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そのオープニングテーマ「会心ノ一撃」を手がけるのは、日本を代表するロックバンド・GLAYだ。今回、アキバ総研にて作詞・作曲を手掛けたGLAYのギタリスト・HISASHIさんと、原作コミックも原典のアニメも知っているという、自他共に認めるアニメオタクの世界さん(EXILE/FANTASTICS)の対談が実現した。
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GLAYとEXILEは、世界さんが加入前に「SCREAM」という楽曲で共演したということで、縁浅からぬ関係でもある。そんなおふたりによる「会心ノ一撃」の制作秘話。そして、ディープなアニメトークをお楽しみいただきたい。
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GLAYとアニメの深い繋がり
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ーー今回の対談、よろしくお願いします。
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世界 HISASHIさんとは、いつかお会いできたらいいなと思っていたんです。YouTubeも面白いですし。
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HISASHI うれしい(笑)。
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世界 GLAYさんって、僕より先輩の世代がド直球なんです。僕は今、33才なんですけど、僕にとってGLAYさんは、アニソンも歌われていて、普通のメジャーバンドとしても活躍している……両軸を確立している、なかなか珍しいバンドなんです。僕は10年前にEXILEに入ったんですけど、その前に持っていたHISASHIさんのイメージは、アーティストとしてこれだけ活躍しているのに、アニメを語っている人がいるんだ!というものでした。しかも僕、TVアニメ『グレンダイザーU』とはまったく関係ない人として、今ここにいるので、お会いできて光栄でしかないです(笑)。
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HISASHI 90年代は、スーツを着てカッコいいイメージをバンドで作りたかった時期なんですけど、その頃から僕はずっとアニメだけでなく、サブカルチャー全般が好きだったんです。それで、2000年以降くらいかな。結構自由に発言できるようなバンドのたたずまいになったので、アキバ的なサブカルチャー全般が好きだっていうのを、公に言うようになったんですよね。
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世界 それが僕の学生の頃ですから、HISASHIさんってアニメ好きなんだ! そう言えばアニソンもやってたしな~っていう感じでした(笑)。
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HISASHI なんなら、音楽よりも影響を受けているかもしれない(笑)。
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世界 何に一番影響を受けたんですか?
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HISASHI 押井守監督が大好きで、劇場版「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(84年作品)ってループもので、アニメでこういうことをしていいんだ!と思ったんだよね。「機動警察パトレイバー」シリーズも、アニメと漫画を組み替えて遊んじゃってるみたいなところが、その当時のロックよりもロック的な感じがして、すげーな、この人!って。
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世界 押井監督とは、一緒に作品も作っていましたよね?(GLAY×押井守の短編アニメ「Je t'aime」)
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HISASHI そうそうそう。あれはもう(音楽を)辞めてもいいぐらいの出来事だった(笑)。押井監督とは対談もしたんだけど、しゃべりというかボヤキが全部面白かったなぁ。
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HISASHIさん(左)と世界さん
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ーー押井監督作品を好きになったのはいつからなのですか?
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HISASHI 最初は「天使のたまご」(85年作品)だったかな。何を観せられているんだろう?と思って、いまだに理解はできてはいないんだけど、そういう作り手のエゴが見えるところもいいんだよね。
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世界 なんだかわからないけど、すごいものを見た!って感じは、音楽に通じるものはあるかもしれないですね。
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HISASHI それを解き明かしていく楽しみがあるよね。
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ーーマインド的なものに影響を受けているのですね。
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HISASHI そうですね。でもアニメと、そこに流れている音楽にも影響を受けているんですよ。アニメだけでなく映画も大好きで、それもやっぱり映画とそこに流れている音楽が好きなんです。
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ーー最初に買ったサントラは覚えています?
