薬を1年間継続的に服用している。MRI検査日1ヶ月前の検査値 血圧154/86 mmHg:ALT 12 IU/L:AST 25 IU/L:\\gamma -GTP 27 IU/L eGFR 52 mL/min/1.73 m^{2}:HbA1c 6.7% MRI検査日の検査値 血圧143/83 mmHg:ALT 34 IU/L:AST 34 IU/L:\\gamma -GTP 43 IU/L eGFR 27 mL/min/1.73 m^{2}:HbA1c 7.0% 注)ガドペンテト酸ジメグルミン注射液の有効成分は、ガドペンテト酸メグルミンである。この男性の検査は中止になった。その理由として考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["肝機能が低下しているので、ガドペンテト酸を代謝できない。", "糖尿病が悪化し、患者の全身状態が悪い。", "腎機能が低下しているので、腎性全身性線維症の発現リスクが高い。", "ガドペンテト酸メグルミンとメトホルミン塩酸塩により、乳酸アシドーシスが引き起こされる。", "ガドペンテト酸メグルミンがロサルタンカリウムの作用を阻害する。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "MRI検査日1ヶ月前の検査値とMRI検査日の検査値を比較すると\n・血圧は軽度に低下\n・ALT、AST、\\gamma -GTPは軽度に上昇\n(ALT、AST、\\gamma -GTPは上昇しているが肝機能に問題はない)\n・eGFRは低下\n(中等度の腎機能障害\\rightarrow 重篤な腎機能障害)\n・HbA1cは軽度に上昇\n上記のことから、検査が中止になった理由は、腎機能が低下しているためと考えられる。ガドペンテト酸ジメグルミン注射液の添付文書の警告には「重篤な腎障害のある患者では、ガドリニウム造影剤による腎性全身性線維症の発現リスクが上昇することが報告されているので、腎障害のある患者又は腎機能が低下しているおそれのある患者では、十分留意すること」と記載されている。"} +{"problem_id": "102197", "problem_text": "MRI及びMRI造影剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["MRIでは放射線を使用しないが、X線による被曝を受ける。", "MRIでは、体内の水などの水素原子核の緩和時間の差を利用している。", "MRIでは、ドップラー効果により血流速度を測定することができる。", "ガドリニウム造影剤に含まれるGd^{3+}イオンは、反磁性を示す。", "硫酸バリウムはMRI造影剤として用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nMRIでは、ラジオ波を用いる診断法であり、放射線による被曝を受けない。"} +{"problem_id": "102198", "problem_text": "38歳女性。肝内胆管がんと診断され、肝臓を部分切除した。患者は術後の回復期にあり、食事を経口的に摂取しはじめ、高カロリー輸液療法の離脱を目指している。また、肝性浮腫と痰のからみがあるため、図のような注射剤が投与されている。患者はてんかんの内服薬を常用していたが、術後内服ができないため、フェニトインナトリウム注射液を1日1回投与しなければならない。以下の投与経路のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Aのラインを止め、Eから生理食塩液10 mL程度を管注(I.V.Push)した後に投与する。", "Bのラインを止め、Eから管注(I.V.Push)する。", "Cのラインを止め、Dから生理食塩液10 mL程度を管注(I.V.Push)した後に投与する。", "Cに混和して投与する。", "注射用カンレノ酸カリウムと混和してDから管注(I.V.Push)する。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "フェニトインナトリウム注射液は強アルカリ性の薬剤であり、pHの低下によりフェニトインの結晶が析出する可能性があるため、原則として単剤投与し、他の医薬品との混合を避ける必要がある。よって、「Cラインを止め、Dから生理食塩液10 mL程度を管注(I.V.Push)した後に投与する」ことが最も適切な投与方法である。"} +{"problem_id": "102199", "problem_text": "フェニトインは治療薬物モニタリング(TDM)対象薬であることから、イムノアッセイによる血中薬物濃度測定を行った。イムノアッセイに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フェニトインなどの低分子は、サンドイッチ法により測定される。", "モノクローナル抗体は、一般にポリクローナル抗体と比べて交差反応性が大きい。", "化学発光イム���アッセイでは、標識物質に励起光を照射することで生じる発光を測定する。", "免疫比濁法では、免疫複合体の形成により粒子が凝集する性質を利用している。", "ELISAでは、抗原あるいは抗体を固定化した固相が用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nサンドイッチ法は、複数の抗原決定因子を有する高分子化合物の測定に適しており、フェニトインなどの低分子化合物の測定には適していない。2:誤\nモノクローナル抗体は単一の抗原決定因子に結合する。一方、ポリクローナル抗体は多数の抗原決定因子に結合する。このことから、モノクローナル抗体は、一般にポリクローナル抗体と比べ交差反応性(抗体が類似する別の物質と反応する性質)が小さい。3:誤\n化学発光イムノアッセイは、化学反応により生じたエネルギーより光が放出する現象を利用したイムノアッセイであり、標識物質に励起光を照射する必要はない。4:正\n免疫比濁法では、抗原・抗体のいずれも標識することなく、抗原抗体複合体の形成により粒子が凝集し、濁度が変化することを測定することにより目的抗原又は目的抗体を検出・定量する方法である。5:正\nELISAは、酵素免疫測定法の一種であり、抗原あるいは抗体を固定化した固相が用いられる。"} +{"problem_id": "102200", "problem_text": "64歳男性。COPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断され、チロトロピウム臭化物水和物(1日5 \\micro g)とサルメテロールキシナホ酸塩(1日100 \\micro g)の吸入を継続的に行っていた。日常の薬物治療のアドヒアランスは良好であった。受診から2年後、この男性は呼吸困難と38.1^{\\circ} Cの発熱を訴え、肺からはラ音が聞こえたため感染症が疑われ緊急入院となった。パルスオキシメーター(オキシメトリー)で測定したところSpO_{2}(経皮的動脈血酸素飽和度)は92%であった。喫煙歴44年であり、若い頃から1日30〜40本吸っていた。COPD発症を機会に禁煙指導を受けていたが、1日10本程度吸っていたという。酸素吸入の他に、増悪期の薬物治療として医師は以下に示した処方薬と注射用抗菌薬を投与することとした。感染症の疑いにより投与される注射用抗菌薬として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アジスロマイシン水和物", "リネゾリド", "アルベカシン硫酸塩", "ベンジルペニシリンカリウム", "バンコマイシン塩酸塩"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、喫煙などにより長期間有害物質を吸引した結果、肺に炎症が起こり慢性的に閉塞性の換気障害をきたす疾患である。本患者は、38.1^{\\circ} Cの発熱を訴え、肺からラ音が聞こえていることから、感染症が疑われている(設問の内容より原因菌は不明)。本患者のようにCOPDに罹患していて、原因菌が不明な感染症に対しては、注射用アジスロマイシン水和物が用いられる。"} +{"problem_id": "102201", "problem_text": "酸素飽和度は以下の式で表される。酸素飽和度を測定するオキシメトリーでは、酸素が結合したヘモグロビン(HbO_{2})と結合していないヘモグロビン(Hb)の吸光係数が異なることを利用している。図はHbO_{2}とHbの吸光係数を表したグラフである。ある血液試料の665 nmと880 nmにおける吸光度(A_{665}、A_{880})を測定したところ、その比(A_{665}/A_{880})が0.8となった。このとき、血液試料の酸素飽和度に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、測定においてランベルト・ベール(Lambert-Beer)の法則が成り立つものとし、吸光度にはHbとHbO_{2}のみが寄与するものとする。", "choices": ["89%", "91%", "94%", "96%", "99%"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "ランベルト・ベールの法則では以下の式が成立する。A=k・c・l\nA:吸光度、k:吸光係数、c:濃度、l:層長\n<665 nmにおける吸光度を求める。>\n吸光度にはHbとHbO_{2}のみが寄与するものとすると記載されていることから、665 nmにおける吸光度はHbによる吸光度とHbO_{2}による吸光度の和で表される。Hbによる吸光度=0.6\\times [Hb]\\times l\nHbO_{2}による吸光度=0.1\\times [HbO_{2}]\\times l\n665 nmにおける吸光度=0.6\\times [Hb]\\times l+0.1\\times [HbO_{2}]\\times l\n<880 nmにおける吸光度を求める。>\n吸光度にはHbとHbO_{2}のみが寄与するものとすると記載されていることから、880 nmにおける吸光度はHbによる吸光度とHbO_{2}による吸光度の和で表される。Hbによる吸光度=0.15\\times [Hb]\\times l\nHbO_{2}による吸光度=0.2\\times [HbO_{2}]\\times l\n880 nmにおける吸光度=0.15\\times [Hb]\\times l+0.2\\times [HbO_{2}]\\times l\n<[Hb]と[HbO_{2}]の比を求める。>\nある血液試料の665 nmと880 nmにおける吸光度(A665、A880)を測定したところ、その比(A665/A880)が0.8となったと記載されていることから、[Hb]と[HbO_{2}]の比を以下のように求めることができる。0.8=(0.6\\times [Hb]\\times l+0.1\\times [HbO_{2}]\\times l)/(0.15\\times [Hb]\\times l+0.2\\times [HbO_{2}]\\times l)\n0.12[Hb]+0.16[HbO_{2}]=0.6[Hb]+0.1[HbO_{2}]\n0.06[HbO_{2}]=0.48[Hb]\n[HbO_{2}]=8[Hb]\n[HbO_{2}]:[Hb]=8:1\nこれらのことから、設問にある酸素飽和度の式を用いて、血液試料の酸素飽和度を以下のように求めることができる。"} +{"problem_id": "102202", "problem_text": "25歳女性。テニスで上腕部の筋肉痛を自覚し、これに効く消炎鎮痛薬の貼付剤を購入する目的で薬局に訪れた。応対した薬剤師はこの女性から以下の4つの情報を聴取していた。・喘息の既往はない。・現在、妊娠はしていない。・貼付剤で皮膚がかぶれたことはない。・以前に日焼け止め剤を使用して過敏症を発症したことがある。薬局で購入できる貼付剤の成分のうち、この女性に推奨すべきでないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ケトプロフェン", "ロキソプロフェンナトリウム水和物", "インドメタシン", "フルルビプロフェン", "フェルビナク"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "本患者は以前に日焼け止めで過敏症を起こしたことがあるため、日焼け止めの成分であるオキシベンゾン(紫外線吸収剤)と化学構造が類似しているケトプロフェンを含む貼付剤を推奨すべきではない。なお、ケトプロフェンテープの添付文書の禁忌の欄には、「オキシベンゾン及びオクトクレリンを含有する製品(サンクリーン、香水等)に対して過敏症の既往歴のある患者」と記載されている。"} +{"problem_id": "102203", "problem_text": "日焼け止め剤には、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤が配合されている。ある紫外線吸収剤は共役系を持ち、その遷移エネルギーは360 kJ・mol^{-1}であった。この遷移エネルギーに相当する紫外線の波長(nm)として最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、様々な物理定数は以下の値を用いることとする。・プランク定数:6.6\\times 10^{-34}J・s・光速度:3.0\\times 10^{8}m・s^{-1}・アボガドロ定数:6.0\\times 10^{23}mol^{-1}", "choices": ["240", "270", "300", "330", "360"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "電磁波のエネルギーは以下の式により表される。E=hν\nE:\nエネルギー、h:\nプランク定数、ν:\n振動数\nまた、光の速度(光速度)は以下の式により表される。c=λν\nc:\n光速度、λ:\n波長\n上記の式を融合、変換すると波長λは以下の式より求めることができる。λ=c・h/E\n<光子1個当たりのエネルギーを求める。>本設問では、遷移エネルギーが光子1\nmol当たりで与えられているため、光子1\n個当たりに換算して計算する必要がある。アボガドロ定数が「6.0\\times\n10^{23}mol^{-1}」となっているため、光子1個当たりのエネルギーを以下のように計算することができる。光子1個当たりの遷移エネルギー=360\nkJ・mol^{-1}/6.0\\times\n10^{23}mol^{-1}=6.0\\times\n10^{-19}\nJ\nこれらのことから、遷移エネルギーに相当する紫外線の波長(nm)を以下のように求めることができる。λ=3.0\\times\n10^{8}m・s^{-1}\\times\n6.6\\times\n10^{-34}J・s/6.0\\times\n10^{-19}J=3.3\\times\n10^{-7}m=330\\times\n10^{-9}\nm=330\nnm"} +{"problem_id": "102204", "problem_text": "75歳男性。体重70 kg。脳梗塞により右半身の麻痺があり、処方1の薬剤を服用していた。その後、嚥下機能が低下し誤嚥性肺炎を起こし入院したが、刻み食を食べることができるまでに回復した。血圧の上昇が認められたため、退院時に処方2が追加され、介護者が以下の処方箋を持って薬局に訪れた。薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腸溶錠の粉砕指示があるので処方医に疑義照会する。", "アスピリン腸溶錠は解熱鎮痛を目的として処方されていると説明する。", "グレープフルーツジュースは服用時でなければ飲んでも構わないと説明する。", "胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往の有無を確認する。", "めまいが現れたら直ちにニフェジピンの服用を中止するように説明する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n腸溶性製剤は粉砕して使用することができないため、処方医に疑義照会する必要がある。2:誤\nアスピリン腸溶錠は、血栓・塞栓形成の抑制を目的として処方されることがある。本患者は以前に脳梗塞を起こしたことがあるため、脳梗塞による血栓、塞栓を予防するために処方されていると説明する必要がある。3:誤\nグレープフルーツジュースに含まれるフラノクマリン化合物が、小腸におけるニフェジピンの代謝を抑制し、血中濃度を上昇させることがあるため、ニフェジピン服用期間中は、グレープフルーツジュースの飲用を避けることが望ましい。4:正\nアスピリン腸溶錠を消化性潰瘍の既往歴のある患者に投与すると、消化性潰瘍を再発させる可能性があるため、アスピリン腸溶錠は、消化性潰瘍の既往歴のある患者に慎重に投与することとなっている。よって、アスピリン腸溶錠を投与する際には、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往の有無を確認する必要がある。5:誤\nニフェジピンの服用を急に中止すると、症状が悪化することがあるため、ニフェジピン服用中にめまい、ふらつきが現れた場合には、直ちに医師や薬剤師に相談するように説明する必要がある。"} +{"problem_id": "102205", "problem_text": "腸溶性コーティングを目的とした高分子の模式図として最も適切なのはどれか。1つ選べ。なお、模式図中の官能基については、腸溶化の目的にかなう主要なもののみを示している。また、波線は高分子鎖を示している。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "腸溶性コーティング剤には、酸性条件(胃内)で溶解せず、中性〜アルカリ性条件(小腸)で溶解する高分子が用いられる。分子内に酸性を示す官能基を有する分子は酸性条件下で溶けにくく、アルカリ性条件下で溶けやすい性質を有するため、選択肢3のカルボキシ基を有する高分子が腸溶性コーティング剤に用いられると考えられる。なお、腸溶性コーティング剤には、ヒプロメロースフタル酸エステル、セラセフェート(酢酸フタル酸セルロース)など、酸性を示す官能基を有する高分子が用いられている。"} +{"problem_id": "102206", "problem_text": "28歳男性。悪性軟部腫瘍の転移が判明し、病棟カンファレンスにおいてイホスファミドの投与が検討された。薬剤師は、イホスファミドによる治療及びメスナの投与に関して医療スタッフに説明を行った。薬剤師の説明として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["イホスファミドによる骨髄抑制を予防するために、メスナの投与が必要です。", "メスナの投与により抗腫瘍効果が減弱するので、イホスファミドを増量する必要があります。", "メスナの併用により脳症が現れることがあるので、観察を十分に行ってください。", "イホスファミドは肝代謝により消失するので、腎機能の考慮は不要です。", "イホスファミド投与開始の1時間前から頻回に、かつ大量の水分摂取を行わせてください。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nメスナは、イホスファミドの重大な副作用である出血性膀胱炎を予防するために投与する必要がある。2:誤\nメスナは、イホスファミドの抗腫瘍効果にほとんど影響しないため、メスナを投与してもイホスファミドの投与量を増量する必要はない。3:正\nメスナとイホスファミドを併用すると、脳症が現れることがある(機序は不明)ため、観察を十分に行う必要がある。4:誤\nイホスファミドは肝臓で代謝され、活性代謝物となり作用を示すが、その際に出血性膀胱炎の原因であるアクロレインも生成される。アクロレインは腎臓から排泄されるため、イホスファミドを投与する際には、腎機能についても考慮する必要がある。5:正\nイホスファミド投与するにあたり、投与1時間前から、できるだけ頻回に、かつ大量に経口水分摂取を行い、投与終了の翌日まで1日尿量3,000 mL以上を確保することとされている。"} +{"problem_id": "102207", "problem_text": "メスナは、イホスファミドの代謝物であるアクロレインと反応し、化合物Aを生成する。化合物Aの構造式として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "出血性膀胱炎の原因となるアクロレインは\\alpha\n,\\beta\n-不飽���カルボニル化合物であり、メスナのスルファニル基(-SH基)が求核付加反応を起こし、無毒化される。"} +{"problem_id": "102208", "problem_text": "22歳女性。体重45 kg。アセトアミノフェンを含有するOTC医薬品を大量に服用し、救急搬送されてきた。服用後約4時間が経過しており、アセトアミノフェンの摂取量から、解毒薬としてアセチルシステイン内服液17.6%の投与が必要と判断された。投与する用量として、添付文書には「本剤又は本剤を希釈した液を、初回にアセチルシステインとして140 mg/kg、次いでその4時間後から70 mg/kgを4時間毎に17回、計18回経口投与する。」と記載されている。投与されるアセチルシステイン内用液17.6%の総量(mL)として最も近いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["34", "170", "340", "1,700", "3,400"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "<投与すべきアセチルシステインの成分量(mg)を求める>\n「体重45 kg」、「アセチルシステインとして140 mg/kg、次いでその4時間後から70 mg/kgを4時間毎に17回、計18回経口投与する」と記載されているため、投与すべきアセチルシステインの成分量(mg)を以下のように求めることができる。140 mg/kg\\times 45 kg/回\\times 1回+70 mg/kg\\times 45 kg/回\\times 17回=59850 mg\n<必要なアセチルシステイン内用液17.6%の総量(mL)を求める>\nアセチルシステイン内用液17.6% 1 mL中には、176 mgのアセチルシステインが含有されているため、以下のように必要なアセチルシステイン内用液17.6%の総量(mL)を求めることができる。176 mg/mL\\times 必要なアセチルシステイン内用液(mL)=59850 mg\n必要なアセチルシステイン内用液(mL)\\fallingdotseq 340 mL"} +{"problem_id": "102209", "problem_text": "アセトアミノフェンが大量投与された際に生じる代謝物Aは、グルタチオンとの間で付加体を生じる。この付加体の構造式として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "アセトアミノフェンは、通常、主として肝臓でグルクロン酸(約60%)、硫酸(約35%)又はシステイン(約3%)が抱合する。アセトアミノフェンを過量投与した場合は、シトクロムP450(CYP2E1、CYP3A4、CYP1A2)による代謝が促進し、大量のNAPQI(代謝物A)が生成される。代謝物Aはグルタチオン転移酵素により、グルタチオン抱合体(選択肢4)となり、その後、メルカプツール酸となり排泄される。"} +{"problem_id": "102210", "problem_text": "1歳男児。耳鼻科を受診し中耳炎と診断され、以下の薬剤が処方された。母親が処方箋を持参し、薬局を訪れた。この薬剤についての母親への説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["症状の有無にかかわらず、5日間は飲み続けてください。", "まれに痙れんしたり、意識を失うようなことがありますので、その際は直ちに受診してください。", "下痢が起こることがありますが、よくある副作用なので心配ありません。", "尿が赤くなることがありますが、心配ありません。", "甘味がつけてあり、苦みを感じることはありません。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n本剤のような抗生物質については、耐性菌の出現を抑制するために症状の有無にかかわらず処方された日数しっかり服用する必要がある。2:正\n本剤を服用することにより、副作用として低カルニチン血症を伴う低血糖を呈することがある。この副作用については、小児(特に乳幼児)に対してピボキシル基を有する抗生物質を投与した症例で現れることがあるので、痙攣、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う必要がある。3:誤\n本剤を服用することにより、副作用として下痢・腹痛を起こすことがあるが、それらの症状が認められた場合には適切な処置を行う必要がある。4:誤\n本剤を服用することにより、尿が赤くなるとの報告はない。なお、服用することにより尿が赤くなると報告されているのは、セフジニルである。5:誤\n本剤には甘味がつけてあるが、口腔内で溶解する際に苦味を感じることがある。"} +{"problem_id": "102211", "problem_text": "セフジトレン ピボキシルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ペネム骨格を有している。", "\\beta -ラクタム環のカルボニル基の炭素の求電子性は、一般的な鎖状アミドのカルボニル基の炭素に比べて低くなっている。", "細菌中のペプチドグルカン合成酵素との間で、\\beta -ラクタム環の開環を伴って共有結合を形成することにより、細胞壁の生合成を阻害する。", "セフジトレンのカルボキシ基を構造修飾することにより、経口吸収性が改善されたプロドラッグである。", "生体内での加水分解反応によって、セフジトレン、酢酸及びピバル酸(2,2-dimethylpropanoic acid)を生じる。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n本剤はペネム骨格ではなく、セフェム骨格を有している。2:誤\n環状アミドである\\beta -ラクタム環は角度ひずみが大きく、鎖状のアミドに比べ、共鳴を起こしにくいため、カルボニル基の電子求引性が高い。3:正\n本剤のような\\beta -ラクタム系抗生物質は、\\beta -ラクタム環の開環反応に伴って、細菌の細胞壁合成に関与する酵素(トランスペプチダーゼ(PBP))のセリン残基に共有結合することにより細菌の細胞壁合成を阻害する。4:正\n本剤は、エステル型のプロドラッグであり、活性本体であるセフジトレンの2位のカルボキシ基にピボキシル基を導入することで経口吸収性を高めている。5:誤\n本剤は、腸管壁に存在するエステラーゼにより加水分解され、セフジトレン、ホルムアルデヒド、ピバル酸(2,2-dimethylpropanoic acid)を生じる。"} +{"problem_id": "102212", "problem_text": "70歳女性。下記の生薬を含む漢方エキス細粒(釣藤散)の処方箋を持って薬局に来局した。なお、処方量は常用量である。この漢方処方から考えられる患者の症状又は疾患はどれか。2つ選べ。", "choices": ["頭痛", "インフルエンザ", "高血圧", "アトピー性皮膚炎", "便秘"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "釣藤散(チョウトウサン)の添付文書の「効能又は効果」には「慢性に続く頭痛で中年以降、または高血圧の傾向のあるもの」と記載されているため、この患者の症状又は疾患は、頭痛、高血圧であると考えられる。"} +{"problem_id": "102213", "problem_text": "釣藤散の構成生薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["チョウトウコウは、アルカロイドであるヒルスチンを含有する。", "セッコウは、天然の含水硫酸カルシウムである。", "ショウキョウは、辛味成分であるリモニンを含有する。", "ボウフウは、フラボノイドであるアコニチンを含有する。", "カンゾウは、ジテルペンサポニンであるグリチルリチン酸を含有する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nチョウトウコウは、有効成分としてアルカロイドであるヒルスチンを含有する。2:正\nセッコウは、有効性分として天然の含水硫酸カルシウムを含有する。3:誤\nショウキョウは、辛味成分であるジンゲノールを含有する。4:誤\nボウフウは、クマリン誘導体(フラキシジンなど)を含有する。5:誤\nカンゾウは、トリテルペンサポニンであるグリチルリチン酸を含有する。"} +{"problem_id": "102214", "problem_text": "病院でバイオ後続品の採用を検討することになり、医師よりバイオ後続品の特性について薬剤部に問い合わせがあった。バイオ後続品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["先行バイオ医薬品と品質、安全性、有効性に関して同等/同質であることが確認されている。", "先行バイオ医薬品と構造が同一の有効成分を同一量含み、同一経路から投与される。", "先行バイオ医薬品と産生細胞や製法(培養法や精製法)が同一である。", "製造販売後調査が義務付けられている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "バイオ後続品とは、国内で既に新有効成分含有医薬品として承認されたバイオテクノロジー応用医薬品と同等/同質の品質、安全性、有効性を有する医薬品として、異なる製造販売者により開発された医薬品のことである。1:正\n前記参照\n2:誤\nバイオ後続品において、バイオ医薬品の本質であるアミノ酸配列は先行品と同一であるが、細胞株や培養工程は製造者により異なることから、糖鎖や不純物の割合など先行バイオ医薬品と完全には一致しない。3:誤\n解説2参照\n4:正\nバイオ後続品については、特に、免疫原性の問題等、後発医薬品と異なる要素があることから、製造販売後に安全性プロファイル等について引き続き調査する���要がある。"} +{"problem_id": "102215", "problem_text": "バイオ医薬品として用いられる組換えタンパク質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["宿主として大腸菌とほ乳類動物由来細胞を用いた場合、同一の遺伝子から発現させた組換えタンパク質では、同一の糖鎖が付加される。", "ほ乳動物由来細胞を宿主とした場合、O結合型の糖鎖は、タンパク質のセリンまたはトレオニン残基に付加される。", "バイオ医薬品として組換えタンパク質を生産させる際には、そのmRNAを化学合成して宿主細胞に導入する。", "バイオ医薬品の中には、CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)を用いて生産されるものがある。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n大腸菌などの原核生物は、ほ乳動物由来細胞などの真核細胞と異なり、糖鎖付加などのタンパク質の翻訳後修飾を行う細胞小器官(ゴルジ体など)を有していないため、大腸菌から発現させた組換えタンパク質では、糖鎖付加は認められない。"} +{"problem_id": "102216", "problem_text": "震度7の地震が発生し、多くの住民が家屋を失った。多数の人が狭い避難所や自家用車の中で1日の大部分を過ごしているので、過去の震災での経験から深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)の発症が危惧された。被災地支援の薬剤師が避難所等を巡回する際に、エコノミークラス症候群予防のために提供する情報として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["足の腫れや痛みがある時には、すぐに医療機関を受診してください。", "ゆったりとして服装で過ごしてください。", "1、2ヶ月以内に大きな手術を受けた方はご相談ください。", "水分の摂取を控えてください。", "足や足の指をこまめに動かしてください。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)は、血流が停滞して生じた深部静脈血栓が静脈を閉塞することにより発症する。1:適切\n本症候群は初期症状として、下肢の腫脹、疼痛などが現れることがあるため、それらの症状が認められた場合には医療機関を受診する必要がある。2:適切\n本症候群の予防法として、ゆったりとした服装で過ごすこと、足や足の指をこまめに動かすこと、十分な水分をこまめに摂取することなどがあげられる。3:適切\n本症候群を引き起こす原因として、血流停滞(長期臥床、長時間の座位)、静脈壁障害(手術、外傷)、血液凝固能亢進(悪性腫瘍、エストロゲン製剤の服用)などがあげられる。4:不適切\n解説2参照\n5:適切\n解説2参照"} +{"problem_id": "102217", "problem_text": "肺血栓塞栓症において、下肢静脈で生じた血栓が肺へ到達する経路として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["大腿静脈\\rightarrow 総腸骨静脈\\rightarrow 下大静脈\\rightarrow 右心房\\rightarrow 右心室\\rightarrow 肺静脈\\rightarrow 肺", "大腿静脈\\rightarrow 総腸骨静脈\\rightarrow 下大静脈\\rightarrow 右心房\\rightarrow 右心室\\rightarrow 肺動脈\\rightarrow 肺", "総腸骨静脈\\rightarrow 大腿静脈\\rightarrow 門脈\\rightarrow 下大静脈\\rightarrow 右心房\\rightarrow 右心室\\rightarrow 肺動脈\\rightarrow 肺", "総腸骨静脈\\rightarrow 大腿静脈\\rightarrow 下大静脈\\rightarrow 左心房\\rightarrow 左心室\\rightarrow 肺静脈\\rightarrow 肺", "大腿静脈\\rightarrow 総腸骨静脈\\rightarrow 下大静脈\\rightarrow 左心房\\rightarrow 左心室\\rightarrow 肺動脈\\rightarrow 肺"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "肺血栓塞栓症は、下肢の静脈で形成された血栓が運動などを開始したことをきっかけに静脈血流を介して肺に到達することにより発症する。下肢で生じた血栓は、「大腿静脈\\rightarrow\n総腸骨静脈\\rightarrow\n下大静脈\\rightarrow\n右心房\\rightarrow\n右心室\\rightarrow\n肺動脈\\rightarrow\n肺」の順で肺に到達する。"} +{"problem_id": "102218", "problem_text": "75歳女性。脳梗塞で寝たきりとなり、仙骨部に褥瘡を形成したことから、褥瘡対策チームが対応した。なお、本患者には、心機能、肝機能、腎機能及び甲状腺機能の低下や各臓器からの出血はいずれも認められていなかった。下図は褥瘡の治癒過程(①〜④)の模式図である。下記の治癒過程に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["②及び③の創傷部周囲から��芽部へ線維芽細胞が移動し、増殖する。", "③における肉芽の増生には、コラーゲンの生合成促進が関わる。", "治癒の過程においては、毛細血管の新生が表皮で起こる。", "主に真皮に存在する細胞が増殖し、④において上皮を再生する。", "ケラチンを合成する細胞は、主に皮下組織に存在する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "褥瘡の治癒の過程(①〜④)の概要を以下に示す。①黒色期: 黒色壊死組織により創傷部が覆われている\n②黄色期: 黒色壊死組織が取り除かれ、黄色の壊死組織や創傷部が現れる\n③赤色期: 黄色壊死組織が取り除かれ、線維芽細胞や血管に富む良質な肉芽が現れる\n④白色期: 上皮細胞が再生され、創傷部が塞がる\n1:正\n黄色期(②)及び赤色期(③)では、創傷部周囲から肉芽部へ線維芽細胞(組織に炎症や損傷があった場合に欠損部位を修復する細胞)が移動し、増殖する。2:正\n赤色期(③)では、創傷部に存在する線維芽細胞がコラーゲンを生成・分泌することにより肉芽の増生が起こる。3:誤\n治癒の過程においては、毛細血管の新生が肉芽や皮下組織、真皮で起こる。なお、表皮には血管が存在しておらず、表皮内で血管新生されることはない。4:誤\n白色期(④)では、表皮に存在する細胞が増殖し、上皮を再生する。5:誤\nケラチンを合成する細胞(ケラチノサイト)は、主に表皮に存在する。"} +{"problem_id": "102219", "problem_text": "褥瘡患部は、乾燥した厚い黒色壊死組織を形成し(黒色期)、滲出液はほとんどなかった。褥瘡対策チームにおいて薬剤師が処方薬を提案し、下記の経緯で治癒に至った。A〜Cに入る薬剤として最も適切な組合せはどれか。1つ選べ。[:A:] が処方され、数日間塗布した後、医師により壊死組織が切除された。その後、黄色壊死組織(黄色期)はわずかになり滲出液を伴う赤色肉芽が見られたため(赤色期)、滲出液の吸収・肉芽形成を目的として、[ :B:] へ処方変更となった。[ :B:] は、ガーゼに薄くのばして、貼付した。数日後、肉芽が盛り上がり滲出液は減少してきた。浸潤を保持しながら創傷部周囲から上皮化(白色期)を促進させる目的で [:C: ]を塗布し、治癒へと至った。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "Aには、黒色壊死組織を切除する前に二次感染予防として用いられる外用剤である「スルファジアジン銀クリーム」が当てはまる。なお、スルファジアジン銀クリームは乳剤性基剤であり創に水分を与えるため、滲出液の多い創には用いられない。Bには、滲出液の吸収作用と肉芽形成作用を有する「精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏」が当てはまる。精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏は、ポビドンヨードによる抗菌作用と精製白糖及び基剤として用いられているマクロゴール軟膏による吸水作用を有する。Cには、創傷部周囲から上皮化(白色期)を促進させる「アルプロスタジル\nアルファデクス軟膏」が当てはまる。アルプロスタジル\nアルファデクス軟膏は、局所循環改善作用、肉芽・上皮形成作用を有する。"} +{"problem_id": "102220", "problem_text": "22歳女性。統合失調症のため病院の精神科へ通院している。母親が薬局を訪れ、「娘が薬を時々飲み忘れて、症状が安定しないことから、リスペリドン持効性懸濁注射液を注射された。」と薬剤師に伝えた。また、母親は下記の処方箋を見て、注射剤と同じ薬物が内服薬として処方されていることに疑問をもち、今後の薬物治療について薬剤師に質問した。なお、リスペリドン持続性懸濁注射液の添付文書には、次の2つのグラフが掲載されている (一部改変)。母親に対する薬剤師の説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["症状が重くなったので、持効性懸濁注射液と内服液と併用しています。", "持効性懸濁注射液の効果は、投与3週間を過ぎたころから現れることから、それまでは内服薬も服用します。", "症状が安定するようであれば、今後、注射は2週間毎になります。", "持効性懸濁注射液の効果が十分でない場合は、本剤を静脈内に投与される場合があります。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n本患者はコンプライアンスが悪く、症状が安定しないことから病院にて初めてリスペリドン持効性懸濁注射液を投与された。グラフ1より、本剤を単回投与した場合、3週間後より血中濃度の上昇が認められているため、投与後3週間は効果が現れない。このことから、初回投与後3週間は経口抗精神病薬を併用するなど適切な治療を行うこととされている。2:正\n解説1参照\n3:正\n本剤の「用法・用量」を以下に示す。通常、成人にはリスペリドンとして1回25 mgを2週間隔で臀部筋肉内投与する。なお、初回量は25 mgとし、その後、症状により適宜増減するが、1回量は50 mgを超えないこと。4:誤\n本剤を静脈内投与すると、肺等の臓器に微小塞栓を誘発するおそれがあるため、本剤は臀部筋肉内のみに投与し、静脈内には絶対投与しないこととされている。"} +{"problem_id": "102221", "problem_text": "統合失調症では、様々な神経伝達物質との関連が示唆されている。神経伝達物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ノルアドレナリンの水酸化によりドパミンが生合成される。", "ドパミンは、酸化的脱アミノ化と水酸基のメチル化により代謝される。", "セロトニンは、フェニルアラニンの水酸化と脱炭酸反応により生合成される。", "グルタミン酸は、アスパラギン酸のアミノ基がオキサロ酢酸に転移されて生合成される。", "グルタミン酸受容体は、イオンチャネル型と代謝調節型に分類される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nドパミンは、ドパの脱炭酸により生合成される。なお、ノルアドレナリンは、ドパミンの水酸化により生合成される。2:正\nドパミンは、モノアミン酸化酵素(MAO)による酸化的脱アミノ化とカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)による水酸基のメチル化により代謝される。3:誤\nセロトニンは、トリプトファンの水酸化と脱炭酸反応により生合成される。4:誤\nグルタミン酸は、アスパラギン酸のアミノ基が\\alpha\n-ケトグルタル酸に転移されて生合成される。5:正\nグルタミン酸受容体は、イオンチャネル型(NMDA型など)と代謝調節型(Gタンパク質共役型受容体)に分類される。"} +{"problem_id": "102222", "problem_text": "50歳男性。体重60 kg。重症感染症のため一時的に高カロリー輸液ソフトバック製剤(1,003 mL中にブドウ糖175 g、総遊離アミノ酸30 gを含有)を中心静脈から投与することになった。この男性の腎機能は正常である。非タンパク質性カロリー(kcal/窒素(g)比(NPC/N)の値として最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、アミノ酸は16%の窒素を含むものとする。", "choices": ["125", "150", "175", "200", "225"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "<ブドウ糖によるカロリーを求める。>\nブドウ糖が175 g含有されていることから、ブドウ糖によるカロリーを以下のように求めることができる。ブドウ糖によるカロリー=175 g\\times 4 kcal/g(糖質のAtwater係数)=700 kcal\n<窒素の量を求める>\n総遊離アミノ酸が30 g含有されていることから、窒素の量を以下のように求めることができる。窒素の量=30 g\\times 0.16=4.8 g\nこれらのことから、非タンパク質性カロリー(kcal)/窒素(g)比(NPC/N)の値を以下のように求めることができる。NPC/N=700/4.8\\fallingdotseq 146 kcal/g"} +{"problem_id": "102223", "problem_text": "グルコースとアミノ酸を混合した場合、化学反応が起こることがある。反応速度定数をkとする①のような反応において、反応速度vが②のように表されるとき、以下の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。ただしA〜Dは物質を、a〜dは化学量論係数を表す。また、[A]〜[D]はそれぞれA〜Dの濃度を表すものとする。", "choices": ["p=a、q=bの関係式が常に成り立つとは限らない。", "p、qは必ず正の整数である。", "各物質量の変化に注目すると下のような関係式が成り立つ。", "kは反応条件によって変化するが、反応物の濃度には無関係な値である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\np、qは反応次数であり、化学量論係数と常に一致するとは限らない。2:誤\np、qは、正の整数とは限らず、0や分数(少数)の場合もある。3:誤\n各物質量の変化に注目すると以下のような関係式が成立する。-1/a\\times Aの変化速度=-1/b\\times Bの変化速度=1/c\\times Cの変化速度=1/d\\times Dの変化速度\n4:正\nkは反応条件(温度、pHなど)によって変化するが、反応物の濃度には無関係な値である。"} +{"problem_id": "102224", "problem_text": "高カロリー輸液療法を施行するにあたって、高カロリー輸液の基本液として、糖質、電解質、アミノ酸及び総合ビタミンを含有するキット製剤を用いることとした。このとき、以下の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["高カロリー輸液を末梢静脈から投与すると、静脈炎が起こりやすい。", "糖とアミノ酸で十分なカロリーを投与できる場合は、脂肪乳剤は投与しない方がよい。", "調製後の高カロリー輸液を投与するときは、遮光カバーで被覆する。", "腎機能が低下している場合は、微量元素の添加量を増量する。", "基本液のブドウ糖濃度は、10%以下に調整されている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n高カロリー輸液は、血液に比べ浸透圧が高いため、末梢静脈から投与すると、痛みを伴う静脈炎や血管壊死が起こりやすい。2:誤\n高カロリー輸液療法を施行するにあたって、糖とアミノ酸で十分なカロリーを投与できる場合でも、必須脂肪酸を補う目的で脂肪乳剤を投与する必要がある。3:正\n高カロリー輸液に含まれるビタミン類(ビタミンB_{2}、B_{6}、B_{12}、Cなど)は光によって分解されやすいため、調製後の高カロリー輸液を投与するときは、遮光カバーで被覆する必要がある。4:誤\n腎機能が低下している場合は、微量元素が排泄されにくくなるため、高カロリー輸液に添加する微量元素の添加量を減量する。5:誤\n高カロリー輸液の基本液のブドウ糖濃度は、15〜50%程度に調整されている。なお、末梢から投与する輸液については、ブドウ糖濃度が10%以下に調整されている。"} +{"problem_id": "102225", "problem_text": "血液中でのグルコースによる糖化反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グルコースの3位または4位のヒドロキシ基が糖化反応に関与する。", "グルコースは、ヘモグロビンAの主にC末端カルボキシ基に結合する。", "グルコースによるヘモグロビンAの糖化反応は、非酵素的に起こる。", "血中アルブミンは、グルコースにより糖化される。", "糖化ヘモグロビン(HbA1c)値(%)は、血糖値の急激な変化を知るための指標として、糖尿病が急速に悪化した時の診断に利用される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nグルコースの1位のアルデヒド基(カルボニル基)が血中アルブミン、赤血球中のヘモグロビンの糖化に関与する。なお、アルデヒドを有する還元糖が非酵素的にタンパク質などのアミノ基と反応し、シッフ塩基を生成する反応をメイラード反応という。2:誤\nグルコースは、ヘモグロビンAの主にN末端のアミド基に非酵素的に結合する。3:正\n解説2参照\n4:正\n血中アルブミンはグルコースにより糖化され、糖化アルブミンとなる。糖化アルブミンは、過去1〜2週間の平均的な血糖を反映する。5:誤\n糖化ヘモグロビン(HbA1c)値(%)は、過去1〜2ヶ月の平均的な血糖を反映するため、血糖コントロールの指標となる。"} +{"problem_id": "102226", "problem_text": "65歳女性。慢性腎不全にて通院治療中。最近、時々腰が痛くなり、寝付きも良くないので、整形外科を受診した。骨粗しょう症と診断され、処方箋を薬局に持参した。上記の処方内容に関する服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1の薬を服用してから少なくとも30分間は横になってはいけません。", "処方2の薬を服用する場合は、空腹時を避けてください。", "お茶やコーヒーなどのカフェインを含む飲料は処方された薬の効果を増強するので、摂取しないでください。", "カルシウムを含むサプリメントを服用する場合は、相談してください。", "腰痛が改善したら、いずれの薬もいつ服用をやめても構いません。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n処方1の薬剤を服用してから30分以内に横になっても特に問題とはならない。服用して30分間横になってはいけないのは、アレンドロン酸ナトリウム水和物などのビスホスホネート系薬剤を服用した場合である。2:正\nジクロフェナクNaは、胃腸障害(消化管潰瘍、消化管の狭窄、閉鎖など)を起こすことがあるので空腹時を避けて服用する必要がある。3:誤\n処方1、処方2共にカフェインを含む飲料により効果が増強されるとの報告はない。なお、カフェインを含む飲料で効果が増強する薬物として、テオフィリンなどがある。4:正\nアルファカルシドールは活性型ビタミンD_{3}製剤であり、小腸におけるカルシウムの吸収を促進する作用を有するため、カルシウムを含むサプリメントを服用する場合には、医師に相談する必要がある。5:誤\n処方2については頓用で処方されているため、腰痛が改善すれば服用を中止しても問題ないが、処方1については、骨粗鬆症を改善するために長期的に服用する必要があるため、腰痛が改善しても中止してはいけない。"} +{"problem_id": "102227", "problem_text": "アルファカルシドールカプセルはビタミンD製剤である。ビタミンDの代謝反応のうち、慢性腎不全の患者において低下しているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["7-デヒドロコレステロールの開環反応", "7-デヒドロコレステロールの1位の水酸化反応", "25-(OH)ビタミンDの1位の水酸化反応", "1\\alpha -(OH)ビタミンDの25位の水酸化反応", "25-(OH)ビタミンDの開環反応"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "プロビタミンD_{3}(7-デヒドロコレステロール)は、皮膚で紫外線の作用によりビタミンD_{3}となる。ビタミンD_{3}は、肝臓で水酸化を受け25-ヒドロキシビタミンD_{3}となり、その後、腎臓で水酸化を受け、1\\alpha\n,25-ジヒドロキシビタミンD_{3}となる。上記のビタミンD_{3}の活性化機構より、慢性腎不全患者では、「25-(OH)ビタミンDの1位の水酸化反応」が低下していると考えられる。"} +{"problem_id": "102228", "problem_text": "69歳女性。胃がんの手術後の入院中に、医師、看護師、管理栄養士及び薬剤師で構成されたNST(Nutrision Support Team)による患者カンファレンスが行われた結果、脂肪乳剤輸液(10%、250 mL)の投与が開始された。脂肪乳剤輸液に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["脂肪乳剤は急速大量投与が必要であるため、1時間以内に全量を投与する。", "血管外に漏出すると皮膚壊死や皮膚潰瘍を起こす可能性がある。", "他の注射剤を混合して投与可能である。", "ポリカーボネート製の三方活栓にひび割れを生じさせることがあるので、漏れがないように注意する。", "可塑剤としてDEHP[フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)]を含まない輸液セットを使用する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:誤っている\n脂肪乳剤は、通常、1日500 mLを3時間かけて点滴静注する。なお、本剤を急速大量投与すると静脈炎、血管痛、発熱、嘔気・嘔吐、悪寒、顔面紅潮、頻脈等の急性障害が現れる可能性がある。2:正しい\n本剤の血管外漏出により皮膚壊死、腫瘍形成が報告されている。血管外漏出が疑われる症状が現れた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行う必要がある。3:誤っている\n本剤は他の注射剤と混合せず使用する。4:正しい\n本剤は脂肪乳剤であるため、接合部がポリカーボネート製の輸液セット等を使用した場合、その接合部にひび割れが生じ、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性があるため注意する必要がある。5:正しい\n可塑剤としてDEHP[フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製輸液セット等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。"} +{"problem_id": "102229", "problem_text": "脂肪乳剤輸液に用いられる脂質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["脂肪乳剤中の油脂には必須脂肪酸のリノール酸及び\\alpha -リノレン酸が含まれている。", "中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸に比べてエネルギーに変換されにくいので、中鎖脂肪酸を含む油脂は脂肪乳剤として用いられない。", "脂肪乳剤中の脂質1 gあたりのエネルギー量は約9 kcalである。", "脂肪乳剤中のトリアシルグリセロールは、リポタンパク質リパーゼによりモノアシルグリセロールと脂肪酸に分解され組織に吸収される。", "脂肪乳剤には乳化剤としてコレステロールが含まれている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n脂肪乳剤中の油脂には必須脂肪酸(人が活動するにあたり必要な脂肪酸のうち、体内で合成されないか、合成されにくい脂肪酸)のリノール酸及び\\alpha\n-リノレン酸が含まれているため、必須脂肪酸欠乏症に有効である。"} +{"problem_id": "102230", "problem_text": "医薬品の適正使用のため、承認前には治療、承認後にもPMS(製造販売後調査 Post Marketing Surveillance)が行われている。病院での治験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["治験審査委員会には、治験実施施設以外の医師や薬剤師は加わることができない。", "治験施設支援機関(SMO)から派遣された治験コーディネーターの薬剤師は、治験実施施設において治験薬を調剤することができる。", "治験が適正に実施されることを確認するために、治験依頼者は医療機関を訪問してモニタリングを行う。", "医師主導の治験では、モニタリング及び監査は、治験責任医師自身が行う。", "医療機関の長から指名された治験薬管理者は、治験依頼者の定めた手順書により、治験薬を保管・管理する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n治験審査委員会の要件を以下に示す。・治験について倫理的及び科学的観点から十分に審議を行うことができること\n・5名以上の委員からなること\n・委員のうち、医学、歯学、薬学その他の医療または臨床試験に関する専門的知識を有する以外の者が加えられていること\n・委員のうち、実施医療機関、治験審査委員会の設置者と利害関係を有しないものが加えられていること\n治験審査委員会の要件より、専門的知識を有する者として、治験実施施設以外の医師や薬剤師は治験審査委員会に加わることができる。2:誤\n治験実施施設に勤務している薬剤師が、治験薬の調剤を行う。3:正\n治験依頼者は、治験実施施設を訪問して、治験が適切に実施されているかについてモニタリング及び監査を行う。4:誤\n医師主導の治験において、治験責任医師は、臨床試験に関わらない立場にある者からモニター及び監査担当者を指名し、モニタリング及び監査を実施させる必要がある。5:正\n治験薬管理者は、治験依頼者の定めた手順書により、治験薬の保管・管理を行う。"} +{"problem_id": "102231", "problem_text": "ある医薬品について免疫能を低下させる可能性が懸念された。そこで、治験に加えて、PMSにおいても感染症などの副作用の発現頻度を調査し、下表の結果を得た。この調査に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["このPMSでは3,000例の調査をしたことにより、治験では見つけられなかったニューモシスチス肺炎の発症を見出すことができた。", "治験とは異なり、PMSにおいてCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の発現率が高くなったのは、PMSの対象患者に喫煙者が多かったことが一因と推定される。", "治験とは異なり、PMSにおいて結核の発現率が高くなったのは、PMSの対象患者に後期高齢者が多かったことが一因と推定される。", "いずれの肺炎の発現頻度も、治験の段階よりPMSの段階の方が高くなることがわかった。", "PMSは副作用の発現を調べることが目的であり、有効性に関する調査は行われない。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:正しい\n治験(300例)では、ニューモシスチス肺炎を発症した人は0人であったが、PMSで例数を3000に増やしたことでニューモシスチス肺炎を発症した人が3人現れていることから、PMS調査をすることにより、治験では見つけられなかったニューモシスチス肺炎の発症を見出すことができたことになる。2:正しい\n治験に比べ、PMSにおいてCOPDの発現率が高くなっている一因として、COPDを発症しやすい喫煙者がPMSの対象患者に多かったためと推定される。3:正しい\n治験に比べ、PMSにおいて結核の発現率が高くなっている一因として、結核を発症しやすい後期高齢者がPMSの対象患者に多かったためと推定される。4:誤っている\n細菌性肺炎の副作用発現率については、共に2%と同程度である。5:誤っている\nPMSでは、副作用の発現及び有効性に関する内容を調査するために行われる。"} +{"problem_id": "102232", "problem_text": "85歳男性。在宅にて要介護度5の寝たきり状態であったが、高熱のため入院した。入院時に患者に触れた看護師等の職員の数名が数日後かゆみを伴う皮膚症状を訴えた。その後、患者が重度の角化型疥癬と診断されたため、院内感染対策委員会にて対応策が検討された。角化型疥癬とその対応策に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["肌と肌の直接接��を介してのみ感染し、はがれた角質層の飛散や付着により感染が広まることはない。", "患者のリネン等を洗濯する際、加熱処理や乾燥を行えば感染を防ぐことができる。", "高齢者では一旦治癒と診断されても、数ヶ月後に再燃することがあるので注意を要する。", "患者と接触がなく症状がない職員に対しても、予防の目的でイベルメクチンの内服投与を実施する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "疥癬は、ヒゼンダニ(疥癬虫)が皮膚に寄生することにより発症する皮膚感染症であり、宿主の免疫力が低下している場合に発症しやすい。1:誤\n角化型疥癬では、患者の皮膚及び角質に多数のヒゼンダニが存在するため、肌と肌の直接接触、はがれた角質層の飛散や付着により感染が広まることがある。2:正\nヒゼンダニは、熱、乾燥に弱く、50^{\\circ} C、10分間の加熱処理で死滅するとされている。よって、リネン等を洗濯する際、加熱処理や乾燥を行えば感染を防ぐことが可能となる。3:正\n疥癬は一旦治癒と診断されても、数ヶ月後に再燃することがある。特に高齢者では、免疫力が低下しているため、再燃する可能性が高い。4:誤\nイベルメクチンは、「疥癬と確定診断された者」、「疥癬患者と接触の機会があり、疥癬の症状を呈する者」に投与することが可能である。"} +{"problem_id": "102233", "problem_text": "院内感染を予防するために、陰圧個室に患者を収容するなど空気感染対策をとる必要がある感染症はどれか。2つ選べ。", "choices": ["水痘", "結核", "クロストリジウム・ディフィシル感染症", "マイコプラズマ感染症", "ノロウイスル感染症"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "院内感染対策を行うにあたり、陰圧個室に患者を収容するなど空気感染(飛沫核感染)対策をとる必要がある代表的な感染症は、「水痘」「結核」「麻疹」である。なお、クロストリジウム・ディフィシル感染症は主に接触感染、マイコプラズマ感染症は主に飛沫感染、ノロウイスル感染症は主に接触及び飛沫感染を起こす感染症である。"} +{"problem_id": "102234", "problem_text": "20歳女性。性感染症の薬物治療のため薬局に処方箋を持参した。薬剤師は服薬指導の際、厚生労働省の資料を基に作成したリーフレットを手渡した。下図はリーフレットの一部である。[ :A:] は、陰部に潰瘍ができたり、リンパ節の腫れ、全身の発疹などの症状を呈する。[:A:] にあてはまる感染症はどれか。1つ選べ。", "choices": ["淋菌感染症", "性器クラミジア感染症", "性器ヘルペスウイルス感染症", "尖圭コンジローマ", "梅毒"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "Aにあてはまる感染症は、「梅毒」である。次に各選択肢にある性感染症の主な症状及び感染者届出数について示す。・淋菌感染症\n【主な症状、(2015年の感染者届出数)】\n男性: 尿道炎(6905例)\n女性: 子宮頸管炎(1973例)\n・性器クラミジア感染症\n【主な症状、(2015年の感染者届出数)】\n男性: 尿道炎、排尿痛(11670例)\n女性: 子宮頸管炎(12780例)\n・性器ヘルペスウイルス感染症\n【主な症状、(2015年の感染者届出数)】\n男性: 発熱、全身倦怠感、リンパ節腫脹、水泡、潰瘍(3540例)\n女性: 男性と同様の症状(5434例)\n・尖圭コンジローマ\n【主な症状、(2015年の感染者届出数)】\n男性: 性器の周囲に淡紅色〜褐色の隆起状の病変が現れる(3589例)\n女性: 男性と同様の症状(2217例)\n・梅毒\n【主な症状、(2015年の感染者届出数)】\n男性: 陰部に腫瘍、無痛性のリンパ節腫脹、梅毒疹(バラ疹)、ゴム腫、中枢神経障害(1934例)\n女性: 男性と同様の症状(763例)"} +{"problem_id": "102235", "problem_text": "次の性感染症のうち、感染症発生動向調査において全数把握対象疾患として規定されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["淋菌感染症", "性器クラミジア感染症", "性器ヘルペスウイルス感染症", "尖圭コンジローマ", "梅毒"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)に指定されている1〜5類感染症のうち、1〜4類感染症及び一部の5類感染症においては、全数把握(患者及び無症状病原体保有者を含む症例について届出する)対象疾患に該当しており、また、全数把握対象疾患に該当していない5類感染症は、定点把握(定められた医療機関で診断されたときに届出する)対象疾患に該当する。選択肢の性感染症は、すべて5類感染症に該当しており、その中でも「梅毒」が全数把握対象疾患に該当する。◉性感染症のまとめ"} +{"problem_id": "102236", "problem_text": "ある病院において、予防接種の頻度が上がり、患者からの薬剤部への問い合わせ件数も増加したため、ワクチンの接種法及び接種時期について確認作業を行った。予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["複数のワクチンを同時に接種する場合には、上腕と大腿など穿刺部位を離してから注射する。", "不活化ワクチンの接種後に別の疾患に対するワクチンを接種する場合は、生ワクチンの接種後に比べ接種間隔を長くあける必要がある。", "生ワクチンには有効期限が定められているが、不活化ワクチンには定められていない。", "生ワクチン、不活化ワクチンのいずれの場合も、接種後に副反応が生じることがあるので30分程度様子を見ることが必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n複数のワクチンを同時に接種する場合には、異なる部位に注射することが望ましい。異なる部位に注射することが難しい場合には、2.5 cm以上離して注射する。2:誤\n不活化ワクチンの接種後に別の疾患に対するワクチンを接種する場合は、約1週間接種間隔をあける必要がある。また、生ワクチンの接種後に別の疾患に対するワクチンを接種する場合は、約1ヶ月接種間隔をあける必要がある。よって、生ワクチンの接種後に別の疾患に対するワクチンを接種する場合は、不活化ワクチンの接種後に比べ接種間隔を長くあける必要がある。3:誤\n生ワクチン、不活化ワクチン共に有効期限が定められている。4:正\n生ワクチン、不活化ワクチン接種後に副反応(アナフィラキシーショック等)が生じることがあるので、接種後30分程度様子を見る必要がある。"} +{"problem_id": "102237", "problem_text": "予防接種法に基づく定期の予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["高齢者の肺炎球菌感染症は予防接種法におけるB類疾病に含まれ、65歳以上になると、肺炎球菌ワクチンは毎年1回ずつ接種することができる。", "ポリオ(急性灰白随炎)のワクチンは、ジフテリア、百日咳、破傷風のワクチンとともに、4種混合ワクチンとして接種される。", "麻しん・風しん混合ワクチンは、免疫効果が強い生ワクチンなので、生後12〜24ヶ月の間に1回のみ接種される。", "水痘は予防接種法におけるA類疾患に分類され、そのワクチンとしては弱毒生ワクチンが用いられる。", "インフルエンザ菌b型(Hib)に対するワクチンは、インフルエンザウイルスに対しても効果を示す。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n高齢者(65歳以上)を対象とした肺炎球菌感染症の予防接種は、予防接種法におけるB類疾病に含まれ、65歳以上になると、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳に該当する年度に1回接種することができる。2:正\nポリオ(急性灰白随炎)のワクチンは、ジフテリア、百日咳、破傷風のワクチンとともに、4種混合ワクチン(DPT—IPV)として定期接種する。3:誤\n麻しん・風しん混合ワクチンは、2回定期接種する。定期接種する時期を以下に示す。・生後12〜24ヶ月の間\n・5歳以上7歳未満であって、小学校就学に達するまでの日の1年間\n4:正\n水痘は予防接種法におけるA類疾患に分類される。水痘ワクチンは弱毒生ワクチンであり、生後12〜36ヶ月までの期間に2回定期接種する。5:誤\nインフルエンザ菌b型(Hib)に対するワクチンは、インフルエンザ菌に対して効果を示すが、インフルエンザウイルスに対しては効果を示さない。"} +{"problem_id": "102238", "problem_text": "40歳男性。喫煙歴20年、気管支ぜん息の治療のためテオフィリン製剤を服用している。最近、ぜん息症状が悪化してきたこともあり禁煙を試みたいと薬局を訪れた。薬剤師は、ニコチンガム、ニコチンパッチ及びバレニクリン酒石酸塩錠について情報提供を求められた。薬剤師が禁煙とその治療薬について説明する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["禁煙したときのつらさは、ニコチン離脱症状に���り起こります。", "いずれの薬も医師の処方箋が必要です。", "ニコチンパッチは、禁煙開始前から使用することができます。", "コーヒーや炭酸飲料を飲んだあとニコチンガムを使用すると、ニコチンが吸収されやすくなるので注意が必要です。", "バレニクリン酒石酸塩は、喫煙に代わってニコチンを補充する薬剤ではありません。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n禁煙によるつらさは、ニコチン離脱症状により起こるといわれており、ニコチン離脱症状では、イライラ、頭痛、眠気等が認められる。2:誤\nニコチンガムは一般用医薬品、ニコチンパッチは医療用医薬品及び一般用医薬品、バレニクリン酒石酸塩錠は医療用医薬品である。よって、ニコチンガム、ニコチンパッチについては、医師の処方箋がなくても購入することができる。3:誤\nニコチン製剤(ニコチンガム、ニコチンパッチ)については禁煙開始後に使用する薬剤である。なお、バレニクリン酒石酸塩錠は禁煙開始1週間前から服用を開始する医薬品である。4:誤\nニコチンは塩基性薬物であり、酸性条件下ではイオン形となり生体膜透過性が低下する。コーヒーや炭酸飲料は口腔内を酸性にするため、ニコチンが吸収されにくくなる。5:正\nバレニクリン酒石酸塩は、\\alpha _{4}\\beta _{2}ニコチン受容体部分作動薬であり、ニコチン受容体刺激作用を有するが、ニコチンを補充する薬剤ではない。"} +{"problem_id": "102239", "problem_text": "たばこの煙と喫煙に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["喫煙によりシトクロムP450のうち、主にCYP3A4が誘導される。", "テオフィリン製剤を服用している喫煙者が禁煙すると、テオフィリンの血中濃度が低下する可能性がある。", "たばこの煙には、一酸化炭素や窒素化合物が含まれている。", "妊娠中の喫煙は、低体重児の出産のリスクを高める。", "アルコールを摂取すると、喫煙によって誘導されるのと同じCYP分子種が誘導される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n喫煙により主にCYP1A2が誘導される。2:誤\n禁煙することにより、誘導されていたCYP1A2がもとの状態に戻るため、テオフィリンの代謝が抑制され、血中濃度が上昇する可能性がある。3:正\nたばこの煙には、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素化合物、アンモニア、ニトロソアミン、シアン化水素、硫黄酸化物、炭化水素、アルデヒド類が含まれている。4:正\n妊娠中に喫煙すると、以下のようなリスクを伴う。低体重児、低身長児の出産のリスクが高くなる。早産、流産、早期破水の可能性が高くなる。先天性異常を起こしやすくなる。など\n5:誤\nアルコールを摂取すると、喫煙によって誘導されるのと異なるCYP分子種が誘導される。アルコールにより誘導される酵素:CYP2E1\n喫煙により誘導される酵素:CYP1A2"} +{"problem_id": "102240", "problem_text": "学校薬剤師が中学校の校長から薬物乱用防止教室の講師を依頼された。講義での説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["近年の薬物乱用の特徴として覚醒剤の使用が減少しています。", "乱用される薬物の多くは、繰り返し使用していると耐性という現象が起こり、徐々に使用量が増えていきます。", "危険ドラッグの依存性は大麻や覚醒剤と比べると強くありません。", "覚醒剤とは異なり、危険ドラッグは使用をやめた後に禁断症状がでることはありません。", "危険ドラッグには、麻薬や覚醒剤と同様に、多幸感を高め幻覚作用を起こす成分が含まれていることがあります。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n近年、覚醒剤使用による薬物乱用は増加している。2:正\n乱用される薬物の多くは、繰り返し使用することにより効果が減弱する耐性という現象を起こしやすいため、薬物を使用しているうちに徐々に使用量が増えていく傾向にある。3:誤\n危険ドラッグとは、麻薬や覚醒剤などの規制薬物又は指定薬物に構造が似せて作られ、これらと同様の薬理作用(中枢興奮作用、中枢抑制作用、幻聴や幻覚を起こす作用)を有する薬物のことであり、麻薬や覚醒剤と同程度の作用及び依存性を示すことがある。4:誤\n危険ドラッグも覚醒剤と同様に、使用をやめた後に禁断症状が現れることがある。5:正\n解説3参照"} +{"problem_id": "102241", "problem_text": "危険ドラッグに含まれる可能性が高い薬物を幅広く規制するため、基本骨格が同じ物質を一括して指定する「包括指定」が活用されている。包括指定される指定薬物の基本骨格に該当するのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "指定薬物については、基本骨格が同じ物質を一括指定する「包括指定」を採用しており、未規制物質を幅広く規制することを可能としている。包括指定される指定薬物の基本骨格は、選択肢2(カチノン系)と選択肢5(合成カンナビノイド系)である。"} +{"problem_id": "102242", "problem_text": "学校薬剤師が小学校の水道水の水質検査を行った。結果は以下の通りであった。学校薬剤師が採水の現場で測定すべき項目はどれか。2つ選べ。", "choices": ["一般細菌", "大腸菌", "全有機炭素", "臭気", "遊離残留塩素"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "選択肢のうち、学校薬剤師が採水の現場で測定すべき項目は「臭気」「遊離残留塩素」である。以下に水道水の水質検査の試験順序を示す。・採水現場で直ちに測定する。水温、濁度、臭気、残留塩素:など\n・採水現場で測定することが望ましい。pH、一般細菌数、大腸菌数:など\n・試験室で直ちに測定する。塩化物イオン、全有機炭素、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素:など"} +{"problem_id": "102243", "problem_text": "この水道水の水質検査に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["大腸菌は検出されていないが、一般細菌が検出されているので、水質基準を満たしていない。", "塩化物イオンの濃度は、し尿等の混入があると値が増加する。", "全有機炭素(TOC)の測定値は、水道水中の還元性無機イオンの影響を受けにくい。", "トリハロメタンの濃度が高いと色度、濁度のいずれも高くなる。", "遊離残留塩素が水質基準を超えているため、このままでは飲料に適さない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n一般細菌数の基準値は、1\nmL中100集落以下とされているため、この水道水(一般細菌:\n36集落/mL)は水質基準を満たしている。2:正\n塩化物イオン濃度は、し尿、下水、海水、工場排水等の混入があると値が増加する。3:正\n全有機炭素(TOC)の測定は、水道水中の有機化合物を燃焼させ、その際に生じる二酸化炭素を非分散型赤外線ガス分析計で測定する。水道水中の還元性無機イオンを燃焼させても二酸化炭素は生じないため、全有機炭素(TOC)の測定値は、水道水中の還元性無機イオンの影響を受けにくい。4:誤\nトリハロメタンは、色度、濁度には影響を与えない。なお、色度を変化させる原因物質は、フミン質、鉄化合物、マンガン化合物であり、濁度を変化させる原因物質は、無機、有機の浮遊物、微生物、泥土などである。5:誤\n遊離残留塩素の基準値(遊離残留塩素:\n0.1\nmg/L以上)は下限値であり、この水道水(遊離残留塩素:\n0.3\nmg/L)は水質基準を満たしている。"} +{"problem_id": "102244", "problem_text": "病院薬剤部において高カロリー輸液の調製を行う際に排出される廃棄物の処理方法を検討することとなった。廃棄にあたり感染性廃棄物と同等に取扱うべきものはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬液をとって空になったガラス製アンプル", "薬液をとる際に用いた注射筒(シリンジ)", "薬液をとる際に用いた注射針", "バイアルゴム栓のアルコール消毒に用いたガーゼ", "調製時に用いたプラスチックブローブ"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "選択肢のうち、廃棄にあたり感染性廃棄物と同等に取扱うべきものは、「薬液をとって空になったガラス製アンプル」、「薬液をとる際に用いた注射針」である。医療廃棄物は、感染性の有無により感染性廃棄物と非感染性廃棄物に分類される。感染性廃棄物を廃棄する際には、バイオハザードマーク又は感染性廃棄物と記載された密閉容器を用いて保管・運搬する必要がある。また、非感染性廃棄物の中でも、鋭利なもの、毒性を有するものは感染性廃棄物として同等の取扱いをすることとされている。"} +{"problem_id": "102245", "problem_text": "感染性廃棄物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬剤師は、感染性廃棄物に係る特別管理産業廃棄物管理責任者になることができる。", "感染性廃棄物は滅菌処理した後も、全て指定された容器に分別しなければならない。", "感染性産業廃棄物の処理は、指定を受けた契約業者に委託するためマニフェスト制度の対象外である。", "感染性廃棄物を入れる容器にはバイオハザードマークを付けるか、感染性廃棄物であることを明記する必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n特別管理産業廃棄物管理責任者とは、特別管理産業廃棄物を適正に保管し処理するために選任される者であり、医師、歯科医師、獣医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、臨床検査技師などがその責任者になることができる。2:誤\n感染性廃棄物は滅菌処理した後、通常の廃棄物と同じ扱いをすることができるため、指定された容器に分別する必要はない。3:誤\n感染性産業廃棄物の処理を処理業者に委託する場合には、マニフェスト制度の対象となる。4:正\n感染性廃棄物であることを識別できるように、感染性廃棄物を入れる容器にはバイオハザードマークを付けるか、感染性廃棄物であることを明記する必要がある。なお、バイオハザードマークについては、廃棄物の種類が判別できるよう性状によって色分けすることが望ましい。黄色:\n鋭利なもの\n橙色:\n固形状のもの\n赤色:\n液状又は泥状のもの"} +{"problem_id": "102246", "problem_text": "53歳男性。尿酸値が高く、3週間前より処方1で治療を開始。その2週間後、尿酸値が改善されなかったので処方2及び処方3が追加となった。処方2及び処方3を追加して7日後、患者より「新年会が続き、ビールを飲む量が増えており、足の親指が腫れて激しい痛みが生じてきた。」との訴えがあった。この場合の処置として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["フェブキソスタットを40 mgに増量する。", "ベンズブロマロンを50 mgに増量する。", "フェブキソスタットを40 mgに増量し、ベンズブロマロンを50 mgに増量する。", "フェブキソスタットとベンズブロマロンを中止し、コルヒチンを追加する。", "処方1、処方2及び処方3はそのままで、インドメタシンを追加する。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "本患者は、尿酸値が高く、処方1により治療を行っていたが、尿酸値が改善されなかったため、処方2及び処方3が追加投与されることとなった。それに加え、処方2及び処方3を追加して7日後、患者より「新年会が続き、ビールを飲む量が増えており、足の親指が腫れて激しい痛みが生じてきた。」との訴えがあったことから、本患者は高尿酸血症による痛風発作を起こしている可能性が高い。本患者のように尿酸降下薬服用中に痛風発作を起こした場合については、尿酸降下薬の投与量を変更せず、非ステロイド性抗炎症薬(インドメタシンなど)のパルス療法(短期間・大量投与)を行うこととされている。"} +{"problem_id": "102247", "problem_text": "処方された薬物及び前問で挙げた薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プロスタグランジンE_{2}の産生を抑制する。", "尿酸を酸化してアラントインと過酸化水素に分解する。", "代謝物のオキシプリノール(アロキサンチン)がキサンチンオキシダーゼを阻害する。", "腎臓の尿細管において尿酸トランスポーターを阻害する。", "T細胞のチューブリンに結合し、微小管の脱重合を抑制して安定化する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n非ステロイド性酸性抗炎症薬であるインドメタシンなどの作用機序の関する記述である。2:誤\n遺伝子組換え型尿酸オキシダーゼであるラスブリカーゼの作用機序に関する記述である。3:誤\n尿酸合成阻害薬であるアロプリノールの作用機序に関する記述である。4:正\n尿酸排泄促進薬であるベンズブロマロンの作用機序に関する記述である。5:誤\n白血球のチューブリンに結合し、微小管の重合を抑制して安定化する薬物として、コルヒチンがある。"} +{"problem_id": "102248", "problem_text": "26歳女性。妊娠30週。妊娠高血圧症候群で経過観察中、切迫早産のため入院し、以下が処方された。処方薬の副作用として生じる可能性が高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["光線過敏", "血清カルシウム低下", "高血糖", "血小板数増加", "起立性低血圧"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "リトドリン塩酸塩は、選択的アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬であり、副作用として高血糖、糖尿病性ケトアシドーシスを起こすことがある。また、メチルドパは、中枢性アドレナリン\\alpha _{2}受容体刺激薬であり、副作用として降圧作用に伴う起立性低血圧を起こすことがある。"} +{"problem_id": "102249", "problem_text": "処方2の作用機序に関する記述として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\beta _{1}受容体を選択的に遮断することにより、心拍出量を減少させる。", "エンドセリンET_{A}受容体を遮断することにより、血管平滑筋を弛緩させる。", "アドレナリン\\alpha _{1}受容体を選択的に遮断することにより、血管平滑筋を弛緩させる。", "中枢性のアドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激することにより、交感神経活性を低下させる。", "ドパミンに変換されてドパミンD_{2}受容体を刺激することにより、交感神経活性を低下させる。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "メチルドパ(処方2)は、脳内で\\alpha\n-メチルノルアドレナリンに代謝され、中枢性のアドレナリン\\alpha\n_{2}受容体を刺激し、末梢交換神経活性を低下させる。また、\\alpha\n-メチルノルアドレナリンは、アドレナリン作動性神経内のノルアドレナリンの貯蔵部位に入り、ノルアドレナリンの遊離を抑制することにより、交感神経活性を低下させる。1:誤\nアドレナリン\\beta\n_{1}受容体を選択的に遮断することにより、心拍出量を減少させる薬物には、アテノロール、アセブトロールなどがある。"} +{"problem_id": "102250", "problem_text": "72歳男性。腎実質性高血圧症で循環器内科を受診し、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。お薬手帳で併用薬を確認したところ、他の医療機関(消化器内科)で処方された以下の薬を服用中であった。患者は消化器内科の薬について、循環器内科の医師に伝えていないとのことであった。薬剤師として処方医(循環器内科)に併用薬の情報提供と処方内容の確認が必要と考えた。処方1、処方2及び処方3が併用投与された場合、生じる可能性が最も高い事象はどれか。1つ選べ。", "choices": ["イミダプリル塩酸塩とテルミサルタンの併用による血清カリウムの上昇", "イミダプリル塩酸塩とテルミサルタンの併用による乳房腫脹", "エホジニピン塩酸塩エタノール付加物とラニチジンの併用による血清カルシウムの低下", "エホジニピン塩酸塩エタノール付加物とラニチジンの併用による振戦", "エホジニピン塩酸塩エタノール付加物とテルミサルタンの併用による高血糖"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "イミダプリル塩酸塩は、活性代謝物であるイミダプリラートとなり、アンギオテンシン変換酵素を阻害し、アンギオテンシンIIの生成を抑制することによりアルドステロンの分泌を抑制する。また、テルミサルタンは、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体を遮断することによりアルドステロンの分泌を抑制する。両剤を併用することによりアルドステロンの分泌が抑制され、それによりNa^{+}-K^{+}交換系が抑制され、血清カリウム値の上昇を来すことがある。"} +{"problem_id": "102251", "problem_text": "前問の「生じる可能性が最も高い事象」の発現機序として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["L型Ca^{2+}チャネル遮断", "ドパミンD_{2}受容体遮断", "ヒスタミンH_{2}受容体遮断", "アルドステロン分泌抑制", "インスリン分泌抑制"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "問250:解説参照"} +{"problem_id": "102252", "problem_text": "20歳女性。統合失調症と診断され、3ヶ月間、薬物治療が継続されていた。副作用は特にみられなかったが症状が改善されないため、主治医はクロルプロマジン塩酸塩錠を1日300 mg〜450 mgへ増量した。この患者において注意すべき副作用の早期発見のために、薬剤師が患者や家族にあらかじめ説明する症状として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["強い眠気", "起床時の立ちくらみ", "手の震えや足のこわばり", "歯ぐきの腫れ", "視野の狭窄や物の見えにくさ"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "問252:解説参照"} +{"problem_id": "102253", "problem_text": "この処方が引き起こす可能性がある副作用について、その発生機序はどれか。2つ選べ。", "choices": ["アンギオテンシンIIAT_{1}受容体遮断により歯肉肥厚が起こる。", "アセチルコリンM_{3}受容体遮断により眼圧亢進が起こる。", "ヒスタミンH_{1}受容体遮断により眠気が起こる。", "アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断により錐体外路症状が起こる。", "ドパミンD_{2}受容体遮断により起立性低血圧が起こる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "問252:解説参照"} +{"problem_id": "102254", "problem_text": "68歳女性。脳梗塞で1ヶ月間入院した後退院し、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。いずれの処方薬の薬理作用にも該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["フリーラジカルを消去し、酸化的ストレスによる神経細胞の障害を抑制する。", "キニナーゼIIを阻害し、ブラジキニンの分解を抑制する。", "H^{+},K^{+}-ATPaseを阻害し、酸分泌を抑制する", "PPAR\\alpha (ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\alpha )を刺激し、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)を増加させる", "活性代謝物が血小板ADP受容体を遮断し、血小板凝集を抑制する。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:該当しない\nフリーラジカルを消去し、酸化的ストレスによる神経細胞の障害を抑制するのは、エダラボンである。2:該当する\nエナラプリルの薬理作用に関する記述である。エナラプリルはアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬であり、アンギオテンシIからアンギオテンシンIIの生成を抑制するとともに、キニナーゼIIを阻害し、ブラジキニンの分解を抑制する。3:該当する\nランソプラゾールの薬理作用に関する記述である。ランソプラゾールはプロトンポンプ阻害薬であり、酸性条件下で活性体となり、プロトンポンプのSH基と結合して、酸分泌を抑制する。4:該当する\nフェノフィブラートの薬理作用に関する記述である。フェノフィブラートはフィブラート系薬であり、PPAR\\alpha (ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\alpha )を刺激し、アポタンパク質の発現を増加させ、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)を増加させる。5:該当する\nクロピドグレルの薬理作用に関する記述である。クロピドグレルは、肝臓で活性代謝物となり、血小板に存在するADP受容体のサブタイプP2Y_{12}受容体を遮断することによりADPによる血小板凝集を抑制する。"} +{"problem_id": "102255", "problem_text": "クロピドグレル錠の使用に関する注意事項として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["肝障害や黄疸を起こすことがあるので、観察を十分に行う必要がある。", "重篤かつ遷延性の低血糖症を起こすことがある。", "特発性血小板減少性紫斑病(ITP)が発現する危険があるので、投与開始後2ヶ月間は2週間に1回程度の血液検査を行う。", "グレープフルーツジュースは本剤の作用を増強するので避ける。", "出血のリスクが高まるので、OTC医薬品の解熱鎮痛剤を自己判断で服用しない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nクロピドグレルは、重大な副作用として、肝機能障害、黄疸を起こすことがある。そのため、本剤服用中は、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う必要がある。"} +{"problem_id": "102256", "problem_text": "65歳男性。COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療のため、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。この処方薬で注意すべき副作用はどれか。2つ選べ。", "choices": ["口渇", "肺炎", "口腔カンジダ症", "動悸", "血清カリウム濃度上昇"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "インダカテロールマレイン酸塩は、長時間作用型アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬であり、副作用として血清カリウム値の低下、動悸、頻脈、振戦などを起こすことがある。また、チオトロピウム臭化物水和物は、長時間作用型抗コリン薬であり、副作用として口渇、動悸、緑内障、便秘などを起こすことがある。"} +{"problem_id": "102257", "problem_text": "前問の「注意すべき副作用」の発現機序として誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["心臓におけるアドレナリン\\beta _{1}受容体の刺激", "傍糸球体細胞におけるアドレナリン\\beta _{2}受容体の刺激", "心臓におけるアセチルコリンM_{2}受容体の遮断", "唾液腺におけるアセチルコリンM_{3}受容体の遮断", "T細胞でのサイトカイン産生抑制による免疫抑制"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:正しい\nインダカテロールは、心臓におけるアドレナリン\\beta\n_{1}受容体を刺激することにより心拍数を増加させ、副作用として動悸を起こすことがある。"} +{"problem_id": "102258", "problem_text": "36歳女性。乳がん手術後、以下の薬物療法が開始された。この処方の服薬指導として、[:A:] は、子宮体がんのリスクを上げるため、定期的な検査を行うよう患者に指導した。また、[:B:] は、ほてりやのぼせ、抑うつなどの更年期症状がみられることがあると患者に説明した。[:A:] と[ :B:]に当てはまる薬剤はどれか。2つ選べ。", "choices": ["リュープロレリン酢酸塩", "レトロゾール", "トラスツズマブ", "タモキシフェン", "テガフール"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "Aには、服用により子宮体がんのリスクが上昇する可能性のある「タモキシフェン」、Bには投与することによりほてりやのぼせ、抑うつなどの更年期症状がみられることがある「リュープロレリン酢酸塩」が当てはまる。1:正\nリュープロレリン酢酸塩は、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gn-RH)誘導体であり、頻回投与により、下垂体ゴナドトロピン放出ホルモン受容体の脱感作を起こし、ゴナドトロピンの放出を抑制することによりエストロゲン分泌を抑制させるため、閉経前の乳がん治療に用いられる。また、本剤は、副作用として低エストロゲン症状(ほてき、のぼせなど)や、更年期障害様のうつ状態などを引き起こすことがある。2:誤\nレトロゾールは、アロマターゼ阻害薬であり、脂肪組織及び乳がん細胞のアロマターゼを阻害することによりアンドロゲンからエストロゲンの生成を抑制するため、閉経後の乳がん治療に用いられる。本患者は年齢より、閉経前乳癌であると考えられるため、本薬物はA、Bに当てはまらない。3:誤\nトラスツズマブは、細胞表面のヒト上皮細胞増殖因子受容体2型(HER2)に特異的に結合し、抗腫瘍効果を発現するため、HER2陽性型の乳がん治療に用いられる。本剤は副作用として、心障害、間質性肺炎、肝炎・肝障害等を起こすことがあるが、ほてりやのぼせ、抑うつなどの更年期症状がみられるとの報告はない。4:正\nタモキシフェンは、乳腺のエストロゲン受容体(ER)を遮断することにより、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体陽性の乳がん細胞の分化、増殖を抑制するため、乳癌の治療に用いられる。また、本剤は子宮内膜のエストロゲン受容体刺激作用を有するため、副作用として子宮体がん、子宮肉腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症を起こすことがある。5:誤\nテガフールは、5-フルオロウラシルのプロドラッグであり、チミジル酸合成酵素を阻害し、DNA合成を阻害することにより抗腫瘍効果を発揮するため、乳がん治療に用いられる。本剤は副作用として、骨髄抑制、肝障害、間質性肺炎、急性膵炎、急性腎不全等を起こすことがあるが、ほてりやのぼせ、抑うつなどの更年期症状がみられるとの報告はない。"} +{"problem_id": "102259", "problem_text": "[:A:]の薬物の作用機序として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["乳腺のエストロゲン受容体(ER)を遮断する。", "ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)を遮断する。", "アロマターゼを阻害する。", "活性酸素を発生させ、DNA鎖を切断する。", "ゴナドトロピン放出ホルモン(Gn-RH)受容体を刺激する。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "問258解説参照"} +{"problem_id": "102260", "problem_text": "38歳男性。急性リンパ性白血病と診断され、以下の化学療法が開始された。上記の化学療法に対して、支持療法が必要である。支持療法として使用する薬物として優先順位が最も低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["フィルグラスチム", "グラニセトロン", "アロプリノール", "ピタバスタチン", "メロペネム"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "本化学療法を施行することにより現れる副作用及びその予防策(支持療法)を以下に示す。・骨髄抑制による好中球減少症\n好中球分化・誘導作用を有する顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤(フィルスチグラムなど)を投与する。・抗悪性腫瘍薬投与による悪心、嘔吐\n抗悪性腫瘍薬投与による悪心・嘔吐を抑制するセロトニン5-HT_{3}受容体遮断薬(グラニセトロンなど)を投与する。・急激な腫瘍細胞の崩壊に伴う腫瘍崩壊症候群\n腫瘍崩壊症候群に伴う高尿酸血症を抑制するために、尿酸生成抑制薬(アロプリノールなど)を投与する。・白血球減少に伴う易感染状態\n体内での細菌の増殖を抑制するために、抗生物質(メロペネムなど)を投与する。なお、(処方4)により高脂血症が起こることがあるが、本化学療法に対する支持療法としては高脂血症を改善するHMG-CoA還元酵素阻害薬であるピタバスタチンを使用することは優先順位が低い。"} +{"problem_id": "102261", "problem_text": "前問の支持療法に用いる薬物の作用機序で、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["尿酸トランスポーターを阻害する。", "DNAをアルキル化し、DNA合成を阻害する。", "セロトニン5-HT_{3}受容体を遮断する。", "G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)受容体を刺激する。", "PPAR\\gamma (ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\gamma )を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n尿酸トランスポーターを阻害する薬物には、尿酸排泄促進薬であるプロベネシドやベンズブロマロンなどがある。"} +{"problem_id": "102262", "problem_text": "50歳女性。発熱、咽頭痛を主訴として受診し、入院することとなった。入院時に薬剤師が持参薬を確認したところ、下記の薬剤を服用していることが分かった。服薬コンプライアンスは良好であった。入院時検査値 体温38.7^{\\circ} C、血圧108/72 mmHg、赤血球数180\\times 10^{4}/\\micro L、白血球数2,200/\\micro L、血小板3\\times 10^{4}/\\micro L、血清クレアチニン値0.7 mg/dL、BUN 18 mg/dL、AST 25 IU/L、ALT 30 IU/L、空腹時血糖値96 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Mg 2 mEq/L、胸部X線検査では肺に異常所見なし。薬剤師は、この女性の検査結果より、服用中の薬剤の副作用を疑った。原因となった可能性の高い持参薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["リセドロン酸Na錠17.5 mg", "プレドニゾロン錠5 mg", "メトトレキサートカプセル2 mg", "酪酸菌錠(宮入菌として)20 mg", "スクラルファート細粒90%"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本患者は、発熱、咽頭痛を主訴として受診しており、また、入院時の検査値より赤血球数(基準値: 380〜500\\times 10^{4}/\\micro L)、白血球数(基準値3500〜9000/\\micro L)、血小板(基準値: 15〜40\\times 10^{4}/\\micro L)が低下していることから、骨髄抑制に伴う汎血球減少症を起こしていると考えられる。本患者が服用している薬物のうち、副作用として骨髄抑制を起こす可能性があるのは、選択肢3のメトトレキサートカプセル2 mgである。"} +{"problem_id": "102263", "problem_text": "前問の「原因となった可能性の高い持参薬」の標的分子として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["グルココルチコイド受容体", "シクロオキシゲナーゼ", "カルシニューリン", "ジヒドロ葉酸還元酵素", "ファルネシルピロリン酸合成酵素"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "メトトレキサートは、ジヒドロ葉酸還元酵素を競合的に阻害し、活性型葉酸であるテトラヒドロ葉酸(THF)の産生を抑制することにより、チミジル酸合成及びプリン合成を阻害することにより細胞増殖を抑制する。"} +{"problem_id": "102264", "problem_text": "58歳男性。手術不能の直腸がんと診断され、以下に示すレジメンに従った化学療法を施行することとなった。処方薬の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体に結合する。", "トポイソメラーゼIを阻害する。", "DNAをアルキル化する。", "チミジル酸合成酵素を阻害する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "本設問の化学療法は、FOLFIRI(フルオロウラシル+レボホリナートカルシウム+イリノテカン塩酸塩水和物の併用療法)+BV(ベバシズマブ)療法である。本化学療法に用いられる薬物について以下に示す。・フルオロウラシル\n生体内で活性代謝物であるフルオロデオキシウリジン一リン酸(FdUMP)に変換され、チミジル酸合成酵素を不可逆的に阻害し、DNA合成を阻害する。・レボホリナート\n本剤の代謝産物が、FdUMP、チミジル酸合成酵素と強固な三元複合体を形成し、チミジル酸合成酵素の解離を抑制することにより、フルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強させる。・イリノテカン塩酸塩水和物\n生体内でカルボキシルエステラーゼにより活���代謝物SN-38に変換され、トポイソメラーゼIを阻害することによりDNA合成を阻害する。・ベバシズマブ\n血管内皮細胞増殖因子(VEGF)に対するヒト化モノクローナル抗体であり、VEGFと特異的に結合し、VEGFとVEGF受容体との結合を阻害することにより、血管新生を抑制し抗腫瘍作用を示す。"} +{"problem_id": "102265", "problem_text": "薬剤師による初回面談の際に説明すべき処方薬の副作用として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["高血圧", "ざ瘡様皮疹", "下痢", "認知機能障害", "高血糖"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "選択肢のうち、本化学療法を施行するに当たり、説明すべき処方薬の副作用は「高血圧」「下痢」である。ベバシズマブは、重大な副作用として高血圧性脳症、高血圧性クリーゼを起こすことがあるため、投与期間中は血圧を定期的に測定し、適切な処置を行う必要がある。イリノテカン塩酸塩水和物は、重大な副作用として高度の下痢を起こすことがあるため、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察する必要がある。また、フルオロウラシルは重大な副作用として激しい下痢を起こすことがある。"} +{"problem_id": "102266", "problem_text": "患者の検査値を確認したところ、血中間接ビリルビン値が2.8 mg/dLと高値を示すが、直接ビリルビン値は正常範囲内であった。患者と面談したところ、以前他院にて体質性黄疸と診断されたが、特に治療は行っていないことが判明した。処方薬の副作用を予測するために、推奨すべき遺伝子診断の対象となる遺伝子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ALDH2", "CYP2C19", "CYP2D6", "NAT2", "UGT1A1"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "ビリルビンは、赤血球中のヘモグロビンが代謝されることによって生成される黄色の色素であり、直接型ビリルビンと間接型ビリルビンが存在する。本患者の検査値では、直接ビリルビンは正常範囲内であるが、間接ビリルビンが高値を示しているため、グルクロン酸抱合能に異常がある可能性がある。そのため、グルクロン酸抱合に関与する酵素であるグルクロン酸転移酵素(UGT)の遺伝子多型を調べることが推奨される。参考\n・直接型ビリルビン(抱合型ビリルビン):肝臓でグルクロン酸抱合を受けた後のビリルビン\n*直接型ビリルビンが上昇している場合\n肝臓から胆汁中への直接型ビリルビンの排泄が低下している可能性がある。・間接型ビリルビン(非抱合型ビリルビン):肝臓でグルクロン酸抱合を受ける前のビリルビン\n*間接型ビリルビンが上昇している場合\n肝臓でのグルクロン酸抱合に異常がある可能性がある。溶血性貧血等により赤血球中のヘモグロビンが過剰に分解されている可能性がある。"} +{"problem_id": "102267", "problem_text": "前問の遺伝子診断の結果、酵素活性の低下を伴う遺伝子型であることが判明した。この患者の治療上、注意すべき内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ベバシズマブの薬効減弱", "ベバシズマブの副作用発現", "イリノテカンの薬効減弱", "イリノテカンの副作用発現", "フルオロウラシルの薬効減弱", "フルオロウラシルの副作用発現"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "イリノテカンは、カルボキシルエステラーゼにより活性代謝物であるSN-38となり、その後、UGT1A1によりSN-38—グルクロン酸抱合体となり胆汁中排泄される。よって、UGT1A1の活性が低下している患者では、SN-38のグルクロン酸抱合を十分に行うことができないため、イリノテカンの副作用(骨髄抑制等)が現れる可能性がある。"} +{"problem_id": "102268", "problem_text": "40歳女性。卵巣がんを原発とした多発性骨転移による疼痛があり、以下の処方が出されている。疼痛コントロールは良好であったが、2日前から、突然に我慢できない痛みが1日2〜3回程度出現するようになった。主治医よりレスキュー薬の問い合わせがあった。医師に提案する薬剤とその1回用量の組合せとして適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "レスキュー薬(追加投与薬)とは、疼痛管理において、徐放性製剤に追加して用いられる即効性の高い薬のことである。選択肢のうち、選択肢1(オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠)、選���肢3(モルヒネ硫酸塩水和物徐放錠)、選択肢5(フェンタニルクエン酸塩経皮吸収型製剤)は即効性が期待できないため、レスキュー薬として用いることはできない。選択肢2(オキシコドン塩酸塩水和物散)及び選択肢4(フェンタニルクエン酸塩舌下錠)は即効性が期待できるため、レスキュー薬として用いられる。オキシコドン塩酸塩水和物散とフェンタニルクエン酸塩舌下錠の使用法を以下にまとめる。・オキシコドン塩酸塩水和物散\n通常、成人にはオキシコドン塩酸塩(無水物)として、1日10〜80 mgを4回に分けて経口投与する。レスキュードーズとして使用する場合、1回量は定時投与中のオキシコドン塩酸塩経口製剤の1日量の1/8〜1/4を経口投与する。・フェンタニルクエン酸塩舌下錠\n通常、成人には1回の突出痛に対して、フェンタニルとして50又は100 \\micro gを開始用量とする。用量調節期に、症状に応じて、フェンタニルとして1回50、100、200、400、600、800 \\micro gの順に一段階ずつ適宜調節し、至適用量を決定する。これらのことから、選択肢4がレスキュー薬及びその1回量として適切な組合せである。"} +{"problem_id": "102269", "problem_text": "オキシコドンの体内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠は、肝初回通過効果の回避を目的とした製剤であり、薬物は主に直腸から吸収される。", "オキシコドンは水溶性が高く、主に能動輸送により消化管から吸収される。", "母乳のpHは、一般に血漿pHと比較して酸性側にあるため、弱塩基性薬物であるオキシコドンは母乳中へ移行しやすい。", "オキシコドンは、大部分が肝代謝により消失するため、健常人に比べ肝障害のある患者では血中濃度時間曲線下面積が増大する。", "オキシコドンは、臨床用量の範囲において投与量と血中濃度の関係が非線形性を示すため、治療薬物モニタリング(TDM)を行うことが推奨される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nオキシコドン塩酸塩水和物徐放錠の主成分は主に小腸から吸収されるため、肝初回通過効果を受ける。2:誤\nオキシコドンは脂溶性が高く、主に受動拡散によって消化管から吸収される。3:正\n母乳のpH(pH約6.6)は、一般に血漿pH(pH約7.4)と比較して酸性側にあるため、弱塩基性薬物であるオキシコドンは母乳中に比べ、血液中では分子形の割合が多い。そのため、血液中のオキシコドンは母乳へ移行しやすい。4:正\nオキシコドンは、大部分が肝臓に存在するCYP3A4及びCYP2D6により代謝され、消失する。そのため、健常人に比べ肝障害のある患者ではオキシコドンの血中濃度時間曲線下面積が増大することがある。5:誤\nオキシコドンは、臨床用量の範囲において投与量と血中濃度の関係が線形性を示す。また、オキシドコンはTDM対象薬剤に該当しない。"} +{"problem_id": "102270", "problem_text": "76歳男性。1年ほど前から安静時に手足の震えや硬直が認められ、パーキンソン病と診断された。現在までレボドパ・ベンセラジド配合錠が処方され、症状は改善されている。レボドパと、その薬効増強を目的として配合されているベンセラジドに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["レボドパは、主にアミノ酸トランスポーターLAT1により脳内に移行する。", "レボドパは、主に単純拡散により脳内に移行する。", "ベンセラジドは、主にモノアミン輸送系により脳内に移行する。", "ベンセラジドは、脳におけるレボドパからドパミンへの代謝を阻害する。", "ベンセラジドは、末梢組織におけるレボドパからドパミンへの代謝を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "パーキンソン病の治療に用いられるレボドパ・ベンセラジド配合錠の有効成分について以下に示す。・レボドパアミノ酸トランスポーターLAT1(中性アミノ酸をNa^{+}非依存的に輸送するアミノ酸輸送系)により脳内に移行し、ドパミンに変換されて薬理作用を示す。・ベンセラジド\n芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素(ドパデカルボキシラーゼ)を阻害し、末梢組織におけるレボドパからドパミンへの代謝を阻害することによりレボドパの脳内移行性を高める。"} +{"problem_id": "102271", "problem_text": "3日前より尿が出にくいという症状が現���たため、泌尿器科を受診し、神経因性膀胱による排尿困難と診断された。本患者に適切でない薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ウラピジル", "タムスロシン塩酸塩", "ナフトピジル", "プラゾシン塩酸塩", "ベタネコール塩化物"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本患者に適切でない薬剤は、ベタネコール塩化物である。ベタネコール塩化物は、アセチルコリンM_{3}受容体を刺激し、膀胱の排尿筋を収縮させ、膀胱内圧を高めると同時に、膀胱頸部を緩解することにより排尿効果を促進することから、排尿困難の治療に用いられる。ただ、パーキソンニズムのある患者に投与すると、パーキソンニズムの症状を悪化させるおそれがあるため、本患者のようなパーキンソン病の患者には投与禁忌とされている。"} +{"problem_id": "102272", "problem_text": "30歳女性。排尿痛、頻尿の症状があり、近医を受診した。急性単純性膀胱炎と診断され、以下の処方箋を薬局に持参した。薬歴を確認すると、同一の医師より消化性潰瘍治療のためスクラルファート細粒90%の処方があり、毎食後に服用中であった。医師への疑義照会時に提案する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["シプロフロキサシンをノルフロキサシンに変更する。", "シプロフロキサシンをセフジニルに変更する。", "シプロフロキサシンを服用後、2時間以上あけてスクラルファートを服用するように用法を変更する。", "シプロフロキサシンを増量する。", "スクラルファートをアルギン酸ナトリウムに変更する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "問272:解説参照"} +{"problem_id": "102273", "problem_text": "前問での提案の理由となるシプロフロキサシンとスルラルファートの相互作用の機序として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["胃内pHの変化に伴う溶解性の低下", "消化管内における難溶性キレートの形成", "消化管吸収に関わるトランスポーターの阻害", "血漿タンパク結合の阻害", "腎尿細管における再吸収の阻害"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "問272:解説参照"} +{"problem_id": "102274", "problem_text": "73歳男性。体重60 kg。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)肺炎の治療目的でアルベカシン硫酸塩の投与が開始された。投与開始から3日目に血中アルベカシン濃度の測定依頼があり、測定の結果、トラフ値は3.5 \\micro g/mL、ピーク値(点滴終了30分後採血)は15 \\micro g/mLであった。検査値(3日目): 白血球数9,500/\\micro L、CRP4.8 mg/dL、血清クレアチニン2.84 mg/dL 今後のアルベカシン硫酸塩の処方設計に関する医師への提案として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["現在の投与計画を継続する。", "点滴速度を速くする。", "投与間隔を変えず、1回投与量を増やす。", "1回投与量を変えず、投与間隔を延ばす。", "1回投与量を変えず、投与間隔を短縮する。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "アルベカシンの有効血中濃度は、ピーク値: 15〜20 \\micro g/mL、トラフ値: 2 \\micro g/mL以下とされている。本症例においては、トラフ値が有効血中濃度よりも高いことから、トラフ値を低く保つために投与量を変更する必要がある。よって、1回投与量を変えず、投与間隔を延ばすように提案することが適切である。なお、本患者は腎機能が低下している(血清クレアチニンが高い)ことから、腎消失型薬物であるアルベカシンの排泄が低下し、血中濃度が上昇していると思われる。"} +{"problem_id": "102275", "problem_text": "この患者におけるアルベカシンの分布容積と消失半減期に最も近い値の組合せはどれか。1つ選べ。ただし、アルベカシンの体内動態は線形1-コンパートメントモデルに従い、3回目投与時点で定常状態にあり、点滴開始後1時間までの消失は無視できるものとする。また、アルベカシン硫酸塩150 mgは、アルベカシン105 mgに相当するものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "<アルベカシンの分布容積を求める>\n本設問には、点滴開始1時間までの消失を無視することとすると記載されていることから、1回点滴することにより上昇する血中濃度の値は、ピーク値とトラフ値の差より求めることができる。本設問では、アルベカシンの血中濃度測定の結果、ピーク値が15 \\micro g/mL、トラフ値が3.5 \\micro g/mLであることから、アルベカシンを1回点滴することにより上昇する血中濃度の値を以下のように求めることができる。アルベカシンを1回点滴することにより上昇する血中濃度の値=15 \\micro g/mL-3.5 \\micro g/mL=11.5 \\micro g/mL\nまた、1回点滴することにより上昇する血中濃度の値は1回投与量/分布容積より求めることができるため、分布容積を以下の式より求めることができる。上昇する血中濃度の値=1回投与量/分布容積\n分布容積=1回投与量/上昇する血中濃度\n本設問では、アルベカシン硫酸塩注射液を1回点滴するごとに105 mgのアルベカシンが投与されていることから、アルベカシンの分布容積を以下のように求めることができる。アルベカシンの分布容積=105 mg/11.5 \\micro g/mL=105 mg/11.5 mg/L=9.13 L\\fallingdotseq 10 L\n<アルベカシンの半減期を求める>\nピーク値が15 \\micro g/mL、トラフ値が3.5 \\micro g/mL、投与間隔24時間であることから、24時間の間に血中濃度が約4分の1に低下していることがわかる。線形1-コンパートメントモデルに従う薬物の消失は1次反応により消失するため、血中濃度が4分の1に低下する時間は半減期\\times 2に該当する。このことから、アルベカシンの半減期を以下のように求めることができる。アルベカシンの半減期\\times 2=24時間\nアルベカシンの半減期=12時間"} +{"problem_id": "102276", "problem_text": "7歳女児。アトピー性皮膚炎と診断され、母親とともに処方箋を薬局に持参した。本処方箋の発行前に、医師より処方1と処方2の混合について問い合わせがあった。混合が推奨されない理由として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ベタメタゾン吉草酸エステルの分解が促進される。", "白色ワセリンと混ぜ合わせると、クリーム剤の分離や粘性の増加が生じる。", "基剤同士が反応し、褐色に変化する。", "白色ワセリンの添加により、クリーム剤中の水相へのベタメタゾン吉草酸エステルの分解量が増加する。", "白色ワセリンの添加により、吸湿性が増大する。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "ベタメタゾン吉草酸エステルクリームの基剤である乳剤性基剤に白色ワセリンなどの油脂性基剤を混合すると、乳剤性基剤の油相と水相の比率が変動し、クリーム剤の分離や粘性の増加を生じることがある。そのため、処方1と処方2の混合は推奨されない。"} +{"problem_id": "102277", "problem_text": "薬剤師が患者の家族に説明する内容として適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1は、ステロイドの作用の強さの5段階分類の中で最も弱い薬です。", "夕方(夜)は、入浴後に塗るようにしてください。", "白色ワセリンには皮膚保護作用があります。", "お薬のほかに、室内環境の整備や皮膚を清潔に保つことも重要です。", "タクロリムス軟膏は、顔には使用しないでください。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:適切でない\nステロイドの作用の強さは5段階(I:\n最強[strongest]、II:\n非常に強い[stronger]、III:\n強い[strong]、IV:\n普通[medium]、V:\n弱い[weak])に分類されている。処方1は、ステロイドの作用の強さの5段階分類の中で3段階目(III:\n強い[strong])に分類される。"} +{"problem_id": "102278", "problem_text": "33歳女性。鼻づまりの症状が続いたため、耳鼻科を受診したところ、花粉症と診断され、以下の処方箋を薬局に持参した。患者に説明する内容として適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1による鼻づまりの解消効果はすぐに現れます。", "処方2の服用中は、眠気を催すことがあるので注意してください。", "処方3は、花粉飛散期は使用を継続してください。", "処方4は、鼻の血管を拡げて症状をやわらげます。", "来年からは花粉の飛散前に受診するようにしてください。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:適切でない\nプランルカストはロイコトリエン受容体拮抗薬であり、効果発現には時間を要する(通常、効果発現には1〜2週間かかる)。2:適切であるエバスチンはヒスタミンH_{1}受容体拮抗薬であり、眠気を催すことがあるため、服用中は車の運転等を避けるように注意する必要がある。3:適切である\nフルチカゾンプロピオン酸エステルは副腎皮質ステロイド性薬であり、花粉症による鼻閉、鼻水鼻づまり等を改善する効果を有しており、花粉飛散期に使用���中止すると花粉症の症状が悪化する可能性があるため、花粉飛散期は使用を継続する必要がある。4:適切でないトラマゾリン塩酸塩はアドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激薬であり、鼻粘膜の血管を収縮させて花粉症による症状をやわらげる。5:適切である\n花粉の飛散前から予防的な薬物治療を開始することで、花粉症の発症を遅らせ、花粉飛散期の症状を緩和させることができる。"} +{"problem_id": "102279", "problem_text": "処方3の薬剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。なお、本剤には、結晶セルロース、カルメロールナトリウム、ポリソルベート80、フェニルエチルアルコールなどが添加されている。", "choices": ["本剤は、無菌試験法に適合する。", "本剤は、定量噴霧式の点鼻液であり、1噴霧当たりの有効成分含量は約0.9 \\micro gである。", "フルチカゾンプロピオン酸エステルは、投与部位で活性を示した後、その部位で速やかに代謝・不活化されるアンテドラッグである。", "本剤は、難水溶性のフルチカゾンプロピオン酸エステルが分散した水性懸濁液である。", "ポリソルベート80は、微生物の発育を阻止する目的で添加されている。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n本剤は点鼻液剤であり、無菌製剤ではないため、無菌試験法に適合しない。2:誤\n本剤は、定量噴霧式の点鼻液であり、製剤名の最後に「50\n\\micro\ng」と記載されていることから、1噴霧当たりの有効成分含量は約50\n\\micro\ngである。3:正\nフルチカゾンプロピオン酸エステルは、アンテドラッグである。アンテドラッグとは、投与部位では活性を示すが、体内に移行すると速やかに代謝・不活性化を受ける薬物のことである。アンテドラッグでは通常の薬物に比べ、全身性の副作用を発現しにくい。4:正\n本剤は、難水溶性のフルチカゾンプロピオン酸エステルを懸濁分散化させた水性懸濁液である。5:誤\nホリソルベート80は、主薬を乳化、可溶化させる目的で添加されている。"} +{"problem_id": "102280", "problem_text": "68歳男性。慢性閉塞性動脈硬化症における安静時疼痛に対し、アルプロスタジル注射液10 \\micro g(リピッドマイクロスフェア製剤)を輸液と混合し、持続投与することになった。病棟の看護師から、本剤の使用上の注意事項について薬剤師に問い合わせがあった。本剤の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["リン脂質の二重膜構造からなる閉鎖小胞で、脂溶性のアルプロスタジルはリン脂質二重膜の疎水部に封入されている。", "植物性油をレシチンで乳化したo/w型エマルションであり、脂溶性のアルプロスタジルは油滴内に封入されている。", "血中滞留性の向上を目的として、粒子表面がポリエチレングリコールで修飾されている。", "能動的に炎症部位へ薬物を送達するために、粒子表面が炎症細胞を認識する抗体で修飾されている。", "受動的ターゲティングにより、炎症部位へ薬物が送達される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n本剤は、リピッドマイクロスフェア製剤であり、リポソーム(リン脂質の二重膜構造からなる閉鎖小胞)製剤ではない。2:正\n本剤は、植物性油をレシチンで乳化したo/w型エマルションの油滴内に脂溶性のアルプロスタジルを封入した製剤である。3:誤\n本剤は、リピッドマイクロスフェア製剤であり、ポリエチレングリコール製剤ではない。4:誤\n能動的ターゲティングに関する記述である。本剤は、能動的ターゲティングを利用した製剤ではなく、受動的ターゲティングを利用した製剤である。5:正\n本剤は、リピッドマイクロスフェア製剤であり、受動的ターゲティングにより動脈硬化病変部位や炎症部位へ選択的に薬物が送達されるように設計されている。参考\n受動的ターゲティングとは、生体の血管透過性などの生理学的、解剖学的特性、あるいは正常組織と病態組織の違いを利用して、相対的に標的部位での薬物濃度を高める手法のことである。"} +{"problem_id": "102281", "problem_text": "本剤を使用するにあたり、薬剤師が看護師に行うべき情報提供として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["すぐに使用しない場合は、凍結させて保存する。", "ライン内での凝集を防ぐため、必ず単独ラインで投与する。", "凝���を防ぐため、電解質を含む輸液で希釈しない。", "輸液フィルターを使用して投与する。", "ポリ塩化ビニル製の輸液セットの使用を避けることが望ましい。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n本剤をすぐに使用しない場合には、凍結を避け5^{\\circ}\nC以下で保存する。2:正\n本剤は脂肪乳剤であり、他剤と混合すると脂肪粒子が凝集することが認められている。そのため、原則として末梢静脈から単独ラインで投与することとされている。3:誤\n本剤を希釈する際に電解質を含む輸液を用いても、凝集する等の問題を起こすことはない。そのため、本剤を希釈する際に、電解質を含む輸液を用いてもよい。4:誤\n本剤を投与する際に輸液フィルターを使用すると、エマルションが破壊されることがある。そのため、本剤投与時には輸液フィルターを用いない。5:正\n本剤を投与する際にポリ塩化ビニル製の輸液セットを使用すると、本剤に含まれる大豆油やレシチンによって可塑剤であるフタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)が製剤中に溶出することがある。そのため、本剤を投与する際には、ポリ塩化ビニル製の輸液セットの使用を避けることが望ましい。"} +{"problem_id": "102282", "problem_text": "病棟で、患者からある訴えがあり、医師が以下の処方を追加した。本剤が追加されるに至った患者の訴えとして考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["穿刺痛", "褥瘡の痛み", "動悸", "腰痛", "術後痛"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "リドカインテープ18 mgは、静脈留置針穿刺時の疼痛緩和、伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和に用いられる。よって、本剤が追加されるに至った患者の訴えは「穿刺痛」であると考えられる。"} +{"problem_id": "102283", "problem_text": "本剤に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["支持体に展延された薬物を含む膏体が、ライナーで被覆されている。", "多くの水を保持した基剤を用いた貼付剤である。", "皮膚に適用する製剤の放出試験法に適合する。", "粘着力試験法により、皮膚への粘着性が評価されている。", "全身作用を期待した製剤である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:正しい\n本剤は、わずかに白色半透明の膏体を支持体に展延し、膏体表面をライナーで被覆した貼付剤である。2:誤っている\nテープ剤は、ほとんど水を含まない基剤を用いる貼付剤である。なお、多くの水を保持した基剤を用いた貼付剤はパップ剤である。3:正しい\n本剤は、皮膚に適用する製剤の放出試験法及び粘着力試験法に適合する。・皮膚に適用する製剤の放出試験法\n皮膚に適用する製剤からの医薬品の放出性を測定する方法を示し、放出試験規格に適合しているかどうかを判定するために使われるものである。・粘着力試験法\n貼付剤の粘着力を測定する方法。4:正しい\n解説3参照\n5:誤っている\n本剤は、静脈留置針穿刺部位や伝染性軟属腫摘除部位などの局所部位における疼痛を緩和するために用いられる製剤であることから、局所作用を期待した製剤である。"} +{"problem_id": "102284", "problem_text": "65歳男性。2型糖尿病。インスリン導入目的で入院となった。入院後は、看護師が1日3回インスリンを注射し、血糖コントロールは良好となった。退院に向け、以下のインスリンカードリッジ製剤が処方され、自己注射の指導に薬剤師が加わることとなった。薬剤師が患者に伝えるべき内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["上腕部、大腿部、腹部、臀部等に皮下注射する。", "使用開始後は、冷蔵庫に保管する。", "食事を摂らなかった場合は注射しない。", "この製剤は、入院中に使用していたインスリンよりも夜間に低血糖となるリスクが低い。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n上腕部、大腿部、腹部、臀部等に皮下注射する。本剤は投与部位により吸収速度が異なるため、投与部位を決定し、注射場所にしこりができないように前回の注射場所から2〜3 cmあけて使用する必要がある。2:誤\n使用前は冷所(2〜8^{\\circ} C)で保存し、使用後は室温で保存する必要がある。3:誤\n本剤は持効型インスリン製剤であり、インスリンの基礎分泌(食事に関係ない持続的なインスリン分泌)を補うための製剤であるため食事の摂取の有���に関係なく注射する必要がある。4:正\n入院中に使用していたインスリン製剤は、1日3回注射していることから超速効型インスリン製剤又は速効型インスリン製剤であると推察される。本剤は持効型インスリン製剤であり、超速効型インスリン製剤や速効型インスリン製剤に比べ、急激なインスリン上昇を起こさないため、本剤は、入院中に使用していたインスリンよりも夜間に低血糖となるリスクが低い。"} +{"problem_id": "102285", "problem_text": "今回処方されたインスリンカードリッジ製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、本製剤中には、酢酸亜鉛、フェノール、濃グリセリン、塩酸、水酸化ナトリウムなどが添加されている。", "choices": ["酢酸亜鉛は、インスリンの安定性を向上させる目的で添加されている。", "フェノールは、pHを調節するために添加されている。", "質量偏差試験により有効成分の均一性が保証されている。", "カードリッジ製剤は、薬液調製時若しくは投与時の細菌汚染や異物混入の防止を目的としている。", "本製剤中のインスリンは安定性が高いため、承認申請時の長期保存試験が免除されている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n酢酸亜鉛は、インスリンの安定性を向上させる目的で添加されている。2:誤\nフェノールは、インスリンの防腐目的で添加されている。なお、本剤にはpH調節の目的で塩酸、水酸化ナトリウムが添加されている。3:誤\n本剤には、質量偏差試験は適用されない。質量偏差試験が適用される製剤には、錠剤、カプセル剤、坐剤、用時溶解または用時懸濁する注射剤などに適用される。4:正\nカードリッジ製剤などのキッド製剤は、薬液調製時もしくは投薬時の細菌汚染や異物混入を防止する目的で開発された製剤である。5:誤\n本剤は先発医薬品であることから、承認申請時に長期保存試験を実施しなければならない。"} +{"problem_id": "102286", "problem_text": "65歳男性。人間ドックで血中prostate specific antigen(PSA)値の高値(30.3 ng/mL)を認めた。一般にPSAの上昇を認める泌尿器系疾患はどれか。2つ選べ。", "choices": ["セミノーマ", "腎細胞がん", "前立腺肥大症", "前立腺がん", "膀胱がん"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "PSA(prostate specific antigen: 前立腺特異抗原)は、前立腺の上皮細胞から分泌されるタンパク質であり、精液を液状化する働きを有する。前立腺における疾患(前立腺がん、前立腺肥大症、前立腺炎など)では、PSA値が上昇することがあるため、PSAは前立腺における疾患(前立腺がん、前立腺肥大症、前立腺炎など)の診断に用いられている。"} +{"problem_id": "102287", "problem_text": "その後、生検の結果、腫瘤が悪性と診断されたため内分泌療法が施行され、PSA値は正常上限値以下を推移していた。しかし、6年後の受診で再度PSA値が高値となった。このため抗アンドロゲン薬を試みたが、改善が見られず、内分泌療法抵抗性が確認された。そこで、新たな薬物療法を開始することになった。本患者に適用することになった薬物はどれか。2つ選べ。", "choices": ["シロドシン", "ドセタキセル", "コハク酸ソリフェナシン", "プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム", "クロルマジノン酢酸エステル"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "問題文に「生検の結果、腫瘤が悪性と診断されたため」と記載されていることから、PSAが上昇している原因が前立腺肥大症でないと考えられ、また、「抗アンドロゲン薬を試みたが、改善が見られず、内分泌療法抵抗性が確認された。」と記載されていることから、本患者は内分泌療法抵抗性の前立腺がん(去勢抵抗性の前立腺がん)に罹患していると考えられる。内分泌療法抵抗性の前立腺がん(去勢抵抗性の前立腺がん)では、ホルモン療法を行わず、ドセタキセルとプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムの併用療法やアビラテロンによる薬物療法が行われる。"} +{"problem_id": "102288", "problem_text": "38歳女性。肺結核と腰痛に対して以下の薬剤を服用していた。今回、同じ薬剤が処方されたが、最近、「新聞が読みにくくなった」などの視力障害を訴えた。この視力障害との関連性が疑われる薬物はどれか。2つ選べ。", "choices": ["リファンピシン", "イソニアジド", "ピラジナミド", "エタンブトール塩酸塩", "ロキソプロフェンNa"], "text_only": false, "answer": ["解なし(設問が不明確で正解が得られないため。)"], "comment": "1:正\nリファンピシンとエタンブトール塩酸塩を併用すると、機序は不明であるがエタンブトール塩酸塩の視力障害が増悪するおそれがある。2:正\nイソニアジドは重大な副作用として、視神経炎、視神経萎縮を起こすことがあり、それにより視力障害を来すことがある。3:誤\nピラジナミドを服用することにより視力障害が現れるとの報告はない。4:正\nエタンブトール塩酸塩は重大な副作用として、視力障害を起こすことがある。エタンブトールによる視力障害は発見が遅れ高度に進行すると非可逆的になることがあるため、視力検査等を定期的に行い、異常が認められた場合には投与を中止することとされている。5:誤\nロキソプロフェンNaを服用することにより視力障害が現れるとの報告はない。"} +{"problem_id": "102289", "problem_text": "本症例の病態と薬物治療に関する説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["結核菌は接触感染によって伝搬する。", "血痰の有無により、他の呼吸器感染症と鑑別できる。", "飲み忘れなど不規則な抗結核薬の服用は、結核菌が薬剤耐性を獲得する原因となる。", "視力障害の原因薬は、いったん中止し、視力が回復したら再開する。", "唾液や涙液が橙赤色になることがある。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n結核菌は飛沫感染、飛沫核感染により伝搬する。"} +{"problem_id": "102290", "problem_text": "62歳男性。1ヶ月ほど前から息切れ、呼吸困難などの心不全症状が出現し、アルコール性心筋症との診断を受け、以下の処方により加療中である。薬剤師が現在の症状を確認すると、「最近は呼吸が苦しくなることが多く、家の中で座っていれば問題ないが、少し散歩するだけでも息切れがする」との訴えがあった。既往歴: 高血圧 飲酒歴 心不全症状が出現するまで20年間の大量の飲酒歴があり、禁酒を指導されたが、現在も機会飲酒。検査値データ 左室駆出率23%、下肢浮腫(+) Na 140 mEq/L、K 3.6 mEq/L、Cl 105 mEq/L、SCr1.0 mg/dL、血圧123 /72 mmHg、心拍数62 bpm(洞調律) この患者の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["適切な治療を施しても生存率が低く予後不良である。", "NYHA機能分類III度(中等度〜重度)の心不全症状を呈している。", "肥大型心筋症の病態を呈している。", "カリウムの摂取制限が推奨される。", "治療の基本に断酒がある。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nアルコール性心筋症は、適切な治療を施せば生存率が高く、比較的予後は良好である。2:正\nNYHA(New York Heart Association)機能分類は、自覚症状による心不全の重症度の分類である。問題文に「最近は呼吸が苦しくなることが多く、家の中で座っていれば問題ないが、少し散歩するだけでも息切れがする」と訴えがあったと記載されていることから、本患者は、NYHA機能分類III度(中等度〜重度)の心不全症状を呈していると考えられる。3:誤\nアルコール性心筋症では、拡張型心筋症の病態を呈する。4:誤\nカリウム値は基準値(3.5〜4.9 mEq/L)内にあるため、カリウムの摂取制限を行う必要はない。5:正\nアルコール性心筋症の治療の基本は、断酒である。断酒を行うことにより心不全症状が改善傾向を示すとされている。"} +{"problem_id": "102291", "problem_text": "薬剤師は、現在の病態から、患者の薬物療法に関するアセスメントを行い、今後のプランを考えた。追加を推奨する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アロプリノール", "エポエチンアルファ", "アテノロール", "カンデサルタンシレキセチル", "ジゴキシン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本患者は、NYHA機能分類III度(中等度〜重度)の心不全症状を呈していることから、現在使用している薬に加え、ジゴキシンを追加投与することが推奨される。(注:\nARBについては、ACE阻害薬で忍容性のない患者に使用されるため、ACEとARBは併用されることはない。)"} +{"problem_id": "102292", "problem_text": "49歳男性。C型慢性肝炎の既往あり。昨年より肝硬変に起因する腹水が出現し、ループ利尿薬とアルブミン製剤が投与されて��た。昨日、肝性脳症と診断され入院となり、分岐鎖アミノ酸製剤の点滴静注、ラクツロース及びカナマイシン一硫酸塩の経口投与を開始した。本患者において、以下の所見が認められた。肝性脳症に最も関連が深いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["食道静脈瘤", "浮腫", "黄疸", "高アンモニア血症", "羽ばたき振戦"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n肝硬変になると肝臓内の血管が狭窄し、肝臓に十分量の血液が移行することができなくなり、門脈及び食道静脈に血液が滞留する。それにより門脈圧の亢進や食道静脈瘤が発生する。2:誤\n肝硬変になると肝臓でのアルブミン合成能が低下し、血漿膠質浸透圧が低下することにより血液中の水分が細胞へ移行し、浮腫や腹水が発生する。3:誤\n肝硬変になると肝臓からのビリルビンの排泄が低下し、黄疸が発生する。4:正\n肝性脳症とは、肝機能の低下に伴う高アンモニア血症、フィッシャー比の低下により起こる脳症のことであり、その症状として意識障害、異常行動、羽ばたき振戦が認められることがある。5:正\n解説4参照"} +{"problem_id": "102293", "problem_text": "本症例に用いる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アルブミン製剤は血漿膠質浸透圧を低下させる。", "ループ利尿薬は血中Na^{+}を上昇させる。", "分岐鎖アミノ酸製剤はフィッシャー比を低下させる。", "ラクツロースは消化管内のpHを低下させる。", "カナマイシン一硫酸塩は消化管内のアンモニアの発生を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nアルブミン製剤は血液中のアルブミン濃度を上昇させるため、血漿膠質浸透圧を増加させる。"} +{"problem_id": "102294", "problem_text": "29歳女性。1型糖尿病のため、インスリンを自己注射により使用していた。発熱を契機に3日前から全身倦怠感、下痢、嘔吐が始まり、これらの症状に加えて意識障害が出現したため、家族に伴われて救急外来を受診した。身体所見 身長160 cm、体重60 kg 検査データ 血糖値418 mg/dL、血圧110/60 mmHg、尿糖(+++)、尿中ケトン体(++) Na 129 mEq/L、Cl 92 mEq/L、pH 7.1、HCO_{3}^{-} 8.9 mEq/L 本患者及び本症例に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Body mass index(BMI)が25以上の肥満である。", "Glutamic acid decarboxylase(GAD)抗体は陽性である可能性が高い。", "意識障害の原因は、乳酸アシドーシスである可能性が高い。", "糖利用の低下により脂肪分解が亢進した状態にあると考えられる。", "重症化した場合は、グリニド系薬剤の併用が推奨される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n本患者のBMI(計算式: 体重(kg)/[身長(m)]^{2})を以下のように計算することができる。60/(1.6)^{2}=23.4\n本患者はBMIが約23であることから肥満ではない。2:正\nインスリンを分泌する臓器である膵臓には、Glutamic acid decarboxylase(グルタミン酸脱炭酸酵素: GAD)が存在している。通常、GADは体内に存在する酵素であるためそれに対する抗体は産生されないが、1型糖尿病患者ではGADに対する抗体が高頻度で産生されることがある。本患者は1型糖尿病であるためGAD抗体が陽性である可能性が高い。3:誤\n検査データ(血糖値及び尿中ケトン体: 高い、血漿pH: 低い)より、本患者は糖尿病性ケトアシドーシスによる意識障害を呈している可能性が高い。4:正\nインスリンが欠乏すると、筋肉や脂肪組織に糖を取り込むことができないため、糖利用の低下による脂肪分解の亢進が認められる。5:誤\nグリニド系薬剤(ナテグリニドなど)は、膵細胞に作用することによりインスリン分泌を促進するため、2型糖尿病患者における食後血糖推移の改善に用いられるが、本患者のような1型糖尿病患者の治療には用いられない。なお、グリニド系薬剤は、重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病患者に投与禁忌とされている。"} +{"problem_id": "102295", "problem_text": "本患者に対する処置として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プレドニゾロンの点滴静注", "ブドウ糖の静脈内注射", "生理食塩液の点滴静注", "インスリンの点滴静注", "アドレナリンの筋肉注射"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "本患者は糖尿病性ケトアシドーシスに罹患している可能性が高い。��尿病性ケトアシドーシスは、主に1型糖尿病患者に起こる糖尿病の急性合併症の1つであり、インスリン不足及びインスリン作用の低下により発症することがあり、その症状として、喉が乾く、多飲、全身倦怠感、体重の急激な減少、脱水状態を呈することがある。糖尿病性ケトアシドーシス治療では、インスリン不足やインスリン作用の低下を改善する目的で、インスリンの点滴静注を行う。また、脱水症状を改善する目的で、生理食塩液の点滴静注を行う。"} +{"problem_id": "102296", "problem_text": "45歳女性。10年前より双極性障害で加療中。処方1の維持療法で病状は安定していたが、ここ1ヶ月で症状が悪化したため、本日新たに処方2が追加された。今回追加処方された薬剤の重大な副作用の初期症状の組合せとして、患者に伝えるべきことはどれか。1つ選べ。", "choices": ["皮膚の広い範囲が赤くなる。38^{\\circ} C以上の熱がでる、眼が充血する。唇や口の中がただれる、のどが痛む、体がだるい。", "急に強い空腹感をおぼえる、冷や汗がでる、手足がふるえる、力が抜けた感じがする。", "息切れがする、息苦しくなる、空咳がでる、発熱する。", "筋肉が痛んだりこわばったりする、手足がしびれる、手足に力が入らない、尿の色が赤褐色になる。", "眼の痛みを生じる。眼がかすむ、頭痛がする、吐き気がする。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "今回追加されたラモトリギンは重大な副作用として、中毒性表皮壊死融解症及び皮膚粘膜眼症候群を起こすことがある。そのため、十分な観察を行い、発熱、眼充血、顔面の腫脹、口唇・口腔粘膜や陰部のびらん、皮膚や粘膜の水疱、紅斑、咽頭痛、そう痒、全身倦怠感等の異常を認めた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこととされている。1:正\n2:誤\n低血糖の初期症状に関する記述である。ラモトリギンでは重大な副作用として、低血糖が現れるとの報告はない。3:誤\n急性肺障害および間質性肺炎の初期症状に関する記述である。ラモトリギンでは重大な副作用として、急性肺障害および間質性肺炎が現れるとの報告はない。4:誤\n横紋筋融解症の初期症状に関する記述である。ラモトリギンでは重大な副作用として、横紋筋融解症が現れるとの報告はない。5:誤\n眼圧上昇の初期症状に関する記述である。ラモトリギンでは重大な副作用として、眼圧上昇が現れるとの報告はない。"} +{"problem_id": "102297", "problem_text": "この患者の薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ラモトリギンは、気分エピソードの中でも、特にうつ状態に対する効果が強い。", "ラモトリギンが追加されたので、定期的なラモトリギンの血中濃度測定を行う必要がある。", "炭酸リチウムの1日投与量が400 mgなので、定期的な血中濃度測定を行う必要はない。", "炭酸リチウムの中毒が疑われる際の治療には、ループ利尿薬が適している。", "ラモトリギンが使用できない場合は、オランザピンを推奨する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nラモトリギンは、双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制に用いられる。双極性障害における気分エピソードは、うつ症状や躁症状が現れている状態のことであり、特にラモトリギンは、うつ症状が現れている状態に対する効果が強いとされている。"} +{"problem_id": "102298", "problem_text": "56歳男性。一般用医薬品を購入するため薬局を訪れた。現在使用している処方薬について薬剤師が確認したところ、持参したお薬手帳から、以下の点眼薬を使用していることが判明した。また、お薬手帳には、点眼薬による治療開始前に測定された眼圧が記載されていた。(眼圧)右28 mmHg、左27 mmHg この患者の病態とその治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この患者は正常眼圧緑内障である。", "眼圧コントロールが不良となり視神経が高度に障害されると、その機能は薬物治療によっては回復しない。", "ラタノプロストは、毛様体における房水の産生を抑制し眼圧を低下させる。", "ラタノプロストの副作用に虹彩色素沈着がある。", "カルテオロール塩酸塩は、ぶどう膜強膜流出経路からの房水の流出を促進し眼圧を低下させる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n眼圧の基準値は10〜20 mmHgであることから、本患者は眼圧が高い状態(右28 mmHg、左27 mmHg)にあることがわかる。また、ラタノプロスト点眼液(ブドウ膜強膜より眼房水の流出を促進させることにより眼圧を低下させる)やカルテオロール塩酸塩点眼液(\\beta 受容体を遮断することによりcAMPが増加し、眼房水の産生が抑制される)が処方されていることから、本患者は緑内障に罹患していると考えられる。2:正\n視神経が一度障害されると、薬物療法によってその機能を回復させることはできない。3:誤\n解説1参照\n4:正\nラタノプロストは副作用として、虹彩色素沈着、眼瞼色素沈着、結膜充血などを起こすことがある。5:誤\n解説1参照"} +{"problem_id": "102299", "problem_text": "この患者に一般用医薬品を推奨する場合、避けるべき成分はどれか。2つ選べ。", "choices": ["チキジウム臭化物", "ジヒドロコデインリン酸塩", "クロルフェニラミンマレイン酸塩", "デキストロメトルファン臭化水素酸塩", "無水カフェイン"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "本患者は、緑内障に罹患していることから抗コリン作用を有する薬物を推奨すべきではない。抗コリン作用を有する薬物は、眼房水の流出を抑制するため眼圧を上昇させる。選択肢のうち、抗コリン作用を有する薬物は、チキジウム臭化物及びクロルフェニラミンマレイン酸塩である。"} +{"problem_id": "102300", "problem_text": "62歳女性。3年前に悪性リンパ腫と診断され、R-CHOP療法が施行された。R-CHOP療法施行直前の検査で肝機能検査値に異常はなかった。R-CHOP療法4コースを終了後、定期的に通院していたが、あるときALT 742 U/L、AST 1,354 U/Lと上昇したため入院した。エンテカビルの投与によりALT及びASTは低下した。本人に確認したところ、10年前の献血時にHBc抗体陽性を指摘されたことが判明した。本症例に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["本症例の悪性リンパ腫は、Hodgkinリンパ腫である。", "ALT及びASTの上昇は悪性リンパ腫の再発に起因する可能性が高い。", "R-CHOP療法により、肝組織が直接障害され、ALT及びASTが上昇した。", "R-CHOP療法開始後にHBVに再感染した可能性が高い。", "R-CHOP療法によりHBVが再活性化した可能性が高い。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nB細胞性非ホジキンリンパ腫の治療に、R-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩、プレドニゾロンの併用療法)が適用される。このことから、本症例の悪性リンパ腫は、非Hodgkinリンパ腫である。2:誤\nR-CHOP療法施行前(悪性リンパ腫治療前)において、本患者の肝機能は正常であることから悪性リンパ腫の再発によりALT及びASTが上昇した可能性は低い。本患者は10年前の献血時にHBc抗体陽性を指摘されていることから、B型肝炎ウイルスキャリアであると考えられ、また、エンテカビル投与によりALT及びASTが低下していることから、R-CHOP療法により免疫力が低下し、HBVが再活性化することによりALT及びASTが上昇した可能性が高い。3:誤\n解説2参照\n4:誤\n解説2参照\n5:正\n解説2参照"} +{"problem_id": "102301", "problem_text": "HBVが原因のB型肝炎に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["HBワクチンは感染予防には有効ではない。", "性行為による感染はない。", "IgM型HBc抗体は肝炎の後期に現れる。", "初感染で自然治癒するのは半数以下である。", "HBs抗体は肝炎の病態が終息した後に上昇する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nHBワクチンを接種することによりHBV感染を予防することが可能である。"} +{"problem_id": "102302", "problem_text": "病棟の看護師より、「点滴中の患者に対し側管からブロムヘキシン塩酸塩注射剤を投与後、同一の側管より続けてフロセミド注射剤を投与してもよいか。」との問い合わせがあった。薬剤師は看護師に回答するため、両薬剤のpH変動スケールに関する情報を収集し、以下の情報を得た。両薬剤のpH変動スケール及び配合変化に関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aはブロムヘキシン塩酸塩、Bはフロセミドである。", "AとBを比較すると、緩衝性の強いのはBである。", "両薬剤が輸液ライン内で混合された場合、混合液のpHは4.7以上6.3以下となる。", "フロセミド注射剤を先に投与し、続けてブロムヘキシン塩酸塩注射剤を投与すれば白濁は生じない。", "両薬剤が輸液ライン内で混合されて白濁を生じる可能性が高いので、それぞれ投与前後に生理食塩液等を流す。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "pH変動スケールの表している内容を以下に示す。・変化点pH\n注射液に0.1 mol/L塩酸又は0.1 mol/L水酸化ナトリウムを添加して外観変化が現れた時点のpH\n・最終pH\n注射液に0.1 mol/L塩酸又は0.1 mol/L水酸化ナトリウム10 mLを添加しても外観変化が認められない場合のその時点におけるpH\n・移動指数\n試料のpHと変化点又は最終pHの差(絶対値)\n1:正\nブロムヘキシン塩酸塩注射液は酸性注射液であり、フロセミド注射液はアルカリ性注射液であることから、A(試料pH: 2.8)がブロムヘキシンであり、B(試料pH: 9.4)がフロセミドである。2:誤\n緩衝性の強さについては、移動指数の和より判断することができる。移動指数の和が小さいほど外部から加えられた酸、塩基に対して緩衝作用を強く示すと考えられるため、移動指数の和が小さい注射液の方が、緩衝性が強いといえる。AとBを比較すると、Aの方が、移動指数の和が小さいため、緩衝性が強い。3:誤\n試料pH2.8の注射液と試料pH9.4の注射液と混合すると、その混合液のpHは2.8〜9.4となる。4:誤\nAとBを混合するとpH2.8〜9.4となるため、ブロムヘキシン又はフロセミドが白濁して析出する。そのため、フロセミド注射剤を先に投与し、続けてブロムヘキシン塩酸塩注射剤を投与すると輸液ライン内でAとBが混合され白濁が生じる。5:正\nAとBが輸液ライン内で混合されると白濁を生じる可能性が高いため、それぞれ投与前後に生理食塩液等を流す必要がある。"} +{"problem_id": "102303", "problem_text": "配合変化について検討するために、ブロムヘキシン塩酸塩注射剤の特徴について調査したい。医薬品インタビューフォームから入手できない情報はどれか。1つ選べ。", "choices": ["製剤の安定性に関するデータ", "有効成分の安定性に関するデータ", "アンプル開封後の使用期限", "浸透圧比", "注射液のpH"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "インタビューフォームより、「製剤の安定性に関するデータ」「有効成分の安定性に関するデータ」「浸透圧比」「注射液のpH」を入手することはできるが、「アンプル開封後の使用期限」を入手することはできない。"} +{"problem_id": "102304", "problem_text": "48歳男性。1週間前に心筋梗塞の診断により経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行し、ステントを留置した。梗塞部位は良好に拡張されたが、施行5日後と6日後にステント血栓症が発症した。PCI施行後は、以下の薬剤が投与されていた。患者情報 脂質異常症の既往あり、喫煙(-)、服薬アドヒアランスは良好 現在の検査データ 血圧129/77 mmHg、心拍数65 bpm、血清クレアチニン値0.75 mg/dL、BUN 25.4 mg/dL、HbA1c 6.2%、K 4.5 mEq/L、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)131 mg/dL、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)42 mg/dL、トリグリセリド(TG)110 mg/dL その後、カンファレンスにおいて、ステント血栓症の原因が検討され、薬剤師に意見が求められた。薬剤師は服用中のクロピドグレル治療抵抗性の可能性を提起し、代替薬を提案した。クロピドグレルの治療抵抗性の原因として考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アスピリンとクロピドグレルの薬物相互作用", "ロサルタンによるクロピドグレルの代謝拮抗", "尿pHの変動によるクロピドグレルの尿細管再吸収の低下", "クロピドグレルの代謝酵素の遺伝子多型", "ロスバスタチンによるクロピドグレルの代謝酵素の誘導"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nアスピリンとクロピドグレルを併用すると、血小板凝集抑制作用が強く現れることがあるため、ステント血栓症は現れにくくなる。なお、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が適用される虚血性心疾患に対して、クロピドグレルを使用する場合には、アスピリン(81〜100 mg/日)と併用することとされている。2:誤\nロサルタンとクロピドグレルの相互作用は報告されていない。3:誤\n尿のpHの変動によりクロピドグレルの尿細管再吸収が低下すると報告されていない。4:正\nクロピドグレルはプロドラッグであり、主にCYP2C19の作用により活性代謝物となり血小板凝集抑制作用を示す。日本人には、CYP2C19による代謝能力が低い遺伝子多型poor metabolizer(PM)が約20%存在する。このことより、CYP2C19を投与しても効果を示さない(クロピドグレル治療抵抗性を示す)患者が日本人の5人に1人存在している。本患者のように、CYP2C19の遺伝子多型によりクロピドグレル治療抵抗性を示す患者には、主にカルボキシルエステラーゼ及びCYP3A、CYP2B6で活性代謝物となるプラスグレルを投与することが推奨される。5:誤\nロスバスタチンとクロピドグレルの相互作用は報告されていない。"} +{"problem_id": "102305", "problem_text": "クロピドグレルの代替薬として、以下の薬剤のうち最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["トラネキサム酸", "プロタミン", "プラスグレル", "ワルファリン", "メナテトレノン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "問304解説参照。"} +{"problem_id": "102306", "problem_text": "55歳男性。喫煙歴30年(1日20本程度)。前回の薬剤服用後に、意識がもうろうとし、ふらついたという。男性が原因を知りたいと薬局を訪れた。男性が服用していた薬剤は以下のとおりである。原因を特定するための薬剤師の対応として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["最近、薬の服用量が変更されたかを確認した。", "かんきつ類を食べたり、そのジュースを飲んだりしていないかを尋ねた。", "最近、禁煙を始めたかを尋ねた。", "残薬の確認を行った。", "クロナゼパムの服用を一時中止するように伝えた。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "薬剤服用後に「意識がもうろうとする」「ふらつく」などの症状を呈していることから、以下のことが現れている可能性がある。・クロナゼパムによる中枢抑制作用が強く現れている\n・ニソルジピンによる血管拡張作用が強く現れている\nこれらの原因を特定するために、薬の服用量の変更、嗜好品(アルコール、たばこ、グレープフルーツジュース等)や薬剤との相互作用、残薬を確認することは薬剤師として適切な対応である。なお、副作用が疑われる場合に薬剤師の判断で処方薬の服用を中止するように説明することは不適切な対応である。"} +{"problem_id": "102307", "problem_text": "男性から、今回質問した事項について、知り合いの医師にも確認してみたいので、薬歴を開示して欲しいと要望があった。対応として適切でないのはどれか。1つ選べ。なお、この薬局は個人情報の保護に関する法律における個人情報取扱事業者である。", "choices": ["患者の権利や利益を害するおそれのある記述があったため、該当する部分を見えないようにして開示した。", "薬歴の原本は渡すことはできないので、コピーして患者に渡した。", "開示にかかった実費相当額の費用を患者に請求した。", "薬局が定める開示手続きの方法にしたがって、開示の請求をするよう指示した。", "薬歴の開示は薬局の義務でないことを説明した。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:適切である\n患者本人又は第三者の生命、身体、その他の権利利益を害するおそれのある記述がある場合には、該当する部分を見えないようにして開示することが可能である。"} +{"problem_id": "102308", "problem_text": "73歳女性。感冒様症状を訴え、薬局を訪れた。薬剤師は、薬局製造販売医薬品のかぜ薬1-②を販売することにした。薬局製剤指針に記載されているかぜ薬1-②の成分及び分量は以下のとおりである。なお、賦形剤は乳糖水和物とした。以上をとり、散剤の製法により製する。ただし、分包散剤とする。1回量を1包1.0 gとし、1日3回食後服用する。薬局製造販売医薬品であるかぜ薬1-②の調製及び販売について正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["患者の症状に合わせて成分量を増減した。", "重量偏差試験を行った。", "添付文書をつけなかった。", "薬を入れた袋に患者の名前を書かなかった。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n薬局製造販売医薬品の成分及び分量は「薬局製剤指針」に定められており、患者の症状にあわせて分量を増減することはできない。2:正\n薬局製造販売医薬品のうち、分包散剤については、重量偏差試験に適合しなければなら���い。かぜ薬1-②は分包散剤であることから、重量偏差試験を行う必要がある。3:誤\n薬局製造販売医薬品を販売するにあたっては、封の実施、直接の容器への表示(薬局の名称及び所在地、医薬品の名称など)、添付文書の作成、製造・試験等に関する記録の作成及び保存が義務づけられている。4:正\n薬局製造販売医薬品の直接の容器又は被包に患者の名前を記載する必要はない。"} +{"problem_id": "102309", "problem_text": "この薬局で販売する薬局製造販売医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬局医薬品である。", "製造販売業の許可は当該薬局の所在地を管轄する地方厚生局長が与える。", "当該薬局の設備及び器具で製造する。", "製造業の許可は必要としない。", "店舗販売業者で販売することができる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n薬局医薬品とは、要指導医薬品及び一般用医薬品以外の医薬品であり、薬局製造販売医薬品は薬局医薬品に該当する。"} +{"problem_id": "102310", "problem_text": "52歳男性。胃痛、胸やけの症状を訴え、医薬品を薬局に買いに来た。薬剤師がこの男性にすすめる医薬品として正しいのはどれか。2つ選べ。なお、表記は1回の服用量とする。(::)内は1日の服用回数を示す。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["解なし"], "comment": "本患者は胃痛、胸やけの症状を訴えていることから、胃痛、胸やけに効果を示す医薬品をすすめる必要がある。1:正ラニチジン塩酸塩(H_{2}受容体遮断薬)、ケイ酸アルミン酸マグネシウム(制酸剤)、酸化マグネシウム(制酸剤)、水酸化アルミナマグネシウム(制酸剤)は、胃痛、胸やけに効果を示すため、本患者にすすめる医薬品として適切である。ただ、設問に「表記は1回服用量とする」と記載されているが、設問の表記が1日量表記となっているため、不適切な選択肢である。2:正\nアズレンスルホン酸ナトリウム(胃粘膜保護薬)、L-グルタミン(胃粘膜修復薬)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(制酸薬)、ロートエキス(鎮痙鎮痛薬)、炭酸水素ナトリウム(制酸薬)\n、重質炭酸マグネシウム(制酸薬)、沈降炭酸カルシウム(制酸薬)は、胃痛、胸やけに効果を示すため、本患者にすすめる医薬品として適切である。ただ、設問に「表記は1回服用量とする」と記載されているが、設問の表記が1日量表記となっているため、不適切な選択肢である。3:誤\nビフィズス菌(整腸薬)、ラクトミン(整腸薬)は、腹部膨満感、軟便に効果を示す。4:誤\nロートエキス(鎮痙鎮痛薬)、タンニン酸ベルベリン(止瀉薬)は、下痢及び軟便に効果を示す。5:誤\n赤ぶどう葉乾燥エキス(静脈還流障害改善薬)は、軽度の静脈還流障害による足のむくみやむくみによる足の重さ、痛み等に効果を示す。"} +{"problem_id": "102311", "problem_text": "前問の医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["一般用医薬品は、要指導医薬品、第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品に分類される。", "要指導医薬品の適正な使用を確保できないと認められるときは、販売してはならない。", "店舗販売業の管理者が薬剤師であれば、登録販売者も情報提供及び指導をした上で、要指導医薬品を販売することができる。", "第一類医薬品を販売するときは、薬剤師があらかじめ、使用しようとする者の年齢、他の薬剤又は医薬品の使用の状況等を確認しなければならない。", "第三類医薬品については、当該薬局で購入した者から相談があっても、情報提供をしなくてよい場合がある。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n一般用医薬品は、第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品に分類される。一般用医薬品には要指導医薬品は含まれない\n2:正\n薬局開設者または店舗販売業者は、情報提供又は指導ができないとき、その他要指導医薬品の適正な使用を確保できないと認められるときは、要指導医薬品を販売し、授与してはならない。3:誤\n要指導医薬品を販売する際には、適正な使用のために薬剤師が対面による情報提供及び薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。よって、店舗販売業の管理者が薬剤師であったとしても登録販売者が要指導医薬品を販売することはできない。4:正\n第一類医薬品を販売する際には、薬剤師はあらかじめ、使用しようとする者の年齢、他の薬剤又は医薬品の使用状況等を確認しなければならない。5:誤\n一般用医薬品(第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品)を購入しようとする者、もしくは購入後に一般用医薬品(第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品)を使用する者から相談があった場合には、必要な情報を提供しなければならない。"} +{"problem_id": "102312", "problem_text": "65歳男性。肝硬変にて入院となり、ラクツロースゼリーが処方された。ラクツロースゼリーを調剤すべきところを誤ってポリスチレンスルホン酸カルシウムゼリーを調剤した。病棟にて、薬剤師が気づき、服用させずに済んだ。このような事態に踏まえて、医薬品安全管理責任者が病院としての再発防止策を立てた。再発防止策として最も優先度が低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬品棚における外観類似医薬品の配置を工夫する。", "取り違え防止に指さし呼称を導入する。", "調剤した薬剤師個人の責任を追及する。", "病院内でインシデント事例の情報を共有する。", "個人的要因を明らかにし、発生した誤りを分析する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本設問のような、インシデント(事故にいたらなかったがヒヤリ・ハットした出来事)の再発を防止するためには、名称類似医薬品や外観類似医薬品の配置を工夫すること、医薬品を調製する際に指さし呼称すること、病院内でインシデント事例を共有すること、個人的要因を明らかにし、発生した誤りを分析することは重要である。なお、調剤した薬剤師個人の責任を追及することは、インシデントの再発を防止する上で有用ではない。"} +{"problem_id": "102313", "problem_text": "医療事故への対応などは、医療法の医療の安全の確保に関する規定において定められている。この規定において、医療の安全を確保するための措置を講ずる義務又は責務を課されていないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["国", "地方公共団体", "病院の開設者", "病院の管理者", "診療所の管理者"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "医療法の規定において、医療の安全を確保するための措置を講ずる義務又は責務を課されていないのは、病院の開設者である。医療法における医療の安全を確保するための措置に関する内容を以下に示す。・国並びに都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、医療の安全に関する情報の提供、研修の実施、意識の啓発その他の安全の確保に関し必要な措置を講ずるように努めなければならない。・病院、診療所、助産所の管理者は、厚生労働省令で定めるところにより、医療の安全を確保するための指針の策定、従業者に対する研修の実施その他当該病院における医療の安全を確保するための措置を講じなければならない。"} +{"problem_id": "102314", "problem_text": "麻薬診療施設である病院の病棟において、がん患者に対して生理食塩液で希釈したモルヒネ塩酸塩注射液の持続静注を行った。その後、看護師がルート周辺を確認したところ、シリンジと三方活栓の接続部から薬液が多量に漏れ出ていた。この状況において看護師から助言を求められた薬剤師の対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["主治医に報告したかを確認する。", "患者の痛みの状態を確認する。", "回収した薬液は看護師2人で確認しながら廃棄をするよう伝える。", "麻薬管理者に状況を報告したか確認する。", "一連の経過を記録しておくよう伝える。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本設問のように麻薬が多量に漏れ出た場合には、当該麻薬診療施設の麻薬管理者(麻薬管理者がいない麻薬診療施設においては麻薬施用者)はすみやかに麻薬事故届を都道府県知事に届け出るとともに、回収した薬液を医療機関の他の職員の立会いの下に廃棄する必要がある。"} +{"problem_id": "102315", "problem_text": "麻薬診療施設における麻薬の管理者に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["2人以上の麻薬施用者が診療に従事する麻薬診療施設の開設者は、当該麻薬診療施設に麻薬管理者を置かなければならない。", "管理している麻薬を廃棄する際には、廃棄してから30日��内に厚生労働大臣に届け出なければならない。", "麻薬の滅失や盗取等の事故が発生した場合における、麻薬管理者が行う品名及び数量等の届け出先は、厚生労働大臣である。", "麻薬管理者は事故の届け出をした麻薬の品名及び数量を麻薬診療施設に備えた帳簿に記載しなければならない。", "麻薬管理者の免許は、医師でなければ受けることができない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n2人以上の麻薬施用者が診療に従事する麻薬診療施設の開設者は、自らが麻薬管理者となる場合を除き、当該麻薬診療施設に麻薬管理者を置かなければならない。"} +{"problem_id": "102316", "problem_text": "漬物製造工場の野菜洗浄室で清掃中、作業員が誤って塩酸タンクを倒し、隣接した次亜塩素酸ナトリウム溶液タンクのバルブを破損した。その際、漏出した塩酸と次亜塩素酸ナトリウムが反応してガスが発生し、吸引した作業者は、激しい目の痛みと呼吸困難を訴えた。その直後、作業員は近隣の総合病院に救急搬送された。救急搬送された患者に対し、病院で行う処置として適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["水で目及び粘膜を洗浄する。", "EDTA(エデト酸カルシウム二ナトリウム)を投与する。", "酸素吸入する。", "輸液を投与する。", "チオ硫酸ナトリウムを投与する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "本症例では、塩酸と次亜塩素酸ナトリウム溶液が反応し、塩素ガスが発生している。塩素ガスにばく露した場合、眼、鼻、咽頭の痛み、呼吸困難、ぜん鳴、上気道閉塞を起こすことがある。それらの症状を改善するため、塩素ガスにばく露した場合には以下の処置を行う。・目の塩素を洗い流すために大量の水で目及び粘膜を洗浄する。・呼吸不全が認められる場合は、気道確保、酸素吸入、人工呼吸を行う。・循環不全を改善する目的で輸液を投与する。なお、重金属による中毒に対しては、EDTA(エデト酸カルシウム二ナトリウム)を投与し、シアン及びシアン化合物中毒に対しては、チオ硫酸ナトリウムを投与する。"} +{"problem_id": "102317", "problem_text": "この漬物製造工場は、近くの薬局から劇物である塩酸と次亜塩素酸ナトリウムを購入していた。薬局及び漬物製造工場におけるこれらの劇物の取扱いに関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬局で販売するためには、毒物又は劇物の販売業(毒物劇物販売業)の登録を受けなければならない。", "薬局で販売する場合、漬物製造工場の購入者の氏名及び住所を確認した後でなければ交付してはならない。", "漬物製造工場の責任者は、薬局から購入した劇物の名称と数量を帳簿に記録しなければならない。", "漬物製造工場では、貯蔵する場所に「医療用外」及び「劇物」の文字を表示しなければならない。", "漬物製造工場で廃棄する場合は、中和等により劇物に該当しないものにしなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["解なし"], "comment": "1:正\n薬局において、劇物(塩酸など)を販売する場合には、都道府県知事(保健所設置市市長または特別区区長)より毒物劇物販売業の登録を受けなければならない。2:誤\n引火性、発火性、爆発性を有する毒物または劇物(ピクリン酸、ナトリウムなど)を毒物劇物営業者以外の者に対して販売・授与する場合には、氏名及び住所を運転免許証等で確認する必要があるが、塩酸を販売する場合には、氏名及び住所を運転免許証等で確認する必要はない。3:誤\n毒物劇物購入者は、購入した劇物の名称と数量を帳簿に記載する必要はない。4:正\n業務上毒物または劇物を取り扱う者は、劇物を貯蔵する場所に「医薬用外」及び「劇物」の文字を表示する必要がある。5:正\n劇物である塩酸を廃棄する場合は、希釈・中和等の政令で定める技術上の基準に従って、水で10倍に希釈して、測定したときのpHを2以上(劇物に該当しないもの)にしなければならない。"} +{"problem_id": "102318", "problem_text": "87歳女性。寝たきり。この患者に対して発行された処方箋と残薬を、家族が薬局に持参した。薬剤師の対応として適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["残薬のうち品質が保たれている製品で、現在も服用している薬剤については、利用を検討した。", "残薬の一部を返品扱いとし、使用するため薬局の在庫品にした。", "シルニジピン錠20 mgが多く残っているが、家族からの説明によると症状が安定しているようなので、医師に処方の妥当性を相談した。", "残っている薬は、なるべく家族など他人に譲渡するなど有効活用するようにアドバイスした。", "服薬状況、体調、服用しにくい薬の有無を確認した。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:適切である\n現在服用中で品質が保たれている製品については、利用を検討する。2:適切でない\n患者より返品された医薬品については、品質が確保されている保証がないため再利用せず廃棄する。3:適切である\n症状が安定していて服用する必要のない薬剤について、医師に処方の妥当性を検討するよう提案することは適切である。4:適切でない\n処方された薬剤は、処方された患者の疾病を治療するためのものである。処方された患者以外が使用することにより副作用などが発現するおそれがあるため、他人に譲渡するようにアドバイスすることは適切ではない。5:適切である\n残薬がある場合については、その状況について確認する必要がある。"} +{"problem_id": "102319", "problem_text": "その後、この患者の服薬アドヒアランスを向上させるため、処方医の指示により薬剤師が患者宅を訪問した。患者の居宅で行うことができない業務はどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方箋を受け取ること", "薬剤を粉砕すること", "疑義照会すること", "薬剤を一包化すること", "薬剤を交付すること"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "薬剤師が医療を受けるものの居宅で行うことができる業務を以下に示す。・処方箋を受領すること\n・処方箋中に疑わしい点があるかどうかを確認する業務(処方鑑査)\n・処方箋中に疑わしい点があるときは、その処方箋を交付した医師等に問い合わせて、その疑わしい点を確かめる業務(疑義照会)\n・処方箋を交付した医師等に同意を得て、当該処方箋に記載された医薬品の数量を減らして調剤する業務\n・薬剤の交付\n調剤業務のうち、薬剤の調製(粉砕や一包化など)については医療を受けるものの居宅で行うことはできない。"} +{"problem_id": "102320", "problem_text": "下記の医薬品を卸売販売業者の担当者が納品に来たので、薬剤師が薬局のカウンターにおいて検収を行った。なお、薬局は、向精神薬営業者に関して別段の申し出はしていないものとする。セレギリン塩酸塩錠2.5 mg アムロジピン錠5 mg アミオダロン塩酸塩錠100 mg メチルフェニデート塩酸塩錠10 mg フルニトラゼパム錠2 mg ペンタゾシン塩酸塩錠25 mg トリメブチンマレイン酸塩100 mg(要指導医薬品) 薬局における検収関連業務のうち、適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["伝票に記載されている納品先を確認した。", "納品された医薬品の使用期限を確認した。", "同じ医薬品を複数購入時、製造番号が異なるものが含まれていたが受け取った。", "法律に定められた譲受証を必要とするものはなかったので交付しなかった。", "納品を終了した医薬品をカウンターの上に置いて、3時間後の昼休みに収納した。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "納品された医薬品の規制区分\nセレギリン塩酸塩錠2.5 mg: 覚せい剤原料、劇薬、処方箋医薬品\nアムロジピン錠5 mg: 劇薬、処方箋医薬品\nアミオダロン塩酸塩錠100 mg: 毒薬、処方箋医薬品\nメチルフェニデート塩酸塩錠10 mg: 向精神薬、劇薬、処方箋医薬品\nフルニトラゼパム錠2 mg: 向精神薬、処方箋医薬品\nペンタゾシン塩酸塩錠25 mg: 向精神薬、劇薬、処方箋医薬品\nトリメブチンマレイン酸塩100 mg: 要指導医薬品\n1:適切である\n配送間違いがないか確認するために、伝票に記載されている納品先名を確認する必要がある。2:適切である\n納品された医薬品の品質に問題がないか確認するために、使用期限を確認する必要がある。3:適切である\n同じ医薬品が納品される際、異なる製造番号の医薬品が納品されることがあるが、受け取っても特に問題ない。4:適切でない\n覚せい剤原料であるセレギリン塩酸塩錠2.5 mgを受け取る際には、譲渡証及び譲受証の交換が必要である。5:適切でない\n盗難などを防止するために、納品が終了した医薬品については速やかに収納する必要があ��。また、覚せい剤原料及び毒薬については、かぎのかかる場所に保管する必要があるため、カウンターに放置しておくことは適切ではない。"} +{"problem_id": "102321", "problem_text": "検収した医薬品のその後の取扱いに関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["検収した医薬品を、麻薬を保管している金庫に入れた。", "要指導医薬品を来局者の手に取りやすい場所に陳列した。", "毒薬に相当する医薬品を無施錠で陳列した。", "過剰在庫となった向精神薬を向精神薬卸売業者に返品した。", "親に頼まれて来局した小学生に毒薬を販売した。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n麻薬を保管している金庫には、麻薬以外(覚せい剤を除く)の医薬品を保管することができない。よって、検収した医薬品を、麻薬を保管している金庫に保管することはできない。"} +{"problem_id": "102322", "problem_text": "68歳男性。前立腺がん患者を対象とした治験に参加している。当該患者から担当のCRC(治験コーディネータ)である薬剤師に電話があり「今朝から、お腹のあたりに真っ赤な湿疹ができている。」と連絡があった。湿疹は、この治験薬の代表的な副作用の1つで、参加同意を得る際にも説明していた。CRCは、医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP省令)に治験協力者として規定されている。治験協力者について正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["治験実施計画書に氏名を記載しなければならない。", "治験協力者となっている治験に係る治験審査委員会における審議及び採決に参加することができる。", "治験協力者に対しては、治験責任医師によって治験内容が十分に説明される。", "いわゆる医師主導治験の場合は、治験協力者を置くことができない。", "説明文書を読むことができない被験者となるべき者に対する説明の立会人になることができる。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n治験実施計画書には、治験の依頼をしようとする者の氏名、治験責任医師となるべき者の氏名を記載する必要はあるが、治験コーディネーター(CRC)の氏名を記載する必要はない。2:誤\n治験審査委員会(IRB)における審議および採決には、実施医療機関の長、治験責任医師、治験分担医師および治験協力者は参加することはできない。3:正\n治験責任医師は、治験協力者に対して治験内容を十分に説明しなければならない。4:誤\n医師主導治験とは、医師自ら治験計画書を作成し実施する治験のことであり、医師主導型治験の場合においても通常の治験と同様に治験協力者を置くことが可能である。5:誤\n治験を行うにあたり、説明文書を読むことができない被験者となるべき者に対する説明及び同意については、立会人を立ち会わせた上で行わなければならない。この場合、治験協力者は立会人になることはできない。"} +{"problem_id": "102323", "problem_text": "CRCの対応として誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["男性から聴取した情報を記録する。", "男性が受診すべきかどうか治験責任医師に相談する。", "重篤な有害事象と判断した場合、直ちに実施医療機関の長に報告する。", "有害事象及びその治療が、逸脱や中止基準に該当するかどうか治験責任医師と確認する。", "治験薬による有害事象と判断された場合、副作用被害救済制度の利用について、男性に情報提供する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:正しい\nCRCは、治験に関する情報を記録し、保管する必要がある。"} +{"problem_id": "102324", "problem_text": "70歳男性。高血圧症で処方1を服用していた。ある日胸部不快感を自覚し、かかりつけのクリニックを受診した。心房細動の疑いがあることから、精査目的で市内の総合病院を紹介され受診したところ、心房細動、心不全と診断され、処方2が追加となった。処方2に含まれるダビガトランエテキシラートによる重篤な副作用である出血の回避や投与量の調節のために考慮すべき検査項目はどれか。1つ選べ。", "choices": ["血清クレアチニン値", "AST値", "白血球数", "PT-INR値", "脳性Na利尿ペプチド値"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "ダビガトランエテキシラートは腎消失型薬物であり、腎障害を有する患者では血中濃度が上昇し、重篤な出血が出現する可能性がある。そのため、本剤を使用する際には、重篤な副作用である出血の回避や投与量の調節のために血清クレアチニン値などをもとに腎機能を確認する必要がある。"} +{"problem_id": "102325", "problem_text": "重篤な副作用を回避するための確認は行われていたものの、後日、この男性に重大な副作用が発現した。重篤な副作用を回避するための確認は行われていたものの、後日、この男性に重大な副作用が発現した。薬剤師は主治医と相談のうえ、この男性の副作用について、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に基づき報告することを決めた。下図は、記入途中の医薬品安全性情報報告書の一部である。この制度の説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この男性の場合、厚生労働大臣への報告期限は、発生を知った日から30日以内である。", "添付文書などから予測できない未知の症例についても報告する。", "患者情報のうち、アに記載された内容は、公開されることはない。", "イの項目はすべて記入しなければならない。", "クリニックで処方された(処方1)の薬剤も、ウに記載する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n医薬品・医療機器等安全性情報報告制度には、報告期限は定められていない。なお、報告期限が発生を知った日から15日又は30日と定められているのは、企業報告制度である。"} +{"problem_id": "102326", "problem_text": "輸液の調製依頼があった。生理食塩液、塩化カルシウム注射液(0.5 mol/L)、塩化カリウム液(1.0 mol/L)、50 w/v%ブドウ糖注射液及び注射用水を使って調製する時、必要量として適切な組合せはどれか。1つ選べ。塩化ナトリウム及びブドウ糖の式量は、それぞれ、58.5及び180とする。以下の電解質を含む輸液を調製する。Na^{+}::77 mEqCa^{2+}::3 mEqK^{+}::20 mEqCl^{-}::100 mEq 浸透圧を300 mOsm/Lに調製し、総量を1 Lとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["解なし"], "comment": "①電解質濃度について考える。各輸液に含まれる電解質は以下の通りである。・生理食塩水: Na^{+}、Cl^{-}・塩化カルシウム注射液: Ca^{2+}、Cl^{-}・塩化カリウム液: K^{+}、Cl^{-}\n・50 w/v%ブドウ糖注射液: 電解質含まれていない\n・注射用水: 電解質含まれていない上記より、Na^{+}は生理食塩水、Ca^{2+}は塩化カルシウム注射液、K^{+}は塩化カリウム液によって調節する必要がある。生理食塩水1L中には154 mEqのNa^{+}が含まれていることから、77 mEqのNa^{+}を調節するために必要な生理食塩水の量(mL)を以下のように計算することができる。154 mEq/L\\times 生理食塩水の量=77 mEq 生理食塩水の量=500 mL0.5 mol/L塩化カルシウム注射液1L中には0.5 molのCa^{2+}が含まれていることから、0.5 mol/L塩化カルシウム注射液1L中に含まれているCa^{2+}のmEqを以下にように求めることができる。0.5 mol\\times Ca^{2+}の電荷=0.5\\times 2=1.0 Eq=1000 mEq0.5 mol/L塩化カルシウム注射液1L中には1000 mEqのCa^{2+}が含まれていることから、3 mEqのCa^{2+}を調節するために必要な0.5 mol/L塩化カルシウム注射液の量(mL)を以下のように計算することができる。1000 mEq/L\\times 0.5 mol/L塩化カルシウム注射液の量=3 mEq\n0.5 mol/L塩化カルシウム注射液の量=3 mL1.0 mol/L塩化カリウム液1L中には1.0 molのK^{+}が含まれていることから、1.0 mol/L塩化カリウム液1L中に含まれているK^{+}のmEqを以下にように求めることができる。1.0 mol\\times K^{+}の電荷=1.0\\times 1=1.0 Eq=1000 mEq1.0 mol/L塩化カリウム液1L中には1000 mEqのK^{+}が含まれていることから、20 mEqのK^{+}を調節するために必要な1.0 mol/L塩化カリウム液の量(mL)を以下のように計算することができる。1000 mEq/L\\times 1.0 mol/L塩化カリウム液の量=20 mEq\n1.0 mol/L塩化カリウム液の量=20 mL\n電解質濃度の観点から、選択肢5の内容が適切だと思われる。②浸透圧について考える。①の内容をもとに浸透圧を計算する。<生理食塩水500 mL中のオスモルを計算する>生理食塩水1L中には154 mmolのNa^{+}、Cl^{-}が含まれていることから、生理食塩水500 mL中のオスモルを以下のように計算することができる。Na^{+}のモル数+Cl^{-}のモル数=154 mmol/L\\times 500 mL+154 mmol/L\\times 500 mL=154 mOsm\n<0.5 mol/L塩化カルシウム注射液3 mL中のオスモルを計算する>0.5 mol/L塩化カルシウム注射液1L中には0.5 molのCa^{2+}、1.0 molのCl^{-}が含まれていることから、0.5 mol/L塩化カルシウム注射液3 mL中のオスモルを以下のように計算することができる。Ca^{2+}のモル数+Cl^{-}のモル数=0.5 mol/L\\times 3 mL+1.0 mol/L\\times 3 mL=4.5 mOsm\n<1.0 mol/L塩化カリウム液20 mL中のオスモルを計算する>1.0 mol/L塩化カリウム液1L中には1.0 molのK^{+}、Cl^{-}が含まれていることから、1.0 mol/L塩化カリウム液20 mL中のオスモルを以下のように計算することができる。K^{+}のモル数+Cl^{-}のモル数=1.0 mol/L\\times 20 mL+1.0 mol/L\\times 20 mL=40 mOsm\n<50 w/v%ブドウ糖液50.9 mL中のオスモルを計算する>\n50 w/v%ブドウ糖液1L中には500 gのブドウ糖が含まれていることから、50 w/v%ブドウ糖液1L中のブドウ糖のモル数を以下のように求めることができる。500/180(ブドウ糖の分子量)\\fallingdotseq 2.78 mol\n50 w/v%ブドウ糖液1L中には2.78 molのブドウ糖が含まれていることから、50 w/v%ブドウ糖液50.9 mL中のブドウ糖のオスモルを以下のように求めることができる。ブドウ糖のモル数=2.78 mol/L\\times 50.9 mL=141 mOsm\nこれらのことから、①の内容に含まれるオスモルを以下にように計算することができる。154 mOsm+4.5 mOsm+40 mOsm+141 mOsm=339.5 mOsm\nよって、①の内容の浸透圧は339.5 mOsm/Lとなり、問題文の「浸透圧を300 mOsm/Lに調製し、総量を1 Lとする。」と一致しないため、本問題は「解なし」となったと考えられる。"} +{"problem_id": "102327", "problem_text": "以下のシリンジA、Bのうち、Aの使用を優先すべき操作はどれか。1つ選べ。ただし、必要に応じて注射針を用いるものとする。", "choices": ["抗悪性腫瘍薬のバイアルから薬液を採取する。", "ネブライザーの薬液容器に吸入液を注入する。", "内用のシロップ剤を投薬びんから採取する。", "高カロリー輸液製剤にカリウム製剤を注入する。", "洗浄用生理食塩液のプラスチックボトルから生理食塩液を採取する。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "・シリンジA: ルアーロック式のシリンジ\n注射針をねじ込む構造で注射針の脱落防止や注射液の漏出を最小限にすることができる。・シリンジB: ルアーチップ式のシリンジ\n注射針を差し込む構造で注射針が脱落することがある。Aの使用を優先すべき操作は、抗悪性腫瘍薬のバイアルから薬液を採取する場合であり、その他の場合についてはA、Bどちらのシリンジを用いてもよい。"} +{"problem_id": "102328", "problem_text": "注射剤の調製及び使用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["注射針の太さは、針管のゲージ番号が小さいほど細い。", "輸液セットは、20滴/mLと60滴/mLの2種類の規格がある。", "カットポイント付きのアンプルをカットする際には、カットポイントを手前に向ける。", "孔径0.2 \\micro mの輸液フィルターは、ウイルスの除去を目的としている。", "輸液容器のゴム栓を穿刺する際には、消毒用アルコール綿でのゴム栓の清拭は不要である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n注射針の太さは、ゲージ(G)で表され、針管のゲージ番号が小さいほど針は太い。2:正\n輸液セットとは、持続点滴に用いられる輸液ボトルと血管内留置カテーテルを接続するラインのことであり、20滴/mLと60滴/mLの2種類の規格に統一されている。3:正\nカットポイント付きのアンプルをカットする際には、カットポイントを手前に向け、反対に折り取る。4:誤\n孔径0.2 \\micro mの輸液フィルターでは、ウイルスを除去することはできない。なお、孔径0.2 \\micro mの輸液フィルターを用いることにより、真菌、細菌、微小異物を取り除くことが可能である。5:誤\n輸液容器のゴム栓を穿刺する際には、細菌による汚染を防止するために、消毒用アルコール綿でのゴム栓の清拭を行う必要がある。"} +{"problem_id": "102329", "problem_text": "以下の会話はショック状態で集中治療室に入室した患者に対して、医師と薬剤師が治療方針について協議している状況である。医師 「昨夜から意識レベルの低下を認めて、気管挿管を行いました。血圧は90前後です。CKDですのでCHDFを開始しようと思います。現在DICの状態です。DICに対してトロンボモデュリン アルファを使用します。透析患者の減量基準はありますか。」 薬剤師 「腎機能に問題なければ、380 U/kgを投与しますが、CHDF患者の場合は130 U/kgを投与します。」 略語の意味���組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "CHDF(continuous hemodiafiltration)は、持続的血液濾過透析法の略である。CHDFとは、24時間持続的に血液濾過透析を行う方法である。なお、腹膜透析法の略語は、PD(peritoneal dialysis)である。CKD(chronic kidney disease)は、慢性腎不全の略語である。CKDとは腎臓の働きが健康な人の60%未満に低下するか、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が続く状態のことである。なお、急性腎不全の略語はARF(acute renal failture)である。DIC(disseminated intravascular coagulation)は、播種性血管内凝固症候群の略である。DICは、悪性腫瘍、敗血症、急性前骨髄球性白血病などの基礎疾患、薬剤により、血液凝固系、血小板系が活性化され、全身の毛細血管に血栓が形成されておこる病態と定義されている。なお、溶血性尿毒素症候群の略語はHUS(hemolytic uremic syndrome)である。"} +{"problem_id": "102330", "problem_text": "50歳女性。関節リウマチに対して、メトトレキサートで治療を開始した。6ヶ月間継続後、寛解の目標を達成できず、生物学的製剤の導入が検討された。関節リウマチに用いる生物学的製剤に関する記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["いずれもTNF-\\alpha (腫瘍壊死因子-\\alpha )阻害薬である。", "痛み、腫れを抑えるが、関節破壊の進行を抑えることはできない。", "TNF-\\alpha 阻害薬が奏攻しない場合は、別のTNF-\\alpha 阻害薬を用いてもよい。", "いずれもメトトレキサートとの併用が必須である。", "いずれも治療開始前に結核の既往歴を確認する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n関節リウマチの治療に用いる生物学的製剤には、TNF-\\alpha (腫瘍壊死因子-\\alpha )阻害薬であるインフリキシマブやアダリムマブなどに加え、IL-6受容体モノクローナル抗体であるトシリズマブや共刺激シグナル阻害薬であるアバタセプトなどがある。2:誤\n関節リウマチに用いられる生物学的製剤は、炎症サイトカインの遊離を抑制することに加え、破骨細胞の活性を抑制することにより痛みや腫れを改善するとともに、関節破壊の進行も抑制する。3:正\nTNF-\\alpha 阻害薬が奏攻しない場合、別のTNF-\\alpha 阻害薬を用いることにより奏攻する場合があるため、TNF-\\alpha 阻害薬が奏攻しない場合には、別のTNF-\\alpha 阻害薬と用いることを考慮する必要がある。4:誤\nインフリキシマブを関節リウマチの治療に用いる場合、メトトレキサートとの併用が必須とされているが、すべての生物学的製剤がメトトレキサートとの併用が必須ではない。5:正\n生物学的製剤を用いると免疫力が低下するため、生物学的製剤を用いる前に結核の既往歴を確認する必要がある。"} +{"problem_id": "102331", "problem_text": "53歳男性。頭頸部に扁平上皮がんが見つかり、以下のレジメンに従い化学療法を受けることになった。この化学療法において用量規制因子でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["腎障害", "嘔吐", "骨髄抑制", "下痢", "脱毛"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "多くの抗がん剤では用量規制因子(用量をこれ以上増やすことができない理由となる因子)が定められている。今回処方されているシスプラチン、フルオロウラシルの用量規制因子を以下に示す。・シスプラチンの用量規制因子\n腎障害、悪心・嘔吐、骨髄抑制、神経障害など\n・フルオロウラシルの用量規制因子\n骨髄抑制、激しい下痢、口内炎など\nなお、脱毛については両薬剤を使用することにより現れることがあるが、治療終了後改善するため、用量規制因子ではない。"} +{"problem_id": "102332", "problem_text": "73歳女性。再発非小細胞肺がんのため、ゲフィチニブ錠250 mgを1日1回服用していたが、軽度の肝機能低下(AST 90 U/L、ALT 63 U/L、ALP 255 U/L)が現れたため処方1が処方された。3週間後、血清カリウム値が3.2 mEq/Lとなったため処方2が追加された。1ヶ月経っても血清カリウム値が3.1 mEq/Lのままであるうえ、血圧が163/91 mmHgとなったため、処方3が追加された。現在では、処方1〜3すべてを服用している。(処方1) グリチルリチン酸-アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠:1回2錠(1日6錠) 1日3回:朝昼夕食後 (処方2) 塩化カリウム徐放錠600 mg:1回2錠(1日4錠) 1日2回:朝夕食後 (処方3) オルメサルタンメドキソミル錠20 mg:1回1錠(1日1錠) 1日1回:朝食後 女性が、だるくてむくみがあるといって、かかりつけ薬局を訪れた。薬剤師は、処方医に対して以下のような提案をした。提案として最も優先順位が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["グリチルリチン酸-アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠の服用中止を提案する。", "塩化カリウム徐放錠の服用中止を提案する。", "オルメサルタン メドキソミル錠の服用中止を提案する。", "スピロノラクトンの追加を提案する。", "フロセミドの追加を提案する。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "本症例では、ゲフィチニブ使用による肝機能低下に対して、肝機能を改善する目的で(処方1)グリチルリチン酸-アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠が処方されており、その後、カリウム値が低下しているため、(処方2)塩化カリウム徐放錠が処方されたが、低カリウムが改善されない上、高血圧が認められたため、(処方3)オルメサルタン メドキソミル錠が処方されている。上記の内容より、本患者には、(処方1)に含まれるグリチルリチンにより偽アルドステロン症(低カリウム血症、高血圧、四肢の筋力低下など)が現れていると考えられる。偽アルドステロン症が発現した場合には、第一に原因薬物を中止する必要があるため、本症例では、グリチルリチン酸-アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠の服用を中止するように提案する必要がある。"} +{"problem_id": "102333", "problem_text": "要指導医薬品に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["来局者が直接手に取れない場所に陳列する。", "使用する者の年齢を確認しなければならない。", "インターネットでの販売が可能である。", "使用者と同居している家族であれば販売してもよい。", "販売した際には、必要事項を書面に記載し、書面を2年間保存しなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:正しい\n要指導医薬品は、来局者が直接手に取れない場所に陳列する必要がある。要指導医薬品の陳列については以下のように定められている。要指導医薬品を販売する薬局又は店舗にあたっては、要指導医薬品を陳列設備から1.2 m以内の範囲に医薬品の購入者が又は使用者が進入することができないよう必要な措置がとられていること。ただし、鍵をかけた陳列設備その他医薬品の購入者又は使用者が直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合はこの限りではない。2:正しい\n要指導医薬品を販売する場合には、薬剤師は以下のことを確認しなければならない。・年齢\n・他の医薬品の使用状況\n・性別\n・症状、医療機関受診の有無\n・現在かかっている疾患名\n・妊娠の有無\n・授乳の有無\n・当該薬剤・医薬品の購入や使用の経験\n・薬剤・医薬品の使用経験やその内容\n・その他情報の提供及び指導を行うために確認する必要がある事項\n3:誤っている\n要指導医薬品は薬剤師が対面で患者本人に販売するものであることから、インターネット販売が禁止されている。4:誤っている\n解説3参照\n5:正しい\n要指導医薬品を販売した場合には、必要事項(品名、数量、販売の日時等)を書面に記載し、書面を2年間保管する必要がある。"} +{"problem_id": "102334", "problem_text": "患者情報の取扱いに関する記述のうち、薬剤師の対応として適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["会社の上司を名乗る人物から処方内容について電話で問い合わせがあったため、患者本人の同意を得た後回答した。", "当院に入院中の患者の薬物療法の相談をするため、他院に勤務する友人の薬剤師に診療録の写しを見せた。", "患者が高齢の重度認知症のため、その患者家族に処方薬の説明及び指導を行った。", "患者の氏名と使用医薬品を記載したノートを製薬企業の学術担当者に見せて相談した。", "事故で意識を失った患者が病院に運ばれてきたので、患者が所持していたお薬手帳の情報を担当医師に報告した。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:適切\n第三者に情報提供する場合には、本人の同意を得る必要があるため、患者本人の同意を得た後、患者の会社の上司(第三者)に対して情報提��することは適切である。2:不適切\n直接患者の治療に関わっていない者(他院に勤務する友人、製薬企業の学術担当者など)に対して情報を見せることは情報漏洩に該当する。3:適切\n高齢の重度認知症患者は、薬剤の適正使用ができない可能性があるため、その患者家族に対して処方薬についての情報提供を行う必要がある。この場合については、本人の同意を得ることなく、情報提供を行うことができる。4:不適切\n解説2参照\n5:適切\n事故で意識を失った患者の場合、同意を得ることができない。また、事故で意識を失った患者の治療をするに当たり、お薬手帳の情報は有用であるため、患者の同意を得ることなく担当医にお薬手帳情報を提供することは適切である。"} +{"problem_id": "102335", "problem_text": "2歳男児。体重13 kg。以下の薬剤が処方され、カプセル剤を開封して調剤するよう処方医より指示があった。(処方) ダントロレンナトリウム水和物カプセル25 mg:1回0.2カプセル(1日0.4カプセル) 1日2回:朝夕食後:14日分 1包あたり全量0.3 gになるように賦形剤を加えて調剤する場合、この処方を全量調剤するために加える賦形剤の総量(g)として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、ダントロレンナトリウム水和物カプセル1カプセルあたりの内容量は0.25 gである。", "choices": ["1.4", "2.8", "4.2", "5.6", "7.0"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "<ダントロレンナトリウム水和物の開封後の総量(g)を求める>\n本処方では、ダントロレンナトリウム水和物カプセルが1日当たり0.4カプセルで処方されていることから、投与総カプセル数は0.4 カプセル/日\\times 14日=5.6 カプセルとなる。また、ダントロレンナトリウム水和物カプセルは1カプセルあたりの内容量が0.25 gであるあることから、ダントロレンナトリウム水和物カプセル開封後の総量(g)は5.6 カプセル\\times 0.25 g/カプセル=1.4 gとなる。<賦形した後の総量を求める>\n一包あたりの全量0.3 gとなるように調剤すると、賦形した後の総量(g)は0.3 g/包\\times 14日\\times 2包/日=8.4 gとなる。これらのことから、全量調剤するために加える賦形剤の総量(g)を以下のように求めることができる。賦形した後の総量(g)-ダントロレンナトリウム水和物の開封後の総量(g)=8.4-1.4=7.0 g"} +{"problem_id": "102336", "problem_text": "アレルギー性鼻炎の持病がある高校生が海外の国際競技大会へ出場することになった。現在医療機関を受診しておらず、一般用医薬品などで様子を見ていた。海外の薬局にて一般用医薬品を購入する際に現地の薬剤師に相談できるように服用可能な薬を書いたメモを持たせることにした。下記に示す医薬品成分のうちアンチドーピングの観点から適切でないのはどれか。2つ選べ。なお、成分名の英文表記に誤りはないものとする。", "choices": ["d-Chlorpheniramine Maleate", "Ebastine", "Ibuprofen", "Prednisolone", "dl-Methylephedrine Hydrochloride"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "ドーピング禁止物質については、世界アンチドーピング機構(WADA)によって「I: 常に禁止される物質」「II: 競技会(時)に禁止される物質」「III: 特定競技において禁止される物質」に分類されている。I: 常に禁止される物質無承認物質、タンパク同化薬、ペプチドホルモン、成長因子、アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬、ホルモン関連薬及び代謝調節薬、利尿薬及び隠蔽薬、フェネチルアミン及びその誘導体\nII: 競技会(時)に禁止される物質\nIに加えて、興奮薬、麻薬、カンナビノイド、糖質コルチコイド\nIII: 特定競技において禁止される物質\nI、IIに加えて、アルコール、アドレナリン\\beta 受容体遮断薬\n上記より、アンチドーピングの観点から適切でないのは、「Prednisolone(プレドニゾロン: 糖質コルチコイド)」「dl-Methylephedrine Hydrochloride(dl-メチルエフェドリン塩酸塩: 興奮薬)」である。"} +{"problem_id": "102337", "problem_text": "57歳女性。乾癬に罹患し、以下の処方により治療することになった。(処方) エトレチナートカプセル10 mg:1回1カプセル(1日3カプセル) 1日3回:朝昼夕食後:14日分 ベタメタゾン酪酸プロピオン酸エステル軟膏0.05%:30 g 1日1回:朝:患部に塗布 マキサカルシトール軟膏0.0025% :90 g 1日2回:朝就寝前:患部に塗布 健康には気をつけており、日頃から以下の飲み物を常用している。以下の飲み物の中で、同時に摂取したときにこの処方薬の副作用の発現を高める可能性があるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ミネラルウォーター", "グレープフルーツジュース", "牛乳", "トマトジュース", "青汁"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "患者が日頃から常用している飲み物のうち、処方薬の副作用の発現を高める可能性があるのは、牛乳である。エトレチナートは脂溶性であり、牛乳および高脂肪食により吸収性が増大すると報告されている。よって、エトレチナートを牛乳及び高脂肪食とともに摂取すると血中濃度が上昇し、副作用が発現するおそれがある。"} +{"problem_id": "102338", "problem_text": "50歳女性。体重50 kg。激しい腹痛のため来院した。検査の結果、腹痛は小腸の炎症によるものと判明した。食事が摂れないため、エネルギー基質としてアミノ酸(3.0 w/v%)及びブドウ糖(8.0 w/v%)を含有する輸液を末梢静脈より投与することとなった。本製剤を1日あたり1,500 mL投与するとき、患者の総エネルギー消費量(TEE)に対する総投与エネルギー量の割合(%)として最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、基礎エネルギー(BEE)は25 kcal/kg/日で概算できるものとし、この患者の活動係数は1.2、ストレス係数は1.0とする。", "choices": ["15", "30", "45", "60", "75"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "<本患者の総エネルギー消費量(TEE)を求める>\nTEEは以下の式より求めることができる。TEE=基礎エネルギー(BEE)\\times 活動係数\\times ストレス係数\n設問に「体重50 kg、基礎エネルギー(BEE)は25 kcal/kg/日、活動係数1.2、ストレス係数1.0とする」と記載されていることから、TEEを以下のように求めることができる。TEE=25 kcal/kg/日\\times 50 kg\\times 1.2\\times 1.0=1500 kcal/日\n<輸液による総投与エネルギー量を求める>\n設問に「アミノ酸(3.0 w/v%)及びブドウ糖(8.0 w/v%)を含有する輸液を末梢静脈より投与」「本製剤を1日あたり1,500 mL投与する」と記載されていることから、輸液による総投与エネルギー量を以下のように求めることができる。アミノ酸: 3 g/100 mL\\times 1500 mL\\times 4 kcal/g=180 kcal\nブドウ糖: 8 g/100 mL\\times 1500 mL\\times 4 kcal/g=480 kcal\n輸液による総投与エネルギー量=180 kcal+480 kcal=660 kcal\nこれらのことから、TEEに対する総投与エネルギー量を以下のように求めることができる。660/1500\\times 100=44(%)"} +{"problem_id": "102339", "problem_text": "後期高齢者で一人住まいの患者Aは、通院にヘルパーの介助が必要であった。最近、通院が困難になり、薬の服薬管理にも不安があるので、週1回の訪問薬剤管理指導の指示が処方医より出された。薬剤師が行う訪問薬剤管理指導の内容として適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["訪問前に、薬学的管理指導計画をたてる。", "患者の状態から介護度を決定し、介護保健被保険者証に記載する。", "患者の生活状態に応じた服薬支援(剤形変更、簡易懸濁法など)を医師に提案する。", "バイタルサインのチェックを行うには、医師の免許が必要となる。", "在宅訪問の結果について、必要な情報を医師やケアマネージャーなどに報告する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:適切\n訪問薬剤管理指導を行うに当たり、薬剤師は訪問前に処方医から提供された情報及び患者の状況をふまえて薬学的管理指導計画を策定する。2:不適切\n介護度に認定は、市町村および特別区に設置されている介護認定審議会によって行われ、薬剤師は関与しない。3:適切\n訪問薬剤管理指導において、薬剤師は個々の患者の状況に応じた服薬支援(剤型変更・簡易懸濁法など)を医師に提案する。4:不適切\n訪問薬剤管理指導を行うにあたり、薬剤師がフィジカルアセスメント(患者に触れ、バイタルサイン(血圧、脈拍、体温など)を確認すること)行う際には医師の許可は不要である。5:適切\n訪問指導終了後、薬剤師は薬歴を作成するとともに必要な情報を医師やケアマネージャーなどに報告する必要がある。"} +{"problem_id": "102340", "problem_text": "60歳男性。数年来、糖尿病治療のためクリニックを受診している。このたび、糖尿病の病態悪化の傾向があり、現在服用中の薬剤に1薬剤が追加され、処方箋をかかりつけの薬局へ持参した。薬剤師がお薬手帳で現在服用��の薬剤を確認し、窓口で患者と以下の会話があった。(現在服用中の薬剤) ボグリボース錠0.3 mg:1回1錠(1日3錠) 1日3回:朝昼夕食直前:28日分 メトホルミン塩酸塩錠250 mgMT:1回1錠(1日2錠) 1日2回:朝夕食直前:28日分 (薬剤師と患者との会話) 患:者 糖尿の薬がまた増えました。今後の薬も1日3回、食前に飲む必要がありますか。薬剤師 新しく出た薬は1日1回ですよ。食前に飲み忘れた時は食後でもいいですよ。患:者 どんな薬なのですか。注意することはありますか。薬剤師 尿中に余分な糖を出すことで効果を発揮する薬です。今まで通り、低血糖症状に気をつけてください。それに追加して排尿時の違和感にも注意してください。尿量が増えることで喉が渇きやすくなるかもしれません。その時は水分補給を忘れないでください。上記の会話から推測される糖尿病治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["グリベンクラミド", "シタグリプチンリン酸塩水和物", "ピオグリタゾン塩酸塩", "イプラグリフロジン L-プロリン", "ミチグリニドカルシウム水和物"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "薬剤師の最後の説明にある「尿中に余分な糖を出すことで効果を発揮する」「尿量が増えることで喉が渇きやすくなるかもしれない。」から、本患者に新たに処方された薬物は、腎尿細管に発現するSGLT2(Na^{+}/グルコース共輸送体2)阻害薬であるイプラグリフロジン L-プロリンであると考えられる。イプラグリフロジン L-プロリンは、選択的SGLT2を阻害薬であり、腎近位尿細管におけるグルコースの再吸収を阻害し、尿中に余分な糖を排出することにより血糖降下作用を示す。本薬物は、副作用として低血糖、腎盂腎炎、敗血症、脱水、ケトアシドーシスを引き起こす。また、本薬物の用法は、「通常、成人に対して1日1回朝食前または朝食後に経口投与する」となっていることから、朝食前に飲み忘れた場合は朝食後に服用してもよい旨を説明する。"} +{"problem_id": "102341", "problem_text": "48歳女性。非小細胞肺がん。以下の処方箋をかかりつけ薬局に持参した。薬歴からこれまでは処方2の薬剤が3週間毎に処方されており、処方1は初めての処方であることを確認した。この患者の処方箋と薬歴情報について正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["今回の処方薬は、他の化学療法施行後に開始された薬剤である。", "血小板減少による発熱が出現していた可能性がある。", "息切れ、咳などのかぜの様な症状がでても自然におさまることを伝える。", "発疹、皮膚の乾燥やかゆみが出現する可能性があることを伝える。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n以前から処方されている処方2の内容を以下に示す。・ジフェンヒドラミン塩酸塩錠\n化学療法による過敏症を抑制するために処方されていると推察される。・レボフロキサシン錠\n化学療法による白血球減少に伴う易感染状態に対して処方されていると推察される。・ロキソプロフェンNa錠\n化学療法による白血球減少に伴う発熱に対して処方されていると推察される。上記の内容より、今回の処方薬(エルロチニブ塩酸塩錠)が化学療法施行後に処方されていると推察することができる。2:誤\nロキソプロフェンNa錠が処方されていることから、白血球減少に伴う発熱が出現していた可能性がある。3:誤\nエルロチニブを投与することにより、副作用として間質性肺炎を起こすことがある。息切れ、咳などのかぜの様な症状は間質性肺炎の初期症状であることから、これらの症状が出現した場合には、直ちに医療機関を受診するように促す必要がある。4:正\nエルロチニブを投与することにより、副作用として重度の皮膚障害を起こすことがある。よって、本剤を投与するにあたり皮膚障害の初期症状(ニキビのような発疹、皮膚の乾燥、皮膚のひび割れ、かゆみ、熱感、あかみなど)を伝え、これらの症状が現れた場合には、直ちに医療機関を受診するように促す必要がある。"} +{"problem_id": "102342", "problem_text": "2歳3ヶ月女児。体重12 kg。湿性咳嗽に対して以下の処方箋が発行され、母親が薬局に持参した。当該薬局の調剤内規では「1回の服用量が整数値となるように精製水を最小量加える」となっている。(処方) カルボシステインシロップ5%:1回120 mg���1日360 mg)【原薬量】 プロカテロール塩酸塩シロップ0.0005%:1回15 \\micro g(1日45 \\micro g)【原薬量】 上記を混合して1剤とする。1日3回:朝昼夕食後:3日分 1回の服用量として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["4 mL", "6 mL", "8 mL", "10 mL", "12 mL"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "<カルボシステインシロップ5%の1回分の服用量を求める>\nカルボシステインシロップ5%(50 mg/mL)の1回分の服用量は、120 mg/50 mg/mL=2.4 mLである。<プロカテロール塩酸塩シロップ0.0005%の1回分の服用量を求める>\nプロカテロール塩酸塩シロップ0.0005%(5 \\micro g/mL)の1回分の服用量は、15 \\micro g/5 \\micro g/mL=3 mLである。これらのことから、本処方薬の1回分の服用量は、2.4+3=5.4 mLとなる。問題文に「1回の服用量が整数値となるように精製水を最小量加える」と記載されていることから、1回分の服用量を6 mLとなるように精製水を加える必要がある。"} +{"problem_id": "102343", "problem_text": "ある医薬品について患者向け説明文書を作成するため、承認時の審査報告書を調べたところ、次のような記載が見つかった。IV.総合評価 高用量(125 mg/日)ではあるものの本剤単独投与で汎血球減少症による死亡例が発現しており、肝機能障害、胃腸障害等も高頻度に発現していること(::-中略-::)等を踏まえると、本剤の臨床使用に当たっては十分な安全対策を講じる必要があり、製造販売後調査において本剤の安全性を引き続き慎重に検討する必要があると考える。(一部抜粋) 患者向け説明文書中「このような症状が現れたときには、すぐに医師または薬剤師に連絡してください」の項目に記載する必要があるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["手足がしびれる、手足の皮膚が硬くなる、爪が変形する。", "息が切れる、めまいがする、のどが痛い、鼻血がでる、青あざができる。", "尿が少なくなる、尿がでない、むくみがある、体がだるい、発疹。", "のどがかわく、水分をたくさん摂ってしまう、尿の量が多い、体重が減る。", "ぼんやりする、手足がふるえる、目がちらつく、ふらつく、冷や汗がでる。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "問題文に「本剤単独投与で汎血球減少症による死亡例が発現しており」と記載されていることから、患者向けの説明文書中には汎血球減少症の初期症状を記載する必要がある。汎血球減少症では初期症状として、息切れ、めまい、鼻血、出血しやすい、青あざができるなどを呈することがある。よって、本薬物の患者向けの説明文書に「息が切れる、めまいがする、喉が痛い、鼻血が出る、青あざができる」と記載する必要がある。なお、他の選択肢については、選択肢1: 手足症候群の初期症状、選択肢3: 急性腎不全の初期症状、選択肢4: 高血糖の初期症状、選択肢5: 低血糖の初期症状となっている。"} +{"problem_id": "102344", "problem_text": "63歳男性。青緑色の吐物を嘔吐し、救急病院に搬送された。医師が家族から状況を聞くと、この男性は認知症であり、買い置きしておいたホウ酸団子をお菓子と間違えて3個食べてしまったという。この男性がホウ酸団子を食べてから5時間以上が経っている。ホウ酸団子とは、ホウ酸にタマネギ、小麦粉、砂糖、牛乳を加えてつくるゴキブリ駆除剤であり、1個あたり、約3 gのホウ酸を含有している。担当医師から薬剤師に解毒方法を急いで調べてほしいとの連絡があった。薬剤師が調べたホウ酸についての情報は以下の通りである。【中毒量・致死量】 中毒量: 成人:1〜3 g 経口致死量: 成人:15〜30 g 【体内動態】 ホウ酸は、経口摂取後消化管から1時間以内にほとんどが吸収される。吸収後24時間で約50%が、96時間で90%以上が未変化体として尿中に排泄される。分布容積は小さく、血漿タンパク質にほとんど結合しない。この男性に最も有効と考えられる処置法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["胃洗浄", "活性炭の投与", "プラリドキシムヨウ化物(PAM)の投与", "クエン酸マグネシウムの投与", "血液透析"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "ホウ酸団子を経口摂取することにより消化器症状(悪心、青緑色の吐物、下痢便など)や皮膚症状(紅斑様発疹など)、腎障害、けいれんなどを起こすことがある。ホウ酸団子を摂取してしまった場合には、以下の措置を行��。・ホウ酸団子が胃内に存在している場合(摂取後1時間以内)は、生理食塩液等で胃洗浄を行う。・呼吸管理、循環管理を行う。・腎不全に陥ってしまった場合や他の治療法で効果が得られない場合は、血液透析を行う。1:誤\n本症例では、ホウ酸団子摂取後5時間以上経過していることから胃洗浄により中毒症状を改善することはできない。2:誤\nホウ酸はほとんど活性炭に吸着しないため、活性炭の投与により中毒症状を改善することはできない。3:誤\nプラリドキシムヨウ化物(PAM)は、有機リン系剤の中毒症状に用いられるが、ホウ酸団子による中毒症状の改善には用いられない。4:誤\nクエン酸マグネシウムは、腸管運動を促進させることにより腸管内に存在する毒性物質の体外への排泄を促進させる。本症例では、ホウ酸団子摂取後5時間以上経過していることからクエン酸マグネシウムの投与により中毒症状を改善することはできない。5:正\n本症例では、ホウ酸団子摂取後5時間以上経過しており、血液中にホウ酸が移行していると考えられることから、解毒の方法として血液透析が有効である。"} +{"problem_id": "102345", "problem_text": "病棟において薬剤師が看護師よりメナテトレノン静注製剤の保管取扱いについて注意事項を教えてほしいと依頼された。医薬品インタビューフォームを調べたところ、表に示す安定性試験のデータが記載されていた。メナテトレノン静注製剤の保管取扱いについて正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["LPEを開封しない状態で保管する。", "褐色アンプルのみの状態では、光分解による含量低下は起こらない。", "シリンジを用いて静注する場合は、採取後3時間以内に行う。", "点滴静注により持続投与を行う場合は、遮光カバーを用いる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n設問の表より、LPE開封後の保存期間は8時間であることから、本剤はLPEを開封せず保管する必要がある。2:誤\n設問の表より、褐色アンプルのみの状態では、3時間後わずかに褐変、含量低下(8時間後に規格下限)していることから、光分解による含量低下が起こっていると考えられる。3:誤\n設問の表より、プラスチックシリンジでは、1時間後にわずかに褐変、含量低下(2時間後に規格外)となっていることから、シリンジを用いて本剤を静注する場合には、採取後1時間以内に行う必要がある。4:正\n本剤は光により分解されやすいため、点滴静注により持続投与を行う場合には、遮光カバーを用いる必要がある。"} +{"problem_id": "103001", "problem_text": "系の乱雑さを定量的に表す熱力学量はどれか。1つ選べ。", "choices": ["内部エネルギー", "エンタルピー", "エントロピー", "ギブズエネルギー", "化学ポテンシャル"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、系の乱雑さを定量的に表す熱力学量は「エントロピー」である。1:誤\n内部エネルギーとは、熱力学で用いられる状態関数であり、物体内部の状態で決まるエネルギーのことである。2:誤\nエンタルピーとは、定圧過程おける熱の出入り判断する際に用いられる状態関数のことである。3:正\n4:誤\nギブズエネルギー(自由エネルギー)とは、熱力学で用いられる状態関数であり、自発的変化の方向、平衡条件等を表す指標となる。5:誤\n化学ポテンシャルとは、系を構成するある成分1モル当たりの定温・定圧下での自由ネルギーのことである。"} +{"problem_id": "103002", "problem_text": "化合物の親水性や疎水性を表す指標となる分配係数の測定において、水と組み合わせて用いられる有機溶媒はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセトニトリル", "アセトン", "1-オクタノール", "グリセロール", "メタノール"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "分配係数を測定するためには、水と混合した際、2相分離する有機溶媒を用いる必要がある。選択肢のうち、水と混合した際、2相に分離するのは、「1-オクタノール」である。"} +{"problem_id": "103003", "problem_text": "硫酸バリウムの飽和水溶液に硫酸ナトリウムを加えるとき、硫酸バリウムの沈殿が生じやすくなる現象に最も関連するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["過飽和現象", "共通イオン効果", "異種イオン効果", "重原子効果", "水平化効果"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "硫酸バリウ���に硫酸バリウムと共通のイオンを含む硫酸ナトリウムを加えると沈殿が生じやすくなる現象を共通イオン効果という。共通イオン効果とは、難溶解性塩が平衡状態に達している状態に、難溶解性塩と共通のイオンを加えると、難溶解性塩の溶解度が低下し、沈殿を生じやすくなる現象のことである。"} +{"problem_id": "103004", "problem_text": "理想気体の物質量n、圧力p、気体定数R、熱力学温度T、体積Vについて成立する関係はどれか。1つ選べ。", "choices": ["n=RTV/p", "n=pT/RV", "n=pRT/V", "n=pV/RT", "n=RT/pV"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "理想気体における状態方程式は以下の式で表される。pV=nRT\n物質量n、圧力p、気体定数R、熱力学温度T、体積V\n上記の式を変換すると、物質量nは以下の式で表される。n=pV/RT"} +{"problem_id": "103005", "problem_text": "有効数字を考慮した、2つの測定値1.231と0.32132の和はどれか。1つ選べ。", "choices": ["1. 6", "1.55", "1.552", "1.5523", "1.55232"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "有効数字を考慮した加減算では、加減算を行った数値のうち、小数点以下の桁数が最も少ない数値に支配される。<計算過程>\n①計算する\n1.231+0.32132=1.55232\n②小数点以下の桁数を確認する\n1.231•••小数第三位\n0.32132•••小数第五位\n1.231が小数点以下の数値が最も少ない: 小数第三位\n③有効な桁数を考慮し、四捨五入して計算結果に反映する。1.552"} +{"problem_id": "103006", "problem_text": "2-メチルブチル基を表す構造式はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "IUPAC命名法では、分岐鎖アルキル基の炭素に位置番号を付ける際、位置番号が小さくなるように命名する。1:誤\n3-メチルブチル基\n2:誤\n1,2-ジメチルプロピル基\n3:誤\n2,2-ジメチルプロピル基\n4:誤\n1-メチルブチル基\n5:正"} +{"problem_id": "103007", "problem_text": "不斉中心の立体配置がR配置であるのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "103008", "problem_text": "芳香族性を示さないのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "芳香属性を示す化合物は、ヒュッケル則を満たす。<ヒュッケル則>\n・環全体が平面構造で、環を構成しているすべての原子がp軌道をもつ(環を構成しているすべての原子がsp^{2}混成軌道をとる)\n・4n+2個の\\pi 電子を有する(n=0、1、2、…)\n選択肢1の化合物は\\pi 電子が4個であるため、芳香族性を示さない。"} +{"problem_id": "103009", "problem_text": "亜鉛イオンは、生体内においてルイス酸として重要な役割を果たしている。亜鉛がとりやすい酸化数はどれか。1つ選べ。", "choices": ["+1", "+2", "+3", "+4", "+5"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "亜鉛は12族に属しており、最外殻電子が2個(s軌道に2個の電子を有する)であるため、亜鉛がとりやすい酸化数は「+2」となる。"} +{"problem_id": "103010", "problem_text": "pKa値が最も小さいカルボン酸はどれか。1つ選べ。", "choices": ["CH_{3}CO_{2}H", "F-CH_{2}CO_{2}H", "Cl-CH_{2}CO_{2}H", "Br-CH_{2}CO_{2}H", "I -CH_{2}CO_{2}H"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "酸性度が強い化合物ほどpKa値は小さい値を示す。プロトンを放出した後の共役塩基が安定な化合物ほど酸性度が大きい(pKa値は小さくなる)。このことから、カルボン酸に結合しているメチレン基に電気陰性度が最も大きいフッ素を有する化合物(選択肢2)のpKa値が最も小さい。"} +{"problem_id": "103011", "problem_text": "図は、ヒトの心臓の断面と心臓に出入りする血管を示す。1〜5のうち、肺動脈はどれか。1つ選べ。なお、矢印は血液の流れを示す。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "肺動脈は、心臓の右心室から肺へ血液を送り出す動脈である(選択肢: 4)。"} +{"problem_id": "103012", "problem_text": "コレステロールの構造はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nコレステロールの構造である。2:誤\nトリプトファンの構造である。3:誤\nラクトース(乳糖)の構造である。ラクトース: ガラトースとグルコースが\\beta (1\\rightarrow 4)結合したもの\n4:誤\nホスファチジルコリンの構造である。ホスファチジルコリン: グリセロールに2分子の脂肪酸とホスファチルジコリンが結合したもの\n5:誤\nグアニンの構造である。"} +{"problem_id": "103013", "problem_text": "図はヒト染色体を表す。矢印の部分(黒色)に存在する構造の名称はどれか。1つ選べ。", "choices": ["動原体", "テロメア", "核小体", "セントロメア", "紡錘糸"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "ヒト染色体の末端部分には、染色体末端を保護するテロメアが存在する。"} +{"problem_id": "103014", "problem_text": "T細胞が分化・成熟する一次リンパ器官はどれか。1つ選べ。", "choices": ["リンパ節", "胸腺", "脾臓", "副腎", "骨髄"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "一次リンパ器官とは、リンパ球の産生・分化が起こる器官のことであり、「胸腺」「骨髄」などがそれに該当する。<胸腺>\n胸腺では、骨髄で産生されたT細胞の前駆細胞が分化・成熟する。<骨髄>\n骨髄では、血球細胞が分化することに加え、B細胞が分化成熟し、自己反応性のB細胞が除去される。"} +{"problem_id": "103015", "problem_text": "ヘリコバクター・ピロリが、アンモニアを産生する際に関与する主な酵素はどれか1つ選べ。", "choices": ["アルギナーゼ", "ウレアーゼ", "グルタミナーゼ", "クレアチンキナーゼ", "デアミナーゼ"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ヘリコバクター・ピロリ菌は、ウレアーゼにより尿素からアンモニアを産生し、胃酸を中和することが可能である。それにより、ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃酸の影響を受けないため、胃内で生息することが可能となる。"} +{"problem_id": "103016", "problem_text": "「日本人の食事摂取基準(2015年版)」において、生活習慣病の発症及び重症化を予防するために設定されている栄養素の指標はどれか。1つ選べ。", "choices": ["推定平均必要量", "推奨量", "目安量", "目標量", "耐容上限量"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "日本人の食事摂取基準(2015年版)では、目的ごとで以下の項目を定めている。・摂取不足の回避のためには、「推定平均必要量」「推奨量」「目安量」が設定されている。推定平均必要量: 半数の人が必要量を満たす量\n推奨量: ほとんどの人が充足している量\n*十分な科学根拠が得られず、推定平均必要量、推奨量が設定できない場合、「目安量」を設定\n・過剰摂取による健康障害の回避のためには、「耐容上限量」が設定されている。・生活習慣病の予防のためには、「目標量」が設定されている。目標量: 生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量"} +{"problem_id": "103017", "problem_text": "食品中のトリプトファンから生じる腐敗臭の原因物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["エチルメルカプタン", "スカトール", "スベルミジン", "トリメチルアミン", "ヒスタミン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "食品中のトリプトファンは分解されて、腐敗臭を発するスカトール(3-メチルインドール)を生じる。"} +{"problem_id": "103018", "problem_text": "冬季に患者発生数がピークになる食中毒の病因物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["カンピロバクター・ジェジュニ", "ツキヨタケ", "腸炎ビブリオ", "ノロウイルス", "サルモネラ属菌"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "冬季に患者発生数がピークになる食中毒は、ノロウイルスによる食中毒である。ノロウイルスによる食中毒は、例年11月から増え、12月をピークに3月まで多発する。"} +{"problem_id": "103019", "problem_text": "母子感染防止事業の徹底により母子感染は激減したが、小児における水平感染が問題となったため、予防接種の対象に新たに加えられたウイルスはどれか。1つ選べ。", "choices": ["A型肝炎ウイルス", "B型肝炎ウイルス", "C型肝炎ウイルス", "E型肝炎ウイルス", "アデノウイルス"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "母子感染防止事業の徹底により母子感染が激減したが、小児における水平感染が問題となり、予防接種の対象に新たに加えられたウイルスは、「B型肝炎ウイルス」である。\nHBVキャリアの新たな発生の根絶を目指し、1985年6月よりB型肝母子感染防止事業が実施された。\n小児における水平感染が問題となったため、2016年10月1日よりB型肝炎ワクチンを定期の予防接種に位置付けることが了承された。"} +{"problem_id": "103020", "problem_text": "業務上疾病のうち、疾病者が最も多いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["レイノー���", "胆管がん", "酸素欠乏症", "潜水病", "災害性腰痛"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢のうち、業務上疾病(職業病)のうち、疾病者が最も多いのは、「災害性腰痛」である。業務上疾病における災害性腰痛とは、腰に受けた外傷によって生じる腰痛のほか、外傷はないが、突発的で急激な痛みが原因となって筋肉等の損傷により発生する腰痛のことである。"} +{"problem_id": "103021", "problem_text": "ほ乳類の体内で、有機リン系農薬マラチオンを代謝して無毒化する酵素はどれか。1つ選べ。", "choices": ["N-アセチル転移酵素", "グルタチオンS-転移酵素", "硫酸転移酵素", "カルボキシルエステラーゼ", "アルコール脱水酵素"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "哺乳類の体内においてマラチオンはカルボキシエステラーゼにより代謝され無毒化される。なお、昆虫に吸収されたマラチオンはシトクロムP450による酸化的脱硫反応によりマラオクソンへと代謝される。マラオクソンはコリンエステラーゼ阻害作用がマラチオンより強く、これにより殺虫剤としての作用を示す。"} +{"problem_id": "103022", "problem_text": "慢性毒性として、成人では貧血、小児では中枢神経障害が問題となるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カドミウム", "無機鉛", "無機スズ", "クロム", "アルセノベタイン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "慢性毒性として、成人では貧血、小児では中枢神経障害が問題となるのは、「無機鉛」である。1:誤\nカドミウムは、腎障害や肺障害(肺気腫、肺水腫)を引き起こす可能性がある。2:正\n3:誤\n無機スズは生体への毒性は低いとされている。なお、有機スズ化合物は、中枢神経障害、脳浮腫、四肢の脱力感を引き起こす可能性がある。4:誤\n無機クロム、3価クロムは毒性を示さないが、6価クロムは強い毒性を示す。6価クロムは、強い酸化作用を有しており、皮膚や粘膜に付着した状態を放置すると皮膚炎や潰瘍を引き起こす可能性がある。5:誤\nアルセノベタインは有機ヒ素化合物であり、生体への毒性は低いとされている。"} +{"problem_id": "103023", "problem_text": "微量元素セレンを含む生体防御因子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["スーパーオキシドジスムターゼ", "NADPHオキシダーゼ", "グルタチオンペルオキシダーゼ", "カタラーゼ", "メタロチオネイン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nスーパーオキシドジスムターゼは、スーパーオキシドアニオンと水素イオンを反応させ三重項酸素と過酸化水素を生成する反応を触媒する酵素である。本酵素には、銅、亜鉛、鉄、マンガンが含まれている。2:誤\nNADPHオキシダーゼは、主に好中球に存在し、分子状酸素から超酸化物イオンを生成する反応を触媒する酵素である。3:正\nグルタチオンペルオキシダーゼは、過酸化水素もしくは過酸化脂質と還元型グルタチオンを基質とし、水もしくはアルコールと酸化型グルタチオンを生成する反応を触媒する酵素である。本酵素には、セレンが含まれている。4:誤\nカタラーゼは、過酸化水素を酸素と水に変える反応を触媒する酵素である。5:誤\nメタロチオネインは、金属結合性タンパク質であり、重金属に結合し、その毒性を軽減するだけでなく、活性酸素種を消去する作用を有する。"} +{"problem_id": "103024", "problem_text": "水道水の水質基準項目のうち、塩素消毒による副生成物でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ジェオスミン", "ジブロモクロロメタン", "クロロ酢酸", "クロロホルム", "ブロモホルム"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "塩素消毒による副生成物でないのは、「ジェオスミン」である。ジェオスミンは、藻類及び放線菌から生成されるカビ臭の原因物質である。"} +{"problem_id": "103025", "problem_text": "大気中に含まれる物質のうち、環境基本法により環境基準が設定されていないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["一酸化炭素", "二酸化炭素", "二酸化窒素", "テトラクロロエチレン", "ベンゼン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "大気中の濃度について環境基準が定められている物質については、「大気に係る環境基準」で以下のように定められている。1.大気汚染に係る環境基準\n規制対象物質: 二酸化硫黄、一酸化炭素、浮遊粒子状物質、二酸化窒素、光化学オキシダント\n2.有害大気汚染物質に係る環境基準\n規制対象物質: ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン\n3.ダイオキシン類に係る環境基準\n規制対象物質: ダイオキシン類\n4.微小粒子状物質に係る環境基準\n規制対象物質: 微小粒子状物質"} +{"problem_id": "103026", "problem_text": "Gqタンパク質と共役してホスホリパーゼCを活性化する受容体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\beta _{1}受容体", "ドパミンD_{2}受容体", "オピオイド\\micro受容体", "アセチルコリンM_{2}受容体", "ヒスタミンH_{1}受容体"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "\n\\alpha _{1}受容体、M_{1}・M_{3}受容体、H_{1}受容体、5-HT_{2}受容体、AT_{1}受容体、TP(TXA_{2})受容体\n\n\\beta _{1}・\\beta _{2}受容体、H_{2}受容体、D_{1}受容体、グルカゴン受容体、5-HT_{4}受容体、V_{2}受容体、PGI_{2}受容体、A_{2}受容体\n\n\\alpha _{2}受容体、M_{2}受容体、D_{2}受容体、GABA_{B}、5-HT_{1}受容体、A_{1}受容体、ADP受容体、オピオイド\\micro受容体"} +{"problem_id": "103027", "problem_text": "長期連用により精神的依存を起こすが、身体的依存を生じにくいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メタンフェタミン", "モルヒネ", "アルコール(エタノール)", "エチゾラム", "フェノバルビタール"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "選択肢のうち、長期連用により精神的依存を起こすが、身体的依存を生じにくいのは、「メタンフェタミン」である。・精神的依存\n特定の薬物の使用を止めた際に、感情・動機的な脱離症状(不快感、喜びの喪失、不安など)が起こる状態のことである。・身体的依存\n特定の薬物の使用を止めた際に、離脱症状と呼ばれる身体の症状が起こる状態のことである。"} +{"problem_id": "103028", "problem_text": "アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬の薬理作用はどれか。1つ選べ。", "choices": ["心拍数低下", "瞳孔散大筋収縮", "膀胱括約筋(内尿道括約筋)収縮", "気管支平滑筋弛緩", "グリコーゲン分解抑制"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬の薬理作用に該当するのは、気管支平滑筋弛緩(選択肢4)である。1:誤\n心臓の洞房結節には、アドレナリン\\beta _{1}受容体とムスカリンM_{2}受容体が存在する。アドレナリン\\beta _{1}受容体遮断又はムスカリンM_{2}受容体刺激により心拍数が低下する。2:誤\n瞳孔散大筋には、アドレナリン\\alpha _{1}受容体が存在する。アドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激により瞳孔散大筋が収縮する。3:誤\n膀胱括約筋(内尿道括約筋)には、アドレナリン\\alpha _{1}受容体とムスカリンM_{3}受容体が存在する。アドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激又はムスカリンM_{3}受容体遮断により膀胱括約筋(内尿道括約筋)が収縮する。4:正\n5:誤\nアドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬により、グリコーゲン分解が促進する。"} +{"problem_id": "103029", "problem_text": "副交感神経終末から遊離された神経伝達物質の分解を抑制するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ベタネコール", "スコポラミン", "ジスチグミン", "プラリドキシム", "イプラトロピウム"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "副交感神経終末から遊離される神経伝達物質は、アセチルコリンである。選択肢のうち、アセチルコリンの分解を抑制する物質は、「ジスチグミン」である。"} +{"problem_id": "103030", "problem_text": "ダントロレンの筋弛緩作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["筋小胞体からのCa^{2+}の遊離抑制", "神経筋接合部の神経終末からのアセチルコリンの遊離抑制", "神経筋接合部のニコチン性アセチルコリン受容体の競合的遮断", "神経筋接合部のニコチン性アセチルコリン受容体の不可逆的遮断", "脊髄の\\gamma -アミノ酪酸GABA_{B}受容体刺激"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "ダントロレンは、横行小管(T管)から筋小胞体に興奮を伝える過程を遮断し、筋小胞体膜のリアノジン受容体を抑制することにより筋肉小胞体からのCa^{2+}遊離を抑制して筋を弛緩させる。"} +{"problem_id": "103031", "problem_text": "全身麻酔の導入時に、前投与薬(麻酔前投薬)として使用されない薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ベクロニウム", "ジアゼパム", "レミフェンタニ��", "ピロカルピン", "ドロペリドール"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、全身麻酔の導入時に、前投与薬(麻酔前投薬)として使用されないのは、「ピロカルピン」である。なお、ピロカルピンは、経口にてシェーグレン症候群患者の口腔乾燥症状の改善、点眼にて緑内障、診断又は治療を目的とする縮瞳に用いられる。"} +{"problem_id": "103032", "problem_text": "T型Ca^{2+}チャネルを遮断することで抗てんかん作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カルバマゼピン", "レベチラセタム", "ガバペンチン", "フェニトイン", "エトスクシミド"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "T型Ca^{2+}チャネルを遮断することで抗てんかん作用を示すのは、「エトスクシミド」である。1:誤\nカルバマゼピンは、Na^{+}チャネルを抑制し、Na^{+}の細胞内への流入を抑制することにより抗てんかん作用を示す。2:誤\nレベチラセタムは、神経伝達物質の放出の調節に関与しているシナプス小胞タンパク質2A(SV2A)に結合し、抗てんかん作用を示す。3:誤\nガバペンチンは、電位依存性Ca^{2+}チャネルの\\alpha _{2}\\delta サブユニットに結合し、前シナプス性にCa^{2+}電流を抑制して興奮性神経伝達物質の遊離を抑制することより抗てんかん作用を示す。4:誤\nフェニトインは、Na^{+}チャネルを抑制し、Na^{+}の細胞内への流入を抑制することにより抗てんかん作用を示す。5:正"} +{"problem_id": "103033", "problem_text": "セロトニン5-HT_{1A}受容体を選択的に刺激することで抗不安作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ジアゼパム", "スマトリプタン", "タンドスピロン", "スピペロン", "オキサゾラム"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "セロトニン5-HT_{1A}受容体を選択的に刺激することで抗不安作用を示すのは、「タンドスピロン」である。1:誤\nジアゼパムは、ベンゾジアゼピン受容体に結合することにより抗不安作用を示す。2:誤\nスマトリプタンは、脳血管の5-HT_{1B}受容体、5-HT_{1D}受容体を刺激し、血管を収縮させることにより片頭痛を改善する。3:正\n4:誤\nスピペロンは、ドパミンD_{2}受容体を遮断することにより統合失調症の陽性症状を改善する。5:誤\nオキサゾラムは、ベンゾジアゼピン受容体に結合することにより抗不安作用を示す。"} +{"problem_id": "103034", "problem_text": "血管平滑筋細胞においてサイクリックAMP(cAMP)を増やすことで血管拡張作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カンデサルタン", "カルペリチド", "ボセンタン", "ベラプロスト", "プラゾシン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nカンデサルタンは、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体を選択的に遮断することにより、血管拡張作用を示す。2:誤\nカルペリチドは、ANP受容体を刺激することにより、血管拡張作用を示す。3:誤\nボセンタンは、エンドセリンET_{A}、ET_{B}受容体を非選択的に遮断することにより、血管拡張作用を示す。4:正\nベラプロストは、血管平滑筋細胞においてプロスタノイドIP(PGI_{2})受容体を刺激し、アデニル酸シクラーゼを活性化することによりサイクリックAMP(cAMP)を増やすことで血管拡張作用を示す。5:誤\nプラゾシンは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を選択的に遮断することにより血管拡張作用を示す。"} +{"problem_id": "103035", "problem_text": "バソプレシンV_{2}受容体を遮断する利尿薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["スピロノラクトン", "ヒドロクロロチアジド", "アゾセミド", "トリアムテレン", "トルバプタン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "バソプレシンV_{2}受容体を遮断する利尿薬は、「トルバプタン」である。1:誤\nスピロノラクトンは、アルドステロン受容体を遮断することにより利尿作用を示す。2:誤\nヒドロクロロチアジドは、遠位尿細管のNa^{+}-Cl^{-}共輸送系を抑制することにより利尿作用を示す。3:誤\nアゾセミドは、ヘンレ係蹄上行脚のNa^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送系を抑制することにより利尿作用を示す。4:誤\nトリアムテレンは、アミライド感受性Na^{+}チャネルを抑制することにより利尿作用を示す。5:正"} +{"problem_id": "103036", "problem_text": "アザセトロンの制吐作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["化学受容器引き金帯(CTZ)のドパミンD_{2}受容体遮断", "胃の求心性迷走神経終末のセロトニン5-HT_{4}受容��遮断", "CTZのセロトニン5-HT_{3}受容体遮断", "嘔吐中枢のヒスタミンH_{1}受容体遮断", "胃粘膜の知覚神経終末の電位依存性Na^{+}チャネル遮断"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "アザセトロンは、CTZ、消化管の求心性迷走神経末端の5-HT_{3}受容体を遮断して制吐作用を示す。"} +{"problem_id": "103037", "problem_text": "副甲状腺細胞のカルシウム受容体(カルシウム感知受容体)を刺激して、パラトルモンの分泌を抑制するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["テリパラチド", "シナカルセト", "レボチロキシン", "フィナステリド", "フルタミド"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nテリパラチドは、遺伝子組換え副甲状腺ホルモン製剤であり、前駆細胞から骨芽細胞への分化促進、骨芽細胞のアポトーシスを抑制することにより骨形成を促進する。2:正\nシナカルセトは、副甲状腺細胞表面のカルシウム受容体を刺激し、主としてパラトルモンの分泌を抑制する。3:誤\nレボチロキシンは、T_{4}製剤であり、核内の甲状腺ホルモン受容体と結合し、甲状腺ホルモンと同様の作用を示す。4:誤\nフィナステリドは、5\\alpha -還元酵素II型を阻害することによりテストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を抑制する。5:誤\nフルタミドは、前立腺細胞のアンドロゲン受容体を遮断する。"} +{"problem_id": "103038", "problem_text": "痛風・高尿酸血症の治療薬のうち、尿路結石を予防する目的で、尿アルカリ薬が併用されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["コルヒチン", "ベンズブロマロン", "フェブキソスタット", "ラスブリカーゼ", "ナプロキセン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "尿路結石を予防する目的で、尿アルカリ薬は併用される痛風・高尿酸血症治療薬は、尿酸排泄促進薬であるベンズブロマロンである。ベンズブロマロンを服用すると、尿酸排泄が促進され尿のpHが低下することにより尿路結石を誘発しやすくなる。そのため、ベンズブロマロン服用中に、尿路結石を予防する目的で尿アルカリ薬が併用されることがある。"} +{"problem_id": "103039", "problem_text": "骨粗しょう症治療薬のエルカトニンの作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["破骨細胞の活性抑制による骨吸収抑制", "骨芽細胞の分化促進", "カルシウムの腸管での吸収及び腎臓での再吸収の促進", "骨組織のエストロゲン受容体の活性化", "副甲状腺ホルモンの分泌抑制"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "エルカトニンは、破骨細胞のカルシトニン受容体に作用し骨吸収を抑制する。本薬物は、骨粗しょう症における疼痛に用いられる。"} +{"problem_id": "103040", "problem_text": "TNF-\\alpha (腫瘍壊死因子-\\alpha )の作用を阻害するヒト型可溶性TNF受容体-Fc融合タンパク質の生物学的製剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["シクロスポリン", "オーラノフィン", "インフリキシマブ", "エタネルセプト", "アバタセプト"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "TNF-\\alpha (腫瘍壊死因子-\\alpha )の作用を阻害するヒト型可溶性TNF受容体-Fc融合タンパク質の生物学的製剤は「エタネルセプト」である。1:誤\nシクロスポリンは、土壌真菌が産生する環状ポリペプチドであり、生物学的製剤ではない。2:誤\nオーラノフィンは、金製剤であり、生物学的製剤ではない。3:誤\nインフリキシマブは、遺伝子組換え抗ヒトTNF-\\alpha モノクローナル抗体であり、可溶性及び膜結合型TNF-\\alpha に対して選択的に結合し、血中のTNF-\\alpha の中和作用とサイトカインIL-1、6の産生を抑制する。4:正\n5:誤\nアバタセプトは、T細胞選択的共刺激調節剤であり、抗原提示細胞表面のCD80/86に結合し、CD28を介した共刺激シグナルを阻害する。"} +{"problem_id": "103041", "problem_text": "食事による胃内容排出速度の低下によって、吸収量が増大するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセトアミノフェン", "エリスロマイシン", "セファクロル", "リファンピシン", "リボフラビン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "食事による胃内容排出速度の低下によって、吸収量が増大するのは、リボフラビンである。リボフラビンは小腸上部にある担体によって吸収されるため、食事により胃内容排泄速度が低下すると、吸収過程における飽和現象を起こしにくくなる。そのため、食事による胃内容排出速度の低下により、���ボフラビンの吸収量は増大する。"} +{"problem_id": "103042", "problem_text": "親水性薬物の経皮吸収における最大の障壁はどれか。1つ選べ。", "choices": ["皮脂腺", "真皮層", "毛嚢", "角質層", "毛細血管"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "親水性薬物の経皮吸収における最大の障壁は、角質層である。角質層は経皮からの薬物の吸収過程のおける律速段階となる。"} +{"problem_id": "103043", "problem_text": "分布容積が最も大きいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アミオダロン", "バンコマイシン", "ヘパリン", "リチウム", "ワルファリン"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "アミオダロンは、脂溶性が高く、脂質の多い脂肪組織や肝臓、脾臓、肺、心臓、脳などの臓器に分布することから、その分布容積は体重kgあたり100L以上であり、非常に高い値を示す。"} +{"problem_id": "103044", "problem_text": "生体内で主にUDP-グルクロン酸転移酵素で代謝されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセタゾラミド", "アミカシン", "イソニアジド", "サラゾスルファピリジン", "モルヒネ"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "生体内で主にUDP-グルクロン酸転移酵素で代謝されるのは「モルヒネ」である。\nUDP-\\alpha -D-グルクロン酸(供与体)+モルヒネ\\rightarrow モルヒネ 3-グルクロニド"} +{"problem_id": "103045", "problem_text": "ヘム鉄に配位することで、CYP3A4の活性を阻害するのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、ヘム鉄に配位することで、CYP3A4の活性を阻害するのは、選択肢3のシメチジンである。1:誤\nカナマイシンの構造である。2:誤\nメマンチンの構造である。3:正\n4:誤\nウベニメクスの構造である。5:誤\nロキソプロフェンの構造である。"} +{"problem_id": "103046", "problem_text": "糸球体ろ過速度に対する腎クリアランスの比がほぼ1に等しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アンピシリン", "イヌリン", "インドシアニングリーン", "グルコース", "パラアミノ馬尿酸"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "選択肢のうち、糸球体ろ過速度に対する腎クリアランスの比がほぼ1に等しいのは、「イヌリン」である。イヌリンはタンパク質と結合せず、そのほとんどが糸球体ろ過によって腎臓から排泄されるため、イヌリンの腎クリアランスは、糸球体ろ過速度とほぼ等しくなる。そのため、イヌリンにおいて、糸球体ろ過速度に対する腎クリアランスの比(腎クリアランス/糸球体ろ過速度)はほぼ1に等しくなる。"} +{"problem_id": "103047", "problem_text": "肝クリアランスに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["上限は肝固有クリアランスである。", "上限は肝血流速度である。", "下限は肝固有クリアランスである。", "下限は肝血流速度である。", "肝血流速度に反比例する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "肝クリアランスとは、肝臓で薬物が除去される血液の容積を示しており、その上限は肝血流速度となる。生理学的モデルでは、肝クリアランスは以下の式で表される。肝クリアランス=抽出率\\times 肝血流速度\n抽出率は1以下の値であるため、肝クリアランスの上限は肝血流速度となる。"} +{"problem_id": "103048", "problem_text": "乳糖粉末の粒子径分布と粒子形状の両方を測定できる方法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["光学顕微鏡法", "ふるい分け法", "コールターカウンター法", "動的光散乱法", "遠心沈降法"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "乳糖粉末の粒子径分布と粒子形状の両方を測定できる方法は光学顕微鏡法である。光学顕微鏡法は、粒子径の測定法であり、個数基準の粒度分布を得ることができることに加え、粒子の形状も測定することができる。なお、他の選択については、粒子径分布を得ることができるが、粒子形状を測定することはでない。"} +{"problem_id": "103049", "problem_text": "ソルビタンモノラウレート(HLB値=8.6)とポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(HLB値=15.0)の等質量混合物のHLB値として最も近いのはどれか。1つ選べ。HLB: Hydrophile-Lipophile Balance", "choices": ["6", "9", "12", "15", "24"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)は、界面活性剤の親水性と親油性のバランスを示す値であり、HLBが大きい界面活性剤ほど、親水性である。界面活性剤AとBの混合時のHLBは以下の式で求めることができる。上記の式より、ソルビタンモノラウレート(HLB値=8.6)とポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(HLB値=15.0)の等質量混合物のHLB値は以下のように求めることができる。"} +{"problem_id": "103050", "problem_text": "腸溶性の高分子でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["セラセフェート", "メタクリル酸コポリマー", "ヒドロキシプロピルセルロース", "ヒプロメロースフタル酸エステル", "ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、腸溶性の高分子でないのは、「ヒドロキシプロピルセルロース」である。ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)は、胃溶性コーティング剤として用いられ、非常に柔軟性のあるフィルムを形成する。"} +{"problem_id": "103051", "problem_text": "日本薬局方において、口腔内で徐々に溶解又は崩壊させ、口腔、咽頭などの局所に適用する口腔用錠剤と規定されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["溶解錠", "トローチ錠", "チュアブル錠", "口腔内崩壊錠", "分散錠"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n溶解錠は、水に溶解して服用する錠剤である。2:正\n3:誤\nチュアブル錠は、咀嚼して服用する錠剤である。4:誤\n口腔内崩壊錠は、口腔内で速やかに溶解又は崩壊させて服用できる錠剤である。5:誤\n分散錠は、水に分散して服用する錠剤である。"} +{"problem_id": "103052", "problem_text": "日本薬局方で規定されている一般試験法と、その試験法が適用される剤形の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n無菌試験法は、無菌であることが求められる原薬あるいは製剤に適用される。無菌試験法が適用される主な剤型: 注射剤、眼軟膏剤、点眼剤\n2:誤\n鉱油試験法は、注射剤及び点眼剤に用いる非水性溶媒中の鉱油を試験する方法である。本試験法では、植物性油への鉱油性油の混在を調べる。3:誤\n粘着力試験法は、貼付剤の粘着力を測定する方法である。4:誤\n重金属試験法は、医薬品中に混在する重金属の限度試験である。重金属試験法が適用されるのは、エキス剤と流エキス剤である。5:正\n製剤均一性試験法は、個々の製剤の間での有効成分含量の均一性の程度を示すための試験である。"} +{"problem_id": "103053", "problem_text": "下に示す包装形態の名称はどれか。1つ選べ。", "choices": ["SP(Strip Package)包装", "バラ包装", "PTP(Press Through Package)包装", "ピロー包装", "スティック包装"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "イラストに示されている包装形態は、PTP(Press Through Package)包装である。PTP包装とは、錠剤やカプセル剤を、成形した熱可塑性高分子に、フィルム(アルミニウムに熱可塑性分子を重層したもの)でふたをするように加熱圧着したものである。"} +{"problem_id": "103054", "problem_text": "腹膜透析用剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["pH調節剤を加えることはできない。", "等張化剤を加えることはできない。", "別に規定するもののほか、無菌試験に適合する。", "静脈内に投与される。", "通例、密閉容器に保存する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n腹膜透析用剤にはpH調節剤、等張化剤を加えることができる。2:誤\n解説1参照\n3:正\n腹膜透析用剤の局方規定の試験\n・無菌試験法に適合する\n・注射剤の採取容量試験法(輸液剤)に適合する\n・注射剤の不溶性異物検査法に適合する\n・注射剤の不溶性微粒子試験法に適合する\n4:誤\n腹膜透析用剤は、腹腔に投与される。5:誤\n腹膜透析用剤の容器\n・密封容器、必要に応じて\n・微生物の混入を防ぐことができる気密容器\n・注射剤用ガラス容器試験法に適合する無色あるいは着色容器\n・プラスチック製医薬品容器試験法に適合するプラスチック製水性注射剤容器"} +{"problem_id": "103055", "problem_text": "経口徐放性製剤の利点として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["作用発現開始時間の短縮", "肝初回通過効果の減少", "最高血中濃度の増大", "副作用発現頻度の低下", "最小有効濃度の低下"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "経口徐放性製剤は、消化管内で��々に主薬を放出することから血中濃度が急激に上昇しにくいため、副作用発現頻度の低下を期待することができる。"} +{"problem_id": "103056", "problem_text": "肺腺がんの診断に有用な腫瘍マーカーはどれか。1つ選べ。", "choices": ["NSE", "CA125", "CEA", "PSA", "AFP"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nNSE(neuron-specificenolase)は、神経芽細胞腫、肺小細胞癌などの腫瘍マーカーとして用いられる。2:誤\nCA(carbohydrate antigen)125は、卵巣癌、子宮癌などの腫瘍マーカーとして用いられる。3:正\nCEA(carcinoembryonic antigen)は、主に腺癌(大腸癌、胃癌、胆道癌、膵臓癌、肝臓癌、肺癌など)の指標として用いられる。4:誤\nPSA(prostate specific antigen)は、前立腺がんの腫瘍マーカーとして用いられる。5:誤\nAFP(\\alpha -fetoprotein)は、肝細胞がんの腫瘍マーカーとして用いられる。"} +{"problem_id": "103057", "problem_text": "播種性血管内凝固症候群(DIC)において、著しく低下する検査値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["白血球数", "赤血球数", "血小板数", "血糖値", "尿酸値"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "播種性血管内凝固症候群(DIC)とは、本来出血部位で起こる血液凝固反応が、全身の血管内で無秩序で起こる症候群のことである。本症候群では、全身の血管内で持続性の著しい凝固活性化により微小血栓が多発することから血小板が著しく減少する。"} +{"problem_id": "103058", "problem_text": "子宮内膜症に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["無痛性の疾患である。", "受精卵が着床しやすい。", "血清中のCA125が低値を示す。", "エストロゲン分泌が減少する。", "薬物治療には低用量黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤を用いる。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "子宮内膜症とは、本来、子宮の内膜を覆っている子宮内膜が、子宮以外の場所(卵巣、卵管)に発生する疾患のことであり、治療薬としてGn-RH誘導製剤や低用量黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤が用いられる。1:誤\n本疾患では、生理時(月経時)の下腹部の痛みや性交痛などが発生する。2:誤\n本疾患では、子宮内膜が卵管、卵巣、子宮、腸管などの癒着を引き起こしやすいため、受精卵が着床しにくい。3:誤\n本疾患では、血清中のCA125が高値を示すことがあるため、診断や治療の補助的手段としてCA125を測定することがある。4:誤\n本疾患は、エストロゲン依存疾患であり、エストロゲン分泌の増加により発生しやすくなる。5:正"} +{"problem_id": "103059", "problem_text": "中枢性尿崩症の治療に関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["飲水を制限するよう指導する。", "ヒドロクロロチアジドを投与する。", "デスモプレシンを投与する。", "プレドニゾロンを投与する。", "チアマゾールを投与する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "中枢性尿崩症とは、下垂体およびその上位中枢が障害を受け、抗利尿ホルモンであるバソプレッシンの分泌低下が起こることにより水分保持機構が正常に働かず多尿になる疾患のことである。本疾患の治療には、デスモプレシンが用いられる。なお、本疾患治療中に飲水制限をすると、脱水症状を呈することがあるため、体重などを目安に適切な飲水量を保つよう指導する必要がある。"} +{"problem_id": "103060", "problem_text": "双極性障害の躁状態の症状として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["観念奔逸", "多弁", "希死(自殺)念慮", "誇大妄想", "気分爽快"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "双極性障害の躁状態の症状として、観念奔逸、多弁、誇大妄想、気分爽快などが認められるが、希死(自殺)念慮は認められない。*観念奔逸(かんねんほんいつ): 考えがつぎつぎと出てくること"} +{"problem_id": "103061", "problem_text": "アレルギー性鼻炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["鼻粘膜のII型アレルギー性疾患である。", "IgE抗体が関与している。", "ハウスダストやダニは季節性アレルギー性鼻炎の原因である。", "花粉症の原因としてヒノキ花粉が最も多い。", "アレルゲン免疫療法は即効性がある。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n本疾患は、IgE抗体が関与する鼻粘膜のI型アレルギー疾患である。2:正\n3:誤\n季節性アレルギー性鼻炎は花粉症と��われ、その原因は花粉(スギ、ヒノキ、イネ、ブタクサ、ヨモギなど)である。なお、ハウスダストやダニは通年性アレルギー性鼻炎の原因となる。4:誤\n花粉症の原因として最も多いのは、スギ花粉である。5:誤\nアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法: アレルゲンを含む治療薬を舌下に投与する方法)は、即効性はないが、長期にわたり症状を抑える効果が期待できる。"} +{"problem_id": "103062", "problem_text": "アトピー性皮膚炎の初期治療として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルの外用", "プレドニゾロンの内服", "タクロリムス水和物の内服", "フェキソフェナジン塩酸塩の内服", "ルリコナゾールの外用"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "アトピー性皮膚炎は、増悪と寛解を繰り返す疾患である。本疾患の初期治療には、ステロイド性抗炎症薬の外用剤を使用する。"} +{"problem_id": "103063", "problem_text": "白内障に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["若い女性に好発する。", "発症の最大のリスク因子は喫煙である。", "無痛性の視力低下を伴う。", "水晶体の混濁は薬物治療で完治できる。", "副腎皮質ステロイド薬の内服が有効である。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n白内障は高齢者に好発する。2:誤\n白内障の最大のリスク因子は加齢である。3:正\n4:誤\n薬物治療により水晶体の混濁の進行を抑えることは可能であるが、水晶体の混濁を完治させることはできない。5:誤\n副腎皮質ステロイド薬の内服により、白内障が誘発されることがある。"} +{"problem_id": "103064", "problem_text": "関節リウマチに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["自己免疫疾患である。", "罹患率は男性が女性に比べて高い。", "多様な関節外症状を呈する。", "関節炎は多発性で対称性である。", "早期診断に抗環状シトルリン化ペプチド(抗CCP)抗体の検査が有用である。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "関節リウマチは、関節の滑膜が増殖することにより慢性・持続性・骨破壊性の多発関節炎を生じる自己免疫疾患である。本疾患では関節のみの症状にとどまらず、多様な関節外症状(発熱、体重減少、全身倦怠感、血管炎、間質性肺炎)を呈する。1:正しい\n2:誤っている\n関節リウマチの罹患率は、女性が男性に比べて高い(男女比は約1: 3)\n3:正しい\n4:正しい\n5:正しい\n関節リウマチの早期診断には、抗CCP抗体、MMPの検査、関節MRIが有用である。"} +{"problem_id": "103065", "problem_text": "重症筋無力症に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセチルコリンに対する自己抗体が産生される。", "20代から40代の女性に好発する。", "筋力低下に日内変動がある。", "副腎皮質ステロイド薬による治療が行われる。", "重症例では、呼吸筋麻痺を起こす。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\n重症筋無力症では、神経接合部のニコチン性アセチルコリン受容体に対する自己抗体(抗アセチルコリン受容体自己抗体)が産生される。2:正しい\n3:正しい\n本症では、筋肉低下に日内変動がみられ、特に午後から夕方にかけて筋力低下が現れやすくなる。4:正しい\n本症の治療には、副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬、コリンエンテラーゼ阻害薬が用いられる。5:正しい\n本症の重症例では、呼吸筋が障害されることにより、呼吸麻痺を起こすことがある。なお、本症の症状としては、筋力低下による眼瞼下垂、嚥下困難、構音障害がみられることがある。"} +{"problem_id": "103066", "problem_text": "医薬品インタビューフォームに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医薬品医療機器等法で定められた公文書である。", "医療用医薬品添付文書を補完する三次資料である。", "記載事項は医療用医薬品添付文書と同一である。", "独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が作成し、提供している。", "厚生労働省が記載要領を策定している。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "「医薬品インタビューフォーム」は、添付文書の情報を補完する目的で、日本病院薬剤師会が記載要項を策定し、製薬企業が作成・提供している三次資料である。"} +{"problem_id": "103067", "problem_text": "��ビデンスが明らかな情報を臨床現場で活用することを目的とし、治療や予防に関する無作為化比較試験のシステマティックレビューなどを収載したものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["TOXLINE", "Drug Safety Update", "MEDLINE", "Cochrane Library", "Physicians'Desk Reference"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "エビデンスが明らかな情報を臨床現場で活用することを目的とし、治療や予防に関する無作為化比較試験のシステマティックレビューなどを収載したものは「Cochrane Library」である。システマティックレビューとは、問題に対して、文献をくまなく調査し、研究デザインごとで同質性の研究をまとめ、バイアスを評価しながら分析・統合を行うこと。1:誤\nTOXLINEは、副作用、中毒、環境化学、毒素関連情報が収載されている米国国立医学図書館が作成したデータベースである。2:誤\nDrug Safety Update(DSU: 医薬品安全対策情報)は、医療用医薬品添付文書の「使用上の注意」の改訂情報を収載したものである。3:誤\nMEDLINEは、医学、薬学、看護学全般の医療情報が収載されている米国国立医学図書館が作成したデータベースである。4:正\n5:誤\nPhysicians'Desk Reference(PDR)は、医療用医薬品の添付文書が記載された医師が用いる参考書である。"} +{"problem_id": "103068", "problem_text": "出血リスクの高い手術を予定されている患者で、手術前7日もしくはそれ以前からの休薬を提案すべきものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アスピリン", "アトルバスタチン", "エナラプリル", "シタグリプチン", "ボグリボース"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "出血のリスクが高い手術を予定されている患者で、手術前7日もしくはそれ以前からの休薬を提案すべきものは、抗血小板薬であるアスピリンである。1:正\n2:誤\nアトルバスタチンはHMG-CoA還元酵素阻害薬であり、手術前に休薬する必要はない。3:誤\nエナラプリルはアンギオテンシン変換酵素阻害薬であり、手術前24時間は投与しないことが望ましい。<理由>\n手術時の血圧低下に対して、レニン-アンギオテンシン系が代償的に賦活化し血圧が維持されることがあるが、本剤投与によりレニン-アンギオテンシン系賦活化による血圧上昇作用が得られないことがある。4:誤\n糖尿病患者が手術する際は、インスリンにより血糖コントロールするため、経口血糖降下薬(SU剤、\\alpha -グルコシダーゼ阻害薬、DPP-4阻害薬など)を休薬する。5:誤\n解説4参照"} +{"problem_id": "103069", "problem_text": "妊娠に伴い低下するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["胃内pH", "糸球体濾過速度", "心拍出量", "肝血流量", "血清アルブミン濃度"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n妊娠すると胃酸分泌量が減少するため、胃内pHは上昇する。2:誤\n妊娠すると体液量が増えるため、心拍出量が増え、それにより肝血流量、糸球体濾過速度は上昇する。3:誤\n解説2解説\n4:誤\n解説2解説\n5:正\n妊娠すると体液量が増えるため、血清の量が増え、それにより血清アルブミン濃度(アルブミン量/血清の量)は低下する。"} +{"problem_id": "103070", "problem_text": "重篤な腎機能障害のある患者に禁忌となっている薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アレンドロン酸", "チクロピジン", "メトトレキサート", "クエチアピン", "シルニジピン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "メトトレキサートを重篤な腎障害のある患者に投与すると副作用が現れやすくなる。そのため、メトトレキサートは重篤な腎機能障害のある患者に投与禁忌とされている。"} +{"problem_id": "103071", "problem_text": "法律の規定を実施するため内閣が定めるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["憲法", "政令", "省令", "条例", "条約"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n憲法は、国の最高法規である。2:正\n政令は、法律の規定を実施するため又は法律の委任に基づいて、内閣(閣議決定)により制定される命令のことである。3:誤\n省令は、行政事務上の法律・政令の施行のため又は法律・政令の特別の委任に基づいて、各省大臣(厚生労働大臣等)が発令する命令のことである。4:誤\n条例は、地方公共団体における公共事務等の行政事務に関する事項を地方公共団体が制定する法形式のことである。5:誤\n条約は、国家間において、文書の形成により合意するもので、法的拘束��を有する。"} +{"problem_id": "103072", "problem_text": "病院が必ず有しなければならない施設はどれか。1つ選べ。", "choices": ["集中治療室", "病理の検査施設", "調剤所", "研究室", "病理解剖室"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "<病院が有しなければならない施設(医療法第21条)>"} +{"problem_id": "103073", "problem_text": "薬局において、登録販売者が販売できるものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬局製造販売医薬品", "要指導医薬品", "第一類医薬品", "指定第二類医薬品", "処方箋医薬品"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、登録販売者が販売できるのは、「指定第二類医薬品」である。なお、登録販売者が販売することができるのは、第二類医薬品および第三類医薬品である。"} +{"problem_id": "103074", "problem_text": "医薬品等に係るGVPは何の基準か。1つ選べ。", "choices": ["安全性に関する非臨床試験の実施", "臨床試験の実施", "製造管理及び品質管理", "製造販売後の調査及び試験の実施", "製造販売後安全管理"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "GVP(Good Vigilance Practice)は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準である。"} +{"problem_id": "103075", "problem_text": "薬害エイズの原因となった非加熱濃縮血液製剤を用いて治療されていた疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["血友病", "マラリア", "C型肝炎", "多発性骨髄腫", "ハンセン病"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "薬害エイズの原因となった非加熱濃縮血液製剤を用いて治療されていた疾患は、「血友病」である。"} +{"problem_id": "103076", "problem_text": "国民医療費に含まれるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["帝王切開による分娩", "一般用医薬品の購入", "特定健康診査の受診", "肺炎球菌感染症の予防接種", "介護保険法におけるリハビリテーション"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "選択肢のうち、国民医療費に含まれるものは、帝王切開による分娩である。自然分娩による分娩費は、健康保険の適応にはならないが、帝王切開による分娩費は健康保険の適応となるため、国民医療費に含まれる。"} +{"problem_id": "103077", "problem_text": "臨床試験のうち、少数の健康な成人志願者を被験者として、忍容性、薬物動態などを中心に検討することを目的とするのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["探索的試験", "臨床薬理試験", "検証的試験", "有効性比較試験", "医療経済学的試験"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "臨床試験のうち、少数の健康な成人志願者を被験者として、忍容性、薬物動態などを中心に検討することを目的とするのは、「臨床薬理試験(第I相試験)」である。*例外的に抗がん剤の第I相試験は、患者に対して行われる。他の選択肢、探索的試験(第II相試験)、検討的試験(第III相試験)、有効性比較試験、医療経済学的試験(第IV相試験)は患者に対して行われる臨床試験である。"} +{"problem_id": "103078", "problem_text": "治験における被験者候補への説明として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["あなた自身の治療方法として最善のものです。", "参加しなくても不利益は受けません。", "参加する場合には守っていただくことがあります。", "参加しても途中でやめることができます。", "医薬品の開発に役立つものです。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "治験はその患者にとって最善の治療になるとは限らないため、「あなた自身の治療方針として最善のものです。」と説明することは不適切である。なお、治験における被験者候補に対しては、・治験に参加しないこと、又は参加を取りやめることにより被験者が不利益な取扱いを受けない旨\n・治験参加をいつでも取りやめることができる旨\n・当該治験が試験を目的とするものである旨:等\nを被験者候補へ説明し、文書による同意を得なければならない。"} +{"problem_id": "103079", "problem_text": "生前に、終末期の延命措置に関することについて、意思表示をしておくことを表す語句として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["セカンドオピニオン", "インフォームドコンセント", "クリニカルパス", "リビングウィル", "コンプライアンス"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "生前に、終末期の延命措置に関することについて、��思表示をしておくことを表す語句は「リビングウィル」である。1:誤\nセカンドオピニオンとは、主治医以外の医師に意見を求めることである。2:誤\nインフォームドコンセントとは、医療行為(投薬・手術・検査など)や治験などの対象者(患者や被験者)が、治療や臨床試験・治験の内容についてよく説明を受け十分理解した上で、対象者が自らの自由意思に基づいて医療従事者と方針において合意することである。3:誤\nクリニカルパスとは、疾患ごとの診療基準となるスケジュール表のことである。4:正\n5:誤\nコンプライアンスとは、患者が指示通りに薬剤を服用することである。"} +{"problem_id": "103080", "problem_text": "ヘルシンキ宣言の理念に準拠した基準はどれか。1つ選べ。", "choices": ["GLP", "GCP", "QMS", "GQP", "GMP"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ヘルシンキ宣言(ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則)は、1964年にフィンランドの首都ヘルシンキで開かれた世界医師会において採択された人体実験に対する倫理規範であったが、現在では人間を対象とする医学研究の倫理的原則として適用されている。ヘルシンキ宣言の理念に準拠した基準は、「医薬品の臨床試験の実施の基準: GCP」である。"} +{"problem_id": "103081", "problem_text": "皮下注射で投与されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["BCGワクチン", "インフルエンザワクチン", "パクリタキセル注射液", "ハロペリドール注射液", "フェニトインナトリウム注射液"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "選択肢のうち、皮下注射で投与されるのは「インフルエンザワクチン」である。なお、他の選択肢の投与経路は以下の通りである。・BCGワクチン: 経皮投与\n・パクリタキセル注射液: 点滴静注\n・ハロペリドール注射液: 静脈内または筋肉内注射\n・フェニトインナトリウム注: 静脈内注射"} +{"problem_id": "103082", "problem_text": "添付文書の「警告」や「禁忌」に追加する情報を迅速に伝達するために、厚生労働省の指示のもとに製造販売業者が作成する文書はどれか。1つ選べ。", "choices": ["医療用医薬品製品情報概要", "イエローレター", "医薬品安全対策情報", "医薬品・医療機器等安全性情報", "医薬品インタビューフォーム"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "添付文書の「警告」や「禁忌」に追加する情報を迅速に伝達するために、厚生労働省の指示のもとに製造販売業者が作成する文書は「イエローレター」である。1:誤\n医療用医薬品製品情報概要は、医薬品の普及並びに適正使用の推進を目的として製薬企業が作成する資料である。2:正\n3:誤\n医薬品安全対策情報(Drug Safety Update(DSU))は、医療用医薬品添付文書の「使用上の注意」の改訂に関する情報をまとめたものである。4:誤\n医薬品・医療機器等安全性情報は、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度によって収集された情報をもとに、厚生労働省が作成する資料である。5:誤\n医薬品インタビューフォームは、添付文書の情報を補完する目的で、日本病院薬剤師会が記載要項を策定し、製薬企業が作成・提供している三次資料である。"} +{"problem_id": "103083", "problem_text": "医療機関において治験責任医師の重要な協力者として治験全体の調整を担うスタッフの名称はどれか。1つ選べ。", "choices": ["Clinical Research Associate", "Clinical Research Coordinator", "Coordinating Investigator", "Principal Investigator", "Site Management Associate"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "医療機関において治験責任医師の重要な協力者として治験全体の調整を担うスタッフの名称は、Clinical Research Coordinator(CRC: 治験コーディネーター)である。1:誤\nClinical Research Associate(CRA)は治験モニタリング担当であり、治験の進行状況ならびに治験が計画通りに行われているかどうかをモニタリングするスタッフである。2:正\n3:誤\nCoordinating Investigatorは治験調整医師であり、自ら治験を実施するものから委託された業務を円滑に実施するため、治験調整事務局を設置し、調整事務局員に当該事務の事務及び支援を行わせる医師(または歯科医師)である。4:誤\nPrincipal Investigatorは治験責任医師であり、治験実施医機関において治験に係る業務を総括する医師(または歯科医師)である。5:誤\nSite Management Associateは治験事務局担当者であり、治験実施可能な医療機関の調査、契約業務、医療機関内における治験の運営・管理、IRBの運営・管理、治験実施に必要な文書の作成などを行うスタッフのことである。"} +{"problem_id": "103084", "problem_text": "「:::」に当てはまる最も適切な臨床検査値はどれか。1つ選べ。がん化学療法などの副作用の1つに骨髄抑制があり、特に「:::」が減少すると、感染症のリスクが高くなる。", "choices": ["EO(好酸球比率)", "SEG(分節核(分葉核)好中球比率)", "PLT(血小板数)", "RBC(赤血球数)", "Hb(ヘモグロビン濃度)"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "がん化学療法により骨髄抑制が起こり、分節核(分葉核)好中球比率が減少すると、感染症のリスクが高くなる。なお、がん化学療法により骨髄抑制が起こり、赤血球数、ヘモグロビン濃度の減少による貧血、血小板数減少による出血傾向がみられることがある。"} +{"problem_id": "103085", "problem_text": "病棟で保管する以下の薬物を含む注射液のうち、夜間や休日等で必要な注意をする医療従事者がいない場合、保管するロッカーや引き出し等に施錠しなければならないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ゲンタマイシン硫酸塩", "コンドロイチン硫酸エステルナトリウム", "サリチル酸ナトリウム", "フルルビプロフェン アキセチル", "ペンタゾシン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "病棟において、医療従事者がいない場合、覚せい剤、覚せい剤原料、向精神薬、毒薬を保管するロッカーや引き出し等に施錠しなければならない。選択肢5のペンタゾシンは、第二種向精神薬に指定されている。そのため、病棟において、医療従事者がいない場合、ペンタゾシンを保管するロッカーや引き出し等に施錠しなければならない。"} +{"problem_id": "103086", "problem_text": "27歳女性。現在、妊娠している。感染性膀胱炎と診断された。治療薬として最も推奨されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ミノサイクリン塩酸塩", "イトラコナゾール", "セフカペンピボキシル塩酸塩", "レボフロキサシン水和物", "スルファメトキサゾール・トリメトプリム"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "感染性膀胱炎の治療には、一般にセフェム系抗生物質やニューキノロン系抗菌薬が用いられる。本患者は妊娠しているため、ニューキノロン系抗菌薬を用いることができない(ニューキノロン系抗菌薬は妊婦に禁忌とされている)。よって、本症例に用いられる治療薬として推奨されるのは、セフェム系抗生物質であるセフカペンピボキシル塩酸塩である。"} +{"problem_id": "103087", "problem_text": "地域包括ケアシステムに関する以下の文の「:::」に当てはまるのはどれか。1つ選べ。団塊に世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・「:::」・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していきます。", "choices": ["教育", "出産", "生業", "予防", "葬祭"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "日本は高齢化が進行しているため、厚生労働省においては、2025年を目処に、高齢者の尊厳の保持と自立支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援、サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進している。<地域包括ケアシステム>\n団塊に世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していきます。"} +{"problem_id": "103088", "problem_text": "内視鏡の消毒に使用されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["グルタラール", "消毒用エタノール", "次亜塩素酸ナトリウム", "ベンザルコニウム塩化物", "ポビドンヨード"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "内視鏡は高価であることから、ディスポータブル(使い捨て)のものを使用せず、再度消毒して用いる。<内視鏡の再生処理に関するマルチソサエティガイドライン>\n・洗浄前\n使用時点で外表面を清拭し、内側に界面活性剤を吸引��その後、ブラッシングを行う。・洗浄\n水および酵素洗浄剤を用いて機械的に洗浄する\n・高水準消毒/滅菌\nスコープを浸漬し、曝露時間の間、すべてのチャンネルに高水準消毒薬(グルタラールなど)/滅菌剤を灌流させる。なお、内視鏡の消毒薬には、中水準の消毒薬(消毒用エタノール、次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨードなど)、低水準の消毒薬(ベンザルコニウム塩化物など)は用いられない。"} +{"problem_id": "103089", "problem_text": "眠気が起こることがあるので、自動車運転等、危険作業を行う際に注意するよう指導する必要性が最も低い薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ブロチゾラム", "プレガバリン", "アモキサピン", "d-クロルフェニラミンマレイン酸塩", "安息香酸ナトリウムカフェイン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢のうち、眠気が起こることがあるので、自動車運転等、危険作業を行う際に注意するよう指導する必要性が最も低い薬物は、安息香酸ナトリウムカフェインである。安息香酸ナトリウムカフェインは、中枢興奮作用があるため、副作用として眠気を起こす可能性が低い。なお、他の選択肢の薬物は中枢抑制作用を示すため、副作用として眠気を起こす可能性が高い。そのため、服薬指導時に自動車運転等、危険作業を行う際に注意するよう指導する必要がある。"} +{"problem_id": "103090", "problem_text": "次の抗がん薬のうち、調製者の暴露防止のため、閉鎖式の薬物混合器具を使用して調製する必要性が最も低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シスプラチン", "シクロホスファミド", "ベンダムスチン", "イホスファミド", "リツキシマブ"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "抗がん剤には、細胞毒性を有するものが多いため、調製時には暴露しないように注意する必要がある。選択肢のうち、シクロホスファミド、イホスファミド、ベンダムスチンは常温で揮発するため、閉鎖式の薬物混合器具を使用して調製する必要がある。また、シスプラチンは、高い細胞毒性を有するため、閉鎖式の薬物混合器具を使用する必要がある。なお、選択肢の抗がん剤のうち、調整者の暴露防止のため、閉鎖式の薬物混合器具を使用して調製する必要性が最も低いのは、細胞毒性をほとんど示さないリツキシマブである。"} +{"problem_id": "103091", "problem_text": "分子間相互作用と、それが支配的に働く現象の組合せとして正しいのはどれか。2つ選べ", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n水中での非イオン性界面活性剤のミセルの形成には、疎水性相互作用が関与している。2:正\n3:正\n4:誤\n塩化ナトリウムの飽和水溶液から塩化ナトリウム結晶が形成される現象には、静電的相互作用が関与している。5:誤\nDNA中のアデニン-チミン間に塩基対が形成される現象には、水素結合が関与している。"} +{"problem_id": "103092", "problem_text": "図は一定圧力条件下での水-塩化ナトリウム二水和物(NaCl・2H_{2}O)の二成分の状態を表したもの(相図)である。この図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["領域ア内の任意の点で生じている固体は、すべて純水からなる。", "領域イ内の任意の点の塩化ナトリウム濃度は、一定である。", "領域ウ内の任意の点(線上は含まない)における熱力学的自由度は、条件指定に使っている圧力を含めて1である。", "曲線ABは水と塩化ナトリウムの溶解度積を表している。", "点Bでは、液相、固体の水、固体の塩化ナトリウム二水和物の三相が平衡状態にある。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n領域ア内の任意の点では、純水からなる固体と液相(水と塩化ナトリウムが混合されたもの)からなる。2:誤\n領域イ内においては、塩化ナトリウム濃度は異なる。3:誤\n自由度Fは以下の式により求めることができる。F=C+2-P (C: 成分の数、P: 相の数)\n本設問における相図においては成分の数Cは2であり、また、線上は含まない領域ウ内の任意の点では、塩化ナトリウムからなる固体と液相(水と塩化ナトリウムが混合されたもの)からなるため、相の数Pは2となる。このことから、自由度Fを以下のように求めることができる。F=2+2-2=2\nなお、計算より得られたF=2には、条件指定に使っている圧力が含まれている。4:誤\n曲線ABは、水の融点を表している。5:正"} +{"problem_id": "103093", "problem_text": "下のグラフは、可逆(平衡)反応(I)、平行(並発)反応(II)、連続(逐次)反応(III)における反応物、中間体及び生成物の濃度と時間の関係を表している。素反応がいずれも反応速度定数k_{1}〜k_{6}の一次反応であるとき、反応I〜IIIに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": [" 反応Iの平衡定数の値は、1よりも小さい。", "反応IIのCの半減期は、ln2/(k_{3}+k_{4})で表される。", "反応IIの生成物の濃度比[D]/[E]は、時間によらずk_{3}/k_{4}となる。", "反応IIIのk_{5}が一定のとき、k_{6}が大きくなるほど、Gの最大濃度に達する時間は遅くなる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n平衡状態到達時、生成物Bの濃度は、反応物Aの濃度より高いため、反応Iの平衡定数の値は、1よりも大きい。2:正\n反応II(併発反応)における反応物Cの半減期は、ln2/(反応速度定数の和)で表される。3:正反応II(併発反応)の生成物の濃度比[D]/[E]は、時間によらず速度定数の比k_{3}/k_{4}となる。4:誤反応IIIのk_{5}が一定のとき、k_{6}が大きくなるほど、Gの最大濃度に達する時間は速くなる。"} +{"problem_id": "103094", "problem_text": "図はタンパク質中のペプチド結合を表したものである。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": [" ペプチド結合を構成するC=OとN-H、これらに隣接する2つの\\alpha 炭素は同一平面上にある。", " \\alpha ヘリックス構造では、n番目のペプチド結合を構成するC=Oが、(n+3)番目のペプチド結合を構成するN-Hと水素結合を構成している。", "\\alpha ヘリックスや\\beta シートなどの二次構造は、円偏光二色性測定法により観測できる。", "\\beta シート構造の形成には、C=OとN-Hの間の水素結合は寄与しない。", "同一の\\alpha 炭素に結合するC\\alpha -N結合とC\\alpha -C結合の回転の角度(\\phi 、ψ)は、それぞれ任意の角度をとることができる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n2:誤\n\\alpha ヘリックス構造中のアミノ酸は右巻きらせん構造をしており、それぞれのアミノ酸はらせん中で100°向きを変え(3.6残基で1回転し)、らせん軸の方向に1.5Å進む。\\alpha ヘリックス構造中のアミノ酸のアミノ基は4残基離れたアミノ酸のカルボキシ基と水素結合を構成している。よって、\\alpha ヘリックス構造では、n番目のペプチド結合を構成するC=Oが、(n+4)番目のペプチド結合を構成するN-Hと水素結合を構成している。3:正\n円偏光二色性測定法では、紫外線の吸光現象と旋光現象を測定することにより、タンパク質の二次構造を解析することが可能である。よって、\\alpha ヘリックスや\\beta シートなどの二次構造は、円偏光二色性測定法により観測できる。4:誤\n二次構造(\\alpha ヘリックス、\\beta シート)は、C=OとN-Hの間の水素結合により形成される。5:誤\n同一の\\alpha 炭素に結合するC\\alpha -N結合とC\\alpha -C結合の回転の角度(\\phi 、ψ)は、タンパク質の立体構造(ペプチド結合間での水素結合など)により制限を受ける。"} +{"problem_id": "103095", "problem_text": "分子の振動、回転、電子遷移に伴う、分子のエネルギー準位間の遷移と電磁波の吸収及び散乱に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": [" 分子の振動、回転、電子遷移のうち、回転に伴って吸収される電磁波の波長が最も長い。", " 吸収される電磁波の波長と、遷移するエネルギー準位間のエネルギー差には、正の比例関係がある。", "ラマン散乱が観測されるためには、分子の振動によって双極子モーメントが変化する必要がある。", "分子の振動、回転、電子遷移に伴う吸収のうち、吸光度が濃度に比例するのは電子遷移の場合だけである。", "電子遷移に伴う吸収スペクトルが幅広い吸収帯となるのは、分子の振動や回転によるエネルギー変化も反映されるからである。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "分子のエネルギー準位には、電子エネルギー、回転エネルギー、振動エネルギーが存在する。それぞれのエネルギー準位には、基底状態と励起状態があり、その幅については回転エネルギー<振動エネルギー<電子エネルギーの順となっている。1:正\n分子の振動、回転、電子遷移のうち、��転エネルギーの基底状態と励起状態の幅は小さい。そのため、回転に伴って吸収される電磁波のエネルギーは小さい(波長は長い)。2:誤\n電磁波の波長とエネルギーの関係は反比例であるため、吸収される電磁波の波長と遷移するエネルギー準位間のエネルギー差には、反比例の関係が成立する。3:誤\nラマン散乱とは、入射した光の波長と異なる波長の光が散乱される現象である。ラマン散乱では、光が分子によって散乱される際、その光子のエネルギーが分子の振動/回転/電子エネルギーにより変化する。よって、ラマン散乱が観測される際には、光子のエネルギーが分子の振動/回転/電子エネルギーにより変化する必要がある。4:誤\n希薄溶液の場合、吸光度は濃度、層長に比例する(ランベルト-ベールの法則)\nランベルトベールの法則より、分子の振動、回転、電子遷移に伴う吸収では、吸光度は濃度に比例する。5:正"} +{"problem_id": "103096", "problem_text": "0.01 mol/L塩化アンモニウム水溶液のpHに最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、アンモニアのpKbを4.70、水のイオン積Kwを1.00\\times 10^{-14}(mol/L)^{2}とする。", "choices": ["3.65", "5.65", "8.35", "9.30", "10.35"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "塩化アンモニウム(NH_{4}Cl)は水溶液中で下記のように解離する。NH_{4}Cl \\rightarrow NH_{4}^{+}+ Cl^{-}塩化アンモニウムから発生したアンモニウムイオン(NH_{4}^{+})は水中で下記のような反応が起こす。NH_{4}^{+}\\rightleftharpoons NH_{3}+ H^{+}アンモニアのpKbは4.70、水のイオン積Kwは1.00\\times 10^{-14}(pKw=14)であることからアンモニウムイオンのpKaは下記のように求めることができる。pKa+pKb=pKw\npKa=14-pKb=14-4.70=9.3\nアンモニウムイオンのpKa=9.3である(弱酸である)ことから、アンモニウムイオンから発生する[H^{+}]は以下の式より求めることができる。また、pHは下記の式で求めることができる。pH=-log[H^{+}]\n上記のことから、pHは下記ように求めることができる。"} +{"problem_id": "103097", "problem_text": "生理食塩液は、塩化ナトリウムを0.9 w/v%含む等張液である。日本薬局方「生理食塩液」中の塩化ナトリウム(式量: 58.44)の定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。「本品20 mLを正確に量り、水30 mLを加え、強く振り混ぜながら0.1 mol/L硝酸銀液で滴定する(指示薬: 「::A::」試液3滴)。」", "choices": ["下線部の操作で用いられる計量器具は、メスシリンダーである。", "「::A::」に入るのは、フルオレセインナトリウムである。", "生理食塩液1 L中には、塩化ナトリウムが15.4 mmol含まれる。", "滴定終点においては、過剰な銀イオンと指示薬からなる赤褐色の沈殿を生じる。", "0.1 mol/L硝酸銀液1 mLに対する塩化ナトリウムの対応量は5.844 mgである。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n本品20 mLを正確に量るために用いられる計量器具は、ホールピペットである。ホールピペットは、0.1〜100 mL程度の一定体積の液体を正確に量りとることができるガラス管である。2:正\n塩化ナトリウムを沈殿滴定により定量する際には、指示薬としてフルオレセインナトリウムが用いられる。3:誤\n生理食塩液1 L中には、塩化ナトリウムが154 mmol含まれる。4:誤\n滴定終点においては、過剰な銀イオンと指示薬(フルオレセインナトリウム)が結合することにより液体が紅色に色付く。5:正\n<対応量の求め方の手順>\n①: 対応数について確認する。塩化物イオン(Cl^{-})と銀イオン(Ag^{+})は1: 1で反応することから、対応数(目的成分1molに対して、反応する標準液のmol数)は1となる。③: 標準液1mLに対応する目的成分の物質量を求める。0.1 mol/L硝酸銀液1 mLに対する塩化ナトリウムの物質量=(0.1mol/L\\times 1mL/1)=0.1mmoL\n④: 対応量を求める。対応量=0.1mmoL\\times 58.44 g/mol=5.844(mg)"} +{"problem_id": "103098", "problem_text": "日本薬局方で確認試験が適用される対象医薬品、使用する試液、確認試験の結果の組合せとして正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["<対象医薬品> <試薬> ヒドロキシルアミン過塩素酸塩・エタノール試液 N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド・エタノール試液 過塩素酸鉄(III)・エタノール試液 <結果> 赤紫色を呈する", "<対象医薬品> <試薬> フェーリング試液 <結果> 赤色の沈殿を生じる", "<対象医薬品> <試薬> ニンヒドリン試液 <結果> 緑色を呈する", "<対象医薬品> <試薬> 4-アミノアンチピリン試液 <結果> 赤色を呈する", "<対象医薬品> <試薬> 亜硝酸ナトリウム試液 アミド硫酸アンモニウム試液 N,N-ジエチル-N'-1-ナフチルエチレンジアミンシュウ酸塩試液 <結果> 青色を呈する"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n設問の試薬(ヒドロキシルアミン過塩素酸塩・エタノール試液、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド・エタノール試液、過塩素酸鉄(III)・エタノール試液)を用いて、カルボキシ基を確認することができる。選択肢1(ナプロキセン)は構造中にカルボキシ基を有しているため、設問の試薬を用いて赤紫色を呈色することにより確認することができる。2:正\n設問の試薬(フェーリング試薬)を用いて、アルデヒドおよび\\alpha -ヒドロキシケトンを確認することができる。選択肢2(ヒドロコルチゾン)は構造中に\\alpha -ヒドロキシケトンを有しているため、設問の試薬を用いて赤色の沈殿を生じることにより確認することができる。3:誤\n設問の試薬(ニンヒドリン試薬)を用いて、アミノ酸を確認することができる。ニンヒドリン試薬によりアミノ酸水溶液は紫色を呈し、イミノ酸(第二級アミノ酸)水溶液は黄色を呈する。選択肢3(カイニン酸水和物)は構造中にイミノ酸を有しているため、その水溶液は黄色を呈する。4:誤\n設問の試薬(4-アミノアンチピリン試液)を用いて、フェノール性ヒドロキシル基を確認することができる。選択肢4(アミノ安息香酸エチル)は構造中にフェノール性水酸基を持たないため、設問の試薬を用いて確認することはできない。5:誤\n設問の試薬(亜硝酸ナトリウム試液、アミド硫酸アンモニウム試液、N,N-ジエチル-N'-1-ナフチルエチレンジアミンシュウ酸塩試液)を用いて、芳香族第一級アミンを確認することができる。選択肢5(レボドパ)は構造中に第一級アミンを持たないため、設問の試薬を用いて確認することはできない。"} +{"problem_id": "103099", "problem_text": "以下は日本薬局方アセトアミノフェンの純度試験(液体クロマトグラフィー)の記述の一部である。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。操作条件 検出器: _{A}紫外吸光光度計(測定波長: 225 nm) カラム: 内径約4 mm、長さ約15 cmのステンレス管の5 \\micro mの液体クロマトグラフィー用_{B}オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する。カラム温度: 40^{\\circ} C付近の一定温度 移動相: _{C}pH4.7の0.05 mol/Lリン酸二水素カリウム試液/メタノール混液(4: 1) 流量: アセトアミノフェンの保持時間が約5分になるように調整する。カラムの測定: 本品及び4-アミノフェノール塩酸塩0.01 gずつをメタノール1 mLに溶かし、移動相を加えて50 mLとする。この液1 mLをとり、移動相を加えて10 mLとする。この液10 \\micro Lにつき、上記の条件で操作するとき、「::D::」の順に溶出し、その_{E}分離度が7以上のものを用いる。", "choices": ["Aの検出器の光源には、通常、キセノンランプが用いられる。", "Bのオクタデシルシリル化シリカゲルは順相系の固定相である。", "Cの移動相中のメタノール含量を増やすと、アセトアミノフェンの保持時間は短くなる。", "Dは、アセトアミノフェン、4-アミノフェノールの順である。", "Eの条件をみたすとき、分離度が1.5以上であるので、2つのピークは完全に分離している。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n紫外吸光光度計の光源には、重水素放電管が用いられる。なお、キセノンランプは、蛍光光度計で用いられる光源である。2:誤固定相には、極性の大きいものを保持する順相系の固定相と極性の小さいものを保持する逆相系の固定相が存在する。本設問で用いられているオクタデシルシリル化シリカゲルは、シリカゲルにC_{18}のアルキル鎖が結合したものであり、極性の小さいものを保持することができるため、逆相系の固定相である。3:正\n移動相中のメタノール含量が増えると、移動相の極性が低下する。それによりアセトアミノフェンは移動相に移行しやすくなるため、アセトアミノフェンの保持時間は短くなる。4:誤\n脂溶性の関係(アセトアミノフェン>4-アミノフェノール)\nオクタデシルシリルシリカゲルを固定相に用いた場合、脂溶性のものは保���されやすく溶出が遅くなる。そのため、溶出の順番は4-アミノフェノール、アセトアミノフェンの順となる。5:正\n日本薬局方一般試験法において分離度1.5以上の場合、2つのピークは完全に分離していると定義されている。"} +{"problem_id": "103100", "problem_text": "図は、ある酸素化学種の分子軌道のエネルギー準位と電子配置を模式的に表したものである。この酸素化学種はどれか。1つ選べ。", "choices": ["一重項酸素", "三重項酸素", "スーパーオキシド(O_{2}^{-})", "過酸化物イオン(O_{2}^{2-})", "オゾン"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "設問の図の矢印の数が17本であることから、本問の酸素化学種は、分子中に17個の電子を有する「スーパーオキシド(O_{2}^{-})」であると判断できる。"} +{"problem_id": "103101", "problem_text": "化合物Aの最も安定な立体配座に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シクロヘキサン環は、いす形配座である。", "ヒドロキシ基aは、アキシアル位にある。", "イソプロピル基bは、エクアトリアル位にある。", "炭素-炭素結合cとdは、ほぼ平行である。", "炭素-水素結合eとfは、ほぼ平行である。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "シクロヘキサンがいす形配座となり、最も大きい置換基(b: イソプロピル基)がエクアトリアル位にある場合、化合物A(l-メントール)は最も安定な立体配座となる。このことから、化合物Aが最も安定な立体配座のとき、ヒドロキシ基aはエクアトリアル位にあると考えられる。"} +{"problem_id": "103102", "problem_text": "以下の反応で得られる化合物の酸素原子アに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["主に酸素原子a由来である。", "主に酸素原子b由来である。", "主に酸素原子c由来である。", "主に酸素原子d由来である。", "酸素原子a由来のものとd由来のものが約50%ずつ存在する。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "アルケンと過酸(m-クロロ過安息香酸)が反応すると、エポキシドを形成する。酸性条件下、エポキシドと水を反応させる。"} +{"problem_id": "103103", "problem_text": "下式に示した、光学的に純粋な化合物Aと水とS_{N}1反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aの化学名は(R)-3-bromo-3,4-dimethylpentaneである。", "光学的に純粋なアルコールが得られる。", "反応速度は、Aの濃度及び水の濃度のいずれにも比例する。", "水は求核剤として作用する。", "反応はカルボカチオン中間体を経由して進行する。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nAの化合物名は (S)-3-bromo-2,3-dimethylpentaneである。<命名するときのpoint>\n最も長い炭素鎖が主鎖となる\n\\rightarrow 主鎖: pentane\n側鎖の番号が小さくなるように炭素に番号をつける\n\\rightarrow 側鎖: 3-bromo-2,3-dimethyl\n優先順位の低いものを奥にすると左回り\n\\rightarrow S体\n2:誤\n本反応では最終的にラセミ体(S体とR体の等量混合物)が生じる。3:誤\n本反応はS_{N}1反応であることから、反応速度はAの濃度に依存する。4:正\n5:正"} +{"problem_id": "103104", "problem_text": "ジクロロメタンを溶媒として、同じ物質量の塩化ベンゾイルとベンジルアミンとを室温で反応させたところ、塩化ベンゾイルのほぼ半量が生成物に変化したところで反応が停止した。この反応を再度行うにあたって、反応条件を改善して、塩化ベンゾイルのほぼ全量を生成物に変換したい。改善方法として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ベンジルアミンに対して1当量以上のトリエチルアミンをさらに加える。", "ベンジルアミンの量を2倍にする。", "塩化ベンゾイルの量を2倍にする。", "ジクロロメタンの代わりにメタノールを溶媒として用いる。", "ジクロロメタンの量を半分にする。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "塩化ベンゾイルとベンジルアミンが反応すると、上記のようにN-ベンジルベンスアミドが生成するとともに副生成物として塩酸が生じる。塩酸は酸性化合物であることから、塩基性を示すベンジルアミンと酸塩基反応する。これらのことから、塩化ベンゾイルとベンジルアミンが反応するとともに塩酸が生じ、その塩酸がベンジルアミンを消費する。上記より、同じ物質量の塩化ベンゾイルとベンジルアミンとを室温で反応させると、塩化ベンゾイルのほぼ半量が生成物に変化したところで反応が停止する。<塩化ベンゾイルのほぼ全量を生成物に変換する方法>\n・ベンジルアミンに対して1当量以上のトリエチルアミンをさらに加える。トリエチルアミンは塩基性を示すことから、副生成物の塩酸と反応する。そのため、ベンジルアミンに対して1当量以上のトリエチルアミンをさらに加えると、塩化ベンゾイルのほぼ全量が生成物に変換される。・ベンジルアミンの量を2倍にする。ベンジルアミンの量を2倍にすることで、副生成物である塩酸とベンジルアミンが反応しても残りのベンジルアミンが塩化ベンゾイルと反応することができる。そのため、ベンジルアミンの量を2倍にすることで、塩化ベンゾイルのほぼ全量が生成物に変換される。"} +{"problem_id": "103105", "problem_text": "図は、タンパク質加水分解キモトリプシンの酵素活性部位における相互作用を模式的に示したものである。この図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["His57とSer195との間の相互作用は、Ser195のヒドロキシ基の求核性を高めている。", "Asp102とHis57との間の相互作用は、His57のイミダゾリル基の塩基性を低下させている。", "疎水性ポケットと基質タンパク質との間の相互作用は、酵素の基質特異性を高めている。", "Ser195のヒドロキシ基は、基質タンパク質をプロトン化することによって、ペプチド結合の切断を容易にしている。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "キモトリプシンは、主としてペプチド鎖中の芳香族アミノ酸のカルボキシ基側のペプチド結合を加水分解するタンパク質分解酵素である。1:正\nHis57は、塩基性触媒として作用しSer195のヒドロキシ基のプロトンを受け取ることによりヒドロキシ基の酸素の負電荷を増強させ、ヒドロキシ基の求核性を高めている。2:誤\nAsp102に存在する負電荷がイミダゾリル基の塩基性を高めるため、Asp102とHis57との間の相互作用は、His57のイミダゾリル基の塩基性を増大させている。3:正\n疎水ポケットに芳香族アミノ酸の芳香環が取り込まれることにより、芳香族アミノ酸が固定される。そのため、疎水性ポケットと基質タンパク質との間の相互作用は、酵素の基質特異性(キモトリプシンが芳香族アミノ酸に作用する)を高めている。4:誤\nSer195のヒドロキシ基は、His57のイミダゾール基をプロトン化するが、基質タンパク質のプロトン化には関与しない。"} +{"problem_id": "103106", "problem_text": "生体において解糖や糖新生は、アルドラーゼにより触媒される可逆過程(アルドール反応及び逆アルドール反応)を含む。Aの構造式として正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、構造式はすべて鎖状構造を示している。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "アルドラーゼはアルドール反応及び逆アルドール反応を触媒する。アルドール反応は、ケトンまたはアルデヒドから生じたエノラートイオン(ケトンまたはアルデヒドの\\alpha 位の炭素から水素が脱離した化合物)が求核付加反応することにより\\beta -ヒドロキシカルボニル化合物が生成する反応である。本問の反応では、逆アルドール反応によりケトンとアルデヒドが生成していることから、Aは\\beta -ヒドロキシカルボニル化合物であると予想することができる。<反応機構>\n上記の反応より、Aの構造式は選択肢3であると予測することができる。"} +{"problem_id": "103107", "problem_text": "図は、ある化合物の^{1}H-NMRスペクトル(300 MHz、CDCl_{3}、基準物質はテトラメチルシラン(TMS))である。この化合物の構造式はどれか。1つ選べ。なお、イのシグナルは一重線であり、エのシグナルはヒドロキシ基のプロトンに由来する。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "4ppm付近に3H分のシグナルが一重線で現れていることから、構造中に-O-CH_{3}を有すると考えられる(選択肢2、4、5)。また、3H分のシグナルが2つ現れていないことから、構造中には-CH_{3}が1つあると考えられるため、図のスペクトルが示す構造は選択肢2の構造である。"} +{"problem_id": "103108", "problem_text": "天然物A〜Eの生合成に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aは、シキミ酸経路と酢酸-マロン酸経路の複合経路で生合成される���", "Bは、酢酸-マロン酸経路とイソプレノイド経路の複合経路で生合成される。", "Cは、イソプレノイド経路で生合成される。", "Dは、シキミ酸経路で生合成される。", "Eは、トリプトファン由来のアミノ酸経路とイソプレノイド経路の複合経路で生合成される。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n天然物A(レスベラトロール)はスチルベノイドに分類され、シキミ酸経路と酢酸-マロン酸経路の複合経路で生合成される。2:誤\n天然物B(ダイゼイン)はフラボノイドに分類され、シキミ酸経路と酢酸-マロン酸経路の複合経路で生合成される。3:誤\n天然物C(エモジン)はアントラキノン類に分類され、酢酸-マロン酸経路で生合成される。4:正\n天然物D(カフェ酸)はフェニルプロパノイドに分類され、シキミ酸経路で生合成される。5:誤\n天然物E(パパベリン)はイソキノリンアルカロイドに分類され、チロシン由来のアミノ酸経路で生合成される。"} +{"problem_id": "103109", "problem_text": "生薬の基原と用途に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["キョウニン及びトウニンは、いずれもバラ科植物の種子を基原とし、駆瘀血薬として用いる。", "トウキ及びセンキュウは、いずれもセリ科植物の葉を基原とし、それぞれ補血薬及び駆瘀血薬として用いる。", "ショウキョウ及びカンキョウは、いずれもショウガ科植物ショウガの根茎を基原とするが、加工法が異なっており、薬効にも違いが認められる。", "ニンジン及びコウジンは、いずれもセリ科植物オタネニンジンの根を基原とし、補気薬として用いる。", "ソウジュツ及びビャクジュツは、いずれもキク科植物の根茎を基原とし、利水薬として用いる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nキョウニン及びトウニンは、いずれもバラ科植物の種子を基原とする。キョウニンは、鎮咳、去痰薬として用いられ、トウニンは、駆瘀血薬として用いられる。*駆瘀血薬: 血の鬱滞を去り、血の流れを改善する薬\n2:誤\nトウキはセリ科植物の根を基原とし、センキュウはセリ科植物の根茎を基原とする。トウキは、補血薬として用いられ、センキュウは、駆瘀血薬として用いられる。3:正\nショウキョウは、ショウガ科植物ショウガの根茎をそのまま乾燥したものであり、カンキョウは、ショウガ科植物ショウガを湯通し、または蒸して乾燥したものである。4:誤\nニンジン及びコウジンは、いずれもウコギ科植物オタネニンジンの根を基原とする。ニンジン及びコウジンは、補気薬として用いられる。5:正"} +{"problem_id": "103110", "problem_text": "図は、腎臓のネフロンの概略を示している。健常人の腎臓における体液調節に関与する部位ア〜オについての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アは、主に腎臓の髄質部に局在している。", "イでは、炭酸脱水酵素が関与してHCO_{3}^{-}が原尿中に分泌される。", "ウでは、管腔内の水が受動的に再吸収される。", "エでは、Na^{+}とCl^{-}が管腔内から間質液中へ輸送される。", "オに分布するNa^{+}/K^{+}交換系は、アルドステロンにより抑制される。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nアは腎小体である。腎小体は糸球体とボーマン嚢から構成されており、腎臓の腎皮質部に存在する。2:誤\nイは近位尿細管である。近位尿細管では炭酸脱水酵素が関与してH^{+}が原尿中に分泌される。3:正\nウはヘンレ係蹄下行脚である。ヘンレ係蹄下行脚では水の再吸収が認められるが、ヘンレ係蹄上行脚では水の再吸収が認められない。4:正エはヘンレ係蹄上行脚である。ヘンレ係蹄上行脚にはNa^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送体が存在し、管腔内から上行脚細胞中へNa^{+}、K^{+}、Cl^{-}を輸送する。上行脚細胞中に輸送されたNa^{+}、Cl^{-}は輸送担体やイオンチャネルにより間質中へ移行する。5:誤\nオは遠位尿細管である。遠位尿細管に分布するNa^{+}/K^{+}交換系は、アルドステロンにより促進される。"} +{"problem_id": "103111", "problem_text": "呼吸器に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["肺は、右が3葉、左が2葉に分かれている。", "呼吸筋は、運動神経支配の骨格筋である。", "胸腔内は、外気圧に比べて陰圧に保たれている。", "吸息時には、横隔膜が弛緩し、胸腔���容積が増大する。", "呼息時には、外助間筋が弛緩し、胸腔の容積が減少する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n肺は左肺と右肺に分かれている。心臓が存在する胸部の左側に位置する左肺は小さく、上葉と下葉の2葉に分けられる。一方、右肺は上葉、中葉、下葉の3葉に分けられている。2:正しい\n呼吸筋(横隔膜と助間筋)は、運動神経支配の骨格筋に分類される。3:正しい\n通常、胸腔内の圧力は外気圧に比べ、陰圧に保たれている。呼吸運動は胸腔内圧を変化させることにより行われている。4:誤っている\n吸息時には、外助間筋・横隔膜が収縮し、胸腔容積が増大する。5:正しい\n呼息時には、外助間筋・横隔膜が弛緩し、胸腔容積が減少する。"} +{"problem_id": "103112", "problem_text": "図に示す正常ヒト体細胞の細胞周期に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["G_{1}期からS期への移行には、サイクリン依存性キナーゼが関与する。", "G_{1}期にある細胞は、G_{0}期に比べてDNA量が4倍となっている。", "DNA合成は、G_{1}期に起こる。", "G_{2}期に損傷が認められたDNAは、M期に修復される。", "有糸分裂は、M期に起こる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "細胞周期の概要を以下に示す。\\rightarrow G_{1}期\\rightarrow S基\\rightarrow G_{2}期\\rightarrow M期\\rightarrow G_{1}期\\rightarrow\n*M期からG_{1}期の間にG_{0}期(休止期)に移行することがある。1:正\n細胞は細胞周期を回転させることにより増殖する。細胞周期においてエンジンの役割を果たすのがサイクリン及びサイクリン依存キナーゼと呼ばれるタンパク質であり、これらは複合体を形成して働く。2:誤G_{1}期にある細胞とG_{0}期にある細胞のDNA量は同じである。3:誤\n前記参照\n4:誤\nG_{2}期に損傷が認められたDNAは、M期に入る前に修復される。5:正\n前記参照"} +{"problem_id": "103113", "problem_text": "図に示すグリコーゲン代謝及び解糖系(一部)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["反応①において、グルコース1-リン酸は、グリコーゲンの加水分解により生じる。", "反応②によるグルコース6-リン酸の生成では、ATPが消費される。", "反応③では、ADPからATPが産生される。", "反応④を触媒する酵素は、肝臓に存在するが、骨格筋には存在しない。", "反応⑤を触媒する酵素の活性は、細胞内に過剰に蓄積したATPにより阻害される。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n反応①において、グルコース1-リン酸は、グリコーゲンの加リン酸分解により生じる。2:誤\n反応②によるグルコース1-リン酸からグルコース6-リン酸の生成では、ATPは消費されない。反応②には、グルコース1-リン酸とグルコース6-リン酸を相互変換する酵素であるホスホグルコムターゼが関与しており、本酵素が有するリン酸基を転移させ、グルコース1,6-ビスリン酸を介して相互変換する。3:誤\n反応③ではヘキソキナーゼにより、ATPのリン酸基がグルコースに転移され、グルコース6-リン酸とADPが生成する。4:正\n反応④を触媒する酵素は、グルコース6-ホスファターゼであり、肝臓に存在するが、骨格筋には存在しない。このことから、肝臓に存在するグリコーゲンはグルコースに変換され、血液中に放出されることで血糖値を維持することに関与する。5:正\n反応⑤を触媒する酵素は、ホスホフルクトキナーゼであり、基質(D-フルクトース 6-リン酸、ADP、AMP)により酵素活性が高まり、ATPやクエン酸により酵素活性が低下するアロステリック酵素である。"} +{"problem_id": "103114", "problem_text": "ヒトにおけるプリンヌクレオチドの分解過程に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アデノシンをイノシンに変換する酵素の遺伝的欠損により、免疫不全が生じる。", "イノシンをヒポキサンチンに変換する過程で、ATPが消費される。", "グアノシン一リン酸(GMP)は、ヒポキサンチンを経てキサンチンに代謝される。", "キサンチンが尿酸に変換される過程で、過酸化水素が生成される。", "尿酸は、二酸化炭素とアンモニアに代謝されて排泄される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nアデノシンをイノシンに変換する酵素は、アデノシンデアミナーゼ(ADA)である。ADAが欠損するとADA酵素の基質やリ��酸化した基質が蓄積し、それらの中で特にデオキシアデノシンがリン酸化されたdAXPが細胞毒性に働いてさまざまな障害を引き起こす。蓄積する代謝産物が主に免疫細胞、特に未熟なT細胞に対して細胞毒として働き、進行性に免疫不全状態を招くと考えられている。2:誤\nイノシンをヒポキサンチンに変換する過程で、無機リン酸が消費される。3:誤\nグアノシン一リン酸(GMP)は、ヒポキサンチンを経ずにキサンチンに代謝される。なお、アデノシン一リン酸(AMP)は、ヒポキサンチンを経てキサンチンに代謝される。4:正\nキサンチンが尿酸に変換される過程には、キサンチンオキシダーゼが関与しており、その際に過酸化水素が生成される。5:誤\n尿酸は、プリンヌクレオチドの最終代謝産物であり、それ以上分解されず、そのまま尿中に排泄される。"} +{"problem_id": "103115", "problem_text": "あるDNAの塩基配列をジデオキシ法により解析し、図のような実験結果を得た。また、表(制限酵素一覧)を参照して、その配列中の制限酵素部位の同定を行なった。【ジデオキシ法の原理】 DNAポリメラーゼによる相補鎖DNA合成の際に、その基質である4種類のデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP: NはA、G、C又はT)に加え、4種類のジデオキシリボヌクレオチド三リン酸(ddNTP: NはA、G、C又はT)のうち、それぞれ1種類だけを用いて特異的に終わる様々な長さのDNA断片が合成され、これら断片をポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離することで、DNAの塩基配列を解読できる。【実験方法】 鋳型DNA鎖にプライマーDNA断片を結合させ、dATP、dGTP及びdTTPと放射性同位元素で標識したdCTPを加えた。この反応溶液にddATP、ddGTP、ddCTP又はddTTPを別々に加えて、標識相補鎖DNAを合成した。次にこれら4種類の反応溶液をポリアクリルアミドゲル電気泳動法に供じた。泳動後、乾燥したゲルをX線フィルムに密着させ、-80^{\\circ} Cで一晩放置した。【実験結果】 DNA断片は放射標識されていることから、X線フィルム上ではしご階段状の泳動像(オートラジオグラフィー)として検出された(図)。X線フィルム上で解読したDNA配列及び実験方法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["DNA伸長反応を停止させるddNTPには、3'の位置にヒドロキシ(OH)基が存在しない。", "5'末端から5番目の塩基はチミン(T)である。", "3'末端から4番目の塩基はグアニン(G)である。", "EcoRIにより認識・切断される配列が存在する。", "KpnIにより認識・切断される配列が存在する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "103116", "problem_text": "ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["HIVは、ゲノムとして二本鎖RNAをもつ。", "HIVは宿主細胞表面のToll様受容体に結合し、細胞内に侵入する。", "ウイルスがもつ逆転写酵素により生成したDNAは、宿主細胞の染色体に組み込まれる。", "ウイルス表面に発現するノイラミニダーゼが、宿主細胞への吸着に必要である。", "HIVは、CD4陽性T細胞に感染する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nHIVは、ゲノムとして一本鎖RNAを有する。2:誤\nHIVは、エンベロープタンパク質により宿主細胞表面のCD4及びケモカイン受容体に結合(吸着)し、宿主細胞に侵入する。そのため、HIVはCD4やケモカイン受容体を発現するマクロファージやCD4陽性T細胞に感染する。3:正\n宿主細胞において、HIVがもつ逆転写酵素によりHIVのゲノムDNAからウイルスDNAが生成される。生成されたウイルスDNAはインテグラーゼの作用により宿主細胞の染色体DNAに組み込まれる。4:誤\n解説2参照\n5:正\n解説2参照"} +{"problem_id": "103117", "problem_text": "結核菌に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["結核菌は、外毒素を菌体外へ分泌する。", "結核菌の細胞壁には、ペプチドグリカンやミコール酸が存在する。", "気道から侵入した結核菌は、肺で肺胞マクロファージに貪食され、そのマクロファージ内で増殖する。", "結核菌感染の既往の有無を調べるためのツベルクリン反応は、典型的なII型アレルギーである。", "結核予防に用いられる生ワクチンBCG株は、ヒト型結核菌の弱毒株である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n結核菌は、外毒素を産生及分泌しない。2:正\n結核菌は、ペプチドグリカンに脂肪酸であるミコール酸が多く結合した細胞壁を有する。3:正\n気道から侵入した結核菌の一部は、肺で肺胞マクロファージに貪食され、そのマクロファージ内で増殖することにより初期感染病巣を形成する。4:誤\n結核菌感染の既往の有無を調べるためのツベルクリン反応は、典型的なIV型アレルギーである。5:誤\n結核予防に用いられる生ワクチンBCG株は、ウシ型結核菌の弱毒株である。"} +{"problem_id": "103118", "problem_text": "サイトカインに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["IFN-\\gamma (インターフェロン-\\gamma )は、マクロファージを活性化して、その貪食能を増強させる。", "エリスロポエチンは、主に脾臓で生合成・分泌される。", "IL-2(インターロイキン-2)は、キラーT細胞の増殖及び分化を抑制する。", "IL-4(インターロイキン-4)は、Th0細胞(0型ヘルパーT細胞)からTh1細胞(1型ヘルパーT細胞)への分化を促進する。", "TGF-\\beta (トランスフォーミング増殖因子-\\beta )は、免疫抑制作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nINF-\\gamma (インターフェロン-\\gamma )は、T細胞(Th1)、ナチュラルキラー細胞により産生され、免疫調節作用、抗ウイルス作用、抗腫瘍作用、マクロファージ・NK細胞の活性化作用を示す。2:誤\nエリスロポエチンは、主に腎臓で生合成・分泌され、骨髄の赤血球系前駆細胞に作用し、赤血球の産生を促進する。3:誤\nIL-2(インターロイキン-2)は、T細胞(Th1)により産生され、T細胞、B細胞、NK細胞の増殖、分化を促進する。4:誤\nIL-4(インターロイキン-4)は、T細胞(Th2)により産生され、Th0細胞からTh2細胞への分化を促進する。5:正\nTGF-\\beta (トランスフォーミング増殖因子-\\beta )は、多くの細胞で産生され、組織線維化促進作用、上皮細胞増殖抑制作用、破骨細胞抑制作用、免疫抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "103119", "problem_text": "未知タンパク質Xを分離精製し、その特性を解析した。タンパク質Xを含む細胞抽出液(試料ア)をドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により分析した。SDS-PAGEに際し、試料アにSDSと2-メルカプトエタノールを添加して前処理した(試料イ)。図1のレーンAは分子量が25 kDa、35 kDa、40 kDa、55 kDa の4種の分子量マーカータンパク質を示し、レーンBは試料イを分離したときの泳動結果である。図2は精製したタンパク質X溶液(試料ウ)と上記の4種の分子量マーカータンパク質を混合して分離したときのクロマトグラムである。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["SDS-PAGEでは、試料イのようにタンパク質をSDSと2-メルカプトエタノールで酸化的に前処理することで分子量に基づいた分離が可能になる。", "SDS-PAGEにおいて、タンパク質は陰極から陽極に向かって移動する。", "タンパク質Xの分子量は、40 kDaから55 kDaの間である。", "SECの固定相として、プロテインA固定化シリカゲルが用いられる。", "SECによりタンパク質Xが単量体として溶出されるとき、そのピークは④である。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "103120", "problem_text": "精製したタンパク質Xは単量体で酵素活性をもち、その活性発現には補因子を必要としないことが判明した。次に、タンパク質Xに対する1種類のモノクローナル抗体(anti-X)をマウスを用いて作製した。タンパク質Xの酵素活性、抗体作製及び細胞内局在の解析に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、精製の過程で酵素活性が失われることはなかった", "choices": ["試料イにおけるタンパク質Xの酵素活性は、試料アよりも高い。", "タンパク質Xの比活性*は、試料アよりも試料ウにおいて高い。*比活性: 試料中のタンパク質の単位重量当たりの酵素活性", "anti-Xを産生するハイブリドーマの作製には、マウス骨髄腫細胞が用いられる。", "anti-Xは、タンパク質X中の複数の異なるエピトープ(抗原決定基)を認識する。", "anti-Xと試料イを用いたウエスタンブロット法により、タンパク質Xの細胞内局在を同定することができる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n試料イに含まれるタンパク質Xは、2-メルカプトエタノールやSDSにより変性しているためタンパク質としての活性が低下している。よって、試料イにおけるタンパク質Xの酵素活性は、試料アよりも低い。2:正\n試料ウには精製したタンパク質Xが含まれているため、タンパク質Xの比活性は、試料ア(タンパク質Xを含む細胞抽出液)よりも試料ウにおいて高い。3:正\nanti-Xのようなモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、一般に抗体産生能を有するB細胞と無限増殖能を有する骨髄細胞を融合して作成される。4:誤\nanti-Xは、モノクローナル抗体であることから、タンパク質X中の特定のエピトープ(抗原決定基)を認識する。5:誤\nanti-Xと試料イを用いたウエスタンブロット法により、タンパク質Xの同定を行うことは可能であるが、細胞内局在(細胞のどこに存在するか)を同定することはできない。細胞内局在を同定するためには、遠心分離等により細胞分離する必要がある。"} +{"problem_id": "103121", "problem_text": "交通事故により顔面を損傷し食事を経口摂取できない入院患者(20歳男性、60 kg、基礎疾患なし)に、高カロリー輸液を行うことになった。身動きできないので身体活動レベルは1.2と評価された。グルコースのみでエネルギー補給する場合、1日に必要と推定されるグルコース量(g)はどれか。1つ選べ。ただし、20歳の男性の基礎代謝基準値を25.0 kcal/kg体重とする。", "choices": ["200", "375", "450", "1,800", "7,200"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "<基礎代謝量(kcal/day)を求める>\n基礎代謝量(kcal/day)=基礎代謝基準値(kcal/kg(体重)/day)\\times 体重(kg)=25.0 kcal/kg/day\\times 60 kg=1,500 kcal/day\n<成人の推定エネルギー必要量(kcal/day)を求める>\n成人の推定エネルギー必要量(kcal/day)=基礎代謝量(kcal/day)\\times 身体活動レベル=1,500 kcal/day\\times 1.2=1,800 kcal/day\n上記より、グルコースのAtwater係数が4 kcal/gであることから、この男性にグルコースのみでエネルギー補給する場合、1日に必要と推定されるグルコース量(g)は1,800 kcal/day/4 kcal/g=450 gとなる。"} +{"problem_id": "103122", "problem_text": "食品のメイラード反応に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["トーストしたパンの褐変や、香気成分の生成に関わる。", "この反応によって生じるメラノイジンは、抗酸化作用を有している。", "リシンの\\epsilon -アミノ基がこの反応を受けると、栄養価は低下する。", "リンゴの皮をむいて空気中に放置すると、この反応により褐変する。", "ポテトチップス製造時におけるアクリルアミドの生成にも関与している。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "メイラード反応とは、非酵素的褐変反応といわれ、還元糖とアミノ酸が非酵素的に反応し、シッフ塩基及び\\alpha -カルボニル化合物を形成する反応である。本反応は、食品(しょうゆ、みそ、クッキー、パンなど)に好ましい色調、風味等を与える。1:正しい\n2:正しい\n本反応により生成するメラノイジンは、フリーラジカル捕捉作用による抗酸化作用を有している。3:正しい\nリシンの\\epsilon -アミノ基がこの反応を受けると、タンパク分解酵素により分解されにくくなるため、栄養価は低下する。4:誤っている\nリンゴの皮をむいて空気中に放置すると、酵素的褐変反応により褐変する。5:正しい\nポテトチップス製造時には、ジャガイモに含まれるアスパラギン酸と還元糖からメイラード反応によりアクリルアミドが生成する。"} +{"problem_id": "103123", "problem_text": "油脂の変敗に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["オレイン酸のみを含む油脂より、リノール酸のみを含む油脂の方が酸化されやすい。", "同じ条件で酸化したとき、\\gamma -リノレン酸のみを含む油脂より、\\alpha -リノレン酸のみを含む油脂の方が、カルボニル価は著しく速く上昇する。", "不飽和脂肪酸を含む油脂のヨウ素価は、酸化により上昇する。", "酸化により油脂中の脂質ヒドロペルオキシドが増加すると、過酸化物価の測定において、滴定に要するチオ硫酸ナトリウムの量は減少する。", "食品添加物として添加したビタミンEは、不飽和脂肪酸を含む油脂の過酸化物価の上昇を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n油脂の変敗は、活性メチレン基(反応性に富むメチレン基: 炭素-炭素二重結合に挟まれた-CH_{2}-)からラジカルを生じることにより開始されることから、構造中に活性メチレン基を多く有する脂肪酸(二重結合を多く有する脂肪酸)の方が酸化されやすい。よって、オレイン酸(C_{18}、二重結合: 1)とリノール酸(C_{18}、二重結合: 2)では、リノール酸の方が酸化されやすい。2:誤\nカルボニル価とは、油脂中のカルボニル化合物(ケトンやアルデヒドなど)の量を示す指標であり、油脂の変敗に伴いその値は増加する。\\gamma -リノレン酸(C_{18}、二重結合: 3)と\\alpha -リノレン酸(C_{18}、二重結合: 3)では、二重結合の数が同じで酸化のされやすさにほとんど差がないことから、カルボニル価はほぼ同じ速度で上昇する。3:誤\nヨウ素価とは、油脂中に含まれる二重結合の量を示す値であり、油脂の変敗に伴い二重結合が開裂することからその値は低下する。4:誤過酸化物価の測定では、過酸化物(脂質ヒドロキシペルオキシドなど)によりヨウ化物イオンが酸化されて生成するI_{2}をチオ硫酸ナトリウムで滴定することにより過酸化物の量を測定する。よって、油脂中の脂質ヒドロキシペルオキシドが増加すると、滴定に要するチオ硫酸ナトリウムの量は増加する。5:正\n食品添加物として添加されるビタミンEは、連鎖反応停止型の酸化防止剤であり、不飽和脂肪酸の油脂の変敗を抑制するため、過酸化物価の上昇を抑制する。"} +{"problem_id": "103124", "problem_text": "食中毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が含まれることがあるため、腸内細菌叢が未熟な乳児が蜂蜜を摂取すると、ボツリヌス症を発症し、呼吸困難や呼吸停止に陥ることがある。", "生魚摂取により生じるクドアやアニサキスなどの寄生虫による食中毒は、生魚を長時間冷凍しても防ぐことはできない。", "ジャガイモの芽や皮の部分に多く含まれるソラニンやチャコニンは熱に不安定なため、加熱処理によりこれらによる食中毒を防ぐことができる。", "イヌサフランの球根にはコルヒチンが含まれるため、誤食すると呼吸不全等を起こし死に至ることがある。", "シガテラの原因となる魚類は主に熱帯から亜熱帯にかけて生息しているため、我が国ではシガテラ発症の報告はない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が含まれることがあるため、腸内細菌叢が未熟な乳児が蜂蜜を摂取すると、呼吸困難や呼吸停止を起こすボツリヌス症を発症することがある。2:誤\nクドアやアニサキスなどの寄生虫は、加熱や冷却により不活化することが可能である。よって、生魚摂取により生じるクドアやアニサキスなどの寄生虫による食中毒は、生魚を長時間冷凍することにより防ぐことができる。<クドア・セプテンプンクタータ(クドア)>\nクドアは、ヒラメに寄生するクドア属の寄生虫の一種である。クドアによる食中毒では、食後数時間程度で一過性の嘔吐や下痢を呈し、軽症で終わる症状が特徴的である。3:誤\nジャガイモの芽や皮の部分に多く含まれるソラニンやチャコニンは、コリンエステラーゼ阻害作用による縮瞳や神経障害に加え、動悸、耳鳴り、意識障害を起こすことがある。ソラニンやチャコニンは熱に安定であるため、加熱処理によりこれらによる食中毒を防ぐことはできない。4:正\nイヌサフランの球根にはコルヒチンが含まれており、誤食すると嘔吐、下痢に加え、呼吸困難を引き起こすことがある。5:誤\nシガテラの原因となる魚類は主に熱帯から亜熱帯にかけて生息しているが、我が国でも毎年数件のシガテラ中毒が発生している。"} +{"problem_id": "103125", "problem_text": "表は、我が国における1995年と2015年の年齢三区分別人口構成割合及び2035年における予測値を示したものである。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["年少人口割合と老年人口割合の和は、従属人口割合となる。", "この表から求められる老年人口割合の倍化年数は、20年より短い。", "1995年から2015年にかけて、老年化指数は2倍以上上昇している。", "2015年における老年人口指数は50を上回る。", "2035年に予測される年少人口���数は15を下回る。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n年少人口と老年人口の和より、従属人口が求められる。よって、年少人口割合と老年人口割合の和は、従属人口割合となる。2:誤\n1995年から2015年にかけて老年人口割合は15%\\rightarrow 27%(1.8倍)、1995年から2035年にかけて老年人口割合は15%\\rightarrow 33%(2.2倍)となっていることから、20年以上かけて老年人口が2倍になると推察することができる。よって、この表から求められる老年人口割合の倍化年数は、20年より長い。3:正\n老年化指数は、(老年人口/年少人口)\\times 100より求めることができる。式より表にあるデータより老年化指数を以下のように求めることができる。1995年: 老年化指数=(15/16)\\times 100=93.75\n2015年: 老年化指数=(27/13)\\times 100=207.69\n上記より、1995年から2015年にかけて、老年化指数は2倍以上上昇している。4:誤\n老年人口指数は、(老年人口/生産年齢人口)\\times 100より求めることができる。式より表にあるデータより老年人口指数を以下のように求めることができる。2015年: 老年人口指数=(27/60)\\times 100=45\n上記より、2015年における老年人口指数は50を下回る。5:誤\n年少人口指数は、(年少人口/生産年齢人口)\\times 100より求めることができる。式より表にあるデータより年少人口指数を以下のように求めることができる。2035年: 年少人口指数=(10/57)\\times 100=17.54\n上記より、2035年における年少人口指数は15を上回る。"} +{"problem_id": "103126", "problem_text": "図は、1955年から2015年までの全悪性新生物及び部位別にみた悪性新生物の年齢調整死亡率の年次推移を示したものである。A〜Fは、乳房、肺(気管、気管支及び肺)、胃、肝臓、大腸及び子宮のいずれかに対応している。これらの年次推移に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aの年齢調整死亡率が低下し続けている要因として、がんの早期発見や食生活の変化が考えられる。", "Bの年齢調整死亡率が1990年代後半まで上昇した主な要因として、飲酒やウイルス感染の関与が考えられる。", "Cの年齢調整死亡率が1990年代後半まで上昇した要因の1つとして、食事内容の欧米化が考えられる。", "Eの年齢調整死亡率の低下の主な要因として、ワクチンの定期接種によるEの罹患率の低下が考えられる。", "近年、全悪性新生物の年齢調整死亡率が男女とも低下しているが、粗死亡率も同様に低下している。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "設問にある各部位におけるがんによる年齢調整死亡率は、A: 胃、B肺(気管、気管支及び肺)、C: 大腸、D: 肝臓、E: 子宮、F: 乳房に対応している。1:正\nA(胃がん)の年齢調整死亡率が低下し続けている要因として、がんの早期発見や食生活の変化(減塩等)が考えられる。2:誤\nB(肺(気管、気管支及び肺)がん)の年齢調整死亡率が1990年代後半まで上昇した主な要因として、喫煙の関与が考えられる。3:正\nC(大腸がん)の年齢調整死亡率が1990年代後半まで上昇した要因の1つとして、食事内容の欧米化(高脂肪食など)が考えられる。4:誤\nE(子宮がん)の年齢調整死亡率の低下の主な要因として、がんの早期発見、治療技術の発達が考えられる。子宮頸がんワクチンについては、2009年頃から使用されるようになっていることから、子宮頸がんワクチンの接種がEの年齢調整死亡率の低下の主な要因であるとは考えられない。5:誤\n近年、全悪性新生物の年齢調整死亡率が男女とも低下しているが、全悪性新生物の粗死亡率は男女ともに上昇している。"} +{"problem_id": "103127", "problem_text": "表は、福岡県の久山町研究において65歳以上の住民826名を15年間追跡し、65歳の時点での高血圧と耐糖能異常が、その後の脳血管性認知症とアルツハイマー病の発症に及ぼす影響について調べたものである。この結果から導き出される結論として誤っているのはどれか。2つ選べ。^{a}収縮期血圧140 mmHg以上、又は拡張期血圧90 mmHg以上、又は降圧薬内服者を(+)とした。^{b}空腹時血糖値115 mg/dL以上、又は食後2時間以後の血糖値140 mg/dL以上、又は随時血糖値200 mg/dL以上、又は糖尿病の病歴ありの者を(+)とした。^{c}高血圧及び耐糖能異常がいずれも(-)の群を基準群(1.0)として表示した。^{*}基準群と比較して有意差あり。相対危険度の95%信頼区間が1.0を含まない場合に有意とした。", "choices": ["耐糖能異常は、単独でアルツハイマー病の危険因子となる。", "耐糖能異常がない場合、高血圧はアルツハイマー病を抑制する因子となる。", "高血圧及び耐糖能異常は、いずれも単独で脳血管性認知症の危険因子となる。", "脳血管性認知症は高血圧の危険因子となる。", "高血圧はアルツハイマー病に対する耐糖能異常の影響を解析する上で、交絡因子となる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4", "5(いずれか2つを選択で正解とする)"], "comment": "1:正しい高血圧(-)、耐糖能異常(+)の場合、アルツハイマー病の相対危険度が「4.6^{*}(相対危険度が1より大きく、有意差がある)」となっていることから、耐糖能異常は、単独でアルツハイマー病の危険因子になると考えられる。<相対危険度>\n相対危険度が1より大きい: 要因暴露により疾病が発生しやすい\n相対危険度が1より小さい: 要因暴露により疾病が発生しにくい\n2:誤っている\n高血圧(+)、耐糖能異常(-)の場合、アルツハイマー病の相対危険度が「0.9(相対危険度が1より小さく、有意差がない)」となっていることから、高血圧はアルツハイマー病を抑制する因子となるとはいえない。3:正しい高血圧(+)、耐糖能異常(-)の場合、脳血管性認知症の相対危険度が「4.1^{*}(相対危険度が1より大きく、有意差がある)」となっており、また、高血圧(-)、耐糖能異常(+)の場合、脳血管性認知症の相対危険度が「4.2^{*}(相対危険度が1より大きく、有意差がある)」となっていることから、高血圧及び耐糖能異常は、いずれも単独で脳血管性認知症の危険因子となると考えられる。4:誤っている\n今回の実験結果より、脳血管性認知症が高血圧の危険因子となるかどうかは判断できない。5:誤っている\n解説2より高血圧はアルツハイマー病を抑制する因子であるとは考えられないため、高血圧はアルツハイマー病に対する耐糖能異常の影響を解析する上で、交絡因子とはならない。<交絡因子>\n交絡因子とは、調べようとしている要因以外に調査結果に影響を与える別の因子のことである。"} +{"problem_id": "103128", "problem_text": "予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["予防接種法のA類疾病に対する予防接種のみならず、B類疾病に対する予防接種も、国民の努力義務(勧奨接種)とされている。", "先天性風疹症候群の予防のために、妊娠する前に予防接種により風疹に対する免疫を獲得しておくことが望まれる。", "小学校における集団感染を防止するために、すべての小学生を対象にインフルエンザワクチンの予防接種が定期接種として行われている。", "現在、定期接種において、ポリオに対するワクチンは、弱毒生ワクチンではなく不活化ワクチンが用いられている。", "麻疹及び流行性耳下腺炎の予防接種には、MRワクチンが用いられている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n予防接種法では対象疾患を、A類疾患とB類疾患に分類している。A類疾患に対する予防接種は国民の努力義務(推奨接種)とされており、B類疾患に対する予防接種は国民の努力義務(推奨接種)ではない。2:正\n先天性風疹症候群とは、風疹ウイルスが妊娠初期の妊婦に感染し、胎児に風疹ウイルスが感染することにより起こる症候群(症状: 心疾患、難聴、白内障など)のことである。先天性風疹症候群を予防するために、妊娠する前に予防接種により風疹に対する免疫を獲得しておくことが望まれる。3:誤\n予防接種法において、インフルエンザはB類疾患に分類されており、対象年齢は原則として65歳以上とされている。よって、小学生がインフルエンザワクチンを接種する場合には、任意の予防接種となる。4:正\n現在、ポリオに対するワクチンとして、ポリオ(不活化)、ジフテリア、百日咳、破傷風の4種混合ワクチン(DPT-IPVワクチン)が用いられている。5:誤\nMRワクチン(麻疹、風疹の混合ワクチン)は、麻疹及び風疹の予防に用いられている。"} +{"problem_id": "103129", "problem_text": "我が国における性感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["新規HIV感染者の大半は男性であり、異性との性的接���によるものが最も多い。", "2010年以降、性器クラミジア感染症の患者数は、性感染症の中で淋菌感染症に次いで多い。", "2010年以降、梅毒の患者数が増加しているが、その治療には抗ウイルス薬ラミブジンが有効である。", "B型肝炎ウイルスはキャリアとの性行為により感染するため、その予防にはコンドームの使用が有効である。", "HIV感染症及び梅毒は、いずれも5類感染症の中で全数把握が必要な感染症である。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n新規HIV感染者の大半は男性であり、同性との性的接触によるものが最も多い。2:誤\n2010年以降、性器クラミジア感染症の患者数は、性感染症の中で最も多い。3:誤\n2010年以降、梅毒の患者数は増加している。梅毒の病原体は、グラム陰性菌の梅毒トレポネーマであることから、梅毒の治療には、ベンジルペニシリン等が用いられる。4:正\nB型肝炎ウイルスは、体液及び血液により感染する。よって、B型肝炎ウイルスはキャリアとの性行為により感染するため、その予防にはコンドームの使用が有効である。5:正\n5類感染症は、全数把握対象疾患と定点把握対象疾患に分類されており、HIV感染症及び梅毒は、いずれも5類感染症の中で全数把握が必要な感染症に分類されている。◉性感染症のまとめ"} +{"problem_id": "103130", "problem_text": "平成26年の特定化学物質等障害予防規則(特化則)の改正により、クロロホルムが特定化学物質に指定され、ベンゼンなどの発がん物質と同様の管理が必要となった。クロロホルムを扱う作業者の労働衛生管理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["作業者の健康を管理するため、特化則に基づく定期的な健康診断を実施する必要がある。", "作業場の排気装置を設置すれば、作業環境中のクロロホルム濃度を定期的に測定する必要はない。", "クロロホルムの発がん性を踏まえて、作業者の作業記録、健康診断の記録の保存期間は5年間とされている。", "作業場には、物質名、有害作用、取扱い上の注意、保護具の装着などの提示を行う必要がある。", "クロロホルムへの曝露により、作業者の尿中へのメチル馬尿酸の排泄量が増加する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n特化則において、事業者は作業者の健康を管理するため、特化則に基づく定期的な健康診断を実施する必要がある。2:誤\nクロロホルムを取り扱う作業場では、排気装置を設置することに加え、作業環境中のクロロホルム濃度を測定する必要がある。3:誤\n特化則において、事業者は特定化学物質健康診断個人票を作成し、5年間保管する必要がある。また、事業者は特定化学物質健康診断個人票のうち、特別管理物質^{*}を製造し、又は取り扱う業務に常時従事し、又は従事した労働者に係る特定化学物質健康個人票については、これを30年間保管するものとされている。<特別管理物質^{*}>\n第一類物質、第二類物質のうち、がん原生物質またはその疑いがある物質\nクロロホルムは第二類物質であり、発がん性があるため、特別管理物質に該当する。4:正\n特別管理物質を取り扱う作業場には、次の事項を作業に従事する労働者から見やすい箇所に掲示しなければならない。・特別管理物質の名称\n・特別管理物質の人体に及ぼす作用\n・特定管理物質の取扱い上の注意事項\n・使用すべき保護具\n5:誤\nクロロホルムに曝露すると、尿中へのクロロホルム及びホスゲン(クロロホルムの代謝物)の排泄量が増加する。なお、曝露することにより尿中へのメチル馬尿酸の排泄量が増加するのはキシレンである。"} +{"problem_id": "103131", "problem_text": "グルクロン酸抱合に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["グルクロン酸抱合は解毒反応であり、未変化体に比べ活性が高い代謝物が生成されることはない", "UDP-グルクロン酸転移酵素は小胞体膜に局在する。", "グルクロン酸抱合はウリジン二リン酸-\\beta -D-グルクロン酸を補酵素とする。", "シトクロムP450とは異なり、UDP-グルクロン酸転移酵素に酵素誘導は起こらない。", "胆汁中に排泄されたグルクロン酸抱合体は、小腸上皮細胞に発現している\\beta -グルクロニダーゼによって加水分解された後、アグリコンが再吸収される。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nグルクロン酸抱合により解毒される物質もあれば、未変化体に比べ活性が高い代謝物を生成する物質もある。2:正\n3:誤\nグルクロン酸抱合はウリジン二リン酸-\\alpha -D-グルクロン酸を補酵素とする。4:誤\nシトクロムP450と同様に、UDP-グルクロン酸転移酵素にも酵素誘導が認められる。UDP-グルクロン酸転移酵素を誘導する薬物には、フェノバルビタールなどがある。5:誤\n胆汁中に排泄されたグルクロン酸抱合体は、腸内細菌が有する\\beta -グルクロニダーゼによって加水分解された後、アグリコンが再吸収される。"} +{"problem_id": "103132", "problem_text": "以下に構造を示す2-アセチルアミノフルオレンの代謝と発がんに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["2-アセチルアミノフルオレンはCYP3A4によりN-水酸化体に代謝される。", "N-水酸化体はアセチル化されて解毒される。", "N-水酸化体のアセチル化反応において、窒素原子にアセチル基が付加する。", "N-水酸化体は硫酸抱合を介して代謝的活性化を受け、ニトレニウムイオンが生成する。", "N-水酸化体から生じるメチルカチオンが、DNAに共有結合することにより、発がんに関わる。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "<2-アセチルアミノフルオレンの代謝活性化>\n1:誤\n2-アセチルアミノフルオレンはCYP1A2によりN-水酸化体に代謝される。2:誤\nN-水酸化体はアセチル化、硫酸抱合を介して代謝活性化を受け、ニトレニウムイオンが生成する。3:誤\nN-水酸化体のアセチル化反応において、酸素原子にアセチル基が付加する。4:正\n5:誤\nN-水酸化体から生じるニトレニウムイオンが、DNAに共有結合することにより、発がんに関わる。"} +{"problem_id": "103133", "problem_text": "アセチルコリンエステラーゼ阻害作用を示す農薬として、我が国で用いられているのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nペンタクロロフェノールの構造である。ペンタクロロフェノールは酸化的リン酸化を阻害する作用を有する。以前は木材保護剤、植物成長調節剤、除草剤として用いられていたが、現在は使用禁止されている。2:正\nフェノブカルブの構造である。フェノブカルブはアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を示し、我が国では殺虫剤として用いられている。3:誤\nサリンの構造である。サリンはアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有するが毒性が強いため、農薬としては用いられていない。4:誤\nグリホサートの構造である。グリオサートは植物のクロロフィルやカロテノイド合成阻害作用を有するため、農薬として用いられている。5:正\nフェニトロチオンの構造である。フェニトロチオンはアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を示し、我が国では殺虫剤として用いられている。"} +{"problem_id": "103134", "problem_text": "ある野菜から農薬Aが0.020 ppm(0.020 mg/kg)検出された。この農薬Aの毒性試験データを下に示す。体重20 kgの子供が1日にこの野菜を10 g食べたとき、子供が摂取した農薬Aの量は、この農薬の許容一日摂取量(ADI)の何%に相当するか。最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、安全係数を100とする。", "choices": ["33", "3.3", "0.33", "0.033", "0.0033", "0.00033"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "\nADIはNOAEL\\times 安全係数の逆数より求めることができる。ADIを求める際、複数の毒性試験で求めたNOAELのうち、最も小さい値(本問では、慢性毒性試験(イヌ)NOAEL=3.0)を用いる。上記より、ADI=3.0\\times (1/100)=0.03 mg/kg体重/日\n<子供が摂取した体重当たりの農薬量を求める>\n0.020 ppm(0.020 mg/kg)\\times (10 g /日/1000 g)/20 kg=0.00001 mg/kg体重/日\n上記より、この農薬の許容一日摂取量(ADI)に対する子供が摂取した農薬Aの量(%)を以下のように求めることができる。(0.00001 mg/kg体重/日/0.03 mg/kg体重/日)\\times 100=0.033(%)"} +{"problem_id": "103135", "problem_text": "表は、放射性物質^{131}I、^{134}Cs、^{137}Cs及び^{90}Srの物理学的半減期並びに成人における生物学的半減期を示している。これらの放射性物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["^{131}Iは甲状腺、^{134}Cs及び^{137}Csは骨、^{90}Srは筋肉組織に蓄積しやすい。", "生物学的半減期は、壊変により親核種の放射能が半分になるまでの時間である。", "乳児や幼児における^{131}Iの生物学的半減期は、表に示した成人の半減期より短い。", "物理学的半減期の値より、32日後における^{131}Iの放射能は約4分の1になる。", "実効(有効)半減期は、^{134}Csに比べて^{137}Csの方が長い。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n^{131}Iは甲状腺、^{134}Cs及び^{137}Csは筋肉組織、^{90}Srは骨に蓄積しやすい。2:誤\n生物学的半減期は、生体内で代謝及び排泄されることにより親核種の放射能が半分になるまでの時間である。なお、壊変により親核種の放射能が半分になるまでの時間を物理学的半減期という。3:正\n甲状腺からの^{131}Iの消失は年齢依存的であり、その生物学的半減期は、乳児で11日、5歳児で23日、成人で80日であるとされている。4:誤物理学的半減期の値(8日)より、32日後(半減期4回分の時間経過後)における^{131}Iの放射能は約16分の1になる。5:正\n有効半減期は、以下の式より求めることができる。上記より、実効(有効)半減期は、^{134}Csに比べて^{137}Csの方が長い。"} +{"problem_id": "103136", "problem_text": "食物連鎖及び生物濃縮に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["食物連鎖における高次消費者の個体数は、一次消費者の個体数に比べて多い。", "食物連鎖の結果、有毒渦鞭毛藻を摂食した貝類が麻痺性貝毒を蓄積し、ヒトに中毒を起こすことがある。", "生物濃縮には、直接濃縮と間接濃縮があり、前者には食物連鎖の関与が大きい。", "生物濃縮の程度を示す指標である濃縮係数は、化学物質の環境中濃度を化学物質の生体内濃度で除した値である。", "PCB(ポリ塩化ビフェニル)やDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)は、いずれも脂肪組織に移行して残留しやすい性質を有し、海洋生態系において大型魚類に蓄積される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n食物連鎖においては、一般に生産者(植物、植物プランクトンなど)\\rightarrow 一次消費者(草食動物など)\\rightarrow 二次消費者(小型肉食動物など)\\rightarrow 高次消費者(大型肉食動物、ヒトなど)の順に捕食が起こり、食物連鎖が進むにつれて個体数は減少する。よって、食物連鎖における高次消費者の個体数は、一次消費者の個体数に比べて少ない。2:正\n有毒渦鞭毛藻は、麻痺性貝毒であるサキシトキシンなどを産生する。食物連鎖により有毒渦鞭毛藻を摂食した二枚貝は麻痺性貝毒(サキシトキシン等)を蓄積することがあり、ヒトに神経麻痺を引き起こすことがある。3:誤\n生物濃縮には、直接濃縮と間接濃縮がある。<直接濃縮>\n直接体の表面から物質が吸収されて起こる濃縮のことである。*食物連鎖の関与は少ない。<間接濃縮>\n食物連鎖により起こる濃縮のことである。4:誤\n生物濃縮係数は、化学物質の生体内濃度を化学物質の環境中濃度で除した値である。5:正"} +{"problem_id": "103137", "problem_text": "水道原水の塩素要求量を求めるためには、純水及び試料に同量の次亜塩素酸塩を添加し、暗所で一定時間放置後にジエチル-p-フェニレンジアミン(DPD)法によって残留塩素を比色定量したところ、表の結果が得られた。この結果から求められるこの水道原水の塩素消費量(mg/L)と塩素要求量(mg/L)として、最も適切な数値の組合せはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "塩素消費量: 初めて残留塩素(遊離および結合残留塩素)が認められる塩素注入量\n塩素要求量: 初めて遊離残留塩素が認められる塩素注入量\n表より、試料の残留塩素は塩素注入量0.40〜0.60の間で上昇していることから、塩素消費量は0.40〜0.60の間にあり、また、試料の遊離残留塩素は塩素注入量1.00〜1.20の間で上昇していることから、塩素要求量は1.00〜1.20の間にあると考えられる。よって、最も適切な数値の組合せは選択肢2である。"} +{"problem_id": "103138", "problem_text": "富栄養化とその対策に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["湖沼を水源としている水道水では、2-メチルイソボルネオールやジェオスミンによる異臭が発生することがある。", "閉鎖性水域で富栄養化が起こると、酸化鉄の蓄積により赤潮が生じることがある。", "「生活環境の保���に関する環境基準」において、富栄養化の原因となる全窒素及び全リンについて、河川、湖沼及び海域における基準値が定められている。", "下水の高度処理において、活性汚泥中の脱窒菌は嫌気的な条件で硝酸態窒素を還元し、窒素ガスとして大気中に放出する。", "下水の高度処理において、活性汚泥中のリン蓄積細菌は、嫌気的条件でリンを蓄積する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n湖沼を水源としている水道水では、藻類が生成するカビ臭物質(2-メチルイソボルネオールやジェオスミン)による異臭が発生することがある。2:誤\n閉鎖性水域で富栄養化が起こると、植物プランクトンが異常増殖することによる赤潮(植物プランクトンが有する色素が赤いため、水面が赤く色づく現象)が生じることがある。3:誤\n「生活環境の保全に関する環境基準」において、富栄養化の原因となる全窒素及び全リンについて、湖沼及び海域における基準値が定められているが、河川における基準値は定められていない。4:正\n脱窒菌を用いた生物学的脱窒処理について以下に示す。・アンモニア態窒素を曝気槽で酸化し、硝酸や亜硝酸にする。・電子供与体を加える。・酸素がない状態にする(嫌気的条件にする)\n嫌気的条件になると、脱窒菌が硝酸態窒素を還元し、大気中に窒素ガスを放出する。5:誤\nリン蓄積細菌は、嫌気的条件ではリン酸を放出し、好気的条件では過剰なリン酸を取り込むという特徴を有する。これにより、リン蓄積細菌を用いて下水処理過程で発生するリンを除去することができる。"} +{"problem_id": "103139", "problem_text": "表は、1999〜2014年度における、ある大気汚染物質Aの年平均値(昼間の日最高1時間値の年平均値)及び環境基準達成率を示している。大気汚染物質Aに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["石炭や重油などの化石燃料の燃焼時に、燃料中の硫黄から生成する。", "大気中の窒素酸化物や炭化水素類などの一次汚染物質と紫外線との反応により、二次的に生成する。", "化石燃料中に含まれる窒素化合物や空気中の窒素が、燃焼時に酸化されて生成する。", "高濃度で曝露されると、気管支や肺への障害に加え、メトヘモグロビン血症を引き起こす。", "頭痛、眼やのどへの刺激、呼吸困難を引き起こしたり、植物の葉を変色させることがある。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "上記の表より、1999〜2014年度にかけて大気汚染物質Aの環境基準達成率は著しく低いことが読み取れる。このことより、大気汚染物質Aは「光化学オキシダント」であると推察される。1:誤\n石炭や重油などの化石燃料の燃焼時に、燃料中の硫黄から生成する大気汚染物質は硫黄酸化物である。2:正\n3:誤\n化石燃料中に含まれる窒素化合物や空気中の窒素が、燃焼時に酸化されて生成する大気汚染物質は窒素酸化物である。4:誤\n高濃度で曝露されると、気管支や肺への障害に加え、メトヘモグロビン血症を引き起こす大気汚染物質は二酸化窒素である。5:正"} +{"problem_id": "103140", "problem_text": "室内換気の重要な指標である二酸化炭素に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ヒトの呼気中には、10〜15%の二酸化炭素が含まれる。", "血液中では酸素よりも強くヘモグロビンのヘム鉄に結合し、ヘモグロビンの機能を妨げる。", "一酸化炭素とは異なり、非分散型赤外線吸収装置を用いて測定することはできない。", "NaOH・チモールフタレイン検知剤を用いた検知管法では、検知剤が二酸化炭素と反応して薄い桃色に変化する。", "学校環境衛生基準では、室内の濃度は1,500ppm以下が望ましいとされている。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nヒトの呼気中には、約4%の二酸化炭素が含まれる。2:誤\n血液中において二酸化炭素は、そのほとんどが重炭酸イオンとして存在し、残りはグロビンタンパク質と結合する。このことから、血液中の二酸化炭素はヘモグロビンとは結合せず、ヘモグロビンの酸素運搬能には影響を与えない。3:誤\n二酸化炭素は一酸化炭素と同様に、非分散型赤外線吸収装置を用いて測定することが可能である。4:正\n検知管法では、検知剤であるNaOH・チモールフタレインが二酸化炭素と反応して薄い桃���を呈する。5:正\n学校環境衛生基準では、室内の二酸化炭素濃度は1,500ppm以下が望ましいとされている。なお、この基準は換気の基準として用いられている。"} +{"problem_id": "103141", "problem_text": "調剤された薬剤に関する情報提供及び指導についての薬局開設者の義務として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬剤師に、対面により、情報提供及び指導を行わせなければならない。", "薬剤師による情報提供及び指導は、書面等を用いて行わせなければならない。", "薬剤師に、情報提供及び指導を行わせるにあたり、あらかじめ、患者の年齢、他の薬剤の使用状況等を確認させなければならない。", "薬剤を交付した患者から相談があった場合には、薬剤師に、情報提供又は指導を行わせなければならない。", "薬剤師による情報提供又は指導ができないときは、薬剤を交付した後、薬剤師にその旨を処方医に連絡させなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n薬局開設者は、調剤された薬剤の適正な使用のため、薬剤を販売し、又は授与する場合には、薬剤師に、対面により書面(電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものを含む)を用いて必要な情報を提供させ、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければならない。2:正しい\n解説1参照\n3:正しい\n薬局開設者は、調剤された薬剤の情報の提供及び指導を行わせるに当たっては、薬剤師に、あらかじめ、薬剤を使用しようとする者の年齢、他の薬剤又は医薬品の使用の状況等を確認させなければならない。4:正しい\n薬局開設者は、調剤された薬剤の適正な使用のため、薬剤を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は薬局開設者から薬剤を購入し、若しくは譲り受けた者から相談があった場合には、薬剤師に、必要な情報を提供させ、又は必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければならない。5:誤っている\n薬局開設者は、調剤された薬剤を販売し、又は授与する場合において、薬剤師による情報の提供又は指導ができないとき、その他、薬剤の適正な使用を確保することができないと認められるときは、薬剤を販売し、又は授与してはならない。"} +{"problem_id": "103142", "problem_text": "毒薬又は劇薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["毒薬には、その直接の容器又は直接の被包に、白地に赤枠、赤字をもって、その品名及び「毒」の文字が記載されていなければならない。", "薬局開設者は、封を開いて毒薬を販売することができる。", "薬局開設者は、常時取引関係を有する薬剤師に対して劇薬を販売する場合、法で定められた事項が記載された文書を受け取る必要はない。", "毒薬又は劇薬は、16歳未満の者には交付してはならない。", "病院又は診療所において、劇薬を貯蔵する場所にはかぎを施さなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n毒薬には、その直接の容器又は直接の被包に、黒地に白枠、白字をもって、その品名及び「毒」の文字が記載されていなければならない。なお、劇薬においては、その直接の容器又は直接の被包に、白地に赤枠、赤字をもって、その品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。2:正\n3:正\n薬局開設者は、毒薬又は劇薬については、譲受人から、法で定められた事項(品名、数量、使用目的等)が記載された文書を受けなければ、販売し、授与してはならない。なお、薬剤師に対して毒薬、劇薬を販売し、授与する場合には、この規定は適用されない。4:誤\n毒薬又は劇薬は、14歳未満の者その他安全な取扱いをすることについて不安のあると認められる者には、交付してはならない。5:誤\n病院又は診療所において、劇薬を貯蔵する場所にはかぎを施さなければならないという規定はない。なお、病院又は診療所において、毒薬を貯蔵する場所にはかぎを施さなければならない。"} +{"problem_id": "103143", "problem_text": "指定薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["麻薬は、指定薬物に含まれる。", "覚醒剤は、指定薬物に含まれる。", "何人も広告を行ってはならない。", "医薬品医療機器等法による「医療等の用途」以外の用途に使用し���はならない。", "厚生労働大臣は、指定薬物の疑いがある物品を発見した場合、その物品を貯蔵している者に対して、指定薬物であるかどうかの検査を受けるべきことを命ずることができる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "指定薬物とは、「中枢神経系の興奮もしくは抑制または幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(大麻、覚醒剤、麻薬及び向精神薬並びにあへん及びけしがらを除く)として、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するもの」である。1:誤\n前記参照\n2:誤\n前記参照\n3:誤\n指定薬物の広告は、医療関係者等向けの新聞または雑誌により行う場合、その他主として指定薬物を医療等の用途に使用する者を対象として行う場合を除き、何人も行ってはいけない。4:正\n5:正"} +{"problem_id": "103144", "problem_text": "薬剤師の業務に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方された医薬品を備蓄していなかったので、調剤を拒否した。", "患者から薬袋不要の申出があったので、調剤した薬剤だけを交付した。", "処方箋を交付した医師の同意を得て薬剤を変更して調剤した。", "処方箋に発行の年月日の記載がなかったが調剤した。", "薬剤師免許証を紛失し、再交付申請中であるが、調剤した。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n調剤に従事する薬剤師は、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。処方された医薬品を備蓄していないことは、調剤を拒否する正当な理由とはならないため、調剤を拒否することはできない。2:誤\n薬剤師は、販売又は授与の目的で調剤した薬剤の容器又は被包に、処方箋に記載された事項(患者の氏名、用法・用量、調剤年月日、調剤した薬局の名称、所在地、調剤した薬剤師の氏名)を記載しなければならない。よって、患者から薬袋不要の申出があっても、調剤した薬剤を薬袋に入れ交付する必要がある。3:正\n4:誤\n処方箋に法令で定められた記載事項(発行年月日等)の記載がなかった場合には、疑義照会により内容を確認し、その後、調剤する必要がある。5:正\n薬剤師名簿に登録されている者は、調剤することが可能である。薬剤師免許を紛失しても、薬剤師名簿から登録が取り消されることはないので、調剤することは可能である。"} +{"problem_id": "103145", "problem_text": "麻薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジアセチルモルヒネを輸入する場合、その都度、都道府県知事の許可を受けなければならない。", "麻薬処方箋には、麻薬施用者の免許証の番号が記載されていなければならない。", "麻薬を用いた研究を行うには、都道府県知事から麻薬研究者の免許を受けなければならない。", "ジヒドロコデインリン酸塩を10%含有する散剤は家庭麻薬に該当する。", "治療のため、麻薬を施用中の患者が外国に旅行する場合、麻薬の輸出ができないため処方変更が必要になる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nジアセチルモルヒネは、何人も輸入してはならない。2:正\n3:正\n4:誤\nジヒドロコデインリン酸塩を10%含有する散剤は麻薬に該当する。なお、ジヒドロコデインリン酸塩1%以下のものは家庭麻薬に該当する。5:誤\n麻薬輸入業者又は麻薬輸出業者でなければ、麻薬の輸入又は輸出を行ってはならない。ただし、厚生労働大臣(場合によっては、地方厚生(支)局長)の許可を受けて、自己の疾病の治療の目的で麻薬を携帯して輸出又は輸入をする場合はこの限りではない。"} +{"problem_id": "103146", "problem_text": "向精神薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["向精神薬は、第一種及び第二種向精神薬の2種類に分類される。", "向精神薬取扱者が、向精神薬を廃棄する場合には、届出は不要である。", "向精神薬卸売業者は、免許を受けた業務所が所在する都道府県外の向精神薬小売業者に向精神薬を譲り渡すことができない。", "向精神薬を調剤する際には、都道府県知事の免許を受けた医師の処方箋であることの確認が必要である。", "薬局開設者は、辞退を申し出ない限り、向精神薬卸売販売業及び向精神薬小売業の免許を受けた者とみなされる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n向精神薬は、第一種及び第二種、第三種向精神薬の3種類に分類される。2:正\n3:誤\n向精神薬卸売業者は、免許を受けた業務所が所在する都道府県外の向精神薬小売業者に向精神薬を譲り渡すことは可能である。4:誤\n医師は、疾病を治療する目的で別段の手続きをすることなく、以下のことを行うことができる。・向精神薬を施用のために交付する\n・向精神薬を記載した処方箋を交付する\n・向精神薬を施用する\nよって、向精神薬を調剤する際には、都道府県知事の免許を受けた医師の処方箋であることを確認する必要はない。5:正"} +{"problem_id": "103147", "problem_text": "特定毒物の取扱いに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["毒物劇物営業者は、特定毒物を所持できない。", "特定毒物研究者になるには、都道府県知事(又は政令指定都市の市長)の許可が必要である。", "特定毒物使用者は、特定毒物の用途に制限を受けない。", "特定毒物研究者は、特定毒物を貯蔵する場所に「特定毒物」の文字を表示しなければならない。", "毒物劇物輸入業者は、特定毒物を輸入できる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "特定毒物とは、毒物劇物取締法別表第三に掲げるもののことである。1:誤\n特定毒物を所有できるものを以下に示す。・毒物劇物営業者(毒物又は劇物の製造業者、輸入業者及び販売業者)\n・特定毒物研究者\n・特定毒物使用者\n上記より、毒物劇物営業者は、特定毒物を所持することができる。2:正\n3:誤\n特定毒物使用者は、特定毒物を品目ごとに政令で定める用途以外の用途に供してはならない。4:誤\n特定毒物を貯蔵する場所に「特定毒物」の文字を表示しなければならないという規定はない。5:正"} +{"problem_id": "103148", "problem_text": "新薬Aと既存薬Bの費用と効果に関する調査を行い、表に示す結果を得た。費用効用分析により求められる既存薬Bに対する新薬Aの増分費用効果比(ICER)として、正しい値(万円/QALY)はどれか。1つ選べ。", "choices": ["100", "200", "250", "300", "500"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "増分費用効果比(ICER^{*})は費用の追加により、どの程度追加効果が得られるかを表す値であり、以下の式より求めることができる。ICER(単位: 万円/QALY)=(新薬の費用-既存薬の費用)/(新薬の効果-既存薬の効果)\n上記の式より\nICER=(3000万円-2000万円)/(10 QALY-8QALY)=500(万円/QALY)"} +{"problem_id": "103149", "problem_text": "治験審査委員会が満たすべき要件として、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["治験について、倫理的及び科学的観点から十分審議できること。", "委員はすべて、医療又は臨床試験の専門的知識を有する者であること。", "5名以上.の委員からなること。", "委員には、治験実施医療機関と利害関係を有しない者を加えること。", "治験に係る審議及び採決には、治験実施医療機関の長を参加させること。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "<治験審査委員会がみたすべき要件>\n・治験について倫理的及び科学的観点から十分審議を行うことができること。・5名以上の委員からなること。・委員のうち、医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門知識を有する者以外の者が加えられていること。・委員のうち、治験実施医療機関と利害関係を有しない者が加えられていること。・委員のうち、治験審査委員会の設置者と利害関係を有しない者が加えられていること。<審査の対象となる治験に係る審議及び採決に参加することができない委員>\n・治験依頼者の役員又は職員その他の治験依頼者と密接な関係を有する者\n・自ら治験を実施する者又は自ら治験を実施する者と密接な関係を有する者\n・治験実施医療機関の長、治験責任医師等又は治験協力者"} +{"problem_id": "103150", "problem_text": "60歳男性。会社の健康診断で胃にポリープが見つかり、近くの総合病院で精密検査したところ悪性との診断を受け、胃の全摘手術を受けた。退院2週間後に外来を受診したところ、「食欲もなく、なかなか体力が戻らない。休職して自宅で療養している。治療にお金がかかり経済的にも厳しい。」と落ち込んだ様子だった。この男性の体験を表す言葉として最も適し��いるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["代償体験", "受容体験", "否認体験", "喪失体験", "退行体験"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "この男性の体験を表す言葉は「喪失体験」である。この男性は胃の全摘を受けたことにより心身の健康の喪失を体験している。また、それによりこの男性には、悲しみ、孤独感、抑うつ感などの悲観反応が生じている。なお、喪失体験には心身の健康の喪失以外に、「家族や社会とのつながりの喪失(子供の自立、定年、退職、引退、配偶者や友人との死別など)」「経済的自立の喪失(定年、退職、引退など)」「生きる目的の喪失(社会的地位や役割などを終えたり失うことによる喪失など)」がある。"} +{"problem_id": "103151", "problem_text": "筋細胞に存在する異なった標的分子に働き、収縮又は弛緩に対して協力的に作用する薬物の組合せはどれか。2つ選べ。", "choices": ["膀胱平滑筋(排尿筋)細胞におけるアセチルコリンとベタネコール", "眼の毛様体平滑筋細胞におけるトロピカミドとアトロピン", "血管平滑筋細胞におけるニトログリセリンとシルデナフィル", "心筋細胞におけるメトプロロールとベラパミル", "子宮平滑筋細胞におけるジノプロストとリトドリン"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:同じ標的分子に働く。<アセチルコリン>\n膀胱平滑筋(排尿筋)細胞においてムスカリン性アセチルコリン受容体を刺激し、膀胱平滑筋を収縮させる。<ベタネコール>\n膀胱平滑筋(排尿筋)細胞においてムスカリン性アセチルコリン受容体を刺激し、膀胱平滑筋を収縮させる。2:同じ標的分子に働く。<トロピカミド>\n眼の毛様体平滑筋細胞においてムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断し、眼の毛様体平滑筋を弛緩させる。<アトロピン>\n眼の毛様体平滑筋細胞においてムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断し、眼の毛様体平滑筋を弛緩させる。3:異なる標的分子に働き、協力的に作用する。<ニトログリセリン>\n遊離した一酸化窒素(NO)がグアニル酸シクラーゼを活性化し、サイクリックGMPの生成を促進することにより血管平滑筋を弛緩させる。<シルデナフィル>\nサイクリックGMP分解酵素であるホスホジエステラーゼVを阻害し、サイクリックGMPの分解を抑制することにより血管平滑筋を弛緩させる。4:異なる標的分子に働き、協力的に作用する。<メトプロロール>\nアドレナリン\\beta _{1}受容体を遮断することにより、心筋収縮を抑制する。<ベラパミル>\nL型カルシウムチャネルを遮断し、心筋細胞へのCa^{2+}の流入を抑制することにより、心筋収縮を抑制する。5:異なる標的分子に働き、拮抗作用を示す。<ジノプロスト>\n子宮平滑筋細胞において、プロスタノイドFP受容体を刺激し、子宮平滑筋を収縮させる。<リトドリン>\n子宮平滑筋細胞において、アドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激し、子宮平滑筋を弛緩させる。"} +{"problem_id": "103152", "problem_text": "交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エフェドリンは、交感神経終末からノルアドレナリンを遊離させるほか、アドレナリン受容体を直接刺激する。", "ミドドリンは、末梢血管平滑筋のアドレナリン\\alpha _{1}受容体を刺激することで血圧を上昇させる。", "クロニジンは、中枢神経系のアドレナリン\\alpha _{2}受容体を遮断することで交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を抑制する。", "ミラベグロンは、膀胱平滑筋(排尿筋)のアドレナリン\\beta _{3}受容体を遮断することで蓄尿機能を高める。", "カルベジロールは、K^{+}チャネル開口作用とアドレナリン\\beta 受容体遮断作用によって、血圧を低下させる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nエフェドリンは、直接作用および間接作用を示す。直接作用: アドレナリン受容体を直接刺激する。(エフェドリンはアドレナリン\\beta _{2}受容体を直接刺激する)\n間接作用: 交感神経終末からノルアドレナリンの遊離を促進する。2:正ミドドリンは選択的アドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激薬であり、末梢血管平滑筋のアドレナリン\\alpha _{1}受容体を刺激することで血圧を上昇させる。3:誤クロニジンは、中枢神経系のアドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激することで交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を抑制する。4:誤ミラベグロンは、膀胱平滑筋(排尿筋)のアドレナリン\\beta _{3}受容体を刺激することで蓄尿機能を高める。5:誤カルベジロールは、アドレナリン\\alpha _{1}、\\beta 受容体遮断作用によって、血圧を低下させる。なお、カルベジロールはK^{+}チャネル開口作用を有しない。"} +{"problem_id": "103153", "problem_text": "糖尿病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ダパグリフロジンは、尿細管のNa^{+}グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで尿中へのグルコースの排泄を促進する。", "ブホルミンは、AMP依存性キナーゼ(AMPK)を抑制することで肝臓における糖新生を抑制する。", "ミグリトールは、小腸粘膜に存在する\\alpha -グルコシダーゼを阻害することで糖の消化と吸収を遅延させ、食後高血糖を抑制する。", "ナテグリニドは、アルドース還元酵素を阻害することで細胞内ソルビトールの蓄積を抑制し、末梢神経障害を改善する。", "リナグリプチンは、膵\\beta 細胞上のグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を直接刺激することでインスリン分泌を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n2:誤\nブホルミンは、AMP依存性キナーゼを活性化することで肝臓における糖新生を抑制することに加え、筋肉における糖利用を促進する。3:正\n4:誤ナテグリニドは、膵臓\\beta 細胞のSU受容体に作用し、ATP感受性K^{+}チャネルを遮断することによりインスリン分泌を促進する。なお、アルドース還元酵素を阻害することで細胞内ソルビトールの蓄積を抑制し、末梢神経障害を改善する薬物として、エパルレスタットがある。5:誤\nリナグリプチンは、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害し、インクレチンの分解を阻害することによりインスリン分泌を促進する。なお、膵\\beta 細胞上のグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を直接刺激することでインスリン分泌を促進する薬物として、GLP-1製剤(エキセナチド、デュラグルチドなど)がある。"} +{"problem_id": "103154", "problem_text": "統合失調症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ハロペリドールは、黒質-線条体ドパミン神経系を介する過剰な神経伝達を抑制することで陽性症状を改善する。", "クエチアピンは、セロトニン5-HT_{2A}受容体、ヒスタミンH_{1}受容体及びアドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断する。", "アリピプラゾールは、ドパミンD_{2}受容体及びセロトニン5-HT_{1A}受容体に対して部分刺激薬として作用する。", "パリペリドンは、主に大脳皮質のセロトニン5-HT_{2A}受容体を刺激することで陰性症状を改善する。", "クロルプロマジンは、腹側被蓋野-側坐核ドパミン神経を介する過剰な神経伝達を抑制することで制吐作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nハロペリドールは定型抗精神薬であり、主に中脳-辺縁系ドパミン神経系におけるドパミンD_{2}受容体遮断作用により、陽性症状を改善する。<参考: ドパミンの脳での働き>\n・中脳-皮質系: ドパミン不足\\rightarrow 陰性症状\n・中脳-辺縁系: ドパミン過剰\\rightarrow 陽性症状\n・黒質-線条状体: ドパミン不足\\rightarrow 錐体外路症状\n・視床下部-下垂体系: ドパミン不足\\rightarrow 高プロラクチン血症\n2:正クエチアピンは、多元受容体標的化抗精神病薬(MARTA)であり、セロトニン5-HT_{2A}受容体、ヒスタミンH_{1}受容体及びアドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断することにより、統合失調症の陽性症状および陰性症状を改善する。3:正\nアリピプラゾールは、ドパミンD_{2}受容体及びセロトニン5-HT_{1A}受容体に対して部分刺激薬として作用し、統合失調症の陽性症状および陰性症状を改善する。4:誤\nパリペリドンは、セロトニン・ドパミンアンタゴニスト(SDA)であり、ドパミン受容体遮断作用およびセロトニン受容体5-HT_{2A}受容体遮断作用を有しており、統合失調症の陽性症状および陰性症状を改善する。なお、パリペリドンはリスペリドンの活性代謝物である。5:誤\nクロルプロマジンは、延髄化学受容体引金帯(CTZ)におけるドパミンD_{2}受容体を遮断することにより制吐作用を示す。"} +{"problem_id": "103155", "problem_text": "不整脈治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2���選べ。", "choices": ["ソタロールは、アドレナリン\\beta 受容体遮断作用を有しているが、K^{+}チャネル遮断作用がないため、活動電位持続時間には影響を及ぼさない。", "アミオダロンは、K^{+}チャネル遮断作用を有しているため、活動電位持続時間を延長させる。", "ジソピラミドは、Na^{+}チャネル遮断作用に加えて抗コリン作用を有しているため、副作用として口渇や排尿困難を起こす。", "リドカインは、Na^{+}チャネル遮断作用を有しているが、心室筋では不応期が短いため、効果は弱い。", "ベプリジルは、Ca^{2+}チャネル遮断作用を有しているが、K^{+}チャネル遮断作用がないため、QT延長を起こしにくい。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nソタロールは、K^{+}チャネル遮断作用及びアドレナリン\\beta 受容体遮断作用を有する。ソタロールはK^{+}チャネル遮断作用を有しているため、活動電位持続時間を延長する。2:正\n3:正\n4:誤\nリドカインは、Na^{+}チャネル遮断作用を有しており、心室筋(心室筋における不応期は長い)に対しても効果を示す。5:誤ベプリジルは、Ca^{2+}チャネル遮断作用に加え、Na^{+}チャネル遮断作用及びK^{+}チャネル遮断作用を有している。ベプリジルはK^{+}チャネル遮断作用を有しているため、副作用としてQT延長を起こすことがある。"} +{"problem_id": "103156", "problem_text": "本態性高血圧治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アテノロールは、血管平滑筋細胞のCa^{2+}チャネルを阻害することで血管平滑筋を弛緩させる。", "ドキサゾシンは、交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を抑制することで血管平滑筋を弛緩させる。", "トリクロルメチアジドは、遠位尿細管のNa^{+}-Cl^{-}共輸送系を阻害することでNa^{+}の再吸収を抑制する。", "テルミサルタンは、アンギオテンシンIIによる副腎皮質球状層からのアルドステロン分泌を抑制することで利尿作用を示す。", "アリスキレンは、集合管のアルドステロン受容体を遮断することで利尿作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nアテノロールは、アドレナリン\\beta _{1}受容体遮断薬であり、心機能抑制作用、レニン分泌抑制作用により降圧作用を示す。なお、血管平滑筋細胞のCa^{2+}チャネルを阻害することで血管平滑筋を弛緩させる薬物として、アムロジピンベシル酸塩などがある。2:誤\nドキサゾシンは、選択的アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断薬であり、血管平滑筋のアドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断することにより降圧作用を示す。3:正トリクロルメチアジドは、チアジド系利尿薬であり、遠位尿細管のNa^{+}-Cl^{-}共輸送系を阻害することでNa^{+}の再吸収を抑制する。4:正テルミサルタンは、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体遮断薬であり、AT_{1}受容体を遮断し、アンギオテンシンIIによる副腎皮質球状層からのアルドステロン分泌を抑制することで利尿作用を示す。5:誤\nアリスキレンは、直接レニン阻害薬であり、レニンを選択的に阻害することにより、降圧作用を示す。なお、集合管のアルドステロン受容体を遮断することで利尿作用を示す薬物として、スピロノラクトンやエプレレノンがある。"} +{"problem_id": "103157", "problem_text": "呼吸器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アンブロキソールは、ブロムヘキシンの活性代謝物であり、肺サーファクタントの分泌を抑制する。", "カルボシステインは、気道粘液のムコタンパク質のジスルフィド結合を開裂させることで去痰作用を示す。", "フルマゼニルは、肺伸展受容器を選択的に抑制することで鎮咳効果を示す。", "ノスカピンは、延髄の咳中枢を抑制することで鎮咳作用を示すが、呼吸抑制作用はない。", "テオフィリンは、ホスホジエステラーゼ阻害作用とアデノシンA_{1}受容体遮断作用により、気管支平滑筋を弛緩させる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nアンブロキソールは、ブロムヘキシンの活性代謝物であり、肺サーファクタントの分泌を促進する。2:誤\nカルボシステインは、気道粘液に含まれるムチンの構成成分であるシアル酸とフコースの比率を正常化することにより痰の粘性を低下させ、去痰作用を示す。なお、気道粘液のムコタ��パク質のジスルフィド結合を開裂させることで去痰作用を示す薬物として、アセチルシステインなどがある。3:誤\nフルマゼニルは、ベンゾジアゼピン受容体に結合することによりベンゾジアゼピン系薬の作用を減弱させ、ベンゾジアゼピン系薬による呼吸抑制を改善する。4:正\n5:正"} +{"problem_id": "103158", "problem_text": "消化器に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["モサプリドは、副交感神経のセロトニン5-HT_{4}受容体を刺激することでアセチルコリンの遊離を増大させ、胃排出を促進する。", "スクラルファートは、壁細胞のヒスタミンH_{2}受容体を遮断することで胃酸分泌を抑制する。", "ボノプラザンは、壁細胞のH,K^{+}-ATPaseのSH基と酸性環境で共有結合を形成することで胃酸分泌を抑制する。", "カルメロースは、小腸粘膜上皮細胞のCl^{-}チャネル(ClC-2)を活性化することで腸管内への水分分泌を促進する。", "メトクロプラミドは、副交感神経終末のドパミンD_{2}受容体を遮断し、ドパミンによるアセチルコリンの遊離抑制を解除することで胃運動を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nモサプリドは、副交感神経のセロトニン5-HT_{4}受容体を刺激することにより副交感神経節後線維終末からのアセチルコリンの遊離を促進させ、消化管運動を促進させることで胃排出を促進する。2:誤スクラルファートは、潰瘍・胃炎病巣部での保護膜形成作用、抗ペプシン作用、制酸作用を示す。なお、胃壁細胞のヒスタミンH_{2}受容体を遮断することで胃酸分泌を抑制する薬物として、ファモチジンやシメチジンなどがある。3:誤\nボノプラザンは、可逆的でカリウムイオンに競合的な様式でH,K^{+}-ATPaseを阻害することで胃酸分泌を抑制する。なお、壁細胞のH,K^{+}-ATPaseのSH基と酸性環境で共有結合を形成することで胃酸分泌を抑制する薬物として、ラベプラゾールやランソプラゾールがある。4:誤カルメロースは、腸管内の水分を吸引しゲル化することで膨張する。その結果、腸壁を刺激し、蠕動運動を促進することにより緩下作用を示す。なお、小腸粘膜上皮細胞のCl^{-}チャネル(ClC-2)を活性化することで腸管内への水分分泌を促進する薬物として、ルビプロストンがある。