id
int64
3
39.4k
title
stringlengths
1
80
text
stringlengths
2
313k
paragraphs
listlengths
1
6.47k
abstract
stringlengths
1
52k
wikitext
stringlengths
10
330k
date_created
stringlengths
20
20
date_modified
stringlengths
20
20
templates
sequencelengths
0
20
url
stringlengths
32
653
3
メインページ
ウィキブックスへようこそ! ウィキブックスは自由にご利用頂けるオープンコンテントの参考書・教科書を作成しています。現在、ウィキブックス日本語版にはこれまでに 13,704 項目が書かれています。 詳しい編集方法は、編集の仕方や新しいページの作り方で説明しています。参考になさってください。編集の仕方がピンと来ない方はサンドボックスで練習してみてください。談話室を覗くと、現在の話題や今後の予定など、様々なことが分かります。 お探しの本がありましたら、下のメニューや右上にある検索ボックス、またカテゴリ検索もご活用下さい。 こんな本、ある? - 執筆リクエスト - 蔵書一覧 - コミュニティ・ポータル | なぜフリー教科書か - 寄稿のメリット - 教科書の規格
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ウィキブックスへようこそ! ウィキブックスは自由にご利用頂けるオープンコンテントの参考書・教科書を作成しています。現在、ウィキブックス日本語版にはこれまでに 13,704 項目が書かれています。", "title": "Wikibooks" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "詳しい編集方法は、編集の仕方や新しいページの作り方で説明しています。参考になさってください。編集の仕方がピンと来ない方はサンドボックスで練習してみてください。談話室を覗くと、現在の話題や今後の予定など、様々なことが分かります。", "title": "Wikibooks" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "お探しの本がありましたら、下のメニューや右上にある検索ボックス、またカテゴリ検索もご活用下さい。", "title": "Wikibooks" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "こんな本、ある? - 執筆リクエスト - 蔵書一覧 - コミュニティ・ポータル | なぜフリー教科書か - 寄稿のメリット - 教科書の規格", "title": "Wikibooks" } ]
ウィキブックスへようこそ! ウィキブックスは自由にご利用頂けるオープンコンテントの参考書・教科書を作成しています。現在、ウィキブックス日本語版にはこれまでに 13,704 項目が書かれています。 詳しい編集方法は、編集の仕方や新しいページの作り方で説明しています。参考になさってください。編集の仕方がピンと来ない方はサンドボックスで練習してみてください。談話室を覗くと、現在の話題や今後の予定など、様々なことが分かります。 お探しの本がありましたら、下のメニューや右上にある検索ボックス、またカテゴリ検索もご活用下さい。
__NOTOC____NOEDITSECTION__ [[Wikibooks:ウィキブックスへようこそ|ウィキブックスへようこそ!]] '''ウィキブックス'''は自由にご利用頂ける[[w:オープンコンテント|オープンコンテント]]の参考書・教科書を作成しています。現在、ウィキブックス日本語版にはこれまでに '''[[特別:Statistics|{{NUMBEROFARTICLES}}]]''' 項目が書かれています。 詳しい編集方法は、[[Wikibooks:編集の仕方|編集の仕方]]や[[Wikibooks:新しいページの作り方|新しいページの作り方]]で説明しています。参考になさってください。編集の仕方がピンと来ない方は[[Wikibooks:サンドボックス|サンドボックス]]で練習してみてください。[[Wikibooks:談話室|談話室]]を覗くと、現在の話題や今後の予定など、様々なことが分かります。 お探しの本がありましたら、下のメニューや右上にある検索ボックス、また[[:Category:主要カテゴリ|カテゴリ検索]]もご活用下さい。 {{メインページお知らせ}} <!-- 新しい本へのリンクはここではなくWikibooks:Requested Wikibooks. に張るようお願いします。 http://wikibooks.org/wiki/Wikibooks:Requested_Wikibooks --> <!-- メニュー一覧は Template:メインページメニュー に移動しました。 --> {{メインページメニュー}} <div style="width:95%; border:solid #999999 1px; font-size:small; padding:2%; clear:both; background:#f1f1f1;"> == 他言語版ウィキブックス == {{他言語版ウィキブックス}} == 姉妹プロジェクト == {{ウィキメディアプロジェクト}} </div>
null
2021-12-16T02:13:39Z
[ "テンプレート:メインページお知らせ", "テンプレート:メインページメニュー", "テンプレート:他言語版ウィキブックス", "テンプレート:ウィキメディアプロジェクト" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8
554
小学校・中学校・高等学校の学習
大学の教科書 自然科学: 数学 - 物理学; 古典力学 量子力学 - 化学; 無機化学 有機化学 - 生物学; 植物学 研究技術 - 地球科学 - 医学; 解剖学 語学: 日本語 英語 エスペラント 朝鮮語 デンマーク語 ドイツ語 フランス語 ラテン語 ルーマニア語 人文科学: 歴史学; 日本史 中国史 世界史 歴史観 - 心理学 - 哲学 - 芸術; 音楽 美術 - 文学; 古典文学 漢詩 社会科学: 法学 - 経済学 - 地理学 - 教育学; 学校教育 教育史 情報技術: 情報工学; MS-DOS/PC DOS UNIX/Linux TeX/LaTeX CGI - プログラミング; BASIC C言語 C++ D言語 HTML Java JavaScript Lisp Mizar Perl PHP Python Ruby Scheme SVG 小・中・高校の教科書 小学: 国語 社会 算数 理科 英語 中学: 国語 社会 数学 理科 英語 高校: 国語 - 地歴 - 公民 - 数学; 公式集 - 理科; 物理 化学 地学 生物 - 外国語 - 情報 解説書・実用書・参考書 趣味: 料理本 - スポーツ - ゲーム 試験: 資格試験 - 入学試験 その他の本: 防災 - 生活と進路 - ウィキペディアの書き方 - ジョーク集 ここは普通教育に関する教科書・資料を収めておく書庫です。以下の書籍が収録されています。なお、ウィキブックスの読み方などについてはこちらをご覧ください。 (※令和元年度以降の学習指導要領へ対応するための改訂が遅れています。旧課程版も参考にしてください) 現在(2022年)、小学校・中学校・高等学校では新学習指導要領が施行されています。各教科を執筆・編集の際には、学習指導要領や各教科書会社の移行措置資料などもあらかじめ確認されますようお願いいたします(特に英語・数学(算数)・理科・共通教科情報科は学年を移行する内容や新規追加される内容が多い教科となっています)。 各教科の学習法は『学習方法』にあります。 各教科の学習法は『学習方法』にあります。 各教科の学習法は『学習方法』にあります。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "大学の教科書 自然科学: 数学 - 物理学; 古典力学 量子力学 - 化学; 無機化学 有機化学 - 生物学; 植物学 研究技術 - 地球科学 - 医学; 解剖学 語学: 日本語 英語 エスペラント 朝鮮語 デンマーク語 ドイツ語 フランス語 ラテン語 ルーマニア語 人文科学: 歴史学; 日本史 中国史 世界史 歴史観 - 心理学 - 哲学 - 芸術; 音楽 美術 - 文学; 古典文学 漢詩 社会科学: 法学 - 経済学 - 地理学 - 教育学; 学校教育 教育史 情報技術: 情報工学; MS-DOS/PC DOS UNIX/Linux TeX/LaTeX CGI - プログラミング; BASIC C言語 C++ D言語 HTML Java JavaScript Lisp Mizar Perl PHP Python Ruby Scheme SVG 小・中・高校の教科書 小学: 国語 社会 算数 理科 英語 中学: 国語 社会 数学 理科 英語 高校: 国語 - 地歴 - 公民 - 数学; 公式集 - 理科; 物理 化学 地学 生物 - 外国語 - 情報 解説書・実用書・参考書 趣味: 料理本 - スポーツ - ゲーム 試験: 資格試験 - 入学試験 その他の本: 防災 - 生活と進路 - ウィキペディアの書き方 - ジョーク集", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ここは普通教育に関する教科書・資料を収めておく書庫です。以下の書籍が収録されています。なお、ウィキブックスの読み方などについてはこちらをご覧ください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "(※令和元年度以降の学習指導要領へ対応するための改訂が遅れています。旧課程版も参考にしてください)", "title": "教科書" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "現在(2022年)、小学校・中学校・高等学校では新学習指導要領が施行されています。各教科を執筆・編集の際には、学習指導要領や各教科書会社の移行措置資料などもあらかじめ確認されますようお願いいたします(特に英語・数学(算数)・理科・共通教科情報科は学年を移行する内容や新規追加される内容が多い教科となっています)。", "title": "教科書" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "各教科の学習法は『学習方法』にあります。", "title": "学習・生活ガイド" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "各教科の学習法は『学習方法』にあります。", "title": "学習・生活ガイド" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "各教科の学習法は『学習方法』にあります。", "title": "学習・生活ガイド" } ]
ここは普通教育に関する教科書・資料を収めておく書庫です。以下の書籍が収録されています。なお、ウィキブックスの読み方などについてはこちらをご覧ください。
{{Pathnav|メインページ|frame=1}}{{蔵書一覧}} ここは普通教育に関する教科書・資料を収めておく書庫です。以下の書籍が収録されています。なお、ウィキブックスの読み方などについては[[小学校・中学校・高等学校の学習/ウィキブックスについて|こちら]]をご覧ください。 == 教科書 == * [[小学校の学習|{{ruby|小学校|しょうがっこう}}の{{ruby|教科書|きょうかしょ}}]] * [[中学校の学習|中学校の教科書]] * [[高等学校の学習|高等学校の教科書]] (※令和元年度以降の学習指導要領へ対応するための改訂が遅れています。[[高等学校の学習/旧課程|旧課程版]]も参考にしてください) === 重要事項 === 現在(2022年)、小学校・中学校・高等学校では新学習指導要領が施行されています。各教科を執筆・編集の際には、学習指導要領や各教科書会社の移行措置資料などもあらかじめ確認されますようお願いいたします(特に英語・数学(算数)・理科・共通教科情報科は学年を移行する内容や新規追加される内容が多い教科となっています)。 == 学習・生活ガイド == * [[学習方法]](小中高の全般および各科目ごと) * [[生活ガイド]] === 小学校 === * [[小学校ガイド]] * [[学習方法/小学校全般|{{ruby|学習方法|がくしゅうほうほう}}/小学校{{ruby|全般|ぜんぱん}}]] {{ruby|各教科|かくきょうか}}の{{ruby|学習法|がくしゅうほう}}は『{{ruby|学習方法|がくしゅうほうほう}}』にあります。 === 中高総合 === * [[学習方法/中学高校の学習全般]] * [[中学高校の生活ガイド全般]] === 中学校 === * [[中学生活ガイド]] * [[学習方法/中学校全般]] 各教科の学習法は『学習方法』にあります。 === 高等学校 === * [[高校生活ガイド]] * [[学習方法/普通科高校全般]] * [[学習方法/高校5教科全般]] * [[学習方法/大学受験5教科全般]] 各教科の学習法は『学習方法』にあります。 == 受験ガイド・参考書 == * [[受験ガイド]] === 中学受験 === * [[中学受験ガイド]] * [[中学受験参考書]] === 高校受験 === * [[高校受験ガイド]] * [[高校受験参考書]] === 大学受験 === * [[日本の大学受験ガイド]] * [[外国の大学受験ガイド]] * [[大学受験参考書]] == 中高一貫校の教科書・生活ガイド == * [[中高一貫校の学習|中高一貫校の教科書]] * [[中高一貫校生活ガイド]] == ウィキブックス・スクール == *[[ウィキブックス・スクール]]・・・Wikibooksの編集者たちが創り上げた、受験にも対応可能な講座たち。 == 検定 == * 学校で必要で基準がはっきりしてる物を扱う[算・漢・英(中学から):検] * 一般的にイー・タイピングやP〈パソコン〉検はコンピューター需要が関わる * 団体応募があるが雇用に含むか疑問視する点がある == 資料 == ;演習 * [[小・中・高等学校演習]] ;学校制度の紹介 * [[生活と進路]] ;他の教科書 * [[大学の学習|大学の教科書]] * [[特別支援学校の学習]] ;就職活動ガイド * [[就職活動ガイド]] ;編集に参加したい人へ * [[小学校・中学校・高等学校の学習/ウィキブックスで教科書を執筆する人へ|ウィキブックスで教科書を執筆する人へ]] * [[検定教科書|検定教科書の閲覧・購入]] * [[Wikibooks:児童・生徒の方々へ]] [[Category:普通教育|しようかつこうちゆうかつこうこうとうかつこうのかくしゆう]] [[Category:書庫|しようかつこうちゆうかつこうこうとうかつこうのかくしゆう]]
2004-08-03T03:25:35Z
2024-02-08T00:40:16Z
[ "テンプレート:蔵書一覧", "テンプレート:Ruby", "テンプレート:Pathnav" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%83%BB%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%83%BB%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%AE%E5%AD%A6%E7%BF%92
563
法学
法学の教科書(日本の教育機関における法学教育に使用されるべき本)の書庫です。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学の教科書(日本の教育機関における法学教育に使用されるべき本)の書庫です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "参考リンク" } ]
法学の教科書(日本の教育機関における法学教育に使用されるべき本)の書庫です。
{{Pathnav|[[メインページ]] > [[社会科学]]|frame=1|small=1}} 法学の'''教科書'''(日本の教育機関における法学教育に使用されるべき本)の書庫です。 {{wikipedia|法学}} {{wikipedia|日本の法律一覧}} {{wikisource|Wikisource:日本の法律}} {{wikiversity|School:法学|法学}} === 法学を学ぶ前に === * [[中学校社会 公民]] * [[高等学校現代社会]] * [[高等学校政治経済]] * [[法学入門]](用語の説明、勉強方法など) * [[高等学校商業 経済活動と法]](民法入門、会社法入門) *[[関係諸法等]] === 基礎法学 === * [[法哲学]](法理学) * [[法社会学]] * [[比較法学]] * [[法人類学]] * [[法制史]] === 六法 === * [[憲法]] ** [[憲法概論]] ** [[日本国憲法]](ケースブック) *** [[人権 (日本国憲法)|人権]] *** [[統治 (日本国憲法)|統治]] *** [[交戦権と平和主義]] * [[行政法]] ** [[行政法総論]] ** [[行政組織法]] ** [[行政手続法]] ** [[行政救済]] ** [[警察法]] ** [[防衛法]] ** [[消防法]]([[コンメンタール消防法|コンメンタール]]) * [[刑事法]] ** [[刑法]]([[コンメンタール刑法|コンメンタール]]) *** [[刑法概論]] *** [[刑法総論]] *** [[刑法各論]] *** [[経済刑法]] ** [[刑事訴訟法]]([[コンメンタール刑事訴訟法|コンメンタール]]) ** [[刑事政策]]([[行刑法]]等含む) * [[民事法]] ** [[民法]]([[コンメンタール民法|コンメンタール]]) *** [[借地借家法]] ** [[商法]]([[コンメンタール商法|コンメンタール]]) *** [[商法総則]] *** [[会社法]] *** [[保険法]] *** [[手形小切手法]] ** [[民事訴訟法]]([[コンメンタール民事訴訟法|コンメンタール]]) *** [[民事執行法]] *** [[民事保全法]] *** [[民事調停法]] *** [[倒産処理法]] **** [[破産法]] **** [[民事再生法]] **** [[会社更生法]] === その他の法分野 === * [[医事法]] * [[福祉法]] * [[労働法]] ** [[労働者派遣法]] * [[教育法]] ** [[教育基本法]] * [[登記法]] ** [[不動産登記法]]([[コンメンタール不動産登記法|コンメンタール]]) ** [[商業登記法]]([[コンメンタール商業登記法|コンメンタール]]) * その他公法諸法 ** [[河川法]] ** [[道路法]] ** [[土地収用法]] ** [[都市計画法]] ** [[建築基準法]] * [[産業法]] * [[経済法]] ** [[独占禁止法]] ** [[不正競争防止法]] ** [[消費者契約法]] ** [[金融商品取引法]] ** [[商品取引所法]] * [[国際法]] ** [[国際公法]] ** [[国際私法]] ** [[国際取引法]] ** [[国際民事訴訟法]] ** [[国際刑事法]] * [[知的財産権法]]等 ** [[特許法]] ** [[実用新案法]] ** [[意匠法]] ** [[著作権法]] ** [[商標法]] ** [[不正競争防止法]] * [[租税法]] ** [[租税法|租税法総論]] * [[サイバー法]] * [[皇室法]] ** [[皇室典範]] === 法律書 === * [[コンメンタール]] * [[判例集]](ケースブック) * [[演習書]] * その他(資格試験参考書等) ** [[司法試験]] == 参考リンク == * [https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0100/ e-Gov法令検索] * [http://www.courts.go.jp/search/jhsp0010?action_id=first&hanreiSrchKbn=01 判例検索システム] * [http://www.japaneselawtranslation.go.jp/?re=01 日本法令外国語訳データベースシステム][[/英文引用元]] * [http://www.e-gov.go.jp/link/ordinance.html 所管の法令・告示・通達等]   [[category:社会科学|ほうかく 法学]] [[category:法学|*]] [[category:書庫|ほうかく]]
null
2020-07-11T17:52:00Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Wikisource", "テンプレート:Wikiversity" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B3%95%E5%AD%A6
564
国際私法
法学 > 国際法 > 国際私法 我が国の国際私法の法源は、法の適用に関する通則法3条以下、扶養義務の準拠法に関する法律、遺言の方式の準拠法に関する法律、手形法88条以下、小切手法76条以下、仲裁法36条などである。 国際私法の目的は一言で述べるならば渉外的な私法上の法律関係の規律にある。しかし、その規律の有様は他の民法等のように各事案に対して直接に規律するのではなく、各事案にとって最も密接な関係を持つ国・地方の私法を予め指定しておき、そこで指定された法(準拠法)を以て当該事案を裁くといったものである。 準拠法決定プロセスは次の通りである。 1.法律関係の性質決定を行い、適用すべき抵触規定を確定する。 2.抵触規定の適用により導き出された連結点を具体的に確定する。 3.上記2.により準拠法が特定されない場合(準拠法所属国が不統一法国である場合や、反致の問題が生ずる場合)には、さらに準拠法を特定するための補助的作業を行う。 4.上記1.から3.までにより特定された準拠法を実際に適用する際に問題が生じる場合(準拠実質法の内容が不明の場合、準拠実質法の適用が我が国の国際私法上の公序に反する場合など)には、それぞれ問題解決に必要な作業を行う。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学 > 国際法 > 国際私法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "我が国の国際私法の法源は、法の適用に関する通則法3条以下、扶養義務の準拠法に関する法律、遺言の方式の準拠法に関する法律、手形法88条以下、小切手法76条以下、仲裁法36条などである。", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "国際私法の目的は一言で述べるならば渉外的な私法上の法律関係の規律にある。しかし、その規律の有様は他の民法等のように各事案に対して直接に規律するのではなく、各事案にとって最も密接な関係を持つ国・地方の私法を予め指定しておき、そこで指定された法(準拠法)を以て当該事案を裁くといったものである。", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "準拠法決定プロセスは次の通りである。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "1.法律関係の性質決定を行い、適用すべき抵触規定を確定する。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "2.抵触規定の適用により導き出された連結点を具体的に確定する。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "3.上記2.により準拠法が特定されない場合(準拠法所属国が不統一法国である場合や、反致の問題が生ずる場合)には、さらに準拠法を特定するための補助的作業を行う。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "4.上記1.から3.までにより特定された準拠法を実際に適用する際に問題が生じる場合(準拠実質法の内容が不明の場合、準拠実質法の適用が我が国の国際私法上の公序に反する場合など)には、それぞれ問題解決に必要な作業を行う。", "title": "総論" } ]
法学 > 国際法 > 国際私法
[[法学]] > [[国際法]] > [[国際私法]] == 序論 == === 法源 ===  '''我が国の国際私法の法源'''は、[[w:法の適用に関する通則法|法の適用に関する通則法]]3条以下、[[w:扶養義務の準拠法に関する法律|扶養義務の準拠法に関する法律]]、[[w:遺言の方式の準拠法に関する法律|遺言の方式の準拠法に関する法律]]、[[w:手形法|手形法]]88条以下、[[w:小切手法|小切手法]]76条以下、[[w:仲裁法|仲裁法]]36条などである。 === 目的 ===  '''国際私法の目的'''は一言で述べるならば''渉外的な私法上の法律関係''の規律にある。しかし、その規律の有様は他の[[w:民法|民法]]等のように各事案に対して直接に規律するのではなく、各事案にとって最も密接な関係を持つ国・地方の私法を予め指定しておき、そこで指定された法([[w:準拠法|準拠法]])を以て当該事案を裁くといったものである。 == 総論 ==  '''準拠法決定プロセス'''は次の通りである。   1.[[w:法律関係の性質決定|法律関係の性質決定]]を行い、適用すべき[[w:抵触規定|抵触規定]]を確定する。   2.[[w:抵触規定|抵触規定]]の適用により導き出された[[w:連結点|連結点]]を具体的に確定する。   3.上記2.により[[w:準拠法|準拠法]]が特定されない場合(準拠法所属国が不統一法国である場合や、[[w:反致|反致]]の問題が生ずる場合)には、さらに[[w:準拠法|準拠法]]を特定するための補助的作業を行う。   4.上記1.から3.までにより特定された[[w:準拠法|準拠法]]を実際に適用する際に問題が生じる場合(準拠実質法の内容が不明の場合、準拠実質法の適用が我が国の国際私法上の[[w:公序|公序]]に反する場合など)には、それぞれ問題解決に必要な作業を行う。 == 各論 == === 自然人 === === 法人 === === 物権 === === 債権 === === 婚姻 === === 親子 === === 親族 === === 扶養 === === 後見・保佐・補助 === === 相続 === === 遺言 === == 用語 == * [[w:抵触法|抵触法]] * [[w:準拠法|準拠法]] * [[w:属人法|属人法]] * [[w:外人法|外人法]] * [[w:法律回避|法律回避]] * [[w:反致|反致]] * [[w:公序|公序]] * [[w:先決問題|先決問題]] * [[w:適応問題|適応問題]] [[Category:法学|こくさいしほう]] [[Category:国際法|しほう こくさいしほう]]
null
2009-09-21T23:54:22Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%A7%81%E6%B3%95
565
法制史
法学 > 法制史 法制史を学ぶ目的は、どのような社会状況であれば、どのような法が生成するのかを知り、以て、今後の社会情勢の変化によって、どのような法を改廃しあるいは立法すべきかという示唆を与えようとするところにある。自然科学であれば、繰り返し実験を行うことでこれに類する目的は達成される。また、近年ではコンピューターシミュレーションを用いてこれに類する目的を達成しようとする場面も多かろう。後者の当否は科学哲学の項に委ねるとして、ともかく法学においてはそれらのようなことは不可能である。 だが法制史をたどれば、実験に匹敵はしないまでも様々な法制が、すでに史上試されていた事がわかる。「今」の「或る政治体」と全く同じ状況とは言えない事が殆どだろうが、まさに示唆は得られるし、現に多くの法はそのような中でも研究の上「継受」されて制定されるのである。現代日本の制定法のうち、どれだけ多くのものが外国を参考にして(或いは殆ど複写して)制定されていることだろうか。また中東イスラム世界に比して文化的に遅れていたと言われる中世の西ヨーロッパにおいて、古代ローマ法が再発見された時の感激は如何ばかりだったろうか。各地の大学は争って法学部を設立し(むしろ法学部から大学が起こったとさえ言える)、学生が国中・或いは国境を越えて集まったものである。 ここでは、特に日本法を学ぶ上で不可欠と思われるものを中心に列挙する。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学 > 法制史", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "法制史を学ぶ目的は、どのような社会状況であれば、どのような法が生成するのかを知り、以て、今後の社会情勢の変化によって、どのような法を改廃しあるいは立法すべきかという示唆を与えようとするところにある。自然科学であれば、繰り返し実験を行うことでこれに類する目的は達成される。また、近年ではコンピューターシミュレーションを用いてこれに類する目的を達成しようとする場面も多かろう。後者の当否は科学哲学の項に委ねるとして、ともかく法学においてはそれらのようなことは不可能である。 だが法制史をたどれば、実験に匹敵はしないまでも様々な法制が、すでに史上試されていた事がわかる。「今」の「或る政治体」と全く同じ状況とは言えない事が殆どだろうが、まさに示唆は得られるし、現に多くの法はそのような中でも研究の上「継受」されて制定されるのである。現代日本の制定法のうち、どれだけ多くのものが外国を参考にして(或いは殆ど複写して)制定されていることだろうか。また中東イスラム世界に比して文化的に遅れていたと言われる中世の西ヨーロッパにおいて、古代ローマ法が再発見された時の感激は如何ばかりだったろうか。各地の大学は争って法学部を設立し(むしろ法学部から大学が起こったとさえ言える)、学生が国中・或いは国境を越えて集まったものである。", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "ここでは、特に日本法を学ぶ上で不可欠と思われるものを中心に列挙する。", "title": "各論" } ]
法学 > 法制史
[[法学]] > 法制史 ---- == 序論 ==  法制史を学ぶ目的は、どのような社会状況であれば、どのような法が生成するのかを知り、以て、今後の社会情勢の変化によって、どのような法を改廃しあるいは立法すべきかという示唆を与えようとするところにある。自然科学であれば、繰り返し実験を行うことでこれに類する目的は達成される。また、近年ではコンピューターシミュレーションを用いてこれに類する目的を達成しようとする場面も多かろう。後者の当否は[[科学哲学]]の項に委ねるとして、ともかく法学においてはそれらのようなことは不可能である。<br>  だが法制史をたどれば、実験に匹敵はしないまでも様々な法制が、すでに史上試されていた事がわかる。「今」の「或る政治体」と全く同じ状況とは言えない事が殆どだろうが、まさに示唆は得られるし、現に多くの法はそのような中でも研究の上「継受」されて制定されるのである。現代日本の制定法のうち、どれだけ多くのものが外国を参考にして(或いは殆ど複写して)制定されていることだろうか。また中東イスラム世界に比して文化的に遅れていたと言われる中世の西ヨーロッパにおいて、古代ローマ法が再発見された時の感激は如何ばかりだったろうか。各地の大学は争って法学部を設立し(むしろ法学部から大学が起こったとさえ言える)、学生が国中・或いは国境を越えて集まったものである。 ===「継受」という概念=== == 各論 ==  ここでは、特に日本法を学ぶ上で不可欠と思われるものを中心に列挙する。 # [[ローマ法と各国におけるその継受]] #* エトルリアその他からの継受 #* ギリシャからの継受(十二表法) #* 法務官による内発的発展 #* 版図の拡大と法の伝播 #* 東ローマ帝国による法典編纂 #* 中世イタリヤに於けるローマ法の発見と西ヨーロッパ世界全体への伝播 #: 附:ゲルマン法の歴史。ローマ法との争い # # [[カノン法と各国におけるその継受]] # # [[近代市民法の成立と発展]] #* 市民革命とナポレオン法典の成立 #* 近代ドイツ法の成立と発展 # # [[コモン・ロー史]] #* 近代コモン・ロー前史 #* 近代コモン・ローの成立と発展 #* アメリカ法 # # [[中国法制史]] # # [[日本法制史]](中国法制の継受とそこからの離脱) #: 政治体制に関しては、[[憲法]]を参照されたい。 #* 近代法前史 #** 古代日本固有法 #** 律令法制の継受 #** 律令法の衰退と武家法の発展 #** 江戸期の日本法制 #*** 幕府法・各藩法 #*** 慣習としての町人法 #* 近代法制史 #** ヨーロッパ法制の継受 #*** フランス法継受の試み #*** ドイツ法の継受 #** 戦時下の日本法制 #** 戦後の日本法制 #*** 民主憲法の影響 #**** 家族法の改正 #*** 米国法の影響 #**** 民主化政策に基づく影響 #***** 刑事訴訟法の改正 #***** 労働法の整備 #**** 米国型経済体制への適合 #***** 経済法の整備 [[Category:法学|ほうせいし]] [[カテゴリ:歴史]]
null
2022-11-27T12:26:14Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B3%95%E5%88%B6%E5%8F%B2
570
日本史
日本史では、日本の歴史について解説する書籍をまとめている。 日本史 日本の風土と民族も参照のこと。 地理的に考察すると、北海道・本州・四国・九州、沖縄と周辺の諸島を指す。 日本の「歴史書」のなかで最も古いとされるものは「古事記」「日本書紀」で、これをもとに古代、神話伝承・帝史や国史が編纂されてきたが、そもそも記紀は、天皇家による日本国統治の正統性 (レジティマシー) を主張する書物であるというのが定説でもある。 執筆者の方はWikibooks:ウィキプロジェクト 日本史をご参照の上執筆いただければ幸いです。人名の表記ゆれなどをなくすためにもご活用ください。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "日本史では、日本の歴史について解説する書籍をまとめている。", "title": " 日本史 " }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "日本史 日本の風土と民族も参照のこと。", "title": "地理" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "地理的に考察すると、北海道・本州・四国・九州、沖縄と周辺の諸島を指す。", "title": "地理" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "日本の「歴史書」のなかで最も古いとされるものは「古事記」「日本書紀」で、これをもとに古代、神話伝承・帝史や国史が編纂されてきたが、そもそも記紀は、天皇家による日本国統治の正統性 (レジティマシー) を主張する書物であるというのが定説でもある。", "title": "日本の歴史書" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "執筆者の方はWikibooks:ウィキプロジェクト 日本史をご参照の上執筆いただければ幸いです。人名の表記ゆれなどをなくすためにもご活用ください。", "title": "執筆者へ" } ]
日本史では、日本の歴史について解説する書籍をまとめている。
{{History Title||日本の歴史}}{{Wikiversity|Topic:日本の歴史}} [[{{PAGENAME}}]]では、日本の歴史について解説する書籍をまとめている。 {{Clear}} {{進捗状況}} == 教育用歴史教科書 == * [[小学校社会/6学年/歴史編]] {{進捗|100%|2019-06-27}} ** [[小学校社会/6学年/歴史編/人物事典]] * [[中学受験社会/歴史]] {{進捗|100%|2019-08-29}} * [[中学校社会 歴史]] {{進捗|75%|2019-06-27}} ** [[中学校社会 歴史/用語集]] {{進捗|00%|2020-12-25}} * [[高等学校日本史]] {{進捗|00%|2019-06-27}} ** [[高等学校日本史A]] ** [[高等学校日本史B]] == 地理 == <blockquote>[[日本史 日本の風土と民族]]も参照のこと。</blockquote> 地理的に考察すると、北海道・本州・四国・九州、沖縄と周辺の諸島を指す。 == 日本の歴史書 == 日本の「歴史書」のなかで最も古いとされるものは「[[古事記]]」「[[日本書紀]]」で、これをもとに古代、神話伝承・帝史や国史が編纂されてきたが、そもそも記紀は、[[w:天皇家|天皇家]]による日本国統治の正統性 (レジティマシー) を主張する書物であるというのが定説でもある。 === 古代 === * [[古事記]] {{進捗|00%|2019-06-27}} * [[日本書紀]] {{進捗|00%|2019-06-27}} * [[続日本紀]] * [[日本後紀]] * [[続日本後紀]] * [[日本文徳天皇実録]] * [[日本三大実録]] * [[風土記]] {{進捗|00%|2019-06-27}} * [[大鏡]] === 中世 === * [[愚管抄]] * [[吾妻鏡]] {{進捗|00%|2019-06-27}} * [[神皇正統紀]] {{進捗|00%|2019-06-27}} === 近世 === * [[信長公記]] {{進捗|00%|2019-06-27}} * [[太閤記]] * [[本朝通鑑]] * [[徳川実紀]] * [[日本外史]] === 近代 === * [[大日本史]] {{進捗|00%|2019-06-27}} == 時代区分 == === [[日本史/原始|原始]] {{進捗|00%|2019-06-27}} === * [[日本史/原始/旧石器時代|旧石器時代]] {{進捗|25%|2019-06-27}} * [[日本史/原始/縄文時代|縄文時代]] {{進捗|25%|2019-06-27}} * [[日本史/原始/弥生時代|弥生時代]] (紀元前8世紀-3世紀) === [[日本史/古代|古代]] {{進捗|00%|2019-06-27}} === * [[日本史/古代/古墳時代|古墳時代]] (3世紀-593) {{進捗|00%|2019-06-27}} * [[日本史/古代/飛鳥時代|飛鳥時代]] (593-710) {{進捗|25%|2019-06-27}} * [[日本史/古代/奈良時代|奈良時代]] (710-794) {{進捗|00%|2019-06-27}} * [[日本史/古代/平安時代|平安時代]] (794-1185) {{進捗|00%|2019-06-27}} === [[日本史/中世|中世]] {{進捗|00%|2019-06-27}} === * [[日本史/中世/鎌倉時代|鎌倉時代]](1185-1333) {{進捗|00%|2019-06-27}} * [[日本史/中世/南北朝時代|南北朝時代]] (1333-1392) {{進捗|00%|2019-06-27}} * [[日本史/中世/室町時代|室町時代]] (1336-1573) {{進捗|00%|2019-06-27}} ** [[日本史/中世/戦国時代|戦国時代]](1495-1573) {{進捗|25%|2019-06-27}} === [[日本史/近世|近世]] {{進捗|00%|2019-06-27}} === * [[日本史/近世/安土桃山時代|安土桃山時代]](1573-1603) {{進捗|00%|2019-06-27}} * [[日本史/近世/江戸時代|江戸時代]] (1603-1868) {{進捗|25%|2019-06-27}} ** [[日本史/近世/江戸時代/前期|江戸前期]] {{進捗|00%|2019-06-27}} ** [[日本史/近世/江戸時代/中期|江戸中期]] {{進捗|00%|2019-06-27}} ** [[日本史/近世/江戸時代/後期|江戸後期]] {{進捗|00%|2019-06-27}} === [[日本史/近代|近代]] {{進捗|00%|2019-06-27}} === * [[日本史/近代/戦前|戦前]] (1868-1945){{進捗|50%|2019-06-27}} === [[日本史/現代|現代]] {{進捗|00%|2019-06-27}} === * [[日本史/現代/戦後|戦後]] (1945-現在({{進捗|75%|2019-06-27}} ** [[日本史/現代/連合国占領期|連合国占領期]] (1945-1952) {{進捗|25%|2019-06-27}} ** [[日本史/現代/戦後/復興期|復興期]] (1952-1955) ** [[日本史/現代/戦後/高度経済成長期|高度経済成長期]] (1955-1973) ** [[日本史/現代/戦後/安定経済成長期|安定経済成長期]] (1973-1991) ** [[日本史/現代/戦後/低成長期|低成長期]] (1991- ) == 日本における主な歴史観 == * [[w:皇国史観|皇国史観]] * [[w:邪馬台国#邪馬台国に関する論争|邪馬台国論争]] * [[w:日鮮同祖論|日鮮同祖論]] * [[w:唯物史観|唯物史観]] * [[w:陰謀史観|陰謀史観]] * [[w:会津観光史学|会津観光史学]] * 薩長史観([[w:王政復古|王政復古]]史観) * [[w:進歩史観|進歩史観]] * [[w:自慰史観|自慰史観]] * [[w:自由主義史観|自由主義史観]] * [[w:自虐史観|自虐史観]] * [[w:ホイッグ史観|ホイッグ史観]] * [[w:司馬史観|司馬史観]] * [[w:大塚史学|大塚史学]] * [[w:丸山政治学|丸山政治学]] == 執筆者へ == 執筆者の方は[[Wikibooks:ウィキプロジェクト 日本史]]をご参照の上執筆いただければ幸いです。人名の表記ゆれなどをなくすためにもご活用ください。 [[Category:日本の歴史|*]] {{NDC|210|にほんし}}
null
2020-12-25T03:07:25Z
[ "テンプレート:Clear", "テンプレート:進捗状況", "テンプレート:進捗", "テンプレート:NDC", "テンプレート:History Title", "テンプレート:Wikiversity" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2
572
高等学校の学習
ここでは、高校向けの書籍が中心です。2022年から高校の新課程が実施されたため、改訂作業に時間がかかっています。そのため、現在でも多くの科目で旧課程の教科書を見ななければならない状況です。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。もしよろしければ、改訂作業を手伝っていただけると幸いです。 高等学校の検定教科書 (2023-08-09) ※リンク先は、2022年以降入学された新高校1年生、新高校2年生で使う教科書です。 (現在、国語表現の内容は執筆途中です。また、原文執筆者の許可が下りない可能性が高いので、国語表現以外のウィキブックス教科書は省略します。) 関連項目 (現在、探究科目の教科書は執筆途中です。) (現在、新課程に対応する公民の教科書は執筆途中です。当面の間は/旧課程の教科書で代用してください) (2021年入学生までの旧課程に対応する数学の教科書は高等学校数学を参照してください) (現在、現行・新課程に対応する生物・地学・物理の教科書は執筆途中です。当面の間は/旧課程の教科書で代用してください。) (現在日本語版ウィキブックスには現行課程に対応する外国語科の教科書はありません。当面の間は/旧課程の教科書で代用してください) 関連項目 (現在日本語版ウィキブックスには新課程・現行課程に対応する家庭科の教科書は目次のみとなります。) 3~6単位(2単位まで減可)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ここでは、高校向けの書籍が中心です。2022年から高校の新課程が実施されたため、改訂作業に時間がかかっています。そのため、現在でも多くの科目で旧課程の教科書を見ななければならない状況です。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。もしよろしければ、改訂作業を手伝っていただけると幸いです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "高等学校の検定教科書 (2023-08-09)", "title": "高等学校の教科書目録一覧" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "※リンク先は、2022年以降入学された新高校1年生、新高校2年生で使う教科書です。", "title": "高等学校の教科書目録一覧" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "(現在、国語表現の内容は執筆途中です。また、原文執筆者の許可が下りない可能性が高いので、国語表現以外のウィキブックス教科書は省略します。)", "title": "普通教育に関する各教科・科目と標準単位数" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "関連項目", "title": "普通教育に関する各教科・科目と標準単位数" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "(現在、探究科目の教科書は執筆途中です。)", "title": "普通教育に関する各教科・科目と標準単位数" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "(現在、新課程に対応する公民の教科書は執筆途中です。当面の間は/旧課程の教科書で代用してください)", "title": "普通教育に関する各教科・科目と標準単位数" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "(2021年入学生までの旧課程に対応する数学の教科書は高等学校数学を参照してください)", "title": "普通教育に関する各教科・科目と標準単位数" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "(現在、現行・新課程に対応する生物・地学・物理の教科書は執筆途中です。当面の間は/旧課程の教科書で代用してください。)", "title": "普通教育に関する各教科・科目と標準単位数" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "(現在日本語版ウィキブックスには現行課程に対応する外国語科の教科書はありません。当面の間は/旧課程の教科書で代用してください)", "title": "普通教育に関する各教科・科目と標準単位数" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "関連項目", "title": "普通教育に関する各教科・科目と標準単位数" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "(現在日本語版ウィキブックスには新課程・現行課程に対応する家庭科の教科書は目次のみとなります。)", "title": "普通教育に関する各教科・科目と標準単位数" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "3~6単位(2単位まで減可)", "title": "普通教育に関する各教科・科目と標準単位数" } ]
ここでは、高校向けの書籍が中心です。2022年から高校の新課程が実施されたため、改訂作業に時間がかかっています。そのため、現在でも多くの科目で旧課程の教科書を見ななければならない状況です。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。もしよろしければ、改訂作業を手伝っていただけると幸いです。
{{半保護S}} {{Pathnav|メインページ|小学校・中学校・高等学校の学習|frame=1}} ここでは、高校向けの書籍が中心です。2022年から高校の新課程が実施されたため、改訂作業に時間がかかっています。そのため、現在でも多くの科目で[[高等学校の学習/旧課程|旧課程]]の教科書を見ななければならない状況です。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。もしよろしければ、改訂作業を手伝っていただけると幸いです。 __TOC__ {{進捗状況}} == 高等学校の教科書目録一覧 == [[高等学校の検定教科書|高等学校の検定教科書]]{{進捗|100%|2023-08-09}} ※リンク先は、2022年以降入学された新高校1年生、新高校2年生で使う教科書です。 == 普通教育に関する各教科・科目と標準単位数 == === [[高等学校国語|国語]] === ==== 新課程 ==== (現在、国語表現の内容は執筆途中です。また、原文執筆者の許可が下りない可能性が高いので、国語表現以外のウィキブックス教科書は省略します。) * 高等学校現代の国語 * 高等学校言語文化 * [[高等学校国語表現|国語表現]] {{進捗|25%|2022-10-29}} * 高等学校論理国語 * 高等学校文学国語 * 高等学校古典探究 ==== 旧課程 ==== * [[高等学校国語総合|国語総合]] 4単位{{進捗|25%|2014-12-23}} * [[高等学校国語表現|国語表現]] 3単位 * [[高等学校現代文A|現代文A]] 2単位{{進捗|00%|2012-12-21}} * [[高等学校現代文B|現代文B]] 4単位 {{進捗|00%|2014-11-24}} * [[高等学校古典A|古典A]] 2単位 {{進捗|25%|2012-12-21}} * [[高等学校古典B|古典B]] 4単位 {{進捗|25%|2014-12-22}} '''関連項目''' * [[高等学校古文]] === [[高等学校地理歴史|地理歴史]] === (現在、探究科目の教科書は執筆途中です。) ==== 新課程 ==== * [[高等学校歴史総合|歴史総合]] 2単位 {{進捗|100%|2023-03-05}} * [[高等学校地理総合|地理総合]] 2単位 {{進捗|25%|2022-09-15}} * [[高等学校世界史探究|世界史探究]] 3単位 {{進捗|25%|2022-12-26}} * [[高等学校日本史探究|日本史探究]] 3単位 {{進捗|25%|2023-07-31}} * [[高等学校地理探究|地理探究]] 3単位 {{進捗|25%|2023-03-22}} ==== 旧課程 ==== * [[高等学校世界史A|世界史A]] 2単位 {{進捗|50%|2012-12-21}} * [[高等学校世界史B|世界史B]] 4単位 {{進捗|75%|2018-05-04}} * [[高等学校日本史A|日本史A]] 2単位{{進捗|00%|2018-07-31}} * [[高等学校日本史B|日本史B]] 4単位 {{進捗|50%|2018-06-06}} * [[高等学校地理A|地理A]] 2単位 * [[高等学校地理B|地理B]] 4単位 {{進捗|25%|2022-09-14}} ===[[高等学校公民|公民]]=== (現在、新課程に対応する公民の教科書は執筆途中です。当面の間は[[/旧課程|/旧課程]]の教科書で代用してください) ==== 新旧課程共通 ==== * [[高等学校政治経済|政治経済]] 2単位{{進捗|50%|2023-03-22}} * [[高等学校倫理|倫理]] 2単位 {{進捗|25%|2022-11-20}} ==== 旧課程 ==== * [[高等学校現代社会|現代社会]] 2単位 {{進捗|25%|2013-09-30}} ==== 新課程 ==== * [[高等学校公共|公共]] {{進捗|25%|2022-09-08}} === [[高等学校数学|数学]] === (2021年入学生までの旧課程に対応する数学の教科書は[[高等学校数学]]を参照してください) * [[新課程高等学校数学I|数学I]] 3単位 * [[新課程高等学校数学II|数学II]] 4単位 * [[新課程高等学校数学III|数学III]] 3単位 * [[新課程高等学校数学A|数学A]] 2単位 * [[新課程高等学校数学B|数学B]] 2単位 * [[新課程高等学校数学C|数学C]] 2単位 === [[高等学校理科|理科]] === (現在、現行・新課程に対応する生物・地学・物理の教科書は執筆途中です。当面の間は[[/旧課程|/旧課程]]の教科書で代用してください。) * [[高等学校 科学と人間生活|科学と人間生活]] 2単位 * [[高等学校理科 物理基礎|物理基礎]] 2単位 {{進捗|50%|2023-07-24}} * [[高等学校理科 化学基礎|化学基礎]] 2単位 * [[高等学校 生物基礎|生物基礎]] 2単位 * [[高等学校 地学基礎|地学基礎]] 2単位 * [[高等学校 物理|物理]] 4単位 {{進捗|25%|2022-06-27}} * [[高等学校 化学|化学]] 4単位 {{進捗|100%|2022-11-5}} * [[高等学校 生物|生物]] 4単位 {{進捗|50%|2022-11-18}} * [[高等学校 地学|地学]] 4単位 {{進捗|25%|2022-11-18}} * [[高等学校 理科課題研究|理科課題研究]] 1単位 * [[高等学校 理数探究基礎|理数探究基礎]] 1単位{{進捗|00%|2023-00-00}} === [[高等学校外国語|外国語]] === (現在日本語版ウィキブックスには現行課程に対応する外国語科の教科書はありません。当面の間は[[/旧課程|/旧課程]]の教科書で代用してください) * 英語コミュニケーションⅠ 3単位 * 英語コミュニケーションⅡ 4単位 * 英語コミュニケーションⅢ 4単位 * 論理・表現Ⅰ 2単位 * 論理・表現Ⅱ 2単位 * 論理・表現Ⅲ 2単位 * 英語以外の外国語に関する科目 '''関連項目''' * [[高校英語の文法]] === [[高等学校保健体育|保健体育]] === * [[中学校高等学校保健体育実技編|実技編]] 7~8単位 {{進捗|00%|2023-00-00}} * [[高等学校保健体育座学編|座学編]] 2単位 {{進捗|25%|2023-05-21}} === [[高等学校芸術|芸術]] === * [[高等学校音楽I|音楽I]] 2単位 * [[高等学校美術I|美術I]] 2単位 * [[高等学校工芸I|工芸I]] 2単位 * [[高等学校書道I|書道I]] 2単位 === [[高等学校家庭|家庭]] === (現在日本語版ウィキブックスには新課程・現行課程に対応する家庭科の教科書は目次のみとなります。) * [[高等学校家庭基礎|家庭基礎]] 2単位 {{進捗|00%|2013-09-30}} * [[高等学校家庭総合|家庭総合]] 4単位{{進捗|00%|2022-11-26}} * 生活デザイン 4単位 === [[高等学校情報|情報]] === ==== 新課程 ==== * [[高等学校情報Ⅰ|情報Ⅰ]] 2単位 * [[高等学校情報Ⅱ|情報Ⅱ]] 2単位 ==== 旧課程 ==== * [[高等学校情報/社会と情報|社会と情報]] 2単位 {{進捗|25%|2016-06-10}} * [[高等学校情報/情報の科学|情報の科学]] 2単位 {{進捗|25%|2016-06-10}} === [[総合的な学習の時間]] === 3~6単位(2単位まで減可) == 専門教育に関する各教科 == * [[高等学校農業]] {{進捗|00%|2013-09-30}} * [[高等学校工業]] {{進捗|25%|2013-09-23}} * [[高等学校商業]] {{進捗|00%|2013-09-30}} * [[高等学校水産]] {{進捗|00%|2013-09-30}} * [[高等学校家庭]] {{進捗|00%|2013-09-30}} * [[高等学校看護]] {{進捗|00%|2013-09-30}} * [[高等学校情報]] {{進捗|00%|2013-09-30}} * [[高等学校福祉]] {{進捗|25%|2022-08-06}} * [[高等学校理数]] {{進捗|00%|2013-09-30}} * [[高等学校体育]] {{進捗|00%|2013-09-30}} * [[高等学校音楽]] {{進捗|00%|2013-09-30}} * [[高等学校美術]] {{進捗|00%|2013-09-30}} * [[高等学校英語]] {{進捗|00%|2013-09-30}} == 特別活動 == * [[高等学校ホームルーム活動]] * [[高等学校生徒会活動・委員会活動]] * [[高等学校学校行事]] == 課外活動 == * [[高等学校部活動]] {{進捗|25%|2013-09-30}} * [[高等学校ボランティア活動]] == 関連項目 == * [[高校生活ガイド]] * [[大学受験ガイド]] {{進捗|25%|2013-09-30}} * [[学習方法#高等学校|学習方法]] [[Category:高等学校教育|*]]
2004-08-22T13:31:06Z
2023-08-08T20:51:08Z
[ "テンプレート:半保護S", "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:進捗状況", "テンプレート:進捗" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%AE%E5%AD%A6%E7%BF%92
573
日本の大学受験ガイド
本校では主に大学入試の入試制度の説明や、各大学別の入試傾向などの説明へのリンクを置く。勉強法や進路の検討などについては別記事 日本の大学受験ガイド/総論 で扱うこととする。 本項記載においては、以下の点に留意し記載されるようお願いします。これに反する記載については除去されることがありますのでご注意ください。 本章は Wikibooks:談話室 における 2009年6月20日 (土) 16:33 (UTC) 版までの議論にて合意された事項です。合意なき除去改変を禁じます。 国公立大学の一般入試では原則的に共通テストの受験を必須とするとともに、多くの学部(学科)において個別学力検査(いわゆる二次試験。共テと対比される形でよく用いられる語である)が実施され、それぞれの結果を総合して合格者が決定される。 ただし、一部の国立大学や医学部医学科において、共通テストの成績が一定の基準に満たない志願者を不合格とする二段階選抜が行われることがある(いわゆる足切り・門前払い)。ここで不合格になると、不戦敗の形で出願先の大学受験が終了することとなる(受験料は一部返還される)。志願者数があらかじめ決められた倍率を超えた場合に実施する大学や、事前に最低点(具体値や志願者平均点に対する割合)を定めている大学などがあるが、二段階選抜が実施された場合、共テの成績が基準を満たした志願者のみが第二段階となる二次試験を受験することができる。 国立大学の共通テストは、原則として5教科7科目(理系は英語・数学(1)(2)・国語・理科×2・地歴公民×1、文系は英語・数学(1)(2)・国語・理科×1・地歴公民×2)を課すことで広範囲にわたる学力をテストすることが一般的であり、オールラウンドな学力が要求されている。このため、入学定員の大半を選抜するための入試形態(後に述べる分離・分割方式の前期日程)においては、ほとんどの国立大学が5教科7科目を課す選抜方式を採っている。加えて、入学定員の極少数を選抜するための入試形態(後に述べる分離・分割方式の後期日程)において、例外的に課す教科数を4教科以下にまで減少させる選抜方式を併設することによって受験生を異なる尺度で選抜し入学者の多様性を保っている国立大学が多く見られる。 公立大学の共通テストも基本的には国立大学に準じている。ただし、国立大学に比べると課す教科数を減少させて4教科以下を課すことを原則とする大学が比較的多く見られる。その為、国立大学受験生よりは、試験科目が少ない分負担が少ないことが多い。 国公立大学の二次試験は一般的に分離・分割方式と呼ばれる制度で実施される。すなわち、同じ大学での二次試験を前期日程と後期日程に「分離」し、同じ学部(学科)の定員をそれぞれの日程で「分割」する方式である。前期日程では2~3教科、後期日程では1~2教科の学科試験を課すのが主流であるほか、特に後期日程で小論文や面接などを課す大学も多い。また、公立大学の一部の学部(学科)では中期日程という形で二次試験を行うところもある。したがって、この中期日程を含めれば、前期・中期・後期と国公立大学を最大3校3学部受験できることになる。また、学科試験は記述式の設問が中心であることが特徴である。つまり、答のみを解答する共通テストや私立大学のマークセンス試験と異なり、単に答のみでなく、その答に至るまでの正確な過程や考察も求める問題が非常に多く、より高度な学力が要求されているとも言える。 なお、同じ日程で複数の国公立大学を受験することはできない。さらに、前期日程で合格し入学手続きを行うと、中期・後期日程の大学には二次試験を受けても合格対象から外される。定員配分も多くの大学において前期日程に圧倒的に多く配分しているため、制度上複数回受験することができるものの、後期日程は二次募集的な意味合いが強いと言えるだろう。 ただし国際教養大学と新潟県立大学においては独自に日程を用意している。他大学とも併願が可能なため、これらの大学を受けるとすれば、最大6回受験することができることになる。 後期日程の合格発表後、定員を満たせなかった学部(学科)では3月末~4月初旬にかけて、追加募集として特別入試を実施する場合がある。 大学によって、受験時に目的の学部(学科)を選択する場合と、受験時は類を選択するのみで入学後しばらくして学部に振り分けられる場合がある(東京大学など)。例えば東京大学の場合、2年生までは全員が教養学部前期課程に所属し、3年進級時点で、入学時の文科一類~理科三類の区分におおむね従う形で、各学部に分かれる。 国立大学に対し、私立大学の一般入試では、共通テストの受験を義務とせず、理系であれば英語・数学・理科(基本は化学、生物、物理の中から1~2科目。但し、大学や学部によっては受験できない科目もある)の3~4科目、文系であれば英語・国語・地歴公民、または数学(基本は日本史、世界史、地理、政治経済、数学から1科目。但し、大学や学部によっては受験できない科目もある)の3科目を課すことが基本である。国立大学受験生がセンター試験5教科7科目、更に大学別個別試験(2次試験)を受験しなければならないことを考えると、私立大学受験生の受験科目数は非常に少ない。その代わり、特に競争の激しい私大になると個々の科目を深く学ばねばならないので、必ずしも負担が軽減されているとは言えない。むしろ、その分1科目毎の失敗が許されずリスクを背負うことになるので、かえって大変になるとも、考えることができる。 ほとんどの私立大学では、遠方に住んでいる受験生のために、本学以外に受験会場を用意する地方受験を実施している。 国公立大学の2次試験が記述形式が中心であるのに対し、私立大学は答のみを求めるマークセンス形式が中心である(私立大学の受験生は、国公立大学と比較すると多めである為、採点の手間を省く為だと思われる)。但し、上位私大になると記述形式でない分、試験時間が短く、相当の学力がないと試験時間に回答できない量の問題が出題されるため一概に受験生の負担が軽くなるわけではない。 国公立大学の分離・分割方式と呼ばれる制度(前期日程、中期日程、後期日程)は採用されておらず、同じ大学でも別々の大学でも、日程さえ異なれば複数の学部を受験可能であり、受験可能大学・学部の数が国公立大学(最大3校3学部)と異なり限定されていない。 一般入試以外にも、共通テスト利用入試をほとんどの私立大学が実施している。これは、共通テストの結果、もしくはそれと国公立大学の2次試験に相当する個別試験の総合結果で、合否を決めるものだ。 共通テスト利用入試を実施していない私立大学は学習院大学、慶應義塾大学、国際基督教大学、上智大学などの一部の私大に限られる。また、早稲田大学の理工学部や教育学部のように学部によっては利用不可な場合もあるので、共テ利用入試を利用するつもりの受験生は事前に志望校の志望学部が実施しているか調べる必要がある。 多くの私立大学は、系列高校からの内部推薦・指定校推薦・AO入試など多様な入試方式を採っており、一般の入学試験を突破してきたものとこれらの多様な入試方式による進学者数は、ほぼ同じである大学が多く、推薦入学者の質について度々議論されている。 2020年1月をもって、センター試験は共通テストに移行しました。現在共通テスト関連は整備中です。 2020年以降、少なくない私立大学で、防犯などのため、校内または構内(建物内)への入場規制が行われています。昭和や平成の時代は、かつては共学の大学なら、授業中の教室以外なら気軽に大学に入場できましたが、現代は共学でも入場が規制されている大学もあります。 もっとも、正確に言えば、平成のころから関係者以外の入場は規制されていたのですが、しかし昔は放任されていました。(なので、「モグリ」学生なんて言葉もあったくらいです。在学生以外で、在学生のフリして授業を聞いたり食堂でメシを食ったりする人、という意味です。) ともかく、2020年以降、大学の敷地内に入場したい場合、事前に予約が必要になっている大学もありますので、各大学のwebサイトで確認してください。 また、大学に限ったことではないのですが、一般に入口などにある受付けでの記帳などが必要です。 あるいは、私大なら、その私大主催の大学見学会などのイベントもありますので、そういうのを利用してください。 ほか、定期テストの入試期間中、その前後などは、部外者のキャンパス内への入構を断られます。 年度の後半など、推薦入試や総合型選抜などの入試の日程とも重なる場合もあって入場が困難な場合もあります。新共通試験(センター試験)の入場規制も忘れてはいけません。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本校では主に大学入試の入試制度の説明や、各大学別の入試傾向などの説明へのリンクを置く。勉強法や進路の検討などについては別記事 日本の大学受験ガイド/総論 で扱うこととする。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "本項記載においては、以下の点に留意し記載されるようお願いします。これに反する記載については除去されることがありますのでご注意ください。", "title": "本項記載における注意事項" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "本章は Wikibooks:談話室 における 2009年6月20日 (土) 16:33 (UTC) 版までの議論にて合意された事項です。合意なき除去改変を禁じます。", "title": "本項記載における注意事項" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "国公立大学の一般入試では原則的に共通テストの受験を必須とするとともに、多くの学部(学科)において個別学力検査(いわゆる二次試験。共テと対比される形でよく用いられる語である)が実施され、それぞれの結果を総合して合格者が決定される。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "ただし、一部の国立大学や医学部医学科において、共通テストの成績が一定の基準に満たない志願者を不合格とする二段階選抜が行われることがある(いわゆる足切り・門前払い)。ここで不合格になると、不戦敗の形で出願先の大学受験が終了することとなる(受験料は一部返還される)。志願者数があらかじめ決められた倍率を超えた場合に実施する大学や、事前に最低点(具体値や志願者平均点に対する割合)を定めている大学などがあるが、二段階選抜が実施された場合、共テの成績が基準を満たした志願者のみが第二段階となる二次試験を受験することができる。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "国立大学の共通テストは、原則として5教科7科目(理系は英語・数学(1)(2)・国語・理科×2・地歴公民×1、文系は英語・数学(1)(2)・国語・理科×1・地歴公民×2)を課すことで広範囲にわたる学力をテストすることが一般的であり、オールラウンドな学力が要求されている。このため、入学定員の大半を選抜するための入試形態(後に述べる分離・分割方式の前期日程)においては、ほとんどの国立大学が5教科7科目を課す選抜方式を採っている。加えて、入学定員の極少数を選抜するための入試形態(後に述べる分離・分割方式の後期日程)において、例外的に課す教科数を4教科以下にまで減少させる選抜方式を併設することによって受験生を異なる尺度で選抜し入学者の多様性を保っている国立大学が多く見られる。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "公立大学の共通テストも基本的には国立大学に準じている。ただし、国立大学に比べると課す教科数を減少させて4教科以下を課すことを原則とする大学が比較的多く見られる。その為、国立大学受験生よりは、試験科目が少ない分負担が少ないことが多い。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "国公立大学の二次試験は一般的に分離・分割方式と呼ばれる制度で実施される。すなわち、同じ大学での二次試験を前期日程と後期日程に「分離」し、同じ学部(学科)の定員をそれぞれの日程で「分割」する方式である。前期日程では2~3教科、後期日程では1~2教科の学科試験を課すのが主流であるほか、特に後期日程で小論文や面接などを課す大学も多い。また、公立大学の一部の学部(学科)では中期日程という形で二次試験を行うところもある。したがって、この中期日程を含めれば、前期・中期・後期と国公立大学を最大3校3学部受験できることになる。また、学科試験は記述式の設問が中心であることが特徴である。つまり、答のみを解答する共通テストや私立大学のマークセンス試験と異なり、単に答のみでなく、その答に至るまでの正確な過程や考察も求める問題が非常に多く、より高度な学力が要求されているとも言える。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "なお、同じ日程で複数の国公立大学を受験することはできない。さらに、前期日程で合格し入学手続きを行うと、中期・後期日程の大学には二次試験を受けても合格対象から外される。定員配分も多くの大学において前期日程に圧倒的に多く配分しているため、制度上複数回受験することができるものの、後期日程は二次募集的な意味合いが強いと言えるだろう。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "ただし国際教養大学と新潟県立大学においては独自に日程を用意している。他大学とも併願が可能なため、これらの大学を受けるとすれば、最大6回受験することができることになる。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "後期日程の合格発表後、定員を満たせなかった学部(学科)では3月末~4月初旬にかけて、追加募集として特別入試を実施する場合がある。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "大学によって、受験時に目的の学部(学科)を選択する場合と、受験時は類を選択するのみで入学後しばらくして学部に振り分けられる場合がある(東京大学など)。例えば東京大学の場合、2年生までは全員が教養学部前期課程に所属し、3年進級時点で、入学時の文科一類~理科三類の区分におおむね従う形で、各学部に分かれる。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "国立大学に対し、私立大学の一般入試では、共通テストの受験を義務とせず、理系であれば英語・数学・理科(基本は化学、生物、物理の中から1~2科目。但し、大学や学部によっては受験できない科目もある)の3~4科目、文系であれば英語・国語・地歴公民、または数学(基本は日本史、世界史、地理、政治経済、数学から1科目。但し、大学や学部によっては受験できない科目もある)の3科目を課すことが基本である。国立大学受験生がセンター試験5教科7科目、更に大学別個別試験(2次試験)を受験しなければならないことを考えると、私立大学受験生の受験科目数は非常に少ない。その代わり、特に競争の激しい私大になると個々の科目を深く学ばねばならないので、必ずしも負担が軽減されているとは言えない。むしろ、その分1科目毎の失敗が許されずリスクを背負うことになるので、かえって大変になるとも、考えることができる。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "ほとんどの私立大学では、遠方に住んでいる受験生のために、本学以外に受験会場を用意する地方受験を実施している。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "国公立大学の2次試験が記述形式が中心であるのに対し、私立大学は答のみを求めるマークセンス形式が中心である(私立大学の受験生は、国公立大学と比較すると多めである為、採点の手間を省く為だと思われる)。但し、上位私大になると記述形式でない分、試験時間が短く、相当の学力がないと試験時間に回答できない量の問題が出題されるため一概に受験生の負担が軽くなるわけではない。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "国公立大学の分離・分割方式と呼ばれる制度(前期日程、中期日程、後期日程)は採用されておらず、同じ大学でも別々の大学でも、日程さえ異なれば複数の学部を受験可能であり、受験可能大学・学部の数が国公立大学(最大3校3学部)と異なり限定されていない。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "一般入試以外にも、共通テスト利用入試をほとんどの私立大学が実施している。これは、共通テストの結果、もしくはそれと国公立大学の2次試験に相当する個別試験の総合結果で、合否を決めるものだ。 共通テスト利用入試を実施していない私立大学は学習院大学、慶應義塾大学、国際基督教大学、上智大学などの一部の私大に限られる。また、早稲田大学の理工学部や教育学部のように学部によっては利用不可な場合もあるので、共テ利用入試を利用するつもりの受験生は事前に志望校の志望学部が実施しているか調べる必要がある。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "多くの私立大学は、系列高校からの内部推薦・指定校推薦・AO入試など多様な入試方式を採っており、一般の入学試験を突破してきたものとこれらの多様な入試方式による進学者数は、ほぼ同じである大学が多く、推薦入学者の質について度々議論されている。", "title": "受験のシステム" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "2020年1月をもって、センター試験は共通テストに移行しました。現在共通テスト関連は整備中です。", "title": "入試対策" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "2020年以降、少なくない私立大学で、防犯などのため、校内または構内(建物内)への入場規制が行われています。昭和や平成の時代は、かつては共学の大学なら、授業中の教室以外なら気軽に大学に入場できましたが、現代は共学でも入場が規制されている大学もあります。", "title": "大学見学の規制強化に注意" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "もっとも、正確に言えば、平成のころから関係者以外の入場は規制されていたのですが、しかし昔は放任されていました。(なので、「モグリ」学生なんて言葉もあったくらいです。在学生以外で、在学生のフリして授業を聞いたり食堂でメシを食ったりする人、という意味です。)", "title": "大学見学の規制強化に注意" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "ともかく、2020年以降、大学の敷地内に入場したい場合、事前に予約が必要になっている大学もありますので、各大学のwebサイトで確認してください。", "title": "大学見学の規制強化に注意" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "また、大学に限ったことではないのですが、一般に入口などにある受付けでの記帳などが必要です。", "title": "大学見学の規制強化に注意" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "あるいは、私大なら、その私大主催の大学見学会などのイベントもありますので、そういうのを利用してください。", "title": "大学見学の規制強化に注意" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "", "title": "大学見学の規制強化に注意" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "ほか、定期テストの入試期間中、その前後などは、部外者のキャンパス内への入構を断られます。", "title": "大学見学の規制強化に注意" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "年度の後半など、推薦入試や総合型選抜などの入試の日程とも重なる場合もあって入場が困難な場合もあります。新共通試験(センター試験)の入場規制も忘れてはいけません。", "title": "大学見学の規制強化に注意" } ]