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HISASHI それはテリー・ファンクっていうプロレスラーのテーマ曲です。スピニング・トーホールドっていう「効いてんのか、それ?」って技があるんだけど、それをイメージして作られたギターインストで、それがカッコ良すぎて、子供の頃に衝撃を受けたんです。
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世界 すごくいいっすねぇ!(笑) あの頃って、プロレスとアニメが盛んな時期でしたよね。うらやましいなぁ。
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HISASHI アニメも、地上波のゴールデンでやっていたからね。
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世界 僕が子供の頃は90年代で、大人向けのアニメ作品はOVAで発売されていたんですよ。でも当時は子供で、お金がないから買えなくて。
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HISASHI あの頃、ソフトウェアは高かったんだよなぁ(笑)。子供には大変だよね。
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ーーちなみに、おふたりはロボット作品だと何が好きだったのですか?
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HISASHI ド定番だけど「ガンダム」シリーズかな。サンライズの時代だから、その頃のロボットアニメは全部見ていました。
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世界 僕が子供の頃は勇者シリーズとかでしたね。それこそGLAYさんが主題歌を歌っていた「ヤマトタケル」(94年作品)も見ていましたし。
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HISASHI 僕らのデビュー曲「RAIN」が、実写版「ヤマトタケル」の主題歌になって、そのあと「真夏の扉」がアニメ版のOPテーマだったから、結構アニメの主題歌は最初からやっているんだよね。99年の「サバイバル」という曲では、森本晃司監督にアニメーションMVを作ってもらったり……。
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ーーアニメとの繋がりは深いですよね。
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世界 だからいわゆる「HOWEVER」のような、ザ・アーティストのGLAYが好きな人と、アニソンから入った人がいるんですよね。だからファンの方はどんな感じだったんだろう?と思うんですけど。
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HISASHI でもGLAYのリスナーの方って、それに付随するものも全部楽しめちゃう感じなんですよ。だから今回の「グレンダイザーU」も、結構楽しんでもらえるんじゃないかなって思っています。
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日本の音楽として出して恥ずかしくないものにしよう
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ーー「グレンダイザーU」のOPテーマは、どういった経緯で担当することになったのですか?
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HISASHI 福田己津央総監督は結構自由な方だから、制作陣の後押しもあってGLAYという名前が出てきたと思うんですけど、「いいんじゃない! やってみなよ!」みたいな感じだったのかもしれないですね(笑)。それで僕らのところに話が来て、楽曲制作前に、リモートで会議をしたんですけど、内容に寄せるも寄せないも、GLAYのやり方で自由に作っていいよと言われて……。
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世界 自由に作れたんですね!(笑)。
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HISASHI そうそう。でも、そうやって人と話していると、曲のテンポとか、メジャー/マイナー感とか、言葉の選び方とか、イメージがどんどんインスパイアされて出てくるんですよ(笑)。
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世界 へ~~!!
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HISASHI だから最初にミーティングをしたときに、曲の半分以上はできてる。あとはそれを形にしていくだけ。
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ーーそれはアニメの内容の話じゃなくてもいいということですか?
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HISASHI そうです。ただ話しているだけで「もう大丈夫! それ以上、言わないで」みたいな感じになる。自分でも、そんな部分があるとは思っていなかったんだけど、クリエイティブ魂みたいなものが、根っからあるみたいなんですよ。
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世界 すごい!! 「グレンダイザーU」のときは、何が浮かんだんですか?
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HISASHI まずは勢いが浮かんで、「会心ノ一撃」というのフレーズが出て、「もうこれでしょ! 日本のエンターテイメントは!」みたいな感じになって、AメロやBメロは、何を言ったっていいや!みたいな(笑)。
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世界 いいっすねぇ(笑)。その感じも、作品のテンションに合っているなぁ。
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HISASHI あと、2A(2番のAメロ)とかは絶対に(アニメで)使われないから、ちょっと攻めた言葉を使っちゃおうとかね。
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世界 アニメ主題歌の2Aって言いたいことを、出しがちですよね(笑)。
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HISASHI あと、「UFOロボ グレンダイザー」は、ヨーロッパで人気がある作品だと聞いていたので、日本の音楽として出して恥ずかしくないものにしようということで、気合は入りました。
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世界 フランスでの人気がめっちゃすごいんですよ。だから今作のPVでも、フランスは攻撃されていましたからね(笑)。そのあたり、サービス精神がある作品なんです。
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HISASHI そうなんだ(笑)。
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ーー「UFOロボ グレンダイザー」については、どんな印象を持っていたのですか?
