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【小説タイトル】
焼けて爛れる恋よりも、微睡む優しい愛が欲しい
【Nコード】
N5029ID
【作者名】
秋暁秋季
【あらすじ】
俺の彼女は物凄く気の多い人だった。
お眼鏡に適う奴が居れば、瞳孔を蕩けさせる人だった。
その癖照れ屋で、すぐに目を逸らす。
なんで、俺を選んだんですか。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
(前書き)
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
俺の彼女は基本的に物凄く軽いノリではしゃぐ人だった。二次元、
三次元問わず、お眼鏡に適えば、顔を蕩けさせては視線を逸らす事
を繰り返す人だった。どうにも気が多い癖に照れ屋な様で、待ち受
けにするのは何時も二番手。『あんなドストライク、スマホ出す度
に見てみろ、死ぬぞ』
とは本人の弁である。
だから、彼女は二番手である俺を選んだのかも知れない。華やか
さもない、無愛想で無口、一緒にいて都合が良い俺を。
今日も好きな漫画を片手にソワソワとしていた。時折視線を外し
て、落ち着きなく水を煽るのは、恐らく高ぶった興奮を抑える為だ
ろう。その様を可愛いとは思っても、妬かないかと聞かれれば全力
で否定する。
「なんで」
「んー?」
「俺を選んだんですか」
ヒョイッと両手を包む漫画本を横取りし、触らせ無いように後
ろに置く。突然の事にも掛からわらず、彼女はきょとんと瞬きをし
た。……もしも最推しにそんな事されたら、真っ赤になって身悶え
そうなのに。俺じゃ敵わないって事ですか?
彼女はじっと俺の顔を見詰めると、そろそろと顔から首に掛けて
を撫で回した。
「君だからだよ」
「答えになってませんけど」
苛苛してきた。多少甘い雰囲気に持ち込んで、全てを有耶無耶に
するつもりかも知れない。だから流され無いように、眉間に皺を寄
せて、睨むように見詰めた。それに臆する事無く、彼女は考え込む。
「確かに君は私のタイプドストライクでは無いかも知れない。社交
的とは言い難いし、何方かと言えば不器用だし。でもそれだから絶
対に飽きないし、安心する。他のキャラ熱するだけ熱したら冷めち
ゃうけど、君はそうじゃ無いからね」
そう言うと、俺の首周りに抱き着いて、わさわさと掻き乱す。何
が楽しいのか鼻を鳴らして匂いを嗅ぎ、胸を押し付けてくる。
「他の男にキャーキャー言って帰ってきたら傍に居て欲しい。膝枕
して、優しく髪を撫でて欲しい。死ぬ時一緒に居て欲しい。それは
君以外じゃ務まらないのさ」
「ワガママな……」
それから一度離れると、あどけない、子供のような笑顔で頬を掻
いた。
「焼けて爛れる恋よりも、微睡む優しい愛が欲しい」
「……」
(後書き)
最初、照れる反応が見たくて書いた筈なんですけど、変わってまし
た。
心臓足りないよ(´>∀<`)ゝ
まぁ、それはおいおい。一押しのキャラって永遠と見てられません
!!
にょこ
見る目はありそうですね。このお女子。
毎日抱き締めて眠る相手じゃなきゃ駄目なんです。
ロキとは添い寝にならねぇけど、アレニエだったら添い寝になる。
みたいな。
書きたくなって来ましたねえ。
因みに読んでる漫画、今私が気になってる漫画ですね。きっと。
気怠く、相手を翻弄するタイプ。
何方かと言えばこの彼氏さんと似たタイプ。圧倒的、静。
でもこの彼氏さんにそんな翻弄する真似は出来ないので、やっぱり
タイプでは無いのかもしれない。
遠回しな、「彼氏じゃなくて、夫にしたい」という告白です。
圧倒的クソデカ感情。でも受け止めてくれそうな彼氏なので。
ガンギマリな目で『上等だぁ!!』とか言いそうな子なので。
(あ、是非がなり声でお願いします。クールな子が本性出して口調
と声色が荒くなるの大好き)
またお話しますー!!
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"気が多い",
"浮気性",
"無愛想",
"照れる",
"嫉妬",
"好みではない",
"クソデカ感情",
"空気のような安心感"
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【小説タイトル】
【能力者】
【Nコード】
N9864IB
【作者名】
夢音いちご
【あらすじ】
私立アビリティ学園。
小・中・高・大が一貫となった、大規模な名門校。
そして、ここは規模の大きさだけでなく、ある特殊な制度を設けて
いることでも有名だ。
それは、各地から集められた"能力者"の育成を目的とする制度。
能力者とは、その名の通り、生まれつき能力を持つ者のこと。
基本的に親の血族で決まるのだが
その中でも特に純血……能力者同士の子供は重宝とされている。
能力者が己の能力を開花させるのは4歳前後。
通常はその時点でアビリティ学園へ特待生としての入学が決まるの
だが、今年は"例外"がいるらしい︳︳
Prolog
「そこの綺麗な蒼いロングヘアの生徒会本部2年生、ルリさーん!」
桃色の髪をした少女は、校内の桜並木を駆け抜け、少し先を行く少
女向かって叫んでいる。
ゆるく巻いたツインテールに、大きな瞳が印象的だ。
背は周りの生徒と比べてもかなり低く、一言で表せば、とても可愛
らしい。
「……私?」
名前を呼ばれたからか、その女性は、声がする方に体を向けた。
ルリと呼ばれた少女はとても端正な顔立ちをしており、背丈も間違
いなく平均以上ある。
モデルの活動をしていると言われても可笑しくない程だ。
そして、少女が言っていた通り、美しく長い蒼髪が印象的。
「何あの子」
「ルリさんに話しかけるなんて…私だってまだ話したことないのに」
「しかも能力者じゃん!」
少女が持つバッグのキーホルダーを指差し、女子生徒が言う。
能力者は、その印である銀色のリングを、必ず何処かに身につけな
ければならないと義務付けられている。
「能力者かー…ルリさんは純血で特別だけど、他の人達って中途半
端だよね」
どうやら、ハーフの能力者はあまり良い印象を抱かれていないよう
だ。
周りの生徒の反応を見るに、ルリは、重宝に値するとされている純
血の能力者らしい。
「私、リアって言います!」
運動が苦手なのか、50m走程度しか走っていないのに既に息切れ
状態。
そんな中、リアは挨拶を始めた。
「あの子可愛くね?」
「な!能力者でも可愛けりゃよくないか?