本校では主に大学入試の入試制度の説明や、各大学別の入試傾向などの説明へのリンクを置く。勉強法や進路の検討などについては別記事 日本の大学受験ガイド/総論 で扱うこととする。
{{Pathnav|メインページ|小学校・中学校・高等学校の学習|受験ガイド|大学受験ガイド|frame=1}} ---- 本校では主に大学入試の入試制度の説明や、各大学別の入試傾向などの説明へのリンクを置く。勉強法や進路の検討などについては別記事 [[日本の大学受験ガイド/総論]] で扱うこととする。 == 本項記載における注意事項 == 本項記載においては、以下の点に留意し記載されるようお願いします。これに反する記載については除去されることがありますのでご注意ください。 *日本の大学受験ガイドの個別大学受験対策においては、各大学の受験に関するガイドについて記述します。各大学の特色等学校案内や学校紹介については、受験対策と直接の関係があることを除いては、ここには記載しないようにし、適宜、wikipedia他へのリンクなどで対応してください。 *記載においては、客観的・検証可能な内容を記述するよう努め、特に以下の表現は原則として使用しないよう、配慮してください。 **'''「名門」「重鎮」「難関」「優秀」「逸材を輩出」「……期待を集める」「……とされている」「……といわれている」「……と称されている」「有名大学」「難易度が高い」''' **ただし、「[[w:代々木ゼミナール|代々木ゼミナール]]・[[w:河合塾|河合塾]]・[[w:駿台予備校|駿台予備校]]などの大学受験[[w:予備校|予備校]]では難関校という評価をされていることがある」のように具体的な「どこでいわれるか」ということを明記すれば掲載可能です。ただし、そのような論評の存在について、引用やURLを示すなど、実在性について担保してください。さらに、その際においては、著作権等の権利関係について十分な配慮をするようにお願いします。 **ある特定大学のページで入試問題で他大学の入試問題にも似た傾向の問題が有るのでやっておくことが好ましい(例:「〇〇大対策」のページで「△△大や□□大にも似た傾向の問題が有るので、こちらの大学もやっておくことが好ましい」etc)等の表記が有るが、似たような問題や似た傾向の問題は沢山ある。こういったことを書くとキリがないし、特定大学対策のページを作る意味そのものが失われてしまう。記載はその大学に特化した内容やネタだけとして頂くよう、お願い致します(「〇〇大対策」のページでは専ら〇〇大の対策の話、「△△大対策」のページでは専ら△△大の対策の話)。他大学の似たような問題や似た傾向の問題があることを知っていても、あくまでそれは他大学のことなので、触れる必要は有りません。 *'''「○○大学と同レベルである」「○○大学とランクは変わらない」などと言った他の大学と対比させる表現は、大学同士が認めている姉妹校関係や大学が公式に認めている共通している内容を除いて掲載しないようにしてください。''' 本章は [[{{ns:project}}:談話室]] における <span class="plainlinks" title="Wikibooks:談話室#個別大学入試対策の記述内容について">[{{fullurl:{{NAMESPACE}}:{{BASEPAGENAME}}|oldid=48427}}#{{anchorencode:個別大学入試対策の記述内容について}} 2009年6月20日 (土) 16:33 (UTC) 版]</span>までの議論にて合意された事項です。合意なき除去改変を禁じます。 == 受験のシステム == ===国公立大学の一般入試=== [[w:国公立大学|国公立大学]]の一般入試では原則的に[[w:共通テスト|共通テスト]]の受験を必須とするとともに、多くの[[w:学部|学部]]([[w:学科 (学校)|学科]])において個別学力検査(いわゆる'''二次試験'''。共テと対比される形でよく用いられる語である)が実施され、それぞれの結果を総合して合格者が決定される。 ただし、一部の国立大学や[[w:医学部|医学部]]医学科において、共通テストの成績が一定の基準に満たない志願者を不合格とする'''二段階選抜'''が行われることがある(いわゆる'''足切り'''・'''門前払い''')。ここで不合格になると、不戦敗の形で出願先の大学受験が終了することとなる(受験料は一部返還される)。志願者数があらかじめ決められた倍率を超えた場合に実施する大学や、事前に最低点(具体値や志願者平均点に対する割合)を定めている大学などがあるが、二段階選抜が実施された場合、共テの成績が基準を満たした志願者のみが第二段階となる二次試験を受験することができる。 [[w:国立大学|国立大学]]の共通テストは、原則として5[[w:教科|教科]]7[[w:科目|科目]](理系は英語・数学(1)(2)・国語・理科×2・地歴公民×1、文系は英語・数学(1)(2)・国語・理科×1・地歴公民×2)を課すことで広範囲にわたる学力をテストすることが一般的であり、'''オールラウンドな学力が要求されている。'''このため、入学定員の大半を選抜するための入試形態(後に述べる分離・分割方式の前期日程)においては、ほとんどの国立大学が5教科7科目を課す選抜方式を採っている。加えて、入学定員の極少数を選抜するための入試形態(後に述べる分離・分割方式の後期日程)において、例外的に課す教科数を4教科以下にまで減少させる選抜方式を併設することによって受験生を異なる尺度で選抜し入学者の多様性を保っている国立大学が多く見られる。 [[w:公立大学|公立大学]]の共通テストも基本的には国立大学に準じている。ただし、国立大学に比べると課す教科数を減少させて4教科以下を課すことを原則とする大学が比較的多く見られる。その為、国立大学受験生よりは、試験科目が少ない分負担が少ないことが多い。 国公立大学の二次試験は一般的に'''分離・分割方式'''と呼ばれる制度で実施される。すなわち、同じ大学での二次試験を'''前期日程'''と'''後期日程'''に「分離」し、同じ学部(学科)の定員をそれぞれの日程で「分割」する方式である。前期日程では2~3教科、後期日程では1~2教科の学科試験を課すのが主流であるほか、特に後期日程で[[w:論文#小論文|小論文]]や[[w:面接|面接]]などを課す大学も多い。また、公立大学の一部の学部(学科)では'''中期日程'''という形で二次試験を行うところもある。したがって、この中期日程を含めれば、前期・中期・後期と国公立大学を'''最大3校3学部'''受験できることになる。また、学科試験は記述式の設問が中心であることが特徴である。つまり、答のみを解答する共通テストや私立大学のマークセンス試験と異なり、単に答のみでなく、その答に至るまでの正確な過程や考察も求める問題が非常に多く、'''より高度な学力が要求されている'''とも言える。 なお、同じ日程で複数の国公立大学を受験することはできない。さらに、前期日程で合格し入学手続きを行うと、中期・後期日程の大学には二次試験を受けても合格対象から外される。定員配分も多くの大学において前期日程に圧倒的に多く配分しているため、制度上複数回受験することができるものの、後期日程は二次募集的な意味合いが強いと言えるだろう。 ただし国際教養大学と新潟県立大学においては独自に日程を用意している。他大学とも併願が可能なため、これらの大学を受けるとすれば、最大6回受験することができることになる。 後期日程の合格発表後、定員を満たせなかった学部(学科)では3月末~4月初旬にかけて、追加募集として特別入試を実施する場合がある。 大学によって、受験時に目的の[[w:学部|学部]](学科)を選択する場合と、受験時は類を選択するのみで入学後しばらくして学部に振り分けられる場合がある([[w:東京大学|東京大学]]など)。例えば東京大学の場合、2年生までは全員が[[w:教養学部|教養学部]]前期課程に所属し、3年進級時点で、入学時の文科一類~理科三類の区分におおむね従う形で、各学部に分かれる。 ===私立大学の一般入試=== 国立大学に対し、[[w:私立大学|私立大学]]の一般入試では、共通テストの受験を義務とせず、理系であれば英語・数学・理科(基本は化学、生物、物理の中から1~2科目。但し、大学や学部によっては受験できない科目もある)の3~4科目、文系であれば英語・国語・地歴公民、または数学(基本は日本史、世界史、地理、政治経済、数学から1科目。但し、大学や学部によっては受験できない科目もある)の3科目を課すことが基本である。国立大学受験生がセンター試験5教科7科目、更に大学別個別試験(2次試験)を受験しなければならないことを考えると、'''私立大学受験生の受験科目数は非常に少ない。その代わり、特に競争の激しい<!--これでも控えめ-->私大になると個々の科目を深く学ばねばならないので、必ずしも負担が軽減されているとは言えない。むしろ、その分1科目毎の失敗が許されずリスクを背負うことになるので、かえって大変になるとも、考えることができる。''' ほとんどの私立大学では、遠方に住んでいる受験生のために、本学以外に受験会場を用意する地方受験を実施している。 国公立大学の2次試験が記述形式が中心であるのに対し、私立大学は答のみを求めるマークセンス形式が中心である(私立大学の受験生は、国公立大学と比較すると多めである為、採点の手間を省く為だと思われる)。但し、上位私大になると記述形式でない分、試験時間が短く、相当の学力がないと試験時間に回答できない量の問題が出題されるため一概に受験生の負担が軽くなるわけではない。 国公立大学の分離・分割方式と呼ばれる制度(前期日程、中期日程、後期日程)は採用されておらず、同じ大学でも別々の大学でも、日程さえ異なれば複数の学部を受験可能であり、'''受験可能大学・学部の数が国公立大学(最大3校3学部)と異なり限定されていない。''' 一般入試以外にも、'''共通テスト利用入試'''をほとんどの私立大学が実施している。これは、共通テストの結果、もしくはそれと国公立大学の2次試験に相当する個別試験の総合結果で、合否を決めるものだ。 共通テスト利用入試を実施していない私立大学は[[w:学習院大学|学習院大学]]、[[w:慶應義塾大学|慶應義塾大学]]、[[w:国際基督教大学|国際基督教大学]]、[[w:上智大学|上智大学]]などの一部の私大に限られる。また、[[w:早稲田大学|早稲田大学]]の理工学部や教育学部のように学部によっては利用不可な場合もあるので、共テ利用入試を利用するつもりの受験生は事前に志望校の志望学部が実施しているか調べる必要がある。 多くの私立大学は、系列高校からの内部推薦・指定校推薦・AO入試など多様な入試方式を採っており、一般の入学試験を突破してきたものとこれらの多様な入試方式による進学者数は、ほぼ同じである大学が多く、推薦入学者の質について度々議論されている。 ==入試対策== ===国立大対策=== ====北海道・東北地方の国立大==== *[[北海道大対策]] *[[北海道教育大対策]] *[[旭川医科大対策]] *[[室蘭工業大対策]] *[[北見工業大対策]] *[[弘前大対策]] *[[秋田大対策]] *[[東北大対策]] *[[山形大対策]] *[[岩手大対策]] *[[福島大対策]] ====関東地方の国立大==== *[[茨城大対策]] *[[筑波大対策]] *[[宇都宮大対策]] *[[群馬大対策]] *[[埼玉大対策]] *[[千葉大対策]] *[[電気通信大対策]] *[[東大対策|東京大対策]] *[[東京外国語大対策]] *[[東京学芸大対策]] *[[東京医科歯科大対策]] *[[東工大対策|東京工業大対策]] *[[東京農工大対策]] *[[一橋大対策]] *[[横浜国立大対策]] ====中部地方の国立大==== *[[新潟大対策]] *[[長岡技術科学大対策]] *[[金沢大対策]] *[[信州大対策]] *[[静岡大対策]] *[[岐阜大対策]] *[[浜松医科大対策]] *[[愛知教育大対策]] *[[名古屋大対策]] *[[名古屋工業大対策]] *[[豊橋技術科学大対策]] *[[三重大対策]] ====近畿地方の国立大==== *[[滋賀大対策]] *[[滋賀医科大対策]] *[[京大対策|京都大対策]] *[[阪大対策|大阪大対策]] *[[大阪教育大対策]] *[[神戸大対策]] *[[和歌山大対策]] ====中国・四国地方の国立大==== *[[鳥取大対策]] *[[島根大対策]] *[[岡山大対策]] *[[広島大対策]] *[[山口大対策]] *[[徳島大対策]] *[[香川大対策]] *[[愛媛大対策]] *[[高知大対策]] ====九州・沖縄地方の国立大==== *[[九大対策|九州大対策]] *[[九州工業大対策]] *[[長崎大対策]] *[[熊本大対策]] *[[大分大対策]] *[[鹿児島大対策]] *[[琉球大対策]] ===公立大対策=== ====北海道・東北地方の公立大==== *[[釧路公立大対策]] *[[公立千歳科学技術大対策]] *[[公立はこだて未来大対策]] *[[岩手県立大対策]] *[[会津大対策]] ====関東地方の公立大==== *[[東京都立大学対策]] *[[都留文科大対策]] *[[高崎経済大対策]] ====中部地方の公立大==== *[[福井県立大学|福井県大対策]] *[[公立小松大対策]] *[[静岡県立大対策]] *[[名古屋市立大対策]] *[[愛知県立大対策]] ====近畿地方の公立大==== *[[京都府立医科大対策]] *[[京都府立大対策]] *[[大阪市立大対策]] *[[大阪府立大対策]] *[[大阪公立大対策]] *[[兵庫県立大対策]] ====中国・四国地方の公立大==== *[[広島市立大対策]] *[[尾道市立大対策]] *[[高知工科大対策]] ====九州・沖縄地方の公立大==== *[[北九州市立大対策]] ===私立大対策=== ====北海道・東北地方の私立大==== * [[北海学園大対策]] * [[北星学園大対策]] * [[東北学院大対策]] ====関東地方の私立大==== *[[青山学院大対策]] *[[学習院大対策]] *[[神奈川大対策]] *[[慶應義塾大対策]] *[[国学院大対策|國學院大対策]] *[[国際基督教大対策]] *[[順天堂大対策]] *[[上智大対策]] *[[成蹊大対策]] *[[成城大対策]] *[[専修大対策]] *[[中央大対策]] *[[帝京大対策]] *[[東京工科大対策]] *[[東京慈恵会医科大対策]] *[[東京電機大対策]] *[[東京理科大対策]] *[[東洋大対策]] *[[獨協大対策]] *[[日本大対策]] *[[法政大対策]] *[[明治大対策]] *[[明治学院大対策]] *[[武蔵大対策]] *[[立教大対策]] *[[早稲田大対策]] *[[駒澤大対策]] *[[東京都市大対策]] *[[工学院大対策]] *[[芝浦工業大対策]] *[[東京農業大対策]] *[[立正大対策]] *[[東京経済大対策]] *[[武蔵野大対策]] *[[玉川大対策]] *[[文教大対策]] ====中部地方の私立大==== *[[愛知大対策]] *[[中京大対策]] *[[豊田工業大対策]] *[[南山大対策]] *[[名城大対策]] *[[愛知淑徳大対策]] ====近畿地方の私立大==== *[[追手門学院大対策]] *[[大阪経済大対策]] *[[関西学院大対策]] *[[関西大対策]] *[[京都産業大対策]] *[[近畿大対策]] *[[甲南大対策]] *[[神戸学院大対策]] *[[摂南大対策]] *[[同志社大対策]] *[[佛教大対策]] *[[桃山学院大対策]] *[[立命館大対策]] *[[龍谷大対策]] *[[兵庫大対策]] *[[大阪工業大対策]] *[[関西外国語大対策]] *[[京都外国語大対策]] ====中国・四国地方の私立大==== *[[広島修道大対策]] *[[松山大対策]] ====九州・沖縄地方の私立大==== *[[西南学院大対策]] *[[福岡大対策]] *[[福岡工業大対策]] *[[立命館アジア太平洋大対策]] === 共通テスト対策 === ===センター試験対策=== '''2020年1月をもって、センター試験は共通テストに移行しました。現在共通テスト関連は整備中です。''' *[[センター試験 英語対策]] *[[センター試験 数学対策]] *[[センター試験 国語対策]] **[[センター試験 国語(現代文)対策]] **[[センター試験 国語(古文)対策]] *[[センター試験 理科対策]] **[[センター試験 物理I対策]] **[[センター試験 化学I対策]] **[[センター試験 生物I対策]] **[[センター試験 地学I対策]] *[[センター試験 地理歴史対策]] **[[センター試験 世界史対策]] ***[[センター試験 世界史B対策]] **[[センター試験 日本史対策]] ***[[センター試験 日本史B対策]] **[[センター試験 地理対策]] ***[[センター試験 地理B対策]] *[[センター試験 公民対策]] **[[センター試験 現代社会対策]] **[[センター試験 倫理対策]] **[[センター試験 政治・経済対策]] **[[センター試験 倫理、政治・経済対策]] == 大学見学の規制強化に注意 == 2020年以降、少なくない私立大学で、防犯などのため、校内または構内(建物内)への入場規制が行われています。昭和や平成の時代は、かつては共学の大学なら、授業中の教室以外なら気軽に大学に入場できましたが、現代は共学でも入場が規制されている大学もあります。 もっとも、正確に言えば、平成のころから関係者以外の入場は規制されていたのですが、しかし昔は放任されていました。(なので、「モグリ」学生なんて言葉もあったくらいです。在学生以外で、在学生のフリして授業を聞いたり食堂でメシを食ったりする人、という意味です。) ともかく、2020年以降、大学の敷地内に入場したい場合、事前に予約が必要になっている大学もありますので、各大学のwebサイトで確認してください。 また、大学に限ったことではないのですが、一般に入口などにある受付けでの記帳などが必要です。 あるいは、私大なら、その私大主催の大学見学会などのイベントもありますので、そういうのを利用してください。 ;試験期間中の入場規制 ほか、定期テストの入試期間中、その前後などは、部外者のキャンパス内への入構を断られます。 年度の後半など、推薦入試や総合型選抜などの入試の日程とも重なる場合もあって入場が困難な場合もあります。新共通試験(センター試験)の入場規制も忘れてはいけません。 == 出願時の注意事項 == 私大では、出願方法がインターネット出願に限る大学、および合格発表がインターネット発表に限る大学も、かなり多くあります。家にインターネット環境の無い人は、インターネット環境を確保しましょう。 == 関連項目 == * [[受験ガイド]] * [[生活と進路]] [[カテゴリ:大学入試|にほんのたいかくしゆけんかいと]]
2004-08-22T13:34:41Z
2024-03-03T23:59:36Z
[ "テンプレート:Pathnav" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89
574
中学校の学習
ここウィキブックス『中学校の学習』では、ボランティアが執筆した中学生向けの教科書などを中心に収録しています。 なお、高校受験向けにウィキペディアのボランティアが執筆した参考書に関しては 高校受験参考書 をご覧ください。 また、学習方法については、ページ「学習方法」に中学教科の学習方法の説明があるので、必要ならば、ご覧ください。 中学校の検定教科書 (2023-04-30)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ここウィキブックス『中学校の学習』では、ボランティアが執筆した中学生向けの教科書などを中心に収録しています。 なお、高校受験向けにウィキペディアのボランティアが執筆した参考書に関しては 高校受験参考書 をご覧ください。 また、学習方法については、ページ「学習方法」に中学教科の学習方法の説明があるので、必要ならば、ご覧ください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "中学校の検定教科書 (2023-04-30)", "title": "中学校の教科書目録一覧" } ]
ここウィキブックス『中学校の学習』では、ボランティアが執筆した中学生向けの教科書などを中心に収録しています。 なお、高校受験向けにウィキペディアのボランティアが執筆した参考書に関しては 高校受験参考書 をご覧ください。 また、学習方法については、ページ「学習方法」に中学教科の学習方法の説明があるので、必要ならば、ご覧ください。
{{Pathnav|メインページ|小学校・中学校・高等学校の学習|中学校の学習|frame=1|hide=1}}{{進捗状況}} ウィキブックスの中学校学習は、中学生向けの教科書を記述しています。 なお、中学生向けの学習方法は、「[[学習方法]]」にあります。 また、高校入試対策の参考書は、「[[高校受験参考書]]」にあります。 == 中学校の教科書目録一覧 == [[中学校の検定教科書|中学校の検定教科書]]{{進捗|100%|2023-04-30}} == 国語 == * [[中学校国語]] {{進捗|50%|2014-10-17}} * [[中学校書写]] {{進捗|50%|2019-09-11}} == 社会 == * [[中学校社会]] :* [[中学校社会 地理]] {{進捗|75%|2022-6-23}} :* [[中学校社会 歴史]] {{進捗|100%|2022-6-23}} :* [[中学校社会 公民]] {{進捗|75%|2022-6-23}} == 数学 == * [[中学校数学]] {{進捗|75%|2019-10-06}} == 理科 == * [[中学校理科]] ** [[中学校理科 第1分野]](化学、物理分野) {{進捗|50%|2014-07-28}} ** [[中学校理科 第2分野]](生物、地学分野) {{進捗|50%|2014-07-26}} == 外国語 == * [[中学校英語]] {{進捗|50%|2021-11-30}} == 音楽 == * [[中学校音楽]] {{進捗|25%|2013-09-30}} == 美術 == * [[中学校美術]] {{進捗|25%|2014-09-06}} == 保健体育 == * [[中学校保健体育]] {{進捗|50%|2024-02-18}} == 技術・家庭 == * [[中学校技術]] {{進捗|50%|2013-10-28}} * [[中学校家庭]] {{進捗|75%|2023-05-06}} [[Category:中学校教育|*]] [[Category:書庫|ちゆうかつこうのかくしゆう]] [[Category:学習方法|ちゆうかつこうのかくしゆう]]
2004-08-22T13:44:09Z
2024-02-24T10:40:16Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:進捗状況", "テンプレート:進捗" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%AE%E5%AD%A6%E7%BF%92
575
慶應義塾大対策
本項は、慶應義塾大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。 慶應義塾大学ホームページ(入学試験の概要が記載されている)https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/ 慶應義塾大学(慶應、または慶大)は、東亜最古の段階で高等教育機関となった旧制大学の一つであり、我が国で最初に設立された私立大学である。 慶大は、問題の形式・傾向が学部ごとに大きく異なるため、ある学部の過去問演習が他の学部の対策に役立つということは稀で、複数学部を受験する場合は学部ごとに対策をする必要がある。 一学年の定員は850名程度であり、そのうち一般受験組が7割程度、残りが附属高校推薦入学者、自主公募推薦合格者、帰国生・留学生入試枠合格者である。指定校推薦入試とAO入試は導入していない。1年生の間は一般教養科目を中心に、第2学年以降は三田キャンパスで17の専攻から1つを選び、学んでいく体制をとっている。人気の専攻は相対競争が激しい分、高水準の成績が要求されるため、大学に入学してからも学び続ける姿勢が必要である。 慶應文学部では、外国語(150点)・地歴(100点)・小論文(100点)の3科目(計350点満点)が課される。外国語は、英語・ドイツ語・フランス語・中国語の中から1つ選択する。小論文はもちろんのこと、外国語・地歴もほとんどが国公立ニ次型の記述式である。科目別では、特に英語と小論文の難易度が非常に高い。その割には合格最低点は65%程度でありあまり低くないため、激しい競争を強いられることになる。 試験時間は120分、配点は150点。合格点の目安は7割である。慶應文学部の英語では、辞書の使用を許可されている(ただし電子辞書は一切不可)。大学入試で辞書を許可することは非常に珍しく、言い換えれば、構文解釈能力や国語的読解力、日本語能力が問われる超長文が出題されるということである。勿論難易度は非常に高い。 英語は抽象度の高い1,000words前後の総合問題2題、もしくは2,000words前後の総合問題1題が出題される。(1977年~2005年、2007年~2010年。2006,2011年度入試では出題形式に変化あり。) 和訳や説明、英訳など殆どの設問が記述式なので、過去問・予想問を中心に、最難関国立大学二次試験型の問題に対応できる実力を養成する必要がある。 文学部はそもそも長文出題が特徴だと言われてきたが、出題テクストの長さや総語数などさしたる意味を持たなく、そもそも文学部は総語数は少ない部類である。なぜなら文学部の英語入試こそはとりわけ「観念の把握」を重視した出題であるからである。文学部だけあり、出題文の抽象度の高さは群を抜いている。どれだけ入試対策で英単語を理解していようが、辞書を何冊持ち込もうが、背景知識がなく理解出来ない観念はいつまで経っても理解しようがないわけで、テクスト分析に対する素養そのものを求める出題姿勢が伺える。 具体的には、「存在とは」「意識とは」「宇宙とは」「歴史とは」「美とは」「感情とは」―――――などなど、常日頃の読書における質と量に裏打ちされた哲学的考察と素養を要求される。 なぜ試験時間が2時間もあるのか、受験生は過去問を吟味しながらよく考えてみるべきだろう。受験生一人ひとりがどれだけテクストを読みこなせるか、どこまで的確に概念を把握できるか、そして咀嚼した文意から考察し、どれだけ論理的整合性のある解答を導き出せるかが勝負のカギである。 また、2012年度から超長文に加えて和文英訳の問題が出題されている。 試験時間は60分、配点は100点。大問が4題出題される。ほぼすべての問題が記述式で、出題時代・地域も多岐に渡る(例えば2013年度の場合、中国史、ウィーン史、アメリカ合衆国史、北アフリカ・インド・イランのイスラーム史がそれぞれ大問で1つずつ出題され、時代も古代~現代史まで出題されている)。しかし、標準的な語句からの出題であっても、一般的な問い方とは違う形で問われることが多く、解答に辿り着くことが困難な問題も多い。市販の問題集等でパターンにはめ込むような学習ばかりしていると、慶應文学部特有の捻って盲点を突く問題に対応しにくいため、様々な年度の過去問を演習すべきである。近年は中国に関連する東洋史からの出題が目立ち、文化史の比重が高い。史料文(漢詩)が提示されることもあり、年代そのものを書かせるものも出題された。更に慶應大ではギリシア神話の知識など、常日頃の読書量を試すような出題もなされるため、注意が必要である。また、日本史より平均点が高いため、得点調整で減点されやすいことに注意しよう。合格点の目安は素点8割である。 試験時間は60分、配点は100点。原始時代が2006年度以後隔年に出題されている他、史料問題が毎年出題される(未見史料が頻出である)ため、史料を読む読解力やそこから様々な推測を立てる思考力を鍛える練習をしておきたい。そのため、一問一答やレジュメの丸暗記だけで済ませている受験生を排除するような出題をしていると言える。勿論難易度は高い。 ジャンルは政治、法律、経済、産業、外交、文化と広範囲にわたり、短答記述式の問題が4割程度、選択式の問題が4割程度、論述問題が2割である。そのため、教科書・用語集で知識を固めた上で論述対策をし、過去問研究をする必要がある。どの範囲が出るかは年によって異なり、かつて戦後の文化史の問題も出題されたことがあるため満遍なくどの単元も対策する必要がある。 大問1と2がマーク式、大問3が用語記述、大問4と5が史料とそれに関する設問及び論述問題で構成されている。 大問1と2では例年、語群から単語を探し与えられた短文の穴埋めをしていく形式であるが、語群の中に適当な語句がない場合は0を回答欄に記入しなさいという文学部特有の形式が存在する。0を選べるかで差がつくので用語暗記だけで止まらず、一歩踏み込んだ学習をしたい。大問3では1と2の穴埋めが記述になったものが出題される。日頃から歴史用語を正しい漢字で書けるよう練習をしておく必要がある。大問1〜3は基本平易な問題が多いため高得点を狙いたい。 史料を出題してくる大問4と5は、史料の読解を誤ると芋づる式に(連鎖的に)複数の設問が不正解になりやすくなるため、焦らずに精緻に読解すべきである。この2つの大問は最も差が付きやすい重要なポジションである。 論述問題は予備校の問題分析で難問に分類されることが多いくらいに難易度はかなり高いので、しっかりやらないと過去問研究がスムーズにいかなくなってしまうだろう。慶應文学部は全体的に記述論述問題が多いため最難関国公立志望者の併願も多い。そのため、論述の対策を怠っていると差をつけられてしまう。論述問題を解くときの注意点としては、要素(ポイント)を欠かさないことと、設問の要求と関係無いことを記述しないということである。字数が余るようなら、何かしらの要素が欠けていると思ってほしい。また、関係の無い余計な情報を入れると、採点者側は「この受験生は思考や理解をせずに、適当に沢山書いておいて当たるのを待っている」と判断するため、減点されるリスクが高い。何でもかんでも書くというのは、設問の指示や歴史事実を正しく理解せず、思考さえも放棄していると解釈されるため、採点者の印象がかなり悪いのである。このミスをしがちな受験生はそれなりにいるため、是非とも注意しておきたい。 ここ最近、出来事の年度を選択式ではなく記述式で書かせる問題が出題されているので、細かな出来事でも年度までしっかり覚えこまないといけない。合格点の目安は素点7割(論述問題以外の短答式の問題は8割)である。 試験時間は90分、配点は100点。抽象的で長い文章になることが多いため、難易度の高い小論文や現代文を読み慣れておく必要がある。また、抽象的な本文を要約するためには高度な読解力が必要である。慶應の小論文は半分は国語(記述式現代文)であり、一般的に小論文と言われる意見論述問題は2問目である。現代文と小論文の融合問題のようなイメージである。 時間と余裕があれば新書や学術文庫などで深めていくと良い。与えられた資料を読み解き、考察とともに要約し、更に自分の意見を述べるという、小論文試験としては基本的な能力を試す良問であるが故に、かえって難問となっている。言い換えれば、癖があまり無いため、逆に傾向に合わせた対策というのが難しく、実力が如実に出やすいということである。 社会学系の文章から、卑近な時事問題まで、出題分野は毎年多岐に渡るので、油断禁物である。 一学年の人数は1,200名程度であり、そのうち700名程度が一般入試入学者、残りが内部進学者、帰国生・留学生入試枠合格者である。しかし、帰国生・留学生入試枠合格者数はごく僅かであるため、実質的には一般入試合格者と内部進学者が殆どである。慶應経済では、指定校推薦入試とAO入試は導入していない。受験方式は、数学受験のA方式(定員420名)と歴史受験のB方式(定員210名)が存在する。定員比が数学選択に傾斜しているため、大学側が数学のできる受験生を特に需要していることは明白である。裏を返せば、その分歴史選択のB方式は狭き門となっていることを意味する。 試験時間は100分、配点は200点。慶應経済の英語では、長文読解問題3題と本格的な英作文問題2種類(和文英訳4問、自由英作文150~200語)が出題される場合が多く、私立文系専願者にとっては非常に難しい内容になっている。 なお、長文(マーク)で高得点を取らないと、後半部分(和文英訳・自由英作文)は採点されず即不合格となる(足切り)。 一次選抜(英語長文のみ)の満点が90点であるため、長文の配点は90点であり、残りの配点である110点が和文英訳と自由英作文の合計である。そのため、明らかに記号問題の対策だけでは慶應経済には太刀打ちできず、本格的な和文英訳や自由英作文の対策が必要である。 また、長文や歴史の記号問題である程度の高得点を取ったのに不合格になった例が一定数あり、得点開示も当初の見込みより低かったケースが多い。それに加えて、論述系の問題を採点されるのは足切りを通過した層であるため、採点対象者の全体の学力が高い分、和文英訳と自由英作文、歴史論述、小論文の採点は厳しめと推測される。そのため、マーク部分で得点を稼ぐ必要があると考えると、長文の合格点の目安は易化年なら9割弱、難化年なら75%程度であり、記号問題は高得点勝負となる。これは歴史科目においても同様である。後半の和文英訳と自由英作文で差が付きやすいが、これは長文で時間内に高得点を取れることが前提となっているため、当たり前の基準が高く競争が激しい試験となっている。 和文英訳は、短い時間内に素早く正確に解ききる労力を加味すれば、非常に難しい問題である。 時間配分の目安は10〜15分であり、砕けた日本語が使用されている軟らかい文体の会話文を英訳する問題である。 和文英訳問題というのは、出題された日本文が適度に硬質なくらいが最も解きやすく、硬すぎても軟らかすぎても難しい。慶應経済の和文英訳は会話文の文体が軟らかすぎるが故に、直接英訳することは非現実的であるため、文脈に応じて、英語に訳しやすい日本語表現に適宜読み替えていく思考力が求められる点でハイレベルである。 対策としては、一般的な和文英訳の参考書学習を行った後に、会話文の参考書を使って会話文に慣れ、その後会話文の参考書の和訳を読んでそれを英訳する練習などが有効である。 主要な予備校は軒並み毎年、解答速報の自由英作文の難易度の講評を「難」としている。 時間配分の目安は25〜30分である。近年は、2つのテーマから1つを選んで、見解を150~200語程度で論述する形式で出題されている。 出題されるテーマは、先に解く3題の長文の内容に関しての自身の見解を述べるもので、専門性は高い。形式としては語数は指定はされていないものの、解答欄の大きさや内容の深さからして、かなり長めの論述が求められている。また、本文から正しい形式をとって引用したり、反対意見に言及してそれに反論しなければならないなど、条件面の指定が厳しい意味でも難しい。このような内容面の指定があることや語数が多いこと、そして別途和文英訳が出題されていることなどを考慮すると、慶應経済の自由英作文では、文法語法での減点だけでなく構成点や内容点が存在することが推測される。その証拠に、文法語法の正誤検査なら50語程度で十分であり、その機能は和文英訳が果たしているからである。わざわざ和文英訳と自由英作文を独立して出題するということは、それぞれの出題に異なった目的が存在すると考えるのが自然である。また、文法語法の正誤検査が目的なら、前述のような内容面での指定はしてこないはずである。つまり、採点基準が多い上に書く語数も膨大であるため、減点されやすく高得点が難しい。そのため、早い段階で対策を開始し、減点されにくいような質の高い答案を作る練習を積んでおくべきである。 ちなみに、正しい引用の形式をとらずに本文をそのまま書き写すと減点の可能性があるため、注意してほしい。 試験時間は80分、配点は150点。数学I・数学II・数学A・数学B(数列・ベクトル)が出題範囲で、特に領域・確率・微積分・数列・ベクトルは頻出である。 制限時間の割に問題量が非常に多いため、スピードが鍵となる。大問は例年6題出題され、前半3題は正確な高速処理能力を求めるマーク式の問題、後半3題は応用的な思考力を求める記述式の問題となっている。合格点の目安は、易化した年だと8割で、難化した年だと5〜6割である。難化した年と易化した年の難易度の乱高下が激しいため、どちらにも対応できるような実力と慣れを身に付けておくべきである。 近年難化傾向にあり文系で数学が得意な受験生でも点数を取ることが厳しくなっている。なお、受験者層のレベルが非常に高いため、難化した年も易化した年も、問題難易度に対する必要得点は割高という点で、激しい競争を強いられるのは言うまでもない。 易化した年は、マークで高得点を取れるのは当たり前であり、その上で記述で差がつく。難化した年は、記述が難しすぎて差がつきにくいため、マークで稼ぎつつ記述で耐えるのが良い。また、著しく難しい問題は捨てて先に進み、取れる問題を確実に取るという手法も重要になってくる。このように、問題難易度の変化によって戦略が全く変わってくるため、注意が必要である。 応用的な問題に対処するために「チャート式基礎からの数学(数研出版)」(青チャート)などの網羅系参考書を徹底的にやり込み、大学受験数学の応用問題まで取れるようにし、過去問研究を十分に取り組むことが必要条件である。これらを行っていれば、難度が高い問題にも食らいつく力が養成されているだろう。慶應経済の数学では時間配分を間違えると数学が得意な者でも失敗することが多い。したがって、赤本に載っているここ6年分の過去問をしっかり復習も含めてやって本番のイメージを作っておくべきである。本番に時間をロスしないように受験生が忘れやすい「メネラウスの定理&チェバの定理」や「方べきの定理」などの幾何定理にも慣れておくこと。また、数列の漸化式から一般項を求める分野では、3項間の場合であるan+2=αan+1+βanまでをしっかりと理解しておきたい。そして、ベクトルの係数設定のために座標を設定する応用的な手法も頭に入れておきたい。 因みに難易度の高い問題の一例として、複数の場合分けが必要な確率漸化式、座標を設定して容積を求める問題、曲線の移動、高次の複接線などが過去に出題されている。 時間は80分、配点は150点。範囲は1500年以降を中心とする。だからといって、その範囲だけを対策すればいいわけではないことは言うまでもない。現に、それ以前の歴史の知識を遠回しに聞いている問題、その知識がないと理解できない問題も出題されている。思考力や応用力等が必要な記号問題で高得点が必要なことに加え、本格的な論述問題の労力も加味すれば、非常にハイレベルな試験と言える。 論述問題は7~8題出題され、合計字数は約600字である。世界史は配点が公表はされていないものの、数学は記号問題の配点が70点、記述問題の配点が80点であるため、世界史でも記号や用語記述などの短答式の問題の配点が70点、論述問題の配点が80点という可能性が高い。そのため、記号問題の対策だけでは足りず、論述問題の対策が肝要であり、むしろ慶應経済の歴史科目は論述問題で最も差がつくと思われる。論述は付け焼き刃の丸暗記が通じず、本質的な理解や言語化が必要であるため、実力差が出やすい良問である。 英語でも述べたように、論述以外の部分で得点を稼ぐ必要があるため、記号や用語記述などの短答式部分の合格点の目安は例年は8割程度(難化年は75%程度、易化年は9割程度)であり、高得点勝負となる。 歴史的な流れや本質の理解が重視される出題形式になっており、教科書の用語や年号を全部知っているのは当たり前として、教科書内容を順序立てて「自分で説明できる」レベルまで学習をやりこめば、合格点を取ることは可能である。慶應経済の世界史は、使用されている用語自体はあまり細かくはない(但し後述する年表と並べ替えは除く)ものの、それらを複数組み合わせつつ、上手く受験生の盲点を突いたり応用力を試したりする点で難しい。知識そのものの細かさというよりは、知識を使いこなすことが重視されている(但し、知識が細かい出題も一定程度はされるため、その対策も必要ではある。)。あとは、ある種感覚やイメージで理解を済ませがちな部分を言語化させてくるような性質もある。全体的に、あまり思考せずに一問一答やレジュメの丸暗記ばかりしている受験生を排除しようとする出題だと思われる。 論述問題を解くときの注意点としては、要素(ポイント)を欠かさないことと、設問の要求と関係無いことを記述しないということである。字数が余るようなら、何かしらの要素が欠けていると思ってほしい。また、関係の無い余計な情報を入れると、採点者側は「この受験生は思考や理解をせずに、適当に沢山書いておいて当たるのを待っている」と判断するため、減点されるリスクが高い。何でもかんでも書くというのは、設問の指示や歴史事実を正しく理解せず、思考さえも放棄していると解釈されるため、採点者の印象がかなり悪い。このミスをしがちな受験生はそれなりにいるため、是非とも注意しておきたい。 また、地図、統計図表グラフ、年表を用いた問題が例年見受けられるため、これらに対応できるように分析力や推測力、歴史的な流れの理解等を養成することも必要である。教科書レベルの知識をマスターした後に過去問分析をして、資料集や年表を学習してこれらの多角的な出題形式に対応できる実力を養成するのが鍵となる。 特に並べ替え問題に関しては、同じ年号の中での前後関係が問われることが多々ある。そのようなときは年号の丸暗記だけでは対応できないため、年号暗記に加えて歴史の大きい流れと細かい流れの両面、そして同年号内の順序を学習することが必要である。ちなみに、同年号内の順序を覚えていなければ解けないことがある。同年号の事項が問題内に複数出てきた場合、特定の位置(n番目、特に最初と最後)さえ知っていれば解けてしまったり、或いは消去法が通じたりすることが一般的だが、そのような甘い手法は慶應経済には通用しない。慶應経済の並べ替えや年表中にある1つ1つの事項の用語自体は標準レベルであり、参考書の年表を使用すれば対策は可能であるため、同年号内の並べ替えや年表は捨て問にはならない。そこでどれだけ得点できるかで差がつく。 時間は80分、配点は150点。範囲は1600年以降を中心とする。だからといって、その範囲だけを対策すればいいわけではないことは言うまでもない。現に、それ以前の歴史の知識を遠回しに聞いている問題、その知識がないと理解できない問題も出題されている。思考力や応用力等が必要な記号問題で高得点が必要なことに加え、本格的な論述問題の労力も加味すれば、非常にハイレベルな試験と言える。 論述問題は7~8題出題され、合計字数は約600字である。日本史は配点が公表はされていないものの、数学は記号問題の配点が70点、記述問題の配点が80点であるため、日本史でも記号や用語記述などの短答式の問題の配点が70点、論述問題の配点が80点という可能性が高い。そのため、一般的な記号問題の対策だけでは足りず、論述問題の対策が肝要であり、むしろ慶應経済の歴史科目は論述問題で最も差がつくと思われる。論述は実力差が出やすい良問である。 英語でも述べたように、論述以外の部分で得点を稼ぐ必要があるため、記号や用語記述などの短答式部分の合格点の目安は例年は8割程度(難化年は75%程度、易化年は9割程度)であり、高得点勝負となる。 歴史的な流れや本質の理解が重視される出題形式になっており、教科書の用語や年号を全部知っているのは当たり前として、教科書内容を順序立てて「自分で説明できる」レベルまで学習をやりこめば、合格点を取ることは可能である。慶應経済の日本史は、使用されている知識自体はあまり細かくはない(但し後述する年表と並べ替えは除く)ものの、それらを複数組み合わせつつ、上手く受験生の盲点を突いたり応用力を試したりする点で難しい。知識そのものの細かさというよりは、知識を使いこなすことが重視されている(但し、知識が細かい出題も一定程度はされるため、その対策も必要ではある。)。あとは、ある種感覚やイメージで理解を済ませがちな部分を言語化させてくるような性質もある。全体的に、あまり思考せずに一問一答やレジュメの丸暗記ばかりしている受験生を排除しようとする出題だと思われる。 論述問題を解くときの注意点としては、要素(ポイント)を欠かさないことと、設問の要求と関係無いことを記述しないということである。字数が余るようなら、何かしらの要素が欠けていると思ってほしい。また、関係の無い余計な情報を入れると、採点者側は「この受験生は思考や理解をせずに、適当に沢山書いておいて当たるのを待っている」と判断するため、減点されるリスクが高い。何でもかんでも書くというのは、設問の指示や歴史事実を正しく理解せず、思考さえも放棄していると解釈されるため、採点者の印象がかなり悪い。このミスをしがちな受験生はそれなりにいるため、是非とも注意しておきたい。 また、歴史的史料、地図、統計図表グラフ、年表を用いた問題が例年見受けられるため、これらに対応できるように分析力や推測力、歴史的な流れの理解等を養成することも必要である。教科書レベルの知識をマスターした後に過去問分析をして、資料集や年表を学習してこれらの多角的な出題形式に対応できる実力を養成するのが鍵となる。 特に並べ替え問題に関しては、同じ年号の中での前後関係が問われることもある。そのようなときは年号の丸暗記だけでは対応できないため、年号暗記に加えて歴史の大きい流れと細かい流れの両面、そして同年号内の順序を学習することが必要である。ちなみに、同年号内の順序を覚えていなければ解けないことが多々ある。同年号の事項が問題内に複数出てきた場合、特定の位置(n番目、特に最初と最後)さえ知っていれば解けてしまったり、或いは消去法が通じたりすることが一般的だが、そのような甘い手法は慶應経済には通用しない。慶應経済の並べ替えや年表中にある1つ1つの事項の用語自体は標準レベルであり、参考書の年表を使用すれば対策は可能であるため、同年号内の並べ替えや年表は捨て問にはならない。そこでどれだけ得点できるかで差がつく。ちなみに、未見史料問題に対応するためには、史料の中の複数のキーワードに着目して解答や推測の根拠にする方法が良い。それを可能にするためには、様々な知識を流れやセットなどで関連させて定着させることが有効である。 慶應経済の日本史は、前述のように近現代史の比重が大きいため、受験生はかなりやりこんでおかなくてはいけない。特に戦後史は論述も含めて毎年出題され、その配点も約3分の1とかなり高い(一般的な私大だと戦後史の配点は5分の1か6分の1程度であり、出題されない年もある。)。しかし現役生の場合、近現代史(特に戦後史)は学校の授業でも最後に学ぶ所がほとんどであり、授業で習う内容だけでは不十分になってしまう場合が多い。そのため、早めに自分で対策していくことが必要となる。また、現在の経済や政治とも関わる内容が出題されるので、日本や世界の動きなど、最新のニュースは常にチェックしておく必要がある。 試験時間は60分、配点は70点。読ませられる本文の分量が年々増加傾向にある。公共性の高い具体的かつ専門的なテーマが選ばれることが多い。小論文の難易度は慶應の学部の中では標準レベルだが、十分な対策をしなければ、手も足も出ないだろう。また、得点開示のデータから、経済学部の小論文は他学部よりも採点が厳しいと推測されるため、問題難易度が標準的な割には高得点が難しい。対策を行っていないと70点満点で20点どころか10点台になる人も多い。採点が厳しいと推測されるのは、英語の和文英訳や自由英作文、歴史論述も同様である。 対策としては、まず参考書を使用して小論文の書き方の基礎をしっかりと把握する。その後、当学部の過去問を実際に解いていく。はじめは全くできないだろう。問題によっては、何をすべきなのかも分からないこともある。それでも、小論文の書き方に沿って考えに考えて書き上げる。解答例と見比べるとクオリティーは程遠いだろうが、それを実際に小論文の講師などに厳しく添削してもらう。そうすれば解答の質は上がっていく。 設問は2問ある。1問目は200~300字の本文要約か内容説明であり、ここは国語的な読解力があれば対応可能であるため、現代文の学習の延長線上で要約や記述対策を行っておけばいい。1問目は高得点勝負であるため、高度な読解力と正確な記述力をつけることが肝要である。一般的に「小論文」と言われているのは2問目の300~400字の意見論述問題である。慶應の小論文は半分は国語であり、現代文(記述式)と小論文の融合問題のようなものである。 慶應経済の小論文で最も困難な点は、60分という短い制限時間内に課題文を読み、答案を完成させることだと言える。600字前後をこの時間で書くというのは、実質的に下書き無しで簡単なメモを取る程度で、解答用紙にいきなり書かねばならないということだ。ゆえに、文章を簡潔に短時間でまとめる力が求められる。その実力を付けるためには、言語化能力と文章構成力を養成する必要がある。 経済学部の課題文のテーマは生命科学的もしくは自然科学的な内容の時もある。例えば、2012年の霜柱に関する科学的研究についての課題文を読むには化学の基礎的な知識(状態変化など)が不可欠であった。このように適度な背景知識が必要であるため、参考書の背景知識欄は適宜読んでおきたい。2012年の問題は経済学部があらゆる学問と通じているという大学側のメッセージとも解釈できる。 経済学部は入試方式によって入学後の履修タイプが分かれる。A方式(数学受験)で入学した者・附属高校推薦入学者(内部進学者)・留学生の一部は高校数学1A・2Bの知識を前提とした講義でカリキュラムが組まれた「タイプA」とし、B方式(歴史受験)で入学した者・留学生の一部、内部進学者のごく一部はそれらを前提としていない「タイプB」となる。「タイプA」から「タイプB」への変更は認められないが、「タイプB」から「タイプA」への変更は可能。「タイプB」の学生で、高度な数学を多く使う分野(金融論・金融工学・ゲーム理論・計量経済学・数理経済学・応用ミクロ経済学・応用マクロ経済学・統計学・解析学・情報処理など)を学びたい場合は「タイプA」に変更したほうがよい。履修タイプの変更は第1学年の4月初旬に受けられる標準レベルのテスト(範囲は数学1A・2B)である一定の基準を超えれば認められる。B方式合格者で数学色のより一層深い分野を専攻したい者にはお勧めである。逆に、経済体制論・財政社会学・経済地理学・経済史・経済学史・経済思想史・社会政策論・社会福祉論・経営学・会計学・商法など数学色がそこまで強くない分野に興味がある者は「タイプB」のままでもいい。 ただ、一つ重要なことは、「タイプB」の学生は高度ではないものの高校数学の初歩レベル(微積、確率、三次関数、ベクトルなど)の計算をある程度行うようになっているため、中学時から数学が苦手な受験生は注意が必要である。ちなみに、内部進学者は基本的に数学3まで高校時に勉強している。 一般入試組は全体の36%程度であり、残りがFIT入試枠、内部進学者、帰国・留学生入試枠合格者等である。 内部進学者と一般入試組の合計人数は法学部全体の3分の2程度である。 ※FIT入試は、「目標と構想が明確であり、そのために慶應義塾大学法学部法律学科・政治学科で勉強を望む」優秀な成績をおさめている学生と、「この学生を教えたい」という法学部教員との良好な相性(FIT)を実現しようとするものとしてスタートした入試である。具体的には、書類選考によって志願者の志望動機や将来のビジョン、学業成績等を調べられ、論述(考察)試験やグループ討論、面接によって、志願者の思考力や表現力、人間性、コミュニケーション能力が見られる。出願条件が厳しい。 慶應法学部(一般受験組)では、外国語(200点)・地歴(100点)・論述力試験(100点)の3科目(計400点満点)が課される。外国語は英語・ドイツ語・フランス語から1言語、地歴は世界史・日本史から1科目選択である(歴史よりも学習量が少なく合格点がとりやすい政治経済の選択は認められていない)。 どの科目も難易度は非常に高い。特に、論述力試験は国語の現代文では出題されないような法学・政治学系の難しい課題文が出題されている。数学受験が出来ず英語と社会科目は全問マークであるため、国立大学の併願で受験を考えている受験生は注意が必要である。 外国語と地歴で足切りを行い、これらの合計が一定ライン以上に達しないと論述力試験の採点対象から外される。この足切りの基準が高めであるため、注意が必要である。 試験時間は80分、配点は200点、全問マーク式。発音・アクセント問題、文法・語法問題、会話文読解問題、長文読解問題が出題されており、問題難易度は全体的に非常にハイレベルである。長文読解問題では論説文だけでなく、小説が出題される年度もある。会話文読解問題では、空所補充問題が出題される。前置詞や副詞、受験生には馴染みのないような慣用句を完成させる問題が中心である。副詞や前置詞の意味を理解しないで、ただ単に熟語や慣用句を暗記している受験生は歯が立たない内容であり、ハイレベル受験生の間でも差が付きやすい。熟語や構文を暗記する際、その前置詞や副詞が「意味の形成」にどのように影響を与えているのかを日頃から意識していこう。全体的に相当な語彙力が必要であるが、それだけではなく、「英文の記述から論理的に判断できる内容は何か」という視点で作られた設問が多いため、高度な論理的思考力も求められる内容になっている。 頻出ではあるが、出題されない年度もある。出題される場合は最初に出題される。アクセントの位置の法則は押さえておくべきである。固有名詞のアクセントの位置を問うなど、英語が得意な受験生でも得点は安定しないことが往々にしてあるため、すぐに処理して、次の問題へ行こう。 1つの文中に4つないしは5つの下線が最初から引かれているのではなく、正誤を判定する箇所が指定されていない。そのため、1つの文の中で正誤を判定するための焦点を自分で絞り込むのが難しい。さらに、設問1つにつき1文ではなく、選択肢1つにつき1文になっているため、焦点を絞り込んで且つそこの正誤を判定する作業を4~5回行わなければならない。一般的な文法正誤に比べたら圧倒的に難易度が高く、厄介である。対策としては、まず参考書や過去問などを使用し、早稲田大学人間科学部や上智大学の文法正誤問題で8割が安定する実力をつける。(社会科学部の正誤問題は悪問が目立つため、練習には適さない。)ただ、その実力をつけても最初は慶應法の文法正誤には歯が立たないだろう。あとは慶應法の過去問の文法正誤をできるだけ多く解いて慣れることが重要である。ある程度の実力がある状態なら、問題に慣れることで得点力の上昇が見込める。 会話文の中にある空所に適切な副詞や前置詞を入れていく問題として出題される。熟語や構文をそのまま覚えるような暗記学習をしている受験生は歯が立たないだろう。なぜなら、前置詞や副詞の本質的なイメージやニュアンス、用法などを掴み、それを実際の文脈や文構造に当てはめる能力が必要であるからだ。また、前後の文の意味や全体の流れから、どの副詞を入れて、動詞にどのような意味を持たせるかを考えさせるため、相当な読解力も必要とされる。難易度は非常に高く、英語が得意な受験生の間でも差が生まれやすい問題である。 例年、2題出題される。1題は下線を引かれた難単語や難熟語の定義を選択する問題。難単熟語は英検1級レベルである。文章自体難しい内容のものが多いため、相当の語彙力と推測力が求められる。ハイレベルの受験生の中には、受験範囲を逸脱した英検1級レベルの語彙を丸暗記している人もいる。ただし、これの実施に関しては個人の自由である。むしろ、よほど余裕のある受験生以外には勧めない。まずは受験範囲内の基礎~やや難レベルの内容を固めるのが先決であるからだ。 もう1題は、空所補充問題、語句整序問題、内容説明問題からなる総合読解問題。会話文読解問題同様に、相当な語彙力と読解力が求められる難易度の高い問題が多く、受験生の間で差が生まれやすい。また、設問が練られており、選択肢が非常に切りにくい。自分の手応えよりも得点が大幅に低いことはよくある。そのため、高度な国語的読解力をつけるのは当たり前として、とにかく過去問演習をできるだけ多くこなすことが重要である。英語を日本語に訳すまでは標準的な難易度であるが、訳してから内容を正確に把握して選択肢を吟味するのが難しい。どちらかというと国語に近い難しさである。 試験時間は60分、配点は100点、全問マーク式。合格点の目安は7割であるが、そこに到達するためには用語集の使用が必須であるくらい難しい。特に近年難化傾向にあり、語群の選択肢数が非常に多く、時間制限が厳しい中で正答を見つけなければならない。空所補充は約80択の語群から選ぶ問題であり、史料問題や正誤問題、並べ替え等は6択中2つ選んで完答のみ得点できる問題であるなど、全問マーク式といえどもまぐれでは正解できない工夫がされているため、確固たる実力が必要である。年度によって難易度が異なり、例年、大問は4題、小問数は50問で、社会史、経済史、文化史からの出題が目立ち、広範囲で広地域を扱い、かつ時代範囲が広い。西アジア史や東欧史からもかなり踏み込んだ内容の出題が見られ、歴史を多角的な視点から論じた文章が提示される。一見基本レベルの問題のように錯覚させながら解答の文脈が違っているなど高度な問題が目立つ。また、近年は設問の種類が増え、空所補充だけでなく並べ替えや正誤問題、史料問題の出題が増加しており、幅広い対策が必要になっている。一問一答の丸暗記だけでは通用しない総合力が問われており、史料問題では細かい知識だけでなく推測力や応用力も必要である。 試験時間は60分、配点は100点、全問マーク式。合格点の目安は7割であるが、7割に到達するためには用語集の使用が必須であるくらい難しい。特に近年難化傾向にあり、語群の選択肢数が非常に多く、時間制限が厳しい中で正答を見つけなければならない。空所補充は約80択の語群から選ぶ問題であり、商学部より答えとなる以外のダミーの用語が多い。かつては与えられた文章の穴埋めをしていく形式がほとんどであったが、近年その傾向は姿を消しつつあり、史料問題や正誤問題、並べ替え等は6択中2つ選んで完答のみ得点できる問題であるなど、全問マーク式といえどもまぐれでは正解できない工夫がされているため、確固たる実力が必要である。また、内容面に関しては、時代もジャンルも比較的偏りが少ないため、全体的にバランスの良い学習が必要である。なお、戦後の政党史に関しては頻出であるので、重点を置いて学習すべきである。また、近年は設問の種類が増え、空所補充だけでなく並べ替えや正誤問題、史料問題の出題が増加しており、幅広い対策が必要になっている。一問一答の丸暗記だけでは通用しない総合力が問われており、史料問題では細かい知識だけでなく推測力や応用力も必要である。 商学部の問題自体は法学部より簡単なものの、本番この慶應特有の語群から探し出してマークするという解答形式は意外に時間が厳しい。特に法学部は商学部のように穴埋めだけでなく、早稲田のような史料問題、正誤問題といった形式の問題も出題されるため、難問を捨て、取れる問題を見極めて、素早く解く練習が必要である。 試験時間は90分、配点は100点。法学部独自の「資料を与えて、理解、構成、発想、表現の能力を問う」という科目である。制限字数は全体で1000字。 論説・評論を速く正確に読み解く力が必要である。問題自体は受験生の高度な読解力や思考力、表現力を問う難問(良問)ぞろいである。 最初の400字は本文の要約を記述する。ここは国語的な読解力があれば対処可能であるため、現代文学習の延長線上として、抽象的なテーマの要約や記述問題の練習をやりこんでおくことが重要である。 一般的に「小論文」と言われているのは後半の意見論述問題のことである。慶應の小論文は半分は国語(現代文)であり、現代文と小論文の融合問題のような形式である。 提示される課題文の内容はかなり専門的で、大学受験生にとっては読みづらいと思われる。求められている知識は、古代ギリシアの都市国家における政治判断を問うもの(2010年度)、政治的空間としての日本社会という切り口からセキュリティー社会をとらえる(2009年度)、現代日本における知識人像の考察(2008年度)などで、これらを論述するための能力は一朝一夕に身に付くものではない。下地作りとしては、現代社会と法との関係についてコンパクトにまとめられた参考図書として『法哲学講義』(東京大学出版会)、『法の臨界』(東京大学出版会)などをお勧めしたい。これらを読み、理解し、法学や政治学の基礎的な枠組みの把握が出来たら、当該学部の過去問研究に取り組むとよい。また、京都大学法学部後期の小論文が傾向として似ているため、こちらに取り組むこともお勧めする。例えば、09年にはハンナ・アレント(Hannah Arendt)の『公共空間論』が出題されているが、思想家の概念についての知識・理解・関心が無ければ、受験生は問題の解答を論述することが難しい。 一学年の定員は約1,000名であり、そのうち600名程度が一般入試組、残りが内部進学者、指定校推薦入学者、帰国生・留学生入試枠合格者である。指定校推薦と帰国・留学生の人数は少なく、実質的に一般入試組と内部進学者がほとんどである。 受験方式は英語・数学・地歴のA方式(定員480名)と、英語・論文テスト・地歴のB方式(定員120名)が存在する。定員比が明らかに数学選択に傾斜しているため、大学側が数学ができる受験生を特に需要しているのは明白である。逆に言えば、B方式はその分狭き門となっている。 地歴の中で、地理を受験科目として選択できるのは慶應の中でも商学部だけである。なお、地歴よりも学習量が少なく合格点を取りやすい政治・経済の選択は認められていない。 試験時間は90分、配点は200点。例年大問が7,8題出題される。そのうち3題が長文読解問題(本文は合計約2500語)で、その他の大問では400語程度の文章の空所補充、文法・語法問題、100語程度の短い文章4つを読んでそれぞれ1問だけ答える内容一致問題、語形変化・派生語の空所補充も出題される。大問1~3の長文以外の問題も含めた総語数は約3500語であり、とにかく本文設問共に量が多く、時間制限が厳しい。合格点の目安は8割であり、高得点勝負である。方式問わず英語の出来が合否を決めると言っても過言ではない。 本文については、商学部だけあって、社会科学系の様々な文章が出題されている。経済、政治体制、自然環境破壊、社会保障や福祉、科学技術などなど、どこまでも広範な出題テーマはどことなく面白い。そのため経済学的な単語(例:austerity緊縮財政、progressive taxation累進課税)といった過去問で出てきた単語は覚えるべきである。しかも商学部ゆえに「企業と競争」に視座をおいたミニ論文が目立つのも特徴。いわば社会人向けの常識力を問う課題ともいえる。「実学の慶應」らしい出題である。 いかに速読速解を円滑にできるかが合格点を取る鍵である。当該学部を受験する者は、日ごろから正確な高速処理に力を入れなければならない。 ちなみに、設問の形式は全体的に比較的スタンダードであり、あまり癖が無い。しかし、長文のそれぞれの大問の空所補充1〜2問、内容一致1〜2問は難問であるため、英語全体で8割を安定して取るのは想像以上に難しい。解答のスピードに加えて正確性も高く要求されるハイレベルな試験となっている。 試験時間は70分、配点は100点。数学I・数学II・数学A・数学B(数列・ベクトル)が範囲。試験時間70分に対し、大問4,5題と問題量が多いため、すべての問題に取り組むには相当スピーディな計算力が求められる。また、近年は難化傾向にあるため、適度な取捨選択も重要である。 全範囲からまんべんなく出題されているが、特に「微分・積分」、「場合の数と確率」は毎年出題されている。チャートシリーズ(数研出版)のような網羅系の参考書には載っていないような発想力を求められる問題や複数分野の融合問題(例:2014年大問5の三角関数と期待値の融合問題)が最低でも半分を占めるので、まずは着実に解答が出来る問題から解いていくこと。特に「場合の数と確率」の分野で見たこともないような問題が出題される傾向が強いか。 共通テスト風の実生活をモデルにした問題も過去に出題されている(例:2018年大問3の銀行の手続きの確率を一般化して数学的帰納法で証明する問題)ため、過去問演習でどのような問題が出ているかを確認すべきである。 試験時間は60分、配点は100点。しかし、マークが120個程度あり、マークシートに記入するだけで15分弱はかかってしまうため、実質的には45分で全ての問題の答えを出すことが必要である。 近年、大問3題の構成となっている。文化史に関する出題が多く、20字程度の短論述問題が頻出である。問題の数が多いが、ほとんどがマーク式或いは短答記述式の空所補充問題であり、出題形式は単純である。 難問・奇問が数問は見られるが、教科書レベルで解答可能な問題がほとんどである。慶應大の世界史の中では形式・内容共に最も平易である(とはいえ、センター試験や共通テストよりは明確に難しい)。しかし、得点調整によって10点程度減点されるため、平易な問題が多いからこそ合格するには9割以上の高得点を取る必要がある。受験は相対評価であるため、問題自体の難易度が低かったとしても、その分高得点勝負になってミスが許されなくなるため、問題が難しいときとは別種の難しさが発生する。 学部の性格上、経済史からの出題の可能性がとても高くなっている。特に、産業革命や大航海時代、アジア・アフリカの植民地化、世界恐慌、経済のグローバル化などの経済上の変化には要注意である。大きく経済が変わっているポイントなので、その変化に注意して学習を深めなければならない。 試験時間は60分、配点は100点。しかし、マークが120個程度あり、マークシートに記入するだけで15分弱はかかってしまうため、実質的には45分で全ての問題の答えを出すことが必要である。 社会史、経済史、文化史の出題割合が高い。法学部同様、与えられた文章の穴埋めをしていき、例年3題ほど短文論述が出題されており、稀に正誤問題が出ることもある。問題の数が多いが、ほとんどがマーク式或いは短答記述式の空所補充問題であり、出題形式は単純である。難問・奇問が数問は見られるが、教科書レベルで解答可能な問題がほとんどである。慶應大の日本史の中では形式・内容共に最も平易である(とはいえ、センター試験や共通テストよりは明確に難しい)。しかし、得点調整によって10点程度減点されるため、平易な問題が多いからこそ合格するには9割以上の高得点を取る必要がある。受験は相対評価であるため、問題自体の難易度が低かったとしても、その分高得点勝負になってミスが許されなくなるため、問題が難しいときとは別種の難しさが発生する。 商学部では、ここ数年で、何度か戦後史までが問われている。また、銀行再編という時事問題も一部扱われている。近・現代史や時事問題に関しては、学校の授業だけでは対応できない。なので、近・現代史や時事問題に関しては、独自で対策を進めていくことが必要である。そのためには、日本史の枠におさまらないことが重要である。日本史の教科書だけで勉強するのではなく、普段から新聞やニュースで流れている政治・経済の状況は確実にチェックするようにするべきである。 用語記述は難しめの単語を記述させたこともあり、日頃から歴史用語を正しく漢字で書けるように練習すべきである。 2007年の銀行史、2015年の平賀源内の生涯など、数年に一度教科書範囲外は言うまでもなく、用語集にすら載ってない単語が出題される年がある。もしそのような問題に本番直面したなら他の設問に力を入れて得点調整に期待するほうが良い。 試験時間は60分、配点は100点。大問数は3題で、出題形式は選択式・短答記述式の空所補充がほとんどである。時事的なテーマが多く、詳細な地名・人物名を問う問題も見られる。問題の数が多いが、ほとんどがマーク式或いは短答記述式の空所補充問題であり、出題形式は単純である。難問・奇問が数問は見られるが、教科書レベルで解答可能な問題がほとんどである。慶應大の地理の中では形式・内容共に最も平易である。しかし、得点調整によって10点程度減点されるため、平易な問題が多いからこそ合格するには9割以上の高得点を取る必要がある。 商学部の地理では、時事問題がかなりの頻度で出題されている。時事問題対策を無視して、合格点まで届かせることは不可能なので、きちんと対策をすべきである。まず、日頃から新聞・テレビなどのニュースに普段から関心をもつことが大切だ。『現代用語の基礎知識』(自由国民社)などを利用して、世界経済や国際情勢、民族問題、環境問題に関して、最新の知識を身につけることがポイントとなる。 試験時間は70分、配点は100点。教養や論理的・数学的思考力、国語的読解力を求める独特の科目である。受験生の地頭を見る科目と言ってもよい。年によって問題難易度の差が激しいため、問題難易度の乱高下に左右されない実力をつけるべきである。 数学の確率・集合・命題の基礎を復習し、論理学を身につける必要がある。一朝一夕に対策ができる科目ではない。例えば、確率・統計に関する問題、科学理論についての課題文を読ませたうえでの論理学分野の出題、ゲーム理論などの商学分野の問題、古典を読ませた上での要約問題やシンプルな現代文的な読解問題などの国語に近い問題は頻出である。また、例年かなり特殊な問題も出題されている。2012年度の場合、ノーベル経済学賞受賞者ミルトン・フリードマンの企業の社会的責任や渋滞学に関する問題も出題された。 これらの問題に対処するには、政治・経済の知識があれば取り組みやすいものの、本文の内容把握を正確に行える国語力があれば問題ない。