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HISASHI 僕もド田舎に住んでいたから、見ていたかどうかはわからないんです。もしかしたら、記憶の中にあるアレは「マジンガーZ」だったのかもしれない……。なぜ「UFOロボ グレンダイザー」がピンポイントで、ヨーロッパで人気があるのかも不思議ですよね。だから、敵と戦うロボットアニメという漠然としたイメージだけは持っていました。
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世界 子供の頃、「マジンガーZ」や「UFOロボ グレンダイザー」を観ても、でっかいロボットと敵のロボットが戦うすげーアニメ、くらいしか思わないですよね(笑)。
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HISASHI 「ガンダム」シリーズもそうだよね。MSかっけー!とかだけだったもん。でも、今回の「グレンダイザーU」のスタッフ陣のことは、あとから聞いたんですよ。「マジで言ってるの、それ?」って思いました。
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世界 超豪華なスタッフ陣ですよね。
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HISASHI 僕らが親しんでいた方ばかりなんだよね。
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ーーHISASHIさん的には誰が気になりましたか?
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HISASHI やっぱり「新世紀エヴァンゲリオン」も好きだったから、貞本義行さんですよね。タッチがいいんですよ。
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ーー貞本さんの絵は、アニメ好きな方に刺さりながら、アニメを見ない方にもリーチできる絵のタッチですよね。
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世界 アニメだけどデフォルメしすぎていない感じというか、そこにいそうな儚さがあるんですよね。それが色んな人に受けているところなんだろうなって思います。あと、敵がイケメンになっていくんじゃないかな(笑)。ズリルとかめちゃめちゃカッコいいので。あと福田己津央総監督ということは、女の子も活躍するんだろうなと思っています。
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ーーロボットアニメの主題歌には数々の名曲がありますが、そのあたりは意識しましたか?
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HISASHI GLAY半分、アニソン半分みたいな感じで、ちょうどいいバランスをブレンドしたかったんです。アニソンでなくやってもおかしくないというか。僕の曲って、マイナー・メロディアスみたいなのが得意だし、好きだったりするんだけど、オファーが来るということは、そういうところも求め���れているんだろうなと思ったので、的に近いところは狙えているんじゃないかなっていう自負はありました。
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世界 〈会心ノ一撃〉というフレーズが出てきたのはすごいな~って思いました。
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HISASHI もうオープニングの絵まで想像できていたんですよ。もともとこういうアニメを見て育ってきたというのも大きくて、アニメ然とした曲はイメージできていたんですよね。
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ーー打ち合わせでは自由にという話だったと思いますけど、それで、どんなものを求められているのかまで感じられるんですね。
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HISASHI でもそこで難しくなってくるのは、置きに行っちゃうことなんです。僕としてはそこじゃないところに置きたい気持ちもある。それは、もともと押井守監督に憧れていたというところもあるんですけど。
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世界 そこでちょっと影響が出ているんですね(笑)。奇をてらいたくなるというか。
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HISASHI そうそうそう(笑)。この言葉を使って大丈夫なのかな?っていう言葉をあえて使ったりとか。ちょっとロボットアニメ的ではないというか。ストーリーも人間味、みたいなのがあって、一番怖いのが人間だっていうところがあるじゃないですか。「グレンダイザーU」だと、悪と戦うけど、相手は本当に悪なのか?とか。相手にとっては、これが俺らの正義なんだ!っていう考えもできたりするじゃないですか。そう考えると、すべての事柄ってそうだよねって思うから、そのあたりの矛盾を音楽で描ければいいなと思って書いていました。
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世界 「マジンガーZ/INFINITY」のDr.ヘルみたいなことを言いますね(笑)。
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HISASHI ははは(笑)。
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ーー世界さんは、この楽曲を聴いたときどう思いましたか?