5:正"} +{"problem_id": "103159", "problem_text": "播種性血管内凝固症候群(DIC)の治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アンチトロンビンIIIは、ヘパリン存在下で血液凝固第Xa因子とトロンビンを阻害する。", "トロンボモデュリン アルファは、トロンビン依存的に活性化プロテインCの産生を促進する。", "ダルテパリンは、アンチトロンビン非依存的に血液凝固第Xa因子を阻害する。", "ダナパロイドは、血液凝固第Xa因子を阻害することなく、トロンビンを阻害する。", "ナファモスタットは、プラスミンを阻害することなく、トロンビンを阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n2:正\nトロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換えヒトトロンボモデュリン)は、血中に出現するトロンビンと複合体を形成し、トロンビンの活性を低下させることにより抗凝固作用を示すとともに、凝固阻害因子のプロテインCを活性化する。3:誤\nダルテパリンやダナパロイドは、アンチトロンビンIII依存的に血液凝固第Xa因子を阻害する。4:誤\n解説3参照\n5:誤\nナファモスタットは、タンパク質分解酵素阻害薬であり、プラスミン、トロンビン、カリクレイン、トリプシンなどに対する阻害作用を有する。"} +{"problem_id": "103160", "problem_text": "非ステロイド性抗炎症薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アスピリンは、シクロオキシゲナーゼ(COX)のセリン残基をメチル化し、酵素活性を不可逆的に阻害する。", "チアラミドは、COX-1とCOX-2に対して強い阻害作用を示し、鎮痛作用や抗炎症作用を示す。", "ロキソプロフェンは、プロドラッグであり、アスピリンと比較して消化管障害を起こしにくい。", "インドメタシンは、プロスタグランジンE_{2}の産生を抑制することで炎症による体温上昇を抑制する。", "ジクロフェナクは、COXをほとんど阻害することなく、鎮痛作用や抗炎症作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nアスピリンは、シクロオキシゲナーゼ(COX)のセリン残基をアセチル化し、酵素活性を不可逆的に阻害する。2:誤\nチアラミドは、鎮痛作用や抗炎症作用を示すが、その作用機序は明らかではない。3:正\n4:正\n5:誤\nジクロフェナクは、COXを阻害することにより鎮痛作用や抗炎症作用を示す。"} +{"problem_id": "103161", "problem_text": "抗菌薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["リンコマイシンは、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで細菌のDNA複製を阻害する。", "スルファメトキサゾールは、パラアミノ安息香酸と競合的に拮抗することで葉酸の生合成を阻害する。", "ノルフロキサシンは、DNAジャイレースを阻害することで細菌のDNA複製を抑制する。", "セファゾリンは、ミコール酸の生合成を阻害することで結核菌に対して抗菌作用を示す。", "リファンピシンは、リボソーム50Sサブユニットに結合し、ペプチジルトランスフェラーゼ活性を阻害することで細菌のタンパク質生合成を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nリンコマイシンは、リンコマイシン系抗菌薬であり、リボソーム50Sサブユニットに結合し、ペプチジルトランスフェラーゼ活性を阻害することで細菌のタンパク質生合成を抑制する。2:正\n3:正\n4:誤\nセファゾリンはセフェム系抗生物質であり、細菌の細胞壁合成に関わる酵素(トランスペプチダーゼ)を阻害することにより細菌の細胞壁合成を阻害し抗菌作用を示す。5:誤\nリファンピシンは、結核菌のDNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、結核菌のRNA合成を阻害する。"} +{"problem_id": "103162", "problem_text": "抗ウイルス薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アマンタジンは、ノイラミニダーゼを阻害することでインフルエンザウイルスの感染細胞からの遊離を抑制する。", "インジナビルは、HIVプロテアーゼを特異的に阻害することでHIVの増殖を抑制する。", "ラルテグラビルは、インテグラーゼを阻害することでHIVの複製を抑制する。", "ラミブジンは、CCR5ケモカイン受容体を遮断することでHIV感染を抑制する。", "エンテカビルは、チミジンキナーゼによって活性型に変換され、ヘルペスウイルスのDNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nアマンタジンは、A型インフルエンザウイルスのM_{2}イオンチャネルの作用を阻害することにより感染細胞内における脱核を阻害する。なお、ノイラミニダーゼを阻害することでインフルエンザウイルスの感染細胞からの遊離を抑制する薬物として、オセルタミビルやザナミビルがある。2:正\n3:正\n4:誤\nラミブジンはヌクレオシド型逆転写酵素阻害薬であり、HIVの逆転写酵素を競合的に阻害することによりHIVの増殖を抑制する。なお、CCR5ケモカイン受容体を遮断することでHIV感染を抑制する薬物として、マラビロクである。5:誤\nエンテカビルは、細胞内でリン酸化され三リン酸体となり、B型肝炎ウイルスのDNAポリメラーゼを競合的に阻害することによりウイルス増殖を抑制する。なお、チミジンキナーゼによって活性型に変換され、ヘルペスウイルスのDNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する薬物として、アシクロビルがある。"} +{"problem_id": "103163", "problem_text": "がんのホルモン療法薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["デガレリクスは、脳下垂体の性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)受容体を遮断することで黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの分泌を抑制する。", "ゴセレリンは、乳がん細胞のエストロゲン受容体を遮断することでがん細胞の増殖を抑制する。", "エンザルタミドは、前立腺がん細胞のアンドロゲン受容体を遮断することでがん細胞の増殖を抑制する。", "アナストロゾールは、5\\alpha -還元酵素を阻害することでジヒドロテストステロンの産生を抑制する。", "アビラテロンは、アロマターゼを阻害することでエストロゲンの産生を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nデガレリクスは、脳下垂体の性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)受容体を遮断することにより黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの分泌を抑制する。2:誤\nゴセレリンは、頻回投与することによりGn-RH受容体の脱感作を引き起し黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの分泌を抑制する。なお、乳がん細胞のエストロゲン受容体を遮断することでがん細胞の増殖を抑制する薬物として、タモキシフェンがある。3:正\nエンザルタミドは、前立腺がん細胞のアンドロゲン受容体を遮断することに加え、アンドロゲン受容体の核内移行およびアンドロゲン受容体とDNA上の転写因子結合領域との結合を阻害することでがん細胞の増殖を抑制する。4:誤\nアナストロゾールは、脂肪組織においてアロマターゼを阻害することによりテストステロンからエストロゲンの合成を阻害する。なお、5\\alpha -還元酵素を阻害することでジヒドロテストステロンの産生を抑制する薬物として、デュタステリドなどがある。5:誤\nアビラテロンは、CYP17を選択的に阻害することでプロゲステロンからアンドロゲン(テストステロンなど)への変換を直接阻害する。"} +{"problem_id": "103164", "problem_text": "抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["パクリタキセルは、チューブリンの重合を阻害することで有糸分裂を抑制する。", "ブレオマイシンは、活性酸素を発生させ、DNA鎖を切断する。", "ボルテゾミブは、プロテアソームを活性化することで転写因子NF-\\kappa Bの活性化を阻害する。", "ラムシルマブは、VEGFR2(血管内皮増殖因子受容体2型)に対するモノクローナル抗体である。", "カルボプラチンは、HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)に対するモノクローナル抗体である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nパクリタキセルは、チューブリンの脱重合を阻害することで有糸分裂を抑制する。2:正\n3:誤\nボルテゾミブは、プロテアソームを阻害することで転写因子NF-\\kappa Bの活性化を阻害する。4:正\nラムシルマブは、VEGFR2(血管内皮増殖因子受容体2型)に対するモノクローナル抗体であり、VEGFとVEGFR2との結合を阻害することで、血管新生を抑制する。5:誤\nカルボプラチンは、DNA鎖に架橋を形成することでDNAの複製を阻害する。なお、HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)に対するモノクローナル抗体に、トラスツズマブがある。"} +{"problem_id": "103165", "problem_text": "図は、カテコールアミンの生合成・代謝経路を示している。ただし、A〜Eは化合物を、ア〜エは酵素を示している。パーキンソン病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ベンセラジドは、エを阻害してEの生成を抑制し、シナプス間隙でのBの濃度を上昇させる。", "セレギリンは、イを阻害して末梢でのBの生成を抑制する。", "エンタカポンは、ウを阻害して末梢でのDの生成を抑制する。", "ドロキシドパは、血液-脳関門を通過し、脳内でイによりCに変換される。", "イストラデフィリンは、アの発現上昇を介してAの生成を促進する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "<化合物>\nA: ドパ(レボドバ)、B: ドパミン、C: ノルアドレナリン\nD: 3-O-メチルドパ、E: 3,4-ジヒドロキシマンデル酸\n<酵素>\nア: チロシンヒドロキシラーゼ、イ: 芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素\nウ: COMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)、エ: MAO_{B}(B型モノアミン酸化酵素)\n1:誤\nベンセラジドは、末梢において芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素(イ)を阻害してレボドパ(A)からドパミン(B)の生成を阻害することにより中枢へのレボドパ(A)の移行性を高めている。2:誤\nセレギリンは、MAO_{B}(エ)を阻害してドパミン(B)から3,4-ジヒドロキシマンデル酸(E)の生成を抑制し、シナプス間隙でのドパミン(B)の濃度を上昇させる。3:正\nエンタカポンは、末梢においてCOMT(ウ)を阻害してレボドパ(A)から3-O-メチルドパ(D)の生成を阻害することにより中枢へのレボドパ(A)の移行性を高めている。4:正\n5:誤\nイストラデフィリンは、GABA遊離促進に関わるアデノシンA_{2A}受容体を遮断し、GABA神経の興奮を正常な状態に近づけることにより、パーキンソン病による運動機能低下を改善する。"} +{"problem_id": "103166", "problem_text": "トランスポーターを介した薬物輸送に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["促進拡散型トランスポーターは、電気化学ポテンシャル差を駆動力とする。", "ミカエリス定数に比べて低い基質濃度での輸送速度は、濃度によらず一定となる。", "ペプチドトランスポーターPEPT1によるセファレキシン輸送の駆動力は、プロトン濃度勾配である。", "有機アニオントランスポーターOAT1によるメトトレキサート輸送は、ATPの加水分解エネルギーを駆動力として直接利用する。", "P-糖タンパク質によるシクロスポリンの輸送は、二次性能動輸送である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n促進拡散型トランスポーターは、濃度勾配や電気化学ポテンシャル差を駆動力として、物質を輸送する。2:誤\nミカエリス定数に比べて低い基質濃度での輸送速度は、濃度に比例する(1次反応)。なお、ミカエリス定数に比べて基質濃度が高い状態(K_{m}≫基質濃度)での輸送速度は、濃度によらず一定となる(0次反応)。3:正\n4:誤\n有機アニオントランスポーターOAT1は、近位尿細管上皮細胞の側底膜側に存在し、ジカルボン酸の濃度勾配を利用して血液側の有機アニオンを細胞内へ輸送する。5:誤\nP-糖タンパク質によるシクロスポリンの輸送は、ATPを直接利用する一次性能動輸送である。"} +{"problem_id": "103167", "problem_text": "薬物の消化管吸収とバイオアベイラビリティに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カルバペネム系抗生物質であるメロペネムは、小腸粘膜での透過性が高いため、経口製剤として用いられる。", "陰イオン交換樹脂であるコレスチラミンは、酸性物質であるプラバスタチンを吸着し、その吸収を阻害する。", "経口製剤の絶対的バイオアベイラビリティは、その製剤を経口投与した際の血中濃度時間曲線下面積(AUC)を、等量の同一薬物を静脈内投与した際のAUCで除したものに等しい。", "小腸において、親水性薬物のみかけの吸収速度は、非撹拌水層の拡散速度に依存する。", "小腸下部から吸収された薬物は、門脈を経ずに下大静脈に入るために、肝初回通過効果を受けない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nメロペネムは水溶性が高く、小腸粘膜透過性が低いため、経口製剤としては用いられない。なお、メロペネムは点滴静注で用いられる。2:正\n3:正\n経口製剤の絶対的バイオアベイラビリティは、以下の式で表される。経口製剤の絶対的バイオアベイラビリティ=(AUC_{経口}/D_{経口})/(AUC_{静注}/D_{静注})\nAUC: 血中濃度時間曲線下面積:D: 投与量\n上記のより、経口および静注により等量投与した場合、経口製剤の絶対的バイオアベイラビリティ=AUC_{経口}/AUC_{静注}となる。4:誤\n小腸上皮細胞の表面には非撹拌水層が存在し、みかけの吸収速度は非撹拌水層透過速度と消化管粘膜透過速度により変化する。親水性薬物においては、非撹拌水層透過速度は速いが、消化管粘膜透過速度は遅い(消化管粘膜透過が律速段階)。そのため、小腸において、親水性薬物のみかけの吸収速度は、消化管粘膜透過速度に依存する。5:誤\n小腸下部から吸収された薬物は、門脈を経由し静脈に移行するため肝初回通過効果を受ける。なお、直腸下部から吸収された薬物は、門脈を経ずに下大静脈に移行するため肝初回通過効果を受けない。"} +{"problem_id": "103168", "problem_text": "薬物の血漿タンパク結合、組織結合及び分布容積に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。ただし、定常状態における血漿中非結合形薬物濃度と組織中非結合形薬物濃度は等しいものとする。", "choices": ["血漿タンパク結合の変動が分布容積に及ぼす影響は、組織結合性が大きい薬物ほど顕著である。", "薬物の血漿中濃度に対する組織中濃度の比は、組織中非結合形分率に対する血漿中非結合形分率の比に等しい。", "体重1 kg当たりの分布容積が0.6 Lの薬物は、血漿を含む細胞外液に主に分布する。", "血漿タンパク結合率が著しく高く、組織結合は無視できるほど低い薬物の分布容積は、血漿容積に近似できる。", "分布容積は、体内薬物量を組織中薬物濃度で除することで得られる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:正しい\n分布容積V_{d}は以下の式で表される。上記の式より、組織結合性が大きい薬物ほど組織中非結合分率f_{t}が小さ��なるため、分布容積は血漿タンパク結合の変動の影響を大きく受けるといえる。2:正しい\n薬物分布が平衡状態にある場合、血漿中非結合型薬物濃度と組織中非結合薬物濃度は等しくなる。このことから、以下の式が成立する。3:誤っている\n体重に対する体液量を以下に示す。血漿: 0.05 L/kg、間質液: 0.15 L/kg、細胞外液(血漿+間質液): 0.20 L/kg\n細胞内液: 0.40 L/kg\n総体液量: 0.60 L/kg\n上記より、体重1 kg当たりの分布容積が0.6 Lの薬物は、体液全体に分布していると考えられる。4:正しい\n血漿タンパク結合率が著しく高く、組織結合が無視できるほど低い薬物はほとんど血漿中に存在するため、その分布容積は、血漿容積に近似できる。5:誤っている\n分布容積は、体内薬物量を血漿中薬物濃度で除することで得られる。"} +{"problem_id": "103169", "problem_text": "Poor metabolizer(PM)において薬効が低下する薬物と代謝酵素の組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nチザニジンは主にCYP1A2により代謝されることから、CYP1A2のPM(代謝活性の低い人)ではチザニジンの代謝が抑制され、効果は増大する。2:誤\nワルファリンは主にCYP2C9により代謝されることから、CYP2C9のPMではワルファリンの代謝が抑制され、効果は増大する。3:正\nクロピドグレルは主にCYP2C19により代謝され、活性代謝物となり作用することから、CYP2C19のPMではクロピドグレルの代謝活性化が阻害され、効果は減弱する。4:誤\nイミプラミン及びデシプラミン(イミプラミンの活性代謝物)は主にCYP2D6により代謝されることから、CYP2D6のPMではイミプラミン及びデシプラミンの代謝が抑制され、効果は増大する。5:誤\nイリノテカンの活性代謝物であるSN-38は、UGT1A1により代謝されることから、UGT1A1のPMではSN-38の代謝が抑制され、効果は増大する。"} +{"problem_id": "103170", "problem_text": "腎排泄に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["一般に、通常成人の腎血流量は100〜130 mL/minである。", "糸球体ろ過は、加圧ろ過であり、毛細血管内圧がボーマン嚢内圧より高いために起こる。", "サリチル酸は、尿がアルカリ性になると尿細管での再吸収が増加し、その腎クリアランスは小さくなる。", "パラアミノ馬尿酸の腎クリアランスは、血漿中濃度の増加に伴って大きくなる。", "尿細管において再吸収を受けない薬物の血中濃度が定常状態にある時、尿中の薬物濃度は血漿中の非結合形薬物濃度に比べて高くなる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n一般に、通常成人の腎血流量は800〜1200 mL/minである。2:正\n3:誤\nサリチル酸は酸性化合物であり、尿がアルカリ性になると分子形の割合に比べてイオン形の割合が増加する。そのため、サリチル酸は、尿がアルカリ性になると尿細管での再吸収が低下し、その腎クリアランスは大きくなる。4:誤\nパラアミノ馬尿酸は、腎臓においてろ過及び分泌により排泄される。パラアミノ馬尿酸の血漿中濃度が増加すると、分泌に関与する担体輸送が飽和するため、その腎クリアランスは低下する。5:正\n原尿(ろ過された直後の尿)の薬物濃度は、血漿中非結合型薬物濃度と等しい。再吸収を受けない薬物の場合、ろ過された後、分泌や水の再吸収により尿中の薬物濃度は、原尿の薬物濃度に比べ高くなる。よって、尿細管において再吸収を受けない薬物の血中濃度が定常状態にある時、尿中の薬物濃度は血漿中の非結合形薬物濃度に比べて高くなる。"} +{"problem_id": "103171", "problem_text": "経口投与において、薬物Aの体内動態に薬物Bの併用が及ぼす影響として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nノルフロキサシンとスクラルファート水和物を併用すると、ノルフロキサシンがスクラルファート水和物に含まれるアルミニウムと不溶性のキレートを形成し、消化管より吸収されにくくなる。2:誤\nイトラコナゾールとオメプラゾールを併用すると、オメプラゾールによる胃酸分泌抑制作用によりイトラコナゾールの溶解性が低下し、消化管より吸収されにくくなる。3:誤\nアセトアミノフェンとメトプロプラミドを併用すると、メトクロプラミドのアセチルコリン遊離作用により胃内容排泄速度が増大し、アセトアミノフェンの吸収速度が増大する。4:正\nメルカプトプリン水和物とフェブキソスタットを併用すると、フェブキソスタットのキサンチンオキシダーゼ阻害作用によりメルカプトプリン水和物の代謝が阻害される。5:誤\nシクロスポリンとピタバスタチンカルシウムを併用すると、シクロスポリンがピタバスチンの有機アニオントランスポーターによる肝臓への取り込みを阻害する。"} +{"problem_id": "103172", "problem_text": "各グラフの実線は、肝でのみ消失する薬物を経口投与したときの血中濃度推移を表す。肝固有クリアランスが2倍に増加したときの血中濃度推移(破線)を表す最も適切なグラフはどれか。1つ選べ。ただし、この薬物の肝での消失は血流律速で、well-stirred modelに基づくものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "肝固有クリアランス増加時の血中濃度推移を考えるにあたっては、「吸収過程の変化」と「消失過程の変化」を考える必要がある。<吸収過程の変化(肝初回通過効果の変化)>\n肝固有クリアランスが2倍になると、肝抽出率が増加し、肝初回通過効果を受けやすくなる。\\rightarrow 実線に比べ、破線の最高血中濃度は小さくなる。<消失過程の変化>\n「この薬物の肝での消失は血流律速で、well-stirred modelに基づくものとする」と記載されていることから、肝固有クリアランスが2倍になっても、肝臓における消失過程はほとんど変化しない。\\rightarrow 実線と破線のグラフの傾きはほとんど同じ。上記より、最も適切なグラフは選択肢4のグラフである。"} +{"problem_id": "103173", "problem_text": "ある薬物100 mgを被験者に急速静脈内投与した後に血中濃度及び尿中排泄量を測定したところ、未変化体の血中濃度時間曲線下面積(AUC)は1.0mg・h/L、代謝物の尿中総排泄量は20 mg(未変化体換算量)であった。一方、この薬物200 mgを同一患者に経口投与したときのAUCは0.8mg・h/Lであった。この薬物の体内動態の説明として誤っているのはどれか。1つ選べ。ただし、この薬物は肝代謝及び腎排泄でのみ消失し、代謝物は全て尿中に排泄されるものとする。また、体内動態は線形性を示し、肝血流速度は80 L/hとする。", "choices": ["生物学的利用率は40%である。", "全身クリアランスは100 L/h である。", "静脈内投与後の未変化体の尿中排泄率は80%である。", "肝抽出率は25%である。", "経口投与された薬物のうち、門脈に移行する割合は75%である。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n生物学的利用率は血中濃度時間曲線下面積および投与量から以下の式より求めることができる。2:正しい\n全身クリアランスCL_{tot}は静脈内投与時の投与量と血中濃度時間曲線下面積から以下の式より求めることができる。3:正しい\n問題文に「代謝物の尿中総排泄量は20 mg(未変化体換算量)であった」「この薬物は肝代謝及び腎排泄でのみ消失し、代謝物は全て尿中に排泄されるものとする」と記載されていることから、投与した100 mgのうち、20 mgは代謝により消失し、80 mgは腎臓より未変化体として消失していると考えられる。このことから、静脈内投与後の未変化体の尿中排泄率は80%である。4:正しい\n肝抽出率E_{h}は肝クリアランスCL_{肝}と肝血流量Q_{肝}から以下の式より求めることができる。5:誤っている\n門脈に移行する割合は、以下の式で表される。:\n_{}\nバイオアベイラビリティFが以下の式で表されることから、門脈に移行する割合を以下のように求めることができる。_{}_{}\n門脈に移行する割合=F_{a}\\times F_{g}=F/F_{h}=F /(1-E_{h})=0.4/(1-0.25)\\fallingdotseq 0.53"} +{"problem_id": "103174", "problem_text": "固形製剤中における医薬品の分子集合体の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["結晶多形間では、結晶構造は異なるが真密度は等しい。", "医薬品の結晶形は変化せず結晶表面に水分が吸着したものを水和物という。", "非晶質(アモルファス)状態の医薬品を高湿度下に保存したとき、水分の収着によって結晶化することがある。", "シクロデキストリンによる包接化には、医薬品の安定性を改善する効果はない。", "医薬品を分子状態で水溶性高分子に分散させた粉体から医薬品を溶出させるとき、医薬品のみかけの溶解度��過飽和を示すことがある。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n結晶多型とは、化合物の組成は同じであるが、結晶内の原子、分子の配列が異なる結晶のことである。結晶多型間では、溶解度、融点、密度、化学ポテンシャル等が異なる。2:誤\n水和物は、水分子を取り込んだ状態で結晶化している。3:正\n非晶質(アモルファス)状態とは、乱れた構造を有する固体の状態である。非晶質(アモルファス)状態の医薬品を高湿度下に保存すると、水分の収着によって結晶化することがある。<参考>\n収着とは、水分の吸着及び水分の吸収の両方の反応が起こること\n4:誤\n医薬品をシクロデキストリンによる包接化することにより以下のことが期待できる。・医薬品の水溶性を高める\n・医薬品を酸化分解、加水分解しにくくする(医薬品の安定性を改善する)\n5:正\n固体分散体(医薬品を分子状態で水溶性高分子に分散させた粉体)から医薬品を溶出させるとき、医薬品が溶解度以上に溶け込むことがある(みかけの溶解度が過飽和を示すことがある)。"} +{"problem_id": "103175", "problem_text": "医療用活性炭の品質管理を目的として、ガス吸着法による比表面積測定を行った。試料2.0 gに対する窒素ガスの単分子吸着量が3.0\\times 10^{-2}mo1であったとき、この試料の比表面積(m^{2}/g)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、アボガドロ定数を6.0\\times 10^{23}mo1^{-1}窒素分子の分子占有断面積を1.6\\times 10^{-19}m^{2}とする。", "choices": ["1.6\\times 10^{2}", "2.2\\times 10^{2}", "1.0\\times 10^{3}", "1.4\\times 10^{3}", "2.2\\times 10^{3}"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "<試料1 gに対する窒素ガスの単分子吸着量を求める>\n3.0\\times 10^{-2}mo1/2 g=1.5\\times 10^{-2}mo1/g\n<この試料の比表面積を求める>\n試料1 gに1.5\\times 10^{-2}mo1の窒素ガスが吸着していることから、試料1 gに「1.5\\times 10^{-2}\\times アボガドロ定数(個)」の窒素ガスが吸着していると考えられる。このことから、この試料の比表面積(m^{2}/g)を以下のように計算することができる。この試料の比表面積(m^{2}/g)=試料1 gに吸着している窒素ガスの個数\\times 窒素分子の分子占有断面積=1.5\\times 10^{-2}\\times アボガドロ定数(個)\\times 1.6\\times 10^{-19}=1.44\\times 10^{3}(m^{2}/g)"} +{"problem_id": "103176", "problem_text": "高分子の構造と性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["合成高分子は単量体の重合反応によって合成されるため、一般に分子量が均一である。", "分子量が均一なあるタンパク質が溶媒中で会合することなく分散しているとき、その数平均分子量と質量平均分子量は等しい。", "高分子の物性は、単量体が同じであれば、その分子鎖の長さによらず同一である。", "良溶媒中の高分子は、分子が伸びた形状をとりやすいため、溶液の粘度は高くなる。", "核酸が形成する二重らせん構造は、分子鎖内の水素結合によって形成されるため、二次構造に相当する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n合成高分子は、合成の方法により分岐度、重合度などが異なるため、一般に分子量は不均一である。2:正\n分子量が均一なあるタンパク質が溶媒中で会合することなく分散しているとき、そのモル分率と質量分率が等しくなるため、その数平均分子量と質量平均分子量は等しい。<数平均分子量>\n高分子の分子量にモル分率をかけることにより算出される平均分子量\n<質量平均分子量>\n高分子の分子量に重量分率をかけることにより算出される平均分子量\n3:誤\n高分子の物性は、分子量や分子鎖の長さにより異なる。4:正\n良溶媒(高分子がなじみやすい溶媒)中の高分子は、伸びた線状の状態となりやすいため、溶液の粘度は高くなる。5:誤\n核酸が形成する二重らせん構造は、分子鎖間の水素結合によって形成されるため、二次構造に相当する。"} +{"problem_id": "103177", "problem_text": "図の固形製剤の製造工程に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["粉砕を行うと、主薬が分解することがある。", "結合剤を粉末のまま用いると、水溶液で用いた場合に比べ、均質な造粒物が得られる。", "混合①から乾燥までの操作を同一装置で連続的に行うには、流動層造粒機が適している。", "滑沢剤の添加量が多いほど、整粒した粉体の流動性が高くなる。", "図の原料の組合せと工程は、トローチ剤の製造に用いられる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nハンマーミルやボールミルを用いて粉砕すると、粉砕時に熱が発生することがあり、その熱により主薬が分解されることがある。2:誤\n結合剤を粉末のまま用いると、水溶液で用いた場合に比べ、不均質な造粒物が得られる。3:正\n流動層造粒法は、熱風気流中に吹き上げた粉末に結合剤を噴霧して造粒する方法であり、混合、造粒、乾燥を同一装置内で連続的に行うことができる造粒法である。4:誤\n滑沢剤の添加量と粉体の流動性は比例の関係を示さない。粉体の流動性を改善するためには適量の滑沢剤を添加する必要がある。5:誤\nトローチ剤を製造する際には、崩壊剤を添加しないため、図の原料の組合せと工程は、トローチ剤の製造に用いられない。"} +{"problem_id": "103178", "problem_text": "油相に水相を常温で攪拌しながら徐々に加え、o/w型のクリーム剤を調製したい。調製している溶液の粘度変化を表すグラフとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "通常、クリーム剤の調製は外相に内相を加えることにより行われるが、本問では、油相に水相を加えo/w型のクリーム剤を調製していることから、外相と内相が入れ替わる転相によりクリーム剤を調製していると考えられる。内相を加えることにより起こる転相では、内相の比率が74.02%を越えると転相が認められる。分散系における粘度は、内相の比率が増加するとともに増大するため、転相が起こるまでは粘度の上昇が認められ、転相後には粘度の低下が認められる。"} +{"problem_id": "103179", "problem_text": "薬物とその効果等を向上させる目的及び目的を達成するために実用化されている薬物送達システム(DDS)の組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nアルプロスタジルの効果等を向上させる目的及びDDSについて以下に示す。DDS: リピッドマイクロスフェア(受動的ターゲティングを可能にしている)\n目的: 血管病変部へ薬物を送達させる\n2:誤\nチモロールマレイン酸塩の効果等を向上させる目的及びDDSについて以下に示す。DDS: ジェランガム(Na^{+}によりゲル化)、メチルセルロール(温度によりゲル化)\n目的: 有効成分の滞留時間の延長\n3:正\n4:正\n5:誤\nプロポフォールの効果等を向上させる目的及びDDSについて以下に示す。DDS: エマルション化(o/w型エマルションにすることで水溶性の向上)\n目的: 血管選択性の向上"} +{"problem_id": "103180", "problem_text": "医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準(GMP)に関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["製造設備に関する規則で、人為的な誤りは対象とされていない。", "複数の医薬品の交叉汚染や、虫・異物などの混入を防ぐことが必要である。", "あらかじめ決められた手順・条件で製造すれば、製造記録を管理することが免除される。", "製造所ごとに医薬品製造管理者を定め、その下に製造部門と品質部門を置かなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準(GMP)の三原則を以下に示す。・人為的な誤りを最小限にする\n・医薬品に対する汚染及び品質低下を防止する\n・高い品質を保証するシステムを設計する\n2:正\n3:誤\n製造する医薬品が一定の品質を保つために、医薬品製造業者は製造示図書などの手順書等を作成し、製造部門はこれに従って製造を行い、製造記録を作成、保存しなければならない。4:正\n医薬品製造業者は、製造所ごとに医薬品製造管理者(一般に薬剤師が任命される)を定め、その下に製造部門と品質部門を置かなければならない。"} +{"problem_id": "103181", "problem_text": "浮腫に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["うっ血性心不全では、一般的に朝方に強く浮腫が認められる。", "糸球体腎炎では、起床時に顔面、眼瞼に浮腫が認められる。", "高齢者における腎性浮腫では、高アルブミン血症を呈する。", "肝硬変では、低アルブミン血症により浮腫が起こる。", "薬剤性浮腫の原因薬物として、非ステロイド性抗炎症薬がある。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:誤っている\nうっ血性心不全により起こる浮腫は、静脈にうっ滞した血液成分が血管外に漏出することにより生じ、夕方に強く認められるという特徴を有する。2:正しい\n糸球体腎炎により起こる浮腫は、尿量の減少により体内に溜まった水分が血管外に漏出することにより生じ、起床時に顔面、眼瞼に浮腫が認められるという特徴を有する。3:誤っている\n腎性浮腫は、腎機能の低下により尿中にタンパク質が漏出し、低タンパク血症、低アルブミン血症を呈することにより生じる。4:正しい\n肝硬変では、肝臓におけるアルブミン合成能の低下により、低アルブミン血症による浮腫が起こる。5:正しい\n薬剤性浮腫の原因薬物として、非ステロイド性抗炎症薬に加え、カルシウム拮抗薬やアンギオテンシン変換酵素阻害薬がある。"} +{"problem_id": "103182", "problem_text": "65歳女性。脳血管疾患の既往無し。数年前より軽度認知障害があり、CT検査で大脳皮質の萎縮が認められ、アルツハイマー病と診断された。下記の処方で服薬は正しくなされていた。最近、見当識障害や判断能力が悪化し、日常生活に介助が必要となることが多くなったため、心配した家族に同伴されて病院を受診した。本患者の今後の薬物治療方針として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ドネペジル塩酸塩の増量", "リバスチグミンの併用", "ガランタミン臭化水素酸塩の併用", "メマンチン塩酸塩の併用", "メチルフェニデート塩酸塩の併用"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "<本症例の背景>\n・脳血管疾患の既往無し\\rightarrow 脳血管性痴呆の可能性低い\n・アルツハイマー病の進行抑制のためドネペジル塩酸塩錠5 mgが処方されている\n・服用は正しくなされている\\rightarrow コンプライアンス良好\n・見当識障害や判断能力が悪化\\rightarrow アルツハイマー病が進行している\n*本患者に処方されているドネペジル塩酸塩は、アセチルコリンエステラーゼを阻害することによりアルツハイマー病の進行を抑制する。1:正\nドネペジル塩酸塩は軽度〜高度のアルツハイマー病に用いることができ、最大投与量が10 mgとされている。このことから、本症例においてドネペジル塩酸塩の増量を検討することは適切である。2:誤\nドネペジル塩酸塩服用中には、同じ作用機序を有するリバスチグミンやガランタミン臭化水素酸塩を併用しない。3:誤\n解説2参照\n4:正\nドネペジル塩酸塩とメマンチン塩酸塩(作用機序: グルタミン酸NMDA受容体の非競合的遮断)は異なる作用機序を有しており、併用することが可能である。中等度から高度のアルツハイマーに対してドネペジル塩酸塩とメマンチン塩酸塩を併用して用いることがある。5:誤\nメチルフェニデート塩酸塩は、アルツハイマー病の進行抑制には用いられない。"} +{"problem_id": "103183", "problem_text": "ネフローゼ症候群の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["低アルブミン血症が認められる。", "食事療法は高タンパク食を基本とする。", "浮腫の改善にはアンギオテンシンII受容体拮抗薬が用いられる。", "血液凝固能亢進の改善の第一選択薬として、アスピリンが用いられる。", "ステロイド抵抗性を示す場合は、免疫抑制薬が併用される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nネフローゼ症候群とは、タンパク尿、低タンパク血症、浮腫、高コレステロール血症を呈する症候群のことである。2:誤\n本症候群における食事療法では、糸球体に負荷の少ない低タンパク食を基本とする。3:誤\n本症候群の浮腫の改善には、ループ利尿薬が用いられる。なお、アンギオテンシンII受容体拮抗薬を浮腫の改善に用いることはない。4:誤\n本疾患では、低アルブミン血症により代償的に肝臓でのアルブミン合成が促進し、それに伴い凝固因子であるフィブリノーゲンの合成が促進することで血栓症を合併することがある。この血栓症を改善するために、抗血小板薬であるジピリダモールやジラゼプが用いられる。5:正\n本症候群の治療には、副腎皮質ステロイドが用いられるが、場合によってはステロイド抵抗性を示すことがある。このような場合には、副腎皮質ステロイドに加え、免��抑制薬であるシクロスポリンが併用されることがある。"} +{"problem_id": "103184", "problem_text": "40歳女性。丸顔と中心性の肥満を伴った高血圧症と糖尿病の患者。二次性高血圧の精査のため受診したところ、早朝空腹時の血中ACTHとコルチゾールの高値を認めた。そこで入院の上、就寝前に0.5mgのデキサメタゾンを内服して翌朝の血中コルチゾールを測定したところ12 \\micro g/dLであった。翌日、就寝前に8 mgのデキサメタゾンを内服して、その翌朝に血中コルチゾールを測定すると3 \\micro g/dLであった。本症例の病態として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["クッシング病", "異所性ACTH産生腫瘍", "副腎腺腫", "副腎癌", "副腎皮質過形成"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "患者の症状、状態(丸顔と中心性の肥満を伴った高血圧、糖尿病)より副腎からホルモンが過剰に分泌されるクッシング症候群が疑われる。そこで、デキサメタゾン抑制試験(クッシング症候群が疑われる場合に行われる試験)を実施した。<デキサメタゾン抑制試験の概要>\n就寝前にデキサメタゾンを0.5 mg投与後、翌朝、血中コルチゾールを測定する。・翌朝、血中コルチゾールが低下している場合\nネガティブフィードバックによりコルチゾールの分泌が抑制されている\\rightarrow クッシング症候群ではない。・翌朝、血中コルチゾールが低下しない場合\nなんらかの原因でコルチゾールが過剰分泌している(クッシング症候群と考えられる)。<クッシング症候群の原因を鑑別する>\n就寝前にデキサメタゾンを8 mg投与後、翌朝、血中コルチゾールを測定する。・翌朝、血中コルチゾールが低下している場合\n下垂体前葉にネガティブフィードバックが働き、コルチゾールの分泌が抑制されている\n\\rightarrow 下垂体前葉に問題あり\n・翌朝、血中コルチゾールが低下しない場合\n下垂体前葉にネガティブフィードバックが働いているにも関わらずコルチゾール分泌が行われている\n\\rightarrow 下垂体前葉以外に原因あり(異所性ACTH産生腫瘍、副腎異常の可能性あり)\n上記より、本症例の病態(デキサメタゾン抑制試験: 陽性、デキサメタゾン大量投与後の血中コルチゾール: 低下)は、クッシング病(下垂体性ACTH分泌亢進症)であると考えられる。"} +{"problem_id": "103185", "problem_text": "てんかんとその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["脳に器質的な損傷があるために起こる症候性てんかんと、脳に明確な障害がなく原因が特定できない特発性てんかんがある。", "単純部分発作は意識消失を起こす。", "欠神発作は、身体の一部が瞬間的に強く収縮する発作で、意識障害を認める。", "てんかんの診断には、脳波検査よりもCTやMRIなどによる頭部画像検査が有用である。", "原発性てんかん患者において抗てんかん薬を中止するには、2年間以上の発作消失が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n2:誤\nてんかん発作は、過剰な電気的興奮が起こった部位や電気的な興奮の広がり方によって部分発作と全般発作に分類される。<部分発作>\n過剰な電気的興奮が脳の一部に限定されて起こる発作であり、意識障害を伴わない単純部分発作と、意識障害を伴う複雑部分発作に分類される。<全般発作>\n大脳の両側にまたがる広い範囲で過剰な興奮が起こることで発生する発作であり、意識障害を伴うことが多い。3:誤\n欠神発作とは、数十秒間にわたり意識がなくなる発作のことであり、けいれんは認められない。4:誤\nてんかんの診断には、脳波検査が最も有用である。なお、てんかんの診断にCTやMRIなどによる頭部画像検査を行うことがあるが、脳の器質に異常が認められない特発性てんかんでは有用性が低いとされている。5:正"} +{"problem_id": "103186", "problem_text": "8歳男児。学校の授業中に先生の話を聞いていない。着席しても落ち着かず、離席もあり、集中できず、ミスが多く、忘れっぽい。休み時間に大声を出したり、動き回ったりし、順番を待つことができない。知能は正常であるが周囲の子ども達となじめず、親が心配して病院を受診させたところ、注意欠陥・多動性障害と診断された。この疾患の病態及び薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メチ���フェニデート塩酸塩徐放錠が使用できる。", "アトモキセチン塩酸塩は他の治療薬に比べて依存性が強い。", "環境調節などの配慮の必要はない。", "主症状には、不注意、多動性、衝動性の3つがある。", "主症状は成人期以降に消失する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "注意欠陥・多動性障害(AD/HD)について以下に示す。・主な症状として、不注意、多動性、衝動性の3つが挙げられる。・有病率については、学童期で約3〜7%(成人になっても症状が改善しないことがある)\n・病因は明確ではないが、脳前頭野部分のドパミン神経系、アドレナリン神経系の機能低下が関与していると考えられている。・治療薬としては、メチルフェニデート徐放錠、アトモキセチン塩酸塩カプセル剤/内用液剤が用いられる。<メチルフェニデートの作用機序>\nドパミン及びノルアドレナリントランスポーターに結合し、その再取り込みを抑制することにより、シナプス間に存在するドパミン及びノルアドレナリンを増加させて神経系の機能を亢進するものと考えられている。<アトモキセチン塩酸塩の作用機序>\n選択的にノルアドレナリントランスポーターに結合し、ノルアドレナリンの再取り込みを抑制することによりシナプス間隙中のノルアドレナリンを増加させ神経機能を亢進するものと考えられている。1:正\n2:誤\nアトモキセチンはメチルフェニデートに比べ、依存性が弱いとされている。3:誤\nAD/HDの症状は気が散りやすい環境で現れやすいとされている。そのため、治療するにあたっては環境調節などを行うことが有用とされている。4:正\n5:誤\n前記参照"} +{"problem_id": "103187", "problem_text": "じん麻疹及び薬疹に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["じん麻疹は、主に血管透過性亢進により生じる。", "じん麻疹の症状の1つに、血管性浮腫がある。", "じん麻疹の多くは、そう痒感を伴わない。", "中毒性表皮壊死症の早期に発熱はみられない。", "Stevens-Johnson症候群の治療には、副腎皮質ステロイド薬の局所投与を行う。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nじん麻疹では、I型アレルギーにより好塩基球、肥満細胞からヒスタミンが遊離され、血管拡張、血管透過性亢進により、そう痒感を伴う発赤が認められる。2:正\nじん麻疹の症状の1つに、皮膚や粘膜の深部を中心として浮腫が生じる血管浮腫がある。3:誤\n解説1参照\n4:誤\n中毒性表皮壊死症の早期には、発熱、眼の充血、唇のただれなどがみられる。5:誤\nStevens-Johnson症候群の治療には、副腎皮質ステロイド薬の全身投与を行う。"} +{"problem_id": "103188", "problem_text": "全身性エリテマトーデス(SLE)に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["自己抗体により形成される免疫複合体が組織に沈着し、臓器に慢性の炎症を引き起こす。", "特徴的な症状として両側頬部にわたる蝶形紅斑が認められる。", "関節所見としては関節痛や関節炎が主体で、骨破壊はまれである。", "40〜50歳代の女性に好発する。", "肝機能の悪化はSLEの予後を左右する最も重要な因子である。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:正しい\nSLEでは、自己抗体(抗核抗体: 抗DNA抗体、抗Sm抗体など)により形成される免疫複合体が組織に沈着し、III型アレルギーの機序により臓器に慢性の炎症を引き起こす疾患である。2:正しい\nSLEでは、症状として、蝶形紅斑、光過敏症、口内炎等が認められる。3:正しい\n4:誤っている\nSLEは、20〜40歳代の女性に好発する。5:誤っている\nSLEでは、ループス腎炎を生じることがあり、これがSLEにおける生命予後に大きな影響を与えるとされている。"} +{"problem_id": "103189", "problem_text": "76歳女性。長期入院中。ベッド接触面の皮膚に、圧迫しても消退しない限定的な発赤ができている。本患者に対する治療として提案すべきことはどれか。2つ選べ。", "choices": ["精製白糖・ポビドンヨードによる創面保護", "積極的な体位変換", "トリアゾラムの服用", "湿潤を保つためのドレッシング剤の使用", "栄養状態の改善"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "ベッド接触面の皮膚に、圧迫しても消退しない限定的な発赤ができていることから、本患者は褥瘡の初期の段階にあると思われる。褥瘡の���防・治療において重要なことは、除圧(体位変換の実施)及び栄養状態の改善である。1:誤\n精製白糖・ポビドンヨードは、ポビドンヨードの抗菌作用により感染を制御することに加え、精製白糖、基剤であるマクロゴールによる吸水作用により病変部を改善する。精製白糖・ポビドンヨードは、これらの作用を有することから滲出液が多い褥瘡に用いられる。2:正\n3:誤\nトリアゾラムは、筋弛緩作用を有するため、運動機能が低下することにより誘発される薬剤誘発性褥瘡の原因となることがある。4:誤\nドレッシング剤は、創面の保護を目的に使用される。本患者は褥瘡の初期の段階(創面が認められていない段階)にあることから、ドレッシング剤を使用することは適切ではない。<参考: ドレッシング剤の使用目的>\n・創面の保護\n・乾燥した創面の湿潤環境の形成\n・滲出液の吸収・保持\n5:正"} +{"problem_id": "103190", "problem_text": "医薬品リスク管理計画(Risk Management Plan: RMP)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["RMPは、治験の第三相試験を開始するまでに策定しなければならない。", "安全性検討事項は、重要な特定されたリスク、重要な潜在的リスク、重要な不足情報に分類される。", "市販直後調査は、医薬品安全性監視計画に含まれる。", "添付文書の作成や改訂は、リスク最小化計画には含まれない。", "バイオ後続品については、RMPを策定しなくてもよい。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "医薬品リスク管理計画(Risk Management Plan: RMP)は、医薬品の安全性を確保するために開発の段階から承認審査を経て製造販売に至るまでを医薬品ごとにひとつの文書にまとめ、医療関係者、行政、製薬企業など医薬品の適正使用に関わる全ての関係者で共有することで、市販後安全対策の一層の充実強化を測ることを目的としたものである。1:誤\n医薬品リスク管理計画(Risk Management Plan: RMP)は、医薬品の安全性を確保するために開発の段階から承認審査を経て製造販売に至るまでを医薬品ごとにひとつの文書にまとめたものであり、治験の第三相試験を開始するまでに策定しなければならないという規定はない。2:正\n3:正\n医薬品安全性監視活動(情報取集)には、副作用症例の収集、市販直後調査による情報収集、使用成績調査、市販後臨床試験などが含まれる。4:誤\n添付文書の作成、改定はリスク最小化計画に含まれる。5:誤\nRMPの適用範囲は、医療用医薬品であり、後発医薬品やバイオ後続医薬品についてもRMPが策定される。"} +{"problem_id": "103191", "problem_text": "抗不整脈薬投与患者で低血糖の症例をしばしば経験した薬剤師が、自施設の患者における抗不整脈薬の服用と低血糖の発症との関連性を調査した。低血糖発症患者(n=90)と、年齢及び性別でマッチングした低血糖非発症患者(n=450)を選択して、過去1年間のカルテを調査した。対象患者における抗不整脈薬A、B、Cの処方の有無を調査した結果を表に示す。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この調査はコホート研究に分類される。", "この調査は介入研究に分類される。", "A非服用者を対照とした場合、A服用者の低血糖症状のオッズ比は1である。", "低血糖の発症リスクはB非服用者より、B服用者の方が高い。", "低血糖の発症リスクはCの方が他の2剤に比べて高い。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n本研究では、低血糖発症患者と低血糖非発症患者に分け、過去に不整脈薬A、B、Cの服用の有無を調査している。このことから、本研究は、症例-対照研究(観察研究)であるといえる。2:誤\n解説1参照\n3:正\nオッズ比は以下の手順で求めることができる。①: 発症群のオッズ(薬剤投与あり/薬剤投与なし)を求める\n②: 対照群のオッズ(薬剤投与あり/薬剤投与なし)を求める\n③: オッズ比(①/②)を求める。\n①: 5/85\n②: 25/425\n③: (5/85)/(25/425)=1\n4:誤\nB非服用者を対照とした場合、B服用者の低血糖症状のオッズ比を求める\n①: 3/87\n②: 21/429\n③: (3/87)/(21/429)\\fallingdotseq 0.7\nB非服用者を対照とした場合、B服用者の低血糖症状のオッズ比が1より小さいことから低血糖の発症リスクはB非服用者より、B服用者の方が低い。5:正\nC非服用者を対照とした場合、C服用者の低血糖症状のオッズ比を求める\n①: 10/80\n②: 6/444\n③: (10/80)/(6/444)=9.25\n薬剤Aのオッズ比、薬剤Bのオッズ比に比べ、薬剤Cのオッズ比が最も大きく、低血糖の発症リスクはCの方が他の2剤に比べて高い。"} +{"problem_id": "103192", "problem_text": "医師から「2型糖尿病患者に脂質異常症治療薬Aを投与した際の、動脈硬化性疾患に対する予防効果(心血管疾患予防)について教えてほしい」と問合せがあった。薬剤師が文献調査をした結果、動脈硬化性疾患の既往歴がない2型糖尿病患者(40〜75歳)を、「A投与群」又は「A非投与群」の2群に無作為に割付し、心血管死、脳血管障害、急性冠症候群などの動脈硬化性の心血管イベントの発症率を比較した論文を得ることができた。平均追跡期間は5年で、図に示した結果が得られている。得られた論文の批判的吟味に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["「情報の批判的吟味」はEBM実践のプロセスの最初のステップである。", "臨床研究の手法が正しかったのか、得られた結果が信用できるのかといった研究成果の正確度や再現性について、外的妥当性を評価する。", "この図の評価項目は、真のエンドポイントを用いていると考えられる。", "この図から、ハザード比の95%信頼区間が1を挟んでいないこと及びp値から、両郡間に統計学的に有意な差が見出されたといえる。", "この図から、A投与群はA非投与群に比べ心血管イベントの発症リスクを81%減少させたと判断できる。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n「情報の批判的吟味」はEBM実践のプロセスのステップ3である。\nステップ1: 患者の問題の定式化\nステップ2: 情報収集\nステップ3: 情報の批判的吟味\nステップ4: 情報の患者への適応\nステップ5: ステップ1〜ステップ4の評価\n2:誤\n研究の手法、研究の成果の正確度、再現性については内的妥当性を評価する。3:正\n問合せの内容より、医師は「心血管疾患予防効果」について知りたいと判断できる。この図の縦軸(評価項目)は、「累積心血管イベント発生率(%)」となっており、医師が求める心血管疾患予防効果を直接観察している。このことから、この図の評価項目は真のエンドポイントを用いていると考えられる。*真のエンドポイントとは、本来求めたい結果のことである。4:正\nハザード比の95%信頼区間及びp値より以下のことを読み取ることができる。<ハザード比の95%信頼区間>\n・1を挟んでいる場合: 有意差がない\n・1より小さい場合: 発生率を減少させている\n・1より大きい場合: 発生率を増加させている\n\n・有意水準(5%)>p値の場合: 有意な結果である\n上記より、この図(95%信頼区間: 0.69〜0.95、p=0.011)から両郡間に統計学的に有意な差が見出されたといえる。5:誤\nハザード比が0.81であることから、A投与群はA非投与群に比べ心血管イベントの発症リスクを19(100-81)%減少させたと判断できる。"} +{"problem_id": "103193", "problem_text": "前問のデータ解析方法に関する文中の「:::」に入る適切な語句はどれか。1つ選べ。心血管イベント発症までの時間曲線をカプラン・マイヤー法で推定し、[:::]を用いてハザード比とその95%信頼区間を推定した。", "choices": ["ログランク検定", "Kruskal-Wallis検定", "Cox回帰分析", "ロジスティック回帰分析", "重回帰分析"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nログランク検定は、ノンパラメトリック法により2つのカプラン・マイヤー曲線に差があるか否かを判断する検定法である。"} +{"problem_id": "103194", "problem_text": "薬物代謝酵素の遺伝子多型に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["CYP2C19のpoor metabolizer(PM)では、オメプラゾール併用のピロリ菌除菌療法の効果が減弱する。", "CYP2D6のextensive metabolizer(EM)では、コデインの鎮痛効果が減弱する。", "CYP2C9のPMでは、フェニトインによる中枢毒性発現のリスクが増大する。", "N-アセチル転移酵素2(NAT2)のslow acetylator(SA)では、イソニアジドによる副作用のリスクが増大する。", "CYP2C19のPMの頻度は欧米人では5〜10%であるが、日本人では約1%である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nオメプ��ゾールは主にCYP2C19により代謝されるため、CYP2C19のpoor metabolizer(PM: 代謝が遅い群)では、オメプラゾール併用のピロリ菌除菌療法の効果が増強する。2:誤\nコデインはCYP2D6によりモルヒネに変化されて鎮痛効果を示す。CYP2D6のextensive metabolizer(EM: 代謝活性に変異をもたない群)では、コデインはモルヒネに変換され鎮痛効果示すことから、鎮痛効果の減弱は認められない。3:正\nフェニトインは主にCYP2C9により代謝されるため、CYP2C9のPMでは、フェニトインによる中枢毒性発現のリスクが増大する。4:正\nイソニアジドは主にN-アセチル転移酵素2(NAT2)により代謝されるため、N-アセチル転移酵素2(NAT2)のslow acetylator(SA)では、イソニアジドによる副作用のリスクが増大する。5:誤\nCYP2C19のPMの頻度は日本人では約20%であり、白人では約3%である。"} +{"problem_id": "103195", "problem_text": "薬物の乳汁移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["母乳pHは血漿pHよりも高値であるため、塩基性薬物は母乳中に移行しやすい。", "相対的乳児摂取量は、薬物の乳汁中濃度と母体血漿中濃度の比に100を乗じて算出する。", "乳汁/血漿中薬物濃度比(M: P比)に影響を及ぼす要因として、薬物の脂溶性、分子量、タンパク結合率、pKaがある。", "ブロモクリプチンは、母乳中への移行が多い。", "炭酸リチウムは、母乳中へ移行するが、服薬と授乳のタイミングを工夫することで、授乳婦への投与は可能である。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n母乳のpH(pH: 6.6〜6.8)は、血漿のpH(pH7.35〜7.45)よりも低値であるため、塩基性薬物は母乳に移行しやすい。2:誤\n相対的乳児摂取量は、乳児薬物摂取量(mg/kg/日)/母親の薬物摂取量(mg/kg/日)\\times 100で算出する。なお、相対的乳児摂取量が10%以下の場合、安全とされている。3:正\n薬物の乳汁中への移行は、薬物の脂溶性、分子量、タンパク結合率、pKaの影響を受ける。このことから、薬物の脂溶性、分子量、タンパク結合率、pKaは、乳汁/血漿中薬物濃度比(M: P比)に影響を及ぼす要因となる。4:誤\nブロモクリプチンは、母乳中へ移行することは認められていない。なお、ブロモクリプチンは、乳汁分泌を抑制するため、授乳を望む母親には投与しないこととされている。5:誤\n炭酸リチウムは母乳中に移行するため、やむを得ず炭酸リチウムを投与する場合には、授乳を中止させることとされている。"} +{"problem_id": "103196", "problem_text": "68歳男性。慢性腎不全にて入院中。今回とこれまでの血液検査の結果から、eGFRの低下が認められたため、クレメジン^{®}細粒分包2 g^{(注)}が追加となり、薬剤師に服薬説明の依頼があった。(注: 1包中に球形吸着炭2 gを含有する) 球形吸着炭は、その表面に種々の物質を吸着することができる。本薬物の吸着現象に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["本薬物への吸着に飽和現象が観察された場合、単分子層吸着が主であると判断できる。", "本薬物への最大吸着量は、ノイエス-ホイットニー(Noyes-Whitney)の式から求めることができる。", "本薬物への物質の吸着は、吸着速度と脱離速度が等しくなるまで進行する。", "本薬物による物質の吸着は、主に静電的相互作用による。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n物質の吸着現象には、単分子層吸着と多分子層吸着があり、単分子層吸着の場合、吸着に飽和が認められる。よって、吸着に飽和現象が認められた場合には、単分子層吸着が主であると判断できる。2:誤\n本薬物への吸着は主に単分子層吸着であることから、ラングミュア式により、本薬物の最大吸着量を算出することができる。なお、ノイエス-ホイットニー(Noyes-Whitney)の式は、拡散過程が律速である場合の溶解速度を表す式である。3:正\n本薬物への物質の吸着は、平衡状態に到達する(吸着速度と脱離速度が等しくなる)まで進行する。4:誤\n本薬物による物質の吸着は、主にファンデルワールス力による。"} +{"problem_id": "103197", "problem_text": "患者は本製剤を服用するのが初めてである。服薬説明として誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["固体のまま消化管を通過するため、胃潰瘍や食道静脈瘤の治療を行っていないかを確認する。", "床に��量にこぼした場合には、転倒の原因となることがあるため、早めに濡れたタオルで拭き取るよう指導する。", "他の薬剤と併用する際には、同時服用は避けるよう指導する。", "墨汁で染めたような黒色の便となるため、患者が驚かないように説明する。", "袋型オブラートや服薬補助ゼリーの使用により、効果が減弱することを説明する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:正しい\n本剤は固体のまま消化管を通過し、患部を刺激するおそれがあるため、消化管潰瘍、食道静脈瘤を有する患者には慎重に投与することとされている。"} +{"problem_id": "103198", "problem_text": "83歳男性。高齢者介護施設に入所しているが、肺炎のため入院となった。入院時、仙骨部に褥瘡が認められたことから、褥瘡ケアチームが対応した。感染の可能性がある黄色の滲出液が多かったため、精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏を滅菌ガーゼに塗布し、創部への貼付処置をした。1週間後、褥瘡の診断を行ったところ、黄色の滲出液はなくなり、一部が黒色化した壊死組織と褥瘡部分の両方に乾燥傾向が認められた。褥瘡ケアチームによる壊死組織に対する治療方針として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏による治療を継続し、さらに創部を乾燥させてから壊死組織を除去する。", "創部の状態にかかわらず、壊死組織は速やかに除去する。", "薬剤を使用せずガーゼのみを貼付し、創部が乾燥してから壊死組織を除去する。", "スルファジアジン銀クリームを塗布し、創部の水分をコントロールしつつ、壊死組織を軟化させてから除去する。", "壊死組織は、褥瘡面の上皮化か完了すると瘡蓋となって剥がれ落ちるため、処置を行わない。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本症例では、入院時、仙骨部に黄色の滲出液が多い褥瘡が認められたため、殺菌作用及び吸水作用を有する精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏が用いられた。1週間後、黄色の滲出液はなくなり、一部が黒色化した壊死組織と褥瘡部分の両方に乾燥傾向が認められた。上記より、本患者の褥瘡は、黄色期から黒色期に移行しており、壊死組織を除去することを検討する必要がある。本症例で認められる黒色壊死組織は乾燥傾向にあることから、壊死組織の除去を容易にするため、そのまま切除するのではなく、スルファジアジン銀クリームを塗布し、壊死組織に水分を与え軟化させてから除去する必要がある。"} +{"problem_id": "103199", "problem_text": "軟膏剤やクリーム剤は流体としての性質をもつ。図は流体におけるせん断応力(S)とせん断速度(D)の関係を表したグラフである。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["①の直線の傾きの逆数は、流体の粘度を表す。", "②の特性を示すものに、精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏がある。", "③の特性を示すものに、デンプンの高濃度(50%以上)水性懸濁液がある。", "④の特性を示すものに、スルファジアジン銀クリームがある。", "⑤のグラフは、チキソトロピーを表す。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n①(ニュートン流動を示すレオグラム)の傾きは、流体の流動率を示し、その逆数は流体の粘度を示す。"} +{"problem_id": "103200", "problem_text": "70歳男性。人間ドックにて糖尿病の疑いを指摘されて受診し、2型糖尿病と診断された。現在、以下の処方で治療中である。<検査値> Scr 1.4 mg/dL、空腹時血糖値96 mg/dL、HbA1c 5.8%、血清マグネシウム値6.5 mg/dL 検査値から考えたとき、今後、特に留意すべき症状はどれか。2つ選べ。", "choices": ["排尿困難", "悪心・嘔吐", "血圧上昇", "味覚異常", "徐脈"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "Scr(血清クレアチニン値)の基準値: 0.7〜1.10\n糖尿病の指標\n空腹時血糖値: 126 mg/dL以下、HbA1c: 6.5%以下\n血清マグネシウム値の基準値: 1.4〜2.6 mg/dL\n上記より、本患者は腎機能が低下しており、酸化マグネシウムを服用することにより血清マグネシウム値が高値を示していると考えられる。高マグネシウム血症では、呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止を起こすことがある。高マグネシウム血症を早期に発見するために、悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の���状の発現に注意するとともに、血清マグネシウム濃度の測定を行うなど十分な観察を行う必要がある。"} +{"problem_id": "103201", "problem_text": "血清マグネシウムの測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["酵素法による定量では、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)が混在すると低値を示す。", "誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma: ICP)発光分光分析法による定量では、フレーム方式及び電気加熱方式が利用できる。", "ICP発光分光分析法による定量では、励起状態のマグネシウム原子又はイオンが基底状態に遷移する際に放出される発光を観測する。", "ICP質量分析法では、試料中に共存する遷移金属はイオン化されないため、マグネシウムを高感度に定量できる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nマグネシウムを含む血清資料にEDTAが混在すると、マグネシウムとEDTAがキレートを形成するため、酵素法によるマグネシウムの定量では、低値を示す。"} +{"problem_id": "103202", "problem_text": "69歳女性。関節リウマチと診断され、抗リウマチ薬を服用中である。関節症状は改善傾向であった。数日前より発熱、乾性咳が出現し、本日、呼吸困難症状が出現したため緊急入院となった。胸部X線CT画像検査の結果、広範なモザイク状のすりガラス陰影が確認された。薬物の副作用として最も疑われる疾患名はどれか。1つ選べ。", "choices": ["間質性肺炎", "細菌性肺炎", "肺気腫", "肺結核", "マイコプラズマ肺炎"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "本症例では、胸部X線CT画像検査により、広範なモザイク状のすりガラス陰影(間質影)が確認されていることから、抗リウマチ薬の副作用である間質性肺炎と疑われる。"} +{"problem_id": "103203", "problem_text": "実施した画像検査に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["この画像検査で用いる電磁波の波長は、50〜200 nmである。", "この画像検査では、脂肪組織よりも骨の方が強く電磁波を吸収する。", "この画像検査では、陰性造影剤としてヨウ素化合物を用いる。", "モザイク状のすりガラス陰影の濃淡は、電磁波照射後の水素原子核の緩和時間の差を表す。", "アクリル板などでの遮へいにより、測定者も電磁波の被曝から防護する必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n胸部X線CT画像検査では、電磁波としてX線が用いられ、その波長は1\npm〜10\nnmである。"} +{"problem_id": "103204", "problem_text": "インフルエンザ流行時には、多くの患者が診察に訪れ、判定用キットによる検査が行われる。図はインフルエンザウイルス抗原を測定するためのイムノクロマトグラフィーの原理を表している。本法に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["本法を用いた判定用キットは体外診断用医薬品に区分され、測定試料として鼻腔ぬぐい液や咽頭ぬぐい液が用いられる。", "本法による判定は目視で行うことができるため、特別な装置を必要としない。", "Aの部分はコントロールラインとよばれ、標識抗体に特異的な抗体①が固定化されている。", "Aで発色が認められ、Bで発色が認められなかった場合は陽性とはいえず、再測定する必要がある。", "標識抗体は、金コロイドや酵素などにより標識されている。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n2:正しい\nイムノクロマトグラフィー(免疫学的反応とクロマトグラフィーの原理を利用したもの)では、検体に含まれる抗原と標識抗体とが結合し、それと固定化抗体が結合することにより形成される抗原抗体複合体を検出することにより、検体中の目的物質を目視におり検出する方法である。3:誤っている\nAの部分では、標識された抗原に特異的な抗体①が固定化されており、判定ラインとよばれる。4:正しい\nBはコントロールラインと呼ばれ、発色が認められない場合は検査がしっかり行われていないことを示す。よって、Aで発色が認められ、Bで発色が認められなかった場合は陽性とはいえず、再測定する必要がある。5:正しい\n標識抗体には、着色粒子として金コロイドを結合させたものや酵素を結合させ基質と反応させて発色させるものがある。"} +{"problem_id": "103205", "problem_text": "あるインフルエンザ判定用キットは、表のような結果を与えた。このキットの感度と特異度の組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "感度とは、疾患罹患者中の検査陽性者の割合のことであり、感度が高い検査ほど偽陽性者の割合が少ない検査である。また、特異度とは、疾患非罹患者中の検査陰性者の割合のことであり、特異度が高い検査ほど偽陽性者の割合が少ない。このキットにおける感度と特異度は以下のように求めることができる。感度=疾患罹患者中の検査陽性者数/疾患罹患者数=100/125=0.8(80%)\n特異度=疾患非感染者中の検査陰性者数/疾患非感染者数=500/510\\fallingdotseq 0.98(98%)"} +{"problem_id": "103206", "problem_text": "35歳女性。かぜの症状緩和のため、一般用医薬品を購入する目的で薬局を訪れた。患者情報及び相談内容は以下のとおりであった。<症状> 筋肉・関節の痛み、肩こり、鼻水、くしゃみ、のどの痛み、せきの順に症状がつらい。<治療中の疾患> 現在なし。<相談事項> 明日、社内健康診断で血液検査と尿検査をする。以前、総合感冒薬を飲んだときに尿の色が鮮やかな黄色になったことがある。明日の尿検査の際、採尿カップ内の尿に色が着くと恥ずかしいので、尿に目立った色が着かないかぜ薬を希望する。この患者に合わせた一般用医薬品を選択するにあたり、必要な成分の組合せとして以下の4成分を考えた。「:成分A:」及び「:成分B:」として適切なのはどれか。2つ選べ。アセトアミノフェン dl-メチルエフェドリン塩酸塩 「:成分A:」 「:成分B:」", "choices": ["アスコルビン酸", "チザニジン塩酸塩", "クロルフェニラミンマレイン酸塩", "フルスルチアミン塩酸塩", "リボフラビン"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nアスコルビン酸(ビタミンC)は、尿検査における糖定性、潜血反応、ビリルビン定性で偽陰性を示す原因となることがあるため、尿検査前には服用を避ける必要がある。2:誤\nチザニジン塩酸塩は筋弛緩薬であり、肩こりを改善する作用を有する。本薬は処方箋医薬品であり、一般用医薬品には含有されていない。3:正\nクロルフェニラミンマレイン酸塩は抗ヒスタミン薬であり、感冒による鼻水、くしゃみ等を改善する作用を有する。また、本薬は尿検査に影響を及ぼすことはないとされている。4:正\nフルスルチアミン塩酸塩はビタミンB_{1}誘導体であり、筋肉痛、関節痛を改善する作用を有する。また、本薬は尿検査に影響を及ぼすことはないとされている。5:誤\nリボフラビン(ビタミンB_{2})は、尿の色を黄色〜黄緑色に着色するため、尿の着色を気にする場合においては選択すべきではない。"} +{"problem_id": "103207", "problem_text": "この患者は以前に総合感冒薬で尿の着色を経験している。その原因と考えられる化合物はどれか。1つ選べ。なお、一般に、長い共役系を有する化合物は可視領域の光を吸収する。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "選択肢の構造は以下のとおりである。1:\nアセトアミノフェン、2:\nクロルフェニラミン、3:\nカフェイン、4:\nアスコルビン酸、5:\nリボフラビン\n共役系とは、化合物中に交互に位置する単結合および多重結合(又は非共有電子対又は空軌道)に非局在化電子を持つp軌道系のことである。選択肢のうち最も長い共役系を有するのは選択肢5のリボフラビンである。よって、この患者が以前に総合感冒薬で尿の着色を経験した原因と考えられるのは、リボフラビンであると考えられる。"} +{"problem_id": "103208", "problem_text": "78歳女性。高血圧症とパーキンソン病で処方1を服用していた。パーキンソン病症状のコントロールが困難になったため、新たに処方2が追加された。本症例において処方2が追加された原因として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ウェアリング・オフ", "ジスキネジア", "悪性症候群", "動悸", "異常興奮"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本患者はパーキンソン病を治療するため、レボドパ・カルビドパ配合錠を服用していたが、コントロールが困難なため、MAO_{B}阻害薬であるセレギリン塩酸塩錠が追加投与されていることから、処方2が追加された原因として最も適切なのはウェアリング・オフであると考えられる。<参考: ウェアリング・オフ現象��現れた場合の対処法>\n・レボドパの服用量や服用回数を増やす。・COMT阻害薬であるエンタカポンとレボドパを併用し、レボドパの効果を長続きさせる。・MAO_{B}阻害薬であるセレギリンなどを併用し、レボドパの効果を長続きさせる。・レボドバ製剤にプラミペキソールなどのドパミンアゴニストを追加投与する。"} +{"problem_id": "103209", "problem_text": "以下に示すA〜Cはセレギリン、レボドパ又はカルビドパのいずれかである。これらの医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["AとCは、同じ標的分子の別の部位に結合することにより、代謝反応によるドパミンの分解を阻害する。", "Bは、生体内でドパミンに変化することによって活性を発現するプロドラッグである。", "Bは、脳内で芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素による代謝を受ける。", "Cは、一置換ヒドラゾン構造をもつ。", "Cは、Bと同様に血液脳関門を通過しやすい。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "A〜Cの構造式について以下に示す。A:\nセレギリン\nセレギリンは血液脳関門を通過し、中枢内でMAO_{B}を選択的に阻害する。それによりドパミンの分解が抑制され、ドパミンの作用が増強する。B:\nレボドパ\nレボドパはプロドラッグであり、アミントランスポーターにより血液脳関門を通過し、脳内で芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素による代謝を受けドパミンとなり作用する。C:\nカルビドパ\nカルビドパは末梢で芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素を阻害し、レボドパの分解を抑制する。それによりレボドパの脳内移行量が増大し、レボドパの作用が増強する。1:誤\nA(セレギリン)とC(カルビドパ)は、レボドパの分解を阻害するが、それぞれ異なる標的分子に働く。セレギリンの標的分子:\nMAO_{B}\nカルビドパの標的分子:\n芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素"} +{"problem_id": "103210", "problem_text": "6歳男児。体重20 kg。身長120 cm。扁桃炎と診断され、この男児の処方箋を、母親が薬局に持参した(処方1)。セフジニル細粒10%の添付文書には、「通常、小児に対してセフジニルとして1日量9〜18mg(力価)/kgを3回に分割して経口投与する」と記載されている。お薬手帳を確認したところ、男児は鉄欠乏性貧血で溶性ピロリン酸第二鉄を服用していることが判明した(処方2)。セフジニルは鉄イオンに配位し、キレートを形成する。矢印で示したセフジニルの原子のうち、鉄イオンに最も配位しにくいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "キレートとは、複数の配位座を持つ配位子による金属イオンへの配位結合のことであり、それによりできる錯体をキレート錯体という。キレートの形成に関わる配位子は、非共有電子対をもつ原子(窒素、酸素、硫黄など)を含む分子である。選択肢4の窒素はアミド結合を形成しており、その非共有電子対は非局在化していることから、金属イオンと配位結合を形成しにくいと考えられる。なお、選択肢1、2、3、5は非共有電子対を有しており、鉄イオンと配位結合を形成する。"} +{"problem_id": "103211", "problem_text": "本症例に対し、薬剤師が行う対応の中で適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["セフジニル細粒10%の投与量について医師に疑義照会する。", "セフジニル細粒10%からレボフロキサシン水和物製剤への処方変更を医師に提案する。", "セフジニル細粒10%は鉄剤と一緒に服用するように指導する。", "症状が途中で改善したら服用を終了するように指導する。", "尿や便が赤色調を呈することがあると説明する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n本患者は体重20\nkgであることから、成分量としてこの患者に投与すべき1日量は「9〜18mg(力価)/kg\\times\n20\nkg=180〜360\nmg」となる。本患者に処方されているセフジニル細粒10%の1日あたりの成分量は「1.5\ng\\times\n0.10=150\nmg」である。これらのことから、この患者に対するセフジニル細粒10%については、投与量不足であると判断できるため、セフジニル細粒10%の投与量について医師に疑義照会する必要がある。"} +{"problem_id": "103212", "problem_text": "85歳女性。再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の治療を受けている。この患者の処方箋を、家族が薬局に持参した。家族より、最近飲み込む力が弱まり服用の際に苦労しているので、薬が飲みやすくなる方法はないかと相談を受けた。薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["オメプラゾール錠を正確に半錠に分割して調剤する。", "オメプラゾール錠を乳鉢で粉砕して調剤する。", "ラベプラゾールNa錠へ変更し、乳鉢で粉砕して調剤することを医師に提案する。", "ランソプラゾールカプセルへ変更し、脱カプセルして調剤することを医師に提案する。", "ランソプラゾール口腔内崩壊錠への変更を医師に提案する。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nプロトンポンプ阻害薬(オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾールなど)は、胃酸で分解されやすいことから、それらを含有する製剤は腸溶性製剤となっている。オメプラゾール錠、ラベプラゾール錠は腸溶性製剤であり、半錠に分割することや粉砕することにより腸溶性が失われるため、半錠に分割することや粉砕することは避ける必要がある。2:誤\n解説1参照\n3:誤\n解説1参照\n4:正\nランソプラゾールカプセルは、脱カプセルしても腸溶性が失われることはないため、脱カプセルして調剤することは可能である。5:正"} +{"problem_id": "103213", "problem_text": "オメプラゾールが薬理作用を示す際の生体内における変化(A〜D)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aの反応はpHが7より大きいと加速される。", "Bの過程で不斉中心は消失する。", "Cは酸化還元反応である。", "Dでは酵素のシステイン残基と反応する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nAの反応では、ピリジン環の窒素に存在する非共有電子対がイミダゾール環の炭素に対して分子内求核反応を起こすことにより、イミダゾール環の窒素に水素が付加し、ピリジン環の窒素がプラスに帯電していることから、プロトンが多い条件(酸性条件下)で進行しやすいと考えられる。なお、プロトンポンプ阻害薬は、酸性条件下で活性化されることから、Aの反応は酸性条件下で進行しやすいと考えられる。"} +{"problem_id": "103214", "problem_text": "54歳女性。再発転移性乳がんに対する化学療法としてドセタキセル・シクロホスファミド療法(4コース)を外来通院で行っている。2コース目で手指のしびれと痛みを訴えたため、牛車腎気丸エキス顆粒とブシ末の処方が追加された。追加処方の副作用として注意が必要な症状はどれか。1つ選べ。", "choices": ["腰痛", "むくみ", "動悸", "冷感", "排尿困難"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "追加処方であるブシ末の副作用として、心悸亢進(動悸など)、のぼせ、舌のしびれ、悪心などが現れることがある。"} +{"problem_id": "103215", "problem_text": "前問において副作用の主な原因となる生薬は、日本薬局方に収載されている。この生薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["キンポウゲ科植物ハナトリカブト又はオクトリカブトの葉を基原とする。", "加工調製(修治)によってブシジエステルアルカロイド含量が増加する。", "加工調製法が異なると総アルカロイド含量の規格値も異なる。", "純度試験としてブシジエステルアルカロイド含量の上限値が設定されている。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nブシは、キンポウゲ科植物ハナトリカブト又はオクトリカブトの塊根を基原とする。"} +{"problem_id": "103216", "problem_text": "45歳女性。4年前、2型糖尿病と診断され、グリメピリド錠とボグリボース錠による薬物治療を開始した。最近の検査の結果より、主治医は以下の薬剤を追加した。患者はその処方箋を薬局に持参した。追加されたイプラグリフロジンは、Na^{+}/グルコース共輸送体(SGLT)のうち、SGLT2の選択的阻害薬である。SGLT及びグルコース輸送体(GLUT)によるグルコース輸送に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["SGLT2は、主に消化管におけるグルコースの吸収に関与する。", "細胞膜にあるGLUTによるグルコースの輸送は、グルコースの濃度勾配に従う。", "SGLT2は、Na^{+}の濃度勾配を利用してグルコースを輸送する。", "GLUTは、グルコース同様にマルトースを輸送する。", "血液中のグルコースは、尿細管においてSGLT2によって原尿中に分泌される。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nSGLT2は、主に尿細管におけるグルコースの吸収に関与する。なお、主に消化管におけるグルコースの吸収に関与するのは、SGLT1である。2:正\nGLUTは、濃度勾配に従いグルコースを輸送する担体(促進拡散に関わる担体)である。3:正SGLT2は、Na^{+}の濃度勾配を駆動力として、尿細管のグルコースを再吸収する。4:誤\nGLUTは、二糖であるマルトースの輸送には関与しない。5:誤\n解説1参照"} +{"problem_id": "103217", "problem_text": "SGLT2選択的阻害薬の副作用として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["低血糖", "尿路感染症", "脱水", "血圧上昇", "体重減少"], "text_only": true, "answer": ["解なし"], "comment": "SGLT2選択的阻害薬は、尿中のグルコースの再吸収を阻害することにより、尿中のグルコース濃度を増加させる。それにより、副作用として、尿路感染症(尿中のグルコースが増えることにより尿路で細菌が繁殖しやすくなる)や脱水(尿中のグルコースが増えることにより尿細管の浸透圧が上昇し、尿量が増大する)を引き起こすことがある。また、低血糖および尿中のグルコースの再吸収低下に伴いエネルギー消費が増加し、体重減少が認められることがある。SGLT2選択的阻害薬の中には、副作用として高血圧、血圧上昇が現れることがあるため、選択肢4については「正」「誤」どちらともいえない。よって、本問は「解なし」扱いとなった。"} +{"problem_id": "103218", "problem_text": "50歳男性。糖尿病(グリメピリド錠にて加療中)。10年前にS状結腸がんI期T1軽度浸潤と診断され、内視鏡的粘膜切除術(EMR)を受けた。定期検診のため、かかりつけ医を受診し、以下の投薬指示が出された。(投薬) 経口腸管洗浄剤^{(注)}1袋(1袋を水に溶解して約2 Lとし、溶解液とする) 前日21時より絶食し、検査当日7時より溶解液2 Lを1時間あたり約1 Lの速度で経口投与。注: 1袋を水に溶解して2 Lとした溶解液の電解質濃度はNa^{+}125mEq/L、K^{+}10 mEq/L、Cl^{-}35 mEq/L、HCO_{3}^{-}20 mEq/L、SO^{2-}80 mEq/L である。pHは約8.0、浸透圧比は約1である。この経口腸管洗浄剤は等張な電解質溶液であり、大腸の機能を利用した薬剤である。大腸の機能に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["大腸の粘膜には絨毛があり、そこから栄養の吸収が行われる。", "大腸では水は吸収されるが、電解質は吸収されない。", "結腸粘膜での水の吸収は、Na^{+}の能動輸送で生じる浸透圧差により起こる。", "大腸の運動は、副交感神経の興奮により抑制される。", "大腸の内容物の肛門側への移送には、ぜん動運動が関わる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n大腸の粘膜には絨毛はない。大腸粘膜において、電解質や水分の吸収は行われるが栄養の吸収は行われない。なお、設問の記述は小腸に関する記述である。2:誤\n解説1参照\n3:正結腸粘膜では、Na^{+}が能動輸送されることにより、体液と腸管内容液との間で浸透圧差が生じ、水の再吸収が促進される。4:誤\n副交感神経の興奮により大腸運動が促進される。5:正"} +{"problem_id": "103219", "problem_text": "この経口洗浄剤を服用するにあたり、患者に対して薬剤師が服薬指導する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["可能であるならば、1時間あたり2 Lの速度で服用してもかまいません。", "服用しにくい場合でも、他の飲料水と一緒に服用しないでください。", "2 Lの溶解液が多いと感じる場合、1袋を水に溶解して約1 Lとし、服用してもかまいません。", "服用中に腹痛の症状が現れた場合には、服用を中止し、ただちに受診してください。", "グリメピリド錠は、本剤と同時に服用してもかまいません。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n本剤を短時間で投与することにより、まれに腸管穿孔、腸閉塞、虚血性大腸炎及びマロリー・ワイス症候群(食道と胃の境目の部分が傷つき、粘膜が縦に避けて出血してしまう状態)を起こすことがあるため、本剤は1時間当たり1\nLをめどに投与する必要がある。"} +{"problem_id": "103220", "problem_text": "48歳女性。既往歴 乳がん、StageI。2年前の術後より再発予防の目的で以下のホルモン療法を受けている。タモキシフェンの代謝に関わるCYP2D6には、その酵素活性に変化をきたす遺伝子多型が多数知られている。図はその一部の多型と乳がん術後タモキシフェンの単剤治療症例における無再発生存率との関連性を示している。遺伝子多型に関する記述及び図の解釈として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["遺伝子多型には、1つの塩基がその他の塩基に置き換わっているものがある。", "翻訳されるタンパク質のアミノ酸配列は、翻訳領域においてフレームシフト変異した遺伝子とその野生型遺伝子では異なる。", "PCR法を利用することで、CYP2D6の遺伝子変異を検出することができる。", "変異型遺伝子をホモでもつ症例[CYP2D6(^{*}10/^{*}10)]では、野生型遺伝子をホモでもつ症例[CYP2D6(wt/wt)]と比べて、タモキシフェンの代謝が減弱していると考察される。", "CYP2D6(^{*}10/^{*}10)の症例では、タモキシフェンによる抗腫瘍効果が増強していると考察される。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n遺伝子多型には、1つの塩基がその他の塩基に置き換わっているもの(SNP: スニップ)がある。2:正しい\nフレームシフト突然変異とは、塩基の欠如または挿入によって遺伝情報が変化する変異のことである。フレームシフト突然変異では、異なったアミノ酸配列を有するタンパク質が合成されることがある。3:正しい\nPCR法とは、DNAポリメラーゼを用いたDNA増殖反応のことであり、標的とするDNA領域を少量の試料から短時間で増殖することが可能である。これを利用することでCYP2D6の遺伝子変異を短時間で検出することが可能である。4:正しいタモキシフェンは生体内でCYP2D6により、活性代謝物であるエンドキシフェンへと変換され効果を示す。設問の図より、変異型遺伝子をホモでもつ症例[CYP2D6(^{*}10/^{*}10)]での無再発生存率は、野生型遺伝子をホモでもつ症例[CYP2D6(wt/wt)]の無再発生存率と比べて治療期間とともに低下している。そのため、変異型遺伝子をホモでもつ症例[CYP2D6(^{*}10/^{*}10)]では、タモキシフェンの代謝活性化が低下し、抗腫瘍効果が減弱していると考えられる。5:誤っている\n解説4参照"} +{"problem_id": "103221", "problem_text": "この患者は、最近、精神的に不安定となり、不安発作が頻回になった。本症状の改善のための処方追加を検討するにあたり、タモキシフェンとの併用の観点から問題となる薬物について医師から問い合わせがあった。本症例に対して併用を注意すべき薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["セチプチリンマレイン酸塩", "ミルナシプラン塩酸塩", "パロキセチン塩酸塩水和物", "ロラゼパム", "ロルメタゼパム"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "パロキセチン塩酸塩水和物は、肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することによりタモキシフェンの代謝活性化を阻害することがある。よって、タモキシフェン服用中の患者にパロキセチン塩酸塩水和物を投与する際には注意が必要である。"} +{"problem_id": "103222", "problem_text": "50歳男性。薬局に処方箋とお薬手帳を持参した。初回面談の際、屋外でのスポーツやレジャーに使用する焼け止めの相談があった。この男性は、今まで日焼け止めを使用したことがなく、海水浴の後は肌が赤くなり、ほてりや痛みを感じ、水痘ができるとのことであった。紫外線が皮膚に及ぼす影響を考慮し、薬剤師がこの男性に説明する内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。なお、薬局では下記の商品①〜④を取りそろえている。SPF(Sun Protection Factor)及びPA(Protection Grade of UVA)は 紫外線防止の指標であり、その効果を数字及び記号(+)で表している。", "choices": ["海水浴後に肌が赤くなる原因は、主に紫外線A波(UVA)によるものです。", "PAは、UVA防止効果の指標です。", "SPFの数字が大きいものは、小さいものに比べて高い紫外線B波(UVB)防止効果が期待されます。", "焼けを防止する成分には、大きく分けて紫外線を吸収するものと紫外線を散乱させるものがあります。", "炎天下で長時間スポーツをする際には、①よりも④をお勧めします。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:適切でない\n海水浴後に皮膚が赤くなる原因は、主に紫外線B波(UVB)によるものである。UVBで刺激された表皮細胞では炎症性メディエーターが産生され、皮膚の紅斑、水泡等の炎症症状(サンバーン)が認められる。なお、UVAは透過力が高く真皮まで到達��、メラニン細胞(メラノサイト)を刺激することにより色素沈着(サンタン)を引き起こす。2:適切である\n3:適切である\n4:適切である\n5:適切である\n①に比べ④の方がSPFの数値が大きく、PAの+の数が多いことから紫外線防止効果が高いと考えらえる。よって、炎天下で長時間スポーツする際には、①よりも④を使用することを勧める必要がある。"} +{"problem_id": "103223", "problem_text": "この男性が海水浴の際に経験した皮膚症状を含め、日焼けに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["海水浴後に生じる紅斑には、炎症メディエーターによる血管収縮が関わる。", "紫外線曝露による色素沈着は、主として肥満細胞におけるメラニンの産生増強による。", "メラニンは、チロシンから生合成される。", "色素沈着は、通常、紅斑・水疱が生じる前に起こる。", "紫外線曝露は、DNA鎖上にピリミジン二量体を生じさせる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n海水浴後に生じる紅斑には、炎症メディエーターによる血管拡張が関わる。2:誤\n紫外線曝露による色素沈着は、主としてメラニン細胞(メラノサイト)におけるメラニンの産生増強による。3:正\nメラニンとは、フェノール類物質が高分子化して色素となったものの総称のことであり、ヒトの皮膚に存在するメラニンは、チロシンからドパを経て生合成される。4:誤\n紫外線に曝露すると、早期に炎症メディエーターによる炎症(サンバーン)が認められ、その後、メラニン合成による色素沈着が認められる。5:正\n紫外線に曝露すると、紫外線の有するエネルギーにより、DNA鎖上にピリミジン二量体が生じることがある。これにより皮膚癌が誘発されることがある。"} +{"problem_id": "103224", "problem_text": "この男性が持参したお薬手帳には、ケトプロフェンにて光線過敏症を起こしたことがあるとの記載があった。この男性が持参した処方箋に1〜5のいずれかの薬剤が記載されていた場合に、ケトプロフェンと同様に光線過敏症を引き起こす可能性があり、注意を要する医薬品はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "ケトプロフェンは構造中にベンゾフェノン(下記の構造)を有するため、副作用として光線過敏症を起こすことがある。<ベンゾフェノンが光線過敏症を起こす原理>\n紫外線によりベンゾフェノンの反応性が高くなり、タンパク質と結合しやすい状態となる。タンパク質と結合したベンゾフェノンは、免疫反応の活性化を誘発し、光線過敏症を誘発する。選択肢のうち、光線過敏症を誘発する薬物は、ジクロフェナクナトリウムと構造中にベンゾフェンを有するフェノフィブラートである。"} +{"problem_id": "103225", "problem_text": "この男性が海水浴の際に経験した皮膚症状を含め、日焼けに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["すべての光線過敏症は、ガラス窓の内側にいれば防ぐことができる。", "春先に採取されるアワビの中腸腺には、光線過敏症の原因となるフェオフォルビドが蓄積することがある。", "光線過敏症は、宇宙から地上に降り注いでいるUVCが主原因である。", "ケトプロフェンによる光線過敏症では、光エネルギーにより薬剤中のベンゾフェノン部分が反応し、抗原物質になると考えられる。", "着色料の二酸化チタンは光線過敏症を起こすので、現在食品添加物として使用されていない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nUVAはガラスを通過するため、ガラス窓の内側にいても光線過敏症を防ぐことはできない。2:正\nアワビが藻類を捕食することにより、藻類が生成するクロロフィルが分解され、アワビの中腸腺に光線過敏症の原因となるフェオフォルビドが蓄積することがある。3:誤\n光線過敏症の主な原因は、宇宙から地上に降り注いでいるUVAである。4:正\n5:誤\n二酸化チタンは、白色の着色料として食品に添加されることがあり、光線過敏症を起こすとの報告はない。"} +{"problem_id": "103226", "problem_text": "74歳女性。年齢を考えるとそろそろ骨がもろくなり、寝たきりになるのではないかと心配になった。この女性が薬局を訪れ、サプリメントの摂取について相談した。薬局に取りそろえている以下の成分を含むサプリメン���のうち、カルシウム(Ca)のほかに摂取する成分として優先度が高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ビタミンA", "ビタミンC", "ビタミンD", "ビタミンE", "ビタミンK"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "設問の女性は、骨がもろくなり、寝たきりになるのではないかと心配していることから、優先的に摂取すべきサプリメントは、成分として骨を強化するビタミンDとビタミンKを含むものである。ビタミンD\n肝臓及び腎臓で水酸化を受け活性体となり、小腸のおけるカルシウムの吸収及び腎臓におけるカルシウムの再吸収を促進することにより骨の代謝回転を活性化する。ビタミンK\n骨基質のタンパク質であるオステオカルシンの生成を促進する。"} +{"problem_id": "103227", "problem_text": "この女性に「骨粗しょう症は加齢とともに骨がもろくなり、進行しやすい病気なので、無理のない軽い運動を心がけてください」と指導した。この指導の根拠となる骨のリモデリングに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エストロゲンは、骨からのCa^{2+}遊離を促進する。", "骨細胞は、増殖能を有する未分化細胞であり、Ca^{2+}を細胞外へ分泌する。", "骨芽細胞は、コラーゲンを細胞外へ分泌して骨基質をつくる。", "カルシトニンは、破骨細胞の機能を抑制して、骨形成に働く。", "負荷がかかる運動は、破骨細胞を活性化することで骨量を増加させる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nエストロゲンは、破骨細胞の機能を抑制するカルシトニンを分泌することで骨吸収(骨からのCa^{2+}遊離)を抑制する。"} +{"problem_id": "103228", "problem_text": "3ヶ月後、この女性が全身倦怠感を覚え、近医を受診したところ、血清Ca濃度10.0 mg/dL、血清アルブミン濃度3.0 g/dLであった。なお、補正血清Ca濃度は、血清Ca濃度と血清アルブミン濃度から次の式で算出される。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。補正血清Ca濃度(mg/dL)=血清Ca濃度+[4-(血清アルブミン濃度)]\n補正血清Ca濃度の基準値:8.4〜10.2 mg/dL", "choices": ["血清中のCa濃度を評価する際、この女性は高アルブミン血症であるため、補正血清Ca濃度を用いる。", "この女性は低Ca血症と判断される。", "イオン化したCaのみを測定しないと、この女性におけるCaの過不足は判断できない。", "この女性は、脱力や脱水、腎障害を起こしやすいと予測される。", "ビタミンを含む薬剤の中には、過剰摂取すると高Ca血症を引き起こすものがある。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nこの女性の血清アルブミン濃度は3.0 g/dL(アルブミン濃度の基準値:4.0〜5.0 g/dL)であることから、この女性は低アルブミン血症であると考えられ、血清中のCa濃度を評価する際、補正血清Ca濃度を用いる必要がある。2:誤\nこの女性の補正血清Ca濃度(mg/dL)は以下のように求められる。この女性の補正血清Ca濃度(mg/dL)=10.0 mg/dL+[4-(3.0)]=11.0 mg/dL\n上記より、この女性の補正血清Ca濃度は、補正血清Ca濃度の基準値(8.4〜10.2 mg/dL)より高いことから、この女性は高Ca血症と判断される。3:誤\nCaの過不足については、血清Ca濃度と血清アルブミン濃度より、補正血清Ca濃度を用いて判断することが可能である。4:正\nこの女性には、高カルシウム血症による症状(脱水、倦怠感、意識低下、筋力低下、腎機能低下)が認められやすくなる。5:正\n高Ca血症を起こす薬剤には、活性型ビタミンD_{3}製剤などがある。"} +{"problem_id": "103229", "problem_text": "骨の構成成分であるCaに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Caは、主に遊離イオン状態で骨や歯に存在する。", "骨に存在するオステオカルシンは、Caと結合する。", "腸管からのCaの吸収は、カゼインホスホペプチドにより阻害される。", "腸管からのCaの吸収は、シュウ酸やフィチン酸により亢進する。", "パラトルモン(副甲状腺ホルモン)の過剰分泌により高Ca血症となることがある。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n生体内のCaは、約99%がリン酸カルシウムの形で骨や歯に存在し、残り1%が血液中に存在する。2:正\nオステオカルシンは骨基質タンパク質であり、Ca結合能を有する。3:誤\n腸管からのCaの吸収は、カゼインホスホペプチドにより促進される。4:誤\n腸管から��Caの吸収は、シュウ酸やフィチン酸により阻害される。5:正\nパラトルモンは、副甲状腺から分泌されるホルモンであり、血清Ca濃度を上昇させる作用を有するため、パラトルモンの過剰分泌により高Ca血症となることがある。"} +{"problem_id": "103230", "problem_text": "65歳男性。長期にわたるアルコール依存症と診断され、入院治療中。食事が摂れず栄養不良の状態であったが、さらに担当看護師より、眼球運動の異常やふらつき、意識障害が確認されるようになったと報告があった。原因としてビタミン欠乏の可能性が考えられた。この患者で欠乏し、症状の原因となっている可能性が最も高いビタミンはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ビタミンB_{1}", "ビタミンB_{2}", "ビタミンB_{6}", "ビタミンB_{12}", "ビタミンE"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "本患者はアルコール依存症であり、また、栄養不良状態であることに加え、症状として眼球運動の異常やふらつき、意識障害が現れていることから、ビタミンB_{1}不足によるウェルニッケ脳症が現れていると考えられる。ウェルニッケ脳症は、ビタミンB_{1}の不足によりみられる脳症であり、以下にその主な原因と症状を示す。<ウェルニッケ脳症の主な原因>\n・アルコールの過剰摂取(アルコールの分解にビタミンB_{1}が利用される)\n・下痢によるビタミンB_{1}の吸収不良\n・胃の全摘手術による栄養欠乏\n・食事の偏りによる栄養不足:など\n<ウェルニッケ脳症の主な症状>\n・意識障害\n・眼球運動障害\n・運動失調:など\n<参考: 選択肢2〜5のビタミン欠乏症>\nビタミンB_{2}\n皮膚炎、舌炎、口内炎、口角炎など\nビタミンB_{6}\n舌炎、口内炎、口角炎、ペラグラ様皮膚炎など\nビタミンB_{12}\n巨血芽球性貧血など\nビタミンE\n新生児: 溶血性貧血\n成人: 脂肪組織に蓄えられているため欠乏症を起こしにくい"} +{"problem_id": "103231", "problem_text": "この患者の症状の原因となっている可能性が最も高いビタミンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["緑黄色野菜に多く含まれる。", "アミノ基転移反応の補酵素として働く。", "生体内でリン酸化されてから、糖質を代謝する酵素の補酵素として働く。", "さらに欠乏すると、ぺラグラ様皮膚炎を発症することがある。", "多量に摂取しても尿中に排泄されるため、重篤な過剰症は知られていない。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "ビタミンB_{1}の特徴を以下に示す。・豚肉、玄米、ダイズなどに多く含まれている。・生体内でリン酸化され、チアミンピロリン酸となり、ピルビン酸脱水素酵素などの補酵素として働き、糖代謝を行う。・水溶性ビタミンであり、多量に摂取しても尿中に排泄されるため、重篤な過剰症は特に知られていない。・欠乏症により脚気、ウェルニッケ脳症を起こすことがある。"} +{"problem_id": "103232", "problem_text": "75歳女性。肺炎にて入院後、喀痰検査にてMRSAが原因菌と判断された。バンコマイシンにて治療を開始したが改善が認められず、アルベカシンに変更した。変更後も治療効果が認められず、さらに腎機能も低下していたことから、他の薬物の選択をICT(感染制御チーム)で検討することになった。薬剤師が提案する薬物として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["タゾバクタム・ピペラシン", "シプロフロキサシン", "メロペネム", "クリンダマイシン", "リネゾリド"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本患者は、MRSAを原因菌とする肺炎に罹患しており、バンコマイシン、アルベカシンによる治療を行なったが治療効果が認められないことに加え、腎機能も低下したことから他の薬物の選択を検討することとなった。MRSAを原因菌とする肺炎の治療に用いられる抗菌薬には、バンコマイシン、テイコプラニン、アルベカシン、リネゾリドがあり、バンコマイシン、アルベカシンは治療効果が認められないことから再投与することはなく、また、バンコマイシン、アルベカシン、テイコプラニンは腎機能に応じて投与量を調節する必要があるため、腎機能低下患者に積極的に用いられない。このことから、リネゾリドを選択することが最も適切である。なお、腎機能障害患者において、リネゾリドの体内動態はほとんど変化しない。"} +{"problem_id": "103233", "problem_text": "MRSA及びその感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["感染症法^{*}において、特定の職業への就業によって集団感染を起こし得る感染症とされている。", "感染症法^{*}に基づき、患者は状況に応じて第二種感染症指定医療機関に入院しなければならない。*感染症法: 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律", "消毒薬として、消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウムが有効である。", "院内感染を起こす代表的な細菌であり、院内の耐性菌として検出される細菌のうち最も大きな割合を占めている。", "外来患者から検出される黄色ブドウ球菌のうち、MRSAは80%以上を占める。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nMRSAは、感染症法において5類感染症に分類されており、「国が感染症発生動向調査を行い、その結果に基づいて必要な情報を一般国民や医療関係者に提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症」とされている。なお、特定の職業への就業によって集団感染を起こし得る感染症とされているのは、3類感染症である。"} +{"problem_id": "103234", "problem_text": "2月のインフルエンザが流行っている時期に、6歳の娘が体調を崩したと母親が薬局を訪れた。患者は、咳が出て、38.0^{\\circ} Cの熱があり、筋肉痛と倦怠感を訴えているとのことであった。薬局の薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アスピリンを解熱鎮痛成分として含有する一般用医薬品を販売した。", "インフルエンザの疑いがあるとして、医療機関への受診勧奨を行った。", "半年前に近隣の医療機関から本人に処方された風邪薬を服用するように指導した。", "筋肉痛を緩和するために、一般用医薬品のジクロフェナク貼付剤を販売した。", "高熱が続くと脱水症状を起こすことがあるので、水分補給に努めるように指導した。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "本症例では、インフルエンザが流行している時期に38.0^{\\circ} Cの高熱を呈していることから、本患者はインフルエンザに罹患している可能性がある。そのため、一般用医薬品を販売するのではなく、受診して今の状態に合った薬を処方してもらう必要がある。また、高熱が続くと脱水症状を呈することがあるため、水分補給に努めるよう指導することは適切である。"} +{"problem_id": "103235", "problem_text": "インフルエンザに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["インフルエンザウイルスはガーゼマスクの網目を容易に通過できる大きさであるが、その着用により飛沫の拡散を防ぐことができる。", "インフルエンザは空気感染するので、手指を塩化ベンザルコニウム溶液で消毒しても予防できない。", "新型インフルエンザウイルスは、毎年流行する季節性のウイルスとは抗原性が大きく異なり、ほとんどのヒトは抗体を持っていない。", "高病原性鳥インフルエンザのH5N1型及びH7N9型は、いずれも感染症法^{*}では二類感染症に分類されている。", "新型インフルエンザの感染者は、感染症法^{*}で原則入院と定められている。^{*}感染症法\n感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい"} +{"problem_id": "103236", "problem_text": "55歳男性。身長160 cm。体重70 kg。会社の事務職をしており、日頃運動不足である。会社の定期健康診断で、HbA1c値が基準値よりやや高いと指摘され、生活習慣について相談するため、薬局を訪れた。生活習慣の改善と目標に関する薬剤師の説明として、適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["HbA1c値は、過去3〜4ヶ月の血糖値の平均値を反映する。", "糖尿病の発症初期にはほとんど自覚症状がない場合が多い。", "1回30分程度の歩行を毎日2回以上行うことを目標にする。", "水中歩行は、膝などの関節への負担も少なく、血糖値のコントロールに有効である。", "食事療法では、糖質の摂取量に注意すれば、他の栄養素の摂取は特に注意する必要はない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:適切でない\nHbA1c値は、過去1〜2ヶ月の血糖値の平均値を反映する。2:適切である\n糖尿病の発症初期では、ほとんど自覚症状はなく、進行するに伴って腎障害、末梢神���障害、眼障害等の合併症が認められる。3:適切である\n本患者はHbA1cが高いことから、平均血糖値が高いと考えられる。血糖値が高い場合には、ウォーキングや水中歩行などの有酸素運動が有効とされている。4:適切である\n5:適切でない\n糖尿病における食事療法では、糖質の摂取量に加え、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの摂取量、摂取カロリー等に注意する必要がある。"} +{"problem_id": "103237", "problem_text": "生活習慣病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腹囲が基準値を超え、高血圧、高血糖、脂質代謝異常の3つすべてが当てはまったときにのみ、メタボリックシンドロームと判定される。", "LDL-C(低密度リポタンパク質コレステロール)、HDL-C(高密度リポタンパク質コレステロール)、中性脂肪の血中濃度が、いずれも基準値より高いと、脂質異常症と判定される。", "現在、我が国の糖尿病患者のうち、90%以上は2型糖尿病である。", "糖尿病は、虚血性心疾患や脳梗塞のリスクファクターとなる。", "血糖値をコントロールすることにより、腎症、網膜症、神経障害などの合併症を予防することは、糖尿病の二次予防にあたる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n腹囲(基準値:\n男性85\ncm、女性90\ncm)を超え、高血圧、高血糖、脂質代謝異常の3つのうち、2つが当てはまったときに、メタボリックシンドロームと判定される。"} +{"problem_id": "103238", "problem_text": "40歳女性。身長156 cm。体重65 kg。会社を経営し、ストレスを感じている。食生活も不規則で、運動もほとんどしない。最近、急に便秘がひどくなり、お腹が張るようになった。両親とも大腸がんで亡くなっていることから心配になり、相談のため薬局を訪れた。大腸がんの検査について薬剤師が行う説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["年齢を考慮すると定期的な検査が必要です。", "大腸がんの検査では、通常、まず遺伝子診断が行われます。", "早期の大腸がんは症状がなく、早期発見には便潜血検査が有効です。", "大腸内視鏡検査では、結腸は調べられますが、直腸は調べられません。", "大腸がんの血液検査では、腫瘍マーカーとして、AFP(\\alpha -フェトプロテイン)を調べます。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n大腸癌の罹患率は、40歳位から増加し始めるため、大腸がん検診は40歳を過ぎたら毎年受けるように推奨されている。2:誤\n大腸がんの検査では、通常、便潜血検査から行われる。なお、大腸がんに対して抗がん剤(セツキシマブ、パニツムマブなど)を使用する際に、遺伝子診断が行われることがある。3:正\n4:誤\n大腸内視鏡検査では、大腸(結腸、直腸)全体を調べることが可能である。5:誤\n大腸の腫瘍マーカーには、CEAやCA19-9が用いられる。なお、腫瘍マーカーとして、AFP(\\alpha -フェトプロテイン)を調べるのは、肝臓がんの場合である。"} +{"problem_id": "103239", "problem_text": "大腸がんの発症リスクに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["親や兄弟などに大腸がんの人がいる場合、発症リスクが高い。", "肥満は、発症のリスクを上げる。", "ベーコンなどの加工肉の摂取は、発症リスクを下げる。", "魚由来の不飽和脂肪酸の摂取は、発症リスクを上げる。", "運動習慣の有無は、発症リスクに影響しない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n大腸がんの中には、遺伝性非ポリポーシス大腸がんや家族性大腸腺腫症という遺伝性疾患がある。それらについては家族歴が発症のリスク因子となる。"} +{"problem_id": "103240", "problem_text": "74歳男性。認知症。最近、異食をすることがあるため家族は気をつけていたが、一時間ほど目を離した際にエチレングルコール入り保存剤を飲み込み、嘔気、頭痛、めまいを訴えたため、救急搬送された。担当医師より、解毒薬のホメピゾール(4-メチルピラゾール)がないか薬剤部に問い合わせがあったが、在庫がなかった。代わりに医師に提案するものとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エタノール", "プラリドキシムヨウ化物", "チオ硫酸ナトリウム", "亜硫酸ナトリウム", "ホリナートカルシウム"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "エチレングリコールを��取すると、その代謝物であるシュウ酸が低カルシウム血症や結石(シュウ酸カルシウム結石)による腎障害などを引き起こすことがある。エチレングリコールを誤飲・誤食した場合、解毒薬としてホメピゾールやエタノールが用いられる。ホメピゾールやエタノールは、エチレングリコールの代謝を抑制し、シュウ酸の生成を抑制する。<参考: 他の選択肢の用途>\nプラリドキシムヨウ化物: 有機リン系農薬による中毒の解毒薬として用いられる\nチオ硫酸ナトリウム: 青酸(シアン)による中毒の解毒薬として用いられる\n亜硫酸ナトリウム: 青酸(シアン)による中毒の解毒薬として用いられる\nホリナートカルシウム: メトトレキサートによる中毒の解毒薬として用いられる"} +{"problem_id": "103241", "problem_text": "エチレングリコールの摂取により、尿細管に不溶性の塩が析出し腎障害が起こることがある。この不溶性の塩を形成するエチレングリコールの代謝物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["シュウ酸", "酢酸", "尿酸", "アセトアルデヒド", "グリセロール"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "問240解説参照"} +{"problem_id": "103242", "problem_text": "梅雨の時期、朝の降る日が多かったため、学校薬剤師が小学校の屋外プール水について水質検査を実施することにした。過マンガン酸カリウム消費量を以下の操作により測定した。この測定から求められる過マンガン酸カリウム消費量(mg/L)の値に最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、過マンガン酸カリウム溶液とシュウ酸ナトリウム溶液のファクターを1.0、KMnO_{4}の式量を158とする。操作 検水100 mLをとり、これに過マンガン酸カリウム処理硫酸溶液5.0 mLを加え、さらに0.0020 mol/L過マンガン酸カリウム溶液10 mLを正確に加えた。5分間煮沸した後、ただちに0.0050 mo1/L シュウ酸ナトリウム溶液10 mLを加えて脱色させ、さらに0.0020 mo1/L過マンガン酸カリウム溶液で微紅色が消えずに残るまで滴定したところ、3.2 mLを要した。", "choices": ["1.0", "3.0", "10", "30", "100"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "過マンガン酸カリウム消費量とは、水中の有機物や還元性無機物(被酸化性物質)の量を、一定の条件下で酸化させるのに必要な過マンガン酸カリウムの量(mg/L)として表したものである。過マンガン酸カリウム消費量の定量法を以下に示す。① 0.0020 mol/L過マンガン酸カリウム溶液10 mLを正確に加える。検水における被酸化性物質が過マンガン酸カリウムにより酸化され、一部、反応しなかった過マンガン酸カリウムが溶液中に残る。② 5分間煮沸した後、ただちに0.0050 mo1/L シュウ酸ナトリウム溶液10 mLを加える\n①で反応しなかった過マンガン酸カリウムがシュウ酸ナトリウムと反応し、一部、反応しなかったシュウ酸ナトリウムが溶液中に残る。③ さらに0.0020 mo1/L過マンガン酸カリウム溶液で微紅色が消えずに残るまで滴定する。②で反応しなかったシュウ酸ナトリウムの量を滴定によって確認することができる。<重要>\n③で消費された0.0020 mo1/L過マンガン酸カリウム溶液(mL)は、①で被酸化性物質と反応した0.0020 mol/L過マンガン酸カリウム溶液(mL)に相当する。上記より、過マンガン酸カリウム消費量を以下のように求めることができる。③で消費された0.0020 mo1/L過マンガン酸カリウム溶液が3.2 mLであることから、①で被酸化性物質と反応した0.0020 mol/L過マンガン酸カリウム溶液は3.2 mLである。よって、被酸化性物質と反応した過マンガン酸カリウム量は、0.0020 mol/L\\times 3.2 mL\\times 1.0\\times 158=1.0112 mgとなる。この実験での検水の量は100 mLであることから、過マンガン酸カリウム消費量(mg/L)は1.0112 mg/100 mL\\fallingdotseq 10.0 mg/Lとなる。"} +{"problem_id": "103243", "problem_text": "過マンガン酸カリウム消費量に加え、学校薬剤師が行うプール水における水質試験項目はどれか。2つ選べ。", "choices": ["生物化学的酸素要求量(BOD)", "結合残留塩素", "遊離残留塩素", "pH値", "アンモニア"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "103244", "problem_text": "病院のスタッフステーションで、感染性廃棄物用の容器の近くの床に注射針が落ちていた。これを拾おうとした医療従事者が誤って指に針を刺してしまった。この病棟には、HIV、B型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイ��スに感染した患者が入院しているが、指に刺してしまった針が、いずれの患者に使用されたものかは不明であった。事故後、直ちに、この医療従事者の血液検査を行った。針を刺してしまった医療従事者への対処として、誤っているのはどれか。2つ選べ", "choices": ["傷口を流水で洗浄し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液による消毒を行う。", "HBs抗原が陽性もしくはHBs抗体が陽性の場合には、B型肝炎への新たな感染の可能性はないため、B型肝炎に対する処置の必要はない。", "HBs抗体を獲得していない場合には、事故発生後直ちに抗HBsヒト免疫グロブリンを投与する。", "抗HIV薬の投与を直ちに開始することがある。", "事故後2週間まで、抗HIV抗体の検査を継続する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:誤っている\n針刺し事故発生時、直ちに流水と石鹸で十分に洗浄する必要がある。その際、次亜塩素酸による消毒は行わない。2:正しい\n3:正しい\n4:正しい\n針刺し事故により、HIVに感染する可能性がある場合には、針刺し事故後、直ちにテノホビル/エムトリシタビン合剤とラルテグラビルを併用することがある。5:誤っている\nHIV曝露後予防に関する経過観察は以下の4点、①曝露時点、②曝露後6週、③曝露後12週、④曝露後6ヶ月、で行うことが推奨されている。なお、経過観察に第4世代HIVスクリーニング検査(抗原・抗体スクリーニング)を用いる場合には経過観察期間を4ヶ月に短縮することも可能である。"} +{"problem_id": "103245", "problem_text": "感染性廃棄物に該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["全血製剤等の外見上血液と見分けがつかない輸血用血液製剤が残存する容器", "病理診断に使用したホルマリン漬臓器", "血液が付着していない使用済み注射針", "インフルエンザ(「鳥インフルエンザおよび新型インフルエンザ等感染症」を除く)の患者が使用した、血液が付着していない紙おむつ", "結核患者の治療、検査などに使用された後、排出された手袋"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアルでは、「インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)伝染性紅班、レジオネラ症等の患者の紙おむつは、血液等が付着していなければ感染性廃棄物ではない。」とされている。感染性廃棄物判断フローを以下に示す。"} +{"problem_id": "103246", "problem_text": "66歳男性。内科で処方された以下の薬剤(処方1、2)を指示通りに服用していた。別の病院の泌尿器科を受診し、前立腺肥大症と診断された。泌尿器科で処方された前立腺肥大症治療薬を自宅で服用したところ、ひどい立ちくらみが起こり救急車で搬送され、血圧降下が原因と診断された。泌尿器科から処方された前立腺肥大症治療薬で、上記処方薬との併用で強い血圧降下の原因となった可能性があるのはどれか。1つ選べ", "choices": ["ナフトピジル", "デュタステリド", "アリルエストレノール", "セルニチンボーレンエキス", "ビカルタミド"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本患者は、(処方1、2)服用中に泌尿器科から前立腺肥大症治療薬を処方され、薬剤を併用することにより血圧降下を原因とするひどい立ちくらみを起こしている。このことから、(処方1)に含まれる血圧下降作用を有するオルメサルタンメドキソミルと、選択肢の中で血圧降下作用を有するナフトピジルの併用により血圧降下を起こしたと考えられる。<オルメサルタンメドキソミルの特徴>\nアンギオテンシンIIAT_{1}受容体遮断薬により血圧降下作用を示す。<ナフトピジルの特徴>\nアドレリン\\alpha _{1}受容体遮断作用により前立腺・尿道平滑筋を弛緩させることで前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する。また、アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断作用により血圧降下作用を示す。1:正\n2:誤\nデュタステリドは5\\alpha -還元酵素阻害薬であり、前立腺肥大症に用いられる。3:誤\nアリルエステレノールは合成黄体ホルモン製剤であり、前立腺肥大症に用いられる。4:誤\nセルニチンボーレンエキスは花粉エキス製剤であり、前立腺肥大症に用いられる。5:誤\nビカルタミドは抗アンドロゲン薬であり、前立腺がんに用いられる。"} +{"problem_id": "103247", "problem_text": "この患者で立ちくらみ���原因となった薬の作用点はどれか。2つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\alpha _{1}受容体", "アンギオテンシンIIAT_{1}受容体", "H^{+},K^{+}ATPase", "シクロオキシゲナーゼ", "アンドロゲン受容体"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "問246解説参照"} +{"problem_id": "103248", "problem_text": "62歳女性。毎日午前1時に就寝し、午前6時に起床する規則的な生活をしている。最近寝付きが悪い日が続いた。薬局で睡眠改善薬の一般用医薬品を購入して服用したが、改善されなかった。そこで専門医を受診し、すぐに眠れて朝すっきり起きられるような薬を希望し、睡眠薬が処方されることになった。処方される薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ", "choices": ["アモバルビタール錠", "スボレキサント錠", "エスタゾラム錠", "フルニトラゼパム錠", "ゾルピデム酒石酸塩錠"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本患者は、すぐに眠れて朝すっきり起きられるような薬を希望していることから、選択肢のうち、処方される薬として最も適切なのは、超短時間型の睡眠導入薬であるゾルピデム酒石酸塩錠である。1:誤\nアモバルビタールは、作用時間が比較的長く、朝すっきり起きられるような薬を希望している患者には推奨できない。アモバルビタールは、バルビツール酸系睡眠薬であり、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のバルビツール酸結合部位に作用し、クロライドチャネルを開口することにより睡眠作用を示す。2:誤\nスボレキサントは、半減期が約10時間と比較的長く、朝すっきり起きられるような薬を希望している患者には推奨できない。スボレキサントは、覚醒を促進する神経ペプチドであるオレキシンA及びBのオレキシン(OX_{1}及びOX_{2})受容体への結合を可逆的に阻害することにより、脳を覚醒状態から睡眠状態にさせることにより睡眠作用を示す。3:誤\nエスタゾラムは、半減期が約20時間と比較的長く、朝すっきり起きられるような薬を希望している患者には推奨できない。エスタゾラムは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン結合部位に作用し、GABA_{A}受容体のGABAに対する親和性を高めることにより睡眠作用を示す。4:誤\nフルニトラゼパムは、半減期が(\\alpha 相: 約5時間、\\beta 相: 約15時間)と比較的長く、朝すっきり起きられるような薬を希望している患者には推奨できない。フルニトラゼパムはベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、エスタゾラムと同様の作用を示す。5:正\nゾルピデム酒石酸塩は、半減期が約2時間と比較的短く、朝すっきり起きられるような薬を希望している患者に推奨することができる。ゾルピデム酒石酸塩は、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン結合部位のサブタイプω_{1}に作用し、GABA_{A}受容体のGABAに対する親和性を高めることにより睡眠作用を示す。"} +{"problem_id": "103249", "problem_text": "前問の選択肢1〜5に挙げた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["視床下部のヒスタミン作動性神経を抑制する。", "大脳辺縁系に分布する\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABA_{A}受容体のGABAに対する親和性を高める。", "視交叉上核に分布するメラトニン受容体を刺激する。", "脳幹網様体に分布する\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のGABA結合部位に結合し、GABA_{A}受容体の機能を亢進する。", "オレキシン受容体を遮断することで脳内におけるモノアミン神経系を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "問248解説参照"} +{"problem_id": "103250", "problem_text": "45歳男性。「最近、肩こりゃ腰痛がひどく、寝付きも悪く、しだいに朝起きるのがつらくなった。不安感が強く、仕事が楽しいと感じることもなくなり、職場に行くことが苦痛である。」と訴え心療内科を受診し、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。薬剤師の服薬指導の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ", "choices": ["眼圧低下が起こることがありますので、物がひずんで見えたり、視野が暗くなったりしたら、すぐに薬剤師に相談してください。", "立ち上がる際は、ゆっくりと立ち上がり、めまいやふらつきに注意してください。", "薬の影��で、尿や汗に赤い色がつくことがあります。", "自動車の運転等の危険を伴う機械の操作は避けてください。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n処方1のロラゼパムにより眼圧上昇することはあるが、処方1、2の薬により眼圧が低下することはない。なお、眼圧上昇により視神経に障害が現れた場合に物がひずんで見えたり、視野が暗くなったりすることがある。2:正\n処方1のチザニジンにより血圧が低下し、立ち上がる際にめまいやふらつきが現れることがある。そのため、本患者に対しては、「立ち上がる際は、ゆっくりと立ち上がり、めまいやふらつきに注意してください。」と説明する必要がある。3:誤\n処方1、2の薬により尿や汗に赤い色がつくことはない。なお、現在服用中の薬剤であるプラバスタチンナトリウム錠の副作用である横紋筋融解症により尿が赤くなることがあるので、尿が赤くなった場合には、プラバスタチンナトリウム錠による副作用が現れている可能性があるため、服用を中止し、受診するように説明する必要がある。4:正\n処方1のロラゼパム、処方2のラメルテオンの中枢抑制作用により眠気が誘発されることに加え、処方1のチザニジンにより血圧低下によるめまいふらつきが現れることがある。そのため、本患者に対しては、「自動車の運転等の危険を伴う機械の操作は避けてください。」と説明する必要がある。"} +{"problem_id": "103251", "problem_text": "1週間後、以下の処方3が追加された処方箋を持って、再度薬局を訪れた。この患者が服用している薬剤の中には追加薬剤と併用禁忌のものが2つあるため、処方を追加した医師に疑義照会を行った。併用によって生じる副作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\alpha _{2}受容体が過剰に刺激され、著しい血圧低下が現れる。", "Ca^{2+}チャネルが過剰に阻害され、著しい血圧上昇が現れる。", "\\gamma -アミノ酪酸GABAA受容体が過剰に活性化され、著しい筋弛緩作用が現れる。", "メラトニン受容体が過剰に刺激され、催眠作用が著しく増強される。", "HMG-CoA還元酵素が過剰に阻害され、横紋筋融解症の発症リスクが高まる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "フルボキサミンは、CYP1A2阻害作用を有するため、CYP1A2により代謝されるチザニジン及びラメルテオンの血中濃度を上昇させることがある。チザニジンの血中濃度が上昇することにより、アドレナリン\\alpha\n_{2}受容体が過剰に刺激され、著しい血圧低下が現れることがある。また、ラメルテオンの血中濃度が上昇することにより、メラトニン受容体が過剰に刺激され、催眠作用が著しく増強されることがある。なお、フルボキサミンとチザニジン及びラメルテオンは併用禁忌とされている。"} +{"problem_id": "103252", "problem_text": "76歳女性。狭心症。大学病院の紹介で、自宅近くの診療所を初めて受診し、以下の処方箋を薬局に持参した。薬剤師が、初回来局である患者の聞き取りを行ったところ、歯科治療中であった。薬剤師がこの患者に行う指導として、適切なのはどれか。2つ選べ", "choices": ["咳が続く時は、医師又は薬剤師に相談してください。", "テープ剤は、必ず心臓の真上に貼ってください。", "抜歯の際は、ボノプラザンフマル酸塩錠の服用を中止してください。", "頭痛、立ちくらみが起こることがあるので注意してください。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nリシノプリル水和物は副作用として空咳を起こすことがあるので、咳が続く時は、医師又は薬剤師に相談するように説明する必要がある。2:誤\n硝酸イソソルビドテープは、主薬が皮膚より吸収され循環血中に移行することにより作用を示すため、胸部、上腕部、背部のいずれかに貼付することにより作用を示す。3:誤\n抜歯の際、ボノプラザンフマル酸塩錠の服用を中止する必要はない。なお、本患者に処方されている薬のうち、抜歯をするにあたり休薬期間を設ける必要があるのは、血小板凝集抑制作用を有するアスピリン腸溶錠である。4:正\n血管拡張作用を有する薬及び血圧を下降させる薬では、副作用として頭痛、立ちくらみが起こることがある。そのため、本患者に対しては、頭痛、立ちくらみが起こることがあるの��注意するように説明する必要がある。"} +{"problem_id": "103253", "problem_text": "処方された薬物のうち、サイクリックGMP(cGMP)依存性プロテインキナーゼを活性化して血管拡張作用を示すのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["リシノプリル", "アスピリン", "ジルチアゼム", "ニコランジル", "硝酸イソソルビド"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "ニコランジル及び硝酸イソソルビドは、血管平滑筋において、分子内より一酸化窒素(NO)を遊離し、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化することによりサイクリックGMP(cGMP)を増大させ、それによりcGMP依存性プロテインキナーゼを活性化し、血管拡張作用を示す。1:誤\nリシノプリルは、アンギオテンシン変換酵素(ACE)を阻害することにより血管拡張作用を示す。"} +{"problem_id": "103254", "problem_text": "42歳女性。食後、みぞおちに差し込むような痛みが続いたため内科を受診し、胆石症による痛みと診断された。この患者の治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ", "choices": ["ウルソデオキシコール酸", "カモスタットメシル酸塩", "ランソプラゾール", "フロプロピオン", "シメチジン"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nウルソデオキシコール酸は、胆汁の生成及び分泌を促進し、胆石表面のコレステロールをミセル化することで胆石を溶解する。このことから本剤は、胆石症の治療に用いられる。2:誤\nカモスタットメシル酸塩は、トリプシンなどのタンパク分解酵素を阻害する。このことから本剤は、慢性膵炎における急性症状の寛解に用いられる。3:誤ランソプラゾールは、H^{+},K^{+}ATPaseを阻害し、胃酸分泌を抑制する。このことから本剤は、消化性潰瘍や十二指腸潰瘍の治療に用いられる。4:正\nフロプロピオンは、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害することでOddi括約筋を弛緩させ、胆汁の分泌を促進する。このことから本剤は、胆石症の治療に用いられる。5:誤シメチジンは、ヒスタミンH_{2}受容体を遮断し、胃酸分泌を抑制する。このことから本剤は、消化性潰瘍や十二指腸潰瘍の治療に用いられる。"} +{"problem_id": "103255", "problem_text": "前問で適切と考えられた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["胆石表面のコレステロールをミセル化することで胆石を溶解する。", "胆嚢からの胆汁排泄を抑制する。", "カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害することでOddi括約筋を弛緩させる。", "タンパク質分解酵素を阻害する。", "H^{+},K^{+}ATPaseを阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "問254解説参照"} +{"problem_id": "103256", "problem_text": "50歳女性。頻尿、排尿痛があり泌尿器科を受診し、尿道炎と診断され処方(処方1)が出された。同日、歯科にて抜歯し処方(処方2)が出され、近くの薬局にて処方1と2の薬を受け取った。4日後薬局に電話をかけ、「もらった薬は決められたように飲んでいる。痛み止めは昨日まで7回飲んだ。昨日から太ももが痛く、今日は、手足がだるく、足に力が入らず歩けないため仕事を休んだ。このまま薬を服用していいか。」と相談した。来局時、お薬手帳は持参しておらず、聞き取りでは「薬の名前は覚えていないが、他の薬局でもらった骨の薬と、コレステロールの薬と、胃薬を飲んでいる。」とのことであった。そこで、薬剤師が電話口でこの女性にお薬手帳を確認してもらったところ、1年ほど前から他の薬局にて調剤された薬剤を継続服用していることが明らかになった。薬剤師は薬物相互作用を疑い、直ちに処方医に連絡をした。次の作用様式のうち、この患者が服用した5つの薬物のいずれかの作用機序に当てはまるのはどれか。2つ選べ", "choices": ["核内受容体刺激", "Gタンパク質共役型受容体遮断", "DNA複製阻害", "細菌のリボソームのタンパク質合成阻害", "タンパク分解酵素阻害"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "患者が服用している薬物の作用機序及び作用について以下に示す。・クラリスロマイシン\n細菌の70Sサブユニットの50Sサブユニットに結合し、タンパク質合成を阻害する。・ロキソプロフェン\nシクロオキシゲナーゼを阻害することにより、プロスタグランジンの生合成を抑制する。・アルファカルシド���ル\n肝臓で水酸化を受け活性型VD_{3}となり、核内のVD_{3}受容体を刺激することにより腸管からのカルシウムの吸収及び腎臓でのカルシウムの再吸収を促進する。・ポラプレジング\n胃粘膜に付着し、細胞保護作用、膜安定化作用、活性酸素除去作用、創傷治癒促進作用などを示す。・シンバスタチン\nHMG-CoA還元酵素を阻害することにより肝臓におけるコレステロール合成を阻害する。"} +{"problem_id": "103257", "problem_text": "薬剤師が薬物相互作用の原因と考えた薬剤はどれか。2つ選べ。", "choices": ["アルファカルシドールカプセル", "ポラプレジング口腔内崩壊錠", "シンバスタチン錠", "クラリスロマイシン錠", "ロキソプロフェンナトリウム水和物錠"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "本症例では、アルファカルシドール、ポラプレジング、シンバスタチン服用中にクラリスロマイシン、ロキソプロフェンナトリウムを併用することにより、患者は「太ももが痛い」「手足がだるい」「足に力が入らず歩けない」などの症状を訴えている。このことから、クラリスロマイシンのCYP3A4阻害作用によりシンバスタチンの代謝が阻害され、副作用である横紋筋融解症を誘発したと考えられる。"} +{"problem_id": "103258", "problem_text": "71歳男性。3年前に慢性閉塞性動脈硬化症と診断されたが、自覚症状は無く弾性靴下によるフットケアと運動療法を行っていた。最近、痛みと跛行が出てきたので、薬物療法も実施することとなった。患者は、爪白癬治療のためイトラコナゾールを服用中である。この患者の治療薬として適切でないのはどれか。1つ選べ", "choices": ["アルプロスタジル", "ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩", "サルポグレラート塩酸塩", "チクロピジン塩酸塩", "イコサペント酸エチル"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "慢性閉塞性動脈硬化症の患者には、血小板凝集抑制薬や血管拡張薬が用いられる。なお、慢性閉塞性動脈硬化症には、抗凝固薬であるダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩は用いられない。1:適切である\nアルプロスタジルは、血管平滑筋に存在するプロスタノイドEP受容体(Gsタンパク質共役型受容体)を刺激し、アデニル酸シクラーゼを活性化することにより、血管平滑筋及び血小板におけるサイクリックAMP(cAMP)産生を促進することで血管拡張作用や血小板凝集抑制作用を示す。2:適切でない\nダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩は、体内でダビガトランとなり直接かつ選択的にトロンビンを阻害することにより抗凝血作用を示す。3:適切である\nサルポグレラート塩酸塩は、セロトニン5-HT_{2}受容体(Gqタンパク質共役型受容体)を遮断し、血管拡張作用や血小板凝集抑制作用を示す。4:適切である\nチクロピジン塩酸塩は、ADP受容体(Giタンパク質共役型受容体)遮断し、アデニル酸シクラーゼの抑制を解除することにより、サイクリックAMP(cAMP)産生を促進することで血小板凝集抑制作用を示す。5:適切であるイコサペント酸エチルは、トロンボキサンA_{2}(TXA_{2})合成を阻害し、血小板凝集を抑制する。"} +{"problem_id": "103259", "problem_text": "前問の選択肢1〜5に挙げた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["セロトニン5-HT_{1}受容体を遮断する。", "アンチトロンビン非依存的に血液凝固第Xa因子を抑制する。", "トロンボキサンA_{2}の産生を抑制する。", "血小板におけるサイックリックAMP(cAMP)の分解を抑制する。", "血小板におけるcAMPの産生を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "問258解説参照"} +{"problem_id": "103260", "problem_text": "35歳女性。体重55 kg。C型慢性肝炎と診断され、治療開始となった。ペグインターフェロンアルファ-2a(週1回皮下注射)での治療が開始され、以下の処方が出された。この患者に使用する治療薬のC型肝炎ウイルスに対する作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ", "choices": ["NS5Bポリメラーゼを阻害する。", "NS3/4Aプロテアーゼを阻害する。", "RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。", "DNAポリメラーゼを阻害する。", "逆転写酵素を阻害する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2", "3(いずれか2つを選択で正解とする)"], "comment": "本患者に処方されている薬の作用��序及び作用を以下に示す。・ペグインターフェロンアルファ-2a\n感染細胞内の2',5'-オリゴアデニル酸合成酵素を誘導して、RNA分解酵素を活性化し、ウイルスRNAを分解することにより抗ウイルス作用を示す。・シメプレビルナトリウム\nC型肝炎ウイルスのNS3/4Aプロテアーゼを阻害することにより、ウイルスの非構造タンパク質の産生を抑制することにより抗ウイルス作用を示す。・リバビリン\n三リン酸化体となり、ウイルス由来のRNA依存性RNAポリメラーゼによるグアノシン三リン酸のRNAの取り込みを阻害することにより抗ウイルス作用を示す。1:正\nNS5Bポリメラーゼは、RNA依存性RNAポリメラーゼの一種である。2:正\n3:正\n4:誤\nDNAポリメラーゼを阻害する薬には、B型肝炎治療薬であるエンテカビルがある。5:誤\n逆転写酵素を阻害する薬には、B型肝炎治療薬、HIV治療薬であるラミブジンがある。"} +{"problem_id": "103261", "problem_text": "薬剤師が患者に対して指導・説明する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["眠れない、食欲がない、意欲がないなどの症状が出たら、医師又は薬剤師に申し出てください。", "熱が出たら、市販の解熱薬を服用し、様子を見てください。", "朝食後飲み忘れた場合は、その日の夕食後服用分と合わせて、夕食後に服用してください。", "催奇形性がある薬が含まれているので、避妊してください。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n眠れない、食欲がない、意欲がないなどの症状(抑うつ、うつ症状)が現れた場合には、副作用が現れている可能性があるため、医師又は薬剤師に申し出るように説明する必要がある。2:誤\n熱が出たら、副作用の初期症状である可能性があるため、医師又は薬剤師に申し出るように説明する必要がある。3:誤\n飲み忘れた場合には、2回分を一度に服用しないように説明する必要がある。4:正\nリバビリンは催奇形性があるため、投与するに当たっては以下のことに注意する必要がある。妊娠する可能性のある女性患者及びパートナーが妊娠する可能性のある男性患者は投与中及び投与終了後6ヵ月間は信頼できる避妊法を用いるなどして妊娠を避けること。また、投与直前の妊娠検査結果が陰性であることを確認後に投与を開始すること。なお、妊娠していないことを確認するために、妊娠検査を毎月1回実施すること。"} +{"problem_id": "103262", "problem_text": "78歳女性。関節リウマチのためメトトレキサートを服用中。病棟での薬剤管理指導の面談で、最近疲れやすく、口内炎がひどいとの訴えがあった。検査データ: AST 90 U/L、ALT 75U/L、MCV 105fL、白血球数1,300/\\micro L、血小板数30,000/\\micro L 医師に対して、この患者への投与を提案する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ホリナートカルシウム錠", "トファシチニブクエン酸塩錠", "デキサメタゾン錠", "エポエチンアルファ(遺伝子組替え)注射液", "タクロリムス水和物カプセル"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "<本症例の概要>\n・症状\n疲れやすく、口内炎がひどい\n・検査データ\nAST(基準値: 10〜35 U/L)、ALT(基準値: 10〜40 U/L)共に高値\n白血球数(基準値: 4000〜9000 /\\micro L)、血小板数(基準値: 10〜40\\times 10^{4} /\\micro L)共に低値\n上記より、本患者にはメトトレキサートの副作用である骨髄抑制、肝機能障害、粘膜・消化管障害が発現していると考えられる。よって、本患者に投与すべき薬剤は、メトトレキサートの解毒薬であるホリナートカルシウム錠である。1:正\nホリナートカルシウムは、細胞内に取り込まれて活性型葉酸となり、核酸合成を再開させることによりメトトレキサートの毒性を軽減する。2:誤\nトファシチニブクエン酸塩は、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害し、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)などの複数のサイトカイン受容体を阻害することにより、免疫反応を抑制することで関節リウマチを改善する。3:誤\nデキサメタゾンは、副腎皮質ステロイド性薬であり、細胞内のグルココルチコイド受容体と複合体を形成し、抗炎症作用を示す。4:誤\nエポエチンアルファ(遺伝子組替え)は、エリスロポエチン製剤であり、赤芽球前駆細胞に作用し、赤血球への分化増殖を促進することにより腎性貧血を改善す��。5:誤\nタクロリムス水和物は、カルシニューリンを阻害し、インターロイキンなどのサイトカイン産生を抑制することにより免疫抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "103263", "problem_text": "前問で適切と考えられた薬物の作用機序として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カルシニューリンを阻害し、インターロイキンなどのサイトカイン産生を抑制する。", "細胞内に取り込まれて活性型葉酸となり、核酸合成を再開させる。", "赤芽球前駆細胞に作用し、赤血球への分化増殖を促進する。", "ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害し、免疫反応を抑制する。", "細胞内のグルココルチコイド受容体と複合体を形成し、抗炎症作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "問262解説参照"} +{"problem_id": "103264", "problem_text": "その後、発熱、乾性咳嗽、息切れがあるとの訴えがあり、検査の結果、メトトレキサートが原因の間質性肺炎が疑われた。医師に対して、この患者への投与を提案する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ピルフェニドン錠", "テルブタリン硫酸塩錠", "インフリキシマブ(遺伝子組換え)点滴静注", "デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物錠", "プレドニゾロン錠"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "メトトレキサートは副作用として間質性肺炎を起こすことがある。メトトレキサートの副作用である間質性肺炎が認められた場合には、副腎皮質ステロイド性薬(プレドニゾロンなど)を投与する。それでも改善しない場合には、免疫抑制薬の投与を検討する。1:誤\nピルフェニドンは、TNF-\\alpha(腫瘍壊死因子-\\alpha)などの炎症性サイトカインやTGF-\\beta(トランスフォーミング増殖因子-\\beta)などの線維化形成に関与する増殖因子を抑制する。本剤は、原因が特定されない間質性肺炎(特発性間質性肺炎)の治療に用いられる。2:誤\nテルブタリン硫酸塩は、アドレナリン\\beta _{2}受容体(Gsタンパク質共役型受容体)刺激薬であり、気管支喘息の治療に用いられる。3:誤\nインフリキシマブ(遺伝子組換え)は、TNF-\\alpha に対するキメラ型モノクローナル抗体製剤であり、TNF-\\alpha を捕捉することにより抗リウマチ作用を示す。本剤は、関節リウマチの治療に用いられる。4:誤\nデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、咳中枢に作用して咳嗽反射閥値を上昇させることにより鎮咳作用を示す。本剤は、感冒、気管支炎等に伴う咳嗽の治療に用いられる。5:正\nプレドニゾロンは、細胞質のグルココルチコイド受容体に結合し、この複合体が核内へ移行した後に転写活性を変化させことにより、抗炎症作用を示す。"} +{"problem_id": "103265", "problem_text": "前問で適切と考えられた薬物の作用機序として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["TNF-\\alpha(腫瘍壊死因子-\\alpha)を捕捉する。", "咳中枢に作用して咳嗽反射閥値を上昇させる。", "気管支平滑筋のGタンパク共役型受容体を刺激する。", "細胞質において受容体と結合し、この複合体が核内へ移行した後に転写活性を変化させる。", "TGF-\\beta(トランスフォーミング増殖因子-\\beta)を捕捉する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "問264解説参照"} +{"problem_id": "103266", "problem_text": "55歳男性。10年前に2型糖尿病と診断され、生活習慣の改善とナテグリニドの服用を開始した。5年前にHbA1c値が8.4%まで上昇したため、メトホルミン塩酸塩が追加され、その後増量されて以下の処方となった。処方1に対して、特に注意すべき副作用の初期症状はどれか。2つ選べ。", "choices": ["尿路感染症による排尿痛", "メラニンの過剰生成による色素沈着", "心機能低下による下肢の浮腫", "乳酸アシドーシスによる全身倦怠感、過呼吸", "低血糖によるめまい、ふらつき"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "・メトホルミンの重大な副作用\n乳酸アシドーシス(症状: 胃腸障害、けん怠感、筋肉痛、過呼吸など)\n低血糖(初期症状: 脱力感、高度の空腹、発汗など)\n肝機能障害、黄疸\n横紋筋融解症(症状: 筋肉痛、脱力感など)\n・ナテグリニドの重大な副作用\n低血糖(初期症状: 脱力感、高度の空腹、発汗など)\n肝機能障害、黄疸\n心筋梗塞\n突然死"} +{"problem_id": "103267", "problem_text": "各グラフの実線は、ナテグリニド錠を��直前に服用した際の血漿中濃度推移を表す。本剤を食直後に服用した場合、予想される血漿中濃度推移(破線)を表す最も適切なグラフはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "ナテグリニドは、通常、食直前に服用する薬物となっており、食直後に服用すると食直前に服用した場合に比べ吸収が穏やかになるとされている。<健常成人男性における食事の影響(スターシス錠(成分:\nナテグリニド)の添付文書引用)"} +{"problem_id": "103268", "problem_text": "この患者は、処方1による治療を行なっていたが、血糖コントロール不良状態が3ヶ月続いたため、以下のインスリン製剤を追加することとなった。この患者に対する服薬指導に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["インスリン デテミルが追加になりましたので、これまで処方されていたナテグリニドの服用は中止になります。", "膵臓のインスリン分泌能がなくなってしまったため、インスリン製剤が必要となりました。", "なるべく同じ部位で、少しずつずらした場所に注射してください。", "体重増加しやすくなりますので、食事・運動療法をしっかり行いましょう。", "インスリンデテミルは基礎インスリンを補充するものなので、低血糖に注意する必要はありません。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "インスリンの分泌には食事等に関係なく常に一定のインスリンが分泌される基礎分泌と食事により血糖値が上昇することで多くのインスリンが分泌される追加分泌がある。インスリン製剤には様々な種類のものがあり、それぞれ持続時間及び役割が異なる。1:誤\n本患者のように経口血糖降下薬を数種類用いても血糖コントロールが悪い場合には、経口血糖降下薬と持効型インスリン製剤を併用するBOT(basal supported oral therapy)が行われることがある。よって、ナテグリニドの服用を中止する必要はない。2:誤\n本患者に対して、インスリンが処方された理由は、インスリン分泌が低下しているためである。3:正\n4:正\nインスリンが補われることにより、細胞内へ糖が取り込まれやすくなることから、インスリンが処方された場合には、「体重増加しやすくなりますので、食事・運動療法をしっかり行いましょう。」と説明することは適切である。5:誤\n前記参照"} +{"problem_id": "103269", "problem_text": "インスリン デテミルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["速効型のインスリン製剤である。", "皮下注射後、等電点沈殿に伴い微結晶になり、ゆっくりと溶解して血中に移行する。", "ヒトインスリンにミリスチン酸基を付加し、血漿中のアルブミンとの結合を利用して作用の持続化を図っている。", "投与ごとの血糖降下作用のばらつきが少なく、安定した血糖コントロールが期待できる。", "等張化剤としてD-グルコースが用いられている。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "\n1:誤\nインスリン デテミルは、持効型のインスリン製剤である。2:誤\n設問の記述は、インスリン グラルギンに関する記述である。3:正\nインスリン デテミルは、トレオニンを除いて(desthreonine)、ミリスチン酸(myristic)を付加することで、血漿中のアルブミンとの結合性を向上させることにより作用の持続化を図っている。ちなみにデテミル(detemir)という名称は、トレオニンを除いて(desthreonine)、ミリスチン酸(myristic:mir)を付加することからきている。4:正\n5:誤\nインスリン デテミルの等張化剤には濃グリセリンが用いられる。"} +{"problem_id": "103270", "problem_text": "23歳男性。幼児期に喘息と診断され、総合病院の呼吸器内科でテオフィリンが処方され、継続的に服用している。最近、体調を崩し、近所の内科を受診したところ、マイコプラズマ肺炎と診断され、以下の薬剤が投薬された。服用を始めて2日後、男性は夜中に眠れなくなったので、薬剤情報提供書を薬局に持参してかかりつけ薬剤師に相談した。相談された薬剤師は、テオフィリンとの薬物相互作用による副作用を疑い、内科医に疑義照会した。その際、薬剤師が変更を提案すべき薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["シプロフロキサシン錠", "カルボシステイン錠", "アンブロキソール塩酸塩錠", "チペピジ��ヒベンズ酸塩錠", "モンテルカスト錠"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "テオフィリンは主にCYP1A2により代謝されるため、CYP1A2を阻害するシプロフロキサシンと併用すると、テオフィリンの血中濃度が上昇し、副作用(頭痛、不眠、めまい、振戦、興奮、イライラ等)が現れることがある。"} +{"problem_id": "103271", "problem_text": "前問における薬物相互作用の機序として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["CYP1A2の阻害", "CYP3A4の誘導", "有機カチオントランスポーターの阻害", "P-糖タンパク質の阻害", "キレート形成"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "問270解説参照"} +{"problem_id": "103272", "problem_text": "76歳男性。1年前より心房細動にて内科を受診してワルファリンを服用しており、その処方は以下のとおりであった。朝食後に忘れず服用していること、他科受診及び併用薬はないこと、納豆は食べていないことを薬剤の交付時に確認していた。本日、本人が妻と一緒に処方箋を持って薬局を訪れた。処方箋を確認したところ、1回2錠から1回4錠に増量となっていた。本人によると、血液検査の結果が悪かったため、増量になったとのことであった。また、妻によると、1ヶ月半前から毎食前にジュースを作って飲ませているとの話であった。ジュースについて確認したところ、次の食材が含まれているとのことだった。薬剤が増量になった原因として考えられる食材はどれか。1つ選べ。", "choices": ["グレープフルーツ", "ニンジン", "ブルーベリー", "ホウレンソウ", "ヨーグルト"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "本患者は、1ヶ月半前からジュースを飲用しており、血液検査の結果が悪くなりワルファリンK錠を増量していることから、ジュースの中にはワルファリンの効果を減弱させるものが含有されていると考えられる。選択肢のうち、ワルファリンの作用を減弱させるビタミンKを多く含有しているのは、「ホウレンソウ」である。"} +{"problem_id": "103273", "problem_text": "前問と同じメカニズムによる相互作用の例として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["リファンピシンは、ワルファリンの肝取り込みトランスポーターを阻害する。", "ミコナゾールは、CYP2C9を誘導してワルファリンの代謝速度を上昇させる。", "メナテトレノンは、ワルファリンによる血液凝固因子の生合成阻害作用と拮抗する。", "アスピリンは、ワルファリンによる血小板凝集抑制作用と拮抗する。", "コレスチラミンは、腸管内でワルファリンを吸着することで吸収を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nリファンピシンとワルファリンを併用すると、リファンピシンのCYP誘導作用によりワルファリンの代謝が促進され、効果が減弱する。"} +{"problem_id": "103274", "problem_text": "50歳男性。体重70 kg。血清アルブミン値4.1 g/dL、血清クレアチニン値2.0 mg/dL。重症のMRSA院内感染によりバンコマイシン塩酸塩を1日1回間欠点滴投与することになった。初回は負荷投与する予定である。この患者におけるバンコマイシンの分布容積は0.7 L/kg、半減期は24時間と見積もられている。血液培養の結果、バンコマイシンによる最小発育阻止濃度(MIC)は1.0\\microg/mLであった。バンコマイシン塩酸塩による治療及びTDMに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この患者では、腎機能低下により、半減期が延長している。", "肝毒性の発現を回避するため、バンコマイシンのトラフ値は20 \\micro g/mL以下にすることが推奨されている。", "治療効果の指標として、最高血中濃度/MICを用いる。", "レッドネック症候群を予防するために、1時間以上かけて点滴する。", "この患者では、アルブミンが大量に尿中へ漏出しているため、タンパク結合率が低下している。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本患者の血清クレアチニン値(基準値0.5〜1.3 mg/dL)は高値を示していることから、本患者は腎機能が低下していると考えられる。バンコマイシン塩酸塩は、腎消失型薬物であるため、腎機能の低下に伴い半減期が延長する。2:誤\nバンコマイシン塩酸塩は、重大な副作用として重篤な腎機能障害を起こすことがある。バンコマイシン塩酸塩において、重篤な腎機能障害の発現とトラフ値には相関性があり、腎���害の発現を回避するため、バンコマイシンのトラフ値は20 \\micro g/mL以下にすることが推奨されている。3:誤\n抗菌薬の種類により、治療効果の指標として用いるPK/PDパラメータが異なる。以下に抗菌薬の分類と投与する際に用いられるPK/PDパラメータを示す。4:正\nバンコマイシン塩酸塩を急速静注すると、ヒスタミン遊離に起因するレッドネック症候群を起こすことがある。そのため、レッドネック症候群を予防するために本剤は1時間以上かけて点滴する必要がある。5:誤\n本患者の血清アルブミン値(基準値: 3.7〜4.9 g/dL)は基準値範囲内にあることから、アルブミンが大量に尿中へ漏出している可能性は低い。"} +{"problem_id": "103275", "problem_text": "2回目投与直前のバンコマイシンの血中濃度が10 \\micro g/mLとなることを想定し、バンコマイシン塩酸塩の初回負荷投与を行いたい。また、定常状態におけるトラフ値を15 \\micro g/mLとしたい。バンコマイシンの負荷投与量と維持投与量の組合せとして適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、投与量の計算において、投与に要する時間は投与間隔に対して無視できるほど短いものとし、投与中における体内からのバンコマイシンの消失は無視できるものとする。負荷投与量(g)\n維持投与量(g)\n\n\n1\n0.75\n0.25\n\n\n2\n0.75\n0.50\n\n\n3\n1.00\n0.50\n\n\n4\n1.00\n0.75\n\n\n5\n1.25\n0.75\n\n\n6\n1.25\n1.00", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "問題文中に「投与に要する時間は投与間隔に対して無視できるほど短いものとし、投与中における体内からのバンコマイシンの消失は無視できるものとする。」と記載されていることから、本問は、静脈内投与における繰り返し投与に関する問題であると考えることができる。<負荷投与量を求める>\n本問では、バンコマイシン(半減期24時間)を1日1回間欠点滴投与していることから、2回目投与直前の血中濃度は24時間経過後(半減期経過後)の血中濃度であると考えられる。このことから、2回目投与直前の血中濃度が10 \\micro g/mLとなることを想定し、初回負荷投与する場合には、初回負荷投与直後の血中濃度が20 \\micro g/mLとなるようにすればよいことがわかる。これらのことから、バンコマイシンの負荷投与量を以下のように算出することができる。負荷投与量=投与直後の血中濃度\\times 分布容積=20 \\micro g/mL\\times 0.7 L/kg\\times 70 kg=20 mg/L\\times 49 L=980 mg\n<維持投与量を求める>\n本問では、バンコマイシン(半減期24時間)を1日1回間欠点滴投与していることから、投与間隔=半減期で繰り返し静脈内投与していると考えられる。投与間隔=半減期で繰り返し静脈内投与した際のトラフ値は、維持投与量を1回投与した場合の濃度の上昇幅の値と同じとなるため、定常状態におけるトラフ値を15 \\micro g/mLとなるように維持投与する場合には、維持投与量を1回投与する際の濃度の上昇幅の値が15\\micro g/mLになるようにすればよいことがわかる。これらのことから、バンコマイシンの維持投与量を以下のように算出することができる。維持投与量=濃度の上昇幅\\times 分布容積=15 \\micro g/mL\\times 0.7 L/kg\\times 70 kg=15 mg/L\\times 49 L=735 mg"} +{"problem_id": "103276", "problem_text": "69歳男性。7年前から高血圧と糖尿病のため、エナラプリルマレイン酸塩、メトホルミン塩酸塩及びグリメピリドを服用している。これまで特に問題なく過ごしていたが、最近、動悸を感じるようになり病院を受診した。心電図から心房細動と診断され、以下の薬剤が追加処方された。なお、患者の身体所見及び検査値などは次のとおり。身長176 cm、体重72 kg、血圧148/93mmHg、体温37.0^{\\circ} C、心拍数161回/min(不規則)、呼吸数15回/min、BUN 21mg/dL、Scr 1.7mg/dL、Ccr 42 mL/min、AST 14U/L、ALT 16U/L この患者の薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1の主目的は、血圧を十分に低下させることである。", "脈拍が不規則なので、プロプラノロール塩酸塩の処方を提案する必要がある。", "処方2の代替薬の1つにリバーロキサバンがある。", "処方2は心原性脳梗塞の予防目的で処方されている。", "PT-INR値が2.0〜3.0になっているか、モニタリングが必要である。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nベラパミル塩酸塩は、心臓選択性の高いカルシウム拮抗薬であり、頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)、狭心症、心筋梗塞、その他の虚血性心疾患に用いられる。このことから、ベラパミル塩酸塩が処方された主な目的は、心房細動の改善であると推察できる。2:誤\n本患者は糖尿病に罹患しており、プロプラノロールなどのアドレナリン\\beta 受容体遮断薬を投与すると低血糖症状をマスクする可能性がある。また、ベラパミル塩酸塩とプロプラノロールを併用すると、低血圧、心不全が発現する可能性がある。これらのことから、本症例に対してプロプラノロール塩酸塩の処方を提案することは適切ではない。3:正\n本患者は、Ccrが42 mL/min(中等度の腎障害)であることから、腎消失型薬物であるダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩の投与量の減量または、他の薬物への変更を考慮する必要がある。腎障害時にダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩の代替薬として用いられるものにリバーロキサバンがある。なお、リバーロキサバンについても中等度に腎障害患者には投与量を減量する必要がある。4:正\nダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩は、非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制に用いられる。このことから、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩は心原性脳梗塞の予防目的で処方されていると推察できる。5:誤\nダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩投与時には、PT-INR値のモニタリングは不要である。なお、ワルファリン投与時には、PT-INR値のモニタリングし、効果の判定を行う。"} +{"problem_id": "103277", "problem_text": "薬剤師は、処方2について減量を考慮すべきと判断した。その理由として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ベラパミル塩酸塩との併用により、P-糖タンパク質が阻害され、消化管吸収が増大するため。", "メトホルミン塩酸塩との併用により、尿細管分泌が阻害され、血中からの消失が遅延するため。", "腎排泄能力の低下により、血中からの消失が遅延するため。", "グリメピリドとの併用により、CYP2C9による代謝が低下し、血中からの消失が遅延するため。", "肝代謝能力の低下により、血中からの消失が遅延するため。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "本症例において、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩の減量を考慮すべき理由を以下に示す。・併用薬のベラパミルがP糖タンパク質を阻害するため、ダビガトランの消化管吸収が増大する。・本患者は、Ccrが42\nmL/min(中等度の腎障害)であることから、腎消失型薬物であるダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩の血中からの消失が遅延する。"} +{"problem_id": "103278", "problem_text": "36歳女性。腎移植目的で入院となった。移植に伴いサンデミュン^{®}カプセル、ミコフェノール酸モフェチルカプセル、メチルプレドニゾロン錠を術前に内服することとなり、担当薬剤師が指導を開始した。移植手術は無事に終了し医師の指示によりサンデミュン^{®}カプセルをネオーラル^{®}カプセルに切り替えることになり、引き続き担当薬剤師が指導を継続することになった。注: サンディミュン^{®}カプセル: シクロスポリンの油性製剤 ネオーラル^{®}カプセル: シクロスポリンの自己乳化型マイクロエマルション製剤 薬剤師がこの患者に行う術前、術後の服薬指導として、適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["これらの薬を飲んでいる間は、こまめに手洗いをしてください。", "抵抗力が下がり、感染症にかかりやすくなるので、麻疹や風疹などのワクチン接種をしておきましょう。", "シクロスポリンは血液中の薬の濃度を測りながら服用する量を決めますので、血液検査が多くなります。", "グレープフルーツジュースはシクロスポリンの効果を弱めてしまいますので、飲まないでください。", "薬を切り替える時には副作用がでることがありますので、気になることがあれば言ってください。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:適切である。シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、メチルプレドニゾロンはいずれも免疫抑制作用を有するため、これらを服用中は易感染状態となる。そのため、これらの薬を服用して���る間は、感染症を予防するためにこまめに手洗い及びうがいをする必要がある。2:適切ではない\n免疫抑制薬投与中の患者が生ワクチンを接種すると、生ワクチンが病原性をあらわす可能性がある。そのため、免疫抑制薬投与中は、麻疹や風疹などの生ワクチンの接種を行わないこととされている。3:適切である\nシクロスポリンの経口投与製剤については、個人によって吸収性に差があることから、血中濃度を頻回に行い、投与量を調節する。4:適切でない\nグレープフルーツジュースは小腸のCYP3A4阻害作用を有するため、シクロスポリンの小腸における代謝を阻害し、体内移行量を増加させ、作用を増強させる。5:適切であるサンデミュン^{®}カプセルをネオーラル^{®}カプセルに切り替えることにより、シクロスポリンの血中濃度が変動し、副作用を起こすことがある。そのため、サンデミュン^{®}カプセルをネオーラル^{®}カプセルに切り替える場合には、副作用の初期症状などに注意する必要がある。"} +{"problem_id": "103279", "problem_text": "術前に服用していたシクロスポリンの油性製剤と術後に処方された自己乳化型マイクロエマルション製剤の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["自己乳化型マイクロエマルション製剤の方が、バイオアベイラビリティが高い。", "いずれも消化管液中でw/oエマルションが形成される。", "自己乳化型マイクロエマルション製剤の方が、薬の吸収に対する食事の影響が小さい。", "自己乳化型マイクロエマルション製剤の方が、油相と水相の間の界面張力が大きいため、液滴が微細化される。", "シクロスポリンは水溶性が高いため、主にエマルションの水相に分配する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "シクロスポリンは脂溶性であり、経口投与時の吸収において消化管内の胆汁酸分泌量や食事の影響を受けやすいことから、従来使用されていたシクロスポリンの油性製剤(サンディミュン^{®}カプセル)に比べ、それらの影響を受けにくい自己乳化型マイクロエマルション製剤(ネオーラル^{®}カプセル)が開発された。1:正\n自己乳化型マイクロエマルション製剤の方が、油性製剤に比べ、吸収性が改善されているためバイオアベイラビリティが高い。2:誤\n自己乳化型マイクロエマルション製剤では、o/wエマルションを形成するが、油性製剤ではo/wエマルションは形成されない。3:正\n4:誤\n自己乳化型マイクロエマルション製剤には、界面活性剤が添加されていることから油相と水相の間の界面張力が小さくなり、その液滴は微細化されるように設計されている。5:誤\nシクロスポリンは脂溶性が高いため、主にエマルションの油相に分配する。"} +{"problem_id": "103280", "problem_text": "86歳女性。骨粗しょう症で整形外科を受診し薬物治療を受けている。服用している薬剤は以下のとおりであった。しかし、最近になりアレンドロン酸ナトリウム錠が大きいために嚥下が困難になったので、薬局を訪れた。担当した薬剤師が医師に連絡したところ、次回より以下の処方に変更することになった。処方箋を受け取った薬剤師は、すでに服用している錠剤の基本的な服用法を患者に対して再確認した。次に、このゼリー剤で注意することについて、新たに追加説明を行うことにした。その追加の内容として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["起床してすぐにコップ一杯の水で服用すること。", "口の中で噛んだり、溶かしたりしないこと。", "服用後、少なくとも30分たってから食事を摂ること。", "低温(冷蔵庫など)を避けて保存すること。", "カルシウムやマグネシウム等の含量が特に高い飲料で服用しないこと。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "アレンドロン酸ナトリウム水和物経口ゼリー剤35 mgに変更する際に追加説明を行う内容は、「低温(冷蔵庫など)を避けて保存すること」である。本経口ゼリー剤は、低温では有効成分の結晶が析出しやすくなるので低温・凍結(冷蔵庫、冷凍庫等)を避けて保存することとされている。また、結晶が析出した製剤は服用しないこととされている。なお、選択肢1、2、3、5については、「アレンドロン酸ナトリウム錠35 mg」、「アレンドロン酸ナトリウム水和物経口ゼリー剤35 mg」について服薬指導する際に説明すべき項目となっている。"} +{"problem_id": "103281", "problem_text": "本経口ゼリー剤の添加剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。なお、本経口ゼリー剤には、添加剤としてカラギーナン、ローカストビーンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、グリセリン、D-ソルビトール、クエン酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸プロピルが含まれる。", "choices": ["カラギーナンは、種類によってカルシウムイオンやカリウムイオンでゲル化するものがある。", "ローカストビーンガムは、保存剤として添加されている。", "ポリアクリル酸ナトリウムは、主薬の酸化に対する安定性を高める。", "クエン酸ナトリウムは、乳化剤として添加されている。", "パラオキシ安息香酸プロピルは、増粘剤として添加されている。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nガラギーナンは、直鎖含硫黄多糖類の一種で、D-ガラクトースと硫酸から構成される陰イオン性高分子化合物であり、種類によってカルシウムイオンやカリウムイオンでゲル化するものがある。"} +{"problem_id": "103282", "problem_text": "2歳男児。夕方に発熱があり、同時に痙れんが起こったので近所の小児科を受診した。その後、母親が処方せんを薬局に持参した。その処方内容は以下のとおりであった。薬剤師が坐剤の使用経験を確認したところ、坐剤の併用は初めてとのことであった。そこで、この2種類の坐剤の併用方法について説明した。その内容として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセトアミノフェン坐剤を先に挿入し、熱が下がってからジアゼパム坐剤を挿入してください。", "ジアゼパム坐剤を先に挿入し、3〜5分ほどしてからアセトアミノフェン坐剤を挿入してください。", "アセトアミノフェン坐剤を先に挿入し、3〜5分ほどしてからジアゼパム坐剤を挿入してください。", "ジアゼパム坐剤を先に挿入し、30分以上してからアセトアミノフェン坐剤を挿入してください。", "アセトアミノフェン坐剤を先に挿入し、30分以上してからジアゼパム坐剤を挿入してください。", "アセトアミノフェン坐剤を挿入したら、直ちにジアゼパム坐剤を挿入してください。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "熱性けいれんに対して、アセトアミノフェン坐剤とジアゼパム坐剤を併用する場合には、ジアゼパム坐剤を挿入し、その後、30分以上してからアセトアミノフェン坐剤を挿入する。<理由>\n先にアセトアミノフェンを使用すると、アセトアミノフェンの基剤であるハードファットにより粘膜表面に油膜が形成される。その後、脂溶性薬物であるジアゼパムを投与すると、ジアゼパムがその油膜に分配し、吸収量が減少する。"} +{"problem_id": "103283", "problem_text": "前問の投与順を選択した理由として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセトアミノフェン坐剤とジアゼパム坐剤を同時に投与すると、直腸内で両主薬の溶解度が上昇し、吸収量が増加する。", "アセトアミノフェン坐剤とジアゼパム坐剤を同時に投与すると、主薬間で不溶性の複合体を形成し、吸収量が減少する。", "ジアゼパム坐剤を先に投与すると、アセトアミノフェンがマクロゴールに分配し、吸収量が減少する。", "アセトアミノフェン坐剤を先に投与すると、ジアゼパムがハードファットに分配し、吸収量が減少する。", "マクロゴールによってハードファットが不溶化し、アセトアミノフェンの溶出量が減少する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "問282解説参照"} +{"problem_id": "103284", "problem_text": "52歳男性。食道がんの手術後に完全静脈栄養による治療を受けていた。ビタミンB_{1}不足による乳酸アシドーシスの疑いでチアミン塩化物塩酸塩を急速静注したが、効果が不十分であったため7%炭酸水素ナトリウム注射液40mLを輸液500 mLに混合して点滴投与する予定である。2種以上の注射剤・輸液剤を混合する際に生じる配合変化について、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ある特定のイオンの存在で沈殿を生じることがある。", "pHの異なる注射剤を混合する場合は、製剤中の主薬の溶解性が低下することがある。", "溶解補助剤を使用した難水溶性の薬剤を含む注射剤は、輸液剤で希釈すれば主薬の析出を回避できる��", "コロイドを含む注射剤と電解質輸液を混合すると、コロイドが凝集することがある。", "糖とアミノ酸を含む輸液を混合すると、褐色に着色することがある。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n例)炭酸イオンやリン酸イオンを含む注射液は、カルシウムイオンの存在で難溶性の沈殿を生じることがある。2:正しい\n酸性注射液とアルカリ性注射液を混合すると、pHの変動により主薬の溶解性が低下し、主薬が沈殿・析出することがある。3:誤っている\n溶解補助剤を使用した難水溶性の薬剤を含む注射剤を輸液で希釈すると、溶解補助剤が希釈され、主薬が析出しやすくなる。4:正しい\nコロイドを含む注射剤と電解質輸液を混合すると、塩析や凝析などによりコロイドが凝集することがある。塩析: 親水性コロイドに多量の電解質を加えることにより起こる凝集現象\n凝析: 疎水性コロイドに少量の電解質を加えることにより起こる凝集現象\n5:正しい\n還元糖とアミノ酸を含む輸液を混合すると、メイラード反応によりメラノイジン(褐色色素)が生成され、輸液が褐色に着色することがある。"} +{"problem_id": "103285", "problem_text": "表は、各輸液の成分濃度を示している。炭酸水素ナトリウム注射液との混合で、配合変化が生じる可能性が最も高い輸液剤はどれか。1つ選べ。ただし、電解質の濃度はmEq/L、ブドウ糖の濃度はw/v%である。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "炭酸水素ナトリウム注射液には炭酸イオンが含まれており、カルシウムイオンを含む輸液と混合すると炭酸カルシウムが形成され、白色の沈殿を生じる可能性がある。"} +{"problem_id": "103286", "problem_text": "24歳男性。悪性リンパ腫に対して外来化学療法を実施予定である。外来化学療法室で、薬剤師がレジメンチェックを行った。医師に確認又は提案すべき内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["リツキシマブ注射剤の投与前に、B型肝炎ウイルス感染の有無と確認する。", "シクロホスファミド水和物注射剤の投与後は、しびれなどの末梢神経障害の発現に注意する。", "ドキソルビシン塩酸塩注射剤の投与が長期化する際には、総投与量(累積投与量)に注意する。", "ビンクリスチン硫酸塩注射剤の投与後は、出血性膀胱炎の発現に注意する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)で、リツキシマブ注射剤の投与により、B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎又は肝炎があらわれることがあり、死亡に至った症例が報告されている。このことから、リツキシマブ注射剤投与に先立ってB型肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこととされている。2:誤\nシクロホスファミド水和物注射剤は、副作用としてしびれなどの末梢神経障害を発現するとの報告はない。なお、本処方のうち、副作用としてしびれなどの末梢神経障害を発現するのは、ビンクリスチン硫酸塩注射用である。3:正\nドキソルビシン塩酸塩注射剤は、総投与量(累積投与量)が500 mg/m^{2}を超えると心毒性が現れることがあるため、ドキソルビシン塩酸塩注射剤の投与が長期化する際には、総投与量(累積投与量)に注意する必要がある。4:誤\nビンクリスチン硫酸塩注射剤は、副作用として出血性膀胱炎を発現するとの報告はない。なお、本処方のうち、副作用として出血性膀胱炎を発現するのは、シクロホスファミド水和物注射用である。"} +{"problem_id": "103287", "problem_text": "R-CHOP療法の実施により、急に尿量の減少と浮腫を認めたため外来受診した。その際に血液検査で認められる異常所見として可能性が高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["高尿酸血症", "低カリウム血症", "高ナトリウム血症", "高カルシウム血症", "高リン血症"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "本症例のように抗がん剤を用いて悪性リンパ腫を治療すると、腫瘍崩壊症候群が認められることがある。腫瘍崩壊症候群では、腫瘍細胞の崩壊により、細胞内に多く存在するカリウム、リン酸、尿酸が血液中に放出され、高カリウム血症、高リン血症、高尿酸血症を起こすことがある。また、リン酸が放出されることにより、リン���とカルシウムがリン酸カルシウムとなり、2次的に血清カルシウム値は低下する。"} +{"problem_id": "103288", "problem_text": "68歳男性。体重60 kg。高血圧症及び便秘のため下記の処方薬を服用していた。患者は日中に町内会の夏祭りの準備をしており、水分摂取を忘れるほど夢中に作業をしたところ、体調不良となり救急搬送された。救急搬送時の体温は38.5^{\\circ} C。血液検査で、血清クレアチニン値が前回受診時の0.8mg/dLから2.5 mg/dL へと上昇しており、急性腎不全の診断となった。この患者の薬学的管理に関する提案のうち、適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ロキソプロフェンナトリウム水和物錠の投与", "酸化マグネシウム錠の中止", "エナラプリルマレイン酸塩錠の中止", "トリクロルメチアジド錠の中止", "レボフロキサシン水和物錠の投与"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "本患者は、水分摂取をせずに、日中に町内会夏祭りの準備をしていたことにより体温上昇を認めていることから、熱中症となりそれにより急性腎不全を発症したと推察される。1:適切ではない\n熱中症による体温上昇に対して、ロキソプロフェンナトリウム水和物錠を投与しても体温を低下させることはできない。2:適切である\n熱中症による急性腎不全を呈していることから、酸化マグネシウムの投与により高マグネシウム血症を誘発する可能性がある。そのため、酸化マグネシウム錠の中止を検討する必要がある。3:適切である。熱中症による急性腎不全を呈していることから、エナラプリルマレイン酸塩の投与により過度の血圧降下、腎機能障害を誘発する可能性がある。そのため、エナラプリルマレイン酸塩錠の中止を検討する必要がある。4:適切である\n熱中症による急性腎不全を呈していることから、トリクロルメチアジドの投与により腎機能をさらに悪化させる可能性がある。そのため、トリクロルメチアジド錠の中止を検討する必要がある。5:適切ではない\n本患者は感染症には罹患していないため、レボフロキサシン水和物錠を投与することは不適切である。"} +{"problem_id": "103289", "problem_text": "急性腎不全の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["不可逆的に腎機能が低下する。", "低カリウム血症が起こる。", "腎前性の場合は尿中ナトリウム低値を伴う乏尿が起こる。", "ビタミンD活性化障害により腎性貧血が認められる。", "脱水は急性腎不全の危険因子である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n急性腎不全とは、ショックや熱中症による脱水、出血などにより腎血流量及び糸球体ろ過量が低下し、腎機能の低下をきたす疾患のことである。急性腎不全では、一般に可逆的な腎機能低下が認められ、適切な治療を行うと腎機能は回復する。"} +{"problem_id": "103290", "problem_text": "74歳男性。喘息にて近医から下記の薬剤(処方1及び処方2)が処方されていた。呼吸困難を自覚しており、禁煙したにもかかわらず、症状が改善しないため、呼吸器内科を受診したところ、新たにCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断され、追加の処方(処方3)が行われた。吸入剤の服薬指導に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["加圧式定量噴霧吸入器は吸気と噴霧の同調が必要でないため、任意のタイミングで吸入するように説明する。", "ドライパウダー吸入器は自己の吸気で吸入を行うため、十分な吸気力があるかを確認する。", "吸入薬は、内服薬と同等の全身性の副作用があると伝える。", "吸入指導を行う場合は、口頭説明だけではなく、吸入練習器具を用いて実践させることが望ましい。", "喘息発作時にはオルベスコを使用するように伝える。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n加圧式定量噴霧吸入器は、エアゾールとして薬剤を吸入させる吸入器であり、吸入時、吸気と噴霧の同調が必要である。そのため、加圧式定量噴霧吸入器を使用する際には、薬剤噴霧のタイミングに合わせて吸入するように説明する必要がある。なお、加圧式定量噴霧吸入器では、噴霧剤により薬剤が末梢気道や肺に到達するため、ゆっくり吸入するように説明する必要がある。2:正\n3:誤\n吸入薬は内服薬に比べ全身性の副作用が少ないとされている。4:正\n5:誤\nオルベスコは、気管支喘息のコントロール(発作予防薬)として用いられるが、リリーバー(発作改善薬)としては用いられない。"} +{"problem_id": "103291", "problem_text": "本患者の肺機能検査の結果、以下のような検査値が得られた。また、緑内障を合併していないことを確認した。本患者の病態及び薬物治療における注意点として、正しいのはどれか。2つ選べ。努力肺活量(FVC)2.72 L(予測値: 2.98 L)、1秒量(FEV1.0)1.42 L(予測値: 1.86 L)、PaO_{2}75 Torr、PaCO_{2}46 Torr、血液pH 7.37", "choices": ["可逆性の換気障害が特徴的である。", "50%≦%FEV<80%であるので、病期はII期中等症である。", "処方3の薬剤を使用するにあたって、排尿障害があるか否かを確認する必要がある。", "感染の重症化を防ぐため、インフルエンザワクチン及び肺炎球菌ワクチンを年1回、接種するように指導する。", "在宅酸素療法の適応となる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "103292", "problem_text": "28歳女性。1ヶ月ぐらい前から動悸、手指の震えがあり、発汗が多くなったため近医を受診したところ、バセドウ病と診断され下記の薬剤が処方された。患者への説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["催奇形性の報告があるので、薬剤服用中は妊娠を避けるよう説明する。", "甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬であると説明する。", "規則的に数ヶ月間服用し、症状が改善したら減薬できると説明する。", "海藻類を積極的に摂取するように説明する。", "定期的な血液検査の必要性を説明する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3", "5(いずれか2つ選択で正解とする)"], "comment": "1:誤\nプロピルチオウラシルを妊娠又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、定期的に甲状腺機能検査を実施し、甲状腺機能を適切に維持するように投与量を調節することとされている。また、本剤は、妊娠中の投与に関する安全性は確立しておらず、胎児に甲状腺腫、甲状腺機能抑制を起こすとの報告がある。2:正\nプロピルチオウラシルは、甲状腺ホルモンの産生・分泌を抑制する作用を有する。3:正\nプロピルチオウラシルの用法・用量を以下に示す。プロピルチオウラシルとして、通常、成人に対しては、初期量1日300 mgを経口投与する。症状が重症のときは1日400〜600 mgを経口投与する。機能亢進症状がほぼ消失したなら1〜4週間ごとに漸減し、維持量1日50〜100 mgを経口投与する。上記より、本剤服用により症状が改善したら減薬することが可能である。4:誤\n海藻類には、甲状腺ホルモンの原料であるヨウ素が多く含まれているため、バセドウ病に罹患している患者は海藻類の摂取を控える必要がある。5:正\nプロピルチオウラシルは重大な副作用として、無顆粒球症、白血球減少症を起こすことがあるため、定期的に血液検査を行い、異常が認められた場合は投与を中止するなど適切な処置を行うこととされている。"} +{"problem_id": "103293", "problem_text": "服薬を開始して2週間後に38.5^{\\circ} Cの発熱と強い咽頭痛を認めたため受診した。血液検査では、赤血球数390\\times 10^{4}\\micro L、ヘモグロビン12.2 g/dL、白血球数1,000 /\\micro L、好中球数350 / \\micro L、血小板数44\\times 10^{4}/ \\micro L、CRP 6.7 mg/dLであった。本症例の今後の薬物治療として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方薬6錠/日を継続しながら抗菌薬を追加投与する。", "処方薬を3錠/日に減量して、抗菌薬を追加投与する。", "処方薬を一旦中止して、発熱が消失した後に再開する。", "処方薬をチアマゾール錠に変更する。", "処方薬を中止する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本患者は症状として、38.5^{\\circ}\nCの発熱及び強い咽頭痛を認めていることに加え、血液検査では、白血球数(基準値:\n4000〜9000\n/\\micro\nL)、好中球数(基準値:\n1500〜6500\n/\n\\micro\nL)が低値を示し、また、CRP(基準値:\n0.45\nmg/dL以下)が高値を示していることから、プロピルチオルラシルの副作用である無顆粒球症、白血球減少症を起こしている可能性がある。よって、本症例では直ちに本剤を中止する必要がある。"} +{"problem_id": "103294", "problem_text": "26歳男性。統合失調症の診断を受け、ハロペリドールを処方されていた。手の震え、体のこわばりやアカシジア(静座不能)などの副作用の出現により服薬を自己中断するため、入退院を繰り返している。3ヶ月前から以下の処方に変更となった。<3ヶ月前の検査データ> 体重68 kg、空腹時血糖110 mg/dL、LDLで(低密度リポタンパク質コレステロール)130 mg/dL、HDL-C(高密度リポタンパク質コレステロール)47 mg/dL、TG(トリグリセリド)120 mg/dL 現在、患者の精神状態は安定しているが、食欲が亢進し、栄養指導しても過食になることが多い。<現在の検査データ> 体重76 kg、空腹時血糖110 mg/dL、LDL-C 138 mg/dL、HDL-C 42 mg/dL、TG150mg/dL 服薬指導の際に、患者から「体重増加は困るので、薬を変えて欲しい」との訴えがあった。この患者の病態及び治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["オランザピンの服用により糖尿病を発症している。", "錐体外路症状は、漏斗下垂体のドパミン神経の過剰興奮によって起こる。", "オランザピンはハロペリドールよりも錐体外路症状を起こしにくい。", "オランザピンによる悪性症候群の発症はない。", "体重増加はオランザピンに特徴的な副作用であり、他の抗精神病薬では認めない。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n本患者は3ヶ月前よりオランザピン錠の服用を開始しており、3ヶ月前と現在では、空腹時血糖に変化が見られないことから、オランザピンの服用により糖尿病を発症しているとは考えられない。なお、オランザピンは重大な副作用として、高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡を起こすことがある。2:誤\n錐体外路症状は、黒質-線条体系のドパミン神経の機能低下により起こる。なお、漏斗下垂体のドパミン神経の過剰興奮により、プロラクチンの分泌抑制が認められる。3:正\n定型抗精神病薬(ハロペリドール等)に比べ、非定型抗精神病薬(オランザピンなど)では、副作用として錐体外路障害を起こしにくい。4:誤\n悪性症候群は、ドパミン系の急激な機能低下により誘発されることがある。オランザピンは、ドパミンD_{2}受容体遮断作用を有することから、副作用として悪性症候群を起こすことがある。5:誤\nヒスタミンH_{1}受容体遮断作用を有する抗精神病薬では食欲増進作用により体重増加をきたすことがある。また、抗精神病薬の中には代謝へ影響を与え体重増加をきたすものがある。よって、オランザピン以外にも副作用として体重増加をきたす抗精神病薬がある。"} +{"problem_id": "103295", "problem_text": "薬剤師が患者の訴えを医師に伝えたところ、代替薬を検討することになった。副作用発現の観点から推奨できる薬物として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["クロルプロマジン塩酸塩", "クロザピン", "クエチアピンフマル酸塩", "スルピリド", "アリピプラゾール"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本患者は、以前にハロペリドールの副作用である錐体外路症状(手の震え、体のこわばりやアカシジア(静座不能)など)を起こしたことがあるため、定型抗精神病薬を選択することはできない。また、本患者は「体重増加は困るので、薬を変えて欲しい」との訴えがあるため、体重増加きたしにくい非定型抗精神病薬を選択する必要がある。選択肢のうち、非定型抗精神病薬であり体重増加をきたしにくい薬物は、アリピプラゾールである。"} +{"problem_id": "103296", "problem_text": "56歳男性。以下の処方箋を持って薬局を訪れた。足裏と足側面にかゆみ、水疱、皮膚の剥離などの症状が出現し、皮膚科外来を受診したとのことであった。この外用剤を使用する際に伝えるべき注意点として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["症状の改善が認められたら、徐々に塗布回数を減らす。", "アキレス腱周囲ぐらいまで広めに塗布する。", "患部は保湿に心がける。", "塗布した状態で日光にあたらない。", "塗布部位に発赤などが生じたら、使用を中止する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "足裏と足側面にかゆみ、水泡、皮膚の剥離などの症状が現れていることに加え、抗真菌薬であるラノコナゾールが処方されていることから、本患者は足白癬に罹患している可能性が高い。1:誤\n足白癬に対して薬を使用し、症状が改善してもその時点では白癬菌がまだ生息している可能性が高い。そのため、症状が改善してもそれから約1ヵ月間は薬を使用する必要がある。2:正\n足白癬の原因菌である白癬菌は、病変部より広範囲に生息していることが多い。そのため、抗白癬菌の塗り薬を使用する際には、病変部より広範囲に塗布する必要がある。3:誤\n白癬菌は高温多湿環境下において、増殖しやすいため、患部を乾燥させるように心がける。4:誤\n本剤は副作用として光過敏症を起こすとの報告はないため、本剤を塗布した状態で日光に当たっても特に問題ない。5:正\n本剤使用中に塗布部位に発赤などが生じたら、副作用が発現している可能性があるため、使用を中止し、受診するように指導する。"} +{"problem_id": "103297", "problem_text": "この患者の病態と処方薬に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この患者は皮膚真菌症に罹患している。", "症状と発症部位から足カンジダ症の可能性が高い。", "深在性真菌症にも有効である。", "患部のびらん症状がひどくなった場合には、内服療法へ切り替える。", "病変部位を採取し直接鏡検を行い、治癒を確認する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:正しい\n解説296参照"} +{"problem_id": "103298", "problem_text": "50歳男性。庭で草むしり中にハチに刺された。その直後に全身の掻痒感と発赤が認められ、口唇部から頚部にかけての違和感と呼吸苦が出現した。40分後に救急搬送され、治療が開始された。搬送時には、頚部、体幹、四肢に広く膨隆疹、頭部顔面全体に発赤腫脹を認め、意識はもうろう状態であった。<検査データ> 血圧78 mmHg/測定不能(収縮期/拡張期)、脈拍98bpm、呼吸数25回/min、酸素飽和度90%、体温35.8^{\\circ} C 動脈血ガス: pH7.38、PaO_{2}68 Torr、PaCO_{2} 33 Torr この患者の病態や症状に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["発症にはIII型アレルギーが関与している。", "肥満細胞からの化学伝達物質の急激な放出により、全身ショック状態になった。", "通常は原因物質侵入後5〜10分以内に症状が発現する。", "血圧低下の原因は血管透過性の低下である。", "酸素飽和度は正常である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "本症例では、ハチに刺された直後、全身の掻痒感と発赤、口唇部から頚部にかけての違和感、呼吸苦が出現していることから、アナフィラキシーショックを呈していると考えらえる。アナフィラキシーショックは、I型アレルギー反応により発症し、一般に抗原が体内に侵入後数秒から数時間以内に、肥満細胞や好塩基球からケミカルメディエーター(ヒスタミンなど)が放出される。それにより、全身の掻痒感、発赤、血管拡張や血管透過性亢進による血圧低下、気管支の浮腫による呼吸困難等を呈することがある。1:誤\n前記参照\n2:正\n前記参照\n3:正\nアナフィラキシー・ショックを起こす原因物質が非経口的に体内に侵入した場合、原因物質侵入後5〜10分以内に症状が発現する。4:誤\n前記参照\n5:誤\n本患者の酸素飽和度(通常: 96〜99%)は低下している。"} +{"problem_id": "103299", "problem_text": "初療段階でこの患者に使用する注射薬として適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム", "ヒトインスリン", "d-クロルフェニラミンマレイン酸塩", "アドレナリン", "プロプラノロール塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "アナフィラキシーショックの初療段階では、以下の薬物が投与される。・アドナリン\n心機能を増強し、血管収縮することによりショック症状を改善する。気管支を拡張し、気道を確保する。・アミノフィリン\n気管支を拡張し、気道を確保する。・副腎皮質ステロイド性薬(ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウムなど)、抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミンマレイン酸塩など)\n新たな抗原による反応を抑制する。1:適切である"} +{"problem_id": "103300", "problem_text": "70歳女性。3日前から全身倦怠感、前日から38^{\\circ} C台の発熱があった。起床時に立ち上がることができなかったため、救急搬送された。<搬送時の検査データ> 意識やや混濁、血圧82/56 mmHg、心拍数105 bpm、呼吸数23回/min、酸素飽和度93%、体温38.6^{\\circ} C、左肋骨脊柱角に叩打痛あり、白血球数16,500/\\micro L、CRP 20.8 mg/dL、BUN 41.5 mg/dL、Cr 2.3 mg/dL 尿のグラム染色では、大腸菌を疑わせるグラム陰性悍菌を多数認めた。救急外来でブドウ糖加乳酸リゲル液の点滴を行ったところ、意識状態、血圧、心拍数に改善が認められた。この時点で、抗菌薬を投与することとなった。薬剤師が推奨すべき抗菌薬として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ベンジルペニシリンカリウム", "セフトリアキソンナトリウム", "ダプトマイシン", "エリスロマイシンラクトビオン酸塩", "リネゾリド"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "本患者には、発熱があり、白血球数(基準値: 4,000〜9,000 /\\micro L)及びCRP(基準値: 0.3 mg/dL以下)が高い値を示し、また、尿のグラム染色により、大腸菌を疑わせるグラム陰性桿菌が多数認められていることから、大腸菌感染による急性腎盂腎炎を発症していると考えられる。急性腎盂腎炎の治療には、セフェム系抗生物質やニューキノロン系抗菌薬が用いられるため、薬剤師が推奨すべき抗菌薬は、セフトリアキソンナトリウムである。"} +{"problem_id": "103301", "problem_text": "本患者は敗血症と診断された。本患者の病態及び薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["敗血症では白血球が減少することはない。", "敗血症は、症状と血液検査で疑い、血液培養を行い、病因診断を行う。", "患者の治療を優先するために、抗菌薬投与後に血液培養を行う。", "発熱は十分な輸液により改善する。", "治療後には腎機能の改善を認める。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "敗血症とは、感染に対して宿主生体反応の統御不全により臓器機能不全を呈している状態のことである。本患者は、感染症により腎機能不全(BUNが高値、Crが高値)を呈していることから、敗血症に罹患していると考えられる。1:誤\n敗血症では、白血球の増加または減少を伴うことがある。"} +{"problem_id": "103302", "problem_text": "68歳男性。肝細胞がんによる肝部分切除後に痛みが出現したため疼痛治療を開始した。1ヶ月前から医療用麻薬が導入され、2週間前に増量された。今回、肝細胞がん再発の治療のため入院となった。緩和ケアチームの薬剤師は、患者へのインタビューにより、「痛みのコントロールは良好だが、2週間ほど前から眠気が強くなり昼間でも傾眠傾向あり」との情報を得た。<検査データ> NH_{3} 50 \\micro g/dL、Alb 3.0 g/dL、Na 137 mEq/L、Cl 104 mEq/L、K 5.3 mEq/L、Ca 8.7 mg/dL、BUN 25 mg/dL、Cr 1.28 mg/dL、Ccr 38.2 mL/min、腹水(-)、脳への転移(-) 薬剤師は患者の眠気の原因を考察した結果、モルヒネ硫酸塩水和物から他の鎮痛薬への変更の必要性を医師に相談することにした。薬剤師が推奨すべき薬物として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フェンタニルクエン酸塩", "プレガバリン", "オキシコドン塩酸塩水和物", "ペンタゾシン", "トラマゾール塩酸塩"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "本患者は医療用麻薬増量時(2週間前)から、眠気が強くなっていることから、モルヒネ増量により眠気が誘発されていると考えられる。麻薬による副作用が現れた場合には、オピオイドローテーション(モルヒネ製剤をオキシコドン製剤やフェンタニル製剤に変更すること)を検討する必要がある。よって、選択肢のうち、薬剤師が推奨すべき薬物は、フェンタニルクエン酸塩又はオキシコドン塩酸塩水和物である。"} +{"problem_id": "103303", "problem_text": "この患者の病態と薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["他の鎮痛薬へ変更しても、便秘は軽減できない。", "排泄障害により、モルヒネの血中濃度が上昇し傾眠傾向となっている。", "モルヒネの代謝物が、オピオイド受容体に対する作用増強の原因となっている。", "鎮痛薬の変更と同時にナロキソンを投与して傾眠を改善させる。", "腎機能の悪化が、眠気を引き起こすことになった要因として考えられる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nオピイオイドローテーションを行うことにより、副作用(悪心・嘔吐、便秘、眠気等)が軽減もしくは改善することがある。"} +{"problem_id": "103304", "problem_text": "産婦人科の医師から、医薬品情報室に「帝王切開前の皮膚消毒に用いる消毒薬として、クロルヘキシジンとポビドンヨードのどちらが手術部位感染を予防するのに良いか。」との問い合わせがあった。情報収集の結果、クロルヘキシジン(2%クロルヘキシジングルコン酸塩+イソプロピルアルコール)群と、ポビドンヨード(8.3%ポピドンヨード+イソプロピルアルコール)群を比較した論文を見出し、表に基づいて説明した。薬剤師の説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["主要評価項目は、手術部位感染の発症率と平均入院期間であった。", "クロルヘキシジン群では、ポビドンヨード群と比べて、手術部位感染のリスクが45%減少することが示されている。", "クロルヘキシジン群では、ポビドンヨード群と比べて、深部の手術部位感染のリスクは統計学的に有意に小さい。", "クロルヘキシジン群、ポビドンョード群ともに、入院期間の中央値は4日間であった。", "再入院までの期間は、クロルヘキシジン群、ポビドンヨード群においてそれぞれ19日間、25日間であった。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n主要評価項目(Primary outcome)は、手術部位感染数-感染率(Surgical-site infection-no .(%))であり、平均入院期間(Median length of hospital stay-days)ではない。なお、平均入院期間(Median length of hospital stay-days)は、副次的評価項目(Secondary outcomes)である。2:正\nクロルヘキシジン群では、相対危険度が0.55となっていることから、ポビドンヨード群と比べて、手術部位感染のリスクが45%(1-0.55=0.45)減少することが示されている。3:誤\nクロルヘキシジン群での深部の手術部位感染(Deep incisional)の95%信頼区間は0.17-1.11である。このことから、95%信頼区間が1を挟んでいるため、有意差なしと考えられる。4:正\nクロルヘキシジン群、ポビドンョード群ともに、Median length of hospital stay-daysが4であることから、入院期間の中央値(median)は4日間である。5:誤\nHospital readmission-no(%)再入院人数(%)がクロルヘキシジン群では19(3.3)、ポビドンヨード群では25(4.3)であることから、再入院の患者人数(%)がそれぞれ19人(3.3%)、25人(4.3%)である。"} +{"problem_id": "103305", "problem_text": "この研究に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この研究は介入研究である。", "Primary outcomeとは真のアウトカムのことである。", "Randomized tria1では交絡因子の制御が困難である。", "ITT解析により、当初の患者背景因子の同等性が保持されていると考えられる。", "生存時間分析を行っている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nこの研究はRandomized\ntrail(ランダム化比較試験)であり、介入研究である。"} +{"problem_id": "103306", "problem_text": "69歳女性。皮膚科を受診し、四肢の皮膚湿疹に対して以下の処方箋を持ち、初めてこの薬局を訪れた。薬剤師が薬を取りそろえる前にお薬手帳で併用薬を確認したところ、女性はラタノプロスト点眼液を処方されていた。なお、副作用歴やアレルギー歴は無いとのことであった。女性は今回の処方薬を初めて使用する。処方監査に基づく疑義照会について正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方に誤りがあり、疑義があったにもかかわらず、薬剤師が疑義照会をせず、そのため患者に健康被害が発生した場合、処方医が損害賠償責任を負うが、薬剤師は負わない。", "疑義照会は、処方医でなくても医師に行えばよい。", "処方箋中に法令に定められた事項が記載されていない場合には、疑義照会を行わなければならない。", "患者がお薬手帳を持参しない場合には、併用薬はないものとして疑義の有無を判断する。", "疑義照会による医師からの回答の内容は処方箋に記入しなければならない。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n処方に誤りがあり、疑義があったにもかかわらず、薬剤師が疑義照会もせず、患者に健康被害が生じた場合には、薬剤師も損害賠償責任を負う。疑義があったにも関わらず、疑義照会せず患者に健康被害が生じた場合には、薬剤師は以下の責任を問われる可能性がある。・民事的責任(債務不履行や不法行為による賠償責任)\n・刑事的責任(業務上過失致死障罪)\n・行政的責任(薬事法による薬剤師免許取り消し等)\n2:誤\n疑義照会は、処方医に行う。3:正\n4:誤\n患者がお薬手帳を持参しない場合は、初回質問票、薬歴にて併用薬について確認するか服薬指導時に併用薬について確認する必要がある。5:正"} +{"problem_id": "103307", "problem_text": "これらの処方の疑義照会において、変更を提案すべき処方はどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方1", "処方2", "処方3", "処方1と処方2", "処方1と処方3", "処方2と処方3"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "お薬手帳にて本患者はラタノプロスト点眼液を使用中であることから、眼圧をコントロールする必要がある状態(緑内障、高眼圧症)であると判断できる。本患者に処方されている薬のうち、ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合錠(処方1)は、眼内圧上昇により、緑内障が増悪するおそれがあるため、緑内障患者には投与禁忌とされている。"} +{"problem_id": "103308", "problem_text": "薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令(以下「体制省令」という。)には、薬局において調剤の業務に係る医療の安全を確保するために必要な措置として、従業者に対する研修が定められている。この研修として、薬局の過去のヒヤリ・ハット事例報告を薬剤師全員で確認し、以下の事例を検討した。この処方に対してノルバスク錠10mg 1回2錠(1日2錠)14日分を調剤した。薬剤交付時に患者に「高血圧の薬」であることを説明した際、患者が間違いに気づいた。ノルバデックス錠: 成分名:タモキシフェンクエン酸塩 ノルバスク錠::: 成分名:アムロジピンベシル酸塩 この事例から取り間違いの再発を防止する方法として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方箋記載の医薬品名を声出し確認するとともに、錠剤棚の貼付ラベルの医薬品名も声出し確認する。", "取り間違いをした薬剤師はその作業から外す。", "錠剤棚に「類似名称医薬品有り」の注意喚起のシールを貼る。", "類似名称医薬品の薬品棚の配置を見直す。", "類似名称医薬品の組合せ表を作成してスタッフに周知する。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "取り間違いの再発を防止する方法として\n・声出し確認する\n・「類似名称医薬品有り」等の注意喚起シールを貼る\n・類似名称医薬品の薬品棚の配置を見直す\n・類似名称医薬品の組合せ表を作成してスタッフに周知する\nは上記の対策は適切であるが、「取り間違いをした薬剤師をその作業から外す」ことは適切ではない。"} +{"problem_id": "103309", "problem_text": "研修のほか、体制省令に定められている調剤の業務に係る医療の安全を確保するために必要な措置に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医薬品の安全使用のための責任者の設置", "医薬品の安全使用等の業務に関する手順書の作成", "調剤の業務に係る医療の安全を確保するための指針の策定", "従事者から薬局開設者への事故報告体制の整備", "調剤過誤に関する懲罰の設定"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬局並びに店舗販売業および配置販売業の業務を行う体制を定める省令(体制省令)では、調剤の業務に係る医療の安全を確保するために、指針の策定、従事者に対する研修の実施その他必要な措置を講じなければならない。<薬局開設者が講じなければならない措置>\n・医薬品の使用に係る安全な管理のための責任者の設置\n・従事者から薬局開設者への事故報告の体制の整備\n・医薬品の安全使用並びに調剤された薬剤及び医薬品の情報提供のための業務に関する手順書の作成及び当該手順書に基づく業務の実施\n・医薬品の安全使用並びに調剤された薬剤及び医薬品の情報提供及び指導のため必要となる情報の収集その他調剤業務に係る医療の安全及び適正な管理並びに医薬品の販売又は授与の業務に係る適正な管理の確保を目的とした改善のための方策の実施"} +{"problem_id": "103310", "problem_text": "75歳男性。パーキンソン病が進行し、レボドパ製剤に加えてセレギリン塩酸塩錠が併用されることとなった。この医療機関では、併用することとなったセレギリン塩酸塩錠は初めての採用である。薬剤師は、この患者に対して非運動症状(うつ症状、頻尿、便秘、睡眠障害など)の改善のために同時に処方される可能性がある薬剤の併用の可否及び薬剤の取扱いについて確認した。次の薬剤のうち、この男性に併用で��ないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アミトリプチリン塩酸塩", "フラボキサート塩酸塩", "ピコスルファートナトリウム", "フルボキサミンマレイン酸塩", "トリアゾラム"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "セレギリンはMAO_{B}阻害作用を有するため、セロトニン及びノルアドレナリンの分解を抑制する作用を有する。このことから、以下の薬剤と併用禁忌とされている。・三環系抗うつ薬(アミトリプチリン塩酸塩等)\n・選択的セロトニン再取り込み阻害薬(フルボキサミンマレイン酸塩等)\n・セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(デュロキセチン塩酸塩等)\n・選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(アトモキセチン塩酸塩)\n・ノルアドレナリン、セロトニン作動性抗うつ薬(ミルタザピン)"} +{"problem_id": "103311", "problem_text": "セレギリン塩酸塩錠の取扱いとして正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["厚生労働大臣の指定を受けた向精神薬卸売業者から購入する必要がある。", "かぎをかけた場所に保管しなければならない。", "麻薬を保管している金庫に保管してもよい。", "廃棄したときは、30日以内に都道府県知事に届け出なければならない。", "盗難や紛失があったときには、すみやかに都道府県知事に届け出なければならない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nセレギリン塩酸塩は、覚せい剤原料に指定されているため、都道府県知事から覚せい剤原料取扱者の指定を受けた医薬品卸売販売業者から購入する必要がある。"} +{"problem_id": "103312", "problem_text": "76歳男性。脳梗塞の既往と高血圧、脂質異常症(高脂血症)、不眠、便秘のため、以下の処方により治療を継続中である。薬局での服薬指導時に、患者から最近便が黒っぽいとの訴えがあった。薬剤師が主治医に連絡したところ、精密検査により大腸がんが見つかり、3ヶ月後に切除手術を受けることになった。入院手術前に医師と協議の上、この薬剤師が薬学的管理をすることになった。上記の処方の中で、休薬の必要性が高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1", "処方2", "処方3", "処方4", "処方5"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "本患者は大腸がんが見つかり、出血を伴う切除手術を行う予定になっていることから、血小板凝集抑制作用のある薬物又は抗凝固薬を休薬する必要がある。本患者に処方されている薬のうち、イコサペント酸エチル(選択肢2)及びシロスタゾール(処方3)は血小板凝集抑制作用を有するため、入院手術前に休薬する必要性が高い。"} +{"problem_id": "103313", "problem_text": "その後、手術では患部を取りきれず、退院時の見込みでは、日常生活を送る上で介護を要するであろうとのことであった。介護保険制度に照らした当該患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["第2号被保険者である。", "要介護認定を受けた場合に介護サービスが受けられる。", "要介護認定は都道府県が行う。", "要介護認定は疾病の重症度が判定基準とされる。", "保険料は医療保険者が徴収し社会保険診療報酬支払基金に納付する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n本患者は76歳であることから、第1号被保険者である。第1号被保険者\n市町村(特別区を含む)の区域内に住所を有する65歳以上のもの\n第2号被保険者\n市町村(特別区を含む)の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者"} +{"problem_id": "103314", "problem_text": "72歳男性。男性の家族が処方箋を持って薬局を訪れた。薬を取りそろえる前に薬剤師が家族に服薬状況を確認したところ、錠剤やカプセル剤のような固形物の服用が難しいことが判明した。処方箋はすべて一般名処方であり、患者の希望があるので後発医薬品での調剤が可能である。薬剤師は処方医に疑義照会を行い、対応策を提案することにした。この患者の特性に合わせた対応策として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["一包化", "錠剤の粉砕", "処方薬剤数の削減", "口腔内崩壊錠への変更", "服用回数の削減"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "本患者は、錠剤やカプセル剤のような固形物の服用が難しいことから、服用しやすくするために錠剤を粉砕することや口腔内崩壊錠への変更を考慮する��要がある。処方箋に記載されている錠剤を粉砕又は口腔内崩壊錠に変更することは薬剤師の判断で行うことはできないため、錠剤の粉砕及び口腔内崩壊錠へ変更する際には、処方医に疑義照会する必要がある。"} +{"problem_id": "103315", "problem_text": "この調剤を行った保険薬局は、健康保険制度に基づいて調剤報酬を請求できる。次の図は、一般的な調剤報酬の請求、審査、支払いの仕組みであり、①から⑤までは、次の用語のいずれかが当てはまる。・一部負担金等の支払い・審査済の請求書送付・調剤報酬の支払い・調剤報酬の請求・保険料の支払いこの図において、「調剤報酬の請求」はどれか。1つ選べ。", "choices": ["①", "②", "③", "④", "⑤"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "103316", "problem_text": "保険薬局で保険薬剤師が、先発医薬品から後発医薬品への変更調剤などを行う際の留意点及び患者への説明内容について確認した。変更調剤などを行う際の留意点に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、後発医薬品へ変更が可能な処方箋を応需した場合とする。", "choices": ["一般名処方では、先発医薬品の調剤を優先する。", "銘柄名処方の後発医薬品は、別銘柄の後発医薬品には変更できない。", "外用薬は、クリーム剤から軟膏剤のように剤形を変更することができる。", "変更する際は後発医薬品の適応症を確認する。", "変更調剤した薬剤の銘柄について、処方箋を発行した保険医療機関に情報提供する。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n一般名処方の場合は、先発医薬品と後発医薬品に関する説明を行い、先発医薬品又は後発医薬品に関する意向を確認し、調剤を行う必要がある。2:誤\n銘柄名処方の後発医薬品は、患者の同意を得た上で、別銘柄の後発医薬品に変更することができる。例えば、処方箋にプラバスタチン錠10 mg「A」と記載されている場合、患者の同意を得た上で、プラバスタチン錠10 mg「B」に変更調剤することができる。3:誤\n外用薬を後発医薬品に変更調剤する場合には、剤形を変更することはできない。なお、内服薬においては類似する別剤形においては、剤形を変更することができる。<類似する別剤形>\n4:正\n先発医薬品と後発医薬品では適応症が異なる場合があるため、後発医薬品に変更調剤する際には、適応症を確認する必要がある。5:正\n変更調剤した場合には、変更した銘柄について処方箋を発行した保険医療機関に情報提供する。"} +{"problem_id": "103317", "problem_text": "後発医薬品へ変更する場合の患者への説明内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["先発医薬品に比べて開発費が低く、薬の価格を安くすることができる。", "添加剤は先発医薬品と異なることがある。", "後発医薬品の薬価は、同一成分同一規格であれば、どの会社の製品でも同じである。", "臨床上の有効性・安全性が先発医薬品と同一であることが確認されている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n後発医薬品(ジェネリック医薬品)は、一般に開発費が低く、先発医薬品と比べて薬価が安いため、後発医薬品へ変更すると、薬の価格が安くなる(患者の一部負担金が安くなる)。"} +{"problem_id": "103318", "problem_text": "72歳男性。通院困難なため在宅医療を受けている。医師の訪問時に男性の家族より、夜になると咳が止まらなくなり本人が眠れていないことが伝えられた。診察の結果、次の薬剤が処方され、薬剤師が在宅にて対応することとなった。3日後、薬剤師が訪問したところ、家族から症状も改善されず痰もたまっていると報告を受けた。薬剤師が医師に対して行う提案として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アジスロマイシン錠を2日間処方延長する。", "アジスロマイシン錠をクラリスロマイシン錠に変更する。", "L-カルボシステイン錠を追加する。", "レバミピド錠を追加する。", "ツロブテロール経皮吸収型テープを追加する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nアジスロマイシン錠250 mgは半減期が長く、1日1回、1回2錠を3日間服用すると、7日間効果が持続する。そのため、本剤服用開始3日後に効果が認められない場合に、本剤を追加投与することや同じような効果を示すクラリスロマイ���ン錠に変更せず、本剤投与後7日間は様子をみる必要がある。2:誤\n解説1参照\n3:正\n症状が改善されず痰もたまっていることから、去痰薬であるL-カルボシステイン錠を追加することを提案することは適切である。4:誤\nレバミピドは胃粘膜保護薬であり、追加投与しても、本患者の症状(咳が止まらない、痰がある)が改善することはない。5:正\n本患者は咳が改善していないことから、気管支拡張薬であるツロブテロール経皮吸収型テープを追加することを提案することは適切である。"} +{"problem_id": "103319", "problem_text": "当該患者に対して、保険薬局の保険薬剤師が医療保険で行う訪問薬剤管理指導に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["訪問薬剤管理指導を行う場合、保険薬局は都道府県知事の許可を受ける必要がある。", "当該患者が介護認定を受けている場合でも、原則として医療保険が優先される。", "訪問薬剤管理指導は、医師の指示に基づいて行う。", "薬学的管理指導計画は、訪問前に策定する。", "訪問薬剤管理指導を行うにあたり、患者と薬局との契約書の作成が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n保険薬局の保険薬剤師が医療保険で行う訪問薬剤管理指導を行う場合、保険薬局は地方厚生局長に届け出る必要がある。"} +{"problem_id": "103320", "problem_text": "平成29年5月2日(火)午後7時に50代女性が母(78歳)の薬のことで自宅近くの薬局を訪れた。その女性の母は整形外科に通院しており、毎週金曜日に受診して薬を処方してもらっているが、ゴールデンウィークで整形外科が5月7日(日)まで休診であった。週明けに受診する予定だが手持ちの薬を本日で飲み切ってしまい、本人が不安を訴えているが、医師に連絡がとれないとのことであった。お薬手帳の記載内容は以下のとおり。薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["一般用医薬品のイブプロフェン錠を販売した。", "服用している医薬品は提供できないので、痛みがでても我慢するように伝えた。", "休み明けに受診し、処方箋を持参することを前提に、同じ薬を調剤し交付した。", "要指導医薬品のロキソプロフェンナトリウムテープを販売した。", "一般用医薬品のロキソプロフェンナトリウム錠を販売した。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "病院の休暇中に処方薬が切れてしまった場合、要指導医薬品、一般用医薬品で対応できそうな場合については、要指導医薬品、一般用医薬品の販売を行う(注意: 要指導医薬品については、使用者本人以外には販売できない)。1:正\n一般用医薬品のイブプロフェン錠は、ロキソニン錠と同様のNSAIDに分類されるため、腰痛を緩和するために用いることが可能である。また、一般用医薬品のイブプロフェン錠は指定第二類医薬品であることから、使用者本人でない者に販売することが可能である。2:誤\n患者が服用しているロキソプロフェンナトリウム錠60 mgと同様の成分を含む一般用医薬品(第一類医薬品)があることから、一般用医薬品を販売することにより対応することが可能である。3:誤\n処方箋を持ってくることを前提に、ロキソプロフェンナトリウム錠60 mgを調剤することはできない。4:誤\nロキソプロフェンナトリウムテープは、患者が服用しているロキソプロフェンナトリウム錠と同様の成分が含まれているテープ剤であり、腰痛を緩和するために用いることが可能であるが、要指導医薬品であるため、使用者本人以外に販売することはできない。5:正\n解説2参照"} +{"problem_id": "103321", "problem_text": "ロキソプロフェンナトリウム製剤には、医療用医薬品のほか、要指導医薬品及び一般用医薬品がある。要指導医薬品及び一般用医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["一般用医薬品は、第一類、第二類、第三類及び第四類医薬品に分類される。", "薬局製造販売医薬品は、一般用医薬品に該当する。", "薬局開設者は、要指導医薬品を、使用しようとする者以外の者に原則として販売してはならない。", "薬局開設者は、第一類医薬品を販売した場合、品名、販売日時等を書面にしなければならない。", "薬局開設者は、薬剤師不在時でも要指導医薬品を販売できる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n一般用医薬品は、第一類、第二類、第三類に分類される。"} +{"problem_id": "103322", "problem_text": "いつも薬局を訪れる女性の患者から「かかりつけ薬剤師という言葉をテレビで聞いたが、何をしてくれるのですか」と薬剤師に質問があった。質問を受けた薬剤師は患者にかかりつけ薬剤師について説明した。その内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["一般用医薬品を含めた服薬情報を一元的に管理する。", "在宅訪問し、薬剤管理指導を行う。", "医薬品や健康食品などに関する相談に対応する。", "患者が受診しているすべての医療機関の処方情報を把握する。", "休日を除いて24時間対応する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "地域包括ケアシステムの一翼を担うかかりつけ薬局には、薬に関して、いつでも相談できるかかりつけ薬剤師がいることが重要である。地域包括ケアシステムの構築に合わせて、かかりつけ薬剤師・薬局が持つべき3つの機能について以下に示す。<服薬情報の一元的・継続的管理>\n・主治医との連携、患者からのインタビューやお薬手帳の内容の把握等を通じて、患者がかかっている全ての医療機関や服用薬を一元的・継続的に把握し、薬学的管理・指導を実施。・患者に複数のお薬手帳が発行されている場合は、お薬手帳の一冊化・集約化を実施。<24時間対応・在宅対応>\n・開局時間外でも、薬の副作用や飲み間違い、服用のタイミング等に関し随時電話相談を実施。・夜間・休日も、在宅患者の症状悪化時などの場合には、調剤を実施。・地域包括ケアの一環として、残薬管理等のため、在宅対応にも積極的に関与。<医療機関等との連携>\n・医師の処方内容をチェックし、必要に応じ処方医に対して疑義照会や処方提案を実施。・調剤後も患者の状態を把握し、処方医へのフィードバックや残薬管理・服薬指導を行う。・医薬品等の相談や健康相談に対応し、医療機関に受診勧奨する他、地域の関係機関と連携。"} +{"problem_id": "103323", "problem_text": "国民がかかりつけ薬剤師を適切に選択するためには、薬局に関する情報が十分に提供されている必要がある。このため、薬局開設者には、医療を受ける者が薬局の選択を適切に行うために必要な情報として厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に報告することなどが義務づけられている。薬局に関する情報の報告について、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬局開設者は、薬局において、書面などの方法により報告した事項を閲覧できるようにする。", "薬局開設者は、報告した事項について変更が生じたときは、速やかに都道府県知事に報告する。", "報告された事項は、個人情報保護の観点から都道府県知事は公表しない。", "報告する事項には、認定薬剤師の種類及び人数が含まれる。", "報告する事項には、地域医療連携体制が含まれる。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "国民がかかりつけ薬剤師を適切に選択するために、薬局機能情報提供制度が設けられている。"} +{"problem_id": "103324", "problem_text": "85歳女性。独居。かかりつけ医を受診し、処方箋を持って薬局を訪れた。薬剤を受け取って帰宅後にこの女性から薬局に電話があり、「薬を飲んだあと首のまわりが赤くなってきた」とのことだった。薬剤師が行う対応として、優先度が高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["市販の湿疹用軟膏の手持ちがあれば使用するよう助言する。", "息苦しさや唇の腫れなどいつもと違う感じがないか確認する。", "不安に対し時間をかけてカウンセリングを行う。", "明日まで様子を見るよう助言をする。", "副作用以外の可能性を探るための質問をする。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "本患者は「薬を飲んだあと首のまわりが赤くなってきた」と訴えていることから、薬による副作用が現れている可能性があると推察される。薬の副作用が現れている可能性がある場合には、原疾患によるものか、軽微な副作用か、重度の副作用かを判断するために以下のことを確認する。服用した薬、服用量、現在の状態、服用後の時間、原疾患:等\nまた、本患者に現れている症状から、薬疹や血管浮腫が疑われるため、息苦しさや唇の腫れについて確認し、それらの症状が現れている場合には呼吸困難に陥る可能性があるので受診するように説明する。"} +{"problem_id": "103325", "problem_text": "この患者が、この電話対応から2週間後に来局したとき、相談する相手もなく心細い様子だった。この患者への対応として、適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["患者の気持ちを共感的に受け止める。", "患者の話を要約して伝えることにより、互いの理解を確認する。", "患者に同情して、薬剤師自身の体験を一方的に話す。", "患者が聞きやすい声の高さや大きさに配慮する。", "患者が自由に話しやすいように、閉じた質問をする。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:適切である\n患者に対応する際には、同情するのでなく、共感的態度で対応する必要がある。共感:\n相手の感じていることをできる限り同じように感じようとすること"} +{"problem_id": "103326", "problem_text": "50歳男性。28歳の時に胃の全摘出手術を受け、術後5年間は定期的に検査を受けていたが、それ以降は通院していなかった。数週間前より疲れやすくなり、食欲も減退したことから、クリニックを受診した。受診時には皮膚蒼白であった。血液検査の結果は以下の通りであった。白血球数6,500/\\micro L、Hb 7.9 g/dL、血小板数20\\times 10^{4}/\\micro L、MCV 140 fL、MCH 45 pg、血清鉄165 \\micro g/dL、Na 140 mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 102 mEq/L この患者に欠乏していると考えられる栄養素として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ビタミンA", "ビタミンB_{2}", "ビタミンB_{6}", "ビタミンB_{12}", "ビタミンD"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本患者は既往歴として「胃の全摘出手術」を受けており、自覚症状として「疲れやすい」「食欲の減退」があり、また、受診時には「皮膚蒼白」であることから、本患者は貧血状態にあると考えられる。<検査値の概要>\n白血球数、血清鉄、電解質(Na、K、Cl)、血小板数については基準値範囲内にある\nHb(基準値: 13.4〜17.4 g/dL)は基準値より低い。MCH(平均血球色素量、基準値: 26〜34 pg)は基準値より高い。MCV(平均赤血球容積、基準値: 80〜100 fL)は基準値より高い。上記より、本患者は大球性高色素性貧血を示す巨血芽球性貧血であると考えられる。ビタミンB_{12}及び葉酸が欠乏すると、DNA合成が障害されることにより赤芽球の分裂が抑制され、巨血芽球性貧血を起こすことがある。よって、この患者に欠乏していると考えられる栄養素は、ビタミンB_{12}である。"} +{"problem_id": "103327", "problem_text": "26歳男性。1日数回の下痢を繰り返し、また、血便が出ていたので近医を受診した。検査の結果、潰瘍性大腸炎と診断され、メサラジン錠を用いた治療を開始した。2年後、出血性下痢の増加と腹痛を認めるようになり、薬物はメサラジン錠とプレドニゾロン錠の併用に変更になった。この患者の病態と薬学的管理について、適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["服用困難な場合には、メサラジン錠を粉砕する。", "感染症にかかりやすい。", "メサラジンの副作用として、消化器症状に気をつける。", "定期的に大腸癌の検査を受ける。", "メサラジン錠服用により、潰瘍性大腸炎の完治が期待できる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:誤っている\nメサラジン錠は活性本体の5-アミノサリチル酸(5-ASA)を多孔性被膜でコーティングし、小腸から大腸の全域にわたって放出するよう製剤設計された放出制御型製剤であるため、粉砕すると、この放出調節機能が失われることから粉砕することは望ましくない。2:正しい\n本患者は、副腎皮質ステロイド製剤を服用していることから、易感染状態にある。3:正しい\nメサラジンは副作用として、消化器症状(下痢、下血、血便、腹痛等)を起こすことがある。4:正しい\n本患者が罹患している潰瘍性大腸炎は、大腸癌に移行することがあるため、定期的に大腸癌の検査(大腸内視鏡検査等)を受ける必要がある。5:誤っている\nメサラジンの服用により、本疾患の病因を改善することはできないため、潰瘍性大腸炎の完治は期待できない。"} +{"problem_id": "103328", "problem_text": "8歳男児。湿疹により皮膚科を受診した。母親が処方箋を持って薬局を訪れた。母親からの聞き取りで錠剤が飲めないことが判明したため、処��医に疑義照会してレボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%への処方変更を提案した。提案した処方薬の1回量及び全量として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["1回量2.5 mL 全量35 mL", "1回量2.5 mL 全量70 mL", "1回量5 mL 全量35 mL", "1回量5 mL 全量70 mL", "1回量10 mL 全量35 mL", "1回量10 mL 全量70 mL"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "<レボセチリジン塩酸塩錠5 mg投与による1回量、投与全量に含まれる成分量を求める>\n1回量に含まれる成分量: 5 mg/錠\\times 0.5錠=2.5 mg\n投与全量に含まれる成分量: 5 mg /錠\\times 1錠/日\\times 7日=35 mg\n<成分量よりレボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%の1回量、投与全量を求める>\nシロップには0.05%(0.5 mg/mL)の成分が含有されていることから、レボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%の1回量、投与全量を以下のように求めることができる。1回量: 2.5 mg/0.5 mg/mL=5 mL\n投与全量: 35 mg/0.5 mg/mL=70 mL"} +{"problem_id": "103329", "problem_text": "58歳男性。CD20陽性のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断され、R-CHOP療法による治療が行われることになり、薬剤師は以下の処方を確認した。1コース期間: 3週間 総コース数: 6〜8コース d-クロルフェニラミンマレイン酸塩錠2 mg 1錠及びイブプロフェン錠200 mg 1錠を服用する。担当医師に提案すべき内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["リツキシマブの点滴速度は少しずつ上げていく。", "グラニセトロンは、リツキシマブの後に投与する。", "ドキソルビシン塩酸塩の点滴速度は少しずつ上げていく。", "d-クロルフェニラミンマレイン酸塩とイブプロフェンは、リツキシマブの投与開始3分前に投与する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n<リツキシマブの用法・用量の関する使用上の注意(添付文書: 一部抜粋)>\n初回投与時は、最初の30分は50 mg/時の速度で点滴静注を開始し、患者の状態を十分観察しながら、その後注入速度を30分毎に50 mg/時ずつ上げて、最大400 mg/時まで速度を上げることができる。また、2回目以降の注入開始速度は、初回投与時に発現した副作用が軽微であった場合、100 mg/時まで上げて開始し、その後30分毎に100 mg/時ずつ上げて、最大400 mg/時まで上げることができる。なお、患者の状態により、注入開始速度は適宜減速すること。上記より、リツキシマブの点滴速度は少しずつあげて投与することが可能である。2:誤シクロホスファミド水和物を投与することにより、抗悪性腫瘍薬による嘔吐を誘発する可能性がある。そのため、抗悪性腫瘍薬による嘔吐を抑制する目的でグラニセトロン(5-HT_{3}受容体遮断薬)をシクロホスファミドの前に投与する必要がある。3:誤\n<ドキソルビシン塩酸塩注射液の適用上の注意(添付文書: 一部抜粋)>\n静脈内投与により血管痛、静脈炎、血栓を起こすおそれがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。上記より、ドキソルビシン塩酸塩の点滴速度は少しずつ上げていくことは適切ではない。4:正\n<リツキシマブの用法・用量の関する使用上の注意(添付文書: 一部抜粋)>\n本剤投与時に頻発してあらわれるinfusion reaction(発熱、悪寒、頭痛等)を軽減させるために、本剤投与の30分前に抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤等の前投与を行うこと。また、副腎皮質ホルモン剤と併用しない場合は、本剤の投与に際して、副腎皮質ホルモン剤の前投与を考慮すること。上記より、infusion reaction(発熱、悪寒、頭痛等)を軽減させるために、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン薬)とイブプロフェン(解熱鎮痛剤)は、リツキシマブの投与開始30分前に投与する必要がある。"} +{"problem_id": "103330", "problem_text": "腎機能不全に対する配慮が必要な患者に高カロリー輸液の調製を行う際、ブドウ糖含有率50%の基本輸液500 mL、脂肪乳剤(ダイズ油20%)100 mL、高カロリー輸液用微量元素製剤(2 mL)、総合ビタミン剤(5 mL)を準備した。この組成に加える総窒素量8.1 mg/mLの総合アミノ酸輸液の量として最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、NPC/N比を400、脂肪乳剤(ダイズ油20%)100mLに含まれる熱量を200 kcalとする。", "choices": ["100 mL", "400 mL", "800 mL", "1,000 mL", "1,500 mL"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "加える総窒素量8.1 mg/mLの総合アミノ酸輸��量をX mLとすると、窒素量(N)を求めることができる。<窒素量(N)を計算する>\n窒素量=8.1 mg/mL\\times X mL=0.0081X g\n\nブドウ糖によるエネルギー量=50%\\times 500 mL\\times 糖のAtwater係数=250 g\\times 4 kcal /g=1000 kcal\nNPC=ブドウ糖によるエネルギー+脂肪によるエネルギー=1000 kcal+200 kcal=1200 kcal\n<加える総窒素量8.1 mg/mLの総合アミノ酸輸液量をX mLを計算する>\nNPC/N比を400とすることから、400=(1000+200)/0.0081Xが成立する。上記より、X=370.4 mL"} +{"problem_id": "103331", "problem_text": "細菌、真菌、ウイルス感染の拡大防止に用いるため、次亜塩素酸ナトリウム濃度6%の消毒液を購入した。0.02%(200 ppm)次亜塩素酸ナトリウム消毒液1 Lを調製する方法として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["消毒薬の原液100 mLに水を加え全量を1 Lとし、この液100 mLを採取し、これに水を加えて全量1 Lとする。", "消毒薬の原液5 mLに水を加え全量を150 mL とし、この液100 mLを採取し、これに水を加えて全量1 Lとする。", "消毒薬の原液10 mLに水を加え全量を500 mL とし、この液100 mLを採取し、これに水を加えて全量1 Lとする。", "消毒薬の原液50 mLに水を加え全量を500 mLとし、この液10 mL を採取し、これに水を加えて全量1 Lとする。", "消毒薬の原液10 mLに水を加え全量を1.5 Lとし、この液50 mLを採取し、これに水を加えて全量1 Lとする。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "103332", "problem_text": "注射液A(pH3.4、2 mL/アンプル)、注射液B(pH 8.6、2 mL/アンプル)及び注射液C(pH9よ10 mL/アンプル)をシリンジ内で混合する。薬剤師は各注射液のpH変動スケール(上図)に基づいて薬剤の調製を検討した。混合の可否及び順序として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["どの順序でも白濁するので混合できない。", "AとBを混合した後、Cを混合する。", "AとCを混合した後、Bを混合する。", "BとCを混合した後、Aを混合する。", "どの順序でも混合できる。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "\n・変化点pH\n注射液に0.1 mol/L塩酸又は0.1 mol/L水酸化ナトリウムを添加して外観変化(白濁)が現れた時点のpH\n・最終pH\n注射液に0.1 mol/L塩酸又は0.1 mol/L水酸化ナトリウム10 mLを添加しても外観変化が認められない場合のその時点におけるpH\n・移動指数\n試料のpHと変化点又は最終pHの差(絶対値)\n<緩衝能>\n緩衝能とは、外部から酸や塩基が加えられてもpHをできるだけ一定に保とうとする能力のことである。移動指数の和が小さい方が緩衝能は大きい。\n・注射剤A(pH3.4)\npH変化により白濁することはない\n・注射剤B(pH8.6)\npH4.6以下で白濁する\n・注射剤C(pH9.1)\npH変化により白濁することはない\n移動指数の和が小さく緩衝能が高い\n<注射剤A、B、Cの混合について>\n注射剤の混合では、外観変化を起こさないようにpHの近い注射剤から混合する。このことから、まずBとCを混合する。Cは緩衝能が高いため、BとCを混合することによりBの緩衝能は高くなり白濁しにくくなる。この状態にAを混合すると白濁することなく、A、B、Cを混合することが可能である。"} +{"problem_id": "103333", "problem_text": "52歳男性。腰痛のためロキソプロフェンNaを服用している。全身倦怠感が続いたため受診した。検査の結果、薬物の長期服用による慢性肝疾患が疑われ入院した。肝機能に関する検査値は以下の通りである。ただし、(::)内は正常上限値とする。AST 1,260 IU/L(35)、ALT 1,330 IU/L(35)、ALP 264 IU/L(330)、T-Bil 0.9 mg/dL(1.0)、\\gamma -GTP 40 IU/L(50) 薬物性肝障害の種類は以下のように分類される。この患者の治療に推奨する薬物はどれか。2つ選べ。", "choices": ["タウリン", "ウルソデオキシコール酸", "グリチルリチン酸", "ソホスブビル", "リバビリン"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "検査値より、本患者は肝細胞障害型の薬剤性肝障害に罹患していると推察される。◆患者の検査値◆\nALT(1,330)>2N(2\\times 35)かつALP(264)5\n肝細胞障害型の薬剤性肝障害の治療には、ウルソデオキシコール酸やグリチルリチン酸が用いられる。1:誤\nタウリンは、高ビリルビン血症における肝機能の改善に用いられる。本患者は、T-Bil(総ビリルビン)が基準値範囲内であるため、タウリンは用いられない。2:正\n3:正\n4:誤\nソホスブビルはC型肝炎治療薬であり、本患者には用いられない。5:誤\nリバビリンはC型肝炎治療薬であり、本患者には用いられない。"} +{"problem_id": "103334", "problem_text": "74歳男性。4年前に前立腺癌StageIIIとの診断により内分泌療法が開始された。今回、内分泌療法抵抗性となったため、「ドセタキセル75 mg/m^{2}、1日1回、1時間かけて点滴投与、3週間毎」を開始した。化学療法施行中、患者から「注射している所がひりひりして痛い」との訴えがあった。薬剤師が確認したところ、左前腕の点滴ルート刺入部位に腫脹を認め、薬液が皮下に漏出していた。連絡を受けた医師が直ちに点滴の注入を止めた。この患者に対する対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["留置針に残った薬液をシリンジで回収する。", "左前腕を胸より高い位置にあげる。", "漏出部位を温める。", "左前腕の漏出部位以外から点滴を再開する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "抗悪性腫瘍薬は、血管外漏出発生時の障害の程度により、非炎症性抗悪性腫瘍薬、炎症性抗悪性腫瘍薬、壊死性抗悪性腫瘍薬に分類される。ドセタキセルはその中でも壊死性抗悪性腫瘍薬に該当し、血管外漏出が発生した場合に水疱性皮膚壊死や難治性潰瘍を引き起こすことがある。1:正\nドセタキセルが血管外漏出した場合には、直ちに薬剤の投与を中止し、留置針に残った薬液をシリンジで回収する。また、浸潤している薬剤を回収するため、腫脹部位に針を刺し薬剤を吸引除去する。2:正\nドセタキセルが血管外漏出した場合には、漏出した部位(今回の場合、左前腕)を胸より高い位置にあげ、漏出部位を冷やす。3:誤\n解説2参照\n4:誤\n血管外漏出が発生した場合には、漏出した手や足からの再投与は避け、漏出していない手や足から再投与を行う。"} +{"problem_id": "103335", "problem_text": "我が国において健康被害をもたらした社会問題となった薬物とその症状又は疾病の組合せのうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "我が国において健康被害をもたらした社会問題となった薬物とその症状又は疾病の組合せのうち、誤っているのは、選択肢2である。<ソリブジンによる健康被害>\n5-フルオロウラシルとの併用により、5-フルオロウラシルの代謝が阻害され、副作用である骨髄抑制が増強した。"} +{"problem_id": "103336", "problem_text": "汎発性血管内血液凝固症の治療のため下腿末梢静脈からガベキサートメシル酸塩(以下GMと略す)を点滴投与していた患者に、投与開始6日後になって注射部位から血管に沿って静脈炎が生じた。同様事例の予防のため、考えられる対策として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["GMはできるだけ太い血管より投与するよう医療スタッフに周知する。", "GMはできるだけ短時間で投与を終えるように、点滴速度の調整を医療スタッフに周知する。", "今回起こった事例の背景要因について医療スタッフ間で情報共有する。", "GMを末梢血管から投与するときの濃度について処方監査を徹底する。", "販売名の異なるGM製剤採用にあたっては静脈炎の危険性を改めて医療スタッフに周知する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ガベキサートメシル酸塩の添付文書の記載事項を以下に示す。汎発性血管内血液凝固症に用いる場合\n<用法・用量>\n通常、成人1日量ガベキサートメシル酸塩として20〜39 mg/kgの範囲内で24時間かけて静脈内に持続投与する。<用法・用量に関連する使用上の注意(ガベキサートメシル酸塩静注用より抜粋)>\n汎発性血管内血液凝固症には、本剤は高濃度で血管内壁を障害し、注射部位および刺入した血管に沿って静脈炎や硬結、潰瘍・壊死を起こすことがあるので、末梢血管から投与する場合、本剤100 mgあたり50 mL以上の輸液(0.2%以下)で点滴静注することが望ましい。1:正しい\n本剤を細い血管より投与すると、血管壁を障害する可能性があるため、できるだけ太い血管より投与することが望ましい。2:誤っている\n本剤は24時間かけて持続投与することとされている。(添付文書記載事項参照)\n3:正しい\n4:正しい\n本剤は高濃度で血��内壁を障害する可能性がある。そのため、本剤を抹消血管から投与する場合には、濃度について処方監査を徹底する必要がある(添付文書記載事項参照)\n5:正しい"} +{"problem_id": "103337", "problem_text": "サリドマイドを服用する患者への説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["紛失した場合は、処方医又は調剤した薬剤師に連絡してください。", "服用の必要がなくなった場合は、残った薬を速やかに廃棄してください。", "(男性の場合)服用中でも避妊する必要はありません。", "(女性の場合)服用開始4週間前から服用終了4週間後まで必ず避妊してください。", "服用中でも授乳してもかまいません。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "<サリドマイド製剤安全管理手順: TERMS(Thalidomide Education and Risk Management System)>\nサリドマイドは、過去に四肢奇形などの重度の先天異常や胎児死亡(薬害)を引き越したことがある。そのため、サリドマイドによる薬害を二度と繰り返さないようサリドマイドの使用と管理について厳重に監視するとともに、サリドマイドを必要とする患者に適正に使用されることを目的とし、医療従事者向けの「サリドマイド製剤安全管理手順」が作成された。1:正\nTERMSにおいて、患者が本剤を紛失した場合は、患者又は薬剤管理者が、調剤元の医療機関の責任薬剤師等へ報告することとされている。2:誤\nTERMSにおいて、本剤の服用中止等の理由で不要薬が発生した場合は、患者又は薬剤管理者は不要薬を調剤元の医療機関の責任薬剤師等へ返却することとされている。3:誤\n男性については、本剤服用開始時から本剤服用中止4週間後まで妊娠を回避する必要がある。4:正\n妊娠する可能性のある女性については、本剤服用開始4週間前から本剤服用中止4週間後まで妊娠を回避する必要がある。5:誤\n本剤服用開始時から本剤服用中止4週間後まで授乳を避ける必要がある。"} +{"problem_id": "103338", "problem_text": "65歳男性。3年前から高血圧症を指摘され、治療中である。5ヶ月前から空咳が続き、検診で右肺に陰影を指摘されていた。最近は血痰が混じるようになり、精査加療目的のため入院となった。精査の結果、非小細胞肺がん(扁平上皮がん、stage IV)と診断された。<患者情報・検査値> 身長165 cm、体重60 kg、体長面積1.6 m^{2}、血圧120/75 mmHg、脈拍65回/min 喫煙歴40年(30本/日) この患者の肺がん発症リスクの指標となるブリンクマン指数はどれか。1つ選べ。", "choices": ["20", "30", "40", "1,200", "10,950"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ブリンクマン指数は以下の式より求めることができる。ブリンクマン指数=喫煙本数\\times 喫煙年数\n上記の式より本患者のブンンクマン指数は、30\\times 40=1,200となる。"} +{"problem_id": "103339", "problem_text": "28歳男性。双極性障害のために炭酸リチウム錠とバルプロ酸ナトリウム徐放錠で治療を行っている。今回、うつ症状の改善がみられないため、主治医よりラモトリギン錠を追加したいと薬剤部に相談があった。バルプロ酸ナトリウム徐放錠とラモトリギン錠の併用に関する情報提供の内容について適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ラモトリギン錠はバルプロ酸ナトリウム徐放錠と併用禁忌である。", "両剤の併用で血糖値上昇が考えられるので、定期的な検査を実施する。", "併用開始後2週間までは、ラモトリギン錠を隔日投与する。", "両剤の併用で血中アンモニア濃度の上昇が考えられるので、定期的な検査を実施する。", "両剤の併用でラモトリギンの半減期が短くなるため、投与量を漸増する。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "ラモトリギン錠については「重篤な皮膚障害」について安全性速報(ブルーレター)が発出されている。<ラモトリギン使用時の注意>\n(参考資料: ラモトリギンの安全性速報)"} +{"problem_id": "103340", "problem_text": "現在は痛風関節炎等の症状は認められないが、近医を受診した。検査の結果、尿酸排泄低下型の高尿酸血症と診断され、薬物治療を行うことになった。<検査データ> 尿酸値9.3 mg/dL、eGFR 23mL/分/1.73 m^{2}、AST 35U/L、ALT 33 U/L、LDH 230 U/L、ALP 340 U/L、\\gamma -GTP 65 U/L 本患者の治療に用いられる薬物として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["フェブキソスタット", "ブコローム", "���ロベネシド", "ベンズブロマロン", "ラスブリカーゼ(遺伝子組換え)"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "<薬剤を選択する上で必要なデータ>\n・尿路結石の既往歴あり\n・尿酸排泄低下型の高尿酸血症\n・尿酸値9.3 mg/dL(高尿酸血症: 尿酸値が7.0 mg/dL以上で高尿酸血症)\n・eGFR 23mL/分/1.73 m^{2}(高度な腎機能障害)\n・AST、ALT等基準値範囲内: 肝機能障害なし\n通常、尿酸排泄低下型の高尿酸血症には、尿酸排泄促進薬であるブコローム、プロベネシド、ベンズブロマロンが用いられるが、それぞれ以下の患者には投与禁忌とされている。ブコローム: 重篤な腎障害のある患者\nプロベネシド: 腎臓結石症又は高度の腎障害のある患者\nベンズブロマロン: 腎結石を伴う患者、高度の腎機能障害のある患者\n上記より、本患者には、ブコローム、プロベネシド、ベンズブロマロンを用いることはできない。また、ラスブリカーゼ(遺伝子組み換え)は、がん化学療法に伴う高尿酸血症にもちいられるため、本患者には用いられない。よって、本患者に対しては、尿酸産生抑制薬であるフェブキソスタットを用いる。"} +{"problem_id": "103341", "problem_text": "医療の高度化と専門化、さらにヘルスケアの医療概念の拡大に伴って患者・クライアント自身の主観的な価値判断を抜きにして医療を実践することができなくなってきている。このような中、医療の高度専門化やチーム医療への対応を妨げるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["インフォームドコンセント", "医療従事者中心の医療", "患者の権利の擁護", "人格の尊厳と尊重", "根拠に基づく医療"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "現在において、医療の高度化、専門化、ヘルスケアの医療概念の拡大に伴って、患者・クライアント自身の主観的な価値判断を優先して医療を実践することが求められている。このような中、医療専門化やチーム医療による対応を実現するためには、医療従事者中心の医療ではなく、患者中心の医療を実践する必要がある。"} +{"problem_id": "103342", "problem_text": "36歳女性。重症嘔吐と摂食不良により、低カリウム血症となり、L-アスパラギン酸K注射液を投与することになった。この注射処方箋で疑義照会すべき内容はどれか。1つ選べ。", "choices": ["生理食塩液の量が少ない。", "点滴速度が速い。", "L-アスパラギン酸カリウム濃度が低い。", "L-アスパラギン酸カリウムの 1日の投与量が過量である。", "L-アスパラギン酸カリウムの1日の投与量が不足である。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "L-アスパラギン酸K注射液10 mEq/10 mL/アンプル1本を生理食塩液(200 mL/ボトル)1本で希釈していることから、希釈後の溶液の濃度は10 mEq/210 mL=0.0476 mEq/mL\\fallingdotseq 47.6 mEq/Lとなる。希釈後の溶液の濃度が40 mEq/Lよりも高いことから、希釈するのに用いる生理食塩液の量が少ないと疑義照会すべきである。"} +{"problem_id": "103343", "problem_text": "68歳男性。交通外傷で右上腕を開放骨折していることが判明し、骨接合術が予定された。術前管理として薬剤師が持参薬を確認した。次の持参薬の中で手術に向けて注意の必要な薬物はどれか。2つ選べ。", "choices": ["ロスバスタチン", "タムスロシン", "ダビガトラン", "ロキソプロフェン", "テルミサルタン"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "選択肢のうち、手術にむけて注意の必要な薬物は、「ダビガトラン」と「テルミサルタン」である。<ダビガトランについて>\nダビガトランは抗凝固薬であり、手術を実施する患者では、出血の危険性が増大するため、手術や侵襲的手技の24時間前まで(完全な止血機能を要する大手術を実施する場合や出血の危険性が高い患者を対象とする場合は手術2日以上前まで)に本剤を休薬することとされている。<テルミサルタンについて>\nテルミサルタンはアンギオテンシンIIAT_{1}受容体遮断薬であり、手術時に投与すると手術時にみられる血圧低下に対するレニン-アンギオテンシン系の賦活化を抑制するため、手術前24時間は投与しないことが望ましいとされている。"} +{"problem_id": "103344", "problem_text": "APPROACH-Jは、冠動脈疾患一次予防高リスク群の脂質異常症患者に対する脂質管理目標値の妥当性および生活習慣改善が脂質コントロールに及ぼす影響を明らかにすることを目的に実施された日本人の治療実態下における実践的研究である。APPROACH-Jでは各項目の遵守をスコア化し、以下の図に示す結果が得られた。グラフから読み取れることとして、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["服薬アドヒアランスが1点上昇すると、LDL-C値は約6.6 mg/dL 減少する。", "適切な運動を維持するとLDL-C値が上昇する。", "喫煙や飲酒の制限をすると、HDL-C値が上昇する。", " 良好な食事バランスを維持すると、「LDL-C値/HDL-C値」が小さくなる。", "トリグリセリド値を改善するには、高脂質食品の制限の方が服薬アドヒアランスよりも効果が大きい。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "本設問のグラフは、各項目(服薬アドヒアランス、健康への意識など)遵守スコア1点上昇あたりのLDL-C、HDL-C、トリグリセリドの変化量(mg/dL)を示している。<グラフの見方>\n服薬アドヒアランスが1点上昇\\rightarrow LDL-C値が約6.6 mg/L減少\n1:正\n2:誤\n設問の図より、適切な運動を維持すると、LDL-C値は少し減少する。3:誤\n設問の図より、喫煙や飲酒を制限すると、HDL-C値は減少する。4:正\n設問の図より、良質な食事バランスを維持すると、LDL-C値は減少し、HDL-Cは上昇する。そのため、良好な食事バランスを維持すると、「LDL-C値/HDL-C値」が小さくなる。5:誤\n設問の図より、トリグリセリド値を改善するには、服薬アドヒアランスの方が高脂質食品の制限よりも効果が大きい。"} +{"problem_id": "103345", "problem_text": "35歳男性。乗物酔い防止薬の購入のため薬局を訪れた。男性は、自分と5歳の子供の両方が服用できる一般用医薬品を希望している。子供は錠剤やカプセル剤を服用できる。薬剤師がこの男性に勧める医薬品の成分と用量として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "本問の男性は、乗り物酔い防止薬の購入のため、来局していることから有効成分より乗り物酔いに用いられる一般用医薬品を選択する必要がある。また、5歳の子供も服用できることも希望しているため、乗り物酔い防止する一般用医薬品のうち、5歳の子供も服用できる一般用医薬品を選択する必要がある。1:正\nジフェンヒドラミンサリチル酸塩(抗ヒスタミン作用)、シプロフィリン(中枢興奮作用)は共に乗り物酔い防止薬の有効成分として用いられる。設問の有効成分を含む一般用医薬品は、マイトラベルであり、成人では1回3錠、5歳以上11歳未満では1回1錠服用することとされている。2:正\n塩酸メクリジン(抗ヒスタミン作用)、スコポラミン臭化水素酸塩水和物(副交感神経遮断作用)は共に乗り物酔い防止薬の有効成分として用いられる。設問の有効成分を含む一般用医薬品は、トラベルミンファミリーであり、成人では1回2錠、5歳以上11歳未満では1回1錠服用することとされている。3:誤\nマレイン酸フェニラミン(抗ヒスタミン作用)、アミノ安息香酸エチル(鎮吐作用)、スコポラミン臭化水素酸塩水和物(副交換神経遮断作用)、無水カフェイン(中枢興奮作用)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミン類)は乗り物酔い防止薬の有効成分として用いられる。設問の有効成分を含む一般用医薬品は、アネトン「ニスキャップ」であり、成人では、1回1カプセル服用することとされているが、15歳未満は服用しないこととされている。4:誤\n設問の有効成分を含む一般用医薬品は、催眠鎮静薬である。5:誤\n設問の有効成分を含み一般用医薬品は、かぜ薬(内用)である。"} +{"problem_id": "104001", "problem_text": "親核種よりも原子番号が1つ小さい娘核種を生成する放射壊変はどれか。1つ選べ。", "choices": ["\\alpha 壊変", "\\beta ^{-}壊変", "\\beta ^{+}壊変", "\\gamma 壊変(核異性体転移)", "自発核分裂"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "親核種よりも原子番号が1つ小さい娘核種を生成する放射壊変は、壊変により陽電子放出され、陽子が中性子となる\\beta ^{+}壊変である。1:誤\n\\alpha 壊変では、ヘリウム原子核が放出されるため、原子番号が2減少、質量数が4減少した娘核種を生成する。2:誤\n\\beta ^{-}壊変では、陰電子が放出されるため、原子番号が1増加した娘核種を生成する。なお、電子はほとんど質量を有していないため、\\beta ^{-}壊変では親核種と娘核種の質量数は同じ��なる。3:正\n4:誤\n\\gamma 壊変(核異性体転移)では、\\gamma 線(電磁波)が放出されるが、親核種と娘核種の原子番号、質量数は同じである。5:誤\n自然核分裂とは、中性子線やその他の粒子を衝突させることなく自然に起こる核分裂のことであり、重い原子核で認められる。自発核分裂では、核断片ができるとともに中性子線が放出される。"} +{"problem_id": "104002", "problem_text": "濃度未知の水酸化ナトリウム水溶液を、0.01 mol/L塩酸標準液(ファクターf=1.020)を用いて滴定したところ、滴定終点までに6.10 mLを要した。この水酸化ナトリウム水溶液中の水酸化ナトリウムの量(\\micro mol)として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["59.80", "59.8", "61.00", "62.2", "62.22"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "滴定により目的成分の量を求める際には、下記の式が用いられる。目的成分の量=標準液の濃度\\times 標準液の消費量\\times ファクターf\n上記の式より、本滴定により得られる水酸化ナトリウム水溶液中の水酸化ナトリウムの量は、0.01 mol/L\\times 6.10 mL\\times 1.020=62.22 \\micro molとなる。「有効数字を考慮した測定値の加減計算では、それぞれの数値の中で小数点以下の桁数が最も少ない数値に支配される。一方、乗除計算では、それぞれの数値の中で有効桁数が最も少ない数値に支配される。」\n目的成分の量は、乗除計算により求めることができ、また、標準液の消費量の有効桁数が3桁であることから、水酸化ナトリウム水溶液中の水酸化ナトリウムの量は「62.2(\\micro mol)」となる。"} +{"problem_id": "104003", "problem_text": "図は水の状態を示したものである。点Tにおけるギブスの相律の自由度(F)の 値として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["0", "1", "2", "3", "4"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "均一系及び不均一系において平衡が成立している場合には、相の数と状態を決める変数の間に次式の関係(相律)が成立する。F=C-P+2\nF: 自由度、C: 系の独立成分の数、P: 相の数\n図の点Tでは、固体、液体、気体の3相が存在し、また、成分が水のみであることから、P=3、C=1となり、自由度を以下のように計算できる。F=C-P+2=1-3+2=0"} +{"problem_id": "104004", "problem_text": "強酸性陽イオン交換樹脂に最も強く結合するイオンはどれか。1つ選べ。", "choices": ["塩化物イオン", "カルシウムイオン", "グリシン(双性イオン)", "硫酸イオン", "ナトリウムイオン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "強酸性陽イオン交換樹脂は、負に帯電しており、陽イオンと結合する性質を有する。陽イオン性交換樹脂には、電荷の大きいものが強く結合する性質を有することから、選択肢のうち、強酸性陽イオン交換樹脂に最も強く結合するのは、2価の陽イオンであるカルシウムイオン(選択肢2)である。"} +{"problem_id": "104005", "problem_text": "反射波を利用する画像診断法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["X 線CT", "MRI", "超音波診断法", "陽電子放射断層撮影法(PET)", "単一光子放射断層撮影法(SPECT)"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nX線コンピューター断層撮影法(X線CT、CTスキャン)は、人体の周囲にX線を発するX線管と高感度のX線検出器の対を360°回転させながら多方向から体内を透過したX線量を測定し、得られたデータをコンピューター処理することにより画像化する方法である。2:誤\nMRIは、水素原子核(プロトン)が磁気内で特定の周波数を有する電磁波に受け共鳴現象を起こしたあと、電磁波を遮断し、基底状態に戻るまでの時間を画像化する方法である。3:正\n超音波診断法は、反射された超音波を捉え、画像化していく画像診断法である。4:誤\n陽電子放射断層撮影法(PET)は、\\beta ^{+}線を放出する核種を生体内に投与し、画像化していく画像診断法である。5:誤\n単一光子放射断層撮影法(SPECT)は、\\gamma 線を放出する核種を生体内に投与し、画像化していく画像診断法である。"} +{"problem_id": "104006", "problem_text": "炭素原子の最外殻に収容されている電子数が7である反応中間体はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "<選択肢の化合物中の炭素原子の最外殻に収容されている電子の数について>\n化合物中の炭素原子に収容されている電子の数を考える際には、「水��との結合で共有される電子の数」と「価電子の数」及び「それ以外の最外殻にある電子の数」を考慮する必要がある。上記の方法により、化合物中の炭素の最外殻電子が「7」となるのは選択肢3である。選択肢3の炭素原子の最外殻に収容されてる電子数=A+B+C=7\nA: 水素との結合で共有される電子の数(6個)\nB: 価電子(0個)\nC: それ以外の最外殻にある電子(1個)"} +{"problem_id": "104007", "problem_text": "最も塩基性が強い化合物はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "選択肢のうち、最も塩基性が強い化合物は、グアニジン(選択肢1)である。グアニジンはH^{+}(プロトン)を受け取ると下記に示すように共鳴安定化するため、強い塩基性を示す。"} +{"problem_id": "104008", "problem_text": "ブタンの C2-C3 結合を回転させた際に生じる立体配座のうち、最も安定なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "ブタンの C2-C3 結合を回転させた際に生じる立体配座のうち、最も安定なのは、2位の炭素と3位の炭素に結合してるメチル基が反対方向に配置しているアンチ形が最も安定である。よって、選択肢1のブタンが最も安定である。"} +{"problem_id": "104009", "problem_text": "ヒスタミンに含まれる複素環はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "ヒスタミンは構造中にイミダゾール骨格(選択肢5)を有する。"} +{"problem_id": "104010", "problem_text": "ショウガの根茎に含まれる辛味成分はどれか。1つ選べ。", "choices": ["カプサイシン", "[6]-ギンゲロール", "a-サンショオール", "シンナムアルデヒド", "ピペリン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ショウガの根茎に含まれる辛味成分は[6]-ギンゲロールである。カプサイシン: トウガラシの果実に含まれる辛味成分\na-サンショオール: サンショウの果皮に含まれる辛味成分\nピペリン: コショウの果実に含まれる辛味成分\nシンナムアルデヒド: ケイヒの樹皮に含まれる芳香成分"} +{"problem_id": "104011", "problem_text": "図は聴覚器の断面の模式図である。1〜5 のうち、鼓膜はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "104012", "problem_text": "末梢組織から肝臓へのコレステロールの輸送を主として担う血漿リポタンパク質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["キロミクロン", "超低密度リポタンパク質(VLDL)", "中間密度リポタンパク質(IDL)", "低密度リポタンパク質(LDL)", "高密度リポタンパク質(HDL)"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "末梢組織から肝臓へのコレステロールの輸送を主として担う血漿リポタンパク質は高密度リポタンパク質(HDL)である。1:誤\nキロミクロンは、食事由来の脂質の運搬に関与する。2:誤\n超低密度リポタンパク質(VLDL)は、肝臓で合成された脂質の運搬に関与する。3:誤\n中間密度リポタンパク質(IDL)は、VLDL\\rightarrow LDLとなるまでの中間体である。4:誤\n低密度リポタンパク質(LDL)は、末梢組織へのコレステロールの運搬に関与する。5:正"} +{"problem_id": "104013", "problem_text": "RNA を構成する D-リボースはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nD-グルコースの構造である。2:誤\nD-ガラクトースの構造である。3:誤\nD-デオキシリボースの構造である。4:正\n5:誤\nD-フルクトースの構造である。"} +{"problem_id": "104014", "problem_text": "ヒト染色体において、ヌクレオソームを形成する際に、DNA が巻きつくタンパク質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アクチン", "ケラチン", "コラーゲン", "チューブリン", "ヒストン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nアクチンは、細胞骨格の一つであるアクチンフィラメントを形作る球状のタンパク質である。アクチンフィラメントは、細胞間の密着・細胞分裂・筋肉の収縮などに関与している。2:誤\nケラチンは、硬タンパク質の一種であり、毛髪や爪などに多く含まれている。3:誤\nコラーゲンは、多細胞生物の細胞外基質を構成するタンパク質であり、真皮、靭帯、腱、骨、軟骨などに多く含まれている。4:誤\nチューブリンは、細胞骨格の一つである微小管���構成するタンパク質であり、有糸分裂時の染色体の移動などに関与している。5:正\n塩基性タンパク質であるヒストンに酸性物質であるDNAが巻きつくことで、ヌクレオソームが形成される。"} +{"problem_id": "104015", "problem_text": "母乳中で二量体として存在し、乳児の感染防御を担う免疫グロブリンはどれか。1つ選べ。", "choices": ["IgA", "IgD", "IgE", "IgG", "IgM"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "母乳中で二量体として存在し、乳児の感染防御を担う免疫グロブリンはIgAである。"} +{"problem_id": "104016", "problem_text": "次のうち、食品に含まれる硝酸塩と第二級アミンから、消化の過程で胃内において生成する発がん物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ジメチルニトロソアミン", "Trp-P-1", "アフラトキシンB_{1}", "サイカシン", "プタキロシド"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n食品に含まれる硝酸塩と第二級アミンが酸性条件下(胃内)で反応すると、発ガン性を示すジメチルニトロソアミンが生成する。2:誤\nTrp-P-1は、トリプトファンを加熱することにより生成する発ガン物質である。3:誤アフラトキシンB_{1}は、Aspergillus flavusが産生する発がん物質である。4:誤\nサイカシンは、ソテツの実に含まれる発ガン物質である。5:誤\nプタキロシドは、ワラビに含まれる発がん物質である。"} +{"problem_id": "104017", "problem_text": "感染型食中毒の原因となる細菌はどれか。1つ選べ。", "choices": ["Staphylococcus aureus", "Clostridium botulinum", "Aspergillus flavus", "Kudoa septempunctata", "Campylobacter jejuni"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nStaphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)は、毒素型感染症の原因となる。2:誤\nClostridium botulinum(ボツリヌス菌)は、毒素型感染症の原因となる。3:誤\nAspergillus flavus(アスペルギルス フラバス)は、発がん物質であるアフラトキシンB_{1}を産生する。4:誤\nKudoa septempunctata(クドア セプテンプンクタータ)は、寄生虫であり、摂取すると消化器症状(下痢、吐き気、腹痛)を引き起こす。5:正\nCampylobacter jejuni(カンピロバクター ジェジュニ)は、感染型食中毒の原因となる。"} +{"problem_id": "104018", "problem_text": "原虫を病原体とする再興感染症はどれか。1つ選べ。", "choices": ["クリプトスポリジウム症", "マラリア", "重症急性呼吸器症候群(SARS)", "中東呼吸器症候群(MERS)", "コレラ"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "原虫を病原体とする再興感染症は、マラリアである。・再興感染症\nかつて存在した感染症で公衆衛生上ほとんど問題とならないようになっていたが、近年再び増加してきたもの、あるいは将来的に再び問題となる可能性がある感染症\n・新興感染症\nそれまでに明らかにされていなかった病原体に起因した公衆衛生上の問題となる感染症\n1:誤\nクリプトスポリジウム症は、原虫を病原体とする新興感染症である。2:正\n3:誤\n重症急性呼吸器症候群(SARS)は、ウイルスを病原体とする新興感染症である。4:誤\n中東呼吸器症候群(MERS)は、ウイルスを病原体とする新興感染症である。5:誤\nコレラは、細菌を病原体とする再興感染症である。"} +{"problem_id": "104019", "problem_text": "ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の主な要因となる疾患として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["脂質異常症", "COPD", "高血圧症", "骨粗しょう症", "逆流性食道炎"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは、運動器の障害により要介護になるリスクの高い状態になることである。運動器障害の原因には、運動器自体の疾患(骨粗しょう症、変形性関節炎など)と加齢による運動器機能不全などがある。"} +{"problem_id": "104020", "problem_text": "ある地域の1年間の人口動態を調べる際、必要でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["出生数", "死亡数", "老年人口", "婚姻数", "離婚数"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "人口動態とは、1年間の人口の変動を表したものであり、人口動態を調べる際には、出生数、死亡数、婚姻数、離婚数が必要となる。なお、老年人口は、年少人口、生産年齢人口と同様に人口静態の指標として用いられる。"} +{"problem_id": "104021", "problem_text": "次のうち、地球温暖��係数は最も小さいが、地球温暖化への寄与度が最も大きいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メタン", "二酸化炭素", "一酸化二窒素", "ハイドロフルオロカーボン", "六フッ化硫黄"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "選択肢のうち、地球温暖化係数は最も小さいが、地球温暖化への寄与度が最も大きいのは「二酸化炭素」である。地球温暖化係数とは、人工温室効果ガスの分子(濃度)あたりの温室効果を二酸化炭素を「1」として数値化したものである。<参考: 地球温暖化係数>\nメタン: 28、一酸化二窒素: 265\nハイドロフルオロカーボン: 12,400\n六フッ化硫黄: 23,500"} +{"problem_id": "104022", "problem_text": "化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)で定める第一種特定化学物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["クロロホルム", "四塩化炭素", "ポリ塩化ビフェニル", "2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン", "スクラロース"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、化審法で定める第一種特定化学物質は「ポリ塩化ビフェニル」である。"} +{"problem_id": "104023", "problem_text": "湖沼の富栄養化の進行に伴い、アオコを形成する藍藻類が産生し、肝毒性を示す物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ペンタクロロフェノール", "ジクロラミン", "ミクロシスチン", "ジェオスミン", "2-メチルイソボルネオール"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "アオコを形成する藻類が産生する物質として、肝毒性を示すミクロシスチン、カビ臭の原因物質であるジェオスミン、2-メチルイソボルネオールがある。なお、ペンタクロロフェノールは以前除草剤として用いられていた農薬(現在は使用禁止)であり、ジクロラミンは、水の塩素消毒時に生じる物質である。"} +{"problem_id": "104024", "problem_text": "体内組織の酸素欠乏を起こしやすく、建築物環境衛生管理基準が10 ppm以下となっている室内汚染物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["一酸化炭素", "二酸化炭素", "アンモニア", "二酸化窒素", "二酸化硫黄"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "体内組織の酸素欠乏を起こしやすく、建築物環境衛生管理基準が10 ppm以下となっている室内汚染物質は一酸化炭素である。建設物環境衛生規準(空気環境規準)を以下に示す。<参考>\n「建築物環境衛生管理基準」は、「空気環境の調整、給水及び排水の管理、清掃、ねずみ、昆虫等の防除その他環境衛生上良好な状態を維持するのに必要な措置について定める」と規定されており、高い水準の快適な環境の実現を目的とした基準である。"} +{"problem_id": "104025", "problem_text": "水域における生活環境の保全に関する環境基準において、河川にのみ定められている項目はどれか。1つ選べ。", "choices": ["水素イオン濃度(pH)", "生物化学的酸素要求量(BOD)", "化学的酸素要求量(COD)", "浮遊物質量(SS)", "溶存酸素量(DO)"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "水域における生活環境の保全に関する環境基準において、河川にのみ定められている項目は、「生物化学的酸素要求量(BOD)」である。全亜鉛、ノニルフェノール、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩については、「水生生物の保全に係る環境基準」に定められている項目である。"} +{"problem_id": "104026", "problem_text": "アゴニストの用量-反応曲線が低用量側にあるほど値が大きいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ED_{50}", "LD_{50}", "K_{D}", "pA_{2}", "pD_{2}"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "問題文の「アゴニストの用量-反応曲線が低用量側にある」という記述を「低用量でアゴニスト作用を発揮する薬物」と置き換えると問題を解きやすくなる。低用量でアゴニスト作用を発揮する薬物は、ED_{50}が小さく、EC_{50}の負の対数値であるpD_{2}は大きくなる。"} +{"problem_id": "104027", "problem_text": "ムスカリン性アセチルコリン受容体を選択的に刺激することで、消化管や膀胱の運動を亢進するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ベタネコール", "オキシブチニン", "チオトロピウム", "ネオスチグミン", "ピレンゼピン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "選択肢のうち、ムスカリン性アセチルコリン受容体を選択的に刺激することで��消化管や膀胱の運動を亢進するのは、「ベタネコール」である。1:正\n2:誤\nオキシブチニンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することにより、膀胱平滑筋の収縮を抑制する。3:誤\nチオトロピウムは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することにより、気管支平滑筋の収縮を抑制する。4:誤\nネオスチグミンは、コリンエステラーぜを阻害し、アセチルコリンの分解を抑制することによりコリン作動性神経を刺激する。5:誤\nピレンゼピンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することにより、胃酸分泌を抑制する。"} +{"problem_id": "104028", "problem_text": "自律神経節を遮断した時、交感神経節後線維の神経終末からのアセチルコリンの遊離が低下する効果器として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["心臓", "汗腺", "毛様体", "消化管", "瞳孔"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "自律神経節を遮断した時に認められる反応は、各臓器の自律神経支配に影響される。上記の表より、自律神経節を遮断した時、交感神経節後線維の神経終末からのアセチルコリンの遊離が低下するのは「汗腺」である。なお、汗腺はコリン作動性神経交感神経節後線維に支配されている。"} +{"problem_id": "104029", "problem_text": "メラトニン受容体を刺激することで不眠症における入眠困難を改善するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ブロモバレリル尿素", "ゾルピデム", "スボレキサント", "リルマザホン", "ラメルテオン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢のうち、メラトニン受容体を刺激することで不眠症における入眠困難を改善するのは、「ラメルテオン」である。1:誤\nブロモバレリル尿素は、中枢抑制作用により催眠作用を示す。2:誤ゾルピデムは、GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン結合部位に作用し、GABA_{A}の作用を増強させることにより催眠作用を示す。3:誤スボレキサントは、オレキシンOX_{1}、OX_{2}受容体に作用することにより催眠作用を示す。4:誤\nリルマザホンは、GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン結合部位に作用し、GABA_{A}の作用を増強させることにより催眠作用を示す。5:正"} +{"problem_id": "104030", "problem_text": "主に電位依存性 Na^{+}チャネルを遮断することで抗てんかん作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エトスクシミド", "ジアゼパム", "ラモトリギン", "ガバペンチン", "フェノバルビタール"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、主に電位依存性 Na^{+}チャネルを遮断することで抗てんかん作用を示すのは、「ラモトリギン」である。1:誤\nエトスクシミドは、主にT型Caチャネルを阻害することにより抗てんかん作用を示す。2:誤ジアゼパムは、GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン結合部位に作用し、GABA_{A}の作用を増強させることにより抗てんかん作用を示す。3:正\n4:誤\nガバペンチンは、電位依存性Ca^{2+}チャネルの\\alpha _{2}\\delta サブユニットに結合し、前シナプス性にCa^{2+}電流を抑制して興奮性神経伝達物質の遊離を抑制することより抗てんかん作用を示す。5:誤\nフェノバルビタールは、GABA_{A}受容体のバルビツール酸結合部位に作用し、GABA_{A}の作用を増強させることにより抗てんかん作用を示す。"} +{"problem_id": "104031", "problem_text": "Ca^{2+}チャネルを遮断することで抗不整脈作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アテノロール", "フレカイニド", "リドカイン", "ソタロール", "ベラパミル"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢のうち、Ca^{2+}チャネルを遮断することで抗不整脈作用を示すのは「ベラパミル」である。1:誤\nアテノロールは、選択的にアドレナリン\\beta _{1}受容体を遮断することで抗不整脈作用を示す。2:誤フレカイニドは、Na^{+}チャネルを遮断することで抗不整脈作用を示す。3:誤リドカインは、Na^{+}チャネルを遮断することで抗不整脈作用を示す。4:誤ソタロールは、K^{+}チャネルを遮断するとともにアドレナリン\\beta 受容体を遮断することで抗不整脈作用を示す。5:正"} +{"problem_id": "104032", "problem_text": "\\gamma -アミノ酪酸 GABA_{A} 受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、ベンゾジアゼピン系薬による呼吸��制を改善するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["デキストロメトルファン", "アセチルシステイン", "ドキサプラム", "フルマゼニル", "イプラトロピウム"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、\\gamma -アミノ酪酸 GABA_{A} 受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、ベンゾジアゼピン系薬による呼吸抑制を改善するのは「フルマゼニル」である。1:誤\nデキストロメトルファンは、延髄の咳中枢に作用することで鎮咳作用を示す。2:誤\nアセチルシステインは、気道粘液のムコタンパク質のジスルフィド結合を開裂させることで去痰作用を示す。3:誤\nドキサプラムは、主に末梢化学受容器を介して呼吸中枢を興奮させることで中枢神経抑制薬による中毒における呼吸抑制を改善する。4:正\n5:誤\nイプラトロピウムは、気管支平滑筋に存在するアセチルコリンM_{3}受容体を遮断することで気道狭窄を改善する。"} +{"problem_id": "104033", "problem_text": "モサプリドによる消化管運動亢進の作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["セロトニン 5-HT_{3} 受容体遮断", "セロトニン 5-HT_{4} 受容体刺激", "オピオイド\\micro 受容体刺激", "アセチルコリンエステラーゼ阻害", "ムスカリン性アセチルコリンM_{3}受容体刺激"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "モサプリドは、副交感神経のセロトニン5-HT_{4}受容体を刺激することにより副交感神経節後線維終末からのアセチルコリンの遊離を促進し、消化管運動を促進させる。"} +{"problem_id": "104034", "problem_text": "カモスタットの急性膵炎治療効果に関わる作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["H^{+},K^{+}-ATPase阻害", "セロトニン5-HT_{3}受容体遮断", "ヒスタミン H_{2}受容体遮断", "タンパク質分解酵素阻害", "シクロオキシゲナーゼ阻害"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "カモスタットは、トリプシンなどのタンパク質分解酵素を阻害することにより急性膵炎に治療効果を示す。"} +{"problem_id": "104035", "problem_text": "キサンチンオキシダーゼを選択的に阻害するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ベンズブロマロン", "アロプリノール", "コルヒチン", "ラスブリカーゼ", "プロベネシド"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "選択肢のうち、キサンチンオキシダーゼを選択的に阻害するのは「アロプリノール」である。1:誤\nベンズブロマロンは、腎臓の近位尿細管に存在する尿酸トランスポーターを阻害し、腎臓における尿細管の再吸収を抑制する。2:正\n3:誤\nコルヒチンは、チュブリンと結合して微小管形成を阻害する。4:誤\nラスブリカーゼは、血中の尿酸をアラントインと過酸化水素に分解し、尿中に排泄することにより血中尿酸値を低下させる。5:誤\nプロベネシドは、近位尿細管において尿酸トランスポーターを阻害し、腎臓における尿細管の再吸収を抑制する。"} +{"problem_id": "104036", "problem_text": "サルポグレラートによる血小板凝集抑制の作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["プロスタノイドIP受容体刺激", "セロトニン 5-HT_{2}受容体遮断", "シクロオキシゲナーゼ阻害", "ホスホジエステラーゼIII阻害", "トロンボキサン合成酵素阻害"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "サルポグレラートは、セロトニン5-HT_{2}受容体(G_{q}タンパク質共役型受容体)を遮断し、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制して血小板凝集を抑制する。"} +{"problem_id": "104037", "problem_text": "TNF-\\alpha に特異的に結合することで、TNF-\\alpha とその受容体の結合を阻害するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["インフリキシマブ", "プレドニゾロン", "トシリズマブ", "アバタセプト", "トファシチニブ"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nインフリキシマブは、遺伝子組換え抗ヒトTNF-\\alpha モノクローナル抗体であり、可溶性及び膜結合型TNF-\\alpha に対して選択的に結合し、血中のTNF-\\alpha の中和作用とサイトカインIL-1、6の産生を抑制する。2:誤\nプレドニゾロンは、合成糖質コルチコイドであり、サイトカインの産生を抑制する。3:誤\nトシリズマブは、ヒト化抗ヒトIL-6受容体抗体であり、IL-6受容体に結合し、IL-6が受容体に結合することを阻害���る。4:誤\nアバタセプトは、T細胞選択的共刺激調節剤であり、抗原提示細胞表面のCD80/86に結合し、CD28を介した共刺激シグナルを阻害する。5:誤\nトファシチニブは、ヤヌスキナーゼ阻害剤であり、ヤヌスキナーゼを阻害し、サイトカイン受容体を介したシグナル伝達を抑制する。"} +{"problem_id": "104038", "problem_text": "プロスタノイド TP受容体を遮断することで、抗アレルギー作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["プランルカスト", "オザグレル", "セラトロダスト", "クロモグリク酸", "メキタジン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、プロスタノイド TP受容体(トロンボキサンA_{2}受容体)を遮断することで、抗アレルギー作用を示すのは「セラトロダスト」である。1:誤\nプランルカストは、ロイコトリエン受容体遮断薬であり、ロイコトリエン受容体を遮断し、ロイコトリエンの作用を抑制することで抗アレルギー作用を示す。2:誤\nオザグレルは、トロンボキサン合成酵素を阻害し、TXA_{2}産生を抑制することで抗アレルギー作用を示す。3:正\n4:誤クロモグリク酸は、肥満細胞へのCa^{2+}の流入を抑制し、ケミカルメディエーター(ヒスタミンやロイコトリエンなど)の遊離を抑制することで抗アレルギー作用を示す。5:誤\nメキタジンは、ヒスタミンH_{1}受容体を遮断することで抗アレルギー作用を示す。"} +{"problem_id": "104039", "problem_text": "アンピシリンによる抗菌作用の標的はどれか。1つ選べ。", "choices": ["細胞膜リン脂質", "DNA依存性RNAポリメラーゼ", "リボソーム30Sサブユニット", "リボソーム50Sサブユニット", "トランスペプチダーゼ"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "アンピシリンは、\\beta ラクタム系抗菌薬であり、細胞壁合成に関与するトランスペプチターゼを阻害することにより抗菌作用を示す。"} +{"problem_id": "104040", "problem_text": "以下に示す化学構造の薬物が結合し、鎮痛作用を引き起こす作用点はどれか。1つ選べ。", "choices": ["\\gamma -アミノ酪酸 GABA_{A}受容体-Cl^{-}チャネル複合体", "ドパミンD_{2}受容体", "オピオイド\\micro 受容体", "ムスカリン性アセチルコリン受容体", "シクロオキシゲナーゼ"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "設問の構造はモルヒネであり、オピオイド\\micro 受容体に作用することにより、痛覚伝導の抑制、下行性疼痛抑制系の賦活化などにより鎮痛作用を示す。"} +{"problem_id": "104041", "problem_text": "経口投与された薬物のバイオアベイラビリティを表す式はどれか。1つ選べ。ただし、消化管管腔内からの吸収率をF_{a}、消化管及び肝臓での消失を免れた割合をそれぞれF_{g}及びF_{h}とする。", "choices": ["F_{a}・F_{g}/ F_{h}", "F_{a}・F_{g}・F_{h}", "F_{a}・F_{g}・(1-F_{h})", "F_{a}・(F_{g}+ F_{h})", "F_{a}+F_{g}+F_{h}"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "バイオアベイラビリティは、経口投与された薬物が消化管から血液に移行する割合のことであり、「F_{a}・F_{g}・F_{h}」より求めることができる。"} +{"problem_id": "104042", "problem_text": "一次性能動輸送担体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["グルコーストランスポーター GLUT1", "P-糖タンパク質MDR1", "有機アニオントランスポーター OAT1", "H^{+}/ペプチド共輸送体 PEPT1", "Na^{+}/グルコース共輸送体 SGLT2"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "・一次性能動輸送担体\nNa^{+},K^{+}-ATPase、P-糖タンパク質 MDR1\n・二次性能動輸送担体H^{+}/ペプチド共輸送体、Na^{+}/グルコース共輸送体、有機アニオントランスポーター OAT1\n・促進拡散に関与する担体\nグルコーストランスポーター GLUT1"} +{"problem_id": "104043", "problem_text": "母体から胎児への移行性が最も低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["インスリン", "エタノール", "グルコース", "チオペンタール", "バルプロ酸"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "選択肢のうち、母体から胎児への移行性が最も低いのは「インスリン」である。インスリンは分子量が大きいため、胎盤を通過しにくい。一般に、薬物の胎盤通過はpH分配仮説に従う受動拡散により行われるため、脂溶性の大きい薬物(チオペンタールなど)や分子量の小さい薬物(エ��ノールなど)が胎盤を通過しやすい。血液胎盤関門には、グルコースやアミノ酸を輸送する担体が発現しているため、グルコースやアミノ酸なども胎盤を通過しやすい。また、バルプロ酸は、血液胎盤関門に存在するモノカルボン酸輸送系により胎盤を通過するため、胎盤を通過しやすい。"} +{"problem_id": "104044", "problem_text": "体内からの消失が主に CYP1A2 による代謝である薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["テオフィリン", "デキストロメトルファン", "ファモチジン", "フェロジピン", "ワルファリン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "選択肢のうち、体内からの消失が主に CYP1A2 による代謝である薬物は「テオフィリン」である。1:正\n2:誤\nデキストロメトルファンは、主にCYP2D6により代謝され消失する。3:誤\nファモチジンは、主に腎臓から消失する。4:誤\nフェロジピンは、主にCYP3A4により代謝され消失する。5:誤\nワルファリン(光学異性体のS体)は、主にCYP2C9により代謝され消失する。"} +{"problem_id": "104045", "problem_text": "ネフロンでの能動的な薬物の分泌を行う主要な部位はどれか。1つ選べ。", "choices": ["遠位尿細管", "近位尿細管", "糸球体", "ヘンレ係蹄上行脚", "ボーマン嚢"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ネフロンは、糸球体、ボーマン嚢、近位尿細管、ヘンレ係蹄下行脚、ヘンレ係蹄上行脚、遠位尿細管で形成されている。近位尿細管には種々の担体が発現しており、それらにより能動的な薬物の分泌が行われている。"} +{"problem_id": "104046", "problem_text": "体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う薬物100 mgを急速静脈内投与したとき、投与直後の血中濃度が2 mg/L、消失速度定数が0.1hr^{-1}であった。この薬物の全身クリアランス(L/hr)はどれか。1つ選べ。", "choices": ["0.2", "2", "5", "7", "20"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "全身クリアランスCL_{tot}は消失速度定数k_{e}および分布容積V_{d}より算出することができる。また、分布容積V_{d}は静脈内投与時の投与量Dおよび投与直後の血中濃度C_{0}より算出することができる。上記の式より、この薬物の全身クリアランスを以下のように算出することができる。"} +{"problem_id": "104047", "problem_text": "体内動態が線形 1-コンパートメントモデルに従う薬物を静脈内定速注入したとき、血中濃度は下図のような推移を示した。この薬物の消失半減期(hr)に最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["2", "4", "6", "8", "10"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "線形 1-コンパートメントモデルに従う薬物を静脈内定速注入したとき、定常状態の半分の濃度に到達するまでの時間は、その薬物の半減期に該当する。設問の図より定常状態における濃度は20\\micro g/mLであることから、定常状態の半分の濃度は10\\micro g/mLである。このことから、この薬物の半減期は2時間となる。"} +{"problem_id": "104048", "problem_text": "治療薬物モニタリング(TDM)の実施が推奨される薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["イトラコナゾール", "オメプラゾール", "バンコマイシン", "ベラパミル", "モルヒネ"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "選択肢のうち、治療薬物モニタリング(TDM)の実施が推奨される薬物は、「バンコマイシン」である。バンコマイシンは、腎障害により血中濃度が変動しやすく、治療域、安全域が小さいため、治療薬物モニタリング(TDM)の実施が推奨される。"} +{"problem_id": "104049", "problem_text": "日本薬局方に基づき、溶液の濃度を(1\\rightarrow 10)で表したときの意味として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["固形の薬品1 gを溶媒10 mLに溶かす。", "液状の薬品1 gを溶媒10 mLに溶かす。", "固形の薬品1 gを溶媒に溶かして全量を10 gにする。", "液状の薬品1 gを溶媒に溶かして全量を10 gにする。", "固形の薬品1 gを溶媒に溶かして全量を10 mL にする。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "日本薬局方に基づき、「溶液の濃度を(1\\rightarrow 10)」と表した場合は、「固形の薬品1 gを溶媒に溶かして全量を10 mL にする。」ことを表している。"} +{"problem_id": "104050", "problem_text": "点眼剤の保存剤として利用される陽イオン性界面活性剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ラウ��ル硫酸ナトリウム", "レシチン", "タウロコール酸", "ベンザルコニウム塩化物", "ラウロマクロゴール"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "点眼剤の保存剤として利用される陽イオン性界面活性剤は、「ベンザルコニウム塩化物」である。ラウリル硫酸ナトリウム: 陰イオン性界面活性剤\nレシチン: 両性界面活性剤\nタウロコール酸: 胆汁酸\nラウロマクロゴール: 非イオン性界面活性剤"} +{"problem_id": "104051", "problem_text": "せん断応力の増加に伴い、みかけ粘度が増大するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ビンガム流動", "準塑性流動", "ダイラタント流動", "準粘性流動", "ニュートン流動"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "せん断応力に増加に伴い、みかけの粘度が増大するのは、「ダイラタント流動」である。1:誤\nビンガム流動は、降伏値より小さいせん断応力では流動せず、降伏値より大きいせん断応力により流動する。ビンガム流動では、降伏値以上においてせん断応力を増加させても、流動率は変化しない(粘度は変化しない)。2:誤\n準塑性流動は、降伏値より小さいせん断応力では流動せず、降伏値より大きいせん断応力により流動する。準塑性流動では、降伏値以上においてせん断応力を増加させると、流動率は増加する(粘度は低下する)。3:正\n4:誤\n準塑性流動では、せん断応力を増加させると、流動率は増加する(粘度は低下する)。5:誤\nニュートン流動では、せん断応力を増加させても、流動率は変化しない(粘度は変化しない)。"} +{"problem_id": "104052", "problem_text": "皮膚に適用する液剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["エリキシル剤", "シロップ剤", "パップ剤", "リニメント剤", "リモナーデ剤"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、皮膚に適用する液剤は、「リニメント剤」である。1:誤\nエリキシル剤は、甘味および芳香のあるエタノールを含む澄明な液状の経口液剤である。2:誤\nシロップ剤は、水を加えるとき、シロップ剤となる顆粒状または粉末状の製剤であり、ドライシロップ剤と称することができる。3:誤\nパップ剤は、水を含む基剤を用いる貼付剤である。4:正\n5:誤\nリモナーゼ剤は、甘味及び酸味のある澄明な液状の経口液剤である。"} +{"problem_id": "104053", "problem_text": "日本薬局方に規定されている全ての注射剤の安全性の確保に必須なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["等張化剤の添加", "着色剤の添加", "保存剤の添加", "エンドトキシンの除去", "無菌性の保証"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "日本薬局方に規定されている全ての注射剤の安全性の確保に必須なのは、無菌性の保証である。注射剤への等張化剤、着色剤、保存剤の添加は必要に応じて行われる。また、エンドトキシン(発熱性物質)は、血液中に移行することで強い発熱活性を示すため、血管内に投与しない注射剤ではエンドトキシンを除去する必要はない。<参考: 日本薬局方における注射剤の定義>\n皮下、筋肉内又は血管などの体内組織・器官に直接投与する、通例、溶液、懸濁液若しくは乳濁液、又は用時溶解若しくは用時懸濁して用いる固形の無菌製剤である。本剤には輸液剤、埋め込み注射剤及び持続性注射剤が含まれる。"} +{"problem_id": "104054", "problem_text": "日本薬局方の溶出試験法が適用されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["透析用剤", "坐剤", "軟膏剤", "点耳剤", "散剤"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "溶出試験法は、経口製剤が溶出試験規格に適合しているかどうかを判定するために行う試験法である。このことから、選択肢のうち、日本薬局方の溶出試験法が適用されるのは、経口投与製剤である散剤である。"} +{"problem_id": "104055", "problem_text": "消化管吸収後、体内でCYP2A6によって代謝され、抗悪性腫瘍作用を示すプロドラッグはどれか。1つ選べ。", "choices": ["テガフール", "イリノテカン", "ドキシフルリジン", "サラゾスルファピリジン", "アラセプリル"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "選択肢のうち、消化管吸収後、体内でCYP2A6によって代謝され、抗悪性腫瘍作用を示すプロドラッグは「テガフール」である。他の選択肢もテガフールと同様にプロドラッグである。"} +{"problem_id": "104056", "problem_text": "腎機能の低下などにより尿量が減少する症候はどれか。1つ選べ。", "choices": ["残量", "尿失禁", "乏尿", "尿閉", "血尿"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "腎機能の低下などにより尿量が減少する症候は「乏尿」といわれる。1:誤\n残尿とは、排尿後に膀胱に尿が残ることである。2:誤\n尿失禁とは、尿もれを起こすことである。3:正\n4:誤\n尿閉とは、下部の尿路閉塞により尿量が減少することである。5:誤\n血尿とは、尿に血液が混じることである。"} +{"problem_id": "104057", "problem_text": "肝硬変で高値を示す検査値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["血小板数", "血清アルブミン濃度", "血清総コレステロール濃度", "血清\\gamma -グロブリン濃度", "血清コリンエステラーゼ活性"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "肝硬変では、肝臓の線維化や肝臓におけるリンパ球の増加が認められる。肝臓の線維化や肝臓においてリンパ球が増加すると、肝臓で\\gamma -グロブリンの生成が促進する。このことから肝硬変では、血清\\gamma -グロブリンの濃度は上昇する。なお、血小板数、血清アルブミン濃度、血清総コレステロール濃度、血清コリンエステラーゼ活性は肝硬変になると低下する。"} +{"problem_id": "104058", "problem_text": "第II誘導により得られた心電図(下図)において、QT間隔に当たるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["a〜d間", "a〜e間", "b〜d間", "b〜e間", "c〜d間"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "QT間隔とは、QRS波の始まりからT波の終わりまでの間隔のことである(下図参照)。"} +{"problem_id": "104059", "problem_text": "食道がんの腫瘍マーカーとして有用なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["AFP", "NSE", "SCC抗原", "PIVKA-II", "CA15-3"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "食道がんの腫瘍マーカーとして有用なのは「SCC抗原(扁平上皮癌関連抗原)」である。1:誤\nAFPは、肝細胞がんの腫瘍マーカーとして用いられる。2:誤\nNSEは、小細胞肺がんの腫瘍マーカーとして用いられる。3:正\n4:誤\nPIVKA-IIは、肝細胞がんの腫瘍マーカーとして用いられる。5:誤\nCA15-3は、乳がんの腫瘍マーカーとして用いられる。"} +{"problem_id": "104060", "problem_text": "右心不全を伴わない左心不全の主な症状に該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["急性肺水腫", "下肢浮腫", "呼吸困難", "血圧低下", "尿量減少"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "左心不全では、心拍出量が低下することにより血圧低下、尿量減少などが認められ、また、肺うっ血により急性肺水腫や呼吸困難などが認められることがある。一方、右心不全では、体循環うっ血により下肢浮腫、腹水などが認められることがある。"} +{"problem_id": "104061", "problem_text": "てんかん発作のうち、意識障害を伴わないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["脱力発作", "単純部分発作", "欠神発作", "複雑部分発作", "強直間代発作"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n脱力発作では、全身の筋肉の緊張が低下、消失するとともに、前兆のない意識障害が伴う。2:正\n単純部分発作では、運動機能に異常をきたすが、意識障害を伴わない。3:誤\n欠神発作では、前兆のない意識障害が認められる。4:誤\n複雑部分発作では、運動機能に異常をきたすとともに、意識障害を伴う。5:誤\n強直間代発作では、意識障害およびけいれんが認められる。"} +{"problem_id": "104062", "problem_text": "客観的な危険が存在しないのに、急な不安に襲われ、動悸、呼吸困難、めまいなどの自律神経症状を伴い、通常30分以内に症状が改善する不安神経症はどれか。1つ選べ。", "choices": ["全般性不安障害", "外傷後ストレス障害", "強迫性障害", "パニック障害", "解離性障害"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "客観的な危険が存在しないのに、急な不安に襲われ、動悸、呼吸困難、めまいなどの自律神経症状を伴い、通常30分以内に症状が改善する不安神経症は「パニック障害」である。1:誤\n全般性不安障害とは、状況にかかわりなく漫然とした不安が持続する神経症のことである。2:誤\n外傷後ストレス障害とは、強いストレスを受けた後、強い不安や不眠、抑うつ状態が長期間続く精神障害のことである。3:誤\n強迫性障害とは、強迫観念(かぎのかけ忘れが心配で外出���きないなど)により、何度も同じ行動を繰り返してしまう精神障害のことである。4:正\n5:誤\n解離性障害とは、離人(自分自身を外から観察しているような感覚)、疎隔感(自分が存在している感じがしない)、健忘などの症状を呈する精神障害のことである。"} +{"problem_id": "104063", "problem_text": "細菌感染が原因となる皮膚疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["蜂窩織炎", "アトピー性皮膚炎", "尋常性乾癬", "帯状疱疹", "じん麻疹"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n蜂窩織炎は、細菌(連鎖球菌や黄色ブドウ球菌)が感染することにより起こる皮膚疾患である。2:誤\nアトピー性皮膚炎は、アレルゲン(食物、ハウスダストなど)の侵入により起こるI型アレルギー疾患である。3:誤\n尋常性乾癬は、免疫異常により、表皮細胞の増殖、分化異常、炎症細胞浸潤などを生じる炎症性角化症である。4:誤\n帯状疱疹は、水痘、帯状疱疹ウイルスの回帰感染により引き起こされるウイルス感染症である。5:誤\nじん麻疹は、アレルゲン(食物、ハウスダストなど)の侵入により起こるI型アレルギー疾患である。"} +{"problem_id": "104064", "problem_text": "免疫複合体が組織に沈着することによって引き起こされるアレルギー反応の型はどれか。1つ選べ。", "choices": ["I型", "II型", "III型", "IV型", "I型とII型の複合型"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "免疫複合体が組織に沈着することによって引き起こされるアレルギー反応の型はIII型である。III型アレルギーでは、抗原と抗体(IgGまたはIgMなど)が結合することで形成された免疫複合体が組織に沈着し、その後、補体の活性化により遊走してきた好中球が組織傷害を引き起こす。"} +{"problem_id": "104065", "problem_text": "がんに伴う疼痛のうち、プレバガリンが最も有効なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["神経障害による痛み", "臓器へのがん浸潤による痛み", "術後の創部の痛み", "消化管閉塞による痛み", "骨転移による痛み"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "プレガバリンは、電位依存性Ca^{2+}チャネルの\\alpha _{2}\\delta サブユニットに結合し、グルタミン酸などの神経伝達物質の遊離を抑制することにより神経障害性疼痛や線維筋痛症に伴う疼痛に効果を示す。なお、プレガバリンは、侵害受容性疼痛(がん浸潤による痛み、創部の痛み、消化管閉塞による痛み、骨転移による痛みなど)に対しての有効性は低いとされている。"} +{"problem_id": "104066", "problem_text": "菌交代現象による偽膜性大腸炎の代表的な起因菌はどれか。1つ選べ。", "choices": ["Streptococcuspneumoniae", "Clostridiumdifficile", "Mycobacteriumtuberculosis", "Salmonellatyphi", "Vibriocholerae"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "菌交代現象により偽膜性大腸炎の代表的な起因菌は、Clostridiumdifficile(ディフィシル菌)である。"} +{"problem_id": "104067", "problem_text": "要指導医薬品及び一般用医薬品の添付文書への記載項目に該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["製品の特徴", "使用上の注意", "効能又は効果", "臨床成績", "用法及び用量"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "要指導医薬品及び一般用医薬品の添付文書の記載事項\n訂正年月\n添付文書の必読及び保管に関する事項\n販売名、薬効名、リスク区分\n製品の特徴\n使用上の注意\n効能又は効果\n用法及び用量\n成分及び分量\n保管及び取扱い上の注意\n消費者相談窓口\n製造販売業者の氏名又は名称及び住所"} +{"problem_id": "104068", "problem_text": "学術論文収載雑誌の評価指標で、掲載された研究論文の被引用数に基づいて算出される値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["リスクファクター", "インパクトファクター", "国際標準図書番号(ISBN)", "デジタルオブジェクト識別子(DOI)", "フェイススケール"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "学術論文収載雑誌の評価指標で、掲載された研究論文の被引用数に基づいて算出される値は「インパクトファクター」である。1:誤\nリスクファクターとは、危険因子ともいわれ、ある特定の疾患に寄与する危険な要素のことである。2:正\n3:誤\n国際標準図書番号(ISBN)とは、図書の国際的な識別番号のことである。4:誤\nデジタルオブジェクト識別子(DOI)とは、インターネット上のドキュメントに恒久的に与えられる識別子のことである。5:誤\nフェイススケールとは、顔の表情により痛みの程度を表す方法である。"} +{"problem_id": "104069", "problem_text": "気管支喘息の発作治療薬(リリーバー)として用いられる薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["フルチカゾンプロピオン酸エステル", "カルテオロール塩酸塩", "アゼラスチン塩酸塩", "モンテルカストナトリウム", "プロカテロール塩酸塩水和物"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "気管支喘息の発作治療薬(リリーバー)には、プロカテロール塩酸塩水和物(アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬)が用いられる。なお、フルチカゾンプロピオン酸エステル(副腎皮質ステロイド)やモンテルカストナトリウム(ロイコトリエン受容体拮抗薬)、アゼラスチン塩酸塩(ヒスタミンH_{1}受容体遮断薬)は気管支喘息の長期管理薬(コントローラー)として用いられる。"} +{"problem_id": "104070", "problem_text": "問題志向型システム(POS)による問題解決の過程として、該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者情報の収集", "情報の公開", "問題の明確化", "初期計画の立案", "計画の実施"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "問題志向型システム(POS: Problem Oriented System)とは、患者の抱える医療上の問題点を問題ごとに明確化し、患者の立場で解決していくシステムのことである。POSでは、以下に示す手順で問題を解決していく。1 患者情報を収集する\n2 問題点を明確化する\n3 初期計画を立案する\n4 計画を実施する"} +{"problem_id": "104071", "problem_text": "薬剤師に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬剤師の免許の効力は、薬剤師国家試験に合格した時から生じる。", "薬剤師以外の者が調剤を行うことは、例外なく禁止されている。", "薬剤師名簿への登録を行えば、自動的に保険薬剤師として登録される。", "薬剤師でなければ、薬剤師又はこれにまぎらわしい名称を用いてはならない。", "薬剤師の品位を損するような行為を行っても、免許を取り消されることはない。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n薬剤師の免許の効力は、薬剤師名簿に登録された時から生じる。2:誤\n原則、薬剤師以外の者が調剤を行うことはできないとされているが、例外として、医師、歯科医師、獣医師は、自己の処方箋により調剤することができる。3:誤\n薬剤師名簿への登録とともに自動的に保険薬剤師として登録はされない。4:正\n5:誤\n薬剤師の品位を損なうような行為を行なった場合、免許が取り消されることがある。"} +{"problem_id": "104072", "problem_text": "店舗販売業において販売できないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["要指導医薬品", "第一類医薬品", "第二類医薬品", "第三類医薬品", "処方箋医薬品"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "店舗販売業では、要指導医薬品、一般用医薬品(第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品)を販売することはできるが、処方箋医薬品を販売することはできない。"} +{"problem_id": "104073", "problem_text": "特定生物由来製品について、直接の容器又は直接の被包に記載しなければならない「特生物」の表示方法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["白地に赤枠、赤字", "白地に赤枠、黒字", "白地に黒枠、黒字", "白地に黒枠、赤字", "赤地に白字(枠なし)"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "特定生物由来製品について、直接の容器又は直接の被包に記載しなければならない「特生物」の表示方法は「白地に黒枠、黒字」とされている。"} +{"problem_id": "104074", "problem_text": "医療の担い手が医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めることを求めているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医薬品医療機器等法", "医師法", "健康保険法", "医療法", "薬剤師法"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "医療法には「医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない」と規定されている。"} +{"problem_id": "104075", "problem_text": "都道府県知事の免許を受けることが必要なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["麻薬製剤業者", "麻薬輸出業者", "��薬輸入業者", "麻薬小売業者", "麻薬製造業者"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、都道府県知事の免許を受ける必要があるのは、「麻薬小売業者」である。なお、麻薬製造業者、麻薬輸出業者、麻薬輸入業者、麻薬製造業者は、厚生労働大臣から免許を受ける必要がある。"} +{"problem_id": "104076", "problem_text": "製造物責任法の対象にならないのはどれか。1つ選べ。ただし、免責事由はないものとする。", "choices": ["一般用医薬品", "血液製剤", "要指導医薬品", "薬局製造販売医薬品", "調剤された薬剤"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "調剤行為は製造行為に当たらないと解釈されているため、調剤された薬剤は、製造物ではなく、製造物責任法の対象とはならない。"} +{"problem_id": "104077", "problem_text": "地域における薬局の役割に該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["在宅医療への参画", "地域住民の健康診断", "医薬品の販売・調剤", "生活習慣病等の健康相談応需", "薬物乱用防止活動"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "地域における薬局の役割に該当しないのは、「地域住民の健康診断」である。地域住民の健康診断は、市町村保健センターや病院等で行われるものである。地域における薬局の役割には、調剤、医薬品の販売、医薬品の適正使用の推進、休日・夜間医療活動、災害時の活動、薬物乱用防止の推進、在宅医療・居宅医療への参画、一般用医薬品の販売、健康相談によるセルフメディケーションの支援などがある。"} +{"problem_id": "104078", "problem_text": "医薬品の GLP の説明として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医薬品の製造管理及び品質管理の基準", "医薬品の臨床試験の実施の基準", "医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準", "医薬品の製造販売後安全管理の基準", "医薬品の適正な流通管理の基準"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "医薬品の製造管理及び品質管理の基準: GMP(Good Manufacturing Practice)\n医薬品の臨床試験の実施の基準: GCP(Good Clinical Practice)\n医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準: GLP(Good Laboratory Practice)\n医薬品の製造販売後安全管理の基準: GVP(Good Vigilance Practice)\n医薬品の適正な流通管理の基準: GDP(Good Distributon Practice)"} +{"problem_id": "104079", "problem_text": "生命倫理の四原則に含まれないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["善行原則", "正義原則", "自律尊重原則", "優生原則", "無危害原則"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "生命倫理の四原則(医療倫理の四原則)とは、医療行為の中で生じる倫理的問題を解決するための基本的倫理指針のことである。生命倫理の四原則には、善行原則(最善の行為を行い患者に利益をもたらすこと)、正義原則(限られた医療資源を公平に分配すること)、自律尊重原則(本人の自由意思による決定を尊重すること)、無危害原則(患者に危害がおよぶことを避けるようにすること)が含まれる。なお、優生とは、良質な遺伝形質を保つようにすることであり、生命倫理の四原則には含まれない。"} +{"problem_id": "104080", "problem_text": "コミュニケーションにおける言語メッセージはどれか。1つ選べ。", "choices": ["手話", "対人距離", "声の調子", "姿勢", "表情"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "言語メッセージとは、言葉を用いたメッセージのことであり、会話、文字言語(手紙や電子メールなど)、手話などが言語メッセージに該当する。また、非言語メッセージとは、言葉以外の手段を用いたメッセージであり、距離、声の調子、姿勢、表情などは非言語メッセージに該当する。"} +{"problem_id": "104081", "problem_text": "7日間連日服用できないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アトルバスタチンカルシウム水和物", "アムロジピンベシル酸塩", "葉酸", "メトトレキサート", "メトホルミン塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、7日間連日服用できないのは「メトトレキサート」である。現在、メトトレキサートを含有する内服薬には、メソトレキセート錠、リウマトレックスカプセルがあるが、いずれも7日間連日服用することはない。"} +{"problem_id": "104082", "problem_text": "臨床試験を遂行するに当たり、公開してはいけないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["利益相反", "被験者個人情報", "研究資金源", "主要評価項目", "倫理的配慮"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "臨床試験を遂行するに当たり、公開してはいけないのは「被験者個人情報」である。"} +{"problem_id": "104083", "problem_text": "以下の薬物を主薬とする注射剤のうち、一般病棟での病棟在庫の医薬品として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム", "インスリン ヒト(遺伝子組換え)", "クロルフェニラミンマレイン酸塩", "塩化カリウム", "アトロピン硫酸塩水和物"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、病棟に在庫することが適切でない成分を含む注射剤は、「塩化カリウム」である。注射用のカリウム製剤は基本的に希釈して投与する製剤であるが、医療現場において原液のまま投与されることによる事故事例が報告されている。このような事例を回避する目的で、注射用のカリウム製剤については、病棟から撤廃し、薬剤部で管理することとされている。"} +{"problem_id": "104084", "problem_text": "次亜塩素酸ナトリウムを含む洗剤と混ぜた時に有毒ガスが発生するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むアルカリ性洗剤", "過酸化水素を含む酸性洗剤", "塩酸を含む酸性洗剤", "アルキルスルホン酸ナトリウムを含む酸性洗剤", "イソチアゾリン系抗菌剤を含む中性洗剤"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "次亜塩素酸ナトリウムを含む洗剤と塩酸を含む酸性洗剤を混ぜると有毒ガス(Cl_{2})が発生する。"} +{"problem_id": "104085", "problem_text": "処方箋には先発医薬品が記載されていたが、患者が後発医薬品を希望した。そこで、後発医薬品の分割調剤1回目として7日分の調剤を行った。次回、残りをこの後発医薬品で調剤する場合に必要な最大錠数はどれか。1つ選べ。", "choices": ["21錠", "42錠", "63錠", "84錠", "126錠"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "ムコダイン錠250mgをL-カルボシステイン錠500mgに変更調剤すると錠数が半分となる。このことから本処方(ムコダイン錠250mgの全量168錠)をL-カルボシステイン錠500mgに変更すると全量84錠となる。この問題では、初めに7日分(L-カルボシステイン錠500mg3錠/日\\times 7日=21錠)調剤を行っていることから、次回、残りをこの後発医薬品で調剤する場合に必要な最大錠数は84-21錠=63錠となる。"} +{"problem_id": "104086", "problem_text": "Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)は、米国 National Cancer Institute(NCI)が主導し世界共通で使用されることを意図して作成された「:A:」に関しての共通用語規準である。「:A 」に入る語句として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["効果発現", "有害事象", "予後予測", "製品回収", "品質管理"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE)は、米国 National Cancer Institute(NCI)が主導し世界共通で使用されることを意図して作成された有害事象に関しての評価基準である。CTCAEは、器官別に分類され、有害事象(adverse event: AE)と重症度を示すグレード(Grade)にて構成される。"} +{"problem_id": "104087", "problem_text": "下記の処方に従って薬剤調製した後の鑑査で指摘すべき項目はどれか。1つ選べ。なお、投薬びんと処方薬剤は無色透明である。", "choices": ["遮光の必要性", "薬剤の総量", "計量カップの必要性", "薬札(ラベル)の必要性", "投薬びんにおける服用量の目盛の必要性"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "投薬びんに薬札(ラベル)が貼られていないため、薬札(ラベル)の必要性について指摘すべきである。<遮光について>\n曝光試験において部分的な着色が認められるとされているが、短期間では分解物はほとんど認められないことから、遮光する必要はない。<薬剤の総量、計量について>\nイラストより3mL計り取ることができる目盛付スポイトを添付しているため、計量カップ、投薬びんにおける服用量の目盛は必要ない。また、薬剤の総量=6 mL/日\\times 8日=48mLであることから、薬剤の総量も問題ない。"} +{"problem_id": "104088", "problem_text": "廃棄時に��薬取締員又は保健所職員の立会いが必要なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["有効期限切れとなった在庫麻薬", "調剤済みで返却された麻薬", "手術室で施用後に残った麻薬", "患者が床に落下させた麻薬", "入院時に持参して不用になった麻薬"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n有効期限切れとなった在庫麻薬は、麻薬取締員又は保健所職員立会いのもとに廃棄する。2:誤\n調剤済みで返却された麻薬は、麻薬管理者が他の職員立会いのもとに廃棄する。3:誤\n手術室で旋用後に残った麻薬は、麻薬管理者が他の職員立会いのもとに廃棄する。4:誤\n患者が床に落下させた麻薬は、麻薬管理者が他の職員立会いのもとに廃棄する。5:誤\n入院時に持参して不用になった麻薬は、麻薬管理者が他の職員立会いのもとに廃棄する。"} +{"problem_id": "104089", "problem_text": "薬剤服用歴管理記録の記述法の1つとしてSOAPがある。このうち、「O」の表現として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Objective data", "Optimal data", "Outbreak data", "Outcome data", "Outstanding data"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "SOAP形式とは、薬歴の経過記録の方法であり、S(Subjuctive data: 主訴や患者の訴えなどの主観的情報)、O(Objective data: 理学的所見などの客観的情報)、A(Assessment: 評価、分析など)、P(Plan: 検査や治療の指針、今後の治療計画など)にわけて患者情報を記載する。"} +{"problem_id": "104090", "problem_text": "副作用として特に CK(クレアチンキナーゼ)上昇に注意するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセトアミノフェン", "ゲフィチニブ", "プラバスタチンナトリウム", "チクロピジン塩酸塩", "ジゴキシン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "CK(クレアチンキナーゼ)は主に筋肉中に含まれている酵素であり、CKが急激に上昇する場合、横紋筋融解症を起こしている可能性が高い。選択肢のうち、副作用として横紋筋融解症を起こしやすいのは、「プラバスタチンナトリウム」であることから、副作用として特にCK上昇に注意するのは「プラバスタチンナトリウム」である。"} +{"problem_id": "104091", "problem_text": "0.200 mol/L酢酸50.0 mLに0.100 mol/L水酸化ナトリウム水溶液50.0 mLを加えた。その後、この混合溶液に対して1.00 mol/L塩酸を1.00 mL加えた溶液のpHに最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、酢酸のpKa=4.70、log2=0.301、log3=0.477とする。", "choices": ["2.01", "3.41", "4.52", "4.70", "4.93"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "酢酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えると、下記に示す反応が進行する。CH_{3}COOH + NaOH \\rightarrow CH_{3}COONa + H_{2}O0.200 mol/L酢酸50.0 mLには酢酸が0.01 mol含まれており、0.100 mol/L水酸化ナトリウム水溶液50.0 mLには、水酸化ナトリウムが0.005 mol含まれていることから、0.200 mol/L酢酸50.0 mLに0.100 mol/L水酸化ナトリウム水溶液50.0 mLを加えると、100mL中にCH_{3}COOH 0.005 molとCH_{3}COONa 0.005 molを含む混合液Iができる。この混合液Iに1.00 mol/L塩酸を1.00 mLを加えると、下記に示す反応が進行する。CH_{3}COONa + HCl \\rightarrow CH_{3}COOH + NaCl\n1.00 mol/L塩酸を1.00 mLには、塩酸が0.001mol含まれていることから、混合液Iに1.00 mol/L塩酸を1.00 mLを加えると、101mL中にCH_{3}COOH 0.006 molとCH_{3}COONa 0.004 molを含む混合液IIができる。混合液IIには、酢酸と酢酸ナトリウムが含まれていることから、この混合液IIは緩衝作用を示す(緩衝液である)。上記より、混合液IIのpHを下記のように求めることができる。"} +{"problem_id": "104092", "problem_text": "日本薬局方で確認試験が適用される対象医薬品、操作、及びその結果の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n対象医薬品:フルオシノニド\nフルオシノニドを規定の方法により分解するとフッ化物を含む溶液が得られる。フッ化物を含む溶液にクロム酸・硫酸試液を加えて加熱すると、フッ化水素ガスが発生し、ガラスが腐食されるため、液は試験管の内壁を一様にぬらさない。2:正\n対象医薬品:アセタゾラミド\n本品に粒状の亜鉛及び薄めた塩酸を加えると、アセタゾラミドが分解され、硫化水素が発生する。発生した硫化水素と酢酸鉛が反応し、黒色の硫化鉛が発生する。よって、発生したガスに潤した酢���鉛(II)紙を黒変する。3:誤\n対象医薬品:イオタラム酸\n本品を直火で加熱すると、紫色のヨウ素ガスを発生する。4:誤\n対象医薬品:デフェロキサミンメシル酸塩\n本品の水溶液に塩化鉄(III)試液を加えるとき、液は濃赤色を呈する。5:誤\n対象医薬品:インドメタシン\n本品に炎色反応試験(2)を行うとき、緑色を呈する。"} +{"problem_id": "104093", "problem_text": "日本薬局方キシリトール(C_{5}H_{12}O_{5}: 152.15)の定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。「本品を乾燥し、その約0.2gを精密に量り、水に溶かし、正確に100mLとする。この液10mLを正確に量り、ヨウ素瓶に入れ、過ヨウ素酸カリウム試液50mLを正確に加え、水浴中で15分間加熱する。冷後、ヨウ化カリウム2.5gを加え、直ちに密栓してよく振り混ぜ、暗所に5分間放置した後、遊離したヨウ素を0.1mol/L「:A:」で滴定する(指示薬: 「:B:」3mL)」 C_{5}H_{12}O_{5}+:4IO_{4}^{-}\\rightarrow 2「:C:」+3「:D:」+4IO_{3}^{-}+H_{2}O", "choices": ["キシリトールと過ヨウ素酸カリウムの反応で酸化数が変化している原子は、それぞれの分子中の酸素とヨウ素である。", "「:A:」はチオシアン酸アンモニウム液である。", "「:B:」はデンプン試液である。", "「:C:」はCH_{3}CHO(アセトアルデヒド)である。", "「:D:」はHCOOH(ギ酸)である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "<キシリトールの定量における反応>\n過ヨウ素酸カリウム(KIO_{4})は、1,2-ジオールを酸化的に開裂する酸化剤であり、キシリトールには、1,2-ジオール構造を構成するC-C結合が4つあるため、キシリトールと過ヨウ素酸カリウムは1: 4のモル比で反応する。C_{5}H_{12}O_{5}+ 4IO_{4}^{-}\\rightarrow 2HCHO +3HCO_{2}H + 4IO_{3}^{-}+ H_{2}O\n上記の反応より、「:C:」には、HCHO(ホルムアルデヒド)、「:D:」には、HCO_{2}H(ギ酸)が当てはまる。また、上記の反応が起こる際、過ヨウ素酸カリウム中のヨウ素の酸化数が低下するとともに、キシトールに含まれる炭素の酸化数が増加する。過ヨウ素酸イオン(IO_{4}^{-})、ヨウ素酸イオン(IO_{3}^{-})はともに酸化力を有しており、ヨウ素イオンと下記のような反応を示す。IO_{4}^{-}+7I^{-}+ 8H^{+}\\rightarrow 4I_{2}+ 4H_{2}O\nIO_{3}^{-}+6I^{-}+ 6H^{+}\\rightarrow 3I_{2}+ 3H_{2}O\n上記のことから、キシリトール1molに対してヨウ素が4mol消費されるため、空試験と本試験のヨウ素のモル数の差より、キシリトールのモル数が求まる。本定量法では、過ヨウ素酸イオン(IO_{4}^{-})、ヨウ素酸イオン(IO_{3}^{-})から遊離したヨウ素をチオ硫酸ナトリウムで滴定することにより、キシリトールの定量を行う。その際、滴定の終点を検出するために指示薬としてデンプンを用いる。このことから、「:A:」にはチオ硫酸ナトリウム、「:B:」にはデンプンが当てはまる。"} +{"problem_id": "104094", "problem_text": "液体クロマトグラフィーを用いて生体成分や薬物を定量分析する際には、高感度化や選択性の向上を目的として誘導体化する場合が多い。誘導体化に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["プレカラム誘導体化法では、長時間を要する誘導体化反応を利用できる。", "ニンヒドリンを反応試薬として用いるプレカラム誘導体化法によって、アミノ酸を一斉分析することが可能である。", "ポストカラム誘導体化法は、試料中の夾雑成分の影響を受けにくい。", "ポストカラム誘導体化法では、1つの分析対象物から複数の誘導体が生成しても問題ない。", "ジアステレオマー誘導体化法によって、鏡像異性体を光学不活性なカラムで分離することができる。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\nプレカラム誘導体化法とは、分析対象物をカラムにより分離する前に誘導体化する方法であり、誘導体化するのに長時間要しても特に問題とはならない。一方、ポストカラム誘導体化法(分析対象物をカラムにより分離した後に誘導体化する方法)では、分離後、検出するまでの間に誘導体化する必要があり、分離したピークが広がることがあるため、長時間を要する誘導体化反応を利用することはできない。2:誤っている\nニンヒドリンはポストカラム誘導体化法に用いられる誘導体化試薬である。カラムにより��離されたアミノ酸をニンヒドリン試薬で誘導体化することによりアミノ酸の一斉分析を行うことができる。3:正しい\nポストカラム誘導体化法では、カラムにより分析対象物を分離した後、誘導体化するため、試料中の夾雑成分の影響を受けにくい。4:正しい\nポストカラム誘導体化法では、カラムにより分析対象物を分離した後、誘導体化するため、1つの分析対象物から複数の誘導体が生成しても問題ない。一方、プレカラム誘導体化法では、1つの分析対象物から複数の誘導体が生成すると、カラムによる分離が困難となるため、1つの分析対象物から複数の誘導体が生成することが問題となる。5:正しい\nジアステレオマー誘導体化法は、エナンチオマーをジアステレオマーに誘導体化することにより分離する方法である。エナンチオマーと異なりジアステレオマー間では、物理化学的性質が異なるため、光学不活性なカラムで分離することができる。このことから、ジアステレオマー誘導体化法によって、鏡像異性体を光学不活性なカラムで分離することが可能である。"} +{"problem_id": "104095", "problem_text": "メタン(CH_{4})の燃焼反応の標準燃焼エンタルピー(kJ/mol)の値として正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、CH_{4}(気体)、CO_{2}(気体)、H_{2}O (液体)の標準生成エンタルピー(\\Delta _{f}H^{0})は次のとおりである。", "choices": ["-998.0", "-890.3", "-754.1", "-604.5", "-468.3"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "104096", "problem_text": "薬物の多くは生体膜上の受容体やチャネル等を介して作用する。それらの機能に大きく関与する生体膜の構造と脂質分子の運動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["生体膜は、リン脂質分子の極性頭部同士が向かい合わせとなった脂質二重層構造である。", "生体膜中のコレステロールは、膜の流動性に影響を与えない。", "生体膜中のリン脂質分子は、その長軸まわりに回転運動をしている。", "生体膜中のリン脂質分子は、二重層の一方の層からもう一方の層に移動(フリップ・フロップ)できる。", "生体膜中のリン脂質分子は、二重層の同一の層内で移動することができない。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n生体膜は、リン脂質分子の無極性部(炭化水素尾部)同士が向かい合わせとなった脂質二重層構造である。2:誤\n生体膜中のコレステロールは、膜の流動性に影響を与える。<コレステロールの膜の流動性への影響>\n脂質の二分子膜(脂質二重層)がゲル状態にあるとき、コレステロールを加えると、脂質の二分子膜を構成する脂質の運動性が増加するため、膜の流動性が増加する。一方、脂質の二分子膜(脂質二重層)が液晶状態にあるとき、コレステロールを加えると、脂質の二分子膜を構成する脂質の運動性が低下するため、膜の流動性が低下する。3:正\n4:正\n生体膜中のリン脂質分子は、二重層の同一の層内や二重層の一方の層からもう一方の層に移動できる。5:誤\n解説4参照"} +{"problem_id": "104097", "problem_text": "0.10mol/Lヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(K_{4}[Fe(CN)_{6}])水溶液のイオン強度(mol/L)の値として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["0.10", "0.30", "0.40", "0.70", "1.00"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "イオン強度は、下記の式で表される。ここでは、Ciはイオン種iの濃度、ziはイオン種iの電荷を表している。イオン強度は溶液中のすべてのイオン種について、それぞれのイオンのモル濃度と原子価の2乗の積を加え合せたものの1/2である。ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(K_{4}[Fe(CN)_{6}])は水溶液中で4K^{+}とFe(CN)_{6}]^{4-}に解離するため、以下のようにイオン強度を計算することができる。"} +{"problem_id": "104098", "problem_text": "発熱反応における正の触媒の働きを表す反応座標とポテンシャルエネルギーの関係として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、触媒が存在する場合の反応経路は実線で、触媒が存在しない場合の反応経路は破線で表してある。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本設問では、2つの条件より適切な反応座標とポテンシャルエネルギーの関係を表す図を選択する必要がある��・条件1: 発熱反応\n反応により熱の放出を伴うため、反応物に比べ生成物の方が低いポテンシャルエネルギー状態となる。・条件2: 正の触媒を添加している\n正の触媒は、活性化エネルギー(反応物と遷移状態におけるエネルギーの差)を低下させるため、破線(触媒存在しない場合)に比べ実線(触媒が存在する場合)では、活性化エネルギーが小さくなる。また、触媒は反応熱を変化させないため、触媒を添加しても生成物のポテンシャルエネルギー状態は変化しない。上記より、「選択肢1」が適切な反応座標とポテンシャルエネルギーの関係を表す図となる。"} +{"problem_id": "104099", "problem_text": "希薄溶液の束一的性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["蒸気圧降下は、束一的性質の1つである。", "電解質溶液は、束一的性質を示さない。", "浸透圧に関するファントホッフの式は、浸透圧と溶液の粘度の関係を示す。", "0.05mol/Lブドウ糖水溶液の沸点上昇度と凝固点降下度は等しい。", "同じモル濃度であれば、ブドウ糖とショ糖の水溶液の浸透圧は等しい。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n希薄溶液の束一的性質とは、溶質の種類に無関係にオスモル濃度(溶液中の分子とイオンのモル濃度)に依存する性質のことである。希薄溶液における蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧は束一的性質を示す。2:誤\n電解質溶液においても、束一的性質は認められる。3:誤\n浸透圧に関するファントホッフの式は、浸透圧と温度の関係を示す。4:誤沸点上昇度\\Delta T_{b}及び凝固点降下度\\Delta T_{f}は以下の式により求めることができる。\\Delta T_{b}=K_{b}・m_{}\\Delta T_{f}=K_{f}・m\nただし、K_{b}は沸点上昇定数、K_{f}は凝固点降下定数、mは溶質の質量(容量)モル濃度とする。K_{b}、K_{f}は異なる値を示すため、0.05mol/Lブドウ糖水溶液の沸点上昇度と凝固点降下度は異なる。5:正\nブドウ糖、ショ糖は非電解質であることから、モル濃度=オスモル濃度となる。このことから、同じモル濃度であれば、ブドウ糖とショ糖の水溶液の浸透圧は等しい。"} +{"problem_id": "104100", "problem_text": "エチレンジアミン四酢酸(EDTA)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["塩基性条件下で十座配位子として働く。", "酸性条件下では、塩基性条件下より強く配位結合する。", "キレート効果により、アンモニアよりも安定な錯体を形成する。", "カルシウムイオンとの配位結合形成により蛍光特性が変化するため、カルシウムイオンの定量分析に用いられる。", "配位結合により、五員環のキレート環を形成する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nEDTAは、分子内に4個のカルボキシ基と2個の窒素原子を配位原子にもつ六座配位子であり、金属イオンと1: 1で結合し、安定なキレートを形成する。2:誤\n酸性条件下では、EDTA中の2個の窒素原子がプロトンを受け取りN^{+}となる(配位結合するために必要なローンペアにH^{+}が結合する)ため、配位結合を形成しにくくなる。3:正\nキレートとは、複数の配位原子をもつ配位子と金属イオンとの結合のことである。アンモニアは単座配位子(配位原子を1つ有する配位子)であり、金属イオンとキレートを形成することができない。それに対してEDTAは六座配位子であり、金属イオンとキレートを形成することができる。EDTAは、アンモニアと異なり、キレートを形成することができるため、安定な錯体を形成することができる。4:誤\nカルシウムイオンとEDTAは配位結合しても蛍光特性は変化しない。カルシウムイオンをEDTAにより定量する際には、指示薬(NNやEBT)を添加し、その色調変化により滴定終点を検出する。5:正"} +{"problem_id": "104101", "problem_text": "以下に示すE2反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["化合物Aの最も安定な立体配座はIIである。", "脱離反応はIの立体配座のときに進行する。", "主生成物はBである。", "この反応はカルボカチオン中間体を経由する。", "この反応の速度は、化合物A及びNaOC_{2}H_{5}のいずれの濃度にも比例する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nシクロヘキサンがいす形配座となり、最も大き���置換基がエクアトリアル位にある場合、最も安定な立体配座となる。このことから、立体障害の大きい基であるイソプロピル基(-CH(CH_{3})_{2})がエクアトリアル位に結合したIIの立体配座が最も安定である。2:誤\nE2反応では、脱離基とanti(trans)位にあるHが脱離して反応が進行する。Iの立体配座では脱離基(Cl)がエクアトリアル位にあり、脱離するH(イソプロピル基の結合している炭素に結合したH)もエクアトリアル位にあるため、両者はanti平面上に存在しない。このことからIの立体配座では、E2反応は進行しない。なお、Iの立体配座の化合物がE2反応する際には、環反転しIIの立体配座となり反応が進行する。3:誤\n脱離反応は一般にザイツェフ則(HXが脱離する際、HはHの少ない方から脱離する)に従って進行する。このことから、この反応における主生成物はC(イソプロピル基が結合した炭素よりHが脱離して生成した化合物)となる。4:誤\nE2反応は、カルボカチオン中間体を経由せず進行する。なお、カルボカチオン中間体を経由して進行する反応はE1反応である。5:正\nE2反応の速度は、基質(化合物A)と試薬(NaOC_{2}H_{5})のいずれの濃度にも比例する。"} +{"problem_id": "104102", "problem_text": "求核置換反応(S_{N}反応)はどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nゲラニル二リン酸に対する水の求核置換反応である。2:正\nS-アデノシルメチオニンに対するノルアドレナリンの求核置換反応である。3:誤\nオキサロコハク酸の脱炭酸反応である。4:誤\nセリンとピドキサールリン酸が結合した化合物の脱水反応(脱離反応)である。5:誤\nフルクトース1,6-ビスリン酸がジヒドロキシアセトンリン酸とグリセルアルデヒド3-リン酸に分解される逆アルドール反応である(第103回問106参照)。"} +{"problem_id": "104103", "problem_text": "d-カンフルとその確認試験に用いられる2,4-ジニトロフェニルヒドラジンとの反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["脱水縮合反応である。", "反応の進行に伴って窒素が発生する。", "生成する有機化合物の一般名はオキシムである。", "生成する有機化合物はオレフィン構造を持つ。", "生成する有機化合物はベンゼン環を含む共役系を持ち、橙赤色を示す。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n本反応は、d-カンフルが有するカルボニル基に2,4-ジニトロフェニルヒドラジンが縮合して、2,4-ジニトロフェニルヒドラゾンが生成する反応である。2:誤\n本反応では、脱水が伴うため、反応の進行に従って水が発生する。3:誤\n生成する有機化合物の一般名はヒドラゾンである。4:誤\n生成する有機化合物はオレフィン構造(C=C)ではなく、イミン構造(C=N)を有する。5:正"} +{"problem_id": "104104", "problem_text": "以下に示す反応において、反応が最も速く進行するR-Brはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "(1)では以下の反応が進行する。(2)(1)で生じたアニオンがハロゲン化合物に対してS_{N}2反応を起こす。S_{N}2反応は、立体障害の小さいハロゲン化アルキルで進行しやすい。選択肢1の化合物、選択肢2の化合物は、共鳴によりC-Br結合が二重結合性を帯びているため、容易に開裂できない。このことから、選択肢1、2の化合物はS_{N}2反応を起こしにくい。選択肢3、4、5のうち、最も立体障害が小さいのは選択肢3の化合物であるため、選択肢の化合物の中でS_{N}2反応が最も速く進行するR-Brは、選択肢3の化合物である。"} +{"problem_id": "104105", "problem_text": "以下に示す反応において、出発物質であるアミンと生成物との組合せとして正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n脂肪族第一級アミンに亜硝酸ナトリウムおよび塩酸を加えると、不安定なジアゾニウム塩を生成後、アルコールを生じる。2:正\n脂肪族第二級アミンに亜硝酸ナトリウムおよび塩酸を加えると、N-ニトロソ化合物が生成する。3:誤\n芳香族第一級アミンに亜硝酸ナトリウムおよび塩酸を加えると、芳香族ジアゾニウム塩が生成する。4:誤\n芳香族第二級アミンに亜硝酸ナトリウムおよび塩酸を加えると、N-ニトロソ化合物が生成す���。5:正\n芳香族第三級アミンに亜硝酸ナトリウムおよび塩酸を加えると、C-ニトロソ化合物が生成する。"} +{"problem_id": "104106", "problem_text": "図は桂皮酸イソプロピルエステル[C_{6}H_{5}CH=CHCOOCH(CH_{3})_{2}]の^{1}H-NMR スペクトル[300 MHz、CDCl_{3}、基準物質はテトラメチルシラン(TMS)]である。このスペクトルに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。なお、7.26ppmのシグナルはCDCl_{3}に含まれる微量のCHCl_{3}に起因するものである。", "choices": ["1.3 ppm付近には積分値が 3H 分の一重線が2本ある。", "5.2 ppm付近には五重線がある。", "6.5ppm付近の二重線の結合定数が16 Hzであるとき、二重結合はE配置である。", "矢印で示す7.5ppm付近の多重線の積分値は3H分ある。", "最も低磁場のシグナルは、芳香環上のプロトンに由来する。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n本化合物中には、イソプロピル基(-CH(CH_{3})_{2})があるため、1.3 ppm付近には積分値が6H分の二重線が1本ある。2:誤\n5.2 ppm付近には、下線のプロトン(イソプロピル基(-CH(CH_{3})_{2} ))のシグナルが現れると考えられる。下線のプロトンの隣には等価なプロトンが6個存在するため、七重線となる。3:正\n二置換アルケンでは、E配置、Z配置により結合定数が異なる。一般にE配置では、結合定数が13〜18Hzとなり、Z配置では結合定数が7〜12Hzとなる。4:誤\n矢印で示す7.5ppm付近の多重線の積分値は2H分ある。5:誤\n最も低磁場のシグナルは、二置換アルケンに結合したプロトンに由来する。"} +{"problem_id": "104107", "problem_text": "コカインの化学構造を基に創出された局所麻酔薬はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、コカインの化学構造を基に創出された局所麻酔薬は、Na^{+}チャネル遮断作用を有するプロカインアミド塩酸塩(選択肢4)である。<選択肢の構造式(作用)>\nアンレキサノクス(ケミカルメディエーター遊離抑制)\nホマトロピン臭化水素塩(ムスカリン受容体遮断\nネオスチグミン硫酸塩(コリンエステラーゼ阻害\nプロカイン塩酸塩(Na^{+}チャネル遮断)\nスキサメトニウム塩化物水和物(ニコチン性アセチルコリン受容体刺激)"} +{"problem_id": "104108", "problem_text": "日本薬局方収載生薬ア及びこれに含まれる化合物Aに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aは Ephedra sinica の地上茎に含まれる副交感神経興奮薬である。", "アは桂枝湯に配合される生薬である。", "アの確認試験として、薄層クロマトグラフィーを用い、噴霧用ニンヒドリン・エタノール試液によるAの検出が行われている。", "アを含む漢方薬の使用上の注意として不眠がある。", "ア及びAは、いずれも覚せい剤原料として取り扱われている。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "化合物Aの構造がエフェドリンであることから、日本薬局方収載生薬アはマオウであると判断することができる。1:誤\nエフェドリンは、Ephedra sinica の地上茎に含まれる交感神経興奮薬である。2:誤\n桂枝湯の構成生薬は、ケイヒ、シャクヤク、ショウキョウ、カンゾウ、タイソウであり、桂枝湯にはマオウは含まれていない。3:正\n4:正\nマオウは、交感神経興奮作用により不眠を誘発することがあるため、マオウを含む漢方薬の使用上の注意として不眠がある。5:誤\nエフェドリンは、10%以下を含有するものを除き、覚醒剤原料に指定されている。一方、マオウは、覚醒剤原料に指定されていない。"} +{"problem_id": "104109", "problem_text": "図はヒトにおける3種類の筋組織の模式図である。これらの筋組織に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aは横紋筋であり、B及びCは平滑筋である。", "B及びCはいずれも不随意筋であり、自律神経支配を受ける。", "Aの収縮は、筋小胞体から放出された遊離 Ca^{2+}とカルモジュリンとの結合により起こる。", "Bでは、細胞外から流入した Ca^{2+}が収縮に関与する。", "リン酸化されたミオシン軽鎖キナーゼは、ミオシンとアクチンの架橋形成を促進し、Cの収縮を引き起こす。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "筋組織A: 運動神経に支配されている\\rightarrow 骨格筋(横紋���)\n筋組織B: 介在板(電気的接合部)が存在\\rightarrow 心筋(横紋筋)\n筋組織C: 横紋構造を有していない\\rightarrow 平滑筋\n1:誤\nA、Bは横紋筋、Cは平滑筋である。2:正\nBは心筋、Cは平滑筋であり、共に自律神経支配を受ける不随意筋である。3:誤\nAは収縮する際、筋小胞体から放出された遊離 Ca^{2+}とトロポニンCが結合する。なお、Cの収縮は、筋小胞体から放出された遊離 Ca^{2+}とカルモジュリンとの結合により起こる。4:正\nBは心筋であり、細胞外から流入したCa^{2+}が収縮に関与する。5:誤\nC(平滑筋)では、細胞外から流入したCa^{2+}がカルモジュリンに結合し、ミオシン軽鎖が活性化されると、ミオシンとアクチンの架橋形成が促進され、平滑筋が収縮する。そてに対して、ミオシン軽鎖キナーゼがリン酸化されると、ミオシンとアクチンの架橋形成が阻害され、平滑筋は弛緩する。"} +{"problem_id": "104110", "problem_text": "胃に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["胃と食道の境界部を幽門とよぶ。", "胃の筋層は、3層からなる。", "主細胞は、胃粘膜の保護に関わる粘液を胃内に分泌する。", "壁細胞は、ビタミンKの小腸での吸収に必要な内因子を胃内に分泌する。", "G細胞は、胃酸の分泌を促進するガストリンを血液中に分泌する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n胃と食道の境界部を噴門という。なお、幽門は胃と十二指腸の境界部のことである。2:正\n胃の筋層は、斜走筋、輪走筋、縦走筋の3層からなる。3:誤\n主細胞は、タンパク質の分解に関与するペプシノーゲンを分泌する。なお、胃粘膜に関わる粘液は副細胞より分泌される。4:誤壁細胞は、ビタミンB_{12}の小腸での吸収に必要な内因子を胃内に分泌する。5:正"} +{"problem_id": "104111", "problem_text": "ヒトの微小管に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["体細胞分裂の際に生じる紡錘糸は、微小管により構成されている。", "微小管はアクチンとミオシンが重合したものである。", "神経細胞において、微小管は軸索輸送に関与する。", "微小管の脱重合を阻害すると、腫瘍細胞の増殖が促進される。", "微小管は、細胞外マトリックスの主要な成分の1つである。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n2:誤\n微小管はチュブリンが重合したものである。3:正\n神経細胞の軸索は細長い突起であり、この軸索内ではタンパク質の合成がほとんど行われない。そのため、軸索内で必要なタンパク質は細胞体で合成された後、軸索輸送により供給されている。軸索輸送は、モータータンパク質(キネシン、ダイニン)が微小管を沿って移動することにより行われている。4:誤\n微小管の脱重合を阻害すると、細胞分裂の際、染色体が2つに分離できなくなるため、細胞分裂を抑制することができる。このことから、微小管の脱重合を阻害すると、腫瘍細胞の増殖が抑制される。5:誤\n微小管は、細胞内に存在するため、細胞外マトリックスにはほとんど含まれていない。細胞外マトリックスとは、細胞外の空間を充填する物質のことであり、主にコラーゲンや繊維タンパク質などで構成されている。"} +{"problem_id": "104112", "problem_text": "マウスの肝臓から酵素Xの精製を試みた。以下に実験手順の概要(①〜④)を示す。①: ゲル濾過クロマトグラフィーにより肝臓抽出液Aを分画した。②: 各画分の酵素Xの活性を測定し、その活性が高い画分を集めたものをBとした。③: Bを陰イオン交換クロマトグラフィーにより分画した。④: 各画分の酵素Xの活性を測定し、その活性が高い画分を集めたものをCとした。上記A、B及びCの液量、タンパク質濃度、全タンパク質量と酵素活性(全活性及び比活性)を以下の表に示した。比活性とは、試料中のタンパク質の単位重量当たりの酵素活性のことである。なお、酵素活性における1U(ユニット)は、1分間当たり、1\\micro molの生成物を生成する酵素の量を表す。実験方法及び結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["A中の酵素Xの20%がBに回収されたと考えられる。", "ゲル濾過クロマトグラフィーでは、分子量の小さなタンパク質ほど、早くカラムから溶出され���。", "陰イオン交換クロマトグラフィーでは、正の電荷をもった樹脂に酵素Xが保持されたと考えられる。", "Bの比活性アはAの比活性よりも高い。", "Cの比活性イは140 U/mgである。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n全活性\\fallingdotseq 酵素Xの量と考えることができるため、A中の酵素XがBに回収された割合は、以下のように求めることができる。2:誤\nゲル濾過クロマトグラフィーでは、分子量の小さいタンパク質は固定相に保持されるため、分子量の小さいタンパク質ほど、遅くカラムから溶出される。3:正\n4:正\nBの比活性アは以下のように求めることができる。上記より、Bの比活性アはAの比活性よりも高い。5:誤\nCの比活性イは以下のように求めることができる。"} +{"problem_id": "104113", "problem_text": "ヒトにおける核酸代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["デオキシウリジン 5'-一リン酸(dUMP)に S-アデノシルメチオニンからメチル基が供与されることで、デオキシチミジン 5'-一リン酸(dTMP)が生じる。", "デオキシシチジン 5'-三リン酸(dCTP)は、シチジン 5'-二リン酸(CDP)のリボースの還元により生じるdCDP がリン酸化されて生成される。", "核酸分解により生じたリボース 1-リン酸は、サルベージ経路により再利用される。", "ピリミジンヌクレオチドの生合成に必要なカルバモイルリン酸は、尿素回路から供給される。", "イノシン 5'-一リン酸(IMP)からのアデノシン 5'-一リン酸(AMP)の生成には、グアノシン 5'-三リン酸(GTP)が利用される。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3", "5(いずれか2つを選択すれば正解)"], "comment": "1:誤\ndUMPに^{5}N,^{10}N-メチレンテトラヒドロ葉酸からメチル基が供与されることでdTMPが生じる。2:正\ndCTPは下記の過程により生成される。3:正\n核酸分解により生じるリボース1-リン酸は、リボース5-リン酸に変換された後、5-ホスホリボシル1-ピロリン酸(PRPP)となり、再利用される。4:誤\nピリミジンヌクレオチドの生合成に必要なカルバモイルリン酸は、グルタミンとCO_{2}から合成される。なお、尿素回路では、アンモニアとCO_{2}から合成されるカルバモイルリン酸が利用されているが、そのカルバモイルリン酸は、ピリミジンヌクレオチドの生合成には無関係である。5:正\nプリンヌクレオチドの新生経路において、イノシン 5'-一リン酸(IMP)からのアデノシン 5'-一リン酸(AMP)の生成には、グアノシン 5'-三リン酸(GTP)が利用される。"} +{"problem_id": "104114", "problem_text": "紫外線照射によりチミン二量体が生じた大腸菌DNAのヌクレオチド除去修復の概要を図に示した。各反応を説明した文章中の(ア)〜(エ)に入る酵素の組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["6"], "comment": "紫外線照射によりチミン二量体が生じDNAが損傷した場合、ヌクレオチド除去修飾によりDNAが修復される。<ヌクレオチド除去修飾の概要>\n①: DNA損傷を受けた部分から数塩基離れた部分がエンドヌクレアーゼにより切断される。②: ①で切断された部分がDNAヘリカーゼにより除去される。③: DNAポリメラーゼにより②で除去された部分のDNAが合成される。④: ③によるDNA合成終了後、DNA リガーゼにより、切れ目が連結されることで修復が完了する。"} +{"problem_id": "104115", "problem_text": "遺伝子Xの転写は薬物ア及びイにより促進される。両薬物による遺伝子Xの転写促進に関わるプロモーター領域中のDNA部位を同定するために、レポーター遺伝子を用いたプロモーター解析実験を行った。以下に実験方法の概要を記す。実験方法の概要 図1に示したように、遺伝子Xの転写開始点から200 bp上流(-200 bp)までのDNAを合成し、それをレポーター遺伝子に連結して発現ベクターを作製した(A)。また、Aより上流域が短い4種類のDNAを合成して、同様にベクター作製した(B〜E)。次に、A〜Eの組換えDNAを導入した哺乳動物由来細胞を作製した。これらの細胞において薬物ア又はイで処理した際のレポーター遺伝子産物を測定し、図2の結果を得た。レポーター遺伝子のみを持つベクターを導入した細胞では、薬物処理の有無に関わらずレポーター遺伝子産物は発現されなかった。なお、細胞へのDNA導入効率は等しく、細胞培養条件やレポーター遺伝子産物などが転写活性に影響を及ぼさないことを確認している。哺乳動物由来細胞における転写調節とプロモーター解析実験の方法及び考察に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["RNAポリメラーゼは、転写因子を介してプロモーターに結合する。", "レポーター遺伝子として、ホタル由来のルシフェラーゼ遺伝子が用いられることがある。", "転写開始点から80 bp上流〜40 bp上流のDNA配列は、薬物アによるレポーター遺伝子産物の発現増加に関与していると考察される。", "転写開始点から120 bp上流〜80 bp上流のDNA配列は、薬物イによるレポーター遺伝子産物の発現増加に関与していると考察される。", "転写開始点から40 bp上流までのDNA配列は、薬物ア及びイのいずれにも依存しない恒常的なレポーター遺伝子産物の発現に関与していると考察される。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n哺乳動物由来の細胞は真核細胞である。真核細胞のRNAポリメラーゼ(I、II、III)は、直接プロモーターを認識することができないため、プロモーターと結合する際に基本転写因子を必要とする。2:正しい\nレポーター遺伝子には、ルシフェラーゼ(生物発光に関わる物質が発光する反応を触媒する酵素の総称)遺伝子 が利用される。3:正しい\nA、B、C、Dを導入した細胞では、未処理の場合に比べ、薬物アで処理した場合のレポーター遺伝子産物の相対的発現量が多いが、Eを導入した細胞では、未処理の場合と薬物アで処理した場合のレポーター遺伝子産物の相対的発現量にほとんど差がないことから、転写開始点から80 bp上流〜40 bp上流のDNA配列は、薬物アによるレポーター遺伝子産物の発現増加に関与していると考察される。4:誤っている\nA、Bを導入した細胞では、未処理の場合に比べ、薬物イで処理した場合のレポーター遺伝子産物の相対的発現量が多いが、C、D、Eを導入した細胞では、未処理の場合と薬物イで処理した場合のレポーター遺伝子産物の相対的発現量にほとんど差がないことから、転写開始点から160 bp上流〜120 bp上流のDNA配列は、薬物イによるレポーター遺伝子産物の発現増加に関与していると考察される。5:正しい\nEを導入した細胞では未処理、薬物アで処理、薬物イで処理した場合のレポーター遺伝子産物の相対的発現量にほとんど差がないことから、転写開始点から40 bp上流までのDNA配列は、薬物ア及びイのいずれにも依存しない恒常的なレポーター遺伝子産物の発現に関与していると考察される。"} +{"problem_id": "104116", "problem_text": "ヒトの免疫担当細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["特異的な抗原を認識したB細胞は、ヘルパーT細胞の助けを受けて、抗体産生細胞へと分化する。", "マクロファージの細胞表面にあるFc受容体は、外来菌体成分と直接結合する。", "肥満細胞は、B細胞に対する抗原提示能を有する。", "活性化したヘルパーT細胞上に発現したCTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球抗原-4)分子は、その細胞自身に抑制性シグナルを伝える受容体として働く。", "ナチュラルキラー細胞は、抗原感作を受けて初めて腫瘍細胞やウイルス感染細胞に対する傷害性を有する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n特異的な抗原を認識したB細胞は、抗原を細胞内に取り込み分解後、そのペプチド断片を2型ヘルパー細胞(Th2)へ提示する。抗原提示したB細胞は2型ヘルパー細胞(Th2)から分泌されるサイトカインにより刺激を受け形質細胞(抗体産生細胞)へと分化する。2:誤\nマクロファージの細胞表面にあるFc受容体は、免疫グロブリンのFc領域と結合する受容体であり、外来菌体成分と直接結合しない\n3:誤\n肥満細胞は、B細胞に対する抗原提示能は有していない。4:正\n活性化したヘルパーT細胞上に発現したCTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球抗原-4)分子は、CD80/86と結合することによりCD28による共刺激シグナルの発生を抑制するとともに、T細胞に抑制シグナルを伝える。<参考: T細胞の活性化>\nT細胞の活���化には、TCR、CD4/CD8とMHC分子抗原ペプチド断片複合体が結合することにより発生するシグナル(第1シグナル)に加え、抗原提示細胞のCD80/86とT細胞のCD28が結合することにより発生する共刺激シグナルを必要とする。5:誤\nナチュラルキラー細胞は、抗原感作を受けることなく腫瘍細胞やウイルス感染細胞に対する傷害性を示す。"} +{"problem_id": "104117", "problem_text": "図1は一般的なグラム染色の手順①〜④とそれによるA菌及びB菌の染色結果を示している。また、図2は別の2種類の菌のグラム染色の結果である。グラム染色及びその結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グラム染色に用いる試薬は、①がルゴール液、②がクリスタルバイオレット溶液、③がエタノール、④がサフラニン溶液である。", "④では、A菌は濃いピンク色に、B菌は青紫色に染色される。", "A菌はグラム陽性菌であり、B菌はグラム陰性菌である。", "黄色ブドウ球菌のグラム染色の結果は、図2のアのようになる。", "芽胞を形成している菌をグラム染色すると、図2のイのように内部の一部が染色されにくいことがある。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n上記の図よりグラム染色に用いる試薬は、①がクリスタルバイオレット溶液、②がルゴール液(ヨウ素-ヨウ化カリウム液)、③がエタノール、④がサフラニン溶液(又はフクシン溶液)である。2:誤\n④では、A菌は青紫色に、B菌は濃いピンク色に染色される。3:正\n4:誤\n黄色ブドウ球菌はグラム陽性球菌であるため、形は「球形」、グラム染色の結果は「青紫色(この図では濃い灰色)」となる 。5:正\n芽胞とは、一部の細菌が増殖に適さない環境になった時に形成する耐久性の高い細胞構造のことである。芽胞形成部分は、染色されにくいため、芽胞を形成している菌をグラム染色すると、図2のイのように内部の一部が染色されにくいことがある。"} +{"problem_id": "104118", "problem_text": "A〜Eの構造をもつビタミンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aは、ピルビン酸脱水素酵素や \\alpha -ケトグルタル酸脱水素酵素の補酵素としてエネルギー産生に関与する。", "Bは、ビタミンB_{12} によるメチル基転移を介して、ホモシステインからのメチオニンの生合成に関与する。", "Cは、プロリンやリシンの水酸化酵素の補酵素としてコラーゲン合成に関与する。", "Dは、血液凝固因子プロトロンビンのグルタミン酸残基の\\gamma -グルタミル化に関与する。", "Eは、光を感知するロドプシンの成分として視覚機能に関与する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nA(ピリドキサール)は、生体内でピリドキサールリン酸となり、アミノ酸デカルボキシラーゼやアミノトランスフェラーゼなどの補酵素としてアミノ酸代謝に関与する。2:正\nB(葉酸)は、生体内でテトラヒドロ葉酸となり、ビタミンB_{12} によるメチル基転移を介して、ホモシステインからのメチオニンの生合成に関与する。3:正\nC(アスコルビン酸)は、プロリンやリシンの水酸化酵素の補酵素としてコラーゲン合成に関与する。4:誤\nD(レチノール)は、生体内で11-cis-レチナールとなり、オプシンと結合することでロドプシンを形成し、視覚機能に関与する。5:誤\nE(メナキノン)は、\\gamma -グルタミルカルボキシラーゼの補酵素として血液凝固因子プロトロンビンのグルタミン酸残基の\\gamma -カルボキシ化に関与する。"} +{"problem_id": "104119", "problem_text": "食品添加物A〜Eに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aは、輸液成分としても利用される酸化防止剤である。", "Bは、アスパルテームと同様、ペプチド結合をもつ甘味料である。", "Cは、かんきつ類の輸入品に使用される保存料である", "Dは、金属封鎖型の酸化防止剤である。", "Eは、酸性で効果の高い保存料である。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nA(ソルビトール)は、甘味料として使用される食品添加物である。2:正\nB(アドバンテーム)は、アスパルテームと同様、ペプチド結合をもつ甘���料である。3:誤\nC(フルジオキソニル)は、防カビ剤として使用される食品添加物である。4:誤\nD(dl-\\alpha -トコフェロール)は、酸化防止剤として使用される食品添加物である。5:正\nE(ソルビン酸)は、保存料として使用される食品添加物である。"} +{"problem_id": "104120", "problem_text": "自然毒による食中毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジャガイモに含まれるソラニンは、コリンエステラーゼ阻害作用を示す。", "フグ毒テトロドトキシンは、神経や筋肉のNa^{+}チャネルを開口することにより神経症状を引き起こす。", "青梅の種子中のアミグダリンから発生する青酸は、メトヘモグロビン血症を引き起こす。", "テングダケ科のキノコに含まれる\\alpha -アマニチンは、RNAポリメラーゼII阻害により細胞毒性を引き起こす。", "サンゴ礁に生息する魚の肝臓で生合成されるシガトキシンは、シガテラを引き起こす。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nソラニンは、ジャガイモの芽や緑皮部に多く含まれている食中毒の原因物質であり、コリンエステラーぜ阻害作用を示す。2:誤\nテトロドトキシンは、微生物により生合成され、生物濃縮によりフグに蓄えられる食中毒の原因物質であり、神経や筋肉のNa^{+}チャネルを遮断することにより神経症状を引き起こす。3:誤\nアミグダリンは、青梅の種子に含まれる食中毒の原因物質である。アミグダリンは、生体内でシアン化水素となり、細胞のミトコンドリアに存在するシトクロムcオキシダーゼを阻害して細胞呼吸の阻害を引き起こす。4:正\n\\alpha -アマニチンは、タマゴテングダケに含まれている食中毒の原因物質であり、RNAポリメラーゼII阻害により細胞毒性を引き起こす。5:誤\nシガトキシンは、微生物により生合成され、生物濃縮により魚に蓄えられる食中毒の原因物質であり、シガテラを引き起こす。なお、シガトキシンは、筋肉、神経細胞においてNa^{+}の透過性を亢進し、神経障害を引き起こす。"} +{"problem_id": "104121", "problem_text": "マイコトキシンに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ステリグマトシスチンは、肝毒性を示す。", "シトリニンは、腎毒性を示す。", "ニバレノールは、造血機能障害を示す。", "パツリンは、食品中の最大基準値が設定されている。", "アフラトキシンのうち、アフラトキシンB_{1}のみ食品中の最大基準値が設定されている。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nステリグマトシスチンは、アスペルギルス属のカビが産生するカビ毒であり、肝毒性を示す。2:正しい\nシトリニンは、ペニシリウム属のカビが産生するカビ毒であり、腎毒性を示す。3:正しい\nニバレノールは、フザリウム属のカビが産生するカビ毒であり、造血機能障害を示す。4:正しい\nパツリンは、ペニシリウム属のカビが産生するカビ毒であり、主に神経障害や消化管障害などを示す。食品衛生法に基づき、リンゴジュース及び原料用リンゴ果汁について、パツリンの基準値(0.050 ppm)が定められている。5:誤っている\nアフラトキシンは、アスペルギルス属のカビが産生するカビ毒であり、肝毒性を示す。アフラトキシンには10種類以上の化合物があるが、毒性や毒力からみて食品衛生上、重要なものはアフラトキシンB_{1}、B_{2}、G_{1}、G_{2}である。我が国において、以前はアフラトキシンの中でも特に毒性、毒力が強いアフラトキシンB_{1}に対してのみ規制値が定められていたが、平成23年10月より、食品中に含有されているアフラトキシンの規制が変更され、食品中に含有されている総アフラトキシン(アフラトキシンB_{1}、B_{2}、G_{1}、G_{2})について規制値が設けられた。"} +{"problem_id": "104122", "problem_text": "少子・高齢化に関する我が国の人口指標の数値の大小関係について、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["平成28年の合計特殊出生率>平成28年の総再生産率", "平成28年の健康寿命>平成28年の0歳平均余命", "平成28年の年少人口指数>平成28年の老年人口指数", "昭和60年の平均初婚年齢>平成28年の平均初婚年齢", "平成28年の粗死亡率>昭和60年の粗死亡率"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:��\n合計特殊出生率とは、再生産年齢(15〜49歳)の女子の年齢別出生率の合計のことであり、総再生産率とは、再生産年齢(15〜49歳)の女子の女児の年齢別出生率の合計のことである。合計特殊出生率は総再生産率の約2倍の値となることから、合計特殊出生率>総再生産率となる。2:誤\n健康寿命とは、平均寿命(0歳児平均余命)より要介護状態となった期間を差し引いた寿命のことである。このことから、健康寿命<0歳児平均余命となる。3:誤\n年少人口指数は、(年少人口/生産年齢人口)\\times 100、老年人口指数は、(老年人口/生産年齢人口)\\times 100で表される。平成28年では年少人口<老年人口であるため、年少人口指数<老年人口指数となる。4:誤\n我が国では、晩婚化が進み、平均初婚年齢は増加傾向にある。5:正\n我が国では高齢化が進み、粗死亡率は増加傾向にある。"} +{"problem_id": "104123", "problem_text": "閉経後の健康な女性を無作為に2つの集団に分け、一方の集団にはエストロゲン・プロゲステロン併用療法を施し、もう一方の集団には偽薬を投与して長期にわたる追跡調査を行った結果を図に示した。この療法による疾患の発症リスクに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["乳がんの発症リスクは、有意に増加した。", "脳卒中の発症リスクは、有意に増加した。", "大腸がんの発症リスクは、有意に増加した。", "子宮内膜がんの発症リスクは、有意に減少した。", "股関節骨折の発症リスクは、有意に減少した。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "相対危険度とは、対象群の発症率に対する投与群の発症率を表したものであり、相対危険度が1より大きい場合、投与群の発症率は対象群の発症率に比べ大きい(投与群で発症のリスクが増加している)と判断することができる。また、相対危険度の95%信頼区間が1を挟んでいる場合、その結果が有意でないことを示している。設問の図より、乳がん、子宮内膜がんの相対危険度の95%信頼区間は1を挟んでいるので、その結果は有意でないと考えられる。脳卒中の相対危険度は1より大きく、その95%信頼区間は1を挟んでいないため、投与群で脳卒中の発症のリスクが増加していると考えられる。また、大腸がん、股関節骨折の相対危険度は1より小さく、その95%信頼区間は1を挟んでいないため、投与群で大腸がん、股関節骨折の発症のリスクが減少していると考えられる。"} +{"problem_id": "104124", "problem_text": "予防接種法に定める予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["インフルエンザは、個人の発症又はその重症化の防止に比重を置くため、B類疾病に分類されている。", "日本脳炎の予防接種には、トキソイド由来のワクチンが用いられる。", "ポリオのワクチンは、ジフテリア、百日咳、破傷風のワクチンとともに4種混合ワクチンとして接種される。", "水痘に対して、ワクチンの任意接種が行われている。", "原虫感染症に対して、ワクチンの任意接種が行われている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n予防接種法に定める予防接種(定期接種)は、A類疾病(発生すると重症化したり、後遺症を残す病気の予防および集団予防に重点を置いたもの)とB類疾病(個人の発病または重症化の予防に重点を起き、対象者本人が接種を希望する場合に実施されるもの)に分類される。予防接種法に定める予防接種において、インフルエンザ及び肺炎球菌感染症はB類疾病に分類されている。2:誤\n日本脳炎の予防接種には、不活化ワクチンが用いられる。3:正\n4:誤\n水痘のワクチンを対象年齢期間中(生後12〜36ヶ月)に接種する場合には、定期接種(予防接種法に定める予防接種)となるが、対象年齢期間以外に接種する場合には、任意接種となる。5:誤\n予防接種法に定める予防接種には、原虫感染症に対する予防接種はない。"} +{"problem_id": "104125", "problem_text": "母子感染とその予防に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["水平感染とは、母親から胎児又は新生児に病原体が直接伝播する感染様式である。", "ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、母子感染することはない。", "HBs抗原陽性の母親から生まれてくる児には、��生後、抗HBs人免疫グロブリンとB型肝炎ワクチンを投与する必要がある。", "梅毒トレポネーマに対して、人工栄養哺育などにより母乳を介した感染を防ぐ対策がなされている。", "妊娠初期に妊婦が風しんに罹患すると、先天性風しん症候群を起こすことがある。", "HBs: B型肝炎(HB)ウイルス粒子の外郭を構成するタンパク質"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n水平感染とは、接触、飛沫、食物、空気などを介することにより病原体が個体から個体に伝播する感染様式である。なお、設問の記述は、垂直感染に関する記述である。2:誤\nヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、母子感染することがある。3:正\n出生児のB型肝炎ウイルスキャリヤー化を防止する目的でHBs抗原陽性の母親から生まれてくる児には、出生後、抗HBs人免疫グロブリンとB型肝炎ワクチンの投与を行なっている。4:誤\n人工栄養哺育などにより母乳を介した感染を防ぐ対策がなされているのは、成人T細胞白血病である。なお、梅毒トレポネーマの母子感染を防ぐ治療法として、ペニシリン系注射薬の投与が有効であるとされている。5:正\n妊娠初期に妊婦が風しんに罹患すると、新生児が先天性風しん症候群(症状: 心疾患、難聴など)を起こすことがある。"} +{"problem_id": "104126", "problem_text": "職業病を誘発する化学物質とそれにより生じる健康障害の主な症状及び特殊健康診断に用いられる尿中バイオマーカーの組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "104127", "problem_text": "第II相代謝反応を担う硫酸転移酵素が必要とする補酵素はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nグルタチオンの構造である。グルタチオンは、グルタチオン抱合に関与するグルタチオンS-転移酵素が必要とする補酵素である。2:正\n活性硫酸の構造である。活性硫酸は、硫酸抱合に関与する硫酸転移酵素が必要とする補酵素である。3:誤\nNADPの構造である。NADPは、脱水素酵素が必要とする補酵素である。4:誤\nアセチルCoAの構造である。アセチルCoAは、アセチル抱合に関与するN-アセチル基転移酵素が必要とする補酵素である。5:誤\nウリジル二リン酸-\\alpha -D-グルクロン酸の構造である。ウリジル二リン酸-\\alpha -D-グルクロン酸は、グルクロン酸抱合に関与するUDP-グルクロン酸転移酵素が必要とする補酵素である。"} +{"problem_id": "104128", "problem_text": "シトクロムP450による薬物代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["補欠分子としてFADが必要である。", "薬物代謝に利用される電子は、NADPHからNADPH-オキシダーゼを介して供給される。", "シトクロムP450に結合した酸素分子は、還元的に活性化され、基質の酸化に利用される。", "還元反応を触媒することがある。", "還元型が酸素分子と結合すると450nmに吸収極大を示す。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nシトクロムP450が生理活性を示すためには、補欠分子(タンパク質の生理活性において重要なタンパク質に結合する非タンパク質)としてヘムが必要である。2:誤\n薬物代謝に利用される電子は、NADPHからNADPH-レダクターゼを介して供給される。3:正\nシトクロムP450に酸素分子が結合し、その後、電子が導入され、酸素分子が還元的活性化されることにより基質が酸化される。4:正\n嫌気的条件下において、シトクロムP450は還元反応を触媒することがある。5:誤\nシトクロムP450の還元型が一酸化炭素と結合すると、450nmに吸収極大を示す。"} +{"problem_id": "104129", "problem_text": "化学物質の毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["単回投与毒性試験の目的の1つは、許容一日摂取量(ADI)を決定することである。", "単回投与毒性試験は、食品添加物の申請に要求される。", "反復投与毒性試験の目的の1つは、無毒性量(NOAEL)あるいは最小毒性量(LOAEL)を決定することである。", "遺伝毒性試験には、DNA損傷を検出する試験法と、染色体異常や遺伝子突然変異を検出する試験法がある。", "催奇形性試験は、動物愛護の観点から、げっ歯類のみで行うことが推奨されている。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n単回投与毒性試験は、被検物質を哺乳動物に単回投与したときの用量-反応曲線を明らかにする目的で行われる。本試験では、LD_{50}(50%致死量)を求めることができるが、許容一日摂取量(ADI)を決定することはできない。なお、許容一日摂取量(ADI)は、反復投与毒性試験により得られたNOAELをもとに算出する。2:誤\n食品添加物の申請に要求される試験として、反復投与毒性試験、催奇形性試験、発がん性試験、変異原性試験などがあるが、単回投与毒性試験は、食品添加物の申請に要求されない。3:正\n反復投与毒性試験により、生体に有害な反応を起こさない最大量(NOAEL)及び動物実験で有害作用が認められた最小用量(LOAEL)を決定することができる。4:正\n遺伝毒性試験には、DNA損傷を検出する試験法(コメット試験、不定期DNA合成試験など)、染色体異常を検出する試験法(小核試験、染色体異常試験など)、遺伝子の突然変異を検出する試験法(復帰突然変異試験、マウスリンフォーマTK試験など)がある。5:誤\n催奇形性試験は、ネズミやマウスなどのげっ歯類以外にもうさぎなどで行われている。"} +{"problem_id": "104130", "problem_text": "アルコールの中毒と代謝に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エタノールの代謝によって生じるアセトアルデヒドにより、頭痛や悪心、嘔吐などが引き起こされる。", "欧米人に比べて、日本人ではアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の活性が低い人の割合が高い。", "アルコール依存症の患者は、ウェルニッケ脳症などのビタミンB_{1}欠乏症を起こすことがある。", "メタノールの眼毒性は、メタノールがギ酸に代謝されることによって低減される。", "メタノール中毒患者の治療にエタノールが用いられることがある。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\nエタノールの代謝によって生じるアセトアルデヒドが、頭痛や悪心、嘔吐を引き起こすことがある。2:正しい\n日本人などのモンゴロイド系の人々は、欧米人に比べて、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)の活性が低いとされている。3:正しい\nアルコール依存症患者は、食事をおろそかにし、アルコールばかりを摂取するため、栄養失調によるウェルニッケ脳症(症状: 意識障害、眼球運動の異常、運動失調)などのビタミンB_{1}欠乏症を起こしやすい。4:誤っている\nメタノールの眼毒性は、メタノールがギ酸に代謝されることにより誘発されるため、メタノールがギ酸に代謝されてもメタノールの眼毒性は低減されない。5:正しい\n第97回薬剤師国家試験:問135参照"} +{"problem_id": "104131", "problem_text": "電離放射線の被ばくに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["胸部X線撮影や胃のバリウム検査による被ばくは、内部被ばくである。", "神経組織の放射線感受性は、造血組織に比べて低い。", "食品中に含まれる^{40}Kは、天然放射性核種である。", "脱毛や白内障は、しきい線量を超える放射線に被ばくした際に生じるので、確率的影響と呼ばれる。", "白血病やがんは、微量な放射線に被ばくした場合でも発生する可能性があるので、確定的影響と呼ばれる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n胸部X線撮影や胃のバリウム検査では、体外からX線を照射するため、胸部X線撮影や胃のバリウム検査による被ばくは、外部被ばくである。2:正\n放射線対する感受性は、①: 細胞分裂の頻度が高い組織ほど感受性が高い。②: 未分化な細胞ほど感受性が高い(ベルゴニー・トリボンドーの法則)とされている。ベルゴニー・トリボンドーの法則より、神経組織の放射線感受性は、造血組織に比べて低い。3:正\n^{40}Kは天然に最も多く存在する放射線核種であり、食品中にも含まれている。4:誤\n脱毛や白内障は、しきい線量を越える放射線に被ばくした際に生じるので、確定的影響と呼ばれる。5:誤\n白血病やがんは、微量な放射線に被ばくした場合でも発生する可能性があるので、確率的影響と呼ばれる。"} +{"problem_id": "104132", "problem_text": "残留塩素による大腸菌の99%不活性化に要する濃度��作用時間の関係を図に示した。水の塩素処理及び図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["次亜塩素酸(HClO)は、次亜塩素酸イオン(ClO^{-})と比較すると、同濃度あるいは同作用時間では、大腸菌の99%不活性化の効果が高い。", "ClO^{-}は、水道水質基準を満たしていれば、大腸菌を10分以内に99%不活性化することができる。", "モノクロラミン(NH_{2}Cl)は、水道水の水質管理目標値(残留塩素1 mg/L以下)において大腸菌を10分以内に99%不活性化することができる。", "3種の残留塩素を比較した場合、有効塩素濃度(C)と99%不活性化に要する作用時間(T)の積(CT値)が大きいほど大腸菌に対する消毒効果が高い。", "HClO、ClO^{-}及びNH_{2}Clは、いずれも水泳プールに係る学校環境衛生基準において、水道水質基準と同様の基準値が定められている。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n次亜塩素酸(HClO)は、次亜塩素酸イオン(ClO^{-})に比べ、どの濃度においても大腸菌の99%不活化するまでの時間が短いこと、どの作用時間においても不活化に要する濃度が低いことから、次亜塩素酸(HClO)は、次亜塩素酸イオン(ClO^{-})と比較すると、同濃度あるいは同作用時間では、大腸菌の99%不活性化の効果が高い。2:正\nClO^{-}の水道水質基準は、0.1 mg/L以上である。設問のグラフより、ClO^{-}の濃度が0.1 mg/L以上において、大腸菌の99%不活化するまでの時間が10分以内であると読み取ることができる。3:誤\n設問のグラフより、モノクロラミン(NH_{2}Cl)の濃度が1 mg/L以下では、大腸菌を10分以内に99%不活性化することができないと読み取ることができる。4:誤\n有効塩素濃度(C)が小さいほど、また不活化に要する時間(T)が短いほど大腸菌に対する消毒効果が高いため、CT値が小さいほど大腸菌に対する消毒効果が高い。5:誤\nHClO、ClO^{-}及びNH_{2}Clは、いずれも水泳プールに係る学校環境衛生基準において、水道水質基準と異なる基準値が定められている。"} +{"problem_id": "104133", "problem_text": "ウィンクラー法による水中の溶存酸素量(DO)の測定法の概略を以下にまとめた。【操作A】試料水で充満させた測定瓶にMnSO_{4}溶液1mL及びアルカリ性ヨウ化カリウム(KI)・アジ化ナトリウム溶液1mLを加え、栓をした後、転倒混和し、静置する。【操作B】濃硫酸1mLを、沈殿を巻き上げないように測定瓶に加え、直ちに栓をして転倒混和する。【操作C】測定瓶から試料水の一定量を分取し、生じたヨウ素の量をデンプン試薬を用いてチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。", "choices": ["操作Aでアジ化ナトリウムを加えるのは、試料水中の亜硝酸イオンと溶存酸素との反応を促進させるためである。", "操作Aによって生じた沈殿は、亜マンガン酸である。", "操作Aを行った後、上清中のDOは、この操作の原理上、ゼロとなる。", "操作Bにより沈殿が消失し、溶液が黄色になるのは、硫酸酸性下でKIが還元されるためである。", "操作Cにおける滴定の終末点の前後で溶液の色は無色から青色へ変化する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "溶存酸素(DO)の測定法であるウインクラー法の流れを以下に示す。①: アルカリ性条件下、硫酸マンガンMnSO_{4}が反応し、水酸化マンガンMn(OH)_{2}を生じる。②: 水酸化マンガンMn(OH)_{2}が溶存酸素(DO)と反応して、亜マンガン酸H_{2}MnO_{3}(褐色沈殿)となり、酸素が固定される(上清中のDOが原理上、ゼロとなる)。