それにあの子、純血かハーフもまだわかんないじゃんか」
笑顔で名乗る少女に、登校中の生徒…
主に男子勢は、その優れた容姿に酔いしれている様子。
数秒後、少女が爆弾的発言をするとも知らずに。
「あの、私、ルリさんのことが好きです!!」
桜が舞う蒼い空の下……
それまで悪口を言っていた女子生徒も
リアを見てデレていた男子生徒もが
一瞬にして黙り込んだのは、言うまでもない。
1話
「1年A組…A組……
ここだ!」
ここは、以前通っていた中学よりも遥かに大規模な学園。
正直時間がかかると思ったけど、奇跡的にすぐ自分のクラスを見つ
けることができた。
上に『1−A』と表記のある教室のドアを開く。
「︳︳︳あっ」
すると、そこにいる全員と目が合った。
「……」
しかし、すぐに逸らし、友人同士での話を再開した。
「……ねぇ、あの子」
「ルリさんに告白した身の程知らずだ……」
「なぁ、めっちゃ可愛くね?」
「あの銀の……能力者、なんだよね」
普通の話を装って私を話題にしていること、嫌でも分かるくらい何
度も見られる。
新学期1日目。
周りが騒いでいる中、私はただぼんやりと窓の外を眺めていた。
ただ単に、窓際の席だったから。
「おはよーリア」
等身大の女子高生と呼ぶに相応しい声色が、近くで私の名前を呼ぶ。
それが知り合いのものだと気付くのに時間はかからなかった。
「おはようございます、リコ。今日は早いんですね」
「去年まで寝坊してたから、夕方寝て朝の4時に起きたー」
「……」
この子は中学からの唯一の友達、リコ。
”元”中学生モデルであり、顔は良いと思う。
輪郭は…流石モデルをやっていただけあって
縦と横の比率が僅かな違いしかなく、バランスが良い。
目は切れ長で、私のような垂れ目でもルリさんのようなツリ目でも
ない。
鼻はマネキンのように存在感がなく、所謂忘れ鼻。
唇がM字リップなのも、女子が憧れる要素と言えるだろう。
そんな顔立ちに、杏色のショートボブがよく似合っている。
……ここまで読んでお察しだろうけど、私は超がつく程の面食いだ。
だから顔の良い女性が好きだし、当然その他の美しい物にも目がな
い。
街中の美人は必ずと言っていい程じっと見つめてしまうのだ。
「ねさ、ルリさんに告ったって本当?」
「げっ…もう広まってるんですか」
私は先程、ルリさんに電撃結婚ならぬ電撃告白をした。
彼女が言うに、どうやらそれが所々で広まっているらしい。
「気を付けなよ?ただでさえ私達、『前代未聞の外部受験能力者』
として噂になってんだから」
「程々にしまーす」
そう、私達は外部受験で入学した能力者。
普通なら、能力が開花する幼稚園生の間で、小等部から特待生とし
てこの学園への入学が決まる。
しかし、私達は訳ありで、中学までを普通の学校で過ごしてきた。
「まあ、噂になってる理由はそれだけじゃないんだけどね」
「リアちゃんおはよー!」
4人の男子が、一斉に私達の元へ集まってきた。
「じゃあ私自分のクラス戻るわ」
そっか、リコって男子苦手だもんね。
「はい、また後で」
そう言いながら手を振って、彼女を見送った。
「……ふぅ」
一呼吸置き、私は笑顔で男子軍の方を向いた。
「みなさん、おはようございますっ」
恐らく全読者が誰おま状態でしょう。
実は私、ルリさんや男子の前では『愛嬌ある私』を演じているんで
す。
私が笑いかけると、男子軍は頬を緩ませた。
ああ、この歳の男って単純で大っ嫌い。
笑いかけるだけで、自分に好意があるって勘違いする馬鹿しかいな
い。
「さっきいたのリコちゃんだよね?なんかの雑誌に出てた」
「リアちゃんもモデルやればいいのにー」
やらないし。
リコのことを探ろうとするのも鬱陶しい。
「えー?私じゃ身長足らないよー」
…こんな風に振る舞うようになってしまったのは、中学の出来事が
きっかけ。
まあ、所謂女子の嫉妬とやらに巻き込まれたのだ。
だから入学後は、男子を味方に付けようと決めていた。
男受けの良い童顔で、愛嬌があって、か弱そうな私なら、周りより
大事にされるから。
守ってもらえるから。
私だって本当はこんなことしたくない。
普通に過ごしたかった。
…後者は能力者という肩書きがある以上、不可能だけど。
だけど、悪い事何一つしていない私が傷付くのはもう嫌だった。
”だから今度は、今ある武器を駆使して上手く立ち回ってやる”
ぎゅっと拳を握り締め、心の中で誓った。
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【小説タイトル】
キスをねだられ嫉妬が生まれ。ハグとキスに癒されて
【Nコード】
N8997IC
【作者名】
アルランド
【あらすじ】
キスとハグの多い小説です。
深夜寝ていると女の子がこっそりとベットに潜り込んでくるところ
からスタート
由樹兎君の無事難を逃れれるのか?
一人の女の子の登場により幼馴染が嫉妬全開で態度が一変。
ベタベタとくっつき自分をアピールするように。
対する幼馴染の女の子も負けずに主人公に猛アピール!
そこに更なるライバルが!
イチャイチャ恋愛小説
夜這いからの劇的な再開と嫉妬の炎1(前書き)
深夜に男性の部屋に忍び込む美女の姿。男に跨り彼女は何をする気
なのか
夜這いからの劇的な再開と嫉妬の炎1
深夜の住宅密集地の小さな2階建ての一軒家。
そこに怪しい人影がカギを開け入り込もうとしていた。
階段を上がってきた人影は、月明かりの中を寝ている男の方に静か
に近寄り布団をめくる。
月明かりと街頭から漏れるかすかな明かりを頼りに左足のモモの下
あたりまでめくり古傷らしい痕をみる。
間違いないと確信した様子で女の子はベットで熟睡する男の上に気
づかれないように跨る。
「由樹兎くん・・・」そういいながら彼女は寝ている男にまたがっ
たままで唇へと近づく。
舌をぺろぺろ小さく出して由樹兎の唇を少しづつ舐める
そして息を止めて唇を重る。小さく空いた由樹兎の口に舌を少しだ
け入れている。
「ん・・・んんん」由樹兎がその刺激で起きた。
なんだこれ夢なのか・・見知らぬ女性が俺に跨りキスしてきてる。
これってディープキスというやつでは
そう思った瞬間に目を見開き、女の子の両肩を持って引き離し、勢
いよく上半身を起こす。
「なにしてるんだ・・・君は一体」
口を腕で抑えて、とまどいながらもベットの上で見つめ合う二人。
彼女はまだ俺にまたがったままこちらににじり寄ってくる。
「もう起きちゃったんですか。もう少し貴方を味わいたかったのに」
右の人差し指を唇に持っていき妖艶な笑みを浮かべながら舌を出す。
これってファンタジーでよくあるサキュバスとかいうのではと、頭
によぎるほどだ。
ただそんなファンタジーな者が存在するはずがない。これは現実だ
「おい・・・それ以上近づかないでくれ」
慌ててうるうるとした瞳で迫る彼女の進行を肩を掴み阻止する
夜這いからの劇的な再開と嫉妬の炎2
「どうしてですか・・・いいじゃないですか。私はしっかりと意識
のある時の由樹兎さんともキスがしたいです」
肩を抑えてるにも関わらず彼女はこちらに体を寄せようとしてきて
いる。
その潤んだ瞳とロングヘアの美しい女性の姿が月明りで映し出され
る。
「君は一体誰なんだ。なぜ俺の部屋にいる?」
熟睡していたにも関わらず一気に目が覚めた。
「申し遅れました。わたくし比島夢と申します。貴方と結婚する予
定の許嫁です」
相変わらず少し微笑んだ顔つきでグイグイくる。
「い・・・いいなずけ??」
どういう事だ?内は資産家じゃないし親父達からそんな話は聞いた
ことが無い
大体そういった話を俺抜きで決めるるようなタイプの親ではないと
思う。
「すみません。許嫁とは少し違うかもしれません」
そういうとこちらに詰め寄るのを止めて俺の胸板を触る。
「おい・・・」俺はすぐさま止めさせる。
いけずと小さな声がきこえる。
「とにかく私は貴方が好きです。結婚を前提にお付き合いしてくだ
さい」
キラキラした瞳でこちらの様子を伺う。
かなり薄暗い中でも肩より少し長い黒髪が妖艶に踊っている
「いきなりそんな事を言われても・・俺は君のことを全く知らない
んだが」
俺はうまく彼女にどいてもらい姿を確認する為にも電気をつけた
比島夢となのった彼女はいくら考えても知らない女性だった。
名前にも心当たりはない。
夜這いからの劇的な再開と過去の思い出
ベットの端に座り彼女は語りだした。
8歳の頃に夏休みの帰省を俺がした時に彼女が住んでいた所で出会
ったらしい。
そして何度か共に遊んだ事。
出会いは雨に日。
俺は傘を持たずに駄菓子屋に行った帰り、急に振り出した雨に打た
れながら急いで帰っていた。
その途中で公園からすすり泣く声が聞こえてきたので気になって丸
い天井のある遊具の中を覗き込んだ。
すると同じ年位の女の子が中で泣いていた。
話を聞くとどうやら親が離婚するらしく母親が家を出ていくらしい。
それを聞いて家を出てきたらしい。その時の女の子はまだ8歳と小
さく、母親と離れ離れは辛かったに違いない。
親権でもめる両親を見るのが嫌で逃げてきたようだがいつまでもこ
のままでは風邪をひくから
帰ったほうが良いと俺は言った。
だけど帰りたくないと言われ心配だった俺も一緒に遊具に残った。
見知らぬ二人は無言で遊具の中で並んで座り込み佇む。