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世界 僕はサビ頭の〈会心ノ一撃の〉の入りがすごく印象に残っていて、そこはアニソンっぽく聞こえたんですよ。歌いたくなるフレーズというか。タイトルも真っ直ぐな感じでしたし。
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HISASHI 最初はタイトルも違ったんだけどね。
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世界 そうだったんですか!?
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HISASHI 最後の最後まで迷って、これで行くか!って。最初は「VIVA LA VIE EN ROSE」だったかな?
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世界 頭で叫んでいるフレーズですね! でも僕は、サビ頭に曲タイトルが出てくるのはいいなと思いました。
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HISASHI サビにブレイクして、曲タイトルを言っちゃうっていうのが、バカっぽくていいよね(笑)。
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世界 子供心に戻されるというか、グッと掴まれる感じがするじゃないですか。それに疾走感もあったので、ロボットに乗りたくなる曲でした。
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HISASHI いろいろうんちくは垂れるんだけど、結局はシンプルで伝わりやすいほうがいいなと思って。アニメもそうだと思うんだけど、ストーリーはシンプルなほうがいいんですよ。
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世界 でも若干の闇も感じました。それはHISASHIさんだからなのかはわからないですけど。マジンガーシリーズも、ちょっとどころではなく闇もあるから、これは10代の子にも刺さる曲だと思います。
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HISASHI これは昔からなんだけど、ヒーローよりダークヒーローが好きで、絶対にそっちのほうがカッコいいと思うんだよね。
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世界 僕もそうです!
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HISASHI 自分の生活をしながらも常に斜めに物事を見ているタイプだったので、そういうのって、作風にも表れると思うんだよね。
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ーーダークなところも、サビのような王道感も両方ある曲なんですね。
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HISASHI そういう意味では、うちはメンバーにちゃんと王道がいるから、僕とかJIROが、ちゃんとカウンターカルチャーを張れるんだよね。JIROは、音楽面で結構コアでマニアックなほうにいくタイプだから。
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世界 バランスがいいんですね。
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ーーちなみに、監督からのリテイクなどはあったのですか?
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HISASHI それが一か所もなかったんですよ。だからすごくうれしかった。自信はあったんだけど、どこか不安なところもあって、この歌詞は大丈夫かな?とかはあったんですけど、監督は僕らが自由にやっている姿をアニメとぶつけたかったんじゃないのかな。
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世界 いい化学反応ですよね。
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HISASHI 本当に! こういう仕事をしたときやり切った感ってあるよね。だから本当に嬉しかった。
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ーー自由に作ってほしいと言われるのと、具体的に細かく指定されるとでは、どちらがやりやすいんですか?