③: 硫酸酸性条件下、亜マンガン酸H_{2}MnO_{3}とヨウ化カリウムKIが反応し、ヨウ素I_{2}を遊離する。④: 遊離したヨウ素I_{2}をチオ硫酸ナトリウム(Na_{2}S_{2}O_{3})で滴定する。1:誤\n操作Aでアジ化ナトリウムを加えるのは、試料水中の亜硝酸イオンが溶存酸素を消費するのを防止するためである。2:正\n3:正\n4:誤\n操作Bにより沈殿が消失し、溶液が黄色になるのは、硫酸酸性下でKIが酸化されるためである。5:誤\n操作Cにおける滴定の終末点の前後で溶液の色は青紫色から無色へ変化する。"} +{"problem_id": "104134", "problem_text": "大気汚染物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["二酸化硫黄から生じる硫酸ミストは、他の硫黄酸化物と比べ、目や気道粘膜への刺激が強い。", "ザルツマン法を用いて、一酸化窒素と二酸化窒素を分別定量する際は、二酸化窒素を一酸化窒素に還元しなければならない。", "一酸化窒素は、ヘモグロビンと結合してニトロソヘモグロビンを生成し、血液の酸素運搬能を低下させる。", "光化学オキシダントの年平均濃度は漸減傾向にあり、全国的に環境基準を達成している。", "光化学オキシダントの測定では、溶液導電率法によりオゾンを定量する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n硫酸ミストは、大気中で水に二酸化硫黄が溶け込むことにより生成する霧状の硫酸のことであり、他の硫黄酸化物に比べ、目や気道粘膜への刺激が強い。2:誤\nザルツマン法を用いて、一酸化窒素と二酸化窒素を分別定量する際は、一酸化窒素を二酸化窒素に酸化しなければならない。3:正\n一酸化窒素は、ヘモグロビンと結合して酸素と結合できないニトロソヘモグロビンを生成し、血液の酸素運搬能を低下させる。4:誤\n光化学オキシダントの年平均濃度は、ほとんど変化しておらず、全国的に環境基準を達成できていない。5:誤\n光化学オキシダントの測定には、中性ヨウ化カリウム法(試料空気をヨウ化カリウム(KI)溶液に通じ、その後、吸光度を測定する方法)が用いられる。"} +{"problem_id": "104135", "problem_text": "室内環境衛生に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アスマン通風乾湿計において、乾球温度と湿球温度が同じ室内では、相対湿度が100%である。", "カタ係数が同じ乾カタ温度計を用いた場合、38^{\\circ} Cから35^{\\circ} Cまで下降するのに要する時間が短いほど、乾カタ冷却力は小さい。", "感覚温度は、アスマン通風乾湿計及び黒球温度計を用いて求めることができる。", "気温と気湿が同じ室内では、気動が大きいほど乾カタ冷却力は大きい。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nアスマン通風乾湿計には、乾球温度計と湿球温度計があり、乾球温度計では室内の湿度における室温を測定でき、湿球温度計(ぬれたガーゼを巻いた温度計)では、湿度100%における室温を測定することができる。乾球温度と湿球温度に差がない場合、室内の湿度は湿球温度を測定している湿度と同一であると考えることができるため、アスマン通風乾湿計において、乾球温度と湿球温度が同じ室内では、相対湿度が100%である。2:誤\nカタ係数が同じ乾カタ温度計を用いた場合、38^{\\circ} Cから35^{\\circ} Cまで下降するのに要する時間が短いほど、乾カタ冷却力は大きい。3:誤\n感覚温度は、アスマン通風乾湿計及び乾カタ温度計を用いて求めることができる。4:正\n気温と気湿が同じ室内では、気動が大きいほど、乾カタ温度計の38^{\\circ} Cから35^{\\circ} Cまで下降するのに要する時間が短く、乾カタ冷却力は大きい。"} +{"problem_id": "104136", "problem_text": "マニフェスト制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["循環型社会の形成を目的として、廃棄物リサイクル利用を促進する制度である。", "マニフェストとは、排出事業者が委託事業者に交付する産業廃棄物管理票のことである。", "廃棄物のうち、特別管理産業廃棄物のみを対象にマニフェストの交付が義務づけられている。", "排出事業者が産業廃棄物を自ら処理する場合も、マニフェストの交付は必要である。", "排出事業者及び処理業者が、産業廃棄物の不適正処理を行った場合、刑事処分を受けることがある。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "マニュフェスト制度とは、産業廃棄物の適正な処理を推進する目的で定められた制度のことであり、マニュフェスト(産業廃棄物管理表)により産業廃棄物の移動および処理を管理している。マニュフェスト制度により、産業廃棄物の処理を委託する排出事業者は、産業廃棄物の種類に関わらず、委託事業者(運搬業者、処理業者)に対してマニュフェストを交付することとされている。1:誤\n循環型社会の形成を目的として、廃棄物リサイクル利用を促進する制度は、循環社会形成基本法に定められている。2:正\n3:誤\n産業廃棄物の処理を委託する場合には、産業廃棄物の種類に関わらずマニュフェストの交付が義務づけられている。4:誤\n排出事業者が産業廃棄物を自ら処理する場合には、マニフェストの交付は不要である。5:正"} +{"problem_id": "104137", "problem_text": "新生児マススクリーニングは、先天性代謝異常を出生直後に早期発見し、栄養療法による早期治療を目指す事業である。近年、新たな新生児マススクリーニングとしてタンデムマス法を用いた脂肪酸代謝異常症の検査が始まった。検査できる主な脂肪酸代謝異常症には、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-1(CPT-1)欠損症、極長鎖アシルCoA脱水素酵素(VLCAD)欠損症、中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症がある。図1はヒトにおける長鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸の代謝の概略である。ミトコンドリアにおいて、VLCADは長鎖脂肪酸、MCADは中鎖脂肪酸の\\beta 酸化に関与する。なお、3種の代謝異常症に関わる酵素を四角で示している。図1に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["長鎖脂肪酸の分解の律速段階は、CPT-1によるカルニチンのアシル化である。", "CPT-1は、脂肪酸生合成の中間体のマロニルCoAにより活性化される。", "脂肪酸の\\beta 酸化では、NADHからNAD^{+}が生成される。", "\\beta 酸化により生成したアセチルCoAは、クエン酸回路で利用される。", "LCAD欠損症の患者では、中鎖脂肪酸からアセチルCoAを産生できない。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n長鎖脂肪酸は、細胞質で活性化されアシル-CoAとなるが、アシル-CoAはミトコンドリア内膜を通過することができないため、ミトコンドリア外膜に存在するCPT-1によりカルニチンと縮合しアシルカルニチンとなりミトコンドリア内膜を通過する。その後、アシルカルニチンは、ミトコンドリアマトリックスにおいて再びアシルCoAとなりVLCADが関与する\\beta 酸化を受ける。このことから、CPT-1が長鎖脂肪酸から生成するアシル-CoAをミトコンドリアマトリクスに輸送することを制御していると考えられるため、長鎖脂肪酸の分解の律速段階は、CPT-1によるカルニチンのアシル化であるといえる。2:誤\n細胞内では、脂肪酸の生合成が促進すると、分解(\\beta 酸化)が抑制されるように調整されている。脂肪酸生合成が促進し、中間体のマロニルCoAが増えると、脂肪酸の分解(\\beta 酸化)に関わるCPT-1が阻害されることにより脂肪酸の分解(\\beta 酸化)が抑制される。3:誤\n脂肪酸の\\beta 酸化では、NAD^{+}からNADHが生成される。4:正\n5:誤\n図1より、中鎖脂肪酸は、直接ミトコンドリアマトリックス内に入り、アシルCoAとなりMCADが関与する\\beta 酸化を受けるが、VLCADが関与する\\beta 酸化を受けない。よって、VLCAD欠損していても、中鎖脂肪酸からアセチルCoAを産生することができる。"} +{"problem_id": "104138", "problem_text": "\\beta 酸化による脂肪酸の代謝反応のうち、脂肪酸と補酵素A(CoASH)が縮合したチオエステルaからアセチルCoA(化合物f)が生じる経路を示す。下の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、ア及びイは補酵素であり、チオエステルはエステルと同様の反応を起こすものとする。", "choices": ["化合物aからbへの変換には、補酵素アが必要である。", "化合物bからcへの反応は、酸化反応である。", "化合物cからdへの変換には、補酵素イが必要である。", "化合物dからe及びfへの反応では、CoASHが求核剤としてはたらいている。", "化合物dのチオエステルの\\alpha -水素の酸性度は、化合物aのものよりも低い。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n化合物a(アセチル-CoA)から化合物b(トランス-\\Delta\n^{2}-エノイルCoA)への変換(脱水素)には、補酵素ア(FAD:\nフラビンアデニンジヌクレオチド)が必要である。"} +{"problem_id": "104139", "problem_text": "新生児マススクリーニングで使われているタンデムマス法は、2段の質量分離部を用いる方法である。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["タンデムマス法では、質量分離部が並列に配置されている。", "試料は冷蒸気法によってイオン化される。", "1段目の質量分離部で選択される特定のイオンのことを、プリカーサーイオンという。", "プリカーサーイオンは、電子を衝突させることによりさらに解離される。", "タンデムマス法は、アミノ酸や有機酸などの代謝物の一斉分析にも有用である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nタンデムマス法では、質量分離部が直列に配置されており、1つ目の質量分離部で試料をイオン化させ、特定の質量数のイオン(このイオンをプリカーサーイオンという)を選択し、衝突活性化室に導き、プリカーサーイオンから生じた2次イオン(プロダクトイオン)を2つ目の質量分離部で分離する。2:誤\n試料は一般に電子衝撃法によりイオン化される。なお、冷蒸気法は、原子吸光光度法の原子化法の1つである。3:正\n解説1参照\n4:誤\nプリカーサーイオンは、衝突活性化室でキセノンなどの不活性化ガスと衝突させることによりさらに解離される。5:正\nタンデムマス法は、タンパク質やDNAの構造解析に加え、アミノ酸や有機酸などの代謝物の一斉分析に用いられる。"} +{"problem_id": "104140", "problem_text": "図2は、タンデムマス法により測定した新生児A〜Eの血液試料中のアシルカルニチン分子種の定量結果である。それぞれの疾患の診断基準を以下に示す。C8、C16及びC18の数字は、アシルカルニチンに含まれる脂肪酸の炭素数を、C14:1は、炭素数と二重結合が1つあることを表す。またC0は、遊離カルニチンを表す。ここでは炭素数12以上を長鎖脂肪酸、炭素数8と10を中鎖脂肪酸とする。図2の測定結果から考えられる新生児A〜Eの疾患名と、図1の代謝経路に基づいて実施すべき栄養療法の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n図2よりAはC0の数値のみ基準値を超えているため、どの欠損症にも該当しない。2:正\n図2よりBはC14:1の数値のみ基準値を超えているため、VLCAD欠損症であると判断できる。VLCAD欠損症では、長鎖脂肪酸の\\beta 酸化が抑制され、長鎖脂肪酸からのエネルギー産生が抑制されるため、中鎖脂肪酸トリグリセリドを構成成分とするミルクを使用することは適切である。3:誤\n図2よりCは、C8の数値のみ基準値を超えているため、MCAD欠損症であると判断できる。MCAD欠損症では、中鎖脂肪酸の\\beta 酸化が抑制され、中鎖脂肪酸からのエネルギー産生が抑制されるため、中鎖脂肪酸トリグリセリドを構成成分とするミルクを使用してはならない。4:正\n図2よりDは、C0/(C16+C18)及びC0の数値が基準値を超えているため、CPT-1欠損症であると判断できる。CPT-1欠損症では、アシルCoAとカルニチンからのアシルカルニチンの生合成が抑制され、長鎖脂肪酸からのエネルギー産生が抑制されるため、中鎖脂肪酸トリグリセリドを構成成分とするミルクを使用することは適切である。5:誤\n図2よりEはどの測定項目も基準値以下の数値であることから、どの欠損症にも該当しない。"} +{"problem_id": "104141", "problem_text": "治験におけるインフォームド・コンセントに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["治験の実施前に文書を用いて被験者に説明し、文書により被験者から同意を得ることが原則である。", "治験において予測される臨床上の利益や危険性を説明してあれば、他の治療法に関する説明を行う必要はない。", "治験に関連する健康被害が発生した場合に受けることができる補償及び治療について被験者に説明しなければならない。", "治験の成果が学術論文として公表される場合、学術上の必要があれば被験者の秘密を記載することを被験者に説明しなければならない。", "専門的事項の説明では、平易な表現を説明文書に用いる必要はない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n治験責任医師等は、被験者となるべき者を治験に参加させるときは、あらかじめ治験の内容等について被験者本人の理解を得るよう、文書により適切な説明を行い、文書により同意を得なければならない。<説明文書に記載される事項>\n1)当該治験が試験を目的とするものである旨\n2)治験の目的\n3)治験責任医師の氏名、職名及び連絡先\n4)治験の方法\n5)予測さ��る治験薬による被験者の心身の健康に対する利益(当該利益が見込まれない場合はその旨)及び予測される被験者に対する不利益\n6)他の治療方法に関する事項\n7)治験に参加する期間\n8)治験の参加を何時でも取りやめることができる旨\n9)治験に参加しないこと、又は参加を取りやめることにより被験者が不利益な取扱いを受けない旨\n10)被験者の秘密が保全されることを条件に、モニター、監査担当者及び治験審査委員会等が原資料を閲覧できる旨\n11)被験者に係る秘密が保全される旨\n12)健康被害が発生した場合における実施医療機関の連絡先\n13)健康被害が発生した場合に必要な治療が行われる旨\n14)健康被害の補償に関する事項\n15)当該治験の適否等について調査審議を行う治験審査委員会の種類、各治験審査委員会において調査審議を行う事項その他当該治験に係る治験審査委員会に関する事項\n16)当該治験に係る必要な事項\n2:誤\n治験において予測される臨床上の利益や危険性を説明するとともに他の治療方法に関することも説明する必要がある(説明文書に記載される事項6参照)。3:正\n(説明文書に記載される事項13、14参照)\n4:誤\n被験者の秘密は公開されることはない(説明文書に記載される事項11参照)。5:誤\n説明文書には、できる限り平易な表現を用いなければならないとされている。"} +{"problem_id": "104142", "problem_text": "医薬品等の広告に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医薬関係者向けの専門誌には、承認される前の医薬品の広告を掲載できる。", "医薬関係者向けの専門誌には、医薬品医療機器等法に基づいて指定されたがんの治療薬の広告を掲載できる。", "放送事業者や出版社は、我が国で未承認の医療機器であっても、海外で承認されていれば性能・効果を広告できる。", "放送事業者や出版社は、医薬品の効能・効果を誇大に広告できる。", "放送事業者や出版社は、医師が医薬品の効能・効果を保証する記事を広告できる。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n何人も承認される前の医薬品、医療機器、再生医療等製品について、その名称、製造方法、効能、効果または性能に関する広告をしてはならない。2:正\n医薬関係者向けの専門誌には、医薬品医療機器等法に基づいて指定された特殊疾病(がん、肉腫、白血病)の治療薬の広告を掲載することが可能である。なお、特殊疾病(がん、肉腫、白血病)に用いられる治療薬の広告は主として医療関係者を対象として行う場合のほか、行ってはならないとされている。3:誤\n何人も我が国で未承認の医療機器を広告してはならない。4:誤\n何人も医薬品の効能・効果を誇大に広告してはならない。5:誤\n何人も医師等が医薬品の効能・効果を保証する記事を広告することはできない。"} +{"problem_id": "104143", "problem_text": "希少疾病用医薬品に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["用途に係る対象者の数が、本邦において定められた人数に達しない場合に指定されるものである。", "用途に関し、特に優れた使用価値があるものである。", "指定について緊急を要する場合は、薬事・食品衛生審議会の意見を聴くことなく指定できる。", "指定されたときは、その旨が公示される。", "正当な理由なく試験研究が行われないときは、指定を取り消されることがある。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n希少疾病医薬品は、対象者の数が我が国において5万人に達しないこととされている。2:正しい\n希少疾病医薬品は、その用途に関し、特に使用価値を有することとなる物であるとされている。3:誤っている\n希少疾病医薬品は、厚生労働省が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定したものであるとされていることから、緊急を要する場合でも、薬事・食品衛生審議会の意見を聴くことなく指定することはできない。4:正しい\n5:正しい\n次のいずれかに該当するときは、指定を取り消すことがある。・「対象患者数」が要件を欠くと認められるとき\n・他の医薬品等が承認されたことなどにより、「医療上の必要性」の要件を欠くと認められるとき\n・指定申請書の虚偽記載等不正が��ったと認められるとき\n・正当な理由がなく希少疾病医薬品等の試験研究又は製造販売が行われないとき\n・指定を受けた者について薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反する行為があったとき"} +{"problem_id": "104144", "problem_text": "薬剤師法に基づいて薬剤師又は薬局開設者が行った業務に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬剤師が、販売又は授与の目的で調剤した薬剤の適正な使用のため、患者に対し必要な情報を提供し、薬学的知見に基づく指導を行った。", "薬剤師が、処方箋中に疑わしい点があったので、その処方箋を交付した医師に問い合わせたが連絡がつかなかったため、後で確認することにして調剤して交付した。", "薬局開設者が、患者から希望があったので、調剤済みとなった処方箋を、すぐに患者に返した。", "薬剤師が、分割調剤を行ったので、処方箋に必要な事項を記載し、調剤録への記載は省略した。", "薬局開設者が、調剤録を最終の記載日から3年間保存したのち廃棄した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n2:誤\n薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない。(薬剤師法24条)\n3:誤\n薬局開設者は、当該薬局で調剤済みとなった処方せんを、調剤済みとなった日から3年間、保存しなければならない。(薬剤師法27条)\n4:誤\n分割調剤を行い、調剤済みとならなかった場合、処方せんに必要事項を記載するとともに、調剤録へも必要事項を記載しなければならない。5:正\n調剤録は、薬局開設者が備え、最終記入の日から3年間保存しなければならない。そのため、薬局開設者は、調剤録を最終の記載日から3年間保存したのち廃棄することは問題ない。"} +{"problem_id": "104145", "problem_text": "一般病床に280人が入院し、外来患者に係る取扱い処方箋数が150枚である地域医療支援病院における、医療法で規定された薬剤師の員数について、正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、この病院は特定機能病院又は臨床研究中核病院ではないものとする。", "choices": ["3人", "4人", "5人", "6人", "7人"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "一般病院(特定機能病院及び臨床研究中核病院を除く病院)における薬剤師の員数は以下の式より求めることができる。上記の式より、設問の病院の医療法で規定された薬剤師の員数は以下のように求めることができる。なお、特定機能病院の薬剤師の員数は、入院患者30人ごとに1人、外来調剤数80ごとに1人と規定されている。"} +{"problem_id": "104146", "problem_text": "独立行政法人医薬品医療機器総合機構法において規定されている副作用被害救済給付の対象となるのはどれか。2つ選べ。なお、いずれの場合も入院を要する程度の健康被害とする。", "choices": ["副作用の原因となった許可医薬品について、賠償責任者が不明である場合", "救命のためやむをえず通常の使用量を超えて許可医薬品を使用したことにより生じた副作用で、その発生があらかじめ認識されていた場合", "任意に予防接種を受けたことにより副作用が生じた場合", "抗悪性腫瘍剤のアクチノマイシンDを使用したことにより副作用が生じた場合"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "副作用被害救済制度とは、許可医薬品等(許可医薬品又は副作用救済給付に係る許可再生医療等製品)を適正に使用したにもかかわらず、入院を要すると認められる程度の医療を必要とする疾病、日常生活が著しく困難になるような障害、又は死亡等の健康被害が発生した場合に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)がその健康被害を救済する制度のことである。副作用救済制度の対象とならない場合を以下に示す\n①法定予防接種を受けたことによるものである場合\n(任意に予防接種を受けたことによる健康被害は対象となる)\n②医薬品等の製造販売業者などに損害賠償の責任が明らかな場合\n(副作用の原因となった許可医薬品について、賠償責任者が不明である場合は対象となる)\n③救命のためにや���を得ず通常の使用量を超えて医薬品等を使用したことによる健康被害で、その発生が予め認識されていた等の場合\n④がんその他の特殊疾病に使用される医薬品等で厚生労働大臣の指定するもの(対象除外医薬品)等による場合\n⑤医薬品等の副作用のうち軽度な健康被害や医薬品等の不適切な使用によるもの等である場合\n⑥副作用や障害の程度が軽い場合や請求期限が経過した場合\n⑦その他、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会で給付の対象にならないと判定された場合"} +{"problem_id": "104147", "problem_text": "2010年から2015年の薬事工業生産動態統計による我が国の医薬品の生産金額に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["医薬品の生産金額の合計は年間10兆円を超えている。", "医薬品の生産金額は年によって増減はあるものの、ほぼ横ばいに推移している。", "医療用医薬品の薬効大分類別生産金額において、生物学的製剤が占める割合が最も多い。", "一般用医薬品の生産金額は、医療用医薬品の生産金額の1割程度である。", "一般用医薬品の薬効大分類別生産金額において、漢方製剤が占める割合が最も多い。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n2010年(平成22年)から2015年(平成27年)の薬事工業生産動態統計によると、医薬品の生産金額の合計は、年間約6〜7兆円の間で推移している。2:正\n解説1参照\n3:誤\n医療用医薬品の薬効大分類別生産金額において、循環器官用薬が占める割合が最も多い。4:正\n5:誤\n一般用医薬品の薬効大分類別生産金額において、外皮用薬が占める割合が最も多い。"} +{"problem_id": "104148", "problem_text": "治験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["医薬品の治験とは、非臨床試験及び臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験の実施のことである。", "医薬品の臨床試験の実施の基準は、被験者の人権の保護や治験の科学的な質及び成績の信頼性を確保することを目的としている。", "医師及び薬剤師には守秘義務があるが、治験の場合には適用されない。", "治験の対象となる薬物について初めて治験の計画を届け出た者は、届出の日から直ちに治験を依頼することができる。", "治験依頼者は、治験薬の副作用によるものと疑われる死亡につながるおそれのある症例で、治験薬概要書からは予測できないものを知ったときは、定められた期間内に医薬品医療機器総合機構宛てに報告しなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n医薬品の治験とは、臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験の実施のことであり、非臨床試験に関する資料の収集を目的とする試験は含まれない。2:正\n3:誤\n治験の依頼をした者若しくは自ら治験を実施した者又はその役員もしくは職員は、正当な理由なく、治験に関しその職務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。これらの者にあった者も同様とする。4:誤\n治験の対象となる薬物について初めて治験の計画を届け出た者は、届出後30日経過した後でなければ、治験を依頼し、又は自ら治験を実施してはならない。5:正"} +{"problem_id": "104149", "problem_text": "遺伝子診断によって起こりうる倫理的問題又はその対応に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["遺伝子診断に当たっては、検査前だけでなく診断後も被検者に対して適切なカウンセリングが必要である。", "診断結果の開示には、被検者本人の自己情報コントロール権への配慮が必要である。", "重篤な遺伝病の原因遺伝子保因者と診断された場合は、被検者本人だけでなく血縁者も診断結果を知る必要がある。", "遺伝病者や保因者は社会的差別や偏見によって不利益を被る可能性がある。", "出生前診断は、診断結果が生命の選択や優生思想の問題を引き起こす可能性がある。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n遺伝カウンセリングとは、疾患の遺伝学的関与について、その医学的影響、心理的影響及び家族への影響を理解することを手助けするプロセスであるとされている。遺伝子診断に当たっては、検査前だけでなく診断後も遺伝カウンセリ��グが必要である。2:正しい\n自己情報コントロール権とは、国や企業などが有する自己の個人情報を開示、訂正、削除するように求めることで自己の個人情報をコントロールする権利のことである。自己情報コントロール権には、自己の情報を「知る権利」「知らされない権利」なども含まれている。診断結果を開示する際には、被験者本人に「知りたいか」「知らされせたくないか」を確認するなど自己情報コントロール権への配慮が必要である。3:誤っている\n現在の医療では治療することが困難な重篤な遺伝病の原因遺伝子保因者と診断された場合、その情報を知らされたくないと考える被験者や血縁者もいることから、重篤な遺伝病の原因遺伝子保因者と診断された場合、被験者本人だけでなく血縁者にも「知りたいか」「知らされたくないか」を確認する必要がある。4:正しい\n遺伝病者や保因者は、社会的差別や偏見によって「就職できない」、「保険に加入できない」「結婚できない」など不利益を被る可能性がある。5:正しい\n出生前診断は、診断結果が生命の選択や優生思想(能力の秀でた者の遺伝子を保護し、能力の劣っている遺伝子を排除することで、優秀な人類を後世に遺そうとする思想)の問題を引き起こす可能性がある。"} +{"problem_id": "104150", "problem_text": "医学研究に関する記述のうち、ヘルシンキ宣言に照らして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["人間を対象とする医学研究において、公共の利益のために、個々の研究対象となる患者の福祉を犠牲にすることは許容される。", "治療行為を伴う医学研究においては、研究対象となる患者のリスク及び負担をゼロにしなければならない。", "人間を対象とする医学研究は、適切な倫理的及び科学的教育と訓練を受けた者によって行わなければならない。", "研究計画書には、独立性を確保するため資金提供者に関する情報を記載してはならない。", "同意の諾否を自ら行うことができない人は、医学研究の研究対象に含めてはならない。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ヘルシンキ宣言は、人間を対象とする医学研究の倫理的原則を規定している。1:誤\n人間を対象とする医学研究において、個々の研究対象となる患者の福祉よりも公共の利益が優先されることはあってはならない。2:誤\n治療行為を伴う医学研究においては、研究対象となる患者のリスク及び負担を最小する手段を講じられなければならない。3:正\n人を対象とする医学研究は、適切な倫理と科学的な教育、訓練、資格を身につけた人々のみによって行わなければならない。4:誤\n研究計画書には、資金提供、スポンサーに関する情報を含むべきである。5:誤\n同意の諾否を自ら行うことができない場合でも、法的な資格を有する代理人から同意を得ることができれば、医学研究の研究対象に含めることができる。"} +{"problem_id": "104151", "problem_text": "細胞膜受容体を介する情報伝達に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ニコチン性アセチルコリンN_{N}受容体が刺激されると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが抑制され、サイクリックAMP(cAMP)濃度が低下する。", "ムスカリン性アセチルコリンM_{2}受容体が刺激されると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化され、cAMP濃度が上昇する。", "アドレナリン\\alpha _{1}受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化され、イノシトール三リン酸及びジアシルグリセロールが産生される。", "バソプレシンV_{2}受容体が刺激されると、受容体分子内のイオンチャネルが開口し、興奮性シナプス後電位(EPSP)が発生する。", "インスリン受容体が刺激されると、受容体の細胞質領域に存在するチロシンキナーゼが活性化され、インスリン受容体基質(IRS)がリン酸化される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nニコチン性アセチルコリンN_{N}受容体(Na^{+}チャネル内蔵型受容体)が刺激されると、Na^{+}チャネルが開口し、興奮性シナプス後電位(EPSP)が発生する。2:誤\nムスカリン性アセチルコリンM_{2}受容体(Giタンパク質共役型受容体)が刺激されると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼの活性化が抑制され、cAMP濃度が低下する。3:正アドレナリン\\alpha _{1}受容体(Gqタンパク質共役型受容体)が刺激されると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化され、イノシトール三リン酸及びジアシルグリセロールが産生される。4:誤\nバソプレシンV_{2}受容体(Gsタンパク質共役型受容体)が刺激されると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化され、cAMP濃度が上昇する。5:正\nインスリン受容体(チロシンキナーゼ関連型受容体)が刺激されると、受容体の細胞質領域に存在するチロシンキナーゼが活性化され、インスリン受容体基質(IRS)がリン酸化される。"} +{"problem_id": "104152", "problem_text": "アドレナリン受容体遮断薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フェントラミンは、血管平滑筋のアドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断することで血圧を低下させる。", "ブナゾシンは、毛様体上皮のアドレナリン\\beta _{2}受容体を遮断することで眼房水の産生を抑制する。", "アロチノロールは、気管支平滑筋のアドレナリン\\alpha 、\\beta 受容体を遮断することで気管支平滑筋を拡張させる。", "ビソプロロールは、心臓のアドレナリン\\beta _{1}受容体を遮断することで心拍数を減少させる。", "ナドロールは、心臓のアドレナリン\\beta _{1}受容体遮断作用及び内因性交感神経刺激作用により心筋収縮力を低下させる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n2:誤\nブナゾシンは、選択的にアドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断することでぶどう膜強膜からの眼房水の流出を促進する。3:誤\nアロチノロールは、アドレナリン\\alpha 、\\beta 受容体遮断作用を有しており、気管支平滑筋のアドレナリン\\beta _{2}受容体を遮断することで気管支平滑筋を収縮させる。4:正\n5:誤\nナドロールは、内因性交感神経刺激作用を示さない。なお、ナドロールは、心臓のアドレナリン\\beta _{1}受容体遮断することで心筋収縮力を低下させる。"} +{"problem_id": "104153", "problem_text": "全身麻酔薬及び麻酔補助薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ケタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断することで麻酔作用を示す。", "プロポフォールは、ヒスタミンH_{1}受容体を遮断することで麻酔作用を示す。", "MAC(最小肺胞内濃度)は、吸入麻酔薬の力価の指標となる値であり、大きいほど麻酔作用が強い。", "チアミラールは、\\gamma -アミノ酪酸 GABA_{A}受容体のバルビツール酸結合部位に結合することで麻酔作用を示す。", "ドロペリドールは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激することで鎮静作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nケタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を非競合的に遮断することで麻酔作用を示す。2:誤\nプロポフォールは、GABA_{A}受容体の機能を亢進することで麻酔作用を示す。3:誤\nMAC(最小肺胞内濃度)とは、吸入麻酔薬により動物の半数を不動化させるのに必要な肺胞内における吸入麻酔薬の濃度のことである。MACが大きい吸入麻酔薬ほど、効果を発現させるために高い肺胞内濃度を必要とすることから、MACが大きい吸入麻酔薬ほど麻酔作用が弱い。4:正\nチアミラールは、バルビツール酸系薬であり、\\gamma -アミノ酪酸 GABA_{A}受容体のバルビツール酸結合部位に結合することで麻酔作用を示す。5:誤\nドロペリドールは、ドパミンD2受容体を遮断することで鎮静作用を示す。"} +{"problem_id": "104154", "problem_text": "虚血性心疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ニトログリセリンから産生される一酸化窒素は、血管平滑筋のグアニル酸シクラーゼ活性を阻害することで心臓の前負荷を軽減する。", "ニコランジルは、ATP 感受性 K^{+}チャネルを開口することで冠動脈を拡張させる。", "アテノロールは、血管平滑筋のアドレナリン\\alpha _{2}受容体を遮断することで末梢血管抵抗を減少させる。", "ジルチアゼムは、心筋細胞のCa^{2+}チ��ネルを遮断することで心機能を抑制する。", "ジピリダモールは、冠動脈のアデノシンA_{2A}受容体を直接刺激することで冠動脈を拡張させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nニトログリセリンから産生される一酸化窒素は、血管平滑筋のグアニル酸シクラーゼ活性を促進し、cGMP濃度を上昇させることで、血管拡張作用を示す。ニトログリセリンは、静脈を拡張し、静脈還流量を減少させるため、心臓に対する前負荷を軽減させる。2:正\nニコランジルは、一酸化窒素遊離作用とATP感受性K^{+}チャネル開口作用により、血管拡張作用を示す。3:誤アテノロールは、選択的アドレナリン\\beta _{1}受容体を遮断薬であり、アドレナリン\\alpha _{2}受容体遮断作用を有していない。4:正\n5:誤\nジピリダモールは、アデノシントランスポーターを阻害することで赤血球へのアデノシンの取り込みを抑制し、血液中アデノシン濃度を上昇させることで、冠血管を拡張させる。"} +{"problem_id": "104155", "problem_text": "レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アンジオテンシンIIAT1受容体を遮断する薬物は、副腎皮質球状層からのアルドステロン分泌量を減少させる。", "キニナーゼIIを阻害する薬物は、血中のブラジキニン量を増加させる。", "レニンを阻害する薬物は、血中のブラジキニン量を増加させる。", "アドレナリン\\beta 1受容体を遮断する薬物は、傍糸球体細胞からのレニンの分泌量を増加させる。", "アンジオテンシン変換酵素を阻害する薬物は、血中のレニン量を減少させる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nアンギオテンシンIIがアンギオテンシンIIAT1受容体を刺激すると副腎皮質球状層からのアルドステロン分泌が促進される。よって、アンギオテンシンIIAT1受容体遮断薬により、アンギオテンシンIIAT1受容体が遮断されると副腎皮質球状層からのアルドステロン分泌量が低下する。2:正\nキニナーゼIIは、アンギオテンシン変換酵素と同様にブラジキニン分解酵素である。よって、キニナーゼIIを阻害する薬物は、血中のブラジキニン量を増加させる。3:誤\nレニンはアンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンIに変換する酵素であり、ブラジキニンの生成、分解に関与していないことから、レニンを阻害する薬物は、血中ブラジキニン量に影響を与えない。4:誤\n傍糸球体細胞に存在するアドレナリン\\beta 1受容体が刺激されると、傍糸球体細胞からのレニンの分泌量が増加する。よって、アドレナリン\\beta 1受容体を遮断する薬物は、傍糸球体細胞からのレニンの分泌量を低下させる。5:誤\nアンギオテンシン変換酵素を阻害する薬物を投与すると、アンギオテンシンIからアンギオテンシンIIへの変換が抑制され、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系が抑制されることから、それを正常化するために代償機構としてレニン分泌が促進される。"} +{"problem_id": "104156", "problem_text": "利尿薬の主な作用機序及び作用部位の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nエプレレノンは、選択的アルドステロン受容体遮断薬であり、遠位尿細管〜集合管に存在するアルドステロン受容体を遮断する。2:誤\nブメタニドは、ループ利尿薬であり、ヘンレ係蹄上行脚のNa^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送体を阻害する。3:誤\nアセタゾラミドは、炭酸脱水酵素阻害薬であり、主に近位尿細管において炭酸脱水酵素を阻害し、Na^{+}-H^{+}交換系を抑制する。4:正\nトリアムテレンは、カリウム保持性利尿薬であり、遠位尿細管〜集合管に存在するNa^{+}チャネルを遮断することで、Na^{+}-K^{+}交換系を阻害する。5:正\nインダパミドは、非チアジド系利尿薬であり、遠位尿細管におけるNa^{+}-Cl^{-}共輸送系を阻害する。"} +{"problem_id": "104157", "problem_text": "制吐薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アプレピタントは、嘔吐中枢及び迷走神経終末のタキキニンNK_{1}受容体を遮断することで制吐作用を示す。", "メトクロプラミドは、CTZ(化学受容器引き金帯)のドハ��ミンD_{2}受容体を遮断することで制吐作用を示す。", "ジフェンヒドラミンは、嘔吐中枢のヒスタミンH_{1}受容体を刺激することで制吐作用を示す。", "プロメタジンは、迷走神経終末のドパミンD_{2}受容体を遮断することで制吐作用を示す。", "ラモセトロンは、消化管内在神経叢のセロトニン 5-HT_{4}受容体を遮断することで胃運動を抑制し、制吐作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正アプレピタントは、タキキニンNK_{1}受容体を選択的に遮断し、抗悪性腫瘍薬の副作用である遅発性の悪心・嘔吐を抑制する。2:正\n3:誤ジフェンヒドラミンは、嘔吐中枢のヒスタミンH_{1}受容体を遮断することで制吐作用を示す。4:誤プロメタジンは、嘔吐中枢のヒスタミンH_{1}受容体を遮断することで制吐作用を示す。5:誤ラモセトロンは、迷走神経終末のセロトニン 5-HT_{3}受容体を遮断することで制吐作用を示す。"} +{"problem_id": "104158", "problem_text": "抗C型肝炎ウイルス薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["オムビタスビルは、非構造タンパク質(NS)5Aを阻害する。", "パリタプレビルは、NS3/4Aプロテアーゼを阻害する。", "アスナプレビルは、NS5Bポリメラーゼを阻害する。", "テラプレビルは、逆転写酵素を阻害する。", "レジパスビルは、キャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nオムビタスビルは、非構造タンパク質(NS)5Aを阻害することで、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製を阻害する。なお、NS5Aは、膜に結合しているリン酸タンパク質であり、その機能は十分に判明していないが、ウイルスRNA複製に重要な役割を果たしている考えられている。2:正\nパリタプレビルは、NS3/4Aプロテアーゼを阻害することで、HCVの複製に必要なタンパク質の合成を阻害する。3:誤\nアスナプレビルは、NS3/4Aプロテアーゼを阻害することで、HCVの複製に必要なタンパク質の合成を阻害する。なお、NS5Bポリメラーゼを阻害する薬として、抗HCV薬であるソホスブビルがある。4:誤\nテラプレビルは、NS3/4Aプロテアーゼを阻害することで、HCVの複製に必要なタンパク質の合成を阻害する。なお、逆転写酵素を阻害する薬として、抗HBV薬・抗HIV薬であるラミブジンがある。5:誤\nレジパスビルは、NS5Aを阻害することでHCVの複製を阻害する。なお、キャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害するとして、抗インフルエンザウイルス薬であるバロキサビル マルボキシルがある。"} +{"problem_id": "104159", "problem_text": "成長ホルモン(GH)関連薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ブロモクリプチンは、下垂体のGH産生細胞に作用し、GHの産生・分泌を促進する。", "ペグビソマントは、GH 受容体を選択的に遮断し、インスリン様成長因子-1 (IGF-1)の産生を抑制する。", "メカセルミンは、下垂体のソマトスタチン受容体を刺激し、GH や甲状腺刺激ホルモン(TSH)の産生・分泌を抑制する。", "ソマトロピンは、IGF-1の産生を誘導し、軟骨内骨形成を促進する。", "オクトレオチドは、下垂体のドパミンD_{2}受容体を刺激し、GH やプロラクチンの産生・分泌を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nブロモクリプチンは、ドパミンD_{2}受容体刺激薬であり、下垂体のドパミンD_{2}受容体を刺激し、GH やプロラクチンの産生・分泌を抑制する。2:正\nペグビソマントは、GH 受容体を選択的に遮断し、GHの2量体化に伴うシグナル伝達を抑制することによりインスリン様成長因子-1 (IGF-1)の産生を抑制する。参考: GHとインスリン様成長因子-1の産生\nGHは、2つのGH受容体に結合し、GH受容体を2量体化することによりインスリン様成長因子-1 (IGF-1)を産生する。3:誤\nメカセルミンはIGF-1製剤であり、各臓器に作用することにより成長促進作用を示す。なお、設問は、オクトレオチドに関する記述である。4:正\nソマトロピンは遺伝子組換え天然型ヒトGH製剤であり、IGF-1の産生を誘導し、軟骨内骨形成を促進する。5:誤\n解説3参照"} +{"problem_id": "104160", "problem_text": "脂質異常症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["コレスチミドは、直接、コレステロールの胆汁への異化排泄を促進することで、血中LDLコレステロール量を低下させる。", "シンバスタチンは、肝細胞でアセチルCoAからHMG-CoAへの変換酵素を阻害することで、コレステロールの産生を抑制する。", "エゼチミブは、小腸コレステロールトランスポーターを阻害することで、コレステロールの吸収を選択的に阻害する。", "ベザフィブラートは、脂肪細胞のPPAR\\alpha を阻害することで、血中LDLコレステロール量を低下させる。", "ニコモールは、脂肪細胞のニコチン酸受容体を刺激することで、脂肪細胞からの遊離脂肪酸の放出を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nコレスチミドは、陰イオン交換樹脂であり、消化管内で胆汁酸を吸着し胆汁酸の再吸収を阻害することによりコレステロールの再吸収を抑制する。2:誤\nシンバスタチンは、肝細胞でHMG-CoA(ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA)からメバロン酸への変換に関わる酵素(HMG-CoA還元酵素)を阻害することで、コレステロールの産生を抑制する。3:正\n4:誤\nベザフィブラートは、脂肪細胞のPPAR\\alpha (ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\alpha )を刺激することで、リポタンパクリパーゼの活性化を高め、トリグリセリドの加水分解を促進する。5:正\nニコモールは、脂肪細胞のニコチン酸受容体を刺激することで、末梢脂肪組織からの遊離脂肪酸の動員を抑制し、肝臓における低密度リポタンパク質の合成を抑制する。"} +{"problem_id": "104161", "problem_text": "血液・造血系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フィルグラスチムは、単球・マクロファージ系前駆細胞に作用し、その分化や増殖を促進することで、顆粒球減少症を改善する。", "メコバラミンは、造血組織におけるDNA合成を抑制することで、巨赤芽球性貧血を改善する。", "葉酸は、血漿中の鉄の造血組織への移行を促進することで、鉄芽球性貧血を改善する。", "ダルベポエチンアルファは、赤芽球前駆細胞から赤血球への分化を促進することで、腎性貧血を改善する。", "エルトロンボパグは、トロンボポエチン受容体を刺激することで、血小板減少症を改善する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nフィルグラスチムは、顆粒球系前駆細胞に作用し、その分化や増殖を促進することで、顆粒球減少症を改善する。なお、設問の記述は、ミリモスチムに関するものである。2:誤\nメコバラミンは、造血組織におけるDNA合成を促進することで、巨赤芽球性貧血を改善する。3:誤\n葉酸は、DNAやアミノ酸を合成する際、補酵素として作用するため、巨赤芽球性貧血に用いられる。なお、鉄芽球性貧血の治療には、ビタミンB_{6}製剤が用いられることがある。4:正\nダルベポエチンアルファは、エリスロポエチン誘導体であり、赤芽球前駆細胞から赤血球への分化を促進することで、腎性貧血を改善する。5:正"} +{"problem_id": "104162", "problem_text": "抗真菌薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アムホテリシンBは、真菌の細胞膜成分であるエルゴステロールと結合することで細胞膜の機能障害を起こす。", "テルビナフィンは、1,3-\\beta -グルカン合成を阻害することで細胞壁の合成を抑制する。", "フルコナゾールは、真菌細胞内のスクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害することで真菌細胞膜の合成を抑制する。", "フルシトシンは、真菌細胞内に選択的に取り込まれた後、脱アミノ化されて 5-フルオロウラシルとなり、核酸合成を阻害する。", "ミカファンギンは、ラノステロールC-14 脱メチル化酵素を阻害することで真菌細胞膜の合成を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nアムホテリシンは、ポリエン系抗真菌薬であり、真菌細胞膜のエルゴステロールに結合し、真菌細胞膜機能を障害して細胞膜の透過性を高め、細胞質成分を漏出させることで抗真菌作用を示す。2:誤\nテルビナフィンは、���リルアミン系抗真菌薬であり、真菌細胞内のスクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害することで真菌細胞膜の合成を抑制する。3:誤\nフルコナゾールは、アゾール系抗真菌薬であり、ラノステロールC-14 脱メチル化酵素を阻害することで真菌細胞膜の合成を抑制する。4:正\nフルシトシンは、真菌細胞内に選択的に取り込まれた後、脱アミノ化されて5-フルオロウラシルとなりチミジル酸合成酵素を阻害することにより核酸合成を抑制する。5:誤\nミカファンギンは、キャンディン系抗真菌薬であり、真菌細胞壁を構成する\\beta -1,3-D-グルカンの生合成を阻害する。"} +{"problem_id": "104163", "problem_text": "薬物の経肺吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ヒトの肺上皮表面積は小腸上皮表面積の約10倍に及ぶため、薬物の吸収部位として適している。", "肺胞腔内にペプチダーゼが高発現するため、ペプチドの吸収部位として期待できない。", "肺胞における脂溶性薬物の吸収は、主に単純拡散に従う。", "肺胞腔と毛細血管を隔てる上皮細胞層は、小腸上皮細胞層と比較し、水溶性薬物及び高分子化合物の透過性が高い。", "吸入剤の粒子径により到達部位が異なるため、肺胞内に沈着させるためには粒子径を0.5 \\micro m以下に抑える必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nヒトの肺上皮表面積(100 m^{2})は、小腸上皮表面積(200 m^{2})の約2分の1である。ヒトの肺上皮表面積および小腸上皮表面積は、共に広い表面積を有するため、薬物の吸収部位として適している。2:誤\n肺胞腔内にペプチダーゼはほとんど存在しないため、ペプチドの吸収部位として期待できる。3:正\n肺胞における脂溶性薬物の吸収は、主に単純拡散(受動拡散)に従う。4:正\n肺胞腔と毛細血管を隔てる上皮細胞層は、小腸上皮細胞層と比較し、薄く、水溶性薬物及び高分子化合物の透過性が高い。5:誤\n吸入剤の粒子径により到達部位が異なるため、肺胞内に沈着させるためには粒子径を0.5〜1.0 \\micro mにする必要がある。なお、粒子径が0.5 \\micro m以下の粒子は、肺胞に到達しても呼気中に排出される。"} +{"problem_id": "104164", "problem_text": "薬物の脳移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、血漿と脳組織間で薬物分布が平衡状態にあるものとする。", "choices": ["血液脳関門では毛細血管内皮細胞が密着結合で強く連結しているため、薬物が脳移行するためには毛細血管を経細胞的に透過しなければならない。", "薬物の血漿中非結合形分率の増大は、血漿中薬物濃度に対する脳内薬物濃度の比を上昇させる。", "単純拡散のみで血液脳関門を透過する薬物では、血漿中非結合形濃度よりも脳内非結合形濃度の方が高くなる。", "血液脳関門に発現する P-糖タンパク質MDR1は、基質となる薬物の血漿中非結合形濃度に対する脳内非結合形濃度の比を上昇させる。", "カルビドパは血液脳関門に発現する中性アミノ酸トランスポーター LAT1 を介して脳移行する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n2:正\nタンパク質に結合した薬物は、分子量が大きく脳内に移行することができない。一方、タンパク質に結合していない薬物は、脳内に移行することができる。よって、薬物の血漿中非結合形分率が増大すると、脳内に移行する薬物が増大することから、血漿中薬物濃度に対する脳内薬物濃度の比が上昇する。3:誤\n単純拡散は、濃度勾配に従うため、単純拡散のみで血液脳関門を透過する薬物では、血漿中非結合形濃度よりも脳内非結合形濃度の方が低くなる。4:誤\n血液脳関門に発現する P-糖タンパク質MDR1は、脳毛細血管上皮細胞より血液側に薬物を輸送するため、基質となる薬物の血漿中非結合形濃度に対する脳内非結合形濃度の比を減少させる。5:誤\nカルビドパは血液脳関門に発現する中性アミノ酸トランスポーター LAT1 を介して脳移行せず、末梢において脱炭酸酵素阻害作用を示す。"} +{"problem_id": "104165", "problem_text": "ある薬物のアルブミンに対する結合定数を、平衡透析法を用いて測定した。半透膜で隔てた2つの透析セルの一���に0.6 mmol/Lのアルブミン溶液を加え、他方には0.6 mmol/Lの薬物溶液を同容積加えた。平衡状態に達したとき、アルブミン溶液中の薬物濃度は0.4 mmol/L、他方の薬物濃度は0.2 mmol/Lであった。薬物の結合定数K(L/mmol)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、アルブミン1分子当たりの薬物の結合部位数を1とし、薬物及びアルブミンは容器や膜に吸着しないものとする。", "choices": ["2.5", "3.3", "5.0", "6.6", "10"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "アルブミンと薬物が1: 1で結合する場合、結合定数Kは以下の式より求めることができる。よって、平衡透析法により、[D_{f}]: 遊離型薬物濃度、[DP]: 結合型薬物濃度、[P_{f}]: 遊離型アルブミン濃度を求めることができれば、その結果より、結合定数Kを求めることが可能となる。平衡到達後、両セルの遊離型薬物濃度は等しくなるため、両セルの遊離薬物濃度は0.2 mmol/Lとなる。また、薬物の全濃度は0.6 mmol/Lであるため、結合型薬物濃度は薬物の全濃度と遊離型薬物濃度の差である0.2 mmol/L(0.6 mmol/L-0.2 mmol-0.2 mmol)となる。アルブミン1分子に対して薬物が1分子結合することから、結合型タンパク質濃度は結合型薬物濃度と等しくなる。そのため、遊離型のアルブミン質は、0.6 mmol(全アルブミン濃度)-0.2 mmol/L=0.4 mmol/Lとなる。これらのことからこの薬物の結合定数Kは以下のように求めることができる。"} +{"problem_id": "104166", "problem_text": "以下に示す薬物代謝反応のうち、第I相代謝反応はどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nサリチル酸のグルクロン酸抱合反応(第II相反応)である。2:誤\nイソプレナリンの硫酸抱合反応(第II相反応)である。3:誤\nイソニアジドのアセチル抱合反応(第II相反応)である。4:正\nプロカインの加水分解反応(第I相反応)である。5:正\nフェニトインの酸化反応(第I相反応)である。"} +{"problem_id": "104167", "problem_text": "薬物相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アロプリノールはキサンチンオキシダーゼによるメルカプトプリンの代謝を阻害するため、メルカプトプリンの毒性が増強される。", "リファンピシンは主に CYP2D6 を誘導するため、トリアゾラムの血中濃度を低下させる。", "シスプラチンは有機カチオントランスポーター OCT2 の基質であるため、ジゴキシンの尿細管分泌を競合的に阻害する。", "エリスロマイシンは主にCYP3A4の代謝活性を阻害するため、カルバマゼピンの血中濃度を上昇させる。", "アセトアミノフェンはノルフロキサシンによる\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体結合阻害作用を増強し、痙れんを誘発する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nアロプリノールはキサンチンオキシダーゼ阻害薬であり、プリン骨格を有する薬物(メルカプトプリンなど)のキサンチンオキシダーゼによる代謝を阻害する。2:誤\nトリアゾラムは主にCYP3A4で代謝されることから、CYP3A4誘導作用を有するリファンピシンと併用すると、血中濃度が低下することがある。3:誤\nシスプラチンは有機カチオントランスポーターOTC2の基質であることから、有機カチオントランスポーターOTC2の基質となる薬物の尿細管分泌を競合的に阻害するが、P糖タンパク質の基質となる薬物(ジゴキシンなど)の尿細管分泌を阻害しない。4:正\nカルバマゼピンは主にCYP3A4により代謝されることから、CYP3A4阻害薬(エリスロマイシンなど)と併用すると血中濃度が上昇し、副作用が発現する可能性がある。5:誤\nフェニル酢酸系及びプロピオン酸系非ステロイド系抗炎症薬はノルフロキサシンによる\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体結合阻害作用を増強し、痙攣を誘発することがある。"} +{"problem_id": "104168", "problem_text": "体内動態が線形 1-コンパートメントモデルに従う薬物の経口投与に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。なお、ka及びkelは、それぞれ吸収速度定数及び消失速度定数を表し、t は投与後の時間を表す。", "choices": ["バイオアベイラビリティが一定であるとき、最高血中濃度は投与量の平方根に比例する。", "最高血中濃度到達時間は投与量に依存しない。", "血��濃度時間曲線下面積(AUC)はkaに比例する。", "血中濃度は、A(e^{-kel・t}+e^{-ka・t})(A: 濃度の単位で表される定数)で表される。", "ka≫kelのとき、血中濃度推移の消失相から得られる消失半減期はln2/ kelで表される。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nバイオアベイラビリティが一定であるとき、最高血中濃度は投与量に比例する。2:正\n最高血中濃度到達時間は、吸収速度定数及び消失速度定数に依存するが、投与量には依存しない。3:誤\n経口投与時のAUCは下記の式で表されることから、k_{a}に無関係である。4:誤\n血中濃度は、A(e^{-kel・t} -e^{-ka・t})(A: 濃度の単位で表される定数)で表される。5:正\n詳細については動画解説参照"} +{"problem_id": "104169", "problem_text": "ある薬物60 mgをヒトに静脈内投与した後の血中濃度時間曲線下面積(AUC)が2.0 mg・hr/Lであった。この薬物の肝クリアランスが2/3に低下したとき、経口投与後のAUCは、肝クリアランス低下前の経口投与後のAUCに対して何倍になるか。最も近い値を1つ選べ。ただし、この薬物の体内動態は、線形1-コンパートメントモデルに従い、肝代謝のみで消失し、消化管から100%吸収されるものとする。また、肝血流速度は80L/hrとする。", "choices": ["1.3", "1.5", "1.8", "2.0", "4.0"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "104170", "problem_text": "25 ^{\\circ} Cにおいて固相が十分に存在する条件下、pHと弱電解質Aの分子形とイオン形の溶解平衡時の濃度の関係を図に表した。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、弱電解質Aの分子形とイオン形の溶解平衡時の濃度比はHenderson-Hasselbalch の式に従い、弱電解質Aの溶解やpH調整に伴う容積変化は無視できるものとする。必要ならば、log2=0.30、log3=0.48、10^{1/2} =3.2を 用いて計算せよ。", "choices": ["弱電解質Aは弱酸性化合物である。", "弱電解質Aの pKa は2.0である。", "25 ^{\\circ} Cにおいて、pH7.0のときの弱電解質Aの溶解度は、pH6.0のときの溶解度の約10倍になると予想される。", "25 ^{\\circ} Cにおいて、pH1.0のときの弱電解質Aの溶解度は、pH2.0のときの溶解度の約1/10倍になると予想される。", "25^{\\circ} Cにおいて、弱電解質A5 mgを水1 mLに分散させたとき、pH5.5以上になると全量が溶解すると予想される。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "設問の図より以下のことを読み取ることができる。pHの増加に伴ってイオン形の濃度が上昇していることから、弱電解質Aは弱酸性薬物であると考えられる。pH4では、分子の濃度とイオンの濃度が同じであることから、弱電解質AのpKaは4.0であると考えられる。1:正\n前記参照\n2:誤\n弱電解質AのpKaは4.0である。3:正\n弱酸性電解質の溶解度CsとpHの関係は以下の式で表される。Cs=分子形の溶解度\\times (1+10^{pH-pKa})\n設問の図より分子形の溶解度は0.1 mg/mLであることから、25^{\\circ} CにおけるpH6.0、pH7.0のときの弱電解質Aの溶解度を以下のように求めることができる。\nCs=0.1\\times (1+10^{6-4})=10.1 mg/mL\n\nCs=0.1\\times (1+10^{7-4})=100.1 mg/mL\n上記のことから、25^{\\circ} Cにおいて、pH7.0のときの弱電解質Aの溶解度は、pH6.0のときの溶解度の約10倍になると予想される。4:誤\n解説3と同様に25 ^{\\circ} CにおけるpH1.0、pH2.0のときの弱電解質Aの溶解度を以下のように求めることができる。\nCs=0.1\\times (1+10^{1-4})\\fallingdotseq 0.1 mg/mL\n\nCs=0.1\\times (1+10^{2-4})\\fallingdotseq 0.1 mg/mL\n上記のことから、25^{\\circ} Cにおいて、pH1.0のときの弱電解質Aの溶解度は、pH2.0のときの溶解度とほぼ同じになると予想される。5:誤\n25^{\\circ} CにおけるpH5.5における溶解度を以下のように求めることができる。\nCs=0.1\\times (1+10^{5.5-4})=0.1\\times (1+10^{1}\\times 10^{1/2})\\fallingdotseq 3.3 mg/mL\n上記のことから、25^{\\circ} Cにおいて、弱電解質A 5 mgを水1 mLに分散させたとき、pH5.5では一部溶解せず、固体として存在すると予想される。"} +{"problem_id": "104171", "problem_text": "コロイド分散系の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["疎水コロイドの安定性は、粒子間のファンデルワールス引力と静電反発力の総和で評価できる。", "疎水コロイドに電解質が共存すると粒子表面の電気二重層は厚くなり、分散状態は不安定となる。", "疎水コロイドの電荷と反対符号のイオンの価数が大きくなるほど、凝析価 (mol/L)は大きくなる。", "親水コロイドに対する同濃度の1価陽イオンの塩析作用の強さは、K^{+}>Na^{+}>Li^{+}である。", "親水性の高分子コロイドにアルコールを添加すると、コロイドに富む液相と乏しい液相の2つに分離するコアセルベーションが起こる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n疎水コロイドの安定性には、粒子間のファンデルワールス引力と静電反発力が関与している。粒子間のファンデルワールス引力>静電反発力の場合、粒子は凝集し、不安定となり、粒子間のファンデルワールス引力<静電反発力の場合、粒子は分散状態を保ち安定となる。2:誤\n疎水コロイドに電解質が共存すると粒子表面の電気二重層は薄くなり、分散状態は不安定となる。3:誤\n疎水コロイドの電荷と反対符号のイオンの価数が大きくなるほど、凝集しやすくなるため、凝析価(コロイド溶液を一定時間内に凝集させる添加物質の最小濃度)は小さくなる。4:誤\n1価の陽イオンの塩析作用の強さは、Li^{+}>Na^{+}>K^{+}である。一般に1価の陽イオンの塩析作用は周期表の上の方が大きいとされている。5:正"} +{"problem_id": "104172", "problem_text": "球形粒子から成るある粉体を分級して得られた粉体A及びBの個数基準の粒度分布曲線を図に示した。この図から考えられることとして、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["粉体Aは粉体Bより小さな安息角を示す。", "粉体Aは粉体Bより小さな空隙率を示す。", "粉体Aは粉体Bより小さなかさ密度を示す。", "粉体Aは粉体Bより小さな比表面積を示す。", "粒度分布を質量基準で表すと、粉体Aのモード径は30 \\micro m より大きくなる。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "設問中の個数基準の粒度分布曲線より粉体Aのモード径(最頻値)は30 \\micro mであり、粉体Bのモード径(最頻値)よりも小さいと判断することができる。このことから、粉体Aは粉体Bに比べ粒子径が小さい粉体で構成されていると考えられる。粉体の性質は、一般に粒子径の影響を受け変化する。1:誤\n前記参照\n2:誤\n前記参照\n3:正\n4:誤\n比表面積とは、単位質量当たりの粉体の表面積のことであり、平均粒子径と反比例の関係を示す。このことから、比表面積の大小関係は、粉体A>粉体Bとなる。5:正\n粒度分布曲線には、個数をもとに作成するもの(個数基準)と質量をもとに作成するもの(質量基準)があり、一般に質量基準の粒度分布曲線は個数基準の粒度分布曲線より大粒子側に現れる。このことから、粒度分布を質量基準で表すと、粉体Aのモード径は30 \\micro m より大きくなる。"} +{"problem_id": "104173", "problem_text": "ある固体薬物Aに粉砕や再結晶などの処理を行ったところ、下図の粉末X線回折パターンを示す固体a、b、cが得られた。別の方法で再結晶を行ったところ、異なる回折パターンを示す固体dが得られた。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、粉末X線回折測定に必要な前処理により、薬物Aの化学変化や固体組成の変化は生じないものとする。", "choices": ["固体a〜dの回折パターンを比較することにより、それぞれの結晶の外観の相違を判断できる。", "固体aと固体bの回折パターンを比較することにより、固体aの水分量は固体bより多いことが判断できる。", "固体aと固体dの回折パターンから、両者の結晶の単位格子の大きさが異なっていることが判断できる。", "固体bと固体dは、結晶多形の関係にあると判断できる。", "固体cの回折パターンから、本品の結晶性は著しく低いことが判断できる。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "粉末X線回折パターンから得られる回折図については、以下の特徴を示す。・同じ結晶構造を有する(単位格子の大きさが同じ)ものは、同じ回折角の部分に回折強度が強く現れる。・異なる結晶構造を有する(単位格子の大きさが異なる)ものは、異なる回折角の部分に回折強度が強く現れる。・結晶構造を有していないもの(非晶質)は、明確な回折強度は現れない。上記より、固体a、dは同じ回折角度に回折強度が現れていることから、固体a、dは単位格子の大きさが同じであり、固体a、dと固体bでは、異なる回折角度に回折強度が現れていることから、固体a、dと固体bは異なる結晶構造を有している(結晶多型である)と考えられる。また、固体cは明確な回折強度が現れていないことから、結晶性が著しく低い(非晶質である)と考えられる。"} +{"problem_id": "104174", "problem_text": "ある薬物の静注用の水性注射剤の製造工程を図に示した。本注射剤及びその製 造工程に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アの操作として、高圧蒸気法を用いなければならない。", "イの操作は、10^{-6}以下の無菌性保証水準が得られる条件で行われる。", "容器Aは、日本薬局方一般試験法のエンドトキシン試験法に適合しなければならない。", "溶剤Bは、日本薬局方一般試験法の発熱性物質試験法に適合しなければならない。", "充てんは、表示量の\\pm 5%の範囲で行う。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n製造工程のアでは、ガラスアンプルの滅菌を行なっている。ガラスアンプルの滅菌では、加熱法である高圧蒸気滅菌(湿熱滅菌法)や乾熱滅菌法を用いることができる。2:正\n製造工程のイでは、ガラスアンプルに充てんした静注用の水性注射液の滅菌を行なっている。この方法のように製剤を充てんした後に滅菌する方法を最終滅菌法という。最終滅菌法は、通例、適切な滅菌指標体を用いるなどして、10^{-6}以下の無菌性保証水準を担保する条件において行う。3:誤\n容器Aは、ガラスアンプルであるため、注射剤用ガラス容器試験法に適合しなければならないが、エンドトキシン試験法に適合する必要はない。4:誤\n溶剤B(注射用水)は、エンドトキシン試験法に適合すれば、発熱性物質試験法に適合する必要はない。5:誤\n注射剤は、採取容量試験法(表示量よりやや過剰に採取できる量が容器に充てんされていることを確認する試験法)に適合するために、表示量よりも多く充てんされていなければならない。"} +{"problem_id": "104175", "problem_text": "コーティングを施した固形製剤の溶出性を調べたところ、下図の結果が得られた。この薬物溶出を示す製剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、薬物の溶解度は試験液のpHに依存せず、薬物と添加剤の相互作用はないものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "設問の図よりpH1.2、pH6.0の試験液では薬物は溶出せず、pH7.0の試験液で薬物が溶出していることを確認することができる。このことから、本製剤は、腸溶性製剤であると考えられる。選択肢のうち、腸溶性製剤は、メタクリル酸コポリマーSでコーティングされている選択肢3の製剤である。なお、選択肢1、2、5の製剤は即放性部分があるため、pH1.2、pH6.0の試験液で薬物が溶出する。また、選択肢4の製剤はヒプロメロースにより胃溶性コーティングされているため、pH1.2、pH6.0の試験液で薬物が溶出する。"} +{"problem_id": "104176", "problem_text": "容器・包装に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["日本薬局方製剤包装通則における包装適格性には、製剤の保護、製剤と包装の適合性、包装に用いる資材の安全性及び投与時の付加的な機能が含まれる。", "日本薬局方において気密容器の規定がある場合、密閉容器を使用して保存することができる。", "押出しチューブは、軟膏剤等の内容物を押し出せる柔軟性をもつ容器で、材質に金属やプラスチックが用いられる。", "輸液剤の容器で利用されるプラスチックバッグは密封容器である。", "プラスチックのシートを加熱成形してくぼみを作り、その中に製剤を入れる包装形態は SP(Strip Packaging)と呼ばれる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n包装適格性には、製剤の保護、製剤と包装の適合性、包装に用いる資材の安全性及び投与時の付加的な機能の要素が含まれる。2:誤\n密閉容器は、気密容器の条件を備えていないため、日本薬局方において気密容器の規定がある場合、密閉容器を使用して保存することはできない。3:正\n4:誤\n輸液剤の容器で利用される���゚ラスチックバッグは気密容器である。5:誤\nSP(Strip Packaging)包装とは、熱可塑性高分子フィルム側を内側とし、2枚のラミネートフィルムを重ね周囲を加熱圧着した包装のことである。なお、設問の記述は、PTP(press through package)に関する記述である。"} +{"problem_id": "104177", "problem_text": "放出制御型製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["硫酸鉄を含むグラデュメット型製剤は、イオン交換樹脂に鉄を吸着させて、消化管内のイオンとの交換反応により徐放させる製剤である。", "パリペリドンを含む浸透圧ポンプ型製剤は、薬物とそれを押し出す駆動力となる電解質を高分子マトリックスに分散させた徐放性製剤である。", "チモロールマレイン酸塩と添加剤であるメチルセルロースを含む持続性点眼剤は、熱可逆的ゾル-ゲル相転移特性を利用して、結膜嚢での薬物の長時間滞留を可能にした製剤である。", "オキシブチニン塩酸塩を含む経皮吸収型貼付剤は、マトリックス型構造を有し、貼付後、血中薬物濃度を長時間維持できる製剤である。", "ブセレリン酢酸塩を含むエチレン・酢酸ビニル共重合体からなる生分解性マイクロカプセルは、皮下投与後、長期にわたり薬効を持続できる製剤である。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nイオン交換樹脂を用いて、消化管内のイオンと交換させることにより薬物を放出させる製剤は、レジネート型製剤である。なお、グラデュメット製剤は、多孔性プラスチックの格子の間に薬物を含有させた製剤である。2:誤\nパリペリドンを含む浸透圧ポンプ型製剤は、薬物層とプッシュ層を放出制御膜で包んだ製剤であり、水が浸透することによりプッシュ層が膨張し、薬物が放出される。3:正\nチモロールマレイン酸塩と添加剤であるメチルセルロースを含む持続性点眼剤は、温度の上昇によりゲル化(固体状になる)するメチルセルロースを添加することにより薬物の長時間滞留を可能にしている。4:正\n5:誤\nブセレリン酢酸塩を含む生分解性マイクロカプセルは、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体でできており、生体内で徐々に加水分解されることにより徐放化を可能にしている。"} +{"problem_id": "104178", "problem_text": "腹痛に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腹痛は、神経痛と体性痛の2つに分類される。", "腹膜刺激によって起こる痛みは、体性痛である。", "腹部全体に痛みがある腸重積症は、急性腹症である。", "右下腹部痛及び発熱があると、胃食道逆流症が疑われる。", "左側腹部痛、発熱、黄疸があると、胆嚢炎が疑われる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n腹痛は発生のしくみなどにより、内臓痛、体性痛、関連痛に分類される。・内臓痛\n食道、胃、小腸、大腸などの炎症や閉塞、肝臓や脾臓などの炎症や腫脹による圧迫、臓器被膜の急激な伸展が原因で発生する自律神経を介した痛み\n・体性痛\n皮膚や骨、関節、筋肉、結合組織に対する機械的刺激により発生する脊髄神経知覚伝導路を介する痛み\n・関連痛\n病巣の周囲や病巣から離れた場所により発生する痛み\n2:正\n解説1参照\n3:正\n腸重積症は、回腸が大腸の中に入り込むことによって腸閉塞をきたす疾患であり、急性腹症に該当する。なお、急性腹症とは、急激に発症した激しい腹痛のことであり、緊急手術を必要とする可能性の高い急病の総称である。4:誤\n右下腹部痛及び発熱があるときは、急性虫垂炎が疑われる。なお、胃食道逆流症では、胸の痛みを感じることがある。5:誤\n胆嚢炎では、右上腹部痛、発熱、黄疸が認められる。"} +{"problem_id": "104179", "problem_text": "意識障害に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["意識障害の原因として、脳の器質的な障害に加え、全身性疾患による二次的な脳の機能障害が考えられる。", "意識障害の評価法として Glasgow Coma Scale(GCS)が用いられる。", "意識障害の状態を指標化して表した Japan Coma Scale(JCS)は、覚醒の程度を4段階に分けて評価する。", "認識内容に異常があるが、意識混濁を伴わない状態をせん妄状態という。", "強い痛覚刺激によってのみ覚醒し、刺激が無くなると直ちに眠ってしまう状態を昏睡状態という。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n意識障害の原因として、脳の器質的な障害に加え、心血管疾患、低血糖、電解質異常、尿毒症、高アンモニア血症などによる二次的な脳の機能障害がある。2:正\nGlasgow Coma Scale(GCS)は、意識状態を開眼機能、言語機能、運動機能の3要素に分けてスコア化し、意識障害を評価する方法である。3:誤\nJapan Coma Scale(JCS)は、意識状態を覚醒度によって3段階に分け、これをさらに3段階に分けることにより意識障害の状態を評価する方法である。4:誤\nせん妄は、突然起こる意識障害と精神機能障害であり、認識機能(幻覚など)の異常とともに、短時間で認められる軽度〜中等度の意識混濁を伴う。5:誤\n昏睡状態とは、強い痛覚刺激を与えても全く反応しない状態のことである。なお、設問の記述は昏迷状態に関する記述である。"} +{"problem_id": "104180", "problem_text": "45歳女性。健康診断で肥満、高血圧及び高血糖を指摘され、近医を受診した。高血圧症及び2型糖尿病と診断され、アンジオテンシンII受容体遮断薬とジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬の投与が開始された。しかし、3ヶ月間服薬しても期待した治療効果が得られなかったため、大学病院に紹介受診となった。診察の結果、丸顔と中心性肥満が認められ、二次性高血圧が疑われた。MRI検査 により下垂体の腫瘍と、腹部CT検査により両側副腎の腫大を認めた。本症例の空腹時血液検査データで、高値を示す可能性が高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["コルチゾール", "カテコールアミン", "アルドステロン", "TSH", "ACTH"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "本症例では、丸顔と中心性肥満が認められていることに加え、MRI検査により下垂体の腫瘍と、腹部CT検査により両側副腎の肥大を認めていることから、クッシング病であると考えられる。クッシング病では、下垂体からACTHが過剰に分泌されるとともに副腎皮質よりコルチゾールが過剰に分泌されるため、空腹時血液検査データでは、ACTHとコルチゾールが高値を示す。<参考: クッシング病>\nクッシング病は下垂体の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)過剰産生に起因するクッシング症候群であり、通常は下垂体腺腫に続発する。クッシング病の症状および徴候として、満月様顔貌および中心性肥満、紫斑が現れやすい。"} +{"problem_id": "104181", "problem_text": "22歳男性。小児期よりインスリンの皮下注射を毎朝施行していた。就職して不規則な生活が続き、ある朝、倒れているのを発見され病院に搬送された。搬送時所見として、意識不鮮明で、呼びかけに応じなかった。血圧90/60 mmHg、呼吸数20/分、脈拍110/分、血糖値720 mg/dL であった。尿カテーテルを挿入し、尿検査を実施したところ、尿糖(+++)、タンパク(+)、ケトン体(+++)を認めた。搬送時に動脈血液ガス分析を施行した時のpHの値に最も近いと考えられるの はどれか。1つ選べ。", "choices": ["8.0", "7.7", "7.4", "7.1", "6.0"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本症例では、この男性は、小児期よりインスリンの皮下注射を毎朝施行していることから、1型糖尿病であると考えらえる。また、搬送時の状態(意識不鮮明)、血糖値、尿糖、尿中ケトン体より、インスリン不足によるケトアシドーシスを起こしていると考えられる。ケトアシドーシスを起こしている時の動脈血のpHは「6.8〜7.3」と正常値(pH7.4\\pm 0.05)よりも少し酸性側に傾いていることから、搬送時に動脈血液ガス分析を施行した時のpHの値に最も近いは「7.1」であると推察される。"} +{"problem_id": "104182", "problem_text": "50歳男性。飲酒後から持続的な上腹部痛及び悪心があった。数日間、様子を見ていたが、発熱と軽度の意識障害が起こったため、病院を受診した。腹部CTにより膵臓の腫大が認められた。この患者の病態、検査及び薬物療法に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["飲酒歴と胆石症の既往の有無を確認する。", "血液検査でアミラーゼ、リパーゼの活性低下が見られる。", "膵機能を改善させるため、十分な食事を摂らせる。", "病態の進展を抑制するため、ガベキサートメシル酸塩静注用を投与する。", "上腹部痛にペンタゾシン注を用いると、病態を悪化させる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "本症例では、飲酒後、持続的な上腹部痛および悪心があるとともに、腹部CTにより膵臓の腫大が認められていることから、この男性は、急性膵炎に罹患していると推察される。1:正\n飲酒および胆石症は、急性膵炎の原因となることがあるため、急性膵炎が疑われる場合、飲酒歴と胆石症の既往の有無を確認する。2:誤\n急性膵炎では、膵臓から分泌されるアミラーゼ、エステラーゼ、リパーゼの活性増加が見られる。3:誤\n急性膵炎では、膵臓を休めるために絶食、絶飲させることが基本となる。4:正\n急性膵炎では、過剰に分泌された膵酵素により自己消化を起こすことがあるため、タンパク分解酵素阻害薬(ガベキサートメシル酸塩など)を投与する。5:誤\n急性膵炎による上腹部痛にペンタゾシン注を用いることがある。"} +{"problem_id": "104183", "problem_text": "前立腺肥大症の病態及び治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["前立腺の外腺部分が肥大し、排尿障害を起こす。", "前立腺肥大症は、前立腺がんへ進展する。", "前立腺特異抗原(PSA)は、前立腺肥大症の確定診断に有用である。", "タムスロシン塩酸塩を治療に用いる場合は、起立性低血圧に対する注意が必要である。", "ブチルスコポラミン臭化物は、前立腺肥大症による排尿障害の改善に有用である。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n前立腺肥大症では、前立腺の内腺部分が肥大し、排尿障害を起こす。2:誤\n前立腺肥大症は、前立腺がんに進展することはない。3:誤\n前立腺特異抗原(PSA: prostate specific antigen)は、必ずしも前立腺肥大症で高値を示すとは限らないため、前立腺肥大症の確定診断には用いられない。なお、直腸診や国際前立腺症状スコアによる自覚症状の評価、エコー検査が前立腺肥大症の確定診断に有用であるとされている。4:正タムスロシン塩酸塩は、アドレナリン\\alpha _{1}受容体作用を有し、血管拡張作用を示すため、副作用として起立性低血圧を起こす可能性がある。5:誤\nブチルスコポラミン臭化物は、抗コリン作用を有し、膀胱平滑筋収縮抑制作用を示すため、前立腺肥大症による排尿障害を悪化させるおそれがある。"} +{"problem_id": "104184", "problem_text": "副鼻腔炎の病態及び治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["急性副鼻腔炎は、上気道炎に続いて起こることが多い。", "急性副鼻腔炎の起因菌は、黄色ブドウ球菌が最も多い。", "慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎の症状が遷延して3週間以上続く状態をいう。", "慢性副鼻腔炎の症状として、嗅覚障害、頬部痛及び頭痛がある。", "慢性副鼻腔炎の治療として、ニューキノロン系抗菌薬の少量長期投与が有効である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n急性副鼻腔炎は、急性上気道炎に続いて発症することが多い。2:誤\n急性副鼻腔炎の起炎菌には、肺炎球菌、インフルエンザ菌があり、その中でも肺炎球菌による急性副鼻腔炎が多いとされている。3:誤\n慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎の症状が遷延して3ヶ月以上続く状態をいう。4:正\n慢性副鼻腔炎の症状として、鼻閉、鼻漏、嗅覚障害、頬部痛及び頭痛がある。5:誤\n慢性副鼻腔炎の治療として、マクロライド系抗菌薬(クラリスロマイシン)の少量長期投与が有効である。"} +{"problem_id": "104185", "problem_text": "骨粗しょう症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["石灰化が不十分な骨組織である類骨が増加する疾患である。", "PINP(I型プロコラーゲン-N-プロペプチド)は有用な血清骨吸収マーカーである。", "運動療法により骨吸収が抑制され、骨量増加が期待される。", "食事療法として、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKの摂取が推奨される。", "デノスマブで治療する際は、高カルシウム血症に注意が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n骨粗しょう症は、骨形成と骨吸収のバ���ンスが崩れ、骨密度が低下する疾患である。なお、石灰化が不十分な骨組織である類骨が増加する疾患として、くる病や骨軟化症がある。2:誤\nPINP(I型プロコラーゲン-N-プロペプチド)は有用な血清骨形成マーカーである。なお、骨吸収のマーカーには、NTX(I型コラーゲン-N-テロペプチド)やCTX(I型コラーゲン-C-テロペプチド)がある。3:正\n4:正\nカルシウム、ビタミンDを摂取することにより消化管からのカルシウムの吸収が促進され、血清カルシウム濃度が上昇するため、骨吸収を抑制することができる。また、ビタミンKを摂取することにより骨基質タンパク質であるオステオカシンの生成を高めることで骨形成を促進することができる。5:誤\nデノスマブは、RANKL(破骨細胞の活性化に関わるタンパク質)による破骨細胞の活性化を抑え、骨吸収(骨から血液へのカルシウムの放出)を抑制することにより骨粗しょう症に対して効果を示す。デノスマブは、破骨細胞による骨吸収を抑制し、低カルシウム血症を誘発することがあるため、デノスマブで治療する際は、低カルシウム血症に注意する必要がある。"} +{"problem_id": "104186", "problem_text": "55歳男性。急性骨髄性白血病と診断され、血縁者からの末梢血幹細胞移植を行うこととなった。この患者の治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["自家移植よりも致死的合併症は少ない。", "移植後にシクロホスファミドの大量化学療法と全身放射線照射を行う。", "タクロリムスを移植手術の前から投与する。", "移植後は免疫抑制剤を速やかに中止する。", "移植片対宿主病の発症を予防するために、移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行う。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n幹細胞移植による致死的合併症としてGVHD(移植片対宿主病)がある。GVHDは、幹細胞を移植する際に侵入したドナーのリンパ球がレシピエントの組織・細胞を非自己と判断し、攻撃して起こる疾患である。自家移植する場合、幹細胞を移植する際に侵入するリンパ球は自己のリンパ球であるため、血縁者からの末梢血幹細胞移植よりもGVHDを起こしにくい。2:誤\n移植前に腫瘍細胞の壊滅と臓器の生着を担保することを目的に、移植前処置治療が行われることがある。造血幹細胞を移植する前の移植前処置治療では、シクロホスファミドの大量化学療法と全身放射線照射が行われることがある。3:正\n末梢血幹細胞の移植手術を行う前から、タクロリムスを投与することがある。4:誤\n幹細胞移植では、GVHDの発症や拒絶反応を予防するために、移植後もシクロスポリンやタクロリムス等の免疫抑制薬の投与を継続する。5:誤\n幹細胞移植では、GVHD(移植片対宿主病)の発症を予防するために、免疫抑制薬の投与を行う。なお、輸血によるGVHDの発症を予防するために、輸血する血液に放射線照射を行う。"} +{"problem_id": "104187", "problem_text": "メタアナリシスに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["データベースで検索された全ての文献を解析に用いる。", "複数の研究で示された効果量を統計学的に統合する際は、相乗平均を用いる。", "結果を図示する際に、フォレストプロットを用いる。", "統計学的に有意な結果を得た研究は掲載されやすいということから生じるバイアスを、出版バイアスという。", "エビデンスレベルは、無作為化比較試験より低い。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nメタアナリシスを行う際、データベースで検索された全ての文献を解析するのでなく、研究内容が妥当であるか、研究内容が適合するかなどを確認し、信用できるデータを解析に用いる。2:誤\n複数の研究で示された効果量を統計学的に統合する際は、相乗平均や相加平均を用いず、加重平均を用いる。3:正\nフォレストプロットについては、第99回問303を確認\n4:正\n統計学的に有意な結果を得た研究は掲載されやすく、有意でない結果を得た研究は掲載されにくいことから、出版されたデータをもとに総合評価する際、統合結果に偏り(バイアス)が生じることがある。このバイアスを出版バイアスという。5:誤\nメタアナリシスのエビデンスレベルは、無作��化比較試験よりも高い。参考: エビデンスレベル\n無作為化比較試験のメタアナリシス>無作為化比較試験(ランダム化比較試験)>無作為化されていない比較試験(非ランダム化比較試験)>コホート研究>症例対照研究>症例報告>専門家の意見"} +{"problem_id": "104188", "problem_text": "73 歳男性。数ヶ月前から腹痛を感じていたが、最近になって血便が認められたため来院し、StageIIIのS状結腸がんと診断された。外来にて、イリノテカン、レボホリナートカルシウム、フルオロウラシルを用いたがん化学療法を行うため、使用する薬物の代謝酵素の活性に変化をきたす遺伝子変異の有無を調べることになった。その遺伝子として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["CYP2C9", "CYP2D6", "CYP2C19", "NAT2", "UGT1A1"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "イリノテカンは、体内でカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN-38)に変換される。SN-38は、主に肝の代謝酵素であるUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)の一分子種であるUGT1A1によりグルクロン酸抱合され、SN-38のグルクロン酸抱合体(SN-38G)となり、主に胆汁中に排泄される。このことから、イリノテカンによる化学療法を行う前には、UGT1A1の遺伝子変異の有無を調べる。"} +{"problem_id": "104189", "problem_text": "新生児及び小児の薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["新生児に対するクロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウム注射液の投与は、禁忌である。", "新生児に対するスルファメトキサゾール・トリメトプリム配合顆粒の投与は、禁忌である。", "フェノバルビタールの消化管吸収率は、小児よりも新生児のほうが高い。", "カルバマゼピンの血中からの消失半減期は、成人よりも小児のほうが長い。", "小児の細菌性肺炎に対する第一選択薬として、ミノサイクリン塩酸塩顆粒が用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n新生児に対してクロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウム注射液を投与すると、Gray syndrome(腹部膨張に始まる嘔吐、下痢、皮膚蒼白、虚脱、呼吸停止等)を誘発する可能性があるため、クロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウム注射液は、新生児に投与禁忌されている。2:正\n新生児に対してスルファメトキサゾール・トリメトプリム配合顆粒を投与すると、高ビリルビン血症を誘発する可能性があるため、スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合顆粒は、新生児に投与禁忌されている。3:誤\n新生児は、胃酸分泌が少なく胃内pHが7付近にある。このことから、新生児では、消化管において酸性薬物(フェノバルビタールなど)のイオン形の割合が高まり、酸性薬物の受動拡散による消化管粘膜透過率が低くなる。4:誤\nカルバマゼピンは主に肝代謝により消失する薬物であり、成人よりも小児の方が肝代謝能が高いことから、カルバマゼピンの血中からの消失半減期は、成人よりも小児のほうが短い。5:誤\n小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)にミノサイクリン塩酸塩と投与すると、歯牙の着色・エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがあるため、ミノサイクリン塩酸塩を小児に投与する際には、他の薬剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮することとされている。"} +{"problem_id": "104190", "problem_text": "19歳女性。高校生の頃から、気がつくと授業中に眠っていることがしばしばあったが、夜間に受験勉強に励んでいることが原因と思っていた。大学に入学後も、授業中に突然眠ってしまったり、夜間に悪夢を見たりした。眠気により食生活が不規則にもなった。心配になり、友人や家族に相談したところ病院受診を勧められた。診察及び検査の結果、ナルコレプシーと診断され、処方1及び2で3ヶ月治療されたが、症状が改善されないため、処方1が処方3に変更となった。本症例に関する病態、検査及び薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["睡眠時ポリグラフ検査や反復睡眠潜時検査が、診断に有用である。", "メチルフェニデート塩酸塩の代わりにアトモキセチン塩酸塩を用いることができる。", "処方3の薬剤は、処方1の薬剤より依存性が高い。", "クロミプラミン塩酸塩は、REM睡眠関連症状の改善のために使用される。", "日中覚醒できていれば、食生活と睡眠習慣の改善は推奨しない。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3", "4"], "comment": "ナルコレプシーとは、日中、場所や状況を選ばず強い眠気が起こる睡眠障害であり、オレキシン神経系がの低下が関与しているとされている。ナルコレプシーでは、主な症状として、睡眠発作(突然眠たくなる)、情動脱力発作(笑い、喜び、怒りなどがきっかけで起こる脱力)、入眠時幻覚(睡眠発作により睡眠に陥った際に見える幻覚)、睡眠麻痺(開眼しているが体が動かない状態)が認められる。1:正\nナルコレプシーの診断には、睡眠時ポリグラフ検査や反復睡眠潜時検査が行われる。<参考: 睡眠時ポリグラフ検査、反復睡眠潜時検査>\n・睡眠時ポリグラフ検査\n睡眠時の脳波、眼球運動、心電図、筋電図などの生体活動を測定することにより睡眠状態を調べる検査\n・反復睡眠潜時検査\n2時間おきに5回眠れる機会を与え、睡眠開始時間を測定することにより日中の眠気を測定する検査\n2:誤\nアトモキセチン塩酸塩は、注意欠陥・多動性障害に適用されるが、ナルコレプシーに適用されない。3:正\nメチルフェニデートは、モダフィニルに比べ依存性が高いとされている。4:正\nREM睡眠関連症状である情動脱力発作の治療には、三環系抗うつ薬(クロミプラミンなど)が用いられる。5:誤\nナルコレプシーの患者には、規則正しい生活をするよう推奨する必要がある。"} +{"problem_id": "104191", "problem_text": "前問の処方2及び3の薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["\\gamma -アミノ酪酸 GABA_{A}受容体遮断", "ドパミン及びノルアドレナリンの再取り込み阻害", "ノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込み阻害", "アデノシンA_{2A}受容体遮断", "ニコチン性アセチルコリン受容体刺激"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "処方2(クロミプラミン塩酸塩)は、三環系抗うつ薬であり、アミントランスポーターを阻害することにより、ノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込みを阻害する。処方3(メチルフェニデート塩酸塩)は、精神刺激薬であり、ドパミン及びノルアドレナリンの再取り込みを阻害する。"} +{"problem_id": "104192", "problem_text": "35歳男性。身長172 cm、体重67 kg。頭痛と四肢の脱力感があり、血圧が180/110 mmHgであったため病院を受診した。血液検査の結果、血清カリウム値は3.0 mEq/Lであった。血中の甲状腺ホルモン値、カテコールアミン値、ACTH値には異常を認めず、腹部CT検査にて両側副腎の腫大を認めた。本症例に対する治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プレドニゾロン", "スピロノラクトン", "アムロジピン", "フロセミド", "ニトログリセリン"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "副腎の腫大に伴う高血圧症には、褐色性細胞腫、クッシング症候群、原発性アルドステロンがある。本症例では、カテコールアミン値、ACTH値に異常が認められていないことから、褐色性細胞腫、クッシング症候群の可能性は低い。このことから、この男性は原発性アルドステロン症であると推察できる。原発性アルドステロンによる低カリウム血症を伴う高血圧には、抗アルドステロン薬(スピロノラクトン、エプレレノンなど)や降圧薬(アムロジピンなど)が用いられる。"} +{"problem_id": "104193", "problem_text": "前問で選択した2つの薬物を長期服用したところ、女性化乳房が出現した。この副作用発現に関わる受容体として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ドパミンD_{2}受容体", "グルココルチコイド受容体", "アンドロゲン受容体", "アルドステロン受容体", "プロゲステロン受容体"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "前問で選択したスピロトラクトンは、性ホルモン類似構造を有しており、アンドロゲン受容体及びプロゲステロン受容体に作用することにより女性化乳房を引き起こすことがある。"} +{"problem_id": "104194", "problem_text": "10歳男児。高熱、頭痛、咳嗽、喀痰、筋肉痛、関節痛のため、母親とともに来院した。問診により父親がインフルエンザに罹患していることが分かった。検査の結果、男児もインフルエンザウイルスに感染していた。この男児の診断、治療及び感染蔓延防止に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["迅速検査としてイムノクロマト法によるインフルエンザ抗原の検出がある。", "診断が確定されたら、速やかにインフルエンザワクチンを投与する。", "解熱させるために非ステロイド性抗炎症薬を直ちに使用する。", "人と接するときは、マスク着用を推奨する。", "解熱したら、すぐに学校に登校可能である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nイムノクロマト法によるインフルエンザ抗原検査の詳細\n\\rightarrow 第103回問204参照\n2:誤\nインフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルス感染を防止するために投与するものであり、インフルエンザの診断が確定してから投与するものではない。3:誤\nインフルエンザを発症した小児の解熱に非ステロイド性抗炎症薬(アスピリン、ジクロフェナクナトリウムなど)を用いるとライ症候群(ウイルス感染症に非ステロイド性抗炎症薬を用いることより誘発される急性脳症)を起こすことがあるため、インフルエンザを発症した小児の解熱には、アセトアミノフェンが推奨される。4:正\n5:誤\n感染の拡大を防止するために、学校保健安全法では、インフルエンザの出席停止期間を「発症した後5日経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで(幼児にあたっては3日)」と定められている。"} +{"problem_id": "104195", "problem_text": "インフルエンザウイルス感染症及びその症状の緩和のために用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アマンタジンは、B型インフルエンザウイルスのM2タンパク質を阻害し脱殻を抑制する。", "オセルタミビルは、感染細胞内で形成されたウイルス粒子が細胞から遊離する際に働くノイラミニダーゼを阻害することで、ウイルスの増殖を抑制する。", "チペピジンは、気管支平滑筋のアドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激することで咳を静める。", "カルボシステインは、痰中のフコムチンを減少させシアロムチンを増加させることで痰の排出を促進する。", "アセトアミノフェンは、ホスホリパーゼA_{2}を阻害することでインフルエンザによる発熱を改善する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nアマンタジンは、A型インフルエンザウイルスのM2タンパク質を阻害し脱殻を抑制する。"} +{"problem_id": "104196", "problem_text": "62歳女性。体重55kg。5年前に慢性心不全と診断され、リシノプリル錠とビソプロロールフマル酸塩錠による治療を受けてきた。最近、息苦しさや疲労感が強くなってきたため以下の処方が追加された。なお、患者の腎機能が低下していたため(血清クレアチニン値1.6 mg/dL、eGFR26.2 mL/ min/ 1.73m^{2})、低用量で投与を開始することになった。入院して7日後の朝に患者から採血し、測定したジゴキシンの血中濃度は3.7ng/mLであった。診察した医師より、ジゴキシンの血中濃度が高いにもかかわらず患者にはジゴキシン中毒の症状が認められないので、その理由について薬剤師に問合せがあった。そこで、薬剤師は採血を行った臨床検査技師に以下の質問をした。(ア) 採血したのは、患者がジゴキシンを服用する前でしたか、後でしたか。(イ) ジゴキシンの測定に用いた測定キットは何ですか。(ウ) 別法でジゴキシンの測定を行い、比較することはできますか。上記の薬剤師の質問により明らかにしたかったこととして適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジゴキシンの副作用の有無", "ジゴキシンとリシノプリルとの相互作用の有無", "血中濃度がトラフに近いかどうか", "血中濃度が定常状態かどうか", "測定した濃度が真の血中濃度よりも高くなっている可能性"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "入院して7日後に血中濃度を測定したところ、ジゴキシンの濃度が有効血中濃度(0.5〜1.5ng/mL)より���高かったが、中毒症状が現れていないことに医師が疑問をもち、薬剤師に問い合わせがあった。薬剤師はその理由を推定するために臨床検査技師に(ア)〜(ウ)の質問をした。この質問より薬剤師は以下のことを確認したかったと推察される。(ア)採血したのは、患者がジゴキシンを服用する前でしたか、後でしたか。\\rightarrow 測定した濃度がトラフ値(服用する前の値)であったか\n(イ)ジゴキシンの測定に用いた測定キットは何ですか。\\rightarrow 蛍光偏光イムノアッセイ法において、ジゴキシンの測定値は、ジゴキシン様陽性物質により真の値より高く現れることがあるので、今回測定した方法が蛍光偏光イムノアッセイ法でないか\n(ウ)別法でジゴキシンの測定を行い、比較することはできますか。\\rightarrow 別法で測定を行い、今回の測定結果と比較して、今回測定したジゴキシンの濃度が真の血中濃度よりも高くなっていないか確認することができるか"} +{"problem_id": "104197", "problem_text": "前問の質問に対する回答から、今回用いた血中濃度測定法は、ジゴキシンに対するポリクローナル抗体を用いる蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)法であることが判明した。そこで、モノクローナル抗体を用いるenzymemultipliedimmunoassaytechnique(EMIT)法によって再測定を依頼した結果、0.8ng/mLの値が得られた。免疫測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ポリクローナル抗体よりモノクローナル抗体を用いる方が、一般に交差反応性が大きい。", "FPIA法の代替測定法として、サンドイッチELISA法はジゴキシンの測定には適さない。", "FPIA法では、蛍光標識したジゴキシンが抗体と結合することにより、蛍光偏光解消度が高値となる。", "EMIT法では、抗原-抗体複合体が酵素と結合すると酵素の活性が変化することを利用する。", "免疫測定法の代替法として高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いても、内因性ジゴキシン様物質の影響を除くことができない。"], "text_only": true, "answer": ["解なし(選択肢は不適切であり回答がえられないため)"], "comment": "1:誤\nモノクローナル抗体は単一の抗原決定因子に結合する。一方、ポリクローナル抗体は多数の抗原決定因子に結合する。よって、モノクローナル抗体は、一般にポリクローナル抗体と比べ交差反応性(抗体が類似する別の物質と反応する性質)が小さい。"} +{"problem_id": "104198", "problem_text": "52 歳女性。若い頃からビール(350 mL)を毎日6缶飲んでいた。腹部膨満感、嘔吐、四肢の浮腫を訴えて受診したところ、アルコール過剰摂取による肝硬変と診断された。受診時の検査データを以下に示す。検査値 Na 138 mEq/L、Cl 99 mEq/L、K 3.9 mEq/L、T-Bil 10 mg/dL、Alb 2.5 g/dL、AST 120 U/L、ALT 99 U/L、BUN 15 mg/dL、血清クレアチニン 1 . 1 mg/dL、腹水(+) 患者は断酒とナトリウム摂取制限、スピロノラクトンによる薬物治療を始めた。後日の血液検査では血清カリウム値が5.0 mEq/Lに上昇していた。血清カリウム値が上昇した理由として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["病態の進行", "嘔吐", "断酒", "ナトリウムの摂取制限", "スピロノラクトンの投与"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "スピロノラクトンは、カリウム保持性利尿薬であり、血清カリウム値を上昇させる。"} +{"problem_id": "104199", "problem_text": "薬剤師は前問で考慮した理由以外に、今回用いた血清カリウム値の測定法(ピルビン酸キナーゼを用いる酵素法)におけるナトリウムの影響も疑った。そこで、他の測定法についても検討した。血清サンプル中のカリウム値の他の測定法として適しているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["EDTAを用いるキレート滴定法", "イオン選択電極法", "フレーム(炎光)分析法", "ELISA法", "ヨウ素を用いる酸化還元滴定法"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nEDTAを用いるキレート滴定は、2価以上の金属イオンを定量することが可能であるが、カリウムイオンのような1価の金属イオンを定量することはできない。"} +{"problem_id": "104200", "problem_text": "50歳女性。身長160 cm。体重72 kg。地域の健康フェアで指の穿刺血液による空腹時血糖値と HbA1c 値の測定を行った。測定結果は空腹時血糖値が95 mg/dL、HbA1c 値が5.6%(NGSP値)であった。後日、女性は近隣の薬局に測定結果の相談に訪れた。女性の仕事はデスクワーク中心で、職場までは自家用車で通勤しており、運動不足であった。また、洋菓子と果実ジュースが好きで毎日間食し、ワインを毎晩グラス 1 杯飲んでいた。相談を受けた薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["空腹時血糖値が糖尿病の診断基準を超えているので、すぐに受診するよう伝えた。", "HbA1c値が糖尿病の診断基準を超えているので、すぐに受診するよう伝えた。", "運動不足を解消するよう助言した。", "間食を少なくするよう助言した。", "食後高血糖の可能性もあるので、今後毎日、食事をした後にHbA1c値を測定することを勧めた。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "本症例では、空腹時血糖値(基準値: 70〜110 mg/dL)、HbA1c 値(NGSP値 基準値: 4.3〜5.8%)は基準値範囲内にあるが、BMI値(BMI=体重kg/身長mの2乗=72/1.6=28.125)は高値を示している。本患者は、空腹時血糖値、HbA1c 値より糖尿病の可能性は低いが、BMI値より肥満I度(BMI: 25.0以上、30.0未満)に該当する。肥満は糖尿病を誘発する原因となるため、食生活を改善することや運動不足を解消することにより肥満を改善する必要がある。なお、本患者は、空腹時血糖値、HbA1c 値に問題ないが、食後高血糖の可能性がある。食後高血糖の有無を調べるためには、HbA1c値を測定するのではなく、食後に血糖値を測定することが推奨されている。"} +{"problem_id": "104201", "problem_text": "この健康フェアで行われている血糖値の簡易測定においては、グルコース脱水素酵素あるいはグルコース酸化酵素が用いられており、検出には酵素比色法及び酵素電極法が用いられている。今回用いられている血糖値測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グルコース脱水素酵素を用いる血糖値測定法では、マルトースは測定の妨害とならない。", "グルコース酸化酵素を用いる血糖値測定法では、酵素反応によって生じた過酸化水素が利用される。", "グルコース酸化酵素を用いる酵素比色法では、波長215 nmの光が用いられる。", "グルコース脱水素酵素及びグルコース酸化酵素を用いる血糖値測定法では、指に付着した果汁中のグルコースが測定の妨害となる。", "酵素電極法においては、酵素がグルコースと反応した際に酵素自体に生じる電位差変化を検出する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nグルコース脱水素酵素(GDH)法を用いた血糖測定法ではマルトースが測定結果に影響を与え、実際の血糖値よりも高値を示す場合があることが報告されている。インスリン投与が必要な患者においては、インスリンの過量投与につながり低血糖を来すおそれがあるので、マルトースを投与されている患者の血糖値の測定には、マルトースの影響を受ける旨の記載がある血糖測定用試薬及び測定器は使用しないこととされている。"} +{"problem_id": "104202", "problem_text": "73歳女性。体重48 kg。高血圧の既往症があり、現在、オルメサルタン口腔内崩壊錠を服用している。この女性は毎日、血圧を測定しており、その値は正常値の範囲内で安定している。最近、咳が止まらず近医を受診したところ、肺非結核性抗酸菌症と診断された。本人が以下の処方箋を持って来局した。服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["尿が赤くなったら、リファンピシンをすぐに中止してください。", "咳が止まれば、薬を飲みきらなくても大丈夫です。", "物が見えにくいと感じたら、すぐにお知らせください。", "服用後1週間ほどすると血圧がいつもより下がるので、ふらつきに気を付けてください。", "水の様な下痢が起きたら、すぐにお知らせください。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nリファンピシンを服用すると、尿や汗、涙が赤くなることがあるが、特に問題ないため、リファンピシン服用中に尿や汗、涙が赤くなっても継続して服用す���ように説明する必要がある。2:誤\n咳が止まっても体内に菌が残っている可能性があるため、継続して薬を服用する必要がある。3:正\nエタンブトール塩酸塩は重大な副作用として、視力障害を起こすことがあるため、視力障害が認められた場合には、すぐに知らせてもらう必要がある。なお、エタンブトール塩酸塩による視力障害は、早期に発見し投与を中止すれば回復することがあるが、発見が遅れ高度に進行すると非可逆的になることがある。4:誤\nリファンピシン、クラリスロマイシンは、肝代謝酵素に影響を与えるが、降圧剤であるオルメサルタンの体内動態に影響を与えるとの報告がないことから、本処方を服用後に血圧の変動はないと考えられる。5:正\nリファンピシン、クラリスロマイシンは重大な副作用として、偽膜性大腸炎を起こすことがあるため、水様性下痢や粘血便が現れた場合には、すぐに知らせてもらう必要がある。"} +{"problem_id": "104203", "problem_text": "数日後、患者から尿が赤くなったという連絡があった。指導薬剤師は実務実習生になぜ尿が赤くなるのか、その理由について調べるように指導した。実習生は処方された3つの薬物の構造を調べ、尿の着色は、尿中に排出された処方薬の1つとその代謝物によるものであると推測した。そこで、その原因処方薬の紫外可視吸収スペクトルを調べたところ下図のようであった。以下の記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["スペクトルの縦軸の吸光度は、透過率の逆数を表している。", "このスペクトルの測定にはガラス製のセルが用いられる。", "尿の着色の原因は、220 nm から 270 nm の領域にみられる光の吸収によるものである。", "335 nm 付近のピークの波長の光の色は赤色である。", "尿の着色の原因は、475 nm付近にピークを持つ青から緑色の光の吸収によるものである。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nスペクトルの縦軸の吸光度は、透過度の逆数の常用対数を表している。"} +{"problem_id": "104204", "problem_text": "25 歳男性。造血幹細胞移植6ヶ月目で移植片対宿主病(GVHD)を発症し、閉塞性細気管支炎と診断されたため、入院し酸素療法を開始した。体温38.2^{\\circ} C、動脈血酸素飽和度は85%、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO_{2})38 Torr、動脈血pH7.4である。なお、患者は免疫抑制剤としてタクロリムスを服用している。この患者の病態及び治療として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["GVHDは、移植した組織を宿主のT細胞が攻撃することで発症する。", "GVHD の急性期の治療には、メチルプレドニゾロンの短期間大量投与が必要である。", "造血幹細胞の再移植が必要である。", "タクロリムスを減量する必要がある。", "気管支拡張薬として\\beta _{2}刺激薬を用いる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nGVHDは、移植した組織に含まれるT細胞が宿主細胞を攻撃することで発症する。2:正\nGVHDの急性期の治療には、メチルプレドニゾロンの大量投与が有効であるとされている。3:誤\nGVHDが認められた場合、造血幹細胞を再移植することはない。なお、白血病が再発した場合には、造血幹細胞を再移植することがある。4:誤\n造血幹細胞移植後タクロリムスを投与する場合、GVHDが認められないときは徐々に減量を行うが、本症例では、GVHDを発症しているためタクロリムスの減量を行わない。5:正\nGVHDにより閉塞性細気管支炎が認められた場合には、気管支拡張薬(アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激など)を用いる。"} +{"problem_id": "104205", "problem_text": "呼吸器疾患患者の病態を把握するには動脈血酸素分圧(PaO_{2})とヘモグロビン酸素飽和度の関係(下図)を理解することが重要である。実線は、正常pH(7.4)血液のヘモグロビン酸素飽和度を表し、点線は、低pH(7.2)血液のヘモグロビン酸素飽和度を表す。また、動脈血酸素飽和度はヘモグロビン酸素飽和度と同じとする。健常者及び前問の患者におけるガス交換や動脈血液ガスに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。なお、標準大気圧(1.013\\times 10^{5} Pa)は上空から地上までに1 m^{2}あたり約1\\times 10^{4}kgの気体が存在し��いる状態である。水銀の密度は13.5 g/mLである。", "choices": ["常温、常圧における吸気と呼気の成分気体の分圧は、吸気と呼気中の成分気体分子のモル比に比例する。", "医療現場で汎用される圧力の単位Torr は水銀柱の高さで圧力を示すものであり、標準大気圧は 1013 Torr となる。", "この患者の PaO_{2}は約40 Torr程度であると推定される。", "同じPaO_{2}の場合、PaCO_{2}が増加するとヘモグロビンの酸素飽和度は低下する。", "酸素療法を開始した後の PaO_{2}とヘモグロビン酸素飽和度の関係は、図の点線に近づく。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n常温、常圧において、混合気体の各成分の分圧は、気体分子のモル比に比例する。"} +{"problem_id": "104206", "problem_text": "60歳男性。体重50 kg、体表面積1.5m^{2}。再発直腸がんで外来通院しながら以下の化学療法(処方1、2)を受けることになり、化学療法施用当日の夕方17時に来院した。医師の指示のもと薬剤師が施用準備のため安全キャビネットでオキサリプラチン点滴静注液を輸液Aで希釈した。施用直前に患者が体調不良を訴えたため、翌日10時に再来し施用することになった。看護師は薬剤師に輸液Aで 希釈したオキサリプラチン点滴静注液が翌日使用できることを確認し、速やかに冷所保存した。薬剤師がオキサリプラチン点滴静注液の希釈に用いた輸液Aはどれか。1つ選べ。", "choices": ["5 %ブドウ糖注射液 250 mL", "乳酸リンゲル液 500 mL", "生理食塩液 250 mL", "7 %炭酸水素ナトリウム注射液 250 mL", "ビタミンB_{1}・糖・電解質・アミノ酸液500 mL"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n本剤は、5 %ブドウ糖注射液に注入し、250〜500 mLとして、静脈内に点滴投与する。2:誤\n本剤は、塩化物イオン(Cl^{-})により分解されるため、塩化物イオン(Cl^{-})を含有する乳酸リンゲル液、生理食塩液、ビタミンB_{1}・糖・電解質・アミノ酸液で希釈することはできない。3:誤\n解説2参照\n4:誤\n本剤は、塩基性溶液により分解されるため、塩基性である炭酸水素ナトリウム注射液で希釈することはできない。5:誤\n解説2参照"} +{"problem_id": "104207", "problem_text": "オキサリプラチンの配位子及び配位子交換に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["オキサリプラチンは配位子交換を原因とする配合変化を受ける。", "配位子Aよりも配位子Bの方が交換しやすい。", "配位子交換の起こりやすさは、交換相手となる配位子の種類、溶媒のpH及び温度に依存する。", "DNA塩基との間で配位子交換を通じて架橋構造を形成することにより、抗がん活性を示す。", "配位子Bは、3つの立体異性体のうちの1つである。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "オキサリプラチンは、生体内で配位子交換により活性体(アクア錯体)を形成し、DNA塩基との間で架橋構造を形成することにより抗がん活性を示す。また、オキサリプラチンは、塩化物イオン(Cl^{-})を含む溶液に溶かすと、配位子交換を原因とする配合変化を受ける。"} +{"problem_id": "104208", "problem_text": "65歳男性。労作時胸部圧迫感を訴え医療機関を受診している。冠動脈造影により左冠動脈前下行枝に75%の強度狭窄を認め、以下の処方薬を服用していた。3週間後に狭窄部分を押し広げる治療法である経皮的冠動脈インターベンション(PCI)による薬剤溶出ステント留置を行う目的で病院に入院することになった。入院後に持参薬(上記処方)に関するPCI施行前後の服薬計画を立案するにあたって、薬剤師から医師に提案する内容として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["PCI施行前日までは、両持参薬とも内服する必要はありません。", "PCI施行前にプラスグレル塩酸塩錠を増量する必要はありません。", "PCI施行後もアスピリン腸溶錠、プラスグレル塩酸塩錠の服用を継続する必要があります。", "PCI施行後はプラスグレル塩酸塩錠のみ服用を継続する必要があります。", "PCI施行後はアスピリン腸溶錠のみ服用を継続する必要があります。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、出血のリスクが少ない��め、原則として、抗血小板薬を継続しながら手術を行う。なお、PCI施行時に抗血小板薬を中止する場合は、当日のみ中止し、術直後より再開することとされている。2:正\nPCI施行する際に、プラスグレルを投与する場合、「通常、成人には、投与開始日にプラスグレルとして20mgを1日1回経口投与し、その後、維持用量として1日1回3.75mgを経口投与する。」とされているが、PCI施行前に本剤3.75mgを5日間程度投与されている場合、初回負荷投与(投与開始日に20mgを投与すること)は必須ではないとされている。このことから、本症例では、PCI施行前に5日以上プラスグレルを継続服用することになるため、PCI施行前にプラスグレル塩酸塩錠を増量する必要はない。3:正\nPCI施行後、ステント周辺部に血栓が生じやすくなるため、PCI施行後もアスピリン腸溶錠とプラスグレル塩酸塩錠の服用を継続する必要がある。4:誤\n解説3参照\n5:誤\n解説3参照"} +{"problem_id": "104209", "problem_text": "プラスグレルは生体内の代謝により活性代謝物Cに変換されて効果を発揮するプロドラッグである。以下の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["プラスグレルはチエノピリジン系医薬品である。", "プラスグレルから代謝物Aへの変換にはプロテアーゼの作用が必須である。", "代謝物Aと代謝物Bとは互変異性体の関係にある。", "代謝物Bにはジアステレオマーが存在する。", "活性代謝物Cは血小板の標的タンパク質と共有結合する。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "104210", "problem_text": "35歳女性。数日前から咳き込むようになった。市販の咳止め薬を服用していたが、治まらないので病院を受診したところ、呼吸器科で気管支喘息と診断さ れ、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。薬剤師が面談したところ、過去に内服ステロイド薬により満月様顔貌(ムーンフェイス)などの副作用を経験したことが分かった。今回処方された吸入ステロイド薬についても副作用を心配している。なお、この女性は今回初めて吸入薬を使用する。この患者に対する服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この吸入薬は、内服ステロイド薬よりムーンフェイスになりにくいです。", "吸入後にうがいをすると効果が減弱するので、うがいをしないで下さい。", "ピークフローメーターにより得られた測定値と測定時の症状を、喘息日記に記載してください。", "この吸入薬は咳が出なくなったら、吸入しなくても良いです。", "この吸入薬は咳がさらにひどくなった場合、追加で1日3回まで吸入しても良いです。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nブデソニドはアンテドラッグ(血液中に移行すると速やかに分解される)であり、局所作用が強く、全身性の副作用が現れにくいため、内服ステロイド薬よりもムーンフェイスになりにくい。2:誤\n吸入後は口腔カンジダや嗄声を防止する目的で、うがいする必要がある。3:正\nピークフローメーターにより得られた測定値と測定時の症状は、喘息の状態を把握する上で有用なデータとなるため、喘息日記に記載するように指導する。4:誤\n本剤のような副腎皮質ステロイド性薬を含有する吸入薬は、喘息治療において長期管理薬(コントローラー)として用いられる。長期管理薬は、毎日規則正しく使用することにより、喘息発作の誘発を予防する目的で使用されるため、咳が出なくなっても、継続して吸入する必要がある。5:誤\n本剤は、長期管理薬(コントローラー)であり、咳がひどくなった場合に追加投与することはできない。なお、シムビコートタービュヘイラーは、維持療法として使用している場合に頓用としても使用可能である。"} +{"problem_id": "104211", "problem_text": "ブデソニドは肝臓において、活性が低く水溶性の高い代謝物に代謝され、速やかに排泄される。主な代謝経路で起こる反応について正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセタール構造が開裂する。", "\\alpha -ヒドロキシケトン構造が互変異性を起こす。", "1位の二重結合が還元される。", "11位のヒドロキシ基が脱離する。", "21位のヒドロキシ基が酸化される。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "ブデソニドは、肝臓において、主として16\\alpha\n-ヒドロキシプレドニゾロンに変換され、尿中に排泄される。"} +{"problem_id": "104212", "problem_text": "60歳男性。喘息のため吸入ステロイド薬と共にテオフィリンを服用している。今回、右腰のまわりに痛みを伴う水疱が出現したので皮膚科を受診したところ、帯状疱疹と診断され、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。面談により、この患者には、過去に口唇ヘルペスでバラシクロビル錠の服用の経験があることが分かった。また、営業職であるため忙しく、1日5回の服用を守ることは困難であると訴えた。そこで、皮膚科の医師に疑義照会したところ、以下の処方に変更となった。なお、この患者のクレアチニンクリアランスは 50 mL/min であった。この患者に処方されたバラシクロビル錠に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["口唇ヘルペスと帯状疱疹に対する用法・用量・投与日数は異なる。", "テオフィリンと併用しても、テオフィリンの中毒症状が現れることはない。", "アシクロビルに比べて副作用が現れにくい。", "腎機能が低下した時には、投与間隔の延長あるいは減量を伴った投与間隔の延長の措置を行う。", "7日間服用することで痛みは消失するが水泡は消失することはない。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本剤は、口唇ヘルペス(単純ヘルペス)に用いる場合と、帯状疱疹に用いる場合では、用法・用量・投与日数が異なる。<単純ペルペスに用いる場合>\n通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回5日間、経口投与する。<帯状疱疹に用いる場合>\n通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回7日間、経口投与する。2:誤\n本剤とテオフィリンを併用すると、本剤の活性代謝物であるアシクロビルがテオフィリンの代謝を阻害し、血中濃度を上昇させることがある。3:誤\n本剤は、アシクロビルに比べ、血液中に移行しやすいため、副作用が現れやすい。4:正\n本剤は腎消失型薬物であるため、腎機能が低下した時には、投与間隔の延長あるいは減量を伴った投与間隔の延長などの措置を行うことがある。5:誤\nバラシクロビルを7日間服用することにより水疱はほとんど消失するが、痛みは継続することがある。そのため、帯状疱疹後には、疼痛を緩和する目的でプレガバリンなどが投与されることがある。"} +{"problem_id": "104213", "problem_text": "バラシクロビルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アシクロビルの脂溶性を増大させることを意図して創出されたプロドラッグである。", "アシクロビルとL-バリンがエステル結合を介して連結した構造をもつ。", "生体内に存在する酵素の作用により、波線部aにおいて結合が切断される。", "生体内でbに示す酸素原子がリン酸化されることによって薬理活性を示す。", "小腸のペプチドトランスポーターを介して吸収される。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nバラシクロビルは、アシクロビルのL-バリンエステルであり、ペプチドトランスポーターにより生体膜を透過することを意図して創出されたプロドラッグである。"} +{"problem_id": "104214", "problem_text": "50歳女性。3ヶ月前から、ふくらはぎがつることで眠れないなどの症状が出たので、市販の漢方薬Aを服用していた。今回、両下腿浮腫が発現したので、近医を受診し、胸部レントゲン検査にて心拡大を認めたため入院となった。血圧160/64 mmHg、脈拍78回/分、血清カリウム値3.1 mEq/L。動脈血ガス検査にて代謝性アルカローシスを認めた。心電図は正常。心臓超音波検査にて、心機能正常 だが心嚢液貯留を認めた。漢方薬Aはどれか。1つ選べ。", "choices": ["芍薬甘草湯", "八味地黄丸", "半夏厚朴湯", "大建中湯", "牛車腎気丸"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "本症例では、ふくらはぎがつることを改善するために市販の漢方薬Aを服用していたことから、漢方薬Aは、芍薬甘草湯であると推察される。1:正\n芍薬甘草湯は、急激におこる筋肉のけいれんを伴う��痛、筋肉・関節痛、胃痛、腹痛に用いられる。2:誤\n八味地黄丸は、疲労、倦怠感が著しく、尿量減少または頻数、口渇し、手足に交互的に冷感と熱感のあるものの腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧に用いられる。3:誤\n半夏厚朴湯は、気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症に用いられる。4:誤\n大建中湯は、腹が冷えて痛み、腹部膨満感のあるものに用いられる。5:誤\n牛車腎気丸は、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少または多尿で時に口渇がある、下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみに用いられる。"} +{"problem_id": "104215", "problem_text": "前問における漢方薬A服用後の症状の発現の原因となる生薬成分は、腸内細菌による加水分解を受けたのちに吸収される。加水分解後の化学構造はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "本患者は、血圧が高く(160/64\nmmHg)、血清カリウム値(3.1\nmEq/L)が低いことから偽アルドステロン症の症状が現れている可能性があると考えられる。漢方薬Aの構成生薬は、シャクヤク、カンゾウであり、カンゾウの有効成分であるグリチルリチン酸により偽アルドステロン症を誘発することがある。カンゾウの有効成分であるグリチルリチン酸は、腸内細菌の\\beta\n-グルクロニダーゼにより加水分解を受けグリチルレチン酸(選択肢5)に代謝される。"} +{"problem_id": "104216", "problem_text": "78歳女性。体重45 kg。骨粗しょう症、うつ病及び不眠症のため下記の処方薬を服用していた。最近、食欲がなくなり、とても体がだるいとの訴えを聞いた家族が、この女性を通院中の病院に連れて来たところ、そのまま入院となった。入院時の検査の結果、低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム高値、高張尿が見られた。しかし、脱水症状は無く、腎機能及び副腎皮質機能が正常であり、上記以外の疾患はなかった。その結果、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)と診断された。診断した医師から薬剤師に薬学的管理について相談があった。この患者の薬学的管理に関する提案として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アルファカルシドールカプセルの中止", "パロキセチン錠の中止", "ゾピクロン錠の中止", "塩化ナトリウムの投与", "積極的な水分摂取"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)では、抗利尿ホルモン(バソプレシン)が持続的分泌され、腎臓の集合管で水分の再吸収が促進されることにより低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム高値、高張尿が認められる。本症例では、うつ病、不眠症以外の疾患がなく、SIADHと診断されていることから、薬剤性SIADHであると推察される。薬剤性SIADHでは、原因薬物を中止するとともに低ナトリウム血症を解消する目的で塩化ナトリウムを投与する必要がある。処方薬のうち、パロキセチン錠は重大な副作用としてSIADHを起こすとの報告があることから、パロキセチン錠を中止し、塩化ナトリウムを投与する必要がある。"} +{"problem_id": "104217", "problem_text": "この患者の検査結果で見られた異常の原因として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["腎臓の集合管におけるプロテインキナーゼA活性の阻害", "腎臓の集合管での水分の再吸収の促進", "腎臓のヘンレループ上行脚における Na^{+}/K^{+}/2Cl^{-}共輸送体の阻害", "腎臓のヘンレループ下行脚での水分の再吸収の促進", "下垂体後葉からの抗利尿ホルモン(バソプレシン)分泌の抑制"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "問216解説参照"} +{"problem_id": "104218", "problem_text": "27歳女性。1年前に結婚し、近いうちに子供が欲しいと考えている。自分の母子手帳を確認したところ、麻しんワクチンの接種記録が1回であった。近隣の病院に設置されたお薬相談コーナーに、麻しんワクチン接種の相談に訪れた。麻しんワクチン製剤は現時点で入手の見通しが立たないので接種できないが、当該病院には麻しん風しん混合ワクチン製剤の在庫がある。相談を受けた薬剤師が、この女性に行う説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["麻しんワクチン接種歴が1回あるので、追加のワクチン接種は必要ありません。", "マスクを着用し、手洗いをすれば、ワクチン接種は必要ありません。", "麻しんワクチンの代替として、麻しん風しん混合ワクチンを接種できます。", "妊娠していても、ワクチン接種はできます。", "ワクチン接種後約2ヶ月間は妊娠しないように注意してください。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n麻しんワクチンは、1回接種のみでは、2〜5%程度免疫が十分に得られない場合があるが、2回接種すると、免疫を獲得することができる割合が97〜99%以上になるとされていることから、麻しんワクチンは、2回接種することとされている。2:誤\n麻しんウイルスは、空気感染(飛沫核感染)するため、マスクの着用や手洗いをしても感染することがある。麻しんを予防するための有効な方法として、麻しんワクチンを接種する必要がある。3:正\n4:誤\n麻しん風しん混合ワクチンは、弱毒生ワクチンであり、妊婦に投与禁忌とされている。また、麻しん風しん混合ワクチン接種後約2ヶ月間は妊娠しないようすることとされている。5:正\n解説4参照"} +{"problem_id": "104219", "problem_text": "この女性への説明事項の根拠として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["麻しんウイルスは、主として腸管粘膜で増殖し、リンパ節へと拡散する。", "麻しんウイルスは、回帰発症により帯状疱疹を生じさせる。", "麻しんウイルスは空気感染はせず、飛沫感染及び接触感染によって伝播する。", "麻しん風しん混合ワクチンは、麻しんワクチンと同様に麻しんウイルスに対する細胞性免疫を獲得させる。", "麻しん風しん混合ワクチン中の麻しんワクチンは、弱毒生ワクチンである。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n麻しんウイルスは、主として気管支粘膜で増殖し、リンパ節へと拡散する。"} +{"problem_id": "104220", "problem_text": "88歳男性。独居。現在、高血圧症で以下の処方により在宅療養中であり、日中もほとんど寝たきりの生活をしている。患者は過去に貼付剤による接触性皮膚炎を発症したことがある。また、患者は1人で服薬できないため、50 歳の一人娘が毎朝出勤前に薬の管理と服薬介助をしている。娘はこれ以上の介護負担は困難だと考え、将来に不安を感じている。医師からは、血液検査結果に異常は認められないが、最近、患者の嚥下能力が低下し始めているので、誤嚥に注意するように言われている。患者の娘が仕事帰りに薬局に立ち寄り、「誤嚥はどのようにして起こるのですか」と薬剤師に質問した。正常な嚥下及び誤嚥の過程について、下図を用いた薬剤師の説明として正しい組合せはどれか。1つ選べ。なお、下図は、口腔から食道・ 気管までの断面図である。A:咽頭口部への移送 B:咽頭喉頭部への移送 C:喉頭蓋による気道の閉鎖 D:アへの移送 E:イへの移送", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "<正常な嚥下の過程>\n咽頭口部への移送\\rightarrow 咽頭蓋による気道の閉塞(この過程により誤嚥が起こらないようになっている)\\rightarrow 咽頭喉頭部への移送\\rightarrow イ(食道)への移送::<誤嚥の過程>\n咽頭口部への移送\\rightarrow 咽頭喉頭部への移送\\rightarrow ア(気道)への移送"} +{"problem_id": "104221", "problem_text": "本日の訪問診療で、医師は軽度アルツハイマー型認知症と診断し、薬局に処方提案を依頼した。依頼を受け、薬剤師はアルツハイマー型認知症に適応のある医薬品の用法及び剤形を表のようにまとめた。患者の生活状況、全身状態、疾患などを考慮して、訪問医に追加提案する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ドネペジル塩酸塩口腔内崩壊錠", "ガランタミン臭化水素酸塩口腔内崩壊錠", "ガランタミン臭化水素酸塩内用液", "リバスチグミン経皮吸収型製剤", "メマンチン塩酸塩口腔内崩壊錠"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "以下の点より、訪問医に追加提案する薬剤として適切なものを選択���る必要がある。・以前に貼付剤により接触性皮膚炎を起こしている\n\\rightarrow\n貼付剤であるリバスチグミンは不適\n・これ以上の介護負担は困難(服用回数をこれ以上増やすことは困難)\n\\rightarrow\n1日2回服用する必要があるガランタミンは不適\n・軽度のアルツハイマー\n\\rightarrow\n中等度〜高度のアルツハイマー型認知症に用いるメマンチンは不適"} +{"problem_id": "104222", "problem_text": "78歳男性。経営している会社の業務量が最近急増し、デスクワークが毎日続いたため、眼精疲労と肩こりを強く感じ、一般用医薬品を購入するため来局した。男性が所持していたお薬手帳により、服用中の薬を確認した。男性はパーキンソン病で以下の処方薬を服用していることが判明した。現在、薬局には以下の成分を含む一般用医薬品がある。この男性に販売するのに適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "レボドパは末梢(血液中)でレボドパ脱炭酸酵素(芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素)の影響を受け、分解され(脱炭酸され)、中枢移行性が低下することがあるため、芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素の補酵素であるビタミンB6(ピリドキサール、ピリドキシン、ピリドキサミン)と併用することを避ける必要がある。上記のことより、この患者にはピリドキサールリン酸(活性型ビタミンB6)、ピリドキシン塩酸塩を含む一般用医薬品を販売すべきではない。また、選択肢2はイブプロフェン(解熱鎮痛剤)、ジヒドロコデインリン酸塩(鎮咳薬)などが含まれている総合感冒薬であり、本患者の症状である眼精疲労、肩こりに効果が期待できないため、本患者に販売すべきではない。"} +{"problem_id": "104223", "problem_text": "前問において、販売すべきでないと薬剤師が統合的に判断した根拠のうち、レボドパの代謝に関わる反応とそれに必要なビタミンの組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "問222解説参照"} +{"problem_id": "104224", "problem_text": "7 歳女児。卵アレルギーがある。小学校で給食を食べた直後、女児が異常を訴えた。ゼーゼーとした呼吸音(喘鳴)、皮膚の赤み、唇とまぶたの赤みを担任教諭が確認し、アドレナリン注射液(エピペン^{®️}注射液)を投与して、その後の適切な対応により改善した。この女児が引越しに伴い転校することになり、転校先の学校に母親より女児の受け入れ後の対応について相談があった。この女児の症状を引き起こした生体内反応として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["卵由来のアレルゲンと結合した細胞外マトリックス成分に対する抗体(IgG)により、抗体依存性細胞障害が起きた。", "卵由来のアレルゲンに対する抗体(IgGやIgM)が免疫複合体を形成して組織に沈着し、補体を活性化した。", "肥満細胞上の抗体(IgE)に卵由来のアレルゲンが結合して、肥満細胞の活性化を引き起こし、ケミカルメディエーターが放出された。", "卵由来のアレルゲンを認識したT細胞が炎症性サイトカインを放出し、マクロファージを活性化した。", "卵由来のアレルゲンと結合した抗体により、NK細胞が活性化した。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本症例では、給食を食べた直後、女児に喘鳴、皮膚の赤み、唇とまぶたの赤みが現れたことを確認し、アドレナリン注射液(エピペン^{®️}注射液)を投与していることから、女児は、給食に含まれていたアレルゲン(卵に含まれるタンパク質)によりアナフィラキシーショックを引き起こしたと推察される。アナフィラキシーショックは、I型アレルギーに分類されており、アレルゲンが体内に侵入し、肥満細胞や好塩基球上の抗体(IgE)に結合して、ケミカルメディエーターが放出されることにより誘発される。"} +{"problem_id": "104225", "problem_text": "この相談を受け、万が一に備えて小学校から学校薬剤師にアドレナリン注射液(エピペン^{®️}注射液)の使用法講習の依頼があった。学校薬剤師が説明する重要なポイントとして、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アナフィラキシーの初期症状が現れたら、ショック症状が発現する前に投与する。", "正しい持ち方は、図のとおりである。", "注射部位に垂直になるようにし、強く押し付ける。", "お尻に注射する。", "緊急時には、衣服の上からでも注射することができる。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n本剤は、ショック症状の発現を防止するために、アナフィラキシーの初期症状が現れたら、速やかに使用する。"} +{"problem_id": "104226", "problem_text": "58歳男性。健康診断の結果が、体重72 kg、血清クレアチニン値1.0 mg/dL、BUN 20 mg/dL、空腹時血糖値122 mg/dL、HbA1c(NGSP値)6.5%、BMI 25.6であったため、かかりつけ医を受診した。かかりつけ医での検査の結果、耐糖能異常と診断され、食事療法と運動療法を開始した。仕事上、夜勤があり、食生活が不規則で十分な改善効果が得られなかったため、以下の薬剤を処方され薬局を訪れた。患者は、この薬剤の服用は初めてで、服用方法や副作用について不安を抱いている様子であった。薬剤師がこの患者に行う服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["おならが増えたり、下痢をしたりすることがありますが、症状が軽度の場合は心配せず続けて服用してください。", "この薬で腎臓の働きが悪くなることがありますので、尿量が減少した場合はお知らせください。", "この薬で低血糖症状が起きた時は、砂糖では改善効果が低いのでブドウ糖を摂取してください。", "この薬を食直前に飲めなかった場合は、食間でも同様の効果がありますので、食後2時間を目安に飲んでください。", "この薬は舌の下で溶かして口の中で吸収させる薬なので、水で飲み込まないでください。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n本剤を服用することにより、消化管において\\alpha -グルコシダーゼが阻害され、二糖から単糖への分解が抑制される。消化管で未消化の糖類は、腸内細菌により発酵し、ガスを発生することから腸閉塞様症状(腹部膨満や放屁の増加など)の原因となる。また、消化管で未消化の糖類は、消化管の浸透圧を増加させるため、浸透圧性の下痢を誘発することがある。これらの症状が軽度の場合、身体に影響がほとんどないことから、本剤を継続して服用しても問題ない。2:誤\n本剤はほとんど消化管から吸収されないため、腎機能に対して影響を与えることはない。3:正\n本剤投与中に低血糖が現れた場合には、砂糖(スクロース: 二糖)ではなく、グルコース(単糖)を摂取する必要がある。4:誤\n本剤を食直前に飲み忘れた場合には、以下のように対処する必要がある。食事中に気づいた時にはすぐに服用し、食後に気づいた時には、その回を服用せず、次回服用時に1回分服用する。5:誤\n本剤は口腔内崩壊錠であり、消化管から吸収されるように設計されているため、唾液または水で飲み込む必要がある。"} +{"problem_id": "104227", "problem_text": "前問の服薬指導の根拠となる糖質の消化・吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["マルトースは、グルコースよりも小腸からの吸収効率が高い。", "マルターゼは、\\alpha -グルコシダーゼである。", "スクロースは、グルコースとフルクトースが \\alpha 1\\rightarrow 4結合したものである。", "二糖類が消化されずに小腸管腔内に滞留すると、浸透圧性の下痢を起こしやすくなる。", "ボグリボースは、ラクトースの分解を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nマルトースは、グルコースが\\alpha\n-グルコシド結合(\\alpha\n1\\rightarrow\n4結合)した二糖であり、単糖であるグルコースより小腸からの吸収効率が低い。グルコースは、小腸に存在するNa^{+}/グルコーストランスポーター1(SGLT1)により小腸上皮細胞に取り込まれるが、マルトースはマルターゼによりグルコース2分子に分解されてからSGLT1により小腸上皮細胞に取り込まれるため、マルトースはグルコースに比べ小腸からの吸収効率が低い。"} +{"problem_id": "104228", "problem_text": "15歳女性。身長150 cm、体重29 kg。精神的ストレスから最近6ヶ月で10 kgの体重減少があり、月経もない。診察の結果、神経性無食欲症(拒食症)と診断された。特に最近3週間はほとんど食事を摂っておらず意識障害を生じたため、両親に伴われ来院し、緊急入院となった。入院後も食事に強い拒否を示したため、NST(栄養サポートチーム)の管理下で中心静脈栄養法を行うこととなった。入院直前のこの患者の栄養状態に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。15歳女性の基礎代謝基準値(kcal/kg 体重/日)を25とする。", "choices": ["基礎代謝量は、同性、同年代の健常人に比べ高い値を示している。", "身体を構成するタンパク質の分解により生成した糖原性アミノ酸からの糖新生が亢進している。", "脂肪酸の分解により生成したアセチル CoA からのケトン体の合成が亢進している。", "コレステロールもエネルギー産生に利用されている。", "体重が40 kgに回復した場合、身体活動度を1.5とすると、推定エネルギー必要量は2,000 kcal/日となる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n基礎代謝量(kcal/日)は、下記の式で求めることができる。基礎代謝量(kcal/日)=基礎代謝基準値\\times 体重\n本患者は、体重が29 kgと同年代の女性に比べ非常に軽いため、本患者の基礎代謝量は、同性、同年代の健常人に比べ低い値を示す。2:正\n本患者はほとんど食事を摂っておらず、飢餓状態にあるため、体内では以下のことが起こっていると考えられる。・身体を構成するタンパク質が分解され、それにより生成した糖原性アミノ酸が糖新生に利用される。・肝臓において脂肪酸分解(\\beta 酸化)が亢進し、アセチルCoA生成される。生成されたアセチルCoAのうち、クエン酸回路で利用できなかったものは、ケトン体(アセト酢酸、\\beta -ヒドロキシ酪酸、アセトン)となる。・肝臓で生成されたケトン体のうち、アセトンは呼気中に排泄され、アセト酢酸、\\beta -ヒドロキシ酪酸の一部は脳などでエネルギー源として利用される。3:正\n解説2参照\n4:誤\n飢餓状態になっても、コレステロールはエネルギー源として利用されることはない。なお、コレステロールは、ステロイドホルモンや胆汁酸を生成する際に用いられる。5:誤\n推定エネルギー必要量(kcal/日)は、下記の式より求めることができる。推定エネルギー必要量(kcal/日)=基礎代謝基準値\\times 体重\\times 身体活動度\n本患者の体重が40 kgに回復した場合の推定エネルギー必要量は、下記のように計算することができる。推定エネルギー必要量(kcal/日)=25\\times 40\\times 1.5=1,500 kcal /日"} +{"problem_id": "104229", "problem_text": "この患者に行う中心静脈栄養法及びその注意事項として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["投与エネルギー量は、2,000 kcal/日から開始する。", "輸液にビタミンB_{1}を添加する。", "栄養補給後の血清リン濃度の低下に注意し、低下傾向が見られた場合、速やかにリン酸製剤の投与を実施する。", "必要に応じて亜鉛などの微量元素の補充を行う。", "患者の様子を見ながら、経腸あるいは経口での栄養補給に変更していく。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "本患者は長い間、低エネルギー状態にあったことから、リフィーディング症候群を起こさないように栄養補給を行う必要がある。リフィーディング症候群とは、慢性的な栄養不良状態が続き高度の低栄養状態にある患者に突然充分量の栄養を補給することにより発症する一連の代謝合併症のことである。リフィーディング症候群の発症を予防するためには、BMIが16未満の患者、体重が急激に低下した患者、10日以上絶食状態の患者に対しては、投与エネルギーとして、現体重\\times\n10\nkcal/kg/日(重症例では5\nkcal/kg/日)程度から開始し、モニターしながら100〜200\nkcal\n/日ずつ増量していき、1週間以上かけて目標量(25〜30\nkcal\n/kg)まで増やすとともに必要なリン、電解質、ビタミンを投与する。"} +{"problem_id": "104230", "problem_text": "28歳女性。8月10日の夜間に下痢、発熱、腹痛を訴えて救急外来を受診した。医師が問診したところ、同日の昼間に料理教室で卵を用いた洋生菓子を作り、それを食べたとのことであった。一緒に料理教室に行った友人5人も同じ物を食べ、同じ症状を訴えているという。問診の結果から、医師は細菌性食中毒を疑い 抗菌薬を投与することにした。患者の受診当日、医師は、処方可能な経口抗菌剤について薬剤師にアドバイスを求めた。薬剤師が提案すべき薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["バンコマイシン塩酸塩散", "クラリスロマイシン錠", "イトラコナゾール錠", "レボフロキサシン錠", "イベルメクチン錠"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "下記のことから、本症例における食中毒の原因は、サルモネラ属菌によるものと推察される。・卵を用いた洋生菓子を食べたことにより、食中毒の症状(下痢、発熱、腹痛)が現れたこと\n・潜伏期間が約半日であること\n・細菌性の食中毒が疑われていること\n・細菌性毒素が検出されなかったこと\n問230の選択肢のうち、サルモネラ属菌に有効な抗菌薬は、レボフロキサシン錠である。"} +{"problem_id": "104231", "problem_text": "後日、洋生菓子の原材料である液卵(卵黄)と当該患者の下痢便から共通して医師が予想したものと同じ細菌が分離・同定された。細菌性毒素は検出されなかった。この患者の食中毒の原因菌として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ボツリヌス菌", "カンピロバクター・ジェジュニ", "サルモネラ属菌", "セレウス菌", "黄色ブドウ球菌"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "104232", "problem_text": "5歳女児。保育園でシラミ症が集団発生し、母親と共に皮膚科を受診した。皮膚科医より第二類医薬品であるスミスリン^{®}Lシャンプ―^{(注)}で頭を洗うように指示を受け、薬局を訪れた。(注: スミスリン^{®}Lシャンプ―: 成分 フェノトリン(4 mg/mL)) 薬剤師が母親に説明する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["シラミのうち、頭部に寄生するのはアタマジラミです。", "シラミが頭部に寄生したら幼稚園、保育園、小学校等に行ってはいけません。", "スミスリン^{®}Lシャンプ―は、日常の頭髪の洗浄目的には使えません。", "スミスリン^{®}Lシャンプ―は、一度の使用で効果を示すので、繰り返し使用しないでください。", "一度シラミ症になると免疫ができるので、再発症することはありません。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nヒトに寄生するシラミには、ケジラミとヒトジラミの2種類があり、ヒトジラミはさらにコロモジラミとアタマジラミの2種類に分類される。ケジラミは主に成人の陰毛に寄生し、アタマジラミは、主に頭髪や頭皮に寄生する。2:誤\nシラミが頭部に寄生しても、幼稚園、保育園、小学校等に行っても問題ない。3:正\nスミスリン^{®}Lシャンプ―は、アタマジラミ、ケジラミを駆除するための医薬品であり、日常の頭髪の洗浄目的に使用しないこととされている。4:誤\nスミスリン^{®}Lシャンプ―の使用法を以下に示す。5:誤\n一度シラミ症になっても、再度感染、再発症することがある。"} +{"problem_id": "104233", "problem_text": "スミスリン^{®}Lシャンプ―に含まれるフェノトリンは殺虫剤の成分である。フェノトリンの構造式はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)の構造である。DDTは農薬やシラミの駆除剤として用いられていたが、現在では、毒性の高さから、使用が禁止されている。"} +{"problem_id": "104234", "problem_text": "60歳男性。ジェノタイプ2型のC型慢性肝炎と診断され、初回治療としてDAAs(Direct acting antivirals)が投与されることになった。なお、この患者の腎機能は正常である。この患者から聴取した生活習慣や過去の経験のうち、C型慢性肝炎に罹患した原因として可能性が低いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["鹿肉の生食", "入れ墨や不衛生なピアスの穴あけ処置", "20歳代での手術時の輸血", "海外旅行中の生水の摂取"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "C型肝炎ウイルスは、主に血液を介して感染することから、選択肢のうち、C型慢性肝炎に罹患した原因として可能性が低いのは、「鹿肉の生食」、「海外旅行中の生水の摂取」である。なお、「入れ墨や不衛生なピアスの穴あ���処置」、「20歳代での手術時の輸血」は、血液を介した感染を起こす可能性があるため、C型慢性肝炎に罹患した原因となる可能性がある。"} +{"problem_id": "104235", "problem_text": "この患者に投与する抗ウイルス薬として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ラミブジン", "ソホスブビル", "エンテカビル水和物", "ペラミビル水和物", "リバビリン"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nラミブジンは、逆転写酵素阻害薬であり、B型肝炎やHIV感染症の治療に用いられる。"} +{"problem_id": "104236", "problem_text": "58歳男性。CD20陽性のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断され、R-CHOP療法による治療が行われることになった。R-CHOP療法時に用いられる注射剤のうち、ヒトで催奇形性又は発がん性が報告されている、あるいは疑われており、かつ揮発性を有するため、薬剤調製時に閉鎖式接続器具の使用が最も望ましいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["リツキシマブ", "グラニセトロン塩酸塩", "シクロホスファミド水和物", "ドキソルビシン塩酸塩", "ビンクリスチン硫酸塩"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "R-CHOP療法とは、CHOP療法(シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩、プレドニゾロン併用療法)にリツキシマブを加えたがん化学療法のことであり、CD20陽性のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の治療法として用いられている。選択肢のうち、ヒトで催奇形性又は発がん性が報告されている、あるいは疑われているものは、シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩であり、その中でも揮発性を有するため、薬剤調製時に閉鎖式接続器具の使用が望ましいのは、シクロホスファミド水和物である。"} +{"problem_id": "104237", "problem_text": "前問で選んだ薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["直接発がん物質である。", "ナイトロジェンマスタードの誘導体である。", "シトクロムP450により代謝的活性化を受け、DNAをアルキル化する。", "エポキシ体の形成を介してDNA付加体を形成する。", "発がんプロモーション作用を有する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "シクロホスファミド水和物は、ナイトロジェンマスタード誘導体であり、体内でシトクロムP450により代謝的活性化を受け、DNA\nをアルキル化する。"} +{"problem_id": "104238", "problem_text": "小学生が大麻を吸引した事件が起きた。事件が発生した地域の学校薬剤師会の依頼により麻薬取締官が、学校薬剤師を集めて大麻の成分、作用や分析法について講義を行った。大麻に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["乾燥させた大麻の葉は、一般にマリファナと呼ばれる。", "大麻の向精神作用の本体は、テトラヒドロカンナビノールである。", "大麻の向精神作用の本体は代謝されにくいため、尿中から主として未変化体が検出される。", "大麻使用の有無を簡易検査するには、尿を検体とするキットが用いられる。", "大麻成分の分析には、ガスクロマトグラフ法や高速液体クロマトグラフ法が用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n2:正しい\n3:誤っている\n大麻の向精神作用の本体であるテトラヒドロカンナビノールは、様々な代謝経路により代謝物となり尿中に排泄される。なお、テトラヒドロカンナビノールの主な代謝経路として、CYPによる11位の水酸化から始まるグルクロン酸抱合体の生成が知られている。4:正しい\n5:正しい"} +{"problem_id": "104239", "problem_text": "後日、学校薬剤師が保護者への説明会で伝えるべき大麻の特徴や問題点として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["異常に強い幸福感を感じたり、そこにいないはずの人や物が見えたりする。", "乱用を止めても、以前使用していた時の感覚が突然よみがえることがある。", "大麻は栽培しても処罰の対象にならない。", "精神依存はなく、身体依存が主である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n大麻を吸引することにより、異常に強い幸福感を感じたり、幻覚が見え��りすることがある。"} +{"problem_id": "104240", "problem_text": "58歳男性。地元のがんセンターに入院し、検査の結果、去勢抵抗性の前立腺がんと診断された。骨転移も認められている。主治医は、患者に対し、放射性医薬品による骨転移巣の治療を検討していることを説明した。治療の目的で用いられる放射性医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["標的組織に高い選択性を示す。", "診断用放射性医薬品と同様、標的組織から速やかに消失することが望ましい。", "\\alpha 線を放出する核種は使用されない。", "放出される放射線により腫瘍細胞のDNAが損傷される。", "数年程度の半減期をもつ核種が使用される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "治療目的で用いられる放射線医薬品の特徴を以下に示す。・標的組織に高い選択性を示す\n・診断用放射性医薬品と異なり、標的組織からゆっくり消失する\n・\\alpha 線や\\beta ^{-}線を放出する核種を含有する\n・放出される放射線により腫瘍細胞のDNAを切断することにより効果を発揮する\n・数時間〜数日程度の半減期を有する核種を含有する"} +{"problem_id": "104241", "problem_text": "去勢抵抗性の前立腺がんの治療に用いられる放射性医薬品として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["クエン酸ガリウム(^{67}Ga)注射液", "ヨウ化ナトリウム(^{131}I)カプセル", "イットリウム(^{90}Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液調製用", "塩化インジウム(^{111}In)注射液", "塩化ラジウム(^{223}Ra)注射液"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nクエン酸ガリウム(^{67}Ga)注射液は、悪性腫瘍の診断、炎症性病変の診断に用いられる。"} +{"problem_id": "104242", "problem_text": "73歳女性。友人に勧められたミネラルウォーターで医薬品を服用して良いか、かかりつけ薬剤師に相談した。そこで薬剤師は女性のお薬手帳を確認した。現在服用中の薬とミネラルウォーターの成分一覧は以下のとおりであった。(処方薬1) アレンドロン酸錠 35 mg (処方薬2) ワルファリンK錠 1 mg (処方薬3) グリメピリド錠 1 mg (処方薬4) アセトアミノフェン錠 300 mg (処方薬5) シプロフロキサシン錠 200 mg このミネラルウォーターの総硬度(mg/L)はどれか。1つ選べ。ただし原子量は以下のとおりとする。H 1.00、C 12.0、O 16.0、Na 23.0、K 39.1、Mg 24.3、Ca 40.0", "choices": ["110", "140", "300", "1,100", "1,400"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "総硬度は、水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの量を、これに対応する炭酸カルシウムの量(mg/L)に換算して表したものである。総硬度は、以下の手順で求めることができる。①: ミネラルウォーターに含まれるCa、Mgの濃度(mg/L)をモル濃度(mmol/L)に換算し、それぞれを足し算する。②: ①で求めたモル濃度の和にCaCO_{3}の分子量(100)を掛け算する。ミネラルウォーターには、100 mL中にCa: 44.0 mg、Mg: 7.29 mgが含まれていることから、それぞれの濃度(mg/L)は、440 mg/L、72.9 mg/Lとなり、また、それぞれのモル濃度は、11 mmol/L(440 mg/L/40.0)、3 mmol/L(72.9 mg/L/24.3)となる。これらのことから、総硬度を以下のように計算することができる。総硬度(mg/L)=(11 mmol/L+3 mmol/L)\\times 100=1,400 mg/L"} +{"problem_id": "104243", "problem_text": "このミネラルウォーターで服用すると吸収に影響があると考えられる処方薬はどれか。2つ選べ。", "choices": ["アレンドロン酸錠 35 mg", "ワルファリンK錠 1 mg", "グリメピリド錠 1 mg", "アセトアミノフェン錠 300 mg", "シプロフロキサシン錠 200 mg"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "設問のミネラルウォーターには、2価以上の金属イオン(Ca^{2+}、Mg^{2+})が多く含まれている。そのため、2価以上の金属イオンと難溶性キレートを形成するアレンドロン酸錠35mg、シプロフロキサシン錠200mgをこのミネラルウォーターで服用すると、吸収に影響が現れると考えられる。"} +{"problem_id": "104244", "problem_text": "学校校舎の老朽化のために一部(図工準備室)の建替えが行われた。建替えた校舎を利用した生徒から、目、鼻、のどの刺激、めまいの訴えが続いた。養護教諭から学校薬剤師に相談があり、学校薬剤師はこの教室内の空気中の化学物質検査を行うことにした。学校環境衛生基準に指定されている物質であり、生徒の症状の原因と考えられるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["一酸化炭素", "アセトン", "ホルムアルデヒド", "トルエン", "アスベスト"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "本問では、建替え校舎を利用した生徒が目、鼻、のどの刺激、めまいなどの症状を訴えていることから、本問の生徒は、建て替えにより発生した揮発性有機化合物(VOC: ホルムアルデヒド、トルエンなど)によりシックハウス症候群を呈していると推察できる。"} +{"problem_id": "104245", "problem_text": "前問で選択した原因物質を測定するための学校環境衛生基準に基づいた測定法はどれか。2つ選べ。", "choices": ["検知管法", "ザルツマン法", "ジニトロフェニルヒドラジン誘導体化法を用いた高速液体クロマトグラフ法", "ガスクロマトグラフ-質量分析法", "酵素免疫測定法"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n検知管法は、二酸化炭素や一酸化炭素の測定に用いられる。"} +{"problem_id": "104246", "problem_text": "42歳女性。5年前に出産後、しばしば複視が出現した。他の症状は認められなかったが、2年経過後、眼瞼下垂、四肢の疲労感が出現し始めた。半年前からは、夕方になると増悪し、台所仕事ができない、しゃべりにくいなどの症状が出現したため、近医を受診した。血液検査で抗アセチルコリン受容体抗体の値が23 nmol/L(正常値0.0-0.2 nmol/L)であり、重症筋無力症と診断され、治療開始となった。ピリドスチグミン臭化物錠60 mgの内服を開始後、3日目の早朝から体調不良を訴え、救急外来を受診した。医師は投与量の妥当性を確認するために、注射剤としてエドロホニウム塩化物2 mgを投与したところ、発汗、腹痛などの症状が増悪した。発汗、腹痛などの症状の改善及び今後の治療継続に必要なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エドロホニウム塩化物注射液の追加投与", "ピリドスチグミン臭化物錠の減量", "ネオスチグミンメチル硫酸塩注射液の追加投与", "ピリドスチグミン臭化物錠の増量", "アトロピン硫酸塩注射液の追加投与"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "本症例では、重症筋無力症に対して、アセチルコリン量を増やす目的で、コリンエステラーゼ阻害薬であるピリドスチグミンを投与したが、3日後に体調不良を訴えたため、その原因を確認するために短時間作用型コリンエステラーゼ阻害薬であるエドロホニウムを投与したところ、発汗、腹痛などの症状が増悪した。ピリドスチグミンと同様の作用を有するエドロホニウムを投与し、ムスカリン性アセチルコリン受容体の過剰な刺激による症状(発汗、腹痛など)が悪化していることから、ピリドスチグミンによりアセチルコリン量が増えすぎて体調不良が現れたと推察される。このようにアセチルコリン量が増えすぎて症状が現れた場合には、原因薬物を減量するか、ムスカリン性アセチルコリン受容体拮抗薬(アトロピン硫酸塩など)を追加投与する必要がある。"} +{"problem_id": "104247", "problem_text": "前問で選択した治療処置により、患者の症状は緩和された。この症状が緩和される機序はどれか。2つ選べ。", "choices": ["アセチルコリンの濃度の上昇", "アセチルコリンの濃度の低下", "ムスカリン性アセチルコリン受容体における競合的拮抗", "ニコチン性アセチルコリン受容体の脱感作", "アセチルコリンエステラーゼの阻害"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "104248", "problem_text": "77歳女性。下記の眼科の処方箋を薬局で応需した。持参したお薬手帳には、他院で処方され現在服用中の内容が記載されていた。さらに患者にどんな病気で薬を服用しているのかインタビューをしたところ、処方医への問合せが必要になった。患者へのインタビュー及びお薬手帳に記載されている薬剤から判明した患者の既往症に対して今回処方された薬剤が禁忌となるため、今回処方した眼科医へ問合せが必要となった。このような判断に至ったお薬手帳記載の薬剤はどれか。1つ選べ��", "choices": ["ランソプラゾール口腔内崩壊錠 15 mg", "酸化マグネシウム細粒 83%", "アトルバスタチン錠 10 mg", "ワルファリン K 錠 1 mg", "ベクロメタゾンプロピオン酸エステル 100 \\micro g吸入用エアゾール"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "今回処方されているチモロール点眼液は、\\beta 受容体遮断作用を有していることから、気管支喘息患者に禁忌とされている。また、お薬手帳に記載されているベクロメタゾンプロピオン酸エステル 100 \\micro g吸入用エアゾールは、副腎皮質ステロイド性薬含有の吸入薬であり、気管支喘息の長期管理薬(コントローラー)として用いられる。これらのことから、気管支喘息に罹患している患者に、禁忌薬であるチモロール点眼液が処方されたと推察できる。そのため、薬剤師は、気管支喘息に罹患している患者に対して、チモロール点眼液が処方されていることについて眼科医に問合せする必要がある。"} +{"problem_id": "104249", "problem_text": "前問で問合せをする根拠に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["プロスタノイド受容体遮断作用によって胃潰瘍を悪化させる。", "浸透圧利尿作用によって血圧を低下させる。", "Rhoキナーゼ阻害作用によって脳血栓症の悪化を引き起こす。", "アドレナリン\\beta _{2}受容体遮断作用によって気管支喘息を悪化させる。", "炭酸脱水酵素阻害作用によって腎障害を悪化させるおそれがある。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "104250", "problem_text": "75歳男性。7年前にパーキンソン病と診断され、レボドパ・ベンセラジド塩酸塩配合錠の投与によって日常生活は問題のないレベルを維持してきた。胃がんの手術のため外科病棟に入院したところ、この配合錠を正しく服用しているにもかかわらず、症状の日内変動(wearing-off現象が)認められるようになった。外科の主治医から病棟担当薬剤師に、wearing-offの治療に関する相談があり、一剤追加することになった。提案すべき併用薬物として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["トリヘキシフェニジル塩酸塩", "イストラデフィリン", "ドロキシドパ", "ビペリデン塩酸塩", "エンタカポン"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "wearing-off現象とは、レボドパの効果時間が短縮し、次回投与時間までレボドパの効果が持続しない状態のことである。\n・レボドパの服用量や服用回数を増やす。・COMT阻害薬であるエンタカポンとレボドパを併用し、レボドパの効果を長続きさせる。・MAO_{B}阻害薬であるセレギリン、ラサギリンなどを併用し、中枢でのドパミンの分解を抑制する。・アデノシンA_{2A}受容体拮抗薬であるイストラデフィリンを投与する。上記より、提案すべき併用薬はイストラデフィリンとエンタカポンである。"} +{"problem_id": "104251", "problem_text": "前問で提案すべき併用薬物の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["線条体において、アデノシンA_{2A}受容体を遮断する。", "線条体において、ドパミンD_{2}受容体を遮断する。", "芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素によりノルアドレナリンに変換され、脳内のノルアドレナリンを補充する。", "主に末梢において、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害し、レボドパの代謝を抑制する。", "線条体において、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nイストラデフィリンに関する記述である。イストラデフィリンは、アデノシンA_{2A}受容体を遮断し、\\gamma\n-アミノ酪酸作動性神経の機能を正常化することによりパーキンソン病患者の運動障害を改善する。"} +{"problem_id": "104252", "problem_text": "79 歳女性。この3年間、心不全(NYHA III度)に対して同一の薬剤で薬物治療を行ってきた。この度、体動時の息切れがひどくなり、精査加療のために入院となった。検査の結果、体液貯留と浮腫の増悪が認められた。カンファレンスで 薬物治療が再検討され、新たに1つの薬剤が追加となった。検討後の処方内容は以下のとおりである。追加された薬���の投与開始日から、頻回に測定する必要性が最も高い検査値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["血清ナトリウム濃度", "血清カリウム濃度", "血清クレアチニン値", "血清アルブミン値", "PT-INR値"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "通常、心不全(NYHA III度)に対しては、抗アルドステロン薬、ループ利尿薬が用いられることから、本症例では、フロセミド、スピロノラクトンを服用していたが、水分の排泄がうまくいかず、体液貯留と浮腫の増悪が認められたため、トルバプタンが追加されたと推察される。<参考: トルバプタンの適応症>\nループ利尿薬等の他の利用薬で効果不十分な心不全における体液貯留\nトルバプタンは、バソプレシンV_{2}受容体を遮断することで、電解質の排泄を伴わない利尿効果が現れることから、高ナトリウム血症を引き起こす可能性があるため、投与開始日から、頻回に血清ナトリウム濃度を測定することとされている。"} +{"problem_id": "104253", "problem_text": "この患者の背景から新たに追加された薬物の作用機序を踏まえ、前問の検査値を測定する理由として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["バソプレシンV_{2}受容体を遮断することで、電解質の排泄を伴わない利尿効果が現れ、高ナトリウム血症を引き起こす可能性がある。", "アルドステロン受容体を遮断することで、K^{+}の排泄が抑制され、高カリウム血症を引き起こす可能性がある。", "アンジオテンシンII AT_{1}受容体を遮断することで、血清クレアチニン値の上昇を特徴とする腎機能障害を引き起こす可能性がある。", "ヘンレ係蹄上行脚の Na^{+}/K^{+}/2Cl^{-}共輸送系を阻害することで、血清アルブミン値の低下を特徴とするネフローゼ症候群を引き起こす可能性がある。", "ビタミンKの作用に拮抗することで、プロトロンビン時間が延長し、出血のリスクが高まる可能性がある。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "104254", "problem_text": "38歳女性。乳がん検診で腫瘤を指摘され、精査のため来院した。右乳房外側の腫瘤の針生検の結果、ER(2+)、PgR(+)、HER2(1+)、Ki-67 11%であり、pT1bの乳がんと診断された。腫瘤径は1 cmだったため、乳房温存術(リンパ節郭清なし)が実施された。患者は閉経前であることが確認されている。この患者の術後治療に使用される抗がん薬として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["タモキシフェンクエン酸塩", "フルベストラント", "アナストロゾール", "トラスツズマブ", "ドセタキセル水和物"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "乳がんは、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PgR)、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)の発現の有無、Ki-67(ガン細胞の増殖能力の指標)により分類される。上記より、本患者は、サブタイプLuminal Aの乳がんであると考えれ、薬物治療をする際には、内分泌療法が推奨される。1:正\nタモキシフェンクエン酸塩は、閉経前、閉経後に関わらず、内分泌療法に用いられる。2:誤\nフルベストラントは、閉経前の内分泌療法に用いられるが、閉経前の内分泌療法に用いる際には、LH-RHアゴニスト投与下でCDK4/6阻害剤と併用することとされている。3:誤\nアナストロゾールは、閉経後の内分泌療法に用いられるが、閉経前の内分泌療法には用いられない。4:誤\nトラスツズマブは、抗HER2療法に用いられる。5:誤\nドセタキセル水和物は、化学療法に用いられる。"} +{"problem_id": "104255", "problem_text": "前問で適切と考えられた術後治療に使用される薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)に特異的に結合し、HER2シグナル伝達阻害作用と抗体依存性細胞傷害作用を示す。", "アロマターゼを阻害することで、アンドロゲンからエストロゲンの生成を阻害する。", "微小管と結合し、安定化させることで脱重合を阻害する。", "子宮内膜のエストロゲン受容体に対して刺激作用を示し、乳腺のエストロゲン受容体においてエストロゲンに対して拮抗作用を示す。", "GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)受容体に対して刺激作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nトラスツズマブに関する記述である。"} +{"problem_id": "104256", "problem_text": "76歳男性。軽度の認知症、糖尿病、高血圧、うつ病のため、以下の処方薬を常用している。1年前から頻尿、残尿感及び排尿困難感があったが放置していた。風邪気味であったため、2日前に自宅の常備薬である市販の総合感冒薬を服用した。昨日の昼から尿がほとんど出なくなったため、かかりつけ薬剤師に相談に来た。この患者が常用している処方薬の中で、この総合感冒薬と併用すると排尿障害が増悪する可能性の高い薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["カンデサルタン口腔内崩壊錠", "シタグリプチンリン酸塩水和物錠", "イミプラミン塩酸塩錠", "ボグリボース錠", "リバスチグミン経皮吸収型製剤"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本症例では、総合感冒薬を服用したことにより排尿障害が現れていることから、総合感冒薬に含まれる成分と現在服用している処方薬の相互作用が排尿障害に関与している可能性がある。処方薬の中には、抗コリン作用を有するイミプラミン塩酸塩が含まれており、また、総合感冒薬の成分にも抗コリン作用を有するd-クロルフェニラミンマレイン酸塩が含まれている。このことから、イミプラミン塩酸塩服用中にd-クロルフェニラミンマレイン酸塩を含有する総合感冒薬を服用したことにより、膀胱筋のムスカリン性アセチルコリンM_{3}受容体が遮断され、排尿障害が増悪したと考えられる。"} +{"problem_id": "104257", "problem_text": "前問で選択した薬物と総合感冒薬に含まれている1成分は同一の作用機序で、この患者の排尿障害を増悪させた。その機序として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["膀胱括約筋のアドレナリン\\alpha _{1A}受容体刺激", "膀胱括約筋のアドレナリン\\alpha _{1D}受容体刺激", "排尿筋のアドレナリン\\beta _{3}受容体刺激", "下部尿道括約筋のアドレナリン\\beta _{2}受容体刺激", "排尿筋のムスカリン性アセチルコリンM_{3}受容体遮断"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "104258", "problem_text": "63 歳男性。根治切除不能な悪性黒色腫と診断され、外来化学療法でニボルマブが投与されることになった。薬剤師が初回投与時に患者のもとを訪れ、抗がん薬の特徴や注意すべき副作用の説明を行うことになった。ニボルマブの市販後に報告されている以下の副作用のうち、その作用機序から考えて、間接的に生じると思われる副作用として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["間質性肺炎", "低血糖", "重症筋無力症", "下痢", "甲状腺機能障害"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ニボルマブは、モノクローナル抗体であり、活性型T細胞の表面に発現するPD-1に作用し、PD-1とPD-L1及びPD-L2との結合を阻害することによりT細胞への抑制シグナルを減少させることで、がん細胞に不応答となっていた腫瘍抗原特異的なT細胞の再活性化作用を示す。ニボルマブはT細胞活性化作用を有していることから、過剰な免疫反応による副作用が発現することがある。過剰な免疫反応により起こる副作用\n間質性肺炎、重症筋無力症、心筋炎、大腸炎、小腸炎、重度の下痢、1型糖尿病、血液障害、肝機能障害、甲状腺機能障害、下垂体機能障害、神経障害、腎障害、副腎障害、脳炎、皮膚障害:など\n選択肢のうち、過剰な免疫反応により、間接的に生じると思われる副作用は、低血糖である。ニボルマブを投与すると、甲状腺機能障害や下垂体機能障害、副腎障害が起こることにより血糖上昇ホルモン(甲状腺ホルモン、成長ホルモン、副腎髄質ホルモン、副腎皮質ホルモン)が分泌されにくくなり、低血糖を起こすと考えられる。"} +{"problem_id": "104259", "problem_text": "ニボルマブは別の薬物を併用すると作用増強が現れる。理論的に考えて、同一細胞における別の標的分子に働くことで、ニボルマブと相乗作用を示すと考えられる併用薬の作用点として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["RANKL(NF-\\kappa B活性化受容体リガンド)", "CD20", "CTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球抗原-4)", "VEGFR2 (血管内皮増殖因子受容体2型)", "HER2 (ヒト上���増殖因子受容体2型)"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "104260", "problem_text": "58歳男性。高血圧症と脂質異常症の既往歴がある。1年前に頸動脈狭窄症を発症し、ステント留置術が施行された。今回、狭窄の状態を精査するために検査入院となった。病棟担当薬剤師が、患者に対して初回面談を行ったところ、「再発が怖いので、お医者さんから出された薬は毎日欠かさず飲んでいます。ただ、3日前からみぞおち付近に軽い痛みを感じて、便も黒い色をしています。」との情報を得た。病棟担当薬剤師は、この状況を主治医に報告し、薬物を1種類追加すること を提案した。提案すべき薬物として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ラベプラゾールナトリウム", "チクロピジン塩酸塩", "タンニン酸アルブミン", "ロキソプロフェンナトリウム水和物", "メピバカイン塩酸塩"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本症例では、低用量アスピリンを長期間服用していることに加え、患者に現れている症状(3日前からみぞおち付近に軽い痛み、黒色便)から、アスピリンによる消化性潰瘍が起こっている可能性がある。選択肢のうち、ラベプラゾールは、「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」に用いることができるため、提案すべき薬物として最も適切である。"} +{"problem_id": "104261", "problem_text": "前問で提案された薬物の作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["副交感神経節後線維の神経終末からのアセチルコリン遊離を抑制することで、胃の蠕動運動を抑える。", "ADP受容体遮断により血小板凝集を促進することで、出血を抑える。", "シクロオキシゲナーゼ阻害により炎症反応を抑制することで、痛みを抑える。", "H^{+},K^{+}-ATPase 阻害により胃酸分泌を抑制することで、消化性潰瘍の増悪を抑える。", "Na^{+}チャネル阻害により知覚神経伝達を抑制することで、痛みを抑える。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "前問で提案したラベプラゾールナトリウムは、プロトンポンプ阻害薬であり、H^{+},K^{+}-ATPase\n阻害により胃酸分泌を抑制することで、消化性潰瘍の増悪を抑える。"} +{"problem_id": "104262", "problem_text": "半年経過後、胃部不快感、嘔気を自覚するようになった。半年間、薬の服用に変更はない。胃の内視鏡検査を施行したところ、早期胃がんが発見されたため、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を実施することになった。ESDは大出血のリスクは小さいが、出血の頻度が高い処置である。主治医は患者の既往歴を考慮し、抗血栓薬は継続したいと考えている。そこで、周術期の抗血栓療法について薬剤師に相談があった。この患者の抗血栓薬の中止・継続・代替療法について適切なのはどれ か。1つ選べ。ただし、ESD当日は休薬することとする。", "choices": ["クロピドグレル錠とアスピリン腸溶錠はESD前日まで継続する。", "クロピドグレル錠は7日前から休薬し、アスピリン腸溶錠は継続する。", "アスピリン腸溶錠を7日前からダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸", "クロピドグレル錠を7日前からシロスタゾール錠に変更する。", "クロピドグレル錠とアスピリン腸溶錠を14日前からヘパリンナトリウム持続点滴に変更する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "抗血栓薬服用患者に対する消化器内視鏡診療ガイドラインでは、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は出血高危険度の消化器内視鏡に分類されている。本症例のようにアスピリンとクロピドグレル(チエノピリジン誘導体)を併用している患者に内視鏡的粘膜下層剥離術(出血高危険度の消化器内視鏡)を実施する場合の抗血栓薬の休薬については当ガイドラインに下記のように示されている。このことから、クロピドグレル錠は7日前から休薬し、アスピリン腸溶錠を継続することが適切である。"} +{"problem_id": "104263", "problem_text": "前問の選択肢1〜5に挙げた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["クロピドグレルの活性代謝物は、ADP P2Y_{12}受容体を不可逆的に遮断する。", "シロスタソ���ールは、ホスホジエステラーゼVを選択的に阻害する。", "低用量のアスピリンは、血管内皮細胞のシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)を阻害しにくいため、プロスタグランジンI2(PGI2)の産生は抑制されない。", "ヘパリンは、内因性のトロンボモジュリンによる血液凝固因子の不活性化作用を促進する。", "ダビガトランは、第Xa因子に結合してその活性を阻害することで、プロトロンビンからトロンビンへの変換を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nクロピドグレルは、CYP2C19により代謝を受け活性代謝物となり、血小板膜上に存在するADP P2Y_{12}受容体を不可逆的に遮断することにより血小板凝集を抑制する。2:誤\nシロスタゾールは、ホスホジエステラーゼIIIを選択的に阻害することにより、血小板凝集を抑制する。3:正\n低用量アスピリンは、血小板のCOXを不可逆的に阻害するが、血管内皮細胞のCOXを阻害する作用をほとんど示さない。そのため、低用量アスピリンを投与しても血管内皮細胞のCOX-2はほとんど阻害されず、プロスタグランジンI_{2}の産生は抑制されない。4:誤\nヘパリンは、内因性のアンチトロンビンIIIによる血液凝固因子の不活性化作用を促進し、血液凝固を抑制する。5:誤\nダビガトランは、直接トロンビンを阻害することで、フィブリノーゲンからフィブリンへの変換を抑制し、血液凝固を抑制する。なお、本設問の記述は、FXa阻害薬 (エドキサバン、アピキサバン、リバーロキサバン)に関する記述である。"} +{"problem_id": "104264", "problem_text": "58歳男性。糖尿病の診断を受け近医で薬物療法を継続していたが、定期的に受診せず、アドヒアランスも良好ではなかった。今回、吐き気、食欲不振、呼吸困難を訴え受診したところ、重症の尿毒症のため入院となった。血液検査の結果は以下のとおりであった。検査値: 体表面積未補正 eGFR14.6 mL/min、HbA1c 7.7%(NGSP値)、ALT14 IU/L、AST22 IU/L お薬手帳を確認したところ、以下の薬剤が処方されていた。尿毒症の治療を開始するとともに、退院に向けて本剤を中止し、代替薬を検討することになった。カンファレンスにおいて薬剤師は、体表面積未補正eGFRが異なる2つの群に対し、メトホルミン塩酸塩錠500 mgを経口単回投与した時の腎クリアランス及び 血中濃度時間曲線下面積(AUC)をまとめた表を示した。表に基づいた説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。ただし、いずれの群も、メトホルミンのバイオアベイラビリティは60%とし、血漿タンパク結合は無視できるものとする。", "choices": ["メトホルミンは、主に糸球体ろ過によって腎臓から排泄されます。", "この患者におけるメトホルミンの全身クリアランスは、約170 mL/min と予想されます。", "この患者におけるメトホルミンの尿中排泄率は、腎機能正常者の約1/3と予想されます。", "処方どおりに服用し続けた場合、この患者におけるメトホルミンの平均血中濃度は腎機能正常者の約3倍になると予想されます。", "この患者が処方どおりに服用し続けた場合、メトホルミンの平均血中濃度は約10 \\micro g/mL と予想されます。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n問題文に「血漿タンパク結合は無視できるものとする」と記載されていることから、メトホルミンのろ過クリアランスは、体表面積未補正eGFRと等しいと考えることができる。メトホルミンのろ過クリアランスと腎クリアランスを比較すると、メトホルミンの腎クリアランスがろ過クリアランスより数倍大きいため、メトホルミンは主に分泌によって腎臓から排泄されると考えられる。<参考: ろ過クリアランスと腎臓クリアランスから予測できること>\nろ過クリアランス<腎クリアランスの場合: 尿細管分泌により排泄される薬物\nろ過クリアランス>腎クリアランスの場合: 腎臓で再吸収される薬物\n2:正\n3:誤\nこの患者におけるメトホルミンの尿中排泄率は、腎機能正常者の約91%と予想される。上記の結果より、この患者におけるメトホルミンの尿中排泄率は、腎機能正常者の約91%と予想される。4:正\n繰り返し投与における平均血中濃度は以下の式より求めることができる。上記の式より平��血中濃度はAUCと比例するといえる。腎機能正常群に比べ、腎機能低下群ではAUCが3倍であることから、この患者におけるメトホルミンの平均血中濃度は腎機能正常者の約3倍になると予想される。5:誤\nこの患者が処方どおりに服用し続けた場合、メトホルミンの平均血中濃度は約2.5 \\micro g/mLと予想される。腎機能低下群のAUCが1800 mg・min/L、投与間隔\\tau =12 hr(1日2回)であることから、この患者における平均血中濃度を以下のように求めることができる。"} +{"problem_id": "104265", "problem_text": "この患者がメトホルミンを処方どおりに服用し続けた場合、起こり得る副作用とその機序の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "メトホルミンは、ビグアナイド系薬であり、AMP活性化キナーゼの活性化により肝臓での糖新生の抑制や末梢での糖の利用を促進することで血糖降下作用を示す。また、メトホルミンは重大な副作用として乳酸アシドーシスを起こすとの報告がある。"} +{"problem_id": "104266", "problem_text": "代替薬を提案するにあたり、医薬品インタビューフォームから得られた情報を参考に、薬剤師は候補薬のリストを作成した。リストの内容に基づいて提案する薬剤として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ピオグリタゾン錠", "ナテグリニド錠", "グリメピリド錠", "シタグリプチン錠", "リナグリプチン錠"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "本患者は体表面積未補正eGFR が14.6 mL/minとかなり腎機能が低下していると考えられるため、尿中より未変化体や活性代謝物が排泄される薬物の使用を避けることが望ましい。このことから、本患者には、主に糞中排泄されるリナグリプチン錠を提案することが適切である。"} +{"problem_id": "104267", "problem_text": "前問で選んだ薬剤について、薬剤師が患者に行う説明として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["尿に糖を出す薬です。", "消化管からの糖の吸収を抑える薬です。", "インスリンの分解を抑える薬です。", "肝臓で糖ができるのを抑える薬です。", "血糖値に応じてインスリンの分泌を促進する薬です。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "リナグリプチンは、インクレチンの分解の関わるDPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)を阻害することにより、血糖値に応じてインスリン分泌を促進する。<他の選択肢の説明について>\n選択肢1:SGLT-2阻害剤(イプラグリフロジンなど)が処方されたときの説明\n選択肢2:\\alpha -グルコシダーゼ阻害薬(アカルボースなど)が処方されたときの説明\n選択肢4:ビグアナイド系薬(メトホルミンなど)が処方されたときの説明"} +{"problem_id": "104268", "problem_text": "60歳男性。脂質異常症及び高血圧症の診断により、現在、処方1による薬物治療を行っている。本日、処方2が追加された。検査値: 血圧126/76 mmHg、血清クレアチニン値0.9 mg/dL、HbA1c 5.9%(NGSP値)、LDL -C 98 mg/dL、HDL-C 62 mg/dL、TG(トリグリセリド)220 mg/dL 処方2を追加した主目的として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["LDL-Cの低下", "HDL-Cの上昇", "TGの低下", "血圧の低下", "HbA1c の低下"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本症例では、血圧、血清クレアチニン値、HbA1c、LDL-C、HDL-Cは基準値範囲内にあるが、中性脂肪(TG)の値が基準値よりも高いことから、中性脂肪の値を下げるために、イコサペント酸エチル粒状カプセルを追加したと考えられる。イコサペント酸エチルは、リポ蛋白リパーゼ活性化などによりトリグリセリドの分解を促進する。"} +{"problem_id": "104269", "problem_text": "イコサペント酸エチル粒状カプセルを食直後に服用する理由として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["服薬タイミングをずらすことで、イコサペント酸エチルによるピタバスタチンの肝取り込み阻害を回避するため。", "服薬タイミングをずらすことで、ロサルタンとイコサペント酸エチルの複合体形成を回避するため。", "食事によって胃内容排出速度を低下させることで、イコサペント酸エチルの急激な血中濃度の上昇を避けるため。", "食事によって胃酸分泌が亢進し、イコサペント酸エチルの���解度が増加するため。", "食事によって分泌された胆汁酸が、イコサペント酸エチルの可溶化を促進するため。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "イコサペント酸エチルは、脂溶性が高く、食事により分泌される胆汁酸により可溶化され吸収が促進されるため、食直後に服用する。"} +{"problem_id": "104270", "problem_text": "60 歳男性。高血圧の治療のため、内科から以下の薬剤が処方され服用していた。最近、薬剤の服用後にめまいやふらつきを感じることがあり薬局を訪れた。薬剤師がこの患者に聞き取りを行ったところ、最近、夜にグレープフルーツ ジュースを飲むようになったとのことであった。薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["今晩からグレープフルーツジュースの摂取を中止するように指導した。", "明日からは、ニソルジピンの服用は中止するように指導した。", "患者がグレープフルーツジュースを飲んでいることを医師に伝え、患者には受診するように指導した。", "医師に、べニジピン塩酸塩錠への変更を提案した。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "本症例では、夜にグレープフルーツジュースを飲むようになってからニソルジピン(カルシウム拮抗薬)服用後にめまいやふらつきが現れていることからグレープフルーツジュースとニソルジピンの相互作用が疑われる。このことから、薬剤師は、患者には今晩からグレープフルーツジュースの摂取を中止し、受診するように指導するとともに医師に患者がグレープフルーツジュースを飲んでいることを伝える必要がある。"} +{"problem_id": "104271", "problem_text": "この患者におけるグレープフルーツジュース中の原因物質とニソルジピンの相互作用について、発現機序と考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["小腸CYP3A4 に対する競合阻害", "小腸CYP3A4 に対する共有結合による不可逆的阻害", "肝臓CYP3A4 に対する競合阻害", "核内受容体を介した小腸CYP3A4の誘導", "小腸P-糖タンパク質に対する競合阻害"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "グレープフルーツジュースに含まれるフラノクマリン類は、小腸CYP3A4と共有結合を形成し、小腸CYP3A4を不可逆的に阻害することから、グレープフルーツジュースとニソルジピンを併用すると、ニソルジピンの小腸での代謝が抑制され、降圧作用が増強する。"} +{"problem_id": "104272", "problem_text": "36歳男性。10年前に双極性障害の診断を受け、処方1による治療を行っている。患者は、10日前に腰痛により自宅近くの整形外科を受診し、処方2の薬剤の服用を開始した。2日前より下痢や嘔吐が出現し、今朝、ふらつきと発語困難を生じたため、緊急搬送された。リチウムの血清中濃度は、2.2 mEq/L(血中濃度1.8 mEq/Lに相当)と測定された。薬剤師が残薬を確認したところ、指示どおりの服薬状況であった。この患者への対応において、薬剤師が行うべき提案のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["球形吸着炭の投与", "D-マンニトール注射液の投与", "補液の投与", "アセチルシステイン内用液の投与", "炭酸リチウム錠の投与"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "本症例では、炭酸リチウム服用中にロキソプロフェンを併用することにより、リチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒(嘔吐、下痢などの消化器症状、めまいなどの中枢神経症状)が生じたと考えられる。リチウム中毒の処置方法を以下に示す。<リチウム中毒の処置方法>\n投与を中止し、感染症の予防、心・呼吸機能の維持とともに補液、利尿剤(マンニトール、アミノフィリン等)等により本剤の排泄促進、電解質平衡の回復を図ること。利尿剤に反応しない場合や腎障害が認められる場合は、血液透析を施行すること。血液透析を施行する場合は、施行後に低下した血清リチウム濃度が再上昇することがあるので、施行後血清リチウム濃度測定を行い再上昇がみられた場合には、再度血液透析等の適切な処置を行うこと。"} +{"problem_id": "104273", "problem_text": "緊急搬送時でのこの患者におけるリチウムの全身クリアランス(L/hr)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、計算には血中濃度を用い、��定したリチウム濃度は定常状態における平均濃度であるものとする。また、リチウムのバイオアベイラビリティは100%とし、炭酸リチウム(Li_{2}CO_{3})の分子量は73.9である。", "choices": ["0.19", "0.38", "1.8", "4.5", "9.0"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "繰り返し投与では下記の式が成立する。"} +{"problem_id": "104274", "problem_text": "70歳男性。切除不能な胃がんの治療のため、S-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)/シスプラチン療法を施行している。数日前から 右下肢に痙れん様のふるえが認められている。精密検査の結果、左脳にがん転移が認められ、緊急入院となった。痙れん発作の予防としてフェニトインの服用を開始した。薬剤師が本患者のがん治療においてモニタリングをすべき項目として、最も優先度が低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["テガフールの累積投与量", "フェニトインの血中濃度の上昇", "S-1/シスプラチンによる骨髄抑制", "S-1/シスプラチンによる嘔吐", "シスプラチンによる腎毒性"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:優先度が低い\nテガフールの累積投与量には、制限はない。なお、累積投与量(生涯投与量)の制限がある抗悪性腫瘍薬としてアントラサイクリン系薬(ドキソルビシン、エピルビシンなど)がある。2:優先度が高い\nS-1(テガフール、ギメラシル、オテラシルカリウム配合剤)とフェニトインを併用するとフェニトインの代謝が抑制され、フェニトインの血中濃度が上昇し、フェニトイン中毒(嘔気・嘔吐、眼振、運動障害等)が発現することがある。3:優先度が高い\nS-1/シスプラチン併用療法では、骨髄抑制や嘔吐を起こすことがある。4:優先度が高い\n解説3参照\n5:優先度が高い\nシスプラチンは重大な副作用として急性腎不全等の重篤な腎障害が現れることがある。"} +{"problem_id": "104275", "problem_text": "同一処方でさらに1週間継続服用したところ、せん妄様症状が認められ、その時のフェニトイン血中濃度は 50\\micro g/mLであった。この患者の定常状態におけるフェニトインの平均血中濃度を16\\micro g/mLとしたい。1日あたりの投与量(mg)として最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、測定したフェニトイン濃度は定常状態における平均血中濃度であるものとし、フェニトインの体内からの消失速度はMichaelis-Menten式で表され、Michaelis定数を4\\micro g/mL、バイオアベイラビリティを100%とする。なお、S-1/ シスプラチン療法は今後も同じ用法・用量で継続するものとする。", "choices": ["100", "140", "180", "220", "260"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "フェニトインの消失速度は、Michaelis-Menten式で表される。V_{max}:\n最大消失速度、K_{m}:\nMichaelis定数、C:\n血中濃度"} +{"problem_id": "104276", "problem_text": "70歳女性。気管支喘息のため吸入療法を行っている。本日、デバイスが異なる吸入剤へ変更したため、医師から薬剤師に吸入指導の依頼があった。薬歴を確認したところ、前回の処方1から処方2へ変更になっていた。患者に確認したところ、認知機能、視力、聴力及び手指筋力の低下は認められなかった。薬剤師がこれまでのデバイスとの吸入方法等の違いを指導するポイントとして適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["使用前によく振る。", "吸入直前に息を強く吐き出してから吸い込む。", "できるだけ速く吸い込む。", "噴霧と吸気のタイミングが合わないときにはスペーサーを使用する。", "吸入後にそのまま3〜4秒程度息を止める。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "本症例では、吸入粉末剤であるアドエア250ディスカス60吸入(処方1)から吸入エアゾール剤であるアドエア125エアゾール120吸入(処方2)に処方が変更されている。各デバイスの吸入方法等が異なることから、その違いを指導する必要がある。1:正\n処方1は使用する前に振る必要はないが、処方2は使用する前によく振る必要がある。2:誤\n両デバイスとも、吸入する前には無理をしない程度に息を吐く。3:誤\n処方1はできるだけ勢いよく速く吸い込む必要があるが、処方2は噴霧するタイミングと吸入のタイミングを合わせてゆっくり吸い込む。4:正\n処方1は吸入粉末剤であり噴霧剤を使用せず、吸気によりエアゾールを発生させるため、タイミングを気にせず吸入することができる。それに対して処方2は噴霧剤とともに有効成分を噴霧するため、噴霧するタイミングと吸入するタイミングを合わせる必要がある。これらのことから、処方1ではスペーサー(吸入補助具)を使用することはないが、処方2では噴霧と吸気のタイミングが合わないときにはスペーサーを使用することがある。5:誤\n両デバイスとも、吸入後にそのまま3〜4秒程度息を止める。"} +{"problem_id": "104277", "problem_text": "処方1と処方2の製剤の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1の製剤は、吸入量が一定となるように調製された固体粒子のエアゾールとして吸入する製剤である。", "処方1の製剤は、薬物の固体粒子が液状媒体に懸濁した状態で吸入器に充てんされた製剤である。", "処方1の製剤は、容器に充てんした噴射剤と共に、一定量の有効成分を噴霧する定量噴霧式吸入剤である。", "処方2の製剤には、密閉容器が用いられる。", "処方2の製剤は、薬剤を含むエアゾール缶、定量バルブとアクチュエーター等から構成される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nアドエアディスカスは、吸入量が一定となるように調製された固体粒子エアゾール剤である。"} +{"problem_id": "104278", "problem_text": "医師からプロポフォールの取扱いについての問合せがあり、集中治療部門の薬剤師が多職種カンファレンスでプロポフォールに関する情報提供を行うことになった。以下は院内採用医薬品であるプロポフォール注射剤1%の医薬品添付文書情報の一部である。カンファレンスで共有する情報として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ポリ塩化ビニル製の輸液セットは使用しない。", "開封後は直ちに使用を開始する。", "皮下に投与する。", "4^{\\circ} Cで保管すれば、残液を他の患者にも使用できる。", "使用前に微生物ろ過フィルターを通す。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n本剤を投与するにあたって、ポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、可塑剤であるDEHP[フタル酸ジ-2-エチルヘキシル]が製剤中に溶出することが報告されている。そのため、本剤を投与する際には、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。2:正\n本剤には防腐剤が含まれていないため、細菌の増殖を抑制するために開封後速やかに使用することとされている。3:誤\n本剤は静脈内にのみ投与することとされている。4:誤\n本剤の残液を他の患者に使用することはない。5:誤\n本剤はエマルジョン製剤であり、微生物ろ過フィルターを用いて投与するとエマルジョンが破壊されることがあるため、本剤を微生物ろ過フィルターを用いて投与しないこととされている。"} +{"problem_id": "104279", "problem_text": "このプロポフォール注射剤1%に含まれている添加剤の本剤中での役割として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ダイズ油は、油性注射剤にするための溶剤である。", "ダイズ油は、o/w 型乳濁性注射剤にするための油相基剤である。", "精製卵黄レシチンは、注射用水に薬物を溶解させるための可溶化剤である。", "精製卵黄レシチンは、懸濁性注射剤にするための懸濁化剤である。", "濃グリセリンは、w/o 型乳濁性注射剤にするための乳化剤である。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "本剤は、油相基剤であるダイズ油、中鎖脂肪酸トリグリセリドに有効成分であるプロポフォールを溶解し、精製卵黄レシチンを用いて乳化したo/w型懸濁性注射液である。"} +{"problem_id": "104280", "problem_text": "80歳女性。老人福祉施設に入所中に仙骨部に褥瘡を認めた。経過を観察していたが、改善しなかったため、褥瘡の治療目的で入院となった。入院当初、創部は滲出液が多く、黒色の壊死組織を伴っていた。患者の創部に塗布する外用剤の基剤として最も適しているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["白色ワセリン", "単軟膏", "流動パラフィン", "サラシミツロウ", "マクロゴール軟膏"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本症例では、創部の滲出液が多いことから、滲出液を吸収する基剤を選択する必要がある。マクロゴールは、水溶性基剤であり吸水作用を有するため、本症例のような滲出液の多い創部に用いられる。なお、白色ワセリン、単軟膏、流動パラフィン、サラシミツロウは油脂性基剤であり、吸水作用を有しないため、本症例のような滲出液の多い創部に用いられない。"} +{"problem_id": "104281", "problem_text": "2週間後の褥瘡対策チームによる回診で、患者の創部に壊死組織はほとんど見られず、滲出液の減少、赤色期の肉芽形成の開始が確認された。褥瘡対策チームの薬剤師は、今後の治療で必要な外用剤の提案を求められた。推奨する薬剤として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["トレチノイン トコフェリル軟膏", "フラジオマイシン硫酸塩・結晶トリプシンパウダー", "ヨードホルムガーゼ", "ブロメライン軟膏", "アルプロスタジル アルファデクス軟膏"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "褥瘡の病期は、4期(黒色期、黄色期、赤色期、白色期)に分類され、状態に合わせた治療薬が選択される。黒色期〜黄色期では「壊死組織の除去と感染制御」、赤色期〜白色期では「創面の改善や水分の保持」を治療目標として治療薬を選択する。"} +{"problem_id": "104282", "problem_text": "66歳男性。身長168 cm、体重51 kg。胃がんによる胃全摘術後に中心静脈栄養法を実施している。糖尿病の既往があり、血糖値上昇が見られたため、インスリンを投与することになった。輸液セットは感染予防のためフィルターを組み込んだ閉鎖回路としている。医師より「インスリン ヒト(遺伝子組換え)注射液 100単位/mL を生理食塩液で希釈して50単位分調製し、投与する」よう指示があった。看護師から調製したインスリン注射液の投与法について質問があったため、薬剤師は、以下の模式図を書いて説明を行った。調製したインスリン注射液の投与法として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["輸液バック内液に添加して持続静注する。", "Aよりシリンジポンプで持続静注する。", "Aより急速静注する。", "Bよりシリンジポンプで持続静注する。", "Bより急速静注する。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "中心静脈栄養法による高血糖が認められた場合に、インスリンを投与する方法として、速効型インスリン50単位を生理食塩液で希釈し、高カロリー輸液とは別の単独ルートからシリンジポンプを用いて持続静注する方法がある。輸液セットに調製したインスリンと投与する際には、インスリンが輸液フィルターに吸着しないように輸液フィルターを経由しないルートより投与する必要がある。これらのことから「輸液フィルターへのインスリンが吸着しないようにBよりシリンジポンプで持続静注する」ことが適切であると考えられる。"} +{"problem_id": "104283", "problem_text": "前問の投与法を選択した理由に最も深く関係する事象はどれか。1つ選べ。", "choices": ["希釈によるインスリンの自己会合の促進", "輸液フィルターへのインスリンの吸着", "輸液成分とインスリンの相互作用", "シリンジ内壁へのインスリンの吸着", "輸液セット内でのインスリンの分解"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "104284", "problem_text": "45歳男性。結腸がんによる結腸切除術後に全身に転移が見られ、処方1により疼痛コントロールを行っていた。今回、疼痛増悪による疼痛コントロール目的で入院となり、処方2に変更となった。入院時に薬剤師が行った痛みの評価では、「午後になると痛みが強くなる、NRS(Numerical Rating Scale): 8/10」、「どのタイミングか不明だが突然痛みが出る。痛みが出始めるとすぐに強い痛みとなる、NRS: 8/10」とのことであった。処方2の薬剤服用開始後に行った評価は、「午後になると強くなる痛みは改善、NRS: 3/10」、「突然痛くなる状況は変化がない、NRS: 8/10」であり、この結果を受けて緩和ケアチームで患者の処方を検討することになった。緩和ケアチームの薬剤師は、オキシコドン塩酸塩水和物散からの処方変更を提案した。代替の薬剤として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["フェンタニル経皮吸収型製剤", "フェンタニルクエン酸塩舌下錠", "モルヒネ硫酸塩水和物徐放性細粒", "モルヒネ塩酸塩水和物坐剤", "モルヒネ塩酸塩注射液"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "本症例では、処方1により疼痛管理をしていたが、疼痛管理がうまくいかないことから処方2に変更された。処方2に変更することにより午後になると強くなる痛みは改善したが、突然痛くなる状況は変化しなかった。このことから、レスキュードーズ(追加投与)として用いられているオキシコドン塩酸塩水和物を変更する必要がある。選択肢のうち、レスキュードーズ(追加投与)として用いることができるのは、「フェンタニルクエン酸塩舌下錠」である。なお、他の選択肢は癌の疼痛管理に用いることができるが、適応症にレスキュードーズ(追加投与)を有していないことから、レスキュードーズ(追加投与)として用いられることはない。"} +{"problem_id": "104285", "problem_text": "前問での提案の理由として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["初回通過効果の回避", "有効血中濃度の持続", "速やかな薬効の発現", "バイオアベイラビリティの改善", "副作用の回避"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "前問では、突然の痛みに対して、すみやかな薬効の発現を期待して、オキシコドン塩酸塩水和物散からフェンタニルクエン酸舌下錠への変更を提案したと考えられる。"} +{"problem_id": "104286", "problem_text": "82歳女性。以前より意識清明であったが、記銘力の低下を指摘されていた。今回、トイレに行こうとして転倒し、大腿骨骨折のため整形外科に入院した。入院中に認知機能の低下、パーキンソニズム、レム睡眠行動障害が現れたほか、PETにて後頭葉の血流低下を認め、アルツハイマー型以外の認知症が強く疑われ、ドネペジル塩酸塩口腔内崩壊錠による治療が開始された。この患者の認知症の病態と症状に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["幻視が現れることが多い。", "病理組織学的には、大脳にレビー小体が認められる。", "記憶障害は周辺症状である。", "ニコチン性アセチルコリン受容体に対する自己抗体が存在する。", "運動ニューロンが傷害され、全身の筋力低下が認められる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "本患者は、下記のことからレビー小体型認知症に罹患していると考えられる。・パーキソニズム、レム睡眠行動障害が現れている\n・後頭葉の血流低下が認められている\n(アルツハイマー型認知症では後頭葉の血流低下が認められにくく、レビー小体型認知症では後頭部の血流低下が認められることが多いことから、後頭部の血流低下はアルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の鑑別に用いられる。)\n・アルツハイマー型以外の認知症が強く疑われ、ドネペジル塩酸塩口腔内崩壊錠による治療が開始されている。(ドネペジル塩酸塩口腔内崩壊錠は、アルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症に用いられることから、アルツハイマー型認知症以外にドネペジル塩酸塩口腔内崩壊錠を用いる場合は、レビー小体型認知症であると考えられる)\n1:正\nレビー小体型認知症では、幻視、パーキソニズム、レム睡眠行動障害が現れることがある。2:正\n3:誤\nレビー小体型認知症では、中核症状(脳の障害により直接起こる症状)として、記憶障害、失語、見当識障害などが認められることがあり、周辺症状(中核症状に付随して起こる二次的な症状)として、不眠、徘徊、幻覚、焦燥、不安などが認められる。4:誤\nニコチン性アセチルコリン受容体に対する自己抗体が存在する疾患として、重症筋無力症がある。5:誤\n運動ニューロンが傷害され、全身の筋力低下が認められる疾患として、ALS(筋萎縮性側索硬化症)がある。"} +{"problem_id": "104287", "problem_text": "ドネペジル製剤の医薬品リスク管理計画書(RMP)の概要から、下記のような 「重要な特定されたリスク」が確認できた。これらの回避のために、薬剤師の対応 として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["心機能のモニタリングの必要性を医師に伝える。", "急性膵炎予防のため、カモスタットメシル酸��錠の併用を医師に提案する。", "パーキンソニズムが悪化した場合、ドネペジル塩酸塩口腔内崩壊錠の増量を医師に提案する。", "消化性潰瘍予防のため、ランソプラゾール口腔内崩壊錠の投与を医師に提案する。", "血小板減少の早期発見のため、出血などに注意することを医療従事者間で情報共有する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n心機能異常(徐脈、心ブロック、心室頻拍など)を早期発見する目的で心機能モニタリングを行うことが推奨される。"} +{"problem_id": "104288", "problem_text": "15歳女性。下痢、腹痛が続くため2ヶ月前に病院を受診し、検査した結果、潰瘍性大腸炎と診断された。現在は以下の処方で治療されている。なお、母親はB型肝炎のキャリアである。この患者の病態の説明として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["組織生検では、小腸にも異常が認められる。", "便培養検査で原因菌が特定される。", "体重が増加する。", "血液検査では、炎症反応は陰性である。", "症状は再燃と寛解を繰り返す。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "潰瘍性大腸炎は、免疫異常などにより大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患であり、その主症状として繰り返し起こる粘血便や下痢、腹痛が認められる。1:誤\n本疾患における病変部位は、大腸に限局される。2:誤\n潰瘍性大腸炎は、免疫異常により起こると考えられており、菌感染によるものではないため、便培養検査により原因菌を特定することはできない。3:誤\n発熱、貧血、体重減少などの全身症状を呈することがある。4:誤\n潰瘍性大腸炎は、大腸の炎症性疾患であるため、血液検査では、炎症反応(CRP陽性、白血球数増加など)が認められる。5:正\n潰瘍性大腸炎では、症状の再燃と寛解を繰り返す。"} +{"problem_id": "104289", "problem_text": "その後、症状が増悪したため、入院してインフリキシマブ(遺伝子組換え)点滴静注用を1回投与量として体重1 kg当たり5 mg投与することになり、予め治療チームで話合いをすることになった。薬剤師が他職種に提供する情報として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["治療中はインフルエンザワクチンの接種を避けること。", "治療中は麻疹ワクチンの接種を避けること。", "胸部レントゲン検査を行い結核感染の有無を確認すること。", "間質性腎炎の検査を定期的に実施すること。", "肝機能に異常がなければ、B型肝炎ウイルス検査は不要であること。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nインフリキシマブは、抗ヒトTNF-\\alpha\nモノクローナル抗体製剤であり、免疫抑制作用を有しているため、本剤投与中には、生ワクチン(麻疹ワクチンなど)の接種を行わないこととされているが、不活化ワクチン(インフルエンザワクチンなど)の接種を行っても問題ない。なお、本剤投与中は、免疫力が低下しているため、インフルエンザの感染を予防するために、インフルエンザワクチンの接種が推奨されている。"} +{"problem_id": "104290", "problem_text": "71歳男性。50年前から喫煙習慣がある(ブリンクマン指数: 1200)。長期間続く咳嗽、喀痰、喘鳴と階段歩行時の息切れを訴え、近医を受診した。精査の結果、COPDと診断され、以下の薬剤が処方された。この患者の身体所見と臨床検査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["胸部聴診にて捻髪音が聴取される。", "重症化すると高炭酸ガス血症を呈しやすい。", "1秒率(FEV_{1.0}/FVC)が 70%未満である。", "代謝性アルカローシスを呈しやすい。", "シアル化糖鎖抗原KL-6が上昇する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n捻髪音(ねんぱつおん)とは、胸部聴診にて聴取される「パチパチ、バリバリ」という音のことであり、COPDでは認められない。なお、捻髪音は、間質性肺炎や肺線維症で認められることがある。2:正\nCOPDが重症化すると、呼気中へのCO_{2}の排泄が低下するため、高炭酸ガス血症を生じることがある。3:正\nCOPDの診断基準を以下に示す\n・気管支拡張薬投与後のスパイロメーターを使用した呼吸機能検査で1秒率が70%未満である\n・気道閉塞を起こす疾患(喘息、肺結核、肺がん、間質性肺炎など)を除外する\n4:誤\nCOPDでは、呼気中へのCO_{2}の排泄が低下するため、血液のpHが低下する呼吸性アシドーシスを呈することがある。5:誤\nCOPDでは、シアル化糖鎖抗原KL-6の上昇は認められない。なお、間質性肺炎や肺線維症では、シアル化糖鎖抗原KL-6の上昇が認められる。"} +{"problem_id": "104291", "problem_text": "この患者が処方箋を持参し近所の薬局を訪れた。薬剤師がこの患者に対して行う確認・説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["閉塞隅角緑内障でないことを確認する。", "口腔内カンジダ予防のため、吸入後にうがいをするよう説明する。", "急性増悪時には、吸入剤を頓用で使用するよう説明する。", "禁煙指導を行い、テオフィリンの副作用に注意する。", "テオフィリンによる赤色尿は心配ないことを説明する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n処方1のチオトロピウム塩酸塩水和物は、抗コリン作用を有するため、閉塞隅角緑内障に禁忌とされている。そのため、チオトロピウム塩酸塩水和物が処方されているときには、閉塞隅角緑内障でないか確認する必要がある。"} +{"problem_id": "104292", "problem_text": "35歳男性。身長175 cm、体重65 kg。最近、急に昼間・夜間を通じて排尿回数が増加し、口渇のため大量飲水するようになったため近医に相談したところ、大学病院を紹介され入院となった。入院時に患者は頓用で使用しているロペラミド製剤を持参した。入院後に行った検査結果に基づいて、デスモプレシン酢酸塩水和物口腔内崩壊錠による治療が開始されることになった。入院時の血液検査結果として考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["クレアチニン値の上昇", "ヘモグロビンA1c(HbA1c)値の上昇", "コレステロール値の上昇", "ナトリウム濃度の上昇", "カルシウム濃度の上昇"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本症例では、昼間、夜間に排尿回数が増加し、口渇のため大量飲水するようになっているとともにデスモプレシン酢酸塩水和物口腔内崩壊錠による治療が開始されていることから、本患者は、中枢性尿崩症であると考えられる。中枢性尿崩症では、腎臓において水の再吸収が十分に行われないことから、血中ナトリウム濃度の上昇が認められる。"} +{"problem_id": "104293", "problem_text": "デスモプレシン酢酸塩水和物口腔内崩壊錠の医薬品インタビューフォームを確認したところ、以下の図が掲載されていた。なお、デスモプレシン普通錠*を投与した場合には、エリスロマイシン投与によるAUC、Cmaxの有意な変化は認められなかった。*デスモプレシン普通錠:デスモプレシン酢酸塩水和物400\\micro gを含有する錠剤\n本症例の薬物治療に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["デスモプレシン酢酸塩水和物口腔内崩壊錠を食後投与から食前投与に変更した場合、投与後に有害事象の発現リスクが上昇する可能性がある。", "デスモプレシン酢酸塩水和物口腔内崩壊錠は大量の水で服用を勧める。", "ロペラミドの併用により血漿中デスモプレシン濃度が上昇し、薬効が延長する可能性がある。", "ロペラミドとデスモプレシンの相互作用はCYP3A4による代謝の阻害により起こると考えらえる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n設問の図から食後投与に比べ、空腹時投与の方がデスモプレシン血漿中濃度が高いといえる。このことから、デスモプレシン酢酸塩水和物口腔内崩壊錠を食後投与から食前投与に変更した場合、投与後に有害事象の発現リスクが上昇する可能性があると考えられる。2:誤\n口腔内崩壊錠は水なしで服用することができる剤形となっているため、大量の水で服用する必要はない。3:正\n設問の図からデスモプレシン単独投与に比べ、ロペラミド併用時の方がデスモプレシン血漿中濃度が高いといえる。このことから、ロペラミドの併用により血漿中デスモプレシン濃度が上昇し、薬効が延長する可能性があると考えらえる。なお、ロペラミドとデスモプレシンを併用すると、ロペラミドにより消化管運動が抑制されることでデスモプレシンの吸収が促進さ���、血漿中濃度が上昇すると考えられている。4:誤\nデスモプレシンとエリスロマイシン(CYP3A4阻害作用を有する)と併用してもAUC、Cmaxの有意な変化は認められなかったとされていることから、デスモプレシンの体内動態はCYP3A4阻害により変化しないと考えられる。"} +{"problem_id": "104294", "problem_text": "50歳男性。身長168 cm、体重98 kg。10年前より2型糖尿病を指摘されていたが未治療であった。健康診断の結果、糖尿病の教育入院となった。入院時に日常生活について聴取したところ、患者は1人暮らしで間食や糖質を多く含む炭酸飲料の摂取が多かった。夕食時には大量飲酒を行うなど、食生活が乱れていた。日常あまり運動していなかった。入院時の検査値は、血圧140/82 mmHg、HbA1c 9.3%(NGSP値)、随時血糖234 mg/dL、血清クレアチニン 0.51 mg/dL、T-Bil 0.7mg/dL、AST 60 U/L、ALT 52 U/L、\\gamma -GTP 130U/L、尿糖(+++)、尿タンパク(-)であった。入院後、以下の薬剤が処方された。本症例では日常生活が乱れていることから、運動療法を併せて指導することとなった。この患者の運動療法に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["運動時の脈拍数は100〜120拍/分以内に留めるように勧める。", "増殖性網膜症を発症して重症化しても運動療法を継続する。", "歩行運動を指導した場合は、消費カロリー分の食事量を増やすよう勧める。", "肝機能障害があるため、空腹時(食前)の運動を勧める。", "インスリン感受性を高めるため、有酸素運動を勧める。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n糖尿病患者には、安全性と運動効果の観点から「中強度」の運動が推奨されている。糖尿病の運動療法における適度な脈拍数の目安を以下に示す。59歳以下: 120拍/分\n60歳以上: 100拍/分\n2:誤\n増殖性網膜症を発症している場合、運動による血圧変動により増殖性網膜症が悪化する場合があるため、高強度の有酸素運動やレジスタンス運動(筋力トレーニング)を避けることとされている。3:誤\n本患者はBMI(98/1.68^{2}\\fallingdotseq 34.7)が高く、肥満であることから、減量する必要がある。そのため、歩行運動で消費したカロリー分の食事量を増やす必要はない。4:誤\n経口血糖降下薬を服用中やインスリン使用中の患者が空腹時に運動を行うと低血糖を起こすことがあるため、空腹時の運動を避ける必要がある。なお、本患者のように肝機能が低下している患者では糖新生が起こりにくいため、空腹時に運動すると低血糖を誘発しやすい。5:正\n有酸素運動やレジスタンス運動(筋力トレーニング)を行うことにより、インスリン感受性が高まり、血糖コントロールが良好になることがある。"} +{"problem_id": "104295", "problem_text": "治療により、血糖コントロールが良好となったため退院し、下記の処方で治療を継続することとなった。この患者の退院時に薬剤師が行う説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["多尿・頻尿が見られても水分補給は控えること。", "嘔吐や腹痛の場合は、連絡すること。", "高所作業や自動車の運転等には注意すること。", "処方5を注射し忘れた場合は、次回投与日に2回分を注射すること。", "タンパク質制限をした食事を摂取すること。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nダパグリフロジンプロピレングリコール水和物は、SGLT-2阻害薬であり、副作用として多尿、頻尿による脱水を引き起こしやすいため、ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物を服用中は、水分補給を積極的に行う必要がある。"} +{"problem_id": "104296", "problem_text": "66歳女性。忙しい夫の会社を手伝っている。遠方に住む共働きの息子夫婦に半年ほど前に子供ができ、世話を頼まれたので、忙しい中、自宅と息子夫婦の家の行き来を繰り返している。2〜3週間前より、気分が優れず、食欲がなくなり、眠りにつくにも時間がかかるようになった。女性は、理由はわからないが「きっと私のせいで夫の会社が倒産する」と思うようになった。心配した夫と一緒に精神科を受診し、うつ病と診断された。以下の処方箋を持ってこの患者が来局した。この患者の病態、症状及び検査に関する記述のうち、正しいのはど��か。2つ選べ。", "choices": ["Self-rating Depression Scale(SDS)は診断に有用な評価スケールである。", "被害妄想状態が認められる。", "誇大妄想や精神運動制止が認められる。", "食欲不振は身体症状である。", "睡眠障害は中途覚醒である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nSelf-rating Depression Scale(SDS)は、患者本人が20の質問に答えていく心理検査である。SDSは、うつの程度を客観的に数値化することが可能であり、うつ病の補助診断ツールとして有用である。2:誤\nうつ病の症状は精神症状と身体症状に分けることができる。本患者は、理由はわからないが「きっと私のせいで夫の会社が倒産する」と思うようになっていることから、罪業妄想が現れていると考えられる。なお、被害妄想が認められる疾患として、統合失調症がある。3:誤\n問題文より、本患者には精神運動制止(思考の停止、無言、無動など)や誇大妄想は認められていない。なお、うつ病では、精神運動制止が認められることがあるが、誇大妄想が認められることはない。4:正\n解説2参照\n5:誤\n問題文に「眠りにつくにも時間がかかるようになった」と記載されていることに加え、本患者に対して超短時間作用型の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬であるエスゾピクロンが処方されていることから、本患者に認められる睡眠障害は、入眠障害であると考えられる。"} +{"problem_id": "104297", "problem_text": "薬剤師がこの患者に対して行う説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["胃腸症状が出現したら休薬してください。", "処方1は、処方2の副作用を軽くするための薬剤です。", "睡眠途中で目覚めた時の出来事を覚えていないことがあります。", "口が乾くことがあります。", "処方2と処方3の薬剤は長期間服用する必要があります。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n処方1は選択的セロトニン再取り込み阻害薬であり、副作用として胃腸症状を起こすことがある。本剤服用中に胃腸症状が認められた場合には、患者の判断で勝手に休薬せず、必ず医師、薬剤師に連絡するように説明する必要がある。2:誤\n処方1はうつ症状を改善するための薬剤であり、処方2の副作用を軽減するための薬剤ではない。なお、処方2は処方1の作用が発現するまでの間に認められる不安を軽減するために処方されていると考えられる。3:正\n処方3は重大な副作用として一過性の前向性健忘(症状:\n服用後ある一定期間または夜間に中途覚醒したときのことを記憶していないなど)を起こすことがある。4:正\n処方2、3は副作用として口渇を起こすことがある。5:誤\n処方1の効果が現れ、不安や睡眠障害が改善されるとともに処方2、3を減薬または休薬する。"} +{"problem_id": "104298", "problem_text": "23歳女性。20歳前後から強い頭痛と随伴症状のため大学を休みがちになったことから近医を受診しており、処方1及び処方2の薬剤が処方されていた。薬局を訪れた患者は次のように薬剤師に話した。「社会人になってからは仕事が忙しく、生活が不規則です。最近、頭痛の回数が多くなって、薬が足りなくなることがよくあります。仕事の都合上、発作が起こると困るときには、予防のため発作時の薬(処方1)を服用しています。今回、新しい薬(処方3)が追加されました。」 本症例に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["随伴症状には悪心・嘔吐、光・音過敏がある。", "発作時に痛みを和らげるには、入浴や軽い運動などが有効である。", "処方1の薬剤を頻回使用すると、乱用頭痛を起こすおそれがある。", "処方3の薬剤の代わりにエルゴタミンを用いることができる。", "処方3は急性期の発作を抑えるために追加された。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n処方薬より本患者は片頭痛治療中であると考えられる。片頭痛発作時には、随伴症状として悪心・嘔吐や光・音過敏が現れることがある。2:誤\n片頭痛発作時に入浴や運動をすると、痛みが悪化することがある。3:正\n処方1のようなトリプタン製剤を3ヶ月以上にわたって月に10日以上使用するとトリプタン乱用頭痛を誘発するおそれがあるため、トリプタン製剤の使用頻度には注意する必要がある。4:誤\nバルプロ酸ナトリウム徐放錠は、片頭痛を予防する目的で処方されている。そのため、バルプロ酸ナトリウムの代わりに片頭痛の急性期に用いられるエルゴタミン製剤を用いることはない。また、エルゴタミンとトリプタン製剤は併用禁忌であるため、処方1使用中の患者にエルゴタミン製剤を追加投与することはない。5:誤\n解説4参照"} +{"problem_id": "104299", "problem_text": "患者の薬物治療の経過をSOAP形式で薬剤服用歴管理記録簿に記載した。(S)、(O)、(A)、(P)の項目と対応する内容の組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["S: 処方2の用法・用量の変更は必要ないと判断した。", "O: 最近になって頭痛の回数が多くなった。", "O: 仕事の都合上、発作が起こると困るときには、予防のため発作時の薬を服用するようにしている。", "A: 処方1の薬剤の服用タイミングを正しく理解しておらず、再指導が必要と判断した。", "P: 次回来局時に、処方1の薬剤を予防的には使用していないことを確認する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "SOAP形式とは、薬歴の経過記録の方法であり、S(Subjuctive:\n主訴や患者の訴えなどの主観的情報)、O(Objective:\n理学的所見などの客観的情報)、A(Assessment:\n評価、分析など)、P(Plan:\n検査や治療の指針、今後の治療計画など)にわけて患者情報を記載する。"} +{"problem_id": "104300", "problem_text": "50歳男性。身長175 cm、体重80 kg、血清クレアチニン1.5 mg/dL。眼内炎、遷延する発熱、中心静脈カテーテル刺入部位の発赤及び圧痛があり、中心静脈カテーテル刺入部関連感染の疑いと診断された。細菌感染に対する抗菌療法に反応せず、カテーテル刺入部の膿、末梢血培養で真菌陽性、血液検査で\\beta -D-グルカン陽性のため、カテーテルを抜去し、ホスフルコナゾールによる治療を開始したが、治療反応性が悪かった。その後、刺入部位膿と血液の培養の結果、Candida krusei(カンジダ属真菌)が検出された。この患者の真菌感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["表在性真菌感染症である。", "ST(スルファメトキサゾール・トリメトプリム)合剤が有効である。", "日和見感染症と考えられる。", "鳥類の糞便中で増殖したものが、感染源となった可能性が高い。", "侵襲性カンジダ症の1つである。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n本症例では、中心静脈カテーテル留置により深在性真菌感染症であるカンジダ血症を発症していると考えられる。なお、表在性真菌感染症は、爪、表皮、粘膜などに真菌が感染することで発症する感染症である。2:誤\nST合剤は、細菌感染症やニューモシスチス肺炎などに用いられるが、真菌感染症には用いられない。3:正\nカンジダ症は、一般に易感染状態の患者が口腔内、消化管などに存在するカンジダ・アルビカンスなどの日和見感染により発症する。4:誤\n解説3参照\n5:正\n深在性真菌感染症は、侵襲性カンジダ症の一種である。"} +{"problem_id": "104301", "problem_text": "本症例に対して、アムホテリシンBリポソーム製剤を静脈内投与することとした。この薬剤の投与に関して適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["溶解液を加えて振とうし、沈殿物が認められた場合は、添付のフィルターでろ過する。", "添付のフィルターは、アルコールで消毒すれば再使用できる。", "15分以内で静脈内に点滴投与する。", "投与中あるいは投与後に発熱、悪寒、悪心等が発現しないかを観察する。", "投与期間中は、腎機能を定期的にモニターする。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n本剤を調製する際には、溶解液を加えて振とうし、沈殿物が認められた場合には、完全に溶解するまでさらに振とうすることとされている。"} +{"problem_id": "104302", "problem_text": "病院の薬事委員を務める薬剤師が、新規に薬価収載された抗がん剤Xの資 料を作成するために、転移性乳癌患者を対象とした治験に関する情報を収集した。治験で得られた臨床成績を確認するための資料として適しているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["医療用医薬品品質情報集(オレンジブ��ク)", "医薬品インタビューフォーム", "審査報告書", "医薬品安全対策情報(Drug Safety Update;DSU)", "日本薬局方"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n医療用医薬品品質情報集(オレンジブック)は、後発医薬品の品質評価のための進捗状況、溶出パターンなどをまとめた情報集である。2:正\n医薬品インタビューフォームは、添付文書の情報を補完する目的で、日本病院薬剤師会が記載要項を策定し、製薬企業が作成・提供している医薬品情報であり、治験で得られた臨床成績が記載されている。3:正\n審査報告書は、医薬品が承認されるまでの審査に関する情報が記載されたものであり、治験で得られた臨床成績が記載されている。4:誤\n医薬品安全対策情報DSU(Drug Safety Update)は、医療用医薬品添付文書の「使用上の注意」の改訂情報を収載したものである。5:誤\n日本薬局方は、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めた医薬品の規格基準書である。"} +{"problem_id": "104303", "problem_text": "この薬剤師は、前問の資料から、転移性乳癌患者を対象として新規抗がん剤Xと既存薬の奏効割合を比較した下表の結果を得た。この解析に用いられた統計手法 として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["対応のあるt検定", "対応のないt検定", "カイ二乗検定", "分散分析", "Mann-WhitneyのU検定"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本設問では、新規抗がん剤Xと既存薬の奏効割合を比較していることから、この解析で用いられた検定手法は、カイ二乗検定であると考えられる。"} +{"problem_id": "104304", "problem_text": "52歳男性。身長170 cm、体重65 kg。3年前、胃がんのため胃亜全摘切除手術を受け、近医で経過観察していた。今回の定期検診で肝転移が見つかり、化学療法導入目的で大学病院に紹介入院となった。全身倦怠感、動悸を自覚しており、貧血に対して処方1の薬剤が処方されていたが、入院時の血液検査の結果により、処方1に替えて処方2が開始された。処方2について、看護師から病棟薬剤師に、投与前後の注意事項や観察項目に関する情報提供の依頼があった。回答として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["希釈するときは生理食塩液を用いてください。", "配合変化が起こりやすいので、注意して点滴ルートを観察してください。", "ゆっくり(2分以上かけて)投与してください。", "血管外漏出がないかどうか、投与部位の疼痛や腫脹に注意してください。", "投与後、頭痛の訴えや顔面潮紅などがないか観察してください。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\n本剤を希釈する必要がある場合には、通常、用時10〜20%のブドウ糖注射液で5〜10倍にすることとされている。なお、本剤はコロイド性の注射剤となっていることから、電解質を含む生理食塩水を使用して希釈すると凝集沈殿する可能性がある。そのため、本剤を電解質溶液で希釈することは避ける。2:正しい\n本剤はpH変化により配合変化を生じやすいため、他の薬剤との配合には注意することとされている。3:正しい\n本剤は2分以上かけて徐々に投与することとされている。4:正しい\n本剤を注射する際には、血管外に漏出しないよう十分注意することとされている。血管外に漏出した場合には、漏出部位周辺に色素沈着を、また、疼痛、知覚異常、腫脹等の局所刺激を起こすことがある。このような場合には、温湿布を施し(疼痛, 腫脹等の急性炎症症状が強い場合には冷湿布により急性症状がおさまった後)、マッサージ等をして吸収を促進させる等適切な処置を行うこととされている。5:正しい"} +{"problem_id": "104305", "problem_text": "処方2を2週間実施した後に血液検査が実施され、以下の結果が得られた。RBC340万/\\micro L、Hb10.2g/dL、Ht30.0%、MCV105fL、MCH39 pg、血清ビタミンB_{12}値80 pg/mL(基準値200〜1,000pg/mL)、血清総葉酸値11.5 ng/mL(基準値6.0〜20 ng/mL)本症例における貧血治療の今後の方針として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メコバラミン注射液の筋肉内投与", "葉酸錠の経口投与", "クエン酸第一鉄ナトリウム錠を増量して再開", "プレドニゾロン錠の経口投与", "脾臓の摘出術"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "MCVが高く、血清ビタミンB_{12}値が低いことから、ビタミンB_{12}欠乏性貧血が疑われる。このことから、今後の貧血治療の方針として「メコバラミン注射液の筋肉内投与」が適切である。"} +{"problem_id": "104306", "problem_text": "82歳男性。在宅で療養しており、てんかんのため処方1の薬剤を服用していたが、今回、処方2が追加となった。この患者は独居であり、薬剤師も参加して多職種による定期的なケアカンファレンスを行っている。これらの処方に関連した副作用の1つとして、スティーヴンス・ジョンソン症候群がある。薬剤師がケアカンファレンスで、他職種に確認して欲しいと伝えるべき初期症状の中で、緊急性が最も低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["のどの痛み", "排尿・排便時の痛み", "38 ^{\\circ} C以上の発熱", "唇のただれ", "筋肉のこわばり"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "スティーヴンス・ジョンソン症候群は、初期症状として、発熱(38^{\\circ} C以上)、目の充血、めやに(眼分泌物)、まぶたの腫れ、目が開けづらい、くちびるや陰部のただれ、排尿・排便時の痛み、皮膚の広い範囲が赤くなるなどが認められる。"} +{"problem_id": "104307", "problem_text": "処方2の副作用である重篤な皮膚障害については、因果関係が否定できない死亡症例が短期間に複数報告されたことから、注意喚起がなされた。このような安全性情報を迅速に周知するために用いられる手段として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["安全性速報(ブルーレター)", "医薬品インタビューフォーム", "医薬品リスク管理計画(RMP)", "医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)", "定期的ベネフィット・リスク評価報告(PBRER)"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n安全性速報は、緊急安全性情報に準じ、一般的な使用上の注意の改訂情報よりも迅速な安全対策措置をとる場合に発出される。"} +{"problem_id": "104308", "problem_text": "58歳男性。入院中にヘリコバクター・ピロリの一次除菌を行うことになった。現在処方されている薬剤があり、除菌時の治療薬の選択について医師から薬剤師に問合せがあった。処方は、以下の薬剤を考えているとのことであった。なお、この病院ではDiagnosis Procedure Combination(DPC;診断群分類)制度に基づいて、入院患者の診療報酬を請求している。アモキシシリン水和物 クラリスロマイシン 「:薬物A:」 <現在の処方薬> クロピドグレル硫酸塩 プラバスタチンナトリウム カルベジロール 現在の処方薬を考慮して、薬剤師が薬物Aとして推奨するのに適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["オメプラゾール", "ファモチジ", "ポラプレジンク", "ラベプラゾールナトリウム", "ランソプラゾール"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "ヘリコバクター・ピロリの一次除菌では、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン、プロトンポンプインヒビター(PPI)の3剤併用療法を行う。選択肢のうち、オメプラゾール、ラベプラゾール、ランソプラゾールはPPIに該当する。本症例では、併用薬としてクロピドグレル硫酸塩を服用していることから、CYP2C19阻害作用を有するオメプラゾールと相互作用を起こすおそれがあるため、薬物Aとして推奨すべき薬剤は「ラベプラゾールナトリウム」「ランソプラゾール」である。<参考: オメプラゾールとクロピドグレル硫酸塩の相互作用について>\nオメプラゾールがCYP2C19を阻害することにより、クロピドグレル硫酸塩の活性代謝物の血中濃度が低下する。"} +{"problem_id": "104309", "problem_text": "DPC制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["傷病名と診療行為に基づいて包括払い金額が決まる仕組みである。", "入院中に使用する薬剤は、出来高払いで請求する。", "手術・麻酔の費用は、出来高払いで請求する。", "入院期間が長くなっても、包括払い金額は同じである。", "全ての病院が、この制度を利用している。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "DPC制度(包括医療費支払い制度)とは、新たに導入された診療報酬制度のことであり、従来の診��報酬制度と異なり、包括評価部分(入院基本料、検査、画像診断、投薬、注射など)と出来高評価部分(手術、麻酔、放射線治療、内視鏡検査、リハビリなど)を組み合わせて診療報酬を算定する方法である。1:正\nDPC制度における包括評価部分は、傷病名と診療行為によって金額が決まっている。"} +{"problem_id": "104310", "problem_text": "58歳男性。肺がん、ステージIV。強い疼痛を訴えていたため、アセトアミノフェン錠とフェンタニル経皮吸収型貼付剤が投与されていた。患者の希望で緩和ケア病棟に1週間前に入院となった。腎機能は、直近のデータでCcr 20 mL/minである。入院後、疼痛コントロールが不良になったため、フェンタニル経皮吸収型貼付剤の増量が行われたが、痛みに対する効果が改善されなかった。この患者の担当薬剤師が医師に処方提案する内容として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["オキシコドン徐放錠への変更", "コデインリン酸塩散への変更", "プレガバリン口腔内崩壊錠への変更", "モルヒネ硫酸塩徐放錠への変更", "モルヒネ塩酸塩坐薬への変更"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "がん性疼痛に対してフェンタニル製剤で効果が認められない場合、モルヒネ、オキシコドン塩酸塩、メサドン塩酸塩などの強オピオイド製剤を使用する(オピオイドローテーション)。高度な腎機能障害を有する患者にモルヒネを投与すると、モルヒネの代謝物(M6G、M3G)の排泄が低下し、副作用が現れやすいとされている。本症例において、患者は重度の腎機能障害状態にあるため、フェンタニル経皮吸収型貼付剤をオキシコドン徐放錠へ変更することが適切であると考えられる。"} +{"problem_id": "104311", "problem_text": "薬剤師が病室を出ようとしたところ、患者が「もう早く死んでしまいたい。家族にも迷惑をかけるし、何とかしてください。」と涙ながらに訴えた。薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["「そんなことを言わずに頑張ってください!」と激励する。", "言われたことは誰にも伝えず、自分の心の中にしまっておく。", "患者の訴えを医療スタッフと共有する。", "突然の訴えに驚き、病室から立ち去る。", "患者の話を共感しながら傾聴する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "患者が悩み、つらさを訴えてきた場合、患者の話に共感しながら傾聴することが重要である。また、患者の訴えを医療スタッフ全員で共有し、サポートしていくことが重要である。"} +{"problem_id": "104312", "problem_text": "32歳女性。難治性の多発性骨髄腫のため、治療を目的に入院してサリドマイド製剤を服用する予定である。サリドマイドは、過去に薬害を引き起こした薬物である。病棟でのサリドマイド製剤の取扱いについて誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["サリドマイド製剤安全管理手順(TERMS)を遵守する。", "製薬会社に登録した医師のみが処方する。", "入院中、本剤は患者の自己管理とする。", "本剤の服用開始4週間前から本剤服用中止4週間後までは、妊娠を避けさせる。", "本剤の管理上の責任を担う薬剤師を、製薬会社に登録する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nサリドマイド製剤の製造販売・管理・使用するにあたっては、サイドマイド製剤安全管理手順TERMS(Thalidomide Education and Risk Management System)を遵守する必要がある。サリドマイドは、過去に四肢奇形などの重度の先天異常や胎児死亡(薬害)を引き越したことがある。そのため、サリドマイドによる薬害を二度と繰り返さないようサリドマイドの使用と管理について厳重に監視するとともに、サリドマイドを必要とする患者に適正に使用されることを目的とし、医療従事者向けの「サイドマイド製剤安全管理手順TERMS(Thalidomide Education and Risk Management System)」が作成された。2:正しい\n3:誤っている\n患者が入院した場合、医師、薬剤師等の医療従事者又はその他適切に薬剤管理を行うことのできる者が、処方医師及び責任薬剤師と協力して、カプセルシートを用いて調剤された本剤の数量管理を行う。4:正しい\n妊娠する可能性のある女性については、本剤服用開始4週間前から本剤服用中止4週間後まで妊娠を回避する必要がある。なお、男性は、本剤服用開始時から本剤服用中止4週間後まで妊娠を回避する必要がある。5:正しい"} +{"problem_id": "104313", "problem_text": "医薬品の安全対策の充実には、幾つかの薬害が関わっている。サリドマイドが引き起こした薬害が契機となって整備された制度として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["副作用報告制度", "再審査制度", "医薬品リスク管理計画制", "感染症定期報告制度", "市販直後調査制度"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "サリドマイドが引き起こした薬害が契機となって整備された制度は、副作用報告制度である。なお、再審査制度が導入される契機となった薬害は「キノホルムによる亜急性脊髄視神経抹消神経症(SMON)」、感染症定期報告制度が導入される契機となった薬害は「医原性クロイツフェルト・ヤコブ病」である。"} +{"problem_id": "104314", "problem_text": "58歳男性。健康診断で血圧が高いことを指摘されて近医を受診し、下記の薬剤が処方された。日常的に車を使用し、ほとんど運動の習慣はない。また、長年の喫煙習慣があり、塩辛いものを好む。服薬指導時に「特に気になる症状もないし、副作用が怖いので、薬は飲まないでおこうと思っている。」と薬剤師に話をしていた。BMIは32、診察室血圧は156/101mmHg、家庭血圧は152/96mmHgであった。この患者に対する服薬指導を行う際に、薬剤師が知っておくべきこととして正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["高血圧の診断には、診察室血圧に加え、家庭血圧を測定することが重要だが、両者の値が異なる場合は診察室血圧を優先する。", "禁煙は精神的ストレスの原因になるので、高血圧患者に対する禁煙指導は避けた方が良い。", "降圧薬の服用により血圧がうまくコントロールできた場合、生活習慣の改善は必要ない。", "降圧目標は、年齢や合併症の有無に応じて決められる。", "減塩目標は、食塩10 g/日未満である。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n近年、家庭血圧は診察室血圧よりも疾病リスクを予測するのに優れていることが明らかにされたことから、「診察室血圧と家庭血圧の間に診断の差がある場合、家庭血圧の診断を優先する」とされている。2:誤\n高血圧を改善するために、生活習慣を改善する必要がある(禁煙、食塩制限(1日の食塩摂取量6 g未満)、アルコール制限、運動など)。3:誤\n高血圧治療の基本は、生活習慣の改善である。生活習慣の改善しても血圧が目標値に達しない場合、薬物療法を行う。4:正\n通常、降圧目標は140 mmHg/90 mmHg未満(診察室血圧)、135 mmHg /85 mmHg未満(家庭血圧)とされているが、後期高齢者、糖尿病患者・慢性腎臓病患者では降圧目標が異なる。・後期高齢者の降圧目標\n150 mmHg/90 mmHg未満(診察室血圧)、145 mmHg /85 mmHg未満(家庭血圧)\n・糖尿病患者・慢性腎臓病患者の降圧目標\n130 mmHg/80 mmHg未満(診察室血圧)、125 mmHg /75 mmHg未満(家庭血圧)\n5:誤\n解説2参照"} +{"problem_id": "104315", "problem_text": "この患者は、「薬を飲まないでおこうと思っている。」という発言からも、行動変容ステージの無関心期(前熟考期)にいると考えられる。この患者を関心期(熟考期)へと促していく働きかけとして適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["患者の反応にかかわらず一方的に服薬指導や生活指導を行う。", "健康行動の必要性や有効性について情報を提供する。", "患者に健康行動実施の宣言をしてもらう。", "患者の服薬に対する考えや感情(解釈モデル)を聞く。", "主治医に連絡し、患者を説得してもらう。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "行動変容ステージモデルでは、人が行動を変える場合は「無関心期」\\rightarrow\n「感心期」\\rightarrow\n「準備期」\\rightarrow\n「実行期」\\rightarrow\n「維持期」の5つのステージを通ると考える。無関心期:\n6ヶ月以内に行動を変えようと思っていない\n関心期:\n6ヶ月以内に行動を変えようと思っている\n準備期:\n1ヶ月以内に行動を変えようと思っている\n実行期:\n行動を変えて6ヶ月未満である\n維持期:\n行動を変えて6ヶ月以上である\n無関心期の患者に対しては、関心を持ってもらうための援助が必要となる。このことから、患者の考えや感情を聴取するとともに健康行動の必要性や有効性について情報提供し、現在の状況に関心をもってもらうことが有効であると考えられる。"} +{"problem_id": "104316", "problem_text": "56歳男性、会社員。健康保険組合に加入しており、本人負担は3割である。現在、2型糖尿病と活動期の潰瘍性大腸炎のため、病院で治療を受けている。治療中の潰瘍性大腸炎の薬の効果が実感できず、製薬企業から病院へ依頼があったプラセボを対照薬とする二重盲検法による治験に参加することになった。ただし、2型糖尿病の治療は、DPP-4阻害剤を服用しているが、当該疾患は治験の対象外である。治験コーディネーターが被験者へ説明した内容のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["治験への参加は、いつでも取りやめることができます。", "プラセボが投与されることがあります。", "モニターなど製薬企業の関係者が、あなたのデータを見ることがあります。", "希望すれば、治験中に実薬かプラセボのどちらを投与されているのかを教えてもらえます。", "治験薬は、決められた用量と用法を守り、現在服用している薬以外は自己判断で併用しないでください。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:適切である\n被験者はいつでも治験をとりやめることが可能である。2:適切である\n本治験の内容は、プラセボを対照薬とする二重盲検法であるため、プラゼボが投与される可能性がある。3:適切である\n治験が正確に行われているか(GCP省令に従っているか、治験実施計画書に従っているか)を確認するために、治験を依頼した製薬企業関係者が治験の内容を確認することがある。4:適切ではない\n本治験の内容は、プラセボを対照薬とする二重盲検法であるため、治験中に実薬かプラセボのどちらを投与されているかを教えてもらうことはできない。5:適切である\n治験を正確に行うために、治験薬を決められた用量と用法を守って服用する必要がある。また、現在服用している薬以外を併用しないようにする必要がある。"} +{"problem_id": "104317", "problem_text": "当該患者の治験実施期間内における診療費の取扱いに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["全ての診療費の項目が保険給付の対象になる。", "治験は選定療養に該当するため保険給付との併用が認められる。", "治験は評価療養に該当するため保険給付との併用が認められる。", "治験は患者申出療養に該当するため保険給付との併用が認められる。", "全ての診療費の項目が保険給付の対象から除外される。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "保険外併用療養費制度では、「選定療養」「評価療養」「患者申出療養」は、保険診療との併用が認められている。医薬品の治験に係る診療は評価療養に該当するため、保険給付との併用が認められている。"} +{"problem_id": "104318", "problem_text": "30歳女性。甲状腺機能亢進症に対し、チアマゾールで外来治療中に、無顆粒球症が発生し死亡に至った。なお、併用薬はない。この病院で安全管理を担当している薬剤師が取るべき対応として、法令上適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["製造販売業者には副作用等の報告義務があるので、副作用情報収集に積極的に協力した。", "無顆粒球症は添付文書に記載されている既知の副作用なので、製造販売業者が行う情報収集には協力する必要はないと考えた。", "医薬関係者には死亡日から15日以内に報告する義務があるため、直ちに死亡例について医薬品医療機器総合機構宛てに報告した。", "この副作用の発生に対しては、保健衛生上の危害の発生の防止又は拡大を防止するため、医薬品医療機器総合機構宛てに報告した上で、その調査に協力することにした。", "医療機関には記録の保管義務があるため、副作用が生じた原因、その対応状況などについて記録を作成して、1年間保存することにした。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n製造販売業者は、製造販売を行っている医薬品について、当該品目の副作用等によるものと疑われる疾病・障害又は死亡の発生、当該品目によるものと疑われる感染症の発症等を知ったとき、その旨を厚生労働大臣に報告する必要がある(この制度を企業報告制度という。)。2:誤\n企業報告制度は、既知の副作用についても報告する。3:誤\n医薬品・医療機器等安全性情報報告制度(保健衛生上の危害の発生の防止又は拡大を防止するために医療関係者が医薬品の副作用等を医薬品医療機器総合機構に報告する制度)には、報告期限は定められていない。なお、報告期限が発生を知った日から15日又は30日と定められているのは、企業報告制度である。4:正\n5:誤\n医療機関には、副作用に関する記録を保管する義務はない。"} +{"problem_id": "104319", "problem_text": "本剤の添付文書には下記のような記述がある。無顆粒球症の副作用の発見のためには、白血球分画のうち、どの細胞の数を調べればよいか。1つ選べ。【警告】\n1.重篤な無顆粒球症が主に投与開始後2ヶ月以内に発現し、死亡に至った症例も報告されている。少なくとも投与開始後2ヶ月間は、原則として2週に1回、それ以降も定期的に白血球分画を含めた血液検査を実施し、顆粒球の減少傾向等の異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、一度投与を中止して投与を再開する場合にも同様に注意すること(「重大な副作用」の項参照)。", "choices": ["リンパ球", "単球", "好酸球", "好中球", "好塩基球"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "無顆粒球症では、血液中の白血球の成分のうち顆粒球(特に好中球)が減少し、易感染状態(初期症状として咽頭痛、発熱、寒気、紫班などが認められる)となる。上記より、無顆粒球症の副作用の発見のためには「好中球の数」を調べる必要がある。"} +{"problem_id": "104320", "problem_text": "土曜日の夕方遅くに30歳代の男性旅行者が薬局を訪れ、今朝より胸やけがあり、みぞおち辺りが少し痛いため薬が欲しいと相談した。薬剤師が話を聞くと、以前にも似た症状があり、その時は受診し処方薬を服用して改善したということであった。その内容が携帯していたお薬手帳に記録されていた。明後日の月曜日には地元に戻るとのことであった。近隣の医療機関は受付時間を過ぎており、この男性も一般用医薬品での対応で良いとのことであったため、相談を受けた薬剤師は、1錠当たりファモチジン10 mgを含有する第一類医薬品を販売することにした。販売時の対応として適切でないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["3日間服用しても症状が軽減しない場合、服用を止めて医療機関を受診するよう勧めた。", "お薬手帳に販売したことを記載した。", "症状が軽減しても、2週間以上は飲み続けるよう説明した。", "以前の処方薬と含量は違うが、有効成分は同じであることを説明した。", "同じ有効成分の医療用医薬品を以前服用していたので、販売記録は作成しなかった。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:適切である\n本剤は、3日間服用しても症状の改善がみられない場合、服用を止めて、医師または薬剤師に相談することとされている。2:適切である\nお薬手帳とは、薬を適正に使用するために必要な情報(服用歴、副作用歴、アレルギー歴、服用中のサプリメント、一般用医薬品など)を記載している手帳のことである。販売したOTC薬に関する情報をお薬手帳に記載することは適切であるといえる。3:適切ではない\n本剤は、症状が治まった場合、継続して服用しないこととされている。4:適切である\n5:適切ではない\n本剤は第一類医薬品であるため、販売した際、販売記録(品名、数量、販売日時、販売・情報提供を行った薬剤師の氏名、購入者が情報提供等の内容を理解した旨の確認などを記録したもの)を作成しなければならない。"} +{"problem_id": "104321", "problem_text": "今回販売する医薬品について説明している時に、「第一類医薬品」とはどういうものかという質問があった。その際の薬剤師の説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["一般用医薬品は、第一類医薬品と第二類医薬品の二つに分類されています。", "一般用医薬品の中で、副作用等その使用に関し特に注意が必要なものです。", "登録販売者又は薬剤師が販売しなければならないものです。", "販売時に適正な使用のために必要な情報について書面を用いて説明することが必要なものです。", "インターネットでは買うことができないものです。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n一般用医薬品は、第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品の三つに分類される。"} +{"problem_id": "104322", "problem_text": "介護支援専門員(ケアマネージャー)から、自宅内に薬が散乱している利用者がいるので、薬剤の管理をしてもらえないかという相談があった。相談を受けた薬剤師は、ケアマネージャーから、この利用者は72歳、独居、要支援2であること、複数の医療機関を受診し、複数の薬局から薬剤が交付されていることを聴取した。介護保険法における要支援認定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["要支援認定を受けた者には、医療保険より介護保険の適用が優先する。", "要支援状態は5段階に区分されている。", "要支援認定には、有効期間の定めがない。", "要支援認定を受けた者に対する保険の給付を、要支援給付という。", "要支援認定の申請は、市町村に対して行う。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n2:誤\n要支援状態は2段階に区分されている。3:誤\n要支援認定には、有効期間が定められている。・要支援認定(新規)の有効期間\n6ヶ月(市町村が必要と認める場合にあたっては、3ヶ月から12ヶ月の間で月を単位として市町村が定める期間)\n・要支援認定更新認定の有効期間\n12ヶ月(市町村が必要と認める場合にあたっては、3ヶ月から36ヶ月の間で月を単位として市町村が定める期間)\n4:誤\n要支援認定を受けた者に対する保険給付を、予防給付という。5:正"} +{"problem_id": "104323", "problem_text": "当該患者(利用者)に関してこの薬剤師が行うことのうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬剤の保管状況を確認する。", "患者の服薬状況を確認する。", "主治医に患者の現在の薬剤管理状況を伝える。", "患者に特別養護老人ホームへの入所が可能であることを説明する。", "主治医に薬剤師による介護予防居宅療養管理指導の実施を提案する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "介護支援専門員(ケアマネージャー)から聴取した情報(72歳、独居、要支援2であること、複数の医療機関を受診し、複数の薬局から薬剤が交付されていること)、相談内容(自宅内に薬が散乱している利用者がいるので、薬剤の管理をしてもらえないか)より、薬剤師は、患家に訪問し、薬剤の保管状況、服薬状況を確認したあと、主治医に患者の現在の薬剤管理の状況を報告する。また、患者本人が薬剤の管理が困難であると判断した場合には、主治医に薬剤師による介護予防居宅療養管理指導の実施を提案し、指示を仰ぐ。指示を受けた薬剤師は、薬学的管理指導計画を策定し、介護予防居宅療養管理指導を行うことについて患者の同意を得た上で、契約書を作成し、介護予防居宅療養管理指導を実施する。"} +{"problem_id": "104324", "problem_text": "隣接県において、直下型の地震が発生した。ある薬局においては、医薬品、物品等が床に落ちたものの、調剤室が損壊するなどの復旧工事を要するような大きな被害は生じなかった。しかし震源地周辺の広範囲において、建物の崩壊やライフラインの寸断等、大きな被害が発生し、内閣府には緊急災害対策本部が設置された。この薬局に勤務する薬剤師の地震発生後の活動として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["避難所での活動に参加し、被災者に必要な一般用医薬品を供給した。", "医師会から薬剤師会に JMAT への協力要請があり、参加薬剤師の募集がなされたので、参加の意思を表明した。注)JMAT: 日本医師会災害医療チーム", "ボランティアが不眠を訴えたので、処方箋はなかったが、向精神薬を交付した。", "被災者から、健康や食事の相談を受けたため、アドバイスを行った。", "被災地に送られてくる医薬品の集積場所において、医薬品の仕分け、管理を行った。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "大規模な災害が生じた場合、処方箋がなくても、被災者に対して医療用医薬品(向精神薬を含む)を調剤することができるが、ボランティアに参加した者には、処方箋なしで医療用医薬品を調剤することはできない。"} +{"problem_id": "104325", "problem_text": "このような災害への備えとして平時に薬局で準備しておくこととして適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["災害時連絡先の一覧表の作成", "近隣の医療機関・薬剤師会との連携の確認", "卸売販売業者との医薬品供給体制の確認", "災害時対応についての患者教育の地方自治体への一任", "災害時用備蓄医薬品の選定と確保"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "災害時対応についての患者教育は、地方自治体に任せるのではなく、平時薬局で行う必要がある。"} +{"problem_id": "104326", "problem_text": "55 歳女性。159 cm、60 kg。卵巣がんにて、パクリタキセル、カルボプラチン、ベバシズマブを用いた外来化学療法を施行している。来院日の臨床検査値から 判断して、医師はレノグラスチム注100 \\micro gを投与して、以下の処方を追加した。臨床検査値は、体温37.8^{\\circ} C、白血球数2\\times 10^{3}個/\\micro L、好中球40%(白血球百分率)、血清クレアチニン値 0.64 mg/dL、eGFR 74.0 mL/min/1.73 m^{2}であった。薬剤師はこの処方に疑義を抱いた。薬剤師が行う処方提案として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["セフカペンピボキシル塩酸塩錠100 mgを1回1錠、1日2回朝夕食後にする。", "セフカペンピボキシル塩酸塩錠100 mgを1回1錠、1日1回朝食後にする。", "レボフロキサシン錠250 mgを1回1錠、1日1回朝食後にする。", "レボフロキサシン錠500 mgを1回1錠、1日1回朝食後にする。", "シプロフロキサシン塩酸塩錠100 mgを1回2錠、1日2回朝夕食後にする。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "本症例では、がん化学療法に伴い、37.5^{\\circ} C以上の発熱及び好中球の減少(白血球数2000\\times 0.4=好中球数: 800/\\micro L)が認められていることから、がん化学療法による骨髄抑制に伴う発熱性好中球減少症(FN: febrile neutropenia)を起こしている可能性がある。\n好中球数が500/\\micro L未満、または1000/\\micro L未満で48時間以内に500/\\micro L未満に減少すると予測される状態でかつ腋窩温37.5^{\\circ} C以上(口腔内温38^{\\circ} C以上)の発熱を生じた場合を発熱性好中球減少症(FN: febrile neutropenia)と定義する。FNを起こしている可能性がある場合、FNを悪化させないために、ニューキノロン系抗菌薬の経口投与が推奨されていることから、本患者に対して、ニューキノロン系抗菌薬の経口投与する必要がある。本患者はeGFRが74.0 mL/min/1.73 m^{2}であることから、腎機能は正常である。このことから、本患者に対してニューキノロン系抗菌薬を減量することなく、使用することが可能であるため、「レボフロキサシン錠500 mgを1回1錠、1日1回朝食後にする。」「シプロフロキサシン塩酸塩錠100 mgを1回2錠、1日2回朝夕食後にする。」と処方変更を提案することが適切であると考えられる。"} +{"problem_id": "104327", "problem_text": "58歳男性。仕事が忙しくきちんと食事をとれていなかった。2日前から、下肢の筋肉けいれんが頻発するため病院を受診した。血液検査の結果、低カルシウム血症(血清カルシウム値7.0 mg/dL)であることが判明し、医師は下記の薬剤を処方した。処方に基づいて調製された輸液のカルシウム濃度(mEq/mL)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、グルコン酸カルシウム水和物の分子式は C_{12}H_{22}CaO_{14}・H_{2}O、分子量は448.4、カルシウムの原子量は40とする。", "choices": ["0.38", "0.19", "0.076", "0.038", "0.019"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "グルコン酸カルシウム水和物の分子量は448.4であることから、グルコン酸カルシウム注射液8.5% 1アンプル中に含まれるグルコン酸カルシウム水和物の物質量を以下のように求めることできる。グルコン酸カルシウム水和物の物質量=850 mg/448.4 g/mol=1.9 mmol\nグルコン酸カルシウム水和物の中には、カルシウムが1つ含まれているため、グルコン酸カルシウム注射液8.5% 1アンプル中に含まれるカルシウムは1.9 mmolであると考えられる。電解質量(mEq)は、「���ル濃度\\times 電荷」より算出することができるため、グルコン酸カルシウム注射液8.5% 1アンプル中に含まれるカルシウムの電解質量(mEq)を以下のように算出することができる。カルシウムの電解質量=カルシウムの物質量\\times カルシウムの電荷=1.9 mmol\\times 2=3.8 mEq\n本設問では、グルコン酸カルシウム注射液8.5% 1アンプル(10 mL)に生理食塩液を90 mL添加し、輸液を調製しているため、輸液の容積は100 mLとなる。このことから、処方に基づいて調製された輸液のカルシウム濃度(mEq/mL)は3.8 mEq/100 mL=0.038 mEq/mLとなる。"} +{"problem_id": "104328", "problem_text": "以下の薬剤の組合せのうち、両薬剤の服用時間をずらすことで併用可能なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["S-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合)カプセル+フルオロウラシル錠", "セフジニルカプセル+クエン酸第一鉄ナトリウム錠", "レボフロキサシン錠+酸化マグネシウム錠", "バルプロ酸Na徐放性顆粒+テビペネムピボキシル細粒", "リファンピシンカプセル+ボリコナゾール錠"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nS-1には、フルオロウラシルのプロドラッグであるテガフールとフルオロウラシルの代謝を抑制するギメラシルが含有されているため、S-1とフルオロウラシルと併用すると、フルオロウラシルの血中濃度が上昇し、副作用が現れやすくなる。両剤は併用禁忌とされており、服用時間をずらしても併用することはできない。2:正\nセフジニルとクエン酸第一鉄ナトリウムを併用すると、セフジニルと鉄が不溶性のキレートを形成し、セフジニルの吸収が低下するおそれがある。この相互作用は服用時間をずらすことにより回避することができる。3:正\nレボフロキサシンと酸化マグネシウムを併用すると、レボフロキサシンとマグネシウムが不溶性のキレートを形成し、レボフロキサシンの吸収が低下するおそれがある。この相互作用は服用時間をずらすことにより回避することができる。4:誤\nバルプロ酸Naとテビペネムピボキシルを併用すると、バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかん発作を再発するおそれがある。両剤は併用禁忌とされており、服用時間をずらしても併用することはできない。5:誤\nリファンピシンとボリコナゾールを併用すると、リファンピシンのCYP誘導作用によりボリコナゾールの代謝が促進し、血中濃度が低下するおそれがある。両剤は併用禁忌とされており、服用時間をずらしても併用することはできない。"} +{"problem_id": "104329", "problem_text": "術後の鎮痛目的のために使用されたフェンタニル注射液の空アンプル、麻薬施用票、残液の入った持続注入用バルーンポンプが薬剤部麻薬管理者に返却された。ポンプに貼付された薬剤ラベルには、下記の内容が表示されていた。ポンプ内の残液を取り出したところ、残液量は 120 mL であった。麻薬帳簿に記載するべき残液中のフェンタニル注射液0.1 mg/2 mLの量(mL)として正しい値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["2.4", "3.0", "4.2", "4.8", "7.2"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "<使用する前の鎮痛薬全量を求める>\nフェンタニル注射液 2 mL/A\\times 6A=12 mL\nドロペリドール注射液 2 mL\nロピバカイン塩酸塩水和物 286 mL\n上記より、使用する前の鎮痛薬全量は300 mLである。<鎮痛薬1 mLあたりのフェンタニル注射液の量を求める>\n鎮痛薬の全量が300 mL、フェンタニル注射液の全量が12 mLであることから、鎮痛薬1 mLあたりのフェンタニル注射液の量は12 mL/300 mL=0.04 mL/1 mL\n<残液中のフェンタニル注射液の量を求める>\n残液量が120 mLであることから、残液中のフェンタニル注射液の量は4.8 mL(120 mL\\times 0.04 mL/1 mL)となる。"} +{"problem_id": "104330", "problem_text": "68歳男性。以前より便通の異常を自覚していた。病院を受診し、精査の結果、大腸がんが判明し StageIVと診断された。病理検査の結果、RAS変異は陰性であった。また、UGT1A1* 6のホモ接合体であった。一次治療として、ベバシズマ ブ +CapeOX(カペシタビン+オキサリプラチン)療法が開始となった。薬剤師が行う薬学的関与として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ベバシズマブ投与���伴い、予防的な高血糖対策を実施するように医師に提案する。", "カペシタビン投与に伴い、手足症候群予防のために厚めの靴下を履くように患者に説明する。", "オキサリプラチン投与に伴い、冷たいものに触るとしびれを誘発することを患者に説明する。", "RAS 変異が陰性のため、ベバシズマブの開始用量の増量を提案する。", "UGT1A1の遺伝子解析結果から、カペシタビンの開始用量の減量を提案する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nベバシズマブは、重大な副作用として、高血圧性脳症、高血圧性クリーゼを起こすことがあるため、投与期間中は血圧を定期的に測定し、適切な処置を行うこととされている。2:正\nカペシタビン投与に伴い、手足症候群を誘発するおそれがあるため、投与期間中は厚めの靴下を履くように患者に説明する必要がある。3:正\nオキサリプラチン投与に伴い、末梢神経症状が現れるおそれがあるため、冷たいものに触るとしびれを誘発することを患者に説明する必要がある。4:誤\nベバシズマブは、RAS変異の有無によって投与量を変更することはない。なお、パニツムマブ及びセツキシマブを使用する際には、RAS変異の有無を確認してから投与する必要がある。5:誤\nカペシタビンは、UGT1A1の遺伝子解析の結果から、投与量を変更することはない。なお、イリノテカンを使用する際には、UGT1A1の遺伝子解析を行う必要がある。"} +{"problem_id": "104331", "problem_text": "以下のレジメンを肺がん患者(体表面積1.70 m^{2})に適用することになり、薬剤師がミキシングを行うこととなった。1バイアルあたり500 mg充填されているペメトレキセド(凍結乾燥品)を使用し、1バイアルあたり20 mLの生理食塩液で溶解する場合、ペメトレキセドの1日当たりの投与量(薬液量)として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["14 mL", "20 mL", "34 mL", "40 mL", "68 mL"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本剤を溶解するためには1バイアル(ペメトレキセド500 mg含有)あたり20 mLの生理食塩液が必要であることから、溶解後の薬液中のペメトレキセドの濃度は、25 mg/mLとなる。本患者の体表面積は1.70 m^{2}であることから、ペメトレキセドを850 mg(500 mg/m^{2}\\times 1.70 m^{2})に相当する薬液量34 mL(850 mg/25 mg/mL)を投与する必要がある。"} +{"problem_id": "104332", "problem_text": "12歳女児。アレルギー性鼻炎により耳鼻咽喉科を受診したところ、以下の薬剤が処方された。母親に確認したところ、錠剤を服用できないことがわかり、処方医に疑義照会を行い、ケトチフェンシロップ0.02%への処方変更を提案した。シロップ剤の1回量及び全量として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本患者には、1回1 mg(1回1錠\\times 1mg/錠)、全量14 mg(全量14錠\\times 1mg/錠)のケトチフェンが処方されている。ケトチフェンシロップ0.02%には、1 mL中にケトチフェンが0.2 mg含まれていることから、錠剤をシロップに変更すると1回5 mL(1mg/0.2 mg/mL)、全量70 mL(14 mg/0.2 mg/mL)のシロップが必要となる。"} +{"problem_id": "104333", "problem_text": "薬剤師が、インフリキシマブのバイオ後続品(バイオシミラー)の選定を任された。ある添付文書を読んだところ、有効成分に関する理化学的知見に以下の記載があった。「インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続 2]は、遺伝子組換えキメラモノクローナル抗体であり、マウス抗ヒト腫瘍壊死因子\\alpha モノクローナル抗体の可変部及びヒトIgG1定常部からなる。インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続 2]は、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続 2 ]は、450 個のアミノ酸残基からなる H 鎖(\\gamma 1鎖))2 本及び 214 個のアミノ酸残基からなる L 鎖(\\kappa 鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量: 約149,000)である。」 インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続 2]のロット間で、最も差があるのはどれか。1つ選べ", "choices": ["キメラモノクローナル抗体のタンパク質部分", "���ノクローナル抗体の可変部", "ヒトIgG1定常部", "450個のアミノ酸残基からなるH鎖", "糖鎖"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "バイオ後続品の有効成分は、分子量の大きい糖タンパク質であり、低分子化合物と異なり製造する際にロット間でバラツキが生じやすい。バイオ後続品において、その本質であるアミノ酸配列はロット間で同一であるが、糖鎖や不純物の割合がロット間で異なることがある。<参考>\nバイオ後続品とは、国内で既に有効成分含量医薬品として承認されたバイオテクノロジー応用医薬品と同等/同質の品質、安全性、有効性を有する医薬品として、異なる製造販売者により開発された医薬品のことである。"} +{"problem_id": "104334", "problem_text": "64歳男性。心房細動の診断で初めてワルファリンK錠を処方されて、近所の薬局にその処方箋を持参した。対応した薬剤師は、患者に初回質問表を記入してもらい、その内容は以下のとおりであった。初回質問票の項目1〜6のうち、薬物相互作用の観点からさらに詳しく確認することが必要な項目はどれか。1つ選べ。", "choices": ["項目1", "項目2", "項目3", "項目4", "項目5", "項目6"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "ワルファリンK錠は多くの薬物、健康食品と相互作用が報告されている。このことから、ワルファリンK錠の薬物相互作用の有無を確認するにあたり「他の病院や医院でもらっている薬」、「使用中の市販の薬」、「使用中の健康食品」を確認する必要がある。本問の初回質問表には、他の病院や医院でもらっている薬、使用中の市販の薬について具体的に記載されているが、健康食品の項目には、「栄養剤」と記載されているだけでどのような成分を含んでいるか特定することが難しい。このことから、項目3についてさらに詳しく確認する必要がある。"} +{"problem_id": "104335", "problem_text": "豪雨災害を受けた地域の避難所に薬剤師が医療チームの一員として派遣された。食中毒が懸念されており、手の消毒を推奨することになった。この避難所には下記の消毒剤が用意されていたが、希釈するための上水が不足していた。希釈をしないで使用できる消毒剤はどれか。2つ選べ。", "choices": ["ベンゼトニウム塩化物液(0.2 w/v%)", "クレゾール石ケン液(50 vol%)", "ベンザルコニウム塩化物液(0.05 w/v%)", "消毒用エタノール(80 vol%)", "クロルヘキシジングルコン酸塩液(5 w/v%)"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:手の消毒に使用するためには希釈が必要\nベンゼトニウム塩化物液を手指の消毒に用いる際の適切な濃度は「0.05〜0.1 w/v %」である。2:手の消毒に使用するためには希釈が必要\nクレゾール石ケン液を手指の消毒に用いる際の適切な濃度は「0.5〜1 vol%」である。3:希釈しないで使用できる\nベンザルコニウム塩化物液を手指の消毒に用いる際の適切な濃度は「0.05〜0.1 w/v %」である。4:希釈しないで使用できる\n消毒用エタノールを手指の消毒に用いる際の適切な濃度は「76.9〜81.4 vol%」である。5:手の消毒に使用するためには希釈が必要\nクロルヘキシジングルコン酸塩液を手指の消毒に用いる際の適切な濃度は「0.1〜0.5 w/v %」である。"} +{"problem_id": "104336", "problem_text": "クリニカルパスは、患者の状態と診療行為の目標及び評価・記録を含む標準診療計画であり、標準からの逸脱を分析することで医療の質を改善するために用いられる。クリニカルパスの目的に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医療プロセスの標準化", "在院日数の短縮", "医療情報の共有化", "患者ケアの質的向上", "医療安全の担保", "個別医療の実現"], "text_only": true, "answer": ["6"], "comment": "クリニカルパスとは、疾患ごとの診療基準となるスケジュール表のことである。クリニカルパスには、疾患ごとに治療・検査の内容やタイミング、患者の状態と診療行為の目標及び評価などがまとめられている。クリニカルパスを用いることにより医療情報の共有化、医療プロセスの標準化を行うことができ、それにより在院日数の短縮、患者ケアの質的向上、医療安全を担保することができる。なお、クリニカルパスは、患者が標準的な医療を受けることができるように作成されているものであり、個別医療を実現するために作成されているものではない。"} +{"problem_id": "104337", "problem_text": "6歳男児。体重20kg。歯科診療所で抜歯後、母親がこの男児の処方箋を薬局に持参した。男児はシロップ剤が苦手のため、母親は粉薬への変更を希望した。薬局にはアセトアミノフェン細粒20%がある。アセトアミノフェンシロップ 2%及び細粒20%の添付文書には、「通常、アセト アミノフェンとして、体重1 kgあたり1回10〜15 mgを経口投与する」と記載されている。本症例に対し、薬剤師が処方医に対して行う対応の中で適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アセトアミノフェンの1回量が過剰であることを疑義照会する。", "アセトアミノフェンの1回量が不足であることを疑義照会する。", "アセトアミノフェン細粒20%1回量2 g、5回分への変更提案をする。", "アセトアミノフェン細粒20%1回量1 g、5回分への変更提案をする。", "アセトアミノフェン細粒20%1回量0.5 g、5回分への変更提案をする。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "本患者は体重が20 kgであることから本患者に対する適切なアセトアミノフェンの1回投与量は200〜300 mg(10〜15 mg/kg\\times 20 kg)となる。本処方では、アセトアミノフェンシロップ2%(20 mg/mL)が1回8 mL処方されていることからアセトアミノフェン1回投与量は160 mg(20 mg/mL\\times 8 mL)となる。これらのことから、アセトアミノフェンの1回量が不足であると疑義照会する必要がある。本患者への適切な1回投与量は200〜300 mgであり、これを細粒20%(200 mg/g)に換算すると、1〜1.5 g(200〜300 mg/20%)となる。このことから、アセトアミノフェン細粒20%1回量1 g、5回分への変更提案をする必要がある。"} +{"problem_id": "104338", "problem_text": "73 歳男性。かすみ目を訴えて受診し、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。患者によると、以前、薬局で購入した一般用医薬品(第二類医薬品)八味丸が有効だった経験があり、医師にその空き箱を見せて相談したとのことであった。患者は両薬剤の違いについて気にしていた。八味丸と八味丸エキス顆粒の違いとして適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["八味丸の方が八味丸エキス顆粒より繊維質の含有量が多い。", "八味丸の方が八味丸エキス顆粒より全体量に対する水溶性成分が多い。", "八味丸の方が八味丸エキス顆粒より全体量に対する脂溶性成分が多い。", "八味丸エキス顆粒は構成生薬を粉末にし、混合して製造する。", "八味丸は八味丸エキス顆粒にハチミツを加えて丸くして製造する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "八味丸は生薬末製剤であり、八味丸エキス顆粒はエキス製剤である。八味丸は、構成生薬の粉末にハチミツを加えて丸くして製造する。それに対して、八味丸エキス顆粒は、構成生薬より得られる浸出液を濃縮または乾燥することにより製造する。1:正\n八味丸は構成生薬を細かく砕いて生薬末として使用しているため、浸出液より製造する八味丸エキス顆粒より多くの繊維質を含む。2:誤\n八味丸エキス顆粒は、抽出液を濃縮または乾燥することにより製造するため、八味丸に比べ水溶性成分を多く含む。それに対して、八味丸は浸出を行なっていないため、八味丸エキスに比べ脂溶性成分を多く含む。3:正\n4:誤\n前記参照\n5:誤\n前記参照"} +{"problem_id": "104339", "problem_text": "37 歳男性。身長 170 cm 体重 62 kg。食道狭窄及び消化管出血のため絶食となり、高カロリー輸液の投与が開始された。他に投与されている薬剤はない。この処方を監査した薬剤師が、医師に照会すべき内容として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["投与水分量の不足", "味覚障害の発症", "投与ナトリウム量の不足", "偽アルドステロン症の発症", "乳酸アシドーシスの発症"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n糞便中の水分量と代謝水はほぼ等しいため、尿量と不感蒸泄の和が必要な水分量となる(1日の体重あたりに必要な水分量: 30〜35 mL/kg/日)。本患者の体重は62 kgであることから、本患者に必要な1日の水分量は約2000 mLとなる。本患者は処方1)、処方2)により2,100mLの水分が補給されているため、投与水分量は適切であ��と考えられる。2:誤\n高カロリー輸液に亜鉛が含まれていないと、亜鉛不足による味覚障害を誘発する可能性がある。本処方には、処方1)に高カロリー輸液用微量元素製剤が含まれているため、亜鉛不足による味覚障害を発症する可能性は低いと考えられる。3:正\n高カロリー輸液療法における1日の体重あたりのナトリウムの投与量のめやすは、1〜2 mEq/kgとされている。本患者の体重は62 kgであることから、本患者に必要な1日のナトリウム量は約60〜120 mEqとなる。本患者は、総合アミノ酸製剤により1.20 mEqのナトリウムが補給されているため、ナトリウム量は不足していると考えられる。4:誤\n偽アルドステロン症は、主にカンゾウ(有効成分: グリチルリチン)により誘発される。本処方には、グリチルリチンは含有されていないため、偽アルドステロン症を発症する可能性は低いと考えられる。5:誤\n高カロリー輸液にビタミンB_{1}が含まれていないと、乳酸アシドーシスを発症する。本処方には、処方1)に高カロリー輸液用総合ビタミン剤が含まれているため、ビタミンB_{1}不足による乳酸アシドーシスを発症する可能性は低いと考えられる。"} +{"problem_id": "104340", "problem_text": "がんと診断され手術と化学療法を予定している患者がいる。緩和ケアはいつから始めるのが適切か。1つ選べ。", "choices": ["がんと診断された時", "手術終了時", "化学療法開始時", "化学療法による副作用発現時", "ターミナルケア開始時"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "がんと診断され手術と化学療法を予定している患者は、社会的苦痛(仕事上の問題、経済的な問題など)や精神的苦痛(不安、恐れ、いらだちなど)を感じている可能性があるため、がんと診断された時から、緩和ケアを始めるのが適切であると考えられる。<緩和ケアとは>\n緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者の痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、苦しみを予防し、和らげることで、生活の質(QOL)を改善するアプローチのことである。"} +{"problem_id": "104341", "problem_text": "82 歳女性。介護保険施設に入所中に転倒し、大腿骨頚部骨折により病院に入院となった。薬剤師は、患者が持参した薬剤の継続について医師から相談を受けた。患者は、アムロジピン、カンデサルタン、レバミピド、アトルバスタチン、センノシドを服用中であった。既往歴: 高血圧症、脂質異常症、便秘症 検査情報 血圧 112/62 mmHg、心拍数 68 回/分 LDL-C 88 mg/dL、HDL-C 43 mg/dL、TG 113 mg/dL 薬剤師は、本患者の生命予後に関して、文献のデータを参考に検討した。降圧剤の多剤併用の有無及び収縮期血圧が患者生存率に及ぼす影響 (出典) Treatment With Multiple Blood Pressure Medications, Achieved Blood Pressure, and Mortality in Older Nursing Home Residents : The PARTAGE Study,JAMA Intern Med. 2015 ; 175 (6):989-995 より引用改変。予後の改善が期待できるとして、薬剤師が医師に伝えた次の内容のうち、優先順位が最も高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アムロジピンを中止する。", "アトルバスタチンを中止する。", "アムロジピンとカンデサルタンの両剤を同時に中止する。", "アムロジピンとカンデサルタンの合剤に変更する。", "現在の治療を継続する。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "設問の図(カプランマーヤー曲線)より、以下のことを読み取ることができる。本患者は、収縮期血圧が112 mmHgと低く、血圧の薬を2つ(アムロジピン、カンデサルタン)を服用していることから、「アムロジピンを中止する」ことで予後改善を期待できる。"} +{"problem_id": "104342", "problem_text": "42 歳男性。数年前からのひきこもりと統合失調症で、以下の薬剤が処方されている。服用回数が多いため、アドヒアランスの観点からリスペリドン細粒 1%の1剤に変更したいと処方医から相談を受けた。薬剤師は、下記のクロルプロマジン換算値のデータを用い、リスペリドン細粒 1%への換算を検討した。リスペリドン細粒1%の1日当たりの投与製剤量(g)として正しいのはどれか。1つ選へ��。", "choices": ["0.26", "0.46", "2.6", "4.6", "6.44", "64.4"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "<クロルプロマジン塩酸塩をリスペリドンに換算する>\n設問の表よりクロルプロマジン塩酸塩100 mgはリスペリドン1 mgに相当する。本患者はクロルプロマジン塩酸塩を1日当たり300 mg(50 mg /錠\\times 6錠)服用していることから、1日当たりリスペリドン3 mg相当量のクロルプロマジン塩酸塩を服用している。<オランザピンをリスペリドンに換算する>\n設問の表よりオランザピン2.5 mgはクロルプロマジン塩酸塩100 mgに相当する。本患者はオランザピンを1日当たり 4 mg(1%\\times 0.4 g)服用していることから、1日当たりクロルプロマジン塩酸塩160 mg相当量のオランザピンを服用している。また、設問の表よりクロルプロマジン塩酸塩100 mgはリスペリドン1 mgに相当するため、本患者は1日当たりリスペリドン1.6 mg相当量のオランザピンを服用している。<リスペリドン細粒1%の1日当たりの投与製剤量(g)を求める>\n上記より、本患者は1日当たりリスペリドン4.6 mg相当の医薬品を服用している。このことから、リスペリドン細粒1%の1日当たりの投与製剤量(g)は0.46g(4.6 mg/1%=460 mg=0.46 g)となる。"} +{"problem_id": "104343", "problem_text": "45歳男性。腎移植術2日前よりタクロリムスカプセルを1日1回10 mg服用し、術後はタクロリムス注射液を投与されている。この患者におけるタクロリムスのTDMについて適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["術後1週間程度は頻回に測定する。", "術前に最低1回は TDM を行う。", "TDM には血漿を用いる。", "タクロリムスの投与2時間後に採血する。", "退院後は有効血中濃度の上限を目標とする。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n採血の測定頻度\n術後1週間程度は頻回に測定する。その後、退院まで週に2〜3回、退院後3ヶ月目まで月に2回程度、3ヶ月以降は月に1〜2回の頻度でモニタリングを行う。2:正\n移植前から本剤を投与しているため、移植日当日の術前値からモニタリングを開始する。3:誤\nタクロリムスのTDMでは、全血を用いる。<全血を用いる理由>\n通常、血中濃度の測定には血漿あるいは血清が用いられる。ただ、シクロスポリンとタクロリムスについては放置時間、温度により血球に分布する薬物の割合が変化するため、全血を用いて、血中濃度測定を行う。4:誤\nトラフ値測定用の採血は、一般製剤(1日2回タイプの製剤)の場合は、次回服用迄の1時間以内に実施することが望ましい。また、徐放性製剤(1日1回タイプの製剤)の場合は、次回服用迄の2時間以内に実施することが望ましい。5:誤\n手術後は高いトラフ値を保ちながら治療するが、時間の経過とともにトラフ値を低下させていく。"} +{"problem_id": "104344", "problem_text": "薬剤師が ICU に常駐して業務を行うため、汎用される医薬品について注意点をまとめることにした。その内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プロポフォール注射剤は、小児の人工呼吸中鎮静には投与できない。", "手術のため中止した抗血栓薬は、ICU 入室中は再開できない。", "アドレナリン注射剤は、心停止の際に使用する。", "プロトンポンプインヒビターは、常に投与する。", "モルヒネ塩酸塩注射液が保管してある金庫にロクロニウム臭化物注射液を保管する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nプロポフォール注射液の添付文書には、下記のように記載されている。集中治療における人工呼吸中の鎮静においては、小児等には投与しないこと。[因果関係は不明であるが、外国において集中治療中の鎮静に使用し、小児等で死亡例が報告されている。]\n2:誤\n手術後、抗血小板薬による出血傾向が問題とならない場合には、ICU入室中でも抗血小板薬を再開することができる。3:正\n4:誤\nICU入室患者のうち、出血のリスクが高い患者に対しては、急性ストレス性潰瘍及び急性胃粘膜病変による出血を予防する目的で、プロトンポンプインヒビターを用いることが推奨されている。ICU入室患者にプロトンポンプインヒビターを用いると、急性ストレス性潰瘍及び急性胃粘膜病変による出血を予防することができるが、肺炎を起こすなどのリスクを伴う。そのため、出血のリスクが低い患者に対しては、プロトンポ���プインヒビターを用いないこともある。5:誤\nモルヒネ塩酸塩注射液は麻薬であり、ロクロニウム臭化物注射液は毒薬である。麻薬及び毒薬は同じ場所に保存することはできない。・麻薬の保管\n麻薬と覚せい剤は鍵のかかる堅固な施設に保管することができる。・毒薬の保管\n他のものと区別し常に施錠して保管しなければならない。"} +{"problem_id": "104345", "problem_text": "75歳男性。骨粗しょう症と脂質異常症の既往があり、アレンドロン酸錠35 mgとロスバスタチン錠2.5 mgを服用中であった。半年前から残尿感の自覚と尿勢の低下を認めていた。検診で、前立腺特異抗原(PSA)が37.18 ng/mLであった。精密検査の結果、前立腺がんの診断を受け、ホルモン療法が開始された。主に初回投与初期に出現する副作用はどれか。1つ選べ", "choices": ["ほてり", "LDL コレステロール値の上昇", "血栓塞栓症", "骨密度の低下", "うつ状態"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本剤の前立腺癌に対する投与初期では、ほてりなどの症状が現れやすいとされている。"} +{"problem_id": "105001", "problem_text": "以下のガラス器具のうち、溶質を溶媒に溶かして正確に一定の液量の溶液を調製するために用いられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "溶質を溶媒に溶かして正確に一定の液量の溶液を調製するために用いられるガラス器具は、選択肢2のメスフラスコである。なお、選択肢1(ホールピペット)、選択肢3(メスシリンダー)、選択肢4(有栓メスシリンダー)、選択肢5(メートグラス)は、液体の体積を量り取るためのガラス器具である。"} +{"problem_id": "105002", "problem_text": "日本薬局方アスピリンの逆滴定による定量法で使用する標準液で、ファクター値が必要なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["0.1 mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液", "0.1 mol/L硝酸銀液", "0.5 mol/L水酸化ナトリウム液", "0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液", "0.25 mol/L 硫酸"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "逆滴定では、「対応量」、「本試験と空試験における逆滴定用標準液の消費量の差」、「逆滴定用標準液のファクター」の積より含量を求める。含量=対応量\\times (空試験の消費量-本試験の消費量)\\times 逆滴定用標準液のファクター\nまた、日本薬局方アスピリンの定量では、逆滴定用標準液として、0.25 mol/Lの硫酸が用いられる。これらのことから、日本薬局方アスピリンの逆滴定による定量法で使用する標準液で、ファクター値が必要なのは、選択肢5(0.25 mol/L 硫酸)である。"} +{"problem_id": "105003", "problem_text": "次の原子のうち、核スピンをもたない(核スピン量子数=0)のはどれか。1つ選べ。", "choices": ["^{1}H", "^{12}C", "^{13}C", "^{14}N", "^{15}N"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "核スピン量子数は、質量数、原子番号の関係より経験的に以下のような値を示す。"} +{"problem_id": "105004", "problem_text": "元素の原子量をH=1.0079、C=12.0107、O=15.9994、Pb=207.2とするとき、酢酸鉛(II)の式量の有効数字の桁数として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["3", "4", "5", "6", "7"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "酢酸鉛(II)Pb(CH_{3}COO)_{2}の式量は、構成元素の原子量の和より求めることができる。有効数字を考慮した測定値の加減計算では、それぞれの数値の中で小数点以下の桁数が最も少ない数値に支配される。これらのことから、酢酸鉛(II)の式量の有効数字の桁数は、構成元素のうち小数点以下の桁数が最も少ないPb(式量: 207.2)と同様の4桁となる。"} +{"problem_id": "105005", "problem_text": "混合物中の一つの成分の化学ポテンシャルは、圧力と温度が一定の条件下、混合物中にその成分を1mol加えたときの、系全体の「:::」の変化量として定義される。「:::」にあてはまる熱力学量はどれか。1つ選べ。", "choices": ["内部エネルギー", "エンタルピー", "エントロピー", "ギブズエネルギー", "ホルムヘルツエネルギー"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "化学ポテンシャルは、系を構成するある成分1モル当たりの定温・定圧下でのギブズエネルギーのことである。1:誤\n内部エネルギーは、熱力学で用いられる状態関数であり、物体内部エネルギーを表す。2:誤\nエンタルピーは、熱力学で用いられる状態関数であり、熱含量を表す。3:誤\nエントロピーは、熱力学で用いられる状態関数であり、乱雑さを表す。4:正\n5:誤\nホルムヘルツエネルギーは、熱力学で用いられる状態関数であり、定温・定容下での自発的変化の方向、平衡条件等を表す。"} +{"problem_id": "105006", "problem_text": "メチルカチオンのルイス構造式として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "ルイス構造式とは、元素記号の周りに内殻電子を無視して最外殻電子を点「・」で表した化学構造式のことである。メチルカチオン(CH_{3}^{+})をルイス構造式で表すと、選択肢4となる。"} +{"problem_id": "105007", "problem_text": "以下に示す薬物のIUPAC名として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "化合物を命名する際、主たる官能基を含む最長の炭素鎖を主鎖とし、「その他の官能基(接頭語)+主鎖+主たる官能基(接尾語)」の形で命名する。IUPAC命名法の官能基の優先順位は以下のようになっている。アンモニウム(-N^{+}R_{3})>カルボン酸(-CO_{2}H)>エステル(-COOR)>アミド(-CONHR)>ニトリル(-CN)>アルデヒド(-CHO)>ケトン(-CO-)>アルコール(-OH)>チオール(-SH)>アミン(-NH_{2})\n●設問の構造の命名\n設問の構造には、「-OH」が含まれているため、主たる官能基はアルコールとなる。また、1位の炭素にフェニル基が結合しているため、主鎖は1-phenylpropan-1-olとなり、2位の炭素にメチルアミノ基が結合しているため、2-Methylamino-1-phenylpropan-1-olとなる。1位の炭素及び2位の炭素は不斉炭素であり、共にS体であることから、設問の構造は、(1S,2S)-2-Methylamino-1-phenylpropan-1-olとなる。"} +{"problem_id": "105008", "problem_text": "下線部で示した化合物のうち、塩素原子の酸化数が+1なのはどれか。1つ選べ。_{(}_{a}_{)}次亜塩素酸ナトリウムは漂白剤として用いられる化合物の1つである。その水溶液に_{(}_{b}_{)}塩酸を加えると_{(}_{c}_{)}塩化ナトリウムを生じると同時に有害な_{(}_{d}_{)}塩素ガスを発生する。また、次亜塩素酸ナトリウムを40〜50^{\\circ} Cで保存すると、塩化ナトリウム及び爆発性をもつ_{(}_{e}_{)}塩素酸ナトリウムを生じる。", "choices": ["a", "b", "c", "d", "e"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "<化合物中の原子の酸化数の求め方>\n①: 単体(水素ガスや黒鉛など)を構成する原子の酸化数は「0」である。②: 化合物中の水素原子の酸化数は「+1」である。③: 化合物中の酸素原子の酸化数は「-2」である。④: 中性分子の分子全体の酸化数は「0」であり、成分原子の酸化数の総和と等しい。⑤: 単原子イオンの酸化数は、そのイオンの価数と等しい。⑥: 多原子イオン全体の酸化数は、成分原子の酸化数の総和に等しく、そのイオンの価数と等しい。⑦: A-Bの結合における、A、Bの酸化数\n電気陰性度: A=Bのとき、「A、B: 0」\n電気陰性度: A>Bのとき、「A: -1、B: +1」\n上記のルールより、選択肢に含まれる塩素の酸化数を下記のように求めることができる。1:正\nNaClO(次亜塩素酸ナトリウム)\n電気陰性度: Na心疾患(15.1%)>肺炎(9.1%)>脳血管疾患(8.4%)>老衰(7.1%)>不慮の事故(2.9%)>腎不全(1.9%)>自殺(1.6%)…他となている。"} +{"problem_id": "105022", "problem_text": "Ames試験に用いられる微生物の菌株はどれか。1つ選べ。", "choices": ["トリプトファン要求性酵母変異株", "トリプトファン要求性大腸菌変異株", "トリプトファン要求性ネズミチフス菌変異株", "ヒスチジン非要求性ネズミチフス菌変異株", "ヒスチジン要求性ネズミチフス菌変異株"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "Ames試験では、Salmonella Typhimuriumのヒスチジン要求性変異株に被検化合物を加えて培養し、ヒスチジン非要求性株への復帰突然変異の出現の有無により被検化合物の遺伝毒性を検出する。"} +{"problem_id": "105023", "problem_text": "図に示した\\alpha -トコフェロールの構造において、ラジカル捕捉作用を示す部位はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "\\alpha -トコフェロールは、フェノール性連鎖防止剤であり、脂質の自動酸化に際して生成するペルオキシラジカルにフェノール性水酸基(選択肢1)にある水素を供与して、自身が酸化されることによりラジカル連鎖反応を断ち切り、油脂の自動酸化を阻止する。"} +{"problem_id": "105024", "problem_text": "化審法^{*}において、化学物質が生物濃縮を受けやすいかどうかを調べるのに適した試験はどれか。1つ選べ。^{*}化審法: 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律", "choices": ["マウスを用いた単回投与毒性試験", "ヒメダカを用いた急性毒性試験", "ミジンコを用いた急性遊泳阻害試験", "活性汚��を用いた微生物分解度試験", "1-オクタノール/水分配係数測定試験"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nマウスを用いた単回投与毒性試験は、被験物質を単回投与したときの毒性を明らかにする試験である。2:誤\nヒメダカを用いた急性毒性試験は、動物の半数致死率を求める試験である。3:誤\nミジンコを用いた急性遊泳阻害試験は、ミジンコの遊泳に対する被験物質の毒性を明らかにする試験である。4:誤\n活性汚泥を用いた微生物分解度試験は、微生物による被験物質の分解の程度を明らかにするための試験である。5:正\n1-オクタノール/水分配係数測定試験は、被験物質の脂溶性を明らかにする試験であるため、化学物質が生物濃縮を受けやすいかどうかを調べるのに適した試験である。"} +{"problem_id": "105025", "problem_text": "生物化学的酸素要求量(BOD)を測定する際に用いる試験法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ウインクラー法", "酸性高温過マンガン酸法", "オルトフェナントロリン法", "重量法", "インドフェノール法"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "生物化学的酸素要求量(BOD)の測定には、ウインクラー法が用いられる。1:正\n2:誤\n酸性高温過マンガン酸法は、化学的酸素要求量(COD)の測定に用いられる。3:誤\nオルトフェナントロリン法は、Fe^{2+}の測定に用いられる。4:誤\n重量法は、浮遊粒子状物質の測定に用いられる。5:誤\nインドフェノール法は、アンモニア、アンモニアイオンの定量に用いられる。"} +{"problem_id": "105026", "problem_text": "アゴニストの作用点に結合するが、受容体の恒常的活性を減弱させるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["非受容体アンタゴニスト", "部分アゴニスト", "逆アゴニスト", "競合的アンタゴニスト", "非競合的アンタゴニスト"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "一部の薬物受容体には、アゴニストが結合しなくても、恒常的に活性化して反応を示しているものがある。そのような受容体に対してある化合物が結合すると、その恒常的活性化が阻害されることがある。そのような現象を引き起こす化合物を逆アゴニスト(インバースアゴニスト)という。"} +{"problem_id": "105027", "problem_text": "強酸性下でも活性を示すため、胃炎や消化性潰瘍に用いられる局所麻酔薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["オキセサゼイン", "プロカイン", "メピバカイン", "ブピバカイン", "レボブピバカイン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "強酸性下でも活性を示すため、胃炎や消化性潰瘍に用いられる局所麻酔薬は、「オキセサゼイン」である。なお、オキセサゼインは、局所麻酔作用のほか、ガストリン遊離抑制作用、胃酸分泌抑制作用、胃腸管蠕動運動抑制作用を有する。"} +{"problem_id": "105028", "problem_text": "腎臓の傍糸球体細胞で、レニン分泌を抑制する機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激", "アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断", "アドレナリン\\alpha _{2}受容体遮断", "アドレナリン\\beta _{1}受容体刺激", "アドレナリン\\beta _{1}受容体遮断"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "レニン分泌には腎臓の傍糸球体細胞のアドレナリン\\beta _{1}受容体が関与しており、この受容体が遮断されると、レニン分泌が抑制される。"} +{"problem_id": "105029", "problem_text": "図は自律神経節における節後線維の細胞体の膜電位変化を示す。速い興奮性シナプス後電位に関わるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ムスカリン性アセチルコリン受容体", "ニコチン性アセチルコリン受容体", "電位依存性Ca^{2+}チャネル", "電位依存性K^{+}チャネル", "電位依存性 Na^{+}チャネル"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "自律神経節では、アセチルコリンにより興奮伝達が行われる。節前線維から遊離されたアセチルコリンは、節後ニューロンの細胞膜上に存在するニコチン性アセチルコリン受容体(Naチャネル内蔵型)を刺激する。それにより速い興奮性シナプス後電位が発生し、興奮が伝わる。"} +{"problem_id": "105030", "problem_text": "セロトニン5-HT_{1B /1D}受容体を刺激する片頭痛治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ロメリジン", "チザニジン", "スマトリプタン", "バクロフェン", "デュロキセチン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "セロトニン5-HT_{1B /1D}受容体を刺激する片頭痛治療薬は選択肢3(スマトリプタン)である。1:誤\nロメリジンは、カルシウム拮抗薬であり、片頭痛発作の予防に用いられる。2:誤\nチザニジンは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体刺激薬であり、筋弛緩薬として用いられる。3:正\n4:誤\nバクロフェンは、GABA_{B}刺激薬であり、筋弛緩薬として用いられる。5:誤\nデュロキセチンは、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬であり、抗うつ薬、疼痛緩和薬として用いられる。"} +{"problem_id": "105031", "problem_text": "ベンゾジアゼピン骨格を有し、筋弛緩作用に基づく転倒などの副作用が少ない催眠薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["クアゼパム", "ゾルピデム", "ゾピクロン", "リルマザホン", "トリアゾラム"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "選択肢のうち、ベンゾジアゼピン骨格を有する催眠薬は、クアゼパムとトリアゾラムである。このうち、クアゼパムは、ベンゾジアゼピン受容体のサブタイプであるω_{1}受容体への選択性が認められており、筋弛緩作用が弱く、ふらつきや転倒などの副作用を起こしにくい。なお、ゾルピデムは、ベンゾジアゼピン骨格を有していないが、ベンゾジアゼピン受容体のサブタイプであるω_{1}受容体への選択性が認められており、筋弛緩作用が弱く、ふらつきや転倒などの副作用を起こしにくい。"} +{"problem_id": "105032", "problem_text": "抗不安作用とともに、ヒスタミンH_{1}受容体の遮断により抗アレルギー作用をあわせもつのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エチゾラム", "ヒドロキシジン", "エスシタロプラム", "タンドスピロン", "クロルジアゼポキシド"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "抗不安作用とともに、ヒスタミンH_{1}受容体の遮断により抗アレルギー作用をあわせもつのは「ヒドロキシジン」である。1:誤\nエチゾラムは、ベンゾジアゼピン系薬であり、GABA_{A}受容体の感受性を高めることで抗不安作用を示す。2:正\n3:誤\nエスシタロプラムは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬であり、セロトニンの再取り込みを抑制することにより抗うつ作用、抗不安作用を示す。4:誤\nタンドスピロンは、セロトニン5-HT_{1A}受容体刺激作用により抗不安作用を示す。5:誤\nクロルジアゼポキシドは、ベンゾジアゼピン系薬であり、GABA_{A}受容体の感受性を高めることで抗不安作用を示す。"} +{"problem_id": "105033", "problem_text": "Rhoキナーゼを阻害して血管平滑筋を弛緩させるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ニコランジル", "タダラフィル", "ファスジル", "ロメリジン", "リオシグアト"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "Rhoキナーゼを阻害して血管平滑筋を弛緩させるのは「ファスジル」である。1:誤ニコランジルは、一酸化窒素遊離作用とATP感受性K^{+}チャネル開口作用により血管平滑筋を弛緩させる。2:誤\nタダラフィルは、ホスホジエステラーゼVを阻害し、cGMP濃度を上昇させることにより血管平滑筋を弛緩させる。3:正\n4:誤\nロメリジンは、細胞内へのカルシウムの流入を抑制することにより血管平滑筋を弛緩させる。5:誤\nリオシグアトは、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化し cGMP濃度を上昇させることにより血管平滑筋を弛緩させる。"} +{"problem_id": "105034", "problem_text": "IL-6(インターロイキン-6)受容体に対するモノクローナル抗体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アダリムマブ", "バシキリキマブ", "インフリキシマブ", "トシリズマブ", "ゴリムマブ"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "IL-6(インターロイキン-6)受容体に対するモノクローナル抗体は、トシリズマブである。なお、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブは、TNF-\\alpha に対するモノクローナル抗体であり、バシリキシマブは、IL-2受容体\\alpha 鎖(CD25)に対するモノクローナル抗体である。"} +{"problem_id": "105035", "problem_text": "K^{+}と競合してH^{+},K^{+}-ATPaseを可逆的に阻害し、胃酸分泌を抑制するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エソメプラゾール", "ラフチジン", "ピレンゼピン", "ボノプラザン", "ポラプレジング"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "K^{+}と競合してH^{+},K^{+}-ATPaseを可逆的に阻害し、胃酸分泌を抑制するのは、「ボノプラザン」である。1:誤\nエソメプラゾールは、H^{+},K^{+}-ATPaseに非可逆的に結合することにより胃酸分泌を抑���する。2:誤\nラフチジンは、ヒスタミンH_{2}受容体を遮断することにより胃酸分泌を抑制する。3:誤\nピレンゼピンは、ムスカリンM_{1}受容体を遮断することにより胃酸分泌を抑制する。4:正\n5:誤\nポラプレジンクは、胃粘膜損傷部位に親和し、抗酸化作用、膜安定化作用により胃粘膜保護作用を示す。"} +{"problem_id": "105036", "problem_text": "メテノロンのタンパク同化作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アロマターゼ阻害", "エストロゲン受容体刺激", "ペルオキシダーゼ阻害", "バソプレシンV_{2}受容体刺激", "アンドロゲン受容体刺激"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "メテノロンは、アンドロゲン受容体を刺激することによりタンパク同化作用を示す。"} +{"problem_id": "105037", "problem_text": "アドレナリン\\alpha _{1}、\\alpha _{2}及び\\beta _{1}受容体に作用し、\\beta _{2}受容体及びドパミンD_{1}受容体にはほとんど作用しないのはどれか。1つ選べ", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "アドレナリン\\alpha _{1}、\\alpha _{2}及び\\beta _{1}受容体に作用し、\\beta _{2}受容体及びドパミンD_{1}受容体にはほとんど作用しないのは、選択肢3のノルアドレナリンである。1:誤\nドパの構造であり、ドパミンの前駆物質である。2:誤\nドパミンの構造であり、アドレナリン\\alpha 1及び\\beta 1受容体刺激作用、ドパミンD1受容体刺激作用を有する。3:正\n4:誤アドレナリンの構造であり、アドレナリン\\alpha _{1}、\\alpha _{2}、及び\\beta _{1}、\\beta _{2}受容体刺激作用を有する。5:誤イソプレナリンの構造であり、アドレナリン\\beta _{1}、\\beta _{2}受容体刺激作用を有する。"} +{"problem_id": "105038", "problem_text": "脂肪組織でのTG(トリグリセリド)の分解を阻害して肝臓への遊離脂肪酸の取込みを抑制し、肝臓におけるVLDL(超低密度リポタンパク質)の産生を低下させるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ニコモール", "アトルバスタチン", "コレスチラミン", "イコサペント酸エチル", "クロフィブラート"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "脂肪組織でのTG(トリグリセリド)の分解を阻害して肝臓への遊離脂肪酸の取込みを抑制し、肝臓におけるVLDL(超低密度リポタンパク質)の産生を低下させるのは「ニコモール」である。1:正\n2:誤\nアトルバスタチンは、肝細胞でHMG-CoA(ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA)からメバロン酸への変換酵素(HMG-CoA還元酵素)を阻害することで、コレステロールの産生を抑制する。3:誤\nコレスチラミンは、陰イオン交換樹脂であり、消化管内で胆汁酸を吸着し胆汁酸の再吸収を阻害することによりコレステロールの再吸収を抑制する。4:誤\nイコサペント酸エチルは、リポタンパクリパーゼ(LPL)を活性化し、トリグリセリドの分解を促進することにより血清トリグリセリドを低下させる。5:誤\nクロフィブラートは、脂肪細胞のPPAR\\alpha (ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\alpha )を刺激することで、リポタンパクリパーゼの活性を高め、トリグリセリドの加水分解を促進する。"} +{"problem_id": "105039", "problem_text": "RANKL(NF-\\kappa B活性化受容体リガンド)に特異的に結合し、破骨細胞による骨吸収を抑制するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メナテトレノン", "デノスマブ", "エルカトニン", "テリパラチド", "エルデカルシトール"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "RANKL(NF-\\kappa B活性化受容体リガンド)に特異的に結合し、破骨細胞による骨吸収を抑制するのは、「デノスマブ」である。1:誤\nメナテトレノンは、ビタミンK_{2}製剤であり、オステオカルシン(骨基質タンパク質)のグルタミン酸残基のカルボキシ化を介して、\\gamma -カルボキシグルタミン酸残基を生成することにより骨形成を促進する。2:正\n3:誤\nエルカトニンは、カルシトニン受容体に結合し、骨吸収を抑制する。4:誤\nテリパラチドは、遺伝子組換え副甲状腺ホルモン製剤であり、前駆細胞から骨芽細胞への分化促進、骨芽細胞のアポトーシスを抑制することにより骨形成を促進する。5:誤\nエルデカルシトールは、活性型ビタミンD_{3}誘導体であり、小腸でのカルシウムの吸収を促進し、血中カルシウム濃度を上昇させるとともに破骨細胞の形成を抑制する。"} +{"problem_id": "105040", "problem_text": "抗悪性腫瘍薬ノギテカンの作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["トポイソメラーゼI阻害", "トポイソメラーゼII阻害", "微小管タンパク質重合促進", "ピリミジン代謝拮抗", "葉酸代謝拮抗"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "通常、I型トポイソメラーゼがDNAを開裂させることによりDNAの複製が可能となる。ノギテカンは、DNA-I型トポイソメラーゼ複合体に結合し、I型トポイソメラーゼ作用を阻害することによりDNAの複製を阻害する。"} +{"problem_id": "105041", "problem_text": "弱酸性薬物について、pH分配仮説に従った消化管吸収を表す図はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "pH分配仮説は、単純拡散による膜透過に関する仮説であり、薬物の生体膜透過について、分子形は脂溶性が高いため脂質二重層を通過できるが、イオン形は水溶性が高いため脂質二重層を通過できないというものである。上記より、pH分配仮説に従った消化管吸収を表す図は、分子形が脂質二重層を通過しており、イオン形が脂質二重層を通過していないもの(選択肢1)が適切であると考えられる。"} +{"problem_id": "105042", "problem_text": "図は脳毛細血管の断面を模式的に示したものである。1〜6のうち、P-糖タンパク質の局在と機能を表すのはどれか。1つ選べ。ただし、矢印は薬物の輸送方向を示す。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "脳毛細血管において、P糖タンパク質は血管側に発現しており、脳毛細血管内皮細胞に移行してきた薬物の血液側への輸送に関与している。このことから、設問の図の2がP糖タンパク質を示していると考えられる。"} +{"problem_id": "105043", "problem_text": "薬物代謝における第II相反応はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルキル化", "加水分解", "還元", "酸化", "抱合"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬物代謝における第II相反応は、第I相反応の酸化、還元、加水分解で導入または形成された官能基や薬物が有する官能基に生体成分を抱合する反応である。"} +{"problem_id": "105044", "problem_text": "CYP3A4の活性を不可逆的に阻害するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イソニアジド", "エリスロマイシン", "シメチジン", "ファモチジン", "リファンピシン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "CYP3A4の活性を不可逆的に阻害するのは、「エリスロマイシン」である。14員環のマクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、クラリスロマイシン)は、CYPによる代謝を受けて高い反応性を有する代謝物へと変換される。これら代謝物がCYP分子の活性中心に共有結合すると、その酵素は不可逆的に不活性化される。"} +{"problem_id": "105045", "problem_text": "図の1〜5のうち、イヌリンの血漿中濃度と腎クリアランスとの関係を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "イヌリンの腎クリアランスは、血漿中濃度が変化しても、ほぼ一定の値を示す。これはイヌリンが血漿タンパク質にほとんど結合せず、糸球体濾過のみで尿中に排泄させるからである。"} +{"problem_id": "105046", "problem_text": "体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う薬物について、静脈内投与時の投与量に等しいのはどれか。1つ選べ。ただし、このときの血中濃度時間曲線下面積をAUCとし、全身クリアランスはCL_{tot}、分布容積はV_{d}とする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "全身クリアランスCL_{tot}は、体内に移行した未変化体総量X_{0}と血中濃度時間曲線下面積AUCより求めることができる。静脈内投与時、投与した薬物は全て体内に移行するため、「投与量=体内に移行した未変化体総量X_{0}」となる。このことから、静脈内投与時における投与量を全身クリアランスと血中濃度時間曲線下面積の積より求めることができる。"} +{"problem_id": "105047", "problem_text": "体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う薬物を、消失半減期ごとに同量繰り返し投与した場合の蓄積率はどれか。1つ選べ。", "choices": ["1.3", "1.5", "1.7", "2.0", "4.0"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "蓄積率とは、同じ投与量を同じ間隔で繰り返し投与した場合、定常状態の血中濃度が、単回投与したときの何倍まで蓄積するかを表した値であり、消失速度定数k_{e}と投与間隔\\tau より下記の式���ら求めることができる。また、消失速度定数を下記の式で表すことができる。これらのことから、半減期と投与間隔より蓄積率を計算すると下記のようになる。"} +{"problem_id": "105048", "problem_text": "濃度0.01 mol/kgの水溶液にしたとき、凝固点降下度が最も大きいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["D-グルコース", "_{L}-アスコルビン酸", "_{L}-ロイシン", "塩化カルシウム", "塩化ナトリウム"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "凝固点降下度は、溶質の質量(容量)モル濃度に比例する。このことから、同じ質量モル濃度(mol/kg)の溶液では、非電解質溶液に比べ電解質溶液の方が凝固点降下度が大きくなる。また、電解質溶液の中でも、解離する数(解離してできるイオンの数)が多い方が凝固点降下度が大きくなる。これらのことから、選択肢のうち、濃度0.01 mol/kgの水溶液にしたとき、凝固点降下度が最も大きいのは「塩化カルシウム(CaCl_{2})」である。"} +{"problem_id": "105049", "problem_text": "", "choices": ["1-オクタノール", "エタノール", "塩化ナトリウム", "パルミチン酸", "ラウリル硫酸ナトリウム"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "水に溶解すると表面張力が増加する物質には、無機塩類(塩化ナトリウムなど)がある。なお、構造中に親水部分と疎水部分を有する物質(1-オクタノール、エタノール、ラウリル硫酸ナトリウム)を水に溶解すると表面張力は低下する。"} +{"problem_id": "105050", "problem_text": "フォークトモデルにおいて、一定の力をかけ続けたときのひずみが時間経過とともに増加する現象はどれか。1つ選べ。", "choices": ["応力緩和", "クリープ", "クリーミング", "ダイラタンシー", "チキソトロピー"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "フォークトモデルとは、バネとダッシュポットを並列につないだモデルである。フォークトモデルでは、一定の力をかけ続けると、ひずみが時間経過とともに増加する現象(クリープ)が認められる。1:誤\n応力緩和とは、物体に一定のひずみを与えてそのまま保持するとき、物体の応力が時間の経過とともに次第に低下する現象のことである。2:正\n3:誤\nクリーミングとは、エマルションの分散媒と分散相の密度差により、分散相が浮上もしくは沈降する現象のことである。4:誤\nダイラタンシーとは、せん断応力及びせん断速度が増加すると、それに伴って、粘度が次第に大きくなる現象のことである。5:誤\nチキソトロピーとは、懸濁性注射剤にせん断応力を与えて、等温下で静置するとき、粘度が徐々に回復する現象のことである。"} +{"problem_id": "105051", "problem_text": "製剤に汎用される高分子のうち、温水に溶けて粘稠なゾルとなり、冷やすとゲル化する天然由来の高分子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルブミン", "結晶セルロース", "ゼラチン", "ヒプロメロース", "ポビドン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ゼラチンとは、動物の骨や皮膚などから得られるタンパク質であるコラーゲンに熱を加え抽出した高分子のことである。ゼラチンは、温水に溶けて粘稠なゾルとなり、冷やすとゲル化する。"} +{"problem_id": "105052", "problem_text": "日本薬局方において、「経口投与する、糖類又は甘味剤を含む粘稠性のある液状又は固形の製剤」と定義されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ガム剤", "リモナーゼ剤", "経口フィルム剤", "経口ゼリー剤", "シロップ剤"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nガム剤は、咀嚼により、有効成分を放出する口腔用錠剤である。2:誤\nリモナーゼ剤は、甘味及び酸味のある澄明な液状の経口液剤である。3:誤\n経口フィルム剤は、経口投与するフィルム状の製剤である。4:誤\n経口ゼリー剤は、経口投与する、流動性のない成形したゲル状の製剤である。5:正"} +{"problem_id": "105053", "problem_text": "", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "湿式法(湿式顆粒圧縮法)の流れを以下に示す。上記より、図中のアの単位操作に該当するのは、造粒である。湿式法(湿式顆粒圧縮法)の造粒に用いられる装置は、「選択肢4: スクリュー式押し出し造粒機」である。選択肢1: ボールミル(粉砕に用いられる)\n選択肢2: 撹拌器(攪拌の用いられる)\n選択肢3: スクリュー型混合器(混合に用いられる)\n選択肢5: 噴霧乾燥造粒機(造粒に用いられる)"} +{"problem_id": "105054", "problem_text": "図に示す構造を有し、医療用医薬品として用いられている製剤の適用部位はどれか。1つ選べ。", "choices": ["口腔", "子宮", "直腸", "皮膚", "眼"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "図に示す構造を有し、医療用医薬品として用いられているのは「アフタッチ®︎口腔用貼付剤」である。アフタッチ®︎口腔用貼付剤は、アフタ性口内炎を治療する目的で、白色面を口腔粘膜に付着させて用いる。"} +{"problem_id": "105055", "problem_text": "遺伝子組換え医薬品のうち、標的細胞表面に発現している抗原タンパク質を認識して結合し、抗腫瘍効果を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルテプラーゼ", "エポエチン アルファ", "グルカゴン", "ニボルマブ", "ペグビソマント"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nアルテプラーゼは、t-PA(組織プラスミノーゲン活性化因子)製剤であり、フィブリン血栓上のプラスミノーゲンをプラスミンに変換し、フィブリン分解を促進することで血栓を溶解する。2:誤\nエポエチンアルファは、エリスロポエチン製剤であり、赤芽球前駆細胞に作用し、赤血球への分化増殖を促進することにより腎性貧血を改善する。3:誤\nグルカゴンは、ペプチドホルモン製剤であり、細胞内のcAMP濃度を上昇させることによりグリコーゲン分解及び糖新生を促進させ、血糖値を上昇させる。4:正\nニボルマブは、モノクローナル抗体であり、活性型T細胞の表面に発現するPD-1を認識して結合し、PD-1とPD-L1及びPD-L2との結合を阻害することにより抗腫瘍効果を示す。5:誤\nペグビソマントは、成長ホルモン受容体拮抗薬であり、成長ホルモン受容体に選択的に結合し、成長ホルモンの結合を阻害することにより成長ホルモン受容体の二量体化に伴うシグナル伝達を抑制する。"} +{"problem_id": "105056", "problem_text": "「ショック」という用語で表される状態として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["一過性の意識消失", "組織間液の増加による臓器不全", "酸素欠乏による血中の還元型ヘモグロビン上昇", "急激に発生する組織循環不全", "心拍の乱れによる不快感"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ショックとは、生体に対する侵襲あるいは侵襲に対する生体反応の結果、急激な組織循環不全が起こり、代謝障害や臓器障害が起こる状態のことである。1:誤\n一過性の意識消失を表す用語は、「ブラックアウト」である。2:誤\n組織間液の増加を表す用語は、「浮腫」である。3:誤\n酸素欠乏による血中の還元型ヘモグロビン上昇を表す用語は、「チアノーゼ」である。4:正\n5:誤\n心拍の乱れによる不快感を表す用語は、「動悸」である。"} +{"problem_id": "105057", "problem_text": "小細胞肺がんの腫瘍マーカーとして有用なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["PIVKA-II(protein induced by vitamin K absence or antagonist-II)", "PSA(prostate specific antigen)", "CYFRA 21-1(cytokeratin 19 fragment)", "CEA(carcinoembryonic antigen)", "NSE(neuron specific enolase)"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nPIVKA-IIは、肝細胞がんの腫瘍マーカーとして有用である。2:誤\nPSAは、前立腺がんの腫瘍マーカーとして有用である。3:誤\nCYFRA21-1は、非小細胞肺がんの腫瘍マーカーとして有用である。4:誤\nCEAは、大腸がん、膵がん、肝細胞がん、胆道がんの腫瘍マーカーとして有用である。5:正"} +{"problem_id": "105058", "problem_text": "横紋筋融解症で高値を示す血液検査所見はどれか。1つ選べ。", "choices": ["白血球数", "血小板数", "ビリルビン値", "アルブミン値", "ミオグロビン値"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "横紋筋融解症とは、骨格筋の細胞が壊死することにより筋肉痛や脱力などを生じる病態のことである。横紋筋融解症ではCK: クレアチンキナーゼ(CPK: クレアチンホスホキナーゼ)の上昇、血中及び尿中のミオグロビンの上昇が認められることがある。"} +{"problem_id": "105059", "problem_text": "フィラデルフィア染色体が高頻度に認められる疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["急性骨髄性白血病", "慢性骨髄性白血病", "成人T細胞白血病", "悪性リンパ腫", "多発性骨髄腫"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "フィラデルフィア染色体(9番と22番の染色体が相互転座して生じる染色体)が高頻度に認められるのは、慢性骨髄性白血病と一部の急性リンパ性白血病である。"} +{"problem_id": "105060", "problem_text": "切迫早産の治療に用いられる薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["オキシトシン", "クロミフェンクエン酸塩", "クロルマジノン酢酸エステル", "メチルエルゴメトリンマレイン酸塩", "リトドリン塩酸塩"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nオキシトシンは、脳下垂体後葉ホルモンであり、律動的に子宮平滑筋を収縮させる。2:誤\nクロミフェンクエン酸塩は、抗エストロゲン薬であり、視床下部及び下垂体前葉のエストロゲン受容体を遮断することで、性腺刺激ホルモン(Gn-RH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)の分泌を促進することで排卵を誘発する。3:誤\nクロルマジノン酢酸エステルは、合成黄体ホルモン製剤であり、アンドロゲン受容体を遮断することによりアンドロゲンの作用を減弱させる。4:誤\nメチルエルゴメトリンマレイン酸塩は、麦角アルカロイド製剤であり、強力かつ持続的に子宮平滑筋を収縮させる。5:正\nリトドリンは、子宮平滑筋のアドレナリン\\beta 2受容体を刺激し、子宮収縮を抑制するため、切迫早産の治療に用いられる。"} +{"problem_id": "105061", "problem_text": "気管支喘息に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アトピー型では血中好酸球数が増加する。", "発作は昼間に起こることが多い。", "発作時には気管支が弛緩する。", "発作時にはピークフローが増加する。", "発作時には起坐位より臥位のほうが呼吸が楽になる。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n気管支喘息は、特異的IgE抗体が関与するアトピー型と、その関与がない非アトピー型に分類される。特異的IgE抗体が認められるアトピー型気管支喘息では、血中の好酸球数が増加しており、それにより気管支に炎症が生じている。2:誤\n気管支喘息の発作は、夜から早朝にかけて起こりやすい。3:誤\n気管支喘息の発作時には、気管支が収縮している。4:誤\n発作時にはピークフローが低下する。5:誤\n横隔膜が下がり、呼吸面積が広がることにより呼吸がしやすくなるとともに肺のうっ血状態が軽減されるため、発作時には臥位(寝た状態)より起坐位(体を起こした状態)の方が呼吸が楽になる。"} +{"problem_id": "105062", "problem_text": "骨格筋の壊死と再生を繰り返し、徐々に筋萎縮や筋力低下が進行する遺伝性の疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["重症筋無力症", "筋ジストロフィー", "皮膚筋炎", "多発性硬化症", "ギラン・バレー症候群"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "骨格筋の壊死と再生を繰り返し、徐々に筋萎縮や筋力低下が進行する遺伝性の疾患は「筋ジストロフィー」である。1:誤\n重症筋無力症は、神経筋接合部のニコチン性アセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生されることによって発症する自己免疫疾患である。2:正\n3:誤\n皮膚筋炎は、主に体幹や四肢近位筋、頸筋、咽頭筋などの筋力低下を呈する自己免疫性の炎症性疾患である。4:誤\n多発性硬化症は、炎症により髄鞘が壊れ、様々な症状を呈する中枢神経系の脱髄疾患である。5:誤\nギランバレー症候群は、感染やワクチン接種などに続発して免疫異常を生じることによって発症する末梢神経系の炎症性脱髄性疾患である。"} +{"problem_id": "105063", "problem_text": "活動電位持続時間を短縮するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アミオダロン", "ジソピラミド", "ソタロール", "フレカイニド", "メキシレチン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "活動電位持続時間を短縮するのは、Vaughan Williams 分類でIb群に属する薬物(メキシレチン、リドカインなど)である。1:誤\nアミオダロン、ソタロールはVaughan Williams 分類のIII群に分類されており、活動電位持続時間を延長させる。2:誤\nジソピラミドは、Vaughan Williams 分類のI群aに分類されており、活動電位持続時間を延長させる。3:誤\n解説1参照\n4:誤\nフレカイニドは、Vaughan Williams 分類のI群bに分類されており、活動電位持続時間を変化させない。5:正"} +{"problem_id": "105064", "problem_text": "アトピー性皮膚炎の初期治療として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["タクロリムス水和物の内服", "テルビナフィン塩酸塩の外用", "ヒドロコルチゾン酪酸エステルの外用", "モンテルカストナトリウムの内服", "ナジフロキサシンの外用"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "アトピー性皮膚炎の初期治療では、ステロイド性抗炎症薬の外用剤(ヒドロコルチゾン酪酸エステルの外用剤など)が用いられる。1:誤\nタクロリムス水和物の内服は、臓器・骨髄移植時の拒絶反応の抑制、重症筋無力症、関節リウマチ、ループス腎炎、多発性筋炎・皮膚炎、潰瘍性大腸炎に用いられる。2:誤\nテルビナフィン塩酸塩の外用は、白癬、皮膚カンジダ症に用いられる。3:正\n4:誤\nモンテルカストナトリウムの内服は、気管支喘息、アレルギー性鼻炎に用いられる。5:誤\nナジフロキサシンの外用は、表在性・深在性皮膚感染症、ざ瘡に用いられる。"} +{"problem_id": "105065", "problem_text": "全身性エリテマトーデス(SLE)の症状として発現頻度が最も低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["低体温", "光線(日光)過敏症", "関節痛", "蝶形紅斑", "口腔内潰瘍"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "全身エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus: SLE)では、発熱、全身倦怠感、体重減少、リンパ節腫脹、光線(日光)過敏症、関節痛、蝶形紅班、口腔内潰瘍などが認められる。"} +{"problem_id": "105066", "problem_text": "モルヒネ換算比が最も小さい医療用麻薬製剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠", "トラマドール塩酸塩錠", "メサドン塩酸塩錠", "フェンタニルクエン酸塩注射液", "フェンタニル貼付剤"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "モルヒネ換算比とは、モルヒネの用量から他のオピオイド製剤の用量を換算する際に用いられる数値、または、モルヒネ以外のオピオイド製剤の用量からモルヒネの用量を換算する際に用いられる数値である。●モルヒネ換算比\n・経口モルヒネ(mg /日): オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠(mg /日)=30: 20\n・経口モルヒネ(mg /日): トラマドール塩酸塩錠(mg /日)=30: 150\n・経口モルヒネ(mg /日): メサドン塩酸塩錠(mg /日)=60≦〜≦160: 15\n・経口モルヒネ(mg /日): フェンタニルクエン酸塩注射液(mg /日)=30: 0.1〜0.3\n・経口モルヒネ(mg /日): フェンタニル貼付剤(mg /日)=30〜89: 2"} +{"problem_id": "105067", "problem_text": "クラミジアに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["淋病の起因菌である。", "細胞内寄生菌である。", "細胞壁にペプチドグリカンを有する。", "宿主はダニである。", "感染症には\\beta -ラクタム系抗菌薬が有効である。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n淋病の起因菌は、淋菌である。2:正\nクラミジアは偏性細胞内寄生菌であり、鳥類や哺乳類に感染して存在している。3:誤\nクラミジアは、細胞壁にペプチドグリカンを有していない。4:誤\n解説2参照\n5:誤\n\\beta -ラクタム系抗菌薬は、ペプチドグリカン層の合成を阻害し、抗菌作用を示すため、クラミジア感染症には無効である。"} +{"problem_id": "105068", "problem_text": "データ値の分布が正規分布に従う場合、「平均値\\pm 1.96\\times 標準偏差」の範囲にデータ全体の約『::』%が含まれる。『::』に入る数値に最も近いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["5", "20", "67", "95", "99"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "データ値の分布が正規分布に従う場合、平均値\\pm 1\\times 標準偏差の範囲にデータの約68%が含まれ、平均値\\pm 2\\times 標準偏差の範囲にデータの約95%が含まれる。"} +{"problem_id": "105069", "problem_text": "研究のデザインを、エビデンスのレベルが高い順に並べたのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["コホート研究>症例集積研究>無作為化比較試験", "コホート研究>無作為化比較試験>症例集積研究", "症例集積研究>コホート研究>無作為化比較試験", "症例集積研究>無作為化比較試験>コホート研究", "無作為化比較試験>コホート研究>症例集積研究", "無作為化比較試験>症例集積研究>コホート研究"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "臨床研究には様々な研究デザイン(研究の型)があり、研究デザインによって得られるエビデンスレベルが異なる。研究デザインのエビデンスレベル(科学的根拠の水準、情報の信頼性)を以下に示す。無作為化試験のメタアナリシス>無作為化二重盲検比較試験>無作為化比較試験>コホート研究>症例集積研究"} +{"problem_id": "105070", "problem_text": "喘息患者の薬剤管理指導記録のうち、SOAPのSとして記載すべきものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["両側肺で喘鳴が聴取される。", "咳き込んでつらく、夜も眠れなかった。", "点滴加療を必要とする。", "明日も改善がなければ来院を指示する。", "薬剤の吸入が正しくできているかを確認する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "SOAP形式とは、薬歴の経過記録の方法であり、S(Subjuctive: 主訴や患者の訴えなどの主観的情報)、O(Objective: 理学的所見などの客観的情報)、A(Assessment: 評価、分析など)、P(Plan: 検査や治療の指針、今後の治療計画など)にわけて患者情報を記載する。1:誤\n「両側肺で喘鳴が聴取される。」は、客観的情報に該当するのでOに記載する。2:正\n「咳き込んでつらく、夜も眠れなかった。」は、患者の訴えに該当するのでSに記載する。3:誤\n「点滴加療を必要とする。」は、分析、評価に該当するのでAに記載する。4:誤\n「明日も改善がなければ来院を指示する。」は、治療指針に該当するのでPに記載する。5:誤\n「薬剤の吸入が正しくできているかを確認する。」は、今後の治療計画に該当するのでPに記載する。"} +{"problem_id": "105071", "problem_text": "薬局開設者が、都道府県知事に別段の申出をしない限り、免許を受けたとみなされるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["向精神薬輸入業者", "向精神薬輸出業者", "向精神薬製造製剤業者", "向精神薬使用業者", "向精神薬小売業者"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬局開設者は、都道府県知事に別段の申出をしない限り、向精神薬卸売業者及び向精神薬小売業者の免許を受けた者とみなされる。"} +{"problem_id": "105072", "problem_text": "毒薬は、直接の容器又は直接の被包に「①地に②枠、②字を もって、品名及び「毒」の文字」を記載する。色の組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "毒薬には、その直接の容器又は直接の被包に、黒地に白枠、白字をもって、その品名及び「毒」の文字が記載されていなければならない。なお、劇薬においては、その直接の容器又は直接の被包に、白地に赤枠、赤字をもって、その品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。"} +{"problem_id": "105073", "problem_text": "国民医療費の増加要因として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医療技術の高度化", "疾病構造の変化", "高齢化社会の急速な進行", "介護保険制度の創設", "医療供給体制の整備"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "国民医療費は、国民が1年間に医療機関で保険診療の対象となりうる傷病の治療に要した費用のことであり、介護保険法における訪問看護費や居宅・施設サービスなどの費用は含まれない。なお、国民医療費の増加には、医療の高度化、人口の高齢化、疾病構造の変化、医療供給体制の整備が関与している。"} +{"problem_id": "105074", "problem_text": "以下の略語のうち、医薬品の開発段階から安全対策を実施することで、製造販売後の医薬品の安全性の確保を図ることを目的とするのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["DPC", "EBM", "IRB", "RMP", "SDG"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nDPC(診療群分類包括評価)とは、患者の病名や治療内容に応じて診断群分類し、分類毎に1日当たりの入院費用を定めた新しい医療費の計算方式のことである。2:誤\nEBM(根拠に基づく医療)とは、曖昧な経験や直感に頼らず、根拠に基づいて医療を提供していくことである。3:誤\nIRB(治験審査委員会)は、治験が実施される前に、その治験の安全性・有効性と倫理性を審査する役割を有する。4:正\nRMP(医薬品リスク管理計画)は、医薬品の開発から市販後まで一貫したリスク管理をひとつの文書にわかりやすくまとめたものであり、開発段階から安全対策を実施することで、製造販売後の医薬品の安全性の確保を図ることを目的として作成される。5:誤\nSDG(持続可能な開発目標)は、2015年9月に国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030��ジェンダ」にて記載された2016〜2030年までの国際目標のことである。"} +{"problem_id": "105075", "problem_text": "法律において、条件及び期限付き承認の仕組みが規定されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医薬品", "医療機器", "医薬部外品", "再生医療等製品", "化粧品"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "医薬品医療機器等法(薬機法)において、「均質でない再生医療等製品について、有効性が推定され、安全性が認められれば、特別に早期に、条件及び期限を付して製造販売承認を可能とする。」と規定されている。"} +{"problem_id": "105076", "problem_text": "医療法の規定に基づく「医療計画」を定めることが義務づけられているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["厚生労働省", "都道府県", "地方厚生局", "保健所", "市区町村"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "医療法において、医療提供体制の確保を図るための計画(医療計画)を定めると規定されているのは、都道府県である。都道府県は、基本方針に即して、かつ、地域の実情に応じて、生活習慣病等の治療又は予防に係る事業に関する事項、救急医療等の確保に係る事業に関する事項、医師・歯科医師・薬剤師・看護師その他の医療従事者の確保に関する事項、医療の安全の確保に関する事項などの医療計画を定める。なお、医療提供体制の基本方針は、厚生労働大臣が定める。"} +{"problem_id": "105077", "problem_text": "覚せい剤取締法で規制されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["大麻", "モルヒネ", "亜硝酸イソブチル", "フェニルアミノプロパン", "ペンタゾシン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n大麻は、「大麻取締法」で規制される。2:誤\nモルヒネは、麻薬に該当し、「麻薬及び向精神薬取締法」で規制される。3:誤\n亜硝酸イソブチルは、指定薬物に該当する。指定薬物は、大麻、覚醒剤、麻薬及び向精神薬並びにあへん及びけしがらを除くとされていることから、「覚せい剤取締法」による規制は受けない。4:正\nフェニルアミノプロパン(アンフェタミン)は、覚せい剤に該当し、「覚せい剤取締法」で規制される。5:誤\nペンタゾシンは、第2種向精神薬に該当し、「麻薬及び向精神薬取締法」で規制される。"} +{"problem_id": "105078", "problem_text": "治験に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["GLPを遵守する必要がある。", "医療機器の試験も含まれる。", "健常人に対する試験では、安全性より試験の実施が優先される場合がある。", "製造販売業者から依頼されなければ実施できない。", "実施施設内に治験審査委員会を設置する義務がある。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n治験は、GCP(Good Clinical Practice)を遵守しなければならない。2:正\n3:誤\n治験では、安全性が優先される。4:誤\n製造販売業者から依頼がなくても治験を実施することできる。例: 医師主導治験(医師自ら治験計画書を作成し実施する治験)\n5:誤\n実施施設内に治験審査委員会を必ず設置する必要はない。治験を実施するに当たっては、他機関の治験審査委員会に審査を依頼することが可能である。"} +{"problem_id": "105079", "problem_text": "薬剤師が業務上知り得た人の秘密を漏らすと、秘密漏示罪に問われる場合があるが、その根拠となる法律はどれか。1つ選べ。", "choices": ["民法", "薬剤師法", "刑法", "医薬品医療機器等法", "個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "薬剤師には守秘義務があり、正当な理由なく、業務上知り得た人の秘密をもらすことはできない。<刑法第134条第1項(秘密漏示罪)>\n「医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人またはこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」"} +{"problem_id": "105080", "problem_text": "希少疾病用医薬品に関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["指定難病の患者に対する治療薬のことである。", "国が主体となって製品化を行う。", "指定された後に、取り消されることはない。", "承認されるまで、��定されたことは公開されない。", "他の医薬品に優先して承認審査を受けられる。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "希少疾病医薬品とは、その用途に係る対象患者数が本邦において5万人未満であり、かつ当該医薬品等に製造販売の承認が与えられた場合に、その用途に関し、特に優れた使用価値を有することとなるものであるとして、厚生労働大臣が指定する医薬品のことである。希少疾病医薬品の製造販売等、医療上特にその必要性が高いと認められる場合には、承認審査が優先して行われる。"} +{"problem_id": "105081", "problem_text": "薬局薬剤師の役割として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["入院患者の薬物療法を決定する。", "国民の主体的な健康管理を支援する。", "医師の指示に基づき、在宅患者に治療行為をする。", "親交のある患者に対し、供給不足の医薬品を優先的に配分する。", "来局者の健康診断の結果から糖尿病の早期診断をする。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "105082", "problem_text": "患児に対する以下の処方箋を持参した母親より、「前回、量が多すぎて全部飲ませるのにとても苦労した」と相談を受けた。そこで、医師と協議の結果、薬剤の規格を変更し、調剤することとなった。上記薬剤の規格を20%に変更して調剤する場合、秤量する全量として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["5.2 g", "10.4 g", "15.6 g", "31.2 g", "62.4 g"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本処方では10%製剤が7.8g/日、4日分処方されていることから10%製剤の秤量する全量は、7.8g/日\\times 4日=31.2gとなる。10%製剤の31.2g中には3120 mgのアモキシシリン水和物が含まれていることから、20%(200mg/g)で同量のアモキシシリン水和物を秤量するためには、全量として15.6g(3120mg/200mg /g)必要となる。"} +{"problem_id": "105083", "problem_text": "器官形成期に該当し、薬剤による催奇形性のリスクが最も高いと考えられる妊娠週はどれか。1つ選べ。", "choices": ["2週未満", "2〜3週", "4〜7 週", "8〜12週", "13週以降"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "妊娠4〜7週は、主要臓器(中枢神経、心臓、消化器、四肢など)が形成される催奇形性のリスクが最も高い時期である。"} +{"problem_id": "105084", "problem_text": "日本薬局方で規定されている温度の範囲として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["常温とは 10〜30 ^{\\circ} Cである。", "室温とは 1〜30 ^{\\circ} Cである。", "微温とは 20〜30 ^{\\circ} Cである。", "冷水とは 20 ^{\\circ} C以下の水である。", "温湯とは 40〜50 ^{\\circ} Cの水である。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "標準温度は20^{\\circ} C、常温は15〜25^{\\circ} C、室温は1〜30^{\\circ} C、微温は30〜40^{\\circ} Cとする。冷所は、別に規定するもののほか、1〜15^{\\circ} Cの場所とする。冷水は10^{\\circ} C以下、微温湯は30〜40^{\\circ} C、温湯は60〜70^{\\circ} C、熱湯は約100^{\\circ} Cの水とする。加熱した溶媒又は熱溶媒とは、その溶媒の沸点付近の温度に熱したものをいい、加温した溶媒又は温溶媒とは、通例、60〜70^{\\circ} Cに熱したものをいう。水浴上又は水浴中で加熱するとは、別に規定するもののほか、沸騰している水浴又は約100^{\\circ} Cの蒸気浴を用いて加熱することである。通例、冷浸は15〜25^{\\circ} C、温浸は35〜45^{\\circ} Cで行う。"} +{"problem_id": "105085", "problem_text": "「消毒用エタノール」のエタノール濃度の範囲は日本薬局方に規定されている。その規定内のエタノール濃度(vol%)はどれか。1つ選べ。", "choices": ["20", "30", "50", "80", "99"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "日本薬局方において、消毒用エタノールは「15^{\\circ} Cでエタノール76.9〜81.4vol%w含む」と規定されている。"} +{"problem_id": "105086", "problem_text": "薬局間で譲渡を行う際、譲受・譲渡の記録が法律上必要なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["化粧品", "医薬部外品", "第二類医薬品", "指定第二類医薬品", "第二種向精神薬"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢のうち、薬局間で譲渡を行う際、譲受・譲渡の記録が法律上必要なのは、「第二種向精神薬」である。第一種及び第二種向精神薬を譲受、譲渡、又は破棄したときは、次の事項を記録し、2年間保存しなければならない。・向精神��の品名(販売名)・数量\n・年月日\n・譲受・譲渡の相手方の営業所などの名称・所在地"} +{"problem_id": "105087", "problem_text": "健康サポート薬局の活動・業務内容として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドヒアランスの悪い患者に対して、残薬を入れる袋を渡した上で来局してもらい、服薬状況を確認した。", "健康相談で来局した地域住民の家庭血圧が高いことを確認したため、降圧剤を調剤した。", "市販の医薬品を使用しても体調の改善が見られなかった地域住民に対して受診勧奨した。", "地域住民に対して、医薬品の適正使用に関する講演を行った。", "地域住民から介護サービスに関する相談があったため、地域包括支援センターを紹介した。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "薬局は処方せんなしで調剤することはできない。そのため、健康相談で来局した地域住民の家庭血圧が高いことを確認しても、降圧剤を調剤することはできない。<健康サポート機能を有する薬局について>\n健康サポート機能を有する薬局は、かかりつけ薬剤師・薬局の基本的な機能を備えた薬局のうち、地域住民による主体的な健康の維持・増進を積極的に支援する薬局である。<健康サポート機能を有する薬局の具体的な取り組み>\n・医薬品等の安全かつ適正な使用に関する助言を行うこと\n・健康の維持・増進に関する相談を幅広く受け付け、必要に応じ、かかりつけ医を始め適切な専門職種や関係機関に紹介すること\n・地域の薬局の中で率先して地域住民の健康サポートを積極的かつ具体的に実施すること\n・地域の薬局への情報発信、取組支援等を行うといった積極的な取組を実施する:など"} +{"problem_id": "105088", "problem_text": "在宅訪問し、薬剤管理指導を実施するにあたり、医師から入手した診療情報提供書の内容を踏まえて、薬剤師が策定し、必要に応じて見直しをしていくのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["サービス提供に係わる重要事項説明書", "居宅療養管理指導契約書", "薬学的管理指導計画書", "訪問薬剤管理指導報告書", "訪問薬剤管理指導記録簿"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "在宅訪問し、薬剤管理指導を実施するにあたり、医師から入手した診療情報提供書の内容を踏まえて、薬剤師が策定し、必要に応じて見直しをしていくのは「薬学的管理指導計画書」である。1:誤\nサービス提供に関わる重要事項説明書とは、利用申込者またはその家族がサービスを選択するために必要な重要事項について記載した説明書のことである。2:誤\n居宅療養管理指導契約書とは、居宅療養管理指導を行う場合に作成される契約書のことである。3:正\n4:誤\n訪問薬剤管理指導報告書とは、訪問指導後、薬剤師が医師およびケアマネジャーに情報提供する際に用いられる報告書のことである。5:誤\n訪問薬剤管理指導記録簿とは、患者情報、処方薬の服薬状況、他科受診、併用薬、副作用、相互作用、薬の管理・保管状況、食事、運動、睡眠の状況、次回訪問時の申し送り事項などを記載する記録簿のことである。"} +{"problem_id": "105089", "problem_text": "壊死組織を除去して創部を清浄化する行為はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ドレナージ", "スクラビング", "トリアージ", "デ・エスカレーション", "デブリードマン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nドレナージとは、感染原因の除去や減圧目的で患者の体外に血液・膿・消化液を排出することである。2:誤\nスクラビングとは、ごしごしこすって洗うことである。3:誤\nトリアージとは、災害・大事故などで同時に多数の患者が出た時に、手当の緊張度に従って優先順位をつけることである。4:誤\nデ・エスカレーションとは、最初に広域スペクトラムを有する抗菌薬を投与し、培養結果と臨床的効果をみて、不要な抗菌薬を中止したり、より狭いスペクトラムの抗菌薬に変更する治療法のことである。5:正\nデブリードマンとは、壊死組織を除去して創を清浄化する治療法のことである。"} +{"problem_id": "105090", "problem_text": "学校薬剤師の業務として教室内の空気検査がある。シックハウス症候群の原因物質の1つで、室内空気中濃度に関する基準値が設定されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["二酸化炭素", "ベンゼン", "ホルムアルデヒド", "窒素酸化物", "硫黄酸化物"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "シックハウス症候群の原因物質として、室内空気中濃度に関する基準値が設定されているものに揮発性有機化合物(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベンゼン、テトラデカン、クロルピリホス、フェノブカルブ、ダイアジノン、フタル酸ジ-N-ブチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)がある。"} +{"problem_id": "105091", "problem_text": "日本薬局方において、L-エチルシステイン塩酸塩の純度試験は以下のように規定されている。この純度試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。純度試験 (1)硫酸塩 本品0.6gをとり、試験を行う。比較液には0.005mol/L「:ア:」0.35mLを加える(0.028%以下)。(2)重金属 本品1.0gをとり、第1法により操作し、試験を行う。比較液には「:イ:」標準液1.0mLを加える(「:ウ:」ppm以下)。ただし、重金属試験法第1法では、医薬品各条に規定する量の試料をネスラー管にとり、水適量に溶かし、40mLとする。これに希酢酸2mL及び水を加えて50mLとし、検液とする。比較液は、医薬品各条に規定する量の「:イ:」標準液をネスラー管にとり、希酢酸2mL及び水を加えて50mLとする。また、「:イ:」標準液1.0mL中には「:イ:」0.01mgが含まれる。", "choices": ["硫酸塩試験法においては、検液及び比較液に、2,2'-ビピリジル試液2mLずつを加えて混和し、黒色の背景を用いて混濁を比較する。", "重金属試験法においては、検液及び比較液に、硫化ナトリウム試液1滴ずつを加えて混和し、白色の背景を用いて液の色を比較する。", "「:ア:」は塩化バリウムである。", "「:イ:」は鉛である。", "「:ウ:」に入る数値は100である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "日本薬局方において、L-エチルシステイン塩酸塩の純度試験は以下のように規定されている。(1)硫酸塩 本品0.6gをとり、試験を行う。比較液には0.005mol/L硫酸0.35mLを加える(0.028%以下)。(2)重金属 本品1.0gをとり、第1法により操作し、試験を行う。比較液には鉛標準液1.0mLを加える(10ppm以下)。1:誤\n硫酸塩試験法は、医薬品中に混在する硫酸塩の限度試験である。硫酸塩試験法では、検液及び比較液に塩化バリウム試液2 mLずつを加えて混和し、10分間放置した後、黒色の背景を用いて混濁を比較する。2:正\n3:誤\n「:ア:」は硫酸である。4:正\n5:誤\n「:ウ:」に入る数値は10である。"} +{"problem_id": "105092", "problem_text": "酢酸亜鉛は、ウィルソン病や低亜鉛血症の治療薬として用いられているが、副作用として銅欠乏症を生じる場合がある。亜鉛化合物の定量には一般にキレート滴定法が用いられる。日本薬局方において、酸化亜鉛(ZnO: 81.38)の定量法は以下のように規定されている。この定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。本品を 850 ^{\\circ} Cで1時間強熱し、その約0.8gを精密に量り、水2mL及び塩酸3mLに溶かし、水を加えて正確に100mLとする。この液10mLを正確に量り、水80mLを加え、水酸化ナトリウム溶液(1 \\rightarrow 50)をわずかに_{①}沈殿を生じるまで加え、次に_{②}pH10.7のアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液5 mLを加えた後、0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液で滴定する(指示薬: 「:ア:」0.04 g) 0.05 mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液1mL=「:::」mg ZnO", "choices": ["下線部①の沈殿は水酸化亜鉛(Zn(OH)_{2})である。", "下線部②の操作は、エチレンジアミン四酢酸と金属の錯体を作りやすくするために行う。", "「:ア:」はクリスタルバイオレットである。", "滴定終点において、指示薬「:ア:」がエチレンジアミン四酢酸と結合して変色する。", "「:イ:」に入る数値は2.035である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n酸化亜鉛を溶かした酸性の水溶液に水酸化ナトリウム溶液を加えると、水酸化亜鉛(Zn(OH)_{2})の沈殿を生じる。2:正\nエチレンジアミン四醋酸と亜鉛の錯体を作りやすくするためにはpHを7〜10付近にする必要がある。3:誤\n本定量法で用いられる指示薬は、エリオクロムブラックT・塩化ナトリウム指示薬である。4:誤\n滴定終点において、エリオクロムブラックTから亜鉛が遊離して変色する(赤紫色\\rightarrow 青紫色)。5:誤\n「:イ:」に入る数値は4.069である。<対応数の計算>\n①: 対応数を求める。EDTAは金属イオンと1: 1で反応するため、対応数は1である。②: 標準液1mLに対応する目的成分の物質量を求める。0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム1mLに対する酸化亜鉛の物質量=(0.05mol/L\\times 1mL/1)=0.05mmoL\n③: 対応量を求める。対応量=0.05mmoL\\times 81.38 g/mol=4.069(mg)"} +{"problem_id": "105093", "problem_text": "フルオレセインナトリウムは、蛍光眼底造影剤として用いられている。図にフルオレセインナトリウム水溶液の励起スペクトル及び蛍光スペクトルを示す。このスペクトルを測定する際の蛍光光度法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["図中の破線が蛍光スペクトル、実線が励起スペクトルである。", "横軸の波長の単位は\\micro mである。", "フルオレセインナトリウムの蛍光強度は、希薄溶液であれば濃度に比例する。", "一般に光源として、キセノンランプを用いる。", "温度が変化してもフルオレセインナトリウムの蛍光強度には変化がない。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n蛍光光度法で得られる蛍光スペクトルと励起スペクトルは、鏡像関係にあり、蛍光スペクトルは励起スペクトルよりも長波長側に現れる。このことから、図中の破線が励起スペクトル、実線が蛍光スペクトルとなる。2:誤\n横軸の波長の単位はnmである。3:正\n希薄溶液において蛍光強度Fは、励起光の強さI_{0}、蛍光量子収率\\phi 、モル吸光係数\\epsilon 、溶液の濃度c、セルの層長lに比例する。4:正\n5:誤\n温度の変化に伴って、一般に蛍光強度は低下する。"} +{"problem_id": "105094", "problem_text": "ボルツマン分布は、異なるエネルギー準位 E_{1}、E_{2}(E_{1}\n通常、無極性分子では、電荷の偏りはないが、瞬間的に電子の偏りが生じることがある。この瞬間的に生じた電子の偏りにより双極子が誘発され、その双極子が他方の分子にも双極子を生み出す。こうしてできる二つの双極子間で働く引力が分散力に該当する。2:誤\n水素結合とは、電気陰性度が大きな原子(酸素、窒素、硫黄、フッ素など)に結合した水素原子と電気陰性度の大きな原子(酸素、窒素、硫黄、フッ素など)との間で形成される相互作用のことである。水素結合は共有結合に比べ弱く、相互作用エネルギーが小さい。3:誤\n疎水性相互作用とは、疎水性分子表面からの水和水排除効果(水分子のエントロピー増大効果)により認められる相互作用のことである。4:誤\n静電的相互作用とは、イオン間の相互作用のことで、その相互作用エネルギーは、イオン間の距離の2乗および媒体の誘電率と反比例する。5:正\n電荷移動相互作用とは、電子供与体と電子受容体の間の相互作用のことである。<ヨウ素-デンプン反応の概要>\nヨウ素がデンプンの網目構造に潜り込むとグルコース分子のヒドロキシ基の酸素原子と新たな電荷移動錯体を形成し、青紫色に変色する。この際、ヨウ素は電子受容体、グルコースのヒドロキシ基の酸素原子は、電気供与体として働いており、電荷移動相互作用が認められる。"} +{"problem_id": "105099", "problem_text": "放射線と物質の相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ガイガー・ミュラー(GM)計数管は、アルゴンなどの不活性気体が放射線により電離することを利用して放射線を検出する。", "\\gamma 線は光電効果を示すが、コンプトン散乱は示さない。", "\\alpha 線の電離作用の強さは、線源からの距離に反比例する。", "\\beta ^{-}線が原子核近傍を通過するときエネルギーの損失が起こり、そのエネルギーに見合った X 線が放射されることがある。", "金属銀に放射線が作用すると、金属銀が酸化されて銀イオンになる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nGM計数管では、放射線による気体(不活性化気体: アルゴン、ヘリウム)の電離作用を利用して放射線量を測定する。●GM計数管の放射線測定の概要\n検出器の中に放射線が通過すると、放射線が気体原子に対して電離作用を示し、原子が陽イオンと電子に分離する。その後、分離した電子と陽イオンが電極に引き寄せられ、電流が流れることを利用して放射線量を測定する。2:誤\n\\gamma 線は物質と相互作用すると、光電効果、コンプトン効果、電子対生成を起こすことがある。3:誤\n\\alpha 線の線源と比電離の大きさの関係は、ブラッグ曲線(下図参照)で表される。4:正\n\\beta ^{-}線が原子核近傍を通過するときエネルギーの損失が起こり、そのエネルーに見合った X 線が放射されることがある(この現象を制動放射という)。5:誤\n金属銀に放射線が作用すると、金属銀が電離されて銀イオンになる。"} +{"problem_id": "105100", "problem_text": "生体における膜電位の原理を理解するためには、濃淡電池の作動原理を知ることが必要である。電解質として用いる硫酸亜鉛の濃度のみが異なる2つの亜鉛半電池を塩橋でつないだ化学電池の模式図を以下に示す。標準圧力下、298 Kにおいて半電池Rの硫酸亜鉛の初濃度を0.1mol/L、半電池Lの硫酸亜鉛の初濃度をc_{1}mol/L とする。なお、亜鉛半電池の反応は次式で表される(E °は標準電位を表す)。また、硫酸亜鉛は水中では完全に電離し、その活量は濃度に等しいとする。この場合の亜鉛半電池の電極電位 E(単位V)は温度 298 K では次式で表される。この化学電池に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この電池はダニエル電池である。", "c_{1}=0.01のとき、半電池Lがアノード(負���)となる。", "この電池の標準起電力は 0Vである。", "半電池Lと半電池Rの硫酸亜鉛濃度が等しくなった状態の起電力は-0. 76 Vである。", "c_{1}=0.01のとき、この電池の起電力は約+0.059Vである。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nこの電池は濃淡電池である。ダニエル電池とは、硫酸亜鉛ZnSO_{4}水溶液に亜鉛板を、硫酸銅(II)CuSO_{4}水溶液に銅板を浸した電極を連結した電池のことである。2:正\n亜鉛電極で構成された濃淡電池では、濃度の薄い電極で酸化反応、濃度の濃い電極で還元反応が認められる。電池において酸化反応が認めらる電極をアノード(負極)といい、還元反応が認められる電極をカソード(正極)という。3:正標準起電力は、「E^{標準}=E_{R}^{標準}-E_{L}^{標準}」で計算することができる。そのため、この電池の標準起電力は0V(E^{標準}=-0.76V-(-0.76V)=0V)となる。4:誤\n半電池Lと半電池Rの硫酸亜鉛濃度が等しくなった状態では、電気は発生しないため、その起電力は0Vとなる。5:誤\n電池の起電力は、下記の式で求めることができる。これらのことから、c_{1}=0.01のとき、この電池の起電力は約+0.0295Vである。"} +{"problem_id": "105101", "problem_text": "クエン酸(C_{6}H_{8}O_{7})に関する記述について、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["IUPAC 名は、2-hydroxypropane-1,2,3-tricarboxylic acidである。", "結晶水を持つものは、クエン酸水和物と呼ばれる。", "塩基性条件下、二価の鉄イオン1つに対して四座配位子として働き、安定なキレートを形成する。", "不斉炭素原子を持たず、アキラルな分子である。", "三ナトリウム塩の水溶液は塩基性を示す。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n主たる官能基が複数あり、同じ炭素鎖に結合している場合、接頭辞を用いて主鎖を表す。クエン酸は、主となる官能基のCOOHが3つ存在しているため、主鎖はpropane-1,2,3-tricarboxylic acidとなり、また、2位にOHが結合しているため、IUPAC 名は、2-hydroxypropane-1,2,3-tricarboxylic acidとなる。赤で囲った部分: 2-hydroxypropane\n青で囲った部分: carboxylic acid\n2:正しい\n3:誤っている\n構造中のカルボキシ基が塩基性条件下で-COO^{-}となり、キレートを形成する。そのため、塩基性条件下、クエン酸は二価の鉄イオン1つに対して三座配位子として働き、安定なキレートを形成する。4:正しい\n5:正しい\n構造中のカルボキシ基が全てナトリウム塩となると、水中で-COO^{-}となり、H^{+}を受け取ることができる。そのため、三ナトリウム塩の水溶液は塩基性を示す。"} +{"problem_id": "105102", "problem_text": "図は、アルケンAからアルコールC又はアルコールDを合成する経路を示している。この経路に含まれる反応又は化合物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アルケンAから中間体Bが生じる反応はanti付加反応である。", "中間体BからアルコールCが生じる反応は酸化反応である。", "アルコールCはラセミ混合物である。", "アルコールCはアルコールDのジアステレオマーである。", "アルコールDはメソ化合物(メソ体)である。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "設問の図の上の反応はヒドロホウ素化反応-酸化反応によるアルコールの生成である。また、下の反応は酸性条件下の水の付加反応である。1:誤アルケンAから中間体Bが生じる反応は、BH_{3}(ボラン)によるヒドロホウ素化反応であり、syn付加で進行する(なお、この反応は逆マルコフニコフ則に従う)。2:正\n前記参照\n3:正\nヒドロホウ素化反応-酸化反応によるアルコールの生成では、ラセミ混合物が生成する。4:誤\nアルコールDは、硫酸触媒による水の付加であり、マルコフニコフ則に基づいてOH基が付加するため、アルコールCの構造異性体である(ジアステレオマーではない)。5:誤\nアルコールDにはキラル炭素が存在しないためメソ化合物(メソ体)ではない。"} +{"problem_id": "105103", "problem_text": "臭化アルキル(R-Br)に求核剤(Y^{-})を作用させる置換反応について、反応の進行に伴う自由エネルギー変化を図示するとA又はBのようになる。以下の記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Aの反応は吸エルゴン反応である。", "Bの反応は二分子反応である。", "Aの反応において、臭化アルキルの置換基Rの影響によりaの状態が混み合ってくると、エネルギーIが大きくなる。", "Bの反応においては、bからcに至る段階が律速となる。", "Aの反応において、R-Brとして2-ブロモブタンの一方のエナンチオマーのみを用いたとき、生成物はラセミ混合物となる。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "臭化アルキル(R-Br)に求核剤(Y^{-})を作用させる置換反応には、S_{N}1反応とS_{N}2反応がある。S_{N}1反応は2段階反応であり、2度の遷移状態を経由して反応が進行するため、BがS_{N}1反応を示しており、S_{N}2反応は1段階反応であり、1度の遷移状態を経由して反応が進行するため、AがS_{N}2反応を示している。1:誤\n吸エルゴン反応とは、自由エネルギーの変化が正となる反応のことであり、発エルゴン反応とは、自由エネルギーの変化が負となる反応のことである。Aの反応において反応後のエネルギーは反応前に比べ低下しているため、発エルゴン反応(自由エネルギーの変化が負である反応)と読み取れる。2:誤Bの反応(S_{N}1反応)は、律速段階において反応基質のみが関与する1分子的な求核置換反応である。3:正Aの反応(S_{N}2反応)は、臭化アルキルの置換基Rの影響によりaの状態が混み合ってくると、進行しにくくなるため、遷移状態のエネルギーが高くなる。4:誤\n反応前と遷移状態のエネルギーの差(活性化エネルギー)が大きいほど反応が進行しにくいため、Bの反応においては、反応前からbに至る段階が律速となる。5:誤Aの反応(S_{N}2反応)は、1段階反応であるため、2-ブロモブタンの一方のエナンチオマーのみを用いたとき、ラセミ混合物は生成しない。なお、Bの反応(S_{N}1反応)は、2段階反応であり、2-ブロモブタンの一方のエナンチオマーのみを用いたとき、ラセミ混合物を生成する。"} +{"problem_id": "105104", "problem_text": "化合物Aの反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["SO_{3}が求電子剤として作用する置換反応である。", "アの部分は共鳴効果による電子求引性を示す。", "アの部分は誘起効果による電子供与性を示す。", "アの部分のかさ高さのため、オルト置換体が得られにくい。", "Aの代わりにベンゼンを基質とすると反応は遅くなる。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤本反応(芳香族化合物に対する混酸(濃硝酸-濃硫酸混液)の反応)は、^{+}NO_{2}(ニトロニウムイオン)が求電子剤として作用する求電子配置反応である。2:誤\n窒素は炭素より電気陰性度が大きいため、アの部分は誘起効果により電子求引性を示す。また、窒素部分に非共有電子対を有するため、アの部分は共鳴効果による電子供与性を示す。アの部分は、共鳴効果の方が現れやすいため、共鳴効果による電子供与性を示す。3:誤\n解説2参照\n4:正\nアの部分の共鳴効果によりベンゼン環のオルト位とパラ位に電子を供与するため、オルト-パラ配向性を示す。ただ、アの部分のかさ高さによりオルト位で反応が起こりにくく、オルト置換体が得られにくい。5:正\nアの部分の共鳴効果によりベンゼン環の電子密度が高まるため、反応性が高まる。"} +{"problem_id": "105105", "problem_text": "一酸化窒素及び生体内における一酸化窒素の生成に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アミノ酸AはL-グルタミンである。", "一酸化窒素は2つの不対電子をもち、常磁性を示す。", "一酸化窒素の窒素原子の酸化数は+1である。", "一酸化窒素の酸素原子は酸素分子(O_{2})由来である。", "化合物BはL-オルニチンである。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "NOは、生体内の一酸化窒素合成酵素(NOS)によってL-アルギニン(アミノ酸A)から生合成される。1:誤\n前記参照\n2:誤\n一酸化窒素は1つの不対電子をもち、常磁性を示す。3:誤\n<化合物中の原子の酸化数の求め方>\n①: 単体(水素ガスや黒鉛など)を構成する原子の酸化数は「0」である。②: 化合物中の水素原子の酸化数は「+1」である。③: 化合物中の酸素原子の酸化数は「-2」である。④: 中性分子の分子全体の酸化数は「0」であり、成分原子の酸化数の総和と等しい。⑤: 単原子イオンの酸化数は、そのイオンの価数と等しい���⑥: 多原子イオン全体の酸化数は、成分原子の酸化数の総和に等しく、そのイオンの価数と等しい。⑦: A-Bの結合における、A、Bの酸化数\n電気陰性度: A=Bのとき、「A、B: 0」\n電気陰性度: A>Bのとき、「A: -1、B: +1」\n③、④より、一酸化窒素の窒素原子の酸化数は「+2」である。4:正\n5:誤\n化合物Bは、L-シトルリンである。"} +{"problem_id": "105106", "problem_text": "図は、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)によってアセチルコリンが加水分解される際の初期段階の反応機構と2種類のAChE阻害剤A、Bの構造を示したものである。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ", "choices": ["グルタミン酸―ヒスチジンの相互作用により、ヒスチジンのイミダゾリル基の塩基性が高くなる。", "グルタミン酸―ヒスチジン―セリンの三つのアミノ酸残基間の相互作用によって、セリンのヒドロキシ基の求電子性が高くなる。", "アセチルコリンはトリプトファンとイオン結合している。", "AChE阻害剤Aはセリンのヒドロキシ基を不可逆的にアミド化する。", "AChE阻害剤Bはセリンのヒドロキシ基を不可逆的にリン酸化する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nグルタミン酸の負電荷を有する酸素がヒスチジンのイミダゾリル基のNHのHを引き寄せるため、ヒスチジンのイミダゾリル基の塩基性が高くなる(プロトンを受け入れやすくなる)。2:誤\nグルタミン酸がヒスチジンの塩基性を高め、セリンのヒドロキシ基の水素を引き寄せるため、セリンのヒドロキシ基の求核性が高くなる。3:誤\nアセチルコリンは陽イオン(4級アンモニウム)であるが、トリプトファンは、陰イオンでないため、アセチルコリンはトリプトファンとイオン結合しない。なお、アセチルコリンとトリプトファンは、陽イオンと芳香環にある\\pi 電子により結合している。4:誤\nAChE阻害剤A(ネオスチグミン臭化物)は、セリンのヒドロキシ基を可逆的にアミド化する。5:正\nAChE阻害剤B(サリン)は、セリンのヒドロキシ基を不可逆的にリン酸化する。"} +{"problem_id": "105107", "problem_text": "図は、ある化合物Aの^{1}H-NMRスペクトル(400MHz、CDCl_{3}、基準物質はテトラメチルシラン)を示したものである。また、表は各シグナルの積分比を一覧にしたものである。化合物Aの加水分解反応によって得られた化合物Bについて、同様の条件下で^{1}H-NMRスペクトルの測定を行ったところ、アとウに相当するシグナルが消失し、11ppm付近に線幅の広い新たなシグナルが観測された。化合物Aの構造式はどれか。1つ選べ。なお、\\times 印のシグナルは水又はCDCl_{3}中に含まれるCHCl_{3}のプロトンに由来するシグナルである。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "積分比3のシグナル(ア、イ)が2つあることから、化合物Aの構造中にメチル基が2つあると推察される(選択肢2の構造は化合物Aではない)。また、7ppm付近に積分比1のシグナル(エ、オ、カ、キ)が4つ存在することから、化合物Aの構造中に芳香族プロトンが4つ存在すると推察される(選択肢5の構造は化合物Aではない)。:加水分解によりアとウに相当するシグナルが消失し11ppm付近に線幅の広い新たなシグナルが観測されていることから、化合物Aのエステル部分が加水分解し、OCH_{2}CH_{3}がOHに置換されている(化合物Aの構造中にCOOCH_{2}CH_{3}がある)と推察される。これらのことから、化合物Aは選択肢3の構造であると推察される。"} +{"problem_id": "105108", "problem_text": "日本薬局方に収載された生薬Aの確認には、成分Bの検出を目的として、Cに示す試薬や方法を用いた試験が行われる。A〜Cの組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nオウゴンの有効成分は、フラボノイド配糖体(バイカリン)である。フラボノイドの確認試験には、マグネシウム・塩酸反応が用いられる。2:正\nキキョウの有効成分は、トリテルペンサポニン(プラチコジン)である。トリテルペンサポニンの確認試験には、リーベルマン・ブルヒァード反応(無水酢酸、濃硫酸を加えるとトリテルペンサポニンが赤色を呈する反応)が用���られる。3:誤\nゴシュユの有効成分は、インドールアルカロイド(エボシアミン)である。インドールアルカロイドの確認試験には、4-ジメチルアミノベンズアルデヒド試薬による呈色反応が用いられる。4:誤\nチンピの有効成分は、精油(モノテルペン)、フラボノイド配糖体(ナリンギン)である。精油の確認試験には、バニリン・塩酸試液による呈色反応が用いられ、フラボノイドの確認試験には、マグネシウム・塩酸反応が用いられる。5:正\nベラドンナコンの有効成分は、トロパンアルカロイド(ヒヨスチアミン、アトロピン、スコポラミン)である。トロパンアルカロイドの確認試験には、ドラーゲンドルフ試薬による呈色反応や薄層クロマトグラフィーが用いられる。"} +{"problem_id": "105109", "problem_text": "以下のアルカロイドのうち、生合成前駆体となるアミノ酸がトリプトファンであるのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nノスカピンの構造である。ノスカピンはチロシン由来のアルカロイドである。2:誤\nモルヒネの構造である。モルヒネはチロシン由来のアルカロイドである。3:正\nエルゴメトリンの構造である。エルゴメトリンはトリプトファン由来のアルカロイドである。4:正\nキニーネの構造である。キニーネはトリプトファン由来のアルカロイドである。5:誤\nスコポラミンの構造である。スコポラミンはオルニチン由来のアルカロイドである。"} +{"problem_id": "105110", "problem_text": "骨の成長とリモデリングに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["骨基質の生成に必要なコラーゲンは、主に骨細胞から分泌される。", "骨芽細胞は、アルカリホスファターゼの作用により、石灰化に必要なリン酸の局所濃度を上昇させる。", "破骨細胞は、骨基質を分解する働きをもつ。", "エストロゲンは、思春期において骨芽細胞の働きを抑制する。", "カルシトニンは、破骨細胞を活性化する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n骨基質の生成に必要なコラーゲンは、骨芽細胞から分泌される。2:正\n骨芽細胞膜に存在するアルカリホスファターゼは、リン酸化合物を分解する作用を有しており、石灰化に必要なリン酸の局所濃度を上昇させる。3:正\n破骨細胞は、リソソームや酸性ホスファターゼにより骨基質を分解する。4:誤\nエストロゲンは、骨芽細胞の働きを促進する共に破骨細胞の働きを抑制する。5:誤\nカルシトニンは、破骨細胞の働きを抑制し、骨吸収を抑制する。"} +{"problem_id": "105111", "problem_text": "図は視床下部-下垂体系を模式的に示したものである。下垂体の部位A又はBにおけるホルモンの分泌調節に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aから分泌されるホルモンは、視床下部ホルモンにより分泌調節される。", "ソマトスタチンは、Aからの成長ホルモンの分泌を促進する。", "ゴナドトロピン放出ホルモンは、Aからのオキシトシンの分泌を促進する。", "バソプレシンは、視床下部で合成され、Bから分泌される。", "ドパミンは、Bからのプロラクチンの分泌を抑制する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "下垂体の部位Aは下垂体前葉、部位Bは下垂体後葉である。下垂体前葉ホルモンは視床下部で産生・分泌される視床下部ホルモンにより刺激を受けると分泌される。それに対して、下垂体後葉ホルモンは視床下部で産生され下垂体後葉で貯蔵・分泌される。1:正\n前記参照\n2:誤\nソマトスタチンは、成長ホルモン放出抑制ホルモン(GHRIH)であり、A(下垂体前葉)からの成長ホルモンの分泌を抑制する。3:誤\nオキシトシンはB(下垂体後葉)から分泌される。4:正\nバソプレシンは、視床下部で合成され、B(下垂体後葉)から分泌される。5:誤\nドパミンは、A(下垂体前葉)からのプロラクチンの分泌を抑制する。"} +{"problem_id": "105112", "problem_text": "成人の赤血球及び造血に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["成熟赤血球では、ヘモグロビン1分子に、通常2分子のヘムが結合している。", "成熟赤血球のATP産生の大部分はミトコンドリアが担う。", "造血は赤色骨髄で行われる���", "造血過程におけるDNA合成には、葉酸及びビタミンB_{12}が必要である。", "動脈血の酸素分圧が低下すると、腎臓でのエリスロポエチンの産生が抑制される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n成熟赤血球では、ヘモグロビン1分子に、通常4分子のヘムが結合している。2:誤\n成熟赤血球には、ミトコンドリアがない。なお、赤血球のATPは、解糖系によって産生される。3:正\n骨髄には、赤色骨髄と黄色骨髄があり、赤色骨髄では造血が行われる。4:正\n5:誤\n動脈血の酸素分圧が低下すると、腎臓でのエリスロポエチンの産生が促進される。"} +{"problem_id": "105113", "problem_text": "哺乳類細胞におけるコレステロール及びその代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["コレステロールの3位のヒドロキシ基に脂肪酸が結合したコレステロールエステルは、コレステロールよりも親水性が高い。", "コレステロール分子中の全ての炭素原子はアセチルCoAに由来する。", "コレステロールの生合成過程において、メバロン酸1分子の合成には、4分子のアセチルCoAが必要である。", "細胞内のコレステロール量が増加すると、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素遺伝子の転写が促進される。", "コレステロールは、ステロイドホルモンや胆汁酸の前駆体となる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nコレステロールの3位のヒドロキシ基に脂肪酸が結合したコレステロールエステルは、コレステロールよりも親水性が低い。2:正\nコレステロールの生合成は、主に肝臓や小腸の小胞体やミトコンドリアと細胞質で行われ、はじめにアセチルCoAが2分子縮合し、アセトアセチルCoAとなり、もう1分子のアセチルCoAが縮合してHMG-CoAを経てメバロン酸となる。その後、メバロン酸はイソペンテニルピロリン酸となり、ファルネシルピロリン酸\\rightarrow スクアレン\\rightarrow ラノステロールを経て、コレステロールが合成される(コレルテロール合成過程でアセチルCoA以外から構造中に炭素が組み込まれることはない)。3:誤\nコレステロールの生合成過程において、メバロン酸1分子の合成には、3分子のアセチルCoAが必要である。4:誤\n細胞内のコレステロール量が増加すると、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素遺伝子の転写が抑制され、コレステロール合成が抑制される。5:正\nコレステロールは、副腎、生殖腺などでステロイドホルモンとなり、肝臓で胆汁酸となる。"} +{"problem_id": "105114", "problem_text": "下図のヌクレオチドに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["RNAの構成成分である。", "デオキシウリジン5'-一リン酸のメチル化により生成する。", "塩基のメチル基の導入には、ピリドキサールリン酸が補酵素として必要である。", "塩基部分の生合成には、アスパラギン酸及びグルタミンが利用される。", "分解されて生じた塩基は酸化されて尿酸となる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "設問の構造は、デオキシチミジン一リン酸(dTMP、チミジル酸)であり、DNAの構成成分である。1:誤\n前記参照\n2:正\ndTMPは、デオキシウリジン5'-一リン酸のメチル化により生成する。3:誤\n塩基のメチル基の導入には、テトラヒドロ葉酸が必要である。4:正\n塩基部分(ピリミジン環)は、アスパラギン酸及びグルタミンが利用される。5:誤\nピリミジン塩基は\\beta -アラニン、\\beta -アミノイソ酪酸に分解され、最終的にはアンモニア、二酸化炭素、水に代謝される。