とはいえ、テーマに関して全く未知だと、概念を理解して文脈を追うのに時間がかかる上に正確さも下がるため、ある程度の背景知識は付けておくべきである。 慶應大他学部とは異なり、論述式の小論文ではなく、マーク式の論文「テスト」であり、比較的マーク式の国語に近い問題形式である。 一学年の定員は、全「学門」あわせて900名程度であり、そのうち650名程度が一般入試組、残りが内部進学者、指定校推薦入学者、帰国生・留学生入試枠合格者である。指定校推薦入学者や帰国性・留学生入試枠合格者は少なく、実質一般入試組と内部進学者がほとんどである。 慶應理工学部では、英語(150点)・数学(150点)・物理(100点)・化学(100点)の4科目(計500点満点)が課される。理工学部は5つの「学門」に分かれており、それぞれに合格定員が設けられているが難易度に大差は無い。それぞれの学門ごとに進学できる学科が概ね決まっているので、まず希望する学科をある程度見据えて学門を選ぶ必要がある。 入試問題は全学門で共通。基礎をしっかり固め、様々な良問や応用問題を解くという王道こそが最も効果的である。 よく誤解されるが、文系学部と同じく1・2年次は日吉校舎で授業が行われ、以降は矢上校舎となる。入試は日吉校舎と三田校舎で行われる。 試験時間は90分、配点は150点。他学部に比べると比較的平易な難易度である。例年、長文読解問題と文法・語法問題(条件英作文)という構成であり、長文としては自然科学系の論説文が出題されることが多い。問題自体は簡単であるが、文章レベルはかなり高いので、相当な語彙力が必要になる。語彙力を身に着けるために単語王などの難関大学受験生用の単語集を一冊しっかりと取り組んでから長文対策はおこないたい。文法・語法問題は法学部のそれほど難易度は高くないが、それでも基礎問題集をしっかりやってから過去問で対策するべきであろう。お勧めは桐原書店の「頻出英文法・語法問題1000」と河合出版の「英文法・語法 正誤問題」の2冊である。これらを何度もやれば、すんなり過去問の問題に取り組めるはずである。最後の和文対照空所補充問題のみ記述式であり、他は客観式。最後の大問は出題傾向が安定していない。イディオムの知識に留意しておけば特に悩む出題はないと思われる。但し稀に、得点調整のためか特異な英文が出題されることもある。 試験時間は120分、配点は150点。大問数は例年5題である。場合の数と確率・整数問題、数II図形と方程式が頻出であるが、全体的に数学IIIの内容が中心。そして、いくつかの分野にまたがる繁雑な融合問題がほとんどであり、試験時間120分に対し、150分でも足りないくらいの問題量であるため相当の思考力、計算力が要求される。特に、後半の問題は、計算の煩雑さ、計算量の多さも相まって数学が得意な理系トップクラス受験生でも難しい内容になっている。例え穴埋め形式の問題であっても計算量は多く、むしろ記述式問題より多いこともしばしば。また、記述式問題は証明問題が中心に出題されているので、証明の対策も怠らないようにしなければならない。対策としては、まず「チャート式基礎からの数学(青チャート)」もしくは「大学への数学 1対1対応の演習」といった標準レベルの問題集を利用して『典型問題の処理能力』を養い、「理系数学の良問プラチカ」や「大学への数学増刊 新数学スタンダード演習」のような応用力を養う問題集を1冊やって『煩雑な計算にも耐えうる力』を養った後に過去問対策をするとスムーズに対策が出来るだろう。 試験時間は化学と合わせて120分、配点は100点。例年、力学から1題・電磁気(電気)から1題・波動又は熱力学から1題の計3題の構成であるが、2020年度入試では原子が出題された。図やグラフを描く問題が毎年のように出題され、特に力学分野では力の図示の問題、電磁気分野ではグラフを扱った問題の出題頻度が高い。医学部レベルの難問も出題されたり、目新しい題材や一見複雑な出題されることもある。電気分野では、平行平板コンデンサーを扱った問題が頻出される。 スターリングサイクル、カルノーサイクルを題材に使った問題など目新しい出題や高難易度の出題もあったりするが、丁寧な誘導がついているのでそれにうまく乗っていき計算量を少しでも減らしていきたい。特に物理は化学とセットで120分しか与えられない。化学の計算量や難易度などを考えれば物理にかける時間は少しでも抑えたいところである。出題者がどのような考えで問題を作っているのかを日ごろ考えて解いていき、本番でも問題の意図を読みきり解けるところは素早く解けるようにしよう。 勉強の流れとしては、まず基礎・標準部分を固めるために、教科書等で知識を吸収したら「物理のエッセンス(河合塾シリーズ)」と言った基礎固めの問題集を一冊徹底的に取り組もう。そして、難しい頻出問題が解けるように「難問題の系統とその解き方(ニュートンプレス)」に移ってほしいのだが、この本はかなり骨太で難しい。旧帝大・早慶の理系受験生や医学部受験生で物理で高得点を狙いに行く受験生がやる問題集であるため人を選ぶが、当該学部合格のためにも諦めず何周も取り組んで欲しい。そうすれば過去問対策も楽になるだろう。 試験時間は物理と合わせて120分、配点は100点。大問3題の構成。頻出のテーマは、無機と理論計算の融合問題、反応速度、化学平衡、レベルの高い構造決定などである。化学の全範囲にわたって偏りなくしっかりと学習することはもちろんだが、これらの分野には特に力を入れた学習が必要となる。やや難化傾向にあり、高校範囲外から出題されることもある。例えば、2012年度の1(1)の閃亜鉛鉱の構造は、教科書では「参考」や「発展」として扱われることが一般的であり、例え化学が得意な者であったとしてもそこまで馴染みのある内容ではなかったと思われる。 有機化合物は大問3で必ず出題されており、難易度は一貫して高めであることからも深い知識を持ち、それを応用できる実力をつけていくことを平素の学習でも心がけよう。他にも結晶構造や結合の出題をよく見かけるが、上述のテーマより難易度は低いのでこれらの分野は取りこぼすことのないようにしたい。また、全体的に求値計算は煩雑な場合が多く物理との時間の兼ね合いも考えても、完答を目指すならば相当の計算力が要求される。 勉強の流れとしては、まず基礎・標準部分を固めるために、教科書等で知識を吸収したら「実戦化学1・2重要問題集(数研出版)」と言った基礎固めの問題集を一冊徹底的に取り組もう。そして、物理同様に難しい頻出問題が解けるよう「化学I・IIの新演習(三省堂)」に移ってほしい。こちらの問題集もかなり難易度は高いが、当該学部合格のためにも諦めず何周も取り組んで欲しい。 一学年の定員は100名であり、そのうち70名程度が一般受験組、残りの30名程度が附属高校推薦入学者である。 慶應医学部の1次試験では、英語(150点)・数学(150点)・理科2科目選択(200点)の4科目(計500点満点)が課される。慶應医学部は、第一志望の受験生だけでなく東大理IIIなどの受験生の大部分も併願受験するため、合格難易度は非常に高い。 出題傾向はあまりはっきりせず、全科目記述・論述問題が多く出題される。よって、過去問題集をしっかりとやり込み、医学部特有の難問にも取り組める深い思考力を養うべきである。 文系科目の英語は他学部と比較しても標準レベルであるが、理系科目、特に生物、数学の難易度はずば抜けて高い。例えば、数学は短時間で相当な量の計算を要求され、難度の高い問題が多く出題される。 全問完答を狙うのはまず無理なので、標準レベルの問題を確実に取り、難度の高い問題も部分点を少しでも取れるように訓練していくのが大切だ。 例年、実質倍率は8~10倍程度である。 試験時間は90分、配点は150点。文・経済・法ほどの難易度ではないが、それでも受験英語の中では最高レベルの英語力が求められる。非常に高い語彙力、構造解釈力が求められる。大学受験用の単語帳に載ることはまずないような単語・構文が含まれた英文を和訳させる問題も出題される。慶應義塾大学の出題英文は接続詞が少なく文脈の方向を把握しにくい傾向にあるが、医学部の英語では特にその傾向は目立たない。稀に難度調整(得点調整?)のためにとてつもなく特殊な英文が出題されることもあるが、それらの例外を除けば、概して真面目に受験勉強に取り組んでいれば対処出来るはず。かつ、医学部の出題文は文系理系などという瑣末な範疇を超越した、質の高い「名文」が多く、他学部の受験者でも医学部英語をトレーニング素材としていることはよく知られている。 なお出題文中、比較的特殊性の高い語彙については特に解釈リファレンスが付録でついている。さらに、英作文は「書き手の主客を変えて書いてみる」など大きな発想転換を求めるものが多く、これまた極めて良質な出題といえる。学力上位の受験生の得点差はこの英作文で大きく発生すると思われる。 試験時間は100分、配点は150点。慶應医学部の数学は理系最高峰の受験生らを篩に掛けることを意識して作られているため、難易度も大学受験最高レベルである。 大問は4題あり、毎年半分は数IIICから出題されている。特に微積からは毎年出題されている。大問1だけは例年標準レベルの小問(空所補充問題)で構成されることが多い。そして、毎年1、2題はかなり難易度の高い問題が出題されているが、受験生のレベルと倍率を考えると、これらの問題にもしっかりと食らいついていくことが求められる。2次曲線・行列・微積分(解析系)・数列・数列(漸化式)が多く、100分で完答するには予備校講師でさえも厳しい。問題の特徴としては、いくつかの分野が融合されている総合(融合)問題(2つの粒子が複雑に動く確率漸化式、帰納的に処理する関数列、多項式の漸化式など)が頻出である。したがって、単純に解法パターンを暗記するだけの勉強をしてきた人では全く歯が立たない。大学入試数学の中でも最高レベルの論証能力・計算処理能力が求められる。よって、しっかりと基礎を固めたら様々な応用問題に挑戦していき、発想力を高め、過去問演習をすることでその計算力をさらに高める必要がある。 また、近年、大問2、3では「操作(T)」の確率問題が出題されることが多くなっているため、この分野は徹底的に対策し得点できるようにしよう。予備校には長年の慶應医学部数学対策のノウハウもあるので、過去問研究には予備校の冬期講習や直前講習の「慶医数学」みたいな講座を受講すると良いかもしれない。 試験時間はもう一つの選択科目と合わせて120分、配点は100点。論述問題・作図問題・数値計算問題が頻出。日本国内では見慣れないレベルの題材が出され、実力が無いと現象を理解することすら難しい。1999年度以降、大問は3題でIは小問集合という構成が続いている。学習指導要領の「物質と原子」の「原子・電子と物質の性質」及び「原子と原子核」が出題範囲に含まれているため、原子分野を重要だと考えている教授が多い為か、必ずと言って良い程、原子物理が出題され、力学も必ず出る。難易度は化学・生物に比べると易しい。グラフ作図の練習、数値に対する勘を養い、京大・東工大等の過去問演習も有効であろう。また、日本の大学入試物理最高難易度と呼ばれている滋賀医科大の問題もやってみるとよい。 試験時間はもう一つの選択科目と合わせて120分、配点は100点。大問は3題の構成で、論述問題は必ず出題される。高校範囲外からの出題や参考書外からもあり、有効数字については問題文には触れられないため、自らで判断する必要がある。受験者層を考慮すれば、標準~やや難なレベルと言えるため、高得点争いが必至であり、1つの取りこぼしが命取りになり、ほぼ満点に近い得点が必要である。理論または無機1問と有機が2問出題されることが多い。生物に絡んだ問題も多く出題される。2008年度入試で易化したことにより、今後の展開が読めない状況になっているが、09・10では難化している。生命化学や高分子化学まで、幅広い知識が必要で、有機分野は重視傾向にある。反応速度・平衡移動・電離平衡等の演習も欠かせない。 試験時間はもう一つの選択科目と合わせて120分、配点は100点。大問は3題であるが、ほとんどが記述・論述であり、時間に対する分量も多い。考察問題では見慣れない題材を扱った実験考察問題及び知識問題では細かな知識が問われ、複雑な考察問題が課されるため、現在では対策無しには高得点を望めない問題構成になっているが、対策次第では7〜8割程度の点数で安定させることはさほど難しくない。そのための対策として、教科書の基本的事項を暗記した後、当該学部の過去問の考察問題を解き、解説を熟読し、自分なりの解答をまとめるといった地道な作業が必要である。論述問題の文章が長いため、相当な考察力と読解力が必要である。また、「Nature」などの科学雑誌で生物関係の記事があればそれを読んでみるのも良い。ブルーバックス等でもそういった生物関連の書籍がいくつもあるはずだから、興味があれば読んでみて、大学入試生物にとらわれずに生物学を学ぼうとする姿勢も重要である。物理と生物を両方履修しているわけではないにも関わらず、物理選択者よりも不利と(主にネット上で)吹聴されている生物選択者だが、高校卒業時点で物理・化学・生物全てを履修し、生物と化学で当該学部を受験した筆者からすれば、その差は個人の努力によるものがかなり大きい。ここを読んだ生物選択者は、物怖じせずに自分の道を突き進もう。あなたの健闘を心より願っている。 慶應医学部の2次試験は複数回の面接と小論文が行われる。受験できるのは1次試験(学科)で合格ラインを超える成績をおさめた者だけである。この2次試験を突破し入学許可を勝ち取るのは、例年1次試験(学科)を通過した者の5~6割であるので、しっかりと面接対策と小論文対策をしておくべきである。 医学部にふさわしい人材かどうかの適性をみる質疑応答がされる。医師になる自分をどれだけ具体的に現実的に考えられているかが重要になってくる。医師になる姿勢が本気でないと答えられない質問内容もあるので、「どうして医師になりたいのか」「医師になって何をしたいのか」など今一度じっくり考え、その内容を必ず「自分の言葉で」相手に伝えられるようにすることが重要なポイントである。 通常15分程度の面接が2回行われるが、再受験生や3浪以上、宅浪生などは3回行われる。面接1回目と2回目の内容で言っていることが違わないように注意すること。実施前にカードを記入するので、記入した内容を覚えておくこと。 面接の質問内容例 試験時間は50分。2008年までは難易度の高い生命科学に関する課題文を読ませて、要約させ、自分の考えを記述させるものであったが、2009年度から内容ががらりと変わり、受験生の人間性を問うような内容が出題されている。他学部と違って問題は非公開。 新傾向の内容例 一学年の定員は薬学科(6年制)で150名、薬科学科(4年制)で60名であり、一般受験組は薬学科で100名程度、薬科学科で50名程度で、残りが附属高校推薦入学者等である。 慶應薬学部では、英語(100点)・数学(100点)・化学(150点)の3科目(計350点満点)が課される。化学の配点が高いため、化学が得意でない受験生にとっては厳しい内容である。因みに合格最低点は例年60~70%である。数学はハイレベル理系受験生にとっては標準的な内容であるが、英語・化学の難易度は非常に高い。 薬学部生のキャンパスは芝共立キャンパスであるが、入学試験は三田キャンパスもしくは日吉キャンパスで受験することになる。 実質倍率は薬学科で5倍程度、薬科学科で4倍程度である。 試験時間は80分、配点は100点。長文読解問題が3題出題される。長文の内容は、医学、心理学、動物行動学など、自然科学系のテーマを扱った専門的で硬質な難易度の高いものばかりである。しかも設問も非常に高度な語彙力や読解力を求めるものばかりであるため、高い英語力を持つ受験生でも手がかかる問題ばかりである。そういう意味では、同じく高度な学術英文と難しい設問を課す慶應法学部の英語と受験生に求める能力は似ている(もちろん英文の内容は全く違う)。受験生の間では、「化学」以上に差が生まれると言える。 問題形式は選択問題が多いが、和訳や内容説明などの記述式の問題も出題されている。和訳は1,2問出題されるが、構文が複雑で内容がつかみづらい英文を和訳させるものが多く、対策のできていない多くの受験生はここで取りこぼすと思われる。過去問研究するときは、どんな難しい文でもすべて和訳して練習するのが効果的である。 試験時間は80分、配点は100点。数学IIBまでの出題である。難易度は医学部、理工学部程ではないが広い分野から出題され、かなり繁雑な計算、工夫を要する計算が含まれる。80分の試験時間で合格に必要な高得点を取るにはかなりの計算力と数学的センスを要求される。「チャート式基礎からの数学(数研出版)」(青チャート)のような網羅系参考書を用いて標準的な問題を数多く解いて計算力をつけ、さらにやや難しい問題にも挑戦し、十分な数学的思考力を培った上で、過去問をしっかりやるべきである。もし余裕があるならば経済学部や商学部の数学もやってみることをお勧めしたい。 問題の難易度は高いが、それ以上に受験生のレベルが高いので、7割を目指してほしい。 試験時間は100分、配点は150点。大問が4,5題出題される。選択問題と記述問題の両方が出題される。量としては記述問題の方が多い。化学IIの理論分野からの出題が多く、無機分野からの出題が少ない。ペプチド配列や溶解度積など難しい分野から問題が出題されることも多い。化学IIも含めた全分野の基礎力を十二分に確立した上で、数多くの演習問題にあたり、計算力を培うように努める必要がある。例年目新しい題材を扱う問題が出題されるため、問題をしっかり読み取る力を養成すること。 毎年大問1,2題難易度の高い問題が出題されている。例えば、2012年に出題された大問2の触媒と反応速度、酵素が触媒として働く反応の問題はかなりの難問で、酵素反応の反応速度式を誘導なしに求めさせたり、過酸化水素の触媒下での分解が一次反応であることを前提としているなどかなり解答が困難なものであった。慶應薬学部を受験する受験生のレベルはかなり高いため、そのような問題にどれだけ食いついていけるかが合否を分けることになる。 対策としては、まずは受験基礎~標準レベルの網羅系問題集を1冊徹底的に仕上げること。次に、推薦図書として「化学I・II標準問題精講(旺文社)」を紹介しておきたい。この参考書は難易度の高い良問揃っている。当学部は化学の配点が高く(150/350)、できる受験生にとっては周囲に差をつけやすい科目であるため、この問題集の問題が8割程度スラスラ解けるようになった後に、過去問対策をすれば実のある過去問研究ができるだろう。また、当学部の過去問対策をしっかりやるのはもちろんのこととして、医学部や理工学部の化学の過去問にも取り組むことが望ましい。 SFCとは、湘南藤沢キャンパスに設置されている総合政策学部・環境情報学部・看護医療学部の3学部を指す。両学部の小論文は慶大の他学部や他大学で見られるものとは違い、SFCオリジナルの非常に独特で重厚な内容になっているため、受験生は早い段階から小論文対策に取り組むこと。また、SFCではAO入試を積極的に導入しており、多種多様な学生を集めているが、本項では一般入試対策についてのみ記述する。 SFCと呼ばれる学部群の1学部。一学年の定員は450名であり、大学受験一般入試枠は225名。残りはAO入試・帰国生入試・留学生入試枠・附属高校推薦が占める。例年、実質倍率は10倍程度である。環境情報学部とは別の学部であるが、学部間に垣根は無い。 試験時間は120分、配点は200点。全て客観式の設問で、1200~1500wordsの超長文読解問題が2題出題される。学術的内容の長文の出題が多く、例年1つの長文につき20箇所もの空所補充問題があるのが特徴。大学入試としては非常に高いレベルの語彙力、読解力をまともに問うこの形式は環境情報学部の出題と共通している。本文の抽象度が高く語数が多いため、1つの文章を読みきるだけでも体力を消費する。そのため、重厚な長文に慣れて耐性をつけておくべきである。また、分野を問わぬ文章が出題されるため、幅広い単語力や背景知識は必須であり、食わず嫌いは厳禁である。 試験時間は120分、配点は200点。範囲は数学IIBまでとなっているが、教科書範囲外の独創的な出題が多いのが特徴である。問題文も長く複雑なものが多い。幅広い分野から、SFCらしいパズルのような複雑な問題が出題されるが、頻出分野は集合と論理・整数・場合の数と確率・数列である。対策としては、受験レベルの基礎を確立し、その後は過去問でとにかく演習を積むしかないと思われる。特に、数学のみの受験生用の問題は大学入試レベルを逸脱しているものが多いので、数学のみの受験生は覚悟が必要である。環境情報学部の数学の問題もやっておこう。 2016年度から新しく「情報」という科目も選択可能となる。 問題の難易度は国家試験のITパスポート試験より高く、基本情報技術者試験よりはやや低い、という感じである。 ただし、ボーダーラインが予め得点率60%以上と決まっている基本情報技術者試験と異なり、SFCの情報科目のボーダーラインは基本情報技術者試験より高い。また、出題傾向も基本情報技術者試験とは若干異なるため、既に基本情報技術者試験に合格している受験生でも油断するなく、実際に出題された過去問等でしっかり対策しておくこと。 試験時間は120分、配点は200点。総合政策学部の小論文は、5種類以上の膨大な資料が与えられる難問である。資料や自身の知識の事実に基づいた根拠から自分の考えまでを記すことになる。全体の論述字数は1,500字~1,800字程度である。資料から素早く重要な情報を正確に読み取り、頭の中でそれらを組み合わせる力が求められる。国語の現代文の要領で一文一文を丁寧に読んでいては、資料を読むだけで試験時間が終わってしまう。よって、小論文の書き方を覚えただけでは到底歯が立たない。小論文の基礎的な問題が解けるようになったら、当該学部の過去問や環境情報学部の小論文に取り組み、学校や予備校の小論文の講師に添削してもらうことが重要である。 総合政策学部の小論文では、具体的な問題設定・構造的分析・解決法・新しいビジョンを提示させるものが多い。いずれも、総合政策学の理論を使わないと導き出せないようになっている。大量の資料から共通するテーマを発見する力だけでなく、総合政策学とはどういう学問なのかも勉強しておく必要がある。 資料のテーマは、時事問題が中心である。近年では、教育・介護・政策・日本の望ましい将来像の設計など、幅広いテーマが出題されている。また、資料は新聞記事や政府の公文書、論文、学術書、政党のマニフェスト等が出題される。政治経済や現代社会の知識がなければ、読み解けない内容になっている。年度によっては統計表や英文資料が出ることもある。 総合政策学部の小論文の問題形式は年度によって変わる。文章を書かせるだけでなく、「図示とその図の解説」を求める年度もあった。また、意見論述だけでなく、政策評価などが問われることもある。 以下の内容は、小論文の基礎が確立されていることが前提である。 SFCと呼ばれる学部群の1学部。一学年の定員は450名であり、大学受験一般入試枠は275名程度。残りはAO入試・帰国生入試・留学生入試枠・附属高校推薦が占める。例年、実質倍率は9倍程度である。総合政策学部とは別の学部であるが、学部間に垣根は無い。 試験時間は120分、配点は200点。全て客観式の設問で、1200~1500wordsの超長文読解問題が2題出題される。学術的内容の長文の出題が多く、例年1つの長文につき20箇所もの空所補充問題があるのが特徴。大学入試としては非常に高いレベルの語彙力、読解力をまともに問うこの形式は総合政策学部の出題と共通している。本文の抽象度が高く語数が多いため、1つの文章を読みきるだけでも体力を消費する。そのため、重厚な長文に慣れて耐性をつけておくべきである。また、分野を問わぬ文章が出題されるため幅広い語彙力や背景知識は必須であり、食わず嫌いは厳禁である。総合政策学部に比べればかなり理系分野にシフトしたテーマが目立つため、この点を鑑みれば概して語彙の対策は立てやすいはずである。 試験時間は120分、配点は200点。範囲は数学IIBまでとなっているが教科書範囲外の独創的な出題が多いのが特徴である。選択問題ではコンピュータの問題が出される。他大学の入試では見られないような異質な問題が頻出する(特に、数学のみの受験生用の問題は発想力が求められるパズルのような問題が多く、理系受験生でも難しいと言われている)。環境情報学部は総合政策学部に比べて数学の難易度が毎年若干高めに設定されている。あらゆる分野の基礎をきちんと押さえた上で、日頃から数学的パズルに親しむとよい。総合政策学部同様に、数学のみの受験生用の問題は大学入試レベルを逸脱しているものが多いので、数学のみの受験生は覚悟が必要である。 2016年度から新しく「情報」という科目も選択可能となる。 問題の難易度は国家試験のITパスポート試験より高く、基本情報技術者試験よりはやや低い、という感じである。 ただし、ボーダーラインが予め得点率60%以上と決まっている基本情報技術者試験と異なり、SFCの情報科目のボーダーラインは基本情報技術者試験より高い。また、出題傾向も基本情報技術者試験とは若干異なるため、既に基本情報技術者試験に合格している受験生でも油断するなく、実際に出題された過去問等でしっかり対策しておくこと。 試験時間は120分、配点は200点。非常にハイレベルな小問が複数課されるが、全体の論述字数は1,200字~1,600字程度。環境情報学部の小論文はアイディア提示型の特殊な内容である。他の学部の小論文のような抽象度の高い課題文が出題されることはないが、1総合政策学部と同様に膨大な資料に向き合い、クリティカルに読み、そこから自分のアイディア(商品の企画案や改善案)を構築する問題発見・問題解決力、そして2タイトルを考えるといったセンス・要約力が評価される特殊な入試である。 出題形式は総合政策学部と違う。総合政策学部は、大量の資料を分析し、事実に基づいた根拠から自分の考えまでを、600~800字程度でまとめる問題が数問出題される。一方で、環境情報学部の小論文は、複数の小問にわかれて、根拠や考えが別個で問われる。200字で解答しなければならない問題もある。聞かれたことに対して最小限の文字でわかりやすく解答する力が求められる。 1の問題発見・問題解決力は、やみくもに問題演習をしても身に付く力ではないため、戸山田和久氏の『「科学的思考」のレッスン』(NHK出版新書)等の優良な参考書を使って、問題発見・問題解決の正しい考え方・やり方を身につけておくことが重要である。 環境情報学部は、総合政策学部と同様に自己意識の強い学部であって、受験生に対して環境情報学ではどんな研究がおこなわれているか、そのコンセプトとはどういうものかに関する深い理解を小論文試験で試している。したがって、まずは環境情報学部の研究について詳しく理解しなければならない。当該学部は実に多様なことを研究しているから、入試ではどの分野(テーマ)が出題されるか分からない。地球環境問題や生活用品のデザイン、メディア・アート、科学論といった実に様々な分野から出題されている。よって、当該学部で研究されている幅広い分野の全てについて、自分なりにある程度の見識を持っておく必要がある。また、入学後どのような研究を自分はしていきたいか、考えておくことが不可欠である。 SFCと呼ばれる学部群の1学部。一学年の定員は100名であり、大学受験一般入試枠は70名程度。残りは附属高校推薦・AO入試・帰国生入試・留学生入試枠が占める。 試験形態は1次試験(学科試験)と2次試験(面接+小論文)からなる。当学部に合格するのに鍵となるのは2次試験だと言われている。それは、当学部が人物面をかなり重視しているからである。よって、例年1次試験を上位で通過した非常に優秀な者でも2次試験の内容によっては合格できないことも多い。因みに当学部の1次試験の問題の難易度はどの科目も本学にしては簡単だと言われている。 例年、実質倍率は4倍程度である。 1次試験は、I.英語(300点)+数学(200点) II.英語(300点)+化学(200点) III.英語(300点)+生物(200点)のいずれかから選択する(小論文は1次通過者のみに対して、面接と共に2次試験として課される。)。 試験時間は90分、配点は300点。問題のレベルは、慶大の英語の中で最も易しい。客観形式による文法問題や長文空所補充といった選択式の問題(PART1)と、下線和訳といった記述式の問題(PART2)の2パートに分かれた形式であり、PART2の最後には100-150語で書く自由英作文がある。 PART1 はさして難しいものはなく、文法正誤問題などは他学部の受験生の演習素材としても格好のもの。むしろ、PART2 にこそ若干留意すべきであり、文脈整序問題は出題文の短さに比して存外難しく感じさせることがある。その理由は接続詞の希少な文章が出題されるためで、速読だけで対処出来るほど甘いものではない。また、PART2 最後の自由英作文は特に抽象度の高い設問ではないが、語数は自由英作文を出題する大学の中ではかなり多い方であり、自己の見識のみを書き連ねて事足れりとしないように。 試験時間は80分、配点は200点。5題構成で、3番までは空所補充形式、4番5番が記述形式になっている。試験時間80分のわりには問題数が多い為、迅速かつ的確に解答できる力が必要である。出題範囲はII・Bまでである。問題のレベルは、慶大の数学の中で一番易しい。慶大の他学部を受験しないのであれば、「チャート式解法と演習数学(数研出版)」(黄チャート)をお薦めする。こちらをしっかりとマスターすれば、空所補充形式の3題はすべてカバーできる。また、若干難しい問題が出題される記述形式の2題でも部分点を取ることが出来るだろう。これだけで7割は得点できるはずである。 例年、5番で出題される証明問題(「整数問題」や「式と証明」の分野が多い)は文系受験生にとっては取り組みにくい内容で、受験生の間でも差が出るため、数学で差をつけたい受験生は十分に対策しておくこと。 試験時間は80分、配点は200点。大問数は3題で固定されている。思考力を問う問題が多く,暗記した知識のみでは対応できないが、それでも、他学部(理工、医、薬)に比べると解きやすい問題が多い。問題形式としては、選択式・記述式問題と30~60字程度の論述問題が出題されている。出題分野も年々変化するため、化学I・IIの全分野にわたってしっかりと対策しておく必要がある。電離平衡・天然有機化合物がよく出題される。教科書・参考書や大学入試標準レベルの問題集で徹底的に基礎を固め、過去問対策を十二分に行えば、65~70%は得点できるだろう。 試験時間は80分、配点は200点。生物IIからの出題が多く、特に、遺伝子、進化、系統・分類などの分野からの出題が目立つ。知識問題の難易度が比較的高い。教科書に載っていないハイレベルな問題もいくらか見られる。DNAについては医学的内容や新しい内容が出題されることが多く、受験生に単なる受験用の知識ではなく、普段から医療に通じる生物学にどれだけ興味を持っているのかが問われている。よって、話題になっている問題は日頃から関心を持って学習すべきである。似たような傾向の問題が出題されることが多いため、過去問演習はできるだけ多くの年度の問題を解くべきである。 医学部同様、1次試験合格者には、小論文と面接の2次試験が控えている。前述の通り、看護医療学部は受験生の人物面をかなり重視している。それは、患者との心のふれあいを仕事とする看護に携わる者にとってとても重要だからである。当学部を志望する受験生は、普段から成績だけでなく、求められている人物像や看護というものが何なのかを常に意識しておく必要がある。2次試験を突破できるのは、例年1次の学科試験を通過できた者の6割ほどである。換言すると、学科試験を通過できた受験生でも、4割が合格できないのである。従って、十分に面接、小論文の対策をしておかないと合格するのは非常に難しいと言うことだ。 看護を学ぶ者にふさわしい人材かどうかの適性をみる質疑応答についての質問がされる。通常約20分と比較的長時間の面接が行われる。内容は、志望動機、高校時代の活動、趣味、ボランティア経験の有無などの基本的なことから始まり、理想の看護師像、医師と看護師の違い、看護師として活躍したい分野、趣味が将来仕事にどのように役立つか、自己の欠点とそれが看護師にどのように影響するのか、看護師以外の道などしっかり対策していないとすぐにはきちんと答えられないようなことまで聞かれる。年によっては、時事問題従って、学校や予備校で実際に模擬面接を何度もやって練習して置くことを勧める。 試験時間は70分。設問は2問、もしくは3問出題される。設問内容は、例年通り要約・説明と論述である。字数は2問出題の場合、要約・説明が200字、論述が600字程度である。課題文は、社会や個人に関するような看護学に関連するものが比較的多い。(年度によっては、いささか古く、非常に読みにくい文章も出題されている。)現代文で読んだ文章を200字程度で要約する練習を普段からやっておくべきだろう。また、論述問題対策としては、面接対策同様に、看護に関する自分の考えを膨らましておくことが大切である。 様々な学習予備校が慶大対策を分析したサイトを開設している。主だったところだと、河合塾が慶大受験生向けに入試情報をまとめた慶大塾というサイトは過去の入試データや傾向分析が充実している。特に、「全統模試から見た合否の実態」や「全統模試から見た差のつく教科」は、入試の偏差値(合格者平均偏差値)に関する詳細なデータを参照できるため、お勧めである。 また、受験についての各種関連記事や合格後の学生生活に対する話題については、慶應塾生新聞にて【受験生応援特集】が定期的に組まれているため、参考にすると良いだろう。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本項は、慶應義塾大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "慶應義塾大学ホームページ(入学試験の概要が記載されている)https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "慶應義塾大学(慶應、または慶大)は、東亜最古の段階で高等教育機関となった旧制大学の一つであり、我が国で最初に設立された私立大学である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "慶大は、問題の形式・傾向が学部ごとに大きく異なるため、ある学部の過去問演習が他の学部の対策に役立つということは稀で、複数学部を受験する場合は学部ごとに対策をする必要がある。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "一学年の定員は850名程度であり、そのうち一般受験組が7割程度、残りが附属高校推薦入学者、自主公募推薦合格者、帰国生・留学生入試枠合格者である。指定校推薦入試とAO入試は導入していない。1年生の間は一般教養科目を中心に、第2学年以降は三田キャンパスで17の専攻から1つを選び、学んでいく体制をとっている。人気の専攻は相対競争が激しい分、高水準の成績が要求されるため、大学に入学してからも学び続ける姿勢が必要である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "慶應文学部では、外国語(150点)・地歴(100点)・小論文(100点)の3科目(計350点満点)が課される。外国語は、英語・ドイツ語・フランス語・中国語の中から1つ選択する。小論文はもちろんのこと、外国語・地歴もほとんどが国公立ニ次型の記述式である。科目別では、特に英語と小論文の難易度が非常に高い。その割には合格最低点は65%程度でありあまり低くないため、激しい競争を強いられることになる。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "試験時間は120分、配点は150点。合格点の目安は7割である。慶應文学部の英語では、辞書の使用を許可されている(ただし電子辞書は一切不可)。大学入試で辞書を許可することは非常に珍しく、言い換えれば、構文解釈能力や国語的読解力、日本語能力が問われる超長文が出題されるということである。勿論難易度は非常に高い。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "英語は抽象度の高い1,000words前後の総合問題2題、もしくは2,000words前後の総合問題1題が出題される。(1977年~2005年、2007年~2010年。2006,2011年度入試では出題形式に変化あり。)", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "和訳や説明、英訳など殆どの設問が記述式なので、過去問・予想問を中心に、最難関国立大学二次試験型の問題に対応できる実力を養成する必要がある。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "文学部はそもそも長文出題が特徴だと言われてきたが、出題テクストの長さや総語数などさしたる意味を持たなく、そもそも文学部は総語数は少ない部類である。なぜなら文学部の英語入試こそはとりわけ「観念の把握」を重視した出題であるからである。文学部だけあり、出題文の抽象度の高さは群を抜いている。どれだけ入試対策で英単語を理解していようが、辞書を何冊持ち込もうが、背景知識がなく理解出来ない観念はいつまで経っても理解しようがないわけで、テクスト分析に対する素養そのものを求める出題姿勢が伺える。 具体的には、「存在とは」「意識とは」「宇宙とは」「歴史とは」「美とは」「感情とは」―――――などなど、常日頃の読書における質と量に裏打ちされた哲学的考察と素養を要求される。 なぜ試験時間が2時間もあるのか、受験生は過去問を吟味しながらよく考えてみるべきだろう。受験生一人ひとりがどれだけテクストを読みこなせるか、どこまで的確に概念を把握できるか、そして咀嚼した文意から考察し、どれだけ論理的整合性のある解答を導き出せるかが勝負のカギである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "また、2012年度から超長文に加えて和文英訳の問題が出題されている。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "試験時間は60分、配点は100点。大問が4題出題される。ほぼすべての問題が記述式で、出題時代・地域も多岐に渡る(例えば2013年度の場合、中国史、ウィーン史、アメリカ合衆国史、北アフリカ・インド・イランのイスラーム史がそれぞれ大問で1つずつ出題され、時代も古代~現代史まで出題されている)。しかし、標準的な語句からの出題であっても、一般的な問い方とは違う形で問われることが多く、解答に辿り着くことが困難な問題も多い。市販の問題集等でパターンにはめ込むような学習ばかりしていると、慶應文学部特有の捻って盲点を突く問題に対応しにくいため、様々な年度の過去問を演習すべきである。近年は中国に関連する東洋史からの出題が目立ち、文化史の比重が高い。史料文(漢詩)が提示されることもあり、年代そのものを書かせるものも出題された。更に慶應大ではギリシア神話の知識など、常日頃の読書量を試すような出題もなされるため、注意が必要である。また、日本史より平均点が高いため、得点調整で減点されやすいことに注意しよう。合格点の目安は素点8割である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "試験時間は60分、配点は100点。原始時代が2006年度以後隔年に出題されている他、史料問題が毎年出題される(未見史料が頻出である)ため、史料を読む読解力やそこから様々な推測を立てる思考力を鍛える練習をしておきたい。そのため、一問一答やレジュメの丸暗記だけで済ませている受験生を排除するような出題をしていると言える。勿論難易度は高い。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "ジャンルは政治、法律、経済、産業、外交、文化と広範囲にわたり、短答記述式の問題が4割程度、選択式の問題が4割程度、論述問題が2割である。そのため、教科書・用語集で知識を固めた上で論述対策をし、過去問研究をする必要がある。どの範囲が出るかは年によって異なり、かつて戦後の文化史の問題も出題されたことがあるため満遍なくどの単元も対策する必要がある。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "大問1と2がマーク式、大問3が用語記述、大問4と5が史料とそれに関する設問及び論述問題で構成されている。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "大問1と2では例年、語群から単語を探し与えられた短文の穴埋めをしていく形式であるが、語群の中に適当な語句がない場合は0を回答欄に記入しなさいという文学部特有の形式が存在する。0を選べるかで差がつくので用語暗記だけで止まらず、一歩踏み込んだ学習をしたい。大問3では1と2の穴埋めが記述になったものが出題される。日頃から歴史用語を正しい漢字で書けるよう練習をしておく必要がある。大問1〜3は基本平易な問題が多いため高得点を狙いたい。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "史料を出題してくる大問4と5は、史料の読解を誤ると芋づる式に(連鎖的に)複数の設問が不正解になりやすくなるため、焦らずに精緻に読解すべきである。この2つの大問は最も差が付きやすい重要なポジションである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "論述問題は予備校の問題分析で難問に分類されることが多いくらいに難易度はかなり高いので、しっかりやらないと過去問研究がスムーズにいかなくなってしまうだろう。慶應文学部は全体的に記述論述問題が多いため最難関国公立志望者の併願も多い。そのため、論述の対策を怠っていると差をつけられてしまう。論述問題を解くときの注意点としては、要素(ポイント)を欠かさないことと、設問の要求と関係無いことを記述しないということである。字数が余るようなら、何かしらの要素が欠けていると思ってほしい。また、関係の無い余計な情報を入れると、採点者側は「この受験生は思考や理解をせずに、適当に沢山書いておいて当たるのを待っている」と判断するため、減点されるリスクが高い。何でもかんでも書くというのは、設問の指示や歴史事実を正しく理解せず、思考さえも放棄していると解釈されるため、採点者の印象がかなり悪いのである。このミスをしがちな受験生はそれなりにいるため、是非とも注意しておきたい。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "ここ最近、出来事の年度を選択式ではなく記述式で書かせる問題が出題されているので、細かな出来事でも年度までしっかり覚えこまないといけない。合格点の目安は素点7割(論述問題以外の短答式の問題は8割)である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "試験時間は90分、配点は100点。抽象的で長い文章になることが多いため、難易度の高い小論文や現代文を読み慣れておく必要がある。また、抽象的な本文を要約するためには高度な読解力が必要である。慶應の小論文は半分は国語(記述式現代文)であり、一般的に小論文と言われる意見論述問題は2問目である。現代文と小論文の融合問題のようなイメージである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "時間と余裕があれば新書や学術文庫などで深めていくと良い。与えられた資料を読み解き、考察とともに要約し、更に自分の意見を述べるという、小論文試験としては基本的な能力を試す良問であるが故に、かえって難問となっている。言い換えれば、癖があまり無いため、逆に傾向に合わせた対策というのが難しく、実力が如実に出やすいということである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "社会学系の文章から、卑近な時事問題まで、出題分野は毎年多岐に渡るので、油断禁物である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "一学年の人数は1,200名程度であり、そのうち700名程度が一般入試入学者、残りが内部進学者、帰国生・留学生入試枠合格者である。しかし、帰国生・留学生入試枠合格者数はごく僅かであるため、実質的には一般入試合格者と内部進学者が殆どである。慶應経済では、指定校推薦入試とAO入試は導入していない。受験方式は、数学受験のA方式(定員420名)と歴史受験のB方式(定員210名)が存在する。定員比が数学選択に傾斜しているため、大学側が数学のできる受験生を特に需要していることは明白である。裏を返せば、その分歴史選択のB方式は狭き門となっていることを意味する。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "試験時間は100分、配点は200点。慶應経済の英語では、長文読解問題3題と本格的な英作文問題2種類(和文英訳4問、自由英作文150~200語)が出題される場合が多く、私立文系専願者にとっては非常に難しい内容になっている。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "なお、長文(マーク)で高得点を取らないと、後半部分(和文英訳・自由英作文)は採点されず即不合格となる(足切り)。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "一次選抜(英語長文のみ)の満点が90点であるため、長文の配点は90点であり、残りの配点である110点が和文英訳と自由英作文の合計である。そのため、明らかに記号問題の対策だけでは慶應経済には太刀打ちできず、本格的な和文英訳や自由英作文の対策が必要である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "また、長文や歴史の記号問題である程度の高得点を取ったのに不合格になった例が一定数あり、得点開示も当初の見込みより低かったケースが多い。それに加えて、論述系の問題を採点されるのは足切りを通過した層であるため、採点対象者の全体の学力が高い分、和文英訳と自由英作文、歴史論述、小論文の採点は厳しめと推測される。そのため、マーク部分で得点を稼ぐ必要があると考えると、長文の合格点の目安は易化年なら9割弱、難化年なら75%程度であり、記号問題は高得点勝負となる。これは歴史科目においても同様である。後半の和文英訳と自由英作文で差が付きやすいが、これは長文で時間内に高得点を取れることが前提となっているため、当たり前の基準が高く競争が激しい試験となっている。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "和文英訳は、短い時間内に素早く正確に解ききる労力を加味すれば、非常に難しい問題である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "時間配分の目安は10〜15分であり、砕けた日本語が使用されている軟らかい文体の会話文を英訳する問題である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "和文英訳問題というのは、出題された日本文が適度に硬質なくらいが最も解きやすく、硬すぎても軟らかすぎても難しい。慶應経済の和文英訳は会話文の文体が軟らかすぎるが故に、直接英訳することは非現実的であるため、文脈に応じて、英語に訳しやすい日本語表現に適宜読み替えていく思考力が求められる点でハイレベルである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "対策としては、一般的な和文英訳の参考書学習を行った後に、会話文の参考書を使って会話文に慣れ、その後会話文の参考書の和訳を読んでそれを英訳する練習などが有効である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "主要な予備校は軒並み毎年、解答速報の自由英作文の難易度の講評を「難」としている。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "時間配分の目安は25〜30分である。近年は、2つのテーマから1つを選んで、見解を150~200語程度で論述する形式で出題されている。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "出題されるテーマは、先に解く3題の長文の内容に関しての自身の見解を述べるもので、専門性は高い。形式としては語数は指定はされていないものの、解答欄の大きさや内容の深さからして、かなり長めの論述が求められている。また、本文から正しい形式をとって引用したり、反対意見に言及してそれに反論しなければならないなど、条件面の指定が厳しい意味でも難しい。このような内容面の指定があることや語数が多いこと、そして別途和文英訳が出題されていることなどを考慮すると、慶應経済の自由英作文では、文法語法での減点だけでなく構成点や内容点が存在することが推測される。その証拠に、文法語法の正誤検査なら50語程度で十分であり、その機能は和文英訳が果たしているからである。わざわざ和文英訳と自由英作文を独立して出題するということは、それぞれの出題に異なった目的が存在すると考えるのが自然である。また、文法語法の正誤検査が目的なら、前述のような内容面での指定はしてこないはずである。つまり、採点基準が多い上に書く語数も膨大であるため、減点されやすく高得点が難しい。そのため、早い段階で対策を開始し、減点されにくいような質の高い答案を作る練習を積んでおくべきである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "ちなみに、正しい引用の形式をとらずに本文をそのまま書き写すと減点の可能性があるため、注意してほしい。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "試験時間は80分、配点は150点。数学I・数学II・数学A・数学B(数列・ベクトル)が出題範囲で、特に領域・確率・微積分・数列・ベクトルは頻出である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "制限時間の割に問題量が非常に多いため、スピードが鍵となる。大問は例年6題出題され、前半3題は正確な高速処理能力を求めるマーク式の問題、後半3題は応用的な思考力を求める記述式の問題となっている。合格点の目安は、易化した年だと8割で、難化した年だと5〜6割である。難化した年と易化した年の難易度の乱高下が激しいため、どちらにも対応できるような実力と慣れを身に付けておくべきである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "近年難化傾向にあり文系で数学が得意な受験生でも点数を取ることが厳しくなっている。なお、受験者層のレベルが非常に高いため、難化した年も易化した年も、問題難易度に対する必要得点は割高という点で、激しい競争を強いられるのは言うまでもない。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "易化した年は、マークで高得点を取れるのは当たり前であり、その上で記述で差がつく。難化した年は、記述が難しすぎて差がつきにくいため、マークで稼ぎつつ記述で耐えるのが良い。また、著しく難しい問題は捨てて先に進み、取れる問題を確実に取るという手法も重要になってくる。このように、問題難易度の変化によって戦略が全く変わってくるため、注意が必要である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "応用的な問題に対処するために「チャート式基礎からの数学(数研出版)」(青チャート)などの網羅系参考書を徹底的にやり込み、大学受験数学の応用問題まで取れるようにし、過去問研究を十分に取り組むことが必要条件である。これらを行っていれば、難度が高い問題にも食らいつく力が養成されているだろう。慶應経済の数学では時間配分を間違えると数学が得意な者でも失敗することが多い。したがって、赤本に載っているここ6年分の過去問をしっかり復習も含めてやって本番のイメージを作っておくべきである。本番に時間をロスしないように受験生が忘れやすい「メネラウスの定理&チェバの定理」や「方べきの定理」などの幾何定理にも慣れておくこと。また、数列の漸化式から一般項を求める分野では、3項間の場合であるan+2=αan+1+βanまでをしっかりと理解しておきたい。そして、ベクトルの係数設定のために座標を設定する応用的な手法も頭に入れておきたい。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "因みに難易度の高い問題の一例として、複数の場合分けが必要な確率漸化式、座標を設定して容積を求める問題、曲線の移動、高次の複接線などが過去に出題されている。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "時間は80分、配点は150点。範囲は1500年以降を中心とする。だからといって、その範囲だけを対策すればいいわけではないことは言うまでもない。現に、それ以前の歴史の知識を遠回しに聞いている問題、その知識がないと理解できない問題も出題されている。思考力や応用力等が必要な記号問題で高得点が必要なことに加え、本格的な論述問題の労力も加味すれば、非常にハイレベルな試験と言える。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "論述問題は7~8題出題され、合計字数は約600字である。世界史は配点が公表はされていないものの、数学は記号問題の配点が70点、記述問題の配点が80点であるため、世界史でも記号や用語記述などの短答式の問題の配点が70点、論述問題の配点が80点という可能性が高い。そのため、記号問題の対策だけでは足りず、論述問題の対策が肝要であり、むしろ慶應経済の歴史科目は論述問題で最も差がつくと思われる。論述は付け焼き刃の丸暗記が通じず、本質的な理解や言語化が必要であるため、実力差が出やすい良問である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "英語でも述べたように、論述以外の部分で得点を稼ぐ必要があるため、記号や用語記述などの短答式部分の合格点の目安は例年は8割程度(難化年は75%程度、易化年は9割程度)であり、高得点勝負となる。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "歴史的な流れや本質の理解が重視される出題形式になっており、教科書の用語や年号を全部知っているのは当たり前として、教科書内容を順序立てて「自分で説明できる」レベルまで学習をやりこめば、合格点を取ることは可能である。慶應経済の世界史は、使用されている用語自体はあまり細かくはない(但し後述する年表と並べ替えは除く)ものの、それらを複数組み合わせつつ、上手く受験生の盲点を突いたり応用力を試したりする点で難しい。知識そのものの細かさというよりは、知識を使いこなすことが重視されている(但し、知識が細かい出題も一定程度はされるため、その対策も必要ではある。)。あとは、ある種感覚やイメージで理解を済ませがちな部分を言語化させてくるような性質もある。全体的に、あまり思考せずに一問一答やレジュメの丸暗記ばかりしている受験生を排除しようとする出題だと思われる。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "論述問題を解くときの注意点としては、要素(ポイント)を欠かさないことと、設問の要求と関係無いことを記述しないということである。字数が余るようなら、何かしらの要素が欠けていると思ってほしい。また、関係の無い余計な情報を入れると、採点者側は「この受験生は思考や理解をせずに、適当に沢山書いておいて当たるのを待っている」と判断するため、減点されるリスクが高い。何でもかんでも書くというのは、設問の指示や歴史事実を正しく理解せず、思考さえも放棄していると解釈されるため、採点者の印象がかなり悪い。このミスをしがちな受験生はそれなりにいるため、是非とも注意しておきたい。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "また、地図、統計図表グラフ、年表を用いた問題が例年見受けられるため、これらに対応できるように分析力や推測力、歴史的な流れの理解等を養成することも必要である。教科書レベルの知識をマスターした後に過去問分析をして、資料集や年表を学習してこれらの多角的な出題形式に対応できる実力を養成するのが鍵となる。 特に並べ替え問題に関しては、同じ年号の中での前後関係が問われることが多々ある。そのようなときは年号の丸暗記だけでは対応できないため、年号暗記に加えて歴史の大きい流れと細かい流れの両面、そして同年号内の順序を学習することが必要である。ちなみに、同年号内の順序を覚えていなければ解けないことがある。同年号の事項が問題内に複数出てきた場合、特定の位置(n番目、特に最初と最後)さえ知っていれば解けてしまったり、或いは消去法が通じたりすることが一般的だが、そのような甘い手法は慶應経済には通用しない。慶應経済の並べ替えや年表中にある1つ1つの事項の用語自体は標準レベルであり、参考書の年表を使用すれば対策は可能であるため、同年号内の並べ替えや年表は捨て問にはならない。そこでどれだけ得点できるかで差がつく。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "時間は80分、配点は150点。範囲は1600年以降を中心とする。だからといって、その範囲だけを対策すればいいわけではないことは言うまでもない。現に、それ以前の歴史の知識を遠回しに聞いている問題、その知識がないと理解できない問題も出題されている。思考力や応用力等が必要な記号問題で高得点が必要なことに加え、本格的な論述問題の労力も加味すれば、非常にハイレベルな試験と言える。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "論述問題は7~8題出題され、合計字数は約600字である。日本史は配点が公表はされていないものの、数学は記号問題の配点が70点、記述問題の配点が80点であるため、日本史でも記号や用語記述などの短答式の問題の配点が70点、論述問題の配点が80点という可能性が高い。そのため、一般的な記号問題の対策だけでは足りず、論述問題の対策が肝要であり、むしろ慶應経済の歴史科目は論述問題で最も差がつくと思われる。論述は実力差が出やすい良問である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "英語でも述べたように、論述以外の部分で得点を稼ぐ必要があるため、記号や用語記述などの短答式部分の合格点の目安は例年は8割程度(難化年は75%程度、易化年は9割程度)であり、高得点勝負となる。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "歴史的な流れや本質の理解が重視される出題形式になっており、教科書の用語や年号を全部知っているのは当たり前として、教科書内容を順序立てて「自分で説明できる」レベルまで学習をやりこめば、合格点を取ることは可能である。慶應経済の日本史は、使用されている知識自体はあまり細かくはない(但し後述する年表と並べ替えは除く)ものの、それらを複数組み合わせつつ、上手く受験生の盲点を突いたり応用力を試したりする点で難しい。知識そのものの細かさというよりは、知識を使いこなすことが重視されている(但し、知識が細かい出題も一定程度はされるため、その対策も必要ではある。)。あとは、ある種感覚やイメージで理解を済ませがちな部分を言語化させてくるような性質もある。全体的に、あまり思考せずに一問一答やレジュメの丸暗記ばかりしている受験生を排除しようとする出題だと思われる。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "論述問題を解くときの注意点としては、要素(ポイント)を欠かさないことと、設問の要求と関係無いことを記述しないということである。字数が余るようなら、何かしらの要素が欠けていると思ってほしい。また、関係の無い余計な情報を入れると、採点者側は「この受験生は思考や理解をせずに、適当に沢山書いておいて当たるのを待っている」と判断するため、減点されるリスクが高い。何でもかんでも書くというのは、設問の指示や歴史事実を正しく理解せず、思考さえも放棄していると解釈されるため、採点者の印象がかなり悪い。このミスをしがちな受験生はそれなりにいるため、是非とも注意しておきたい。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "また、歴史的史料、地図、統計図表グラフ、年表を用いた問題が例年見受けられるため、これらに対応できるように分析力や推測力、歴史的な流れの理解等を養成することも必要である。教科書レベルの知識をマスターした後に過去問分析をして、資料集や年表を学習してこれらの多角的な出題形式に対応できる実力を養成するのが鍵となる。 特に並べ替え問題に関しては、同じ年号の中での前後関係が問われることもある。そのようなときは年号の丸暗記だけでは対応できないため、年号暗記に加えて歴史の大きい流れと細かい流れの両面、そして同年号内の順序を学習することが必要である。ちなみに、同年号内の順序を覚えていなければ解けないことが多々ある。同年号の事項が問題内に複数出てきた場合、特定の位置(n番目、特に最初と最後)さえ知っていれば解けてしまったり、或いは消去法が通じたりすることが一般的だが、そのような甘い手法は慶應経済には通用しない。慶應経済の並べ替えや年表中にある1つ1つの事項の用語自体は標準レベルであり、参考書の年表を使用すれば対策は可能であるため、同年号内の並べ替えや年表は捨て問にはならない。そこでどれだけ得点できるかで差がつく。ちなみに、未見史料問題に対応するためには、史料の中の複数のキーワードに着目して解答や推測の根拠にする方法が良い。それを可能にするためには、様々な知識を流れやセットなどで関連させて定着させることが有効である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "慶應経済の日本史は、前述のように近現代史の比重が大きいため、受験生はかなりやりこんでおかなくてはいけない。特に戦後史は論述も含めて毎年出題され、その配点も約3分の1とかなり高い(一般的な私大だと戦後史の配点は5分の1か6分の1程度であり、出題されない年もある。)。しかし現役生の場合、近現代史(特に戦後史)は学校の授業でも最後に学ぶ所がほとんどであり、授業で習う内容だけでは不十分になってしまう場合が多い。そのため、早めに自分で対策していくことが必要となる。また、現在の経済や政治とも関わる内容が出題されるので、日本や世界の動きなど、最新のニュースは常にチェックしておく必要がある。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "試験時間は60分、配点は70点。読ませられる本文の分量が年々増加傾向にある。公共性の高い具体的かつ専門的なテーマが選ばれることが多い。小論文の難易度は慶應の学部の中では標準レベルだが、十分な対策をしなければ、手も足も出ないだろう。また、得点開示のデータから、経済学部の小論文は他学部よりも採点が厳しいと推測されるため、問題難易度が標準的な割には高得点が難しい。対策を行っていないと70点満点で20点どころか10点台になる人も多い。採点が厳しいと推測されるのは、英語の和文英訳や自由英作文、歴史論述も同様である。 対策としては、まず参考書を使用して小論文の書き方の基礎をしっかりと把握する。その後、当学部の過去問を実際に解いていく。はじめは全くできないだろう。問題によっては、何をすべきなのかも分からないこともある。それでも、小論文の書き方に沿って考えに考えて書き上げる。解答例と見比べるとクオリティーは程遠いだろうが、それを実際に小論文の講師などに厳しく添削してもらう。そうすれば解答の質は上がっていく。 設問は2問ある。1問目は200~300字の本文要約か内容説明であり、ここは国語的な読解力があれば対応可能であるため、現代文の学習の延長線上で要約や記述対策を行っておけばいい。1問目は高得点勝負であるため、高度な読解力と正確な記述力をつけることが肝要である。一般的に「小論文」と言われているのは2問目の300~400字の意見論述問題である。慶應の小論文は半分は国語であり、現代文(記述式)と小論文の融合問題のようなものである。 慶應経済の小論文で最も困難な点は、60分という短い制限時間内に課題文を読み、答案を完成させることだと言える。600字前後をこの時間で書くというのは、実質的に下書き無しで簡単なメモを取る程度で、解答用紙にいきなり書かねばならないということだ。ゆえに、文章を簡潔に短時間でまとめる力が求められる。その実力を付けるためには、言語化能力と文章構成力を養成する必要がある。 経済学部の課題文のテーマは生命科学的もしくは自然科学的な内容の時もある。例えば、2012年の霜柱に関する科学的研究についての課題文を読むには化学の基礎的な知識(状態変化など)が不可欠であった。このように適度な背景知識が必要であるため、参考書の背景知識欄は適宜読んでおきたい。2012年の問題は経済学部があらゆる学問と通じているという大学側のメッセージとも解釈できる。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "経済学部は入試方式によって入学後の履修タイプが分かれる。A方式(数学受験)で入学した者・附属高校推薦入学者(内部進学者)・留学生の一部は高校数学1A・2Bの知識を前提とした講義でカリキュラムが組まれた「タイプA」とし、B方式(歴史受験)で入学した者・留学生の一部、内部進学者のごく一部はそれらを前提としていない「タイプB」となる。「タイプA」から「タイプB」への変更は認められないが、「タイプB」から「タイプA」への変更は可能。「タイプB」の学生で、高度な数学を多く使う分野(金融論・金融工学・ゲーム理論・計量経済学・数理経済学・応用ミクロ経済学・応用マクロ経済学・統計学・解析学・情報処理など)を学びたい場合は「タイプA」に変更したほうがよい。履修タイプの変更は第1学年の4月初旬に受けられる標準レベルのテスト(範囲は数学1A・2B)である一定の基準を超えれば認められる。B方式合格者で数学色のより一層深い分野を専攻したい者にはお勧めである。逆に、経済体制論・財政社会学・経済地理学・経済史・経済学史・経済思想史・社会政策論・社会福祉論・経営学・会計学・商法など数学色がそこまで強くない分野に興味がある者は「タイプB」のままでもいい。 ただ、一つ重要なことは、「タイプB」の学生は高度ではないものの高校数学の初歩レベル(微積、確率、三次関数、ベクトルなど)の計算をある程度行うようになっているため、中学時から数学が苦手な受験生は注意が必要である。ちなみに、内部進学者は基本的に数学3まで高校時に勉強している。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "一般入試組は全体の36%程度であり、残りがFIT入試枠、内部進学者、帰国・留学生入試枠合格者等である。 内部進学者と一般入試組の合計人数は法学部全体の3分の2程度である。 ※FIT入試は、「目標と構想が明確であり、そのために慶應義塾大学法学部法律学科・政治学科で勉強を望む」優秀な成績をおさめている学生と、「この学生を教えたい」という法学部教員との良好な相性(FIT)を実現しようとするものとしてスタートした入試である。具体的には、書類選考によって志願者の志望動機や将来のビジョン、学業成績等を調べられ、論述(考察)試験やグループ討論、面接によって、志願者の思考力や表現力、人間性、コミュニケーション能力が見られる。出願条件が厳しい。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "慶應法学部(一般受験組)では、外国語(200点)・地歴(100点)・論述力試験(100点)の3科目(計400点満点)が課される。外国語は英語・ドイツ語・フランス語から1言語、地歴は世界史・日本史から1科目選択である(歴史よりも学習量が少なく合格点がとりやすい政治経済の選択は認められていない)。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "どの科目も難易度は非常に高い。特に、論述力試験は国語の現代文では出題されないような法学・政治学系の難しい課題文が出題されている。数学受験が出来ず英語と社会科目は全問マークであるため、国立大学の併願で受験を考えている受験生は注意が必要である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "外国語と地歴で足切りを行い、これらの合計が一定ライン以上に達しないと論述力試験の採点対象から外される。この足切りの基準が高めであるため、注意が必要である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "試験時間は80分、配点は200点、全問マーク式。発音・アクセント問題、文法・語法問題、会話文読解問題、長文読解問題が出題されており、問題難易度は全体的に非常にハイレベルである。長文読解問題では論説文だけでなく、小説が出題される年度もある。会話文読解問題では、空所補充問題が出題される。前置詞や副詞、受験生には馴染みのないような慣用句を完成させる問題が中心である。副詞や前置詞の意味を理解しないで、ただ単に熟語や慣用句を暗記している受験生は歯が立たない内容であり、ハイレベル受験生の間でも差が付きやすい。熟語や構文を暗記する際、その前置詞や副詞が「意味の形成」にどのように影響を与えているのかを日頃から意識していこう。全体的に相当な語彙力が必要であるが、それだけではなく、「英文の記述から論理的に判断できる内容は何か」という視点で作られた設問が多いため、高度な論理的思考力も求められる内容になっている。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "頻出ではあるが、出題されない年度もある。出題される場合は最初に出題される。アクセントの位置の法則は押さえておくべきである。固有名詞のアクセントの位置を問うなど、英語が得意な受験生でも得点は安定しないことが往々にしてあるため、すぐに処理して、次の問題へ行こう。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "1つの文中に4つないしは5つの下線が最初から引かれているのではなく、正誤を判定する箇所が指定されていない。そのため、1つの文の中で正誤を判定するための焦点を自分で絞り込むのが難しい。さらに、設問1つにつき1文ではなく、選択肢1つにつき1文になっているため、焦点を絞り込んで且つそこの正誤を判定する作業を4~5回行わなければならない。一般的な文法正誤に比べたら圧倒的に難易度が高く、厄介である。対策としては、まず参考書や過去問などを使用し、早稲田大学人間科学部や上智大学の文法正誤問題で8割が安定する実力をつける。(社会科学部の正誤問題は悪問が目立つため、練習には適さない。)ただ、その実力をつけても最初は慶應法の文法正誤には歯が立たないだろう。あとは慶應法の過去問の文法正誤をできるだけ多く解いて慣れることが重要である。ある程度の実力がある状態なら、問題に慣れることで得点力の上昇が見込める。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "会話文の中にある空所に適切な副詞や前置詞を入れていく問題として出題される。熟語や構文をそのまま覚えるような暗記学習をしている受験生は歯が立たないだろう。なぜなら、前置詞や副詞の本質的なイメージやニュアンス、用法などを掴み、それを実際の文脈や文構造に当てはめる能力が必要であるからだ。また、前後の文の意味や全体の流れから、どの副詞を入れて、動詞にどのような意味を持たせるかを考えさせるため、相当な読解力も必要とされる。難易度は非常に高く、英語が得意な受験生の間でも差が生まれやすい問題である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "例年、2題出題される。1題は下線を引かれた難単語や難熟語の定義を選択する問題。難単熟語は英検1級レベルである。文章自体難しい内容のものが多いため、相当の語彙力と推測力が求められる。ハイレベルの受験生の中には、受験範囲を逸脱した英検1級レベルの語彙を丸暗記している人もいる。ただし、これの実施に関しては個人の自由である。むしろ、よほど余裕のある受験生以外には勧めない。まずは受験範囲内の基礎~やや難レベルの内容を固めるのが先決であるからだ。 もう1題は、空所補充問題、語句整序問題、内容説明問題からなる総合読解問題。会話文読解問題同様に、相当な語彙力と読解力が求められる難易度の高い問題が多く、受験生の間で差が生まれやすい。また、設問が練られており、選択肢が非常に切りにくい。自分の手応えよりも得点が大幅に低いことはよくある。そのため、高度な国語的読解力をつけるのは当たり前として、とにかく過去問演習をできるだけ多くこなすことが重要である。英語を日本語に訳すまでは標準的な難易度であるが、訳してから内容を正確に把握して選択肢を吟味するのが難しい。どちらかというと国語に近い難しさである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "試験時間は60分、配点は100点、全問マーク式。合格点の目安は7割であるが、そこに到達するためには用語集の使用が必須であるくらい難しい。特に近年難化傾向にあり、語群の選択肢数が非常に多く、時間制限が厳しい中で正答を見つけなければならない。空所補充は約80択の語群から選ぶ問題であり、史料問題や正誤問題、並べ替え等は6択中2つ選んで完答のみ得点できる問題であるなど、全問マーク式といえどもまぐれでは正解できない工夫がされているため、確固たる実力が必要である。年度によって難易度が異なり、例年、大問は4題、小問数は50問で、社会史、経済史、文化史からの出題が目立ち、広範囲で広地域を扱い、かつ時代範囲が広い。西アジア史や東欧史からもかなり踏み込んだ内容の出題が見られ、歴史を多角的な視点から論じた文章が提示される。一見基本レベルの問題のように錯覚させながら解答の文脈が違っているなど高度な問題が目立つ。