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HISASHI これを言うと偉そうに聞こえるかもしれないんだけど、GLAYともなると、もうあまり指定もされないんですよ……。だからちょっと指定してほしいなと思うこともあります。この枠の中でと言われたほうが、作りやすいところがあるから。
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世界 いい意味で、反発もしやすいですしね(笑)。
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HISASHI そうそう! でも、結構「GLAYさん、自由にどうぞ」みたいなことが多いかな。
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世界 アニメの制作している人が若くもなっているから「GLAYさん、聴いてました!」って世代も多いでしょうからね。でもそのうち、ぶっ飛んだ若手が出てきて、めちゃめちゃ指定する日が来るかもしれませんよ。それこそ若き日の庵野秀明監督のような。
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HISASHI 庵野監督とできるかなぁ(笑)。でも、若手でそういう人が出てきたら、「こいつ、何だ?」って思いながらも、きっと面白いんだろうな。鶴巻和哉監督の「フリクリ」(00年~01年作品)とかは、the pillowsの曲をバンバン自由に使いまくっていたけど、ああいう人が出てくるかもしれないしね。
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ーーHISASHIさん的には、いろいろ言われて作るのも楽しんでそうですね。
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HISASHI 「こういうふうに作ってください」と言われて、全然そうじゃない曲を作って「いいですね」と言わせるのが楽しみ(笑)。
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世界 やっぱ、ロックですね~(笑)。
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HISASHI 福田総監督も、主題歌をアーティストと作るにあたって、「ちょっと頭がおかしいのかな?」「言葉の意味、理解されてるのかな?」って思うことがあったという話をされていて、それすらも面白がっている感じがしたんですよ。そういうところもいいなって思います。
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世界 ある種、こう来たらこう返そう!っていうのが、カウンターカルチャーですからね(笑)。
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HISASHI みんなそうなんだと思うよ。みんながみんなカウンター狙いみたいな(笑)。
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「グレンダイザーU」との思い��も含めて、この先も大事にしていきたい
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世界 HISASHIさんって、好きなアニソンってあるんですか? やっぱり「ぼっち・ざ・ろっく!」ですか?
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HISASHI すごく完成度が高いな~って思って聴いてますよ。
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ーーYouTubeのHISASHI TVでも、弾いていましたね。
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HISASHI 難しいんですよ、ミュージシャンでも。だって曲を制作しているのはプロの音楽集団なわけじゃないですか。これは難しいぞって思いながら弾いてます。でも、こうやって何年かごとにバンドアニメブームが来ると、楽器が売れたり、バンド界が盛り上がるから、すごくいいなって思いますけどね。
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世界 いつかガールズバンドのアニメで曲を書いてくださいと言われるかもしれないですよね。
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HISASHI いつでもやるけどね(笑)。
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ーー日本は、バンドサウンドが根強い人気ですから。
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世界 「グレンダイザーU」は、OP/EDもバンドが担当していますしね。
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HISASHI アメリカやアジアではライブをやったことはあるんだけどヨーロッパはまだなので、これをきっかけにやってみたいなぁと思ってます。
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世界 フランスでは、100%できると思いますよ。
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HISASHI 「Japan Expo」とか、毎年やっているもんね。
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世界 「グレンダイザーU」だし、やってくれって言われるはずだけど、お客さんも溢れて大変かなぁ。でも、あのイントロでみんなが叫んでいるところを聴いてみたい!
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ーーちなみにおふたりの思い出のアニソンというと何ですか?
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HISASHI 何だろう……「哀戦士」かな。ACE OF SPADESでもカバーしましたね。根底にあるのはガンダムだから。
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世界 僕は永井豪作品繋がりで言うのであれば、「デビルマン」が好きなので、「デビルマンのうた」(水木一郎)ですね。
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HISASHI やっぱりダークサイドが好きなんだね(笑)。
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世界 孤独な感じのヒーローが好きなんですよ。昭和ライダーも好きですし。
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HISASHI (若いのに)珍しいよね。だって、全部後追いしているってことだもんね。
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世界 子供の頃から仕事をしていると、周りに大人しかいないので、世代の話になるんです。それで面白そうだと思って見ていくと、だんだん曲がった大人に育つっていう(笑)。「デビルマンのうた」は、〈デビルチョップは パンチ力〉って歌ってて、チョップってパンチなの?と子供心に思いましたけど、みんなもそう思ってたんだってなりました(笑)。
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HISASHI 「らき☆すた!」の「もってけ!セーラーふく」はニコ動の弾いてみたでも好評だったしエンディングのカラオケボックスでの懐メロは感慨深いモノがありましたね……。
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ーーアニソンは、何十年も愛されるので、この「会心ノ一撃」も何年も親しまれる曲になればいいなと思います。
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HISASHI この前、GLAYで、99年のライブ「GLAY EXPO '99」を再現するライブをベルーナドームでやったんだけど、久々の曲が多いかと思ったら、僕ら結構普段からやってるんですよ(笑)。GLAYって実は、古い曲も新しい曲もまんべんなくやるバンドなんですよね。だから「会心ノ一撃」も「���レンダイザーU」との思い出も含めて、この先も大事にしていきたいという思いはあります。
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世界 めっちゃライブで聴きたいです!