なお、プリン塩基は、酸化分解され尿酸を生じる。"} +{"problem_id": "105115", "problem_text": "ヒトの遺伝子多型に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["イントロン部分の塩基配列の違いは、遺伝子多型とはみなされない。", "遺伝子多型がタンパク質の発現量に影響を与えることはない。", "酵素をコードする遺伝子の多型は、その酵素活性に影響を与えることがある。", "数塩基の短いDNA塩基配列の反復回数が、個体間で異なることをSNP(スニップ)という。", "遺伝子の翻訳領域における遺伝子多型が存在しても、対応するタンパク質のアミノ酸配列に変化を生じないことがある。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nイントロン部分の塩基配列の違いも、遺伝子多型とみなされる。2:誤\n遺伝子多型がタンパク質の発現量、酵素活性に影響を与えることがある。3:正\n解説2参照\n4:誤\n数塩基の短いDNA塩基配列の反復をマイクロサテライトという。マイクロサテライトが個体間で異なることをマイクロサテライト多型という。なお、SNP(スニップ)とは、一塩基置換による遺伝子多型のことである。5:正"} +{"problem_id": "105116", "problem_text": "タンパク質Xは、細胞質内ではサブユニットA(分子量60,000)とサブユニットB(分子量30,000)がそれぞれ1つずつ非共有結合で会合したヘテロ二量体を形成している。タンパク質Xは、増殖因子Fの刺激によりサブユニットAのみチロシン残基がリン酸化され、サブユニットBと解離する。培養細胞を用いて以下の実験を行った。予想される結果として正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、Fによる刺激で、A、B両サブユニットの発現量に変化はなく、分解も起こらないこと、また、チロシン残基がリン酸化されても、電気泳動移動度、抗Aによる免疫沈降及びウエスタンブロット法における認識には変化がないことを確認している。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "●増殖因子Fにより刺激しない場合\nタンパク質Xが解離しない状態(AB)に抗Aを加える\\rightarrow ABのAの部分に抗Aが結合し、沈降物にはABが含まれる。この沈降物をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動する\\rightarrow AとBが解離し電気泳動される\\rightarrow A(分子量: 60,000)はB(分子量: 30,000)より大きいため、泳動距離が短くなる。<抗Pi-Tyrを用いたウエスタンブロット法>\nAのチロシン残基はリン酸化されないため、検出されない。<抗A、抗Bを用いたウエスタンブロット法>\n抗Aを用いたウエスタンブロット法の方が抗Bを用いたウエスタンブロット法より泳動距離が短い。●増殖因子Fにより刺激した場合\nタンパク質XがAとBに解離し、Aのチロシン残基がリン酸化された状態に抗Aを加える\\rightarrow A(リン酸化された状態)に抗Aが結合し、沈降物にはA(リン酸化された状態)が含まれる。この沈降物をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動する。<抗Pi-Tyr、抗Aを用いたウエスタンブロット法>\n抗Pi-Tyrと抗Aを用いたウエスタンブロット法では、同じ泳動距離となる。<抗Bを用いたウエスタンブロット法>\nBが含まれないため、検出されない。"} +{"problem_id": "105117", "problem_text": "補体の活性化と機能に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["補体の3つの活性化経路には、いずれもキナーゼ(リン酸化酵素)の連鎖反応が関わっている。", "補体活性化の古典経路は、レクチンが微生物表面のマンノースやマンナンを認識することで始まる。", "C3aやC5aは、過剰な炎症反応を抑制する。", "病原体の表面にC3bが結合すると、C3b受容体を介して食細胞による病原体の貪食が促される。", "C5bの生成は、膜侵襲複合体(MAC)形成の引き金となり、病原体が破壊される。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n補体の活性化には、古典経路、第2経路、レクチン経路があり、いずれの経路においてもタンパク質分解酵素による連鎖反応が関わっている。2:誤\n古典経路は、抗原と結合した抗体(抗原抗体複合体)に第1成分(C1)が結合することで活性化される。なお、レクチン経路は、微生物表面のマンノースを含む糖鎖にマンノース結合タンパク質が結合することにより開始される。3:誤\nC3a、C5aは、アナフィラトキシンとよばれ、好塩基球、肥満細胞に作用し、ヒスタミンなどを遊離させ炎症を誘発する。4:正\n食細胞表面にはC3bに対する受容体(捕食レセプター)が存在している。病原体の表面にC3bが結合すると、捕食レセプターを介して食細胞による病原体の貪食が促される(この作用をオプソニン化という)。5:正\nC5bの生成は、膜侵襲複合体(MAC)形成の引き金となる。MACは、病原体の細胞膜に穴をあけて細胞を破壊する。"} +{"problem_id": "105118", "problem_text": "主要組織適合遺伝子複合体(MHC)に関する記述のうち、誤って��るのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["MHCが同一個体内で遺伝子再編成することにより、多様な免疫応答が可能となる。", "MHC分子は、移植片拒絶反応を引き起こす抗原として発見されたものである。", "MHC分子は、父親と母親に由来するMHCの両方から発現する。", "MHCクラスII分子は、主に活性化マクロファージ、樹状細胞、B細胞において発現している。", "T細胞抗原受容体(TCR)は、自己のMHC分子と抗原ペプチド断片の複合体を認識する。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\nMHC(主要組織適合遺伝子複合体)は、免疫学的に自己を決定する遺伝子群のことであり、同一個体内で遺伝子再編成されることはない。2:正しい\n生体内ではMHC分子により「自己」「非自己」を認識している。MHCが不一致で非自己と認識されると臓器移植の拒絶(移植片拒絶)が起こる。3:正しい\nMHCは、父親由来のMHCと母親由来のMHCより構成されており、MHC分子は、父親と母親に由来するMHCの両方から発現する。4:正しい\nMHC抗原は、その構造からクラスI分子及びクラスII分子に分類できる。クラスI分子は赤血球以外のほとんどすべての細胞で発現しており、クラスII分子は、主に活性化マクロファージ、樹状細胞、B細胞において発現している。5:正しい\nT細胞受容体は、自己のMHC分子と抗原ペプチド断片の複合体や他の個体のMHC分子を認識する。"} +{"problem_id": "105119", "problem_text": "健康な成人における糖質の消化・吸収過程について、消化管における糖質の消化のプロセス(図1)、小腸粘膜上皮細胞におけるグルコースの輸送過程(図2)及び糖尿病治療薬アカルボースの構造式(図3)を示した。以下の問いに答えよ。消化管における糖質の消化・吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["酵素Aは膵臓ランゲルハンス島B細胞で合成・分泌される。", "酵素Bは小腸粘膜上皮細胞の管腔側の膜に存在する。", "ラクトースは、グルコースとガラクトースが\\alpha 1\\rightarrow 4結合で結合している。", "マルトースやラクトースは小腸で直接吸収されない。", "アカルボースは、酵素Bと酵素Cの活性を阻害する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n酵素Aは\\alpha -アミラーゼであり、膵臓の腺房細胞で合成され、外分泌腺より分泌される。2:正\n酵素Bはマルターゼであり、小腸上皮細胞の管腔側の膜に存在する。3:誤\nラクトースは、グルコースとガラクトースが\\beta 1\\rightarrow 4結合で結合している。4:正\nマルトースやラクトースは2糖類であり、小腸で直接吸収されない。なお、マルトースはグルコースに、ラクトースはガラクトースとグルコースに分解され吸収される。5:誤\nアカルボースは、酵素A(\\alpha -アミラーゼ)、酵素B(\\alpha -グルコシダーゼ)の活性を阻害するが、酵素C(\\beta -ガラクトシダーゼ)の活性は阻害しない。"} +{"problem_id": "105120", "problem_text": "小腸粘膜上皮細胞における糖の輸送過程に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ガラクトースは、単純拡散により細胞膜を通過して細胞内に取り込まれる。", "輸送体Dは、細胞内外のNa^{+}の濃度勾配を利用して、グルコースを細胞内に取り込む。", "輸送体Dは、マルトースの輸送体としても働く。", "輸送体Eは、ATPの加水分解により得られたエネルギーを利用して、グルコースを毛細血管側に輸送する。", "輸送体Fは、ATPの加水分解により得られたエネルギーを利用して、K^{+}(イオン1)を細胞内に、Na^{+}(イオン2)を細胞外に輸送する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nガラクトースは、能動輸送により細胞膜を通過して細胞内に取り込まれる。2:正\n輸送体D(Na^{+}-グルコース共輸送体:SGLT)は、Na^{+}の濃度勾配を利用して、グルコースを細胞内に取り込む。3:誤\n輸送体D(Na^{+}-グルコース共輸送体:SGLT)は、グルコース、ガラクトースの輸送体として働くが、マンノースを輸送することはできない。4:誤\n輸送隊E(GULT)は、ATPの加水分解により得られたエネルギーを利用せず、グルコースを毛細血管側に輸送する。5:正\n輸送体F(Na^{+},K^{+}-ATPase)は、ATPの加水分解により得られたエネルギーを利用して、K^{+}(イオン1)を細胞内に、Na^{+}(イオン2)を細胞外に輸送する。"} +{"problem_id": "105121", "problem_text": "\\alpha -グルコシダーゼ阻害薬であるアカルボースに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["マルトース型の部分構造が含まれる。", "破線で囲んだ部分の結合様式は\\beta 1\\rightarrow 4結合である。", "水に溶けやすい。", "ヘミアセタール構造をもつため、フェーリング試液による沈殿反応を示す。", "p-ベンゾキノン試液による呈色反応を示す。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\nアカルボースにはマルトース型の部分構造が含まれている。2:誤っている\n破線で囲んだ部分の結合様式は\\alpha 1\\rightarrow 4結合である。3:正しい\nアカルボースには、-OH基が多く水に溶けやすい。4:正しい\n図3の右端部分がヘミアセタール構造(同一の炭素に-OH基とエーテル結合を1個ずつ含んだ構造)であり、酸素原子と炭素原子の結合が切れてアルデヒド基が生じるため、フェーリング試薬による沈殿反応を示す。5:正しい\nアカルボースの確認試験にp-ベンゾキノン試液による呈色反応(赤褐色を呈する)が行われる。"} +{"problem_id": "105122", "problem_text": "ビタミン及びミネラルの欠乏症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["妊娠初期における葉酸欠乏は、胎児の神経管閉鎖障害の原因となる。", "過剰なアルコール摂取によるビタミンB_{6}欠乏は、ウェルニッケ脳症の原因となる。", "マグネシウム欠乏は、下痢の原因となる。", "ナイアシン欠乏は、壊血病の原因となる。", "亜鉛欠乏は、味覚障害の原因となる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n妊娠初期は胎児の細胞増殖が盛んであり、神経管の形成期であるため、妊娠初期における葉酸欠乏は、胎児の神経管閉鎖障害の原因となる。2:誤過剰なアルコール摂取によるビタミンB_{1}欠乏は、ウェルニッケ脳症の原因となる。3:誤\nマグネシウム欠乏は、食欲不振、悪心、嘔吐、筋力低下、テタニー、振戦の原因となる。4:誤\nナイアシンの欠乏は、肌荒れ、下痢、精神神経症状の原因となる。5:正\n亜鉛欠乏は、皮膚炎、口内炎、脱毛症、褥瘡、発育障害、性線機能不全、味覚障害、貧血、不妊症の原因となる。"} +{"problem_id": "105123", "problem_text": "食品の腐敗とその防止方法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["魚に含まれるトリメチルアミンが空気に触れて酸化されることにより、魚臭さの原因物質であるトリメチルアミンN-オキシドが生成する。", "塩辛などの塩蔵品は、水分活性を低くすることで腐敗しにくくしている。", "カビは、食品の水分活性の値が1.0のときに最も増殖しやすくなる。", "食品添加物のソルビン酸は、食品中の細菌の増殖を抑制する目的で用いられる。", "ヒスタミンによるアレルギー様食中毒は、IgE抗体を産生しやすい体質の人にしか起こらない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nトリメチルアミンN-オキシドが還元されることにより魚の腐敗臭の原因であるトリメチルアミンを生じる。2:正\n糖漬、塩漬、乾燥食品などは、水分活性が低く腐敗しにくい。3:誤\n水分活性が1.0の食品ではカビに加え、他の微生物も増殖することができるため、カビの増殖が抑制される(カビが最も増殖しやすい環境とはならない)。4:正\n食品添加物のソルビン酸は、チーズ、魚肉ねり製品の細菌の増殖を抑制する目的で保存料として用いられる。5:誤\nヒスタミンによるアレルギー様食中毒は、食品中に含まれるヒスタミンにより誘発されるため、IgE抗体を産生しにくい体質の人でも起こる。"} +{"problem_id": "105124", "problem_text": "食品添加物A〜Dに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["A〜Dのいずれかを含む食品にその物質名を表示する場合、用途名も必ず併記しなければならない。", "Aは酸型の保存料である。", "Bは海外でポストハーベスト農薬として使用されているが、我が国では食品添加物の防かび剤に指定されている。", "Cは脂溶性の酸化防止剤である。", "DはpHによって効果が変化しない保存料である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "設問のA〜Dの構造の名称と用途は、A: 没食子酸プロピル(酸化防止剤)、B: チアベンダゾール(防カビ剤)、C: アセスルファムカリウム(甘味料)、D: デヒドロ酢酸ナトリウム水和物(保存料)である。1:正\n使用した食品添加物は物質名で記載するとともに8種類の用途(甘味料、着色料、保存料、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤又は防ばい剤)に使用される添加物は、その用途名も併せて表示する。2:誤\n前記参照\n3:正\nB(チアベンダゾール)はバナナのかびによる腐敗防止に用いられる添加物であり、海外でポストハーベスト農薬として使用されている。4:誤\nC(アセスルファムカリウム)は水溶性であり、甘味料として使用されている。5:誤\nD(デヒドロ酢酸ナトリウム水和物)は、pHによって効果が変化する。なお、pHの影響を受けにくい保存料には、パラオキシ安息香酸エステル類がある。"} +{"problem_id": "105125", "problem_text": "我が国における遺伝子組換え食品の取扱いに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["遺伝子組換え大豆を原材料として製造した醤油や大豆油は、挿入遺伝子及びその遺伝子産物が検出されなければ、遺伝子組換え食品としての表示義務はない。", "安全性の評価には、挿入遺伝子の遺伝子産物によるアレルギー誘発性に関する知見が必要である。", "遺伝子組換え農作物の商業的栽培は許可されていない。", "輸出国で安全性に関する審査を受けた遺伝子組換え食品は、日本国内で審査を受けることなく流通・販売が可能である。", "IPハンドリング(分別生産流通管理)された非遺伝子組換え農産物を原料とする食品には、「遺伝子組換えではない」の表示義務がある。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n食品中において挿入遺伝子およびその遺伝子産物が除去されているもの(醤油、大豆油、コーン油など)は、遺伝子組換え食品としての表示義務はない。2:正\n安全性については、下記の項目について評価する必要がある。・挿入遺伝子の安全性\n・挿入遺伝子により産生されるタンパク質の有害性の有無\n・アレルギー誘発性の有無\n・挿入遺伝子が間接的に作用し、他の有害物質を産生する可能性の有無\n・遺伝子を挿入したことにより成分に重大な変化を起こす可能性の有無\n3:誤\n遺伝子組換え農作物の商業的栽培は許可されている。4:誤\n安全性の審査制度や表示義務は国によって異なるため、輸出国で安全性審査を受けていても、輸入国で安全性が確認されていないものは輸入・販売等が禁止されている。5:誤\nIPハンドリング(分別生産流通管理)された非遺伝子組換え農産物を原料とする食品には、「遺伝子組換えではない」と表示する義務はない(任意表示)。"} +{"problem_id": "105126", "problem_text": "表は、2005年と2018年の食中毒統計に示された主な食中毒原因物質による食中毒の発生状況である。このうち、B〜Dに当てはまる原因物質の組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "A: サルモネラ属菌、B: 腸炎ビブリオ、C: ウェルシュ菌、D: カンピロバクター・ジェジュニ/コリ、E: ノロウイルス"} +{"problem_id": "105127", "problem_text": "食品に含まれる金属に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カドミウム及び無機ヒ素は、国際がん研究機関(IARC)において、グループ1(ヒトに対する発がん性が認められる)に分類されている。", "我が国における無機ヒ素の主な曝露源となる食品は、米とヒジキである。", "我が国におけるカドミウムの主な曝露源となる食品は、米である。", "メチル水銀は、生物濃縮されるため、マグロなどの大型魚類に蓄積されやすい。", "カドミウム及び無機水銀の消化管からの吸収率は、いずれも90%以上である。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nカドミウムおよびカドミウム化合物、ヒ素及びヒ素化合物、6価クロム化合物、ニッケル化合物は、国際がん研究機関(IARC)において、グループ1(ヒトに対する発がん性が認められる)に分類されている。2:正しい\n日本人の主な無機ヒ素の曝露源は米とひじきである。3:正しい\n日本人の主なカドミウムの曝露源は米である。4:正しい\nメチル水銀は、プランクトン\\rightarrow 小魚\\rightarrow 大魚といった水生生物の食物連鎖により濃縮され、特にマグロ、カジキ、サメなどの大型魚類に蓄積されやすい\n5:誤っている\nヒトにおけるカドミウムの消化管吸収率は2〜6%程度であり、また、無機水銀の消化管吸収率は7%程度である。"} +{"problem_id": "105128", "problem_text": "表は、我が国における男女別の死亡統計(人口千対)の推移を示したものである。この表及び我が国の死亡統計に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["1950年から1980年までの間、粗死亡率が低下しているのは、この期間に出生率が上昇したためである。", "1990年から2016年まで粗死亡率が上昇しているのは、この期間に健康水準が低下したためである。", "1990年から2016年まで、粗死亡率は上昇しているにもかかわらず年齢調整死亡率が低下しているのは、この期間の人口の高齢化を反映している。", "年齢調整死亡率は、1985年の年齢別死亡率を基準にして、対象集団の年齢別人口構成で補正したものである。", "2016年における年齢調整死亡率の性差が、粗死亡率の性差より顕著であるのは、その年の年齢別人口構成の性差が顕著であることを反映している。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n1950年から1980年までの間、粗死亡率が低下しているのは、この期間に健康水準(生活環境の改善、食生活の改善、医療技術の進歩など)が上昇したためである。2:誤\n1990年から2016年まで粗死亡率が上昇しているのは、この期間に老年人口が多くなり死亡する人数が増えたためである。3:正\n年齢調整死亡率を用いる人口モデルに比べて老年人口が多い地域では、一般に粗死亡率は年齢調整死亡率に比べて大きい。4:誤\n年齢調整死亡率は、1985年の人口構成を基準にして、対象集団の年齢別人口構成で補正したものである。5:正\n高齢における死亡割合が高くなると、年齢調整死亡率は低くなる傾向にあるため、男性に比べ女性の方が高齢で死亡していると推察できる。このことから、年齢調整死亡率の性差が、粗死亡率の性差より顕著であるのは、高齢における人口構成が男性<女性であることが影響を与えていると推察される。"} +{"problem_id": "105129", "problem_text": "表1は、年齢区分別人口割合の将来推計である。表2は、全国の保険薬局での処方調査から明らかになった同一の保険薬局で調剤された薬剤種類数の年齢区分別のデータである。これらの表に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["表1から、2035年における老年化指数は約200%になると予測される。", "2015年から2035年までにおける老年人口割合の増加には、75歳以上人口割合の増加が大きく寄与している。", "表2から、75歳以上の患者のうち、ほぼ4人に1人が7種類以上/月の薬剤を処方されていることがわかる。", "7種類以上/月の割合が、65〜74歳に比べて75歳以上で約2倍であることは、65〜74歳に比べて75歳以上の患者の医療機関受診率が約2倍であることを示している。", "人口割合の将来推計は、将来にわたって総人口が変化しないものとして計算されている。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n老年化指数は、高齢化の程度や高齢化のスピードの指数であり、下記の式で表されれる。2035年における老年化指数は、老年人口(33.3%)/年少人口(10.1%)\\times 100=329%\n2:正\n2015年から2035年において、65〜74歳までの割合はほとんど変化していないが、75歳以上の割合が増加している。このことから2015年から2035年までにおける老年人口割合(65歳以上の割合)の増加には、75歳以上人口割合の増加が大きく寄与していると判断できる。3:正\n表2において、年齢区分: 75歳〜では、薬剤種類数/月: 7〜の割合が24.8である。このことから75歳以上の患者のうち、ほぼ4人に1人が7種類以上/月の薬剤を処方されていると判断できる。4:誤\n7種類以上/月の割合が、65〜74歳に比べて75歳以上で約2倍であることから、1月あたりに7種類以上の���剤を調剤されている患者の割合が65〜74歳に比べて75歳以上で約2倍であることはわかるが、患者の医療機関受診率を確認することはできない。5:誤\n人口割合の将来推計は、将来の出生、死亡及び国際人口移動について仮定を設け、これらに基づいてわが国の人口規模並びに年齢構成等の人口構造の推移について推計したものである。"} +{"problem_id": "105130", "problem_text": "図は、我が国のある新興・再興感染症の発生動向調査に基づく患者数の年次推移を示したものである。この図に該当する感染症はどれか。1つ選べ。", "choices": ["結核", "中東呼吸器症候群(MERS)", "クリプトスポリジウム症", "重症急性呼吸器症候群(SARS)", "劇症型溶血性レンサ球菌感染症"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "設問の図は、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(選択肢5)の年次推移を示したものである。<参考: 新興・再興感染症>\n新興感染症とは、「おおむね1970年(昭和45年)以降に、新たに発見された感染病原体あるいは、かつては不明であった病原体により、地域的あるいは国際的に公衆衛生上問題となっている新感染症」のことであり、中東呼吸器症候群(MERS)、クリプトスポリジウム症、重症急性呼吸器症候群(SARS)は、新興感染症に該当する。また、再興感染症とは、「既知感染症で発症数が減少し、公衆衛生上ほとんど問題にならなくなっていたが、近年再び出現・増加している感染症あるいは将来的に問題となる可能性のある感染症のことであり、結核、劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、再興感染症に該当する。"} +{"problem_id": "105131", "problem_text": "予防接種法に定める定期予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["B型肝炎の予防接種は、生後12ヶ月までの間に1回のみ接種する。", "4種混合ワクチンであるDPT-IPVは、ジフテリア、百日咳、破傷風及びポリオ(急性灰白髄炎)の予防に用いられる。", "2019年以降、風しんワクチン接種の公費助成の対象者を拡大したのは、近年の風しんの流行及び先天性風しん症候群の報告数の増加によるものである。", "水痘の予防接種を受けた場合、日本脳炎の予防接種は翌日であれば受けることができる。", "肺炎球菌感染症は、小児及び高齢者の個人予防を主な目的とするB類疾病に位置付けられている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nB型肝炎の予防接種は、生後12ヶ月までの間に3回接種する必要がある。2:正\n3:正\n2019年以降、風しんワクチン接種の公費助成の対象者を「1962年4月2日〜1979年4月1日生まれの男性」に拡大したのは、①、②によるものである。①: 40歳代前後の男性の多く発症していること\n②: 妊婦は風しんワクチンを接種できないため、風しんの母子感染による先天性風疹症候群を防止するためには、家族、職場などで妊婦と接する可能性のある者がワクチンを接種しておくことが重要である\n4:誤\n水痘ワクチン接種後4週間経過後、他のワクチン(BCG、日本脳炎、おたふくなど)を接種することができる。5:誤\n肺炎球菌感染症において、小児に対する予防接種は、定期A類疾病予防接種に位置付けられており、高齢者に対する予防接種は、定期B類疾病予防接種に位置付けられている。"} +{"problem_id": "105132", "problem_text": "モルヒネ及びその類似化合物が、生体内で受ける代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["コデインは、O-脱メチル化されてモルヒネになる。", "モルヒネは、アセチル化されてヘロインになる。", "モルヒネは、メチル化されてコデインになる。", "ヘロインは、加水分解されてモルヒネになる。", "コデインは、還元されてジヒドロコデインになる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "生体内において、コデインはCYP2D6によりO-脱メチル化を受けモルヒネになる。また、ヘロインはカルボキシエステラーゼにより脱アセチル化(加水分解)されモルヒネとなる。"} +{"problem_id": "105133", "problem_text": "化学物質A〜Eの代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["AはシトクロムP450による還元的脱ハロゲン化によりトリフルオロ酢酸に代謝される。", "BはシトクロムP450によりN-脱メチル化された後、DNA付加体を形成する。", "Cは代謝的活性化を受けずに、直接DNA付加体を形成する。", "DはシトクロムP450による酸化的脱硫反応によりオクソン体に代謝される。", "EはシトクロムP450により還元され、アセトアミノフェンとアセトアルデヒドを生成する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nA(ハロタン)は、好気的条件と嫌気的条件で代謝経路が異なる。好気的条件では、P450の酸化的脱ハロゲン化によりトリフルオロ酢酸を生成する。嫌気的条件では、P450の還元的脱ハロゲン化により1-クロロ-2-トリフルオロエチルラジカルを生成する。2:正\nB(ジメチルニトロソアミン)は、P450のN-脱メチル化によりN-メチル-N-ヒドロキシメチルニトロソアミンとなり、続いてメチルカチオンを生じ、DNAを化学修飾する。3:誤\nC(Trp-P-2)は、ヘテロサイクリックアミンであり、P450のN-水酸化によりヒドロキシルアミンとなり、続いてトランスフェラーゼの代謝によりニトレニウムイオンとなることでフレームシフト型の変異を起こす。4:正\nD (パラチオン)は、P450の酸化的脱硫反応によりパラオクソンを生成する。5:誤\nE(フェナセチン)は、P450のO-脱アルキル化によりアセトアミノフェンとアセトアルデヒドを生成する。"} +{"problem_id": "105134", "problem_text": "化学物質のグルクロン酸抱合に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グルクロン酸抱合を受ける化合物は、必ずOH基又はNH_{2}基を有している。", "グルクロン酸抱合は、UDP-\\alpha -D-グルクロン酸を補酵素とする。", "UDP-グルクロン酸転移酵素に酵素誘導は起こらない。", "グルクロン酸抱合により、化学物質が代謝的活性化を受けることはない。", "UDP-グルクロン酸転移酵素は、小胞体膜に存在する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基、チオール基を有するものがグルクロン酸抱合を受ける。2:正\n3:誤\n薬物によりUDP-グルクロン酸転移酵素が誘導されることがある。4:誤\nグルクロン酸抱合により化学物質が代謝的活性化を受けることがある。5:正\nUDP-グルクロン酸転移酵素は、小胞体(ミクロソーム画分)に存在する。"} +{"problem_id": "105135", "problem_text": "化学物質の毒性評価とその試験法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["食品添加物や農薬などの安全性を調べるための毒性試験には、good laboratory practice(GLP)に基づいた試験法ガイドラインが設けられている。", "無毒性量は、一般毒性試験の単回投与毒性試験により求められる。", "発がん性試験では、遺伝子突然変異や染色体異常、DNA損傷を指標とする複数の試験法を組み合わせて、発がん性の評価を行う。", "農薬の毒性評価には、急性毒性試験は必要ない。", "催奇形性には動物種差が存在するため、催奇形性試験はラットなどのげっ歯類及び非げっ歯類で行われる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n2:誤\n無毒性量は、一般毒性試験の反復投与毒性試験より求められる。3:誤\n発がん性試験では、長期間(動物のほぼ一生)被験物質を投与することで催腫瘍性を評価する試験であり、複数の試験を組み合わせて、発がん性を評価する試験ではない。4:誤\n農薬の毒性評価には、急性毒性試験、亜急性毒性試験、慢性毒性試験、発がん性試験、繁殖試験、催奇形性試験、変異原性試験、生体機能(薬理)試験、動物体内運命(代謝)試験を必要とする。5:正"} +{"problem_id": "105136", "problem_text": "放射性物質を取り扱う際の放射線被ばくの防護に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["\\gamma 線の遮へいには鉛遮へい用具が適している。", "\\gamma 線による被ばく量は、被ばく時間が同じ場合、線源からの距離を20cmから40cmにすると、1/4になる。", "\\alpha 線は透過性が強いので、外部被ばくを防護する必要がある。", "内部被ばくを防ぐには、放射性物質の経口摂取、吸入摂取、経皮吸収を防ぐことが重要である。", "体内に取り込まれた放射性核種の放射線による内部被ばくを防ぐことは困難である。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n\\gamma 線の遮蔽には、厚い鉛やコンクリートが用いられる。2:正しい\n放射線による被ばく量は、距離の2乗に反比例するため、線源からの距離が2倍になると、放射線被ばく量は1/4となる。3:誤っている\n\\alpha 線は透過性が弱いため、外部被ばくを受けにくい。なお、\\gamma 線は透過性が高いため、外部被ばくを防護する必要がある。4:正しい\n体内に取り込まれた放射性核種の放射線による内部被ばくを防止することは困難であるため、内部被ばくを防止するためには、放射性物質の経口摂取、吸入摂取、経皮吸収を防ぐことが重要である。5:正しい\n解説4参照"} +{"problem_id": "105137", "problem_text": "水の浄化法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["緩速ろ過では、原水を極めて遅い速度で通水してろ過することにより、主に嫌気性微生物によるろ過膜が形成される。", "緩速ろ過による水中の有機物の除去能は、急速ろ過より劣る。", "水道法では、緩速ろ過、急速ろ過のいずれの場合も、塩素剤による消毒が義務付けられている。", "薬品凝集沈殿では、凝集剤のポリ塩化アルミニウムの添加により、正電荷を持つ汚濁粒子を電気的に中和し、凝集塊として沈殿させる。", "薬品凝集沈殿-急速ろ過は、我が国で最も多く利用されている浄化法である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n緩速ろ過では、原水を極めて遅い速度で通水してろ過することにより、主に好気性微生物によるろ過膜が形成され、濁りや細菌、有機物などを効率的に除去できる。2:誤\n緩速ろ過では、好気性微生物による有機物の分解が起こるため、水中の有機物の除去能は、急速ろ過より優れている。3:正\n水道法では、緩速ろ過、急速ろ過のいずれの場合も、塩素剤による消毒を行うこととされている。4:誤\n凝集剤であるポリ塩化アルミニウムは、水中で陽イオンとなり負電荷を持つ汚濁粒子を電気的に中和し、凝集塊として沈殿させる。5:正\n薬品凝集沈殿-急速ろ過は、狭い敷地面積で大量の水をろ過できるため、我が国で最も多く利用されている。"} +{"problem_id": "105138", "problem_text": "図は、公共用水域の環境基準(BOD又はCOD)達成率の年次推移を示したものである。BOD、COD及び図に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["BOD及びCODは、水中に含まれる有機物などの被酸化物を、それぞれ生物化学的及び化学的に酸化分解するときに消費される酸素量である。", "図中のAは湖沼、Bは河川を示している。", "海域では、海水中の塩分がBOD測定に影響するため、環境基準としてCODが採用されている。", "湖沼では、植物プランクトンによる酸素の産生の影響を避けるため、環境基準としてCODが採用されている。", "海域や湖沼の閉鎖系水域では、水や有機物の外部交換が行われにくく、自浄能力を超えると深刻な水質汚濁が起こりやすい。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\nBOD(生物化学的酸素要求量)は、水中の有機物が生物化学的に酸化されるため消費する酸素量であり、COD(化学的酸素要求量)は、水中の被酸化物、特に有機物が酸化剤によって酸化される際に消費する酸素量である。2:誤っている\n近年、河川の環境基準達成率は90%以上を推移しており、湖沼の環境基準達成率は50〜60%の間を推移している。このことから図中のAは河川、Bは湖沼を示している。3:正しい\n4:正しい\nBODは暗所で測定するため、植物プランクトンが多く存在すると溶存酸素が有機物の分解で消費されたのか、植物プランクトンが呼吸で消費したか区別することが難しい。このため、植物プランクトンの多い湖沼では、環境基準としてCODが採用されている。5:正しい\n海域や湖沼の閉鎖系水域では、水や有機物の外部交換が行われにくいため、自浄能力を超えると深刻な水質汚濁を起こす。"} +{"problem_id": "105139", "problem_text": "大気汚染物質の測定方法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["トリエタノールアミン・パラロザニリン法は、大気中の硫酸ミストを測定する方法である。", "一酸化炭素の自動連続測定には、溶液導電率法が用いられる。", "ザルツマン法による窒素酸化物の測定では、NO_{2}はザルツマン試薬と直接反応しないため、NOに還元してから測定する。", "中性ヨウ化カリウム法でI_{2}を遊離する大気汚染物質は、オゾンなどの酸化性物質である。", "浮遊粒子状物質の測定には、10\\micro mより大きい粒子を除去する分粒装置が用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nトリエタノールアミン・パラロザニリン法は、大気中の硫黄酸化物を測定する方法である。2:誤\n一酸化炭素の自動連続測定には、赤外線吸収法が用いられる。3:誤ザルツマン法による窒素酸化物の測定では、NOはザルツマン試薬と直接反応しないため、NO_{2}に酸化してから測定する。4:正中性ヨウ化カリウム法でI_{2}を遊離する大気汚染物質は、オゾン、パーオキシアシルナイトレート(PAN)などの酸化性物質である。5:正\n浮遊粒子状物質(SPM)は、大気中に浮遊する粒子状物質であってその粒子径が10\\micro m以下のものと定義されており、SPMを測定するためには、分粒装置を用いて採取する粉じんの大きさを10\\micro m以下にする必要がある。"} +{"problem_id": "105140", "problem_text": "「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)及び「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化管法)に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["化審法は、PCB(ポリ塩化ビフェニル)による環境汚染及び人での健康被害の発生を契機として制定された。", "化審法では、新規化学物質を製造又は輸入するにあたって、事前に安全性の審査を受けることが義務付けられている。", "化審法で定められている第二種特定化学物質は、難分解性で高蓄積性であり、人又は高次捕食動物への長期毒性を有する。", "化管法では、指定された化学物質について、安全データシート(SDS)による事業者への情報提供が義務付けられている。", "化管法において、PRTR制度の対象事業者は、指定された化学物質について、環境中への排出量及び廃棄物としての事業所外への移動量を国に届け出なければならない。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nPCB(ポリ塩化ビフェニル)は油症事件の問題となった化学物質であり、この油症事件が化審法制定の契機となった。2:正しい\n3:誤っている\n下表参照\n4:正しい\n化管法では、指定された化学物質(第一種指定化学物質、第二種指定化学物質)について、安全データシート(SDS)による事業者への情報提供が義務付けられている。5 正しい\nPRTR制度の対象事業者は、指定された化学物質(第一種指定化学物質)について、環境中への排出量及び廃棄物としての事業所外への移動量を国に届け出なければならない。"} +{"problem_id": "105141", "problem_text": "薬剤師法に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬剤師の任務は、「医療及び保健指導をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保する。」と定められている。", "薬剤師でなければ、薬剤師又はこれにまぎらわしい名称を用いてはならない。", "薬剤師免許は、薬剤師国家試験の合格によって発行される。", "薬剤師は罪を犯しても、免許を取り消されることはない。", "調剤に従事する薬剤師に限り、資格を確認できるよう氏名が公表される。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n薬剤師の任務は、「調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保する。」と定められている。2:正\n薬剤師法: 第二十条(名称の使用制限)\n3:誤\n薬剤師免許の交付は、試験に合格した者の申請により、薬剤師名簿に登録することによって行われる。4:誤\n薬剤師が罪を犯した場合、免許を取り取り消されることがある。5:誤\n厚生労働大臣は、医療を受ける者その他国民による薬剤師の資格の確認及び医療に関する適切な選択に資するよう、薬剤師の氏名その他の政令で定める事項を公表する。"} +{"problem_id": "105142", "problem_text": "薬局に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["病院に調剤所を置く場合には、開設者が薬局の開設の許可を受ける必要がある。", "医療法において、調剤を行う薬局は医療提供施設と規定されている。", "薬局開設者の判断で健康サポート薬局と表示することができる。", "一般用医薬品を販売する場合には、薬局であっても店舗販売業の許可が必要である。", "薬局開設者は、薬剤師でなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n病院若しくは診療所又は飼育動物診療施設の調剤所は「薬局」ではないため、開設者が薬局の開設の許可を受ける必要はない。2:正\n医療法において病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局は、医療提供施設と規定されている。3:誤\n薬局の業務体制や設備について一定の基準(厚生労働省告示)に適合する薬局が、都道府県知事等に届出を行うことにより「健康サポート薬局」である旨を表示することできる。4:誤\n薬局が一般用医薬品を販売する場合、店舗販売業の許可は不要である。5:誤\n薬局開設者は、薬剤師でなくてもよい。なお、薬局の管理者は、薬剤師でなければならない。"} +{"problem_id": "105143", "problem_text": "平成29年度の国民医療費の内訳に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["制度区分別では、後期高齢者医療給付分が医療保険等給付分を上回っている。", "財源別では、保険料の占める割合が最も高い。", "診療種類別では、薬局調剤医療費の占める割合が最も高い。", "傷病分類別では、新生物(腫瘍)の占める割合が最も高い。", "年齢階級別では、全体の約8割が65歳以上の高齢者に使われている。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n後期高齢者医療給付分(14兆7805億円)は、医療保険等給付分(19兆7402億円)を下回っている。2:正\n財源別では、保険料(21兆2650億円: 49.4%)の占める割合が最も高い。3:誤\n診療種類別では、医科診療医療費(30兆8335億円: 71.6%)の占める割合が最も高い。なお、薬局調剤医療費(7兆8108億円)の割合は18.1%である。4:誤\n傷病分類別では、循環器系の疾患の占める割合(6兆782億円: 19.7%)が最も高い。なお、新生物(腫瘍)の占める割合(4兆3766億円: 14.2%)は循環器系の疾患に比べ2番目に高い。5:誤\n年齢階級別では、全体の約6割が65歳以上の高齢者に使われている。"} +{"problem_id": "105144", "problem_text": "医薬分業に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬剤師法の施行を契機に、急速に普及した。", "処方箋受取率は、都道府県の間でほとんど差がない。", "処方箋を患者に交付する医師が、調剤を受ける薬局を指定することが望ましい。", "複数の医療機関を受診しても、患者が特定の薬局を利用することで、薬剤服用歴を薬局で一元的に管理できる。", "交付された処方箋により、患者自身が服用している薬の名称について知ることができる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n1974年の診療報酬改定で処方料が大幅に引き上げられたことを契機に、医薬分業が急速に普及した。2:誤\n処方箋受取率は、都道府県の間で差がある(2018年度の分業率: 1位は秋田県88.2%、最下位は福井県52.0%)。3:誤\n医師あるいは医療機関が特定の薬局を指定し誘導することは禁止されている。4:正\n患者が特定の薬局を利用することで、薬剤服用歴を薬局で一元的に管理することができる。5:正\n交付された処方箋を確認することで、処方されている薬(服用する薬)の名称を確認することができる。"} +{"problem_id": "105145", "problem_text": "患者とのコミュニケーションギャップを防ぐための医療従事者の対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者が質問しやすいように、双方向のコミュニケーションを心がける。", "一般に知られていない専門用語は、わかりやすい日常用語に言い換える。", "患者の年齢や理解度に合わせて、話すスピードや声の大きさに配慮する。", "患者が落ち着いて話せるように、プライバシーが守られる場所を用意する。", "医療従事者の都合で、一度に全ての情報を伝える。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "105146", "problem_text": "患者の自己決定に関する医療従事者の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["患者が自己決定をした場合、その決定がもたらす結果を説明する。", "患者の性格やそのときの心理状態に配慮し、意思決定しやすい環境を確保する。", "患者は医療に関する知識が乏しいので、患者の意向を聞かず、医療従事者のみの判断で全ての方針を決定する。", "患者の家族が同居していれば、患者本人の意向にかかわらず家族の意向を優先する。", "患者と医療従事者の関係性を強化するためにパターナリズムの原則に従う。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n2:正\n3:誤\n医療従事者は、患者が意思決定をするために必要な情報を提供し、患者の意向を聞き入れた上で方針を決定する必要がある。4:誤\n方針を決定する上で、患者の家族の意向よりも患者本人の意向が優先される。5:誤\nパターナリズムとは、強い立場にある者が弱い立場の者の意向に反して、弱い立場の者の利益になるという理由から、本人の意思を問わずに介入・干渉・支援することである。パターナリズムの原則に従うことは、患者の意向を聞き入れず医療従事者のみの判断で方針を決定することになる。"} +{"problem_id": "105147", "problem_text": "医薬品の製造販売の承認拒否事由として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["申請に係る医薬品が、その申請に係る効能、効果を有すると認められないとき。", "申請に係る医薬品が、その効能、効果に比して著しく高価格であるとき。", "申請に係る医薬品が、その効能、効果に比して著しく有害な作用を有することにより、医薬品としての使用価値がないと認められるとき。", "申請に係る医薬品の性状又は品質が、保健衛生上著しく不適当なとき。", "申請者が、申請に係る医薬品に関する製造販売業の許可を受けていないとき。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "(承認拒否事由)\n・申請者が、申請に係る品目の種類に応じた製造販売業の許可を受けていないとき。・製造所が、申請に係る品目の区分に応じた製造業の許可又は外国製造業の認定を受けていないとき。・申請に係る医薬品の名称、成分、分量、用法、用量、効能、効果、副作用その他の品質、有効性又は安全性に関する事項の審査の結果、その物が次のイからハまでのいずれかに該当するとき。イ: 申請に係る医薬品が、その申請に係る効能又は効果を有すると認められないとき\nロ: 申請に係る医薬品が、その効能又は効果に比して著しく有害な作用を有することにより、医薬品として使用価値がないと認められるとき\nハ: イ又はロに掲げる場合のほか、医薬品として不適当なものとして厚生労働省令で定める場合に該当するとき\n・申請に係る医薬品が政令で定めるものであるときは、その物の製造所における製造管理又は品質管理の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合していると認められないとき。"} +{"problem_id": "105148", "problem_text": "医療法に基づき、医療機関の管理者に求められる医療安全の確保に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["医療に係る安全管理のための指針を整備しなければならない。", "医薬品安全管理責任者を配置しなければならない。", "医療事故が発生した場合、第三者委員会による調査を実施しなければならない。", "医薬品の安全使用のために、患者を対象とした研修を実施しなければならない。", "医療事故が発生した場合、当該医療事故の日時、場所、状況等を公表しなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "病院の管理者は、医薬品に係る安全管理体制の確保のための措置を講じなければならない。医薬品に係る安全管理体制の確保のための措置を以下に示す。<医薬品に係る安全管理体制の確保のための措置>\n・医薬品の使用に係る安全な管理のための責任者の配置\n・従事者に対する医薬品の安全使用のための研修の実施\n・医薬品の安全使用のための業務に関する手順書の作成及び当該手順書に基づく業務の実施\n・医薬品の安全使用���ために必要となる情報の収集その他の医薬品の安全使用を目的とした改善のための方策の実施"} +{"problem_id": "105149", "problem_text": "我が国の医療保険制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["国民はいずれかの公的医療保険に加入する。", "自らが将来使用する医療費を予め積み立てておく自助の原則による。", "被用者保険と国民健康保険とでは、現物給付される医療の内容は異なる。", "医療保険制度による医療の財源に、公費は含まれていない。", "後期高齢者医療制度の被保険者には、75歳以上の者及び65歳以上75歳未満の寝たきり状態にある者が含まれる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n日本は「国民皆保険」制度を導入している国であり、国民は基本的にいずれかの公的な医療保険制度に加入することが義務付けられている。2:誤\n我が国の医療制度では、積立方式ではなく、集めた保険料を必要な者に給付する方式が採用されている。3:誤\n被用者保険と国民健康保険で現物給付される医療の内容は同じである。4:誤\n療保険制度による医療の財源として、税金をもとに国・地方自治体が支出する「公費」、患者が負担する「自己負担」、各医療保険制度が集めた「保険料」がある。5:正\n後期高齢者医療制度は75歳(寝たきり等の場合は65歳)以上の方が加入する医療制度である。本制度の被保険者には、①: 75歳以上の者、②: 65歳以上74歳以下で寝たり等一定の障がいがあると認定された者(②においては、本人の意思により、被保険者とならないこともできる)が含まれる。"} +{"problem_id": "105150", "problem_text": "薬価基準制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬価基準は、保険医療で使用できる医薬品の品目表と価格表の2つの性格を持つ。", "新医薬品は、製造販売の承認から遅くとも30日以内に薬価基準に収載される。", "新医薬品の薬価は、類似薬がある場合は、その薬価を参考に決められる。", "既収載品の薬価は、年間販売量が多いものに限り定期的に見直される。", "後発医薬品の薬価は、製造販売業者が自由に決められる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n薬価基準は、保険医療に使用できる医薬品の品目とその価格を厚生労働大臣で定めたものである。2:誤\n新医薬品は、原則として承認後60日以内、遅くとも90日以内に薬価収載する必要がある。3:正\n新医薬品の薬価は、類似薬がある場合、類似薬効比較方式(I)または類似薬効比較方式(II)で決定される。4:誤\n既収載品の薬価は、年間販売量に関係なく定期的に見直される。5:誤\n後発医薬品の薬価は、製造販売業者が自由に決めることはできない。"} +{"problem_id": "105151", "problem_text": "受容体と細胞内情報伝達に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["イオンチャネル内蔵型受容体には、陽イオンを細胞内に流入させるグリシン受容体が含まれる。", "Gタンパク質共役型受容体(GPCR)には、アデニル酸シクラーゼ活性化能を持つものがあり、ドパミンD_{2}受容体が含まれる。", "GPCRには、ホスホリパーゼC活性化能を持つものがあり、アドレナリン\\alpha _{1}受容体が含まれる。", "酵素共役内蔵型受容体には、細胞膜を1回貫通し細胞内に酵素活性を持つか、酵素に直接結合するものがあり、インスリン受容体が含まれる。", "核内受容体には、細胞質においてリガンドと結合したのち核内に移行し、遺伝子の転写を調節するものがあり、バソプレシンV_{1}受容体が含まれる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nグリシン受容体はCl^{-}チャネル内臓型受容体であり、Cl^{-}イオンを細胞外から細胞内に流入させる。2:誤\nドパミンD_{2}受容体はGiタンパク質共役型受容体であり、アデニル酸シクラーゼ抑制能を持つ。3:正\nGPCRには、ホスホリパーゼC活性化能を持つGqタンパク質共役型受容体(\\alpha _{1}受容体、M_{1}・M_{3}受容体、H_{1}受容体、5-HT_{2}受容体、AT_{1}受容体、TP(TXA_{2})受容体)がある。4:正\n酵素内蔵型受容体(細胞膜1回貫通型受容体)には、チロシンキナーゼ内蔵型受容体やグアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体などが��る。チロシンキナーゼ内蔵型受容体の代表例として、インスリン受容体や上皮成長因子(EGF)受容体があり、グアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体の代表例として、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体がある。5:誤\n細胞内受容体は、細胞質や核内に存在する。細胞内受容体は、リガンドに結合し、複合体を形成すると、核内に存在するDNAに作用することにより転写調節因子として作用する。細胞内受容体には、活性型ビタミンD_{3}受容体、コルチゾール受容体、アルドステロン受容体、エストロゲン受容体、レチノイン酸受容体、甲状腺ホルモン受容体などがある。"} +{"problem_id": "105152", "problem_text": "副交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ピロカルピンは、アセチルコリンM_{3}受容体を刺激して瞳孔散大筋を収縮させる。", "アンベノニウムは、コリンエステラーゼを不可逆的に阻害して重症筋無力症を改善する。", "チオトロピウムは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断して気管支平滑筋を弛緩させる。", "トロピカミドは、アセチルコリンM_{3}受容体を刺激して毛様体筋を収縮させる。", "オキシブチニンは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断して排尿筋を弛緩させる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nピロカルピンは、アセチルコリンM_{3}受容体を刺激して瞳孔括約筋を収縮させる。2:誤\nアンベノニウムは、コリンエステラーゼを可逆的に阻害して重症筋無力症を改善する。3:正\nチオトロピウムは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断して気管支平滑筋を弛緩させる。4:誤\nトロピカミドは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断して毛様体筋を弛緩させる。5:正\nオキシブチニンは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断して膀胱平滑筋を弛緩させる。"} +{"problem_id": "105153", "problem_text": "自律神経節遮断薬の効果とその説明に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["唾液腺は副交感神経の支配が優位なため、口渇が起こる。", "心臓は交感神経の支配が優位なため、心拍数が増加する。", "消化管は副交感神経の支配が優位なため、消化管の緊張低下や便秘が生じる。", "汗腺は交感神経の支配が優位なため、汗の分泌が増加する。", "瞳孔は副交感神経の支配が優位なため、縮瞳が起こる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "自律神経節遮断薬の効果は、各臓器に対して優位に働く神経節に強く現れる。交感神経が優位な臓器: 血管、汗腺\n副交感神経が優位な臓器: 心臓、毛様体筋、消化管、膀胱、唾液腺\n1:正\n唾液腺は副交感神経の支配が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、副交感神経の作用が抑制され、唾液の分泌が抑制される(口渇が起こる)。2:誤\n心臓は副交感神経の支配が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、副交感神経の作用が抑制され、心機能亢進する(心拍数が増加する)。3:正\n消化管は副交感神経の支配が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、副交感神経の作用が抑制され、消化管の運動機能が低下する(消化管の緊張低下や便秘が生じる)。4:誤\n汗腺は交感神経の支配が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、交感神経の作用が抑制され、汗の分泌が低下する。5:誤\n瞳孔括約筋は副交感神経の支配が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、副交感神経の作用が抑制され、瞳孔括約筋が弛緩する(散瞳が起こる)。"} +{"problem_id": "105154", "problem_text": "催眠・鎮静作用をもつ薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ", "choices": ["ミダゾラムは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のGABA結合部位に結合し、Cl^{-}チャネルの開口を促進することで鎮静・催眠作用を示す。", "ジフェンヒドラミンは、中枢神経系のヒスタミンH_{1}受容体を遮断し、眠気を誘発する。", "ラメルテオンは、メラトニン受容体を遮断し、睡眠覚醒リズムを調節する。", "デクスメデトミジンは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激し、ノルアドレナリン放出を抑制することで鎮静作用を��す。", "スボレキサントは、ドパミンD_{2}受容体を遮断し、覚醒状態から睡眠状態へと移行させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nミダゾラムは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、Cl^{-}チャネルの開口を促進することで鎮静・催眠作用を示す。2:正\n3:誤\nラメルテオンは、睡眠覚醒リズムに関わるメラトニン受容体MT_{1}及びMT_{2}を刺激することにより睡眠中枢を優位に導くことで睡眠を誘発する。4:正\nデクスメデトミジンは、中枢性アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激し、ノルアドレナリン放出を抑制することで鎮静作用を示す。5:誤\nスボレキサントは、覚醒を促進する神経ペプチドであるオレキシンAおよびBの受容体への結合を可逆に阻害することにより脳を覚醒状態から睡眠状態へ移行させる。"} +{"problem_id": "105155", "problem_text": "パーキンソン病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エンタカポンは、B型モノアミンオキシダーゼ(MAO-B)を阻害することで、脳内のドパミン代謝を抑制する。", "ビペリデンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することで、線条体におけるアセチルコリン神経系とドパミン神経系のアンバランスを改善する。", "セレギリンは、線条体におけるドパミン神経終末からのドパミン遊離を促進することで、ドパミンの神経伝達を回復させる。", "イストラデフィリンは、アデノシンA_{2A}受容体を遮断することで、運動機能を回復させる。", "ゾニサミドは、線条体のドパミンD_{2}受容体を刺激することで、ドパミン神経系を活性化する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nエンタカポンは、末梢においてCOMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)を阻害することで、レボドパの分解を抑制し脳内移行量を増大させる。2:正\nビペリデンは、ドパミンの欠乏に伴い相対的に亢進しているアセチルコリン神経の作用を抑制し、ドパミンとアセチルコリンのバランスを調節する。3:誤\nセレギリンは、B型モノアミンオキシダーゼ(MAO-B)を阻害することで、脳内のドパミン代謝を抑制する。4:正\nイストラデフィリンは、線条体と淡蒼球においてアデノシンA_{2A}受容体へのアデノシンの結合を阻害し、GABA神経の過剰興奮を抑制する。5:誤\nゾニサミドは、B型モノアミンオキシダーゼ(MAO-B)を阻害することで、脳内のドパミン代謝を抑制する。"} +{"problem_id": "105156", "problem_text": "貧血の治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["クエン酸第一鉄は、体内で欠乏した鉄を補充し、ヘモグロビンを増加させることで、鉄欠乏性貧血を改善する。", "ガベキサートは、セリンプロテアーゼを阻害することで、自己免疫性溶血性貧血を改善する。", "ダルベポエチンアルファは、エリスロポエチン受容体を刺激し、赤芽球前駆細胞から赤血球への分化を促進することで、腎性貧血を改善する。", "ピリドキシンは、体内で欠乏したビタミンB_{12}を補充し、DNA合成を促進することで、巨赤芽球性貧血を改善する。", "コバマミドは、低下したヘモグロビン合成を促進することで、鉄芽球性貧血を改善する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nクエン酸第一鉄は、ヘモグロビンの構成成分であるヘムの合成に必要な鉄を補うことにより、貧血を改善する。2:誤\nガベキサートは、セリンプロテアーゼを阻害することで、血液凝固を抑制するため、播種性血管内血液凝固症(DIC)に用いられる。3:正\nダルベポエチンアルファは、赤芽球前駆細胞のエリスロポエチン受容体を刺激し、赤芽球前駆細胞の分化・増殖を促進する。4:誤\nピリドキシンは、低下したヘモグロビン合成を促進することで、鉄芽球性貧血を改善する。5:誤\nコバマミドは、体内で欠乏したビタミンB_{12}を補充し、DNA合成を促進することで、巨赤芽球性貧血を改善する。"} +{"problem_id": "105157", "problem_text": "インドメタシンの副作用である消化性潰瘍の発症機��として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ガストリン受容体の刺激", "ムスカリン性アセチルコリン受容体の刺激", "胃蠕動運動の抑制", "胃粘膜血流の低下", "胃粘液分泌の抑制"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "インドメタシンは、シクロオキシゲナーゼ(COX)-1を阻害し、PGI_{2}及びPGE_{2}の産生を抑制することで胃粘膜血流の低下や胃粘液分泌の抑制を引き起こす。これらの作用によりインドメタシンは、副作用として消化性潰瘍を引き起こす。"} +{"problem_id": "105158", "problem_text": "下部消化管に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ピコスルファートは、腸内細菌の作用でレインアンスロンを生成し、アウエルバッハ神経叢を刺激することで、大腸運動を促進する。", "ラクツロースは、界面活性作用により腸内容物の表面張力を低下させ、水分を浸潤させることで、硬便を軟化させる。", "ルビプロストンは、小腸上皮に存在するCl^{-}チャネル2(ClC-2)を活性化することで、腸管腔内への水分分泌を促進する。", "リナクロチドは、グアニル酸シクラーゼC受容体を活性化し、サイクリックGMP(cGMP)濃度を増加させることで、腸管分泌及び腸管運動を促進する。", "センノシドは、管腔内で水分を吸収して膨張し、腸壁を刺激することで、蠕動運動を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nピコスルファートは、大腸細菌叢由来のアリルスルファターゼにより加水分解され、ジフェノール体となり大腸を刺激して排便を促進する。2:誤\nラクツロースは、下部消化管に到達し、その浸透圧作用により緩下作用を示す。3:正\nルビプロストンは、腸管上皮細胞上の2型クロライドチャネル(ClC-2)刺激作用と腸液分泌促進作用の2つの作用により、水分含量を増加させ、便を軟化させる。4:正\n5:誤\nセンノシドは、腸内細菌により加水分解されレインアンスロンとなり粘膜およびアウエルバッハ神経叢を刺激して蠕動運動を促進する。"} +{"problem_id": "105159", "problem_text": "図はステロイドホルモン様の薬理作用をもつ薬物の化学構造を示したものである。この薬物の構造と薬理活性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["1位と2位の炭素原子間が二重結合となっているため、鉱質コルチコイド作用が弱められ、糖質コルチコイド作用が強められる。", "3位にC=Oをもつため卵胞ホルモン作用を有する。", "9位の炭素原子にF原子が結合しているため、ほかの置換基の場合よりも鉱質コルチコイド作用が弱い。", "11位の炭素上のOH基は糖質コルチコイド作用に必須である。", "16位の炭素上のOH基は糖質コルチコイド及び鉱質コルチコイド作用に必須である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n2:誤\nトリアムシノロンは、糖質コルチコイド作用を示す。3:誤\n9位の炭素原子にF原子が結合しているため、ほかの置換基の場合よりも鉱質コルチコイド作用が強い。4:正\n5:誤\n16位の炭素上のOH基は、鉱質コルチコイド作用を低下させる。"} +{"problem_id": "105160", "problem_text": "ホルモン関連薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フルベストラントは、アロマターゼを阻害し、エストロゲンの産生抑制作用を示す。", "アナストロゾールは、エストロゲン受容体を遮断し、排卵誘発作用を示す。", "プロピルチオウラシルは、甲状腺ホルモン受容体を遮断し、甲状腺機能抑制作用を示す。", "エプレレノンは、アルドステロン受容体を遮断し、利尿作用を示す。", "トルバプタンは、バソプレシンV_{2}受容体を遮断し、利尿作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nフルベストラントは、主に乳腺で抗エストロゲン作用を示す。2:誤\nアナストロゾールは、アロマターゼを阻害し、エストロゲンの産生抑制作用を示す。3:誤\nプロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼを阻害し、甲状腺機能抑制作用を示す。4:正\nエプレレノンは、集合管及び遠位尿細管のアルドステロン受容体を阻害し、Na^{+}の再吸収を阻害することにより利尿作用を示す。5:正\nトルバプタンは、バソプレシンV_{2}受容体を遮断作用し、パソプレシンによる水の再吸収を抑制することで利尿作用を示す。"} +{"problem_id": "105161", "problem_text": "1型糖尿病の治療に用いられる下図の構造の薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["高血糖時にのみ作用を示すので、低血糖を起こしにくい。", "チロシンキナーゼ内蔵型受容体に作用し、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼを阻害する。", "マルチヘキサマーを形成し、作用が持続する。", "膵\\beta 細胞からのインスリン分泌を促進する。", "骨格筋細胞において、グルコーストランスポーター4(GLUT4)を含む小胞の細胞膜への移行を促進する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "設問の構造は、インスリン デグルデク(遺伝子組換え)である。インスリン デグルデクは、投与後可溶性で安定したマルチヘキサマーとして皮下組織にとどまる。皮下組織にとどまったマルチヘキサマーは、徐々にモノマーとなり持続的な作用を示す。1:誤\n本剤はインスリン製剤であるため、血糖に無関係に作用を示す。2:誤\nチロシンキナーゼ内蔵型受容体に作用し、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼを活性化する。活性化したホスファチジルイノシトール3-キナーゼはプロテインキナーゼBを細胞内に引き寄せ活性化し、グルコース輸送体(GULT4)を細胞膜に移動させる。3:正\n4:誤\n本剤はインスリン製剤であり、膵\\beta 細胞からのインスリン分泌を促進しない。5:正\n解説2参照"} +{"problem_id": "105162", "problem_text": "抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アタザナビルは、非ヌクレオシド系薬であり、逆転写酵素を阻害する。", "アバカビルは、HIVプロテアーゼを阻害する。", "ドルテグラビルは、HIV インテグラーゼを阻害する。", "マラビロクは、C-C Chemokine Receptor 5(CCR5)を遮断する。", "リルピビリンは、RNA ポリメラーゼを阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nアタザナビルは、HIVプロテアーゼの活性部位に結合し、ウイルスタンパク質の産生を抑制する。2:誤\nアバカビルは、HIV感染細胞内で三リン酸化体となり、逆転写酵素を阻害し、RNAからDNAの合成を阻害することによりウイルス増殖を抑制する。3:正\n4:正\n5:誤\nリルピビリンは、HIV-1の逆転写酵素の活性部位の近くにある疎水性ポケットに結合し、酵素活性を阻害する。"} +{"problem_id": "105163", "problem_text": "58歳男性。5年前より健康診断にて高血圧症を指摘されていたが放置していた。1年前には心肥大も指摘され、その頃から労作時に呼吸が苦しくなるようになった。ある日、発作性夜間呼吸困難のため、緊急入院した。入院時に浮腫が認められ、胸部レントゲンで、心肥大の増悪と肺うっ血像が認められた。この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["浮腫は気管支喘息に特有の症状である。", "脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)が増加している。", "重症度分類にはNYHA分類やAHA/ACC分類が有用である。", "心電図においてST上昇が認められる。", "心胸郭比は35%以下である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n左心不全では、左心室収縮力の低下に伴い、左心房圧、肺静脈圧が上昇するとともに肺静脈うっ血(急性肺水腫、呼吸困難、起坐呼吸、ぜん鳴、湿性ラ音など)が認められることがある。2:正\n心不全の悪化に伴い、脳性ナトリウム利尿ペプチド、心房性ナトリウム利尿ペプチドの分泌が亢進する。3:正\n慢性心不全の重症度分類には、NYHA(ニューヨーク心臓協会)分類、AHA/ACC(米国心臓協会/米国心臓病学会)分類が有用である。4:誤\n心不全では一般にST上昇は認められない。5:誤\n心胸郭比(しんきょうかくひ)とは、胸郭(胸)で最も幅の広い部分の長さと、心陰影(心臓)の最も幅のある部分の長さの比のことであり、その基準値は39〜50%とされている。心肥大では、心胸郭比が大きくなる。"} +{"problem_id": "105164", "problem_text": "この患者に対して、症状の改善や心臓への負荷を軽減するため、作用機序の異なる2つの薬物が治療薬の候補となった。それぞれの主な作用点と作用、主な細胞内の反応、前負荷及び後負荷に及ぼす影響の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nNa^{+},K^{+}-ATPaseを阻害する薬は、強心配糖体(ジゴキシンなど)である。ジゴキシンは、Na^{+},K^{+}-ATPaseを阻害することにより、細胞内のNa^{+}濃度を上昇させる。2:正\n心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体を刺激する薬は、カルペリチドである。カルペリチドは、血管および腎臓のANP受容体に結合し、膜結合型グアニル酸シクラーゼを活性化することで細胞内のcGMPを増加させ、血管拡張、利尿作用を示す。血管拡張により末梢血管抵抗を減少させるとともに利尿作用により体循環量を低下させるため、前負荷、後負荷を軽減する。3:誤\nアデニル酸シクラーゼを活性化する薬は、コルホルシンダロパートである。コルホルシンダロパートは、心筋および血管平滑筋において、アデニル酸シクラーゼを直接活性化し、cAMP濃度を上昇させることにより心筋収縮力を増大させるとともに血管拡張作用を示すため、後負荷を軽減する。4:誤\nホスホジエステラーゼIIIを阻害する薬は、オルプリノン、ミルリノンである。ホスホジエステラーゼIII阻害薬は、細胞内のcAMPを増加させることにより心筋収縮力を増大させるとともに血管拡張作用を示すため、後負荷を軽減する。5:正\n可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する薬は、硝酸薬(ニトログリセリン、硝酸イソソルビド)である。硝酸薬は、体内で一酸化窒素(NO)を遊離し、血管平滑筋の可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化することでGTPからcGMPの生成を増大させ、末梢の静脈及び動脈を拡張するため、前負荷、後負荷を軽減する。"} +{"problem_id": "105165", "problem_text": "35歳女性。身長150cm、体重65kg、血圧138/90mmHg、喫煙歴あり(30本/日)。仕事が忙しくなりストレスが溜まり、暴飲暴食で早食いとなった。ある日、突然、今までに経験したことがない心窩部痛におそわれ、心配になり近医を受診した。検査の結果、逆流性食道炎と診断され、下記の処方で治療が開始され、2ヶ月ほどで軽快した。この患者に処方されたそれぞれの薬物の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ヒスタミンH_{2}受容体遮断", "アセチルコリンM_{3}受容体遮断", "H^{+},K^{+}-ATPase阻害", "セロトニン5-HT_{4}受容体刺激", "ドパミンD_{2}受容体遮断"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "・ランソプラゾールの作用機序\nH^{+},K^{+}-ATPase(プロトンポンプ)を阻害することにより胃酸分泌を抑制する。・モサプリドの作用機序\nセロトニン5-HT_{4}受容体刺激することにより消化管運動を促進する。"} +{"problem_id": "105166", "problem_text": "この患者に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["食道下部括約筋の収縮により、胃酸が逆流することにより発症した。", "内視鏡検査で食道に炎症やびらんが認められた。", "Ca^{2+}チャネル遮断薬を併用するとより症状が改善する。", "再発防止のため、この処方2を継続する必要がある。", "薬物療法に加えて禁煙や体重の減量などの生活指導が奏功する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n逆流性食道炎は、食道下部括約筋の弛緩により、胃酸が逆流することにより発症する。2:正\n逆流性食道炎では、食道に炎症やびらんが認められる。3:誤\nCa^{2+}チャネル遮断薬を併用すると逆流性食道炎が悪化することがある。4:誤\n逆流性食道炎の再発を防止する目的でプロトンポンプ阻害薬(ランソプラゾールなど)を継続する必要がある。5:正\n逆流性食道炎の患者に対して、症状を悪化させる食品(油物、酸味の強いもの、アルコール、コーヒー、炭酸飲料)を避けること、禁煙すること、体重を減量することなどの生活指導が奏功する。"} +{"problem_id": "105167", "problem_text": "47歳男性。身長172cm、体重85kg。38歳時より高血圧を指摘され、下記処方にて治療を受けていた。日常、ビールを飲むことが多い。子供の運動会で短距離走に出場した。運動会終了後、懇親会にて飲酒した次の日、右足母趾の腫脹と痛みを認めた。その後、痛みは徐々に増悪し、患部の赤��腫大した状態が2日間持続していると訴え受診した。患者が訴えている症状を速やかに改善させるために処方される薬物として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["フェブキソスタット", "ベンズブロマロン", "メトホルミン塩酸塩", "ナプロキセン", "アトルバスタチンカルシウム水和物"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "日常、ビールを飲むこと、右足母趾の腫脹と痛みを認めていることから、本患者は高尿酸血症に伴う痛風発作が現れていると推察される。痛風発作急性期には、NSAID(インドメタシン、ナプロキセン)のパルス療法(短期・大量投与)を行う。"} +{"problem_id": "105168", "problem_text": "精査の結果、この患者では左腎結石を認め、以下の検査結果が得られた。検査値血圧136/86mmHg、空腹時血糖値110mg/dL、HbA1c6.1%(NGSP値)、LDL-C 140mg/dL、TG(トリグリセリド)210mg/dL、血清クレアチニン値 1.1mg/dL、eGFR 68mL/min/1.73m^{2}、BUN 21mg/dL、尿酸値 10.5mg/dL患者が訴えている症状が寛解した後、その症状の再発を予防する目的で投与される薬物に関する記述のうち、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["キサンチンオキシダーゼを阻害し、尿酸生成を抑制する。", "腎尿細管において、尿酸の再吸収を抑制する。", "尿酸をアラントインと過酸化水素に分解する。", "シクロオキシゲナーゼを阻害する。", "チュブリンと結合して微小管重合を阻害し、好中球の遊走を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "痛風発作後、痛風の再発を防止する目的で尿酸値を低下させる薬(尿酸産生抑制薬、尿酸排泄促進薬)を用いる。尿酸排泄促進薬は、腎結石を悪化させることがあるため、腎結石患者に投与することはできない。そのため、本患者には、尿酸産生抑制薬を使用する。尿酸産生抑制薬は、キサンチンオキシダーゼを阻害し、尿酸の生合成を阻害する。"} +{"problem_id": "105169", "problem_text": "薬物の吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["抗コリン薬は、胃内容排出速度を増大させ、経口投与された併用薬の最高血中濃度到達時間の短縮や最高血中濃度の上昇を引き起こす。", "鼻粘膜は、重層扁平上皮細胞からなり、細胞間は密着結合により強固に結合しているため、バリアー機能は高く、高分子薬物の吸収部位としては不適である。", "皮膚の角質層は皮膚を構成する層の中で最も厚いため、薬物の経皮吸収における最大の障壁となる。", "口腔粘膜からの薬物吸収は、一般に受動拡散によって起こるが、その吸収速度は部位により異なり、舌下粘膜で大きい。", "直腸下部からの薬物吸収は、門脈や肝臓を通過せずに全身循環に移行するため、肝初回通過効果を回避できる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n抗コリン薬は、胃内容排出速度を減少させ、経口投与された併用薬の最高血中濃度到達時間の延長や最高血中濃度の低下を引き起こす。2:誤\n鼻粘膜は、鼻前庭、呼吸部、嗅部より構成されており、薬物の吸収は主に鼻腔下部の大部分を占めている呼吸部で行われる。呼吸部の粘膜上皮は多列線毛上皮が密に接着しているが、薄く、バリア能が低いため、一般に薬物の吸収は良好である。3:誤\n角質層(水分含量が少なく、薄い層)は、バリア機能を有しており薬物の経皮吸収の律速部位となる。4:正\n5:正"} +{"problem_id": "105170", "problem_text": "薬物の生体内分布に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腎臓や小腸粘膜の毛細血管は有窓内皮であるため、低分子薬物は窓構造に存在する小孔を介して毛細血管を透過できる。", "皮下に投与された分子量5,000以下の薬物は、毛細血管よりも毛細リンパ管に移行しやすい。", "アルブミンは血漿中に約4g/dL 存在し、プロプラノロールやイミプラミンのような塩基性薬物と強く結合する。", "プラバスタチンは肝細胞の血液側細胞膜に発現する有機アニオントランスポーターOATP1B1を介して細胞内に取り込まれる。", "血漿タンパク結合率が高い弱酸性薬物は、乳汁中への移行性が高い。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n血管内皮は一般に次の3種類に分けることができる��①: 連続性内皮\n動脈、静脈、筋肉、脳の毛細血管に認められるフェネストラ(窓)を有しない内皮であり、物質の透過性が低い。②: 有窓内皮\n消化管、内分泌腺、腎糸球体に認められるフェネストラ(窓)を有する内皮であり、小孔を介して物質が容易に透過することができる。③: 不連続内皮\n肝臓、下垂体、副腎皮質・髄質に認められる大小不同の孔を有する内皮であり、大きい分子も容易に通過することができる。2:誤\n血流の方がリンパ流よりも速いため、皮下に投与された分子量5,000以下の薬物は、毛細リンパ管よりも毛細血管に移行しやすい。3:誤\nアルブミンは血漿中に約4g/dL (3.5〜5.5g/dL)存在し、ワルファリンなどの酸性薬物と強く結合する。なお、塩基性薬物と強く結合する血漿タンパク質に\\alpha 1酸性糖タンパク質がある。4:正\nプラバスタチンは肝細胞の血液側細胞膜に発現する有機アニオントランスポーターOATP1B1を介して細胞内に取り込まれ、毛細胆管側にあるMRP2により胆管に排泄される。5:誤\n血漿タンパクは分子量が大きいため、乳汁中に移行しない。そのため、血漿タンパク結合率が高い弱酸性薬物は、乳汁中への移行性が低い。"} +{"problem_id": "105171", "problem_text": "1〜5のうち、アセトアミノフェンによる肝毒性に関与し、エタノールにより誘導される酵素が関わる代謝過程はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "エタノールによりCYP2E1が誘導されるため、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される(下図参照)。"} +{"problem_id": "105172", "problem_text": "ある薬物を患者に点滴静注により持続投与中である。定常状態における血中薬物濃度は5.0\\micro g/mLであり、定常状態到達時にいったん完全に排尿し、5時間後に再度排尿した尿の総量は300mL、尿中薬物濃度は180\\micro g/mLであった。この患者における糸球体ろ過速度を120mL/min、薬物の尿細管再吸収率を20%、血中非結合形分率を0.20としたとき、この薬物の尿細管分泌クリアランス(mL/min)に最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["10", "20", "150", "600", "2500"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "尿中排泄速度とは、単位時間当たりに排泄される薬物量(単位: mg/min)のことであり、尿中の薬物濃度U(単位: mg/mL)と単位時間あたりの尿量V(単位: mL/min)の積より求めることができる。また、尿中排泄速度は、糸球体濾過量、尿細管分泌量、再吸収率より決定されることから下記の式が成立する。尿中排泄速度(mg/min)=U(mg/mL)\\times V(mL/min)\n尿中排泄速度=(糸球体濾過量+尿細管分泌量)\\times (1-再吸収率)糸球体濾過量は、単位時間当たりに濾過される血漿の量(糸球体濾過速度: GFR)とタンパク非結合率f、血漿中薬物濃度C_{p}に依存するため、GFRとfとC_{p}の積で表される。糸球体濾過量=GFR\\times f\\times C_{p}これらのことから、尿中排泄速度は、以下の式で表すことできる。尿中排泄速度=U・V=(GFR\\times f\\times C_{p}+尿細管分泌量)\\times (1-再吸収率)腎クリアランスCL_{腎}は、単位時間当り尿中に排泄された薬物量(mg/min)を血漿中薬物濃度C_{p}(mg/mL)で除することにより求めることができるため、下記の式が成立する。このことから、腎クリアランスは、以下の式で表すことできる。CL_{腎}=(GFR\\times f+CL_{分泌})\\times (1-再吸収率)\n<腎クリアランスを求める>\n本設問では、5時間後に再度排尿した尿の総量は300mL、尿中薬物濃度は180\\micro g/mLであることから、Vは300mL/300min=1mL/min、Uは180\\micro g/mLとなる。また、血中薬物濃度は5.0\\micro g/mLであることからCpは5.0\\micro g/mLとなるため、腎クリアランスを下記のように求めることができる。<ろ過クリアランスを求める>\n糸球体ろ過速度を120mL/min、血中非結合形分率を0.20であることから、ろ過クリアランスを下記のように求めることができる。ろ過クリアランス=120mL/min\\times 0.20=24mL/min\n<分泌クリアランスCL_{分泌}を求める>CL_{腎}=(GFR\\times f+CL_{分泌})\\times (1-再吸収率)に腎クリアランス、ろ過クリアランス、再吸収率を代入すると、36mL/min=(24mL/min+CL_{分泌})(1-0.2)となり、CL_{分泌}は21mL/minとなる。"} +{"problem_id": "105173", "problem_text": "薬物の胆汁中排泄に���する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["肝実質細胞の胆管側細胞膜上に発現し、薬物や薬物の代謝物を胆汁中へ排出するトランスポーターの多くは、ATPの加水分解エネルギーを直接利用した輸送を行う。", "一般に、分子量が小さい薬物ほど、胆汁中に排泄されやすい。", "肝実質細胞から毛細胆管中に排出された薬物は、総胆管を経て十二指腸内に分泌される。", "グルクロン酸抱合体となることで腸肝循環を受ける薬物は、腸内細菌がもつ\\beta -グルクロニダーゼを阻害すると、血中濃度時間曲線下面積が増加する。", "薬物の肝クリアランスは肝臓での代謝クリアランスで表され、胆汁中への排泄クリアランスは考慮されない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n肝実質細胞の胆管側細胞膜上には、ATPの加水分解エネルギーを直接利用して薬物や薬物の代謝物を胆汁中へ排出するトランスポーターが多く発現している。2:誤\n一般に、分子量500〜1500の薬物が胆汁中に排泄されやすい。3:正\n4:誤\nグルクロン酸抱合体となることで腸肝循環を受ける薬物は、腸内細菌がもつ\\beta -グルクロニダーゼを阻害すると、腸肝循環されにくくなるため、血中濃度時間曲線下面積が低下する。5:誤\n薬物の肝クリアランスは、肝臓での代謝クリアランスと胆汁中への排泄クリアランスの和で表される。"} +{"problem_id": "105174", "problem_text": "治療薬物モニタリング(TDM)が有効な薬物の特徴として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["体内動態の個人間変動が大きい。", "治療域が中毒域と接近している。", "血中薬物濃度と薬効・副作用の相関が不明である。", "他の方法では薬効・副作用を判定するのが困難である。", "臨床投与量の範囲において、投与量と血中薬物濃度の関係が非線形性を示す。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "臨床上、TDMが有効なのは次のような性質をもつ薬物である。①: 血中濃度と薬理効果、副作用発現に相関性がある薬物\n②: 治療上有効かつ安全とされる血中濃度域が明確な薬物\n③: 治療濃度域が狭く、副作用発現域との差が小さい薬物(治療係数が小さい薬物)\n④: 常用量の範囲で非線形性が認められる薬物\n⑤: 薬物の体内動態に個人差及び年齢差が認められる薬物\n⑥: 併用薬などにより相互作用を起こす可能性のある薬物\n⑦: 病態時に体内動態に変動が認められる薬物\n⑧: 他の方法では薬効・副作用の判定が困難な薬物"} +{"problem_id": "105175", "problem_text": "トランスポーターを介した薬物の尿細管分泌が併用薬によって阻害され、薬物の血中濃度上昇をもたらす薬物相互作用として、トランスポーター、薬物、併用薬の正しい組合せはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nカルビドパは、芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼを阻害し、レボドパが末梢でドパミンへの変換されるのを抑制することにより、レボドパの中枢移行性を増加させる。2:正\nキニジンは、近位尿細管においてP糖タンパク質を阻害することによりジゴキシンの血中濃度を上昇させる。3:正\nプロベネシドは、近位尿細管において有機アニオントランスポーターを阻害することによりメトトレキサートの血中濃度を上昇させる。4:誤\nシメチジンは、近位尿細管において有機カチオントランスポーターを阻害することによりメトホルミンの血中濃度を上昇させる。5:誤\nロキソプロフェンは、プロスタグランジンの生合成を抑制することにより、腎の水分および電解質の代謝に影響を与え、リチウム濃度を上昇させることがある。"} +{"problem_id": "105176", "problem_text": "ある薬物10mgを被験者に急速静脈内投与した後、薬物の血中濃度及び尿中排泄量を測定したところ、血中濃度時間曲線下面積は0.20mg・h/L、尿中総排泄量は2.0mgであった。一方、この薬物40mgを同一被検者に経口投与したときの尿中総排泄量は3.0mgであった。この薬物40mgを経口投与したときの体内動態の説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、この薬物は肝代謝及び腎排泄でのみ消失し、体内動態は線形性を示す。また、肝血流速度は80L/hとする。", "choices": ["全身クリアランスは50L/hである。", "肝クリアランスは10L/hである。", "肝抽出率は63%である。", "体循環に移行する薬物量は15mgである。", "門脈に移行する割合は90%である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正全身クリアランスCL_{tot}は体内未変化体総量X_{0}と血中濃度時間曲線下面積AUCより求めることができる。静脈内投与では投与量DとX_{0} は等しいため、AUCを下記のように求めることができる。2:誤\nこの薬物は肝代謝及び腎排泄でのみ消失するとともに、静脈内投与時の尿中総排泄量が2.0mgであることから、残りの8.0mgは肝臓で消失していると考えられる。静脈内投与した10mgのうち、8.0mgが肝臓で消失していることから肝クリアランスCL_{肝}を下記のように求めることができる。CL_{肝}=CL_{tot}\\times 8/10=40 L/h\n3:誤肝抽出率E_{h}は肝クリアランス、肝血流量Q_{肝}より求めることができる。4:正\n尿中の未変化体量は、体内移行量に比例する。静脈内投与時(静脈内投与量: 10mg)の未変化体排泄量が2.0mgであり、経口投与時の未変化体排泄量が3.0mgであることから、経口投与時の体循環に移行する薬物量は静脈内投与時の1.5倍である15mgとなる。5:誤消化管粘膜透過後、小腸粘膜で代謝をまぬがれたものが門脈に移行するため、門脈移行率は、消化管粘膜透過率F_{a}と小腸で代謝をまぬがれた割合F_{g}の積と同じ値になる。バイオアベイラビリティFは、F_{a}、F_{g}、肝臓で代謝をまぬがれた割合F_{h}より求めることができる。F=F_{a}\\times F_{g}\\times F_{h}これらのことから、門脈移行率=F_{a}\\times F_{g}=F /F_{h}となる。F は、経口投与時の体循環に移行する薬物量/経口投与量より「15mg /40mg」、F_{h}は1-E_{h}であることから、「F_{h}=0.5」となり、門脈移行率=0.75となる。"} +{"problem_id": "105177", "problem_text": "粒子径のみが異なる大小2種の単分散球形固体粒子から成る粉体I及びIIを、同一仕込み量(W_{0})で一定温度の水にそれぞれ投入し攪拌した。溶解せずに残っている量(W_{t})を経時的に測定したところ、図のような関係が得られた。この結果の説明に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、溶解はシンク条件において拡散律速で進行するものとし、試験条件は同じとする。", "choices": ["粉体IとIIの粒子の溶解現象は、いずれもHixson-Crowellの式に従う。", "粉体Iの粒子は、粉体IIの粒子よりも粒子径が大きい。", "粉体IIの粒子は、溶解に伴って粒子の形状が球形から不規則形に変化している。", "粉体Iの粒子の溶解速度定数は0.006g^{1/3}/minである。", "試験開始60分後において、溶解した粉体IIの量は0.36gである。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nすべての粒子径が同一(粒度分布: 単分散)の球形粒子で、粒子が球形を保ちながら溶解し、さらにシンク条件が成立する場合、その粉体粒子の溶解現象は、Hixson-Crowellの式に従う。このことから、粉体IとIIの粒子の溶解現象は、いずれもHixson-Crowellの式に従う。2:正\n一般に粒子径が大きいものは、小さいものに比べ比表面積が小さく、溶解速度が小さくなる。また、グラフより粉体Iは粉体IIに比べ、溶解速度が小さい。これらのことから、粉体Iの粒子は、粉体IIの粒子よりも粒子径が大きいと考えられる。3:誤\nグラフより粉体IおよびIIでは、Hixson-Crowell式が成立することから、粒子が球形を保ちながら溶解していると考えられる。4:誤\nHixson-Crowell式は下記のように表される。W_{0}: 初期の粒子の質量、W_{t}: t時間後の粒子の質量、t: 時間、k: 溶解速度定数グラフより試験開始50分後における粉体IのW_{0}^{1/3}-W_{t}^{1/3}は0.2であることから、粉体Iの粒子の溶解速度定数は0.004 g^{1/3}/minである。5:誤グラフより粉体IIは10分当たりのW_{0}^{1/3}-W_{t}^{1/3}が0.06 g^{1/3}であることから、試験開始60分後において、粉体IIのW_{0}^{1/3}-W_{t}^{1/3}が0.36g^{1/3}となる。"} +{"problem_id": "105178", "problem_text": "乳剤A、B及びCはそれぞれ図に示す容積の水と油からなっている。これらの乳剤には非電解質の薬物1,000mgが溶解している。25^{\\circ} Cにおける乳剤A〜Cの油相及び水相中の薬物濃度に関する記述のうち、最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、25^{\\circ} Cにおける薬物の油/水分配係数は1,000であり、分配平衡に達しているものとする。また、溶解に伴う容積変化は無視でき、両相において薬物は会合しないものとする。", "choices": ["乳剤AとBの油相中の薬物濃度は、ほぼ等しい。", "乳剤AとCの油相中の薬物濃度は、ほぼ等しい。", "乳剤BとCの油相中の薬物濃度は、ほぼ等しい。", "乳剤Aの水相中の薬物濃度は、乳剤Bの水相中の薬物濃度のほぼ半分である。", "乳剤Bの水相中の薬物濃度は、乳剤Cの水相中の薬物濃度のほぼ半分である。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "薬物の油/水分配係数が1000であることから、油相中と水相中の薬物濃度の比が1000: 1となる。このことから、乳剤A、B、Cの水相中及び油相中の薬物濃度を以下のように求めることができる。<乳剤Aの水相中及び油相中の薬物濃度>水相中の濃度をX_{A}mg /mLとすると、油相中の濃度が1000X_{A}mg /mLとなる。水相の容積が100mLであることから、水相中の薬物量は100mL\\times X_{A}mg /mL =100X_{A}mg、油相の容積が10mLであることから油相中の薬物量は、10mL\\times 1000X_{A}mg /mL =10000X_{A}mgとなる。乳剤には、1000mgの薬物が溶けていることから、100X_{A}+10000X_{A}=1000となり、X_{A}は約0.10となる。よって、乳剤Aの水相中の薬物濃度は約0.1mg/mL、油相中の薬物濃度は約99.9mg/mLとなる。<乳剤Bの水相中及び油相中の薬物濃度>水相中の濃度をX_{B}mg /mLとすると、油相中の濃度が1000X_{B}mg /mLとなる。水相の容積が100mLであることから、水相中の薬物量は100mL\\times X_{B}mg /mL =100X_{B}mg、油相の容積が20mLであることから油相中の薬物量は、20mL\\times 1000X_{B}mg /mL =20000X_{B}mgとなる。乳剤には、1000mgの薬物が溶けていることから、100X_{B}+20000X_{B}=1000となり、X_{B}は約0.05となる。よって、乳剤Bの水相中の薬物濃度は約0.05mg/mL、油相中の薬物濃度は約50mg/mLとなる。<乳剤Cの水相中及び油相中の薬物濃度>水相中の濃度をX_{C}mg /mLとすると、油相中の濃度が1000X_{C}mg /mLとなる。水相の容積が200mLであることから、水相中の薬物量は200mL\\times X_{C}mg /mL =200X_{C}mg、油相の容積が20mLであることから油相中の薬物量は、20mL\\times 1000X_{C}mg /mL =20000X_{C}mgとなる。乳剤には、1000mgの薬物が溶けていることから、200X_{C}+20000X_{C}=1000となり、X_{C}は約0.05となる。よって、乳剤Cの水相中の薬物濃度は約0.05mg/mL、油相中の薬物濃度は約50mg/mLとなる。"} +{"problem_id": "105179", "problem_text": "ある非電解質性薬物の安定形結晶と準安定形結晶を、固相が常に存在する状態でそれぞれ一定温度の水に溶解したところ、図に示す薬物濃度-時間曲線I及びIIが得られた。この薬物の溶解挙動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["曲線Iは、安定形結晶の溶解曲線を示している。", "曲線IIのアの付近では、固相の大部分が安定形結晶として存在する。", "曲線IIのイの付近では、薬物が過飽和状態で溶解している。", "曲線IIのイの付近では、固相の大部分が準安定形結晶として存在する。", "安定形結晶の溶解度は、約6mg/mLである。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "安定形結晶は、徐々に溶解し最終的には飽和濃度(溶解度)に到達する。それに対して、準安定形結晶は水に馴染みやすいため急激に溶解し、過飽和状態となり、その後、安定形結晶となり析出する(最終的には安定形結晶を溶かした場合と同じ濃度になる)。このことから、Iは安定形結晶、IIは準安定形結晶であると判断することができる。1:正\n2:誤\n曲線IIのアの付近では、固相の大部分が準安定形結晶として存在する。3:誤\n曲線IIのイの付近では、薬物が飽和状態で溶解している。なお、曲線IIのアの付近では、薬物が過飽和状態で溶解している。4:誤\n曲線IIのイの付近では、固相の大部分が安定形結晶として存在する。5:正"} +{"problem_id": "105180", "problem_text": "図は薬物Aの水和物について昇温過程で熱重量測定(TG)及び示差走査熱量測定(DSC)を行った結果である。薬物Aに関する記述のうち、最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、薬物Aには水和物、無水物ともに結晶多形は存在しない。", "choices": ["温度アでみられるDSC曲線の吸熱ピークは、薬物Aの水和物からの結晶水の脱離に基づいている。", "温度アの付近において、薬物Aは融解する。", "���度イの付近において、薬物Aの水和物からの結晶水の脱離が起きる。", "温度イの付近において、薬物Aは結晶化する。", "温度ウを超えて観察される質量変化は、薬物Aの気化に基づいている。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "温度ア: 吸熱に伴い、質量が低下していることから、薬物Aの水和物より結晶水が脱離していると考えられる。温度イ: 吸熱しているが、質量変化が認められないため、薬物Aは融解していると考えられる。温度ウ: 発熱に伴い、質量が低下していることから、薬物Aは分解していると考えられる。"} +{"problem_id": "105181", "problem_text": "光に対して不安定な薬物Aを含有するフィルムコーティング錠に含まれる添加剤を以下に示す。添加剤の種類や量を変更したときに起こり得る錠剤特性の変化に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カルメロースカルシウムをカルメロースナトリウムに変更すると、錠剤は崩壊しにくくなる。", "ヒドロキシプロピルセルロースの配合量を相対的に減らすと、素錠の硬度は下がりやすくなる。", "ステアリン酸マグネシウムの配合量を相対的に減らすと、キャッピングが起こりやすくなる。", "ヒプロメロースをヒプロメロースフタル酸エステルに変更すると、日本薬局方崩壊試験第2液中における薬物Aの溶出は起こらない。", "酸化チタンを除いても、本錠剤に光を当てた際の薬物Aの安定性は変わらない。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nカルメロースカルシウムは崩壊剤であり、カルメロースナトリウムは結合剤である。よって、カルメロースカルシウムをカルメロースナトリウムに変更すると、錠剤は崩壊しにくくなる。2:正\nヒドロキシプロピルセルロースは結合剤である。よって、ヒドロキシプロピルセルロースの配合量を相対的に減らすと、素錠の硬度は下がりやすくなる。3:誤\nステアリン酸マグネシウムは、滑沢剤である。キャッピングは滑沢剤の添加量が多いと起こりやすいため、ステアリン酸マグネシウムの配合量を相対的に減らすと、キャッピングが起こりにくくなる。4:誤\nヒプロメロースは胃溶性コーティング剤であり、ヒプロメロースフタル酸エステルは腸溶性コーティング剤であり、ヒプロメロースをヒプロメロースフタル酸エステルに変更すると、日本薬局方崩壊試験第2液(pH約6.8)中において薬物Aの溶出が起こりやすくなる。5:誤\n酸化チタンは、遮光性に優れ、光に弱い主薬を紫外線から保護し、安定性を向上させることから、酸化チタンを除くと、錠剤に光を当てた際の主薬の安定性が低下する。"} +{"problem_id": "105182", "problem_text": "医薬品の容器に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["吸入液剤を製するには、通例、有効成分に溶剤を加えて溶液とし、液状の噴射剤とともに耐圧性の容器に充塡し、定量バルブを装着する。", "坐剤に用いる容器は、通例、密閉容器とする。", "血液透析用剤に用いる容器は、通例、密封容器とする。", "点眼剤に用いる容器は、通例、点眼剤の不溶性異物検査法の試験に支障をきたさない透明性のある気密容器とする。", "外用エアゾール剤及びポンプスプレー剤に用いる容器は、通例、耐圧性の容器とする。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n吸入液剤の保存容器は、通例、気密容器とする。製剤の品質に水分の蒸散が影響を与える場合は、低水蒸気透過性の容器を用いるか、又は低水蒸気透過性の包装を施す。2:正\n坐剤に用いる容器は、通例、密閉容器とする。製剤の品質に湿気が影響を与える場合は、防湿性の容器を用いるか、又は防湿性の包装を施す。3:誤\n血液透析用剤に用いる容器は、通例、微生物の混入を防ぐことのできる気密容器とする。製剤の品質に水分の蒸散が影響を与える場合は、低水蒸気透過性の容器を用いるか、又は低水蒸気透過性の包装を施す。4:正\n点眼剤に用いる容器は、通例、点眼剤の不溶性異物検査法の試験に支障をきたさない透明性のある気密容器とする。製剤の品質に水分の蒸散が影響を与える場合は、低水蒸気透過性の容器を用いるか、又は低水蒸気透過性の包装を施す。5:誤\n外用エアゾール剤の容器は、通例、耐圧性の容器とする。また、ポンプスプレー剤の容器は、通例、気密容器とする。製剤の品質に水分の蒸散が影響を与える場合は、低水蒸気透過性の容器を用いるか、又は低水蒸気透過性の包装を施す。"} +{"problem_id": "105183", "problem_text": "粒子が関係する日本薬局方一般試験法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["レーザー回折・散乱法による粒子径測定法は、単色光ビームを利用するため、液中に分散した試料は測定できない。", "注射剤の不溶性微粒子試験法は、注射剤中の不溶性異物の有無を調べる検査法である。", "吸入剤の送達量均一性試験法は、吸入剤から生成するエアゾールの微粒子特性を評価する方法である。", "粉体の粒子密度測定法は、通例、気体置換型ピクノメーターを用いて、粉末状医薬品又は医薬品原料の粒子密度を測定する方法である。", "点眼剤の不溶性微粒子試験法は、点眼剤中の不溶性微粒子の大きさ及び数を試験する方法である。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nレーザー回折・散乱法による粒子径測定法とは、単色光ビームを粒子に当て、光の回折および散乱より粒子の大きさを測定する方法であり、液中に分散した試料も測定することが可能である。2:誤\n注射剤の不溶性微粒子試験法は、注射剤の不溶性微粒子の大きさ及び数を調べる検査法である。3:誤\n吸入剤の送達量均一性試験法は、吸入剤(吸入粉末剤や吸入エアゾール剤)から放出される薬物量の均一性を定量的に評価する方法である。4:正\n5:正"} +{"problem_id": "105184", "problem_text": "悪心・嘔吐に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["急性胃炎による悪心・嘔吐は、化学受容器引き金帯(CTZ)を介して嘔吐中枢が刺激されて起こる。", "脳腫瘍による悪心・嘔吐は、嘔吐中枢が直接刺激されて起こる。", "糖尿病性ケトアシドーシスによる悪心・嘔吐は、嘔吐中枢が直接刺激されて起こる。", "妊娠悪阻による悪心・嘔吐は、CTZを介して嘔吐中枢が刺激されて起こる。", "モルヒネによる悪心・嘔吐は、自律神経を介して嘔吐中枢が刺激されて起こる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "嘔吐中枢(VC)と化学受容器引金帯(CTZ)が様々な原因により刺激されると、迷走神経、横隔神経などを介して胃、横隔膜、腹筋に情報が伝達され、嘔吐が引き起こされる。嘔吐はVCへの刺激伝達の経路により中枢性嘔吐と末梢性嘔吐に分類される。<中枢性嘔吐>\n・うつ病、うつ状態、悪臭などが原因となり、大脳皮質が興奮し、VCが刺激されることで誘発される嘔吐\n・脳圧亢進(脳腫瘍、脳出血、クモ膜下出血、脳炎など)、脳血管障害などが原因となり、VCが刺激されることで誘発される嘔吐\n・薬物、中毒、代謝異常(妊娠、糖尿病性昏睡など)、感染症などが原因となり、CTZを介してVCが刺激されることで誘発される嘔吐\n<末梢性嘔吐>\n・胃腸炎、腸閉塞、腹膜炎、狭心症、心筋梗塞などが原因となり、臓器から迷走神経を介してVCが刺激され誘発する嘔吐\n・メニエール病、動揺病などが原因となり、内耳から前庭神経を介してVCが刺激されることで誘発される嘔吐\n1:誤\n急性胃炎による悪心・嘔吐は、臓器から迷走神経を介してVCが刺激されて起こる。2:正\n3:誤\n糖尿病性ケトアシドーシスによる悪心・嘔吐は、CTZを介してVCが刺激されて起こる。4:正\n5:誤\nモルヒネによる悪心・嘔吐は、CTZを介してVCが刺激されて起こる。"} +{"problem_id": "105185", "problem_text": "慢性腎臓病の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["尿中へ排泄されるタンパク質量が増加している。", "低カリウム血症を呈する。", "二次性副甲状腺機能低下症を呈する。", "代償性に活性型ビタミンDの産生が亢進する。", "レニン-アンジオテンシン系の亢進により血圧が上昇する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n本疾患では、糸球体大分子透過性亢進が認められるため、タンパク尿、低アルブミン血症、浮腫が認められる。2:誤\n本疾患では、K排泄低下により高カリウム血症を呈する。3:誤\n本疾患では、ビタミンDが活性化でき��(腎臓におけるビタミンDの水酸化ができない)、腸管からのカルシウムの吸収、腎臓からのカルシウムの再吸収が低下するため、血中カルシウム濃度を維持するために、副甲状腺機能を亢進することでパラトルモンの分泌を促進し、血中カルシウム濃度を維持しようとする。このことから本疾患では、二次性副甲状腺機能亢進症を呈する。4:誤\n解説3参照\n5:正\n本疾患では、腎機能の低下に伴いレニン-アンギオテンシン系が亢進し、血圧が上昇する。"} +{"problem_id": "105186", "problem_text": "子宮内膜症の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["子宮平滑筋が増殖する疾患である。", "エストロゲン非依存性疾患である。", "下腹部痛、月経痛などの症状がある。", "GnRHアンタゴニストが用いられる。", "ダナゾール投与により治療を行う際は血栓症に注意が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n本疾患は、エストロゲン依存性疾患であり、子宮以外の場所(卵管や卵巣)に子宮内膜が増殖する疾患である。2:誤\n解説1参照\n3:正\n本疾患では、下腹部痛、激しい月経痛を伴うことがあり、不妊症の原因にもなる。4:誤\n本疾患の治療薬として、LH-RH(Gn-RH)誘導体が用いられる。なお、GnRHアンタゴニスト(デガレリクス)は、前立腺がんの治療に用いられる。(現在: 子宮内膜症に基づく疼痛の改善にGnRHアンタゴニストのレルゴリクスが用いられる。)\n5:正\nダナゾールは、血栓症を引き起こすことがあるので、観察を十分に行いながら慎重に投与する必要がある。また、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う必要がある。"} +{"problem_id": "105187", "problem_text": "25歳女性。身長158cm、体重53kg。最近、姿勢の変動に伴い、頭痛、動悸及び発汗を認めたため心配になり病院を受診した。来院時の所見は以下のとおりであった。血圧 188/106mmHg、脈拍 110回/分 血液検査: 空腹時血糖値 104mg/dL、HbA1c 5.9%(NGSP値)、Na 137mEq/L、K 4.2mEq/L 腹部CT検査: 右副腎に5cm大の腫瘤 検査の結果、右副腎腫瘍の摘出術を行うこととなった。術前の血圧管理のために最初に用いる薬物として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["トリクロルメチアジド", "プロプラノロール塩酸塩", "カンデサルタンシレキセチル", "ニフェジピン", "ドキサゾシンメシル酸塩"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "右副腎に腫瘍があり、血圧が高く、脈拍が速いことから、この女性は褐色性細胞腫の可能性がある。褐色性細胞腫とは、副腎髄質や交感神経節のクロム親和性細胞に腫瘍が発生し、カテコールアミン分泌過剰のため、高血圧、代謝亢進を生じる疾患である。褐色性細胞腫では、血圧コントロールをするために\\alpha _{1}受容体遮断薬(ドキサゾシンメシル酸塩など)が用いられる。なお、頻脈、不整脈を伴う場合は、\\alpha _{1}受容体遮断薬や\\alpha \\beta 受容体遮断薬に\\beta 受容体遮断薬を併用することがあるが、\\beta 受容体遮断薬を単独で用いることはない。"} +{"problem_id": "105188", "problem_text": "75歳男性。15年ほど前から動作がゆっくりになり、立っているときに前かがみの姿勢が目立つようになった。近医を受診したところ、パーキンソン病と診断され、タリペキソールの投与により症状の改善を認めた。70歳頃より症状が悪化したが、レボドパとカルビドパの配合剤への変更により、症状の改善が得られていた。最近、この配合剤の薬効の持続時間が短くなり、配合剤の使用回数が増えた。この患者の病態及び薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この患者に最初に出現した症状を、寡動及び姿勢反射障害という。", "症状の悪化は、脳の線条体を起始核とする神経が変性したからである。", "カルビドパはドパミンの血液脳関門の通過性を上げる。", "配合剤の薬効持続時間の短縮は、遺伝子多型による個人差で生じる。", "薬効持続時間の短縮に対して、配合剤1回量を減量し、エンタカポンを併用する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nパーキンソン病では、振戦(手足が震える)、固縮(手足の筋肉がこわばる)、寡動・無動(動きが遅くなる)、姿勢反射障害(倒れやすくなる、体が前かがみになる)の4大症状が現れる。本患者は、初期症状として、動作がゆっくりになる(寡動・無動)、立っているときに前かがみの姿勢(姿勢反射障害)が現れている。2:誤\n症状の悪化には、黒質のドパミン神経の変性が関与している。3:誤\nカルビドパは、レボドパの血液脳関門の透過性を上げる。4:誤\n配合剤の薬効持続時間の短縮は、遺伝子多型によるものではなく、ドパミン神経の変性が関与している。<レボドパの薬効持続時間の短縮について>\nパーキンソン病が進行すると、ドパミン神経の変性により、レボドパがドパミン細胞に保持されず、他の細胞のドパ脱炭酸酵素によりドパミンに代謝されることから、レボドパの持続時間が短くなる。5:正\nエンタカポンは、COMT阻害剤であり、末梢でのレボドパの分解を抑制することから、レボドパ・カルビドパ配合剤と併用すると、レボドパの効果持続時間を長くすることができる。そのため、薬効持続時間の短縮に対して、配合剤1回量を減量し、エンタカポンを併用することは有用である。"} +{"problem_id": "105189", "problem_text": "脳腫瘍に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["頭蓋内に発生した悪性新生物の総称である。", "原発性と転移性に大別され、その発生頻度はほぼ同じである。", "頭蓋内圧亢進症状と脳局所症状がある。", "頭蓋内圧亢進による噴出性嘔吐は悪心を伴わない。", "性格の変化を伴うことはない。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n脳腫瘍とは、頭蓋骨の内側にできた腫瘍のことであり、良性腫瘍と悪性腫瘍がある。2:誤\n脳腫瘍は、原発性脳腫瘍(その場所で最初から生じる腫瘍)と転移性腫瘍(脳以外の部位で発生したがんが転移してきて生じる腫瘍)に分類され、その発生頻度は原発性が85%、転移性が15%である。3:正\n脳腫瘍では、頭蓋内圧が上昇することにより現れる頭蓋内圧亢進症状(頭痛、嘔吐、視力障害)が認められるとともに腫瘍が直接脳を圧迫することにより現れる脳局所症状が認められる。4:正\n頭蓋内圧亢進による嘔吐では、吐き気を伴わない噴出性嘔吐が起こることがある。5:誤\n脳腫瘍により性格の変化が現れることがある。"} +{"problem_id": "105190", "problem_text": "せん妄に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["不可逆性の錯乱と認知の変化を特徴とする。", "認知症とせん妄は容易に鑑別できる。", "原則として身体拘束を必要とする。", "発現機序は明らかにされている。", "振戦せん妄はアルコール依存症の離脱症状の1つである。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nせん妄とは、突然発生する可逆性の精神機能の障害のことであり、見当識障害、注意集中困難、認知機能の低下、計算力、記銘力障害、錯乱、幻覚妄想などを特徴とする。2:誤\n認知症とせん妄では同様の症状が認められるため、鑑別することは困難である。3:誤\nせん妄状態の患者を身体拘束すると、身体拘束から抜け出そうとして自身の皮膚や粘膜を傷つけたり、拘束帯が胸腹部に絡まり窒息の危険に繋がることがある。また、廃用症候群(過度に安静にすることや、活動性が低下したことによる身体に生じる様々な状態)のリスクが増大することがある。4:誤\nせん妄が発生する要因は多岐にわたり、発現の機序は明確になっていない。5:正\n振戦せん妄とは、アルコール依存症の離脱症状の1つであり、不安、錯乱、不眠、悪夢、大量発汗、重度の抑うつなどを特徴とする。"} +{"problem_id": "105191", "problem_text": "HIV感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["HIVは唾液を介して感染する。", "日本ではHIV感染者とAIDS発症者の数はほぼ等しい。", "感染初期には発熱などのインフルエンザ様症状が出現し、通常数年持続する。", "感染後、一般に数年~十数年は無症候期が続く。", "AIDS期には悪性腫瘍や脳症などが発症する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nHIVは、精液、膣分泌液、血液、母乳を介して感染する。2:誤\n日本ではAIDS発症者に比べ、HIV感染者が多い。なお、平成30年(2018年)��おけるHIV感染者の合計は20836人、AIDS発症者の合計は9313人である。3:誤\nHIV感染初期(感染後2週間〜3ヶ月程度)にインフルエンザ様症状が出現し、その後、数年〜十数年は無症候期が続き、AIDSを発症する。4:正\n解説3参照\n5:正\nAIDS期には免疫力が低下し、悪性腫瘍や脳症などを発症する。"} +{"problem_id": "105192", "problem_text": "非ホジキンリンパ腫の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["表在性リンパ節の腫脹が見られることはまれである。", "病期が進行すると、発熱、盗汗、体重減少からなる全身症状を呈しやすい。", "Helicobacter pylori感染に関連する慢性胃炎を併発することが多い。", "限局期の場合は、放射線療法単独で治療する。", "CHOP療法とリツキシマブの併用が有効である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n非ホジキンリンパ腫では、頚部、腋下などにリンパ節腫大が見られることが多い。2:正\n3:誤\n非ホジキンリンパ腫には、濾胞性リンパ腫、MALTリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫などがあり、その中でもMALTリンパ腫では、Helicobacter pylori感染に関連する慢性胃炎を併発していることが多い。一方、MALTリンパ腫以外の非ホジキンリンパ腫では、Helicobacter pylori感染に関連する慢性胃炎を併発することは少ない。4:誤\n限局期の場合でも、リンパ腫の悪性度に応じて、化学療法や放射線療法+化学療法により治療を行うことがある。5:正\nB細胞性非ホジキンリンパ腫の治療に、R-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩、プレドニゾロンの併用療法)が適用される。"} +{"problem_id": "105193", "problem_text": "仮説検定を危険率5%で行ったところ、帰無仮説は棄却できなかった。この検定結果に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["第1種の過誤を犯す可能性の程度は5%である。", "第2種の過誤が生じている可能性がある。", "帰無仮説は肯定されたと解釈される。", "危険率を1%とすれば、帰無仮説は棄却されやすくなる。", "危険率を変えなければ、標本数を増やしても、帰無仮説が棄却される見込みは変わらない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "仮説検定とは、対立仮説(証明したいこと)と帰無仮説(対立仮説と逆の仮説)を設定し、危険率をもとに帰無仮説を棄却して証明したことを裏付ける方法である。1:正\n危険率とは第1種の過誤が起こる確率を示していることから、「危険率5%」とした場合、第1種の過誤を犯す可能性の程度は5%となる。2:正\n第2種の過誤とは、棄却すべき帰無仮説を棄却し損なう過誤のことであり、帰無仮説は棄却できなかった場合、第2種の過誤が生じている可能性がある。3:誤\n「帰無仮説を棄却できなかった」とは、「帰無仮説を棄却するだけの証拠がなかった」ということであり、「帰無仮説が肯定された」ということではない。4:誤\n危険率とは第1種の過誤が起こる確率を示していることから、危険率が小さくなると帰無仮説は棄却されにくくなる。5:誤\n標本数を増やすことにより検定結果が変化するため、危険率を変えなくても、帰無仮説が棄却される見込みが変化する。"} +{"problem_id": "105194", "problem_text": "便秘治療薬の有効性に関する臨床試験の結果から、以下の情報を得た。データ解析方法に関する文中の「::::」に入る適切な語句はどれか。1つ選べ。", "choices": ["カイ二乗検定", "ログランク検定", "Mann-WhitneyU-test", "対応のあるt検定", "重回帰分析"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "比較に用いるデータの性質により、統計手法が異なる。・データが連続データ(間隔尺度、計量尺度)の場合: パラメトリック検定法\n・データがカテゴリーデータ(名義尺度、順序尺度)の場合: ノンパラメトリック検定法\n本試験において、比較に用いたデータ(便の形状をスケール1〜7までの7段階で評価: 順序尺度)は、カテゴリーデータであることから、本試験の検定法には、ノンパラメトリック検定法が用いられる。また、本試験はプラセボ群、本剤投与群と異なる個体を用いた対���のないデータであることから、本試験の検定法には、対応のない2郡間を比較するノンパラメトリック検定法であるMann-Whitney U-testが用いられる。"} +{"problem_id": "105195", "problem_text": "28歳男性。半年前に転勤で築10年のマンションに転居してきた。仕事が忙しく部屋の掃除が滞っていたが、元気に過ごしてきた。しかし、3週間ほど前からくしゃみ、鼻のかゆみ、鼻汁・鼻漏を認め、最近は鼻づまりや目のかゆみも感じている。頭痛や発熱、喉の痛みはなく、鼻づまりは口呼吸をするほどではなかったが、くしゃみは、日に7〜8回あることから内科を受診したところ、次の薬剤が処方された。本症例に関する病態及び薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["鼻漏は膿性鼻漏に移行することが多い。", "くしゃみ、鼻汁、鼻閉はI型アレルギー反応による。", "くしゃみの症状がひどくなる場合は、セラトロダスト錠を追加する。", "鼻づまりの症状がひどくなる場合は、アドレナリン\\alpha 受容体遮断作用を有する点鼻薬を追加する。", "エピナスチン塩酸塩錠のかわりにフェキソフェナジン塩酸塩錠を使用することも可能である。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n頭痛、発熱、喉に痛みがなく、くしゃみ、鼻症状(鼻のかゆみ、鼻汁・鼻漏、鼻づまり)、目のかゆみが認められていることから、この患者はアレルギー性鼻炎に罹患していると推察される。アレルギー性鼻炎では、鼻漏が膿性鼻漏に移行することは少ない。2:正\nくしゃみ、鼻汁、鼻閉は、IgE抗体が関与するI型アレルギーにより誘発される。3:誤\nセラトロダスト錠は、トロンボキサンA_{2}受容体拮抗薬であり、気管支喘息の治療に用いられるが、アレルギー性鼻炎の治療には用いられない。4:誤\n鼻づまりの症状がひどくなる場合には、鼻粘膜のうっ血状態を改善するアドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激薬を追加する。5:正\nエピナスチン塩酸塩錠およびフェキソフェナジン塩酸塩錠はアレルギー性鼻炎に有効であるため、エピナスチン塩酸塩錠のかわりにフェキソフェナジン塩酸塩錠を使用することも可能である。"} +{"problem_id": "105196", "problem_text": "65 歳男性。週3回の血液透析が施行されており、処方 1 の薬剤を服用していた。今回の検査において、eGFR15mL/min/1.73m^{2}、血中リン濃度5.5mg/dL、補正血中カルシウム濃度9.0 mg/dL、血清アルブミン濃度3.7g/dL、ヘモグロビン値12.0g/dL、血清フェリチン値150ng/mL という結果であった。また、患者から胃部不快感の訴えもあり処方2に変更となった。処方 2 及びこの患者への生活指導に関する説明のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["リンの吸収を抑えるお薬です。", "腎性貧血にも効果があるお薬です。", "鉄が含まれますが、便が黒くなることはありません。", "食品添加物を多く含むハムやソーセージの摂りすぎには注意が必要です。", "果物や生野菜を多く摂るようにしてください。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本剤(スクロオキシ水酸化鉄チュアブル錠)は、消化管内でリン酸と結合し消化管からのリンの吸収を抑制するため、透析中の慢性腎臓病患者のおける高リン血症の改善に用いられる。2:誤\n解説1参照\n3:誤\n本剤には鉄が含まれているため、便が黒くなることがある。4:正\nハムやソーセージの食品添加物(粘着剤)には、リン酸塩が含まれている。そのため、血液透析患者は、食品添加物を多く含むハムやソーセージの摂りすぎに注意する必要がある。5:誤\n果物や生野菜にはカリウムが多く含まれている。そのため、血液透析患者は、果物や生野菜の摂りすぎに注意する必要がある。"} +{"problem_id": "105197", "problem_text": "処方2の薬剤は、酸化水酸化鉄(FeO(OH))が主成分である。酸化水酸化鉄は水酸化鉄(III)(Fe(OH)_{3})から水(H_{2}O)が脱離したものである。酸化水酸化鉄及び水酸化鉄(III)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["純水中における水酸化鉄(III)の溶解度積は、その濃度に依存して変化する。", "純水中における水酸化鉄(III)の溶解度積は、溶液の温度によって���化する。", "水酸化鉄(III)の溶解度は、溶液のpHによって変化しない。", "酸化水酸化鉄によるリン酸の吸着にはpHが影響する。", "酸化水酸化鉄によるリン酸の吸着に剤形や比表面積は影響しない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n溶解度積は、濃度の影響を受けない定数である。2:正\n溶解度積は、温度、pHにより変化する。3:誤\npHにより水酸化鉄(III)の解離状態が変化する。そのため、水酸化鉄(III)の溶解度は、溶液のpHによって変化する。4:正\npHによりリン酸の解離状態が変化する。そのため、酸化水酸化鉄によるリン酸の吸着はpHにより変化する。5:誤\n剤形や比表面積により酸化水酸化鉄によるリン酸の吸着は変動する。"} +{"problem_id": "105198", "problem_text": "60歳男性。骨折治療のため入院中。逆流性食道炎のため、1ヶ月前からオメプラゾール腸溶錠20mgを1日1回1錠、朝食後に服用している。患者の服薬アドヒアランスは良好であったが、症状の改善がみられなかった。そのため、医師から他に有効なプロトンポンプ阻害薬(PPI)がないか薬剤師に相談があった。薬剤師がPPIと薬物代謝酵素CYP2C19に関する文献などを調べたところ、図のデータを見つけた。当院には、他にPPIとしてランソプラゾール腸溶性口腔内崩壊錠30mgとエソメプラゾールマグネシウム水和物カプセル20mgの採用がある。この患者の肝機能及び腎機能は正常であり、ヘリコバクター・ピロリ抗体検査結果は陰性である。エソメプラゾールは、オメプラゾールの光学異性体のS体のみの薬物である。図から薬剤師が考えた内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["PMの可能性があるので、エソメプラゾールに変更する。", "PMの可能性があるので、ランソプラゾールに変更する。", "Hetero-EMの可能性があるので、エソメプラゾールに変更する。", "Hetero-EMの可能性があるので、ランソプラゾールに変更する。", "Homo-EMの可能性があるので、エソメプラゾールに変更する。", "Homo-EMの可能性があるので、ランソプラゾールに変更する。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "設問の図よりHetero-EM、PMでは、OPZの24時間当たりの胃内pH>4の割合(%)が高いため、本症例のおいて、患者がHetero-EMかPMであり、OPZを服用しても逆流性食道炎が改善しなかった可能性が低い。それに対して、Homo-EMでは、OPZの24時間当たりの胃内pH>4の割合(%)が低いため、患者がHomo-EMであり、OPZを服用しても逆流性食道炎が改善しなかった可能性が高い。また、Homo-EMでは、OPZに比べEPZが24時間当たりの胃内pH>4の割合(%)が高い。これらのことから、薬剤師が「Homo-EMの可能性があるので、エソメプラゾールに変更する。」と考えたと推察できる。"} +{"problem_id": "105199", "problem_text": "オメプラゾール腸溶錠は、オメプラゾールのR体とS体の混合物である。その有効性はR体とS体で異なるため、その血中濃度をR体とS体とに分別して定量することによって有用な情報が得られる。血中濃度測定における液-液抽出法による血液の前処理とHPLCによる分別定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["液-液抽出では、R体とS体の分配係数が異なるので、個別に抽出率を求めておく必要がある。", "液-液抽出では、試料の pH を塩基性にすると抽出率が向上する。", "液-液抽出に用いる有機溶媒としてアセトニトリルが有用である。", "HPLCでは、移動相にキラル化合物のラセミ体を添加することによってR体S体を分離できる。", "HPLC では、光学活性物質や特定の高分子によって修飾した固定相を用いることによって R 体と S 体を分離できる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nR体とS体は、融点、溶解度、分配係数が同じである。2:正\nオメプラゾールは塩基性条件下で分子として存在するため、液-液抽出において試料のpHを塩基性にすると抽出率が向上する。3:誤\n液-液抽出では、極性の低い有機溶媒(ジエチルエーテル、クロロホルム、ブタノールなど)\nが用いられる。なお、アセトニトリルは水と混合するため、液-液抽出に用いる有機溶媒とし���、適していない。4:誤\nHPLCでは、移動相にキラルセレクター(シクロデキストリンやキラルクラウンエーテルなど)を添加することによってR体S体を分離できる。5:正\nHPLC\nでは、光学活性物質や特定の高分子によって修飾した固定相(キラルセレクター)を用いることによって\nR\n体と\nS\n体を分離できる。"} +{"problem_id": "105200", "problem_text": "75歳女性。肝臓がんの疑いで外来通院中。今回、超音波検査で結節性病変を認めたため、精査目的で入院し、造影剤を用いた画像検査を行うことになった。ヨード造影剤にアレルギーがあるため、新しく採用となった超常磁性酸化鉄製剤であるフェルカルボトラン^{(注)}を用いて画像を撮影することになった。図は肝臓におけるフェルカルボトラン投与前後の画像を模式的に示す。(注)フェルカルボトラン: 細粒子化した酸化鉄(Fe_{2}O_{3})をデキストランやその誘導体などでコーティングしてコロイド化したもの。肝臓における作用機序:本剤は投与後、肝臓内ではクッパー細胞に取り込まれ、色の濃い画像が得られる。肝腫瘍組織ではクッパー細胞が欠如しているため、色の薄い画像が得られる。図中では、信号強度の強い方が黒く表されている。この患者を担当する研修医から、薬剤部のDI(医薬品情報)担当者に、この薬剤についての質問があった。DI担当者の説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ヘモクロマトーシス等の鉄過剰症の患者には禁忌である。", "メトホルミンなどビグアナイド系薬剤と併用禁忌である。", "MRI(magnetic resonance imaging)において使用する薬剤である。", "腎機能が低下している患者には使用できない。", "ショックやアナフィラキシーは起きない。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n本剤の鉄により症状が悪化するおそれがあるため、ヘモクロマトーシス等の鉄過剰症の患者には禁忌である。2:誤\n本剤と併用禁忌の薬剤はない。3:正\n本剤は、磁気共鳴コンピューター画像撮影における肝腫瘍の局在診断のための肝臓造影に用いられる。4:誤\n腎機能が低下している患者でも使用することは可能である。5:誤\n重大な副作用として、ショック・アナフィラキシーを起こすことがある。"} +{"problem_id": "105201", "problem_text": "この患者に行った画像検査法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["酸化鉄(Fe_{2}O_{3})の代わりに、酸化マグネシウム(MgO)を用いることも可能である。", "波長 1〜10pmの電磁波が使用される。", "ドップラー効果により臓器の運動を観察することも可能である。", "高磁場中でラーモア歳差運動の周波数と同じ周波数の電磁波を照射し、原子核を励起させる。", "放射線被ばくに注意する必要はない。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "本症例では、超常磁性酸化鉄製剤(フェルカルボトラン)を使用していることから、MRIを行ったと推察される。磁気共鳴画像(MRI)診断法は、核磁気共鳴(NMR)現象を利用した画像診断法である。MRIは、水素原子核(プロトン)が磁気内で特定の周波数を有する電磁波に受け共鳴現象を起こしたあと、電磁波を遮断し、基底状態に戻るまでの時間を画像化する方法である。磁気共鳴画像(MRI)診断法では、水の分布やその存在環境に関する情報を得ることができる。\n・放射線被曝がない(非侵襲性)\n・あらゆる方向の画像が得られる\n・プロトンが存在しない場所については無信号であるため、空気などによる偽像を生じない\n・撮影時間がX線CTに比べ長い\n1:誤\nMRIで用いられる造影剤は常磁性を有している必要があるため、酸化マグネシウム(MgO)を用いることはできない。2:誤\nMRIでは、波長数mのラジオ波が使用される。3:誤\nドップラー効果により臓器の運動を観察することが可能なのは、「超音波診断法」である。4:正\n5:正"} +{"problem_id": "105202", "problem_text": "5歳男児。体重19kg。歯の痛みのため、母親が自分用として購入していた市販薬の痛み止め(1錠当たり、アスピリン300mg、無水カフェイン25mgを含む)を2時間ごとに2錠、計5回服用させたところ、嘔吐、腹痛が出現したので受��した。受診時のサリチル酸の血中濃度は36.5mg/dLであった。受診後は、活性炭や下剤の投与と強制利尿を行うとともに(A)の投与を行い、翌日には完治退院した。男児の肝機能及び腎機能は正常であった。(A)に該当する最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセチルシステイン内用液", "イダルシズマブ(遺伝子組換え)静注液", "炭酸水素ナトリウム注射液", "メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)静注", "亜硝酸アミル"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本症例では、アスピリンの過剰投与により代謝物であるサリチル酸の血中濃度が上昇し、サリチル酸による中毒症状が現れていると考えられる。サリチル酸は、酸性薬物であるため、尿のpHが高くなるとイオン形の割合が増大し、再吸収されにくくなることから、解毒剤として尿のpHを高くする「炭酸水素ナトリウム注射液」が用いられる。1:誤\nアセチルシステイン内用液は、アセトアミノフェン過量摂取時の解毒に用いられる。2:誤\nイダルシズマブ(遺伝子組換え)静注液は、ダビガトランの抗凝固作用の中和に用いられる。3:正\n4:誤\nメチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)静注は、中毒性メトヘモグロビン血症に用いられる。5:誤\n亜硝酸アミルは、シアン及びシアン化合物による中毒に用いられる。"} +{"problem_id": "105203", "problem_text": "アスピリンは、肝臓などでサリチル酸に代謝され、腎臓で尿中へ排泄される。サリチル酸に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。ただし、サリチル酸の代謝は無視する。", "choices": ["中毒患者の尿に塩化第二鉄試液を加えると赤色〜紫色に呈色することがある。", "尿のpHが高くなると、サリチル酸の分子形の比率が増加し、排泄速度は増加する。", "サリチル酸は活性炭に吸着する。", "逆相分配カラムを用いる HPLC による血中サリチル酸濃度の定量分析には、試料を除タンパクすることが必要である。", "HPLC による血中サリチル酸濃度の定量分析には、紫外可視吸光光度計を検出器として用いることが可能である。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "問202解説参照"} +{"problem_id": "105204", "problem_text": "細胞膜などの半透膜を介した水の移動は、膜で隔てられた溶液の浸透圧の差によって起こる。浸透圧の原理を利用した薬物も用いられている。膜により隔てられた二つの水相A、Bの浸透圧P_{A}、P_{B}と水の移動する方向を表す模式図として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、図中の●は水に溶けている溶質で、その数の違いは濃度の大小を表し、矢印は水の移動する方向を表す。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "希薄溶液において溶質のモル濃度の増大とともに、浸透圧は高くなる。このことから、水相Aは水相Bに比べ浸透圧が高くなる。また、浸透現象では、溶質のモル濃度が薄い方から濃い方に溶媒(水)が移動するため、水相Bから水相Aに水が移動する。"} +{"problem_id": "105205", "problem_text": "前問の浸透圧の原理に基づいた水の動きを利用した薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["酸化マグネシウム", "ナルデメジン", "センノシド", "ヒマシ油", "ビサコジル"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n酸化マグネシウムは、腸管内で難吸収性の重炭酸塩または炭酸塩に変化し、腸管の浸透圧を上昇させることで腸管内の水分量を増大させる。2:誤\nナルデメジンは、末梢で\\microオピオイド受容体にアンタゴニストとして作用することによりオピオイド鎮痛薬による便秘を改善する。3:誤\nセンノシドは、腸内細菌により加水分解されレインアンスロンとなり粘膜およびアウエルバッハ神経叢を刺激して蠕動運動を促進する。4:誤\nヒマシ油は、小腸でリパーゼにより加水分解されリシノール酸とグリセリンとなる。生成されたリシノール酸が小腸を刺激し、蠕動運動を促進する。また、グリセリンは、粘滑作用により水溶便を排泄させる。5:誤\nビサコジルは、肛門内に挿入することで直接直腸・結腸の粘膜を刺激することで蠕動運動を促進する。"} +{"problem_id": "105206", "problem_text": "98歳女性。体重30kg。逆流性食道炎のため、薬物アが処方された。薬���師が処方監査を行ったところ、粉砕して服用すると問題があることが判明したため、処方の変更を医師に提案することとなった。薬物アが生体内において受ける変化(A〜D)に関する記述のうち、粉砕した後に服用すると問題が起こる理由と深く関連しているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Aの反応が胃内の環境において加速される。", "Bの過程で不斉中心が消失する。", "Cの過程で硫黄原子上における求核置換反応が進行する。", "Dの過程で薬物が酵素のシステイン残基と反応する。", "A〜Dの反応が胃壁細胞のプロトンポンプ付近で起こる。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "薬物アは構造より、ラベプラゾールであると判断できる。ラベプラゾール錠は、ラベプラゾールが酸性条件下で不安定であるため、腸溶性製剤となっている。ラベプラゾール錠(腸溶性錠)を粉砕するとAの反応が胃内の環境において加速され、ラベプラゾールが活性化されるとともに分解されやすくなる。"} +{"problem_id": "105207", "problem_text": "粉砕して服用する場合の不都合を回避するために、当該病院の採用薬の中から薬剤師が提案する薬物として、適切でないのはどれか。1つ選べ。ただし、これらの薬剤は全て錠剤であり粉砕して用いるものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "選択肢3はオメプラゾールであり、ラベプラゾールと同様に胃酸に不安定であるため、オメプラゾール錠は粉砕して用いることは不適切である。なお、選択肢1:\nラニジチン、選択肢2:\nボノプラザンフマル酸塩、選択肢4:\nシメチジン、選択肢5:\nファモチジンである。"} +{"problem_id": "105208", "problem_text": "65歳男性。がんで入院中。当初、医療チームの方針として、アプレピタントカプセルを制吐剤として投与することが計画されていたが、口内炎が悪化したため、ホスアプレピタントの点滴静注への変更について再度検討することとなった。処方の再検討に際して、薬剤師が医療チームに行う説明として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ホスアプレピタントは、アプレピタントの経口投与が困難な患者さんのために開発された薬剤です。", "ホスアプレピタントは、アプレピタントの水溶性を向上させたプロドラッグです。", "ホスアプレピタントは、アプレピタントの窒素原子にリン酸基が導入されたことにより、血液脳関門を通過しやすくなっています。", "ホスアプレピタントは生体内の代謝反応を通じて、速やかにアプレピタントに変化します。", "ホスアプレピタントの投与においても、アプレピタントにおいて認められているような代謝酵素の阻害に基づく薬物相互作用に注意する必要があります。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "ホスアプレピタントは、アプレピタントの窒素原子にリン酸基が導入されたことにより、水溶性が高くなっているため、血液脳関門を通過しにくい。なお、ホスアプレピタントは、生体内の代謝反応を通じて、速やかにアプレピタントとなり、血液脳関門通過することで制吐作用を示す。"} +{"problem_id": "105209", "problem_text": "アプレピタントからホスアプレピタントが創製されたのと同様な目的で開発されたプロドラッグはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nオセルタミビルリン酸塩は、吸収改善を目的として開発されたプロドラッグである。2:誤\nバラシクロビル塩酸塩は、吸収改善を目的として開発されたプロドラッグである。3:誤\nドカルパミンは、経口投与を可能にする目的で開発されたプロドラッグである。4:正\nクロラムフェニコールコハク酸エステルナトリウムは、水溶性を増大させ、注射剤として用いることができるように開発されたプロドラッグである。5:誤\nロキソプロフェンナトリウムは、副作用の軽減を目的として開発されたプロドラッグである。"} +{"problem_id": "105210", "problem_text": "73歳男性。高血圧と糖尿病のため以下の薬剤が処方されていた。薬剤師が患者宅を訪問した際、この患者に末梢神経障害などがみられ、���剤をPTPシートから取り出すことに不自由していた。そのため、薬剤師は、一包化することを医師に提案することにした。患者が服用しているオルメサルタンメドキソミル錠の添付文書を確認したところ、下記のような記載があった。【取扱い上の注意】 本剤をメトホルミン塩酸塩製剤と一包化し高温多湿条件下にて保存した場合、メトホルミン塩酸塩製剤が変色することがあるので、一包化は避けること。オルメサルタン メドキソミル錠に含まれる有効成分Iはプロドラッグであり、生体内において図に示すような活性体IIとIIIを生じる。一方、高温多湿条件下でもIの加水分解反応によってIIIが生成し、これとメトホルミンとの反応によって変色が起こるものと推定されている。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["IはIIの疎水性を高めることにより、経口吸収性を改善したプロドラッグである。", "IIのテトラゾリル基はヒドロキシ基の生物学的等価体である。", "Iの炭酸エステル部位の酸化反応により、IIIとCO_{2}を生じる。", "メトホルミンは高い求電子性をもつ。", "メトホルミンとIIIとの反応は縮合反応である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nI(オルメサルタン メドキソミル)は、II(オルメサルタン)の疎水性を高めることにより、経口吸収性を改善したプロドラッグである。2:誤\nIIのテトラゾリル基は、カルボキシ基と生物学的等価体(生体内で同一の性質を示す)である。3:誤Iの炭酸エステル部位の加水分解反応により、IIIとCO_{2}を生じる。4:誤\nメトホルミンは、構造中にローンペアが多く存在することから高い求核性を示す。5:正\nオルメサルタン メドキソミルから遊離したDMDO基が加水分解され、ジアセチル、アセトインへと変化し、これらがメトホルミンのグアニジノ基と縮合することにより紅色を呈する。"} +{"problem_id": "105211", "problem_text": "この処方を調剤する場合に、薬剤師の対応として適切でないのはどれか。1つ選べ。なお、それぞれのケースにおいて患者の了承はあるものとする。", "choices": ["オルメサルタンメドキソミル錠とそれ以外の薬剤を別々に分包する。", "医薬品インタビューフォームなどを参考にし、変色が起きないと考えられる日数で分割調剤する。", "乾燥剤を入れた缶に保存するなど、変色が進まない保管方法を患者に指導する。", "メトホルミン塩酸塩錠を他のビグアナイド系薬剤に変更可能か医師と協議する。", "オルメサルタンメドキソミル錠を他の降圧剤に変更可能か医師と協議する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ビグアナイド系薬剤は、グアニジン2分子が窒素原子1個を共有して連なった構造を有することから、メトホルミン以外のビグアナイド系薬剤(ブホルミン)とオルメサルタン\nメドキソミルと一包化すると変色する考えられる。このため、メトホルミン塩酸塩錠を他のビグアナイド系薬剤に変更しても一包化をすることは避ける必要がある。"} +{"problem_id": "105212", "problem_text": "35歳女性。肺動脈性肺高血圧症のためにイロプロスト吸入液を使用していた。しかし、仕事で出張が多くネブライザーを持ち歩いての使用に不都合があるため、下記の薬剤へ変更となった。薬剤師が行う患者への説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["副作用として頭痛が起こることがあります。", "血液を固まりやすくする作用があります。", "噛まずに服用してください。", "妊娠していても服用可能です。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n本剤は血管拡張作用、血流増加作用を有するため、副作用として、頭痛、顔面潮紅、ほてりなどを起こすことがある。2:誤血小板及び血管平滑筋のプロスタサイクリン受容体を介して、アデニル酸シクラーゼを活性化し、細胞内のcAMP濃度上昇及びトロンボキサンA_{2}生成抑制作用により抗血小板作用、血管拡張作用を示す。3:正\n本剤は徐放錠であることから、噛まずに服用する必要がある。4:誤\n本剤は、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与禁忌とされている。"} +{"problem_id": "105213", "problem_text": "イロプ��ストやベラプロストナトリウムはプロスタグランジンI_{2}の構造をもとに開発された薬物である。これらに関する記述のうち、最も適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["イロプロストはプロスタグランジンI_{2}の部分構造aの酸素原子を炭素原子に置換することにより、シトクロムP450による代謝を受けやすくしている。", "ベラプロストナトリウムはプロスタグランジンI_{2}のプロドラッグである。", "ベラプロストナトリウムはカルボン酸部位を塩とすることにより、水溶性を向上させている。", "プロスタグランジンI_{2}の部分構造aの二重結合の立体化学はE配置である。", "ベラプロストナトリウムはプロスタグランジンI_{2}の部分構造aに芳香環を導入することにより、酸性条件下での安定性を向上させている。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤イロプロストはプロスタグランジンI_{2}誘導体であり、CYPによる代謝をほとんど受けず、化学的に安定である。2:誤ベラプロストナトリウムは、プロスタグランジンI_{2}誘導体であるが、プロスタグランジンI_{2}のプロドラッグではない(生体内でプロスタグランジンI_{2}に変化し、効果を発現するわけではない)。3:正\nカルボン酸部位を塩にすることで、水中でイオン形になりやすいため、水溶性が向上する。4:誤プロスタグランジンI_{2}の部分構造aの二重結合の立体化学はZ配置である。E配置:\n二重結合に結合している置換基の優先順位が高いものが反対側にある\nZ配置:\n二重結合に結合している置換基の優先順位が高いものが同じ側にある\n5:正ベラプロストナトリウムはプロスタグランジンI_{2}の部分構造aに芳香環を導入することで、酸性条件下での安定性を向上させている。"} +{"problem_id": "105214", "problem_text": "22歳男性。身長175cm、体重60kg。花粉症の症状がひどくなったので、家族が使用していた一般用医薬品の小青竜湯エキス顆粒の服用を考えたが、陸上競技の国体選手であったため、かかりつけ薬剤師に相談した。薬剤師は、小青竜湯エキス顆粒にはアンチ・ドーピング規程における禁止物質が含まれるため、服用しないよう指示した上で、近隣の医療機関への受診を勧奨した。その結果、次の薬剤が処方されたので、薬剤師が処方監査を行った。小青竜湯エキス顆粒に含まれる成分のうち、アンチ・ドーピング規程における禁止薬物に該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "小青竜湯エキス顆粒に含まれる成分のうち、アンチ・ドーピング規定における禁止薬物に該当するのは、エフェドリン(選択肢3)である。なお、他の選択肢は、選択肢1: グリチルリチン酸、選択肢2: ショウガオール、選択肢4: メチルオイゲノール、選択肢5: シンナムアルデヒドは、禁止薬物ではない。"} +{"problem_id": "105215", "problem_text": "処方された薬剤のうち、アンチ・ドーピングの観点から、処方変更を医師に提案すべき薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["フェキソフェナジン塩酸塩錠", "ベタメタゾン錠", "フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液", "フルオロメトロン点眼液", "エピナスチン塩酸塩点眼液"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "(WADA禁止表: 2018年)\nI: 常に禁止される物質\nS0: 無承認物質\nS1: 蛋白同化薬\nS2: ペプチドホルモン、成長因子、関連物質及び模倣物質\nS3: ベータ2作動薬\nS4: ホルモン関連薬及び代謝調節薬\nS5: 利尿薬及び隠蔽薬\nII: 競技会(時)に禁止される物質\nS6: 興奮薬\nS7: 麻薬\nS8: カンナビノイド\nS9: 糖質コルチコイド\n(糖質コルチコイドは、経口使用、静脈内使用、筋肉内使用、経直腸使用は全て禁止、それ以外の投与経路については禁止されていない。)\nIII: 特定競技において禁止される物質\nP1: ベータ遮断薬\n選択肢1: 抗アレルギー剤:選択肢2: 糖質コルチコイド(経口)、選択肢3: 糖質コルチコイド(点鼻)、選択肢4: 糖質コルチコイド(点眼)、選択肢5: 抗アレルギー剤(点眼)"} +{"problem_id": "105216", "problem_text": "68歳男性。2週間前から労作時呼吸困難が出現し、増悪傾向のた���医療機関を受診した。心房細動、左室駆出率(LVEF)の低下した心不全と診断され、酸素投与も必要なため入院加療となった。その後、軽快し、以下の処方で治療されている。身体所見・検査値 心エコー心嚢液なし、右心不全所見なし、LVEF 45%、CCr 23mL/min、ヘマトクリット値 32.9%、血清アルブミン 3.3g/dL、血清クレアチニン 2.25mg/dL、Na 139mq/L、K 4.4mq/L、BNP 452.7pg/mL、心拍数 120回/分、血圧 150/90mmHg 上記の検査値を確認し、心拍数の調節が不十分なため、心拍数の調節を目的として薬剤Aが追加された。薬剤Aとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["フロセミド錠", "トルバプタン錠", "アミオダロン塩酸塩錠", "シベンゾリンコハク酸塩錠", "ソタロール塩酸塩錠"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "心拍数(基準値: 60〜100回/分)が速いことから、心拍数を調整するために頻脈性不整脈の治療に用いる薬を追加する必要がある。選択肢のうち、頻脈性不整脈の治療に用いられる薬として、アミオダロン塩酸塩、シベンゾリンコハク酸塩錠、ソタロール塩酸塩錠がある。また、本患者はCCr(基準値: 100〜120mL/min)が低く、腎機能が低下していることから主に腎臓で消失する薬(シベンゾリンコハク酸塩錠、ソタロール塩酸塩錠)を追加することを避ける必要がある。これらのことから、選択肢3のアミオダロンを追加することが最も適切である。"} +{"problem_id": "105217", "problem_text": "下図は薬剤Aの投与前と投与後の心電図(II誘導)を示している。この変化が起こる理由として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["心室筋細胞からのNa^{+}流出の直接的抑制", "心室筋細胞からのK^{+}流出の直接的抑制", "心室筋細胞の活動電位持続時間の延長", "洞房結節の脱分極の直接的促進", "不応期の短縮"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "投与前の心電図に比べ、投与後の心電図ではQT間隔が延長している。アミオダロン投与によるQT間隔の延長には、以下の2つのことが関与していると考えらえる。①Kチャネルを遮断し、心室筋細胞からK^{+}流出を直接抑制する\n②心室筋細胞の活動電位持続時間を延長する"} +{"problem_id": "105218", "problem_text": "65歳男性。非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)と診断され、切除術を受けた。2年後に再発が確認されたため、治療方針を検討することになった。患者の状態は、ステージIV、ECOG PS 3^{(注)}である。(注)ECOG PS(Eastern Cooperative Oncology Group performance status)3: 身の回りのことはある程度できるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床している状態。患者の状態を考慮し、ゲフィチニブ単剤投与を検討している。投与の決定にあたり、考慮すべき患者情報として優先度が最も低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["年齢", "EGFR遺伝子変異", "間質性肺炎の既往", "再発非小細胞肺がん", "ECOG PS3"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)におけるステージ4では、EGFR遺伝子変異の有無、ALK遺伝子転座の有無、PSにより治療方法が異なるため、EGFR遺伝子変異の有無、PSを確認する必要がある。また、ゲフィチニブを使用するにあたり間質性肺炎の既往歴、適応症(ゲフィチニブの適応症: EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞がん)が適切である確認する必要がある。なお、ゲフィチニブは臨床成績より65歳以上と65歳未満では血漿中濃度及び副作用発現率ならびに程度に差がみられないという報告があるため、優先的に年齢を確認する必要は低いと考えられる。"} +{"problem_id": "105219", "problem_text": "前問で検討している薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["EGFRのチロシンキナーゼを特異的に阻害し、細胞内シグナル伝達を抑制する。", "高分子型分子標的薬である。", "がん細胞が分泌する増殖因子に結合して、その分解を促進する。", "標的タンパク質のアミノ酸配列の違いにより有効性が異なる場合がある。", "がん細胞中の変異した遺伝子に結合して、その遺伝子を切断する制限酵素としての働きをもつ。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "ゲフィニチブは小分子薬であり、EGFRのチロシンキナーゼ���特異的に阻害し、細胞内シグナル伝達を抑制することで細胞増殖を抑制する。分子標的薬は標的タンパク質に結合し、作用を発現するため、標的タンパク質のアミノ酸配列の違いにより有効性が異なる場合がある。"} +{"problem_id": "105220", "problem_text": "65歳女性。体重50kg。数日前より左腰背部痛、悪寒を訴え、近医を受診した。精査の結果、腎結石と診断され、入院し経尿道的腎尿管結石砕石術(fTUL)が施行された。術後、翌朝に収縮期血圧約70mmHgへの低下を認めた。敗血症性ショック、播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断され、ICUへ転棟した。ICU入室後、ドパミン、ノルアドレナリン、バソプレシンが持続微量点滴にて投与され循環動態は安定、尿量も保たれた。抗菌薬はドリペネムとし、DICに対する以下の処方案について医師がICU担当の薬剤師に意見を求めた。医師に対する、ICU担当の薬剤師の回答として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["出血所見がない場合、使用できない。", "過量投与による副作用発現に備えて中和剤を準備しておく。", "腎機能低下を考慮して、適宜減量して使用する。", "ヒト血液由来の特定生物由来製品であるため、患者家族に感染リスクを説明する。", "点滴静注は約30分かけて行う。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n本剤は、患者が臨床的にDICの状態にあることを確認した場合に使用することが可能である。2:誤\n本剤の抗凝固作用を中和する薬剤は知られていない。3:正\n本剤は主として腎臓から排泄されるため、腎機能に応じて適宜減量して使用する。4:誤\nトロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)は、チャイニーズハムスター卵巣細胞で産生される糖タンパク質である。本剤は、ヒト血液由来製品ではないため、患者家族に感染リスクを説明する必要はない。5:正\n通常、成人には、トロンボモデュリン アルファとして1日1回380U/kgを約30分かけて点滴静注する。"} +{"problem_id": "105221", "problem_text": "医師より、患者に用いるトロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)について、天然のトロンボモデュリンとの違いを知りたいとの問合せがあった。文献を探したところ、天然のトロンボモデュリンの模式図を見つけた(下図)。天然のトロンボモデュリンの領域A〜Cのうち、トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)に相当する領域として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["領域A", "領域B", "領域C", "領域A〜B", "領域B〜C", "領域A〜C"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "トロンボモデュリン\nアルファ(遺伝子組換え)は、トロンビンによるプロテインCの活性化を促進する。生成した活性化プロテインCは、活性化第V因子及び活性化第VIII因子と不活化することによりトロンビンの生成を抑制し、血液凝固系の活性化を阻害する。本剤は、トロンビンの生成阻害作用に基づいた抗凝固作用によりDICの発症を抑制する。"} +{"problem_id": "105222", "problem_text": "72歳男性。A病院の泌尿器科及びB病院の循環器科を受診している。A病院において、侵襲危険度の高い経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)実施のため、泌尿器科医師から、現在服用中の薬を確認し、術前中止薬の有無を調査するよう、A病院の入退院支援センター担当の薬剤師に依頼があった。患者が持参したお薬手帳の内容、患者へのインタビューなどから、患者の服用薬が判明した。患者は、手術の前日に入院することが決まった。入退院支援センター担当薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬剤師の判断により、入院前日の朝から全ての薬剤を服用中止するように患者に指示した。", "泌尿器科医師に、ファモチジンをラベプラゾールナトリウムに変更するように提案した。", "リバーロキサバンの服用を中止する必要があることを泌尿器科医師に事前に説明した。", "B病院の循環器科医師にオルメサルタン メドキソミル口腔内崩壊錠の休薬の可否を確認し、泌尿器科医師に内容を伝達した。", "泌尿器科医師にシロドシンの服用中止を提案した。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "侵襲危険度の高い手術を実施するにあたり、「リバーロ��サバン」、「オルメサルタン」を休薬する必要がある。・リバーロキサバン\n本剤の投与中に手術や侵襲的処置を行う場合、臨床的に可能であれば本剤の投与後24時間以上経過した後に行うことが望ましい。・オルメサルタン\nオルメサルタンは、アンギオテンシンIIAT1受容体遮断薬であり、手術時に投与すると手術時にみられる血圧低下に対するレニン-アンギオテンシン系の賦活化を抑制するため、手術前24時間は投与しないことが望ましい。"} +{"problem_id": "105223", "problem_text": "処方されている抗血栓薬を服用した患者にみられる血液凝固・線溶系の変化として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["組織トロンボプラスチンの生成が抑制されている。", "トロンビンの生成が抑制されている。", "プロトロンビンの生成が抑制されている。", "フィブリンの生成が抑制されている。", "プラスミンの生成が促進されている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "リバーロキサバンは、選択的かつ直接的第Xa因子阻害薬であり、内因系及び外因系血液凝固カスケード中の第Xa因子を阻害し、トロンビン生成及びフィブリンの生成を抑制する。"} +{"problem_id": "105224", "problem_text": "62歳男性。肺炎感染症の治療のため、スルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムの点滴投与が開始された。肺炎は改善されたが、投与5日目から、腹痛、頻回の水様性の下痢、発熱、白血球数及びCRP値の上昇が認められた。直腸内視鏡検査を行ったところ、多発する黄白色の偽膜、浮腫やびらんが認められ、偽膜性大腸炎と診断された。このため、スルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムの点滴投与を中止し、抗菌薬の変更についてカンファレンスが開かれた。この患者で新たに発症した腸疾患とその原因菌に関する説明のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["原因菌は、腸内において常在細菌叢を形成している。", "原因菌は、経口感染する。", "原因菌は、空気中で生存できない芽胞非形成菌である。", "発症には、肺炎感染症の治療薬の投与による菌交代現象が関与する。", "症状は、原因菌が産生する外毒素により起こる。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "抗生物質を服用すると、正常な腸内細菌のバランスが崩れ、ディフィシル菌が異常に増殖し(菌交代現象)、偽膜性大腸炎を起こすことがある。偽膜性大腸炎とは、内視鏡検査で大腸壁に小さい円形の膜(偽膜)が認められる病態でその原因には、ディフィシル菌が産生する外毒素が関与している。ディフィシル菌は、芽胞を形成する偏性嫌気性菌であり、胃酸に強く口から容易に腸まで到達することができ、腸内において常在細菌叢を形成している。"} +{"problem_id": "105225", "problem_text": "このカンファレンスにおいて、薬剤師が提案する抗菌剤として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["セフジニルカプセル", "クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物配合錠", "メトロニダゾール錠", "バンコマイシン塩酸塩散", "レボフロキサシン水和物錠"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "抗菌薬投与後の偽膜性大腸炎は、ほとんど全ての抗菌薬が原因となりうる。広域ペニシリン、第二、第三世代セファロスポリンをはじめとする広域抗菌薬や複数の抗菌薬を使用している場合に偽膜性大腸炎のリスクが高くなる。一方、その発症のリスクはテトラサイクリン系、マクロライド系、ニューキノロン系では中等度、アミノグリコシド系、メトロニダゾール、バンコマイシンでは低いとされている。このことから、偽膜性大腸炎の治療には、偽膜性大腸炎のリスクが低い抗菌薬(メトロニダゾール錠、バンコマイシン塩酸塩散)を用いる。"} +{"problem_id": "105226", "problem_text": "62歳女性。身長156cm、体重54kg。慢性腎不全、2型糖尿病、高血圧症で外来治療中。骨粗しょう症はない。今回、慢性腎不全の病状が進行し、入院加療することになった。入院時の持参薬と検査値は以下の通りであった。持参薬 アムロジピンベシル酸塩錠 5mg、フロセミド錠 20mg、リナグリプチン錠 5mg、ボグリボース錠 0.2mg、ポリスチレンスルホン酸カルシウム20%ゼリー 25g、球形吸着炭細粒 2g/包 検査値Na 140mEq/L、K 5.2mEq/L、Cl 108mEq/L、P 5.9mg/dL、補正Ca 7.5mg/dL、血清アルブミン 3.7g/dL、AST 24IU/L、ALT 26IU/L、BUN 50.5mg/dL、血清クレアチニン1.8mg/dL、eGFR 23mL/min/1.73m^{2}、intact-PTH 210pg/mL(標準値: 10〜65pg/mL) 医師は検査値を確認後、持参薬は継続服用とし、さらに薬剤を追加処方した。追加された薬剤として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カルシトリオールカプセル", "メナテトレノンカプセル", "沈降炭酸カルシウム口腔内崩壊錠", "アレンドロン酸ナトリウム水和物錠", "シナカルセト塩酸塩錠"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "検査値より補正カルシウム濃度(基準値: 8.4〜10.2mg/dL)が低く、血清リン値(基準値: 2.4〜4.5mg/dL)\nが高いと判断することができる。このことから、補正カルシウム濃度を上昇させる目的で「カルシトリオールカプセル」、血清リン値を低下させる目的で「沈降炭酸カルシウム口腔内崩壊錠」を追加したと推察される。"} +{"problem_id": "105227", "problem_text": "この患者の病態に関連するビタミンやミネラルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カルシトリオールは、肝臓で25位が水酸化されて活性型に変換される。", "ビタミンKは、骨のCa結合タンパク質であるオステオカルシンの遺伝子の転写を活性化する。", "リン酸は、フィチン酸やシュウ酸とキレートを生成することにより、消化管での吸収が抑制される。", "腎不全の進行によって腎臓での活性型ビタミンDの生成が低下すると、消化管からのカルシウム吸収が低下する。", "この患者のintact-PTHの値から、血中カルシウム濃度を正常に維持しようとして副甲状腺機能亢進状態になっていることがわかる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "3"], "comment": "1:誤カルシトリオールは、活性型ビタミンD_{3}であり、腎臓及び肝臓で水酸化を受けることなく、腸管においてカルシウムの吸収を促進するとともに腎臓においてカルシウムの再吸収を促進する。2:誤\nビタミンKは、骨基質のオステオカルシンを\\gamma -カルボキシル化し、正常な骨代謝を促進する。3:誤\nリン酸は、フィチン酸やシュウ酸とキレートを形成することはない。4:正\n5:正\n血中カルシウム濃度が低下すると、血中カルシウム濃度を正常に維持するために副甲状腺ホルモン(パラトルモン: PTH)が分泌される。intact-PTH(副甲状腺ホルモンintact)は、副甲状腺ホルモンの量を反映していることから、intact-PTHが高い値を示す場合、血中カルシウム濃度の低下に伴い副甲状腺ホルモンの分泌が亢進していると判断することができる。"} +{"problem_id": "105228", "problem_text": "小学生の男児がサッカークラブに加入した。母親は、これを機に自宅の救急箱を充実したいと考え、かかりつけの薬局を訪れた。男児は過去に栗きんとんや大量の甘栗を摂取した際に呼吸困難、全身にかゆみを伴うむくみとじん麻疹を経験したことがある。バナナ、アボカドを摂取しても同様の症状が現れたことがある。この男児に使用するものとして販売を避けることが適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、(::)内は原材料を示す。", "choices": ["使い捨て手袋(ポリエチレン)", "医療用指サック(100%天然ゴム)", "伸縮包帯(ポリエステル、ポリウレタン)", "白色ワセリン", "眼帯(パッドストッパー部はポリ塩化ビニル、パッド部は不織布、脱脂綿/ひも部は綿)"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "過去に栗きんとん、甘栗、バナナ、アボカドを摂取し、アレルギー症状が現れたことがある(このような症状が現れることをラテックス-フルーツ症候群という)ため、この男児は、ラテックスアレルギーの可能性がある。ラテックスアレルギーは、IgE抗体を介した即時型過敏症(I型アレルギー)であり、天然ゴム製品に含まれるラテックスアレルゲンや手袋に含まれるパウダーに吸着して空気中に飛散したラテックスアレルゲンにより皮膚症状やアナフィラキシー・ショックを誘発することがある。"} +{"problem_id": "105229", "problem_text": "この男児への使用を避けることが適切な製品及び関連する食物アレルギーに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この製品の主成分と、栗やバナナに含まれる成分には、共通の構造をもつエピトープが存在する。", "この製品の主成分から脱炭酸反応によって生じるヒスタミンが、アレルギーの原因である。", "この製品をこの男児が使うと、I型アレルギーが誘発される可能性がある。", "栗やバナナは、重篤なアレルギー症状を引き起こす可能性があるため、これらを含む食品には特定原材料(7品目)として表示する義務がある。", "食物アレルギーは、消化管機能が未熟な幼児期にのみ起こる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n栗、バナナに含まれる成分とラテックスには、共通の構造を持つエピトープ(抗体が認識する抗原の一部分)が存在するため、栗、バナナにアレルギー反応を示す場合、ラテックスに対してもアレルギー反応を示すことがある。2:誤\n医療用指サック(100%天然ゴム)には、ヒスタミンの前駆物質であるヒスチジンは含まれていない。3:正\n4:誤\n栗、バナナは、特定原材料7品目(卵、乳、小麦、そば、落花生、エビ、カニ)には含まれていない。5:誤\n食物アレルギーは、消化管機能が未熟な幼児期に多く、加齢とともに緩和していくが、成人でも食物アレルギーを起こすことがある。"} +{"problem_id": "105230", "problem_text": "ジアゼパム錠を常用している32歳女性患者から主治医に、妊娠と薬の服用について相談があった。相談を受けた医師がジアゼパム錠の添付文書を確認したところ、次の記載があった。医師は、この記載の下線部の根拠についてさらに詳細な情報を得るため、医薬品情報室の薬剤師に相談した。薬剤師は、妊娠中のベンゾジアゼピン系薬剤の服用と胎児の奇形発生の関係に関する論文を検索した。薬剤師が検索した論文の1つに下表が掲載されていた。このデータから計算されるベンゾジアゼピン系薬剤の服用による奇形発生のオッズ比として最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["0.4", "1.8", "2.6", "3.4", "34"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "オッズ比は以下の手順で求めることができる。①: 奇形の発生ありのオッズ(ベンゾジアゼピン系薬の服用あり/服用なし)を求める\n②: 奇形の発生なしのオッズ(ベンゾジアセピン系薬の服用あり/服用なし)を求める\n③: オッズ比(①/②)を求める。【ベンゾジアゼピン系薬剤の服用による奇形発生のオッズ比】\n①: 30/35\n②: 1000/3000\n③: (30/35)/(1000/3000)\\fallingdotseq 2.57"} +{"problem_id": "105231", "problem_text": "薬剤師が医師に情報提供を行うため、さらに論文を検索した結果、下図を含む別の論文を見出した。この図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この図のような解析をシステマティックレビューという。", "この図はファンネルプロットとよばれる。", "コホート研究A~Gを統合した結果から、この薬剤を服用すると、奇形発生のリスクが統計学的に有意に低くなることがわかる。", "この図のJの結果だけでは薬剤服用と奇形発生との関係について明確な結論を出すことができない。", "症例対照研究H~Kを統合した結果から、この薬剤を服用すると、奇形発生のリスクが統計学的に有意に高くなることがわかる。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nこの図はフォレストプロットであり、メタアナリシス解析に結果を図示したものである。メタアナリシス解析とは、より信頼性の高いデータを得るために、同じテーマの複数の論文よりデータを収集し、統計的手法により統合・解析する方法である。なお、システマティックレビューとは、研究を網羅的に調査し、同質の研究をまとめ、バイアスを評価しながら分析・統合を行うことである。"} +{"problem_id": "105232", "problem_text": "7歳男児。昨夜から40^{\\circ} Cの発熱があり、小児科診療所でインフルエンザと診断され、下記の薬剤が処方された。2日前に両親もインフルエンザと診断され、高熱で寝込んでいるため、近所に住んでいる70歳の祖母が男児の処方箋を持って薬局を訪れた。祖母は1年前に��ンフルエンザの予防接種を受けており、現時点で発熱等の症状はない。薬剤師が、本剤の使用に際して祖母に行う説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["吸入直後にうがいをしないと、舌にカンジダという菌が増えることがあります。", "吸入が上手くいかない場合には、ブリスター内の薬を飲ませてください。", "本剤は吸湿性が高いので、吸入器を操作してブリスターに穴をあけるのは、吸入する直前にしてください。", "この薬剤を吸入し、平熱に戻った場合には、直ちに薬の使用を中止してください。", "平熱に戻っても、しばらくはウイルスの感染力が残っているため、他人に感染させる可能性があります。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n本剤には、副腎皮質ステロイド性薬は含まれていないため、吸入直後にうがいをしなくても、舌にカンジダ菌が増えることはない。2:誤\n本剤は吸入粉末剤であり、吸入が上手くいかなかった場合でも内服させることはない。3:正\n本剤は吸入粉末剤であり、吸湿しやすいため、吸入する直前に吸入器を操作してブリスターに穴をあける必要がある。4:誤\n本剤を吸入し、平熱に戻っても体内にウイルスが残っている可能性があるため、5日間はしっかり吸入する必要がある。5:正"} +{"problem_id": "105233", "problem_text": "この祖母からインフルエンザの予防接種について薬剤師に質問があった。インフルエンザの予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["祖母は1年前にインフルエンザの予防接種を受けているので、今年はインフルエンザの予防接種を受ける必要はない。", "祖母は70歳なので、インフルエンザの定期予防接種の対象者となる。", "祖母が、この後にインフルエンザの予防接種を受けて健康被害を生じた場合、予防接種健康被害救済制度による救済措置を受けることができる。", "インフルエンザHAワクチンは生ワクチンなので、ワクチンの接種によりインフルエンザを発症することがある。", "インフルエンザはB類疾病なので、集団予防に重点がおかれている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nインフルエンザワクチンの効果は、約3〜5ヶ月で減弱することから、インフルエンザを予防するためには、毎年、インフルエンザワクチンを受ける必要がある。2:正\nインフルエンザワクチンの定期接種の対象者を以下に示す。・65歳以上の方\n・60〜64歳で、心臓、腎臓もしくは呼吸器に障害があり、身の回りの生活を極度に制限される方\n・60〜64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活が不可能な方\n3:正\n定期予防接種により健康被害が生じた場合には、予防接種健康被害救済制度による救済措置を受けることができる。4:誤\nインフルエンザHAワクチンは不活化ワクチンである。5:誤\nインフルエンザはB類疾病(個人予防を目的とする感染症)に分類される"} +{"problem_id": "105234", "problem_text": "ある新人薬剤師が、性的接触を介して感染する感染症と診断された患者に処方された薬剤の調剤を何例か経験したため、この感染症に関する情報を調べた。我が国において、この感染症は異性間よりも同性間の性的接触による感染の方が多く、また、症状が進行した場合はニューモシスチス肺炎やカンジダ症を合併することが分かった。我が国におけるこの感染症の男女別の発生動向を示した図はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "下記に示す情報より、この感染症はHIV感染症であると推察される。・性的接触を介して感染する\n・異性間よりも同性間の性的接触による感染が多い\n・症状が進行した場合、ニューモシスチス肺炎やカンジダ症を誘発する\nHIV感染症は、5類感染症(全数把握)と規定されており、感染者の約9割が男性で、2007年以降患者数はほとんど変化していない(横ばい傾向)。"} +{"problem_id": "105235", "problem_text": "この感染症の治療薬に含まれる成分として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["バラシクロビル塩酸塩水和物", "アジスロマイシン水和物", "ミノサイクリン塩酸塩", "エルビテグラビル", "ソホスブビル"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、HIV感染症の治療に用いられるのは、インテグラーゼ阻害薬であるエルビテグラビルである。"} +{"problem_id": "105236", "problem_text": "60歳男性。喫煙歴なし。極端な運動不足である。特定健康診査の案内が来ていたので、健診を受けることになった。後日、実施機関から健診結果及びこれに応じた生活習慣の改善に関する情報が届いたので、自宅近くの薬局を訪れ、薬剤師に相談した。健診結果は身長165cm、体重81.7kg、BMI 30、腹囲 100cm、収縮期血圧 155mmHg、拡張期血圧 95mmHg、中性脂肪 220mg/dL、HDL-C 35mg/dL、空腹時血糖値 90mg/dL、HbA1c 5.2%(NGSP値)であった。この特定健康診査の結果から、この男性は特定保健指導の対象者となった。その原因となった検査項目として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["血圧", "空腹時血糖値", "腹囲", "中性脂肪", "HDL-C"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "特定保健指導の対象者は以下のように階層化されている。"} +{"problem_id": "105237", "problem_text": "特定健康診査の結果に基づき、この男性に対して行われる特定保健指導に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["生活習慣の改善の意識付けを行うための「情報提供」の段階である。", "生活習慣の改善に関する「動機付け支援」の段階である。", "生活習慣の改善に関する「動機付け支援」に加え、糖尿病に対する栄養指導を受ける段階である。", "早期に介入し、行動変容を促す「積極的支援」の段階である。", "この男性への特定保健指導の階層化において、年齢を考慮する必要はない。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "特定保健指導の対象者は以下のように階層化されている。"} +{"problem_id": "105238", "problem_text": "62歳男性。進行性下行結腸がん手術後、テガフール・ウラシル配合剤を内服していた。その後、脾転移、腹膜播種が認められたため、FOLFIRI(ロイコボリン、5-FU、イリノテカン併用)+セツキシマブ療法を行うことになった。化学療法実施に先立ち、以下の検査を行った。その結果、_{①}KRASのエクソン2(コドン12, 13)の変異のホモ接合型及び_{②}UGT1A1*28のホモ接合型であった。この患者の遺伝子検査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["RAS遺伝子はがん抑制遺伝子である。", "RAS遺伝子に①の変異があると、細胞増殖シグナルの不活性化が抑制される。", "RAS遺伝子産物はアポトーシスを誘導する。", "UGT1A1遺伝子に②の変異があると、UGT1A1遺伝子産物の量が少なくなる。", "UGT1A1遺伝子に②の変異があると、イリノテカンが加水分解されにくくなる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nRAS遺伝子はがん遺伝子であり、細胞増殖を促進するシグナルを細胞内で伝達する役割を持つRASタンパクを作り出す遺伝子である。RAS遺伝子産物(RASタンパク)は、細胞増殖シグナルの不活性化抑制、アポトーシスを回避するなどの作用により細胞増殖を促進する。2:正\n解説1参照\n3:誤\n解説1参照\n4:正\n5:誤\nUGT1A1遺伝子に②の変異があると、イリノテカンの活性代謝物であるSN-38がグルクロン酸抱合されにくくなる。"} +{"problem_id": "105239", "problem_text": "遺伝子検査を実施する理由について、患者から質問があり、薬剤師が回答することになった。この遺伝子検査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["RAS遺伝子に①の変異があると、セツキシマブの有効性が低下する。", "RAS遺伝子に①の変異があると、5-FUの有効性が向上する。", "RAS遺伝子に①の変異があると、イリノテカンによる下痢が起こりやすくなる。", "UGT1A1遺伝子に②の変異があると、5-FUによる骨髄抑制が起こりやすくなる。", "UGT1A1遺伝子に②の変異があると、イリノテカンによる骨髄抑制が起こりやすくなる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "●セツキシマブ\n内因性EGFRリガンドのEGFRへの結合を阻害し、RAS遺伝子野生型において細胞増殖シグナルの発生を抑制し、抗悪性腫瘍効果を示す(RAS遺伝子変異型では有効性が低下する)。<セツキシマブがRAS遺伝子野生型に用いられる理由>\nRAS遺伝子変異を有するがん細胞は、RASタンパク質がEGFRからの刺激の有無にかかわらず細胞増殖シグナルを発生する。このことから、セツキシマブはRAS遺伝子変異のない(RAS遺伝子野生型)のがんに用いられる。●イリノテカン\nカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物SN-38となり、トポイソメラーゼIを阻害し、DNA複製を停止することで抗腫瘍作用を示す。活性代謝物であるSN-38は、UGT1A1により代謝されるため、UGT1A1遺伝子に変異があると、イリノテカンの副作用(骨髄抑制など)が起こりやすくなる。"} +{"problem_id": "105240", "problem_text": "有名芸能人がコカインを所持し、使用していた事件が報道された。地域の自治会より、健康サポート薬局の薬剤師にコカインの特徴や問題点について講演依頼があった。コカイン摂取により起こる影響について、薬剤師が地域住民に説明することになった。コカインに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["一時的に集中力が上がったような錯覚が生じる。", "中枢抑制作用により、不安と緊張がやわらぎ多幸感が生じる。", "身体依存が生じやすく、中断により不快な身体症状が現れる。", "耐性が生じやすく、使用量・使用回数が増えていくのが特徴である。", "妊婦が摂取することで、早産、流産、胎児の死亡等のリスクが上昇する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nコカインは、神経を興奮する作用があり、一時的に気分が高揚し、眠気や疲労感がなくなり集中力が上がったような錯覚が生じる。2:誤\n解説1参照\n3:誤\nコカインは精神依存を形成するが、身体依存、耐性を生じない。4:誤\n解説3参照\n5:正\nコカインは、胎児の血管収縮および低酸素症を引き起こし、自然流産、胎児発育不全、早産、死産、先天奇形のリスクが上昇する。"} +{"problem_id": "105241", "problem_text": "コカインの構造、代謝及び作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["神経伝達物質ドパミンと同様の骨格を有している。", "バルビツール酸誘導体と同様に、中枢抑制作用を示す。", "耐性が生じるのは、代謝物としてD^{9}-テトラヒドロカンナビノールが生成するためである。", "妊婦が摂取すると、血管収縮作用により胎児への血流量が減少する。", "体内で速やかに加水分解され、尿中に排泄される。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nコカインはトロパン骨格を有しており、ドパミン(カテコールアミン骨格を有する)と異なる骨格を有する。2:誤\nコカインは中枢興奮作用を示す。3:誤\nコカインは耐性を示すことはない。4:正\n問240\n解説5参照。5:正\nコカインは体内に入るとN-脱メチル化又はエステラーゼによる加水分解により速やかに代謝され解毒される。"} +{"problem_id": "105242", "problem_text": "68歳男性。認知症の検査のため入院。問診に加え、ドパミントランスポーターシンチグラフィーを行うことになった。担当医より薬剤部に放射性医薬品の準備依頼があった。この患者の検査に使用する放射性医薬品はどれか。1つ選べ。", "choices": ["過テクネチウム酸ナトリウ(^{99m}Tc)注射液", "フルデオキシグルコース(^{18}F)注射液", "クエン酸ガリウム(^{67}Ga)注射液", "塩化インジウム(^{111}In)注射液", "イオフルパン(^{123}I)注射液"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤過テクネチウム酸ナトリウ(^{99m}Tc)注射液は、甲状腺疾患、脳疾患、唾液腺疾患、異所性胃粘膜疾患の診断に用いられる。2:誤フルデオキシグルコース(^{18}F)注射液は、脳の糖代謝診断、一般腫瘍診断に用いられる。3:誤クエン酸ガリウム(^{67}Ga)注射液は、悪性腫瘍、炎症性疾患の診断に用いられる。4:誤塩化インジウム(^{111}In)注射液は、造血骨髄の診断に用いられる。5:正イオフルパン(^{123}I)注射液は、パーキンソン症候群、レビー小体型認知症の早期診断に用いられる。<イオフルパン(^{123}I)注射液の特徴>\n投与後3〜6時間に1回SPECT撮像することにより、黒質線条体ドパミン神経終末部のドパミントランスポーターの分布を反映する画像が得られる。パーキン���ン症候群、レビー小体型認知症の診断制度の向上が期待できる。"} +{"problem_id": "105243", "problem_text": "この検査で使用する画像診断法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["X線CT(X-raycomputedtomography)", "MRI(magneticresonanceimaging)", "PET(positronemissiontomography)", "SPECT(singlephotonemissioncomputedtomography)", "IVR(interventionalradiology)"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤過テクネチウム酸ナトリウ(^{99m}Tc)注射液は、甲状腺疾患、脳疾患、唾液腺疾患、異所性胃粘膜疾患の診断に用いられる。2:誤フルデオキシグルコース(^{18}F)注射液は、脳の糖代謝診断、一般腫瘍診断に用いられる。3:誤クエン酸ガリウム(^{67}Ga)注射液は、悪性腫瘍、炎症性疾患の診断に用いられる。4:誤塩化インジウム(^{111}In)注射液は、造血骨髄の診断に用いられる。5:正イオフルパン(^{123}I)注射液は、パーキンソン症候群、レビー小体型認知症の早期診断に用いられる。<イオフルパン(^{123}I)注射液の特徴>\n投与後3〜6時間に1回SPECT撮像することにより、黒質線条体ドパミン神経終末部のドパミントランスポーターの分布を反映する画像が得られる。パーキンソン症候群、レビー小体型認知症の診断制度の向上が期待できる。"} +{"problem_id": "105244", "problem_text": "医療従事者が入院患者の採血を行い、患者の血液が付着した針を廃棄しようとした際、誤って指に針を刺してしまった。そこで、針刺し事故対応マニュアルに従い対処することになった。診療録で当該患者の情報を確認したところ、血中HBs抗原とHBe抗原がともに陽性であった。受傷した医療従事者は10年前にB型肝炎ワクチンの接種歴があるが、血中抗HBs抗体価を調べたところ、陰性であった。感染制御部から薬剤部に対し、必要な薬剤確保の依頼があった。この受傷者に対して投与する薬剤の組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["6"], "comment": "指に刺してしまった針を使用していた患者の血液中におけるHBs抗原とHbe抗原がともに陽性であり、受傷した医療従事者の血中抗HBs抗体価が陰性であることから、針刺し事故後のB型肝炎の感染を予防する目的でポリエチレングルコール処理抗HB人免疫グロブリンと組換え沈降B型肝炎ワクチンを投与する必要がある。"} +{"problem_id": "105245", "problem_text": "下記のうち、感染性廃棄物として廃棄する必要がないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["この患者に使用した輸液セットのチューブ及び針", "この患者の血液が付着したので、高圧蒸気法で滅菌処理したガーゼ", "受傷者の傷口の洗浄、消毒に使用したガーゼ", "受傷者の抗HBs抗体の検査の際に血液を扱った器具", "受傷者への薬剤投与のために包装を開封したが、使用しなかった注射針"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:感染性廃棄物として廃棄する必要がある\nB型肝炎は5類感染症であることから、この患者に使用した医療材料は感染性廃棄物に該当する。2:感染性廃棄物として廃棄する必要がない\n血液が付着したガーゼは感染性廃棄物であるが、滅菌処理をした場合、感染性廃棄物として廃棄する必要はない。3:感染性廃棄物として廃棄する必要がある\nB型肝炎は5類感染症であることから、受傷者の傷口の洗浄、消毒に使用したガーゼは感染性廃棄物に該当する。4:感染性廃棄物として廃棄する必要がある\n病原微生物に関連した試験、検査等に用いられたものは感染性廃棄物に該当する。5:感染性廃棄物として廃棄する必要がある\n血液等が付着していない鋭利なものは感染性廃棄物と同等の取扱いをする。"} +{"problem_id": "105246", "problem_text": "30歳女性。少し前から物が二重に見えることがあり、最近は階段を上るときに下肢のだるさを感じるようになった。また、夜は歯磨き程度でも腕が疲れるようになったため受診した。早期の重症筋無力症と診断され、以下の薬剤が処方された。この患者の処方に関する記述のうち適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1は疾患の根治を目的として処方されている。", "処方1の発現頻度の高い注意すべき副作用として腹痛がある。", "処方2の重大な副作用として低血糖がある。", "処方3は、血���カリウム値を低下させる薬物との併用は禁忌である。", "処方3を服用中は、感染症対策としての乾燥弱毒生風しんワクチンの接種は勧められない。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n重症筋無力症は、神経筋接合部・シナプス後膜上にあるアセチルコリン受容体に対する自己抗体によりアセチルコリン受容体が変性し、神経筋接合部の刺激伝導系が障害される自己免疫疾患である。ピリドスチグミンは、コリンエステラーゼ阻害薬であり、アセチルコリン濃度を上昇することで重症筋無力症の症状を軽減させる目的で処方されている。2:正\nピリドスチグミンの発生頻度の高い副作用として、下痢、腹痛、発汗、線維性痙攣などがある。3:誤\nプレドニゾロンは、副腎皮質ステロイド性薬であり、副作用として高血糖を誘発することがある。4:誤\nタクロリムスは、高カリウム血症を発現することがあるため、カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム、トリアムテレン)と併用禁忌である。5:正\nタクロリムス服用中は、免疫力が低下するため、生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン等)接種は勧められない。"} +{"problem_id": "105247", "problem_text": "処方薬の服用により、症状の改善がみられたが、帯状疱疹を発症するとともに、下痢が顕著になった。帯状疱疹と下痢の発症のそれぞれに関係する薬物の作用機序として最も適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["コリンエステラーゼ阻害作用", "カルシニューリン阻害作用", "糖新生促進作用及び糖利用抑制作用", "脂肪酸分解促進作用及び脂肪産生促進作用", "IL-2(インターロイキン-2)受容体遮断作用"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "・下痢の発症\nピリドスチグミンのコリンエステラーゼ阻害作用により、アセチルコリン濃度が上昇し、消化管運動が促進することで下痢を発症したと推察される。・帯状疱疹の発症\nタクロリムスのカルシニューリン阻害作用により、免疫力が低下し、帯状疱疹を発症したと推察される。"} +{"problem_id": "105248", "problem_text": "55歳男性。コンピューター関連企業に勤務しており、勤務時間中は長時間コンピューターの画面を見ることが多い。1年前、目のかすみや視野がぼやけることがあり眼科を受診したところ、緑内障と診断され処方1にて治療を行っていた。今回の受診の際、眼圧が高くなっていることを指摘され、処方2が追加となった。追加された処方薬に対する薬剤師による指導内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["同時に点眼する際には、処方2の薬剤を先に点眼すること。", "点眼後は瞬きをして薬液を目の表面全体によくなじませること。", "点眼直後に目がべたついた場合は、すぐに医師又は薬剤師に連絡すること。", "点眼後に息苦しい感じがあったら、すぐに医師又は薬剤師に連絡すること。", "副作用として血圧上昇に注意すること。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n処方2は持続性点眼液であり、涙液中のナトリウムイオンによりゲル化することから他の点眼薬を併用する場合には、本剤投与前少なくとも10分間の間隔をあけて投与する。2:誤\n点眼後まばたきをすると、薬液が飛び散るため、まばたきをせず閉眼する必要がある。3:誤\n処方2は、点眼後ゲル化するため、点眼直後に目がべたつくことがあるが、数分で改善する。4:正\nチモロールは\\beta 遮断薬であるため、全身性の副作用として、気管支痙攣、呼吸困難、呼吸不全、徐脈等の不整脈や血圧低下を起こすことがある。5:誤\n解説4参照"} +{"problem_id": "105249", "problem_text": "薬剤師による適切な指導内容の根拠として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ぶどう膜強膜流出経路からの眼房水流出効果が持続する。", "虹彩や眼瞼への色素沈着が起こる。", "血漿浸透圧の上昇により眼房水産生が増加する。", "アドレナリン\\beta 受容体遮断効果が全身に及ぶ。", "眼房水産生に対する抑制効果が持続する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "105250", "problem_text": "75歳男性。大腸がんステージIVに対して、mFOLFOX6療法により治療中��゙ある。原発巣の痛みに対し、処方1の薬剤が投与されていたが痛みのコントロー ルが不十分であった。そのため、処方 2を追加(1週間ごとに増量)したところ、NRS(Numerical Rating Scale)は6/10から徐々に低下し持続痛はほとんどなくなり、開始16日目にはNRSは2/10となった。しかし、開始18日目に下痢、発汗、発熱、見当識障害が出現し、開始25日目に不眠、焦燥感、体重減少を訴え、処方薬による副作用が疑われ、血液検査を行った。検査値: 血清クレアチニン0.9mg/dL、BUN 31mg/dL、AST38U/L、ALT45U/L、総ビリルビン1.2 mg/dL 副作用発現の作用機序として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["セロトニン再取り込み阻害作用", "アドレナリン\\alpha _{2}受容体刺激作用", "電位依存性 Ca^{2+}チャネル阻害作用", "オピオイド\\micro受容体刺激作用", "シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害作用"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本症例では、アセトアミノフェンとアミトリプチリンを投与していたが、痛みコントロールが不良であるため、トラマドールが徐々に増量された。それにより痛みが改善したが、トラマドールの増量に伴い、下痢、発汗、発熱、見当識障害が出現し、さらに不眠、焦燥感、体重減少が現れた。血液検査の結果、肝機能には問題ないが、腎機能の低下(BUN: 高値)が認められた。副作用の経過、併用薬(アミトリプチリン+トラマドール)、腎機能の低下(トラマドールの排泄遅延)より、本症例では、セロトニン再取り込み阻害作用増強によるセロトニン症候群が誘発されたと推察される。"} +{"problem_id": "105251", "problem_text": "副作用の改善を目的とした医師への処方提案として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセトアミノフェンを中止し、オキシコドンに切り替える。", "アミトリプチリンを中止し、トラマドールを増量する。", "アミトリプチリンを中止し、デュロキセチンに切り替える。", "トラマドールを中止し、オキシコドンに切り替える。", "トラマドールを中止し、メサドンに切り替える。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本症例では、「アミトリプチリンとトラマドールの併用」及び「トラマドールの増量」によりセロトニン症候群が現れていることから、アミトリプチリン又はトラマドールをセロトニン再取り込み阻害作用のない薬剤に変更することが望ましい。また、メサドンは他の強オピオイドから切り替えて使用することから、トラマドール(弱オピオイド)からメサドンに切り替えることは不適切である。これらのことから、副作用の改善を目的として、「トラマドールを中止し、オキシコドンに切り替える。」と提案することが最も適切である。"} +{"problem_id": "105252", "problem_text": "23歳女性。母親に連れられて病院を受診した。母親の話では、幻覚や妄想と思われるような意味の分からないことを話すようになったとのこと。今年、大学を卒業して企業で働き始めたが、最近は欠勤気味であった。患者は統合失調症と診断され、ハロペリドールによる治療を開始した。しかし、手の震えなどの錐体外路症状の訴えが患者からあったため、医師より代替薬について相談があった。この患者に対し、薬剤師が推奨できる薬物として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ブロムペリドール", "スピペロン", "アリピプラゾール", "リスペリドン", "クロザピン"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "本症例では、ハロペリドールのドパミンD_{2}受容体遮断作用により黒質-線条体のドパミン経路が抑制され、錐体外路症状が現れたと推察される。ハロペリドールのドパミンD_{2}受容体遮断作用による錐体外路症状を改善するためには、セロトニン5-HT_{2A}受容体遮断作用を有する薬剤に変更することが推奨される。1:誤\nブロムペリドール、スピペロンは、ハロペリドールと同様にドパミンD_{2}受容体遮断作用による錐体外路症状を起こしやすい。2:誤\n解説1参照\n3:正\nアリピプラゾールは、セロトニン5-HT_{2A}受容体遮断作用を有するため、錐体外路症状を起こしにくい。4:正\nリスペリドンは、ドパミンD_{2}受容体遮断作用を有するが、セロトニン5-HT_{2A}受容体遮断作用を有することから錐体外路症状を起こしにくい。5:誤\nクロザピンは治療抵抗性の統合失調症に用いられるため、本症例においてハロペリドールの代替薬として用いることは不適切である。"} +{"problem_id": "105253", "problem_text": "医師に提案したそれぞれの薬物のもつ作用の特徴として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["セロトニン 5-HT_{2A}受容体遮断作用", "ヒスタミンH_{1}受容体遮断作用", "ドパミンD_{2}受容体部分刺激作用", "アセチルコリンM_{1}受容体遮断作用", "アドレナリン\\alpha _{1}受容体部分刺激作用"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "アリピプラゾールは、ドパミンD2受容体部分刺激作用、セロトニン5-HT_{2A}受容体遮断作用、セロトニン5-HT_{1A}受容体部分刺激作用を有する。また、リスペリドンは、ドパミンD_{2}受容体遮断作用、セロトニン5-HT_{2A}受容体遮断作用を有する。"} +{"problem_id": "105254", "problem_text": "55歳男性。10年前に高血圧を指摘され、5年前からニフェジピン徐放錠を服用している。血圧は良好にコントロールされていたが、最近は軽い胸痛を感じることがあった。1週間前、出勤で階段を上っているときに胸部激痛と背部痛が出現し、冷や汗と呼吸困難、意識障害も生じたため救急搬送された。冠動脈造影検査にて左前下行枝の高度狭窄が認められ、心筋梗塞と診断された。直ちにカテーテル治療により薬剤溶出ステントが留置された。身体所見:体温36.3^{\\circ} C、血圧145/90mmHg、脈拍75回/分、呼吸数15回/分 現在、以下の処方薬による治療を受けている。しかし、血圧コントロール不良のため、降圧薬の追加について医師より薬剤師に相談があった。追加が推奨される心筋梗塞後に用いられる薬物として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アムロジピンベシル酸塩", "メトプロロール酒石酸塩", "プラゾシン塩酸塩", "エナラプリルマレイン酸塩", "ヒドララジン塩酸塩"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "心筋梗塞後に血圧コントロール不良な場合には、心リモデリング・心不全予防効果を有するRA系阻害薬(ACE阻害薬、ARB)、\\beta 遮断薬を追加することが推奨される。"} +{"problem_id": "105255", "problem_text": "前問で推奨された薬物の1つ(薬物Aとする)を追加して治療を行っていたが、狭心症発作を起こした。そこでジルチアゼムが追加処方されたが、徐脈が起きたため、ジルチアゼムとの相互作用を疑い薬物Aを中止した。中止した薬物Aの作用として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ブラジキニン分解抑制", "心筋L型Ca^{2+}チャネル遮断", "血管平滑筋アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断", "血管平滑筋可溶性グアニル酸シクラーゼ活性化", "心筋アドレナリン\\beta _{1}受容体遮断"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "ジルチアゼムは、血管平滑筋のL型カルシウムチャネルを遮断するとともに心筋のCa^{2+}チャネルも遮断し、心収縮力及び心拍数を減少させるため、\\beta 受容体遮断薬と併用すると作用が増強し、徐脈、房室ブロック、洞房ブロックなどが現れることがある。"} +{"problem_id": "105256", "problem_text": "52 歳女性。全身倦怠感と微熱、手足の関節痛と朝のこわばりを訴えて受診したところ、関節リウマチと診断された。メトトレキサート過敏症の既往歴があるため、代替薬について、医師より薬剤師に相談があった。医師に推奨すべきメトトレキサートの代替薬として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["レフルノミド", "モルヒネ塩酸塩", "サラゾスルファピリジン", "インフリキシマブ", "スリンタグ"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "現在、関節リウマチの薬物療法では、メトトレキサートが中心的薬剤として用いられている。メトトレキサートを用いることができる場合には、早期よりメトトレキサートを用い、メトトレキサートを用いることができない場合には、早期よりメトトレキサート以外のDMARDsを用いる。メトトレキサート、DMARDsを用いても治療目標を達成できない場合には、他のDMARDsを用いるか、生物学的製剤を追加することを検討する。上記より、メトトレキサートを用いることができない���合、DMARDsであるレフルノミドやサラゾスルファピリジンが用いられる。なお、選択肢4のインフリキシマブを関節リウマチに用いる場合、メトトレキサートを併用することが必須とされているため、メトトレキサートを用いることができない場合、インフリキシマブも用いることができない。"} +{"problem_id": "105257", "problem_text": "医師に推奨すべきそれぞれの薬物の作用機序はどれか。2つ選べ。", "choices": ["シクロオキシゲナーゼ(COX)の阻害", "ピリミジンヌクレオチドの合成抑制", "T細胞及びマクロファージでのサイトカイン産生抑制", "腫瘍壊死因子(TNF)-\\alpha の捕捉", "オピオイド\\micro 受容体の刺激"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "・レフルノミドの薬理作用\n活性代謝物がピリミジンの生合成に関わるジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼの活性を阻害し、核酸合成を阻害することによりリンパ球の活性、増殖を抑制する。・サラゾスルファピリジンの薬理作用\n炎症性サイトカインの産生を抑制することにより抗炎症作用を示す。また、T細胞、マクロファージの作用を抑制し、抗リウマチ作用を示す。"} +{"problem_id": "105258", "problem_text": "23歳女性。医療系大学の学生で現在、学外実習を行っている。最近、実習先への電車移動中に腹痛を伴う下痢を経験するようになり、電車を利用するのが怖くなった。近医を受診し精密検査を受けた結果、下痢型の過敏性腸症候群と診断され、以下の処方による治療が行われている。2週間経っても症状の改善がみられなかったため、薬剤の追加が検討された。追加薬剤の候補として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ドンペリドン錠", "ロペラミド塩酸塩カプセル", "メサラジン錠", "チキジウム臭化物カプセル", "ラモセトロン塩酸塩口腔内崩壊錠"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nドンペリドンは、ドパミンD_{2}受容体遮断薬であり、悪心・嘔吐に用いられる。2:正\nロペラミドは、腸管の副交感神経終末にあるオピオイド\\micro受容体を刺激し、アセチルコリンの遊離を抑制することで腸管運動を抑制するため、下痢型の過敏性超症候群に用いられる。3:誤\nメサラジンは、5-アミノサリチル酸製剤であり、炎症性腸疾患に用いられる。4:誤\nチキジウムは、抗コリン薬であり、胃酸分泌抑制、ガストリン分泌抑制、消化管運動抑制作用を示すため、胃炎・胃・十二指腸潰瘍、腸炎、過敏性腸症候群などに用いられる。本症例では、抗コリン作用を有するメペンゾラートを投与しても症状が改善していないため、同様の作用を有するチキジウムを追加することは推奨されない。5:正\nラモセトロンは、セロトニン5-HT_{3}受容体遮断薬であり、下痢型の過敏性腸症候群に用いられる。"} +{"problem_id": "105259", "problem_text": "候補となるそれぞれの薬物の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ドパミンD_{2}受容体遮断", "セロトニン5-HT_{3}受容体遮断", "オピオイド\\micro 受容体刺激", "ロイコトリエンB_{4}産生阻害", "アセチルコリンM_{3}受容体遮断"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "問258解説参照"} +{"problem_id": "105260", "problem_text": "57歳女性。大腿骨頸部骨折の治療を目的とした手術のために本日入院した。手術は4日後に予定している。病棟担当薬剤師が患者の持参薬を確認したところ、下記5種類の薬剤を所持していた。持参薬 アムロジピンべシル酸塩錠 アトルバスタチンカルシウム水和物錠 アルファカルシドールカプセル ラロキシフェン塩酸塩錠 ロキソプロフェンナトリウム水和物錠 医師に休薬を提案すべき薬剤として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アムロジピンべシル酸塩錠", "アトルバスタチンカルシウム水和物錠", "アルファカルシドールカプセル", "ラロキシフェン塩酸塩錠", "ロキソプロフェンナトリウム水和物錠"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ラロキシフェンを投与すると、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症, 肺塞栓症, 網膜静脈 血栓症を含む)のリスクが上昇するため, 長期不動状態 (術後回復期, 長期安静期等)に入る 3 日前には服用を中止し, 完全に歩行可能になるまでは投与を再開��ないこととされている。"} +{"problem_id": "105261", "problem_text": "手術前から休薬すべき薬剤のその理由となる副作用はどれか。1つ選べ。", "choices": ["房室ブロック", "高血糖", "高Na^{+}血症", "血栓形成", "消化器障害"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "105262", "problem_text": "53歳男性。2型糖尿病、高血圧症及び高コレステロール血症(非家族性)のため、生活習慣の改善に加え以下の処方による治療を行っている。しかし、LDL-Cの改善が認められたものの、そのコントロールが不十分なので処方の追加について医師から薬剤師に相談があった。家族歴: 父親が50歳で心筋梗塞 検査値: 血圧131/79mmHg、血清クレアチニン値1.1mg/dL、HbA1c6.7%(NGSP値)、LDL-C 179mg/dL、HDL-C 42mg/dL、TG(トリグリセリド)120mg/dL、CK(クレアチンキナーゼ)57U/L、AST 53IU/L、ALT 41IU/L 医師へ提案する薬物として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エゼチミブ", "イコサペント酸エチル", "エボロクマブ", "シンバスタチン", "ベザフィブラート"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "脂質異常症の診断基準は、LDLコレステロール: 140mg/dL以上、HDLコレステロール: 40mg/dL未満、トリグリセリド: 150mg/dL以上であることから、本患者は高LDLコレステロール血症(LDL-Cコントロールが不十分)であると推察される。選択肢のうち、本処方に追加することで高LDLコレステロール血症の改善を期待できるのは、エゼチミブとエボロクマブである。エゼチミブは、小腸壁のコレステロールトランスポーターであるNPC1L1に結合し、コレステロールの吸収を選択的に阻害することから、本処方にエゼチミブを追加すると高LDLコレステロール血症の改善を期待できる。また、エボロクマブは、LDL受容体分解促進タンパク質であるPCSK9に高い親和性を示し、PCSK9のLDL受容体への結合を阻害することでリソソームによるLDL受容体の分解を抑制し、LDL受容体の細胞膜へのリサイクリング増加作用を有していることから、本処方にエボロクマブを追加すると高LDLコレステロール血症の改善を期待できる。なお、エボロクマブは、HMG-CoA還元酵素阻害薬で効果不十分、又はHMG-CoA還元酵素阻害薬による治療が適さない場合の家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症に用いられる。"} +{"problem_id": "105263", "problem_text": "提案した薬物それぞれの作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["転写因子sterol-responsiveelementbindingprotein(SREBP)-2の活性化を介して、LDL(低密度リポタンパク質)受容体の合成を促進する。", "コレステロールトランスポーター(NPC1L1)を阻害することで小腸における食物由来のコレステロール吸収を抑制する", "SREBP-1cを抑制し、肝臓でのTG合成を抑制する。", "リソソームにおけるLDL受容体の分解を抑制し、LDL受容体の細胞膜へのリサイクリングを増加させる。", "ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR\\alpha )を刺激することでTGの加水分解を促進させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "問262の解説参照"} +{"problem_id": "105264", "problem_text": "73歳男性。胃全摘出術後4日目に発熱があり、CRPも上昇していた。胸部単純レントゲン写真で右下肺野に浸潤影を認め、喀痰培養の結果にてMRSAが検出されたため、バンコマイシンの投与を開始した。7日間投与したが効果が得られなかったため、病棟担当薬剤師に薬剤の変更について医師から相談があり、作用機序の異なるリネゾリドの静脈内投与を提案した。検査値: 体温38.1^{\\circ} C、CRP 5.8mg/L、Ccr 44.5mL/min、赤血球数 420\\times 10^{4}/\\micro L、白血球数4,000/\\micro L、血小板数 25\\times 10^{4}/\\micro L リネゾリドの作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["細菌内で還元されたニトロ化物が細菌のDNAを切断する。", "細菌の細胞壁合成の初期段階でN-アセチルムラミン酸の合成を阻害する。", "細菌のDNAジャイレースに作用し、DNAの高次構造形成を阻害する。", "細菌のペニシリン結合タンパク質に共有結合する。", "細菌のリボソームと結合し、翻訳過程の70S開始複合体の形成を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "リネゾリドは、リボソームRNAに結合��、翻訳過程の70S開始複合体(mRNA、小サブユニット、fMet-tRNA、大サブユニットが結合した複合体)の形成を阻害することで抗菌活性を示す。"} +{"problem_id": "105265", "problem_text": "リネゾリドをこの患者に使用する上での留意点として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["投与終了1〜2時間後の血中濃度を測定する必要がある。", "効果不十分な場合は、点滴静注時間を15分に短くすることで効果を高めることができる。", "中等度腎障害のため、減量して投与する。", "骨髄抑制を起こすことがあるので、定期的に血液検査を行う。", "経口投与が可能な状態になったら、経口剤への切り替えを提案する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nリネゾリドは、腎障害、軽度から中等度の肝障害において体内動態がほとんど変化しないため、TDMを必要としない。"} +{"problem_id": "105266", "problem_text": "68歳男性。狭心症。かかりつけ医を受診し、定期的に処方1の薬剤を服用している。来局時の聞き取りにより、この患者は最近、他の医療機関で非小細胞肺がんと診断され、エルロチニブ塩酸塩錠による化学療法の実施が予定されているとのことであった。薬剤師は、かかりつけ医に化学療法に関する聞き取りの内容を伝え、処方変更について提案した。その内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アスピリン腸溶錠を中止する。", "エソメプラゾールマグネシウム水和物カプセルを中止する。", "エソメプラゾールマグネシウム水和物カプセルをラニチジン錠に変更する。", "ビソプロロールフマル酸塩錠を中止する。", "ビソプロロールフマル酸塩錠をベラパミル塩酸塩錠に変更する。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "胃酸分泌抑制作用を示す薬(プロトンポンプ阻害薬、H_{2}受容体拮抗剤)により持続的に胃内pHが上昇すると、エルロチニブの溶解度が低下し、吸収が低下する可能性がある。そのため、エルロチニブ塩酸塩による化学療法を実施する場合には、プロトンポンプ阻害薬(エソメプラゾールなど)、H_{2}受容体拮抗剤を中止する必要がある。"} +{"problem_id": "105267", "problem_text": "処方変更をしない場合に問題となる、エルロチニブの体内動態の変化として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["吸収の低下", "肝代謝の阻害", "肝代謝の亢進", "尿中排泄の阻害", "胆汁排泄の阻害"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "105268", "problem_text": "65歳男性。花粉症のため近医を受診した。医師が服用中の薬について確認したところ、以下の処方による治療を受けていることがわかった。そこで、医師は地域連携の会議等でよく顔を合わせている薬剤師に電話して、抗アレルギー剤の選択について相談した。以下の抗アレルギー剤のうち、処方を避けることが望ましい薬剤として、医師に伝えるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アゼラスチン塩酸塩錠", "エバスチン錠", "ケトチフェンフマル酸塩錠", "ジフェンヒドラミン塩酸塩錠", "レボセチリジン塩酸塩錠"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "本患者は、沈降炭酸カルシウムを服用していることから「透析中の慢性腎不全」であると考えられる。レボセチリジン塩酸塩は、高い血中濃度が持続するおそれがあるため、重度の腎障害(クレアチニンクリアランス10mL/min未満)のある患者には投与禁忌である。このことから、レボセチリジン塩酸塩は、本患者に対して処方しないことが望ましい。"} +{"problem_id": "105269", "problem_text": "その薬剤の処方を避けることが望ましい理由として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["テルミサルタンの血漿タンパク結合を阻害するため。", "テルミサルタンの代謝を阻害するため。", "沈降炭酸カルシウムへの吸着により、その薬物の薬効が減弱するため。", "肝機能障害患者では、その薬物の活性代謝物への代謝が抑制されるため。", "腎機能障害患者では、その薬物の高い血中濃度が持続するため。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "105270", "problem_text": "58歳男性。体重60kg。生体腎移植を受けるため入院した。持病である胃潰瘍、高コレステロール血症及び三叉神経痛の治療のため、以下の薬剤を服用している。この患者に対し、手術前にタクロリムス12mgに相当するタクロリムス水和物徐放性カプセルを経口単回投与した。タクロリムスの血中濃度を数回測定し、解析したところ、血中濃度時間曲線下面積が720ng・h/mLとなり、これは母集団平均値の約2倍であった。病棟担当薬剤師は、術後の投与量設定を医師と打ち合わせるため、タクロリムスの血中濃度が高値となった原因を探索した。原因として可能性が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["CYP2C19の変異型遺伝子をホモで有している", "CYP3A5の変異型遺伝子をホモで有している", "ラベプラゾールナトリウム錠の併用", "ピタバスタチンカルシウム口腔内崩壊錠の併用", "カルバマゼピン錠の併用"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "タクロリムスは肝臓や消化管に存在するCYP3A4/5によって代謝され、その寄与率はCYP3A5がCYP3A4の約1.5倍である。このことからCYP3A5は、タクロリムスの代謝に重要な役割を果たしている。CYP3A5には遺伝子多型が存在し、CYP3A5の変異型遺伝子をホモで有している患者は、CYP3A5活性を持たす、CYP3A5でタクロリムスを消失させることができないため、タクロリムスの血中濃度が上昇することがある。"} +{"problem_id": "105271", "problem_text": "術後、タクロリムス水和物徐放性カプセルを経口投与し、定常状態におけるタクロリムスの平均血中濃度を10ng/mLとしたい。この患者に対するタクロリムスの1日投与量(mg/day)として最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、この患者におけるタクロリムスの全身クリアランス及びバイオアベイラビリティは腎移植前後で変化しないものとする。", "choices": ["1.0", "2.0", "4.0", "6.0", "8.0"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "繰り返し投与時の投与量Dは以下の式より求めることができる。CL_{tot}: 全身クリアランス、C_{ss}: 平均血中濃度、\\tau : 投与間隔、F: バイオアベイラビリティ●手術前のデータより経口クリアランス(CL_{tot}/F)を求める。経口投与時の血中濃度時間曲線下面積AUCは下記の式で表すことができる\n上記の式より、タクロリムス12mgを経口単回投与した時の血中濃度時間曲線下面積が720ng・h/mLであることから、経口クリアランスは、下記のように求めることができる。(注: 後ほど代入して用いるため、ここでは分数のままにしておく)\n●平均血中濃度を10ng/mLとするときのタクロリムスの1日投与量D(mg/day)を求める。"} +{"problem_id": "105272", "problem_text": "54歳女性。152cm、48kg。高血圧、脂質異常症、深在性皮膚真菌症の治療のため処方1と処方2の薬剤を服用していた。その後、深部静脈血栓塞栓症を発症し、その治療のため処方3が追加となった。PT-INRを治療目標域に到達させるため、ワルファリン投与量の調節を試みたが、PT-INRが3.0〜6.0で推移し、コントロールが困難であった。医師は患者や薬剤師と相談し、薬物動態関連遺伝子の多型を検査することにした。多型を検査すべき遺伝子として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["CYP2C9", "CYP2C19", "CYP2D6", "UGT1A1", "NAT2"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "ワルファリンには光学異性体であるS体(薬理活性が高い)とR体が含まれており、S体はCYP2C9により代謝され、R体はCYP1A2とCYP3A4により代謝されるため、CYP2C9がワルファリンの薬理活性に影響を与える。また、本症例では、PT-INRが高値を示している(ワルファリンによる治療を行う場合のPT-INRの目安は2.0〜3.0)ことから、ワルファリンによる抗凝固作用が強く現れていると考えられる。これらのことから、本症例ではCYP2C9の多型について検査すべきである。"} +{"problem_id": "105273", "problem_text": "遺伝子多型検査の結果、ホモの変異を有することが判明し、医師は代替薬について薬剤師に相談した。医師に提案すべき抗血栓薬として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アピキサバン錠", "シロスタゾール錠", "ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル", "チクロピジン塩酸塩錠", "リバーロキサバン錠"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "ワルファリン(抗凝固薬)の代替薬を提案する必要があるため、血小板凝集抑制薬(シロスタゾール錠、チクロピジン塩酸塩錠)を提案することは不適切である。また、本患者はイトラコナゾールを服用しているため、イトラコナゾールと併用禁忌であるダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセルとリバーロキサバン錠を提案することは不適切である。"} +{"problem_id": "105274", "problem_text": "14歳女児。身長160cm、体重52kg。造血幹細胞移植後の真菌感染症予防のため、フルコナゾールカプセルで管理を行っていた。しかし、画像診断や検査値などからアスペルギルス症が疑われ、注射用ボリコナゾールが投与されることになった。検査値: AST 25IU/L、ALT 37IU/L、\\gamma -GTP 40IU/L、血清クレアチニン値 0.7 mg/dL 病棟担当薬剤師は、注射用ボリコナゾールの投与にあたり、処方監査を行い、投与後のモニタリングについて検討した。薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["経口剤への変更を提案する。", "体重あたりの用量(mg/kg)が、成人の標準用量よりも低用量で開始されていることを確認する。", "ボリコナゾールによって代謝が強く阻害される薬剤が併用されていないことを確認する。", "ボリコナゾールの血漿中濃度は 24 時間以内に定常状態に達すると考えられるため、TDM用の採血は投与開始日の翌日に行う。", "重篤な肝障害が現れることがあるので、肝機能を定期的にモニタリングする。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n小児に対して、ボリコナゾールを使用する際には、注射用から投与を開始することとされている。なお、患者の状態に応じて、経口投与可能であると医師が判断した場合に、錠剤またはドライシロップ剤に切り替えることができるが、投与開始から1週間未満で注射剤から経口剤に変更した際の有効性及び安全性は検討されていないため、経口剤への切り替えについては、慎重に判断することとされている。2:誤\n注射用ボリコナゾールの用法・用量を以下に示す。3:正\nボリコナゾールは、CYP2C19、2C9、3A4阻害作用を有しているため、本剤を使用する際には、ボリコナゾールによって代謝が強く阻害される薬剤が併用されていないことを確認する必要がある。4:誤\nボリコナゾールは、投与開始5〜7日で定常状態に到達するため、TDM用の採血は投与開始5〜7日目の行う。5:正\n重篤な肝障害が現れることがあるため、投与するにあたっては、観察を十分に行い、肝機能検査を定期的に行うこととされている。"} +{"problem_id": "105275", "problem_text": "初日はボリコナゾールとして1回300mgを1日2回、2日目以降は1回200mgを1日2回点滴静注し、治療を行ったが、症状やレントゲン陰影の改善はみられなかった。この患者におけるボリコナゾールの定常状態での平均血漿中濃度は1.0mg/Lであったため、薬剤師は治療域に達していないと判断した。この患者における定常状態における平均血漿中濃度を2.5mg/Lとしたい。ボリコナゾールの1日投与量(mg/day)として最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、ボリコナゾールの定常状態における平均血漿中濃度と体内からの消失速度の関係はMichaelis-Menten式で表され、K_{m}値は0.50mg/Lとする。", "choices": ["500", "600", "700", "800", "1000"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "①: V_{max}を求める\nボリコナゾールの定常状態における平均血漿中濃度と体内からの消失速度の関係は、Michaelis-Menten式で表されることから、平均血漿中濃度Cと消失速度は下記の式で表される。また、定常状態では、投与速度=消失速度が成立し、投与速度=400mg/dayでの定常状態における平均血漿中濃度=1.0mg/Lであることから、V_{max}を求めるを以下のように求めることができる。②: 平均血漿中濃度を2.5mg/Lとした時のボリコナゾールの1日投与量(mg/day)を求める。"} +{"problem_id": "105276", "problem_text": "47歳男性。1年前に潰瘍性大腸炎と診断され、メサラジンで治療を受けていた。しかし、コントロール不良のため、アザチオプリンが投与されることになった。薬剤師が処方監査の際、検査値を確認したところ、あるウイルスの既感染者であることに気付き、ウイルスの再活性化��注意しながらアザチオプリンを投与するように医師に提案した。検査値: ALT 13IU/L、AST 20IU/L、HCV抗体(-)、HBs抗原(-)、HBs抗体(-)、HBc抗体(+)、eGFR 39mL/min/1.73m^{2} 検査値から判断して、この患者において、再活性化に注意すべきウイルスはどれか。1つ選べ。", "choices": ["サイトメガロウイルス", "単純ヘルペスウイルス", "B型肝炎ウイルス", "C型肝炎ウイルス", "ヒト免疫不全ウイルス"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "HBc抗体(+)であることから、現在B型肝炎ウイルスに感染している可能性があるため、B型肝炎ウイルスの再活性化に注意する必要がある。"} +{"problem_id": "105277", "problem_text": "アザチオプリンで治療を継続していたところ、9ヶ月後にウイルスの再活性化が確認され、患者の腎機能を考慮して、核酸アナログであるテノホビルアラフェナミドフマル酸塩に変更されることになった。テノホビルアラフェナミドはテノホビルの経口吸収性を改善したプロドラッグであり、同様のプロドラッグとしてテノホビルジソプロキシルが臨床で先行使用されている。いずれのプロドラッグも血漿中や標的細胞中で加水分解されてテノホビルとなり、さらに細胞内でリン酸化されて活性代謝物のテノホビル二リン酸となり、抗ウイルス作用を発現する。また、テノホビルアラフェナミドの「:ア:」は、テノホビルジソプロキシルに比べて「:イ:」。その結果、テノホビルアラフェナミドを投与すると、標的細胞内において、テノホビル二リン酸がより高い濃度で産生される。「:ア:」及び「:イ:」に適する語句の組合せとして最も適切なのかどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "テノホビル アラフェナミド(TAF)は、テノホビル(TFV)をホスホンアミデートで修飾したプロドラッグである。TAFは、同じTFVのプロドラッグであるテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)より血漿中での加水分解速度が遅くすることで、活性リン酸化代謝物を標的細胞内でより高い濃度で産生することを可能にした製剤である。"} +{"problem_id": "105278", "problem_text": "5歳女児。熱や咳の症状があり母親に連れられて受診し、下記内容の処方箋を持って来局した。母親との会話において、子どもは以前にも散剤や顆粒剤を服用したことがあり、問題なく飲めたとのことであった。また、母親が右手に包帯をしており、物を取扱いにくいため、一包にまとめて欲しいと医師に申し入れ済みとのことであった。薬剤師はこの処方の調剤方法を検討するため、アスベリン^{®}散と幼児用PL配合顆粒の処方量を十分に振とう混合してみた。このときの状態を模式的に表す図として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "アスベリン®散と乳幼児PL配合顆粒は粒子径が異なるため、振とう混合しても分離する。一般に粒子径の大きいものは上に粒子径の小さいものは下になる。"} +{"problem_id": "105279", "problem_text": "前問での検討結果を踏まえて、この患者に対する最も適切な調剤方法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["両剤を計量し、乳鉢にて、乳棒で混和し分包した。", "アスベリン®散を乳糖で賦形したものと幼児用PL配合顆粒を、2段分割(2度撒き)で分包した。", "両剤を計量し、乳鉢にて、スパーテルで混和し分包した。", "幼児用PL配合顆粒を調剤用ミルで粉砕してから、アスベリン®散と乳棒・乳鉢にて混和し分包した。", "アスベリン®散を乳糖で賦形したものをふるいで篩過してから、幼児用PL配合顆粒と乳棒・乳鉢にて混和し分包した。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "粒子径の異なるものは、混合せず2段分割(2度撒き)で分包することで均等に分包することが可能である。"} +{"problem_id": "105280", "problem_text": "食道がん全摘出後の患者(体重65kg)の栄養管理として、高カロリー輸液による中心静脈栄養法が実施されていた。NST(栄養サポートチーム)が患者ラウンドを行った際に、患者の皮膚状態が乾燥し、鱗状になっていることを発見した。NSTの薬剤師は、必須脂肪酸欠乏を疑い、医師らとともに他の臨床症状や検査値を確認した。協議の結果、静注用脂肪乳剤(イントラリポス^{®}輸液20%、100mL、1本)を投与することになった。看護師から病棟薬剤師に、静注用脂肪乳剤を投与する時の注意点について質問があった。薬剤師による説明として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["遮光して投与してください。", "ゆっくり(3時間以上かけて)投与してください。", "高カロリー輸液に混合してください。", "ポリカーボネート製三方活栓を使用してください。", "0.2\\micro m孔径の輸液フィルターを用いて投与してください。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n暗所に保管する必要があるが、投与時は遮光する必要はない。2:正\n通常、1日250mL(ダイズ油として20%液)を3時間以上かけてゆっくり点滴静注する。3:誤\n投与する際には他の薬剤に混合することなく、単剤で投与する必要がある。4:誤\n脂肪乳剤であるため、接合部がポリカルボネート製の輸液セット等を使用した場合、その接合部にひび割れが生じ、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性がある。5:誤\n人工脂肪粒子の大きさは100〜700nm(平均: 約400nm)であることから、200nm(0.2\\micro m)のフィルターを通過しない。フィルターを使用する場合には、脂肪乳剤用のフィルター(孔径1.2\\micro m)のフィルターを用いる。"} +{"problem_id": "105281", "problem_text": "今回投与されることになった静注用脂肪乳剤には以下の成分が含まれている。前問における説明の理由として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["脂肪乳剤の乳濁安定性を高めるため。", "精製大豆油の分解を抑えるため。", "精製卵黄レシチンの添加により投与器具への有効成分の吸着を抑えるため。", "濃グリセリンが脂肪粒子の最大粒子径を0.2\\micro m以下にする目的で添加されているため。", "血中での過剰な脂肪粒子の停滞を防ぐため。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "体内で脂肪乳剤が利用されるためには、幾つかの代謝経路を経なければならない。投与速度が速いと代謝速度が限界を超えて代謝が間に合わなくなり、脂肪利用率が低下し、血中で過剰な脂肪粒子の停滞を呈する。このことから、本剤を投与する際には、3時間以上かけてゆっくり点滴静注する必要がある。"} +{"problem_id": "105282", "problem_text": "73歳女性。卵巣がんStageIIIcに対してTC(パクリタキセル+カルボプラチン)療法を施行していたが6ヶ月後に再発した。そこで2次療法として、ドキソルビシン塩酸塩をMPEG-DSPE^{(注)}修飾リポソームに封入した注射剤(ドキシル^{®}注)を導入することになった。ドキシル^{®}注に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["添加物に卵由来の成分が含まれているので、卵アレルギーの患者には慎重に投与する。", "ステルス機能を有する能動的ターゲティング製剤である。", "希釈には生理食塩液を使用する。", "従来のドキソルビシン塩酸塩製剤に比べて、インフュージョンリアクションが現れやすい。", "リポソームへの MPEG-DSPE 修飾により、細網内皮系に異物として認識されにくい。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n添加物に大豆由来の成分が含まれているので、大豆アレルギーの患者には慎重に投与する必要がある。2:誤\nステルス機能を有する受動的ターゲティング製剤である。3:誤\n希釈には5%ブドウ糖注射液を使用する。4:正\n5:正\nリポソームをMPEG-DSPE 修飾すると、抗原性が低下するため、細網内皮系(貪食能を有し、異物摂取、物質貯蔵、血管細胞造成、抗体形成などの作用を有する細胞よりなる組織)に異物として認識されにくい。"} +{"problem_id": "105283", "problem_text": "5コース目の投与中に、患者から、刺入部に耐え難い焼かれるような痛みを感じ、赤く腫れているとの訴えがあり、ドキシル^{®}注の血管外漏出が疑われた。本剤の血管外漏出の対処法として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["患部を温める。", "すぐに留置針を抜く。", "患部を生理食塩液でフラッシュする。", "デクスラゾキサンを静脈内投与する。", "漏出部周囲から薬液や血液を吸引・除去する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "血管外漏出発生時の対応の流れを以下に示す。"} +{"problem_id": "105284", "problem_text": "68歳女性。肝及び腎機能の検査値は正常範囲内であった。変形性関節症と膀胱炎のため、処方1の薬剤で治療を受けていた。外来診察時に患者より、「痛みが治まらず、もっと効く薬が欲しい。」と訴えがあり、以下の処方2に変更された。ロコア^{®}テープには、フルルビプロフェンの光学異性体のうち活性体のみが配合されており、従来のフルルビプロフェン貼付剤と比較して鎮痛効果が高い製剤として臨床で使用されている。この高い鎮痛効果を示す薬剤学的な理由として考えられる最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ハッカ油の配合で、エスフルルビプロフェンの基剤/皮膚間の分配係数が高くなるため。", "ハッカ油の配合で、エスフルルビプロフェンの揮発性が高くなるため。", "ハッカ油の配合で、テープ剤の皮膚粘着性が低くなるため。", "ハッカ油の配合で、エスフルルビプロフェンの経皮吸収性が高くなるため。", "基剤中に大量の水を含むことで、エスフルルビプロフェンの溶解性が低下するため。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "ロコア^{®}テープは、ハッカ油を配合し、エスフルルビプロフェンの経皮吸収性が高くなるように設計された製剤であり、フルルビプロフェン貼付剤と比較して鎮痛効果が高い。"} +{"problem_id": "105285", "problem_text": "処方を受け取った薬剤師が行う内容として、優先度が高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ロコア^{®}テープの用法・用量について医師に照会する。", "ロキソプロフェンナトリウム錠とロコア®テープの併用について医師に照会する。", "ノルフロキサシンとエスフルルビプロフェンの相互作用について医師に照会する。", "妊娠の有無について患者に確認する。", "ノルフロキサシン錠からロメフロキサシン塩酸塩錠への変更について医師に照会する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nロコア^{®}テープは2枚貼付時の全身暴露量がフルルビプロフェン経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから、1日貼付数は2枚を超えないこととされている。本処方では、1日のロコア^{®}テープの貼付枚数が2枚であることから、用法・用量について疑義照会する必要はない。2:正\nロコア^{®}テープ投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし、やむ得ず併用する場合は、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意することとされている。3:正\nエスフルルビプロフェンとノルフロキサシン、ロメフロキサシン、エノキサシン塩酸塩は併用禁忌である。4:誤\nロコア^{®}テープは妊娠後期の女性に禁忌であるが、本患者は妊娠するような年齢ではないので妊娠の有無について患者に確認する必要はない。5:誤\n解説3参照"} +{"problem_id": "105286", "problem_text": "9歳男児。体重26kg。咳を伴う40^{\\circ} C近くの発熱が2日間続いた。近医を受診し、アセトアミノフェン錠とセフカペンピボキシル塩酸塩錠が5日分処方された。3日間経過しても解熱傾向が見られず、夜も眠れないほどの乾いた咳が続いているため、総合病院に紹介され入院治療を行うことになった。喀痰のグラム染色で陽性菌も陰性菌も同定されなかった。胸部レントゲン検査で多発性のすりガラス状陰影を認めた。セフカペンピボキシル塩酸塩錠を中止し、以下の処方を開始した。この患者の入院時の血液検査の結果として、妥当なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["CRP 増加", "白血球数減少", "赤血球沈降速度(赤沈、ESR)促進", "\\beta -D-グルカン陽性", "抗ストレプトリジン O(ASO)抗体陽性"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "本症例では、咳を伴う高熱(40^{\\circ} C近くの発熱)が2日間続き、感染症が疑われた結果、セフカペンピボキシルが処方されたが、3日間経過しても症状改善しなかったため、喀痰のグラム染色を行なった。その結果、陽性菌も陰性菌も同定されなかったため、エリスロマイシン腸溶錠が処方され、処方変更後3日目に症状���軽減していることから、本症例は、マイコプラズマ肺炎であると推察される。●マイコプラズマの特徴\n細胞壁を有していないため、①: グラム染色では染まらない\n②: \\beta ラクタム系抗生物質が無効\n問286\n解答\n1、3\n解説\n1:正\nCRP(C反応性タンパク)は、炎症マーカーであり、急性炎症や組織破壊があると上昇する。2:誤\n本患者は感染症に罹患しているため、白血球の数が増加する。3:正\n赤血球沈降速度(赤沈、ESR)は、炎症性疾患で促進する。4:誤\n\\beta -D-グルカンは、真菌の細胞壁を構成する多糖類であり、真菌感染症で陽性を示す。5:誤\n抗ストレプトリジン O(ASO)抗体は、A群ならびに一部のC群、G群溶血性連鎖球菌の産生する溶血毒素(ストレプトリジンO)に対する抗体であり、溶連菌の感染によって上昇する。"} +{"problem_id": "105287", "problem_text": "処方変更後3日目には咳は軽快し解熱傾向を認めたものの、37.5^{\\circ} C前後の微熱が継続している。薬剤師が今後の治療方針を医師と確認した。その内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ロキソプロフェンナトリウム水和物の追加投与", "フルコナゾールへの変更", "現在の処方薬による 14 日間の治療完遂", "テオフィリンの追加投与", "インフルエンザウイルス感染の追加検査"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "処方変更後3日目に症状の軽減が認められていることから、マイコプラズマに対してエリスロマイシンが効果を示していると推察されるため、エリスロマイシンによる治療を完遂することが妥当である。"} +{"problem_id": "105288", "problem_text": "28歳女性。日頃から月経による出血量が多く、痛みも強い。食事は炭水化物中心で不規則だった。3ヶ月前から階段を上がるときに息切れを感じていたが、運動不足と寝不足が原因と考え、放置していた。2週間前より動悸、息切れ、めまいなどの自覚症状が増強した。かかりつけ医を受診したところ、顔面や眼瞼結膜の蒼白などの他覚症状が認められ、血液検査でヘモグロビン値7.2g/dL、赤血球数260万/\\micro Lであった。下記の薬剤が処方され来局した。薬局の薬剤師は患者から、膝の外傷部の化膿に対して整形外科からセフジトレンピボキシル錠と耐性乳酸菌製剤が処方され、数日前から服用中であることを聴取した。薬剤師の患者への対応として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["鉄剤は耐性乳酸菌の効果を低下させるので、服用時刻をずらすよう説明する。", "肉類や緑黄色野菜の摂取を心がけるよう勧める。", "鉄剤の服用を開始してもすぐには症状が改善しないが、服用を続けるよう説明する。", "鉄剤をお茶で服用すると、鉄の吸収が過剰になることを説明する。", "クエン酸第一鉄ナトリウムはセフジトレンピボキシルの吸収を低下させるので、服用時刻をずらすよう説明する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n鉄剤が耐性乳酸菌の作用を減弱させることはない。2:正\n食事は炭水化物中心で不規則であり、それが要因で鉄不足に陥っている可能性があるため、肉類や緑黄色野菜の摂取を心がけるように勧める。3:正\n4:誤\n鉄剤をお茶で服用すると、鉄の吸収が低下することがある。5:誤\nクエン酸第一鉄ナトリウムがセフジトレンピボキシルの吸収を低下させることはない。なお、クエン酸第一鉄ナトリウムにより吸収が低下するのは、セフジニルである。"} +{"problem_id": "105289", "problem_text": "薬物治療によってヘモグロビン値が11.6 g/dL、赤血球数が390万/\\micro Lとなった。改善が期待できる臨床所見として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["点状出血", "歩行障害", "スプーン状爪", "舌炎", "脾腫"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "鉄欠乏性貧血では、貧血の一般的症状(全身倦怠感、動悸、息切れ、ふらつき、めまい、頭痛)、舌炎、スプーン状爪(さじ状爪)、高拍出性心不全が認められることがある。これらのことから、鉄欠乏性貧血が改善すると、上記の症状が緩和すると考えられる。"} +{"problem_id": "105290", "problem_text": "17歳男性。身長170cm。断続的に続く腹痛と下痢を呈し、3ヶ月間で体重が60kgから54kgへ���減少した。最近は、38^{\\circ} C前後の発熱を認めることがある。近医を受診し、内視鏡検査を行ったところ、回盲部と空腸から横行結腸にかけて非連続的な潰瘍病変が観察された。そこで、プレドニゾロン(50mg/日)とメトロニダゾール(750mg/日)による治療が開始された。なお、この患者はB型及びC型肝炎ウイルスには感染していない。この患者の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["潰瘍病変は、縦走潰瘍や敷石像が特徴的所見である。", "粘膜層に限局した炎症が認められる。", "赤血球沈降速度(赤沈、ESR)が遅延している。", "中心静脈栄養による栄養療法は適応とならない。", "合併症として、腸管の瘻孔や狭窄のおそれがある。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "問題文に「回盲部と空腸から横行結腸にかけて非連続的な潰瘍病変が観察された」「プレドニゾロン(50mg/日)とメトロニダゾール(750mg/日)による治療が開始された」と記載されていることから、本患者はクローン病であると推察される。1:正\nクローン病の潰瘍病変では、縦方向に走る長い潰瘍(縦走潰瘍)、丸い石を敷いたようにみえる状態(敷石像)が認められる。2:誤\nクローン病では、粘膜層〜粘膜下層までに炎症が現れる。3:誤\nクローン病では、炎症が認められるため、赤血球沈降速度(赤沈、ESR)が亢進している。4:誤\nクローン病で、高度な狭窄がある場合や広範囲の小腸病変が存在し、経腸栄養療法が行えない場合などに中心静脈栄養による栄養療法が行われる。5:正\nクローン病では、腸管の瘻孔や狭窄、膿瘍、関節炎、虹彩炎、結節性紅斑、肛門部病変などを合併することがある。"} +{"problem_id": "105291", "problem_text": "治療開始後も症状改善が見られないため、10月中旬より入院してアダリムマブによる治療を開始することになり、患者の治療方針を医療チームで話し合うことになった。薬剤師がチームに提案することとして適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["抗アダリムマブ抗体の有無を検査すること。", "流行に備えて、インフルエンザワクチンを接種すること。", "胸部レントゲン検査を行い、結核感染の有無を調べること。", "レジパスビル/ソホスブビル配合錠を投与すること。", "抗ミトコンドリア抗体の有無を検査すること。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n抗アダリムマブ抗体は、アダリムマブ投与後に産生され、アダリムマブの作用を減弱させることから、アダリムマブによる治療を開始する前に検査しない。なお、アダリムマブ投与後、症状の改善が認められない場合に、抗アダリムマブ抗体を検査することがある。"} +{"problem_id": "105292", "problem_text": "35歳女性。身長153cm、体重40kg。半年前に出産した。出産直後より暑がりになり、水をよく飲み、汗をたくさんかくようになった。1ヶ月ほど前から食欲はあるが、やせてきたと感じていた。また、起床時の顔や手のむくみ、動悸や手指の振戦も自覚するようになった。最近、家族から眼球が突出し、首が腫れていると指摘され、近医を受診した。その際の血圧は148/70mmHg、脈拍は 120回/分であった。この患者の治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プラゾシン塩酸塩錠", "プロピルチオウラシル錠", "レボチロキシンナトリウム錠", "フロセミド錠", "プロプラノロール塩酸塩錠"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "問題文に記載されている症状およびバイタルサインより、本患者は甲状腺機能亢進症に罹患していると推察される。選択肢のうち、甲状腺機能亢進症に用いられる薬は、プロピルチオウラシル(選択肢2)、プロプラノロール塩酸塩錠(選択肢5)である。"} +{"problem_id": "105293", "problem_text": "薬物治療により自覚症状が改善した。治療前と比べて血液検査所見で認められる変化はどれか。2つ選べ。", "choices": ["白血球数の増加", "赤血球数の増加", "血清コレステロール値の上昇", "空腹時血糖値の上昇", "血中TSH値の上昇"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "甲状腺機能亢進症では、血中の甲状腺ホルモンの濃度が高いことから、血中TSH(甲状腺刺激ホルモン)値の低下が認められる。また、甲状腺ホルモンは、標的組織に働いて下記の作用を示すことから、・熱産生:・血糖値上昇:・血中コレステロール値低下:・骨格筋でのタンパク異化促進\n・心機能亢進(心拍数増加、心収縮力増加)、身体の発育\n甲状腺機能亢進症の患者では、血清コレステロール値の低下、空腹時血糖値の上昇が認められる。上記より、甲状腺機能亢進症を治療すると、血清コレステロール値の上昇、空腹時血糖値の低下、血中TSH値の上昇が認められる。"} +{"problem_id": "105294", "problem_text": "26歳女性。糖尿病の既往がある。大学卒業後、就職し、仕事が増え始めた頃から奇異な言動が見られ始め、部屋に引きこもり、独り言を言う、壁を叩く、蹴るような行動が見られるようになった。心配した家族とともに精神科を受診したところ、統合失調症と診断されて入院となり、アリピプラゾールによる治療が開始された。入院時の検査値はNa142mEq/L、K4.1mEq/L、Ccr110mL/min、AST 22 U/L、ALT 43 U/L、HbA1c 6.4%(NGSP値)であった。アリピプラゾールを徐々に増量し、30 mg/日まで増量した結果、壁を叩くような行動はなくなった。しかし、薬剤師が病室を訪問した際、患者はろれつが回りにくく、手指振戦をきたしていることに気付いた。患者と面談したところ、トイレに行くための歩行もしづらく、日常生活に支障が生じるので困るとの訴えがあった。この患者に認められた手指振戦は、抗精神病薬の有害作用と考えられる。その作用発現に関係するドパミン神経経路はどれか。1つ選べ。", "choices": ["中脳―辺縁系", "中脳―皮質系", "黒質―線条体系", "漏斗下垂体系", "青斑核―扁桃体系"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ドパミン部分刺激薬であるアリピプラゾールを増量したところ、手指振戦が現れていることから、黒質-線条体系ドパミン経路が抑制されたことにより、薬剤性パーキンソン症候群が現れたと推察される。"} +{"problem_id": "105295", "problem_text": "今後の治療方針について薬剤師が行う医師への提案として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["しばらく経過観察", "アリピプラゾールの増量", "クエチアピンへの処方変更", "クレアチンキナーゼ値の測定", "ビペリデンの処方追加"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本症例では、日常に支障が出るほどの副作用が発現しているため、経過観察せず、副作用軽減するための対策を講じる必要がある。本患者には、アリピプラゾール増量による薬剤性パーキンソン症候群が現れていることから、抗コリン作用を有するビペリデンを追加処方することが適切である。"} +{"problem_id": "105296", "problem_text": "59歳男性。162cm、51kg。慢性腎炎が進行し、13年前より血液透析(HD)治療を受けている。HDに際しては、HD開始前にそう痒予防のためにジフェンヒドラミン塩酸塩錠10mgを4錠内服している。また、体外循環中の凝固防止の目的でナファモスタットメシル酸塩注(後発品)を用いている。最近15日間における患者の体温とCRP値は図のようになった。HD実施日に発熱が見られたため検査した結果、抗ナファモスタットIgEが陽性であることが第 9日に明らかとなった。抗ナファモスタットIgEが陽性になった機序に関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Th1細胞(1型ヘルパーT細胞)の指令を受けB細胞から分化した形質細胞により、ナファモスタットに特異的なIgEが産生された。", "Th2 細胞(2型ヘルパーT細胞)の指令を受けB細胞から分化した形質細胞により、ナファモスタットに特異的なIgEが産生された。", "Th1細胞の指令を受けたT細胞から分化した形質細胞により、ナファモスタットに特異的なIgE が産生された。", "Th2細胞の指令を受けたT細胞から分化した形質細胞により、ナファモスタットに特異的なIgE が産生された。", "特異的受容体と結合した感作T細胞により、ナファモスタットに特異的なIgEが産生された。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "抗ナファモスタットIgEの産生は下記の機構で行われたと推察される。① 抗原提示細胞がナファモスタットを捕捉、分解し、その一部(ペプチド断片)を提示する。② ①で提示されたペプチド断片をヘルパーT細胞が認識し、Th1細胞またはTh2細胞に分化する。③ Th2細胞は、IL-4、5、13を放出しB細胞を抗体産生細胞、形質細胞へ分化させるとともに抗体産生を促す。"} +{"problem_id": "105297", "problem_text": "検査結果を受けて対処した結果、第11日以後はHD後の症状が見られなくなった。対処した内容として考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["HD前の投与薬としてデキサメタゾン錠を追加した。", "HD前の投与薬としてナルフラフィン塩酸塩カプセルを追加した。", "HD中のナファモスタットメシル酸塩注射用をダルテパリンナトリウム注射液(低分子ヘパリン)に変更した。", "経過観察した。", "ナファモスタットメシル酸塩注射用を後発品から先発品に変更した。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本症例では、抗ナファモスタットIgEが陽性であり、それによりナファモスタットを投与することで発熱および炎症(CRPの上昇)が現れていたと考えられる。このことから、ナファモスタットメシル酸注射用をダルテパリンナトリウム注射液(低ヘパリン)変更することで、HD後の発熱および炎症を抑制することが可能となる。"} +{"problem_id": "105298", "problem_text": "60歳男性。身長160cm、体重60kg。40歳頃に糖尿病と診断され、経口糖尿病薬の内服を開始した。50歳頃に腎障害を指摘され、55歳頃に、目のかすみ、眼性疲労、眼痛を自覚したため眼科を受診した。検査値はHbA1c 6.5% (NGSP値)、血清クレアチニン値1.2mg/dLであった。眼圧が右23mmHg、左28mmHgで、視野欠損が認められ、閉塞隅角緑内障に対し、ラタノプロスト点眼液0.005%とチモロールマレイン酸塩点眼液0.25%による治療が開始されていた。この患者の眼科受診時の病態として可能性が高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["眼圧は正常値より低い。", "角膜が混濁している。", "隅角が狭まり房水の流出路が閉ざされたことで、眼痛が起きている。", "水晶体混濁が認められる。", "眼底検査で網膜視神経線維欠損が認められる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n正常の眼圧は、10〜20mmHgであることから、本患者の眼圧は正常値よりも高い。2:誤\n緑内障では、角膜の混濁、水晶体混濁は認められない。3:正\n閉塞隅角緑内障では、隅角が狭くなり、房水の流出路が閉ざされ、眼圧が上昇することによる眼痛が現れることがある。4:誤\n解説2参照\n5:正\n網膜神経線維層欠損は、早期に現れる緑内障性眼底変化とされており、その部位に一致する視野障害を認めることが多い。本症例では、視野欠損が認められていることから眼底検査で網膜視神経線維欠損が認められる。"} +{"problem_id": "105299", "problem_text": "最近、仕事が多忙で通院が滞りがちになっていたところ、朝から特に誘因なく急激な頭痛があり、嘔吐したため、総合病院を緊急受診し、急性閉塞隅角緑内障の発作と診断された。受診時の血液検査では、HbA1c 7.2%(NGSP値)、血清クレアチニン値1.7mg/dLであり、糖尿病と腎機能の悪化も認めている。この患者に最初に行う治療法として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["20%マンニトール300mLを60分かけて点滴静注する。", "ロキソプロフェンナトリウム錠60mgを内服する。", "濃グリセリン・果糖配合製剤500mLを60分かけて点滴静注する。", "アセタゾラミドナトリウム注射用500mgを静注する。", "ピノレキシン点眼液0.005%を点眼する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4(いずれか1つを選択で正解とする)"], "comment": "急性閉塞隅角緑内障では、眼圧が急激に上昇することで重度の眼痛、充血、視力低下、頭痛、悪心および嘔吐が認められる。急性閉塞隅角緑内障では、眼圧を低下させる目的で、高張浸透圧薬や房水産生抑制薬が用いられる。・高張浸透圧薬を用いる場合\n20%マンニトール溶液を1回5〜15mLを点滴静注する(静注速度: 100mL/3〜10分)\n・房水産生抑制薬を用いる場合\nアセタゾラミド250mg〜1gを分割して静脈内又は筋肉内に注射する。"} +{"problem_id": "105300", "problem_text": "75歳女性。153cm、48kg。心疾患の治療中に骨密度の低下を認め、以下の処方薬を継続して服用している。家の中��゙転倒後、腰痛が持続するため、かかりつけ医を受診し、整形外科病院に紹介入院となった。MRI検査の結果、腰椎圧迫骨折と診断され、1ヶ月間の入院加療と安静が指示された。患者は60歳頃から趣味で編み物をしている。喫煙歴はなく、時折、グラスに2〜3杯のワインを飲むことを楽しみにしている。この患者の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジゴキシンの副作用による続発性の骨粗しょう症と推測される。", "骨吸収マーカーにより骨折のリスクが予測できる。", "長期入院による認知症の発症予防が必要である。", "エルデカルシトールはアレンドロン酸ナトリウムの副作用防止のために処方されている。", "アレンドロン酸ナトリウムは骨吸収を抑制して骨密度を高め、骨折リスクを低下させる。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nジゴキシンの副作用として、続発性の骨粗しょう症を起こすとの報告はない。2:誤\n骨吸収マーカーには、酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b)、血清・尿中NTX(I型コラーゲンN末端架橋テロペプチド)、尿中DPD(デオキシピリジノリン)、尿中CTX(I型コラーゲンC末端架橋テロペプチド)があり、骨折のリスクを予測する際に有用であるが、この問題には骨吸収マーカーの記載がないため、骨吸収マーカーより骨折のリスクを予測することはできない。3:正\n長期入院により認知症を誘発する可能性があるため、認知症の発症予防が必要である。4:誤\nエルデカルシトールは骨粗しょう症の治療のために処方されている。5:正\nアレンドロン酸は、ヒドロキシアパタイトに高親和性を示し、破骨細胞に取り込まれてメバロン酸代謝経路に関与するファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することにより破骨細胞のアポトーシスを誘導することで、骨吸収を抑制する。"} +{"problem_id": "105301", "problem_text": "患者の退院時に薬剤師が行う指導として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アレンドロン酸ナトリウム錠を服用後、30分間は飲食を控えることを伝える。", "さらなる骨折は QOLを低下させるため、退院後は軽度な運動も控えることを伝える。", "カルシウム製剤が処方されているので、乳製品は控えることを伝える。", "アルコール飲料の過度の摂取は骨粗しょう症のリスク因子であることを伝える。", "アレンドロン酸ナトリウム錠は水なしで服用することを伝える。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nアレンドロン酸ナトリウム錠は、2価以上の金属カチオン(カルシウム、マグネシウム等)とキレートを形成し、吸収低下を起こす。よって、服用後30分間は水以外の飲食を避ける必要がある。"} +{"problem_id": "105302", "problem_text": "58歳女性。左乳がんと診断され、摘出術を受けた後、AC(ドキソルビシン塩酸塩+シクロホスファミド水和物)療法4コースが施行された。1年後に再発、転移が確認されたため、週1回のパクリタキセルを用いた治療の導入のため入院し、2コース目からは外来にて治療継続となった。再発時から切られるような鋭い強い痛みが出現しており、患者の希望により以下の鎮痛薬が処方されている。肝、腎機能は正常である。5コース目の来院時に、指先がしびれて感覚がなくなり、電撃痛があると患者から訴えがあり、鎮痛薬の追加について薬剤師が相談を受けた。この患者に生じた電撃痛に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["痛みの伝導路が損傷されている。", "内臓痛に分類される。", "上肢の筋肉の炎症に起因する。", "身体を動かすと痛みが増す。", "軽微な接触刺激でも痛みが誘発される。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "本症例では、指先がしびれて感覚がなくなり、電撃痛があらわれていることから、神経障害性疼痛が現れたと推察される。神経障害性疼痛は、神経が障害され痛み伝導路が障害されることで誘発される。神経障害性疼痛では、軽微な接触刺激でも痛みが誘発されることがある。"} +{"problem_id": "105303", "problem_text": "薬剤師が主治医に提案すべき薬物として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセトアミノフェン", "コテ��インリン酸塩水和物", "トラマドール塩酸塩", "アスピリン", "プレガバリン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "選択肢のうち、神経障害性疼痛に用いられるのは、プレガバリンである。"} +{"problem_id": "105304", "problem_text": "70歳女性。糖尿病の既往歴はない。非小細胞肺がん(扁平上皮がん、PD- L1発現率15%)と診断され、ニボルマブ点滴静注240mg、2週間毎の投与が開始された。経過良好だったが、6回目の投与後、自宅で強い倦怠感、食欲低下、口渇と多尿が出現し、水分摂取も困難であったため、緊急受診した。受診時、朝食をとらずに行った検査値は以下の通りである。検査値: Na 135mEq/L、Cl 96 mEq/L、K 5.4 mEq/L、BUN 23 mg/dL、HbA1c 6.0%(NGSP 値)、血糖値 571mg/dL、血液 pH 7.1、尿糖4+、尿ケトン3+ この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Tリンパ球の機能が低下している。", "血中C-ペプチドが低値である。", "次回以降のニボルマブの投与を中止すべきである。", "インフュージョンリアクションが起きている。", "2型糖尿病を発症している。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "ニボルマブは、抗PD-1抗体薬であり、免疫チェックポイント分子であるPD-1に結合することでT細胞活性化作用を示す。この作用によりニボルマブは過剰な免疫反応を起こすことにより免疫関連有害事象(腸炎、重症筋無力症、筋炎、下垂体機能低下症、1型糖尿病など)を誘発することがある。検査値(血糖値 571mg/dL、血液 pH 7.1、尿糖4+、尿ケトン3+)より本患者は1型糖尿病による糖尿病性ケトアシドーシスに罹患していると考えられる。1:誤\n前記参照\n2:正\nC-ペプチドとは、インスリンの前駆物質であるプロインスリンが分解される際に生成される物質であり、インスリン分泌が行われない1型糖尿病では、血中C-ペプチドは低値となる。3:正\nニボルマブによる1型糖尿病が認められた場合には、次回以降のニボルマブの投与を中止すべきである。4:誤\n前記参照\n5:誤\n前記参照"} +{"problem_id": "105305", "problem_text": "この患者に実施されるべき治療の目的と薬物治療の組合せとして適切なのはどれ か。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "糖尿病性ケトアシドーシスでは、血糖値を下げるために速効型インスリンの持続投与が行われると共に脱水状態を改善するために生理食塩水を点滴投与する。なお、アシドーシスの程度が著しい場合(血液のpHが7以下)の場合、炭酸水素ナトリウムの点滴静注が行われることがある。"} +{"problem_id": "105306", "problem_text": "焼き鳥屋に勤務している従業員が油で汚れた換気扇の掃除を行うため、20 w/v%水酸化ナトリウム溶液を買い求めに来局した。この焼き鳥屋は、毒物劇物営業者ではなく、今回初めてこの薬局を利用した。なお、この20 w/v%水酸化ナトリウム溶液は劇物である。この薬局の薬剤師が、20 w/v%水酸化ナトリウム溶液を販売する際の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["来局者が18歳以上であることを確認した。", "身分証明書の提示がなければ販売できないと伝えた。", "廃棄するときには、購入した薬局への届出が必要と伝えた。", "来局者から購入の際に提出を受ける書面に押印を求めた。", "購入の際に提出を受けた書面を2年間保存することとした。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n18歳未満の者へ劇物を販売することができない。2:誤\n20 w/v%水酸化ナトリウム溶液を販売する際、身分証明書の提示は必要ない。なお、毒物及び劇物取締法第3条の4に規定する劇物(亜塩素酸ナトリウム及びこれを含有する製剤(30%以上含有するもの)、塩素酸塩類及びこれを含有する製剤(35%以上含有するもの)、ナトリウム、ピクリン酸)を販売する際には、身分証明書等により交付を受けるものの氏名、住所を確認する必要である。3:誤\n20 w/v%水酸化ナトリウム溶液を廃棄する際、購入した薬局への届出は必要ない。4:正\n劇物を毒物劇物営業者でない者に販売する時には、譲受人から下記の事項を記載した書面の提出を受け、5年間保管する必要がある。【譲受書記載事項】\n①劇物の名称・数量、②販売・��与の年月日、③譲受人の氏名、職業及び住所(法人にあっては、その名称・主たる事務所の所在地)、④譲受人の押印\n5:誤\n解説4参照"} +{"problem_id": "105307", "problem_text": "販売することになった20w/v%水酸化ナトリウム溶液の使用に関する薬剤師のアドバイスとして、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["腐食性があるので、素手で触らないでください。", "失明のおそれがあるので、保護メガネなどを使ってください。", "危害防止のため、希薄な水溶液とし、中和した後、多量の水で希釈して廃棄してください。", "誤飲防止のため、飲食をしながら使用しないでください。", "引火性があるので、火のそばで使わないでください。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "<20w/v%水酸化ナトリウム溶液の取扱い>\n・吸い込んだり、眼、皮膚及び衣類に触れないようにする\n・長時間または反復のばく露を避ける\n・漏れ、あふれ、飛散しないように取扱い、ミスト、蒸気の発生を少なくし、換気を十分にする\n・廃棄する際には、希薄な水溶液とし、中和した後、多量の水で希釈する"} +{"problem_id": "105308", "problem_text": "29歳女性。全身性エリテマトーデスの診断を受け、入院して処方1による治療が行われ、その後、処方2による治療に切り替わることになった。薬剤師が患者と面談したところ、「治療が必要なのは理解しているが、ムーンフェイスの副作用が嫌なので積極的に治療を受ける気になれない」と落ち込んだ様子だった。この患者は「治りたい」が「副作用は嫌」という葛藤を抱えている。このような患者への対応のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者が自分の病気や治療についてどのように考えているのか(解釈モデル)を聴く。", "患者の不安な気持ちに共感し、ラポール^{(注)}を構築する。(注) ラポール: 心理学用語で、お互いに信頼感で結ばれている関係のこと。", "面談中はどんなときもにこにこしている。", "患者が安心して話せるように、視線や態度に配慮する。", "患者が自由に自分の気持ちを話せるように、開いた質問をする。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "面談中、どんなときもにこにこしていると、患者は話を聞いているのか不安になるため、適切な対応であるとは言えない。"} +{"problem_id": "105309", "problem_text": "薬剤師が話を聞いたところ、患者は結婚式を控えており、治療全般について抵抗感があることが分かった。この治療に関する患者への説明内容のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["治療中は摂取カロリーを通常より多めにする必要がある。", "処方2の服用量は体調に応じて調節して良い。", "不眠や不安などの精神症状が現れたら、医師又は薬剤師に相談する。", "症状が改善し、処方2の処方量が減れば、ムーンフェイスの改善も期待できる。", "処方2は、最低用量なので、副作用が生じる可能性は低い。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nステロイド服用により食欲の亢進が現れ、糖および脂質代謝異常を引き起こすことがあるため、治療中は摂取カロリーを通常より少なめにする必要がある。"} +{"problem_id": "105310", "problem_text": "46歳男性。2年前に甲状腺全摘手術を受けた後、レボチロキシンナトリウム錠内服による薬物治療を行っている。通院間隔が6ヶ月に一度に変更になり、180日分の処方箋を持って来局した。この患者の薬剤服用歴を確認すると、過去に服用忘れや、自己判断で服用を中断していた可能性が疑われた。長期処方への変更に伴い、薬剤師が服薬アドヒアランスに関連した注意事項を説明することになった。この処方薬の服用を中断することによって起こりうるものとして、薬剤師が説明すべき症状はどれか。2つ選べ。", "choices": ["徐脈", "収縮期血圧上昇", "冷感", "発汗過多", "体重減少"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "甲状腺全摘手術を受けているため、レボチロキシンナトリウム(T_{4}製剤)の服用を中断すると、甲状腺機能低下症による粘液水腫(甲状腺機能低下症によりグルコサミノグリカンが蓄積し、皮膚・粘膜に硬い浮腫を生じる状態)、冷え性、皮膚乾燥、体重増加、うつ症状、低血圧、血中コレステロール値上昇、徐脈が認められる。"} +{"problem_id": "105311", "problem_text": "そこで、長期処方の患者に対して、薬剤師が電話によるフォローアップを行うことで、患者の服薬アドヒアランスの改善又は症状悪化の早期発見につながるかを検討することにした。この漠然とした臨床疑問を解決可能な臨床研究にするために、まずは PECO(注)又は PICO(注)を使って疑問を構造化することにした。この研究のPECO又はPICOの組合せとして、適切なのはどれか。1つ選べ。(注)PECOやPICOは疑問を構造化するための手法の1つ。PはPatient、EはExposure、Iは Intervention、CはComparison、OはOutcomeの頭文字のこと。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "PICOとは、「①どのような患者に(Patient)、②どのような評価・治療をしたら(Intervention)、③何と比較して(Comparison)、④どのような結果になるか(Outcome)」という4つの要素を定式化し、疑問を構造化する手法のことである。また、PECO とはPICOのIをE(Exposure:暴露)に変えた疑問を構造化する手法のことである。問題文に「長期処方の患者に対して(Pに該当)、薬剤師が電話によるフォローアップを行う(Iに該当)ことで、患者の服薬アドヒアランスの改善又は症状悪化の早期発見につながるか(Oに該当)を検討することにした」とあることから、選択肢2が適切である。"} +{"problem_id": "105312", "problem_text": "作成したPECO又はPICOに従って、実際に介入研究を行うことになった。この研究を実施するにあたり薬剤師が注意すべき点として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["対象患者を二群に分けた比較試験を行う場合、群分けは患者の希望を優先する。", "研究を開始する前に、あらかじめ倫理審査の手続きを行う必要がある。", "研究資金が必要な場合、利益相反の開示をしないことを条件に製薬会社から提供を受ける。", "対象患者に対して研究内容を文書で説明すれば、参加同意を取得する必要はない。", "研究参加は自由意思によるもので、参加しなくても不利益にならないことを患者に説明する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n対象患者を二群に分けて比較試験を行う場合、郡分けは無作為に行う必要がある。2:正\n研究を開始する前に、調査や研究の妥当性を審査するためにあらかじめ倫理審査の手続きを行う必要がある。3:誤\n研究資金を製薬企業等から提供を受けた場合、利益相反状態を開示する必要がある。4:誤\n対象患者に対して研究内容を文書で説明するとともに、参加の同意を取得する必要がある。5:正"} +{"problem_id": "105313", "problem_text": "この介入研究において、レボチロキシンナトリウム錠の服薬アドヒアランスを評価する方法として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬剤服用歴から、調剤した薬剤種類数を調べる。", "研患者に持参してもらった残薬数から服薬率を算出する。", "患者から飲み忘れの有無を聞き取る。", "処方した医師に処方意図を確認する。", "併用薬との相互作用の有無を調べる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "105314", "problem_text": "40歳男性。自営業。アトピー性皮膚炎の治療のため、かかりつけの薬局を利用している。この度、市から通知された特定健康診査を受け、下記の検査結果を持って来局した。この検査結果を踏まえて、医師から禁煙を強く勧められたとのことであった。この男性が受けた特定健康診査は、どの法律に基づくものか。1つ選べ。", "choices": ["介護保険法", "健康増進法", "国民健康保険法", "高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)", "精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)において、特定健康診査等基本指針が規定されている(第十八条)。厚生労働大臣は、特定健康診査(糖尿病その他の政令で定める生活習慣病に関する健康診査をいう。)及び特定保健指導(特定健康診査の結果により健康の保持に努める必要がある者として厚生労���省令で定めるものに対し、保健指導に関する専門的知識及び技術を有する者として厚生労働省令で定めるものが行う保健指導をいう。)の適切かつ有効な実施を図るための基本的な指針を定めるものとする。"} +{"problem_id": "105315", "problem_text": "薬剤師が「禁煙をサポートしましょうか」と声をかけたところ、「禁煙は初めてだけどやってみます」と回答があった。この男性への薬剤師の対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["禁煙開始日を決めるよう伝える。", "タバコを吸いたくなったときの対策について一緒に考える。", "定期的にフォローアップを行う。", "タバコには離脱症状がないと伝える。", "公的医療保険を使って禁煙外来での治療が受けられる場合があると伝える。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "105316", "problem_text": "68 歳男性、肝硬変。低タンパク血症によると考えられる難治性の腹水が認められたため、高張アルブミン製剤(献血アルブミン20%静注)による治療が開始された。初回投与前の血清アルブミン濃度は1.9 g/dLであり、投与後の目標血清アルブミン濃度は3.5g/dLとされた。なお、この薬剤の容器には「特生物」の表示がある。この薬剤の使用に関する記述のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["過剰に蓄積した血管内水分の血漿膠質浸透圧を維持する目的で使用する。", "感染症のリスクについて患者に説明する。", "細菌が増殖しやすいので、残液は適切に廃棄する。", "血清アルブミン濃度が目標値に達したかモニターする。", "できるだけ短期間の投与にとどめる。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "献血アルブミン製剤は、血漿膠質浸透圧を維持することで過剰に蓄積した細胞外の水分を排泄させる目的で使用される。"} +{"problem_id": "105317", "problem_text": "この薬剤を取り扱う薬剤師が行わなければならないこととして、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["鍵のかかる場所で保管する。", "保管場所に白地に赤枠、赤字をもって「特生物」の表示を行う。", "使用した患者の氏名及び住所、使用した薬剤の名称及び製造番号又は製造記号、使用年月日、その他必要な事項を記録する。", "使用に関する記録を、その使用した日から少なくとも 10 年間保存する。", "使用による感染症の発生について、危害の発生を防止するために必要があると認めるときは、その旨を厚生労働大臣に報告する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n特定生物由来製品は、鍵のかかる場所に保管する必要はない。"} +{"problem_id": "105318", "problem_text": "保険薬局に勤務して3年が経過した薬剤師が、今年度から近隣の中学校の学校薬剤師を担当することになった。1ヶ月後には薬物乱用防止教室での講師を担当することになっている。そのため、学校保健安全法の内容を確認することにした。この法律に基づく学校薬剤師の職務として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["学校安全計画の立案への参与", "環境衛生検査の実施", "学校環境衛生の指導と助言", "学校において使用する医薬品に関する指導と助言", "健康診断の実施"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "<学校薬剤師の職務内容>\n1.学校保健安全計画の評価立案に参与する\n2.環境衛生検査に従事し、必要な指導と助言を行う\n・飲料水、水泳プールの水質・排水の状況\n・水道・水泳プール・学校給食用の施設設備の衛生状態など\n・教室その他学校における採光および照明\n・教室その他学校における空気、暖房、換気方法\n3.学校において使用する医薬品・化学薬品等の管理についての指導と助言を行う\n4.薬物乱用防止・医薬品の適正使用に関する啓発"} +{"problem_id": "105319", "problem_text": "この薬剤師が行う薬物乱用防止教室に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬物乱用防止に関する講演は薬剤師に特化した職務である。", "麻薬の廃棄方法について説明する。", "薬物乱用が心身に及ぼす影響について説明する。", "麻薬・覚せい剤に関する基礎知識について説明する。", "薬物乱用とは、何回も繰り返して薬物を使用する��とであると説明する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n薬物乱用防止に関する講演は医師が行うこともある。2:誤\n薬物の乱用防止教室では、「薬物乱用とは」「薬物を乱用するとどうなるか」「乱用される薬(覚せい剤、コカイン、大麻、あへん、ヘロイン、MDMAなど)に関する情報」「薬物乱用の事例」について説明する。なお、薬物乱用防止教室では、麻薬の廃棄方法について説明することはない。3:正\n解説2参照\n4:正\n解説2参照\n5:誤\n薬物乱用とは、ルールや法律から外れた目的や方法で使用することであり、覚せい剤や麻薬などを1回使用しただけでも薬物乱用になる。"} +{"problem_id": "105320", "problem_text": "36歳女性。以前から、関節リウマチに対して以下の薬剤による治療を受けていた。ある日、体調不良により緊急入院となり、この薬剤による間質性肺炎と診断された。この薬剤の服用開始時に、薬剤師が重大な副作用の初期症状を説明していた。そのため、副作用である間質性肺炎が早期に発見され入院治療することができた。この患者に対して、薬剤師が説明した間質性肺炎の初期症状として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["空咳(痰を伴わない)を伴い、息切れ、呼吸困難、発熱などが現れる。", "高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水ぶくれなどの激しい症状が、全身の皮膚や、口や目の粘膜に現れる。", "服用後すぐに発疹、浮腫、胸苦しさなどとともに、顔面蒼白となり、手足が冷たくなり、冷や汗、息苦しさなどが現れる。", "全身のだるさ、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などが現れる。", "尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛などが現れる。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n間質性肺炎の初期症状である。2:誤\n皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症の初期症状である。3:誤\nアナフィラキシー・ショックの初期症状である。4:誤\n肝障害の初期症状である。5:誤\n腎障害の初期症状である。"} +{"problem_id": "105321", "problem_text": "この患者の家族から、医薬品副作用被害救済制度について質問を受けた。この制度の説明のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["医療用医薬品は、どれでも救済給付の対象になります。", "救済給付の可否は、製造販売業者が決定します。", "救済給付を受けるためには、患者本人等による給付申請が必要です。", "症状や程度にかかわらず、給付額は一定です。", "入院治療を受けていても、救済給付が受けられない場合があります。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n一般用医薬品および医療用医薬品が本制度の対象となるが、一部、本制度の対象とならないものがある。本制度の対象とならないものを以下に示す。・がんその他の特殊疾病に使用されることが目的とされる医薬品であって、厚生労働大臣が指定するもの\n・専ら動物のために使用されることが目的とされている医薬品その他厚生労働省令で定める医薬品\n2:誤\n医薬品等の副作用による健康被害者またはそのご家族から機構に提出された請求書等をもとに、その健康被害が医薬品等の副作用によるものかどうか、医薬品等 が正しく使用されたかどうかなどの医学的、薬学的判断について、機構から厚生労働大臣に判定の申し出を行い、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会(副作用・ 感染等被害判定部会)で審議され、厚生労働大臣の判定結果をもとに機構において副作用救済給付の支給の可否を決定する。3:正\n副作用被害が生じた場合、健康被害を受けた本人又は遺族がPMDAに対して医療費等の給付の請求を行う。4:誤\n本制度における救済は症状や程度により異なる。なお、本制度にける救済給付の内容には、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金、葬祭費などがある。5:正\n入院している場合であっても、医薬品等の副作用による疾病だけをみると入院治療を必要とする程度であると認められないときは、救済の対象とならない。"} +{"problem_id": "105322", "problem_text": "62歳男性。妻と死別し独居である。認知症があり、介護保険制度によ���要支援2のサービスを受けている。前回の処方からドネペジル塩酸塩が5mgから10mgに増量になった。薬剤師が医師の指示により患者宅を訪問したところ、患者から最近尿が出にくく、吐き気があると訴えがあった。また、3日前から風邪気味のため、市販薬であるA顆粒を服用していることがわかった。この薬剤師の薬学的介入に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ドネペジル塩酸塩の増量により、吐き気が発現している可能性があるので、処方医と対応を検討する。", "プロメタジンメチレンジサリチル酸塩の抗コリン作用による排尿障害が疑われるので、この患者にA顆粒の服用を中止するよう指導する。", "アセトアミノフェンはドネペジル塩酸塩との併用禁忌薬なので、この患者にA顆粒の服用を中止するよう指導する。", "ドネペジル塩酸塩の作用が増強されるおそれがあるので、A顆粒服用中は、ドネペジル塩酸塩を5 mg に戻すよう処方医に提案する。", "無水カフェインによる排尿障害が疑われるので、この患者にA顆粒の服用を中止するよう指導する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "A顆粒に含まれるプロメタジンメチレンジサリチル酸塩は抗コリン作用を有するため、排尿障害を起こすことがある。また、ドネペジルは副作用として消化器症状(食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢など)を誘発することがある。これらのことから、本症例で現れた排尿障害は、A顆粒に含まれるプロメタジンメチレンサリチル酸塩の抗コリン作用によるものであり、また、吐き気はドネペジル増量によるものであると考えられる。"} +{"problem_id": "105323", "problem_text": "介護保険制度に照らしたこの患者に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この患者は第2号被保険者である。", "薬局において居宅療養管理指導料を算定する。", "薬局において在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する。", "この患者は介護給付を受けることができる。", "この患者の介護保険料は、医療保険料に上乗せして保険者が一括徴収する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n介護保険制度の被保険者には、以下の者がいる。・第1号被保険者:\n市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者\n・第2号被保険者:\n市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者"} +{"problem_id": "105324", "problem_text": "71歳男性。膵臓がんで入院治療していたが、本人の希望もあり退院し、自宅で緩和ケアを受けている。退院時は、以下の処方であった。薬剤師が訪問したところ、痛みの評価は、NRS(数値スケール)で5、強い痛みがある場合は、モルヒネのレスキュー薬を使用していた。また、最近、「薬が飲みにくい」という訴えもある。本人は、毎日お風呂に入りたいという希望がある。薬剤師は、モルヒネ塩酸塩水和物徐放性カプセルを中止して、他の薬剤への変更を医師に提案することにした。薬剤として適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、変更時点では、増量は考えないものとする。注)以下を前提に計算すること\n・オピオイドスイッチングを行う際の換算比は、経口モルヒネ対フェンタニルを100: 1とする。・フェンタニル貼付剤から1日あたりフェンタニルとして吸収される量は、1日用は貼付用量の約30%、3日用は貼付用量の約14%とする。", "choices": ["フェンタニル1日用貼付剤(貼付用量4mg)", "フェンタニル1日用貼付剤(貼付用量2mg)", "フェンタニル1日用貼付剤(貼付用量1mg)", "フェンタニル3日用貼付剤(貼付用量4.2mg)", "フェンタニル3日用貼付剤(貼付用量2.1mg)"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "オピオイドスイッチングを行う際の換算比は、経口モルヒネ対フェンタニルを100: 1となっていることから、モルヒネ塩酸塩水和物徐放性カプセル120mg /日をフェンタニルとして投与するためには、フェンタニルを1.2mg /日投与する必要がある。フェンタニル貼付剤から1日あたりフェンタニルとして吸収される量は、1日用は貼付用量の約30%、3日用は貼付用量の約14%となっていることから、1日用製剤でフェンタニルの必要量を投与��るには、1.2mg/日/0.3=4mg必要とし、3日用製剤でフェンタニルの必要量を投与するには、1.2mg/日/0.14=8.57mg必要である。"} +{"problem_id": "105325", "problem_text": "その後、この患者が死亡し、患者の相続人から、薬剤が残っているので、薬局に返却したいとの申し出があった。確認したところ、残薬はフェンタニル貼付剤及び酸化マグネシウムであった。これらの薬剤の取扱いに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フェンタニル貼付剤の返却には、都道府県知事の許可が必要であるため、申請するよう指導した。", "返却されたフェンタニル貼付剤は、回収することが困難な方法で廃棄した。", "返却されたフェンタニル貼付剤を薬局で廃棄したので、廃棄後 30 日以内に都道府県知事に届出を行った。", "フェンタニル3日用貼付剤(貼付用量4.2mg)", "返却されたフェンタニル貼付剤は、まだ使用期限を過ぎていなかったので、仕入れをした卸売販売業者に返品した。", "酸化マグネシウムは、まだ使用期限を過ぎていなかったので、必要に応じて相続人が服用してもよいと指導した。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n麻薬の返却には、都道府県知事の許可は必要ない。2:正\n麻薬は回収することが困難な方法で廃棄する必要がある。なお、フェンタニル貼付剤は粘着部分を重なるようい半分にしてから、ハサミで細かく切って廃棄する。3:正\n麻薬が返却された場合は、管理薬剤師が他の職員が立会いの下に廃棄し、廃棄後30日以内に「調剤済麻薬廃棄届」を都道府県知事に届出る必要がある。4:誤\n麻薬小売業者は、麻薬処方せんの交付を受けた者に対し、その処方せんにより調剤した麻薬を交付する以外に麻薬を譲渡することはできない。また、麻薬卸売業者へ返品することもできない。5:誤\n処方箋によって調剤された薬を本人以外が服用するように説明することは不適切な対応である。"} +{"problem_id": "105326", "problem_text": "76歳男性。軽度の認知症あり。アルコール多飲歴なし。喉の違和感を主訴に総合病院を受診した結果、食道がんが見つかり、食道全摘術を施行することとなった。術後は集中治療室に入室予定である。手術が決まった時点から周術期管理チームで患者をサポートすることになり、まずチームの担当薬剤師が、常用薬とお薬手帳を確認したところ、以下の薬物を服用中であった。周術期の使用において特に注意を払う必要がある薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["フェブキソスタット", "酸化マグネシウム", "ドンペリドン", "アゼルニジピン", "ブロチゾラム"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本症例では、せん妄のリスクがある食道全摘術を施行する予定となっていることから、せん妄を誘発しやすいアルコール、ベンゾジアゼピン系薬(ブロチゾラム)、非ベンゾジアゼピン系薬を漸減することを検討する必要がある。"} +{"problem_id": "105327", "problem_text": "近年、薬剤耐性(antimicrobial resistance: AMR)の対策は、医療現場における重要な課題の一つになっている。AMR対策として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["医療機関内における広域スペクトラムの抗菌薬の使用状況を調査する。", "職員や患者に対し、インフルエンザワクチン接種を推奨する。", "スタンダード・プリコーションを徹底する。", "入院患者に対し、手すりを伝って廊下を移動するよう推奨する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n広域スペクトラムを有する抗菌薬の使用により薬剤耐性菌が出現する可能性が高くなる。そのため、医療機関内における広域スペクトラムの抗菌薬の使用状況を調査し、抗菌薬が適正に使用されているかどうか検討することはAMRの対策に有用である。2:誤\nインフルエンザワクチンを接種することで、インフルエンザを予防することはできるが、薬剤耐性菌の出現を防止する効果は期待できない。3:正\nスタンダード・プリコーション(標準予防策)を実施することで、院内感染を防止するとともに薬剤耐性菌の出現を防止することが期待できる。●参考: 標準予防策\n標準予防策は、感染症の有無に関わらずすべての患者のケア��際して普遍的に適用する予防策である。標準予防策は、患者の血液、体液(唾液、胸水、腹水、心嚢液、脳脊髄液等すべての体液)、分泌物(汗は除く)、排泄物、あるいは傷のある皮膚や、粘膜を感染の可能性のある物質とみなし対応することで、患者と医療従事者双方における病院感染の危険性を減少させる予防策である。4:誤\n手すりを使用することで接触感染を誘発する可能性があるため、AMRの対策として適切な対応とはいえない。"} +{"problem_id": "105328", "problem_text": "86歳男性。脳梗塞のため在宅療養中である。薬剤師が訪問した際、仙骨部に褥瘡があることがわかった。褥瘡の状態は、滲出液を伴う赤色肉芽(赤色期)が主で、壊死組織(黄色期)はわずかであった。薬剤師が医師に処方提案する医薬品として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["酸化亜鉛軟膏", "スルファジアジン銀クリーム", "精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏", "アルプロスタジルアルファデクス軟膏", "メチルイソプロピルアズレン軟膏"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "褥瘡の状態が、滲出液を伴う赤色肉芽(赤色期)が主で、壊死組織(黄色期)はわずかであることから、滲出液吸収作用があり、感染症をコントロールすることができる「精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏」が適切である。1:誤\n酸化亜鉛軟膏は、肉芽形成促進させる目的で用いられる。2:誤\nスルファジアジン銀クリームは、滲出液が少なく、感染を伴う褥瘡に用いられる。3:正\n4:誤\nアルプロスタジルアルファデクス軟膏は、びらん・浅い褥瘡の上皮化を促進する目的で用いられる。5:誤\nメチルイソプロピルアズレン軟膏は、湿潤環境を保持しながら創面を保護を図る、肉芽形成促進させる目的で用いられる。"} +{"problem_id": "105329", "problem_text": "60 歳男性。1ケ月前から息切れが出現し、病院を受診したところ、初めて以下の薬剤が処方された。その他に既往歴や常用薬はない。薬局に処方箋を持参した際に、患者が日常生活で注意すべき点を薬剤師に尋ねた。以下のうち、この疾患の増悪を早期に発見する上で、薬剤師が患者に伝えるべきセルフモニタリングの観点として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["尿蛋白の増加", "体重の急な増加", "体重の急な減少", "安静時脈拍数の増加", "急な発熱"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "処方内容より、本患者は慢性心不全に罹患していると推察される(NYHA分類II度)。心不全が増悪すると、心拍出量の低下とともに体液が貯留することで体重増加をきたすことがある。また、心拍出量を維持するために、心拍数が増加することがある。"} +{"problem_id": "105330", "problem_text": "4歳男児。体重17kg。脳性麻痺で以下の薬剤が処方された。1 包あたり0.3gになるように賦形剤を加えて調剤する場合、この処方を全量調剤するために加える賦形剤の総量(g)として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、ダントロレンナトリウム水和物カプセル1カプセルあたりの内容量は0.25gである。", "choices": ["2.1", "4.2", "6.3", "8.4", "9.1"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "①: ダントロレンナトリウム水和物の必要量を計算する\n1日0.6cap必要であることから、全量で0.6cap/日\\times 14日=8.4cap(8.4cap\\times 0.25g=2.1g)\n②: 1包0.3gとするために必要な散剤の量を計算する\n0.3g\\times 14日\\times 2包/日=8.4g\n③: 全量調剤するために加える賦形剤の総量(g)を求める\n②-①=6.3g"} +{"problem_id": "105331", "problem_text": "40歳男性。MRSAへの感染が確認され、翌朝よりバンコマイシンを1回1,000mg、1日2回(8:00、20:00)、点滴時間を1時間で投与する予定である。バンコマイシンの投与量を決定するために最適な採血タイミングはどれか。1つ選べ。なお、この患者におけるバンコマイシンの消失半減期は12時間程度と見積もられている。", "choices": ["1日目朝の投与開始から6時間後", "1日目夜の投与開始の30分前", "2日目朝の投与開始の30分前", "3日目朝の投与開始の30分前", "5日目夜の投与開始の30分前"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "バンコマイシンの投与量は、定常状態におけるトラフ値をもとに決定する。この患者のバンコマイシンの消失半減期が12時間であると見積もられていることから、定常状態に到達するまでの時間が48〜60時間(半減期の4〜5倍時間)であると考えられる。また、投与直前の血中濃度はトラフ値を示すため、「3日目朝の投与開始の30分前」に採血することが適切である。"} +{"problem_id": "105332", "problem_text": "中耳炎と診断された1歳9ヶ月の乳幼児を連れた母親が、下記の処方箋を持って薬局を訪れた。この患者の服薬にあたり、薬剤師が留意すべき副作用とその理由として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ビタミンDの活性化を阻害するので、低カルシウム血症に注意する。", "小児においては腸管から水分を奪い腸管内容物を軟化させるので、下痢に注意する。", "カルニチンの尿中排泄が促進されるので、低血糖症状に注意する。", "脂肪酸代謝に支障をきたすので、脂質異常症に注意する。", "消化酵素によりアセトアルデヒドが発生するので、消化管粘膜障害に注意する。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本剤は、腸管壁に存在するエステラーゼにより加水分解され、セフジトレン、ホルムアルデヒド、ピバリン酸となる。そのうち、ピバリン酸はカルニチン抱合を受け、ピバロイルカルニチンとなり尿中に排泄されるため、本剤投与により低カルニチン血症に伴う低血糖を誘発する可能性がある。"} +{"problem_id": "105333", "problem_text": "下記のそれぞれの事例の薬物治療のうち、禁忌に該当するのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["便秘症の妊婦に酸化マグネシウムを投与する。", "牛乳アレルギー患者にタンニン酸アルブミンを投与する。", "消化性潰瘍がある患者にラフチジンを投与する。", "重症筋無力症の患者にエチゾラムを投与する。", "インフルエンザ罹患の15歳男児にザナミビル水和物を投与する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "タンニン酸アルブミンは、牛乳の成分であるカゼインを含んでいるため、牛乳アレルギー患者に投与することはできない(投与禁忌)。また、エチゾラムは、筋弛緩作用を有しているため、重症筋無力症の患者に投与することはできない(投与禁忌)。"} +{"problem_id": "105334", "problem_text": "72歳女性。体重40kg。肺がんステージIVで、緩和病棟に入院することになった。薬剤管理指導時、「最近、疼痛時の薬を飲んだ後、2時間くらいすると周りの景色がゆがんだりすることがあります。」と訴えがあった。レスキュー薬は1日1回程度服用することで、疼痛コントロールはできている。現在服用中の処方薬及び検査所見は下記の通りである。患者の状態を薬学的観点から判断するため、SOAP 方式でこの患者の指導記録 を作成した。その内容の組合せのうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "検査所見より、肝機能に問題はない(AST、ALT基準値範囲内)が、腎機能が低下(BUN、血清クレアチニン値: 高値、下肢の浮腫(2+))していると判断でき、また、モルヒネ塩酸塩水和物内用液を服用後、周りの景色がゆがむと訴えていることから、腎機能低下に伴うモルヒネの代謝物遅延による副作用が現れていると推察できる。このことから、選択肢4のSOAPが適切である。"} +{"problem_id": "105335", "problem_text": "インスリン注射液^{(注)}のバイアルから50単位をとり、生理食塩液49.5mLに混合し、シリンジポンプを用いて持続静注することになった。1日あたりインスリン12単位を投与する場合、1時間当たりの流速(mL/時間)として正しいのはどれか。1つ選べ。(注)1バイアル10mL中に、日局インスリンヒト(遺伝子組換え)1,000単位を含む。", "choices": ["0.005", "0.5", "1", "50", "100"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "●調節した注射液のインスリン濃度を求める\nインスリン注射液には「1バイアル10mL中に、日局インスリンヒト(遺伝子組換え)1,000単位を含む」ため、インスリン50単位分のインスリン注射液は0.5mL(1000単位/10mL\\rightarrow 50単位/0.5mL)となる。これを生理食塩液49.5mLに混合すると、50mL中に50単位(50単位/50mL\\rightarrow 1単位/mL)のインスリンを含む注射液が調製される。●1時間当たりの流速(mL/時間)を求める\n1日あたりインスリン12単位を投与する(12単位/日\\rightarrow 12単位/24時間\\rightarrow 0.5単位/時)ことから調製した注射液の1時間当たりの流速(mL /時間)は、0.5mL /日となる。"} +{"problem_id": "105336", "problem_text": "ある薬局で採用予定の医薬品は口腔内崩壊(OD)錠で、5mg、10mg、20mg、40mgの4規格が存在する。取扱い方法を検討するため当該医薬品のインタビューフォームを確認したところ、以下に示すデータが記載されていた。このデータの解釈及び対応として適切なのはどれか。2つ選べ。選択肢中、特に規格を示さないときは4規格に共通するものとする。", "choices": ["室温で60%RHを越えない場合PTPシート包装で3年間安定に保管できる。", "25^{\\circ} C/75%RHで、アルミ袋(乾燥剤入り)で 6ヶ月間安定に保管できる。", "無包装状態で25^{\\circ} C/60%RHで、3ヶ月では硬度が低下する。", "25^{\\circ} C/50%RHの条件では、無包装状態でも光には比較的安定である。", "OD錠20mgは、プラスチックボトル(乾燥剤入り)で40^{\\circ} C/75%RHで6ヶ月間外観変化はないが、含量は低下する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n本データより25^{\\circ} C/60%RHの長期保存試験に関する情報を確認することができるが、室温(1〜30^{\\circ} C)、60%RHにおける長期保存試験に関する情報を確認することはできない。2:正\n加速試験の結果より25^{\\circ} C/75%RHで、アルミ袋(乾燥剤入り)で 6ヶ月間安定に保管できると判断できる。3:誤\n本データより無包装状態、25^{\\circ} C/75%RHでの硬度変化を確認することができるが、25^{\\circ} C/60%RHにおける硬度変化を確認することはできない。4:正\n本データより2000lx、25^{\\circ} C/60%RHの条件で変化なしとされているため、25^{\\circ} C/50%RHの条件で、無包装状態でも光には比較的安定であると判断できる。5:誤\n加速試験の結果より、OD錠20mgは、プラスチックボトル(乾燥剤入り)で40^{\\circ} C/75%RHで6ヶ月間含量変化ないと判断できる。"} +{"problem_id": "105337", "problem_text": "アドレナリン自己注射用キット製剤において、使用時に針が出ないという不具合が報告され、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)より、クラスIの回収情報が出された。この報告を受けて、ある病院の薬剤師が該当ロットの製剤の納品履歴があるかどうかを確認したところ、6ヶ月前に1本納品されていたが、調剤済みで在庫はなかった。該当ロットの製剤の使用期限はあと9ヶ月程度残っていることが判明した。この病院がとるべき対応として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["クラスIの回収であるため、今後の様子を見守る。", "該当ロットの製剤を調剤された患者に連絡をし、未使用であれば代替品と交換する。", "病院ホームページにおいて、該当ロットを公表し、患者からの連絡を待つ。", "患者から該当ロットの製剤を回収し、代替品を提供し実費を請求する。", "該当ロット以外の製剤についても、可能な限り回収する。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "クラス分類とは、回収される製品によりもたらされる健康への危険性の程度により、以下のとおり個別回収ごとに、I、II又はIIIの数字が割り当てられている。クラスIの回収情報が出された場合、「該当ロットの製剤を調剤された患者に連絡をし、未使用であれば代替品と交換する」必要がある。"} +{"problem_id": "105338", "problem_text": "59歳女性。以下の処方薬と検査値の記載された処方箋を薬局に持参した。この患者は約1年間、同一の処方内容で外来治療を受けており、前回までの検査値は基準値内を推移していたが、今回の検査で異常が認められた。今回の検査値の異常と関連性が高く、疑義照会すべき優先順位の高い医薬品はどれか。2つ選べ。", "choices": ["エプレレノン錠", "リナグリプチン錠", "ピタバスタチンカルシウム錠", "カルベジロール錠", "ペリンドプリルエルブミン錠"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "今回の検査値の結果より、血清カリウム値が高値(基準値: 3.5〜4.9 mEq/L)であることから、副作用として血清カリウム値が増加する可能性のある薬(K保持性利��薬であるエプレレノン、ACE阻害薬であるペリンドプリルエルブミン)の継続の可否について疑義照会すべきである。"} +{"problem_id": "105339", "problem_text": "75歳女性。変形性膝関節症に対する膝関節全置換術後半年の患者で、以下の薬剤を服用している。最近、足先の浮腫に加えて倦怠感がある。それに加え、頻度は変わらないものの1回の尿量が減少するなどの症状を自覚している。黄疸は見られない。この患者の副作用症状の原因となる薬剤として、最も疑われるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["フルスルチアミン錠", "ロキソプロフェンナトリウム水和物錠", "テプレノンカプセル", "ゾピクロン錠", "エドキサバントシル酸塩水和物錠"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "患者の症状(足先に浮腫、倦怠感、尿量が減少している)ことから、薬剤服用による腎機能の低下が疑われる。選択肢のうち、腎障害を誘発する可能性がある薬剤は、「ロキソプロフェンナトリウム水和物錠」である。ロキソプロフェンナトリウム水和物錠は、重大な副作用として、急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎を起こす可能性がある。"} +{"problem_id": "105340", "problem_text": "58歳男性。糖尿病で近医にてインスリン治療を継続している。前回と同じ内容の処方箋を持って薬局を訪れた。残薬を確認したところ、インスリン注射液の残薬はないが、使用可能な注射針が13 本自宅にあるとのことであった。薬剤師が注射針の必要数を計算したところ、処方量が不足していることに気付いた。注射時に空打ちで2単位使用する。医師に提案する追加すべき注射針数(1袋7本入り)として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["29袋", "31袋", "35袋", "48袋", "50 袋"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "各インスリンの総使用回数を使用する単位及び空打ち単位より算出する。<インスリンアスパルト(遺伝子組換え)>\nインスリンアスパルト(遺伝子組換え)の総単位は、300単位/キット\\times 3キット=900単位であり、1回3単位使用することから空打ちを含めて1回5単位使用する。よって、インスリンアスパルト(遺伝子組換え)の総使用回数は180回となる。<インスリングラルギン(遺伝子組換え)>\nインスリングラルギン(遺伝子組換え)の総単位は、300単位/キット\\times 2キット=600単位であり、1回8単位使用することから空打ちを含めて1回10単位使用する。よって、インスリングラルギン(遺伝子組換え)の総使用回数は60回となる。上記より、両インスリンの総使用回数は240回となる。注射針が13本残っていることから、227本の注射針が必要であり、また、今回の処方で注射針が28本処方されているため、注射針を199本追加する必要がある。よって、199本/7本/袋=28.4袋注射針を追加する必要がある。"} +{"problem_id": "105341", "problem_text": "勤務先は災害拠点病院であり、オリンピック・パラリンピックの競技会場が近隣にあることから、NBC 災害^{(注)}時の解毒薬の準備状況を確認するため、対象物質とその解毒薬又は拮抗薬のリストの作成に着手した。表の組合せのうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。(注)NBC災害: 核(nuclear)、生物(biological)、化学物質(chemical)による特殊災害をさし、目に見えない脅威が人体に害を与える性質を持つ災害とされる。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "105342", "problem_text": "応需した処方箋に在庫のない医薬品が記載されていたため、近隣の薬局に譲渡依頼をし、新卒の薬剤師が初めて当該医薬品を受け取りに行き、以下の対応をした。A:受け取るにあたり身分証明書を提示した。B:受け取るにあたり薬局開設許可証のコピーを提供した。C:譲渡依頼を受けた薬局の従事者から医薬品を受領した。D:外箱が破損していたので、譲渡依頼を受けた薬局での保管状況及び当該医薬品の仕入れの経緯を確認した。この薬剤師の正しい対応を全て含んでいる組合せはどれか。1つ選べ。", "choices": ["A、B、C、D", "A、B、C", "A、B、D", "A、C、D", "B、C、D", "C、D"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "<薬局間における医療用医薬品の譲受・譲渡の順守事項>\n(1) 薬局間の医療用医薬品(��薬や覚せい剤原料など、譲受・譲渡もしくは取り引きにあたり特段の規制が求められている医薬品を除く)の譲受・譲渡にあたり、①薬局開設者、②薬局の管理者(管理薬剤師)、③薬局の薬剤師は、「薬局間における医療用医薬品の譲受・譲渡に関するガイドライン」を順守する。(2) 譲渡人は、譲受人に薬局開設許可証(写)の提供を求めるほか、医薬品の受取者に本人確認を行うなど、正確な情報を確認する。情報を確認できない場合には、医薬品の譲渡は行わない。(3) 医薬品、容器等の状態、直接の容器等の記載事項、添付文書等を確認し、(2)で確認した情報を含め、必要事項を書面へ記載する。(4) 譲受人は、購入・受領する医薬品の管理状況等について疑念がある場合は、譲渡人における仕入れの経緯や医薬品管理状況等を確認する。(5) 医薬品の譲受・譲渡については、当該薬局の従事者が、対面により、譲渡人の薬局で行う。(6) 同一法人(開設者が同一)の薬局間の譲受・譲渡であっても、「薬局間における医療用医薬品の譲受・譲渡に関するガイドライン」を順守する(記録書面は双方で保存する)。"} +{"problem_id": "105343", "problem_text": "健康サポート薬局において、健康啓発の一環として地域住民を対象に健康相談会を開催した。最近、大腿骨を骨折し、往診にて内服薬で治療中の80歳女性の家族から食事に関する相談を受けた。薬剤師がチェックシートを用いて質問をしたところ次の回答を得た。チェックシートに基づいて、薬剤師が行う適切な生活上の提案はどれか。2つ選べ。", "choices": ["飲食は仰臥位で行う。", "飲み物にとろみをつける。", "定期的な散歩をすすめる。", "食事は硬いものを増やす。", "食事の1回量を減らし、食事の回数を増やす。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "チェックシートの回答の結果(体重の減少、飲み込みにくいと感じる(嚥下障害の自覚症状)、水を飲むときにむせる、食べるのが遅い、食べ残しがある)より、本患者は、嚥下障害があると考えられる。嚥下障害のある患者に対しては、誤嚥を防止する目的で、飲み物にとろみをつけたり、食事の1回量を減らし、食事の回数を増やすなど、食事に対して工夫する必要がある。"} +{"problem_id": "105344", "problem_text": "56歳男性。下記の処方薬を使用中であるが、市販の胃薬を購入するために来局した。患者は普段から胃が弱いことを訴えており、過日より親の介護でストレスを感じるようになったせいか、少しキリキリと胃の痛みを感じることがあるとのことであった。表の成分を含む医薬品のうち、推奨するものとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "本患者は、ピロカルピン塩酸塩点眼液を使用していることから「緑内障」であると推察される。緑内障患者に抗コリン作用を示すものを使用することはできないため、ロートエキスを含む選択肢1、ブチルスコポラミン臭化物を含む選択肢3を使用することはできない。また、少しキリキリと胃の痛みを感じていることから、緩下剤、整腸剤を含む選択肢2、解熱鎮痛薬を含む選択肢5は不適切であると考えられる。なお、選択肢4は「大正漢方胃腸薬」であり、胃のもたれ、胃部不快感、胃炎、げっぷ、食欲不振、腹部膨満感、胸つかえ、胸焼け、胃酸過多、腹痛、はきけ(むかつき、悪心)に効果があり、緑内障患者にも用いることができる。"} +{"problem_id": "105345", "problem_text": "学校薬剤師が中学校の生徒を対象に医薬品の適切な使い方に関する授業を行っている。以下の図を用いて説明できる内容はどれか。2つ選べ。", "choices": ["このお薬は1日3回朝昼夕に飲むと効果が得られます。", "1日3回朝昼夕に飲んでも中毒が出ることがあります。", "飲み忘れた場合、気づいたときに飲めば問題ありません。", "飲み忘れた分を合わせて次回に2回分飲むと中毒が出るので危険です。", "飲み忘れた分は飲まずに、次回に1回分だけ飲めば十分な効果が得られます。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "設問の図より、1日3回朝昼夕に服用した場合、薬の血中濃度が効果が出る濃度の範囲内に収まると読み取れるため、「このお薬は1日3回朝昼夕に飲むと効果が得られます(選択肢1)」と説明することは適切である。また、昼に飲み忘れ、夕に2回分服用した場合、薬の血中濃度が中毒が出る濃度の範囲になると読み取れるため、「飲み忘れた分を合わせて次回に2回分飲むと中毒が出るので危険です(選択肢4)」と説明することは適切である。"} +{"problem_id": "106001", "problem_text": "日本薬局方一般試験法において、次の装置が用いられる試験法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["融点測定法", "沸点測定法及び蒸留試験法", "凝固点測定法", "屈折率測定法", "比重及び密度測定法"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "設問の図は、丸底フラスコに温度計、リービッヒ冷却器が接続されていることから、沸点測定法、蒸留試験法に用いられる装置である"} +{"problem_id": "106002", "problem_text": "単位に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["1mは1\\times 10^{8} nmである。", "1kgは1\\times 10^{6} ngである。", "1 mg/kg は 10 ppmである。", "1%は1\\times 10^{4} ppmである。", "1 nmol/100 mL は1\\times 10^{3} pmol/Lである。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤1\\times 10^{8}nm=1\\times 10^{8}\\times 10^{-9}m=1\\times 10^{-1}m\n2:誤1 kg=1\\times 10^{3}g、1\\times 10^{6}ng=1\\times 10^{6}\\times 10^{-9}g=1\\times 10^{-3}g\n3:誤1 mg/kg=1\\times 10^{-3}g/1\\times 10^{3}g=1\\times 10^{-6}=1 ppm\n4:正1%=1\\times 10^{-2}、1\\times 10^{4}\\times 10^{-6}=1\\times 10^{-2}\n5:誤1 nmol/100 mL=1\\times 10^{-9}mol/100\\times 10^{-3}L=1\\times 10^{-8} mol/L1\\times 10^{3}pmol/L=1\\times 10^{3}\\times 10^{-12}mol/L=1\\times 10^{-9} mol/L"} +{"problem_id": "106003", "problem_text": "医薬品の分析法バリデーションにおいて、試料中に共存すると考えられる物質の存在下で、分析対象物を正確に測定する能力を示すパラメーターはどれか。1つ選べ。", "choices": ["検出限界", "真度", "精度", "直線性", "特異性"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "分析能パラメーター\n詳細\n真度\n分析法で得られる測定値の偏りの程度のことであり、真の値と測定値の総平均との差で表される。精度\n複数の試料を繰返し分析して得られる一連の測定値が、互いに一致する程度(ばらつきの程度)のことである。特異性(選択性)\n試料中に共存すると考えられる物質の存在下で、分析対象物を正確に測定する能力のことで、分析法の識別能力を表す。検出限界\n試料に含まれる分析対象物の検出可能な最低の量もしくは濃度のことである。検出限界と定量限界は必ずしも一致しないため、検出限界で定量できるとは限らない。定量限界\n試料に含まれる分析対象物の定量が可能な(一定の精度で測定できる)最低の量もしくは濃度のことである。直線性\n分析対象物の量または濃度に対して直線関係にある測定値を与える分析法の能力のことである。範囲\n適切な真度および精度を与える、分析対象物の下限および上限の量または濃度に挟まれた領域のことである。"} +{"problem_id": "106004", "problem_text": "塩化水素(気体)の H 原子と Cl 原子の間の結合として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["共有結合", "イオン結合", "水素結合", "金属結合", "疎水結合"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "塩化水素(気体)は、水素原子(H)と塩素原子(Cl)が電子対を共有して共有結合を形成する"} +{"problem_id": "106005", "problem_text": "イオン間にはたらくクーロン力の特徴として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["媒質の比誘電率に反比例する。", "イオン間の距離に反比例する。", "イオンのもつ電荷の大きさに比例する。", "同じ符号の電荷をもつイオン間では斥力となる。", "真空中で最も強くなる。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "イオン間にはたらくクーロン力Fは下記の式で表される\n(Q、Q': 電荷、\\epsilon : 媒質の誘電率、r: 2つのイオン間の距離)\n上記の式より、イオン間にはたらくクーロン力はイオン間の距離の2乗に反比例する\n真空中では、他の媒質に比べ誘電率が低くなるため、イオン間にはたらくクーロン力は最も強くなる"} +{"problem_id": "106006", "problem_text": "第二級アミンはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "106007", "problem_text": "求核剤に対する反応性が最も高いカルボニル化合物はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "酢酸誘導体には、カルボキシ基中のヒドロキシ基(-OH)部分を他の構造に置換した酸塩化物(構造4)、酸無水物(構造2)、エステル(構造5)、アミドがある。これらの4つの酸誘導体の求核反応に対する相対的な反応性は、酸塩化物>酸無水物>エステル>アミドの順に小さくなる。アルデヒド(構造1)、ケトン(構造3)は、電子的要因及び立体的要因からアルデヒド>ケトンの順となる。"} +{"problem_id": "106008", "problem_text": "日本薬局方酒石酸(A)及びその鏡像異性体Bに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。なお、Aの水溶液(1\\rightarrow 10)の右旋性である。", "choices": ["Aは(+)-酒石酸である。", "AとBの融点は同じである。", "AとBの等量混合物はラセミ体である。", "AとBの比旋光度の絶対値は同じである。", "A及びB以外に立体異性体が2つ存在する。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n右旋性を示すものは、化合物名の前に「(+)-」を付けて表すことができる。2:正しい\n鏡像異性体の関係にある化合物をエナンチオマーという。エナンチオマーの関係にある化合物の融点、沸点、溶解度は等しい。3:正しい\nラセミ体は、エナンチオマーの関係にある化合物の等量混合物である。4:正しい\nエナンチオマーの関係にある化合物の比旋光度の絶対値は等しい。5:誤っている\n酒石酸は2つのキラル炭素を有しており、(2R、3R)体、(2S、3S)体とメソ化合物である(2R、3S)体の3つの異性体が存在する。"} +{"problem_id": "106009", "problem_text": "エステルの加水分解の反応機構における電子対の動きを表す矢印のうち、塩基の動きを示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ア", "イ", "ウ", "エ", "オ"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "106010", "problem_text": "カンゾウに含まれ、偽アルドステロン症の原因となる成分はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nジゴキシンの構造\n2:正\n3:誤\nゲニポシドの構造\n4:誤\nバイカリンの構造\n5:誤\nセンノシドAの構造"} +{"problem_id": "106011", "problem_text": "ヒトの胃及びその周辺の模式図において、幽門はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1: 噴門:2: 胃底部:3: 胃体部:4: 幽門:5: 十二指腸"} +{"problem_id": "106012", "problem_text": "副腎皮質の束状層から分泌されるホルモンはどれか。1つ選べ。", "choices": ["コルチゾール", "アルドステロン", "テストステロン", "ノルアドレナリン", "アドレナリン"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "106013", "problem_text": "タンパク質で作られた線維性の構造物の上皮細胞内外の分布を図で示した。矢印で示された構造が微小管である図はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nアクチンフィラメントの構造\n2:正\n微小管の構造\n3:誤\n中間径フィラメントの構造\n4:誤\n細胞外マトリックスの構造\n5:誤\nアクチンフィラメントの構造"} +{"problem_id": "106014", "problem_text": "Michaelis-Mentenの速度論に従う酵素について、至適温度における基質濃度[S]と反応初速度vの関係、及び、この酵素のミカエリス定数Kmと最大反応速度Vmaxを示したグラフとして正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "106015", "problem_text": "真菌に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["原核生物である。", "芽胞を形成する。", "細胞壁の主成分はセルロースである。", "コレステロールを合成する。", "80Sリボソームを有する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n真菌は真核生物に分類される。2:誤\n真菌は芽胞を形成しない。3:誤\n真菌細胞壁の主成分は、\\beta -1,3-D-グルカン、キチンなどである。4:誤\n真菌はエルゴステロールを合成する。5:正"} +{"problem_id": "106016", "problem_text": "世界保健機関(WHO)が推奨している健康指標はどれか。1つ選べ。", "choices": ["出生率", "年齢調整死亡率", "有病率", "平均寿命", "PMI(50 歳以上死亡割合)"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "人口統計が不明確な発展途上国でも国際間の健康水準を比較できるように、世界保健機関(WHO)では総合健康指標として、粗死���率、1歳平均余命、PMI(50歳以上死亡割合)の3項目を推奨している"} +{"problem_id": "106017", "problem_text": "医薬品の有効性・安全性に関する以下の疫学研究のうち、エビデンスレベルが最も高いはどれか。1つ選べ。", "choices": ["無作為化比較試験", "横断的研究", "症例対照研究", "コホート研究", "症例報告"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "エビデンスレベル: 研究方法について科学的確からしさに基づいて分類・格付けしたもの\nI システマティックレビュー/ランダム化比較試験のメタアナリシス\nII 一つ以上のランダム化比較試験\nIII 非ランダム化比較試験\nIVa 分析疫学的研究(コホート研究)\nIVb 分析疫学的研究(ケースコントロール研究、横断研究)\nV 記述的研究(症例報告、症例集積)\nVI 患者データに基づかない、専門委員会や専門家個人の意見\n無作為化比較試験=ランダム化比較試験"} +{"problem_id": "106018", "problem_text": "ヘリコバクター・ピロリ感染との関連性が最も高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["肺がん", "肝がん", "胃がん", "大腸がん", "子宮がん"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ヘリコバクター・ピロリ菌の陽性者では、胃がんのリスクが5倍に高まる。"} +{"problem_id": "106019", "problem_text": "新生児マススクリーニング対象疾患のうち、年間の発見数が最も多いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ホモシスチン尿症", "フェニルケトン尿症", "メープルシロップ尿症", "クレチン症", "ガラクトース血症"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "新生児マススクリーニング対象疾患の発見数\nクレチン症>フェニルケトン尿症>ガラクトース血症>メープルシロップ尿症>ホモシスチン尿症"} +{"problem_id": "106020", "problem_text": "日本人の平均摂取量が、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」における「目標量」よりも多いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["炭水化物", "飽和脂肪酸", "コレステロール", "カリウム", "食物繊維"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "生活習慣病の予防を目的として、特定の集団において、その疾患のリスクや、その代理指標となる生体指標の値が低くなると考えられる栄養状態が達成できる量として算定し、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量として「目標量」が設定されている\n望ましいと考えられる摂取量よりも現在の日本人の摂取量が多いもの\n飽和脂肪酸、ナトリウム(食塩当量)\n望ましいと考えられる摂取量よりも現在の日本人の摂取量が少ないもの\n食物繊維、カリウム"} +{"problem_id": "106021", "problem_text": "大腸がんのプロモーターはどれか。1つ選べ。", "choices": ["12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセテート(TPA)", "食塩", "デオキシコール酸", "フェノバルビタール", "2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセテート(TPA)は、皮膚がんの発がんプロモーターである。2:誤\n食塩は胃がんの発がんプロモーターである。3:正\n4:誤\nフェノバルビタールは、肝臓がんの発がんプロモーターである。5:誤\n2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシンは、肝臓・肺・皮膚がんの発がんプロモーターであるとされている。"} +{"problem_id": "106022", "problem_text": "代謝物が、主としてメトヘモグロビン血症を引き起こすのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["パラコート", "ベンゼン", "四塩化炭素", "アニリン", "n-ヘキサン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "アニリンは、シトクロムP450によりN-水酸化を受けフェニルヒドロキシルアミンとなり、メトヘモグロビン血症を引き起こす\n1:誤\nパラコートは、生体内で酸化・還元酵素系により、1電子還元を受けラジカルを生成し、受け取った電子を酸素に渡してスーパーオキシドアニオンを生成することで肺障害を引き起こす\n2:誤\nベンゼンは、シトクロムP450により エポキシド(エポキシ体)となり、白血病や再生不良性貧血を引き起こす\n3:誤\n四塩化炭素は、シトクロムP450により還元的脱ハロゲンによりトリクロロメチルラジカルとなり、肝障害を引き起こす\n4:正\n5:誤\nn-ヘキサンは、神経障害を引き起こす"} +{"problem_id": "106023", "problem_text": "オゾン層の破壊作用を有する温室効果ガスはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メタン", "六フッ化硫黄", "��ーフルオロカーボン", "ハイドロクロロフルオロカーボン", "ハイドロフルオロカーボン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢1〜5の物質は、赤外線を吸収するため、大気中の濃度が増加すると地球温暖化の原因となる。また、ハイドロクロロフルオロカーボンは、分子内に塩素を含み、分解により生じた塩素ラジカルがオゾン層を破壊する。"} +{"problem_id": "106024", "problem_text": "水道水の塩素消毒において、殺菌力が最も強いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["HClO", "ClO^{-}", "Cl^{-}", "NH_{2}Cl", "NHCl_{2}"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "水道水を塩素消毒すると、残留塩素が生成する\n残留塩素にはHClO、ClO^{-}、クロラミン(NH_{2}Cl 、NHCl_{2})があり、その殺菌作用の強さはHClO>ClO^{-}>クロラミンの順である。"} +{"problem_id": "106025", "problem_text": "指定感染症^{*}の治療・検査時に使用された医療用マスクを滅菌せずに廃棄する際の分類として、適切なのはどれか。1つ選べ。*感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律において規定", "choices": ["産業廃棄物", "事業系一般廃棄物", "感染性一般廃棄物", "特別管理産業廃棄物", "感染性産業廃棄物"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "廃棄物を分類するにあたり、①、②について確認する必要がある\n① 一般廃棄物か産業廃棄物か\n② 感染性の有無\nマスクは一般廃棄物であり、滅菌していない場合、感染性を有するため、指定感染症の治療・検査時に使用された滅菌していない医療用マスクは、感染性一般廃棄物に該当する"} +{"problem_id": "106026", "problem_text": "ある受容体の完全刺激薬である化合物Aに化学修飾を加え、受容体への親和性がより高い化合物Bを得た。化合物Aの摘出腸管標本における収縮の濃度-反応曲線がa(破線)であるとき、化合物Bの濃度-反応曲線b(実線)が正しく示されている図はどれか。1つ選べ。ただし、化学修飾により受容体への選択性や内活性には変化がなかったものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "【問題から読み取れる情報】\n化合物Aは完全刺激薬: 化合物Aの内活性は1(高濃度で反応率が100%)\n受容体の親和性がより高い化合物Bを得た: 化合物Bは化合物Aよりも少量で効果を示す\n受容体への選択性や内活性には変化がなかった: 化合物Bの内活性も1(高濃度で反応率が100%)\n上記より、薬物Bは薬物Aよりも少量で反応を示し、薬物Bの内活性は1となる"} +{"problem_id": "106027", "problem_text": "ラベタロールが反射性頻脈の発生を抑える機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断", "アドレナリン\\beta _{1}受容体遮断", "アドレナリン\\beta _{2}受容体遮断", "アドレナリン\\alpha _{2}受容体刺激", "アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "反射性頻脈: 血管拡張により急激に血圧が低下すると圧受容器反射に伴う交感神経が亢進(心機能が亢進)し、頻脈を誘発することがある。ラベタロールは\\alpha \\beta 受容体遮断薬であり、\\alpha 受容体遮断作用により血管を拡張させるとともに\\beta _{1}受容体遮断作用により心機能を抑制し、血圧を低下させる。また、ラベタロールは、\\beta _{1}受容体遮断作用により心機能を抑制し、反射性頻脈の発生を抑制することが可能である。"} +{"problem_id": "106028", "problem_text": "運動神経終末からのアセチルコリンの遊離を非可逆的に阻害して骨格筋弛緩作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ロクロニウム", "スキサメトニウム", "ダントロレン", "A 型ボツリヌス毒素", "チザニジン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nロクロニウムは、神経筋接合部のN_{M}受容体へのアセチルコリンの結合を競合的に遮断することにより筋弛緩作用を示す\n2:誤\nスキサメトニウムは、終板のN_{M}受容体を刺激し、持続的な脱分極を誘発することで筋弛緩作用を示す\n3:誤\nダントロレンは、横行小管(T管)から筋小胞体への興奮伝達を抑制し、筋小胞体からのCa^{2+}の遊離を抑制することにより筋弛緩作用を示す\n4:正\n5:誤\nチザニジンは、中枢性\\alpha _{2}受容体刺激作用により筋弛緩作用を示す"} +{"problem_id": "106029", "problem_text": "中枢神経でオピオイド\\micro受容体を遮断して、モルヒネが引き起こす呼吸抑制を改善するのはどれか���1つ選べ。", "choices": ["ドキサプラム", "ナルデメジン", "ナロキソン", "ナルフラフィン", "フルマゼニル"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nドキサプラムは、頸動脈小体及び大動脈小体の化学受容器を刺激し、反射的に呼吸興奮を起こす\n2:誤\nナルデメジンは、末梢で\\microオピオイド受容体にアンタゴニストとして作用し、オピオイド鎮痛薬による便秘を改善する\n3:正\n4:誤\nナルフラフィンは、選択的\\kappa 受容体作動薬であり、ヒスタミン、サブスタンスP、モルヒネに対する痒みに対して止痒作用を示す\n5:誤\nフルマゼニルは、ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬であり、ベンゾジアゼピン系薬の解毒に用いられる"} +{"problem_id": "106030", "problem_text": "レボドパ含有製剤で治療中のパーキンソン病における wearing-off 現象を改善させるアデノシン A_{2A}受容体遮断薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アポモルヒネ", "アマンタジン", "ブロモクリプチン", "イストラデフィリン", "ロチゴチン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "イストラデフィリンはA_{2A}受容体遮断薬であり、線条体と淡蒼球においてA_{2A}受容体を遮断し、GABA作動性神経の過剰興奮を抑制する。その結果、レポドパ含有製剤で治療中のパーキンソン病における wearing-off 現象を改善する。1:誤\nアポモルヒネは、非麦角アルカロイド誘導体のドパミン受容体作動薬であり、線条体においてドパミン受容体を刺激し、パーキンソン病における運動機能障害に対して改善効果を示す。2:誤\nアマンタジンは、ドパミン遊離促進作用、ドパミン再取り込み抑制作用及びドパミン合成促進作用などにより抗パーキンソン病作用を示す。3:誤プロモクリプチンは、麦角アルカロイド誘導体のD_{2}受容体刺激薬であり、中枢でD_{2}受容体を直接刺激し、抗パーキンソン病作用を示す。4:正\n5:誤ロチゴチンは、非麦角アルカロイド誘導体のドパミン受容体刺激薬であり、D_{2}受容体を刺激し、抗パーキンソン病作用を示す。"} +{"problem_id": "106031", "problem_text": "シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)と比較して COX-2に対する選択性が高く、胃腸障害が少ない非ステロイド性抗炎症薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["エトドラク", "ジクロフェナク", "ロキソプロフェン", "スリンダク", "オキサプロジン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "●シクロオキシゲナーゼのアイソザイム(COX-1、COX-2)\nCOXにはCOX-1とCOX-2というアイソザイムがあり、COX-1は全身組織に分布し、COX-2は主に炎症部位に発現する\nCOX-1を阻害すると胃腸障害、腎障害、出血傾向が現れ、COX-2を阻害すると抗炎症作用、鎮痛作用が現れる\n選択的にCOX-2を阻害する薬(エトドラク、メロキシカム、セレコキシブなど)は、非選択的COX阻害薬に比べ、胃腸障害、腎障害、出血傾向が現れにくい"} +{"problem_id": "106032", "problem_text": "カルシトリオールのカルシウム代謝調節作用に関わる機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["カルシトニン受容体の刺激", "副甲状腺ホルモンの分泌の促進", "腎臓におけるカルシウム再吸収の抑制", "腸管からのカルシウム吸収の促進", "オステオカルシンのカルボキシ化の抑制"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "カルシトリオールは、活性型ビタミンD_{3}製剤であり、腸管からのCa^{2+}の吸収を促進し、副甲状腺ホルモン(パラトルモン)の合成・分泌を抑制する"} +{"problem_id": "106033", "problem_text": "ニトログリセリンの抗狭心症作用に関わる機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アデニル酸シクラーゼの活性化", "膜結合型グアニル酸シクラーゼの阻害", "可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化", "ホスホジエステラーゼIIIの阻害", "ホスホジエステラーゼVの活性化"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ニトログリセリンは、体内で一酸化窒素(NO)を遊離し、血管平滑筋の可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化することでGTPからcGMPの生成を増大させ、血管拡張作用を示す"} +{"problem_id": "106034", "problem_text": "妊娠末期の子宮平滑筋を収縮させる脳下垂体後葉ホルモン薬はどれか。1つ選 べ。", "choices": ["オキシトシン", "エルゴメトリン", "エストラジオール", "ジノプロストン", "プロゲステロン"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "下垂体後葉ホルモンには、オキシトシンとバソプレシンがある"} +{"problem_id": "106035", "problem_text": "ラフチジンの胃酸分泌抑制作用に関わる機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["H^{+}, K^{+}︲ATPase 阻害", "ヒスタミン H_{2}受容体遮断", "アセチルコリン M_{1}受容体遮断", "プロスタノイド EP 受容体遮断", "ガストリン遊離抑制"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ラフチジンは胃壁細胞の基底膜にあるヒスタミンH_{2}受容体を遮断し、ヒスタミンによる胃酸分泌を抑制する。"} +{"problem_id": "106036", "problem_text": "アプレピタントの制吐作用に関わる作用点はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヒスタミンH_{1}受容体", "ドパミンD_{2}受容体", "タキキニンNK_{1}受容体", "セロトニン5-HT_{3}受容体", "オピオイド\\micro受容体"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "アプレピタントは嘔吐中枢(VC)、化学受容器引金帯(CTZ)のタキキニンNK_{1}受容体を選択的に遮断し、VCへの刺激を抑制することで制吐作用を示す。"} +{"problem_id": "106037", "problem_text": "血清コレステロール低下作用と抗酸化作用を介して抗動脈硬化作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ロミタピド", "コレスチラミン", "クロフィブラート", "エゼチミブ", "プロブコール"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nロミタピド は、小胞体内腔に存在するミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)に直接結合して脂質転送を阻害し、肝臓細胞及び小腸細胞内においてトリグリセリドとリポタンパク質の会合を阻害する\n2:誤\nコレスチラミンは、腸管内で胆汁酸と結合し、コレステロールを体外に排泄する\n3:誤\nクロフィブラートは ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体\\alpha (PPAR\\alpha )に結合し、リポ蛋白リパーゼを活性化することによりトリグリセリドの分解を促進する\n4:誤\nエゼチミブ は、小腸壁のコレステロールトランスポーターであるNPC1L1に結合し、コレステロールの吸収を阻害する\n5:正"} +{"problem_id": "106038", "problem_text": "眼房水の産生抑制により眼圧を下げる炭酸脱水酵素阻害薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ピロカルピン", "ブナゾシン", "ビマトプロスト", "リパスジル", "ドルゾラミド"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nピロカルピンは、瞳孔括約筋のM_{3}受容体を刺激し、ピロカルピンは、瞳孔括約筋のM_{3}受容体を刺激し、毛様体筋を収縮させることにより線維柱帯が広がり、房水流出が促進され、眼圧を降下する。2:誤\nブナゾシンは、\\alpha _{1}受容体を遮断し、ぶどう膜強膜流出路からの房水の排出を促進する。3:誤\nビマトプロストは、プロスタマイド受容体を刺激し、ぶどう膜強膜からの房水流出を促進する。4:誤\nリパスジルは、RhoキナーゼのアイソフォームであるヒトROCK-1,ROCK-2を選択的に阻害し、線維柱帯細胞の細胞骨格や細胞外マトリクスの構造を変化させ房水流出抵抗を低下させる。5:正"} +{"problem_id": "106039", "problem_text": "ラムシルマブの抗悪性腫瘍作用に関わる標的分子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["EGFR(上皮増殖因子受容体)", "HER2 (ヒト上皮増殖因子受容体2型)", "mTOR(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質)", "VEGF(血管内皮増殖因子)", "VEGFR-2(血管内皮増殖因子受容体2型)"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "ラムシルマブは抗VEGFR抗体薬であり、VEGFR-2に結合し、VEGF-A、VEGF-C、VEGF-DのVEGFR-2への結合を阻害することで、血管新生を抑制する\n本剤は、治癒切除不能な進行・再発の胃がん、結腸・直腸がん、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに用いられる"} +{"problem_id": "106040", "problem_text": "以下の直接型コリン作動薬のうち、コリンエステラーゼにより最も加水分解されやすいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、コリンエステラーゼにより最も加水分解されやすいのは、選択肢4(アセチルコリン)である。アセチルコリンのアセチル基をカルバモイル基に置換すると、コリンエステラーゼにより分解されにくくなることから、アセチル基をカルバモイル基に置換した選択肢1(カルバコール)、選択肢2(ベタネコール)はコリンエステラーゼにより分解されにくい。また、選択肢3(カルプロニウム)、選択肢5(ピロカルピン)は、コリンエステラーゼに抵抗性を示す。"} +{"problem_id": "106041", "problem_text": "単純拡散による薬物の細胞膜透過に関する記述のうち、正しいのはどれか。1 つ選べ。", "choices": ["濃度勾配に従う。", "透過速度は Michaelis-Menten式で表される。", "トランスポーターを介する。", "ATPの加水分解エネルギーを利用する。", "タンパク質の細胞内取り込みに関与する。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "単純拡散(受動拡散)は物質の基本的な膜透過形式であり、下記に示す特徴を有する。・濃度勾配(電気化学ポテンシャルの差)に従う\n・透過速度は、フィックの拡散速度式に従う\n・トランスポーターを介さない\n・ATPの加水分解エネルギーを利用しない\n・飽和や他の物質との競合現象が認められず、常に一定の膜透過性を示す"} +{"problem_id": "106042", "problem_text": "以下の剤形のうち、薬物の肝初回通過効果を回避するのに最も適しているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["経口徐放錠", "口腔内崩壊錠", "腸溶錠", "経口ゼリー剤", "坐剤"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "小腸から吸収された薬物は、肝臓を経て循環血に移行するため、肝初回通過効果を受ける。経口徐放剤、口腔内崩壊錠、腸溶錠、経口ゼリーに含まれる薬物は、小腸から吸収されるため、肝初回通過効果を受ける。一方、坐剤に含まれる薬物は、ほとんどが直腸下部から吸収されるため、肝初回通過効果を受けにくい(肝初回通過効果を回避することが可能である)。"} +{"problem_id": "106043", "problem_text": "薬物が血漿と組織に分布するとき、分布容積を表す式はどれか。1つ選べ。ただし、血漿容積を V_{p}、組織容積を V_{t}、薬物の血漿中濃度を C_{p}、薬物の組織中濃度 を C_{t}とする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "薬物が血漿と組織のみに分布する場合、体内薬物量(X)は血漿中薬物量(X_{p})と組織中薬物(X_{t})の総和となる。X=X_{p}+X_{t}\nまた、薬物量は濃度と分布容積の積より求めることができるため、血漿中薬物量(X_{p})と組織中薬物量(X_{t})は下記の式で表される。X_{p}=血漿中濃度(C_{p})\\times 血漿容積(V_{p})\nX_{t}=組織中濃度(C_{t})\\times 組織容積(V_{t})\nそのため、体内薬物量(X)は、X=X_{p}+X_{t}=C_{p}・V_{p}+C_{t}・V_{t}となる。このことから、分布容積(V_{d})は、下記の式で表すことができる。"} +{"problem_id": "106044", "problem_text": "チザニジンの代謝を阻害するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エスシタロプラム", "セルトラリン", "パロキセチン", "フルボキサミン", "ミルナシプラン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "チザニジンは、CYP1A2で代謝されるため、CYP1A2の活性に影響を与えるフルボキサミン、シプロフロキサシンとの併用により血中濃度が上昇することがある。"} +{"problem_id": "106045", "problem_text": "腸肝循環するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルベカシン", "イソニアジド", "エナラプリル", "オセルタミビル", "モルヒネ"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "腸肝循環しやすい代表的な薬剤として、インドメタシン、クロラムフェニコール、モルヒネ、ジゴキシン、ジクロフェナク、フェニトイン、スピロノラクトン、バルプロ酸、ワルファリン、エストロゲン、レフルノミド、ミコフェノール酸などがある。"} +{"problem_id": "106046", "problem_text": "体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う薬物について、投与量に比例して変化するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["最高血中濃度到達時間", "消失速度", "消失速度定数", "消失半減期", "全身クリアランス"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "「消失速度=消失速度定数\\times 体内薬物量」が成立する。投与量が増加すると体内薬物量も増加するため、投与量に比例して消失速度が変化する。"} +{"problem_id": "106047", "problem_text": "全身クリアランスが40 L/hである薬物を点滴静注し、定常状態における血中濃度を0.50 mg/L にしたい。適切な投与速度(mg/h)はどれか。1つ選べ。", "choices": ["13", "20", "40", "50", "80"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "点滴静注では、定常状態において「投与速度=全身クリアランス\\times 定常状態における血中濃度」が成立する。全身クリアランスが40 L/hである薬物を点滴静注し、定常状態における血中濃度を0.50 mg/Lするための投与速度は下記のように求めることができる。投与速度=40 L/h\\times 0.50 mg/L=20 mg/h"} +{"problem_id": "106048", "problem_text": "ある薬物の体内動態に線形性が成り立つとき、静脈内投与後の平均滞留時間が4.0h、経口投与後の平均滞留時間が6.0 h であった。平均吸収時間(h)はどれか。1つ選べ。", "choices": ["0.67", "1.5", "2.0", "10", "24"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "平均吸収時間を下記の式より求めることができる\n平均吸収時間=経口投与後の平均滞留時間-静脈内投与後の平均滞留時間\n上記の式に問題文の条件を当てはめると、平均滞留時間=6.0-4.0=2.0 h\nとなる"} +{"problem_id": "106049", "problem_text": "図の構造をもつ経口固形製剤が示すと考えられる、水中での水溶性薬物の放出パターンはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "疎水性の基剤(エチルセルロースなど)を用いた場合、薬物の放出はマトリックス中の薬物の拡散による影響を受ける。また、疎水性基剤を用いたマトリックス型製剤では、薬物放出後もマトリックスの形態が変化しないことから時間の経過に伴って、放出境界面が製剤内部に移行し、薬物の拡散距離が長くなる。そのため、疎水性基剤を用いたマトリックス型製剤では、時間と共に放出速度は低下する。"} +{"problem_id": "106050", "problem_text": "図はある高分子溶液の濃度と還元粘度の関係を示している。この溶液の極限粘度(\\times 10^{-6}mL/g)に最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["1.0", "1.5", "2.0", "2.5", "3.0"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "縦軸に還元粘度、横軸に濃度をプロットし、濃度0に対して外挿すると、縦軸切片より極限粘度を得ることができる。よって、設問の図よりこの溶液の極限粘度は、1.0\\times 10^{-6}mL/gとなる。"} +{"problem_id": "106051", "problem_text": "一定温度において、ある固体表面に水が薄膜状に拡がり、拡張ぬれが成立するときの固液界面張力(mN/m)はどれか。1つ選べ。なお、固体の表面張力は 585 mN/m、水の表面張力は73 mN/m とする。", "choices": ["73", "439", "512", "585", "658"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "固体の表面張力\\gamma _{S}、固体-液体の表面張力\\gamma _{SL}、液体の表面張力\\gamma _{L}の間には下記の式が成立する\n\\gamma _{S}=\\gamma _{SL}+\\gamma _{L}cosθ: ヤングの式\n拡張ぬれでは接触角θ=0°となるため、設問の条件における固液界面張力(mN/m)を下記のように求めることができる\n585=\\gamma _{SL}+73 cos0°=\\gamma _{SL}+73\n\\gamma _{SL}=512"} +{"problem_id": "106052", "problem_text": "図の化学構造を有し、懸濁化剤や結合剤として用いられる合成高分子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ポビドン", "ヒプロメロース", "メチルセルロース", "カルメロース", "アラビアゴム"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nポビドンは、1-ビニル-2-ピロリドンから成る合成高分子であり、主に懸濁化剤、結合剤として用いられる。2:誤\nヒプロメロースは、セルロースのヒドロキシ基にメチル基及び2-ヒドロキシプロピル基を導入したエーテルであり、主に懸濁化剤や結合剤、増粘剤として用いられる。3:誤\nメチルセルロースは、セルロースのヒドロキシ基にメチル基を導入したエーテルであり、主に懸濁化剤や結合剤、増粘剤として用いられる。4:誤\nカルメロースは、セルロースのヒドロキシ基にカルボキシメチル基を導入したエーテルであり、主に崩壊剤として用いられる。5:誤\nアラビアゴムは、主成分としてアラビノガラクタンを含む天然高分子であり、主に乳化剤、結合剤として用いられる。"} +{"problem_id": "106053", "problem_text": "皮膚に適用する製剤のうち、水中油型又は油中水型に乳化した半固形の製剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["軟膏剤", "クリーム剤", "ゲル剤", "ローション剤", "リニメント剤"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n軟膏剤は、皮膚に塗布する、有効成分を基剤に溶解又は分散させた半固形の製剤である。2:正\nクリーム剤は、皮膚に塗布する、水中油型又は油中水型に乳化した半固形の製剤である。3:誤\nゲル剤は、皮膚に塗布するゲル状の製剤である。4:誤\nローション剤は、有効成分を水性の液に溶解又は乳化若しくは微細に分散させた外用液剤である。5:誤\nリニメント剤は、皮膚にすり込んで用いる液状又は泥状の外用液剤である。"} +{"problem_id": "106054", "problem_text": "図に示す���射剤の容器の名称はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アンプル", "カートリッジ", "ダブルバッグ", "プレフィルドシリンジ", "バイアル"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "図のように注射器の中にすでに薬剤が充填されているものをプレフィルドシリンジという。1:誤\nアンプルは、注射剤などの薬液を封入した、ガラス製、またはプラスチック製の容器である。2:誤\nカードリッジは、専用の注射器と組合せて用いる薬液を注入した容器である。3:誤\nダブルバッグは、注射剤溶液と溶解液などが分離した状態で充填されており、圧力を加えると混合、溶解可能な容器である。4:正\n5:誤\nバイアルは、ゴム栓及びアルミキャップを用いて封をしたガラス製またはプラスティック製の容器である。"} +{"problem_id": "106055", "problem_text": "図に示す受動的ターゲティングを利用した製剤はどれか。1つ選べ。", "choices": [" ドキシル^{®}注 20 mg(ドキソルビシン塩酸塩)", "パルクス^{®}注 5 \\micro g(アルプロスタジル)", "オンパットロ^{®}点滴静注 2mg/mL(パチシランナトリウム)", "アムビゾーム^{®}点滴静注用 50 mg(アムホテリシン B)", "リメタゾン^{®}静注2.5 mg(デキサメタゾンパルミチン酸エステル)"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:正ドキシル^{®}注 20 mgは、MPEG-DSPEで修飾された脂質二重層にドキソルビシン塩酸塩を封入したDDS製剤である。本剤は、MPEGの有する親水性により細網内皮系に異物として認識されにくい特徴を有し、血中循環時間の延長、腫瘍組織への選択的な滲出により抗腫瘍効果を発揮する。2:誤パルクス^{®}注 5 \\micro gは微細な脂肪乳剤粒子中にプロスタグランジンE_{1}を溶解したものであり、受動的ターゲッテイングを利用した製剤である。3:誤オンパットロ^{®}点滴静注 2mg/mLは、脂質ナノ粒子としてリン酸緩衝生理食塩水中に製剤化したものであり、トランスサイレチンタンパク質の主な産生場所である肝細胞へsiRNAの送達を可能にした製剤である。4:誤アムビゾーム^{®}点滴静注用 50 mgは、毒性軽減の目的から、アムホテリシンBをリポソームの脂質二分子膜中に封入した注射用凍結乾燥製剤である。5:誤リメタゾン^{®}静注2.5 mgは、デキサメタゾンパルミチン酸エステルをリピッドマイクロスフェアに封入した製剤である。"} +{"problem_id": "106056", "problem_text": "血中間接ビリルビン値が血中直接ビリルビン値に比べて優位に上昇する疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["肝硬変", "アルコール性肝障害", "溶血性貧血", "胆石症", "膵頭部がん"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ビリルビンは、ヘモグロビン内のヘムの最終代謝産物であり、ヘムが分解された直後に生じる間接ビリルビンと肝臓でグルクロン酸抱合を受け生じる直接ビリルビンがある。1:誤\n肝硬変では、肝内胆汁うっ滞を生じることなどにより血中直接ビリルビン値が優位に上昇する\n2:誤\nアルコール性肝障害では、肝内胆汁うっ滞を生じることなどにより血中直接ビリルビン値が優位に上昇する\n3:正\n溶血性貧血では、赤血球が破壊されることで血中間接ビリルビン値が優位に上昇する\n4:誤\n胆石症では、総胆管の閉鎖により血中直接ビリルビン値が優位に上昇する\n5:誤\n膵頭部がんでは、総胆管の閉鎖により血中直接ビリルビン値が優位に上昇する"} +{"problem_id": "106057", "problem_text": "肝臓のタンパク質合成能の指標となるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルカリホスファターゼ(ALP)", "コリンエステラーゼ(ChE)", "クレアチンキナーゼ(CK)", "\\gamma -グルタミルトランスペプチダーゼ(\\gamma -GTP)", "乳酸脱水素酵素(LDH)"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nアルカリホスファターゼ(ALP)は、肝臓、骨、腸などに多く含まれている酵素であり、閉塞性黄疸、胆管炎、甲状腺機能亢進症、骨腫瘍、薬剤性肝障害で高値を示す。2:正\nコリンエステラーゼ(ChE)は、肝臓で合成されるタンパク質であり、肝臓のタンパク質合成能の指標となる。3:誤\nクレアチンキナーゼ(CK)は、主に骨格筋、心筋、平滑筋などに含まれている酵素であり、筋肉障害により高値を示す。4:誤\n\\gamma -グルタミルトランスペプチダーゼ(\\gamma -GTP)は、肝・胆道系の閉塞、アルコール性肝障害で高値を示す。5:誤\n乳酸脱水素酵素(LDH)は、体内の各組織に広く分布している酵素であり、心疾患、肝疾患、悪性腫瘍などで高値を示す。"} +{"problem_id": "106058", "problem_text": "遅発性ジスキネジアの典型的な症状はどれか。1つ選べ。", "choices": ["高熱", "手指関節のこわばり", "無意識に口をもぐもぐさせる", "筋肉痛", "じっと座っていられない"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "遅発性ジスキネジアは、抗精神病薬などを長期間使用していると出現する症状であり、繰り返し唇をすぼめる、舌を左右に動かす、口をもぐもぐさせる、口を突き出す、歯をくいしばる、目を閉じるとなかなか開かずシワをよせている、勝手に手が動いてしまう、足が動いてしまって歩きにくい、手に力が入って抜けない、足が突っ張って歩きにくいなどの症状を呈する。"} +{"problem_id": "106059", "problem_text": "パーキンソン様症状はどれか。1つ選べ。", "choices": ["口渇", "立ちくらみ", "小刻み歩行", "体重増加", "勃起障害"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "パーキンソン症候群により現れる症状をパーキソニズム(パーキンソン様症状)という。パーキンソン様症状では、安静時振戦、筋強剛、無動•寡動(すくみ足など)、姿勢反射障害(小刻み歩行など)を呈する。"} +{"problem_id": "106060", "problem_text": "続発性副甲状腺機能低下症の治療に用いられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルファカルシドール", "エルカトニン", "チアマゾール", "ブロモクリプチン塩酸塩", "プレドニゾロン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "続発性副甲状腺機能低下症では、副甲状腺ホルモン(パラトルモン)の分泌が低下し、低カルシウム血症、高リン血症が認められる。続発性副甲状腺機能低下症(頸部の手術や放射線療法により副甲状腺の機能が低下)に対する治療では、低カルシウム血症を改善する目的で活性型ビタミンD_{3}製剤(アルファカルシドールなど)、カルシウム製剤(グルコン酸カルシウム水和物など)が用いられる。"} +{"problem_id": "106061", "problem_text": "白血病細胞の分化を誘導し、急性前骨髄球性白血病の寛解導入療法に用いられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イマチニブ", "シクロスポリン", "シクロホスファミド", "トレチノイン", "メトトレキサート"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "急性前骨髄球性白血病は、多くの場合15番染色体上のPMLと17番染色体上のRAR\\alpha が相互転座したPML-RAR\\alpha キメラ遺伝子形成により骨髄及び末梢血液において前骨髄球が腫瘍性に増殖する疾患である。急性前骨髄球性白血病の寛解導入法には、前骨髄球から分葉好中球への分化を誘導するトレチノインやタミバロテンが用いられる。"} +{"problem_id": "106062", "problem_text": "前立腺肥大症の治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アナストロゾール", "クロニジン塩酸塩", "クロルフェニラミンマレイン酸塩", "シルデナフィルクエン酸塩", "デュタステリド"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nアナストロゾールはアロマターゼ阻害薬であり、閉経後乳がんに用いられる。2:誤\nクロニジン塩酸塩は\\alpha _{2}受容体刺激薬であり、本態性高血圧、腎性高血圧に用いられる。3:誤\nクロルフェニラミンマレイン酸塩は抗ヒスタミン薬であり、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹に用いられる。なお、本剤は抗コリン作用を有しており、前立腺肥大症に伴う排尿障害を悪化させるため、前立腺肥大症の患者に投与禁忌である。4:誤\nシルデナフィルクエン酸塩はホスホジエステラーゼ5阻害薬であり、勃起不全や肺高血圧症に用いられる。5:正\nデュタステリドは非選択的に5\\alpha 還元酵素を阻害し、テストステロンからジヒドロテストステロンの生成を抑制することで前立腺肥大症を軽減する。"} +{"problem_id": "106063", "problem_text": "急性膵炎の診断に有用な血液検査値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルブミン濃度", "C 反応性タンパク(CRP)濃度", "乳酸脱水素酵素(LDH)活性", "尿素窒素(BUN)濃度", "リパーゼ活性"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "急性膵炎では、膵臓から分泌されるアミラーゼ、エステラーゼ、リパーゼの活性増加が認められる。そのため、急性膵炎の診断には、膵アミラーゼやリパーゼ活性の測定が有用である。"} +{"problem_id": "106064", "problem_text": "動揺病による���気の予防に用いられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物", "イソソルビド", "エチゾラム", "ジフェニドール塩酸塩", "ジメンヒドリナート"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "動揺病(乗り物酔い)とは、乗り物(自動車、飛行機、船など)に乗った際に起こる腹部不快感を伴う悪心、嘔吐、めまい、冷や汗、蒼白および関連症状を含む症候群である。動揺病による嘔気の予防には、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩・シプロフィリン配合剤が用いられる。"} +{"problem_id": "106065", "problem_text": "空気感染する病原体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["インフルエンザウイルス", "ヒト免疫不全ウイルス(HIV)", "ポリオウイルス", "風しんウイルス", "麻しんウイルス"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "空気感染(飛沫核感染)する代表的な病原体として、麻しんウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、結核菌がある。"} +{"problem_id": "106066", "problem_text": "帯状疱疹の治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ガンシクロビル", "ザナミビル水和物", "バラシクロビル塩酸塩", "ラルテグラビルカリウム", "リトナビル"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nガンシクロビル はDNAポリメラーゼ阻害薬であり、サイトメガロウイルス感染症の治療に用いられる。2:誤\nザナミビルはノイラミニダーゼ阻害薬であり、A型、B型インフルエンザウイルス感染症の治療に用いられる。3:正\nバラシクロビルはDNAポリメラーゼ阻害薬であり、単純疱疹、帯状疱疹の治療に用いられる。4:誤\nラルテグラビルカリウムはHIVインテグラーゼ阻害薬であり、HIV感染症の治療に用いられる。5:誤\nリトナビルはHIVプロテアーゼ阻害薬であり、HIV感染症の治療に用いられる。"} +{"problem_id": "106067", "problem_text": "乳がん発症の危険因子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["初経年齢が早い", "初産年齢が早い", "出産歴がある", "授乳歴がある", "閉経年齢が早い"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "エストロゲンの暴露期間が長くなる(初経年齢が早い、初産年齢が遅い、出産の経験が無いまたは少ない、閉経年齢が遅い)と乳がん発症のリスクが高くなる。"} +{"problem_id": "106068", "problem_text": "甘草の副作用として注意すべき電解質異常はどれか。1つ選べ。", "choices": ["低カルシウム血症", "低カリウム血症", "低ナトリウム血症", "低マグネシウム血症", "低リン血症"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "甘草の有効成分であるグリチルリチンは、偽アルドステロン症を誘発する。そのため、甘草の副作用として、低カリウム血症、高ナトリウム血症、高血圧、浮腫に注意する必要がある。"} +{"problem_id": "106069", "problem_text": "図中の「ア」に入る語句はどれか。1つ選べ。", "choices": [" COCHRANE LIBRARY", "DRUG SAFETY UPDATE", "INTERVIEW FORM", "PHYSICIANS' DESK REFERENCE", "RISK MANAGEMENT PLAN"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nCOCHRANE LIBRARY(コクランライブラリー)は、エビデンスが明らかな情報を臨床現場で活用することを目的とし、治療や予防に関する無作為化比較試験のシステマティックレビューなどを収載したもの。2:正\nDRUG SAFETY UPDATE (医薬品安全対策情報)は、医療用医薬品添付文書の「使用上の注意」の改訂情報を収載したものである。設問の図には「医薬品安全対策情報」と記載されていることから本資料はDRUG SAFETY UPDATEであると判断できる。3:誤\nINTERVIEW FORM(インタビューフォーム)は、医療用医薬品添付文書等の情報を補完し、薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要な医薬品の適正情報や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の裏づけとなる情報などが集約された総合的な医薬品解説書として、日本病院薬剤師会が記載要領を策定し、薬剤師等のために当該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼している学術資料である。4:誤\nPHYSICIANS' DESK REFERENCE は、医療用医薬品の添付文書が記載された医師が用いる参考書である。5:誤\nRISK MANAGEMENT PLAN(医薬品リスク管理計画)は、医薬品の開発から市販後まで一貫したリスク管理をひとつの文書にわかりやすくまとめたものであり、開発段階から安全対策を実施することで、製造販売後の医薬品の安全性の確保を図ることを目的として作成される。"} +{"problem_id": "106070", "problem_text": "パラメトリック法に分類される仮説検定法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["Mann-WhitneyのU 検定", "t 検定", "カイ二乗検定", "フィッシャーの直接確率検定", "ログランク検定"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "パラメトリック検定: 母集団の分布が正規分布に従うと仮定される場合に用いられる検定\n●パラメトリック検定手法\nt検定、分散分析など\nノンパラメトリック検定: 母集団の分布に仮定をおかない検定\n●ノンパラメトリック検定手法\nMann-WhitneyのU検定、カイ二乗検定、フィッシャーの直接確率検定、ログランク検定など"} +{"problem_id": "106071", "problem_text": "1981年に出されたリスボン宣言は何に関する宣言か。1つ選べ。", "choices": ["医師の専門職としての倫理", "ヘルスプロモーション", "ヒトを対象とする医学研究の倫理", "プライマリヘルスケア", "患者の権利"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "リスボン宣言には、医療における患者の権利が示されている。"} +{"problem_id": "106072", "problem_text": "薬剤師法第6条に定める薬剤師名簿の登録事項はどれか。1つ選べ。", "choices": ["現住所", "卒業大学名", "勤務先名", "認定薬剤師の資格", "登録年月日"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "106073", "problem_text": "以下の「::」に入る語句はどれか。1つ選べ。薬剤師法第23条 薬剤師は、医師、歯科医師又は獣医師の「:: 」によらなければ、販売又は授与の目的で調剤してはならない。", "choices": ["指示", "カルテ", "処方せん", "診断書", "診療方針"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "薬剤師法:第23条:\n「薬剤師は、医師、歯科医師又は獣医師の処方せんによらなければ調剤してはならない。」\n販売又は授与の目的で調剤する場合には、処方せんが必要である。"} +{"problem_id": "106074", "problem_text": "GCP省令において、「治験を行うことの適否」について、あらかじめ治験審査委員会の意見を聴かなければならないと定められているのは誰か。1つ選べ。", "choices": ["治験実施医療機関の長", "治験責任医師", "治験依頼者", "被験者の代表", "独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査役"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "GCP省令において、治験実施医療機関の長は、治験を行うことの適否について、あらかじめ治験審査委員会の意見を聴かなければならない。なお、治験審査委員会は、医療機関の長からの依頼により、治験実施計画書、治験薬概要書、説明文書等の資料に基づき治験の妥当性を審査する。"} +{"problem_id": "106075", "problem_text": "国内自給確保の基本理念が法律で規定されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ワクチン製剤", "血液製剤", "麻薬製剤", "漢方製剤", "抗生物質製剤"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律の基本理念として、「血液製剤は、国内自給が確保されることを基本とするとともに、安定的に供給させるようにしなければならない」と規定されている。"} +{"problem_id": "106076", "problem_text": "麻薬処方箋により調剤された麻薬を譲り渡すことを業とする者はどれか。1つ選べ。", "choices": ["麻薬製造業者", "麻薬卸売業者", "麻薬小売業者", "麻薬施用者", "麻薬管理者"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n麻薬製造業者は、麻薬の製造を業とする者である。2:誤\n麻薬卸売業者は、麻薬小売業者、麻薬診療施設の開設者又は麻薬研究施設の設置者に麻薬を譲り渡すことを業とする者である。3:正\n麻薬小売業者は、麻薬旋用者の麻薬を記載した処方箋により調剤された麻薬を譲り渡すことを業とする者である。4:誤\n麻薬施用者は、疾病の治療を目的で、業務上麻薬を旋用し、交付し、又は麻薬を記載した処方箋を交付する者である。5:誤\n麻薬管理者は、麻薬診療施設で旋用され、又は旋用のため交付される麻薬を業務上管理する者である。"} +{"problem_id": "106077", "problem_text": "患者が自らの治療のために、2週間程度の海外旅行に携帯する場合、地方厚生(支)局長の許可が必要となるのはどれか。1つ選べ。なお、地方厚生(支)局長は、厚生労働大臣から権限が委任されているものとする。", "choices": ["麻薬", "向精神薬", "あへん", "覚醒剤", "大麻"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n自己の疾病の治療の目的で麻薬を海外旅行に携帯する場合、厚生労働大臣(地方厚生(支)局長に委任)の許可が必要である。2:誤\n自己の疾病の治療の目的で向精神薬を海外旅行に携帯する場合、厚生労働大臣(地方厚生(支)局長に委任)の許可は不要である。3:誤\nあへんは、国の委託を受けた者を除き、何人も輸出、輸入をしてはならない。4:誤\n覚醒剤は、何人も輸出、輸入をしてはならない。5:誤\n大麻は、大麻研究者が厚生労働大臣の許可を受けた場合を除き、何人も輸出、輸入をしてはならない。"} +{"problem_id": "106078", "problem_text": "日本における社会保障制度に含まれないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["生活保護", "児童福祉", "年金", "感染症予防", "学校教育"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "社会保障制度とは、4つの柱(社会保険、社会福祉、公的扶助、保健医療・公衆衛生)により人々の生活を生涯にわたり支えていく仕組みことである。財源: 社会保険料、公費(租税)、その他\n法的根拠: 日本国憲法 第25条"} +{"problem_id": "106079", "problem_text": "保険薬局の調剤報酬に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬剤料は薬剤の納入価格で算定する。", "調剤基本料は、全ての保険薬局で同じ点数である。", "薬学管理料が含まれる。", "報酬の請求は厚生労働大臣に対して行う。", "薬局で自ら点数を定めて請求できる。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n薬剤料は、薬価基準を基にして使用した薬剤の総価格を算定する。2:誤\n調剤基本料は、保険薬局で異なり、薬局の処方箋受付回数、特定の保険医療機関からの処方箋受付回数による調剤の割合(集中率)、一定回数以上の処方受付を行っているグループ薬局、特定先との不動産賃貸借関係、妥結率、かかりつけ薬局機能等の要件により決定される。3:正\n調剤報酬は、調剤技術料、薬学管理料、薬剤料、特定保険医療材料料で構成される。4:誤\n報酬の請求は、医療保険の保険者に請求する。ただし、ほとんどの保険者は審査支払機関に業務を委託しており、実際には審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金又は国民健康保険団体連合会)に請求を行うことが多い。5:誤\n調剤報酬の算定方法は、「健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法」に規定され、その額については「調剤報酬点数表」に定められている。"} +{"problem_id": "106080", "problem_text": "法令で以下のとおり定義されているのはどれか。1つ選べ。「患者が継続して利用するために必要な機能及び個人の主体的な健康の保持増進への取組を積極的に支援する機能を有する薬局」", "choices": ["保険薬局", "薬剤師会会営薬局", "健康サポート薬局", "地域包括支援センター", "ドラッグストア"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則において、健康サポート薬局とは、「患者が継続して利用するために必要な機能及び個人の主体的な健康の保持増進への取組を積極的に支援する機能を有する薬局」と定義されている。"} +{"problem_id": "106081", "problem_text": "チーム医療における医療者同士の関係性として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["独立", "依存", "協働", "主従", "競合"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "チーム医療において、医療者同士(医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師、栄養士など)は、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供する必要がある。"} +{"problem_id": "106082", "problem_text": "以下のうち、病棟に常駐する薬剤師の行う業務として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["麻薬施用者としての院内の麻薬管理", "入院患者の点滴の交換", "人工呼吸器の操作や管理", "入院患者の薬物アレルギー歴の確認", "口腔がん摘除術を受けた患者に対する嚥下指導"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "病棟に常駐する薬剤師は、副作用、相互作用を回避するために、入院患者等と面談を行い、副作用歴、アレルギー歴、服用している薬剤について確認する。"} +{"problem_id": "106083", "problem_text": "DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)の説明として正しいのはど���か。1つ選べ。", "choices": ["生物学的製剤の投与を行わないこと。", "特定の疾患を有する患者を差別しないこと。", "患者の意向を無視して独善的な医療をしないこと。", "胎児の染色体異常の有無を知るための検査を行わないこと。", "終末期において本人あるいは代理人の同意を得て二次心肺蘇生措置を行わないこと。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)は、Resuscitation(蘇生)をDo Not Attempt(試みない)ことであり、「終末期において本人あるいは代理人の同意を得て二次心肺蘇生措置を行わないこと」を表す。"} +{"problem_id": "106084", "problem_text": "「 」に当てはまる適切な語句はどれか。1つ選べ。がんの宣告を受ける、交通事故に遭遇する、あるいは愛する人を失うと不安を抱き混乱した状態になる。このような不安を軽減しようとするために示す無意識な反応を「::」と呼ぶ。", "choices": ["行動変容", "心理的防衛機制", "健康信念", "アサーション", "エンパワーメント"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n行動変容とは、人の行動が変わることを表す。行動変容モデルでは、人が行動を変える場合は「無関心期」\\rightarrow 「関心期」\\rightarrow 「準備期」\\rightarrow 「実行期」\\rightarrow 「維持期」の5つのステージを通ると考える。2:正\n心理的防衛機制とは、危険や困難に直面した場合(がんの宣告を受ける、交通事故に遭遇するなど)、受け入れがたい苦痛・状況(愛する人を失うなど)にさらされた場合に、それによる不安や体験を減弱させるために無意識に作用する反応のことである。3:誤\n健康信念とは、「健康に関してどのような考え(どのような思い込み)を持っているか」である。健康信念が健康行動に影響をもたらすと考えられており、その代表的なモデルに健康信念モデル(ヘルスビリーフモデル)がある。4:誤\nアサーションとは、対立した意見を尊重しつつ、自分自身の考えも表現していく自己主張のことである。相手に自分の意見を押し付けるのではなく、自分のことも、相手のことも大切にするという考えを基盤としている。5:誤\nエンパワーメントとは、患者・家族が自ら生活をコントロールできるように援助することを表す。"} +{"problem_id": "106085", "problem_text": "投与中に、血清ナトリウム値に注意が必要な薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["トルバプタン", "カナグリフロジン", "スボレキサント", "リナグリプチン", "プレガバリン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "トルバプタンの警告\n<心不全及び肝硬変における体液貯留>\n「本剤投与により、急激な水利尿から脱水症状や高ナトリウム血症を来し、意識障害に至った症例が報告されており、また、急激な血清ナトリウム濃度の上昇による浸透圧性脱髄症候群を来すおそれがあることから、入院下で投与を開始又は再開すること。また、特に投与開始日又は再開日には血清ナトリウム濃度を頻回に測定すること」"} +{"problem_id": "106086", "problem_text": "ラモトリギンに対して発出された安全性速報(ブルーレター)を契機に添付文書の「警告」に記載された重篤な副作用はどれか。1つ選べ。", "choices": ["低カルシウム血症", "高ビリルビン血症", "間質性肺疾患", "腎機能障害", "皮膚障害"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "ラモトリギン錠については「重篤な皮膚障害」について安全性速報(ブルーレター)が発出されている。"} +{"problem_id": "106087", "problem_text": "ジゴキシンが投与されている患者について、安全性確保の点からモニタリングが推奨される項目はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヘマトクリット値", "PT-INR 値", "薬物血中濃度", "尿中C-ペプチド値", " 血清尿酸値"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ジゴキシンは薬物血中濃度モニタリングが推奨される薬物であり、定常状態における血中濃度を測定することで副作用の予防及び軽減が可能である。なお、ジゴキシンの定常状態における血中濃度(トラフ値)が2.0 mg/mLを越えると、中毒症状の発現頻度が高くなる。"} +{"problem_id": "106088", "problem_text": "ドライパウダー吸入器の使用法に関する説明として適切なのはどれか。1つ選 べ。", "choices": ["吸入前に容器をよく振ってください。", "吸入前に息を吐かないでください。", "吸入���は勢いよく深く息を吸い込んでください。", "吸入してから息を止めないでください。", "吸入口を下に向けて吸い込んでください。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nドライパウダー吸入器は吸入前によく振る必要はない。なお、吸入エアゾール剤は吸入前によく振る必要がある。2:誤\nドライパウダー吸入器を使用する前に、十分に息を吐き、その後、吸入する際に勢いよく深く息を吸い込む必要がある。なお、吸入エアゾール剤は噴霧剤を使用しているため、勢いよく深く息を吸い込む必要はないが、噴霧するタイミングと吸入するタイミングを合わせる必要がある。3:正\n解説2参照\n4:誤\nドライパウダー吸入器を吸入後にそのまま3〜4秒程度息を止める。5:誤\nドライパウダー剤を使用する際には、吸入器を水平に保ち、吸入する。"} +{"problem_id": "106089", "problem_text": "動脈硬化をきたしている脂質異常症患者において、実施すべきでない食事・生活習慣はどれか。1つ選べ。", "choices": ["禁煙", "n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取制限", "コレステロールの摂取制限", "塩分の摂取制限", "飲酒制限"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "n-3系多価不飽和脂肪酸(\\alpha -リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)など)は、トリグリセリド合成抑制作用、抗血小板作用、動脈弾性保持作用などにより抗動脈硬化作用を示すと考えられている。このことから、動脈硬化をきたしている脂質異常症患者において、n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取制限を実施すべきではない。"} +{"problem_id": "106090", "problem_text": "患者が複数の医療機関を利用する場合であっても、かかりつけ薬剤師が患者の服薬情報を一元的・継続的に把握するために活用できるものとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["トレーシングレポート", "調剤明細書", "お薬手帳", "診療情報提供書", "診療計画書(クリティカルパス)"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "お薬手帳は、患者情報、薬剤服用歴、アレルギー歴、副作用歴が記載された手帳であり、患者が複数の医療機関を利用する場合に、患者の服薬情報を一元的・継続的に把握するために有用なツールとして用いられている。"} +{"problem_id": "106091", "problem_text": "日本薬局方において、1 mol/L水酸化ナトリウム液の調製及び標定は以下のように規定されている。この調製及び標定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。調製 水酸化ナトリウム42 gを水950 mLに溶かし、これに新たに製した水酸化バリウム八水和物飽和溶液を_{①}沈殿がもはや生じなくなるまで滴加し、液をよく混ぜて密栓し、24時間放置した後、上澄液を傾斜するか、又はガラスろ過器(G3又はG4)を用いてろ過し、次の標定を行う。標定 「:ア:」(標準試薬)をデシケーター(減圧、シリカゲル)で約48時間乾燥し、その約1.5 gを「:イ:」に量り、新たに煮沸して冷却した水25mL に溶かし、_{②}調製した水酸化ナトリウム液で滴定し、ファクターを計算する(指示薬法: ブロモチモールブルー試液2滴、又は電位差滴定法)。ただし、指示薬法の滴定の終点は緑色を呈するときとする。", "choices": ["下線部①で生じる沈殿は、硫酸バリウムである。", "「:ア:」に入るのは、「アミド硫酸」である。", "「:イ:」に入るのは、「正確」である。", "下線部②の操作にはメスピペットが用いられる。", "通例、ファクターが0.970~1.030の範囲にあるように調製する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n水酸化ナトリウムの表面には、空気中のCO_{2}により生成したNa_{2}CO_{3}が付着している。そのため、水酸化バリウム八水和物飽和溶液を加え、Na_{2}CO_{3}をNaOHに変え、CO_{3}^{2-}をBaCO_{3}として沈殿除去する(沈殿としてBaCO_{3}が生じる)。2:正\n1mol/L水酸化ナトリウムの標定に用いられる標準試薬は、アミド硫酸である\n3:誤\n「:イ:」に入るのは、「精密」である。4:誤\n下線部②の操作にはビュレットが用いられる。5:正\n日本薬局方において、容量分析用標準液のファクターfは通常「0.970〜1.030」の範囲に入るように調製される。"} +{"problem_id": "106092", "problem_text": "前問で調製した1mol/L水酸化ナトリウム液を標定した結果、ファクターは、1.025であった。日本薬局方無水クエン酸(C_{6}H_{8}O_{7}: 192.12、下図)適量を水50mLに溶かし、この標準液を用いて滴定した結果、滴定量は 7.85 mLであった(指示薬: フェノールフタレイン試液1滴)。この時、無水クエン酸の量(mg)はいくらか。1つ選べ。", "choices": ["4.905\\times 10^{2}", "5.03\\times 10^{2}", "5.15\\times 10^{2}", "1.51\\times 10^{3}", "1.545\\times 10^{3}"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "◉対応量(mg)を下記の方法により求めることができる。対応量: 1mol/L水酸化ナトリウム液1mLに相当する無水クエン酸のmg\n①: 目的成分と標準液がどのように反応するか確認し、目的成分1molに対して、反応する標準液のmol数(対応数)を求める。クエン酸にはCOOHが3つあるため、クエン酸1molに対して水酸化ナトリウムが3mol反応する(対応数: 3)。②: 標準液1mLと反応する目的成分の物質量(mmol)を求める。③: 対応量(mg)を求める。対応量(mg)=②で求めた目的成分の物質量(mmol)\\times 目的成分の分子量=1/3\\times 192.12=64.04 mg\n◉直接滴定による「含量」は次式で求めることができる\n含量=対応量\\times 標準液の消費量\\times ファクター\n=64.04\\times 7.85\\times 1.025=515.28\\fallingdotseq 5.15\\times 10^{2}"} +{"problem_id": "106093", "problem_text": "日本薬局方において、ヒドロコルチゾンコハク酸エステル(下図)の確認試験及び純度試験は以下のように規定されている(一部省略)。この確認試験及び純度試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。確認試験 (1) 本品3 mgに硫酸2 mLを加えるとき、液は初め帯黄緑色の蛍光を発し、徐々に橙黄色を経て暗赤色に変わる。この液は紫外線を照射するとき、強い淡緑色の蛍光を発する。この液に注意して水10 mLを加えるとき、液は黄色から橙黄色に変わり、淡緑色の蛍光を発し、黄褐色綿状の浮遊物を生じる。(2) 略 純度試験 類縁物質:本品25 mgをとり、メタノール10 mLを正確に加えて溶かし、試料溶液とする。別にヒドロコルチゾン25 mgをとり、メタノール10 mLを正確に加えて溶かす。この液1 mLを正確に量り、メタノールを加えて正確に50 mLとし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液3 \\micro Lずつを薄層クロマトグラフィー用 :ア:(蛍光剤入り)を 用いて調製した薄層板にスポットする。次にクロロホルム/エタノール(99.5)/ギ酸混液(150: 10: 1)を展開溶媒として約10 cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長 :イ: nm)を照射するとき、試料溶液から得た主スポット以外のスポットは、標 準溶液から得たスポットより濃くない。", "choices": ["確認試験は、試料中に含まれる不純物の限度あるいは量を調べる試験法である。", "確認試験(1)は、ステロイドの確認反応である。", "ア: に入るのは、「シリカゲル」である。", "純度試験では、類縁ステロイドの混在が許される限度は5 %である。", "イ: に入る数値は、450である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "106094", "problem_text": "日本薬局方において、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法は以下のように規定されている(一部省略)。この定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。定量法 本品及びヒドロコルチゾンコハク酸エステル標準品を乾燥し、その_{①}約50 mg ずつを精密に量り、それぞれをメタノールに溶かし、正確に50 mLとする。この液5 mLずつを正確に量り、それぞれに内標準溶液5 mLを正確に加えた後、メタノールを加えて50 mL とし、試料溶液及び標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10 \\micro L につき、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い、内標準物質のピーク面積に対するヒドロコルチゾンコハク酸エステルのピーク面積の比 Q_{T} 及びQ_{S} を求める。ヒドロコルチゾンコハク酸エステル(C_{25}H_{34}O_{8})の量(mg)= : ア: M_{S} : ヒドロコルチゾンコハク酸エステル標準品の秤取量(mg) 内標準溶液: パラオキシ安息香酸ブチルのメタノール溶液(1\\rightarrow 2500) 試験条件 _{②}検出器: 紫外吸光光度計(測定波長: 254 nm) カラム: 内径4 mm、長さ30 cmのステンレス管に10 \\micro m の液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する。カラム温度: 25^{\\circ} C付近の一定温度 _{③}移動相: pH 4.0の酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液 / アセトニトリル混液( 3: 2 ) 流量: ヒドロコルチゾンコハク酸コハク酸エステルの保持時間が約5 分になるように調整する。システム適合性 システムの性能: 標準溶液10 \\micro L につき、上記の条件で操作するとき、ヒドロコルチゾンコハク酸エステル、内標準物質の順に溶出し、その :イ: は9以上である。システムの再現性: 略", "choices": ["下線部①のように「約」を付けたものは、記載された量の\\pm 3%の範囲を意味する。", "ア:に入るのは、M_{S} \\times Q_{T}/Q_{S} である。", "下線部②の検出に用いる光源は、タングステンランプである。", "下線部③の移動相中のアセトニトリルの割合を増やすと、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの保持時間は短くなる。", "イ: に入るのは、「理論段数」である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "106095", "problem_text": "アミノ酸は両性化合物であり、その等電点(pI)と電荷はイオン交換クロマトグラフィーや等電点電気泳動における分離挙動を決定する因子となる。下に3つのアミノ酸の構造式とpKa値を示す。これらのアミノ酸の等電点と電荷に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。pKa_{1}は\\alpha 炭素に結合しているカルボキシ基のpKa、pKa_{2}は\\alpha 炭素に結合しているアミノ基のpKa、pK_{R}は側鎖部分のpKaである。", "choices": ["アミノ酸AのpIは、約5.98である。", "アミノ酸BのpIは、約5.61である。", "アミノ酸Aは、pH2.33の緩衝液中では負電荷を持つ。", "アミノ酸Bは、pH5.61の緩衝液中では正電荷を持つ。", "アミノ酸Cは、pH3.22の緩衝液中では正電荷を持つ。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "等電点(pI)とは、両性化合物(アミノ酸など)の実効電荷が0となるpHである。構造とpKaよりアミノ酸A、B、Cの等電点を下記のように推測することができる。【アミノ酸A】\npKa_{1}=2.36、pKa_{2}=9.60であることから、pHの上昇に伴って\\alpha 炭素に結合しているカルボキシ基からプロトン(H^{+})が遊離し、次にアミノ基からプロトン(H^{+})が遊離するため、pKa_{1}=2.36とpKa_{2}=9.60の中間のpHでアミノ酸Aの実効電荷が0となる。このことから、アミノ酸Aの等電点は約5.98となる。_{}【アミノ酸B】\npKa_{1}=2.17、pKa_{2}=9.04、pK_{R}=12.48であることから、pHの上昇に伴って\\alpha 炭素に結合しているカルボキシ基からプロトン(H^{+})が遊離し、次に\\alpha 炭素に結合しているアミノ基からプロトン(H^{+})が遊離する。続いて、側鎖部分のグアニジノ基からプロトン(H^{+})が遊離するため、pKa_{2}=9.04とpK_{R}=12.48の中間のpHでアミノ酸Bの実効電荷が0となる。このことから、アミノ酸Bの等電点は約10.76となる。【アミノ酸C】\npKa_{1}=2.19、pKa_{2}=9.67、pK_{R}=4.25であることから、pHの上昇に伴って\\alpha 炭素に結合しているカルボキシ基からプロトン(H^{+})が遊離し、次に側鎖部分のカルボキシ基からプロトン(H^{+})が遊離する。続いて、\\alpha 炭素に結合しているアミノ基からプロトン(H^{+})が遊離するため、pKa_{1}=2.19とpK_{R}=4.25の中間のpHでアミノ酸Cの実効電荷が0となる。このことから、アミノ酸Cの等電点は約3.22となる。1:正\n2:誤\nアミノ酸BのpIは、約10.76である。3:誤\n等電点より低いpHでは、アミノ酸は正電荷を持つ。そのため、アミノ酸A(pI: 5.98)は、pH2.33の緩衝液中では正電荷を持つ。4:正\n等電点より低いpHでは、アミノ酸は正電荷を持つ。そのため、アミノ酸B(pI: 10.76)は、pH5.61の緩衝液中では正電荷を持つ。5:誤\n等電点では、アミノ酸の実効電荷は0となる。そのため、アミノ酸C(pI: 3.22)は、pH3.22の緩衝液中では実効電荷が0となる。"} +{"problem_id": "106096", "problem_text": "血中のグルコースの定量法として、次のような酵素反応を利用した方法がある。この方法では、波長340 nmの吸光度からグルコースの濃度を求める。この方法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["試料に入射する光と透過する光の強度をそれぞれI_{0}、Iとすると吸光度はlog(I_{0}/I)で表される。", "340nmの波長の電磁波は、分子の振動状態の変化を直接引き起こす。", "240nmから400nmまでの吸収スペクトルを測定する場合には、ガラス製のセルが用いられる。", "340nmの吸収は、NADPHに由来する。", "グルコース濃度は340 nmの吸光度の二乗に比例する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n吸光度は透過度(I / I_{0})の逆数の常用対数であるため、試料に入射する光と透過する光の強度をそれぞれI_{0}、Iとすると吸光度はlog(I_{0}/I)で表される。2:誤\n紫外線及び可視光線のエネルギーは、電子遷移エネルギーに対応しているため、340nmの波長の電磁波は、電子遷移を引き起こす。なお、分子の振動状態の変化を直接引き起こす電磁波は、赤外線である。3:誤\n240nmから400nmまでの電磁波は紫外線であり、ガラスに吸収されるため、240nmから400nmまでの吸収スペクトルを測定する場合には、ガラス製のセルでなく、石英セルが用いられる。4:正\nNADPHは構造中に共役系を有するため、紫外線を吸収する。5:誤\n問題にある反応式より、グルコースと生成するNADPHは比例するため、グルコース濃度は340 nmの吸光度に比例する。"} +{"problem_id": "106097", "problem_text": "分子量を求める方法に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、気体定数は8.314J・K^{-1}・mol^{-1}とし、水溶液の比重は1と近似できるものとする。分子量は凝固点降下を利用して知ることができる。例えば、1.0%グルコース(分子量180)水溶液の凝固点降下は、水のモル凝固点降下定数を1.86K・kg・mol^{-1}とすると約「:ア:」Kとなる。一方、1.0%タンパク質(分子量18,000)水溶液の凝固点降下は約「:イ:」Kとなり、測定が難しい。