少年は何か思い出したかのように駄菓子を取り出し少女に勧める。
少し安心したのか泣き止み、お菓子を口にゆっくりと持って行って
いる。
幸い女の子は少ししか濡れていないようなので
良かったのだが、俺の方はびしょ濡れ真夏とはいえ少し寒い。
一旦着替えに帰ろうかと思ったが彼女の顔をみて止めた。
「なあ、おかあさんと別れるのは寂しいか・・・」
俺は両手を後ろに付き天井を眺める
うなずくだけの彼女をみて続ける
「でもさ、死に別れじゃないんだから会いたいときにいつでも会え
るんじゃないかな。
一生会えないとかなら辛いけどさ。お父さんは怖い人なのか?」
彼女の様子を見ながら話す
彼女は首を横に振り怖く無いし優しいとだけ言った。
「それだったらこういうのはどうかな。一か月に一度は母親と会わ
せてほしい。
学校が長く休みの時はお母さんの家で泊まらせてほしいとか、
それなら寂しさも少し紛れないかな」
俺はせいっぱい優しい口調で言う
「お父・・さん・・許してくれるかな」また少し泣き出してしまっ
た。
それを見てがつっと音がしそうな勢いで女の子の両肩を掴む
「大丈夫さ、優しいっていうならそれ位・・・会うのは許してくれ
ると思うよ」
左の服の袖で涙を拭いている女の子に俺の持たされていたハンカチ
を渡した。
そのあと落ち着いてから家まで送り、また明日も公園で会う約束を
した。
数日彼女と過ごして帰省先の実家にも遊びにきてもらったりかなり
仲がよくなったのを覚えている。
家に帰る別れの日になにか約束をしたような気がするのだが俺は詳
細を覚えていない。
というか小学二年と3年の時しか彼女には会っていないのだ。
小3の時も夏休みに会えるとわくわくしながら帰省していたのを覚
えている。
しかし小4の夏休みに帰った時には彼女の自宅には別の人が住んで
いて引っ越した後だった。
それから連絡を取れたことは無い。
過去の出来事と暖かい朝食
昔少し会っただけなのに、俺の家に不法侵入してきたのだろうか。
話を聞き思い出した記憶と今の状況がかみ合わない。
大体彼女は俺にぞっこんのような態度だが、それほど惚れられる思
い出もやり取りもしてないと思う。
あの2回の夏の合わせても1か月に満たない程度の出会いだったは
ずだ。
「どうしてうちに来たのか聞いていいかな」
やっと落ち着いたのかおとなしくベットに座っている彼女に対し俺
は警戒しながら壁にもたれかかり腕を組んで距離を置いて立ってい
る。
彼女がどうやって俺の家にこれたのか、何故鍵の閉まったドアを開
けれたのか、
親父は海外だが母親が知り合いと旅行に2日泊まりに行っているこ
のタイミングで
来た理由が分かった。
どうやら俺の実家のじいちゃん、ばあちゃんに電話番号を聞きうち
に電話をかけてきていたらしいのだ・・・それも3年も前から。
その事を俺に秘密にするように言われていた母さんも俺に比島さん
の事を黙っていたそうで、
こちらに引越しできる算段がついたこのタイミングで事前に渡され
ていた鍵で入ってきたらしい。
息子を宜しくと言われたとか言っているが・・・あの親は・・・
それでもそこまでして俺に会いに来た理由が俺の足の傷がどうこう
言っていたが・・・
とにかくその日はすぐに帰れないと譲らなく、もう深夜2時を回っ
ていたので隣の空き部屋に泊まってもらった。
もう入ってこられないように警戒して部屋の鍵を閉めた・・・また
襲われそうだったので・・
一緒に寝たいなどと言いつつ顔を膨らませて抗議していたがそうは
いかない。
あまり深く眠れなったせいでかなり寝不足で起きた。
どうやら鍵を開けて入ってくるということはしなかったようだ。
うちは二階建てで誰もいない時は静寂なのだが今日は朝から下で物
音が聞こえる。
どうやら夢が何かしているらしい。
2階の自分の部屋を伸びをしながら出て、一階にパジャマのまま降
りる。
「おはよう。由樹兎君」夢はエプロン姿で朝ご飯を作っていた。
ポニーテールに纏められた髪がゆらゆら揺れている。
可愛らしいピンクを基調としたデザインにフリルが沢山施されてい
るエプロンを付けている。
昨日電灯をつけてみた時も思ったが、改めて見てかなりの美少女だ。
動きもテキパキしていて慣れた手つきで次々と料理を作っている。
「あの・・・比島さん・・これは」
並んでいる目玉焼きの載ったパンとサラダとコーヒーをみて言った
「もちろん由樹兎君に愛を込めた朝食を作ってみました・・だよ。」
独特のニュアンスで話す。
どうしたものかと頭を掻きながら考えたが有難く頂くことにした。
「ところで近くに引越しできることになったって昨日言ってたけど
どの辺に引っ越すのかな」
あまり近いと身に危険を感じるのだが・・・
「えっ・・・」なんだかきょとんとした顔をしている夢。
そのあと二マッと顔が緩む。
何故だろう嫌な予感しかしないのだがお袋と比島さんが二人揃って
悪代官と越後谷の姿で高笑いしている様子が脳裏に浮かぶ。
ライバル襲来!泥沼の予感。嫉妬の嵐の力で大胆に1
「比島さんはこっちの高校に通うんだよね?どこに高校に編入する
の?」
二人はテーブルに着き朝食を食べながら話す
「うーんとね畑山高校って所」
かなりクスクス笑いながら言っているが俺はその名前を聞いて顔が
蒼くなっている
「ええっと・・・それはどんな漢字で書く畑山かな・・」
いや言うまでもない俺の通う高校しか考えられない。なぜだという
ことはかなり近くに引っ越してくるのか
明日から高校2年生が始まる始業式があるそれに間に合うようにど
うやら来ているらしい。
そしてこのあと俺の悪い予感は的中する。
朝になって引越しやがどんどん荷物を家に運び込みだしたのである。
それを当たり前のように指示してどんどん2階の空き部屋に運びこ
ませる夢
「おいおいどういうことなのか説明してくれ」
俺は夢のあとを追い回し話をする
「え、今日からここでお世話になります。よろしくね」
だそうだ・・・やはりあの悪寒は正しかったようだ。もう両親とも
にOKをだしてるそうだ。
サプライズで俺に隠していたとか言っていたが何故こうなったのか
未だにわからない。
とうとう奇妙な同居生活が始まってしまうようだ。
母親がまだ帰ってくるので二人きりではないが年頃の男女が屋根の
下はまずい気がする。
特に初日の夢の行動からして間違いがいつ起きてもおかしくないと
思うのだが
登校日がやってきた。
お袋も帰ってきて俺たち二人は見送られながら外に出た。
「遅いよ由樹兎・・・・」玄関の門にカバンを前に両手で持ちより
かかるように待っていた隣に住んでいる幼馴染がいた。
いつもの明るい挨拶が俺の横の女の子をみて止まる。
「どどどどどういう事ーーーーっなんで由樹兎の家から女の子がー
ーーー」
幼馴染のお隣さん花咲寿里。彼女とは4歳からの付き合いで非常に
永く一緒にいる。
あわ、あわとぱにっくになる寿里に説明しながら登校することにな
る。
その間俺の右腕にしがみつく夢を寿里は変な顔してみている。
「お噂はかねがねお母さまから聞いています。花咲さん。」
フフフと聞こえてきそうな独特の顔をしていう夢
「わわわたしだって負けないんだから」謎の対抗心で寿里まで俺の
左手にしがみつく
「おいおい寿里までなにするんだ」歩きづらいから二人とも止めて
くれと二人とも引きはがす
夢さんとはくっついてるのに私はダメなんだなどとつぶやく寿里。
「だって・・・だって・・・わーん泥棒猫に由樹兎がとられちゃう
ーー」
本当に涙を流しながら寿里が泣きながら歩く
「おいおいここまで大きくなって号泣はないだろ・・・」
ハンカチを取り出し涙を拭いてあげる。
だってだってを繰り返す寿里。
夢はいたって冷静で腕を回すのはやめて少しだけ俺の上着をつまん
で歩いている。
困った・・・なんなんだこの状況。弘樹助けてくれ。親友の名前を
心の中で叫んだ。
そのあとも二人で争うように俺にしがみつき学校の校門についた
「ここが由樹兎さんの通う学校なんですね」
夢は目を輝かせながら言う
「まあなんだ・・・これからよろしく比島さん」
おれは複雑な顔をしていう。
三人がじゃれつく様子を見ていたいる女性がまた一人
ライバル襲来!泥沼の予感。嫉妬の嵐の力で大胆に2(前書き)
ゆきと
焦りと嫉妬により大胆になる寿里にタジタジの由樹兎
ライバル襲来!泥沼の予感。嫉妬の嵐の力で大胆に2
いままで寿里が俺に抱き着くなんて事はなかったのだがタカが外れ
たかのようにアピールしてくる
俺に惚れているというそぶりさえ見せていなかったのになんという
のにこの変わり様は・・・
それだけ夢への対抗心が恥じらいを上回っているのだろう。
クラス分けの掲示で俺たち3人とも同じクラスだと判明した。
唯一の救いは親友の高崎弘樹も同じクラスなことだ。
クラスに入ると弘樹は席に座っていた。
俺は泣きつくように弘樹に駆け寄り抱き着く。
意味の分からない俺の姿にそんな趣味はないと引きはがされた。
ことの顛末を話したのだがうらやましいだけじゃないか頑張れと一
蹴されてしまった。
人の気も知らないで薄情者・・・・
自己紹介、ホームルームが終わってひと段落して
二人が休み時間の度に襲ってきて困惑している俺の席
「羽馬くん・・・そのなんで女子を二人もはべらせてるのハーレム
王になったの?