また、近年は設問の種類が増え、空所補充だけでなく並べ替えや正誤問題、史料問題の出題が増加しており、幅広い対策が必要になっている。一問一答の丸暗記だけでは通用しない総合力が問われており、史料問題では細かい知識だけでなく推測力や応用力も必要である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "試験時間は60分、配点は100点、全問マーク式。合格点の目安は7割であるが、7割に到達するためには用語集の使用が必須であるくらい難しい。特に近年難化傾向にあり、語群の選択肢数が非常に多く、時間制限が厳しい中で正答を見つけなければならない。空所補充は約80択の語群から選ぶ問題であり、商学部より答えとなる以外のダミーの用語が多い。かつては与えられた文章の穴埋めをしていく形式がほとんどであったが、近年その傾向は姿を消しつつあり、史料問題や正誤問題、並べ替え等は6択中2つ選んで完答のみ得点できる問題であるなど、全問マーク式といえどもまぐれでは正解できない工夫がされているため、確固たる実力が必要である。また、内容面に関しては、時代もジャンルも比較的偏りが少ないため、全体的にバランスの良い学習が必要である。なお、戦後の政党史に関しては頻出であるので、重点を置いて学習すべきである。また、近年は設問の種類が増え、空所補充だけでなく並べ替えや正誤問題、史料問題の出題が増加しており、幅広い対策が必要になっている。一問一答の丸暗記だけでは通用しない総合力が問われており、史料問題では細かい知識だけでなく推測力や応用力も必要である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "商学部の問題自体は法学部より簡単なものの、本番この慶應特有の語群から探し出してマークするという解答形式は意外に時間が厳しい。特に法学部は商学部のように穴埋めだけでなく、早稲田のような史料問題、正誤問題といった形式の問題も出題されるため、難問を捨て、取れる問題を見極めて、素早く解く練習が必要である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "試験時間は90分、配点は100点。法学部独自の「資料を与えて、理解、構成、発想、表現の能力を問う」という科目である。制限字数は全体で1000字。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "論説・評論を速く正確に読み解く力が必要である。問題自体は受験生の高度な読解力や思考力、表現力を問う難問(良問)ぞろいである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "最初の400字は本文の要約を記述する。ここは国語的な読解力があれば対処可能であるため、現代文学習の延長線上として、抽象的なテーマの要約や記述問題の練習をやりこんでおくことが重要である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "一般的に「小論文」と言われているのは後半の意見論述問題のことである。慶應の小論文は半分は国語(現代文)であり、現代文と小論文の融合問題のような形式である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "提示される課題文の内容はかなり専門的で、大学受験生にとっては読みづらいと思われる。求められている知識は、古代ギリシアの都市国家における政治判断を問うもの(2010年度)、政治的空間としての日本社会という切り口からセキュリティー社会をとらえる(2009年度)、現代日本における知識人像の考察(2008年度)などで、これらを論述するための能力は一朝一夕に身に付くものではない。下地作りとしては、現代社会と法との関係についてコンパクトにまとめられた参考図書として『法哲学講義』(東京大学出版会)、『法の臨界』(東京大学出版会)などをお勧めしたい。これらを読み、理解し、法学や政治学の基礎的な枠組みの把握が出来たら、当該学部の過去問研究に取り組むとよい。また、京都大学法学部後期の小論文が傾向として似ているため、こちらに取り組むこともお勧めする。例えば、09年にはハンナ・アレント(Hannah Arendt)の『公共空間論』が出題されているが、思想家の概念についての知識・理解・関心が無ければ、受験生は問題の解答を論述することが難しい。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "一学年の定員は約1,000名であり、そのうち600名程度が一般入試組、残りが内部進学者、指定校推薦入学者、帰国生・留学生入試枠合格者である。指定校推薦と帰国・留学生の人数は少なく、実質的に一般入試組と内部進学者がほとんどである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "受験方式は英語・数学・地歴のA方式(定員480名)と、英語・論文テスト・地歴のB方式(定員120名)が存在する。定員比が明らかに数学選択に傾斜しているため、大学側が数学ができる受験生を特に需要しているのは明白である。逆に言えば、B方式はその分狭き門となっている。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "地歴の中で、地理を受験科目として選択できるのは慶應の中でも商学部だけである。なお、地歴よりも学習量が少なく合格点を取りやすい政治・経済の選択は認められていない。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "試験時間は90分、配点は200点。例年大問が7,8題出題される。そのうち3題が長文読解問題(本文は合計約2500語)で、その他の大問では400語程度の文章の空所補充、文法・語法問題、100語程度の短い文章4つを読んでそれぞれ1問だけ答える内容一致問題、語形変化・派生語の空所補充も出題される。大問1~3の長文以外の問題も含めた総語数は約3500語であり、とにかく本文設問共に量が多く、時間制限が厳しい。合格点の目安は8割であり、高得点勝負である。方式問わず英語の出来が合否を決めると言っても過言ではない。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "本文については、商学部だけあって、社会科学系の様々な文章が出題されている。経済、政治体制、自然環境破壊、社会保障や福祉、科学技術などなど、どこまでも広範な出題テーマはどことなく面白い。そのため経済学的な単語(例:austerity緊縮財政、progressive taxation累進課税)といった過去問で出てきた単語は覚えるべきである。しかも商学部ゆえに「企業と競争」に視座をおいたミニ論文が目立つのも特徴。いわば社会人向けの常識力を問う課題ともいえる。「実学の慶應」らしい出題である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "いかに速読速解を円滑にできるかが合格点を取る鍵である。当該学部を受験する者は、日ごろから正確な高速処理に力を入れなければならない。 ちなみに、設問の形式は全体的に比較的スタンダードであり、あまり癖が無い。しかし、長文のそれぞれの大問の空所補充1〜2問、内容一致1〜2問は難問であるため、英語全体で8割を安定して取るのは想像以上に難しい。解答のスピードに加えて正確性も高く要求されるハイレベルな試験となっている。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "試験時間は70分、配点は100点。数学I・数学II・数学A・数学B(数列・ベクトル)が範囲。試験時間70分に対し、大問4,5題と問題量が多いため、すべての問題に取り組むには相当スピーディな計算力が求められる。また、近年は難化傾向にあるため、適度な取捨選択も重要である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "全範囲からまんべんなく出題されているが、特に「微分・積分」、「場合の数と確率」は毎年出題されている。チャートシリーズ(数研出版)のような網羅系の参考書には載っていないような発想力を求められる問題や複数分野の融合問題(例:2014年大問5の三角関数と期待値の融合問題)が最低でも半分を占めるので、まずは着実に解答が出来る問題から解いていくこと。特に「場合の数と確率」の分野で見たこともないような問題が出題される傾向が強いか。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "共通テスト風の実生活をモデルにした問題も過去に出題されている(例:2018年大問3の銀行の手続きの確率を一般化して数学的帰納法で証明する問題)ため、過去問演習でどのような問題が出ているかを確認すべきである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "試験時間は60分、配点は100点。しかし、マークが120個程度あり、マークシートに記入するだけで15分弱はかかってしまうため、実質的には45分で全ての問題の答えを出すことが必要である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "近年、大問3題の構成となっている。文化史に関する出題が多く、20字程度の短論述問題が頻出である。問題の数が多いが、ほとんどがマーク式或いは短答記述式の空所補充問題であり、出題形式は単純である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "難問・奇問が数問は見られるが、教科書レベルで解答可能な問題がほとんどである。慶應大の世界史の中では形式・内容共に最も平易である(とはいえ、センター試験や共通テストよりは明確に難しい)。しかし、得点調整によって10点程度減点されるため、平易な問題が多いからこそ合格するには9割以上の高得点を取る必要がある。受験は相対評価であるため、問題自体の難易度が低かったとしても、その分高得点勝負になってミスが許されなくなるため、問題が難しいときとは別種の難しさが発生する。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "学部の性格上、経済史からの出題の可能性がとても高くなっている。特に、産業革命や大航海時代、アジア・アフリカの植民地化、世界恐慌、経済のグローバル化などの経済上の変化には要注意である。大きく経済が変わっているポイントなので、その変化に注意して学習を深めなければならない。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "試験時間は60分、配点は100点。しかし、マークが120個程度あり、マークシートに記入するだけで15分弱はかかってしまうため、実質的には45分で全ての問題の答えを出すことが必要である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "社会史、経済史、文化史の出題割合が高い。法学部同様、与えられた文章の穴埋めをしていき、例年3題ほど短文論述が出題されており、稀に正誤問題が出ることもある。問題の数が多いが、ほとんどがマーク式或いは短答記述式の空所補充問題であり、出題形式は単純である。難問・奇問が数問は見られるが、教科書レベルで解答可能な問題がほとんどである。慶應大の日本史の中では形式・内容共に最も平易である(とはいえ、センター試験や共通テストよりは明確に難しい)。しかし、得点調整によって10点程度減点されるため、平易な問題が多いからこそ合格するには9割以上の高得点を取る必要がある。受験は相対評価であるため、問題自体の難易度が低かったとしても、その分高得点勝負になってミスが許されなくなるため、問題が難しいときとは別種の難しさが発生する。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "商学部では、ここ数年で、何度か戦後史までが問われている。また、銀行再編という時事問題も一部扱われている。近・現代史や時事問題に関しては、学校の授業だけでは対応できない。なので、近・現代史や時事問題に関しては、独自で対策を進めていくことが必要である。そのためには、日本史の枠におさまらないことが重要である。日本史の教科書だけで勉強するのではなく、普段から新聞やニュースで流れている政治・経済の状況は確実にチェックするようにするべきである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "用語記述は難しめの単語を記述させたこともあり、日頃から歴史用語を正しく漢字で書けるように練習すべきである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "2007年の銀行史、2015年の平賀源内の生涯など、数年に一度教科書範囲外は言うまでもなく、用語集にすら載ってない単語が出題される年がある。もしそのような問題に本番直面したなら他の設問に力を入れて得点調整に期待するほうが良い。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "試験時間は60分、配点は100点。大問数は3題で、出題形式は選択式・短答記述式の空所補充がほとんどである。時事的なテーマが多く、詳細な地名・人物名を問う問題も見られる。問題の数が多いが、ほとんどがマーク式或いは短答記述式の空所補充問題であり、出題形式は単純である。難問・奇問が数問は見られるが、教科書レベルで解答可能な問題がほとんどである。慶應大の地理の中では形式・内容共に最も平易である。しかし、得点調整によって10点程度減点されるため、平易な問題が多いからこそ合格するには9割以上の高得点を取る必要がある。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "商学部の地理では、時事問題がかなりの頻度で出題されている。時事問題対策を無視して、合格点まで届かせることは不可能なので、きちんと対策をすべきである。まず、日頃から新聞・テレビなどのニュースに普段から関心をもつことが大切だ。『現代用語の基礎知識』(自由国民社)などを利用して、世界経済や国際情勢、民族問題、環境問題に関して、最新の知識を身につけることがポイントとなる。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "試験時間は70分、配点は100点。教養や論理的・数学的思考力、国語的読解力を求める独特の科目である。受験生の地頭を見る科目と言ってもよい。年によって問題難易度の差が激しいため、問題難易度の乱高下に左右されない実力をつけるべきである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "数学の確率・集合・命題の基礎を復習し、論理学を身につける必要がある。一朝一夕に対策ができる科目ではない。例えば、確率・統計に関する問題、科学理論についての課題文を読ませたうえでの論理学分野の出題、ゲーム理論などの商学分野の問題、古典を読ませた上での要約問題やシンプルな現代文的な読解問題などの国語に近い問題は頻出である。また、例年かなり特殊な問題も出題されている。2012年度の場合、ノーベル経済学賞受賞者ミルトン・フリードマンの企業の社会的責任や渋滞学に関する問題も出題された。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "これらの問題に対処するには、政治・経済の知識があれば取り組みやすいものの、本文の内容把握を正確に行える国語力があれば問題ない。とはいえ、テーマに関して全く未知だと、概念を理解して文脈を追うのに時間がかかる上に正確さも下がるため、ある程度の背景知識は付けておくべきである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "慶應大他学部とは異なり、論述式の小論文ではなく、マーク式の論文「テスト」であり、比較的マーク式の国語に近い問題形式である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "一学年の定員は、全「学門」あわせて900名程度であり、そのうち650名程度が一般入試組、残りが内部進学者、指定校推薦入学者、帰国生・留学生入試枠合格者である。指定校推薦入学者や帰国性・留学生入試枠合格者は少なく、実質一般入試組と内部進学者がほとんどである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "慶應理工学部では、英語(150点)・数学(150点)・物理(100点)・化学(100点)の4科目(計500点満点)が課される。理工学部は5つの「学門」に分かれており、それぞれに合格定員が設けられているが難易度に大差は無い。それぞれの学門ごとに進学できる学科が概ね決まっているので、まず希望する学科をある程度見据えて学門を選ぶ必要がある。 入試問題は全学門で共通。基礎をしっかり固め、様々な良問や応用問題を解くという王道こそが最も効果的である。 よく誤解されるが、文系学部と同じく1・2年次は日吉校舎で授業が行われ、以降は矢上校舎となる。入試は日吉校舎と三田校舎で行われる。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "試験時間は90分、配点は150点。他学部に比べると比較的平易な難易度である。例年、長文読解問題と文法・語法問題(条件英作文)という構成であり、長文としては自然科学系の論説文が出題されることが多い。問題自体は簡単であるが、文章レベルはかなり高いので、相当な語彙力が必要になる。語彙力を身に着けるために単語王などの難関大学受験生用の単語集を一冊しっかりと取り組んでから長文対策はおこないたい。文法・語法問題は法学部のそれほど難易度は高くないが、それでも基礎問題集をしっかりやってから過去問で対策するべきであろう。お勧めは桐原書店の「頻出英文法・語法問題1000」と河合出版の「英文法・語法 正誤問題」の2冊である。これらを何度もやれば、すんなり過去問の問題に取り組めるはずである。最後の和文対照空所補充問題のみ記述式であり、他は客観式。最後の大問は出題傾向が安定していない。イディオムの知識に留意しておけば特に悩む出題はないと思われる。但し稀に、得点調整のためか特異な英文が出題されることもある。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "試験時間は120分、配点は150点。大問数は例年5題である。場合の数と確率・整数問題、数II図形と方程式が頻出であるが、全体的に数学IIIの内容が中心。そして、いくつかの分野にまたがる繁雑な融合問題がほとんどであり、試験時間120分に対し、150分でも足りないくらいの問題量であるため相当の思考力、計算力が要求される。特に、後半の問題は、計算の煩雑さ、計算量の多さも相まって数学が得意な理系トップクラス受験生でも難しい内容になっている。例え穴埋め形式の問題であっても計算量は多く、むしろ記述式問題より多いこともしばしば。また、記述式問題は証明問題が中心に出題されているので、証明の対策も怠らないようにしなければならない。対策としては、まず「チャート式基礎からの数学(青チャート)」もしくは「大学への数学 1対1対応の演習」といった標準レベルの問題集を利用して『典型問題の処理能力』を養い、「理系数学の良問プラチカ」や「大学への数学増刊 新数学スタンダード演習」のような応用力を養う問題集を1冊やって『煩雑な計算にも耐えうる力』を養った後に過去問対策をするとスムーズに対策が出来るだろう。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "試験時間は化学と合わせて120分、配点は100点。例年、力学から1題・電磁気(電気)から1題・波動又は熱力学から1題の計3題の構成であるが、2020年度入試では原子が出題された。図やグラフを描く問題が毎年のように出題され、特に力学分野では力の図示の問題、電磁気分野ではグラフを扱った問題の出題頻度が高い。医学部レベルの難問も出題されたり、目新しい題材や一見複雑な出題されることもある。電気分野では、平行平板コンデンサーを扱った問題が頻出される。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "スターリングサイクル、カルノーサイクルを題材に使った問題など目新しい出題や高難易度の出題もあったりするが、丁寧な誘導がついているのでそれにうまく乗っていき計算量を少しでも減らしていきたい。特に物理は化学とセットで120分しか与えられない。化学の計算量や難易度などを考えれば物理にかける時間は少しでも抑えたいところである。出題者がどのような考えで問題を作っているのかを日ごろ考えて解いていき、本番でも問題の意図を読みきり解けるところは素早く解けるようにしよう。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "勉強の流れとしては、まず基礎・標準部分を固めるために、教科書等で知識を吸収したら「物理のエッセンス(河合塾シリーズ)」と言った基礎固めの問題集を一冊徹底的に取り組もう。そして、難しい頻出問題が解けるように「難問題の系統とその解き方(ニュートンプレス)」に移ってほしいのだが、この本はかなり骨太で難しい。旧帝大・早慶の理系受験生や医学部受験生で物理で高得点を狙いに行く受験生がやる問題集であるため人を選ぶが、当該学部合格のためにも諦めず何周も取り組んで欲しい。そうすれば過去問対策も楽になるだろう。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "試験時間は物理と合わせて120分、配点は100点。大問3題の構成。頻出のテーマは、無機と理論計算の融合問題、反応速度、化学平衡、レベルの高い構造決定などである。化学の全範囲にわたって偏りなくしっかりと学習することはもちろんだが、これらの分野には特に力を入れた学習が必要となる。やや難化傾向にあり、高校範囲外から出題されることもある。例えば、2012年度の1(1)の閃亜鉛鉱の構造は、教科書では「参考」や「発展」として扱われることが一般的であり、例え化学が得意な者であったとしてもそこまで馴染みのある内容ではなかったと思われる。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "有機化合物は大問3で必ず出題されており、難易度は一貫して高めであることからも深い知識を持ち、それを応用できる実力をつけていくことを平素の学習でも心がけよう。他にも結晶構造や結合の出題をよく見かけるが、上述のテーマより難易度は低いのでこれらの分野は取りこぼすことのないようにしたい。また、全体的に求値計算は煩雑な場合が多く物理との時間の兼ね合いも考えても、完答を目指すならば相当の計算力が要求される。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "勉強の流れとしては、まず基礎・標準部分を固めるために、教科書等で知識を吸収したら「実戦化学1・2重要問題集(数研出版)」と言った基礎固めの問題集を一冊徹底的に取り組もう。そして、物理同様に難しい頻出問題が解けるよう「化学I・IIの新演習(三省堂)」に移ってほしい。こちらの問題集もかなり難易度は高いが、当該学部合格のためにも諦めず何周も取り組んで欲しい。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "一学年の定員は100名であり、そのうち70名程度が一般受験組、残りの30名程度が附属高校推薦入学者である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "慶應医学部の1次試験では、英語(150点)・数学(150点)・理科2科目選択(200点)の4科目(計500点満点)が課される。慶應医学部は、第一志望の受験生だけでなく東大理IIIなどの受験生の大部分も併願受験するため、合格難易度は非常に高い。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "出題傾向はあまりはっきりせず、全科目記述・論述問題が多く出題される。よって、過去問題集をしっかりとやり込み、医学部特有の難問にも取り組める深い思考力を養うべきである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "文系科目の英語は他学部と比較しても標準レベルであるが、理系科目、特に生物、数学の難易度はずば抜けて高い。例えば、数学は短時間で相当な量の計算を要求され、難度の高い問題が多く出題される。 全問完答を狙うのはまず無理なので、標準レベルの問題を確実に取り、難度の高い問題も部分点を少しでも取れるように訓練していくのが大切だ。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "例年、実質倍率は8~10倍程度である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "試験時間は90分、配点は150点。文・経済・法ほどの難易度ではないが、それでも受験英語の中では最高レベルの英語力が求められる。非常に高い語彙力、構造解釈力が求められる。大学受験用の単語帳に載ることはまずないような単語・構文が含まれた英文を和訳させる問題も出題される。慶應義塾大学の出題英文は接続詞が少なく文脈の方向を把握しにくい傾向にあるが、医学部の英語では特にその傾向は目立たない。稀に難度調整(得点調整?)のためにとてつもなく特殊な英文が出題されることもあるが、それらの例外を除けば、概して真面目に受験勉強に取り組んでいれば対処出来るはず。かつ、医学部の出題文は文系理系などという瑣末な範疇を超越した、質の高い「名文」が多く、他学部の受験者でも医学部英語をトレーニング素材としていることはよく知られている。 なお出題文中、比較的特殊性の高い語彙については特に解釈リファレンスが付録でついている。さらに、英作文は「書き手の主客を変えて書いてみる」など大きな発想転換を求めるものが多く、これまた極めて良質な出題といえる。学力上位の受験生の得点差はこの英作文で大きく発生すると思われる。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "試験時間は100分、配点は150点。慶應医学部の数学は理系最高峰の受験生らを篩に掛けることを意識して作られているため、難易度も大学受験最高レベルである。 大問は4題あり、毎年半分は数IIICから出題されている。特に微積からは毎年出題されている。大問1だけは例年標準レベルの小問(空所補充問題)で構成されることが多い。そして、毎年1、2題はかなり難易度の高い問題が出題されているが、受験生のレベルと倍率を考えると、これらの問題にもしっかりと食らいついていくことが求められる。2次曲線・行列・微積分(解析系)・数列・数列(漸化式)が多く、100分で完答するには予備校講師でさえも厳しい。問題の特徴としては、いくつかの分野が融合されている総合(融合)問題(2つの粒子が複雑に動く確率漸化式、帰納的に処理する関数列、多項式の漸化式など)が頻出である。したがって、単純に解法パターンを暗記するだけの勉強をしてきた人では全く歯が立たない。大学入試数学の中でも最高レベルの論証能力・計算処理能力が求められる。よって、しっかりと基礎を固めたら様々な応用問題に挑戦していき、発想力を高め、過去問演習をすることでその計算力をさらに高める必要がある。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "また、近年、大問2、3では「操作(T)」の確率問題が出題されることが多くなっているため、この分野は徹底的に対策し得点できるようにしよう。予備校には長年の慶應医学部数学対策のノウハウもあるので、過去問研究には予備校の冬期講習や直前講習の「慶医数学」みたいな講座を受講すると良いかもしれない。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "試験時間はもう一つの選択科目と合わせて120分、配点は100点。論述問題・作図問題・数値計算問題が頻出。日本国内では見慣れないレベルの題材が出され、実力が無いと現象を理解することすら難しい。1999年度以降、大問は3題でIは小問集合という構成が続いている。学習指導要領の「物質と原子」の「原子・電子と物質の性質」及び「原子と原子核」が出題範囲に含まれているため、原子分野を重要だと考えている教授が多い為か、必ずと言って良い程、原子物理が出題され、力学も必ず出る。難易度は化学・生物に比べると易しい。グラフ作図の練習、数値に対する勘を養い、京大・東工大等の過去問演習も有効であろう。また、日本の大学入試物理最高難易度と呼ばれている滋賀医科大の問題もやってみるとよい。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "試験時間はもう一つの選択科目と合わせて120分、配点は100点。大問は3題の構成で、論述問題は必ず出題される。高校範囲外からの出題や参考書外からもあり、有効数字については問題文には触れられないため、自らで判断する必要がある。受験者層を考慮すれば、標準~やや難なレベルと言えるため、高得点争いが必至であり、1つの取りこぼしが命取りになり、ほぼ満点に近い得点が必要である。理論または無機1問と有機が2問出題されることが多い。生物に絡んだ問題も多く出題される。2008年度入試で易化したことにより、今後の展開が読めない状況になっているが、09・10では難化している。生命化学や高分子化学まで、幅広い知識が必要で、有機分野は重視傾向にある。反応速度・平衡移動・電離平衡等の演習も欠かせない。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "試験時間はもう一つの選択科目と合わせて120分、配点は100点。大問は3題であるが、ほとんどが記述・論述であり、時間に対する分量も多い。考察問題では見慣れない題材を扱った実験考察問題及び知識問題では細かな知識が問われ、複雑な考察問題が課されるため、現在では対策無しには高得点を望めない問題構成になっているが、対策次第では7〜8割程度の点数で安定させることはさほど難しくない。そのための対策として、教科書の基本的事項を暗記した後、当該学部の過去問の考察問題を解き、解説を熟読し、自分なりの解答をまとめるといった地道な作業が必要である。論述問題の文章が長いため、相当な考察力と読解力が必要である。また、「Nature」などの科学雑誌で生物関係の記事があればそれを読んでみるのも良い。ブルーバックス等でもそういった生物関連の書籍がいくつもあるはずだから、興味があれば読んでみて、大学入試生物にとらわれずに生物学を学ぼうとする姿勢も重要である。物理と生物を両方履修しているわけではないにも関わらず、物理選択者よりも不利と(主にネット上で)吹聴されている生物選択者だが、高校卒業時点で物理・化学・生物全てを履修し、生物と化学で当該学部を受験した筆者からすれば、その差は個人の努力によるものがかなり大きい。ここを読んだ生物選択者は、物怖じせずに自分の道を突き進もう。あなたの健闘を心より願っている。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "慶應医学部の2次試験は複数回の面接と小論文が行われる。受験できるのは1次試験(学科)で合格ラインを超える成績をおさめた者だけである。この2次試験を突破し入学許可を勝ち取るのは、例年1次試験(学科)を通過した者の5~6割であるので、しっかりと面接対策と小論文対策をしておくべきである。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "医学部にふさわしい人材かどうかの適性をみる質疑応答がされる。医師になる自分をどれだけ具体的に現実的に考えられているかが重要になってくる。医師になる姿勢が本気でないと答えられない質問内容もあるので、「どうして医師になりたいのか」「医師になって何をしたいのか」など今一度じっくり考え、その内容を必ず「自分の言葉で」相手に伝えられるようにすることが重要なポイントである。 通常15分程度の面接が2回行われるが、再受験生や3浪以上、宅浪生などは3回行われる。面接1回目と2回目の内容で言っていることが違わないように注意すること。実施前にカードを記入するので、記入した内容を覚えておくこと。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "面接の質問内容例", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "試験時間は50分。2008年までは難易度の高い生命科学に関する課題文を読ませて、要約させ、自分の考えを記述させるものであったが、2009年度から内容ががらりと変わり、受験生の人間性を問うような内容が出題されている。他学部と違って問題は非公開。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "新傾向の内容例", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "一学年の定員は薬学科(6年制)で150名、薬科学科(4年制)で60名であり、一般受験組は薬学科で100名程度、薬科学科で50名程度で、残りが附属高校推薦入学者等である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "慶應薬学部では、英語(100点)・数学(100点)・化学(150点)の3科目(計350点満点)が課される。化学の配点が高いため、化学が得意でない受験生にとっては厳しい内容である。因みに合格最低点は例年60~70%である。数学はハイレベル理系受験生にとっては標準的な内容であるが、英語・化学の難易度は非常に高い。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "薬学部生のキャンパスは芝共立キャンパスであるが、入学試験は三田キャンパスもしくは日吉キャンパスで受験することになる。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "実質倍率は薬学科で5倍程度、薬科学科で4倍程度である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "試験時間は80分、配点は100点。長文読解問題が3題出題される。長文の内容は、医学、心理学、動物行動学など、自然科学系のテーマを扱った専門的で硬質な難易度の高いものばかりである。しかも設問も非常に高度な語彙力や読解力を求めるものばかりであるため、高い英語力を持つ受験生でも手がかかる問題ばかりである。そういう意味では、同じく高度な学術英文と難しい設問を課す慶應法学部の英語と受験生に求める能力は似ている(もちろん英文の内容は全く違う)。受験生の間では、「化学」以上に差が生まれると言える。 問題形式は選択問題が多いが、和訳や内容説明などの記述式の問題も出題されている。和訳は1,2問出題されるが、構文が複雑で内容がつかみづらい英文を和訳させるものが多く、対策のできていない多くの受験生はここで取りこぼすと思われる。過去問研究するときは、どんな難しい文でもすべて和訳して練習するのが効果的である。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "試験時間は80分、配点は100点。数学IIBまでの出題である。難易度は医学部、理工学部程ではないが広い分野から出題され、かなり繁雑な計算、工夫を要する計算が含まれる。80分の試験時間で合格に必要な高得点を取るにはかなりの計算力と数学的センスを要求される。「チャート式基礎からの数学(数研出版)」(青チャート)のような網羅系参考書を用いて標準的な問題を数多く解いて計算力をつけ、さらにやや難しい問題にも挑戦し、十分な数学的思考力を培った上で、過去問をしっかりやるべきである。もし余裕があるならば経済学部や商学部の数学もやってみることをお勧めしたい。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "問題の難易度は高いが、それ以上に受験生のレベルが高いので、7割を目指してほしい。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "試験時間は100分、配点は150点。大問が4,5題出題される。選択問題と記述問題の両方が出題される。量としては記述問題の方が多い。化学IIの理論分野からの出題が多く、無機分野からの出題が少ない。ペプチド配列や溶解度積など難しい分野から問題が出題されることも多い。化学IIも含めた全分野の基礎力を十二分に確立した上で、数多くの演習問題にあたり、計算力を培うように努める必要がある。例年目新しい題材を扱う問題が出題されるため、問題をしっかり読み取る力を養成すること。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "毎年大問1,2題難易度の高い問題が出題されている。例えば、2012年に出題された大問2の触媒と反応速度、酵素が触媒として働く反応の問題はかなりの難問で、酵素反応の反応速度式を誘導なしに求めさせたり、過酸化水素の触媒下での分解が一次反応であることを前提としているなどかなり解答が困難なものであった。慶應薬学部を受験する受験生のレベルはかなり高いため、そのような問題にどれだけ食いついていけるかが合否を分けることになる。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "対策としては、まずは受験基礎~標準レベルの網羅系問題集を1冊徹底的に仕上げること。次に、推薦図書として「化学I・II標準問題精講(旺文社)」を紹介しておきたい。この参考書は難易度の高い良問揃っている。当学部は化学の配点が高く(150/350)、できる受験生にとっては周囲に差をつけやすい科目であるため、この問題集の問題が8割程度スラスラ解けるようになった後に、過去問対策をすれば実のある過去問研究ができるだろう。また、当学部の過去問対策をしっかりやるのはもちろんのこととして、医学部や理工学部の化学の過去問にも取り組むことが望ましい。", "title": "文学部" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "SFCとは、湘南藤沢キャンパスに設置されている総合政策学部・環境情報学部・看護医療学部の3学部を指す。両学部の小論文は慶大の他学部や他大学で見られるものとは違い、SFCオリジナルの非常に独特で重厚な内容になっているため、受験生は早い段階から小論文対策に取り組むこと。また、SFCではAO入試を積極的に導入しており、多種多様な学生を集めているが、本項では一般入試対策についてのみ記述する。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "SFCと呼ばれる学部群の1学部。一学年の定員は450名であり、大学受験一般入試枠は225名。残りはAO入試・帰国生入試・留学生入試枠・附属高校推薦が占める。例年、実質倍率は10倍程度である。環境情報学部とは別の学部であるが、学部間に垣根は無い。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "試験時間は120分、配点は200点。全て客観式の設問で、1200~1500wordsの超長文読解問題が2題出題される。学術的内容の長文の出題が多く、例年1つの長文につき20箇所もの空所補充問題があるのが特徴。大学入試としては非常に高いレベルの語彙力、読解力をまともに問うこの形式は環境情報学部の出題と共通している。本文の抽象度が高く語数が多いため、1つの文章を読みきるだけでも体力を消費する。そのため、重厚な長文に慣れて耐性をつけておくべきである。また、分野を問わぬ文章が出題されるため、幅広い単語力や背景知識は必須であり、食わず嫌いは厳禁である。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "試験時間は120分、配点は200点。範囲は数学IIBまでとなっているが、教科書範囲外の独創的な出題が多いのが特徴である。問題文も長く複雑なものが多い。幅広い分野から、SFCらしいパズルのような複雑な問題が出題されるが、頻出分野は集合と論理・整数・場合の数と確率・数列である。対策としては、受験レベルの基礎を確立し、その後は過去問でとにかく演習を積むしかないと思われる。特に、数学のみの受験生用の問題は大学入試レベルを逸脱しているものが多いので、数学のみの受験生は覚悟が必要である。環境情報学部の数学の問題もやっておこう。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "2016年度から新しく「情報」という科目も選択可能となる。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "問題の難易度は国家試験のITパスポート試験より高く、基本情報技術者試験よりはやや低い、という感じである。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "ただし、ボーダーラインが予め得点率60%以上と決まっている基本情報技術者試験と異なり、SFCの情報科目のボーダーラインは基本情報技術者試験より高い。また、出題傾向も基本情報技術者試験とは若干異なるため、既に基本情報技術者試験に合格している受験生でも油断するなく、実際に出題された過去問等でしっかり対策しておくこと。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "試験時間は120分、配点は200点。総合政策学部の小論文は、5種類以上の膨大な資料が与えられる難問である。資料や自身の知識の事実に基づいた根拠から自分の考えまでを記すことになる。全体の論述字数は1,500字~1,800字程度である。資料から素早く重要な情報を正確に読み取り、頭の中でそれらを組み合わせる力が求められる。国語の現代文の要領で一文一文を丁寧に読んでいては、資料を読むだけで試験時間が終わってしまう。よって、小論文の書き方を覚えただけでは到底歯が立たない。小論文の基礎的な問題が解けるようになったら、当該学部の過去問や環境情報学部の小論文に取り組み、学校や予備校の小論文の講師に添削してもらうことが重要である。 総合政策学部の小論文では、具体的な問題設定・構造的分析・解決法・新しいビジョンを提示させるものが多い。いずれも、総合政策学の理論を使わないと導き出せないようになっている。大量の資料から共通するテーマを発見する力だけでなく、総合政策学とはどういう学問なのかも勉強しておく必要がある。 資料のテーマは、時事問題が中心である。近年では、教育・介護・政策・日本の望ましい将来像の設計など、幅広いテーマが出題されている。また、資料は新聞記事や政府の公文書、論文、学術書、政党のマニフェスト等が出題される。政治経済や現代社会の知識がなければ、読み解けない内容になっている。年度によっては統計表や英文資料が出ることもある。 総合政策学部の小論文の問題形式は年度によって変わる。文章を書かせるだけでなく、「図示とその図の解説」を求める年度もあった。また、意見論述だけでなく、政策評価などが問われることもある。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "以下の内容は、小論文の基礎が確立されていることが前提である。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "SFCと呼ばれる学部群の1学部。一学年の定員は450名であり、大学受験一般入試枠は275名程度。残りはAO入試・帰国生入試・留学生入試枠・附属高校推薦が占める。例年、実質倍率は9倍程度である。総合政策学部とは別の学部であるが、学部間に垣根は無い。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "試験時間は120分、配点は200点。全て客観式の設問で、1200~1500wordsの超長文読解問題が2題出題される。学術的内容の長文の出題が多く、例年1つの長文につき20箇所もの空所補充問題があるのが特徴。大学入試としては非常に高いレベルの語彙力、読解力をまともに問うこの形式は総合政策学部の出題と共通している。本文の抽象度が高く語数が多いため、1つの文章を読みきるだけでも体力を消費する。そのため、重厚な長文に慣れて耐性をつけておくべきである。また、分野を問わぬ文章が出題されるため幅広い語彙力や背景知識は必須であり、食わず嫌いは厳禁である。総合政策学部に比べればかなり理系分野にシフトしたテーマが目立つため、この点を鑑みれば概して語彙の対策は立てやすいはずである。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "試験時間は120分、配点は200点。範囲は数学IIBまでとなっているが教科書範囲外の独創的な出題が多いのが特徴である。選択問題ではコンピュータの問題が出される。他大学の入試では見られないような異質な問題が頻出する(特に、数学のみの受験生用の問題は発想力が求められるパズルのような問題が多く、理系受験生でも難しいと言われている)。環境情報学部は総合政策学部に比べて数学の難易度が毎年若干高めに設定されている。あらゆる分野の基礎をきちんと押さえた上で、日頃から数学的パズルに親しむとよい。総合政策学部同様に、数学のみの受験生用の問題は大学入試レベルを逸脱しているものが多いので、数学のみの受験生は覚悟が必要である。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "2016年度から新しく「情報」という科目も選択可能となる。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "問題の難易度は国家試験のITパスポート試験より高く、基本情報技術者試験よりはやや低い、という感じである。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "ただし、ボーダーラインが予め得点率60%以上と決まっている基本情報技術者試験と異なり、SFCの情報科目のボーダーラインは基本情報技術者試験より高い。また、出題傾向も基本情報技術者試験とは若干異なるため、既に基本情報技術者試験に合格している受験生でも油断するなく、実際に出題された過去問等でしっかり対策しておくこと。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "試験時間は120分、配点は200点。非常にハイレベルな小問が複数課されるが、全体の論述字数は1,200字~1,600字程度。環境情報学部の小論文はアイディア提示型の特殊な内容である。他の学部の小論文のような抽象度の高い課題文が出題されることはないが、1総合政策学部と同様に膨大な資料に向き合い、クリティカルに読み、そこから自分のアイディア(商品の企画案や改善案)を構築する問題発見・問題解決力、そして2タイトルを考えるといったセンス・要約力が評価される特殊な入試である。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "出題形式は総合政策学部と違う。総合政策学部は、大量の資料を分析し、事実に基づいた根拠から自分の考えまでを、600~800字程度でまとめる問題が数問出題される。一方で、環境情報学部の小論文は、複数の小問にわかれて、根拠や考えが別個で問われる。200字で解答しなければならない問題もある。聞かれたことに対して最小限の文字でわかりやすく解答する力が求められる。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "1の問題発見・問題解決力は、やみくもに問題演習をしても身に付く力ではないため、戸山田和久氏の『「科学的思考」のレッスン』(NHK出版新書)等の優良な参考書を使って、問題発見・問題解決の正しい考え方・やり方を身につけておくことが重要である。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "環境情報学部は、総合政策学部と同様に自己意識の強い学部であって、受験生に対して環境情報学ではどんな研究がおこなわれているか、そのコンセプトとはどういうものかに関する深い理解を小論文試験で試している。したがって、まずは環境情報学部の研究について詳しく理解しなければならない。当該学部は実に多様なことを研究しているから、入試ではどの分野(テーマ)が出題されるか分からない。地球環境問題や生活用品のデザイン、メディア・アート、科学論といった実に様々な分野から出題されている。よって、当該学部で研究されている幅広い分野の全てについて、自分なりにある程度の見識を持っておく必要がある。また、入学後どのような研究を自分はしていきたいか、考えておくことが不可欠である。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "SFCと呼ばれる学部群の1学部。一学年の定員は100名であり、大学受験一般入試枠は70名程度。残りは附属高校推薦・AO入試・帰国生入試・留学生入試枠が占める。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "試験形態は1次試験(学科試験)と2次試験(面接+小論文)からなる。当学部に合格するのに鍵となるのは2次試験だと言われている。それは、当学部が人物面をかなり重視しているからである。よって、例年1次試験を上位で通過した非常に優秀な者でも2次試験の内容によっては合格できないことも多い。因みに当学部の1次試験の問題の難易度はどの科目も本学にしては簡単だと言われている。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "例年、実質倍率は4倍程度である。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "1次試験は、I.英語(300点)+数学(200点) II.英語(300点)+化学(200点) III.英語(300点)+生物(200点)のいずれかから選択する(小論文は1次通過者のみに対して、面接と共に2次試験として課される。)。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "試験時間は90分、配点は300点。問題のレベルは、慶大の英語の中で最も易しい。客観形式による文法問題や長文空所補充といった選択式の問題(PART1)と、下線和訳といった記述式の問題(PART2)の2パートに分かれた形式であり、PART2の最後には100-150語で書く自由英作文がある。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "PART1 はさして難しいものはなく、文法正誤問題などは他学部の受験生の演習素材としても格好のもの。むしろ、PART2 にこそ若干留意すべきであり、文脈整序問題は出題文の短さに比して存外難しく感じさせることがある。その理由は接続詞の希少な文章が出題されるためで、速読だけで対処出来るほど甘いものではない。また、PART2 最後の自由英作文は特に抽象度の高い設問ではないが、語数は自由英作文を出題する大学の中ではかなり多い方であり、自己の見識のみを書き連ねて事足れりとしないように。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "試験時間は80分、配点は200点。5題構成で、3番までは空所補充形式、4番5番が記述形式になっている。試験時間80分のわりには問題数が多い為、迅速かつ的確に解答できる力が必要である。出題範囲はII・Bまでである。問題のレベルは、慶大の数学の中で一番易しい。慶大の他学部を受験しないのであれば、「チャート式解法と演習数学(数研出版)」(黄チャート)をお薦めする。こちらをしっかりとマスターすれば、空所補充形式の3題はすべてカバーできる。また、若干難しい問題が出題される記述形式の2題でも部分点を取ることが出来るだろう。これだけで7割は得点できるはずである。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "例年、5番で出題される証明問題(「整数問題」や「式と証明」の分野が多い)は文系受験生にとっては取り組みにくい内容で、受験生の間でも差が出るため、数学で差をつけたい受験生は十分に対策しておくこと。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "試験時間は80分、配点は200点。大問数は3題で固定されている。思考力を問う問題が多く,暗記した知識のみでは対応できないが、それでも、他学部(理工、医、薬)に比べると解きやすい問題が多い。問題形式としては、選択式・記述式問題と30~60字程度の論述問題が出題されている。出題分野も年々変化するため、化学I・IIの全分野にわたってしっかりと対策しておく必要がある。電離平衡・天然有機化合物がよく出題される。教科書・参考書や大学入試標準レベルの問題集で徹底的に基礎を固め、過去問対策を十二分に行えば、65~70%は得点できるだろう。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "試験時間は80分、配点は200点。生物IIからの出題が多く、特に、遺伝子、進化、系統・分類などの分野からの出題が目立つ。知識問題の難易度が比較的高い。教科書に載っていないハイレベルな問題もいくらか見られる。DNAについては医学的内容や新しい内容が出題されることが多く、受験生に単なる受験用の知識ではなく、普段から医療に通じる生物学にどれだけ興味を持っているのかが問われている。よって、話題になっている問題は日頃から関心を持って学習すべきである。似たような傾向の問題が出題されることが多いため、過去問演習はできるだけ多くの年度の問題を解くべきである。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "医学部同様、1次試験合格者には、小論文と面接の2次試験が控えている。前述の通り、看護医療学部は受験生の人物面をかなり重視している。それは、患者との心のふれあいを仕事とする看護に携わる者にとってとても重要だからである。当学部を志望する受験生は、普段から成績だけでなく、求められている人物像や看護というものが何なのかを常に意識しておく必要がある。2次試験を突破できるのは、例年1次の学科試験を通過できた者の6割ほどである。換言すると、学科試験を通過できた受験生でも、4割が合格できないのである。従って、十分に面接、小論文の対策をしておかないと合格するのは非常に難しいと言うことだ。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "看護を学ぶ者にふさわしい人材かどうかの適性をみる質疑応答についての質問がされる。通常約20分と比較的長時間の面接が行われる。内容は、志望動機、高校時代の活動、趣味、ボランティア経験の有無などの基本的なことから始まり、理想の看護師像、医師と看護師の違い、看護師として活躍したい分野、趣味が将来仕事にどのように役立つか、自己の欠点とそれが看護師にどのように影響するのか、看護師以外の道などしっかり対策していないとすぐにはきちんと答えられないようなことまで聞かれる。年によっては、時事問題従って、学校や予備校で実際に模擬面接を何度もやって練習して置くことを勧める。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "試験時間は70分。設問は2問、もしくは3問出題される。設問内容は、例年通り要約・説明と論述である。字数は2問出題の場合、要約・説明が200字、論述が600字程度である。課題文は、社会や個人に関するような看護学に関連するものが比較的多い。(年度によっては、いささか古く、非常に読みにくい文章も出題されている。)現代文で読んだ文章を200字程度で要約する練習を普段からやっておくべきだろう。また、論述問題対策としては、面接対策同様に、看護に関する自分の考えを膨らましておくことが大切である。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "様々な学習予備校が慶大対策を分析したサイトを開設している。主だったところだと、河合塾が慶大受験生向けに入試情報をまとめた慶大塾というサイトは過去の入試データや傾向分析が充実している。特に、「全統模試から見た合否の実態」や「全統模試から見た差のつく教科」は、入試の偏差値(合格者平均偏差値)に関する詳細なデータを参照できるため、お勧めである。", "title": "総合政策学部" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "また、受験についての各種関連記事や合格後の学生生活に対する話題については、慶應塾生新聞にて【受験生応援特集】が定期的に組まれているため、参考にすると良いだろう。", "title": "総合政策学部" } ]
日本の大学受験ガイド > 慶應義塾大対策 本項は、慶應義塾大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。 慶應義塾大学ホームページ(入学試験の概要が記載されている)https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/ 慶應義塾大学(慶應、または慶大)は、東亜最古の段階で高等教育機関となった旧制大学の一つであり、我が国で最初に設立された私立大学である。
{{wikipedia|慶應義塾大学}} *[[日本の大学受験ガイド]] > [[慶應義塾大対策]] 本項は、[[w:慶應義塾大学|慶應義塾大学]]の「一般入学試験」対策に関する事項である。 慶應義塾大学ホームページ(入学試験の概要が記載されている)https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/ 慶應義塾大学(慶應、または慶大)は、東亜最古の段階で高等教育機関となった[[w:旧制大学|旧制大学]]の一つであり、我が国で最初に設立された私立大学である。 = 概要 = ; 特徴 : 慶大入試は、学部によって入試問題の出題形式・内容が全く異なるが、概して、受験生の処理能力の高さを測る傾向にあり、限られた時間の中で膨大な問題を解くことが求められる。そのため、受験科目の知識を盤石なものにし、多くの問題演習を積んだ上で、過去問研究に取り組むことが求められる。過去問研究を通じて、受験学部の問題形式と解答の方向性はある程度想定できるような状態になっていないと、試験時間内に合格点を獲得するのは難しい。 : また、入試形態がやや変則で、受験科目に「[[高等学校国語|国語]]」を設置しておらず、その代わりに「[[大学受験小論文の勉強法|小論文(論述力・論文テスト)]]」試験を行っている。小論文試験が国公立の後期日程以外で受験科目に登場すること自体珍しく、一般の受験生が受験勉強として普段から学習するような科目ではないため、勉強法が他の科目ほど確立されていない。しかも、慶大の小論文では、非常に高い読解力・分析力・論述力が求められるため、十分に対策しないと得点につながらない。そのため、慶大を第一志望もしくは併願受験すると決めたら、その時から継続して小論文対策を行うべきであり、入試直前数か月の対策では対応できない。 : 私立大学では珍しく、SFC以外の全ての学部の全ての科目において問題の形式・傾向が学部ごとに大きく異なる(例えば、経済学部のようにすべての科目で記述・論述式の問題が多い学部もあれば、法学部のように小論文試験以外の科目はすべてマーク式の学部もある。また、法学部の小論文では、社会科学的な素養に基づいた解答が求められるが、SFCの小論文では、膨大な情報の中から問題発見を提議する解決力が求められる、など内容・形式は全く異なる。そのため、ある学部の過去問演習が他の学部の対策に役立つということは稀で、複数学部を受験する場合、学部ごとに最適な対策をする必要がある。早稲田大は、英語は(慶應ほどではないが)学部間によって問題形式は異なるが、国語と社会科目の出題形式は学部間で多少異なるだけで基本的には類似している。その一方で、慶應受験に関しては、各学部の各科目の出題形式がそれぞれ別の大学のようなものであると思って臨むべきである。 ; 足切り : 経済学部、法学部、総合政策学部、環境情報学部では、一部の科目もしくは問題が一定の点数に達していない場合、残りの科目もしくは問題を採点せず足切り不合格にするため、注意が必要である。 ; 入学検定料 : 医学部医学科のみ60000円。それ以外の学部は、1学部につき35000円となる。 = 入試情報 = ; 受験状況 : 一概には言えないが、本学を第一志望にしている人の多くは複数の学部を受験する(例えば、法学部志願者でも、文学部を受験する者もいる)。中には受験は水物ということを考慮し、4学部以上を受ける者も珍しくない。 : 試験日は学部毎に異なるが、2月中旬頃に行われる。私立大学としては遅い方であるが、それでも国立大学前期試験とは日程が若干空くため、東大京大一橋大志望者の併願受験が多い。 ; 試験会場 : 学部毎に試験日は異なるが、試験会場はどの学部も日吉キャンパス(神奈川県横浜市)か三田キャンパス(東京都港区)で行われる。矢上キャンパス、信濃町キャンパス、共立芝キャンパス、湘南藤沢キャンパスで行われることはない。 ; 合格人数・合格状況 : 辞退者を織り込んで、どの学部も募集人員の2倍程度の人数が合格になっている。 : 一学年の定員は全学部合わせて6400名程度(一般入試枠は4000名程度)、男女比率は全学部合計で7:3、看護医療学部と文学部に関しては男性より女性の比率が高い。 = 学部別対策 = 慶大は、問題の形式・傾向が学部ごとに大きく異なるため、ある学部の過去問演習が他の学部の対策に役立つということは稀で、複数学部を受験する場合は学部ごとに対策をする必要がある。 == 文学部 == {{/文学部}} == 経済学部 == {{/経済学部}} == 法学部 == {{/法学部}} == 商学部 == {{/商学部}} == 理工学部 == {{/理工学部}} == 医学部 == {{/医学部}} == 薬学部 == {{/薬学部}} = SFC対策 = {{/SFC}} = その他 =  様々な学習予備校が慶大対策を分析したサイトを開設している。主だったところだと、[[w:河合塾|河合塾]]が慶大受験生向けに入試情報をまとめた[http://keidai.kawai-juku.ac.jp/ 慶大塾]というサイトは過去の入試データや傾向分析が充実している。特に、「全統模試から見た合否の実態」や「全統模試から見た差のつく教科」は、入試の偏差値(合格者平均偏差値)に関する詳細なデータを参照できるため、お勧めである。  また、受験についての各種関連記事や合格後の学生生活に対する話題については、[http://www.jukushin.com/ 慶應塾生新聞]にて【受験生応援特集】が定期的に組まれているため、参考にすると良いだろう。 = 模試 = : 慶大対応模試として、[[w:代々木ゼミナール|代ゼミ・駿台共催(受験申込は、代ゼミで受付)]]の「慶大入試プレ」と、[[w:河合塾|河合塾]]の「早慶レベル模試」がある。また、慶大小論文対策として、「全統論文模試(河合塾)」もある。各予備校は慶大の入試傾向を徹底的に分析し、精度の高い予想問題を作成しており、多くの慶大志願者がこれらを受験する。その為、受験すれば本番入試に向けての大きな指針となり、本番の雰囲気にも慣れることになるので、慶大志願者は、これらの模試をできる限り受験するべきだろう。ただし、これらの慶大対応模試は、東大京大一橋大などの国立志望者はほとんど受けていない。そのため判定が高く出やすく、あまり判定を鵜呑みにすべきではない。 : 模試は厳選された良問ばかりである。模試で出題された=塾講師達が重要と考えている問題=受験生は当然正解すべき問題と解釈できる。また、模試の結果に対して一喜一憂してはならない。というのは、全学部の志望者を同時に試験するため、多分に志望学部の出題傾向とは異なるからである。しかし、不得意な分野についてはしっかりと復習をし、確実に身につける必要がある。判定が悪くても合格するためには、基礎の徹底を怠ってはならない。それには、一度解いたことのある問題を確実に解けるように復習するのが一番の近道である。 = 関連リンク = * [http://www.keio.ac.jp/index-jp.html 慶應義塾大学]:大学公式サイト [[Category:大学入試|けいおうきしゆくたいたいさく]]
null
2022-10-29T14:52:04Z
[ "慶應義塾大対策/経済学部", "慶應義塾大対策/商学部", "慶應義塾大対策/医学部", "慶應義塾大対策/薬学部", "慶應義塾大対策/SFC", "慶應義塾大対策/文学部", "慶應義塾大対策/法学部", "慶應義塾大対策/理工学部", "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%85%B6%E6%87%89%E7%BE%A9%E5%A1%BE%E5%A4%A7%E5%AF%BE%E7%AD%96
579
DOS入門