そこで、同じく溶液の「:ウ:」性質の一つである浸透圧を上記のタンパク質溶液について測定すると、300Kにおいて、約「:エ:」Paとなり、タンパク質のような大きな分子の分子量も浸透圧から見積もることができる。", "choices": ["「:ア:」にあてはまる数値は、1.0である。", "「:イ:」にあてはまる数値は、0.001である。", "「:ウ:」にあてはまるのは、「均一的」である。", "「:ウ:」の性質の一つに、蒸気圧降下がある。", "「:エ:」にあてはまる数値は、140である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n1.0%グルコース(分子量180)のオスモル濃度は1g/100mL/180g/mol=1/180mol/100mL=1/18mol・L^{-1}=1/18mol・kg^{-1}となるため、1.0%グルコース(分子量180)水溶液の凝固点降下を下記のように求めることができる。凝固点降下=凝固点降下定数\\times オスモル濃度=1.86K・kg・mol^{-1}\\times 1/18mol・kg^{-1}\\fallingdotseq 0.1K\n2:正\n1.0%タンパク質(分子量18,000)のオスモル濃度は1g/100mL/18000g/mol=1/18000mol/100mL=1/1800mol・L^{-1}=1/1800mol・kg^{-1}となるため、1.0%タンパク質(分子量18,000)水溶液の凝固点降下を下記のように求めることができる\n凝固点降下=凝固点降下定数\\times オスモル濃度=1.86K・kg・mol^{-1}\\times 1/1800mol・kg^{-1}\\fallingdotseq 0.001K\n3:誤\n「:ウ:」にあてはまるのは、「束一的」である。4:正\n希薄溶液における蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧は束一的性質を示す。5:誤\n1.0%タンパク質(分子量18,000)のオスモル濃度は1g/100mL/18000g/mol=1/18000mol/100mL=1/1800 mol・L^{-1}=1/1800 mol・kg^{-1}となるため、1.0%タンパク質(分子量18,000)水溶液の浸透圧を下記のように求めることができる\n浸透圧=気体定数\\times 絶対温度\\times オスモル濃度=8.314J・K^{-1}・mol^{-1}\\times 300K\\times 1/1800mol・L^{-1}\\fallingdotseq 1.4 J・L^{-1}=1.4N・m・1/1000m^{-3}=1400N・m^{-2}=1400Pa"} +{"problem_id": "106098", "problem_text": "生体における化学反応は約37 ^{\\circ} Cで進行するが、化学反応は温度の影響をうけるため熱力学パラメーターの温度依存性を知ることは重要なことである。圧力一定条件下での温度Tと熱力学パラメータ(\\Delta rG°、\\Delta H°、T\\Delta rS°)の関係が図のようになる化学反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、\\Delta rG°、\\Delta H°、T\\Delta rS°は、それぞれ標準反応ギブズエネルギー、標準反応エンタルピー、標準反応エントロピーを表す。", "choices": ["この化学反応は、発熱反応である。", "温度T_{1}での平衡定数は、温度T_{2}での平衡定数よりも小さい。", "温度がT_{2}より高温側での平衡定数は、1より小さい。", "温度がT_{2}より低温側では、この反応はエントロピー駆動となる。", "温度がT_{2}よりも低温側では、反応の進む向きは反応物と生成物の初期濃度に依存しない。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n設問のグラフより、\\Delta rH°が負の値を示していることからこの化学反応は��熱反応と推察される。2:誤\n発熱反応は、温度の低下に伴って進行しやすくなる(平衡定数が大きくなる)ため、温度T_{1}での平衡定数は、温度T_{2}での平衡定数よりも大きい。3:正\n標準反応ギブズエネルギー\\Delta rG°と平衡定数Kの間には、下記の関係が成立する。\\Delta rG°=-RTlnK\nまた、温度がT_{2}より高温側で\\Delta rG°>0となることから、温度がT_{2}より高温側での平衡定数は、1より小さい。4:誤\n温度がT_{2}より低温側では、\\Delta rH°が\\Delta rG°の値を負にすることに大きく関与している。このため、温度がT_{2}より低温側では、この反応はエンタルピー駆動となる。5:誤\n\\Delta rG°<0の場合(温度がT_{2}よりも低温側)、反応物の初期濃度に対する生成物の初期濃度の比<平衡定数の場合、反応物から生成物ができる反応が進行し、反応物の初期濃度に対する生成物の初期濃度の比>平衡定数の場合、生成物から反応物ができる反応が進行する。"} +{"problem_id": "106099", "problem_text": "呼吸鎖において2つの電子が移動して酸素から水が生成する反応は、次の二つの半反応(1)、(2)を組み合せた酸化還元反応(3)と考えることができる(E°は pH7、25^{\\circ} Cにおける標準電位)。この反応のpH7、25 ^{\\circ} Cにおける標準起電力Emf°と標準反応ギブズエネルギー\\Delta _{r}G°の値の組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、ファラデー定数は1.0\\times 10^{5}C・mol^{-1}の近似値を用いることとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "(3)は、(1)-(2)により得られる\nこのことから、標準起電力Emf°=0.82 -(-0.32)=+1.14(V)となる\nまた、\\Delta _{r}G°=-n・F・Emf°より計算することができる\n\\Delta _{r}G°=-2・1.0\\times 10^{5}C・mol^{-1}・1.14 V=-2・1.0\\times 10^{5}C・mol^{-1}・1.14 J・C^{-1}=-22,8000 J\nmol^{-1}\\fallingdotseq -230 kJ・mol^{-1}"} +{"problem_id": "106100", "problem_text": "以下の図と文章は、化学吸着における単分子層形成を表すラングミュアの吸着等温式(式1)の誘導についてのものである。文章中の :ア: 及び :イ: にあてはまる式の正しい組み合わせはどれか。1つ選べ。吸着質の濃度をC、吸着媒の吸着サイトの全数をΓ^{∞}、吸着質が占有している吸着サイトの数をΓとする。上図では、Γ^{∞}=10、Γ=5 の場合を示す。吸着媒に対する吸着質の吸着過程の速度定数をk_{1}、脱着過程の速度定数をk_{-1}とし、吸着平衡が成立していれば、吸着速度と脱着速度は等しいから、:ア: の関係が成り立つ。:ア: を変形すると、式1が得られる。ただし、K = :イ: であり、この値は吸着質と吸着媒の親和性を表し、大きいほど親和性が高い。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "106101", "problem_text": "以下に示したビタミンの構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。なお、アの金属カチオンに結合している原子の電荷(形式電荷)は省略されている。", "choices": ["アは1価の銅である。", "キレート錯体である。", "インドール骨格が含まれる。", "フラノース環が含まれる。", "aの不斉炭素の立体配置はSである。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "問題文に記載されている構造より、ビタミンB_{12}の一種であるメコバラミンに関する問題であると判断できる。1:誤\nメコバラミンの中心金属はCo(コバルト)である。2:正\nキレート錯体とは、多座配位子が金属に配位結合することで形成される環状の錯体のことである。メコバラミンの中心金属であるCoはポルフィリン骨格の窒素と配位結合し、キレート環を形成する。3:誤\nメコバラミンには、ベンズイミダゾール骨格が含まれる。4:正\nフラノースとは、五員環構造の糖類のことである。メコバラミンには、フラノース環が含まれている。5:誤\naの不斉炭素に結合している原子または原子団に優先順位を付けると下記のようになる。"} +{"problem_id": "106102", "problem_text": "酸性の強さを比較したもののうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、第一解離のみを比較するものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n同族元素が水素に結合している場合、周期表の下の方がプロトン解離後の共役塩基が安定となる。そのため、CH_{3}SHはCH_{3}OHに比べ酸性度が大きい。2:誤\n窒素原子は、非共有電子対が収容��れる混成軌道のs性が低いほど、塩基性が強いため、ピリジン(窒素の非共有電子対: sp^{2}混成軌道)とピペリジン(窒素の非共有電子対: sp^{3}混成軌道)では、ピペリジンの方が塩基性が強い。また、塩基性が弱い化合物ほど、その共役酸の酸性は強いため、ピリジニウムイオンはピペリジニウムイオンより酸性度が大きい。3:誤\n電子求引基が結合するほど、酸性度が大きくなるため、トリフルオロメチル基(-CF_{3})が結合している方が酸性度が大きい\n4:正\n電子求引基が結合するほど、酸性度が大きくなるため、トリメチルアンモニウム基[-N^{+}(CH_{3})_{3}]が結合している方が酸性度が大きい\n5:正\nクロロは電子求引基として働くため、共役塩基の負電荷の安定性を高める。また、クロロ基が近いほど電子求引性が高まるため、2-クロロ酪酸は3-クロロ酪酸より酸性度が大きい。"} +{"problem_id": "106103", "problem_text": "反応1、2に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、化合物CとFは、それぞれの反応における主生成物とする。", "choices": ["出発物質AとDは室温で平衡関係にある。", "化合物Bはラセミ体である。", "化合物Cと生成物Fは互いにジアステレオマーの関係にある。", "化合物Cの立体を含むIUPAC名は(2R,3R)-ブタン-2,3-ジオールである。", "中間体Eは環状構造をもつ。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "◉反応1\ntrans-ブタ-2-エンにm-クロロ過安息香酸(mCPBA)を反応させると、syu付加によりエポキシドが生じる。続いて酸性条件下、水を反応させると、エポキシドが開環し、OH基が2つtransに付加することで(2R,3S)-ブタン-2,3-ジオールが生成する。◉反応2\ncis-ブタ-2-エンに四酸化オスミウムを反応させると、syn付加により環状オスミウム中間体を生じる。続いて亜硫酸ナトリウムで処理すると、(2R,3S)-ブタン-2,3-ジオールが生成する。1:誤\ntrans-ブタ-2-エン(A)とcis-ブタ-2-エン(D)は互いに幾何異性体の関係にあり、相互変換できないため、平衡関係ではない。2:正\ntrans-ブタ-2-エン(A)にm-クロロ過安息香酸(mCPBA)を反応させることで生じる(2S,3S)-2,3-ジメチルオキシランと(2R,3R)-2,3-ジメチルオキシランは、エナンチオマーの関係にある。trans-ブタ-2-エン(A)にm-クロロ過安息香酸(mCPBA)を反応させと、それらが等量生成されるため、Bはラセミ体である。3:誤\nC、Fは共に(2R,3S)-ブタン-2,3-ジオールであり、同一化合物である。4:誤\nCのIUPAC名は(2R,3S)-ブタン-2,3-ジオールである。5:正\ncis-ブタ-2-エン(D)に四酸化オスミウムを反応させて生じるEは、環状オスミウム酸エステルである。◉関連問題を解いて理解を深めよう\n第103回薬剤師国家試験:問102"} +{"problem_id": "106104", "problem_text": "次の反応と生成物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イミダゾールは、ピリジンより弱い塩基である。", "破線で囲んだ部分構造aよりも部分構造bの方が、脱離して生じるアニオンの共役酸のpKaが小さい。", "CH_{3}NH_{2}は、塩基として働いている。", "シアノ基は、電子供与性基である。", "破線で囲んだ部分構造cは、グアニジンよりも高い塩基性をもつ。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "本問はシメチジンの合成反応に関する問題である。1:誤\nイミダゾールは、芳香族複素環であり、3位の窒素の非共有電子対がsp^{2}混成軌道に収容されていることから塩基性を示す。また、ピリジンも芳香族複素環であり、窒素の非共有電子対がsp^{2}混成軌道に収容されていることから塩基性を示す。一般に、共役酸が安定なほど塩基性が強い。イミダゾールの共役酸は、共鳴により安定となる。そのため、イミダゾールはピリジンよりも強い塩基である。2:正\n部分構造aが脱離して生じるアニオンは、アミドイオンであり、その共役酸はアミンとなる。部分構造bが脱離して生じるアニオンは、チオラートイオンであり、その共役酸はチオールとなる。アミンとチオールの酸性度を比較すると、チオール>アミンとなるため、チオールの方が、pKaが小さい。よって、部分構造aよりも部分構造bの方が、脱離して生じるアニオンの共役酸のpKaが小さい(酸性度が高い)。3:誤\n本反応では、N-シアノイミン(=C=N-CN)のイミンの炭素は、部分正電荷を帯びており、CH_{3}NH_{2}���メチルアミン)の窒素がイミンの炭素と結合しているため、CH_{3}NH_{2}は求核剤として働いている。4:誤\nシアノ基は、電子求引性基として働く。5:誤\n一般に窒素のある非共有電子対の電子密度が高いほど、塩基性は強い。部分構造cは、グアニジド基に電子求引基であるシアノ基が結合しており、窒素の非共有電子対の電子密度がグアニジド元よりも低下しているため、破線で囲んだ部分構造cは、グアニジンよりも塩基性が弱い。"} +{"problem_id": "106105", "problem_text": "次の化合物のうち、カルボキシ基のバイオアイソスター(生物学的等価体)を含むのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "バイオアイソスター(生物学等価体)とは、医薬分子において生物学的に同じ役割を果たす部分構造のことである。選択肢のうち、カルボキシ基のバイオアイソスター(生物学的等価体)を含むのは、選択肢3、5である。選択肢3: 構造中にカルボキシ基と同様に酸性を示す水素を有するテトラゾリル基がある\n選択肢5: 構造中にカルボキシ基と同様に酸性を示す水素を有するヒドロキサム酸がある"} +{"problem_id": "106106", "problem_text": "\\beta 酸化による脂肪酸の代謝反応における\\beta -ヒドロキシアシル CoA から\\beta -ケトアシル CoA への変換過程を以下に示す。その変換過程について想定される反応機構に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素の図中の170番のグルタミン酸残基は、158番のアミノ酸残基Xの側鎖のイミダゾリル基の塩基性を高めている。", "158番のアミノ酸残基Xはヒスチジン残基である。", "補酵素アは FADである。", "補酵素アはプロトン受容体として機能している。", "補酵素アはピリミジン骨格をもつ。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n170番のグルタミン酸残基は、158番のイミダゾリル基のプロトンを引き抜いていることから、158番のイミダゾリル基はよりプロトンを受け入れやすい状態となる(塩基性が高まる)。2:正\n158番のアミノ酸は構造中にイミダゾリル基を有するため、ヒスチジンである。3:誤補酵素アは、NAD^{+}(酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)である。4:誤補酵素アは、H^{-}(ヒドリド)受容体として機能している。5:誤\n補酵素アは、プリン骨格を有する。"} +{"problem_id": "106107", "problem_text": "図は、ある化合物の^{1}H-NMR スペクトル(400MHz、CDCl_{3}、基準物質はテトラメチルシラン)を表したものである。この化合物の構造式として正しいのはどれ か。1つ選べ。なお、拡大図A、B、Cの拡大率はそれぞれ異なる。また、ウのシグナルは重水を添加することにより消失する。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "手順1\nウのシグナルが重水を添加することで消失することから構造中にOHが1つあると推察できる(選択肢5の構造ではない)。手順2\nアのシグナルの積分比が12であることから同じ環境にあるプロトンが12個存在すると推察できる(選択肢4の構造ではない)。手順3\nエのシグナル(化学シフト値: 6.9ppm付近)は、トリプレットであり、その積分比が1であることから、ベンゼン部分に下記の構造があると推察できる(選択肢2、3の構造ではない)。"} +{"problem_id": "106108", "problem_text": "写真A~Eに示した生薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Aはキョウニンで、鎮咳作用を期待して麻黄湯に配合される。", "Bはサンショウで、腹部を温めることや健胃作用を期待して大建中湯に配合される。", "Cはサンシシで、利胆作用を期待して葛根湯に配合される。", "Dはハンゲで、瀉下作用を期待して半夏瀉心湯に配合される。", "Eはショウキョウで、鎮嘔作用や健胃作用を期待して六君子湯に配合される。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "A: ショウキョウ:B: サンショウ:C: サンシシ:D: ハンゲ:E: キョウニン\nA(ショウキョウ)は、胃腸機能を高めることを期待して六君子湯に配合される。C(サンシシ)は、利胆作用を期待して黄連解毒湯に配合される。D(ハンゲ)は、制吐作用を期待して半夏瀉心湯に配合される。E(キョウニン)は、鎮咳作用を期待して麻黄湯に配合される。"} +{"problem_id": "106109", "problem_text": "次の構造式で示��化合物Aに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["放線菌によって生産されるマクロライドである。", "真菌によって生産される環状ペプチドである。", "Z 配置の二重結合をもつ。", "ピロール環をもつ。", "ヘミアセタール構造をもつ。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "化合物Aは、タクロリムスである。1:正\nタクロリムスは、放線菌により生産されるマクロライド(巨大なラクトン環(環状エステル)を含む物質)である。2:誤\nタクロリムスの構造中には、環状ペプチド(2つ以上のアミノ酸がアミド結合することで形成される環状構造)は含まれていない。なお、タクロリムスの類似薬であるシクロスポリンは、真菌によって産生される環状ペプチドである。3:誤\nタクロリムスの構造中には、E配置(優先順位の高い置換基が二重結合を挟んで反対側にある)の二重結合が2つある。4:誤\nタクロリムスの構造には、ピロール環は含まれない。5:正\nタクロリムスの構造には、ヘミアセタール(同一炭素にヒドロキシ基(-OH)及びアルコキシ基(RO-)が結合した構造)が含まれる。"} +{"problem_id": "106110", "problem_text": "呼吸器系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["気管は、軟骨と平滑筋から構成される管で、副交感神経の興奮によって拡張する。", "気道分泌液は、リゾチームなどの抗菌性物質や免疫グロブリンAを含んでおり、細菌感染を防ぐ役割をもつ。", "肺胞壁内面にある表面活性物質(サーファクタント)は、肺胞内の表面張力を上昇させ、肺胞の萎縮を防ぐ。", "呼吸調節中枢は延髄に存在し、呼息中枢の周期的な活動を円滑にする働きをもつ。", "血中酸素分圧の低下は、頸動脈小体の化学受容器を刺激し、呼吸運動を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n気管は、軟骨と平滑筋で構成される管であり、副交感神経の興奮により収縮する。2:正\n気道分泌液には、リゾチームや分泌型免疫グロブリンAが含まれており、細菌感染の予防に関与している。3:誤\n肺胞壁内面にある表面活性物質(サーファクタント)は、II型肺胞上皮細胞から分泌され、肺胞内の表面張力を低下させ、肺胞の萎縮を防ぐ。4:誤\n呼吸調節中枢は橋に存在し、吸息中枢と呼息中枢を統合する働きをもつ。5:正\n血中酸素分圧の低下は、頸動脈小体の化学受容器を刺激し、舌咽神経の興奮を引き起こすことにより呼吸運動を促進する。"} +{"problem_id": "106111", "problem_text": "下図はヒトの副交感神経節後線維終末を模式的に表したものである。図中の①~④に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": [" 物質①は、モノアミントランスポーターによって神経終末に取り込まれる。", "物質②は、分子内に4級アンモニウム基をもつ。", "心臓の洞房結節細胞において、物質②に対する受容体が刺激されると、K^{+}チャネルが開口して、過分極が生じる。", "膜タンパク質③は、アゴニスト刺激によって開口する Ca^{2+}チャネル内蔵型受容体で、シナプス小胞のエキソサイトーシスに関与する。", "血漿中には膜タンパク質④と同じ活性をもつ酵素が存在し、その基質特異性は膜タンパク質④よりも高い。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "物質①: コリン:物質②: アセチルコリン\n膜タンパク質③: 電位依存性Ca^{2+}チャネル:膜タンパク質④: 真性コリンエステーゼ\n1:誤\n物質①(コリン)は、コリントランスポーターによって取り込まれる。2:正\n物質②(アセチルコリン)は、分子内に4級アンモニウム基をもつ。3:正心臓の洞房結節細胞において、物質②(アセチルコリン)に対する受容体(M_{2}受容体)が刺激されると、K^{+}チャネルが開口して、過分極が生じる。4:誤膜タンパク質③は、電気刺激によって開口する電位依存性Ca^{2+}チャネルである。5:誤\n血漿中には膜タンパク質④(真性コリンエステラーゼ)と同じ活性をもつ酵素(偽性コリンエステラーゼ)が存在し、その基質特異性は膜タンパク質④(真性コリンエステラーゼ)よりも低い。"} +{"problem_id": "106112", "problem_text": "真核細胞における転写に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["基本転写因子群と RNA ポリメラーゼが結合するDNA領域をプロモーターという。", "転写調節因子は特定の DNA 配列に結合し、転写を調節する。", "転写活性化因子は、ヒストンアセチル化酵素(HAT)を活性化して、クロマチンの凝縮を促進する。", "転写された mRNA の 5'末端にはキャップ構造が、3'末端にはポリアデニル酸がそれぞれ付加される。", "mRNA の成熟過程で、イントロンが除去される。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nプロモーターとは、DNAにおける転写制御を担う領域である。基本転写因子群と RNA ポリメラーゼがプロモーター上に転写開始複合体を形成することで転写が開始される。2:正しい\n転写調節因子は、特定のDNA領域に結合し、RNAポリメラーゼによる転写を促進あるいは抑制する。3:誤っている\n転写活性化因子は、ヒストンアセチル化酵素(HAT)を活性化し、ヒストンをアセチル化することで、ヒストンとDNAの相互作用を低下させる。その結果、クロマチンが弛緩状態となり転写活性化が認められる。4:正しい\nRNAの成熟過程を以下に示す。5:正しい\n解説4参照"} +{"problem_id": "106113", "problem_text": "検体中における、ある微生物の存在を調べるために、リアルタイム PCR法を実施した。以下に示す測定手順で行い、測定した結果を図に示す。この実験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。測定手順 :3つの検体(試料1~3)をサンプルチューブに別々に採取し、それぞれにDNA抽出用の試薬を加える。\\rightarrow 抽出したDNAを定量する。\\rightarrow 各検体から一定量のDNAを別々のチューブに取り、それぞれのチューブに二本鎖DNAを検出する蛍光色素、デオキシヌクレオチド混合物、プライマー1組、酵素を含む反応液を加えて、PCR を開始する。\\rightarrow 蛍光強度を測定することで、反応産物が増幅されていく経過を追いながら、PCRを約40サイクルまで繰り返す。", "choices": ["目的とする微生物の存在量が最も多かったのは、試料3である。", "この測定手順で、細菌、DNAウイルス及びRNAウイルスの検出が可能である。", "試料1と試料3に含まれる微生物の存在量は、約10^{6}倍異なると推定される。", "各試料とも25サイクルを超えるあたりから曲線が頭打ちになる主な原因は、デオキシヌクレオチドが枯渇するためである。", "PCR開始時に反応液に加える酵素には耐熱性のものを用いる。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nはじめに採取した検体に含まれる微生物が多いほど、一定数のDNAができるまでのPCRの回数は少ない。設問の図より、蛍光強度が閾値を越えるまでのサイクルの数が試料1<2<3であることから、目的とする微生物の存在量が最も多かったのは、試料1であると推察できる。2:誤\nこの試験ではDNA抽出用の試薬を加えていることから、細菌、DNAウイルスの検出は可能であるが、RNAウイルスの検出はできない。なお、RNAウイルスを検出するためには、RNAを用いて、逆転写反応により相補的DNA(cDNA)を合成し、PCR法を融合した逆転写PCR法を行う必要がある。3:誤\nRCRでは、1サイクルごとにDNAが2倍量となる。試料1、試料3、それぞれの蛍光強度が閾値を越えるまでのサイクルが20回、26回であることから、試料1と試料3に含まれる微生物の存在量は約 2^{6}倍異なると推定される。4:正\nPCRにおいて、DNA合成するためにはデオキシヌクレオチドを必要とする。そのため、PCRのサイクル数が増加するに伴ってデオキシヌクレオチドが消費されるとともにDNA増幅率が減少する。5:正\nPCRでは、高温条件下での変性を防止する目的で耐熱性DNAポリメラーゼを添加する。"} +{"problem_id": "106114", "problem_text": "Gタンパク質共役受容体(図中の「受容体」)に細胞外からアゴニストが結合し、続いて細胞内で GDP-GTP交換反応が起こった段階の、Gsタンパク質各サブユニット(\\alpha 、\\beta 、\\gamma )及び標的酵素(図中の「酵素」)の状態を最もよく表しているのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "Gタンパク質を介した情報伝達\n①: 受容体にアゴニストが結合すると、Gタンパク質の構造が変化する\n②: Gタンパク質の構造変化によりG_{\\alpha }に結合しているGDPがGTP に変換される\n③: 活性型G_{\\alpha }が酵素の活性を促進または抑制する"} +{"problem_id": "106115", "problem_text": "糖及び糖鎖に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グリコーゲンホスホリラーゼの触媒する反応により、グリコーゲンが加水分解されてグルコース1-リン酸が生じる。", "哺乳類の細胞表面の膜タンパク質において、N-結合型糖鎖は主としてリシン残基に付加される。", "A 型インフルエンザウイルスは、宿主細胞膜上の糖鎖末端のシアル酸に結合する。", "CHO 細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)で産生させた遺伝子組換えモノクローナル抗体に付加する糖鎖は、一般的に均一なものとなる。", "ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸は繰り返し構造をもったポリアニオンである。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nグリコーゲンは、グリコーゲンホスホリラーゼの触媒する反応により加リン酸分解されてグルコース1-リン酸を生じる。2:誤\n哺乳類の細胞表面の膜タンパク質において、N-結合型糖鎖は主としてアスパラギン酸残基に付加される。3:正\nA型インフルエンザウイルスは、そのエンベロープに突出しているHA(ヘマグルチニン)が宿主細胞膜に存在するシアル酸と結合することにより宿主細胞に取り込まれる。4:誤\nCHO 細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)で産生させた遺伝子組換えモノクローナル抗体に付加する糖鎖は、不均一で、ヒト由来のものと微妙に異なるため、ヒト体内で抗原性を示すことがある。5:正\nヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸は、ウロン酸とアミノ糖の繰り返し構造を有するグリコサミノグリカン(酸性ムコ多糖)であり、構造中にカルボキシ基や硫酸基による多くの負電荷を有する。"} +{"problem_id": "106116", "problem_text": "輸血を必要としている患者(幼児)から採血し、単離した赤血球を用いて、図1(a)に示すような血液型判定の検査(ⅰ)、(ⅱ)を行ったところ、結果は図1(b)のようになった。さらに、確認試験として、患者の血清を用いて図2(a)に示す検査(ⅲ)を行った。患者は低ガンマグロブリン症などの疾患は有していない。患者の母親の血液型はA型Rh(-)型である。検査(ⅲ)の結果と、患者の父親の血液型に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。なお、血液型の遺伝は、メンデルの遺伝の法則に従うものとする。", "choices": ["検査(ⅲ)の結果は、図2(b)の②となる。", "検査(ⅲ)の結果は、図2(b)の③となる。", "検査(ⅲ)の結果は、図2(b)の①又は④となる。", "父親のABO血液型は、B型又はAB型である。", "父親のABO血液型は、O型である。", "父親のRh血液型は、Rh(-)型である。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "◆検査(ⅰ)血液型判定(ABO型)の結果よりわかること\n患者サンプルを抗A血清(A抗原に特異的に免疫反応を起こす抗体を含む血清)に入れた場合「凝集なし」また、患者サンプルを抗B血清(B抗原に特異的に免疫反応を起こす抗体を含む血清)に入れた場合「凝集あり」であることから、患者の赤血球表面にはB抗原はあるが、A抗原はない(ABO血液型: B型)と判断できる。◆検査(ⅱ)血液型判定(Rh型)の結果よりわかること\n患者サンプルを抗D血清(Rh型の判定に用いられる血清)に入れた場合「凝集あり」また、患者サンプルをRhコントロール(偽陽性反応に起因する誤判定を確認するために用いられる試薬)に入れた場合「凝集なし」であることから、患者のRh血液型は、Rh(+)型であると判断できる。◉検査(ⅲ)の結果\n患者はB型であることから、A型赤血球を入れると異なる血液型が混じるため凝集するが、B型赤血球を入れても同じ血液型であるため凝集しない。◉父親の血液型\n患者の血液型はB型Rh(+)型であり、母親の血液型がA型Rh(-)型であることから、父親のABO血液型はB型又はAB型であり、Rh血液型はRh(+)であると推察される。"} +{"problem_id": "106117", "problem_text": "免疫担当細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["B 細胞は骨髄で発生・分化し、抗体の遺伝子再編成を経た後、二次リンパ器官に移動して、成熟 B 細胞となる。", "樹状細胞は、マクロファージと異なり、MHC クラスIIによる抗原提示をしない。", "キラー T 細胞は、MHC クラスIIにより提示された抗原を T 細胞受容体により認識し、細胞傷害活性を示す。", "ナチュラルキラー細胞は自然免疫系で働くリンパ球で、細胞傷害活性を示すだけでなく、インターフェロン\\gamma (IFN-\\gamma )を産生する。", "CD8分子を表面に有する成熟 T 細胞は、産生する特徴的なサイトカインの特性により、Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞に分類される。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nB細胞は、骨髄で発生・分化し、抗体の遺伝子再編成を経た後、最終的には血液を通じて二次リンパ器官に移動して成熟が完了する。2:誤\n抗原提示細胞(樹状細胞、マクロファージなど)は、MHCクラスIIと外来抗原ペプチド複合体を細胞表面に発現させ、ヘルパーT細胞に抗原を提示する。3:誤\nキラー T 細胞(細胞傷害性T細胞)は、MHC クラスIにより提示された抗原を T 細胞受容体により認識し、細胞傷害活性を示す。4:正\nナチュラルキラー(NK)細胞は自然免疫系を担当するリンパ球であり、ウイルス感染細胞や腫瘍細胞に対して細胞傷害活性を示すだけでなく、インターフェロン\\gamma (IFN-\\gamma )を産生し、マクロファージ、Th1細胞などの活性化を誘導する。5:誤\nCD8分子を細胞表面に有する成熟T細胞は、キラーT細胞である。なお、Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞は、細胞表面にCD4分子を有している。"} +{"problem_id": "106118", "problem_text": "滅菌・殺菌・消毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["結核菌で汚染された金属製医療機器を高周波の電磁波で滅菌する。", "マイコプラズマを除去する目的で、液性製剤を孔径0.45 \\micro mのフィルターでろ過する。", "輸液チューブを過酸化水素低温プラズマ滅菌処理する。", "芽胞を形成している菌で汚染された内視鏡を、グルタラールで殺菌消毒する。", "傷口や手術部位の皮膚の消毒のため、ポビドンヨードを用いる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n金属製医療機器は高周波を通さないため、高周波の電磁波で滅菌することができない。なお、金属製医療機器を滅菌するには、グルタラールや消毒用エタノールが用いられる。2:誤\nマイコプラズマの大きさは、0.15〜0.3 \\micro m程度であることから、孔径0.45 \\micro mのフィルターで除去することができない。3:誤\n一般に使用後の輸液チューブを滅菌することはない。4:正\nグルタラールは、高水準消毒薬であり、芽胞を形成している菌に有効である。なお、グルタラールは、医療器具に用いることはできるが、人体に用いることはできない。5:正\nポビドンヨードは、中水準消毒薬であり、傷口や手術部位の皮膚、粘膜に用いることができる。"} +{"problem_id": "106119", "problem_text": "75歳以上のサルコペニア(加齢性筋肉減少症)の高齢者160名を対象に健康教育を行うとともに、4つのグループに無作為に分類して筋力トレーニング(筋トレ)、ロイシン高配合の必須アミノ酸のサプリメント摂取(サプリ摂取)を定期的に行いながら追跡調査を行った。3ヶ月後、膝関節伸展筋力を指標としてサルコペニアが改善した者と改善しなかった者に分けたところ、以下の表の結果となった。また、3ヶ月後の膝関節伸展筋力の変動(%)を調べて図に示した。サルコペニア及びこの疫学研究に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["サルコペニアは、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)と同様に、将来介護が必要となる要因の一つである。", "「健康教育+筋トレ」群よりも「健康教育+サプリ摂取」群の方が、「健康教育のみ」群に対するサルコペニアの相対危険度は小さい。", "「健康教育+筋トレ+サプリ摂取」群の、「健康教育のみ」群に対するサルコペニアの相対危険度は、約0.76である。", "この図から、筋トレよりもサプリ摂取を行う方が、膝関節伸展筋力の改善効果が高いことがわかる。", "この疫学研究方法は、コホート研究である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nサルコペニアとは、加齢や疾患により筋肉量が減少する状態のことであり、身体機能障害(歩く速度が遅くなる、手すりや杖が必要となる)や転倒リスクの要因となるため、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)と同様に、将来介護が必要となる要因の一つである。2:誤\n「健康教育+筋トレ」群の「健康教育のみ」群に対するサルコペニアの相対危険度は、(33/40)/(37/40)\\fallingdotseq 0.892であり、「健康教育+サプリ摂取」群の「健康教育のみ」群に対するサルコペニアの相対危険度は、(35/40)/(37/40)\\fallingdotseq 0.946である。上記の結果より、「健康教育+筋トレ」群よりも「健康教育+サプリ摂取」群の方が、「健康教育のみ」群に対するサルコペニアの相対危険度は大きい。3:正\n「健康教育+筋トレ+サプリ摂取」群の、「健康教育のみ」群に対するサルコペニアの相対危険度は、(28/40)/(37/40)\\fallingdotseq 0.757である。4:誤\n設問の図より筋トレよりもサプリ摂取を行う方が、3ヶ月後の膝関節伸展筋力の変動(%)が低いと読み取ることができるが、両群ともに健康教育のみに比べて有意差があるとは言えない。5:誤\nこの研究は、75歳以上のサルコペニアの高齢者160名を複数の介入群と対照群に無作為に割り当てていることから、無作為化(ランダム化)比較試験である。"} +{"problem_id": "106120", "problem_text": "「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["こころの健康づくりのため、メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合が増加することを目標としている。", "健康増進法は、健康日本21の推進、健康づくり、生活習慣病の予防に対する施策を講じるために施行された。", "栄養・食生活の改善のため、食塩摂取量の減少や野菜・果物摂取量の増加を目標としている。", "2013年から開始された健康日本21(第二次)においては、感染性疾患の対策を講じることが追加された。", "健康日本21(第二次)では、健康寿命の延伸と健康格差の縮小が目標となっている。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n健康日本21では、メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合を100%(平成32年)にすることを目標としている。2:正しい\n健康増進法は、国民の健康の増進の総合的な推進、国民の健康の増進に対する措置を講じるために施行された。3:正しい\n健康増進法は、国民の栄養・食生活の改善を基本方針としている。4:誤っている\n5:正しい\n健康日本21(第二次)では、健康寿命の延伸(平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加)と健康格差の縮小(都道府県格差の縮小)が目標となっている。"} +{"problem_id": "106121", "problem_text": "我が国における性感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる。", "定点把握報告の対象となっている性感染症のうち、膣カンジダ症が最も報告数が多い。", "淋菌感染症の報告数は、公衆衛生の向上により減少し、平成25年以降は感染の報告がない。", "B 型肝炎は、母子感染に加え、性的接触によっても起こる。", "感染症法^{*}では、梅毒への対応として特定職種への就業が制限されている。*感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス6、11型などによって引き起こされる性感染症である。2:誤\n性感染症の中で患者数が最も多いのは、性器クラミジア感染症である。3:誤\n淋菌感染症の患者数は、公衆衛生の向上により30年前に比べ激減したが、2008年(平成20年)以降ほぼ横ばいで、2019年(令和元年)の年間報告数は、8,205人である。4:正\nB型肝炎ウイルスは、主に血液・体液を介して感染する。感染経路として、母子感染、血液感染、性行為による感染がある。5:誤\n感染症法における就業制限の対象は、一類感染症及び二類感染症、三類感染症、新型インフルエンザ等感染症、新感染症、指定感染症である。梅毒は五類感染症に分類されるため、梅毒への対応として就業制限を行わない。"} +{"problem_id": "106122", "problem_text": "表は、我が国の女性における胃、子宮、大腸、肝臓及び乳房の悪性新生物による死亡数の推移を表したものである。乳房に該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n胃の悪性新生物による死亡数の推移\n胃の悪性新生物による死亡数が低下している理由として、食生活をはじめとする生活様式の変化、医療技術進歩による早期発見・治療が可能になったことが関係していると考え��れる。2:誤\n肝臓の悪性新生物による死亡数の推移\n肝臓の悪性新生物による死亡数が近年低下傾向にある理由として、抗ウイルス薬によりC型慢性肝炎の治療が可能になったことが関係していると考えられる。3:誤\n大腸の悪性新生物による死亡数の推移\n4:正\n乳房の悪性新生物による死亡数の推移\n乳房の悪性新生物による死亡数が増加している理由として、食生活の欧米化、女性の社会進出により、エストロゲンが乳がん細胞を増殖させる機会が増えたと考えられる。5:誤\n子宮の悪性新生物による死亡数の推移"} +{"problem_id": "106123", "problem_text": "母子感染に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["風しんウイルスは、主に経胎盤感染で胎児に感染し、先天性風しん症候群を引き起こすことがある。", "妊娠の初期に妊婦がトキソプラズマ原虫に感染した場合、経胎盤感染によって胎児に重篤な症状が引き起こされることがある。", "先天梅毒は、梅毒トレポネーマを原因菌とし、産道感染を介して新生児に伝播する感染症である。", "成人T細胞白血病の原因ウイルスであるヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)に妊婦が感染している場合、出生後は人工乳を授乳する。", "ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の母子感染には、経胎盤感染、産道感染及び母乳感染がある。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n妊婦が妊娠初期に風しんウイルスに感染すると、主に経胎盤感染で胎児に感染し、先天性風しん症候群を引き起こすことがある。2:正しい\n妊娠の初期に妊婦がトキソプラズマ原虫に感染した場合、経胎盤感染によって胎児に重篤な症状(水頭症、視力障害、精神運動機能障害等)が引き起こされることがある。3:誤っている\n先天梅毒は、梅毒トレポネーマを原因菌とし、経胎盤感染により新生児に伝播する感染症である。4:正しい\nヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)に妊婦が感染している場合、母乳感染することがある。よって、妊婦がヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)に感染している場合、出生後は人工乳を授乳する必要がある。5:正しい"} +{"problem_id": "106124", "problem_text": "ビタミン K は正常な生理機能の維持に不可欠であり、通常は必要量を食品から摂取している。問 124(衛生) ビタミン K の摂取及び過不足に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["緑色野菜などのビタミン K を多く含む食品の摂り過ぎによる過剰症が知られている。", "肝・胆道疾患では、腸管からの吸収が低下すると、不足しやすい。", "過剰摂取により、頭蓋内出血や消化管出血が起こることがある。", "母乳中に多く含まれるため、母乳を授乳される新生児には不足は起こりにくい。", "発酵食品である納豆は、ビタミン K_{2}(メナキノン類)を多く含むので、食品からのビタミン K の供給源の一つである。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n緑黄色野菜、納豆などのビタミンKを多く含む食品を摂り過ぎによる過剰症は知られていない。2:正\n肝・胆道疾患では、胆汁うっ滞により腸管に分泌される胆汁酸が減少するため、脂溶性ビタミンであるビタミンKの吸収が低下し、ビタミンK欠乏症を起こしやすい。3:誤\nビタミンKが不足すると、凝固因子の機能が低下するため、頭蓋内出血や消化管出血が起こることがある。4:誤\n母乳中のビタミンK含量が少なく、個人差が大きいため、母乳を授乳される新生児でも不足することがある。5:正\n天然に存在するビタミンKは2種類あり、緑黄色野菜などに含まれるビタミンK_{1}(フィロキノン類)及び細菌によって合成されるビタミンK_{2}(メナキノン類)がある。納豆には納豆菌によって合成されるビタミンK_{2}が多く含まれる。"} +{"problem_id": "106125", "problem_text": "ビタミン K の一種であるビタミン K_{2}(メナテトレノン)に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヘキサンには極めて溶けやすいが、水にはほとんど溶けない。", "光によって分解し、着色が強くなる。", "還元されるとヒドロキノン型になる。", "赤外吸収スペクトルにおいて、1500 cm^{-1}付近にカルボニル基に由来する吸収を示す。", "2-メチル-1,4-ナフトキノンにイソプレン単位で構成されるプレニル基が結合している。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\nメナテトレノンは脂溶性であり、ヘキサンには極めて溶けやすいが、水にはほとんど溶けない。2:正しい\nメナテトレノンは光によって分解し、着色が強くなる。3:正しい\nメナテトレノンは光によって分解し、着色が強くなる。4:誤っている\n赤外吸収スペクトルにおいて、1750〜1650 cm^{-1} 付近にカルボニル基に由来する吸収を示す。なお、1500 cm^{-1} 指紋領域であり、官能基特有の吸収は現れない。5:正しい"} +{"problem_id": "106126", "problem_text": "ビタミン K の生理作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ビタミンK は、プロトロンビンの生成に関与する。", "ワルファリンによりビタミン K 依存性凝固因子の生成が促進される。", "ビタミン K は、タンパク質のグルタミン酸残基の修飾に関与する。", "ビタミン K は、デヒドロゲナーゼの補酵素として働く。", "ビタミン K は、骨基質タンパク質オステオカルシンの分解を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nビタミンKは、ビタミンK依存性凝固因子である第II因子(プロトロンビン)、VII因子、IX因子、X因子の生成に関与する。2:誤\nワルファリンは、肝臓でビタミンKと拮抗するため、ビタミンK依存性凝固因子の生成を阻害する。3:正\nビタミンKは、タンパク質のグルタミン酸残基を\\gamma -カルボキシグルタミン酸残基に変換する反応に関与する。4:誤\nビタミン K は、ビタミンK依存性カルボキシラーゼの補酵素として働く。5:誤\nビタミン K は、骨基質タンパク質オステオカルシンの生成を促進する。"} +{"problem_id": "106127", "problem_text": "エネルギー代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["呼吸商とは、二酸化炭素排出量から酸素消費量を差し引いた値である。", "Atwater 係数は、糖質、脂質、タンパク質の物理的燃焼値、消化吸収率及び未利用エネルギーをもとに設定された値である。", "非タンパク質呼吸商は、尿中に排泄される窒素量に窒素係数6.25を乗じて求められる。", "基礎代謝基準値は、男女ともに10代で最大となる。", "成人の推定エネルギー必要量は、基礎代謝量に身体活動レベルを乗じて求められる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n呼吸商とは、ある時間において生体内で栄養素が分解されてエネルギーに変換されるまでに発生した二酸化炭素量を、消費した酸素量で除した値である。2:正\nAtwater係数は、糖質、脂質、タンパク質の熱量を換算する際に用いられる係数であり、糖質、脂質、タンパク質1 gを酸素下で燃焼させた熱量(物理的燃焼値)、消化吸収率及び未利用エネルギーをもとに設定される。3:誤\n非タンパク質呼吸商は、CO_{2}の排出量の実測値とタンパク質燃焼時のCO_{2}排出量の差をO_{2}の消費量の実測値とタンパク質燃焼時のO_{2}排出量の差で除した値である。なお、尿中に排泄される窒素量に窒素係数6.25を乗じて求められるのは、タンパク質の体内燃焼量である。4:誤\n基礎代謝基準値(体重1kg当たりの基礎代謝量)は、男女ともに1〜2歳で最大となる。なお、基礎代謝量は男女ともに10代で最大となる。5:正\n成人の推定エネルギー必要量は、以下の式で算出される。成人の推定エネルギー必要量=基礎代謝量\\times 身体活動レベル"} +{"problem_id": "106128", "problem_text": "図は、体重 70 kg の男性がグルコース 100 g を摂取後に絶食した場合の血中グルコース濃度に基づいた理論的なグルコース消費量の経時変化を示している。図の縦軸はグルコース消費量を、横軸はグルコース摂取後の時間経過をステージI~IV に分けて示している。「:A 」及び「:B:」は血中グルコースの供給源を示す。この図に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["「:A 」は、グリコーゲンである。", "「:B:」は、糖新生であり、ステージII、IIIでは筋肉においてタンパク質が分解されて生じたアラニンが肝臓に運ばれて起こる。", "ステージIII、IVでは、脂肪組織中のトリアシルグリセロールが血中に放出され、血中トリアシルグリセロール濃度が上昇する。", "ステージIVでは、脳でケトン体がエネルギーとして利用される。", "ステージIVでは、肝臓だけでなく腎臓においても糖新生が亢進する。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n摂取したグルコースが消費された後、肝臓にあるグリコーゲン由来のグルコースが消費される。2:正しい\n肝臓にあるグリコーゲン由来のグルコースが消費されるとともに、ステージII、IIIでは筋肉においてタンパク質が分解されて生じる糖原性アミノ酸が肝臓に運ばれて糖新生が行われる。3:誤っている\nステージIII、IVでは、脂肪組織でトリアシルグリセロールがリパーゼによる分解を受け、その際生成する脂肪酸が血液中に放出される。4:正しい\nステージIVでは、脂肪酸の\\beta 酸化により生成したアセチルCoAからケトン体が生成され、それらが主に心臓、脳でエネルギー源として利用される。5:正しい\nステージIV(長期飢餓状態)では、肝臓で糖新生が起こるとともに腎臓でも糖新生が亢進する。"} +{"problem_id": "106129", "problem_text": "食品に含まれる有害物質A~Eに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Aは、魚肉や魚卵に含まれるジメチルアミンが胃内で亜硝酸と反応することにより生成する。", "Bは、肉や魚の加熱により生成し、シトクロム P450 及びアセチルトランスフェラーゼにより代謝されて変異原性を示す。", "Cは、輸入ピーナツに付着した Aspergillus flavus が産生する発がん物質である。", "Dは、神経毒性を有し、じゃがいもを高温で加熱調理することで生成する。", "Eは、魚のくん製に含まれる発がん物質である。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nA(アクリルアミド)は、アスパラギンと糖がメイラード反応を起こすことで生成する。アクリルアミドは、ジャガイモを高温加熱調理する過程で生成するため、多くの加工食品(ポテトチップスなど)から検出される。2:正\nB(Trp-P-2)は、肉や魚に含まれるトリプトファンの加熱により生成し、シトクロムP450及びアセチルトランスフェラーゼによりニトレニウムイオンとなり変異原性を示す。3:誤\nC(ベンゾ[a]ピレン)は、くん製中に検出される。ベンゾ[a]ピレンは、シトクロムP450によるエポキシ化を受け、発がん性を示す。4:誤\nD(ジメチルニトロソアミン)は、魚肉、魚卵に含まれるジメチルアミンが亜硝酸と胃内で反応することで生成する発がん性物質である。5:誤\nE(アフラトキシンG_{1})は、Aspergillusflavusが産生する発がん物質である。アフラトキシンG_{1}は、シトクロムP450によるエポキシ化を受け、発がん性を示す。"} +{"problem_id": "106130", "problem_text": "「食の安全性」を確保するための法制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["食品安全基本法において、消費者は食の安全性に積極的役割を果たすことが求められている。", "食品衛生法において、食品に触れる器具、容器包装、洗浄剤、及び乳幼児が口にするおもちゃは規制・措置の対象とはならない。", "HACCP とは、食品製造における最終製品の抜き取り検査による衛生管理の方法である。", "食品表示法において、厚生労働大臣により食品に関する表示の基準が定められている。", "食品表示法において、食物アレルギーの発症数が多い、あるいは症状が重篤となる7品目を特定原材料と定め、表示を義務付けている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n食品安全基本法は、食品の安全性の確保に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体及び食品関連事業者の責務並びに消費者の役割を明らかにするとともに、施策の策定に係る基本的な方針を定めることにより、食品の安全性の確保に関する施策を総合的に推進することを目的とした法律である。本法では、「消費者は、食品の安全性の確保に関する知識と理解を深めるとともに、食品の安全性の確保に関する施策について意見を表明するように努めることによって、食品の安全性の確保に積極的な役割を果たすものとする。」と定められている。2:誤\n食品衛生法において、食品に触れる器具、容器包装、洗浄剤、及び乳幼児が口にするおもちゃも規制・措置の対象となる。3:誤\nHACCP (Hazard Analysis and Critical Control Point)とは、「危害要因分析重要管理点」と訳される。HACCPによる衛生管理では、原料の受入れから製造、出荷までのすべての工程において、健康被害を引き起こす可能性のある危害要因を分析し、特に危害が発生しやすい場所を定め、継続的に管理することで食品の安全性を確保する。4:誤\n食品表示法において、内閣総理大臣により食品に関する表示の基準が定められている。5:正\n食品表示法において、食物アレルギーの発症数が多い、あるいは症状が重篤となる7品目(食物アレルギーの発症数が多いものとして「卵」、「乳」、「小麦」、「えび」、「かに」、症状が重篤となるものとして、「そば」、「落花生」)を特定原材料と定め、表示を義務付けている。"} +{"problem_id": "106131", "problem_text": "化学物質の主な有害作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["塩化ビニルモノマーは、膀胱がんを引き起こす。", "フェニトロチオンは、近位尿細管細胞に蓄積して腎障害を引き起こす。", "アスベストは、肺がんや悪性中皮腫の原因となる。", "ベンジジンは、造血機能障害を引き起こす。", "シアン化水素は、シトクロムオキシダーゼを阻害して細胞呼吸を停止させる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n塩化ビニルモノマーは、シトクロムP450によりエポキシ化を受けエポキシドとなり、肝・胆道系がんを引き起こす。2:誤\nフェニトロチオンは、シトクロムP450により酸化的脱硫反応を受けオキソン体となり、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで副交感神経症状、筋症状、中枢神経障害を引き起こす。3:正\nアスベストは、肺線維症、肺がんや悪性中皮腫の原因となる。4:誤\nベンジジンは、膀胱がんを引き起こす。5:正\nシアン化水素は、細胞のミトコンドリアに存在するシトクロムオキシダーゼを阻害して内呼吸を停止させる。"} +{"problem_id": "106132", "problem_text": "覚醒剤に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メタンフェタミンは、アンフェタミンのアミノ基がメチル化されたものである。", "摂取を中断しても、摂取時と同様の精神症状が現れるフラッシュバックがみられることがある。", "摂取を中断すると、身体依存性が強く現れる。", "中枢神経を興奮させ、発汗、悪心、けいれんなどの症状が現れる。", "摂取の確認には、尿や毛髪中の未変化体を調べる。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nメタンフェタミンとアンフェタミンの構造を下記に示す。2:正しい\nフラッシュバックとは、覚醒剤を中止したにも関わらず、幻覚や被害妄想などの中毒精神病の症状が自然再燃することである。3:誤っている\n覚醒剤使用により精神依存が現れることがあるが、身体依存はほとんど認められない。4:正しい\n覚醒剤には、中枢神経興奮作用がある。覚醒剤を使用すると、発汗、悪心、けいれんなどの症状が現れるが、体内から覚醒剤が消失すると、脱力感、疲労感、抑うつなどの症状が現れる。5:正しい"} +{"problem_id": "106133", "problem_text": "毒性試験に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["一般毒性試験は、単回投与毒性試験と反復投与毒性試験に大別される。", "反復投与毒性試験は、50%致死量(LD_{50})を求めるのに利用される。", "遺伝毒性試験のうち、小核試験では染色体異常を検出する。", "催奇形性試験では、被験物質を妊娠中の母動物に投与した時の胎仔の発生及び発育に対する影響を観察する。", "発がん性試験では、動物に被験物質を長期にわたって連続投与し、悪性腫瘍の発生の有無を観察する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n一般毒性試験は、単回投与毒性試験、反復投与毒性試験に大別され、1回あるいは所定の期間毎日被験物質を投与し、毒性変化を確認する。2:誤っている\n反復投与毒性試験は、無毒性量(NOAEL)、最小毒性量(LOAEL)を求めるのに利用される。なお、50%致死量(LD_{50})は、単回投与毒性試験により求める。3:正しい\n遺伝毒性試験には、DNA損傷を検出する試験(コメット試験など)、染色体異常を検出する試験(小核試験、染色体異常試験など)、遺伝子の突然変異を検出する試験(復帰突然変異試験など)がある。4:正しい\n催奇形性試験では、被験物質を妊娠中の母動物に投与した時、胎児の発生に対し悪影響がないか、胎児に奇形を起こさないか調べる。5:正しい\n発がん性試験では、動物に被験物質をほぼ一生に相当���る期間にわたって被験物質を連続投与し、悪性腫瘍の発生の有無を調べる。"} +{"problem_id": "106134", "problem_text": "「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」の第一種特定化学物質はどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン(PCDD)は非意図的生成物であり、化審法の規制対象外である。2:誤\nポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)は非意図的生成物であり、化審法の規制対象外である。3:正\nポリ塩化ビフェニル(PCB)は、化審法における第一種特定化学物質に分類される。なお、化審法は、PCBを原因とするカネミ油症を契機に制定された。4:誤\nクロロニトロフェンは、化審法における第一種特定化学物質に分類されていない。5:正\nポリ塩化ナフタレン(PCN)は、化審法における第一種特定化学物質に分類される。"} +{"problem_id": "106135", "problem_text": "発がん物質の代謝活性化に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": [" O-トルイジンは、シトクロム P450によりヒドロキシルアミン体となり、さらにアセチル化反応により活性化される。", "サイカシンは、ベンジルアルコール型代謝物のエステルに活性化される。", "スチレンは、シトクロム P450によりスチレンオキシドに活性化される。", "ビス(クロロメチル)エーテルは、グルタチオン抱合により活性化される。", "ナイトロジェンマスタードは、酸化的代謝反応で生じるアルキルジアゾヒドロキシドに活性化される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nO-トルイジンは、シトクロムP450によりN-水酸化されヒドロキシルアミンとなり、さらにアセチル抱合(アセチル化)され、ニトレニウムイオンやカルボニウムイオンとなることで発がん性を示す。2:誤\nサイカシンは、腸内細菌の\\beta -グルコシダーゼにより加水分解され、最終的にメチルカチオンとなることで発がん性を示す。3:正\nスチレンは、シトクロムP450によりエポキシ化され、スチレンオキシドとなることで発がん性を示す。4:誤\nビス(クロロメチル)エーテルは、代謝されることなく発がん性を示す(一次発がん物質)。5:誤\nナイトロジェンマスタードは、代謝されることなく発がん性を示す(一次発がん物質)。"} +{"problem_id": "106136", "problem_text": "電離放射線の防御に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["防御3の原則である「時間」、「距離」、「遮へい」は、内部被曝の低減を目的としている。", "\\alpha 線はX線や\\gamma 線に比べて電離作用が強いので、外部被曝の危険性が高い。", "^{32}Pから放出されるエネルギーの強い\\beta 線を遮へいする場合は、鉛板や鉛ブロックを用いる。", "安定ヨウ素剤は、甲状腺への^{131}I の蓄積を防ぐために投与される。", "放射性同位体を摂取した後、体内の放射線量が半分になるまでの期間を有効半減期という。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n防御3の原則である「時間」、「距離」、「遮へい」は、外部被曝の低減を目的としている。2:誤\n\\alpha 線はX線や\\gamma 線に比べて電離作用が強いので、内部被曝の危険性が高い。3:誤\n^{32}Pから放出されるエネルギーの強い\\beta 線を遮へいする場合は、アクリル板を用いる。4:正\n放射性ヨウ素^{131}Iによる暴露を受ける前に、安定ヨウ素剤を服用すると甲状腺への^{131}I の蓄積を防ぐことができる。5:正\n放射性同位体を摂取した後、体内の放射線量が半分になるまでの期間を有効半減期といい、物理的半減期(放射壊変により放射線量が半分になる期間)の逆数と生物学的半減期(代謝や排泄により放射線量が半分になる期間)の逆数で表される。"} +{"problem_id": "106137", "problem_text": "化学物質の環境内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["生物濃縮の程度を示す指標である濃縮係数は、化学物質の環境中濃度と生体内濃度の差で表される。", "1-オクタノール/水分配係数が小さい化学物質ほど、生物濃縮されやすい。", "生物濃縮には、直接濃縮と間接濃縮があり、後者は食物連鎖によって引き起こされる。", "直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸は、分岐型のものに比べ環境中の微生物による分解を受けにくい。", "DDT(ジクロ���ジフェニルトリクロロエタン)及びその代謝物は、動物の脂肪組織に残留しやすい。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n生物濃縮の程度を示す指標である濃縮係数(CF)は、下記の式で表される。2:誤\n1-オクタノール/水分配係数が大きい化学物質ほど、細胞内に蓄積しやすいため、生物濃縮されやすい。3:正\n生物濃縮には、主に直接濃縮と間接濃縮がある。4:誤\n直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸は、分岐型のものに比べ環境中の微生物による分解を受けやすい。5:正\nDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)及びその代謝物DDE(ジクロロジフェニルジクロロエチレン)は、いずれも脂溶性が高く動物の脂肪組織に残留しやすい。"} +{"problem_id": "106138", "problem_text": "地球環境問題とそれに対する国際的な取組の組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "106139", "problem_text": "大気汚染物質に関する法規制と環境基準に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["二酸化硫黄と微小粒子状物質には、環境基準が設定されている。", "ばい煙の発生施設ごとに国が定める一般排出基準が設定されている。", "窒素酸化物に対して、有効煙突高さに応じてK値規制が設定されている。", "大気中のダイオキシン類に対して、環境基準が設定されている。", "自動車交通による大気汚染状況に対応するため、特定地域において自動車からの窒素酸化物と粒子状物質の排出量削減が行われている。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n環境基本法により、大気汚染に係る環境基準が設定されている。2:正しい\n大気汚染防止法では、ばい煙の発生施設ごとに国が一般排出基準を定めている。3:誤っている\n有効煙突高さに応じてK値規制が設定されているのは、硫黄酸化物である。4:正しい\n解説1参照\n5:正しい\n自動車PM・NOx法に関する記述である。"} +{"problem_id": "106140", "problem_text": "床面積36 m^{2}、高さ2.2 mの部屋がある。1時間あたり2回の換気が行われる場合、この部屋に在室可能な人数は、最大で何名か。1つ選べ。ただし、1人あたり30 m^{3}/hの必要換気量を確保することとする。", "choices": ["2", "3", "4", "5", "6"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "①: 室内の気積を求める\n室内の気積=床面積(36 m^{2})\\times 高さ(2.2 m)=79.2 m^{3}\n②: 1時間あたり換気される気積を求める\n1時間あたり換気される気積=79.2 m^{3}\\times 2/h=158.4 m^{3}/h\n③: 在室可能な最大人数を求める\n158.4 m^{3}/h/30 m^{3}/h /人=5.28人\n上記の計算結果より、在籍可能な最大人数は5人となる。"} +{"problem_id": "106141", "problem_text": "過去に重篤な副作用で問題となった医薬品成分のうち、適切な安全対策などを施すことで別の適応症で承認を受けたものがいくつかある。その組合せとして適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nサリドマイドは、過去に睡眠導入薬として用いられていたが、サリドマイド薬害(妊婦が服用すると、四肢奇形児を出生する)で問題となり、使用が禁止された。現在、サリドマイドは、「サリドマイド製剤安全管理手順」を適正に遵守することを承認条件として、再発又は難治性の多発性骨髄腫に用いられている。2:誤\nクロロキンは、重篤な副作用としてクロロキン網膜症を起こすため、現在は使用されていない。なお、ヒドロキシクロロキンは、現在、全身エリテマトーデスの治療薬として用いられている。3:誤\nソリブジンは、過去にソリブジン事件(フルオロウラシル系抗がん剤と併用することで重篤な血液障害が現れる)で問題となり、現在は使用されていない。4:誤\nキノホルムは、過去にスモン(亜急性脊髄視神経末梢神経症)で問題となり、現在は使用されていない。5:誤\nゲフィチニブは、過去に間質性肺炎で問題となったが、現在も手術不能又は再発非小細胞肺がんに用いられる。"} +{"problem_id": "106142", "problem_text": "医療者が患者に悪い知らせを伝える際のコミュニケ―ションスキルとして SPIKES モデル^{(注)}がある。薬剤師が抗がん剤の副作用について説明をする場面に関する記述のうち、SPIKES モデルの「Invitation」に該当するのはどれか。1つ選べ。��注) SPIKES: Setting(面談の設定), Perception(患者認識の評価), Invitation(患者からの求めの確認), Knowledge(知識や情報の提供), Empathy(感情への共感的対応), Strategy & Summary(方針とまとめ)", "choices": ["患者が何を具体的に知りたいと思っているか確認した。", "プライバシーが守られ、落ち着いて話せる面談室を用意した。", "抗がん剤治療について患者が受けた説明内容を確認した。", "副作用が起きたときの対応について十分に説明した。", "副作用に対する患者の不安な気持ちに寄り添う対応をした。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nInvitation(患者からの求めの確認)に該当する。2:誤\nSetting(面談の設定)に該当する。3:誤\nPerception(患者認識の評価)に該当する。4:誤\nStrategy & Summary(方針とまとめ)に該当する。5:誤\nEmpathy(感情への共感的対応)に該当する。"} +{"problem_id": "106143", "problem_text": "薬局開設者が、患者の同意なしでも薬剤服用歴等の患者の個人情報を第三者に提供可能な場合はどれか。1つ選べ。", "choices": ["先発医薬品の製造販売業者から、後発医薬品の使用状況についての開示を求められた場合", "厚生労働大臣に対して、医薬品の副作用報告を行う場合", "患者の勤務会社から、健康診断のために、患者の薬剤服用歴等について情報提供を求められた場合", "患者が通う学校の教員から、患者の健康状態の把握のために、患者の薬剤服用歴等について情報提供を求められた場合", "健康食品のマーケティング会社に対して、営利目的で生活習慣病の患者情報一覧を販売する場合"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "個人情報取扱事業者は、本人を同意を得ないで、個人情報を第三者に提供してはならない。ただ、例外的に1〜4に該当する場合には、本人の同意なく、個人情報を第三者に提供することができる。法令に基づく場合(医薬品医療機器等安全性情報報告制度による医薬品の副作用報告など)\n人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき\n公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき\n国の機関もしくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき"} +{"problem_id": "106144", "problem_text": "医薬品の再審査制度に関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["再審査制度は、特許期間の終了前に医薬品の有効性及び安全性を再確認する制度である。", "再審査のための調査や試験に必要な期間を再審査期間として、製造販売業者が厚生労働大臣に届出を行う。", "再審査申請書には、医薬品の使用成績調査に関する資料の添付が必要である。", "再審査期間中の副作用報告は、製造販売業者のみに対し義務づけられている。", "後発医薬品は、再審査の対象となっている。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "医薬品再審査制度とは、新医薬品等(新医薬品及び新医薬品と同一性を有すると認められる医薬品)について、製造販売承認取得後一定期間の後、新たな知見に基づき、当該医薬品の品質、有効性及び安全性に関して厚生労働大臣が再度確認するための制度である。1:誤\n再審査は、医薬品ごとに定められた再審査期間の後に行う。2:誤\n再審査期間は、医薬品医療機器等法の規定により医薬品ごとに厚生労働大臣が指定する。3:正\n4:誤\n再審査期間中の副作用報告は、製造販売業者のみならず、医療従事者(薬剤師、医師など)に対しても義務付けられている。5:誤\n前記参照"} +{"problem_id": "106145", "problem_text": "医薬品の研究開発から製造販売に至る業務のうち、原則として薬剤師が行うこととされているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["GLP 省令における試験施設の試験責任者の業務", "GCP 省令における治験実施医療機関の治験協力者の業務", "GQP 省令における医薬品製造販売業の品質保証責任者の業務", "GVP 省令における医薬品製造販売業の安全管理責任者の業務", "GMP 省令における医薬品製造所(生物由来製品を除く)の製造管理者の業務"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nGLP 省令における試験施設の試験責任者とは、試験の実施、記録、報告等について責任を有する者であり、薬剤師以外でもなることができる。2:誤\nGCP 省令における治験協力者とは、治験実施医療機関において、治験責任医師又は治験分担医師の指導の下にこれらの者の治験に係る業務に協力する薬剤師、看護師、その他の医療関係者と定義づけられている。3:誤\nGQP 省令における医薬品製造販売業の品質保証責任者とは、品質管理業務を統括する者である。【品質保証責任者の資格要件】\n品質保証部門の責任者であること。品質管理業務その他これに類する業務に3年以上従事した者であること。品質管理業務を適正かつ円滑に遂行しうる能力を有する者であること。医薬品等又は医療機器の販売に係る部門に属する者でないことその他品質管理業務の適正かつ円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがない者であること。4:誤\nGVP 省令における医薬品製造販売業の安全管理責任者とは、安全確保業務を統括する者である。【安全管理責任者の資格要件】\n安全管理統括部門の責任者であること。安全確保業務その他これに関する業務に 3 年以上従事した者であること。安全確保業務を適正かつ円滑に遂行しうる能力を有する者であること\n医薬品等の販売に係る部門に属する者でないことその他安全確保業務の適正かつ円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがない者であること。5:正"} +{"problem_id": "106146", "problem_text": "医薬品の製造販売業及び製造業に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["第一種医薬品製造販売業の許可を受ければ、処方箋医薬品の製造販売を行うことができる。", "製造販売業者が自社製品を製造する自社の製造所は、製造業の許可を受けているものとみなされる。", "製造販売業者が、自ら輸入した医薬品を薬局開設者に販売する場合には、医薬品販売業の許可を必要としない。", "製造業者が、自ら製造した医薬品を店舗販売業者に販売する場合には、医薬品販売業の許可を必要としない。", "製造業者は、製造しようとする医薬品の品目ごとに許可を受けなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n第一種医薬品製造販売業の許可を受ければ、厚生労働大臣が指定する医薬品(処方箋医薬品)の製造販売を行うことができる。2:誤\n医薬品(体外診断用医薬品を除く)の製造販売業者が、自社の製品である医薬品(体外診断用医薬品を除く)を自社の製造所で製造する場合には、製造所ごとに製造業の許可を必要とする。3:正\n医薬品を業として販売又は授与できるのは、原則として、薬局開設者、医薬品販売業の許可を受けた者である。【例外】\n・医薬品製造販売業者が自らの製造等又は輸入した医薬品を薬局開設者、医薬品の製造販売業、製造業者もしくは販売業者に販売又は授与する場合\n・医薬品の製造業者が自ら製造した医薬品を医薬品製造販売業者もしくは製造業者に販売又は授与する場合\n4:誤\n解説3参照\n5:誤\n医薬品(体外診断用医薬品を除く)の製造業の許可は、区分に従い製造所ごとに与えられる。"} +{"problem_id": "106147", "problem_text": "医薬品の添付文書等(医薬品に添付する文書又はその容器若しくは被包)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": [" 製造販売業者は、添付文書等記載事項について、法令で定められた方法によって公表しなければならない。", "添付文書等記載事項は、薬価改定にあわせて変更しなければならない。", "添付文書等記載事項は、医薬品に関する最新の論文その他により得られた知見に基づき、記載されていなければならない。", "製造販売業者は、厚生労働大臣が指定する医薬品の添付文書等記載事項の内容について、あらかじめ厚生労働大臣の許可を受けなければならない。", "添付文書等に承認を受けていない効能又は効果を記載するためには、承認を受けていない旨を注記しなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n医薬品製造販売業者は、添付文書等記載事項の届出及び公表が義務付けられている。【公表方法】\n機構ウェブサイトへの掲載により行う\n【届出方法】\n機構ウェブサイトの専用ページにおいて��添付文書等記載事項の届出を行う\n医薬品等に関する必要事項を入力するとともに、添付文書等記載事項を記録したファイルをアップロードにより届出を行う\n2:誤\n添付文書等記載事項は、薬価改定にあわせて変更する必要はない。3:正\n4:誤\n製造販売業者は、厚生労働大臣が指定する医薬品の添付文書等記載事項の内容について、あらかじめ厚生労働大臣の許可を受ける必要はない。5:誤\n添付文書等に承認を受けていない効能・効果を記載することは認められていない。"} +{"problem_id": "106148", "problem_text": "日本薬局方に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めた医薬品の規格基準書である。", "通則、生薬総則、製剤総則、一般試験法及び医薬品各条から構成される。", "「日本薬局方に収められている物」は、医薬品医療機器等法において医薬品と定義されている。", "薬局方は我が国独特の規格基準書であり、米国や欧州に同様のものは存在しない。", " 少なくとも10年ごとに全面にわたって見直されなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n日本薬局方は、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めた医薬品の規格基準書であり、日本における医薬品全体の品質管理、試験法の標準的水準等を示すことを目的として作成される。2:正しい\n日本薬局方は、通則(局方の記載、解説、運用全般にわたる原則)、生薬総則(生薬各条の記載、解釈、運用全般にわたる記述)、製剤総則(製剤についての一般的な規則と解釈)、一般試験法(共通性の高い試験法)、医薬品各条(医薬品等の規格及び試験法)から構成されている。3:正しい\n日本薬局方に収められている物は、医薬品と定義される(医薬品医療機器等法第2条第1項)。4:誤っている\n薬局方は、日本薬局方以外に欧州薬局方、米国薬局方が存在する。5:正しい\n厚生労働大臣は、少なくとも10年ごとに日本薬局方の全面にわたって薬事・食品衛生審議会の検討が行われるように、その改定について薬事・食品衛生審議会に諮問しなければならない。"} +{"problem_id": "106149", "problem_text": "毒物及び劇物取締法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を直接に取り扱う製造所、営業所又は店舗ごとに、原則として、専任の毒物劇物取扱責任者を置かなければならない。", "毒物劇物取扱責任者は、薬剤師でなければならない。", "毒物又は劇物の製造業の登録及び販売業の登録は、毎年、更新を受けなければその効力を失う。", "毒物又は劇物の製造業の登録は、製造しようとする品目を登録しなければならない。", "毒物又は劇物の製造業の登録を行えば、登録品目と同じ毒物又は劇物の輸入を行うこともできる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を直接に取り扱う製造所、営業所又は店舗ごとに、専任の毒物劇物取扱責任者を置き、保健衛生上の危害の防止に当たらなければならない。ただし、その製造所等のうち2以上を併せて営み、互いに隣接している場合などは、毒物劇物取扱責任者はこれらの施設を通じて1人で足りる。2:誤\n毒物劇物取扱責任者は、薬剤師でなくてもよい。【毒物劇物取扱責任者の資格】\n・薬剤師\n・厚生労働省令で定める学校で、応用化学に関する学課を修了した者\n・都道府県知事が行う毒物劇物取扱者試験に合格した者\n3:誤\n毒物又は劇物の製造業の登録は5年ごと、販売業の登録は6年ごとに更新を受けなければ、その効力を失う。4:正\n5:誤\n毒物又は劇物の製造業の登録を行っても、登録品目と同じ毒物又は劇物の輸入を行うことはできない。なお、毒物又は劇物を輸入するためには、毒物又は劇物の輸入業の登録を行う必要がある。"} +{"problem_id": "106150", "problem_text": "医療保険制度上、後発医薬品の使用促進のために、これまで国が実施してきた政策として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方箋の様式を変更して、医師への照会なしで薬剤師が処方された医薬品を後発医薬品に変更できるようにした。", "薬剤師に対し、患者へ後発医薬品に関する説明を適切に行う義務��課して、患者が後発医薬品について正しく理解できるようにした。", "初めて先発医薬品から後発医薬品に変更して調剤するときは、投与日数を分割して調剤できるようにして、患者が後発医薬品を短期間試せるようにした。", "後発医薬品の調剤数量の割合が多い薬局については、調剤報酬で評価できるようにした。", "後発医薬品を調剤した場合の調剤技術料を減額して、患者の自己負担額を減らした。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n処方箋に「変更不可の欄」「変更不可の欄にチェックを記載した場合の保険医署名の欄」を設けることで、医師への照会なしで薬剤師が処方された医薬品を後発医薬品に変更できるようにした。2:正しい\n先発医薬品から後発医薬品への変更調剤が可能な処方せんを受け付けた保険薬局の保険薬剤師は、患者に対して後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない。3:正しい\n初めて先発医薬品から後発医薬品に変更して調剤する場合には、投与日数を分割して短い間、後発医薬品を試すことが可能である。4:正しい\n後発医薬品の調剤数量の割合が一定数を超えている薬局については、後発医薬品調剤体制加算を算定することができる。5:誤っている\n後発医薬品を調剤した場合、調剤技術料が減額されることはない。なお、先発医薬品を後発医薬品に変更することで薬剤料が減額されるため、患者の自己負担額が減額される。"} +{"problem_id": "106151", "problem_text": "細胞膜受容体に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グリシン受容体は、7回膜貫通型で、受容体の刺激によりアデニル酸シクラーゼを抑制する。", "ATP P2X受容体は、イオンチャネル内蔵型で、ATPが結合すると細胞内にNa^{+}とCa^{2+}が流入する。", "ニコチン性アセチルコリン受容体は、Gタンパク質共役型で、アセチルコリンが結合すると、イノシトール代謝回転が促進される。", "上皮増殖因子(EGF)受容体は、1回膜貫通型で、活性化されるとチロシン残基の自己リン酸化が起こる。", "アンジオテンシンIIAT_{1}受容体は、イオンチャネル内蔵型で、アンジオテンシンが結合すると細胞内に Cl^{-}が流入する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nグリシン受容体は、イオンチャネル内蔵型(4〜5回膜貫通型)受容体であり、グリシンが結合すると細胞内に Cl^{-}が流入する。2:正\nATP P2X受容体は、イオンチャネル内蔵型(4〜5回膜貫通型)受容体であり、ATPが結合すると細胞内にNa^{+}とCa^{2+}が流入する。3:誤\nニコチン性アセチルコリン受容体は、イオンチャネル内蔵型(4〜5回膜貫通型)受容体であり、アセチルコリンが結合すると、細胞内にNa^{+}が流入する。4:正\n上皮増殖因子(EGF)受容体は、チロシンキナーゼ内蔵型(1回膜貫通型)受容体で、活性化されるとチロシン残基の自己リン酸化が起こる。5:誤\nアンジオテンシンIIAT_{1}受容体は、Gタンパク質共役型(7回膜貫通型)で、アンジオテンシンが結合すると、イノシトール代謝回転が促進される。"} +{"problem_id": "106152", "problem_text": "副交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害して瞳孔括約筋を弛緩させる。", "セビメリンは、アセチルコリン M_{2}受容体を刺激して心収縮力を増大させる。", "ベタネコールは、アセチルコリン M_{3}受容体を刺激して胃腸蠕動運動を亢進させる。", "メペンゾラートは、アセチルコリン M_{1}受容体を選択的に刺激して胃酸分泌を抑制する。", "プロピベリンは、アセチルコリン M_{3}受容体と Ca^{2+}チャネルを遮断して膀胱排 尿筋の収縮を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nジスチグミンは、コリンエステラーゼ阻害薬であり、アセチルコリン濃度を高めることで瞳孔括約筋を収縮させる。2:誤\nセビメリンは、アセチルコリン類似化合物であり、アセチルコリンM_{3}受容体を刺激して唾液分泌を促進させる。3:正\nベタネコールは、コリン作動性薬であり、アセチルコリン M_{3}受容体を刺激して胃腸蠕動運動を亢進させる。4:誤\nメペンゾラートは、抗コリン薬であり、腸管運動抑制作用を示す。5:正\nプロピベリンは、アセチルコリン M_{3}受容体遮断作用���Ca^{2+}チャネル遮断作用を有しており、膀胱排尿筋の収縮を抑制する。"} +{"problem_id": "106153", "problem_text": "26歳女性。以下の処方箋を持って来局した。患者からの聞き取りによると、「会社の部署の異動により、寝付けなくなった。眠りにつくことができれば朝まで眠れるが、寝付けないときには、ついスマートフォンで動画を見てしまう。寝坊するのが怖くて眠れない日もある。他に病気はない。」という。問 153(薬理) 処方されたラメルテオンに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["視交叉上核のオレキシン受容体を遮断して、睡眠覚醒のリズムのずれを改善する。", "Gs タンパク質と共役する受容体を刺激して、細胞内サイクリック AMP(cAMP)レベルを増加させる。", "Cl^{-}チャネルを内蔵する受容体を刺激して、Cl^{-}を細胞内に流入させる。", "メラトニン MT_{1}及び MT_{2}受容体を刺激する。", "上行性脳幹網様体賦活系に作用して覚醒レベルを引き下げる。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "◇ラメルテオンの作用機序◇\n睡眠覚醒リズムに関わるメラトニン受容体MT_{1}及びMT_{2}を刺激することにより睡眠中枢を優位に導くことで睡眠を誘発する。また、副交感神経を優位に保つことにより自律神経を抑制する。◇患者の睡眠障害の型◇\n問題文に「寝付けなくなった」と記載されていることから「入眠障害」であると推察される。"} +{"problem_id": "106154", "problem_text": "この患者の睡眠障害の型として考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["入眠障害", "中途覚醒", "熟眠障害", "早朝覚醒", "過眠障害"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "106155", "problem_text": "脳血管障害とその後遺症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["バクロフェンは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体を刺激することで、脳血管障害に伴う筋痙縮を抑制する。", "ファスジルは、Rhoキナーゼを阻害してミオシン軽鎖の脱リン酸化を阻害することで、くも膜下出血術後の脳血管れん縮を抑制する。", "オザグレルは、プロスタノイドTP 受容体を遮断することで、脳血流量の低下を抑制する。", "イフェンプロジルは、アドレナリン\\alpha 受容体を刺激することで、脳梗塞後遺症に伴うめまいを改善する。", "エダラボンは、フリーラジカルを消去して脂質過酸化を抑制することで、脳梗塞急性期において脳保護作用を示す。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nバクロフェンは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{B}受容体を刺激し、脊髄の単シナプス反射と多シナプス反射を抑制することにより筋弛緩作用を示す。2:誤\nファスジルは、Rhoキナーゼを阻害し、ミオシン軽鎖ホスファターゼの機能を高め、ミオシン軽鎖の脱リン酸化を促進することで、くも膜下出血術後の脳血管れん縮を抑制する。3:誤\nオザグレルは、トロンボキサンA_{2}合成を阻害し、血小板凝集抑制作用、脳血管れん縮抑制作用を示す。4:誤\nイフェンプロジルは、\\alpha 受容体遮断作用、血管平滑筋直接弛緩作用により、脳血流量を増加させることで脳梗塞後遺症に伴うめまいを改善する。5:正"} +{"problem_id": "106156", "problem_text": "40歳女性。3年前に多発性関節炎を認め外来受診したところ、関節リウマチと診断された。メトトレキサートとプレドニゾロンによる治療が開始され、徐々に増量することにより症状の改善を認めていたが、最近、関節痛が再燃した。関節リウマチ治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["サラゾスルファピリジンは、T 細胞における炎症性サイトカインの産生を抑制する。", "ペニシラミンは、分子内に2個のSH 基を有し、リウマトイド因子のジスルフィド結合の解離を抑制する。", "エタネルセプトは、ヤヌスキナーゼを阻害して、サイトカイン受容体を介した細胞内情報伝達を阻害する。", "インフリキシマブは、キメラ型抗ヒト TNF-\\alpha モノクローナル抗体で、TNF-\\alpha の受容体への結合を阻害する。", "トシリズマブは、ヒト型可溶性 TNF II型受容体-Fc融合タンパク質で、TNFの作用を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nサラゾスルファピリジンは、T細胞、マクロファージの作用を抑制し、炎症性サイトカインの産生を抑制する。2:誤\nペニシラミンは、分子内に1個のSH基を有しており、免疫複合体やリウマトイド因子のジスルフィド結合(-S-S-)を開裂させることによりその作用を減弱させる。3:誤\nエタネルセプトは、完全ヒト型可溶性TNF-\\alpha /LT-\\alpha 受容体であり、おとり受容体としてTNF-\\alpha 、LT-\\alpha を捕捉し、細胞表面にある受容体との結合を阻害する。4:正\nインフリキシマブは、キメラ型抗ヒトTNF-\\alpha モノクローナル抗体であり、TNF-\\alpha の受容体への結合を阻害する。5:誤\nトシリズマブは、ヒト化ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体であり、IL-6の作用を抑制する。"} +{"problem_id": "106157", "problem_text": "再燃時に、値が上昇していると考えられる検査項目はどれか。2つ選べ。", "choices": ["CEA", "CPK", "KL-6", "MMP3", "白血球数"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nCEA(がん胎児性抗原)は、消化器がん(大腸がんなど)、肺腺がんなど様々ながんで増加する。2:誤\nCPK(クエアチニンホスホキナーゼ)は、主に筋肉に分布する酵素であり、筋肉障害に伴って上昇する。3:誤\nKL-6(シアル化糖鎖抗原)は、II型肺胞上皮細胞や呼吸細気管支上皮細胞などに多く存在し、間質性肺炎で顕著に上昇する。4:正\nMMP3(マトリックスメタロプロテアーゼ3)は、タンパク分解酵素であり、増殖する滑膜細胞組織より特異的に分泌され、関節炎の再燃に伴って上昇する。5:正\n白血球数は、関節リウマチなどの炎症性疾患で上昇する。"} +{"problem_id": "106158", "problem_text": "骨粗しょう症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["テリパラチドは、遺伝子組換えヒト副甲状腺ホルモン(1-34)製剤であり、間欠投与で破骨細胞による骨吸収を抑制する。", "リセドロン酸は、メバロン酸経路のファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することで、破骨細胞による骨吸収を抑制する。", "ラロキシフェンは、骨組織のエストロゲン受容体を遮断することで、閉経後の骨代謝回転を改善する。", "エルカトニンは、骨芽細胞の副甲状腺ホルモン受容体を刺激することで、骨芽細胞による骨形成を促進する。", "デノスマブは、RANKL(NF-\\kappa B 活性化受容体リガンド)を標的とするヒト型 IgG2モノクローナル抗体で、RANKLによる破骨細胞の形成を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nテリパラチドは、パラトルモンのN末端から34個のアミノ酸を切り出したポリペプチドであり、間欠投与により前駆細胞から骨芽細胞への分化促進、骨芽細胞のアポトーシスの抑制することで骨形成促進作用を示す。2:正\nリセドロン酸は、破骨細胞に取り込まれてメバロン酸代謝経路に関与するファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することにより破骨細胞のアポトーシスを誘導する。3:誤\nラロキシフェンは、骨組織のエストロゲン受容体を刺激することで、閉経後の骨代謝回転を改善する。4:誤\nエルカトニンは、破骨細胞のカルシトニン受容体に作用することにより骨吸収抑制作用を示す。5:正\nデノスマブは、RANKリガンド(RANKL)に特異的に結合し、RANKLのRANKへの結合を阻害することにより破骨細胞の形成を抑制する。"} +{"problem_id": "106159", "problem_text": "心不全治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メチルジゴキシンは、Na^{+}, K^{+}-ATPase を阻害して、心筋細胞内Ca^{2+}濃度を上昇させて陽性変力作用を示す。", "リシノプリルは、アンジオテンシンIIの分解を阻害して、心筋のリモデリングを抑制する。", "コルホルシンダロパートは、サイクリック AMP(cAMP)誘導体で、細胞内でcAMPに変換されて心筋収縮力を増強する。", "ピモベンダンは、トロポニンCのCa^{2+}感受性を増大させるとともに、ホスホジエステラーゼIIIを阻害して、強心作用を示す。", "カルペリチドは、グアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体を遮断して、心臓の前負荷及び後負荷を軽減させる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nメチルジゴキシンは、Na^{+},K^{+}-ATPaseを阻害して、心筋細胞内のCa^{2+}の濃度を上昇させて心収縮力増大作用(陽性変力作用)を示す。2:誤\nリシノプリルは、アンギオテンシン変換酵素を阻害し、アンギオテンシンIからアンギオテンシンIIの生成を阻害することにより心筋のリモデリングを抑制する。3:誤\nコルホルシンダロパートは、心筋において、アデニル酸シクラーゼを直接活性化し、cAMP濃度を上昇させることにより心筋収縮力を増大させる。なお、設問の記述はブクラデシンに関する記述である。4:正\n5:誤\nカルペリチドは、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体に結合し、膜結合型グアニル酸シクラーゼを活性化することで細胞内のcGMPを増加させ、血管拡張作用、利尿作用を示す。なお、本剤は、静脈拡張作用、利尿作用による前負荷軽減作用と動脈拡張作用による後負荷軽減作用を示す。"} +{"problem_id": "106160", "problem_text": "53歳男性。身長170cm、体重90kg。喫煙歴あり(15本/日)、機会飲酒。数年前から健康診断で血圧が高いことを指摘され、本人も自覚していたが放置していた。最近、軽度のめまい感が頻発するので受診した。来院時の血圧は150/95mmHg、心電図検査の胸部誘導でSV1+RV5=4.0 mV。胸部X線検査で心胸郭比(CTR)56%。血漿レニン活性、血漿アルドステロン濃度、血中カテコールアミン濃度はいずれも正常、HbA1c5.8%(NGSP値)、TG(トリグリセリド)140mg/dL、LDL-C160mg/dL、HDL-C 40mg/dL、尿タンパク(-)であった。2回目の受診時にシルニジピンとフルバスタチンによる治療が開始された。シルニジピンに関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アンジオテンシンIIAT_{1}受容体を遮断して、血圧を低下させる。", "N型Ca^{2+}チャネルを遮断して、交感神経終末からのノルアドレナリンの遊離を抑制する。", "L型Ca^{2+}チャネルを遮断して、血管平滑筋を弛緩させる。", "アドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断して、末梢血管抵抗を低下させる。", "アドレナリン\\beta _{1}受容体を遮断して、レニン分泌を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "シルニジピンは、ジヒロドピリジン系Ca拮抗薬であり、L型Ca^{2+}チャネルを遮断して、血管平滑筋を弛緩させるとともにN型Ca^{2+}チャネルを遮断して、交感神経終末からのノルアドレナリンの遊離を抑制する。"} +{"problem_id": "106161", "problem_text": "この患者の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["家庭では、血圧が正常である。", "脂質異常症による二次性高血圧である。", "病態の改善には肥満度を下げることが推奨される。", "病態の改善にはカリウム制限を厳密に行う必要がある。", "心肥大がある。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1誤\n軽度なめまい感が頻発していることから、家庭での血圧も正常でない可能性がある。2:誤\n二次性高血圧とは、他の疾患や薬剤により誘発される高血圧であり、その原因として、腎機能低下、内分泌異常、睡眠時無呼吸症候群、脳・中枢神経疾患、薬剤の使用があげられる。本患者は脂質異常症であるが、それが原因で高血圧状態にあるとは考えにくい。3:正\n本患者はBMI(90kg /(1.7m^{2})\\fallingdotseq 31.1)より、肥満であるため、脂質異常症を合併する高血圧を改善するために、肥満度を下げることが推奨される。4:誤\n病態の改善には、ナトリウム制限を厳密に行う必要がある。なお、カリウムは、ナトリウムの排泄を促進し血圧を下げる働きがあるため、積極的に摂取することが望ましい。5:正\n本患者は、心胸郭比(CTR)が正常値(50%)を上回っているため、心肥大である。"} +{"problem_id": "106162", "problem_text": "抗血栓薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ダルテパリンは、アンチトロンビンと複合体を形成して第 Xa 因子よりもトロンビンを強く阻害する。", "アルガトロバンは、アンチトロンビン非依存的にトロンビンのセリンプロテアーゼ活性を可逆的に阻害する。", "ウロキナーゼは、フィブリンに対する親和性が高く、血栓上でプラスミノーゲンをプラスミンに変換する。", "トロンボモデュリン アルファは、プロトロンビンに結合してプロテインCを活性化する。", "チカグレロルは、ADP 結合部位とは異なる部位に結合してADP P2Y_{12}受容体を選択的かつ可逆的に遮断する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nダルテパリンはヘパリンに比べ、糖鎖が短く、本薬と結合したアンチトロンビンは、トロンビンよりも第 Xa 因子を強く阻害する。2:正\nアルガトロバン���、アンチトロンビンを介さず直接トロンビンの作用を抑制し、フィブリン生成や血小板凝集を抑制する\n3:誤\nウロキナーゼは、プラスミノーゲンを活性化してプラスミンを産生することによりフィブリンの分解を促進する。フィブリンとの親和性が低いため、血栓内だけでなく血中のプラスミノーゲンにも反応するため、副作用として出血を起こしやすい。4:誤\nトロンボモデュリン アルファは、トロンビンに結合してプロテインCを活性化する。その結果、第Va因子、第VIIIa因子を不活性化し、トロンビンの産生を抑制する。5:正チカグレロルは、ADP 結合部位とは異なる部位に結合してADP P2Y_{12}受容体を選択的かつ可逆的に遮断し、抗血小板作用を示す。"} +{"problem_id": "106163", "problem_text": "呼吸器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["オキシメテバノールは、アドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。", "カルボシステインは、ムコタンパク質中のジスルフィド(S-S)結合を開裂することで、痰の粘性を低下させる。", "ジメモルファンは、延髄の咳中枢を抑制することで、咳反射を抑制する。", "ブロムヘキシンは、アンブロキソールの活性代謝産物で、肺サーファクタントの分泌を促進する。", "ジプロフィリンは、ホスホジエステラーゼを阻害してサイクリック AMP (cAMP)濃度を増加させることで気管支平滑筋を弛緩させる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nオキシメテバノールは、麻薬性鎮咳薬であり、中枢に作用して鎮咳作用を発揮する。2:誤\nカルボシステインは、シアル酸/フコース比を正常化することで、気道分泌物の粘性を正常な状態に近づける 。3:正\nジメモルファンは、延髄の咳中枢を抑制することで鎮咳作用を示す。4:誤\nアンブロキソールは、ブロムヘキシンの活性代謝物であり、肺サーファクタントの分泌を促進する。5:正\nジプロフィリンは、ホスホジエステラーゼを阻害してサイクリック AMP (cAMP)濃度を増加させることで気管支平滑筋を弛緩させる。"} +{"problem_id": "106164", "problem_text": "消化器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ナファモスタットは、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害して、膵臓の自己消化を抑制する。", "ウルソデオキシコール酸は、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ (COMT)を阻害して、Oddi 括約筋を弛緩させ、胆汁分泌を抑制する。", "アスナプレビルは、C 型肝炎ウイルスの NS5A 複製複合体を阻害して、抗ウイルス活性を示す。", "ペグインターフェロン アルファ-2\\alpha は、免疫細胞を活性化して、ウイルス感染細胞を傷害する作用により、B 型及び C型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。", "エンテカビルは、ウイルスの増殖に必要なNS3/4Aプロテアーゼを阻害して、B型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nナファモスタットは、膵臓の外分泌腺から分泌されるタンパク分解酵素であるトリプシンの活性を阻害し、膵臓の自己消化を抑制する。2:誤\nウルソデオキシコール酸は、胆汁分泌を促進し、胆汁うっ滞改善作用を示す。なお、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ (COMT)を阻害して、Oddi 括約筋を弛緩させる薬として、フロプロピオンがある。3:誤\nアスナプレビルは、NS3/4Aセリンプロテアーゼを阻害し、非構造タンパク質の切断を阻害する。4:正\nペグインターフェロン アルファ-2\\alpha は下記の作用を示す\n2′,5'オリゴアデニル酸の合成を促進し、ウイルスRNAの分解を促進す\nウイルスタンパク質の合成を阻害する\n免疫細胞を活性化し、ウイルス感染細胞を傷害する\n抗ウイルス作用を示すタンパク質を誘導する\n5:誤\nエンテカビルは、肝細胞内でリン酸化されB型肝炎ウイルス複製中のDNAに取り込まれ、DNAポリメラーゼを阻害するとともにDNA鎖の伸長を停止させる"} +{"problem_id": "106165", "problem_text": "高尿酸血症及び痛風の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのは どれか。2つ選べ。", "choices": ["トピロキソスタットは、プリン骨格を有し、競合的にキサンチンオキシダーゼを阻害する。", "ブコロームは、尿酸排泄促進作用と抗炎症作用を���せもつ。", "クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを上昇させることで尿路結石の形成を抑制する。", "ベンズブロマロンは、尿細管における尿酸の再吸収と分泌の両方を阻害することで、尿酸排泄を抑制する。", "コルヒチンは、尿酸オキシダーゼを活性化することで、尿酸の分解を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nトピロキソスタットは、プリン骨格を有しておらず、非競合的にキサンチンオキシダーゼを阻害する。2:正\n3:正\nクエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿をアルカリ化し、尿路結石の形成を抑制する。4:誤\nベンズブロマロンは、近位尿細管で尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害し、尿酸の再吸収を抑制することで尿中への尿酸排泄を促進する。なお、ベンズブロマロンは、尿酸の分泌を阻害する作用を有していない。5:誤\nコルヒチンは、チューブリンと結合し、微小管の働きを阻害することでマクロファージおよび好中球の機能を抑制する。なお、尿酸オキシダーゼを活性化することで、尿酸の分解を促進する薬として、ラスブリカーゼがある。"} +{"problem_id": "106166", "problem_text": "35歳男性。身長173cm、体重85kg。父親が糖尿病。既往歴なし。喫煙歴なし。機会飲酒。会社事務職で日頃より運動不足であり、毎日1L以上の甘い清涼飲料水を飲用していた。この1年間で体重が3kg増加したが、ここ数ヶ月は体重の減少を自覚している。7日前より全身倦怠感、口渇及び多尿を認めたため外来受診した。受診時の意識は清明であり、血糖値480mg/dL、HbA1c11.0%(NGSP値)、尿糖(4+)、尿蛋白(-)、尿中ケトン体(3+)であった。血糖降下作用を有する薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メトホルミンは、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害することで、血中インクレチン濃度を上昇させる。", "カナグリフロジンは、ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、腎尿細管におけるグルコースの再吸収を抑制する。", "アログリプチンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化することで、肝臓での糖新生を抑制する。", "インスリンデグルデクは、骨格筋や脂肪組織におけるグルコースの細胞内取り込みを促進する。", "リキシセナチドは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激することで、インスリン及びグルカゴン分泌を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nメトホルミンは、AMP依存性プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化することで、肝臓での糖新生を抑制する。2:正\n3:誤\nアログリプチンは、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害することで、血中インクレチン濃度を上昇させる。4:正\n5:誤\nリキシセナチドは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激することで、インスリン分泌を促進するとともにグルカゴン分泌を抑制する。"} +{"problem_id": "106167", "problem_text": "この患者で、血中濃度が顕著に上昇していると考えられるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["3-ヒドロキシ酪酸", "アセト酢酸", "\\gamma -アミノ酪酸", "水酸化物イオン", "ナトリウムイオン"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "高血糖状態が継続すると、\\beta\n酸化が亢進し、血中のケトン体が増加することで糖尿病ケトアシドーシスを誘発することがある。本患者は尿中のケトン体(3+)であることから、糖尿病ケトアシドーシスを誘発していると推察される。糖尿病ケトアシドーシスでは、血液中に3-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトンなどのケトン体の増加が認められる。"} +{"problem_id": "106168", "problem_text": "内分泌系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カベルゴリンは、ドパミンD_{2}受容体を遮断することで、下垂体前葉からのプロラクチンの分泌を抑制する。", "プロチレリンは、下垂体前葉に作用することで、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を促進する。", "デスモプレシンは、バソプレシンV_{2}受容体を遮断することで、腎集合管における水の再吸収を阻害する。", "リオチロニンは、甲状腺のペルオキシダーゼを阻害することで、甲状腺ホルモンの合成を抑制する。", "メチラポンは、11\\beta -ヒドロキシ��ーゼを阻害することで、コルチゾールの産生を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nカベルゴリンは麦角アルカロイド誘導体であり、ドパミンD_{2}受容体を直接刺激して下垂体前葉からのプロラクチン分泌を抑制する。2:正\nプロチレリンは、下垂体前葉にある甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン受容体に作用し、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を促進する。3:誤\nデスモプレシンは、バソプレシンV_{2}受容体を刺激することで、腎集合管における水の再吸収を促進する。4:誤\nリオチロニンは、合成甲状腺ホルモン(T_{3})製剤である。5:正\nメチラポンは11\\beta -ヒドロキシラーゼを阻害し、コルチゾール、アルドステロン産生を抑制する。"} +{"problem_id": "106169", "problem_text": "抗ウイルス薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エムトリシタビンは、細胞内で三リン酸化体となり、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。", "ラルテグラビルは、HIVプロテアーゼを阻害する。", "リバビリンは、細胞内で三リン酸化体となり、RNA依存性DNAポリメラーゼを阻害する。", "ファビピラビルは、細胞内でリボシル三リン酸体となり、RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。", "バロキサビルマルボキシルは、体内で活性体に変換されて、キャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nエムトリシタビンはHIV感染細胞内で三リン酸化体となり、逆転写酵素を阻害し、RNAからDNAの合成を阻害する。2:誤\nラルテグラビルは、HIVインテグラーゼ(ウイルスゲノム由来のDNAを宿主DNAに組み込む酵素)を阻害する。3:誤\nリバビリンは、細胞内でリン酸化されグアノシン三リン酸(GTP)と競合することでRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。4:正\nファビピラビルは、細胞内でリボシル三リン酸体となり、RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、RNAの複製を抑制する。5:正\nバロキサビルマルボキシルは、体内で活性体に変換されて、インフルエンザウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を選択的に阻害する。"} +{"problem_id": "106170", "problem_text": "トランスポーターを介した薬物輸送に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ペプチドトランスポーターPEPT1によるバラシクロビル輸送の駆動力は、プロトン濃度勾配である。", "有機アニオントランスポーターOAT1によるメトトレキサート輸送は、ATPの加水分解エネルギーを駆動力として直接利用する。", "シクロスポリンは有機アニオントランスポーターOATP1B1を阻害するため、プラバスタチンの肝臓への移行を抑制し、血中濃度を上昇させる。", "カルビドパは血液脳関門に発現する中性アミノ酸トランスポーターLAT1を介して、脳へ移行する。", "シスプラチンは有機カチオントランスポーターOCT2の基質であるため、ジゴキシンの尿細管分泌を競合的に阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nバラシクロビルは、アシクロビルのL-バリンエステルであり、プロトン濃度勾配を駆動力とするペプチドトランスポーターPEPT1により輸送される。2:誤\nメトトレキサートは、ジカルボン酸の濃度勾配を駆動力とする有機アニオントランスポーターOAT1により輸送される。3:正\nプラバスタチンは、有機アニオントランスポーターOATP1B1により血液側から肝細胞に移行する。シクロスポリンは、OATP1B1を阻害するため、両薬を併用するとプラバスタチンの血中濃度が上昇する。4:誤\nカルビドパは、ドパ脱炭酸酵素阻害薬であり、中性アミノ酸トランスポーターLAT1により脳に移行することはない。なお、カルビドパと併用されるレボドパは、血液脳関門に発現する中性アミノ酸トランスポーターLAT1を介して、脳へ移行する。5:誤\nシスプラチンは有機カチオントランスポーターOCT2の基質であり、ジゴキシンはP糖タンパク質の基質である。よって、両薬を輸送するトランスポーターは異なるため、両薬を併用しても競合的阻害は起こらない。"} +{"problem_id": "106171", "problem_text": "薬物の胎児への移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["母体血と胎児血が胎盤内で混ざり合うことで、薬物は母体血から胎児血へ移行する。", "胎盤にはP-糖タンパク質が発現し、薬物の胎児血への移行を抑制している。", "胎盤にはシトクロムP450などの薬物代謝酵素が存在しないため、薬物は胎盤で代謝を受けることなく胎児血に移行する。", "胎盤には母体血中の抗体を胎児に移行させる透過機構が存在しないため、全ての抗体医薬品は胎児血に移行しない。", "薬物は母体血中でアルブミンと結合した状態では、胎盤を介して胎児血に移行しない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n母体血と胎児血が胎盤内で直接混じり合うことはない。2:正\n胎盤にはP-糖タンパク質、MRP、BCRPなどの担体が発現しており、母体血から胎児血への薬物の移行を制御している。3:誤\n胎盤にはシトクロムP450が存在し、薬物は胎盤で代謝を受けることがある。4:誤\n胎盤には母体血中のIgGを胎児に移行させる透過機構が存在するため、IgGを利用した抗体製剤は胎児血に移行することがある。5:正\n高分子であるアルブミンに結合した薬物は、胎盤を介して胎児血に移行しない。なお、胎盤を通過できる薬物の分子量は600程度までとされている。"} +{"problem_id": "106172", "problem_text": "以下の薬物のうち、ヘム鉄に配位することによって、シトクロムP450の活性を最も強く阻害するのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "ケトコナゾール(選択肢1)は、構造中にイミダゾール骨格を有しており、ヘム鉄に配位することによって、シトクロムP450の活性を最も強く阻害する。なお、選択肢2: シタラビン、選択肢3: トブラマイシン、選択肢4: テトラサイクリン、選択肢5: レボフロキサシンの構造である。"} +{"problem_id": "106173", "problem_text": "体内動態が線形性を示す薬物Aは、肝代謝と腎排泄によって体内から消失し、正常時における腎クリアランスは全身クリアランスの60%である。また、腎疾患時に薬物Aの肝クリアランスは変化しないが、腎クリアランスは糸球体ろ過速度 (GFR)に比例して変化する。薬物Aを投与中の患者において、GFRが正常時の50%に低下したとする。薬物Aの血中濃度時間曲線下面積(AUC)を腎機能正常時と同じにするには、投与量を腎機能正常時の何%に変更すればよいか。1つ選べ。", "choices": ["20", "40", "70", "140", "250"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "①: GFRが50%低下したときの CL_{tot}_{腎疾患}を求める。正常時の全身クリアランスをCL_{tot}_{正常}とすると、GFRが正常時の50%に低下したときの全身クリアランスCL_{tot}_{腎疾患}を下記のように算出することができる。②: AUCを腎機能正常時と同じにする投与量を求める。経口投与時のAUC_{po}は下記のように表すことができる。上記の式より、AUCはDに比例、CL_{tot}に反比例することがわかる。GFRが正常時の50%に低下した時の全身クリアランスは、正常時の全身クリアランスに比べ、70%となっていることから、AUCを同じにするためには、Dを腎機能正常時の70%に変更する必要がある。"} +{"problem_id": "106174", "problem_text": "肝代謝のみで消失する薬物400mgをヒトに単回静脈内投与した際、図に示す血中濃度推移が得られた。この薬物の体内動態は線形性を示し、経口投与時に門脈血中に移行する割合は100%である。この薬物を反復経口投与し、定常状態での平均血中薬物濃度を3.5\\microg/mLとしたい。この薬物の肝クリアランス(L/h)及び1日あたりの投与量(mg)の組合せとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。なお、肝血流速度は80L/h、ln2=0.693とする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "◉肝クリアランスを求める\n①: 設問の図より全身クリアランスCLtotを求める\n図より8\\micro g/mL\\rightarrow 4\\micro g/mLになる時間が3.5hであることから、半減期t_{1/2}は3.5時間である。t_{1/2}より消失速度定数keを下記のように求めることができる。400mg投与時の初濃度が8\\micro g/mLであることから分布容積Vd=D /C_{0}=400mg/8\\micro g/mL=50Lとなる。CLtot=ke・Vであるため、CLtot=0.2 h^{-1}・50L=10 L・h^{-1}となる。②: 肝クリアランスCL_{肝}を求める\n肝代謝のみで消失することから、CLtot=CL_{肝}となるため、CL_{肝}は10 L・h^{-1}となる\n◉1日あたりの投与量を求める\n①: 肝抽出率E_{肝}を求める\nE_{肝}は、CL_{肝}と肝血流量Q_{肝}より下記のように求めることができる。②: バイオアベイラビリティFを求める\n消化管粘膜透過率をF_{a}、小腸で代謝をまぬがれた割合(小腸バイオアベイラビリティ)をF_{g}、肝臓で代謝をまぬがれた割合(肝臓バイアベイラビリティ)をF_{h}とすると、Fは、F=F_{a}・F_{g}・F_{h}となる。また、F_{h}は1-E_{肝}となる。問題文に「経口投与時に門脈血中に移行する割合は100%」とあることから、Fを下記のように求めることができる。F=F_{a}・F_{g}・F_{h}=F_{a}・F_{g}・(1-E_{肝})=1・1・(1-0.125)=0.875\n③: 1日あたりの投与量(mg)を求める\n繰り返し経口投与時の投与量Dは、以下の式で求められる。繰り返し経口投与時の投与量Dを求める式に条件を当てはめるとDを下記のように計算することができる。"} +{"problem_id": "106175", "problem_text": "肝代謝のみで消失する薬物について、血漿タンパク結合に飽和が認められ、投与量の増加に伴い血中タンパク非結合形分率(f_{u})が増加していた。この薬物を経口投与したとき、投与量と血中濃度時間曲線下面積(AUC: 実線)、及び投与量と非結合形薬物のAUC(f_{u}\\times AUC: 点線)の関係として、適切なのはどれか。1つ選べ。なお、肝血流速度、この薬物の吸収率及び肝固有クリアランスは投与量が増加してもいずれも一定であり、肝での消失はwell-stirred modelに基づくものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "問題文に肝での消失はwell-stirred modelに基づくものとすると記載されていることから、この薬物の肝クリアランスCL_{肝}と肝抽出率E_{肝}は下記のように表すことができる。また、本薬物は、肝代謝のみで消失するため、小腸で初回通過効果をまぬがれた割合F_{g}は1、全身クリアランスCL_{tot}はCL_{肝}と等しくなる。経口投与時の血中濃度時間曲線下面積AUCpo、バイオアベイラビリティFを下記のように表すことができる。条件を当てはめると、AUCを下記のように変換することができる。また、1-E_{肝}は下記のように変換することができる。AUC_{po}の式にCL_{肝}、1-E_{肝}を当てはめると、AUC_{po}は下記のようになる。また、f_{u}\\times AUC_{po}は下記のようになる。上記の計算結果より、投与量の増加に伴って血漿タンパク結合に飽和が認められると(f_{u}が増大すると)、AUC_{po}/Dは低下するが、(f_{u}\\times AUC_{po})/Dは変化しない。そのため、投与量と血中濃度時間曲線下面積(AUC: 実線)、及び投与量と非結合形薬物のAUC(f_{u}\\times AUC: 点線)の関係として、適切なのは図3となる。"} +{"problem_id": "106176", "problem_text": "抗菌薬の投与計画に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬物動態(PK)パラメーターとして、最小発育阻止濃度(MIC)が用いられる。", "薬力学的(PD)パラメーターとして、timeaboveMICが用いられる。", "PK-PDパラメーターとして、血中濃度時間曲線下面積(AUC)をMICで除したAUC/MICが用いられる。", "濃度依存性作用型薬物のPK-PDパラメーターとして、最高血中濃度(C_{max})をMICで除したC_{max}/MICが用いられる。", "時間依存性作用型薬物は、1回あたりの投与量を増やし、投与間隔を延ばすことが望ましい。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n最小発育阻止濃度(MIC)は、細菌の発育を完全に阻止するのに必要とされる最小の濃度であり、薬力学的パラメーターに該当する。2:誤\ntimeaboveMICは、MIC以上を示す時間であり、PK-PDパラメーターに該当する。3:正\n4:正\n濃度依存性作用型薬物のPK-PDパラメーターとして、Cmax/MIC、AUC/MICが用いられる。5:誤\n時間依存性作用型薬物には、効果持続時間が短いものと効果持続時間の長いもの(PAEを示すもの)がある。効果持続時間が短いものは、投与回数を増やして、%T/MIC(MIC以上の濃度を維持している時間の割合)を大きくすると抗菌作用が強く現れ、効果持続時間の長いものは、総投与量に効果が依存するため、AUC /MICが大きいほど効果が大きく現れる。なお、1回あたりの投与量を増やし、投与間隔を延ばすことが望ましいのは、濃度依存性作用型薬物である。【参考】PAE: MIC以下の濃度でも持続的に細菌の増殖が抑えられる現象"} +{"problem_id": "106177", "problem_text": "表に示す特性を有する2種類の水溶性薬物の結晶性粉体A、Bがある。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、粉体A、Bはいずれも結晶粒子内に空隙はなく、粒子密度と��密度は等しいものとする。また、粉体AとBの相互作用はないものとする。", "choices": ["疎充てん時において、粉体Aのかさ比容積は粉体Bの2倍以上である。", "疎充てん時において、粉体Aのかさ密度は粉体Bの2倍以上である。", "粉体AとBの粒子形状が同じである場合、粉体Aの比表面積は粉体Bの2倍以上である。", "70%の相対湿度下では、粉体Bの方が著しく吸湿しやすい。", "粉体Aと粉体Bを1: 3の質量比で混合した粉体の臨界相対湿度は65%である。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "粉体Aまたは粉体Bのかさ比容積、かさ密度を下記にように算出することができる。両粉体が同量(480g)ある場合を想定して各項目を計算する。1:誤\n疎充てん時において、粉体Bのかさ比容積(1.67cm^{3}/g)は粉体A(0.78cm^{3}/g)の2倍以上である。2:正\n疎充てん時において、粉体Aのかさ密度(1.28g/ cm^{3})は粉体B(0.6g/ cm^{3})の2倍以上である。3:誤\n粉体の比表面積Swと真の密度ρ、平均粒子径dの間には下記の関係が成立する。粉体Aの平均粒子径は粉体Bの2倍、真の密度は粉体Bの約1.3倍であることから、粉体Aの比表面積は粉体Bより小さくなる。4:正\n臨界相対湿度(CRH)は、粉体の吸湿量が急激に増加する相対湿度であり、70%の相対湿度下では、粉体Bの方が著しく吸湿しやすい。5:誤\n2種類以上の水溶性物質を混合すると、混合物のCRHは個々の粉体のCRHよりも減少し、吸湿しやすくなる。この場合、エルダーの仮説(混合物のCRHは個々の成分のCRHの積に等しい)が成立する。CRH_{AB}=CRH_{A}\\times CRH_{B}上記より、粉体Aと粉体Bを1: 3の質量比で混合した粉体の臨界相対湿度は0.8\\times 0.6=0.48(48%)となる。"} +{"problem_id": "106178", "problem_text": "図は結晶多形をもつ薬物Aについて15~35^{\\circ} Cにおけるリン酸緩衝液中の溶解度(S)の対数値を絶対温度(T)の逆数に対してプロットしたものである。この図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、Aの溶解熱は測定温度範囲において一定とする。", "choices": ["図よりI形からII形への転移熱を知ることはできない。", "薬物AのII形からI形への転移温度は約84^{\\circ} Cである。", "図中のT_{r}は、I形結晶の分解開始温度である。", "I形及びII形の結晶とも溶解熱は負の値を示す。", "T_{r}以上の温度になると、I形結晶の方がII形結晶より高い溶解度を示すことが予測される。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "溶解度Sと絶対温度Tの間には下記の式が成立する\n1:誤\n転移熱とは、I形の溶解熱とII形の溶解熱の差である。溶解熱は図の傾きより算出することが可能であるため、図より転移熱を知ることができる。2:正\n図より転移温度はTrであり、下記のように求めることができる。転移温度=357.14K-273.15K\\fallingdotseq 84^{\\circ} C\n3:誤\n図中のT_{r}は、II形からI形への転移温度である。4:誤\n図の傾きが負であることから、溶解熱は正の値を示すと推察することができる。5:正\n図よりT_{r}以上の温度になると、I形結晶の方がII形結晶より高い溶解度を示すと推察することができる。"} +{"problem_id": "106179", "problem_text": "液状の物質AとBについて、せん断応力とせん断速度の関係を調べたところ、図の結果が得られた。これらの図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["物質Aのみかけ粘度は、0.4 Pa・sである。", "物質Aの降伏値は、40 Paである。", "物質Bでは、せん断応力の増加とともにみかけ粘度が低下している。", "物質Bの流動曲線は、高濃度のデンプン水懸濁液に見られる。", "ニュートンの粘性法則に従う流動を示しているのは、物質Aである。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "【物質A】\n設問の図より、せん断速度とせん断応力の関係が「原点を通らない直線である」と読み取ることができる\nこのことから、物質Aはビンガム流動(塑性流動)する物質であると推察される\n【物質B】\n設問の図より、せん断応力の増加に伴ってグラフの傾きが小さくなっている(粘度が増加している)と読み取ることができる\nこのことから、物質Bはダイラタント流動する物質であると推察される\n1:正\nビンガム流動する物質のグラフの傾きは、みかけ粘度の逆数であることから、物質Aのみかけ粘度は、下記のように求めることができる。(120 s^{-1}-20 s^{-1})/(80 Pa-40 Pa)=1/みかけ粘度\nみかけ粘度=0.4 Pa・s\n2:誤\nビンガム流動する物質が流動しはじめるときのせん断応力を「降伏値」という。設問の図より物質Aの降伏値は40 Paより小さいと読み取ることができる。3:誤\n前記参照\n4:正\nダイラタント流動を示す物質に、高濃度のデンプン水懸濁液がある。5:誤\nニュートンの粘性法則に従う流動を示す物質のグラフは、「原点を通る直線」となることから、物質A、物質Bともにニュートンの粘性法則に従う流動を示さない"} +{"problem_id": "106180", "problem_text": "乳剤及び懸濁剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["バンクロフト(Bancroft)の経験則によると、親油性の乳化剤を添加するとw/o型乳剤が形成されやすい。", "一般に、分散相が凝集した乳剤は、振り混ぜると容易に再分散される。", "懸濁剤において、粒子が凝集沈降を起こし、再分散が困難な強固な凝集体を形成することをケーキングという。", "一般に、乳剤の外相に内相を加えて両相の容積が等しくなったとき、外相と内相が逆転する転相を起こす。", "乳剤のクリーミングは、内相が浮上又は沈降する現象であり、可逆的である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nバンクロフト(Bancroft)の経験則とは、「乳化剤の溶けやすい液相が乳剤の外相となりやすい」という経験則である。このことから、親油性の乳化剤を添加すると、外相が油であるw/o型乳剤が形成されやすい。2:誤\n乳剤を放置すると、分散層が凝集した状態(合一)を起こすことがある。一般に、合一を起こした乳剤は、振り混ぜても容易に再分散されない。3:誤\n懸濁剤において、粒子が自由沈降(懸濁粒子が凝集することなく独立した状態で沈降すること)を起こし、再分散が困難な強固な沈積体を形成することをケーキングという。4:誤\n一般に、乳剤の外相に内相を加えて内相の容積が74.02%を超えた時、外相と内相が逆転する転相を起こす。5:正\nクリーミングとは、内相が浮上(沈降)した状態であり、振とうすることで再分散可能である(可逆的である)。"} +{"problem_id": "106181", "problem_text": "表は、ジアゼパム注射剤の組成と性状を示す。本剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ベンジルアルコールは、浸透圧を調整するために添加されている。", "本剤は、最終滅菌法で滅菌できる。", "本剤は、日本薬局方のアルコール数測定法の適用を受ける。", "プロピレングリコールと無水エタノールは、コソルベントとして添加されている。", "本剤は、著しく高張であるため、生理食塩液で希釈して使用する必要がある。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nベンジルアルコールは、微生物の繁殖および微生物による変質を防止するために添加されている。2:正\nジアゼパムは熱に比較的安定な医薬品であるため、最終滅菌法で滅菌できる。3:誤\n本剤は、注射剤であるため、日本薬局方のアルコール数測定法の適用を受けない。なお、日本薬局方のアルコール数測定法の適用を受ける製剤は、チンキ剤、酒精剤である。4:正\nコソルベントとは、水に不溶性の物質を溶かすために用いられる溶媒のことである。本剤は、ジアゼパムが水に溶けにくいから、コソルベントとしてプロピレングリコールと無水エタノールが添加されている。5:誤\n本剤を希釈すると、コソルベントの溶解能が低下し沈殿を生じることがあるため、希釈を行わず、単独で投与する。なお、本剤は高張であり、急速に静脈内に注射すると血栓性血管炎を起こすおそれがあるため、できるだけ緩徐に注射する必要がある。"} +{"problem_id": "106182", "problem_text": "単位操作と製剤機械に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジェットミルは、ジュール・トムソン効果により粉砕時の温度の上昇を抑えられるので、熱に不安定な化合物や低融点化合物の粉砕に適している。", "旋回スクリュー型混合機は、本体容器が回転することにより、粉粒体の集合と分割を交互に繰り返すことで混合が進行する。", "流動層造粒装置は、熱風気流中に吹き上げた粉末に結合剤を噴霧するので、装置内で圧密化を受けて重質な造粒物が得られる。", "ロータリー型打錠機は、複数組の上下杵と臼を組み���むことができるので、大量生産に適している。", "オーガ式のカプセル充てん装置は、瞬間的に薬物溶液をゼラチンで包み込めるので、シームレスカプセルを製することができる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nジェットミルは、圧縮空気を装置内に噴射し、粒子を高速衝突させることで粉砕する。本装置では、圧縮空気の膨張による冷却効果(ジュール・トムソン効果)により温度の上昇を抑えることができるため、熱に不安定な医薬品や融点の低い医薬品の粉砕が可能である。2:誤\n旋回スクリュー型混合器は、容器固定型混合機であり、円錐型の容器に対して、垂直にスクリューが設置されており、攪拌軸を回転させることでスクリューが回転移動することで混合を行う。なお、本体容器が回転することにより、粉粒体の集合と分割を交互に繰り返すことで混合が進行する装置はV型混合機などの回転型混合機である。3:誤\n流動層造粒装置は、医薬品混合物を多量の空気で吹き上げて浮遊させた状態に結合剤を吹きつけ、粒子を凝集、乾燥し、造粒する装置である。造粒の際に特別な外力が加わらないことから比較的かさ高い不安定な造粒物が得られる。4:正\nロータリー型打錠機は、回転盤(ターンテーブル)に複数組の上下杵と臼が等間隔に設置されており、回転しながら錠剤が作られる。ロータリー式打錠機では、短時間で多くの錠剤を製することができる。5:誤\nオーガ式のカプセル充てん装置は、カプセル内にスクリューで粉末を押し込む方式である。なお、瞬間的に薬物溶液をゼラチンで包み込み、シームレスカプセルを製することができるのは、滴下法である。"} +{"problem_id": "106183", "problem_text": "単一有効成分含量の表示が50mgの素錠Aについて日本薬局方製剤均一性試験法の質量偏差試験を実施した。Aの30錠をとり、初めの試料10個について個々の質量を精密に測定し、含量を推定したところ表のようになった。本試験の結果について正しい判定はどれか。1つ選べ。なお、表示量に対する%で表した製造時における個々の製剤中の目標含量を100%としたときの判定値の計算式は以下のとおりであり、判定値の最大許容限度値は15%である。", "choices": ["判定値は11.6となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均一性試験法に適合している。", "判定値は11.6となり、基準値の最大許容限度値と一致していないので、製剤均一性試験法に適合しない。", "判定値は11.6となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均一性試験法に適合しない。", "判定値は8.62となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均一性試験法に適合している。", "判定値は8.62となり、基準値の最大許容限度値と一致していないので、製剤均一性試験法に適合しない。", "判定値は8.62となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均一性試験法に適合しない。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "製剤均一性試験は、個々の製剤中に有効成分含量が表示量を中心とした狭い範囲内にあること(有効成分の均一性)を確認する試験法である。有効成分の均一性の程度は、含量均一性試験または質量偏差試験により試験される。質量偏差試験では、判定値が最大許容限度値を超えないときに適合となる。"} +{"problem_id": "106184", "problem_text": "我が国で実用化されている薬物送達システム(DDS)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ニトログリセリンのテープ剤は、投与薬物の肝初回通過効果を回避して、薬効の持続を期待できる経皮吸収型製剤である。", "ファモチジンの口腔内崩壊錠は、薬物の苦味を抑えるため、水溶性高分子を担体とする固体分散体を利用して薬物溶出が抑えられている。", "直腸粘膜からのセフチゾキシムナトリウムの吸収を高めるため、カプリン酸ナトリウムを添加した坐剤が実用化されている。", "鼻粘膜からの薬物吸収を高めるため、付着性を有する高分子を添加したトリアムシノロンアセトニドの製剤がある。", "プロポフォールの注射剤は、薬物が脂質二重膜に包まれることで、血中での滞留性が高まり、治療効果を発揮する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nニトログリセリンのテ��プ剤は、経皮よりニトログリセリンの持続的な吸収を期待できる経皮吸収型製剤であり、肝初回通過効果を回避することが可能である。2:誤\nファモチジンの口腔内崩壊錠は、口腔内で速やかに崩壊する製剤である。なお、固体分散体とは、薬物を水溶性高分子に分散させたものであり、固体分散体中の薬物はその薬物結晶に比べて溶解速度が大きくなる。3:正\nセフチゾキシム坐剤は、直腸粘膜からのセフチゾキシムナトリウムの吸収を高めるために、カプリン酸ナトリウムが添加されている。4:誤\n付着性を有する高分子を添加したトリアムシノロンアセトニドの製剤として、口腔内付着錠がある。5:誤\nプロポフォール注射剤は、ダイズ油・中鎖脂肪酸トリグリセリド及び精製卵黄レシチンなどからなる脂肪乳剤に溶解したo/w型エマルション製剤であり、水溶性を向上させることで血管選択性を向上させた製剤である。"} +{"problem_id": "106185", "problem_text": "浮腫の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ネフローゼ症候群による浮腫では、血漿膠質浸透圧が上昇している。", "腎炎による浮腫は、最初に顔面、眼瞼に顕著に表れる。", "肝性浮腫は、上肢に顕著に表れる。", "心性浮腫は、朝方に生じる場合が多い。", "粘液水腫は、指圧で圧痕を残さない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nネフローゼ症候群では、尿中にタンパク質が排泄されることにより、低アルブミン血症が誘発されるため、血漿膠質浸透圧が低下し浮腫を生じる。2:正\n腎炎による浮腫は、一般に顔面、眼瞼に認められる。3:誤\n肝性の浮腫は、アルブミン合成能の低下による低アルブミン血症や門脈圧亢進により誘発される。肝硬変に伴う浮腫は、主に下肢浮腫や腹水として表れる。4:誤\n心性浮腫は、うっ血性心不全により誘発され、夕方に強く認められる。5:正\n粘液水腫は、圧痕を残さない浮腫であり、皮下組織にグリコサミノグリカンが蓄積・沈着することで生じる。"} +{"problem_id": "106186", "problem_text": "75歳男性。2ヶ月前より顔面蒼白を家族に指摘されていた。最近、手足のしびれと味覚異常を自覚し、倦怠感が増大したため受診した。既往歴として15年前に胃の全摘術を受けている。血液検査所見 赤血球数240\\times 10^{4}/\\microL、Hb 8.1g/dL、Ht 27.0%、MCV 113fL、MCH 34pg、白血球数4,200/\\microL、血小板数18.5\\times 10^{4}/\\microL この患者の治療に適している薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["10%ブドウ糖注射剤", "含糖酸化鉄注射剤", "デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射剤", "メコバラミン注射剤", "メトトレキサート注射剤"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本患者は胃の全摘手術を受けており、自覚症状として手足のしびれ、味覚異常が現れているとともにMCV(平均赤血球容積)が113fL(基準値:80〜100)であることから、ビタミンB_{12}不足による巨赤芽球性貧血に罹患していると推察される。これらのことから、この患者の治療に適している薬剤は「メコバラミン注射剤」である"} +{"problem_id": "106187", "problem_text": "慢性腎臓病の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腎機能障害又は腎機能低下が3ヶ月以上持続する状態である。", "合併症として貧血がある。", "低張尿となる。", "尿毒症の症状改善にラクツロースを内服する。", "尿毒症状の発症を抑制するために、タンパク質を積極的に摂取させる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n慢性腎臓病(CKD: chronic kidney disease)とは、推算糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m^{2}未満の腎機能低下、あるいはタンパク尿など腎機能障害を示唆する所見が3ヶ月以上持続する状態である。2:正\n腎機能低下に伴い、赤血球の産生に関与するエリスロポエチンの産生が低下するため、慢性腎臓病では貧血を合併することがある。3:誤\n健常人では、尿の濃縮能が保たれているため、高張尿となるが、慢性腎臓病では、腎機能低下に伴い、尿濃縮能が低下し、等張尿となる。4:誤\n尿毒症の症状改善には、球形吸着炭が用いられる。なお、ラクツロースは、高アンモニア血症に伴う精神神経障害、手指振戦、脳波異常の改善に用いられる。5:誤\nタンパク質を多く摂取すると、糸球体内圧が上昇し、腎機能���低下が進行する。そのため、CKD患者の食事療法として、低タンパク食が推奨される。"} +{"problem_id": "106188", "problem_text": "高尿酸血症及び痛風の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["痛風発作は、関節内に析出した尿酸塩結晶が引き起こす急性関節炎発作である。", "高尿酸血症の病型としては、尿酸産生過剰型が多い。", "痛風発作時には、直ちにアロプリノールを用いる。", "痛風間欠期には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が用いられる。", "尿路結石がある場合は、尿酸排泄促進薬を用いない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n尿酸が関節内に蓄積し、結晶化すると急性関節炎発作を誘発する。2:誤\n高尿酸血症の病型には、尿酸排泄低下型、腎負荷型(尿酸産生過剰型と腎外排泄低下型)、混合型があり、その中でも尿酸排泄低下型が多い。3:誤\n痛風発作時に尿酸低下作用のある薬(アロプリノール、フェブキソスタットなど)を新たに服用すると、症状が悪化するため、発作が治まった後、服用を開始する。4:誤\n痛風間欠期(痛みを伴わない期間)には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を服用する必要はない。なお、痛み、腫れを伴う発作極期にNSAIDsを服用する。5:正\n尿路結石がある場合は、症状が悪化することがあるため、尿酸排泄促進薬を用いない。"} +{"problem_id": "106189", "problem_text": "21歳男子大学生。親戚の4歳児の面倒をみた2週間後に頭痛と発熱を認めたため、市販のかぜ薬を服用した。翌日、市販薬で一時的に解熱したが、再び発熱し、両側の頬から耳の後ろにかけて腫れ、腫脹部分に痛みを感じたため受診し、流行性耳下腺炎と診断された。この患者の病態及び薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["解熱すればすぐに通学しても差し支えない。", "精巣炎を合併するリスクがある。", "治療にはアシクロビルが有効である。", "疼痛・発熱に対し、アセトアミノフェンが用いられる。", "治療にはワクチンが有効である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n流行性耳下腺炎の出席停止期間は、「耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身症状が良好になるまで」とされている(学校保健安全法施行規則:第19条)。2:正\nムンプスウイルスは、流行性耳下腺炎の原因ウイルスであり、精巣に炎症を生じることがある。3:誤\nムンプスウイルスに効果的な抗ウイルス薬はない。4:正\n流行性耳下腺炎で発熱した場合には、解熱鎮痛剤としてアセトアミノフェンを用いる。5:誤\n流行性耳下腺炎の予防には、ワクチンが有効である。"} +{"problem_id": "106190", "problem_text": "膵臓がんに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["膵管がんは膵管の上皮細胞由来である。", "インスリン分泌の亢進により低血糖を起こしやすい。", "初期から症状が出現するため、発見が容易である。", "CA19-9(carbohydrateantigen19-9)が陰性になる。", "好発部位は膵頭部である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n膵管がんは、膵管上皮細胞から発生する。2:誤\n膵臓がんではランゲルハンス島が障害され、インスリン分泌低下により高血糖を起こしやすい。3:誤\n初期症状が乏しく、早期発見は難しい。4:誤\nCA19-9(carbohydrateantigen19-9)が陽性になる。5:正\n膵臓がんの診断や治療をする上で、膵臓を膵頭部、膵体部、膵尾部の3つに区分する。膵臓がんの発生率は膵頭部と膵体部+膵尾部で3: 1である。"} +{"problem_id": "106191", "problem_text": "漢方薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["大建中湯は、インフルエンザ初期に用いられる。", "麻黄湯は、認知症の不穏に対して用いられる。", "六君子湯は、腹部外科的手術後のイレウス予防に用いられる。", "芍薬甘草湯は、腓腹筋の有痛性けいれんに対して用いられる。", "補中益気湯は、食欲不振に対して用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n大建中湯は、開腹術後の腸管通過障害に伴う腹痛、腹部膨満感に用いられる。2:誤\n麻黄湯は、感冒、インフルエンザ(初期のもの)、関節リウマチ、喘息に用いられる。3:誤\n六君子湯は、胃炎、胃アトニー、胃下垂、消化不良、食欲不振、��痛、嘔吐に用いられる。4:正\n芍薬甘草湯は、筋肉・関節痛、胃痛、腹痛に用いられる。5:正\n補中益気湯は、夏やせ、病後の体力増強、食欲不振、胃下垂、感冒に用いられる。"} +{"problem_id": "106192", "problem_text": "遺伝子治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["失われた組織の再生を目指した治療である。", "がんや先天的遺伝子疾患の治療への応用が試みられている。", "invivo遺伝子治療は、遺伝子を直接患者に投与して、標的細胞に導入する方法である。", "レトロウイルスベクターの欠点を補うためにアデノウイルスベクターが開発された。", "生殖細胞への遺伝子導入が繁用されている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "遺伝子治療とは、異常な遺伝子を有しているため機能不全に陥っている細胞の欠損状態を修復・修正することで病気を治療させる治療法である。遺伝子治療は、先天的遺伝子疾患やがん、後天性免疫不全症候群(AIDS)などの後天性疾患の治療にも応用されている。1:誤\n失われた組織の再生を目指した治療は、再生医療である。2:正\n3:正\n遺伝子治療の方法には、患者の細胞に遺伝子を導入する体内(in vivo)遺伝子治療と遺伝子導入した細胞を患者の体に移植する体外(ex vivo)遺伝子治療がある。4:誤\nレトロウイルスベクターは、外来遺伝子を安定に染色体DNAに組み込み、長期間目的遺伝子を発現させることができるが、分裂細胞しか遺伝子導入ができず、神経などの分裂増殖していない細胞への遺伝子導入に向いていないという重大な欠点がある。その欠点を改善したものがレンチウイルスベクターであり、非分裂細胞へ安定な遺伝子導入が可能である。5:誤\n生殖細胞への遺伝子導入は、倫理的観点から禁止されている。現在、遺伝子導入の対象となる細胞は体細胞に限定されている。"} +{"problem_id": "106193", "problem_text": "臨床研究における検討事項と使用する統計手法の組合せとして適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n薬物投与群、非投与群の対応のない2群間の男女比(比率)の差を検討事項しているため、カイ二乗検定を使用する。2:誤\n降圧薬を投与する前後(対応のある2群間)の血圧の差(量的データ)を検討事項としているため、対応のあるt検定を使用する。3:誤\n血圧値の低下(量的変数)を目的変数とし、年齢、食塩摂取量(量的変数)の影響の度合いを検討事項としているため、重回析分析を使用する。4:正\n副作用の有無(質的変数)を目的変数とし、治療法、背景の影響の度合いを検討事項としているため、二値の分類データを目的変数とするロジスティック回帰分析を使用する。5:正\n抗がん剤投与群の生存率曲線と手術群の生存率曲線に差があるかどうかを検討事項としているため、2群間の生存率の比較を行うログランク検定を使用する。"} +{"problem_id": "106194", "problem_text": "ある疾患の発症予防薬Aの評価を行うため臨床試験の文献を収集したところ、下記の情報を得た。この試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プラセボ効果の影響を除くために、無作為割り付けが行われている。", "この試験は観察研究に分類される。", "Aの治療必要数(NNT)は25人である。", "Aによる発症の絶対リスク減少は4%である。", "Aによる発症の相対リスク減少は20%である。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n無作為(ランダム)割り付けとは、被験者を無作為に被験薬群と対照群に割り付けることであり、交絡因子(性別、年齢、体重、重症度などの試験に及ぼす影響)を低減させる目的で行われる。2:誤\n人を対象とする臨床研究は、人為的な介入の有無により、介入研究と観察研究に分類される。この試験は、被験者に対して研究者が予防薬A、プラセボを投与する試験であることから介入研究に分類される。3:正\n治療必要数(NNT)とは、ある介入を対象者に行った結果、1人に治療効果が現れるまでに何人に介入する必要があるかを表す値であり、絶対リスク減少(ARR)の逆数で表すことができる。ARRは各群の発症リスクの差であり、プラセボ群の発症リスク(30人/500人=0.06)-予防薬A投与群発症リスク(10人/500人=0.02)=0.04となるため���NNTは1/0.04=25となる\n4:正\n解説3参照\n5:誤\n相対リスク減少(RRR)とは、治療によるイベント発症の減少を示す指標であり、1-相対リスク(RR)で求められる。RRは各群の発症リスクの比であり、0.02/0.06=0.33となるため、RRRは1-0.33=0.67となる。"} +{"problem_id": "106195", "problem_text": "遺伝学的検査・診断に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["すでに発症している患者の診断を目的として行われた遺伝学的検査の結果は、患者の診療に関係する情報と一緒に保管する。", "遺伝情報は、血縁者間で一部共有されていることを考慮する必要がある。", "遺伝学的検査は、出生前診断のために行われることはない。", "発症前診断は、当該疾患を発症するおそれがなく治療する必要がない者に対する検査である。", "非発症保因者診断では、発症する前に将来の発症を予測するために検査を行う。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "◆遺伝情報の特徴◆\n・生涯変化しないこと\n・血縁者間で一部共有されていること\n・血縁関係にある親族の遺伝型や表現型が比較的正確な確率で予測できること\n・非発症保因者の診断が可能であること\n・発症する前に将来の発症をほぼ確実に予測することができる場合があること\n・出生前診断に利用できる場合があること\n・不適切に扱われた場合には、被験者および被験者の血縁者に社会的不利益がもたらされる可能性があること\n1:正\n2:正\n3:誤\n遺伝情報は、出生前診断に利用できる場合があるため、遺伝学的検査を出生前診断のために行うことがある\n4:誤\n非発症保因者診断に関する記述\n5:誤\n発症前診断に関する記述"} +{"problem_id": "106196", "problem_text": "27歳既婚女性。生理が遅れているため、自宅近隣のドラッグストアで、妊娠検査薬^{※}を購入した。自宅でこの検査薬の説明書どおりに採尿部に尿をかけて、規定の時間が経過したのち反応を観察した。^{※}妊娠時にはヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)が分泌されることが知られており、尿中のhCG をイムノクロマトグラフィーで検出する妊娠検査薬が市販されている。問 196(物理・化学・生物) 次の模式図は、この女性が購入した妊娠検査薬の検出メカニズムを表している。以下の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["目視で観測するため、抗体Aの標識には主に金コロイドが用いられる。", "「:X:」に入るのは、hCG である。", "「:Y:」に入るのは、ウサギ IgG である。", "尿中の hCG 濃度が著しく高いとき、判定窓の線が濃く、終了確認窓の線が薄くなったり、消失したりする場合がある。", "抗体Cの代わりに、hCG を用いることも可能である。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "イムノクロマトグラフィーの測定原理について以下に示す。採尿部に尿を滴下すると、尿に含まれるhCGがコンジュゲートパッドに含まれる抗体(hCGを特異的に認識する色素(金コロイド)や酵素で標識された抗体)と結合する。その後、抗原と抗体の免疫複合体は、毛細管現象により判定窓まで移動し、膜上に固定された抗体(hCGを特異的に認識する抗体)に捕捉される。判定窓で生成されたサンドイッチ型複合体による呈色により、測定対象物の有無や量がわかる。判定窓を通過した、抗原と反応しなかった抗hCGマウス標識抗体は、終了確認窓まで移動し、膜上に固定された抗体(抗hCGマウス標識抗体を特異的に認識する抗体)に捕捉される。終了確認窓で呈色が認められることにより、検査が正常に終了したことが確認できる。1:正しい\n上記参照\n2:正しい\n上記参照\n3:誤っている\n「:Y:」に入るのは、マウスIgG である。4:正しい\n尿中の hCG 濃度が著しく高いと、hCGとhCGを特異的に認識する色素(金コロイド)標識された抗体の結合量が増えるため、判定窓の線が濃く、終了確認窓の線が薄くなったり、消失したりする場合がある。5:正しい\n抗体Cの代わりに、hCG を用いても、抗hCGマウス標識抗体を補足することが可能である。"} +{"problem_id": "106197", "problem_text": "検査薬を購入した女性は、表示された検査結果をみて、判定窓の線が薄かったことから不安を感じて、購入したドラッグストアに行った。この女性に対する薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["こ��女性の月経周期がこれまで順調であったかどうかを確認する。", "各窓の線が明瞭ではないため、妊娠の可能性はないと説明する。", "線の色の濃淡によらず、妊娠している可能性があるため、受診を勧める。", "妊娠初期では、尿中の hCG が少なく陰性となることもあるため、さらに1ヶ月以上あけてからの再検査が必要であると説明する。", "妊娠していると判断し、母子手帳の交付を申請するよう勧める。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:適切\n生理が遅れている要因を確認することに加え、妊娠検査薬を使用する時期(生理予定日の約1週間後)が適切であるか確認するため、月経周期がこれまで順調であったかどうかを確認する。2:不適切\n各窓の線が明瞭ではなくても、妊娠の可能性がある。3:適切\n4:不適切\n妊娠初期では、hCG量が少なく陰性になることがあるため、妊娠が疑われる場合には、数日後に再検査することを勧める\n5:不適切\n妊娠検査薬では、妊娠を確定することはできないため、産婦人科を受診し、妊娠したことが確定した後、母子手帳の交付を申請するよう勧める。"} +{"problem_id": "106198", "problem_text": "53歳男性。骨転移の認められる去勢抵抗性前立腺がんに対し、塩化ラジウム(^{223}Ra)注射液を、1回55kBq/kg とし、4週間間隔で、計6回の投与を行うこととなった。今回、予定どおりに患者が来院し、1回目の投与が終了した。問 198(物理・化学・生物) Ra 及び^{223}Ra に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["^{223}Ra は主に \\alpha 線を放出し、^{219}Rn となる。", "体内に投与された^{223}Ra が放出する放射線は透過性が高く、ほとんどが体外に放出される。", "Ra は骨の主な構成成分である Ca と同じく周期表の第2族に属する元素である。", "^{223}Ra が放出する放射線は低 LET(線エネルギー付与)である。", "^{223}Ra の半減期は約2時間なので、周囲の人の被ばくに注意する必要はない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n^{223}Ra は主に \\alpha 線(ヘリウム原子核: ^{4}He^{2+})を放出し、^{219}Rn となる。2:誤\n体内に投与された^{223}Ra が放出する\\alpha 線は透過性が低く、ほとんどが体内にとどまる。3:正\nRa はCa と同じく周期表の第2族(アルカリ土類金属)に属する元素であり、骨代謝が活性化している部位に集積しやすい。4:誤\n^{223}Ra が放出する\\alpha 線は、高LET線(線エネルギー付与)である。5:誤\n^{223}Ra の物理的半減期は約11日なので、周囲の人の被ばくに注意する必要がある。"} +{"problem_id": "106199", "problem_text": "外来がん治療担当の薬剤師は、この注射液の初回投与を終えた患者に対し、外来化学療法処置室において、投与後 1週間における生活上の注意事項を伝達することになった。なお、この患者は、妻と長男の3人暮らしである。薬剤師が説明する内容として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["入浴するときは、細菌感染を防止するため、家族の中で一番初めに入るようにしてください。", "着用した衣類は、他の家族の方の衣類とは別にして洗ってください。", "便座に腰かけて排尿してください。", "トイレの使用後は、水を2回以上流してください。", "排泄物がこぼれて便器や床に付着した場合には、トイレットペーパーを用いてよく拭き取り、トイレに流してください。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "入浴するときは放射線被曝を避けるため、家族の中で一番最後に入るよう説明する必要がある。"} +{"problem_id": "106200", "problem_text": "60歳男性が処方箋を持ってかかりつけの薬局を訪れた。処方箋を受付に渡そうとしたところ、男性は胸を押さえながら床に倒れた。男性に意識はなく、正常な呼吸も確認できなかった。薬剤師は、同僚に119番通報及び自動体外式除細動器 (AED)の手配を依頼し、AED の到着まで胸骨圧迫を開始した。なお、心肺蘇生は日本蘇生協議会ガイドライン2015に基づいて実施した。AED到着後、手順に従い電極を装着し、機器による判定の後、薬剤師は電気ショックを実施した。電気ショック後に行うべきことはどれか。1つ選べ。", "choices": ["呼吸が再開するまで手を触れずに待つ。", "安全のために AED の電源を切る。", "AED の電極パッドを、次の電気ショックに備えて交換する。", "別の AED を持���てくるように依頼する。", "胸骨圧迫を再開する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nAEDによる心電図解析を行う時と電気ショックを行う時は、傷病者に触れないようにする。2:誤\n救急隊員の指示があるまで、AEDの電源を切らない。3:誤\n次の電気ショックに備えてAED の電極パッドを交換するはない。4:誤\nAEDは繰り返し使用することが可能であるため、再び電気ショックを与えるために別のAEDを持ってくる必要はない。5:正\n電気ショック後、心拍を取り戻すために胸骨圧迫を再開する必要がある。"} +{"problem_id": "106201", "problem_text": "この傷病者に用いた AED の1回の電気パルスの平均電圧は1,000 V、平均電流 は15A、通電時間は 10ms であった。1回のパルスが傷病者に与える仕事の大きさに最も近い値はどれか。1つ選べ。傷病者に取り付けた電極間の抵抗は67Ωとする。", "choices": ["2.2mJ", "150mJ", "2.2J", "150J", "223J"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "AEDの電気ショックによる仕事の大きさ(J)\n=電力(W)\\times 時間(s)\n=電流(A)\\times 電圧(V)\\times 時間(s)\n=15A\\times 1,000V\\times 10ms\n=15A\\times 1,000V\\times 10\\times 10-3s=150J"} +{"problem_id": "106202", "problem_text": "地域医療支援病院として、住民に医療情報を提供するために健康フェアを開催することになった。勤務する薬剤師は、MRI(Magnetic Resonance Imaging) 検査に不安を持つ患者が多いと感じていたため、MRI 検査の原理と検査時の注意事項についてのリーフレットを作成することにした。問 202(物理・化学・生物) リーフレット中のMRI検査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["高い磁場中で測定が行われるので、ペースメーカーを植え込んでいる人は検査前に申し出てください。", "紫外線よりも波長が短い電磁波が身体に照射されますので、被ばくに注意する必要があります。", "検査に影響するものとして、金属を含んでいる化粧品や刺青があります。", "脳のような骨に覆われている組織の観察は困難です。", "ドップラー効果の原理を利用して心臓の動きを観察することもできます。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nMRIは、高い磁場中で測定が行われるので、金属機器(心臓ペースメーカーや植込み式除細動器等)が発熱する、誤作動を起こすことがある。2:誤\n紫外線よりも波長が長い電磁波(ラジオ波)が身体に照射されるが、ラジオ波は非電離放射線であるため、被ばくに注意する必要はない。3:正\nMRIは、高い磁場中で測定が行われるので、金属を含む化粧品や刺青により火傷を起こす可能性がある。4:誤\nMRIでは、脳のような骨に覆われている組織の観察も可能である。5:誤\nドップラー効果の原理を利用して心臓の動きを観察することができるのは、超音波測定法である。"} +{"problem_id": "106203", "problem_text": "貼付剤を貼ったまま MRI 検査を受けても大丈夫かどうかという質問が多いため、リーフレット中に注意すべき製品を記載することにした。以下の経皮吸収型製剤のうち、貼付したままMRI検査を行うと貼付部位に火傷を起こす可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "MRIは、高い磁場中で測定が行われるので、金属を含む貼付剤により火傷を起こす可能性がある。ニュープロ®パッチは、アルミニウムフィルムを含んでいるため、MRIを行うことで火傷を起こすことがある。"} +{"problem_id": "106204", "problem_text": "米国食品医薬品局より、ある医薬品の原薬から微量の N-ニトロソジメチルアミン(NDMA、下図)が検出されたとの発表があった。NDMA は発がん性が報告されており、薬物の原薬に混入したり製造工程で生成される可能性がある。そこで、品質管理に携わっている製薬企業の薬剤師は、ガスクロマトグラフィー/質 量分析計(GC/MS)を用いて自社製品中のNDMAの混入を調べることにした。この分析に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["移動相(キャリヤーガス)として酸素や二酸化炭素が用いられる。", "キャピラリーカラムを用いることが可能である。", "MS におけるイオン化法として、主に電子イオン化(EI)あるいは化学イオン 化(CI)が用いられる。", "MS 以外に水素炎イオン化検出器(FID)を用いて NDMA を検��することも可能である。", "GC/MS 以外に HPLC/MS を用いることも可能である。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\nガスクロマトグラフィーでは、移動相(キャリヤーガス)として窒素、水素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性なキャリヤーガスが用いられる。2:正しい\n3:正しい\nガスクロマトグラフィー で低分子化合物を分離する場合には、試料を気化させてイオン化する化学イオン化(CI)法あるいは電子イオン化法(EI)法が用いられる。4:正しい\n水素炎イオン化検出器は、カラムからのキャリヤーガスに水素を混合し、燃焼させて水素炎を生じさせる検出器であり、炭素-水素(C-H)結合をもつ化合物の検出に用いられる。5:正しい"} +{"problem_id": "106205", "problem_text": "我が国で販売されている製品(錠剤)でも NDMA の混入が確認され、クラスIの自主回収が実施された。この情報提供を受けた薬局薬剤師がとるべき行動のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページにアクセスし、回収対象のロットや回収理由、危惧される具体的な健康被害などの情報を入手する。", "当該製品の処方歴がある患者をリストアップする。", "患者からの問合せがあった場合、健康被害は生じないのでそのまま使用してくださいと伝える。", "患者の手元にある当該製品は、薬局で他の成分の製品に変更することができると患者に伝える。", "薬局内の開封済み当該製品は、粉砕して水とともに下水に放流する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n2:正\n3:誤\n患者からの問合せがあった場合、重篤な健康被害を引き起こす可能性があることを伝え、回収する。4:誤\n薬剤師の判断で、他の成分の製品に変更することはできない。5:誤\n開封済みの製剤も回収対象となる。"} +{"problem_id": "106206", "problem_text": "76歳男性。体重50 kg。高血圧と心不全により入院となり、処方1が開始となった。入院時のeGFRは23.9 mL/min/1.73 m^{2}であったが、尿量が増加し浮腫も徐々に改善して、状態も安定してきた。1週間後、便秘に対し処方2が開始となった。さらに1週間後、血清カリウム値が5.6mEq/Lと上昇したため、経口ゼリー剤Aを追加した。問 206(実務) 本症例において、注意する事項として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["経口ゼリー剤Aを服用し忘れた場合、次回2回分服用する。", "経口ゼリー剤A服用後、一度開封して残ったゼリーは冷所に保存する。", "ジゴキシン中毒に注意する。", "PT-INR 値で出血の危険性をモニターする。", "排便状況を確認する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "本症例では、血清カリウム値が5.6mEq/L(基準値: 3.5〜4.9 mEq/L)と上昇したため、消化管でのカリウムの吸収を抑制する目的で、経口ゼリー剤A(ポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリー)が処方されたと推察できる。1:誤\n服用し忘れた場合、気がついた時点で1回分を服用する。ただし、次の通常服用する時間が近いときは1回分をとばして次の服用時間に1回分を服用する。絶対に2回分を1度に飲まない。2:誤\n開封後は速やかに服用し、残した場合には廃棄する。3:正\n本剤服用により低カリウム血症になると、ジギタリス中毒作用が増強されることがある。4:誤\n本剤服用中は、PT-INR 値で出血の危険性をモニターする必要はない。5:正\n本剤服用中は、排便状況を確認し、便秘に引き続き腹痛、腹部膨満感、嘔吐等の症状が現れた場合には、担当の医師に相談するよう指導する。"} +{"problem_id": "106207", "problem_text": "経口ゼリー剤Aの成分の化学的性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["水溶性が高い。", "陰イオン性を持つ。", "カリウムイオンを吸着する。", "塩化物イオンを吸着する。", "キレート作用を持つ。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにはほとんど溶けない\n2:正\nカルシウムイオンを遊離し、陰イオン性を示すため、カリウムイオンを吸着することができるが、塩化物イオンを吸着することはできない。3:正\n解説2参照\n4:誤\n解説2参照\n5:誤\nキレート作用を有していない。"} +{"problem_id": "106208", "problem_text": "65歳女性。2日ほど前から、下腹部の痛みを感じ、皮疹が��現したため、かかりつけ医を受診したところ、帯状疱疹と診断された。以下の処方が出され、処方箋を持って薬局を訪れた。面談で「1日5回飲むのは大変で飲み忘れると思う」 と訴えがあった。この患者は、この薬局をかかりつけとして日頃から利用していたので、薬歴を確認したところ、3年前にも帯状疱疹でバラシクロビル塩酸塩錠500mgを服用しており、1日3回服用でもアドヒアランスが良好ではなかったことが判明した。そこで、薬剤師は医師に連絡をとり、アドヒアランスが不良となる可能性があることを 伝え、1日1回のアメナメビル錠への変更を提案したところ、承諾を得たので、以下の処方に変更し、患者に服薬指導した。問 208(実務) 薬剤師がこの患者に指導した内容について SOAP形式で薬剤服用歴管理記録に記載した。(S)、(O)、(A)、(P)の項目と対応する内容の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["P: 薬歴(3年前)に帯状疱疹でバラシクロビル塩酸塩錠 500 mgを服用しており、1日3回でもアドヒアランスが不良であった。", "O: 1日5回飲むのは大変で忘れると思う。", "S: 医師にアシクロビル錠 400mg 1日5回から、アメナメビル錠1日1回へ処方変更の提案をしたところ承諾を得た。", "A: アシクロビル錠400mg1日5回から、1日1回投与のアメナメビル錠が最適と判断した。", "S: 患者にアシクロビル錠400mg 1日5回から、アメナメビル錠 1日1回へ変更になったことについて説明し、1回2錠を 1日1回朝食後に飲むよう指導した。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n薬歴から確認している内容であるため、Oに記載する。2:誤\n患者の訴えであるため、Sに記載する。3:誤\n疑義照会した内容として薬歴に記載する。4:正\n薬剤師の評価、分析した結果であるため、Aに記載する。5:誤\n指導した内容であるため、Pに記載する。"} +{"problem_id": "106209", "problem_text": "次のア~ウは、この患者に対して検討されたアシクロビル、バラシクロビル、アメナメビルの構造式のいずれかを示す。これらの薬物に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アはイのプロドラッグであり、イに比べて 1日の服用回数が少ない。", "ア及びイの構造に含まれる核酸塩基はグアニンである。", "ア~ウはすべて塩基性官能基をもつ。", "ウは DNA 複製の基質として取り込まれ、ウイルス DNA 鎖の伸長を阻害する。", "今回最初に処方された薬物イが最終的にウに変更された。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "ア:バラシクロビル イ:アシクロビル ウ:アメナメビル\n1:正しい\nア(バラシクロビル)はイ(アシクロビル)のプロドラッグであり、消化管における吸収が良好であるため、イ(アシクロビル)に比べて 1日の服用回数が少ない。2:正しい\nア(バラシクロビル)及びイ(アシクロビル)の構造に含まれる核酸塩基はグアニンである。3:正しい\n4:誤っている\nウ(アメナメビル)は、ヘリカーゼ・プライマーゼ複合体の酵素活性を阻害することによりウイルスDNAの複製を阻害する。なお、DNA 複製の基質として取り込まれ、ウイルス DNA 鎖の伸長を阻害するのは、ア(バラシクロビル)およびイ(アシクロビル)である。5:正しい\n今回最初に処方された薬物イ(アシクロビル)が最終的にウ(アメナメビル)に変更された。"} +{"problem_id": "106210", "problem_text": "81歳男性。半年前に妻を亡くしてから在宅医療を受けている。また、10年前から糖尿病の治療のため、処方1の薬剤を服用している。最近、患者宅を薬剤師が訪問したところ、近所に住む娘から低血糖症状が頻回に発現するとの情報を得た。そこで、アドヒアランスを考慮し、医師に処方1を中止して処方2への変更を提案したところ、受け入れられた。問 210(実務) 薬剤師が患者の家族に対し、処方2について説明する内容として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["低血糖症状を発現した時のために、ショ糖では効果がないのでブドウ糖を準備してください。", "日曜日の朝飲み忘れた場合は、気がついた時点で1錠を飲ませて下さい。ただし、一度に2回分は飲ませないようにしてください。", "グレープフルーツジュースと一緒に服用すると、低血糖が発現しやすくなるので飲ませないでください。", "服用期間��に納豆を食べると、血糖を低下させる効果がなくなりますので食べさせないでください。", "服用すると便が黒くなりますが、心配ありません。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n低血糖症状を発現した時、ショ糖でも症状を緩和することが可能である。なお、低血糖症状を発現した時、ショ糖では効果がないのでブドウ糖を準備する必要があるのは、\\alpha -グルコシダーゼ阻害薬である。2:正\n3:誤\nグレープフルーツジュースにより本剤の作用が増強することによる低血糖が現れるとの報告はない。なお、CYP3A4で代謝される薬物は、グレープフルーツジュースと一緒に服用すると、作用が増強することがある。4:誤\n服用期間中に納豆を食べても、本剤の作用が低下するとの報告はない。なお、ワルファリンは、服用期間中に納豆を食べると、効果が減弱することがある。5:誤\n服用することで便が黒くなるという報告はない。なお、鉄を含有する製剤を服用すると、便が黒くなることがある。"} +{"problem_id": "106211", "problem_text": "処方2で用いられた薬物は、プロテアーゼであるジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)の基質結合部位に結合して阻害することにより血糖降下作用を示す。この薬物は、以下の図に示したようなDPP-4の基質結合部位のアルギニン残基、グルタミン酸残基、フェニルアラニン残基の側鎖とそれぞれ相互作用する官能基をもつ。処方2の薬物の構造はどれか。1つ選べ。ただし、グアニジノ基は水素結合相互作用におけるプロトン供与体として働く。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:グリメピリド\n2:ナテグリニド\n3:ボグリボース\n4:オマリグリプチン\n5:ブホルミン塩酸塩"} +{"problem_id": "106212", "problem_text": "78歳男性。肺がん末期のため、在宅で緩和ケアを受けている。痛みに対して以下の薬剤が処方されていた。本日、薬剤師が患者宅を訪問したところ、痛みの評価は、NRS(数値スケール)で6となり、痛みが増強してきた。そこで、薬剤師が医師に痛みの三段階除痛ラダーに基づき、オピオイド鎮痛薬の追加を提案することにした。問 212(実務) この患者にこの段階で追加する薬物として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nコデインリン酸塩水和物の構造であり、弱オピオイド鎮痛薬である。2:誤\nセレコキシブの構造であり、NSAIDsである。3:正\nトラマゾールの構造であり、弱オピオイド鎮痛薬である。4:誤\nインドメタシンの構造であり、NSAIDsである。5:誤\nアミトリプチリン塩酸塩の構造であり、三環系抗うつ薬である。"} +{"problem_id": "106213", "problem_text": "追加された鎮痛薬はオピオイド受容体に作用する。オピオイド受容体には、内因性リガンドとして、以下に示したメチオニンエンケファリンなどのペプチドが知られている。内因性リガンドと受容体との相互作用を考えたとき、追加された鎮痛薬の受容体との相互作用及びファーマコフォアに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["塩基性窒素をもち、生体内でプロトン化されて受容体のカルボキシラートイオンとイオン結合する。", "塩基性窒素原子と炭素数2あるいは3個の炭素鎖で結合した芳香環をもつ。", "カルボキシ基をもち、受容体のグアニジノ基とイオン結合する。", "代謝されてフェノール性ヒドロキシ基を生じ、受容体と水素結合する。", "芳香環をもち、受容体のベンゼン環と\\pi -\\pi 相互作用する。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "106214", "problem_text": "70歳男性。1年前に妻ががんで死亡し、娘夫婦と同居している。半年前から、元気がなく、物忘れをすることがあった。最近、「妻が私の隣に座って話しかけてくることがある」、「自分は邪魔にされている」、「娘の子供が私のお金を盗む」 などの発言をするようになったので、娘に付き添われて病院を受診した。レビー小体型認知症と診断され、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。問 214(実務) この患者の情報から、処方された抑肝散エキス顆粒によって改善が期待される症状として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["幻覚", "物忘れ", "妄想", "見当識障害", "運動障害"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "抑肝散は、体力中程度の人で、神経過敏で興奮しやすく、怒りやすい、イライラするなどの精神神経症状を訴える場合に用いられ、「幻覚」「妄想」などを改善する。"} +{"problem_id": "106215", "problem_text": "抑肝散エキス顆粒に含まれる生薬のうち、サイコと協力して、この患者にみられる症状を改善することが最も期待されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カンゾウ", "チョウトウコウ", "センキュウ", "ビャクジュツ(又はソウジュツ)", "トウキ"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "抑肝散の構成生薬と薬能\nトウキ、センキュウ:血を補い、血をめぐらせる\nサイコ:肝の失調を整える\nチョウトウコウ:興奮を鎮める\nカンゾウ、ソウジュツ、ブクリョウ:胃を健やかにし腸を整える"} +{"problem_id": "106216", "problem_text": "75歳男性。3年前にパーキンソン病と診断され、レボドパ100mg・カルビドパ配合錠1日3錠、トリヘキシフェニジル塩酸塩錠2mg 1日3錠で薬物治療を継続していた。3ヶ月前にレボドパ100mg・カルビドパ配合錠が 1日5錠に増量になり(処方1)、さらに、今回から処方3が追加になった。処方2は、用法・用量の変更はなく継続中である。問 216(実務) 患者の家族が薬局に処方箋を持参した。薬剤師が家族に行う説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1は胃腸障害を起こしやすいので、牛乳と一緒に服用しても構いません。", "体の一部が自然に動いてしまう不随意運動を抑えるため、処方3が追加になり ました。", "処方3の影響で、暴食を繰り返すような行動が現れることがあるので、そのような症状が現れた場合は主治医に連絡してください。", "処方3により眠気が現れることがあるので、自動車等の運転は避けるようにしてください。", "パーキンソン病の症状が改善されたら、直ちに処方3の薬剤の服用を中止してください。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n処方1(レボドパ・カルビドパ配合剤)を牛乳と一緒に服用すると、吸収が悪くなることが報告されているため、処方1と牛乳は一緒に服用することを避ける。2:誤\n処方3(プラミペキソール)は、パーキソニズムを改善する目的で処方されていると推察される。なお、問題文にある「体の一部が自然に動いてしまう不随意運動」とは、ジスキネジアを表しており、その治療にプラミペキソールを用いることはない。3:正\nドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているため、そのような症状が現れた場合は減量または投与を中止するなど適切な処置を行う。4:正\n処方3では、突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されている。よって、本剤服用中は自動車等の運転を避ける必要がある。5:誤\n処方3の急激な減量、中止により、悪性症候群を誘発することがある。また、ドパミン受容体作動薬の急激な減量または中止により、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛等)が現れることがある。"} +{"problem_id": "106217", "problem_text": "この患者に起きていると考えられる生体内変化はどれか。2つ選べ。", "choices": ["黒質から線条体に至るドパミン作動性神経の変性が進行した。", "線条体におけるコリン作動性神経からのアセチルコリン放出が減少した。", "線条体で放出されたドパミンの分解が低下した。", "線条体におけるコリン作動性神経のドパミンによる抑制が減弱した。", "末梢血液中のドパ脱炭酸酵素活性が低下した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "本患者はパーキンソン病であり、黒質から線条体に至るドパミン作動性神経が変性しているとともに線条体におけるドパミンの作用が減弱することでコリン作動性神経の抑制が減弱していると推察される。"} +{"problem_id": "106218", "problem_text": "33歳女性。夫と2歳の娘との3人暮らし。2年前に慢性甲状腺炎(橋本病)と診断されて経過観察していたが、最近、疲れやすさ、皮膚の乾燥、便秘などの症状が現れるようになった。病院で検査を受けた結果、今回から薬物治療が開始になり、検査値が記載された処方箋を薬局に持参した。(検査値) 甲状腺刺激ホルモン(TSH)20.2\\microU/mL 遊離トリヨードサイロニン(FT_{3})1.2 pg/mL 遊離サイロキシン(FT_{4})0.5 ng/dL 問 218(物理・化学・生物) 甲状腺とその機能に関与するホルモンに対し処方薬がもたらす変化として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["甲状腺濾胞細胞による血液中のヨウ化物イオンの取り込みが亢進する。", "処方薬が、徐々に代謝されて生じる T_{3}により、甲状腺の機能が持続的に補われる。", "甲状腺濾胞からの T_{4}分泌が増強される。", "血中の TSH 濃度が低下する。", "血中の甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)濃度が上昇する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "慢性甲状腺炎(橋本病)は、自己免疫異常により引き起こされる甲状腺機能低下症である\n【症状】\n皮膚の乾燥、易疲労感、便秘、声枯れ\n【検査値】\n甲状腺刺激ホルモン(TSH): 高値 、遊離トリヨードサイロニン(FT_{3}): 低値 、遊離サイロキシン(FT_{4}): 低値\n甲状腺濾胞細胞による血液中のヨウ化物イオンの取り込みは、TSHにより促進される。また、レボチロキシンナトリウムは、T_{4}製剤であり、体内で徐々に代謝されてT_{3}となる。本剤を投与すると、T_{4}およびT_{3}が補われるため、負のフィードバックにより視床からのTRHや視床下部からのTSHの分泌量が低下する。また、本剤投与によりTSHの分泌量が低下するため、甲状腺濾胞細胞による血液中のヨウ化物イオンの取り込みは抑制される。"} +{"problem_id": "106219", "problem_text": "薬剤師は患者からの聞き取りで、ときどき市販の胃腸薬(スクラルファート含有)やサプリメント(鉄分含有)を服用することがあり、便秘予防にひじきなどの海藻類をよく食べるとの情報を得た。患者への指導として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬物治療を行っている間は、海藻類を積極的に摂取してください。", "処方薬服用中であっても妊娠を避ける必要はありません。", "処方薬の影響で、脈が速くなることがあります。", "処方薬とスクラルファート含有胃腸薬を併用する場合は、服用間隔をできるだけあけてください。", "処方薬と鉄分含有サプリメントを併用する場合は、同時に服用しないでください。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\n海藻類には多くのヨウ素が含まれており、積極的に摂取すると甲状腺機能が低下することがある。2:正しい\nレボチロキシンは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされている。3:正しい\nレボチロキシンは、アドレナリン\\beta 受容体増加、カテコールアミン感受性を増大させ、心機能を亢進させる。4:正しい\nレボチロキシンとアルミニウム含有製剤や鉄剤を同時に服用すると、レボチロキシンの吸収が遅延又は減少することがある。よって、レボチロキシンとアルミニウム含有製剤や鉄剤を併用する場合には、服用間隔をできる限りあける必要がある。5:正しい"} +{"problem_id": "106220", "problem_text": "45歳男性。175 cm、55 kg。過去に痛風発作を経験したことがあったが、その後、症状は現れておらず、治療をしていなかった。最近、職場の健康診断で尿酸値の異常を指摘され、近所のA病院を受診した。受診時の検査で、血清クレアチニン値は 0.8 mg/dL、血清尿酸値は9.0mg/dL、AST は 15 IU/L、ALT は 18 IU/Lであった。A病院の担当医は、以下の処方で薬物治療を開始することを検討した。その際、A病院の担当医がお薬手帳を確認したところ、B総合病院消化器内科から、潰瘍性大腸炎に対してプレドニゾロンとアザチオプリンが処方され、服用中であることが判明した。検討中の処方に関し、A病院の担当医から薬剤部の薬剤師に相談があった。薬剤師の回答として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["そのまま処方して構いません。", "フェブキソスタット錠を減量してください。", "フェブキソスタット錠の規格を20mg 錠に変更してください。", "フェブキソスタット錠をアロプリノール錠に変更してください。", "フェブキソスタット錠をベンズブロマロン錠に変更してください。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "フェブキソスタットは、非プリン型選択的キサンチンオキシダーゼ阻害薬であり、本患者が服用しているアザチオプリンと相互作用を起こすことがある。フェブキソスタットとアザチオプリンを併用すると、アザチオプリンの代謝物メルカプトプリンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、メルカプトプリンの血中濃度が上昇する可能性がある。よって、フェブキソスタット錠を尿酸排泄促進薬であるベンズブロマロン錠に変更することで相互作用を回避する必要がある。"} +{"problem_id": "106221", "problem_text": "高尿酸血症・痛風治療薬の処方を扱うことが多いこの薬剤師は、プリン塩基及び関連化合物の代謝経路について図のとおり整理した。この図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Xはヒポキサンチンである。", "フェブキソスタットは反応①と反応②を阻害する。", "Xは反応②で酸化されて尿酸になる。", "反応②の生成物は、尿素に変換されて尿中に排泄される。", "この薬剤師が前問の回答をしたのは、フェブキソスタットにより反応③が阻害され、アザチオプリンの血中濃度が上昇すると考えられたためである。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nXはキサンチンである。2:正\nフェブキソスタットは、キサンチンオキシダーゼが関与する反応①、反応②を阻害する。3:正\nX(キサンチン)は、反応②で酸化されて尿酸となる。4:誤\n反応②の生成物(尿酸)は、最終代謝産物であり、そのままの形で尿中に排泄される。5:誤\n問220の解説参照"} +{"problem_id": "106222", "problem_text": "35 歳女性。病院を受診したところ関節リウマチと診断され、以下の処方で治療を開始することになった。(:)に入る葉酸錠の服用方法として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["月曜日 1 日 1 回 朝食後", "火曜日 1 日 1 回 朝食後", "水曜日 1 日 1 回 夕食後", "木曜日 1 日 1 回 夕食後", "金曜日 1 日 1 回 夕食後"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "メトトレキサート投与による消化器症状、肝機能障害等の副作用の予防には、葉酸の投与が有効であるとの報告がある。通常、メトトレキサートの最終服用後24時間〜48時間以内に葉酸を投与すれば治療効果に大きな影響を与えず、毒性を軽減することができる。本症例の最終服用は水曜日の朝9時であることから、葉酸の服用時間は木曜日の朝9時から金曜日の朝9時までの間が適切である。"} +{"problem_id": "106223", "problem_text": "処方箋を受けた薬剤師は、核酸代謝における処方 1、2と処方3を併用することの有用性について実務実習に来ている学生にわかりやすく説明するため、次に示すような図を作成した。この図の説明として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["細胞増殖の際におこるDNA合成において、Aが前駆体として使われる。", "Bがテトラヒドロ葉酸で、Cがジヒドロ葉酸である。", "メトトレキサートはCからDの反応を触媒する酵素を阻害する。", "処方3に含まれる葉酸は、体内でジヒドロ葉酸還元酵素の作用を受けることでCとなり効果を示す。", "処方3に含まれる葉酸により、メトトレキサートが作用する酵素の活性を増強することが期待される。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nA (チミジル酸)は、リン酸化されデオキシチミジン5 ‘ -三リン酸に変換され、DNA合成の基質として利用される。2:誤\nBがジヒドロ葉酸で、Cがテトラヒドロ葉酸である。3:誤\nメトトレキサートはCからDの反応を触媒する酵素(ジヒドロ葉酸還元酵素)を阻害する。4:正\n処方3に含まれる葉酸は、体内でジヒドロ葉酸還元酵素の作用を受けることでテトラヒドロ葉酸となり効果を示す。5:誤\n処方3に含まれる葉酸により、メトトレキサートの毒性を軽減することが期待される。"} +{"problem_id": "106224", "problem_text": "65歳男性。身長170cm、体重65kg。eGFRは42mL/min/1.73m^{2}である。悪性リンパ腫のため、R-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)の1コース目を施行したところ、7日後に38^{\\circ} Cの発熱がみられた。その際の検査値は次のとおりであった。赤血球数350\\times 10^{4}/\\microL、Hb11.2g/dL、Ht32%、白血球数480/\\microL(好中球63%、好酸球6%、好塩基球2%、単球14%、リンパ球15%)、血小板数9.8\\times 10^{4}/\\microL、CRP5.0mg/dL そこで、主治医は2コース目のR-CHOP療法を施行するにあたり、1コース目と同じ症状が現れた際に、フィルグラスチムを併用することを検討している。フィルグラスチムを検討する理由として、正��いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["骨髄での赤血球への分化を促し、R-CHOP療法の副作用である貧血を防ぐ。", "血液中の血小板の破壊を抑制し、打撲等による出血を防ぐ。", "骨髄での好中球への分化を促し、細菌感染を防ぐ。", "骨髄での好酸球への分化を抑制し、アレルギーの発症を防ぐ。", "肝臓でのCRPの産生を抑制し、過剰な炎症を抑える。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "フィルグラスチムは、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤であり、顆粒球系前駆細胞に作用し、好中球を増加させるため、癌化学療法時における好中球減少症に用いられる。"} +{"problem_id": "106225", "problem_text": "本症例にフィルグラスチムが処方された際の注意点として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["R-CHOP療法施行の前日に、1日1回皮下注する。", "R-CHOP療法施行の翌日以降、1回24時間の持続静注を開始する。", "R-CHOP療法施行の翌日以降、1日1回皮下注を開始する。", "副作用として骨痛や腰痛等が現れた場合は、非麻薬性鎮痛薬を投与する", "本症例は腎機能が低下しているため、投与量を減量する必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "R-CHOP療法後の好中球減少症に対して、フィルスチグラムを使用する場合、通常、がん化学療法剤投与終了後(翌日以降)から1日1回皮下投与する。(出血傾向等により皮下投与が困難な場合は、1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)をする)。なお、フィルグラスチムのような分子量の大きな医薬品を皮下投与した場合、毛細血管に移行しにくく、リンパ管系を通じて全身循環に移行するため、点滴静脈内投与よりも持続的な吸収が期待できる。また、本剤の副作用として、骨痛や腰痛等が現れた場合には、非麻薬性鎮痛薬を投与するなど適切な処置を行うこととされている。"} +{"problem_id": "106226", "problem_text": "70歳男性。10年前から2型糖尿病と前立腺がんに罹患し治療を受けている。また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断を受け、治療中である。今回友人より、「あなたは70歳だけど肺炎球菌ワクチンの接種をしないのか」と聞かれ、ワクチン接種の相談に薬局を訪れた。患者はインフルエンザワクチンを接種したことはあるが、肺炎球菌ワクチンを接種した経験はなかった。薬剤師はこの患者からワクチンについて相談を受けた。この患者に接種が検討される肺炎球菌ワクチンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["このワクチンは、肺炎球菌の病原性を弱毒化した生ワクチンである。", "このワクチンには、血清型の異なる肺炎球菌の莢膜多糖が含まれている。", "この患者には、予防接種法による集団予防を目的として肺炎球菌ワクチンが接種される。", "このワクチンは、ジフテリア毒素がアジュバントとして結合しているので、ジフテリアの予防もできる。", "ワクチン接種後、この患者に健康被害が生じた場合、予防接種健康被害救済制度により救済措置を受けることができる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "肺炎球菌感染症において、高齢者に対する予防接種は定期B類疾病予防接種に位置付けられている。【対象者】\n①: 65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳の誕生日を迎える方\n②: 60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方\nこの予防接種では、ニューモバックスNP(肺炎球菌中で高頻度にみられる23種類の莢膜型の肺炎球菌を型別に培養・増殖し、殺菌後に各々の型から抽出、精製した莢膜ポリサッカライドを混合した液剤)が用いられる。1:誤\nニューモバックスNPは、不活化ワクチンである。2:正\n3:誤\n定期B類疾病予防接種では、個人の発病または重症化の予防に重点を置き、本人が接種を希望する場合に実施される。4:誤\nアジュバンドとは、薬物による効果を高めたり補助したりする目的で併用される物質・成分のことであり、ワクチンにおいては、一緒に投与することでその効果(免疫原性)を高める目的で使用される。ニューモバックスNPにはアジュバンドとして、ジフテイア毒素は含まれていない。なお、プレベナー13水��懸濁注(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)は、肺炎球菌莢膜ポリサッカライドを型別に、ジフテリア菌の変異株に産生させることで製剤化するが、ジフテリアの予防接種に転用することはできない。また、本剤にはアジュバンドとして、リン酸アルミニウムが含まれている。5:正\n定期接種後の発生する副反応による健康被害は、予防接種健康被害救済制度により給付が行われる。なお、任意接種および接種時期以外の定期接種の副反応による健康被害は医薬品副作用被害救済制度の対象となる。"} +{"problem_id": "106227", "problem_text": "肺炎球菌ワクチン及びこの患者のワクチン接種に関する注意点について、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["糖尿病の治療中のため、肺炎球菌ワクチンの接種不適当者である。", "前立腺がんの治療中のため、肺炎球菌ワクチンの接種不適当者である。", "肺炎球菌ワクチンは、室温保存できる。", "肺炎球菌ワクチンは、筋肉内注射できる。", "インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンは混合して投与できる。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n糖尿病、前立腺肥大症の治療中でも肺炎球菌ワクチンを接種することは可能である。"} +{"problem_id": "106228", "problem_text": "60歳男性。高血圧症及び不眠症のため、2週間ごとに近医を受診していた。最近、呼吸困難感及び胸痛を認め、さらに血痰及び喀血を生じたため、精査加療目的で大学病院に入院となった。その後、侵襲性肺アスペルギルス症と診断され、ボリコナゾールによる治療を翌日から開始することになった。入院時の持参薬は以下のとおりである。問 228(実務) ボリコナゾール投与開始にあたり、病棟担当薬剤師は持参薬の内容を確認して、病棟担当医に服用する薬剤の変更を提案した。その内容として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アジルサルタン錠をテルミサルタン錠に変更", "アジルサルタン錠をアムロジピンベシル酸塩錠に変更", "アジルサルタン錠をアゼルニジピン錠に変更", "スボレキサント錠をロルメタゼパム錠に変更", "スボレキサント錠をトリアゾラム錠に変更"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "ボリコナゾールは、スボレキサントの代謝酵素であるCYP3A4阻害作用し、血中濃度を上昇させるため、両剤は併用することはできない。このことからスボレキサントを他の睡眠薬に変更する必要がある。ロルメタゼパムは、主にグルクロン酸抱合により代謝されるため、スボレキサントをロルメタゼパムに変更することで相互作用を回避することができる。"} +{"problem_id": "106229", "problem_text": "ボリコナゾールと処方変更前の薬物との相互作用の機序として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["プレグナンX受容体(PXR)を介した CYP3A4の誘導", "P-糖タンパク質の阻害", "CYP3A4タンパク質との共有結合による阻害", "CYPのヘム鉄との配位結合による阻害", "P-糖タンパク質の誘導"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ボリコナゾールは、トリアゾール環を有しておりシトクロムP450のヘム鉄と配位結合することでCYP3A4、CYP2C19、CYP2C9を阻害する。"} +{"problem_id": "106230", "problem_text": "72歳男性。1ヶ月前に妻と死別後独居となり、毎日ほとんど食事をとらず、アルコールを多量に摂取していた。ある朝、娘が自宅を訪れたところ、意識消失状態で床に倒れていたため、救急車を呼び救急病院に搬送された。診察の結果、ウェルニッケ脳症を疑い、治療を開始した。入院時所見:\n身長167cm、体重50kg、尿量30mL/h\n血清クレアチニン値0.65mg/dL、Na 150mEq/L、K 4.0mEq/L\n入院時に投与するのが適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["高カロリー輸液", "生理食塩水", "5%ブドウ糖加酢酸リンゲル液", "ビタミンB_{1}製剤", "カリウム製剤"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "問題文に「毎日ほとんど食事をとらず、アルコールを多量に摂取していた」「ウェルニッケ脳症を疑い」と記載されていることから、本患者は、低栄養状態であり、ビタミンB_{1}欠乏状態であると推測される。また、入院時初見より、血清クレアチニン値、カリウム値が正常であるが、ナトリウム値が高値であり、尿量減少が認められることから、水分欠乏型脱水状態にあると考えられる。1:誤\n低栄養状態に高カロリー輸液を投与���ると、急激な血糖上昇によりインスリン分泌が促進され、リフィーディングシンドロームを呈することがある。◇リフィーディングシンドローム◇慢性的な低栄養状態が続き高度の低栄養状態にある患者に突然充分量の栄養を供給すると、インスリン分泌が刺激され、細胞内にグルコースが流れ込むことでATPの産生が促進し、リン、電解質、ビタミンB_{1}の消費が増大することで様々な症状を呈する。2:誤\n本患者は、エネルギー供給が必要であるため、生理食塩水を投与することは適切ではない。3:正\n5%ブドウ糖加酢酸リンゲル液は、少量のエネルギー(1Lあたり約200kcal)と細胞外液を補給することができるため、本患者に適している。4:正本患者はビタミンB_{1}が不足していると推測されるため、ビタミンB_{1}製剤を投与することは適切である。5:誤\nカリウム値は正常であるため、カリウム製剤を投与することは適切ではない。"} +{"problem_id": "106231", "problem_text": "この患者の病態と栄養状態に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["十分な食事をしていないため、エネルギー代謝の主体が、脂肪やタンパク質から糖中心に変わっていると考えられる。", "この患者では、グルコースからのATP産生が低下していると考えられる。", "この患者におけるウェルニッケ脳症の発症には、アルコールの多量摂取が関与している。", "この患者に一般食(2000kcal/日)を与えると、ウェルニッケ脳症が悪化すると考えられる。", "この患者に一般食(2000kcal/日)を与えると、リフィーディングシンドロームを引き起こすことがある。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\n低栄養状態では、肝臓でのグリコーゲン分解される糖中心のエネルギー代謝の後、脂肪組織や筋肉組織での脂肪酸やアミノ酸からのエネルギー代謝が行われる。2:正しい\nビタミンB1欠乏状態であることから、解糖系の最終代謝産物であるピルビン酸からアセチルCoAの産生が起こりにくく、グルコースの好気的なエネルギー産生が行われにくい。3:正しい\nアルコールを多量摂取すると、エタノール、アセトアルデヒドの代謝の過程でビタミンB1が消費されやすくなる。4:正しい\n低栄養状態に一般食(2000kcal/日)を与えると、ビタミンB1、リン酸、電解質の消費が増大し、ウェルニッケ脳症、リフィーディングシンドロームを引き起こすことがある。5:正しい"} +{"problem_id": "106232", "problem_text": "5歳男児。身長105cm、体重21 kg。4日前から下痢が続いており、腹痛を伴う血便が見られた。さらに顔色が悪く、排尿がないことに母親が気づき救急病院を受診した。母親に聴取したところ、7日前に家族で焼肉を食べに行き、両親及び兄も軽い下痢を呈していることが分かった。主治医は、血液検査結果をふまえ、溶血性尿毒症症候群(HUS)と診断した。体温37.3^{\\circ} C、脈拍120/分、血圧125/70 mmHg、呼吸数 24/分。尿所見: 蛋白(2+)、ケトン体(1+)、潜血(3+)。問 232(実務) HUS の診断に至った血液検査値に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["クレアチニン値が基準値より高い。", "LDH 値が基準値より高い。", "血小板数が基準値より少ない。", "間接ビリルビン値が基準値より低い。", "AST 値が基準値より高い。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "溶血性尿毒症症候群(HUS)では、溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全、神経症状、消化管症状等が現れるとともに随伴症状として、中枢神経症状(意識障害、痙れん、頭痛、出血性梗塞)、消化器症状(下痢、血便、腹痛、腸狭窄、膵炎)、心臓(心筋障害による心不全)、播種性血管内凝固症候群が現れる。1:正しい\n急性腎障害によりクレアチニン値が上昇する。2:正しい\n赤血球破壊、心筋細胞の破壊などによりLDH値が上昇する。3:正しい\n血管内で微小血栓が生じるときに血小板が消費されるため、血小板が減少する。4:誤っている\n赤血球破壊により間接ビリルビン値は上昇する。5:正しい\n赤血球破壊によりASTは上昇する。"} +{"problem_id": "106233", "problem_text": "この疾病及び病因物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["75^{\\circ}C、1分間以上の加熱で死滅する。", "ヒトからヒトへの感染は起こらない。", "こ��疾病の予防には、トキソイドワクチンの接種が推奨されている。", "牛の肝臓には、この病因物質が存在する可能性があるため、生食用として販売・提供することは食品衛生法で禁止されている。", "2015~2019年における病因物質別食中毒発生件数で最も多いのは、この病因物質によるものである。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "焼肉を食べに行き、家族も軽い下痢を呈していることから、腸管出血性大腸菌(EHEC)による食中毒が原因で、溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こしたと考えられる。1:正\nEHECは、75^{\\circ}C、1分間以上の加熱で死滅する。2:誤\n感染者の糞便中に含まれるEHECを直接または間接的に経口摂取することで感染するため、ENECは、ヒトからヒトへの感染する。3:誤\n現在、HUSの原因となるベロ毒素に対するトキソイドは実用化されていない。4:正\n牛の肝臓には、EHECが存在することがあるため、生食用として販売・提供することは食品衛生法で禁止されている。5:誤\n2015~2019年における病因物質別食中毒発生件数で最も多いのは、カンピロバクターによる食中毒である。"} +{"problem_id": "106234", "problem_text": "34歳男性。仕事中に不凍液を誤飲した。数時間後、下腹部痛、下痢、嘔気、嘔吐を伴い、救急外来を受診したところ、徐々に意識レベルが低下してきた。血中エチレングリコール濃度を測定したところ50mg/dLであり、血液検査と血液ガス分析結果は以下のとおりであった。血清クレアチニン値: 1.8 mg/dL 血液ガス分析の結果: pH7.01、PaO_{2}99mmHg 、PaCO_{2}32mmHg、HCO_{3}^{-}7.8 mEq/L 問 234(実務) この患者の治療を行うにあたり、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ホメピゾール点滴静注液を投与する。", "血液浄化療法を開始する。", "炭酸水素ナトリウム注射液を投与する。", "球形吸着炭細粒(活性炭)を投与する。", "酢酸リンゲル液を投与する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\nホメピゾールは、エチレングリコールの代謝に関わるアルコール脱水素酵素を阻害することで、エチレングリコールの代謝物(グリコール酸やシュウ酸など)の生成を抑制する。2:正しい\n血液中のエチレングリコールやエチレングリコールの代謝物を取り除くのに血液浄化療法が有効である。3:正しい\n血液ガス分析の結果より、本患者は代謝性アシドーシスであると考えられる。炭酸水素ナトリウム注射液、酢酸リンゲル液は、代謝性アシドーシスの補正に有効である。4:誤っている\nエチレングリコールは、球形吸着炭(活性炭)にほとんど吸着しない。5:正しい\n解説3参照"} +{"problem_id": "106235", "problem_text": "この患者で起こった中毒及びその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エチレングリコールは、主として肝臓でアルコール脱水素酵素及びアルデヒド脱水素酵素により代謝される。", "エチレングリコールは、主として肝臓のシトクロム P450により代謝される。", "エチレングリコールの代謝により生成するグリコール酸は、カルシウムと結合して不溶性となり、尿細管に沈着して腎臓を障害する。", "炭酸水素ナトリウムは、エチレングリコールの代謝物による代謝性アシドーシスを補正する。", "ホメピゾールは、肝臓のアルデヒド脱水素酵素を阻害することにより、エチレングリコールを解毒する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nエチレングリコールは、肝臓でアルコール脱水素酵素によりグリコアルデヒドとなり、その後、アルデヒド脱水素酵素によりグリコール酸やシュウ酸となる。2:誤\nエチレングリコールは、主として肝臓でアルコール脱水素酵素及びアルデヒド脱水素酵素により代謝される。3:誤\nエチレングリコールの代謝により生成するシュウ酸は、カルシウムと結合して不溶性となり、尿細管に沈着して腎臓を障害する。なお、エチレングリコールより生じるグリコール酸は、細胞内呼吸を抑制する。4:正\n問234解説3参照\n5:誤\n問234解説1参照"} +{"problem_id": "106236", "problem_text": "44歳男性。高速道路などの橋梁塗装作業に従事している。6ヶ月に一度の特殊健康診断時に、自覚症状として、全身倦怠感、食欲不振、腹痛やめまいなどを申告した。その後、血液検査結果から産業医が有害物質による中毒と診断し、医療機関での診察を勧めた。尿中\\delta -アミノレブリン酸濃度 5.5mg/L 血液検査: 赤血球数420\\times 10^{4}/\\micro L、白血球数4,700/\\micro L 、血小板数27\\times 10^{4}/\\micro L、Hb 10.2g/dL、Ht 36% 問 236(実務) この患者に使用する解毒薬として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジメルカプロール", "プラリドキシムヨウ化物", "エデト酸カルシウムナトリウム水和物", "亜硝酸アミル", "アトロピン硫酸塩水和物"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "本症例では、赤血球数、ヘモブロビン値が低下しており、また、尿中の\\delta -アミノレブリン酸の濃度が増加していることから、無機鉛による中毒を起こしている可能性が高い。無機鉛を過剰に摂取すると、溶血性貧血、ヘム合成の阻害が現れることがある。1:正\nジメルカプロールは、水銀、鉛、ヒ素の解毒に用いられる。2:誤\nプラリドキシムヨウ化物は、有機リン系殺虫剤やサリンなどの解毒に用いられる。3:正\nエデト酸カルシウムナトリウム水和物は、重金属(鉛など)の解毒に用いられる。4:誤\n亜硝酸アミルは、シアン化合物の解毒に用いられる。5:誤\nアトロピン硫酸塩水和物は、有機リン系化合物やカルバメート系殺虫剤の解毒に用いられる。"} +{"problem_id": "106237", "problem_text": "この患者の中毒原因となった物質に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["末梢神経障害の原因となる。", "\\delta -アミノレブリン酸脱水酵素を阻害する。", "体内でメチル化されて、有害作用を示す。", "Fe^{3+}のFe^{2+}への還元反応を阻害して、フェロキラターゼを抑制する。", "尿中のコプロポルフィリンを増加させる。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n無機鉛の慢性中毒では、貧血や消化器症状、末梢神経障害が現れる。2:正しい\n無機鉛は、ヘム合成に関わる\\delta -アミノレブリン酸脱水酵素を阻害する。3:誤っている\n無機鉛は、ヒトの体内でメチル化されることはない。4:正しい\n無機鉛は、Fe^{3+}のFe^{2+}への還元反応を阻害して、フェロキラターゼを抑制することでヘム合成を抑制する\n5:正しい\n無機鉛の中毒では、コプロポルフィリンの尿中排泄量が増加する。"} +{"problem_id": "106238", "problem_text": "46歳女性。職場の検診で乳がんを疑われ、精密検査を受けるため大学病院を受診した。病変部の組織診(針生検)を行い、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PgR)及びHER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)のタンパク質発現を病理学的検査により調べた。また、リンパ節や全身への転移の有無をCT検査にて確認し、StageIIBの乳がんと確定診断された。その結果に基づき、術前化学療法としてEC療法^{※}、次にパクリタキセル療法を実施した。その後、乳房温存術を施行、内分泌療法は行わず経過観察としていたが、翌年再発が判明したため、遺伝学的検査(BRCA遺伝子変異)をし、その結果、オラパリブを投与することとなった。※EC療法: エピルビシン+シクロホスファミド併用", "choices": ["乳がんではHER2タンパク質の過剰発現が高頻度でみられる。", "HER2タンパク質は、受容体型チロシンキナーゼである。", "BRCA遺伝子は、GTP結合タンパク質をコードしている。", "BRCA遺伝子は、DNA修復に関わるタンパク質をコードしている。", "遺伝性乳がんでは、高頻度でBRCA遺伝子に変異がみられる。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nHER2タンパク質は、乳がん細胞や胃がん細胞で過剰発現が見られることがある。2:正しい\nHER2タンパク質は、受容体型チロシンキナーゼであり、活性化すると細胞増殖を誘発する。3:誤っている\nBRCA遺伝子は、DNA修復に関わるタンパク質をコードしている。BRCA遺伝子からできるBRCA1タンパク質、BRCA2タンパク質は、DNA修復を行い、がん抑制に関わる。4:正しい\n解説3参照\n5:正しい\n遺伝性乳がんでは、BRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子の変異が認められる。"} +{"problem_id": "106239", "problem_text": "この患者の病理学的検査結果及び遺伝学的検査結果の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "この患者の病理学的検査結果及び遺伝学的検査結果を下記のように推察することができる。①:内分泌療法を行なっていない\n\\rightarrow ERおよびPgR:「陰性」\n②:オラパリブが処方されている\n\\rightarrow オラパリブの効能・効果に「がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」がある\n\\rightarrow HER2:「陰性」、BRCA遺伝子変異:「陽性」"} +{"problem_id": "106240", "problem_text": "35歳男性。身長170cm、体重81kg。最近、体重が増加して運動不足を痛感していた。今回、会社の健康診断の後に、生活習慣病の予防のために運動に加えて特定保健用食品を利用しようと思い、健康サポート薬局の薬剤師に相談した。この男性が持参した検査値は以下のとおりである。(検査値) 収縮期血圧135mmHg、拡張期血圧85mmHg、HDL-C 60mg/dL、LDL-C 120mg/dL、TG 110mg/dL、HbA1c 5.0%(NGSP値)検査結果から、この男性に適すると考えられる特定保健用食品の関与成分はどれか。1つ選べ。", "choices": ["茶カテキン", "グルコシルセラミド", "大豆イソフラボン", "キシリトール", "CPP(カデインホスホペプチド)"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "健康診断の検査値の基準値(収縮期血圧: 129mmHg以下、拡張期血圧: 84mmHg以下、HDL-C: 40mg/dL以下、LDL-C: 60〜119mg/dL、TG: 30〜149mg/dL、HbA1c 5.5%(NGSP値)以下)、より、本患者は収縮期血圧、拡張期血圧が少し高く、また、BMIが81 kg/1.7 m/1.7\\fallingdotseq 28であり、肥満である。1:正\n茶カテキンは、脂肪分解と消費に働く酵素活性を高めることで内臓脂肪を減らす働きを有するため、この男性に適している。2:誤\nグルコシルセラミドは、肌の水分を逃しにくくする働きを有するため、肌の乾燥や肌荒れが気になる方に適している。3:誤\n大豆イソフラボンは、骨密度、骨強度を高める働きを有するため、骨の健康が気になる方に適している。4:誤\nキシリトールは、歯の再石灰化を増強する働きを有するため、歯を丈夫で健康に保ちたい方に適している。5:誤\nカデインホスホペプチドは、カルシウムを吸収しやすい状態にする働きを有するため、ミネラルの吸収を高くしたい方に適している。"} +{"problem_id": "106241", "problem_text": "この男性からの相談に対応するために、薬局内で保健機能食品等に関する勉強会を行うことになった。次の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["栄養機能食品には、疾病リスクの低減、疾病の予防に関する表示が認められている。", "特定保健用食品は、保健機能食品であり、特別用途食品でもある。", "機能性表示食品は、喫食習慣や既存情報により安全性が説明できれば、安全性試験を実施しなくてもよい。", "難消化性デキストリンを含む食品が特定保健用食品として審査される場合は、個別に安全性や有効性の審査を受けることなく、規格基準への適合性が審査される。", "いわゆる「健康食品」は一般食品であり、保健機能に関する法令上の明確な定義がない。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\n栄養機能食品には、疾病リスクの低減、疾病の予防に関する表示が認められていない。なお、疾病リスクの低減表示が認められているのは、特定保健用食品(疾病リスク低減表示)である。"} +{"problem_id": "106242", "problem_text": "57歳男性。5年前より、2型糖尿病及び心房細動に対して以下の薬剤が処方されている。今回、悪性リンパ腫が疑われたため、確定診断のために^{18}F-フルデオキシグルコース(FDG)を用いたポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影(PET/CT)検査を行うこととなった。PET/CT検査を行うにあたり、担当薬剤師が患者に行う説明のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["検査2日前から、メトホルミンの内服を中止してください。", "検査後2日間、メトホルミンの内服を中止してください。", "検査2日前から、ワルファリンカリウムの内服を中止してください。", "5%ブドウ糖加酢酸リンゲル液を、^{18}F-FDGと同時に投与します。", "検査4時間前から、食事をとらないでください。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "^{18}F-フルデオキシグルコース(FDG)を用いたポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影(PET/CT)検査では、^{18}F-フルデオキシグルコース(FDG)の組織集積性が血糖値の影響を受ける可能性があるため、本剤投与前4時間以上は絶食する必要がある。"} +{"problem_id": "106243", "problem_text": "この患者に投与される^{18}F-FDG及びPET/CT検��に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["生体内での挙動がグルコースと類似するため、この患者の血糖コントロールが不十分な場合、患部の描出がしにくい。", "グルコース利用率が高い組織を描出するので、安静状態で検査を行う。", "本剤の使用に際しては、放射線防護に関する法令を遵守する必要がある。", "PET/CT検査による患者の被曝実効線量は、一般公衆の1年間の被曝実効線量より低い。", "本剤が蓄積した組織から放出される消滅放射線を測定し画像化する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n^{18}F-FDGは、グルコースの2位のヒドロキシ基を^{18}Fで置換したグルコースであり、生体内での挙動がグルコースと類似しているため、血糖値が高い場合、空腹時と比べ、脳、腫瘍組織への集積性が低下する。その結果、血糖コントロールが不十分で血糖値が高い場合、本検査による患部の描出がしにくい。"} +{"problem_id": "106244", "problem_text": "小学校において、学校薬剤師が飲料水の水質検査を行った。この学校では、飲料水は水道水を水源として3階建物屋上の高置水槽に貯水し、あらためて塩素消毒装置を通したのち、校内の各階に設置した給水栓から給水している。飲料水の水質検査に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["塩化物イオンは、し尿等の混入があると値が増加する。", "濁度は、無機又は有機性の浮遊物が多いと値が増加する。", "有機物(全有機炭素(TOC)の量)の測定では、水中の有機物質を酸化して生成したCO_{2}量から炭素量に換算している。", "大腸菌は、特定酵素基質培地法を用いて、\\beta -ガラクトシダーゼ活性の有無によって検出している。", "pH値は、水質の変化によって変動するが、遊離残留塩素の消毒効果にも影響を与える。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n塩化物イオン濃度は、し尿、下水、海水、工場排水等の混入があると値が増加する。2:正しい\n濁度は水の濁りを表すものであり、無機物、有機物の浮遊物、微生物などが多いと値が増加する。3:正しい\n全有機炭素(TOC)の測定は、水道水中の有機化合物を燃焼させ、その際に生じる二酸化炭素を非分散型赤外線ガス分析計で測定する。4:誤っている\n水道水の水質基準項目である大腸菌の試験法として、特定酵素基質培地法(MUG法)が用いられている。MUG法では、\\beta -グルクロニダーゼにより4-メチルウンベリフェリル-\\beta -D-グルクロニド(MUG)が加水分解されることを利用して、対照と比べて、(青色蛍光の増加)の有無を観察する。5:正しい\n水のpH値は水質により変動し、遊離残留塩素の状態(HClO、ClO^{-}の割合)を変化させるため、消毒効果にも影響を与える。"} +{"problem_id": "106245", "problem_text": "学校薬剤師が貯水する前の水道水及び高置水槽から最も遠い1階の給水栓における水の水質検査を実施したところ、表に示す結果となった。この飲料水の水質検査の実施状況及び結果から推測される内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["貯水する前の水道水が、水道水質基準を満たしていない。", "給水栓における水の一般細菌が、学校環境衛生基準を超えて検出されている。", "高置水槽内部が汚染されている可能性がある。", "校内給水系統に、し尿浄化槽排水が混入している可能性がある。", "塩素消毒が適切に行われていない可能性がある。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n貯水する前の水道水は、水道水質基準を満たしている。2:誤\n給水栓における水の一般細菌(水道法による水道水の水質基準:集落数100以下/mL)の基準を下回っている。3:正\n給水栓における水では、貯水する前の水道水に比べ、一般細菌、有機物が多く、遊離残留塩素の値が低下しているため、高置水槽内部が汚染されている可能性がある。4:誤\n貯水する前の水、給水栓における水ともに大腸菌が「検出されず」となっているため、校内給水系統にし尿浄化槽排水が混入している可能性は低い。5:正\n給水栓における水において、遊離残留塩素濃度が基準値(0.1mg/L以上)を満たしていないため、塩素消毒が適切に行われていない可能性がある。"} +{"problem_id": "106246", "problem_text": "87歳男性。3年前に脳出血で治療歴あ��。認知症はないが、以前から、高血圧、排尿障害、心房細動の治療を受けている(処方1)。検査値は、Na 143 mEq/L、K 3.4 mEq/L、eGFR 33.8 mL/min/1.73 m^{2}、ALP 357 IU/L、AST 16 IU/L、ALT 15 IU/Lである。最近、脳出血の後遺症と疑われる遅発性のてんかんと診断され、処方2が追加された。問 246(実務) 処方2の追加にあたり、医師からかかりつけ薬剤師に処方薬について相談があった。医師への提案として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エドキサバントシル酸塩水和物錠の中止", "ジスチグミン臭化物錠の減量", "ウラビジルカプセルの中止", "バルプロ酸ナトリウム徐放錠投与開始後の治療薬物モニタリング(TDM)の実施", "改訂長谷川式簡易知能評価スケールを用いた評価の実施"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "バルブロ酸ナトリウムを服用するにあたり、治療薬物モニタリング(TDM)をする必要がある。1:誤\nエドキサバントシル酸塩水和物、ジスチグミン臭化物、ウラピジルとバルプロ酸ナトリウムとの相互作用は報告されていないため、バルプロ酸ナトリウムを追加するにあたり、エドキサバントシル酸塩水和物錠の中止、ジスチグミン臭化物錠の減量、ウラビジルカプセルの中止する必要はない。2:誤\n解説1参照\n3 誤\n解説1参照\n4 正\n5:誤\n改訂長谷川式簡易知能評価スケールは、簡易知能評価スケールであり、バルプロ酸ナトリウムを追加するにあたり、改訂長谷川式簡易知能評価スケールを行う必要はない。"} +{"problem_id": "106247", "problem_text": "処方1及び処方2のいずれかの薬物の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ホスホジエステラーゼVの阻害", "コリンエステラーゼの阻害", "第III因子の直接阻害", "GABAトランスアミナーゼの阻害", "シナプス小胞タンパク質 SV2A の阻害"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "◉エドキサバントシル酸塩\n第Xa因子を直接阻害し、フィブリンの産生を抑制する。"} +{"problem_id": "106248", "problem_text": "62歳女性。身長152 cm、体重41 kg。片頭痛と抑うつに対して次の処方が出されていた。患者の訴えとして「就寝中に脚の表面ではなく深部に虫が這うような不快感を自覚するが、この不快な感覚は幾分軽快し、日中は自覚することは無い。また時に痛みも自覚する。」があった。この症状への対策として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ミルタザピン錠の増量", "オランザピン錠の追加", "ガバペンチンエナカルビル錠の追加", "ビペリデン錠の追加", "プラミペキソール錠の追加"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "就寝中に脚の表面でなく深部に虫が這うような不快感、日中に自覚症状に緩和していることから、本患者はレストレスレッグス症候群であると推察される。選択肢のうち、レストレスレッグス症候群に用いられる薬は、ガバペンチンエナカルビル錠(選択肢3)、プラミペキソール錠(選択肢5)である。"} +{"problem_id": "106249", "problem_text": "前問の選択肢1〜5に挙げた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ミルタザピンは、アドレナリン\\alpha_{2}受容体を遮断する。", "オランザピンは、ドパミンD_{2}受容体を選択的に遮断する。", "ガバペンチンは、神経終末の Ca^{2+}流入を促進する。", "ビペリデンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断する。", "プラミペキソールは、セロトニンの再取り込みを選択的に阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nミルタザピンは、アドレナリン\\alpha_{2}受容体を遮断し、ノルアドレナリンの遊離を促進するとともにセロトニン神経細胞を活性化することによりセロトニン遊離を促進する。また、5-HT_{2}受容体、5-HT_{3}受容体遮断作用を示す。2:誤\nオランザピンは、ドパミンD_{2}受容体遮断作用、セロトニン5-HT_{2}受容体遮断作用により統合失調症の陽性症状および陰性症状を改善する。3:誤\nガバペンチンは、電位依存性Ca^{2+}チャネルの\\alpha_{2}\\deltaサブユニットに結合し、シナプス前膜におけるCa^{2+}の流入を抑制して興奮性神経伝達物質(グルタミン酸)の遊離を抑制する。4:正\n5:誤\nプラミペキソールは、ドパミンD_{2}受容体を直接刺激する。"} +{"problem_id": "106250", "problem_text": "35 歳女性。身長 160 cm、体重 48 kg。学生時��より重度の花粉症のため、投薬治療を受けていた。1年ほど前より片頭痛が徐々に強くなり、かかりつけ医を受診して以下の処方1で治療を受けている。問 250(薬理) 処方1で片頭痛の治療及び予防の目的で処方されている薬物の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["5-リポキシゲナーゼを阻害して、ロイコトリエンの合成を阻害する。", "Na^{+}チャネルを遮断してグルタミン酸の遊離を抑制する。", "Ca^{2+}チャネルを遮断して頭蓋血管を拡張する。", "セロトニン 5-HT_{1D} 受容体を刺激して三叉神経からのカルシトニン遺伝子関連 ペプチド(CGRP)の遊離を抑制する。", "シクロオキシナーゼ-1(COX-1)を阻害して、プロスタグランジンの生合成を抑制する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "【エレトリプタンの作用】セロトニン5-HT_{1B /1D}受容体を選択的に刺激し、三叉神経からのカルシトニン遺伝子関連 ペプチド(CGRP)の遊離を抑制する。【ロメリジンの作用】血管平滑筋及び神経細胞内へのCa^{2+}流入を抑制し、血管平滑筋の収縮を抑制する。【モンテルカストの作用】\nロイコトリエンの受容体への結合を阻害し、気管支収縮抑制作用や鼻腔通気抵抗上昇抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "106251", "problem_text": "帰宅後に発熱、倦怠感、喉の痛みを自覚し、近医を受診した。急性扁桃炎と診断され、処方2が処方された。処方1との併用を考慮し、かかりつけ薬剤師が行う疑義照会として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["モンテルカストの作用が増強するおそれがあるため、アセトアミノフェン錠を半量にする。", "血栓形成のおそれが強くなるため、トラネキサム酸錠を半量にする。", "エレトリプタンの作用が増強するおそれがあるため、エリスロマイシン腸溶錠をアジスロマイシン錠に変更する。", "ロメリジンの作用が減弱するおそれがあるため、エリスロマイシン腸溶錠をアジスロマイシン錠に変更する。", "肝機能が悪化するおそれがあるため、アセトアミノフェン錠をイブプロフェン錠に変更する。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "エリスロマイシンはCYP3A4を複合体形成することでCYP3A4阻害作用を示すため、両剤を併用するとCYP3A4で代謝されるエレトリプタンの代謝が抑制され血中濃度が上昇することがある。それに対して、エリスロマイシンと同じマクロライド系薬であるアジスロマイシンにはCYP3A4阻害作用は認められていないため、エリスロマイシンをアジスロマイシンに変更することは適切である。"} +{"problem_id": "106252", "problem_text": "59 歳男性。体重 72 kg。糖尿病、高血圧、脂質異常症に対する治療を受けていた。同時期にうつ病に対しパロキセチンで治療を開始したが、抑うつが改善した後気分が高揚したため、双極性障害と診断され任意入院した。入院後特に焦燥感が強いと患者から訴えがあった。現在の服用薬剤は処方1のとおり。処方1のいずれかの薬物の薬理作用にあてはまるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["B型モノアミンオキシダーゼ(MAO_{B})の阻害", "ドパミンD_{2}受容体とセロトニン5-HT_{2A}受容体の遮断", "ホスファチジルイノシトール(PI)代謝回転の促進", "アンジオテンシン変換酵素の阻害", "AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "◉炭酸リチウム\nホスファチジルイノシトール(PI)代謝回転を抑制し、抗そう病作用を示すと考えられている\n◉リスペリドン\nドパミンD_{2}受容体遮断作用、セロトニン5-HT_{2}受容体遮断作用により統合失調症の陽性症状および陰性症状を改善する\n◉ロスバスタチンHMG-CoA(3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA)をメバロン酸に変換する酵素であるHMG-CoA還元酵素を阻害し、肝細胞内でのコレステロール合成を抑制する。◉メトホルミン\nAMP活性化プロテインキナーゼを活性化し、肝臓において、糖新生を抑制する。また、脂肪酸の合成抑制・分泌促進により肝臓内脂肪含量を減少させ、インスリン抵抗性を改善する。◉オルメサルタン メドキソミル\nアンギオテンシンIIAT_{1}受容体を遮断し、血管収縮を抑制するとともにアルドステロンの分泌を抑制する"} +{"problem_id": "106253", "problem_text": "患者から、ふらつきがひどくて歩きづらいとの訴えが強かった。また、家族より、時折発汗、流涎、手の震えに加えて身動きもせず黙り込むなどの症状も散見されるとの情報を得た。副作用軽減を念頭に、主治医に薬剤師が提案する内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ロスバスタチン錠の増量", "リスペリドン錠の減量", "メトホルミン塩酸塩錠の減量", "オルメサルタン メドキソミル錠の増量", "ブロチゾラム錠の追加"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "リスペリドンの副作用として、アカシジア、不眠症、便秘、手足の震え、よだれ、傾眠、不安、筋肉のこわばり、倦怠感、発疹などが報告されていることから、本患者の症状はリスペリドンの副作用によるものと推察される。このため、リスペリドン錠を減量するよう提案することが適切である。"} +{"problem_id": "106254", "problem_text": "83 歳男性、独居。日常生活動作はほぼ自立している。心房細動や高血圧、軽度のアルツハイマー型認知症で薬物治療を受けていた。3ヶ月前に転倒し強い腰痛と軽度不眠のために医療機関にかかり、治療が開始された。昨夜自宅居間で転倒し、頭部を強打したため救急車で搬送され、入院となった。お薬手帳から入院時の持参薬は処方1と処方2であった。来院時の主な所見は、下肢の浮腫や多数の紫斑を認めるほか、PT-INR 2.3、血清クレアチニン1.7 mg/dL、eGFR 30.5 mL/min/1.73 m^{2} であった。なお、画像解析から頭部に出血等の異常は認めていない。処方1及び処方2の薬物の副作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プレガバリンは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{B}受容体を刺激し、めまいや眠気を誘発する。", "リバスチグミンは、アセチルコリン受容体を遮断することで、尿失禁を起こす。", "ニトラゼパムは、GABAの作用を増強して、ふらつきや倦怠感、残眠感を生じる。", "ワルファリンは、ビタミンKが関与する血液凝固因子の生成を抑制することで、出血傾向を生じる。", "ビソプロロールは、アドレナリン\\alpha 受容体とアドレナリン\\beta 受容体を遮断することで尿失禁を誘発する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nプレガバリンは、カルシウムチャネルの\\alpha _{2}\\deltaサブユニットに結合し、興奮性伝達物質(グルタミン酸)の遊離を抑制することでめまい、眠気を誘発する。2:誤\nリバスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリン濃度を上昇させる(膀胱平滑筋の収縮力を高める)ことで尿失禁を誘発する。3:正\nニトラゼパムは、GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABAの作用を増強して、ふらつきや倦怠感、残眠感を生じる。4:正\nワルファリンは、ビタミンKが関与する血液凝固因子(プロトロンビン、第VII因子、第IX因子、第X因子)の生成を抑制することで、出血傾向を生じる。5:ビソプロロールは、選択的\\beta _{1}受容体遮断薬であり、尿失禁を誘発するとの報告はない。"} +{"problem_id": "106255", "problem_text": "薬剤部にお薬手帳をもとに薬剤を整理するよう医師より依頼があった。聞き取りの結果、ふらつきは3ヶ月前の転倒以後に自覚するようになったこと、1ヶ月ほど前より尿失禁を繰り返すこと、腰痛は既に軽快しているとの情報を得た。医師への薬剤整理の提案として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["リバスチグミンパッチをまとめた上で減量", "ニトラゼパム錠の服用を朝食後に変更", "ビソプロロール錠を中止", "プレガバリン口腔内崩壊錠を中止", "ワルファリン錠を減量"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "尿失禁を起こしていること、リバスチグミンパッチが処方1、処方2で重複して処方されていることから、リバスチグミンの過量投与による副作用が現れている可能性があるため、「リバスチグミンパッチをまとめた上で減量」するように提案することは適切である。また、腰痛が軽減しており、ふらつきを起こしていることから、「プレガバリン口腔内崩壊錠を中止」するように提案することは適切である。"} +{"problem_id": "106256", "problem_text": "24歳女性。身長156 cm、体重40 kg。以前より労作性の息切れを自覚していた。出産後に血圧低下、呼吸状態の悪化を来し、スクリーニングの結果、肺高血圧症と診断を受け、以下の処方で治療を開始した。薬物の作用機序に関する以下の記述のうち、処方薬のいずれにも該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["血管平滑筋において、ホスホジエステラーゼVを阻害し、細胞内サイクリックGMP(cGMP)の分解を抑制して、血管を拡張させる。", "集合管において、アルドステロン受容体を遮断して Na^{+}/K^{+}交換系を抑制し、利尿効果を示す。", "エンドセリンET_{A}受容体を選択的に遮断し、エンドセリン-1による血管収縮を抑制する。", "プロスタノイドIP受容体を刺激し、細胞内サイクリックAMP(cAMP)産生を促進させて血管拡張作用と血小板凝集抑制作用を示す。", "ヘンレ係蹄上行脚において、Na^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送系を阻害し、対向流増幅系を抑制する。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本症例では、肺高血圧症に伴う心不全による体液貯留に対して、フロセミド、エプレレノンが処方され、治療を行なっていたが、「顔面や四肢のむくみなど未だ改善が見られない症状」「血清カリウム値が4.1 mEq/L から3.0 mEq/Lに低下していた」ことより新たに薬物療法について検討する必要がある。トルバプタンは、「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留」に用いられ、また、カリウム値を上昇させる作用を有することから、トルバプタン錠を追加するように提案することは適切である。"} +{"problem_id": "106257", "problem_text": "経過観察のため受診したところ、肺機能については改善を示しつつあるが、顔面や四肢のむくみなど未だ改善が見られない症状を認めた。さらに、生化学検査のうち血清カリウム値が4.1 mEq/L から3.0 mEq/Lに低下していたことから、薬剤師が医師から処方について相談された。以下のうち、最も適切な提案内容はどれか。1つ選べ。", "choices": ["トルバプタン錠の追加", "エポプロステノール静注用の増量", "フロセミド錠の増量", "アスパラギン酸カリウム錠の追加", "リオシグアト錠の追加"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "本症例では、肺高血圧症に伴う心不全による体液貯留に対して、フロセミド、エプレレノンが処方され、治療を行なっていたが、「顔面や四肢のむくみなど未だ改善が見られない症状」「血清カリウム値が4.1\nmEq/L\nから3.0\nmEq/Lに低下していた」ことより新たに薬物療法について検討する必要がある。トルバプタンは、「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留」に用いられ、また、カリウム値を上昇させる作用を有することから、トルバプタン錠を追加するように提案することは適切である。"} +{"problem_id": "106258", "problem_text": "85歳男性、独居。慢性閉塞性肺疾患(COPD)のため処方1による治療を受けていた。また、処方1のアドヒアランスは維持されていた。しかし、最近、他職種の報告や薬剤師自身の訪問時の確認から、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO_{2})が 90%を下回る機会が増え、湿性咳嗽などの症状が悪化していた。患者は、サポートがあれば吸入剤の使用が可能である。また、貼付剤の長期使用によると思われるかぶれが目立つ。この患者の処方変更を医師に提案するにあたり、適切な薬物はどれか。2つ選べ。", "choices": ["アテノロール", "ロキソプロフェンナトリウム", "ウメクリジニウム臭化物", "インダカテロールマレイン酸塩", "硝酸イソソルビド"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "問題文に「経皮的動脈血酸素飽和度(SpO_{2})が 90%を下回る機会が増え、湿性咳嗽などの症状が悪化」「サポートがあれば吸入剤の使用が可能である。また、貼付剤の長期使用によると思われるかぶれが目立つ」と記載されていることから、気管支拡張作用を示す吸入薬に変更することを提案することが望ましい。設問のうち、気管支を拡張する目的でCOPDに用いることができる薬剤は、ウメクリジニウム臭化物、インダカテロールマレイン酸塩である。ウメクリジニウム臭化物は、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断することで、気管支平滑筋の収縮を抑制する。インダカテロールは、アドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。"} +{"problem_id": "106259", "problem_text": "処方1及び前問で提案された薬物の���ずれかの作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["シクロオキシゲナーゼを阻害することでトロンボキサンA2の生合成を低下させ、気管支平滑筋を弛緩させる。", "グアニル酸シクラーゼを活性化させることでサイクリック GMP(cGMP)を増大させ、気管支平滑筋を弛緩させる。", "アセチルコリンM_{3}受容体を遮断することで、気管支平滑筋の収縮を抑制する。", "アドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。", "炎症性サイトカイン産生の抑制や抗炎症性タンパク質の誘導により、気道の炎症を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "問258解説参照"} +{"problem_id": "106260", "problem_text": "60歳女性。身長160cm、体重75kg。検診にて50歳時に脂質異常症を、55歳時に糖尿病を指摘され加療中である。また、昨年よりeGFRが36.3mL/min/1.73m^{2}まで低下したため生活指導も受けている。外来診療において、次の薬剤が処方されている。家族歴として、父母に心筋梗塞、父に糖尿病と脳梗塞の既往があることを聴取した。血糖値は安定しているが、LDL値200mg/dL、HDL値20mg/dL、TG値140mg/dLのように血中脂質濃度が十分にコントロールできていない。この患者に対する処方の修正を提案する場合、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エボロクマブ皮下注ペンの追加", "ペマフィブラート錠の追加", "コレスチミド錠の追加", "イコサペント酸エチル粒状カプセルの追加", "エンパグリフロジン錠の増量"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "LDL値: 高、HDL値: 低、TG値: 基準値範囲内、家族歴に心筋梗塞、脳梗塞があることから、本患者は高コレステロール血症であり、心血管発症リスクが高く、現在の治療薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬)では治療効果が不十分であると推察される。上記より、コレステロール値を低下させる薬剤を提案する必要がある。◉エンパグリフロジン\nSGLT2(sodium glucose co-transporter 2)阻害し、腎の近位尿細管でのグルコースの再吸収を抑制することにより血中の過剰なグルコースを体外への排泄を促進する。◉エゼチミブ\n小腸壁のコレステロールトランスポーターであるNPC1L1に結合し、コレステロールの吸収を選択的に阻害する。◉ロスバスタチン\nHMG-CoA(3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA)をメバロン酸に変換する酵素であるHMG-CoA還元酵素を阻害し、肝細胞内でのコレステロール合成を抑制する。◉エボロクマブ\nヒト抗PCSK9モノクローナル抗体製剤であり、LDL受容体分解促進タンパク質であるPCSK9に高い親和性を示し、PCSK9のLDL受容体への結合を阻害することでLDL受容体の分解を抑制する。◉コレスチミド\n胆汁酸の腸肝循環を抑制し、肝臓でのコレステロールから胆汁酸への異化を促進することで肝細胞膜のLDL受容体を増加させる。"} +{"problem_id": "106261", "problem_text": "処方されている薬物及び前問で処方の修正を提案する薬物のうち、脂質異常症の改善に寄与する薬物の作用機序はどれか。2つ選べ。", "choices": ["肝細胞膜上の電位依存性Ca^{2+}チャネルを遮断することで、血中へのVLDL分泌を抑制する。", "HMG-CoAの生合成を阻害することで、コレステロールの生合成を抑制する。", "胆汁酸の小腸からの再吸収を抑制することで、肝細胞膜上のLDL受容体数を減少させる。", "プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合することで、LDL受容体の分解を抑制する。", "小腸刷子縁のコレステロールトランスポーターを阻害することで、小腸からのコレステロールの吸収を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "106262", "problem_text": "50歳男性。身長 165 cm、体重 65 kg。膠原病として全身性強皮症と診断され、以下の処方で加療中である。問 262(薬理) 強皮症の治療には毛細血管閉塞の改善を目的として抗血小板薬が用いられる。処方薬の中で、抗血小板作用を示す薬物の機序として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["トロンボキサン(TX)合成酵素を選択的に阻害することにより、TXA_{2}の産生を阻害する。", "プロスタノイド IP 受容体を刺激して、血小板内のサイクリックAMP(cAMP)産生を増加させる。", "ホスホジエステラーゼIIIを選択的に阻害して、血小板内の cAMP を増���させる。", "セロトニン5-HT_{2}受容体を遮断することにより、血小板内Ca^{2+}濃度の上昇を抑制する。", "ADP 受容体のサブタイプであるP2Y_{12}受容体を遮断することにより、血小板内のcAMPの減少を抑制する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nオザグレルナトリウムに関する記述である。2:正\nベラプロストナトリウムに関する記述である。3:正\nシロスタゾールに関する記述である。4:誤\nサルポグレラートに関する記述である。5:誤\nチクロピジン、クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロルに関する記述である。"} +{"problem_id": "106263", "problem_text": "右つまさきや踵に潰瘍を認め、皮膚硬化の経過が思わしくないため入院治療を開始するにあたり、シクロホスファミドを処方することになったと医師より連絡があった。薬剤師が医師に対して提案する内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["プレドニゾロン錠の減量・中止", "プレドニゾロン錠の増量", "シロスタゾール口腔内崩壊錠の増量", "シロスタゾール口腔内崩壊錠の減量・中止", "ベラプロストナトリウム錠の増量"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "本患者は、全身性強皮症を治療する目的で、プレドニゾロン錠、シロスタゾール口腔内崩壊錠、ベラプロストナトリウム錠を服用していたが、右つまさきや踵に潰瘍を認め、皮膚硬化の経過が思わしくないため、入院治療を開始することとなった。このことから、プレドニゾロンが皮膚症状に対して十分な効果を示していないと考えられる。シクロホスファミドは、全身性強皮症の肺病変に主に用いられるが、皮膚硬化の改善も示されているため、ステロイドの無効例や投与できない例などに対して副作用に注意しながら投与してもよいとされている。よって、シクロホスファミドを処方するにあたり、プレドニゾロン錠の減量・中止することが適切であると考えられる。"} +{"problem_id": "106264", "problem_text": "63歳男性。体重64kg。左腎にがんを指摘され部分摘出術を受けた。その後、再発と骨転移、膵転移を認め、分子標的薬の投与が行われたものの再再発との評価を受け、先月よりニボルマブの単剤療法が開始された。ニボルマブの投与3回を経過した時点で1日6回以上の下痢、強い腹痛、発熱37.5^{\\circ} C以上、鮮血便を認めたため大腸内視鏡検査を実施したところ、消化管潰瘍の所見を認め潰瘍性大腸炎と診断された。初期治療に用いる薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ペムブロリズマブ点滴静注", "アダリムマブ皮下注", "イピリムマブ点滴静注", "ロペラミド塩酸塩錠", "メチルプレドニゾロン錠"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "ニボルマブは、モノクローナル抗体であり、活性型T細胞の表面に発現するPD-1に結合し、PD-1とPD-L1、PD-L2との結合を阻害することでT細胞への抑制シグナルを減少させ、がん細胞に不応答となっていた腫瘍抗原特異的なT細胞の再活性化作用を示す。本剤はT細胞活性化による過剰な免疫反応による副作用(間質性肺炎、重症筋無力症、心筋炎、大腸炎、小腸炎、重度の下痢、1型糖尿病、血液障害、肝機能障害、甲状腺機能障害、下垂体機能障害、神経障害、腎障害、潰瘍性大腸炎、副腎障害、脳炎)を誘発することがある。本症例では、ニボルマブ使用による過剰な免疫反応で潰瘍性大腸炎を起こしていると推察される。潰瘍性大腸炎の初期治療には、抗炎症作用、免疫抑制作用を示す合成副腎皮質ステロイド性薬(メチルプレドニゾロン)が用いられる。"} +{"problem_id": "106265", "problem_text": "前問で選択した薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヘルパーT細胞内のカルシニューリンを阻害することで、インターロイキン-2の産生を低下させる。", "アウエルバッハ神経叢のオピオイド\\micro受容体を刺激することで、アセチルコリンの遊離を抑制し、蠕動運動を抑制する。", "T細胞の細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)に結合することで、T細胞の活性を維持する。", "可溶性腫瘍壊死因子\\alpha (TNF-\\alpha )と結合することで、抗炎症作用を発揮する。", "受容体との複合体が核内に移行し、糖質コルチコイド応答配列に結合することでタンパク質の生成を調節する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nカルシニューリン阻害薬(シクロスポリン、タクロリムス)に関する記述である。"} +{"problem_id": "106266", "problem_text": "70歳男性。体重50kg。皮膚科を受診して帯状疱疹の診断を受け、処方1の記載された処方箋を薬局に持参してきた。お薬手帳の内容を確認すると、以下の薬剤を継続的に服用しており、血清クレアチニン値6.0mg/dLと記載されていた。また、血液透析は実施していないことを確認した。薬剤師はファムシクロビル錠の添付文書等から薬物動態及び用法・用量に関する以下の情報を得た。【健康成人における薬物動態】 ファムシクロビルは経口投与後、速やかに代謝され、血漿中には活性代謝物であるペンシクロビルのみが検出される。ペンシクロビルの尿中排泄率(推定値): 75% ペンシクロビルの腎クリアランス: 530mL/min 【用法・用量の目安】 健康成人におけるペンシクロビルの主な消失経路と考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["小腸上皮細胞内での代謝", "肝代謝", "糸球体ろ過", "尿細管分泌", "胆汁排泄"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "ペンシクロビルの尿中排泄率(推定値)が75%であることから、ペンシクロビルは、ほとんど腎臓で消失する。腎臓における薬物の消失には、主として糸球体ろ過、尿細管分泌が関与している。糸球体ろ過によるクリアランスはGFR\\times fで求めることができ、GFRは120mL/minであることから、ろ過クリアランスの最大値は、120mL/minとなる。ペンシクロビルの腎クリアランスが530mL/minであることから、尿細管分泌によるクリアランスがろ過クリアランスよりも大きいと判断することができるため、ペンシクロビルの主な消失経路は、尿細管分泌と推察される。"} +{"problem_id": "106267", "problem_text": "薬剤師の対応として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方内容に問題がないと考え、そのまま調剤した。", "ファムシクロビル錠250mgを1回2錠で1日2回の投与とするよう、処方医に提案した。", "ファムシクロビル錠250mgを1回2錠で1日1回の投与とするよう、処方医に提案した。", "ファムシクロビル錠250mgを1回1錠で1日1回の投与とするよう、処方医に提案した。", "ファムシクロビル錠の投与は避けるよう、処方医に提案した。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本患者の年齢が70歳、体重が50kg、血清クレアチニン値6.0mg/dLであることから、Cockcroft-Gault式からクレアチニンクリアランスを下記のように算出することができる。"} +{"problem_id": "106268", "problem_text": "38歳女性。腰痛のため近医を受診したところ以下の薬剤を処方され、1歳0ヶ月の幼児(体重9kg)を伴って薬局を訪れた。幼児は、1回の授乳で200mL程度の母乳を飲むことがあるとのこと。母乳による育児の継続を強く望んでいるが、薬の服用後に母乳中に薬が移行して子どもに影響することに不安を持っているとのことであった。アセトアミノフェンの乳汁/血漿中薬物濃度比は0.91〜1.4とされている。また、アセトアミノフェン錠の添付文書から薬物動態及び用法・用量に関する以下の情報を得た。【薬物動態】\n成人にアセトアミノフェン400mgを経口単回投与後の最高血漿中濃度は9.0ng/mLであり、投与12時間後には血漿中からほぼ完全に消失していた。【用法・用量】\n通常、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10〜15mgを経口投与する。患者が指示どおりに服用した場合、乳汁200mLあたりに含まれるアセトアミノフェン量は、保育する幼児における最低用量に対し、最大で何%に達する可能性があるか。最も近い値を1つ選べ。なお、アセトアミノフェンの血漿から乳汁への分布は速やかに平衡状態に達するものとする。", "choices": ["2.8", "9.0", "25", "90", "250"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "◉幼児の最低用量を求める\n「通常、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10〜15mgを経口投与すること」、「1歳0ヶ月の幼児の体重が9kgであること」から、幼児の最低用量は10mg/kg/回\\times 9kg=90mg/回となる。◉乳汁200mLあたりに含まれるアセトアミノフェンの最大量を求める\n「本処方のアセトアミノフェンの1回量が400mgであること」、「成人にアセトアミノフェン400mgを経口単回投与後の最高血漿中濃度は9.0ng/mL���あり、投与12時間後には血漿中からほぼ完全に消失すること」、「アセトアミノフェンの乳汁/血漿中薬物濃度比は0.91〜1.4とされていること」から、乳汁におけるアセトアミノフェンの最大濃度は、9.0ng/mL\\times 1.4=12.6ng/mLとなる。これらのことから、乳汁200mL あたりに含まれるアセトアミノフェンの最大量は、12.6ng/mL\\times 200mL=2,520ng=2.52mgとなる。上記より、乳汁200mLあたりに含まれるアセトアミノフェン量は、保育する幼児における最低用量に対し、最大で2.52mg/90mg=0.028=2.8%となる。"} +{"problem_id": "106269", "problem_text": "薬剤師の患者への説明として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["母乳中への薬物の移行量が多いので、処方の中止を医師に連絡する必要があります。", "母乳中への薬物の移行量は少量ですが、授乳は中止してください。", "母乳と粉ミルクで育児に大きな違いはないので、授乳を中止するのが無難です。", "母乳中への薬物の移行量は少量であり、薬剤服用中でも授乳可能です。", "ロキソプロフェン錠に変更すれば、母乳中に薬物が移行しないので安全です。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "一般に、相対的乳児薬物摂取量(RID:乳児薬物摂取量(mg/kg/日)/母親の薬物摂取量(mg/kg/日)\\times 100)が10%以下であれば授乳しても問題ないと判断するため、問268より母乳中への薬物の移行量は少量であり、薬剤服用中でも授乳が可能であると判断することができる。"} +{"problem_id": "106270", "problem_text": "64歳男性。心筋梗塞、慢性胃炎。5年前に心筋梗塞を発症して以来、以下の処方薬を継続的に服用している。最近、血便が頻回に認められたため受診し、内視鏡検査を受けたところ大腸がんと診断され、摘出手術を受けた。明日からXELOX療法^{※}を実施する予定である。※XELOX療法: カペシタビン+オキサリプラチン 外来化学療法室の薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カペシタビンの吸収に影響するので、高脂肪食を避けるよう、患者に指導する。", "ファモチジン錠をシメチジン錠に変更するよう、医師に処方提案する。", "血中カルシウム濃度を測定し、低カルシウム血症の有無を確認するよう、医師に提案する。", "ワルファリンによる出血リスクが上昇するので、注意すべき自覚症状について患者に指導する。", "手足症候群の発現に注意するよう、患者に指導する。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nカペシタビンの吸収は、高脂肪食による影響を受けにくい。2:誤\nファモチジンをシメチジンに変更すると、シメチジンによるCYP阻害作用によりワルファリンの効果が増大する可能性があるため、ファモチジンをシメチジンに変更する必要はない。3:誤\n本症例で使用している薬において、低カルシウム血症の有無を確認する必要はない。なお、低カルシウム血症の有無を確認する必要がある薬として、破骨細胞の機能を抑制するデノスマブ、ビスホスホネート製剤などがある。4:正\nカペシタビンとワルファリンを併用すると、ワルファリンの効果が増大する(カペシタビンのCYP2C9阻害作用によりワルファリンの血中濃度が上昇する)ことがあるため、注意すべき自覚症状(皮下出血、鼻血、歯茎からの出血など)について患者に指導する必要がある。5:正\nカペシタビンの重大な副作用として、手足症候群が現れることがある。"} +{"problem_id": "106271", "problem_text": "前問の対応の1つについて、その原因となる、XELOX療法に伴う生理学的あるいは薬物動態学的な変化はどれか。1つ選べ。", "choices": ["胃内容排出時間の延長", "アルブミン濃度の低下", "CYP3A4の誘導", "CYP2C9の阻害", "腎血漿流量の低下"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "問269\n選択肢4参照"} +{"problem_id": "106272", "problem_text": "62歳男性。15年前に糖尿病と診断され治療を続けてきたが、血糖値のコントロールは不十分で、下肢の潰瘍の治療目的で入院した。入院中に発熱と呼吸困難、咳を訴え、喀痰検査よりMRSA感染症と診断され、バンコマイシン塩酸塩による治療を実施することになった。(身体所見及び検査値) 体重60kg、身長170cm、ALT 23IU/L、AST 18IU/L、eGFR 24mL/min/1.73m^{2} HbA1c9.2%(NGSP値)この患者に対し、バンコマイシン塩酸塩を1日1回1g、点滴静注することになった。初回投与開���後、3時間及び24時間(2回目の投与直前)に採血を行いバンコマイシンの血中濃度を測定したところ、それぞれ40ng/mL及び16ng/mLであった。次の採血ポイントとして、定常状態における最低血中濃度の90%以上に到達した最初のトラフ濃度を測定したい。この患者における消失半減期(h)と次の採血ポイントの組合せとして適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、バンコマイシンの体内動態は線形1-コンパートモデルに従うものとし、ln2=0.693、ln5=1.609とする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["6"], "comment": "◉消失半減期を求める\nバンコマイシンの体内動態は線形1-コンパートモデルに従うものとされており、3時間及び24時間(2回目の投与直前)に採血を行いバンコマイシンの血中濃度を測定したところ、それぞれ40ng/mL及び16ng/mLであったことから、下記の式より、消失速度定数k_{e}を求めることができる。lnC=lnC_{0}-k_{e}・t:::C_{0}: 初濃度:C: t時間経過後の濃度:t: 時間\nln16=ln40-k_{e}・21時間::\nk_{e}=ln40/16/21時間=(ln5/2)/21 時間^{-1}\nk_{e}=(ln5/2)/21 時間^{-1}であることから、下記の式より、消失半減期t_{1/2}を求めることができる。t_{1/2}=ln2/ k_{e}::::::::\nt_{1/2}=ln2/(ln5/2)/21 時間^{-1}=0.693/(1.609-0.693)\\times 21時間\\fallingdotseq 15.9時間\n◉採血のポイントを求める\n定常状態における最低血中濃度の90%以上に到達する時間は、消失半減期の約4倍時間(約64時間)であるため、採血ポイントは、4回目の投与直前(72時間目)が望ましい。"} +{"problem_id": "106273", "problem_text": "この患者におけるバンコマイシンの治療薬物モニタリング(TDM)及び治療上の注意に関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血糖値が高いとバンコマイシンの血中濃度が過小評価されるので、過量投与にならないよう注意する。", "消失半減期が延長しているため、反復投与による血中濃度の上昇に注意する。", "点滴終了から1〜2時間後にピーク濃度を測定し、最小発育阻止濃度以上の血中濃度であれば十分な治療効果が見込める。", "1日1回1gの投与を続けると、定常状態ではトラフ濃度が32\\micro g/mLを超えると見積もられる。", "下肢潰瘍に対する抗真菌薬治療を行う場合、アムホテリシンBとの併用は腎障害の危険性が高まるため避けることが望ましい。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n血糖値は、バンコマイシンの血中濃度に影響を与えないため、血糖値が高くても、バンコマイシンの血中濃度が過小評価されることはない。"} +{"problem_id": "106274", "problem_text": "56 歳女性。10 年前に高血圧と糖尿病と診断され、本日、以下の処方が記載された処方箋を薬局に持参した。患者から、医療費の負担をなるべく小さくしたいので、後発医薬品に変更できないか薬剤師に相談があった。しかし、処方箋の「変更不可」欄には両処方ともチェック(✓)が記載されていた。処方医に相談したところ、後発医薬品が先発医薬品と同等の有効性と安全性及び品質を有している根拠を説明することになった。問 274(実務) 薬剤師の後発医薬品に関する説明内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["動物を用いた薬力学的試験が実施されています。", "溶出試験や含量均一性試験が実施されています。", "ヒトを被験者とする相対的バイオアベイラビリティが測定されています。", "ヒトでの第I〜第III相試験が実施されています。", "市販後調査が実施されています。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n後発医薬品を承認申請する際に、非臨床試験に関するデータは必要としない。よって、動物を用いた薬力学的試験は実施されていない。2:正\n後発医薬品の申請資料を作成するために、溶出試験、含量均一性試験が実施される。3:正\n生物学的同等性試験を行う際、相対的バイオアベイラビリティを用いることがある。4:誤\n後発医薬品を承認申請する際に、臨床試験に関するデータは必要としない。よって、ヒトでの第I〜第III相試験は実施されていない。5:誤\n後発医薬品に対する市販後調査は義務付けられていない。"} +{"problem_id": "106275", "problem_text": "この処方医に説明するときに提示する、後発医薬品と先発医薬品の生物学的同等性を規定する薬物動態パラメーターはどれか。2つ選べ。", "choices": ["分布容積", "最高血中濃度", "消失半減期", "平均滞留時間", "血中濃度時間曲線下面積"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "先発医薬品と後発医薬品の間で、速度的バイオアベイラビリティ(最高血中濃度、最高血中濃度到達時間)と量的バイオアベイラビリティ(AUC、Xu)の両方が等しいとき、生物学的に同等であるといえる。"} +{"problem_id": "106276", "problem_text": "52歳女性。約1年前に乳癌(ホルモン受容体陰性、HER2陰性)と診断され、術後化学療法としてAC(ドキソルビシン+シクロホスファミド)療法を受けたが、最近、再発が認められた。そこで二次治療として、アブラキサン®点滴静注用^{(注)}による化学療法を実施することになった。[注: パクリタキセル注射剤(アルブミン懸濁型)] アブラキサン®点滴静注用の製剤学的特徴に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["懸濁化剤として、メチルセルロースが添加されている。", "パクリタキセルを人血清アルブミンに結合させてナノ粒子化した製剤である。", "保存剤が含まれるため、懸濁液は冷所で約1週間保存できる。", "点滴静注後、血液中で微粒子は崩壊することなく安定に存在し、パクリタキセルが腫瘍に効率よく集積する。", "用時懸濁して用いる凍結乾燥注射剤である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n本剤には、メチルセルロースは添加されていない。なお、アブラキサン®点滴静注用には、添加物として人血清アルブミンのみ含まれている。2:正\n本剤は、パクリタキセルを人血清アルブミンに結合させてナノ粒子化した製剤である。3:誤\n本剤には、保存剤が含まれていないため、懸濁液は調製後速やかに使用するか、又は箱に戻し、冷蔵庫(2〜8^{\\circ} C)に遮光保存して8時間以内に使用することとされている。4:誤\n本剤に含まれるパクリタキセル粒子は、血液中で早期に崩壊し、組織に移行する。5:正\n本剤は、水に極めて難溶性のパクリタキセルを人血清アルブミンに結合させ、従来のパクリタキセル製剤の溶媒(ポリオキシエチレンヒマシ油、無水エタノール)を使用せず、生理食塩液で懸濁し投与することを可能にした凍結乾燥製剤である。"} +{"problem_id": "106277", "problem_text": "本治療に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Dose Limiting Toxicityとして骨髄抑制があり、好中球数及び血小板数の変動に十分留意する。", "アルコール過敏症の患者には禁忌であり、事前に患者から聞き取りを行う必要がある。", "末梢神経障害でしびれなどが現れたときには、減量や休薬が必要とされる。", "パクリタキセルの他の製剤(ポリオキシエチレンヒマシ油含有製剤)に比べ過敏症が発現しにくいので、末梢より5分間かけて静注する。", "沈殿物が認められることがあるので、投与時にはインラインフィルターを使用する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n本剤は、Dose\nLimiting\nToxicity(用量制限毒性)として骨髄抑制があり、好中球数及び血小板数の変動に十分留意する。"} +{"problem_id": "106278", "problem_text": "91歳女性。骨粗しょう症の治療でアレンドロン酸ナトリウム経口ゼリー剤を服用中である。先日、薬剤師が在宅訪問した際に手足のしびれや筋肉の硬直を訴えていたため主治医に報告したところ、本日、医師の訪問診療時に低カルシウム血症であることが判明し、食事の摂取量低下の影響で低栄養状態でもあったため、塩化カルシウム注射液(1mEq/mL)20mLとビーフリード輸液^{※}500mLを末梢血管から投与する指示が出された。翌日、訪問看護師が2剤を混合したところ、輸液が若干白濁していることに気付き、在宅訪問した薬剤師に相談があった。※ビタミンB_{1}・糖・電解質・アミノ酸液 (主な電解質成分として、リン酸二カリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、クエン酸ナトリウム水和物、L-乳酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、硫酸マグネシウム水和物、硫酸亜鉛水和物を含有)この輸液の白濁の原因と考えられる電解質成分の組合せとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Cl^{-}とMg^{2+}", "Cl^{-}とZn^{2+}", "PO_{4}^{3-}とCa^{2+}", "PO_{4}^{3-}とチアミン", "L-Lactate^{-}とCa^{2+}", "Citrate^{3-}とK^{+}"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ビー��リード輸液とCa2^{+}を含む注射剤(塩化カルシウム注射液)と混合すると、リン酸カルシウム[Ca_{3}(PO4)_{2}]が生成し、白濁を生じることがあるため、ビーフリード輸液と塩化カルシウム注射液は混合せず、別々に点滴静注する必要がある。"} +{"problem_id": "106279", "problem_text": "薬剤師の助言の内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["若干白濁した程度であれば静脈内投与しても問題ない。", "インラインフィルターを使用する。", "新たに2剤を混合し8^{\\circ} C以下に保管する。", "2剤を混合せず、ビーフリード輸液を点滴し、側管から塩化カルシウム注射液を急速静注する。", "2剤を混合せず、塩化カルシウム注射液を生理食塩液に希釈し、ビーフリード輸液とは別に点滴投与する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n両剤混合により白濁したものを使用すると、血管が詰まる可能性があるため、若干白濁したものであっても静脈内投与しない。"} +{"problem_id": "106280", "problem_text": "72歳男性。5年前から緑内障にて以下の処方1〜処方3で治療を受けていた。変更後の点眼方法の説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["点眼順序はどれから開始してもよいです。", "朝の右眼への点眼は、処方2を先に行ってください。", "夕の右眼への点眼は、処方2\\rightarrow 処方4\\rightarrow 処方1の順に行ってください。", "処方4の点眼液は、よく振ってから使用してください。", "処方4は1回に2滴以上点眼する必要があります。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "懸濁性点眼液は、懸濁粒子が溶解して持続的な作用を示すため、水性点眼液の後に使用することが望ましく、また、油性点眼液は、膜を形成し、水性点眼液をはじいてしまうので、最後に点眼することが望ましい。このことから点眼剤の使用順序は、水性点眼液\\rightarrow 懸濁性点眼液\\rightarrow 油性点眼薬の順で使用することが望ましい。処方1は水性点眼液、処方2は水性点眼液、処方4は懸濁性点眼液であるため、朝は処方2\\rightarrow 処方4の順で使用し、夕は処方2\\rightarrow 処方1or処方1\\rightarrow 処方2を使用後、処方4を使用する。なお、処方4は懸濁性点眼液であるため、よく振ってから使用する。"} +{"problem_id": "106281", "problem_text": "変更後の処方の各点眼液の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ビマトプロスト点眼液は、油性点眼液であるため、水性点眼液よりも先に点眼すると、水性点眼液の効果を高めることができる。", "各点眼液に含まれるベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着される。", "リパスジル塩酸塩水和物点眼液は、塩基性薬物が主薬であるため、保存剤は添加されていない。", "ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液中の懸濁粒子の粒子径は、約150\\micro mである。", "ブリンゾラミド/チモロールマレイン酸塩配合懸濁性点眼液は、点眼液の粘度を高めて懸濁状態を安定化する添加剤が加えられている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nビマトプロスト点眼液は、水性点眼液である。"} +{"problem_id": "106282", "problem_text": "66歳男性。排尿困難となり病院を受診したところ、ホルモン感受性の前立腺癌と診断された。主な検査値は以下のとおり。(検査値) ALT 38IU/L、AST 28IU/L、血清クレアチニン値 1.1mg/dL、BUN 12mg/dL、PSA値 28.0ng/mL、グリーソンスコア9 この患者は、以下の処方による治療が計画されている。リュープリン®PRO注射用キットに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["本剤は乳濁性注射剤である。", "本剤のマイクロカプセルは、乳酸重合体を主たる基剤としている。", "投与後、マイクロカプセルが体内でゆっくりと分解することでリュープロレリン酢酸塩を徐放出する。", "本剤のマイクロカプセルの平均粒子径は、約600\\micro mである。", "本剤には、分散剤としてレシチンが含まれている。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n本剤は、粉体部本体と液体部(懸濁用液1mL)が一体となった懸濁性注射剤である。2:正\n本剤は、生体内分解性高分子化合物である乳酸重合体を基質としたマイクロカプセルにリュープロレリンを含有された徐放性製剤である。3:正\n皮下投与後、マイクロカ��セルが体内でゆっくりと分解することでリュープロレリン酢酸塩を徐放出する。4:誤\n本剤のマイクロカプセルの平均粒子径は約30\\micromである。なお、日本薬局方製剤総則において、懸濁性注射剤中の粒子の最大粒子径は、通例、150\\micro m以下であると規定されている。5:誤\n本剤には分散剤としてレシチンが含まれていない。なお、分散剤としてレシチンが含まれている注射剤は、リピドマイクロスフェアを利用した乳剤性注射剤がある。"} +{"problem_id": "106283", "problem_text": "この患者の治療に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["吸収が一定になるよう同じ部位に注射する必要がある。", "24週を超える間隔で投与すると、臨床所見が一過性に悪化するおそれがあるので、24週後に来院するよう患者に指示する。", "注射部位が硬結するので、注射後はよくもむよう患者に指示する。", "血管内に注射液が混入しても徐放性は保持されるので問題ない。", "黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)誘導体又は合成LH-RHに対して過敏症のある場合は禁忌なので既往歴を確認する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n本剤を皮下注射する際には、注射部位を毎回変更し、同一部位への反復注射は行わないこととされている。"} +{"problem_id": "106284", "problem_text": "40歳女性。体重50kg。1週間前に腎移植の手術を受け、以下の処方により治療を受けている。ネオーラル®50mgカプセルは、シクロスポリンの消化管吸収性を改善するための製剤学的工夫がなされている。その特徴を最もよく表している図の組合せはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Aとア", "Aとイ", "Bとア", "Bとイ", "Cとア", "Cとイ"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "ネオーラル®50mgカプセルは、油状の液を含んだ軟カプセル剤であり、吸収における胆汁酸や食事の影響を少なくし、安定した薬物動態が得られるようにシクロスポリンをマイクロエマルション化した製剤である。ネオーラル®50mgカプセルには、界面活性剤により熱力学的に安定なO/W型エマルションを形成する微細な液滴が分散された溶液が封入されている。"} +{"problem_id": "106285", "problem_text": "副作用モニタリングを目的に、薬剤師が患者と面談を行ったところ、患者から「昨晩は食欲がなく夕食をとらずに服用したが大丈夫ですか」と相談があった。シクロスポリンの血中トラフ濃度は、昨日は211ng/mLであったが本日は198ng/mLであった。薬剤師の対応として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方1は食事の影響が大きいので、剤形をカプセル剤から内用液剤へ変更するよう主治医に提案する。", "食事ができない時は処方1を服用しないよう患者に伝える。", "シクロスポリンの血中濃度低下による急性拒絶の予防を目的に、処方2を増量するよう主治医に提案する。", "食欲のないときはグレープフルーツジュースを飲用するよう患者に伝える。", "シクロスポリンの血中濃度変化より判断して、食事による影響は小さいので心配いらないと患者に伝える。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nネオーラル®50mgカプセルは、食事の影響を受けにくいため、剤形を変更する必要はない。"} +{"problem_id": "106286", "problem_text": "67歳男性。身長167 cm、体重73 kg。近医で心臓弁膜症を指摘され、病院で心エコーの検査予定であった。真夏の午前中に庭の草むしりをしていたところ、突然めまいと嘔吐が出現し、その場に倒れた。一緒に作業をしていた妻が救急車を要請し、救命救急センターに搬送された。問診・検査の結果、脳梗塞と診断された。倒れてからの時間経過は以下のとおりである。8:50:草むしり中に転倒 10:00:救命救急センターに到着 10:25:緊急 MRI の実施 10:50:脳梗塞と診断 問 286(実務) この患者の脳梗塞急性期に対する治療薬として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルガトロバン水和物", "アルテプラーゼ", "オザグレルナトリウム", "ダルテパリンナトリウム", "ヘパリンナトリウム"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "本症例では、草むしり中に転倒した後、2時間後に脳梗塞と診断されていることから血栓溶解薬であるアルテプラーゼの投与が有効である。アルテプラーゼは、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)製剤であり、特異的に血栓中のプラスミノーゲンを活性化してプラスミンを産生することによりフィブリンの分解を促進する。アルテプラーゼは、発症後4.5時間以内の虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善に用いられる。"} +{"problem_id": "106287", "problem_text": "この患者に前問の治療薬を選択する際に、確認が必要なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["頭蓋内出血の有無", "動脈血液ガス分析の結果", "好中球数", "eGFR", "脳梗塞の発症時刻"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "アルテプラーゼを使用する際には、脳梗塞の発症時刻より発症後4.5時間以内であることを確認する。また、頭蓋内出血の有無、脳出血を起こす可能性(血圧、血糖値、頭蓋内腫瘍、動静脈奇形、動脈瘤など)、消化管出血・尿路出血の有無、大手術後の日時、併用薬(経口抗凝固薬、ヘパリン)などを確認する。"} +{"problem_id": "106288", "problem_text": "72歳女性。読書中に胸部の違和感が出現し、その直後に目の前が真っ暗になり5秒間程度意識を失った。翌日も、30分に1回くらいの間隔で同様の数秒間の失神発作を繰り返したため、病院に救急搬送された。搬送時の所見 血圧 136/78 mmHg、心拍数70拍/分、赤血球数458\\times 10^{4}/\\micro L、Hb 12.9g/dL、Ht 45%、白血球数 7,600/\\micro L、血小板数16\\times 10^{4}/\\micro L、AST 32 IU/L、ALT 26 IU/L、CK(クレアチンキナーゼ)112 IU/L、血清クレアチニン値 0.6 mg/dL、血糖値 98 mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.1mEq/L 意識消失時に心電図モニターに異常波形(下図)を認め、その際脈拍を触知しなかった。非発作時は意識清明で、心音や呼吸音に異常はない。この患者の失神発作が起こった機序として、考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["不整脈により、生じた血栓が脳血流を障害した。", "不整脈により、生じた血栓が冠血流を障害した。", "不整脈により、心拍出量が低下した。", "心筋収縮力の低下により、心拍出量が低下した。", "消化管出血により、血圧が低下した。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "設問の心電図から本患者は、多形性心室頻拍(Torsades pointes: TdP)を発症したと推察される。TdPでは、QRS波がらせん状に周期的に変化し、不規則で一致しない多形性を示す。TdPは、不整脈の中でも心室頻拍に該当し、全身にうまく血液を送り出すことができないため、脳への血液灌流が低下し、脳の虚血状態による失神発作を起こすことがある。"} +{"problem_id": "106289", "problem_text": "家族から、最近、処方薬が変更になったとの情報を得た。そのため、変更された薬物により意識消失が引き起こされた可能性があると考えた。現在、患者は以下の薬剤を服用している。最も疑わしいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シベンゾリン", "カルベジロール", "ワルファリン", "フロセミド", "ランソプラゾール"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "TdPは、薬剤服用によるQT延長症候群により誘発されることがある。本処方薬の中でQT延長症候群を引き起こしやすい薬物は抗不整脈薬であるシベンゾリンである。シベンゾリンは、K^{+}チャネルを遮断することにより活動電位持続時間と不応期を延長するため、QT延長症候群を引き起こす可能性がある。"} +{"problem_id": "106290", "problem_text": "68歳男性。30歳時に結核、52歳時に脂質異常症を指摘され、ロスバスタチンを内服中である。2年前に急性心筋梗塞を発症し、その際に出現した心室頻拍と心室細動に対してアミオダロンによる治療が開始され、その後症状は安定していた。本日、呼吸困難のため緊急入院となった。3ヶ月前から食欲がなく、息切れを自覚していた。入院時に発熱はなく、主な検査値は以下のとおりで、白血球数が増加、CRP、LDHが高値を示していた。(検査値) 血圧102/65 mmHg、心拍数 100拍/分、SpO_{2}93%、Hb12.7 g/dL、白血球数 10,600/\\micro L、AST 26 IU/L、ALT 21 IU/L、LDH 184 IU/L、eGFR 56.3 mL/min/1.73 m^{2}、CRP 14.3 mg/dL、QTF(クォンティフェロン)陰性、モニター心電図で異常所見なし この患者の病態として、可能性が高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["胸部聴診所見で、水泡音が聴取される。", "血液検査で、シアル化糖鎖抗原KL-6の値が高値を示す。", "動脈血液ガス検査で、高炭酸ガス血症を伴う。", "CTにて、両側肺に広範囲のすりガラス陰影を認める。", "肺機能検査で、%VC���変化せず、FEV1.0%が低下している。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "アミオダロン服用後、発熱はなく、白血球数が増加、CRPが高値を示していることから、副作用である間質性肺炎を誘発したと考えられる。1:誤\n胸部聴診所見で、水泡音(ブクブクと音が鳴る)が聴取されるのは、気道に分泌物がある場合であり、一般には肺胞性肺炎や肺水腫などで聴取される。なお、間質性肺炎では、捻髪音(バリバリと音が鳴る)が聴取される。2:正\n間質性肺炎では、シアル化糖鎖抗原(KL-6)、白血球数、CRP、LDHの上昇が認められる。3:誤\n高炭酸ガス血症は、主に呼息障害により体内にCO_{2}が蓄積されることで動脈血二酸化炭素分圧(PaCO_{2})が高値を示す状態であり、通常、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患などの閉鎖性換気障害で認められる所見である。4:正\n間質性肺炎では、胸部X線写真で肺のすりガラス状陰影が認められる。5:誤\n間質性肺炎は、肺が正常に膨張できず吸気量が低下するため、拘束性換気障害を呈する。拘束性換気障害では、%肺活量(%VC)は低下するが、1秒率(FEV_{1.0}_{%})は正常範囲内を示す。"} +{"problem_id": "106291", "problem_text": "この患者への対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アミオダロンを中止する。", "ステロイドパルス療法を実施する。", "ステロイド吸入療法を実施する。", "人工呼吸器を装着する。", "リファンピシンを投与する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "本症例では、アミオダロンによる副作用である間質性肺炎が現れた可能性が高い。そのため、原因となるアミオダロンの投与を中止する必要がある。また、症状が急速に増悪する場合、副腎皮質ステロイド性薬を点滴静注するステロイドパルス療法を行う。なお、副腎皮質ステロイド性薬により症状が改善されない場合には、免疫抑制薬を用いる。1:正\n前記参照\n2:正\n前記参照\n3:誤\n前記参照\n4:誤\n人工呼吸器は、動脈血酸素飽和度(SpO_{2})が90%以下の呼吸不全の患者に対して用いられる。本患者はSpO_{2}が93%であり、呼吸不全状態とは考えにくい。5:誤\nQTF(クォンティフェロン)陰性を示していることから、結核の可能性が低いため、リファンピシンを投与することは適切ではない。"} +{"problem_id": "106292", "problem_text": "13歳女児。身長127 cm、体重23 kg。多飲、多尿、口喝と1ヶ月に3kgの体重減少があった。ある朝、全身倦怠感、下痢、嘔吐があり、意識障害となったため母親が救急車を要請し、病院に搬送された。1型糖尿病と診断され入院となった。搬送時の検査データを下に示す。(検査値) 血糖値770 mg/dL、尿糖(4+)、尿蛋白(-)、尿中ケトン体(4+)、Na 132.0 mEq/L、K 4.2 mEq/L、動脈血液ガスpH 7.1、HCO_{3}^{-} 9.0 mEq/L 問 292(病態・薬物治療) この患児の病態及び検査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["インスリン過剰状態にある。", "アルカローシスによって、血中重炭酸イオンの減少がみられる。", "高血糖により脂肪分解が抑制されている。", "呼気中にアセトン臭が認められる。", "Glutamic acid decarboxylase(GAD)抗体が陽性である可能性が高い。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n1型糖尿病と診断されているため、インスリン不足状態にあると考えられる。2:誤\n動脈血液ガスpH 7.1であり、基準値(pH 7.35〜7.45)よりも低値を示しているため、アシドーシス状態のあると推察される。インスリン不足すると、脂質分解によるエネルギー産生を亢進させるため、血液中にケトン体が増加し、血液が酸性に傾く(この状態を糖尿病性ケトアシドーシスという)。糖尿病性ケトアシドーシスでは、プロトンを中和するために、重炭酸イオンが消費されるため、血中重炭酸イオンの減少が認められる。3:誤: 解説2参照\n4:正\n糖尿病性ケトアシドーシス状態では、ケトン体のうちアセトンが呼気中に排泄されやすくなるため、呼気中にアセトン臭が認められる。5:正\n1型糖尿病では、膵ランゲルハンス島細胞に対する自己抗体(Glutamic acid decarboxylase(GAD)抗体: グルタミン酸脱炭酸酵素抗体)が検出されることが多い。"} +{"problem_id": "106293", "problem_text": "この患児への初期対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジペプチジルペプチ��ーゼ-4(DPP-4)阻害薬の経口投与", "インスリンの点滴静注", "グルコン酸カルシウムの点滴静注", "生理食塩液の点滴静注", "5 %ブドウ糖注射液の点滴静注"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "本症例では、糖尿病性ケトアシドーシス呈しているため、過剰なケトン体の生成を抑制する目的でインスリンの点滴静注を行う。また、血漿浸透圧上昇に伴う脱水状態により体内の水分、Naの欠乏を生じるため、水分、Naを補う目的で生理食塩液の点滴静注を行う。"} +{"problem_id": "106294", "problem_text": "48歳男性。近視でハードコンタクトレンズを使用している。45歳時より眼科でドライアイと診断され、ジクアホソルナトリウム点眼液を処方され、点眼している。ここ数年2〜4月頃に発作性反復性のくしゃみ、水性鼻漏と鼻閉の症状が出ていたが、この時期を過ぎると楽になるので経過をみていた。本年2月にこれら症状が悪化し、眼もかゆくなったため、病院を受診し、ビラスチン錠とエピナスチン塩酸塩点眼液が処方され、処方箋をもって来局した。この患者の病態として、考えられるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["鼻粘膜でII型アレルギー反応が起こっている。", "ハウスダストやダニが原因である。", "鼻内所見で鼻粘膜に発赤がみられる。", "気管支ぜん息を合併しやすい。", "抗原飛散数の増加により症状が増悪する・"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "2〜4月頃に発作性反復性のくしゃみ、水性鼻漏、鼻閉の症状が出ていたが、この時期をすぎると楽になることから、季節性のアレルギー性鼻炎であると推察される。1:誤\n季節性のアレルギー性鼻炎は、鼻粘膜でI型アレルギー反応が起こっている。2:誤\n季節性のアレルギー性鼻炎の主な原因は花粉(スギの花粉、イネの花粉、ヒノキの花粉など)である。なお、通年性のアレルギー性鼻炎の主な原因として、ハウスダスト、ダニなどがある。3:正\n季節性のアレルギー性鼻炎では、鼻粘膜に発赤・充血がみられることが多い。4:誤\nアレルギー性鼻炎における気管支ぜん息合併率は20%程度であり、アレルギー性鼻炎の患者が気管支ぜん息を合併する確率は高くない。5:正\nアレルギー性鼻炎の症状は、花粉飛散数が増加する時期に増悪する。"} +{"problem_id": "106295", "problem_text": "この患者への服薬指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["これらの薬剤を使用する際には自動車等の運転をしないで下さい。", "ビラスチン錠は1日1回空腹時に服薬して下さい。", "処方された点眼液を使用するときは、コンタクトレンズを外す必要がありません。", "処方された点眼液を点眼する際は、点眼間隔をあける必要はありません。", "症状がひどいときには、エピナスチン塩酸塩点眼液を一度に2滴以上続けて点眼して下さい。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nジクアホソルナトリウム点眼液、ビラスチン錠、エピナスチン塩酸塩点眼液を使用する際には、「自動車等の運転をしないで下さい」との注意喚起はない。2:正\nビラスチン錠は、食後(特に高脂肪食)に服用すると、血中濃度が低下するおそれがあるため、空腹時に服用する必要がある。3:正\nジクアホソルナトリウム点眼液、エピナスチン塩酸塩点眼液は、防腐剤としてベンザルコニウム塩化物を使用していないため、点眼する際にコンタクトレンズを外す必要はない。4:誤\nジクアホソルナトリウム点眼液、エピナスチン塩酸塩点眼液を使用する際には、5分以上の間隔をあけて使用する必要がある。5:誤\nエピナスチン塩酸塩点眼液を一度に2滴以上続けて点眼しても、ほとんど流れ出てしまうため、効果の増大を見込むことができない。"} +{"problem_id": "106296", "problem_text": "50歳男性。5年前に病院の循環器内科で僧帽弁閉鎖不全症を指摘され、外来で経過観察中であった。2ヶ月前に歯肉炎のため歯科で処置を行った後、持続性の発熱、全身倦怠感、腰痛及び四肢に点状出血を認めたため、精査目的で入院となった。聴診により心尖部で収縮期雑音が聴取された。また、血液培養によって、Streptococcus salivarius(緑色レンサ球菌の一種)が同定され、薬剤感受性試験を行ったところ、以下のような結果が得られた。この患者に投与する抗菌薬と投与期間の組合せとして、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "「2ヶ月前に歯肉炎のため歯科で処置を行った後、持続性の発熱、全身倦怠感、腰痛及び四肢に点状出血を認めた」、「聴診により心尖部で収縮期雑音が聴取された」「Streptococcus salivarius(緑色レンサ球菌の一種)が同定」と記載されていることから、本症例では、Streptococcus salivarius感染性の心内膜炎を呈していると推察される。薬剤感受性試験の結果、ベンジルペニシリン、メロペネム、セフトリアキソン、バンコマイシンに対してSensitive(感受性)があるため、上記4薬剤どれを投与しても効果が見込めるが、起炎菌が同定されていることから、抗菌スペクトルの狭いものを優先的に用いることが推奨されるため、ベンジルペニシリンを4週間投与することが適切であると考えられる。"} +{"problem_id": "106297", "problem_text": "この患者の入院時の検査結果として、妥当なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["心エコー検査で、疣贅(疣腫)が認められる。", "血液検査で、赤血球沈降速度(赤沈、ESR)が遅延している。", "血液検査で、\\gamma -グロブリン濃度が低下している。", "血液検査で、CRP値が上昇している。", "冠動脈造影検査で、血管閉塞が認められる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n感染性心内膜炎では、歯科処置により血液中に侵入した細菌が心臓内の血栓に付着・増殖し、血栓と細菌の塊である疣贅(疣腫)が認められる。2:誤\n感染性心内膜炎では、細菌感染、炎症を伴うため、白血球増加、赤血球沈降速度亢進、C反応性タンパク質(CRP)、\\gamma -グロブリン濃度の上昇が認められる。3:誤\n解説2参照\n4:正\n解説2参照\n5:誤\n本症例では、冠動脈閉塞による症状(息切れ、胸痛など)が現れていないことから、冠動脈造影検査で、血管閉塞が認められる可能性は低い。"} +{"problem_id": "106298", "problem_text": "成人男性のHIV感染症患者が、発熱や乾性咳嗽の症状を訴え外来受診した。身体所見として、頭痛、嘔吐などの中枢神経症状はなかった。胸部X線検査で、両側びまん性のすりガラス陰影が認められた。この患者のCD4陽性リンパ球数は、120/\\micro Lであった。なお下図は、感染時からの経過時間と CD4陽性リンパ球数との関係に、CD4陽性リンパ球数の減少に伴って発症する日和見感染症を示したものである。この患者の症状を引き起こした病原体として考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カンジダ", "クリフプトコッカス", "サイトメガロウイルス", "トキソプラズマ", "ニューモシスチス"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "本症例では、CD4陽性リンパ球数が120/\\microLであることから、設問の図より帯状疱疹、結核、カポジ肉腫、ニューモシスチス肺炎、カンジダ症、クリプトコッカス髄膜炎に罹患する可能性が高い。また、症状として発熱、乾性咳嗽があり、胸部X線検査では両側びまん性のすりガラス陰影が認められていることから、ニューモシスチス肺炎に罹患していると推察される。"} +{"problem_id": "106299", "problem_text": "この患者の日和見感染症の治療に用いる薬剤として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アシクロビル錠", "アムホテリシンBシロップ", "スピラマイシン錠", "スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合錠", "フルコナゾールカプセル"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ニューモシスチス肺炎の治療には、スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤(ST合剤)が用いられる。"} +{"problem_id": "106300", "problem_text": "51歳男性。2年前にStageIVの直腸がんと診断され、抗がん剤による治療が開始された。現在、四次治療中で、医師からがん遺伝子パネル検査^{※}を提案された。「がんの多い家系であり、がんが遺伝であることがはっきりするのは不安で、がん遺伝子パネル検査を受けることについて悩んでいる。」と、担当薬剤師に相談があった。そこで、薬剤師は、認定遺伝カウンセラーに相談することを勧めた。^{※}ヒトの遺伝子のうち、がんの発生に関わる遺伝子セット(パネル)を一度に解析する検査。同定された遺伝子変異に効果のある抗がん剤が存在すれば、治療に用いることができる。この患者のがんが遺伝性である場合、原因となり得る遺伝子として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["APC", "BCR-ABL", "BRCA1", "EGFR", "PTEN"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nAPC遺伝子変異は、大腸がんの中でも良性腫瘍である腺腫から発がんする過程に関与する。なお、大腸がんにおいて、良性腫瘍である腺腫から発がんする過程では、APC遺伝子変異により低異型度腺腫が発生し、K-ras遺伝子変異で高異型度腺腫となり、p53遺伝子変異によりがん化が誘発される。2:誤\nBCR-ABL遺伝子は、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病に関与する。3:誤\nBRCA1遺伝子は、乳がんに関与する。4:誤\nEGFR遺伝子は、肺がんに関与する。5:誤\nPTEN遺伝子は、Cowden症候群(乳がん、甲状腺がん)に関与する。"} +{"problem_id": "106301", "problem_text": "認定遺伝カウンセラーが作成した以下の家系図から考えられることとして、正しいのはどれか。2つ選べ。なお、四角は男性、丸は女性を示す。", "choices": ["患者の母方の家系にがん患者が多い。", "アの重複がんは、遺伝性のがんを疑う根拠とならない。", "イは交通事故で死亡していなければ、がんに罹患していた可能性が高い。", "ウは今後がんを発症する可能性が高いので、がん検診を推奨する。", "エは未成年なので、カウンセリングの内容を伝えてはいけない。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n患者の父方の家系に卵巣がん、胃がん、大腸がん/子宮体がん(重複がん)に罹患している者が多い。2:誤\n重複がんとは、転移して多くの臓器にがんを発症するのとは異なり、異なる臓器に異なるがんが発生する状態ある。アは大腸がん・子宮体がん(重複がん)に罹患しており、患者に同様の直腸がん(大腸がん)が発生していることから、遺伝によりがんが発生した可能性がある。3:正\nイの母や兄弟ががんを発症していることから、イは交通事故で死亡していなければ、がんに罹患していた可能性が高い。4:正\nウは、父方の家系のがん発症歴より、がんを発症する可能性が高いため、がん検診が推奨される。5:誤\n未成年であっても自分の状態を知る権利があるため、本人が希望すればカウンセリングを受けることが可能である。"} +{"problem_id": "106302", "problem_text": "67歳女性。身長160 cm。10年前に右乳がんに対し乳房切除術を施行した。術後3年で骨転移し、経年的に肝、肺にも転移した。骨転移が見つかってから、全身化学療法を実施し、現在はエリブリンによる七次治療中である。7日前にエリブリンの5サイクル目(1サイクル: day1とday8投与、day15休薬)のday1の投与を行った。その後、倦怠感の出現、食欲の低下、歩行困難の進行が認められ、本日、入院となった。疼痛の訴えはない。7日前と本日の体温、体重、主な検査値は下表のとおりである。問 302(実務) 本日、この患者に行う治療として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エリブリンの5サイクル目day8の投与", "タゾバクタム・ピペラシリン水和物の投与", "好中球減少症に対してエポエチンの投与", "倦怠感に対してフェンタニルの投与", "食欲不振に対して末梢静脈栄養法又は皮下輸液の実施"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nエリブリンは、微小管の働きを阻害することで抗腫瘍効果を発揮する薬剤であり、副作用として骨髄抑制による白血球減少、血小板減少、赤血球減少、発熱性好中球減少症を呈することがある。設問の表より、本日、発熱している、好中球数が低値、CRPが高値を示していることから、本剤による発熱性好中球減少症(FN)を呈している可能性がある。そのため、5サイクル目day8の投与をせず、休薬する必要がある。2:正\nFNにより感染症が引き起こされる可能性があるため、広域スペクトルを有する抗菌薬(タゾバクタム・ピペラシリン水和物、メロペネム、ニューキノロン系抗菌薬)が用いられる。3:誤\n好中球減少症に対して、好中球数を改善する目的でG-CSF製剤(フィルグラスチム、レノグラスチムなど)が用いられる。4:誤\nフェンタニルは、がん性疼痛に対して用いられる薬剤であり、全身倦怠感を緩和する目的で使用することはない。5:正\nがん患者の食欲不振に対して、末梢静脈栄養、皮下輸液により水分・電解質、栄養の補充が行われる。"} +{"problem_id": "106303", "problem_text": "この患者は、がん悪液質が進行していると考えられた。この患者の病態に関する記述のうち、誤っているどれか。1つ選べ。", "choices": ["全身の炎症状態を伴っている。", "複合的な代謝障害が起こっている。", "筋肉量が減少している。", "パフォーマンス・ステータスが低下している。", "総エネルギー消費量が増加している。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nがん悪液質では、がんから放出されるタンパク質分解誘導因子により骨格筋分解が亢進する(筋肉量の減少)とともに炎症サイトカインの活性化により全身での炎症、インスリン抵抗性、脂質分解の亢進が認められる。2:正しい\n解説1参照\n3:正しい\n解説1参照\n4:正しい\nがん悪液質により生活の質が低下するため、パフォーマンス・ステータスは低下する。5:誤っている\nがん悪液質では、活動性を低下させ、総エネルギー消費量を低下させる。"} +{"problem_id": "106304", "problem_text": "17歳男性。2日前、体育の授業でバスケットボールをした際、左臀部の痛みを自覚した後に腫れも出現した。左臀部は硬く腫脹し、筋肉内出血が疑われた。受診時の血液検査結果は以下のとおりであった。(検査値) 赤血球数 375\\times 10^{4}/\\micro L、Hb 11.2g/dL、Ht 35%、白血球数 6,800/\\micro L、血小板数 38\\times 10^{4}/\\micro L、プロトロンビン時間11.0秒(基準値10〜14)、活性化部分トロンボプラスチン時間72.0 秒(基準対照32.2)、出血時間3分30秒(基準値1.0〜5.0分)、AST 62 IU/L、ALT 21 IU/L、LDH 350 IU/L、血清クレアチニン値 0.6 mg/dL、ADAMTS 13抗体陰性、フィブリノゲン・フィブリン分解産物3 ng/mL(基準値<5)本例にデスモプレシン注射液の投与を行ったところ、出血症状の改善が認められた。この患者で欠乏している血液凝固因子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["第VIII因子", "第IX因子", "第X因子", "フィブリノゲン", "フォン・ヴィレブランド因子"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "本症例では、筋肉内出血が認められることに加え、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が延長しており(内因系凝固因子に異常がある)、また、ADAMTS13抗体が陰性であること、デスモプレシン注射液の投与により出血症状の改善が認められていることから血友病Aであると推察される。血友病は、X連鎖劣性遺伝性疾患であり、男児に多く、身体の内部での出血が認められる。血友病には、第VIII因子の異常による血友病Aと第IX因子の異常による血友病Bに分類され、血友病Aの治療には、第VIII因子製剤、第VIII因子を放出させる作用を有するデスモプレシンが有効である。【参考】\nADAMTS13は、フォン・ヴィレブランド因子(vWF)切断酵素であり、本酵素による自己抗体が産生されると巨大なWFが出現し、血小板血栓が多発する血栓性血小板減少性紫斑病を誘発する。"} +{"problem_id": "106305", "problem_text": "欠乏している因子の定期補充療法が開始されることになった。両親と本人に対して、薬の説明や生活上注意すべき点を指導するよう、医師から薬剤師に依頼があった。患者への説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["2週間に1回、点滴投与するために外来通院が必要です。", "出血した際には、1分以内に薬を投与する必要があります。", "薬の効果が減弱した場合は、インヒビターとよばれる物質が原因です。", "皮下出血が懸念されるため、予防接種を受けることはできません。", "ヒト血液由来の製品を使用する場合は、感染症のリスクを完全に排除することができません。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n第VIII因子製剤は、患者または家族が適切な在宅自己注射教育を受けることにより、患者本人、家族による注射が可能であるため、定期補充療法のための外来通院は必要ない。2:誤\n出血した際に第VIII因子を投与する場合には、必要な第VIII因子レベルを維持するように投与間隔を調節する必要がある。3:正\n第VIII因子製剤を投与すると、抗第VIII因子抗体(インヒビター)が発生し、薬の効果が減弱することがある。4:誤\n血友病患者は、皮下出血を懸念して、予防接種を避ける必要はない。ただし、血液凝固因子の欠乏により深部出血(筋肉内出血)が認められるため、筋肉内出血には注意する必要がある。5:正\nヒト血液由来の製品を製造する際には、微生物の不活化、除去処理を��施し、感染症に対する安全対策を講じているが、感染症伝播のリスクを完全に排除することはできない。"} +{"problem_id": "106306", "problem_text": "60歳女性。10年前に2型糖尿病の診断を受けた後、インスリン補充療法による薬物治療を行っている。薬剤師が面談したところ、患者は毎月の支払費用を負担に感じていたとのことであった。そこで、医師にインスリン グラルギンのバイオ後続品に切り替えることで医療費軽減になることを提案し、医師はバイオ後続品への切り替えを認めた。薬剤師は、このバイオ後続品の添付文書等を確認した上で、患者に説明することになった。なお、併用薬はない。このバイオ後続品に切り替えるにあたり薬剤師が説明する内容として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["今まで使っていたお薬と比べて効果に変わりないことが確認されています。", "今まで使っていたお薬と比べて低血糖などの副作用は同様ですので、切り替えた後も同様に注意して生活してください。", "今まで使っていたお薬より安定性が悪いので、開封後も冷蔵庫で保管してください。", "今まで使っていたお薬と主成分と添加剤は全く同じです。", "今まで使っていたお薬と同じ製造販売業者のものです。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nバイオ後続品は、先行バイオ医薬品と同等/同質の有効性が確認された医薬品である。2:正\nバイオ後続品は、先行バイオ医薬品と同等/同質の有効性が確認された医薬品であり、先行バイオ医薬品と同様の副作用が発現することがあるため、切り替えた後も同様に低血糖に注意する必要がある。3:誤\nバイオ後続品は、先行バイオ医薬品と同等/同質の品質が確認された医薬品であり、バイオ後続品と先行バイオ医薬品の安定性は同様である。4:誤\nバイオ後続品と先行バイオ医薬品は、主成分と添加剤は全く同じものとは限らない。5:誤\n先行バイオ医薬品とバイオ後続品の製造販売業者は異なる。"} +{"problem_id": "106307", "problem_text": "このバイオ後続品は、先行バイオ医薬品の特許期間、再審査期間の終了後に開発されたものである。バイオ医薬品の場合、一般的な化学合成の医薬品とは特性が異なるため、バイオ後続品の製造販売承認申請に必要な資料は、通常の後発医薬品とは異なる。次のうち、後発医薬品の承認申請には不要であるが、バイオ後続品の承認申請に必要になる資料はどれか。1つ選べ。ただし、吸入粉末剤の後発医薬品は例外とする。", "choices": ["製造方法に関する資料", "費用対効果に関する資料", "生物学的同等性に関する資料", "臨床試験成績に関する資料", "添付文書等記載事項に関する資料"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n製造方法に関する資料は、通常、後発医薬品、バイオ後続品の承認申請に必要である。2:誤\n費用対効果に関する資料は、後発医薬品、バイオ後続品の承認申請に不要である。3:誤\n生物物学的同等性に関する資料は、後発医薬品の承認申請には必要だが、バイオ後続品の承認申請には不要である。4:正\n臨床試験成績に関する資料は、後発医薬品の承認申請には不要だが、バイオ後続品の承認申請に必要である。5:誤\n添付文書記載事項に関する資料は、後発医薬品、バイオ後続品の承認申請に必要である。"} +{"problem_id": "106308", "problem_text": "病院の医薬品情報室の薬剤師が医薬品医療機器情報配信サービス(PMDA メディナビ)より医薬品の安全性速報を受信した。薬剤師は、その情報をもとに院内での必要な対応を行うとともに、直ちに当該医薬品の使用患者及び使用状況を把握するため電子カルテより使用患者の抽出を行った。「安全性速報」に関する説明として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["MedDRA(Medical Dictionary for Regulatory Activities)とも呼ばれる医薬品安全性情報である。", "特に重要で緊急に伝達を必要とする副作用について、当該製造販売業者が作成する情報で、「イエローレター」とも呼ばれる。", "医薬品等の安全性に関する重要な情報であり、緊急安全性情報に準じ厚生労働省の指示等で、製造販売業者が作成する情報である。", "医薬品の使用によって、健康被害が生じた場合に、医療従事者が厚生労働大臣(情報の整理を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA���に行わせることとした場合には PMDA)に提出する情報である。", "PBRER(Periodic Benefit-Risk Evaluation Report)とも呼ばれる国際的な安全性評価情報である。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nMedDRA(Medical Dictionary for Regulatory Activities)は、医薬品規制調和国際会議において作成された医学用語集である。2:誤\n安全性速報は、ブルーレターとよばれる。なお、緊急安全性情報をイエローレターという。3:正\n安全性速報は、保健衛生上の危害発生・拡大の防止のため、緊急安全性情報に準じ厚生労働省の指示等で、製造販売業者が作成する情報である。4:誤\n医薬品の使用によって、健康被害が生じた場合に、医療従事者が厚生労働大臣(情報の整理を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に行わせることとした場合には PMDA)に提出する制度は、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度である。5:誤\nPBRER(Periodic Benefit-Risk Evaluation Report)は、定期的ベネフィット・リスク評価報告とよばれ、医薬品開発企業が、当該医薬品と同一成分を販売している各国の関連企業から安全性報告を収集、分析し、ベネフィット・リスク評価を行った結果をまとめた報告書である。"} +{"problem_id": "106309", "problem_text": "薬剤師が、この病院内で行う措置として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["当該医薬品を使用している患者名をホームページに公開して、注意喚起を促す。", "院内の職員へ安全性速報が発出されたことを周知する。", "緊急安全性情報ではないことから、使用上の注意の改訂情報が出されるまで周知を留保する。", "当該医薬品を使用している患者に、すぐに中止するよう連絡する。", "当該医薬品を使用している患者数を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "安全性速報は、注意の周知及び徹底、臨床検査の実施等の対応をとる必要があると判断された時に発出されるため、院内の職員へ安全性速報が発出されたことを周知する必要がある。"} +{"problem_id": "106310", "problem_text": "81歳男性。以前、ダラツムマブ(遺伝子組換え)の治験に参加していた。この医薬品の製造販売が承認され、薬価収載されるまでの期間に限り、無償提供プログラムがあることを知り、参加することになった。なお、この医薬品の治験では症例数が限られていたことから、製造販売業者が作成した医薬品リスク管理計画(RMP)には、全例を対象にした特定使用成績調査の実施と安全性検討事項としてInfusion reaction、骨髄抑制、感染症が設定されていた。本剤投与によって起こりうる副作用を軽減するための処置として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Infusion reactionを軽減させるために、本剤投与前に副腎皮質ホルモンを投与する。", "遅延性のInfusion reactionを軽減させるために、本剤投与後に抗ヒスタミン薬を投与する。", "骨髄抑制のためにABO式血液型の検査を定期的に行う。", "慢性閉塞性肺疾患もしくは気管支ぜん息のある患者には、投与後処置として気管支拡張薬及び吸入ステロイド薬の投与を検討する。", "A型肝炎ウイルスの再活性化を防ぐために肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行う。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n抗体製剤(ダラツムマブ(遺伝子組換え)など)によるInfusion reactionを予防する目的で、抗体製剤を投与する前に副腎皮質ホルモン、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン薬を投与する。2:誤\n遅発性のInfusion reactionを軽減させるために、抗体製剤投与後に副腎皮質ホルモンを投与する。3:誤\n骨髄抑制が発現していないか確認する目的で、血液検査により白血球数、血小板数の確認を行う。4:正\nダラツムマブ投与により、気管支けいれんが起こることがあるため、特に慢性閉鎖性肺疾患、気管支ぜん息のある患者には、投与後処置として気管支拡張薬及び吸入ステロイド薬の投与を検討する。5:誤\n抗体製剤投与によりB型肝炎ウイルスが再活性化することがあるため、B型肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行う。"} +{"problem_id": "106311", "problem_text": "我が国の医療保険制度では、保険で認められている診療に加えて、薬価基準に収載されていない医薬品を使用すると、いわゆる混合診療となり、すべての医療が保��対象外となるのが原則である。しかし、この無償提供プログラムに参加した患者の場合、ダラツムマブの薬剤料以外の医療費については保険外併用療養費制度によって保険給付の対象になる。この無償提供プログラムは、次のどれに該当するか。1つ選べ。", "choices": ["評価療養", "患者申出療養", "選定療養", "未承認薬療養", "適応外療養"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "◉保険外併用療養費\n評価療養、選定療養又は患者申出療養を含む医療については、要する費用のうち、選定療養、評価療養又は患者申出療養の部分は患者の自己負担とし、基礎的な部分は保険給付を行う。・評価療養\n①先進医療(高度医療を含む)\n②医薬品・医療機器の治験に係る診療\n③製造販売承認後で薬価基準収載前の医薬品・医療機器の使用\n④医薬品・医療機器の適応外使用\n・選定療養\n①特別の療養環境 ②歯科の金合金等\n③金属床総義歯 ④予約診療\n⑤時間外診療 ⑥大病院の初診\n⑦180日以上の入院 ⑧小児う蝕の指導管理\n・患者申出療養\n高度の医療技術を用いた療養であり、患者の申出に基づき、臨床研究中核病院等から申請され、国が承認した医療行為"} +{"problem_id": "106312", "problem_text": "34歳女性(患者A)。閉経前早期乳がんの患者。部分切除術後の迅速病理診断の結果によりエストロゲン受容体が陽性、プロゲステロン受容体が陰性、HER2が陰性であった。タモキシフェンクエン酸塩の処方を検討しているため、医師から薬剤師に、患者に対する薬剤の情報提供依頼があった。薬剤師と患者Aの以下の会話において、治療に対する患者の葛藤を要約している薬剤師のコミュニケーションはどれか。1つ選べ。薬剤師: ①医師からはどの様な説明がありましたか? 患者A: 手術後の抗がん剤治療について薬剤師さんから説明を聞いてと言われました。薬剤師: ②抗がん剤治療についてどの様にお考えですか? 患者A: 抗がん剤の副作用は怖いと聞いているので心配です。薬剤師: ③副作用が心配なんですね。患者A: はい。実はそろそろ子どもが欲しいと思っていたので・・・この治療を受けて妊娠に影響がないのか心配です。薬剤師: ④この治療が妊娠にどのような影響があるのか心配なんですね。患者A: はい。でも、もし治療をしないで再発したら家族にも迷惑をかけるので悩んでいます・・・。薬剤師: ⑤妊娠への影響も心配だけれど治療をしないで再発するのも困る、と悩まれているんですね。患者A: そうなんです。このお薬で大丈夫でしょうか?", "choices": ["①", "②", "③", "④", "⑤"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "⑤の会話の中に患者が心配している内容(妊娠への影響)と困っている内容(治療しないで再発したら家族に迷惑をかける、再発したら困る)が含まれていることから、患者の葛藤を要約していると読み取ることができる。"} +{"problem_id": "106313", "problem_text": "薬剤師と患者Aの以下の会話において、薬物治療に関する説明として誤っているのはどれか。1つ選べ。薬剤師: ⑥タモキシフェンはAさんの症状に合った治療薬だと思います。患者A: このお薬はいつまで続けなくてはいけないのですか。薬剤師: ⑦タモキシフェンは再発予防として5年程度飲むことになります。患者A: そんなに長く飲むのですね。その間は妊娠できないのでしょうか。薬剤師: ⑧胎児に影響がでる可能性があるので、妊娠を希望される場合はタモキシフェンの内服を中止して1ヶ月以上空けてからになります。患者A: そうですか・・・。他の抗がん剤はどうなのでしょうか?\n薬剤師: ⑨再発予防にはシクロホスファミドというお薬もありますが、無月経になることがあります。患者A: だから私にはタモキシフェンが合っているということですね。薬剤師: ⑩そうですね。妊娠時期については生殖補助技術もありますので、ご家族とご相談くださいね。患者A: はい、よくわかりました。家族ともよく相談してみます。", "choices": ["⑥", "⑦", "⑧", "⑨", "⑩"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n閉経前早期乳がん、エストロゲン受容体が陽性、プロゲステロン受容体が陰性、HER2が陰性であることから、治療法としてタモキシフェンクエン酸塩によるホルモン療法を行うことは適切である。"} +{"problem_id": "106314", "problem_text": "病院に勤務する薬剤師が参画して、医薬品医療機器等法に基づく承認申請を目的とはしないが、製薬企業から資金提供を受けて、向精神薬の有効性・安全性を確認する介入試験を実施することになった。製薬企業から経済的支援を受けていた場合、科学的に問題のある研究を行うのではないか、という「疑い」が生じる可能性がある。この介入試験において、研究者である薬剤師が遵守すべき関連法令や指針に関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["製造販売後調査に該当するので、GPSP省令に基づき実施する。", "一般の医療に該当するので、遵守すべき関連法令や指針はない。", "特定臨床研究に該当するので、臨床研究法に基づき実施する。", "治験に該当するので、GCP省令に基づき実施する。", "人を対象とする医学系研究に該当するので、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に基づき実施する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "特定臨床研究とは、臨床研究のうち、未承認・適応外の医薬品等の臨床研究、医薬品等製造販売業者等から研究資金等の提供を受けて実施する臨床研究等であり、本問では、「製薬企業から資金提供を受けて、向精神薬の有効性・安全性を確認する介入試験を実施する」となっていることから、特定臨床研究に該当するので、臨床研究法に基づき実施する必要がある。"} +{"problem_id": "106315", "problem_text": "この研究に参画した薬剤師が、研究の信頼性を確保するため行う対応として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["利益相反(Conflict of Interest)を開示する。", "知的財産権(特許権など)を取得する。", "複数の企業より公平に資金提供を受ける。", "産学連携研究は可能な限り実施しない。", "研究成果の公表は行わない。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "製薬企業から資金提供を受けて研究をするにあたり、研究の信頼性を確保するため行う対応として利益相反を開示することが有効である。利益相反とは、科学的客観性の確保や患者ないし被験者の利益を保護するという研究者や研究機関の責任に、不当な影響を与え、重大なリスクを生じるような利害の対立状況のことである。例えば、臨床研究を実施する者が製薬企業から資金提供を受けた場合、その臨床試験の結果が製薬企業にとって有利あるいは不利になる可能性がある場合、公正であるべき研究結果の判断に影響をもたらしかねないと第三者から見て懸念される状況のことである。"} +{"problem_id": "106316", "problem_text": "新人薬剤師の導入研修で、以下の処方を題材として提示した。患者は、2歳女児。体重12kg。各成分の添付文書等による1回の適正使用量(成分量)は【表1】のとおりとする。問 316(実務) 用量が適切でないため疑義照会すべき薬剤はどれか。2つ選べ。", "choices": ["テオフィリンドライシロップ20%", "クラリスロマイシンドライシロップ10%", "耐性乳酸菌製剤散100%", "カルボシステインドライシロップ50%", "クレマスチンドライシロップ0.1%"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:疑義照会すべき\nテオフィリンドライシロップ20%(200mg/g)が1回量0.90g(180mg)が処方されている。本患者は体重12kgであり、【表1】よりテオフィリンドライシロップ20%の1回量は0.24g(48mg)が適量であるため、疑義照会すべきである。2:疑義照会不要\nクラリスロマイシンドライシロップ10%(100mg/g)が1回量0.60g(60mg)が処方されている。本患者は体重12kgであり、【表1】よりクラリスロマイシンドライシロップ10%の1回量0.60g(60mg)が適量であるため、疑義照会は不要である。3:疑義照会不要\n耐性乳酸菌製剤散100%(1000mg/g)が1回量0.28g(280mg)が処方されている。本患者は体重12kgであり、【表1】より耐性乳酸菌製剤散100%の1回量0.276g(276mg)が適量であるため、疑義照会は不要である。4:疑義照会不要\nカルボシステインドライシロップ50%(500mg/g)が1回量0.24g(120mg)が処方されている。本患者は体重12kgであり、【表1】よりカルボシステインドライシロップ50%の1回量0.24g(120mg)が適量であるため、疑義照会は不要である。5:疑義照会すべき\nクレマスチンドライシロップ0.1%(1mg/g)が1回量0.90g(0.9mg)が処方されている。本患者は体重12kgであり、【表1】よりクレマス��ンドライシロップ0.1%の1回量0.192g(192\\micro g=0.192mg)が適量であるため、疑義照会すべきである。"} +{"problem_id": "106317", "problem_text": "この処方どおりに薬剤を提供した後に疑義に気が付き、医師に照会した結果、用量が適切ではないことが判明した場合、薬剤師がとるべき対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患児の家族に連絡して、次回の診察までは薬をこのまま服用させるよう指導する。", "他にも同様の事例がないか薬局内で確認する。", "事例に関して、事実を経時的に整理して記録する。", "再発防止のため、指針の見直しや従事者が行う対策を検討する。", "公益財団法人日本医療機能評価機構に、ヒヤリ・ハット事例として報告を行う。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "薬剤を提供した後に疑義に気が付いた場合には、迅速に処方医に疑義照会を行い、処方内容に変更があった場合には、患者に連絡し薬剤を変更するなど適切な対応を行う。"} +{"problem_id": "106318", "problem_text": "75歳男性。1年前から、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症と不眠症のため、近医を受診し、前回同様の以下の薬剤が処方された。患者のお薬手帳には、3日前に初めて受診した別の泌尿器科から処方された薬が記載されていた。薬剤師が患者の家族に確認をしたところ、一昨日から、特に午前中にぼんやりしていることが多く、最近は物忘れが目立つため、認知症を発症したのではないかと心配していた。この患者に薬剤師が行った対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["睡眠薬の副作用の可能性もあるため、今回の処方について医師に確認を行った。", "服用している薬剤が多くなってきたため、医療機関ごとにお薬手帳を分けるように患者に指示した。", "睡眠薬などを自己調整して服薬していないか患者に確認した。", "かかりつけ薬剤師の制度を説明し、かかりつけ薬剤師のいる薬局で全て調剤してもらうように勧めた。", "認知症の可能性も否定できないため、専門医へ行くように勧めた。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "お薬手帳は、患者自ら携行し、受診している医療機関で処方されている薬の内容を経時的に記録することで薬の重複投与、相互作用、副作用などを回避するために役立てることができるツールとして有用である。お薬手帳を有効活用するためには、お薬手帳を医療機関ごとで分けず、一元管理する必要がある。"} +{"problem_id": "106319", "problem_text": "この患者に対し、調剤を行うにあたり薬剤師が行った対応のうち、薬剤師法に基づいて処方箋に記入しなければならないとされているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["疑義照会に対する処方医の回答内容", "お薬手帳に関する指導の内容", "患者の家族から聞き取りをした内容", "かかりつけ薬剤師に関する説明内容", "患者に行った受診勧奨の内容"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "◉薬剤師が調剤を行った際に、薬剤師法に基づいて処方箋に記載しなければならない事項\n①調剤済みの旨:②調剤量(調剤済みとならなかったとき):③調剤年月日\n④調剤した薬局等の名称・所在地:\n⑤医師等の同意を得て処方箋に記載された医薬品を変更して調剤した場合には、その変更の内容\n⑥医師等に疑わしい点を確かめた場合には、その回答の内容"} +{"problem_id": "106320", "problem_text": "薬局において、以下の「かぜ薬4-②」(薬局製造販売医薬品)を販売した。その翌日、購入者から、10歳の息子が今朝この薬を服用して30分後くらいから呼吸が苦しくなり意識が薄らいできたとの電話相談があった。購入者は、購入後初めてこの医薬品を使用したとのことであった。なお、この医薬品の製造後、最初に販売したのがこの購入者であり、他の購入者はいなかった。問 320(実務) 薬剤師の対応として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["健康被害の状況を確認し、緊急の場合には受診等するように指示した。", "大人の1/2の量で服用したか確認した。", "患者とのやり取りを記録に残した。", "各成分の投入量に間違いがなかったか当該ロットの製造記録の確認を行った。", "当該製品の含有成分には呼吸抑制を起こす薬剤はないと判断した。"], "text_only": false, "answer": ["解なし"], "comment": "現在、コデイ���類含有製剤は、12歳未満の小児には投与禁忌となっているため、設問に記載された用法・用量で「かぜ薬4-②」は使用されていない。"} +{"problem_id": "106321", "problem_text": "その後、販売したこの医薬品について調査を行ったところ、一部の成分の投入量を誤って製造していたことが判明したため、薬剤師は薬局の製造物責任の検討を行った。製造物責任に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["この医薬品は、製造物責任法における「製造物」に該当しうる。", "この医薬品の成分投入量が正しければ、添付文書等に不備があっても、製造物責任法における「欠陥」には該当しない。", "購入者は、製造物責任に基づく損害賠償請求を行う場合、医薬品の「欠陥」の他に薬局の「過失」を立証する必要がある。", "医薬品については、製造物責任法における「欠陥」は、最高の科学水準で求められる安全性を欠いていることをいう。", "身体に損害があった場合の製造物責任に基づく損害賠償請求には、消滅時効はない。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nかぜ④-2は、薬局製造販売医薬品であり、製造物責任(PL)法における製造物に該当する。2:この医薬品の成分投入量が正しくても、添付文書等に不備があれば、指示・警告上の欠陥となり、PL法における「欠陥」に該当する。3:誤\n製造物に欠陥が存在すること、損失が発生したこと、欠陥と損害の間に因果関係があることが立証できれば、製造物責任に基づく損害賠償を請求することができる。4:誤\nPL法における「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。5:損害賠償を請求する権利には、時効が設けられている。人の生命又は身体を侵害した場合は、損害及び賠償義務者を知った時から「5年」とされている。"} +{"problem_id": "106322", "problem_text": "58歳男性。不眠のため心療内科を受診し、以下の処方箋を持って保険薬局を訪れた。薬剤師がゾルピデム錠の添付文書を確認したところ、ゾルピデム錠は向精神薬であり、医療保険制度上、30日の処方日数の上限があることが判明した。今回のゾルピデム錠の処方に関し、薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["60日処方可能な睡眠薬に変更できないか疑義照会した。", "医師に疑義照会せずそのまま調剤した。", "30日分に処方変更するよう疑義照会した。", "分割調剤して30日分だけ交付した。", "30日分の処方箋を2枚発行するよう医師に依頼した。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "ゾルピデム錠は投与日数の上限が30日であり、60日分調剤することはできない。本剤が60日分処方された場合には、投与日数の上限がない薬剤に変更する、または、疑義照会して投与日数を30日に変更してもらう必要がある。"} +{"problem_id": "106323", "problem_text": "我が国の医療保険制度において、向精神薬以外にも、長期投与に注意を要するために、処方日数の上限が設けられている医薬品はどれか。2つ選べ。", "choices": ["麻薬", "特定生物由来製品", "放射性医薬品", "毒薬・劇薬に指定されている医薬品", "薬価基準収載の翌月の初日から1年未満の新医薬品"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "処方日数に上限が設けられている医薬品には、麻薬(14日、30日制限)、向精神薬(14日、30日、90日制限)、薬価基準収載の翌月の初日から1年未満の新医薬品(14日制限)がある。"} +{"problem_id": "106324", "problem_text": "震度7の地震が発生した。避難所では、臨時の診療所が開設されており、薬剤師が災害救助要員として参加した。この地域では、吐き気や咽頭痛の症状と共に微熱や悪寒がみられるというウイルス感染症が流行し始めていた。この感染症について、避難者の間ではSNS(Social Networking Service)などで、不正確な感染対策の噂が広まっていた。避難者から「感染対策について色々な噂を聞いて不安になった」と相談を受けた薬剤師の対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["現時点で判明していること、していないことを整理して伝えた。", "薬剤師は法的に薬に関する相談以外には答えることはできないと伝えた。", "避難者が聞いた噂や不安になった理由について傾聴した。", "避難者が不安になった理由について他職種と共有した。", "これからも不安なことがあれば遠慮なく相談して欲しいと伝えた。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "106325", "problem_text": "その後、このウイルスはノロウイルスであることが判明した。この薬剤師の感染対策に関する対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グルタラールでうがいを励行するよう指示した。", "クロルヘキシジングルコン酸塩はノロウイルスの消毒には有効ではないと説明した。", "メタノールで手指の消毒をするよう指示した。", "床に嘔吐物が付着した場合は、塩素系漂白剤を使用して消毒するよう指示した。", "石鹸とベンザルコニウム塩化物の配合液が消毒に有効であると説明した。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nグルタラールは人体に使用できない。2:正\nクロルヘキシジングルコン酸塩は、低水準消毒薬であり、エンベローブのないノロウイルスには無効である。3:誤\nメタノールは、皮膚からの吸収、吸入、誤飲により有害性(吐き気、めまい、意識障害、失明など)を示すため、手指消毒に使用できない。4:正\nノロウイルス感染者が吐き出した物が床に付着した場合、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム含有)を使用して消毒することが有効である。5:誤\n石鹸(陰イオン性界面活性剤)とベンザルコニウム塩化物(陽イオン性界面活性剤)を配合すると、ベンザルコニウム塩化物による殺菌力が低下する。"} +{"problem_id": "106326", "problem_text": "次の薬物とその薬物が用いられる疾患又は治療の組合せのうち、用量調節に際して血中濃度を測定することが推奨されているのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n関節リウマチの治療にメトトレキサートを用いる場合、血中濃度測定は不要である。なお、悪性腫瘍(急性白血病等)の治療にメトトレキサートを用いる場合、血中濃度を測定することが推奨されている。2:正\n双極性障害(躁うつ病)の治療に炭酸リチウムを用いる場合、血中濃度を測定することが推奨されている。なお、一般的な有効血中濃度は0.3〜1.2mEq/Lである。3:誤\nクロストリジウム・ディフィシル腸炎の治療にバンコマイシンを経口投与で用いる場合、血中濃度測定は不要である。なお、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症等の治療にバンコマイシン(注射剤)を用いる場合、血中濃度を測定することが推奨されている。4:正\n臓器移植(心臓移植等)の治療にエベロニムスを用いる場合、血中濃度を測定することが推奨されている。5:誤\nMRSAの治療にダプトマイシンを用いる場合、血中濃度測定は不要である。"} +{"problem_id": "106327", "problem_text": "院内医療チームとそのチームにおける薬剤師の役割の組合せのうち、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n手術手技に関するインシデントレポートの評価は、医療安全管理者が行う。2:誤\n血液培養検体採取方法の指導は、臨床検査技師が行う。3:誤\n運動療法の指導と血糖値モニタリングは、医師、看護師が行う。4:正\n5:誤\n脳死患者家族に対する臓器提供の説明と同意取得は医師が行う。"} +{"problem_id": "106328", "problem_text": "電解質輸液の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["生理食塩液と5%ブドウ糖注射液の1: 1の混合液は開始液(1号液)に分類される。", "脱水補給液(2号液)はK^{+}を含み、細胞内液と細胞外液の両方に水補給できる。", "維持液(3号液)は、Na^{+}、Cl^{-}、K^{+}、Lactate^{-}を含む等張電解質液である。", "術後回復液(4号液)は電解質濃度が低く、細胞内への水補給が期待できない。", "リンゲル液は、Na^{+}、Cl^{-}、Ca^{2+}、K^{+}を含む低張電解質液である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n生理食塩液と5%ブドウ糖注射液の1: 1の混合液には、K^{+}が含まれておらず、輸液全体の半分が生理食塩液であることから、開始液(1号液)に分類される。開始液(1号液)は低張性電解質輸液であり、K^{+}が含まれていない。2:正\n脱水補給液(2号液)は、低張��電解質輸液であり、細胞内液と細胞外液の両方を補給できる。なお、脱水補給液(2号液) にはK^{+}が含まれている。3:誤\n維持液(3号液)は、Na^{+}、Cl^{-}、K^{+}、Lactate^{-}を含む低張性電解質輸液である。4:誤\n術後回復液(4号液)は、低張性電解質輸液であり、細胞内液と細胞外液の両方を補給できる。5:誤\nリンゲル液は、Na^{+}、Cl^{-}、Ca^{2+}、K^{+}を含む等張性電解質輸液である。"} +{"problem_id": "106329", "problem_text": "特にリスクの高い薬物とその注意点又は特徴の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nトファシチニブクエン酸塩は、既存治療で効果不十分な関節リウマチ、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)に使用される。2:正\nカペシタビンは、副作用として手足症候群を起こすとの報告があるため、防止対策としての保湿指導(ヘパリン類似物質含有軟膏や白色ワセリン使用による保湿など)が必要である。3:誤\nメトホルミンは、1型糖尿病に使用されることはない。4:誤\nアルテプラーゼは、虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)、急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)に使用される。5:正\nオキサリプラチンは、副作用として末梢神経障害を起こすとの報告があるため、末梢神経障害の予防のために寒冷刺激を避ける必要がある。"} +{"problem_id": "106330", "problem_text": "32歳男性。双極性障害の患者。調剤薬の交付時には、いつも妻が横に付き添っている状況であった。今回、衝動コントロールが効かない状態になることがあり、次回の予約診察日より前に受診し、以下の処方が追加された。服薬指導の内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["口腔粘膜からの吸収による効果が期待できる。", "予めブリスターシートから取り出して保管する。", "口腔内の速溶により吐き出し防止が期待できる。", "服用時は空腹を避ける。", "緊急に服用する場合はブリスターシートの上から押し出してもよい。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n口腔内崩壊錠は、口腔内で崩壊後、唾液、水で飲み込むことにより主薬が小腸で吸収され効果を発揮する製剤である。2:誤\n本剤は吸湿しやすいため、ブリスター包装のまま保存する必要がある。3:正\n衝動コントロールが効かない状態にある双極性障害患者に対して、介護者が薬剤を服用させると、薬剤を吐き出すなど服用拒否することがある。本剤は口腔内で速やかに溶解するため、薬剤吐き出しなどの防止が期待できる。4:誤\n本剤は空腹時でも服用することが可能である。5:誤\nザイディス錠は錠剤に比べてやわらかいため、ブリスターシートを剥がさずに押し出そうとすると割れることがあるため、裏面シートを剥がした後、ゆっくりと指の腹で押し出して取り出す必要がある。"} +{"problem_id": "106331", "problem_text": "フルオロウラシル(5-FU)のバイアル製剤(1,000mg、20mL)から、5-FUを600mg採取する際、薬液採取の手技として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["50mLのルアーロックタイプのシリンジを準備する。", "バイアルに注射針を刺す前に、予めシリンジ内に10mL程度のエアを入れておく。", "バイアルに注射針を刺し、シリンジに入れておいたエアを注入する。", "5-FUの必要量は、図Aのようにシリンジ内の目盛りで計量する。", "バイアルからシリンジを抜く場合には、図Bのようにバイアル内のエアを吸引してから抜き取る。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nフルオロウラシルのバイアル製剤(1,000mg、20mL)から、5-FUを600mg採取する際、薬液を12mL採取する必要がある。このことから、秤量する薬剤の総量を超えた最小の規格である20mLのシリンジを準備する。また、5-FUは細胞毒性があるため、調製者の暴露を防止する目的で、安全性の高いルアーロック式のシリンジを使用することが望ましい。2:正\nバイアルに注射針を刺す前に、あらかじめシリンジ内に適量のエアを入れておくと、作業効率が良くなることに加え、調製する際に発生する抗悪性腫瘍薬を含む空気による被曝を回避することが可能となる。今回は、薬液を12mL採取するた��、予めシリンジ内に10mL程度のエアを入れておく必要がある。3:誤\nバイアル内にエアを注入することで陽圧となり、細胞毒性を示す薬液が飛び散る可能性がある。4:誤\n5-FUの必要量は、図Aのようにシリンジ内の目盛りで計量せず、空気を抜いた状態で計量する。5:正\nバイアルからシリンジを抜く場合、バイアル内のエアを吸引してから抜き取ると被曝を回避することができる。"} +{"problem_id": "106332", "problem_text": "63歳男性。体重60kg。症候性の急性低ナトリウム血症(血清ナトリウム濃度108mEq/L)のため、医師より3%高張食塩水により一定時間内に血清ナトリウム濃度を120mEq/Lまで上昇させる必要があると判断された。3%高張食塩水の必要量(mL)に最も近い値はどれか。1つ選べ。なお、ナトリウムの必要量の計算において、以下の関係式が成り立つとする。式: Na必要量(mEq)=(目標血清Na濃度-現在の血清Na濃度)\\times 体内水分量(L) ここで、濃度の単位はmEq/Lである。また、体内水分量は体重の60%、3%高張食塩水のナトリウム濃度は0.513mEq/mLとする。", "choices": ["400", "550", "700", "850", "1,000", "1,150"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "①: Na必要量(mEq)を求める\nNa必要量(mEq)=(120mEq/L-108mEq/L)\\times 60kg\\times 0.6=432 mEq\n②: 3%高張食塩水の必要量(mL)を求める\n432 mEq/0.513mEq/mL=842mL"} +{"problem_id": "106333", "problem_text": "フェンタニルクエン酸塩注射液を投与開始から10分後、担当医が別の患者に誤って投与されていることに気づき、すぐに投与を中止した。その後、麻薬管理者がこの麻薬の誤投与に対して行う届出に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["麻薬廃棄届を届け出る。", "所有麻薬届を届け出る。", "麻薬事故届を届け出る。", "調剤済麻薬廃棄届を届け出る。", "届出は必要ない。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "麻薬の事故は、「滅失」、「盗取」、「所在不明」、「その他の事故」に分類される。本症例のように誤って麻薬を患者に投与してしまった場合は、「その他の事故」に該当するため、麻薬事故届を届け出る必要がある。"} +{"problem_id": "106334", "problem_text": "72歳男性。体重60kg、身長165cm。薬局に処方箋を持参した。患者から力が入りにくくなったとの訴えがあったため、対応した薬剤師は血液検査のデータを確認した。検査値: 赤血球数350\\times 10^{4}/\\microL、Hb13.5g/dL、白血球数4,200/\\microL、血小板数150\\times 10^{4}/\\microL、HbA1c5.6%(NGSP値)、Scr1.4mg/dL、eGFR42.6mL/min/1.73m^{2}、ALT42IU/L、AST30IU/L、ALP100IU/L、T-Bil0.5mg/dL 疑義照会すべき内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血清マグネシウム値の確認", "ファモチジン塩酸塩錠の減量", "プレガバリンカプセルの減量", "シタグリプチンリン酸塩錠の減量", "バルサルタン錠の減量"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "本患者はeGFR42.6mL/min/1.73m^{2}であり、腎機能が低下している。また、力が入りにくくなったとの訴えがあることから、筋力低下が現れている可能性がある。また、Cockcroft-Gault式を用いてクレアチニンクリアランスを算出すると約40mL/minである。●Cockcroft-Gault式を用いたクレアチニンクリアランスの算出\n(140-年齢)\\times 体重/(72\\times 血清クレアチニン値)\n(140-72)\\times 60/(72\\times 1.4)\\fallingdotseq 40.5\n1:正\n酸化マグネシウムは、通常成人に1日2gを3回に分割経口投与するか、または就寝前に1回投与するとされている。本患者に対して、酸化マグネシウムが1日3gを3回分割投与で処方されている(通常量よりも多く処方されている)とともに、腎機能低下によりマグネシウムの排泄が低下している可能性があるため、血清マグネシウム値を確認する必要がある。なお、高マグネシウム血症では、悪心・嘔吐、徐脈、口渇、血圧低下、筋力低下、傾眠などの症状が認められる。2:誤\nファモジチンは腎機能に応じて用量調節する必要がある。本患者はクレアチニンクリアランスが約40mL/minであり、処方されている量が用量範囲内であるため、減量する必要はない。3:正\nプレガバリンは腎機能に応じて用量調節する必要がある。本患者はクレアチニンクリアランスが約40mL/minであり、最高投与量で処方されており、副作用である脱力感が現れている可能性があるため、減量を検討する必要がある。4:誤\nシタグリプチンは腎機能に応じて用量調節する必要がある。本患者はクレアチニンクリアランスが約40mL/minであり、処方されている量が用量範囲内であるため、減量する必要はない。5:誤\nバルサルタンは、重篤な腎機能障害(血清クレアチニン値が3.0mg/dL以上)の場合、投与量を減らすなど慎重に投与することとされている。本患者はScr1.4mg/dLであり、処方されている量が用量範囲内であるため、減量する必要はない。"} +{"problem_id": "106335", "problem_text": "調剤については人が関与する限りミスを避けることができない。その原因を分析し、対策を講じることで、発生を減らさなければならない。調剤ミスを防止するための取組について、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医薬品は、薬効順に配置し、他規格や類似名称の薬剤は棚位置を離す。", "間違いを起こしやすい薬剤については、名称類似薬剤を後発医薬品に変更するなどして、できるだけ薬局内に置かないようにする。", "医薬品に表示されているバーコードを利用して、医薬品の取り違えを防止する。", "薬品棚の医薬品名の表示については、色・目印・線等の使用を避ける。", "散剤を装置びんに充填する時には、二人の薬剤師が装置びんのラベルと包装容器のラベルを照合し、確認後に充填する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "医薬品を鑑別しやすいように、医薬品棚に医薬品名を表示する際には、色・目印・線等を積極的に用いることで調剤ミスを防止することができる。"} +{"problem_id": "106336", "problem_text": "成人になって気管支ぜん息を再発した患者に対して、フルチカゾンプロピオン酸エステルドライパウダーインヘラーによる治療が、1年前に開始された。医師による診察前の薬剤師外来で、「ぜん息症状のコントロールはできているが、しゃがれ声がだんだんひどくなってきた。」と相談を受けた。吸入後のうがいはしっかりとできていることから、副作用軽減のために、医師に処方変更を提案することになった。提案する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["プレドニゾロン錠", "プロカテロール塩酸塩水和物錠", "ツロブテロール経皮吸収型テープ", "チオトロピウム臭化物水和物吸入用カプセル", "フルチカゾンプロピオン酸エステルエアゾール吸入用"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "患者が「しゃがれ声がだんだんひどくなってきた。」と相談してきていることから、副腎皮質ステロイド吸入剤の副作用である嗄声が起こっていると推察される。うがいがしっかりできていることや、ぜん息コントロールが良好であることから、薬剤の変更をせず、吸入デバイスの変更を提案することが適切であると考えられる。なお、吸入ステロイド剤の気道から肺への到達度は粒子径に大きく影響され、吸入粉末剤に比べてエアゾール剤は粒子径が小さく末梢気道まで到達しやすい。そのため、本症例ではフルチカゾンプロピオン酸エステルドライパウダーインヘラーをフルチカゾンプロピオン酸エステルエアゾール吸入用に変更するよう提案する。"} +{"problem_id": "106337", "problem_text": "眼瞼痙れんの診断によりA型ボツリヌス毒素製剤の治療が開始となった。そこで、使用経験のある薬剤師が未経験の薬剤師に、その薬剤調製時の注意事項について指導することになった。本剤の取扱いについて、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["溶解前は常温に保存する。", "保存剤を含んでいないが、溶解後3日以降も使用できる。", "溶解後の保存は冷凍を避ける。", "残った薬液は、次亜塩素酸ナトリウム溶液を加えて失活させる。", "溶解時に激しく攪拌し、泡立てると効果が増強するので避ける。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n本剤は5^{\\circ} C以下で保存する必要がある。2:誤\n本剤には保存剤が含まれていないので、調整後は速やかに使用する。3:正\n調整後は凍結させない。4:正\n残った薬液は、0.5%次亜塩素酸ナトリウムを加えて失活させた後、密閉可能な廃棄袋または箱に廃棄する。5:誤\n溶解時には、変性する(効果が減弱する)ため、泡立ちや激しい攪拌を避ける。"} +{"problem_id": "106338", "problem_text": "75歳男性。PS1、HER2陰性、切除不能進行・再発胃がんに対して一次治療としてカ���シタビン+シスプラチン併用療法を施行するも無効であった。二次治療としてイリノテカン単独の化学療法を行うことになった。外来化学療法を受ける患者に対する薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["本剤単独療法の期待される効果について説明を行った。", "薬物の溶解液に高濃度のエタノールが含まれているので車の運転は控えることを指導した。", "UDP-グルクロン酸転移酵素の遺伝子多型により腎機能障害の発現に違いがあることを説明した。", "本剤単独療法では遅発性副作用のみ報告されているため、副作用の詳細について化学療法施行後に説明した。", "本剤単独療法の重篤な副作用は下痢と骨髄抑制の報告が多いことを説明した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n2:誤\nイリノテカンの点滴静注用製剤には、エタノールは含まれていない。3:誤\nUDP-グルクロン酸転移酵素の遺伝子多型によりUGT1A1の低下した患者では、SN-38(イリノテカンの活性代謝物)の代謝が遅延することにより、重篤な副作用(特に好中球減少)発現の可能性が高くなることが報告されている。4:誤\nイリノテカンは副作用として早発型の下痢(コリン作動性の下痢)と遅発型の下痢(SN-38による腸管傷害による下痢)を起こすことがある。5:正"} +{"problem_id": "106339", "problem_text": "78歳男性。てんかん発作の予防のために以下の処方による治療を受けていた。最近、嚥下能が低下してきたことから、デパケンシロップ^{(注2}^{)}5%を1日3回服用する処方へ変更することになった。シロップ剤の1回量を、賦形剤を加えて最小の整数mLにする場合、14日分の賦形剤の量(mL)として最も適切なのはどれか。1つ選べ。なお、製剤間でバイオアベイラビリティは同等であるとする。", "choices": ["9.4", "14", "28", "112", "224", "252"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "① 服用中の1日当たりのバルプロ酸ナトリウムの量を求める\n200mg/錠\\times 4錠/日=800mg/日\n② 1日当たりのシロップ剤の量を求める\n800mg/日/50mg/mL=16mL\n③ 賦形剤の必要量を求める\n1回量を最小の整数mLにするためには、シロップの全量を18mLにする必要があるため、1日当たり2mL賦形剤を入れる必要がある。このことから、14日分の賦形剤の量は2mL/日\\times 14日=28mLとなる。"} +{"problem_id": "106340", "problem_text": "52歳男性。急性腎不全で入院しており、重症のため高カロリー輸液療法を実施することになった。ブドウ糖含有率50%の基本液1,000mL、脂肪乳剤(ダイズ油20%)200mL、10%総合アミノ酸輸液500mL、高カロリー輸液用微量元素製剤2mL、総合ビタミン製剤5mLを投与する場合の非タンパク質性カロリー(kcal) /窒素(g)比(NPC/N比)はいくらか。1つ選べ。ただし、アミノ酸の窒素含有率を16%、脂肪乳剤200mLのエネルギーは400kcalとする。", "choices": ["175", "200", "300", "325", "400"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "①: 非タンパク質性カロリーを求める\nブドウ糖によるカロリー=1000mL\\times 0.50 g/1mL\\times 4 kcal /g=2000kcal\n脂肪乳剤によるカロリー=400kcal\n非タンパク質性カロリー=2000kcal+400kcal=2400kcal\n②: アミノ酸輸液に含まれる窒素の量を求める\nアミノ酸輸液に含まれる窒素の量=500mL\\times 0.10 g/1mL\\times 0.16=8g\n③: NPC/N比を求める\n2400kcal/8g=300"} +{"problem_id": "106341", "problem_text": "73歳男性。身長168cm、体重51kg。食欲不振、不眠、軟便の訴えがあった。本日患者宅を訪問し、フィジカルアセスメントを実施した。四肢は温かく、明らかな口腔内の乾燥や脱水の症状はなかった。呼吸回数は20回/分、血圧は120/75mmHg、脈拍は110回/分であった。現在の処方及び血液検査結果は以下のとおりであった。医師への提案として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。(血液検査結果)BUN17.2mg/dL、血清クレアチニン値0.82mg/dL、AST24IU/L、ALT15IU/L、総ビリルビン1.07mg/dL、血清アルブミン3.1g/dL、コリンエステラーゼ(ChE)240U/L", "choices": ["シムビコートタービュヘイラーを1回1吸入から2吸入に変更", "5%ブドウ糖注射液の投与", "テオフィリンの休薬と血中濃度測定", "生理食塩液の投与", "プロプラノロール塩酸塩10mgの投与"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本患者が訴えている症状(食欲不振、不眠)および脈拍数の増加よりテオフィリンの中毒症状が現れている可能性があるため、テオフ���リンの休薬と血中濃度測定を医師に提案することが適切である。"} +{"problem_id": "106342", "problem_text": "30歳男性。眼に違和感があり近医を受診したところ、麦粒腫と診断され、下記処方箋を持って来局した。薬剤師が患者に説明する眼軟膏の使用方法として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "106343", "problem_text": "35歳女性。仕事が忙しく、差し込むような胃痛が時々起こるため、近隣の薬局を訪れ薬剤師にお薬手帳を見せて相談した。薬剤師が手帳を確認したところ、半年前からフェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン配合錠(朝夕空腹時服用)、エソメプラゾールカプセル20mg(夕食後服用)が処方され、女性はこれらの薬剤を指示どおりに服用していた。薬剤師は、薬局に常備している一般用医薬品の中からこの女性に提供する医薬品を選択した。この薬剤師が選択した最も適切な一般用医薬品の成分はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "本症例では仕事が忙しく、差し込むような胃痛が時々起こっていることから、ストレスにより胃が痙攣し痛みが生じていると推察される。このことから鎮痙作用のあるブチルスコポラミン臭化物を含む一般用医薬品を選択することが適切である。胃痛が起こる原因として胃酸過多による痛みがあるが、本患者はプロトンポンプ阻害薬を服用していることから、その可能性は低く、胃酸分泌抑制薬や制酸剤を選択することは適切ではない。また、選択肢5に含まれる乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化マグネシウムは、フェキソフェナジンと同時に服用すると、フェキソフェナジンの吸収が低下するため、フェキソフェナジンと同時に服用することを避ける必要がある。"} +{"problem_id": "106344", "problem_text": "55歳男性。近医で高血圧と診断され、処方箋を持って薬局を訪れた。この男性に服薬指導を行ったところ、「この薬は飲み始めてからどれくらいで効いてくるのか」と質問された。薬剤師は添付文書を参照し、次に示す薬物動態パラメータを得た。この薬物が安定な効果を表すまでに必要なおおよその日数として、最も近い値はどれか。1つ選べ。なお、アムロジピンは血中濃度が定常状態になった時点から安定な効果を表すものとする。", "choices": ["1", "7", "14", "28", "35"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "薬物を繰り返し投与すると、半減期4〜5倍で定常状態に到達する。アムロジピンの半減期は35.4時間であるため、本薬は約142〜177時間(約6〜7日)の間に定常状態に到達すると推察される。"} +{"problem_id": "106345", "problem_text": "医療従事者の院内感染対策に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["標準予防策(スタンダードプリコーション)は、院内感染予防の基本的な方策として入院患者に適用される。", "手袋を適切にはずした後は必ずしも手指消毒は必要ない。", "季節性インフルエンザに罹患した患者に接する場合、N95マスクを着用する必要がある。", "結核患者の病室に入る場合、サージカルマスクを着用する。", "病院職員が季節性インフルエンザに罹患した場合、数日間は就業を制限する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n標準予防策(スタンダードプリコーション)は、感染症の有無にかかわらず全ての患者に対して全ての職員が実施する感染予防の基本であることから、入院患者に適用される。2:誤\n手袋を適切にはずした後でも、感染を予防する目的で手指消毒は必要である。3:誤\n季節性インフルエンザに罹患した患者に接する場合、N95マスクを着用する必要はなく、サージカルマスクを着用することが推奨されている。4:誤\n結核患者の病室に入る場合には、N95マスクを着用する必要がある。5:正\n病院職員が季節性インフルエンザに罹患した場合、感染拡大を防止する目的で数日間就業を制限する必要がある。"} +{"problem_id": "107001", "problem_text": "0.010 mol/L水酸化ナトリウム水溶液のpHとして最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、水のイオン積 Kw =[H^{+}][OH^{-}] = 1.0 \\times 10^{-14}(mol/L^{2}とする。", "choices": ["1", "2", "7", "12", "13"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "水酸化ナトリウムは強塩���であり、水中で完全に解離するため、水酸化ナトリウム水溶液中の[OH^{-}]は0.010 (10^{-2})mol/Lとなる。また、水のイオン積 Kw = Kw =[H^{+}][OH^{-}] = 1.0 \\times 10^{-14}(mol/L)^{2}であることから水酸化ナトリウム水溶液中の[H^{+}]は1.0 \\times 10^{-12}(mol/L)となる。よって、0.010 mol/L水酸化ナトリウム水溶液のpHは、-log[H^{+}]=-log[1.0 \\times 10^{-12}]=12となる。"} +{"problem_id": "107002", "problem_text": "平衡状態にある次の化学反応系に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["系の温度を下げると、平衡は右側へ移動する。", "系の圧力を下げると、平衡は右側へ移動する。", "系に水素ガスを加えると、平衡は左側へ移動する。", "この反応は吸熱反応である。", "この反応の平衡定数は系の温度に依存しない。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n正反応(右向きの反応)は、標準生成エンタルピーが「マイナス」であることから、発熱反応であると判断できる。系の温度を下げると、発熱する方向に反応が進むため、平衡は右側へ移動する。2:誤\n系の圧力を下げると、体積(物質量)が増える方向に反応が進むため、平衡は左側へ移動する。3:誤\n水素ガスを加えると、水素ガスを減らす方向に反応が進むため、平衡は右側へ移動する。4:誤\n解説1参照\n5:誤\n平衡定数は温度、圧力により変化する。"} +{"problem_id": "107003", "problem_text": "図は、電位の基準となる標準水素電極の模式図である。図中の空欄「:ア:」にあてはまる数値はどれか。1つ選べ。なお、1atm は 1.013 \\times 10^{5} Pa を表す。", "choices": ["0", "0.1", "1", "7", "14"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "標準水素電極とは、1atmの水素ガスと水素イオンの活量が1の塩酸から構成される電極である。よって「:ア:」にあてはまるのは、1である。"} +{"problem_id": "107004", "problem_text": "0.10mol/L硫酸ナトリウム水溶液中における硫酸バリウムの溶解度に最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、温度は25^{\\circ} Cとし、同温度における硫酸バリウムの溶解度積を1.0\\times 10^{-10}(mol/L)^{2}とし、硫酸バリウムの溶解による体積変化は無視できるものとする。", "choices": ["1.0\\times 10^{-19} mol/L", "1.0\\times 10^{-11} mol/L", "1.0\\times 10^{-9} mol/L", "1.0\\times 10^{-5} mol/L", "1.0\\times 10^{-4} mol/L"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "硫酸バリウムは2価の陽イオン(Ba^{2+})と2価の陰イオン(SO_{4}^{2-})からなる難溶解性物質であることから、溶解度積Kspは[Ba^{2+}][SO_{4}^{2-}]となる。また、硫酸ナトリウムは強電解質であり、水溶液中で完全に解離することから、0.10mol/L硫酸ナトリウム水溶液中における[SO_{4}^{2-}]は0.10mol/Lとなる(硫酸バリウムから発生するSO_{4}^{2-}も存在するが、硫酸ナトリウムから生成するに比べてごく微量であるため、計算する際無視することができる)。上記のことに加え、硫酸バリウムの溶解度積が1.0\\times 10^{-10}であることから、0.10mol/L硫酸ナトリウム水溶液中で存在する[Ba^{2+}]は1.0\\times 10^{-9}mol/Lとなる。[Ba^{2+}]は、硫酸バリウムの溶解度と等しいため、0.10mol/L硫酸ナトリウム水溶液中における硫酸バリウムの溶解度は、1.0\\times 10^{-9}mol/Lとなる。"} +{"problem_id": "107005", "problem_text": "液体クロマトグラフィー/質量分析法において、用いられるイオン化法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["エレクトロスプレーイオン化(ESI) 法", "化学イオン化(CI)法", "高速原子衝撃(FAB) 法", "電子イオン化(EI) 法", "マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI) 法"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nエレクトロスプレーイオン化(ESI) 法は、大気圧下において液体試料の分子をイオン化する方法であり、液体クロマトグラフィー/質量分析法のイオン化法として用いられる。2:誤\n化学イオン化(CI)法、電子イオン化(EI)法は、気化した試料のイオン化に適している。3:誤\n高速原子衝撃(FAB)法は、一般に液体クロマトグラフィー/質量分析法のイオン化法として用いられない。4:誤\n解説2参照\n5:誤\nマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法は、一般に液体クロマトグラフィー/質量分析法のイオン化法として用いられず、主にTOF(飛行時間)型質量分離部と組み合わせて用いられる。"} +{"problem_id": "107006", "problem_text": "3-メチルブタ-2-エン-1-オール(IUPAC命名法)はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n2-メチルブタ-3-エン-2-オールの構造である。2:誤\n3-メチルブタ-3-エン-2-オールの構造である。3:誤\n2-メチレンブタン-1-オールの構造である。4:誤\n3-メチルブタ-3-エン-1-オールの構造である。5:正\n3-メチルブタ-2-エン-1-オールの構造である。"} +{"problem_id": "107007", "problem_text": "結合している原子に着目したとき、三角錐型の構造をもつのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nメチルカチオンの炭素原子はsp^{2}混成をとるため、メチルカチオンは平面型の構造をもつ。2:正\nメチルアニオンの炭素原子はsp^{3}混成をとるため、メチルアニオンは三角錐型の構造をもつ。3:誤\n三フッ化ホウ素のホウ素原子はsp^{2}混成をとるため、三フッ化ホウ素は平面型の構造をもつ。4:誤\nメチルラジカルの炭素原子はsp^{2}混成をとるため、メチルラジカルは平面型の構造をもつ。5:誤\nホルムアルデヒドの炭素原子はsp^{2}混成をとるため、ホルムアルデヒドは平面型の構造をもつ。"} +{"problem_id": "107008", "problem_text": "次の2つの薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エナンチオマーの関係にある。", "ジアステレオマーの関係にある。", "構造異性体の関係にある。", "融点が同じである。", "比旋光度[\\alpha ]^{20}_{D}の絶対値が同じである。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n不斉炭素を有する立体異性体において、エナンチオマーはすべての不斉炭素の立体配置が逆となる。また、エナンチオマー以外の立体異性体をジアステレオマーという。キニジン、キニーネには、不斉炭素(図の※)が4つあり、赤の※は絶対配置が逆であるが、黒の※は絶対配置が同一であるため、ジアステレオマーの関係にある。2:正\n解説1参照\n3:誤\nキニジンとキニーネは、原子の結合順序が同一の異性体となるため、構造異性体ではない。4:誤\nジアステレオマーの関係にある化合物の融点、沸点、比旋光度の絶対値は異なる。5:誤\n解説4参照"} +{"problem_id": "107009", "problem_text": "不対電子を1つもつのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["CO", "NO", "SO_{3}", "O_{2}", "N_{2}"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "価電子(最外殻電子)の総和が奇数の場合、軌道上で電子が対にならず、不対電子を有する。COの総価電子数は、C(価電子数:4)+O(価電子数:6)=10個である。NOの総価電子数は、N(価電子数:5)+O(価電子数:6)=11個である。SO_{3}の総価電子数は、S(価電子数:6)+O(価電子数:6)\\times 3=24個である。O_{2}の総価電子数は、O(価電子数:6)\\times 2=12個である。N_{2}の総価電子数は、N(価電子数:5)\\times 2=10個である。上記より、NOは総価電子数が奇数であることから、不対電子を有する。"} +{"problem_id": "107010", "problem_text": "トリプトファン由来のアルカロイドはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nモルヒネの構造であり、チロシン由来のイソキノリンアルカロイドである。2:誤\nアトロピンの構造であり、オルニチン由来のトロパンアルカロイドである。3:誤\nノスカピンの構造であり、チロシン由来のイソキノリンアルカロイドである。4:正\nフィゾスチグミンの構造であり、トリプトファン由来のインドールアルカロイドである。5:誤\nベルベリンの構造であり、チロシン由来のイソキノリンアルカロイドである。"} +{"problem_id": "107011", "problem_text": "女性の月経周期において、排卵直前に分泌量が急激に増加してピークに達し、排卵の開始を誘発するホルモンはどれか。1つ選べ。", "choices": ["黄体形成ホルモン(LH)", "オキシトシン", "プロラクチン", "ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)", "プロゲステロン"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "排卵周期の約14日におけるLHサージ(黄体ホルモンの一過性の過剰分泌)が排卵を誘発する。"} +{"problem_id": "107012", "problem_text": "尿素回路の代謝中間体であるオルニチンはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "107013", "problem_text": "図は、真核生物においてDNA上の遺伝子からタンパク質が作られるまでの過程を示している。矢印「ア」で示す反応はどれか。1つ選���。", "choices": ["転写", "逆転写", "スプライシング", "RNA干渉", "翻訳"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "107014", "problem_text": "図は、細胞分裂後期にある細胞の様子を示している。図中のAで示された構造体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["紡錘体", "中心体", "核小体", "動原体", "収縮環"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "107015", "problem_text": "リケッチアを病原体とする感染症はどれか。1つ選べ。", "choices": ["梅毒", "熱帯熱マラリア", "オンコセルカ症(河川盲目症)", "ツツガムシ病", "日本脳炎"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n梅毒の病原体は、梅毒トレポネーマ(らせん状のグラム陰性桿菌)である。2:誤\n熱帯熱マラリアの病原体は、熱帯熱マラリア原虫である。3:誤\nオンコセルカ症(河川盲目症)の病原体は、回旋糸状虫である。4:正\nツツガムシ病の病原体は、リケッチアである。5:誤\n日本脳炎の病原体は、日本脳炎ウイルスである。"} +{"problem_id": "107016", "problem_text": "体格指数の1つであるBMIを算出する式はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "体格指数であるBMI(body mass index)を算出する式は、体重(kg)/[身長(m)]^{2}である。"} +{"problem_id": "107017", "problem_text": "自然毒のうち、魚介類による食中毒の原因となるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アコニチン", "ソラニン", "アミグダリン", "テトロドトキシン", "チャコニン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nアコニチンは、トリカブトに含まれる植物性自然毒である。2:誤\nソラニンは、ジャガイモの発芽部、緑皮部に含まれる植物性自然毒である。3:誤\nアミグダリンは、青梅などに含まれる植物性自然毒である。4:正\nテトロドトキシンは、フグなどに含まれる魚介類に蓄積する動物性自然毒である。5:誤\nチャコニンは、ジャガイモの発芽部、緑皮部に含まれる植物性自然毒である。"} +{"problem_id": "107018", "problem_text": "食品表示法に基づき、用途名と物質名を併記する必要がある食品添加物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["香料", "甘味料", "調味料", "乳化剤", "pH調整剤"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "食品表示法では、消費者の関心が高い、甘味料、着色料、保存剤、酸化防止剤、発色剤、防かび剤、漂白剤、増粘剤については、用途名と物質名を併記する必要がある。"} +{"problem_id": "107019", "problem_text": "精白米の第一制限アミノ酸はどれか。1つ選べ。", "choices": ["バリン", "リシン", "ロイシン", "イソロイシン", "トリプロファン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "第一制限アミノ酸とは、食品タンパク質中のアミノ酸組成をアミノ酸評価パターンと比較し、最も不足率の大きい必須アミノ酸のことである。精白米の第一制限アミノ酸は、リシンである。"} +{"problem_id": "107020", "problem_text": "食品の腐敗を防ぐ方法として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["くん煙", "冷凍保存", "加湿", "加熱", "保存料の添加"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nくん煙は、木材を不完全燃焼させて多量に発生する煙を食材に浸透させることで、微生物を死滅する方法である。2:正しい\n冷凍保存は、凍結させることで微生物の増殖を抑制する方法である。3:誤っている\n加湿により食品中の水分活性が高くなるため、微生物の増殖速度を促進させる。4:正しい\n加熱は、熱により微生物を死滅する方法である。5:正しい\n保存料の添加は、微生物の増殖を抑制する方法である。"} +{"problem_id": "107021", "problem_text": "図は、我が国の薬物事犯について、2010年から 2019年の法律別検挙人数を示したものである法律A〜Eは、覚醒剤取締法、大麻取締法、麻薬及び向精神薬取締法、あへん法、毒物及び劇物取締法のいずれかである。近年、法律Bによる検挙人数が増加傾向にある。法律Bとして正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["覚醒剤取締法", "大麻取締法", "麻薬及び向精神薬取締法", "あへん法", "毒物及び劇物取締法"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "107022", "problem_text": "化学物質のリスク分析において、「消費者、事業者、行政担当者などの関係者の間で情報及び意見を共有することで相互に意思疎通を図ること」を意味するのはどれか。1つ選��。", "choices": ["リスク評価", "リスク管理", "リスクコミュニケーション", "安全データシート(SDS)制度", "マニフェスト制度"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nリスク評価とは、化学物質のヒトへの影響を科学的知見に基づき、客観的に評価することである。2:誤\nリスク管理とは、リスク評価結果、費用対効果、技術的な事項を考慮し、使用基準や残留基準等を決定することである。3:正\nリスクコミュニケーションとは、消費者、事業者、行政担当者などの関係者の間で情報及び意見を共有することで相互に意思疎通を図ることである。4:誤\n安全データシート(SDS)制度とは、指定された化学物質(第一種指定化学物質、第二種指定化学物質)を譲渡、提供する際に、SDSを用いて、その化学物質の取扱いに関する情報を提供する制度である。5:誤\nマニフェスト制度とは、マニフェストを用いて産業廃棄物の不適正処理を防止することを目的とする制度である。"} +{"problem_id": "107023", "problem_text": "2-ナフチルアミンが生体内で代謝的活性化されてニトレニウムイオンを生じる過程において、最初に起こる代謝反応はどれか。1つ選べ。", "choices": ["エポキシ化", "N-ヒドロキシ化", "グルクロン酸抱合", "硫酸抱合", "アセチル抱合"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "2-ナフチルアミンは、シトクロムP450(CYP1A2)によりN-ヒドロキシ化を受けN-ヒドロキシ体となり、その後、アセチル抱合を受けてニトレニウムイオンを生じる。"} +{"problem_id": "107024", "problem_text": "公共用水域の水質汚濁に関する「人の健康の保護に関する環境基準」において、基準値が「検出されないこと」と定めているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カドミウム", "ヒ素", "アルキル水銀", "トリクロロエチレン", "硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "公共用水域の水質汚濁に関する「人の健康の保護に関する環境基準」において、基準値が「検出されないこと」と定めているのは、全シアン、アルキル水銀、PCB(ポリ塩化ビフェニル)である。"} +{"problem_id": "107025", "problem_text": "医療機関により廃棄される未使用の注射針が該当する区分として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["事業系一般廃棄物", "家庭系一般廃棄物", "特別管理一般廃棄物", "特別管理産業廃棄物", "非感染性廃棄物"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "廃棄物処理法では、廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に区分される。注射針は金属くずであるため、産業廃棄物に分類される。また、注射針のような鋭利な廃棄物は、感染性の有無にかかわらず、感染性廃棄物として取扱うという規定がある。これらのことから、未使用の注射針は、特別管理産業廃棄物に分類される。"} +{"problem_id": "107026", "problem_text": "Cl^{-}チャネル内蔵型受容体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセチルコリンN_{M}受容体", "\\gamma -アミノ酪酸 GABA_{A}受容体", "セロトニン 5-HT_{3}受容体", "グルタミン酸 NMDA受容体", "ATP P2X受容体"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nアセチルコリンN_{M}受容体は、Na^{+}チャネル内蔵型受容体である。2:正\n\\gamma -アミノ酪酸 GABA_{A}受容体は、Cl^{-}チャネル内蔵型受容体である。3:誤\nセロトニン 5-HT_{3}受容体は、Na^{+}、K^{+}チャネル内蔵型受容体である。4:誤\nグルタミン酸 NMDA受容体は、Na^{+}、K^{+}、Ca^{2+}チャネル内蔵型受容体である。5:誤\nATP P2X受容体は、Na^{+}、Ca^{2+}チャネル内蔵型受容体である。"} +{"problem_id": "107027", "problem_text": "麻酔したラットにおいてフェントラミン処置後にアドレナリンを静脈内投与すると、アドレナリンの昇圧作用は認められず、降圧作用のみが見られた。この現象を生じさせたフェントラミンの機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激", "アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断", "アドレナリン\\beta _{1}受容体刺激", "アドレナリン\\beta _{1}受容体遮断", "アドレナリン\\beta _{2}受容体遮断"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "【アドレナリンの血圧反転】\nアドレナリンを単独で急速静注すると、\\beta 作用に比べ、\\alpha 作用が強く現れるため、血圧上昇が認められるが、「\\alpha _{1}受容体遮断作用を有するフェントラミン」を投与した後に、アドレナリンを投与するとアドレナリンの\\alpha 作用が現れず、\\beta 作用のみが現れるため、血圧は下降する。"} +{"problem_id": "107028", "problem_text": "メピバカインの局所麻酔作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ATP感受性 K^{+}チャネルの刺激", "アセチルコリン N_{N}受容体の遮断", "電位依存性 Na^{+}チャネルの遮断", "セロトニン 5-HT_{1A}受容体の遮断", "電位依存性T型Ca^{2+}チャネルの遮断"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "メピバカインは、末梢神経軸索の電位依存性Na^{+}チャネルを遮断することにより、局所麻酔作用を示す。"} +{"problem_id": "107029", "problem_text": "ミルタザピンがシナプス間隙のセロトニン及びノルアドレナリンを増加させる機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\alpha _{2}受容体遮断", "セロトニン 5-HT_{2A}受容体刺激", "セロトニン 5-HT_{3}受容体刺激", "モノアミン酸化酵素阻害", "セロトニン及びノルアドレナリンの再取り込み阻害"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "ミルタザピンは、\\alpha _{2}受容体を遮断することにより、ノルアドレナリンの遊離を促進するとともにセロトニン神経細胞を活性化し、セロトニン遊離を促進する。また、5-HT_{2}受容体、5-HT_{3}受容体遮断作用を示す。"} +{"problem_id": "107030", "problem_text": "抗てんかん薬ガバペンチンの作用点はどれか。1つ選べ。", "choices": ["電位依存性Ca^{2+}チャネル", "電位依存性 Na^{+}チャネル", "シナプス小胞タンパク質SV2A", "\\gamma -アミノ酪酸 GABA_{A}受容体", "グルタミン酸 AMPA受容体"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "電位依存性Ca^{2+}チャネルの\\alpha _{2}\\delta サブユニットに結合し、シナプス前膜におけるCa^{2+}の流入を抑制して興奮性神経伝達物質(グルタミン酸)の遊離を抑制する。"} +{"problem_id": "107031", "problem_text": "T細胞のカルシニューリンを阻害する免疫抑制薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["シクロホスファミド", "アザチオプリン", "レフルノミド", "バシリキシマブ", "シクロスポリン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nシクロホスファミドは、体内でCYP2B6により活性体(4-ヒドロキシシクロホスファミド)となり、DNAなどをアルキル化することによりT細胞やB細胞の分化・増殖を抑制する。2:誤\nアザチオプリンは、活性代謝物(メルカプトプリン)となった後、チオイノシン酸となり、イノシン酸と拮抗することでリンパ球においてDNA合成に必要なプリン代謝経路を阻害し、免疫抑制作用を示す。3:誤\nレフルノミドは、活性代謝物がジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼの活性を阻害し、核酸合成を阻害することによりリンパ球の活性、増殖を抑制する。4:誤\nバシリキシマブは、T細胞表面にあるIL-2受容体の\\alpha 鎖に結合し、Th1細胞が放出するIL-2によるT細胞の活性化および増殖を抑制することで免疫抑制作用を示す。5:正"} +{"problem_id": "107032", "problem_text": "骨粗しょう症治療薬テリパラチドの作用点はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヒドロキシアパタイト", "オステオカルシン", "カルシトニン受容体", "副甲状腺ホルモン受容体", "エストロゲン受容体"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "テリパラチドは、パラトルモン(副甲状腺ホルモン)のN末端から34個のアミノ酸を切り出したポリペプチドであり、間歇投与により前駆細胞から骨芽細胞への分化促進、骨芽細胞のアポトーシスを抑制することで骨形成促進作用を示す。"} +{"problem_id": "107033", "problem_text": "心筋収縮力及び心拍数を低下させ、労作性狭心症発作を予防するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["硝酸イソソルビド", "チクロピジン", "ピモベンダン", "アテノロール", "デノパミン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n硝酸イソソルビドは、体内で一酸化窒素(NO)を遊離し、血管平滑筋の可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化することでGTPからcGMPの生成を増大させ、血管拡張作用を示す 。2:誤\nチクロピジンは、ADP受容体のサブタイプであるP2Y_{12}を特異的に阻害し、アデニル酸シクラーゼを活性化することで血小板凝集抑制作用を示す。3:誤\nピモベンダンは、ホスホジエステラーゼIIIを阻害するとともに心筋のトロポニンCのCa^{2+}に対する感受性を増大させ、心収縮力を増大させる。4:正\nアテノロールは、選択的\\beta _{1}受容体遮断薬であり、心筋収縮力���び心拍数を低下させ、労作性狭心症発作を予防する。5:誤\nデノパミンは、アドレナリン\\beta _{1}受容体を刺激することで心機能亢進作用(心筋収縮力増強、心拍数増加、心拍出力増加)を示す。"} +{"problem_id": "107034", "problem_text": "プラスミンによるフィブリン溶解を抑制することで、止血作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["トラネキサム酸", "アルテプラーゼ", "カルバゾクロム", "プロタミン", "フィトナジオン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nトラネキサム酸は、プラスミノーゲンやプラスミンのリジン結合部位に結合することでフィブリン分解を阻害する。2:誤\nアルテプラーゼは、プラスミノゲンを活性化してプラスミンを産生することによりフィブリンの分解を促進する。3:誤\nカルバゾクロムは、細血管に作用し、血管透過性抑制作用、血管抵抗増強作用を示す。4:誤\nプロタミンは、ヘパリンナトリウムの解毒薬として用いられる。5:誤\nフィトナジオンは、肝臓において第II因子(プロトロンビン)や第VII、第IX、第X因子の合成を促進し、止血作用を示す。"} +{"problem_id": "107035", "problem_text": "利尿薬の作用機序でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["パソプレシンV_{2}受容体遮断", "心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体刺激", "アルドステロン受容体刺激", "炭酸脱水酵素阻害", "Na^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送系阻害"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "アルドステロン受容体を刺激すると、集合環においてナトリウムの再吸収が促進されるとともに水の再吸収も促進される。●パソプレシンV_{2}受容体遮断作用を示す利尿薬\nトルバプタン\n●心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体刺激作用を示す利尿薬\nカルペリチド\n●炭酸脱水酵素阻害作用を示す利尿薬\nアセタゾラミド\n●Na^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送系阻害作用を示す利尿薬\nループ利尿薬"} +{"problem_id": "107036", "problem_text": "肺サーファクタント分泌を促進する去痰薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["オキシメテバノール", "アセチルシステイン", "カルボシステイン", "ドルナーゼ アルファ", "アンブロキソール"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nオキシメテバノールは、中枢性麻薬性鎮咳薬であり、延髄の咳中枢を抑制することで鎮咳作用を示す。2:誤\nアセチルシステインは、粘液のムコタンパク質のジスルフィド結合(-S-S-)を開裂し、痰を低分子化して粘度を下げ、排出しやすくする。3:誤\nカルボシステインは、シアル酸/フコース比を正常化することで、気道分泌物の粘性を正常な状態に近づける。4:誤\nドルナーゼ アルファは、遺伝子組換えヒトDNA分解酵素製剤であり、DNAを多量に含む膿性分泌物の粘稠性を低下させる。5:正"} +{"problem_id": "107037", "problem_text": "Cl^{-}チャネル2(ClC-2)を活性化する慢性便秘症治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["センノシド", "カルメロース", "ラクツロース", "ビサコジル", "ルビプロストン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nセンノシドは、腸内細菌により加水分解されレインアンスロンとなり粘膜およびアウエルバッハ神経叢を刺激して蠕動運動を促進する。2:誤\nカルメロースは、腸管内で水分を吸収し、膨張することで腸管を刺激する。3:誤\nラクツロースは、消化管に吸収されず下部消化管に到達し、浸透圧を増大させる。4:誤\nビサコジルは、肛門内に挿入することで直接直腸・結腸の粘膜を刺激し蠕動運動を促進する。5:正\nルビプロストンは、腸管上皮細胞上の2型クロライドチャネル(ClC-2)刺激作用と腸液分泌促進作用の2つの作用により、水分含量を増加させ、便を軟化させる。"} +{"problem_id": "107038", "problem_text": "メチラポンによるコルチゾール産生抑制の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌抑制", "ソマトスタチンの分泌亢進", "副腎皮質細胞壊死", "3\\beta -ヒドロキシステロイド脱水素酵素の阻害", "11\\beta -水酸化酵素の阻害"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "メチラポンは、11\\beta -水酸化酵素を阻害し、ヒドロコルチゾン(コルチゾール)、アルドステロン産生を抑制する。"} +{"problem_id": "107039", "problem_text": "腎尿細管の尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害して、尿酸再吸収を抑制するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["コルヒチン", "フェブキソスタット", "プロベネシド", "アロプリノール", "ラスブリカーゼ"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nコルヒチンは、チューブリンと結合し、微小管の働きを阻害することでマクロファージおよび好中球の機能を抑制する。2:誤\nフェブキソスタットは、プリン構造を有しておらず、キサンチンオキシダーゼを非競合的に阻害し、尿酸の生合成を阻害する。3:正\nプロベネシドは、近位尿細管で尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害し、尿酸の再吸収を抑制する。4:誤\nアロプリノールは、プリン構造を有しており、キサンチンオキシダーゼを競合的に阻害し、尿酸の生合成を阻害する。5:誤\nラスブリカーゼは、尿酸を酸化し、過酸化水素とアラントインに分解することで血中尿酸値を低下させる。"} +{"problem_id": "107040", "problem_text": "細菌のリボソーム30Sサブユニットに結合して、タンパク質合成を阻害する抗菌薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["クリンダマイシン", "ストレプトマイシン", "リネゾリド", "エリスロマイシン", "クロラムフェニコール"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\\クリンダマイシンは、細菌のリボソームの大サブユニット(50Sサブユニット)に結合し、ペプチジル-tRNAの転位反応を抑制することによりタンパク質の合成を阻害する。2:正\nストレプトマイシンは、細菌の小サブユニット(30Sサブユニット)に結合し、タンパク質の合成を阻害する。3:誤\nリネゾリドは、リボソーム50Sサブユニットに結合し、70S開始複合体の形成を阻害する。4:誤\nエリスロマイシンは、細菌の大サブユニット(50Sサブユニット)に結合し、ペプチジル-tRNAの転位反応を抑制することでタンパク質合成を阻害する。5:誤\nクロラムフェニコールは、細菌の大サブユニット(50Sサブユニット)に結合し、ペプチジルトランスフェラーゼを阻害することでペプチド転位反応を抑制する。"} +{"problem_id": "107041", "problem_text": "下図のセファレキシンの消化管吸収に主として関与するトランスポーターはどれか。1つ選べ。", "choices": ["有機アニオントランスポーターOAT1", "有機カチオントランスポーターOCT1", "P-糖タンパク質", "ペプチドトランスポーターPEPT1", "グルコーストランスポーターSGLT2"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "セファレキシンは構造中にペプチド結合を有しているため、ペプチドトランスポーターPEPT1に認識され消化管吸収される。"} +{"problem_id": "107042", "problem_text": "アルミニウム、マグネシウム等の金属を含有する経口剤と同時に経口投与すると、吸収が低下する薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["オメプラゾール錠", "レボフロキサシン錠", "フェノバルビタール散", "リボフラビン酪酸エステル", "ワルファリンカリウム錠"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "レボフロキサシン錠は、ニューキノロン系抗菌薬であり、アルミニウム、マグネシウム等の多価金属カチオンと同時に経口投与すると、不溶性のキレートを形成し、消化管吸収が低下する。"} +{"problem_id": "107043", "problem_text": "血漿タンパク質のうち、プロプラノロールとの親和性が最も高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルブミン", "\\alpha -グロブリン", "\\gamma -グロブリン", "フィブリノーゲン", "\\alpha _{1}-酸性糖タンパク質"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "プロプラノロールは塩基性薬物であるため、\\alpha _{1}-酸性糖タンパク質と親和性が高い。なお、ワルファリン、フェニトインなどの酸性薬物は、アルブミンと親和性が高い。"} +{"problem_id": "107044", "problem_text": "コデインからモルヒネへの代謝に関与する酵素はどれか。1つ選べ。", "choices": ["CYP1A2", "CYP2C9", "CYP2D6", "CYP3A4", "CYP1A1"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "コデインは、CYP2D6によるO-脱メチル化により、活性代謝物であるモルヒネに代謝される。"} +{"problem_id": "107045", "problem_text": "体内動態が1-コンパートメントモデルに従う薬物800mgをヒトに単回静脈内投与したところ、投与直後の血中濃度は40\\micro g/mL、投与6時間後の血中濃度は5\\micro g/mLであった。この薬物の消失速度定数(h^{-1})に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、ln2=0.69とする。", "choices": ["0.12", "0.23", "0.35", "0.69", "2.0"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "「体��動態が1-コンパートメントモデルに従う薬物」と記載されていることから、本薬物は1次反応により消失する薬物である。また、「投与直後の血中濃度は40\\micro g/mL、投与6時間後の血中濃度は5\\micro g/mL」と記載されていることから、6時間経過後に血中濃度が8分の1になっており、半減期は2時間である。上記より消失速度定数は下記のように求めることができる。"} +{"problem_id": "107046", "problem_text": "健常人におけるイヌリンの血漿中濃度と尿中排泄速度との関係を正しく表したグラフはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "イヌリンは、糸球体ろ過のみで消失し、また血漿タンパク質と結合しないため、イヌリンのクリアランスは糸球体ろ過速度(GFR)と等しく、血漿中濃度によらず一定である。また、尿中排泄速度は、クリアランスと血漿中濃度の積で求められるため、イヌリンの尿中排泄速度は、血漿中濃度に比例して増大する。"} +{"problem_id": "107047", "problem_text": "炭酸水素ナトリウムの併用によって、キニジンの血中濃度が上昇する原因として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["消化管吸収の阻害", "肝代謝酵素の阻害", "胆汁排泄の促進", "腎尿細管分泌の促進", "腎尿細管再吸収の促進"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "炭酸水素ナトリウムは尿をアルカリ化するため、塩基性薬物であるキニジンと併用すると、キニジンの分子型が増大し、尿細管からの再吸収が促進することで、血中濃度が上昇する。"} +{"problem_id": "107048", "problem_text": "図は、結晶固体及び非晶質固体の比容積と温度との関係を示したものである。温度アが示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["凝固点", "沸点", "ガラス転移点", "融点", "結晶化温度"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "107049", "problem_text": "分散系における分散相と分散媒の組合せのうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nサスペンション(懸濁剤)は、分散相(内相)が固体、分散媒(外相)が液体である。2:正\nエマルション(乳剤)は、分散相(内相)が液体、分散媒(外相)が液体である。3:誤\nエアゾールは、分散相(内相)が液体又は固体、分散媒(外相)が気体である。4:誤\nフォーム(泡沫)は、分散相(内相)が気体、分散媒(外相)が液体である。5:誤\nキセロゲル(乾燥ゲル)は、分散相(内相)が気体、分散媒(外相)が固体である。"} +{"problem_id": "107050", "problem_text": "水性懸濁液中の粒子の分散安定性を高めるために添加される半合成高分子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ポビドン", "メタクリル酸コポリマー", "アルブミン", "カルメロースナトリウム", "アラビアゴム"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nポビドン(ポリビニルピロリドン)は、結合剤、増粘剤、懸濁化剤、コーティング剤として用いられる合成高分子である。2:誤\nメタクリル酸コポリマーは、腸溶性コーティング剤として用いられる合成高分子である。3:誤\nアルブミンは、注射剤の安定化剤として用いられる天然高分子である。4:正\nカルメロースナトリウム(カルボキシメチルセルロースナトリウム)は、水性懸濁液中の粒子の分散安定性を高めるために用いられる天然高分子である。5:誤\nアラビアゴムは、懸濁化剤、乳化剤、結合剤、増粘剤として用いられる天然高分子である。"} +{"problem_id": "107051", "problem_text": "日本薬局方において、「経口投与する、液状又は流動性のある粘稠なゲル状の製剤」と定義されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["発泡顆粒剤", "経口ゼリー剤", "シロップ剤", "口腔内崩壊フィルム剤", "経口液剤"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n発泡顆粒剤は、水中で急速に発泡しながら溶解又は分散する顆粒剤である。2:誤\n経口ゼリー剤は、経口投与する、流動性のない成形したゲル状の製剤である。3:誤\nシロップ剤は、経口投与する、糖類又は甘味剤を含む粘稠性のある液状又は固形の製剤である。4:誤\n口腔内崩壊フィルム剤は、口腔内で速やかに溶解又は崩壊させて服用する経口フィルム剤である。5:正"} +{"problem_id": "107052", "problem_text": "全身作用を目的としたナファレリン酢酸塩水和物製剤の適用部位として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["眼", "肺", "鼻", "皮膚", "耳"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ナファレリンは、ペプチド性医薬品であり比較的分子量が大きく、吸収されやすい鼻粘膜を適用部位としている。なお、ナファレリン酢酸塩水和物製剤は、子宮内膜症に用いる全身作用を目的とした点鼻液剤である。"} +{"problem_id": "107053", "problem_text": "小児の誤飲防止を目的として用いられる包装はどれか。1つ選べ。", "choices": ["PTP(Press Through Package)包装", "SP(Strip Package)包装", "ピロー包装", "タンバレジスタント包装", "チャイルドレジスタンス包装"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nPTP(Press Through Package)包装は、製剤が入るくぼみを形成した熱可塑性高分子(ポリ塩化ビニルなど)にアルミニウム箔を熱圧縮したものである。2:誤\nSP(Strip Package)包装は、セロファン又はアルミニウムに熱可塑性高分子(ポリ塩化ビニルなど)を重ねたラミネートフィルムで錠剤などを両側からはさみ、周囲を加熱圧縮したものである。3:誤\nピロー包装は、PTP包装やSP包装を施した医薬品の防湿性、遮光性を高めるためにラミネートフィルムなどで覆った包装のことである。4:誤\nタンバレジスタント包装は、無意識又は悪意をもって製品を取り扱った場合に危険を生じないように工夫された包装である。5:正\nチャイルドレジスタンス包装は、小児の誤飲防止を目的として用いられる包装であり、小児では容易に開封できない構造になっている。"} +{"problem_id": "107054", "problem_text": "薬物送達システム(DDS)の概念に基づいて製剤を開発する際の利点として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["病巣部位への薬物の集積", "薬効の持続化", "血液脳関門の透過性改善", "腎排泄の増大", "副作用の軽減"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "薬物送達システム(DDS)は、drug delivery systemの略であり、薬の分布を空間的・時間的・量的に制御し、コントロールする薬物送達システムのことである。