バカなの死ぬの?」
なんだか妙に怒った口調で高藤名瑞奈が話しかけてきた。
この子は一年の頃クラス委員長をしていた人物で、ボブカットと眼
鏡の見た目の少し気の強い女の子。
「いやいや、俺も困ってるんだ委員長助けてくれ」
俺はすがる様に委員長の服を掴む
顔を少し赤くする名瑞奈。
「どういった状況化は知らないけどあまり風紀を乱さないでね。あ
とまだ私は委員長じゃないわよ。」
手を腰にあて抗議する。
「高藤さ〜ん。由樹兎が・・・ゆきとが・・・うわきして・・・と
られちゃうー」
また訳の分からないことを言って寿里が委員長に泣きつく
「よくわからないので説明してくれない。ほんの3週間前までは貴
方そんなに羽馬君にアプローチしてなかったし、
その・・・なにか羽馬君と進展・・があったとか。まさか大人の関
係に」
またこじれそうな妄想を・・・
ライバル襲来!泥沼の予感。嫉妬の嵐の力で大胆に3(前書き)
委員長(高藤名瑞奈)にカミングアウトすることになる
二人の態度は相変わらず激しいスキンシップのままでたじたじ。
次章は寿里の巻き返しのアタック
ライバル襲来!泥沼の予感。嫉妬の嵐の力で大胆に3
秘密するという約束で事のてんまつを話した。
同級生の赤の他人を家に住ませているなんてばれた日には学校中の
ネタにされてしまう・・・
それだけは避けなくてはならない。
納得はいってないようだったが委員長も解かってくれたようだ。
しかし様子が可笑しい。
二人に学校でくっつかないように注意してかなり怒っている。
今日は昼までなので早々に逃げるように帰ろうとしたが二人に捕ま
った。
同じクラスなので逃げるに逃げれない。二人は対抗し合う様に張り
合っている。
帰り際に喫茶店へ行き、弘樹も入れて4人で話し合うことになった。
学校では腕に抱き着かない事などを議題に挙げたのだが夢が譲らず。
夢が譲らないなら私も譲れないと寿里。
弘樹が説得するが上手くいかず。
もう諦めてどちらかと付き合えばいいんじゃないかと極論を言う。
そんな事ができたら苦労はしない。
寿里とは長い付き合いだったが恋愛感情をもっていたわけじゃなく
良い友達といった感じ。
夢にいたっては彼女の事は何も知らないに等しい。
いくら美人だといっても、おいそれと付き合うなんて事にはならな
い。
ましてや同居し続ける事になっている。
振るにしてもずっと気まずい状態が続くなんてことになると、
家の中が針のむしろになりかねない。
次の日2年でも高藤名瑞奈が委員長に就任、午前で学校が終わる。
今日は町を案内してほしいという夢の希望で3人で街を紹介して回
ることになっている。
弘樹は俺たちの邪魔にならないようについてきてくれないそうだ。
薄情者〜と俺は心の中で叫んでいた。
まずは家に帰り私服に着替える。
四月の気持ちの良い季節だが俺の周りだけ熱い気がする。
私服に着替えた二人が俺の腕にまた抱き着いているのである。
比島夢さんは身長165センチ位と女子にしては背が高く、すらり
とした足がモデルのようで
その魅力をふんだんに生かすロングスカートをはいている
大人の女性と言った印象のデザイン。
対して花咲寿里は156センチの身長にあどけなさの残るいでたち
で茶色と白のストライプエプロンワンピースの服と隠し切れない大
きな胸がアクセントになっていた。
これはデートコーデとかいうものでは・・
俺は二人の姿をみて顔をぶるぶる左右に振り平常心平常心と呟いて
いた。
ライバル襲来!泥沼の予感。嫉妬の嵐の力で大胆に3(後書き)
次章寿里の強烈なアプローチが来る
お店の更衣室で大胆になる彼女
「由樹兎今日はどこいくの」横で歩く寿里が言う。
なんとか二人に抱き着くのを止めてもらうことに成功した
「そうだなやっぱり最寄りの商店街かな。あそこなら大体のものは
揃うし比島さんの足りないものも揃うと思うぞ。」おれは横をある
く夢を見る。
こっちを覗き込むようにじっとみている・・・そんなに見つめない
で・・・はずかしい。顔を赤くする俺のほうが乙女の様だ。
「そうだね。じゃあまず丸横のポップスマートに行こうよ。あそこ
広いしかわいい服沢山揃ってるよ。比島さんも気に入るのあると思
うな。」
俺を真ん中にしているので前傾姿勢で夢を見ている。
頼むぞもう争わずに仲良くそのまま大人しくしててくれ。俺のみが
持たない。
結構大きなアーケードになった商店街。道幅も結構大きく人通りも
多い。雨の日も傘を差さなくてよいし大概の物がこの一角で手に入
るので
他の町からも電車に乗ってくる人が沢山いるほどの賑わいだった。
その中でも一階建てとはいえかなりの大きさを誇るポップスマート。
ポップスという名前にはじないポピュラーな音楽がいつも店の中に
流れていて男女両方の服がしっかり揃っている。
値段がお手頃の物が多いが高いものも一緒に置いているので品揃え
はかなり良い。
「ねえねえこれなんてどう。」寿里が自分に腰の部分にベルトがつ
いていて肩回りにフリルの付いたワンピースをあてがい俺に見せる。
「寿里も買うのか?凄くかわいいんじゃないかと小さな声で言う」
おれは真顔で言ったのだが言われた寿里は真っ赤になって試着して
くると言って試着室に入っていった。
肝心の比島さんも見ていたのだがお手洗いに行ってくると少し離れ
ていった。
寿里はその声を聴いて心臓が張り裂けそうに緊張していた。試着室
で顔を赤くして持ち込んだ服を着て顔だけ出して外を伺っている。
「あ・・・・あの・・由樹兎・・・ちょっと手伝ってくれない。」
試着室でもじもじしながら由樹兎を呼ぶ。
「どうかしたのか?」試着室に近づく
とその時手が試着室から伸びてきて俺は強引に中に引っ張り込まれ
た。
そして寿里と何故かキスしていた。
比島さんだけずるいとかいいながら一度話した口をまた当ててくる。
なななにを言ってるんだと俺はキスしながらもごもご言っている。
激しく首に抱き着きはなれようとしない。
しまいにディープキスをしようとしているがうまくいかない。
なんとか少し落ち着いたのか離れた所でどうしたんだと聞いたが答
えない。
ディープキスしてほしいと言う言葉だけが帰ってきた。
俺は思わずそのかわいい表情につられて自ら唇を重ね、
十数秒だろうかお互い求め合い抱きしめ合ってキスをし続ける。
「うれしい。由樹兎からしてくれた。・・・幸せ」
潤んだ瞳で俺をまっすぐ見つめて首に抱き着いている。
「おまえな・・・ここをどこだと思ってるんだよ。比島だっている
んだぞ」
俺は冷静を装い顔を赤くしてそっぽ向く
「このままずっと抱き着いていたい」今度は腰に手を回し顔を胸に
当てている。
試着室のそばで俺を呼ぶ夢の声が聞こえた。
俺は我にかえり優しく手をふりほどき、寿里の頭をぽんぽんと軽く
叩いて衣装室をでる。
自宅でもkissされる由樹兎
お・・・・おれなんてことをやっちまったんだ・・・我に返り手で
顔を覆う。
夢と寿里のどちらの服も買い揃えることができ一旦3人で喫茶店に
入る事にした。
ポップスマートを出る時から俺と寿里は様子が可笑しくなっていた。
あんなことがあれば気恥ずかしさが半端ない。
夢はきょとんとしているが、何かを少し察しているようだ。
「ねえ、二人なにか合ったの?」夢がストレートに聞いてきた
「な・・・何も無いぞ」無意味に高笑いする俺。
「・・・・・・・」寿里は少し顔が赤い
勢いとはいえ何てことしちゃったんだろと内心俺の顔見れない寿里
だった
そのあと寿里に聞いたのだが俺と夢が家でキスしたことを話してい
たらしい。
それが原因で私も負けていられないと行動したらしい。
寿里のあんな顔をみてしまうとは。思い出すだけで顔が赤くなる。
喫茶店のあと複数の店、ゲーセンなどを回り夢に町の紹介は無事完
了した。
寿里と別れ俺と夢は自宅で食事を取ってそれぞれの部屋に帰る。