MS-DOS/PC DOS入門は、マイクロソフト社製のMS-DOS、IBM社製のPC DOSおよびそのほかのDOSに関する解説である。 MS-DOS、PC DOSは、パーソナルコンピュータ(PC)において、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)が普及するまで用いられたIntel 8086(x86)アーキテクチャ用キャラクタインターフェイス(w:CUI)オペレーティングシステムである。詳しくは、姉妹プロジェクトのウィキペディアのMS-DOSを参照。 IBMが初代IBM PC用のOSの開発を米国マイクロソフト本社に委託し、PC DOSが開発された。その後、PC DOSをベースにマイクロソフトが他社にOEM供給したものは、MS-DOSとされた。 また、Microsoftに許諾を取った上でIBM PC(後のPC/ATアーキテクチャ)以外の多くのアーキテクチャ向けに他社が移植を行っている。(PC-9800シリーズなど) バージョン6以降、MS-DOS、PC DOSの次世代CUI OSとしてMS OS/2,IBM OS/2が開発されたが、Windowsの登場によりあまり普及しなかった。 MS-DOS、PC DOSは、オペレーティングシステムとしてはほとんど使われなくなったが、Microsoft Windowsのコマンドプロンプトとして、また、WindowsVistaから(WindowsXPからインストール可能)は、コマンドプロンプトの他にWindows PowerShellが標準に追加され、そのコマンド体系は残っている。なお、Windows11でいう「ターミナル」アプリで実行されるアプリは規定ではPowerShellである(なお、ターミナルのvボタンで出てくるプルダウンメニューを使えばコマンドプロンプトなど別アプリにも変えられる)。 その他、有志によってFreeDOSやDOSBOX等、MS-DOSの互換OSが生まれた。 DOSは、Disk Operating Systemの略称であることからもわかるように、基本的にフロッピーディスク・ハードディスク上で運用しその記憶媒体上のデータを操作することにより使用する。 次の順にファイルを読み込む。 なお、PC DOSまたはDR DOSの場合にはIO.SYSはIBMBIO.COMに,MSDOS.SYSはIBMDOS.COM となる。また、AUTOEXEC.BATはCOMMAND.COMから呼び出されるため、CONFIG.SYSにおいてSHELL変数をCOMMAND.COM以外を指定した場合には読み込まれない。 CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATを書き換えることで行う。 MS-DOSバージョン7では、MSDOS.SYSも用いる。 DEVICE、DEVICEHIGH文によって組み込む。 主なデバイスドライバには次のものがある。 具体的には などのように記述する。 なお、DEVICEHIGH文を用いる場合には、Upper Memory Blocksを使用するため、HIMEM.SYSまたはそれに準ずるドライバをDEVICE文で読み込んだ後に使用しなければならない。 日本語FEPやマウスドライバなどの常駐プログラムをCONFIG.SYSから読み込む場合には、 INSTALL文またはINSTALLHIGH文を使う 。 INSTALL文を使うことで、 AUTOEXEC.BATを使わずに設定ファイルを構成することもできるが、 歴史的経緯からINSTALL文はあまり使われない。 なお、 DEVICE文におけるDEVICEHIGH文と同じく、 Upper Memory Blocksを使う関係上HIMEM.SYSの読み込みよりも後にINSTALLHIGHを使わなければならない。 SHELL文によって設定する。 通常は標準シェルであるCOMMAND.COMを使用する。 具体的には などのように記述する。 なお、末尾の/Pは必須。 AUTOEXEC.BATはCOMMAND.COMが起動時に必ず読み込むファイルである。 実体は通常のバッチファイルになっている。 このファイルには常駐プログラムやDOSの起動時に自動的に実行させたいアプリケーションを書きこむ。 主に使われる用途としては次のようなものがある。 記述方法は絶対パスもしくは相対パスで行う。 具体的には などのように記述する。 なお、常駐ソフトウェアを読み込む際にはCONFIG.SYSのDEVICE文に対するDEVICEHIGH文のように、 High Memory Areaに常駐させるためのLOADHIGH文 (省略記法: LH) が用意されている。 MSDOS.SYSはCONFIG.SYS、AUTOEXEC.BATと違い、編集できる場所が限られている。もし、編集してはならない場所を編集した場合、MS-DOSが起動できなくなるケースが多い。 主に以下の用途で使われる。 DOSのコマンドは、 内部コマンドと外部コマンド に大別される。 内部コマンドとは標準シェルCOMMAND.COMの内蔵コマンドである。 外部コマンドとはCOMMAND.COMに内蔵されていない、 .COM形式あるいは.EXE形式で提供されているコマンドである。 .BAT形式を使うと、一度に複数のコマンドを実行できる。 下記のコマンドは基本的に「コマンドプロンプト」で用いることができる。 ただし Power Shell では使えないコマンドもあるので、都度、確認のこと。 ディレクトリの内容を表示するための内部コマンド (UNIXのlsに相当)。 ディレクトリの中身を知りたい場合によく使われる。 (詳しく知りたい場合は、DIR /?とコマンドの後に/?) サンプル出力 (全てBochs上のFreeDOSより) Powershellでも問題なく使える。(ただし表示は上記とは異なる。) 例1: 例2: 場合によっては、DIRコマンドを入力しても、長すぎて全てを見られないときがある。 例: そのような場合は、 コマンドを使用する。 このコマンドを使用すると『次の頁を見るためには、何かキーを押してください』と表示されるので、次の頁を見たい場合は、何かキー(Enter等)を押す。 カレントディレクトリを変更する際に使用するコマンドである。Powwershellでも問題なく使える。 ディスクA:\BINからの一つ上のフォルダに移動したい時には、 .(ピリオド)はカレントディレクトリを表す。 上記の場合、連続してピリオドを記述しているが、これは1階層上のディレクトリを指定した事になる。 なお、たとえばGドライブに移動したい場合、cd /d g: になる。/dオプションが必要。 Powershellの場合、オプション無しでも cd g: というコマンドだけで移動できる。 ※ 最近のwindowsの場合、ホームフォルダやその周辺のディレクトリがクラウド用に処理されている等の理由もあって、従来とは実験結果が異なる場合もある。もしその場合、外付けHDDなどを追加してGドライブやHドライブなどといった外部ドライブなどに移動して実験すれば、簡単であろう。 MS-DOSのコマンドには、内部コマンドと外部コマンドが存在することは前述の通りである。 そのため、以下で外部コマンドとしたものについては、.COM/.EXE のファイルが無ければ使用できないので注意されたし。 以下内部コマンドにはnとつける。 NEC PC-9800シリーズの場合はハードディスクのアクセスアームを元に戻す機能を備えているため、 実行(CTRL+C または STOP キー)して電源を落とさないとハードディスクのデータが破壊される可能性がある。 以下は、NEC PC-9800シリーズ用MS-DOSに付属する外部コマンドである。特定バージョンにのみ付属するもの、同名でもバージョンにより大きく異なる動作をするものについてはその旨併記している。 スイッチ等をつけずに起動すると独自のウィザード・操作メニューが表示される事が多い。(以下mで表記)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "MS-DOS/PC DOS入門は、マイクロソフト社製のMS-DOS、IBM社製のPC DOSおよびそのほかのDOSに関する解説である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "MS-DOS、PC DOSは、パーソナルコンピュータ(PC)において、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)が普及するまで用いられたIntel 8086(x86)アーキテクチャ用キャラクタインターフェイス(w:CUI)オペレーティングシステムである。詳しくは、姉妹プロジェクトのウィキペディアのMS-DOSを参照。", "title": "MS-DOS、PC DOSとは?" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "IBMが初代IBM PC用のOSの開発を米国マイクロソフト本社に委託し、PC DOSが開発された。その後、PC DOSをベースにマイクロソフトが他社にOEM供給したものは、MS-DOSとされた。 また、Microsoftに許諾を取った上でIBM PC(後のPC/ATアーキテクチャ)以外の多くのアーキテクチャ向けに他社が移植を行っている。(PC-9800シリーズなど)", "title": "MS-DOS、PC DOSの歴史" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "バージョン6以降、MS-DOS、PC DOSの次世代CUI OSとしてMS OS/2,IBM OS/2が開発されたが、Windowsの登場によりあまり普及しなかった。", "title": "MS-DOS、PC DOSの歴史" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "MS-DOS、PC DOSは、オペレーティングシステムとしてはほとんど使われなくなったが、Microsoft Windowsのコマンドプロンプトとして、また、WindowsVistaから(WindowsXPからインストール可能)は、コマンドプロンプトの他にWindows PowerShellが標準に追加され、そのコマンド体系は残っている。なお、Windows11でいう「ターミナル」アプリで実行されるアプリは規定ではPowerShellである(なお、ターミナルのvボタンで出てくるプルダウンメニューを使えばコマンドプロンプトなど別アプリにも変えられる)。", "title": "MS-DOS、PC DOSの歴史" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "その他、有志によってFreeDOSやDOSBOX等、MS-DOSの互換OSが生まれた。", "title": "MS-DOS、PC DOSの歴史" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "DOSは、Disk Operating Systemの略称であることからもわかるように、基本的にフロッピーディスク・ハードディスク上で運用しその記憶媒体上のデータを操作することにより使用する。", "title": "DOSの概念" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "次の順にファイルを読み込む。", "title": "DOSの概念" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "なお、PC DOSまたはDR DOSの場合にはIO.SYSはIBMBIO.COMに,MSDOS.SYSはIBMDOS.COM となる。また、AUTOEXEC.BATはCOMMAND.COMから呼び出されるため、CONFIG.SYSにおいてSHELL変数をCOMMAND.COM以外を指定した場合には読み込まれない。", "title": "DOSの概念" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATを書き換えることで行う。 MS-DOSバージョン7では、MSDOS.SYSも用いる。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "DEVICE、DEVICEHIGH文によって組み込む。 主なデバイスドライバには次のものがある。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "具体的には", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "などのように記述する。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "なお、DEVICEHIGH文を用いる場合には、Upper Memory Blocksを使用するため、HIMEM.SYSまたはそれに準ずるドライバをDEVICE文で読み込んだ後に使用しなければならない。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "日本語FEPやマウスドライバなどの常駐プログラムをCONFIG.SYSから読み込む場合には、 INSTALL文またはINSTALLHIGH文を使う 。 INSTALL文を使うことで、 AUTOEXEC.BATを使わずに設定ファイルを構成することもできるが、 歴史的経緯からINSTALL文はあまり使われない。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "なお、 DEVICE文におけるDEVICEHIGH文と同じく、 Upper Memory Blocksを使う関係上HIMEM.SYSの読み込みよりも後にINSTALLHIGHを使わなければならない。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "SHELL文によって設定する。 通常は標準シェルであるCOMMAND.COMを使用する。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "具体的には", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "などのように記述する。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "なお、末尾の/Pは必須。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "AUTOEXEC.BATはCOMMAND.COMが起動時に必ず読み込むファイルである。 実体は通常のバッチファイルになっている。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "このファイルには常駐プログラムやDOSの起動時に自動的に実行させたいアプリケーションを書きこむ。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "主に使われる用途としては次のようなものがある。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "記述方法は絶対パスもしくは相対パスで行う。 具体的には", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "などのように記述する。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "なお、常駐ソフトウェアを読み込む際にはCONFIG.SYSのDEVICE文に対するDEVICEHIGH文のように、 High Memory Areaに常駐させるためのLOADHIGH文 (省略記法: LH) が用意されている。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "MSDOS.SYSはCONFIG.SYS、AUTOEXEC.BATと違い、編集できる場所が限られている。もし、編集してはならない場所を編集した場合、MS-DOSが起動できなくなるケースが多い。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "主に以下の用途で使われる。", "title": "環境設定" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "DOSのコマンドは、 内部コマンドと外部コマンド に大別される。 内部コマンドとは標準シェルCOMMAND.COMの内蔵コマンドである。 外部コマンドとはCOMMAND.COMに内蔵されていない、 .COM形式あるいは.EXE形式で提供されているコマンドである。 .BAT形式を使うと、一度に複数のコマンドを実行できる。", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "下記のコマンドは基本的に「コマンドプロンプト」で用いることができる。 ただし Power Shell では使えないコマンドもあるので、都度、確認のこと。", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "ディレクトリの内容を表示するための内部コマンド (UNIXのlsに相当)。 ディレクトリの中身を知りたい場合によく使われる。", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "(詳しく知りたい場合は、DIR /?とコマンドの後に/?)", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "サンプル出力 (全てBochs上のFreeDOSより)", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "Powershellでも問題なく使える。(ただし表示は上記とは異なる。)", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "例1:", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "例2:", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "場合によっては、DIRコマンドを入力しても、長すぎて全てを見られないときがある。", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "例:", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "そのような場合は、", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "コマンドを使用する。 このコマンドを使用すると『次の頁を見るためには、何かキーを押してください』と表示されるので、次の頁を見たい場合は、何かキー(Enter等)を押す。", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "カレントディレクトリを変更する際に使用するコマンドである。Powwershellでも問題なく使える。", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "ディスクA:\\BINからの一つ上のフォルダに移動したい時には、", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": ".(ピリオド)はカレントディレクトリを表す。 上記の場合、連続してピリオドを記述しているが、これは1階層上のディレクトリを指定した事になる。", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "なお、たとえばGドライブに移動したい場合、cd /d g: になる。/dオプションが必要。", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "Powershellの場合、オプション無しでも cd g: というコマンドだけで移動できる。", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "※ 最近のwindowsの場合、ホームフォルダやその周辺のディレクトリがクラウド用に処理されている等の理由もあって、従来とは実験結果が異なる場合もある。もしその場合、外付けHDDなどを追加してGドライブやHドライブなどといった外部ドライブなどに移動して実験すれば、簡単であろう。", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "MS-DOSのコマンドには、内部コマンドと外部コマンドが存在することは前述の通りである。 そのため、以下で外部コマンドとしたものについては、.COM/.EXE のファイルが無ければ使用できないので注意されたし。 以下内部コマンドにはnとつける。", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "NEC PC-9800シリーズの場合はハードディスクのアクセスアームを元に戻す機能を備えているため、 実行(CTRL+C または STOP キー)して電源を落とさないとハードディスクのデータが破壊される可能性がある。", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "以下は、NEC PC-9800シリーズ用MS-DOSに付属する外部コマンドである。特定バージョンにのみ付属するもの、同名でもバージョンにより大きく異なる動作をするものについてはその旨併記している。 スイッチ等をつけずに起動すると独自のウィザード・操作メニューが表示される事が多い。(以下mで表記)", "title": "基本コマンド" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "", "title": "基本コマンド" } ]
MS-DOS/PC DOS入門は、マイクロソフト社製のMS-DOS、IBM社製のPC DOSおよびそのほかのDOSに関する解説である。
MS-DOS/PC DOS入門は、マイクロソフト社製のMS-DOS、IBM社製のPC DOSおよびそのほかのDOSに関する解説である。 {{Wikipedia|MS-DOS}} <!-- DOS --> == MS-DOS、PC DOSとは? == MS-DOS、PC DOSは、パーソナルコンピュータ(PC)において、グラフィカルユーザインターフェイス([[w:GUI|GUI]])が普及するまで用いられたIntel 8086(x86)アーキテクチャ用キャラクタインターフェイス([[w:CUI]])オペレーティングシステムである。詳しくは、姉妹プロジェクトのウィキペディアの[[w:MS-DOS|MS-DOS]]を参照。 == MS-DOS、PC DOSの歴史 == IBMが初代IBM PC用のOSの開発を米国マイクロソフト本社に委託し、PC DOSが開発された。その後、PC DOSをベースにマイクロソフトが他社にOEM供給したものは、MS-DOSとされた。 また、Microsoftに許諾を取った上でIBM PC(後のPC/ATアーキテクチャ)以外の多くのアーキテクチャ向けに他社が移植を行っている。(PC-9800シリーズなど) === DOSの変遷 === ; MS-DOS : バージョン1からバージョン6(Windows 95/98のDOS部分はバージョン7とされる) ; PC DOS : バージョン1からバージョン7(バージョン7に若干の改修を加えたPC DOS 2000も存在する) ; [[w:DR-DOS|DR DOS]] : バージョン3.31からバージョン7.03 (バージョン8.1は[[w:GNU General Public License|GPL]]違反により消滅) バージョン6以降、MS-DOS、PC DOSの次世代CUI OSとしてMS OS/2,IBM OS/2が開発されたが、Windowsの登場によりあまり普及しなかった。 === 現代のDOS === MS-DOS、PC DOSは、オペレーティングシステムとしてはほとんど使われなくなったが、Microsoft Windowsのコマンドプロンプトとして、また、[[w:Microsoft Windows Vista|WindowsVista]]から([[w:Windows XP|WindowsXP]]からインストール可能)は、[[w:cmd.exe|コマンドプロンプト]]の他に[[w:Windows PowerShell|Windows PowerShell]]が標準に追加され、そのコマンド体系は残っている。なお、Windows11でいう「ターミナル」アプリで実行されるアプリは規定ではPowerShellである(なお、ターミナルのvボタンで出てくるプルダウンメニューを使えばコマンドプロンプトなど別アプリにも変えられる)。 その他、有志によってFreeDOSやDOSBOX等、MS-DOSの互換OSが生まれた。 == DOSの概念 == DOSは、'''D'''isk '''O'''perating '''S'''ystemの略称であることからもわかるように、基本的にフロッピーディスク・ハードディスク上で運用しその記憶媒体上のデータを操作することにより使用する。 === ディスク・ファイル === ; ディスクドライブ (A, B, C, D, ... Z) : ディスクドライブには「ドライブレター」というアルファベットのドライブ文字が割り当てられ、「Aドライブ」などと呼ぶ。[[w:PC/AT|PC/AT]]アーキテクチャではフロッピーディスクドライブにはAまたはBの文字が、ハードディスクドライブやCD-ROMドライブにはC以降の文字が割り当てられる。[[w:PC-9800シリーズ|PC-98]]アーキテクチャでは、フロッピーディスク、ハードディスクを問わず起動ドライブがAドライブとなり、その後B、C、Dと順番に割り当てられていく。CONFIG.SYSのLASTDRIVEで上限を設定できる。<br> なお、現代のパソコンで内蔵ドライブの多くがCドライブになるのは、このMS-DOSの設定で、A・Bドライブが[[w:フロッピーディスクドライブ|フロッピーディスクドライブ]]、更に詳しく書くと、AドライブがMS-DOSのフロッピーディスク用のドライブ、Bドライブがその他のフロッピーディスク用のドライブ用で、Cドライブが[[w:ハードディスク|ハードディスクドライブ]]用と割り振られているからである。決してCドライブの"C"は「computer」の"C"ではない。コンピューターの記憶装置として普及したフロッピーディスクから順番に割り振っていったらハードディスクのドライブレターが"C"になったということにすぎない。なお、フロッピーディスクドライブがA・Bと二つ割り振られているのは、当時、AドライブでMS-DOSを読み込みながらBドライブのフロッピーディスクの作業をしていたからである。<br> また、[[w:ソリッドステートドライブ|SSD]]は[[w:ハードディスク|ハードディスクドライブ]]の代替であるから、ハードディスクドライブと同じCドライブである。 ; カレントドライブ : カレントドライブとは、対象となっているドライブのことである。カレントディレクトリとともに操作対象のディレクトリを指定する。「C:」や「D:」などのコマンドで変更できる。 ; ディレクトリ : ファイルを階層化して管理する概念としてディレクトリと呼ばれるものがある。バージョン1には、ディレクトリの概念がない。なお[[w:Windows|Windows]]ではフォルダと呼ぶ。 ; カレントディレクトリ : カレントディレクトリとは、対象となっているディレクトリのことである。各ドライブごとに存在し、それぞれを内部コマンドのCDで変更できる。 ; [[w:ファイルシステム|ファイルシステム]] : FAT ([[w:File Allocation Table|File Allocation Table]]) を用いる。FATは[[w:Microsoft Windows 95|Windows 95]]でファイル名の長さ制限を256バイトにした[[w:File Allocation Table#VFAT|VFAT]]に拡張された。なお、VFATをDOS/Vフォーマット、IBMフォーマットなどと呼ぶこともある。<sup><span title="要出典">''<nowiki>[</nowiki>[[w:Wikipedia:「要出典」をクリックされた方へ|<span title="要出典">要出典</span>]]<nowiki>]</nowiki>''</span></sup><!-- VFATはDOS/Vでは正しく扱えないためDOS/Vフォーマットと呼ばれるには疑問が残る.またPC-DOSではVFATはサポートされたことがないためIBMフォーマットと呼ばれるのも疑問. --> : また[[w:NTFS|NTFS]]などのパーティションにアクセスするためのドライバも販売されていた。 <!-- 「ディスクフォーマット」と言いながらフロッピーディスクの種類に言及しているため一旦オミット. フォーマットの違いだけでなく磁性体の違いなどもあるため不適当. ; ディスクフォーマット : ディスクフォーマットは、ファイルシステムを含むディスク上のデータを記録する形式のことである。 :* 2DD - 640KB, 720KB :* 2HD - 1.21MB, 1.25MB, 1.44MB :* 2ED - 2.88MB (2EDはほとんど普及しなかった) : 現在、普及しているフロッピーディスクのフォーマットは、DOS/V 1.44MB 2HDが主であり、1995年以前の日本ではPC-9800シリーズ用の1.25MB 2HDが使われたが、Windowsの登場以降では1.44MB 2HDに移行した。 --> === 起動プロセス === 次の順にファイルを読み込む。 * <tt>IO.SYS</tt> (必須) * <tt>MSDOS.SYS</tt> (必須) * <tt>CONFIG.SYS</tt> * <tt>COMMAND.COM</tt> (変更可) * <tt>AUTOEXEC.BAT</tt> {|class='wikitable'| |style='text-align: center;'|<tt>IO.SYS</tt> |style='text-align: center;'|&rarr; |style='text-align: center;'|<tt>MSDOS.SYS</tt> |style='text-align: center;'|&rarr; |rowspan='2' style='text-align: center;'|<tt>CONFIG.SYS</tt><br/>(省略可) |rowspan='2' style='text-align: center;'|&rarr; |rowspan='2' style='text-align: center;'|シェル<br/>(省略時<tt>COMMAND.COM</tt>) |rowspan='2' style='text-align: center;'|&rarr; |rowspan='2' style='text-align: center;'|<tt>AUTOEXEC.BAT</tt><br/>(省略可) |- |style='text-align: center;'|<tt>IBMBIO.COM</tt> |style='text-align: center;'|&rarr; |style='text-align: center;'|<tt>IBMDOS.COM</tt> |style='text-align: center;'|&rarr; |} なお、PC DOSまたはDR DOSの場合には<tt>IO.SYS</tt>は<tt>IBMBIO.COM</tt>に,<tt>MSDOS.SYS</tt>は<tt>IBMDOS.COM</tt> となる。また、<tt>AUTOEXEC.BAT</tt>は<tt>COMMAND.COM</tt>から呼び出されるため、<tt>CONFIG.SYS</tt>において<tt>SHELL</tt>変数を<tt>COMMAND.COM</tt>以外を指定した場合には読み込まれない。 == 環境設定 == <tt>CONFIG.SYS</tt>と<tt>AUTOEXEC.BAT</tt>を書き換えることで行う。 MS-DOSバージョン7では、<tt>MSDOS.SYS</tt>も用いる。 === <tt>CONFIG.SYS</tt> === ==== デバイスドライバ ==== <tt>DEVICE</tt>、<tt>DEVICEHIGH</tt>文によって組み込む。 主なデバイスドライバには次のものがある。 *メモリ管理ドライバ ** [[Wikipedia:XMS|XMS]]ドライバ (<tt>HIMEM.SYS</tt>) ** [[Wikipedia:Expanded_Memory_Specification|EMS]]ドライバ (<tt>EMM386.EXE</tt>) *** 互換ドライバとして[[Wikipedia:QEMM|QEMM]]などが開発・販売された * マウスドライバ (<tt>MOUSE.SYS</tt>) ** NEC PC-98シリーズ版MS-DOSでのみ提供されている ** PC/AT互換機用のDOSでは常駐プログラムとして<tt>MOUSE.COM</tt>が提供されている * 日本語フロントエンドプロセッサ (FEP) 具体的には : <tt>DEVICE=C:\DOS\HIMEM.SYS</tt> などのように記述する。 なお、<tt>DEVICEHIGH</tt>文を用いる場合には、Upper Memory Blocksを使用するため、<tt>HIMEM.SYS</tt>またはそれに準ずるドライバを<tt>DEVICE</tt>文で読み込んだ後に使用しなければならない。 ==== 常駐プログラムの読み込み ==== 日本語FEPやマウスドライバなどの常駐プログラムを<tt>CONFIG.SYS</tt>から読み込む場合には、 <tt>INSTALL</tt>文または<tt>INSTALLHIGH</tt>文を使う 。 <tt>INSTALL</tt>文を使うことで、 <tt>AUTOEXEC.BAT</tt>を使わずに設定ファイルを構成することもできるが、 歴史的経緯から<tt>INSTALL</tt>文はあまり使われない。 なお、 <tt>DEVICE</tt>文における<tt>DEVICEHIGH</tt>文と同じく、 Upper Memory Blocksを使う関係上<tt>HIMEM.SYS</tt>の読み込みよりも後に<tt>INSTALLHIGH</tt>を使わなければならない。 ; 例 : <tt>INSTALL=C:\DOS\MOUSE.COM</tt> ==== シェル設定 ==== <tt>SHELL</tt>文によって設定する。 通常は標準シェルである<tt>COMMAND.COM</tt>を使用する。 具体的には : <tt>SHELL=C:\COMMAND.COM /P</tt> などのように記述する。 なお、末尾の<tt>/P</tt>は必須。 ==== その他 ==== * <tt>DOS</tt>文<br/>システムの一部をHigh Memory AreaやUpper Memory Blocksに読み込む際に使用する。 ** <tt>HIGH</tt> ... High Memory Areaに読み込む ** <tt>UMB</tt> ... Upper Memory Blocksに読み込む ; 例 : <tt>DOS=HIGH,UMB</tt> * <tt>DOSDATA</tt>文<br/>PC DOS 7.0以降のみ使用可能。 ; 例 : <tt>DOSDATA=UMB</tt> === <tt>AUTOEXEC.BAT</tt> === <tt>AUTOEXEC.BAT</tt>は<tt>COMMAND.COM</tt>が起動時に必ず読み込むファイルである。 実体は通常のバッチファイルになっている。 このファイルには常駐プログラムやDOSの起動時に自動的に実行させたいアプリケーションを書きこむ。 主に使われる用途としては次のようなものがある。 * ディスクキャッシュ * CD-ROMドライブ名の割り当て ** DOSでCD-ROMドライブを使うためには、デバイスドライバの読み込みだけではなく、<tt>MSCDEX.EXE</tt>などの常駐ソフトウェアが必要になる * Windowsを起動させる (Windows 3.xまで) 記述方法は絶対パスもしくは相対パスで行う。 具体的には : A:\WINDOWS\WIN.COM : .\WINDOWS\WIN.COM などのように記述する。 なお、常駐ソフトウェアを読み込む際には<tt>CONFIG.SYS</tt>の<tt>DEVICE</tt>文に対する<tt>DEVICEHIGH</tt>文のように、 High Memory Areaに常駐させるための<tt>LOADHIGH</tt>文 (省略記法: <tt>LH</tt>) が用意されている。 === MSDOS.SYS === MSDOS.SYSはCONFIG.SYS、AUTOEXEC.BATと違い、編集できる場所が限られている。もし、編集してはならない場所を編集した場合、MS-DOSが起動できなくなるケースが多い。 主に以下の用途で使われる。 :*デフォルトシェル :*起動ドライブ :*インストールディレクトリ :*Windows起動中のロゴを表示させる。(Windows9x) = コマンド = DOSのコマンドは、 '''内部コマンド'''と'''外部コマンド''' に大別される。 内部コマンドとは標準シェル<tt>COMMAND.COM</tt>の内蔵コマンドである。 外部コマンドとは<tt>COMMAND.COM</tt>に内蔵されていない、 <tt>.COM</tt>形式あるいは<tt>.EXE</tt>形式で提供されているコマンドである。 <tt>.BAT</tt>形式を使うと、一度に複数のコマンドを実行できる。 == 基本コマンド == 下記のコマンドは基本的に「コマンドプロンプト」で用いることができる。 ただし Power Shell では使えないコマンドもあるので、都度、確認のこと。 === <tt>DIR</tt>について === ディレクトリの内容を表示するための内部コマンド (UNIXの<tt>ls</tt>に相当)。 ディレクトリの中身を知りたい場合によく使われる。 (詳しく知りたい場合は、<tt>DIR /?</tt>とコマンドの後に<tt>/?</tt>) サンプル出力 (全てBochs上のFreeDOSより) ==== <tt>DIR</tt> ==== <pre> C:\>dir Volume in drive C is FREEDOS Volume Serial Number is 4228-11FA Directory of C:\ KERNEL SYS 41,293 08-04-02 11:32a COMMAND COM 86,413 07-30-02 12:17a DOS <DIR> 11-14-02 10:43a FDCONFIG SYS 263 11-14-02 11:05a EDIT EXE 62,277 08-11-04 7:38p EDIT HLP 29,452 04-28-04 1:22a 5 file(s) 219,698 bytes 1 dir(s) 5,402,624 bytes free C:\> </pre> Powershellでも問題なく使える。(ただし表示は上記とは異なる。) <pre> PS C:\Users\ユーザー名> dir ディレクトリ: C:\Users\ユーザー名 Mode LastWriteTime Length Name ---- ------------- ------ ---- d----- 2023/07/17 月曜日 20: .thumbnails 01 d-r--- 2023/07/17 月曜日 18: Contacts 20 d----- 2023/07/17 月曜日 18: Documents 41 dar--- 2023/07/24 月曜日 16: Downloads 21 d-r--- 2023/07/17 月曜日 18: Favorites 20 d-r--- 2023/07/17 月曜日 18: Links 20 d-r--- 2023/07/17 月曜日 21: Music 02 dar--l 2023/07/23 日曜日 14: OneDrive 35 d-r--- 2023/07/17 月曜日 18: Saved Games 20 d-r--- 2023/07/17 月曜日 18: Searches 37 d-r--- 2023/07/22 土曜日 11: Videos 57 </pre> ===== <tt>DIR /W</tt> ===== 例1: <pre> C:\>dir /w Volume in drive C is FREEDOS Volume Serial Number is 4228-11FA Directory of C:\ KERNEL.SYS COMMAND.COM [DOS] FDCONFIG.SYS EDIT.EXE EDIT.HLP 5 file(s) 219,698 bytes 1 dir(s) 5,402,624 bytes free C:\> </pre> 例2: <pre> Directory of C:\DOS\BIN [.] [..] RIPCORD.COM ASSIGN.COM ATTRIB.COM CHOICE.EXE CMDXSWP.COM COMMAND.COM KSSF.COM PTCHSIZE.EXE VSPAWN.COM COMP.COM DEBUG.COM DISKCOMP.EXE DISKCOPY.EXE DISKCOPY.INI DELTREE.COM DELTREE2.COM EDIT.EXE EDIT.HLP EMM386.EXE HIMEM.EXE EXE2BIN.COM FC.EXE FDISK.EXE FDISK.INI FDISKPT.INI FDISKB.EXE FDXMS.SYS FDXMST.SYS FDXXMS.SYS FDXXMST.SYS XMSTEST.EXE FDXM286T.SYS FDXMS286.SYS XMS2TEST.EXE FIND.EXE FORMAT.EXE FASTHELP.BAT FDHELP.EXE [FILES] HELP.EXE HELP.HTM LABEL.EXE MEM.EXE [MKEYB] MIRROR.EXE MODE.COM MORE.EXE MOVE.EXE NANSI.SYS PRINT.COM PRINTQ.EXE 28MON.COM 2CMON.COM API28.COM API28I16.COM REPLACE.EXE SCANDISK.EXE SHARE.EXE CDCACHER.EXE CDHDREAD.EXE KLUDGE0.EXE NBSTAT.EXE SHSUCDHD.EXE SHSUCDN.EXE SHSUCDX.EXE SHSUDRVX.EXE SHSUSERV.EXE SORT.EXE JOIN.EXE SUBST.EXE SWSUBST.EXE SYS.COM BITDISK.EXE TDSK.EXE TREE.COM UNDELETE.EXE UNFORMAT.EXE XCOPY.EXE [KEY] KEYB.BAT KEYMAN.EXE LISTXDEF.EXE SCANKBD.EXE XKEYB.EXE XKEYBRES.EXE 82 file(s) 1,872,278 bytes 5 dir(s) 5,402,624 bytes free C:\DOS\BIN> </pre> 場合によっては、<tt>DIR</tt>コマンドを入力しても、長すぎて全てを見られないときがある。 例: <pre> SHSUCDX EXE 15,726 10-20-00 3:34p SHSUDRVX EXE 12,849 10-20-00 3:19p SHSUSERV EXE 113,520 05-09-96 8:12p SORT EXE 14,816 01-24-95 3:20p JOIN EXE 54,096 08-05-00 4:07p SUBST EXE 54,096 08-05-00 4:07p SWSUBST EXE 54,096 01-26-97 11:35p SYS COM 10,687 08-16-02 11:29p BITDISK EXE 10,311 06-22-95 1:10a TDSK EXE 18,183 12-12-95 2:30a TREE COM 9,893 07-07-01 12:33p UNDELETE EXE 9,103 08-30-02 11:30p UNFORMAT EXE 36,231 03-24-99 8:31p XCOPY EXE 15,102 09-07-01 12:10a KEY <DIR> 11-14-02 11:03a KEYB BAT 23 08-17-01 4:55a KEYMAN EXE 6,202 04-14-02 2:09p LISTXDEF EXE 3,366 04-14-02 2:09p SCANKBD EXE 6,627 04-14-02 2:09p XKEYB EXE 12,657 07-27-02 6:57p XKEYBRES EXE 5,986 07-27-02 6:57p 82 file(s) 1,872,278 bytes 5 dir(s) 5,402,624 bytes free C:\DOS\BIN> </pre> そのような場合は、 ===== <tt>DIR /P</tt> ===== コマンドを使用する。 このコマンドを使用すると『次の頁を見るためには、何かキーを押してください』と表示されるので、次の頁を見たい場合は、何かキー(Enter等)を押す。 <pre> Volume in drive C is FREEDOS Volume Serial Number is 4228-11FA Directory of C:\DOS\BIN . <DIR> 11-14-02 10:44a .. <DIR> 11-14-02 10:44a RIPCORD COM 5,805 09-04-02 7:20a ASSIGN COM 13,867 01-27-97 12:46a ATTRIB COM 7,136 08-01-02 2:00a CHOICE EXE 12,032 08-31-02 4:20p CMDXSWP COM 88,043 07-29-02 10:38p COMMAND COM 86,413 07-29-02 10:42p KSSF COM 828 07-29-02 10:42p PTCHSIZE EXE 13,104 07-29-02 10:42p VSPAWN COM 953 07-29-02 10:42p COMP COM 1,285 11-27-94 3:48p DEBUG COM 19,606 11-24-01 7:55p DISKCOMP EXE 18,688 05-01-01 9:48p DISKCOPY EXE 46,176 07-15-01 2:17p DISKCOPY INI 512 07-15-01 2:05p DELTREE COM 4,210 04-24-00 1:02a DELTREE2 COM 3,858 04-24-00 1:02a EDIT EXE 336,449 06-23-01 2:03p Press any key to continue . . . </pre> === <tt>CD</tt> (<tt>CHDIR</tt>) について === '''カレントディレクトリ'''を変更する際に使用するコマンドである。Powwershellでも問題なく使える。 ==== <tt>CD</tt> ==== ディスクA:\BINからの一つ上のフォルダに移動したい時には、 <pre> A:\BIN>cd .. A:\> </pre> .(ピリオド)は'''カレントディレクトリ'''を表す。 上記の場合、連続してピリオドを記述しているが、これは'''1階層上のディレクトリ'''を指定した事になる。 なお、たとえばGドライブに移動したい場合、<code>cd /d g:</code> になる。<code>/d</code>オプションが必要。 Powershellの場合、オプション無しでも <code>cd g:</code> というコマンドだけで移動できる。 ※ 最近のwindowsの場合、ホームフォルダやその周辺のディレクトリがクラウド用に処理されている等の理由もあって、従来とは実験結果が異なる場合もある。もしその場合、外付けHDDなどを追加してGドライブやHドライブなどといった外部ドライブなどに移動して実験すれば、簡単であろう。 == コマンドリファレンス == MS-DOSのコマンドには、'''内部コマンド'''と'''外部コマンド'''が存在することは前述の通りである。 そのため、以下で外部コマンドとしたものについては、.COM/.EXE のファイルが無ければ使用できないので注意されたし。 以下内部コマンドにはnとつける。 === 機種共通 === * ATTRIB *:ファイル属性の変更。+R/-R(読みとり専用属性)、+H/-H(隠しファイル属性)、+S/-S(システムファイル属性)、+A/-A(アーカイブ属性)の内操作したい物を記述し、その後に対象のファイル名を指定する。 * CLS *:画面に表示されている情報を消去する。 n * COLOR *:文字色・背景色を設定できる。 * COMMAND *:COMMAND.COMを起動する。プロンプトから呼び出しても、意味がない。 n * COPY *:ファイルをコピーする。コピー元のファイルと、コピー先(別ドライブや別ディレクトリを指定したり、別の名前でコピーを作ったりできる)を指定する。2つ以上のファイルを結合しながらコピーすることもできる。 n * DEL *:ファイルの削除。削除対象のファイル名を指定する。 n * DELTREE *:指定のディレクトリ以下を全て削除する。 * EXIT *:COMMAND.COMを終了する(要するにコマンドプロンプトの終了)。ほかのソフトウェアから呼び出された場合、そのソフトウェアに戻るが、それ以外の場合は何も起こらない。 n<br>Powershellの終了も同様にexitコマンドで可能である。 NEC PC-9800シリーズの場合はハードディスクのアクセスアームを元に戻す機能を備えているため、 実行(CTRL+C または STOP キー)して電源を落とさないとハードディスクのデータが破壊される可能性がある。 * FC *:ファイル比較 * FDISK *:パーティーションの管理を行う。下手に操作すると、データを失うので、慣れるまでパーティーションの編集はしない。Windows 95(MS-DOS 7)以降。 * FORMAT *:ディスクのフォーマットを行う。 * INTERLINK *:DOSレベルで2台のPCをP2P接続するためのソフトウエア。接続にはRS-232Cかパラレルプリンターポートを使う。ホストとなるマシンのHDがゲストとなるPCで操作できるようになる。 * LABEL *:ドライブのボリュームラベルを変更する。ドライブを指定しその後に新しいボリュームラベルを指定するか、もしくはドライブ名だけ指定してコマンドが出すプロンプトで新しいボリュームラベルを指定する。 * MD(MKDIR) *:ディレクトリを作成する。作成するディレクトリを指定する。 n * MEM *:メモリーの使用状況などを確認できる。 * MODE *:デバイスの設定を行う。画面のサイズも変更できる。 * MORE *:1画面毎にキー入力を待つ表示。"<"の後に表示するファイルを指定するか、もしくは他のコマンドの後に"| MORE"を付ける。Windowsでは、ファイル名をパラメーターにすることができる。 * MOVE *:ファイルの移動。RENと異なり、ディレクトリやドライブを超えた移動ができる。 * PROMPT *:プロンプト( '''C:\>''' など)を変更する。 * RD(RMDIR) *:ディレクトリの削除。削除するディレクトリを指定するが、そのディレクトリは空でなければならない。 n * REN *:ファイル名の変更。変更したいファイルの場所と、新しい名前を指定する。 n * SCANDISK *:ディスクのエラーを検査する。バージョン6以降。それ以前ではCHKDSKを使用することで簡易に情報を見ることが出来る。 * SET *:環境変数の設定。例えばSET TEMP=C:\TEMPなどとして設定し、その後COPY ''FILENAME'' %TEMP%と実行するとあたかもCOPY ''FILENAME'' C:\TEMPと実行したかのように振舞われる。 n * SYS *:DOSシステムの転送。IO.SYS, MSDOS.SYS, COMMAND.COMなどを指定ドライブへコピーするが、バージョンによって転送するファイルに若干の違いがある。 * TIME/DATE *:マシンの日付及び時刻を設定する。 n * TREE *:ディレクトリ構造を表示する。 * TYPE *:テキストファイルの中身を表示する。 n * VER *:DOSのバージョン番号を表示する。l <br>なおPowershellでは使えない。Powershellのバージョン確認コマンドは<code>$PSVersionTable</code>である。 * XCOPY *:拡張されたCOPYコマンド。ファイルだけではなく、ディレクトリのコピーを行うことができる。 === NEC PC-9800シリーズ用 === 以下は、NEC PC-9800シリーズ用MS-DOSに付属する外部コマンドである。特定バージョンにのみ付属するもの、同名でもバージョンにより大きく異なる動作をするものについてはその旨併記している。 スイッチ等をつけずに起動すると独自のウィザード・操作メニューが表示される事が多い。(以下mで表記) * AVGDRV *:拡張グラフィックドライバを組み込む。PC-9821シリーズの256色グラフィック機能に対応。そのままでは意味を持たない。 * AVSDRV *:PC-9801-86相当のPCM・FM音源の拡張サウンドドライバを組み込む。そのままでは意味を持たない。 * BATKEY *:バッチファイル用。メッセージを表示してキー入力を要求する。 * COPY2 *:ハードディスクとフロッピーディスクとの間でファイルをコピーする。 * COPYA *: 補助入出力装置との間でデータファイルをコピーする。 m * CUSTOM *:CONFIG.SYS(環境設定ファイル)を作成・編集する。 m * DICM *:NECかな漢字変換の辞書ファイルのユーザー登録単語を登録・編集する。 m * DISKCOPY *:フロッピー・ハードディスクをコピー・照合する。 m * DUMP *:ファイルの内容を16進数と文字で表示する。 * FILECONV *:N88-日本語BASIC(86)とMS-DOSとの間でファイルを交換する。 m * FDNCOPY *:フロッピーディスクを高速で全体コピーする。DISKCOPYより空きメモリが必要。m * FORMAT *:操作メニューに沿ってディスクのフォーマット・情報閲覧を行う。スイッチをつけると通常と同じように動作する。 m * HDUTL *:ハードディスクを診断、スキップセクタの代替処理、全体コピーを行う。 m * INSTAP *:アプリケーションをMS-DOS Shellに登録する。MS-DOS Shellを搭載したバージョン以降のみ。 m * KEY *:ファンクションキーや移動キーに機能を割り当てる。 m * MAOIX *:iスクリプトを使ってアプリケーションを登録する。 m * MENU *:メニュー選択方式でコマンドを実行できるコマンドメニューを起動する。 MS-DOS Shellが搭載されていないバージョンでは初期状態で起動時に表示される。 m * MENUCONV *:上記MENUコマンド用メニューファイル(*.MNU)に登録されているアプリケーションをMS-DOS Shellに登録する。 m * MENUED *:上記MENUコマンド用メニューファイル(*.MNU)を作成・編集する。 m * NECAIKEY *:日本語入力キーの割り当てを変更する。 m * PATCH *:ファイルの内容の一部を変更する。 * RENDIR *:既存のディレクトリ名を変更する。 * SEDIT *:スクリーンエディタ(メモ帳のようなソフト)を起動する。 * SETUP *:SETUP.INIというアプリケーション登録用定義ファイルを使ってアプリケーションプログラムを登録する。 m * SPEED *:RS-232Cインターフェースのパラメータを設定する。 m * SWITCH *:メモリスイッチの設定を変更する。 m * USKCGM *:ユーザー定義文字を作成・編集する。 m * VFDDRV *:仮想FDドライブドライバ。CONFIG.SYSに組み込んで使用。 * VRAMD *:仮想FDドライブ起動ディスクを作成する。仮想ディスクからの起動はPC-9821An/Ap2/As2/Bf/Bp/Bs/Be/Cs2/Ce2/Xn/Xp/Xs/Xe/Cb/Cx/Cf/Ap3/As3のみ使用可能。 m <!-- == MS-DOS API == --> == 参考文献・出典 == * 「MS-DOSってなんどすか?」 粟野邦夫著 (1987/01) ISBN 4-89369-014-0 * PC98固有のDOSコマンドについて http://radioc.web.fc2.com/column/pc98bas/pc98doscmd.htm 2022年7月25日15時09分(JST)取得 * NECパーソナルコンピュータ PC-9800シリーズ Software Library MS-DOS(R) 5.0A ステップアップマニュアル 日本電気株式会社(非売品、同社製 MS-DOS(R) 5.0A 標準機能セット(PS98-1003-32/UF1003-X1)付属品) {{stub}} {{DEFAULTSORT:MS-DOS/PC-DOSにゆうもん}} [[Category:ソフトウェアのマニュアル]] {{NDC|007.63}}
2004-08-25T17:13:21Z
2023-07-25T10:14:51Z
[ "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Stub", "テンプレート:NDC" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/DOS%E5%85%A5%E9%96%80
590
高等学校政治経済
高等学校の科目「政治経済」は、高等学校など(普通科高校の他、中等教育学校の後期課程、盲学校・聾学校・養護学校の高等部などがある)における普通教科の一科目であり、「公民」分野の一科目であり、政治・経済の内容に関する解説をする科目である。 学習方法などは次のページにある。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "高等学校の科目「政治経済」は、高等学校など(普通科高校の他、中等教育学校の後期課程、盲学校・聾学校・養護学校の高等部などがある)における普通教科の一科目であり、「公民」分野の一科目であり、政治・経済の内容に関する解説をする科目である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "学習方法などは次のページにある。", "title": "関連リンク" } ]
高等学校の科目「政治経済」は、高等学校など(普通科高校の他、中等教育学校の後期課程、盲学校・聾学校・養護学校の高等部などがある)における普通教科の一科目であり、「公民」分野の一科目であり、政治・経済の内容に関する解説をする科目である。
:* [[高等学校の学習]] > 高等学校政治経済 ---- 高等学校の科目「政治経済」は、高等学校など(普通科高校の他、中等教育学校の後期課程、盲学校・聾学校・養護学校の高等部などがある)における普通教科の一科目であり、「公民」分野の一科目であり、政治・経済の内容に関する解説をする科目である。 == 教科書 == === 政治 === ==== 民主政治の基本原理 ==== :* [[高等学校政治経済/政治/近代民主政治の歴史]] {{進捗|50%|2016-04-05}} :* [[高等学校政治経済/政治/世界のおもな政治体制]] {{進捗|50%|2016-04-05}} :* [[高等学校政治経済/政治/政治と法]] :* [[高等学校政治経済/政治/憲法の基本原理]] {{進捗|50%|2016-04-05}} ==== 国際法と国際社会 ==== :* [[高等学校政治経済/政治/国際法と国際社会]] {{進捗|50%|2016-04-05}} ==== 日本国憲法と人権保障 ==== :* [[高等学校政治経済/大日本帝国憲法と日本国憲法]] :* [[高等学校政治経済/日本国憲法と人権保障]] {{進捗|100%|2022-12-22}} :* [[高等学校政治経済/政治/日本の安全保障と憲法問題]] {{進捗|25%|2017-07-06}} ==== 現代日本の政治機構 ==== :* [[高等学校政治経済/政治/国会]] {{進捗|50%|2022-03-13}} :* [[高等学校政治経済/政治/内閣]] {{進捗|00%|2023-03-19}} :* [[高等学校政治経済/政治/裁判所]] {{進捗|00%|2022-03-19}} :* [[高等学校政治経済/政治/日本の政党政治]] {{進捗|100%|2022-02-22}} :* [[高等学校政治経済/政治/日本の選挙制度]] {{進捗|100%|2023-03-18}} ==== 国際政治 ==== :* [[高等学校政治経済/政治/国際政治]] {{進捗|25%|2016-04-05}} :* 高等学校政治経済/政治/戦後の日本外交 {{進捗|00%|2016-04-05}} ==== その他 ==== ===== 法の概念 ===== :* [[高等学校商業 経済活動と法/法の分類]] (※ 以下の概念が高校「政治経済」の範囲内。「自然法」と「実定法」。「慣習法」。「公法」と「私法」。)(※ 山川出版社などの検定教科書で確認。) :* [[高等学校商業 経済活動と法/契約と意思表示]] (※ 以下の概念が高校「政治経済」の範囲内。「契約自由の原則」。)(※ 清水書院の検定教科書(平成25年検定版)で確認。) =====※ 整理中===== :* [[高等学校政治経済/政治]] {{進捗|25%|2015-09-26}} ===<span id="e"></span>経済=== ==== 経済思想の歴史 ==== :* [[高等学校政治経済/経済/経済思想]] {{進捗|25%|2015-09-26}} ==== 現代経済の仕組み ==== :* [[高等学校政治経済/経済/財政と税]] {{進捗|50%|2016-04-01}} :* [[高等学校政治経済/経済/市場の機能と限界]] {{進捗|25%|2016-03-29}} :* [[高等学校政治経済/経済/物価の動き‎]] {{進捗|50%|2016-04-01}} :* [[高等学校政治経済/経済/経済成長と景気変動‎]] {{進捗|50%|2016-04-01}} :* [[高等学校政治経済/経済/貨幣と金融‎]] {{進捗|50%|2016-04-01}} ==== 日本経済 ==== :* [[高等学校政治経済/経済/戦後日本の経済のあゆみ]] {{進捗|50%|2016-04-03}} :* [[高等学校政治経済/経済/産業構造の変化]] {{進捗|50%|2016-04-04}} :* [[高等学校政治経済/経済/中小企業問題]] {{進捗|50%|2016-04-04}} :* [[高等学校政治経済/経済/農業と食料自給率問題]] {{進捗|50%|2016-04-04}} :* [[高等学校政治経済/経済/労働問題と労働市場]] {{進捗|50%|2016-04-04}} :* [[高等学校政治経済/経済/社会保障]] {{進捗|50%|2016-04-05}} :* [[高等学校政治経済/経済/消費者問題]] {{進捗|25%|2016-04-07}} :* [[高等学校政治経済/経済/公害と環境保全]] :* [[高等学校政治経済/経済/企業の種類と株式会社]] ==== 国際経済と日本 ==== :* [[高等学校政治経済/経済/第二次大戦後の国際経済の歴史]] {{進捗|50%|2016-04-07}} :* [[高等学校政治経済/経済/国際経済のしくみ]] {{進捗|50%|2016-04-07}} :* [[高等学校政治経済/経済/地域的経済統合]] {{進捗|25%|2016-04-07}} === 現代社会の諸課題および付録 === :* [[高等学校政治経済/現代社会の諸課題]] {{進捗|00%|2015-08-14}} :* [[高等学校政治経済/権利と義務]] :* 参考: [[高等学校政治経済/政治/保守と革新、右翼と左翼]] === その他 === :* [[高等学校政治経済/その他]] (センター過去問の出題など) == 関連リンク == 学習方法などは次のページにある。 :* [[学習方法/高校政治経済]] {{進捗|25%|2015-08-14}} :* [[学習方法/高校卒業後の社会科公民の勉強ガイド]] :* [[高等学校政治経済/政治/the Constitution of Japan/Preamble]] (日本国憲法 前文) (※ 山川出版社の検定教科書に、憲法前文の英訳原文あり) [[Category:社会|こうとうがっこうせいじけいざい]]
2004-08-27T10:00:18Z
2024-03-18T21:23:22Z
[ "テンプレート:進捗" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%94%BF%E6%B2%BB%E7%B5%8C%E6%B8%88
591
高等学校部活動
高等学校部活動は、高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部における部活動について解説する。 学校で共通の趣味・興味を持つ仲間が集まって形成された団体の活動のことである。詳しくは、w:ja:部活動を参照。 部活動は、自主精神や自治精神を養うきっかけとなり、高等学校時代を通じて人生の基本となる考え方を形成するのに役立つこともある。 日本では、旧制中学校に運動部が成立し、その後文化部も成立していった。 部活動を設立する方法は、各学校によって異なるが、発起人は一般的に次の過程をたどる。 一般的に愛好会、同好会などととして設立され、その後、数年以上活動を行ってその実績が認められると部活動に昇格できる場合が多い。 また、大会に参加する部活動は、大会に実施できるよう、大会の実施団体に加盟する必要がある。これは、たいてい顧問教員が事務を行わなければならない。 部活動には役員をおかなければならない。一般的に代表、副代表、会計は必ずおかなければならず、監査もできるだけおいておきたい。役員は、通例、大会や文化祭などの部活動でメインとなるイベントの後に任期が終わり、新しい役員を選ぶ。 役員の選出方法としては、顧問の指名、先代や上級学年の指名、話し合い、選挙など様々な方法があるが、民主主義の尊重からできるだけ選挙で選びたい。選挙は、まずは立候補者や推薦者を受け付け、具体的な公約などを発表させ、十分な期間をおいた後に投票を行う。選挙には、無記名投票と記名投票があるが、特別な理由がない限り、無記名投票が適切と考えられる。なお、挙手はその場の雰囲気に左右されやすいので避けたい。 役員の選出が派閥争いと関連し、人事によっては、部の運営を大きく左右しかねない場合もあるが、その場合は、まず主流となる学年の自主的な自浄作用に期待し、それでもうまくいかない場合は、引退者などが全会一致で次期代表者を推薦する方法もある。この場合、上級学年が派閥争いに関わらないよう必ず全会一致でなければならない。以上の方法がとれない場合は、主要な部員全員を一時的に運営委員という位置づけにし、すべての運営は常に運営委員会の評決によって決する体制にする。この体制は、当然に部活の円滑な運営を妨げるので、一時的なものとしたい。なお、委員会制の後は、通常の代表に比べてある程度権限が制限された臨時代表を選出し、ほとぼりが冷めた後に代表として着任させる。 部活動は、学校や生徒会からの補助金と部員からの徴収金によって運営する。一般的に部活動の資金は不足気味であり、必要性の低いものに対しての出費は避けなければならない。会計の透明性を確保するためにも、多額(1万円以上等)の出費には、事前に会議での承認を必要とする必要がある。さらに小額であっても、不正支出を防ぐために立て替え費用に対する支払いは、会議で改めて承認をとるようにしたい。基本的に会計による管理と監査による検査には限界があり、領収書の偽造などは小額であると少人数では見抜くことは難しいので、金銭の支出は必ず事前か事後に会議で承認されない限り、支出しないようにするのが安全である。 部活動から引退者が生じたら部活動の同窓会を結成し、学校の同窓会に登録することもある。同窓会は、現役生の活動に対する支援、資金面での援助を行うとともに、部活動を終えた後の交流の場として機能する。 文芸部等文化活動に関連する部活は部活動誌を発行する。これは、活動にメリハリが付くこと、会誌の配布により活動を外部の人に知ってもらえることの2つの効果がある。一般的に、部員にノルマを課し必ず原稿を提出させる。編集作業は、役員が行ってもいいし、別に編集担当の者をおいて行っても構わない。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "高等学校部活動は、高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部における部活動について解説する。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "学校で共通の趣味・興味を持つ仲間が集まって形成された団体の活動のことである。詳しくは、w:ja:部活動を参照。", "title": "部活動入門" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "部活動は、自主精神や自治精神を養うきっかけとなり、高等学校時代を通じて人生の基本となる考え方を形成するのに役立つこともある。", "title": "部活動入門" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "日本では、旧制中学校に運動部が成立し、その後文化部も成立していった。", "title": "部活動入門" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "部活動を設立する方法は、各学校によって異なるが、発起人は一般的に次の過程をたどる。", "title": "共通事項" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "一般的に愛好会、同好会などととして設立され、その後、数年以上活動を行ってその実績が認められると部活動に昇格できる場合が多い。", "title": "共通事項" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "また、大会に参加する部活動は、大会に実施できるよう、大会の実施団体に加盟する必要がある。これは、たいてい顧問教員が事務を行わなければならない。", "title": "共通事項" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "部活動には役員をおかなければならない。一般的に代表、副代表、会計は必ずおかなければならず、監査もできるだけおいておきたい。役員は、通例、大会や文化祭などの部活動でメインとなるイベントの後に任期が終わり、新しい役員を選ぶ。", "title": "共通事項" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "役員の選出方法としては、顧問の指名、先代や上級学年の指名、話し合い、選挙など様々な方法があるが、民主主義の尊重からできるだけ選挙で選びたい。選挙は、まずは立候補者や推薦者を受け付け、具体的な公約などを発表させ、十分な期間をおいた後に投票を行う。選挙には、無記名投票と記名投票があるが、特別な理由がない限り、無記名投票が適切と考えられる。なお、挙手はその場の雰囲気に左右されやすいので避けたい。", "title": "共通事項" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "役員の選出が派閥争いと関連し、人事によっては、部の運営を大きく左右しかねない場合もあるが、その場合は、まず主流となる学年の自主的な自浄作用に期待し、それでもうまくいかない場合は、引退者などが全会一致で次期代表者を推薦する方法もある。この場合、上級学年が派閥争いに関わらないよう必ず全会一致でなければならない。以上の方法がとれない場合は、主要な部員全員を一時的に運営委員という位置づけにし、すべての運営は常に運営委員会の評決によって決する体制にする。この体制は、当然に部活の円滑な運営を妨げるので、一時的なものとしたい。なお、委員会制の後は、通常の代表に比べてある程度権限が制限された臨時代表を選出し、ほとぼりが冷めた後に代表として着任させる。", "title": "共通事項" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "部活動は、学校や生徒会からの補助金と部員からの徴収金によって運営する。一般的に部活動の資金は不足気味であり、必要性の低いものに対しての出費は避けなければならない。会計の透明性を確保するためにも、多額(1万円以上等)の出費には、事前に会議での承認を必要とする必要がある。さらに小額であっても、不正支出を防ぐために立て替え費用に対する支払いは、会議で改めて承認をとるようにしたい。基本的に会計による管理と監査による検査には限界があり、領収書の偽造などは小額であると少人数では見抜くことは難しいので、金銭の支出は必ず事前か事後に会議で承認されない限り、支出しないようにするのが安全である。", "title": "共通事項" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "部活動から引退者が生じたら部活動の同窓会を結成し、学校の同窓会に登録することもある。同窓会は、現役生の活動に対する支援、資金面での援助を行うとともに、部活動を終えた後の交流の場として機能する。", "title": "共通事項" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "文芸部等文化活動に関連する部活は部活動誌を発行する。これは、活動にメリハリが付くこと、会誌の配布により活動を外部の人に知ってもらえることの2つの効果がある。一般的に、部員にノルマを課し必ず原稿を提出させる。編集作業は、役員が行ってもいいし、別に編集担当の者をおいて行っても構わない。", "title": "文化部固有の事項" } ]
高等学校部活動は、高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部における部活動について解説する。
'''高等学校部活動'''は、高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部における部活動について解説する。 ==部活動入門== ===部活動とは?=== 学校で共通の趣味・興味を持つ仲間が集まって形成された団体の活動のことである。詳しくは、[[w:ja:部活動]]を参照。 ===部活動の意義=== 部活動は、自主精神や自治精神を養うきっかけとなり、高等学校時代を通じて人生の基本となる考え方を形成するのに役立つこともある。 ===部活動の歴史=== 日本では、旧制中学校に運動部が成立し、その後文化部も成立していった。 ==共通事項== ===部活動の設立=== 部活動を設立する方法は、各学校によって異なるが、発起人は一般的に次の過程をたどる。 #構成員の獲得 #顧問教員・指導員の依頼 #活動目的・活動目標の具体化 #設立申請 #大会実施団体への加盟 一般的に愛好会、同好会などととして設立され、その後、数年以上活動を行ってその実績が認められると部活動に昇格できる場合が多い。 また、大会に参加する部活動は、大会に実施できるよう、大会の実施団体に加盟する必要がある。これは、たいてい顧問教員が事務を行わなければならない。 ===人事=== 部活動には役員をおかなければならない。一般的に代表、副代表、会計は必ずおかなければならず、監査もできるだけおいておきたい。役員は、通例、大会や文化祭などの部活動でメインとなるイベントの後に任期が終わり、新しい役員を選ぶ。 役員の選出方法としては、顧問の指名、先代や上級学年の指名、話し合い、選挙など様々な方法があるが、民主主義の尊重からできるだけ選挙で選びたい。選挙は、まずは立候補者や推薦者を受け付け、具体的な公約などを発表させ、十分な期間をおいた後に投票を行う。選挙には、無記名投票と記名投票があるが、特別な理由がない限り、無記名投票が適切と考えられる。なお、挙手はその場の雰囲気に左右されやすいので避けたい。 役員の選出が派閥争いと関連し、人事によっては、部の運営を大きく左右しかねない場合もあるが、その場合は、まず主流となる学年の自主的な自浄作用に期待し、それでもうまくいかない場合は、引退者などが全会一致で次期代表者を推薦する方法もある。この場合、上級学年が派閥争いに関わらないよう必ず全会一致でなければならない。以上の方法がとれない場合は、主要な部員全員を一時的に運営委員という位置づけにし、すべての運営は常に運営委員会の評決によって決する体制にする。この体制は、当然に部活の円滑な運営を妨げるので、一時的なものとしたい。なお、委員会制の後は、通常の代表に比べてある程度権限が制限された臨時代表を選出し、ほとぼりが冷めた後に代表として着任させる。 ===文書類=== ====規約==== :規約があることが部活動の設立認可の条件となっている学校もあるが、そうでない場合もある。規約は、部活動が小規模で落ち着いているときはあまり活躍しないが、派閥争いが生じたとき、運営問題が山積したときなどは、重要な効力を持つのであらかじめ決めておきたい。 :一般的に、部の名称・目的・活動内容、部員の権利義務、会議、役員、監査、財務、入退部・除名、生徒会・学校との関係、改正などについて規定する。凝り出すと100条ほどの長大なものになり誰も読まなくなるので、おおむね10条から30条程度が適切と考えられる。日本国憲法がよく参考にされるが、生徒会規約なども参考にするとよい。規約を作成、改正した場合は、印刷したものを必ず全部員に配布する。部のWebページがあれば、そこにも公開する。部員への配布をしないと、よく知られない規則になるとともに運用するときもその正当性が弱まってしまう。 ====名簿・自己紹介冊子==== :部活動は、誰が構成員であるかを明らかにするために名簿を作成しなければならない。このとき、自己紹介票を配布し、住所、学年学級、氏名などとともにプロフィールに記入してもらい、後ほど、自己紹介冊子を作成することもできる。 ====活動目的・長期活動目標・年間活動計画==== :部活動は、活動が学校に対して公益的でなければならないので、活動目的を明確にし、活動による達成目標を掲げなければならない。これらは、会議で決定するようにする。 :具体的な活動の目標が決定したら、少なくとも年度ごとに年間活動計画を作成する。通常は、月ごとに行うことを設定する。これは、項目の細かさなどの理由により、役員が作成することが多いが、その場合も必ず会議で承認を受けるようにしたい。そうしないと、部員が知ることのない活動計画になってしまい、計画を実施するのは、役員に限定されてしまう。 ===財務管理=== 部活動は、学校や生徒会からの補助金と部員からの徴収金によって運営する。一般的に部活動の資金は不足気味であり、必要性の低いものに対しての出費は避けなければならない。会計の透明性を確保するためにも、多額(1万円以上等)の出費には、事前に会議での承認を必要とする必要がある。さらに小額であっても、不正支出を防ぐために立て替え費用に対する支払いは、会議で改めて承認をとるようにしたい。基本的に会計による管理と監査による検査には限界があり、領収書の偽造などは小額であると少人数では見抜くことは難しいので、金銭の支出は必ず事前か事後に会議で承認されない限り、支出しないようにするのが安全である。 ===同窓会=== 部活動から引退者が生じたら部活動の同窓会を結成し、学校の同窓会に登録することもある。同窓会は、現役生の活動に対する支援、資金面での援助を行うとともに、部活動を終えた後の交流の場として機能する。 ==運動部固有の事項== ===選手とマネージャ=== ==文化部固有の事項== ===活動誌の編集・保管=== 文芸部等文化活動に関連する部活は部活動誌を発行する。これは、活動にメリハリが付くこと、会誌の配布により活動を外部の人に知ってもらえることの2つの効果がある。一般的に、部員にノルマを課し必ず原稿を提出させる。編集作業は、役員が行ってもいいし、別に編集担当の者をおいて行っても構わない。 ---- {{stub}} [[category:高校生活|ふかつとう]]
null
2022-11-20T13:21:58Z
[ "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E9%83%A8%E6%B4%BB%E5%8B%95
594
日本国憲法
法学>憲法>日本国憲法 本書は日本の成文憲法に関する解説である。日本国憲法の概要については日本国憲法(Wikipedia)を、条文については日本國憲法(Wikisource)を参照のこと。各条項の解説については、人権、統治などを参照のこと。 日本の憲法典は以下の特色を持つものである。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>憲法>日本国憲法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "本書は日本の成文憲法に関する解説である。日本国憲法の概要については日本国憲法(Wikipedia)を、条文については日本國憲法(Wikisource)を参照のこと。各条項の解説については、人権、統治などを参照のこと。", "title": "まえがき" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "日本の憲法典は以下の特色を持つものである。", "title": "概論" } ]