【DDSの利点】\n・薬効を持続化し、投与回数を減らすことでアドヒアランスを向上させることができる。・吸収を促進させ、投与量を減らすことができる。・吸収速度をコントロールし、急激な血中濃度の上昇を抑え、副作用を軽減することができる。・病巣部位、特定の臓器へ薬物を集積させ、効果を高めるとともに副作用を軽減することができる。"} +{"problem_id": "107055", "problem_text": "吸収促進剤の添加により水溶性薬物の吸収を改善した薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["バラシクロビル錠", "セフチゾキシムナトリウム坐剤", "イトラコナゾール内用液", "シクロスポリン内用液", "カンデサルタン シレキセチル錠"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nバラシクロビル錠は、アシクロビルにバリンを結合させてペプチドトランスポーターPEPT1に認識させることで消化管吸収を改善したプロドラッグである。2:正\nセフチゾキシムナトリウム坐剤は、吸収促進剤のカプリン酸ナトリウムを添加することで、セフチゾキシムナトリウムの吸収を改善した製剤である。3:誤\nイトラコナゾール内用液は、溶解補助剤ヒドロキシ-\\beta -シクロデキストリンを添加することで、難溶解性のイトラコナゾールを液剤化した製剤である。4:誤\nシクロスポリン内用液は、添加剤によりマイクロエマルションを形成するように設計された製剤で、消化管吸収において食事の影響を受けにくい。5:誤\nカンデサルタン シレキセチル錠は、カンデサルタンにシレキセチルを結合させて消化管吸収を改善したプロドラッグである。"} +{"problem_id": "107056", "problem_text": "全身性エリテマトーデス(SLE)に特異性の高い抗体はどれか。1つ選べ。", "choices": ["抗チログロブリン抗体(抗サイログロブリン抗体)", "抗二本鎖DNA抗体", "抗CCP 抗体(抗環状シトルリン化ペプチド抗体)", "抗JO-1 抗体", "抗GAD 抗体(抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ抗体)"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "全身エリテマトーデス(SLE)は、原因不明であるが、何らかの原因で抗核抗体、抗二本鎖DNA抗体、抗Sm抗体などが産生され、免疫複合体が形成されることで炎症性の組織傷害を起こる。"} +{"problem_id": "107057", "problem_text": "間質性肺炎の指標として��特異度が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アミラーゼ(AMY)", "脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)", "クレアチンキナーゼ(CK)", "グリコヘモグロビン(HbA1c)", "シアル化糖鎖抗原(KL-6)"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "間質性肺炎では、肺胞壁を構成する肺胞II型上皮細胞に特異的に発現するシアル化糖鎖抗原(KL-6)が高値を示すため、KL-6は間質性肺炎か非間質性肺炎の鑑別に有用である。"} +{"problem_id": "107058", "problem_text": "重症筋無力症の初発症状として、最も頻度が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["手指の振戦", "嚥下障害", "四肢の麻痺", "眼瞼下垂", "発熱"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "重症筋無力症は、アセチルコリン受容体に対する自己抗体である抗アセチルコリン受容体抗体により神経筋接合部の刺激伝達系が障害される自己免疫疾患であり、初期症状として、外眼筋麻痺による眼瞼下垂、眼球運動障害による複視、顔面筋力低下、嚥下障害、構音障害が認められる。"} +{"problem_id": "107059", "problem_text": "健常者におけるレム睡眠に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["急速な眼球運動が特徴である。", "筋肉の緊張が亢進する。", "入眠直後に多い。", "脳波で高振幅徐波を認める。", "加齢とともに増加する。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "レム睡眠は、急速眼球運動が認められる睡眠状態であり、脳は覚醒状態にあるが、身体は眠った状態(筋肉は弛緩した状態)にある。1:正\n2:誤\n前記参照\n3:誤\n通常、入眠直後にはノンレム睡眠が認められる。4:誤\nレム睡眠では、低振幅の様々な周波数の波が認められる。5:誤\nレム睡眠は、加齢とともに減少する。"} +{"problem_id": "107060", "problem_text": "自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["タムスロシン塩酸塩錠", "クロルマジノン酢酸エステル錠", "セルニチンポーレンエキス錠", "フルタミド錠", "エストラムスチンリン酸エステルナトリウム水和物カプセル"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "タムスロシン塩酸塩は、アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断作用を有することから、血管拡張に伴う血圧低下によりめまい等が現れる可能性があるため、高所作業、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意が必要である。"} +{"problem_id": "107061", "problem_text": "閃輝暗点を伴うことがある頭痛はどれか。1つ選べ。", "choices": ["片頭痛", "反復性緊張型頭痛", "慢性緊張型頭痛", "反復性群発頭痛", "慢性群発頭痛"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "片頭痛では、前兆症状として閃輝暗点(きらきらした光や線が見える)を伴うことがある。"} +{"problem_id": "107062", "problem_text": "依存性の最も少ない薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ペンタゾシン", "メチルフェニデート", "グアンファシン", "メタンフェタミン", "ペモリン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nペンタゾシンは、麻薬拮抗性鎮痛薬であり、中枢抑制作用を示すため、精神的依存と身体的依存を生じることがある。2:誤\nメチルフェニデートは、注意欠陥/多動性障害、ナルコレプシーに用いられる薬であり、中枢興奮作用を示すため、精神的依存を生じることがある。3:正\nグアンファシンは、注意欠陥/多動性障害に用いられる非中枢刺激薬であり、薬物依存が少ない薬である。4:誤\nメタンフェタミンは、覚醒剤であり、中枢興奮作用を示すため、精神的依存を生じることがある。5:誤\nペモリンは、ナルコレプシー、うつ病に用いられる薬であり、長期投与により薬物依存を生じることがある。"} +{"problem_id": "107063", "problem_text": "子宮内膜症の治療に用いる薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["エチニルエストラジオール錠", "エンザルタミド錠", "オキシトシン注", "リュープロレリン酢酸塩注", "レトロゾール錠"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nエチニルエストラジオール錠は、合成卵胞ホルモン製剤であり、前立腺がんや閉経後の末期乳がんに用いられる。2:誤\nエンザルタミド錠は、抗アンドロゲン薬であり、去勢抵抗性前立腺がんに用いられる。3:誤\nオキシトシン注は、下垂体後葉ホルモンであり、分娩誘発目的の子宮収縮の誘発や促進に用いられる。4:正\nリュープロレリン酢酸塩注は、Gn-RH製剤であり、子宮内膜症、閉経前乳がん、前立腺がんに用いられる。5:誤\nレトロゾール錠は、アロマターゼ阻害薬であり、閉経後乳がんに用いられる。"} +{"problem_id": "107064", "problem_text": "急性胆管炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["左下腹部に痛みを生じる。", "発熱を伴うことはまれである。", "血中白血球数が減少する。", "血清ALP(アルカリフォスファターゼ)活性が上昇する。", "血中間接ビリルビン値が上昇する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "急性胆管炎は、胆管内に急性炎症が発症した病態であり、胆管結石や悪性腫瘍などによる胆管の閉塞・狭窄とともに、細菌感染が加わることで生じる。1:誤\n急性胆管炎では、発熱、右上腹部の痛み、黄疸を呈する。2:誤\n解説1参照\n3:誤\n炎症が悪化するとともに、血中白血球数が増加する。4:正\n胆管のうっ滞により、胆道系酵素である血清ALP(アルカリフォスファターゼ)、\\gamma -GTP(\\gamma -グルタミルトランスペプチダーゼ)活性の上昇が認められ、また、血中直接ビリルビンの上昇が認められる。5:誤\n解説4参照"} +{"problem_id": "107065", "problem_text": "原発性アルドステロン症の臨床所見として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["低血圧症", "低ナトリウム血症", "低カリウム血症", "インスリン分泌の増加", "レニン活性の上昇"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "原発性アルドステロン症では、副腎皮質(球状層)の過形成によりアルドステロンが過剰に分泌されることで様々な症状を呈する疾患である。アルドステロンは、遠位尿細管、集合管に存在するNa^{+}-K^{+}交換系に作用し、Na^{+}の取り込みを促進するとともにK^{+}の排泄を促進するため、低カリウム血症を呈する。"} +{"problem_id": "107066", "problem_text": "活性型ビタミンD_{3}外用薬が適用される皮膚疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["接触性皮膚炎", "爪白癬", "アトピー性皮膚炎", "じん麻疹", "尋常性乾癬"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "活性型ビタミンD_{3}製剤は、皮膚における抗炎症作用、表皮細胞に対する増殖抑制作用、分化誘導作用により尋常性乾癬の治療に用いられる。"} +{"problem_id": "107067", "problem_text": "がん終末期における呼吸困難に対する治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセトアミノフェン", "アドレナリン", "スキサメトニウム", "デキストロメトルファン", "モルヒネ"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "がん終末期では、呼吸困難を呈することがあり、その症状を改善する目的でモルヒネを用いることがある。モルヒネの呼吸困難に対する作用機序は明確ではないが、呼吸中枢の感受性の低下、呼吸数の減少による酸素消費の低下が関与していると考えられている。"} +{"problem_id": "107068", "problem_text": "組換え体医薬品でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルテプラーゼ", "カルペリチド", "ソラフェニブ", "ニボルマブ", "レノグラスチム"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "組換え体医薬品には、酵素製剤(アルテプラーゼなど)、ホルモン製剤(カルペリチドなど)、抗体製剤(ニボルマブなど)、サイトカイン製剤(レノグラスチムなど)がある。なお、ソラフェニブは、チロシンニナーゼ阻害薬であり、組換え体医薬品ではない。"} +{"problem_id": "107069", "problem_text": "厚生労働省が発行する資料はどれか。1つ選べ。", "choices": ["医療用医薬品添付文書", "医薬品インタビューフォーム", "医薬品リスク管理計画", "医薬品・医療機器等安全性情報", "くすりのしおり"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n医療用医薬品添付文書は、製薬企業が発行する資料である。2:誤\n医薬品インタビューフォームは、製薬企業が発行する資料である。3:誤\n医薬品リスク管理計画は、製薬企業が発行する資料である。4:正\n5:誤\nくすりのしおりは、一般社団法人くすりの適性使用協議会が定めた基本フォーマットに従って製薬企業が発行する資料である。"} +{"problem_id": "107070", "problem_text": "被験者100人について、ある臨床検査値Xを調べた時のヒストグラムが以下のようになった。同じデータに基づいて作成した箱ひげ図として、妥当なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "箱ひげ図は、データの中心傾向やばらつきを箱(四角)とひげ(線)で表した図である。データを小さい方から並べ、値が何%の位置にあるかをパーセンタイルで表す、また、パーセンタイルを下記のように表す。25パーセンタイル: 第1四分位\n50パーセンタイル: 第2四分位(中央値)\n75パーセンタイル: 第3四分位\n第1四分位から第3四分位の範囲は、四分位範囲といい、箱(四角)で表す。ひげ(線)の下端は最小値(又は第1四分位-1.5\\times 四分位範囲のうち大きい値)、上端は最大値(又は第3四分位数+1.5\\times 四分位範囲のうち小さい値)を示す。また、外れ値は○で表す。設問のヒストグラムより、第1四分位は10〜15の間、中央値は15〜20の間、第3四分位は25〜30の間であると推察されるされるため下記のような箱ひげ図となる。"} +{"problem_id": "107071", "problem_text": "調剤済みとなった処方箋に薬剤師が記載しなければならないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者の病名", "患者の住所", "調剤年月日", "調剤した薬剤師の薬剤師名簿登録番号", "服薬指導の内容"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "◉調剤済みになった処方箋の記載事項\n調剤済みの旨、調剤年月日、調剤した薬局等の名称及び所在地、処方医の同意を得て医薬品を変更した場合の変更内容、疑義照会時の回答内容、薬剤師の記名押印または署名\n注: 調剤済みにならなかったときは、調剤量"} +{"problem_id": "107072", "problem_text": "新有効成分薬物などの初回治験計画を届け出る場合、保健衛生上の危害の発生を防止するために、厚生労働大臣が必要な調査を行う期間が設けられている。そのため、届出した日から(ア)日を経過した後でなければ、治験を依頼し、又は自ら実施してはならない。(ア)にあてはまる数値として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["3", "7", "15", "30", "60"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "新有効成分薬物などの初回治験計画を届け出た場合、届出した日から30日を経過した後でなければ、治験を依頼し、又は自ら実施してはならない。"} +{"problem_id": "107073", "problem_text": "GVP省令に基づき、新医薬品の適正使用のための情報提供と副作用情報の把握のために、市販後のある一定期間、製造販売業者が行う調査はどれか。1つ選べ。", "choices": ["一般使用成績調査", "製造販売後臨床試験", "市販直後調査", "特定使用成績調査", "使用成績比較調査"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "GVP(医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令)に基づき、医薬品の製造販売業者が販売を開始した後の6ヶ月間、診療において、医薬品の適正な使用を促し、重篤な副作用等の発生を迅速に把握するために行う調査として、市販直後調査がある。"} +{"problem_id": "107074", "problem_text": "薬害事案として、血友病患者への非加熱血液製剤の使用が原因となり生じたのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["HIV感染症", "クロイツフェルト・ヤコブ病", "アザラシ肢症", "スモン病", "クロロキン網膜症"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n2:誤\nクロイツフェルト・ヤコブ病は、ヒト乾燥硬膜の使用が原因で生じた薬害である。3:誤\nアザラシ肢症は、サリドマイドの使用が原因で生じた薬害である。4:誤\nスモン病は、キノホルムの使用が原因で生じた薬害である。5:誤\nクロロキン網膜症は、クロロキンの使用が原因で生じた薬害である。"} +{"problem_id": "107075", "problem_text": "毒物劇物営業者が行う毒物の容器及び被包への表示方法として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["「医薬用外」の文字及び白地に黒色をもって「毒物」の文字", "「医薬用外」の文字及び黒地に白色をもって「毒物」の文字", "「医薬用外」の文字及び赤地に白色をもって「毒物」の文字", "「医薬用外」の文字及び白地に赤色をもって「毒」の文字", "「医薬用外」の文字及び白地に黒色をもって「毒」の文字"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "毒物劇物営業者は、毒物の容器及び被包に「医薬用外」の文字及び赤地に白色をもって「毒物」の文字を表示しなければならない"} +{"problem_id": "107076", "problem_text": "次のうち、麻薬及び向精神薬取締法に基づく「証紙による封かん」の封が施されていない麻薬を譲り渡すことができる業者はどれか。1つ選べ。", "choices": ["麻薬輸入業者", "麻薬製造業者", "麻薬元卸売業者", "麻薬卸業者", "麻薬小売業者"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "麻薬旋用者、麻薬小売業者は、政府発行の証紙で封がされたままで麻薬を交付し、譲り渡してはならない。なお、麻薬輸入業者、麻薬輸出業者、麻薬製造業者、麻薬製剤業者、家庭麻薬製造業者、麻薬元卸売業者、麻薬卸売業者は、政府発行の証紙で封が施されているままでなければ、麻薬を譲渡してはならない。"} +{"problem_id": "107077", "problem_text": "図は、保険医療における医薬品供給の流れの一例を示している。薬価どおりの価格による取引はどれか。1つ選べ。", "choices": ["A", "B", "C", "D", "E"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "保険医療により保険薬局から患者に医薬品が供給される場合、薬価どおりの価格により取引される。"} +{"problem_id": "107078", "problem_text": "2018年に制定された「薬剤師行動規範」の内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者の自己決定権の尊重", "差別の排除", "医療資源の公正な配分", "収益性を優先した医薬品供給", "国民の主体的な健康管理への支援"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "薬剤師行動規範には、「収益性を優先した医薬品供給」は含まれていない。【薬剤師行動規範の概要】\n1 任務\n2 最善努力義務\n3 法令等の遵守\n4 品位及び信用の維持と向上\n5 守秘義務\n6 患者の自己決定権の尊重\n7 差別の排除\n8 生涯研鑽\n9 学術発展への寄与\n10 職能基準の継続的な実践と向上\n11 多職種間の連携と協働\n12 医薬品の品質、有効性及び安全性等の確保\n13 医療及び介護提供体制への貢献\n14 国民の主体的な健康管理への支援\n15 医療資源の公正な配分"} +{"problem_id": "107079", "problem_text": "ニュルンベルク綱領を踏まえ「人間を対象とする医学研究の倫理的原則」を内容とする、世界医師会が採択した宣言はどれか。1つ選べ。", "choices": ["リスボン宣言", "ヘルシンキ宣言", "世界人権宣言", "ジュネーブ宣言", "ポツダム宣言"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nリスボン宣言は、1981年にリスボンで開催された第34回世界医師会総会で採択されたものであり、患者の権利が示されている。2:正\nヘルシンキ宣言は、ニュルンベルク綱領(ナチスのユダヤ人に対する非人道的な人体実験の事件判例の一部を示したもの)を踏まえ、人間を対象とする医学研究の倫理的原則を規定したものであり、各国のGCP省令はこれに基づき制定されている。3:誤\n世界人権宣言は、1948年にパリで行われた国連総会において採択されたものであり、基本的人権尊重の原則を定めたものである。4:誤\nジュネーブ宣言は、1948年の世界医師会総会で採択されたものであり、医の倫理に関する規定である。5:誤\nポツダム宣言は、1945年にイギリス、アメリカ、中華民国の名において日本に対し発された降伏勧告の宣言である。"} +{"problem_id": "107080", "problem_text": "学校薬剤師の設置が法律で義務付けられていないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["幼稚園", "小・中学校", "高等学校", "大学", "特別支援学校"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "学校保健安全法で大学以外の学校(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校)には学校薬剤師の設置が義務付けられている。"} +{"problem_id": "107081", "problem_text": "「インフォームド・コンセント」に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["治験の被験者に対してのみ実施する。", "同意後には撤回できない。", "同意後には患者情報は個人名で一般公開する。", "本人に意思決定能力があれば、患者の主体性を重んじる。", "患者の心情に配慮するため、不安を与える内容は伝えない。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n治験の被験者に対してのみ実施するのではなく、治療を受ける患者に対してもインフォームド・コンセントを行う必要がある。2:誤\n同意後にも撤回することは可能である。3:誤\n治験の被験者の生命・健康・プライバシーの保護の観点から同意後、患者情報を個人名で一般公開することはない。4:正\n治験の被験者の自己決定権を尊重するため、本人に意思��定能力があれば、患者の主体性を重んじる。5:誤\n患者が治療についてしっかり理解した上で、自己決定することが重要であるため、不利益(副作用等)についても伝える。"} +{"problem_id": "107082", "problem_text": "以下の説明文に該当するのはどれか。1つ選べ。厚生労働省において、2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるような仕組みを構築することを推進している。", "choices": ["地域包括ケアシステム", "地域医療情報システム", "地域連携クリニカルパス", "健康サポート薬局", "かかりつけ薬局"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "◉地域包括ケアシステム\n団塊の世代が75歳以上となる2025年(令和7年)を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していく\n今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が重要である\n人口が横ばいで75歳以上人口が急増する大都市部、75歳以上人口の増加は穏やかだが人口は減少する町村部等、高齢化の進展状況には大きな地域差が生じている"} +{"problem_id": "107083", "problem_text": "薬学的管理の経過をSOAP形式で記録する場合、「O」の項目に記載する内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医師への処方提案内容", "患者の自覚症状", "投与方法の妥当性の評価", "薬に対する患者の訴え", "血中薬物濃度の測定値"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n医師への処方提案内容は、P(plan)に記載する。2:誤\n患者の自覚症状は、S(subjective data)に記載する。3:誤\n投与方法の妥当性の評価は、A(assessment)に記載する。4:誤\n薬物に対する患者の訴えは、S(subjective data)に記載する。5:正\n血中薬物濃度の測定値は、O(objective data)に記載する。"} +{"problem_id": "107084", "problem_text": "循環血液量の減少時における細胞外液の補給に用いる輸液として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["生理食塩水", "5%ブドウ糖液", "乳酸リンゲル液", "酢酸リンゲル液", "5%ブドウ糖加乳酸リンゲル液"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "循環血液量の減少時における細胞外液の補給には、等張性電解質輸液製剤(生理食塩水、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液、5%ブドウ糖加乳酸リンゲル液)が用いられる。なお、5%ブドウ糖液は、体内でブドウ糖が代謝され、体液に比べ低張になるため、細胞外液の補給には用いられない。"} +{"problem_id": "107085", "problem_text": "抗がん剤の無菌調製に関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["調製者は、手袋を二重に装着する。", "調製作業は、クリーンベンチ内で行う。", "調製に使用するシリンジの先端部は、ルアースリップ式を用いる。", "バイアルから薬液を吸引する場合は、バイアル内を陽圧にする。", "作業台が汚染した場合は、ペーパータオルで中心から外側に向かって拭き取る。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n調製者は、抗がん剤の被ばく防止目的で手袋を二重に装着する必要がある。2:誤\nクリーンベンチは、作業空間が陽圧に保たれており、ベンチ内の空気が調製者に向かって排出されるため、調製した薬による被ばくの危険性がある。よって、抗がん剤の調製には、クリーンベンチを使用することを避ける必要がある。なお、抗がん剤を調製する際には、作業空間が陰圧に保たれている安全キャビネットを用いる。3:誤\nルアースリップ式(差し込み式)は、注射針の脱落による薬液の漏れなどを起こすことがあるため、抗がん剤調整時に使用することを避ける必要がある。なお、抗がん剤を調製する際には、ルアーロック式(ねじ込み式)を用いる。4:誤\nバイアルから薬液を吸引する場合、薬液が噴出しないようにバイアル内を陰圧にする。5:誤\n作業台が汚染した場合は、汚染の拡散防止を目的として、ペーパータオルで中心から内側に向かって拭き取る。"} +{"problem_id": "107086", "problem_text": "風しんの流行の原因とな���主要な感染経路はどれか。1つ選べ。", "choices": ["食品媒介感染", "昆虫媒介感染", "飛沫感染", "空気感染", "垂直感染"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "風しんウイルスの主な感染経路は飛沫感染である。なお、風しんウイルスは垂直感染するが、流行の原因となる主要な感染経路とはならない。"} +{"problem_id": "107087", "problem_text": "薬剤師が糖尿病患者を訪問薬剤管理指導のために訪れた際、猛暑の中でぐったりしていたため脱水を疑いアセスメントをした。その項目として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["口渇の有無", "脇の下の乾燥", "HbA1c値", "爪圧迫時の色調変化", "脈拍"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "脱水している可能性がある場合、口渇の有無、脇の下の乾燥、爪圧迫時の色調変化、脈拍を確認する。なお、HbA1c値は、過去1〜2ヶ月の血糖値が反映するものであり、脱水状態の指標として用いられない。"} +{"problem_id": "107088", "problem_text": "病院を退院した患者が在宅療養となった。かかりつけ薬剤師がその患者に居宅療養管理指導を行うために、居宅サービス計画書の作成を依頼する職種はどれか。1つ選べ。", "choices": ["医師", "介護支援専門員", "作業療法士", "訪問看護師", "訪問介護員"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "居宅サービス計画書の作成を依頼する職種は、介護支援専門員(ケアマネージャー)である。介護支援専門員(ケアマネージャー)の業務には、居宅サービス計画書の作成、利用者の相談応対、行政、サービス事業者との連絡調整などがある。"} +{"problem_id": "107089", "problem_text": "疾病の一次予防に該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["がん検診", "がん患者への緩和ケア", "うつ病患者に対する社会復帰支援", "歩行機能低下患者に対する機能訓練", "地域住民を対象とした健康教室"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nがん検診は、早期発見・早期治療が目的で行われるため、二次予防に該当する。2:誤\nがん患者への緩和ケアは、能力低下防止・機能回復が目的で行われているため、三次予防に該当する。3:誤\nうつ病患者に対する社会復帰支援は、能力低下防止・機能回復が目的で行われているため、三次予防に該当する。4:誤\n歩行機能低下患者に対する機能訓練は、能力低下防止・機能回復が目的で行われているため、三次予防に該当する。5:正\n地域住民を対象とした健康教室は、健康な段階で健康維持の目的で行われるため、一次予防に該当する。"} +{"problem_id": "107090", "problem_text": "直近10年間の世界アンチドーピング規定において、禁止物質として指定されていない薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセタゾラミド", "エリスロポエチン", "メチルテストステロン", "カフェイン", "メチルフェニデート"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:禁止物質として指定されている\nアセタゾラミドは、利尿薬、隠蔽薬に分類され、常に使用が禁止されている。2:禁止物質として指定されている\nエリスロポエチンは、ペプチドホルモン、成長因子、関連物質および模倣物質に分類され、常に使用が禁止されている。3:禁止物質として指定されている\nメチルテストステロンは、蛋白同化薬に分類され、常に使用が禁止されている。4:禁止物質として指定されていない\nカフェインは、スポーツにおける濫用のパターンを把握するために監視することを望む物質(監視プログラム)に指定されている。5:禁止物質として指定されている\nメチルフェニデートは、興奮薬に分類され、競技会(時)に使用が禁止されている。"} +{"problem_id": "107091", "problem_text": "分子軌道法に基づく基底状態の分子の電子配置に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["電子は特定の原子に属さず、分子全体に広がっている。", "電子は一つの軌道に何個でも入ることができる。", "一つの軌道に同じ向きのスピンをもつ電子が複数入ることができる。", "電子はエネルギーの高い軌道から優先的に入ることがある。", "結合次数は、(結合性軌道の電子数-反結合性軌道の電子数)/2 で与えられる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n分子軌道法は、共有結合を生成する際に電子が分子全体に広がった軌道である分子軌道に移行すると考える概念である。なお、原子価結合法は、共有結合が生成する際に電子が各原子軌道に所属すると考える概念である。2:誤\n電子は一つの軌道に2個まで入ることができる(Pauliの排他原理)。3:誤\n一つの軌道に逆向きのスピンをもつ電子が入ることができる(Pauliの排他原理)。4:誤\n電子はエネルギーの低い軌道から優先的に入ることができる。5:正\n分子軌道法において、結合次数(結合の強さの目安)は、(結合性軌道の電子数-反結合性軌道の電子数)/2 で与えられる。"} +{"problem_id": "107092", "problem_text": "放射線及び放射壊変に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["放射壊変には0次反応速度式に従う過程と、1次反応速度式に従う過程の2通りがある。", "放射能のSI 組立単位はベクレル(Bq)であり、その定義は1秒あたりに壊変する原子核数である。", "\\beta ^{-}壊変では、生成する電子とニュートリノにエネルギーが分配されるため、電子のもつエネルギーは連続的な分布を示す。", "X線と\\gamma 線は電磁波であり、波長で区別されている。", "\\gamma 転移により放射される\\gamma 線のエネルギーは、壊変する原子核種によらず一定である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n放射壊変は1次反応速度式に従う。2:正\n放射能のSI 組立単位はベクレル(Bq)であり、1秒あたりに壊変する原子核数である。3:正\n\\beta ^{-}壊変では、電子とニュートリノ(中性微子)が同時に放出され、それぞれにエネルギーが分配されるため、電子のもつエネルギーは連続的な分布を示す。4:誤\nX線(原子核外から放出される電磁波)と\\gamma 線(原子核内から放出される電磁波)は発生部位で区別されている。5:誤\n\\gamma 転移により放射される\\gamma 線のエネルギーは、原子核種に固有の値であるため、壊変する原子核種により放出される\\gamma 線のエネルギーは異なる。"} +{"problem_id": "107093", "problem_text": "状態関数と経路関数に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["熱と仕事は経路関数である。", "温度は示量性の状態関数である。", "エンタルピーは示強性の状態関数である。", "熱力学第一法則より、内部エネルギーは経路関数であることがわかる。", "状態関数の変化量は、可逆過程でも不可逆過程でも等しい。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n熱と仕事は、系の状態が定まっても、一義的に定まらず、経路に依存するため、経路関数である。2:誤\n温度は系の大きさや、系に含まれる物質量に依存しないため、示強性状態関数である。3:誤\nエンタルピーは、系に含まれる物質量に依存するため、示量性状態関数である。4:誤\n熱力学第一法則より、内部エネルギーは状態関数であることがわかる。5:正\n状態関数は系の状態が定まると一義的に定まるため、状態関数の変化量は、可逆過程でも不可逆過程でも等しい。"} +{"problem_id": "107094", "problem_text": "生体膜の膜電位は、膜の両側におけるイオン濃度の不均衡によって生じる。そのイオン濃度の不均衡は、生体膜が水や小さいイオンは通すが、大きなイオンは通さない半透膜の性質をもつことで生じる。図のように、半透膜の内相にタンパク質 P^{5-}(-5 の電荷をもち 5 Na^{+}が対イオンとなっている)の0.01 mol/L水溶液を置き、外相には濃度が0.1 mol/LのNaCl水溶液を置いておく。平衡状態に達したとき、半透膜の外相と内相のNa^{+}とCl^{-}の濃度には次式が成立している。[Na^{+}]_{外相}・[Cl^{-}]_{外相}=[Na^{+}]_{内相}・[Cl^{-}]_{内相}\n平衡に達したときの半透膜の内相と外相のNa^{+}の濃度の差に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、浸透圧差に基づく物質の移動は考慮しないものとする。", "choices": ["0.01mol/L", "0.03mol/L", "0.05mol/L", "0.07mol/L", "0.09mol/L"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "107095", "problem_text": "ア〜ウのグラフは、反応次数の異なる化学反応の経時変化を表したものである。これらのグラフに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、[A]は反応物Aの濃度(懸濁液の場合は、その時点の、Aの全量を体積で割った値)、t は時間を表す。", "choices": ["傾きから反応速度定数を求められるのはアとウであるが、イでは求められない。", "MRI 信号の減衰はアのグラフと同じ変化を示す。", "半減期がその時点での濃度によって変化しない反応は、イのグラフを示す。", "懸濁液中の加水分解反応で、反応速度よりも溶解速度が速い場合は、ウのグラフを示す。", "ア〜ウの反応速度定数の次元は同じである。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "ア: 濃度の対数値と時間の関係が直線であることから1次反応のグラフである。ln[A]=ln[A_{0}] -k・tの関係が成り立つ。イ: 濃度の逆数値と時間の関係が直線であることから2次反応のグラフである。1/[A]=1/[A_{0}]+k・tの関係が成り立つ。:\nウ: 濃度と時間の関係が直線であることから0次反応のグラフである。[A]=[A_{0}]-k・tの関係が成り立つ。:\n1:誤\n上記のことより、ア、イ、ウそれぞれの傾きは、-k、k、-kであり、グラフの傾きから反応速度定数を求めることができる。2:正\nMRI信号の減退は、1次反応に従うため、アのグラフと同じ変化を示す。3:誤\n半減期がその時点の濃度によって変化しない反応は、1次反応であるため、アのグラフを示す。4:正\n懸濁液中の加水分解反応で、反応速度よりも溶解速度が速い場合は、0次反応に従うため、ウのグラフを示す。5:誤\n反応速度定数の次元は、反応次数nによって異なる。なお、反応速度定数の次元は、[濃度]^{1-n}・[時間]^{-1}で表される。"} +{"problem_id": "107096", "problem_text": "分配係数は、薬物の脂溶性の指標として用いられる。ある1価の弱酸HA(pKa 5.3)がpH5.0の緩衝液中に溶解している。この緩衝液200 mLに水と混ざり合わない有機溶媒 100 mLを加えてHAを1回抽出したところ、抽出率は75%であった。この弱酸HAの分配係数K_{D}(有機溶媒中の分子形の濃度/緩衝液中の分子形の濃度)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、温度は一定で、混合により有機溶媒と緩衝液の体積に変化はなく、イオン形(解離形)は有機層に移行しないものとする。また、10^{0.3}=2とする。", "choices": ["4.0", "5.0", "6.0", "7.0", "9.0"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "107097", "problem_text": "日本薬局方に記載されているハロゲン化物の定性反応A〜Dに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。定性反応 A 本品の溶液に「ア」試液を加えるとき、淡黄色の沈殿を生じる。沈殿を分取し、この一部に希硝酸を加えても溶けない。また、他の一部にアンモニア水(28)を加えて振り混ぜた後、分離した液に希硝酸を加えて酸性にすると_{イ}白濁する。B 本品の溶液に「ア」試液を加えるとき、_{ウ}沈殿を生じる。この一部に希硝酸を、また、他の一部にアンモニア水(28)を追加してもいずれも沈殿は溶けない。C 本品の溶液に「ア」試液を加えるとき、白色の沈殿を生じる。沈殿を分取し、この一部に希硝酸を加えても溶けない。また、他の一部に_{エ}過量のアンモニア試液を加えるとき、溶ける。D 本品の溶液に塩素試液を加えるとき、黄褐色を呈する。これを二分し、この一部にクロロホルムを追加して振り混ぜるとき、クロロホルム層は黄褐色〜赤褐色を呈する。また、他の一部にフェノールを追加するとき、_{オ}白色の沈殿を生じる。", "choices": ["「ア」に入る化合物は、塩化銀である。", "下線部イの白濁は臭化銀の生成による。", "下線部ウの沈殿は黒紫色を呈する。", "下線部エでは銀イオンが水酸化物イオンと錯イオンを形成する。", "下線部オの白色の沈殿は、2,4,6-トリブロモフェノールである。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "定性反応A: 日本薬局方一般試験法:定性反応:臭化物(1)\n本品(臭化物)の溶液に「硝酸銀」試液を加えるとき、淡黄色の沈殿を生じる。沈殿を分取し、この一部に希硝酸を加えても溶けない。また、他の一部にアンモニア水(28)を加えて振り混ぜた後、分離した液に希硝酸を加えて酸性にすると_{イ}白濁(AgBr)する。定性反応B: 日本薬局方一般試験法:定性反応:ヨウ化物(1)\n本品(ヨウ化物)の溶液に「硝酸銀」試液を加えるとき、_{ウ}沈殿(AgI: 黄色)を生じる。この一部に希硝酸を、また、他の一部にアンモニア水(28)を追加してもいずれも沈殿は溶けない。定性反応C: 日本薬局方一般試験法:定性反応:塩化物(1)\n本品(塩化物)の溶液に「硝酸銀」試液を加えるとき、白色の沈殿を生じる。沈殿を分取し、この一部に希硝酸を加えても溶けない。また、他の一部に_{エ}過量のアンモニア試液を加えるとき、溶ける(銀イオンがアンモニアと錯イオンを形成することで溶解する)。定性反応D: 日本薬局方一般試験法:定性反応:臭化物(2)\n本品の溶液に塩素試液を加えるとき、黄褐色を呈する。これを二分し、この一部にクロロホルムを追加して振り混ぜるとき、クロロホルム層は黄褐色〜赤褐色を呈する。また、他の一部にフェノールを追加するとき、_{オ}白色の沈殿(2,4,6-トリブロモフェノール)を生じる。1:誤\n「ア」に入る化合物は、硝酸銀である。2:正\n3:誤\n下線部ウの沈殿は黄色を呈する。4:誤\n下線部エでは銀イオンがアンモニアと錯イオンを形成する。5:正"} +{"problem_id": "107098", "problem_text": "日本薬局方塩化カルシウム水和物(CaCl_{2}・2H_{2}O: 147.01)の定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。本品約0.4gを精密に量り、水に溶かし、正確に200 mLとする。この液20 mLを正確に量り、水 40 mL 及び 8 mol/L 「ア」2mLを加え、更にNN指示薬0.1gを加えた後、直ちに_{イ}0.02 mol/L エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液で滴定する。ただし、滴定の終点は液の赤紫色が青色に変わるときとする。", "choices": ["「ア」に入れるべき溶液は、「アンモニア・塩化アンモニウム緩衝液」である。", "下線部イの溶液は遮光のガラス瓶に保存する。", "「ウ」に入れるべき数値は、2.220である。", "Ca^{2+}とエチレンジアミン四酢酸との反応で生じたキレートの錯生成定数は、Ca^{2+}とNN指示薬との反応で生じたキレートの錯生成定数より大きい。", "本定量法では、試料溶液中に Mg^{2+}が共存していても、塩化カルシウム水和物を定量することができる。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n「ア」に入るべき溶液は、水酸化カリウムである。NN指示薬とCaのキレート形成の最適pHは12〜13であるため、塩化カルシウム水和物を滴定する際には8mol/L水酸化カリウム試液を加える必要がある。2:誤\n0.02 mol/L エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(EDTA・2Na)液を保存する容器は、ポリエチレン瓶である。なお、EDTA・2Na液をガラス容器で保存した場合、ガラス中の金属が溶出し、EDTA・2Naの力価が低下する。3:誤\n「ウ」に入れるべき数値は、2.940である。CaCl_{2}・2H_{2}OとEDTA・2Naが1:1で反応するため、下記のように対応量を求めることができる。0.02mol/L エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(EDTA・2Na)液 1 mLには、0.02 mol/L\\times 1 mL=0.02mmolのEDTA・2Naが含まれており、0.02mol/L EDTA・2Na液 1 mL反応するCa^{2+}の物質量は、0.02mmolとなる。0.02mmolのCa^{2+}を含むCaCl_{2}・2H_{2}Oの質量は、0.02mmol \\times 147.01g/mol=2.940mgとなる。4:正\n錯生成定数は、錯体の生成のしやすさを表したものである。本定量法ではCa^{2+}とNN指示薬がキレートを形成している状態にEDTAを滴下することでCa^{2+}とEDTAがキレートを形成することを利用している。このことから、Ca^{2+}とエチレンジアミン四酢酸との反応で生じたキレートの錯生成定数は、Ca^{2+}とNN指示薬との反応で生じたキレートの錯生成定数より大きい。5:正\n本定量法では水酸化カリウムを添加することでアルカリ条件(pH12〜13)にあるため、Mg^{2+}は水酸化物として存在する。よって、本定量法では、試料溶液中に Mg^{2+}が共存していても、塩化カルシウム水和物を定量することができる。"} +{"problem_id": "107099", "problem_text": "固定相としてオクタデシルシリル(ODS)化シリカゲル、移動相としてアセトニトリルと水の混合液を用いて、ベンゼン、トルエン及びエチルベンゼンの分離を液体クロマトグラフィーにより行った。この分離に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エチルベンゼン、トルエン、ベンゼンの順で溶出する。", "理論段高さの値が小さいカラムに変更することにより、各成分間の分離度が向上する。", "移動相の流速と各成分間の分離係数は比例する。", "移動相中のアセトニトリルの割合を大きくすることにより、各成分間の分離度が向上する。", "固定相にシリカゲル、移動相に n-ヘキサンーアセトン混液を用いても、溶出順は変わらない。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n固定相にオクタデシルシリル(ODS)化シリカゲルを用いた逆相クロマトグラフィーでは、疎水性��高い物質が固定相に吸着されるため、疎水性の低い物質から先に溶出する。よって、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンの順に溶出する。2:正\n理論段高さは、カラムの長さを理論段数で除した値であり、理論段高さの値が小さい方が理論段数が大きくなる。理論段数の高いカラムを用いると、分離度が向上するため、理論段高さの値が小さいカラムに変更することにより、各成分間の分離度が向上する。3:誤\n分離係数は、クロマトグラム上の2つの成分のピーク相互の保持時間の関係を示す値であり、移動相の流速とは無関係である。4:誤\n移動相中のアセトニトリルの割合を大きくすると、移動相の疎水性が高くなるため、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンが移動相に移行しやすくなり、保持時間が短くなる。よって、移動相中のアセトニトリルの割合を大きくしても各成分間の分離度は向上しない。5:誤\n固定相にシリカゲルを用いた順相クロマトグラフィーでは、親水性の高い物質が固定相に吸着されるため、逆相クロマトグラフィーと溶出順は逆になる。"} +{"problem_id": "107100", "problem_text": "キャピラリー電気泳動は、微量の試料の分析に極めて有用であり、臨床検査における血清タンパク質の分析にも用いられている。溶融シリカ毛細管を用いたキャピラリー電気泳動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["pH7の緩衝液を用いると、電気浸透流は陰極から陽極の方向に向かう。", "キャピラリーゾーン電気泳動ではpH7の緩衝液を用いると、陽イオン性物質と中性物質は同時に泳動される。", "キャピラリーゲル電気泳動でタンパク質を分離すると、分子サイズの大きい順に検出される。", "キャピラリー等電点電気泳動では、緩衝液に両性電解質(ポリアミノカルボン酸など)を溶解して分離を行う。", "ミセル動電クロマトグラフィーでは、中性物質の相互分離が可能である。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n溶融シリカ毛細管を用いたキャピラリーの内壁のシラノール基(Si-OH)は、pH3以上で解離するため、中性(pH7)の緩衝液を用いて電気泳動を行うと、陽極から陰極の方向に向かう電気浸透流(正電荷の流れ)が発生する。2:誤\nキャピラリーゾーン電気泳動で陽イオン性物質と中性物質を分離すると、陽イオン性物質は電気浸透流と同じ向きに引き寄せられながら泳動されるため、中性物質よりも早く泳動される。3:誤\nキャピラリーゲル電気泳動では、ゲルの抵抗を受けにくいサイズの小さいものから順に検出される。4:正\nキャピラリー等電点電気泳動では、キャピラリー内に安定なpH勾配を形成するために緩衝液に両性電解質(ポリアミノカルボン酸など)を溶解して分離を行う。5:正\nミセル動電クロマトグラフィーとは、泳動液に陰イオン性界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム)を添加し、電気泳動を行う方法のことであり、本法により中性物質を分離することが可能である。"} +{"problem_id": "107101", "problem_text": "D-リボースの構造を正しく表しているFicher投影式はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "◉DL表示\n糖のDL表示は、鎖状糖をフィッシャー投影式で表記する場合、一番上に位置するカルボニル基から最も遠い不斉炭素に結合するヒドロキシ基が右にあるものをD体、左のものをL体とする。設問に「D-リボース」と記載されていることからフィッシャー投影式で表記した場合「CHO」から最も遠い「OH」が右となる(選択肢1、2、3のいずれか)。◉絶対配置\n下記よりD-リボースの絶対配置は、2R、3R、4Rとなる。フィッシャー投影式では、左右の結合は紙面の手前側、上下の結合は紙面の奥側に配置する。DL表示、絶対配置より選択肢1がD-リボースとなる。選択肢2: D-アラビノース:絶対配置(2S、3R、4R)\n選択肢3: D-キシロース:絶対配置(2R、3S、4R)\n選択肢4: L-リボース:絶対配置(2S、3S、4S)\n選択肢5: L-キシロース:絶対配置(2S、3R、4S)"} +{"problem_id": "107102", "problem_text": "1,2-ジメチルシクロヘキサンの構造Aに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aはシス体である。", "Aのエナンチオマーはアである。", "Aのいす形配座が環反転した配座異性体はイで���る。", "Aのメチル基は、両方ともエクアトリアル位に結合している。", "Aのメチル基同士に働く、1,3-ジアキシアル相互作用により不安定化されている。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "構造A、アおよびイは、いずれもtrans-1,2-ジメチルシクロヘキサンである。1:誤\nAは、メチル基が共にシクロヘキサンに対して反対側に結合しているため、トランス体である。2:誤\nAとアは同一化合物である。3:正\nAのいす形配座を環反転すると、いすの向きが逆になり置換基の立体配座が変化し、配座異性体のイとなる。なお、配座異性体とは、単結合の回転により相互変換可能な異性体のことであり、配座異性体同士では、絶対配置は変化しない。4:正\nシクロヘキサンのいす形配座において、垂直方向の結合をアキシアル結合、斜め方向の結合をエクアトリアル結合という。よって、Aのメチル基は両方ともエクアトリアル位に結合している。5:誤\nAのメチル基は共にエクアトリアル位に結合しているため、1,3-ジアキシアル相互作用は働かない。なお、イのメチル基は共にアキシアル位に結合しているため、1,3-ジアキシアル相互作用が働く。"} +{"problem_id": "107103", "problem_text": "主生成物としてメソ体を与えるのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "メソ体とは、不斉中心と分子内対称面を両方有するアキラルな化合物である。1:誤\n水溶液中でアルケンに臭素を反応させると、ブロモニウムイオン中間体を生成後、水と反応し、anti付加した化合物が生成する。水溶液中で1,2-ジメチルシクロヘキセンに臭素を反応させると、(1R,2R)-2-ブロモ-1,2-ジメチルシクロヘキサノールと(1S,2S)-2-ブロモ-1,2-ジメチルシクロヘキサノールの等量混合物(ラセミ体)が生成する。2:正\nアルケンに臭素を反応させると、ブロモニウムイオン中間体を生成後、anti付加の化合物が生成する。trans-ブタ-2-エンに臭素を反応させると、ブロモニウムイオン中間体を生成後、((2R,3S)-2,3-ジブロモブタン(メソ体))が生成する。3:誤\nアルケンを四酸化オスミウムで酸化した後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液で処理すると、1、2-ジオールが生成する。trans-ブタ-2-エンを四酸化オスミウムで酸化した後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液で処理すると、(2R,3R)-ブタン-2,3-ジオールと(2S,3S)-ブタン-2,3-ジオールの等量混合物(ラセミ体)が生成する。4:誤\nアルケンに臭化水素を付加すると、マルコフニコフ型の臭化アルキルを生成する。ブタ-1-エンから(2R)-2-ブロモブタンと(2S)-2-ブロモブタンの等量混合物(ラセミ体)が生成する。5:誤\nアルケンにボランを反応させた後、塩基性条件下、過酸化水素で処理すると、逆マルコフニコフ型のアルコールが生成する。1,2-ジメチルシクロヘキセンからは、(1R,2R)-1,2-ジメチルシクロヘキサノールと(1S,2S)-1,2-ジメチルシクロヘキサノールの等量混合物(ラセミ体)が生成する。"} +{"problem_id": "107104", "problem_text": "次の反応のうち、主生成物の構造を正しく示しているのはどれか。1つ選べ。ただし、各反応はそれぞれ適切な溶媒を用いて行い、反応終了後、適切な後処理を施したものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nアセトアニリドに臭素を反応させると、芳香族求電子置換反応が進行する。芳香族求電子置換反応において、アセトアニリドはアセチルアミノ基の電子供与効果によりオルト・パラ配向性を示す。しかし、アセチルアミノ基の立体的な影響によりオルト位での反応が抑制されるため、主にパラ位で反応が進行する。2:誤トルエンに混酸(HNO_{3}、H_{2}SO_{4})を反応させると、生成するニトロニウムイオン(^{+}NO_{2})が試薬となり、芳香族求電子置換反応が進行する。芳香族求電子置換反応において、トルエンはメチル基の電子供与効果によりオルト・パラ配向性を示す。3:誤アセトフェノンに混酸(HNO_{3}、H_{2}SO_{4})を反応させると、生成するニトロニウムイオン(^{+}NO_{2})が試薬となり、芳香族求電子置換反応が進行する。芳香族求電子置換反応において、アセトフェノンはアセチル基の電子求引効果によりメタ配向性を示す。4:誤フェノール誘導体に臭素を反応させると、芳香族求電子置換反応が進行する。p-クレゾールにはベンゼン環にヒドロキシ基(-OH)、メチル基(-CH_{3})が結合しており、いずれも電子供与効果を示すが、ヒドロキシ基の電子供与効果が強いため、芳香族求電子置換反応において、p-クレゾールはヒドロキシ基の電子供与効果によりヒドロキシ基のオルト位で優先して反応が進行する。5:正\nブロモベンゼンに硫酸を加熱し反応させると、芳香族求電子置換反応が進行する。芳香族求電子置換反応において、ブロモベンゼンはブロモ基の電子供与効果によりオルト・メタ配向性を示す。"} +{"problem_id": "107105", "problem_text": "日本薬局方に収載されている次の確認試験に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。「本品1mLにヨウ素試2mL及びA試液2mLを加えて振り混ぜるとき、淡黄色の沈殿を生じる。」", "choices": ["ヨウ素は求電子剤として働く。", "イソプロパノールはこの確認試験で陽性となる。", "化合物の構造に含まれるホルミル基の検出に用いられる。", "Aは水酸化ナトリウムである。", "淡黄色の沈殿はヨードホルムである。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "「本品1mLにヨウ素試2mL及び(A: 水酸化ナトリウム)試液2mLを加えて振り混ぜるとき、淡黄色の沈殿を生じる。」のは、メチルケトンの構造の確認試験として用いられるヨードホルム反応である。塩基性条件下、構造中にメチルケトンを有する化合物にヨウ素を反応させると、メチル基の炭素に結合しているHがIに置換され、その後、OHがカルボニルの炭素を求核的に攻撃し、カルボン酸塩とヨードホルム(淡黄色の沈殿)が生成される。なお、イソプロパノールは酸化されることでメチルケトン構造を生成するため、ヨードホルム反応で陽性となる。"} +{"problem_id": "107106", "problem_text": "ボルテゾミブは、プロテアソームの\\beta 5サブユニットのN末端トレオニン残基と結合し複合体を形成することにより、プロテアソームの働きを阻害する。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アで示した複素環はピリミジン環である。", "イで示した不斉中心の立体配置はS配置である。", "ウで示したホウ素はルイス酸として働く。", "エで示したホウ素の形式電荷は+1である。", "エで示したホウ素はsp^{3}混成である。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nアで示した複素環はピラジン環である。2:誤\nイで示した不斉中心の立体配置はR配置である。3:正\nウのホウ素原子は3つの原子と共有結合しており、空軌道を有するため、電子対を受け入れることができるルイス酸として働く。4:誤\n形式電荷は、(遊離原子の価電子数)-2\\times (非共有電子対の数)-(結合電子対の数)で計算できる。ホウ素原子の価電子数は3、ホウ素(エ)は4つの結合(結合電子対)を有するため、エで示したホウ素の形式電荷は-1である。5:正\nエで示したホウ素は4つの結合を有しているため、sp^{3}混成をとる。"} +{"problem_id": "107107", "problem_text": "次の抗悪性腫瘍薬のうち、DNAの塩基部分をアルキル化するのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nイマチニブの構造である。イマチニブはBcr-Ablチロシンキナーゼを選択的に阻害する。2:正\nマイトマイシンCの構造である。マイトマイシンCは核酸塩基をアルキル化することで抗悪性腫瘍効果を発現する。マイトマイシンCにおけるアジリジン構造中の炭素-窒素結合が切断され開環することによりDNA核酸塩基がアルキル化される。3:誤\nタモキシフェンの構造である。タモキシフェンは乳がん組織に存在するエストロゲン受容体に対して遮断作用を示す。4:誤\nテガフールの構造である。テガフールはシトクロムP450により5-Fuとなり、チミジル酸合成酵素を不可逆的に阻害する。5:誤\nリュープロレリンの構造である。リュープロレリンは黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)誘導体であり、下垂体に存在するLH-RH受容体を繰り返し刺激することで卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモンの分泌を抑制する。"} +{"problem_id": "107108", "problem_text": "日本薬局方収載センナに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["マメ科植物 Cassia angustifolia Vahl または Cassia acutifolia Delile の小葉を基原とする生薬である。", "確認���験としてマグネシウム-塩酸反応が用いられる。", "純度試験として残留農薬(総BHC及び総DDT)の量が規定されている。", "瀉下作用を示す活性本体は、腸内細菌により生成したアントロン類である。", "妊婦や妊娠している可能性のある女性に使用する場合には流早産の危険性があるため注意を要する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\nセンナは、マメ科植物 Cassia angustifolia Vahl または Cassia acutifolia Delile の小葉を基原とする生薬であり、瀉下作用を有するセンノシドAなどを含有する。2:誤っている\nセンナはアントラキノン類を含有しており、アルカリによる呈色反応が確認試験として用いられる。なお、マグネシウム-塩酸反応は、フラボノイドを含有する生薬の確認試験として用いられる。3:正しい\n日本薬局方センナの純度試験として、残留農薬(総BHC及び総DDT)の量が規定されている。::\n4:正しい\nセンナの主成分であるセンノシドAは、ヒトの腸内細菌の\\beta -グルクロニダーゼにより加水分解された後、さらに還元され、瀉下作用を示す活性体であるアントロン類(レインアンスロン)を生成する。5:正しい\nセンナは、子宮収縮作用、骨盤内臓器充血作用を有するため、妊婦や妊娠している可能性のある女性に使用する場合には、流早産の危険性があるため注意を要する。"} +{"problem_id": "107109", "problem_text": "天然物由来成分の化学構造に開発された、血液凝固抑制作用を有するクマリン誘導体はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nメトキサレンの構造である。メトキサレンはフラノクマリン誘導体であり、尋常性白斑治療薬として用いられている。2:誤\nトラニラストの構造である。トラニラストはナンジノシドを基に開発された医薬品であり、気管支喘息、アレルギー性鼻炎の治療薬として用いられている。3:誤\nイプリフラボンの構造である。イプリフラボンはムラサキウマゴヤシに含まれるイソフランボン誘導体であり、骨粗しょう症治療薬として用いられている。4:正\nワルファリンカリウムの構造である。ワルファリンは、スイートクローバーに含まれるクマリン誘導体(ジクマロール)を基に開発された医薬品であり、抗凝固薬として用いられる。5:誤\nクロモグリク酸ナトリウムの構造である。クロモグリク酸は、セリ科植物に含まれるケリンを基に開発された医薬品であり、抗アレルギー薬として用いられる。"} +{"problem_id": "107110", "problem_text": "図は、洞房結節細胞の自発性活動電位に対する自律神経の影響を示したものである。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["点線から実線への変化は、主にノルアドレナリンのアドレナリン\\beta _{1}受容体刺激によるものである。", "点線から実線への変化は、主にアセチルコリンのアセチルコリン M_{2}受容体刺激によるものである。", "点線から実線への変化は、心拍数の減少を表している。", "閾値からの急速な脱分極(第0相)は、主に細胞内へのCa^{2+}流入によるものである。", "閾値からの急速な脱分極(第0相)は、主に細胞外への Na^{+}流出によるものである。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n点線から実線への変化は、活動電位発生の間隔が短くなっていることから心拍数が増大していることを表している。洞房結節細胞の\\beta _{1}受容体がノルアドレナリンにより刺激されると、脈拍数が増大することから、点線から実線への変化は、主にノルアドレナリンのアドレナリン\\beta _{1}受容体刺激によるものと考えられる。2:誤\nアセチルコリンがアセチルコリンM_{2}受容体を刺激すると、心機能が低下し、心拍数が減少するため、実線から点線に活動電位が変化する。3:誤\n解説1参照\n4:正\n洞房結節の細胞には、Na^{+}チャネルが少ないため、洞房結節の膜電位の変化にはNa^{+}ほとんど影響を与えない。なお、洞房結節における0相での変化は、L型Ca^{2+}チャネルの開口による細胞内へのCa^{2+}流入に起因する。5:誤\n解説4参照"} +{"problem_id": "107111", "problem_text": "図は、アンジオテンシンIIの生成経路とアンジオテンシンIIによる血圧調節の概要を示したものである。この図の内容に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アン���オテンシノーゲンを分泌する組織1は、心臓である。", "アンジオテンシノーゲンを限定分解する酵素Aは、腎臓の糸球体を流れる血液量が上昇した時に分泌量が増加する。", "アンジオテンシンIを限定分解する酵素Bは、肺の毛細血管などに多く存在する。", "アンジオテンシンIIが作用する組織2は、副腎皮質網状層である。", "ホルモンCは、腎臓の遠位尿細管でのNa^{+}の再吸収を抑える。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nアンジオテンシノーゲンを分泌する組織は、肝臓や脂肪細胞である。2:誤\nアンジオテンシノーゲンを限定分解する酵素A(レニン)は、腎臓の糸球体を流れる血液量が低下した時に分泌量が増加する。3:正\nアンジオテンシンIを限定分解する酵素B(アンジオテンシン変換酵素)は、肺の毛細血管などに多く存在する。4:誤\nアンジオテンシンIIが作用する組織は、副腎皮質球状層である。5:誤\nホルモンCは、腎臓の遠位尿細管でのNa^{+}の再吸収を促進する。"} +{"problem_id": "107112", "problem_text": "血小板に関わる分子についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["セロトニンは、血管の損傷部位で活性化された血小板から放出される。", "セロトニンは、血小板のホスホジエステラーゼを活性化して、血小板凝集を抑制する。", "アデノシン二リン酸(ADP)は、血小板内のイノシトール三リン酸(IP_{3})量を増加させ、血小板凝集を促進する。", "トロンボキサンA_{2}は、血小板内のCa^{2+}濃度を上昇させ、血小板凝集を促進する。", "プロスタグランジンI_{2}は、血小板内のサイクリックAMP(cAMP)量を減少させ、血小板凝集を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n血小板は、血管の損傷部位で露出したコラーゲンに粘着すると活性化される。活性化された血小板からは、セロトニン、ADP、トロンボキサンA_{2}が放出される。2:誤\nセロトニン、トロンボキサンA_{2}は、血小板内のイノシトール三リン酸(IP_{3})量を増加させることにより血小板内のCa^{2+}濃度を上昇させ、血小板凝集を促進する。3:誤\nアデノシン二リン酸(ADP)は、血小板内のcAMP量を減少させ、血小板凝集を促進する。4:正\n解説2参照\n5:誤\nプロスタグランジンI_{2}は、血小板内のcAMP量を上昇させ、血小板凝集を抑制する。"} +{"problem_id": "107113", "problem_text": "糖新生に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["乳酸、脂肪酸、ロイシン、グルタミン酸などからグルコースを生合成する代謝経路である。", "主に骨格筋で起こる反応である。", "律速酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)は、ピルビン酸からホルホエノールピルビン酸を生成する。", "糖新生の中間体であるホスホエノールピルビン酸の生成には、GTPが必要である。", "グルカゴン刺激により、PEPCK遺伝子の発現が亢進する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n脂肪酸やロイシンなどのケト原性アミノ酸は、糖新生の基質にならない。なお、乳酸、グルタミン酸は糖新生の基質となる。2:誤\n糖新生は主に肝臓、腎臓で行われる。3:誤\n糖新生の律速酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)は、オキサロ酢酸からホルホエノールピルビン酸の生成に関わる。4:正\n糖新生の中間体であるホスホエノールピルビン酸は、GTPを必要とするPEPCKによりオキサロ酢酸から生成する。5:正\nグルカゴン刺激により、PEPCK遺伝子の発現が亢進し、オキサロ酢酸からホスホエノールピルビン酸の生合成が促進され糖新生が亢進する。"} +{"problem_id": "107114", "problem_text": "薬物Aに感受性のある培養細胞を用いて、その細胞内の代謝調節タンパク質Bについて調べることにした。操作の流れを図1に示す。培地に薬物Aを添加して細胞を1時間培養した後、培地を除去してから細胞を回収した。細胞を破砕し、低速度の遠心操作で核画分を分離回収した。さらに高速度の遠心操作で、核を除いた細胞の膜画分を分離回収した。また、対照として、培地に薬物Aを添加しなかった細胞についても同様の操作を行った。ドデシル硫酸ナトリウムを用いたポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)にて、核画分及び膜画分中のタンパク質を分離し、タンパク質Bに対するポリクローナル抗体を用いてウエスタンブロットを行った。SDS-PAGEは、還元剤(2-メルカプトエタノール)を添加した条件と添加しない条件の2通りの方法で行ったところ、図2に示す結果を得た。以上の実験結果とその結果から推測される記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["タンパク質Bは、核膜に局在するタンパク質である。", "タンパク質Bは、分子間ジスルフィド結合を持つ。", "タンパク質Bから生じた約30kDaのタンパク質は、核内に移行する。", "タンパク質Bは、薬物Aで刺激された細胞内で3つに切断される。", "タンパク質Bの分子量は、約50kDaである。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "図2の実験結果より、タンパク質Bについて以下のことが推察される。◉還元剤非添加の実験結果からわかること\n還元剤非添加におけるレーン1(薬物A非添加:核画分)、レーン2(薬物A非添加:膜画分)よりタンパク質Bは、分子量約100kDaで主に膜画分に存在すると推察される。また、還元剤非添加におけるレーン3(薬物A添加:核画分)、レーン4(薬物A添加:膜画分)より薬物A添加によりタンパク質Bが分子量約70kDaと約30kDaの2つのタンパク質に分離し、分子量約70kDaのタンパク質は膜画分に残り、分子量約30 kDaのタンパク質は核画分に移行したと推察される。◉還元剤添加の実験結果からわかること\n還元剤添加におけるレーン1(薬物A非添加:核画分)、レーン2(薬物A非添加:膜画分)より分子量約100kDaのタンパク質Bは、還元剤によりジスルフィド結合が切断され、分子量約80kDaと約20kDaに分離したと推察される。また、還元剤添加におけるレーン3(薬物A添加:核画分)、レーン4(薬物A添加:膜画分)より薬物A添加によりタンパク質Bが分子量約70kDaと約30kDaの2つのタンパク質に分離し、さらに膜画分に存在する分子量約70kDaは還元剤によりジスルフィド結合が切断され、分子量約50kDaと約20kDaに分離したと推察される。"} +{"problem_id": "107115", "problem_text": "テロメアに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["テロメアは、染色体の末端に存在し、特定のDNA塩基配列の繰り返し構造を含む。", "テロメアを開始点としてDNAが複製される。", "生殖細胞系列の分裂時には、テロメアは短縮する。", "多くのがん細胞で、テロメアを伸長させるテロメラーゼが発現している。", "テロメア伸長の鋳型として、tRNAが利用される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nテロメアは染色体の末端に存在し、特定のDNA塩基配列が繰り返し続いている構造を有しており、染色体の安定性に関与している。2:誤\nテロメアを開始点としてDNAは複製されない。なお、DNAの複製は複製開始点から開始される。3:誤\n生殖細胞、がん細胞では高いテロメラーゼ活性が認められており、生殖細胞、がん細胞の分裂時には、テロメアの長さは維持される。なお、正常な体細胞では、テロメラーゼ活性がほぼ無いため、分裂時にテロメアは短縮する。4:正\n解説3参照\n5:誤\nテロメア伸長の鋳型として、テロメラーゼが有するRNAが利用される。"} +{"problem_id": "107116", "problem_text": "図は、単量体で作用する酵素のヒト遺伝子構造を示したものである。5つのエキソンを順に数字で表し、矢印A、Bは、頻度が高い2種類の遺伝子多型A、Bのそれぞれの位置を示す。多型Aはプロモーター領域に、多型Bは翻訳領域に存在する。この遺伝子は常染色体上に存在し、多型Aのヘテロ接合体では、野生型ホモ接合体と比べて、この酵素の活性がほぼ半分になる。多型Bのヘテロ接合体では、酵素活性が野生型ホモ接合体の約3/4になる。この多型に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["多型Aは、この酵素のmRNA量に影響する。", "多型Bは、サイレント変異である。", "多型Aヘテロ接合体と多型Bヘテロ接合体の夫婦からは、多型Aと多型Bを両方もつ子が生まれる可能性がある。", "多型Bの遺伝子産物のアミノ酸配列は、野生型と同一である。", "多型Bは、逆転写酵素を用い、第2エクソン内の配列に対するRT-PCRで判定できる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n多型Aでは、プロモーター領域の塩基配列が変異しており、基本転写因子、RNAポリメラーゼのプロモーター領域への結合に変化が生じ、酵素遺伝子の転写反応に影響が現れ、生成されるmRNA量が変化すると考えられる。2:誤\n多型Bでは、エキソン領域の塩基配列が変異しており、酵素のアミノ酸配列に変化が現れ、その活性が約3/4になっているため、サイレント変異(塩基配列に変異があってもアミノ酸配列に変化がなく、酵素活性の変化がみられない)ではない。3:正\n相同染色体上の同一遺伝子座に存在する遺伝子を対立遺伝子という。対立遺伝子が同一のものをホモ接合体、異なるものをヘテロ接合体という。多型Aヘテロ接合体と多型Bヘテロ接合体の夫婦からは、生まれる可能性がある子は次の通りである。4:誤\n解説2参照\n5:誤\n多型Bは、第1エキソン領域の塩基配列が変異しているため、第2エクソン内の配列に対するRT―PCRでは判定できない。"} +{"problem_id": "107117", "problem_text": "ヒトの免疫系の組織と細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["骨髄では、造血幹細胞が分裂している。", "胸腺では、B細胞が正の選択と負の選択を受け、形質細胞へと分化する。", "リンパ節では、高内皮細静脈から移行したT細胞が、樹状細胞に対して抗原提示をする。", "肝臓では、老化した赤血球が除去される一方で、血液中の抗原に対する免疫応答が行われる。", "小腸のパイエル板では、上皮層のM細胞を介して取り込まれた抗原に対する免疫応答が行われる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n骨髄では、造血幹細胞はあらゆる血液系の細胞に分裂するとともに、自己複製を行なっている。2:誤\n胸腺で正の選択^{注1}、負の選択^{注2}を受けて分化・成熟するのはT細胞である。注1\n胸腺上皮細胞上のMHC分子と自己抗原の複合体と弱く反応するTCRを発現した細胞だけが増殖する\n注2\n胸腺上皮細胞上のMHC分子と自己抗原の複合体と強く反応するTCRを発現した細胞だけが選択的にアポトーシスにより死滅する\n3:誤\nリンパ節では、高内皮細静脈から移行したT細胞に樹状細胞から抗原提示されることで免疫応答が行われる。4:誤\n老化した赤血球が除去されるのは、脾臓である。なお、脾臓には、赤脾髄と白脾髄が存在しており、それぞれ赤血球の除去及び免疫応答に関与している。5:正\n小腸には2次リンパ器官であるパイエル板が存在する。パイエル板では小腸上皮細胞層に存在するM細胞を介して取り込まれた抗原に対する免疫応答が行われる。"} +{"problem_id": "107118", "problem_text": "図は、ヒト免疫グロブリンG(IgG)の構造を模式的に示したものである。領域A〜領域Eで示したIgGの部分構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["領域Aは、個体ごとに決められた一定のアミノ酸配列を示す。", "領域Bで、N-結合型の糖鎖修飾がなされている。", "領域Cでは、2本のH鎖がシステイン残基間で共有結合している。", "領域Dは、マクロファージの細胞膜上の受容体に結合する。", "領域Eにより、IgGのサブクラスが決定される。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n領域Aは可変部であり、同一個体であってもB細胞ごとにアミノ酸配列が異なる。2:誤\n免疫グロブリンは糖タンパク質であり、D領域に存在するアスパラギン残基に糖鎖が結合することでN-結合型の糖鎖修飾がなされている。3:正\n領域Cでは、2本のH鎖がシステイン残基間でジスルフィド結合(共有結合)している。4:正\nマクロファージの細胞膜上には、IgGのFc部に対する受容体(Fc\\gamma 受容体)が存在しており、IgGのFc部(領域D)が結合する。5:誤\nIgGには4つのサブクラス(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)が存在し、H鎖定常部によりサブクラスが決定される。"} +{"problem_id": "107119", "problem_text": "細菌の細胞表面構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グラム陽性細菌には、タイコ酸やリポタイコ酸が結合した厚いペプチドグリカン層が、細胞膜の内側に存在する。", "グラム陰性細菌には、細胞膜(内膜)の外側に薄いペプチドグリカン層があり、さらにその外側には内毒素であるリポ多糖を含む外膜が存在する。", "淋菌などナイセリア属菌には、ミコール酸と呼ばれる長鎖脂肪酸を多量に含んだ厚い脂質層が存在する。", "マイコプラズマには、ペプチドグリカンや細胞膜が存在しない。", "肺炎球菌には、多糖を主成分とする莢膜が存在する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nグラム陽性細菌には、タイコ酸やリポタイコ酸が結合した厚いペプチドグリカン層が、細胞膜の外側に存在する。2:正\nグラム陰性細菌には、細胞膜(内膜)の外側に薄いペプチドグリカン層と外膜が存在する。外膜には内毒素であるリポ多糖が含まれている。3:誤\n淋菌などナイセリア属菌には、ミコール酸と呼ばれる長鎖脂肪酸を多量に含んだ厚い脂質層は存在しない。4:誤\nマイコプラズマには、細胞壁は存在しないが、細胞膜は存在する。5:正\n肺炎球菌は、レンサ球菌属(ストレプトコッカス属)であり、多糖を主成分とする莢膜を有する。"} +{"problem_id": "107120", "problem_text": "下表は、2020年10月1日現在の年齢区分別人口割合を示したものである。この表に基づく人口指標に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["老年化指数は250を超えている。", "老年人口指数は50を超えている。", "年少人口指数は20を超えている。", "従属人口指数は80を超えている。", "老年人口割合は25%を超えている。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "15歳未満(0〜14歳): 年少人口:15〜64歳: 生産年齢人口:65歳以上: 老年人口"} +{"problem_id": "107121", "problem_text": "疫学調査の結果に基づいて因果関係を判定する際の基準に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["関連の一致性とは、対象とする要因と疾病に関して、調査の時期、場所、対象集団などを変えても同様の結果が得られることである。", "関連の強固性とは、疫学以外の実験的な研究で得られた知見や理論と疫学調査の結果が矛盾しないことである。", "関連の特異性とは、要因の曝露があると相対危険度やオッズ比が統計学的に有意に高くなることである。", "関連の時間性とは、疾病の発生以前に要因の曝露があることである。", "関連の整合性とは、要因の曝露があれば必ず疾病の発生があり、曝露がなければ疾病の発生がないことである。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n2:誤\n関連の強固性とは、要因の曝露があると相対危険度やオッズ比が統計学的に有意に高くなることである。3:誤\n関連の特異性とは、要因の曝露があれば必ず疾病の発生があり、曝露がなければ疾病の発生がないことである。4:正\n5:誤\n関連の整合性とは、疫学以外の実験的な研究で得られた知見や理論と疫学調査の結果が矛盾しないことである。"} +{"problem_id": "107122", "problem_text": "検疫に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["検疫法は、国内に常在しない感染症の病原体が船舶又は航空機を介して国内に侵入することの防止を目的としている。", "検疫感染症の患者は、入国停止、隔離、停留あるいは消毒等の措置がとられる。", "新興感染症は、すべて検疫感染症に含まれる。", "検疫感染症には、感染症法^{*}に定める一類感染症が含まれる。*感染症法: 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律", "検疫感染症には、感染症法^{*}に定める新型インフルエンザ等感染症が含まれる。*感染症法: 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n検疫法は、国内に常在しない感染症の病原体が船舶・航空機を介して国内に侵入することの防止と、船舶・航空機に関し感染症の予防に必要な措置を講ずることを目的としている。2:正しい\n検疫法により検疫感染症の患者は、入国停止、隔離、停留あるいは消毒等の措置がとられる。3:誤っている\n新興感染症とは、「おおむね1970年(昭和45年)以降に、新たに発見された感染病原体あるいは、かつては不明であった病原体により、地域的あるいは国際的に公衆衛生上問題となっている新感染症」のことであり、検疫感染症に含まれるもの(エボラ出血熱、鳥インフルエンザ(H5N1))と含まれないもの(腸管出血性大腸菌感染症、カンピロバクター感染症)が存在する。4:正しい\n検疫感染症には、感染症法に定める一類感染症(エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘瘡、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱、南米出血熱)が全て含まれている。5:正しい\n検疫感染症には、感染症法に定める新型インフルエンザ等感染症(新型イン��ルエンザ、再興型インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、再興型コロナウイルス感染症)が含まれている。"} +{"problem_id": "107123", "problem_text": "性感染症に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["コンドームの使用や不特定多数との性交渉を避けることによって、感染リスクを低減することができる。", "梅毒は、感染症法^{*}で五類感染症に分類され、全数把握が必要である。*感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律", "我が国における後天性免疫不全症候群の患者数は、異性間よりも同性間の性的接触によるものが多い。", "尖圭コンジローマは、ヒト単純ヘルペスウイルスを原因とする。", "性器クラミジア感染症は、母子感染により発症することがある。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n性感染症は、主として性行為により粘膜経由で感染するため、コンドームの使用や不特定多数との性交渉を避けることにより感染リクスを低減することが可能である。2:正しい\n梅毒は、性行為などにより感染する性感染症であり、感染症法の五類感染症に分類されている。梅毒は五類感染症の中でも、全数把握が必要な疾患である。3:正しい\n我が国における後天性免疫不全症候群の患者数は、異性間よりも同性間の性的接触(特に男性間)によるものが多い。4:誤っている\n尖圭コンジローマは、ヒト単純パピローマウイルス6,11型を主な原因とする。:\n5:正しい\n性器クラミジア感染症は、経産道感染により母子感染することがある。◉性感染症のまとめ"} +{"problem_id": "107124", "problem_text": "図は、我が国のリスク要因別の関連死亡者数を示したものである。リスク要因a〜cの組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "要因a: 関連死亡者数に呼吸器系疾患が含まれているため、喫煙であると判断できる\n要因b: 関連死亡者数がほとんど循環器疾患であるため、高血圧であると判断できる\n要因c: 感染死亡者数に少量であるが糖尿病が含まれているため、運動不足であると判断できる"} +{"problem_id": "107125", "problem_text": "図は、1950年代から2010年代における心疾患及び脳血管疾患の死亡率の年次推移を示したものである。疾患ア〜エは、心不全、虚血性心疾患、脳梗塞、脳内出血のいずれかである。次の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["疾患アによる死亡率には、狭心症や心筋梗塞による死亡が含まれる。", "1995年以降の疾患イの死亡率の上昇には、老年人口の割合の増加が関係している。", "疾患ウは、脳内出血である。", "1960年以降、疾患エの死亡率が低下した原因として、食塩摂取量の低下やタンパク質摂取量の増加がある。", "寒冷刺激は、疾患エのリスクファクターとなる。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "◉疾患ア、疾患イ\n1994年に比べ1995年で疾患アが増加し、疾患イが減少しているのは、1995年に死亡診断書の注意書きの周知あるいは国際ルール(ICD-10)が適用され、心不全による死亡率が減少し、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)による死亡率が増加したためである。このことから疾患アは虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、疾患イは心不全である。◉疾患ウ\n1950年から1980年に食生活が良くなり、糖尿病、脂質異常症、肥満、動脈硬化など、脳梗塞のリスク要因となる疾患が増加した。このことから疾患ウは脳梗塞である。◉疾患エ\n1960年以降、塩分摂取制限、タンパク質摂取量の増加により脳出血のリスク要因が低下した。このことから、脳出血である。1:正しい\n2:正しい\n1995年以降の疾患イ(心不全)の死亡率の上昇には、老年人口の割合の増加が関与している。3:誤っている\n4:正しい\n1960年以降、疾患エ(脳出血)の死亡率が低下した原因として、食塩摂取量の低下やタンパク質摂取量の増加がある。なお、脳出血のリスク要因には、食塩の過剰摂取による高血圧、タンパク質の摂取不足、寒冷刺激による血圧の急激な上昇などがある。5:正しい"} +{"problem_id": "107126", "problem_text": "職業性疾病と有害要因に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["精神障害やメンタルヘルス不調は、強い不安やストレスを感じ��心理社会的要因により発症する。", "レイノー病は、電離放射線の曝露による物理的要因により発症する。", "けい肺や石綿肺は、粉じんの曝露による化学的要因により発症する。", "細菌感染症やウイルス感染症は、病原体との接触による生物的要因により発症する。", "頸肩腕症候群は、VDT(visual display terminal)作業による作業態様要因により発症する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n神経障害やメンタルヘルス不調は、強い不安やストレスを感じる心理社会的要因により発症する。近年、精神障害、メンタルヘルス不調により休業する労働者が増加している。2:誤っている\nレイノー病は、振動工具(チェーンソー、削岩機など)を長時間使用した時の局所振動の曝露により発症する。3:正しい\nけい肺や石綿肺は、粉じん(空気中に浮遊する固体の微粒子)の曝露による化学的要因により発症する。なお、けい肺は採石などによる二酸化ケイ素の吸引で発症し、石綿肺はアスベスト(石綿)の吸引で発症する。4:正しい\n細菌感染症やウイルス感染症は、病原体(結核菌、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルスなど)との接触による生物的要因により発症する。5:正しい\n頸肩腕症候群は、パソコンなどの操作を行うVDT(visual display terminal)作業による作業態様要因により発症する。"} +{"problem_id": "107127", "problem_text": "食物繊維に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["水溶性のものと不溶性のものがある。", "ヒトの消化酵素で消化されず、腸内細菌によっても分解されない。", "セルロースとリグニンは、どちらも多糖である。", "天然の食物繊維は植物性食品由来であり、動物性食品由来のものはない。", "「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、食物繊維には目標量が設定されている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n食物繊維は、一般にヒトの消化酵素で分解されない食物中の難消化性成分の総称であり、水溶性のもの(寒天、アルギン酸など)、不溶性のもの(セルロース、リグニンなど)がある。2:誤\n食物繊維はヒトの消化酵素で消化されないが、一部は腸内細菌で分解される。3:誤\nセルロースは、直鎖状の多糖であるが、リグニンはフェニルプロパン重合体であり、多糖ではない。4:誤\n天然の食物繊維は、植物性食品由来のものと動物性食品由来(甲殻類に含まれるキチンなど)のものも存在する。5:正\n食物繊維の摂取量と生活習慣病発症予防に相関性があることに基づいて「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、食物繊維には目標量が設定されている。"} +{"problem_id": "107128", "problem_text": "未使用のコーン油とオリーブ油について、油脂の変質に対する温度の影響を調べる実験を行なった。実験では、60^{\\circ} Cの一定温度で7週間保存し、1週間ごとに過酸化物価(meq/kg)と酸価(mg/g)の測定を行った。結果は以下のグラフに示すとおりである。なお、実験に用いたコーン油とオリーブ油の実験開始前(開封直後)におけるヨウ素価(g/100g)は、コーン油が124、オリーブ油が75であった。コーン油はリノール酸を、オリーブ油はオレイン酸を最も多く含む。コーン油とオリーブ油の変質試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["測定値Aは過酸化物価、測定値Bは酸価である。", "コーン油は、オリーブ油よりも開封直後のヨウ素価が大きいことから、飽和脂肪酸を多く含むことがわかる。", "コーン油は、オリーブ油よりも早い時期に測定値Aの値が上昇していることから、オリーブ油よりも酸化しやすいことがわかる。", "コーン油とオリーブ油は、いずれも測定値Bが4週目から上昇していることから、酸化のされやすさは同じであることがわかる。", "未使用のコーン油とオリーブ油を低温・暗所で保存した場合では、測定値Aと測定値Bの値の上昇の程度は、この実験結果よりも増加すると予想される。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n測定値Aは、コーン油の変質に伴って一度上昇した後、減少しているため、過酸化物価(油脂中のヒドロペルオキシドなどの過酸化物の指標)であり、測定値Bは、変質に伴って上昇しているため、酸価(油脂中の遊離脂肪酸の指標)である。2:���\nヨウ素価は、油脂中に存在する不飽和脂肪酸の指標であり、コーン油はオリーブ油よりも開封直後におけるヨウ素価が大きいため、不飽和脂肪酸を多く含むと判断できる。3:正\n早い時期に過酸化物価の上昇が認められる油脂ほど、酸化しやすい。よって、コーン油は、オリーブ油よりも酸化しやすい。4:誤\nコーン油は、オリーブ油に比べ測定値B(酸価)が急激に上昇しているため、コーン油の方がオリーブ油に比べ、酸化されやすい。5:誤\n油脂の変質は、油脂に含まれる活性メチレンが熱や光、酸素による反応を受けることで開始する。未使用のコーン油とオリーブ油を低温・暗所で保存した場合では、油脂の変質は起こりにくくなるため、測定値Aと測定値Bの値の上昇の程度は、この実験結果よりも低下すると予想される。"} +{"problem_id": "107129", "problem_text": "食品成分の変化に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メイラード反応とは、還元糖とアミノ酸が酵素的に反応し、シッフ塩基及び\\alpha -カルボニル化合物を形成する反応である。", "チラミンは、アミノ酸脱炭酸酵素によりチロシンから生成され血圧上昇作用を示す。", "魚の腐敗臭の原因となるトリメチルアミンは、トリメチルアミンN-オキシドが酸化されることにより生じる。", "トリプトファンは、脱アミノ反応及び脱炭酸反応によって腐敗臭を有する硫化水素を生じる。", "糖質が微生物により分解されて、アルコールや有機酸などの有用な化合物が生成することを発酵という。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nメイラード反応とは、還元糖とアミノ酸が非酵素的に反応し、シッフ塩基及び\\alpha -カルボニル化合物を形成し、最終的に褐色物質(メラノイジン)を生成する。2:正\nチロシンは、アミノ酸脱炭酸酵素により脱炭酸されるとチラミンとなる。チラミンはノルアドレナリンと構造が類似しており、交感神経終末に取り込まれることでノルアドレナリンをシナプス間隙に遊離させて血圧上昇作用を示す。3:誤\n魚の腐敗臭の原因となるトリメチルアミンは、トリメチルアミンN-オキシドが還元されることにより生じる。4:誤\nトリプトファンは、脱アミノ反応及び脱炭酸反応によって腐敗臭を有するスカトールとアンモニアを生じる。なお、腐敗により硫化水素を生じるのは、システインである。5:正\n発酵は、糖質が微生物により分解されて、アルコールや有機酸などの有用な化合物が生成することである。"} +{"problem_id": "107130", "problem_text": "食品の加熱により、アミノ酸が関与する反応で生じる発がん物質はどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nシンフィチンの構造である。シンフィチンはコンフリーに含まれるピロリジジンアルカロイドであり、肝障害を引き起こすことがある。2:正\nTrp-P-1の構造である。Trp-P-1は、タンパク質中のトリプトファンを加熱した時に生じる発がん性物質である。3:誤\nプタキロシドの構造である。プタキロシドはわらびに含まれる発がん性物質である。4:正\nアクリルアミドの構造である。アクリルアミドは、ジャガイモに多く含まれるアスパラギンと糖が高温でメイラード反応を起こすことで生じる発がん性物質である。5:誤\nヒスタミンの構造である。ヒスタミンはヒスチジンが脱炭酸されて生じる腐敗アミンであり、アレルギーの原因となる。"} +{"problem_id": "107131", "problem_text": "活性酸素に対する生体内の防御因子に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)は、スーパーオキシドアニオンを水に変換する。", "銅(Cu)と亜鉛(Zn)を含むCu/Zn-SODは、ミトコンドリアに局在する。", "カタラーゼは、過酸化水素を酸素と水に変換する酵素で、活性中心にヘム鉄をもつ。", "グルタチオンペルオキシダーゼは、グルタチオン存在下で過酸化水素を水に還元する反応を触媒する。", "グルタチオンレダクターゼは、スーパーオキシドアニオンを過酸化水素と酸素に変換する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)は、スーパーオキシドアニオン(O_{2}^{-})を過酸化水素(H_{2}O_{2})と酸素(O_{2})に変換する酵素である。2:誤\nSODには金属が含まれており、含有する金属により生体内での局在性が異なる。銅(Cu)と亜鉛(Zn)を含むCu/Zn-SODは、細胞質に局在する。なお、マンガン(Mn)を含有するものは、Mn-SODはミトコンドリアに局在する。3:正\nカタラーゼは、活性中心にヘム鉄を有しており、過酸化水素を酸素と水に変換する酵素である。4:正\nグルタチオンペルオキシダーゼは、活性中心にセレンを有しており、グルタチオン存在下で過酸化水素を水に還元する反応を触媒する。5:誤\nグルタチオンレダクターゼは、NADPH存在下、酸化型グルタチオンを還元型グルタチオンに還元する酵素である。"} +{"problem_id": "107132", "problem_text": "農薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フェニトロチオンは、シトクロムP450による酸化的脱硫反応により代謝的活性化を受けてアセチルコリンエステラーゼを阻害する。", "メソミルは、アセチルコリンエステラーゼの活性中心を可逆的にカルバモイル化する。", "パラコートは、神経の電位依存性Na^{+}チャネルに作用する。", "アセタミプリドは、1電子還元されてラジカルを生成し、スーパーオキシドアニオンを生じる。", "フェノトリンは、ニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、神経を興奮させる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nフェニトロチオンは、有機リン系の農薬であり、シトクロムP450によりオキソン体となり、アアセチルコリンエステラーゼの活性中心であるセリン残基に不可逆的にリン酸結合することでアセチルコリンエステラーゼを阻害する。2:正\nメソミルは、カルバメート系の農薬であり、アセチルコリンエステラーゼの活性中心であるセリン残基をカルバモイル化することで可逆的に阻害する。3:誤\nパラコートは、ジピリジウム系の農薬であり、肺に選択的に集積した後、1電子還元によりラジカルを生成し、さらに活性酸素を生成することで間質性肺炎や肺線維症を引き起こす。4:誤\nアセタミプリドは、ネオニコチノイド系の農薬であり、ニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、シナプス後膜の脱分極を引き越し、神経を興奮させる。5:誤\nフェノトリンは、ピレスノイド系の農薬であり、昆虫の電位依存性Na^{+}チャネルに作用し、麻痺作用を示す。"} +{"problem_id": "107133", "problem_text": "自宅の寝室で倒れている男性が救急搬送された。簡易検査の結果をもとに、直ちに対応する解毒薬が投与された。一方、寝室にはコップの中に大量の錠剤が沈んだ飲料水が残されていた。錠剤の成分が何かを調べるため、コップの中に残された薬剤に適切な処理をしたのち、^{1}H NMRスペクトル(CDCl_{3}溶媒中)を測定した。得られたスペクトルをデータベースと照合したところ、図に示したチャートとシグナル及び積分値が一致した。錠剤の成分として推定される医薬品Aの構造はどれか。1つ選べ。ただし、図はTMSを基準(0ppm)とし、シグナルを積分曲線と共に示したもので、\\times は重溶媒中に微量に含まれるCHCl_{3}のシグナルである。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "積分曲線の高さは、各シグナルを与えるプロトンの数に相当する。設問の図には3つの高さの積分曲線があり、高さが低いものから1H、2H、3Hに相当すると考えられる。2.6ppm付近の3H分のシグナルが一重線であることからメチル基によるシグナルであると考えられる。このことから構造中にメチル基がない選択肢4、5は除外される。また、積分曲線より構造中に12個のプロトンがあると推察されるため、選択肢1が医薬品Aの構造であると推察される。"} +{"problem_id": "107134", "problem_text": "法令上、この医薬品Aが該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["麻薬", "向精神薬", "覚醒剤", "指定薬物", "要指導医薬品"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "医薬品Aはトリアゾラムであり、麻薬及び向精神薬取締法において、第3種向精神薬に分類されている。"} +{"problem_id": "107135", "problem_text": "この患者に投与された解毒薬として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ネオスチグミン", "ナロキソン", "フルマゼニル", "ヨウ化プラリドキシム", "ジメルカプロール"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ベンゾジアゼピン系向精神薬の解毒には、フル���ゼニルが用いられる。"} +{"problem_id": "107136", "problem_text": "ある食品汚染物質の耐容一日摂取量(TDI)は、下図に示した動物試験の結果から得られた無毒性量(NOAEL)に、不確実係数100を適用して定められている。この食品汚染物質のTDI(\\microg/kg体重/日)として、適切な値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["1", "3", "5", "6", "10"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "耐容一日摂取量(TDI)は、「ヒトが一生涯を通じて摂取し続けても健康に有害な影響がないと考えられる1日当たり、体重1kg当たりの摂取量」であり、以下の式より求められる。TDI(\\microg/kg/day)=NOAEL(無毒性量)/不確実係数\n複数の毒性試験を行っている場合、最も感受性の高い動物の試験におけるNOAEL(有害な生体影響が現れていない最大投与量)を計算に使用する。本設問では、マウス、ラット、ウサギを用いた毒性試験を行っており、その中でもマウスを用いた慢性毒性試験で有害な生体影響が現れていない最大投与量が最も小さく、100\\microg/kg体重/日となる。よって、TDI=100/100=1\\microg/kg体重/日となる。"} +{"problem_id": "107137", "problem_text": "in vitro遺伝毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["不定期DNA合成(UDS)試験は、哺乳類細胞を用いて化学物質による突然変異を評価する方法である。", "マウスリンフォーマTK試験は、哺乳類細胞を用いて化学物質による生殖細胞遺伝毒性を評価する方法である。", "Ames試験は、細菌を用いて化学物質による復帰突然変異を評価する方法である。", "コメットアッセイは、哺乳類細胞を用いて化学物質によるDNA鎖の切断を評価する方法である。", "小核試験は、細菌を用いて化学物質の染色体異常誘発性を評価する方法である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n不定期DNA合成(UDS)試験は、哺乳類細胞を用いて化学物質によるDNA損傷性を評価する方法である。2:誤\nマウスリンフォーマTK試験は、マウスリンパ腫細胞を用いて化学物質による遺伝子突然変異を評価する方法である。3:正\nAmes試験は、ネズミチフス菌(Salmonella Typhimurium)のヒスチジン要求性変異株を用いて化学物質による復帰突然変異を評価する方法である。4:正\nコメットアッセイは、哺乳類細胞を用いて化学物質によるDNAの損傷をゲル電気泳動法により評価する方法である。5:誤\n小核試験は、細胞を用いて染色体の構造異常により生じる小核を検出する試験であり、染色体異常誘発性を評価する方法である。"} +{"problem_id": "107138", "problem_text": "天然及び人工放射性核種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["食品から摂取される天然放射性核種の中で、最も量が多いのは^{40}Kである。", "^{40}Kは、\\alpha 線を放出して崩壊する。", "体内に取り込まれた人工放射性核種^{137}Csは、生体内で筋肉(全身)に集積する。", "物理学的半減期が28.8年である^{90}Srの生物学的半減期を50年とすると、実効半減期は31.2年となる。", "^{226}Raなどの天然放射性核種から放出される\\alpha 線は、\\beta ^{-}線及び\\gamma 線と比較して、体内被曝による生体損傷が小さい。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n食品から摂取される天然放射性核種の中で、最も量が多いのは^{40}Kである。^{40}Kは半減期が約13億年と長く、天然に多く存在している。2:誤\n^{40}Kは、\\beta ^{-}線と\\gamma 線を放出して崩壊する。3:正\n体内に取り込まれた人工放射性核種^{137}Csは、生体内で筋肉(全身)に集積する。4:誤\n物理学的半減期が28.8年である^{90}Srの生物学的半減期を50年とすると、実効半減期を下記のように求めることができる。5:誤\n^{226}Raなどの天然放射性核種から放出される\\alpha 線は、\\beta ^{-}線及び\\gamma 線と比較して、体内被曝による生体損傷が大きい。"} +{"problem_id": "107139", "problem_text": "上水道における浄水処理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["凝集沈殿とろ過処理の間に行う塩素処理を前塩素処理という。", "水中のアンモニウムイオンは、塩素消費量増加の原因となる。", "不連続点塩素処理の目的は、トリハロメタンの生成を抑制することである。", "オゾンによる高度浄水処理では、臭気物質などが酸化分解により除去される。", "水中のアルカリ分と硫酸ア���ミニウムが反応して、水酸化アルミニウムゲルが生成し、沈降性のフロックが形成される。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n前塩素処理とは、沈殿池に移行する前(沈殿工程の前)の原水に塩素消毒を行うことである。2:誤\n水中のアンモニウイオンは、塩素要求量の増加の原因となる。なお、塩素消費量増加の原因となるのは、還元性無機物である。3:誤\n不連続点塩素処理の目的は、遊離残留塩素の量を増加させることで殺菌効果を高めることである。なお、トリハロメタンを除去するための方法として、活性炭処理法、オゾン処理法がある。4:正\nオゾンによる高度浄水処理では、臭気物質(ジェオスミン、2-メチルイソボルネオールなど)、トリハロメタンなどが酸化分解により除去される。5:正\n薬品沈殿で用いられる硫酸アルミニウムは、水中のアルカリ分と反応して、水酸化アルミニウムゲルとなり、沈降性のフロックが形成される。"} +{"problem_id": "107140", "problem_text": "大気中の窒素酸化物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["大気中の窒素酸化物は水分と反応して、酸性雨の原因となる。", "サーマルNOxは、化石燃料中の窒素化合物の燃焼に由来する。", "大気中の窒素酸化物は、非メタン炭化水素と反応して、光化学オキシダントの原因となる。", "大気中へ排出される窒素酸化物は、大気汚染防止法により施設単位の排出基準に基づく規制(K値規制)が行われている。", "2010年度以降における二酸化窒素の大気環境基準の達成率は、一般環境大気測定局(一般局)、自動車排出ガス測定局(自排局)のいずれにおいても約80%で推移している。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n大気中の硫黄酸化物、窒素酸化物が水と反応すると酸性雨(pH5.6以下の雨)を生じる。2:誤\nサーマルNOxは、大気中の窒素の燃焼に由来する窒素酸化物である。なお、化石燃料中の窒素化合物の燃焼に由来する窒素酸化物は、ヒューエルNOxである。3:正\n光化学オキシダントは、大気中の窒素酸化物と非メタン炭化水素などが太陽光の照射(紫外線)により光化学反応を起こすことで二次的に生成する。4:誤\n大気汚染防止法により施設単位の排出基準に基づく規制(K値規制)が行われているのは、硫黄酸化物である。5:誤\n2010年度以降における二酸化窒素の大気環境基準の達成率は、一般環境大気測定局(一般局)、自動車排出がス測定局(自排局)のいずれにおいても約100%で推移している。"} +{"problem_id": "107141", "problem_text": "室内環境と健康に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ヒョウダニの死骸や排泄物は、気管支ぜん息や鼻炎などのアレルギー性疾患の原因となる。", "暖房器具の不完全燃焼で生成する一酸化炭素は、一酸化窒素よりもヘモグロビンに対する親和性が高い。", "レジオネラ属菌が混入したエアロゾルを吸入すると、日和見感染症として肺炎を引き起こすことがある。", "総揮発性有機化合物(TVOC)の暫定目標値は、室内空気汚染物質の毒性を基に定められている。", "化学物質の室内濃度指針値は、それぞれの化学物質がシックハウス症候群を引き起こす閾値に不確実係数を適用して定められている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nダニの死骸や排泄物などのハウスダストは、室内におけるアレルギー性疾患(気管支喘息、鼻炎など)の原因となる。2:誤\n一酸化炭素は、一酸化窒素よりもヘモグロビンに対する親和性が低い。なお、一酸化炭素のヘモグロビンへの親和性は、酸素に比べ200〜300倍、一酸化窒素のヘモグロビンへの親和性は、酸素に比べ約30万倍である。3:正\nレジオネラ菌は、冷却塔水、加湿器、循環式浴槽に生息しており、そこから生じるエアロゾルを吸入すると、日和見感染症として肺炎を引き起こすことがある。4:誤\n総揮発性有機化合物(TVOC)の暫定目標値は、室内空気汚染物質の毒性を基に定めたものではなく、国内における室内VOC実態調査の結果から、合理的に達成可能な低い範囲で決定した値である。5:誤\n化学物質の室内濃度指針値は、これまでの化学的知見から、ヒトがその化学物質を一生涯にわたって曝露し続けても、有害な影響を受けないであろうと判断される値であり、シックハウス症候群を引き起こす閾値に不確実係数を適用して定めたものではない。"} +{"problem_id": "107142", "problem_text": "薬剤師法に規定されている薬剤師の業務に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["調剤に従事する薬剤師は、調剤の求めがあった場合には、正当な理由がなければ、調剤を断ってはならない。", "処方箋中の疑わしい点について、処方医と連絡がとれない場合には、照会せずに調剤することができる。", "薬局以外の場所では、いかなる場合も、販売又は授与の目的で調剤することはできない。", "医師などの処方箋によらなければ、販売又は授与の目的で調剤することはできない。", "調剤に従事する薬剤師は、薬剤師免許を携帯しなければ調剤できない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n調剤に従事する薬剤師は、調剤の求めがあった場合には、正当な理由がなければ、調剤を断ってはならない。なお、調剤拒否できる正当な理由として、冠婚葬祭、急病等で薬剤師が不在の場合、災害等により調剤ができない場合がある。2:誤\n処方箋中に疑わしい点があるとき、薬剤師は、処方医に問い合わせてその疑問を確かめた後でなければ調剤してはならない。3:誤\n調剤を行う場所は原則として薬局である。薬局以外で調剤できる場所として、患者居宅、病院等の調剤所、自然災害時の仮設施設などがある。4:正\n薬剤師は、医師、歯科医師又は獣医師の処方箋によらなければ、販売又は授与の目的で調剤することはできない。5:誤\n薬剤師免許は薬剤師名簿に登録された時点で有効であり、薬剤師業務を行う際に薬剤師免許を携帯する必要はない。"} +{"problem_id": "107143", "problem_text": "医薬品の開発における臨床試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["第I相試験の主な目的は、用法・用量を決定することである。", "前期第II相試験の主な目的は、薬物動態試験の実施である。", "後期第II相試験の主な目的は、臨床薬理試験の実施である。", "第III相試験の主な目的は、検証的試験の実施である。", "第IV相試験の主な目的は、効能・効果を追跡することである。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n第I相試験(臨床薬理試験)の主な目的は、人における安全性及び忍容性の推測、薬物動態の検討、薬物代謝と薬物相互作用の検討することである。2:誤\n前期第II相試験(探索的試験)の主な目的は、有効性、安全性の検討することである。3:誤\n後期第II相試験(探索的試験)の主な目的は、用法・用量の検討することである。4:正\n第III相試験(検証的試験)の主な目的は、比較対照試験により治療上での有効性を証明・確認することである。5:誤\n第IV相試験の主な目的は、製造販売後臨床試験、治験時に得られなかった情報収集、使用成績調査等の結果を検証することである。"} +{"problem_id": "107144", "problem_text": "医薬品リスク管理計画に関する説明のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["GCP省令に基づき、医薬品の製造販売後のリクスとベネフィットを評価する。", "安全性検討事項として、重要なリスクを特定し、それに対して安全性監視計画とリスク最小化計画を策定・実施する。", "安全性検討事項には、特定されたリスクに加え、潜在的なものや不足情報も含まれる。", "安全性監視計画には、添付文書の作成や改訂が含まれる。", "リスク最小化計画には、副作用・感染症報告制度に基づく副作用評価が含まれる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n医薬品リスク管理はGVP省令(医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令)で規定されている。2:正\n医薬品リスク管理計画では、安全性検討事項(重要な特定されたリスク、重要な潜在的リスク、重要な不足情報)を特定し、それに対して安全性監視計画とリスク最小化計画を策定・実施する。3:正\n解説2参照\n4:誤\n安全性監視計画は、それぞれのリスクについて、情報を収集する活動を計画したものであり、副作用症例の情報収集、市販直後調査による情報収集、使用成績調査、市販後臨床試験などが含まれる。5:誤\nリスク最小化計画は、それぞれのリスクについて、それを��小化するための活動を計画したものであり、添付文書、患者向医薬品ガイドの作成、市販直後調査による情報提供、適正使用のための資材の配布、使用条件の設定などが含まれる。"} +{"problem_id": "107145", "problem_text": "次の分類のうち、コンタクトレンズに該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["高度管理医療機器", "管理医療機器", "一般医療機器", "再生医療等製品", "医薬部外品"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "107146", "problem_text": "医薬品である覚醒剤原料について、薬局における法令に基づく取扱いとして、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["かぎをかけて薬品庫に保管する。", "麻薬と一緒に保管できる。", "薬局で調剤するためには、覚醒剤施用機関としての指定を受ける必要がある。", "処方箋に基づき調剤し、患者に譲渡することができる。", "使用期限が切れた調剤前のものを廃棄した場合、30日以内に都道府県知事に届け出る。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n覚醒剤原料は、鍵をかけて保管する必要がある。2:誤\n覚醒剤原料は、麻薬と一緒に保管できない。なお、覚醒剤は麻薬と一緒に保管することができる。3:誤\n薬局で医薬品である覚醒剤原料を調剤するために必要な手続きはない。4:正\n覚醒剤原料は、処方箋に基づき調剤し、患者に譲渡することが可能である。5:誤\n覚醒剤原料を廃棄する場合、原則として都道府県知事に届け出て当該職員の立会いのもと行わなければならない。"} +{"problem_id": "107147", "problem_text": "個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["個人情報の取り扱いが 5,000 件未満の薬局は、個人情報取扱事業者に該当しない。", "健康保険法に基づく保険者番号及び被保険者等記号・番号は、個人情報に該当しない。", "「匿名加工情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴等の特に配慮を要する個人情報をいう。", "個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。", "個人情報取扱事業者は、原則、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n個人情報データベース等を事業の用に供している者は、取り扱っている件数に関係なく、個人情報取扱事業者に該当する。2:誤\n保険者番号及び被保険者等記号・番号より特定の個人を識別することができるため、個人情報に該当する。3:誤\n本人の人種、信条、社会的身分、病歴等の特に配慮を要する個人情報は、「要配慮個人情報」に該当する。なお、「匿名加工情報」とは、特定の個人を識別することができないように加工した情報のことである。4:正\n5:正\n個人情報取扱事業者は、本人を同意を得ないで、個人情報を第三者に提供してはならない。ただ、例外的に①〜④に該当する場合には、本人の同意なく、個人情報を第三者に提供することができる。①: 法令に基づく場合(医薬品医療機器等安全性情報報告制度による医薬品の副作用報告など)\n②: 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき\n③: 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき\n④: 国の機関もしくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき"} +{"problem_id": "107148", "problem_text": "医療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["診療所は、専任薬剤師を置かなければならない。", "病院は、20人以上の患者を入院させるための施設を有する。", "地域医療支援病院の承認要件には、救急医療を提供する能力が含まれる。", "特定機能病院の承認要件には、特定臨床研究に関する計画を立案し、実施する能力が含まれる。", "臨床研究中核病院の承認要件には、高度の医療を提供する能力が含まれる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n診療所すべてに専任薬剤師を置く必要はない。なお���病院又は医師が常時3人以上勤務する診療所には原則として専任薬剤師を置く必要がある。2:正\n3:正\n地域医療支援病院の承認要件として、①救急医療提供能力を有する、②地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有する、③紹介患者に対して医療を提供する、④200床以上の入院施設を有する、⑤医薬品情報管理室等の規定の施設などがある。4:誤\n承認要件として「特定臨床研究に関する計画を立案し、実施する能力」が含まれるのは、臨床研究中核病院である。5:誤\n承認要件として「高度の医療を提供する能力」が含まれるのは、特定機能病院である。"} +{"problem_id": "107149", "problem_text": "介護保険制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして導入された。", "財源は税金と40歳以上の国民が負担する保険料である。", "薬剤師は、実務経験無しで、介護支援専門員の資格を取得できる。", "ケアプランは、かかりつけの医師が作成する。", "介護サービスを受けるために支給される金額は、年齢によって限度額が決まっている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n介護保険制度は、社会保険方式を導入し、国民の共同連帯の理念に基づき、社会全体で介護を担うために導入された。2:正\n介護保険制度の財源として、被保険者が支払う保険料、税金(公費)等が含まれる。3:誤\n薬剤師が介護保険専門員になるためには、5年以上の実務経験により都道府県が実施する介護支援専門員実務研修受講試験に合格後、介護支援専門員実務研修の過程を修了する必要がある。4:誤\nケアプラン(在宅介護を利用する場合、利用者がどのようなサービスを受けるのかをまとめた計画書: 介護サービス計画書、介護予防サービス計画書)は、一般に介護支援専門員が作成する。なお、利用者自身がケアプランを作成することが可能である。5:誤\n介護保険の給付は、要介護度、要支援度により限度額が決まっている。"} +{"problem_id": "107150", "problem_text": "新規感染症予防のために新しいワクチンが開発された。臨床試験ではワクチン接種群では2万人のうち、10人が発症、プラセボ接種群では2万人のうち200人が発症し、ワクチンの有効率は95%であった。この新しいワクチンの接種費用は1人あたり1万円で、その他の費用は考慮しない場合、このワクチンの増分費用効果比(1人の発症を防ぐための費用)として、最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["1万円/人", "10万円/人", "20万円/人", "100万円/人", "200万円/人"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "増分費用効果比は増加した費用を増加した効果で除することで求めることができる。"} +{"problem_id": "107151", "problem_text": "細胞内情報伝達系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ヒスタミン H_{1}受容体が刺激されると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化される。", "インスリン受容体が刺激されると、インスリン受容体\\beta サブユニットの自己リン酸化が起こる。", "インターフェロン\\alpha (IFN-\\alpha )受容体が刺激されると、JAK(ヤヌスキナーゼ)のチロシンキナーゼが活性化される。", "オピオイド\\micro受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼ Cが活性化される。", "心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体が刺激されると、可溶性グアニル酸シクラーゼが活性化される。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nヒスタミン H_{1}受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化される。2:正\n3:正\nインターフェロン\\alpha 、エリスロポエチン、インターフェロン受容体が刺激されると、JAK(ヤヌスキナーゼ)のチロシンキナーゼが活性化される。4:誤\nオピオイド\\micro受容体が刺激されると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼの活性が抑制される。5:誤\nグアニル酸シクラーゼには、細胞膜一回貫通型のナトリウム利尿ペプチド受容体と細胞質に存在する可溶性型の2種類が存在する。心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体が刺激されると、細胞内領域に存在する膜結合型グアニル酸シクラーゼが活性化される。"} +{"problem_id": "107152", "problem_text": "薬物依存及びその治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["身体依存は、薬物の反復使用により、その効果が減弱し目的の効果を得るために増量しなければならなくなった状態である。", "コカインの長期連用は、精神依存を起こすが、身体依存を起こしにくい。", "慢性疼痛下のがん患者に適正に使用されたモルヒネは、精神依存を起こしにくい。", "依存性薬物は、脳内報酬系におけるドパミン作動性神経を抑制する。", "ジスルフィラムは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して飲酒欲求を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n身体依存とは、断薬、減薬により身体異常を生じる状態である。なお、設問の記述は薬剤耐性に関する記述である。2:正\n中枢興奮作用を有する薬物(コカイン、覚せい剤など)は、精神依存を起こすが、身体依存は起こしにくい。3:正\n慢性疼痛下のがん患者では、炎症性刺激によるダイノルフィン神経の活性化により、ドパミン作動性神経の活性化が抑制されている状態にあるため、モルヒネを適正に使用した場合、精神依存を起こしにくい。4:誤\n依存性薬物は、脳内報酬系におけるドパミン作動性神経を活性化し、ドパミン量を増加させることにより精神依存を起こす。5:誤\nジスルフィラムは、アルデヒドデヒドロゲナーゼを阻害することにより、飲酒時の血中アルデヒド濃度を増加させ、頭痛、悪心・嘔吐などの不快な状態をもたらすことを利用して飲酒欲求を抑制する。なお、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して飲酒欲求を抑制する薬として、アカンプロサートがある。"} +{"problem_id": "107153", "problem_text": "自律神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メチルエフェドリンは、交感神経終末からのノルアドレナリンの遊離を抑制することで、血管平滑筋の収縮を抑制する。", "ナフトピジルは、アドレナリン\\beta 受容体を刺激することで、子宮平滑筋を弛緩させる。", "イプラトロピウムは、アセチルコリンM受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。", "メペンゾラートは、アセチルコリン M 受容体を遮断することで、下部消化管平滑筋の痙れん性収縮を抑制する。", "アコチアミドは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、低下した消化管運動を改善する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nメチルエフェドリンは、交感神経終末からのノルアドレナリンの遊離を促進することで、血管平滑筋の収縮を促進する。2:誤\nナフトピジルは、アドレナリン\\alpha 受容体遮断薬であり、血管平滑筋や前立腺にある平滑筋を弛緩させる。3:誤\nイプラトロピウムは、アセチルコリンM受容体を遮断することで、気管支平滑筋を弛緩させる。4:正\nメペンゾラートは、アセチルコリン M受容体を遮断することで、下部消化管平滑筋の痙れん性収縮を抑制するため、過敏大腸症に用いられる。5:正\nアコチアミドは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、低下した消化管運動を改善するため、機能性ディスペプシアに用いられる。"} +{"problem_id": "107154", "problem_text": "中枢性及び末梢性筋弛緩薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エペリゾンは、\\gamma -アミノ酪酸 GABA_{B}受容体を遮断して、脊髄における多シナプス反射を抑制する。", "チザニジンは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激して、脊髄反射を抑制する。", "ダントロレンは、神経筋接合部のアセチルコリン N_{M}受容体を刺激して、持続的な脱分極を引き起こす。", "ロクロニウムは、神経筋接合部のアセチルコリン N_{M}受容体を競合的に遮断する。", "A型ボツリヌス毒素は、筋小胞体のリアノジン受容体に作用して、Ca^{2+}遊離を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nエペリゾンは、多シナプス反射、単シナプス反射を抑制し、筋弛緩作用を示す。2:正\nチザニジンは、中枢性\\alpha _{2}受容体刺激薬であり、脊髄反射を抑制する。3:誤\nダントロレンは、横行小管(T管)から筋小胞体への興奮伝達を抑制し、筋小胞体からのCa^{2+}の遊離を抑制することにより筋肉を弛緩させる。4:正\nロクロニウムは、神経筋接合部のN_{M}受容体へのアセチルコリンの結合���競合的に遮断することにより、筋弛緩作用を示す。5:誤\nA型ボツリヌス毒素は、運動神経終末からのAChの遊離を抑制し、神経伝達を抑制することにより筋弛緩作用を示す。"} +{"problem_id": "107155", "problem_text": "全身麻酔薬及び催眠薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ゾピクロンは、メラトニンMT_{1}受容体を刺激して、概日リズムを整える。", "ミダゾラムは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体の活性化を増強して、鎮静作用を示す。", "デクスメデトミジンは、オレキシン受容体を遮断して、睡眠・覚醒サイクルを正常化する。", "ケタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して、鎮痛作用を示す。", "チオペンタールは、オピオイド\\micro受容体を刺激して、短時間の麻酔作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nゾピクロンは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、Cl^{-}チャネルの開口を促進することで、催眠作用を示す。2:正\nミダゾラムは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、Cl^{-}チャネルの開口を促進することで、鎮静作用を示す。3:誤\nデクスメデトミジンは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激し、ノルアドレナリンの放出を抑制することで鎮静作用を示す。4:正\nケタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を非競合的に遮断して、鎮痛作用を示す。5:誤\nチオペンタールは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のバルビツール酸結合部位に結合し、Cl^{-}チャネルの開口を促進することで、短時間の麻酔作用を示す。"} +{"problem_id": "107156", "problem_text": "22 歳女性。近医を受診し、以下の経過を訴えたところ、精神科を紹介された。「仕事が多忙で残業が続いていたある日、通勤時に電車内で突然動悸が始まり、呼吸困難となり、今にも心臓が止まりそうになり、やっとの思いで次の駅で降りて救急車で病院へ運ばれたが、病院に着く頃には症状はだいぶ落ちついていた。念のため、診察を受けたが身体的には異常はなく、心電図や血液検査でも異常は認められなかった。1週間後、外出した時に、乗っていた電車の中で同じような動悸が始まり、一緒にいた友人に手を握ってもらって何とか我慢して家までたどり着いた。それ以来、発作が怖くて電車に乗れなくなった。電車通勤はやめて親に送り迎えをしてもらい、どうにか仕事には行くことができている。」 問 156(病態・薬物治療) この疾患の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬物治療は原則として一生涯続ける。", "発作と判断するには、それが起こる状況の特定が必要である。", "予期不安を合併する場合が多い。", "恐怖の対象となっている場所や状況に対する曝露療法が有効である。", "呼吸困難に対して、酸素の投与が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "身体的には異常はなく、心電図や血液検査でも異常はないが、会議中や電車の中など場所を問わないパニック発作(動悸、呼吸困難)が反復して現れていることから、本患者はパニック障害であると推察される。パニック障害では、「また発作が起こるのではないか」という予期不安を合併することがある。パニック障害の治療法として、薬物療法(セロトニン選択的再取り込み阻害薬、抗不安薬)、精神的アプローチ(曝露療法、認知行動療法)が行われる"} +{"problem_id": "107157", "problem_text": "この患者の治療に用いられる可能性のある薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ロラゼパムは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体複合体のベンゾジアゼピン結合部位に結合して、抗不安作用を示す。", "セルトラリンは、アドレナリン\\beta _{1}受容体を遮断して、発作時の自律神経症状を改善する。", "エチゾラムは、中枢のヒスタミンH_{1}受容体を選択的に遮断して、静穏作用を示す。", "アルプラゾラムは、セロトニン5-HT_{1A}受容体を刺激して、不安、焦燥、睡眠障害を改善する。", "パロキセチンは、セロトニンの再取り込みを選択的に阻害して、抑うつ状態を改善する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "ロラゼパム、エチゾラム、アルプラゾラム\n\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体複合体のベ���ゾジアゼピン結合部位に結合し、GABA系神経の機能を亢進させ、不安、焦燥、睡眠障害を改善する。セルトラリン、パロキセチン\nセロトニンの再取り込みを選択的に阻害して、抑うつ状態を改善する。"} +{"problem_id": "107158", "problem_text": "アレルギー性疾患の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["オザグレルは、Th2サイトカインの産生を抑制して、鎮痒効果を示す。", "トラニラストは、ヒスタミンH_{1}受容体を遮断して、アレルギー性鼻炎を改善する。", "プランルカストは、ロイコトリエン受容体を遮断して、気管支ぜん息の発作を予防する。", "セラトロダストは、トロンボキサンA_{2}(プロスタノイドTP)受容体を遮断して、気道過敏症の亢進を抑制する。", "スプラタストは、トロンボキサン合成酵素を阻害して、じん麻疹を改善する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤オザグレルは、マスト細胞などのTXA_{2}合成酵素を選択的に阻害し、TXA_{2}の産生を抑制することにより気管支収縮を抑制する。2:誤\nトラニラストは、肥満細胞の膜安定化などにより、ケミカルメディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエンなど)の遊離を抑制し、アレルギー反応を抑制する。3:正\nプランルカストは、ロイコトリエンの受容体への結合を阻害し、気管支収縮抑制作用や鼻腔通気抵抗上昇抑制作用を示す。4:正セラトロダストは、TXA_{2}受容体(プロスタノイドTP受容体)に結合し、競合的にTXA_{2}受容体を遮断する。5:誤\nスプラタストは、Th2細胞のIL-4、IL-5の産生を抑制し、IgE抗体産生抑制作用、好酸球浸潤抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "107159", "problem_text": "60歳男性。基礎疾患を指摘されたことはない。1週間前から1日に数回めまいを感じるようになった。今朝、強いめまいとふらつきを覚え、救急外来を受診した。来院時の血圧は118/84 mmHg、脈拍数32回/分であった。心電図ではP波とQRS波が全く無関係に出現し、PP間隔とRR間隔がそれぞれ一定で、PR間隔は不規則であった。また、P波よりQRS波の出現頻度が少なかった。この患者の初期治療に適切な薬物はどれか。2つ選べ。", "choices": ["アミオダロン", "ニトログリセリン", "ランジオロール", "アトロピン", "イソプレナリン"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "脈拍数32回/分、心電図ではP波よりQRS波の出現頻度が少ないことから本患者は徐脈性の不整脈(房室ブロック)の可能性がある。選択肢のうち、徐脈性の不整脈に用いられるのは、アトロピン、イソプレナリンである。"} +{"problem_id": "107160", "problem_text": "抗不整脈薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ニフェカラントは、K チャネルを遮断して、心筋の活動電位の持続時間を延長する。", "ピルシカイニドは、アドレナリン\\beta 受容体を遮断して、不応期を延長する。", "ベラパミルは、Ca^{2+}チャネルを遮断して、房室伝導速度を低下させる。", "プロカインアミドは、Na^{+}チャネル及び K^{+}チャネルを遮断して、心電図のQT 間隔を短縮する。", "ジルチアゼムは、Na^{+}チャネルを遮断して、心筋の活動電位の立ち上がり(第0相)を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nニフェカラントは、K^{+}チャネルを遮断することにより活動電位持続時間、不応期を延長する。"} +{"problem_id": "107161", "problem_text": "泌尿器に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ソリフェナシンは、アドレナリン\\alpha _{1A}受容体を遮断して、前立腺平滑筋を弛緩させる。", "ジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害して、アセチルコリンによる膀胱排尿筋の収縮を増強する。", "シロドシンは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断して、膀胱括約筋を収縮させる。", "タダラフィルは、ホスホジエステラーゼVを活性化して、前立腺平滑筋を弛緩させる。", "ミラベグロンは、アドレナリン\\beta _{3}受容体を刺激して、膀胱排尿筋を弛緩させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nソリフェナシンは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断して、膀胱排尿筋(膀胱平滑筋)を弛緩させる。2:正\nジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害して、アセチルコリンによる膀胱排尿筋(膀胱平滑筋��の収縮を増強する。3:誤\nシロドシンは、アドレナリン\\alpha _{1A}受容体を遮断して、前立腺平滑筋を弛緩させる。4:誤\nタダラフィルは、ホスホジエステラーゼVを阻害して、前立腺平滑筋を弛緩させる。5:正\nミラベグロンは、アドレナリン\\beta _{3}受容体を刺激して、膀胱排尿筋(膀胱平滑筋)を弛緩させる。"} +{"problem_id": "107162", "problem_text": "胃・十二指腸潰瘍治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ファモチジンは、胃の壁細胞に存在するヒスタミンH_{2}受容体を遮断することで、胃運動促進作用を示す。", "ボノプラザンは、K^{+}と競合してH^{+},K^{+}-ATPase を可逆的に阻害することで、胃酸分泌抑制作用を示す。", "レバミピドは、ドパミンD_{2}受容体を遮断することで、胃運動促進作用を示す。", "ミソプロストールは、プロスタノイドEP受容体を刺激することで、胃酸分泌抑制作用と胃粘液分泌促進作用を示す。", "ピレンゼピンは、ペプシンに結合することで、その活性を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nファモチジンは、胃壁細胞の基底膜にあるヒスタミンH_{2}受容体を遮断し、ヒスタミンによる胃酸分泌を抑制する。2:正\nボノプラザンは、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)であり、K^{+}と競合してH^{+},K^{+}-ATPase を可逆的に阻害することで、胃酸分泌抑制作用を示す。3:誤\nレバミピドは、PGE_{2}、PGI_{2}の生合成を促進することにより、粘液分泌促進作用、粘膜血流増加作用、胃酸分泌抑制作用を示す。4:正\nミソプロストールは、プロスタグランジンE_{1}誘導体であり、プロスタノイドEP受容体を刺激し、胃酸分泌抑制作用、粘液分泌促進作用、粘膜血流増加作用を示す。5:誤\nピレンゼピンは、迷走神経に存在するM_{1}受容体を選択的に遮断することにより胃壁細胞からの胃酸分泌を抑制する。"} +{"problem_id": "107163", "problem_text": "2型糖尿病の治療に使用される薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ミチグリニドは、スルホニル尿素受容体に結合してATP感受性K^{+}チャネルを遮断することで、膵\\beta 細胞の細胞膜を脱分極させる。", "ピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\gamma (PPAR\\gamma )を活性化することで、脂肪細胞の分化を促進する。", "イプラグリフロジンは、ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、小腸でのグルコースの吸収を選択的に抑制する。", "リナグリプチンは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を活性化することで、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進する。", "メトホルミンは、AMP 活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を阻害することで、骨格筋でのグルコーストランスポーター4(GLUT4)の細胞膜への移行を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nミチグリニドは、膵臓の\\beta 細胞膜に存在するSU受容体に結合し、ATP感受性K^{+}チャネルを遮断することで、膵\\beta 細胞の細胞膜を脱分極させる。2:正\nピオグリタゾンは、主に脂肪細胞に分布するペルオキシソーム増殖因子活性化受容体\\gamma (PPAR-\\gamma )を刺激し、前駆脂肪細胞から小型脂肪細胞への分化促進と大型(肥大化)脂肪細胞のアポトーシスを誘発する。3:誤\nイプラグリフロジンは、SGLT2(sodium dlucose co-transporter 2)阻害し、腎の近位尿細管でのグルコースの再吸収を抑制することにより血中の過剰なグルコースを体外への排泄を促進する。4:誤\nリナグリプチンは、・インクレチンの分解に関わるDPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ4)を阻害し、インクレチンの濃度を上昇させることにより血糖依存的にインスリン分泌促進作用を示すとともにグルカゴン濃度低下作用を示す。5:誤\nメトホルミンは、AMP 活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化することで、骨格筋でのグルコーストランスポーター4(GLUT4)の細胞膜への移行を促進する。"} +{"problem_id": "107164", "problem_text": "性ホルモン関連薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フルタミドは、前立腺細胞のアンドロゲン受容体を遮断して、前立腺がんの増大を抑制する。", "メテノロンは、エストロゲン受容体を刺激して、再生不良性貧血を改善する。", "エキセメス���ンは、子宮内膜のエストロゲン受容体を遮断して、子宮内膜がんの増大を抑制する。", "デガレリクスは、視床下部のエストロゲン受容体を遮断して、排卵を誘発する。", "レトロゾールは、アロマターゼを阻害して、エストロゲン合成を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nフルタミドは、前立腺細胞のアンドロゲン受容体を阻害することで前立腺がんの増大を抑制する。2:誤\nメテノロンは、アンドロゲンの男性化作用を減弱し、タンパク同化作用を増強させた合成ステロイドである。3:誤\nエキセメスタンは、エストロゲンの合成に関わるアロマターゼを阻害し、アンドロゲンからエストロゲンの合成を阻害する。4:誤\nデガレリクスは、内因性GnRHに拮抗することでLH・FSHの分泌を抑制する。5:正\nレトロドールは、エストロゲンの合成に関わるアロマターゼを阻害し、アンドロゲンからエストロゲンの合成を阻害する。"} +{"problem_id": "107165", "problem_text": "60歳男性。仕事が忙しく睡眠不足が続いていた。ある日、右側胸部にかゆみを伴った皮疹が現れ、強い痛みも生じたため受診し、帯状疱疹と診断された。この患者に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["疲労やストレスが発症の要因となった可能性が高い。", "皮疹は血管に沿って全身に拡がっていく。", "病原体は麻しんと同じである。", "皮疹出現の約2週間前に感染したと考えられる。", "副腎皮質ステロイド薬を用いる場合、抗ウイルス薬を併用する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n帯状疱疹は、疲労やストレスで免疫力が低下することで、水痘に罹患後全身の知覚神経節に潜伏感染していた水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化し発症する。2:誤\n再活性化したウイルスは、神経軸索を通じて支配神経の皮膚、粘膜に片側性の水疱を形成する。3:誤\n帯状疱疹の原因ウイルスは、水痘・帯状疱疹ウイルスであり、水痘と帯状疱疹を引き起こす。4:誤\n解説1参照\n5:正\n皮膚症状を緩和させる目的で副腎皮質ステロイド薬を用いる場合、免疫力低下によるウイルスの再活性化を抑制する目的で抗ウイルス薬を併用する必要がある。"} +{"problem_id": "107166", "problem_text": "抗ウイルス薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アメナメビルは、帯状疱疹ウイルスのヘリカーゼプライマーゼ複合体のDNA依存性ATPase活性を阻害して、mRNAの合成を阻害する。", "ガンシクロビルは、サイトメガロウイルスのチミジンキナーゼにより一リン酸化された後、宿主細胞キナーゼで三リン酸化体まで変換されて、ウイルスのRNAポリメラーゼを阻害する。", "オセルタミビルは、インフルエンザウイルスが宿主細胞から遊離する際に働くノイラミニダーゼを阻害して、インフルエンザウイルスの増殖を抑制する。", "ホスカルネットは、サイトメガロウイルスのRNAポリメラーゼのピロリン酸結合部位に結合して、RNAの合成を阻害する。", "アシクロビルは、三リン酸化体に変換されて、帯状疱疹ウイルスに感染した宿主細胞内でデオキシグアノシン三リン酸(dGTP)と競合して、ウイルスのDNAポリメラーゼを阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nアメナメビルは、ヘルペスウイルスのヘリカーゼ・プライマーゼ複合体のDNA依存性ATPase活性を阻害することにより、ヘルペスウイルスのDNA複製を阻害する。"} +{"problem_id": "107167", "problem_text": "急性白血病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["シクロホスファミドは、活性酸素を発生させて、DNA を切断する。", "ビンクリスチンは、チュブリンの重合を促進して、微小管を安定化させる。", "シタラビンは、細胞内で三リン酸化されて、DNAポリメラーゼを阻害する。", "ダウノルビシンは、RNAポリメラーゼを特異的に阻害する。", "イマチニブは、Bcr-Abl チロシンキナーゼを阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nシクロホスファミドは、CYPにより活性体となり、DNAをアルキル化することで抗腫瘍効果を示す。2:誤\nビンクリスチンは、チュブリンの重合を阻害し、微小管を崩壊させ、紡錘糸機能を障害することで細胞分裂を停止させアポトーシスを誘発する。3:正\nシタラビンは、腫瘍細胞内でリン酸化され、シタラビン三リン酸ヌクレオチドとなり、デオキシシチンジン三リン酸(dCTP)、デオキシチミジン三リン酸と競合し、DNA鎖に取り込まれることでDNA合成を阻害する。4:誤\nダウノルビシンは、DNAの間に入り込み(インターカレーション)、転写過程を阻害し、DNAポリメラーゼやDNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することでDNA、RNA合成を阻害する。5:正\nイマチニブは、Bcr-Ablチロシンキナーゼを阻害し、腫瘍細胞の増殖を抑制する。"} +{"problem_id": "107168", "problem_text": "図のように薬物Aは酵素アに作用する。薬物A及び酵素アに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬物Aは、酵素アによって、ドパミンに異化される。", "薬物Aは、酵素アを阻害して、末梢でのレボドパからドパミンへの異化を抑制する。", "薬物Aは、酵素アを阻害して、脳内ドパミンの酸化を抑制する。", "エンタカポンは、酵素アを阻害して、末梢でのレボドパから3-O-メチルドパへの異化を抑制する。", "ドロキシドパは、酵素アによってノルアドレナリンに異化される。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "設問の反応より、酵素アはドパからドパミンの生成に関与する酵素であると推察できることから、酵素アはドパ脱炭酸酵素である。また、薬物Aはドパ脱炭酸酵素に作用していることからドパ脱炭酸酵素阻害薬(カルビドパ)であると推察できる。1:誤\n薬物A(カルビドパ)が酵素ア(ドパ脱炭酸酵素)によってドパミンに異化されるのではなく、ドパが酵素アによってドパミンに異化される。2:正\n薬物A(カルビドパ)は、酵素ア(ドパ脱炭酸酵素)を阻害して、末梢でのレボドパからドパミンへの異化を抑制し、末梢から中枢へのレボドパの移行量を増大させる。3:誤\n解説2参照\n4:誤\nエンタカポンは、末梢においてCOMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)を阻害することで、末梢でのレボドパから3-O-メチルドパへの異化を抑制する。5:正\nドロキシドパは、ノルアドレナリンの前駆物質であり、酵素ア(ドパ脱炭酸酵素)によってノルアドレナリンに異化される。"} +{"problem_id": "107169", "problem_text": "線形薬物動態を示す薬物A10mgを静脈内投与あるいは経口投与した後の血中濃度時間曲線下面積(AUC)は、それぞれ500ng・h/mL、150ng・h/mLであった。経口投与後の薬物Aの消化管上皮細胞への移行率と肝抽出率を算出したところ、それぞれ90%と45%であった。また、胆汁中及び尿中に未変化体薬物は検出されなかった。薬物Aが消化管上皮細胞での代謝を免れる率として、最も近いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["10%", "20%", "30%", "60%", "75%"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "バイオアベイラビリティFは、消化管吸収率Fa、消化管上皮細胞で代謝を免れた率Fg、肝臓で初回通過効果を免れた率Fhにより①式で表される。F=Fa\\times Fg\\times Fh: ①式\n◉Fを求める\nバイオアベイラビリティFは、②式より求めることができる。静脈内投与、経口投与ともに投与量10mgであるため、Div、Dpoはともに10mgとなる。また、それぞれAUCは、500ng・h/mL、150ng・h/mLであるため、AUCivは500ng・h/mL、AUCpoは150ng・h/mLとなり、Fを下記のように求めることができる。◉Fhを求める\n肝初回通過効果を免れた率Fhは、③式で求めることができる。Fh=1-肝抽出率: ③式\n肝抽出率45%であるため、Fhは0.55となる。◉Fgを求める\n①式にF=0.3、消化管上皮細胞への移行率Fa=0.9、Fh=0.55を代入すると、Fg=0.6となる。F=Fa\\times Fg\\times Fh\n0.3=0.9\\times Fg\\times 0.55\nFg\\fallingdotseq 0.6"} +{"problem_id": "107170", "problem_text": "ある薬物のアルブミンへの結合に関する両逆数プロットを実線で表し、また、この薬物のアルブミンへの結合が別の薬物の共存により競合的に阻害された場合を点線で表すとき、正しい図はどれか。1つ選べ。ただし、図中のrはアルブミン1分子あたりに結合している薬物の分子数を、[D_{f}]は非結合形薬物濃度を示す。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "薬物のアルブミンに関する両逆数プロットは、縦軸にアルブミン1分子あたりに結合している薬物の分子数の逆数(1/r)、横軸に遊離薬物濃度の逆数(1/[D_{f}])をプロットしたものであり、縦軸切片が結合部位数の逆数(1/n)、横軸切片がマイナス結合定数(-K)と���る。競合的阻害剤を添加すると、結合部位数は変化しないが、結合定数は低下する。よって、競合的阻害剤を添加すると縦軸切片は変化せず、横軸切片が増加(結合定数が低下\\rightarrow マイナス結合定数は増加)する。"} +{"problem_id": "107171", "problem_text": "プラバスタチンの体内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プラバスタチンは、シトクロムP450による代謝を受けやすい。", "プラバスタチンは、胆管側膜に存在するMultidrug Resistance-associated Protein2(MRP2)により胆汁中に分泌される。", "プラバスタチンは、キニジンとの併用により中枢移行量が増える。", "プラバスタチンの血中濃度は、シクロスポリンとの併用により上昇する。", "プラバスタチンは、有機カチオントランスポーターOCT1を介して肝細胞内に取り込まれる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nプラバスタチンは、シトクロムP450による代謝をほとんど受けず、主に胆汁中に排泄される。2:正\nプラバスタチンは、有機アニオントランスポーターOATP1B1により肝細胞に取り込まれた後、胆管側膜に存在するMultidrug Resistance-associated Protein2(MRP2)により胆汁中に分泌される。3:誤\nプラバスタチンとキニジンの相互作用は報告されていない。4:正\nプラバスタチンとシクロスポリンを併用すると、シクロスポリンが肝臓のOATP1B1を阻害することでプラバスタチンの肝臓への取り込みが抑制され、血中濃度が上昇する。5:誤\n解説2参照"} +{"problem_id": "107172", "problem_text": "細切した肝臓をホモジナイザーで破砕し遠心分離を繰り返すと細胞内小器官を大まかに分けることができる。主に薬物代謝に関わるシトクロムP450が存在する画分として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["a", "b", "c", "d", "aからdのすべて"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "107173", "problem_text": "薬物の腸肝循環に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["胆管閉塞で血中半減期が短縮する。", "抗菌薬の内服による影響を受けることがある。", "静脈内投与された薬物では起こらない。", "腸内細菌の\\beta -グルクロニダーゼが阻害されると血中半減期が延長する。", "経口投与後の血中濃度において、ピークが二峰性を示すことがある。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "胆汁中に排泄された物質が、小腸より再び吸収されることを腸肝循環という。肝で抱合代謝(グルクロン酸抱合など)を受けた薬物が胆汁中に排泄され、小腸の\\beta -グルクロニダーゼ(腸内細菌が生成)により加水分解され、再び未変化体として小腸により吸収される。腸肝循環を受けやすい薬物として、ジゴキシン、プラバスタチン、インドメタシン、モルヒネなどがある。1:誤\n胆管閉塞が起こると、薬物は胆汁排泄されなくなるため、血中半減期は延長する。2:正\n抗菌薬を内服すると、腸内細菌が減少し、\\beta -グルクロニダーゼが減少する。結果、代謝物は脱抱合ができなくなり、腸肝循環しにくくなることで血中半減期は短縮する。3:誤\n静脈内投与された薬物も循環血中より肝臓へ移行するため、腸肝循環が起こる可能性がある。4:誤\n\\beta -グルクロニダーゼが阻害されると代謝物は脱抱合ができなくなり、腸肝循環しにくくなることで血中半減期は短縮する。5:正\n腸肝循環の影響により、経口投与後の血中濃度において、ピークが二峰性(二相性)を示すことがある。"} +{"problem_id": "107174", "problem_text": "薬物の血中濃度(C)の経時変化が下図のようになったため、体循環コンパートメントと末梢コンパートメントからなる線形2-コンパートメントモデルで解析し、次の式の形で表した。ただし、A、B、\\alpha 、\\beta は定数、tは時間であり、投与量をDとする。このときの薬物動態パラメータに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["終末相(\\beta 相)における消失速度定数(\\beta )は、図の②の部分の傾きから求められる。", "分布相(\\alpha 相)における消失速度定数(\\alpha )は、図の①の部分の傾きから求められる。", "血中濃度時間曲線下面積は、(A+B)/(a+b)で表すことができる。", "投与直後の薬物血中濃度はA+Bで表すことができる。", "体循環コンパートメントの分布容積��D/Aで表すことができる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "2-コンパートメントモデルは、投与後速やかに血液中の薬物と平衡が成立する体循環コンパートメントと血流が少なく速やかに平衡に到達しない末梢コンパートメントからなる。体循環コンパートメントに薬物を投与すると、薬物が消失するとともに末梢コンパートメントに薬物が移行するため、急激に血中濃度が減少する(この相を分布相、\\alpha 相という)。時間が経過し、体循環コンパートメントと末梢コンパートメントの間で平衡が成立すると、血液中の薬物は消失のみで減少するため、穏やかに血中濃度が減少する(この相を消失相、\\beta 相という)。1:正\n終末相(\\beta 相)における消失速度定数(\\beta )は、図の②(赤線)の部分の傾きより求められる。2:誤\n分布相(\\alpha 相)における消失速度定数(\\alpha )は、図の①の部分から求めることはできない。なお、\\alpha は、①と②差より得られた青線の部分の傾きから求められる。3:誤\n2コンパートメントモデルにおけるAUCは下記の式で表すことができる。4:正\n血中濃度を表す式C=A・e^{-\\alpha ・t}+B・e^{-\\beta ・t}のtに0を代入すると、投与直後の濃度は、C=A・e^{-\\alpha ・0}+B・e^{-\\beta ・0}=A+Bとなる。5:誤\n体循環コンパートメントの分布容積は、下記の式で表すことができる。"} +{"problem_id": "107175", "problem_text": "フェニトイン100mg錠を1回1錠、1日3回服用するところ、誤って1回1錠、1日2回しか服用していなかった。その時の患者のフェニトインの血中濃度は4\\microg/mLであった。この患者が処方どおりに1日3回服用した場合のフェニトインの血中濃度(\\microg/mL)として、最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、フェニトインの血中濃度は定常状態における平均値であるものとし、フェニトインの体内からの消失はMichaelis-Menten式で表され、Michaelis定数を4\\microg/mL、バイオアベイラビリティを100%とする。", "choices": ["6", "12", "16", "20", "24"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "消失過程に飽和が生じる薬物の消失速度Vは①式のMichaelis-Menten式で表される。定常状態では、消失速度と注入速度(時間当たりの投与量)が同一となるため、下記の式が成立する。◉誤って服用していた時のデータより、Vmaxを算出する\nバイオアベイラビリティ100%で1回100mgを1錠、1日2回服用していることから注入速度は200mg/dayとなる。また、血中濃度が4\\microg/mL、Michaelis定数が4\\microg/mLであることから、下記のようにVmaxを求めることができる。◉1日3回服用した場合のフェニトインの血中濃度を算出する。バイオアベイラビリティ100%で1回100mgを1錠、1日3回服用していることから注入速度は300mg/dayとなる。また、Vmaxが400mg/day、Michaelis定数が4\\microg/mLであることから、下記のように血中濃度を求めることができる。"} +{"problem_id": "107176", "problem_text": "図は、well-stirredmodelに基づいた肝臓からの薬物消失モでルを示したものである。このモデルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、CLintは肝固有クリアランス、fuは血中タンパク非結合形分率、Cinは肝臓に流入する部位における血中薬物濃度、Coutは肝臓から流出する部位における血中薬物濃度、Qhは肝血流量とする。", "choices": ["肝臓中の非結合形薬物濃度は不均一である。", "肝組織中の非結合形薬物濃度はCinに等しい。", "肝臓からの見かけの薬物消失速度は、CLint\\times fu\\times Coutと表される。", "肝臓における薬物量の変化速度は、Qh\\times Cin-Qh\\times Cout-CLint\\times fu\\times Coutと表される。", "定常状態におけるCLintはQhにほぼ等しい。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n肝臓中では速やかに平衡が成立するため、非結合形薬物濃度は均一である。2:誤\n肝臓中では血液中の非結合型薬物濃度と肝組織中の非結合型薬物濃度が等しくなるため、肝臓から流出する部位における非結合型薬物濃度と肝組織の薬物濃度が等しくなる。よって、肝組織中の非結合形薬物濃度はfu\\times Coutに等しい。3:正\n肝臓からの見かけの薬物消失速度は、肝固有クリアランスと肝組織中の非結合型薬物濃度の積で表される。よって、肝臓からの見かけの薬物消失速度は、CLint\\times fu\\times Coutと表される。4:正\n肝臓における薬物量の変化速度は、肝臓��の薬物流入速度-肝臓からの薬物流出速度-肝臓からの見かけの薬物消失速度で表されるため、Qh\\times Cin-Qh\\times Cout-CLint\\times fu\\times Coutと表される。5:誤\n肝固有クリアランスは薬物固有の値であり、肝血流量Qhと必ず一致するとは限らない。"} +{"problem_id": "107177", "problem_text": "粉体の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["顕微鏡法により得られた粒子の投影像を一定方向の2本の平行線で挟んだとき、平行線間の長さに相当する粒子径をマーチン径という。", "同一粉体において、質量基準による粒度分布の平均粒子径より、個数基準による粒度分布の平均粒子径の方が小さい。", "水溶性の結晶性粉体の臨界相対湿度は、水不溶性の結晶性粉体と混合することで低下する。", "真密度1.4g/cm^{3}、空隙率0.5の粉末70gの空隙体積が2/5になるまで圧縮した際のみかけの密度は1.0g/cm^{3}である。", "試料粉体の比表面積と平均粒子径が比例することから、比表面積を測定することで試料粉体の平均粒子径を求めることができる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n顕微鏡法により得られた粒子の投影像を一定方向の2本の平行線で挟んだとき、平行線間の長さに相当する粒子径をフェレー径、グリーン径という。なお、マーチン径は一定方向の直径が粒子の投影面積を2等分する線分の長さである。2:正\n粒子径の分布を示す粒度分布図では、一般に個数基準分布は質量基準分布より小さくなるため、同一粉体において、質量基準による粒度分布の平均粒子径より、個数基準による粒度分布の平均粒子径の方が小さい。3:誤\n水溶性の結晶性粉体の臨界相対湿度(CRH)は、水不溶性の結晶性粉体と混合しても変化しない。4:正\n5:誤\n試料粉体の比表面積と平均粒子径が反比例することから、比表面積を測定することで試料粉体の平均粒子径を求めることができる。"} +{"problem_id": "107178", "problem_text": "固体薬物の溶解速度を回転円盤法を用いて温度一定の条件で測定したところ、図のような結果となった。試験液中の薬物濃度(C)が薬物の溶解度(Cs)の半分に達するまでの時間(min)に最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、実験開始時の試験液中の薬物濃度は0、円盤の有効表面積(1cm^{2})は試験中に変化せず、溶解はシンク条件において拡散律速で進行するものとする。なお、ln2=0.69とする。", "choices": ["3.5", "7.0", "10.5", "14.0", "17.5"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "試験液中の薬物濃度(C)が薬物の溶解度(Cs)の半分に達するまでの時間はCs-CがCsの半分に達するまでの時間と同一となる。Cs-Cは一次反応により減少するため、Cs-CがCsの半分に達するまでの時間を下記の式より求めることができる。また、ln(Cs-C)=ln(Cs-C_{0})-k・S・tの関係が成立するため、縦軸ln(Cs-C)、横軸tのグラフの傾きは-kSとなる。よって、設問のグラフの傾きは-kSとなるため、下記のようにkを求めることができる。これらのことから、試験液中の薬物濃度(C)が薬物の溶解度(Cs)の半分に達するまでの時間を下記のように求めることができる。"} +{"problem_id": "107179", "problem_text": "図の装置を用いて、懸濁剤に分散している球状の粉末粒子の粒子径を測定した。本測定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、分散媒、分散粒子の密度はそれぞれ1.0g/cm^{3}、2.0g/cm^{3}とする。", "choices": ["アンドレアゼンピペットを用いた沈降法による粒子径測定である。", "ラングミュア式を利用して粒子径を算出する。", "コロイド粒子の粒子径を測定することができる。", "懸濁剤に分散している粒子径を1/3にすると、分散粒子の沈降速度は1/3になる。", "増粘剤添加により分散媒の粘度を1.6倍、分散媒の密度を1.2g/cm^{3}にすると、分散粒子の沈降時間は2倍になる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n図の装置は、アンドレアゼンピペットであり、懸濁剤に分散している粉末粒子の粒子径を沈降法により測定する。沈降法では分散媒中を沈降する粒子の沈降速度を測定し、ストークス式を用いて粒子径を算出する。2:誤: 解説1参照。なお、ラングミュア式は、ガス吸着法による単分子飽和吸着量の算出に用いられる式である。3:誤: コロイド粒子はブラウン運動により沈降しないため��コロイド粒子の粒子径を沈降法を用いて測定することはできない。4:誤: ストークスの式より沈降速度と粒子径の2乗は比例の関係にあるため、懸濁剤に分散している粒子径を1/3にすると、分散粒子の沈降速度は1/9となる。5:正\n上記より、増粘剤添加により分散媒の粘度を1.6倍、分散媒の密度を1.2g/cm^{3}にすると、分散粒子の沈降時間は2倍になる。"} +{"problem_id": "107180", "problem_text": "図は、pH 7.4、37^{\\circ} Cの緩衝液中におけるある弱酸性薬物の加水分解に対するシクロデキストリン添加の影響を示したものである。本実験条件において、この薬物とシクロデキストリンはモル比1: 1で複合体を形成する。ここで、k_{f}は薬物自体の分解速度定数(2.26\\times 10^{-3}h^{-1})、k_{obs}(h^{-1})は見かけの薬物分解速度定数(h^{-1})、K_{1}_{: 1}は複合体の安定度定数((mol/L)^{-1})、k_{c}は複合体中の薬物分解速度定数(h^{-1})、[CD]_{t}はシクロデキストリンの総濃度(mol/L)としたとき、次のような関係式が成立する。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この薬物との複合体の安定度定数は 190(mol/L)^{-1}である。", "複合体中の薬物の加水分解速度定数は6.02\\times 10^{-1}h^{-1} である。", "シクロデキストリンの添加濃度の上昇にしたがい、この薬物の見かけの加水分解速度定数は増大する。", "シクロデキストリンは、この薬物の加水分解に対して安定化効果を示す。", "複合体形成によるこの薬物の安定化効果は pH によって変化しない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "107181", "problem_text": "皮膚に使用する製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["油脂性基剤である単軟膏や白色軟膏は、乾燥型及び湿潤型いずれの皮膚疾患にも使用できる。", "水溶性基剤であるマクロゴールは、分子量が大きくなると水に不溶になる。", "水溶性ゲル基剤は、損傷皮膚を含めた様々な状態の皮膚に安全に使用できる。", "吸水クリームと親水クリームは、いずれもサラシミツロウを含んでいる。", "マトリックス型のテープ剤は、日本薬局方の粘着力試験法により評価される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n単軟膏や白色軟膏は油脂性基剤であり、一般に皮膚刺激が少なく、乾燥型、湿潤型いずれの皮膚疾患にも使用できる。2:誤\nマクロゴールは、分子量にかかわらず水に溶けやすいため、水溶性基剤として用いられる。3:誤\n水溶性ゲル基剤は、吸水性があり皮膚を乾燥させるため、損傷皮膚に用いると刺激感が現れることがある。4:誤\n吸水クリームにはサラシミツロウが含まれるが、親水クリームにはサラシミツロウは含まれていない。5:正\n日本薬局方の粘着力試験法は、貼付剤の粘着力を測定する方法である。マトリックス型のテープ剤は貼付剤に該当しており、日本薬局方の粘着力試験法で評価される。"} +{"problem_id": "107182", "problem_text": "フルチカゾンプロピオン酸エステルを有効成分とする懸濁性点鼻液に含まれる添加物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。〔添加物〕カルボキシビニルポリマー、L-アルギニン、ベンザルコニウム塩化物、エデト酸ナトリウム水和物、ポリソルベート80、濃グリセリン、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、精製水", "choices": ["ポリソルベート80は、懸濁化剤として添加されている。", "ベンザルコニウム塩化物は、有効成分を可溶化するために添加されている。", "塩化ナトリウムは、微生物の増殖を抑制するために添加されている。", "カルボキシビニルポリマーは、有効成分の鼻腔内滞留性を高めるために添加されている。", "エデト酸ナトリウム水和物は、無痛化剤として添加されている。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nポリソルベート80は非イオン性界面活性剤であり、懸濁化剤、可溶化剤として添加されている。2:誤\nベンザルコニウム塩化物は陽イオン性界面活性剤であり、保存剤として添加されている。3:誤\n塩化ナトリウムは、等張化剤として添加されている。4:正\nカルボキシビニルポリマーは合成高分子であり、有効成分の鼻腔内滞留性を高めるために添加されている。5:誤\nエデト酸ナトリウム水和物はキレート剤であり、安定剤として添加されている。"} +{"problem_id": "107183", "problem_text": "薬物とターゲティング技術に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["レボドパは、主にP-糖タンパク質により選択的に脳内に取り込まれる。", "サラゾスルファピリジンは、腸内細菌により5-アミノサリチル酸に変換される。", "フルシトシンは、腫瘍細胞内の酵素により5-フルオロウラシルに変換される。", "アルプロスタジルは、乳酸・グリコール酸共重合体マイクロスフェアを担体として病変部位にターゲティングされる。", "ガラクトシル人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸テクネチウムは、肝細胞膜上のアシアロ糖タンパク質受容体に強く結合する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nレボドパは、主に中性アミノ酸トランスポーターLAT1により選択的に脳内に取り込まれ、脳内で芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素によりドパミンとなり薬効を示すプロドラッグである。2:正\nサラゾスルファピリジンは、腸内細菌により還元的に切断され、5-アミノサリチル酸とスルファピリジンに変換されるプロドラッグである。3:誤\nフルシトシンは、真菌細胞膜のシトシン透過酵素を介して真菌細胞内に選択的に取り込まれ、脱アミノ化されて5-フルオロウラシルに変換され抗真菌作用を発揮する。4:誤\nアルプロスタジルは、リピドマイクロスフェアを担体として、病変部位に受動的にターゲティングされる。5:正\nガラクトシル人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸テクネチウムは、肝細胞膜上に存在するアイアロ糖タンパク質受容体(ASGP)に特異的に認識され肝に取り込まれ、肝臓の機能及び形態の診断に利用される。"} +{"problem_id": "107184", "problem_text": "スティーブンス・ジョンソン症候群に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["中毒性表皮壊死症とも呼ばれる。", "内服薬よりも、皮膚外用薬によって発症するケースが多い。", "視力低下をきたすことがある。", "発熱や倦怠感などの全身症状を伴うことはまれである。", "治療の基本は、副腎皮質ステロイド薬の全身投与である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n皮膚粘膜眼症候群とも呼ばれる。2:誤\n皮膚外用薬に比べ、内服薬で発症することが多い。3:正\n高熱、口腔粘膜などの皮膚粘膜移行部の広範な出血性のびらん、視力低下をきたすことがある。4:誤\n解説3参照\n5:正\n第一選択薬として、ステロイド性抗炎症薬の全身投与を行う。"} +{"problem_id": "107185", "problem_text": "ギラン・バレー症候群に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["上気道感染症や消化器感染症の後に発症することが多い。", "主に中枢神経の軸索や髄鞘が障害される。", "原因病原体として最も多いのは真菌である。", "下肢から上行する左右対称性の弛緩性運動麻痺がみられる。", "副腎皮質ステロイド薬の単独療法により寛解が得られる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nギランバレー症候群は、先行する軽度の呼吸器ないし消化器感染症あるいはワクチン接種に引き続き起こる急性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(末梢神経障害)である。2:誤\n解説1参照\n3:誤\n原因病原体として、ウイルス、細菌が多いとされている。4:正\n初期に感冒様症状、下痢、腹痛があり、その後、異常知覚、顔面神経麻痺、嚥下障害、四肢の脱力、自律神経症状(不整脈、発汗異常など)が生じる。5:誤\n治療法として、免疫グロブリン大量療法、血漿浄化療法を行う。なお、現在、副腎皮質ステロイド性薬の単独投与は無効とされている。"} +{"problem_id": "107186", "problem_text": "貧血の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["鉄欠乏性貧血では、血清フェリチン値が上昇する。", "巨赤芽球性貧血は、ビタミンB_{12}や葉酸の欠乏により起こる。", "再生不良性貧血では、汎血球減少がみられる。", "自己免疫性溶血性貧血は、大球性貧血に分類される。", "腎性貧血では、エリスロポエチンの産生が亢進している。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n鉄欠乏性貧血は、貯蔵鉄である血清フェリチン値が低下する。2:正\n巨赤芽球性貧血は、骨髄中に巨赤芽球が出現する貧血であり、DNA合成に必要なビタミンB_{12}、葉酸の欠乏により誘発され��。3:正\n再生不良性貧血では、造血幹細胞の減少により赤血球、白血球、血小板が減少する汎血球減少症が認められる。4:誤\n自己免疫性溶血性貧血は、正球性貧血に分類される。5:誤\n腎性貧血では、赤血球の分化、増殖に関与するエリスロポエチンの産生が低下している。"} +{"problem_id": "107187", "problem_text": "ネフローゼ症候群で必ずみられるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["体重減少", "血尿", "タンパク尿", "低アルブミン血症", "低コレステロール血症"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "ネフローゼ症候群とは、タンパク尿、低アルブミン血症、浮腫、高コレステロール血症を呈する症候群であり、診断基準として、「タンパク尿: 3.5g/日以上」「低アルブミン血症: 血清アルブミン値3.0 g/dL以下」がある。"} +{"problem_id": "107188", "problem_text": "42 歳女性。最近、疲れやすいと感じることが多くなり、また徐々に食欲が低下し、何をするにも億劫でやる気が起こらなくなった。月経周期が乱れたため受診し、検査の結果、橋本病と診断された。この患者の状態として、考えられるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["体重が著しく減少している。", "頻脈が認められる。", "高コレステロール血症が認められる。", "血清TSH(甲状腺刺激ホルモン)値が高い。", "副甲状腺ホルモンの分泌が亢進している。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "橋本病は、原発性甲状腺機能低下症であり、甲状腺機能障害によりトリヨードチロニン(T_{3})、チロキシン(T_{4})が放出されにくくなるため、視床下部-下垂体への負のフィードバックが低下し、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値が高くなる。また、症状として、易疲労性、体重増加、低体温、徐脈、粘液水腫、うつ状態、記憶力低下、血清コレステロール値の上昇を伴う。"} +{"problem_id": "107189", "problem_text": "緑内障に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["緑内障は、眼圧を正常範囲内に維持すれば症状は現れない。", "緑内障により低下した視力は、眼圧を低下させると速やかに回復する。", "開放隅角緑内障では、虹彩と水晶体の間の房水の流れが妨げられている。", "開放隅角緑内障では、視野欠損が徐々に進行する。", "急性閉塞隅角緑内障では、急性の眼痛とともに頭痛、悪心・嘔吐を伴った視力低下が起こる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n眼圧を正常範囲内(10〜20mmHg)に維持しても視神経と視野に障害をきたすことがある。眼圧が正常範囲内であるにも関わらず、視神経障害が進行するものを正常眼圧緑内障という。2:誤\n高度に障害された視覚機能は、眼圧を低下させても回復することはない。そのため、視覚機能低下を呈する前に薬物療法による眼圧コントロールを行うことが重要である。3:誤\n虹彩と水晶体の間の房水の流れが妨げられることで眼圧が上昇するのは、閉塞隅角緑内障である。4:正\n開放隅角緑内障では、中心部よりも周辺部から徐々に視野が狭くなっていく。5:正\n急性閉塞隅角緑内障では、急激に眼圧が上昇するため、急性の眼痛、頭痛、悪心・嘔吐を伴う視力低下が認められる。"} +{"problem_id": "107190", "problem_text": "メニエール病の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ウイルス感染症である。", "反復性回転性めまいと耳鳴、難聴や耳閉感を併発することが多い。", "イソソルビドは、外リンパ圧低下作用によりめまいを抑制する。", "ペルフェナジンは、悪心・嘔吐を抑制する。", "ベタヒスチンメシル酸塩は、外耳の血液循環を改善することによりめまいを抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nメニエール病は、内耳リンパ液の産生過剰、吸収障害により内耳の膜迷路の容積が増大することで反復性の回転性めまい、耳鳴り、難聴、耳閉塞感、聴力障害を呈する疾患である。2:正\n解説1参照\n3:誤\nイソソルビドは、内耳に貯留しているリンパ液を血液中に移行させることで内リンパ圧を低下させ、メニエール病によるめまいを改善する\n4:正\nペルフェナジンは、フェノチアジン系薬物であり、延髄の嘔吐中枢においてドパミンD_{2}受容体を遮断し、メニエール病に伴う悪心・嘔吐を抑制する。5:誤\nベタヒスチンメシル酸塩は、内耳���血液循環を改善し、内リンパ水腫を除去することによりめまいを抑制する。"} +{"problem_id": "107191", "problem_text": "B型インフルエンザに続発するライ(Reye)症候群に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["異常型プリオン蛋白が脳内に蓄積して発症する。", "肝障害を伴う急性脳症である。", "血糖値の上昇がみられる。", "重度の黄疸がみられる。", "小児の場合、アスピリンが治療に用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ライ(Reye)症候群は、主にインフルエンザウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスなどのウイルス感染症に続いて起こる急性脳症や肝臓の脂肪沈着を引き起こす症候群であり、小児においてウイルス感染中にアスピリンを服用することで誘発されることがある。1:誤\n異常型プリオン蛋白が脳内に蓄積して発症するのは、クロイツフェルト・ヤコブ病である。2:正\n3:誤\nライ症候群では、ミトコンドリアの脂肪酸の\\beta 酸化障害が示唆されており、糖新生抑制による低血糖が現れることがある。4:誤\nライ症候群では、急激な肝機能低下を呈するが、黄疸は認められにくい。5:誤\n前記参照"} +{"problem_id": "107192", "problem_text": "漢方薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["大建中湯は、不眠症に使用される。", "五苓散は、浮腫に使用される。", "小青竜湯は、アレルギー性鼻炎に使用される。", "補中益気湯は、月経困難に使用される。", "抑肝散は、気管支ぜん息に使用される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n大建中湯は、腹の冷え・痛み、腹部膨満感に使用される。2:正\n五苓散は、浮腫、ネフローゼ、悪心・嘔吐、めまい、頭痛に使用される。3:正\n小青竜湯は、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、気管支炎、鼻閉、くしゃみに使用される。4:誤\n補中益気湯は、病後の体力増強、食欲不振、胃下垂、感冒に使用される。5:誤\n抑肝散は、神経症、不眠症、小児夜泣きに使用される。"} +{"problem_id": "107193", "problem_text": "幹細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["胚性幹細胞(ES細胞)は、自己複製能を持つ。", "胚性幹細胞は、多能性獲得に必要な遺伝子を導入して作製する。", "人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製には、受精卵が用いられる。", "造血幹細胞は、あらゆる細胞に分化する能力を持つ。", "造血幹細胞は、臍帯血にも存在する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n胚性幹細胞(ES細胞)は、受精卵から形成された胚盤胞の内部細胞塊細胞を培養した幹細胞であり、自己複製能と別の種類の細胞への分化能を併せ持つ。2:誤\n体細胞に多能性獲得に必要な遺伝子を導入して作製するのは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)である。3:誤\n解説2参照\n4:誤\n造血幹細胞は、血球系細胞にのみ分化する能力を持つ。5:正\n造血幹細胞は、骨髄に存在するとともに臍帯血にも存在する。"} +{"problem_id": "107194", "problem_text": "EBMの実践に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["最初のプロセスは「問題解決のための情報収集」である。", "情報を効率的に収集するために、一次資料の調査から開始する。", "PICO又はPECOと呼ばれる4つの要素(Patient、Intervention/Exposure、Comparison、Outcome)を用いて問題の定式化を行う。", "論文等に示された研究成果の正確度や再現性を確認することを、内的妥当性の評価という。", "割りつけられた治療を完遂できず脱落した者を除いた解析はITT(intention-to-treat)解析という。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nEBMの最初のプロセスは、「患者の問題の定式化」であり、その後「問題解決のための情報収集」、「得られた情報の比較的吟味」、「情報の患者への適用」「これまでのプロセスの評価」と続く。2:誤\n情報の効率的に収集するためには、一次資料を検索することができるようにデータベース化された二次資料から行う。3:正\nPICO、PECOは問題を定式化するための手法である。4:正: 内的妥当性(研究内部の妥当性)の評価では、得られた情報が本当の正しいものであるか、信用できるものであるかを吟味する。なお、外的妥当性の評価では、得られた情報を目の前の患者にどのように適用するかを考える。5:誤: ITT(intention-to-treat)解析では、脱落したものも全て含めて解析を行う。"} +{"problem_id": "107195", "problem_text": "試験期間が12ヶ月の臨床試験に参加した5名の被験者(A〜E)の経過が以下のようになった。Aが2ヶ月後に死亡 Bが8ヶ月後に死亡 Cが12ヶ月後の試験終了時まで生存 Dが4ヶ月後に追跡不能となり打ち切り Eが6ヶ月後に追跡不能となり打ち切り カプランマイヤー法を用いて表した生存曲線として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "試験期間12ヶ月の臨床試験に参加した5名の被験者の経過をもとにカプランマイヤー生存曲線を記載すると「選択肢3」のようになる。・Aが2ヶ月後に死亡: 被験者5名のうち、1名が死亡\n生存率= 1\\times (1-1/5)=0.8\n・Dが4ヶ月後に追跡不能となり打ち切り: 残った被験者4名のうち、1名が離脱\n生存率=0.8\\times (1-0/4)=0.8\n・Eが6ヶ月後に追跡不能となり打ち切り: 残った被験者3名のうち、1名が離脱\n生存率=0.8\\times (1-0/3)=0.8\n・Bが8ヶ月後に死亡: 残った被験者2名のうち、1名が死亡\n生存率=0.8\\times (1-1/2)=0.4\n・Cが12ヶ月後の試験終了時まで生存: 残った被験者1名が12ヶ月生存\n生存率=0.4\\times (1-0/1)=0.4"} +{"problem_id": "107196", "problem_text": "17歳男性。身長175cm、体重72kg。悪性軟部肉腫に対し、以下の処方で初期治療を行うことになった。この処方を調製する際には、難溶性の凝集体が生成することがある。確実に溶解させるための操作として、適切なのはどれか。2つ選べ。なお、処方にない溶解液を用いる場合は、医師に確認した上で行うものとする。", "choices": ["微量の生理食塩液をゆっくり加えて攪拌後、生理食塩液50mLに混合する。", "溶解に必要な量の生理食塩液を素早く加えて攪拌後、生理食塩液50mLに混合する。", "溶解に必要な量の注射用水を素早く加えて攪拌後、生理食塩液50mLに混合する。", "溶解に必要な量の7%炭酸水素ナトリウム液を素早く加えて攪拌後、生理食塩液50mLに混合する。", "溶解に必要な量の10%塩化ナトリウム液を素早く加えて攪拌後、生理食塩液50mLに混合する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n本剤(ドキソルビシン塩酸塩注射用)は、微量の生理食塩液で溶解を開始すると溶けにくくなることがある。2:正\n本剤を生理食塩液で溶解する場合は、ドキソルビシン塩酸塩として10mg(力価)当たり1mL以上で速やかに行うこととされている。3:正\n本剤は生理食塩液または注射用水で速やかに溶解することとされている。4:誤\n本剤にアルカリ性注射剤である炭酸水素ナトリウム液を混合すると、安定性の低下や溶解度の低下が認められているため、本剤の溶解に7%炭酸水素ナトリウム液は使用しない。5:誤\n本剤の溶解に10%塩化ナトリウム液は使用しない。"} +{"problem_id": "107197", "problem_text": "前問の難溶性凝集体が生成する相互作用として、適切なのはどれか。1つ選べ。なお、ドキソルビシン塩酸塩の構造式は以下のとおりである。", "choices": ["\\pi -\\pi スタッキング", "配位結合", "疎水性相互作用", "水素結合", "電荷移動相互作用"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "ドキソルビシンは、分子内に平面構造を有しており、希釈液中の電荷を有する物質(塩化ナトリウム)により\\pi 電子雲同士が重合することで分子の平面部分同士が積み重なる現象(\\pi -\\pi スタッキング)が認められる。\\pi -\\pi スタッキングでは分子同士が電子によって結合しており溶解度が低下する。"} +{"problem_id": "107198", "problem_text": "20歳女性。身長158cm、体重38kg。貧血症状に対して入院加療することになった。入院時の所見は次のとおりであり、注射剤による治療が開始された。(身体所見) 体温36.3^{\\circ} C、血圧108/62mmHg、脈拍数95拍/分(整)、顔面蒼白 (検査所見) 白血球数 3,500/\\microL、赤血球数 240\\times 10^{4}/\\microL、Hb 6.0g/dL、Ht 21%、血小板数 22\\times 10^{4}/\\microL、血清鉄(SI)3.4\\microg/dL、総鉄結合能(TIBC)360ng/dL、フェリチン8.9ng/mL、AST18IU/L、ALT16IU/L、総ビリルビン 0.4mg/dL、直接ビリルビン 0.2mg/dL 薬剤師は、鉄の過剰投与を防止するため、調剤に先立ち、総投与鉄量を計算し、投与期間を確認することにした。投与期間として最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、総投与鉄量(貯蔵鉄を加えた鉄量)の計算式は次のとおりとする。総投与鉄量(mg)={2.72\\times (16-X)+17}\\times W ここでXはヘモグロビン値(g/dL)、Wは体重(kg)である。", "choices": ["2日間", "10日間", "20日間", "30日間", "40日間"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本患者のヘモグロビン値が6.0(g/dL)、体重が38kgであることから、総投与鉄量(mg)を下記にように求めることができる。総投与鉄量(mg)={2.72\\times (16-X)+17}\n={2.72\\times (16-6.0)+17}\\times 38=1679.6 mg\nまた、処方内容より1日の投与量は鉄として80mg(40mg/管\\times 2管/日)に相当する。よって、投与期間は下記のように求めることができる。1679.6mg /80mg/日\\fallingdotseq 21日"} +{"problem_id": "107199", "problem_text": "処方されたコロイド性静脈注射用鉄剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["疎水コロイドを形成する水酸化鉄(III)を糖で安定化させた鉄剤である。", "静脈注射後、コロイドはすぐに不安定化し、鉄イオンが遊離する。", "コロイドを不安定化させないように、希釈する場合はpHの変化に注意する必要がある。", "希釈する場合は、イオン強度を上げるために塩化ナトリウム液を加えて5%以上の塩濃度を維持する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n本剤(含糖酸化鉄注射液)は、糖(ショ糖)を用いて疎水コロイドを形成する水酸化鉄(III)を安定化させたコロイド性静脈注射用鉄剤した製剤である。"} +{"problem_id": "107200", "problem_text": "68歳女性。痰を伴う咳、発熱、悪寒、息苦しさ、倦怠感を訴え、かかりつけ医を受診した。(身体所見) 体温38.5^{\\circ} C、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO_{2})94%、心音異常なし、呼吸音左肺前胸部に水泡音、胸部X線肺浸潤影あり (検査所見) 白血球数16,000/\\microL、CRP4.8mg/dL 副作用歴ペニシリン系抗生物質により発疹 以上の情報から、市中肺炎と診断された。この患者に推奨される抗菌剤はどれか。2つ選べ。", "choices": ["クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物配合錠", "レボフロキサシン水和物錠", "ホスホマイシンカルシウム水和物錠", "カナマイシン一硫酸塩カプセル", "アジスロマイシン水和物錠"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "市中肺炎の主な原因菌として、肺炎球菌、インフルエンザ菌、肺炎マイコプラズマがあげられる。市中肺炎を治療するにあたり、若年、基礎疾患なし、胸部聴診異常なし、痰がない、白血球数が1万/\\microL未満のうち、4項目以上当てはまる場合には、マイコプラズマ肺炎を中心とした非定型肺炎の治療を行うが、本患者は上記に該当しないため、定型肺炎の治療を行うことが推奨される。定型肺炎では、\\beta -ラクタム系抗菌薬、レスピラトリーキノロン系薬、マクロライド系抗菌薬が用いられる。本患者は過去にペニシリン系抗生物質により発疹が現れたことがあるため、\\beta -ラクタム系抗菌薬(クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物配合錠)を使用することはできない。よって、この患者には、レボフロキサシン水和物錠、アジスロマイシン水和物錠を使用することが推奨される。"} +{"problem_id": "107201", "problem_text": "前問の抗菌剤投与により、症状が改善し、SpO_{2}が94%から97%になった。このSpO_{2}の測定には、パルスオキシメータが用いられている。パルスオキシメータによるSpO_{2}の測定及びその値に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["パルスオキシメータによるSpO_{2}の測定には赤色光と赤外光が用いられる。", "酸素と結合したヘモグロビン(HbO_{2})と、酸素と結合していないヘモグロビン(Hb)の濃度は、どちらも測定時に用いられる2つの波長における吸光度より求められる。", "SpO_{2}(%)は、[HbO_{2}]/([Hb]+[HbO_{2}])\\times 100で定義される。", "原理的に親指、人差し指、小指で測定したSpO_{2}値に違いはない。", "この患者の動脈血酸素分圧(PaO_{2})は、抗菌剤投与によって1.03倍(=97/94)になった。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nパルスオキシメーターは、生体に外部から赤色光と赤外光の2つの波長の電磁波を照射することによりSpO_{2}を測定する装置である。"} +{"problem_id": "107202", "problem_text": "60歳女性。背中の粉瘤^{(注)}が感染を起こしたため皮膚科を受診し、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。(注)粉瘤(アテローム): 皮膚の下に袋状の嚢腫ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)と皮膚の脂(皮脂)が、剥げ落ちずに袋の中にたまってしまってできた腫瘍の総称。また、患者が持参したお薬手帳から、以下の薬剤を服用中であることがわかった。今回処方された医薬品と併用するにあたり、注意が必要な服用中の薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["エナラプリルマレイン酸塩錠", "L-アスパラギン酸Ca錠", "レバミピド錠", "クエン酸第一鉄ナトリウム錠", "プラバスタチンNa錠"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "今回処方された医薬品(セフジニルカプセル)と併用するにあたり、注意が必要な服用中の薬剤は、クエン酸第一鉄ナトリウム錠である。セフジニルは鉄剤と同時に服用するとキレートを形成し、吸収が低下する。そのため、両剤の同時服用を避けることが望ましい。なお、両剤を併用する場合には、セフジニルカプセル投与後、3時間以上間隔をあけてクエン酸第一鉄ナトリウム錠を投与する必要がある。"} +{"problem_id": "107203", "problem_text": "セフジニルには不斉炭素があり、旋光性を示すので、旋光度測定で確認することができる。日本薬局方セフジニル(C_{14}H_{13}N_{5}O_{5}S_{2}: 395.41)の旋光度の項には、以下のように記されている。[\\alpha ]_{D}^{20}: -58〜-66°(0.25g、pH7.0の0.1mol/Lリン酸塩緩衝液、25mL、100mm).以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["日本薬局方では、旋光度の測定には、通例、光源として重水素放電管が用いられる。", "セフジニルは右旋性である。", "試料中に前問の併用注意薬物が共存する場合でも、セフジニル自体の比旋光度は変わらない。", "この条件下で測定した場合、日本薬局方セフジニルの旋光度の範囲は、-0.58〜-0.66°である。", "層長200mmの測定管を用いると、測定されるセフジニルの旋光度の値は1/2になる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n日本薬局方において、旋光度の測定には、光源としてナトリウムスペクトルD線が用いられる。なお、紫外可視吸光度測定法には、紫外部の光源として重水素放電管が用いられる。:"} +{"problem_id": "107204", "problem_text": "50歳男性。高血圧の治療のため、近隣の内科クリニックに通院中である。喫煙歴30年(1日40本)。かかりつけ薬剤師に患者から電話相談があり、「昨日、晴天の中ゴルフに出かけたところ、衣服から露出した部分が赤く日焼けのようになった」と相談があった。薬剤師が薬剤服用歴を確認したところ、光線過敏症の可能性が疑われたので、皮膚科受診を勧めた。皮膚症状の原因として、考えられる薬剤はどれか。2つ選べ。", "choices": ["テモカプリル塩酸塩錠", "ヒドロクロロチアジド錠", "ゾルピデム酒石酸塩錠", "モサプリドクエン酸塩錠", "ケトプロフェンテープ"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "皮膚症状(光線過敏症)の原因として考えられる薬剤は、ヒドロクロロチアジド錠、ケトプロフェンテープである。なお、チアジド系利尿薬、非ステロイド性抗炎症薬以外に光線過敏症を誘発しやすい薬剤として、ニューキノロン系抗菌薬(シプロフロキサシンなど)やフェノフィブラートがある。"} +{"problem_id": "107205", "problem_text": "前述の患者が皮膚科を受診し、光線過敏症の診断を受け、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。皮膚科から処方された噴霧剤に関する説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["炎症に伴う発赤、腫れ、かゆみなどの症状を改善します。", "患部に水疱ができている場合は使用しないでください。", "患部に傷がある場合でも使用できます。", "目の周りの症状にも使用できます。", "たばこなどの火気を避けて使用してください。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n本剤(トプシムスプレー)の有効成分であるフルオシノニドは、合成副腎皮質ステロイド性であり、抗炎症作用を有しており、発赤、腫れ、かゆみなどの症状を改善する。2:誤\n本剤は水泡に使用することが可能である。3:誤\n本剤は、添付文書において「亀裂、びらん面への使用を避けること。」と記載されていることから患部に傷がある場合は使用を控える必要がある。4:誤\n本剤は、添付文書において「眼科用に使用しないこと。���と記載されているため、目の周りの症状には使用できない。5:正\n本剤は、高圧ガスを使用した可燃性の製剤であるため、火気を避けて使用する必要がある。"} +{"problem_id": "107206", "problem_text": "光線過敏症は、体表面に近い部分に分布した薬物が電磁波を吸収することにより誘発される。光線過敏症を誘発する電磁波に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["キセノンランプが放射する光に含まれる。", "原子核のスピン遷移に伴い吸収・放射される。", "水分子の回転運動を直接引き起こす。", "SPECTやPETに利用される。", "n-\\pi ^{*}遷移や\\pi -\\pi ^{*}遷移を引き起こす。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "光線過敏症を引き起こす電磁波は主に紫外線である。1:正\nキセノンランプは、日本薬局方蛍光光度法の光源として用いられ、紫外可視領域の光を放射する。2:誤\n原子核のスピン遷移に伴い吸収・放射される主な電磁波は、ラジオ波である。3:誤\n分子の回転運動を直接引き起こす主な電磁波は、マイクロ波、ラジオ波である。4:誤\nSPECT(シングルフォトン断層撮影)に利用されるのは\\gamma 線、PET(陽電子放射断層撮影)に利用されるのは\\beta ^{+}線(ポジロトン)である。5:正\nn-\\pi ^{*}遷移や\\pi -\\pi ^{*}遷移を引き起こすのは、紫外線である。"} +{"problem_id": "107207", "problem_text": "薬剤師は患者に対し、今後の対応として日焼け止め剤の利用を勧めることにした。日焼け止め剤に含まれている化合物のうち、光線過敏症の発症に予防的に機能することが期待されるものとして、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "光線過敏症の発症に予防的に機能することが期待されるのは、長い共役系を有し、紫外線を吸収するものと推察される。選択肢1(L-アスコルビン酸)、選択肢2(トコフェロール酢酸エステル)、選択肢3(レチノールパルミチン酸エステル)、選択肢5(ユビキノール)は長い共役系を有しており、光線過敏症の発症に予防的に機能することが期待されるが、選択肢4(リンゴ酸ジイソステアリル)は共役不飽和結合が存在しないため、光線過敏症の発症に予防的に機能することが期待できない。"} +{"problem_id": "107208", "problem_text": "45歳男性。喫煙歴20年(1日20本)。20歳代前半から血清コレステロールの高値を指摘されていたが、未治療のまま放置していた。男性は、会社の健康診断でLDL-C値が220mg/dLであると指摘され、年齢のことも考慮し近医を受診した。家族性高コレステロール血症と診断され、医師や薬剤師による生活習慣指導及び処方1による薬物治療が6ヶ月継続された。しかし、LDL-C値が管理目標まで下がらなかったため、本日の診察で薬剤の追加が検討された。生化学検査の結果、AST、ALT、総ビリルビンが高値を示し肝障害が疑われたため、処方2が追加された。なお、アドヒアランスは良好である。(本日の検査値) 血圧 122/74mmHg、LDL-C 130mg/dL、HDL-C 40mg/dL、TG(トリグリセリド)100mg/dL、AST 120IU/L、ALT 125IU/L、総ビリルビン 2.0mg/dL、HbA1c 5.5%(NGSP値) 問 208(実務) 生活習慣指導及び服薬指導の内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬物治療だけでなく、禁煙することも重要です。", "無酸素運動を中心に、毎日運動することが推奨されています。", "家族性高コレステロール血症のLDL-C管理目標は、高LDLコレステロール血症の一次予防の目標より低く設定されています。", "お腹の痛みや張りを感じたときは、すぐに処方医又は薬剤師に連絡してください。", "今回追加された薬剤は、脂溶性ビタミンの吸収を低下させる可能性があります。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n脂質異常症では動脈硬化が進行するため、禁煙することも重要である。2:誤っている\n脂質異常症の運動療法では、有酸素運動を中心に定期的に運動することが推奨される。3:正しい\n高LDLコレステロール血症の一次予防の目標値は、低リスクで160 mg/dL未満、中リスクで140 mg/dL未満、高リスクで120 mg/dL未満とされている。それに対して家族性高コレステロール血症では、極めて冠動脈疾患のリスクが高いため、LDLコレステロールの管理目標は、一次予防患者では100mg/dL未満、二次予防患者では70mg/dL未���である。::\n4:正しい\nコレスチミドは重大な副作用として、腸管穿孔、腸閉塞が現れることがあるため、お腹の痛みや張りを感じた時は、すぐに処方医、薬剤師に連絡する必要がある。5:正しい\nコレスチミドは、陰イオン交換樹脂であり胆汁酸の吸収を阻害するため、胆汁酸により吸収が促進される脂溶性ビタミンの吸収を低下させる可能性がある。"} +{"problem_id": "107209", "problem_text": "コレスチミドは腸管において、胆汁酸であるタウロコール酸の再吸収を阻害し、肝におけるコレステロールから胆汁酸への異化を促進する。タウロコール酸の再吸収が阻害される機序に関する記述として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["コレスチミドを触媒としてタウロコール酸が分解される。", "コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のヒドロキシ基との間に水素結合が形成される。", "コレスチミドのカチオンとタウロコール酸のイオン化したスルホ基との間にイオン結合が形成される。", "コレスチミドのヒドロキシ基とタウロコール酸のスルホ基との間に水素結合が形成される。", "コレスチミどのヒドロキシ基とタウロコール酸のスルホ基がエステル結合を形成する。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "コレスチミドは陰イオン交換樹脂であり、分子内のイミダゾール部分がカチオン(+イオン)となっているため、コレスチミドのカチオンと胆汁酸のタウロコール酸の陰イオン化したスルホ基(SO^{3-})との間にイオン結合が形成され、コレスチミドがタウロコール酸を吸着し、糞便中への排泄を促進する。"} +{"problem_id": "107210", "problem_text": "35歳女性。喫煙歴15年(1日20本)。以前から、ニコチンガムやニコチンパッチによる禁煙を試みたが失敗を繰り返していた。今回、禁煙外来を受診し、ニコチン受容体の部分刺激薬であるバレニクリン酒石酸塩錠による禁煙を試みることになった。女性は、医療機関でニコチン置換療法とは異なる治療法であると説明を受け禁煙に意欲的だが、また失敗するのではないかと不安にもなっている。薬剤師は患者の不安を和らげるため、今回の禁煙療法の特徴について説明した。説明内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ニコチン置換療法と異なり、治療開始時は薬を服用しながら喫煙が可能です。", "ニコチンを補充しないので、治療中に抑うつ気分や不安、イライラが強く出ることがありますが、一時的なものですので、そのまま服用を続けてください", "お薬にはニコチンが含まれていませんが、禁煙による離脱症状やタバコに対する切望感が軽減します。", "途中で禁煙がつらくなったときは、ニコチンパッチ剤との併用療法に切り替えることができます。", "ニコチンガムと同じように、主に口腔粘膜から有効成分が吸収されるので、炭酸飲料やコーヒーでの服用は避けてください。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n本剤(バレニクリン酒石酸塩錠)は、禁煙開始日1週間前から投与を始め、12週間投与する。よって、治療開始時は薬を服用しながら喫煙が可能である。2:誤\n本剤は、服用中に抑うつ気分、不安、焦燥、興奮、行動または思考の変化、精神障害、気分変動、攻撃的行動、敵意、自殺念慮が現れると報告されている。本剤による治療中に抑うつ気分や不安、イライラが強く現れた場合には、使用を中止し、直ちに医師に連絡するよう指導する必要がある。3:正\n本剤にはニコチンは含まれていない。バレニクリンは、脳内の\\alpha _{4}\\beta _{2}ニコチン性アセチルコリン受容体に結合することにより少量のドパミンが放出させ禁煙に伴う離脱症状やタバコによる切望感を軽減し、また、ニコチンの結合を阻害し喫煙による満足感を軽減する。4:誤\n本剤の有効性及び安全性は単独投与により確認されており、他の禁煙補助薬と併用した際の有効性は検討されておらず、安全性についても経皮吸収ニコチン製剤との併用時に副作用発現率の上昇が認められている。5:誤\n本剤は、経口禁煙補助剤であり、経口投与後、消化管から吸収される。"} +{"problem_id": "107211", "problem_text": "禁煙療法に用いられた薬物の構造から、ニコチン性アセチルコリン受容体との相互作用に関わる化学的性質として、正しいのはど��か。2つ選べ。", "choices": ["バレニクリンの共役酸のpKaは4付近である。", "共に生体内でカチオン性を示す窒素原子をもつ。", "バレニクリンには鏡像異性体が存在する。", "ニコチンの不斉炭素はR配置である。", "ニコチンのsp^{2}混成窒素は水素結合受容体として働く。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nバレニクリンは塩基性薬物であり、その共役酸のpKaは9.2である。2:正\nバレニクリン及びニコチン酸は共に生体内pH(pH7.4)付近でプロトン化され陽イオンとして存在していることからカチオン性の窒素を有する。3:誤\nバレニクリンは、キラル炭素を有するが、分子内対称面を有するため、アキラルな化合物であり、鏡像異性体は存在しない。4:誤\nニコチンの不斉炭素はS配置である。5:正\nニコチンのsp^{2}混成窒素は、非共有電子対を有しており、水素結合のプロトン受容体として働く"} +{"problem_id": "107212", "problem_text": "75歳女性。骨粗しょう症の治療のため、近隣の整形外科クリニックに通院しており、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。この患者は、1ヶ月前からこの薬剤を継続服用している。薬剤師は患者の医薬品に関する理解度を高めるために、繰り返し、服用に関する注意点を説明することにした。薬剤師が伝えるべき内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["服用後は、横になって安静にすること。", "牛乳・乳製品と同時に服用しないこと。", "服用後すぐに吐き気を催した場合には、制酸剤を服用すること。", "定期的に歯科検査を受けること。", "未吸収の成分により便が黒色になるが、心配ないこと。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n本剤(リセドロン酸Na錠)は、副作用として食道炎、食道潰瘍などの上部消化管障害が報告されており、十分量(約180mL)の水とともに服用し、服用後少なくとも30分間は横にならないように指導する。2:正\n本剤は、カルシウムやマグネシウムなど多価陽イオンを含有する牛乳、乳製品、制酸剤と同時に服用すると、錯体を形成し吸収が妨げられることがある。よって、本剤服用後、少なくとも30分は水以外の飲食を避けるよう指導する。3:誤\n解説2参照\n4:正\n本剤は副作用として顎骨壊死・顎骨骨髄炎が現れることがあり、口腔内の不衛生や歯科処置の既往歴がリクス要因となるため、定期的に歯科検査を受ける必要がある。5:誤\n本剤を服用することで、便が黒色になるという報告はない。"} +{"problem_id": "107213", "problem_text": "処方薬の化学的性質として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["粘膜刺激性がある。", "カルシウムイオンなどの金属イオンに対して高い親和性を示す。", "小腸では高極性のイオン型をとる。", "ヒドロキシアパタイトに吸着する。", "塩基性溶液中では加水分解される。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nリセドロン酸ナトリウム水和物は、粘膜刺激性があり、口腔粘膜、上部消化管粘膜に障害がある患者に使用する場合は慎重に投与する必要がある。"} +{"problem_id": "107214", "problem_text": "25歳女性。妊娠なし。最近、便秘気味のため一般用医薬品を求めて薬局を訪れた。薬剤師が症状を確認したところ、ふきでもの(にきび)や食欲不振もみられた。一方、吐き気や腹部の痛みはなかったことから、以下の一般用医薬品を勧めた。大黄甘草湯エキス顆粒12包入り(6日分) 成分・分量 本品2包(3.75g)中、以下の割合の大黄甘草湯エキス(1/2量)0.75gを含有する。日局ダイオウ・・・・・2.0g::日局カンゾウ・・・・・1.0g この女性から当該医薬品の成分について聞かれたため、薬剤師は便秘の改善に関係する成分は「A」であることを女性に伝えた。「A」の化学構造として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nカンゾウに含まれるトリテルペン配糖体であるグリチルリチン酸の構造である。2:正\nダイオウに含まれるビアントロン配糖体であるセンノシドAの構造である。3:誤\nオウゴンに含まれるフラボノイド配糖体だるバイカリンの構造である。4:誤\nマオウに含まれるアルカロイドであるエフェドリンの構造である。5:誤\nテトラテルペンである\\beta -カロテンの構造である。"} +{"problem_id": "107215", "problem_text": "薬剤師��、この女性に「主に「A」によって「B」が起こることがありますが、心配ありません。」と伝えた。「B」に入るものとして、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["発疹", "尿の橙色への着色", "手足の脱力感", "筋肉痛", "激しい腹痛を伴う下痢"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "A(センノシドA)を服用すると、センノシドAや代謝物が尿中に排泄されることで尿が黄褐色〜赤色に着色することがあるが、副作用ではないため、心配ないことを指導する必要がある。"} +{"problem_id": "107216", "problem_text": "38歳女性。抜け毛が気になり薬局を訪れた。医薬品ではなく、まずはサプリメントで様子をみたいと希望した。薬剤師は、体毛や皮膚を乾燥から守るため脂質成分が重要であることを説明し、ビオチンを含有するサプリメントを紹介した。脂質の生合成に関連する反応のうち、ビオチンが関与するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセチルCoAからマロニルCoAを合成する反応", "アシルカルニチンをアシルCoAに変換する反応", "遊離コレステロールからコレステロールエステルを合成する反応", "ホスファチジルコリンから脂肪酸を遊離する反応", "コレステロールから7-ヒドロキシコレステロールを合成する反応"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nビオチンは水溶性ビタミンであり、生体内においてアセチルCoAカルボキシラーゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼが関与する炭酸固定反応の補酵素として働く。よって、ビオチンはアセチルCoAからマロニルCoAに変換する炭酸固定反応に関与する。2:誤\nアシルカルニチンをアシルCoAに変換する反応には、カルニチントランスフェラーゼIIが関与する。3:誤\n遊離コレステロールからコレステロールエステルを合成する反応には、アシルCoA-コレステロールO-アシルトランスフェラーゼやレシチン-コレステロールアシルトランスフェラーゼが関与する。4:誤\nホスファチジルコリンから脂肪酸を遊離する反応には、ホスホリパーゼA_{2}が関与する。5:誤\nコレステロールから7-ヒドロキシコレステロールを合成する反応には、コレステロール7\\alpha -ヒドロキシラーゼが関与する。"} +{"problem_id": "107217", "problem_text": "この患者がサプリメントを使用中、過剰に摂取しないように薬剤師から患者に指導すべきものはどれか。1つ選べ。", "choices": ["海藻類", "大豆製品", "生卵(卵白)", "牛乳", "レバー"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ビオチンは、生卵(卵白)に含まれるアビシンと特異的に結合するため、ビオチンを含むサプリメントを使用中は生卵(卵白)を過剰に摂取しないように指導する必要がある。"} +{"problem_id": "107218", "problem_text": "60歳女性。右上葉原発性肺腺がんと診断され、右上葉切除術が施行された。その後、術後補助化学療法が施行され経過観察となった。術後4年経過時、胸部CT写真で右鎖骨上窩リンパ節に転移が認められ、再発と診断された。ALK融合遺伝子陽性が確認されたため、クリゾチニブ250mg、1日2回の投与による治療が開始された。投与13日目時点でリンパ節の腫瘍は縮小傾向を認めた。各時点における主な検査値は以下のとおりである。医師との合同カンファレンスにおいて、医師から薬剤師へ投与13日目以降の薬物治療について意見を求められた。薬剤師の提案として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["本剤の投与を同一用量のまま継続し、他剤の追加は行わない。", "本剤の投与を同一用量のまま継続し、グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システイン塩酸塩水和物を追加する。", "本剤の投与を中止し、緩和ケアのみの治療へ変更する。", "本剤の投与を休止し、アレクチニブ塩酸塩へ変更する。", "本剤の投与を休止し、ソラフェニブトシル酸塩へ変更する。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "本剤(クリゾチニブ)は、ALK融合遺伝子陽性又はROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに用いられる。本剤投与により劇症肝炎、肝不全が現れ、死亡に至った例が報告されているため、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行う必要がある。本症例では13日目においてAST、ALT、ALPが高値を示しており、肝機能障害が現れていると考えられているため、本剤の投与を休止し、副作用の肝機能障害がより少ないアレクチニブ塩酸塩に変更することが適切である。なお、本症例ではクリゾチニブにより肝機能障害が現れていると考えられるため、グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システイン塩酸塩水和物を用いることは適切ではない。"} +{"problem_id": "107219", "problem_text": "本症例では、遺伝子変異により生じたALK融合遺伝子及びALK融合タンパク質が検出されている。がんとこの遺伝子変異に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この患者のがん細胞では、染色体上、ALK遺伝子の一部分に逆位が生じている。", "この患者のALK融合タンパク質では、チロシンキナーゼ活性が亢進している。", "この患者では、ALK融合遺伝子が親から遺伝したと考えられる。", "この患者のALK融合遺伝子は、フィラデルフィア染色体の形成により生じる。", "ALK融合遺伝子の検出にはELISA法が用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "ALK融合遺伝子は、受容体型チロシンキナーゼをコードするALK遺伝子とEML4遺伝子が染色体の逆位や転座により融合することで形成される。ALK融合タンパク質は、リガンドが結合しなくても恒常的にチロシンキナーゼが活性化しており、細胞のがん化に関わる。1:正\n前記参照\n2:正\n前記参照\n3:誤\nALK融合遺伝子は、一般に親からの遺伝ではなく、後天的に生じる。4:誤\n解説1参照\n5:誤\nELISA(enzyme-linked\nimmnosorbent\nassay)法は、抗体を用いてタンパク質を検出する方法であり、遺伝子の検出する方法である。"} +{"problem_id": "107220", "problem_text": "35歳女性。最近、日中頻尿と尿意切迫感で不眠が続いたので近医を受診した。過活動膀胱症状質問票(OABSS)トータルスコア10点の中等症と診断され、処方1による薬物治療を受けていた。再診時、OABSSトータルスコアは6点と改善したが尿意切迫感が十分に改善しないため、処方2が追加された。再診時の主な患者情報: 血圧130/60mmHg、脈拍数60拍/分、消化器症状なし、肝機能・腎機能正常、電解質異常なし。現在、妊娠はしていない。再診7日後、薬剤師が継続的な服薬状況と患者状態を確認し、服薬指導を行うため、患者宅に電話した。副作用症状としてこの患者に起こる可能性が最も低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["血圧上昇", "尿閉", "ふらつき、めまい", "便秘", "唾液の分泌過多"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "ソリフェナシンは抗コリン薬であり、副作用として尿閉、便秘、眼圧上昇、心機能亢進、口腔乾燥などが現れることがある。また、ミラベグロンは選択的\\beta _{3}刺激薬であり、副作用として心機能亢進、血圧上昇、便秘、口腔乾燥、めまいなどが現れることがある。よって、副作用症状として起こる可能性が最も低いのは唾液の分泌過多である。"} +{"problem_id": "107221", "problem_text": "この患者の下部尿路症状を改善させる生理的変化として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["膀胱排尿筋が収縮する。", "膀胱排尿筋が弛緩する。", "内尿道括約筋が弛緩する。", "外尿道括約筋が収縮する。", "外尿道括約筋が弛緩する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "この患者には下部尿路障害として尿意切迫感(急に強くなり、我慢することが困難なほど強い尿意)が現れている。膀胱排尿筋が弛緩させると、膀胱容積が増大し、蓄尿しやすくなるため尿意切迫感が改善する。"} +{"problem_id": "107222", "problem_text": "44歳女性。鼻、口唇の肥大、下顎の突出を認め精査となった。身長170cm、体重81kg、靴のサイズ26.5cm。75gブドウ糖負荷試験での成長ホルモンは25ng/mL(正常域0.4ng/mL未満)、IGF-1(血中インスリン様成長因子-1)は1,050ng/mL(正常域88〜229ng/mL)であった。MRI検査で限局性腫瘤が認められたが、異所性病変は認めなかった。図は、女性の内分泌器官を表した模式図である。この患者の腫瘤の位置はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本患者では、鼻、口唇の肥大、下顎の突出が認められており、また、75gブドウ糖負荷試験(OGTT)でのGH及びIGF-1(血中インスリン様成長因子-1)で高値を示していることから、下垂体腺腫によ���成長ホルモンが過剰に分泌されることで先端肥大症が起こっていると考えらえる。"} +{"problem_id": "107223", "problem_text": "この患者は、その後、精密検査の結果、悪性腫瘍と診断された。腫瘍が大きく手術が困難であるため、薬物治療を行う方針となった。なお、放射線治療は薬物治療の効果をみてから検討する予定である。この患者の治療に用いる薬物の候補として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["グルカゴン", "インスリン", "オクトレオチド", "ソマトロピン", "バソプレシン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "下垂体腺腫による先端肥大症の治療は、外科的手術が第一選択となるが、精密検査の結果、本患者は手術困難な下垂体腺腫による先端肥大症であると考えられるため、薬物療法や放射線療法が選択される。"} +{"problem_id": "107224", "problem_text": "65歳女性。体重50kg。術後肺炎と診断され、喀痰から緑膿菌が検出された。医師の指示により、シプロフロキサシン注射液が静脈内投与された。検査部で、患者の痰から分離・同定した緑膿菌を培養し、薬剤感受性試験としてディスク法を実施した。ディスク法の説明 :寒天培地に一定量の菌を均一に広げた後、上にディスク(一定量の抗菌薬を染み込ませたろ紙)を置いて培養する方法(図1参照)。ディスクから培地に拡散した抗菌薬によって菌の発育阻止円ができ、その直径を測定する。多剤耐性緑膿菌の場合、判定に用いる抗菌薬(\\beta -ラクタム系、フルオロキノロン系及びアミノ配糖体系の3系統)の種類と判定に適した濃度は決められており、指定の条件で一定時間培養後、生じた阻止円の直径をもとに、感受性か耐性かを判断する。今回は、この患者由来の緑膿菌と通常の緑膿菌基準株を用いた。また、指定されたイミペネム(IPM)、シプロフロキサシン(CPFX)、アミカシン(AMK)の3剤に加え、抗菌薬XとYも調べた。その結果を図2に示す。本試験とその結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["本法は、微量液体希釈法よりも最小発育阻止濃度(MIC)を算出するのに適している。", "阻止円の直径が大きいほど、その抗菌薬への感受性が高い。", "この患者より単離した緑膿菌は、多剤耐性菌である。", "抗菌薬Xは、この患者の治療薬候補になる。", "抗菌薬Yは、この患者の治療薬候補にはならない。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n微量液体希釈法は、異なる濃度の抗菌薬を含む液体培地にマイクロプレートを作成し、ここに試験菌溶液を入れ培養することで最小発育阻止濃度(MIC)を算出する方法であり、ディスク法に比べMICの算出に適している。2:正\n阻止円が大きいほど緑膿菌の増殖が抑制されているため、その抗菌薬への感受性が高い。3:正\n図2より患者由来の緑膿菌を含んだ培養後のプレートは、通常の緑膿菌基準株を含んだ培養後のプレートに比べA‘(アミカシン)、I(イミペネム)、C(シプロフロキサシン)の阻止円が小さいことから患者より単離した緑膿菌は、A、I、Cに対して耐性を示す(多剤耐性菌)と考えられる。4:誤\n図2より患者由来の緑膿菌は抗菌薬Xに対して耐性を示すと考えられるため、抗菌薬Xは治療薬候補にはならない。5:誤\n図2より患者由来の緑膿菌は抗菌薬Yに感受性があると考えられるため、抗菌薬Yは治療薬候補になる。"} +{"problem_id": "107225", "problem_text": "薬剤感受性試験結果から考えられる、この患者に最も適切な抗菌薬療法はどれか。1つ選べ。なお、薬剤はすべて注射剤である。", "choices": ["シプロフロキサシンを基本とした併用療法への変更", "アルベカシン硫酸塩の単独療法への変更", "ピペラシリンナトリウムの単独療法への変更", "シプロフロキサシンの単独療法の継続", "コリスチンメタンスルホン酸ナトリウムを基本とした併用療法への変更"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "107226", "problem_text": "早期の大腸がんは症状がないことが多く、便潜血検査が早期発見に有効であることが知られている。以下の表は、免疫学的便潜血検査による大腸がんのスクリーニング結果を示したものである。この検査法での感度と特異度の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "スクリーニングに用いる検査において、有効性を調べる指標に感度と特異度がある。感度: 疾病罹患者のうち、検査で陽性と判定された者の割合\n特異度: 疾病非罹患者のうち、検査で陰性と判定された者の割合"} +{"problem_id": "107227", "problem_text": "図は、大腸がんの多段階発がんの過程を示したものである。「A」及び「B」に該当するがん抑制遺伝子の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "大腸がんの多段階発がんには、KRAS、APC、p53、DCCが関与している。APC遺伝子に変異が生じると、大腸粘膜が過形成され、次に腺腫が現れる。さらにKRAS遺伝子の活性化、p53の変異により粘膜内がんが現れ、DCCの変異の結果、浸潤性がんが現れる。"} +{"problem_id": "107228", "problem_text": "70歳男性。自宅にて、39^{\\circ} Cの発熱及び全身倦怠感を認め、同日中に呼吸困難となったため、家族が救急搬送を依頼した。救急病院に到着後、インフルエンザウイルスの迅速抗原検出キットにて検査したところ、B型陽性であり、インフルエンザウイルス感染症と診断された。なお、インフルエンザワクチンは未接種だった。また、本人からは高熱による頭痛の訴えがあった。救命救急センター担当医師と薬剤師は、治療方針について、カンファレンスを実施した。この患者への対応について、薬剤師が提案する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["レボフロキサシン水和物錠の投与", "インフルエンザワクチンの接種", "アセトアミノフェン静注液の投与", "ペラミビル水和物注射液の投与", "アマンタジン塩酸塩錠の投与"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nレボフロキサシンは抗菌薬であり、インフルエンザ感染症には効果が期待できない。2:誤\n本患者はすでにインフルエンザ感染症を発症しているため、インフルエンザワクチンの接種は不適切である。3:正\n本患者は39^{\\circ} Cの発熱、呼吸困難が認められている。インフルエンザ感染症に用いる解熱鎮痛剤として、アセトアミノフェンが推奨されており、また、呼吸困難があるため、アセトアミノフェン静注液を提案することは適切である。4:正\nペラミビルは、A型、B型インフルエンザウイルス増殖抑制作用を示すため、呼吸困難があり、B型インフルエンザウイルスに罹患している患者にペラミビル水和物注射液を提案することは適切である。5:誤\nアマンタジンは、A型インフルエンザウイルスに対して抗ウイルス作用を示すが、この患者はB型インフルエンザウイルスに罹患しているため、効果が期待できない。"} +{"problem_id": "107229", "problem_text": "この患者の家族から、今後のインフルエンザワクチン接種について薬剤師に質問があった。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この患者が予防接種を受ける場合、インフルエンザは予防接種法におけるA類疾病に分類される。", "この患者に対するインフルエンザワクチンの接種にかかる費用は、公的補助の対象とはならない。", "インフルエンザワクチンの接種においては、鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対してアレルギーがある場合には注意が必要である。", "インフルエンザワクチンの接種後、この患者に健康被害が生じた場合は、予防接種法に基づいた予防接種健康被害救済制度により救済措置を受けることができる。", "インフルエンザワクチンは弱毒化ワクチンなので、ワクチン接種によりインフルエンザを発症することがある。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n予防接種法では対象となる疾患をA類疾病及びB類疾病に分類されており、インフルエンザはB類疾病に分類され、定期接種は原則65歳以上の者が該当する。本患者は70歳であり、インフルエンザの予防接種を受ける場合、予防接種法におけるB類疾病に分類される。"} +{"problem_id": "107230", "problem_text": "43歳男性。身長170cm、体重85kg、喫煙歴なし。運動不足であり、食事については特に気にせず、油ものを好んでいた。今回、妻と一緒に近隣で開催の健康フェアに行き、健康相談コーナーで薬剤師に今後必要な生活習慣について相談した。その際、勤務先で実施した特定健康診査結果を持参していた。なお、これまでに健診で生活習慣の改善を指摘されていたが受診歴はなく、現在も服用薬はない。(検査結果) 腹囲95cm、血圧142/87mmHg、HDL-C38mg/dL、中性脂肪160mg/dL、空腹時血糖93mg/dL、HbA1c5.2%(NGSP値)特定健康診査で、この男性は特定保健指導の対象になった。その原因となった検査項目として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["HDL-C", "腹囲", "血圧", "空腹時血糖", "中性脂肪"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "特定健康診査・特定保健指導\n内臓脂肪型肥満を基本とするメタボリックシンドローム(内臓脂肪型症候群)に着目したものであり、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき40〜74歳の公的医療保険加入者を対象として実施される。特定保健指導の対象者は以下のように階層化されている。"} +{"problem_id": "107231", "problem_text": "この男性に対して行われた特定健康診査における階層化として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "問230解説参照"} +{"problem_id": "107232", "problem_text": "39歳女性。今回初めて妊娠した。8週目の妊婦健診でB型肝炎の検査を実施したところ、HBs抗原が陽性であった。この妊婦への対応として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["HBe抗原を検査する。", "B型肝炎ワクチンを接種する。", "速やかに、抗HBs人免疫グロブリンを投与する。", "エンテカビルを投与する。", "出産まで、特に対応の必要はない。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n1985年から開始されたB型肝炎母子感染防止対策では、妊婦全員に公費でHBs抗原検査を行い、陽性者を対象にHbe抗原検査を行う。妊婦がB型肝炎ウイルスキャリアの場合、母子感染により児がキャリア化することがあるため、HBs抗原陽性者が分娩した児に出産直後に抗HB人免疫グロブリン、B型肝炎ワクチンを同時に接種する。2:誤\nこの妊婦はすでにB型肝炎に罹患しているため、B型肝炎ワクチンを接種することは不適切である。3:誤\n抗HBs人免疫グロブリンは、HBs抗原陽性血液による汚染事故、B型肝炎発症予防に用いられるが、HBs抗原陽性者には用いられない。4:誤\nエンテカビルは、B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖に用いられるが、妊婦に対する安全性が確認されていない。5:誤\n解説1参照"} +{"problem_id": "107233", "problem_text": "この妊婦から出生した児に対して行うB型肝炎ウイルス感染に関する予防処置を時系列で示した(A〜C)。正しい組合せはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "B型肝炎母子感染防止対策として、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染している母親から出生した児には、生後12時間以内を目安に抗HBs人免疫グロブリンとB型肝炎ウイルスワクチンを同時に投与し、さらに生後1ヶ月と6ヶ月後にB型肝炎ワクチンを追加接種する。その後、9〜12ヶ月の間にHBs抗原・抗体検査が行われる。"} +{"problem_id": "107234", "problem_text": "74歳女性。身長160cm、体重50kg。飲酒及び喫煙歴はない。てんかんの既往があり、以下の薬剤を10年以上服用し、外来受診時には脳波検査を行ってきた。1年以上、発作は起こっていない。今回、市が主催する骨密度検診で、骨密度の低下が指摘されたので、かかりつけの医療機関を受診し血液検査と骨密度測定を実施した。その結果をもとに、医師と薬剤師がカンファレンスを行った。(検査値) 血清クレアチニン値1.6mg/dL、AST 32IU/L、ALT 29IU/L ALP 410IU/L、補正Ca値 7.0mg/dL intact-PTH 92pg/mL(標準値: 10〜65pg/mL) フェニトイン血中濃度10ng/mL 腰椎骨密度測定値若年成人平均値(YAM)の65% この患者の病態に関連するビタミンやミネラルについての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["intact-PTHが高値を示していることから、血中カルシウム濃度を正常に維持するために副甲状腺の機能が亢進していることがわかる。", "血清カルシウム値の低下は、活性型ビタミンDによるカルシウム吸収促進能が低下したことによるものである。", "副甲状腺の機能が亢進したことにより、腎臓でのカルシウム排泄が促進され、血清カルシウム値が低下している。", "ビタミンKを含む食品を摂取することで、腸管からのカルシウム吸収を促進することができる。", "ホウレンソウなどに含まれ���フィチン酸と一緒にカルシウムを摂取することで、効率よくカルシウムを吸収することができる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "本患者は血清クレアチニン値(基準値: 0.5〜1.3mg/dL)が高く、腎機能が低下しており、腎臓でビタミンDの活性化が低下し、腸管からのカルシウムの吸収の低下に伴って血中カルシウム濃度(基準値: 8.5〜10.5mg/dL)が低下していると推察される。このことから、血中カルシウム濃度を正常に維持するために副甲状腺の機能が亢進しintact-PTHが高値を示していると考えられる。1:正\n前記参照\n2:正\n前記参照\n3:誤\n副甲状腺の機能が亢進したことにより、腎臓でのカルシウム吸収が促進している。4:誤\n腸管からのカルシウム吸収を促進するのは、ビタミンDである。5:誤\nホウレンソウなどに含まれるフィチン酸と一緒にカルシウムを摂取すると、フィチン酸とカルシウムが不溶性塩を形成し、カルシウムの吸収が阻害される。"} +{"problem_id": "107235", "problem_text": "薬剤師が医師に処方提案する薬剤として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エルカトニン注", "アルファカルシドールカプセル", "イバンドロン酸ナトリウム水和物注", "アレンドロン酸ナトリウム水和物錠", "デノスマブ皮下注"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nエルカトニン注は骨粗しょう症における疼痛に用いられる。本患者は痛みを訴えていないため、エルカトニン注を提案することは不適切である。"} +{"problem_id": "107236", "problem_text": "68歳男性。身長168cm、体重58kg。6年前に胃の全摘手術を受けている。1週間前から息切れと全身倦怠感を感じていた。今回、著しい食欲不振のため食事が摂れなくなり、めまいも伴うので外来を受診した。血液検査の結果は、以下のとおりである。(検査値) BUN 11.1mg/dL、血清クレアチニン値 0.6mg/dL、赤血球数 221\\times 10^{4}/\\microL、Hb 9.7g/dL、MCV 122.2fl、MCH43.9pg、MCHC 35.9%、血清鉄101\\micro g/dL、フェリチン56ng/dL、PT-INR 1.10、便潜血 陰性 この患者において、欠乏が疑われるビタミンはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ビタミンB_{1}", "ビタミンB_{6}", "ビタミンB_{12}", "ビタミンC", "ビタミンK"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本症例では6年前に胃の全摘手術を受けており、1週間前から息切れと全身倦怠感が現れていることに加え、赤血球数、ヘモグロビン値の低下、平均赤血球容積(MCV)が高値を示していることから、ビタミンB_{12}欠乏による巨赤芽球性貧血に罹患していると推察される。"} +{"problem_id": "107237", "problem_text": "この患者に欠乏していると考えられるビタミンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["このビタミンの欠乏の原因の一つに、動物性食品の摂取不足があげられる。", "このビタミンは、プロリンやリシンの水酸化酵素の補酵素としてコラーゲン合成に関与する。", "このビタミンは、唾液由来のトランスコバラミンとの複合体として、小腸から吸収される。", "このビタミンは、葉酸代謝におけるメチル基転位反応に関与する。", "このビタミンは、生体内でチアミンピロリン酸として糖代謝に関与する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "ビタミンB_{12}は、肝臓、牛乳、卵、肉類、魚などの動物性食品に多く含まれているが、植物では合成できないため、植物性食品にはほとんど含まれていない。ビタミンB_{12}は唾液由来のハプトコリンと結合し、複合体を形成する。この複合体は膵液で消化された後、胃の内因子に結合し、回腸で吸収される。吸収されたビタミンB_{12}はトランスコバラミンと結合し、血液中を輸送される。"} +{"problem_id": "107238", "problem_text": "10月14日(月曜日)に小学校において、50名の児童が発熱・嘔吐・下痢の症状で欠席し、翌日にも同様の症状でさらに65名が欠席し児童の多くが病院を受診しているとの連絡が保健所にあった。早速、これらの患者のうち、60名の検体について検査を行ったところ、48名の検体から同一の病因物質を検出した。患者らの共通食は学校給食のみであり、10月11日(金曜日)に遠足のために給食を食べなかった学年に有症者がいないことから、給食が食中毒の原因と断定した。なお、衛生検査用に冷凍保存されていた同じ給食を調べた結果、原材料の鶏肉からも���じ病因物質を検出した。これを顕微鏡で観察したところ、写真の様に細長い、らせん状の形態を示していた。下図は、病因物質(A〜E)による食中毒の患者数と事件数の年次別推移を示したものである。この給食による食中毒の病因物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["病因物質A", "病因物質B", "病因物質C", "病因物質D", "病因物質E"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "本症例では、潜伏期間が約3日であり、発熱、悪心・嘔吐・下痢の症状が認められ、鶏肉かららせん状の菌が観察されていることから、カンピロバクター・ジェジュニ/コリによる食中毒であると推察される。原因物質Aはノロウイルス、原因物質Bはカンピロバクター、原因物質Cはウェルシュ菌、原因物質Dは腸管出血性大腸菌、原因物質Eはサルモネラである。"} +{"problem_id": "107239", "problem_text": "今回、病院を受診した患者の一部には、重篤な食中毒症状がみられた。その患者に投与すべき薬剤として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ロペラミド塩酸塩カプセル", "5%ブドウ糖加酢酸リンゲル液", "アトロピン硫酸塩注射液", "d-クロルフェニラミンマレイン酸塩注射液", "ブチルスコポラミン臭化物注射液"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "カンピロバクターによる食中毒の治療では、電解質輸液(5%ブドウ糖加酢酸リンゲル液など)を用いて、下痢や嘔吐で失われた水分・電解質を補う対処療法を優先的に行う。なお、カンピロバクターに感染すると、下痢などの症状が現れるが、止瀉薬(ロペラミドなど)、抗コリン作用により消化管運動を抑制する薬(アトロピン、d-クロルフェニラミン、ブチルスコポラミンなど)を用いると、カンピロバクターの排泄が遅延し、回復を遅延させるため投与しない。"} +{"problem_id": "107240", "problem_text": "12月に行われた少年スポーツクラブの大会で、金属製のやかんを使って、粉末のスポーツドリンクを水道水で溶かし、そのスポーツドリンクを飲んだ子供たちが吐き気や嘔吐を発症した。8人の患者が近医を受診し、血液検査及び便検査を行った。血液検査の結果、血清中の亜鉛濃度90〜101\\micro g/dL(正常値: 80〜130\\micro g/dL)、銅濃度278〜314\\micro g/dL(正常値: 70〜132\\micro g/dL)、セレン濃度11.2〜13.2\\micro g/dL(正常値: 10.6〜17.4\\micro g/dL)の範囲であり、他の重金属や中毒物質は検出されなかった。また、便検査の結果、食中毒の原因と考えられる細菌及びウイルスは検出されなかった。一方、後日、やかんに残っていたスポーツドリンクを衛生研究所で分析したところ、以下のようなイオンが検出された。ナトリウム520mg/L、カリウム214mg/L、カルシウム22mg/L、マグネシウム6mg/L 銅200mg/L これらの患者に対する治療薬として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イダルシズマブ注射液", "ナロキソン塩酸塩注射液", "ペニシラミンカプセル", "フルマゼニル注射液", "プラリドキシムヨウ化物注射液"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本症例では、スポーツドリンクを飲んだ子供たちが吐き気・嘔吐を発症し、血液検査を行った結果、銅の濃度が高く、また、やかんに残っていたスポーツドリンクから銅イオンが検出されていることから銅による中毒が現れた可能性が高い。1:誤\nイダルシズマブは、抗凝固薬であるダビガトランの中和剤として用いられる。2:誤\nナロキソン塩酸塩は、麻薬拮抗薬であり、モルヒネなどオピオイド\\micro受容体刺激薬による呼吸抑制に用いられる。3:正\nペニシラミンは、銅とキレートを形成し、尿中排泄を促進するため、銅中毒に用いられる。4:誤\nフルマゼニルは、ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬であり、ベンゾジアゼピン系薬による過度の鎮静や呼吸抑制に用いられる。5:誤\nプラリドキシムは、有機リン系化合物中毒の解毒薬として用いられる。"} +{"problem_id": "107241", "problem_text": "この中毒の原因となった物質の解毒にはたらく生体分子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["カタラーゼ", "グルタチオンペルオキシダーゼ", "シトクロムP450", "メタロチオネイン", "ビリルビン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nカタラーゼは、鉄を含有するヘムタンパク質であり、過酸化水素を水と酸素に変換する。"} +{"problem_id": "107242", "problem_text": "連日、猛暑のため���熱中症警戒アラートが発表されている。そこで、高校の体育教員が経口補水液を買いに薬局に来て、薬剤師に熱中症や暑さ指数(WBGT)について質問をした。熱中症や暑さ指数(WBGT)に関する説明として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["熱中症は、体内の水分や電解質が欠乏することで起こる健康障害です。", "熱中症は、屋内でも起こることがあるので、特に厚手の衣類を着用するスポーツでは注意が必要です。", "同じ気温でも、湿度が高いときほど熱中症の危険性は高くなります。", "暑さ指数(WBGT)は、熱中症を予防することを目的として提案された指標で、^{\\circ} Cの単位で表されます。", "暑さ指数(WBGT)は、感覚温度図表を用いて算出されます。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n熱中症は、高温多湿において体温が上昇し、体内の水分・電解質のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、めまい、けいれん、頭痛など様々な症状が現れる状態のことである。2:正しい\n熱中症は、屋内でも起こることがあり、特に厚手の衣類を着用する剣道などでは注意が必要である。3:正しい\n湿度が高いと、汗が蒸発しにくいため、気化熱による体温低下が起こりにくくなり、熱中症の危険性が高くなる。4:正しい\n暑さ指標(WBGT)は、人体と外気との熱のやりとりに着目した指標であり、熱中症を予防することを目的として提案された指標で、その単位は気温と同じ(^{\\circ} C)で表されるが、通常の気温と異なる。5:誤っている\nWBGTは、気湿、日射・輻射など周辺の熱環境、気温より以下の式より算出する。◉屋外\nWBGT=0.7\\times 湿球温度+0.2\\times 黒球温度+0.1\\times 乾球温度\n◉屋内\nWBGT=0.7\\times 湿球温度+0.3\\times 黒球温度"} +{"problem_id": "107243", "problem_text": "熱中症及び暑さ指数(WBGT)について説明したところ、「近々開催する運動会の当日に暑さ指数を測定したいので、必要な器具を紹介して欲しい」との依頼があった。暑さ指数(WBGT)を求めるために必要な測定器具はどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "WBGTは、気湿、日射・輻射など周辺の熱環境、気温より算出することから、これらを測定することができる器具が用いられる。"} +{"problem_id": "107244", "problem_text": "校舎が老朽化したため、一部の教室の改築が行われた。改築した教室を利用した生徒から、目、鼻、のどの刺激、めまいの訴えが続いたため、養護教諭から学校薬剤師に相談があった。学校薬剤師がこの教室内の空気中の化学物質を検査したところ、「学校環境衛生基準」で定められている2つの物質が高濃度で検出された。生徒の症状の原因と考えられる物質の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "改築した教室を利用した生徒から目、鼻、喉の刺激、めまいの訴えが続いていることからシックスクール症候群が現れていると推測される。教室等の環境に係る学校環境衛生基準における揮発性有機化合物として、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレンなどに基準値が定められている。"} +{"problem_id": "107245", "problem_text": "前問で選択した原因物質1及び原因物質2を測定するための試験法の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "学校衛生基準で定められているホルムアルデヒドの試験法はジニトロフェニルヒドラジン誘導体化法を用いた高速液体クロマトグラフ法であり、キシレンの試験法はガスクロマトグラフィー質量分析法である。"} +{"problem_id": "107246", "problem_text": "23歳女性。半年前に幻覚と妄想が出現し統合失調症と診断され、リスペリドン6mgによる治療を受けていた。精神症状は改善したが、手のふるえや筋肉が突っ張るような錐体外路症状が出現した。また、これまで規則正しかった月経が止まったとの訴えがあり、検査により高プロラクチン血症と診断された。患者から別の薬剤への変更を希望され、以下の処方へ変更することになった。この患者でリスペリドン服用中に認められた副作用発生の主な機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["線条体��おけるドパミンD_{2}受容体遮断", "線条体におけるセロトニン5-HT_{2A}受容体遮断", "中脳辺縁系におけるドパミンD_{2}受容体遮断", "中脳辺縁系におけるセロトニン 5-HT_{2A}受容体遮断", "脳下垂体前葉におけるドパミンD_{2}受容体遮断"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "リスペリドンが線条体のドパミンD_{2}受容体遮断すると、手のふるえや筋肉が突っ張るような錐体外路症状を呈することがある。また、脳下垂体前葉のドパミンD_{2}受容体を遮断すると高プロラクチン血症を呈することがある。"} +{"problem_id": "107247", "problem_text": "変更後の処方薬に関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["第1世代(定型)の統合失調症治療薬と比べ錐体外路症状が発現しにくい。", "変更後2ヶ月間は、好中球数のモニタリングが毎週必要である。", "分布容積が大きいため、過量投与に対する処置として血液透析が有効である。", "投与中は血糖値の定期的なモニタリングが必要である。", "薬物治療は今後1ヶ月で終了することが見込まれる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "アリピプラゾールは、ドパミンD_{2}受容体部分刺激作用、5-HT_{2}受容体遮断作用を示すため、定型の統合失調症治療薬(主にドパミン受容体遮断作用を示す薬)に比べ、錐体外路症状が発現しにくい。また、投与中に糖尿病が悪化することがあるため、投与中は血糖値の定期的なモニタリングが必要である。"} +{"problem_id": "107248", "problem_text": "68歳男性。体重62kg。最近動悸が激しく息切れすることもあったが放置していた。突然、左側の手足のしびれや麻痺が発現し、言葉も出てこなくなったため、家族が救急車を要請し緊急入院となり、心房細動及び心原性脳梗塞と診断された。心不全の症状はなく、その後の治療により病状が落ち着いたため退院することになった。入院中の処方1に加え、退院時に処方2が新たに追加されることになった。また、現在の検査値は以下のとおりである。(検査値) 血圧140/88 mmHg、心拍数110拍/分、BUN 28 mg/dL、血清クレアチニン値1.4 mg/dL、クレアチニンクリアランス 42 mL/min、LDL 165 mg/dL、HDL 50 mg/dL、TG(トリグリセリド) 140 mg/dL 処方1及び2のいずれかの薬物の作用機序として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アデノシンP2Y_{12}受容体を遮断して、血小板凝集を抑制する。", "ビタミンKの代謝サイクルを阻害して、血液凝固を阻害する。", "第Xa因子を阻害して、トロンビン産生を抑制する。", "トロンボキサンA_{2}の合成を阻害して、血小板の活性化を阻害する。", "プラスミノーゲンをプラスミンに変換して、血栓中のフィブリンを分解する。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "●カルベジロール\n\\alpha _{1}受容体を遮断し、血管平滑筋を弛緩させる\\beta _{1}受容体を遮断し、心泊数、心拍出量、心収縮力を低下させる\nレニン分泌を抑制することによりレニン-アンギオテンシン系を抑制する\n●エドキサバン\n第Xa因子を直接阻害し、プロトロンビンがトロンビンに変換されることを阻害することでフィブリンの産生を抑制する"} +{"problem_id": "107249", "problem_text": "処方1と2を監査した病棟薬剤師が処方医に提案する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カルベジロールを減量する。", "エドキサバンを減量する。", "アスピリンを追加する。", "アトルバスタチンを追加する。", "クロピドグレルを追加する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "クレアチニンクリアランスCLcr値が15≦CLcr≦50の場合、処方2(エドキサバントシル酸塩水和物)の投与法は、「30mgを1日1回経口投与すること」とされている。そのため、エドキサバンを減量する(60mg\\rightarrow 30mg)ことを提案することは適切である。また、LDLが高値を示していることから、LDLを下げる目的でHMG-CoA還元酵素阻害薬であるアトルバスタチンを追加するを提案することは適切である。"} +{"problem_id": "107250", "problem_text": "64 歳女性。8年前に朝の手指のこわばり、多関節痛が出現し、近医にて関節リウマチと診断された。メトトレキサート(6mg/週)でコントロールされていたが、1ヶ月前より関節症状が悪化したため入院した。入院時検査では、腫脹関節10ヶ所、圧痛関節6ヶ所、赤血球沈降速度 112 mm/h、CRP 8.5 mg/dLであったことから疾患活動性が高いと判断され、インフリキシマブ(3mg/kg)を併用することになった。なお、体温37.2^{\\circ} C、血圧94/58 mmHg、脈拍数80拍/分、ALT 80 IU/L、AST 88 IU/Lであった。この患者の治療における薬剤師の対応として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["入院時検査で軽度肝機能障害が認められるので、ホリナートカルシウム錠の投与を医師に提案した。", "この患者のB型肝炎ウイルス感染の有無を確認した。", "この患者の結核の既往の有無を確認した。", "インフリキシマブ投与によりinfusion reactionが認められた場合は、メトトレキサートの増量が必要と医師に情報提供した。", "咳や喉の痛み等風邪の症状が出た場合は、すぐに医師、看護師、薬剤師等に連絡するように患者に伝えた。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n軽度肝機能障害(肝機能検査値であるALT、ASTが少し上昇)が認められることから、メトトレキサートの毒性を軽減するために、ホリナートカルシウム錠の投与を検討する必要がある。2:正しい\n抗TNF-\\alpha によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されているので、本剤投与に先立ってB型肝炎ウイルスの有無を確認する必要がある。3:正しい\nインフリキシマブを投与すると、結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化の恐れがあるため、本剤投与に先立って結核感染の有無を確認する必要がある。4:誤っている\nインフリキシマブ投与によりinfusion reactionが認められた場合は、アドレナリン、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン薬又はアセトアミノフェンを用いる。5:正しい\n咳や喉の痛み等風邪の症状が出た場合は、骨髄抑制による無顆粒球症、汎血球減少症が現れている可能性があるため、直ちに医師、薬剤師に連絡するように説明する。"} +{"problem_id": "107251", "problem_text": "メトトレキサートとインフリキシマブを投与した場合、この患者で期待される効果の機序はどれか。2つ選べ。", "choices": ["TNF-\\alpha の作用が阻害され、関節滑膜細胞の増殖が抑制される。", "ジヒドロ葉酸還元酵素の阻害によりリンパ球の増殖が抑制され、中和抗体の産生が抑制される。", "シクロオキシゲナーゼの阻害によりプロスタグランジン合成が抑制され、疼痛が緩和される。", "IL-6受容体が遮断され、破骨細胞の分化が抑制される。", "炎症局所のアデノシン受容体が遮断され、炎症反応が抑制される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "インフリキシマブ\nTNF-\\alpha\nの作用を阻害し、関節滑膜細胞の増殖を抑制する\nメトトレキサート\n葉酸の活性化を阻害し、核酸合成を阻害することによりインフリキシマブに対する中和抗体の産生を抑制する"} +{"problem_id": "107252", "problem_text": "62歳男性。3年前、階段を昇る時に息切れを感じるようになり受診したところ、左室肥大と肺うっ血を認め、慢性心不全と診断された。処方1〜処方3で治療されていたが、慢性心不全の増悪により入院した。その後、処方4を追加して病態が安定したため、退院することになった。現在の検査値等は以下のとおりである。(検査値) 血圧 120/82 mmHg、心拍数 84拍/分、AST 24 IU/L、ALT 16 IU/L、BUN 18 mg/dL、血清クレアチニン値 0.9mg/dL、Na 145 mEq/L、K 2.9 mEq/L、Cl 102 mEq/L、血清 BNP 410 pg/mL、左室駆出率 EF 33% この患者に対する副作用モニタリングとして、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腎機能検査値は基準値内と判断する。", "血清電解質(Na、K、Cl)値は、いずれも基準値内と判断する。", "徐脈と判断する。", "今後、処方3の薬剤による血清ナトリウム値の上昇に注意する。", "今後、処方1や処方4の薬剤により血清カリウム値が上昇しすぎないか注意する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n腎機能検査値であるBUN(基準値: 8〜20 mg/dL)および血清クレアチニン値(基準値: 0.6〜1.0 mg/dL)は基準値範囲内である。2:誤\nNa(基準値: 135〜148 mEq/L)、Cl(基準値: 98〜108 mEq/L)は基準値範囲内であるが、K(基準値: 3.5〜4.9 mEq/L)は低値である。3:誤\n心拍数50未満を徐脈とするため、本患者(心拍数: 84)は徐脈ではない。4:誤\n処方3(フロセミド)は、ヘンレ係蹄上行脚の管腔側からNa^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送系を抑制するため、低ナトリウム血症を誘発することがある。5:正\n処方1(��ナラプリル)、処方4(エプレレノン)は、アルドステロンの作用を抑制するため、血清カリウム値を上昇させる可能性がある。"} +{"problem_id": "107253", "problem_text": "この患者に追加された処方4の薬物の作用として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["心臓のアドレナリン\\beta 受容体を遮断して、BNP値を低下させる。", "アンジオテンシン変換酵素を阻害して、心筋の線維化を抑制する。", "心筋に直接作用して心収縮力を高めて、左室駆出率を改善する。", "ヘンレ係蹄上行脚において Na^{+}とCl^{-}の再吸収を抑制して、むくみを改善する。", "遠位尿細管及び集合管においてアルドステロン受容体を遮断して、尿中への K^{+}の排泄を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "107254", "problem_text": "45歳男性。体重 45 kg。10年前に全結腸型潰瘍性大腸炎と診断され、寛解・再燃を繰り返した後、メサラジン 1,500 mg/日、アザチオプリン 50 mg/日で寛解維持されていた。2ヶ月前より大腸炎が再燃し、上の処方で効果不十分であったため、以下の処方にて寛解導入することになった。薬剤師のこの患者への説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1の薬剤は血中濃度を測定しながら服用カプセル数を調節します。", "処方1の薬剤は腎障害が起こりやすいので、尿量の減少などがあれば薬剤師に相談してください。", "処方1の薬剤は低血糖になりやすいので、異常な空腹感や冷や汗、動悸があるときはすぐに糖分を摂取してください。", "処方2の薬剤は今回のみの使用で終了します。", "処方2の薬剤の使用直後に、まれにふらつきや息苦しさを感じることがありますが、しばらく安静にすると自然に治まります。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n処方1(タクロリムス)はTDM対象薬剤であるため、血中濃度を測定しながら服用量を決定する。2:正\n処方1は、副作用として腎障害を起こしやすいため、腎障害により現れる症状(尿量の減少など)が認められた場合には、薬剤師に相談するように説明する。3:誤\n処方1により高血糖になることがあるため、頻回に臨床検査(血液検査、空腹時血糖、アミラーゼ尿糖など)を行うなど患者の状態を十分に観察する必要がある。4:誤\n処方2(アダリムマブ)は、潰瘍性大腸炎に対して、通常、アダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に160mgを、初回投与2週間後に80mgを皮下注射する。初回投与4週間後以降は、40mgを2週間に1回、皮下注射する。5:誤\n処方2の薬剤の使用直後に、ふらつきや息苦しさが現れた場合には、過敏反応の可能性があり、時間の経過とともに症状が悪化することがある。"} +{"problem_id": "107255", "problem_text": "処方1及び2のいずれかの薬物に期待される効果の機序はどれか。2つ選べ。", "choices": ["TNF-\\alpha に結合して、TNF- \\alphaとその受容体の結合を阻害する。", "ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害して、サイトカイン受容体を介した細胞内情報伝達を抑制する。", "ロイコトリエンの産生を阻害して、白血球の組織への浸潤を抑制する。", "プリン塩基の合成を阻害して、リンパ球の増殖を抑制する。", "カルシニューリンを阻害して、T細胞におけるIL-2などのサイトカイン産生を抑制する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "●タクロリムス\nイムノフィリンのFKBPに結合し、カルシニューリンを阻害して、T細胞におけるIL-2などのサイトカイン産生を抑制する。●アダリムマブ\n抗TNF-\\alpha 製剤であり、選択的にTNF-\\alpha と結合し、TNF-\\alpha とその受容体の結合を阻害する。"} +{"problem_id": "107256", "problem_text": "70歳女性。高血圧、心筋梗塞の既往あり。処方1〜3の薬剤を服用していたが、脂質異常症の治療効果不十分のため処方4が追加された。現在の身体所見等は以下のとおりである。身体所見 :身長155cm、体重56kg、血圧118/75mmHg、脈拍数67拍/分(整) 血液検査 :AST 30 IU/L、ALT 28 IU/L、血清クレアチニン値0.75mg/dL、BUN 17mg/dL、HDL 42mg/dL、LDL 122mg/dL、TG(トリグリセリド)110mg/dL 処方1〜処方4のいずれかの薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["胆汁酸を吸着して小腸での再吸収を阻害して、コレステロールの胆汁酸への異化を促進する。", "アンギオテンシン変換酵素を阻害し���、ブラジキニンの分解を抑制する。", "電位依存性L型Ca^{2+}チャネルを遮断して、細動脈を拡張させる。", "ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質(MTP)に結合して、アポタンパク質Bへのトリグリセリドの輸送を阻害する。", "シクロオキシゲナーゼを阻害して、血小板におけるトロンボキサンA_{2}産生を抑制する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n胆汁酸を吸着して小腸での再吸収を阻害して、コレステロールの胆汁酸への異化を促進する薬は、陰イオン交換樹脂(コレスチラミン、コレスチミドなど)である。なお、コレスチラミン、コレスチミドは、小腸での胆汁酸の再吸収を抑制し、コレステロールの胆汁酸への異化を促進することで肝臓内におけるコレステロール量を減少させ、肝細胞膜上のLDL受容体を増加させる。その結果、血中のLDLの肝内への取り込みを促進し、血中LDL-Cを低下させる。2:誤\nアンギオテンシン変換酵素を阻害して、ブラジキニンの分解を抑制する薬は、アンギオテンシン変換酵素阻害薬(カプトプリル、テモカプリルなど)である。アンギオテンシン変換酵素阻害薬は、アンギオテンシン変換酵素を阻害し、アンギオテンシンIからアンギオテンシンIIへの変換を阻害することで、血管収縮を抑制するとともにアルドステロンの分泌を抑制する。また、ブラジキニンの分解を抑制することで、副作用として空咳を誘発することがある。3:正\n電位依存性L型Ca^{2+}チャネルを遮断して、細動脈を拡張させる薬は、カルシウム拮抗薬(アムロジピンべシル酸塩など)である。4:誤\nミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質(MTP)に結合して、アポタンパク質Bへのトリグリセリドの輸送を阻害する薬は、ロミタピドである。ロミタピドは、肝細胞、小腸上皮細胞の小胞体内腔に存在するMTPに結合することで脂質輸送を阻害する。その結果、肝細胞でのVLDL、小腸上皮細胞でのキロミクロンの形成を阻害する。5:正\nシクロオキシゲナーゼを阻害して、血小板におけるトロンボキサンA_{2}産生を抑制する薬は、アスピリンである。アスピリンは、血小板内でシクロオキゲナーゼをアセチル化し、トロンボキサンA_{2}産生を抑制することにより血小板凝集抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "107257", "problem_text": "この患者の脂質異常症の治療に関して、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["HDLの目標値は45mg/dL未満である。", "LDLの管理目標値は、既往歴のない患者の目標値(140mg/dL)より低く設定されている。", "TGが管理目標値以上であるため、ベザフィブラートの追加が必要である。", "処方3の薬剤の吸収が低下するため、処方4は服用時間を夕食後に変更する。", "処方4の薬剤の追加で十分な効果が得られない場合は、プロブコールをさらに併用する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "本患者は、冠動脈疾患である心筋梗塞の既往歴があるため、二次予防が必要な患者である。よって、本患者の脂質管理目標値はLDL-Cが100mg/dL未満、トリグリセリド値が150mg/dL未満、HDL-Cが40mg/dL以上である。"} +{"problem_id": "107258", "problem_text": "33歳女性。最近体重が減少し、手指振戦、動悸、多汗があるため受診した。身体所見として眼球突出、びまん性甲状腺腫がありバセドウ病と診断され、薬局に以下の処方箋を持参した。なお、患者は動作や振戦がひどくて辛いと話してい る。検査値等は以下のとおりである。(検査値) 脈拍数 115拍/分、遊離サイロキシン(FT_{4})4ng/dL、遊離トリヨードサイロニン(FT_{3})10 pg/mL、甲状腺刺激ホルモン(TSH) 0.05 \\microU/mL以下、TSH受容体抗体陽性 処方1及び処方2のいずれかの薬物の作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["分解酵素活性化によるトリヨードサイロニンの分解促進", "合成酵素阻害によるサイロキシンの合成阻害", "TSH受容体遮断による振戦の改善", "アドレナリン\\beta _{1}受容体遮断による動悸の改善", "アドレナリン\\beta _{2}受容体遮断による甲状腺ホルモンの遊離抑制"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "●チアマゾール\nペルオキシダーゼ(甲状腺ホルモン合成酵素)を阻害し、サイロキシン(T_{4})、トリヨードサイロニン(T_{3})の生合成を抑制する\n●プロプラノロール\nアドレナリン\\beta 受容体遮断により甲状腺機能亢進症による交感神経興奮症状(動悸、頻脈、振戦など)を改善する"} +{"problem_id": "107259", "problem_text": "この患者への薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["妊娠の有無を再確認する。", "服用開始後2ヶ月間は原則として2週に1回、白血球や好中球の検査が必要と伝える。", "手指振戦や動悸の軽減には通常数週間かかると伝える。", "処方薬服用後に発熱しても、それはバセドウ病の症状であり、薬の副作用ではないと伝える。", "手指振戦等の自覚症状がなくなったら、両処方の服用は終了すると伝える。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n処方1(チアマゾール)は、ヒト胎盤を通過することが報告されており、催奇形性の観点から挙児希望や妊娠初期では、プロピルチオウラシルを用いることが推奨される。また、妊婦又は妊娠している可能性のある女性に処方1を投与する場合には、定期的に甲状腺機能検査を実施し、甲状腺機能を適切に維持するよう投与量を調節することとされているため、妊娠の有無を再確認する必要がある。"} +{"problem_id": "107260", "problem_text": "48歳男性。ぜん息の治療でシムビコートタービュヘイラー(ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物配合)を使用している。人間ドックの眼圧検査により、高眼圧を指摘されたため、眼科を受診した。視力は右眼0.4、左眼 0.5、眼圧は右29 mmHg、左 25 mmHg、視神経乳頭陥凹が認められ、原発開放隅角緑内障と診断された。処方1で薬物療法を行い、1ヶ月後の検査で眼圧は両眼ともに 22 mmHgに低下したが、効果不十分として処方2が追加された。問 260(実務) 服薬指導時の薬剤師の説明内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["結膜嚢内に点眼する。", "点眼後は瞬きしてよくなじませる。", "夕に点眼する場合は処方1の薬剤から点眼し、1分後に処方2の薬剤を点眼する。", "点眼後は一時的に目がかすむことがあるので、症状が回復するまで自動車の運転等はしない。", "十分効果が得られない場合は、1回2滴まで点眼可能である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nまぶたの裏から眼球表面にかけて嚢状(ふくろ状)になっている結膜嚢(結膜全体)内に点眼する。2:誤\n点眼後、まばたきをすると薬液が飛び散るため、閉眼する必要がある。3:誤\n夕に点眼する場合は処方1の薬剤から点眼し、10分後に処方2の薬剤を点眼する。4:正\n点眼後、一時的に目がかすむことがあるので、症状が回復するまで、機械類の操作や自動車の運転をさける。5:誤\n1回の点眼量は、確実に点眼できれば片眼1滴ずつで十分でありそれ以上点眼しても、目の外にあふれたり、鼻に排泄される。"} +{"problem_id": "107261", "problem_text": "処方2の追加でも効果不十分であったため、処方1及び処方2とは作用機序が異なる薬物を処方3として追加することとなった。追加する処方3の薬物の作用機序として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\beta _{2}受容体を遮断して、房水の産生を抑制する。", "プロスタノイドFP受容体を刺激して、ぶどう膜強膜からの房水流出を促進する。", "炭酸脱水酵素を阻害して、房水の産生を抑制する。", "Rhoキナーゼ(ROCK)を阻害して、シュレム管からの房水流出を促進する。", "アドレナリン\\alpha _{2}受容体を遮断して、ぶどう膜強膜からの房水流出を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "現在、使用中の薬物(処方1: プロスタグランジン関連薬、処方2: 炭酸脱水酵素阻害薬)より、同薬効を示す薬物を追加投与することは適切ではない(選択肢2、3は適切ではない)。また、本患者は気管支喘息治療中であり、アドレナリン\\beta 2受容体遮断薬も適切ではない(選択肢1は適切ではない)。アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激して、ぶどう膜強膜から房水流出を促進する薬物はあるが、選択肢5の作用機序を示す薬剤はない。これらのことより、選択肢4の作用機序を示す薬を追加投与することが適切である。"} +{"problem_id": "107262", "problem_text": "48歳女性。月経あり。乳がん(ER及びPgR陽性、HER2陰性)と診断され左乳房部分切除及び腋窩リンパ節郭清術を受けた。術後化学療法として、シクロホスファミド600 mg/m^{2}、エ��ルビシン100 mg/m^{2}を3週毎に4サイクルを終了し、パクリタキセル 80 mg/m^{2}を3週投与、1週休薬の4サイクルを開始している。卵巣機能は回復しており、術後化学療法終了後にタモキシフェンによる治療を検討中であるが、本患者においてはタモキシフェンと他剤との併用療法も選択可能である。担当薬剤師は3次資料を用いて、タモキシフェン単独療法と他剤との併用療法の有用性を調査することにした。問 262(実務) この場合用いる資料として優先順位が高いのはどれか。2つ選べ。ただし、これらの資料は調査時の最新版を用いることとする。", "choices": ["Drug Interaction: Analysis and Management", "診療ガイドライン", "Up To Date", "Drugs in Pregnancy and Lactation: A Reference Guide to Fetal and Neonatal Risk", "重篤副作用疾患別対応マニュアル"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nDrug Interaction: Analysis and Managementは、薬物相互作用について記載された資料であり、タモキシフェンと他剤との併用療法を調査するのに用いる資料として優先順位が低い。2:正\n診療ガイドライン、Up To Dateでは、エビデンスに基づく最新医療情報を確認することができるため、タモキシフェンと他剤との併用療法を調査するのに用いる資料として優先順位が高い。3:正\n解説2参照\n4:誤\nDrugs in Pregnancy and Lactation: A Reference Guide to Fetal and Neonatal Riskは、妊娠中、授乳中に使用する薬が胎児、新生児に与える影響を記載した資料であり、タモキシフェンと他剤との併用療法を調査するのに用いる資料として優先順位が低い。5:誤\n重篤副作用疾患別対応マニュアルは、重篤な副作用について記載された資料であり、タモキシフェンと他剤との併用療法を調査するのに用いる資料として優先順位が低い。"} +{"problem_id": "107263", "problem_text": "調べた結果、術後化学療法後に卵巣機能が回復している場合、タモキシフェンに薬物Aを併用することが推奨されていた。なお、薬物Aは、この患者で術後化学療法として用いられた薬物とは作用機序が異なるものであった。薬物Aの作用機序として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["微小管タンパク質の脱重合を阻害して、細胞分裂を抑制する。", "DNAの塩基対にインターカレーションして、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。", "エストロゲン受容体に結合して、内因性のエストロゲンと競合し抗腫瘍作用を発揮する。", "DNAをアルキル化して、DNA合成を阻害する。", "持続的な性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)受容体の刺激により脱感作を引き起して、ゴナドトロピンの遊離を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "問題文に「薬物Aは、この患者で術後化学療法として用いられた薬物とは作用機序が異なるものであった」と記載されており、また、タモキシフェン(作用機序:\n選択肢3)と併用する(タモキシフェンと異なる作用機序である)ことから薬物Aの作用機序は「選択肢5」であると考えられる。"} +{"problem_id": "107264", "problem_text": "薬剤師が特別養護老人ホームを訪問した時、施設の看護師から入所者が内服薬を服用しないので困っているとの相談を受けた。処方は朝食後にドネペジル塩酸塩錠10mgを1錠であった。現状を踏まえ、主治医に対し次回からリバスチグミン経皮吸収型製剤への変更を提案した。薬剤変更を提案するにあたって、薬剤師が主治医に確認することとして、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["患者が錠剤を飲まない時に貼付し、両剤を併用すること", "患者が軽・中程度のアルツハイマー型認知症であること", "患者が過去に貼付剤によってかぶれたことがあるか", "薬剤変更後、毎週の増量が必要なこと", "患者に腎機能障害がないこと"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n本剤(リバスチグミン経皮吸収型製剤)とドネペジル塩酸塩錠は共にコリンエステラーゼ阻害薬であり、両剤を併用するとコリン刺激性が強く現れ、副作用(悪心・嘔吐、徐脈など)を引き起こすことがあるため併用しない。2:正\n本剤は、軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制に用いられるため、患者が軽・中等度のアルツハイマー型認知症であることを確認する必要がある。3:正\n本剤の副作用として、皮膚症状が現れることがあるた��、患者が過去に貼付剤によってかぶれたことがあるか確認する必要がある。4:誤\n本剤の用法及び用量は「通常、成人にはリバスチグミンとして1日1回4.5mgから開始し、原則として4週毎に4.5mgずつ増量し、維持量として1日1回 18mgを貼付する」とされている。5:誤\n本剤は、主にエステラーゼにより加水分解され、その後、硫酸抱合を受けることから、主に代謝により消失する。そのため、患者に腎機能障害がないことを確認する必要性が低い。"} +{"problem_id": "107265", "problem_text": "リバスチグミン経皮吸収型製剤の特徴として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["背部又は胸部に貼付したとき、リバスチグミンの吸収には貼付部位間で差が認められない。", "繰り返し貼付することで血漿中濃度は定常状態に達する。", "肝初回通過効果を受けない。", "主たる吸収経路は、皮膚における汗腺や毛穴などの付属器官である。", "急激な血漿中濃度の上昇が回避される。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n背部、上腕部、胸部に貼付した時、リバスチグミンの暴露量には貼付部位間で差が認められていない。"} +{"problem_id": "107266", "problem_text": "17歳男性。病的骨折を起こして精査の中で左脛骨肉腫と診断された。左膝関節離断術の後、翌月からメトトレキサート12g/m^{2}/日、ドキソルビシン30mg/m^{2}/日、シスプラチン120mg/m^{2}/日による術後化学療法が開始された(全投与期間16週間、9コースから成るMAP法)。入院時の検査値、持参した一般用医薬品は以下のとおりであった。(入院時の検査値) 白血球数 5,300/\\microL、好中球数 3,000/\\microL、Hb 12.1g/dL、血小板数 251\\times 10^{3}/\\microL、AST 21IU/L、ALT 22IU/L、血清クレアチニン値 0.82mg/dL、eGFR107mL/min/1.73m^{2} (入院時に持参した一般用医薬品) ファモチジン錠、ロキソプロフェン錠、ポピドンヨードうがい薬、酸化マグネシウム錠 この患者において、術後化学療法の施行中も、持参した一般用医薬品の服用を継続した場合、発現する可能性が最も高い薬物間相互作用はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ドキソルビシンが、UGT1A1を介したメトトレキサートのポリグルタミン酸化を阻害する。", "ファモチジンが、ジヒドロ葉酸還元酵素を介したメトトレキサートの代謝を阻害する。", "シスプラチンが、尿細管における有機カチオントランスポーターOCT2を介したメトトレキサートの再吸収を阻害する。", "酸化マグネシウムが、P-糖タンパク質を介したメトトレキサートの腸肝循環を阻害する。", "ロキソプロフェンが、尿細管における有機アニオントランスポーターOAT3を介したメトトレキサートの分泌を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nドキソルビシンとメトトレキサートとの相互作用は報告されていない。2:誤\nメトトレキサートは腎消失型薬物であり、代謝阻害剤との併用による相互作用の報告はない。3:誤\nシスプラチンは、尿細管における有機カチオントランスポーターOCT2を介して排泄され、メトトレキサートは、尿細管における有機アニオントランスポーターOATを介して排泄されるため、両剤併用による相互作用は認められない。4:誤\nメトトレキサートは腸肝循環を受けないため、腸肝循環に関する相互作用の報告はない。5:正\nロキソプロフェンは、尿細管における有機アニオントランスポーターOAT3を介したメトトレキサートの分泌を阻害する。"} +{"problem_id": "107267", "problem_text": "この患者に対して、第1週目(1コース目)のメトトレキサートを6時間単独静脈内投与することになった。医療チーム内で薬剤師が確認する事項として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メトトレキサート初回投与翌日より葉酸錠の内服を開始すること", "メトトレキサート初回投与終了後よりホリナートカルシウム注を静注すること", "メトトレキサート投与前日よりアセタゾラミド錠を内服していること", "メトトレキサート投与翌日より24時間おきに3日間治療薬物モニタリング(TDM)を実施すること", "メトトレキサート投与前日より持参したロキソプロフェン錠を使用中止すること"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:適切でない\nメトトレキサートを骨肉腫の治療に用いる際には、葉酸錠の内服を行わない。なお、メトトレキサ���トを関節リウマチの治療に用いる際には、メトトレキサートの毒性を軽減する目的で葉酸を用いることがある。"} +{"problem_id": "107268", "problem_text": "48歳男性。気管支ぜん息の既往があり、処方1及び処方2の薬剤を継続して使用している。この患者はテオフィリンの治療薬物モニタリング(TDM)を実施しており、定常状態の血中濃度は15\\micro g/mLであった。しかしここ数日、腹痛や吐き気が強く、今日は仕事も休んでいるとかかりつけ薬剤師に相談があった。聴き取りにより2日前からピロリ菌の除菌療法(処方3)をしていることが判明した。速やかにかかりつけ医を受診するように指示し、当該医師にも連絡を取った。その後、この患者について、受診時のテオフィリンの血中濃度が40\\micro g/mLであることを医師に確認した。なお、アドヒアランスは良好であることを確認している。薬剤師がこの患者のテオフィリン中毒の要因と考えた内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ピロリ菌の除菌療法による胃内環境の変化", "ボノプラザンによる胃内pHの上昇", "腎薬物トランスポーターを介したアモキシシリンとの競合阻害", "クラリスロマイシンによる肝薬物代謝酵素阻害", "ぜん息症状によるテオフィリン感受性の増大"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "本症例では、テオフィリンの血中濃度が15\\micro g/mLであったが、ピロリ菌の除菌療法(処方3)を実施後血中濃度が40\\micro g/mLとなり、テオフィリンの中毒症状(腹痛、吐き気など)が現れていることから、テオフィリンと処方3の併用により相互作用が現れたと推察される。テオフィリンはCYP1A2、一部CYP3A4、キサンチンオキシダーゼにより代謝される。処方3に含まれているクラリスロマイシンはCYP3A4を阻害するため、両剤を併用するとテオフィリンの血中濃度上昇による中毒症状が現れることがある。"} +{"problem_id": "107269", "problem_text": "この患者が処方2の薬剤の服用を中止し、テオフィリンの血中濃度が15\\micro g/mLに低下するまでに要する時間として最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、テオフィリンの血中動態は線形1-コンパートメントモデルに従うものとし、血中消失半減期は6.9時間とする。なお、ln2=0.69、ln3=1.10とする。", "choices": ["8時間", "10時間", "12時間", "14時間", "16時間"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "◉消失半減期より消失速度定数を求める\nt_{1/2}=ln2/\nk_{e}::::::::\nk_{e}=ln2/t_{1/2}=0.693/(6.9時間)\\fallingdotseq 0.1時間^{-1}"} +{"problem_id": "107270", "problem_text": "27歳男性。体重50kg。父をドナーとする生体腎移植治療が予定されている。7日後の移植術を控え、術後に用いるタクロリムスの投与設計を薬剤師が依頼された。この患者にタクロリムスを経口投与し、24時間採血を行った際の血中濃度時間曲線下面積(AUC_{0}_{〜∞})は120\\micro g・h/L、一次モーメント曲線下面積(AUMC_{0}_{〜∞})は1,320\\micro g・h^{2}/Lであった。また、タクロリムス0.5mgを急速静注した直後の血中濃度は10ng/mLであった。この患者にタクロリムスを1日1回経口投与し、定常状態における平均血中濃度を10ng/mLとしたい。適切な投与量(mg)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、タクロリムスの吸収速度定数を1.0h^{-1}とし、バイオアベイラビリティを0.2とする。また、タクロリムスの体内動態は線形1-コンパートメントモでルに従うものとし、反復投与によってタクロリムスの体内動態は変化しないものとする。", "choices": ["1.0", "1.2", "3.0", "5.5", "6.0"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "◉消失速度定数keを求める。平均滞留時間MRTは①、②式より求めることができる。AUMC/AUC=MRT: ①式::\n1/ka+1/ke=MRT: ②式\nAUC_{0}_{〜∞}が120\\micro g・h/L、AUMC_{0}_{〜∞}が1,320\\micro g・h^{2}/Lであることから①式よりMRTは11hとなる。また、吸収速度定数ka=1.0h^{-1}であることから1/ka=1.0hとなり、②式より1/ke=10hとなるため、keは0.1 h^{-1}となる。◉分布容積Vdを求める。分布容積は③式より求めることができる。Vd=Div/C_{0}_{: }③式_{}Div: 静脈内投与時の投与量:C_{0}: 静脈内投与時の初期の血中濃度\nタクロリムス0.5mgを急速静注した直後の血中濃度が10ng/mLであることから、Vd=0.5mg/10ng/mL=0.5mg/10\\microg/L=0.5mg/0.01mg/L=50L\n◉投与量(mg)投与量を求める。繰り返し投与における投与量Dは④式より���めることができる。④式を変形した式にke=0.1 h^{-1}、Vd=50L、定常状態の平均血中濃度C ss_{平均}=10ng/mL、投与間隔\\tau =24h、バイオアベイラビリティF=0.2を代入すると、D=6mgとなる。"} +{"problem_id": "107271", "problem_text": "術前の投与設計によって、タクロリムスカプセルの投与を手術当日夕食後より開始した。7日後に退院予定であるが、病棟担当薬剤師が行う患者への指導内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["クロレラの摂取を控える。", "加熱調理した野菜の摂取を控える。", "グレープフルーツの摂取を控える。", "乾燥弱毒生風しんワクチンの接種を控える。", "インフルエンザHAワクチンの接種を控える。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "タクロリムスは主にCYP3A4で代謝されるため、小腸のCYP3A4を阻害するグレープフルーツの摂取を控える必要がある。また、タクロリムスは免疫抑制作用を有しており生ワクチン(乾燥弱毒生風しんワクチンなど)を併用すると生ワクチンによる感染を引き起こすことがあるため、両剤は併用しないこととされている。なお、不活化ワクチン(インフルエンザHAワクチン)は、タクロリムスと併用しても、ワクチン接種による感染のおそれはないため、両剤を併用することは可能である。"} +{"problem_id": "107272", "problem_text": "65歳男性。身長160cm、体重58kg。開胸心血管バイパス術施行後4日目に38.5^{\\circ} Cの発熱を来し、喀痰、血液培養、尿、鼻汁を用いたグラム染色の結果、陽性であった。細菌培養の結果が得られるまで48時間程度を要することから、院内感染制御チームへのコンサルトの結果、MRSA感染症を疑い、当日夜よりバンコマイシン点滴静注用の14日間投与が決定された。バンコマイシン投与前の検査値を以下に示す。(検査値) 白血球数13,000/\\microL、CRP7.5mg/dL、血清クレアチニン値1.2mg/dL、BUN17.6mg/dL、クレアチニンクリアランス(Ccr)50mL/min バンコマイシンの投与量決定には母集団薬物動態解析により得られた以下のパラメータを用いた。CL(L/hr)=0.05\\times Ccr(mL/min)[Ccrが85mL/min以下の場合] CL(L/hr)=3.5[Ccrが85mL/minより大きい場合] Vd(L)=60.7 母集団薬物動態解析及びこの患者の投与量決定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["患者集団の平均的な薬物動態パラメータは、年齢、体重、Vdが同じ患者群を母集団として解析することで得られる。", "バンコマイシンのクリアランスは最小発育阻止濃度(MIC)により影響をうける。", "この患者の投与量決定には分布容積60.7Lとクリアランス2.5L/hを用いた。", "患者の1点の血中濃度測定値、患者情報、及び母集団パラメータとその変動要因を用いて、ベイジアン法により患者個々の薬物動態パラメータが推定できる。", "母集団パラメータを求めるためには、集団ごとに血液採取時間を一定にする必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n母集団薬物動態解析において、患者集団の平均的な薬物動態パラメータは、多数の患者の血中濃度データをまとめて解析するため、年齢、体重、Vdが同じ患者群を母集団として解析する必要はない。2:誤\nクリアランスは、体内の薬物を除去する能力を表すパラメーターであり、最小発育阻止濃度(菌の増殖を抑制することができる抗菌薬の最小濃度)とは無関係である。3:正\nこの患者のクレアチニンクリアランスは85mL/min以下であることからCL(L/hr)=0.05\\times 50=2.5L /hrとなる。4:正\nベイジアン法は母集団パラメーターとその変動要因などを用いて患者の1点の血中濃度より患者個々の薬物動態パラメーターを推定する方法である。5:誤\n母集団パラメーターは多数の患者の血中濃度をまとめて解析することで得られるが、集団ごとに血液採取時間を一定にする必要はない。"} +{"problem_id": "107273", "problem_text": "バンコマイシンの治療効果及び副作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ペンタペプチドC末端のD-Ala-D-Alaに結合して、細胞壁合成を抑制する。", "細菌リボソーム30Sサブユニットに結合して、タンパク質合成を抑制する。", "翻訳過程の50S開始複合体の形成を阻害して、タンパク質合成を抑制する。", "ヒスタミンの遊離を促進して、レッドネック症候群を引き起こす。", "非ステロイド性抗炎症薬との併用により、痙れんを引き起こす。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "バンコマイシンはグリコペプチド系抗菌薬であり、細胞壁の前駆体であるペンタペプチドのD-Ala-D-Alaに結合し、細胞壁合成を阻害することで抗菌作用を示す。バンコマイシンは急激に投与するとヒスタミン遊離によるレッドネック症候群(顔、頸、躯幹の紅斑性充血、掻痒等)を起こすことがあるため、60分以上かけて点滴静注する。"} +{"problem_id": "107274", "problem_text": "バンコマイシン投与後の副作用確認のために薬剤師が行うモニタリングとして、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["投与直後はアナフィラキシーショックが発現することがあるので、皮疹や呼吸困難の有無を確認する。", "高血圧が発現しやすいので、朝晩の血圧を確認する。", "第8脳神経障害の副作用が発現することがあるので、視力を確認する。", "低アルブミン血症の発現頻度が高いので、面談時に全身のむくみを確認する。", "腎障害が発現することがあるので、血清クレアチニン値や尿量を確認する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n本剤(バンコマイシン点滴静注用)は、アナフィラキシー(呼吸困難、全身紅潮、浮腫等)を起こすことがあるため、投与後、観察を十分に行い症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこととされている。2:誤\n本剤は、副作用として高血圧が起こるとの報告はない。3:誤\n本剤は、副作用として第8脳神経障害を発現することがあるため、聴覚障害、めまいの有無を確認する必要がある。4:誤\n本剤は、低アルブミン血症の発現頻度が高いとの報告はない。5:正\n本剤は、副作用として急性腎不全などの腎障害を起こすことがあるため、血清クレアチニン値や尿量を確認する必要がある。"} +{"problem_id": "107275", "problem_text": "バンコマイシン投与開始後、以下の経過をたどった。1日目(バイパス術施行後4日目)バンコマイシン点滴静注用の投与開始。3日目血液サンプルの細菌培養でMRSA陽性。そのMICは2.0ng/mL。7日目体温36.5^{\\circ} C。10日目CRP0.2mg/dL。体温36.2^{\\circ} C。白血球数2,500/\\micro L。以上の治療経過を踏まえた病棟担当薬剤師の主治医への対応について、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["バンコマイシン散への変更を提案した。", "バンコマイシンの目標血中濃度は15\\micro g/mLにするべきであると提案した。", "既に解熱しているので、バンコマイシンを全期間投与せず、早期終了を提案した。", "再度、喀痰、血液、尿、鼻汁の細菌検査を依頼するよう提案した。", "バンコマイシンによる血球減少を疑い、投与中止を提案した。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本剤(バンコマイシン点滴静注用)投与後10日目に体温が36.2^{\\circ} C、CRPも低下しており、新たに感染症を起こしていないと推察されるため、再度、喀痰、血液、尿、鼻汁の細菌検査を依頼する必要性は低い。通常、菌血症に対して本剤を2週間程度投与するが、白血球数が低下しているため投与中止を提案することが適切である。"} +{"problem_id": "107276", "problem_text": "55歳男性。2型糖尿病。内服薬による血糖のコントロールが不良のため、インスリン導入の目的で教育入院を行い、超速効型インスリンの投与が開始された。しかし退院後、仕事が多忙のため自己注射が不規則になった。現状の改善が図れないことから、かかりつけ薬剤師が処方医にトレーシングレポートを書き、使用製剤の見直しについて処方提案を行った。その結果、次回来局時には以下のように変更された処方箋を持参した。生活の状況を考慮して処方変更となった患者への説明として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["以前処方されていた超速効型インスリンも併用する。", "注射をする前に、十分に転倒混和して懸濁させる。", "注射を忘れた日は、空腹時でも注射する。", "風邪に伴う発熱や悪寒が現われても自己判断で中止しない。", "血糖値に応じて適宜注入単位を調整する。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n本剤(ライゾデグ配合注フレックスタッチ)には、超速効型インスリンであるインスリンアスパルト(遺伝子組換え)が配合されているため、以前処方されていた超速攻型インスリン製���を併用しない。2:誤\n本剤は、懸濁性注射剤ではないため、注射する前に十分に転倒混和する必要はない。3:誤\n本剤は、食直前に使用する製剤であり、空腹時に投与すると副作用である低血糖を起こすことがある。4:正\n風邪に伴う発熱や悪寒が現れても、自己判断で中止してはいけない。5:誤\n本剤は、血糖値に応じて適宜注入単位を調整せず、決められた単位を決められた時間に用いる。"} +{"problem_id": "107277", "problem_text": "図は、皮下投与後のインスリンアナログの動態を示している。インスリンアナログの動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["本製剤中で、インスリン デグルデクは、難水溶性で安定なダイヘキサマーとして存在する。", "本製剤中で、インスリン アスパルト及びインスリン デグルデクは、アルブミンと結合し安定化されている。", "本製剤を皮下投与後、インスリン アスパルトのヘキサマーは、皮下組織において速やかにモノマーに解離する。", "本製剤を皮下投与後、インスリン デグルデクのダイヘキサマーは、皮下組織でマルチヘキサマーを形成した後、徐々にモノマーに解離する。", "インスリン アスパルトは、循環血中でアルブミンに強く結合し、標的組織に移行する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n本製剤(ライゾデグ配合注フレックスタッチ)中でインスリン デグルデクは可溶性で安定なダイヘキサマーとして存在する。2:誤\n本製剤中にはアルブミンは添加されていない。3:正\n本製剤皮下投与後、インスリン アスパルトのヘキサマーは、皮下組織において速やかに解離し毛細血管に移行する。4:正\n本製剤を皮下投与後、インスリン デグルデクのダイヘキサマーは、皮下組織でマルチヘキサマーを形成した後、皮下に留まり徐々にモノマーに解離する。5:誤\nインスリン アスパルトは、循環血中でアルブミンに結合することはない。なお、インスリン デグルデクは循環血中でアルブミンと結合する。"} +{"problem_id": "107278", "problem_text": "72歳男性。経口血糖降下薬を用いた治療を受けていたが、健康診断にて腎機能は正常であるが肝機能の異常を指摘され、精査目的で入院となった。病棟担当薬剤師が入院時持参薬の鑑別結果をもとに初回面談の際に指導を行う予定である。主治医からの情報で、本患者には肝腫瘍の疑いがあるため、明後日朝にイオパミドール注射液を用いた画像検査が予約されていることが判明した。病棟担当薬剤師が患者に対して行う説明の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["本画像検査に際しメトホルミンの服用は検査前日から休止する。", "グリセリン浣腸を本画像検査前夜に行う。", "本剤の主成分はX線吸収能が高いため、腫瘍を明瞭に描出できる。", "造影剤を使用しても腎機能については特に注意する必要はない。", "十分な水分補給は画像検査後の強い痒みが出る場合に行う。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n本剤(イオパミドール注射液)とメトホルミンを併用すると、メトホルミンの腎排泄が低下し、血中濃度が上昇することによる乳酸アシドーシスを生じることがある。そのため、本画像検査に際しメトホルミンの服用は検査前日から休止する。2:誤\n本画像検査前夜にグリセリン浣腸を使用する必要はない。3:正\n本剤の主成分であるヨウ素は、高いX線吸収能を示すため、腫瘍を明瞭に描出することが可能である。4:誤\n本剤は、副作用として、急性腎不全を起こすことがあるため、腎機能に注意して使用する必要がある。5:誤\n本剤は、副作用として、急性腎不全を起こすことがあるため、強い痒みの有無に関わらず、適切な水分補給を行う必要がある。"} +{"problem_id": "107279", "problem_text": "イオパミドール注射液には以下の3種類のバイアル製剤がある。これら注射剤の粘度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、37^{\\circ} Cにおける水の粘度0.70mPa・sとする。", "choices": ["製剤Aの動粘度は、製剤Bの動粘度より小さい。", "製剤Bの相対粘度は、製剤Cの相対粘度より小さい。", "製剤Cの比粘度は、製剤Bの比粘度より小さい。", "いずれの製剤も、イオン性造影剤に比べて高粘度のため、組織障害性が低減されている。", "製剤Cの還元粘度は、製剤Bの還元粘度より小さい。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "◉動粘度ν:\n溶液の粘度ηを溶液の密度ρで除したもの"} +{"problem_id": "107280", "problem_text": "32歳女性。全大腸型潰瘍性大腸炎と診断され、プレドニゾロンで加療していたが再燃を繰り返したため、プレドニゾロンをインフリキシマブのバイオシミラー製剤に変更したところ軽快した。インフリキシマブに変更して6ヶ月目に全身倦怠感と顔面(頬部)の広範な紅斑を認め、TNF阻害薬誘発性のループス様症状と診断された。インフリキシマブのバイオシミラーに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["先行バイオ医薬品の欠点を改良した完全ヒト化抗体である。", "先行バイオ医薬品と同一の糖鎖を有する。", "先行バイオ医薬品と同等/同質の安全性、有効性を有する。", "臨床試験において、生物学的同等性試験による評価が必要である。", "先行バイオ医薬品と同一の細胞を用いて製造される。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "バイオシミラー(バイオ後続医薬品)とは、国内で既に新有効成分含有医薬品として承認されたバイテクノロジー応用医薬品と同等/同質の品質、安全性、有効性を有する医薬品として、異なる製造販売業者により開発された医薬品である。1:誤\nバイオシミラーは、先行バイオ医薬品の欠点を改良したものではない。2:誤\nバイオシミラーは、バイオ医薬品の本質であるアミノ酸配列は先行バイオ医薬品と同一であるが、細胞株、培養工程などが異なるため、糖鎖、不純物の割合などが先行バイオ医薬品と完全に一致しない。3:正\n前記参照\n4:誤\nバイオシミラーは、臨床試験において、先行バイオ医薬品と同等性/同質性を評価する必要がある。なお、生物学的同等性試験による評価が必要なのは、後発医薬品である。5:誤\n解説2参照"} +{"problem_id": "107281", "problem_text": "ループス様症状は、インフリキシマブ投与の中止と高用量のプレドニゾロン投与により軽快した。このとき、消化性潰瘍の予防として使用されたのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メサラジン", "アレンドロン酸", "フェブキソスタット", "エトドラク", "ランソプラゾール"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "本症例ではインフリキシマブ投与によりループス様症状(全身倦怠感、紅斑など)が認められ、インフリキシマブの投与を中止するとともに高用量のプレドニゾロンの投与を行った結果、ループス様症状が軽快した。高用量ノプレドニゾロンを使用すると副作用として消化性潰瘍が現れることがあるため、その予防としてプロトンポンプ阻害薬(ランソプラゾールなど)を使用する。1:誤\nメサラジンは、炎症性腸疾患の治療に用いられるが、消化性潰瘍の予防には用いられない。2:誤\nアレンドロン酸は、骨粗しょう症の治療に用いられるが、消化性潰瘍の予防には用いられない。3:誤\nフェブキソスタットは、高尿酸血症の治療に用いられるが、消化性潰瘍の予防には用いられない。4:誤\nエトドラクは、関節リウマチ、変形性関節炎に伴う疼痛に用いられるが、消化性潰瘍の予防には用いられない。5:正"} +{"problem_id": "107282", "problem_text": "54歳女性。体重60kg。腋窩リンパ節転移が著明な進行性乳がんと診断され、トラスツズマブを含む化学療法を継続していた。最近の画像検査にて肝転移を認めたため、以下の化学療法を施行することとなった。本化学療法レジメンの運用に際して院内で合意された内容のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["①の生理食塩液は省略できる。", "②のトラスツズマブエムタンシンの投与時間は初回に限り30分に短縮できる。", "②のトラスツズマブエムタンシンは5%ブドウ糖液で溶解する。", "③の生理食塩液は省略できる。", "②のトラスツズマブエムタンシン溶解液はインラインフィルターを用いて投与する。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n本剤(トラスツズマブ エムタンシン)を投与する前、ルートを溶液で満たすことを目的として、①の生理食塩液が用いられているため、省略することができない。2:誤\n本剤の投与時間は「初回投与時は90分かけて投与すること。初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分まで短縮できる。」とされている。3:誤\n本剤は、ブドウ糖溶液で溶解するとタンパク凝集を起こすことがあるため、ブドウ糖溶液との混合を避け、本剤とブドウ糖溶液の同じ点滴ラインを用いた同時投与は行わないこととされている。なお、本剤を調製する際には、日局注射用水及び日局生理食塩液以外は使用しないこととされている。4:誤\n本剤を投与した後、ルートを洗浄し、残留する薬剤を完全に患者の体内へ輸送することを目的として、③の生理食塩液が用いられているため、省略することはできない。5:正\n本剤は生理食塩液で希釈後に微粒子を生成する可能性があるため、投与する際には0.2又は0.22\\micro mインラインフィルターを通じて投与することとされている。"} +{"problem_id": "107283", "problem_text": "トラスツズマブ エムタンシン製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["有効成分は、分子標的薬である核酸医薬と抗がん薬DM1が結合した核酸薬物複合体である。", "有効成分は、ヒト上皮増殖因子と抗がん薬DM1が結合したタンパク質薬物複合体である。", "有効成分は、点滴静注後、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)を標的として抗がん薬DM1を能動的にターゲティングする。", "有効成分が細胞内に取り込まれた後、リソソーム内で抗がん薬DM1を遊離する。", "有効成分が細胞膜上の受容体に結合した後、遊離した抗がん薬DM1が細胞膜に傷害を引き起こす。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nトラスツズマブ\nエムタンシンは、HER2に対するヒト化モノクローナル抗体であるトラスツズマブと抗がん剤DM1が結合した抗体薬物複合体である。"} +{"problem_id": "107284", "problem_text": "近隣で喫茶店を営む高齢男性から、体調変化に関してかかりつけ薬剤師に相談があった。以前から神経因性疼痛があり、一般用医薬品の芍薬甘草湯を服用しているが、「最近、足がむずむずして気持ち悪いことが多く、夜も寝られないことがある。」とのことだった。近医を紹介し、お薬手帳を持参の上で受診するように提案した。その後、紹介した医師より、ドパミンアゴニスト使用不可のレストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)と診断され、以下の処方を考えている旨の連絡がこのかかりつけ薬剤師にあった。かかりつけ薬剤師が、患者や医師に対して行う処方薬に関する説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["飲みにくい場合は、自身で飲みやすいサイズに分割するように患者に説明する。", "用量調整が必要になるので、肝機能検査値を医師に確認する。", "芍薬甘草湯は併用できないので、服用中止を患者に説明する。", "霧視等の眼障害について、診察時に医師から説明を受けたかについて患者に確認する。", "眠気等が起こることがあるので自動車の運転は控えることを患者に説明する。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n本剤(ガバペンチン エナカルビル錠)は、徐放錠であり、自身で飲みやすいサイズに分割せず服用するように説明する。2:誤\n本剤の有効成分である代謝物のガバペンチンは、主に腎臓から消失されるため、腎機能が低下している状態に使用すると、血中濃度が上昇することがある。そのため、本剤を使用する際には、腎機能を確認する必要がある。3:誤\n本剤と芍薬甘草湯は併用することが可能である。4:正\n本剤は、副作用として霧視、調節障害等の眼障害が現れることがあるため、診療時医師から眼障害が現れることについて説明を受けたか確認する必要がある。5:正\n本剤を服用することにより、眠気、注意力・集中力の低下等が現れることがあるため、本剤服用中は、自動車の運転等、危険を伴う機械操作に従事させないよう注意する。"} +{"problem_id": "107285", "problem_text": "ガバペンチンエナカルビル及びその製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ガバペンチンエナカルビルは、ガバペンチンの経口吸収のばらつきや飽和を改善するプロドラッグである。", "ガバペンチンエナカルビルは、カルボキシルエステラーゼによる代謝を受けて活性代謝物ガバペンチンに変換される。", "ガバペンチンエナカルビルは、ガバペンチンと同じCa^{2+}チャネルを介して消化管から吸収される。", "本錠剤には、崩壊��としてグリセリン脂肪酸エステルが含まれる。", "本錠剤は、腸溶性を示す。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nガバペンチンは、経口投与時、吸収のばらつきがあり、また薬物吸収トランスポーターの飽和による臨床用量付近で吸収の飽和が認められている。ガバペンチン\nエナカビルは、モノカルボン酸トランスポーター1(MCT1)、ナトリウム依存性マルチビタミントランスポーター(SMVT)により能動輸送されることで、ガバペンチンの経口吸収のばらつきや飽和を改善したプロドラッグである。"} +{"problem_id": "107286", "problem_text": "68 歳女性。54 歳の頃、精神科でうつ病と診断され2年間ほどセルトラリン塩酸塩錠を服用し、回復した。10年前(58歳時)に内科でパーキンソン病と診断され、レボドパ 250 mg・カルビドパ配合錠(1日5錠、朝2錠、昼1錠、夕2錠)で治療を開始した。3年前(65歳時)から薬の作用時間が短縮し、服用後時間が経つと安静時振戦や運動緩慢など症状の悪化が見られた。舌突出・異常運動、じっとしていられないなどの症状は出現していなかった。服用回数を5回に分割したところ症状は落ち着いた。問 286(病態・薬物治療) 服用回数を分割する前に、患者に出現していた症状はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アカシジア", "急性ジストニア", "遅発性ジスキネジア", "on-off 現象", "wearing-off現象"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "問題文に「薬(レボドパ)の作用時間が短縮し、服用後時間が経つと安静時振戦や運動緩慢など症状の悪化が見られた」と記載されていることから、wearing-off現象が生じていると考えられる。1:誤\nアカシジアは、座ってじっとしていられないなどの症状が現れる。2:誤\n急性ジストニアは、筋収縮、強直などの症状が現れる。3:誤\n遅発性ジスキネジアは、口の周囲、四肢、体幹に不規則で多様な不随意運動が現れる。4:誤\non-off 現象は、レボドパ製剤の長期服用に伴い、レボドパの血中濃度とは無関係に症状が良くなったり悪くなったりする現象のことである。5:正"} +{"problem_id": "107287", "problem_text": "この患者は、その後、薬を頻回に内服することを考えると気分がすぐれなくなり、うつ病が再発したため、2年前(66歳時)から精神科でセルトラリン塩酸塩錠の服用を再開した。2ヶ月ほど前から、3年前(65歳時)のような症状が起こるようになったと、内科の主治医に相談があった。主治医は、新しく薬物を追加することを検討している。現在の処方は以下のとおりである。この患者に追加する薬物として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["セレギリン", "ロピニロール", "イストラデフィリン", "エンタカポン", "ゾニサミド"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "セレギリンは、MAO_{B}阻害作用を有するため、選択的セロトニン再取り込み阻害薬であるセルトラリンと併用すると、セロトニンの濃度が上昇し、セロトニン症候群を起こすことがあるため、両剤は併用禁忌である。"} +{"problem_id": "107288", "problem_text": "28歳女性。病院で受付事務の仕事をしている。半年前から起床時の体のこわばりや、手足の関節の痛みを意識するようになった。市販の鎮痛薬を飲んでいたが、徐々に増悪したため、近くの整形外科を受診したところ、関節リウマチと診断された。メトトレキサートでの治療を開始したが、症状は改善しなかった。アダリムマブの自己注射を追加することになり、自己注射について薬剤師の指導を受けるように医師から言われ来局した。患者の検査値等は以下のとおりである。赤血球数 280 \\times 10^{4}/\\micro L、白血球数8,000/\\micro L、血小板数 12 \\times 10^{4}/\\micro L、CRP 2.8 mg/dL 血清クレアチニン値 0.7 mg/dL、HbA1c 5.2% (NGSP値)、胸部X線 異常なし。薬剤師が患者に行う指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["注射後、発疹や呼吸困難が現れた場合は、すぐに医師の診察を受ける。", "注射部位は、大腿部、腹部又は上腕部を選び、毎回、同一の場所に打つ。", "微熱や咳が続くときには、すぐに医師の診察を受ける。", "風しんの罹患歴がない場合は、風しんワクチンをすみやかに接種するよう指導する。", "メトトレキサートは毎日、決まった時刻に服用を続ける。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n注射後に発疹や呼吸困難が現れた場合は、アナフィラキシーの可能性があるため、すぐに医師の診察を受ける必要がある。2:誤\n注射部位は、大腿部、腹部又は上腕部を選び、順番に場所を変更し、短期間に同一部位へ繰り返し注射は行わないこととされている。3:正\n微熱、咳が続くときは感染症の可能性があるため、すぐに医師の診察を受ける必要がある。4:誤\n本剤投与中は生ワクチン(麻疹・風疹ワクチン、水痘ワクチン、BCGなど)の接種をすることができない。5:誤\n関節リウマチにメトトレキサートをする場合には、毎日服用せず週に1〜2日服用し、5〜6日間休薬する。"} +{"problem_id": "107289", "problem_text": "アダリムマブの自己注射を開始後、関節リウマチの症状は軽快して、患者は大変喜んでいたが、約6ヶ月後、次第に湿性の咳と全身倦怠感が出現するようになった。(検査値及び所見)\n赤血球沈降速度 30 mm/h(基準値3〜15)、CRP 1.0 mg/dL、HbA1c 5.4% (NGSP値)、インターフェロンガンマ遊離試験 陽性この状況に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["関節リウマチの再燃が疑われる。", "糖尿病発症の可能性がある。", "結核感染が疑われる。", "アバタセプトの併用を検討する必要がある。", "アダリムマブの投与中止を検討する必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "湿性の咳と全身倦怠感が現れていること、炎症の指標である赤血球沈降速度、CRPが上昇、インターフェロンガンマ遊離試験(結核感染の診断に用いられる試験)が陽性であることから、本患者は結核に感染していると推察される。アダリムマブ投与中に結核に感染した場合、本剤の中止を検討する必要がある。"} +{"problem_id": "107290", "problem_text": "58歳男性。身長162cm、体重88kg。10年前から健康診断で、高血圧及び高血糖を指摘されていたが放置していた。喫煙歴30年(1日10本程度)、20歳ごろよりビール大びん2本と日本酒1合程度をほぼ毎日飲酒していた。数ヶ月前より、全身倦怠感が次第に強くなってきているのを自覚していたが、本日、外出中に駅の階段で動けなくなり、救急搬送された。(来院時の所見及び検査値) 意識は清明であり、四肢に運動・感覚障害は認めない。血圧190/110mmHg、心拍数72拍/分、AST 210 IU/L、ALT 150 IU/L、\\gamma -GTP 175 IU/L、血清クレアチニン値0.71 mg/dL、血清浸透圧 300 mOsm/L、血糖値 310 mg/dL、HbA1c 10.5%(NGSP値)、尿糖(3+)、尿中アルブミン正常、尿蛋白(-)、尿中ケトン体(3+)、浮腫(-) この患者に起きている状況として、考えられるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["高血圧緊急症", "くも膜下出血", "糖尿病性腎症", "高浸透圧高血糖症候群", "糖尿病性ケトアシドーシス"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n高血圧緊急症とは、血圧の高度の上昇により、脳、心臓、腎臓、大血管などに急性障害が生じる状態のことである。血圧が190/110mmHg であることから、高血圧緊急症の可能性がある。2:誤\n意識鮮明であり、四肢に運動・感覚障害が認められていないことから、くも膜下出血の可能性は低い。3:誤\n血清クレアチニン値0.71 mg/dLが基準値範囲内、尿蛋白(-)であることから、糖尿病性腎症の可能性は低い。4:誤\n血清浸透圧 300 mOsm/Lが基準値範囲内であることから、高浸透圧高血糖症候群の可能性は低い。5:正\n血糖値 310 mg/dL、HbA1c 10.5%(NGSP値)、尿糖(3+)、尿中ケトン体(3+)であり、全身倦怠感を自覚していることから糖尿病ケトアシドーシスの可能性がある。"} +{"problem_id": "107291", "problem_text": "上記患者は、1ヶ月の入院加療後退院し、以下の処方で通院治療を続け、3年が経過した。運動療法及び食事療法も指導されたとおり実践しており、処方された薬剤は指示どおり服薬していたが、飲酒はやめられないと話している。今回の検査で以下の結果となり、再教育のため入院となった。(所見及び検査値)\n入院時体重68kg、血圧140/85mmHg、心拍数70拍/分、AST 35IU/L、ALT 42IU/L、\\gamma -GTP 162IU/L、血清クレアチニン値 2.6mg/dL、空腹時血糖値180mg/dL、HbA1c 8.2%(NGSP値)、尿糖(+)、尿蛋白(2+)、尿中ケトン体(-)、下肢浮腫(-)\nこの患者に対する処方提案のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メトホルミンの増量", "シタグリプチンをリナグリ��チンに変更", "フロセミドの追加", "テルミサルタンの追加", "アムロジピンの増量"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "血清クレアチニン値が\n2.6mg/dLと高い値を示しているため、腎機能低下を考慮した薬剤を選択する必要がある。1:誤\nメトホルミン塩酸塩は、中等度以上の腎障害患者に投与すると、排泄減少により副作用である乳酸アシドーシスのリスクが増大するため、メトホルミンの増量は不適切である。2:正\n腎排泄型のシタグリプチンを胆汁排泄型のリナグリプチンに変更することは適切である。3:誤\n下肢の浮腫などの体液貯留が認められていないため、フロセミドを追加することは不適切である。4:正\n血圧が140/85 mmHgとコントロール不良であるため、胆汁排泄型アンギオテンシンIIAT_{1}受容体遮断薬(ARB)のテルミサルタンを追加することは適切である。5:誤\nアムロジピンベシル酸塩は、効果不十分な場合、1日1回10mgまで増量することが可能であるとされている。本症例ではアムロジピンベシル酸塩を1日1回10mg服用しているため、これ以上増量することは不適切である"} +{"problem_id": "107292", "problem_text": "43歳男性。基礎疾患はない。海外に単身赴任中。一時帰国した3日後の夕食時に体調がすぐれず、早めに就寝した。翌朝から39^{\\circ} Cの発熱と発疹を認め、近医を受診し、風しんと診断された。家族の風しん罹患歴、予防接種歴は以下のとおりである。この患者に関する記述として、考えられるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["帰国途中又は帰国後に感染した。", "DNAウイルスに感染した。", "リンパ節の膨張が認められる。", "白血球数が減少している。", "発熱は2週間以上続く。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n風しんは、風しんウイルス感染後2〜3週間の潜伏期間を経て、発症するため、単身赴任先で風疹ウイルスに感染したと考えられる。2:誤\n風しんウイルスはRNAウイルスである。3:正\n風しんの主な症状として、発熱、発疹、リンパ節膨張が認められる。4:正\n風しんウイルスは、リンパ節やリンパ球内で増殖するため、リンパ節腫脹や白血球減少が認められる。5:誤\n風しんによる発熱は、3日前後で消失する。"} +{"problem_id": "107293", "problem_text": "この患者への対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この患者に、療養中に他の医療機関を受診する際は、不安を与えないために風しん感染の情報を伝えないよう勧める。", "この患者に、妻との濃厚接触を避けて療養するよう伝える。", "この患者の母は、風しんウイルス抗体を有していると考えられると伝える。", "この患者の妻は、今すぐ風しんワクチン接種を受ける必要があると伝える。", "この患者の子は、今すぐ3回目の風しんワクチン接種を受ける必要があると伝える。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n風しんウイルスは、飛沫感染するため、他の医療機関を受診する際には風しんに感染していることを伝える必要がある。2:正\n風しんに対する免疫が十分でない妊婦が風しんウイルスに感染すると、胎児に先天性風しん症候群(白内障、心奇形、難聴など)を起こす可能性があるため、患者に妻との濃厚接触を避けて療養するように伝えることは適切である。3:正\n風しんウイルスに一度罹患すると、ウイルスに対する抗体が産生され、終始免疫が獲得される。4:誤\n風しんワクチンは、弱毒生ワクチンであり、妊婦がワクチンを接種することにより胎児に先天性風しん症候群を起こすことがあるため、妊娠していることが明らかな者は接種することはできない。5:誤\n風しんワクチンの定期接種では、「生後12ヶ月〜24ヶ月に至るまでの間にある者」と「5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある者」に対して、合計2回接種を行う。よって、患者の子は、3回目の風しんワクチン接種を受ける必要はない。"} +{"problem_id": "107294", "problem_text": "62歳男性。身長161cm、体重58kg。半年ほど前から腋窩のしこりに気づいていたが、徐々に増大してきた。1ヶ月前よりだるさと38^{\\circ} Cの発熱が継続し、朝起きたときに下着が濡れているほどの汗をかくようになった。体重も減少してきたため、心配になって病院を受診��た。患者の検査値等は以下のとおりである。(検査値及び所見) AST 51 IU/L、ALT 38 IU/L、LDH 2,543 IU/L、\\gamma -GTP 224 IU/L、血清クレアチニン値 1.62 mg/dL、尿酸 8.4 mg/dL、血清 Na 136 mEq/L、血清 K 4.5 mEq/L、血清 Ca 10.0 mg/dL、血清 P 3.0 mmol/L、血清アルブミン 4.0 g/dL、HbA1c 5.8%(NSGP値)、白血球数15,000/\\micro L、赤血球数 250\\times 10^{4}/\\micro L、Ht 35%、腋窩の腫瘍径は 5 cm 精査の結果、悪性リンパ腫と診断されたが、リンパ節生検でリード・ステルンベルグ(Reed-Sternberg)細胞などの巨細胞は確認されなかった。この患者の病態及び検査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["非ホジキンリンパ腫の症例と考えられる。", "発熱、大量の寝汗及び体重減少は、B症状の典型的症状である。", "血清カルシウム値が高いため、骨破壊が進んでいる可能性が高い。", "遺伝子検査では、フィラデルフィア染色体が検出される可能性が高い。", "腎機能低下は、ベンズジョーンズタンパク質の増加による可能性が高い。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n本症例では、悪性リンパ腫と診断されたが、リード・ステルンベルグ(Reed-Sternberg)細胞などの巨細胞は確認されていないため、非ホジキンリンパ腫に罹患していると考えられる。なお、悪性リンパ腫の一種であるホジキンリンパ腫では、リード・ステルンベルグ(Reed-Sternberg)細胞、ホジキン細胞が出現する。2:正\nB症状(悪性リンパ腫で認められる症状)の典型的症状には、発熱、大量の寝汗及び体重減少がある。3:誤\n血清カルシウム値は基準値範囲内(基準値: 8.6〜10.2mg/dL)であるため、骨破壊が進んでいる可能性は低い。4:誤\n遺伝子検査でフィラデルフィア染色体が検出されるのは、多くの慢性骨髄性白血病または一部の急性リンパ性白血病である。5:誤\nベンズ・ジョーンズタンパク質は、L鎖のみで構成される免疫グロブリンである。尿中のベンズ・ジョーンズタンパク質が増加する疾患として、多発性骨髄腫がある。"} +{"problem_id": "107295", "problem_text": "この患者は入院して R-CHOP 療法を施行することになった。治療を開始する前の薬剤師の対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ラスブリカーゼの投与を提案する。", "血糖測定を提案する。", "B型肝炎ウイルスへの感染の有無を確認する。", "ビンクリスチンの累積投与量が上限を超えないことを確認する。", "心不全がないことを確認する。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:適切\n悪性リンパ腫に対して、がん化学療法を行うと腫瘍崩壊症候群による高尿酸血症を呈することがあるため、がん化学療法を行う前に尿酸分解酵素であるラスブリカーゼが用いられる。2:適切\n副腎皮質ステロイド性薬であるプレドニゾロンにより、血糖が上昇することがある。3:適切\nリツキシマブ投与により、B型肝炎ウイルスの再活性化による劇症肝炎又は肝炎が生じるおそれがあるため、投与に先立ちB型肝炎ウイルス感染の有無を確認する必要がある。4:適切でない\nビンクリスチンの累積投与量を確認する必要はない。なお、ドキソルビシンは、累積投与量が上限を超えると、重篤な心筋障害、心不全が生じる場合があるため、累積投与量が上限を超えないことを確認する必要がある。5:適切\nドキソルビシンは、心機能異常又はその既往歴のある患者に投与禁忌である。"} +{"problem_id": "107296", "problem_text": "54歳男性。既往歴なし。咳と嗄声が継続していたが、血痰を認めたため近医を受診した。胸部X線で右肺腫瘤を指摘され、総合病院呼吸器内科を紹介受診した。精査の結果cT2N3M1b Stage IV A の非小細胞肺がん(腺がん)と診断された。パフォーマンスステータス(PS)1。治療薬選択にあたり、遺伝子検査が実施された。EGFR遺伝子変異(陰性)、ALK遺伝子転座(陰性)、ROS1遺伝子転座(陽性)、BRAF遺伝子変異(陰性)、PDL-1≧50%。患者に喫煙歴はなく、機会飲酒のみ。就学中の子供がいるため、外来通院治療を希望している。この患者の一次治療薬として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エルロチニブ", "クリゾチニブ", "ゲフィチニブ", "ペムブロリズマブ", "アレクチニブ"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "本症例では、ROS1遺伝子転座(陽性)、PDL-1≧50%、Stage IV A の非小細胞肺がん(腺がん)であることから、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに用いられるクリゾチニブ、ヒト化抗ヒトPD-1モノクローナル抗体であるペムブロリズマブが用いられる。"} +{"problem_id": "107297", "problem_text": "この患者の病態及び治療に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腫瘍マーカーのPSAが上昇している。", "他臓器への遠隔転移がある。", "子孫に遺伝する変異が検出された。", "子供と一緒に散歩することができる。", "手術による根治が可能である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nPSA(前立腺特異抗原)は、前立腺がんで上昇する腫瘍マーカーであり、本患者で上昇している可能性は低い。なお、非小細胞肺がん(腺がん)では、SLX(シアリルLex-i抗原)が上昇することがある。"} +{"problem_id": "107298", "problem_text": "62歳女性。身長153cm、体重56kg。動悸及び息切れを自覚し、近医を受診したところ非弁膜症性心房細動と診断され、以下の処方で治療を開始することになった。患者の検査値等は以下のとおりである。(所見及び検査値) 血圧 140/86 mmHg、心拍数160 拍/分、脈拍数90 拍/分、AST 23 IU/L、ALT 28 IU/L、eGFR 40 mL/min/1.73 m^{2} (心電図) RR 間隔不規則、P波消失、f波出現 治療薬の処方意図として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["心拍数の調節(レートコントロール)", "洞調律の維持(リズムコントロール)", "冠動脈血栓の予防", "肺塞栓症の予防", "脳塞栓症の予防"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "107299", "problem_text": "3ヶ月経過後、患者が処方箋を持って来局した。処方が以下の内容に変更されていた。処方内容の変更について薬剤師が患者に確認したところ、以下の答えが返ってきた。「薬の量を決めるために検査を繰り返していたが、主治医から食事について質問され、時折青汁を飲んでいることを伝えたところ、薬を変えることになった。」患者の所見及び検査結果は以下のとおりである。(所見及び検査値)\n血圧 130/85 mmHg、心拍数 120 拍/分、脈拍数 75 拍/分、AST 25 IU/L、ALT 26 IU/L、eGFR 35 mL/min/1.73 m2、PT-INR 2.3\n今回の処方変更について、薬剤師の対応として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ワルファリンカリウム錠の服用を中止し、その翌日よりダビガランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセルを開始するよう患者に説明する。", "ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセルを服用し忘れた場合、できるだけ早く1回量を服用し、次の服用まで6時間以上空けるよう指導する。", "青汁やほうれん草などの緑黄色野菜の摂取は、控えるように患者に指導する。", "他科や他院でP-糖タンパク質を阻害する薬剤が処方されていないことを確認する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nワルファリン(ビタミンK拮抗薬)からダビガトランへ切り替える際には、ワルファリンを投与中止し、PT-INRが2.0未満になればダビガトランの投与が可能となる。2:正\nダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセルを服用し忘れた場合、同日中にできるだけ早く服用し、次の服用まで6時間以上空けることとされている。3:誤\nダビガトランと青汁やほうれん草などの緑黄色野菜との相互作用は報告されていない。そのため、ダビガトランに変更した後、青汁やほうれん草などの緑黄色野菜の摂取を控える必要はない。4:正\nダビガトランは、P-糖タンパク質の基質であり、P-糖タンパク質を阻害する薬剤との併用により血中濃度が上昇することがある。そのため、他科や他院でP-糖タンパク質を阻害する薬剤が処方されていないことを確認する必要がある。"} +{"problem_id": "107300", "problem_text": "72歳男性。S状結腸穿孔により腹膜炎を発症し、敗血症性ショックの診断で集中治療室(ICU)に入室となった。人工呼吸器管理下でノルアドレナリン注射液、ドブタミン塩酸塩注射液及び注射用メロペネムを使用していたが、皮下出血、血小板数の低下、プロトロンビン時間の延長及びフィブリノゲンの低下が観察され、敗血症性播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断された。DIC診断に伴い、未 分画ヘパリンおよびガベキサートの投与が開始された。開始後は���性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の延長が認められたが、数日後APTTの延長が乏しくなった。現在の所見及び検査値は以下のとおりである。(所見及び検査値) 体温37.6^{\\circ} C、脈拍数92拍/分、呼吸数22回/分、赤血球数500\\times 10^{4}/\\micro L、白血球数14,500/\\micro L、血小板数6.1\\times 10^{4}/\\micro L、CRP 7.8 mg/dL、アンチトロンビン活性 62%、APTT 18.1秒(基準対照 32.2)、フィブリン・フィブリノゲン分解産物(FDP)20.4 ng/mL(基準値15) この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Dダイマー/FDPの比は低下している。", "ガベキサートの使用により、出血リスクが高くなっている。", "細小血管に微小血栓が形成されている。", "死に至る可能性は極めて低い。", "腎機能のモニタリングが必要である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n敗血症によるDICでは、血管内皮細胞や単球などから血栓の形成に関わる物質や炎症サイトカインの放出が亢進するとともにプラスミノゲンアクチベーターインヒビター産生が亢進するため、凝固亢進・線溶抑制型DICを呈する。Dダイマー(フィブリン・フィブリノゲン分解産物のうち、プラスミンによるフィブリン分解産物)は凝固亢進により生成されやすくなるため、凝固亢進・線溶抑制型DIC では、Dダイマー/FDPの比は増加する。2:誤\nガベキサートはタンパク分解酵素阻害薬であり、トロンビン及び第Xa因子を阻害し、DICにおける血栓形成を抑制するため、凝固因子の消費が抑制され、出血のリスクが低下する。3:正\nDICは、感染症や悪性腫瘍などの原疾患により、血液凝固系が亢進し全身の細小血管に大量の微小血栓が形成されることで多臓器障害を引き起こす。4:誤\nDICは、治療が遅れると多臓器障害を起こし、死に至ることがある。5:正\n血栓形成により腎機能が低下することがあるため、腎機能のモニタリングが必要である。"} +{"problem_id": "107301", "problem_text": "今後の治療について、医師よりICU担当薬剤師に意見を求められた。適切な提案はどれか。2つ選べ。", "choices": ["未分画ヘパリンを中止し、トラネキサム酸を投与する。", "アンチトロンビンガンマを投与する。", "出血がないことを確認して、トロンボモデュリンアルファを投与する。", "人赤血球液を投与する。", "アスピリンを投与する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nトラネキサム酸は抗プラスミン薬であり、プラスミンによるフィブリン分解を阻害するため、線溶系機能亢進に伴う出血傾向に用いられるが、本症例では、線溶系が抑制されているため、トラネキサム酸は用いられない。2:正\nDICでは、抗凝固因子であるアンチトロンビンの消費が進み、アンチトロンビンの活性が低下する。本症例ではアンチトロンビン活性が基準値(基準値:80〜130%)よりも低く、ヘパリンの効果が不十分となるため、アンチトロンビンガンマを投与することは適切である。3:正\nトロンボモジュリンアルファは、トロンビンに結合し、活性化プロテインCの生成を促進することで、DICにおける過剰な血栓形成を抑制するため、トロンボモジュリンアルファを投与することは適切である。4:誤\n人赤血球液は、赤血球補充の目的で用いられるが、抗凝固作用はないため、DICの治療には用いられない。5:誤\nアスピリンは血小板凝集抑制作用を示すため、虚血性心疾患、虚血性脳血管障害における血栓・塞栓形成の抑制に用いられるが、DICの治療には用いられない。"} +{"problem_id": "107302", "problem_text": "59歳男性。B型肝炎ウイルス(HBs抗原)陽性であったが症状もなく長年放置していた。倦怠感や意識障害が強くなり家族に連れられ近医を受診したところ、非代償性肝硬変と診断され、緊急入院となった。下肢にむくみを認めているが、食事の摂取は可能である。入院時の検査値と入院後の処方は以下のとおりである。(検査値) AST 26 IU/L、ALT 27 IU/L、血清クレアチニン値 1.2mg/dL、総タンパク 6.0g/dL、血清アルブミン 2.4g/dL、LDL-C 38mg/dL、プロトロンビン時間(PT)19.8秒、総ビリルビン1.0mg/dL、直接ビリルビン 0.6 mg/dL 問 302(病態・薬物治療) 入院時、この患者に起こっていることとして、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血清アルブミン濃度の低下", "血清コレステ���ール濃度の上昇", "フィッシャー比の上昇", "プロトロンビン時間の延長", "直接ビリルビン濃度の低下"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n肝機能の低下に伴い、アルブミンなどのタンパク質合成機能、コレステロール合成機能、血液凝固因子合成機能が低下するため、非代償性肝硬変では、血清アルブミン濃度、血清コレステロール値の低下、プロトロンビン時間の延長が認められる。2:誤\n解説1参照\n3:誤\n肝臓での代謝機能が低下すると、芳香族アミノ酸が増加することによるフィッシャー比(分岐鎖アミノ酸/芳香族アミノ酸)の低下が生じる。4:正\n解説1参照\n5:誤\n非代償性肝硬変では、グルクロン酸抱合を受けたビリルビン(直接ビリルビン)が胆管にうまく排泄されず、血中に流出するため、血中の直接ビリルビン濃度が上昇する。"} +{"problem_id": "107303", "problem_text": "この患者に対するアセスメントの内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["患者はすでに肝硬変に移行しているため、B型肝炎に対する治療薬は不要である。", "利尿薬による過度の脱水は、高アンモニア血症を悪化させる可能性がある。", "肝臓は正常に機能している。", "酸化マグネシウム錠とラクツロースゼリー分包の併用により下痢の可能性がある。", "分岐鎖アミノ酸は、配合経口ゼリー剤が処方されているので、食事による摂取が不要である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nB型肝炎による慢性肝炎や肝硬変では、肝臓の線維化の進展を抑制、肝硬変の病状の改善、肝がんへの移行を抑制する目的で抗ウイルス療法を行う。2:正\n非代償性肝硬変では、肝臓におけるアンモニア代謝能が低下するため、高アンモニア血症を呈することがある。また、血中アルブミン濃度の低下に伴い、浮腫を生じることがあるため、利尿薬を投与することがある。非代償性肝硬変の患者に浮腫を改善する目的で利尿薬を投与すると、脱水により高アンモニア血症を悪化させる可能性がある。3:誤\n肝硬変には、正常の肝の細胞により肝臓の機能が維持される代償性肝硬変と肝臓の機能が維持されず腹水・黄疸・肝性脳症などの症状を呈する非代償性肝硬変がある。本症例は非代償性肝硬変であり、肝臓は正常に機能していない。4:正\n酸化マグネシウム、ラクツロースはともに吸収されにくく、腸管内の浸透圧を高め、腸管への水分移行を増加させるため、両剤を併用することにより下痢を誘発する可能性がある。5:誤\n分岐鎖アミノ酸配合経口ゼリーは、食事摂取量が十分にも関わらず低アルブミン血症を呈する非代償性肝硬変患者の低アルブミン血症に用いられることから、食事による分岐鎖アミノ酸の摂取も必要である。"} +{"problem_id": "107304", "problem_text": "薬剤師が病院薬剤部内の勉強会で、ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬Aの心保護作用について発表することになり、以下の文献を入手した。動脈硬化性心疾患を有する、または、動脈硬化性心疾患リスクが高い2型糖尿病患者を対象に、「A投与群」、「A非投与群」の2群に無作為に割り付けし、心血管死または心不全による入院を主要評価項目として検討したところ、以下の結果を得た。この解析に用いられた統計手法として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["t検定", "Mann-WhitneyのU検定", "Kruskal-Wallis検定", "Cox回帰分析", "重回帰分析"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nt検定は、定量的なデータについて、2群間の母平均値に差があるかどうかを検定するパラメトリックな手法である。2:誤\nMann-WhitneyのU検定は、データの順序に基づいて検定総計量U値を計算し、対応のない2群間を検定するノンパラメトリックな手法である。3:誤\nKruskal-Wallis検定は、対応のない3群間以上を検定するノンパラメトリックな手法である。4:正\nCOX回帰分析は、治療法などがどのように生存期間、患者の状況に影響を与えるかを評価する方法である。影響を及ぼす因子(説明変数)がハザード(目的変数)を何倍にするかを推定値として算出し、それをハザード比と95%信頼区間で表す。5:誤\n重回帰分析は、目的変数(量的変数)を複数の説明変数(量的なもの)から予測する際に使用する方法である。"} +{"problem_id": "107305", "problem_text": "薬剤師が勉強会で説明する内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["主要評価項目は、代用エンドポイントを用いています。", "ハザード比の95%信頼区間が1を含んでいないことから、両群間に統計学的に有意差が認められます。", "相対リスク減少は83%です。", "Aの投与は、2型糖尿病患者において主要評価項目のリスクを減少させるといえます。", "Aの投与は、2型糖尿病患者において心血管死、心筋梗塞、虚血性脳卒中の心血管イベントの複合項目のリスクを減少させるといえます。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nエンドポイントとは、治療行為の有効性を示すための評価項目のことであり、真のエンドポイントと代用エンドポイントに分類される。真のエンドポイントは、本来評価したい項目であり、代替エンドポイントは、真のエンドポイントと相関性の高い、短期間で評価できる項目のことである。本設問の評価項目は、心血管死または心不全による入院であることから、真のエンドポイントが用いられていると推察される。"} +{"problem_id": "107306", "problem_text": "60 歳男性。息切れ、倦怠感が継続するため検査したところ、フィラデルフィア染色体陰性の急性リンパ性白血病と診断され、以下の化学療法を施行した。担当薬剤師が患者から「手や足がピリピリとしびれ、物がつかみづらい」との訴えを受け、副作用が疑われた。この化学療法で用いられた医薬品のうち、この患者が訴えた症状を引き起こす可能性のあるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シクロホスファミド", "ダウノルビシン", "ビンクリスチン", "L-アスパラギナーゼ", "プレドニゾロン"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "「手や足がピリピリとしびれ、物がつかみづらい」と患者が訴えていることから、末梢神経障害が現れている可能性がある。選択肢のうち、副作用として末梢神経障害を起こしやすいのは、「ビンクリスチン」である。"} +{"problem_id": "107307", "problem_text": "その後、この患者は歩行困難となり、化学療法による副作用と疑われた。この場合の薬剤師の対応として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["副作用が疑われる医薬品の製造販売業者に副作用の可能性があることを報告した。", "副作用が疑われる医薬品の製造販売業者に副作用の治療費を請求した。", "適正に使用された医薬品は、全て副作用被害救済制度の対象になるので、申請を患者に勧めた。", "医薬品と副作用の因果関係が明確ではなかったが、独立行政法人医薬品医療機器総合機(PMDA)へ報告した", "副作用が疑われる医薬品について、病院のホームぺージにて患者情報を公開して、注意喚起を行った。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n医薬品による副作用が疑われる場合、医療関係者は、副作用等の情報を当該医薬品の製造販売業者に報告するよう努める義務がある。"} +{"problem_id": "107308", "problem_text": "30歳女性。「この季節になると、くしゃみが出て、鼻が詰まってつらい」との訴えがあり、仕事や家事などで忙しいため、市販薬で対処したいと、薬局に相談に来た。そこで、薬剤師は要指導医薬品のフルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻薬を勧めた。問 308(実務) 当該医薬品を販売する前に、薬剤師が確認する内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["光線過敏症と診断されたことがあるか。", "鼻水の色が黄色く鼻腔に痛みがあるか。", "狭心症、心筋梗塞と診断されたことがあるか。", "貧血と診断されたことがあるか。", "危険を伴う機械操作をしているか。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "鼻水の色が黄色く鼻腔に痛みがある場合、感染症が疑われるため、副腎皮質ステロイド性薬(フルチカゾンプロピオン酸エステル)含有の点鼻薬を使用することは不適切である。"} +{"problem_id": "107309", "problem_text": "この女性は当該医薬品の購入を希望した。販売時の薬剤師の対応として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["女性に情報提供及び指導を行い、その内容を理解したこと、質問がないことを確認した。", "母親も同様の症状があるが、仕事で忙しく来局できないとのことだったため、母親の分も販売した。", "この医薬品は、インターネットでも購入可能である���説明した。", "仕事が忙しく何回も購入することが面倒とのことだったので、10箱をまとめて販売した。", "販売した薬剤師の氏名、薬局の名称、連絡先を女性に伝えた。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n薬剤師は、要指導医薬品を購入しようとする者に対して、情報提供及び指導を行い、その内容について理解し、質問が無いことを確認しなければならない。2:誤\n要指導医薬品は、使用しようとする者以外に対して、正当な理由(薬剤師等に販売等するときなど)なく、販売してはならない。3:誤\n要指導医薬品は、特定販売(インターネット販売等)を行うことはできない。4:誤\n要指導医薬品は、適正な使用のため必要と認められる数量販売することとされている。5:正\n要指導医薬品を販売した時には、販売等を行った薬剤師の氏名、当該薬局の名称及び電話番号等の連絡先を伝えなければならない。"} +{"problem_id": "107310", "problem_text": "20歳男性。一人暮らし。1ヶ月前に風邪をひいてから、体調が不良となった。現在、治療中の疾患はない。健康サポート薬局の表示を見て来局した。対応した薬剤師は、この男性の自覚症状(口喝、多尿、急激な体重減少、疲労感)などの訴えを聞いて糖尿病の疑いがあると判断して、医療機関への受診勧奨を行った。問 310(法規・制度・倫理) 「健康サポート薬局」を表示するための基準として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["患者の代わりに、医療機関の受診の予約を行う体制を有している。", "いつでも相談に対応できるように24時間開局している。", "個人情報に配慮した相談窓口を有している。", "要指導医薬品や介護用品について、助言できる体制を有している。", "薬局内に無菌調剤室を設置している。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "◉健康サポート薬局の基準\n・かかりつけ薬局の基本機能\n服薬情報の一元的かつ継続的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導\n24時間対応(開局していない時間も対応)、在宅対応、地域包括支援センターとの連携:など\n・健康サポートを実施する上での地域における連携体制の構築\n・常駐する薬剤師の資質\n・個人情報に配慮した相談窓口の設置(パーテーション等で仕切るなど)\n・健康サポートへの取り組み\n・要指導医薬品及び一般用医薬品、介護用品等の取扱い"} +{"problem_id": "107311", "problem_text": "この男性は医療機関で1型糖尿病と診断され、血糖コントロールのため入院し、以下の処方で治療を開始することになった。病棟担当薬剤師がこの男性に指導する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["本製剤は、開封後に常に冷蔵庫で保存する。", "使用する前に、本製剤を振らないようにする。", "腹部の部位を決め、なるべく前回注射した場所に注射する。", "低血糖症状が起きたら、糖分を摂るようにする。", "注射後には、必ず食事を摂るようにする。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n本剤は開封後、室温に保管し、4週間以内に使用する。2:誤\n本剤は懸濁剤であるため、使用する前に十分に混和する必要がある。3:誤\n本剤を使用する際には、前回注射した場所から2〜3 cm離すことが望ましい。4:正\n高度な空腹覚、動悸、冷汗等の低血糖症状が起きたら、糖分を摂取する必要がある。5:正\n注射後には、低血糖を防ぐために、必ず食事を摂るようにする。"} +{"problem_id": "107312", "problem_text": "24歳女性。病院の婦人科を受診後、以下の処方箋を持参し来局した。問 312(実務) この患者への薬剤師の説明として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["この薬は今すぐ服用してください。", "この薬を服用しても、月経周期や出血の状況に影響はありません。", "この薬を服用すると、性感染症の発症を予防できます。", "この薬を服用すると、完全に妊娠を回避できます。", "この薬は計画的な避妊にも用いられます。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "レボノルゲストレル錠は、緊急避妊薬であり、速やかに(性交後72時間以内に)服用する必要がある。なお、本剤を服用することで完全に妊娠を回避できるとは限らない。また、本剤は計画的な避妊に用いられない(計画的に妊娠の回避に用いられるものにレボノルゲストレル・エチニルエス���ラジオール錠がある)。"} +{"problem_id": "107313", "problem_text": "この診療は保険外診療である。この処方箋に記載されていなければならないのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["患者の年齢", "保険者番号", "病院の所在地", "専門医の資格", "処方理由"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "保険外診療で用いられる処方箋には、「医師法に基づく処方箋の記載事項」が記載されてる必要がある。◉医師法に基づく処方箋の記載事項\n患者の氏名、年齢、薬名、分量、用法、用量、発行年月日、使用期間及び病院等の名称及び所在地又は医師の住所、記名押印又は署名"} +{"problem_id": "107314", "problem_text": "40歳男性。以下の処方箋を持って来局した。今回、初めての来局で、面談したところ、患者はこれまでも同じ薬を他の薬局で調剤してもらい服用しているとのことであった。この薬局では初回の調剤であったので、薬剤師は調剤した日の14日後に、この患者に電話をして服薬状況などについて確認した。その際、実は、服用回数・服用錠数が多くて面倒だと感じていることが判明した。また、患者から、これまでも同じ薬を飲んでいるので、薬の変更がない場合には薬の説明やその説明書、薬袋は不要であるとの申し出があった。この患者の「服用回数・服用錠数が多くて面倒だと感じている」ことに関して、アドヒアランスに懸念があると考えた薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["医師に対し、服薬情報提供書を用いて、アドヒアランスに懸念があることを情報提供した。", "医師に電話で照会を行い、前回の処方について遡って処方内容を変更してもらった。", "患者に対し、服用を忘れた場合は、次回服用時に2回分まとめて服用するよう指導した。", "患者に対し、次回受診時に残薬調整をするので、余った薬を持参するように指導した。", "患者に対し、次回受診時までは、患者の判断で服用量を調整して服用すれば良いと指導した。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "アドヒアランスを向上させるために、調剤した後に電話にて聴取した服薬情報を医師に対して提供する際には、服薬情報提供書を用いることは適切である。また、次回受診時に残薬調整をするため、余った薬を持参するように指導することは適切である。"} +{"problem_id": "107315", "problem_text": "この患者が次回来局した際に、患者の申し出に対する薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬剤の安全使用などのために必要であることから、薬袋、服薬指導、薬剤の説明書についてのルールが法令で定められていることを説明した。", "今回から薬剤は、表示のない無地の袋にまとめて交付することとした。", "前回と処方内容が変わらない場合には服薬指導を省略することとした。", "服薬指導と薬剤の説明書の交付の両方を省略するためには医師への疑義照会が必要であると説明した。", "服薬指導は薬剤の説明書(電磁的な記録も含む)を用いて行う必要があることを説明した。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "薬剤を交付する際には、薬袋の作成、服薬指導及び薬剤情報提供文書を提供することは、薬剤師法、医薬品医療機器等法などで規定されている。また、調剤された薬剤の適正な使用のために、薬剤師が対面により薬剤の説明書(電磁的な記録も含む)を用いて服薬指導を行う必要がある。"} +{"problem_id": "107316", "problem_text": "85歳男性。肺がんで入院治療を行っていたが、在宅で緩和ケアを受けることになり退院した。痛みに対して、アセトアミノフェン錠が投与されていたが、先日から痛みが増してきたので、オピオイドが処方されることになった。終末期のため患者家族が服薬について管理している。現在の処方を以下に示す。問 316(実務) 患者家族への服薬指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["痛みが強い時は、効果をあげるために処方1の薬剤をかみ砕いて服用してください。", "便に錠剤の一部が排泄されていたら、鎮痛効果が弱まるので、処方2の薬剤を1回分服用してください。", "処方2の薬剤を追加服用する場合は、5時間以上あけてください。", "便秘になる可能性があるので、処方3が処方されています。", "吐き気がおきる可能性��あるので、処方4が処方されています。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n処方1(オキシコドン徐放錠)は、徐放錠であり、かみ砕いて服用すると急激に血中濃度が上昇するため、かみ砕かず服用する必要がある。2:誤\n錠剤の一部が排泄され、鎮痛効果が減弱することがあるが、処方2(オキシコドン塩酸塩水和物散)を1回分服用する必要はない。処方2は、処方1が便中に排泄されたかどうか関係なく、突出痛が現れたときに服用する。3:誤\n処方2を追加服用して痛みが緩和しない場合には、1時間程度様子をみて追加で1回分服用することが可能である。4:正\n処方1、処方2により便秘になることがあるため、処方3(酸化マグネシウム錠)が処方されている。5:正\n処方1、処方2により吐き気が起こることがあるため、処方4(プロクロルペラジンマレイン酸塩錠)が処方されている。"} +{"problem_id": "107317", "problem_text": "この患者家族が、在宅で調剤済みのオキシコドンを管理する場合、麻薬及び向精神薬取締法に照らし合わせ、正しい説明はどれか。1つ選べ。", "choices": ["「家庭麻薬」として管理する。", "かぎのかかる堅固な保管庫での保管が必要である。", "管理者を決めて病院又は薬局に届け出る必要がある。", "医師の許可があれば海外旅行に携帯できる。", "不要となった残薬は調剤した薬局に返却できる。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nオキシコドンは麻薬に該当するため、「家庭麻薬」として管理することは不適切である。2:誤\n患家で麻薬を管理する際には、管理者を決める必要はなく、また、鍵のかかる堅固な保管庫で保管する必要はない。3:誤\n解説2参照\n4:誤\n厚生労働大臣の許可があれば、自己の疾患の治療の目的で麻薬を輸入又は輸出することが可能である。5:正"} +{"problem_id": "107318", "problem_text": "75歳女性。一人暮らし。数年来処方1で治療していた。1ヶ月前に家の廊下で転倒し腰を痛め、痛くて眠れないとの訴えがあったため、処方2が追加となった。本日の服薬指導時に患者は「腰はもう治り、痛みもない。夜もよく眠れるようになってよかった。しかし、腰を打ってからほとんど家で横になっている。食欲がなくて、水もあまり飲んでいないためか、トイレに行く回数が減っている。」と話していた。また、薬剤師は会話中に患者の手が震えており、両下肢にむくみがあることに気づいた。なお、血圧は正常にコントロールできている。医師への処方見直しや確認の提案に向け、薬剤師がアセスメントする項目として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アムロジピン錠の長期服用による乏尿", "酸化マグネシウム錠の長期服用による錐体外路症状", "メトクロプラミド錠の長期服用による錐体外路症状", "ロキソプロフェンNa錠による腎機能低下", "ゾルピデム酒石酸塩錠による乏尿"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "患者に現れている症状(手が震え、トイレの回数が減っている、両下肢にむくみがある)よりメトクロプラミド錠の長期服用による錐体外路症状、ロキソプロフェンNa錠による腎機能低下についてアセスメントする必要がある。なお、メトクロプラミドは、ドパミンD_{2}受容体遮断薬であり、錐体外路症状(手の震え、筋硬直、頚部、顔部れん縮等)を誘発する可能性がある。また、ロキソプロフェンNa錠は急性腎不全により尿量減少にともなう浮腫を起こすことがある。"} +{"problem_id": "107319", "problem_text": "このように、追加された処方薬が漫然と継続されることで、薬剤の副作用や重複投与の可能性、さらには、服用できない薬剤の増加による残薬の問題など、ポリファーマシーに関連した様々な課題が発生している。これまで、ポリファーマシーの対策として、国が実施した施策はどれか。2つ選べ。", "choices": ["「高齢者の医薬品適正使用の指針」の作成を行った。", "ポリファーマシーによる問題がある患者数を半減するとの数値目標を設定した。", "医療保険上の処方箋に記載できる薬剤の剤数の上限を設けた。", "患者の服用する薬剤を減らした場合の取組みについて診療報酬で評価した。", "同時に使用する薬剤の剤数が10を超えた分の薬剤費の自己負担割合を増やした。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "ポリファ��マシーとは、複数を意味する「ポリ」、調剤を意味する「ファーマシー」を合わせた言葉で、多剤服用等と訳されるが、これは単に服用する薬剤が多いことだけでなく、必要以上の薬や不要な薬を服用することで副作用を起こしたり、しっかり薬を服用できない状態になることである。これまで、ポリファーマシーの対策として、国が実施した施策には「高齢者の医薬品適正使用の指針」の作成、患者の服用する薬剤を減らした場合の取組みに対して診療報酬での評価(薬剤総合評価調整加算、薬剤調整加算など)がある。"} +{"problem_id": "107320", "problem_text": "62 歳男性。パーキンソン病にて治療をしていたところ、症状が進行し嚥下が困難になったので、経管投与が開始となった。この患者の妻が薬局に以下の処方箋を持参した。処方箋を受け取った薬剤師は、医師に簡易懸濁法で投与することを提案したところ受け入れられた。薬剤師は、妻に簡易懸濁法による投与方法について指導することにした。なお、今回の処方薬はすべて簡易懸濁法により投与可能である。この患者の妻に対する薬剤師の指導の内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["朝は処方1〜3までの薬剤を、夕は処方1と2の薬剤を、まとめて懸濁してください。", "処方3の薬剤はカプセルを外してから、懸濁してください。", "処方1と2の薬剤は粉砕してから、懸濁してください。", "懸濁には、90^{\\circ} C以上の熱いお湯を用いてください。", "薬剤が溶解したのを確認してから、投与してください。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "簡易懸濁法とは、55^{\\circ} Cの温湯を用いて、薬剤を懸濁させて投与する方法である。簡易懸濁法を実施する際には、簡易懸濁法による投与が可能かどうか確認し、可能であれば、錠剤の粉砕、カプセル剤の開封をせず、服用時点ごとにまとめて懸濁する。本設問では、「今回の処方薬はすべて簡易懸濁法により投与可能」と記載されていることから、「朝は処方1〜3までの薬剤を、夕は処方1と2の薬剤を、まとめて懸濁してください」と説明することは適切である。"} +{"problem_id": "107321", "problem_text": "その後、介護が大変になったと妻より相談があり、薬剤師が介護保険について情報提供することとした。薬剤師の説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ご主人の疾患の場合は65歳にならなくても介護保険が申請できます。", "申請書類は薬局に提出してください。", "要介護の認定は、心身の状態と主治医の意見をもとに判定されます。", "要介護状態は、要介護1と2の2つに区分されています。", "要介護認定を受けた場合は、介護保険と医療保険のどちらを適用するかは、薬局と患者の相談で決めます。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n本患者は62歳であるがパーキンソン病に罹患しているため、介護保険の申請が可能である"} +{"problem_id": "107322", "problem_text": "60歳代の男性が薬剤師会が主催する健康相談会にやってきた。相談内容は以下のとおりである。「昔一緒に働いていた友人が悪性中皮腫っていうがんになった。アスベスト(石綿)が原因だと聞いた。最近、自分も同じような症状がでてきて心配だ。」アスベスト(石綿)による健康被害を疑った薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["潜伏期間が比較的短いため、友人と働いていた時期がいつなのかを確認した。", "友人と働いていた場所が、工事現場などの曝露のおそれがある場所なのか確認した。", "呼吸困難、咳、胸痛などの自覚症状があるか確認した。", "飛沫感染によって他人にうつすおそれがあることを説明した。", "吸い込んだアスベスト(石綿)による一過性の炎症反応のため、心配いらないと説明した。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nアスベストによる健康被害の潜伏期間は、非常に長い(15〜40年間)。2:正\nアスベストに曝露する可能性が高い場所として、アスベストを含む建築物を解体する工事現場などがある。アスベストによる健康被害かどうかを確認する上で、昔、働いていた場所がアスベストに暴露する可能性がある場所なのかを確認する必要がある。3:正\nアスベストによる健康被害の自覚症状として、呼吸困難、咳、胸痛な��が現れる。4:誤\nアスベストによる健康被害は、感染症によるものではないため、飛沫感染しない。5:誤\nアスベストによる中皮腫の可能性があるため、医療機関を受診するように勧める必要がある。"} +{"problem_id": "107323", "problem_text": "この男性に医療機関への受診勧奨を行ったところ、「今でも年金でぎりぎりの生活をしているのに治療費まで出せないよ」と言われ、薬剤師は、「アスベストが原因での病気の治療は、公費負担医療制度の対象になる可能性がある」と説明した。公費負担医療制度の内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["税金を基礎として医療費給付を行う。", "高額な医療が必要と判断された場合に利用する。", "国や地方自治体が運用する。", "社会保険方式による制度である。", "保険薬局であれば、どこでも取り扱うことができる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n公費負担医療制度は、公的責任において医療を実施し、税金を基礎として医療費給付を行う。2:誤\n高額な医療が必要と判断される場合に利用される制度は、高額療養費制度である。3:正\n公費負担医療制度は、国や地方自治体が運用する制度である。4:誤\n公費負担医療制度は、社会保険方式(加入者からの保険料を主な財源として行われる方式)による制度ではない。5:誤\n保険薬局で公費負担医療制度による調剤を行うためには、各法(戦傷病者特別援護法、原子爆弾被害者救護法、感染症法、生活保護法、石綿健康被害救済法、児童福祉法、母子保健法、障害者自立支援法)に基づく指定を受けなければならない。"} +{"problem_id": "107324", "problem_text": "63歳女性。10年ほど前から股関節の痛みを感じ、整形外科を受診し変形性股関節症と診断された。処方1の薬剤の服用で様子を見ていたが、症状が悪化し、杖なしでは歩けなくなったため、医師から人工股関節置換術を勧められ入院して手術を受けることになった。患者が入院する病院Diagnosis Procedure Combination(DPC)制度対象病院で、手術後から処方2の薬剤を服用予定である。問 324(実務) この患者への処方2に関する服薬指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["手術後に傷口の血の流れをよくして治りを早くする薬です。", "この薬は人工股関節置換術後に起こる合併症の予防のために使用します。", "手術後病室に戻ったらすぐに服用を始めてもらいます。", "この薬の服用中はグレープフルーツジュースを服用しないでください。", "あざができたり、歯ぐきから出血したら、すぐに教えてください。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n人工股関節置換術では、術後合併症として、脱臼、感染、静脈血栓塞栓症を生じることがある。術後の静脈血栓塞栓症を予防する目的で第Xa因子を選択的に阻害するエドキサバンを用いることがある。2:正\n解説1参照\n3:誤\n本剤を人工股関節置換術の合併症を予防する目的で投与する場合には、手術後12時間を経過し、手術創等からの出血がないことを確認する必要がある。4:誤\n本剤の消失には、主にP糖タンパク質が関わっており、CYP3A4による代謝はわずかであることから、小腸のCYP3A4を阻害するグレープフルーツジュースの服用を避ける必要はない。5:正\n本剤は、副作用としてあざができたり、歯ぐきからの出血を起こすことがあるため、出血傾向が認められたら、担当の医師、薬剤師に伝えるよう説明する必要がある。"} +{"problem_id": "107325", "problem_text": "服薬指導の際に、患者から入院費用について質問を受けた。手術を受ける病院での公的医療保険制度での医療費の支払いに関する説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["手術前に患者が希望すれば、医療費の支払いを全額出来高払いに変更できる。", "人工股関節置換術の入院基本料は医療費の包括払いのため入院日数の上限が決まっている。", "入院中に服用する処方1と処方2の薬剤費は医療費の包括払いに含まれている。", "退院後のリハビリテーション料は医療費の包括払いに含まれている。", "個室への入院を希望する場合は差額ベッド代が必要になる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nDiagnosis Procedure Combination(DPC)制度とは、包括評価部分(入院基本料、検査、画像診断、投薬、��射、リハビリテーションに伴い使用された薬剤、1000点未満の処置等)と出来高評価部分(医学管理、手術、麻酔、放射線治療、リハビリテーション等)の合計額により、診療報酬の額を算定する制度である。よって、DPC制度の対象となる疾患の場合、患者の希望により医療費の支払いを全額出来高払いに変更することはできない。2:誤\n人工股関節置換術の入院基本料は包括評価部分に該当し、算定期間(特定入院期間)が定められているが、これを超過した場合、出来高払いとなる(入院日数に上限は設けられていない)。3:正\n解説1参照\n4:誤\n解説1参照\n5:正\n個室への入院や入院中の食事などは、DPC制度の包括対象外であるため、個室への入院を希望する場合には、差額ベッド代が必要となる。"} +{"problem_id": "107326", "problem_text": "67歳女性。身長156cm、体重52kg。2型糖尿病、持続性心房細動及び高血圧症で自宅近くの病院に通院し、以下の薬剤を服用している。15日前の定期受診時の血清クレアチニン値は0.92mg/dL、eGFR47.0mL/min/1.73m^{2}であった。気温30^{\\circ} C以上の中、庭の草刈りを行っていたところ、頭痛とめまいの症状が出てきたため、今回来院した。そこで、脱水症と診断され、入院して酢酸リンゲル液を投与することとなった。(来院時所見) :意識は清明。体温36.8^{\\circ} C、血圧128mmHg、脈拍数108拍/分、尿量20mL/h (検査値) 赤血球数 359\\times 10^{4}/\\micro L、Hb 13.4g/dL、Ht 40%、白血球数 3,700/\\micro L 血小板数 17\\times 10^{4}/\\micro L、BUN 53mg/dL、血清クレアチニン値 1.2mg/dL eGFR 35.1mL/min/1.73m^{2}、Na 145mEq/L、K 5.6mEq/L、CL 105mEq/L この患者の持参薬のうち、薬剤師が入院時に服用中止を提案する薬剤として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メトホルミン塩酸塩錠", "オルメサルタン口腔内崩壊錠", "ビソプロロールフマル酸塩錠", "リバーロキサバン錠", "ランソプラゾール口腔内崩壊錠"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nメトホルミン塩酸塩服用中に脱水症状が現れた場合には、乳酸アシドーシスを起こしやすくなるため、投与を中止するなどの適切な処置を行う必要がある。2:正\nオルメサルタンは、高カリウム血症を増悪させる可能性があるため、高カリウム血症の患者に対しては治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けることとされている。3:誤\nビソプロロールフマル酸塩は、脱水時にも使用することが可能である。4:誤\nリバーロキサバンは、中等度の腎機能障害のある患者に投与すると血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するため、腎機能の程度に応じて10m1日1回に減量することとされている。本症例ではリバーロキサバンは減量されており、服用を中止する必要はない。5:誤\nランソプラゾールは、脱水時にも使用することが可能である。"} +{"problem_id": "107327", "problem_text": "67歳男性。身長 160cm、体重 50kg。パフォーマンスステータス(PS)0、非ホジキンリンパ腫に対する全身化学療法として、リツキシマブとベンダムスチンの併用療法を検討している。本治療開始前に、薬剤師が確認又は提案する事項として、適切なのはどれか。2つ選べ。(検査値) :総ピリルビン 1.0mg/dL、AST 21IU/L、ALT 17IU/L、BUN 22.9mg/dL 血清クレアチニン値 1.2mg/dL、赤血球数 216\\times 10^{4}/\\micro L 白血球数 3,750/\\micro L、好中球数 1,880/\\micro L、Hb 11.3g/dL 血小板数 21.4\\times 10^{4}/\\micro L", "choices": ["前投与薬として抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤が処方されていることを確認する。", "リツキシマブの減量を提案する。", "ベンダムスチン塩酸塩の減量を提案する。", "EGFR遺伝子変異が陽性であることを確認する。", "腫瘍崩壊症候群のリスク評価の実施を提案する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nリツキシマブ(遺伝子組換え)は、重大な副作用としてinfusion reaction(インフルエンザ様・アナフィラキシー様症状)を起こすことがあるため、リツキシマブを投与する際には、infusion reactionを軽減させるために、本剤投与30分前に抗ヒスタミン薬、解熱鎮痛剤、副腎皮質ステロイド性薬を前投与する。2:誤\nB細胞性非ホジキンリンパ腫にリツキシマブを用いる場合、「通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量 375mg/m^{2}を1週間間隔で点滴静注する。他の抗悪性腫瘍��と併用する場合は、併用する抗悪性腫瘍剤の投与間隔に合わせて、1サイクルあたり1回投与する。維持療法に用いる場合は、通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m^{2}を点滴静注する。」とされており、設問の投与量は適切である。3:誤\n抗CD20抗体とベンダムスチンを併用する場合、「通常、成人には、ベンダムスチン塩酸塩として90mg/m^{2}(体表面積)を1日1回10分又は1時間かけて点滴静注する。投与を2日間連日行い、26日間休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。」とされており、設問の投与量は適切である。4:誤\nリツキシマブ(遺伝子組換え)は、CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫に用いられるため、CD20抗原の検査を行う必要があるが、EGFR遺伝子変異が陽性であることを確認する必要はない。5:正\nリツキシマブ(遺伝子組換え)、ベンダムスチン塩酸塩は共に重大な副作用として腫瘍崩壊症候群を起こすことがあるため、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど腫瘍崩壊症候群のリスク評価の実施を提案することは適切である。"} +{"problem_id": "107328", "problem_text": "45歳女性。身長152cm、体重40kg。アルコールの慢性的な大量摂取に伴う慢性肝炎治療のため、これまで入退院を繰り返してきた。今回、Child-Pugh分類でB(8点)の肝硬変と診断され、治療目的のため入院となった。(入院時の検査値等) 脳症II度、腹水 2L、総ビリルビン 2.5mg/dL、血清アルブミン 3.0g/dL、PT-INR2.0、AST 85IU/L、ALT 80IU/L、\\gamma -GTP 21IU/L、アンモニア420ng/dL、血清クレアチニン値0.7mg/dL、eGFR 71.0mL/min/1.73m^{2}、Na 142mEq/L、K 4.8mEq/L (入院時の持参薬) レボカルニチン内用液 プレドニゾロン錠 ウルソデオキシコール酸錠 ラクツロースシロップ レバミピド錠 脳症及び腹水貯留の改善が思わしくないことから、追加を提案する薬剤として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ラクチトール水和物散", "バンコマイシン散", "リファキシミン錠", "トルバプタン錠", "アセタゾラミド錠"], "text_only": true, "answer": ["解なし"], "comment": "1:誤\nラクチトールは、大腸内の細菌により利用・分解された結果、生成した短鎖脂肪酸による腸管内pH低下作用、腸管輸送能の亢進作用等により腸管内アンモニアの生成・吸収を抑制するため、非代償性肝硬変に伴う高アンモニア血症の治療に用いられる。本剤は持参薬であるラクツロースと同様の作用があるため、追加を提案する薬剤として不適切である。2:誤\nバンコマイシンは、感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)に用いられるが、肝性脳症、肝硬変に伴う腹水には用いられない。3:正\nリファキシミンは、抗菌作用を有しており、肝性脳症における高アンモニア血症の治療に用いられる。4:誤\nトルバプタン錠は、水利尿作用を有しており、ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留に用いられるが、持参薬に利尿薬が含まれていないため、追加を提案する薬剤として不適切である。5:誤\nアセタゾラミドは、肝硬変等の進行した肝疾患又は高度の肝機能障害のある患者に投与すると血中アンモニア濃度が上昇し、肝性昏睡を誘発するおそれがあるため、投与しないこととされている。"} +{"problem_id": "107329", "problem_text": "45歳女性。人間ドッグで膵がんの疑いを指摘され、大学病院を受診し、検査の結果、膵がん(遠隔転移あり)と診断された。1次化学療法としてFOLFIRINOX療法による治療を開始するにあたり、遺伝子多型を検査したところ、UGT1A1*6ヘテロ接合体であった。初回投与(1コース目)は以下の投与量で実施した。その後、下痢(1日2回程度)が見られたが、止瀉薬を内服することで対応可能であった。しかし、血液検査の結果、2コース目の化学療法は1週間延期された。(入院時の検査値等) 脳症II度、腹水 2L、総ビリルビン 2.5mg/dL、血清アルブミン 3.0g/dL、PT-INR2.0、AST 85IU/L、ALT 80IU/L、\\gamma -GTP 21IU/L、アンモニア420ng/dL、血清クレアチニン値0.7mg/dL、eGFR 71.0mL/min/1.73m^{2}、Na 142mEq/L、K 4.8mEq/L (1コース目投与量) FOLFIRINOX オキサリプラチン点滴静注(85mg/m^{2}) イリノテカン塩酸塩水和物点滴静注(180mg/m^{2}) フルオロウラシル急速静注(400mg/m^{2}) フルオロウラシル持続静注(2,400mg/m^{2}) レボホリナートカルシウム水和物点滴静注(200mg/m^{2}) (2コース目投与予定日の血液検査値) :総ビリルビン1.1mg/dL、AST 24IU/L、ALT 22IU/L、BUN 22.9mg/dL、血清クレアチニン値0.9mg/dL、赤血球数270\\times 10^{4}/\\micro L、白血球数1,690/\\micro L、好中球数820/\\micro L、:Hb12.2g/dL、血小板数21.4\\times 10^{4}/\\micro L (2コース目投与予定日から1週間延期した日の血液検査値) :総ビリルビン0.8mg/dL、AST 27IU/L、ALT 23IU/L、BUN 18.5mg/dL、血清クレアチニン値 0.5mg/dL、赤血球数355\\times 10^{4}/\\micro L、白血球数4,230/\\micro L、好中球数1,910/\\micro L、Hb13.6g/dL、血小板数28.6\\times 10^{4}/\\micro L 2コース目投与予定日から1週間延期した日の血液検査結果をもとに、カンファレンスを実施した。薬剤師が医師に提案する内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イリノテカン塩酸塩水和物を減量して投与する。", "レボホリナートカルシウム水和物を減量して投与する。", "化学療法当日に人血小板濃厚液を投与し、イリノテカン塩酸塩水和物は初回と同量で投与する。", "化学療法当日にG-CSF製剤を投与し、イリノテカン塩酸塩水和物は初回と同量で投与する。", "今回も化学療法は延期する。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "FOLFIRINOX療法では、2コース目以降の投与条件(好中球数、血小板数)を満たさなかった場合、好中球数が1,500/\\micro L以上、血小板数が75,000/\\micro L以上へ回復するまでは投与を延期するとともに、投与再開時には「減量基準」、「減量時の投与量」を参考に、投与再開時に減量することとされている。本症例では、2コース目投与予定日の血液検査値の好中球数が820/\\micro Lとなっているため、投与を延期する必要がある。また、2コース目投与予定日から1週間延期した日の血液検査値の好中球数1,910/\\micro Lとなっているため、投与再開することが可能となる。副作用として、好中球減少が認められた(下記の①〜④)場合には、イリノテカンを優先的に減量する(ただし、イリノテカン塩酸塩水和物の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、イリノテカン塩酸塩水和物と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)こととされている。① 2コース目以降の投与可能条件をみたさず投与を延期\n② 500/\\micro L未満が7日以上持続\n③ 感染症又は下痢を併発し、かつ1000/\\micro L未満\n④ 発熱性好中球減少症\n上記のことより、本症例ではイリノテカン塩酸塩水和物を減量して投与することが適切である。"} +{"problem_id": "107330", "problem_text": "48歳女性。体重60kg。原因不明の急性腎不全で入院し、腹膜透析導入となった。腹膜透析カテーテル挿入術を終え、入院3日目より透析液Aで腹膜透析を開始した。入院10日目に除水効果のより高い透析液Bに変更して30分ほど経過した時点で、両下肢に広範囲にわたる皮疹と呼吸困難をともなう急激な血圧低下を認めた。なお、入院の10日前より開始したスクロオキシ水酸化鉄チュアブル錠の服用を継続している。両下肢の皮疹を認めた直後に調べた血液検査で好酸球数が増加していた。主治医から薬剤師への相談に対し、今回の有害事象に関連する提案として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["スクロオキシ水酸化鉄に対するアレルギー反応が疑われるため、一時的に同薬剤の使用を中止する。", "透析液変更による反応と考えられることから、透析液Bにブドウ糖を追加して浸透圧を透析液Aと合わせる。", "透析液Bのイコデキストリンに対するアレルギー反応が疑われるため、透析液BからAに再度変更する。", "アドレナリンを静注する。", "トシリズマブを静注する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "本症例では、透析液Aを透析液Bに変更し、30分ほど経過した時点で、両下肢に広範囲による皮疹と呼吸困難を伴う急激な血圧低下が認められ、また、両下肢の皮疹を認めた直後の血液検査で好中球が増加していることから透析液Bによりアレルギー反応が現れたと考えられる。1:誤\nスクロオキシ水酸化鉄チュアブル錠は、入院10日前より服用していることからスクロオキシ水酸化鉄がアレルギー反応を起こしたとは考えにくい。2:誤\n透析液変更によるアレルギー反応であると考えられるため、透析液Bにブドウ糖を追加して透析液Aと浸透���を合わせることは不適切である。3:正\n前記参照\n4:正\n透析液Bの使用により呼吸困難、血圧低下が認められているため、気管支拡張作用、血管収縮作用を示すアドレナリンを静注することは適切である。5:誤\n透析液Bのアレルギー反応に対して関節リウマチの治療に用いられるトシリズマブを静注することは不適切である。"} +{"problem_id": "107331", "problem_text": "63歳男性。体重58kg。頻脈性不整脈を契機に発症したうっ血性心不全に対し、先月より開始した処方1に処方2が今回追加されることとなり、3日後と8日後の診察が予約された。処方2開始当日朝の検査値等は以下のとおりであった。(検査値及び所見) 血清中ピルシカイニド濃度 0.5ng/mL、クレアチニンクリアランス 90mL/min、K 4.0mEq/L、血圧140/92mmHg、心電図異常なし ピルシカイニド、ジゴキシンの有効血中濃度域は、それぞれ0.2〜0.9ng/mL、0.5〜1.5ng/mL、本患者における消失半減期はそれぞれ5時間、36時間とする。以下の記述のうち、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ジゴキシン追加にあたり、患者の消化器症状に注意する。", "3日後の診察時にジゴキシンの治療薬物モニタリング(TDM)を実施する。", "スピロノラクトンが併用されているためジゴキシンの血中濃度上昇に注意を払う。", "ピルシカイニドのTDMは月に1回程度とする。", "血清カリウム濃度の上昇に注意する。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:適切である\nジゴキシンを服用することで消化器症状(悪心・嘔吐、食欲不振、下痢等)を起こすことがある。2:適切でない\n一般に治療薬物モニタリング(TDM)は、血中濃度が定常状態到達後に行う。ジゴキシンの半減期が36時間であることから、定常状態に到達するまで144〜180時間(半減期\\times 4〜5倍時間)要するため、8日後の診察時にジゴキシンのTDMを実施することが望ましい。3:適切である\nスピロノラクトンは、ジゴキシンの腎からの排泄を低下させるため、血中ジゴキシン濃度が上昇することがある。4:適切である\n5:適切である\nスピロノラクトンは、抗アルドステロン薬であり、血清カリウム値を上昇させることがあるため、不整脈等の症状に注意して使用する必要がある。"} +{"problem_id": "107332", "problem_text": "43歳女性。入院精査の結果、右乳がんのため、術前化学療法としてAC療法が開始となった。外来化学療法室の担当薬剤師が2コース目の治療開始前に患者と面談し、1コース目終了後の有害反応として、確認すべき症状はどれか。2つ選べ。", "choices": ["口内炎", "霧視", "爪囲炎", "嘔気", "皮膚の乾燥"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "乳がんの術前化学療法として行われるAC療法(ドキソルビシン塩酸塩とシクロホスファミド水和物の併用療法)では、確認すべき副作用として脱毛、白血球減少、悪心・嘔吐、口内炎などがある。"} +{"problem_id": "107333", "problem_text": "33歳男性。B型慢性肝炎治療中。交通事故で病院に搬送された。この患者の血液で汚染された物品等と、消毒に適用されるものの組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nクロルヘキシジングルコン酸塩は、低水準消毒薬に該当し、医療用拡大鏡レンズに使用できるが、B型肝炎ウイルスには無効である。2:正\nグルタラールは、高水準消毒薬に該当し、手術用器具に使用でき、B型肝炎ウイルスに有効である。3:正\n次亜塩素酸ナトリウムは、中水準消毒薬に該当し、病室の床に使用でき、B型肝炎ウイルスに有効である。4:誤\nポビドンヨードは、中水準消毒薬に該当し、B型肝炎ウイルスに有効な場合があるが、物品等の消毒には使用しない(主に生体表面の消毒に使用される)。5:誤\nベンザルコニウム塩化物は、低水準消毒薬に該当し、搬送用ストレッチャーに使用できるが、B型肝炎ウイルスには無効である。"} +{"problem_id": "107334", "problem_text": "精神神経科医師より統合失調症治療薬パリペリドンパルミチン酸エステルを処方したいので採用してほしいとの申請が医薬品情報室に提出された。本剤については、過去に安全性速報が発出されている。そこで、本剤の採用にあたり、医薬品情報担当薬剤師による対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["直ちに精神���経科に安全性速報の内容を情報提供し、追って院内にも周知するよう努める。", "パリペリドンパルミチン酸エステル水懸筋注が処方される患者・家族に安全性速報の内容を含めて説明する。", "調剤室の掲示板に目立つように安全性速報を掲示し、調剤業務に役立てる。", "急激な精神興奮などの治療を要する患者への使用に限るよう院内に周知する。", "リスペリドン持効性懸濁注射液を使用中の患者リストを作成の上、医師と共有し、パリペリドンパルミチン酸エステル水懸筋注への今後の変更について検討する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "パリペリドンパルミチン酸エステルは、統合失調症治療薬として用いられる持効性懸濁注射液である。本剤は安全性速報として、使用するにあたり次の3点について注意喚起された。・急激な精神興奮等の治療や複数の抗精神病薬の併用を必要とするような不安定な患者には使用しないこと\n・本剤及びリスペリドンの主活性代謝物はパリペリドンであるので、リスペリドン持効性懸濁注射液から本剤への切替えにあたっては、過量投与にならないよう、用法・用量に注意すること\n・パリペリドンまたはリスペリドンでの治療経験がない場合は、まず、一定期間経口パリペリドン又は経口リスペリドンを投与して症状が安定していることを確認した後、これら経口剤を併用せずに本剤を開始すること\n1:適切である\n医薬品を採用するにあたり、医薬品情報を収集し、院内全体に周知する必要がある。2:適切である\n安全性速報が発出されている医薬品が処方された場合、患者、家族に対して安全性速報の内容を含めて説明する必要がある。3:適切である\n4:不適切である\nパリペリドンパルミチン酸エステルは、安全性速報において急激な精神興奮などの治療を要する患者へ使用しないよう注意喚起されている。5:適切である\nリスペリドン持効性懸濁注射液から本剤に切り替える際、用法・用量に注意が必要であるため、リスペリドン持効性懸濁注射液を使用中の患者リストを作成した上で、医師と共有し、パリペリドンパルミチン酸エステル水懸筋注への今後の変更について検討する必要がある。"} +{"problem_id": "107335", "problem_text": "原疾患に対して用いられる薬物が、併発症の欄に記載されている疾患を有する場合であっても使用可能なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nカルベジロールは\\alpha \\beta 受容体遮断薬であり、気管支平滑筋を収縮させることがあるため、気管支喘息を併発している患者に投与することができない。2:誤\nチキジウム臭化物は抗コリン薬であり、眼圧を上昇させることがあるため、閉塞隅角緑内障を併発している患者に投与することができない。3:誤\nクエチアピンフマル酸塩は、著しい血糖値の上昇から糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等を起こすことがあるため、糖尿病を併発している患者に投与することはできない。4:正\nベルベリン塩化物は、下痢症に用いられ、低カリウム血症を併発している患者に使用することが可能である。5:誤\nミラベグロンは、副作用として心拍数増加やQT延長等を起こすことがあるため、重篤な心疾患を併発している患者に投与することはできない。"} +{"problem_id": "107336", "problem_text": "3歳男児。家族で登山に行き、大量の汗をかいた。当日の夕方に帰宅後、首の周りや額に赤みを伴った小さな丘疹が現れた。以前も汗を大量にかいた後には首の周りに同様の症状が現れたことがあり、今回も赤くなった部位に同時に強いかゆみも出現したため父親が近隣の薬局を訪れて相談した。相談された薬剤師は、男児にアレルギー歴がないことを確認し、店頭にある一般用医薬品の外用薬の中から今回の症状を緩和させる医薬品を選択した。選択した医薬品の成分として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アシクロビル", "ジフェンヒドラミン塩酸塩、酸化亜鉛、グリチルレチン酸", "ナイスタチン、クロラムフェニコール、フラジオマイシン硫酸塩", "インドメタシン、トコフェロール酢酸エステル、アルニカチンキ", "ベタメタゾン吉草酸エステル"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "本男児は、汗を大量にかいた後に首の周りや額に赤みを伴った小さな丘疹が現れていることから、抗ヒスタミン薬、副腎皮質ステロイド性薬、収斂・保護成分、かゆみを抑える成分、抗炎症成分が含有された一般用医薬品を使用することが適切である。1:誤\nアシクロビルを含有する一般用医薬品の外用薬は、口唇ペルペスの再発抑制に用いられるため、本男児に推奨する成分として適切ではない。2:正\nジフェンヒドラミン塩酸塩、酸化亜鉛、グリチルレチン酸を含有する一般用医薬品の外用薬は、あせも、かぶれ、湿疹、かゆみ等の皮膚症状に用いられるため、本男児に推奨する成分として適切である。3:誤\nナイスタチン、クロラムフェニコール、フラジオマイシン硫酸塩を含有する一般用医薬品の外用薬は、化膿性皮膚疾患に用いられるため、本男児に推奨する成分として適切ではない。4:誤\nインドメタシン、トコフェロール酢酸エステル、アルニカチンキを含有する一般用医薬品の外用薬は、肩こりに伴う肩の痛み、腰痛、筋肉痛に用いられるため、本男児に推奨する成分として適切ではない。5:誤\nベタメタゾン吉草酸エステルを含有する一般用医薬品の外用剤は、あせも、かぶれ、湿疹、かぶれ等に用いられるが、皮膚の薄い顔への使用は推奨されないため、本男児に推奨する成分として適切ではない。"} +{"problem_id": "107337", "problem_text": "月齢5ヶ月、体重7.4kgの患児に以下の処方が出された。患児の保護者への坐薬の使用方法の説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["固くなるので、冷蔵庫は避けて部屋の棚の中などで保管してください。", "容器から坐剤を取り出した後、図1のように先端から肛門内に深く挿入してください。", "半分にする場合は、図2のように切ってください。", "挿入してから4〜5秒、肛門部をティッシュ等で押さえてください。", "2時間経過しても効果がない場合は、すぐに1回分を追加してください。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nアセトアミノフェン坐剤小児用は、冷暗所に保存する必要がある。2:正\n容器から坐剤を取り出した後、太い方から肛門内に深く挿入する。3:誤\n半分にする場合には、坐剤を斜めに切断する。4:正\n挿入してから、しばらくの間(4〜5秒程度)肛門部をティッシュ等で押さえる必要がある。5:誤\n投与間隔は4〜6時間以上とし、1日総量として60mg/kgを限度とする。"} +{"problem_id": "107338", "problem_text": "10歳男児。体重30kg。1週間前より微熱と咳嗽があり、近医を受診した。感冒との診断を受け、咳止めと解熱剤を処方されて帰宅した。2、3日前より咳嗽と喀痰が次第に強くなり、微熱も持続するため再度受診し胸部レントゲン検査を実施したところ炎症所見が観察され、大学病院へ搬送入院となった。入院後PCR検査の結果、マイコプラズマ肺炎の診断を受けた。以下が入院日の処方である。薬剤師が訪室し、母親に服薬指導を実施することになった。服薬指導する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1を内服する場合、水で飲めない場合にはジュースやヨーグルトでもよい。", "処方1と処方2を一緒に内服すると苦味が強くなる可能性があるため、間隔をあけて飲ませる。", "処方2は、痰が出なくなったら中止してもよい。", "処方3を吸入中は、顔色や呼吸の様子に注意を払い、気分が悪くなったり呼吸が苦しくなったりしたら中止する。", "処方3の1回の吸入終了後も、咳がひどいようであれば、直ちに2回分吸入を実施してもよい。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nクラリスロマイシンシロップ用は、酸性飲料(オレンジジュース、スポーツ飲料)で服用するとコーティングが溶けてしまい苦味が現れることがあるため、酸性飲料で服用することを避けることが望ましい。2:正\nカルボシステインドライシロップ用は、口腔内を酸性にするため、クラリスロマイシンシロップ用と同時服用しないことが望ましい。3:誤\nカルボシステインは、去痰作用に加え、気道炎症抑制作用があるため、痰が出なくなったあとも継続して服用する必要がある。4:正\nサルブタモール硫酸塩吸入液は、吸入することによりショック、アナフィラキシーを生じることがあるため、吸入している間、顔色や呼吸の様子に注意を払い、気分が悪くなったり呼吸が苦しくなったりしたら中止する。5:誤\nサルブタモール硫酸塩吸入液は、過度に使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあり、特に発作発現時の吸入投与の場合には使用が過度になりやすいので、用法・用量を守る必要がある。"} +{"problem_id": "107339", "problem_text": "次の薬物について、治療薬物モニタリング(TDM)を実施する上での適切な採血のタイミングと、中毒域に達した場合に起こり得る副作用(中毒症状)の組合せとして、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nタクロリムス水和物を腎移植に用いる場合、採血のタイミングは次回投与直前のトラフ値であり、その副作用には腎障害がある。2:誤\nテイコプラニンを敗血症に用いる場合、採血のタイミングは次回投与直前のトラフ値であり、sの副作用には、腎障害、聴覚障害がある。3:誤\nポリコナゾールを肺アスペルギルス症状に用いる場合、採血のタイミングは次回投与直前のトラフ値であり、その副作用には、肝障害、視覚障害、消化器症状がある。4:正\nバルプロ酸ナトリウムをてんかんに用いる場合、採血のタイミングは次回投与直前のトラフ値であり、その副作用には、意識障害、運動失調、鎮静がある。5:誤\nメトトレキサートを骨肉腫に用いる場合、投与後24時間、48時間、72時間であり、その副作用には、骨髄抑制、腎障害、肝障害がある。"} +{"problem_id": "107340", "problem_text": "6月に健康サポート薬局の薬剤師が地域住民を対象に健康相談会を開催したところ、参加者から食中毒に関する質問が多く寄せられた。その質問に対して薬剤師は衛生管理を含めた助言を行った。その内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["下痢が続いている間は、経口補水液の摂取を控えてください。", "鮮度が落ちたサバ等の青魚を食べると、じん麻疹などのアレルギー症状がでるので注意してください。", "サルモネラ菌による食中毒を予防するため、十分に加熱調理しましょう。", "腸管出血性大腸菌O157は、食品を一度冷凍・自然解凍することで死滅させることができます。", "特に夏季はノロウイルスが原因となる食中毒が多いので、貝類を食べるのは控えてください。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n下痢が続いている場合、体内の電解質や水分が失われることがあるため、糖分、電解質を含む経口補水液を摂取するように促す必要がある。2:正\n鮮度が落ちたサバ等には、ヒスチジンの脱炭酸反応により生じるヒスタミンが多く含まれている。そのため、鮮度が落ちたサバ等の青魚を食べると、じん麻疹などのアレルギー症状が現れることがあるので注意する必要がある。3:正\nサルモネラ菌は感染型食中毒を起こす菌であり、加熱により死滅するため、サルモネラ菌による食中毒を予防するために加熱調理することは有効である。4:誤\n腸管出血性大腸菌O157は、食品を冷凍しても死滅しない。5:誤\n特に冬季(11月〜3月)はノロウイルスが原因となる食中毒が多いので、貝類を食べる際にはしっかり中心部まで加熱する必要がある。"} +{"problem_id": "107341", "problem_text": "以下の処方により調製された薬剤を鑑査するにあたり、分包紙の重さを含む薬剤の全量を秤量した時の正しい重量はどれか。1つ選べ。ただし1包量が0.1g以下の場合は、1包あたり0.2gの乳糖を賦形することとし、分包紙は0.5g/包とする。", "choices": ["15.4g", "16.8g", "19.6g", "21.6g", "22.4g"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "ロートエキス散10%には1g中に100mgの有効成分が含まれており、1回の製剤量は10mg/100mg\n/g=0.1gとなる。1包量が0.1g以下の場合は、1包あたり0.2gの乳糖を賦形することとなっているため、1包あたり0.2gの乳糖を賦形する必要がある。また、分包紙は0.5g/包となっているため、下記のように分包紙の重さを含む薬剤の全量の重量を求めることができる。(薬剤の重さ0.1g+乳糖の重さ0.2g+分包紙の重さ0.5g)包\\times (2包/日\\times 14日)=22.4g"} +{"problem_id": "107342", "problem_text": "8歳女児、体重30.0kg。発熱のため近医を受診し、以下の内容の処方箋を薬局に持参した。母親が水剤を希望したため処方医に相談し、アセトアミノフェンシロップ小児用2%へ変更となった。調剤時に計量するアセトアミノフェンシロップ小児用2%の全量として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["7.5 mL", "15 m", "45 mL", "75 mL", "150 mL"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "◉アセトアミノフェンドライシロップ小児用20%(200mg/g)の全成分量を求める。製剤全量=1.5g/回\\times 5回=7.5g\n全成分量=7.5g\\times 200mg/g=1500mg\n◉アセトアミノフェンシロップ小児用2%(20mg/mL)の全量を求める。全量mL\\times 20mg/mL=1500mg 全量mL=75mL"} +{"problem_id": "107343", "problem_text": "65歳男性。意識障害により経口摂取困難となったため、非経口投与による栄養管理を開始することになった。主治医より高カロリー輸液の処方設計の依頼があり、以下の処方提案をした。この高カロリー輸液の非タンパク質カロリー/窒素量(NPC/N)を150にするための脂肪乳剤の液量Xに最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["60", "150", "275", "550", "690"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "非タンパク質カロリー/窒素量(NPC/N)は、(ブドウ糖によるカロリー(kcal)+脂肪乳剤によるカロリー(kcal))/窒素量(g)で求めることができる。◉ブドウ糖によるカロリーを求める。50%ブドウ糖含有基本液20%、400mL中にはブドウ糖が400mL\\times 0.5g/mL=200g含まれる。ブドウ糖によるカロリーは、200g\\times 4 kcal/g(糖質のAtwater係数)=800 kcalとなる。◉窒素の量を求める\n設問に総窒素量9gと記載されている。◉XmLを求める\n上記より、NPC/Nが150となる脂肪乳剤によるカロリーを以下のように求めることができる\nNPC/N =(ブドウ糖によるカロリー+脂肪乳剤によるカロリー)/窒素量\n150=(800+脂肪乳剤によるカロリー)/9\n脂肪乳剤によるカロリー=550kcal\nまた、脂肪乳剤は1mLで2kcalのエネルギーがあるため、XmL\\times 2kcal/mL=550より、Xは275mLとなる。"} +{"problem_id": "107344", "problem_text": "53歳男性。入院中に発症した頻脈性不整脈に対して以下の処方が開始となった。4日後、朝服用して2時間後に血中濃度を測定すると920ng/mLとなっていた(目標域: 800ng/mL以下)。なお、患者のeGFRは30mL/min/1.73m^{2}であり、肝機能値は正常範囲内であった。この症例に対する薬剤師が医師に行う提案として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["徐脈や血圧低下の可能性があるため、脈拍数と血圧をモニターする。", "低血糖が現れる可能性があるため、血糖値を測定する。", "PQの延長やQRS幅の増大などの心電図異常が認められる可能性があるため、心電図をモニターする。", "腎機能に応じた投与量の減量をする。", "過量投与への対応として5%ブドウ糖液とフロセミドを使用する。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "シベンゾリンはVaughan Williams分類Ia群の抗不整脈薬であり、Na^{+}チャネルを遮断することにより活動電位の立ち上がり0相を抑制する。また、K^{+}チャネルを遮断することにより活動電位持続時間と不応期を延長する。そのため、シベンソリンを服用することにより徐脈、血圧低下、PQ延長、QRS幅の増大などが現れることがある。1:正しい\n2:正しい\nシベンゾリンは、副作用として低血糖を起こすことがあるため、血糖値を測定する必要がある。3:正しい\n4:正しい\nシベンゾリンは、腎消失型薬物であり、患者のeGFRは30mL/min/1.73m^{2}、血中濃度が目標域よりも高いことから、腎機能に応じた投与量を決定すべきである。5:誤っている\n過量投与への対応として乳酸ナトリウムを必要に応じカリウムとともに持続注入する。また、心抑制症状に対しては必要に応じてドパミン、ドブタミン、イソプレナリン等の投与を行い、低血糖のみ現れている場合は、ブドウ糖の投与を行うが、フロセミドの投与は行わない。"} +{"problem_id": "107345", "problem_text": "65歳男性。農作業で薬剤散布中、突然、呼吸困難を訴えたため救急搬送された。家族が持参した褐色ビンの貼付ラベルから商品名は読み取れず、一般名はイソフルロフェートと記載があった。なお、構造式は以下のとおりであることが判明した。薬物中毒が疑われる本症例に対して用いる最も適切な解毒薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬用炭", "チオ硫酸ナトリウム", "プラリドキシムヨウ化物", "フルマゼニル", "ジメルカプロール"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "イソフルロフェート(フルオスチグミン)は、構造中にP=Oが含まれ��いることからオキソン型の有機リン系殺虫剤である。オキソン型の有機リン系殺虫剤は、コリンエステラーゼのセリン残基の水酸基をリン酸化することでその機能を不可逆的に阻害する。有機リン系殺虫剤の解毒には、プラリドキシムヨウ化物(コリンエステラーゼのリン酸化エステル結合を切断することでコリンエステラーゼを回復させる)や抗コリン作用を有するアトロピンが用いられる。"} +{"problem_id": "108001", "problem_text": "下図は水の状態図である。アからイへの矢印が表す相変化はどれか。1つ選べ。", "choices": ["融解", "凝縮", "昇華", "凝固", "蒸発"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "図のアの状態は水蒸気であり、図のイの状態は水であることから、ア\\rightarrow イの変化では気相\\rightarrow 液相へ変化している。気相\\rightarrow 液相の変化では「凝縮」が認められる。なお、固相\\rightarrow 液相の変化では「融解」、液相\\rightarrow 固相の変化では「凝固」、液相\\rightarrow 気相への変化では「蒸発」、固相\\rightarrow 気相への変化では「昇華」、気相\\rightarrow 固相への変化では「凝華」が認められる。"} +{"problem_id": "108002", "problem_text": "反応1と反応2が共役して起こる反応3の平衡定数Kの値を、反応1と反応2それぞれの平衡定数であるK_{1}、K_{2}で表したのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["K=K_{1}+K_{2}", "K=K_{1}-K_{2}", "K=K_{1}\\times K_{2}", "K=K_{1}/K_{2}", "K=K_{2}/K_{1}"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "平衡定数K_{1}、K_{2}、Kを下記の式で表すことができる。"