途中、階段を上りながら夢が止まる。
「花咲さんとなにかあったの?なんか二人ともよそよそしかったけ
ど」
少し重い顔をして聞いてくる
「い…いや…別に・・なにもないぞ。うんなにもない。」俺はそう
いいながら夢を追い越して階段を上る
「ほんとかなー。明らかに服屋から二人の様子がおかしいよ」
いぶかしげに俺の顔を覗き、顔を少しづつ近づけてきて軽くキスし
てきた。
「こらまたなにするんだ。」おれは素早く間合いを空ける。
「だって・・・最初の日から一度もしてくれないし」
ばかなこというんじゃないと言い、口を手の甲で抑えて自室に戻る。
そして扉にもたれかかるようにへなへなと座り込む。
「なんなんだよいったい」
交換条件を聞いて危ない妄想する二人
その次の日はいつも通り二人に抱き着かれて登校になっていた。
昨日の事があるから少しはテレて距離がおかれるのではと思ったの
だが、
ますます酷くなっている気がする。
二人はガヤガヤと俺を間にけん制をしあっている。
「なあ登校時はこれやめない?」
「止めない」声がきっちり揃う二人。
俺を間に顔を突き合わせてガルルるるると擬声語を発する二人
「なあ・・・ちょっと歩きにくいし周りの目が気になるんでなんと
か登校中は止めない。
この体制しんどいんだけど」
二人にがっちりホールドされすぎて歩きにくい。
聞く耳を持たない二人に、そうだと話しかける。
「じゃあ、登校時の抱き着きを止める代わりに少しだけ抱き着きo
kの時間を設けるのはどうだ。
あくまでほんの少しの時間だぞ」
念を押さないとずっと抱き着かれそうで怖い。
そういうと二人は素直に離れてもじもじしている。
これはokということでは。助かった・・・いや助かったのか・・・
二人の様子を見ていると思い詰めた表情で妄想にふけっている。
反対にやばい気がするのだが大丈夫だろうか。
「おまえら・・・ほんと・・・少しだけだぞ・・・少し」おれは慌
てて訂正するように言う。
「由樹兎がそれでいいなら」寿里
「由樹兎君がいいならそれでも」夢
二人は何か思いをはせているような表情で俺を見ている。
何故か悪寒がしたのだが大丈夫だろうか。
学校でのアピール合戦のようなベタベタがなくなり程よい距離感に
落ち着いている。
しかし二人が離れることは無く何かにつけて声をかけてきている。
夢はともかく、ここまで寿里までが積極的になるとは思わなかった
な。
幼い頃からそんなそぶりは感じなかったのだが実は長年の思いがあ
ったとかなのだろうか。
俺はそう思いながら離れた席に座る寿里を見る。
その目線に気づいたのかにっこり笑っている。
思わず赤くなり正面を向く。
それを見て寿里は頬を膨らましてる。
開放的な学校の屋上でいちゃつきながら昼食
うちの学校は珍しい事に屋上が解放されている。
消防法で普通は難しいのだがどう捻じ込んでるのか。
視界を奪わない様に高く硬く分厚い強化ガラスで覆われていて風も
強風になりづらい。
大きな木まで一つ植えられていて土のある部分があり結構な量の植
物が植えられている。
強い風の日は無理だが屋上が好きな人は備え付けのベンチで昼食を
食べる人も多い。
昼休み時間は必ずと言っていい程に人がいる。
その環境で俺は周知プレーのような状態に追い込まれていた。
二つのベンチに分かれて高崎弘樹が独り、
俺、夢、寿里が同じベンチに座っている。
折角弘樹について来てもらったのだがこれは反対に居たたまれない
状況に。
「由樹兎あーん」寿里が自分の弁当を俺に食べさせようとしている。
俺は照れ臭いので自分のだけでいいというのに、私もーと夢まで真
似をしている。
最終的には二人に無理やり食べさせられ、二人はニマニマの笑顔で
ある。
二人が幸せならいいのか・・・いやいや・・平穏な学園生活を送る
為にもなんとか脱却しないと、
自分の弁当を食べてるとふいに頬に夢の手が触れる。
「おいどうした」ドキッとしながら夢を見る
ご飯粒ついてたよ。付いていた粒をエロい食べ方で口に運ぶ。
私もと言わんばかりに寿里は俺の唇に人差し指を押し当てる。
「ん・・んじゅ・・り・・はん・・んに・・るの」唇から手を放さ
ず舌なめずりしながら近寄ってくる
俺は思わず口を塞いでいる寿里の腕を両手で握り離した。
あーんと名残惜しそうな声を出す寿里。
俺たちとは違う方向を向いてくれている親友弘樹のベンチに素早く
移り助けを求める。
なぜこっちに来ると言わんばかりだが
「助けてくれ弘樹」
俺が声をかけるとどうしたもんかなと思案している。
「まあ…無理だな・・がんばれ」考えるポーズだけ取ってすぐに匙
を投げた。
この薄情者と心の中で叫びながら俺は隣に置いてきた二人を見て元
居たベンチに戻った。
過剰なスキンシップへの対策(前書き)
いちゃつく3人。クラスの視線に耐えることができるのか
過剰なスキンシップへの対策
この頃クラスのみんなの視線が痛い。
当然だろう常に休憩時間は二人が迫ってくるのだ。
「そうだ、その状況ってお前がどちらかと付き合わないからなんじ
ゃないのか」
弘樹が俺の傍でもっともらしくいう
夢も寿里もあっけにとられた表情から困惑した表情に変わった。
ど・・・どうしよ。私じゃない人を選んだらというのが二人の思考
だった。
はんすう
授業中も弘樹の言葉を反芻一度飲み込んだ事柄を再度考え名直す事)
している。
ん・・・でもな・・・いや・・・俺は髪を触りながらどうしたもの
かと机に顔を埋める。
正直にいうと今の状態は心地悪い訳ではない。
モテてうれしいし、女子に構ってもらえているのだから、この上な
い幸せではある。
しかし度が過ぎていては身が持たない。
一週間俺に近づくの禁止して通常のクラスメートを演じてもらうの
はどうだろうか・・
一度言ってみるか。
二人に一週間普通のクラスメートの様に接してほしいと言ってみたら
あっさりと二人ともOKくれた。
どうやらお互いの牽制がヒートアップしての事で互いがアタックし
ないならそれでも構わないという事かもしれない。
ただ名残惜しそうな顔をしているのは変わりない。
但し家に帰ると俺と夢は同じ屋根の下。
寿里のいない所で抱き着いてくる。
学校じゃないからいいでしょ。等と言っているが一週間は家でも過
剰なスキンシップ禁止と引き離す。
えーと唇に指を置き抗議する。
過剰なスキンシップへの対策(後書き)
過剰なスキンシップを禁止する事を言い出した、その反動で
マグマ溜まりが出来て大爆発しなければよいのだが
三人目の刺客が由樹兎に迫る。果たして無事で済むのか
一週間平穏に過ぎた。
その後も二人とも恥ずかしくなったのか前の様に
クラスでべとべとしなくなり良い感じに距離を空けている。
これは成功だったのでは手応えを感じていたのだがb@
俺が独りで廊下を歩いていると・・・
後ろから寿里が抱き着いてきた。
由樹兎成分補充等と言ってがっしりと背中に抱き着いている。
しっかりと大きな寿里の胸が当たる。
「こら、離れなさい」
俺が照れながら剝がそうとすると、抵抗しながら更に抱き着く力を
強くするあ…あばらが折れる。
「わかったからもう少し・・・力を緩めてくれ」そういうとゆっく
りと名残惜しそうに離れた
「ごめん。この頃由樹兎とイチャイチャできないんでつい」振り返
った俺を照れた表情で見つめている
「あ・・・なんだ。俺も抱き着かれて嫌じゃないんだが」二人とも
照れているのは変わりない。
その様子を陰でこっそりとみている女子がいた。
放課後委員長こと高藤名瑞奈に生徒会室の整理を手伝わされていた。
「なあ委員長。なんで俺たち二人なんだ。もっと人数必要だと思う
んだが」重いものを持ち上げてふらつきながら言う
「いいのよ。二人きりになりたかっただけだから」さらりと高藤は
言った。