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ーー25年前の曲でも、音楽って色あせないんですよね。
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HISASHI まぁ、歌詞とかはひどいんだけどね(笑)。93年ごろの曲とか、文法ひどいなぁって思うこともあるんだけど、TAKUROはそういうのを全然嫌がらなくて、「全然やっていいよ」って感じだから(笑)。
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世界 昔の曲をやらなくなる理由って、それが多いですよね。でもファンは20年前の曲も聴きたいし、若い子はそれを聴いて新鮮に感じたりもするんですよね。
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HISASHI それと曲って生きていると思っていて。96年に「生きてく強さ」という曲を出したんだけど、まだ20代とかだから、何もわからないんだけど、TAKUROの頭の中にあったものが、ファンの耳に入って、みんなの人生が変わっていくわけですよ。パートナーと出会って、結婚して子供ができる。そうなると「生きてく強さ」って別のストーリーになるんですよね。曲ってリリースされたら、僕らのものじゃなく、人々のものになる。曲ってそういう力を持っているんですよね。
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ーー歌詞の捉え方は、聴く人の状況や年齢、時代によって意味が変わっていくものですからね。
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HISASHI エンターテインメントすべてに言えるけど、その人の目にどう映るかによって、その人の人生が変わっていくものなんです。
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世界 そうですね。「Choo Choo TRAIN」だって、歌詞をよく見たら何を言ってるんだろう?って感じがしますからね(笑)。〈月明かりに freak〉とか。
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HISASHI もう時代の歌だよね! それはそれで大正解なんだよね。
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世界 これってアニメにも近くて、細かい描写はないけど、圧と勢いがすごい!みたいな感じなんですよ。
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HISASHI この曲の歌詞はこれじゃなきゃダメ!っていうのがあるんだよね。不思議な説得力がある。だから、ロックやエンターテイメントとバカは紙一重なんだよ。日常ではなく非日常を見たいわけだから、そこまで振り切るしかない。ライブ会場で、なんかわからないけど盛り上がっていて楽しいな!っていうのを見せていける勇気を、いつまでも持っていたいなって思います。
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ーーでは最後に、今日の対談の感想と「グレンダイザーU」を楽しみに見ているファンへメッセージをお願いします。
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世界 僕はもう、ただただ光栄でしかなかったです。HISASHIさんとお会いできて、そしてアニメの話ができてうれしかったです。何度も言いますが、僕は「グレンダイザーU」とは無関係の人間なので、ただただアニメを楽しみにしています。とにかく好きだったナイーダ・バロンの活躍を見たい! そして、この令和の時代に、マジンガーZとグレンダイザーが見られるというのは、本当に嬉しいことです。
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HISASHI 世界くんは、ものすごくアニメに詳しいよね。ちゃんとオタクな人は信用できる。共通するところで、ダークヒーローや闇が好きだから、「グレンダイザーU」で、どのくらいの闇要素があるのかを楽しみにしています。そしてOPテーマの「会心ノ一撃」にもそういった要素はあるので、そこも楽しみにしていただきいと思います!
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(取材・文/塚越淳一、撮影/金澤正平)
【音楽配信情報】
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GLAYによる「グレンダイザーU」オープニングテーマ「会心ノ一撃」
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2024.07.31 Digital Release!
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配信URL:https://glay.lnk.to/kaishinnoichigeki
GLAY オフィシャルHP:https://www.glay.co.jp/
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