法学>憲法>日本国憲法
{{半保護S}} [[法学]]>[[憲法]]>[[{{PAGENAME}}]] == まえがき == {{Wikisource|日本國憲法|日本國憲法}}{{Wikipedia|日本国憲法}} 本書は日本の成文憲法に関する解説である。日本国憲法の概要については[[w:日本国憲法|日本国憲法(Wikipedia)]]を、条文については[[s:日本國憲法|日本國憲法(Wikisource)]]を参照のこと。各条項の解説については、[[人権 (日本国憲法)|人権]]、[[統治 (日本国憲法)|統治]]などを参照のこと。 == 概論 == {{Wikiversity|Topic:憲法_(総論)|日本国憲法}} 日本の憲法典は以下の特色を持つものである。 ; 三大原則 : 前文で、国民主権·平和主義·基本的人権の尊重を三大原則と定めている。 ; 天皇象徴性 : 天皇が専制権力を振るったのは中世におけるわずか2年(建武の新政)と古代を除いてほとんどないといえるが、大日本帝国憲法においては権威と権力の双方を合わせ持つ建て前にあったことから濫用を招いた。現行憲法においては、天皇は国家統一をあらわす象徴であることが確認されると共に、政治的権力との厳格な分離がはかられた。 ; 戦争放棄 : 世界大戦を起こしたことを重大な過ちと考えており、日本国憲法第9条1項で戦争の放棄を、2項では軍備と交戦権の放棄をうたっている。ただし、これについては解釈が分かれ、政府見解では自衛のために必要な最小限度の実力まで放棄したものではないと解されている。 :; 日本国憲法第9条第1項 : 日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し国権の発動たる戦争と武力による威嚇または武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する。 :; 日本国憲法第9条第2項 : 前項の目的を達するため陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない国の交戦権はこれを認めない。 ; 思想・宗教・表現・学問の自由 : いずれも戦前は規制されていたことだが、民主主義に不可欠の要素として現行憲法では認められ、精神的自由権として厚く保証されている。 ; 男女平等の精神 : 大日本帝国憲法では、女子生徒(児童)への教育は制限されていたが、現行憲法では一切の制限が除かれた。 ; 人権尊重 : 正当な理由のない、民族・信仰・社会的立場などにおける差別を禁じた。 ; 二院制 : 大日本帝国憲法下の帝国議会では「[[貴族院]]」と「衆議院」とし、貴族院の議員は天皇から選ばれたものが就いていた。 : 現行憲法ではこれを修正、「[[衆議院]]」と「[[参議院]]」とし、両院とも国民投票により議員を選出することとした。 ; 特別裁判所の廃止 : 戦時中、軍事法廷などの特別裁判所が設けられていたが、これらは三権分立によっておらず、権力の濫用を招き、個人の自由を侵していたと批判される。そこで、現行憲法では、裁判官弾劾裁判所、国会議員の資格訴訟における裁判をのぞき特別裁判所は廃止された。 == 人権論 == {{main|人権 (日本国憲法)}} == 統治機構論 == {{main|統治_(日本国憲法)}} == 平和主義 == {{main|交戦権と平和主義}} == 憲法訴訟 == {{main|憲法訴訟}} == 参照 == *[[コンメンタール日本国憲法]] == 脚注 == <references/> {{DEFAULTSORT:にほんこくけんほう}} [[Category:法学]] [[Category:憲法]] {{stub|law}}
2004-08-29T07:58:54Z
2023-09-07T23:55:07Z
[ "テンプレート:半保護S", "テンプレート:Wikisource", "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Wikiversity", "テンプレート:Main", "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95
595
中学校生徒会活動・委員会活動
生徒会は、学校生徒の自治機構である。現代日本の多くの学校で、名称・権力の多寡の如何を問わず存在する。 以下ここでは21世紀初頭の現代日本の生徒会について考える。 生徒会ではボランティア活動の主催やイベントの開催などを行なう。もちろん、学校を良くするためにはどうすれば良いかなども考える。 教師ないしは教育委員会との関係において、多くの生徒会はその実質的な力について制限を受けている。しかし内部の自律的な活動(予算決定など)は、自由を達成している生徒会もかなりあるようである。 教育の一部門としては、集団的意思決定(政治)の能力涵養の場として貴重である。また法に基づく管理的活動(行政)を生徒が実地に学ぶ場として貴重である。 なお、生徒会の連合会や上部団体の類は、ほとんど例を見ない。 多くの生徒会は国で言う憲法にあたる会則を持っているが、その名称も条文構成も様々である。普通、生徒全員加盟を謳っており、それに反対して加入を拒否する生徒の例は、現代では殆ど聞かれない。 その会則に従い、生徒会によっては名称が異なるかもしれないが、実質的には以下のような役職・機関が置かれることが多い。中には統一的団体として組織されず、場面に応じて必要な集団がその都度結成されるのを伝統とするような生徒会もある。 これらの名称は、戦後すぐは労働組合に倣って付けられたと言われる。 役職 組織 以下で示す委員会活動は一般の学校をモデルにしており他の学校や地域によっては違う場合がある。これらは学校の直属として行われることもあるが、その全部または一部は、生徒会の(常設的ないし臨時的)一機関として、またクラブ活動として行われることも多い。 これらの分科委員会活動も、多くは戦後労働組合に倣ったものといわれる。現代日本では、上述生徒会の項冒頭でも記したように、管理的活動を自主的かつ実地に体験させる意義が強い。 主に学習に関係することはこの委員会が担当している。学校によっては、設置されていないところもある。 生徒総会の運営や学級会の運営を担当。そのため「議長」という役職が代議員会の長になり(議長がやらない学校もある)、生徒総会など議事の議長を務める。生徒会の核とも言える。正副学級委員長をもってあてることが多い。 小学校・中学校では生活委員会、高校では風紀委員会と言う。 主に児童や生徒の身だしなみや早朝のあいさつ運動、自転車通学者の駐輪場整備などほとんどの学校に設置されている委員会。(稀に生活指導部が設置されている学校には委員会自体が設置されていない学校もある。) 体育祭(運動会)などの際に代表的活動をするのは、この委員会である。昼休みのレクレーションなどを企画する。アルミ缶回収などの声かけや呼びかけ当日の、回収の手伝いをする。 文化祭などの際に代表的活動をするのは、この委員会である。合唱などの音楽関係の活動も担当する。 保健室に昼休み待機する学校もあるが大抵は生徒の健康を守ることが目的である。厚生委員会と同義。学校によってはベルマーク収集を担当することもある。 放送設備を用いて放送する委員会である。福祉文化祭や式典でのビデオ記録やスポットライトを照らしたりもする。また、体育祭(運動会と同義)で実況やアナウンスをすることや給食の時間に音楽を流すこともある。だが、学校によって異なる。 学校によっては専門委員会ではなく特別委員会として設置されることもある。 印刷設備を用いて(ないしは印刷会社に外注して)新聞を発行する。 模造紙に手書きで作成する場合もある。 給食施設を管理したり給食の片付けなどを指導する委員会である。給食設備がない地域では置かれないことがある。 図書を管理、整理、広報活動などをする委員会である。昼休みに図書館を開放するなどの作業をする。 動物の飼育を管理する委員会である。動物を飼育している場合に設けられる。 一見簡単そうだが命を世話するので責任は重い。 自然を管理したり花を植えたりする委員会である。学校によっては設けられないかもしれない。緑化委員会と同義。 ベルマークなどの回収を行なったりする委員会である。回収したベルマークは学校の備品購入に使われ、購入費の1割が被災地や海外に教育支援金として送られる。 また、古切手・古テレカ・アルミ缶の回収をする学校もある。 また、福祉文化祭(チャリティーバザー)などの行事を作り上げていく。 ユニセフ募金や赤十字募金なども行っている。 一方で、委員会活動として、ボランティア活動を行うことに疑問を抱える声がある。 学校の購買室を管理する委員会である。購買委員会は学校の必要な物品や用具の調達、注文、在庫管理を行い、生徒や教職員のニーズに応じた効果的な購買活動を遂行する。なお、学校によっては置かれていないところもある。 中総体などの大会において、激励会/式で前に立って選手を応援する委員会である。基本的には前期のみの活動となっている。(学校にもよる) 主な任務は合唱コンクールの自由曲の決定である。数百曲ある中から5,6曲決定する。優勝の決定もすることがある。合唱コンクールが近い時には単に「実行委員」と呼ばれることがある。 各授業の号令、出席簿の管理などを行う委員会である。学校によっては設けられないかもしれない。学級委員と同義。正副学級委員長をもってあてることが多い。(上述の代議/評議委員会の名称を用いることもある。) 学校内の生徒会選挙を監督・管理するために設置された委員会である。選挙管理委員会は、公正で透明な選挙プロセスを確保し、生徒たちが自由かつ公平に選挙に参加できる環境を提供することを使命としている。なお、選挙管理委員はその役割から被選挙権を持っていないことが多い。 学校の生徒会の財務や活動に関する監査を担当する委員会である。監査委員会は、透明性と責任の原則に基づいて、生徒会の資金の適切な使用や活動の適法性を確保する役割を果たしている。なお、監査委員はその役割から生徒会の他の役職との兼任ができないことが多い。 なお、学校によっては追加されることがあるし減少することもあると思う。幅広い委員会を収録したいので是非とも追加して欲しい。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "生徒会は、学校生徒の自治機構である。現代日本の多くの学校で、名称・権力の多寡の如何を問わず存在する。 以下ここでは21世紀初頭の現代日本の生徒会について考える。", "title": "生徒会" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "生徒会ではボランティア活動の主催やイベントの開催などを行なう。もちろん、学校を良くするためにはどうすれば良いかなども考える。 教師ないしは教育委員会との関係において、多くの生徒会はその実質的な力について制限を受けている。しかし内部の自律的な活動(予算決定など)は、自由を達成している生徒会もかなりあるようである。 教育の一部門としては、集団的意思決定(政治)の能力涵養の場として貴重である。また法に基づく管理的活動(行政)を生徒が実地に学ぶ場として貴重である。 なお、生徒会の連合会や上部団体の類は、ほとんど例を見ない。", "title": "生徒会" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "多くの生徒会は国で言う憲法にあたる会則を持っているが、その名称も条文構成も様々である。普通、生徒全員加盟を謳っており、それに反対して加入を拒否する生徒の例は、現代では殆ど聞かれない。 その会則に従い、生徒会によっては名称が異なるかもしれないが、実質的には以下のような役職・機関が置かれることが多い。中には統一的団体として組織されず、場面に応じて必要な集団がその都度結成されるのを伝統とするような生徒会もある。 これらの名称は、戦後すぐは労働組合に倣って付けられたと言われる。", "title": "生徒会" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "役職", "title": "生徒会" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "組織", "title": "生徒会" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "以下で示す委員会活動は一般の学校をモデルにしており他の学校や地域によっては違う場合がある。これらは学校の直属として行われることもあるが、その全部または一部は、生徒会の(常設的ないし臨時的)一機関として、またクラブ活動として行われることも多い。 これらの分科委員会活動も、多くは戦後労働組合に倣ったものといわれる。現代日本では、上述生徒会の項冒頭でも記したように、管理的活動を自主的かつ実地に体験させる意義が強い。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "主に学習に関係することはこの委員会が担当している。学校によっては、設置されていないところもある。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "生徒総会の運営や学級会の運営を担当。そのため「議長」という役職が代議員会の長になり(議長がやらない学校もある)、生徒総会など議事の議長を務める。生徒会の核とも言える。正副学級委員長をもってあてることが多い。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "小学校・中学校では生活委員会、高校では風紀委員会と言う。 主に児童や生徒の身だしなみや早朝のあいさつ運動、自転車通学者の駐輪場整備などほとんどの学校に設置されている委員会。(稀に生活指導部が設置されている学校には委員会自体が設置されていない学校もある。)", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "体育祭(運動会)などの際に代表的活動をするのは、この委員会である。昼休みのレクレーションなどを企画する。アルミ缶回収などの声かけや呼びかけ当日の、回収の手伝いをする。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "文化祭などの際に代表的活動をするのは、この委員会である。合唱などの音楽関係の活動も担当する。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "保健室に昼休み待機する学校もあるが大抵は生徒の健康を守ることが目的である。厚生委員会と同義。学校によってはベルマーク収集を担当することもある。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "放送設備を用いて放送する委員会である。福祉文化祭や式典でのビデオ記録やスポットライトを照らしたりもする。また、体育祭(運動会と同義)で実況やアナウンスをすることや給食の時間に音楽を流すこともある。だが、学校によって異なる。 学校によっては専門委員会ではなく特別委員会として設置されることもある。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "印刷設備を用いて(ないしは印刷会社に外注して)新聞を発行する。 模造紙に手書きで作成する場合もある。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "給食施設を管理したり給食の片付けなどを指導する委員会である。給食設備がない地域では置かれないことがある。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "図書を管理、整理、広報活動などをする委員会である。昼休みに図書館を開放するなどの作業をする。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "動物の飼育を管理する委員会である。動物を飼育している場合に設けられる。 一見簡単そうだが命を世話するので責任は重い。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "自然を管理したり花を植えたりする委員会である。学校によっては設けられないかもしれない。緑化委員会と同義。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "ベルマークなどの回収を行なったりする委員会である。回収したベルマークは学校の備品購入に使われ、購入費の1割が被災地や海外に教育支援金として送られる。 また、古切手・古テレカ・アルミ缶の回収をする学校もある。 また、福祉文化祭(チャリティーバザー)などの行事を作り上げていく。 ユニセフ募金や赤十字募金なども行っている。 一方で、委員会活動として、ボランティア活動を行うことに疑問を抱える声がある。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "学校の購買室を管理する委員会である。購買委員会は学校の必要な物品や用具の調達、注文、在庫管理を行い、生徒や教職員のニーズに応じた効果的な購買活動を遂行する。なお、学校によっては置かれていないところもある。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "中総体などの大会において、激励会/式で前に立って選手を応援する委員会である。基本的には前期のみの活動となっている。(学校にもよる)", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "主な任務は合唱コンクールの自由曲の決定である。数百曲ある中から5,6曲決定する。優勝の決定もすることがある。合唱コンクールが近い時には単に「実行委員」と呼ばれることがある。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "各授業の号令、出席簿の管理などを行う委員会である。学校によっては設けられないかもしれない。学級委員と同義。正副学級委員長をもってあてることが多い。(上述の代議/評議委員会の名称を用いることもある。)", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "学校内の生徒会選挙を監督・管理するために設置された委員会である。選挙管理委員会は、公正で透明な選挙プロセスを確保し、生徒たちが自由かつ公平に選挙に参加できる環境を提供することを使命としている。なお、選挙管理委員はその役割から被選挙権を持っていないことが多い。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "学校の生徒会の財務や活動に関する監査を担当する委員会である。監査委員会は、透明性と責任の原則に基づいて、生徒会の資金の適切な使用や活動の適法性を確保する役割を果たしている。なお、監査委員はその役割から生徒会の他の役職との兼任ができないことが多い。", "title": "委員会" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "なお、学校によっては追加されることがあるし減少することもあると思う。幅広い委員会を収録したいので是非とも追加して欲しい。", "title": "委員会" } ]
null
== 生徒会 == 生徒会は、学校生徒の自治機構である。現代日本の多くの学校で、名称・権力の多寡の如何を問わず存在する。<br> 以下ここでは21世紀初頭の現代日本の生徒会について考える。<br> === 生活会の意義・活動 === 生徒会ではボランティア活動の主催やイベントの開催などを行なう。もちろん、学校を良くするためにはどうすれば良いかなども考える。<br> 教師ないしは教育委員会との関係において、多くの生徒会はその実質的な力について制限を受けている。しかし内部の自律的な活動(予算決定など)は、自由を達成している生徒会もかなりあるようである。 教育の一部門としては、集団的意思決定(政治)の能力涵養の場として貴重である。また法に基づく管理的活動(行政)を生徒が実地に学ぶ場として貴重である。<br> なお、生徒会の連合会や上部団体の類は、ほとんど例を見ない。<br> === 生活会の組織 === 多くの生徒会は国で言う[[憲法]]にあたる会則を持っているが、その名称も条文構成も様々である。普通、生徒全員加盟を謳っており、それに反対して加入を拒否する生徒の例は、現代では殆ど聞かれない。<br> その会則に従い、生徒会によっては名称が異なるかもしれないが、実質的には以下のような役職・機関が置かれることが多い。中には統一的団体として組織されず、場面に応じて必要な集団がその都度結成されるのを伝統とするような生徒会もある。<br> これらの名称は、戦後すぐは[[労働組合]]に倣って付けられたと言われる。 '''役職''' *会長(他の名称に、執行委員長など) ::会長は生徒会活動全般に責任を負う職である。会議で議長を務めることも多い。選出は生徒会の全会員投票による場合と、後述中央委員会内の互選による場合とが、多くを占めると思われる。 *副会長 ::会長を補佐し会長が不在の場合の代理を務める。 *書記 ::書記は学校によっては、目立った仕事がないと思われることもあるが、文書の作成と保管に責任を負い、また会長らの補佐を行い、会議や行事をきちんと進める役がある。 *会計 ::会計は学校によって存在しないところもある。主な任務は会計監査である。基本的に総会の時に活動する。 '''組織''' *学級会 ::生徒会のミニ版として、各学級ごとにまた自治組織が置かれる場合が多い。これは労働組合の単組や、または日本国の地方自治体に倣った組織構成といえよう。学級の長の他、下記分科委員会や中央委員会のメンバーを選出して彼らに学級会の仕事も割り当てることもしばしばである。 *分科委員会、クラブ活動(部活動) ::後述の各種委員会活動やクラブ活動は、生徒会の一機関として行われている場合も多い。 *中央委員会(他の名称に、議会、代表者会議、評議会など) ::生徒会の公式的意思決定機関としての会議である。学校は、学級を極めて強い基礎単位として構成されているので、中央委員会の構成員も、学級を選挙区として選出されることが多い。(なお学級の長を兼ねるとすることも多い。)前述のように委員会活動やクラブ活動が生徒会の一機関として行われている場合、その長・代表も会議に加わることもある。 *総会 ::生徒会の全会員が参加する、直接民主主義的組織を持つ場合もある。 == 委員会 == 以下で示す委員会活動は一般の学校をモデルにしており他の学校や地域によっては違う場合がある。これらは学校の直属として行われることもあるが、その全部または一部は、生徒会の(常設的ないし臨時的)一機関として、またクラブ活動として行われることも多い。<br> これらの分科委員会活動も、多くは戦後労働組合に倣ったものといわれる。現代日本では、上述生徒会の項冒頭でも記したように、管理的活動を自主的かつ実地に体験させる意義が強い。 === 学習委員会 === 主に学習に関係することはこの委員会が担当している。学校によっては、設置されていないところもある。 === 代議員会/評議員会 === 生徒総会の運営や学級会の運営を担当。そのため「議長」という役職が代議員会の長になり(議長がやらない学校もある)、生徒総会など議事の議長を務める。生徒会の核とも言える。正副学級委員長をもってあてることが多い。 === 風紀/生活委員会 === 小学校・中学校では生活委員会、高校では風紀委員会と言う。 主に児童や生徒の身だしなみや早朝のあいさつ運動、自転車通学者の駐輪場整備などほとんどの学校に設置されている委員会。(稀に生活指導部が設置されている学校には委員会自体が設置されていない学校もある。) === 体育委員会 === 体育祭(運動会)などの際に代表的活動をするのは、この委員会である。昼休みのレクレーションなどを企画する。アルミ缶回収などの声かけや呼びかけ当日の、回収の手伝いをする。 === 文化委員会 === 文化祭などの際に代表的活動をするのは、この委員会である。合唱などの音楽関係の活動も担当する。 === 保健委員会 === 保健室に昼休み待機する学校もあるが大抵は生徒の健康を守ることが目的である。厚生委員会と同義。学校によってはベルマーク収集を担当することもある。 === 放送委員会 === 放送設備を用いて放送する委員会である。福祉文化祭や式典でのビデオ記録やスポットライトを照らしたりもする。また、体育祭(運動会と同義)で実況やアナウンスをすることや給食の時間に音楽を流すこともある。だが、学校によって異なる。 学校によっては専門委員会ではなく特別委員会として設置されることもある。 === 新聞委員会 === 印刷設備を用いて(ないしは印刷会社に外注して)新聞を発行する。 模造紙に手書きで作成する場合もある。 === 給食委員会 === 給食施設を管理したり給食の片付けなどを指導する委員会である。給食設備がない地域では置かれないことがある。 === 図書委員会 === 図書を管理、整理、広報活動などをする委員会である。昼休みに図書館を開放するなどの作業をする。 === 飼育委員会 === 動物の飼育を管理する委員会である。動物を飼育している場合に設けられる。 一見簡単そうだが命を世話するので責任は重い。 === 園芸/自然委員会 === 自然を管理したり花を植えたりする委員会である。学校によっては設けられないかもしれない。緑化委員会と同義。 === 福祉/ボランティア委員会 === ベルマークなどの回収を行なったりする委員会である。回収したベルマークは学校の備品購入に使われ、購入費の1割が被災地や海外に教育支援金として送られる。 また、古切手・古テレカ・アルミ缶の回収をする学校もある。 また、福祉文化祭(チャリティーバザー)などの行事を作り上げていく。 ユニセフ募金や赤十字募金なども行っている。 一方で、委員会活動として、ボランティア活動を行うことに疑問を抱える声がある。 ===購買委員会=== 学校の購買室を管理する委員会である。購買委員会は学校の必要な物品や用具の調達、注文、在庫管理を行い、生徒や教職員のニーズに応じた効果的な購買活動を遂行する。なお、学校によっては置かれていないところもある。 ===応援委員会=== 中総体などの大会において、激励会/式で前に立って選手を応援する委員会である。基本的には前期のみの活動となっている。(学校にもよる) ===合唱コンクール委員会=== 主な任務は合唱コンクールの自由曲の決定である。数百曲ある中から5,6曲決定する。優勝の決定もすることがある。合唱コンクールが近い時には単に「実行委員」と呼ばれることがある。 ===総務委員会=== 各授業の号令、出席簿の管理などを行う委員会である。学校によっては設けられないかもしれない。学級委員と同義。正副学級委員長をもってあてることが多い。(上述の代議/評議委員会の名称を用いることもある。) ===選挙管理委員会=== 学校内の生徒会選挙を監督・管理するために設置された委員会である。選挙管理委員会は、公正で透明な選挙プロセスを確保し、生徒たちが自由かつ公平に選挙に参加できる環境を提供することを使命としている。なお、選挙管理委員はその役割から被選挙権を持っていないことが多い。 ===監査委員会=== 学校の生徒会の財務や活動に関する監査を担当する委員会である。監査委員会は、透明性と責任の原則に基づいて、生徒会の資金の適切な使用や活動の適法性を確保する役割を果たしている。なお、監査委員はその役割から生徒会の他の役職との兼任ができないことが多い。 なお、学校によっては追加されることがあるし減少することもあると思う。幅広い委員会を収録したいので是非とも追加して欲しい。 [[Category:中学校教育|せいとかいかつとういいんかいかつとう]]
2004-08-29T08:18:31Z
2023-09-05T12:19:46Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%94%9F%E5%BE%92%E4%BC%9A%E6%B4%BB%E5%8B%95%E3%83%BB%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E6%B4%BB%E5%8B%95
596
UNIX/Linux入門
情報技術 > UNIX/Linux入門 大学の学習 > UNIX/Linux入門 『UNIX入門』もあります。 UNIXの起源はアメリカ・AT&T社のベル研究所が開発したOSです。後にカリフォルニア大学バークレー校で学術目的に実装され、ベル研究所のUNIXとカリフォルニア大学バークレー校のUNIX (BSD) 両者が現在広く用いられているUNIXの源流をなしています。 マルチユーザ・マルチタスク機能を発表当初から持っており、ネットワークを介して異なる端末から更新作業などを行える環境をいち早く作り上げた。しかも、マルチタスク機能で、同時にログインして同時に作業することもでき、業務の効率を大幅に改善した。 以下現在主に使用されているUNIX系OSを挙げます。 詳細はウィキペディアのUNIXの記事を参照のこと。 Linuxは、MINIXを模倣して作られたOSカーネルです。 OSの構成要素には、カーネルとユーザーランド(コマンドインタープリターを含むコマンド、デーモン、ライブラリや付帯するデータ)がありますが、Linuxはカーネルのみを提供しているので、不足するユーザーランドをGNUのユーティリティを始めとするサードパーティ・ソフトウェアで補いOSの体裁を整えています。 この本で紹介するコマンドはGNU/Linuxでは、全てLinuxではなくGNUのユーティリティなどサードパーティが提供するものです。 これらのオリジナルにあたるUNIXでの実装(*BSDを含む)は、/usr/src 以下のソースツリーに一体として維持されており、カーネルのソースコードも/usr/src/sys以下に全てあります。 このように、OSとしての体裁は似通っていますが、UNIXがカーネルとユーザーランドをトータルで維持・管理・提供しているのに対し、GNU/LINUXではカーネルとは出自の異なるソフトウェアの調整のもとOSとして提供しているので、上記以外の組み合わせ(例:coreutilsの代わりにbusyboxを使う、glibcの代わりにmuslを使う等)が無数に考えられ、GNU/LINUXでは、それらのパッケージ管理の重要度が増します。 基本的には、CUIで操作を行う。CUIとは、コマンドベースのインターフェイスのことで、一定の書式に則った文字列(これをコマンドという)を入力することでコンピュータを操作する体系です。近年、ウィンドウシステムの発達もあって、特にクライアント分野では起動から終了までGUI(CUIに対して、視覚的に操作できる体系)で操作を完結できる環境が整いつつあるが、簡素かつ強力なコマンドラインベースの操作環境は根強く支持されています。GUIを採用しているシステムでも、GUI環境中でコマンドを実行するためのアプリケーション(ターミナルエミューレータと呼ばれます)を利用するのが一般的です。 ファイルシステムという用語も多義的であるが、ここではUnix File Systemのユーザー側から観た特徴について述べます。 UNIXでは、ファイルをディレクトリで管理します。ディレクトリはWindowsのフォルダーに対応するものであり、複数のファイルを収めることができます。さらに、ディレクトリ内に別のディレクトリがあっても良いので、ディレクトリ群は木構造になります。 この構造の頂点となる最上位のディレクトリがただひとつあります。これをルートディレクトリと呼び、/と書く。 なお、 /root/ というディレクトリがあるが、こちらはファイルシステムの頂点のディレクトリという意味の「ルートディレクトリ」ではなく、ユーザー root のホームディレクトリである。 ディレクトリ構造上の位置をパス (path)と呼ぶ。 パスには絶対パスと相対パスがあります。 ファイルシステムのレイアウトについては hier(7) を参照。 コマンドとは、コンピュータ上で処理を行うための、特定の書式に則った一連の文字列です。コマンドを入力し、実行します(通常はEnterキーを押す)ことで、そのコマンドに応じた処理が実行されます。 この例では、'date'というコマンドを実行しています。これにより、コンピュータは'date'という指示を受け、その結果'Sun Feb 12 22:11:48 JST 2006'を返します。結果は、この場合画面に表示されているが、正常に処理が行われた場合に何も表示しないコマンドも多い。 コマンド名に続けて文字列をスペースで区切って記述することで、コマンドに付加的な指示を渡すことができます。このような付加的な文字列を引数と呼ぶ。引数がどのように解釈されるかはコマンドによって異なるが、よくある使いかたとして、コマンドの挙動を変更するためのオプションとして使うというものがあります。オプションは、通常'-'に続けた一字のアルファベットでオプションによって追加のパラメータを取ります。 この例では、'date'というコマンドに'-u’というオプションを付けています。これによりdateコマンドの動作は変更されています。この場合は、dateコマンドの仕様に従い、ローカルマシンの時刻からUTC(協定世界時)へと表示される時刻が切り替えられています。 また、コマンドには、引数として操作対象を受け取るものがあります。 この例では、'rm'というコマンドに'test.txt'というファイルを指示しています。これにより、'rm'というコマンドを通じて、'test.txt'というファイルを操作します。'rm'というコマンドはファイルを消去するので、この場合はtest.txtが消去されます。 多くのコマンドは、無効なオプションを渡すと、機能の一覧が表示されます。 シェルとは、コンピュータに対して指示を出す際に利用される対話プログラムです。コンピュータにコマンドを入力するとき、実際にはシェルに対して入力しています。シェルは入力されたコマンドを解釈し、実行します。シェルは複数開発されており、どのシェルを適用しているかによって、コマンドの表現方法が違ったり、同じ意味でもコマンド自体が違ったりする場合もあります。 Bシェル( /bin/sh )、ash、dash、ksh、bash、zsh、csh、tcshなどがあります。Linuxの各ディストリビューションでは、bashをデフォルトのシェルを採用してい場合が多いですが、dash を採用しているディストリビューションも見受けられます。 コマンドが実行されるとき、コマンドには必ず入出力のための三つの経路、標準入力、標準出力、標準エラー出力が割り当てられます。コマンドは必要に応じてこれらの経路から入力を受け取ったり、出力を書き出したりします。この三つの経路を総称して標準入出力といいます。 例えば、上記のdateの例で、dateコマンドの出力内容が画面に表示されたが、実はこの時の出力は標準出力に送られています。上記では標準出力の行き先が画面だったため、結果として画面に表示された。 標準入出力の行き先は必要に応じて変更することができます。 コマンドとして入力する文字は date > date.txt の部分です。 このコマンドの内容として、>以降は標準出力の行き先をdate.txtというファイルに切り替える指示です。このようにすると、dateコマンドの結果は画面に表示される代わりにdate.txtというファイルに出力されるので、日時を記録したdate.txtというファイルができることになります。このように標準入出力の行き先を変更することをリダイレクトと呼ぶ。なお、「> date.txt」の部分はシェルへの指示であって、コマンドに渡される引数ではないことに注意してほしい。 標準入力を使うコマンドの例も見てみましょう。wcは、標準入力から受け取ったテキストの行数・語数・バイト数を標準出力に書き出すコマンドです。 この例ではwcの標準入力はキーボードなので、コマンドを実行するとコンピュータはキーボードからの入力を待つ。そこでテキストをタイプし(この例では3行のテキストを入力した)、入力を終えます(これには通常Ctrl-dを押せば良い)と、次の行にwcコマンドの出力が表示されます。 Ctrl-dとはCtrlキーを押しながらdキーを押すことです。 標準入力も標準出力と同様にリダイレクトすることができます。例えば、test.txtというテキストファイルの行数を数えるには次のようなコマンドを使えば良い。 さらに、あるコマンドの標準出力を別のコマンドの標準入力につなげることもできます。これはパイプと呼ばれます。 この例では、パイプを使ってdateコマンドの出力の行数・単語数・バイト数を数えています。 パイプやリダイレクトを使うと、限られたコマンドで自在に多様な操作を行うことができます。 シェルはコマンドインタープリターと呼ばれるように、言語インタープリターの一種で、変数を使うことが出来ます。 csh では、プロンプトが % であること、代入に set を前置することが bash との違いです。 いま使ってシェルが何かは、環境変数SHELLにセットされているので の様に確認できます。 環境変数は、名前と結びついた動的な名前と値のペアで、プロセスの挙動・設定を変更するために用います。 環境変数は、プロセスが実行される環境の一部です。 例えば といった情報に該当する環境変数を変えることで情報を書き換えることができます。 ただし使用しているシェルによって設定方法は異なります。 例えば、ロケール (LANG) を日本語日本国UTF-8 (ja_JP.UTF-8) としたい場合は 通常、環境変数は、全て大文字で、環境変数を設定、取消しするコマンドはシェルによって異なります。 なんらかの環境変数を確認するには、printenv(1) を使います。 たとえば、ロケール(LANG)を調べたいなら 環境変数を指定して実行する方法も bsh 系と csh 系で異なります。 UNIXは、マルチユーザーシステムであり、ひとつの計算機を複数のユーザーで同時に利用することが可能です。計算機には、そのシステムを利用する権限のあるユーザそれぞれについてユーザー名とパスワードなどの認証情報を始めとするユーザー情報は登録・管理されています。計算機を利用する際は、はじめに自分のユーザー名とパスワードを入力し認証しなければなりません。これをログインといいます。ログインには、計算機に対し、あるユーザーが利用を開始したということを表明する働きがあります。同様に、利用を終了することを表明する手続きは、ログアウトと呼ばれます。自分が今どのユーザーとしてログインしているかを知るには、whoamiというコマンドを使います(whoコマンドにオプションを与えwho am iとしても類似の結果が得られますが、細部が異なります。)。 それぞれのユーザーは、私用のためのディレクトリを一個割り当てられます。これはホームディレクトリとよばれ、Filesystem Hierarchy Standard に従っていれば、 /home/${ユーザー名} ですが、root はこれの例外です。ホームディレクトリには、個人に属するデータの他、アプリケーションの個人用設定ファイルなどを置くことができます。これらのファイルは、所有権が自分に属するため、後述するパーミッションによって、他のユーザーが勝手に変更を加えることができなくできます。 特定の複数のユーザーにのみなんらかの権限を与えたいときにはグループが用いられます。たとえば、あるファイルをグループ所有にして、そのグループの一員にのみ閲覧を許す、といったことができます。BSDによる拡張がサポートされていれば、一人のユーザーが複数のグループに属することが可能です。 UNIXシステムには管理者の役割をするユーザー(スーパーユーザー)があり、名前は root で uid は 0 でグループ wheel(gid:0) に属しています。 root は、デバイス・ファイル・プロセスなど全てのコンピュータ資源に対する権限をもっています。 rootでの誤操作はシステム破壊に直結するため、自分がシステムの管理者であっても、別に一般ユーザーを作成し、root権限が必要な場合を除いて一般ユーザーで作業しなければいけません。 ファイルやディレクトリについてのアクセスの権限をパーミッションといいます。パーミッションを設定することで、例えばファイルを特定のユーザーにしか閲覧できなくしたり、あらゆるユーザーが閲覧できるようにしたりすることができます。 全てのファイルには所有者と所有グループが決まっており、これに従ってアクセス権限が分けられます。すなわち、所有者、所有グループの一員、その他のユーザー、という三区分に対して独立に権限を設定することができます。設定可能な権限は以下の三つです。 ファイルの消去に必要な権限は、そのファイルへの書き込み権限ではなく、そのファイルの置かれているディレクトリへの書き込み権限であることに注意してほしい。 ファイルのパーミッションは、lsコマンドに'-l'というオプションを付加することで確認できます。この場合、パーミッションは次のような表記で表されます。 この記法は、左から三文字ずつ、所有者、所有グループの一員、その他のユーザー、に対応しています。アルファベットは対応する権限があることを示し、-は対応する権限がないことを示す。この例では、このファイルもしくはディレクトリに対して、「所有者」はrwxすなわち「閲覧、書き込み、実行可能」、「所有グループの一員」はr-xで「閲覧、実行可能」、「その他」は--xで「実行可能」ということになります。 また、三桁の八進数の数値でパーミッションを表すこともあります。この場合、三つの桁は、左から所有者、所有グループの一員、その他を表す。個々の数字は三種類の権限の有無を二進法で読んだものです。例えば、r-xは二進数に置き換えると101、八進数にすると5です。 最初の例にあるrwxr-x--xなら、計算すると751です。 ここでは、UNIXを扱う上で非常によく用いられるコマンドについてまとめます。これらのコマンドは実際にはシェルの機能ではなく、一つのアプリケーションであることに注意が必要です。しかし、これらのコマンドは通常シェルから起動されることから、これらをシェルのコマンドと呼ぶことが多い。 cdは、カレントディレクトリーを変更するコマンドです。 cdは、 change current working directory の略です。 cd はファイルシステム上に実行ファイルのある外部コマンドではなく、シェルの内部コマンドです。 manは、UNIXで標準的に用いられるヘルプシステムです。manはターミナル上で全ての情報を表示することを条件として作られているため、色使いなどがあまり現代的ではない面があります。しかし、表示される情報には有用なものが多いため、たびたび用いることになるでしょう。特に個々のコマンドの細かいオプションを記憶することは現実的ではないため、機能だけを覚えておき、オプションはそのつどmanで調べるのが現実的でしょう。 このコマンドは、 として用いられます。manのファイルはいくつかのカテゴリーに分類されており、それらのカテゴリーには1から8の番号が付けられています。manは、対応するコマンド名が存在するかどうかを、1から順に調べていき、最初に見付かったものを表示します。そのため、同じ名前のmanが若い番号に存在するときには、後に保存されているmanは読むことができありません。このときには、見たいmanの番号を調べ、 のように書く必要があります。また、 のようにコマンドを用いると、コマンド名に対応するmanを全て順に表示するので、こちらを用いてもよい。 manがmanページを探すディレクトリは、環境変数MANPATHに記憶されています。これは、多くの場合 /usr/share/manなどであり、ここにはシステムで用意されているmanページのほとんどが保存されています。システムに興味がある場合はこれらに目を通すとよい。 whatis は、コマンド名あるいはコマンドの機能をおぼろげに覚えているときに使います。 info は、GNU で用いられるコマンドラインインタフェースで動作するハイパーテキストのヘルプビューアです。 として用います。 bash のドキュメントが読みたいのであれば とします。 infoは、texinfoプログラムによって生成された.infoファイルを読み込み、ドキュメントをツリーとして表示し、ツリーを横断したり、クロスリファレンスをたどったりするための簡単なコマンドを提供しします。 基本操作 dateは、現在の日付と時刻を返すコマンドです。dateコマンドは、日付を設定する目的でも用いることができます。 dateも、システムのロケールによって、表示を変えます。 suは、一時的に管理者権限を手に入れたいときに使う。設定ファイルを書き換える時など管理者権限が必要なときに用いられます。 sudoのあとに管理者権限で実行したいコマンドを書く まず、閲覧したいテキストファイルのある場所まで、cdコマンド(シェルのディレクトリ移動のコマンド)で移動します。 ファイルを表示する場合、 などのコマンドがあります。 これらのコマンドの内容の違いは、テキストファイルを表示するさいに、一括で出力するか、それとも段階的に出力していくかといった、違いです。 つまり の書式です。 moreでは、大きなテキストの場合には段階的に、冒頭から出力していく。表示しているテキストの続を見たい場合はエンターキーを押すなどすると、続きが表示されます。 大きなテキストの場合には段階的に、冒頭から出力していく。 表示しているテキストの続を見たい場合は また、長い標準出力を見るのにも使う ファイルの内容を最後まで表示します。複数のファイルが指定された場合にはそれらのファイルを続けて表示します。 sample.txtとbbbの内容を連続して標準出力に出力します。 trは、ファイル中の特定の文字列を置き換える働きをします。 cutはファイル内である列を取り出す。列の内容はオプションによって指定でき、-cオプションでは文字数が指定されます。一方、-fオプションでは-dオプションで指定されるデリミタによって分割されるフィールドが使われます。 lsとだけコマンド入力した場合には、カレントディレクトリの中身を記述します。作成したファイルやディレクトリが実際にディレクトリ内に存在するかどうかを確かめるために用いることができます。 lsにはいくつものオプションがあるが、よく用いるものをまとめます。-lは、ファイルやディレクトリについてより詳細な情報を与えます。情報は、パーミッション、ファイルサイズ、作成者、作成された時間、最後に変更された時間などです。実用上は、-lだけではなく、-hもつけるとファイルサイズが人間にとって読みやすい形でかかれるため、使いやすくなります。 -a は、ディレクトリ内にある全てのファイルを表示します。通常のlsでは、最初が.から始まるファイルやディレクトリは表示されありません。これは、設定ファイルやアプリケーションが内部的に用いるファイルが毎回表示されると場所塞ぎだからです。これらが存在するかどうかを調べるためには、明示的に-aオプションを用いる必要があります。 -Rオプションは、ディレクトリを再帰的に降下してファイルを表示します。再帰的とは、ファイルが存在すればそれを表示し、ディレクトリが存在すればそのディレクトリに移動し、再びls -Rと同じ作業を行うという意味です。結局カレントディレクトリ以下に置かれているファイルが全て表示されます。大きなディレクトリ内でこれを実行すると結果を得るのに時間がかかるため、控えた方がよいでしょう。しかし、探したいファイルがあるときにはこれを使うのがよいでしょう。 このようなファイルシステムの階層は、Filesystem Hierarchy Standardで標準規格化されており、 man hier で参照できます。 cpは、ファイルをコピーするコマンドです。cpの使い方は、 となります。 cpもいくつかのオプションを持つ。-iは、コピー先のファイルが存在するときにそのファイルを上書きするかどうか尋ねるようにするオプションです。このオプションが無いときには、cpはコピー先のファイルを勝手に消去し、その上に指定されたファイルを上書きします。この振舞いはしばしば重大な失敗をひき起こすため、-iオプションはできる限り常に用いるようにした方がよいでしょう。システムによっては、エイリアスなどの機能を駆使して、これらの振舞いが通常となるように設定している場合もあります。 しかし、システムを過信せず、自分で気をつける方が望ましい。-fオプションはこの反対で、-iオプションが付けられていたとしても上書きの前に注意を促さないよう動作させます。これは多くのファイルを上書きする際に、通常の振舞いが-iオプションありであったときには非常に不便であることから用いられます。-Rオプションは、指定されたディレクトリを再帰的にコピーします。この機能はよく用いられるが、似た振舞いを持つコマンドとしてtarがあり、また新しいファイルの多くがtarファイルで供給されることを考えると、それほど使わずに済むかも知れありません。 カレントディレクトリ内にあるsample.txtというファイルを、documentsディレクトリ内にコピーします。-iオプションがあるため既にdocuments内に同名のファイルがあったときには警告が表示されます。 mvは、cpと違い指定されたファイルを指定された場所に移動するコマンドです。移動された元のファイルは消去されます。mvは次のように用いられます。 mvにも-iと-fのオプションがあります。これらの動作は、cpの対応物と同じです。mvはファイル名を変更する場合にも用いられます。すなわち、AというファイルをBという名に変更するときは、AをBに移動すると考えmv A Bを使用します。 rmは、指定したファイルを消去するコマンドです。GUIの'ゴミ箱'と違い一度消去したファイルは取り戻せないので、注意が必要です。不測の事態を避けるために、作成したファイルはこまめにバックアップを行うことが望ましい。バックアップにはtarコマンドなどが多く用いられるが、この使い方は後述します。rmコマンドは として用います。 rmもcpやmvとおなじ-iと-fコマンドを持つ。不測の事態を避けるため、-iは常に用いることを推奨します。rmコマンドは再帰的に消去を行う-Rオプションを持つ(-rオプションも同じ意味であります)。大きなディレクトリを消去するときには、このオプションは事実上必須であるが、強い効果を持つコマンドなので、使用時には細心の注意が必要です。 rmのよくある失敗例は、.から始まるファイルを全て消去しようとして、 とすることです。.*は、..(親ディレクトリ)も含むため、これは親ディレクトリ以下に含まれるファイルを全て消去するコマンドになってしまう。そのため、このようなコマンドを行うことは絶対に避けねばなりません。このときにも-iオプションをつければ消去を行う前に警告が出るので、危険が少なくなります。 mkdirは、、ディレクトリを作成するコマンドです。 rmdirは、、ディレクトリを消去するコマンドです。 pwd(1)はカレントディレクトリの絶対パスを表示します。 touchは、、指定されたファイルの更新日時を変更します。指定されたファイルが存在しないとき、touchは、ファイルを作成します。ファイルが存在した場合はタイムスタンプを更新します。一度に複数のファイルを作成することもできます。 ファイルのハードリンクあるいはシンボリックリンクを作ります。 リンクは、Unixのファイルシステムに固有の機能で、ファイルにはパスと内容(データとメタデータの総体)がある、複数のパスが同じ内容を示すことができます。 正規表現はあるルールで指定される文字列の集合のことを指す。正規表現を用いて複数のファイルを指定したり、文書中から当てはまる文字列を検索することができます。正規表現自体はあらゆるOS上で利用される技術ですが、特にUNIXのシェルには正規表現を用いる技術が多くあるのでここでまとめます。 正規表現は複数の文字列が当てはまる'性質'を示す事ができます。例えば、a,aa,aaa,aaaa,... などの文字列はaが連続的に並ぶという性質を持っています。このような名前のファイルを同時に消去したいときには、aが連続的に並ぶという性質を指定できると便利です。egrepやPerl等の正規表現を扱えるソフトでは、この集合を^a+$と指定することができます。ここでは正規表現について詳しくは触れないので、詳しい情報は、'詳説 正規表現(オライリージャパン)'などを参照して欲しい。 grepは、ある正規表現とファイルを指定して、その正規表現に当てはまる行をファイル中から取り出す。 のように用います。(文中にaaaという文字列を含む)f.txtの内容が なら、 が出力されます。正規表現が^ddd(行がdddで始まます)だったときには、当てはまる行が無いので何も出力されません。ddd$(行がdddで終ます)では、 が出力されます。 findは、ディレクトリを再帰的に降下し、条件に当てはまるファイルを見付けるコマンドです。findの書式は非常に複雑になるので、詳細についてはここでは触れありません。対応するmanなどを参照。 条件無しにカレントディレクトリ以下のファイルを表示します。 カレントディレクトリ以下のファイルで名前がf.txtのファイルを表示します。nameオプションには glob を用いることができます。例えば、 は、fではじまり.txtで終わるファイル(file.txt, ffff.txt, ...などがあてはまます)を探す。 シングルクォーテーション(')で囲んでいるのは、カレントディレクトリにある f*.txt とのマッチングを行わせないため。 上のコマンドの例では、コマンドは全て1つずつ入力され、 それぞれのコマンド実行に対してそれぞれの結果が返ってきた。 このように上記の例ではすべてシェルを対話的に扱ってきたが、 あらかじめシェルに実行させたいコマンドをファイルに書いておき、 これをまとめてシェルに実行させることも可能です。 このコマンドを書いたファイルをシェルスクリプトと呼ぶ。 シェルスクリプトの書き方はシェルの種類によって異なるので、 以下ではLinuxやMac OS Xの標準のシェルであるbash (Bourne Again Shell) を例にとって説明します。 シェルスクリプトとは言っても、基本的にはコマンドを書き並べたものです。 たとえば、テキストエディタの新規ファイルに上記をコピーペーストして、これをたとえば「test.sh」という名前でカレントディレクトリに保存します。 このファイルを実行可能にします。 実行するには、コマンドラインで とコマンドすればいいです。 なお、上記コードは、「はじめにhelloと表示し、次にOSの名前を表示する」シェルスクリプトです。 1行目のコメントには特殊な意味があるので後述します(Shebang!)。 UNIXでは複数のプロセスを同時に動かせます。ここでは、実際に複数のプロセスを動かす方法を述べます。プロセスは互いに独立で、通常は別のプロセスの動作にかかわり無く動く。そのため、他のプロセスの動作を制御したいときには、シグナルを利用する必要があります。シグナルは、他のプロセスに送ることができ、プロセスを中断する等の効果があります。 &は、コマンドの後につけてそれをバックグラウンドで動かす機能があります。これは複数のプロセスを起動したい時に用いられます。 X Window Systemの起動中に新たな端末を開くときに用られます。xterm自体も1つのX Window Systemにおけるクライアントアプリケーションです。 シグナルに対する応答は、プログラム中で書き換えることができます。次の例では、INTシグナルに対する応答を書き換えています。 別のシェルから、 とすると、./a.out を実行していたターミナルに catch SIGINT が表示されます。 ここでは分かりやすさのためにsignal()関数を用いたが、実用的なプログラムを作る際にはsignal()関数ではなくsigaction()関数を使うべきです。 psは、現在実行されているプロセスを表示します。 現在自分が実行しているプロセスを表示します。 自分だけでなく他のユーザーが実行したプロセスも表示します。このオプションは、デーモンプロセスを見るためによく用いられます。 killは、、他のプロセスにシグナルを送るコマンドです。killはプロセスID(pid)を引数としてとるので、シグナルを送りたいプロセスがあるときには、あらかじめpsコマンドなどを用いてpidを手に入れておく必要があります。 プロセスID3456に、TERMシグナルを送ます。TERMシグナルは送るシグナルを指定しなかった時に使われるシグナルです。 プロセスID3456に、INTシグナルを送ます。送るシグナルは-(シグナル名)で指定することができます。実際に指定できるシグナルについては、$ man killを参照すること。 bashには、ビルトインコマンドの1つとしてkillがあります。このため、killが実行ファイルとして存在したとしても、実際に実行されるのはビルトインコマンドの方です。 はjobsで表示されるプロセスにシグナルを送ます。しかし、 は、 psmiscに含まれるkillallは、プロセスIDではなく、プロセスの名称を用いてシグナルを送ることができます。 a.outは、(おそらく)Cプログラムの実行ファイルです。自作したプログラムにシグナルを送るときに用います。 シェルが、複数のプロセスやプロセスグループを管理する機能を、ジョブコントロールと言います。 ジョブコントロールは、BSD Unix上の csh に実装されました。 jobsは、シェルのbuiltinコマンドで、bashを使っているなら、$ man bash内にjobsのmanも置かれています。jobsは、現在自分が動かしているプロセスを表示します。 topは、、動いているプロセスを指定された順序で並びかえ、一定時間毎に表示します。 デバイスファイルはコンピュータに接続された機器にアクセスするためのファイルです。デバイスファイルは、デバイスへのインターフェースでありデバイスそのものではないため、デバイスファイルを削除しても(通常は)問題がありません。例えば、/dev/hda1を削除しても、ハードディスクの中身が消えることはありません。 また、デバイスファイルはたいてい/dev以下に置かれるが、それ以外の場所においても同じように扱うことができます。ただし、デバイスファイルはデバイスの識別のためにメジャー番号とマイナー番号を持っているため、それらはデバイス毎に使い分ける必要があります。 デバイスファイルを作成するには、mknodコマンドを用います。mknodは作成するファイルの名称、メジャー番号、マイナー番号、デバイスの種類を指定して作られます。デバイスの種類とは、b:ブロック型、c:キャラクタ型のどちらかです。 --> 慣用的に、シェルで、テキストファイルを作成、編集するためのソフトウェアのことが、単に「エディタ」と呼ばれています。UNIXの設定ファイルはほとんどがテキストファイルであるため、エディタの重要性は大きい。 viは広く用いられるUNIXのテキストエディタです。viはほとんど全てのシステムで用意されているため、基本的な設定ファイルの記述にはこのエディタが用いられることが多い。ただし、動作が他のエディタとは異なっているため、その使用には好みがわかれるエディタでもあります。 実際に、vi とタイプして起動されるコマンドは、nvi であったり vim のような互換エディタであることが多いです。 XウィンドウシステムはUNIX上でGUIを実現するためによく用いられるプログラムです。 Linuxとは、1991年にフィンランドのプログラマ リーナス・トーバルズがヘルシンキ大学在学中にMinixより優れたMinixを作るために立ち上げたプロジェクトで開発しGPLで公開したLinuxカーネルを元にしているOSです。 公開当初は、とても貧弱であったが、すぐにハッカー達の支持を受け利用者を増やしていった。安価で手軽にUNIXと類似の環境を得られることからインターネット・サーバとして頻繁に利用されるようになってきた。 Linuxはカーネルしかなく、Linuxのみで動かすことは出来なかった。しかし、フリーなオペレーティングシステムを作ることを目的としていたGNUプロジェクトは、カーネルや、一部のデーモンなど以外をフリーなソフトウェアとして完成させてていた。GNUのglibcやBash、その他の多くのコマンドといった主要なソフトウェアとLinuxにのカーネルを組合わせることで、実際に動かして使うことのできるオペレーティングシステムを作ることが出来ました。そのため、LinuxのカーネルとBashやglibc、gcc、などといった主要なソフトウェアを合わせてGNU/Linuxと呼ぶこともあり、GNUプロジェクトなどは推奨しています。 Linuxに収められているソフトの多くは、GNUのGPLやLGPLといったライセンスで配布されています。 Linux ディストリビューション[a](しばしばディストロと略されます)は、Linux カーネルと、多くの場合パッケージ管理システムを含むソフトウェアの集合体から作られたオペレーティング・システムです。 Linuxユーザーは通常、Linuxディストリビューションの1つをダウンロードしてOSを入手する。 パッケージ管理システムは、後述しますが、Debian系ではDEB、RedHat系ではRPMが主に使われます。 ディストリビューションの系統として主にパッケージ管理システムの違いによって3種に分類されるが、どれにも属さないものもあります。 よく使用されているディストリビューションを以下に挙げます。 UNIX上で動くGUI環境に、X Window Systemがあります。これは、サーバー / クライアント方式でグラフィカルな環境を提供するもので、通常はこの上に各種ツールキットを使ってGUI環境を構築します。 昔は、ツールキットや、デスクトップ環境、各種ソフトウェアが別々に配布されており、デスクトップの環境を作るのが大変でした。それを解決するものとして、ツールキット、デスクトップ環境、各種ソフトウェアなどをまとめて、統合デスクトップ環境というものが作られた。 主な統合デスクトップ環境にGNOME、KDE、LXDE、Xfce、Window Makerなどがあり、ツールキットはGNOME系では主にGtk、KDE系では主にQt、が使われ、他にもwxWidgetなどがあります。これらを使ってグラフィカルなアプリケーションを作成出来ます。 特にGNOME、KDEは、テキストエディタやファイルマネージャー、オフィスアプリケーションなどの周辺アプリケーションもあわせて提供されており、まとめて導入することによって、WindowsやMac OSなどといった先行するオペレーティングシステムに負けない程度の環境を作ることが出来ます。現在はGNOMEが優勢で、他にもとても軽量なLXDEなどを使う人も増えています。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "情報技術 > UNIX/Linux入門 大学の学習 > UNIX/Linux入門", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "『UNIX入門』もあります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "UNIXの起源はアメリカ・AT&T社のベル研究所が開発したOSです。後にカリフォルニア大学バークレー校で学術目的に実装され、ベル研究所のUNIXとカリフォルニア大学バークレー校のUNIX (BSD) 両者が現在広く用いられているUNIXの源流をなしています。", "title": "UNIXとは" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "マルチユーザ・マルチタスク機能を発表当初から持っており、ネットワークを介して異なる端末から更新作業などを行える環境をいち早く作り上げた。しかも、マルチタスク機能で、同時にログインして同時に作業することもでき、業務の効率を大幅に改善した。", "title": "UNIXとは" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "以下現在主に使用されているUNIX系OSを挙げます。", "title": "UNIXとは" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "詳細はウィキペディアのUNIXの記事を参照のこと。", "title": "UNIXとは" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Linuxは、MINIXを模倣して作られたOSカーネルです。 OSの構成要素には、カーネルとユーザーランド(コマンドインタープリターを含むコマンド、デーモン、ライブラリや付帯するデータ)がありますが、Linuxはカーネルのみを提供しているので、不足するユーザーランドをGNUのユーティリティを始めとするサードパーティ・ソフトウェアで補いOSの体裁を整えています。", "title": "UNIXとは" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "この本で紹介するコマンドはGNU/Linuxでは、全てLinuxではなくGNUのユーティリティなどサードパーティが提供するものです。", "title": "UNIXとは" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "これらのオリジナルにあたるUNIXでの実装(*BSDを含む)は、/usr/src 以下のソースツリーに一体として維持されており、カーネルのソースコードも/usr/src/sys以下に全てあります。", "title": "UNIXとは" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "このように、OSとしての体裁は似通っていますが、UNIXがカーネルとユーザーランドをトータルで維持・管理・提供しているのに対し、GNU/LINUXではカーネルとは出自の異なるソフトウェアの調整のもとOSとして提供しているので、上記以外の組み合わせ(例:coreutilsの代わりにbusyboxを使う、glibcの代わりにmuslを使う等)が無数に考えられ、GNU/LINUXでは、それらのパッケージ管理の重要度が増します。", "title": "UNIXとは" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "基本的には、CUIで操作を行う。CUIとは、コマンドベースのインターフェイスのことで、一定の書式に則った文字列(これをコマンドという)を入力することでコンピュータを操作する体系です。近年、ウィンドウシステムの発達もあって、特にクライアント分野では起動から終了までGUI(CUIに対して、視覚的に操作できる体系)で操作を完結できる環境が整いつつあるが、簡素かつ強力なコマンドラインベースの操作環境は根強く支持されています。GUIを採用しているシステムでも、GUI環境中でコマンドを実行するためのアプリケーション(ターミナルエミューレータと呼ばれます)を利用するのが一般的です。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "ファイルシステムという用語も多義的であるが、ここではUnix File Systemのユーザー側から観た特徴について述べます。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "UNIXでは、ファイルをディレクトリで管理します。ディレクトリはWindowsのフォルダーに対応するものであり、複数のファイルを収めることができます。さらに、ディレクトリ内に別のディレクトリがあっても良いので、ディレクトリ群は木構造になります。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "この構造の頂点となる最上位のディレクトリがただひとつあります。これをルートディレクトリと呼び、/と書く。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "なお、 /root/ というディレクトリがあるが、こちらはファイルシステムの頂点のディレクトリという意味の「ルートディレクトリ」ではなく、ユーザー root のホームディレクトリである。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "ディレクトリ構造上の位置をパス (path)と呼ぶ。 パスには絶対パスと相対パスがあります。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "ファイルシステムのレイアウトについては hier(7) を参照。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "コマンドとは、コンピュータ上で処理を行うための、特定の書式に則った一連の文字列です。コマンドを入力し、実行します(通常はEnterキーを押す)ことで、そのコマンドに応じた処理が実行されます。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "この例では、'date'というコマンドを実行しています。これにより、コンピュータは'date'という指示を受け、その結果'Sun Feb 12 22:11:48 JST 2006'を返します。結果は、この場合画面に表示されているが、正常に処理が行われた場合に何も表示しないコマンドも多い。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "コマンド名に続けて文字列をスペースで区切って記述することで、コマンドに付加的な指示を渡すことができます。このような付加的な文字列を引数と呼ぶ。引数がどのように解釈されるかはコマンドによって異なるが、よくある使いかたとして、コマンドの挙動を変更するためのオプションとして使うというものがあります。オプションは、通常'-'に続けた一字のアルファベットでオプションによって追加のパラメータを取ります。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "この例では、'date'というコマンドに'-u’というオプションを付けています。これによりdateコマンドの動作は変更されています。この場合は、dateコマンドの仕様に従い、ローカルマシンの時刻からUTC(協定世界時)へと表示される時刻が切り替えられています。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "また、コマンドには、引数として操作対象を受け取るものがあります。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "この例では、'rm'というコマンドに'test.txt'というファイルを指示しています。これにより、'rm'というコマンドを通じて、'test.txt'というファイルを操作します。'rm'というコマンドはファイルを消去するので、この場合はtest.txtが消去されます。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "多くのコマンドは、無効なオプションを渡すと、機能の一覧が表示されます。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "シェルとは、コンピュータに対して指示を出す際に利用される対話プログラムです。コンピュータにコマンドを入力するとき、実際にはシェルに対して入力しています。シェルは入力されたコマンドを解釈し、実行します。シェルは複数開発されており、どのシェルを適用しているかによって、コマンドの表現方法が違ったり、同じ意味でもコマンド自体が違ったりする場合もあります。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "Bシェル( /bin/sh )、ash、dash、ksh、bash、zsh、csh、tcshなどがあります。Linuxの各ディストリビューションでは、bashをデフォルトのシェルを採用してい場合が多いですが、dash を採用しているディストリビューションも見受けられます。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "コマンドが実行されるとき、コマンドには必ず入出力のための三つの経路、標準入力、標準出力、標準エラー出力が割り当てられます。コマンドは必要に応じてこれらの経路から入力を受け取ったり、出力を書き出したりします。この三つの経路を総称して標準入出力といいます。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "例えば、上記のdateの例で、dateコマンドの出力内容が画面に表示されたが、実はこの時の出力は標準出力に送られています。上記では標準出力の行き先が画面だったため、結果として画面に表示された。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "標準入出力の行き先は必要に応じて変更することができます。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "コマンドとして入力する文字は date > date.txt の部分です。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "このコマンドの内容として、>以降は標準出力の行き先をdate.txtというファイルに切り替える指示です。このようにすると、dateコマンドの結果は画面に表示される代わりにdate.txtというファイルに出力されるので、日時を記録したdate.txtというファイルができることになります。このように標準入出力の行き先を変更することをリダイレクトと呼ぶ。