こちらを見ずに何事もなかったかのように作業を続けている。
〇〇さんからの告白と甘いキス
つか
「あの・・・いま何と」俺は聞き直したが高藤さんは答えない。
「それより、その大きいのもあっちにお願い。いつも閊えて邪魔だ
ったのよ。」
テキパキと動きながら支持を出す。
まるで何も言ってないわよといわんばかりだが。
まあいいかと作業を続けていると背中に柔らかいものが当たる感触
が、
高藤さんが俺の肩に手を置き背中にくっ付いている。
「あの高藤さんどうしました」俺は困惑しながら声をかける
「このままで少しいていい?」いや…そう言われましてもお…重い。
持っていた大きな荷物を諦めて下に降ろした。
永い沈黙の時間が続く。
「ごめんなさい。どうかしてたは」背中に体をあずけていた高藤さ
んがゆっくりと離れる。
「あのこれはどういう」振り返り高藤さんの顔を見る。
「わ・・・わたしも羽馬君の事好きだったみたいなの。自分では気
づいてなかったみたいなんだけど。
比島さんや花咲さんが羽馬君にくっ付いてるのを見てなんか胸が苦
しくなっちゃった。」
左手を胸の位置にもってきて苦しそうな表情を浮かべる。
俺はなんて言えばいいのだろう。委員長は気の知れたクラスメート
というイメージだが、
夢や寿里も特別恋愛対象に未だになっていない。
そう考えると委員長も二人も同じ立場なのではないか。
「その・・・嬉しい告白なんですが今は誰ともお付き合いする気は」
俺が照れて左手で頭を触っていると不意に委員長が近づいてきて首
に手を回す形でキスしてきた。
不意の事でびっくりしてたじろぐ。
唇はすぐに離したが首に回した手はまだ離れていない。
「あの委員長なにを」
「嬉しい告白だって言ってくれたじゃない。それだと少しは脈があ
るんじゃないかなと思って」潤んだ瞳でまたキスしてくる
思わず委員長の頭を抱きキスに応じる。
ディープキスというよりフレンチキス的な甘い長いキスだった。
二人は無言で照れくさそうに離れる。
「そういう事だから、羽馬君。私も交ざるからね」といって慌てた
様子でカバンを握り生徒会室を出ていった。
帰って寝転んでいると上に跨られ
俺は一人で帰りながらやってしまったと・・・頭を抱えながら帰っ
ている。
また思わせぶりな事を言った?した?・・・明日が怖い。
帰って来て、俺の様子が可笑しい事に夢がいち早く気づき部屋を訪
ねてきた。
いつも危険を感じるので鍵を閉めているのだが動転していたのか忘
れていた。
夢が部屋にノックした後入ってきた。
「何かあったの?顔を蒼くして帰ってきたみたいだけど」
少し体を右に傾けて覗く様なポーズで聞く
言えない。高藤さんとまでキスしてしまったなんて。
「いや・・・なんでもないよ」ベットに大の字で横たわる俺が答える
それをみて俺の上に夢が乗りかかってくる
「こ・・・こらやめなさい」子供にしてはダメだというような言い
方になる
「え・・・いいじゃない。」そのまま寝転んでいる俺の胸に顔を埋
める
おまえなーといいつつも夢の息遣いと心音が響きなんだか心地いい。
どちらも抱き着くことはせずただ身体をくっつけている。
「なあ、キスしたくなるってどれくらいの気持ちなのかな」
俺はぼんやりと天井を眺めていう
「どうしたのもしかして私にキスしたくなった?」いつでもウエル
カムだぜと言わん顔をしている
「違うよ。どれくらいの覚悟がいるのかとかどれくらいの気持ちに
なったらそうなるのかとか」
あっさり否定されて夢はぶすっとした表情をしながらも俺の胸に顔
をすりすりしながら置いている。
「そうだね。人それぞれ違うと思うけどその人にとって大事が溢れ
た時じゃないかな」
「大事?」
「大事ってのは好きだーという気持ちだけじゃなくその人を守りた
いとか失いたくないとか好きの上に更に気持ちが乗った状態かな。
積み重なった思いが作り上げるものだと思うけど。それは急激に大
きくなって大事にまでなったりすると思うんだ。
何か大きなきっかけがあるとその思いが爆発するんだと思うよ。」
夢は目をつむり俺の胸で眠る様に話す。
いくばくか時間無言が続き夢がまた変な事を言い出す。
「キスしていい?」今度は目を明けて照れ臭そうに両手を俺の口の
近くにもってきている。
「・・・・」
返事をどうすればいいか迷っていると夢が少しづつ顔ににじり寄っ
てきた。
また小さくいいかなという。
俺の顎を触り妖艶に唇を重ねる。夢と口づけをするのは三度目か
でもまともなキスは初めてな気がする不意を突かれた二回と違い今
回は抵抗できたはずだ。
それを俺はしなかった。
軽くキスをされたあと俺は体を起こし夢を横に寝かせるように動か
し上になる
そして俺の方から熱いキスをする舌と舌を絡ませて彼女の頭に片手
を回しサラサラの髪と共に抱きしめる。
お互いを求めあう二人。
少し息を整えるように離れる。
夢は潤んだ切なそうな目で俺を見つめている。
その可愛らしさにさらに熱いキスが続くあまりに勢いが強すぎたの
か小さく苦しいよと夢が抗議する。
長いキスのあと短くキスをして夢の隣に寝転んだ。
最後までしてくれないの?とか言っているが俺は今ので一杯一杯だ
った。
「でも初めて由樹兎からしてくれた。嬉しい」夢は微笑みながら腕
にしがみついた。
校舎裏で告白らいしい二人の姿。それを物陰から覗く二人の女性
日夢と顔を家の中で合したが特段変わりなく笑顔でおはようと声を
かけてきた。
昨日の事がなかったかのように自然体だがウキウキしているように
も見える。
ギクシャクしてしまうのではと心配していたがそれはなんとか回避
できているようだ。
寿里と合流したとも特段寿里に暴露するなどもなく平穏に登校した
校門前で委員長(高藤名瑞奈)が前で待ち構えていた。
「おはよう、羽馬君」ボブカットがいつもと違う様に感じる何だか
少しおしゃれな髪形になっている。眼鏡の中から見える俺への目線
も違う。
「おはよう委員長」少し顔を引きつらせながら俺は普通に挨拶をし
て通り過ぎようとする。
待ってと腕の袖を掴まれる。少し昼休みに話したいんだけどと言わ
れた。
昼休み
校舎裏に呼び出された俺は委員長の来るのを待っていた。その姿を
二人の女子が覗き見している。
「どういう状況なのかしら」夢と寿里が隠れて由樹兎の待ち合わせ
場所を覗いている。
「まさか・・・・」寿里は悪夢を思い浮かべて少し凹んでる
「ごめんなさーい、待たせてしまって」委員長が走ってきて言う
「いや、いいんだけどなんの話かな」俺はバツがわるそうに横をむ
く。
委員長が俺の手を取る
「私とお付き合いしてください」委員長が俺の目を見て真剣な口調
で言った。
何か話しているみたい程度の覗く二人。
対して俺は硬直して思考が回らない。
初めての正式な告白ではないだろうか。愛の告白のようなものは日
常茶飯事になってきたようだったが
こういった形式ばったものは初めてだ。
「い・・・・いや・・・ごめんなさい」俺は自然に断っていた。
「生徒会室でも言ったけど特別な相手は今は作れないかなと思うん
だ。
今の複雑な状況も状況だし」
真剣に向き直って言う。
「ありがとう。返事してくれて。でも諦めないよ。まだ本当に振ら
れたってわけじゃないんだよね」
これからは私も意識してねと小声でにっこり微笑んでいう。
告白できてすっきりしたのかそう言って振られたにもかかわらず笑
顔で帰っていった。
凄い短い告白イベントだった。
覗いている二人には何があったのか、イメージが違う態度と対応に
告白だったようにはみえなかった。
その後も名瑞奈が俺の席によくくるようになり、二人ほどはベトベ
トしないものの俺の周りに3人の女子がいることが日常になりつつ
あった。
学校帰りにレストランで食事そして公園へ
俺、夢、寿里三人で帰ることになる。
校門をでるなり二人が両脇に抱き着く。