} +{"problem_id": "108003", "problem_text": "白金線を用いた炎色反応で黄赤(橙)色を呈し、その溶液に炭酸アンモニウム試液を加えるとき、白色の沈殿を生じる金属イオンはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Ca^{2+}", "Ba^{2+}", "Cu^{2+}", "Al^{3+}", "K^{+}"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n白金線を用いた炎色反応において、Ca^{2+}は黄赤(橙)色を呈する。また、Ca^{2+}溶液に炭酸アンモニウム試液を加えると、白色の沈殿を生じる。2:誤\n白金線を用いた炎色反応において、Ba^{2+}は黄緑色を呈する。また、Ba^{2+}溶液に希硫酸を加えると、白色の沈殿を生じる。3:誤\n白金線を用いた炎色反応において、Cu^{2+}は青緑色を呈する。また、Cu^{2+}溶液に少量のアンモニア試液を加えると、淡青色の沈殿を生じる。4:誤\nAl^{3+}は白金線を用いた炎色反応を示さない。5:誤\n白金線を用いた炎色反応において、K^{+}は淡紫色を呈する。K^{+}の中性溶液に少量の酒石酸水素ナトリウム試液を加えると、白色の結晶性沈殿を生じる。"} +{"problem_id": "108004", "problem_text": "日本薬局方容量分析用標準液0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液の標定に用いられる標準試薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["I_{2}", "NaI", "KI", "KIO_{4}", "KIO_{3}"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "標定では、容量分析用標準液と標準試薬を反応させ、ファクターf(規定された濃度からのずれの度合い)を決定する。容量分析用標準液0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液の標定には、標準試薬としてヨウ素酸カリウム(KIO_{3})が用いられる。"} +{"problem_id": "108005", "problem_text": "血清試料の前処理において、除タンパクに用いる酸として最も適しているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["塩酸", "硝酸", "硫酸", "過塩素酸", "乳酸"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "血清試料の前処理において、除タンパクする際には、かさ高い酸(過塩素酸、トリクロロ酢酸など)が用いられる。"} +{"problem_id": "108006", "problem_text": "日本薬局方収載医薬品の化学名(2S)-2-Amino-4-methylpentanoic acidに対し、正しい構造式はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "108007", "problem_text": "メソ体でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "108008", "problem_text": "基原が根皮の生薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ボタンピ", "ケイヒ", "コウボク", "オウバク", "トチュウ"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n牡丹皮(ボタンピ)は、ボタンの根皮を基原とする。2:誤\n桂皮(ケイヒ)は、Cinnamomum cassiaの樹皮又は周皮の一部を除いた樹皮を基原とする。3:誤\n厚朴(コウボク)は、ホオノキなどの樹皮を基原とする。4:誤\n黄柏(オウバク)は、キハダなどの周皮を除い��樹皮を基原とする。5:誤\n杜仲(トチュウ)は、トチュウの樹皮を基原とする。"} +{"problem_id": "108009", "problem_text": "以下のカルボニル化合物の反応のうち、主生成物に不斉炭素が生じるのはどれか。1つ選べ。ただし、すべての反応は終了後、適切な後処理を施していることとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "108010", "problem_text": "マグネシウムに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["マグネシウムイオンは、カルシウムイオンに比べてイオン半径が小さい。", "マグネシウムイオンは、ルイス酸としてATPのリン酸基と結合する。", "空気中で金属マグネシウムが燃焼すると、酸化マグネシウムとなる。", "マグネシウムは、典型元素である。", "酸化マグネシウムは、酸性酸化物である。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n一般に同族の元素は、周期表で下にいく(原子番号が大きいもの)ほど、原子半径が大きい。マグネシウムとカルシウムは、ともに2族元素であり、マグネシウム(原子番号: 12)は、カルシウム(原子番号: 18)よりも原子半径が小さい。また、こられがイオン化すると、マグネシウムはネオン(原子番号: 10)と、カルシウムはアルゴン(原子番号: 18)と同一の電子配置をとるため、マグネシウムイオンは、カルシウムイオンよりもイオン半径が小さい。2:正しい\nマグネシウムイオンは空軌道を有しており、電子対を受け取ることができるため、ルイス酸としてATPのリン酸基と配位結合する。3:正しい\n4:正しい\nマグネシウムは、2族に属する典型元素である。5:誤っている\n酸化マグネシウムは、水に溶けると弱アルカリ性を呈することから、塩基性酸化物である。"} +{"problem_id": "108011", "problem_text": "下図は、人体骨格の模式図である。1~5のうち、仙骨はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1: 胸骨:2: 鎖骨:3: 尺骨:4: 仙骨:5: 坐骨"} +{"problem_id": "108012", "problem_text": "下図は、ヒトの脳の正中矢状断面図である。1〜5のうち、血圧調節をつかさどる心臓血管中枢(血管運動中枢とも呼ぶ)を含むのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "ヒトの脳の正中矢状面図の中心には、脳幹が示される。脳幹は延髄(選択肢5)、橋、中脳(選択肢2)から構成され、延髄は呼吸、心拍数、血圧などの自律神経機能を調節するための重要な役割を担う。血圧調節をつかさどる心臓血管中枢も延髄(選択肢5)に存在し、血管の収縮や弛緩を調節することに関与している。なお、選択肢1: 頭頂葉、選択肢3: 後頭葉、選択肢4: 小脳である。"} +{"problem_id": "108013", "problem_text": "アポトーシス細胞の細胞表面に露出してマクロファージによる貪食を促すホスファチジルセリンはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nコレステロールの構造である。2:誤\nトリアシルグリセロールの構造である。3:誤\nリノール酸(18: 2(\\Delta 9、12))の構造である。4:誤\nスフィンゴミエリンの構造である。5:正\nホスファチジルセリンの構造である。"} +{"problem_id": "108014", "problem_text": "サイクリックAMP(cAMP)の結合により活性化されるリン酸化酵素はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アデニル酸シクラーゼ", "cAMPホスホジエステラーゼ(PDEIII)", "プロテインキナーゼA", "プロテインキナーゼB(Akt)", "プロテインキナーゼC"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "サイクリックAMP(cAMP)は、細胞内シグナル伝達において重要な役割を果たすセカンドメッセンジャーであり、細胞膜上の受容体に結合するホルモンや神経伝達物質によって産生され、細胞内のプロテインキナーゼAというタンパク質リン酸化酵素を活性化することで、様々な細胞内反応を引き起こす。"} +{"problem_id": "108015", "problem_text": "自然免疫系に認識される、グラム陰性菌に特徴的な構造はどれか。1つ選べ。", "choices": ["フラジェリン", "ペプチドグリカン", "リポ多糖(LPS)", "二本鎖RNA(dsRNA)", "\\beta -グルカン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "自然免疫は、身体の外から侵入してくる病原体に対する初期の防御機構であり、病原体に対して非特異的な応答を引き起こし、病原体の分��構造に応じたパターン認識受容体(PRR)を介して病原体を認識する。グラム陰性菌は、外膜にリポ多糖を含んでおり、リポ多糖は、病原性に関与し、自然免疫によって認識される。具体的には、リポ多糖は、Toll様受容体4(TLR4)を介して炎症性サイトカインの産生を誘導する。この炎症応答は、グラム陰性菌に対する免疫応答であり、細胞外液の炎症性サイトカインの放出を引き起こす。"} +{"problem_id": "108016", "problem_text": "感染症法^{*}において、「動物又はその死体、飲食物、衣類、寝具その他の物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれがある感染症」に分類されるのはどれか。1つ選べ。^{*}感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律", "choices": ["性器クラミジア感染症", "デング熱", "マイコプラズマ肺炎", "麻しん", "流行性耳下腺炎"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "感染症法において、「動物又はその死体、飲食物、衣類、寝具その他の物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれがある感染症」は、四類感染症である。四類感染症には、デング熱、マラリア、鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9は除く)、A型肝炎、E型肝炎、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ジカウイルス感染症などがある。"} +{"problem_id": "108017", "problem_text": "下図は、我が国における2017年から2021年までの業務上疾病の発生状況を示したものである。Aに該当する疾病はどれか。1つ選べ。", "choices": ["手指前腕の障害及び頸肩腕症候群", "熱中症", "振動障害", "騒音性難聴", "災害性腰痛"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "2019年までは、Aの割合が最も多いことから、Aは「災害性腰痛」であると考えられる。2019年までは業務上疾病(職業病)として災害性腰痛が最も多かったが、2020年以降、「新型コロナウイルス感染症」により、災害性腰痛が業務上疾病(職業病)の2位となっている。業務上疾病における災害性腰痛とは、腰にうけた外傷によって生じる腰痛のほか、外傷はないが、突発的な急激な痛みが原因となって筋肉等の損傷により発生する腰痛のことである。"} +{"problem_id": "108018", "problem_text": "食品の水分活性を表す式として正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、Pは食品を入れて密封した容器内の水蒸気圧、P_{0}はその温度における純水の飽和蒸気圧を表す。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "食品中には、食品成分と結合した結合水と、微生物が利用可能な自由水が含まれている。水分活性は、自由水の含有量を示す尺度であり、下記の式で表される。水分活性が高いほど微生物が増殖しやすいため、腐敗を防止する方法として、水分活性を低下させる方法(糖漬、塩漬、乾燥など)が有効である。"} +{"problem_id": "108019", "problem_text": "保健機能食品制度において、栄養機能食品として栄養機能表示ができない食品成分はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ナトリウム", "n-3系脂肪酸", "カルシウム", "パントテン酸", "ビタミンA"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "栄養機能食品とは、特定の栄養成分の補給のために利用される食品であり、栄養成分の機能を表示するものである。栄養機能食品として栄養機能表示ができる食品成分には、脂肪酸(n-3系)、ミネラル(亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム)、ビタミン(ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB_{1}、ビタミンB_{2}、ビタミンB_{6}、ビタミンB_{12}、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、\\beta -カロテン(\\beta -カロテン: ビタミンAと同様の栄養機能表示を認める))がある。"} +{"problem_id": "108020", "problem_text": "耐熱性芽胞を形成する偏性嫌気性細菌で、大型の深鍋で調理したカレーやシチューによる食中毒の原因となるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["黄色ブドウ球菌", "カンピロバクター・ジェジュニ/コリ", "サルモネラ属菌", "腸炎ビブリオ", "ウェルシュ菌"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "耐熱性芽胞を形成する偏性嫌気性細菌で、大型の深鍋で調理したカレーやシチューによる食中毒の原因となるのは、ウェルシュ菌である。ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)は偏性嫌気性菌であり、食肉、魚介類に存在しており、鍋底が���気的になりやすい大型鍋を用いて加熱処理しても死滅しない。このことから、大型鍋を用いて調理した場合、ウェルシュ菌による食中毒が発生しやすい。"} +{"problem_id": "108021", "problem_text": "生態系を構成する生物のうち、独立栄養生物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["一次消費者", "二次消費者", "高次消費者", "分解者", "生産者"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "生態系を構成する生物として、独立栄養生物と従属栄養生物が存在する。独立栄養生物とは、外部から有機物を摂取することなく、無機物からエネルギーと栄養を得る生物であり、生産者(植物など)は独立栄養生物に該当する。また、従属栄養生物とは、他の生物から有機物を取り込んで栄養を得る生物であり、消費者(一次消費者、二次消費者、高次消費者)、分解者などは従属栄養生物に該当する。"} +{"problem_id": "108022", "problem_text": "ある海域の海水中の化学物質Aの濃度は5\\times 10^{-8}mg/Lであり、この海域に生息するシャチの体内から検出された化学物質Aの濃度は1\\times 10^{-3}mg/kgであった。このときの生物濃縮係数に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、海水の比重は1.0と近似できるものとする。", "choices": ["5\\times 10^{-5}", "5\\times 10^{-3}", "1\\times 10^{1}", "2\\times 10^{2}", "2\\times 10^{4}"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "生物濃縮とは、環境中に存在する化学物質が食物連鎖などにより蓄積され、濃縮される現象のことであり、生物濃縮の程度を示す値として、濃縮係数が用いられる。海水の比重が1.0(1L=1kg)であることから、シャチにおける化学物質Aの濃縮係数を下記にように求めることができる。"} +{"problem_id": "108023", "problem_text": "近年、我が国において水道の水源として年間取水量が最も多いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["河川水", "伏流水", "ダム水", "湖沼水", "井戸水"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "水道水源の種類には、ダム水、河川水、湖沼水、伏流水、井戸水などがある。その中でも近年、我が国において水道の水源として年間取水量が最も多いのは「ダム水」である。"} +{"problem_id": "108024", "problem_text": "水質汚濁指標である溶存酸素量(DO)の測定法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["インドフェノール法", "ウインクラー法", "エチレンジアミン四酢酸(EDTA)による滴定法", "硝酸銀滴定法(モール法)", "ピリジン・ピラゾロン法"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "水質汚濁指標である溶存酸素量(DO)は、ウインクラー法により測定される。1:誤\nインドフェノール法は、アンモニア態窒素の測定に用いられる。2:正\n3:誤\nエチレンジアミン四酢酸(EDTA)による滴定法は、総硬度の測定に用いられる。4:誤\n硝酸銀滴定法は、塩化物イオン(Cl^{-})の測定に用いられる。5:誤\nピリジン・ピラゾロン法は、シアン化合物の測定に用いられる。"} +{"problem_id": "108025", "problem_text": "病院薬剤部において高カロリー輸液を調製する際に排出される廃棄物のうち、感染性廃棄物と同等の取扱いとするのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["輸液バッグのゴム栓のアルコール消毒に用いたガーゼ", "輸液バッグへ薬液を添加するのに用いた注射筒", "輸液バッグへ薬液を添加するのに用いた注射針", "輸液バッグへ添加する薬液を取って空になったバイアル", "調製時に用いたディスポーザブル手袋"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "廃棄物処理法において、注射針のような鋭利な廃棄物は、感染性の有無にかかわらず、感染性廃棄物として取扱う。よって、輸液バッグへ薬液を添加するのに用いた注射針は、血液等が付着していなくても、感染性廃棄物と同等の取扱いとする。"} +{"problem_id": "108026", "problem_text": "タキフィラキシーに関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["短時間の反復投与による薬物に対する反応性の増強", "短時間の反復投与による薬物に対する反応性の減弱", "長期間の反復投与による薬物に対する反応性の増強", "長期間の反復投与による薬物に対する依存性の獲得", "長期薬物投与後の休薬による薬物に対する反応性の増強"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "タキフィラキシーとは、短時間のうちに薬物を反復投与することで反応性が減弱する現象のことである。タキフィラキシー���起こす薬には、チラミン、エフェドリン、アンフェタミンなどがある。"} +{"problem_id": "108027", "problem_text": "麻酔下のラットに低用量のアセチルコリン(5\\microg/kg)を静脈内投与すると、急速に血圧が下降したが、アトロピン(1mg/kg)を静脈内投与後に高用量のアセチルコリン(500\\microg/kg)を静脈内投与すると、血圧が上昇した。アトロピン投与後の高用量のアセチルコリンによる血圧上昇に関係するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセチルコリンM_{1}受容体", "アセチルコリンM_{2}受容体", "アセチルコリンM_{3}受容体", "アセチルコリンN_{N}受容体", "アセチルコリンN_{M}受容体"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "アセチルコリンを低用量(5\\microg/kg)で静脈内投与すると、アセチルコリンが血管内皮細胞のムスカリンM_{3}受容体に結合し、Gqタンパク質を介して一酸化窒素合成酵素が活性化され、血圧が低下する。それに対して、アトロピン(1mg/kg)を静脈内投与後に高用量のアセチルコリン(500\\microg/kg)を静脈内投与すると、アトロピンによりムスカリン作用が遮断され、主にアセチルコリンN_{N}受容体刺激による交感神経系の興奮が認められ、血圧が上昇する。"} +{"problem_id": "108028", "problem_text": "抗うつ薬デュロキセチンの作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["セロトニン5-HT_{1A}受容体遮断", "セロトニン5-HT_{2A}受容体遮断", "アドレナリン\\alpha _{2}受容体遮断", "セロトニン及びグルタミン酸の再取り込み阻害", "セロトニン及びノルアドレナリンの再取り込み阻害"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "デュロキセチンは、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬であり、セロトニン及びノルアドレナリンの再取り込み阻害することで、抗うつ作用、脊髄における下降性疼痛抑制系を賦活化する作用を有する。"} +{"problem_id": "108029", "problem_text": "シクロオキシゲナーゼを不可逆的に阻害する抗炎症薬はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "選択肢2: アセチルサリチル酸(アスピリン)は、シクロオキシゲナーゼ(COX)をアセチル化し、不可逆的に酵素活性を阻害する。1:誤\nアセトアミノフェンの構造である。アセトアミノフェンは、視床下部の体温調節中枢に作用し解熱作用を示す。また、視床と大脳皮質の痛覚閾値を上昇させることにより鎮痛作用を示す。2:正\n3:誤\nイブプロフェンの構造である。イブプロフェンは、COXを可逆的に阻害し、解熱鎮痛抗炎症作用を示す。4:誤\nメサラジンの構造である。メサラジンは、炎症性細胞から放出される活性酸素を消去し、炎症を抑制する。また、ロイコトリエンB_{4}(LTB_{4})の生合成を抑制し、炎症性細胞の組織への浸潤を抑制する。5:誤\nサリチル酸ナトリウムの構造である。サリチル酸ナトリウムは、COXを可逆的に阻害し、解熱鎮痛抗炎症作用を示す。"} +{"problem_id": "108030", "problem_text": "スプラタストの抗アレルギー作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヒスタミンH_{1}受容体遮断", "Th2サイトカイン産生抑制", "トロンボキサン合成酵素阻害", "5-リポキシゲナーゼ阻害", "セロトニン及びノルアドレナリンの再取り込み阻害"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "スプラタストは、Th2細胞のIL-4、IL-5の産生を抑制し、IgE抗体産生抑制作用、好酸球浸潤抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "108031", "problem_text": "心室筋の活動電位持続時間を延長させる可能性が最も高い抗不整脈薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ジソピラミド", "リドカイン", "メキシレチン", "ピルシカイニド", "プロパフェノン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nジソピラミドは、Vaughan Williams分類におけるIa群の抗不整脈薬に該当しており、活動電位持続時間を延長させる。2:誤\nリドカイン、メキシレチンは、Vaughan Williams分類におけるIb群の抗不整脈薬に該当しており、活動電位持続時間を短縮させる。3:誤\n解説2参照\n4:誤\nピルシカイニド、プロパフェノンは、Vaughan Williams分類におけるIc群の抗不整脈薬に該当しており、活動電位持続時間に影響を与えない。5:誤\n解説4参照"} +{"problem_id": "108032", "problem_text": "心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体を刺激する心不全治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["コルホルシンダロパート", "���モベンダン", "カルペリチド", "ミルリノン", "イバブラジン"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nコルホルシンダロパートは、心筋および血管平滑筋において、アデニル酸シクラーゼを直接活性化し、cAMP濃度を上昇させることにより心筋収縮力を増大させるとともに血管拡張作用を示し、後負荷を軽減する。2:誤ピモベンダンは、心筋のトロポニンCのCa^{2+}に対する感受性を増大させる。また、ホスホジエステラーゼIIIを阻害することで、心収縮力を増大させる。3:正\nカルペリチドは、血管および腎臓の心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体に結合し、膜結合型グアニル酸シクラーゼを活性化することで細胞内のcGMPを増加させ、血管拡張、利尿作用を示す。4:誤\nミルリノンは、ホスホジエステラーゼIIIを阻害し、細胞内のcAMPを増加させることにより心筋収縮力を増大させる。5:誤\nイバブラジンは、過分極活性化環状ヌクレオチド依存性チャネルを阻害し、活動電位の拡張期脱分極相における立ち上がり時間を延長させ、心拍数を減少させる。"} +{"problem_id": "108033", "problem_text": "血小板のADP P2Y_{12}受容体の遮断により、血小板凝集抑制作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シロスタゾール", "サルポグレラート", "チカグレロル", "オザグレル", "ベラプロスト"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nシロスタゾールは、血小板内でホスホジエステラーゼIII(PDEIII)を特異的に阻害し、cAMP濃度を増加させることにより血小板凝集抑制作用を示す。2:誤\nサルポグレラートは、5-HT_{2}受容体遮断作用により血小板凝集抑制作用を示す。3:正\nチカグレロルは、ADP P2Y_{12}受容体の ADP結合部位とは異なる部位に結合し、血小板のP2Y_{12} 受容体のシグナル伝達を遮断することで血小板凝集抑制作用を示す。4:誤\nオザグレルは、血小板のトロンボキサン(TX)合成酵素を阻害し、TXA_{2}の生合成を抑制することで血小板凝集抑制作用を示す。5:誤\nベラプロストは、プロスタグランジンI_{2}受容体に結合し、血管平滑筋及び血小板のアデニル酸シクラーゼを活性化することによりcAMPを上昇させ、血管拡張作用、血小板凝集抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "108034", "problem_text": "前立腺肥大に伴う排尿障害を改善するタダラフィルの作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ホスホジエステラーゼV阻害", "アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断", "アドレナリン\\beta _{3}受容体刺激", "アセチルコリンM_{3}受容体刺激", "コリンエステラーゼ阻害"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "タダラフィルは、ホスホジエステラーゼVを阻害し、前立腺及び膀胱平滑筋、並びに下部尿路血管の平滑筋内のcGMPの濃度を上昇させ、前立腺平滑筋を弛緩させるとともに血管拡張を介した血流増加作用により前立腺肥大症に伴う排尿障害の症状を緩和する。"} +{"problem_id": "108035", "problem_text": "H^{+},K^{+}-ATPaseを不可逆的に阻害し、胃酸分泌を抑制するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エソメプラゾール", "ファモチジン", "ピレンゼピン", "ミソプロストール", "テプレノン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nエソメプラゾールは、胃酸により活性化された後、プロトンポンプ(H^{+},K^{+}-ATPase)のSH 基と不可逆的に結合し、胃酸分泌を抑制する。2:誤\nファモチジンは、胃壁細胞の基底膜にあるヒスタミンH_{2}受容体を遮断し、ヒスタミンによる胃酸分泌を抑制する。3:誤\nピレンゼピンは、迷走神経に存在するM_{1}受容体を選択的に遮断することにより胃壁細胞からの胃酸分泌を抑制する。4:誤\nミソプロストールは、プロスタグランジンE_{1}誘導体であり、プロスタノイドEP受容体を刺激し、胃酸分泌抑制作用、粘液分泌促進作用、粘膜血流増加作用を示す。5:誤\nテプレノンは、PGE_{2}、PGI_{2}の生合成を促進することにより、粘液分泌促進作用、粘膜血流増加作用、胃酸分泌抑制作用を示す。"} +{"problem_id": "108036", "problem_text": "ロペラミドの止瀉作用に関わる作用点はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ドパミンD_{2}受容体", "オピオイド\\micro受容体", "アセチルコリンM_{1}受容体", "セロトニン5-HT_{3}受容体", "ヒスタミンH_{2}受容体"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ロペラミドは、腸管の副交感神経終末にあるオピオイド\\micro受容体を刺激し、アセチルコリンの遊離を抑制することで腸管運動を抑制する。"} +{"problem_id": "108037", "problem_text": "キサンチンオキシダーゼを阻害することで、尿酸の生合成を低下させるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ブコローム", "ベンズブロマロン", "ドチヌラド", "トピロキソスタット", "ラスブリカーゼ"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nブコロームは、尿酸の再吸収を抑制し、尿酸排泄促進作用を示す。2:誤\nベンズブロマロンは、尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害し、尿酸の再吸収を抑制することで尿中への尿酸排泄を促進する。3:誤\nドチヌラドは、尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害し、尿酸の再吸収を抑制することで尿中への尿酸排泄を促進する。4:正\nトピロキソスタットは、キサンチンオキシダーゼを非競合的に阻害し、尿酸の生合成を阻害する。5:誤\nラスブリカーゼは、尿酸を酸化し、過酸化水素とアラントインに分解することで血中尿酸値を低下させる。"} +{"problem_id": "108038", "problem_text": "LDL受容体に対するプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)の結合を阻害する脂質異常症治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["コレスチミド", "エゼチミブ", "ロミタピド", "エボロクマブ", "ロスバスタチン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nコレスチミドは、胆汁酸の腸肝循環を抑制し、肝臓でのコレステロールから胆汁酸への異化を促進することで肝細胞膜のLDL受容体を増加させる。2:誤\nエゼチミブは、小腸壁のコレステロールトランスポーターであるNPC1L1に結合し、コレステロールの吸収を選択的に阻害する。3:誤\nロミタピドは、肝細胞、小腸上皮細胞の小胞体内腔に存在するミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質(MTP)に結合することで脂質輸送を阻害する。その結果、肝細胞でのVLDL、小腸上皮細胞でのキロミクロンの形成を阻害する。4:正\nエボロクマブは、ヒト抗PCSK9モノクローナル抗体製剤であり、LDL受容体分解促進タンパク質であるPCSK9に高い親和性を示し、PCSK9のLDL受容体への結合を阻害することでLDL受容体の分解を抑制する。5:誤\nロスバスタチンは、HMG-CoA(3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA)をメバロン酸に変換する酵素であるHMG-CoA還元酵素を阻害し、肝細胞内でのコレステロール合成を抑制する。"} +{"problem_id": "108039", "problem_text": "デガレリクスの抗前立腺がん作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アンドロゲン受容体遮断", "エストロゲン受容体刺激", "GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)受容体遮断", "アロマターゼ阻害", "5\\alpha -還元酵素阻害"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "デガレリクスは、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)受容体を遮断することで黄体形成ホルモン(LH)・卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を抑制し、抗前立腺がん作用を示す。"} +{"problem_id": "108040", "problem_text": "緑内障治療薬ブリモニジンの作用機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["プロスタノイドEP_{2}受容体刺激", "プロスタノイドFP受容体刺激", "アドレナリン\\alpha _{2}受容体刺激", "アセチルコリンM_{3}受容体刺激", "Rhoキナーゼ阻害"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ブリモニジンは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激し、房水産生の抑制及びぶどう膜強膜流出路を介した房水流出促進作用により眼圧を低下させる。"} +{"problem_id": "108041", "problem_text": "担体介在輸送がミカエリス・メンテン(Michaelis-Menten)式に従うとき、薬物の輸送速度(v)を表す式はどれか。1つ選べ。ただし、薬物濃度をC、最大輸送速度をV_{max}、ミカエリス定数をK_{m}とする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "担体輸送(能動輸送、促進拡散)における速度は、ミカエリス・メンテン(Michaelis-Menten)式に従う。"} +{"problem_id": "108042", "problem_text": "胃内容排出速度を低下させる薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["リボフラビン", "プロパンテリン", "メトクロプラミド", "ドンペリドン", "モサプリド"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "胃内容排出速度を低下させる薬物は、プロパンテリンである。プロパンテリンは、抗コリン作用により消化管運動を抑制するため、胃内容排泄速度低下作用を示す。なお、選択肢3: メトクロプラミド、4: ドン���リドン、5: モサプリドは消化管運動促進作用を示すため、胃内容排出速度を増大させる。"} +{"problem_id": "108043", "problem_text": "血液脳関門の実体である細胞はどれか。1つ選べ。", "choices": ["神経細胞", "周皮細胞(ペリサイト)", "星状膠細胞(アストロサイト)", "脈絡叢上皮細胞", "脳毛細血管内皮細胞"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "血液脳関門は、血液と脳の間に存在する関門であり、その実体となる細胞は、脳毛細血管内皮細胞である。脳毛細血管内皮細胞は、密着結合することで脳への異物の移行を制御する血液脳関門として働いている。なお、選択肢4の脈絡叢上皮細胞は、血液脳脊髄液関門の実体である。"} +{"problem_id": "108044", "problem_text": "カルボキシルエステラーゼにより加水分解を受ける薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "カルボキシルエステラーゼは、エステル構造を加水分解する酵素である。選択肢1のテモカプリルは構造中にエステル構造を有しているため、カルボキシルエステラーゼにより加水分解され、活性体のテモカプリラートとなる。"} +{"problem_id": "108045", "problem_text": "イヌリンの主な腎排泄過程として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["糸球体ろ過", "近位尿細管における分泌", "近位尿細管における再吸収", "遠位尿細管における分泌", "遠位尿細管における再吸収"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "イヌリンは、主に糸球体ろ過により消失する。なお、イヌリンは、近位尿細管における分泌、再吸収、遠位尿細管における再吸収を受けないため、腎臓における糸球体ろ過機能の測定に用いられる。"} +{"problem_id": "108046", "problem_text": "線形1-コンパートメントモデルに従う薬物を静脈内投与したとき、投与量に比例するパラメータはどれか。1つ選べ。", "choices": ["分布容積", "消失半減期", "消失速度定数", "全身クリアランス", "血中濃度時間曲線下面積"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "薬物の体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う場合、血中濃度時間曲線下面積は、体内に移行した薬物量を推定するために用いられる値であり、投与量に比例する。なお、分布容積、消失半減期、消失速度定数、全身クリアランスは、薬物固有の値であり、投与量に依存しない一定の値を示す。"} +{"problem_id": "108047", "problem_text": "肝代謝型の薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["セファクロル", "ゲンタマイシン", "メトトレキサート", "プロプラノロール", "レボフロキサシン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "プロプラノロールは、非選択的\\beta 受容体遮断薬であり、主に肝代謝により消失する。なお、セファクロル(セフェム系抗菌薬)、ゲンタマイシン(アミノグリコシド系抗菌薬)、メトトレキサート(葉酸代謝拮抗薬)、レボフロキサシン(ニューキノロン系抗菌薬)は腎消失型薬物である。"} +{"problem_id": "108048", "problem_text": "薬物血中濃度を指標とした治療薬物モニタリング(TDM)の対象とならないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ジゴキシン", "メトホルミン", "バルプロ酸", "リチウム", "バンコマイシン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "メトホルミンは、経口血糖降下薬であり、治療薬物モニタリング(TDM)の対象とならない。なお、ジゴキシン(強心薬)、バルプロ酸(抗てんかん薬)、リチウム(抗躁病薬)、バンコマイシン(グリコペプチド系抗菌薬)は治療薬物モニタリング(TDM)の対象となる。"} +{"problem_id": "108049", "problem_text": "粉体の流動性を改善するために、大きくすべき物性値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["かさ比容積", "安息角", "かさ密度", "内部摩擦係数", "空隙率"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nかさ比容積は、空隙を含む粉体層の容積のことであり、この値が大きいと、粉体の粒子径が小さくなり、粉体の流動性が低下する。2:誤\n安息角は、粉体や粒子の物質が自然に堆積してできる最大の角度を示す物理的な指標であり、この値が大きいと、粉体の流動性は低下する。3:正\nかさ密度は、空隙を含む粉体層の密度のことであり、この値が大きいと、粉体の粒子径が大きくなり、粉体の流動性が増加する。4:誤\n内部摩擦係数は、物体内部での摩擦の度合いを表す物理���な指標であり、この係数が大きいと、粉体の流動性が低下する。5:誤\n空隙率は、粉体層における空隙の割合であり、この値が大きいと、粉体の粒子径が小さくなり、粉体の流動性が低下する。"} +{"problem_id": "108050", "problem_text": "ダイラタント流動を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カルメロースナトリウム溶液", "チンク油", "グリセリン", "デンプン濃厚水性懸濁液", "ヒマシ油"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nカルメロールナトリウム溶液は、1%の場合、準粘性流動を示し、2〜3%の場合、擬塑性流動を示す。2:誤\nチンク油は、塑性流動(ビンガム流動)を示す。3:誤\nグリセリンは、ニュートン流動を示す。4:正\nデンプン濃厚水性懸濁液は、ダイラタント流動を示す。5:誤\nヒマシ油は、ニュートン流動を示す。"} +{"problem_id": "108051", "problem_text": "口腔内で徐々に溶解又は崩壊させ、口腔、咽頭などの局所に適用する口腔用錠剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["舌下錠", "付着錠", "バッカル錠", "トローチ剤", "ガム剤"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n舌下錠は、有効成分を舌下で速やかに溶解させ、口腔粘膜から吸収させる口腔用錠剤である。2:誤\n付着錠は、口腔内に付着させて用いる口腔用錠剤である。3:誤\nバッカル錠は、有効成分を臼歯と頬の間で徐々に溶解させ、口腔粘膜から吸収させる口腔用錠剤である。4:正\nトローチ錠は、口腔内で徐々に溶解又は崩壊させ、口腔、咽頭などの局所に適用する口腔用錠剤である。5:誤\nガム剤は、咀嚼により、有効成分を放出する口腔用錠剤である。"} +{"problem_id": "108052", "problem_text": "吸入粉末剤に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["定量噴霧式である。", "固体粒子のエアゾールとして吸入する。", "噴射剤が充填されている。", "容器は、通例、密封容器とする。", "ネブライザーが適用される。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n吸入エアゾールに関する記述である。吸入エアゾール剤は、噴射剤(ガス)と同時に噴霧された薬剤をタイミング良く吸い合わせる定量噴霧式である。2:正\n吸入粉末剤は、噴射剤が充填されておらず、息を吸い込む際に生じる気流により薬剤を固形粒子のエアゾールとして吸入する製剤である。3:誤\n解説2参照\n4:誤\n吸入エアゾールに関する記述である。なお、吸入粉末剤の容器は、通例、密閉容器である。5:誤\n吸入液剤に関する記述である。吸入液剤を用いる場合、ネブライザーが適用される。"} +{"problem_id": "108053", "problem_text": "o/w型の乳剤性基剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["白色軟膏", "親水ワセリン", "親水クリーム", "単軟膏", "マクロゴール軟膏"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n白色軟膏は、油脂性基剤である。2:誤\n親水ワセリンは、油脂性基剤である。3:正\n親水クリームは、o/w型乳剤性基剤である。4:誤\n単軟膏は、油脂性基剤である。5:誤\nマクロゴール軟膏は、水溶性基剤である。"} +{"problem_id": "108054", "problem_text": "受動的ターゲティングを目的とする製剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["乳酸グリコール酸共重合体微粒子製剤", "浸透圧ポンプ型製剤", "ポリエチレングリコール修飾リポソーム製剤", "抗体薬物複合体製剤", "リザーバー型経皮吸収型製剤"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n乳酸・グリコール酸共重合体は、生体内で加水分解されるため、コントロールリリース型製剤の基剤として用いられる。乳酸・グリコール酸共重合体が基剤として用いられている代表的な製剤として、リュープロレリンなどがある。2:誤\n浸透圧ポンプ型製剤は、薬物層とプッシュ層を放出制御膜で包んだコントロールリリース型製剤であり、水が浸透することによりプッシュ層が膨張し、薬物が放出される。浸透圧ポンプ製剤の代表的な製剤として、メチルフェニデート塩酸塩徐放錠がある。3:正\nポリエチレングリコール修飾リポソーム製剤は、血中滞留性を向上させることで、血管透過性が亢進した腫瘍組織に取り込まれやすくした受動的ターゲティング製剤である。ポリエチレングリコール修飾リポソーム製剤の代表的な製剤として、ドキソルビシン塩酸塩のがん病変部位への集積性を高めたリポソーム製剤がある。4:誤\n抗体薬物複合体製剤���、抗体に薬物を結合させることで薬物を標的に送達させる能動的ターゲティング製剤である。抗体薬物複合体製剤の代表的な製剤として、トラスツズマブ エムタンシンがある。5:誤\nリザーバー型経皮吸収型製剤は、放出制御膜を用いたコントロールドリリース製剤である。リザーバー型経皮吸収型製剤の代表的な製剤として、ニトログリセリン経皮吸収型製剤がある。"} +{"problem_id": "108055", "problem_text": "皮膚表面に微細な針で小孔を形成することにより、高分子薬物の経皮吸収性を改善する手法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["マイクロニードル", "イオントフォレシス", "エレクトロポレーション", "ソノフォレシス", "ジェットインジェクション"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nマイクロニードルは、微細な針により皮膚表面に小孔を形成することで、薬物の経皮吸収性を改善する方法である。2:誤\nイオントフォレシスは、電気的な力を利用してイオン化した物質の経皮吸収性を改善する方法である。3:誤\nエレクトロポレーションは、電気パルスを使用して角膜層に細孔を形成することで、経皮吸収性を改善する方法である。4:誤\nソノフォレシスは、超音波を使用して細胞膜に微細な振動を与えることで、経皮吸収性を改善する方法である。5:誤\nジェットインジェクションは、高速で液体を噴射することで、経皮吸収性を改善する方法である。"} +{"problem_id": "108056", "problem_text": "眼窩部の激痛を特徴とする頭痛はどれか。1つ選べ。", "choices": ["筋緊張性頭痛", "片頭痛", "群発頭痛", "くも膜下出血による頭痛", "脳腫瘍による頭痛"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n緊張性頭痛は、精神的ストレス、痛み、眼精疲労による刺激により引き起こされる筋肉の収縮が原因で起こる頭痛であり、頭が締め付けられているような感覚が現れる。2:誤\n片頭痛は、何らかの要因で血管が急激に拡張することで引き起こされる頭痛であり、中等度から重度の脈打つような痛みやズキズキするような痛みが現れる。3:正\n群発頭痛は、原因は明確ではなく、一度症状が現れると1〜2ヶ月間、毎日ほぼ決まった時間に片方の目の奥に激しい痛みが現れる。4:誤\nくも膜下出血による頭痛は、脳を覆っている軟膜とくも膜の間にあるくも膜腔における出血により引き起こされる頭痛であり、激しい頭痛、意識障害、嘔吐などが現れる。5:誤\n脳腫瘍のよる頭痛は、脳にできた腫瘍により脳が圧迫されることや頭蓋内圧が亢進することで引き起こされる頭痛であり、朝方に強い痛みが現れる。"} +{"problem_id": "108057", "problem_text": "プロトロンビン時間が延長する疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["鉄欠乏性貧血", "抗リン脂質抗体症候群", "播種性血管内凝固症候群(DIC)", "血友病A", "腎性貧血"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "プロトロンビン時間(PT)は、血液凝固因子に関連する指標であり、外因系及び共通系の凝固異常を判定する検査指標として用いられる。また、活性化トロンボプラスチン時間(APTT)も血液凝固因子に関連する指標であり、内因系及び共通系の凝固異常を判定する検査指標として用いられる。播種性血管内凝固症候群(DIC)では、トロンビン及びフィブリンの異常な生成により、血小板及び凝固因子の消費が亢進し、共通系における凝固異常が現れるため、PTの延長、APTTの延長が認められる。なお、血友病Aは、第VIII因子が少なく内因系に異常が現れることから、APTTの延長は認められるが、PTは変化しない。"} +{"problem_id": "108058", "problem_text": "重大な副作用として血栓性血小板減少性紫斑病を起こす可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イコサペント酸エチル", "クロピドグレル硫酸塩", "サルポグレラート塩酸塩", "ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩", "ワルファリンカリウム"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "クロピドグレル硫酸塩は、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の重大な副作用を発現することがあるので、投与開始後2ヶ月間は、2週間に1回程度血液検査等の実施を考慮することとされている。"} +{"problem_id": "108059", "problem_text": "パーキンソン病で認められる特徴的な症状はどれか。1つ選べ。", "choices": ["眼瞼下垂", "口渇", "動作時振戦", "高血圧", "無動"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "パーキンソン病では運動障害、自律神経症状、精神症状・認知機能障害を呈する。"} +{"problem_id": "108060", "problem_text": "遺伝子多型により、フェニトインの体内動態に最も影響を及ぼす代謝酵素はどれか。1つ選べ。", "choices": ["CYP2C9", "NAT2", "CYP2D6", "UGT1A1", "CYP2C19"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "フェニトインは主にCYP2C9により代謝されるため、遺伝子多形によりCYP2C9の活性が低いPM(poor metabolizer)ではフェニトインの代謝速度が低下する傾向にある。"} +{"problem_id": "108061", "problem_text": "特徴的な症状の1つとして、間欠性跛行がみられる疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["閉塞性動脈硬化症", "筋ジストロフィー", "変形性膝関節症", "痛風", "関節リウマチ"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "閉塞性動脈硬化症では、手や足の動脈が狭窄・閉塞して栄養や酸素を十分に供給することができず、手先、足先が冷たくなることや筋肉に痛み生じることがある。本疾患の特徴的な症状として、間欠性跛行(かんけつせいはこう: 一定の距離を歩くと、ふくらはぎなどにうずくような痛みやしびれ・疲労感があって歩行が次第に困難になり、しばらく休息すると治る状態)が認められる。"} +{"problem_id": "108062", "problem_text": "急性膵炎で通常認められる所見はどれか。1つ選べ。", "choices": ["血中ヘモグロビン量の減少", "血中リパーゼ活性の低下", "白血球数の減少", "心窩部痛", "右腕への放散痛"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "急性膵炎は、膵臓の急性炎症であり、アルコール過剰摂取、胆石などにより誘発されることがある。本疾患の最も多い症状として、上腹部痛(心窩部痛など)があり、その痛みが背部まで広がることがある。また、症状が悪化すると、意識障害やショック症状を呈することがある。"} +{"problem_id": "108063", "problem_text": "アジソン病で特徴的に認められる所見はどれか。1つ選べ。", "choices": ["高血圧", "高血糖", "体重増加", "色素沈着", "活動性亢進"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "アジソン病は後天性の慢性副腎皮質機能低下症であり、副腎皮質からのホルモン分泌が低下することにより様々な症状を呈する。・鉱質コルチコイドの分泌低下\\rightarrow 低ナトリウム血症、低血圧、高カリウム血症\n・糖質コルチコイドの分泌低下\\rightarrow 全身倦怠感、易疲労感、体重減少、好中球増加\n・男性ホルモンの分泌低下\\rightarrow 無月経、脱毛、勃起不全\n・上記に示すホルモン分泌の低下によりACTHの分泌増加\\rightarrow 皮膚色素沈着"} +{"problem_id": "108064", "problem_text": "慢性副鼻腔炎の治療に用いられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イソプロピルウノプロストン", "ムピロシンカルシウム水和物", "メトキサレン", "ナフトピジル", "クラリスロマイシン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nイソプロピルウノプロストンは、シュレム管またはぶどう膜強膜の流路抵抗減少による眼房水の排出促進作用を有するため、緑内障の治療に用いられる。2:誤\nムピロシンカルシウム水和物は、細菌のタンパク合成の初期段階において、イソロイシル-tRNA合成酵素-イソロイシン-AMP複合体の生成を阻害し、タンパク質の合成を阻害することで抗菌活性を示す。本剤は、鼻腔内MRSAの除菌に用いられる。3:誤\nメトキサレンは、皮膚の光線過敏性を増強させる作用を有しており、尋常性白斑に用いられる。4:誤\nナフトピジルは、アドレナリン\\alpha _{1D}受容体遮断作用を有しており、前立腺肥大症に伴う排尿障害に用いられる。5:正\nクラリスロマイシンは、マクロライド系抗生物質であり、リボソーム50Sサブユニットに結合し、抗菌活性を示すため、細菌感染症に用いられる。また、免疫調節作用を有するため、気管支拡張症、慢性副鼻腔炎などに対して少量長期間投与することがある。"} +{"problem_id": "108065", "problem_text": "テープ剤が光線過敏症の原因となりやすいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ビソプロロールフマル酸塩", "ケトプロフェン", "オキシブチニン塩酸塩", "硝酸イソソルビド", "ツロブテロール"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ケトプロフェンを含有するテープ剤は、光線過敏症を起こしやすいため、使用中���天候に関わらず、戸外の活動を避けるとともに、日常の外出時も、本剤貼付部を衣服、サポーター等で遮光すること。なお、白い生地や薄手の服は紫外線を透過させる恐れがあるため、紫外線を透過させにくい色物の衣服などを着用すること。また、使用後数日から数ヶ月を経過しても発現することもあるため、使用後も当分の間、同様に注意することとされている。"} +{"problem_id": "108066", "problem_text": "以下は骨肉腫に対するメトトレキサート・ホリナート救援療法の初日の処方例である。副作用回避の目的で用いる薬剤Aとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセタゾラミドナトリウム注", "ピペラシリンナトリウム注", "フィルグラスチム(遺伝子組換え)注", "フロセミド注", "メスナ"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "108067", "problem_text": "マイコプラズマ肺炎の治療に用いられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アシクロビル錠", "イベルメクチン錠", "テビペネムピボキシル細粒", "アジスロマイシン錠", "リネゾリド錠"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "マイコプラズマ肺炎の治療には、第一選択薬としてマクロライド系抗菌薬(クラリスロマイシンなど)、マクロライド系抗菌薬が無効な場合: テトラサイクリン系抗菌薬、ニューキノロン系抗菌薬が用いられる。なお、マイコプラズマには、細胞壁がないため、\\beta -ラクタム系抗菌薬は無効である。"} +{"problem_id": "108068", "problem_text": "脳梗塞後遺症で、興奮症状を伴う場合に用いられる漢方薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["葛根湯", "大建中湯", "抑肝散", "五苓散", "猪苓湯"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n葛根湯は、自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり等を比較的体力のあるものの次の諸症: 感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんましんに用いる。2:誤\n大建中湯は、腹が冷えて、腹部膨満感のあり、腹痛が甚だしいものの次の諸症: 胃下垂、胃アトニー、弛緩性下痢、弛緩性便秘、慢性腹膜炎、腹痛に用いる。3:正\n抑肝散は、虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症: 神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症(かんしょう)に用いる。よって、脳梗塞後遺症で、興奮症状を伴う場合に抑肝散が用いられる。4:誤\n五苓散は、口渇、尿量減少するものの次の諸症: 浮腫、ネフローゼ、二日酔い、急性胃腸カタル、下痢、悪心、嘔吐、めまい、胃内停水、頭痛、尿毒症、糖尿病に用いる。5:誤\n猪苓湯は、尿量減少、小便難、口渇を訴えるものの次の諸症: 尿道炎、腎臓炎、腎石症、淋炎、排尿痛、血尿、腰以下の浮腫、残尿感、下痢に用いる。"} +{"problem_id": "108069", "problem_text": "医療用医薬品の「使用上の注意」改訂を取りまとめた医薬品情報源はどれか。1つ選べ。", "choices": ["医薬品リスク管理計画(RMP)", "重篤副作用疾患別対応マニュアル", "緊急安全性情報", "医薬品安全対策情報(DSU)", "医療用医薬品製品情報概要"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n医薬品リスク管理計画(RMP)は、医薬品の開発から市販後まで一貫したリスク管理をひとつの文書にわかりやすくまとめたものであり、開発段階から安全対策を実施することで、製造販売後の医薬品の安全性の確保を図ることを目的として作成される。2:誤\n重篤副作用疾患別マニュアルは、厚生労働省が重篤度から判断して必要性が高いと考えられる副作用について、包括的にまとめたものである。3:誤\n緊急安全性情報は「イエローレター」ともいわれ、予期せぬ重大な副作用など緊急を要する場合に、厚生労働省の指示により製薬企業が作成し、1ヶ月以内に製薬企業からMR(医薬情報担当者)を通じて医薬関係者に配布・伝達される情報である。4:正\n医薬品安全対策情報: (DSU)は、医療用医薬品添付文書の「使用上の注意」の改訂内容についてまとめた資料である。5:誤\n医療用医薬品製品情報概要は、医薬品の普及と適正使用の推奨を目的として、製薬企業が作製する資料である。"} +{"problem_id": "108070", "problem_text": "全身状態の指標であるパフォーマンスステータス(PS)の値を統計処理する際の、データ尺度はどれか。1つ選べ。", "choices": ["分類尺度", "間隔尺度", "名義尺度", "順序尺度", "比例尺度"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n統計学では、変数をその性質により4つに分類(間隔尺度、名義尺度、順序尺度、比例尺度)する。なお、分類尺度は、統計学の変数の分類には含まれていない。2:誤\n間隔尺度は、量的変数に分類され、目盛が等間隔になっており、間隔に意味があるもの。例: 気温\n3:誤\n名義尺度は、質的変数に分類され、他と区別し分類するためのもの。例: 男女、血液型、学籍番号\n4:正\n順序尺度、大小に意味があるが、間隔には意味がないもの。例: 病気のステージ、効果の段階的評価\n5:誤\n比例尺度は、量的変数に分類され、間隔、比率に意味があるもの。例: 身長、体重"} +{"problem_id": "108071", "problem_text": "薬剤師の任務は薬剤師法第1条に規定されている。この条文の【:::】に当てはまるのはどれか。1つ選べ。「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、【:::】の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。」", "choices": ["医療の質", "地域連携", "公衆衛生", "健康サポート", "薬剤師の経済的利益"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "薬剤師は、調剤、医薬品の供給、その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。【薬剤師法 第1条】"} +{"problem_id": "108072", "problem_text": "長井長義によって世界で初めて単離されたのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["モルヒネ", "エフェドリン", "アトロピン", "サリチル酸", "コカイン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "長井長義は、薬学者であり、漢薬麻黄(まおう)の有効成分塩基であるエフェドリンを世界で初めて単離した。"} +{"problem_id": "108073", "problem_text": "以下のように法律で規定されているのはどれか。1つ選べ。「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」", "choices": ["保健師", "助産師", "看護師", "介護福祉士", "介護支援専門員"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n保健師とは、「厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者」をいう。2:誤\n助産師とは、「厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子」をいう。3:正\n看護師とは、「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」をいう。4:誤\n介護福祉士とは、「介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者」をいう。5:誤\n介護支援専門員(ケアマネジャー)とは、「要介護者や要支援者の人の相談や心身の状況に応じるとともに、サービスを受けられるようにケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)の作成や市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行う者」をいう。"} +{"problem_id": "108074", "problem_text": "製造販売業者が対応すべき医薬品等の品質管理の基準を定めた省令はどれか。1つ選べ。", "choices": ["GCP", "GLP", "GMP", "GQP", "GVP"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nGCP(Good Clinical Practice: 医薬品の臨床試験の実施に係る基準)は、被験者の人権の保護、安全の保持及び福祉の向上を図り、治験の科学的な質及び成績の信頼性を確保するための基準である\n2:誤\nGLP(Good Laboratory Practice: 医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準)は、非臨床試験に関する資料(安全性薬理試験の一部、毒性試験)の信頼性を確保するための基準である。3:誤\nGMP(Good Manufacturing Practice: 医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準)は、医薬品の品質確保のため、製造に当たって、原料の受け入れから最終製品の出荷にいたる全工程について、間違いのない品質の製品を製造するための基準である。4:正\nGQP(Good Quality Practice: 医薬品、医薬部外品、���粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準)は、医薬品等の製造販売業者が製品の出荷時及び出荷後における品質管理を適正に実施するための基準である。5:誤\nGVP(Good Vigilance Practice: 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準)は、医薬品等の製造販売業者がその品質、有効性及び安全性に関する事項や、適正使用のための必要な情報の収集、検討及びその結果に基づく必要な措置に関して遵守すべき事項を定めている。"} +{"problem_id": "108075", "problem_text": "フルオロウラシルとの相互作用により市販直後に多数の死亡例が発生した薬害・事件に関わるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ソリブジン", "サリドマイド", "クロロキン", "キノホルム", "ゲフィチニブ"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "フルオロウラシルとの相互作用により市販直後に多数の死亡例が発生した薬害・事件に関わるのはソリブジンである。1:正\n2:誤\nサリドマイドは、睡眠・鎮静作用のある精神安定剤であり、四肢の発育不全や未発達な状態である四肢奇形児の出生(サリドマイド薬害)を誘発する薬剤である。3:誤\nクロロキンは、抗マラリア薬であり、クロロキン網膜症を誘発する薬剤である。4:誤\nキノホルムは、整腸剤であり、亜急性脊髄視神経症(スモン)を誘発する薬剤である。5:誤\nゲフィチニブは、肺がん治療薬であり、間質性肺炎や急性肺障害を誘発する薬剤である。"} +{"problem_id": "108076", "problem_text": "レギュラトリーサイエンスに関する記述について、【:::】に入る適切な語句はどれか。1つ選べ。「科学技術の成果を人と社会に役立てることを目的に、根拠に基づく的確な予測、評価、判断を行い、科学技術の成果を人と社会との調和の上で最も望ましい姿に【:::】するための科学」 (第4次科学技術基本計画で示された定義より)", "choices": ["置換", "調整", "修飾", "管理", "制限"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "レギュラトリーサイエンスとは、「科学技術の成果を人と社会に役立てることを目的に、根拠に基づく的確な予測、評価、判断を行い、科学技術の成果を人と社会との調和の上で最も望ましい姿に【調整】するための科学」と定義されている。"} +{"problem_id": "108077", "problem_text": "診療報酬の改定の内容に関する、厚生労働大臣の諮問先はどれか。1つ選べ。", "choices": ["医道審議会", "薬事・食品衛生審議会", "国民健康保険団体連合会", "中央社会保険医療協議会", "社会保険診療報酬支払基金"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "診療報酬の改定の内容に関する、厚生労働大臣の諮問先は中央社会保険医療協議会である。1:誤\n医道審議会は、医師、歯科医師、薬剤師等の行政処分や国家試験について審査を行う。2:誤\n薬事・食品衛生審議会は、厚生労働大臣が新医薬品、新医療機器、新再生医療等製品の承認、生物由来製品、特定生物由来製品の指定、日本薬局方の制定及び改定等を行う際の諮問先である。3:誤\n国民健康保険団体連合会は、保険者からの依頼を受けて、主に国民健康保険、後期高齢者医療制度における診療(調剤)報酬の審査・支払いを行う審査支払機関である。4:正\n5:誤\n社会保険診療報酬支払基金は、保険者からの依頼を受けて、主に被用者保険における診療(調剤)報酬の審査・支払いを行う審査支払機関である。"} +{"problem_id": "108078", "problem_text": "薬物療法の経済評価手法である費用効用分析ではアウトカム指標としてQALYを用いる。QALYに加味されている要素はどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者の医療費", "介護に要する費用", "生活の質", "処方薬剤数", "平均寿命"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "費用効用分析とは、治療効果の期待値を質調整生存年(QALY)として表し、その費用対効果を分析する方法である。この分析で用いられる質調整生存年は、生存年数に生活の質(QOL)を数値化した効用値をかけ算したものであり、生活の質(QOL)が加味されている。"} +{"problem_id": "108079", "problem_text": "医療に携わる者の意思決定において重要とされる生命倫理の4原則に含まれないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["自立尊重", "無危害", "善行", "医学の進歩", "正義"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "生命倫理の4原則には���正義の原則(患者を平等かつ公平に扱うこと、利益と負担を適正に配分すること)、自律尊重の原則(医療者が患者の自律的な意思決定を尊重すること)、無害の原則(患者に危害を及ぼさないこと)、善行の原則(医療者が患者に対して利益をもたらす行為をなすこと)が含まれている。"} +{"problem_id": "108080", "problem_text": "他者の価値観に配慮しつつ、自分の欲求、考え、気持ちを適切に表現することを何というか。1つ選べ。", "choices": ["ラポール", "パターナリズム", "アサーション", "ミラーリング", "コーチング"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nラポールとは、人間同士が相互理解の関係にあることである。2:誤\nパターナリズムとは、強い立場の者が弱い立場の者の意志に反して弱い立場の者の利益になるという理由から行動に介入、干渉することである。3:正\nアサーションとは、対立した意見を尊重しつつ、自分自身の考えも表現していく自己主張のことである。4:誤\nミラーリングとは、相手の感情と思考を反射することで信頼などを得るスキルのことである。5:誤\nコーチングとは、相手の話に耳を傾け、観察や質問、ときに提案などして自発的行動を促進するコミュニケーション手法のことである。"} +{"problem_id": "108081", "problem_text": "多職種連携でのチーム医療を妨げる要因となり得るのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["各職種と情報を共有する。", "連携・協働のための高いコミュニケーション能力をつける。", "各職種の専門性に基づく技術を確立する。", "各職種の役割を理解する。", "各職種独自の略語を使用する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "多職種連携でのチーム医療を推進するためには、「職種間で情報を共有する」「高いコミュニケーション能力を身につける」「職種ごとで専門性に基づく技術を確立する」「各職種の役割を理解する」ことは有用である。なお、各職種独自の略語を使用すると、コミュニケーションがうまくとれなくなるため、チーム医療の妨げとなることがある。"} +{"problem_id": "108082", "problem_text": "成人に対する栄養輸液療法における静注用脂肪乳剤(20%イントラリポス輸液250mL袋)の投与方法として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["遮光して投与する。", "他の栄養輸液製剤に混合して投与する。", "フィルターを使用して投与する。", "シリンジポンプを使用して投与する。", "ゆっくり(3時間以上かけて)投与する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n静注用脂肪乳剤は、光による分解を受けにくいため、本剤を投与する際には、遮光する必要はない。2:誤\n静注用脂肪乳剤は、単独投与することが基本であるため、他の栄養輸液製剤と混合しない。3:誤\n静注用脂肪乳剤を投与する際にフィルターを使用すると、目詰まりを起こすため、本剤はフィルターを使用して投与しない。4:誤\nシリンジポンプとは、溶液や薬液を充填した注射器から、正確な量及び速度で持続的に送液を行う機械であり、静注用脂肪乳剤投与時には用いられない。5:正\n20%イントラリポス輸液250mLは、通常、1日250mL(ダイズ油として20%液)を3時間以上かけて点滴静注する。"} +{"problem_id": "108083", "problem_text": "薬剤師法に基づき薬袋への記載が必須である事項はどれか。1つ選べ。", "choices": ["調剤した薬剤師氏名", "処方した医師氏名", "使用上の注意", "処方箋発行日", "医薬品名"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "薬剤師法に基づき薬袋への記載が必須である事項として、「患者の氏名」、「用法・用量」、「調剤年月日」、「調剤した薬剤師の氏名」、「調剤した薬局・病院等の名称・所在地」がある。"} +{"problem_id": "108084", "problem_text": "プロトンポンプ阻害薬と併用禁忌の医薬品はどれか。1つ選べ。", "choices": ["セベラマー塩酸塩錠", "エンパグリフロジン錠", "アタザナビル硫酸塩カプセル", "沈降炭酸カルシウム錠", "レパグリニド錠"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "アタザナビル硫酸塩とプロトンポンプ阻害薬(ランソプラゾール等)を併用すると、プロトンポンプ阻害薬による胃酸分泌抑制効果によりアタザナビルの溶解性が低下し、吸収が抑制させるおそれがあるため、両剤は併用禁忌である。"} +{"problem_id": "108085", "problem_text": "放射性医薬品の調製と保管における注意事項として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["調製作業はクリーンベンチ内で行う。", "飛散防止のためバイアル内を陰圧に保つ。", "汚染に備え手袋等の防護具を着用する。", "調製作業は放射線管理区域内で行う。", "放射線を安全に遮へいできる貯蔵箱に保管する。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:誤っている\n放射性医薬品の調製作業は、放射性物質による被ばく防止のため、作業環境が陰圧である安全キャビネット内で行う。なお、クリーンベンチは作業環境が陽圧であり、調製者が被ばくするおそれがある。2:正しい\nバイアル内が陽圧になるとエアロゾルが噴出する可能性があるため、バイアル内を陰圧に保つ必要がある。3:正しい\n放射性医薬品を調製する際には、汚染を防止するために手袋等の防護具を着用する。4:正しい\n放射性医薬品の調製作業は放射線管理区域内で厳密に行う。5:正しい\n放射性医薬品は、放射線を完全に遮へいできる貯蔵箱に保管する。"} +{"problem_id": "108086", "problem_text": "主な感染経路が飛沫感染である疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["角化型疥癬", "クロストリディオイデス・ディフィシル(クロストリジウム・ディフィシル)感染症", "流行性角結膜炎", "マイコプラズマ肺炎", "腸管出血性大腸菌感染症"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n角化型疥癬の原因は、ヒゼンダニであり、主に接触感染により感染する。2:誤\nクロストリディオイデス・ディフィシル(クロストリジウム・ディフィシル)感染症は、主に経口感染(糞口感染)、接触感染により感染する。3:誤\n流行性角結膜炎は、主に接触感染により感染する。4:正\nマイコプラズマ肺炎は、主に飛沫感染により感染する。5:誤\n腸管出血性大腸菌感染症は、主に経口感染(糞口感染)により感染する。"} +{"problem_id": "108087", "problem_text": "一般用医薬品に配合される成分のうち、透析療法を受けている人が使用を避ける必要があるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヒマシ油", "アミノ安息香酸エチル", "アルジオキサ", "オキセサゼイン", "テプレノン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "透析療法中にアルミニウム含有製剤を使用すると、血中アルミニウム濃度が増加し、アルミニウム脳症(言語障害、異常行動、運動障害、精神障害等)が認められることがある。そのため、透析療法を受けている人が使用を避ける必要があるのは、アルジオキサである。"} +{"problem_id": "108088", "problem_text": "ノロウイルスに汚染されたリネン類に使用する消毒薬として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["グルタラール", "次亜塩素酸ナトリウム", "ポビドンヨード", "エタノール", "ベンザルコニウム塩化物"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nグルタラールは、高水準消毒薬であり、ほとんどの微生物に対して有効であるが、リネン類の消毒には用いられない。2:正\n次亜塩素酸ナトリウムは、中水準消毒薬であり、ノロウイルスに対して有効である。また、リネン類の消毒に用いられるため、ノロウイルスに汚染されたリネン類に使用する消毒薬として、次亜塩素酸ナトリウムは適切である。3:誤\nポビドンヨードは、中水準消毒薬であり、ノロウイルスに対して有効であるが、含有するヨウ素によって着色するため、リネン類の消毒には用いられない。4:誤\nエタノールは、中水準消毒薬であるが、ノロウイルスに対して有効性が低いため、ノロウイルスの消毒には用いられない。5:誤\nベンザルコニウム塩化物は、低水準消毒薬であり、ノロウイルスに対して有効性が低いため、ノロウイルスの消毒には用いられない。"} +{"problem_id": "108089", "problem_text": "一般消費者に対する要指導医薬品の日常の販売について、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["インターネットで販売できる。", "配置による方法で販売できる。", "使用する者の年齢を確認しなければならない。", "使用する者が同居家族の場合も販売できる。", "情報提供は薬剤師又は登録販売者が行う。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n要指導医薬品は、インターネットでの販売(特定販売)、配置による販売をしてはならない。2:誤\n解説1参照\n3:正\n要指導医薬品を販売す��際には、使用するものの年齢、症状等を確認しなければならない。4:誤\n要指導医薬品は、使用しようとする者以外の者に対して、正答な理由なく、販売し、又は授与してはならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りではない。5:誤\n要指導医薬品を販売する際には、薬剤が対面による情報提供及び薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。"} +{"problem_id": "108090", "problem_text": "膀胱炎に対して、レボフロキサシン水和物の用法及び用量を検討する上で、最も必要な患者情報はどれか。1つ選べ。", "choices": ["クレアチニンクリアランス", "クレアチンキナーゼ値", "CRP値", "白血球数", "尿酸値"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "レボフロキサシン水和物は、ニューキノロン系抗菌薬であり、主に腎臓から消失するため、用法及び用量を検討する上で、腎機能の指標であるクレアチニンクリアランスを確認する必要がある。"} +{"problem_id": "108091", "problem_text": "放射線と物質の相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["放射線は粒子放射線と電磁波放射線とに分類される。", "\\alpha 線は物質を通過するときに物質中の原子と相互作用し、飛跡がジグザグ状になる。", "\\beta ^{-}線の透過放射線量は、吸収体の厚さに対して直線的に減少する。", "電離作用の強さは、\\alpha 線<\\beta ^{-}線<\\gamma 線の順である。", "\\gamma 線は物質と相互作用するとき、光電効果、コンプトン効果又は電子対生成によりエネルギーを失う。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n放射線は、粒子放射線と電磁波放射線に分類される。\\alpha 線、\\beta ^{-}線、\\beta ^{+}線は粒子放射線(質量を有する粒子の流れ)に分類され、\\gamma 線、X線は電磁波放射線(質量を有しないエネルギーの波)に分類される。2:誤\n\\alpha 線は、ヘリウム原子核であり、軌道電子より電荷や質量が大きいため、物質を通過する際、飛程が直線となる。なお、物質を通過するときに物質中の原子と相互作用し、飛跡がジグザグ状になるのは、\\beta ^{-}線である。3:誤\\beta ^{-}線の透過放射線量は、吸収体の厚さに対して指数関数的に減少する。4:誤\n電離作用の強さは、\\alpha 線>\\beta ^{-}線>\\gamma 線の順である。5:正\n\\gamma 線は物質と相互作用するとき、光電効果(低エネルギーの\\gamma 線が軌道電子の1つに全エネルギーを与えて、光電子を放出する現象)、コンプトン効果(中エネルギーの\\gamma 線が電子に衝突することでエネルギーの一部の電子を与えて、電子を放出するとともに、自身はエネルギーの小さい\\gamma 線となり入射方向と異なる方向に散乱される現象)又は電子対生成(高エネルギーの\\gamma 線が原子核の近くを通過する際、軌道電子以外に一対の陽電子、陰電子が生成し、\\gamma 線自身は消滅する現象)によりエネルギーを失う。"} +{"problem_id": "108092", "problem_text": "エントロピーに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エントロピー変化\\Delta Sは、可逆的に出入りする熱をq_{rev}、そのときの温度をTとすると、\\Delta S=q_{rev}/Tで与えられる。", "エントロピーの最小値は熱力学第3法則によってゼロと定められる。", "系と外界(周囲)のエントロピー変化の和が正になる方向に、すべての変化は進行する。", "エントロピーは系の乱雑さを定量的に表す熱力学量である。", "外界(周囲)のエントロピー変化を温度で割った熱力学量が、系のギブズエネルギー変化である。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nエントロピーSは、系の乱雑さを定量的に表す熱力学量である。エントロピー変化\\Delta Sは可逆的に出入りする熱をq_{rev}、そのときの温度をTとすると、\\Delta S=q_{rev}/Tで定義される。2:正しい\n熱力学第3法則は、「すべての完全結晶のエントロピーは絶対零度ではゼロである。」という法則であり、エントロピーの最小値は熱力学第3法則によってゼロと定められている。3:正しい\n熱力学第2法則は、「孤立系では自発的に起こる変化に伴いエントロピーが増大する。」という法則である。系と外界(周囲)を合計したものは孤立系であることから、熱力学第2法則より、系と外界(周囲)のエントロピー変化の和が正になる方向に、すべ���の変化は進行する。4:正しい\n解説1確認\n5:誤っている\n系のギブズエネルギー変化\\Delta Gは、\\Delta G=\\Delta H-T・\\Delta Sで表される(\\Delta H: エントロピー変化、T: 絶対温度)ため、系のギブズエネルギー変化は、外界(周囲)のエントロピー変化を温度で割った熱力学量とはならない。"} +{"problem_id": "108093", "problem_text": "酸化還元反応と化学電池に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["酸化還元反応において、電子を受け取るのは還元剤である。", "コハク酸(C_{4}H_{6}O_{4})+FAD\\rightarrow フマル酸(C_{4}H_{4}O_{4})+FADH_{2}の反応において、コハク酸は酸化剤である。", "進行中の酸化還元反応の起電力は、Henderson-Hasselbalchの式で表すことができる。", "電解質の濃度のみが異なる2つの半電池からなる化学電池(濃淡電池)の標準起電力は0Vである。", "反応が自発的に進行している化学電池では、カソード(正極)で還元反応が起こる。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n酸化還元反応において、電子を受け取るのは酸化剤である。また、酸化還元反応において、電子を与えるのは還元剤である。2:誤\n設問の反応よりコハク酸はFADに水素を与えている(FADを還元している)ため、設問の反応において、コハク酸は還元剤である。3:誤\n進行中の酸化還元反応の起電力は、Nernstの式で表すことができる。なお、Henderson-Hasselbalchの式は、溶液のpH、物質のpKa、分子形濃度とイオン形濃度の割合を示した式である。4:正\n標準起電力は、2つの半電池の標準電極電位の差より求めることができる。濃淡電池では、負極(アノード)、正極(カソード)用いる電極は、同一であり、標準電極電位が同一であることから、標準起電力は0Vとなる。なお、濃淡電池では、アノード、カソードの溶液の濃度が異なるため、起電力は正となる。5:正\n反応が自発的に進行している化学電池では、カソード(正極)で還元反応、アノード(負極)で酸化反応が起こる。"} +{"problem_id": "108094", "problem_text": "反応速度の温度依存性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アレニウス式は、温度と平衡定数の関係を表している。", "0次反応にはアレニウス式は適用できない。", "アレニウス式に従う反応の場合、アレニウスプロットでは右上がりの直線が得られる。", "2つの反応のアレニウスプロットの傾きが等しい場合、その2つの反応の活性化エネルギーは等しい。", "アレニウスプロットの傾きの絶対値が大きい反応ほど、反応速度に与える温度の影響が大きい。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nアレニウス式は、絶対温度と反応速度定数の関係を表している。2:誤\nアレニウス式は、反応次数に関係なく適用することができる。3:誤\nアレニウス式に従う反応の場合、アレニウスプロットでは右下がりの直線が得られる。4:正\nアレニウスプロットの傾きは、-Ea/R(Ea: 活性化エネルギー、R: 気体定数)であり、Rは定数であることから、アレニウスプロットの傾きが等しい場合、その2つの反応の活性化エネルギーは等しい。5:正\nアレニウスプロットの傾きの絶対値が大きい反応ほど、温度が変化することで反応速度定数が大きく変化する。そのため、アレニウスプロットの傾きの絶対値が大きい反応ほど、反応速度に与える温度の影響が大きい。"} +{"problem_id": "108095", "problem_text": "0.20mol/L塩化アンモニウム水溶液100mlを用いてアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液(pH9.0)を調製したい。この塩化アンモニウム水溶液に加える0.18mol/Lアンモニア水溶液の液量に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、アンモニアのpK_{b}=4.7、水のイオン積[H^{+}][OH^{-}]=1.0\\times 10^{-14} (mol/L)^{2}、10^{0.3}=2とし、混合により各水溶液の体積は変化しないものとする。", "choices": ["15mL", "35mL", "55mL", "75mL", "95mL"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "108096", "problem_text": "紫外可視吸光度測定法を用いて、単一の波長により、ある化合物の濃度の異なる2種類の水溶液の透過率を測定したところ、水溶液Iの透過率は50%、水溶液IIの透過率は20%であった。水溶液IとIIを等量ずつ混合した水溶液の吸光度に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、log2=0.3、用いたセルの層は1cmとする。", "choices": ["0.3", "0.5", "0.7", "1.0", "1.5"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "①: 水溶液Iの吸光度、水溶液IIの吸光度をそれぞれ求める。吸光度は、透過度の逆数の常用対数であることから、log(入射光の強さ/透過光の強さ)により求めることができる。水溶液Iの透過率が50%であることから、入射光の強さを10とすると、透過光の強さは5となるため、次のように水溶液Iの吸光度を求めることができる。水溶液Iの吸光度=log(10/5)=log2=0.3\nまた、水溶液IIの透過率が20%であることから、入射光の強さを10とすると、透過光の強さは2となるため、次のように水溶液IIの吸光度を求めることができる。水溶液IIの吸光度=log(10/2)=log10-log2=0.7\n②: 水溶液Iと水溶液IIを等量混合したときの吸光度を求める。本設問では水溶液Iと水溶液IIを等量混合すると記載されているため、混合液の濃度は両溶液の濃度の平均となる。吸光度はLambert-Beerの法則より、濃度と吸光度は比例するため、吸光度も両溶液の吸光度の平均となる。よって、混合した水溶液の吸光度は(0.3+0.7)/2=0.5となる。"} +{"problem_id": "108097", "problem_text": "ある化合物が医薬品として適合するかどうかの判定は、分離分析、定性分析及び定量分析を駆使して行われる。次の記述は、日本薬局方L-アラニン (C_{3}H_{7}NO_{2}:89.09)の純度試験(一部要約)及び定量法である。純度試験\n試料溶液及び標準溶液20\\micro Lずつを正確にとり、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液から得たピーク高さから試料溶液1mLに含まれるアラニン以外のアミノ酸の質量を求め、その質量百分率を算出するとき、アラニン以外の各アミノ酸の量は0.1%以下である。試験条件\n検出器:可視吸光光度計(測定波長:570nm)\nカラム:内径4.6mm、長さ8cmのステンレス管に3\\micro mのポリスチレンにスルホン酸基を結合した液体クロマトグラフィー用強酸性イオン交換樹脂(Na型)を充填する。〜(中略)〜\n移動相:移動相AからEの順に切り換える。反応試薬:ニンヒドリンを含む溶液\n〜(以下略)〜\n定量法\n本品を乾燥し、その約90mgを精密に量り、ギ酸3mLに溶かし、酢酸(100)50mLを加え、0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い、補正する。0.1mol/L過塩素酸1mL=「:ア:」mgC_{3}H_{7}NO_{2}\n純度試験に用いた液体クロマトグラフィー(LC)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["一般に、この検出器の光源にはタングステンランプが用いられる。", "固定相は陰イオン交換体である。", "移動相はAからEの順に、pHが大きくなる。", "このLCは、プレカラム誘導体化法である。", "アラニンとプロリンは同じ呈色物質を生成する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n問題文に「検出器:可視吸光光度計(測定波長:570nm)」と記載されているため、この検出器の光源として、可視光線を放出するタングステンランプを用いることが可能である。2:誤\n本試験では、カラム(固定相)として、ポリスチレンにスルホン酸基を結合した強酸性イオン交換樹脂(Na型)を充填していることから、固定相は陽イオン交換体である。3:正\nアミノ酸は、両性化合物であり、移動相のpHが低い酸性側では正に帯電しており、陽イオン交換樹脂(固定相)に保持される。移動相のpHを高くしていくと、アミノ酸は等電点に到達し、電荷が\\pm 0となり、固定相から遊離する。このことから、陽イオン交換体を用いたアミノ酸の分離では、移動相を酸性からアルカリ性に変化させることで、固定相からアミノ酸が遊離することを利用して分離する。よって、本検出法において、移動相はAからEの順にpHが大きくなる。4:誤\n本試験では、反応試薬としてニンヒドリンを使用していることから、ポストカラム誘導体化法である。5:誤\nニンヒドリン試薬と反応すると、第一級アミノ酸(アニリンなど)は紫色、第二級アミノ酸(プロリン)は黄色を呈する。"} +{"problem_id": "108098", "problem_text": "定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["試料95.67mgを量り取った場合、「約90mg」を量り取ったことにならない。", "L-アラニンはアセチル化された後、過塩素酸と反応する。", "この電位差滴定法では、指示電極にガラス電極を用い���。", "本試験より空試験の方が、0.1mol/L過塩素酸の滴加量は少ない。", "「:ア:」に入る数値は4.455である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n約90mgを量り取ったということは、81〜99mg(90mg\\pm 10%)の範囲内で秤量することである。2:誤\n本定量法において、L-アラニンはアセチル化されない。3:正\n本定量法は非水滴定であり、指示電極としてガラス電極が用いられる。4:正\n本定量法は電位差滴定法であり、本試験の方が0.1mol/L過塩素酸の滴加量は多い。5:誤\nL-アラニンは、過塩素酸と1:1で反応するため、下記のように対応量を求めることができる。"} +{"problem_id": "108099", "problem_text": "下図は液体クロマトグラフィーにより得られた成分Aと成分Bのクロマトグラム(模式図)で、ピークAは成分A、ピークBは成分B由来である。この図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ピークAとピークBの分離係数を\\alpha とすると、成分Aの質量分布比k_{A}は成分Bの質量分布比k_{B}の\\alpha 倍である。", "このカラムの理論段数Nは、(t_{RB}-t_{RA})/(W_{A}+W_{B})で与えられる。", "W_{A}とW_{B}がいずれも小さくなるほど分離係数\\alpha は大きくなる。", "ピークAとピークBの分離度R_{s}は、R_{s}>1.5である。", "R_{s}を大きくするには理論段高さHが小さいカラムを選択する。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤: 質量分布比kは、①式で表される。また、分離係数\\alpha は成分Aの質量分布比k_{A}、成分Bの質量分布比k_{B}より②式で表されるため、k_{A}はk_{B}の1/\\alpha 倍である。2:誤\n理論段数は下記の式で表される。3:誤: 分離係数\\alpha は、下記の式で表されるため、W_{A}とW_{B}とは無関係である。4:正\n日本薬局方一般試験法において、ピークの分離度(Rs)が1.5以上を示す場合、2つのピークは完全に分離しているとみなしてよいと定義されている。本設問のイラストより、ピークAとピークBが完全に分離しているため、Rs>1.5であると推察される。5:正\n理論段数Hとは、カラムの長さを理論段数で割った数値のことであり、理論段数の高さが小さいカラムほど分離効率のよいカラムとなる。よって、R_{s}を大きくするには理論段高さHが小さいカラムを選択する必要がある。"} +{"problem_id": "108100", "problem_text": "核医学画像診断法と、使用される放射性核種の組合せとして正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "PET(陽電子放射断層撮影装置)は、\\beta ^{+}線放出核種を含む診断用医薬品を投与し、\\beta ^{+}線が体内で電子と反応することで発生する消滅放射線(\\gamma 線)を測定することにより画像を得る装置である。PETで用いられる放射性核種には^{11}C、^{13}N、^{15}O、^{18}Fなどがある。SPECT(単光子放射型コンピュータ断層撮影装置)は、\\gamma 線放出各種を含む診断用医薬品を投与し、\\gamma 線を測定することにより画像を得る装置である。SPECTで用いられる放射性核種には^{67}Ga、^{99m}Tc、^{123}Iなどがある。"} +{"problem_id": "108101", "problem_text": "日本薬局方収載医薬品ジルチアゼムは、化合物Aから化合物Bを経て合成される。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["酸素原子ウは、ジルチアゼム分子内には存在しない。", "酸素原子工は、主に酸素原子イ由来である。", "酸素原子オは、主に酸素原子ウ由来である。", "酸素原子力は、主に酸素原子ア由来である。", "化合物Bは、化合物Aからの転位反応による生成物である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": ""} +{"problem_id": "108102", "problem_text": "タンパク質の構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。下図にアミド結合間の水素結合を示す。", "choices": ["図に示した水素結合は、主に一次構造の形成に働く。", "\\alpha -ヘリックスは、二次構造の1つである。", "\\alpha -ヘリックスは、図に示した水素結合により2本のペプチド鎖間で形成される。", "\\beta -シートは、主に周囲の水分子との相互作用で形成される。", "ジスルフィド結合は、主に三次構造を安定化する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nタンパク質の一次構造は、各構成アミノ酸がアミド結合することにより形成される。なお、図に示されたアミド間の水素結合は、主にタンパク質の二次構造��形成に関与する。2:正\nタンパク質の二次構造には、\\alpha ヘリックスと\\beta シートがある。3:誤\n解説2参照\n4:誤\n解説2参照\n5:正\n三次構造では、二次構造(\\alpha ヘリックス、\\beta シート)が静電的相互作用、水素結合、疎水性相互作用などの非共有結合、ジスルフィド結合により高次の立体構造を形成する。"} +{"problem_id": "108103", "problem_text": "エタノール中でヨウ化メチルと反応させたときに最も反応性が高い求核剤はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "108104", "problem_text": "多発性硬化症治療薬のフィンゴリモドは、体内でスフィンゴシンキナーゼによって立体選択的にリン酸化されて活性体となり、スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)受容体アゴニスト活性を発揮する。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["S1Pの2位の絶対配置は、Sである。", "フィンゴリモドは、キラル化合物である。", "フィンゴリモドリン酸(活性体)は、R体である。", "S1Pとフィンゴリモドリン酸は、両親媒性である。", "S1Pは、グリセロリン脂質である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "108105", "problem_text": "以下の構造式で表されるダイゼインに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カッコンに含まれる成分の一つである。", "A環の炭素原子は、シキミ酸由来である。", "2-フェニルクロモン骨格を有している。", "ヒトに対してエストロゲン様作用がある。", "マグネシウム-塩酸反応で陽性を示す。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nダイゼインは、生薬であるカッコンなどに含まれる成分であり、イソフラボノイド(3-フェニルクロモン骨格を有する)である。2:誤\nイソフラボノイドは、シキミ酸経路と酢酸-マロン酸経路の複合経路により生合成され、A環の炭素原子は、マロニルCoA由来である。3:誤\n解説1参照\n4:正\nダイゼインはイソフラボノイドであり、ヒトに対してエストロゲン様作用を示す。5:誤\nマグネシウム-塩酸反応は、フラボノイド類の確認に用いられる反応であり、イソフラボノイドであるダイゼインでは陰性を示す。"} +{"problem_id": "108106", "problem_text": "35歳男性。冠動脈疾患の既往がある。近医にて原発性の甲状腺機能低下症と診断され、処方1で治療を継続している。最近になって花粉症のような症状を訴えたため、別のクリニックで処方2が追加され、その処方箋を持って来局した。処方2の処方箋を見た薬剤師は、頻脈や動悸などの副作用が出現する可能性を考えて、服薬期間中に患者のフォローアップをすることとした。その根拠となった、小青竜湯に含まれる化合物はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "小青竜湯には、ハンゲ、マオウ、ケイヒ、ゴミシ、シャクヤク、サイシン、カンキョウ、カンゾウが含まれている。マオウには、エフェドリン(選択肢2)が含まれており、交感神経興奮作用による副作用(頻脈、動悸など)を出現させる可能性がある。なお、選択肢1はケイヒに含まれるシンナムアルデヒド、選択肢3はシャクヤクに含まれるペオニフロリン、選択肢4はカンゾウに含まれるグリチルリチン酸、選択肢5はカンキョウに含まれるショーガオールである。"} +{"problem_id": "108107", "problem_text": "図1及び図2は、アスパラギン酸プロテアーゼ及びシステインプロテアーゼによる基質加水分解の初期反応過程の模式図である。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アスパラギン酸残基アと水の相互作用は、水の酸素原子の求電子性を高めている。", "アスパラギン酸残基イと基質カルボニル基の相互作用は、基質カルボニル基の求核性を高めている。", "システイン残基エのスルファニル基は、塩基として働く。", "ヒスチジン残基ウとシステイン残基エの相互作用は、エのスルファニル基の求核性を高めている。", "アスパラギン酸残基アとヒスチジン残基ウは、塩基として働く。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nアスパラギン酸残基アのカルボキシラートイオンは、水と相互作用することで、水の酸素原子の負電荷を強くすることにより求核性を高める。2:誤\nアスパラギン酸残基イのカルボ��シプロトンは、基質のカルボニルの酸素と相互作用することで、基質のカルボニル基の電子密度を低くすることにより求電子性を高める。3:誤\nシステイン残基エのスルファニル基は、プロトンを受け取る反応をしていないため、塩基として働いていない。なお、システイン残基エのスルファニル基は、基質ペプチドのカルボニル炭素を攻撃しているため、求核剤として働いている。4:正\nヒスチジン残基ウのイミダゾリル基は、システイン残基エのスルファニル基と相互作用することでエのスルファニル基のイオウの負電荷を強くすることにより求核性を高める。5:正\nアスパラギン酸残基アのカルボキシラートイオンは、水よりプロトンを受け取る反応を起こしており、ヒスチジン残基ウのイミダゾイル基は、スルファニル基よりプロトンを受け取る反応を起こしているため、塩基として働く。"} +{"problem_id": "108108", "problem_text": "日本薬局方収載医薬品プロチレリンの化学構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アは、\\beta -ラクタム環である。", "イは、芳香属性をもつ。", "ウは、ピロリジン環である。", "N末端は、プロリン残基である。", "本品は、テトラペプチドである。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "108109", "problem_text": "下図は、ある化合物の^{1}H-NMRスペクトル(400MHz、CDCl_{3}、基準物質はテトラメチルシラン)を示したものであり、表は各シグナルの積分比を一覧にしたものである。また、この化合物はIRスペクトルにて1770cm^{-1}付近に強い吸収を示した。この化合物の構造式として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "108110", "problem_text": "膵臓の構造と機能に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["膵臓は、十二指腸側から膵尾、膵体、膵頭の3部位に分けられる。", "膵管は膵臓内部を走行し、胆嚢管と合流して十二指腸へ開口する。", "膵液は、HCO_{3}^{-}を多く含み、十二指腸に流れ込む胃酸を中和する。", "膵液に含まれる消化酵素の大部分は、ペプシンである。", "膵臓ランゲルハンス島\\beta 細胞内のCa^{2+}濃度が上昇すると、インスリンが分泌される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n膵臓は、胃の下部、十二指腸の後方に位置する消化器官であり、膵尾、膵体、膵頭の3つの部位に分かれている。膵尾は、膵臓の左側に位置し、長細い管状の構造をしており、膵体は膵臓の中央に位置している。また、膵頭は、膵臓の右側(十二指腸側)に位置している。2:誤\n膵管は膵臓内部を走行し、総胆管と合流して十二指腸へ開口する。なお、胆嚢管は胆嚢と総胆管の間に存在している管であり、胆汁分泌に関与している。3:正\n膵液は、膵臓から分泌される液体であり、主に消化酵素を含むアルカリ性の液体である。膵液中には、重炭酸イオン(HCO_{3}^{-})が含有されており、十二指腸に流れ込む胃酸を中和することで消化酵素が効果的に働き、栄養素が十分に分解され、吸収させることが可能となる。4:誤\n膵液に含まれる消化酵素には、アミラーゼ(炭水化物を分解する酵素)、リパーゼ(脂肪を分解する酵素)、トリプシン(タンパク質を分解する酵素)がある。なお、ペプシンは胃の主細胞から分泌されるペプシノーゲンが活性化したタンパク分解酵素である。5:正\n膵臓ランゲルハンス島\\beta 細胞は、血液中のグルコース濃度を感知して必要に応じてインスリンを分泌する機能を有している。グルコースが細胞内に取り込まれると、細胞内のATPの量が増加し、細胞膜にあるATP感受性Kチャネルが閉口することで細胞膜が正となる。この電位変化がカルシウムイオンの流入を引き起こすことでインスリンが分泌される。"} +{"problem_id": "108111", "problem_text": "生体内の物質移動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["一酸化窒素は、促進拡散により血管内皮細胞から移動する。", "水素イオンは、受動拡散により胃壁細胞から分泌される。", "原尿中のグルコースは、Na^{+}との共輸送により腎臓の近位尿細管上皮細胞に取り込まれる。", "血中のグルコースの大部分は、エンドサイトーシスにより脂肪細胞に取り込まれる。", "ノルアドレナリンは、エキソサイトーシスにより交感神経終末から分泌される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n一酸化窒素(NO)は、血管内皮細胞において合成され、血管内皮細胞から分泌されると、周囲の平滑筋細胞に作用し血管を拡張させる。この際、NOは担体を介することなく単純拡散により血管内皮細胞から平滑筋細胞に移動する。なお、促進拡散は、担体を介する拡散現象であるため、NOの血管内皮細胞からの移動には関与しない。2:誤\n水素イオンは、胃壁細胞に存在するプロトンポンプ(H^{+},K^{+}-ATPase)から能動的に分泌される。3:正\n原尿中のグルコースは、腎臓の近位尿細管上皮細胞において、グルコースを輸送するSGLT-2(Sodium Glucose Transporter-2)によりNa^{+}との共輸送系により再吸収される。4:誤\n血液中のグルコースが脂肪細胞に取り込まれる過程は、インスリンにより調節されている。インスリンは、脂肪細胞においてグルコーストランスポーター4(GLUT4)を活性化させる。GULT4は、グルコースの輸送タンパク質として存在しており、インスリンの刺激により細胞膜へ移動し、グルコースの細胞内への取り込みに関与する。5:正\nノルアドレナリンは、交感神経終末から放出される神経伝達物質であり、エキソサイトーシス(細胞外への放出)により分泌される。"} +{"problem_id": "108112", "problem_text": "下図は、ミトコンドリアと、その電子伝達系をつかさどる複合体I、II、III、IV並びにATP合成酵素を示した概略図である。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["NADH由来の電子は、複合体Iを経由し、ユビキノンへ伝達される。", "H^{+}は、複合体I、II及びIVにおいてマトリックスから膜間腔へ汲み出される。", "O_{2}は、複合体IIIにおいてシトクロムcから電子を受け取りH_{2}Oとなる。", "ATPは、H^{+}が膜間腔側からマトリックス側へATP合成酵素を通過する際に生成される。", "内膜を通過するH^{+}量は、NADHから電子が供給される場合の方がFADH_{2}からの場合に比べて少ない。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n電子伝達系における複合体Iは、ミトコンドリア内膜に存在する複合体であり、NADHからの電子を受け取りユビキノンに伝達する。2:誤\nNADHに由来する電子e^{-}がミトコンドリア内膜を流れる際、自由エネルギーが発生する。この自由エネルギーによりH^{+}は、複合体I、III及びIVにおいてマトリックスから膜間腔へ汲み出される。3:誤\nO_{2}は、複合体IVにおいてシトクロムcから電子を受け取りH_{2}Oとなる。複合体IVは、電子を受け取ったシトクロムcと酸素を反応させ水を生成することで、電子伝達系の最終段階に関与する。4:正\nミトコンドリア内膜に存在する複合体により膜間腔に汲み出されたH^{+}がATP合成酵素を介してマトリックス側に移行する際、ATPが生成される。5:誤\n電子伝達系において、NADH1分子から電子が供給される場合、10分子のH^{+}が膜間腔汲み出され、FADH_{2}1分子から電子が供給される場合、6分子のH^{+}が膜間腔汲み出される。そのため、内膜を通過するH^{+}量は、NADHから電子が供給される場合の方がFADH_{2}からの場合に比べて多い。"} +{"problem_id": "108113", "problem_text": "下図は、細胞周期を表しており、G_{1}期\\rightarrow 「ア期」\\rightarrow G_{2}期\\rightarrow 「イ期」\\rightarrow G_{1}期の順に連続して起こる事象を経て、2つの娘細胞になる過程を示している。次の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["「ア期」に、DNAが合成される。", "「イ期」が進行するには、微小管の働きが必要である。", "「ウ期」の細胞が多い細胞集団は、細胞増殖が速いと考えられる。", "細胞周期の進行には、周期に応じて活性化されるキナーゼが関わっている。", "がん抑制遺伝子産物には、細胞周期の進行を止めるタンパク質がある。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "細胞周期の概要を以下に示す。\\rightarrow G_{1}期\\rightarrow S基\\rightarrow G_{2}期\\rightarrow M期\\rightarrow G_{1}期\\rightarrow\n*M期からG_{1}期の間にG_{0}期(休止期)に移行することがある。1:正しい\nア期は、S期(合成期)であり、DNAが合成される。2:正しい\nイ期は、M期(分裂期)であり、染色体の分離に微小管で構成された紡錘糸が重要な役割を果たす。3:誤っている\nウ期は、G_{0}期(休止期)であり、この時期の細胞が多い細胞集は、細胞増殖が遅いと考えられる。4:正しい\nキナーゼは、細胞内で化学反応を触媒するリン酸化酵素であり、細胞周期においても重要な役割を果たしている。細胞周期において、重要なキナーゼとしてサイクリ依存性キナーゼがあり、細胞周期の進行を制御している。5:正しい\nがん抑制遺伝子は、がんの発生や進行を抑制するために働く遺伝子であり、その産物は、細胞周期の進行を制御するために重要な役割を果たしている。例えば、p 53は、DNA損傷などの異常な状況に直面すると、細胞周期を停止させることでDNA修復を促進させる作用を有する。また、p 21は、p 53が活性化された場合に細胞周期を停止させるために働く。"} +{"problem_id": "108114", "problem_text": "二次元電気泳動は、等電点電気泳動とSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動 (SDS-PAGE)を組み合せたもので、ある生体試料中の多種多様なタンパク質をそれぞれ固有の等電点と分子量の違いを利用して分離する方法である。図1と図2は、二次元電気泳動の概要と実験結果を示したものである。図1 :等電点電気泳動: pH4〜10の連続的なpH勾配を形成させた棒状のゲルを準備する。このゲルを用いて電気泳動すると、試料中の各タンパク質はそれぞれの等電点の位置までゲル中を移動する。(注: 実際にはこの段階ではゲルは染色しないためタンパク質は見えないが、図1の下段では電気泳動後にタンパク質が等電点で分離しているイメージを示した。) 図2 :SDS-PAGE: 等電点電気泳動により試料中のタンパク質を分離した棒状ゲルを、SDS-PAGEの分離ゲルの上に移し、一次元目の等電点電気泳動と直角の方向に電気泳動する。タンパク質は、その分子量に応じた位置まで移動する。電気泳動の終了後、泳動用のガラス板から取り出したゲルを洗浄し、クマシーブリリアントブルーでタンパク質を染色したところ、50個のスポットを検出した。図2中のスポットAは、等電点5.8、分子量56,000のタンパク質である。このようなタンパク質分析法とその実験結果に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["等電点が5.8より小さく、かつ分子量が56,000より大きいスポットは、4つ検出されている。", "スポットAのタンパク質では、中性溶液中での分子全体の電荷が負になる。", "スポットBのタンパク質の等電点は、ほぼ5.8である。", "スポットCのタンパク質は、分子量56,000より小さい。", "タンパク質のスポットの位置は、リン酸化により、やや右上方向に移動すると推測される。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "等電点電気泳動は、タンパク質、アミノ酸などを分離するための分析手法である。この手法では、分子を帯電させた後、電場をかけることで分子を移動させるが、一般的な電気泳動法とは異なり、pH勾配を用いて、各分子の等電点に到達した際に移動が低下することを利用して分離する。また、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS -PAGE)は、タンパク質の分子量を利用した分析法である。この手法では、タンパク質をドデシル硫酸ナトリウム(SDS)とともに加熱することでタンパク質が分子量に応じて均一に負に帯電する。そのため、SDSを用いてタンパク質を分子量に応じて分離することが可能である。【2次元電気泳動の結果の見方】\n◉横軸\n等電点によりスポットの現れる位置が決定され、スポットの示すpHがそのタンパク質の等電点である。◉縦軸\nタンパク質はSDSにより負に帯電しているため、下方(+の方向)に泳動される。また、分子量が小さいタンパク質は、ゲルによる抵抗を受けいくいため、+に近い方が分子量は小さく、マイナスに近い方が分子量は大きい。1:正しい\n図参照\n2:正しい\n溶液のpHが等電点よりも高い場合、そのタンパク質は負に帯電する。よって、スポットAのタンパク質(等電点5.8)では、中性溶液(pH7)中での分子全体の電荷が負になる。3:誤っている\nスポットBのタンパク質の等電点は、ほぼ7である。4:正しい\n図参照\n5:正しい\nタンパク質がリン酸化されると、分子量が増えると共に等電点が低下する。そのため、タンパク質のスポットの位置は、リン酸化により、やや右上方向に移動すると推測される。"} +{"problem_id": "108115", "problem_text": "原核細胞の遺伝子発現における転写と翻訳に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["遺伝子の転写と翻訳は同時進行が可能であり、転写が完結する前に翻訳が開始される。", "翻訳開始コドンの直前には、シャイン・ダルガーノ(SD)配列が存在し、リボソームの60Sサブユニットが結合する。", "翻訳は、mRNAの3'末端側から5'末端側の方向に進行し、ペプチド鎖はC末端側からN末端側へと合成される。", "アミノアシルtRNAは、コドンを含むtRNAの3'末端に、mRNA上のアンチコドンに対応したアミノ酸が結合している。", "オペロンとして隣り合う一群の遺伝子は1本のmRNA(ポリシストロニックmRNA)転写され、複数のタンパク質に翻訳される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nDNAが細胞質内に存在する原核生物において、遺伝子の転写によるmRNAの合成と翻訳によるタンパク質の合成は同時に行われる。そのため、原核生物ではタンパク質の合成が非常に速く、効率的である。2:誤\nシャイン・ダルガーノ(SD)配列とは、翻訳開始コドンの直前に存在する特定の塩基配列のことである。翻訳開始点がこの配列を認識すると、リボソームが正しい位置に結合し、タンパク質の合成が開始される。なお、原核細胞のタンパク質の合成に関わるリボソームは、50Sサブユニットと30サブユニットであり、60Sサブユニットはタンパク質の合成には関与しない。3:誤\n翻訳は、mRNAの5'末端側から3'末端側の方向に進行し、ペプチド鎖はN末端側からC末端側へと合成される。4:誤\nアミノアシルtRNAは、アンチコドンを含むtRNAの3'末端に、mRNA上のコドンに対応したアミノ酸が結合している。5:正\nオペロンは、構造遺伝子と発現制御調節領域で構成されており、通常、オペロンとして隣接する一群の遺伝子は1本のmRNAとして転写され、複数のタンパク質に翻訳される。"} +{"problem_id": "108116", "problem_text": "リソソーム及びプロテアソームに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["リソソームは、内部が塩基性のオルガネラで、様々な加水分解酵素を有する。", "エンドサイトーシスによりリソソームへ運ばれたタンパク質は、ATP依存的に分解される。", "プロテアソームは、巨大な筒状のプロテアーゼ複合体であり、ポリユビキチン化されたタンパク質を選択的に分解する。", "プロテアソームは、キラーT細胞へ提示されるウイルス由来タンパク質の分解に関わる。", "プロテアソームは、オートファゴソーム内に取り込まれて、オートファジーにおけるタンパク質分解を担う。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nリソソームは、内部が酸性の細胞小器官であり、様々な加水分解酵素を有する。2:誤\nプロテアソームに関する記述である。プロテアソームは、ATP依存的にタンパク質の分解に関与する。3:正\nプロテアソームは、細胞内で不要なタンパク質を分解するための大型のタンパク質分解酵素であり、ポリユビキチン化されたタンパク質を選択的に分解する。4:正\nウイルスは、宿主細胞に感染すると、自己の遺伝情報を宿主細胞の核内に取り込み、増殖に必要なタンパク質を合成する。プロテアソームは、ウイルス感染の際、キラーT細胞へ提示されるウイルス由来タンパク質を分解することに関わる。5:誤\nオートファジーとプロテアソームは、細胞内でタンパク質を分解する機構であるが、異なるメカニズムで機能する。プロテアソームは、ポリユビキチン化された不要なタンパク質を分解する。それに対して、オートファジーでは、オートファゴソーム内にリソソームを取り込むことで、細胞内の古い、損傷した、不要なタンパク質や細胞小器官を分解する。"} +{"problem_id": "108117", "problem_text": "胎盤では、胎児と母体との間で物質交換が起こる。下図中のB(胎盤)では、母体のイムノグロブリン(抗体)が選択的に胎児側に移行することが知られている。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["A内の血管には、胎児の血液が流れている。", "Bにおいて、母親の赤血球が胎児側に移行し、酸素を供給する。", "Bにおいて、抗体のサブクラスのうち、IgAが選択的に移行する。", "医薬品として使われる抗体は組換え体なので、母体から��児側に移行しない。", "B全体から採取したDNAには、母親と胎児の両方のゲノムが含まれる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nA(臍動脈、臍静脈)内の血管には、胎児の血液が流れている。2:誤\n胎盤は、母体と胎児の間に存在する器官であり、母体と胎児の血液を分離する役割を果たしている。胎盤は、栄養素や酸素を胎児に供給し、代謝産物を排泄する役割を果たしているが、母体の血液と胎児の血液が直接混合することはない。3:誤\nB(胎盤)において、抗体のサブクラスのうち、IgGが選択的に移行する。胎盤には母体血液中のIgGを胎児に移行させる透過機構が存在するため、IgGを利用した遺伝子組み換えにより作成される抗体製剤は胎児血に移行することがある。4:誤\n解説3参照\n5:正\nB(胎盤)全体から採取したDNAには、母親と胎児の両方のゲノムが含まれる。"} +{"problem_id": "108118", "problem_text": "細菌の抗菌薬耐性化には種々の遺伝子もしくはその産物が関わっている。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グラム陰性菌の外膜にあるポーリンの増加は、カルバペネム系抗菌薬への耐性化を促す。", "腸球菌のバンコマイシン耐性遺伝子VanAの産物は、細胞壁のペプチドグリカン合成の代替経路で働き、グリコペプチド系抗菌薬の作用を回避する。", "リファンピシン耐性菌では、DNAポリメラーゼ遺伝子の変異により、耐性が獲得されている。", "カナマイシン耐性遺伝子産物の中には、抗菌薬をリン酸化する酵素として働き、RNAポリメラーゼへの結合を消失させるものがある。", "Rプラスミドなどの伝達性因子を介して薬物排出タンパク質が過剰発現することは、多剤耐性化の一因となる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nカルバペネム系抗菌薬に対する耐性化は、グラム陰性菌において問題となっている。カルバペネム系抗菌薬の耐性菌は、主に\\beta -ラクタマーゼを産生することで、カルバペネム系抗菌薬を分解する能力を獲得するとともに、外膜のポーリンの発現量を低下させることで抗菌薬の透過性を低下させる。2:正\nバンコマイシンは、ペプチドグリカン前駆体末端のD-アラニル-D-アラニンに結合して細胞壁合成を阻害する。腸球菌のバンコマイシン耐性遺伝子VanAの産物は、ペプチドグリカン合成酵素を変化させ、D-アラニル-D-アラニンの代わりにD-アラニル-D-乳酸を合成することでバンコマイシンへの親和性を低下させ、耐性化に関与する。3:誤\nリファンピシン耐性菌は、RNAポリメラーゼの構造的な変化によりリファンピシンの結合部位を変化させ、リファンピシンに対して耐性を示す。4:誤\nカナマイシン耐性遺伝子産物の中には、カナマイシンをリン酸化する酵素として働き、カナマイシンをリン酸化することによりリボソームとの親和性を低下させ、耐性を示す。5:正\nRプラスミドは、細菌における伝達性因子であり、細菌の間での水平伝播を介して細菌の耐性化を広範囲に広げることが可能である。Rプラスミドによる耐性化機構には、抗生物質破壊酵素の産生、抗生物質の排出促進、抗生物質の標的の変異、抗生物質の入口の変化などがある。"} +{"problem_id": "108119", "problem_text": "糖化反応は生体内や食品中で起こる普遍的な反応である。糖尿病の診断に用いられ、血糖コントロールの状態を把握するマーカーである糖化ヘモグロビン(HbA1c)の生成にも、この反応が関わっている。グルコースはヘモグロビンAの\\beta 鎖N末端のアミノ基と反応し、化合物アを与えたのち、HbA1cとなる。化合物アの構造として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "グルコースからHbA1cが生成する際、第一段階としてグルコースのアルデヒドとヘモグロビンAの\\beta 鎖のN末端の間でaldimine(アルドイミン: アミンとアルデヒドが反応して生成する炭素-窒素2重結合を含む化合物)が生成し、その後、第二段階としてaldimineからketoamineが生成する。"} +{"problem_id": "108120", "problem_text": "HbA1cに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["HbA1cの生成には酵素が必要である。", "HbA1cの生成はグルコース濃度に依存する。", "HbA1cは、非酵素的にグルコースとヘモグロビンAに解離する。", "グルコー��は、赤血球内に移行しにくいので、HbA1cの生成には2〜3ヶ月を要する。", "HbA1c値は、赤血球寿命の影響を受ける。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "108121", "problem_text": "食品の変質のうち、HbA1cの生成と同様に、糖化反応により起こるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["食品が腐敗するとヒスタミンが生成する。", "ポテトチップスを製造するとアクリルアミドが生成する。", "砂糖水を150〜200^{\\circ} Cで加熱すると茶色く変色する。", "パンを焼くと茶色く変色する。", "リンゴの切り口が茶色く変色する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n食品が腐敗すると、ヒスチジンを原料として、ヒスチジン脱炭酸酵素によりヒスタミンが生成される。2:正\nポテトチップスの製造過程では、加熱によりでんぷんが分解され、アミノ酸と還元糖が非酵素的に反応し、アクリルアミドが生成する。3:誤\n砂糖水を150〜200^{\\circ} Cで加熱すると、カラメル化反応により茶色く変色する。4:正\nパンを焼くと糖質とアミノ酸が非酵素的に反応し、茶色く変色する。5:誤\nリンゴの皮を剥いて空気中に放置すると、酸化的褐変反応により変色する。"} +{"problem_id": "108122", "problem_text": "下図は、我が国における胃、肝臓、膵臓、大腸及び肺の悪性新生物による粗死亡率(人口10万対)の年次推移を示したものである。部位a〜eの悪性新生物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["aは大腸である。", "bの悪性新生物のリスク要因として、食塩の過剰摂取があげられる。", "cの悪性新生物が1990年代後半まで増加した主な要因として、ヒトパピローマウイルス感染が考えられる。", "dの悪性新生物のリスク要因として、食生活の欧米化や運動不足などによる肥満があげられる。", "eは肺である。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "aは肺、bは胃、cは肝臓、dは大腸、eは膵臓である。1:誤\n前記参照\n2:正\nb(胃の悪性新生物)のリスク要因として、食塩の過剰摂取、ヘリコバクター・ピロリ菌などがあげられる。3:誤\nc(肝臓の悪性新生物)が1990年代後半まで増加した主な要因として、輸血などによるC型肝炎ウイルス感染が考えられる。なお、ヒトパピローマウイルス感染は、子宮頸部の悪性新生物のリスク要因である。4:正\nd(大腸の悪性新生物)のリスク要因として、食生活の欧米化や運動不足などによる肥満などがあげられる。5:誤\n前記参照"} +{"problem_id": "108123", "problem_text": "下図は、我が国におけるある性感染症の報告数(全数把握)の年次推移を示したものである。この図に該当する感染症はどれか。1つ選べ。", "choices": ["性器クラミジア感染症", "性器ヘルペス感染症", "尖圭コンジローマ", "梅毒", "後天性免疫不全症候群"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "図の性感染症の報告数(全数把握)の年次推移は、梅毒を示したものである。選択肢のうち、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)において、全数把握対象疾患は、梅毒と後天性免疫不全症候群であり、定点把握対象疾患は、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマである。我が国の梅毒の報告数は2019、2020年と一時的に減少したが、再び増加している。それに対して後天性免疫不全症候群の報告数は、近年約400程度と横ばいである。"} +{"problem_id": "108124", "problem_text": "生活習慣病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腹囲が基準値以上であり、血圧、血糖、血清脂質の3つの診断基準項目のうち、2項目以上が該当すると、メタボリックシンドロームと診断される。", "現在、我が国では、2型糖尿病患者より1型糖尿病患者が多い。", "糖尿病は、虚血性心疾患や脳梗塞のリスクファクターである。", "受動喫煙は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のリスクファクターとはならない。", "HDL-C(高密度リポタンパク質コレステロール)は、脂質異常症の診断基準項目には含まれない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n腹囲が基準値以上(男性: 85cm以上、女性: 90cm以上)であり、血圧、血糖、血清脂質の3つの診断基準項目のうち、2項目以上が該当すると、メタボリックシンドロームと診断される。2:誤\n現在、我が国��は、1型糖尿病患者より2型糖尿病患者(糖尿病の約95%)が多い。3:正\n糖尿病は、動脈硬化を進行させるため、虚血性心疾患、脳梗塞のリスクファクターとなる。4:誤\n慢性閉塞性肺疾患(COPD)のリスクファクターとして、喫煙、大気汚染などがあげられる。よって、受動喫煙は、慢性閉鎖性肺疾患(COPD)のリスクファクターとなる。5:誤\n脂質異常症の診断基準項目には、LDLコレステロール(140mg/dL以上)、HDLコレステロール(40mg/dL以下)、トリグリセリド(150mg/dL以上)が含まれる。"} +{"problem_id": "108125", "problem_text": "下表の母子感染する疾患について、その病原体及び主な感染経路の組合せとして正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n風しんの病原体は、風しんウイルスであり、主に胎盤を介して母子感染する。妊娠前期に風しんに感染した場合、出生児に先天性風しん症候群(聴覚障害、白内障、心疾患など)が現れることがある。2:誤\n淋菌感染症の病原体は、淋菌であり、主に産道を介して母子感染する。出生児が淋菌感染症に罹患すると、淋菌性結膜炎が現れることがある。3:正\nトキソプラズマの病原体は、トキソプラズマ原虫であり、主に胎盤を介して母子感染する。妊娠前期にトキソプラズマに感染すると、出生児に先天性トキソプラズマ症(水頭症、脈絡網膜炎など)が現れることがある。4:誤\n成人T細胞白血病の病原体は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)であり、主に母乳を介して母子感染する。出生児にHTLV-1が感染を予防するために断乳し、人工栄養哺育を行う。5:誤\nカンジダ症の病原体は、カンジダ属菌(真菌)であり、主に産道を介して母子感染する。出生児がカンジダ症に罹患すると、鵞口瘡(がこうそう)や皮膚炎が現れることがある。"} +{"problem_id": "108126", "problem_text": "労働衛生管理に関する記述のうち、作業管理に該当するのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["特殊健康診断を実施する。", "作業環境測定を実施する。", "局所排気を行う。", "健康障害リスクを評価し、作業の手順や方法を最適化する。", "作業者が呼吸用保護具を着用する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "労働安全衛生法における労働衛生管理には、作業環境管理、作業管理、健康管理がある。作業環境管理は、作業環境中の有機溶剤や粉じんなど有害因子の状態を把握して、種々の有害要因を取り除いて、良好な状態で管理することである。作業管理は、作業時間・作業量作業方法などの適正化を図り、労働者への負担を少なくすることである。健康管理は、作業者の健康状態を健康診断で把握して、その結果に基づいて作業環境及び作業との関連性を検討し、作業者の健康障害を未然に防ぐことである。1:誤\n特殊健康診断を実施することは、環境管理に該当する。2:誤\n作業環境測定を実施することは、作業環境管理に該当する。3:誤\n局所排気を行うことは、作業環境管理に該当する。4:正\n健康障害リスクを評価し、作業の手順や方法を最適化することは、作業管理に該当する。5:正\n作業者が呼吸用保護具を着用することは、作業管理に該当する。"} +{"problem_id": "108127", "problem_text": "次の反応式は、油脂の化学的指標に関する試験法の化学反応の例を示したものである。不飽和脂肪酸を含む油脂において、自動酸化の進行に伴い測定値が減少し続ける試験法の反応式はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\n酸価の化学反応である。酸価は、油脂の自動酸化により生成する遊離脂肪酸の量を示す値であり、油脂1g中に含有される遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表される。酸価は油脂の自動酸化により増加する。2:誤\n過酸化物価の化学反応である。過酸化物価は、油脂の自動酸化により生成するヒドロペルオキシドなどの過酸化物の量を示す値であり、油脂1kgによりヨウ化カリウムから遊離されるヨウ素のミリ当量数で表される。過酸化物価の値は、油脂の自動酸化によりはじめ増加するが、その後、生成した過酸化物は加熱及び金属イオンにより分解されるため減少する。3:正\nヨウ素価の化学反応である。ヨウ素価は油脂中の不飽和結合の量を示す値であり��油脂100gに吸収されるハロゲンの量をヨウ素のg数に換算したものである。油脂の自動酸化の進行により二重結合は減少するため、ヨウ素価の値は減少する。4:誤\nカルボニル価の化学反応である。カルボニル価は、カルボニル化合物の量を示す値であり、試料に2,4-ジニトロフェニルヒドラジンを反応させ、ジニトロフェニルヒドラゾンとし、アルカリ性にすることで比色定量する。カルボニル価の値は、油脂の自動酸化により増加する。5:誤\nチオバルビツール酸(TBA)の化学反応である。TBA試験は、油脂の自動酸化により生成するマロンジアルデヒドなどのアルデヒド量を示す値であり、油脂を酸性条件下で加熱して遊離する成分とTBAを反応させて生じる532nmに極大吸収をもつ赤色色素を定量する。TBA試験の値は、油脂の自動酸化により増加する。"} +{"problem_id": "108128", "problem_text": "下図は、即時型食物アレルギーの原因となった食物の割合について、3年ごとの調査結果を示したものである。A及びBに該当する食物の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。*食物の摂取後60分以内に症状が出現し、かつ医療機関を受診したもののうち、原因抗原が特定された症例について、原因となった食物の割合を示した。消費者庁「令和3年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業「報告書」を基に作成", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "108129", "problem_text": "食品中の発がん物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["サイカシンは、\\beta -グルクロニダーゼにより加水分解されて発がん作用を示す。", "アフラトキシンB_{1}は、シトクロムP450によりエポキシ化されて発がん作用を示す。", "Trp-P-1は、高温での加熱調理により食品中の核酸から生成する。", "ベンゾ[a]ピレンは、高温での加熱調理により食品中のアミノ酸から生成する。", "ジメチルニトロソアミンは、酸性下において、亜硝酸とジメチルアミンとの反応により生成する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nサイカシンは、ソテツの実に含まれる配糖体であり、腸内細菌の\\beta -グルコシダーゼにより加水分解を受け、メチルカチオンとなり発がん作用を示す。2:正アフラトキシンB_{1}は、Aspergillus属のカビが産生するマイコトキシンであり、シトクロムP450によりエポキシ化されて発がん作用を示す。3:誤\nTrp-P-1は、肉や魚などのタンパク質を含む食品を加熱調理した際に生じるヘテロサイクリックアミンである。Trp-P-1は、シトクロムP450によりN-水酸化反応を受け、さらに硫酸抱合やアセチル抱合を受けることで生じるニトレニウムイオンとなり発がん性を示す。4:誤\nベンゾ[a]ピレンは、有機物の不完全燃焼で生成する多環芳香族炭化水素であり、シトクロムP450によりエポキシ化されて発がん性を示す。5:正\nジメチルニトロソアミンは、食品由来の亜硝酸と第二級アミン(ジメチルアミンなど)が胃内酸性条件下において生成する発がん性物質である。ジメチルニトロソアミンは、シトクロムP450によるN-脱アルキル化反応を受け、メチルカチオンとなり発がん性を示す。"} +{"problem_id": "108130", "problem_text": "食品添加物A〜Eに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aは、かんきつ類やバナナに使用される防かび剤である。", "Bは、ショ糖の200倍の甘さがある甘味料である。", "Cは、酸性領域で効果のある保存料である。", "Dは、金属封鎖作用のある酸化防止剤である。", "Eは、酸性のタール色素である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nA(チアベンダゾール)は、防かび剤であり、かんきつ類やバナナに使用される。また、海外おいて、チアベンダゾールは、ホストハーベスト農薬として使用されている。2:誤\nB(デヒドロ酢酸ナトリウム)は、酸型保存料であり、バターやチーズ、マーガリンなどの発酵食品に使用される。デヒドロ酢酸ナトリウムは、中性〜酸性条件下で微生物の増殖を抑制する。3:誤\nC(L-グルタミン酸ナトリウム)は、うまみを引き出す調味料として使用されている。4:正\nD(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム)は、酸化防止剤であり、缶詰や瓶詰めの飲食物に使用される。エチレンジアミン四酢酸��ナトリウムは、油脂の酸化を促進する金属イオンを封鎖する作用を有する。5:誤\nE(ネオテーム)は、甘味料であり、ジュース、お菓子、アイスクリームなどに使用される。ネオテームは、アスパルテームから得られる誘導体であり、スクロース(ショ糖)の約7,000〜13,000倍の甘みを有する。"} +{"problem_id": "108131", "problem_text": "食中毒の原因となる自然毒の成分とそれらを含有する動植物及び中毒症状の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nオカダ酸は、有毒渦鞭毛藻類が産生する毒性成分であり、ムラサキイガイなどの二枚貝に蓄積する。オカダ酸は、中毒症状として、下痢、腹痛、嘔吐などを引き起こす。2:誤\nソラニンは、ジャガイモの発芽部・緑皮部に含まれる毒性成分であり、コリンエステラーゼ阻害作用を有する。ソラニンは、中毒症状として、胃腸障害、縮瞳、意識混濁などを引き起こす。3:誤\nリコリンは、スイセンに含まれる毒性成分である。リコリンは、中毒症状として、消化器症状(悪心・嘔吐、下痢、腹痛など)を引き起こす。なお、ワラビの毒性成分は、プタキロシドであり、発がん性を示す。4:誤\nシガトキシンは、有毒渦鞭毛藻類が産生する毒性成分であり、主に熱帯・亜熱帯のサンゴ礁魚に蓄積する。シガトキシンは、中毒症状として、冷たいものに触れるとビリビリと痛みを感じるドライアイスセンセーションを引き起こす。5:正\nシロシビン(サイロシビン)は、ワライタケに含まれる毒性成分である。シロビシン(サイロシビン)は、中毒症状として、幻覚、錯乱、筋弛緩などを引き起こす。"} +{"problem_id": "108132", "problem_text": "化学物質の毒性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["硫化水素は、ミトコンドリアのシトクロムオキシダーゼの阻害により、細胞呼吸を抑制する。", "DEHP[フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)]は、ヘム合成に関わる酵素を阻害することで、造血機能障害を生じる。", "四塩化炭素は、シトクロムP450によって還元的に脱ハロゲン化されて肝障害を引き起こす。", "塩化ビニルモノマーは、アセチルコリンエステラーゼの阻害により、神経毒性を示す。", "カルバリルは、アコニターゼの阻害により、呼吸器障害を生じる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n硫化水素(H_{2}S)は、3価の鉄に強い親和性を示すため、ミトコンドリアのシトクロムオキシダーゼのFe^{3}^{+}に結合し、その酵素活性を阻害することにより、細胞呼吸を抑制する。2:誤\nDEHP[フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)]は、可塑剤として用いられ、一般にヒトに対する毒性は低いが、実験動物では生殖毒性などを引き起こすことが報告されている。なお、ヘム合成に関わる酵素を阻害することで、造血機能障害を生じるのは無機鉛である。3:正\n四塩化炭素は、シトクロムP450によって還元的に脱ハロゲン化されて、トリクロロメチルラジカルを生じることにより肝障害を引き起こす。4:誤\n塩化ビニルモノマーは、シトクロムP450によりエポキシ化され、肝血管肉腫を引き起こすことが報告されている。なお、アセチルコリンエステラーゼの阻害により、神経毒性を示すのは、有機リン系農薬、カルバメート系農薬(カルバリルなど)である。5:誤\n解説4参照。なお、アコニターゼの阻害により、呼吸器障害を生じるのは、モノフルオロ酢酸ナトリウムである。"} +{"problem_id": "108133", "problem_text": "毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["食品添加物の指定を申請する際には、単回投与毒性試験を行う必要がある。", "反復投与毒性試験の目的は、半数致死量(LD_{50})を求めることである。", "化学物質の毒性試験には、一般毒性試験と特殊毒性試験がある。", "食品添加物の指定を申請する際には、アレルゲン性(抗原性)試験を行う必要がある。", "発がん性試験では、ラットやマウスに被験化学物質を反復投与して90日間における腫瘍の発生の有無を調べる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n食品添加物は、一度の高濃度のばく露を受ける可能性が低いが、繰り返してばく露することがあるため、指定を申請する際に単回投与毒性試��を行う必要がなく、反復投与毒性試験を行う必要がある。2:誤\n反復投与毒性試験の目的は、無毒性量(NOAEL)、最小毒性量(LOAEL)を求めることである。なお、半数致死量(LD_{50})を求めるために行われる試験は、単回投与毒性試験である。3:正\n化学物質の毒性試験は、一般毒性試験(単回投与毒性試験、反復投与毒性試験)と特殊毒性試験(発がん性試験、アレルゲン性(抗原性)試験、遺伝毒性試験など)に分けられる。4:正\n5:誤\n発がん性試験では、ラットやマウスに被験化学物質を反復投与してほぼ一生における被験物質の発がん性について調べる。"} +{"problem_id": "108134", "problem_text": "成人集団(平均体重60kg)について5種類の食品群からの甘味料Aの一日摂取量が調査された。表1は成人一人あたりの甘味料Aの各食品群からの一日摂取量を、表2は許容一日摂取量(ADI)設定のために行われた試験結果を示している。このとき、成人における甘味料Aの一日摂取量は、ADIの何%に相当するか。最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、他の食品群からの甘味料Aの摂取はないものとする。", "choices": ["0.16", "0.27", "0.80", "1.9", "2.4"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "① 許容一日摂取量(ADI)を求める。ADI=無毒性量(NOAEL)/安全係数\n=1,500(mg/kg体重/日)/100=15(mg/kg体重/日)\n② 甘味料Aの食品群からの体重あたりの一日摂取量(mg/kg体重/日)を求める。(1.677+0.005+0.015+0.013+0.702)/60=0.0402(mg/kg体重/日)\n③ ①、②より、成人における甘味料Aの一日摂取量は、ADIの何%に相当するかを求める。0.0402/15\\times 100=0.268%"} +{"problem_id": "108135", "problem_text": "化審法*及び化管法**に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。*化審法: 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 **化管法: 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律", "choices": ["化審法の対象となる物質は、新規化学物質のみであり、化審法の公布前に製造輸入されていた既存化学物質は、対象とはならない。", "化審法における監視化学物質は、難分解性、低蓄積性であり、ヒト及び生活環境動植物に対して長期毒性を有する物質である。", "化審法において、分解性の判定には活性汚泥が用いられる。", "化管法において、安全データシート(SDS)制度は、対象となる事業者が対象化学物質の排出・移動量を国に届け出る制度である。", "化管法において、PRTR制度の対象物質は、SDS制度の対象物質に指定されている。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n化審法の対象となる物質は、新規化学物質に限らず、化審法の公布前に製造輸入されていた既存化学物質も対象となる。2:誤\n化審法における監視化学物質は、難分解性、高蓄積性であり、ヒト及び生活環境動植物に対して長期毒性が不明な物質である。3:正\n化審法において、分解性の判定には活性汚泥(好気性微生物群を含んだ浮遊性有機汚泥)を用いた分解度試験が用いられる。4:誤\n化管法において、安全データシート(SDS)制度は、事業者が指定化学物質やそれを含む製品を他の事業者に譲渡または提供する際に、当該化学物質の特性及び取扱いに関する情報を提供する制度である。対象となる事業者が対象化学物質の排出・移動量を国に届け出る制度は、PRTR制度である。5:正\n化管法において、PRTR制度の対象物質は第一種指定化学物質であり、SDS制度の対象物質は第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質である。よって、PRTR制度の対象物質(第一種指定化学物質)は、SDS制度の対象物質に指定されている。"} +{"problem_id": "108136", "problem_text": "放射性核種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["じゃがいもの発芽防止には、^{60}Coから放出される\\gamma 線が利用される。", "^{131}Iは、甲状腺がんの治療に利用される。", "^{90}Sr及び^{239}Puの集積する器官は主に筋肉である。", "実効(有効)半減期は、生物学的半減期と物理学的半減期の差で表される。", "^{222}Rn及び^{226}Raは、人工放射性核種である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正我が国では、じゃがいもの発芽を防止する目的として、^{60}Coから放出される\\gamma 線が利用される。なお、食品衛生法において、原則、食品に放射線を照射してはなら��いと定められている。2:正^{131}Iは\\beta ^{-}線を放出するため、甲状腺がん、甲状腺機能亢進症の治療に利用される。なお、^{131}Iを含有する放射性医薬品として、ヨウ化ナトリウム(^{131}I)カプセルがあり、甲状腺がん、甲状腺機能亢進症の治療に用いられる。3:誤^{90}Sr及び^{239}Puの集積する器官は主に骨である。なお、主に筋肉に集積する放射性核種として^{137}Csがある。4:誤\n有効半減期は下記の式で表される。5:誤^{222}Rn及び^{226}Raは、天然放射性核種である。"} +{"problem_id": "108137", "problem_text": "地球環境保全の国際的な取組に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["バーゼル条約は、有害廃棄物の国境を超える移動及びその処分の規制に関する条約である。", "ストックホルム条約は、オゾン層を保護するための国際協力に関する条約である。", "ワシントン条約は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約である。", "ウィーン条約は、廃棄物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約である。", "ロンドン条約は、残留性有機汚染物質(POPs)の製造、使用及び輸出入に関する条約である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nバーゼル条約は、有害廃棄物の国境を超える移動及びその処分の規制に関する条約であり、有害廃棄物によりもたらされる危険から人の健康及び環境を保護することを目的として定められたものである。2:誤\nストックホルム条約は、残留性有機汚染物質(POPs)の製造、使用及び輸出入に関する条約である。3:正\nワシントン条約は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約であり、野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより、絶滅のおそれのある野生動植物の保護をはかることを目的として定められた。4:誤\nウィーン条約は、オゾン層を保護するための国際協力に関する条約である。5:誤\nロンドン条約は、廃棄物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約である。"} +{"problem_id": "108138", "problem_text": "水道水質基準の基準項目に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["テトラクロロエチレンは、フミン質を含む水道原水の塩素消毒により生成する。", "ブロモジクロロメタンは、臭化物イオンを含む水道原水の塩素消毒により生成する。", "ジクロロ酢酸は、水道原水の塩素消毒によりジクロロメタンから生成する。", "2-メチルイソボルネオールは、藍藻類や放線菌が産生するカビ臭物質である。", "1,4-ジオキサンは、フェノール類を含む水道原水の塩素消毒により生成する悪臭物質である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nテトラクロロエチレンは、ドライクリーニング、金属脱脂洗浄等に使用され、地下水汚染の原因となる。なお、フミン質を含む水道原水の塩素消毒により生成するのは、トリハロメタンである。2:正\nブロモジクロロメタンは、トリハロメタンの一種であり、臭化物イオンやフミン質を含む水道原水の塩素消毒により生成する。3:誤\nジクロロ酢酸は、ハロゲン化酢酸類の一種であり、原水中の一部の有機物質と塩素が反応して生成する。4:正\n2-メチルイソボルネオールは、富栄養化に伴って藍藻類や放線菌が産生するカビ臭物質である。5:誤\n1,4-ジオキサンは、溶剤、安定剤等に使用され、地下水汚染の原因となる。なお、フェノール類を含む水道原水の塩素消毒により生成する悪臭物質は、クロロフェノール類であ"} +{"problem_id": "108139", "problem_text": "図1〜3は、一般環境大気測定局(一般局)及び自動車排出ガス測定局(自排局)における大気汚染物質濃度の年平均値の推移を示したものであり、大気汚染物質ア〜ウは二酸化硫黄、二酸化窒素、光化学オキシダントのいずれかである。次の記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、光化学オキシダントは昼間の日最高1時間値の年平均値である。", "choices": ["大気汚染物質アは、光化学反応によって生じる二次汚染物質である。", "大気汚染物質イは、燃焼などの高温下で大気成分が酸素と反応して生じる。", "大気汚染物質ウは、主に自動車排出ガス成分として放出され、工場などの固定発生源からの排出の影響は小さい。", "大気汚染物質アは、四��市ぜん息の主な原因物質である。", "大気汚染物質イの2010年度以降における大気環境基準達成率は、一般局と自排局のいずれにおいても低い。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "大気汚染物質ア(二酸化窒素)は、1970〜1990年代において一般局、自排局ともにほぼ横ばいであったが、その後、自動車NOx・PM法(自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法)により減少傾向となった。大気汚染物質イ(光化学オキシダント)は、1980年以降増加傾向である。大気汚染物質ウ(二酸化硫黄)は、1960〜1970年代に日本各地で汚染が発生したが、K値規制(ばい煙発生施設での排出規制)、指定地域での総量規制などの対策がとられ、一般局、自排局ともに低い値を推移している。1:誤\n大気汚染物質ア(二酸化窒素)は、燃焼などの高温下で大気成分が酸素と反応して生成する物質である。なお、光化学反応によって生じる二次汚染物質は、大気汚染物質イ(光化学オキシダント)である。2:誤\n解説1参照\n3:誤\n大気汚染物質ウ(二酸化硫黄)は、主に工場等の固定発生源で化石燃料に含まれる硫黄分が燃焼することで発生する。4:誤\n四日市ぜん息の主な原因物質は、大気汚染物質ウ(二酸化硫黄)である。5:正\n大気汚染物質イ(光化学オキシダント)の2010年度以降における大気環境基準達成率は、一般局と自排局のいずれにおいてもほぼ0%と低い。"} +{"problem_id": "108140", "problem_text": "窓を開けて換気を行っている講義室で、大学生が講義を受けている。講義開始時400ppm(0.04%)であったCO_{2}濃度が徐々に増加し、1,400ppm(0.14%)に達して一定となった。この講義室の換気量(m^{3}/h)として、最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、講義室には大学生と教員を合わせて130名がおり、大学生及び教員の一人あたりのCO_{2}排出量を0.022 m^{3}/h、屋外のCO_{2}濃度を400ppm(0.04%)とする。", "choices": ["320", "810", "1,800", "2,900", "8,900"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "設問に「講義開始時400ppm(0.04%)であったCO_{2}濃度が徐々に増加し、1,400ppm(0.14%)に達して一定となった。」と記載されていることから、CO_{2}濃度が1,400ppmに到達した時、講義室にいる人から発生する二酸化炭素と換気により二酸化炭素が排出される量が同じになっていると考えることができる。よって、下記の式より換気量を求めることができる。"} +{"problem_id": "108141", "problem_text": "薬剤師の業務に関係するインターネット等の利用に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["有名人のAさんに対して調剤を行ったことについて名前と処方内容を含めてSNSに投稿する。", "薬局のホームページにおいて、一般用医薬品の広告をする際、利用者の口コミを表示する。", "医療機関では漏えいのおそれがあるため、セキュリティ対策を行ったとしてもWi-Fi(無線LAN)は利用できない。", "亡くなった後の患者の情報は個人情報でなくなるため、薬剤師の個人ブログで患者の情報を公表する。", "インターネット上の医療情報は、裏付けがある情報か検討した上で利用の可否を検討する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n薬剤師は、職務上知り得た患者等の情報を適正に管理し、正当な理由なく漏洩し又は利用してはならない(守秘義務)ため、有名人のAさんに対して調剤を行ったことについて名前と処方内容を含めてSNSに投稿することは不適切である。2:誤\n何人も医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品において、下記に示す広告してはならない。虚偽・誇大な広告\n医師その他の者が保証したと誤解される広告\n堕胎の暗示、わいせつな文書又は図画の使用\nよって、薬局のホームページにおいて、一般用医薬品の広告をする際、利用者の口コミを表示することは不適切である。3:誤\n医療機関において、Wi-Fi(無線LAN)を利用することは可能である。なお、Wi-Fi(無線LAN)を利用する際には、セキュリティ対策を十分行う必要がある。4:誤\n亡くなった後の者の情報は個人情報に該当しないが、医療・介護においては、生存する者と同様に取り扱うことが求められている。よって、薬剤師の個人ブログで亡くなった後の患者の情報を公表することは不適切である。5:正"} +{"problem_id": "108142", "problem_text": "薬剤師法が定める薬剤師の業務に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬剤師は、調剤の求めがあった場合、薬局開設者の許可があれば調剤を断ることができる。", "薬剤師でない者は、原則、販売又は授与の目的で調剤できない。", "薬剤師は、正当な理由があると認める場合には、薬剤師の判断で、処方箋に記載された医薬品の用法・用量を変更して調剤することができる。", "薬剤師は、調剤した薬剤の適正な使用のため必要があると認める場合、患者の薬剤の使用状況を継続的かつ的確に把握し、必要な指導等を行わなければならない。", "薬剤師は、処方箋が調剤済みになった場合には、速やかに処方箋を破棄しなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n調剤に従事する薬剤師は、調剤を求められた場合、正当な理由がなければこれを拒んではならない(薬剤師法 第21条)。<調剤を拒むことができる正当な理由の例>\n薬剤師の不在(冠婚葬祭、急病)、処方医の不在(疑義照会時等)\n災害・事故等により物理的に調剤が不可能な場合:等\n2:正\n薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはならない(薬剤師法 第19条)。3:誤\n薬剤師は、処方箋に記載された医薬品につき、その処方箋を交付した医師、歯科医師または獣医師の同意を得た場合を除くほか、これを変更して調剤してはならない(薬剤師法 第23条)。4:正\n薬剤師は、調剤した薬剤の適正な使用のため必要があると認める場合には、患者の当該薬剤の使用状況を継続的かつ的確に把握するとともに、患者又は現にその看護に当たっている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない(薬剤師法 25条)。5:誤\n薬局開設者は、調剤済みとなった処方箋を、調剤済みとなった日から3年間保存する義務がある。"} +{"problem_id": "108143", "problem_text": "医薬品の製造販売の承認拒否事由に該当するのはどれか。2つ選べ。ただし、特例承認や緊急承認などの特別な事例は除く。", "choices": ["申請者である企業が製造販売業の許可を受けていないとき。", "申請に係る医薬品と同じ作用機序のものが、すでに10剤以上承認されているとき。", "申請に係る医薬品が効能又は効果を有すると認められないとき。", "申請に係る医薬品が海外での承認や審査を受けていないとき。", "申請に係る医薬品の製造所における製造管理又は品質管理の方法が、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準」に適合していると認められないとき。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "製造販売の承認基準\n製造販売の承認要件は絶対的基準: 要件を1つでも満たさないことがあれば承認が与えられない\n・承認申請者が、申請に係る品目の種類に応じた製造販売業の許可を受けていること\n・製造所が、申請に係る品目の区分に応じた製造業の許可又は外国製造業者の認定を受けていること\n(医療機器及び体外診断用医薬品については、製造業の登録又は外国製造業者の登録)\n・申請された品目が、次に該当しないこと\n名称、成分、分量、構造、用法、用量、使用方法、効能、効果、性能、副作用、その他品質、有効性及び安全性に関わる事項の審査の結果、イ、ロ、ハに該当しないこと\nイ:申請した効能、効果又は性能を有すると認められないとき\nロ:効能、効果に比して著しく有害な作用を有することにより使用価値がないと認められるとき\nハ:性状又は品質が、保健衛生上著しく不適当なとき\n・政令で定める医薬品等は、その製造所がGMP省令に適合していること。(医療機器及び体外診断用医薬品については、その製造所がQMS省令に適合していること\n(再生医療等製品については、その製造所がGCTP省令に適合していること)"} +{"problem_id": "108144", "problem_text": "医薬品の治験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["治験は、承認申請のために製薬企業が行うものであり、医師が主導して行うことはできない。", "医療機関に治験を依頼するに当たって、治験依頼者は治験実施医療機関と契約を締結しなければならない。", "治験の実施に際しては、当該治験を実施する医療機関に設置され���治験審査委員会の承認を得なければならない。", "新有効成分の治験は、初回の治験計画を届け出てから起算して30日を経過した後でなければ依頼又は自ら実施してはならない。", "インフォームド・コンセントは、必ず文書による説明を行わなければならないが、同意は必ずしも文書で取得する必要はない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n企業主導治験(企業が主導権をもって実施する治験)が主であるが、医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)が改正され、医師主導治験(医師自らが主導する治験)も行われている。2:正\n医療機関に治験を依頼する際には、治験依頼者は治験実施医療機関と契約を締結しなければならない。3:誤\n治験の実施に際しては、治験審査委員会の承認を得る必要がある。ただ、治験審査委員会には、実施医療機関の長が実施施設内に設置するもの以外に、外部の治験審査委員会(特定非営利活動法人等)が存在しており、治験の実施に際しては、必ずしも当該治験を実施する医療機関に設置された治験審査委員会による承認を必要としない。4:正\n治験の対象となる薬物について初めて治験の計画を届け出た者は、届出後30日を経過した後でなければ、治験を依頼し、又は自ら治験を実施してはならない。5:誤\n治験責任医師等は、被験者となるべき者を治験に参加させるときには、あらかじめ治験の内容等について被験者本人の理解を得るよう、文書により適切な説明を行い、文書により同意を得なければならない。"} +{"problem_id": "108145", "problem_text": "医薬品の直接の容器被包の表示に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、省略等の特例はないものとする。", "choices": ["毒薬は、黒地に白枠、白字で品名及び「毒」の文字を記載する。", "一般用医薬品は、リスク区分を原則として赤枠、赤字で記載する。", "日本薬局方に収められている医薬品は、「薬局方」の文字を記載する。", "専ら他の医薬品の製造の用に供される医薬品は、「製造専用」の文字を記載する。", "要指導医薬品は、赤字で「要指導医薬品」の文字を記載する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n毒薬は、黒地に白枠、白字で品名及び「毒」の文字を記載する。2:誤\n一般用医薬品は、リスク区分を原則として、黒枠の中に黒字で記載する(ただし、その直接の容器又は直接の被包の色と比較して明瞭に判読できない場合は、白枠の中に白字で記載することができる)。3:誤\n日本薬局方に収められている医薬品は、原則として「日本薬局方」の文字を記載する。4:正\n専ら他の医薬品の製造の用に供される医薬品(製造専用医薬品)は、「製造専用」の文字を記載する。5:誤\n要指導医薬品は、黒枠の中に黒字で記載する(ただし、その直接の容器又は直接の被包の色と比較して明瞭に判読できない場合は、白枠の中に白字で記載することができる)。"} +{"problem_id": "108146", "problem_text": "医薬品の製造販売業及び製造業に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["製造業の許可は、製造所ごとに受けなければならない。", "製造業者は、製造所ごとに医薬品総括製造販売責任者を設置しなければならない。", "製造販売業者が、自ら輸入した一般用医薬品を店舗販売業者に販売する場合は、医薬品販売業の許可を必要としない。", "製造販売業者が、医薬品を自社工場で製造する場合は、製造業の許可を受けたものとみなされる。", "第1種医薬品製造販売業の許可を受けた場合は、第2種医薬品製造販売業対象の医薬品も製造販売することができる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造業の許可は、厚生労働省令で定める区分に従い、製造所ごとに厚生労働大臣が与える。2:誤\n医薬品の製造業者は、製造所ごとに医薬品製造管理者を設置しなければならない。なお、医薬品総括製造販売責任者を設置しなければならないのは、医薬品製造販売業者である。3:正\n製造販売業者は、医薬品販売業の許可なく、自ら製造又は自ら輸入した医薬品を薬局開設者、医薬品の製造販売業者、製造業者、販売業者(店舗販売業者、配置販売業者、卸売販売業者)に販売することができる。4:誤\n医薬品製造販売��者が、医薬品を自社工場で製造する場合には、厚生労働省令で定める区分に従い、製造所ごとの医薬品製造業の許可が必要である。5:誤\n第1種医薬品製造販売業の許可(処方箋医薬品の製造販売許可)を受けただけでは、第2種医薬品製造販売業対象の医薬品(処方箋医薬品以外の医薬品(薬局製造販売品及び体外診断用医薬品を除く))を販売することはできない。"} +{"problem_id": "108147", "problem_text": "医療法に明記されていないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["医療は、国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎とする。", "医療は、個人の利益よりも公共の利益を優先して行われなければならない。", "医療は、治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む。", "医療は、医療を受ける者の意向を十分に尊重し、医療提供施設の機能に応じ効率的に提供されなければならない。", "医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:明記されている\n医療法において、「医療は、国民自らの健康の保持増進のための努力を基盤として、医療を受ける者の意向を十分に尊重し、医療提供施設の機能に応じ効率的に提供されなければならない」とされている。2:明記されていない\n医療法において、医療を受ける者の利益の保護について明記されているが、「個人の利益よりも公共の利益を優先して行われなければならない」とは明記されていない。3:明記されている\n医療法において、「医療は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションまでを含む良質かつ適切なものでなければならない」とされている。4:明記されている\n解説1参照\n5:明記されている\n医療法において、「医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない」とされている。"} +{"problem_id": "108148", "problem_text": "介護保険に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["保険者は、市町村(特別区含む)である。", "保険給付を受けていない第2号被保険者は、保険料を支払う必要はない。", "第2号被保険者は、特定疾病によって生じた障害による要支援・介護状態でなければ、保険給付を受けることはできない。", "要介護認定(要支援認定を含む)は、主治医が行う。", "要支援状態と認定された者はサービスの利用に際し費用の自己負担があるが、要介護状態と認定された者は自己負担がない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n介護保険の保険者は、市町村(特別区を含む)である。2:誤\n介護保険の被保険者(第1号被保険者、第2号被保険者)は、保険給付を受けていなくても、保険料を支払う必要がある。3:正\n第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)は、特定疾病によって生じた障害による要支援・介護状態でなければ、保険給付を受けることはできない。4:誤\n要介護認定(要支援認定を含む)は、市町村(特別区)が行う。5:誤\n要介護状態と認定された者でも、自己負担は免除されない。"} +{"problem_id": "108149", "problem_text": "我が国の薬価基準制度の記述に関して、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["医療用医薬品として承認された医薬品であっても、薬価基準に収載されていないものがある。", "新医薬品の薬価算定は、原価計算方式を原則とする。", "薬価基準に定められている薬価は、国際的な統一ルールに基づいて決定される公定価格である。", "新医薬品の薬価算定において、医薬品の有用性や市場性の観点で加算される制度がある。", "新医薬品の薬価は、一度決まると後発医薬品が薬価基準に収載されるまで維持される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n薬価基準には保険診療や保険調剤に使用する医薬品の品目が収載されているため、医療用医薬品であっても保険対象外の医薬品の品目(プロペシアなど)については収載されていない。2:誤\n新医薬品の薬価算定には、原価計算方式と類似薬効比較方式が用いられるが、基本となるのは、類似薬効比較方式である。新医薬品の価格算定\n・比較対照薬を選定できる場合: 類似薬効比較方式+補正加算\n・比較対照薬を選定できない場合: 原価計算方式\n3:誤\n薬価とは、国により決定される医薬品の公定価格であり、薬価を決める際、国際的な統一ルールが適応されることはない。4:正\n新医薬品の薬価算定において、画期性、有用性、市場性を考慮した補正加算が行われる制度がある。5:誤\n薬価改定は、毎年行われる。"} +{"problem_id": "108150", "problem_text": "マズローの欲求の階層説において第1層にあたる欲求はどれか。1つ選べ。", "choices": ["苦痛、不安、恐怖を避けて安定した状態を保ちたい欲求", "人に愛されたいという欲求", "周囲から価値があると認められたい欲求", "自身の目標を達成したい欲求", "食事・排泄・睡眠などの欲求"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "マズローの欲求5段階仮説とは、心理学者のアブラハム・マズローが提唱した仮説であり、人間の欲求を生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求の5段階で構成されていることを示したものである。"} +{"problem_id": "108151", "problem_text": "完全アゴニストの濃度-反応曲線(曲線A)に関連する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、各薬物は同一の受容体にのみ作用し、また、余剰受容体は存在しないものとする。", "choices": ["部分アゴニストは、完全アゴニストによる最大反応には影響せず、曲線Aを低濃度側に平行移動させる。", "競合的アンタゴニストは、受容体に可逆的に結合し、曲線Aを高濃度側に平行移動させる。", "非競合的アンタゴニストは、完全アゴニストによる最大反応には影響せず、曲線Aを高濃度側に平行移動させる。", "逆アゴニストは、曲線Aを低濃度側に平行移動させる。", "完全アゴニストに化学修飾を加え、内活性は変えずに受容体に対する親和性だけを上げると、その濃度-反応曲線は、曲線Aより低濃度側に位置する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n部分アゴニストは、完全アゴニストに比べ作用が弱いアゴニストである。部分アゴニストは、完全アゴニストの受容体への結合を阻害するため、曲線Aを低濃度側に平行移行させない。2:正\n競合的アンタゴニストは、受容体に可逆的に結合するため、完全アゴニストの濃度が低い状態では反応を阻害するが、濃度が高い状態では反応阻害が現れにくくなる。よって、競合的アンタゴニストは、曲線Aを高濃度側に平行移動させる。3:誤\n非競合的アンタゴニストは、完全アゴニストと異なる部位に結合することで完全アゴニストの反応を低下させる。よって、非競合的アンタゴニストは、曲線Aの最大反応を低下させる。4:誤\n逆アゴニストは、受容体の恒常的活性を阻害する作用を有する。逆アゴニストは、曲線Aの最大反応を低下させる。5:正\n完全アゴニストに化学修飾を加え、内活性は変えずに受容体に対する親和性だけを上げると、最大反応は変わらず、低濃度で反応が現れやすくなるため、その濃度-反応曲線は、曲線Aより低濃度側に位置する。"} +{"problem_id": "108152", "problem_text": "自律神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["シロドシンは、アドレナリン\\alpha _{1A}受容体を遮断して、前立腺部の平滑筋収縮を抑制する。", "エチレフリンは、アドレナリン\\beta _{1}受容体を遮断して、心拍出量を減少させる。", "リトドリンは、アドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激して、子宮平滑筋を弛緩させる。", "グリコピロニウムは、アセチルコリンM_{3}受容体を刺激して、気管支平滑筋を弛緩させる。", "セビメリンは、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断して、唾液分泌を高める。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nシロドシンは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断薬であり、アドレナリン\\alpha _{1A}受容体を遮断して、前立腺部の平滑筋収縮を抑制する。2:誤\nエチレフリンは、アドレナリン\\alpha 、\\beta 受容体刺激薬であり、アドレナリン\\beta _{1}受容体を刺激して、心拍量を増大させる。3:正\nリトドリンは、アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激薬であり、アドレナリン\\beta _{2}受容体を刺激して、子宮平滑筋を弛緩させる。4:誤\nグリコピロニウムは、アセチルコリンM_{3}受容体遮断薬であり、アセ��ルコリンM_{3}受容体を遮断して、気管支平滑筋を弛緩させる。5:誤\nセビメリンは、アセチルコリンM_{3}受容体刺激薬であり、アセチルコリンM_{3}受容体を刺激して唾液分泌を高める。"} +{"problem_id": "108153", "problem_text": "統合失調症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ハロペリドールは、中脳辺縁系におけるドパミンD_{2}受容体を遮断することで、統合失調症の陽性症状を改善する。", "アリピプラゾールは、黒質線条体ドパミン神経系を抑制することで、統合失調症の陰性症状を改善する。", "オランザピンは、セロトニン5-HT_{2A}受容体を刺激することで、体重増加を起こす。", "ペロスピロンは、セロトニン5-HT_{1A}受容体を遮断することで、抗不安作用を示す。", "クロルプロマジンは、ヒスタミンH_{1}受容体及びアドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断することで、鎮静作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nハロペリドールは、中脳辺縁系におけるドパミンD_{2}受容体を遮断することで、統合失調症の陽性症状を改善する。2:誤\nアリピプラゾールは、セロトニン5-HT_{2A}受容体遮断作用により中脳皮質系の抑制を解除することで、統合失調症の陰性症状を改善する。3:誤\nオランザピンは、セロトニン5-HT_{2C}受容体、ヒスタミンH_{1}受容体を遮断することで、体重増加を起こす。4:誤\nペロスピロンは、セロトニン5-HT_{1A}受容体を刺激することで、抗不安作用を示す。5:正\nクロルプロマジンは、ヒスタミンH_{1}受容体及びアドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断することで、鎮静作用を示す。"} +{"problem_id": "108154", "problem_text": "抗てんかん薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ガバペンチンは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体に結合して、GABA作動性神経伝達を増強する。", "ラモトリギンは、K^{+}チャネルを遮断することで、神経細胞膜を脱分極させて、グルタミン酸などの興奮性神経伝達物質の遊離を抑制する。", "ペランパネルは、シナプス後膜に存在するグルタミン酸AMPA受容体を遮断して、グルタミン酸による神経細胞の過剰興奮を抑制する。", "カルバマセピンは、電位依存性T型Ca^{2+}チャネルを遮断して、神経細胞における活動電位の発生を抑制する。", "レベチラセタムは、シナプス小胞タンパク質2A(SV2A)に結合して、神経伝達物質の遊離を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nガバペンチンは、電位依存性Ca^{2+}チャネルの\\alpha _{2}\\delta サブユニットに結合し、シナプス前膜におけるCa^{2+}の流入を抑制して興奮性神経伝達物質(グルタミン酸)の遊離を抑制する。2:誤\nラモトリギンは、Na^{+}チャネルを抑制し、神経膜を安定化させ、興奮性神経伝達物質(グルタミン酸)の遊離を抑制する。3:正\nペランパネルは、シナプス後膜に存在するグルタミン酸AMPA受容体を選択的かつ非競合的に阻害して、グルタミン酸による神経細胞の過剰興奮を抑制する。4:誤\nカルバマセピンは、電位依存性Na^{+}チャネルを遮断し、神経細胞における活動電位の発生を抑制する。5:正\nレベチラセタムは、シナプス小胞タンパク質2A(SV2A)に結合して、神経伝達物質の遊離を抑制する。"} +{"problem_id": "108155", "problem_text": "中枢神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メチルフェニデートは、ノルアドレナリンやドパミンの再取り込みを阻害することで、覚醒作用を示す。", "カフェインは、キサンチンオキシダーゼを阻害することで、中枢興奮作用を示す。", "フルマゼニルは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のGABA結合部位を遮断することで、呼吸を促進する。", "グアンファシンは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を遮断することで、攻撃性を抑制する。", "アトモキセチンは、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、注意欠如を改善する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nメチルフェニデートは、シナプス前終末でのノルアドレナリンやドパミンの再取り込みを阻害することで、覚醒作用を示す。2:誤\nカフェインは、ホスホジエステラーゼ阻害作用、アデノシン受容体拮抗作用により中枢興奮作用を示すと考えられている。3:誤\nフルマゼニルは、\\gamma -アミノ酪酸GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン結合部位に高い親和性を示すため、ベンゾジアゼピン系薬による呼吸抑制を改善する。4:誤\nグアンファシンは、前頭前皮質の錐体細胞の後シナプスにおける\\alpha _{2A}アドレナリン受容体を刺激し、シグナル伝達を促進する。5:正\nアトモキセチンは、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、注意欠如を改善する。"} +{"problem_id": "108156", "problem_text": "抗リウマチ薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["インフリキシマブは、抗ヒトTNF-\\alpha 受容体モノクローナル抗体で、TNF-\\alpha の作用を抑制する。", "アバタセプトは、抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合して、CD28を介し共刺激シグナルを抑制する。", "トファシチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害して、IL-2受容体の活性化を介した作用を抑制する。", "トシリズマブは、抗ヒトIL-1\\beta モノクローナル抗体で、IL-1\\beta の作用を抑制する。", "エタネルセプトは、IL-6受容体の細胞外ドメインとヒトIgGのFc鎖との融合タンパク質で、IL-6の作用を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nインフリキシマブは、キメラ型抗ヒトTNF-\\alpha モノクローナル抗体で、TNF-\\alpha に結合し、TNF-\\alpha とTNF\\alpha 受容体との結合を阻害することでTNF-\\alpha の作用を抑制する。2:正\nアバタセプトは、CD 80/86に結合し、T細胞の共刺激シグナルを阻害することによりT細胞の活性化及びサイトカインの産生を抑制する。3:正\nトファシチニブは、ヤヌスキナーゼ(YAK)1及び3を阻害し、インターロイキンやインターフェロンの働きを抑制することにより炎症サイトカインや免疫グロブリンの産生を抑制する。4:誤\nトシリズマブは、抗ヒトIL-6モノクローナル抗体で、IL-6の作用を抑制する。5:誤\nエタネルセプトは、完全ヒト型可溶性TNF-\\alpha /LT-\\alpha 受容体であり、TNF-\\alpha の作用を抑制する。"} +{"problem_id": "108157", "problem_text": "50歳男性。身長170cm体重81kg(BMI28)。特に自覚症状は無く服薬歴もなかったが、健康診断で血圧が高いことを指摘された。家庭での血圧自己測定においても、連日140/90mmHg台と高く推移していたため受診した。診察室での血圧は146/92mmHg、心拍68拍/分(整)で、その他特記すべき異常所見は認められなかった。その後の複数回の受診時の血圧も同様に高く、I度高血圧と診断された。飲酒は毎日缶ビール(350mL)1本程度で、喫煙歴はない。しばらく生活習慣の改善を試みたが、診察室家庭血圧ともに降圧はほとんど認められなかったため、薬物療法を開始することになった。この患者の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["頻脈が認められる。", "肥満は認められない。", "白衣高血圧と仮面高血圧の可能性は、いずれも否定できる。", "食塩摂取量は9g/日未満が理想である。", "降圧薬の投与にあたっては、単剤を低用量から開始する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n心拍数の基準値は、1分あたり60〜100拍である。本患者の心拍数は、1分あたり68であることから、頻脈は認められない。2:誤\nBMI(Body Mass Index)が25以上の場合、「肥満」と判定される。本患者のBMIは28であることから、肥満である。3:正\n家庭での血圧自己測定値は、連日140/90mmHg台であり、また、診察室での血圧値は146/92mmHgであることから、家庭での血圧値と診察室での血圧値に大きな差が認められない。よって、白衣高血圧(家庭では高血圧でなくても、診察室血圧が高血圧の状態)と仮面高血圧(診察室では高血圧でなくでも、家庭では高血圧の状態)の可能性は、いずれも否定できる。4:誤\n高血圧患者における1日の食塩摂取量は、6g未満が推奨されている。5:正\nI度高血圧に対して降圧薬を投与にあたっては、単剤を低用量から開始する。"} +{"problem_id": "108158", "problem_text": "高血圧症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アリスキレンは、レニンを阻害することで、アンジオテンシンIの産生を抑制する。", "アテノロールは、アドレナリン\\beta _{1}受容体遮断により心拍出量を減少させるとともに、アドレナリン\\alpha _{1}受容体遮断により血管収縮を抑制する。", "シルニジピンは、電位依存性N型Ca^{2+}チャネ���を遮断することで、交感神経終末からのノルアドレナリン放出を抑制する。", "リシノプリルは、キニナーゼIIを阻害することで、ブラジキニンの生成を抑制する。", "クロニジンは、延髄の血管運動中枢のアドレナリン\\alpha _{2}受容体を遮断することで、交感神経活動を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nアリスキレンは、直接レニン阻害薬であり、レニンを直接阻害することで、アンジオテンシンIの産生を抑制する。"} +{"problem_id": "108159", "problem_text": "65歳女性。5年前より高血圧症を指摘されていたが、自覚症状がなく放置していた。数日前より頻回に動悸と気分不良を自覚するようになり、循環器内科を受診した。血圧124/86mmHg、心拍96拍/分(不整)であった。心電図などの諸検査の結果、心房細動と診断され、抗凝固薬が投与されることになった。この患者の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["心電図所見では、P波が消失し、不規則なRR間隔が認められる。", "心房細動の重症度判定に、NYHA分類が用いられる。", "心拍数の調節には、リドカイン点滴静注を用いる。", "1回拍出量は、心房細動の発症前と比べて低下している。", "無治療で洞調律に戻ることはない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n心房細動における心電図所見ではP波が消失し、基線が乱れた状態となり、不規則なRR間隔が認められる。2:誤\n心房細動の重症度判定には、NYHA分類は用いられない。なお、NYHA分類は自覚症状による心不全重症度の分類である。3:誤\nリドカイン点滴静注は、期外収縮、発作性頻拍の治療に用いられるが、心拍数の調節には用いられない。なお、心拍数の調節には、\\beta 受容体遮断薬、非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬、ジギタリス製剤、アミオダロン塩酸塩が用いられる。4:正\n心房細動では、心房の収縮が不完全になり、血液が心室に十分に送られなくなることで、1回の心拍出量が低下する。5:誤\n心房細動には、発作性心房細動、持続性心房細動、長期持続性心房細動がある。発作性心房細動では、無治療で洞調律(正常な脈)に戻ることがあるが、持続的に心房細動が継続すると、無治療で洞調律に戻りにくくなる。"} +{"problem_id": "108160", "problem_text": "抗凝固薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ナファモスタットは、アンチトロンビンと複合体を形成して、第Xa因子を阻害する。", "ダナパロイドは、アンチトロンビン非依存的に第Xa因子を直接阻害する。", "リバーロキサバンは、トロンビンに結合してプロテインCを活性化することで、トロンビンを直接阻害する。", "ワルファリンは、ビタミンKエポキシド還元酵素を阻害することで、ビタミンK依存性凝固因子の生成を阻害する。", "ダビガトランエテキシラートは、体内で活性代謝物となり、トロンビンを直接阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nナファモスタットは、タンパク質分解酵素阻害薬であり、アンチトロンビンIII非依存的にトロンビン及び第Xa因子などのタンパク分解酵素活性をもつ凝固因子を阻害する。"} +{"problem_id": "108161", "problem_text": "利尿薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["トリアムテレンは、遠位尿細管と集合管のNa^{+}チャネルを遮断してNa^{+}の再吸収を抑制することで、管腔へのK^{+}の排出を増加させる。", "トルバプタンは、集合管のバソプレシンV_{2}受容体を遮断することで、水の排泄を増加させる。", "インダパミドは、ヘンレ係蹄上行脚のNa^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送体を阻害することで、Na^{+}の再吸収を抑制する。", "エプレレノンは、遠位尿細管と集合管のミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)を遮断することで、Na^{+}の再吸収とK^{+}の排泄を抑制する。", "アゾセミドは、遠位尿細管のNa^{+}-Cl^{-}共輸送体を阻害することで、水の再吸収を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nトリアムテレンは、集合管及び遠位尿細管のアミロライド感受性Na^{+}チャネル(上皮型Na^{+}チャネル)を遮断し、二次的にNa^{+}/K^{+}ATPaseを抑制することで管腔へのK^{+}の排出を低下させる。2:正\nトルバプタンは、集合管のバソプレシンV_{2}受容体を遮断することで水の排泄を増加させる。3:誤\nインダパミドは、有機アニオン輸送系により近位尿細管腔に分泌され、遠位尿細管前半部のNa^{+}-Cl^{-}共輸送系を抑制し、Na^{+}の再吸収を抑制する。4:正\nエプレレノンは、遠位尿細管と集合管のミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)を遮断し、Na^{+}/K^{+}ATPaseを阻害することでNa^{+}の再吸収とK^{+}の排泄を抑制する。5:誤\nアゾセミドは、ヘンレ係蹄上行脚のNa^{+}-K^{+}-2Cl^{-}共輸送体を阻害することで、Na^{+}の再吸収を抑制する。"} +{"problem_id": "108162", "problem_text": "制吐薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メトクロプラミドは、化学受容器引き金帯(CTZ)のオピオイド\\micro受容体を遮断する。", "パロノセトロンは、消化管の求心性迷走神経終末やCTZのセロトニン5-HT_{3}受容体を遮断する。", "オキセサゼインは、胃粘膜の知覚神経のニコチン性アセチルコリン受容体を遮断する。", "プロメタジンは、胃壁細胞のガストリン受容体を遮断する。", "アプレピタントは、嘔吐中枢やCTZのタキキニンNK_{1}受容体を遮断する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nメトクロプラミドは、化学受容器引き金帯(CTZ)のドパミンD_{2}受容体を遮断する。2:正\nパロノセトロンは、消化管の求心性迷走神経終末やCTZに存在する5-HT_{3}受容体を遮断する。3:誤\nオキセサゼインは、Na^{+}チャネルを遮断し、神経の活動電位の発生を抑制することで知覚神経の求心性伝導を抑制する。4:誤\nプロメタジンは、中枢のH_{1}受容体を遮断し、内耳の半規管から嘔吐中枢に至る経路を遮断する。5:正\nアプレピタントは、嘔吐中枢やCTZのタキキニンNK_{1}受容体を遮断する。"} +{"problem_id": "108163", "problem_text": "肝疾患、膵疾患及び胆道疾患の治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["デヒドロコール酸は、その抱合体が胆汁の浸透圧を上昇させることで、胆汁中の水分を増加させる。", "フロプロピオンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することで、Oddi括約筋を弛緩させて、膵液分泌を促進する。", "ガベキサートは、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害することで、膵臓の自己消化を抑制する。", "ラミブジンは、B型肝炎ウイルス(HBV)のRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、HBVの複製を抑制する。", "ソホスブビルは、C型肝炎ウイルス(HCV)のNS3/4Aセリンプロテアーゼを阻害することで、HCVの複製を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nデヒドロコール酸は、胆汁酸分泌促進薬であり、その抱合体が胆汁の浸透圧を上昇させることで、胆汁中の水分を増加させる。2:誤\nフロプロピオンは、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害し、ノルアドレナリン濃度を上昇させることによりOddi括約筋を弛緩させ、排胆作用を示す。3:正\nガベキサートは、タンパク分解酵素阻害薬であり、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害することで、膵臓の自己消化を抑制する。4:誤\nラミブジンは、B型肝炎ウイルス(HBV)の逆転写酵素を阻害することでDNA伸長反応を抑制する。5:誤\nソホスブビルは、C型肝炎ウイルス(HCV)のNS 5Bポリメラーゼ(RNA依存性RNAポリメラーゼ)を阻害し、HCVの複製を阻害する。"} +{"problem_id": "108164", "problem_text": "糖尿病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ピオグリタゾンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を直接活性化することで、肝臓における糖新生を抑制する。", "デュラグルチドは、膵臓\\beta 細胞のグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激することで、グルコースによるインスリン分泌を促進する。", "ボグリボースは、ジペプチジルペプチダーゼ(DPP-4)を阻害することで、ソルビトールの細胞内への蓄積を抑制する。", "トレラグリプチンは、尿細管のNa^{+}-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、尿中のグルコースの再吸収を抑制する。", "グリメピリドは、スルホニル尿素(SU)受容体に結合して、ATP感受性K^{+}チャネルを遮断することで、インスリン分泌を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nピオグリタゾンは、主に脂肪細胞に分布するペルオキシソーム増殖因子活性化受容体\\gamma (PPAR-\\gamma )を刺激し、前駆脂肪細胞から小型脂肪細胞への分化促進と大型(肥大化)脂肪細胞のアポトーシスを誘発することでTNF-\\alpha 産生抑制、アディポネクチン産生促進を介して、インスリン抵抗性を改善する。2:正\nデュラグルチドは、GLP-1受容体作動薬であり、膵臓\\beta 細胞のグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激することで、グルコースによるインスリン分泌を促進する。3:誤\nボグリボースは、小腸上皮細胞において二糖類分解酵素である\\alpha -グルコシダーゼを阻害し、単糖の生成を抑制することで、腸管からの糖の吸収を遅らせる。4:誤\nトレラグリプチンは、ジペプチジルペプチダーゼ(DPP-4)を阻害することで、ソルビトールの細胞内への蓄積を抑制する。5:正\nグリメピリドは、スルホニル尿素(SU)剤であり、SU受容体に結合して、ATP感受性K^{+}チャネルを遮断することで、インスリン分泌を促進する。"} +{"problem_id": "108165", "problem_text": "内分泌系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["クロミフェンは、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)受容体を遮断して、排卵を誘発する。", "テリパラチドは、副甲状腺ホルモン受容体を遮断して、骨吸収を抑制する。", "プロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼを阻害して、甲状腺ホルモンの生成を抑制する。", "ブロモクリプチンは、ドパミンD_{2}受容体を遮断して、プロラクチン分泌を抑制する。", "メテノロンは、アンドロゲン受容体を刺激して、タンパク質同化作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nクロミフェンクエン酸塩は、抗エストロゲン薬であり、視床下部及び下垂体前葉のエストロゲン受容体を遮断することで、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gn-RH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)の分泌を促進することで排卵を誘発する。2:誤\nテリパラチドは、副甲状腺ホルモン(パラトルモン)のN末端から34個のアミノ酸を切り出したポリペプチドであり、副甲状腺ホルモン受容体を刺激する。本剤は、間欠投与により前駆細胞から骨芽細胞への分化促進、骨芽細胞のアポトーシスの抑制することで骨形成促進作用を示す。3:正\nプロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼを阻害し、甲状腺機能抑制作用を示す。4:誤\nブロモクリプチンは、麦角系ドパミンD_{2}受容体作動薬であり、ドパミンD_{2}受容体を刺激して、プロラクチン分泌を抑制する。5:正\nメテノロンは、タンパク同化ステロイドであり、アンドロゲン受容体を刺激して、タンパク質同化作用を示す。"} +{"problem_id": "108166", "problem_text": "A〜Cの構造を有する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬物Aは、30Sリボソームサブユニットに作用することで、タンパク質合成を阻害する。", "薬物Bは、ペニシリン結合タンパク質のトランスペプチダーゼを活性化することで、細胞壁合成を抑制する。", "薬物Cは、DNAジャイレースを阻害することで、DNAの複製を阻害する。", "薬物AとCは、薬物不活性化酵素の誘導によりアセチル化やリン酸化を受けることで、抗菌活性が減弱する。", "薬物Bは、細菌が産生する\\beta -ラクタマーゼにより開裂することで、抗菌活性が減弱する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "薬物A: テトラサイクリン\n薬物B: ベンジルペニシリンカリウム\n薬物C: エリスロマイシン\n1:正\n薬物A(テトラサイクリン)は、細菌の小サブユニット(30Sサブユニット)に結合し、アミノアシルtRNA(aa-tRNA)がmRNA-30Sリボソーム複合体に結合することを阻害することでタンパク質の合成を阻害する。2:誤\n薬物B(ベンジルペニシリンカリウム)は、ペニシリン結合タンパク質のトランスペプチダーゼを阻害することで、細胞壁合成を抑制する。3:誤\n薬物C(エリスロマイシン)は、細菌の大サブユニット(50Sサブユニット)に結合し、ペプチジル-tRNAの転位反応を抑制することでタンパク質合成を阻害する。4:誤\n薬物不活性化酵素の誘導によりアセチル化、リン酸化を受けることで抗菌活性が減弱するのは、アミノグリコシド系抗菌薬である。なお、薬物A(テトラサイクリン)の耐性化機構として、リボソーム保護タンパク質の産生が知られており、また、薬物C(エリスロマイシン)の耐性化機構として、リボソーム50Sサブユニットの結合部位のメチル化が知られている。5:正\n薬物B(ベンジルペニシリンカリウム)は、細菌が産生する\\beta -ラクタマーゼにより開裂することで、抗菌活性が減弱する。"} +{"problem_id": "108167", "problem_text": "肺がん治療に用いる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["イリノテカンは、フリーラジカルを発生して、DNA鎖を切断する。", "エトポシドは、トポイソメラーゼIIを阻害して、切断されたDNA鎖の再結合を阻害する。", "ゲフィチニブは、抗programmed cell death-1(PD-1)抗体で、T細胞による抗腫瘍作用を増強する。", "ゲムシタビンは、DNAをアルキル化して、DNAの複製を阻害する。", "ドセタキセルは、微小管を安定化して、有糸分裂を阻害する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nイリノテカンは、カルボキシルエステラーゼにより活性代謝物SN-38となり、トポイソメラーゼIを阻害し、DNA複製を停止することで抗腫瘍作用を示す。2:正\nエトポシドは、トポイソメラーゼIIを阻害し、切断されたDNA鎖の再結合を阻害する。3:誤\nゲフィチニブは、EGFRのATP結合部位に結合し、チロシンキナーゼの活性を阻害することで細胞増殖抑制、アポトーシスを誘導する。4:誤\nゲムシタビンは、腫瘍細胞内で代謝され、二リン酸化、三リン酸化され、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)と競合し、DNAに取り込まれDNA合成を阻害する。5:正\nドセタキセルは、チュブリンの脱重合を阻害(チュブリンの重合を促進)し、微小管を安定化させ、紡錘糸機能を障害することで細胞分裂を停止させアポトーシスを誘発する。"} +{"problem_id": "108168", "problem_text": "薬物の消化管吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["小腸下部から吸収された薬物は門脈を介さずに全身循環へ移行する。", "P-糖タンパク質に認識される薬物の消化管からの吸収速度定数は、薬物の脂溶性と吸収速度定数との相関から推定される値よりも大きい。", "食後に薬物を投与すると胃内容排出速度が上昇するため、薬物の最高血中濃度到達時間は早くなる。", "脂溶性の高い薬物は、小腸吸収過程において非撹拌水層の影響を受けやすい。", "消化管粘膜表面のpHは消化管管腔内のpHよりも低いため、弱酸性薬物の消化管からの吸収量は、管腔内pHから予想される量よりも少ない。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n小腸下部から吸収された薬物は、門脈を介して全身循環へ移行する。なお、直腸下部から吸収された薬物は門脈を介さず全身循環へ移行する。2:誤\n小腸に存在するP-糖タンパク質は、小腸上皮細胞へ移行した薬物を消化管に排泄する作用を有するため、P-糖タンパク質に認識される薬物の消化管からの吸収速度定数は、薬物の脂溶性と吸収速度定数との相関から推定される値よりも小さい。3:誤\n胃内容排泄速度(GER)とは、経口投与した薬物が胃を通過し、小腸に到達する速度である。食後に薬物を投与すると胃内容排泄速度が低下するため、薬物の最高血中濃度到達時間が遅くなる。4:正\n非撹拌水層とは、消化管粘膜表面に存在する十分に撹拌されていない水層のことであり、小腸の吸収過程において、脂溶性薬物の吸収に影響を与える。5:誤\n消化管粘膜表面には、非撹拌水槽が存在しており、小腸上皮細胞よりプロトンが分泌されているため、消化管管腔内のpHよりも低い。そのため、消化管粘膜表面において、弱酸性薬物の分子形の割合が高くなるため、弱酸性薬物の消化管からの吸収量は、管腔内pHから予想される量よりも多くなる。"} +{"problem_id": "108169", "problem_text": "血漿タンパク質と、血漿タンパク質と薬物の結合に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血漿タンパク質と薬物の結合は、通常、共有結合である。", "血漿タンパク質のうち、最も多く存在するのが\\gamma -グロブリンである。", "血漿タンパク質のうち、\\alpha _{1}-酸性糖タンパク質は多くの酸性薬物と結合する。", "血漿アルブミン濃度は肝硬変で低下し、血漿中の薬物の非結合形の割合が増加する。", "併用薬により血漿タンパク結合の競合阻害を受けた薬物は、単独���与の場合と比較して組織への分布量が増加する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n血漿タンパク質と薬物の結合は、通常、非共有結合(水素結合、疎水性相互作用、静電的相互作用、ファンデルワールス力)である。2:誤\n血漿タンパク質のうち、最も多く存在するのはアルブミンである。3:誤血漿タンパク質のうち、\\alpha _{1}-酸性糖タンパク質は多くの塩基性薬物と結合する。なお、酸性薬物と結合する血漿タンパク質は、アルブミンである。4:正\n肝硬変になるとアルブミン合成能が低下し、血漿アルブミン濃度が低下するため、血漿中の薬物の非結合形の割合が増加する。5:正\n併用薬により血漿タンパク結合の競合的阻害を受けた薬物は、単独投与時に比べ、遊離型濃度が増加する。そのため、併用薬により血漿タンパク結合の競合阻害を受けた薬物は、単独投与の場合と比較して組織への分布量が増加する。"} +{"problem_id": "108170", "problem_text": "薬物のリンパ系への移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["消化管からリンパ系を介して吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けずに全身循環系に到達する。", "リンパ系に移行した薬物は、血液循環系へ移行した薬物に比べてゆっくりと全身に分布する。", "毛細リンパ管内皮細胞は密着結合を形成しているため、分子量の小さい薬物の方が透過しやすい。", "皮下投与された抗体医薬品は、リンパ系へ移行しにくい。", "リンパ系に移行した薬物は、胸管リンパを経て肺動脈に入り、全身循環血を介して体内に分布する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n消化管からリンパ系を介して吸収された薬物は、胸管を介して静脈へ移行するため、肝初回通過効果を受けない。2:正\nリンパ液流量は、血液循環量に比べ、著しく小さいため、リンパ系に移行した薬物は、血液循環系へ移行した薬物に比べてゆっくりと全身に分布する。3:誤\n毛細リンパ管内皮細胞は、密着結合しておらず、毛細リンパ管には間隙が存在しているため、分子量の小さい薬物に加え、分子量の大きい薬物も透過することが可能である。4:誤\n皮下投与された高分子医薬品(抗体医薬品など)は、細胞間隙の狭い毛細血管に移行せず、細胞間隙の広いリンパ管へ移行する。5:誤\nリンパ系に移行した薬物は、胸管リンパ、右リンパ本幹を経て静脈に入り、全身循環血を介して体内に分布する。"} +{"problem_id": "108171", "problem_text": "プロドラッグとその親化合物及びプロドラッグ化の目的の組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nレボドパは、ドパミンの脳内移行性を高めることを目的としたプロドラッグである。レボドパはアミノ酸輸送系に認識されることにより脳内へ移行し、脳内でドパ脱炭酸酵素によりドパミンとなり作用を示す。2:誤\nフルスルチアミンは、チアミンの消化管吸収を高めることを目的としたプロドラッグである。フルスルチアミンは、チアミンの脂溶性を高めることにより消化管吸収性を改善している。3:正\nテガフールは、5-フルオロウラシル(5-Fu)の作用の持続を目的としたプロドラッグである。テガフールは、CYPにより代謝され、持続的に5-Fuを放出する。4:正\nバラシクロビルは、アシクロビルの消化管吸収を高めることを目的としたプロドラッグである。バラシクロビルは、アシクロビルにL-バリンを修飾することでペプチドトランスポーターにより認識されることを利用して消化管吸収性を改善している。5:誤\nバカンピシリンは、アンピシリンの消化管吸収を高めることを目的としたプロドラッグである。バカンピシリンは、アンピシリンの脂溶性を高めることにより消化管吸収性を改善している。"} +{"problem_id": "108172", "problem_text": "薬物の腎排泄に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["パラアミノ馬尿酸の腎クリアランスは血中濃度に比例する。", "サリチル酸の腎クリアランスは、アスコルビン酸の併用により増大する。", "グルコースは、尿中にほとんど排泄されない。", "ゲンタマイシンの血中半減期は、糸球体ろ過速度の低下により長くなる。", "メトホルミンの腎クリアランスは、クレアチニンクリアランスより小さい。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nパラアミノ馬尿酸は、糸球体ろ過、尿細管分泌により排泄される。血中濃度が低い場合、パラアミノ馬尿酸の腎クリアランスは一定であるが、血中濃度が増加すると尿細管分泌の飽和が起こりパラアミノ馬尿酸の腎クリアランスは低下する。2:誤\nサリチル酸は酸性薬物であり、尿を酸性にする薬物(アスコルビン酸等)を併用することにより、サリチル酸の分子形の割合が増加し、尿細管再吸収が増加する。そのため、サリチル酸の腎クリアランスはアスコルビン酸の併用により低下する。3:正\nグルコースは糸球体ろ過を受けるが、近位尿細管で完全に再吸収されるため、尿中にほとんど排泄されない。4:正\nゲンタイマイシンはほとんど糸球体ろ過により排泄されるため、糸球体ろ過速度の低下により、ゲンタマイシンの半減期は長くなる。5:誤\nクレアチニンは血漿タンパク質と結合せず、主に糸球体ろ過により排泄されるため、クレアチニンクリアランスはろ過クリアランスと等しい。メトホルミンは糸球体ろ過及び尿細管分泌により排泄される薬物であるため、メトホルミンの腎クリアランスはろ過クリアランス(クレアチニンクリアランス)よりも大きい。"} +{"problem_id": "108173", "problem_text": "薬物A200mgを患者に急速静脈内投与したところ、投与直後と2時間後の血中濃度はそれぞれ20\\microg/mL及び4\\microg/mLであった。同じ患者に薬物Aを点滴静注し、定常状態における血中濃度を15\\microg/mLにしたい。定常状態に達するまでの投与量(mg)と点滴時間(h)の組合せとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、薬物Aの体内動態は線形1-コンパートメントモデルに従うものとし、定常状態に到達するまでに要する時間は消失半減期の5倍とする。また、ln2=0.693、ln5=1.61とする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "108174", "problem_text": "薬物動態の非線形性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬物代謝が非線形性を示す場合、全身クリアランスは投与量の増加に伴い変化する。", "血漿タンパク質結合に飽和が生じた場合、薬物の全身クリアランスは低下する。", "肝臓の薬物代謝酵素に飽和が生じた場合、薬物の分布容積は増加する。", "小腸上皮細胞の薬物代謝酵素に飽和が生じた場合、薬物の全身クリアランスは低下する。", "尿細管分泌を担う担体輸送に飽和が生じた場合、薬物の尿細管分泌クリアランスは低下する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "108175", "problem_text": "25^{\\circ} Cにおいて、水0.1Lに一定量の一価の弱電解質の薬物結晶を加えた。pHを変化させて溶解平衡に達したとき、pH5からpH8における溶液中の薬物の総濃度と分子形薬物濃度がグラフのようになった。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、薬物の分子形とイオン系の溶解平衡時の濃度比はHenderson-Hasselbalchの式に従い、薬物の溶解やpH調整に伴う容積変化は無視できるものとする。", "choices": ["用いた薬物は1.1molである。", "薬物は弱酸性化合物である。", "薬物のpKaは5である。", "pH7のとき、薬物の分子形濃度とイオン形濃度の比は1:10である。", "pH8のとき、薬物の結晶は液中に存在する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "108176", "problem_text": "粘弾性の2要素モデルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["Aのスプリングは弾性体のモデル、Bのダッシュポットは粘性体のモデルである。", "フォークトモデル全体に一定の応力を瞬時にかけてそれを保つとき、モデル全体のひずみは直線的に増加する。", "マックスウェルモデル全体に加わる応力は、スプリングに加わる応力とダッシュポットに加わる応力の合計である。", "マックスウェルモデル全体に一定のひずみを与えてそのまま保持するとき、モデル全体にかかる応力は減衰する。", "マックスウェルモデル全体に一定の応力を瞬時にかけてそれを保つとき、モデル全体のひずみは一定に保たれる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n弾性とは、固体に力を加えると変形し、力を除くと元の状態に戻ろうとする性質であり、スプリングを用いて弾性体モデルを表すことができる。また、粘性とは、液体が流動する際に生じる抵抗力のことであり、ダッシュポットを用いて粘性体モデルを表すことができる。2:誤\nフォークトモデルとは、スプリングとダッシュポットを並列に連結させた粘弾性モデルである。フォークトモデルに一定の応力を瞬時にかけてそれを保つとき、モデル全体のひずみは曲線的に増加する(この現象をクリープという)。3:誤\nフォークトモデルに関する説明である。4:正\nマックスウェルモデルとは、スプリングとダッシュポットを直列に連結させた粘弾性モデルである。マックスウェルモデル全体に一定のひずみを与えてそのまま保持するとき、モデル全体にかかる応力は指数関数的に減衰する(この現象を応力緩和という)。5:誤\nマックスウェルモデル全体に一定の応力を瞬時にかけてそれを保つとき、初期の段階では、スプリングのひずみが大きくなり、ダッシュポットのひずみは変化しない。また、時間が経過すると、スプリングのひずみは変化しないが、ダッシュポットのひずみは徐々に大きくなるため、モデル全体のひずみは徐々に大きくなる。"} +{"problem_id": "108177", "problem_text": "界面に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["固相-気相界面が固相-液相界面に置き換わることを吸着という。", "溶液における表面吸着は、Gibbsの吸着等温式で表される。", "液滴の接触角が小さい固体表面ほどぬれやすい。", "錠剤は、拡張ぬれにより崩壊する。", "表面張力測定法には、毛管上昇法、円環法及び沈降法がある。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n固相-気相界面が固相-液相界面に置き換わることをぬれという。ぬれとは、固体表面に液体は拡がる現象のことである。2:正\n溶液における表面吸着は、Gibbsの吸着等温式で表される。3:正\n接触角とは、固体表面と液体のなす角度のことであり、接触角が小さいほどぬれやすい。4:誤\n錠剤は、浸漬(しんし)ぬれにより崩壊する。5:誤\n表面張力測定法には、毛管上昇法、円環法及び滴重法がある。なお、沈降法は、粒子径を算出す方法として用いられている。"} +{"problem_id": "108178", "problem_text": "医薬品の水溶液中における安定性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["加水分解を受けやすい医薬品は、難溶性の塩として溶解度を低下させることで安定性が改善する。", "EDTAは、包接化により医薬品の安定性を改善する。", "特殊酸触媒のみで分解する医薬品は、保存するpHを低くすることで安定性が改善する。", "異符号のイオン間の反応で分解する医薬品は、塩を添加することで溶液のイオン強度を増大させると安定性が改善する。", "同符号のイオン間の反応で分解する医薬品は、アルコールを添加することで溶媒の誘電率を低下させると安定性が低下する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n加水分解を受けやすい医薬品は、難溶性の塩として溶解度を低下させると、加水分解を受けにくくなり、安定性が改善する。2:誤\nEDTA(エチレンジアミン四酢酸)は、医薬品の分解に関わる金属イオンをキレート形成により除去することで医薬品の安定性を改善する。3:誤\n特殊酸触媒のみで分解する医薬品の分解速度定数kは、下記の式で表される。k=k_{H}[H^{+}]:k_{H}: 酸触媒定数:[H^{+}]: 特殊酸触媒濃度\npHが低下すると、[H^{+}]が増加することでkが増加するため、特殊酸触媒のみで分解する医薬品は、保存するpHを低くすることで安定性が低下する。4:正\nイオン間の反応で分解する医薬品の分解速度定数kとイオン強度Iの関係は、下記の式で表される。logk=logk_{0}+1.02・Z_{A}・Z_{B}・I^{1/2}k_{0}: I=0の時の分解速度定数、Z_{A}: 医薬品Aの電荷、Z_{B}: 溶媒Bの電荷\n上記の式より、異符号のイオン間の反応で分解する医薬品は、塩を添加することで溶液のイオン強度を増大させると分解速度定数が低下し、安定性が改善する。5:誤\nイオン間の反応で分解する医薬品の分解速度定数kと誘電率\\epsilon の関係は、下記の式で表される。logk=logk_{∞}-K・Z_{A}・Z_{B}・1/\\epsilon ^{}k_{∞}: 誘電率∞の時の分解速度定数、K: 定数、Z_{A}: 医薬品Aの電荷、Z_{B}: 溶媒Bの電荷\n上記の式より、同符号のイオン間の反応で分解する医薬品は、アル���ールを添加することで溶媒の誘電率を低下させると分解速度定数が低下し、安定性が改善する。"} +{"problem_id": "108179", "problem_text": "日本薬局方における経口投与する製剤に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["別に規定するもののほか、冷所に保存する。", "微生物による汚染に関する規定はない。", "即放性製剤は、通例、有効成分の溶解性に応じた溶出挙動を示す。", "懸濁剤は、別に規定するもののほか、溶出試験法に適合する。", "崩壊試験法は、製剤中の有効成分が完全に溶解するかを確認する試験である。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n経口投与する製剤(錠剤、カプセル剤、顆粒剤、経口液剤など)は、別に規定するもののほか、室温で保存する。2:誤\n経口投与する製剤に対して、必要に応じて、微生物による汚染に関する規定(微生物限度試験法、生薬及び生薬を主たる原料とする製剤の微生物試験法)を適用する。3:正\n経口投与する即放性製剤は、製剤からの有効成分の放出性を特に調節していない製剤であり、通例、有効成分の溶解性に応じた溶出挙動を示す。4:正\n懸濁剤は、有効成分を微細均質に懸濁した経口液剤であり、別に規定するもののほか、溶出試験法に適合する。5:誤\n崩壊試験法は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、丸剤が試験液中、定められた条件で規定時間内に崩壊するかどうかを確認する試験法であり、製剤中の有効成分が完全に溶解するかを確認する試験ではない。"} +{"problem_id": "108180", "problem_text": "日本薬局方における注射剤に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["非水性溶剤として、ダイズ油を用いることができる。", "水性溶剤は、エンドトキシン試験法と発熱性物質試験法の両方に適合する。", "等張化剤として、ホウ酸を加えることができる。", "乳濁性注射剤は、製剤均一性試験法に適合する。", "埋め込み注射剤には、通例、生分解性高分子化合物を用いる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n非水性溶剤として、ダイズ油などの植物油を用いることができる。2:誤\n水性溶剤は、皮内、皮下及び筋肉内投与のみに用いるものを除き、別に規定するもののほか、エンドトキシン試験に適合する必要がある。なお、エンドトキシン試験法の適用が困難な場合に、発熱性物質試験法を適用できる。3:誤\nホウ酸は溶血毒性があるため、注射剤の等張化剤として用いられない。なお、ホウ酸は点眼剤の等張化剤として用いられる。4:誤\n乳懸性注射剤は、製剤均一性試験法に適合することと規定されていない。なお、注射剤のうち、製剤均一性試験法に適合する必要があるのは、用時溶解又は用時懸濁して用いる注射剤、埋め込み注射剤である。5:正\n埋め込み注射剤は、長期にわたる有効成分の放出を目的として、皮下、筋肉内などに埋め込み用の器具を用いるか、もしくは手術により適用する固形又はゲル状の注射剤である。埋め込み注射剤には、通例、生分解性高分子化合物(乳酸・グリコール酸共重合体など)を用いる。"} +{"problem_id": "108181", "problem_text": "日本薬局方一般試験法に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["吸入剤の空気力学的粒度測定法では、吸入剤から噴霧、放出される薬物量の均一性を定量的に評価する。", "展延性試験法では、スプレッドメーター(平行板粘度計)を用いて、半固形製剤の流動性(流れやすさ)を測定する。", "ローリングボールタック試験法では、皮膚に適用する製剤からの薬物の放出性を評価する。", "溶出試験法は、経口製剤の溶出試験規格への適合を判定するとともに、著しい生物学的非同等性を防ぐことを目的とする。", "点眼剤の不溶性異物検査法では、点眼剤中の不溶性異物の大きさと数を測定する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n吸入剤の空気力学的粒度測定法は、吸入剤から生成するエアゾールの微粒子特性を評価する試験法である。吸入剤から噴霧、放出される薬物量の均一性を定量的に評価する試験法は、吸入剤の送達量均一性試験法である。2:正\n展延性試験法は、スプレッドメーター(平行板粘度計)を用いて、半固形製剤の流動性(流れやすさ)を測定する試験法である。3:誤\nローリングボールタック試験法は、貼付剤の粘着力を評価する試験法である。皮膚に適用する製剤からの薬物の放出性を評価する試験法は、皮膚に適用する製剤の放出試験法である。4:正\n溶出試験法は、経口製剤について溶出試験規格に適合しているかどうかを判定するために行う試験法であり、それに加えて著しい生物学的非同等性を防ぐことを目的として行われる。5:誤\n点眼剤の不溶性異物検査法は、点眼剤中の不溶性異物の有無を調べる検査法である。なお、点眼剤中の不溶性異物の大きさと数を測定する試験法は、点眼剤の不溶性微粒子試験法である。"} +{"problem_id": "108182", "problem_text": "BCS(Biopharmaceutics classification system)分類とは、薬物を溶解性と膜透過性に基づいて4つに分類したものである。溶解性は低いが膜透過性が高いClass2の薬物Xを含有する経口固形製剤Aについて、以下のデータが得られている。製剤Aにおける吸収改善の機構と最も関連の深いのはどれか。1つ選べ。ただし、薬物Xとしての経口投与量は同一とする。", "choices": ["塩の形成", "無水物化", "共結晶化", "溶媒和物", "固体分散体"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "問題文より、薬物Xは膜透過性が高く、溶解性が低いことから、薬物Aの吸収性を改善させるために溶解性を向上させる必要がある。粉末X線回折測定の結果より、製剤Aはハローパターンを示しているため、非晶質(無晶形)を含む製剤であると考えられる(塩の形成、無水物化、共結晶化、溶媒和物にした場合、ハローパターンは認められないので選択肢1〜4は不適切である)。よって、製剤Aにおける吸収改善の機構と最も関連の深いのは「固体分散体」である。なお、溶解性を向上させる製剤として、非晶質を含有する固体分散体が存在する。"} +{"problem_id": "108183", "problem_text": "重篤な副作用と代表的な原因薬剤例を示した組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n重大な副作用として横紋筋融解症を起こす代表的な薬剤として、HMG-CoA還元酵素阻害薬、フィブラート系薬、ニューキノロン系抗菌薬などがある。2:誤\n重大な副作用として劇症肝炎を起こす代表的な薬剤として、イソニアジド、サラゾスルファピリジン、フルタミド、ベンズブロマロンなどがある。3:正\n重大な副作用として心不全を起こす代表的な薬剤として、ドキソルビシン、トラスツズマブ、ピオグリタゾンなどがある。4:誤\n重大な副作用として間質性肺炎を起こす代表的な薬剤として、ゲフィチニブ、アミオダロン、メトトレキサートなどがある。5:正\n重大な副作用として糖尿病性ケトアシドーシスを起こす代表的な薬剤として、オランザピン、クエチアピンなどがある。"} +{"problem_id": "108184", "problem_text": "双極性障害の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["躁病相が認められない場合がある。", "睡眠障害が認められる。", "進行すると記憶障害が認められる。", "躁病相では、オランザピンによる治療が有効である。", "うつ病相では、イミプラミンの単独治療が推奨される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n双極性障害は、抑うつ状態と躁状態または軽躁状態(軽度の躁状態)が交互に認められる疾患である。2:正\n双極性障害では、うつ病相で不眠(入眠障害、熟眠障害)、躁病相で睡眠時間短縮などが認められる。3:誤\n双極性障害では早い段階で認知機能障害が認められる。4:正\n双極性障害における躁症状の改善に、オランザピン、アリピプラゾール、炭酸リチウムなどが用いられる。5:誤\n双極性障害におけるうつ病相に三環系抗うつ薬(イミプラミンなど)を単独投与すると、躁転を起こすことがある。そのため、うつ病相では、イミプラミンの単独治療が推奨されない。なお、双極性障害のうつ病相の治療には、オランザピンが用いられる。"} +{"problem_id": "108185", "problem_text": "冠攣縮性狭心症の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["心筋の壊死をきたす。", "発作は1時間以上持続する。", "発作は夜間や早朝に生じることが多い。", "非発作時でも、心電図異常を認める。", "発作予防には、アドレナリン\\beta 受容体遮断薬が有効である。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "冠攣縮性狭心症とは、冠動脈において一過性に異常な収縮が生じることで心筋組織が虚血状態となり、酸素欠乏に陥ることにより生じる狭心症のことである。狭心症では心筋壊死は認められず、発作時間は数分から15分程度である。また、夜間から安静時に発作が生じることがあり、非発作時では心電図に異常は認められない。アドレナリン\\beta 受容体遮断薬は、冠動脈の攣縮を悪化させることがあるため、冠攣縮性狭心症の発作予防には用いられない。なお、冠攣縮性狭心症の発作予防には、Ca拮抗薬が用いられる。"} +{"problem_id": "108186", "problem_text": "37歳女性。高血圧症があり、処方1の薬剤を服用していた。今回、来局したときに、「この度、結婚することになり、できれば子供も欲しいと思うようになった」と話していた。対応したかかりつけ薬剤師は、処方期間中に妊娠する可能性を考え、処方医へ薬剤変更を提案することにした。最も適切な薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["メチルドパ水和物", "ドキサゾシンメシル酸塩", "スピロノラクトン", "エトレチナート", "ヒドロクロロチアジド"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本患者は「この度、結婚することになり、できれば子供も欲しいと思うようになった」と話していることから、妊娠中も使用できる降圧薬を選択する必要がある。妊娠を希望する婦人に推奨される降圧薬として、メチルドパ水和物、ラベタロール、ニフェジピンがある。"} +{"problem_id": "108187", "problem_text": "薬物動態に影響を与える因子のうち、高齢者において起きていると考えにくいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["体脂肪率の増加", "血漿中のアルブミン濃度の低下", "血漿中の\\alpha _{1}-酸性糖タンパク濃度の低下", "肝血流量の減少", "糸球体ろ過量の減少"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "高齢者では、血漿中の\\alpha _{1}-酸性糖タンパク質の増加により、塩基性薬物の非結合型薬物濃度が低下する傾向にある。高齢者における体内動態の変化を以下に示す。"} +{"problem_id": "108188", "problem_text": "クローン病に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["好発年齢は40〜50歳代である。", "大腸に限局した炎症が認められる。", "初期症状として、便秘が認められる。", "増悪期に、CRP値の上昇が認められる。", "特徴的な内視鏡検査所見として、敷石状潰瘍がある。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nクローン病(本疾患)の好発年齢は、10歳代後半から20歳代である。2:誤\n本疾患では、口腔〜肛門まで消化管全層に非連続的な炎症が認められる。なお、大腸に限局した炎症が認められる疾患は、潰瘍性大腸炎である。3:誤\n本疾患の主な初期症状として、下痢、腹痛、発熱が認められる。4:正\n本疾患の増悪期には、白血球の上昇、赤血球沈降速度亢進、CRPの上昇が認められる。5:正\n本疾患では内視鏡検査所見として、縦走潰瘍、敷石像、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が認められる。"} +{"problem_id": "108189", "problem_text": "ウイルス性肝炎に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["急性期に黄疸が認められることはまれである。", "A型肝炎ウイルスは経口感染する。", "B型肝炎ワクチン接種により、HBs抗体検査は陽性を示す。", "C型肝炎は、ワクチン接種により予防することができる。", "C型肝炎よりもA型肝炎の方が肝硬変に進展しやすい。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nウイルス性肝炎の急性期では、多くの場合、黄疸(皮膚、白目が黄色くなる)が認められる。2:正\nA型肝炎ウイルスは、主に経口感染する。3:正\nB型肝炎ウイルスワクチンを3回接種すると、HBs抗体陽性を示す。4:誤\nC型肝炎ウイルスに対するワクチンは存在しない。5:誤\nA型肝炎は慢性化することはほとんどなく、C型肝炎は慢性化することが多い。"} +{"problem_id": "108190", "problem_text": "48歳男性。建築業に従事しており、高所での作業が多い。40歳時の健康診断で高血糖を指摘されて以降、近医に通院している。現在は以下の薬剤及び用法用量で2型糖尿病、高血圧、安定狭心症及び脂質異常症の治療を受けている。指導された食事療法と運動療法は遵守できている。今回受診の身体所見と検査所見は以下のとおりであった。身長174cm、体重72kg、血圧128/78mmHg 空腹時血液検査結果 血糖124mg/dL、HbA1c7.2%、総コレステロール220mg/dL、TG(トリグリセリド)148mg/dL、HDL-C70mg/dL、LDL-C148mg/dL、血清クレアチニン0.7mg/dL、eGFR86mL/分/1.73m^{2} 尿検査結果 糖(4+)蛋白(\\pm )、潜血(一)、ケトン体(-)、尿アルブミン/クレアチニン比50mg/gCr 各薬剤の添付文書上の用法用量は以下のとおりとする。今回の所見を踏まえた治療の変更として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メトホルミン塩酸塩を増量する。", "グリメピリドを追加する。", "アムロジピンを増量する。", "ピタバスタチンCaを増量する。", "イコサペント酸エチルを追加する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本患者は、HbA1c(診断基準(NGSP値): 6.5%以上)が高く、尿糖(4+)であることから、血糖コントロールが悪い状態にあると考えられる。また、メトホルミン塩酸塩錠が1日500mg処方されており、維持量よりも少ないため、他の糖尿病治療薬(グリメピリド等)を追加投与する前にメトホルミンを増量することを提案することは適切である。2:誤\n解説1参照\n3:誤\n本患者は、糖尿病を合併しており、通常よりも血圧を低く(130/80mmHg以下)コントロールする必要があるが、コントロール良好であるため、高血圧治療薬(アムロジピン錠など)を追加する必要はない。4:正\n本患者は、LDL-C(診断基準: 140mg/dL以上)が高いため、LDL-Cを低下させるピタバスタチンCaの増量を提案することは適切である。5:誤\n本患者は、TG(診断基準: 150mg/dL以上)が低く、コントロール良好であるため、TGを低下させるイコサペント酸エチルを追加する必要はない。"} +{"problem_id": "108191", "problem_text": "加齢性黄斑変性(加齢黄斑変性)の病態と薬物治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["水晶体の混濁により、視機能が低下する。", "喫煙は危険因子の1つである。", "失明に至ることはまれである。", "薬物治療の対象となるのは、萎縮型である。", "薬物治療には、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の阻害薬が用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n白内障に関する記述である。2:正\n加齢黄斑変性症の危険因子には、加齢、遺伝、白内障、高血圧、喫煙、日光暴露などがある。3:誤\n加齢黄斑変性症では、黄斑がダメージを受けた部分が歪んで見える変視、視野の中央部が欠損する中心暗点が現れ、進行すると、失明する可能性がある。4:誤\n加齢黄斑変性症は、黄斑の萎縮のみを呈する萎縮型と新生血管を伴う滲出型に分類される。その中でも薬物治療の対象になるのは、滲出型である。滲出型は、黄斑部の網膜下に脈絡膜新生血管が発生し、脈絡膜新生血管から滲出液が漏出することや出血することで網膜が障害され、視機能に異常を生じる。脈絡膜新生血管の発現に関わる血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を阻害することで進行を抑制することができる。5:正\n解説4参照"} +{"problem_id": "108192", "problem_text": "アトピー性皮膚炎の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["皮膚のバリア機能が低下している。", "皮膚の苔癬化は、成人期よりも乳児期に顕著にみられる。", "血液検査では、血清総IgE値の上昇が認められる。", "治療の基本は、抗ヒスタミン外用剤による炎症の抑制である。", "タクロリムス軟膏は、潰瘍やびらんを形成した皮膚部位に適用される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nアトピー性皮膚炎は、慢性に経過する炎症とかゆみを病態とする湿疹・皮膚炎群の一疾患であり、「皮膚バリア機能異常」「アレルギー性炎症」「かゆみ」の3つの要素が互いに関係しながら病態が形成される。2:誤\n乳児期には、頭部、顔面に紅斑、表皮表層の剥離、湿潤性の丘疹が認められる。それに対して、成人期には、苔癬化病変が進行・拡大、暗褐色で乾燥したアトピー性皮膚が認められる。3:正\nアトピー性皮膚炎は、主にI型アレルギーが関与しており、血清IgE値の増加が認められる。4:誤\nアトピー性皮膚炎の治療の基本は、ステロイド性抗炎症薬の外用剤による炎症の抑制である。5:誤\nタクロリムス軟膏は、潰瘍、びらんに使用する場合に���、血中濃度が高くなり、腎障害等の副作用が現れることがあるため、あらかじめ処置を行い、潰瘍、びらんの改善を確認した後、本剤に使用を開始することとされている。"} +{"problem_id": "108193", "problem_text": "造血幹細胞移植時における移植片対宿主病(GVHD)に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["移植後1週間以内に好発する。", "予防として、移植前から免疫抑制薬の投与を開始する。", "自家移植に比べ、同種移植では発症のリスクが低い。", "ドナー由来のリンパ球が、レシピエントの組織を攻撃して起こる疾患である。", "発症を予防するために、移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行う。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n移植片対宿主病GVHDは、ドナー由来のリンパ球によりレシピエントの組織が傷害される疾患であり、移植後、約1〜2週間程度で発症することがある。2:正\nGVHDを予防するために、移植前から免疫抑制薬(シクロスポリン、タクロリムスなど)の投与を開始する。3:誤\nGVHDは、自家移植(患者自身から採取した造血幹細胞を移植)に比べ、同種移植(他人から採取した造血幹細胞を移植)では発症のリスクが高い。4:正\n解説1参照\n5:誤\n発症を予防するために、免疫抑制薬(シクロスポリンなど)を用いる。なお、輸血用血液の場合、放射線照射でリンパ球を死滅させることによりGVHDの頻度が低下する。"} +{"problem_id": "108194", "problem_text": "被験者20名が参加した臨床試験において、被験者の生存期間をカプランマイヤー法で示したところ、図のようになった。ヒゲ(+)は脱落を表している。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["時点Aにおいて、観察を継続している被験者数は14名である。", "時点Bと時点Cの間に、観察中の被験者のうち4名が死亡した。", "時点Cにおいて、観察を継続している被験者数は8名である。", "時点Dと時点Eの間に、観察中の被験者のうち1名が死亡した。", "時点Eにおいて、観察を継続している被験者数は2名である。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "Kaplan-Meier法(カプラン-マイヤー法)では、各イベントが発生した時点の生存率を「イベントが発生する直前までの生存率\\times (1-イベント発生時の死亡率)」で求め、プロットする。なお、打ち切りデータに関しては、打ち切りがあった時点までは生存していたものとして扱う。1:正\n試験期間の初めに脱落者はなく、生存率が80%に低下していることから、0.8=1\\times (1-死亡率)より、1回目のイベント発生時の死亡率が0.2であると推察される。よって、20名中4名が死亡しており、被験者数は16名である。続いて、脱落者はなく、生存率が70%に低下していることから、0.7=0.8\\times (1-死亡率)より、2回目のイベント発生時の死亡率は、8分の1であると推察される。よって、16名中2名が死亡しており、被験者数は14名である。これらのことから時点Aにおいて、観察を継続している被験者数は14名である。2:誤\n時点Aより引き続き脱落者はなく、生存率が60%に低下していることから、0.6=0.7\\times (1-死亡率)より、3回目のイベント発生時の死亡率は、7分の1であると推察される。よって、14名中2名が死亡しており、被験者数は12名である。その後、時点Bまでに脱落者が3名であるため、時点Bにおいて、観察を継続している被験者数は9名である。続いて、生存率が40%に低下していることから、0.4=0.6\\times (1-死亡率)より、4回目のイベント発生時の死亡率は、3分の1であると推察される。よって、9名中3名が死亡しており、時点Cにおける被験者数は6名である。3:誤\n解説2参照\n4:正\n時点Cより4名が脱落していることから、時点Dにおいて、観察を継続している被験者数は2名である。その後、生存率が20%に低下していることから、0.2=0.4(1-死亡率)より、5回目のイベント発生時の死亡率は2分の1であると推察される。よって、2名中1名が死亡しており、被験者数は1名である。よって、時点Eにおいて、観察を継続している被験者数は1名である。5:誤\n解説4参照"} +{"problem_id": "108195", "problem_text": "臨床研究に関わるバイアスや交絡に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ランダム化により、介入研究における被験者の選択バイ���スを小さくできる。", "非盲検化により、介入研究におけるエンドポイント評価時の情報バイアスを小さくできる。", "マッチングにより、観察研究における交絡要因の影響は小さくできる。", "盲検化により、介入研究の交絡要因を解析できる。", "フォレストプロットにより、メタアナリシスの結果に影響する公表バイアスを評価できる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n選択バイアスとは、研究対象者を決定する時点で生じるバイアスであり、ある特徴を有する偏った対象を選択することにより生じる。選択バイアスを小さくするためには、研究対象の選択をランダム化することが有効である。2:誤\n情報バイアスとは、研究対象者からデータを収集する方法によって生じるバイアスであり、研究対象者の思い込みによって回答が変化しやすい観測方法で生じる。情報バイアスを小さくするためには、思い込みを少なくする盲検化が有効である。3:正\nマッチングとは、症例と対照の間で交絡要因となりうる要因(体重、性別、年齢、肝機能障害、腎機能障害の有無)をマッチさせることで交絡要因の影響を小さくする方法である。4:誤\n盲検化とは、処置群か対象群かわからない状態で試験をすることであり、主観に基づくデータの偏り(バイアス)を取り除くことが可能であるが、介入研究の交絡要因を解析することはできない。なお、交絡要因の解析には、複数の変数から成るデータを統計学的に取り扱う多変量解析が有効である。5:誤\n公表バイアスとは、統計学的に優位な結果が得られた研究は公表されやすいことであり、その評価には、ファンネルプロットが用いられる。"} +{"problem_id": "108196", "problem_text": "72歳男性。身長173cm、体重63kg。タール便があり、近医にて内視鏡検査を施行したところ、胃噴門部に腫瘤を認め総合病院の消化器外科に紹介となった。精査の結果、胃がんStageIV、肝転移及び多発リンパ節転移と診断され、胃がんの一次治療としてS-1*/シスプラチン療法(SP療法)を導入することになった。そこで自宅にてS-1の服用を開始し(Day1)、Day8よりシスプラチン注射液を投与するため投与前日(Day7)に入院となった。*: テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤 SP療法の施行に関する記述のうち、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シスプラチン注射液は5%ブドウ糖注射液で希釈する。", "デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液、アプレピタントカプセルを投与するのはシスプラチン注射液の投与前日(Day7)である。", "シスプラチン注射液の投与翌日(Day9)にセロトニン5-HT_{1}受容体遮断薬を投与する。", "シスプラチン注射液の投与前(Day8)に十分な量の輸液を投与する。", "体重からシスプラチン注射液の投与量を算出する。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nシスプラチン注射液は、塩化物イオン濃度が低い溶液(5%ブドウ糖注射液など)で希釈すると活性が低下するため、生理食塩液で希釈する。2:誤\nシスプラチンは、高度催吐性リスク薬剤に分類されるため、シスプラチン投与前(day8)に、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム、タキキニンNK_{1}受容体拮抗薬(アプレピタントなど)、5-HT_{3}受容体拮抗薬(オンダンセトロンなど)の投与を行う。3:誤\n解説2参照\n4:正\nシスプラチンの腎毒性を軽減する目的で、シスプラチンの投与前後に十分な量の輸液を投与する。5:誤\nシスプラチン注射液の投与量は、体表面積より算出する。"} +{"problem_id": "108197", "problem_text": "SP療法に用いられる薬物及びその代謝物を水溶液としたとき、水溶液のモル電気伝導率が時間の経過とともに増大し、抗がん作用を発現するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シスプラチン", "テガフール", "ギメラシル", "オテラシルカリウム", "フルオロウラシル"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "シスプラチンは、クロリド配位子が時間の経過とともに水と置換されることで抗がん作用を発現する。その際、水溶液中のクロライドイオンが増加するとともにモル電気伝導率も増加する。よって、水溶液としたとき、水溶液のモル電気伝導率が時間の経過とともに増大し、抗がん作用を発現するのはシスプラチンである。"} +{"problem_id": "108198", "problem_text": "87歳男性。畑仕事中に意識がもうろうとなり、A病院に救急搬送された。現病歴と服用している薬剤の有無は不明であった。検査の結果、血清ナトリウム値が108mEq/Lと低ナトリウム血症を認めた。治療のため、3%塩化ナトリウム水溶液での点滴加療を開始することにした。処方内容や投与方法など治療方針について医師からICU担当薬剤師に確認の依頼があった。A病院の医療安全マニュアルには、生理食塩液に対する浸透圧比4を超える注射液を投与する場合は中心静脈より投与することと記載されている。ICU担当薬剤師の対応に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。なお、塩化ナトリウムの式量は58.5とし、水溶液中で完全電離しているものとする。", "choices": ["処方どおりに調製すれば、3%塩化ナトリウム水溶液となるため、問題なしと判断した。", "算出された浸透圧比が4を超えていたので、中心静脈からの投与を依頼した。", "低ナトリウム血症の更なる悪化は、痙れんや昏睡を起こす可能性があると情報提供した。", "急激な血清ナトリウム値の上昇は、浸透圧性脱髄症候群を起こす可能性があると情報提供した。", "低ナトリウム血症の原因として、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)も考えられると情報提供した。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n処方どおり調製した際の塩化ナトリウム濃度は、下記のように求めることできる。生理食塩液500mLに含まれる塩化ナトリウム量は4.5g(0.9%\\times 500mL=4.5g)、10%塩化ナトリウム注射液150mLに含まれる塩化ナトリウムは15g(10%\\times 150mL=15g)であり、処方どおり調製した際の溶媒量は650mLである。よって、処方どおり調製した際の塩化ナトリウム濃度は3%(19.5g/650mL=3g/100mL=3%)となる。2:誤っている\n0.9%塩化ナトリウム水溶液は、等張であることから、処方どおり調製した際の輸液の浸透圧は約3.3(3%/0.9%\\fallingdotseq 3.3)である。3:正しい\n低ナトリウム血症の更なる悪化は、痙れんや昏睡を起こす可能性がある。4:正しい\n浸透圧性脱髄症候群とは、急激な浸透圧の変化により浸透圧のバランスが崩れることで生じる脱髄疾患である。急激な血清ナトリウム値の上昇により浸透圧のバランスが崩れ、浸透圧性脱髄症候群を起こす可能性がある。5:正しい\n抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)では、抗利尿ホルモンであるバソプレシンが放出され、体内に水分が多く保持されることで、血中ナトリウム濃度が低下することがある。よって、低ナトリウム血症の原因として、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)も考えられる。"} +{"problem_id": "108199", "problem_text": "塩化ナトリウム水溶液におけるイオン強度や活量に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["イオン強度は、Na^{+}やCl^{-}の電荷数に依存しない。", "イオン強度が高くなると、水中のNa^{+}とCl^{-}の間の相互作用は強くなる。", "搬送時の血清ナトリウム値と等しいNa^{+}濃度の塩化ナトリウム水溶液のイオン強度は54mmol/Lである。", "塩化ナトリウム水溶液の活量\\alpha は\\alpha =\\gamma ・xで表される。ただし、\\gamma は活量係数、xはモル分率である。", "Na^{+}、Cl^{-}の活量をそれぞれ\\alpha _{+}、\\alpha _{-}とすると、塩化ナトリウム水溶液の平均活量\\alpha \\pm は\\alpha \\pm =(\\alpha _{+}・\\alpha _{-})/2で表される。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nイオン強度は下記の式で表され、電解質の濃度及び電荷数に依存する。2:正イオン強度は、電解質溶液中のイオン間の相互作用の強さを表す値であり、イオン強度が高くなると電解質の間で働く相互作用(Na^{+}とCl^{-}の間の相互作用)は強くなる。3:誤\nNaClは水溶液中で完全に解離しているものとして考えると、搬送時の血清ナトリウム値と等しい塩化ナトリウムのNa^{+}の濃度及びCl^{-}の濃度は108mmol/Lであり、また、Na^{+}、Cl^{-}のそれぞれの電荷が+1、-1であるため、解説1の式より、搬送時の血清ナトリウム値と等しいNa^{+}濃度の塩化ナトリウム水溶液のイオン強度を下記のように求めることができる。I=1/2{108\\times\n(+1)^{2}+108\\times\n(-1)^{2}}=108mmol/L\n4:正\n活量とは、実在溶液における実効濃度(実効モル分率)のことであり、活量係数とモル分率の積で表される。5:誤Na^{+}、Cl^{-}の活量をそれぞれ\\alpha\n_{+}、\\alpha\n_{-}とすると、塩化ナトリウム水溶液の平均活量\\alpha\n\\pm は\\alpha\n\\pm =(\\alpha\n_{+}・\\alpha\n_{-})^{1/2}で表される。"} +{"problem_id": "108200", "problem_text": "80歳女性。身長160cm、体重50kg。胸の痛み及び息苦しさの訴えにより救急搬送された。急性心不全の診断にてニトログリセリン注射液を投与することとなった。診療録には「ニトログリセリン注射液は_{(ア)}0.05\\microg/kg/分より開始して様子をみていく」と記載されている。なお、添付文書には、「0.05〜0.1\\microg/kg/分の速度より開始して血圧等の循環動態をモニターしながら適宜増量し、最適点滴速度で維持する」とある。また、この注射液はポリブタジエン製輸液チューブ(PVC^{(注)}フリー)の点滴ルートでシリンジポンプにより投与するものとする。(注: ポリ塩化ビニル) 下線部(ア)をシリンジポンプの速度単位(mL/h)で表した場合、正しい値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["0.3mL/h", "1.5mL/h", "3.0mL/h", "15mL/h", "30mL/h"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "下線部(ア)に0.05\\microg/kg/分と記載されていることから、体重50kgの患者には1分あたり2.5\\microg /分(0.05\\microg/kg/分\\times 50kg=2.5\\microg /分)、1時間あたり0.15mg/h(2.5\\microg /分\\times 60分=150\\microg /h=0.15mg/h)のニトログリセリンを投与する必要がある。また、ニトログリセリン注射液の濃度は25mg /50mLであることから0.5mg/mLとなる。よって、下線部(ア)をシリンジポンプの速度単位(mL/h)は下記のように求めることができる。シリンジポンプの速度単位(mL/h)=0.15mg/h/0.5mg/mL=0.3mL/h"} +{"problem_id": "108201", "problem_text": "ニトログリセリン注射液投与時にPVC製のチューブを使うと、ニトログリセリンがチューブに吸着し、静脈内への到達量が著しく減少することが知られている。この吸着に関連すると考えられる分子間相互作用はどれか。1つ選べ。", "choices": ["水素結合", "電荷移動相互作用", "静電的相互作用", "分散力", "イオン-双極子相互作用"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ニトログリセリンがチューブに吸着する際に働く相互作用として、瞬間双極子と誘起双極子の間の相互作用である分散力が関与している。"} +{"problem_id": "108202", "problem_text": "78歳男性。身長170cm、体重68kg。医療機関での治療は受けていない。病院の近隣を歩いていた際に急な心臓発作を起こし救急搬送された。搬送時の心電図はAであり、薬剤Xが投与された。X投与の5分後にはBに示す正常な心電図となった。この心電図変化をもたらした薬剤Xによる治療として最も考えられるのは次のうちどれか。1つ選べ。", "choices": ["一硝酸イソソルビド錠の舌下投与", "硝酸イソソルビドスプレーの口腔内噴霧", "アスピリン腸溶錠を噛みくだいて内服", "アミオダロン塩酸塩速崩錠の内服", "ジゴキシンエリキシルの内服"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "Xを投与して5分後に心電図が正常に戻っていることから、投与後すぐに効果を示す薬剤を投与したと推察される。1:誤\n一硝酸イソソルビド錠は、舌下に投与する薬剤でなく内服剤であるため、投与方法が不適切である。2:正\n硝酸イソソルビドスプレーは、口腔内に噴霧する薬剤であり、速やかに効果発現する。3:誤\nアスピリン腸溶錠は、内服剤であり、噛み砕いて内服した場合、効果発現までに15分程度要する。4:誤\nアミオダロン塩酸塩速崩錠は、徐放性の内服剤であり、効果発現までに長時間を要する。5:誤\nジゴキシンエリキシルは、内服剤であり、効果発現までに15〜30分程度要する。"} +{"problem_id": "108203", "problem_text": "正常な状態におけるこの患者の心臓の1回拍出量が60mLである場合、この患者の心拍出量に最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["3L/min", "4L/min", "5L/min", "6L/min", "7L/min"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "設問の図Bより、本患者において、心臓が1回拍動するのに要する時間は0.7秒(1マスが0.2秒\\rightarrow\nRR間隔が3.5マス\\rightarrow\n心臓が1回拍動するのに要する時間が0.7秒)であると考えられる。よって、1分間あたりの心拍数は、85.7回(60秒/min/0.7秒/回\\fallingdotseq 85.7回/min)となる。上記より、この患者の1分間あたりの心拍出量を下記のように求めることができる。60mL\n/回\\times\n85.7回/分\\fallingdotseq 5142mL\n/min\\fallingdotseq 5.1L/min"} +{"problem_id": "108204", "problem_text": "67歳男性。開心術後に低心拍状態となり心原性ショックと診断された。本疾患の治療に当たりアドレナリン注射液及び電解質輸液(開始液)が、中心静脈ダブルルーメンカテーテルから図のように投与されている。看護師は医師よりオメプラゾールナトリウム注射液を1時間かけて投与するよう指示を受けたため、薬剤師に投与経路について確認した。オメプラゾールナトリウム注射液の投与手順として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Aからのラインを止め、Cから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Cから投与する。", "Aからのライン及びBからのラインを止め、Cから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Cから投与する。", "Aからのライン及びBからのラインを止め、Dから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Dから投与する。", "Bからのラインを止め、Dから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Dから投与する。", "フラッシュなしで直接Dから投与する。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "中心静脈ダブルルーメンカテーテルは、内腔が2つに分かれており、混合不可である複数の薬剤を注入したい場合に用いられる。本症例では、混合するとpH の変動により白濁する可能性のある酸性注射液のアドレナリン注射液と塩基性注射液のオメプラゾールナトリウム注射液を同時に投与する必要がある。また、心原性ショックを治療する目的で、アドレナリン注射液を持続的に投与しながら、オメプラゾールナトリウム注射液を投与する必要がある。これらのことから、Bライン(アドレナリン注射液の精密持続点)を止めることなく、Aラインを止め、Cから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Cからオメプラゾールナトリウム注射液を投与することが適切である。"} +{"problem_id": "108205", "problem_text": "オメプラゾールは弱酸で、静脈血(pH7.4)中で次のように解離するものとする。静脈血中でのオメプラゾールの分子形とイオン形の存在比として正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、オメプラゾールのpKaを8.9、10^{1/2}=3.2とする。また、オメプラゾールの投与により静脈血のpHは変化せず、血清タンパクとの相互作用、オメプラゾールの代謝及び温度の影響は考慮しないものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "オメプラゾールは弱酸性化合物であるため、下記の式(ヘンダーソン式)が成立する。静脈血のpHが7.4、オメプラゾールのpKaが8.9であることから分子形とイオン形の存在比を下記のように求めることができる。"} +{"problem_id": "108206", "problem_text": "70歳男性。1ヶ月前より両手の関節の痛みと腫れが出現し、家族とともに病院の整形外科を受診し、医師より精密検査のための入院を勧められた。検査の結果、軽度の関節リウマチとの診断を受けた。メトトレキサートによる治療を開始したが、肝機能障害が出現し、以下の処方へ変更となった。2週間後、薬剤師が服薬指導で患者の病室を訪問したところ、「食事が美味しくない、味があまりしない。」との訴えがあり、食事の摂取量も減少していることが分かった。薬剤師はブシラミン錠による薬剤性味覚異常の可能性を考え、医師へ血清亜鉛濃度の測定を依頼した。臨床検査値: 血清亜鉛65\\microg/dL(基準値: 80〜130\\microg/dL) 医師は臨床検査値の結果を踏まえ、以下の処方を追加した。今後の薬剤師の対応として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["味覚異常の原因薬剤と考えられるブシラミン錠の継続の可否について医師に確認する。", "味覚障害には口内炎や口腔内乾燥を伴うこともあるため、これらの症状について患者に確認する。", "亜鉛濃度が過剰にならないように、定期的な血清亜鉛濃度の測定を医師に依頼する。", "患者に対して、処方2に加えて亜鉛サプリメントを摂取する場合には、医師あるいは薬剤師に相談するように指導する。", "亜鉛の補充により銅の吸収が増強され銅過剰症を起こすおそれがあると医師に情報提供を行う。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:適切である\nブシラミンは、亜鉛イオンとキレートを形成することにより味覚障害を引き起こす。2:適切である\nブシラミンの副作用である味覚障害に伴い、口内炎や��腔内乾燥が現れることがある。3:適切である\n酢酸亜鉛水和物錠を服用する際には、亜鉛濃度が過剰にならないように、定期的に血清亜鉛濃度の測定を行う必要がある。4:適切である\n酢酸亜鉛水和物錠が処方されているため、患者に対して、本剤に加えて亜鉛サプリメントを摂取する場合には、医師あるいは薬剤師に相談するように指導する必要がある。5:適切でない\n亜鉛の補充により銅の吸収が抑制され銅欠乏症状(貧血、しびれ、疲労感、ふらつき等)を起こすおそれがある。"} +{"problem_id": "108207", "problem_text": "この患者の味覚異常に最も関連するブシラミンの性質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["酸化剤として働く。", "水に溶けにくい", "弱酸性を示す。", "キレート作用をもつ。", "分子内ジスルフィド結合を形成する。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "問206問1解説確認"} +{"problem_id": "108208", "problem_text": "68歳女性。切除不能の再発直腸がんに対して、カペシタビンとオキサリプラチン併用化学療法を開始することになった。外来化学療法室の薬剤師は、この患者にかかりつけ医から以下の薬剤が処方されていることを、お薬手帳より確認した。なお、以下の薬剤は全て化学療法開始後も継続することとする。今回のがん化学療法の開始に伴い、薬物相互作用による重篤な副作用を回避するため、薬剤師が定期的にモニタリングすべき検査項目として、最も重要なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["血清鉄", "尿酸", "血清カルシウム", "血清リン", "PT-INR"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "本患者は、カペシタビンとオキサリプラチン併用化学療法を開始することとなり、処方薬も継続することなったことから、相互作用の有無を確認する必要がある。カペシタビン添付文書の警告の欄に「本剤とワルファリンカリウムとの併用により、血液凝固能検査値異常、出血が発現し死亡に至った例も報告されている。(一部省略) 併用する場合には血液凝固能検査を定期的に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと」と記載されている。このことから、カペシタビンとワルファリンを併用するさいには、ワルファリンの効果を判定するPT-INRをモニタリングする必要がある。"} +{"problem_id": "108209", "problem_text": "かかりつけ医から処方されている医薬品の構造を示す。その中でモニタリングすべき検査項目に関与する医薬品はどれか。1つ選べ。なお、本品の性状として、日本薬局方には「本品は水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすい。」「本品は光によって淡黄色となる。」と記載されている。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "モニタリングすべき検査項目に関する医薬品はワルファリンカリウムであり、構造中にクマリン骨格及びカリウムを含有する選択肢1である。なお、他の選択肢の構造は、選択肢2(カルベジロール)、選択肢3(ロサルタンカリウム)、選択肢4(スピロノラクトン)、選択肢5(ヒドロクロロチアジド)、選択肢6(メチルジゴキシン)である。"} +{"problem_id": "108210", "problem_text": "60歳女性。5年前より糖尿病治療のためクリニックを受診している。今回体重増加と血糖コントロール不良により、現在服用中の薬剤(処方1)にダパグリフロジンプロピレングリコール水和物錠(処方2)が追加された。薬剤師による処方2の説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["尿量を減らす働きがあります。", "尿中の糖を減らす働きがあります。", "排尿時の違和感があるときは申し出てください。", "喉の渇きを感じることがあります。", "腹部膨満感を起こしやすいです。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "ダパブリフロジンは、SGLT-2を可逆的かつ競合的に阻害する薬剤であり、腎の近位尿細管でグルコースの再吸収を阻害することで血糖の上昇を抑制する。1:誤\nダパグリフロジンは、尿中へのグルコースの排泄を促進することで、尿中のグルコース増加による浸透圧増加を促し、尿量を増加させる。2:誤\n解説1参照\n3:正\nダパグリフロジンは、尿中へのグルコースの排泄を促すことにより、尿路感染症、性感染症を起こすことがあるため、排尿時の違和感があるときは申し出るように説明する必要がある。4:正\nダパグリフロジン���、グルコース排泄による利尿作用により、喉の渇きを感じることがある。5:誤\nダパグリフロジンの副作用として、低血糖、腎盂腎炎、脱水、ケトアシドーシスを起こすことがあるが、腹部膨満感を起こすという報告はない。なお、腹部膨満感は、\\alpha グルコシダーゼ阻害薬(ボグリボース、アカルボース、ミグリトール等)で起こりやすい副作用である。"} +{"problem_id": "108211", "problem_text": "処方2のダパグリフロジン(A)は、リンゴの樹皮に含まれるフロリジン(B)をリード化合物として開発された。これらの化合物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["いずれもガラクトピラノシド構造を含む。", "化合物Bは、化合物Aよりグリコシダーゼに対して安定である。", "化合物Bは、\\alpha -グリコシド結合をもつ。", "化合物Aは、プロドラッグである。", "化合物Bは、アセタール結合をもつ。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nダパグリフロジン(化合物A)及びフロリジン(化合物B)は、いずれもグリコピラノシド構造を含む。2:誤\nグルコシダーゼは、O-グリコシド結合を加水分解する酵素である。化合物BはO-グリコシド結合しているため、グルコシダーゼにより分解されやすいが、化合物AはC-グリコシド結合しているため、グルコシダーゼにより分解されにくい。よって、化合物Bは化合物Aよりグリコシダーゼに対して不安定である。3:誤\nグリコピラノースでは、アノマー性水酸基と5位に結合する炭素置換基がtrans配置のものを\\alpha\n-アノマー、cis配置のものを\\beta\n-アノマーとしている。化合物Bに含まれているグルコピラノースは、アノマー性水酸基と5位に結合する炭素置換基がcis配置であるため\\beta\n-アノマーであり、\\beta\n-グリコシド結合を有する。4:誤\nプロドラッグとは、それ自体は薬効を示さないが、生体内で代謝されて初めて活性物質に変化して薬効を示す薬物のことであり、化合物Aはプロドラッグではない。5:正\nアセタールとは、同一炭素原子が2個のエーテル結合したような構造をしており、化合物Bにはアセタール構造を有する。"} +{"problem_id": "108212", "problem_text": "1歳男児。体重10kg。中等度の急性副鼻腔炎と診断され、アモキシシリン水和物散が処方されたが効果不十分と判断され、薬剤感受性を考慮し以下の処方へ変更になった。本症例において、薬剤師が留意すべき重大な副作用はどれか。1つ選べ。", "choices": ["甲状腺組織の直接的障害による甲状腺機能低下症", "糖新生抑制による乳酸アシドーシス", "ヒスタミン遊離によるレッドネック症候群", "ビタミンA欠乏による視覚障害", "血清カルニチン低下による低血糖"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "セフカペンピボキシル塩酸塩は、経口用セフェム系抗菌薬であり、消化管吸収を改善する目的でピボキシル基(問213選択肢4)が修飾されている。本剤は、消化管吸収時、腸管壁のエステラーゼにより加水分解を受け、セフカペンとなり作用を示す。その際、解離したピボキシル基は、代謝によりピバリン酸(ピバル酸)となり、カルニチン抱合を受け、尿中に排泄される。脂肪酸の\\beta 代謝にはカルニチンが必要であり、ピバリン酸が排泄される際、カルニチンが消費されると、脂肪酸の\\beta 酸化を行うことができなくなり糖新生が抑制され、低血糖症状を呈する。"} +{"problem_id": "108213", "problem_text": "以下は、セフカペンピボキシル塩酸塩水和物の化学構造である。前問の副作用の原因となる構造を含む部分はどれか。1つ選べ。なお、前問の副作用は本品がプロドラッグであることに由来する。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "セフカペンピボキシル塩酸塩は、経口用セフェム系抗菌薬であり、消化管吸収を改善する目的でピボキシル基(問213選択肢4)が修飾されている。本剤は、消化管吸収時、腸管壁のエステラーゼにより加水分解を受け、セフカペンとなり作用を示す。その際、解離したピボキシル基は、代謝によりピバリン酸(ピバル酸)となり、カルニチン抱合を受け、尿中に排泄される。脂肪酸の\\beta\n代謝にはカルニチンが必要であり、ピバリン酸が排泄される際、カルニチンが消費されると、脂肪酸の\\beta\n酸化を行うことができなくなり糖新生が抑制され、低血糖症状を呈する。"} +{"problem_id": "108214", "problem_text": "84歳男性。妻との二人暮らし。軽度のアルツハイマー型認知症と診断され、ドネペジル塩酸塩による治療を開始した。処方された医薬品と、その標的タンパク質に相互作用する内因性物質の正しい組合せはどれか。1つ選べ。", "choices": ["Aとa", "Aとc", "Bとb", "Bとc", "Cとa", "Cとb"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "処方された薬(ドネペジル)の構造はCであり、その標的タンパク質はコリンエステラーゼである。また、コリンエステラーゼに相互作用する内因性物質はアセチルコリン(構造a)である。なお、医薬品Aはジフェンヒドラミン、医薬品Bはビソプロロールの構造である。"} +{"problem_id": "108215", "problem_text": "妻から「薬は夫が自分で管理しているが、飲んだはずの薬を再度飲んだり服薬を忘れる日があるようだ。」、「服薬後の食欲低下と腹痛、下痢がある。」と薬局に相談があった。また、認知症治療を続け、夫が薬を正しく使用しているか確認できるようにしたいとの要望があった。患者の状態等や妻の要望を考慮して、かかりつけ医に提案する、ドネペジル塩酸塩錠から変更する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ドネペジル塩酸塩口腔内崩壊錠", "ドネペジル塩酸塩経口ゼリー", "ガランタミン錠", "リバスチグミンテープ", "メマンチン塩酸塩錠"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本症例では、夫が薬を管理しているが、薬の過剰服用による症状(服用後の食欲低下、下痢など)があり、また、飲み忘れがあるため、薬をしっかり服用しているか、妻から確認したいと要望されている。本患者は軽度のアルツハイマー型認知症である。これらのことから、軽度のアルツハイマー型認知症に用いることができ、しっかり薬を服用できているかを確認しやすい貼付剤であるリバスチグミンテープに変更することが適切である。"} +{"problem_id": "108216", "problem_text": "30歳男性。2月から突然のくしゃみ、鼻水、目のかゆみが出始め、仕事にも集中できなくなり、翌月に近所の耳鼻科医院を受診した。その場で、簡便なアレルギー検査を行うことになった。この検査キットは、抗原抗体反応を利用したクロマトグラフィーの原理を用いている。患者の血液サンプルを用いた約20分の検査で、ハウスダスト系(ヤケヒョウヒダニ、ゴキブリ、ネコ皮屑、イヌ皮屑)、花粉系(スギ、カモガヤ、ブタクサヨモギ)の計8種類のアレルゲンに対するアレルギーの有無を判定できる。図の検体(血液)滴下部にこの患者の血液サンプルを滴下して5分待ち、続いて展開液滴下部にキットの展開液を滴下して15分待ち、判定部に出現するバンドを確認したところ、下図のように、C(コントロール)以外に1本のバンドが認められた。採取した患者の血液中に含まれる成分で、このアレルギー検査で測定されたのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["スギ花粉(アレルゲン)", "抗ヒトIgE抗体", "スギ花粉に特異的なIgE", "スギ花粉に特異的なIgG", "IgEに特異的なFc受容体"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "図の検査結果より、本患者はスギ花粉に対してアレルギーが有ると考えられる。アレルギー迅速検査キットでは、スギ花粉アレルギーに関与する抗体を検出することで、アレルギーの有無を検査することができる。また、スギ花粉に対するアレルギーはI型アレルギーであり、IgEが関与する。これらのことから、採取した患者の血液中に含まれる成分で、このアレルギー検査で測定されたのはスギ花粉に特異的なIgEであると考えられる。"} +{"problem_id": "108217", "problem_text": "その後、詳細な検査も行い、患者はスギ花粉症と診断され、薬物療法による治療を受けていた。患者から薬を服用すると眠気があり仕事に差し支えることが多いとの訴えがあったので、医師はスギ花粉飛散シーズン後に舌下免疫療法を勧めていた。今回、舌下免疫療法による治療が開始されることになり、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。なお、初回である翌朝の分は処方した耳鼻科医の前で服用する予定である。また、薬剤師は、この処方医が舌下免疫療法に関する講習を修了していることを確認した。この患者への舌下免疫療法に関する説明として��っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["舌の下に薬を置き、保持した後、飲み込みます。", "服用前後は、激しい運動を避けてください。", "スギ花粉症に対する治療薬で、すべてのアレルギーに対して有効とはいえません。", "口の中に傷や炎症があるとき、医師や薬剤師に相談してください。", "この薬は、次回から段階的に成分量を減らしていきます。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nシダキュアスギ花粉舌下錠の用法及び用量は、「通常、投与開始後1週間は、シダキュアスギ花粉舌下錠2,000JAUを1日1回1錠、投与2週間以降は、シダキュアスギ花粉舌下錠5,000JAUを舌下にて1分間保持した後、飲み込む。その後5分間は、うがいや飲食を控える。」とされている。2:正しい\nシダキュアスギ花粉舌下錠服用前、及び本剤服用後2時間は、激しい運動、アルコール摂取、入浴等を避ける必要がある。3:正しい\nシダキュアスギ花粉舌下錠は、スギ花粉症に対する治療薬であり、すべてのアレルギーに対して有効性を示さない。4:正しい\n口腔内の状態により本剤の吸収に影響を与えるおそれがあるため、口の中に傷や炎症があるとき、医師や薬剤師に相談するように指導する。5:誤っている\n解説1参照"} +{"problem_id": "108218", "problem_text": "85歳男性。中等度の認知症及び高血圧症の治療中。部屋の中ではつたい歩きができるが、活動量が低下し、家に引きこもりがちである。今回、腰痛を訴え整形外科を受診したところ、骨粗しょう症と診断された。整形外科受診時の検査値、現在服用中の薬剤は以下のとおりである。なお、肝機能に異常はない。この患者の骨粗しょう症治療に用いる薬剤として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アレンドロン酸錠", "ブシラミン錠", "ラロキシフェン塩酸塩錠", "L-アスパラギン酸Ca錠", "エルデカルシトールカプセル"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "本患者は骨粗しょう症と診断され、薬物治療をすることとなった。薬剤の適応症、性別、身体所見及び検査値より適切な治療薬を選択する必要がある。ブシラミン(選択肢2)は、関節リウマチの治療薬であるため、骨粗しょう症の治療に用いられない。また、ラロキシフェン塩酸塩(選択肢3)の適応症は、閉経後骨粗鬆症であるため、男性に用いられない。本患者のCa濃度は基準値範囲内にあるため、L-アスパラギン酸Ca錠(選択肢4)も用いられない。これらのことから、ビスホスホネート製剤であるアレンドロン酸(選択肢1)と活性型ビタミンD製剤であるエルデカルシトール(選択肢5)を選択することが適切である。"} +{"problem_id": "108219", "problem_text": "本患者が血液検査で測定した25-ヒドロキシビタミンDに含まれる25(OH)ビタミンD_{3}は、下図に示すように、プロビタミンD_{3}から反応A、Bを経て作られ、反応CDで代謝される。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プロビタミンD_{3}は、生体内で合成されない。", "紫外線を浴びた皮膚で進行する反応は、Bである。", "副甲状腺ホルモン(パラトルモン)によって促進される反応は、Dである。", "活性型ビタミンD_{3}は、25(OH)ビタミンD_{3}である。", "活性型ビタミンD_{3}は、最終的に腎臓で生成される。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "108220", "problem_text": "66歳男性。C型肝炎の既往歴あり。今回、肝硬変によると思われる腹水が出現し、肝性脳症の症状もみられたので、消化器内科に入院し治療している。現在の処方は以下のとおりである。現在の薬物治療について、この患者への説明として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["トルバプタンは、腹部などに溜まった余分な水を尿として排泄する働きがあります。", "ランソプラゾールは、食道・胃静脈瘤の治療期間中の潰瘍を予防する働きがあります。", "スピロノラクトンは、肝性脳症を改善する働きがあります。", "ラクツロースシロップは、腸管内でのアンモニアの発生及び吸収を抑制する働きがあります。", "ナルフラフィンは、かゆみを改善する働きがあります。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nトルバプタンは、バソプレシンV_{2}受容体拮抗薬であり、電解質の排泄を伴わない利尿作用を有することから、ルー���利尿薬等の他の利用薬で効果が不十分な肝硬変における体液貯留に用いられる。2:正しい\nランソプラゾールは、プロトンポンプ阻害薬であり、胃酸分泌を抑制する作用を有することから、食道・胃静脈瘤の治療期間中の潰瘍を予防する目的で用いられる。3:誤っている\nスピロノラクトンは、抗アルドステロン薬であり、利尿作用を有することから、肝不全に伴う腹水に用いられるが、肝性脳症を改善する作用は有していない。4:正しい\nラクツロースシロップは、腸管内で腸内細菌により乳酸に代謝されるため、消化管内のpHを低下させ、腸内細菌によるアンモニアの発生及び吸収を抑制し、血中アンモニア濃度を低下させる作用を有することから、肝不全に伴う肝性脳症に用いられる。5:正しい\nナルフラフィンは、オピオイド\\kappa 受容体に選択的に作用することにより、慢性肝疾患によって引き起こされる痒みの改善に用いられる。"} +{"problem_id": "108221", "problem_text": "この患者に補充している分岐鎖アミノ酸に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["筋肉ではエネルギー源として利用される。", "主に肝臓において異化を受ける。", "該当するアミノ酸は、ロイシン、イソロイシン、プロリンである。", "すべて糖原性アミノ酸である。", "肝機能低下時には消費が増し、芳香族アミノ酸に対する比率が低下する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "分岐鎖アミノ酸には、ロイシン、イソロイシン、バリンがあり、これらは筋肉のエネルギー源として利用される。1:正\n前記参照"} +{"problem_id": "108222", "problem_text": "52歳男性。中枢性尿崩症の診断を受け、以下の薬剤による治療が開始となった。この患者への服薬指導として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["使用前に鼻をかんでから使用してください。", "使用時、左右の鼻腔に交互にスプレーしてください。", "スプレー時には、息を深く吸ってください", "使用中は、医師より指示された飲水量を守ってください。", "冷蔵庫に容器を立てた状態で保管してください。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nデスモプレシン点鼻スプレー(本剤)を使用する前には、吸収を安定させるため鼻をかんでから使用する。2:正しい\n本剤を複数回使用する場合は、左右の鼻腔に交互にスプレーする。3:誤っている\n本剤をスプレーした後は、薬液を奥まで行き渡らせるように頭を後ろに傾けた状態で軽く鼻を押え、鼻から静かに息を吸うようにする。4:正しい\n本剤を使用することで水中毒(体内の水分量が増えることで血液が薄くなり、低ナトリウム血症による頭痛、嘔吐、意識消失などが現れる状態)を起こすことがあるため、本剤使用中は、医師より指示された飲水量を守る必要がある。5:正しい\n本剤を使用しないときは、冷蔵庫等で瓶に立てた状態にして保管する。"} +{"problem_id": "108223", "problem_text": "処方薬は、この患者で不足しているホルモンの作用を補う目的で使われている。そのホルモンに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジスルフィド結合で架橋されたA,B鎖からなるポリペプチドである。", "視床下部ホルモンの刺激により、下垂体前葉の細胞で産生される。", "心臓に作用し、グアニル酸シクラーゼを活性化して、血圧を低下させる。", "血管平滑筋細胞に作用し、ホスホリパーゼCを活性化して、血管を収縮させる。", "腎集合管の細胞に作用し、プロテインキナーゼAを活性化して、水の再吸収を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "中枢性尿崩症は、抗利尿ホルモンであるバソプレシンの産生・分泌に関わる視床下部又は下垂体の機能が低下し、多量の尿が排出される疾患であり、本剤は、抗利尿ホルモンであるバソプレシンを補う目的で用いられる。バソプレシンは、9つのアミノ酸で構成されるペプチドホルモンであり、構造中にジスルフィド結合を1つ有する環状構造をとっている。バソプレシンは、視床下部で産生、下垂体後葉より分泌され、腎集合管の細胞に存在するV2受容体に作用し、プロテインキナーゼAを活性化して、水の再吸収を促進する。また、血管平滑筋細胞に存在するV1a受容体に作用し、ホスホリパーゼCを活性化して、血管を収���させる。"} +{"problem_id": "108224", "problem_text": "7歳男児。身長122cm、体重25kg。母親に連れられて来局した。処方は以下のとおりである。母親に患児の症状を確認したところ、発熱、耳痛はあるが、耳介けん引痛はなかった。お薬手帳及び薬歴を確認すると、併用薬はなかった。点耳薬の使用は初めてであったため、薬剤師が母親に服薬指導をした。母親に対する指導内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["使用後お子さんがめまいや痛みを感じたと言っても使用を続けてください。", "使用時には冷蔵庫から取り出してすぐに使用してください。", "耳たぶを後ろに引っ張るようにして、滴下してください。", "点耳量は1回1滴だけです。", "点耳後はすぐに起き上がらせてください。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "108225", "problem_text": "図は聴覚器の断面の模式図である。1〜5のうち、この患者の主たる炎症部位として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本患者の状態を以下の内容より推測することができる。オフロキサシン点耳液は、外耳炎、中耳炎に用いられ、発熱、耳痛はあるが、耳介けん引痛がないことから、外耳炎の可能性は低い。よって、本患者は中耳炎に罹患していると考えられる。設問の図の選択肢1:\n耳介、選択肢2:\n外耳道、選択肢3:\n中耳、選択肢4:\n前庭、選択肢5:\n内耳神経であることから、本患者は、選択肢3(中耳)に炎症が起こっていると考えられる。"} +{"problem_id": "108226", "problem_text": "精神神経科の医師から医薬品情報室に、妊婦がリチウム製剤とラモトリギン製剤を服用したときの胎児における心奇形の発生について質問があった。薬剤師が論文を検索し、各製剤の服用による胎児の心奇形発生に関するコホート研究報告を見つけた。論文には下表に示した結果が掲載されていた。心奇形発生に及ぼすリチウム製剤の服用の相対危険度はどれか。1つ選べ。", "choices": ["0.9", "1.6", "2.4", "3.6", "4.2"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "コホート研究において、相対危険度は下記の式より求めることができる。上記の式より、心奇形発生に及ぼすリチウム製剤の服用の相対危険度は下記のように求めることができる。"} +{"problem_id": "108227", "problem_text": "論文には、薬剤非服用群に対するリチウム製剤又はラモトリギン製剤服用群の相対危険度(傾向スコア分析により補正した値)を服用量別に示した図が載っていた。妊娠中の薬剤服用状況と胎児の心奇形発生に関し、下図を基に薬剤師が医師に説明する内容として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["リチウム製剤服用量が1日900mgを超える群では、出生100人あたり6.32人に心奇形が発生しています。", "リチウム製剤服用量が1日900mgを超える場合、薬剤非服用群に比べ胎児の心奇形は約4.2倍発生しやすくなると考えられます。", "リチウム製剤服用量の増加に伴い、胎児の心奇形が発生しやすくなる傾向が認められます。", "ラモトリギン製剤は、リチウム製剤に比べ胎児の心奇形発生リスクを統計学的に有意に上昇させると考えられます。", "ラモトリギン製剤服用群全体では、出生100人あたり2.5人に心奇形が発生しています。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\nリチウム製剤服用量が1日900mgを超える群(リチウム製剤服用群>900mg/日)では、出生100人あたりの心奇形発生数は6.32人である。2:正しい\n薬剤非服用群とリチウム製剤服用量が1日900mgを超える場合の胎児の心奇形発生数の比は、1.5:\n6.32であることから、薬剤非服用群に比べ、リチウム製剤服用量が1日900mgを超える場合の胎児の心奇形は、約4.2倍(6.32/1.5\\fallingdotseq 4.2倍)発生しやすくなる。3:正しい\nリチウム製剤服用量の増加に伴い、出生100人あたりの心奇形発生数が増加しているため、リチウム製剤服用量の増加に伴い、胎児の心奇形が発生しやすくなる傾向が認められる。4:誤っている\nラモトリギン投与群では、いずれの群においても相対危険度95%信頼区間が1.0を含んでいるため、ラモトリギン製剤は、胎児の心奇形発生リスクを統計学的に有意に上昇させるといえない。5:正しい\nラモトリギン製剤服用群全体における出生100人あたりの心奇形発生数を下記の���うに求めることができる。"} +{"problem_id": "108228", "problem_text": "70歳男性。体重65kg。ループス腎炎と脳梗塞に対して、それぞれタクロリムスカプセルとワルファリン錠を服用していた。2週間前から微熱、咳、痰、寝汗などが続き、昨日、痰に血が混じっていたため、不安を感じて病院を受診した。胸部CT検査で両側に空洞化を伴う多発性浸潤陰影を認め、喀痰の塗抹検査で病原体が検出されたため、入院し、直接服薬確認療法(DOTS)が行われることとなった。(入院時の検査値) AST 26IU/L、ALT 27IU/L、血清クレアチニン1.8mg/dL、血清アルブミン3.6g/dL、総ビリルビン0.7mg/dL この患者の呼吸器症状の原因となった病原体に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["体内に侵入後、肺胞マクロファージ内で増殖する。", "本病原体による感染を予防するためにBCGワクチンが用いられている。", "蚊などの節足動物が媒介することで感染する。", "2010年頃から罹患率が上昇しているため新興感染症に位置付けられている。", "近年、我が国における罹患率は、米国やドイツなどの先進国における罹患率に比べて低い。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "本患者の症状として、微熱、咳、寝汗、血痰があることに加え、直接服薬確認療法(DOTS)が行われていることから、本患者は結核に罹患していると考えられる。1:正\n結核菌は、体内に侵入後、肺胞マクロファージに貪食され、その中で増殖する。2:正\n結核菌による感染を予防するためにBCGワクチンが用いられる。3:誤\n結核菌は、主に空気(飛沫核)感染する。なお、蚊などの節足動物が媒介することで感染するものとして、マラリア原虫、デングウイルスなどがある。4:誤\n我が国の結核罹患率は減少傾向である。なお、免疫不全患者における感染拡大、多剤耐性結核菌の出現などにより、結核は再興感染症(近い将来克服されると考えられていたものが再び流行する傾向にある感染症)に分類されている。5:誤\n近年、我が国における罹患率は、先進国(米国やドイツなど)における罹患率に比べて高い。"} +{"problem_id": "108229", "problem_text": "主治医より、イソニアジド錠、リファンピシンカプセル、エタンブトール錠、ピラジナミド錠の4剤でDOTSを開始することが薬剤師に伝えられた。薬剤の服用にあたり、薬剤師が主治医に伝えるべき内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["肝機能障害があるため、イソニアジドの使用を避けるべきである。", "ワルファリンの作用が減弱することがある。", "視神経障害が現われることがあるため、定期的に視力等を確認する必要がある。", "腎機能障害があるため、エタンブトールを他剤に変更すべきである。", "タクロリムスの血中濃度が上昇することがある。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n本患者は、肝機能検査値であるAST、ALTが基準値範囲内であることから、肝障害でないため、イソニアジドの使用を控える必要はない。なお、イソニアジドは、重篤な肝障害患者には投与禁忌である。2:正\nリファンピシンは、代謝酵素誘導作用によりワルファリンの作用を減弱させることがある。3:正\nエタンブトールは、視力障害を起こすことがあるため、定期的に視力等を確認する必要がある。4:誤\n本患者は、腎機能検査値である血清クレアチニンが高い値を示していることから、腎機能が低下しているがエタンブトールを他剤に変更する必要はない。なお、腎機能低下時にエタンブトールを用いると血中濃度が上昇することがあるので、減量することを検討する必要がある。5:誤\nリファンピシンは、代謝酵素誘導作用によりタクロリムスの血中濃度を低下させることがある。"} +{"problem_id": "108230", "problem_text": "28歳男性。勤務先のメッキ工場で、ビンに小分けしてあった液体を誤って飲用した。その直後に苦しがったため、近くにいた同僚が救急車を要請し、救急搬送された。来院時、頭痛、悪心、嘔吐及び頻脈を認めた。胃洗浄時に採取した胃内容物をシェーンバイン法により検査したところ、グアヤク試験紙が青色へ変化した。この患者が摂取したと疑われる物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヒ素", "トルエン", "ジクロルボス", "シアン化カリウム", "n-ヘキサン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本症例では、メッキ工場で液体を誤飲していること、シェーンバイン法により検査していること、グアヤク試験紙が青色へ変色していることから、この患者が摂取したと疑われる物質は、シアン化カリウムである。シアン化カリウムは、中毒症状として、頭痛・悪心、嘔吐を引き起こす。また、シアン化カリウムは、Fe^{3}^{+}と親和性が高く、シトクロムcオキシダーゼに含まれるFe^{3}^{+}と結合することで酵素活性を低下させ、ATP産生を阻害することにより細胞内呼吸を停止させる。"} +{"problem_id": "108231", "problem_text": "この患者に用いる解毒剤として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プラリドキシムヨウ化メチル(PAM)", "硫酸アトロピン", "ヒドロキソコバラミン", "亜硝酸アミル", "ジメルカプロール"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "シアン化カリウムの解毒剤として、ヒドロキソコバラミン、亜硝酸アミル、チオ硫酸ナトリウムなどが用いられる。1:誤\nプラリドキシムヨウ化メチル(PAM)は、有機リン系殺虫剤やサリンの解毒に用いられる。プラリドキシムヨウ化メチルは、有機リン系薬とアセチルコリンエステラーゼの間に形成されるリン酸エステル結合を切断することでアセチルコリンエステラーゼを再び活性化させる。2:誤\n硫酸アトロピンは、有機リン系殺虫剤やサリン、カルバメート系殺虫剤の解毒に用いられる。硫酸アトロピンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することで、コリンエステラーゼ阻害剤により現れる毒性を軽減する。3:正\nヒドロキソコバラミンは、シアン化合物イオンの中毒に用いられる。ヒドロキソコバラミンは、シトクロムcオキシダーゼに結合しているシアンをシアノコバラミンに変換することで毒性を軽減する。4:正\n亜硝酸アミルは、シアン化合物イオンの中毒に用いられる。亜硝酸アミルは、ヘモグロビンをメトヘモグロビンに変換する。その後、生成されたメトヘモグロビンがシアンと結合することでシアンの毒性を軽減する。5:誤\nジメルカプロールは、ヒ素、水銀、鉛などの中毒に用いられる。ジメルカプトールは、2個のSH基を有しており、ヒ素、水銀などと可溶性キレートを形成することで毒性を軽減する。"} +{"problem_id": "108232", "problem_text": "22歳女性。身長160cm、体重63kg。女性は肥満と体脂肪率が高いことを気にしており、糖質制限ダイエットによる摂取エネルギー制限が肥満予防に有用であると考えていた。インターネットや書籍の情報を基に糖質制限ダイエットを始めたが、過度の糖質制限は体に良くないと友人から聞き、不安になって近所の薬局を訪れて薬剤師に相談した。薬剤師は女性に対し、糖質制限の問題点を説明した上で、食生活の改善と適度な運動を勧め、同時に特定保健用食品を試してみることを提案した。薬剤師が女性に提案した特定保健用食品の成分として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["大豆イソフラボン", "キシリトール", "カゼインホスホペプチド(CPP)", "茶カテキン", "ラクトトリペプチド"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:不適切\n大豆イソフラボンは、骨の健康が気になる方に適する特定保健用食品の関与成分である。2:不適切\nキシリトールは、歯を丈夫で健康に保ちたい方に適する特定保健用食品の関与成分である。3:不適切\nカゼインホスホペプチド(CPP)は、カルシウムなどのミネラルの吸収を助ける特定保健用食品の関与成分である。4:適切\n茶カテキンは、体脂肪が気になる方に適する特定保健用食品の関与成分である。5:不適切\nラクトトリペプチドは、血圧が気になる方に適する特定保健用食品の関与成分である。"} +{"problem_id": "108233", "problem_text": "この女性の相談をきっかけに、薬局が開催する地域住民向け健康セミナーで糖質制限のことを取り上げることになり、薬局内で勉強会を行った。糖質制限が糖質、タンパク質及び脂質の代謝に及ぼす影響に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["糖質制限を行うと、膵臓からインスリン分泌が亢進する。", "糖質の摂取不足により血中グルコース濃度の低下が起こると、アミノ酸、乳酸、グリセロールのいずれからもグルコースが作られる。", "糖質制限が続くと、肝臓で遊離脂肪酸の\\beta 酸化が亢進し、大量に生成したアセチルCoAからケトン体が産生される。", "肝臓のグリコーゲンは、糖質制限状態ではエネルギー源としては利用されない。", "脳や神経系の細胞は、グルコースを細胞内に貯蔵しているため、糖質制限の影響を受けにくい。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n糖質制限することで体内の糖質が少なくなると、膵臓の\\alpha\n細胞からグルカゴンが分泌され糖新生が促進する。それに対して、糖質を過剰に摂取すると、膵臓の\\beta\n細胞からインスリン分泌され血糖値が降下する。2:正\n糖質の摂取不足により血中グルコース濃度の低下が起こると、糖新生が促進され、その材料としてアミノ酸、乳酸、グリセロールが用いられる。3:正\n糖質制限が続くと、脂肪組織中のトリグリセリドが分解し、それに伴って肝臓で遊離脂肪酸の\\beta\n酸化が亢進することで、大量に生成したアセチルCoAからケトン体(アセト酢酸、アセトン、\\beta\n-ヒドロキシ酪酸)が産生される。4:誤\n肝臓には、グルコース-6-ホスファターゼが存在するため、糖質制限状態となると、肝臓に存在するグリコーゲンからグルコースが生成され、エネルギー源として用いられる。5:誤\n脳や神経系の細胞は、グルコースを細胞内に貯蔵することができないため、糖質制限の影響を受けやすい。"} +{"problem_id": "108234", "problem_text": "68歳男性。身長173cm、体重65kg。大動脈弁狭窄症に対する手術を行い集中治療室に入室した。術後2日目、患者は人工呼吸管理下、絶食下にあり、担当医より以下が処方された。処方1〜処方4に関する記述として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1及び処方2の10%ブドウ糖加酢酸維持液500mLの熱量は約100kcalである。", "処方3の酢酸リンゲル液はナトリウムイオンを約130mEq/L含有している。", "処方1は貧血の予防目的で処方された。", "処方4のセファゾリンナトリウムは手術創の緑膿菌感染の予防目的で処方された。", "処方1及び処方2のファモチジンは、手術後の侵襲ストレスによる上部消化管出血の抑制目的で処方された。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n処方1及び処方2の10%ブドウ糖加酢酸維持液500mLには、50g(10g /100mL\\times 500mL=50g)のブドウ糖が含まれており、糖質のAtwater係数が4kcal/gであることから、10%ブドウ糖加酢酸維持液500mLの熱量は約200kcal(4kcal/g\\times 50g=200kcal)である。2:正\n酢酸リンゲル液には、Na^{+}、K^{+}、Ca^{2+}、Cl^{-}、CH_{3}COO^{-}を含有しており、それぞれ130mEq /L、4mEq /L、3mEq /L、109mEq /L、28mEq /Lを含有している。3:誤\n処方1には、チアミン塩化物、ファモチジンが含まれていることから、乳酸アシドーシスの予防及び手術後の侵襲ストレスによる上部消化管出血の抑制目的で処方されている。4:誤\nセファゾリンナトリウムは、手術創の皮膚常在菌(黄色ブドウ球菌、レンサ球菌などのグラム陽性菌)の感染予防目的で処方されている。なお、セファゾリンナトリウムは、第一世代のセフェム系抗菌薬であり、適応菌種に緑膿菌は含まれていない。5:正\n解説3参照\n235(衛生)\n処方1〜処方4の薬剤の成分のうち、欠乏により乳酸アシドーシスを起こすのはどれか。1つ選べ。酢酸\nチアミン\nリボフラビン\nアスコルビン酸\nナトリウム\n解答・解説\n解答\n2\n解説\n体内でグルコースは、解糖系により2分子のピルビン酸に分解された後、好気的条件ではミトコンドリア内でアセチルCoAに変換されクエン酸回路に利用され、嫌気的条件下では乳酸へ変換される。ピルビン酸がアセチルCoAに変化する際、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体が必要であり、その補酵素として、ビタミンB_{1}の活性体であるチアミンが必要となる。このことから、チアミンが欠乏すると、ピルビン酸がアセチルCoAに変換されにくくなり、その結果として、ピルビン酸が乳酸に変換され、体内pHが酸性に傾くため、乳酸アシドーシスを起こす。"} +{"problem_id": "108235", "problem_text": "処方1〜処方4の薬剤の成分のうち、欠乏により乳酸アシドーシスを起こすのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["酢酸", "チアミン", "リボフラビン", "アスコルビン酸", "ナトリウム"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "体内でグルコースは、解糖系により2分子のピルビ��酸に分解された後、好気的条件ではミトコンドリア内でアセチルCoAに変換されクエン酸回路に利用され、嫌気的条件下では乳酸へ変換される。ピルビン酸がアセチルCoAに変化する際、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体が必要であり、その補酵素として、ビタミンB_{1}の活性体であるチアミンが必要となる。このことから、チアミンが欠乏すると、ピルビン酸がアセチルCoAに変換されにくくなり、その結果として、ピルビン酸が乳酸に変換され、体内pHが酸性に傾くため、乳酸アシドーシスを起こす。"} +{"problem_id": "108236", "problem_text": "1歳6ヶ月男児。身長75cm、体重10kg。1歳半健診で極度の下肢の変形を指摘され、医療機関を受診した。男児に既往歴はなく、出生は妊娠39週20日、自然分娩で、身長50cm、出生体重3,010g、頭囲34cmであった。出生後は完全母乳栄養で、現在は母乳に加え離乳食を1日3回摂取しているが、1回の摂取量は平均的な摂取量の半分程度であった。来院時の検査値及び所見は以下のとおりであり、医師が治療薬について薬剤師に相談した。(検査値及び所見) 血清25-ヒドロキシビタミンD 8ng/mL(20ng/mL以下は不足) 補正血清カルシウム8.0mg/dL(基準値9.4〜10.8mg/dL) 血清リン5.3mg/dL(基準値4.5〜6.2mg/dL) 血清ALP 2,039IU/L(基準値395〜1,339IU/L) 血中副甲状腺ホルモン(intact-PTH)549pg/mL(基準値10〜65pg/mL) 単純X線像で内反膝(O脚)、骨幹端の杯状陥凹あり。この患児に対する治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["グルコン酸カルシウム注射液", "炭酸水素ナトリウム注射液", "チアミン塩化物塩酸塩注射液", "アルファカルシドール内用液", "レボカルニチン内用液"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "本症例では、出生後は完全母乳栄養で、現在は母乳に加え離乳食を摂取しているが、1回の摂取量が半分程度であることから、十分に栄養が補給できていない状態にある。また、単純X線像で内反膝(O脚)があり、検査値及び所見より「血清25-ヒドロキシビタミンD: 不足」「補正血清カルシウム: 低値」であることから、この患児はビタミンD不足によるくる病の可能性がある。ビタミンD不足によるくる病では、血中カルシウム濃度を上昇させるために、二次的に副甲状腺機能が亢進し、パラトルモン分泌が促進される。その結果として、血中カルシウム濃度が増加するとともに腎臓からのリンの排泄が促進され、骨の石灰化障害が現れる。この患児の検査値より、血清25-ヒドロキシビタミンDが低く、補正血清カルシウムも低いため、治療薬として、グルコン酸カルシウム注射液及びアルファカルシドール内用液を用いることが適切である。"} +{"problem_id": "108237", "problem_text": "この患児が罹患した疾病には、食事や生活習慣が関係する。一般的に、この疾病に乳幼児が罹患するのを予防するために有効な方法として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["妊娠中に葉酸を摂取する。", "乳幼児に卵や牛乳の摂取を避けさせる。", "乳幼児に適度な日照を受けさせる。", "出生直後及び生後1週間以内の新生児にビタミンK_{2}シロップを飲ませる。", "乳幼児に魚類やキノコ類を摂取させる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "この患児は、ビタミンD欠乏によるくる病であることから、食事療法及び日光浴が推奨される。食事療法では、カルシウムを多く含む食品(乳製品、小魚、大豆製品など)、ビタミンDを多く含む食品(魚類、きのこ類、卵など)を摂取することが推奨されている。"} +{"problem_id": "108238", "problem_text": "20歳男性。路上で意味不明なことを叫びながら暴れており、近隣住民が警察に通報した。警察官到着時、ろれつが回らず、痙れんを起こしたため救急要請した。救急隊到着時、頻脈と発汗を認め、興奮状態であった。救急病院に搬送され、この患者の尿を分析したところ覚醒剤及びその代謝物が検出された。(来院時の状態) 血圧149/90mmHg、心拍170拍/分、呼吸数60回/分、体温38.8^{\\circ} C、散瞳(左右6.0mm)で対光反射は正常。発汗が著明、痙れんは消失、振戦あり。四肢の静脈に多数の注射痕あり。この患者の尿中から検出されたと考えられる物質はどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "本症例では、尿を分析した���ころ覚醒剤及びその代謝物が検出されていることから、選択肢4(アンフェタミン)、選択肢1(フェニルアセトン)が検出されたと考えられる。なお、覚醒剤取締法における覚醒剤はアンフェタミンとメタンフェタミンであり、尿中の分析対象物は未変化体であるが、代謝物であるフェニルアセトンも検出される。"} +{"problem_id": "108239", "problem_text": "この患者の興奮状態を抑えるために使用される適切な薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["プロクロルペラジンメシル酸塩注", "ジアゼパム注", "フェニトインナトリウム注", "ロクロニウム臭化物注", "フルマゼニル注"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nプロクロルペラジンメシル酸塩注は、ドパミン受容体拮抗作用を有しており、統合失調症、術前・術後の悪心・嘔吐に用いられる。2:正\nジアゼパム注は、GABA_{A}受容体の機能を高める作用を有しており、神経症における不安・興奮・抑うつ状態、覚醒剤による中枢興奮状態の抑制に用いられる。3:誤\nフェニトインナトリウム注は、Naチャネル遮断作用を有しており、てんかん発作重積症に用いられる。4:誤\nロクロニウム臭化物注は、骨格筋N_{M}受容体遮断作用を有しており、麻酔時の筋弛緩、気管挿管時の筋弛緩を目的に用いられる。5:誤\nフルマゼニル注は、ベンゾジアゼピン受容体拮抗作用を有しており、ベンゾジアゼピン系薬剤による鎮静の解除及び呼吸抑制の改善に用いられる。"} +{"problem_id": "108240", "problem_text": "20歳男性。8月上旬に友人と海水浴に行くことになり、日焼け止めについて相談するため、薬局を訪れた。男性は前年の同時期に海水浴へ行き、日中、炎天下の浜辺で過ごした。その日の夕方から、昼に露出していた肌が赤くなり、その部分にほてりやヒリヒリとした痛みを感じ、その後、水ぶくれができた。男性は、最近数年間、内服薬や外用薬などの使用はなく、これまで日焼け止めを使用したことはなかった。下図は、波長に基づく非電離放射線の分類を示している。海水浴でこの男性の肌に生じた症状の原因となる主な非電離放射線はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "本症例では、昼に露出していた肌が赤くなり、その部位にほてりやヒリヒリとした痛み、水ぶくれができていることから、UVBによるサンバーンが現れていると考えられる。1:誤\n波長約100〜280nmの紫外線であり、UVCに該当する。2:正\n波長約280〜320nmの紫外線であり、UVBに該当する。3:誤\n波長約320〜400nmの紫外線であり、UVAに該当する。4:誤\n波長約400〜770nmの紫外線であり、可視光線に該当する。5:誤\n波長約770〜1mmの紫外線であり、赤外線に該当する。"} +{"problem_id": "108241", "problem_text": "この男性に対する日焼け止めの説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["昨年と同様の皮膚症状が出たら直ちに日焼け止めを塗ってください。", "SPF(Sun Protection Factor)の数字が大きい方が、昨年と同様の皮膚症状を防ぐ効果が期待されます。", "皮膚に吸収されて効果を示すため、汗をかいても塗りなおす必要はありません。", "少量で効果が期待できるので、できるだけ少量を可能な限り薄く塗ってください。", "太陽光線の一部を吸収する成分が、皮膚炎を引き起こす原因となることがあるので注意してください。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n日焼け止めは、紫外線を浴びる前に塗る必要がある。2:正\nSPF(Sun Protection Factor)は、サンバーンの原因となるUBVを防止する効果を表す指標であり、SPFの数値が大きいほどUVBを防止する効果が高い。3:誤\n日焼け止めは、皮膚表面で効果を示すため、汗をかくと効果が減弱する。そのため、汗をかいた場合は再度塗り直す必要がある。4:誤\n日焼け止めは薄く塗ると十分な効果が得られないことがあるため、均一に適量塗る必要がある。5:正\n日焼け止めには、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤が含まれており、その中でも紫外線吸収剤は、太陽光線を一部吸収することで、皮膚炎を引き起こす原因となることがある。それに対して、紫外線散乱剤は、皮膚炎の原因となることはほとんどない。"} +{"problem_id": "108242", "problem_text": "7月某日、小学校で学校薬剤師が屋外プールの定期水質検査を行うことになった。プールは上から見て図に示すような長方形で縦25m\\times 横15mの大きさである。プール端の水深は約0.9m、中央に向かって徐々に深くなり、中央部の水深は約1.2mである。採水は図中の3点(A、B、C)、水面下20cmで、プール使用開始前に実施した。一部の検査は外部の検査機関に依頼した。今回の定期水質検査の結果は下表のとおりであった。今回の定期水質検査の結果に基づく学校薬剤師の説明として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["pHは基準を満たしています。", "遊離残留塩素は基準を満たしていないので、塩素消毒を強化する必要があります。", "表の検査項目に加え、総トリハロメタンにも基準が定められています。", "過マンガン酸カリウム消費量は、主に有機物による汚染の指標として用いられています。", "一般細菌が検出されたので、プールの使用を中止してください。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n学校水泳プールのpH値の基準値は、「5.8以上8.6以下であること」とされているため、検査結果A、B、CのpHはいずれも基準値を満たしている。2:正しい\n学校水泳プールの遊離残留塩素の基準値は、「0.4mg/L以上であること(1.0mg/L以下が望ましい)」とされており、検査結果A、B、Cの遊離残留塩素は基準値を満たしていないため、塩素消毒を強化する必要がある。3:正しい\n水泳プールに係る学校環境衛生基準には、表の項目に加え、総トリハロメタン、循環ろ過装置の出口処理水の基準が定められている。4:正しい\n過マンガン酸カリウムは、主に有機物を酸化する際に消費されるため、過マンガン酸カリウム消費量は有機物による汚染の指標として用いられる。5:誤っている\n学校水泳プールの一般細菌数の基準値は、「1mL中、200コロニー以下であること」とされているため、検査結果A、B、Cはいずれも基準値を満たしており、プールを使用することができる。"} +{"problem_id": "108243", "problem_text": "定期水質検査で検査した項目のうち、学校薬剤師がプール水を採水後直ちに現場で測定しなければならないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["遊離残留塩素", "濁度", "一般細菌", "過ンガン酸カリウム消費量", "大腸菌"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "水泳プールに係る学校環境衛生基準の検査項目のうち、採取後直ちに測定する項目は、遊里残留塩素である。"} +{"problem_id": "108244", "problem_text": "生後24日男児。母親は出産後、実家に帰省して子育てをしており、実家では井戸水で溶かした人工乳を与えていた。生後12日から次第に哺乳力が低下し、生後24日に痙れんが出現したため、救急車を要請した。来院時、チアノーゼを認め、動脈血液ガス分析の結果は、以下のとおりであった。(検査値) pH 7.15(基準値7.4\\pm 0.5)、PaCO_{2}22.1mmHg(基準値40\\pm 5mmHg)、PaO_{2} 71.3mmHg(基準値85\\pm 15mmHg)、HCO_{3}^{-}12.7mEq/L(基準値24\\pm 2mEq/L)、メトヘモグロビン45%(基準値<2%)、一酸化炭素ヘモグロビン1.9%(基準値<3%)この患児の症状の原因と考えられる井戸水の汚染物質はどれか。2つ選べ。", "choices": ["亜硝酸態窒素", "硝酸態窒素", "ベンゼン", "1,4-ジオキサン", "ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "本症例では、メトヘモグロビンが高値を示し、チアノーゼが現れていることからメトヘモグロビン血症を起こしていると考えられる。メトヘモグロビンとは、ヘモグロビン中のFe^{2}^{+}がFe^{3}^{+}となり、酸素結合・運搬能力が低下した状態である。亜硝酸態窒素及び硝酸態窒素は、井戸水に含有されており、ヘモグロビンをメトヘモグロビンに酸化することで、メトヘモグロビン血症を引き起こす。"} +{"problem_id": "108245", "problem_text": "この患児に対する治療薬として最も適切と考えられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メチレンブルー", "ペニシラミン", "クエン酸第一鉄ナトリウム", "チオ硫酸ナトリウム", "ホメピゾール"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nメチレンブルーは、NADPH還元酵素存在下でロイコメチレンブルーとなり、メトヘモグロビンをヘモグロビンに変換するため、メトヘモグロビン血症を改善する。2:誤\nペニシラミンは、重金属とキレートを生成し、重金属の排泄を促進するため、鉛、水銀、銅の中毒に用いら��る。3:誤\nクエン酸第一鉄ナトリウムは、鉄欠乏性貧血に用いられる。4:誤\nチオ硫酸ナトリウムは、ロダネーゼによりシアンと反応し、チオシアン酸にすることで毒性を低下させるため、シアン及びシアン化合物中毒に用いられる。5:誤\nホメピゾールは、エチレングリコール及びメタノールがシュウ酸やギ酸に代謝されることを阻害することでエチレングリコール及びメタノールの毒性を軽減するため、エチレングリコール及びメタノール中毒に用いる。"} +{"problem_id": "108246", "problem_text": "55歳女性。数ヶ月前から身体のだるさや疲れやすさを感じていた。最近、まぶたが重く物が見えにくくなってきた。さらに、食べ物を飲み込みにくくなったため、近医を受診した。重症筋無力症を疑った医師から、診断のための検査をするにあたりエドロホニウム試験について薬剤師に問合せがあった。エドロホニウムに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、図は、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)の活性中心において、アセチルコリンが加水分解される際の反応機構及びエドロホニウムの構造式を示す。", "choices": ["セリン及びトリプトファンと相互作用して、AChEを不可逆的に阻害する。", "セリンをリン酸化して、AChEを不可逆的に阻害する。", "トリプトファンをカルバモイル化して、AChEを可逆的に阻害する。", "セリンと共有結合して、AChEを可逆的に阻害する。", "トリプトファンと相互作用して、AChEを可逆的に阻害する。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "エドロホニウムは、可逆的コリンエステラーゼ阻害薬であり、構造中に第四級アンモニウムを有する。本剤は、アセチルコリンエステラーゼの陰性部に結合し、酵素活性を可逆的に阻害することでアセチルコリン(ACh)の分解を抑制する。設問の図よりトリプトファン(Trp)とAChの第四級アンモニウム部分が結合することでAChが分解されていることから、本剤の有する第四級アンモニウム部分がTrpと相互作用して、AChEを可逆的に阻害すると推察される。"} +{"problem_id": "108247", "problem_text": "検査に先立ち、エドロホニウムの過度な作用発現に対処するために準備する薬物として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["d-クロルフェニラミンマレイン酸塩", "アトロピン硫酸塩水和物", "アドレナリン", "ネオスチグミンメチル硫酸塩", "シクロスポリン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "エドロホニウムは、可逆的コリンエステラーゼ阻害薬であり、副作用として過度なコリン作動性反応(嘔気、嘔吐、下痢、発汗、徐脈及び血圧低下など)を起こすことがある。本剤使用により過度なコリン作動性反応が現れた場合は、ムスカリン受容体遮断薬であるアトロピンが用いられる。"} +{"problem_id": "108248", "problem_text": "70歳男性。肺がんによる疼痛があり、以下の処方により、在宅で緩和ケアを行っている。本日、薬剤師が患者宅を訪問し、薬学的管理指導を実施した。患者に痛みに関する聞き取りを行ったところ、「痛みのコントロールは良好だったが、3日前から同じ時間帯に突然強い痛みが繰り返し起こるようになった」との情報を得た。突然の痛みの頻度を患者に尋ねたところ、「次回のオキシコドン徐放錠を服用する約2時間前に痛みが出始めることが多く、オキシコドン塩酸塩水和物散の服用回数が5回以上になっている」との情報を得た。なお、処方薬による副作用の症状は出ていない。薬剤師は、医師に連絡し処方変更の協議を行った。提案すべき内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["オキシコドン塩酸塩水和物散を増量する。", "オキシコドン徐放錠を増量する。", "オキシコドン徐放錠からトラマドール徐放錠へ処方変更する。", "ナルデメジントシル酸塩錠を減量する。", "突出痛の再確認のため、さらに3日間同量で様子を見る。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "本患者は、3日前から同じ時間帯に突然強い痛みが繰り返し起こるようになり、オキシコドン塩酸塩水和物散の服用回数が5回以上になっていることから、定時(1日2回12時間ごと)に服用している「オキシコドン徐放錠」の用量が不足していると推察される。よって、オキシコドン徐放錠を増量し、突然現れる痛みの回数を減らす必要がある。"} +{"problem_id": "108249", "problem_text": "処方されたいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["電位依存性Ca^{2+}チャネルの\\alpha _{2}\\delta サブユニットに結合することで、興奮性神経伝達物質の過剰な放出を抑制する。", "オピオイド\\micro受容体を刺激することで、痛みの上位中枢への伝達を抑制する。", "脊髄後角におけるセロトニン及びノルアドレナリンの神経終末への再取り込みを阻害することで、下行性疼痛抑制系を活性化する。", "腸管に存在するオピオイド\\micro受容体を遮断することで、蠕動運動の低下を防ぐ。", "腸上皮に存在するCl^{-}チャネル2(ClC-2)を活性化することで、腸管内へ水分分泌を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "◉オキシコドン徐放錠/塩酸塩水和物散\n麻薬性鎮痛薬であり、オピオイド\\micro受容体を刺激することで、痛みの上位中枢への伝達を抑制する。"} +{"problem_id": "108250", "problem_text": "60歳女性。市町村が実施する検診で骨密度の低下が指摘され、近隣の整形外科を受診した。脆弱性骨折は見られなかったが、骨密度低下(腰椎骨密度測定値: 若年成人平均値(YAM)の65%)のため骨粗しょう症と診断された。本日、以下の処方箋を持って初めて薬局を訪れた。処方されたいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カルシトニン受容体を遮断することで、骨形成を促進する。", "RANKL(NF-kB活性化受容体リガンド)に結合することで、骨形成を促進する。", "ビタミンD受容体を刺激することで、腸管からのカルシウム吸収を促進する。", "ファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することで、骨吸収を抑制する。", "エストロゲン受容体に結合してエストロゲン様作用を示すことで、骨吸収を抑制する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "◉バゼドキシフェン錠20mg\n選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)であり、エストロゲン受容体に結合してエストロゲン様作用を示すことで、骨吸収を抑制する。◉エルデカルシトールカプセル0.75\\microg\n活性型ビタミンD_{3}誘導体であり、ビタミンD受容体を刺激することで、腸管からのカルシウム吸収を促進する。"} +{"problem_id": "108251", "problem_text": "薬剤師が他の医療機関の受診の有無を確認したところ、今回の整形外科以外に内科に通院していることがわかった。お薬手帳を確認したところ、以下の薬剤が処方されていることが確認できた。なお、整形外科ではお薬手帳を提示していなかった。この患者のお薬手帳の内容から、今回整形外科で処方された薬剤が禁忌となる疾患を内科で治療中である可能性が考えられた。その疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["高カルシウム血症", "深部静脈血栓症", "パニック障害", "胃食道逆流症", "ナルコレプシー"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "内科で処方されているリバーロキサバンは、非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制に用いられる。また、整形外科で処方されているバゼドキシフェン錠は、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓塞栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓塞栓症等)のある患者に投与禁忌とされている。これらのことから、この患者は深部静脈血栓症の可能性があるため、バゼドキシフェンを投与することができない(投与禁忌)の可能性がある。"} +{"problem_id": "108252", "problem_text": "75歳男性。喫煙歴50年(1日40本程度)、血圧135/80mmHg、脈拍68拍/分、整。数日前から胸の痛みや圧迫感、息苦しさを感じるようになった。今日の明け方、胸が強く締め付けられるような発作が生じたため医療機関を受診したところ、器質的冠動脈狭窄のない冠攣縮性狭心症と診断され治療が開始された。治療開始後、発作の頻度は減ったが、軽い自覚症状が続いた。そのため、担当医は効果不十分と判定し、薬剤師と治療方針についてカンファレンスを実施した。薬剤師が医師に提案する追加薬剤として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["一硝酸イソソルビド錠", "プロプラノロール塩酸塩錠", "カルテオロール塩酸塩錠", "ニコランジル錠", "シルデナフィルクエン酸塩錠"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "本症例では、器質的冠動脈狭窄のない冠攣縮性狭心症と診断され、硝酸薬のニトログリセリン舌下錠とカルシウム拮抗薬のベニジピン塩酸塩による治療を開始したが症状が改善していない。これらのことを考慮して適切な薬剤を提案する必要がある。1:正\n一硝酸イソソルビドは、硝酸薬であり、冠動脈を拡張するため、冠攣縮性狭心症の治療に用いられる。2:誤\nプロプラのロール塩酸塩は、非選択的\\beta 受容体遮断薬であり、冠動脈を収縮するため、冠攣縮性狭心症の治療に積極的に用いられない。なお、プロプラのロール塩酸塩は、心機能低下作用を有するため、労作性狭心症に用いられる。3:誤\nカルテオロール塩酸塩は、非選択的\\beta 受容体遮断薬であり、冠動脈を収縮するため、冠攣縮性狭心症の治療に積極的に用いられない。なお、カルテオロール塩酸塩は、心機能低下作用を有するため、労作性狭心症に用いられる。4:正\nニコランジルは、硝酸薬であり、また、Kチャネル開口作用を有していることから、冠動脈を拡張するため、冠攣縮性狭心症の治療に用いられる。5:誤\nシルデナフィルクエン酸塩は、ホスホジエステラーゼV阻害薬であり、血管拡張作用を有しているが、狭心症の治療には用いられない。なお、ニトログリセリン舌下錠とシルデナフィルクエン酸は併用禁忌である。"} +{"problem_id": "108253", "problem_text": "処方薬及び前問で提案すべき追加薬物のいずれかの作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["一酸化窒素(NO)を遊離し、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化することで、血管平滑筋を弛緩させる。", "アドレナリン\\beta _{1}受容体を遮断し、サイクリックAMP(cAMP)依存性プロテインキナーゼの活性化を抑制することで、洞結節の活動電位の発生頻度を減少させる。", "ホスホジエステラーゼVを阻害し、サイクリックGMP(cGMP)の分解を抑制することで、NOの作用を増強する。", "電位依存性L型Ca^{2+}チャネルを遮断し、細胞内へのCa^{2+}流入を抑制することで、冠動脈平滑筋を弛緩させる。", "ATP感受性K^{+}チャネルを遮断し、細胞外へのK^{+}の流出を抑制することで、血管平滑筋を弛緩させる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "ニトログリセリン、一硝酸イソソルビド、ニコランジルは、一酸化窒素(NO)を遊離し、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化することで、血管平滑筋を弛緩させる。また、ニコランジルは、NO遊離作用に加えKチャネル開口作用を有する。ベニジピンは、電位依存性L型Ca^{2+}チャネルを遮断し、細胞内へのCa^{2+}流入を抑制することで、冠動脈平滑筋を弛緩させる。"} +{"problem_id": "108254", "problem_text": "62歳男性。尿意切迫感及び夜間頻尿を訴え近隣の医療機関を受診したところ、前立腺肥大症と診断された。1ヶ月前よりナフトピジル口腔内崩壊錠25mgで治療を開始し、投与量を処方1まで漸増したが、尿意切迫感が残存したため、今回処方2が追加となった。処方1及び2のいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アセチルコリンM_{2}受容体の遮断", "アドレナリン\\alpha _{1D}受容体の遮断", "アドレナリン\\beta _{3}受容体の刺激", "アセチルコリンM_{3}受容体の遮断", "ホスホジエステラーゼVの阻害"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "◉ナフトピジル\nアドレナリン\\alpha _{1D}受容体を遮断し、前立腺平滑筋を弛緩させることで、前立腺肥大症に伴う排尿障害に効果を示す。◉ミラベグロン\nアドレナリン\\beta _{3}受容体を刺激し、膀胱平滑筋(膀胱排尿筋)を弛緩させることで、過活動膀胱に伴う尿意切迫感に効果を示す。"} +{"problem_id": "108255", "problem_text": "薬剤師がこの患者に確認する内容として、重要性の高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["めまいや立ちくらみを感じることはあるか。", "咳が長く続いているか。", "筋肉痛や赤褐色の尿が出ているか。", "心疾患の治療を受けているか。", "ぜん息の既往があるか。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "ナフトピジルは、副作用として起立性低血圧を起こしやすいので、本剤服用中は、「めまいや立ちくらみを感じることがあるか」を確認することが重要である。また、ミラベグロンは、心拍数の増加等が報告されており、重篤な心疾患を悪化させることがあるため、重篤な心疾患患者に投与禁忌とされている。そのため、ミラベグロンを服用するにあたり「心疾患の治療を受けているか」を確認することは重要である。"} +{"problem_id": "108256", "problem_text": "30歳女性。気管支ぜん息治療のため、処方1及び2の製剤を継続使用している。来局時、薬剤師は患者に対し最近気になることはないか尋ねたところ、次の回答を得た。患者: 「今まで発作は月1〜2回程度でしたが、最近、頻度が多くなっています。発作が出てしまう原因はわからないのでしょうか。」 (薬歴に記載された前回来局時までの患者情報) 事務職。仕事はほぼ定時だが、月に1回程度は残業がある。ダイエットを心がけているが、仕事中につい間食をし、ジュースを飲んでしまう。性格はまじめで、ストレスを溜めやすい。薬剤師は、生活環境の中に発作の原因がある可能性を考えた。患者から聞き取り収集する情報として、重要性の最も低いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["最近、残業が増えているか。", "現在、痛み止めを服用しているか。", "グレープフルーツジュースを飲んでいるか。", "犬や猫などのペットを飼育しているか。", "風邪の症状など体調不良が長引いているか。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:重要である\nストレスにより気管支喘息の症状が悪化することがあるため、「最近、残業が増いているか。」を確認することは重要である。2:重要である\n非ステロイド性抗炎症薬(ロキソプロフェンナトリウムなど)を服用すると、ロイコトリエンの生成が促進され、喘息症状を悪化させることがあるため、「現在、痛み止めを服用しているか。」を確認することは重要である。3:重要性が低い\n現在服用中の薬剤とグレープフルーツジュースとの相互作用は報告されていないため、「グレープフルーツジュースを飲んでいるか。」を確認することは重要性が低い。4:重要である\n犬、猫などの毛、表皮はアレルゲンとなり気管支喘息の症状が悪化することがあるため、「犬や猫などのペットを飼育しているか。」を確認することは重要である。5:重要である\n呼吸器感染症(風邪など)が長期間継続することは、気管支喘息の症状が悪化することがあるため、「風邪の症状など体調不良が長引いているか。」を確認することは重要である。"} +{"problem_id": "108257", "problem_text": "患者への聞き取りの結果、生活環境が発作に関与している可能性は低いと考えられたため、処方1と作用機序が異なる長期管理薬の追加を処方医に提案することとなった。提案する薬物の作用機序として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセチルコリンM_{3}受容体の遮断", "アドレナリン\\beta _{2}受容体の刺激", "グルココルチコイド受容体の刺激", "ロイコトリエンCysLT_{1}受容体の遮断", "アデノシンA受容体の刺激"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "気管支喘息の長期管理薬として、吸入ステロイドを軸にロイコトリエン受容体拮抗薬、テオフィリン、長時間作用型\\beta\n受容体刺激薬、長時間作用型抗コリン薬、抗IgE抗体製剤、経口ステロイドを用いる。本患者には、フルチカゾンフランカルボン酸エステル(ステロイド)、ウメクリジニウム(長時間作用型抗コリン薬)、ビランテロール(長時間作用型\\beta\n_{2}受容体刺激薬)を含む吸入剤が処方されているため、提案する薬物の作用機序として、ロイコトリエンCysLT_{1}受容体遮断薬が適切である。"} +{"problem_id": "108258", "problem_text": "50歳男性。身長170cm、体重72kg。2型糖尿病及び高血圧症で通院しており、以下の薬剤を1年以上、継続的に服用している。本日、患者が処方箋を持って薬局を訪れた。薬剤師が血圧手帳を確認したところ、3ヶ月前から徐々に血圧が上昇していた。この1週間は収縮期血圧が140mmHgを超えていたため、薬剤師は処方医に降圧薬の追加を提案した。提案する薬剤として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アムロジピン錠", "イミダプリル塩酸塩錠", "カンデサルタンシレキセチル錠", "ビソプロロールフマル酸塩錠", "アリスキレンフマル酸塩錠"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本患者のように糖尿病合併高血圧患者には、第一選択��として、Caチャネル遮断薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体拮抗薬、チアジド系利尿薬が用いられる。これら薬剤を単独で使用しても効果不十分な場合には、薬剤の併用を検討する。その際、レニン-アンギオテンシン系を抑制する薬を併用すると、高カリウム血症、腎障害が現れやすくなるため、レニン-アンギオテンシン系を抑制する薬剤の併用は行わない。また、経口血糖降下薬と\\beta 受容体遮断薬を併用すると、血糖降下作用が強く現れることや低血糖症状をマクスすることがあるため、両剤を併用する際には注意が必要である。本患者は、高血圧治療でアンギオテンシンIIAT_{1}受容体拮抗薬であるテルミサルタンを服用しているが、血圧が徐々に上昇してきているため、Caチャネル遮断薬(アムロジピン)の併用を提案するのが適切である。"} +{"problem_id": "108259", "problem_text": "前問の選択肢1〜5に挙げた薬物のいずれの作用機序にも該当しないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["血管内皮細胞のアンジオテンシン変換酵素を阻害する。", "血管平滑筋の電位依存性L型Ca^{2+}チャネルを遮断する。", "血管平滑筋のアドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断する。", "副腎皮質のアンジオテンシンIIAT_{1}受容体を遮断する。", "心筋のアドレナリン\\beta _{1}受容体を遮断する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "◉アムロジピン\nCaチャネル遮断薬であり、血管平滑筋の電位依存性L型Ca^{2+}チャネルを遮断する。"} +{"problem_id": "108260", "problem_text": "50歳男性。身長165cm、体重72kg。5年前に脂質異常症及び高血圧症の診断を受け、処方1による治療が行われていた。本日、外来診療において、脂質異常症のコントロールが不十分であることから、処方2が追加されることになった。処方2の薬物の脂質異常症改善作用に関与するのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["HDLコレステロールの低下", "リポタンパク質リパーゼ(LPL)の活性化", "アポタンパク質C-III(ApoC-III)発現の抑制", "アポタンパク質A-I(ApoA-I)発現の抑制", "脂肪酸の\\beta 酸化の抑制"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "ペマフィブラートは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)\\alpha に結合し、リポタンパク質リパーゼ(LPL)活性を負に制御する因子であるアポタンパク質C-III(ApoC-III)の発現を抑制する。その結果、LPLの活性を増加させることでトリグリセリド低下作用を示す。また、アポタンパク質A-I(ApoA-I)発現を促進させることのよるHDL-コレステロール上昇作用、脂肪酸の\\beta 酸化促進によるLPL活性促進作用を示す。"} +{"problem_id": "108261", "problem_text": "処方2の追加により発現する可能性がある副作用を回避するために、薬剤師が定期的に確認すべき検査項目として重要性の高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["収縮期血圧", "HbA1c", "血清クレアチニン", "HDL-C", "クレアチンキナーゼ"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "HMG-CoA還元酵素阻害薬(ピタバスタチン)とフィブラート系薬(ペマフィブラート)を併用すると、急激な腎機能低下に伴う横紋筋融解症が現れることがある。そのため、定期的に腎機能検等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、クレアチンキナーゼの上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合には直ちに投与を中止する等、適切な処置を行うこととされている。"} +{"problem_id": "108262", "problem_text": "13歳女児。身長150cm、体重42kg。昨夜から38.5^{\\circ} Cの発熱があり、今朝になっても熱が下がらず、筋肉痛、頭痛、倦怠感を訴えたため、午前中に近医を受診した。インフルエンザと診断され、母親が処方箋(処方1及び2)を持って来局した。薬剤師が薬歴を確認したところ、バロキサビルマルボキシル錠による発疹の副作用歴があったので、薬剤師から処方医へ連絡し、処方1が処方3へ変更となった。処方1及び3のいずれかの抗インフルエンザ薬の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、ウイルスRNAの複製を阻害する。", "キャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を阻害することで、ウイルスmRNAの合成を阻害する。", "ウイルスに結合してエンベロープの融合・脱殻を阻害することで、ウイルスRNAの宿主細胞への輸送を妨げる。", "ノイラミニダーゼを阻害することで、新しく形成されたウイルスの感染細胞からの遊離を抑制する。", "RNA依存性DNAポリメラーゼを阻害することで、ウイルスRNAからDNAへの逆転写を阻害する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nファビピラビルに関する記述である。ファビピラビルは、細胞内でファビピラビルリボシル三リン酸化体に代謝され、RNAポリメラーゼを阻害し、RNAの複製を抑制することによりインフルエンザウイルスの増殖を抑制する。2:正\nバロキサビル(処方1)は、インフルエンザウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を選択的に阻害し、ウイルスmRNAの合成を抑制することによりウイルス増殖を抑制する。3:誤\nアマンタジンに関する記述である。アマンタジンは、A型インフルエンザウイルスのM2イオンチャネルを阻害し、エンベロープの融合・脱殻を阻害することで、ウイルスRNAの宿主細胞への輸送を妨げる。4:正\nオセルタミビル(処方3)は、ノイラミニダーゼを阻害することで、新しく形成されたウイルスの感染細胞からの遊離を抑制する。5:誤\n逆転写酵素阻害薬(ラミブジンなど)に関する記述である。逆転写酵素阻害薬は、HIV感染細胞内で三リン酸化体となり、RNA依存性DNAポリメラーゼを阻害することで、逆転写を阻害する。"} +{"problem_id": "108263", "problem_text": "薬剤師が母親に伝える内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["平熱に戻った場合は、処方3の使用を中止してください。", "解熱した翌日より学校に登校できます。", "発熱時には、カフェインを多く含むお茶やコーヒーをとるようにしてください。", "処方3は、本日中に服用を開始してください。", "異常行動による事故を防止するため、お子さんが一人にならないよう配慮してください。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nオセルタミビルは、平熱に戻っても処方されている薬を飲み切る必要がある。"} +{"problem_id": "108264", "problem_text": "56歳男性。体重72kg。5ヶ月程前、職場の健康診断で便潜血陽性を指摘され大学病院を受診した。検査の結果、S状結腸がん(StageIII)と診断された。約1ヶ月後、S状結腸切除術が施行された。その後、術後補助化学療法としてFOLFOX療法(オキサリプラチン レボホリナートカルシウム・フルオロウラシル)を入院にて導入することとなった。FOLFOX療法に用いる薬物又はその活性代謝物のいずれかに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["チミジル酸合成酵素を阻害することで、DNAの合成を阻害する。", "ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害することで、活性型葉酸を枯渇させる。", "プロテアソームを活性化することで、腫瘍細胞の増殖抑制及びアポトーシス誘導を示す。", "ジヒドロピリミジン脱水素酵素を活性化することで、フルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強する。", "フルオロデオキシウリジン一リン酸(FdUMP)及びチミジル酸合成酵素と複合体を形成することで、フルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "FOLFOX療法(オキサリプラチン レボホリナートカルシウム・フルオロウラシル)で用いられる薬剤の特徴を以下に示す。◉オキサリプラチン\nDNAに架橋を形成することによりS期、M期の進行を抑制する。フッ化ピリミジン系薬と高い相乗効果があり、フッ化ピリミジン系薬との併用療法(FOLFOX療法など)が大腸ガンに対する標準的な治療法として用いられる。◉レボホリナートカルシウム\nフルオロデオキシウリジン一リン酸(FdUMP)及びチミジル酸合成酵素と複合体を形成することで、フルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強する。◉フルオロウラシル\nウラシルに類似した構造を有しており、生理的なウラシル代謝経路でFdUMP(フルオロデオキシウリジル酸)となり、チミジル酸合成酵素を阻害し、DNAの合成を阻害する。"} +{"problem_id": "108265", "problem_text": "FOLFOX療法の2コース目の点滴時に手のしびれの訴えがあったと看護師から薬剤師に連絡があった。薬剤師が患者と面談を行ったところ、「冷たいものに触れるとビリビリとする感覚が前回からあります。また、文字を書きにくい日���、ボタンをかけにくい日が増えてきました。」とのことだった。薬剤師は、このしびれをFOLFOX療法の副作用と考え、症状を改善するために担当医と話し合うこととした。このしびれの対応に関し、薬剤師が担当医へ提案する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プレガバリンの追加", "グラニセトロン塩酸塩の追加", "フルオロウラシルからパクリタキセルへの変更", "オキサリプラチンの減量又は休薬", "レボホリナートカルシウムの増量"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "使用している薬剤にオキサリプラチンが含まれていること、「冷たいものに触れるとビリビリとする感覚が前回からあります。また、文字を書きにくい日や、ボタンをかけにくい日が増えてきました。」と患者が訴えていることから、オキサリプラチンによる副作用である末梢神経障害が現れている可能性がある。オキサリプラチンの副作用による末梢神経障害が認められた場合には、症状を軽減する目的で神経障害性疼痛に用いられるプレガバリンを使用することや原因薬剤であるオキサリプラチンの減量、休薬を検討する必要がある。"} +{"problem_id": "108266", "problem_text": "75歳男性。体重67kg。農作業中に意識を失い倒れているところを発見され救急外来へ搬送された。痙れん性てんかん重積状態と診断され、ジアゼパム注射液10mgを投与したが、痙れんが持続したため、ホスフェニトインナトリウム注射液1,500mgが追加投与された。痙れんが改善した後、ホスフェニトインナトリウム7.5mg/kg/dayで維持された。経口摂取可能となったため以下の処方に変更され、7日間服用後の患者の定常状態における平均血漿中フェニトイン濃度(C_{ss})は10\\microg/mLであった。追加投与されたホスフェニトインナトリウム注射液について薬剤師が医療スタッフに情報提供した内容として、正しいのはどれか。2つ選べ", "choices": ["強酸性薬剤であるため他剤と配合できません。", "生理食塩液で希釈して投与してください。", "静脈内に急速に投与してください。", "血管痛や壊死が生じやすいため動脈内に投与してください。", "フェニトインの血中濃度を定期的に測定し副作用に注意してください。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "ホスフェニトインは、てんかん重積状態に用いられる薬であり、フェニトインの溶解性を改善したプロドラッグである。フェニトインナトリウム注射液は、強塩基性であり、また、浸透圧比がすごく高い注射液であるため、注射部位の血管痛や壊死を生じやすい。それに対して、ホスフェニトインナトリウム水和物は、弱塩基性であり、また、生理食塩液や5%ブドウ糖注射液に混合することが可能であるため、血管痛や壊死を生じにくい。1:誤\n前記参照\n2:正\n前記参照\n3:誤\n本剤を急速に静脈内に投与すると、心停止、一過性の血圧低下、呼吸抑制等の循環・呼吸障害を起こすことがあるため、急速に静脈内投与せず、ゆっくり点滴静注する。4:誤\n本剤は血管痛や壊死を生じにくい。また、静脈内投与する。5:正\nフェニトインは、薬物吸収、代謝、クリアランスなど個人差が大きく、治療域が狭いため、定期的に血中濃度を測定する必要がある。"} +{"problem_id": "108267", "problem_text": "その後、てんかんの痙れん発作が起こったためフェニトイン散10%の投与量を1日3.5g(フェニトインとして350mg/day)に増量したところ、C_{ss}は20\\microg/mLとなった。フェニトインの代謝速度はミカエリスメンテン(Michaelis-Menten)式に従うものとすると、この患者におけるミカエリス定数(K_{m})と最大消失速度(V_{max})に最も近い値の組合せはどれか。1つ選べ。ただし、フェニトインは主に肝代謝により消失し、定常状態における消失速度は代謝速度に等しいと仮定する。また、フェニトインのバイオアベイラビリティは100%とし、てんかんの発作前後ではK_{m}とV_{max}は変化しないものとする。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "フェニトインの消失速度は、Michaelis-Menten式で表される。定常状態では、投与速度は消失速度と等しいため、下記の式が成立する。本症例では、300mg\n/日投与中、フェニトイン血中濃度が10\\micro\ng/mLであり、また、350mg/日投与に増量後のフェニトイン血中濃度が20\\micro\ng/mLであることから下記の式が成立する。上記の①、②式より、下記のようにV_{max}、K_{m}を算出することができる。17.5K_{m}+350=30K_{m}+300:K_{m}=4\\micro\ng/mL:V_{max}=420\\micro\ng/mL"} +{"problem_id": "108268", "problem_text": "30歳男性。身長165cm、体重55kg。急性骨髄性白血病のため6ヶ月前に父親をドナーとして同種造血幹細胞移植を受け、術後1ヶ月で退院した。慢性移植片対宿主病(GVHD)のコントロール目的に以下の薬剤を継続服用している。処方された薬剤の使用に際し、考慮すべき薬物相互作用の発現機序として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["小腸P-糖タンパク質に対する競合阻害", "CYP2C19に対する競合阻害", "ヘム鉄への配位結合によるCYP3A4の阻害", "核内受容体を介したCYP1A2の誘導", "核内受容体を介したCYP3A4の誘導"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "ボリコナゾールは、トリアゾール骨格を有しており、シトクロムP450に配位結合することでCYP3A4を阻害する。ボリコナゾールを中止すると、CYP3A4により代謝されるタクロリムスの血中濃度が上昇する可能性があるため、血中濃度モニタリングを行い、必要に応じ減量・休薬等の処置を行う。"} +{"problem_id": "108269", "problem_text": "今回、予定されていた検査のために入院し、精査した結果、感染の心配が少なくなったためボリコナゾール錠を中止すると、医師から病棟担当薬剤師に連絡があった。薬剤師が医師へ提案する内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["プレドニゾロンの用量を減量する。", "プレドニゾロンの血中濃度を頻回に測定し、投与量を調節する。", "プレドニゾロン錠5mg1日6錠からヒドロコルチゾン錠10mg1日3錠に変更する。", "タクロリムスの用量を1日2カプセルに減量する。", "タクロリムスの血中濃度を頻回に測定し、投与量を調節する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "108270", "problem_text": "60歳女性。29歳より双極性障害と診断され精神科クリニックに定期的に通院し、49歳の時に2型糖尿病と高血圧症を指摘された。現在、以下の薬剤を服用中である。1週間前から吐き気とふらつきが出現し、今朝から言葉が出にくくなり、意識がはっきりしなくなったため大学病院に救急搬送され、入院措置がとられた。処方薬による副作用が疑われた。(入院時所見) 身長153cm、体重66.3kg、血圧90/52mmHg、脈拍68拍/分、体温37.2^{\\circ} C、Japan Coma Scale(JCS)3、傾眠傾向(入院時検査値) 末梢血 白血球9,800/\\microL、赤血球332\\times 10^{4}/\\microL、Hb11.6g/dL、血小板16.4\\times 10^{4}/\\microL、静脈血pH7.39 血液生化学 総タンパク6.3g/dL、血清アルブミン3.5g/dL、総ビリルビン0.5mg/dL、AST 21IU/L、ALT 23IU/L、\\gamma -GTP 33IU/L、CK(クレアチンキナーゼ)86IU/L、血清クレアチニン1.20mg/dL、eGFR 36.3mL/min/1.73m^{2}、随時血糖161mg/dL、HbA1c7.4%、CRP2.0mg/dL 尿所見 pH5.5、蛋白(1+)、潜血(2+)、糖(-)、ケトン体(-) 頭部CT、MRI: 異常なし 発現した副作用として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["炭酸リチウムによるリチウム中毒", "カルバマゼピンによる再生不良性貧血", "アムロジピンによる横紋筋融解症", "シタグリプチンによる低血糖発作", "フルニトラゼパムによる乳酸アシドーシス"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本症例では、eGFRが低いことから腎機能が低下しており、吐き気、ふらつき、言葉が出にくい、意識がはっきりとしないなどの症状が現れていることから、腎消失型薬物の炭酸リチウムの腎クリアランスが低下し、中毒症状が現れていると推察される。"} +{"problem_id": "108271", "problem_text": "副作用発現の要因として考えられる薬物動態学的変動はどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬物相互作用によるバイオアベイラビリティの上昇", "薬物相互作用によるクリアランスの低下", "血清アルブミン濃度の低下による分布容積の増大", "肝機能低下による肝クリアランス低下", "腎機能低下による腎クリアランス低下"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "108272", "problem_text": "67歳男性。共同浴場に入浴に行った後、38.6^{\\circ} Cの発熱があり薬局で購入したイブプロフェンを内服したが、1週間発熱が続き食事が摂れない状態となったため受診した。下記検査結果よりレジオネラ肺炎と診断され、入院後にレボフロキサシンの投与が検討された。(入院時所見) 身長177cm、体重61kg、血圧138/76mmHg、心拍101回/分、SpO_{2}96%、心音・呼吸音に異常なし (入院時検査値) :血液生化学 CRP15.2mg/dL、ALT 18IU/L、AST 28IU/L BUN 22mg/dL、クレアチニンクリアランス70mL/min 尿検査 蛋白(-)、潜血(-)、糖(-)、レジオネラ抗原(+) 胸部X線所見 右上から中肺野に浸潤影及びすりガラス影を認めた。レボフロキサシン投与後の血中濃度推移の模式図を下に示す。この薬剤の投与設計の記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["\\beta -ラクタム系抗生物質と同様に、時間依存性の抗菌薬である。", "血中濃度をMICとMPCの間の濃度域(MSW)に設定する。", "副作用を回避するため、血中濃度のトラフ値を測定する。", "PK/PDパラメータとして、C_{max}/MICまたはAUC/MICを用いる。", "投与間隔に対する、MIC以上の濃度維持時間(TAM)ができるだけ長くなるように投与間隔を調整する。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "レボフロキサシンは、クレアチニンクリアランスに応じて、用法・用量を変更する必要がある。クレアチニンクリアランスに応じたレボフロキサシンの用法・用量を下記に示す。"} +{"problem_id": "108273", "problem_text": "前問で適切と考えられた記述に従った実際のレボフロキサシンの投与設計として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["1回500mgを1日2回、12時間毎に1時間かけて点滴する。", "1回500mgを1日1回、12時間かけて点滴する。", "1回500mgを1日1回、1時間かけて点滴する。", "1回250mgを1日3回、8時間毎に30分かけて点滴する。", "1回250mgを1日2回、12時間毎に30分かけて点滴する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "レボフロキサシンは、クレアチニンクリアランスに応じて、用法・用量を変更する必要がある。クレアチニンクリアランスに応じたレボフロキサシンの用法・用量を下記に示す。"} +{"problem_id": "108274", "problem_text": "70歳男性。慢性下肢動脈閉塞症と診断され、半年前から右足底に潰瘍が出現し近医で治療を受けていた。1週間前から増悪が認められ近医にて加療したが改善せず、入院にて保存的治療を行うこととなった。創部の細菌培養検査によりMRSAが検出されたため、バンコマイシン塩酸塩1回1g(1日2回12時間毎)の点滴静注を開始した。バンコマイシン塩酸塩1g点滴静注後の血中濃度を測定したところ、投与終了3時間後に14.1\\microg/mL、11時間後に6.9\\microg/mLであった。投与開始後3日目(投与5回目直前)のトラフ値は10\\microg/mLであった。ただし、ここではバンコマイシンの体内動態を1-コンパートメントモデルを用いて解析する。バンコマイシンの消失速度定数(h^{-1})に最も近い値はどれか。1つ選べ。なお、In2=0.693とする。", "choices": ["0.069", "0.077", "0.086", "0.138", "0.173"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "問題文にバンコマイシンの体内動態を1-コンパートメントモデルを用いて解析すると記載されていることから、バンコマイシンの消失は1次反応に従う。また、問題文に投与終了3時間後に14.1\\microg/mL、11時間後に6.9\\microg/mLと記載されていることから、8時間の間に濃度が約半分に低下している。これらのことから、消失速度定数を以下のように求めることができる。"} +{"problem_id": "108275", "problem_text": "投与開始後5日目の点滴静注直後に全身にじん麻疹が出現し、バンコマイシンに対するアレルギーと考えられたため薬物の変更が検討された。変更する薬物として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メロペネム", "リネゾリド", "セファゾリンナトリウム", "テイコプラニン", "フロモキセフナトリウム"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nメロペネムは、カルバペネム系抗菌薬であり、MRSAに用いられない。2:正\nリネゾリドは、オキサゾリジノン系合成抗菌薬であり、MRSAに用いられる。また、バンコマイシン系抗菌薬と異なる分類であるため、変更する薬物として適切である。3:誤\nセファゾリンナトリウムは、セフェム系抗菌薬であり、MRSAに用いられない。4:誤\nテイコプラニンは、グリコペプチド系抗菌薬であり、MRSAに用いられる。しかし、バンコマイシンと同じ分類であるため、バンコマイシンに対してアレルギー反応が現れた患者に用いることは推奨されない。5:誤\nフロ���キセフナトリウムは、セフェム系抗菌薬であり、MRSAに用いられない。"} +{"problem_id": "108276", "problem_text": "55歳男性。ゲーム開発企業に勤務しており、勤務時間中はディスプレイを見ることが多い。1年前より、目のかすみと視野の一部が見えづらく感じたため、眼科を受診したところ、緑内障と診断され、処方1にて治療している。今回の受診の際、眼圧が高くなっていることを指摘され、処方2が追加となった。薬剤師が行う処方2に関する説明のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方2の点眼液を先に点眼してください。", "目のべたつきが持続することがあります。", "点眼後はすぐにまばたきをし、薬液をなじませてください。", "血圧が上昇することがあります。", "2つの点眼液は、間隔をあけず続けて点眼してください。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n点眼剤、眼軟膏を併用する場合、一般に水溶性点眼液、懸濁性点眼液、ゲル化点眼液、眼軟膏の順で用いる。処方2は、点眼後ゲル化するため、他の点眼剤使用後、最後に点眼する。2:正\n本剤は、点眼後ゲル化するため、本剤点眼後、霧視、べたつきが持続することがある。3:誤\n点眼後、すぐにまばたきすると薬液が飛び散るため、閉眼する必要がある。4:誤\n本剤は、\\beta 受容体遮断薬であり、心機能を抑制するため、血圧が降下する可能性がある。5:誤\n本剤はゲル化するため、点眼薬を併用する際には、本剤投与前に少なくとも10分の間隔をあけて投与する。"} +{"problem_id": "108277", "problem_text": "処方2の製剤が持続性を示す理由として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["油性の溶剤を用いて、薬効の発現を緩やかにしている。", "薬物と添加剤が不溶性の複合体を形成している。", "体温により、結膜嚢での薬物滞留性を向上させる物質が添加されている。", "涙液の成分により、結膜嚢での薬物滞留性を向上させる物質が添加されている", "涙液のpHで徐々に溶解する懸濁粒子が配合されている。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本剤に含まれるジェランガムが涙液中のナトリウムイオンと反応しゲル化することで持続性を示す。"} +{"problem_id": "108278", "problem_text": "56歳男性。身長175cm体重52kg。肝細胞がんに対し、腹腔鏡下肝切除術を施行後であり、末梢静脈輸液にて栄養管理している。現在、以下の輸液を1日3回末梢静脈から投与している。なお、本輸液はダブルバッグ製剤であり、成分が2室に分けられている。術後2日目の検査値より、カリウム製剤(L-アスパラギン酸カリウム注射液10mEq/10mL、1アンプル)、及び静注用脂肪乳剤(イントラリポス輸液20%100mL、1バッグ)を追加することとなった。このダブルバック製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["バッグを両手で強く押すことにより、隔壁部を開通させる。", "アルドール反応を抑えるために2室に分かれている。", "上室と下室を混合することにより輸液のpHは中性になる。", "上室にアミノ酸と糖、下室に電解質とビタミンB_{1}を含む。", "添加剤としてpH調節剤、保存剤が加えられている。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "ダブルバック製剤とは、栄養補給のための輸液を上下室の2室に分け、バックを両手で強く押すことにより隔壁を開通させることで、容易に混合することができる製剤である。ダブルバック製剤を用いることで、アミノ酸と還元糖が反応することで起こるメイラード反応を防止すること、無菌的に混合調製することが可能である。1:正\n前記参照\n2:誤\n前記参照\n3:正\n本剤は、上室と下室を混合することにより輸液のpHが中性付近となる製剤である。4:誤\nアミノ酸と還元糖が同室に存在すると、メイラード反応による褐色変化を起こすため、本剤には上室と下室にアミノ酸と還元糖が別々に含有されている。5:誤\n一般に注射剤には保存剤を添加するが、輸液は容量が多く、保存剤の量も多くなるため、本剤のような輸液には保存剤は添加しない。"} +{"problem_id": "108279", "problem_text": "この患者への輸液等の投与に関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["1回500mLあたり、30分で投与する。", "カリウム製剤は、ワンショットで静注する。", "本患者には、末梢静脈栄養のみで2ヶ月���上管理することが推奨される。", "静注用脂肪乳剤を追加することで、NPC/N比を高めることができる。", "血管痛が起こった場合は、全量投与した後に、漏出部位を処置する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n本製剤(商品名:\nビーフリード)は、通常、成人には1回500mLを末梢静脈内に点滴静注する。投与速度は、通常、成人500mLあたり120分を基準とし、高齢者、重篤な患者にはさらに緩徐に投与する。2:誤\nカリウム製剤は、不整脈や心停止を起こすことがあるため、ワンショット静注では用いられない。3:誤\n末梢静脈栄養は、短期間(2週間以内)の栄養状態を維持する目的で行われる。なお、長期にわたり静脈栄養を行う必要がある場合には、中心静脈栄養法を実施する。4:正\nNPC/N比とは、窒素1gあたりの非タンパク質性カロリーのことであり、静注用脂肪乳剤を投与すると、非タンパク質性カロリー(NPC)を高めることができるため、NPC/N比を高めることができる。5:誤\n輸液を行なっている間に血管痛が現れた場合、輸液を中止し、すみやかに漏出部位を処置する必要がある。"} +{"problem_id": "108280", "problem_text": "26歳女性。身長155cm、体重42kg。アレルギー性鼻炎に対して処方1の薬剤を服用している。今回、下血があり外来受診したところ、潰瘍性大腸炎(直腸炎型)の診断を受けた。なお、重症度分類では軽症であった。医師は、患者からこれまで薬を飲み忘れることが多かったとの訴えがあったため、メサラジンの処方にあたり、本患者に適切な製剤について、医薬品情報管理室に問い合わせた。薬剤師は、アドヒアランスを考慮して処方2を提案した。処方2を提案するにあたり、医師に説明する内容のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メサラジン注腸剤と併用しない。", "処方2の薬物のTDMを行う。", "再生不良性貧血を起こすことがある。", "粉砕して投与可能である。", "定期的に大腸がん検査を行う。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n潰瘍性大腸炎(直腸炎型)の場合、メサラジン経口製剤とメサラジン腸注を併用することがある。両剤を併用する際には、メサラジンとしての総投与量が増加することを考慮し、特に肝又は腎機能の低下している患者並びに高齢者等への投与に際して十分に注意する必要がある。2:誤\nメサラジンはTDM対象薬剤ではない。3:正\n本剤の副作用として、再生不慮性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少症などの血液障害が現れることがある。4:誤\n本剤は、メサラジンの経口ドラックデリバシーシステム製剤であり、親水性基剤及び親油性基剤からなるマトリックス中に分散させた素錠部に、pH応答性の高分子フィルムによるコーティングを施している。よって、本剤は小腸下部のpHで溶解するように設計されているため、粉砕して投与することはできない。5:正\n潰瘍性大腸炎は、大腸がんを合併することがあるので、定期的に大腸がんの検査を行う必要がある。"} +{"problem_id": "108281", "problem_text": "処方2の製剤投与後の薬物動態を把握するため、添付文書を確認したところ、健康成人における空腹時経口単回投与時の24時間までの平均血漿中未変化体薬物濃度の時間推移は下図のようであった。処方2の製剤の添加剤のうち、本剤投与後、図中Aに示された血漿中薬物濃度の推移が観察されることと最も関連の深いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["カルメロースナトリウム", "カルナウバロウ", "ステアリン酸マグネシウム", "メタクリル酸コポリマーS", "マクロゴール6000"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nカルメロールナトリウムは、結合剤として用いられる。2:誤\nカルナウバロウは、分散剤として用いられる。3:誤\nステアリン酸マグネシウムは、滑沢剤として用いられる。4:正\nメタクリル酸コポリマーSは、腸溶性コーティング剤で用いられる。本剤にはメタクリル酸コポリマーSを用いた腸溶性コーティングが施されているため、服用後少し時間が経過した後で血中濃度が上昇する。5:誤\nマクロゴール6000は、分散剤として用いられる。"} +{"problem_id": "108282", "problem_text": "34歳女性。身長165cm、体重40kg。統合失調症の診断を受け、外来にてリスペリドン経口製剤で治療を受けていた。内服継続にて症状は安定してきたため、医師が患者にリスペリドンの持効性注射剤について説明したところ、患者はその使用を希望した。そこで、リスペリドンの投与並びに持効性注射剤へ剤形変更する際の注意点について、担当医から医薬品情報管理室に確認があった。薬剤師が医師に伝える注意点として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["毎回、同一部位に注射する。", "最大量に増量しても効果が認められない場合は、クロザピンを併用する。", "薬剤の調製は、冷所から常温に戻して行う。", "無月経や月経障害が起こる可能性を、患者に指導する。", "悪性症候群を疑う症状が現れた際には、次回の投与量を減量する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n注射部位は、左右臀部の外側上部とし、他の筋には投与しないこと。また、注射部位は毎回左右交互とし、同一部位への反復注射は行わない。2:誤\nクロザピンは原則単独で使用することとされており、リスペリドンと併用して用いることはない。3:正\n本剤を調製する際には、付属の懸濁用調製器具を用い、薬剤及び専用懸濁用液を常温に戻してから行う。4:正\n本剤は、プロラクチン分泌に影響を与え、副作用として無月経や月経障害を引き起こす。5:誤\n本剤は、重大な副作用として、悪性症候群を起こすことがある。強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等を発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う。"} +{"problem_id": "108283", "problem_text": "剤形変更後の製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["生分解性高分子に薬物を封入して、長期間の薬物放出を行うことができる。", "脂質二重膜により薬物を保護することで、長期間安定に保存できる。", "薬物結晶の表面を生分解性高分子でコーティングしている。", "分子内に親水性部と疎水性部をもつ高分子が、自己会合して薬物を保持している。", "水溶性高分子を結合させた脂質を用いて、静脈内での滞留性が改善されている。"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "本剤は、添加剤として生分解高分子であるdl-ラクチドグリコリド共重合体を含有したマイクロスフェア製剤であり、リスペリドンを数週間にわたり安定して放出させることを可能とした製剤である。1:正\n前記参照\n2:誤\nリポソームに関する記述である。リポソームは、脂質二重層からなる閉鎖小胞であり、水溶性及び脂溶性いずれの薬物も含有することが可能であるため、DDSキャリアとして汎用される。3:誤\n本剤は、薬物結晶の表面を生分解性高分子でコーティングしたものではない。4:誤\n高分子ミセルに関する記述である。高分子ミセルは、親水性部分と疎水性部分を有する高分子の集合体であり、自己会合して脂溶性薬物を保持する。5:誤\nポリエチレングリコール(PEG)修飾リポソームに関する記述である。PEG修飾リポソームは、リポソームを水溶性高分子であるポチエチレングリコールで修飾することにより、肝臓や脾臓等への取り込みを抑制し、静脈内での滞留性を向上させる。"} +{"problem_id": "108284", "problem_text": "76歳男性。身長165cm、体重70kg。IV期非小細胞肺がんに対する2次治療として、ドセタキセル+ラムシルマブ併用療法の1コース目を施行したところ、7日後に38^{\\circ} Cの発熱がみられた。担当医は2コース目(1コース目施行3週間後)を施行するにあたり、カンファレンスを実施した。そこで、ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)注射液について、病棟担当薬剤師に質問した。検査値(1コース施行後7日目) 赤血球380\\times 10^{4}/\\microL、Hb12.2g/dL、Ht39%、白血球720/\\microL、好中球380/\\microL、血小板10.8\\times 10^{4}/\\microL:、CRP 4.8mg/dL 2コース目の化学療法実施時に、ペグフィルグラスチムを使用する際の注意点として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ドセタキセル+ラムシルマブ併用療法当日に、1日1回単回皮下投与する。", "ドセタキセル+ラムシルマブ併用療法当日から、1日1回連日皮下投与する。", "ドセタキセル+ラムシルマブ併用療法終了後24時間あけて、1日1回単回皮下投与する。", "ドセタキセル+ラムシルマブ併用療法終了後24時間あけて、1日1回連日皮下投与する", "副作用として骨���や腰痛等が現れた場合は、非ステロイド性抗炎症薬を投与する。", "副作用として骨痛や腰痛等が現れた場合は、化学療法を中止する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)注射液は、持続型G-CSF製剤であり、がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制を目的として用いられる。本症例ではドセタキセル+ラムシルマブ併用療法の1コース目を施行したところ7日後に38^{\\circ} Cの発熱がみられ、好中球数が380/\\micro Lに低下している。このことから、発熱性好中球減少症の発症を抑制するために2コース目からドセタキセル+ラムシルマブ併用療法終了後24時間あけて、本剤を1日1回単回皮下投与する。本剤投与により骨痛、背部痛等が発現することがあるので、このような場合には非麻薬性鎮痛剤を投与するなど適切な処置を行う必要がある。"} +{"problem_id": "108285", "problem_text": "本症例に処方された製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ペグフィルグラスチムは、フィルグラスチムのバイオシミラー(バイオ後続品)である。", "ラムシルマブ注射液は、凍結を避けて冷蔵保存する。", "ペグフィルグラスチムは、メトキシポリエチレングリコール分子で修飾されていることにより、好中球及びその前駆細胞へ能動的ターゲティングされる。", "ドセタキセル注射液には、アルコールによる過敏性反応を低減するためにポリソルベート80が添加されている。", "ペグフィルグラスチムは、フィルグラスチムに比べてプロテアーゼによる分解を受けにくい。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nペグフィルグラスチムは、フィルグラスチムをペグ化した製剤であり、バイオシミラー(バイオ後続品)ではない。なお、バイオシミラー(バイオ後続品)とは、国内で既に新有効成分含有医薬品として承認されたバイオテクノロジー応用医薬品と同等/同質の品質、安全性、有効性を有する医薬品として、異なる製造販売業者により開発された医薬品である。2:正\nラムシルマブ注射液は、凍結を避けて2〜8^{\\circ}\nCで保存する。3:誤\nペグフィルグラスチムは、メトキシポリエチレングリコール分子でフィルグラスチムを修飾した製剤であり、糸球体ろ過の抑制、プロテアーゼによる加水分解を抑制することにより、血中半減期を延長させた製剤である。4:誤\nドセタキセル注射液には、溶解性を高める目的でポリソルベート80が添加されている。5:正\n解説3参照"} +{"problem_id": "108286", "problem_text": "55歳男性。身長175cm体重81kg。3年前に健康診断で高血糖を指摘され、近医を受診したところ、2型糖尿病と診断された。経口血糖降下薬による治療を受けていたが、血糖コントロールが不良のため、6ヶ月前よりインスリン注射開始となった。今回、かかりつけ薬剤師が薬剤を交付する際にフィジカルアセスメントを行ったところ、注射部位に軽い硬結が認められた。この患者に対するインスリン注射に関する指導の内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["インスリンによる治療中は、食事療法を中止する。", "使用開始後の超速効型インスリンペン型製剤は、室温で保管する。", "現在の状態では、持効型溶解インスリン注射をやめても良い。", "硬結防止のために、注射部位は前回の注射部位から少なくとも2〜3cm離す。", "低血糖症状を感じたらすぐに横になって休む。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n糖尿病治療における基本は食事療法、運動療法であり、インスリンによる治療中も、食事療法、運動療法を行う。2:正\n超速攻型インスリンペン型製剤は、使用後、室温で保管する。3:誤\n本患者は、HbA1c 6.6%であり、血糖コントロールが不良な状態(血糖正常化を目指す際の目標値HbA1c 6.0%未満)にあるため、現在の状況では、持効型溶解インスリン注射を継続して使用する必要がある。4:正\nインスリンを使用する際には、硬結防止のために、前回の注射箇所より少なくとも2〜3cm離して注射する必要がある。5:誤\n低血糖症状(脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷や汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまいなど)が現れた場合、無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰をたどることがあるため、糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行う必要がある。"} +{"problem_id": "108287", "problem_text": "今回の身体所見と検査結果を基に、糖尿病合併症や併存症の進展の防止のために、追加が望ましい薬物はどれか。2つ選べ。", "choices": ["ヒドロクロロチアジド", "アトルバスタチン", "ペマフィブラート", "トピロキソスタット", "グリメピリド"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "本患者の検査所見よりTGが190mg/dL(診断基準:\n150mg/dL以上)、尿酸値が7.4mg/dL(診断基準:\n7.0mg/dL)と高値を示しているため、TGを改善する目的でペマフィブラート、尿酸値を改善する目的でトピロキソスタットを追加することが望ましい。"} +{"problem_id": "108288", "problem_text": "32歳女性。身長166cm、体重54.0kg、体表面積1.6m^{2}。急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia: APL)と診断され、入院の上でトレチノイン(内服)、イダルビシン(静注)、シタラビン(静注)による寛解導入療法を施行することになった。入院時の持参薬、検査結果及び既往歴は次のとおりである。化学療法の開始にあたり病棟担当薬剤師が確認すべき内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ラベプラゾールNa錠の中止", "クロピドグレル錠の中止", "ベタメタゾンリン酸エステルNa点眼液の追加", "炭酸水素ナトリウム錠の追加", "フィルグラスチム(遺伝子組換え)注射液の追加"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "本患者は、血小板数が2.7\\times 10^{4}/\\microLと低下している(基準値: 15〜35\\times 10^{4}/\\microL)ため、本化学療法(トレチノイン(内服)、イダルビシン(静注)、シタラビン(静注)による寛解導入療法)を開始するにあたり血小板凝集抑制薬のクロピドグレル錠を中止する必要がある。また、本化学療法では、眼症状が現れることがあるため、開始するにあたりベタメタゾンリン酸エステルNa点眼液を追加する必要がある。"} +{"problem_id": "108289", "problem_text": "今回の治療開始後10日目より、体重増加、発熱、及び呼吸困難が認められた。その際の対処として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["寛解導入療法薬を休薬する。", "メチルプレドニゾロンを投与する。", "シクロホスファミドを投与する。", "メトトレキサートを投与する。", "イマチニブを投与する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": ""} +{"problem_id": "108290", "problem_text": "22歳女性。身長163cm、体重39kg。希死念慮があり、市販薬を大量に服用した。自室でぐったりしているところを母親が発見し、救急搬送となった。部屋には、1箱20錠入包装の鎮痛剤(1錠中アセトアミノフェン300mg含有)の空箱2箱と40錠分の空のPTPシートがあり、アルコール飲料の350mL缶が多数散乱していた。母親の話から、服用後約7時間程度経過していることがわかった。病院到着時、バイタルサインの大きな問題はなかった。この患者の病態及び治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["肝細胞の脂肪変性が見られる。", "アセトアミノフェンの代謝物が肝細胞を障害している。", "低栄養がアセトアミノフェンの毒性を増強している。", "薬用炭の経口投与が有効である。", "アドレナリンの筋注が必要である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:正しい\n患者がどの程度アルコールを摂取しているか知るために、患者がアルコールを当日飲んでいたかどうかを母親に確認することは適切である。2:誤っている\n胃洗浄は消化管に残存している薬物を除去する目的で行われるが、本症例おいて、アセトアミノフェンは、7時間前に服用されており、ほとんど消化管から吸収されているため、胃洗浄を優先して実施することはない。3:正しい\n本症例では、アセトアミノフェン過剰摂取による肝機能障害が起こっている可能性があるため、血中アセトアミノフェン濃度を測定するとともに、治療経過のモニターとして、肝機能検査を実施することが望ましい。4:正しい\n解説3参照\n5:正しい\nアセトアミノフェン中毒の解毒薬として、N-アセチルシステインが用いられる。N-アセチルシステインは、細胞内でグルタチオンに変換され、NAPQIを解毒する。N-アセチルシステインの経口剤は特異な匂いがあるため、ソフトドリンクなどに混合して服用するこ��がある。"} +{"problem_id": "108291", "problem_text": "救急科において、医師と薬剤師により治療方針に関するカンファレンスが行われた。対応として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者がアルコールを当日飲んでいたかどうかを母親に確認する。", "解毒剤投与の前に、胃洗浄を優先して実施する。", "患者の治療経過のモニターとして、肝機能検査を実施する", "血中アセトアミノフェン濃度を測定する。", "解毒剤は特異な匂いがあるため、投与時はソフトドリンクなどに混合する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n患者がどの程度アルコールを摂取しているか知るために、患者がアルコールを当日飲んでいたかどうかを母親に確認することは適切である。2:誤っている\n胃洗浄は消化管に残存している薬物を除去する目的で行われるが、本症例おいて、アセトアミノフェンは、7時間前に服用されており、ほとんど消化管から吸収されているため、胃洗浄を優先して実施することはない。3:正しい\n本症例では、アセトアミノフェン過剰摂取による肝機能障害が起こっている可能性があるため、血中アセトアミノフェン濃度を測定するとともに、治療経過のモニターとして、肝機能検査を実施することが望ましい。4:正しい\n解説3参照\n5:正しい\nアセトアミノフェン中毒の解毒薬として、N-アセチルシステインが用いられる。N-アセチルシステインは、細胞内でグルタチオンに変換され、NAPQIを解毒する。N-アセチルシステインの経口剤は特異な匂いがあるため、ソフトドリンクなどに混合して服用することがある。"} +{"problem_id": "108292", "problem_text": "49歳男性。身長162cm、体重50kg。高血圧症治療のため、かかりつけ内科受診中。降圧効果が思わしくないため、大学病院を紹介受診し精査のため入院となった。精査の結果、両側副腎の腫大が認められたが手術適応はなかった。血液検査の結果から、ARR^{(注)}を求めたところ、298であった。本症例で、高血圧が持続した場合、合併しやすい病態はどれか。2つ選べ。", "choices": ["下垂体腫瘍", "大動脈解離", "脳梗塞", "前立腺がん", "褐色細胞腫"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "本患者は、血圧、ARR(アルドステロン濃度/レニン活性比)が高く、K値が低い、また、両側副腎の腫大が認められていることから、副腎腫大に伴う原発性アルドステロン症であると推察される。原発性アルドステロン症に伴う高血圧を放置すると、動脈硬化や血管が脆くなり、脳卒中(脳出血、脳梗塞)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、腎硬化症(腎不全、尿毒症)、大動脈解離等を誘発することがある。"} +{"problem_id": "108293", "problem_text": "血圧コントロールのために追加する薬物として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["スピロノラクトン", "ヒドロクロロチアジド", "エプレレノン", "エサキセレノン", "ビソプロロールフマル酸塩"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本患者は原発性アルドステロン症であると推察されるため、アルドステロンの作用を減弱させる必要がある。また、抗アンドロゲン薬による副作用である女性化乳房を起こしたことがある。これらのことから、ステロイド骨格を有していない抗アンドロゲン薬である「エサキセレノン」を追加する必要がある。なお、スピロノラクトン、エプレレノンは、ステロイド骨格を有する抗アンドロゲン薬であり、副作用として女性化乳房を起こしたことがある場合には用いられない。"} +{"problem_id": "108294", "problem_text": "72歳男性。身長167cm、体重75kg。独居。喫煙40本/日、飲酒ビール1L/日。15年前に血圧が高いことを指摘され、2年間薬物療法を行ったが、自己中断した。6ヶ月前に心筋梗塞を発症し、1ヶ月の入院加療を行った。高血圧症、脂質異常症、心筋梗塞のため以下の処方による治療とともに、食事療法、運動療法、禁煙の指導を受けている。なお、今回の来院時の検査値は以下のとおりであった。(検査値) 血圧136/86mmHg、K 4.5mEq/L、血清アルブミン4.6g/dL、AST 28IU/L、ALT 38IU/L、\\gamma -GTP 78IU/L、血清クレアチニン 0.9mg/dL、BUN 15mg/dL、総コレステロール198mg/dL、LDL-C 119mg/dL、HDL-C 55mg/dL、TG(トリグリセリド)120mg/dL この患者の治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["心不全の発症や進展を抑制する目的で、エナラプリルが処方されている。", "心筋梗塞後の心室性不整脈を抑制する目的で、アムロジピンが処方されている。", "心筋梗塞後の胸痛を緩和する目的で、アスピリンが処方されている。", "薬剤性消化性潰瘍を防止する目的で、ラベプラゾールが処方されている。", "HDL-Cを低下させる目的で、アトルバスタチンが処方されている。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本患者は、高血圧症、脂質異常症、心筋梗塞があり薬物療法中であることから、今後、心不全を起こす可能性がある。慢性心不全の初期治療には、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系を抑制するACE阻害薬(エナラプリル等)が用いられる。2:誤\nアムロジピンは、血管選択性の高いカルシウム拮抗薬であり、高血圧症、狭心症に用いられるが、心筋梗塞後の心室性不整脈を抑制する目的で用いられることはない。なお、心筋梗塞後の心室性不整脈を抑制する目的でリドカインが用いられることがある。3:誤\nアスピリンは、抗血小板薬であり、狭心症、心筋梗塞、虚血性脳血管障害における血栓・塞栓形成の抑制に用いられるが、心筋梗塞後の胸痛を緩和する目的で用いられることはない。なお、心筋梗塞後の胸痛を緩和する目的で、モルヒネ塩酸塩が用いられる。4:正\n本患者は、血栓・塞栓形成の抑制を目的にアスピリンが処方されていることから、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍を防止する目的でラベプラゾールが処方されている。5:誤\nアトルバスタチンは、HMG-CoA還元酵素阻害薬であり、LDL-Cを低下させる目的で用いられるが、HDL-Cを低下させる目的で用いられることはない。"} +{"problem_id": "108295", "problem_text": "この患者に対して薬剤師が行う指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["禁煙補助剤を利用する。", "タンパク質制限食品を利用する。", "1日30分程度の無酸素運動をする。", "現在の体重を維持する。", "飲酒量を減らす。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n本患者は現在40本/日喫煙しており、禁煙指導を受けている状況にある。また、高血圧症、脂質異常症、心筋梗塞の薬物療法を行なっていることから、心血管系に影響を及ぼすことを考慮して禁煙補助剤を利用することは有用である。"} +{"problem_id": "108296", "problem_text": "71歳女性。身長152cm、体重48kg。12年前に2型糖尿病と診断されインスリン強化療法を受けた。最近は病状が安定し、経口薬でコントロールされている。以前から血圧が低く、近年は立ちくらみもあり、不定愁訴も多い。最近1年間は、月1回通院して、処方1の薬剤を服用していた。前回(1ヶ月前)の検査値を下に示す。この患者の状態について、あてはまるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ネフローゼ症候群", "慢性腎臓病(CKD)", "慢性心不全", "糖尿病性神経障害", "肝硬変"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nネフローゼ症候群とは、たんぱく尿、低アルブミン血症、浮腫、高コレステロール血症を呈する症候群であり、診断基準として「タンパク尿: 3.5g/日以上」「低アルブミン血症: 血漿アルブミンが3.0g/dL以下」である。本患者は、血漿アルブミン濃度が3.5g/dLであることから、ネフローゼ症候群の可能性は低い。2:正\n慢性腎臓病(CKD: chronic kidney disease)とは、推算糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m^{2}未満の腎機能低下、あるいはたんぱく尿など腎機能障害を示唆する所見が3ヶ月以上持続する状態である。本患者の1ヶ月前の検査所見において、eGFRが 38.0mL/min/1.73m^{2}であることから、慢性腎臓病(CKD)の可能性が高い。3:誤\n心不全では、BNPが増加する。本患者の1ヶ月前の検査所見において、BNPが基準値以下であることから、慢性心不全の可能性は低い。4:正\n糖尿病末梢神経障害では、感覚異常、運動神経異常による筋力低下、自律神経異常に伴う消化器症状、血圧低下などを呈することがある。本患者は血圧が低く、立ちくらみもあり、不定愁訴も多いことから、糖尿病末梢神経障害の可能性が高い。5:誤\n肝機能を示すAST(基準値: 8〜33IU/L)、ALT(基準値: 4〜45IU/L)、\\gamma GTP(女性における基準値: 30IU/L以下)、総ビリルビン(基準値: 0.4〜1.5mg/dL)が正常範囲にあるため、肝硬変の可能性は低い。"} +{"problem_id": "108297", "problem_text": "前回の受診時に「夜中に足がつる」、「おなかの調子が悪い」と訴えがあり処方2が追加された。後、次第に筋肉痛のような痛みが持続するようになった」と訴えがあり、薬剤師は、今回の受診時の検査値を前回と比較した。医師に処方変更を提案する内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["酪酸菌(宮入菌)製剤を中止する。", "芍薬甘草湯を中止する。", "シタグリプチンリン酸塩水和物を減量する。", "フロセミドを増量する。", "インスリン自己注射を追加する。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "前回(1ヶ月前)の検査値と今回の検査値を比較すると、血圧上昇、K値が低下していることから、処方2の芍薬甘草湯エキス顆粒による副作用である偽アルドステロン症を起こしていると推察される。また、低カリウム血症の結果として、横紋筋融解症が現れることがあり、前回(1ヶ月前)の検査値と今回の検査値を比較すると、クレアチンキナーゼ(CK)も上昇していることから、横紋筋融解症を併発していると推察される。これらのことから芍薬甘草湯を中止する必要がある。"} +{"problem_id": "108298", "problem_text": "2歳女児。体重10kg。1日数回の全身強直間代性痙れんを発現し、約3ヶ月前にミオクローヌスてんかんと診断され、バルプロ酸Naシロップの投与が開始された。痙れん発作の頻度は減少したが、最近、呼びかけに応答しないなどの意識障害が頻回に見られるようになったため入院加療となった。この患者の血漿アンモニア濃度が基準値(12〜66\\microg/dL)より高い値であることの原因として、最も可能性の高いのはどれか。1つ選べ", "choices": ["ミオクロニー発作にともなう筋障害", "ミオクロニー発作にともなう低酸素血症", "ミオクロニー発作にともなう腎血流の減少", "バルプロ酸による尿素サイクルの阻害", "バルプロ酸による腸内のウレアーゼの阻害"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "バルプロ酸やその代謝物は、尿素サイクルに関与するカルバモイルリン酸シンターゼIを阻害する作用を有しており、副作用として高アンモニア血症を起こすことがある。"} +{"problem_id": "108299", "problem_text": "入院後、高アンモニア血症に対してラクツロースシロップの投与が開始されたが、3日後、食欲の低下、意識レベルの低下が悪化しつつあると小児科担当の薬剤師が主治医に報告した。そこで、血液検査を実施したところ、以下のとおりであった。担当薬剤師によるこの患児のアセスメントとして適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["意識レベルの低下は、血中アンモニアの上昇による。", "腸内細菌によるアンモニア消費が低下している。", "3日前と比較して、肝機能は改善している。", "バルプロ酸Naシロップ剤の用量が不足している。", "カルニチンが欠乏している。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n入院時の検査値と入院後の検査値を比較すると、入院後では血中アンモニアが増加しているため、血中アンモニアの上昇に伴う意識レベルの低下が現れていると推察される。2:誤\nラクツロールは、細菌により分解され有機酸を生成し、腸管内のpHを低下させ、アンモニアの産生及び腸管吸収を低下させる。よって、腸内細菌によるアンモニア産生が低下していると推察される。3:誤\n入院時の検査値と入院後の検査値を比較すると、入院後ではAST、ALT増加しているため、3日前と比較して肝機能が悪化していると推察される。4:誤\n入院後のバルプロ酸の血中トラフ濃度が96\\micro g/mLであり、有効血中濃度域(40〜120\\micro g/mL)にあるため、用量は不足していない。5:正\nバルプロ酸は、カルニチンの生合成、再吸収を阻害する作用を有するため、カルニチンが欠乏している可能性がある。"} +{"problem_id": "108300", "problem_text": "56歳女性。身長158cm、体重58kg。健康診断で眼圧上昇を指摘され、眼科受診。初期眼圧右眼22mmHg、左眼24mmHg。眼底検査、隅角検査及び視野検査等の結果、原発開放隅角緑内障と診断され、トラボプロスト点眼液0.004%が処方された。この患者の併用薬、検査値は以下のとおりである。この患者に関する病態と薬物治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["眼圧上昇の主な原因は、房水の流出障害である。", "進行しても眼痛以外の自覚症状は生じない。", "トラボプロストは、瞳孔平滑筋を収縮させるために処方されている。", "トラボプロストには、虹彩や眼瞼への色素沈着の副作用がある。", "トラボプロスト点眼液は、症状にあわせて1日の点眼回数を調節する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n原発開放隅角緑内障では、隅角は開放しているがムコ多糖など沈着し、線維柱帯からシュレム管への抵抗が上昇することで房水の流出障害が認められる。2:誤\n緑内障が進行すると、自覚症状として、眼痛以外に視野狭窄、視力低下、頭痛を呈することがある。3:誤\nトラボプロストは、プロスタグランジンF_{2}_{\\alpha }誘導体であり、瞳孔平滑筋を収縮させる作用は有していない。なお、トラボプロストは、ぶどう膜強膜流出路からの眼房水排泄促進作用により眼圧を低下させる。4:正\nトラボプロストの副作用として、虹彩、眼瞼への色素沈着が現れることがあるため、点眼後がしっかり拭き取るように指導する必要がある。5:誤\nトラボプロスト点眼剤は、1日1回投与する製剤であり、頻回投与により眼圧下降作用が減弱する可能性があるため、症状にあわせて1日の点眼回数を調節することは推奨されない。"} +{"problem_id": "108301", "problem_text": "眼圧の低下が不十分であるため、薬物治療を追加することになった。この患者に追加する点眼剤として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ブリモニジン酒石酸塩点眼液", "ブリンゾラミド懸濁性点眼液", "カルテオロール塩酸塩持続点眼液", "リパスジル塩酸塩水和物点眼液", "ドルゾラミド塩酸塩点眼液"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本患者は、FEV_{1}(1秒率)67%\nであり、また、インダカテロールマレイン酸塩吸入用カプセルが処方されていることから、慢性閉塞性肺疾患(COPD)であると推察される。慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支喘息患者には、気管支平滑筋弛緩作用を有する\\beta\n受容体遮断薬(カルテオロール塩酸塩持続点眼液)を投与することは推奨されない。"} +{"problem_id": "108302", "problem_text": "58歳女性。企業の管理職として勤務している。最近仕事が忙しく、ストレスがたまっていた。勤務中、椅子に座っている時に背中の違和感を感じた。翌日、ズキズキと痛むような症状が発現し、患部を見ると赤く連なった丘疹が広がっていた。症状が悪化していることから、医療機関を受診し、診断の結果、以下が処方された。この患者の疾患と治療薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ストレスによる免疫の低下は発症の危険因子である。", "背中の皮疹は両側性に広がった。", "プレガバリンが抗炎症作用を示すと期待される。", "原因となるウイルスは皮膚内に潜伏していた。", "痛みが強い場合には、アセトアミノフェンなどの鎮痛薬を併用してもよい。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "本患者は、最近仕事が忙しく、ストレスがたまっていたことに加え、ズキズキと痛むような症状が発現し、患部を見ると赤く連なった丘疹が広がっていることから帯状疱疹を発症していると推察される。1:正\n帯状疱疹は、過労やストレス等により宿主の免疫力が低下することにより神経節に潜伏している帯状疱疹ウイルスの再活性化により発症するため、ストレスによる免疫の低下は発症の危険因子となる。2:誤\n帯状疱疹の症状は、片側に認められる。3:誤\nプレガバリンは、求心性一次知覚神経の電位依存性Ca^{2+}チャネルの\\alpha _{2}\\delta サブユニットに結合し、神経伝達物質の遊離を抑制することで神経性の痛みを緩和するが、抗炎症作用を示さない。4:誤\n帯状疱疹の原因となるウイルスは、脊髄後根知覚神経節などに潜伏している。5:正\n帯状疱疹による痛みには、アセトアミノフェン、非ステロイド性酸性抗炎症薬(ロキソプロフェンナトリウムなど)神経障害性疼痛治療薬(プレガバリン、ミロガバリン)が用いられる。"} +{"problem_id": "108303", "problem_text": "7日後、皮疹は軽減し、経過観察となったが、痛みが改善しておらず、対症療法を継続している。この女性は以前にも同様な発疹を繰り返していることから、ワクチンの接種を検討することになった。本疾患に対するワクチンの患者への説明内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ワクチン接種は、次回発症時に行う。", "生ワクチンと不活化ワクチンが承認されている。", "ワクチン接種時は、バラシクロビル錠を服用する必要がある。", "発症後にワクチン接種をすることにより、皮疹はすぐに軽快する。", "ワクチン接種により、ウイルスを除去できる。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nワクチン接種は、発症を未然に防止するために行われる。"} +{"problem_id": "108304", "problem_text": "78歳女性。大腸がんに対して、5年前から化学療法が実施されていたが、副作用、本人の体力の低下から3ヶ月前に中止となった。今回、食物摂取による誤嚥性肺炎のため入院となり、せん妄状態である。これまでも誤嚥性肺炎のための入院と退院を繰り返しており、1ヶ月前から経口での食物摂取が困難となることが多く、家族が大変苦労していたとのことであった。患者は夫と死別しており、キーパーソンである一人息子が延命治療を望んでいる。持参薬等の所有物を確認したところ、患者本人が書いたリビングウィルの文書がお薬手帳に折り込まれていた。病状が末期の時には延命治療を希望しないという文章にチェックが入れられていた。文書作成の日付は、約2年前であった。この患者への栄養補給に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["胃瘻が選択肢となるのは、生命予後が1ヶ月以上見込まれる場合である。", "中心静脈栄養を実施しても消化吸収機能が維持できる。", "中心静脈栄養は胃瘻よりも感染リスクが高い。", "胃瘻造設すると、経口摂取に戻ることはできない。", "せん妄状態であるので、経鼻栄養が適している。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n胃瘻とは、胃に穴を開け専用のチューブを挿入し、栄養補給をする方法である。胃瘻は、正常な消化機能を有しており、4週間以上の生命予後が見込める場合に適応される。2:誤\n中心静脈栄養法を長期間実施すると、消化吸収機能が衰えることがある。3:正\n中心静脈栄養法では、カテーテルを介して微生物が体内に侵入する危険性があるため、胃瘻よりも感染のリスクが高い。4:誤\n胃瘻を造設したあとでも、経口摂取に戻ることが可能である。5:誤\nせん妄状態にある患者に、経鼻栄養を実施すると、チューブ・カテーテルを自己抜去することがあるため、せん妄状態にある患者には、経鼻栄養は適していない。"} +{"problem_id": "108305", "problem_text": "息子と本人の意向が異なっているため、治療方針について、医師、看護師、薬剤師、メディカルソーシャルワーカーなどで構成された倫理コンサルテーションチームでカンファレンスを実施した。今後の対応として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["息子にリビングウィルのことを知らせて、家族と医療スタッフの共通認識となるように再度治療方針を話し合う。", "リビングウィルの有無にかかわらず、治療を中止した場合の予後をキーパーソンである息子に理解しやすいように説明する。", "意識が清明でなくなった時の治療選択について、本人が元気な頃に、何か話し合ったことはないかを息子に確認する。", "リビングウィルの作成年月日が入院時のものではなかったため、医療者の治療方針を優先させる。", "終末期の治療について、何らかの意思表示がなかったか、かかりつけ薬局に確認をする。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "リビングウィルとは、「回復の見込みがなく死期が間近に迫った人生の最終段階において、延命治療をしてほしいか、してほしくないか等について、判断能力が十分なうちに示される意思」のことである。リビングウィルは、作成年月日にかかわらず、本人が撤回しない限り、治療方針を決定する上で優先する必要がある。"} +{"problem_id": "108306", "problem_text": "58歳男性。以前より、てんかん治療のため脳神経内科を受診し、処方1の薬剤を服用していた。5週間後にてんかん発作が発現し、処方2が追加となり、その後、処方3、処方4と漸増された。処方4の開始4日目に、薬局の薬剤師が服用状況の確認のためフォローアップの電話をしたところ、患者から「発熱があり、眼が���血して皮膚の広い範囲が赤くなっている」旨の訴えがあった。この男性の訴えから、重篤な副作用が疑われたため、重篤副作用疾患別対応マニュアルを活用して確認することとした。以下の記述のうち、重篤副作用疾患別対応マニュアルに関する記述として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["厚生労働省のホームページで入手できる。", "医療関係者向け及び患者向けの記載がある。", "重篤副作用の早期発見のポイントが記載されている。", "重篤副作用の治療法が記載されている。", "当該副作用が医薬品副作用被害救済制度の対象か否かが記載されている。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\n重篤副作用疾患別対応マニュアル(本資料)は、厚生労働省のホームページから入手することができる。2:正しい\n本資料には、医療関係者向け及び患者向けの内容が記載されている。3:正しい\n本資料には、重篤副作用の早期発見のポイント、治療法、原因薬剤等について記載されている。4:正しい\n解説3参照\n5:誤っている\n本資料には、当該副作用が医薬品副作用被害救済制度の対象か否かについての記載はない。"} +{"problem_id": "108307", "problem_text": "患者に発現している副作用として、最も疑われるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ギラン・バレー症候群", "横紋筋融解症", "無顆粒球症", "スティーブンス・ジョンソン症候群", "偽アルドステロン症"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "本症例では、バルプロ酸ナトリウムを服用しているところにラモトリギンが追加され、患者が「発熱があり、眼が充血して皮膚の広い範囲が赤くなっている」と訴えていることから、ラモトリギンによる皮膚障害(スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症)が現れていると推察される。なお、バルプロ酸ナトリウム及びラモトリギンは、主としてグルクロン酸転移酵素により代謝されるため、両剤を併用すると、ラモトリギンの副作用である皮膚障害が現れやすくなる。"} +{"problem_id": "108308", "problem_text": "ある薬局は、地域の飲食店等からの要望を受け、毒物劇物販売業の登録を申請し、劇物である苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)の取扱いを行っている。近所の飲食店に勤務する者が、苛性ソーダを売って欲しいと来局した。来局者の年齢と使用目的を確認したところ、年齢は19歳で、厨房を清掃するための購入であり、以前にも一度使用した経験があるとのことであった。なお、この飲食店は毒物劇物営業者ではない。薬局で苛性ソーダを管理するにあたり、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["この薬局に勤務する薬剤師が、毒物劇物取扱責任者として管理する。", "移し替えた容器に「医薬用外」の文字と赤地に白色をもって「劇物」の文字を表示する。", "かぎのかかる設備に陳列する。", "他の物と区分して保管する。", "保管場所に「医薬用外」と「劇物」の文字を表示する。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を直接に取り扱う製造所、営業所又は店舗ごとに、専任の毒物劇物取扱責任者を置き、保健衛生上の危害の防止に当たらなければならない。次に掲げる者は毒物劇物取扱責任者になることができる。・薬剤師\n・厚生労働省令で定める学校で、応用化学に関する学課を修了した者\n・都道府県知事が行う毒物劇物取扱者試験に合格した者\n2:誤っている\n劇物の容器及び被包には、「医療用外」の文字と白地に赤色をもって「劇物」の文字を表示する。3:正しい\n劇物は、かぎのかかる設備に陳列する。4:正しい\n劇物は、他のものと区別して保管する。5:正しい\n劇物の貯蔵・陳列する場所にも表示義務があるが、色の規定はない。"} +{"problem_id": "108309", "problem_text": "この来局者に薬剤師が苛性ソーダを販売するにあたり、適切な対応はどれか。2つ選べ。", "choices": ["この薬局の毒物劇物販売業の登録が有効期限内であることを確認する。", "この来局者に苛性ソーダの性状及び取扱いに関する情報を提供する。", "この薬局にて、この来局者の処方箋の調剤を行ったことがあり、身元を把握しているので、譲受書の受取りに関する手続きを省略する。", "水剤の調剤で用いる内服液剤容器に入れて販売する。", "この来局者の年齢では、法律上販売できない旨を説明する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n毒物劇物営業者の登録には、有効期限(販売業の場合:\n6年間)があるので、毒物劇物を販売するにあたり、毒物劇物販売業の登録が有効期限内であることを確認する必要がある。"} +{"problem_id": "108310", "problem_text": "75歳男性。糖尿病及び糖尿病性腎症で在宅療養にて腹膜透析を行い、薬物治療中である。今回、処方1及び処方2が追加された処方箋が発行された。過去の薬歴から処方1及び処方2は初めて処方されたことがわかった。薬剤師が、調剤した薬剤を持って患者宅を訪問した。(直近の検査値) 白血球6,500/\\microL、赤血球284\\times 10^{4}/\\microL、Hb8.6g/dL、Ht26%、MCV 91.5fL、MCH 30.3pg、MCHC 33.1%、血小板22.3\\times 10^{4}/\\microL、eGFR 8.9mL/min/1.73m^{2}、血清鉄45\\microg/dL(基準値54〜200\\microg/dL(男性))、血清ビタミンB_{12}値と血清葉酸値は基準値内 処方1、処方2の説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1の薬は常温で保存してください。", "処方1の薬の副作用として血圧が上昇する場合があります。", "処方2の薬は腎機能の悪化を予防するお薬です。", "処方2の薬の使用中は、定期的にHb値を測定する必要があります。", "Hb値にかかわらず、血清鉄値が基準値内に回復すれば、処方1の薬が中止になります。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)注射液は、2〜8^{\\circ} Cで保存することとされている。2:正\nダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)注射液の副作用として、血圧が上昇することがある。3:誤\nクエン酸第一鉄ナトリウムは、鉄を補う薬である。4:正\nクエン酸第一鉄ナトリウムを使用中は、貧血の指標となるHb(ヘモグロビン)値を測定する必要がある。5:誤\n血清鉄値により、ダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)の中止を検討することはない。"} +{"problem_id": "108311", "problem_text": "患者より、処方1の薬のラベルに記載されている「生物」について質問があった。薬剤師の説明の内容として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["感染症のリスクがあるため、処方1の薬の使用に際し、患者からの文書による同意が必要となる。", "処方の薬は、植物由来である。", "処方1の薬は、疾病の治療を目的として、人の細胞に導入され、体内で発現する遺伝子を含有するものである。", "処方1の薬は、製薬企業に感染症定期報告を義務付けるなど感染症に関する対策が強化されている。", "処方の薬を使用した患者の氏名、住所を記録したものを10年間薬局で保存する必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "処方1(ダルベポエチン\nアルファ(遺伝子組換え)注射液)は、生物由来製品であり、白地に黒枠黒字で「生物」と表示されている。"} +{"problem_id": "108312", "problem_text": "40歳男性。市販の咳止め薬の購入のため薬局を訪れた。男性は4つの製品のそれぞれの特徴について薬剤師に説明を求めた。薬剤師の説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["製品Aは、下痢症状があらわれることがあります。", "製品Bは、2つの去痰成分を含んでおり、痰により引き起こされる咳症状に有効です。", "製品Cは、胃の粘膜を保護する成分も含んでいます。", "製品Cは、動悸があらわれることがあります。", "製品Dは、解熱鎮痛成分も含んでいます。