おい・・・
俺は少し抵抗するが諦めた。
ゆーきとといいながら寿里が右頬にキスしてきた。
こらと抗議していたら左頬に無言で夢がキスしてきた
なんなのこれ。
委員長がアタックして来ている事に薄々二人も感じているらしく、
学校で抑えていた感情が漏れ出しているようだ。
「だから学校の近くでこういうのは・・・」いうか言わないかで更
に強く寿里が腕にしがみつく
どうやら離れたくないらしい。
「ねえあの大き目のレストラン入っていかない」
夢が指さす方向にサンゼリアというお手頃価格で食べれるチェーン
店のレストランがあった
3人で同伴される男のような体制でレストランに入りかけたが二人
は入る寸前で離れた。
さすがにくっついたままでは恥ずかしいのだろう。
席は公平にと俺を前にして二人が座る形で4人席に座った。
ここはパスタなどイタリア料理系の料理が多くそしてかなり大きな
レストランなのに値段が安い。
ほかのレストランの3分の1位の値段で済むことも度々。
学生としては助かるお店。中の内装もファミリーレストランと変わ
らない広々とした内装になっている。
夢は何にするといいながら靴を脱いで自分の足を延ばして俺の足を
さすっている
こら止めろと夢に視線を送るがおかまいなしである。
寿里はメニューをみるのに夢中で気づいていない。
ここのオーダーはメニュー番号を書いて店員に確認してもらうスタ
イルで間違ったメニューが来るということが
あまりなく。長い名前を言わなくていいので便利である。
タッチパネルのお店も増えたがどうも自分の欲しいメニューがあれ
は見つけ辛く使い勝手がよくない。
ドリンクバーとパスタ料理を三人とも頼み、一つピザも頼んでおい
た。
最後に三人で分けて食べる予定だ。
料理を待ってる間に委員長の話になった
「高藤さんこの頃、由樹兎にちょっかい出してくるようになってる
んだけどなんでなの?」
寿里がぶすっとした顔をしてストローでジュースを飲みながら言っ
た。
「それ、私も気になる」夢も同調する。
隠していても仕方ないと事の顛末をキスした所以外を省いて話した。
「ほうほう・・・あの呼び出しって告白だったんだ」
寿里は俺の目を見ずに下を向いて言っている。
夢は抗議するように足で俺の膝を蹴ってきている。
「告白を断ったのにまだ諦めないなんて、やるわね」
何に関心したのか夢が言う
「由樹兎・・ほんとに高藤さんのこと何にも思ってないの」
今度は心配そうにこちらをみている寿里
「なんともというか・・・」
丁度そのタイミングで料理が運ばれてきた。
少しパスタのボリュームが多い。
ピザは頼まなくてよかったかなと思うレベルだ。
そんなに頻繁に来ないしパスタを注文しないから失敗したな。
美味しそうに二人がパスタを頬張っているのを見つつおれも
エビとブロッコリーのオーロラソースに舌鼓を打つ。
ゆで加減も丁度良い硬さともっちりとした食感で抜群で上手い。
それにこのボリュームで500円とかなり安い。
メニューによっては一人前400円とレストランにしては破格に安
い。
皆さんも是非サ〇ゼリアへ一度行ってみて・・・(なにを言ってい
る)
公園での激しいキス合戦
なんとかピザも三人で分けて食べ、もう食べれないというほどにお
なかを膨らませて満腹で店を後にした
「いやー少し注文しすぎたな」俺はおなかをさすりながら言う
「私はまだ食べれるよ」寿里はあっけらかんとした表情。
「私はむりーもう夕飯も食べれないかもー」夢は苦しそうな表情
笑いながら帰ろうとしたが夢と寿里が二人とも袖を掴みもう少し一
緒にいたいといいだした。
それじゃあ近くの少し大き目の公園があるのでそこで休む事になり
移動する。
3人でベンチに座る。
座ると同時に寿里がもたれかかってきて。肩に当たる。
由樹兎暖かい。
夢はそれをみて真似をするのではなく口をパクパクさせて声に出さ
ずにキスさせてと言っている。
ダメだとわかりやすく声に出さずに口を動かした。
それをみてフフフと笑っている夢。
「なんだかこんな関係でも楽しいね」夢がぼそっとつぶやいた。
「私もこのままでもいい。だって由樹兎に選ばれなかったら今の幸
せな時間が全部なくなっちゃうんだよ」
目をつぶって肩に身を寄せている寿里が言う。
今は誰か特定の人を選ばなくてもいいから一緒にいてほしいという
思いなのだろうか。
誰かを選んで自分から離れてしまうという不安に駆られるのかもし
れない。
「ねえ高崎さん一緒に由樹兎にキスしない」夢は俺の顎をさわりな
がら目をつむって腕にくっついている寿里に言う
「こらこらよせ」おれは手を慌てて掴んで離そうとする。
「えっ・・・いいの由樹兎キスしていい。」寿里は目を輝かせて乗
る気満々である。
二人が左右から少しづつ更に距離をつめてくる。
3人の心音が重なりそうなドクドクと音が重なり合う。
左右の頬に小さくチュッと音が鳴る。
二人が同時に頬にキスしてきていた。
外でしちゃった。などと寿里は言っているが、ここは目立ちすぎる
だろ。
見通しのいいベンチで三人密着して座ってるだけでも目立つのに。
夢の方が我慢できないと言わんばかりに俺の顔を自分の方に向け強
引にキスをする。
長いキスをしていると後ろでずるいと寿里が抗議の声を上げている。
今度は寿里が首が折れてしまいそうな勢いで俺の顔を強引に自分の
方に向けてキスしてくる。
唇に舌を這わせて中に入ろうとしている。
俺はそれに負けて少し口をあけてお互いの舌を絡めあいながらキス
をする。
今度は夢が私より濃厚なキスはダメなどと俺の顔を自分の方に向け
てキスしてくる
夢も舌を中にいれてきて唾液を吸うように唇に吸い付いてきている。
「た・・たたんま・・・」おまえら外だという事忘れてないか。
俺は真っ赤になりながら口を左手の甲で押えて二人を制する。
あーんと変な声を出しながら名残惜しそうに少し離れる寿里。
「いけず」短く夢がぼそりという。
「お前ら加減しろよ。頬に少し一瞬キスする位だと思ったのにヒー
トアップしすぎだ。」
俺がそういうと夢と寿里はお互いを見て笑っている。
「そうかもだけど。凄く幸せだったよ。」夢が言う
「私も、私も。でももっと長くキスしたい。ぎゅーっと抱きしめれ
ながらがいい」
座ったままで左右の人差し指をつんつん自分の前で合わせながら言
う寿里。
帰宅後夢に襲われないように鍵を閉めてスマホを見ていたが今日の
公園の出来事が頭に浮かんで
気持ちがざわざわする。
あいつら刺激が強すぎるんだよ。
スマホの操作も手に付かず、左手で目を抑えてベットに仰向けに倒
れている。
その頃、夢も寿里も部屋に入って顔を枕で抑えたりスマホに保存し
た写真の由樹兎を見たりしながらニヤついていたりしていた。
二人にもかなり刺激的だったようだ。
教室の机で潰れるように寝ていると3人の女子が席にやっ
デートのお誘い
次の日
てきた。
何やら示し合わせてきているようだ。
何かよからぬ事を考えていそうな雰囲気。
「あの・・・あの由樹兎・・・」寿里がもじもじしながら言う
「なにかようか・・」少し体を起こしつつ、顔を引きつらせて答える
寿里だけでなく後ろの二人ももじもじして寿里に早く言うように後
ろから肘でつついている
「あの・・今度の土曜日・・・この券で一緒にデートしてくれない
かな」
なにやら遊園地の入場チケットらしきものを4枚持っている。
「で・・・でーと・・・」その単語を聞くだけで少し赤面してしま
う。
近くの席の男子と女子がざわつく
「ダメかな?」うるうるとした目で寿里はチケットを差し出してい
る。
「ああ・・・ええっと・・・これはどう返事すればいいんだ」
周りを見渡しあたふた。首を振っても答えがでるわけじゃない。
俺は目をつぶり一枚チケットを受け取った
「いいの?」寿里が顔を輝かせている