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n製品Aに含有されるデキストロメトルファンは、鎮咳薬であり、副作用として下痢が現れるとの報告はない。2:正\n製品Bに含まれるL-カルボシステイン、ブロムヘキシンは共に去痰薬である。3:誤\n製品Cに含まれるジプロフィリン、dl-メチルエフェドリンは気管支拡張薬、ノスカピンは鎮咳薬、ジフェンヒドラミンは抗ヒスタミン薬であり、製品Cには胃粘膜を保護する成分は含まれていない。4:正\nジプロフィリン、dl-メチルエフェドリンは、心機能亢進作用を示すため、製品Cにより動悸が現れることがある。5:誤\n製品Dに含まれるジヒドロコデインは鎮咳薬、グアイフェネシンは鎮咳去痰薬、クロルフェニラミンは抗ヒスタミン薬、無水カフェインは中枢刺激薬であり、製品Dには解熱鎮痛成分は含まれていない。"} +{"problem_id": "108313", "problem_text": "この男性の症状やこれまでの製品の使用経験などから、製品Dの鎮咳去痰薬を販売することとなった。製品Dに関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["購入者が、他の店舗等から濫用等のおそれのある医薬品を購入していないか確認する必要がある。", "特定販売ができない製品である。", "販売者は、薬剤師に限られる。", "原則として一人一包装単位での販売となる。", "購入者は、使用期限が過ぎた残薬を、購入した薬局に返却する必要がある。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "製品Dには、ジヒドロコデインリン酸塩が含有されているため、「濫用等のおそれのある医薬品」に指定される。"} +{"problem_id": "108314", "problem_text": "64歳男性。数年前からパーキンソン病と不眠症の治療を行っている。転居に伴い、家族に伴われて以下の処方箋を持ってこの薬局を初めて訪れた。この患者への服薬指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["服用を続けているうちに急に動けなくなるなど、薬の効果が短く感じることがあれば申し出てください。", "処方1の薬は、飲み忘れに気が付いた場合、次回服用時に2回分を1度に服用してください。", "処方の薬は、服用することにより尿の色が濃くなることがあります。", "処方2の薬を服用して、眠気が出た場合はすぐに服用を中止してください。", "処方3の薬を服用して、苦みを感じた場合はすぐに服用を中止してください。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n処方1(レボドパ・カルビドパ配合錠)を継続服用すると、効果持続時間が短縮するwearing-offが現れることがある。wearing-offが現れた場合には、レボドパ製剤の増量、服用回数を増やす、COMT阻害薬、MAO_{B}阻害薬、イストラデフィリンを併用することを検討する。2:誤\n処方1の薬の飲み忘れに気がついたら、すぐに1回分を服用する。ただし、次回服用時間が近い場合には、1回とばして、次回1回分服用する。3:正\nレボドパの代謝物は、黒色を呈するため、処方1を服用することにより痰、口腔内、粘膜、汗、便、尿等の色が黒色を呈することがある。4:誤\n処方2(セレギリン塩酸塩錠)を服用することにより副作用として眠気を起こすことがあるが、すぐに服用を中止せず、主治医に相談するよう説明する。5:誤\n処方3(エスゾピクロン錠)は、苦味があるため、処方3を服用することにより、苦味が現れることがあるが、副作用によるものではないため、すぐに服用を中止する必要はない。"} +{"problem_id": "108315", "problem_text": "この患者が、1週間程度の海外旅行に行くことになった。現在処方されている医薬品を海外に持って行くことについて相談を受けた。海外に持って行くにあたり、地方厚生局長に携帯輸出許可の申請を行わなければならないのはどれか。1つ選べ。なお、地方厚生局長は厚生労働大臣から権限が委任されているものとする。", "choices": ["処方1から処方3のすべての医薬品", "処方1の医薬品", "処方2の医薬品", "処方3の医薬品", "処方1から処方3のすべての医薬品について申請不要"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "麻薬および覚醒剤原料は、自己疾患の治療目的で海外に持参するにあたり、厚生労働大臣(地方厚生局長に委任)に携帯輸出許可を受けなければならない。処方2(セレギリン塩酸塩)は、覚醒剤原料に該当するため、携帯輸出許可を受ける必要がある。"} +{"problem_id": "108316", "problem_text": "30歳男性。喫煙歴10年。1週間前から禁煙を決意し、自分でたばこをやめてみた。しかし、このまま禁煙が続けられるのか不安があり、薬局を訪れて薬剤師に相談した。禁煙支援では行動変容のステージに合わせて支援することが重要である。この男性の行動変容のステージに対する薬剤師の働きかけとして、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["無関心期(前熟考期)なので喫煙による問題に気づくよう支援し、禁煙への関心を高める。", "関心(熟考期)なので禁煙に関心を持ちだしたことを評価する。", "準備期なので禁煙行動実施の宣言をしてもらう。", "実行期なので禁煙が継続できていることに焦点を当てて行動を強化する。", "維持期なので自己効力感を高めるために禁煙が持続できている秘訣を話して���らう。"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "本症例では、患者はたばこを1週間前にやめており、禁煙をはじめた段階にあるため、行動変容ステージにおける「実行期」に該当すると推察される。そのため、薬剤師は、禁煙が継続できていることに焦点を当てて行動を強化するように働きかける必要がある。"} +{"problem_id": "108317", "problem_text": "この男性と以下のやり取りをした後の、薬剤師の説明内容として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ニコチン製剤はニコチン離脱症状をやわらげることが期待できます。", "ニコチンパッチ製剤を使用しながら段階的に喫煙本数を減らすことができます。", "ニコチンパッチ製剤は、複数枚貼ることができるので、量を調節しやすいです。", "ニコチンガム製剤とニコチンパッチ製剤を同時に使用することはできません。", "現在、一般用医薬品として販売されている禁煙補助剤はニコチン製剤とバレニクリン製剤があります。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nニコチン製剤は、ニコチン離脱症状(イライラ、集中力の低下、落ち着かないなど)を緩和することが期待できる。"} +{"problem_id": "108318", "problem_text": "54歳男性。自営業。国民健康保険に加入している。現在、妻と就学中の娘と生活している。健康診断にて要精密検査となり、精査の結果、非小細胞性肺癌と診断された。治療方針について検討した結果、PD-L1陽性細胞率>50%で、ペムブロリズマブを用いたレジメンを開始する方針となり、その後、薬剤師が、ペムブロリズマブの副作用の1つである間質性肺炎について説明資料を作成することとなった。薬剤師が作成した説明資料の内容として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["発熱が起こることがあります。", "痰のない乾いた咳が出ることがあります。", "他者に感染させることがあります。", "息切れを感じることがあります。", "疲労感を感じることがあります。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "間質性肺炎は、肺間質の炎症や線維化をきたす疾患の総称であり、症状として、発熱、労作時の呼吸困難、乾性咳嗽、ばち指、疲労感が現れることがある。なお、間質性肺炎は感染症ではないため、他人に感染させることはない。"} +{"problem_id": "108319", "problem_text": "この患者が加入している医療保険に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["我が国の医療保険制度として最初に作られた保険である。", "保険者は、都道府県(市町村(特別区を含む)とともに)又は国民健康保険組合である。", "その地域に住んでいる限り、年齢の上限なく継続してこの保険に加入できる。", "保険給付の範囲は、業務災害以外の疾病や負傷等である。", "患者の加入する保険で使用できる薬剤の品目や価格は、健康保険とは一部異なる。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\n我が国の医療保険制度として最初に作られた保険は、国民健康保険ではなく、被用者保険である。"} +{"problem_id": "108320", "problem_text": "86歳女性。誤嚥性肺炎で入院し、栄養障害もあったため経鼻経管栄養を実施し退院した。本人の希望により娘の介助のもとで在宅にて療養をしている。薬局薬剤師が在宅訪問を行うにあたり、介護支援専門員から、「本人より、経管栄養をやめてほしいという要望がある。」と報告された。一方、在宅訪問の際、家族からは「なんとか元気になってほしいので、経管栄養を続けてほしい。」との意向を聴取した。薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["患者より家族の意見を優先すべきなので、介護支援専門員からの報告は考慮しなかった。", "経管栄養をやめてほしいという意思について、再度患者に確認し、何故そのように思ったのか聞き取りをした。", "患者の意思に従って、薬剤師が経管栄養の管を抜去した。", "医師や在宅医療に関わる多職種と情報共有し、患者や家族と話し合った。", "担当医師の方針に同意しなければ、在宅医療を継続できないことを患者に伝えた。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n患者、家族の意見、双方を考慮し、治療方針を決定する必要があるため、介護支援専門員からの報告も考慮する必要がある。2:正\n患者の意見を把握した上��、治療方針を決定する必要があるため、患者の意向を再度確認する必要がある。3:誤\n経管栄養の管を抜去することは医師等が行うことであり、薬剤師は行うことができない。4:正\n医療従事者(医師、在宅に関わる多職種)間で情報を共有し、患者、家族と話し合い、治療方針を決定する必要がある。5:誤\n担当医師の方針に同意しなくても、在宅医療を継続することが可能である。"} +{"problem_id": "108321", "problem_text": "この患者の要望の様な患者の意思及び自己決定を尊重する考え方について述べている、世界医師会総会が採択した宣言はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヘルシンキ宣言", "ジュネーブ宣言", "バルセロナ宣言", "リスボン宣言", "世界人権宣言"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nヘルシンキ宣言(ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則)は、1964年にフィンランドの首都ヘルシンキで開かれた世界医師会において採択された人体実験に対する倫理規範であったが、現在では人間を対象とする医学研究の倫理的原則として適用されている。なお、医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)は、ヘルシンキ宣言の理念に準拠した基準である。"} +{"problem_id": "108322", "problem_text": "薬剤師と以前から交流のあった医師が、高齢化の進むある地方で保険医療機関を数年前に開設したが、近隣地域には保険薬局がなかった。そのため、この薬剤師は保険薬局を開設することを計画し、地域の住民に貢献するため、将来的には健康サポート薬局の届出をしようと考えている。保険薬局の指定を受けるにあたり、保険薬局における留意点を確認し方針を検討した。以下の内容のうち正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["当該保険医療機関から保険薬局への専用通路を設置し、一体的な構造にする。", "当該医療機関と経営主体が同一とならないよう配慮する。", "当該保険医療機関に対価を支払って患者を誘導してもらう。", "介護事業者に在宅の患者紹介を依頼し、紹介された患者数に応じて紹介料を支払う。", "初回利用の患者は一部負担金の支払いを免除する。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則において、担当する療養の給付に関し、次のことを行ってはならない。"} +{"problem_id": "108323", "problem_text": "計画している内容の中で、健康サポート薬局である旨を表示しようとする薬局に、求められている基準でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者への情報提供及び指導について、一元的かつ継続的に行うかかりつけ薬剤師を、患者が選択できるようにする。", "地域の医療機関や地域包括支援センター、市区町村の保健センターなどを薬局利用者に適切に紹介できるようリストを作成する。", "健康サポートに係る研修を修了した一定の実務経験を有する薬剤師が常駐する。", "薬の相談会等、健康の保持増進の支援に関する取組を行う。", "他の薬局に対して、がん患者のサポートに関する定期的な研修を実施する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "健康サポート薬局とは、「患者が継続して利用するために必要な機能及び個人の主体的な健康の保持増進への取組を積極的に支援する機能を有する薬局」のことであり、健康サポート薬局である旨を表示しようとする薬局に、求められている基準として、下記の要件が掲げられている。"} +{"problem_id": "108324", "problem_text": "45歳女性。調理師。仕事中に動悸を感じていたが、疲れのためだろうと深刻に考えていなかった。健康診断で不整脈の疑いが指摘されたため、近隣の診療所を受診したところ、頻脈傾向で処方1が処方され薬局Aで調剤された。1週間後、診療所から紹介された医療機関を受診し、精査したところ、肝機能及び腎機能は正常値であったものの、心房細動と確定診断されたため、新たに処方2が追加された。この患者が処方2の処方箋を持参して、薬局Bに来局した。患者からの聞き取りで、処方1の薬を服用していることが確認できたが、お薬手帳には過去の治療薬の記載のみで、処方1の薬の記載はなかった。また、患者は、セントジョーンズワート含有食品を常用していると話していた。処方1開始時の血圧143/86mmHg、脈拍98回/分 この患者への薬局Bにおける薬学的管理に関する対応について���切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["セントジョーンズワート含有食品は、薬学的管理の対象とならないと判断した。", "血圧や脈拍などについて、薬局内の自動血圧計で測定してもらい、測定値を薬歴に記載した。", "職業が調理師であるため包丁の使用などでの出血に注意するように説明したが、職業は個人情報であるため薬歴には記載しなかった。", "リバーロキサバンに注意が必要なビタミンK含有量の多いブロッコリーなどの食品の過剰摂取がないか確認した。", "処方1について薬局Aに確認し、薬歴に記録を残しお薬手帳にも併用薬情報として記載した。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n使用している健康食品と医薬品が相互作用を起こすことがあるため、使用している健康食品は薬学的管理の対象となる。なお、セントジョーンズワート含有食品は、CYP3A4を強力に誘導することがあり、リバーロキサバンの代謝を促進し、血中濃度を低下させることがある。2:正\n薬学的管理する上で、バイタルサイン(血圧、脈拍など)を薬歴に記載することは有用である。3:誤\n薬歴には、患者の氏名、年齢、性別、職業、家族歴、副作用歴、アレルギー歴、服用中の薬剤、使用中の健康食品等、個人情報を含め薬学的管理に必要な情報を記載する。4:誤\nビタミンK含有量の多い食品と相互作用を起こすのは、ワルファリンである。なお、リバーロキサバンとビタミンKの相互作用は報告されていない。5:正\n患者からの聞き取りで服用している薬剤が確認できたが、お薬手帳に記載されていない場合、服用中の薬剤について他の薬局に聞き取りし、その内容を併用薬として記載することは適切な対応である。"} +{"problem_id": "108325", "problem_text": "この患者の情報の取扱いに関する薬局Bでの対応について正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["患者の勤務する会社から、ストレスチェックの一環として患者の服用している薬を知りたいと連絡があったため、情報を提供した。", "患者から自分の薬歴を開示してほしいとの申し出があったが、薬局には開示の義務はないので断った。", "患者の同僚が薬局に来た際、この患者もこの薬局で調剤を受けていることを教えた。", "薬局内で示している利用目的の範囲内で、個人を特定できない匿名化を行い、近隣の薬局との症例検討会で発表した。", "マーケティング会社から、医薬品の使用率調査として患者の健康保険証の記号番号等を含めた情報提供を依頼されたが、この情報は個人情報に該当するため断った。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n患者の同意を得ることなく、患者の勤務する会社(第三者)に個人情報を提供することはできない。"} +{"problem_id": "108326", "problem_text": "36歳男性。身長172cm、体重61kg。アルコール性肝硬変による末期肝不全に対して、妻をドナーとして生体肝移植術が施行された。術後4週間で退院し、退院2週間後1回目の診察において、退院時処方は処方1に変更されるとともに処方2も追加された。退院6週間後3回目となる今回の診察において、タクロリムス及びエベロリムスの血中濃度が前回に比べて上昇していた。退院当日から今回までの検査値等の推移と患者からの今回の聞き取り内容を示す。以上の経過から、薬剤師のアセスメントとして誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["口内炎は、エベロリムスの副作用である。", "スウィーティーを食べたことにより、エベロリムスの血中濃度が上昇した。", "エベロリムスの併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇した。", "足のむくみは、タクロリムスの副作用である。", "ST配合錠の継続はエベロリムスの血中濃度の上昇と無関係である。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nエベロリムスは、重大な副作用として、間質性肺疾患、感染症、腎不全、高血糖、貧血、口内炎等を起こすことがある。2:正しい\nスウィーティーを食べた後、エベロリムスの血中濃度が上昇していることから、スウィーティーに含まれるフラノクマリン類により小腸のCYP3A4が阻害されることによりエベロリムスの代謝が阻害され、血中濃度が上昇していると推察される。3:誤っている\n退院2週間後、タクロリムスが5mg\\rightarrow 3mgに減量され、その際、エベロリムスが追加された。その後、次回受診時(退院後4週間)のタクロリムスの血中濃度が約5分の3に低下していることから、エベロリムスの併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇するとは考えられない。4:正しい\nタクロリムスは、副作用として、急性腎障害、心不全、浮腫、高血糖等を起こすことがある。5:正しい\nST配合錠とエベロリムスの相互作用は報告されていないため、ST配合錠の継続はエベロリムスの血中濃度の上昇と無関係であると推察される。"} +{"problem_id": "108327", "problem_text": "薬剤師による歯科受診勧奨に関する記述について、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["糖尿病患者への歯周病検査の受診勧奨は重要である。", "顎の腫れを伴う歯痛の場合は、一般用医薬品にて経過観察後、受診勧奨する。", "オーラルフレイル予防と定期歯科検診のため歯科受診勧奨は重要である。", "歯茎から膿がでる症状の場合、直ちに受診勧奨をすべきである。", "高齢者では口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防のための受診勧奨は重要である。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:正しい\n糖尿病と歯周病は相互に影響し合う関係にあり、高血糖状態が持続すると、免疫力が低下し、その結果、歯周病が悪化する可能性が高くなる。そのため、糖尿病患者は歯周病予防のために歯科受診することは重要である。2:誤っている\n顎の腫れを伴う歯痛の場合、できるだけ早い段階で歯科を受診する必要があるため、一般用医薬品にて経過観察後、受診勧奨するのは不適切である。3:正しい\nオーラルフレイル(口腔機能の低下)予防と定期歯科検診のため歯科受診することは重要である。4:正しい\n歯茎から膿がでる症状の場合、できるだけ早い段階で歯科を受診する必要がある。5:正しい\n誤嚥性肺炎を予防するために、口腔内を清潔に保つ必要があるため、高齢者では口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防のために歯科を受診することは重要である。"} +{"problem_id": "108328", "problem_text": "75歳女性。1年前に軽度認知障害と診断されたが、日常生活に大きな問題はなかった。最近、少し家事を行っただけで疲れを感じるようになったので、健康相談のために薬局を訪れた。薬剤師は、Cardiovascular Health Study基準(CHS基準)を用いて身体的フレイルの評価を実施し、地域包括支援センターと連携することにした。評価項目として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["声量低下", "認知機能低下", "睡眠時間の短縮", "体重減少", "歩行速度の低下"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "Cardiovascular Health Study基準(CHS基準)は、高齢者の健康評価において、フレイル(虚弱)の診断に用いられる。CHS基準では、①体重減少、②疲労感、③活動量の低下、④歩行速度の低下、⑤筋力の低下(握力低下)の5つを診断基準として、3つ以上当てはまる場合をフレイル、1つ又は2つ該当する場合をフレイル前段階と診断する。"} +{"problem_id": "108329", "problem_text": "60歳女性。腎不全のため高カロリー輸液による栄養管理を実施することになった。担当薬剤師はブドウ糖含有率50%の基本輸液500mL、脂肪乳剤100mL、高カロリー輸液用微量元素製剤2mL、総合ビタミン剤5mLを用意した。この組成の輸液に加える総窒素量10mg/mLの総合アミノ酸輸液の量として、最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、この患者のNPC/N比を400、脂肪乳剤100mLに含まれる熱量を200kcalとする。", "choices": ["200mL", "300mL", "400mL", "500mL", "600mL"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "◉加える総合アミノ酸輸液に含まれる窒素量(g)を求める。この組成の輸液に加える総合アミノ酸輸液の量をx mLとすると、加える総合アミノ酸輸液に含まれる窒素量(g)は、10mg/mL \\times xmL=10x mg=0.01 x gとなる。◉非タンパク質カロリー(NPC)を求める。ブドウ糖含有率50%の基本輸液500mLのカロリー=0.5\\times 500mL\\times 4kcal/g=1,000 kcal\n脂肪乳剤100mLのカロリー=200 kcal\n非タンパク質カロリー(NPC)=1,000+200=1,200 kcal\n◉加える総合アミノ酸輸液の量(x mL)を求める。非タンパク質カロリー/窒素量(NPC/N)比=1,200/0.01 x=400\n4x=1,200:x=300"} +{"problem_id": "108330", "problem_text": "76歳男性。2週間後に食道がんの全摘出手術を施行予定である。この患者は3年前に、せん妄を発症した経験があるため、担当医は入院中のせ���妄発症リスクが高いと考えている。外来受診時に、当該患者より担当医に「1週間前から、夜眠れない日が続いており、疲れがたまっています。」との訴えがあった。担当医は、せん妄発症リスクの低い睡眠薬の処方を検討している。当該患者は、これまで睡眠薬及び抗不安薬を服薬していないことを確認している。担当医から病棟担当薬剤師に、この件について処方薬の相談があった。薬剤師が提案すべき薬物として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ラメルテオン", "ゾルピデム酒石酸塩", "ブロチゾラム", "スボレキサント", "リルマザホン塩酸塩水和物"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "せん妄とは、急激な認知機能障害や意識状態の変化を伴う状態のことであり、身体的異常や薬物の使用を原因として発症することがある。薬剤性せん妄を起こす薬物として、ベンゾジアゼピン系薬(ブロチゾラム、リルマザホン塩酸塩水和物)、非ベンゾジアゼピン系(ゾルピデム酒石酸塩)、麻薬性鎮痛薬、抗ヒスタミン薬などがある。睡眠薬として、ベンゾジアゼピン系薬(ブロチゾラム、リルマザホン塩酸塩水和物)、非ベンゾジアゼピン系(ゾルピデム酒石酸塩)はせん妄を起こしやすいが、それに対してメラトニン受容体作動薬(ラメルテオン)、オレキシン受容体遮断薬(スボレキサント)はせん妄を起こしにくい。"} +{"problem_id": "108331", "problem_text": "「緩和ケアチーム」に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["がん患者だけでなく、心不全患者の疼痛管理にも介入する。", "職種間で共有する痛みの評価法として、Visual Analogue Scale(VAS)、Numerical Rating Scale(NRS)等は有用である。", "がん治療の開始とともに早い時期から介入する。", "患者の身体的・精神的苦痛を和らげることが介入の目的であり、家族は対象に含まれない。", "人生の最終段階における医療・ケアの決定に関わるアドバンス・ケア・プランニングの実践にも介入する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:正しい\n緩和ケアチームは、がん患者の疼痛管理以外に心不全患者の疼痛管理にも介入する。2:正しい\n痛みの評価法として、Visual Analogue Scale(VAS: 長さ10cmの黒い線を用いて痛みを表す方法)、Numerical Rating Scale(NRS: 0が痛み無し、10が想像できる最大の痛みとして、0〜11段階に分けて、現在の痛みがどの程度かを指し示す方法)、Verbal Rating Scale(VRS: 0;痛くない、1;少し痛む、2;かなり痛む、3;耐えられない程度痛む、の4段階で痛みを評価する方法)、Face Rating Scale(FRS: 表情により痛みの強さを表す方法)が用いられる。:\n3:正しい\nがん患者とその家族が、可能な限り質の高い治療・療養生活を送れるように、身体的症状の緩和や精神心理的な問題などへの援助が、終末期だけでなく、がんと診断された時からがん治療と同時に行われることが望まれている。そのため、緩和ケアチームは、がん治療の開始とともに早い時期から介入することが望ましい。4:誤っている\n解説3参照\n5:正しい\nアドバンス・ケア・プランニング(ACP)とは、自らが望む人生の最終段階における医療・ケアについて、事前に考え、医療チーム等と繰り返し話し合い共有する取組みのことであり、緩和ケアチームはACPの実践にも介入する。"} +{"problem_id": "108332", "problem_text": "「ハイリスク薬」とその医薬品が引き起こし得る「重大な健康被害」の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "薬剤師は、特に安全管理が必要な医薬品(ハイリスク薬)の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行う必要がある。1:誤\nシクロスポリンは、免疫抑制剤であり、ハイリスク薬に該当する。シクロスポリンは重大な健康被害として、腎障害、感染症を起こすことがある。2:正\nジゴシキンは、ジギタリス製剤であり、ハイリスク薬に該当する。ジゴキシンは重大な健康被害として、ジギタリス中毒(悪心・嘔吐、不整脈等)を起こすことがある。3:誤\nフェノバルビタールは、抗てんかん薬であり、ハイリスク薬に該当する。フェノバルビタールは重大な健康被害として、依存症、肝機能障害を起こすことがある。4:誤\nワルファリンは、血液凝固阻止剤であり、ハイリスク薬に該当する。ワルファリンは重大な健康被害として、出血、肝機能障害を起こすことがある。5:誤\nソタロールは、抗不整脈薬であり、ハイリスク薬に該当する。ソタロールは重大な健康被害として、不整脈、心不全、心拡大を起こすことがある。"} +{"problem_id": "108333", "problem_text": "65歳女性。体重50kg。深在性真菌症のためボリコナゾールを点滴にて投与開始した。投与開始7日後の維持投与量は3mg/kgで1日2回点滴静注している。血中濃度を測定したところ、平均血中濃度は1.25\\microg/mLを推移していた。治療効果が得られていることから、担当医は経口投与への変更を予定しており、投与量の相談を受けた。12時間間隔での経口投与を提案する場合の1回あたりの投与量(mg)として、最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、ボリコナゾールの全身クリアランスは0.2L/h/kg、本患者のバイオアベイラビリティは75%とする。", "choices": ["100", "150", "200", "300", "400"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "繰り返し経口投与時の投与量D(mg)は、次式で求めることができる。◉経口投与量D(mg)を求める\n経口投与後の定常状態における平均血中濃度が1.25 \\micro g/mL、投与間隔が12時間、全身クリアランスが0.2L/h/kg\\times 50kg=10L/h、バイオアベイラビリティが75%であることから、経口投与量D(mg)を以下のように求めることができる。"} +{"problem_id": "108334", "problem_text": "8歳女児。身長122cm、体重24kg。アレルギー性鼻炎により近医を受診した。父親が、この女児の処方箋を持って薬局を訪れた。父親に確認したところ錠剤を服用できないことがわかり、処方医にフェキソフェナジン塩酸塩ドライシロップ5%への処方変更を提案した。提案した処方薬の1回量及び全量(秤取量)として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "設問よりフェキソフェナジン塩酸塩は、1回30mg(30mg /錠\\times 1錠/回=30mg) 処方されており、また、フェキソフェナジン塩酸塩ドライシロップ5%には1g当たり50mgのフェキソフェナジン塩酸塩が含有されていることから、フェキソフェナジン塩酸塩ドライシロップの1回量は0.6g(30mg/50mg /g=0.6g)となる。本処方では、1日2回、7日分フェキソフェナジン塩酸塩錠が処方されているため、フェキソフェナジンドライシロップ5%の全量は8.4g(0.6g/回\\times 2回/日\\times 7日=8.4g)となる。"} +{"problem_id": "108335", "problem_text": "成人男性が一般用医薬品を求めて薬局を訪れた。一般用医薬品で対処するよりも受診勧奨が適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["食べすぎによる胃もたれ", "運動による筋肉痛", "腹痛と発熱を伴う便秘", "血液の混じった下痢", "登山後の靴擦れ"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "腹痛と発熱を伴う便秘、血液の混じった下痢が現れている場合、重大な消化管障害(クローン病、潰瘍性大腸炎など)の可能性があるため、一般用医薬品で対処せず、受診する必要がある。なお、食べ過ぎによる胃もたれ、運動による筋肉痛、登山後の靴擦れは理由が明確であり、一般用医薬品で対応することが可能である。"} +{"problem_id": "108336", "problem_text": "術後の疼痛に対して以下が処方され、薬剤をシリンジ内に全量調製したが、患者への投与前に医師より中止の指示が出されたため施用されなかった。麻薬管理者がこのシリンジを施設の他の職員の立会いのもと、回収困難な方法で廃棄した。都道府県知事への届出に関して正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["廃棄した7日後に麻薬事故届を提出した。", "廃棄した7日後に麻薬廃棄届を提出した。", "廃棄した7日後に調剤済麻薬廃棄届を提出した。", "廃棄した7日後に麻薬帳簿の該当する箇所をコピーして提出した。", "薬剤調製後であったため届出はしなかった。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "本症例では、フェンタニル注射液を調製後、患者へ投与する前に医師より中止の指示が出されていることから、麻薬管理者は、他の職員の立会いのもと回収困難な方法で調製された後の麻薬を廃棄し、廃棄後30日以内に調剤済麻薬廃棄届を都道府県知事に提出する必要がある。"} +{"problem_id": "108337", "problem_text": "膵がん患者(52歳男性、体表面積1.70m^{2})に対して以下のレジメンに従い治療を開始した。1コース目に副作用が認められたため、2コース目はゲムシタビンを20%減量することになった。2コース目Day1のゲムシタビンの薬液調製に必要なバイアル数として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ゲムシタビン点滴静注用(200mg)4バイアル、ゲムシタビン点滴静注用(1g)1バイアル", "ゲムシタビン点滴静注用(200mg)2バイアル、ゲムシタビン点滴静注用(1g)1バイアル", "ゲムシタビン点滴静注用(200mg)1バイアル、ゲムシタビン点滴静注用(1g)1バイアル", "ゲムシタビン点滴静注用(1g)1バイアル", "ゲムシタビン点滴静注用(200mg)4バイアル"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "◉1コース目のDay1の投与量を求める。本患者は体表面積が1.70m^{2}であることから1コース目のDay1に必要なゲムシタビンは1,000mg /m^{2}\\times 1.70m^{2}=1,700mgとなる。◉2コース目のDay1の投与量を求める。「2コース目はゲムシタビンを20%減量することになった」と記載されているため、2コース目のDay1の投与量は1,360mg(1,700mg\\times 0.8)となるため、ゲムシタビン点滴静注用(200mg)2バイアル、ゲムシタビン点滴静注用(1g)1バイアルが必要である。"} +{"problem_id": "108338", "problem_text": "悪性リンパ腫に対してリツキシマブ、メトトレキサート・ホリナート救援療法を実施した。メトトレキサート投与後の時間ごとの血中濃度は下表のとおりである。メトトレキサートの72時間後の血中濃度が、重篤な副作用が発現する危険性が高い0.1\\micromol/Lを超えていたためホリナート投与を継続している。この患者の血中メトトレキサート濃度が0.1\\micromol/L未満となるのは投与何日後と推測されるか。1つ選べ。", "choices": ["6", "7", "8", "9", "10"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "設問に「メトトレキサートは投与後72時間以降1次速度で消失するものとする」と記載されており、また、120時間の血中濃度(0.36\\micromol /L)が、投与後72時間の血中濃度(0.72\\micromol /L)の半分であることから、投与後72時間以降のメトトレキサートの半減期は48時間である。このことから血中濃度は下記のように変化すると考えられるため、この患者の血中メトトレキサート濃度が0.1\\micromol/L未満となるのは投与9日(216時間)後と推測される。"} +{"problem_id": "108339", "problem_text": "病院薬剤部において、薬物治療の質向上や効率化を図るため、プロトコルに基づく薬物治療管理(PBPM)を検討することとなった。PBPMに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬剤部内で内容を取り決め、診療科に通知して実施する。", "プロトコルを取り決めれば、医師の承認を得ずに、病棟担当薬剤師による処方が可能である。", "クリニカルパスと同義である。", "他の病院において実施・公開されているプロトコルは、院内の承認を経ずに実施可能である。", "導入により、治療効果、入院期間短縮、患者QOLの向上などの観点から評価を行い、業務改善に繋げることができる。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "プロトコルに基づく薬物治療管理(PBPM)とは、薬剤師に認められている現行法の業務の中で、医師と合意したプロトコルに従って薬剤師が主体的に実践する業務を行うことである。PBPMの実践により、薬剤師の専門能力に基づく薬物治療の高度化や安全性確保、医師の業務負担軽減などが期待できる。プロトコルの導入により、入院期間短縮、患者QOLの向上などの観点から評価を行い、業務改善に繋げることができる。なお、クリニカルパスとは、良質な医療を効率的かつ安全、適正に提供するための診療計画表であり、PBPMとは異なる。"} +{"problem_id": "108340", "problem_text": "20歳男性。中学生の頃から夜間不眠かつ日中強烈な眠気を自覚するようになった。高校2年になり、自分の意志で制御出来ない眠気に襲われるようになり、就寝後は最長2時間の睡眠と5〜10回の夜間覚醒を繰り返し、起床時の疲れと頭痛、日中の脱力発作、突然の睡眠発作や自転車の居眠り運転が日常となった。生活の維持が困難となり、20歳になって近隣の精神神経科病院を受診した。専門医による。診察と検査の結果、ナルコレプシーと診断され、処方1及び2で治療を開始したが、3ヶ月経過しても���状が改善されないため、今回処方1が処方3に変更された。変更後の処方箋を受け取った薬局薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方医・医療機関が処方3の薬剤の流通管理システムに登録済であることを確認する。", "処方3の薬剤の流通管理システムは薬剤費の抑制を目的としている。", "処方2の用法について就寝前ではなく朝ではないかと処方医に問い合わせる。", "処方3の用法について朝食後就寝前ではなく朝昼食後ではないかと処方医に問い合わせる。", "返却された処方1の薬剤の残りを適切に廃棄・記録し、都道府県知事に届ける。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nメチルフェニデート塩酸塩錠(商品名: リタリン錠)の適正な処方を確保するために、リタリン流通管理基準が定められており、リタリン錠を取り扱うにあたり、ナルコレプシーの診断・治療に精通し、薬物依存を含むリスクを十分に管理できる医師を登録することとされている。よって、処方箋を受けっとった薬剤師は、処方医・医療機関がリタリン錠の薬剤の流通管理システムに登録済であることを確認する必要がある。2:誤\n解説1参照\n3:誤\nクロミプラミン塩酸塩錠をナルコレプシーに伴う情動脱力発作に使用する際には、服用による眠気を伴うことがあるため、通常、就寝前に用いる。4:正\nメチルフェニデート塩酸塩錠をナルコレプシーに用いる際には、通常1〜2回に分割経口投与することとされている。ただし、本剤には覚醒効果があるため、不眠に注意し、夕刻以降の服薬は原則として避けさせることとされている。5:誤\nモダフィニル錠(処方1)は第1種向精神薬であり、患者より返却され廃棄した場合、都道府県知事に届け出る必要はない。"} +{"problem_id": "108341", "problem_text": "37歳女性。以前より右乳房のしこりが気になっていたが、今回職場の検診で改めて指摘され来院した。来院時の身体所見及び検査所見は以下のとおりである。(身体所見及び検査所見) 身長165cm、体重56kg、体表面積1.61m^{2}。乳頭からの分泌物は無く、月経周期や全血球計算並びに各種生化学検査値に異常なし。マンモグラフィで放射状陰影や不整形腫瘤を認め、穿刺吸引細胞診にて浸潤がん細胞を確認した。また、病理組織検査の結果、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陰性及びHER2陰性と判定された。以上の検査結果から、乳房温存摘除術を施行後、化学療法を組合せた内分泌療法を施行することとなった。この患者に対する薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["不正出血などの症状を認めた際には直ちに医師や薬剤師に相談するよう患者に指導する。", "遅発性嘔吐を予防するため、パロノセトロン塩酸塩注射液をプレガバリン口腔内崩壊錠に変更する。", "心筋障害を予防するため、注射用エピルビシン塩酸塩注射用投与24時間以上前にフィルグラスチム(遺伝子組換え)注射液を投与する。", "出血性膀胱炎を予防するため、シクロホスファミド水和物注射用投与の当日にメスナを投与する。", "フルオロウラシル注射液による汎血球減少症を予防するため、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物・L-グルタミン顆粒を投与する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nタモキシフェンは、重大な副作用として、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、子宮内膜症を起こすことがあるため、不正出血などの症状を認めた際には直ちに医師や薬剤師に相談するよう患者に指導する必要がある。2:誤\nパロノセトロン塩酸塩は、半減期の長いセロトニン5-HT_{3}受容体遮断薬であり、抗悪性腫瘍薬投与に伴う遅発性の悪心・嘔吐に有効であるため、変更する必要はない。なお、プレガバリンは、神経障害性疼痛に用いられる。3:誤\nエピルビシン塩酸塩は、心筋障害等の重篤な副作用を起こすことがあるため、臨床検査等を行い、患者の状態を十分に観察しながら投与する必要がある。なお、フィルグラスチムは、がん化学療法に伴う好中球減少症に用いられる。4:正\nシクロホスファミド水和物は、副作用として出血性膀胱炎を起こすことがあるため、出血性膀胱炎を予防する目的で、シクロホスファミド水和物投与の当日にメスナを���与する。5:誤\nフルオロウラシルは、副作用として骨髄抑制に伴う汎血球減少症を起こすことがあるため、定期的に臨床検査を行う必要がある。なお、アルレンスルホン酸ナトリウム水和物・L-グルタミン顆粒は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎における症状の改善に用いられる。"} +{"problem_id": "108342", "problem_text": "48歳女性。以前から腹部膨満感や下腹部の痛みを自覚していた。病院を受診したところ卵巣がんが判明し、StageIIIと診断され手術が施行された。術後化学療法としてパクリタキセル、カルボプラチン(TC療法)とベバシズマブによる併用療法が開始となった。薬剤師が行う薬学的関与として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["治療中は、定期的な尿検査によって尿タンパクの有無を確認する。", "パクリタキセル投与に伴い、予防的な低カリウム血症対策を実施するように医師に提案する。", "血圧が上昇したときは、ベバシズマブの中止を医師に提案する。", "腎障害予防策として、カルボプラチン投与前後に十分な補液と利尿剤の投与が実施されているかを確認する。", "カルボプラチンの投与量の監査は、腎機能を考慮して行う。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nベバシズマブを投与することにより、タンパク尿が現れることがあるので、定期的な尿検査によって尿タンパクの有無を確認する必要がある。2:誤\nパクリタキセル投与に伴い、予防的な低カリウム血症対策を実施する必要はない。3:誤\nベバシズマブを投与することにより、高血圧が現れることがあるため、投与期間中は血圧を定期的に測定し、適切な処置を行う必要がある。血圧が軽度に上昇した場合は、降圧薬(ACE阻害薬、ARBなど)を投与するなどの処置を行い、高血圧脳症や高血圧性クリーゼなどの副作用が生じた場合は、投与中止するなどの処置が必要となる。よって、血圧が上昇しただけではベバシズマブの中止を医師に提案することは不適切である。4:誤\nカルボプラチンを投与するにあたり投与前後に十分な補液と利尿剤を投与する必要はない。なお、腎障害予防策として、投与前後に十分な補液と利尿剤の投与が実施されるのはシスプラチンの場合である。5:正\nカルボプラチンの投与量は、カルバートの式(投与量=目標AUC\\times (GFR+25))を用いて算出する。GFR(糸球体ろ過量)は腎機能の指標であることから、カルボプラチンを投与する際には、腎機能を考慮する必要がある。"} +{"problem_id": "108343", "problem_text": "68歳女性。急性閉塞隅角緑内障疑いで経過観察中。3日前から頻尿と尿意切迫感がみられるようになり、これに伴い夜眠れないことが多くなり、内科を受診した。検査結果は以下のとおりである。尿所見: 蛋白(土)、糖(-)。沈渣に赤血球1〜4/1視野、白血球1〜4/1視野、細菌(-)。腹部超音波検査で残尿を認めない。この患者の尿路症状改善に対する治療薬について、医師から薬剤師に相談があった。提案すべき薬物として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["レボフロキサシン水和物", "アルプラゾラム", "プロピベリン塩酸塩", "タムスロシン塩酸塩", "ビベグロン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n本症例では、細菌(-)であることから、感染症により頻尿と尿意切迫感が現れている可能性が低いため、抗菌薬であるレボフロキサシン水和物を提案することは不適切である。2:誤\nアルプラゾラムは、抗コリン作用を有しており、眼圧上昇により症状を悪化させる可能性があるため、急性閉塞隅角緑内障の患者に投与することはできない。3:誤\nプロピベリンは、抗コリン作用を有しており、眼圧上昇により症状を悪化させる可能性があるため、急性閉塞隅角緑内障の患者に投与することはできない。4:誤\nタムスロシン塩酸塩は、前立腺肥大症に伴う排尿障害に用いられる。本症例における患者は女性であるため、タムスロシン塩酸塩が用いられることはない。5:正\n本症例では、細菌(-)であり、頻尿と尿意切迫感が認められているため、過活動膀胱の可能性が高い。ビベグロンは、アドレナリン\\beta _{3}受容体刺激薬であり、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び尿意切迫感に用いられるため、ビベグロンを提案することは適切である。"} +{"problem_id": "108344", "problem_text": "51歳男性。身長170cm、体重57kg。健康診断の胸部X線検査にて異常が見られたため、胸部CTなど精査を行ったところ、EGFR遺伝子変異陽性、進行・切除不能(StageIV)の非小細胞肺癌と診断され、以下の処方で治療を開始することとなった。薬剤師が本剤の服用開始にあたり、患者に指導すべき内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["食事の影響を回避するため、本剤服用後1時間は食事をしない。", "副作用発現の可能性が高まるため、グレープフルーツを摂取しない。", "咳嗽、発熱などが生じた場合は、すぐに医師に連絡する。", "下痢が発現した際には、止瀉薬を直ちに服用する。", "爪囲炎やざ瘡様皮疹対策として、保湿剤を塗布する。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:適切である\n本剤を食後に投与すると、AUC及びCmaxが低下するため、本剤服用後1時間は食事をしないよう指導する必要がある。2:適切でない\n本剤とグレープフルーツとの相互作用は報告されていないため、グレープフルーツを摂取しないように指導することは適切ではない。3:適切である\n本剤は重大な副作用として間質性肺疾患を起こすことがあるため、咳嗽、発熱などが生じた場合は、すぐに医師に連絡するように指導する必要がある。4:適切である\n本剤投与により下痢が認められた場合には、直ちに止瀉薬を服用する必要がある。ただし、止瀉薬を継続して投与しても症状が改善しない場合には、本剤の投与中断や減量を行うことが推奨される。5:適切である\n本剤投与によりざ瘡様皮疹や爪周炎などを生じることがあるため、その対策として副腎皮質ステロイド性外用剤、保湿剤(ヘパリン類似物質)を塗布する。"} +{"problem_id": "108345", "problem_text": "75歳男性。身長165cm、体重55kg。3年前に発症した右脳梗塞の後遺症のために、左半身麻痺があり、通院にてリハビリを行っている。ベッド上で過ごすことが多く、自力による体位変換はほとんどできず、1日3回のオムツ交換を行っている。今回、肺炎の疑いにて緊急入院となった。入院後、褥瘡対策チームが回診を行ったところ、仙骨部に3\\times 5cmの褥瘡を認めた。創面は黄色、皮下脂肪組織までの欠損があり、感染を伴う混濁した黄色の浸出液が多く認められた。そのため、以下の処方で治療が開始されることとなった。(入院時検査所見) 血清アルブミン2.1g/dL、CRP 11.0mg/dL、白血球18,000/\\microL、AST 24IU/L、ALT 22IU/L、BUN 22.9mg/dL、血清クレアチニン0.9mg/dL 薬剤師から家族への説明として、適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["この薬は、滲出液が多い場合に使用します。", "この薬は、殺菌作用により患部の回復を早めるために使用します。", "この薬は、創面を保護するために使用します。", "栄養状態が良くないので、十分な栄養が必要です。", "褥瘡の重症化予防のため、定期的な体位変換が必要です。"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:適切である\n本剤(カデックス軟膏)の基材は、水溶性基材であるマクロゴールであることから滲出液の吸収を目的として用いられる。2:適切である\n本剤にはヨウ素が含まれているため、殺菌作用により患部の回復を促進する作用を有する。3:誤っている\n本剤の基材は水溶性基材であるため、創面を保護する目的で用いられない。4:適切である\n本患者の血清アルブミン(基準値: 4.0〜5.0g/dL)が低値を示しているため、栄養状態が悪いことにより褥瘡を誘発している可能性がある。そのため、栄養状態を良くするために十分な栄養が必要である。5:適切である\n褥瘡の主な原因として、体圧による持続的な圧迫、栄養状態の悪化、湿潤、ADLの低下があげられる。定期的に体位変換を行うことにより、長時間同じ部位が圧迫されることを回避できるため、褥瘡の重症化を予防することが可能となる。"} +{"problem_id": "109001", "problem_text": "永久双極子モーメントをもつ分子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ベンゼン", "メタン", "二酸化炭素", "水", "四塩化炭素"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "双極子モーメントは、分子内の電化の偏りの程度を示すベクトル量であり、分子内の正電荷と負電荷の重心が一致しない場合、永久双極子モーメントをもつ。また、永久双極子モーメントをもつ分子を極性分子、永久双極子モーメントをもたない分子を無極性分子という。選択肢のうち、永久双極子モーメントをもつ極性分子は水である。"} +{"problem_id": "109002", "problem_text": "SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った後、タンパク質の染色に用いる最も適切な化合物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ニンヒドリン", "臭化エチジウム", "o-フタルアルデヒド", "フルオレセインイソチオシアネート", "クーマシーブリリアントブルー(クマシーブリリアントブルー)"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\nニンヒドリンは、一般にアミノ酸やイミノ酸を検出する際に用いられる。ニンヒドリンは、アミノ酸と反応すると青紫色、イミノ酸と反応することで黄色を呈する。2:誤\n臭化エチジウムは、核酸を検出する際に用いられる。臭化エチジウムは、2本鎖で形成される核酸にインターカレーション(隙間に挿入)されることで蛍光を発光する。3:誤\no-フタルアルデヒドは、アミノ酸を検出する際に用いられる。o-フタルアルデヒドは、アミノ酸と反応すると蛍光を発光する。4:誤\nフルオレセインイソチオシアネートは、タンパク質などのターゲット分子と反応し、蛍光を発するため、プローブ(ターゲット分子を検出するための標識)として用いられる。5:正\nクーマシーブリリアントブルー(クマシーブリリアントブルー)は、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った後、タンパク質の染色に用いられる。"} +{"problem_id": "109003", "problem_text": "オステオカルシンのグルタミン酸残基の\\gamma -カルボキシ化を促進するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メナテトレノン", "エルカトニン", "カルシトリオール", "テリパラチド", "イプリフラボン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nメナテトレノンは、ビタミンK_{2}製剤であり、骨基質のオステオカルシンを\\gamma -カルボキシル化することにより正常な骨代謝を促進する。2:誤\nエルカトニンは、カルシトニン製剤であり、破骨細胞のカルシトニン受容体に作用することにより骨吸収を抑制する。3:誤\nカルシトリオールは、ビタミンD製剤であり、腸管からのCa^{2+}の吸収を促進し、副甲状腺ホルモン(パラトルモン)の合成・分泌を抑制する。また、破骨細胞の機能を抑制して骨吸収を抑制する。4:誤\nテリパラチドは、副甲状腺ホルモン製剤であり、間歇的投与により前駆細胞から骨芽細胞への分化促進、骨芽細胞のアポトーシスの抑制し、骨形成を促進する。5:誤\nイプリフラボンは、イソフラボン製剤であり、直接作用により骨吸収抑制作用を示すとともにエストロゲンによるカルシトニン分泌促進作用を増強することにより間接的に骨吸収を抑制する。"} +{"problem_id": "109004", "problem_text": "抗悪性腫瘍薬のうち、チュブリンに結合し微小管の重合を阻害するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シスプラチン", "メトトレキサート", "ビンクリスチン", "フルオロウラシル", "ブレオマイシン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nシスプラチンは、白金製剤であり、DNAに架橋を形成することによりS期、M期の進行を抑制する。2:誤\nメトトレキサートは、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)を阻害し、テトラヒドロ葉酸の合成を抑制することによりチミジル酸合成酵素を阻害する。3:正\nビンクリスチンは、チュブリンの重合を阻害し、微小管を崩壊させ、紡錘糸機能を障害することで細胞分裂を停止させアポトーシスを誘発する。4:誤\nフルオロウラシルは、ウラシルに類似した構造を有しており、生理的なウラシル代謝経路でFdUMP(フルオロデオキシウリジル酸)となり、チミジル酸合成酵素を阻害する。5:誤\nブレオマイシンは、鉄イオンとキレート形成し、活性酸素(フリーラジカル)を発生させ、非酵素的にDNA鎖を切断する。"} +{"problem_id": "109005", "problem_text": "25^{\\circ} Cにおける0.01mol/L安息香酸水溶液のpHに最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、安息香酸のpKa=4.2(25^{\\circ} C)とする。", "choices": ["1.5", "3.0", "4.5", "6.0", "7.5"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109006", "problem_text": "同圧下で沸点が最も高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109007", "problem_text": "活性酸素種でない��はどれか。1つ選べ。", "choices": ["^{1}O_{2}", "^{3}O_{2}", "^{・}O_{2}^{-}", "^{・}OH", "H_{2}O_{2}"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109008", "problem_text": "転移反応はどれか。1つ選べ。ただし、すべての反応は終了後、適切な後処理を施していることとする。また、生成物は主生成物のみを示している。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109009", "problem_text": "図は、エチレンへの塩化水素の付加反応における反応の進行度とポテンシャルエネルギーの関係を表している。塩化物イオンが求核攻撃する段階の活性化エネルギーはどれか。1つ選べ。", "choices": ["E_{1}", "E_{1}-E_{2}", "E_{3}", "E_{2}+E_{3}", "E_{4}"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109010", "problem_text": "以下の生薬のうち、排尿障害を悪化させる可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ", "choices": ["ゲンノショウコ", "センブリ", "ケツメイシ", "ロートコン", "オウバク"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109011", "problem_text": "第8脳神経によって主に伝えられる感覚はどれか。1つ選べ。", "choices": ["嗅覚", "視覚", "聴覚", "味覚", "触覚"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "第8脳神経は、聴神経とも呼ばれ、聴覚を担当する神経である。第8脳神経が障害されると、聴覚障害を生じる可能性がある。1:誤\n嗅覚は、第1脳神経(嗅神経)によって伝えられる。2:誤\n視覚は、第2脳神経(視神経)によって伝えられる。3:正\n前記参照\n4:誤\n味覚は、第7脳神経(顔面神経: 舌前2/3の味覚に関与)、第9脳神経(舌咽神経: 舌後1/3の味覚に関与)によって伝えられる。5:誤\n触覚は感覚神経によって伝えられる。"} +{"problem_id": "109012", "problem_text": "真核細胞の核内のDNAとは別に、独立したDNAを遺伝情報として有する細胞小器官はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ペルオキシソーム", "ミトコンドリア", "リソソーム", "ゴルジ体", "小胞体"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "真核細胞の核内のDNAとは別に、独立したDNAを遺伝情報として有する細胞小器官は、ミトコンドリアである。ミトコンドリアは細胞小器官であり、細胞内のエネルギー生産に関与している。ミトコンドリアは独自のDNAを有しており、このDNAには、ミトコンドリア内でのエネルギー生産に関連するタンパク質の一部をコードする遺伝情報が含まれている。"} +{"problem_id": "109013", "problem_text": "核内受容体のリガンドの前駆体となるビタミンはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ナイアシン", "ピリドキシン", "パントテン酸", "レチノール", "ビオチン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "核内受容体のリガンドの前駆体となるビタミンは、レチノール(ビタミンA)である。レチノールは肝臓でレチノイン酸となり、核内のレチノイン酸受容体と結合することで遺伝子の発現を制御する。1:誤\nナイアシン(ニコチン酸、ニコチン酸アミド)は、酸化還元反応及び糖質、脂質の代謝反応などの補酵素として働く。2:誤\nピリドキシン(ビタミンB_{6})は、アミノ基転移酵素(アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)の補酵素として働く。3:誤\nパントテン酸は、補酵素A(CoA)となり、カルボン酸を活性化し、アシル基転移反応の補酵素として働く。4:正\n前記参照\n5:誤\nビオチンは、ピルビン酸カルボキシラーゼ、アセチルCoAカルボキシラーゼの補酵素として働く。"} +{"problem_id": "109014", "problem_text": "血漿リポタンパク質のうち、その組成に占めるコレステロールの割合が最も高く、肝臓から全身の組織へのコレステロール輸送を主として担うのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["キロミクロン", "超低密度リポタンパク質(VLDL)", "中間密度リポタンパク質(IDL)", "低密度リポタンパク質(LDL)", "高密度リポタンパク質(HDL)"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "血漿リポタンパク質のうち、その組成に占めるコレステロールの割合が最も高く、肝臓から全身の組織へのコレステロール輸送を主として担うのは、低密度リポタンパク質(LDL)である。"} +{"problem_id": "109015", "problem_text": "主要組織適合遺伝子複合体(MHC)のクラスI分子とクラスII分子の両方で抗原提示できる免疫担当細胞はどれか。1つ選べ。", "choices": ["樹状���胞", "キラーT細胞", "好中球", "巨核球", "制御性T細胞"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "主要組織適合遺伝子複合体(MHC)のクラスIは、ほとんどの有核細胞、血小板に発現しており、細胞内で産生されるペプチドを提示している。それに対して、MHCのクラスIIは、抗原提示細胞(樹状細胞、マクロファージ、B細胞)に発現しており、外来抗原ペプチドを提示している。よって、抗原提示細胞(樹状細胞、マクロファージ、B細胞)にはMHCのクラスI分子とクラスII分子が両方発現している。"} +{"problem_id": "109016", "problem_text": "対象集団について、ある一時点における疾病の有無と要因の保有状況を調査し、その関連を明らかにする疫学研究手法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["症例対照研究", "縦断的研究", "介入研究", "コホート研究", "横断的研究"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109017", "problem_text": "予防接種が勧奨されている子宮頸がんのリスク要因はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ヒト単純ヘルペスウイルス", "梅毒トレポネーマ", "クラミジア・トラコマチス", "ヒトパピローマウイルス", "淋菌"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109018", "problem_text": "事業者が、常時従事する労働者に対して特殊健康診断を受診させることが義務付けられているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["石綿(アスベスト)の粉じんを発散する場所における業務", "重量物を取り扱う業務", "著しく暑熱な場所における業務", "電子計算機への入力を反復して行う業務", "著しい騒音を発する場所における業務"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "109019", "problem_text": "下図は、食事摂取基準における摂取量とリスクの概念図である。図中のAで示されるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["耐用上限量", "推奨量", "目安量", "推定平均必要量", "目標量"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109020", "problem_text": "ホルムアルデヒドや有機酸の殺菌静菌作用によって食品の保存性を高める方法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["乾燥", "塩蔵", "くん煙", "冷蔵", "糖漬"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109021", "problem_text": "シモン反応によって確認できる薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "109022", "problem_text": "遺伝毒性発がん物質のリスク評価に用いられる指標はどれか。1つ選べ。", "choices": ["許容一日摂取量", "耐容一日摂取量", "実質安全量", "急性参照用量", "無毒性量"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109023", "problem_text": "以下の生体組織のうち、放射線に対する感受性が最も高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["神経組織", "造血組織", "皮膚組織", "筋肉組織", "脂肪組織"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109024", "problem_text": "地上部での光化学オキシダントの生成に関与する主な非電離放射線はどれか。1つ選べ。", "choices": ["遠赤外線", "近赤外線", "可視光線", "UV-A", "UV-C"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109025", "problem_text": "下図は、環境基本法で規定されている7種類の公害(典型七公害)の種類別公害苦情件数の推移を示したものである。アに該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["悪臭", "振動", "水質汚濁", "騒音", "大気汚染"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109026", "problem_text": "禁煙補助薬として用いられるニコチン性アセチルコリン受容体部分刺激薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["シアナミド", "ナロキソン", "ニコチン", "バレニクリン", "フルマゼニル"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nシアナミドは、アルデヒドデヒドロゲナーゼを阻害し、肝臓でのエタノールの代謝を抑制することでアセトアルデヒドを蓄積させる作用を有しており、酒量抑制剤として用いられる。2:誤\nナロキソンは、中枢神経においてオピオイド\\micro受容体遮断作用を有しており、モルヒネによる呼吸抑制を改善する目的で用いられる。3:誤\nニコチンは、ニコチン性アセチルコリン受容体刺激作用を有しており、禁煙補助薬として用いられる。4:正バレニクリンは、\\alpha _{4}\\beta _{2}ニコチン受容体部分刺激作用を有しており、禁煙補助薬���して用いられる。5:誤\nフルマゼニルは、ベンゾジアゼピン受容体を遮断する作用を有しており、ベンゾジアゼピン系薬による呼吸抑制を改善する目的で用いられる。"} +{"problem_id": "109027", "problem_text": "自律神経節遮断薬の効果として、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["心拍数低下", "散瞳", "消化管運動促進", "排尿促進", "発汗促進"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "自律神経節遮断薬の効果は、各臓器に対して優位に働く神経節に強く現れる。交感神経が優位な臓器: 血管、汗腺\n副交感神経が優位な臓器: 心臓、毛様体筋、消化管、膀胱、唾液腺\n1:誤\n心臓は副交感神経の支配が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、副交感神経の作用が抑制され、心機能亢進する(心拍数が増加する)。2:正\n瞳孔括約筋は副交感神経の支配が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、副交感神経の作用が抑制され、瞳孔括約筋が弛緩する(散瞳が起こる)。3:誤\n消化管は副交感神経の支配が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、副交感神経の作用が抑制され、消化管の運動機能が低下する(消化管の緊張低下や便秘が生じる)。4:誤\n膀胱は副交感神経の支配が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、副交感神経の作用が抑制され、排尿抑制が起こる。5:誤\n汗腺は交感神経の支配が優位な臓器である。そのため、自律神経節遮断薬を投与すると、交感神経の作用が抑制され、汗の分泌が低下する。"} +{"problem_id": "109028", "problem_text": "リスペリドンが高プロラクチン血症を引き起こす機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["線条体でのドパミンD_{2}受容体遮断", "線条体でのセロトニン5-HT_{2A}受容体遮断", "前頭前野でのドパミンD_{2}受容体遮断", "下垂体でのセロトニン5-HT_{2A}受容体遮断", "下垂体でのドパミンD_{2}受容体遮断"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "リスペリドンは、ドパミンD_{2}受容体及びセロトニン5-HT_{2}受容体遮断作用を有しており、統合失調症治療薬として用いられている。リスペリドンは、漏斗-下垂体経路においてドパミンD_{2}受容体を遮断し、プロラクチン分泌を促進させるため、副作用として高プロラクチン血症を引き起こす。【中枢におけるドパミン経路】"} +{"problem_id": "109029", "problem_text": "アバタセプトの関節リウマチ治療効果発現の標的分子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["CD28", "細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)", "CD80/CD86", "IL-6受容体", "TNF-\\alpha"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "アバタセプトは、T細胞選択的共刺激調整剤であり、抗原提示細胞に存在するCD80/CD86に結合することでCD28を介した共刺激シグナルを阻害する。その結果、関節リウマチの発症に関与するT細胞の活性化及びサイトカイン産生を抑制し、さらに他の免疫細胞の活性化あるいは関節中の結合組織細胞の活性化による炎症性メディエーターの産生を抑制する。"} +{"problem_id": "109030", "problem_text": "オステオカルシンのグルタミン酸残基の\\gamma -カルボキシ化を促進するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["メナテトレノン", "エルカトニン", "カルシトリオール", "テリパラチド", "イプリフラボン"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nメナテトレノンは、ビタミンK_{2}製剤であり、骨基質のオステオカルシンを\\gamma -カルボキシル化することにより正常な骨代謝を促進する。2:誤\nエルカトニンは、カルシトニン製剤であり、破骨細胞のカルシトニン受容体に作用することにより骨吸収を抑制する。3:誤\nカルシトリオールは、ビタミンD製剤であり、腸管からのCa^{2+}の吸収を促進し、副甲状腺ホルモン(パラトルモン)の合成・分泌を抑制する。また、破骨細胞の機能を抑制して骨吸収を抑制する。4:誤\nテリパラチドは、副甲状腺ホルモン製剤であり、間歇的投与により前駆細胞から骨芽細胞への分化促進、骨芽細胞のアポトーシスの抑制し、骨形成を促進する。5:誤\nイプリフラボンは、イソフラボン製剤であり、直接作用により骨吸収抑制作用を示すとともにエストロゲンによるカルシトニン分泌促進作用を増強することにより間接的に骨吸収を抑制する。"} +{"problem_id": "109031", "problem_text": "血管平滑���細胞において、可溶性グアニル酸シクラーゼを刺激して血管拡張作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルプロスタジル", "シルデナフィル", "ベラプロスト", "リオシグアト", "マシテンタン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\nアルプロスタジルは、プロスタグランジンE_{1}製剤であり、プロスタノイドEP受容体を刺激し、アデニル酸シクラーゼを活性化して血管拡張作用を示す。2:誤\nシルデナフィルは、ホスホジエステラーゼV阻害薬であり、ホスホジエステラーゼVを阻害して血管拡張作用を示す。3:誤\nベラプロストは、プロスタグランジンI_{2}誘導体であり、プロスタノイドIP受容体を刺激し、アデニル酸シクラーゼを活性化して血管拡張作用を示す。4:正\nリオシグアトは、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤であり、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の感受性を高めるとともに直接sGC刺激することで、cGMPの産生を促進する。5:誤\nマシテンタンは、エンドセリン受容体拮抗薬であり、エンドセリンA及びエンドセリンB受容体を遮断して血管拡張作用を示す。"} +{"problem_id": "109032", "problem_text": "プラスミンのフィブリンへの結合を阻害することで、止血作用を示すのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["フィトナジオン", "プロタミン", "トラネキサム酸", "ヘモコアグラーゼ", "カルバゾクロムスルホン酸"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nフィトナジオンは、ビタミンK_{1}製剤であり、肝臓において第II因子(プロトロンビン)、第VII因子、第IX因子、第X因子の合成を促進し、止血作用を示す。2:誤\nプロタミンは、塩基性薬物であり、酸性ムコ多糖であるヘパリンナトリウムの解毒剤として用いられる。3:正\nトラネキサム酸は、プラスミノーゲンやプラスミンのリジン結合部位に結合し、フィブリンの分解を阻害することで、止血作用を示す。4:誤\nヘモコアグラーゼは、蛇毒由来の止血剤であり、トロンビン様作用、トロンボプラスチン様作用により止血作用を示す。5:誤\nカルバゾクロムスルホン酸は、細血管に作用し、血管透過性抑制作用、血管抵抗増強作用を示す。"} +{"problem_id": "109033", "problem_text": "メフルシドの利尿作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体刺激", "バソプレシンV_{2}受容体遮断", "上皮性Na^{+}チャネル遮断", "Na^{+}-Cl^{-}共輸送体阻害", "炭酸脱水酵素阻害"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "メフルシドは、遠位尿細管前半部のNa^{+}-Cl^{-}共輸送系を抑制し、Na^{+}、H_{2}Oの再吸収を抑制することで利尿作用を示す。"} +{"problem_id": "109034", "problem_text": "ウメクリジニウムの気管支収縮抑制作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ホスホジエステラーゼ阻害", "アデノシンA_{1}受容体遮断", "アドレナリン\\beta _{2}受容体刺激", "アセチルコリンM_{3}受容体遮断", "エラスターゼ阻害"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "ウメクリジニウムは、長時間作用型抗コリン薬であり、アセチルコリンM_{3}受容体を遮断することで気管支収縮抑制作用を示すため、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の気道閉塞障害による諸症状の緩解に用いられる。"} +{"problem_id": "109035", "problem_text": "トリメブチンの消化管運動調節作用の機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ドパミンD_{2}受容体遮断", "コリンエステラーゼ阻害", "アセチルコリンM_{3}受容体刺激", "セロトニン5-HT_{4}受容体刺激", "オピオイド\\micro受容体刺激"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "トリメブチンは、消化管運動亢進時には、腸のアセチルコリン作動性神経の前膜におけるオピオイド\\micro受容体を刺激することで腸管運動を抑制し、消化管運動が低下時には、アドレナリン作動性神経シナプスの前膜におけるオピオイド\\micro受容体を刺激することで、消化管運動を促進する。"} +{"problem_id": "109036", "problem_text": "ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質(MTP)を阻害する脂質異常症治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["エゼチミブ", "エボロクマブ", "ロミタピド", "アトルバスタチン", "ペマフィブラート"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nエゼチミブは、小腸壁のコレステロールトランスポーターであるNPC1L1に結合し、コレステロールの吸収を選択的に阻害する。2:誤\nエボロクマブは、ヒト抗PCSK9モノクローナル抗体製剤であり、LDL受容体分解促進タンパク質であるPCSK9に高い親和性を示し、PCSK9のLDL受容体への結合を阻害することでLDL受容体の分解を抑制する。3:正\nロミタピドは、小胞体内腔に存在するミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)に直接結合し、脂質輸送を阻害することにより、肝臓細胞、小腸細胞内においてトリグリセリドとアポBを含むリポタンパク質の会合を阻害する。4:誤\nアトルバスタチンは、3-ヒロドキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)をメバロン酸に変換する酵素であるHMG-CoA還元酵素を阻害し、肝細胞内でのコレステロール合成を抑制する。5:誤\nペマフィブラートは、核内タンパク質であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体\\alpha (PPAR\\alpha )に結合し、リポ蛋白リパーゼ(LPL)を活性化することによりトリグリセリドの分解を促進する。"} +{"problem_id": "109037", "problem_text": "ソマトスタチン受容体を刺激して、消化管ホルモン産生腫瘍に伴う諸症状を改善するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["オクトレオチド", "ソマトレリン", "ソマトロピン", "プロチレリン", "ペグビソマント"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nオクトレオチドは、ソマトスタチン(GHRIH: 成長ホルモン放出抑制ホルモン)受容体を刺激し、成長ホルモン(GH)、消化管ホルモンの分泌を抑制する。2:誤\nソマトレリンは、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)受容体を刺激し、GHの分泌を促進する。3:誤\nソマトロピンは、遺伝子組換え成長ホルモンであり、肝臓等の成長ホルモン受容体を刺激することでインスリン様成長因子-1(IGF-1)の分泌を促進する。4:誤\nプロチレリンは、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)受容体に作用し、TSHの分泌を促進するとともにプロラクチンの分泌を促進する。5:誤\nペグビソマントは、成長ホルモン受容体拮抗薬であり、インスリン様成長因子-1(IGF-1)の合成・分泌を阻害する。"} +{"problem_id": "109038", "problem_text": "ホスホジエステラーゼ4(PDE4)を阻害することで、炎症性サイトカインの産生を抑制する尋常性乾癬の治療薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["マキサカルシトール", "エトレチナート", "アプレミラスト", "セクキヌマブ", "ブロダルマブ"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nマキサカルシトールは、ビタミンD受容体に結合し、表皮角化細胞に対する分化誘導作用や異常増殖抑制作用、IL-6の分泌抑制作用を示す。2:誤\nエトレチナートは、ビタミンA誘導体であり、角質細胞の粘着力を低下させると共に正常な上皮細胞の再形成を促進させる。3:正\nアプレミラストは、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)を阻害し、細胞内で炎症性及び抗炎症性メディエーター調節作用を示す。4:誤\nセクキヌマブは、抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体であり、炎症性サイトカインであるIL17Aと結合し、IL-17AのIL-17A受容体への結合を阻害する。5:誤\nブロダルマブは、抗ヒトIL-17受容体A(IL-17RA)モノクローナル抗体であり、IL-17RAに結合し、炎症サイトカインによるIL-17RAを介したシグナル伝達を阻害する。"} +{"problem_id": "109039", "problem_text": "DNAジャイレース及びトポイソメラーゼIVを阻害することで、細菌のDNA複製を抑制する抗菌薬はどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:正\nシプロフロキサシンの構造である。シプロフロキサシンは、ニューキノロン系抗菌薬であり、DNAジャイレース(II型トポイソメラーゼ)、トポイソメラーゼIVを阻害することで抗菌作用を示す。2:誤\nテトラサイクリンの構造である。テトラサイクリンは、テトラサイクリン系抗菌薬であり、細菌の小サブユニット(30Sサブユニット)に結合し、タンパク質の合成を阻害することで抗菌作用を示す。3:誤\nカナマイシンの構造である。カナマイシンは、アミノグリコシド系抗菌薬であり、細菌の小サブユニット(30Sサブユニット)に結合し、タンパク質の合成を阻害することで抗菌作用を示す。4:誤\nアモキシシリンの構造である。アモキシシリンは、ペニシリン系抗菌薬であり、ペニシリン結合タンパク質に結合し、細胞壁の合成を阻害することで抗菌作用を示す。5:誤\nアジスロマイシンの構造である。アジスロマイシンは、マクロライド系抗菌薬であり、細菌の大サブユニット(50Sサブユニット)に結合し、タンパク質の合成を阻害することで抗菌作用を示す。"} +{"problem_id": "109040", "problem_text": "抗悪性腫瘍薬のうち、チュブリンに結合し微小管の重合を阻害するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["シスプラチン", "メトトレキサート", "ビンクリスチン", "フルオロウラシル", "ブレオマイシン"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nシスプラチンは、白金製剤であり、DNAに架橋を形成することによりS期、M期の進行を抑制する。2:誤\nメトトレキサートは、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)を阻害し、テトラヒドロ葉酸の合成を抑制することによりチミジル酸合成酵素を阻害する。3:正\nビンクリスチンは、チュブリンの重合を阻害し、微小管を崩壊させ、紡錘糸機能を障害することで細胞分裂を停止させアポトーシスを誘発する。4:誤\nフルオロウラシルは、ウラシルに類似した構造を有しており、生理的なウラシル代謝経路でFdUMP(フルオロデオキシウリジル酸)となり、チミジル酸合成酵素を阻害する。5:誤\nブレオマイシンは、鉄イオンとキレート形成し、活性酸素(フリーラジカル)を発生させ、非酵素的にDNA鎖を切断する。"} +{"problem_id": "109041", "problem_text": "下図に示すFickの法則に従う細胞膜透過において、薬物の透過速度と反比例するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["膜の有効表面積", "薬物の膜中の拡散係数", "膜の厚さ(L)", "薬物の膜への分配係数(C_{1}/C_{out})", "細胞外及び細胞内溶液と接する面の膜中薬物濃度の差(C_{1}-C_{2})"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109042", "problem_text": "小腸上皮細胞を模式的に示した下図中の1〜6のうち、P-糖タンパク質の局在と基質の輸送方向を正しく表しているのはどれか。1つ選べ。ただし、図中の矢印の向きは基質の輸送方向を示す。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "109043", "problem_text": "血漿タンパク質と結合する薬物について、平衡透析法により薬物の血漿タンパク結合率を測定した。半透膜で隔てた透析セルの左側に血漿を、右側に薬物溶液をそれぞれ加え、平衡に達するまで37^{\\circ} Cで振とうした。各透析セルの薬物濃度を[A]〜[C]とするとき、血漿タンパク質に結合した薬物濃度を示す式はどれか。1つ選べ。", "choices": ["[B]+[C]", "[A]+[B]", "[A]-[B]", "[A]-[C]", "[B]-[C]"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109044", "problem_text": "ヒト肝臓において、最も発現量が多いシトクロムP450分子種はどれか。1つ選べ。", "choices": ["CYP1A2", "CYP2C19", "CYP2D6", "CYP2E1", "CYP3A4"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109045", "problem_text": "胆汁中へ排泄が主な消失経路である薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["カナマイシン", "プラバスタチン", "リチウム", "メトトレキサート", "エナラプリル"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109046", "problem_text": "体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う薬物を1日1回経口投与し、定常状態における平均薬物血中濃度を0.2mg/Lとしたい。この薬物の全身クリアランスを0.4L/h/kg、バイオアベイラビリティを0.4とすると、1回あたりの投与量(mg/kg)として最も近い値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["1", "2", "5", "10", "20"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109047", "problem_text": "TDMにおける薬物血中濃度の測定において、全血試料を用いて分析する必要がある薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["テイコプラニン", "バルプロ酸ナトリウム", "フェニトイン", "シクロスポリン", "ジゴキシン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109048", "problem_text": "経口固形製剤からの弱電解質薬物の溶出性に影響を及ぼさない因子はどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬物の粒子径", "薬物の結晶性", "タンパク結合率", "溶液のpH", "溶液の粘度"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109049", "problem_text": "液体の表面張力を測定する方法はどれか。1つ選べ。", "choices": ["溶解度法", "沈降法", "吸着法", "滴重法", "反応速度法"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109050", "problem_text": "複合体を形成することによって、以下の疎���性薬物を安定化するのに用いられる化合物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アスコルビン酸", "シクロデキストリン", "カルメロースナトリウム", "エデト酸ナトリウム水和物", "パラオキシ安息香酸ブチル"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109051", "problem_text": "有効成分を速やかに溶解させ、口腔粘膜から吸収させる口腔用錠剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["溶解錠", "舌下錠", "チュアブル錠", "口腔内崩壊錠", "発泡錠"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109052", "problem_text": "日本薬局方の製剤に関する一般試験法のうち、下図の装置を用いるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["崩壊試験法", "眼軟膏剤の金属性異物試験法", "半固形製剤の流動学的測定法", "粘着力試験法", "吸入剤の空気力学的粒度測定法"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109053", "problem_text": "等張化剤として用いられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エタノール", "ポリソルベート80", "塩酸", "クロロブタノール", "濃グリセリン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109054", "problem_text": "医薬品の二次包装はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ブリスター包装", "PTP(Press Through Package)包装", "ストリップ包装", "ピロー包装", "プラスチックバッグ"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109055", "problem_text": "下の模式図で表される経口徐放性製剤の放出制御膜として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["糖衣", "半透膜", "腸溶性皮膜", "生分解性皮膜", "イオン交換樹脂膜"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109056", "problem_text": "神経節接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生されることにより、筋力低下をきたす自己免疫疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["イートン・ランバート症候群", "重症筋無力症", "ギラン・バレー症候群", "進行性筋ジストロフィー", "筋萎縮性側索硬化症"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nイートン・ランバート症候群は、神経終末に局在する電位依存性カルシウムチャネル抗原に対する自己抗体が産生され、シナプス前終末の異常により筋力低下及び自律神経機能障害をきたす自己免疫疾患である。2:正\n重症筋無力症は、神経節接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体である抗アセチルコリン受容体抗体により筋力低下をきたす自己免疫疾患である。3:誤\nギラン・バレー症候群は、先行する軽度の呼吸器ないし消化器感染症あるいはワクチン接種に引き続き起こる急性炎症性脱髄性の末梢神経障害である。4:誤\n進行性筋ジストロフィーは、骨格筋の壊死・再生を繰り返す進行性の遺伝性の筋疾患である。5:誤\n筋萎縮性側索硬化症は、運動神経の変性により筋萎縮が生じる神経変性疾患である。"} +{"problem_id": "109057", "problem_text": "身体の一部又は全身に瞬間的な筋収縮が起こり、発作持続時間が短く、意識消失の自覚症状が無いことが多いてんかん発作はどれか。1つ選べ。", "choices": ["複雑部分発作", "欠神発作", "強直間代発作", "ミオクロニー発作", "脱力発作"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n複雑部分発作は、意識消失を伴う部分発作であり、自動症(本人の自覚なしに、無意識に行う動作、行動)が認められる。2:誤\n欠神発作は、全般発作であり、小児〜思春期に多く、痙れんを伴わない短時間の意識障害が認められる。3:誤\n強直間代発作は、全般発作であり、突然の意識消失後、強直性痙れん(体軸性の強直)、間代性痙れん(筋肉の収縮・弛緩を繰り返す)、昏睡、睡眠が認められる。4:正\nミオクロニー発作は、全般発作であり、意識消失の自覚症状が無いことが多く、身体の一部又は全身に瞬間的な筋収縮が認められる。5:誤\n脱力発作は、全般発作であり、突然の瞬間的な脱力が認められる。"} +{"problem_id": "109058", "problem_text": "メチルフェニデート塩酸塩が適用される疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["閉塞隅角緑内障", "重症うつ病", "糖尿病性腎症", "くも膜下出血", "ナルコレプシー"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "メチルフェニデート塩酸塩は、シナプス前終末でのドパミン及びノルアドレナリンの再取り込み阻害作用を有している。メチルフェニデート塩酸塩を含む製剤には、メチルフェニデート塩酸塩錠(商品名: リタリン錠)とメチルフェニデート塩酸塩徐放錠(商品名: コンサータ錠)が存在しており、メチルフェニデート錠(商品名: リタリン錠)は、ナルコレプシーに用いられ、また、メチルフェニデート塩酸塩徐放錠(商品名: コンサータ錠)は、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)に用いられる。"} +{"problem_id": "109059", "problem_text": "高ナトリウム血症の患者に禁忌である薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["トルバプタン", "エプレレノン", "エナラプリルマレイン酸塩", "カルベジロール", "フロセミド"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "トルバプタンは、バソプレシンV_{2}受容体遮断薬であり、腎集合管でのバソプレシンによる水の再吸収を阻害することで、選択的に水を排泄し、電解質排泄の増加を伴わない水利尿作用を示す。本剤を投与すると、水利尿作用により高ナトリウム血症が増悪するおそれがあるため、高ナトリウム血症の患者に投与禁忌とされている。"} +{"problem_id": "109060", "problem_text": "臨床所見としてスプーン状爪が認められる疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["鉄欠乏性貧血", "巨赤芽球性貧血", "自己免疫性溶血性貧血", "腎性貧血", "骨髄異形成症候群"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "1:正\n鉄欠乏性貧血は、生体内の鉄の需要が供給量を上回り鉄が欠乏することにより起こる貧血であり、症状として、全身倦怠感、息切れ、舌炎、口内炎、スプーン状爪などが認められる。2:誤\n巨赤芽球性貧血は、ビタミンB_{12}の欠乏や葉酸の欠乏により赤血球核のDNA合成が阻害され、核の成熟障害から細胞質のみが成熟することで起こる貧血であり、症状として、動悸、息切れ、舌炎、白髪(メラニン合成障害)などが認められる。3:誤\n自己免疫性溶血性貧血は、自己の赤血球膜抗原に対する抗体が生じ、抗原抗体反応により赤血球膜が傷害されて赤血球が破壊されることで生じる貧血であり、症状として、動悸、息切れ、黄疸、脾腫などが認められる。4:誤\n腎性貧血は、腎機能が低下することによりエリスロポエチンの分泌が低下し、赤芽球前駆細胞から赤芽球への分化増殖障害により赤血球産生が低下することで起こる貧血であり、症状として、動悸、息切れなどが認められる。5:誤\n骨髄異形成症候群は、骨髄中の造血幹細胞に異常が起き、正常な血液細胞が造られなくなること起こる貧血であり、息切れ、動悸、出血傾向、感染に伴う発熱などが認められる。"} +{"problem_id": "109061", "problem_text": "心電図上でQT間隔の延長により生じやすくなる不整脈はどれか。1つ選べ。", "choices": ["洞停止", "洞房ブロック", "心房細動", "発作性上室頻拍", "多形性心室頻拍"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "QT延長とは、心電図上のQT間隔が通常より長くなることであり、心臓の再分極の遅れや異常を示している。QT延長により、多形性心室頻拍(トルサード・ド・ポワンツ型心室頻拍)が誘発されることがある。多形性心室頻拍(トルサード・ド・ポワンツ型心室頻拍)とは、QRS波形が単一の形でない心室頻拍のことである。"} +{"problem_id": "109062", "problem_text": "副腎皮質ステロイド性薬が適用される腎疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["腎硬化症", "糖尿病性腎症", "痛風腎", "多発性嚢胞腎", "特発性膜性腎症"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n腎硬化症は、高血圧が原因で腎臓の血管に動脈硬化が生じることで起こる腎障害であり、治療薬としてアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体遮断薬、Ca拮抗薬、利尿薬が用いられる。2:誤\n糖尿病性腎症は、高血糖状態が長時間継続し、糸球体ろ過機能障害により起こる腎障害であり、治療薬としてアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンギオテンシンIIAT_{1}受容体遮断薬、Ca拮抗薬、利尿薬が用いられる。3:誤\n痛風腎は、高尿酸状態が長時間継続することで起こる腎障害であり、治療薬として、尿酸産生抑制薬(アリプリノール、フェブキソスタット)が用いられる。4:誤\n多発性嚢胞腎は、腎臓に嚢胞が多数できることで起こる腎障害であり、治療薬として、トルバプタンが用いられる。5:正\n特発性膜性腎症は、ネフローゼ症候群の一種であり、糸球体の毛細血管壁を構成する基底膜に免疫複合体が沈着して基底膜が肥厚し、ろ過機能が低下することで起こる腎障害であり、治療薬として、副腎皮質ステロイド性薬、免疫抑制薬が用いられる。"} +{"problem_id": "109063", "problem_text": "ポリカルボフィルカルシウムが適用される疾患はどれか。1つ選べ。", "choices": ["術後イレウス", "高カルシウム血症", "過敏性腸症候群", "腎不全", "虫垂炎"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "ポリカルボフィルカルシウムは、酸性条件下でカルシウムを脱離してポリカルボフィルとなり、小腸や大腸等の中性条件下で高い吸水性を示し、膨潤・ゲル化する。本剤は、消化管水分保持作用及び消化管内容物輸送作用を有するため、過敏性腸症候群における便通異常(下痢、便秘)及び消化器症状に用いられる。"} +{"problem_id": "109064", "problem_text": "尿路結石を有する痛風患者に対して、最も適切な尿酸降下薬はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ベンズブロマロン", "コルヒチン", "ドチヌラド", "トピロキソスタット", "プロベネシド"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "尿路結石を有する痛風患者に対して、尿酸を降下させる目的で使用される薬物は、尿酸産生抑制薬(アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット)である。なお、尿路結石を有する患者に尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン、ドチヌラド、プロベネシド)を使用すると、尿中尿酸排泄量の増大により、尿路結石を悪化させることがある。"} +{"problem_id": "109065", "problem_text": "手術が適応とならないクッシング症候群の治療に用いる薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["チアマゾール", "ミトタン", "デスモプレシン", "レボチロキシン", "メチロシン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nチアマゾールは、ペルオキダーゼを阻害することでチロキシン(T_{4})、トリヨードチロニン(T_{3})の生合成を抑制するため、甲状腺機能亢進症の治療に用いられる。2:正\nミトタンは、副腎皮質においてステロイドホルモンの合成を阻害するため、副腎癌、手術適応とならないクッシング症候群の治療に用いられる。3:誤\nデスモプレシンは、バソプレシン受容体刺激作用を有するため、夜尿症、中枢性尿崩症の治療に用いられる。4:誤\nレボキロキシンは、甲状腺ホルモン受容体刺激作用を有するため、甲状腺機能低下症の治療に用いられる。5:誤\nメチロシンは、チロシン水酸化酵素を阻害することでカテコールアミン生合成阻害作用を有するため、褐色性細胞腫のカテコールアミン分泌過剰状態の改善に用いられる。"} +{"problem_id": "109066", "problem_text": "褥瘡治療に用いる外用薬のうち、壊死組織除去効果を有するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アルプロスタジルアルファデクス", "ブロメライン", "ポビドンヨード", "ジメチルイソプロピルアズレン", "トレチノイントコフェリル"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109067", "problem_text": "我が国において、肝硬変の原因となるウイルス性肝炎として最も頻度が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["A型肝炎", "B型肝炎", "C型肝炎", "D型肝炎", "E型肝炎"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "我が国において、肝硬変の原因となるウイルス性肝炎として最も頻度が高いのは、C型肝炎である。C型肝炎ウイルスは、2〜3割は一過性の感染で、残りの7〜8割が持続感染する。C型肝炎ウイルスに持続感染すると、肝硬変へと進行し、原発性肝癌を合併することがある。"} +{"problem_id": "109068", "problem_text": "組換え体医薬品の生産プロセスに関する記述について、【:】に入る適切な語句はどれか。1つ選べ。「目的遺伝子を挿入した発現ベクターを細胞に導入し、産生された【:】を精製して組換え体医薬品とする。」", "choices": ["DNA", "RNA", "ゲノム", "タンパク質", "脂質"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "組換え体医薬品は、遺伝子組換え技術や細胞培養技術を用いて製造したタンパク質を有効成分とする医薬品である。組換え体医薬品は、①「目的遺伝子を挿入した発現ベクターを準備する」\\rightarrow ②「①を細胞に導入する」\\rightarrow ③「②の細胞より産生されたタンパク質を精製する」の順で生産される。"} +{"problem_id": "109069", "problem_text": "下図の1〜5は、既存薬Xを対照とした新薬Yの非劣性を検討した5つの臨床試験の結果について、両群の差の95%信頼区間を示したものである。あらかじめ設定された非劣性マージンが-\\Delta のとき、両側5%水準で非劣性が結論づけられるのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "非劣性試験とは、被験薬(新薬Y)が実対照薬(既存薬X)に比べて非劣性マージン以上に劣ることはないことを示す試験である。非劣性マージン(-\\Delta )とは、被験薬(新薬Y)が実対照薬(既存薬X)よりも劣る幅として臨床的に許容される最大レベルのことである。新薬Yが非劣性マージンが-\\Delta のとき、両側5%の水準で非劣性が結論づけられるのは、95%信頼区間が-\\Delta よりも新薬Yが優れるにある場合(選択肢4)である。"} +{"problem_id": "109070", "problem_text": "コンパニオン診断(医薬品の適応判断を目的とした体外診断)のうち、生殖細胞系列遺伝子に対する検査項目はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ALK融合遺伝子", "BRAF遺伝子変異", "BRCA1/2遺伝子変異", "EGFR遺伝子変異", "KRAS遺伝子変異"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "がんの遺伝子異常には、生殖細胞系列変異と体細胞変異がある。BRCA1/2遺伝子変異は、生殖細胞系列変異であり、乳がん、卵巣がんの原因となる。なお、ALK融合遺伝子、BRAF遺伝子変異、EGFR遺伝子変異、KRAS遺伝子変異は、体細胞変異に該当する。コンパニオン診断とは、ある治療薬が患者に効果があるかどうかを治療前にあらかじめ検査することである。PARP阻害薬は生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異陽性の卵巣がん、乳がん、去勢抵抗性前立腺がんに対する治療薬として用いられており、PARP阻害薬を使用する前のコンパニオン診断として、生殖細胞系列のBRCA1/2遺伝子変異を検査する。"} +{"problem_id": "109071", "problem_text": "次のうち、医療における患者のQOLを考えるときに最も重要視すべきなのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者の人間としての尊重", "家族の意思", "費用対効果", "医療者の経済的利益", "医学の進歩"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "QOL(Quality of Life: 生活の質)は、患者が自分の生活をどの程度満足しているか、健康、身体的・精神的な状態、社会的な関係、環境など、さまざまな側面から評価される。医療の目的は患者のQOLを最大化し、豊かで満足した生活を送れるようにすることである。一方、患者の人間としての尊重とは、患者を個々の人間として尊重し、その尊厳を保護することであり、医療従事者が患者の意見や価値観を尊重し、患者の自己決定権を尊重することを意味している。患者のQOLと尊重は、医療の中心において考慮されるべき重要な概念であり、これらの要素を最大限に配慮することが、患者中心のケアを提供するにあたり不可欠である。"} +{"problem_id": "109072", "problem_text": "要配慮個人情報とは、特定の記述等を含む個人情報である。その特定の記述等に該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["生年月日", "病歴", "住所", "学歴", "電話番号"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "個人情報保護法において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう。"} +{"problem_id": "109073", "problem_text": "薬剤師法において規定されている事項はどれか。1つ選べ。", "choices": ["薬局の開設の許可", "管理薬剤師の責務", "一般用医薬品の取扱い", "処方箋中の疑義の照会", "守秘義務"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "選択肢のうち、薬剤師法において規定されている事項は、処方箋中の疑義の照会である。なお、選択肢1〜3は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定されており、選択肢5は、刑法に規定されている。"} +{"problem_id": "109074", "problem_text": "新有効成分含有医薬品等の市販直後調査の実施は、どの時点から6ヶ月と規定されているか。1つ選べ。", "choices": ["承認申請した時", "承認を受けた時", "販売を開始した時", "薬価収載された時", "医薬品リスク管理計画を策定した時"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "新医薬品は使用経験も少なく市販直後に未知の重篤な副作用が発生することもあることから、特に市販直後は医師等の医薬関係者への適正使用のための情報提供や医薬関係者からの副作用情報の報告が重要とされている。これらのことから、医薬品の製造販売業者が販売を開始した後の6ヶ月間、診療において、医薬品の適正使用を促し、重篤な副作用等の発生を迅速に把握するために、市販直後調査を行う。"} +{"problem_id": "109075", "problem_text": "医薬品医療機器等法第41条第1項において、日本薬局方を定め公示する目的を規定している条文の【:】に当てはまるのはどれか。1つ選べ。「厚生労働大臣は、【:】を図るため、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、日本薬局方を定め、これを公示する。」", "choices": ["医薬品の性状及び品質の適正", "医薬品の安定供給の確保", "医薬品の有効性及び安全性の確保", "医療の安全確保", "良質かつ適切な医療の確保"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "医薬品医療機器等法第41条第1項\n(日本薬局方等)\n厚生労働大臣は、医薬品の性状及び品質の適正を図るため、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、日本薬局方を定め、これを公示する。"} +{"problem_id": "109076", "problem_text": "次の文章の【:】に当てはまるのはどれか。1つ選べ。他の医療提供施設と連携し、地域における医薬品の適正使用の推進、情報提供や指導を行うなどの機能を有する薬局として、都道府県知事の認定を受けて称することができる名称は、「【:】連携薬局」である。", "choices": ["医療", "地域", "多職種", "医療機関", "医療介護"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "設問の文書は地域連携薬局に関する記述である。地域連携薬局とは、医師若しくは歯科医師又は薬剤師が診療又は調剤に従事する他の医療提供施設と連携し、地域における薬剤及び医薬品の適正使用の推進及び効率的な提供に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能を有する薬局のことである。"} +{"problem_id": "109077", "problem_text": "大麻取締法で規定される「大麻」に該当しない大麻草(カンナビス・サティバ・エル)の部分はどれか。1つ選べ。", "choices": ["花穂", "未熟な茎", "葉", "種子", "根"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "大麻取締法で規定される大麻とは、「大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。」とされている。よって、大麻には成熟した茎、大麻草の種子及びそれらの製品は含まれない。"} +{"problem_id": "109078", "problem_text": "医療法において、医療提供施設として明記されているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["調剤を実施する薬局", "医薬品店舗販売業の許可を有する店舗", "医療を受ける者の居宅", "医療安全支援センター", "医療事故調査・支援センター"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "医療法において、医療提供施設として明記されているのは、病院、診療所、介護老人保健施設、調剤を実施する薬局、その他の医療を提供する施設である。"} +{"problem_id": "109079", "problem_text": "介護保険の保険者に該当するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["国民健康保険組合", "健康保険組合", "地方厚生局", "都道府県", "市町村及び特別区"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "保険者とは、保険料の徴収や給付などの保険事業を運営する者であり、介護保険の保険者は、介護保険制度の運営を行なっている全国の市町村および特別区である。"} +{"problem_id": "109080", "problem_text": "エリザベス・キューブラー=ロスによって提唱された死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。1つ選べ。", "choices": ["受容", "取り引き", "怒り", "否認と孤立", "抑うつ"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "エリザベス・キューブラー=ロスによって提唱された死にゆく人の心理過程を下記に示す。"} +{"problem_id": "109081", "problem_text": "一般用医薬品の薬効分類と成分の組合せで正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "109082", "problem_text": "入院患者のバンコマイシンによるMRSA感染症治療プロセスのうち、薬剤師が主に担当する役割はど��か。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "1:誤\n症状に応じて、どのような薬物療法を行うか決定するのは、医師である。2:誤\n治療薬物モニタリングする際の採血を行うのは、医師である。3:誤\n副作用が現れた際の処置は、医師が行う。4:誤\n血中CRP及び血中バンコマイシン濃度の測定は、主に臨床検査技師が行う。なお、血中バンコマイシン濃度の測定には、薬剤師が関与することがある。5:正\n治療薬物モニタリングの結果より、薬物の投与計画について提案するのは、薬剤師である。"} +{"problem_id": "109083", "problem_text": "アフタ性口内炎に用いられる一般用医薬品に含まれる有効成分はどれか。1つ選べ。", "choices": ["フルオシノロンアセトニド", "トリアムシノロンアセトニド", "ベタメタゾン吉草酸エステル", "デキサメタゾン酢酸エステル", "ヒドロコルチゾン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nフルオロシノロンアセトニドは、湿疹、皮膚炎、かぶれ、蕁麻疹に用いられる一般用医薬品に含まれる有効成分である。2:正\nトリアムシノロンアセトニドは、アフタ性口内炎に用いられる一般用医薬品に含まれる有効成分である。3:誤\nベタメタゾン吉草酸エステルは、湿疹、皮膚炎、かぶれ、蕁麻疹に用いられる一般用医薬品に含まれる有効成分である。4:誤\nデキサメタゾン酢酸エステルは、むしさされによる痒みに用いられる一般用医薬品に含まれる有効成分である。5:誤\nヒドロコルチゾンは、医療用医薬品に含まれる有効成分である。なお、ヒドロコルチゾン酢酸エステルは、痔、痒み、腫れに用いられる一般用医薬品に含まれる有効成分であり、ヒドロコルチゾン酪酸エステルは、湿疹、皮膚炎、かぶれ、蕁麻疹に用いられる一般用医薬品に含まれる有効成分である。"} +{"problem_id": "109084", "problem_text": "健康サポート薬局の届出要件の一つとして、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["個人情報に配慮した相談窓口の設置", "休日を除く24時間の開局", "薬局内での無菌調剤", "予防接種のためのワクチン調製", "専門薬剤師による抗がん剤の選択支援"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": "健康サポート薬局とは、「患者が継続して利用するために必要な機能及び個人の主体的な健康の保持増進への取組を積極的に支援する機能を有する薬局」のことであり、健康サポート薬局である旨を表示しようとする薬局に、求められている基準として、下記の要件が掲げられている。◉健康サポート薬局の基準\n・かかりつけ薬局の基本機能\n服薬情報の一元的かつ継続的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導\n24時間対応(開局していない時間も対応)、在宅対応、地域包括支援センターとの連携:など\n・健康サポートを実施する上での地域における連携体制の構築\n・常駐する薬剤師の資質\n・個人情報に配慮した相談窓口の設置(パーテーション等で仕切るなど)\n・健康サポートへの取り組み\n・要指導医薬品及び一般用医薬品、介護用品等の取扱い"} +{"problem_id": "109085", "problem_text": "生後3ヶ月の乳児に対する薬の使い方として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["散剤を熱湯で溶かしてから飲ませる。", "散剤をハチミツに混ぜて飲ませる。", "散剤に数滴の水を加えてペースト状にし、頬の内側か上あごに塗り付け、すぐに水を飲ませる。", "散剤とシロップ剤が一緒に出ている時は、翌日分をあらかじめ混ぜて作り置きしておく。", "坐剤は冷凍庫に保管し、冷えた状態で使用する。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "乳児に薬を飲ませる方法\n①: 少量の水を加え、練ってペースト状とし、口の中の頬の内側や上あごに塗り付け、水、湯ざましなどを飲ませる。②: くすりの味を隠すために、乳児が好む飲食物の少量に混ぜて一緒に服用させる。③: 冷たいと味覚が鈍るため、アイスクリーム、シャーベットなどに包むように服用させる。④: 服用を補助する市販のゼリー状の製品と一緒に服用させる。1:誤\n散剤を熱湯に溶解して服用させると、薬の品質が低下することがあるため避ける必要がある。2:誤\nハチミツには、乳児ボツリヌス症の原因となる菌が含まれている可能性があるため、1歳未満の乳児に散剤を服用させる際には、ハチミツを混ぜること��避ける必要がある。3:正\n前記参照\n4:誤\n薬を混合して長時間放置すると、苦味が増したり、変質することがあるため、飲ませる直前に混合する必要がある。5:誤\n冷所に保存していた坐剤を使用する際、室温に戻してから使用する。また、冷所に保存していた坐剤をすぐに使用したい場合、開封前に手で包んで温めてから使用する。"} +{"problem_id": "109086", "problem_text": "漢方薬と代表的な副作用の組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "1:誤\n半夏瀉心湯(構成生薬: ハンゲ、オウゴン、カンキョウ、カンゾウ、タイソウ、ニンジン、オウレン)は、消化不良、胃下垂、神経性胃炎に用いられ、副作用として間質性肺炎、偽アルドステロン症(低カリウム血症)、ミオパチー、肝機能障害を起こすことがある。2:誤\n芍薬甘草湯(構成生薬: シャクヤク、カンゾウ)は、筋肉・関節痛、胃痛に用いられ、副作用として、間質性肺炎、偽アルドステロン症(低カリウム血症)、うっ血性心不全、心室細動、心室頻拍、ミオパチー、横紋筋融解症、肝機能障害、黄疸を起こすことがある。3:誤\n半夏厚朴湯(構成生薬: ハンゲ、ブクリョウ、ソヨウ、ショウキョウ、コウボク)は、不安神経症、神経性胃炎、不眠症に用いれ、副作用として、発疹、発赤、肝機能異常を起こすことがある。4:正\n小柴胡湯(構成生薬: サイコ、ニンジン、ハンゲ、カンゾウ、オウゴン、ショウキョウ、タイソウ)は、急性熱性疾患、肺炎、気管支炎、慢性肝炎における肝機能の改善に用いられ、副作用として、間質性肺炎、偽アルドステロン症(低カリウム血症)、ミオパチー、横紋筋融解症、肝機能障害、黄疸を起こすことがある。5:誤\n黄連解毒等(構成生薬: オウゴン、サンシシ、オウレン、オウバク)は、高血圧、不眠症、めまい、動悸、湿疹・皮膚炎に用いられ、副作用として、間質性肺炎、肝機能障害、黄疸、腸間膜静脈硬化症を起こすことがある。"} +{"problem_id": "109087", "problem_text": "ペニシラミンを解毒薬として使う中毒の原因物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アセトアミノフェン", "鉛", "テトロドトキシン", "サリン", "メタノール"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "ペニシラミンは、重金属とキレートを形成し、重金属の排泄を促進するため、鉛、水銀、銅の中毒に用いられる。1:誤\nアセトアミノフェンは、の解毒には、アセチルシステインが用いられる。2:正\n前記参照\n3:誤\nテトロドトキシンには、有効な解毒薬はない。4:誤\nサリンの解毒には、プラリドキシムヨウ化物、アトロピン硫酸塩水和物が用いられる。5:誤\nメタノールの解毒には、エタノール、ホメピゾールが用いられる。"} +{"problem_id": "109088", "problem_text": "ノロウイルスで汚染された病室の床を消毒するのに最も適するのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["クロルヘキシジングルコン酸塩", "グルタラール", "次亜塩素酸ナトリウム", "ポビドンヨード", "ベンザルコニウム塩化物"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:誤\nクロルヘキシジングルコン酸塩は、低水準消毒薬であり、ノロウイルスに無効である。2:誤\nグルタラールは、高水準消毒薬であり、ノロウイルスに有効であるが、本剤が揮発すると眼の粘膜、呼吸器系の粘膜を刺激するため、病室の床の消毒に適していない。3:正\n次亜塩素酸ナトリウムは、中水準消毒薬であり、ノロウイルスに有効性を示し、病室の床の消毒に適している。4:誤\nポビドンヨードは、中水準消毒薬であり、ノロウイルスに有効であるが、本剤を使用すると着色するため、病室の床の消毒に適していない。5:誤\nベンザルコニウム塩化物は、低水準消毒薬であり、ノロウイルスに無効である。"} +{"problem_id": "109089", "problem_text": "チーム医療を実践する上で、最も必要なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["国家資格を有する職種のみで構成する。", "医師の意見を最優先する。", "各職種の専門用語を使用する。", "職種ごとにクリニカルパスを作成する。", "職種間で医療情報を共有して意思決定する。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": "チーム医療を実践する上で、職種間で医療情報を共有して意思決定することが最も必要である。その理由として、①総合的��ケアの提供する、②連携の強化する、③リスクの軽減する、④効率性の向上させる、⑤患者満足度の向上させることなどが挙げられる。"} +{"problem_id": "109090", "problem_text": "麻薬及び向精神薬取締法に基づき、入院患者の麻薬処方箋に記載しなければならない必須事項はどれか。1つ選べ。", "choices": ["患者の住所", "処方箋の使用期限", "麻薬施用者の免許証の番号", "麻薬業務所の名称", "麻薬業務所の所在地"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "麻薬施用者は、麻薬を記載した処方せんを交付するときは、①患者の氏名、年齢(または生年月日)、②患者の住所、③麻薬の品名、分量、用法、用量(投与日数を含む)、④処方せんの使用期限(有効期限)、⑤処方せん発行年月日、⑥麻薬施用者の記名押印または署名、免許番号、⑦麻薬診療施設の名称、所在地を記載する必要がある(院内処方箋の場合は、②、④、⑦の記載を省略できる)。"} +{"problem_id": "109091", "problem_text": "分子間相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["クーロン力は電荷間距離の2乗に反比例する。", "分散力は分子間にはたらく反発力である。", "水中における界面活性剤のミセル形成はイオン結合による。", "疎水性相互作用は水溶液中のタンパク質の高次構造の形成及び安定化に寄与している。", "核酸塩基対は配位結合により形成される。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109092", "problem_text": "状態関数に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["状態関数の変化量は系の変化の経路に依存する。", "量性状態関数においては加成性が成立する。", "強性状態関数は物質量に依存する。", "体積は示量性状態関数である。", "エントロピーは示強性状態関数である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109093", "problem_text": "次の記述は、日本薬局方メフェナム酸の純度試験中の類縁物質に関するものである。本品0.10gをクロロホルム/メタノール混液(31)5mLに溶かし、試料溶液とする。この液1mLを正確に量り、クロロホルム/メタノール混液(3: 1)を加えて正確に200mLとする。この液10mLを正確に量り、クロロホルム/メタノール混液(3: 1)を加えて正確に50mLとし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフィー(薄層板に蛍光剤を含む)により試験を行う。試料溶液及び標準溶液25\\microLずつを薄層板にスポットし、展開後風乾した薄層板に紫外線(主波長254nm)を照射するとき、試料溶液から得た主スポット以外のスポットは、標準溶液から得たスポットより濃くない。類縁物質の混入が許容される限度値はどれか。1つ選べ。", "choices": ["0.1%", "0.2%", "1.0%", "2.0%", "2.5%"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "109094", "problem_text": "ある2個の金属イオンM^{2+}の0.01mol/L水溶液のpHを上げていくと難溶性塩M(OH)_{2}が沈殿する。この沈殿が生成し始めるpHに最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、M(OH)_{2}の溶解度積K_{sp}=2.0\\times 10^{-20}(mol/L)^{3}、水のイオン積K_{w}=[H^{+}][OH^{-}]=1.0\\times 10^{-14}(mol/L)^{2}、log2=0.30とし、ヒドロキソ錯体の生成などの副反応は起こらず、水溶液の温度と体積は変化しないものとする。", "choices": ["3", "5", "7", "9", "11"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109095", "problem_text": "図はある蛍光物質の励起スペクトルと蛍光スペクトルである。この励起スペクトルの極大波長(励起波長)がλ_{1}、蛍光スペクトルの極大波長(蛍光波長)がλ_{2}であるとすると、この蛍光物質の励起波長の光のエネルギーと蛍光波長の光のエネルギーとの間のエネルギー差を求める式はどれか。1つ選べ。ただし、プランク定数はh、光速度はcとする", "choices": ["\\frac{hc(\\lambda _{2}-\\lambda _{1})}{\\lambda _{1}\\lambda _{2}}", "\\frac{h(\\lambda _{2}-\\lambda _{1})}{c\\lambda _{1}\\lambda _{2}}", "\\frac{c(\\lambda _{2}-\\lambda _{1})}{h\\lambda _{1}\\lambda _{2}}", "\\frac{\\lambda _{1}\\lambda _{2}}{hc(\\lambda _{2}-\\lambda _{1})}", "\\frac{c\\lambda _{1}\\lambda _{2}}{c(\\lambda _{2}-\\lambda _{1})}"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "109096", "problem_text": "熱容量に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、Vは体積、pは圧力、Tは絶対温度、Hはエンタルピー、Rは気���定数、Cvは定容熱容量、Cv,mは定容モル熱容量、Cp,mは定圧モル熱容量である。", "choices": ["モル熱容量は1molの物質の温度を1K上昇させるのに必要な熱である。", "熱容量の単位はJ・Kである。", "Cvは、Cv=dH/dTにより求められる。", "理想気体では、Cv,m新生物(腫瘍)の順となっている。"} +{"problem_id": "109150", "problem_text": "パーソナリティの認知におけるハロー効果の傾向を示す説明として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["自分が考える自分の姿と他人に見える姿が一致している。", "好ましい(好ましくない)特徴があると、その他の特徴も高く(低く)認識する。", "最初に提示された情報が全体の印象を方向づける。", "最後に得られた情報が全体の印象に影響を与える。", "個人的経験から、Aという特性があると必ずBという特性があると認識する。"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:誤\nジョハリの窓とは、自分と他人の認識のずれを理解する自己分析の方法であり、自分と他人の認識により自己の性質を4つに分類することができる。2:正\nハロー効果とは、ある対象を評価するとき、目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についても評価が歪められることである。3:誤\n初頭効果に関する記述である。初頭効果とは、最初に提示された情報が全体の印象を方向づけることである。4:誤\n新近効果に関する記述である。新近効果とは、最後に得られた情報が全体の印象に影響を与えることである。5:誤\n論理的過誤に関する記述である。論理的過誤とは、これまでの人生経験からある特性を有する人は、必ずこうであると決めつけてしまう傾向のことである。"} +{"problem_id": "109151", "problem_text": "グラフは、回腸平滑筋の収縮に対する薬物A〜Cの濃度-反応曲線を示す。各薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、薬物A〜Cは同一受容体結合部位にのみ作用し、余剰受容体及び内因性アゴニストの存在は考えないものとする。", "choices": ["薬物A及び薬物Bの内活性は、ともに100である。", "薬物AのpD_{2}値は、約7である。", "薬物Bの効力は、薬物Aの効力より高い。", "10^{-4}mol/Lの薬物Bにより生じる反応は、10^{-3}mol/Lの薬物Cの併用により減少する。", "薬物CのEC_{50}値は、10^{-4}mol/Lである。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n薬物A及び薬物Bの最大反応は100%であることから、薬物A及び薬物Bは、完全アゴニストであり、それぞれの内活性は共に1である。2:正\npD_{2}値は、薬物の作用の強さを表す値であり、EC_{50}(最大反応の50%の反応が現れる薬物濃度)の負の対数値で表される。薬物AのEC_{50}が約10^{-7}であることから、薬物AのpD_{2}値は、約7(-log10^{-7}=7)である。3:誤\n薬物Bは薬物Aに比べ、高濃度側で反応が現れているため、薬物Bの効力は、薬物Aの効力より低い。4:正\n薬物Bは10^{-4}mol/Lでほぼ最大反応を示し、薬物Cは10^{-3}mol/Lでほぼ最大反応を示している。最大反応を示す完全アゴニスト(薬物B)に最大反応を示す部分アゴニスト(薬物C)を併用すると完全アゴニストにより生じる反応は、減少する。5:誤\nEC_{50}は、薬物の最大反応の50%の反応が現れる薬物濃度であり、薬物CのEC_{50}値は、10^{-4}〜10^{-5}mol/Lの間にある。"} +{"problem_id": "109152", "problem_text": "末梢性筋弛緩薬に関連した記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["スキサメトニウムは、アセチルコリンN_{M}受容体に作用して、運動神経終末を持続的に脱分極させる。", "スガマデクスは、ロクロニウムによる筋弛緩を回復させる。", "ベクロニウムの筋弛緩作用は、ネオスチグミンを併用することで増強される。", "ダントロレンは、骨格筋のリアノジン受容体に作用して、筋小胞体からのCa^{2+}遊離を抑制する。", "A型ボツリヌス毒素は、電位依存性Na^{+}チャネルを遮断して、運動神経の興奮伝導を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nスキサメトニウムは、アセチルコリンN_{M}受容体を刺激することで、骨格筋を持続的に脱分極させる。2:正\nスガマデクスは、ロクロニウム及びベクロニウムと包接体を形成することにより、ロクロニウム、ベクロニウムによる筋弛緩を回復させる。3:誤\nベクロニウムは、骨格筋のアセチルコリンN_{M}受容体を競合的に遮断することにより筋弛緩作用を示す。ネオスチグミンはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬であり、アセチルコリンの分解を抑制し、間接的にアセチルコリンN_{M}受容体を刺激する。そのため、ベクロニウムの筋弛緩作用は、ネオスチグミンを併用することで減弱する。4:正ダントロレンは、骨格筋のリアノジン受容体に作用して、筋小胞体からのCa^{2+}遊離を抑制し、横行小管(T管)から筋小胞体への興奮伝達を抑制することで筋弛緩作用を示す。5:誤\nA型ボツリヌス毒素は、運動神経終末からのアセチルコリンの遊離を抑制することで、運動神経の興奮伝導を抑制する。"} +{"problem_id": "109153", "problem_text": "痛みを伴う疾患に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["タペンタドールは、下行性疼痛抑制系の神経終末でのセロトニン再取り込みを選択的に阻害して、痛覚情報伝達を抑制する。", "プレガバリンは、求心性一次知覚神経の電位依存性Ca^{2+}チャネルを構成する\\alpha _{1}サブユニットに結合して、神経伝達物質の遊離を抑制する。", "レバロルファンは、オピオイド\\micro受容体を刺激して、モルヒネの鎮痛効果を増強する。", "エレヌマブは、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体に結合してCGRP の作用を阻害することで、片頭痛発作の発症を抑制する。", "チザニジンは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激して、筋緊張を伴う疼痛を緩和する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\nタペンタゾールは、オピオイド\\micro受容体刺激作用を示すとともに、下行性疼痛抑制系の神経終末でのノルアドレナリンの再取り込みを阻害して、痛覚情報伝達を抑制する。2:誤\nプレガバリンは、電位依存性Ca^{2}^{+}チャネルを構成する\\alpha _{2}\\delta サブフニットに結合して、神経伝達物質の遊離を抑制する。3:誤\nレバロルファンは、オピオイド\\micro受容体を遮断して、モルヒネによる急性中毒である呼吸抑制を改善する。4:正\nエレヌマブは、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体に直接作用するIgG2モノクローナル抗体であり、内因性のCGRPのCGRP受容体への結合を防ぐことにより、片頭痛発作の発現に関与するとされるCGRP受容体シグナル伝達を阻害することで、片頭痛発作の発症を抑制する。5:正チザニジンは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体刺激作用を有しており、単シナプス反射及び多シナプス反射を抑制することで、筋緊張を伴う疼痛を緩和する。"} +{"problem_id": "109154", "problem_text": "78歳女性。夫と2人暮らしであるが、半年前から物の置き忘れやしまい忘れをするようになった。3ヶ月前から誰もいない庭を指さして「子供たちが遊んでいる。」などと言うようになった。睡眠中に大声を出して、手足をばたつかせることがあるが、本人に自覚はない。心配した夫に連れられ病院を受診した。診察時、受け答えは良好であったが、歩行は小刻み様であった。日付や場所の見当識が一部曖昧であり、ミニメンタルステート検査は30点満点中23点であった。また、脳血流SPECTにより後頭葉の血流低下が認められた。この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["前頭葉に著明な萎縮が生じている。", "パーキンソン症状が認められる。", "脳梗塞によって二次的に発症した可能性が高い。", "幻視や REM 睡眠行動異常が認められる。", "症状は階段状に悪化する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "本患者は、下記のことからレビー小体型認知症、パーキンソン病に罹患していると考えられる。・誰もいない庭を指さして「子��たちが遊んでいる。」などと言う: 幻覚症状\n・睡眠中に大声を出して、手足をばたつかせる: REM睡眠行動異常\n・歩行が小刻み: パーキソニズム(錐体外路症状)\n・後頭葉の血流低下\nレビー小体認知症では、調子が良い時、悪い時を繰り返しながら進行する。なお、症状が階段状に悪化するのは脳血管性痴呆の特徴である。"} +{"problem_id": "109155", "problem_text": "この患者の症状改善を目的として使用される可能性のある薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ブロモクリプチンは、線条体においてドパミンD_{2}受容体を刺激することで、間接路のGABA作動性神経を抑制する。", "ゾニサミドは、グルタミン酸 AMPA受容体を刺激することで、ドパミン作動性神経を亢進させる。", "カルビドパは、ドパミン\\beta -ヒドロキシラーゼを阻害することで、レボドパの脳内移行を高める。", "ドネペジルは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、アミロイド\\beta タンパク質の分解を促進する。", "クロナゼパムは、\\gamma -アミノ酪酸 GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合することで、GABAによるCl^{-}チャネルの開口を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nブロモクリプチンは、線条体においてドパミンD_{2}受容体を刺激し、GABA作動性神経を抑制することにより錐体外路症状を軽減する。2:誤\nゾニサミドは、MAO_{B}阻害作用により、ドパミンの作用を増強する。3:誤\nカルビドパは、レボドパの分解に関わるドパ脱炭酸酵素を阻害することで、レボドパの脳内移行を高める。4:誤\nドネペジルは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、脳内のアセチルコリン濃度を上昇させ、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症の進行を抑制する。5:正\nクロナゼパムは、ベンゾジアゼピン系薬であり、\\gamma -アミノ酪酸 GABA_{A}受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合することで、GABAによるCl^{-}チャネルの開口を促進する。"} +{"problem_id": "109156", "problem_text": "花粉症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["レボセチリジンは、知覚神経のヒスタミンH_{1}受容体を遮断し、くしゃみを抑制する。", "クロモグリク酸は、ロイコトリエンCysLT_{1}受容体を遮断し、眼のかゆみを軽減する。", "ラマトロバンは、プロスタノイドTP受容体及びプロスタノイドDP2受容体(CRTH2受容体)を遮断し、鼻粘膜の炎症を軽減する。", "ナファゾリンは、鼻粘膜のアドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断することで血管平滑筋を弛緩させ、鼻閉を軽減する。", "トラニラストは、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害することで炎症細胞の活性化を抑制し、結膜の充血を軽減する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nレボセチリジンは、ヒスタミンH_{1}受容体遮断薬であり、知覚神経のヒスタミンH_{1}受容体を遮断することでくしゃみを抑制する。2:誤\nクロモグリク酸は、ケミカルメディエーター遊離抑制薬であり、肥満細胞からのケミカルメディエーター(ヒスタミン等)の遊離を抑制し、眼のかゆみを軽減する。3:正\nラマトロバンは、トロンボキサン受容体遮断薬であり、プロスタノイドTP受容体及びプロスタノイドDP2受容体(CRTH2受容体)を遮断し、鼻粘膜の炎症を軽減する。4:誤ナファゾリンは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体刺激薬であり、鼻粘膜のアドレナリン\\alpha _{1}受容体を刺激することで血管平滑筋を収縮させ、鼻閉を軽減する。5:誤\nトラニラストは、ケミカルメディエーター遊離抑制薬であり、炎症細胞の活性化を抑制し、結膜の充血を軽減する。"} +{"problem_id": "109157", "problem_text": "37歳女性。アレルギー疾患の既往歴なし。顔面に紅斑が出現したため、近医を受診し、全身性エリテマトーデス(SLE)と診断された。ステロイド療法が施行され、病状は落ち着いた。副腎皮質ステロイド性薬の漸減中に、突然、上機嫌になって多弁となったり、急に無表情になったり、「スマートフォンの使い方が分からなくなった。」と困惑して涙ぐんだりする症状が目立つようになった。血液検査の結果は以下のとおりである。(検査値)赤血球 400\\times 10^{4}/\\microL、白血球5,120/\\microL、血小板20.8\\times 10^{4}/\\microL、血清クレ���チニン1.84mg/dL、eGFR 32.8mL/min/1.73m^{2}、空腹時血糖112mg/dL、HbA1c 6.5%、抗核抗体(+)、尿タンパク(2+)、尿潜血(+) この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["SLEはI型アレルギーによって発症した。", "顔面の紅斑は鼻梁から頬にかけて一側性である。", "副腎皮質ステロイド性薬の漸減中の症状から中枢神経ループスが疑われる。", "血液検査から汎血球減少症が疑われる。", "血液検査からループス腎炎が疑われる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n全身エリテマトーデス(SLE)は、抗核抗体により形成される免疫複合体が発症に関与しており、III型アレルギーにより発症する。2:誤\n顔面の紅斑は、鼻梁から頬にかけて両側性に現れる。3:正\nステロイド減量中に上機嫌になる、無表情になる、涙ぐむなどが現れていることから、全身エリテマトーデスによる中枢神経ループス(精神症状)が再燃した可能性がある。4:誤\n赤血球(350〜500万/\\microL)、白血球(3000〜7800/\\microL)、血小板(13.8〜30.9万/\\microL)の数値より、汎血球減少症を起こしている可能性は低い。(:)内は基準値\n5:正\n血清クレアチニン(0.4〜0.7mg/dL)、eGFR 32.8mL/min/1.73m^{2}(30〜44: 中程度〜高度の低下)よりループス腎炎により腎機能が低下している可能性がある。"} +{"problem_id": "109158", "problem_text": "SLE及びその合併症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["シクロホスファミドは、肝臓で代謝されて活性体となり、DNAをアルキル化して、DNAの複製を阻害する。", "ミゾリビンは、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害して、チミジル酸の合成を抑制する。", "タクロリムスは、活性化T細胞核内因子(NFAT)のリン酸化を阻害して、IL-2の産生を抑制する。", "ミコフェノール酸モフェチルは、体内でミコフェノール酸に加水分解され、プリン塩基の合成を抑制する。", "ベリムマブは、Bリンパ球細胞膜のCD20に結合して、Bリンパ球の増殖を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nシクロホスファミドは、CYP2B6により活性体(4-ヒドロキシシクロホスファミド)となり、DNAをアルキル化することでT細胞、B細胞の増殖を抑制する。2:誤\nミゾリビンは、イノシン酸からグアニル酸への代謝経路を阻害し、免疫抑制作用を示す。なお、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害してチミジル酸の合成を抑制するのは、メトトレキサートである。3:誤\nタクロリムスは、カルシニューリン阻害薬であり、活性化T細胞核内因子(NFAT)の脱リン酸化を阻害して、IL-2の産生を抑制する。4:正\nミコフェノール酸モフェチルは、体内でミコフェノール酸に加水分解され、イノシン酸からグアニル酸への代謝経路を阻害し、プリン塩基の合成を抑制する。5:誤\nベリムマブは、抗BLys(Bリンパ球刺激因子)^{※}モノクローナル抗体製剤であり、BLysに結合することでその活性を抑制する。^{※}BLys:\nB細胞のアポトーシスを抑制し、形質細胞への分化を促進させるタンパク質"} +{"problem_id": "109159", "problem_text": "心不全の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジゴキシンは、Na^{+},K^{+}-ATPaseを活性化し、心筋細胞内Ca^{2}^{+}濃度を上昇させて、強心作用を示す。", "ピモベンダンは、サイクリックAMP(cAMP)誘導体で、細胞内でcAMPに変換されて、強心作用を示す。", "ビソプロロールは、アドレナリン\\beta _{1}受容体を遮断し、心臓のリモデリングを抑制する。", "カルペリチドは、生体内で活性体となり、ナトリウム利尿ペプチドの分解を阻害して、血管拡張作用と利尿作用を示す。", "イバブラジンは、過分極活性化環状ヌクレオチド依存性チャネル(HCNチャネル)を遮断して、心拍数を減少させる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤ジゴキシンは、Na^{+},K^{+}-ATPaseを阻害し、Na^{+}-Ca^{2+}交換系の機能を低下させることにより細胞内のCa^{2}^{+}の濃度を上昇させて、強心作用を示す。2:誤\nピモベンダンは、ホスホジエステラーゼIIIを阻害し、cAMPの分解を抑制することで強心作用を示す。なお、サイクリックAMP(cAMP)誘導体で、細胞内でcAMPに変換されて、強心作用を示すのは、ブクラデシンである。3:正ビソプロロールは、選択���アドレナリン\\beta _{1}受容体遮断薬であり、心臓のリモデリングを抑制する。4:誤\nカルペリチドは、血管および腎臓の心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体に結合し、膜結合型グアニル酸シクラーゼを活性化することで細胞内のcGMPを増加させ、血管拡張、利尿作用を示す。5:正\nイバブラジンは、過分極活性化環状ヌクレオチド依存性チャネル(HCNチャネル)を遮断して、活動電位の拡張期脱分極相における立ち上がり時間を延長させ、心拍数を減少させる。"} +{"problem_id": "109160", "problem_text": "高血圧症に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メチルドパは、延髄の血管運動中枢及び交感神経終末のアドレナリン\\alpha _{2}受容体を遮断することで、交感神経活動を抑制する。", "ラベタロールは、アドレナリン\\alpha _{1}受容体及び\\beta _{1}受容体を遮断することで、血圧を低下させる。", "テルミサルタンは、傍糸球体細胞のアンジオテンシンIIAT_{1}受容体を遮断することで、レニン分泌を抑制する。", "リシノプリルは、アンジオテンシンIIの生成を抑制し、副腎皮質からのアルドステロン分泌を低下させるため、低カリウム血症を引き起こしやすい。", "ジルチアゼムは、心臓の電位依存性L型Ca^{2+}チャネルを遮断するため、房室ブロックを誘発しやすい。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤メチルドパは、アドレナリン\\alpha _{2}受容体刺激薬であり、延髄の血管運動中枢及び交感神経終末のアドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激することで、交感神経活動を抑制する。2:正ラベタロールは、アドレナリン\\alpha \\beta 受容体遮断薬であり、アドレナリン\\alpha _{1}受容体を遮断することで血管拡張作用を示すとともに\\beta _{1}受容体を遮断することにより心機能を低下させることで、血圧を低下させる。3:誤\nテルミサルタンは、アンジオテンシンIIAT_{1}受容体遮断薬であり、血管収縮を抑制することで血圧を低下させる。血圧が低下することで腎臓からのレニン分泌が促進される。4:誤\nリシノプリルは、アンジオテンシン変換酵素阻害薬であり、アンジオテンシンIからアンジオテンシンIIの生成を抑制し、副腎皮質からのアルドステロン分泌を低下させるため、高カリウム血症を引き起こしやすい。5:正\nジルチアゼムは、Ca^{2+}チャネル遮断薬であり、心臓の電位依存性L型Ca^{2+}チャネルを遮断するため、房室ブロックを誘発しやすい。また、本剤は、血管平滑筋に存在するL型Ca^{2+}チャネルを遮断することで血管拡張作用を示すため、血圧低下作用を示す。"} +{"problem_id": "109161", "problem_text": "造血系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エルトロンボパグは、赤芽球系前駆細胞のエリスロポエチン受容体を刺激することで、赤血球の産生を促進する。", "メコバラミンは、赤芽球内のヘム合成酵素の補酵素として作用することで、ヘム合成を促進する。", "ダプロデュスタットは、低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素を阻害することで、HIFの分解を抑制してエリスロポエチンの産生を促進する。", "フィルグラスチムは、単球系前駆細胞から単球への分化を促進することで、単球からの顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の放出を増加させる。", "葉酸は、体内でテトラヒドロ葉酸に代謝されて、DNA合成の補酵素として作用し、赤血球の成熟を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nエルトロンボパグは、ヒトトロンボポエチン受容体を刺激することで巨核球及び骨髄前駆細胞の増殖及び分化を促進させる。2:誤\nメコバラミンは、ビタミンB_{12}製剤であり、核酸合成を促進することでヘモグロビンの合成を促進する。3:正\nダプロデュスタットは、低酸素誘導因子(HIF)の分解に関わるHIFプロリン水酸化酵素を阻害することで、エリスロポエチンの産生を促進する。4:誤\nフィルグラスチムは、遺伝子組換えヒト顆粒球コロニー刺激因子であり、好中球前駆細胞から成熟好中球細胞に存在する受容体に作用することで、好中球前駆細胞の分化・増殖を促進させる。5:正\n葉酸は、体内でテトラヒドロ葉酸に代謝されて、DNA合成の補酵素として作用し、大赤血球性貧血に対して赤血球の成熟を促���する。"} +{"problem_id": "109162", "problem_text": "胃・十二指腸潰瘍の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["スクラルファートは、胃潰瘍部位に結合することで、ペプシンによる自己消化から粘膜組織を保護する。", "ラニチジンは、胃の壁細胞に存在するヒスタミンH_{2}受容体を遮断することで、プロトンポンプの活性化を抑制する。", "ランソプラゾールは、K^{+}に競合してプロトンポンプを阻害することで、胃酸分泌を抑制する。", "ミソプロストールは、プロスタグランジン合成酵素を活性化することで、胃粘膜のプロスタグランジンを増加させる。", "オキセサゼインは、ガストリン受容体を遮断することで、胃酸分泌を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nスクラルファートは、アルミニウム含有製剤であり、胃潰瘍部位に結合することで、ペプシンによる自己消化から粘膜組織を保護する。2:正\nラニチジンは、H_{2}受容体遮断薬であり、胃の壁細胞に存在するH_{2}受容体を遮断することによりプロトンポンプ(Na^{+},K^{+}ATPase)の活性を阻害することで胃酸分泌を抑制する。3:誤\nランソプラゾールは、プロトンポンプ(Na^{+},K^{+}ATPase)を不可逆的に阻害することで、胃酸分泌を抑制する。なお、K^{+}に競合してプロトンポンプを阻害することで、胃酸分泌を抑制するのは、ボノプラザンである。4:誤\nミソプロストールは、プロスタグランジン製剤であり、プロスタグランジン受容体を刺激することにより胃酸分泌を抑制するとともに胃粘膜の粘液及び十二指腸粘膜の重炭酸イオン分泌を促進し、粘膜血管に作用して血流量を維持する。5:誤\nオキセサゼインは、胃幽門腺に存在するガストリン細胞からのガストリンの遊離を抑制する。"} +{"problem_id": "109163", "problem_text": "肝疾患、膵疾患及び胆道疾患の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フロプロピオンは、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害してノルアドレナリンの代謝を抑制することで、Oddi.括約筋を弛緩させる。", "ウルソデオキシコール酸は、胆汁酸の増加を伴わずに胆石表面のコレステロールをミセル化することで、コレステロール胆石を溶解する。", "カモスタットは、膵外分泌を促進して膵機能を活性化することで、慢性膵炎を改善する。", "テノホビルは、NS5A複製複合体を阻害することで、B型肝炎ウイルス(HBV)の複製を抑制する。", "ソホスブビルは、NS5BRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、C型肝炎ウイルス (HCV)の複製を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nフロプロピオンは、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害し、ノルアドレナリン濃度を上昇させることによりOddi括約筋を弛緩させ、排胆作用を示す。2:誤\nウルソデオキシコール酸は、胆汁分泌を促進し、外殻石灰化を認めないコレステロール胆石を溶解する。3:誤\nカモスタットは、膵臓酵素活性化に関わるトリプシンの活性を阻害し、膵炎の進展を抑制する。4:誤\nテノホビルは、HBV DNAポリメラーゼを阻害することによりB型肝炎ウイルス(HBV)の複製を抑制する。5:正\nソホスブビルは、リン酸化されてウリジン三リン酸類似構造となり、NS5BRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製を抑制する。"} +{"problem_id": "109164", "problem_text": "高尿酸血症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["プロベネシドは、尿細管における尿酸の再吸収及び分泌を阻害する。", "トピロキソスタットは、キサンチンオキシダーゼにより代謝され、その産物がキサンチンオキシダーゼを阻害する。", "ラスブリカーゼは、アラントインの生合成を阻害して、尿酸の分解を促進する。", "ドチヌラドは、尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害して、尿酸の再吸収を抑制する。", "クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを低下させて、尿路結石の形成を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nプロベネシドは、尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害し、尿酸の再吸収を抑制するとともに尿酸の分泌を抑制する。2:誤\nアロプリノールに関する記述である。アロプリノールは、キサンチンオキシダーゼにより酸化されて、大部分が活性代謝物のオキシプリノールとなる。オキシプリノールはアロプリノールと同様にキサンチンオキシダーゼを阻害する。3:誤\nラスブリカーゼは、尿酸オキシダーゼを遺伝子組み換え技術を用いて製造した生物学的製剤であり、尿酸を酸化することでアラントインと過酸化水素に分解する。4:正\nドチヌラドは、尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害して、尿酸の再吸収を抑制することで尿酸排泄促進作用を示す。5:誤\nクエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿をアルカリ化(尿のpHを上昇)することで、尿路結石の形成を抑制する。"} +{"problem_id": "109165", "problem_text": "50歳女性。5年前に近医にて高血圧を指摘され、アムロジピン5mg/日を服用していた。最近の血圧は155/95 mmHg程度と高値が持続しており、頭痛や脱力を自覚し今回受診した。二次性高血圧が疑われたため、腹部CT検査が実施されて左副腎に腫瘍を認めたが、血中コルチゾール値や血中カテコールアミン値の上昇は認めなかった。この患者にスピロノラクトンが投与されることになった。スピロノラクトンに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["上皮性Na^{+}チャネルの発現を増加させる。", "アルドステロン誘導タンパク質の生合成を抑制する。", "腎尿細管におけるNa^{+},K^{+}-ATPaseの発現を増加させる。", "腎尿細管におけるK^{+}分泌を促進する。", "抗アンドロゲン作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "スピロノラクトンは、抗アルドステロン薬であり、アルドステロン誘導タンパク質の生合成を抑制するとともに、腎尿細管におけるNa^{+},K^{+}-ATPaseの機能を低下させ、Na^{+}再吸収抑制作用、K^{+}排泄抑制作用を示す。また、構造中にステロイド骨格を有するため、抗アンドロゲン作用を示す。"} +{"problem_id": "109166", "problem_text": "本症例で認められる血液検査所見として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カリウム低値", "カルシウム高値", "LDLコレステロール高値", "遊離チロキシン(FT_{4})高値", "レニン活性低値"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "本症例では、二次性高血圧が疑われ、腹部CT検査が実施されて左副腎に腫瘍を認めたが、血中コルチゾール値や血中カテコールアミン値の上昇が認められていないことから、クッシング症候群、褐色性細胞腫の可能性は低く、アルドステロン症の可能性が高い。アルドステロン症では、アルドステロンが過剰に作用するため、Na^{+},K^{+}-ATPaseの機能が上昇することでKの排泄が促進し、低K血症が認められる。また、アルドステロンが過剰に働くと、レニン-アンジオテンシン系の機能が抑制されるため、レニン活性低値が認められる。"} +{"problem_id": "109167", "problem_text": "35歳男性。献血時の検査でヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体陽性となり、HIV感染症と診断された。この症例に対する治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["CD4陽性リンパ球数が基準範囲内であっても、抗レトロウイルス療法が必要である。", "抗レトロウイルス療法では、抗HIV薬の単剤で治療を開始する。", "HIV-RNA量が減少した場合には、抗HIV薬を休薬する。", "免疫再構築症候群は、後天性免疫不全症候群(AIDS)やHIV感染症の治療中にみられる炎症を主体とする病態である。", "抗レトロウイルス療法を行っても、生命予後は改善しない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nCD4陽性リンパ球数が基準範囲内であっても、HIVは活発に増殖し、CD4陽性リンパ球が破壊され続けているため、抗レトロウイルス療法が必要である。2:誤\n抗レトロウイルス療法では、抗ウイルス作用を高めるとともに薬剤耐性を抑制する目的で3〜4種類の抗HIV薬を使用する多剤併用療法を行う。3:誤\n抗HIV薬を用いて、HIV-RNA量が減少した場合でも、HIVの増殖を抑制するために継続して抗HIV薬を投与する必要がある。4:正\n免疫再構築症候群とは、免疫不全が進行した状態で、抗レトロウイルス療法を行うと、免疫力が回復し、既存の日和見感染症が悪化したり、新たに疾患が出現する状態のことである。5:誤\n抗レトロウイルス療法を行うと、��力にHI"} +{"problem_id": "109168", "problem_text": "HIV感染症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エムトリシタビンは、HIV感染細胞内でリン酸化されて活性体となり、HIVのRNA依存性DNAポリメラーゼを阻害する。", "マラビロクは、RNA 依存性DNAポリメラーゼの活性中心近傍に結合して、酵素活性を阻害する。", "ラルテグラビルは、HIV インテグラーゼを阻害して、ウイルスDNAの宿主DNAへの組込みを抑制する。", "アバカビルは、HIVプロテアーゼを阻害して、ウイルスタンパク質の産生を抑制する。", "エファビレンツは、宿主の細胞膜上のC-Cケモカイン受容体5(CCR5)に結合して、HIVの細胞内への侵入を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nエムトリシタビン、アバカビルは、HIV感染細胞内で三リン酸化体となり、逆転写酵素(RNA依存性DNAポリメラーゼ)を阻害し、RNAからDNAの合成を阻害することによりウイルス増殖を抑制する。2:誤\nマラビロクは、HIVが宿主細胞の侵入に必要なケモカイン受容体(CCR5)との結合を阻害する。3:正\nラルテグラビルは、HIVインテグラーゼ(ウイルスゲノム由来のDNAを宿主DNAに組み込む酵素)を阻害し、HIVの増殖を抑制する。4:誤\n解説1参照\n5:誤\nエファビレンツは、HIV-1の逆転写酵素の活性部位の近くにある疎水性ポケットに結合し、酵素活性を阻害する。"} +{"problem_id": "109169", "problem_text": "抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["シタラビンは、標的細胞で三リン酸化体となり、DNAポリメラーゼを阻害して、DNA合成を低下させる。", "テガフールは、活性代謝産物が活性酸素を発生させて、DNAを酸化的に傷害する。", "フルダラビンは、トポイソメラーゼIを阻害して、がん細胞のG2期への移行を抑制する。", "ドキソルビシンは、DNAポリメラーゼ及びRNAポリメラーゼを阻害して、DNA及びRNAの合成を低下させる。", "アファチニブは、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)チロシンキナーゼを阻害して、血管新生を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nシタラビンは、代謝拮抗薬であり、腫瘍細胞内でリン酸化され、シタラビン三リン酸ヌクレオチドとなり、DNAポリメラーゼを阻害して、DNA合成を低下させる。2:誤\nテガフールは、フルオロウラシルのプロドラッグであり、体内で活性代謝物であるフルオロウラシルとなり、チミジル酸合成酵素を不可逆的に阻害する。3:誤\nフルダラビンは、代謝拮抗薬であり、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼを阻害し、DNA及びRNA合成並びにDNA修復を阻害する。4:正\nドキソルビシンは、アントラサイクリン系薬であり、DNAの間に入り込み(インターカレーション)、転写過程を阻害し、DNAポリメラーゼやDNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することでDNA、RNA合成を阻害する。5:誤\nアファチニブは、チロシンキナーゼ阻害薬であり、EGFRのATP結合部位に結合し、チロシンキナーゼの活性を阻害することで細胞増殖抑制、アポトーシスを誘導する。"} +{"problem_id": "109170", "problem_text": "下図はイトラコナゾールカプセル200mgを健常人男性(21〜28歳)12名に経口投与した際の血中濃度(平均値)の時間推移を示す。イトラコナゾールの最高血中濃度はファモチジンとともに服用した場合、53%に減少した。イトラコナゾールの吸収過程におけるファモチジンとの相互作用及びその回避法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["イトラコナゾールがファモチジンと難溶性のキレートを形成するため、吸収が低下する。", "ファモチジンがP-糖タンパク質によるイトラコナゾールの分泌を阻害するため、吸収が低下する。", "ファモチジンの作用により胃内pHが上昇し、イトラコナゾールの溶解性が低下するため、吸収が低下する。", "ファモチジンの代替薬としてオメプラゾールを検討する。", "イトラコナゾール製剤として経口液剤を検討する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109171", "problem_text": "経口投与する薬物について、食事により量的バイオアベイラビリティは変わらないが、速度的バイオアベイラビリティが低下するのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アセトアミノフェン", "セファクロル", "リボフラビン", "フェ���トイン", "インドメタシン ファルネシル"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109172", "problem_text": "線形1-コンパートメントモデルに従い、肝代謝と腎排泄によってのみ体内から消失する薬物Aを、ある患者に急速静注したときの体内動態データを以下に示す。この患者の糸球体ろ過速度(GFR)を120mL/minとしたとき、薬物Aの血漿タンパク非結合率に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、薬物Aは腎尿細管で分泌・再吸収を受けず、血漿タンパク非結合形のみが糸球体でろ過されるものとする。薬物Aの体内動態データ 投与量(mg) 10 血漿中薬物濃度時間曲線下面積(AUC) (\\micro g・h/mL) 2.0 未変化体の尿中総排泄量(mg) 1.2 代謝物の尿中総排泄量(mg) (未変化体相当量に換算) 8.8", "choices": ["0.02", "0.04", "0.06", "0.08", "0.10"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109173", "problem_text": "薬物のみかけの分布容積とその変動に関与する血漿タンパク結合に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["みかけの分布容積は、体内薬物量と血漿中薬物濃度の平衡定数として定義される。", "特定の臓器や細胞内小器官(核やリソソーム、ミトコンドリアなど)に分布する薬物は、体重1kgあたりの分布容積が10Lを越えることがある。", "脂溶性の高い薬物の分布容積は加齢に伴って減少する。", "血漿タンパク結合率が高い薬物のみかけの分布容積は体内水分量とほぼ等しい。", "タンパク非結合型薬物の濃度は、定常状態において血漿中と組織間隙液中との間でほぼ等しい。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109174", "problem_text": "薬物代謝酵素の遺伝子多型に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["CYP2C19の遺伝子多型によってオメプラゾールの血中濃度時間曲線下面積(AUC)は変化するが、代謝物のAUCは変化しない。", "CYP2D6の遺伝子多型が関与するイミプラミンの poor metabolizer(PM)では、活性代謝物の血中濃度が高い。", "アザチオプリンを使用する前には、UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)の遺伝子多型の診断が行われている。", "N-アセチル転移酵素(NAT2)には遺伝子多型が存在し、日本人では約10%がイソニアジドのアセチル化反応速度が速い群に属する。", "アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)はPMの頻度に人種差があり、白人と比べて日本人ではPMの出現率が高い。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109175", "problem_text": "下表には薬物の肝抽出率及び血漿タンパク結合率を示す。これら3種の物の体内動態の変動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。薬物 肝抽出率 血漿タンパク結合率 ニカルジピン 0.7より大 0.8より大 フェニトイン 0.3より小 0.8より大 テオフィリン 0.3より小 0.8より小", "choices": ["ニカルジピンの肝クリアランスは、肝血流量による影響を受けない。", "ニカルジピンの定常状態における非結合形薬物濃度は、肝血流量が一定であれば、血漿タンパク結合率の変動による影響を受けない。", "フェニトインとテオフィリンの肝クリアランスは、いずれも肝固有クリアランスの変動の影響を受けやすい。", "血漿タンパク質の減少による肝クリアランスへの影響は、フェニトインよりテオフィリンの方が大きい。", "フェニトインとテオフィリンの定常状態における非結合形薬物濃度は、肝固有クリアランスが一定であれば、血漿タンパク結合率の変動による影響を受けない。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109176", "problem_text": "TDMの実施が望ましい薬物の性質として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["有効血中濃度の範囲が広い。", "体内動態の個人差が小さい。", "薬物相互作用を受ける可能性が低い。", "体内動態に非線形性が認められる。", "副作用と対象疾患の症状の区別が難しい。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109177", "problem_text": "抗悪性腫瘍薬であるイリノテカンはプロドラッグである。この薬物の製剤と代謝に関する以下の問に答えよ。イリノテカン塩酸塩水和物を有効成分とするオニバイド点滴静注に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。なお、本製剤は以下の添加物を含む。添加物\n1,2-ジステア��イル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、コレステロール、N-(カルボニルーメトキシポリエチレングリコール-2000)-1,2-ジステアロイル\n-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミンナトリウム塩、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸", "choices": ["イリノテカンをポリエチレングリコール誘導体で可溶化した製剤である。", "ポリエチレングリコールで表面が修飾されたリポソーム製剤である。", "能動的ターゲティングにより腫瘍に集積する。", "細網内皮系を回避することにより血中に滞留する。", "製剤中に含まれる微粒子は150\\microm程度である。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109178", "problem_text": "イリノテカンは酵素(ア)によって活性代謝物(イ)に変換され、さらに酵素(ウ)によって代謝物(エ)に変換され不活化される。(ア)の酵素及び(イ)の構造式、(ウ)の酵素及び(エ)の構造式のそれぞれの組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109179", "problem_text": "2種類の粉体A及びBの粉体層について、図1に示すように、種々の垂直応力(\\sigma )を加えた状態で可動セルを水平方向に引っ張ることでせん断試験を行った。得られたせん断応力(\\tau )の値を\\sigma に対してプロットした結果を図2に示す。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、\\tau と\\sigma の間にはクーロンの式が成立するものとする。クーロンの式:\\tau =\\micro・\\sigma +C \\micro: 内部摩擦係数、C: 付着力(いずれも定数)", "choices": ["粉体Aは粉体Bよりも安息角が大きい。", "粉体Aを造粒するとグラフの傾きが大きくなる。", "粉体Bは粉体Aよりも付着力が強い。", "粉体Bに滑沢剤を適量添加すると内部摩擦係数が大きくなる。", "粉体Bは粉体Aよりもオリフィスからの流出速度が大きい。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109180", "problem_text": "固体薬物AをS=3cm^{2}の円盤状に圧縮し、回転円盤法で37^{\\circ} Cにおいて溶解実験を行った。固体薬物Aの溶解速度は(1)の式に従い、試験中Sは変化しないものとする。t=0のときC=0、11分後の薬物Aの濃度がCs/2であるとき、固体薬物Aのみかけの溶解速度定数k(min^{-1}・cm^{-2})に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、In2=0.693とする。", "choices": ["0.021", "0.033", "0.063", "0.077", "0.099"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "109181", "problem_text": "薬物の溶解性の改善に用いる添加剤とその溶解性改善の機構との組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。添加物 溶解性改善の機構 1 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 可溶性塩の形成 2 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 固体分散体形成 3 ポリビニルピロリドン 自己乳化 4 エチレンジアミン ミセル内取り込み 5 エタノール コソルベンシー", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109182", "problem_text": "バイオ医薬品の微粒子製剤の水への分散性を、ゼータ電位と平均粒子径から評価した。下図の異なるpHにおける結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、一次粒子の粒子径はpHにより変化せず、温度は一定とする。また、粒度分布は一峰性で十分小さく、粒子の凝集は可逆的とする。", "choices": ["pH2で分散粒子は正に帯電している。", "pH5付近で最も凝集性が高い。", "pH6付近で粒子表面は電気的に中性である。", "pH8以上で粒子は凝析している。", "塩を加えることでpHによらず分散性を改善できる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109183", "problem_text": "下図は湿式顆粒圧縮法の製造工程である。A、Bの単位操作で使用する装置の組合せのうち、正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109184", "problem_text": "図1に示すニフェジピン徐放錠を8分割又は分割せずに、1錠分をヒトに経口投与したときの血漿中ニフェジピン濃度の推移を図2に示す。この錠剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["スパンタブ型の錠剤である。", "8分割した錠剤の血中濃度推移はAである。", "外層部は徐放性マトリックスである。", "内核錠は徐放性コーティングされて��る。", "錠剤全体が腸溶性コーティングされている。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109185", "problem_text": "薬剤服用後に発症する偽膜性大腸炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["主な原因医薬品として、抗菌薬がある。", "緑膿菌感染による大腸炎である場合が多い。", "便秘が持続し、腸閉塞に至ることが多い。", "治療薬として、メトロニダゾールやバンコマイシン塩酸塩が使用される。", "難治性の場合は、インフリキシマブが用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "偽膜性大腸炎とは、抗菌薬を投与することにより正常細菌叢が乱れ、菌交代現象としてクロストリディオイデス・ディフィシルが増殖し、本菌の産生する毒素により腸炎が誘発される疾患である。本疾患の症状として、高熱、腹痛、粘血便が認められる。1:正\n本疾患を誘発しやすい抗菌薬として、セフェム系抗菌薬、ペニシリン系抗菌薬、リンコマイシン系抗菌薬がある。2:誤\n前記参照\n3:誤\n前記参照\n4:正\n本疾患の治療には、メトロニダゾール、バンコマイシン塩酸塩の経口投与が行われる。5:誤\n本疾患の治療として、抗ヒトTNF-\\alpha 抗体製剤であるインフリキシマブは用いられない。なお、インフリキシマブは、関節リウマチ、尋常性乾癬、強直性脊椎炎に用いられる。"} +{"problem_id": "109186", "problem_text": "骨粗しょう症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["閉経後は、骨吸収の相対的な低下により、骨量の減少をきたす。", "典型的なX線所見として、頭蓋骨の打ち抜き像がある。", "骨代謝マーカーは、骨折リスクの予測に有用である。", "閉経後骨粗しょう症の治療には、エストロゲンの補充療法を行う。", "選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は、乳腺や子宮内膜に対してエストロゲン様作用を示す。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nエストロゲンは、破骨細胞の機能を低下させるため、閉経後、エストロゲンの作用が減弱すると破骨細胞の機能が高まることで、骨吸収の相対的な増加により骨量の減少をきたす。よって、閉経後の骨粗しょう症の治療には、エストロゲンの補充療法が有効である。2:誤\n典型的なX線所見として、頭蓋骨の打ち抜き像が認められるのは、多発性骨髄腫である。3:正\n骨代謝マーカーには骨吸収マーカー、骨形成マーカーがあり、骨折リスクの予測に有用である。4:正\n解説1参照\n5:誤\n骨粗しょう症に用いられる選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)には、ラロキシフェンがあり、骨に対してエストロゲン作用を示すが、乳腺や子宮内膜に対して抗エストロゲン作用を示す。"} +{"problem_id": "109187", "problem_text": "再生不良性貧血に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血清鉄が増加する。", "不飽和鉄結合能が増大する。", "小球性低色素性貧血に分類される。", "エリスロポエチン産生が亢進する。", "血小板数は変化しない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "再生不良性貧血とは、造血幹細胞が減少し、血液中の赤血球、白血球、血小板が減少し、全身倦怠感、息切れなどの症状が現れる。1:正\n再生不良性貧血では、赤血球数が減少するため、鉄の利用が減少することで血清鉄が増加する。2:誤\n不飽和鉄結合能とは、未飽和のトランスフェリンを鉄に換算した値であり、再生不良性貧血では、血液中の鉄が多くなり、未飽和のトランスフェリンに結合できる鉄の総量が減少するため、不飽和鉄結合能が減少する。3:誤\n再生不良性貧血は、正球性正色素性貧血、大球性正色素性貧血に分類される。なお、鉄結合性貧血、鉄芽球性貧血は、小球性低色素性貧血に分類される。4:正\n再生不良性貧血では、赤血球数が低下するため、赤血球の分化増殖を促進させるために腎臓においてエリスロポエチンの産生が亢進する。5:誤\n前記参照"} +{"problem_id": "109188", "problem_text": "72歳男性。本態性高血圧症のために、処方1及び処方2を服用していた。最近、血圧が上昇したため、薬物による降圧療法を強化することになった。追加する治療薬として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アムロジピンベシル酸塩", "アメジニウムメチル硫酸塩", "シベンゾリンコハク酸塩", "イルベサルタン", "ドキサゾシンメシル酸塩"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "血圧コントロールするに当たり、まずは、生活習慣の修正、非薬物療法を強化する。生活習慣を見直しても血圧コントロールが思わしくなく、積極的な適応がない場合、第一選択薬として、Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬の中から選択する。単剤投与で血圧コントロールが不十分な場合、異なるクラスの降圧薬を2剤、3剤併用する。2剤を併用する場合、ARBあるいはACE阻害薬+Ca拮抗薬、ARBあるいはACE阻害薬+利尿薬、Ca拮抗薬+利尿薬が推奨される。ARBあるいはACE阻害薬、Ca拮抗薬、利尿薬を併用してもコントロール不十分な場合、\\alpha 受容体遮断薬(ドキサゾシンメシル酸塩)を併用する。本症例では、Ca拮抗薬であるニフェジピン、ARBであるテルミサルタンを併用していることから、Ca拮抗薬(アムロジピンベシル酸塩)、ARB(イルベサルタン)を追加することは不適切である。アメジニウムは本態性低血圧に用いる薬であり、また、シベンゾリンは不整脈に用いる薬であることから追加するのは不適切である。上記のことより、ドキサゾシンメシル酸塩を追加投与することが適切である。"} +{"problem_id": "109189", "problem_text": "間質性肺炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["閉塞性換気障害のために肺活量が減少する。", "原因として最も頻度が高いのは、副腎皮質ステロイド性薬の副作用である。", "乾性咳嗽が出現する。", "胸部聴診で呼息時にブツブツという粗い断続性ラ音が聴取される。", "特発性肺線維症に対しては、ニンテダニブエタンスルホン酸塩を投与することがある。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n間質性肺炎は、肺の容量が減少する拘束性換気障害であり、肺活量が減少する。なお、閉塞性換気障害とは、炎症や腫瘍、気道内異物などの原因により気道が閉塞し、気流が制限された状態であり、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患は閉塞性換気障害に該当する。2:誤\n間質性肺炎の最も多い原因は、関節リウマチなどの膠原病によるものである。なお、副腎皮質ステロイドは、間質性肺炎の治療に用いられる。3:正\n間質性肺炎では、痰を伴わない咳(乾性咳嗽)、労作時の呼吸困難が認められる。4:誤\n間質性肺炎では、胸部聴診で呼息時にバリバリ、パリパリという細かい断続性ラ音(捻髪音)が聴取される。なお、胸部聴診で呼息時にブツブツという粗い断続性ラ音(水泡音)が聴取されるのは、肺水腫や肺炎の時である。5:正\nニンテダニブエタンスルホン酸塩は、チロシンキナーゼ阻害薬であり、特発性肺線維症、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患、進行性線維化を伴う間質性肺疾患に用いられる。"} +{"problem_id": "109190", "problem_text": "25歳男性。身長176cm、体重65kg。20歳の時に1型糖尿病を発症し、1日4回のインスリン皮下注射と血糖自己測定によるインスリン強化療法を行ってきた。最近の血液検査でHbA1c値が7.3%であったためインスリン治療の変更が計画された。インスリン注射量の変更に関して適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["朝食直前のインスリン注射量を増量する。", "朝食直前のインスリン注射量を減量する。", "昼食直前のインスリン注射量を増量する。", "夕食直前のインスリン注射量を増量する。", "就寝前のインスリン注射量を減量する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "血糖自己測定値(毎食前と毎食2時間後及び就寝前に測定)より、昼食後及び夕食後の血糖値が200mg/dLを超えているため、追加分泌を補う目的で使用する超速効型インスリンの効果が不十分であり、食後過血糖状態にあると推察される。よって、昼食直前及び夕食直前のインスリン注射量を増量することが推奨される。"} +{"problem_id": "109191", "problem_text": "白内障に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["硝子体が混濁する疾患の総称である。", "先天性と後天性とに大別できる。", "副腎皮質ステロイド性薬の長期投与により、発症を抑制できる。", "治療に用いる点眼薬として、ピレノキシンとグルタチオンがある。", "加齢による白内障では、点眼薬の投与により混濁が消失する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "白内障は、水晶体に混濁が起こる疾患の総称であり、水晶体タンパク質の変性(凝集)により水晶体が白濁して無痛性の視力低下を伴う。白内障には先天性のもの(代表的なものとして、先天性風しん症候群)と後天的のもの(要因: 加齢、副腎皮質ステロイド性薬の長期間の使用、糖尿病、放射線など)がある。白内障の薬物療法として、ピレノキシン、グルタチオン点眼液が用いられるが、混濁を消失させることはできない。"} +{"problem_id": "109192", "problem_text": "白癬及びその治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["足白癬の原因で最も頻度の高いのは、カンジダ・アルビカンスである。", "足白癬への外用薬による治療は、1週間で中止する。", "爪白癬の治療には、内服薬は用いられない。", "イトラコナゾール錠は、妊婦又は妊娠の可能性のある女性に禁忌である。", "テルビナフィン塩酸塩錠の副作用として、重篤な肝障害がある。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n足白癬の原因で最も頻度が高いのは、白癬菌(皮膚糸状菌)である。2:誤\n足白癬の場合、病巣の角質の厚さにより治療期間が異なり、趾間型では2ヶ月以上、小水疱型では3ヶ月以上、角化型では6ヶ月以上が推奨されている。3:誤\n爪白癬の治療には、イトラコナゾール、ホスラブコナゾール、テルビナフィンの内服薬が用いられる。4:正\nイトラコナゾール錠は、動物実験(ラット、マウス)で催奇形性が報告されているため、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与禁忌とされている。5:正\nテルビナフィン塩酸塩錠は、副作用として、重篤な肝障害(肝不全、肝炎、胆汁うっ滞、黄疸等)が現れることがある。重篤な肝障害は主に投与開始後2ヶ月以内にあらわれるので、投与開始後2ヶ月間は月に1回の肝機能検査を行うこととされている。"} +{"problem_id": "109193", "problem_text": "多発性骨髄腫の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["T細胞が腫瘍化する。", "腫瘍細胞が産生するMタンパク質は、単クローン性の免疫グロブリンである。", "アミロイドタンパク質が臓器や組織に沈着し、臓器障害をきたす。", "骨髄細胞にフィラデルフィア染色体を認める。", "脾腫が頻発する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "多発性骨髄腫は、B細胞が終末分化した形質細胞が腫瘍性、単クローン性に増殖する疾患であり、骨髄で形質細胞に成熟した一部が腫瘍化し、腫瘍細胞が単クローン性の免疫グロブリン(Mタンパク質)を産生する。1:誤\n前記参照\n2:正\n前記参照\n3:正\n多発性骨髄腫では、Mタンパク質の軽鎖に由来するアミロイドタンパク質が全身臓器に蓄積し、臓器障害をきたすことがある(ALアミロイドーシス)。4:誤\n骨髄細胞にフィラデルフィア染色体が認められるのは、慢性骨髄性白血病及び急性リンパ性白血病である。5:誤\n多発性骨髄腫では、病的骨折、骨痛、腎障害、全身倦怠感、貧血などが認められるが、脾腫が現れることはまれである。"} +{"problem_id": "109194", "problem_text": "ある疾患の予防薬である新薬Xの評価を行うために調査を行ったところ、プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験のデータが得られ、新薬Xの有効性が示されていた(下表)。この結果から算出できる新薬Xの治療必要数(NNT)が20であるとき、表の(A)に入る数値として適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["10人", "20人", "30人", "40人", "50人"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "治療必要数(NNT)とは、ある介入を対象者に行った結果、1人に治療効果が現れるまでに何人に介入する必要があるかを表す値である。NNTは絶対リスク減少率の逆数であり、また、絶対リスク減少率はプラセボ群の発症率と新薬X投与群の発症率の差であることから、新薬Xの治療必要数(NNT)が20であるときの(A)人を下記のように求めることができる。"} +{"problem_id": "109195", "problem_text": "55歳男性。会社員。26歳時に結婚し、子供が二人いる。元来まじめな性格で、会社では昼夜を問わず仕事をしていた。2年前に昇進し、一層仕事に励んでいた。今年に入り、朝早く目が覚めてその後眠れないようになった。また、便秘がちになり食欲が低下したため、近医の消化器内科を受診した���軽快しなかった。その後も体調不良が続き、これらの症状に加え、立ちくらみや耳鳴りが出現したため、内科を転々とし精査を受けたが、器質的異常は認められなかった。やがて、一日中身体の不調を自覚するようになり、業務中にミスが増えた。「こんなダメな自分と一緒にいても未来がないので離婚しよう。」と、妻に頻回に言うようになった。趣味のゴルフへの興味もなくなり、休日は家でぼんやり過ごすようになったため、心配した妻と一緒に精神科を受診し、うつ病と診断された。この患者の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["微小妄想が認められる。", "昏迷が生じている。", "記憶障害を伴う可能性が高い。", "治療では、十分な休養が推奨される。", "薬物療法では、初回から2剤以上の抗うつ薬を併用する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n微小妄想とは、自分を低く評価し、劣っていると思い込む妄想のことであり、「こんなダメな自分と一緒にいても未来がないので離婚しよう。」と発言していることから、微小妄想が認められる。2:誤\n昏迷とは、反応がなく、激しい物理的な刺激によってのみ覚醒させることができる状態であり、本患者は、朝早く目が覚めてその後眠れないようになっていることから、早期覚醒が認められるが、昏迷は認められない。3:誤\nうつ病性障害の患者では、記憶障害が生じることは稀である。4:正\nうつ病性障害の治療では、認知行動療法、薬物療法、食事、運動、睡眠などの生活習慣を改善することに加え、十分な休養が推奨される。5:誤\nうつ病性障害の薬物療法では、基本的には選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬(SNRI)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)を少量単独投与で開始し、症状の変化、副作用の有無により増量、併用を検討する。"} +{"problem_id": "109196", "problem_text": "学校薬剤師が授業中の教室の環境に係る検査を実施するため、中学校を訪れた。この学校には冷暖房設備と機械換気設備が設置されている。学校薬剤師は、検知管を接続した測定機器を用いて、2限目の授業が終了する直前に養護教諭立会いのもと、教室内で二酸化炭素濃度を測定した。(測定結果) 二酸化炭素濃度: 1,600ppm 学校環境衛生基準: 二酸化炭素濃度は1,500ppm以下であることが望ましい。測定結果をもとに学校薬剤師が行うこととして、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["測定結果が1,500ppmを超えたので、未使用の検知管を使って測定機器の気密性点検を実施する。", "教室を30分以上換気し、生徒がいない状態で二酸化炭素濃度を再測定する。", "換気設備の運転時間の検討や工夫を行った後に、換気能力の確認等機械の点検や整備の実施を助言する。", "重大な健康被害を生じる可能性が高いことを養護教諭に伝える。", "測定結果に加え、一酸化炭素などの他の汚染物質濃度の測定結果も合わせて、空気清浄度を総合的に評価する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109197", "problem_text": "物理・化学・生物)二酸化炭素の検出法とその原理に関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["検知管法は、二酸化炭素が酸性溶液に吸収される性質を利用している。", "検知管法では、検知管に充てんした検知剤中のpH指示薬の色の変化によって二酸化炭素を検出する。", "二酸化炭素は、赤外吸収スペクトル測定法でも検出できる。", "二酸化炭素が対称伸縮振動をする場合、双極子モーメントは変化する。", "二酸化炭素は、水素炎イオン化検出器を用いたガスクロマトグラフィーでも検出できる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109198", "problem_text": "65歳女性。身長155cm。パート勤務。糖尿病性腎症が進行し、1年前から血液透析が導入された。透析後目標体重(ドライウエイト)43kg、透析間体重増加量平均2.0kg。女性は、週3回透析を受けていたが、透析後に立ちくらみ、ふらつき、倦怠感、脱力感などの血圧低下症状がみられるようになり、最近は透析の翌日まで症状が続くようになった。そのため、透析チームは栄養状態の確認、ドライウエイトの再設定及び透析効率を検討することにした。透析効率の指標に、標準化透析量(Kt/V)がある。Kt/Vは透析前BUNの濃度[BUN_{pre}]と透析後BUNの濃度[BUN_{post}]の値を用いて次式で計算される。この患者では、[BUN_{pre}]=80mg/dL、[BUN_{post}]=10mg/dLであった。このときのKt/Vの値として正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、ln2=0.69とし、Kは透析により単位時間あたりに除去された尿素量に対応する血液の容量、tは透析時間、Vは透析された血液の総容量を表すものとする。", "choices": ["-2.07", "-1.38", "-0.69", "1.38", "2.07"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109199", "problem_text": "透析効率を評価した結果、ドライウエイトの上方修正を行った。しかし、その後も透析後の起立時に収縮期血圧が25mmHg以上低下しており、症状の改善もみられなかった。そのため、医師は透析後の血圧低下を予防するために薬物を投与することにした。予防投与される薬物として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["イソプレナリン塩酸塩", "アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物", "ジゴキシン", "ドロキシドパ", "ニトログリセリン"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109200", "problem_text": "52歳男性。会社員。2年前にソフトコンタクトレンズの定期検診で眼圧を測定したところ、平均ベースライン眼圧は右眼16mmHg、左眼18mmHgであったが、両眼で視野狭窄及び欠損があったため、正常眼圧緑内障と診断された。処方1による治療が開始されたが、その後、進行したため3ヶ月前から処方2が追加された。男性が来局した際、薬剤師が点眼液の使用状況を確認したところ、数週間前から処方2の使用が2~3日おきであることがわかった。男性は、処方2の使用直後に不快なべたつきを感じることと、処方1と2の使用の間に待つ時間が長すぎるので処方2の使用を忘れてしまうことを理由として挙げた。男性が感じた不快なべたつきの原因の1つに点眼液のゲル化が考えられる。処方2の点眼液が点眼前はゾル状態、点眼後はゲル状態になるのに主に関わる物質はどれか。1つ選べ。", "choices": ["メチルセルロース", "マクロゴール4000", "クエン酸ナトリウム水和物", "ベンザルコニウム塩化物", "チモロール"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "109201", "problem_text": "薬剤師が患者の訴えについて処方医に相談すると、再度診察を実施することになった。その後、処方1及び2が中止となり処方3へ変更となった。薬剤師が患者に再度説明する使用上の注意として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ソフトコンタクトレンズを装着したまま点眼できる。", "点眼し忘れた場合は、翌日、朝と夕に点眼する。", "点眼後に一時的に視界がかすんで見えることがある。", "点眼後、目のまわりについた薬液は、すぐに拭き取るか目を閉じて洗顔する。", "点眼後にまだべたつきを感じるときは、点眼容器を下に向けキャップをしたまま2〜3回振ってから使用すると回避できる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109202", "problem_text": "52歳男性。身長168cm体重81kg。3年前に2型糖尿病と診断され、食事療法と運動療法に加え、内服薬での治療を行ってきた。しかし、仕事の都合で食事が不規則になり、低血糖症状を経験したため、内服薬を自己判断で中止していた。今回、血糖コントロール不良のため、インスリン導入目的で入院となり、以下が処方された。また、この患者は、定期的に血糖自己測定を行う予定である。この患者に病棟担当薬剤師が行う教育的指導の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["原則、毎日同じ時刻に注射する。", "カートリッジにひびが入った場合は、漏れがないことを確認してから使用する。", "液に濁りが生じたときは、カートリッジを振って均一な懸濁液にして使用する。", "注射は皮膚面に対して45度に傾けて打つ。", "注射後は、針ケースを注射針にまっすぐ取りつけ、針ケースを回して注射針を引っ張って取り外す。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109203", "problem_text": "血糖値の簡易測定の一つにグルコース酸化酵素を用いる方法がある。この方法では、酵素反応により生じた過酸化水素が電極で酸化されて電流が発生するので、この電流��測定する。その反応は以下のとおりである。患者の血糖値が90.0mg/dLであったとき、測定した血液1\\microL中で生じた電気量に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、グルコースの分子量を180、電子1molの電気量を9.65\\times 10^{4}クーロンとする。また、血糖値はグルコース濃度を表し、反応により生成する電子はグルコース由来とする。", "choices": ["4.83\\times 10^{-4}クーロン", "9.65\\times 10^{-4}クーロン", "1.93\\times 10^{-3}クーロン", "4.83\\times 10^{-3}クーロン", "9.65\\times 10^{-3}クーロン"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109204", "problem_text": "72歳女性。近医で2年前に高血圧症及びうつ病と診断され、薬物治療が開始された。1年前から動作緩慢となり、右上肢と左下肢に振戦を自覚するようになった。最近、振戦が強くなったため総合病院を受診したところ、パーキンソン病が疑われた。担当医は、パーキンソン病の診断を裏付けるためイオフルパン(^{123}I)注射液によるドパミントランスポーターシンチグラフィーを数週間後に施行することにした。担当医は薬剤師に、検査に関する注意事項の説明を依頼した。薬剤師がお薬手帳を確認したところ、以下の記載があった。薬剤師が患者にする説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["検査結果に影響を与えるため、検査前24時間は食事を控えてください。", "トリクロルメチアジド錠は検査結果に影響を与えることがあるので、休薬をするかどうか医師と協議します。", "撮影前後はできるだけ水分摂取を制限し、排尿を避けてください。", "検査薬は検査当日しか使用できないので、確実に検査できる日を予約してください。", "検査薬を注射してから、数時間後に頭部の撮影を実施するので、検査に少し時間がかかります。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109205", "problem_text": "イオフルパン(^{123}I)注射液によるドパミントランスポーターシンチグラフィーはSPECTの1つである。この診断法に関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["^{123}Iから放出される\\gamma 線を検出する。", "SPECTは、放射型のCTの一種である。", "放出される2本の消滅放射線を同時計測する。", "イオフルパン(^{123}I)注射液は、病院内のサイクロトロンで製造する必要がある。", "ドパミントランスポーターに結合しなかった遊離の^{123}Iを測定する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109206", "problem_text": "64歳男性。身長168cm、体重62kg。血圧135/80mmHg。飲酒習慣あり。パーキンソン病及び高血圧症と診断され、処方1及び処方2の薬剤を服用中である。最近、パーキンソン病が進行し、wearing off現象を頻回に起こすようになったため、処方3が追加となり、患者家族が薬局に処方箋を持参した。処方3の薬剤の服用開始にあたり、薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["レボドパ製剤を1日3錠から1錠へ減量するように医師に提案する。", "アムロジピン錠の中止を医師に提案する。", "チーズ、ビール、赤ワインを大量に摂取した場合、血圧上昇を起こす可能性があることを患者家族に説明する。", "幻覚があらわれた場合、すぐに病院を受診するように患者家族に説明する。", "wearing off現象が改善したら、処方3を中止してよいことを患者家族に説明する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109207", "problem_text": "ドパミンは、FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)を補酵素としてモノアミン酸化酵素B(MAO_{B})により代謝される。この代謝反応は、以下の図に示す機構で進行すると考えられている。セレギリンはこの補酵素と共有結合を形成することでMAO_{B}を不可逆的に阻害する。反応1の過程でドパミンの水素アは、セレギリンにおいては水素イに相当する。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、図中のFADの化学構造はRとして一部省略している。", "choices": ["反応①において、FADは還元剤として働く。", "反応②は、置換反応である。", "反応③において、カテコール骨格をもつイミンが生成する。", "反応④で生成する 「代謝物」は、カテコール骨格をもつ第一級アミンである。", "セレギリンは炭素ウで補酵素と共有結合を形成する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109208", "problem_text": "55歳女性(閉経後)。身長160cm、体重52kg。血圧135/70mmHg。高血圧症にて、処方1の薬剤を服用している。処方2の薬剤の服用開始にあたり、患者への説明内容として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["下肢の疼痛・浮腫、息切れ等が出現した際は、連絡すること。", "血圧が低下する場合があること。", "手術前には休薬を検討する必要があること。", "投与開始後は、定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行う必要があること。", "骨折のリスクが上がること。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109209", "problem_text": "後日、同患者が再び来局し、不安やイライラが強いことから漢方薬を紹介してほしいと依頼された。この患者に加味逍遙散^{(注)}を紹介したが、この漢方薬を長期服用する場合、留意すべき副作用として腸間膜静脈硬化症が報告されている。(注)サイコ、シャクヤク、トウキ、ソウジュツ、ブクリョウ、サンシシ、ボタンピ、カンゾウ、ショウキョウ、ハッカから構成される処方この副作用の原因と考えられる生薬として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、写真左下のスケールバーは1cmである。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109210", "problem_text": "43歳男性。身長170cm、体重75kg。双極性障害で処方1の薬剤を服用していた。抑うつ症状が再燃してきたため、今回、処方2が追加された処方箋と以下の検査値が記載された情報用紙を持って患者が来局した。バルプロ酸やラモトリギンは、どちらもグルクロン酸転移酵素で代謝される。ラモトリギンのグルクロン酸抱合体の構造として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109211", "problem_text": "この処方に関し、医師へ疑義照会する内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["バルプロ酸Na徐放錠200mgの投与量を、1日200mgに減量する。", "バルプロ酸Na徐放錠200mgの投与量を、1日1200mgに増量する。", "ラモトリギン錠の投与量を、1日50mgに増量する。", "ラモトリギン錠の用法を、朝食後2時間以降投与に変更する。", "ラモトリギン錠の用法を、隔日投与にする。"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109212", "problem_text": "57歳男性。身長175cm、体重63kg。患者は大腸がんの治療で、3ヶ月前より病院でFOLFIRI療法(イリノテカン注、レボホリナート注、フルオロウラシル静脈注射、フルオロウラシル持続注射)を施行していた。持続注射が辛いとの患者の訴えがあり、XELOX療法(カペシタビン・オキサリプラチン療法)に変更され、今回、患者が処方1及び処方2の処方箋を持って、来局した。その際、患者から、「最近手のひらが赤くなって痛くなってきた」、「点滴をした日は手にしびれも現れる」、「副作用がとても心配である」との訴えがあった。この患者への薬局薬剤師の指導内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["手の赤みや痛みの症状は一過性ですぐに良くなるので、心配ありません。", "手の赤みや痛みの症状がなくなっても、処方2の薬を指示どおり継続して塗布してください。", "点滴治療をした日に手のしびれを感じた際は、冷水でよく冷やしてください。", "手のしびれは数日後に軽快しますが、ひどく痛みが続く場合は、医師に連絡してください。", "激しい下痢が生じた場合は、市販の下痢止めを服用して、処方1の薬を継続して服用してください。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109213", "problem_text": "カペシタビンは、段階的にフルオロウラシルに代謝されるプロドラッグである。体内におけるカペシタビンの代謝を示した下図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["カペシタビンの点線で囲った構造は、分子の疎水性を高める。", "Aは二酸化炭素(CO_{2})である。", "Bの糖部はD-リボースである。", "Cの点線で囲った酸素原子は、水に溶けている酸素分子(O_{2})に由来する。", "加リン酸分解で生じるDの構造は:である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109214", "problem_text": "65歳女性。腰背部痛のため近隣の整形外科クリニックを受診したところ、骨粗しょう症と診断され、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。処方薬を使用する際に、定期的に検査する必要がある項目はどれか。1つ選べ。", "choices": ["エルデカルシトールの血中濃度", "血清カルシウム", "血中TSH(甲状腺刺激ホルモン)", "血清カリウム", "血糖"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109215", "problem_text": "処方されたエルデカルシトール(C_{30}H_{50}O_{5})に関する記述として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["共役トリエン構造をもち、遮光保存が必要である。", "ステロイド骨格を構成する環状構造の一部が開裂した構造をもつ。", "C環とD環の結合は、trans配置である。", "本品は炭素数30に対しヒドロキシ基を4つ含み、水に溶けやすい。", "標的受容体と結合する際、ヒドロキシ基は水素結合の形成に関与する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109216", "problem_text": "54歳女性。数ヶ月前より、咽頭痛及び頸部リンパ節腫脹を認めた。精査の結果、悪性リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)と診断され、初回治療としてR-CHOP療法を開始するために入院となった。化学療法施行前にB型肝炎ウイルスのスクリーニング検査を実施したところ、次の検査結果であったため、以下の処方が開始となった。この患者のB型肝炎ウイルス関連検査結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["HBs抗原は、エンベロープに含まれる抗原であり感染の指標となる。", "HBc抗体(+)、HBs抗体(+)という検査結果は、この患者が過去に組換え体HBs抗原タンパク質を成分とするB型肝炎ワクチンを接種したためである。", "この患者のHBs抗体を6ヶ月後に再測定して陽性であっても、B型肝炎ウイルスキャリアとはいえない。", "HBs抗原(-)、HBc抗体(+)という検査結果から、この患者は急性肝炎と判断される。", "HBV-DNAの検査では、宿主細胞の染色体内に挿入されたウイルスDNAのみが定量される。"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\nHBs抗原は、ウイルス表面に存在するエンベロープに含まれる抗原であり、感染の指標となる。なお、HBc抗原は、ウイルス内部に存在するコアタンパク質のことである。2:誤\nHBVに感染すると、HBc抗体が陽性となる(HBVワクチンを接種してもHBc抗体は陽性とならない)。HBVに感染するか、もしくはHBVワクチンを接種すると、Hbs抗体が陽性となる。これらのことから、HBc抗体(+)、HBs抗体(+)という検査結果は、この患者が過去にHBVに感染したことを示している。3:正\nB型肝炎ウイルスキャリアとは、病原性ウイルスを保持するが、臨床症状を示さない状態である。HBVに過去に感染し、治癒すると、HBs抗体が陽性となるため、HBs抗体を6ヶ月後に再測定して陽性を示した場合、この患者はHBVが消失している可能性があるため、必ずしもB型肝炎ウイルスキャリアとはいえない。4:誤\n急性肝炎症状が現れている状況では、HBs抗原が陽性となるため、HBs抗原(-)、HBc抗体(+)という検査結果から、肝炎症状が消失していると推察される。5:誤\nHBV-DNAの検査は、PCR法により行われ、宿主細胞の染色体内のDNAに加え、ウイルス内のDNAも定量される。"} +{"problem_id": "109217", "problem_text": "この処方に関して薬剤師が留意しておく内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["飲み忘れた場合、次の就寝前に2回分をまとめて服用する。", "食事により吸収が低下するため、服用前後2時間は食事をしない。", "処方された薬剤を服用中でも、化学療法を開始する。", "腎機能に応じた用量調整の必要はない。", "この処方は継続せず、1週間で終了する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nエンテカビル錠を服用し忘れた場合の対処法を下記に示す。飲み忘れた場合、気づいた時に1回分を服用する。次回の服用時間が近い場合、1回飛ばして、次の時間に1回分服用する。2回分を一度に服用しない。2:正\nエンテカビル錠は食事の影響により吸収率が低下するので、空腹時(食後2時間以降かつ次の食事の2時間以上前)に投与する。3:正\nエンテカビル錠を服用中でも、化学療法を開始することが可能である。化学療法開始前、投与中にHBV-DNAが基準値以上の場合、本剤の使用を開始し、化学療法終了後も��定期間本剤の投与を継続することが推奨される。4:誤\n腎機能障害患者では、高い血中濃度が持続するおそれがあるため、腎機能に応じて用法・用量を調節する必要がある。5:誤\n解説3参照"} +{"problem_id": "109218", "problem_text": "76歳女性。夫と息子との3人暮らし。高血圧症、てんかん、統合失調症及び不眠症の治療を行っている。処方1〜3は、以下の時系列記録の1年前から継続している。8月4日に医師から指摘のあった副作用の原因薬物として、可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アジルサルタン", "バルプロ酸ナトリウム", "リスペリドン", "ラメルテオン", "レンボレキサント"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "リスペリドンは、ドパミンD_{2}受容体遮断作用を有しており、大脳基底核に存在する線条体におけるドパミン経路を阻害することで、副作用として、錐体外路障害(よだれ、無動、顔の表情が少なくなる、声が小さくなる、手が震える等)を起こすことがある。また、リスペリドンを腎機能低下患者に投与すると半減期の延長及びAUCの増大が認められる。8月4日の記録より、よだれが出る、歩行が遅くなる、顔の表情がなくなるなどの症状が現れていることを読み取ることができ、また、8月1日の記録にeGFR 32 mL/min/1.73m^{2}と記録されていることから腎機能が低下していることを読み取ることができる。これらのことから、腎機能低下により、リスペリドンの半減期の延長及びAUCの増大が現れ、その結果として副作用であるよだれ、歩行が遅くなるなどの症状が現れたと推察される。"} +{"problem_id": "109219", "problem_text": "この副作用と同じ症状が現れる可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["大脳皮質運動野の障害", "大脳辺縁系の障害", "大脳基底核の障害", "視床下部の障害", "皮質脊髄路の障害"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109220", "problem_text": "89歳女性。体重40kg。高血圧症及び慢性心不全に対して処方1で薬物治療を行っている。独居で入院拒否があるため、医師と薬剤師、看護師が訪問している。最近、下腿浮腫が出現し、労作時の息苦しさや疲労感が強くなってきたため、血液検査を実施したところ、脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)値が3ヶ月前の450pg/mLから下記の検査値になっていた。その後、訪問医は継続中だった処方1のうち、エナラプリルのみを中止して、新たに処方2を追加した。下図は、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の生成と代謝の過程を示している。BNPは、mRNAからBNP前駆体タンパク質として翻訳された後、切断されて血中に分泌される。サクビトリルが阻害する酵素ネプリライシンの作用部位は、切断1〜3のいずれかである。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["BNPとNT-proBNPは、主に心室から分泌される。", "NT-proBNPは、図のペプチドAである。", "BNPは、NT-proBNPよりも血液中での安定性が高い。", "ネプリライシンの作用部位は、切断3である。", "NT-proBNPは、BNPと同様に腎臓に作用してNa^{+}の尿中への排出を促進する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)とNT-proBNPは、主に心室から分泌されるホルモンである。2:誤\nNT-proBNP(N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド)は、proBNPから、脳性ナトリウム利尿ペプチドが分離されたN末端を含む残基であり、設問の図におけるペプチドBに該当する。3:誤\nBNPは、NT-proBNPよりも血液中での安定性が低い。そのため、BNPは変動しやすく検査結果の信頼性が低いが、NT-proBNPは、変動しにくく検査結果の信頼性が高い。4:正:ネプリライシンは、BNPの分解に関わる酵素であり、設問の図における酵素3に該当する。5:誤\nNT-proBNP(N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド)は、生理活性をほとんど示さない。"} +{"problem_id": "109221", "problem_text": "処方2の薬剤の服用によって生じる可能性が高いのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["血中TSHの上昇", "高カリウム血症", "血圧上昇", "血中NT-proBNPの上昇", "脱水症状"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "サクビトリルバルサルタンは、生体内でサクビトリルとバルサルタンに分離し、それぞれ作用を発現する。サクビトリルはネプリライシンの作用を抑制す��ことにより、ナトリウム利尿ペプチドの作用を増強させ、血管拡張作用、利尿作用を示すため、副作用として、脱水を起こすことがある。また、バルサルタンはアンジオテンシンIIAT_{1}受容体遮断作用によりアルドステロンの機能を低下させるため、副作用として高カリウム血症を起こすことがある。"} +{"problem_id": "109222", "problem_text": "65歳女性。高血圧症、骨粗しょう症、慢性便秘症及び脂質異常症の治療でかかりつけ薬局を利用し、処方1及び処方2の薬剤を2年間服用している。さらに、脂質異常症については食事療法の効果が不十分で、処方3を2ヶ月前に開始した。昨夜から全身の筋肉痛が生じているため、一般用医薬品の痛み止めを求めて来局した。昨日は、日課としている約2kmの散歩しかしておらず、普段はその程度の運動で筋肉痛は起こらないと言う。また、胃が弱いので内服ではなく、テレビコマーシャルで見たロキソプロフェン含有テープ剤の購入を希望している。かかりつけ薬剤師のこの患者への対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方3の薬剤の服用継続を指導する。", "最近の尿の色を確認する。", "体のだるさの有無を確認する。", "ロキソプロフェン含有テープ剤を使用して様子をみるように勧める。", "補中益気湯の服用を勧める。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "本症例では、2ヶ月前からフェノフィブラートの服用し始めており、また、普段の運動では認められない筋肉痛が現れていることから、副作用である横紋筋融解症を生じている可能性がある。フェノフィブラートによる横紋筋融解症が疑われる場合、かかりつけ薬剤師は、全身倦怠感の有無、尿の色調変化を確認するとともに受診勧奨する必要がある。"} +{"problem_id": "109223", "problem_text": "この患者の筋肉の状態を知るために血液検査をする場合、注目すべき生体成分はどれか。2つ選べ。", "choices": ["クレアチンキナーゼ", "ビリルビン", "乳酸デヒドロゲナーゼ", "ヘモグロビン", "尿酸"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "筋肉の状態を確認するために注目すべき生体成分として、クレアチンキナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、ミオグロビンがある。クレアチンキナーゼは、転移酵素の1つで、筋肉に多く含まれている。乳酸デヒドロゲナーゼは、ピルビン酸と乳酸との相互変換を触媒する酵素であり、多くの組織に存在している。ミオグロビンは、酸素を筋組織中で運搬・貯蔵するタンパク質であり、筋肉に多く含まれている。これらのことから、筋組織が障害されると、クレアチンキナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、ミオグロビンが細胞外に逸脱して血中に流入し、さらに尿中に排泄される。"} +{"problem_id": "109224", "problem_text": "3歳5ヶ月女児。台所で沸かしていたやかんのお湯をかぶり、体表の熱傷(II度)で救急搬送された。入院14日目に39^{\\circ} Cの発熱を認め、熱傷創部からセフェム系抗菌薬に感受性のある【A】が同定されたため、セフタジジムを2週間投与し、症状が改善したため終了した。抗菌薬終了7日後に、再び38^{\\circ} Cの発熱及び熱傷創部に膿を認めた。膿を検査したところ、【A】が同定された。検出された【A】の薬剤感受性試験及び患者の血液検査の結果は、以下のとおりである。なお、この患者はアモキシシリン水和物に対するアレルギー歴がある。【A】に該当する細菌に関しては、培養検査等により以下の情報が得られている。【A】はどれか。1つ選べ。「好気条件で増殖する。グラム陰性菌である。鞭毛を有する。芽胞は形成しない。色素ピオシアニンを産生する。バイオフィルムを形成する。」", "choices": ["リステリア菌", "緑膿菌", "淋菌", "黄色ブドウ球菌", "破傷風菌"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "培養検査の結果より、【A】は、好気条件で増殖するグラム陰性菌であり、鞭毛を有する。また、芽胞は形成せず、色素ピオシアニンを産生することに加え、バイオフィルムを形成する。このことから【A】は緑膿菌であると推察される。"} +{"problem_id": "109225", "problem_text": "この患者の検査結果を受けて、医師と感染制御チーム(ICT)の薬剤師が協議した。薬剤師が医師に提案する抗菌薬として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["シプロフロキサシン", "メロペネム", "アミカシン", "セフタジジム", "タゾバクタム・ピペラシリン"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "本設問にある薬剤感受性検査の結果より、セフタジジムに耐性を示していることを読み取ることができる。また、本患者はアモキシシリン水和物に対するアレルギー歴があることから、ペニシリン系抗菌薬を使用することができない(タゾバクタム・ピペラシリンは不適切)。本患者は3歳5ヶ月の小児であり、シプロフロキサシンを投与することができない。よって、メロペネム、アミカシンを提案することが適切である。"} +{"problem_id": "109226", "problem_text": "68歳女性。身長150cm、体重41kg(BMI18.2)。独居。喫煙歴無し。飲酒しない。最近、体重の減少と体力の低下が気になっていたところ、テレビでフレイルの特集を見て、自分も該当するのではないかと心配となり、健康サポート薬局の薬剤師に相談に来た。薬剤師はこの女性に生活習慣について尋ね、以下の情報を得た。・近頃、固いものが食べにくくなったので豆腐のような軟らかいものを好んで食べている。・運動習慣は週に1回程度、散歩を行なってきたが、最近疲れやすくなったので外に出ない日が多くなった。・年をとるとともに友人が少なくなったので、他者と交流する機会は、ほとんどない。フレイルに関する内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["フレイルは、加齢に伴う身体的、精神的な機能低下のことである。", "フレイルは、要介護になった状態のことである。", "フレイルは、回復することない病態である。", "フレイルの進行を防ぐことは、健康寿命の延伸につながる。", "フレイルは、過栄養により防ぐことができる。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109227", "problem_text": "薬剤師がこの女性にフレイル予防に関する提案の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["タンパク質の摂取量を減らす。", "咀嚼機能と嚥下機能の低下を防ぐため、口腔体操などを行う。", "日常生活において、できるだけ紫外線を浴びないようにする。", "疲労を回避するために、運動は現状よりも控える。", "地域の活動に参加して、適度に人との交流を行う。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109228", "problem_text": "70歳男性と60歳女性の夫婦。2人で、打たせ湯のある温泉施設に日帰り旅行へ行ったところ、翌日夜に女性は全身倦怠感と頭痛を伴う発熱の症状を呈したが、自宅療養し、2日後に回復した。一方、男性は旅行から帰った5日後に発熱し、呼吸困難感、湿性咳嗽と胸痛の症状が見られたため、医療機関を受診したところ、肺炎と診断され入院となった。男性は身長165cm、体重53kg。入院時の各種検査結果は以下のとおりである。さらに、この男性が罹患している疾病に関して、尿中抗原検査及び喀痰の遺伝子増幅法検査を追加で施行した結果、いずれも陽性となった。夫婦は同じ病原体に罹患し、女性はポンティアック熱であったと考えられた。(身体所見) 体温 38.2^{\\circ} C、血圧101/62 mmHg、脈拍95拍/分(整)、SpO_{2}(ルームエアー)93% (検査所見) :白血球12,000/\\microL、赤血球440\\times 10^{4}/\\microL、Hb 14.3 g/dL、血小板 20\\times 10^{4}/\\microL、AST 25 IU/L、ALT 20 IU/L、総ビリルビン 0.8mg/dL、血清クレアチニン 2.0mg/dL、CRP 18.2mg/dL、SARS-CoV2-PCR(鼻咽頭ぬぐい液)陰性、尿中肺炎球菌抗原検査陰性 この男性患者に対する治療薬として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["レボフロキサシン", "オセルタミビル", "アモキシシリン", "セフジニル", "ニルマトレルビル・リトナビル"], "text_only": true, "answer": ["1"], "comment": ""} +{"problem_id": "109229", "problem_text": "この男性患者が罹患した疾病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["感染症法(注)において三類感染症に分類される。", "高齢者や免疫力の低下した人がかかる日和見感染症である。", "ビル空調機の循環冷却水や加湿器から発生するエアロゾルを吸入することで集団発生しやすい。", "罹患者の飛沫によって、直接他者へ感染する。", "ワクチン接種により予防することができる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109230", "problem_text": "56歳男性。30歳から印刷会社に勤務している。6ヶ月ごとに実施される特定化学物質健康診断を受診したところ、第一次検査の結果は以下のとおりであった。(第一次検査の検査値) 身長165cm、体重62.5kg、体温36.6^{\\circ} C、血圧122/83mmHg 脈拍76拍/分、AST40 IU/L、ALT46 IU/L、\\gamma -GTP 95/L 第二次検査として、腹部の超音波による検査等の画像検査、呼気中の一酸化炭素量の測定、血清間接ビリルビン及び血液中の腫瘍マーカーの検査を受けた。(第二次検査の検査値(一部抜粋)) 血清間接ビリルビン0.97mg/dL(総ビリルビン1.81mg/dL、直接ビリルビン 0.84mg/dL)、胆道がんの腫瘍マーカー陽性 画像検査で胆道に腫瘍が見つかった。本症例で陽性となった胆道がんの腫瘍マーカーはどれか。1つ選べ。", "choices": ["NSE(neuron specific enolase)", "PSA(prostate specific antigen)", "CYFRA 21-1(cytokeratin 19 fragment antigen)", "CA19-9(carbohydrate antigen 19-9)", "SCC抗原(squamous cell carcinoma related antigen)"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109231", "problem_text": "この男性は第二次検査の結果から、最終的に胆道がんと診断された。その原因となった可能性が高いと考えられる化学物質はどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109232", "problem_text": "乳児(生後1ヶ月、女児)を連れた母親が、女児の1ヶ月検診を受けた後に、女児が服用している薬について相談したいことがあるということで、かかりつけ薬局に来局した。女児の出生時の体重は2,940gであり、母乳栄養で現在は3,890gである。女児は、メナテトレノンシロップ1mLを哺乳確立時、生後1週目(産科退院時)、今回と合計3回内服している。母親は、女児へのメナテトレノン投与の理由について薬剤師に質問をした。薬剤師が母親へ行った説明内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["くる病の発症リスクを軽減するため。", "黄疸等の肝障害リスクを軽減するため。", "頭蓋内出血等の出血リスクを軽減するため。", "神経管閉鎖障害のリスクを軽減するため。", "アレルギーの発症リスクを軽減するため。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109233", "problem_text": "薬剤師は母親にメナテトレノン投与によって、あるビタミンを補充できることを説明した。このビタミンが新生児や幼若乳児で不足する理由として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["胎盤を通過しにくいため。", "母乳中の含有量が少ないため。", "胆汁分泌が低下している場合には、吸収されにくいため。", "新生児や乳児は代謝及び排泄が亢進しているため。", "新生児と乳児は、腸内細菌叢が未発達であるため。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109234", "problem_text": "55歳男性。身長165cm、体重46kg。脳血管障害により3年前から寝たきりの状態となり自宅療養中であった。ベッドから誤って転落し、大腿骨を骨折したため、入院となった。入院時、仙骨部に褥瘡が認められ、病態としては黄色期と判断されたことから、褥瘡チームが介入した。褥瘡チームが回診で確認したところ滲出液、創周囲の感染徴候が認められた。褥瘡チームの薬剤師による医師への提案として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["急性期の病態と考えられることから、積極的な薬物治療は行わず、経過観察する。", "抗菌薬を全身投与する。", "スルファジアジン銀クリームを患部に塗布する。", "精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏を患部に塗布する。", "クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏を患部に塗布する。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109235", "problem_text": "褥瘡治療においては、必要なエネルギー量と摂取タンパク質量を考慮することが重要であるため、NST(Nutrition Support Team)の薬剤師が介入することとなった。この患者に必要な栄養投与量は、総エネルギー量が体重1kgあたり30 kcal、タンパク質摂取量が1日あたり60gである。この場合の非タンパク質カロリー/窒素比(NPC/N比)として最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、タンパク質の窒素含有率は16%とする。", "choices": ["100", "120", "140", "160", "180"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109236", "problem_text": "猛暑日が続き、連日にわたって熱中症警戒アラ��トが発表されているため、多くの人がドラッグストアに病者用食品の経口補水液を購入に来た。購入希望者から薬剤師に、脱水や熱中症への対策について相談が度々あった。薬剤師が、購入希望者に対して行う、脱水や熱中症に関する説明内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["室内で過ごしていれば、熱中症になることはありません。", "喉の渇きを感じるまで、水分補給は必要ありません。", "経口補水液を飲み過ぎると、ナトリウムの過剰摂取につながる恐れがあります。", "めまいや大量の発汗、筋肉のこむら返りなどの初期症状に注意してください。", "この経口補水液は病者用の食品であるので、医師の診断を受けてから摂取してください。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109237", "problem_text": "この経口補水液に表示されているマークはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109238", "problem_text": "70歳男性。同居している息子夫婦に付き添われて来局。20歳の頃より喫煙習慣があり(ブリンクマン指数: 1,200)、現在も1日に10本程度喫煙している。また職業上の粉じん曝露歴があった。数年前より労作時の息切れが出現し、徐々に症状が悪化したために近医を受診し、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断され、以下の処方が出された。処方薬の注意すべき主な副作用はどれか。2つ選べ。", "choices": ["排尿障害", "徐脈", "口腔内カンジダ", "下痢", "口渇"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109239", "problem_text": "この男性は現在も喫煙を続けていることから、息子夫婦から、喫煙が健康に及ぼす影響を父親に説明してほしいとの依頼があった。薬剤師がこの男性に対して行う、「喫煙と健康」に関して説明する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["COPDの最大のリスク要因は喫煙である。", "受動喫煙は虚血性心疾患や脳卒中のリスクを高める心配はない。", "たばこの発がん物質は主流煙に多く含まれており、副流煙にはほとんど存在しない。", "能動喫煙の防止を目的として、健康増進法が制定されている。", "喫煙によって薬物代謝酵素が誘導され、効果に影響が出る薬もある。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109240", "problem_text": "37歳女性。生後6ヶ月の男児あり。母乳哺育中。3ヶ月前に動悸、食欲亢進、体重減少が現れたため、かかりつけ医を受診したところ、甲状腺機能亢進が疑われ、精査の結果、バセドウ病と診断された。プロピルチオウラシル錠内服による治療が開始されたが、投与開始1ヶ月後の検査において、白血球数減少が認められたため、放射性同位体^{131}Iを含む放射性医薬品(ヨウ化ナトリウム(^{131}I)カプセル)による治療に変更することになった。この放射性同位体^{131}Iを含む放射性医薬品の服用前後の生活における注意点について、この患者への薬剤師の説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["服用1〜2週間前から、海藻類を含む食品などの摂取を増やしてください。", "服用後も母乳哺育を継続することができます。", "服用1〜2週間前から、ヨウ素含有うがい液の使用を避けてください。", "服用後1週間は、子供との長時間の接触(添い寝など)は避けるようにしてください。", "服用後も、洗濯やお風呂は同居の人と区別する必要はありません。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109241", "problem_text": "この患者の治療に用いる放射性同位体^{131}Iを含む放射性医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、この放射性医薬品に含まれる^{131}Iの物理学的半減期は8日、生物学的半減期は80日とする。", "choices": ["^{131}Iの壊変方式は\\beta ^{+}壊変で、\\beta ^{+}線と\\gamma 線を放出する。", "^{131}Iの実効半減期は、7.3日である。", "この医薬品は、非密封小線源として治療に用いられる。", "^{131}Iは体内に吸収されると、甲状腺だけでなく骨にも集積する。", "脳腫瘍の治療にも用いられる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109242", "problem_text": "ある市立中学校で、線状降水帯による大雨のため床下浸水の被害が発生し、休校となった。この学校では、市から供給される水���水のみを水源とし、地下の受水槽に一旦貯めたのちに、高置水槽に揚水して給水栓に飲料水を供給している。学校を再開するにあたり、臨時検査として給水栓の飲料水の水質を検査することになり、学校薬剤師が以下の項目について検査を行った。検査項目: 一般細菌、大腸菌、塩化物イオン、全有機炭素(TOC)の量、pH値、味、臭気、色度、濁度及び遊離残留塩素 下表は学校薬剤師が採水時に測定した項目及び検査機関で測定した項目の検査結果である。直近の定期検査は災害の2ヶ月前に実施したものである。検査を行った項目のうち、次の試薬A〜Cを用いる項目の組み合わせとして正しいのはどれか。1つ選べ。試薬A 試薬B 試薬C 1 大腸菌 一般細菌 pH値 2 遊離残留塩素 一般細菌 塩化物イオン 3 塩化物イオン 大腸菌 pH値 4 遊離残留塩素 大腸菌 塩化物イオン 5 大腸菌 pH値 遊離残留塩素", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109243", "problem_text": "この検査結果から、薬剤師が学校に報告する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["臨時検査において一般細菌が検出されていることから、地下の受水槽に汚染された雨水などが流入したおそれがある。", "塩化物イオン濃度と大腸菌の検査結果から、地下の受水槽がし尿で汚染されたおそれがある。", "定期検査及び臨時検査のいずれにおいてもTOCが検出されていることから、災害の前から高置水槽で藻類による汚染が発生していたと考えられる。", "定期検査の結果と比較して、臨時検査ではpH値が低下しているため、遊離残留塩素の消毒効果が減弱したと考えられる。", "臨時検査において遊離残留塩素が学校環境衛生基準を満たしていないため、飲料に適さない。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109244", "problem_text": "夫婦と小学生2人の4人家族。冬休みに、スキー場近くのキャンプ場で大型テントを張り、その中で炭火を使って鉄板でバーベキューをしていた。また、テントの入り口付近では、暖房器具の電源として携帯型のガソリンエンジン発電機を使用していた。しばらくして、通りがかった隣のテントの男性が、昏睡状態で倒れているこの家族を発見した。搬送受入先の救急指定病院では、一酸化炭素ガス中毒を疑った救急救命チームの医師の指示で、血液検査と血液ガス分析が行われた。一酸化炭素ガス中毒の診断に最も有効な検査項目はどれか。1つ選べ。", "choices": ["pH", "重炭酸イオン", "動脈血二酸化炭素分圧", "血清クレアチニン値", "カルボキシヘモグロビン"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109245", "problem_text": "前問の検査で診断が確定した。この中毒の原因物質に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["独特の腐敗臭を有する気体で、窒息性の呼吸器障害を引き起こす。", "無色で、呼吸器に対する刺激性を有する気体である。", "無色無臭で、空気よりもわずかに軽い可燃性の気体である。", "赤血球中のヘムと強固に結合して酸素の運搬を阻害する。", "ヘモグロビンの二価の鉄を酸化し、酸素への結合能力を消失させる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109246", "problem_text": "65歳男性。肝腫瘍の精査目的で来院し、CT検査にてS2区域に35mmの乏血性腫瘍が確認された。入院し、超音波ガイド下で経皮的に生検針を刺し、肝臓の一部を採取する肝生検を実施することになった。入院予定2週間前の外来受診の際に、以下の薬剤を継続して服用していることを薬剤師が聴取した。この患者が継続服用していることが確認された薬物の作用として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ジペプチジルペプチダーゼー4(DPP-4)を阻害して、グルコースによるインスリン分泌を促進する。", "ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体\\alpha (PPAR\\alpha )を刺激して、リポタンパク質リパーゼ(LPL)を活性化する。", "K^{+}と競合して、胃の壁細胞のH^{+},K^{+}-ATPaseを可逆的に阻害することで、H^{+}分泌を抑制する。", "血小板のセロトニン5-HT_{2}受容体を遮断して、細胞内Ca^{2+}濃度上昇を抑制する。", "活性代謝物が血小板のADP P2Y_{12}受容体を遮断して、細胞内サイクリックAMP(cAMP)量を増加させる。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "◉クロピドグレル\nADP受容体のサブタイプであるP2Y_{12}を特異的に阻害し、Giタンパク質の活性を阻害することによりアデニル酸シクラーゼを活性化することで血小板凝集抑制作用を示す。◉アムロジピン\n血管選択性が高く、血管平滑筋のL型カルシウムチャネルを遮断することにより血管拡張作用を示す。◉ランソプラゾール\n胃酸により活性化されたあと、プロトンポンプのSH 基と不可逆的に結合し、胃酸分泌抑制作用を示す。◉フェノフィブラート\n核内タンパク質であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体\\alpha (PPAR\\alpha )に結合し、リポ蛋白リパーゼ(LPL)を活性化することによりトリグリセリドの分解を促進する。◉グリメピリド\n膵臓の\\beta 細胞膜に存在するSU受容体に結合し、ATP感受性K^{+}チャネルを閉口させることによりインスリン分泌促進作用を示す。"} +{"problem_id": "109247", "problem_text": "この患者で肝生検を行うにあたり休薬する薬剤として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["クロピドグレル錠", "アムロジピン口腔内崩壊錠", "ランソプラゾール口腔内崩壊錠", "フェノフィブラート錠", "グリメピリド錠"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "生検など組織侵襲を伴う検査や手術を行う場合、抗血小板薬(クロピドグレル錠)、経口血糖降下薬(グリメピリド錠)を休薬する必要がある。"} +{"problem_id": "109248", "problem_text": "68歳男性。胸痛、咳嗽、発熱により救急外来を受診した。胸部X線検査で肺炎像と胸水貯留が認められ、重症細菌性肺炎が疑われたため入院となり、以下の処方1と処方2で治療を開始することとなった。救急外来担当薬剤師がお薬手帳を確認したところ、てんかんの治療中であり、現在、バルプロ酸ナトリウム、レベチラセタム、ペランパネルを内服していることがわかった。この患者で生じる可能性のある薬物相互作用を踏まえて、薬剤師が医師に変更を提案する薬物として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["バルプロ酸ナトリウム", "ペランパネル", "レベチラセタム", "メロペネム", "アセトアミノフェン"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "バルプロ酸ナトリウムとカルバペネム系抗生物質(メロペネム等)を併用すると、バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかん発作が再発することがあるため、両剤は併用禁忌とされている。継続して使用している抗てんかん薬を変更すると、てんかん症状が悪化する可能性があるため、抗菌薬であるメロペネムを変更するように提案する必要がある。"} +{"problem_id": "109249", "problem_text": "この患者で薬物相互作用が懸念される抗てんかん薬の作用機序はどれか。2つ選べ。", "choices": ["炭酸脱水酵素を阻害して、神経細胞の過剰興奮を抑制する。", "グルタミン酸AMPA受容体を遮断して、シナプス後膜の興奮を抑制する。", "T型Ca^{2+}チャネルを遮断して、シナプス後膜の興奮を抑制する。", "シナプス小胞タンパク質(SV2A)と結合して、興奮性神経伝達物質の放出を抑制する。", "GABA トランスアミナーゼを阻害して、シナプス間隙における GABA量を増加させる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "バルプロ酸ナトリウムは、GABA分解酵素であるGABAトランスアミナーゼを阻害することによりGABAを増加させ、神経興奮を抑制するとともにT型Ca^{2}^{+}チャネル、Na^{+}チャネル遮断作用を有する。"} +{"problem_id": "109250", "problem_text": "50歳男性。会社員。人事異動で1年前に本社の営業課長を命じられた。しかし仕事に順応できず、ストレス、不安感及び過食が3ヶ月続いた。上司のすすめもあり心療内科を受診し、うつ病と診断され以下の処方1で治療中である。内服開始後、特に副作用は現れていないが、十分な効果が認められないため、医師は処方に新たに薬剤を追加して併用療法を行いたいと考えている。なお、男性は現在排尿障害を伴う前立腺肥大症で処方2を内服中である。この患者に対して禁忌ではなく、併用療法として用いることができる薬物はどれか。1つ選べ。", "choices": ["アミトリプチリン", "アリピプラゾール", "マプロチリン", "ミルナシプラン", "クロミプラミン"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "本症例では、排尿障害を伴う前立腺肥大症に対して薬物療法を行なって���ることから、前立腺肥大症に伴う排尿障害を悪化させない抗うつ薬を併用する必要がある。三環系抗うつ薬(アミトリプチリン、クロミプラミンなど)、四環系抗うつ薬(マプロチリンなど)は、抗コリン作用を有するため、前立腺肥大症に伴う排尿障害がある場合、投与禁忌とされており、また、ノルアドレナリン・セロトニン再取り込み阻害薬(ミルナシプランなど)は、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有するため、前立腺肥大症に伴う排尿障害がある場合、投与禁忌とされている。これらのことから、本症例ではアリピプラゾールを併用療法として用いることが推奨される。なお、アリピプラゾールは、既存治療で十分な効果が認められないうつ病・うつ状態の治療に用いられる。"} +{"problem_id": "109251", "problem_text": "前問において禁忌のため用いることができないと判断された薬物は、この患者の症状を悪化させるおそれがある。その理由はどれか。2つ選べ。", "choices": ["ドパミンD_{2}受容体が遮断されるため。", "ムスカリンM_{3}受容体が遮断されるため。", "セロトニン5-HT_{3}受容体が遮断されるため。", "アドレナリン\\alpha _{1}受容体が刺激されるため。", "アンドロゲン受容体が刺激されるため。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "抗コリン作用を有する薬物(アミトリプチリン、クロミプラミン、マプロチリンなど)を用いると、ムスカリンM_{3}受容体が遮断され、膀胱平滑筋が弛緩するため、前立腺肥大症に伴う排尿障害が悪化する。また、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有する薬物(ミルナシプランなど)を用いると、ノルアドレナリンによりアドレナリン\\alpha _{1}受容体が刺激され、前立線平滑筋が収縮するため、前立腺肥大症に伴う排尿障害が悪化する。"} +{"problem_id": "109252", "problem_text": "73歳女性。左前頭部が柔らかく腫張しているのを自覚し、かかりつけ医を受診した。腫瘤性病変を指摘され、精査加療目的で紹介入院となった。CT検査で頭蓋及び四肢に骨病変が認められた。骨髄検査の結果、単クローン性の形質細胞が37.0%であったことから多発性骨髄腫と診断され、以下の DLd(ダラツムマブ、レナリドミド、デキサメタゾン)療法が開始された。今回の薬物治療における薬剤管理として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ダラツムマブの使用にあたっては、製造販売業者が策定した適正流通管理システムへの薬剤師の登録が必要である。", "レナリドミドの使用にあたっては、製造販売業者が策定した適正管理手順に従って、調剤及び管理上の責任を担う、責任薬剤師の登録が必要である。", "ダラツムマブを使用する前に、肝炎ウイルス感染の有無を確認する必要がある。", "レナリドミドは、服用しやすいように脱カプセルする必要がある。", "デキサメタゾンは、帳簿への記載が必要である。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\nダラツムマブを使用するにあたって、製造販売業者が策定した適正流通管理システムへと薬剤師の登録は不要である。2:正\nレナリドミドは、催奇形性を示すため、製造販売業者が策定した適正管理手順に従って、調剤及び管理上の責任を担う、責任薬剤師の登録が必要である。また、レナミドミドを処方する医師も登録が必要である。3:正\nダラツムマブを投与することにより、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎が現れることがあるため、ダラツムマブ投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認する必要がある。4:誤\nレナリドミドは、催奇形性を有するため、患者以外のものが暴露しないように、調剤する際には脱カプセルしないこととされている。5:誤\nデキサメタゾンを調剤した際には、帳簿に記載する必要はない。"} +{"problem_id": "109253", "problem_text": "治療開始後、血清カルシウム値が12mg/dLを超えたため、薬物を追加することとなった。追加する薬物の作用機序として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["骨芽細胞の副甲状腺ホルモン受容体を遮断する。", "副甲状腺細胞のカルシウム受容体を遮断する。", "破骨細胞のファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害する。", "骨芽細胞のRANKL(NF-kB 活性化受容体リガンド)の作用を阻害する。", "小腸上皮細胞のビタミンD受容体を活性化す���。"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "本症例では、多発性骨髄腫と診断されており、血清カルシウム値が12mg/dL(基準値:\n8.4〜10.0mg/dL)と高値を示していることから多発性骨髄腫による高カルシウム血症が現れていると推察される。多発性骨髄腫による高カルシウム血症には、ビスホスホネート製剤であるゾレドロン酸水和物や抗RANKLモノクローナル製剤であるデノスマブ(遺伝子組換え)が用いられる。ゾレドロン酸水和物は、破骨細胞内でファルネシルピロリン酸(FPP)合成酵素を阻害し、FPP、ゲラニルゲラニルピロリン酸の合成を阻害することで破骨細胞のアポトーシスを誘導する。また、デノスマブは、RANKリガンド(RANKL)に特異的に結合し、RANKLのRANKへの結合を阻害することにより破骨細胞の成熟を抑制する。"} +{"problem_id": "109254", "problem_text": "70歳男性。身長165cm、体重50kg。1年前に心筋梗塞を起こし、心室細動による心停止で救命救急センターに搬送され、心蘇生術を施し心機能が回復した。その後、意識消失発作を起こしたため、半年前に埋め込み型除細動器(ICD)^{(注)}と以下の処方で治療を開始した。(注)体に埋め込んで、致死的な不整脈を自動的に感知し、電気ショックを与えて心臓の動きを正常にもどす医療機器 しかし、その後もICDが作動することがあり、医師は心室性不整脈予防のための追加薬を検討している。追加する薬物として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["一硝酸イソソルビド", "キニジン", "イソプレナリン", "アミオダロン", "ジルチアゼム"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "本症例では、不整脈による意識消失発作を起こしたため、埋め込み型除細動器(ICD)で治療を開始したが、ICDが作動することがあり、生命に危険のある再発性不整脈予防のための薬物療法が検討されたと推察される。生命に危険のある再発性不整脈(心室細動、心室頻拍)を予防するためには、アミオダロンやソタロールが用いられる。"} +{"problem_id": "109255", "problem_text": "前問で追加する薬物が有する作用機序はどれか。2つ選べ。", "choices": ["可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。", "アデノシンA_{1}受容体を刺激する。", "アセチルコリンM_{2}受容体遮断する。", "L型Ca^{2+}チャネルを遮断する。", "K^{+}チャネルを遮断する。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "アミオダロンは、Vaughan\nWillams分類III群に分類されており、K^{+}チャネルを遮断することにより活動電位持続時間、不応期を延長する。また、アミオダロンは、\\alpha\n\\beta\n受容体遮断作用、Na^{+}チャネル、Ca^{2}^{+}チャネル遮断作用を示す。"} +{"problem_id": "109256", "problem_text": "52歳女性。40歳時に気管支ぜん息と診断された。現在、処方1〜5の薬剤を服用しており、アドヒアランスは良好であるが、ぜん息発作で頻回に入院していた。今回、ぜん息発作のコントロール目的で入院となり、処方6が追加された。薬剤師が処方6の薬剤の投与量を監査するために確認すべき患者情報はどれか。2つ選べ。", "choices": ["体表面積", "体重", "投与前血清中総IgE濃度", "投与前血清中IL-5濃度", "投与前血中好酸球数"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "オマリズマブ(遺伝子組換え)皮下注の1回あたりの投与量並びに投与間隔は、初回投与前血清中総IgE濃度及び体重に基づき、投与換算表により設定することとされている。"} +{"problem_id": "109257", "problem_text": "処方1〜6のいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["トロンボキサン合成酵素を阻害することで、気管支平滑筋の収縮を抑制する。", "アデノシンA_{1}受容体を遮断して、気管支平滑筋の収縮を抑制する。", "2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)におけるIL-5の産生を抑制することで、肺への好酸球浸潤を抑制する。", "IgEに結合して、IgEが肥満細胞膜上のIgE受容体に結合するのを阻害することで、炎症性メディエーターの産生を抑制する。", "IL-5に結合して、IL-5が好酸球の細胞膜上のIL-5受容体に結合するのを阻害することで、血中の好酸球数を減少させる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nオザグレルに関する記述である。オザグレルは、トロンボキサン合成酵素を阻害し、TXA_{2}合成を阻害することにより、気管���平滑筋の収縮を抑制する。2:正テオフィリンに関する記述である。テオフィリンは、アデノシンA_{1}受容体を遮断することに加え、非選択的にホスホジエステラーゼを阻害することにより気管支平滑筋の収縮を抑制する。3:誤\nスプラタストに関する記述である。スプラタストは、2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)におけるIL-5の産生を抑制することで、肺への好酸球浸潤を抑制することに加え、IL-4の産生を抑制し、B細胞でのIgE産生抑制作用を示す。4:正\nオマリズマブに関する記述である。オマリズマブは、抗IgEモノクローナル抗体であり、IgEと結合し、肥満細胞及び好塩基球とIgEの結合を阻害することでケミカルメディエーターの遊離を抑制する。5:誤\nメポリズマブに関する記述である。メポリズマブは、抗IL-5モノクローナル抗体であり、IL-5と結合し、好酸球とIL-5の結合を阻害することで好酸球の増殖を抑制する。"} +{"problem_id": "109258", "problem_text": "25歳女性。身長153cm、体重40kg。19歳のときにクローン病と診断され、メサラジンとアザチオプリンによる併用療法を実施していたが、効果不十分のため1年前よりアダリムマブ(遺伝子組換え)皮下注が追加となった。2週間前より、発熱、腹痛及び下痢があり検査目的で入院となった。内視鏡検査の結果、症状が悪化していることが分かり、アダリムマブが以下の処方1に変更されるとともに、処方2が追加された。この患者に対する服薬指導の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メサラジンと処方1の薬剤との相互作用による重篤な副作用がないこと。", "処方1の薬剤への変更後は、妊娠を気にしなくてよいこと。", "処方1の薬剤はアダリムマブとは異なり、感染症のリスクがないこと。", "処方2の薬剤は腸への負担が少ないこと。", "処方2の薬剤を水や微温湯に溶解後、時間をかけずにすばやく飲み干すこと。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n処方1(ウステキヌマブ(遺伝子組換え))は、他剤と相互作用を起こすとの報告はない。2:誤\n処方1の薬剤への変更後、ウステキヌマブ、エレンタール配合内用剤、メサラジンを使用しており、3剤ともに妊婦に対して治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に投与することとされており、妊娠を気にする必要がある。また、エレンタール配合内用剤には、ビタミンAが含まれており、妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性には、ビタミンA5000IU /日以上は投与しないこととされている。3:誤\nウステキヌマブ(遺伝子組換え)は、免疫抑制作用を有するため、感染のリスクを増大させる可能性がある。4:正\n処方2(エレンタール配合内用剤)は、成分栄養剤であり、窒素源としてアミノ酸が含まれており、タンパク質の消化を必要としない。また、本剤は、脂質の含量が少なく、腸管に負担をかけずに栄養を摂取することができる。5:誤\n処方2(エレンタール配合内用剤)は、時間をかけずにすばやく服用すると、副作用である下痢、お腹が張る等の症状が現れることがあるため、投与速度に注意して服用する必要がある。"} +{"problem_id": "109259", "problem_text": "クローン病の症状寛解を目的とした薬物の作用機序のうち、今回までに処方されてきたのとは異なるのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["リンパ球表面に発現する\\alpha _{4}\\beta _{7}インテグリンに結合することで、リンパ球の腸管粘膜への浸潤を阻害する。", "可溶性及び膜結合型 TNF-\\alpha に特異的に結合することで、TNF-\\alpha の受容体への結合を阻害する。", "IL-12及びIL-23のp40サブユニットに結合することで、ヘルパーT細胞の活性化を抑制する。", "生体内でチオイノシン酸となり、イノシン酸と拮抗してプリンヌクレオチドの生合成を阻害する。", "細胞内でグルココルチコイド受容体に結合し、核内移行して遺伝子転写を調節することで、抗炎症作用を示す。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正ベドリズマブに関する記述である。ベドリズマブは、抗\\alpha\n_{4}\\beta\n_{7}インテグリンモノクローナル抗体であり、リンパ球表面に存在する\\alpha\n_{4}\\beta\n_{7}インテグリンに結合し、消化管粘膜及び腸管関連リンパ系組織へのリンパ球の浸潤を抑制することで、クローン病の症状を軽減する。2:誤\nアダリムマ���に関する記述である。アダリムマブは、抗TNF-\\alpha\n抗体であり、可溶性及び膜結合型\nTNF-\\alpha\nに特異的に結合し、TNF-\\alpha\nの受容体への結合を阻害することで抗炎症作用を示す。3:誤\nウステキヌマブに関する記述である。ウステキヌマブは、抗IL-12、IL-23p40モノクローナル抗体であり、IL-12及びIL-23のp40サブユニットに結合し、ヘルパーT細胞の活性化を抑制することでクローン病の症状を軽減する。4:誤\nアザチオプリンに関する記述である。アザチオプリンは、生体内でチオイノシン酸となり、イノシン酸と拮抗してプリンヌクレオチドの生合成を阻害することで、免疫抑制作用を示す。5:正\nプレドニゾロンに関する記述である。プレドニゾロンは、細胞内でグルココルチコイド受容体に結合し、核内移行して遺伝子転写を調節することで、抗炎症作用を示す。"} +{"problem_id": "109260", "problem_text": "58歳男性。身長165cm、体重85kg。2年前より2型糖尿病と診断され、以下の内服治療を行ってきた。今回患者がかかりつけ薬局に処方箋を持参した際、薬局薬剤師は、処方1〜処方3が処方2〜処方4に変更されていることを確認した。薬局薬剤師が患者に確認したところ、患者からは「医師から血糖コントロールが不十分と言われた。低血糖の症状はない。ただどうしても食事の量を減らすことができない。体重がまた少し増えた。」との情報が得られた。薬局薬剤師から患者への服薬指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方4のお薬は処方1のお薬を週1回にした注射薬です。", "処方1のお薬から処方4のお薬に変更しても、低血糖には十分に注意してください。", "処方4のお薬は処方2のお薬と同じように、利尿作用があるので脱水に注意してください。", "処方4のお薬は注射の前後で血糖自己測定を忘れずに行ってください。", "処方4のお薬は週1回同じ曜日に注射してください。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n処方4(セマグルチド(遺伝子組み換え)皮下注)は、GLP-1受容体作動薬であり、処方1(シタグリプチンリン酸塩錠)はDPP-4阻害薬であることから、処方4は処方1を週1回にした注射薬ではない。2:正\n処方1(シタグリプチンリン酸塩錠)及び処方4(セマグルチド(遺伝子組み換え)皮下注)は副作用として、低血糖を起こすことがあるため、処方1と処方4に変更しても、低血糖には注意する必要がある。3:誤\n処方4(セマグルチド(遺伝子組み換え)皮下注)は、処方2(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物錠)と異なり、利尿作用を示さない。なお、処方2は、SGLT-2阻害薬であり、尿中にグルコースを排泄し、尿の浸透圧を増大させるため、利尿作用を示す。4:誤\n処方4(セマグルチド(遺伝子組み換え)皮下注)を使用中は定期的に血糖自己測定を行う必要があるが、注射の前後で血糖自己測定を行う必要はない。5:正\n処方4(セマグルチド(遺伝子組み換え)皮下注)は、週に1回使用する製剤であり、週1回同じ曜日に注射する必要がある。"} +{"problem_id": "109261", "problem_text": "処方1〜4のいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["\\alpha -グルコシダーゼを阻害して、小腸からのグルコース吸収を抑制する。", "尿細管からのグルコース再吸収を抑制して、グルコース排泄を増加させる。", "AMP 活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を阻害して、肝臓での糖新生を抑制する。", "グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激して、グルコースによるインスリン分泌を促進する。", "アルドース還元酵素を阻害して、神経細胞内のソルビトール蓄積を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nアカルボースに関する記述である。アカルボースは、小腸上皮細胞において二糖類分解酵素である\\alpha\n-グルコシダーゼを阻害し、単糖の生成を抑制することで、腸管からの糖の吸収を遅らせる。2:正\nダパグリフロジンプロピレングリコール水和物に関す:る記述である。ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物は、SGLT2(sodium\nglucose\nco-transporter\n2)阻害し、腎の近位尿細管でのグルコースの再吸収を抑制することにより血中の過剰なグルコースを体外への排泄を促進する。3:誤\nAMP\n活性化プロテインキナーゼ(AMPK)��阻害して、肝臓での糖新生を抑制する薬剤は存在しない。なお、メトホルミンは、AMP活性化プロテインキナーゼを活性化することで糖新生を抑制するとともに末梢における糖の利用を促進する。4:正\nセマグルチド(遺伝子組換え)に関する記述である。セマグルチド(遺伝子組換え)は、膵臓B(\\beta\n)細胞膜のGLP-1受容体を刺激し、cAMPを増加させることで血糖依存的にインスリン分泌促進作用を示すとともにグルカゴン分泌抑制作用を示す。5:誤\nエパルレスタットに関する記述である。エパルレスタットは、グルコースからソルビトールへの変換に関わるアルドース還元酵素を阻害し、高血糖による神経細胞内のソルビトールの蓄積を抑制することで糖尿病神経障害の自覚症状を改善する。"} +{"problem_id": "109262", "problem_text": "70歳男性。糖尿病と心不全で治療中。3年前に眼圧の上昇が指摘され、原発開放隅角緑内障との診断を受け、処方1による治療を開始した。なお、同時に白内障の診断も受けている。点眼液による治療開始後、目の周囲が黒ずむなど眼瞼色素沈着が観察されるようになったため、処方1から処方2へ変更になった。その後、眼圧低下が不十分と診断され、現在は処方2に加えて処方3が追加となっている。点眼液使用に関して、薬剤師がこの患者に指導する内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["処方2と処方3の薬剤については、朝の点眼時、時間をおかずに連続して点眼すること。", "処方3の薬剤は懸濁性点眼液なので、朝の点眼時には、処方3の薬剤を最初に使用すること。", "処方2の薬剤は水分の排出を促すので、いつもより水分を多めに摂取すること。", "処方2の薬剤は保存剤が含まれているので、毎回よく振って使用すること。", "処方3の薬剤は点眼後、全身作用を起こすことがあるので、過敏性の兆候に注意すること。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:誤\n処方2(オミデネパグ イソプロピル点眼液)は、他の点眼剤と併用する場合、5分以上間隔をおく必要があり、また、処方3(ブリンゾラミド懸濁性点眼液)は、他の点眼剤と併用する場合、10分以上間隔をおいて点眼する必要がある。2:誤\n処方3(ブリンゾラミド懸濁性点眼液)は、懸濁性点眼液であり、効果を発現させるために懸濁粒子を滞留させる必要があるため、処方2(オミデネパグ イソプロピル点眼液)を使用後、10分以上間隔をあけて、処方3を使用する必要がある。3:誤\n処方2(オミデネパグ イソプロピル点眼液)は、水分の排泄を促す作用を有していないため、いつもより水分を多く摂取する必要はない。4:誤\n処方2(オミデネパグ イソプロピル点眼液)には、保存剤を含んでいるが、無色透明、水性点眼液であるため、毎回よく振って使用する必要はない。なお、処方3(ブリンゾラミド懸濁性点眼液)は、懸濁性点眼液であり、毎回よく振って使用する必要がある。5:正\n処方3(ブリンゾラミド懸濁性点眼液)は、点眼後、吸収され全身作用を起こすことがあるため、過敏性の兆候に注意する必要がある。"} +{"problem_id": "109263", "problem_text": "しばらくして白内障の手術(眼内レンズ挿入術)のため入院となり、処方2が中止となった。処方2に替えて、新たに異なる作用機序の薬物を追加することになった。追加する薬物の作用機序として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アドレナリン\\alpha _{2}受容体を刺激して、毛様体における房水産生を抑制するとともに、ぶどう膜強膜流出経路からの房水流出を促進する。", "アドレナリン\\beta 受容体を遮断して、毛様体における房水産生を抑制する。", "炭酸脱水素酵素を阻害して、毛様体における房水産生を抑制する。", "Rho キナーゼを阻害して、線維柱帯-シュレム管経路からの房水流出を促進する。", "プロスタノイド EP2受容体を刺激して、線維柱帯-シュレム管経路及びぶどう膜強膜流出経路からの房水流出を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "本症例では、白内障の手術のために処方2(オミデネパグ\nイソプロピル点眼液)に替えて、新たに異なる作用機序の薬を追加することとなっていることから、オミデネパグ\nイソプロピル点眼液、ラタノプロスト点眼液、ブリンゾラミド点眼液と作用の異なる点眼��を追加する必要がある。また、本患者は、心不全を治療中であることから、非選択的\\beta\n受容体遮断薬を投与することは推奨されない。よって、選択肢のうち、追加する薬物の作用機序として適切なのは選択肢1、4である。1:正ブリモニジンに関する記述である。ブリモニジンは、\\alpha\n_{2}受容体を刺激し、房水産生抑制作用を示すとともにぶどう膜強膜からの房水流出を促進する。2:誤\nチモロールに関する記述である。チモロールは、非選択的\\beta\n受容体遮断薬であり、房水産生抑制作用を示す。3:誤\nブリンゾラミドに関する記述である。ブリンゾラミドは、毛様体上皮細胞の炭酸脱水酵素を阻害することにより房水産生を抑制する。4:正\nリパスジルに関する記述である。リパスジルは、RhoキナーゼのアイソフォームであるヒトROCK-1、ROCK-2を選択的に阻害して、線維柱帯細胞の細胞骨格や細胞外マトリクスの構造を変化させ房水流出抵抗を低下させる。5:誤\nオミデネバグ\nイソプロピルに関する記述である。オミデネバグ\nイソプロピルは、プロスタノイドEP2受容体を刺激して、線維柱帯-シュレム管経路及びぶどう膜強膜流出経路からの房水流出を促進する。"} +{"problem_id": "109264", "problem_text": "39歳、閉経前女性。身長155cm、体重43kg、体表面積1.38m^{2}、右乳房に腫瘤を触知し、乳腺外科を受診、針生検の結果、T1N1M0のStageIIAの右乳がんと診断され、入院した。右乳房部分切除術、センチネルリンパ節生検及び腋窩リンパ節郭清を実施した。術後の検査所見は以下のとおりであった。今回この患者に以下の術後薬物療法を施行することとなった。この患者の術後薬物療法に用いられる薬物Aとして、適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アナストロゾール", "エキセメスタン", "エンザルタミド", "タモキシフェン", "ラパチニブ"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "本患者は、閉経前であり、エストロゲン受容体(ER)陽性、プロゲステロン受容体(PgR)陽性、HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)陰性であることから、術後薬物療法として、タモキシフェンを用いることが適切である。なお、アナストロゾール及びエキセメスタンは、アロマターゼ阻害薬であり、閉経後乳がんに用いられる。エンザルタミドは、抗アンドロゲン薬であり、去勢抵抗性の前立腺がん、遠隔転移を有する前立腺がんに用いられる。ラパチニブは、チロシンキナーゼ阻害薬であり、HER2過剰発現が確認された手術不能又は再発乳がんに用いられる。"} +{"problem_id": "109265", "problem_text": "処方1又は処方2の薬物の抗がん作用の機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["視床下部のERを刺激して、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)の分泌を抑制する。", "下垂体のGnRH受容体のダウンレギュレーションを起こすことで、ゴナドトロピンの分泌を抑制する。", "脂肪組織において、アロマターゼを阻害して、エストロゲンの生成を抑制する。", "乳がん組織のERにおいて、エストロゲンに拮抗する。", "HER2に結合して、乳がん細胞の増殖を抑制する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n視床下部のERを遮断して、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)の分泌を促進するものとして、クロミフェンがある。2:正\nGnRH製剤(リュープロレリン、ゴセレリン)に関する記述である。GnRH製剤は、持続的にGnRH受容体を刺激し、GnRH受容体のダウンレギュレーションを誘発することでゴナドトロピン(LH・FSH)の分泌を抑制する。3:誤\nアロマターゼ阻害薬(アナストロゾール、エキセメスタン)に関する記述である。アロマターゼ阻害薬は、脂肪組織において、アロマターゼを阻害し、アンドロゲンからエストロゲンの合成を阻害する。4:正\nタモキシフェンに関する記述である。タモキシフェンは、主に乳がん組織において抗エストロゲン作用を示す。5:誤\nラパチニブに関する記述である。ラパチニブは、HER2のATP結合部位に結合し、チロシンキナーゼの活性を阻害することで細胞増殖抑制、アポトーシスを誘導する。"} +{"problem_id": "109266", "problem_text": "この患者への薬物治療に関して、病棟の症例検討カンファレンスに参加している研修医向けに発表して欲しいと病棟担当薬剤師へ依頼があった。カンファレンスにおけ���薬剤師の発表内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1の薬剤の服用により子宮体がん(子宮内膜がん)のリスクが高まること があり、本剤投与中及び投与終了後の患者は定期的に検査を行うことが望ましい。", "処方2の薬剤の投与により、うつ状態が現れることがあり、症状悪化時にはSSRI等の抗うつ薬の追加処方を検討する。", "処方2の薬剤の投与により、骨疼痛の一過性増悪がみられることがあり、このような症状が現れた場合には、ビスホスホネート製剤の投与を行う。", "今回の薬物治療に際して患者が妊娠していないことを確認し、また治療期間中は低用量経口避妊薬による避妊法を用いる。", "今回の薬物治療により骨密度の低下がみられることがあるので、長期にわたり投与する場合は骨密度の検査を実施する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n処方1(タモキシフェン錠)は、子宮内膜のエストロゲン受容体を刺激作用により子宮体がん、子宮肉腫を起こすことがあるため、本剤投与中及び投与終了後の患者は定期的に検査を行うことが望ましい。2:誤\n処方2(リュープロレリン酢酸塩注射用キット)の投与により、エストロゲン低下作用に基づく更年期障害様のうつ状態が現れることがある。タモキシフェンは、CYP2D6で活性代謝物であるエンドキシフェンへと代謝される。うつ状態が現れた場合にパロキセチン等のSSRIを併用すると、パロキセチンによるCYP2D6阻害作用により、タモキシフェンの活性代謝物の血中濃度が低下し、乳がんによる死亡のリスクが増大する可能性があるため、本薬物療法において、SSRIの追加投与は望ましくない。3:誤\n処方2(リュープロレリン酢酸塩注射用キット)の投与初期に、下垂体-性腺系刺激作用により血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性憎悪が認められることがあるが、通常、継続投与することにより症状は軽減する。4:誤\n処方1(タモキシフェン錠)及び処方2(リュープロレリン酢酸塩注射用キット)は、流産させる可能性があるため、妊婦または妊娠している可能性のある女性に投与禁忌とされている。また、処方2に低用量経口避妊薬を併用すると、処方2の作用が減弱するため、治療期間中に低用量経口避妊薬による避妊法を行わない。5:正\n処方2(リュープロレリン酢酸塩注射用キット)は、エストロゲン低下作用に基づく骨塩量の低下がみられることがあるので、長期にわたり投与する場合には、可能な限り骨塩量の検査を行い慎重に投与する必要がある。"} +{"problem_id": "109267", "problem_text": "処方2の製剤に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["乳酸・グリコール酸共重合体が使用されている。", "高分子で薬物結晶をコーティングしている。", "マトリックスを形成している高分子が分解することにより薬物を放出する。", "今自己乳化型マイクロエマルション製剤である。", "粉末部の薬剤を液体部の溶液で溶解して使用する製剤である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "処方2(リュープロレリン酢酸塩注射用キット)は、懸濁性製剤であり、生体分解性高分子である乳酸・グリコール酸共重合体を使用したマイクロカプセルに封入した製剤である。本剤は、マトリックスを形成している高分子が加水分解することにより薬物を放出する。"} +{"problem_id": "109268", "problem_text": "43歳男性。既婚で妻と二人暮らし。糖尿病治療のため、インスリンの自己注射を行っている。インスリン療法開始から1年程度経過し、血糖値は正常値に近づいてきた。しかし、食事をとらずに注射したときや入浴中の低血糖症状による意識障害により、救急搬送を何度か経験しており、グルカゴン注射液を家族が投与できるよう3ヶ月前に処方(処方1)された。しかし、その後重症低血糖による意識障害を起こしている本人を前にして、妻が注射液の調製を失敗してしまい、救急車を待つことしかできなかった。そこで、今後の低血糖対策として、グルカゴン点鼻粉末剤(処方2)を使用できるよう、妻同席のもと医師による説明が実施され、薬剤部には薬剤の使用方法等について説明の依頼があった。下図は処方1と処方2の薬剤投与時の、血漿中グルカゴン濃度(A)と血中グルコ��ス濃度(B)の時間推移をそれぞれ示したものである。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1で投与した場合のグルカゴンの最高血漿中濃度到達時間は30分である。", "処方1で投与した場合の投与後60分までの血中グルコース濃度の上昇推移は、処方2で投与した場合とほぼ等しい。", "処方2で投与した場合、グルカゴンは鼻粘膜より直接体循環に移行し、肝臓での初回通過効果を回避することができる。", "処方2で投与する場合に処方1の場合と同等の血中グルコース濃度上昇作用を得るためには、同用量のグルカゴンが必要である。", "処方2で投与した場合、投与後30分までの血中グルコース濃度は約70mg/dLであり、最大血中グルコース濃度は140mg/dL を超える値まで上昇する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109269", "problem_text": "妻は、夫の低血糖症状の発現時の対応について、医師からの説明は受けたものの、不安に感じているようであった。処方2の薬剤の使用及び低血糖への対応に関する妻への説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["この点鼻剤を使用すると10〜15分程度で低血糖状態からの回復が期待できます。", "低血糖状態となっても、本人の自覚がないことがありますので、疑わしい症状があれば、意識があるうちに補食や糖分を含む飲料を摂取させてください。", "意識がない状況では、この点鼻剤を使用しないでください。", "低血糖の際にすぐに使用できるよう、自宅では薬剤の防湿外装フィルムをあらかじめ剥がしておいてください。", "意識が回復した場合は、仰臥位でブドウ糖などの糖分を摂取させてください。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109270", "problem_text": "73歳男性。体重60kg。慢性気管支炎のため、長期治療(エンクラッセ62.5\\microg エリプタ 30 吸入用^{(注)}、1日1回1吸入)を実施中である。咳嗽症状が悪化し、39^{\\circ} C以上の発熱、茶色の喀痰症状があり、肺炎疑いのため、入院加療となった。最近では肺炎を繰り返しており、精査を行ったところ、末梢血好酸球増加、アスペルギルスの抗体検査及び喀痰検査陽性、レントゲン画像所見などから、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症と診断され、ボリコナゾール200mg静注用を投与することとなった。投与量は、ボリコナゾールとして初日は1回6mg/kgを1日2回、2日目以降は1回3mg/kgを1日2回とした。投与開始から4日目と8日目に血中濃度を測定した。測定結果がわかるまでに数日を要することから、病棟カンファレンスにおいて、薬物治療に関する確認事項を共有した。(注)1吸入でウメクリジニウムとして 62.5\\microg を吸入できるドライパウダー吸入剤 ボリコナゾールのTDM結果の解析に向けて、薬物の体内動態と血中濃度の個人差について共有しておくべき情報として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["トラフ値が目標値を超える場合は、肝機能障害に注意する。", "ウメクリジニウムにより代謝酵素の阻害を受けるため、併用には注意が必要である。", "主となる代謝酵素は、日本人の人口の約50% が poor metabolizer である。", "中等度の腎機能低下時には、注射剤中の添加剤の蓄積による腎機能悪化に注意が必要である。", "2日目以降に同じ投与量を繰り返した場合、代謝酵素の誘導を起こして血中濃度は上昇する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109271", "problem_text": "点滴投与から9日後、平熱に戻り、呼吸状態も改善されたため退院が決定し、点滴静注からボリコナゾール錠150mgを1回1錠、1日2回の内用剤に切り換えることになった。定常状態に到達後の血中濃度を測定したところ、ボリコナゾールの平均血中濃度は4\\microg/mLであった。臨床試験の結果から、ボリコナゾールの体内からの消失はミカエリスメンテン式に従うこと、最大消失速度はボリコナゾールの主な代謝酵素のextensive metabolizer(EM)では35mg/hであること、ミカエリス定数は遺伝子多型の影響を受けず4mg/Lであることが示されている。この患者の最大消失速度はEMの何倍か。最も近い値を1つ選べ。ただし、ボリコナゾールの経口投与後のバイオアベイラビリティは100%とする。", "choices": ["0.2", "0.4", "0.7", "0.9", "1.4"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109272", "problem_text": "53歳男性。以前から、A病院内科で高血圧症、脂質異常症、糖尿病、胃潰瘍、腰痛症に対して治療を受けており、症状は安定していた。最近、仕事のストレスのためか気分が落ち込むことが多く、食欲不振、不眠などが続くため、B心療内科を受診した。うつ病と診断され、処方箋を持って、かかりつけの薬局を訪れた。かかりつけ薬剤師が処方監査した際、心療内科と内科の処方薬剤の中に併用禁忌の組合せがあるため、疑義照会を行うこととなった。その疑義照会の原因となる薬剤はどれか。1つ選べ。", "choices": ["ニフェジピン徐放錠", "シンバスタチン錠", "メトホルミン塩酸塩錠", "ファモチジン口腔内崩壊錠", "チザニジン錠"], "text_only": true, "answer": ["5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109273", "problem_text": "前問の薬剤を選択した理由に最も深く関係する機序はどれか。1つ選べ。", "choices": ["胃内pHの上昇", "小腸CYP3A4発現量の増加", "小腸P-糖タンパク質発現量の増加", "肝CYPIA2の阻害", "肝CYP3A4の阻害"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109274", "problem_text": "34歳既婚女性。高血圧症、逆流性食道炎治療中。かかりつけ薬局の薬剤師がいつもの薬をお渡しする際に副作用の発現状況などを確認していると、患者は半 年前に結婚し、そろそろ子供が欲しいと思うようになったとのことであったが、患者背景については、薬歴が更新されていなかった。処方薬に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["エナラプリルは、消化管吸収の改善を目的としたプロドラッグである。", "エナラプリルは、エステル部分の加水分解により代謝活性化される。", "ランソプラゾールは、主にCYP2C19又はCYP3A4で代謝される。", "ランソプラゾールは、苦味の軽減を目的としたプロドラッグである。", "センノシドは、腸内細菌による代謝物が腸の蠕動運動を促進する。"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109275", "problem_text": "今後の薬物療法にあたり、妊娠の可能性があるこの患者に説明しておく情報はどれか。2つ選べ。", "choices": ["血圧コントロールのため、生活習慣や食習慣に気をつけ", "現在服用中の血圧の薬は妊娠中でも服用可能である。", "妊娠がわかったら、すぐに連絡してもらう。", "逆流性食道炎の治療薬を市販の六君子湯などの漢方薬に変更する。", "下剤は、一般用医薬品であれば、妊娠中でも服用可能である。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109276", "problem_text": "75歳男性。身長164cm、体重52kg。胃全摘出術後3日目の消化器外科入院中に、38.3^{\\circ} Cの発熱が認められ、咳、痰と呼吸困難を訴えた。胸部X線検査で右下肺野に浸潤影を認め、喀痰培養検査によりMRSAが検出されたため、以下の処方により治療を開始することとなった。(身体所見及び検査値) 血圧101/60mmHg、白血球11,000/\\microL、CRP 6.7mg/dL、AST 22 IU/L、ALT 19 IU/L、血清クレアチニン 0.79mg/dL、eGFR 72.7mL/min/1.73m^{2}、CCr 59mL/min、BUN 18.2mg/dL 消化器外科担当の看護師から感染制御部の薬剤師に、この処方薬剤に関する情報の提供依頼があった。薬剤師が看護師に情報提供する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方薬剤の投与により血圧が上昇しやすいので、定期的に血圧を確認すること。", "処方薬剤は塩化物イオン濃度が低くなると活性が低下するため、ブドウ糖液との混和は避けること。", "腎機能が低下しているため、処方薬剤の用量調節をすること。", "第8脳神経障害が発現することがあるため、耳鳴、聴力低下がないか確認すること。", "レッドネック症候群の発現を防ぐために、60分以上かけて点滴静注すること。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109277", "problem_text": "この患者におけるバンコマイシンの分布容積は62.5L、クリアランスは3.6L/hと見積もられている。2回目投与直前のバンコマイシンの血中濃度と定常状態におけるトラフ値の組合せとして適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、投与量の計算において、投与に要する時間は投与間隔に対して無視できるほど短いものとし、投与中における体内からのバンコマイシンの消失は無視できるものとする。2回目投与直前のバンコマイシ��血中濃度(\\micro g/mL)\n定常状態におけるトラフ値\n(\\micro g/mL)\n\n\n1\n4\n8\n\n\n2\n4\n12\n\n\n3\n8\n16\n\n\n4\n8\n20\n\n\n5\n12\n20\n\n\n6\n12\n40", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109278", "problem_text": "1歳6ヶ月女児。体重10kg。昼過ぎから発熱(38^{\\circ} C)のため、一般用医薬品の解熱剤を服用させていたが、夜間、急速に熱が上がり、同時に15〜20分続く痙れんが起こったため、夜間対応している近所の小児科を受診し、処置により症状は安定した。翌日、小児科を再受診し、父親が以下の処方箋(処方1及び2)を持って薬局を訪れた。薬剤師が父親と面談したところ、患児は、8ヶ月前にも発熱後に憧れんを起こし、今回と同じ小児科を受診したが、坐剤を2種類処方されたのは初めてとのことであった。薬剤師が患児の父親に、坐剤の使用方法について説明した。その内容として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["坐剤を挿入した後は、4~5秒程度押さえてください。", "坐剤を併用する場合、処方1、2の順に間をあけずに挿入してください。", "できるだけ排便後に挿入してください。", "挿入しにくい場合には、水で少し濡らしてから挿入してください。", "挿入後2~3分間は、できる限りそのままの姿勢でいさせてください。"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109279", "problem_text": "処方1及び2の坐剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1の基剤は、マクロゴール400とマクロゴール4000を1: 1で混合したものである。", "処方1の基剤は、直腸内で体温により溶融して薬物を放出する。", "処方2の基剤は、モノ、ジ、トリグリセリドの混合物である。", "処方2の基剤は、直腸内の水分で溶解して薬物を放出する。", "いずれの坐剤も薬物の肝初回通過効果を回避できる。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109280", "problem_text": "6歳男児。てんかん発作の治療のため、以前からバルプロ酸Naシロップ5%を服用している。進学に伴い、薬局薬剤師に服用回数を減らすことができないかとの相談があった。この男児は、2ヶ月前に上気道炎にて受診時に、錠剤が処方されたが服用できなかったため、散剤に変更となったと薬歴に記載されていた。そこで、セレニカR顆粒40%^{(注)}の処方への変更を主治医に提案することになった。(注)セレニカR顆粒40%: 1g中バルプロ酸ナトリウムを400mg含有する徐放性顆粒 バルプロ酸Naシロップ剤から、セレニカR顆粒への処方変更への提案内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。なお、分量は製剤量とする。", "choices": ["1回0.6g:1日2回:朝夕食後", "1回0.75g:1日2回:朝夕食後", "1回1.5g:1日1回:朝食後", "1回3.0g:1日1回:朝食後", "1回6.0g:1日1回:夕食後"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": ""} +{"problem_id": "109281", "problem_text": "提案された製剤は、以下の添加剤を含み、図のような構造をしている。この製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。添加剤: ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー、エチルセルロース", "choices": ["水不溶性フィルムとしてヒドロキシプロピルセルロースが用いられている。", "消化液によって膨潤するゲル基剤としてエチルセルロースが用いられている。", "製剤内部の薬物が飽和濃度で、シンク条件が保たれる間は、薬物が一定速度で放出される。", "製剤からの累積薬物放出量の時間推移は、Higuchi式に従う。", "薬物を放出した後の残渣が便中に排出される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109282", "problem_text": "6歳女児。体重20kg。5日前より咳嗽の症状があり、夜間に37.5^{\\circ} C程度の微熱が続いていた。市販の解熱剤と咳止め用シロップ剤などを服用させて様子を見ていたが、3日前から夜になると咳が止まらなくなり、本日、38.0^{\\circ} Cまで熱が上がったため、近医を受診した。診察及び検査の結果、以下の薬剤が処方され、患児の母親が処方箋を持って薬局を訪れた。薬剤師が患児の母親に、処方薬剤の使用方法について説明した。その説明内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["処方1の薬剤は、オレンジジュースに混ぜると服用しやすくなります。", "処方1と2の薬剤は、混ぜると服用しやすくなります。", "処方3の薬剤は、お子さんが剥がしてしまう場合、背中の手の届きにくい場所に貼付してください。", "処方3の薬剤は、起床時に咳が治まっていれば、剥がしてください。", "処方4の薬剤は、4〜6時間以上の間隔をあけて服用してください。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": ""} +{"problem_id": "109283", "problem_text": "患児の母親への服薬指導にあたって、事前に処方3のツロブテロールテープ剤に関する医薬品情報を調べたところ、有効成分及び製剤に関して、以下の情報が得られた。上記の情報に基づいて、本製剤を患児に単回貼付して24時間後に剥離した場合の血清中薬物濃度の時間推移のパターンを予測したグラフとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。なお、小児(喘息児5名)にツロブテロールドライシロップ剤20mg/kg(ツロブテロール塩酸塩とし0.02mg/kg)を経口投与した場合の体内半減期は、インタビューフォームから3.56時間であった。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": ""} +{"problem_id": "109284", "problem_text": "43歳男性。妻38歳、長男4歳。フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病のため大学病院血液内科にて化学療法中(シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキシルビシン、デキサメタゾン)である。また、化学療法に伴う副作用軽減のため、処方の薬剤を服用している。右眼に霧視が発現したため、近隣の眼科を受診した。網膜浮腫と周辺部の血管炎があり、大学病院眼科にて精査のため入 院となった。化学療法実施中であり、眼底所見から、サイトメガロウイルス網膜炎と診断され、ガンシクロビル点滴静注600mg/dayの投与が開始された。(検査所見) 白血球4,360/\\microL、好中球2,065/\\microL、リンパ球1,720/\\microL、好塩基球490/\\microL、CMV抗体陽性、Hb 12g/dL、右眼の矯正視力は今回受診時測定不能、左眼1.2、HbA1c 8.7%、CCr 61 mL/min 初回面談における処方の薬剤の服薬状況の確認時に、朝食後に飲む薬剤の数量が多いため、服用時間をずらして飲むことがあるとの申し出があった。病棟担当薬剤師によるバルガンシクロビル錠の服薬説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["服用期間中は、抗真菌剤の服用を中止してください。", "食事の影響を受けるため、服用時間をずらさず食後30分以内に服用してください。", "服用期間中は、ワクチンの接種を避けてください。", "服用期間中及び服用期間終了後、一定期間は避妊の必要があります。", "この薬を飲み忘れた場合、次回に4錠服用してください。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109285", "problem_text": "前問で処方された内服薬は、注射剤であるガンシクロビルの消化管吸収を改善することによって経口製剤化した医薬品である。有効成分の吸収に影響する因子を考慮するために、構造式及び物性値から主たる吸収改善の機構を推定した。最も適当なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["塩の形成による溶解性の改善", "疎水性を高めることによる受動輸送の改善", "腸内細菌による活性体への変換", "ペプチドトランスポーターの基質となる化学修飾", "P-糖タンパク質による能動輸送の促進"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": ""} +{"problem_id": "109286", "problem_text": "86歳男性。76歳時に妻と死別し独居中であるが、近所に住む娘が介護にあたってきた。死別5年後の81歳の頃から、徐々に物忘れが出現し、時々つじつまが合わない発言があったが放置していた。84歳頃より、物忘れがひどくなり、一人になると不安感が強くなった。娘の姿が見えないと、すぐに名前を呼び、片時も離れられない状況になったため、物忘れ外来を受診した。来院時、新しいことが覚えられず、取り繕うような話し方であった。尿失禁や歩行障害はなし。長谷川式簡易知能評価(HDS-R)は30点満点中18点であった。頭部CTで海馬の萎縮を指摘されたが、梗塞巣所見はなく、血液検査も異常はなかった。また、この男性は不整脈に対して服薬もしており、骨粗しょう症の治療のため3年前から昨年までの24ヶ月間テリパラチド皮下注キットによる治療を実施された。この患者の経過及び処方から考えられる疾患はどれか。2つ選べ。", "choices": ["心房細動", "心室性期外収縮", "アルツハ��マー型認知症", "血管性認知症", "レビー小体型認知症"], "text_only": false, "answer": ["1", "3"], "comment": "本患者は、不整脈に対する治療薬として、抗凝固剤であるワルファリンが処方されていることから、心房細動であると推察される。また、本患者は、長谷川式簡易知能評価(HDS-R)は30点満点中18点であること、頭部CTで海馬の萎縮を指摘されていること、ドネペジル塩酸塩が処方されていることからアルツハイマー型認知症であると推察される。なお、梗塞巣所見がないことから血管性痴呆の可能性が低く、歩行障害はないことからレビー小体型認知症の可能性は低い。"} +{"problem_id": "109287", "problem_text": "男性は、次第に歩行が拙劣になり、夜間にトイレでつまづいて転倒し、腰椎圧迫骨折と診断された。痛みのため歩行や長時間の起き上がりは困難でありベッド上の生活となった。ヘルパーの介助を受け服薬しているが、ヘルパーのいない起床時の薬は自分でほぼ服用できていない。この状況を踏まえて、在宅医療サービス担当者会議が開催された。この患者に追加する治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["メナテトレノンカプセル", "ラロキシフェン塩酸塩錠", "デノスマブ(遺伝子組換え)皮下注", "テリパラチド(遺伝子組換え)皮下注", "ゾレドロン酸水和物注射液"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\nメナテトレノンは、ビタミンK_{2}製剤であり、骨粗鬆症の治療に用いられるが、ワルファリンと併用禁忌であるため、追加する治療薬として不適切である。2:誤\nラロキシフェン塩酸塩は、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)であり、閉経後骨粗鬆症の治療に用いられる。本患者は男性であるため、ラロキシフェン塩酸塩は追加する治療薬として不適切である。3:正\nデノスマブ(遺伝子組換え)は、抗RANKLモノクローナル抗体であり、骨粗鬆症の治療に用いられ、本患者に追加投与することが可能である。4:誤\nテリパラチド(遺伝子組換え)は、ヒト副甲状腺ホルモンのN末端フラグメントであり、骨粗鬆症の治療に用いられる。本剤の投与は24ヶ月までとされており、本患者は昨年までの24ヶ月間テリパラチド皮下注キットによる治療を実施されていることから、追加する治療薬として不適切である。5:正\nゾレドロン酸水和物注射液は、ビスホスホネート製剤であり、骨粗鬆症の治療に用いられ、本患者に追加投与することが可能である。"} +{"problem_id": "109288", "problem_text": "42歳女性。半年前に両側手指関節及び両側膝関節の痛みを自覚し病院を受診した。検査の結果、関節リウマチと診断され、処方1による治療を受けていた。症状のコントロールが不十分だったためメトトレキサートが漸増されたが、多発性関節炎は持続した。最近では仕事にも支障をきたすようになったため、治療方針が変更されることになった。この患者は小児期に水痘に罹患した既往がある。この患者に追加する治療薬として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エリスロマイシン", "トファシチニブ", "免疫グロブリン製剤", "コルヒチン", "アダリムマブ"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nエリスロマイシンは、マクロライド系抗菌薬であり、70S系リボソームの50Sサブユニットに結合し、タンパク質の合成を阻害することにより抗菌作用を示すため、感染症に用いられるが、関節リウマチの治療には用いられない。2:正\nトファシチニブは、ヤヌスキナーゼ阻害薬であり、T細胞やマクロファージなどの細胞シグナル伝達に関わるヤヌスキナーゼ(YAK)1及び3を阻害し、インターロイキンやインターフェロンの働きを抑制することにより炎症サイトカインや免疫グロブリンの産生を抑制する。本患者は関節リウマチが悪化しているため、トファシニチブを追加することは適切である。3:誤\n免疫グロブリン製剤は、無又は低ガンマグロブリン血症の治療に用いられるが、関節リウマチの治療に用いられない。4:誤\nコルヒチンは、チューブリンと結合し、微小管の働きを阻害することでマクロファージおよび好中球の機能を抑制する作用を有しており、痛風発作の予防に用いられるが、関節リウマチの治療には用いられない。5:正\nアダリムマブは、完全ヒト型抗ヒトTNF-\\alpha モノクローナル抗体であり、TNF-\\alpha による炎症反応を抑制する。本患者は関節リウマチが悪化しているため、アダリムマブを追加することは適切である。"} +{"problem_id": "109289", "problem_text": "治療方針が変更されて2週間後、患者が来院し、診察前の薬剤師との面談で「左腰部から背部に沿ってかゆみがあって、昨日から痛み出した」と訴えた。薬剤師は、患者情報を収集して副作用を疑い、医師へ情報提供を行った。医師は診察後バラシクロビルを処方した。薬剤師が副作用を疑うきっかけになった患者情報はどれか。2つ選べ。", "choices": ["メトトレキサートの服用状況", "追加した治療薬の処方内容", "年齢と性別", "水痘ワクチンの接種歴", "肝機能、腎機能"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "左腰部から背部に沿ってかゆみがあり、痛みがあると訴えていること、過去に水痘に罹患したことがあること、バラシクロビルが処方されていることから、本患者は帯状疱疹に罹患している可能性がある。帯状疱疹は、水痘治癒後、水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節に潜伏し、免疫力の低下によって、再度活性化して発症する。メトトレキサート、トファシチニブ、アダリムマブを使用すると、これらの免疫抑制作用により帯状疱疹を発症することがある。よって、薬剤師が副作用を疑うきっかけになった患者情報は、メトトレキサートの服用状況や追加された治療薬の処方内容であると推察される。"} +{"problem_id": "109290", "problem_text": "79歳女性。3年前、階段を昇る時に息切れを感じるようになり受診したところ、胸部レントゲン写真で心拡大と肺うっ血を認め、心エコー検査等の結果、慢性心不全と診断された。処方1と処方2で治療されていたが、慢性心不全の増悪により入院した。その後、処方1を処方3へ変更し目立った副作用なく病態が安定した。医師は検査値等を確認し、さらに処方4を退院時に追加し退院することになった。退院時の検査値等は以下のとおりである。この患者の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["心臓の拡張不全が主体で、収縮不全はみられない。", "息切れと肺うっ血は、左心不全に起因する症状である。", "患者の呼吸症状が改善したので、ビソプロロールを減量すべきである。", "ダパグリフロジンは、高血糖の改善を目的に追加処方されている。", "血清カリウム値を定期的に測定する。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\n本症例では、左室駆出率(LVEF: 基準値 50〜80%)が35%に低下しているため、心臓の収縮不全がみられる。2:正\n心不全により下記の症状が認められる。3:誤\n退院時、左室駆出率(LVEF: 基準値 50〜80%)が35%に低下しており、血清 NT-proBNP 値(基準値: 125 pg/mL)が1,200 pg/mLと高値を示していることから、心不全状態であるため、ビソプロロールフマル酸塩を減量せず、継続して服用する必要がある。4:正\nダパグリフロジンは、1型、2型糖尿病、慢性腎不全(ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く)、慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)に用いられる。本患者は慢性心不全治療中であることから、慢性心不全の治療を目的でダパグリフロジンが処方されていると推察される。なお、血糖コントロールは良好であり、腎機能検査値も基準値範囲内であることから、1型、2型糖尿病、慢性腎不全を治療する目的でダパグリフロジンを処方している可能性は低い。5:誤\nエプレレノン、サクビトリルバルサルタンの併用により高カリウム血症が現れることがあるため、血清カリウム値を定期的に測定する必要がある。"} +{"problem_id": "109291", "problem_text": "追加された処方4の薬剤を服用するにあたり、この患者自身が特に注意する副作用症状として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ふらつき", "陰部掻痒感", "歯肉肥厚", "喀痰", "難聴"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "ダパグリフロジンの重大な副作用として、低血糖、尿路感染より起こる腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎、脱水を起こすことがある。よって、ダパグリフロジンを服用する際に、低血糖によるふらつき、尿路感染から起こる陰部掻痒感、脱水による口渇などに注意する必要がある。"} +{"problem_id": "109292", "problem_text": "65歳男性。高血圧症と高尿酸血症の治療中で、以下の処方薬を服用している。最近血圧が高い日が続き、かかりつけ医より患者情報の共有とともに降圧薬の追加について薬剤師に相談があった。医師から得た検査値と患者情報は以下のとおり。この患者の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["偽アルドステロン症が生じている可能性がある。", "高尿酸血症は、腎機能低下による可能性が高い。", "降圧目標は、診察室血圧で140/90mmHg未満である。", "尿酸値は、治療目標値に達している。", "脂質異常症が認められるので、その治療も行う必要がある。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本患者は芍薬甘草湯を服用していることに加え、カリウム値(基準値: 3.5〜4.9mEq)が3.3mEq/Lと低値を示していることから、偽アルドステロン症を生じている可能性がある。2:誤\neGFR(基準値: 60 mL/min/1.73m^{2}以上)が82mL/min/1.73m^{2}と基準値以上を示していることから、腎機能が正常である。3:誤\n一般的な降圧目標として、75歳未満では診療室血圧で130/80mmHg未満、75歳以上では診療室血圧で140/90mmHg未満とされていることから、本患者(65歳)における降圧目標は、130/80mmHg未満である。4:正\n尿酸値(治療目標値: 6.0mg/dL以下)は、5.8mg/dLであるため治療目標値に達している。5:誤\n脂質に関する値(脂質異常症診断基準: TG 150mg/dL以上、HDL-C 40mg/dL以下、LDL-C 140mg/dL以上)がTG100mg/dL、HDL-C 60mg/dL、LDL-C 110mg/dLであるため、脂質異常症に対する治療を行う必要はない。"} +{"problem_id": "109293", "problem_text": "この患者に追加する降圧薬のうち、適しているのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アムロジピン", "アジルサルタン", "トリクロルメチアジド", "エサキセレノン", "カルベジロール"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "本症例では、高血圧治療薬としてCa拮抗薬であるシルニジピンを使用していることから、同じ作用を有するアムロジピンを併用することは不適切である。また、気管支喘息の既往歴があることを考慮すると、カルベジロール(\\alpha\n\\beta\n受容体遮断薬)を併用することは不適切である。トリクロルメチアジド(チアジド系利尿薬)は、低カリウム血症を誘発するためカリウム値が低い場合にトリクロルメチアジドを併用することは不適切であり、アジルサルタン(アンジオテンシンIIAT_{1}受容体拮抗薬)及びエサキセレノン(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)は、カリウム値を高くすることができるためカリウム値が低い場合に適している。"} +{"problem_id": "109294", "problem_text": "67歳女性。身長155cm、体重43kg。2年前より心窩部痛を自覚し、外来を受診。CT検査などで膵臓がん、肝転移(Stage IV)と診断された。一次治療として、フルオロウラシル+イリノテカン塩酸塩+オキサリプラチン+レボホリナート(FOLFIRINOX)療法を導入した。1クール目Day8に発熱があり再来院した。処方1を服用中であり、全身倦怠感が強く入院加療となった。担当医から追加処方(処方2)の連絡を受けて、カンファレンスで今後の方針について協議することになった。薬剤師が行う内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腋窩温や検査値から発熱性好中球減少症を疑った。", "フィルグラスチムの投与を提案した。", "酸化マグネシウムによるレボフロキサシンの吸収増加について情報提供した。", "レボフロキサシンの用量を250mgに減量することを提案した。", "肝障害があるので、アセトアミノフェンの中止を提案した。"], "text_only": false, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\n発熱性好中球減少症とは、好中球数が500/\\microL未満又は好中球数が1000/\\microL未満で48時間以内に500/\\microL未満に減少すると予測される状態で腋窩温度が37.5度以上の発熱を生じた状態のことである。本患者は、FOLFIRINOX療法を行なっており、腋窩温が38.5^{\\circ} C、好中球数300/\\microLと低いことから、発熱性好中球減少症を起こしている可能性がある。発熱性好中球減少症を起こしている場合は、顆粒球コロニー刺激因子(フィルグラスチムなど)を投与する。2:正\n解説1参照\n3:誤\nレボフロキサシンは、2価以上の金属イオン(Mg^{2}^{+}、Ca^{2}^{+}、Al^{3}^{+}など)とキレー���を形成することで消化管からの吸収が阻害されるため、酸化マグネシウムとレボフロキサシンを併用する際にはレボフロキサシン服用後、1〜2時間あけて酸化マグネシウムを投与する必要がある。4:誤\nレボフロキサシンは、通常、成人には1回500mgを1日1回経口投与する。本剤は主に腎臓から消失するため、腎機能低下時には下記のように用法・用量を調節する必要がある。5:誤\n本患者のAST/ALT(IU/L)が30/29で基準値範囲内であり、肝機能障害が現れている可能性が低いため、アセトアミノフェンの投与を中止する必要はない。"} +{"problem_id": "109295", "problem_text": "この患者の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["末梢における好中球の破壊が亢進している。", "CRPが上昇している可能性が高い。", "口内炎や咽頭痛を発症しやすい。", "高度な貧血が認められる。", "薬剤に対するアレルギーにより発症したと考えられる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n本症例では、FOLFIRINOX療法を開始してから好中球が減少していることから、骨髄抑制により好中球の産生が抑制され、発熱性好中球減少症を発症していると推察される。2:正\nCRP(反応性タンパク質)は、炎症、組織障害により血液中に上昇するタンパク質であり、本患者は発熱性好中球減少症が現れていることから、CRPが上昇している可能性がある。3:正\n本患者は、発熱性好中球減少症を発症しているため、発熱、頭痛、口内炎、咽頭痛などが現れることがある。4:誤\n赤血球(基準値(女性):\n380〜530\\times\n10^{4}/\\microL)が380\\times\n10^{4}/\\microL、ヘモグロビン(基準値(女性):\n11〜16\ng/dL)が11.9\ng/dLであり、基準値範囲内であるため、貧血は認められていない。5:誤\n解説1参照"} +{"problem_id": "109296", "problem_text": "50歳男性。喫煙20本/日、飲酒ビール500mL/日。5年くらい前から会社の健康診断にて高血糖を指摘されており、近医を受診して2型糖尿病と診断された。その後、食事療法と運動療法を行うも改善が認められず、以下の薬剤を服薬することになった。服用3ヶ月後の定期受診時に病院薬剤師は、診療録より近日冠動脈造影検査を予定していること、しばしば軽度の低血糖症状を自覚したこと、朝食を食べないことも多く、よく飲み忘れるとの情報を得た。身体並びに検査結果は以下のとおりである。患者への服薬指導の内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アルコールの摂取は一切しないように再度指導した。", "冠動脈造影検査前後も処方薬の服用を継続するよう説明した。", "下痢・嘔吐などの症状が出ていないかを確認し、服用中に出た場合、服用を一旦中止し、医師に相談することを説明した。", "自動車の運転時に低血糖の症状を感じた場合、速やかに安全に停車し、糖分補給する必要があることを説明した。", "飲み忘れていた頻度を確認し、食後でないと副作用のリスクがあがるため食後服用を説明した。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\n本患者は、糖尿病に罹患しているため、アルコール摂取量を適度にすることが推奨されるが、禁酒までする必要はない。2:誤\n冠動脈造影検査する際に用いるヨード造影剤とメトホルミン塩酸塩を併用すると、乳酸アシドーシスを起こすことがあるため、検査前に本剤の投与を一時的に中止し、ヨード造影剤投与後48時間は本剤の投与を再開しないこととされている。ただし、緊急に検査を行う場合には、メトホルミン塩酸塩を中止することなく、造影検査を行うことが可能である。3:正\nメトホルミン塩酸塩服用中に、消化器症状(下痢、嘔吐、腹痛など)が認められた場合、乳酸アシドーシスを起こしている可能性があるため、服用中に消化器症状が現れた場合、服用を一旦中止し、医師に相談するように説明する必要がある。4:正\nメトホルミン塩酸塩のような経口血糖降下薬を服用している場合、自動車の運転時に低血糖が現れることがあるため、低血糖症状が現れた場合に速やかに安全に停車し、糖分補給するように説明する必要がある。5:誤\nメトホルミン塩酸塩による副作用の頻度は、食後、食前服用により大きな差が認められないため、食後でないと副作用のリスクがあがると説明することは不適切である。"} +{"problem_id": "109297", "problem_text": "本症例の糖尿病治療強化のために追加できる薬剤及び用法として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エンパグリフロジン錠を朝食後に投与する。", "レパグリニド錠を朝食後に投与する。", "グリメピリド錠を就寝前に投与する。", "ボグリボース錠を夕食後に投与する。", "セマグルチド錠を空腹時に投与する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\nエンパグリフロジン錠は、SGLT2阻害薬であり、朝食前又は朝食後に経口投与する。SGLT2阻害薬は、血糖降下作用に加え、体重減少作用を示すため、本患者のようなBMIが高い患者には適している。2:誤\nレバグリニド錠は、速効型インスリン分泌促進薬であり、1日3回毎食直前に経口投与する。速効型インスリン分泌促進薬は、食後過血糖の改善に用いられる。3:誤\nグリメピリド錠は、スルホニルウレア剤(SU剤)であり、朝又は朝夕、食前又は食後に経口投与する。SU剤は食事・運動療法だけでは改善しない食前食後の血糖値が高い非肥満者に適しているため、本患者のようなBMIが高い患者には積極的に用いられない。4:誤\nボグリボース錠は、\\alpha\nグルコシダーゼ阻害薬であり、1日3回毎食直前に経口投与する。\\alpha\nグルコシダーゼ阻害薬は、食後過血糖の改善に用いられる。5:正\nセマグルチド錠は、GLP-1受容体作動薬であり、1日のうちの最初の食事又は飲水の前に、空腹の状態でコップ約半分の水(約120mL以下)とともに服用する。また、服用時及び服用後少なくとも30分は、飲食及び他の薬剤の経口投与を避ける。GLP-1受容体作動薬は食欲抑制による体重減少作用があり、本患者のようなBMIが高い患者には適している。"} +{"problem_id": "109298", "problem_text": "11歳女児。小麦の食物アレルギーがあり、学校給食では除去食で対応し、学校にはアナフィラキシーショックに備え治療薬のエピペン注射液^{(注)}を常備している。最近、夕食後にじん麻疹が身体の広範囲で現れるようになったため、かかりつけの医療機関を受診した。(注)エピペン注射液: アドレナリン注射液 本患者の食物アレルギーに関して正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["原因食物を摂取してから数日後に症状が現れることが多い。", "じん麻疹以外にも、消化器症状や呼吸器症状などを発症しやすい。", "皮膚プリックテストのみで確定診断できる。", "皮膚症状にはアドレナリン\\beta _{2} 受容体刺激薬が用いられる。", "成長に伴い本症状は軽快する可能性が高い。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nエピペン注射液は、使用する前に無色透明であることを確認する必要がある。2:正\nエピペン注射液は、一時的に症状を軽減させる目的で使用するため、使用後は、症状が改善しても必ず医療機関で診察を受けるよう指導する必要がある。3:誤\nエピペン注射液は、自己注射が認められており、症状が現れたらできるだけ速やかに注射するように指導する必要がある。4:誤\nエピペン注射液は、\\alpha 受容体刺激作用による血管収縮作用を示す。食物アレルギーを起こすと、血管が拡張し、急激な血圧低下を起こすことがあるため、血圧を上昇させる目的でエピペン注射液を用いる。5:正\nエピペン注射液は、大腿部外側に着衣させた状態でも注射することが可能である。"} +{"problem_id": "109299", "problem_text": "エピペン注射液に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["使用前に、注射液が褐色であることを確認する。", "使用後は、症状が改善しても必ず医療機関で診察を受けるよう指導する。", "自己注射は認められておらず、症状発現から30分経過後に医療機関で注射する。", "急激に上昇した血圧を下げる目的で使用される。", "大腿部外側に着衣させた状態でも注射できる。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nエピペン注射液は、使用する前に無色透明であることを確認する必要がある。2:正\nエピペン注射液は、一時的に症状を軽減させる目的で使用するため、使用後は、症状が改善しても必ず医療機関で診察を受けるよう指導する必要がある。3:誤\nエピペン注射液は、自己注射が認められており、症状が現れたらできるだけ速やかに注射するように指導する必要がある。4:誤\nエピペン注射��は、\\alpha\n受容体刺激作用による血管収縮作用を示す。食物アレルギーを起こすと、血管が拡張し、急激な血圧低下を起こすことがあるため、血圧を上昇させる目的でエピペン注射液を用いる。5:正\nエピペン注射液は、大腿部外側に着衣させた状態でも注射することが可能である。"} +{"problem_id": "109300", "problem_text": "38歳男性。身長175cm、体重65kg。腎機能及び肝機能は正常。仕事で海外出張が多く疲労気味だった。帰国後、37^{\\circ} C台の微熱と痰がからむ咳が2週間続き、近医を受診した。胸部X線検査の結果、肺に空洞を伴う結節性陰影を認めたため総合病院を紹介受診し、諸検査を受けたところ肺結核と診断された。この患者の検査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["インターフェロン\\gamma 遊離試験で陽性となる。", "\\beta -D-グルカンが陽性となる。", "抗ガングリオシド抗体が陽性となる。", "迅速ウレアーゼ試験で診断できる。", "PCR検査で菌の同定ができる"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "結核の感染を調べる方法として、ツベルクリン反応検査やインターフェロン\\gamma 遊離試験が行われる。また、結核の発病を調べる方法として、喀痰検査(塗沫検査、遺伝子増幅法検査(PCR法))が行われる。1:正\n前記参照\n2:誤\n真菌に感染すると、\\beta -D-グルカンが陽性となる。3:誤\nギラン・バレー症候群に罹患すると、抗ガングリオシド抗体が陽性となる。4:誤\n迅速ウレアーゼ試験によりヘリコ・バクターピロリ菌の感染の有無を確認することができる。5:正\n前記参照"} +{"problem_id": "109301", "problem_text": "この患者に下記の薬剤が処方された。薬剤師による服薬指導内容として誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["視覚障害を起こすことがあるので、視力の低下に注意するよう指導する。", "マグロを食べると頭痛が出現することがあるので、食べ過ぎないよう指導する。", "全身倦怠感、黄疸、皮膚のかゆみが出現したら、すぐに連絡するように指導する。", "尿や汗が赤く着色することを説明する。", "処方2の薬剤は貧血予防のために処方されていることを説明する。"], "text_only": false, "answer": ["5"], "comment": "1:正しい\nエタンブトールは、副作用として、視力障害を引き起こすことがあるため、視力検査等を定期的に行い投与する必要がある。2:正しい\nイソニアジドは、ヒスタミン代謝酵素阻害作用を有するため、本剤投与中は、ヒスチジンを多く含む魚(マグロ等)の摂取を控える必要がある。3:正しい\n抗結核薬は、副作用として肝機能障害を起こしやすいため、服用中に全身倦怠感、黄疸、皮膚のかゆみが現れた場合には、すぐに連絡するように指導する必要がある。4:正しい\nリファンピシンを服用すると、尿、便、唾液、汗、涙液が橙赤色等に着色することがあるため、尿や汗が赤く着色することを説明する必要がある。5:誤っている\nイソニアジドの投与により、末梢神経障害(四肢の異常感覚、しびれ感、知覚障害、腱反射低下、筋力低下、筋萎縮等)が現れることがあり、その処置方法として、処方2(ピリドキサールリン酸エステル水和物)を投与する。"} +{"problem_id": "109302", "problem_text": "64歳女性。身長155cm、体重51kg。うつ病の既往歴あり。胃がん腹膜播種転移(StageIV HER2陰性)に対しテガフール・ギメラシル・オテラシル(80mg/m^{2})+シスプラチン(60mg/m^{2})併用療法を開始したが、3ヶ月後に腫瘍の増悪を認めた。二次治療としてパクリタキセル(80mg/m^{2})+ラムシルマブ(8mg/kg)併用療法を施行した。徐々に末梢神経障害が認められ、処方1及び2の処方薬を服用していた。末梢神経障害は落ち着いたが、がん疼痛NRS^{(注)}8を認めたため、トラマドール口腔内崩壊錠は処方3に変更され、服用開始3日目に患者面談を行った。(注)NRS: Numerical Rating Scale 面談内容は以下のとおり。患者: 麻薬と聞いて不安だったけど、痛み止めが効いたよ。薬剤師: 痛みが落ち着いてよかったですね。食事とお通じはいかがですか。患者: ご飯は食べてます。お通じは、トイレの時にいきみますが、スッキリし なくて残った感じがあります。面談等の結果、薬剤師の医師への提案内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["グラニセトロンの追加", "アミトリプチリン錠を75mg/日へ増量", "酸化マグネシウム細粒を3,000mg/日へ増量", "ナルデメジンの追加", "オキシコドン徐放錠の中止"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "「お通じは、トイレの時にいきみますが、スッキリしなくて残った感じがあります。」と患者が訴えていることから、麻薬性鎮痛薬であるオキシコドン徐放錠による便秘症状が現れていると推察される。よって、末梢性\\microオピオイド受容体拮抗薬であるナルデメジンを追加投与することを提案することは適切である。1:誤\nグラニセトロンは、5-HT_{3}受容体拮抗薬であり、抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与及び放射線照射に伴う消化器症状(悪心・嘔吐)に用いられる。本患者は、悪心・嘔吐が現れていないため、グラニセトロンの追加投与を提案することは不適切である。2:誤\nアミトリプチリンは、三環系抗うつ薬であり、鎮痛補助薬として用いられる。本患者は、痛みのコントロールが良好であるため、アミトリプチリンの追加投与を提案することは不適切である。3:誤\n酸化マグネシウムは、緩下剤として用いられる。酸化マグネシウムを緩下剤として使用する場合、通常成人1日2g(2000mg)を経口投与する。よって、酸化マグネシウム細粒を3,000mg/日へ増量すると提案することは不適切である。4:正\n前記参照\n5:誤\nオキシコドン徐放錠は、麻薬性鎮痛薬であり、中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛に用いられる。本患者は、痛みのコントロールが良好であるため、オキシコドン徐放錠の中止を提案することは不適切である。"} +{"problem_id": "109303", "problem_text": "この患者の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腫瘍マーカーのCEAやCA19-9の上昇が見られる。", "予後は、グリーソン(Gleason)スコアによって評価される。", "二次治療による横紋筋融解症に注意する。", "重度の動脈血栓塞栓症が出現した場合、ラムシルマブを中止する。", "二次治療が治療抵抗性となった場合には、トラスツズマブの追加を考慮する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n腫瘍マーカーのCEA、CA19-9は、腺がん(胃がん、大腸がん、膵臓がんなど)で高値を示す。2:誤\nグリーソン(Gleason)スコアとは、前立腺生検で得られた組織の悪性度を示すものであり、前立腺癌の悪性度の評価に用いられる。本患者は、胃がんであり、予後の評価にグリーソン(Gleason)スコアは用いられない。3:誤\n二次治療に用いられるパクリタキセルやラムシルマブは、副作用として、横紋筋融解症を起こすとの報告はない。4:正\nラムシルマブは、重大な副作用として、動脈血栓塞栓症を生じることがあるため、重度の動脈血栓塞栓症が出現した場合、ラムシルマブを中止する。5:誤\n本患者はHER2陰性であるため、HER2陽性の胃がんに用いられるトラスツズマブの追加は不要である。"} +{"problem_id": "109304", "problem_text": "28歳女性。入院中にクロルプロマジン100〜450mg/日で1年以上、オランザピン10mg/日で4週間、リスペリドン6mg/日で8週間治療を継続してきたが、「誰かに見張られている」、「誰かに首をグルグルされる」「思考がとられる」などの精神病症状(幻覚妄想症状)が消失せず、難治性精神疾患と診断された。家族の同意を得てクロザピンが導入され、投与開始から20週間、入院での治療となった。外泊をするなど日常生活が送れる程度に症状が安定したため、以下の処方で退院となり、外来において多職種連携のもと治療継続することになった。退院時の血液検査や心電図などには異常所見が認められなかった。この患者の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["難治性精神疾患は治療抵抗性統合失調症である。", "中脳辺縁系におけるドパミン神経の機能が低下している。", "糖尿病が発症した場合、速やかにクロザピンを中止する。", "白血球数及び好中球数のモニタリングを毎回行う。", "精神症状が悪化した場合、持効性抗精神病薬を併用する。"], "text_only": false, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\nクロザピンは、治療抵抗性の統合失調症に用いられるため、本患者が罹患している難治性精神疾患は、治療抵抗性統合失調症であると推察される。2:誤\n統合失調症による陽性症状(幻覚妄想症状)は、中脳辺縁系におけるドパミン神経の機能が亢進することにより起こる。本患者には、「誰かに見張られている」、「誰かに首をグルグルされる」「思考がとられる」などの精神病症状(幻覚妄想症状)が現れていることから、中脳辺縁系におけるドパミン神経の機能が亢進していると推察される。3:誤\nクロザピンを投与することにより糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることのある重大な副作用が発現するおそれがあるため、本剤投与中はCPMS(クロザリル患者モニタリングサービス)に準拠して定期的に血糖値等の測定を行うこととされている。また、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされていることから、糖尿病を発症した場合には、状況に応じて投与継続について検討する必要がる。なお、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等が現れた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行う必要がある。4:正\nクロザピンを投与すると、無顆粒球症が現れることがあるため、血液検査により白血球数及び好中球数のモニタリングを毎回行う必要がある。5:誤\nクロザピンは、原則単独で使用する。なお、持効性抗精神病剤は、血中から消失するまでに時間を要することから、副作用発現に対し速やかに対応できないため、両剤は併用禁忌とされている。"} +{"problem_id": "109305", "problem_text": "退院後の治療経過観察において、薬剤師が留意すべき事項として正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["検査結果と処方内容の確認後の調剤は、クロザピン専任登録管理薬剤師が担当する。", "心理教育や作業療法プログラムを立案する。", "口渇、多飲、頻尿症状が発現した場合には直ちに受診するように指導する。", "クロザピンに残薬が生じた場合は、速やかに自己廃棄するよう指導する。", "体重減少をきたすことがあるので、セルフモニタリングできるよう指導する。"], "text_only": true, "answer": ["1", "3", "5(いずれか2つ選択で正解とする)"], "comment": "1:正\nクロザリル管理薬剤師(保険薬局)は、クロザリル管理薬剤師の要件を満たし、クロザリル適正使用委員会の審査を経て、CPMSに登録された保険薬局の薬剤師である。クロザリル管理薬剤師の役割を以下に示す。・Web講習を受講し、本剤を適正に使用するように知識を習得する。・「CPMS運用手順」を遵守し、本剤が適正に使用されていることを管理する。・CPMS規定に従った血液検査が実施されたことをeCPMS上で確認してから本剤を調剤する。・本剤をCPMS規定の検査間隔以上に払い出ししないように管理する。・本剤を登録患者以外に調剤されないように管理する。・本剤を中止した患者の残薬を速やかに回収・廃棄する。2:誤\n作業療法プログラムを立案するのは、作業療法士の業務である。3:正\n口渇、多飲、頻尿症状が発現した場合、糖尿病を発症している可能性があるため、直ちに受診するように指導する必要がある。4:誤\n解説1参照\n5:正\nクロザピンにより糖尿病を発症すると、急激な体重減少をきたすことがあるため、体重のセルフモニタリングを行うように指導する必要がある。"} +{"problem_id": "109306", "problem_text": "厚生康太(こうせいこうた)氏、75歳男性。身長170cm、体重65kg。一過性脳虚血発作で入院し、再発予防目的でプラビックス錠(注)25mgが1回2錠、1日1回の処方で服薬開始となった。2023年7月1日に起床時のふらつきと意識障害をきたし、近医へ救急搬送され、緊急入院となった。入院時の血糖値33mg/dL、入院翌日の空腹時血糖値14mg/dL、血中インスリン濃度127.5 \\microIU/mL(基準値2.7〜10.4)であった。プラビックス錠は入院直後に中止された。検査の結果、患者はプラビックス錠の副作用であるインスリン自己免疫症候群と診断された。入院7日後には検査所見、自覚症状ともに改善した。薬剤師は医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に基づき、医薬品安全性情報報告書を作成するとともに、実務実習中の薬学部学生にも報告書の作成の練習をしてもらうこととした。(注)プラビックス錠: クロピドグレル硫酸塩錠 本報告制度に基づく報告を行うことは、医薬���の安全対策を講じていくために重要である。副作用の報告に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["薬剤師は、製造販売業者が行う副作用情報の収集に協力するよう努めなければならない。", "薬剤師は、本報告制度により、知り得た副作用はすべて報告しなければならない。", "薬剤師は、本報告制度による報告を行う場合、患者の同意を得なければならない。", "製造販売業者は、自社が関与していない医薬品に関する副作用の情報を入手した場合も報告しなければならない。", "患者が自身の副作用を疑った場合、患者自ら独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告することができる。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n医薬関係者(医師及び薬剤師、病院開設者、薬局開設者)は、医薬品等の製造販売業者等が行う医薬品等の適正使用に必要な情報の収集に協力するよう努めなければならない。2:誤\n医薬品・医療機器等安全性情報報告制度では、副作用、感染症の発生を知り、危害発生・拡大防止の必要があると認めるとき、医薬関係者(医師及び薬剤師、病院開設者、薬局開設者)は、厚生労働大臣に報告しなければならない。3:誤\n医薬品・医療機器等安全性情報報告制度により副作用について報告する場合における個人情報の取扱いは、第三者への提供の制限を受けないため、患者の同意を得ることなく行うことが可能である。4:誤\n製造販売業者は、企業報告制度において、自社が製造販売する医薬品について報告する義務がある。5:正\n独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)では、医薬品の安全対策に活用する目的で、患者またはその家族より、医薬品による副作用報告(患者副作用報告)を受け付けている。"} +{"problem_id": "109307", "problem_text": "薬学部学生がこの患者のインスリン自己免疫症候群について作成した、下図の医薬品安全性情報報告書案を指導薬剤師が確認したところ、不適切な記載を1ヶ所発見した。それはどれか。1つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\n副作用の原因となったプラビックス錠(クロピドグレル錠)は、医療用医薬品であるため、医療用医薬品にチェックすることは適切である。2:正しい\n患者(厚生康太)のイニシャルがKK、性別が男性であることから、患者イニシャル、性別の記載は適切である。3:誤っている\n副作用発現により緊急入院していることから、重篤にチェックする必要がある。4:正しい\nプラビックス錠(クロピドグレル錠)の副作用であるインスリン自己免疫症候群と診断されているため、被疑薬(副作用との関連が疑われる医薬品の販売名)、副作用等の名称または症状、異常所見の記載は適切である。5:正しい\n解説4参照"} +{"problem_id": "109308", "problem_text": "13歳男性。身長135cm、体重40kg。近隣の公立病院脳神経外科にて頭蓋咽頭腫の摘出術を受けたものの、血中下垂体ホルモン濃度の異常は改善せず、汎下垂体機能低下症と診断され、いくつかのホルモン補充療法の一つとして成長ホルモン補充療法を行うこととなった。処方医より「ソマトロピン(遺伝子組換え)製剤を使用したいが、患児及び患児の両親が先行バイオ医薬品とバイオ後続品 (バイオシミラー)のどちらを選択するかを判断できるように説明してほしい。」との依頼を受け、病院薬剤師から先行バイオ医薬品とバイオ後続品の相違について説明を行うこととなった。病院薬剤師が、患児及び患児の両親に説明するにあたり、これまでに収集した情報の確認を行った。情報として、誤っているのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["バイオ後続品は、先行バイオ医薬品と同等/同質の品質、安全性、有効性を有する医薬品である。", "バイオ後続品は、先行バイオ医薬品に比べて開発費が低く抑えられ、薬の価格が安く設定されている。", "生物学的同等性試験により先行バイオ医薬品との同等性が証明できれば、バイオ後続品の臨床試験は不要である。", "原則として、バイオ後続品の製造販売後調査が実施される。", "バイオ後続品について医薬品リスク管理計画の作成が求められている。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "1:正しい\nバイオ後続品とは、先行バイオ医薬品と同等/同質��品質、有効性、安全性を有する医薬品のことであり、異なる製造販売業者により開発される医薬品である。2:正しい\nバイオ後続品は、先行バイオ医薬品に比べ、開発費が低く、原則として先行バイオ医薬品の薬価の70%の額に設定されている。3:誤っている\nバイオ後続品の開発要件として、先行バイオ医薬品と有効成分、不純物等の同等性/同質性の比較、非臨床試験で薬理作用の比較、安全性の確認、臨床試験で先行バイオ医薬品と同等性/同質性の比較及び安全性の確認などがあり、バイオ後続品を開発するにあたって、臨床試験が必要である。4:正しい\n臨床試験で得られる情報が少ないことから、原則として、バイオ後続品の製造販売後調査が実施される。5:正しい\n医薬品リスク管理計画(RMP)の作成が求められるのは①、②の場合とされている。①承認申請時\n新医薬品\nバイオ後続品\n後発医薬品のうち、先発医薬品のRMPが公表されているもので、申請する効能・効果等が先発医薬品と同じ場合\n②製造販売後に新たな安全性の懸念が判明した場合\n上記のことから、バイオ後続品について医薬品リスク管理計画の作成が求められている。"} +{"problem_id": "109309", "problem_text": "病院薬剤師の説明を受けて、患児及び患児の両親はバイオ後続品を使用することにした。この成長ホルモン製剤の説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["毎日通院の上、医師または看護師に注射してもらってください。", "用量を決めるためにはお子さんの体重の情報が必須です。", "このお薬の使用中は、生ワクチンの接種はできません。", "このお薬を始めることによって、夜尿症(おねしょ)になります。", "定期的に血糖やHbAlc の検査が必要となります。"], "text_only": true, "answer": ["2", "5"], "comment": "1:誤\nソマトロピン(遺伝子組換え)製剤は、自己注射として使用できる医薬品であり、毎日通院する必要はない。2:正\nソマトロピン(遺伝子組換え)製剤の投与量は、体重より算出するため、用量を設定するのに体重の情報は必須である。3:誤\nソマトロピン(遺伝子組換え)製剤と生ワクチンとの相互作用は報告されていないため、本剤使用中に生ワクチンを接種することが可能である。4:誤\nソマトロピン(遺伝子組換え)製剤の副作用として、夜尿症(おねしょ)は報告されていない。5:正\nソマトロピン(遺伝子組換え)製剤は、インスリン感受性を低下させることから、本剤投与により血糖値、HbA1cの上昇が現れることがあるため、定期的に血糖やHbA1cを測定し、異常が認められた場合、投与量の減量又は一時的な投与中止等、適切な処置を行う必要がある。"} +{"problem_id": "109310", "problem_text": "75歳女性。7日前に誕生日を迎えた。その少し前に、誕生日以降に使用できる医療保険証が郵送されてきた。70歳の夫と二人暮らしである。高血圧症と閉塞隅角緑内障の治療のため、ロサルタン錠とビマトプロスト点眼液を使用している。3日前、熱中症で救急病院に入院となった。入院後、寝つきが悪いとの訴えがあったため睡眠導入薬を追加することとなった。この病棟を担当している薬剤師は、患者を担当している研修医から睡眠導入薬について相談を受けた。患者からは、「寝つきが悪いので、早く眠れる薬が欲しい。でも、睡眠薬は効果が翌朝まで残ることがあると聞いたので不安だ。翌朝に影響の少ない薬がよい。」との希望があった。研修医に提案する薬剤として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["エスゾピクロン錠", "ジフェンヒドラミン塩酸塩錠", "ニトラゼパム錠", "フルニトラゼパム塩酸塩カプセル", "ラメルテオン錠"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "本症例では、閉塞隅角緑内障治療中であることから、閉塞隅角緑内障を悪化させる抗コリン作用を有する薬を提案することはできない。また、「寝つきが悪いので、早く眠れる薬が欲しい。でも、睡眠薬は効果が翌朝まで残ることがあると聞いたので不安だ。翌朝に影響の少ない薬がよい。」と患者が訴えていることから、作用時間が短く、翌朝に影響の少ない睡眠薬を提案する必要がある。これらのことからエスゾピクロン錠、ラメルテオン錠を提案することが適切である。1:正\n前記参照\n2:誤\nジフェンヒドラミン錠は、第一世代抗ヒスタミン薬であり、抗コリン作用を有するため、閉塞隅角緑内障患者には投与禁忌である。3:誤\nニトラゼパム錠は、中時間型のベンゾジアゼピン系薬であり、翌朝まで影響が現れる可能性がある。4:誤\nフルニトラゼパム塩酸塩カプセルは、中時間型のベンゾジアゼピン系薬であり、翌朝まで影響が現れる可能性がある。5:正\n前記参照"} +{"problem_id": "109311", "problem_text": "この女性の夫は、自身が利用しているかかりつけ薬局を訪れた。夫は薬剤師に、妻の入院や妻宛てに郵送された医療保険証のことなどを相談した。その医療保険証の医療保険制度に関する薬剤師の説明内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["所得により医療費の窓口負担割合が異なります。", "運営主体は全国健康保険協会です。", "保険料の支払いは免除されます。", "65歳以上75歳未満の方は一定の障害と認定された場合、加入することができます。", "当該制度の加入者は高額療養費制度を利用できません。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "本患者は75歳であることから、後期高齢者医療制度対象者である。1:正\n後期高齢者制度では、一部負担金を支払う必要があり、後期高齢者医療制度の一部負担金の割合は、所得により異なる(所得により1、2、3割に振り分けられている)。2:誤\n後期高齢者医療制度の運営主体は、後期高齢者医療広域連合である。3:誤\n解説1参照\n4:正\n後期高齢者医療制度の被保険者は、75歳以上の者及び65歳以上75歳未満の者であって、政令に定める程度の障害の状態にあるとして認定を受けた者である。5:誤\n高額療養費制度とは、一部負担金が月の初めから終わりまでの間の法定限度額を超えた場合に、限度額を超えた金額を支給する制度である。後期高齢者医療制度の加入者も、他の医療保険と同様に高額療養費制度を利用することができる。"} +{"problem_id": "109312", "problem_text": "80歳男性。脊柱管狭窄症があり、自宅療養中。骨粗しょう症があり、定期的にイバンドロン酸ナトリウム水和物の注射を受けていたが、腰痛がひどく、新たに処方1の薬剤が追加され使用している。この男性は、娘が介護を行うにあたり近々娘の家で同居することとなり、娘から近隣の薬局に処方1の薬剤の取扱いがあるか問合せがあった。現在、当該薬局では処方1の取扱いはなかったが、男性が引っ越してくるまでに時間があるため、処方1の製造販売業者が提供するシステムへの調剤施設の登録などの手続きを行い、調剤できる準備を整えることになった。麻薬及び向精神薬取締法に基づく処方1に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["調剤するには、薬局の許可のほかに麻薬小売業者の許可を要する。", "処方箋に、麻薬施用者の免許証の番号が記載されているか確認しなければならない。", "堅固な設備内に施錠して保管しなければならない。", "廃棄する際、法令に基づく許可や届出の必要はない。", "規定の数量以上の紛失等の事故が発生した場合、「向精神薬事故届」を届け出なければならない。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "1:誤\n処方1(ブプレノルフィン経皮吸収型製剤)は、第二種向精神薬に該当するため、取扱うにあたり麻薬小売業者の許可を必要としない。なお、薬局開設の許可を受けたものは、向精神薬卸売業者及び向精神薬小売業者の許可を受けたものとみなされる。2:誤\n向精神薬が記載された処方箋に麻薬施用者の免許証の番号が記載されているか確認する必要はない。3:誤\n向精神薬は、当該向精神薬営業所において、向精神薬に関する業務に従事する者が実地に盗難の防止につき必要な注意をする場合を除き、かぎをかけた施設内で行わなければならない。なお、麻薬は堅固な設備内に施錠して保管する必要がある。4:正\n向精神薬を廃棄する際、回収することが困難な方法により行わなければならないとされており、法令に基づく許可や届出は必要ない。5:正\n向精神薬が規定の数量以上の紛失等の事故が発生した場合、「向精神薬事故届」を免許権者に届け出なければならない。"} +{"problem_id": "109313", "problem_text": "引越し後、処方1を当該薬局において調剤した際、患者の娘から使い方の説明を求められた。薬剤師が行う説明として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["腰の痛い場所に貼ってください。", "皮膚に傷のあるところには貼付しないでください。", "半分に切って使用しないでください。", "使用済のお薬は、接着面を表にして処分してください。", "このお薬がよく効くように、貼った部位を電気毛布等でよく温めてください。"], "text_only": true, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n本剤(ブプレノルフィン経皮吸収型製剤)は、経皮吸収型製剤であり、通常、成人に対し、前胸部、上背部、上腕外部又は側胸部に貼付し、7日ごとに貼り替えて使用する。2:正\n吸収量が増加するため、創傷面等がみられる部位を避けて貼付する必要がある。3:正\n本剤をハサミ等切って使用すると主薬の放出に影響が現れることがあるため、半分に切って使用してはいけない。また、傷のついた本剤は使用してはいけない。4:誤\n使用済みの本剤を廃棄する際、接着面を内側に貼り合わせた後、安全に処分する必要がある。5:誤\n本剤貼付後、貼付部位の温度が上昇すると吸収量が増加するため、貼付部位が電気パッド、電気毛布、加温ウォーターベッド、赤外線灯、集中的な日光浴、サウナ、湯たんぽ等の熱源に接しないように注意する必要がある。また、本剤の貼付中に入浴する場合、熱い温度での入浴を避ける必要がある。"} +{"problem_id": "109314", "problem_text": "大学病院で循環器内科を担当している薬剤師が、循環器内科病棟の医師から「糖尿病の治療薬である医薬品A(カプセル剤)が心不全にも効果があるという報告を聞いたので、当院でも効果を検証することを目的として、無作為化二重盲検比較試験を実施したいと考えている。認定臨床研究審査委員会に申請したいので、研究計画書について薬剤師の立場から追加や修正した方が良いところがあるかチェックしてほしい。」と依頼された。研究の概要は以下のとおりである。なお、医薬品Aは日本では心不全の適応はない。薬剤師がこの計画を確認し、以下の追加内容を検討した。計画書に追加記載するのに適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["服薬遵守率が設定した値より低い場合は、解析から除外すること。", "副作用が発現した場合は、必ず試験を中止すること。", "非介入群の患者には、医薬品Aと併用禁忌の薬剤は使用してもよいこと。", "介入群の患者には、投与するのは医薬品Aであることを説明し、正しく服用させること。", "医薬品Aとプラセボ薬は、外観に差がないカプセルに充てんしたものを使用すること。"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "1:正\n臨床試験では、より正確なエビデンスを得るために試験内容を設定し、その内容を満たさない症例については、解析から除外する。服薬遵守率が設定した値より低い場合、正確なエビデンスが得られない可能性があるため、解析から除外する。2:誤\n副作用が生じた場合、継続して試験を行うかについては状況によって異なるため、必ず試験を中止する必要はない。3:誤\n無作為化二重盲検比較試験では、介入群と非介入郡が無作為に選択され、被験者も医療従事者もどの郡が介入群、非介入群であるかわからない状況で試験が行われる。非介入群には、プラセボを投与しているため、医薬品Aと併用禁忌の薬剤を使用しても相互作用を起こすことはない。ただ、非介入群の患者に医薬品Aと併用禁忌の薬剤を使用することで、医療従事者にプラセボを投与していると推察されてしまうため、無作為化二重盲検比較試験では、非介入群の患者に医薬品Aと併用禁忌の薬剤は投与しない。4:誤\n本試験では、無作為化二重盲検比較試験を行なっているため、介入群、非介入群ともに医薬品Aを投与しているか、プラセボを投与しているかについて説明はしない。5:正\n本試験では、無作為化二重盲検比較試験を行なっているため、医薬品Aを投与しているか、プラセボを投与しているかわからないように外観に差がないカプセルに充てんしたものを使用する。"} +{"problem_id": "109315", "problem_text": "この研究は、臨床研究法の臨床研究のうち特定臨床研究に該当する。該当する理由として正しいのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["大学病院で行う研究であるため。", "無作為化二重盲検比較試験であるため。", "医薬品の適応外使用���有効性を検証する研究であるため。", "医師主導で行う研究であるため。", "侵襲を含む研究であるため。"], "text_only": true, "answer": ["3"], "comment": "本試験は、日本で心不全の適応がない医薬品Aに対する試験であるため、特定臨床研究に該当する。【試験(研究)の種類と遵守する法律】"} +{"problem_id": "109316", "problem_text": "87歳男性。独居。日常生活に不安があるとのことで、近所に住んでいる娘が相談のため健康サポート薬局を訪れた。娘によると、男性の身体状態は比較的安定しているが、自宅は衣類が脱ぎっぱなしで、ゴミが散乱するなど以前より雑然としているとのこと。さらに、薬の飲み忘れがあり、同じことを何度も繰り返し話す、受診日を忘れることがあるとのことだった。1年ほど前に医師からは認知機能の低下が疑われると言われている。現時点でこの男性は要介護認定(要支援を含む)を取得しいていない。薬剤師がこの時点で家族や関係者に提案可能な内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["父親の行動について、医師に改めて認知機能の検査をしてもらうように提案した。", "低下した認知機能を元に戻す薬があるので、医師に相談するよう提案する。", "認知症の進行とともに徘徊や転倒のリスクを増大するので、ベッドに拘束して身体活動を抑制するように伝えた。", "認知症の家族会を紹介し、同じような問題を抱えている方の助言を聞いてみてはどうかと提案した。", "物忘れ防止のために、セント・ジョーンズワートの服用を勧めた。"], "text_only": true, "answer": ["1", "4"], "comment": "1:正\n本患者に認知機能が疑われる症状(薬の飲み忘れがある、同じことを何度も繰り返し話す、受診日を忘れることがある)が現れていることから、医師に改めて認知機能の検査をしてもらうように提案することは適切である。2:誤\n2024年2月では、認知症症状の進行を抑制する薬(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチン、レカネマブ)はあるが、低下した認知機能を元に戻す薬は存在しない。3:誤\n認知症の進行とともに徘徊や転倒のリスクが増大するため、患者の状況を把握するとともに、転倒しない環境づくり、骨折予防装具の装着を検討する必要がある。なお、身体拘束を行うと患者にとって苦痛になるとともに、介護する人にとっても「縛りたくない、けど縛るしかない」と大きなジレンマを感じることがあるため、身体拘束することは推奨されない。4:正\n認知症の家族会に参加することで、同じような問題を抱えている方の助言を聞くことができるため、認知症の家族会に参加することを提案することは適切である。5:誤\nセント・ジョーンズワートは、海外においてうつ病の治療に用いられている。よって、物忘れ防止のために、セント・ジョーンズワートの服用を勧めることは不適切である。"} +{"problem_id": "109317", "problem_text": "その後、父親の症状の悪化により家族の介護の負担が大きくなったため、薬剤師は家族に要介護認定の取得を提案することとした。薬剤師が理解しておくべき認定取得の仕組みとして適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["要介護認定の申請窓口はかかりつけの医療機関である。", "要介護認定の審査では医師の意見書は必要ではない。", "認定審査はコンピューターによる1次判定と介護認定審査会による2次判定を経て行われる。", "最終判定として、認定調査員による心身の状況に関する面接調査が行われる。", "介護認定審査会の委員は保健・医療・福祉に関する学識経験者で構成される。"], "text_only": true, "answer": ["3", "5"], "comment": "1:誤\n要介護認定の申請は、保険者である市町村・特別区に設けられている窓口で行う。2:誤\n要介護認定の審査では、主治医の意見書が必要である。3:正\n認定審査は、①市町村・特別区に認定を申請、②調査員の訪問調査(面談調査)、③コンピューターによる一次審査(要介護認定等基準時間を推計する)、④主治医の意見書確認、⑤介護認定審査会で二次判定、①〜⑤の流れで行われる。4:誤\n面談調査は、コンピューターによる一次審査の前に行われる(解説3参照)。5:正\n介護認定審査会は、保険、医療、福祉に関する学識経験者によって構成される。"} +{"problem_id": "109318", "problem_text": "薬剤師が薬局開設に向けて事前準備を行っている。調剤業務に加え、一般用医薬品等も取り扱う予定である。調剤業務以外で取り扱う予定の医薬品は、以下のとおりである。ア:要指導医薬品 イ:一般用医薬品(第1類医薬品) ウ:一般用医薬品(指定第2類医薬品) エ:一般用医薬品(第2類医薬品) オ:一般用医薬品(第3類医薬品) カ:一般用検査薬(第2類医薬品) キ:薬局製造販売医薬品 この薬局で取り扱う予定のア〜キの医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["キ以外のものについては、特定販売可能である。", "イ〜カについては、登録販売者による販売が可能である。", "ア〜キに関して、薬局開設の許可とは別に、店舗販売業の許可を受ける必要はない。", "キを製造し販売する場合、薬局製造販売医薬品の製造販売業と製造業の許可が必要である。", "ア〜キの全てを販売する場合、通常必要とされる薬局の面積の2倍以上の広さが構造設備基準として求められる。"], "text_only": false, "answer": ["3", "4"], "comment": "1:誤\nア(要指導医薬品)及びキ(薬局製造販売医薬品)のうち毒薬及び劇薬以外のものは、特定販売(インターネット販売)が可能である。2:誤\nウ(一般用医薬品(指定第2類医薬品))、エ(一般用医薬品(第2類医薬品)、オ(一般用医薬品(第3類医薬品)、カ(一般用検査薬(第2類医薬品))は、登録販売者による販売が可能である。3:正\n薬局開設許可を受けた場合、店舗販売業の許可を受けることなく、要指導医薬品、一般用医薬品を販売することが可能である。また、キ(薬局製造販売医薬品)を製造し販売する場合、薬局開設の許可を受けた上で、都道府県知事から薬局製造販売医薬品の製造販売業の許可および製造業の許可を受ける必要があり、店舗販売業の許可を必要としない。4:正\n解説4参照\n5:誤\nア〜キの全てを販売するにあたって、通常必要とされる薬局の面積の2倍以上の広さが必要であるという規定はない。"} +{"problem_id": "109319", "problem_text": "この薬局における調剤業務以外で取り扱う予定の医薬品の陳列方法について正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、空箱陳列は行わないこととする。なお、薬局の平面図は以下のとおりである。", "choices": ["アを陳列棚Bに陳列する。", "イを陳列棚Aに陳列する。", "ウを陳列棚Aに陳列する。", "力を陳列棚Aに陳列する。", "キを陳列棚Cに陳列する。"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "ア〜キの医薬品の陳列方法は下記のように規定されている。"} +{"problem_id": "109320", "problem_text": "男性がかぜ症状を訴えて来局した。この薬局の薬剤師は男性の症状、既往歴、アレルギー歴、併用薬などを確認し、ある一般用医薬品を選択して男性に勧め、選択した医薬品に含まれる成分の効能を説明した。なお、選択した医薬品は指定第2類医薬品であり、濫用等のおそれのある医薬品に該当する。<選択した一般用医薬品に含まれる成分> アセトアミノフェン アンブロキソール塩酸塩 L-カルボシステイン ジヒドロコデインリン酸塩 クロルフェニラミンマレイン酸塩 リボフラビン(ビタミンB_{2}) この薬の有効成分に関する説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アセトアミノフェンは、発熱、頭痛、喉の痛み等、熱と痛みを鎮めます。", "アンブロキソール塩酸塩は、咳の原因となる喉にからまるしつこい痰を出しやすくします。", "L-カルボシステインは、咳中枢に働き、咳を鎮めます。", "ジヒドロコデインリン酸塩は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状を抑えます。", "リボフラビンは、気道粘液・粘膜を正常な状態に近づけます。"], "text_only": true, "answer": ["1", "2"], "comment": "1:正\nアセトアミノフェンは、解熱鎮痛薬であり、発熱、頭痛、喉の痛み等を鎮める作用を示す。2:正\nアンブロキソール塩酸塩は、去痰薬であり、痰を出しやすくする作用を示す。3:誤\nL-カルボシステインは、去痰薬であり、痰を出しやすくする作用を示す。4:誤\nジヒドロコデインリン酸塩は、麻薬性鎮咳薬であり、咳を鎮める作用を示す。5:誤\nリボフラビンは、ビタミンB_{2}製剤であり、かぜにより消耗しやすいビタミンB_{2}を補う。"} +{"problem_id": "109321", "problem_text": "選択した医薬品の取扱いとして、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["購入者の運転免許証等の身分証の提示があれば、数量の制限なく販売できる。", "使用について専門家への相談を促す声かけや掲示等を行う必要がある。", "使用者本人以外に販売することはできない。", "購入者が高校生や中学生等の若年者である場合、氏名及び年齢等を確認する必要がある。", "購入者から質問がなかった場合も、書面を用いて情報提供を行わなければならない。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "選択した医薬品には、ジヒドロコデインリン酸塩が含まれているため、指定第2類医薬品であり、濫用等のおそれのある医薬品に該当する。1:誤\n指定第2類医薬品は、適正な使用のために必要と認められる数量に限り、販売し、又は授与させることとされており、原則として1人1包装単位での販売となる。2:正\n指定第2類医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者に対して、その使用について薬剤師や登録販売者への相談を促す声かけや掲示等を行う必要がある。3:誤\n指定第2類医薬品は、使用者本人以外に販売することが可能である。なお、使用者本人以外に販売することができない医薬品として、要指導医薬品がある。4:正\n指定第2類医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が若年者である場合にあっては、当該者の氏名及び年齢を確認する必要がある。5:誤\n指定第2類医薬品は、書面(又は電磁記録)を用いて必要な情報を提供する義務はない。なお、書面(又は電磁記録)を用いて必要な情報を提供しなければならないのは、要指導医薬品と第1類医薬品である。"} +{"problem_id": "109322", "problem_text": "地域薬剤師会からある薬局に地域ケア会議への参加依頼があった。薬局に勤務する薬剤師の中で適任者を検討した結果、薬局勤務3年目の薬剤師Aが選出された。薬剤師Aは地域ケア会議に参加するのは初めてだが、在宅患者も担当しており、スキルアップのために管理薬剤師Bと共に参加してもらうことにした。薬剤師Aは地域ケア会議へ出席するにあたり、地域ケア会議の特徴や参加時の対応について管理薬剤師Bに相談した。管理薬剤師Bの助言の内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["地域ケア会議は、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備を同時に進めています。", "地域ケア会議は、薬剤師の場合、2年以上の実務経験が参加条件となっています。", "地域ケア会議は、医療又は福祉の資格を有することが参加条件となります。", "地域ケア会議において、参加者に自分の意見を伝える際、専門用語をなるべく多く用いて説明するように心がけてください。", "個別ケースの課題などを積み重ね、自治体の政策形成につなげることも地域ケア会議の機能の一つです。"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "地域ケア会議とは、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備とを同時に進めていく、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法のことである。地域ケア会議は、地域包括支援センター等が主催し、多職種の協働による個別ケースの支援を通じた ①地域支援ネットワークの構築、②高齢者の自立支援に資するケアマネジメント支援、③地域課題の把握:などを行い、地域づくり・資源開発及び政策形成につなげることなどを目指すものである。1:正\n前記参照\n2:誤\n地域ケア会議に薬剤師が参加することがあるが実務経験は問われない。なお、地域ケア会議には、医薬関係者、介護支援専門員(ケアマネージャー)に加え、行政職員、地域包括支援センターの職員、民生委員など医療又は福祉の資格を有していないものも参加する。3:誤\n解説2参照\n4:誤\n地域ケア会議には専門領域が異なる者が参加するため、参加者に自分の意見を伝える際、円滑なコミュニケーションを行うために専門用語を控える必要がある。5:正\n前記参照"} +{"problem_id": "109323", "problem_text": "薬剤師Aは本会議に参加し、本会議を主催した地域包括支援センターの活動に触れ、地域住民にとって重要な施設であると感じた。そこで、薬局来局者に地域包括支援センターの役割を伝える情報提供資料を作成した。資料の記載内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["都道府県ごとに1施設の設置���義務付けられています。", "常駐している医師に健康に関して相談することができます。", "当該センターの職員が自宅を訪問し介護サービスを行います。", "高齢者虐待について相談することができます。", "成年後見制度について相談することができます。"], "text_only": true, "answer": ["4", "5"], "comment": "地域包括支援センターは、市町村が設置主体となり、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等を配置して、3職種のチームアプローチにより、住民の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設である。1:誤\n地域包括支援センターは、市町村が設置することが可能であり、すべての市町村に設置されている。なお、都道府県ごとに設置することは義務付けられていない。2:誤\n地域包括支援センターには、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等が配置されており、医師が常駐しているとは限らない。3:誤\n地域包括支援センターの職員は、介護サービスを受けるための準備や相談に対応するが、訪問介護サービスを行わない。4:正\n地域包括支援センターの業務には、権利擁護業務(高齢者虐待への対応、成年後見制度の活用促進など)、介護予防ケアマネジメント業務(二次予防事業対象者に対する介護予防ケアプランの作成など)、総合相談支援業務(住民の各種相談を幅広く受け付けて、制度横断的な支援を実施)、包括的・継続的ケアマネジメント支援業務(「地域ケア会議」等を通じて自立支援型ケアマネジメントの支援、ケアマネジャーへの日常的個別指導・相談、支援困難事例等への指導・助言)がある。5:正\n解説4参照"} +{"problem_id": "109324", "problem_text": "21歳男性。スポーツ競技者。花粉症による鼻炎症状がつらく、練習に影響するので自分で何か良いものはないかと調べたところ、ある健康食品が良いとインターネット上で評判になっていることを知り、当該健康食品について相談するため薬局を訪れた。この競技者から、ドーピング禁止物質^{(注)}は摂取できないという申し出があり、薬剤師が対応した。(注)ドーピング禁止物質: 世界アンチ・ドーピング機構が定める禁止表に記載されている物質 この薬局では、この健康食品以外にも複数の健康食品を取り扱っており、店舗内での健康食品の広告を検討している。次のうち、医薬品的な効果に該当せず、医薬品でなくても広告が可能なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["がんの治癒", "花粉症の予防", "健康維持", "細胞の活性化", "肝機能の向上"], "text_only": false, "answer": ["3"], "comment": "疾病の治療又は予防を目的とする効果(がんの治療、花粉症の予防、アレルギー症状を緩和する、コロナウイルスの予防など)、身体の組織昨日の一般的増強、増進を主たる目的とする効果(細胞の活性化、肝機能の向上、疲労回復、免疫機能の向上など)を広告する場合、原則として、医薬品医療機器等法上、医薬品として承認を受ける必要がある。なお、単に健康維持に重要であることを示す表現等は、医薬品的な効能効果に関するものに該当しない。"} +{"problem_id": "109325", "problem_text": "この競技者から症状を詳しく聴取したところ、一般用医薬品で対応したほうがよいと判断された。鼻炎に効果がある一般用医薬品のうち、ドーピング禁止物質を含む医薬品はどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "5"], "comment": "ドーピング禁止物質は、「常に禁止される物質」「競技会(時)に禁止される物質」「特定競技におけて禁止される物質」に分けられる。選択肢2に含まれるプソイドエフェドリンは、「特定競技におけて禁止される物質」に該当し、選択肢5に含まれるマオウの有効成分であるエフェドリンは、「競技会(時)に禁止される物質(特定物質である興奮薬)」に該当する。なお、選択肢1に含まれるフェニレフリン及びカフェインは、監視プログラム(禁止表には記載されていないが、スポーツにおける濫用のパターンを把握するために監視することを望む物質)該当する。"} +{"problem_id": "109326", "problem_text": "84歳男性。体重減少と身体活動の低下のため介護保険施設に入所中である。歩行中に転倒し、大腿骨頸部骨折により整形外科病院に入院となった。患者は、オルメサルタン、アゼルニジピン、エソメプラゾール、アトルバスタチン、センノシドを服用中であった。(現病歴) :高血圧症、脂質異常症、便秘症 (入院2週間前の血圧記録) 血圧手帳より、平均112/64 mmHg (入院時検査値) :血圧110/62mmHg、心拍66拍/分、LDL-C 82mg/dL、HDL-C56mg/dL、TG(トリグリセリド)110mg/dL 病棟担当薬剤師は、患者が持参した薬剤の継続について医師から相談を受け、本患者の生命予後に関して、文献の情報を参考に検討した。生命予後の改善を念頭に、薬剤師が医師に伝える内容として、最も優先順位が高いのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["オルメサルタンを中止する。", "アトルバスタチンを中止する。", "オルメサルタンとアゼルニジピンを同時に中止する。", "オルメサルタンとアゼルニジピンの合剤に変更する。", "現在の治療を継続する。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本患者は、降圧薬であるオルメサルタン(アンギオテンシンIIAT_{1}受容体遮断薬)、アゼルニジピン(カルシウム拮抗薬)を服用しており、入院時の血圧が110/62 mmHgであることから、設問にある文献情報より、収縮期血圧130mmHg未満、降圧薬2剤以上に該当しており、生存率が最も低い。よって、生存率を高くするためには、降圧薬2剤未満にする必要があり、生命予後の改善を念頭に、オルメサルタンを中止するように提案することが適切である。"} +{"problem_id": "109327", "problem_text": "50歳男性。身長160cm、体重60kg。食道がん術後の絶食状態にて以下の注射液の投与指示があった。本処方の薬剤を投与する場合の血漿に対する浸透圧比として最も近いのはどれか。1つ選べ。なお、血漿の浸透圧を 290mOsm/Lとし、ブドウ糖の分子量は180とする。", "choices": ["1.0", "2.8", "4.8", "9.6", "19.2"], "text_only": false, "answer": ["4"], "comment": "500mLのブドウ糖注射液50%には、250g(500mL\\times 0.5=250g)のブドウ糖が含まれており、モル濃度に換算すると、2.778mol/L(250g/500mL/180\\fallingdotseq 1.388mol/500mL\\fallingdotseq 2.776mol/L)のブドウ糖が含まれている。ブドウ糖が非電解質であることから、本剤の浸透圧は2.776mOsm/L(2776mOsm/L)である。血漿浸透圧を290mOSm/Lとすることから、本剤の血漿に対する浸透圧比は、9.57倍(2776/290\\fallingdotseq 9.57)である。"} +{"problem_id": "109328", "problem_text": "65歳男性。30年前の検査でB型肝炎ウイルス(HBV)陽性であったが、症状もなく長年未治療のまま放置していた。最近になり、倦怠感、腹部膨満感及びめまい、ふらつきが強くなり、家族に連れられて受診したところ、非代償性肝硬変と診断を受け緊急入院となった。検査の結果、腹水が観察され血圧も高値であり、内服薬が開始されることになった。患者は日頃より便秘を訴えており、現在、食事は可能であるが摂取量が減ってきている。また、血中アンモニアが198\\microg/dLと高値を示している。以下が入院後の処方である。処方に対する薬剤師のアセスメント等として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["高血圧に対してアムロジピンでコントロールが不十分な場合には、テルミサルタンの追加を提案する。", "利尿剤による過度の脱水は、肝性昏睡(肝性脳症)を誘発する可能性があるため、利尿薬の投与量に注意が必要である。", "今後肝機能の改善が見られない場合には、ウルソデオキシコール酸を中止し、アセチルシステインを提案する。", "テノホビルは、投与中止により肝炎の重症化を起こすことがあるため、患者に自己判断で中止しないように指導する。", "分岐鎖アミノ酸製剤は非代償性肝硬変の治療に必須のため、今後食事が摂取できなくなっても継続する必要がある。"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n本患者は、非代償性肝硬変であり、肝機能が低下していることから主に胆汁中に排泄されるテルミサルタンを追加することは推奨されない。2:正\n本患者は、血中アンモニアが198\\micro g/dLと高値を示しているため、利尿剤による脱水を起こすと、高アンモニア血症に伴う肝性昏睡(肝性脳症)を誘発する可能性があるため、利尿剤の投与量に注意する必要がある。3:誤\nアセチルシステインは、アセトアミノフェン過量摂取時の解毒に用いられるため、肝機能が��善しない場合にウルソデオシキコール酸を中止し、アセチルシステインを提案することは不適切である。4:正\nテノホビルは、逆転写酵素阻害薬であり、投与を中止すると肝機能の悪化又は肝炎の重症化を起こすことがあるため、患者にテノホビル アラフェナミドフマル酸塩錠を自己の判断で中止しないように指導する必要がある。5:誤\n分岐鎖アミノ酸配合経口ゼリー剤は、食事摂取量が十分にもかかわらず低アルブミン血症を呈する非代償性肝硬変患者の低アルブミン血症の改善に用いられるため、本剤を使用するには、食事を摂取する必要がある。よって、食事が摂取できない状態で本剤を継続することは推奨されない。"} +{"problem_id": "109329", "problem_text": "72歳男性。体重60kg。10年前に大学病院の腎臓内科にてネフローゼ症候群と診断されプレドニゾロン錠とフロセミド錠による治療が開始された。昨年ステロイド抵抗性との診断を受けてシクロスポリンカプセルが追加され、治療中である。某年8月9日に近隣の皮膚科を受診したところ、爪白癬との診断を受け、イトラコナゾールの投与を推奨された。同日、大学病院の腎臓内科よりイトラコナゾールカプセルの処方が追加され、最終的に処方1〜4のように調整された。9月6日の診察にて経過良好とのことから、治療は同じ処方で継続された。本日9月13日、昨夕より四肢のむくみと尿の泡立ちがひどくなったと自覚したため、かかりつけ薬局へ相談に訪れた。対応した薬剤師は患者からの聞き取りに加え、9月6日の検査値を確認した。(聞き取り内容) ・処方1のお薬は以前と変わらず飲んでいる。・処方2のお薬は全て残っている。・処方3のお薬は残っていない。・処方4のお薬は全て残っている。今回の患者の主訴である四肢のむくみと尿の泡立ちについて、腎臓内科医に提案する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["シクロスポリンの血中濃度測定", "イトラコナゾールの血中濃度測定", "処方の中止", "処方2及び処方4の開始", "処方4の開始"], "text_only": false, "answer": ["1", "5"], "comment": "本患者は、ステロイド抵抗性のネフローゼ症候群と診断され、プレドニゾロン、フロセミドに加えシクロスポリンが追加投与されており、また、皮膚科にて爪白癬と診断を受けイトラコナゾールによるパルス療法(イトラコナゾールを1日2回7日間投与し、3週間休薬する、このサイクルを3クール繰り返し投与する療法)を継続している。処方内容を確認すると、イトラコナゾールはCYP3A4阻害作用を有しているため、イトラコナゾール服用中、CYP3A4により代謝されるシクロスポリンがイトラコナゾール服用していない期間に比べ、減量されていることを確認することができる。9月6日(薬が処方された日)の7日後である9月13日に、四肢のむくみ、尿の泡立ちがひどくなったと自覚しており、聞き取り内容より、服用期間が終わっている処方2(イトラコナゾールカプセル)が全て残っていることから、イトラコナゾールのCYP3A4阻害作用が現れていない状態で、処方3(減量しているシクロスポリン)を服用していると推察され、シクロスポリンの血中濃度が低下することで、ネフローゼ症候群の症状(四肢のむくみ、尿の泡立ち)が現れていると推察される。よって、腎臓内科医にシクロスポリンの血中濃度を測定すること、また、処方4(減量されていないシクロスポリン)を開始することを提案することが適切である。"} +{"problem_id": "109330", "problem_text": "28歳女性。体重50kg。5年前に双極性障害と診断され、近隣の精神科通院加 療中であった。炭酸リチウム800mg(21.6mEq)/日の内服でコントロール良好であった(血清リチウム濃度: 0.8〜1.0mEq/L)が、夫と口論になりその後希死念慮を認めた。翌朝午前5時ごろに炭酸リチウム錠200mgを100錠過量服用した。その後、夫からの通報で救急搬送され、直ちに経鼻胃管による胃洗浄等の処置を施したが心電図でQT延長を認めたことから、リチウム中毒を疑い、入院の上で同日16時より持続的血液透析(CHD)を開始した。来院時に1.6mEq/Lであった血清リチウム濃度はCHD開始時には 3.6mEq/Lに上昇していた。その後、20時、22時、翌日12時に採血と心電図検査を実施した。患者の経過を図に示す。担当薬剤師のこの患者に対���るアセスメント等として適切なのはどれか。2つ選べ。ただし、CHD 離脱によって炭酸リチウムの全身クリアランスは半分になること、炭酸リチウムの分布容積はCHD によらず0.84 L/kgとする。", "choices": ["服用した炭酸リチウムの半分に相当する量が吸収されていた。", "腸に達した炭酸リチウム除去のための薬用炭投与は無効である。", "CHD の離脱時には心電図は正常化している。", "リチウムの体内動態は非線形性を特徴とする。", "第3病日12時の血清リチウム濃度は0.5mEq/L 未満と推定される。"], "text_only": false, "answer": ["2", "5(第109回薬剤師国家試験では図に不備があり", "解なしとなった)"], "comment": "1:誤\n問題の条件より、リチウムの体内移行量を正確に求めることはできないが、炭酸リチウムの吸収が良好で、速やかに吸収されるとすると、リチウムの体内移行量の概算値を以下のように求めることができる。炭酸リチウムが速やかに吸収されるとすると、最大血中濃度=投与直後の血中濃度と考えることができるため、C_{max}=C_{0}となる。また、炭酸リチウムの分布容積が0.84L/kgであり、本患者の体重50kgであることから、分布容積は42L(0.84L/kg\\times 50kg)となる。炭酸リチウムの吸収が良好な場合、体内移行量=投与直後の血中濃度\\times 分布容積が成立するため、体内移行量は、151.2mEq(3.6mEq/L\\times 42L=151.2mEq)となる。問題文に800mg(21.6mEq)と記載されているため、151.2mEqに該当する炭酸リチウムの量は5,600mg(151.2mEq/21.6mEq/800mg)となる。服用した炭酸リチウムの量が20,000mg(200mg/錠\\times 100錠=20,000mg)であり、体内移行した炭酸リチウムの量の概算値が5,600mgであることから、服用した炭酸リチウムの半分に相当する量が吸収されたとは考えられない。2:正\n薬用炭はリチウムを吸着しないため、腸に到達した炭酸リチウムを除去するための薬用炭投与は無効である。3:誤\nCHDの離脱時のQTcが0.444と基準値(基準値: 0.36秒以上0.44秒未満)より高い値を示しているため、心電図は正常化していないと推察される。4:誤\nリチウムの体内動態は、線形性を示す。5:正\n最高血中濃度を示した第1病日16時の血中濃度が3.6mEq/Lであり、第2病日12時の血中濃度が0.96 mEq/Lであることから、20時間の間に血中濃度がほぼ4分の1に低下していることから、CHD実施時の半減期は約10時間である。問題文に「CHD離脱によって炭酸リチウムの全身クリアランスは半分になること、炭酸リチウムの分布容積はCHDによらず0.84 L/kgとする」と記載されているため、CHDを離脱した後の消失半減期が半分となり、半減期は2倍(20時間)となる。第2病日12時の血中濃度が0.96 mEq/Lであることから、20時間後の第3病日の8時には血中濃度が約0.48 mEq/Lに低下していると推察されることから、第3病日12時の血清リチウム濃度は0.5mEq/L未満と推定される。"} +{"problem_id": "109331", "problem_text": "60歳男性。約30分前に胸痛を訴え、近隣病院の救急センターに搬送された。搬送時に意識障害が認められ、心拍40拍/分、血圧80/50mmHgであった。医師はこれらの症候が不整脈に伴う心拍出量低下で生じていると判断し、アトロピンによる緊急治療を開始することにした。救急担当薬剤師が即座に患者のお薬手帳から常用薬を確認したところ、アトロピンの使用にあたり、注意が必要な疾患に罹患している可能性が考えられた。その疾患の治療薬はどれか。2つ選べ。", "choices": ["チペビジンヒベンズ酸塩錠", "テプレノンカプセル", "ブリモニジン酒石酸塩点眼液", "シロドシン錠", "トピロキソスタット錠"], "text_only": true, "answer": ["3", "4"], "comment": "アトロピンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断薬であり、眼圧上昇作用を示すため、閉塞隅角緑内障の患者に投与することができない。また、膀胱平滑筋弛緩作用を示すため、前立線肥大症に伴う排尿障害に用いることができない。選択肢3(ブリモニジン酒石酸塩点眼液)は、アドレナリン\\alpha_{2}受容体刺激作用を有しており、緑内障の治療に用いられ、選択肢4(シロドシン錠)は、アドレナリン\\alpha_{1}受容体遮断作用を有しており、前立腺肥大症に伴う排尿障害に用いられる。よって、アトロピンの使用にあたり、注意が必要な疾患は、緑内障及び前立腺肥大症であり、その治療薬は、ブリモニジン酒石酸塩点眼液及びシロドシン錠である。"} +{"problem_id": "109332", "problem_text": "75歳女性。入院して大腸ポリープ切除術を施行することになった。この病院では、入院前にあらかじめ入院支援センターで薬剤師により持参薬のチェックなどを行うことになっている。また、大腸ポリープ切除術のクリニカルパスには手術当日から創部感染予防の目的でセフメタゾールナトリウム静注用と発熱予防目的でアセトアミノフェン錠を投与することが記載されていた。入院支援センターの薬剤師が聞き取り調査を行ったところ、以前の情報が得られた。薬剤師が医師に提案する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["アムロジピン錠の中止", "ワルファリンカリウム錠の変更", "シンバスタチン錠の中止", "セフメタゾール注の変更", "アセトアミノフェン錠の変更"], "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nアムロジピン錠は、ジヒドロピリジン系Ca^{2}^{+}チャネル遮断薬であり、高血圧症、狭心症の治療に用いられる。本剤は、副作用・アレルギー歴、相互作用、大腸ポリープ切除術を施行することなどを考慮しても、中止する必要はない。2:正\nワルファリンカリウム錠は、抗凝固薬であり、出血のリスクがあるため、大腸ポリープ切除術を施行するにあたりヘパリン系薬剤に変更することを考慮する。3:誤\nシンバスタチン錠は、HMG-CoA還元酵素阻害薬であり、高コレステロール血症の治療に用いられる。本剤は、副作用・アレルギー歴、相互作用、大腸ポリープ切除術を施行することなどを考慮しても、中止する必要はない。4:正\nセフメタゾール注は、セフェム系抗菌薬であり、ペニシリン系抗生物質と同様に\\beta ラクタム環を有する。よって、ペニシリン系抗生物質により発疹を起こしたことがある患者にセフメタゾール注を用いると、発疹を起こすことがあるため、セフメタゾール注を他の抗菌薬に変更することを考慮する必要がある。5:誤\nアセトアミノフェンは、解熱鎮痛薬であり、発熱、疼痛時に用いられる。本患者はアスピリン喘息を起こしたことがあるが、アセトアミノフェンは、COX阻害作用をほとんど示さないため、アスピリン喘息を起こしたことがある場合にも用いることができる。よって、アセトアミノフェン錠を中止する必要はない。"} +{"problem_id": "109333", "problem_text": "79歳男性。体重50kg。うっ血性心不全にて通院治療中である。全身倦怠感と呼吸困難を訴えているため、救急搬送された。血液検査を行ったところ、血清ナトリウム濃度が120mEq/Lであった。意識障害と嘔吐症状があることから、塩化ナトリウムを静注することになった。塩化ナトリウム注射液は、3%の高張液とし、輸液ポンプを用いて、30mL/hの投与速度で開始し、2時間ごとに血清ナトリウム濃度を測定し、その濃度に応じて投与量を適宜調節した。3%塩化ナトリウム注射液の調製方法について、最も適切なのはどれか。1つ選べ。なお、注射製剤の過量充てん分は考慮しないものとする。", "choices": ["生理食塩液500mLに、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を3管注入し均等混和", "生理食塩液300mL(500mLボトルから注射器で、200mL捨てる)に、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を10管注入し均等混和", "生理食塩液420mL(500mLボトルから注射器で、80mL捨てる)に、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を4管注入し均等混和", "生理食塩液400mL(500mLボトルから注射器で、100mL捨てる)に、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を6管注入し均等混和", "生理食塩液 340mL(500mLボトルから注射器で、160mL捨てる)に、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を8管注入し均等混和"], "text_only": true, "answer": ["4"], "comment": "調整された塩化ナトリウム注射液の濃度は下記の手順で求めることができる。① 調製に用いる生理食塩液(0.9%食塩液)に含まれる食塩量を求める。② 調製に用いる塩化ナトリウム注射液10%に含まれる食塩量を求める。③ ①+②を生理食塩液と塩化ナトリウム注射液を混合した後の容積で割り算する。上記の手順で求めると、選択肢4の方法で、3%塩化ナトリウム注射液を調製することができる。① 0.9%(0.9g/100mL)\\times 400mL=3.6g\n② 10%(10g/100mL)\\times 120mL=12g\n③ (3.6+12)/520 mL=15.6 g/520mL=3g/100mL=3%"} +{"problem_id": "109334", "problem_text": "58歳女性。2ヶ月前に全身性エリテマトーデスによるループス腎炎と診断され、薬物治療を継続中である。以下の処方箋並びに検査結果を持って薬局を訪れた。患者から体調について、最近、手足のだるさやこわばり症状があることを聴取した。また、吐き気や下痢症状はないことを確認した。薬剤師は副作用を疑い、処方医に疑義照会したところ、対策案を依頼された。提案する事項として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ニカルジピンの中止", "アトルバスタチンの中止", "アゾセミドの追加", "塩化カリウムの追加", "スピロノラクトンの追加"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "本患者に手足のだるさやこわばり症状があることに加え、検査値を確認すると、カリウム値が2.8mEq/L(基準値: 3.5〜4.9mEq/L)と低値を示しているため、本患者は、低カリウム血症であると推察される。よって、カリウム値を上昇させるための提案を行う必要があり、カリウムを補う目的で塩化カリウムを追加すること及びカリウム保持作用を示す抗アルドステロン薬であるスピロノラクトンを追加することを提案することが適切である。"} +{"problem_id": "109335", "problem_text": "66歳男性。身長168cm 体重57kg。10年前からアルコール性肝炎及び無症候性脳梗塞で病院に定期通院の中、前回の診察で逆流性食道炎と診断され、ファモチジンが処方された。前回より1ヶ月経過した今回の受診時においても、逆流性食道炎の症状が続いていた。以下に、直近の処方並びに前回、今回の検査結果及び患者からの聞き取り内容を示す。検査値並びに聞き取り内容に基づくこの患者の最近1ヶ月間に関する担当薬剤師のアセスメントとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["ファモチジンによる血小板減少が疑われる。", "ウルソデオキシコール酸による肝機能改善が認められる。", "チクロピジンによる汎血球減少が疑われる。", "ニフェジピンはCCr に基づいて10mgに減量すべきである。", "バルサルタンによる横紋筋融解症が疑われる。"], "text_only": false, "answer": ["1"], "comment": "本症例の検査値を確認すると、前回(1ヶ月前)に比べ、今回では血小板数が15.8\\rightarrow 4.5\\times 10^{4}/\\micro Lと低下していることから、ファモチジンによる血小板減少が疑われる。1:正\n前記参照\n2:誤\n前回(1ヶ月前)と今回の検査値を比較すると、肝機能を示すAST、ALTがほとんど変化していないため、ウルソデオキシコール酸による肝機能改善が認められない。3:誤\n前回(1ヶ月前)と今回の検査値を比較すると、白血球、赤血球がほとんど変化していないため、チクロピジンによる汎血球減少症を起こしていると考えられない。4:誤\nニフェジピンは、肝消失型薬物であるため、腎機能を示すCCrに基づいて減量することはない。5:誤\n本症例では、横紋筋融解症時に上昇するクレアチンキナーゼ、ミオグロミンに関する記載がないこと、自覚症状として、筋肉痛、赤色尿を起こしていることを確認できないため、バルサルタンによる横紋筋融解症を起こしているか判断することはできない。"} +{"problem_id": "109336", "problem_text": "42歳男性。身長165cm。血液検査の結果、血清ナトリウム濃度が147mEq/Lであり、高張性脱水と診断され、輸液により水分を補給することになった。この患者の水分欠乏量に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、この患者の体重は60kg、血清ナトリウム濃度の目標値を140mEq/L、体水分量を体重の50%とする。", "choices": ["1.0L", "1.5L", "2.0L", "2.5L", "3.0L"], "text_only": true, "answer": ["2"], "comment": "患者の水分欠乏量を以下の手順で求めることができる。① 水分を補う前の血清に存在するナトリウム量を求める。② ①で求めた血清ナトリウム量より、血清ナトリウム濃度の目標値にするための水分量を求める。③ ②で求めた水分量と体水分量の差より患者の水分欠乏量を算出する。① 水分を補う前の血清に存在するナトリウム量を求める。水分を補う前の血清ナトリウム濃度が147mEq/L、体重が60kg、体水分量が体重の50%であることから、水分を補う前の血清に存在するナトリウム量は、4410mEq(147mEq/L\\times 60kg\\times 0.5)である。② 血清ナトリウム濃度の目標値にするための水分量を求める。血清ナトリウム濃度の目標値を140mEq/Lであることか���、4410mEq/目標値にするための水分量=140mEq/Lが成立するため、目標値にするための水分量は、31.5L(4410mEq/140 mEq/L)となる。③ ②で求めた水分量と体水分量の差より患者の水分欠乏量を算出する\n②の結果と体水分量の差=31.5-30=1.5Lであることから、患者の水分欠乏量は1.5Lとなる。"} +{"problem_id": "109337", "problem_text": "院内の安全対策研修会で、下記の事例をもとに医療事故の対応を多職種で議論した。事例 :60歳女性。関節リウマチの診断で今回より初めて1日あたりメトトレキサートカプセル2mg 3カプセルが4週間分処方された。本来、週1回服用のところ、連日服用で、服用開始5日目に倦怠感、食欲不振、歯肉出血を認めた。翌日には喀血により救急搬送され、当院に緊急入院となった。当日の検査の結果、口腔粘膜障害、胃腸障害、肝機能障害、骨髄抑制が認められた。議論の中で、この患者への処置について薬剤師が意見を求められた。この患者に対して効果的な対処はどれか。2つ選べ。", "choices": ["ホリナートカルシウムの投与", "ビタミンK製剤の投与", "薬用炭の投与", "アスピリン製剤の投与", "炭酸水素ナトリウム注射液の投与"], "text_only": true, "answer": ["1", "5"], "comment": "本症例では、メトトレキサートを週1回服用のところ、連日服用で、服用開始5日目に、倦怠感、食欲不振、歯肉出血が認められ、緊急入院したところ、検査の結果より口腔粘膜障害、胃腸障害、肝機能障害、骨髄抑制が認められていることから、メトトレキサートの過剰投与による副作用が発現していると推察される。メトトレキサートは葉酸代謝拮抗薬であることから、過量投与時の毒性軽減には活性型葉酸となるホリナートカルシウムを投与する。また、メトトレキサートは酸性薬物であることから、過量投与時の毒性軽減をするために尿アルカリ化薬である炭酸水素ナトリウム注射液を投与する。"} +{"problem_id": "109338", "problem_text": "65歳男性。進行非小細胞肺がんの治療のためカルボプラチン、ペメトレキセド、ベバシズマブ療法を開始することになった。外来化学療法室の担当薬剤師は、次回来院までの間、電話での経過観察を含む服薬状況の確認を実施することにした。次の記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。なお、補助薬として葉酸錠、ビタミンB_{12}注射剤及びヘパリン類似物質クリームが処方されている。", "choices": ["カルボプラチン投与患者で他の白金製剤と比較して頻発する末梢神経障害を発症していないか確認する。", "ペメトレキセドの副作用を予防するために処方されている葉酸錠のアドヒアランスを確認する。", "ベバシズマブ投与後に頻発する低血圧症が起こっていないか確認する。", "発熱、咳嗽、呼吸困難など間質性肺炎を疑う症状が起こっていないか確認する。", "手足症候群緩和のために処方されているビタミンB_{12}注射剤の副作用について確認する。"], "text_only": true, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\nカルボプラチンは、副作用として末梢神経障害を起こすが、他の白金製剤に比べ、その頻度は低いとされている。なお、白金製剤の中でもオキサリプラチンが末梢神経障害を起こしやすい。2:正\nペメトレキセドは、葉酸代謝拮抗作用を示すため、本剤による副作用を予防するために葉酸を投与することがある。なお、ペメトレキセドは、多くの代謝経路を阻害するため、副作用を軽減する目的で葉酸とビタミンB_{12}を併用する。3:誤\nベバシズマブは、抗VEGFモノクローナル抗体製剤であり、副作用として、高血圧性クリーゼを起こすことがあるため、本剤を投与する際には定期的に血圧を測定する必要がある。4:正\nカルボプラチン、ペメトレキセド、ベバシズマブは、重大な副作用として間質性肺炎を起こすことがあるため、発熱、咳嗽、呼吸困難など間質性肺炎を疑う症状が起こっていないか確認する必要がある。5:誤\nビタミンB_{12}注射剤は、ペメトレキセドによる副作用を軽減する目的で処方されている(解説2参照)。なお、ベバシズマブは、副作用として、手足症候群を起こすことがあるが、その対処法として、手、足の皮膚を清潔に保つこと、手足に物理的な刺激を与えないこと、保湿剤を使用することが重要である。"} +{"problem_id": "109339", "problem_text": "73歳男性。体重72kg。持続性心房細動及び高血圧症に対して治療中であった。自宅で階段を踏み外し、転倒したため救急搬送された。頭部CT検査は異常なしであったが、右前腕部尺骨の骨折による前腕部の腫脹が認められたため、保存治療のため入院することになった。入院時検査を行うとともに病棟薬剤師が持参薬の確認を行った。この患者の持参薬のうち、薬剤師が入院時に減量あるいは中止を提案する薬剤として、適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["ビソプロロールフマル酸塩錠", "オルメサルタン口腔内崩壊錠", "スピロノラクトン錠", "ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物懸濁用散分包", "エドキサバントシル酸塩水和物口腔内崩壊錠"], "text_only": false, "answer": ["4", "5"], "comment": "本患者の検査値より、カリウム値(基準値: 3.5~4.9 mEq/L)が3.0と低値を示していることから、高カリウム血症の治療に用いられるジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物を中止する必要がある。また、腎機能を示すCCrが36.2 mL/minと低値を示すため、エドキサバントシル酸塩水和物を減量する必要がある。なお、エドキサバントシル酸塩水和物は、腎機能に応じて次のように投与することとされている。"} +{"problem_id": "109340", "problem_text": "74歳女性。友人と一緒に地域の健康フェアに参加した際に、お薬相談コーナーを訪れた。女性の話によると、過去10年以上治療してきており、今の5剤になったのは半年前である。最近、足のむくみと体重増加が気になっているとのことであった。薬剤師は、女性が持参したお薬手帳より、以下の薬剤を服用中であることを確認している。この女性が、気になっている身体所見及び症状について、薬剤性と疑う場合、最も強く疑われるのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["アジルサルタン錠", "ピオグリタゾン塩酸塩錠", "ペマフィブラート錠", "硝酸イソソルビド徐放錠", "ブロチゾラム口腔内崩壊錠"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "本症例では、足のむくみ、体重増加が認められていることから、ピオグリタゾン塩酸塩による副作用が発現している可能性がある。ピオグリタゾンは、インスリン抵抗性改善薬であり、副作用として、循環血漿量の増加による浮腫(足のむくみなど)、体重増加が現れることがある。浮腫や体重増加が現れた場合、本剤を減量もしくは中止するなど適切な処置を行う。これらの処置によっても症状が改善しない場合には、必要に応じてループ利尿薬(フロセミド等)の投与を考慮する。"} +{"problem_id": "109341", "problem_text": "38歳男性。体重80kg。数年前より動悸及び息切れを自覚し、最近では歯茎からの出血や不意の鼻血などで不安になったため近医を受診した。引き続き近医より紹介された大学病院にて骨髄穿刺を受けた。病理検査の結果、骨髄異形成症候群と診断され、全身放射線照射に引き続き無菌病室で骨髄幹細胞移植治療を受けた。移植後の移植片対宿主病及び真菌感染症の予防目的で以下の薬物が投与開始された。なお、タクロリムスの血中濃度は15ng/mLを目標とされた。骨髄幹細胞移植を実施した後の病棟担当薬剤師によるアセスメントとして適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["投与開始直後の発熱に備えて頓用のイブプロフェンを準備する。", "タクロリムス水和物注射液は1mL/hの速度で投与する。", "ボリコナゾールは血中濃度を参考に用量を調節する。", "移植片対宿主病を疑う所見が現れた場合はシクロスポリン注射液の追加を考慮する。", "移植片対宿主病の発症を認めなくてもタクロリムスの投与は生涯必要である。"], "text_only": false, "answer": ["2", "3"], "comment": "1:誤\n移植片対宿主病を予防する目的で免疫抑制薬を使用中に発熱が現れた場合、感染症を起こしている可能性があるため、早期に抗菌薬を投与する必要がある。2:正\n本患者の体重が80kg、タクロリムス水和物注射液の投与量が0.03mg/kg/日であることから、1日あたりのタクロリムス水和物の投与量は2.4mg/日(0.03mg/kg/日\\times 80kg)であり、1時間あたりのタクロリムス水和物の投与量は、0.1mg/hとなる。また、タクロリムス水和物注射液を「0.1 mg/mLに調製し、シリンジポンプで24時間持続投与」と記載されているため、タクロリムス水和物注射液は1mL/h(0.1mg/h/0.1 mg/mL)の速度で投与する。3:正\nボリコナゾールは、TDM対象薬剤であり、血中濃度を参考に用量を調節する。4:誤\nタクロリムスとシクロスポリンは併用禁忌とされているため、両剤を同時に使用することはできない。なお、タクロリムスとシクロスポリンは共にCYP3A4により代謝されるため、タクロリムスとシクリスポリンを併用すると、CYP3A4が競合的に阻害されることでシクロスポリンの代謝が阻害され血中濃度が上昇する。5:誤\n移植片対宿主病を予防するためにタクロリムス水和物を用いる際、移植後に移植片対宿主病が認められなければ、タクロリムス水和物を徐々に減量し、移植後6ヶ月程度で投与を終了する。"} +{"problem_id": "109342", "problem_text": "来局者の訴える症状及び現在の服用薬、それに対して薬剤師が選択した一般用漢方製剤として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": "IMAGES", "text_only": false, "answer": ["2", "4"], "comment": "1:誤\n防風通聖散は、高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘に用いられるため、来局者の訴える症状と選択した一般用漢方薬の効能が一致していない。2:正\n小青竜湯は、アレルギー性鼻炎に用いられるため、来局者の訴える症状と選択した一般用漢方薬の効能が一致している。なお、小青竜湯は、静脈血栓症、心房細動に用いることができ、相互作用も報告されていないため、アピキサバン服用中でも本剤を服用することは可能である。3:誤\n補中益気湯は、病後の体力増強、食欲不振に用いられるため、来局者の訴える症状と選択した一般用漢方薬の効能が一致している。なお、補中益気湯には、甘草(有効成分: グリチルリチン)が含まれており、現在の服用薬と同一の作用を示し、低カリウム血症を引き起こすことがあるため、来局者に補中益気湯を選択することは推奨されない。4:正\n八味地黄丸は、前立腺肥大症などの排尿困難、残尿感がある場合に用いられるため、来局者の訴える症状と選択した一般用漢方薬の効能が一致している。なお、八味地黄丸は、逆流性食道炎、胃潰瘍に用いることができ、相互作用も報告されていないため、、ファモチジン服用中でも本剤を服用することは可能である。5:誤\n当帰芍薬散は、貧血、倦怠感、更年期障害に用いられるため、来局者の訴える症状と選択した一般用漢方薬の効能が一致していない。"} +{"problem_id": "109343", "problem_text": "61歳女性。身長165cm、体重57kg。左上葉非小細胞肺がん(腺がん、EGFR遺伝子変異陰性、ALK融合遺伝子陰性、PD-L1<50%)で骨転移があり、StageIV M1b期と診断された。初回化学療法としてシスプラチン、ドセタキセル併用療法を導入することになった。(身体所見及び検査値) 血圧123/75mmHg、白血球4,500/\\microL、好中球2,800/\\microL、Hb 11.5 g/dL、血小板28.7\\times 10^{4}/\\microL、血清アルブミン 3.8g/dL、AST 10 IU/L、ALT 14 IU/L、血清クレアチニン 0.9mg/dL、血清カルシウム 10.5mg/L、CRP 0.4 mg/dL、心電図:異常なし (全身状態) パフォーマンスステータス(PS)2 (既往歴) うっ血性心不全 この患者の化学療法を開始するにあたり薬剤師の確認及び提案事項として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["非ステロイド性抗炎症薬が服用されていないことの確認", "中等度催吐性リスクの抗がん薬に対する制吐薬が処方されていることの確認", "シスプラチンの希釈液として生理食塩液が処方されていることの確認", "通常の輸液によるハイドレーションを変更して、経口補液との併用によるショートハイドレーション法の推奨", "腎障害モニタリングを投与開始後3日目より実施"], "text_only": true, "answer": ["1", "3"], "comment": "1:正\n非ステロイド性抗炎症薬を使用するとプロスタグランジンの生成が抑制され、腎血流量が減少することで、腎消失型薬物であるシスプラチンの排泄が抑制されることにより腎障害を起こす可能性がある。よって、非ステロイド性抗炎症薬が服用されていないことを確認する必要がある。2:誤:\nシスプラチンは、高度催吐性リスクに分類される抗悪性腫瘍薬であるため、高度催吐性リスクに対する制吐薬(アプレピタント+5-HT_{3}受容体遮断薬+デキサメタゾン)が処方されていることを確認する必要がある。3:正\nシスプラチンは、クロライドイオン(Cl^{-})の含量が少ない希釈液を使用すると、活性が低下するため、生理食塩液で希釈する必要がある。よって、希釈液として生理食塩液が処方されていることを確認する必要がある。4:誤\nハイドレーションとは、積極的に水分を補給することであり、シスプラチンを使用した場合、腎障害を軽減する目的で、ハイドレーションを行う必要がある。本患者は、うっ血心不全の既往歴があることから、過度の水分摂取は推奨されないため、通常の輸液によるハイドレーションを変更して、経口補液との併用によるショートハイドレーション法(短い時間で積極的に水分補給を行うこと)は推奨されない。5:誤\nシスプラチンを投与すると、急性腎不全を起こすことがあるため、投与直後から腎障害モニタリングを行う必要がある。"} +{"problem_id": "109344", "problem_text": "48歳男性。身長174cm、体重52kg。慢性骨髄性白血病、高血圧、消化性潰瘍並びに脂質異常症と診断され、これまで処方1及び処方2にて治療していた。今回、イマチニブ錠にて効果不十分であったため、ニロチニブ塩酸塩水和物カプセルに変更になり、処方3〜5の処方箋を持参し来局した。薬局薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。", "choices": ["テルミサルタン錠から、アムロジピン錠への変更を提案する。", "プラバスタチン錠から、シンバスタチン錠への変更を提案する。", "ニロチニブ塩酸塩水和物カプセルの用法を食後2時間以降に変更を提案する。", "ファモチジン錠から、エソメプラゾールカプセルへの変更を提案する。", "心電図検査の実施の有無を確認する。"], "text_only": false, "answer": ["3", "5"], "comment": "ニロチニブ塩酸塩水和物は、Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬であり、慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病に用いられる。1:誤\n本剤とテルミサルタンの相互作用は報告されていないため、テルミサルタンをアムロジピンへ変更する必要はない。2:誤\n本剤とプラバスタチンの相互作用は報告されていないため、プラバスタチンをシンバスタチンに変更する必要はない。3:正\n本剤を食後に服用すると血中濃度が増加することがあるため、食事の1時間以上前または食後2時間以降に服用する必要がある。よって、本剤の用法を食後2時間以降に変更を提案する。4:誤\n本剤は、難溶解性塩基性薬物であり、胃内pHが上昇することで吸収性が低下するため、胃酸分泌抑制薬(ファモチジン、エソメプラゾール)との併用により吸収が低下する。よって、ファモチジンをエソメプラゾールに変更しても本剤の吸収性が低下していることは改善することはできない。5:正\n本剤は副作用として、QT延長を起こすことがあるため、本剤の投与を開始する前及び投与中に心電図検査を実施する必要がある。"} +{"problem_id": "109345", "problem_text": "47歳男性。体重62kg。20年以上前から習慣として毎日ビール(1缶500mL)を3缶飲んでいた。腹部膨満感、嘔吐、四肢の浮腫、左足親指の関節痛を訴えて受診したところ、アルコールの過剰摂取による肝硬変及び痛風と診断され、以下の処1、2、3により治療中である。治療開始から2週間目に、薬局の薬剤師が服薬状況の確認のために電話をしたところ、患者から「発熱があり、眼が充血して両下肢にじん麻疹ができている」という訴えがあった。薬局の薬剤師は、すぐに主治医への受診を勧め、その後入院加療となった。入院精査の結果、アロプリノールによるアレルギー反応と疑われ、アロプリノールの使用は中止となった。入院中、この患者への対応として適切でないのはどれか。1つ選べ。", "choices": ["スピロノラクトン錠をトルバプタン錠に変更", "ベンズブロマロン錠の追加", "フェブキソスタット錠の追加", "ベタメタゾン点眼液の追加", "オロパタジン塩酸塩錠の追加"], "text_only": false, "answer": ["2"], "comment": "1:適切である\n本患者の検査値よりeGFR(基準値: 60mL/min/1.73m^{2}以上)が42.8mL/min/1.73m^{2}と低く腎機能が低下しているため、スピロトノラクトン錠を腎臓保護作用のあるトルバプタン錠に変更することは適切である。2:不適切である\n本患者は肝硬変により肝機能が低下していることに加え、腎機能も低下しているため、ベンズブロマロン錠を追加することは適切ではない。なお、ベンズブロマロンは、肝機能障害のある患者、高度の腎機能障害のある患者に投与禁忌とされている。3:適切である\n本症例では、アロプリノールによりアレルギー反応が現れ、アロプリノール錠が中止となっているが、尿酸値が8.1mg/dLと高く、尿酸を低下させる薬を投与する必要がある。フェブキソスタットは、腎機能低下時にも用いることができるため、フェブキソスタット錠を追加投与することは適切である。4:適切である\n本患者は、「発熱があり、眼が充血して両下肢にじん麻疹ができている」と訴えているため、ベタメタゾン(副腎皮質ステロイド性薬)点眼薬、オロパタジン塩酸塩(抗アレルギー薬)錠を追加することは適切である。5:適切である\n解説4参照"}