「別に遊びに行くぐらいは構わないだろ・・・ただし過剰なスキン
シップは禁止で」
それを聞いて3人の女子はぶうぶう文句を言っている。
デートだからそれは無理などと言って三人は纏まってクラスを出て
いった。
まだ3人で何か話すようだ・・休み時間もうなくなるぞ。
デートのお誘い(後書き)
次回寿里のピンチ
寿里が男二人に囲まれ大ピンチ。焦る由樹兎
3人で駅の改札傍で待っているがなかなか寿里が来ない。
連絡アプリのRENを使って呼び掛けてみると
10分ほど遅れるとの事だった。どうやらこの駅のトイレ迄は来て
いるらしい。
俺たちは少し早めについているのであと15分程寿里が来るのに時
間がかかりそうだが、
どこかに行ける程の時間はなさそうだ。
「あの・・今のうちにツーショット写真を撮らせてもらえないかな。
もちろん寿里ちゃんが着た後二人も撮ってもらうということで」
高藤さんが言う。
まだ写真は早いのではなどといいつつも二人と改札をバックに写真
をとった。
「これも思い出になりそうね」夢が携帯を見ながら微笑んでいる。
しかしほのぼのとした時間が一転する。
寿里から電話があり、助けてと言ってきたのだ。
どうやら駅には来ているらしいのだがトイレで着替えたあとトラブ
ルにあっているらしい。
離してください、などの声が電話から聞こえる。
俺は電話を切らないように伝え慌てて耳に携帯を押し当てながらト
イレのある方へ走り出す。
改札は出てないはずだからあっちか。
訳が分からない女子二人もゆっくりと追いかけてきている。
血相を変えて俺が走っていると争う声が聞こえてきた。
「止めてって言ってるでしょ」寿里の叫び声が聞こえる。
男の手を振り解こうともがいている。
「いいだろ。少し俺たちと一緒に遊ぼうぜ。君みたいに可愛い子な
かなかいないんだよ」
18歳〜20歳位の男二人が寿里が逃げれないように囲んでいた。
ニット帽の男が下劣な笑みを浮かべながら寿里の腕を掴んでいる。
俺は携帯を素早くしまい駆け寄る。
「おいやめろ。彼女に手を触れるな」
そう言って俺は男の手を強く握りしめて引きはがす
「なんだてめえ」
手を持っていないもう一人の男がギラッとこちらを睨みつけ言う。
「由樹兎・・・」寿里が涙目でことらをみている。
「彼女は俺の連れだ。手を出すな」
俺はそのまま寿里を守る様に前に立ち塞がる。
寿里をめぐり乱闘騒ぎ
「けっ!いいじゃねえか。おまえの女なのか・・・あん」
「少し一緒に遊んでもらおうと思っただけなんだよ兄ちゃん」
二人がぎろりとこちらを睨む。
「あんたら、こんな強引な誘い方しかできないのかよ。
俺より歳を取ってる割に女性のエスコートの仕方も知らないのか!」
俺は口調を荒らげる。
「なんだと!偉そうに。女の前だからって格好つけてるんじゃねえ
ぞ!」
俺の襟首をニット帽の男が掴みくってかかってくる。
俺は睨み返す。
「一度痛い目に合わねえとわからねえみたいだな」
そういって右のこぶしを由樹兎に振り下ろす!
それを由樹兎は軽く左手で受け止めたて男の右腕をひねり上げた。
「いててて・・・」ひねられた状態から逃げるように男が体制を崩
す。
「見っともないだろ、あんたら。そんな事ばかりやってるといつか
人生の落伍者になって
取り返しのつかねえ状態になるぞ!」
ひねり上げていた男の腕を離し、姿勢を正し凛とした姿勢で言った。
大丈夫かなどといいつつ男二人は逃げて言った。
お決まりの覚えてろよ等とは言わないんだなと思いながら寿里の方
を見る。
寿里は涙目で俺の上着の袖を少しだけ握っていた。
その様子を少し離れた所から見ていた夢と高藤も駆け寄ってくる。
「もう。危ないじゃないなんで喧嘩になってるのよ」
高藤がケガは無い?などといいつつ俺をみる。
「大丈夫だ、それより寿里大丈夫か」
俺は寿里を再度しっかり見て両肩に手をやりじっと目をみる。
そこでやっと落ち着いたのか怖かったよ〜と胸に抱き着いて来て顔
を押し当ててくる。
どうやらトイレで着替えて出てきた所さっきのナンパ男に言い寄ら
れたらしい。
高藤が羽馬君喧嘩も強いんだねと言っている。
俺は中学の頃だが一年だけ親に薦められて空手を習っていた。
その影響でちょっとした騒ぎ程度は捌く自信がある。
今は習っていて良かったとつくづく思うよ。
寿里の格好はいつもセミロングのカールの髪型なのだがそれを止め
て、
前髪を左右に両方編み上げて髪の毛にヘヤピンを片方にだけ付けて
いた。
服装は肩から腕にかけての一部の布の無く鎖骨が見える服で変わっ
た形の服になっていて、
肌色に近いふんわりとしたデザイン。それに加えてミニスカートが
なんだかエロ可愛い。
姿を見て少し見とれてしまった。
会う直前までは恥ずかしいので一枚薄いロングカーデガンの服を上
に羽織って着たらしいが
少し責めすぎな気がする。寿里は胸が大きいので更に周りの男子に
じろじろ見られてしまう。
「凄く可愛いぞ寿里。ただそのなんだ。ちょっと刺激が強すぎるの
で腕は隠そうか。」
一枚気合の入った服の状態で由樹兎とツーショット写真を撮ってか
ら着てきたカーデガンを着てもらった。
それでもミニスカートとヒラヒラの付いた服装が可愛い。
なるほど・・・あまりの可愛さにあいつらも声をかけたってことか・
・・
少し落ち着くまで構内ベンチに座って予定通りネズミーランドへ向
かうことになった。
遊園地デート。回る恐怖の乗り物(前書き)
強引なナンパ男達を撃退して遊園地に移動してきた4人
遊園地デート。回る恐怖の乗り物
千葉にあるネズミーランドの大人向けシーエリアへ移動した。
日曜よりましだろうが土曜はさすがに人が多い。
平日でもかなりの混雑らしいので行列は覚悟しなくては。
ネズミーシーの方が大人向けらしく子供が通常ネズミーランドより
少ない。
「さてどれから乗ろうか」
俺はパンフレットを見ながら言うが
女子は行きたいところを決めているらしく
それぞれお化け屋敷、ジェットコースター、コーヒーカップなどと
いっている。
寿里もどうやらさっきのショックから完全に回復したようだ。
じゃんけんが始まりスタートはコーヒーカップになった。
ペアもじゃんけんでお化け屋敷以外は譲り合う形で独占しないよう
にと決まっているらしい。
「じゃあお願いしますね。王子様。」そう言いながら高藤が手を出
してくる
「よろしく」俺はその手を握ると歩き出す。
「それと私も高藤じゃなくて名前で呼んでほしいな。二人だけずる
い」口をとがらせて高藤が言う。
「そういえば委員長は苗字で呼んでたかな」
「委員長じゃなくて名瑞奈って呼んで」耳に口を近づけて小声で言
った
二人とも照れながら手をつないでコーヒーカップに乗る。
あとの二人は乗らずに渡されたスマホで動画撮影しているらしい。
お互い向かい合って座り顔を突き合わせる。
それだけでもなんだか照れ臭い。
そんな事を思ったのもつかのまカップが動き出す。
操作しなくても結構回る。
それに輪をかけて名瑞奈がぐるぐるハンドルを回す。
「おいおいもう少し遠慮して」
高回転する二人はいつのまにか隣同士くっつく形になって密着して
いる
もっとくっついてと言わんばかりに身体を押し当ててくる名瑞奈。
少しづつ場所を変えて俺の横に来ていたのか。遠心力に押されて更
に二人がくっつく
やっとハンドルから手を離した名瑞奈は俺の身体に抱き着いている。
小さく幸せとつぶやいている。
俺はどぎまぎしながら目が回っている。
これは回転系が苦手な人は吐くなと思いつつ高速回転に耐えた。
ふらふらになりながら二人とも降りる。
「いやーお二人さん見せつけてくれますね。」寿里はニヤニヤして
夢は顔を膨らませている
次は私なんだからと呟く夢
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