なお、「> date.txt」の部分はシェルへの指示であって、コマンドに渡される引数ではないことに注意してほしい。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "標準入力を使うコマンドの例も見てみましょう。wcは、標準入力から受け取ったテキストの行数・語数・バイト数を標準出力に書き出すコマンドです。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "この例ではwcの標準入力はキーボードなので、コマンドを実行するとコンピュータはキーボードからの入力を待つ。そこでテキストをタイプし(この例では3行のテキストを入力した)、入力を終えます(これには通常Ctrl-dを押せば良い)と、次の行にwcコマンドの出力が表示されます。 Ctrl-dとはCtrlキーを押しながらdキーを押すことです。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "標準入力も標準出力と同様にリダイレクトすることができます。例えば、test.txtというテキストファイルの行数を数えるには次のようなコマンドを使えば良い。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "さらに、あるコマンドの標準出力を別のコマンドの標準入力につなげることもできます。これはパイプと呼ばれます。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "この例では、パイプを使ってdateコマンドの出力の行数・単語数・バイト数を数えています。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "パイプやリダイレクトを使うと、限られたコマンドで自在に多様な操作を行うことができます。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "シェルはコマンドインタープリターと呼ばれるように、言語インタープリターの一種で、変数を使うことが出来ます。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "csh では、プロンプトが % であること、代入に set を前置することが bash との違いです。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "いま使ってシェルが何かは、環境変数SHELLにセットされているので", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "の様に確認できます。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "環境変数は、名前と結びついた動的な名前と値のペアで、プロセスの挙動・設定を変更するために用います。 環境変数は、プロセスが実行される環境の一部です。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "例えば", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "といった情報に該当する環境変数を変えることで情報を書き換えることができます。 ただし使用しているシェルによって設定方法は異なります。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "例えば、ロケール (LANG) を日本語日本国UTF-8 (ja_JP.UTF-8) としたい場合は", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "通常、環境変数は、全て大文字で、環境変数を設定、取消しするコマンドはシェルによって異なります。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "なんらかの環境変数を確認するには、printenv(1) を使います。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "たとえば、ロケール(LANG)を調べたいなら", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "環境変数を指定して実行する方法も bsh 系と csh 系で異なります。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "UNIXは、マルチユーザーシステムであり、ひとつの計算機を複数のユーザーで同時に利用することが可能です。計算機には、そのシステムを利用する権限のあるユーザそれぞれについてユーザー名とパスワードなどの認証情報を始めとするユーザー情報は登録・管理されています。計算機を利用する際は、はじめに自分のユーザー名とパスワードを入力し認証しなければなりません。これをログインといいます。ログインには、計算機に対し、あるユーザーが利用を開始したということを表明する働きがあります。同様に、利用を終了することを表明する手続きは、ログアウトと呼ばれます。自分が今どのユーザーとしてログインしているかを知るには、whoamiというコマンドを使います(whoコマンドにオプションを与えwho am iとしても類似の結果が得られますが、細部が異なります。)。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "それぞれのユーザーは、私用のためのディレクトリを一個割り当てられます。これはホームディレクトリとよばれ、Filesystem Hierarchy Standard に従っていれば、 /home/${ユーザー名} ですが、root はこれの例外です。ホームディレクトリには、個人に属するデータの他、アプリケーションの個人用設定ファイルなどを置くことができます。これらのファイルは、所有権が自分に属するため、後述するパーミッションによって、他のユーザーが勝手に変更を加えることができなくできます。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "特定の複数のユーザーにのみなんらかの権限を与えたいときにはグループが用いられます。たとえば、あるファイルをグループ所有にして、そのグループの一員にのみ閲覧を許す、といったことができます。BSDによる拡張がサポートされていれば、一人のユーザーが複数のグループに属することが可能です。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "UNIXシステムには管理者の役割をするユーザー(スーパーユーザー)があり、名前は root で uid は 0 でグループ wheel(gid:0) に属しています。 root は、デバイス・ファイル・プロセスなど全てのコンピュータ資源に対する権限をもっています。 rootでの誤操作はシステム破壊に直結するため、自分がシステムの管理者であっても、別に一般ユーザーを作成し、root権限が必要な場合を除いて一般ユーザーで作業しなければいけません。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "ファイルやディレクトリについてのアクセスの権限をパーミッションといいます。パーミッションを設定することで、例えばファイルを特定のユーザーにしか閲覧できなくしたり、あらゆるユーザーが閲覧できるようにしたりすることができます。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "全てのファイルには所有者と所有グループが決まっており、これに従ってアクセス権限が分けられます。すなわち、所有者、所有グループの一員、その他のユーザー、という三区分に対して独立に権限を設定することができます。設定可能な権限は以下の三つです。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "ファイルの消去に必要な権限は、そのファイルへの書き込み権限ではなく、そのファイルの置かれているディレクトリへの書き込み権限であることに注意してほしい。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "ファイルのパーミッションは、lsコマンドに'-l'というオプションを付加することで確認できます。この場合、パーミッションは次のような表記で表されます。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "この記法は、左から三文字ずつ、所有者、所有グループの一員、その他のユーザー、に対応しています。アルファベットは対応する権限があることを示し、-は対応する権限がないことを示す。この例では、このファイルもしくはディレクトリに対して、「所有者」はrwxすなわち「閲覧、書き込み、実行可能」、「所有グループの一員」はr-xで「閲覧、実行可能」、「その他」は--xで「実行可能」ということになります。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "また、三桁の八進数の数値でパーミッションを表すこともあります。この場合、三つの桁は、左から所有者、所有グループの一員、その他を表す。個々の数字は三種類の権限の有無を二進法で読んだものです。例えば、r-xは二進数に置き換えると101、八進数にすると5です。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "最初の例にあるrwxr-x--xなら、計算すると751です。", "title": "UNIXを扱う上での基礎知識" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "ここでは、UNIXを扱う上で非常によく用いられるコマンドについてまとめます。これらのコマンドは実際にはシェルの機能ではなく、一つのアプリケーションであることに注意が必要です。しかし、これらのコマンドは通常シェルから起動されることから、これらをシェルのコマンドと呼ぶことが多い。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "cdは、カレントディレクトリーを変更するコマンドです。 cdは、 change current working directory の略です。 cd はファイルシステム上に実行ファイルのある外部コマンドではなく、シェルの内部コマンドです。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "manは、UNIXで標準的に用いられるヘルプシステムです。manはターミナル上で全ての情報を表示することを条件として作られているため、色使いなどがあまり現代的ではない面があります。しかし、表示される情報には有用なものが多いため、たびたび用いることになるでしょう。特に個々のコマンドの細かいオプションを記憶することは現実的ではないため、機能だけを覚えておき、オプションはそのつどmanで調べるのが現実的でしょう。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "このコマンドは、", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "として用いられます。manのファイルはいくつかのカテゴリーに分類されており、それらのカテゴリーには1から8の番号が付けられています。manは、対応するコマンド名が存在するかどうかを、1から順に調べていき、最初に見付かったものを表示します。そのため、同じ名前のmanが若い番号に存在するときには、後に保存されているmanは読むことができありません。このときには、見たいmanの番号を調べ、", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "のように書く必要があります。また、", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "のようにコマンドを用いると、コマンド名に対応するmanを全て順に表示するので、こちらを用いてもよい。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "manがmanページを探すディレクトリは、環境変数MANPATHに記憶されています。これは、多くの場合 /usr/share/manなどであり、ここにはシステムで用意されているmanページのほとんどが保存されています。システムに興味がある場合はこれらに目を通すとよい。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "whatis は、コマンド名あるいはコマンドの機能をおぼろげに覚えているときに使います。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "info は、GNU で用いられるコマンドラインインタフェースで動作するハイパーテキストのヘルプビューアです。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "として用います。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "bash のドキュメントが読みたいのであれば", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "とします。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "infoは、texinfoプログラムによって生成された.infoファイルを読み込み、ドキュメントをツリーとして表示し、ツリーを横断したり、クロスリファレンスをたどったりするための簡単なコマンドを提供しします。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "基本操作", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "dateは、現在の日付と時刻を返すコマンドです。dateコマンドは、日付を設定する目的でも用いることができます。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "dateも、システムのロケールによって、表示を変えます。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "suは、一時的に管理者権限を手に入れたいときに使う。設定ファイルを書き換える時など管理者権限が必要なときに用いられます。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "sudoのあとに管理者権限で実行したいコマンドを書く", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "まず、閲覧したいテキストファイルのある場所まで、cdコマンド(シェルのディレクトリ移動のコマンド)で移動します。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "ファイルを表示する場合、", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "などのコマンドがあります。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "これらのコマンドの内容の違いは、テキストファイルを表示するさいに、一括で出力するか、それとも段階的に出力していくかといった、違いです。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "つまり", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "の書式です。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "moreでは、大きなテキストの場合には段階的に、冒頭から出力していく。表示しているテキストの続を見たい場合はエンターキーを押すなどすると、続きが表示されます。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "大きなテキストの場合には段階的に、冒頭から出力していく。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "表示しているテキストの続を見たい場合は", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "また、長い標準出力を見るのにも使う", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "ファイルの内容を最後まで表示します。複数のファイルが指定された場合にはそれらのファイルを続けて表示します。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "sample.txtとbbbの内容を連続して標準出力に出力します。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "trは、ファイル中の特定の文字列を置き換える働きをします。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "cutはファイル内である列を取り出す。列の内容はオプションによって指定でき、-cオプションでは文字数が指定されます。一方、-fオプションでは-dオプションで指定されるデリミタによって分割されるフィールドが使われます。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "lsとだけコマンド入力した場合には、カレントディレクトリの中身を記述します。作成したファイルやディレクトリが実際にディレクトリ内に存在するかどうかを確かめるために用いることができます。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "lsにはいくつものオプションがあるが、よく用いるものをまとめます。-lは、ファイルやディレクトリについてより詳細な情報を与えます。情報は、パーミッション、ファイルサイズ、作成者、作成された時間、最後に変更された時間などです。実用上は、-lだけではなく、-hもつけるとファイルサイズが人間にとって読みやすい形でかかれるため、使いやすくなります。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "-a は、ディレクトリ内にある全てのファイルを表示します。通常のlsでは、最初が.から始まるファイルやディレクトリは表示されありません。これは、設定ファイルやアプリケーションが内部的に用いるファイルが毎回表示されると場所塞ぎだからです。これらが存在するかどうかを調べるためには、明示的に-aオプションを用いる必要があります。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "-Rオプションは、ディレクトリを再帰的に降下してファイルを表示します。再帰的とは、ファイルが存在すればそれを表示し、ディレクトリが存在すればそのディレクトリに移動し、再びls -Rと同じ作業を行うという意味です。結局カレントディレクトリ以下に置かれているファイルが全て表示されます。大きなディレクトリ内でこれを実行すると結果を得るのに時間がかかるため、控えた方がよいでしょう。しかし、探したいファイルがあるときにはこれを使うのがよいでしょう。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "このようなファイルシステムの階層は、Filesystem Hierarchy Standardで標準規格化されており、 man hier で参照できます。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "cpは、ファイルをコピーするコマンドです。cpの使い方は、", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "となります。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "cpもいくつかのオプションを持つ。-iは、コピー先のファイルが存在するときにそのファイルを上書きするかどうか尋ねるようにするオプションです。このオプションが無いときには、cpはコピー先のファイルを勝手に消去し、その上に指定されたファイルを上書きします。この振舞いはしばしば重大な失敗をひき起こすため、-iオプションはできる限り常に用いるようにした方がよいでしょう。システムによっては、エイリアスなどの機能を駆使して、これらの振舞いが通常となるように設定している場合もあります。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "しかし、システムを過信せず、自分で気をつける方が望ましい。-fオプションはこの反対で、-iオプションが付けられていたとしても上書きの前に注意を促さないよう動作させます。これは多くのファイルを上書きする際に、通常の振舞いが-iオプションありであったときには非常に不便であることから用いられます。-Rオプションは、指定されたディレクトリを再帰的にコピーします。この機能はよく用いられるが、似た振舞いを持つコマンドとしてtarがあり、また新しいファイルの多くがtarファイルで供給されることを考えると、それほど使わずに済むかも知れありません。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "カレントディレクトリ内にあるsample.txtというファイルを、documentsディレクトリ内にコピーします。-iオプションがあるため既にdocuments内に同名のファイルがあったときには警告が表示されます。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "mvは、cpと違い指定されたファイルを指定された場所に移動するコマンドです。移動された元のファイルは消去されます。mvは次のように用いられます。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "mvにも-iと-fのオプションがあります。これらの動作は、cpの対応物と同じです。mvはファイル名を変更する場合にも用いられます。すなわち、AというファイルをBという名に変更するときは、AをBに移動すると考えmv A Bを使用します。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "rmは、指定したファイルを消去するコマンドです。GUIの'ゴミ箱'と違い一度消去したファイルは取り戻せないので、注意が必要です。不測の事態を避けるために、作成したファイルはこまめにバックアップを行うことが望ましい。バックアップにはtarコマンドなどが多く用いられるが、この使い方は後述します。rmコマンドは", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "として用います。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "rmもcpやmvとおなじ-iと-fコマンドを持つ。不測の事態を避けるため、-iは常に用いることを推奨します。rmコマンドは再帰的に消去を行う-Rオプションを持つ(-rオプションも同じ意味であります)。大きなディレクトリを消去するときには、このオプションは事実上必須であるが、強い効果を持つコマンドなので、使用時には細心の注意が必要です。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "rmのよくある失敗例は、.から始まるファイルを全て消去しようとして、", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "とすることです。.*は、..(親ディレクトリ)も含むため、これは親ディレクトリ以下に含まれるファイルを全て消去するコマンドになってしまう。そのため、このようなコマンドを行うことは絶対に避けねばなりません。このときにも-iオプションをつければ消去を行う前に警告が出るので、危険が少なくなります。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "mkdirは、、ディレクトリを作成するコマンドです。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "rmdirは、、ディレクトリを消去するコマンドです。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "pwd(1)はカレントディレクトリの絶対パスを表示します。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "touchは、、指定されたファイルの更新日時を変更します。指定されたファイルが存在しないとき、touchは、ファイルを作成します。ファイルが存在した場合はタイムスタンプを更新します。一度に複数のファイルを作成することもできます。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "ファイルのハードリンクあるいはシンボリックリンクを作ります。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "リンクは、Unixのファイルシステムに固有の機能で、ファイルにはパスと内容(データとメタデータの総体)がある、複数のパスが同じ内容を示すことができます。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "正規表現はあるルールで指定される文字列の集合のことを指す。正規表現を用いて複数のファイルを指定したり、文書中から当てはまる文字列を検索することができます。正規表現自体はあらゆるOS上で利用される技術ですが、特にUNIXのシェルには正規表現を用いる技術が多くあるのでここでまとめます。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "正規表現は複数の文字列が当てはまる'性質'を示す事ができます。例えば、a,aa,aaa,aaaa,... などの文字列はaが連続的に並ぶという性質を持っています。このような名前のファイルを同時に消去したいときには、aが連続的に並ぶという性質を指定できると便利です。egrepやPerl等の正規表現を扱えるソフトでは、この集合を^a+$と指定することができます。ここでは正規表現について詳しくは触れないので、詳しい情報は、'詳説 正規表現(オライリージャパン)'などを参照して欲しい。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "grepは、ある正規表現とファイルを指定して、その正規表現に当てはまる行をファイル中から取り出す。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "のように用います。(文中にaaaという文字列を含む)f.txtの内容が", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "なら、", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "が出力されます。正規表現が^ddd(行がdddで始まます)だったときには、当てはまる行が無いので何も出力されません。ddd$(行がdddで終ます)では、", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "が出力されます。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "findは、ディレクトリを再帰的に降下し、条件に当てはまるファイルを見付けるコマンドです。findの書式は非常に複雑になるので、詳細についてはここでは触れありません。対応するmanなどを参照。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "条件無しにカレントディレクトリ以下のファイルを表示します。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "カレントディレクトリ以下のファイルで名前がf.txtのファイルを表示します。nameオプションには glob を用いることができます。例えば、", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "は、fではじまり.txtで終わるファイル(file.txt, ffff.txt, ...などがあてはまます)を探す。 シングルクォーテーション(')で囲んでいるのは、カレントディレクトリにある f*.txt とのマッチングを行わせないため。", "title": "よく用いられるコマンド" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "上のコマンドの例では、コマンドは全て1つずつ入力され、 それぞれのコマンド実行に対してそれぞれの結果が返ってきた。 このように上記の例ではすべてシェルを対話的に扱ってきたが、 あらかじめシェルに実行させたいコマンドをファイルに書いておき、 これをまとめてシェルに実行させることも可能です。 このコマンドを書いたファイルをシェルスクリプトと呼ぶ。", "title": "シェルスクリプト" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "シェルスクリプトの書き方はシェルの種類によって異なるので、 以下ではLinuxやMac OS Xの標準のシェルであるbash (Bourne Again Shell) を例にとって説明します。", "title": "シェルスクリプト" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "シェルスクリプトとは言っても、基本的にはコマンドを書き並べたものです。", "title": "シェルスクリプト" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "たとえば、テキストエディタの新規ファイルに上記をコピーペーストして、これをたとえば「test.sh」という名前でカレントディレクトリに保存します。", "title": "シェルスクリプト" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "このファイルを実行可能にします。", "title": "シェルスクリプト" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "実行するには、コマンドラインで", "title": "シェルスクリプト" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "とコマンドすればいいです。", "title": "シェルスクリプト" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "なお、上記コードは、「はじめにhelloと表示し、次にOSの名前を表示する」シェルスクリプトです。", "title": "シェルスクリプト" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "1行目のコメントには特殊な意味があるので後述します(Shebang!)。", "title": "シェルスクリプト" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "UNIXでは複数のプロセスを同時に動かせます。ここでは、実際に複数のプロセスを動かす方法を述べます。プロセスは互いに独立で、通常は別のプロセスの動作にかかわり無く動く。そのため、他のプロセスの動作を制御したいときには、シグナルを利用する必要があります。シグナルは、他のプロセスに送ることができ、プロセスを中断する等の効果があります。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "&は、コマンドの後につけてそれをバックグラウンドで動かす機能があります。これは複数のプロセスを起動したい時に用いられます。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "X Window Systemの起動中に新たな端末を開くときに用られます。xterm自体も1つのX Window Systemにおけるクライアントアプリケーションです。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "シグナルに対する応答は、プログラム中で書き換えることができます。次の例では、INTシグナルに対する応答を書き換えています。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "別のシェルから、", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "とすると、./a.out を実行していたターミナルに catch SIGINT が表示されます。 ここでは分かりやすさのためにsignal()関数を用いたが、実用的なプログラムを作る際にはsignal()関数ではなくsigaction()関数を使うべきです。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "psは、現在実行されているプロセスを表示します。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "現在自分が実行しているプロセスを表示します。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "自分だけでなく他のユーザーが実行したプロセスも表示します。このオプションは、デーモンプロセスを見るためによく用いられます。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "killは、、他のプロセスにシグナルを送るコマンドです。killはプロセスID(pid)を引数としてとるので、シグナルを送りたいプロセスがあるときには、あらかじめpsコマンドなどを用いてpidを手に入れておく必要があります。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "プロセスID3456に、TERMシグナルを送ます。TERMシグナルは送るシグナルを指定しなかった時に使われるシグナルです。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "プロセスID3456に、INTシグナルを送ます。送るシグナルは-(シグナル名)で指定することができます。実際に指定できるシグナルについては、$ man killを参照すること。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "bashには、ビルトインコマンドの1つとしてkillがあります。このため、killが実行ファイルとして存在したとしても、実際に実行されるのはビルトインコマンドの方です。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "はjobsで表示されるプロセスにシグナルを送ます。しかし、", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "は、", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "psmiscに含まれるkillallは、プロセスIDではなく、プロセスの名称を用いてシグナルを送ることができます。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "a.outは、(おそらく)Cプログラムの実行ファイルです。自作したプログラムにシグナルを送るときに用います。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "シェルが、複数のプロセスやプロセスグループを管理する機能を、ジョブコントロールと言います。 ジョブコントロールは、BSD Unix上の csh に実装されました。 jobsは、シェルのbuiltinコマンドで、bashを使っているなら、$ man bash内にjobsのmanも置かれています。jobsは、現在自分が動かしているプロセスを表示します。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "topは、、動いているプロセスを指定された順序で並びかえ、一定時間毎に表示します。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "デバイスファイルはコンピュータに接続された機器にアクセスするためのファイルです。デバイスファイルは、デバイスへのインターフェースでありデバイスそのものではないため、デバイスファイルを削除しても(通常は)問題がありません。例えば、/dev/hda1を削除しても、ハードディスクの中身が消えることはありません。", "title": "デバイスファイル" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "また、デバイスファイルはたいてい/dev以下に置かれるが、それ以外の場所においても同じように扱うことができます。ただし、デバイスファイルはデバイスの識別のためにメジャー番号とマイナー番号を持っているため、それらはデバイス毎に使い分ける必要があります。", "title": "デバイスファイル" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "デバイスファイルを作成するには、mknodコマンドを用います。mknodは作成するファイルの名称、メジャー番号、マイナー番号、デバイスの種類を指定して作られます。デバイスの種類とは、b:ブロック型、c:キャラクタ型のどちらかです。 -->", "title": "デバイスファイル" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "慣用的に、シェルで、テキストファイルを作成、編集するためのソフトウェアのことが、単に「エディタ」と呼ばれています。UNIXの設定ファイルはほとんどがテキストファイルであるため、エディタの重要性は大きい。", "title": "エディタ" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "viは広く用いられるUNIXのテキストエディタです。viはほとんど全てのシステムで用意されているため、基本的な設定ファイルの記述にはこのエディタが用いられることが多い。ただし、動作が他のエディタとは異なっているため、その使用には好みがわかれるエディタでもあります。", "title": "エディタ" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "実際に、vi とタイプして起動されるコマンドは、nvi であったり vim のような互換エディタであることが多いです。", "title": "エディタ" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "XウィンドウシステムはUNIX上でGUIを実現するためによく用いられるプログラムです。", "title": "Xウィンドウシステム" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "Linuxとは、1991年にフィンランドのプログラマ リーナス・トーバルズがヘルシンキ大学在学中にMinixより優れたMinixを作るために立ち上げたプロジェクトで開発しGPLで公開したLinuxカーネルを元にしているOSです。 公開当初は、とても貧弱であったが、すぐにハッカー達の支持を受け利用者を増やしていった。安価で手軽にUNIXと類似の環境を得られることからインターネット・サーバとして頻繁に利用されるようになってきた。", "title": "Linuxとは" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "Linuxはカーネルしかなく、Linuxのみで動かすことは出来なかった。しかし、フリーなオペレーティングシステムを作ることを目的としていたGNUプロジェクトは、カーネルや、一部のデーモンなど以外をフリーなソフトウェアとして完成させてていた。GNUのglibcやBash、その他の多くのコマンドといった主要なソフトウェアとLinuxにのカーネルを組合わせることで、実際に動かして使うことのできるオペレーティングシステムを作ることが出来ました。そのため、LinuxのカーネルとBashやglibc、gcc、などといった主要なソフトウェアを合わせてGNU/Linuxと呼ぶこともあり、GNUプロジェクトなどは推奨しています。 Linuxに収められているソフトの多くは、GNUのGPLやLGPLといったライセンスで配布されています。", "title": "Linuxとは" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "Linux ディストリビューション[a](しばしばディストロと略されます)は、Linux カーネルと、多くの場合パッケージ管理システムを含むソフトウェアの集合体から作られたオペレーティング・システムです。 Linuxユーザーは通常、Linuxディストリビューションの1つをダウンロードしてOSを入手する。 パッケージ管理システムは、後述しますが、Debian系ではDEB、RedHat系ではRPMが主に使われます。", "title": "Linuxとは" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "ディストリビューションの系統として主にパッケージ管理システムの違いによって3種に分類されるが、どれにも属さないものもあります。", "title": "Linuxとは" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "よく使用されているディストリビューションを以下に挙げます。", "title": "Linuxとは" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "UNIX上で動くGUI環境に、X Window Systemがあります。これは、サーバー / クライアント方式でグラフィカルな環境を提供するもので、通常はこの上に各種ツールキットを使ってGUI環境を構築します。", "title": "Linuxとは" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "昔は、ツールキットや、デスクトップ環境、各種ソフトウェアが別々に配布されており、デスクトップの環境を作るのが大変でした。それを解決するものとして、ツールキット、デスクトップ環境、各種ソフトウェアなどをまとめて、統合デスクトップ環境というものが作られた。", "title": "Linuxとは" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "主な統合デスクトップ環境にGNOME、KDE、LXDE、Xfce、Window Makerなどがあり、ツールキットはGNOME系では主にGtk、KDE系では主にQt、が使われ、他にもwxWidgetなどがあります。これらを使ってグラフィカルなアプリケーションを作成出来ます。", "title": "Linuxとは" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "特にGNOME、KDEは、テキストエディタやファイルマネージャー、オフィスアプリケーションなどの周辺アプリケーションもあわせて提供されており、まとめて導入することによって、WindowsやMac OSなどといった先行するオペレーティングシステムに負けない程度の環境を作ることが出来ます。現在はGNOMEが優勢で、他にもとても軽量なLXDEなどを使う人も増えています。", "title": "Linuxとは" } ]
情報技術 > UNIX/Linux入門 大学の学習 > UNIX/Linux入門 『UNIX入門』もあります。
{{Pathnav|情報技術}} {{Pathnav|大学の学習}} ---- {{Wikipedia|UNIX}} {{Wikipedia|Linux}} 『[[UNIX入門]]』もあります。 == UNIXとは == UNIXの起源は[[w:アメリカ合衆国|アメリカ]]・[[w:AT&T|AT&T社]]の[[w:ベル研究所|ベル研究所]]が開発した[[OSとアプリケーション|OS]]です。後に[[w:カリフォルニア大学バークレー校|カリフォルニア大学バークレー校]]で学術目的に実装され、ベル研究所のUNIXとカリフォルニア大学バークレー校のUNIX ([[w:BSD|BSD]]) 両者が現在広く用いられているUNIXの源流をなしています。 [[w:マルチユーザー|マルチユーザ]]・[[w:マルチタスク|マルチタスク]]機能を発表当初から持っており、[[w:ネットワーク|ネットワーク]]を介して異なる[[w:端末|端末]]から更新作業などを行える環境をいち早く作り上げた。しかも、マルチタスク機能で、同時に[[w:ログイン|ログイン]]して同時に作業することもでき、業務の効率を大幅に改善した。 === UNIXの種類 === 以下現在主に使用されているUNIX系OSを挙げます。 * BSD系 ** [[w:FreeBSD|FreeBSD]] ** [[w:NetBSD|NetBSD]] ** [[w:OpenBSD|OpenBSD]] ** [[w:DragonFly BSD|DragonFly BSD]] ** [[w:macOS|macOS]] * [[w:Solaris|Solaris]]([[w:SunOS|SunOS]]) * [[w:HP-UX|HP-UX]] * [[w:AIX|AIX]] 詳細は[[w:メインページ|ウィキペディア]]の[[w:UNIX|UNIX]]の記事を参照のこと。 === Linux === Linuxは、MINIXを模倣して作られたOSカーネルです。 OSの構成要素には、カーネルとユーザーランド(コマンドインタープリターを含むコマンド、デーモン、ライブラリや付帯するデータ)がありますが、Linuxはカーネルのみを提供しているので、不足するユーザーランドをGNUのユーティリティを始めとするサードパーティ・ソフトウェアで補いOSの体裁を整えています。 この本で紹介するコマンドはGNU/Linuxでは、全てLinuxではなくGNUのユーティリティなどサードパーティが提供するものです。 ; [https://www.gnu.org/software/bash/|GNU Bash]:[[#bashp|bash]] ; [https://www.gnu.org/software/coreutils/|GNU Core Utilities] : [[#basename|basename]], [[#cat|cat]], [[#chgrp|chgrp]], [[#chmod|chmod]], [[#chown|chown]], [[#chroot|chroot]], [[#cksum|cksum]], [[#comm|comm]], [[#cp|cp]], [[#csplit|csplit]], [[#cut|cut]], [[#date|date]], [[#dd|dd]], [[#df|df]], [[#dir|dir]], [[#dircolors|dircolors]], [[#dirname|dirname]], [[#du|du]], [[#echo|echo]], [[#env|env]], [[#expand|expand]], [[#expr|expr]], [[#factor|factor]], [[#false|false]], [[#fmt|fmt]], [[#fold|fold]], [[#groups|groups]], [[#head|head]], [[#hostid|hostid]], [[#hostname|hostname]], [[#id|id]], [[#install|install]], [[#join|join]], [[#kill|kill]], [[#link|link]], [[#ln|ln]], [[#logname|logname]], [[#ls|ls]], [[#md5sum|md5sum]], [[#mkdir|mkdir]], [[#mkfifo|mkfifo]], [[#mknod|mknod]], [[#mv|mv]], [[#nice|nice]], [[#nl|nl]], [[#nohup|nohup]], [[#od|od]], [[#paste|paste]], [[#pathchk|pathchk]], [[#pinky|pinky]], [[#pr|pr]], [[#printenv|printenv]], [[#printf|printf]], [[#ptx|ptx]], [[#pwd|pwd]], [[#readlink|readlink]], [[#rm|rm]], [[#rmdir|rmdir]], [[#seq|seq]], [[#sha1sum|sha1sum]], [[#shred|shred]], [[#sleep|sleep]], [[#sort|sort]], [[#split|split]], [[#stat|stat]], [[#stty|stty]], [[#su|su]], [[#sum|sum]], [[#sync|sync]], [[#tac|tac]], [[#tail|tail]], [[#tee|tee]], [[#test|test]], [[#touch|touch]], [[#tr|tr]], [[#true|true]], [[#tsort|tsort]], [[#tty|tty]], [[#uname|uname]], [[#unexpand|unexpand]], [[#uniq|uniq]], [[#unlink|unlink]], [[#uptime|uptime]], [[#users|users]], [[#vdir|vdir]], [[#wc|wc]], [[#who|who]], [[#whoami|whoami]], [[#yes|yes]] ; [https://www.gnu.org/software/findutils/|GNU Find Utilities]:[[#find|find]], [[#locate|locate]], [[#updatedb|updatedb]] ; [https://www.gnu.org/software/glibc/|The GNU C Library (glibc)]:標準Cライブラリ実装。 ; [https://www.gnu.org/software/grep/|GNU Grep]:[[#grep|grep]], [[#fgrep|fgrep]], [[#egrep|egrep]] ; [https://www.gnu.org/software/texinfo/|GNU Texinfo]:[[#info|info]], install-[[#info|info]], [[#makeinfo|makeinfo]], [[#texi2dvi|texi2dvi]], [[#texindex|texindex]], [[#texinfo|texinfo]] ;[https://greenwoodsoftware.com/less less]:[[#less|less]] ;[https://man-db.nongnu.org/ mandb]:[[#apropos|apropos]], [[#man|man]], [[#manpath|manpath]], [[#whatis|whatis]], [[#zsoelim|zsoelim]] ;[https://www.kernel.org/doc/man-pages/ manpages]:man(1) で参照されるマニュアル本文(コマンド自体に付属するマニュアルは除く) ; [https://gitlab.com/psmisc/psmisc psmisc]:[[#fuser|fuser]], [[#killall|killall]], [[#peekfd|peekfd]], [[#prtstat|prtstat]], [[#pstree|pstree]] これらのオリジナルにあたるUNIXでの実装(*BSDを含む)は、/usr/src 以下のソースツリーに一体として維持されており、カーネルのソースコードも/usr/src/sys以下に全てあります。 このように、OSとしての体裁は似通っていますが、UNIXがカーネルとユーザーランドをトータルで維持・管理・提供しているのに対し、GNU/LINUXではカーネルとは出自の異なるソフトウェアの調整のもとOSとして提供しているので、上記以外の組み合わせ(例:coreutilsの代わりにbusyboxを使う、glibcの代わりにmuslを使う等)が無数に考えられ、GNU/LINUXでは、それらのパッケージ管理の重要度が増します。 {{See also|[[#Linuxとは]]|[[w:Linux|Linux]]}} == UNIXを扱う上での基礎知識 == === 操作インターフェース === 基本的には、[[w:キャラクタユーザインタフェース|CUI]]で操作を行う。CUIとは、コマンドベースのインターフェイスのことで、一定の書式に則った文字列(これをコマンドという)を入力することでコンピュータを操作する体系です。近年、ウィンドウシステムの発達もあって、特にクライアント分野では起動から終了まで[[w:グラフィカルユーザインタフェース|GUI]](CUIに対して、視覚的に操作できる体系)で操作を完結できる環境が整いつつあるが、簡素かつ強力なコマンドラインベースの操作環境は根強く支持されています。GUIを採用しているシステムでも、GUI環境中でコマンドを実行するためのアプリケーション(ターミナルエミューレータと呼ばれます)を利用するのが一般的です。 === ファイルシステム === ファイルシステムという用語も多義的であるが、ここではUnix File Systemのユーザー側から観た特徴について述べます。 UNIXでは、ファイルを[[w:ディレクトリ|ディレクトリ]]で管理します。ディレクトリはWindowsのフォルダーに対応するものであり<ref>Unixのファイルシステムは、VMS,CP/M,MS-DOS,Windowsと異なり、「ドライブ」はなく、ルートファイルシステムの下位の階層に別のファイルシステムをマウントすることで、ユーザーには単一のファイルシステムに見えるようにします。ただし、例えばファイルシステムを跨いでハードリンクを張ることは出来ないなど、全くユーザーが意識しないで済むわけではありません。</ref>、複数のファイルを収めることができます。さらに、ディレクトリ内に別のディレクトリがあっても良いので、ディレクトリ群は[[w:木構造 (データ構造)|木構造]]になります。 この構造の頂点となる最上位のディレクトリがただひとつあります。これを[[w:ルートディレクトリ|ルートディレクトリ]]と呼び、<code>/</code>と書く。 なお、 <code>/root/</code> というディレクトリがあるが、こちらはファイルシステムの頂点のディレクトリという意味の「ルートディレクトリ」ではなく、ユーザー root のホームディレクトリである<ref>FHS(Filesystem Hierarchy Standard)以前の Unixでは、実際に <code>/</code> が、システム管理者 root のホームディレクトリでした。</ref>。 ディレクトリ構造上の位置を'''パス ''' ''(path)''と呼ぶ。 パスには絶対パスと相対パスがあります。 ; 絶対パス : ルートディレクトリを起点としたパス表現 :;例:<syntaxhighlight lang=text> /home/user01/main.txt </syntaxhighlight> :;意味:ルートディレクトリの中のhomeディレクトリの中のuser01ディレクトリの中のmain.txt ; 相対パス : カレントディレクトリを起点としたパス表現 :;例:<syntaxhighlight lang=text> main.txt </syntaxhighlight> :;意味:カレントディレクトリが /home/user01/ ならば /home/user01/main.txt に同じ。 ; カレントディレクトリ : プロセスが暗黙に参照する相対パス表現の起点 : pwd(1) で相対パスで表示できる : cd(1) で変更できる : 記号 ’.’(カンマ1文字)で参照できる ; 親ディレクトリ : あるディレクトリを包含するディレクトリ : 例: /usr/local/bin/ の親ディレクトリは /usr/local/ : 記号 ’..’(カンマ2文字)で参照できる :: 例: /usr/local/bin/../../lib は /usr/lib/ に同じ。 ; ホームディレクトリ : ユーザーに割当てられたディレクトリ : 環境変数 HOME で参照できます。 : 記号 '~'(チルダー1文字)で多くのシェルで参照できるが、全てのシェルで出来るわけではありません。 <!-- . や .. は、各々のディレクトリに隠れディレクトリとして . = ディレクトリ自身、 .. = 親ディレクトリ が mkdir で暗黙に用意されます。 /.. は例外で、これは / 自身へのハードリンクとなります。マウントされたファイルシステムのルートの .. も例外 --> ファイルシステムのレイアウトについては hier(7) を参照。 === コマンド === [[w:コマンド (コンピュータ)|コマンド]]とは、コンピュータ上で処理を行うための、特定の書式に則った一連の文字列です。コマンドを入力し、実行します(通常はEnterキーを押す)ことで、そのコマンドに応じた処理が実行されます。 ;例:<syntaxhighlight lang=bash> $ date 2020年 2月 22日 土曜日 20:26:11 JST $ _ </syntaxhighlight> :<small>コマンドの例における$は、コマンドが入力できる状態であることを示すために表示された文字で、「プロンプト」と呼ばれます。プロンプトは場合によって異なるがここでは$を用いています。</small> この例では、'date'というコマンドを実行しています。これにより、コンピュータは'date'という指示を受け、その結果'Sun Feb 12 22:11:48 JST 2006'を返します。結果は、この場合画面に表示されているが、正常に処理が行われた場合に何も表示しないコマンドも多い。 コマンド名に続けて文字列をスペースで区切って記述することで、コマンドに付加的な指示を渡すことができます。このような付加的な文字列を'''[[w:引数|引数]]'''と呼ぶ。引数がどのように解釈されるかはコマンドによって異なるが、よくある使いかたとして、コマンドの挙動を変更するためのオプションとして使うというものがあります。オプションは、通常'-'に続けた一字のアルファベットでオプションによって追加のパラメータを取ります。 :オプションの形式に <code>--help</code> のように <code>--</code> を前置するものもありますが、これはGNU拡張で、UNIXでは使えないので、互換性のあるスクリプトを書く場合は、POSIXの範囲内で使うよう心がけましょう。 :<syntaxhighlight lang=bash> $ date -u 2020年 2月 22日 土曜日 11:30:04 UTC $ _ </syntaxhighlight> この例では、'date'というコマンドに'-u’というオプションを付けています。これによりdateコマンドの動作は変更されています。この場合は、dateコマンドの仕様に従い、ローカルマシンの時刻からUTC([[w:協定世界時|協定世界時]])へと表示される時刻が切り替えられています。 また、コマンドには、引数として操作対象を受け取るものがあります。 ;例:<syntaxhighlight lang=bash> $ rm test.txt </syntaxhighlight> この例では、'rm'というコマンドに'test.txt'というファイルを指示しています。これにより、'rm'というコマンドを通じて、'test.txt'というファイルを操作します。'rm'というコマンドはファイルを消去するので、この場合はtest.txtが消去されます。 ---- 多くのコマンドは、無効なオプションを渡すと、機能の一覧が表示されます。 :<syntaxhighlight lang=csh> % date -@ date: illegal option -- @ usage: date [-jnRu] [-I[date|hours|minutes|seconds]] [-f input_fmt] [-r filename|seconds] [-v[+|-]val[y|m|w|d|H|M|S]] [[[[[[cc]yy]mm]dd]HH]MM[.SS] | new_date] [+output_fmt] % ls -@ ls: invalid option -- @ usage: ls [-ABCFGHILPRSTUWZabcdfghiklmnopqrstuwxy1,] [--color=when] [-D format] [file ...] % cat -@ cat: illegal option -- @ usage: cat [-belnstuv] [file ...] </syntaxhighlight> : 詳しくは man を引くべきですが、思い出すためには役立つことがあります。 === シェル === [[w:シェル|シェル]]とは、コンピュータに対して指示を出す際に利用される対話プログラムです。コンピュータにコマンドを入力するとき、実際にはシェルに対して入力しています。シェルは入力されたコマンドを解釈し、実行します。シェルは複数開発されており、どのシェルを適用しているかによって、コマンドの表現方法が違ったり、同じ意味でもコマンド自体が違ったりする場合もあります。 Bシェル( /bin/sh )、[[w:ash|ash]]、[[w:dash|dash]]、[[w:ksh|ksh]]、[[w:bash|bash]]、[[w:zsh|zsh]]、[[w:csh|csh]]、[[w:tcsh|tcsh]]などがあります。Linuxの各ディストリビューションでは、bashをデフォルトのシェルを採用してい場合が多いですが、dash を採用しているディストリビューションも見受けられます。 === 標準入力、標準出力、標準エラー出力 === コマンドが実行されるとき、コマンドには必ず入出力のための三つの経路、[[w:標準ストリーム|標準入力]]、標準出力、標準エラー出力が割り当てられます。コマンドは必要に応じてこれらの経路から入力を受け取ったり、出力を書き出したりします。この三つの経路を総称して標準入出力といいます。 ;標準入力 :標準入力はコマンドへの情報の入力源です。標準入力を利用しないコマンドもあります。通常は、利用している[[w:コンソール|コンソール]]からのキーボード入力を標準入力とします。 ;標準出力 :標準出力とは、コマンドが出力した結果を返すところです。通常は、利用しているコンソールが出力先となります。 ;標準エラー出力 :標準エラー出力とは、プログラム上エラーとして指示された出力で、通常は利用しているコンソールが出力先となります。 例えば、上記のdateの例で、dateコマンドの出力内容が画面に表示されたが、実はこの時の出力は標準出力に送られています。上記では標準出力の行き先が画面だったため、結果として画面に表示された。 標準入出力の行き先は必要に応じて変更することができます。 ;例:<syntaxhighlight lang=bash> $ date > date.txt </syntaxhighlight> コマンドとして入力する文字は <syntaxhighlight lang=bash inline>date > date.txt</syntaxhighlight> の部分です。 このコマンドの内容として、&gt;以降は標準出力の行き先をdate.txtというファイルに切り替える指示です。このようにすると、dateコマンドの結果は画面に表示される代わりにdate.txtというファイルに出力されるので、日時を記録したdate.txtというファイルができることになります。このように標準入出力の行き先を変更することを[[w:リダイレクト (CLI)|リダイレクト]]と呼ぶ。なお、「&gt; date.txt」の部分はシェルへの指示であって、コマンドに渡される引数ではないことに注意してほしい。 標準入力を使うコマンドの例も見てみましょう。wcは、標準入力から受け取ったテキストの行数・語数・バイト数を標準出力に書き出すコマンドです。 ;例:<syntaxhighlight lang=bash> $ wc This is an example to show how to use the extremely useful UNIX command. 3 14 73 </syntaxhighlight> この例ではwcの標準入力はキーボードなので、コマンドを実行するとコンピュータはキーボードからの入力を待つ。そこでテキストをタイプし(この例では3行のテキストを入力した)、入力を終えます(これには通常Ctrl-dを押せば良い)と、次の行にwcコマンドの出力が表示されます。 <small>Ctrl-dとはCtrlキーを押しながらdキーを押すことです。</small> 標準入力も標準出力と同様にリダイレクトすることができます。例えば、test.txtというテキストファイルの行数を数えるには次のようなコマンドを使えば良い。 :<syntaxhighlight lang=bash> $ wc < test.txt 7 23 235 </syntaxhighlight> さらに、あるコマンドの標準出力を別のコマンドの標準入力につなげることもできます。これはパイプと呼ばれます。 ;例 :<syntaxhighlight lang=bash> $ date | wc 1 6 43 </syntaxhighlight> この例では、パイプを使ってdateコマンドの出力の行数・単語数・バイト数を数えています。 パイプやリダイレクトを使うと、限られたコマンドで自在に多様な操作を行うことができます。 === シェル変数 === シェルはコマンドインタープリターと呼ばれるように、言語インタープリターの一種で、変数を使うことが出来ます。 ;Bash:<syntaxhighlight lang=bash line> $ a=xyz $ echo $a xyz $ echo a a </syntaxhighlight> # 変数 a に 文字列xyzを代入します。 # 変数名の前に$(ドル記号)をつけてecho(1) を実行すれ # (echo(1)は、指定した文字列 または 変数($が必要)を表示するコマンドです) # $記号がないと、 # そのまま表示します。 ;Csh:<syntaxhighlight lang="csh" line> % set a=xyz % echo $a xyz % echo a a </syntaxhighlight> # 変数 a に 文字列xyzを代入します。 # 変数名の前に$(ドル記号)をつけてecho(1) を実行すれ # (echo(1)は、指定した文字列 または 変数($が必要)を表示するコマンドです) # $記号がないと、 # そのまま表示します。 csh では、プロンプトが % であること、代入に set を前置することが bash との違いです。 いま使ってシェルが何かは、環境変数SHELLにセットされているので ;Bash:<syntaxhighlight lang=bash line> $ echo $SHELL /bin/sh </syntaxhighlight> ;Csh:<syntaxhighlight lang="csh" line> % echo $SHELL /bin/csh </syntaxhighlight> の様に確認できます。 === 環境変数 === 環境変数は、名前と結びついた動的な名前と値のペアで、プロセスの挙動・設定を変更するために用います。 環境変数は、プロセスが実行される環境の一部です。 例えば ;HOME:[[w:ホームディレクトリ|ホームディレクトリ]] ;LANG:ロケール ;USER:ログイン名 といった情報に該当する環境変数を変えることで情報を書き換えることができます。 ただし使用しているシェルによって設定方法は異なります。 例えば、ロケール (LANG) を日本語日本国UTF-8 (ja_JP.UTF-8) としたい場合は ;bsh系:<syntaxhighlight lang=bash> $ export LANG=ja_JP.UTF-8 </syntaxhighlight> ;csh系:<syntaxhighlight lang=csh> % setenv LANG ja_JP.UTF-8 </syntaxhighlight> :と内部コマンド名と = の有無が異なります。 通常、環境変数は、全て大文字で、環境変数を設定、取消しするコマンドはシェルによって異なります。 なんらかの環境変数を確認するには、printenv(1) を使います。 たとえば、ロケール(LANG)を調べたいなら ;bsh/csh系共通:<syntaxhighlight lang=console> % printenv LANG ja_JP.UTF-8 </syntaxhighlight> :とします。 環境変数を指定して実行する方法も bsh 系と csh 系で異なります。 ;bsh系:<syntaxhighlight lang=bash> $ LANG=ja_JP.UTF-8 date 2022年 10月 20日 木曜日 02:09:43 UTC $ LANG=C date Thu Oct 20 02:10:08 UTC 2022 $ LANG=zh_TW.UTF-8 date 西元2022年10月20日 (週四) 02時10分30秒 UTC </syntaxhighlight> ;csh系:<syntaxhighlight lang=csh> % env LANG=ja_JP.UTF-8 date 2022年 10月20日 木曜日 11時05分38秒 JST % env LANG=C date Thu Oct 20 11:05:49 JST 2022 % env LANG=zh_TW.UTF-8 date 2022年10月20日 星期四 11時05分59秒 JST </syntaxhighlight> :bsh系(dash)とcsh系(csh)で結果が異なります(例えば、中国語台湾の曜日表記が「週四」と「星期四」とちがう)のは、dash からは GNU coreutils の date が、tcsh からは FreeBSDのユーザーランドの date(1) が呼出されているためで、シェルの違いが原因ではありません。 ;現在のロケールとシステムで有効なロケール:<syntaxhighlight lang=csh style="height:25rem; overflow:auto"> % locale LANG=C.UTF-8 LC_CTYPE="C.UTF-8" LC_COLLATE="C.UTF-8" LC_TIME="C.UTF-8" LC_NUMERIC="C.UTF-8" LC_MONETARY="C.UTF-8" LC_MESSAGES="C.UTF-8" LC_ALL= % locale -a C C.UTF-8 POSIX af_ZA.ISO8859-1 af_ZA.ISO8859-15 af_ZA.UTF-8 am_ET.UTF-8 ar_AE.UTF-8 ar_EG.UTF-8 ar_JO.UTF-8 ar_MA.UTF-8 ar_QA.UTF-8 ar_SA.UTF-8 be_BY.CP1131 be_BY.CP1251 be_BY.ISO8859-5 be_BY.UTF-8 bg_BG.CP1251 bg_BG.UTF-8 ca_AD.ISO8859-1 ca_AD.ISO8859-15 ca_AD.UTF-8 ca_ES.ISO8859-1 ca_ES.ISO8859-15 ca_ES.UTF-8 ca_FR.ISO8859-1 ca_FR.ISO8859-15 ca_FR.UTF-8 ca_IT.ISO8859-1 ca_IT.ISO8859-15 ca_IT.UTF-8 cs_CZ.ISO8859-2 cs_CZ.UTF-8 da_DK.ISO8859-1 da_DK.ISO8859-15 da_DK.UTF-8 de_AT.ISO8859-1 de_AT.ISO8859-15 de_AT.UTF-8 de_CH.ISO8859-1 de_CH.ISO8859-15 de_CH.UTF-8 de_DE.ISO8859-1 de_DE.ISO8859-15 de_DE.UTF-8 el_GR.ISO8859-7 el_GR.UTF-8 en_AU.ISO8859-1 en_AU.ISO8859-15 en_AU.US-ASCII en_AU.UTF-8 en_CA.ISO8859-1 en_CA.ISO8859-15 en_CA.US-ASCII en_CA.UTF-8 en_GB.ISO8859-1 en_GB.ISO8859-15 en_GB.US-ASCII en_GB.UTF-8 en_HK.ISO8859-1 en_HK.UTF-8 en_IE.ISO8859-1 en_IE.ISO8859-15 en_IE.UTF-8 en_NZ.ISO8859-1 en_NZ.ISO8859-15 en_NZ.US-ASCII en_NZ.UTF-8 en_PH.UTF-8 en_SG.ISO8859-1 en_SG.UTF-8 en_US.ISO8859-1 en_US.ISO8859-15 en_US.US-ASCII en_US.UTF-8 en_ZA.ISO8859-1 en_ZA.ISO8859-15 en_ZA.US-ASCII en_ZA.UTF-8 es_AR.ISO8859-1 es_AR.UTF-8 es_CR.UTF-8 es_ES.ISO8859-1 es_ES.ISO8859-15 es_ES.UTF-8 es_MX.ISO8859-1 es_MX.UTF-8 et_EE.ISO8859-1 et_EE.ISO8859-15 et_EE.UTF-8 eu_ES.ISO8859-1 eu_ES.ISO8859-15 eu_ES.UTF-8 fi_FI.ISO8859-1 fi_FI.ISO8859-15 fi_FI.UTF-8 fr_BE.ISO8859-1 fr_BE.ISO8859-15 fr_BE.UTF-8 fr_CA.ISO8859-1 fr_CA.ISO8859-15 fr_CA.UTF-8 fr_CH.ISO8859-1 fr_CH.ISO8859-15 fr_CH.UTF-8 fr_FR.ISO8859-1 fr_FR.ISO8859-15 fr_FR.UTF-8 ga_IE.UTF-8 he_IL.UTF-8 hi_IN.ISCII-DEV hi_IN.UTF-8 hr_HR.ISO8859-2 hr_HR.UTF-8 hu_HU.ISO8859-2 hu_HU.UTF-8 hy_AM.ARMSCII-8 hy_AM.UTF-8 is_IS.ISO8859-1 is_IS.ISO8859-15 is_IS.UTF-8 it_CH.ISO8859-1 it_CH.ISO8859-15 it_CH.UTF-8 it_IT.ISO8859-1 it_IT.ISO8859-15 it_IT.UTF-8 ja_JP.SJIS ja_JP.UTF-8 ja_JP.eucJP kk_KZ.UTF-8 ko_KR.CP949 ko_KR.UTF-8 ko_KR.eucKR lt_LT.ISO8859-13 lt_LT.UTF-8 lv_LV.ISO8859-13 lv_LV.UTF-8 mn_MN.UTF-8 nb_NO.ISO8859-1 nb_NO.ISO8859-15 nb_NO.UTF-8 nl_BE.ISO8859-1 nl_BE.ISO8859-15 nl_BE.UTF-8 nl_NL.ISO8859-1 nl_NL.ISO8859-15 nl_NL.UTF-8 nn_NO.ISO8859-1 nn_NO.ISO8859-15 nn_NO.UTF-8 pl_PL.ISO8859-2 pl_PL.UTF-8 pt_BR.ISO8859-1 pt_BR.UTF-8 pt_PT.ISO8859-1 pt_PT.ISO8859-15 pt_PT.UTF-8 ro_RO.ISO8859-2 ro_RO.UTF-8 ru_RU.CP1251 ru_RU.CP866 ru_RU.ISO8859-5 ru_RU.KOI8-R ru_RU.UTF-8 se_FI.UTF-8 se_NO.UTF-8 sk_SK.ISO8859-2 sk_SK.UTF-8 sl_SI.ISO8859-2 sl_SI.UTF-8 sr_RS.ISO8859-2 sr_RS.ISO8859-5 sr_RS.UTF-8 sr_RS.UTF-8@latin sv_FI.ISO8859-1 sv_FI.ISO8859-15 sv_FI.UTF-8 sv_SE.ISO8859-1 sv_SE.ISO8859-15 sv_SE.UTF-8 tr_TR.ISO8859-9 tr_TR.UTF-8 uk_UA.CP1251 uk_UA.ISO8859-5 uk_UA.KOI8-U uk_UA.UTF-8 zh_CN.GB18030 zh_CN.GB2312 zh_CN.GBK zh_CN.UTF-8 zh_CN.eucCN zh_HK.UTF-8 zh_TW.Big5 zh_TW.UTF-8 </syntaxhighlight> === ユーザー === UNIXは、マルチユーザーシステムであり、ひとつの計算機を複数のユーザーで同時に利用することが可能です。計算機には、そのシステムを利用する権限のあるユーザそれぞれについて'''ユーザー名'''と'''パスワード'''などの認証情報を始めとするユーザー情報は登録・管理されています。計算機を利用する際は、はじめに自分のユーザー名とパスワードを入力し認証しなければなりません。これを'''ログイン'''といいます<ref>Windowsではログオンといいますが、概念は同じです。</ref>。ログインには、計算機に対し、あるユーザーが利用を開始したということを表明する働きがあります。同様に、利用を終了することを表明する手続きは、'''ログアウト'''と呼ばれます。自分が今どのユーザーとしてログインしているかを知るには、[[w:whoami|whoami]]というコマンドを使います(<code>who</code>コマンドにオプションを与え<code>who am i</code>としても類似の結果が得られますが、細部が異なります。)。 それぞれのユーザーは、私用のためのディレクトリを一個割り当てられます。これは'''ホームディレクトリ'''とよばれ、[[W:Filesystem Hierarchy Standard|Filesystem Hierarchy Standard]] に従っていれば、 <code>/home/${ユーザー名}</code> ですが、<code>root</code> はこれの例外です。ホームディレクトリには、個人に属するデータの他、アプリケーションの個人用設定ファイルなどを置くことができます。これらのファイルは、所有権が自分に属するため、後述する[[w:ファイルパーミッション|パーミッション]]によって、他のユーザーが勝手に変更を加えることができなくできます。 ==== グループ ==== 特定の複数のユーザーにのみなんらかの権限を与えたいときには'''グループ'''が用いられます。たとえば、あるファイルをグループ所有にして、そのグループの一員にのみ閲覧を許す、といったことができます。BSDによる拡張がサポートされていれば、一人のユーザーが複数のグループに属することが可能です。 ==== rootとは ==== UNIXシステムには管理者の役割をするユーザー([[W:スーパーユーザー|スーパーユーザー]])があり、名前は root で uid は 0 でグループ wheel(gid:0) に属しています。 root は、デバイス・ファイル・プロセスなど全てのコンピュータ資源に対する権限をもっています。 rootでの誤操作はシステム破壊に直結するため、自分がシステムの管理者であっても、別に一般ユーザーを作成し、root権限が必要な場合を除いて一般ユーザーで作業しなければいけません。 ==== パーミッション ==== ファイルやディレクトリについてのアクセスの権限をパーミッションといいます。パーミッションを設定することで、例えばファイルを特定のユーザーにしか閲覧できなくしたり、あらゆるユーザーが閲覧できるようにしたりすることができます。 全てのファイルには所有者と所有グループが決まっており、これに従ってアクセス権限が分けられます。すなわち、所有者、所有グループの一員、その他のユーザー、という三区分に対して独立に権限を設定することができます。設定可能な権限は以下の三つです。 ;読み取り(r) :ファイルなら閲覧、ディレクトリなら内容の表示ができます。 ;書き込み(w) :ファイルなら書き換え、ディレクトリなら内容操作ができます。 ;実行(x) :ファイルならプログラムとして実行、ディレクトリならそこに移動できます。 ファイルの消去に必要な権限は、そのファイルへの書き込み権限ではなく、そのファイルの置かれているディレクトリへの書き込み権限であることに注意してほしい。 ファイルのパーミッションは、lsコマンドに'-l'というオプションを付加することで確認できます。この場合、パーミッションは次のような表記で表されます。 rwxr-x--x この記法は、左から三文字ずつ、所有者、所有グループの一員、その他のユーザー、に対応しています。アルファベットは対応する権限があることを示し、<code>-</code>は対応する権限がないことを示す。この例では、このファイルもしくはディレクトリに対して、「所有者」は<code>rwx</code>すなわち「閲覧、書き込み、実行可能」、「所有グループの一員」は<code>r-x</code>で「閲覧、実行可能」、「その他」は<code>--x</code>で「実行可能」ということになります。 また、三桁の八進数の数値でパーミッションを表すこともあります。この場合、三つの桁は、左から所有者、所有グループの一員、その他を表す。個々の数字は三種類の権限の有無を二進法で読んだものです。例えば、r-xは二進数に置き換えると101、八進数にすると5です。 最初の例にあるrwxr-x--xなら、計算すると751です。 == よく用いられるコマンド == ここでは、UNIXを扱う上で非常によく用いられるコマンドについてまとめます。これらのコマンドは実際にはシェルの機能ではなく、一つのアプリケーションであることに注意が必要です。しかし、これらのコマンドは通常シェルから起動されることから、これらをシェルのコマンドと呼ぶことが多い。 === 基本コマンド === ==== cd ==== <code>cd</code>は、カレントディレクトリーを変更するコマンドです。 <code>cd</code>は、 change current working directory の略です<ref>chdir(2)</ref>。 cd はファイルシステム上に実行ファイルのある外部コマンドではなく、シェルの内部コマンドです。 ;:<syntaxhighlight lang=console line> $ cd / $ ls bin dev etc home lib lib64 lost+found media mnt opt postinst proc root run sbin sys tmp usr var $ cd etcd bash: cd: /etcd: No such file or directory $ cd etc $ pwd /etc $ cd $ pwd /home/user1 </syntaxhighlight> # カレントディレクトリーをルートディレクトリー(/)に変更 # ls(1) はディレクトリーにあるファイルを一覧表示するコマンド # (ディレクトリーを指定しないとカレントディレクトリーが対象になります) # etcd にカレントディレクトリーを変更しようとした # カレントディレクトリーのルートディレクトリー(/)直下には etcd はないので失敗 #* 存在しないディレクトリにカレントディレクトリーを変えることは出来ない # etc にカレントディレクトリーを変更しようとした #* これは成功してノーリアクション # pwd(1) はカレントディレクトリーを絶対パスで表示する # ルートディレクトリー(/)直下の etc なので /etc # cd にディレクトリーを指定せず実行すると # カレントディレクトリーは # ホームディレクトリーとなる ==== man ==== manは、UNIXで標準的に用いられるヘルプシステムです。manはターミナル上で全ての情報を表示することを条件として作られているため、色使いなどがあまり現代的ではない面があります。しかし、表示される情報には有用なものが多いため、たびたび用いることになるでしょう。特に個々のコマンドの細かいオプションを記憶することは現実的ではないため、機能だけを覚えておき、オプションはそのつどmanで調べるのが現実的でしょう。 このコマンドは、 :<syntaxhighlight lang=bash>$ man コマンド名</syntaxhighlight> として用いられます。manのファイルはいくつかのカテゴリーに分類されており、それらのカテゴリーには1から8の番号が付けられています。manは、対応するコマンド名が存在するかどうかを、1から順に調べていき、最初に見付かったものを表示します。そのため、同じ名前のmanが若い番号に存在するときには、後に保存されているmanは読むことができありません。このときには、見たいmanの番号を調べ、 :<syntaxhighlight lang=bash>$ man 番号 コマンド名</syntaxhighlight> のように書く必要があります。また、 :<syntaxhighlight lang=bash>$ man -a コマンド名</syntaxhighlight> のようにコマンドを用いると、コマンド名に対応するmanを全て順に表示するので、こちらを用いてもよい。 ;例:<syntaxhighlight lang=bash>$ man man</syntaxhighlight> :manについて説明したmanページを読む。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ man ls</syntaxhighlight> :[[#ls|ls]]のmanページを読む。 manがmanページを探すディレクトリは、[[w:環境変数|環境変数]]MANPATHに記憶されています。これは、多くの場合 /usr/share/manなどであり、ここにはシステムで用意されているmanページのほとんどが保存されています。システムに興味がある場合はこれらに目を通すとよい。 ==== whatis ==== whatis は、コマンド名あるいはコマンドの機能をおぼろげに覚えているときに使います。 ;形式:<syntaxhighlight lang=bash>$ whatis 文字列</syntaxhighlight> ;例:<syntaxhighlight lang=bash> $ whatis tty tty(1) - return user's terminal name IO::Tty(3) - Low-level allocate a pseudo-Tty, import constants. IO::Tty::Constant(3) - Terminal Constants (autogenerated) tty(4) - general terminal interface </syntaxhighlight> ==== info ==== info は、GNU で用いられるコマンドラインインタフェースで動作するハイパーテキストのヘルプビューアです。 :<syntaxhighlight lang=bash> $ info ノード名 </syntaxhighlight> として用います。 bash のドキュメントが読みたいのであれば :<syntaxhighlight lang=bash>$ info bash</syntaxhighlight> とします。 infoは、texinfoプログラムによって生成された.infoファイルを読み込み、ドキュメントをツリーとして表示し、ツリーを横断したり、クロスリファレンスをたどったりするための簡単なコマンドを提供しします。 基本操作 : スペースバー -- 現在のツリーノード内を下へスクロールし、現在のノードの下にいる場合は、現在のドキュメントの次のノードへ移動します、このことで情報ファイルの内容を順次読み進めることができます。 : バックスペースキー -- 反対方向に移動します。 : ] -- 現在の文書内の次のノードに移動します。 : [ -- 現在の文書で前のノードに移動します。 : n -- 現在のノードと同じレベルの次のノードに移動します。 : p -- 現在のノードと同じ階層にある前のノードに移動します。 : u -- 現在のノードの親ノードに行く。 : l -- 最後に訪れたノードに移動します。 : q -- info を終了する : カーソルをリンク(アスタリスクで始まる単語)の上に移動し、Enterキーを押すと、そのリンク先に飛ぶ。 : タブ -- カーソルを次の最も近いリンクに移動します。 ==== date ==== dateは、現在の日付と時刻を返すコマンドです。dateコマンドは、日付を設定する目的でも用いることができます。 ;例:<syntaxhighlight lang=bash>$ date</syntaxhighlight> :現在の日付時刻を返します。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ sudo date 日付</syntaxhighlight> :システムの日付時刻を設定します。 ::スーパーユーザー権限が必要で、非可逆な行為です。 ::また、現在はネットワークで繋げないでUNIXシステムを運用するケースは稀で、ntpで時刻同期管理するので、システムのクロックに手動介入する必要はありません。 dateも、システムの[[w:ロケール|ロケール]]によって、表示を変えます。 :<syntaxhighlight lang=bash> $ LC_ALL=en date Thu Jun 1 19:08:03 JST 2006 $ LC_ALL=ja_JP.UTF-8 date 木 6 1 19:08:07 JST 2006 </syntaxhighlight> :ここでは、ロケールを英語にした場合と日本語にした場合を示しています。ロケールについては後述。 ==== su ==== [[w:su|su]]は、一時的に管理者権限を手に入れたいときに使う。設定ファイルを書き換える時など管理者権限が必要なときに用いられます。 ;例:<syntaxhighlight lang=bash>$ su</syntaxhighlight> :管理者権限を持ったシェルを起動します。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ su -</syntaxhighlight> :管理者権限を持ったシェルを起動すると同時に、環境変数をrootの変数で置き換えます。 <!-- NetBSDのソースでは、 usr.bin/su/su.c -lオプションでも同じことが起こます。実際マニュアルにもそう記述されていたが、他の環境でも同じであるかが不明なのでここでは書かありません。 --> ==== sudo ==== sudoのあとに管理者権限で実行したいコマンドを書く ;例:<syntaxhighlight lang=bash>$ sudo apt update</syntaxhighlight> === テキスト関係 === ==== テキスト閲覧 ==== まず、閲覧したいテキストファイルのある場所まで、cdコマンド(シェルのディレクトリ移動のコマンド)で移動します。 ファイルを表示する場合、 :more :less :cat などのコマンドがあります。 これらのコマンドの内容の違いは、テキストファイルを表示するさいに、一括で出力するか、それとも段階的に出力していくかといった、違いです。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ more sample.txt</syntaxhighlight> :のように入力します。なお、これはファイルsample.txtの内容を表示するコマンドです。 つまり more ファイル名 の書式です。 ===== more ===== moreでは、大きなテキストの場合には段階的に、冒頭から出力していく。表示しているテキストの続を見たい場合はエンターキーを押すなどすると、続きが表示されます。 ===== less ===== 大きなテキストの場合には段階的に、冒頭から出力していく。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ less sample.txt</syntaxhighlight> :sample.txtの内容を表示します。 表示しているテキストの続を見たい場合は :エンターキーを押すと、続きが表示されます。 :マウスの中央ホイールによるスクロールでも、テキストの続きが表示されます。 また、長い標準出力を見るのにも使う ;例:<syntaxhighlight lang=bash>$ ls /etc | less</syntaxhighlight> :lessは他のコマンドと比べると大きいファイルで、内容も豊富です。詳細な内容は、manを参照すること。 ===== cat ===== ファイルの内容を最後まで表示します。複数のファイルが指定された場合にはそれらのファイルを続けて表示します。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ cat sample.txt sample2.txt</syntaxhighlight> sample.txtとbbbの内容を連続して標準出力に出力します。 : catコマンドでは、テキスト出力はファイルの最後まで中断することなく行われます。 : コンソールには表示画面が残されていますが、すでにシャルのコマンドの受付に戻っており、cat は終了しています。 ==== テキスト操作 ==== ===== tr ===== trは、ファイル中の特定の文字列を置き換える働きをします。 :<syntaxhighlight lang=bash> $ grep abc /usr/share/dict/words abcoulomb Babcock crabcatcher dabchick $ grep abc /usr/share/dict/words | tr abc xyz xyzoulomy Bxyzozk zrxyzxtzher dxyzhizk </syntaxhighlight> : ファイル /usr/share/dict/words から abc を含む行を表示 : その結果を、パイプラインを通して受取り a -> x, b -> y, c -> z にそれぞれ1文字ずつ置き換えて表示 ===== cut ===== cutはファイル内である列を取り出す。列の内容はオプションによって指定でき、-cオプションでは文字数が指定されます。一方、-fオプションでは-dオプションで指定されるデリミタによって分割されるフィールドが使われます。 :<syntaxhighlight lang=bash> $ grep ^cats /usr/share/dict/words catskin catstep catstick catstitch catstitcher catstone catsup $ grep ^cats /usr/share/dict/words | cut -c 5 k t t t t t </syntaxhighlight> : ファイル /usr/share/dict/words から先頭が cats ではじまる行を表示 : その結果を、パイプラインを通して受取り先頭から5文字目を表示 :<syntaxhighlight lang=bash> $ cat sample.txt a b c d e f g h $ cut -f 2 -d ' ' sample.txt b f </syntaxhighlight> : deimitor を ’ ’ として、2 field 目を表示 ===== paste ===== === ファイル操作 === ==== ls ==== <code>ls</code>とだけコマンド入力した場合には、カレントディレクトリの中身を記述します。作成したファイルやディレクトリが実際にディレクトリ内に存在するかどうかを確かめるために用いることができます。 :<syntaxhighlight lang=bash> $ ls ディレクトリ名 </syntaxhighlight> : と入力した場合、そのディレクトリが存在するならば、そのディレクトリ名の中身が表示されます。 ;例:<syntaxhighlight lang=bash> $ cd ~/p5 $ ls defer.pl finally.pl hello.pl oct.pl pt.pl ver.pl </syntaxhighlight> ;例:<syntaxhighlight lang=bash> $ ls Go 3sieve.go ebnf.txt geocoord.go hello prime.go std.rb 7.go fib.rb ggg.go httpclient.go prime.rb std.txt CVS fibo go2.go info.go recfc.go stdlib.txt anon.go fibo.arm.objdump go3.go isprime sieve.go stringer clink fibo.go go4.go isprime.go sieve2.go stringer.go conv.go fibo.o go5.go lifegame.go sieveX.go ticker.go create.go fibo.objdump gogo.go lifegame.go.000 sig.go vro.go dac ftes.txt goroutine.go ois3.go spec vro.json digestauth generics.go gxx.go osos.go spec-ebnf.rb websv.go $ ls NoExist ls: NoExist: No such file or directory </syntaxhighlight> : ls に1つ以上の単語を伴って実行すると :: ファイルがあれば、その名前を表示します。 :: ディレクトリがあれば、その中のファイルの一覧を表示します。 :: ファイルもディレクトリも存在しない場合は、その旨が標準エラー出力に出力されます。 lsにはいくつものオプションがあるが、よく用いるものをまとめます。-lは、ファイルやディレクトリについてより詳細な情報を与えます。情報は、パーミッション、ファイルサイズ、作成者、作成された時間、最後に変更された時間などです。実用上は、-lだけではなく、-hもつけるとファイルサイズが人間にとって読みやすい形でかかれるため、使いやすくなります。 -a は、ディレクトリ内にある全てのファイルを表示します。通常のlsでは、最初が.から始まるファイルやディレクトリは表示されありません。これは、設定ファイルやアプリケーションが内部的に用いるファイルが毎回表示されると場所塞ぎだからです。これらが存在するかどうかを調べるためには、明示的に-aオプションを用いる必要があります。 -Rオプションは、ディレクトリを[[w:再帰|再帰]]的に降下してファイルを表示します。再帰的とは、ファイルが存在すればそれを表示し、ディレクトリが存在すればそのディレクトリに移動し、再びls -Rと同じ作業を行うという意味です。結局カレントディレクトリ以下に置かれているファイルが全て表示されます。大きなディレクトリ内でこれを実行すると結果を得るのに時間がかかるため、控えた方がよいでしょう。しかし、探したいファイルがあるときにはこれを使うのがよいでしょう。 ;例:<syntaxhighlight lang=bash>$ ls</syntaxhighlight> :カレントディレクトリ内のファイルとディレクトリを表示します。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ ls /bin</syntaxhighlight> :/binにあるファイルを表示します。/binには、重要なコマンドが保存されています。 :ls、後に述べるcp、mkdirなども通常ここに含まれています。一方、manや通常のアプリケーションは/usr/binに含まれています。 このようなファイルシステムの階層は、[[W:Filesystem Hierarchy Standard|Filesystem Hierarchy Standard]]で標準規格化されており、 man hier で参照できます。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ ls -R /usr/include</syntaxhighlight> :/usr/include内に含まれるファイルを再帰的に全て表示します。 :/usr/include内にはC言語などを用いる際に必要になるヘッダファイルが含まれています。 :システムに必要なヘッダファイルが存在するかを調べるために、このディレクトリを調べることが多い。 ==== cp ==== cpは、ファイルをコピーするコマンドです。cpの使い方は、 :<syntaxhighlight lang=bash>$ cp コピーされるファイル名 コピー先のファイル名</syntaxhighlight> となります。 cpもいくつかのオプションを持つ。-iは、コピー先のファイルが存在するときにそのファイルを上書きするかどうか尋ねるようにするオプションです。このオプションが無いときには、cpはコピー先のファイルを勝手に消去し、その上に指定されたファイルを上書きします。この振舞いはしばしば重大な失敗をひき起こすため、-iオプションはできる限り常に用いるようにした方がよいでしょう。システムによっては、[[w:エイリアス|エイリアス]]などの機能を駆使して、これらの振舞いが通常となるように設定している場合もあります。 しかし、システムを過信せず、自分で気をつける方が望ましい。-fオプションはこの反対で、-iオプションが付けられていたとしても上書きの前に注意を促さないよう動作させます。これは多くのファイルを上書きする際に、通常の振舞いが-iオプションありであったときには非常に不便であることから用いられます。-Rオプションは、指定されたディレクトリを再帰的にコピーします。この機能はよく用いられるが、似た振舞いを持つコマンドとしてtarがあり、また新しいファイルの多くがtarファイルで供給されることを考えると、それほど使わずに済むかも知れありません。 ;例:<syntaxhighlight lang=bash>$ cp -i sample.txt documents/</syntaxhighlight> カレントディレクトリ内にあるsample.txtというファイルを、documentsディレクトリ内にコピーします。-iオプションがあるため既にdocuments内に同名のファイルがあったときには警告が表示されます。 ==== その他 ==== ===== mv ===== mvは、cpと違い指定されたファイルを指定された場所に移動するコマンドです。移動された元のファイルは消去されます。mvは次のように用いられます。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ mv 移動元のファイル名 移動先のファイル名</syntaxhighlight> mvにも-iと-fのオプションがあります。これらの動作は、cpの対応物と同じです。mvはファイル名を変更する場合にも用いられます。すなわち、AというファイルをBという名に変更するときは、AをBに移動すると考えmv A Bを使用します。 ===== rm ===== rmは、指定したファイルを消去するコマンドです。GUIの'ゴミ箱'と違い一度消去したファイルは取り戻せないので、注意が必要です。不測の事態を避けるために、作成したファイルはこまめに[[w:バックアップ|バックアップ]]を行うことが望ましい。バックアップにはtarコマンドなどが多く用いられるが、この使い方は後述します。rmコマンドは :<syntaxhighlight lang=bash>$ rm 消去するファイル名</syntaxhighlight> として用います。 rmもcpやmvとおなじ-iと-fコマンドを持つ。不測の事態を避けるため、-iは常に用いることを推奨します。rmコマンドは再帰的に消去を行う-Rオプションを持つ(-rオプションも同じ意味であります)。大きなディレクトリを消去するときには、このオプションは事実上必須であるが、強い効果を持つコマンドなので、使用時には細心の注意が必要です。 rmのよくある失敗例は、.から始まるファイルを全て消去しようとして、 :<syntaxhighlight lang=bash>$ rm -R .*</syntaxhighlight> とすることです。.*は、..(親ディレクトリ)も含むため、これは親ディレクトリ以下に含まれるファイルを全て消去するコマンドになってしまう。そのため、このようなコマンドを行うことは絶対に避けねばなりません。このときにも-iオプションをつければ消去を行う前に警告が出るので、危険が少なくなります。 ===== mkdir ===== <code>mkdir</code>は、、ディレクトリを作成するコマンドです。 ;形式:<syntaxhighlight lang=bash>$ mkdir 作成するディレクトリ名</syntaxhighlight> ===== rmdir ===== <code>rmdir</code>は、、ディレクトリを消去するコマンドです。 ;形式:<syntaxhighlight lang=bash>$ rmdir 消去するディレクトリ名</syntaxhighlight> :rmdirは、指定されたディレクトリが空であるときのみディレクトリを消去します。 :中にファイルやディレクトリが入っているディレクトリを消去するときには、前述の :<syntaxhighlight lang=bash>$ rm -r ディレクトリ名</syntaxhighlight> :を用います。 ===== pwd ===== pwd(1)はカレントディレクトリの絶対パスを表示します。 ;例:<syntaxhighlight lang=bash> $ pwd /home/user1/work </syntaxhighlight> : (カレントディレクトリが /home/user1/work であった場合) ===== touch ===== <code>touch</code>は、、指定されたファイルの更新日時を変更します。指定されたファイルが存在しないとき、touchは、ファイルを作成します。ファイルが存在した場合はタイムスタンプを更新します。一度に複数のファイルを作成することもできます。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ touch sample.txt sample2.txt sample3.txt</syntaxhighlight> : sample.txt sample2.txt sample3.txt それぞれに、「存在しなければ0バイトのファイルを作り、存在したら内容は変えずタイムスタンプだけ更新」という処理を行います。 ===== ln ===== ファイルのハードリンクあるいはシンボリックリンクを作ります。 リンクは、Unixのファイルシステムに固有の機能で、ファイルにはパスと内容(データとメタデータの総体)がある、複数のパスが同じ内容を示すことができます。 ;例:<syntaxhighlight lang=bash> $ mkdir ln.d $ cd ln.d/ $ echo abc > file.txt $ cat file.txt abc $ ln file.txt linked.txt $ echo uvw >> file.txt $ cat linked.txt abc uvw $ echo xyz >> linked.txt $ cat file.txt abc uvw xyz $ ls -i 2654371 file.txt 2654371 linked.txt </syntaxhighlight> === 正規表現 === [[w:正規表現|正規表現]]はあるルールで指定される文字列の集合のことを指す。正規表現を用いて複数のファイルを指定したり、文書中から当てはまる文字列を検索することができます。正規表現自体はあらゆるOS上で利用される技術ですが、特にUNIXのシェルには正規表現を用いる技術が多くあるのでここでまとめます。 正規表現は複数の文字列が当てはまる'性質'を示す事ができます。例えば、a,aa,aaa,aaaa,... などの文字列はaが連続的に並ぶという性質を持っています。このような名前のファイルを同時に消去したいときには、aが連続的に並ぶという性質を指定できると便利です。[[w:egrep|egrep]]や[[w:Perl|Perl]]等の正規表現を扱えるソフトでは、この集合を^a+$と指定することができます。ここでは正規表現について詳しくは触れないので、詳しい情報は、'詳説 正規表現(オライリージャパン)'などを参照して欲しい。 ==== grep ==== <code>grep</code>は、ある正規表現とファイルを指定して、その正規表現に当てはまる行をファイル中から取り出す。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ grep aaa f.txt</syntaxhighlight> のように用います。(文中にaaaという文字列を含む)f.txtの内容が aaabbbcccddd eeefffggghhh なら、 aaabbbcccddd が出力されます。正規表現が^ddd(行がdddで始まます)だったときには、当てはまる行が無いので何も出力されません。ddd$(行がdddで終ます)では、 aaabbbcccddd が出力されます。 ==== find ==== <code>find</code>は、ディレクトリを再帰的に降下し、条件に当てはまるファイルを見付けるコマンドです。findの書式は非常に複雑になるので、詳細についてはここでは触れありません。対応するmanなどを参照。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ find .</syntaxhighlight> 条件無しにカレントディレクトリ以下のファイルを表示します。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ find . -name f.txt</syntaxhighlight> カレントディレクトリ以下のファイルで名前がf.txtのファイルを表示します。nameオプションには [[w:グロブ|glob]] を用いることができます。例えば、 :<syntaxhighlight lang=bash>$ find . -name 'f*.txt'</syntaxhighlight> は、fではじまり.txtで終わるファイル(file.txt, ffff.txt, ...などがあてはまます)を探す。 シングルクォーテーション(')で囲んでいるのは、カレントディレクトリにある f*.txt とのマッチングを行わせないため。 == シェルスクリプト == 上のコマンドの例では、コマンドは全て1つずつ入力され、 それぞれのコマンド実行に対してそれぞれの結果が返ってきた。 このように上記の例ではすべてシェルを対話的に扱ってきたが、 あらかじめシェルに実行させたいコマンドをファイルに書いておき、 これをまとめてシェルに実行させることも可能です。 このコマンドを書いたファイルをシェルスクリプトと呼ぶ。 シェルスクリプトの書き方はシェルの種類によって異なるので、 以下ではLinuxやMac OS Xの標準のシェルであるbash (Bourne Again Shell) を例にとって説明します。 === 最初のシェルスクリプト === シェルスクリプトとは言っても、基本的にはコマンドを書き並べたものです。 :<syntaxhighlight lang=bash> #!/bin/bash /bin/echo /usr/bin/uname </syntaxhighlight> たとえば、テキストエディタの新規ファイルに上記をコピーペーストして、これをたとえば「test.sh」という名前でカレントディレクトリに保存します。 このファイルを実行可能にします。 chmod +x test.sh 実行するには、コマンドラインで ./test.sh とコマンドすればいいです。 なお、上記コードは、「はじめにhelloと表示し、次にOSの名前を表示する」シェルスクリプトです。 1行目のコメントには特殊な意味があるので後述します(Shebang!)。 == プロセス管理 == UNIXでは複数のプロセスを同時に動かせます。ここでは、実際に複数のプロセスを動かす方法を述べます。プロセスは互いに独立で、通常は別のプロセスの動作にかかわり無く動く。そのため、他のプロセスの動作を制御したいときには、[[w:シグナル|シグナル]]を利用する必要があります。シグナルは、他のプロセスに送ることができ、プロセスを中断する等の効果があります。 === & === &は、コマンドの後につけてそれをバックグラウンドで動かす機能があります。これは複数のプロセスを起動したい時に用いられます。 ;例:<syntaxhighlight lang=bash>$ xterm &</syntaxhighlight> X Window Systemの起動中に新たな端末を開くときに用られます。xterm自体も1つのX Window Systemにおけるクライアントアプリケーションです。 === シグナル === ; HUP : 制御端末が閉じられたときにプロセスに送信されるシグナルです。もともとは、シリアルラインドロップをプロセスを通知するように設計されていました。 ; INT : INTは、interrupt(割り込み)の意味を持つシグナルで、プロセスを中断させます。 ; TERM : TERMは、terminate(終了)の意味を持つシグナルで、プロセスを終了させます。 ; KILL : 強制終了 シグナルに対する応答は、プログラム中で書き換えることができます。次の例では、INTシグナルに対する応答を書き換えています。 ;sig.c:<syntaxhighlight lang=c> #include <signal.h> #include <stdio.h> #include <stdlib.h> #include <unistd.h> void sigint() { puts("catch SIGINT"); fflush(stdout); exit(1); } int main() { signal(SIGINT, sigint); while (1) sleep(5); } </syntaxhighlight> :<syntaxhighlight lang=bash>$ ./a.out</syntaxhighlight> 別のシェルから、 :<syntaxhighlight lang=bash>$ killall -INT a.out</syntaxhighlight> とすると、./a.out を実行していたターミナルに <code>catch SIGINT</code> が表示されます。 <small>ここでは分かりやすさのためにsignal()関数を用いたが、実用的なプログラムを作る際にはsignal()関数ではなくsigaction()関数を使うべきです。</small> === ps === <code>ps</code>は、現在実行されているプロセスを表示します。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ ps</syntaxhighlight> 現在自分が実行しているプロセスを表示します。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ ps ax</syntaxhighlight> 自分だけでなく他のユーザーが実行したプロセスも表示します。このオプションは、[[w:デーモン|デーモン]]プロセスを見るためによく用いられます。 === kill === <code>kill</code>は、、他のプロセスにシグナルを送るコマンドです。killはプロセスID(pid)を引数としてとるので、シグナルを送りたいプロセスがあるときには、あらかじめpsコマンドなどを用いてpidを手に入れておく必要があります。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ kill 3456</syntaxhighlight> プロセスID3456に、TERMシグナルを送ます。TERMシグナルは送るシグナルを指定しなかった時に使われるシグナルです。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ kill -INT 3456</syntaxhighlight> プロセスID3456に、INTシグナルを送ます。送るシグナルは-(シグナル名)で指定することができます。実際に指定できるシグナルについては、$ man killを参照すること。 * 注意 bashには、ビルトインコマンドの1つとしてkillがあります。このため、killが実行ファイルとして存在したとしても、実際に実行されるのはビルトインコマンドの方です。 ;例 :<syntaxhighlight lang=bash>$ kill %1</syntaxhighlight> はjobsで表示されるプロセスにシグナルを送ます。しかし、 :<syntaxhighlight lang=bash>$ /bin/kill %1</syntaxhighlight> は、 :<syntaxhighlight lang=text>kill: illegal process id: %1</syntaxhighlight> :を返します。 :これは %1 は、shell のジョブコントロール機能の管理番号で、外部コマンドである /bin/kill の預かり知らないところであるためです。 === killall === psmiscに含まれるkillallは、プロセスIDではなく、プロセスの名称を用いてシグナルを送ることができます。 :<syntaxhighlight lang=bash>$ killall a.out</syntaxhighlight> a.outは、(おそらく)Cプログラムの実行ファイルです。自作したプログラムにシグナルを送るときに用います。 === jobs === シェルが、複数のプロセスやプロセスグループを管理する機能を、ジョブコントロールと言います。 ジョブコントロールは、BSD Unix上の csh に実装されました。 <code>jobs</code>は、シェルのbuiltinコマンドで、bashを使っているなら、$ man bash内にjobsのmanも置かれています。jobsは、現在自分が動かしているプロセスを表示します。 ;例 :<syntaxhighlight lang=bash>$ jobs</syntaxhighlight> === top === <code>top</code>は、、動いているプロセスを指定された順序で並びかえ、一定時間毎に表示します。 ;例 :<syntaxhighlight lang=bash>$ top</syntaxhighlight> == デバイスファイル == デバイスファイルはコンピュータに接続された機器にアクセスするためのファイルです。デバイスファイルは、デバイスへのインターフェースでありデバイスそのものではないため、デバイスファイルを削除しても(通常は)問題がありません。例えば、/dev/hda1を削除しても、ハードディスクの中身が消えることはありません。 また、デバイスファイルはたいてい/dev以下に置かれるが、それ以外の場所においても同じように扱うことができます。ただし、デバイスファイルはデバイスの識別のためにメジャー番号とマイナー番号を持っているため、それらはデバイス毎に使い分ける必要があります。 デバイスファイルを作成するには、mknodコマンドを用います。mknodは作成するファイルの名称、メジャー番号、マイナー番号、デバイスの種類を指定して作られます。デバイスの種類とは、b:ブロック型、c:キャラクタ型のどちらかです。 --> == エディタ == 慣用的に、シェルで、テキストファイルを作成、編集するためのソフトウェアのことが、単に「[[w:エディタ|エディタ]]」と呼ばれています。UNIXの設定ファイルはほとんどがテキストファイルであるため、エディタの重要性は大きい。 === vi === [[w:vi|vi]]は広く用いられるUNIXのテキストエディタです。viはほとんど全てのシステムで用意されているため、基本的な設定ファイルの記述にはこのエディタが用いられることが多い。ただし、動作が他のエディタとは異なっているため、その使用には好みがわかれるエディタでもあります。 実際に、vi とタイプして起動されるコマンドは、nvi であったり vim のような互換エディタであることが多いです。 {{Main|[[vi]]}} == Xウィンドウシステム == XウィンドウシステムはUNIX上で[[w:GUI|GUI]]を実現するためによく用いられるプログラムです。 == Linuxとは == [[w:Linux|Linux]]とは、1991年にフィンランドのプログラマ[[w:リーナス・トーバルズ | リーナス・トーバルズ]]がヘルシンキ大学在学中に<!-- [[w:Minix|Minix]] --->Minixより優れたMinixを作るために立ち上げたプロジェクトで開発し[[w:GPL|GPL]]で公開した[[w:Linuxカーネル|Linuxカーネル]]を元にしている[[w:オペレーティングシステム|OS]]です。 公開当初は、とても貧弱であったが、すぐにハッカー達の支持を受け利用者を増やしていった。安価で手軽にUNIXと類似の環境を得られることからインターネット・サーバとして頻繁に利用されるようになってきた。 === GNUについて === Linuxはカーネルしかなく、Linuxのみで動かすことは出来なかった。しかし、フリーなオペレーティングシステムを作ることを目的としていたGNUプロジェクトは、カーネルや、一部のデーモンなど以外をフリーなソフトウェアとして完成させてていた。GNUのglibcやBash、その他の多くのコマンドといった主要なソフトウェアとLinuxにのカーネルを組合わせることで、実際に動かして使うことのできるオペレーティングシステムを作ることが出来ました。そのため、LinuxのカーネルとBashやglibc、gcc、などといった主要なソフトウェアを合わせてGNU/Linuxと呼ぶこともあり、GNUプロジェクトなどは推奨しています。 Linuxに収められているソフトの多くは、[[w:GNU|GNU]]の[[w:GPL|GPL]]や[[w:LGPL|LGPL]]といったライセンスで配布されています。 === Linuxの種類 ディストリビューション=== Linux ディストリビューション[a](しばしばディストロと略されます)は、Linux カーネルと、多くの場合パッケージ管理システムを含むソフトウェアの集合体から作られたオペレーティング・システムです。 Linuxユーザーは通常、Linuxディストリビューションの1つをダウンロードしてOSを入手する<ref>Linux From Scratch という、すべてのコンポーネントを手動で構築して、動作する Linux システムをインストールする方法もあります。これには当然ながら、コンパイル済みのLinuxディストリビューションをインストールするよりも長いプロセスが必要です。[https://www.linuxfromscratch.org/ Linux From Scratchのサイト]によると、この方法の利点は、コンパクトで柔軟かつ安全なシステムと、Linuxベースのオペレーティングシステムの内部動作のより深い理解が獲得できることです。</ref>。 パッケージ管理システムは、後述しますが、Debian系ではDEB、RedHat系ではRPMが主に使われます。 ====ディストリビューションの分類==== ディストリビューションの系統として主にパッケージ管理システムの違いによって3種に分類されるが、どれにも属さないものもあります。 ; Red Hat 系:[[w:RPM|RPM]]と呼ばれるパッケージ管理システムを持っています。Red Hat Enterprise Linux、Fedora、CentOS など。 ; Debian 系:dpkg という RPM 形式よりも強力なパッケージ管理システムを持っています。Debian GNU/Linux や KNOPPIX、Ubuntu、Linux Mint など。 ; Slackware 系:Red Hat 系のような固有のパッケージ管理システムは無く、ユーザが自分でソフトウェアや、そのソースファイルを管理します。自由度が高いが、知識が必要。Slackware や Plamo Linux。 ==== 主なディストリビューション ==== よく使用されているディストリビューションを以下に挙げます。 ; Red Hat Enterprise Linux:企業におけるサーバシステムの構築やクライアント利用のためのディストリビューション。RHELと略されます。 ; CentOS stream:Fedoraでの上流開発とRHELでの下流開発の間に位置する中流Linuxディストリビューションです。 ; Fedora(旧Redhat Linux):将来のRHELに組み込まれる予定の新機能などをテストしたりするための、上流Linuxディストリビューションです。 ; Debian GNU/Linux [http://debian.org/ Debian Project]:非企業のコミュニティ主体のOSのひとつです。最古参のディストリビューションの一つで、現在開発されているLinuxディストリビューションの中でSlackwareの次に昔からあるLinuxディストリビューション。独自のパッケージ管理システム deb を採用しています。インストールが難しい、と言われていたが、Debian-Installer Project によって改善された。Debian LiveにあるインストーラーはCent OSなどと同じインストーラーを使っており、Debianインストーラーより更に使いやすくなっています。また、UbuntuやMint Linuxのような主要なOSのベースとなっています。 ; Ubuntu:Debianから派生したディストリビューションであるが、Canonicalという企業が開発を主導しています。デスクトップでの使用をメインにしており、現在では人気の高いディストリビューション。 ; SUSE Linux (現 openSUSE):欧米で人気が高く、歴史が古い。先進的ではあるが安定的でないカーネルを搭載するのを避け、少し枯れてはいるが安定性の高いソフトウェアを採用しています。また、Xgl、AppArmor等の開発でも知られます(一部[https://ja.wikipedia.org/wiki/OpenSUSE openSUSE]より引用)。 ; Gentoo Linux [http://www.gentoo.gr.jp/ Gentoo Linux Users Group Japan]:FreeBSD の ports に似た独自のパッケージ管理システム portage を採用し、ソースコードからのビルドを基本とするため、さまざまなシステムを思った通りに構築できます。このため、メタ・ディストリビューションとも呼ばれています。Google Chrome OSは当初Ubuntuをベースに開発されていたが、2010年2月に portage を採用するため、ベースOSをUbuntuからGentooに変更した<ref name="Change_Gentoo">{{Cite web |url=http://www.atmarkit.co.jp/news/201002/18/gentoo.html/ |title=Chrome OS、クロスコンパイルにGentooのPortage採用 |publisher=ITmedia |date=2010-02-18 |accessdate=2022/06/27 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20100220064317/http://www.atmarkit.co.jp/news/201002/18/gentoo.html |archivedate=2010-02-20 }}</ref>。 === Linuxで動作するソフト === * [[w:GNU|GNU]] [[w:Emacs|Emacs]], [[w:vi|vi]]([[w:Vim|Vim]]) テキストエディター * [[w:Mozilla Firefox|Mozilla Firefox]] Webブラウザ * [[w:Mozilla Thunderbird|Mozilla Thunderbird]] メーラー(メールクライアント)・RSSリーダー * Opera Webブラウザ統合(Webブラウザ・メール・RSS・IRC) * [[OpenOffice.org]] オフィス統合(ワープロ、表計算、プレゼンテーションソフトなど) * [[GIMP]] 画像処理 * [[w:LaTeX|LaTeX]] [[w:組版|組版]] * [[w:Samba|Samba]] * [[w:Apache|Apache]] WWWサーバ * [[w:BIND|BIND]] [[w:DNS|DNS]]サーバ * xmgr * [[w:GCC|GCC]] [[w:コンパイラ|コンパイラ]] * [[w:MATLAB|MATLAB]] * [[w:Mathematica|Mathematica]] 数学処理 * [[w:Adobe Acrobat|Adobe Acrobat]] * [[w:Xpdf|Xpdf]] ==== X Window System ==== UNIX上で動くGUI環境に、[[X Window System]]があります。これは、サーバー / クライアント方式でグラフィカルな環境を提供するもので、通常はこの上に各種ツールキットを使ってGUI環境を構築します。 昔は、ツールキットや、デスクトップ環境、各種ソフトウェアが別々に配布されており、デスクトップの環境を作るのが大変でした。それを解決するものとして、ツールキット、デスクトップ環境、各種ソフトウェアなどをまとめて、統合デスクトップ環境というものが作られた。 主な統合デスクトップ環境に[[w:GNOME|GNOME]]、[[w:KDE|KDE]]、[[w:LXDE|LXDE]]、[[w:Xfce|Xfce]]、[[w:Window Maker|Window Maker]]などがあり、ツールキットはGNOME系では主に[[w:gtk|Gtk]]、KDE系では主に[[w:qt|Qt]]、が使われ、他にも[[w:wxWidget|wxWidget]]などがあります。これらを使ってグラフィカルなアプリケーションを作成出来ます。 特にGNOME、KDEは、テキストエディタやファイルマネージャー、オフィスアプリケーションなどの周辺アプリケーションもあわせて提供されており、まとめて導入することによって、WindowsやMac OSなどといった先行するオペレーティングシステムに負けない程度の環境を作ることが出来ます。現在はGNOMEが優勢で、他にもとても軽量なLXDEなどを使う人も増えています。 == 脚註 == <references /> == UNIX/Linux リンク == * [[:en:Linux]] * [[:en:Guide to Unix]] {{DEFAULTSORT:UNIX/Linuxにゆうもん}} [[Category:UNIX]] {{NDC|007.63}}
2004-08-29T09:15:37Z
2024-03-03T11:16:50Z
[ "テンプレート:NDC", "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:See also", "テンプレート:Main", "テンプレート:Cite web" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/UNIX/Linux%E5%85%A5%E9%96%80
598
東工大対策
本項は、東京工業大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。 東京工業大学のホームページ(入学試験の概要が記載されている)http://admissions.titech.ac.jp/ 東京工業大学(東工大)は旧官立工業大学を起源をもつ、我が国最初の理工系総合大学である。 ※東京医科歯科大学との統合に伴い、2024年度実施分をもって「東京工業大学」としての募集は終了。2025年度実施分より「東京科学大学(新名称)」としての募集となる見込み。以下は、2024年度入試実施分までの情報である。 入学試験の募集区分、及び入学後の所属は「学院(理学院,工学院,物質理工学院,情報理工学院,生命理工学院,環境・社会理工学院の6区分)」となる。 2021年度実施分より、「一般選抜・前期日程」(全6学院)・「総合型選抜」(理学院を除く5学院)・「学校推薦型選抜」(理学院のみ)の3区分での選抜方式となる。出願用件として「一般選抜・前期日程」(全6学院)・「総合型選抜」(理学院を除く5学院)は現役・既卒を問わず出願できるが、「学校推薦型選抜」(理学院のみ)は現役のみ出願可能である。また、「一般選抜・前期日程」と「総合型選抜」については、志願者数に応じて二段階選抜が導入されることとなる。志願者数に応じた二段階選抜が導入されるのは、実に10年ぶりのこととなる。 「一般選抜・前期日程」・「総合型選抜」・「学校推薦型選抜」の3区分何れも受験は必須である。大学側が受験を要求する科目は全て受けていなければならないが、大学側が受験を要求する科目にしっかりと注意をして「必須科目の未受験」を避けることが必要である(特に社会だが、地歴A/倫理/政経は選択不可)。例えば、第一解答科目が地理A、第二解答科目が現代社会とすると、第一解答科目が選択不可の科目であるので必須科目の未受験ありと見なされる。特に理科について「基礎」と「基礎を付さない(以後、専門とする)」に区分されたが、同校のニ科目はいずれも「専門」が必須なので、出願時にも気をつける必要がある。社会では1科目めに「地歴A/倫理/政経」、理科では「基礎」を受験すると大学側には未受験必須科目が有るとみなされるので、個別学力検査の受験すらできなくなる。 一般選抜・前期日程と総合型選抜では志願者に応じて二段階選抜が実施される。具体的には、一般選抜・前期日程では志望学院に関わらず全学院で志願者が募集人員の4倍を超えた場合、総合型選抜は志願者が各学院単位で募集人員の約2倍を超えた場合に実施される。これを以て10年ぶりに「一般選抜(前期日程)」では一次試験の得点が合否決定の際の加点対象となり、志願者数に応じた二段階選抜が復活することとなる。 また、一般選抜・前期日程では、共通テストの成績は二段階選抜の第1段階で使用される(二段階選抜が実施されなければ、その年は一切使用されない)のみで、最終合格者決定の際において加点の対象とはならない(総点に加えない)。勉強方法として一般選抜・前期日程に関して言えば、マーク模試で80~85%がコンスタントに取れるようになれば、個別学力検査の対策に重点を置くことで問題はない。特に大切なのは、個別学力検査の対策が疎かになるほどに共通テストの得点向上に力を注ぎすぎないことである。例えば、共通テスト終了後に個別学力検査の対策をゼロから開始するなどでは遅すぎる。 全6学院に対して募集が実施される。筆記試験については以下である(試験問題は、全6学院共通)。志望する学院によらず、全6学院で志願者数が4倍を超えた場合は二段階選抜が実施され、共通テストの成績による第一段階合格者(実施されなければ、所定の科目を漏れなくすべて受験した出願者全員)に個別学力検査の受験資格が与えられる。最終合格者は、個別学力検査(配点は、750点)の成績のみで決定される(共通テストの成績は総点には加えず、最終合格者決定には利用しない)。即ち、二段階選抜が実施された場合は、第一段階では共通テストの成績で合否決定がされ、第二段階では個別学力検査の成績で最終合格者が決定される(同じく共通テストの成績は総点には加えず、最終合格者決定には利用しない)。一方で、二段階選抜が実施されなかった場合は、個別学力検査の成績のみで最終合格者が決定される。学力検査の日程は2月25日と26日の2日間で、2月25日は数学(午前)・外国語(午後),2月26日は物理(午前)・化学(午後)が実施される。 学科試験として、第一日目の第一科目として行われる。東工大の数学を一言で表現するなら「重厚」という言葉がぴったりである。工業大学であるからか解析学的な問題が出やすい。当該大学は受験生に強靭かつ精密な計算力を下地にした高い処理能力を求めてきているといえよう。問題の解法は何とか思い浮かぶものの、実際に計算してみるとやる気の失せる煩雑な数式が出てくることが多い。その時にいかに諦めずに煩雑な計算を最後まで処理しきれるかが合否の鍵である。本校入学試験の最初の科目であることに加えて、個別学力検査における配点が750点中300点(全体の4割)であることより、数学の出来不出来が合否に影響することが伺える。 平成23年までは解答時間が150分で大問が4題(過去に5題または6題出題の年も有った)での出題であったが、平成24年度は解答時間が180分と延長され出題数も1978年以来の6題となった。なお、平成25年度以降は解答時間180分で5題出題である。過去問と類似した問題が出ることがたびたびあるほか、計算力を要する問題が頻出である。問題形式は全題記述式で、A4の解答冊子に計算の過程と結果を全て記述することが要求される。問題用紙には十分な計算スペースが用意されている。日頃から計算力を養っておくことは重要だが、短時間に検算を繰り返せるように細かい字で丁寧に有効にスペースを利用できるように記入する手順に慣れておく必要がある。直近2年分の解答用紙が教学社のサイトから無料でダウンロード可能であるので、有効に用いるとよい。 出題傾向としては、微分積分や数列、極限の重厚な問題が頻出である。求値問題が多く、なおかつ誘導が全くない問題が多い。これは受験生の構想力や計算力を主に見ているためだと推測される。特に微積は毎年出題されており、数学IIIの対策が最優先である。過去に東工大や難関他大学で出題された良問を誘導なしで出題することがあり、問題の全体像を描けることと高い計算力が必要となる。ある程度高いレベルでまんべんなく勉強している人にとっては、今までに全く見たことのないような問題に出会うことはないといえる。他には、難問率の高く対策が難しい整数問題、構成力の必要な計量問題などが東工大特有の問題であるといえる。どちらも、取れれば差がつくだろうが、難易度等を考えて捨てるのもひとつの手であろう。いずれも対策をするにこしたことはないが数学IIIの履修度、他教科の進み具合、出題されなかったときのリスク等を考えて慎重に行ったほうがよい(特に整数は中途半端に対策すると何一つ身につかない可能性すらある)。場合の数、確率の出題率も低いとは言えずどちらも食わず嫌いは避けたい(ちなみに確率は平成24~26年度と3年連続で出題された)。また、前期では年に1問あるいは2問程度、標準問題が出題されるのでできればそこで取りこぼしをしたくない。2014年度は4問が標準問題であった。 標準レベル(*東工大の受験生を基準)から難問までバランスよく構成されている。受験数学における最高水準の出題がなされていると言えるが、近年易化傾向にある。とはいうものの、ある年に突然難しくなることもあるので注意されたい。また、この難しい方が本来の「東工大らしい」数学である。試験時間は平成24年度より180分となったものの、問題数も増えたため難易度を考慮すると決して余裕のある時間ではない。問題にじっくり取り組める反面、難問に力を注ぎすぎて易問を落としてしまうということにもなりかねず、問題の難易度判断、時間配分も大切になってくる。 東工大の数学の問題を解けるようになるためには、高等学校で出てくる基礎的な事項や定型的な解法を一通り網羅し、使いこなせるようになっておく必要が出てくる。したがって、まずは日々の授業の内容を完全に理解するように努めるべきである。その際には、教科書で出てきた基本公式や初歩的な問題は第三者に説明できるようになるまで理解を深めることが重要である。出てきた公式は実際に自分で導いてみると良い。 その後受験用問題集を使用して演習を積んでいくことになるのだが、ただ闇雲に演習量をこなすのではなく、1題ごとにその問題の本質は何なのかじっくり考える習慣を身につけるのが望ましい。解いた問題の別解を考えてみるのも思考力を養成する上で推奨される。また、演習の際の計算は必ず最後まで自分の手で正確に書き上げるようにするべきである。ある程度計算を進めるごとに検算する癖を身につけておくとなお良い。更に受験用問題集で、大問一問に対して小問が複数存在する場合、独立して解答可能ならば問題の結論を問う「最後の小問」のみを最初から解く訓練をするのも有効と考える(誘導問題を使わずに解答する訓練をするため)。但し、注意すべき点としていきなり難問に取り掛かるのではなく、ある程度自分に見合ったレベルで始めることである。全く手も足も出ないのに時間が経って解法を見て納得して暗記する形になれば、パターンを丸暗記することと同じであり本末転倒になりかねない。大切なのは、初めて出くわす問題に対して「解法を自ら見出して解答を出す」という能力を鍛えることである。 『新作の労を惜しむ』のであろうか、東工大の過去問が再びそっくり出題されることも起こりうるので、可能ならば何十年分かは過去問に目をとしておくことが好ましい。実際、40年前に出題された問題がそっくり出題されたことがある。2008年度第1類AO入試の問題I―2で出題された問題が1993年度第四問と全く同じであったことは記憶に新しい。 合格目標点としては数学に関しては、2題完答(これは確実に取ること)+残りは部分点で5割分を狙い、全体で5割5分~6割5分が理想である。数学が非常に得意である人を除き、7割獲れれば数学に関してはほぼ合格点だが至難の技である。勿論、難易度によって変わるが、満点を狙えるほど非常に簡単な問題が5題出るとは考えにくいのでほぼ妥当と言える。5題のうち、解答をすることが比較的容易な問題を2題確実に見極めることが鍵になると言える。 学科試験として、第一日目の第二科目として行われる。英語はリーディングとライティングが出題される。 形式は2題の長文総合問題より成る。出題内容は英文和訳、和文英訳、内容説明を中心にした読解問題で構成されている。以前は自由英作文が課せられることがあったが、近年は出題されていない。ここ5年ほど、明らかに長文の語数に増加が見られ、2015年度はトータルで約3100語と長文化の傾向が定着している。試験時間は90分。 近年では2010年度の難度の高さが目立つが、全体的には、標準~やや難のレベルと言える。本文の英文量がかなり多く、語彙レベルもかなり高いので、正確な読解力に加え、集中力と速読力が求められるが、設問自体の難易度は標準レベルという印象を受ける。センター試験の選択形式のような選択問題はないが、そのような知識を使う箇所に下線が引かれていることが多い。 標準的なレベルの単語・熟語は早めに覚え、「速読英単語2 上級編」(Z会出版)などのややレベルの高い単語帳を活用し、さらに語彙力をアップさせよう。 学科試験として、第二日目の第一科目として行われる。物理は物理基礎と物理専門から出題される。問題を俯瞰すると、教科書レベルの問題から誘導していくような出題の仕方が多い。また、ほとんどの問題で導出過程を論述させている。グラフを書かせる問題も頻出であり、過去問などで対策が必要である。東工大物理を攻略するには高校物理の深い理解と計算力が必要であり、また入学後を考えても力をいれて対策すべき教科である。 大問が3つで構成され、力学と電磁気は必ず出題される。頻出分野は、力学では単振動、円運動、重心系、万有引力と物体の運動。電磁気では電磁誘導、LC回路、サイクロトロン(電場・磁場における荷電粒子のふるまい)。熱力学は熱力学第一法則を取り扱った問題、熱サイクル、気体分子運動論。波動は光・音のドップラー効果、回折格子である。 難易度的にはやや難ぐらいの問題がメインである。近年は標準レベルの問題も多い。教科書レベルの基礎事項の確認から入って、徐々に応用を織り交ぜていくといったパターンの問題が多い。 物理に対処するには闇雲に問題パターンの暗記に走るのではなく(もちろんパターン暗記もある程度必要ではあるが。)基礎基本に立ち返って問題を考える態度を身につけることが必要である。つまり、例えばエネルギー保存則の公式ひとつ取っても、その式はどのようにでてきたのか、その式は本質的には何を表しているか、そもそもエネルギーや仕事とはどういうものか誰にでもわかるように説明できるだろうか、といったことを常日頃から考えているかどうかがそのまま理解度の差、ひいては入試における点数差に結びついてくるのである。通常の授業にあたっては、出てくる数式がどういった基本原理に基づいて出てきたのかを確認し、その数式がどのような意味を持っているのか説明できるまで教科書や解説書にかじりついたり、友人や教師に質問し、理解を深めることが重要である。その上で公式などは自分で導いてみるのが良い。このようにして基礎固めを終えたのちに本格的な受験用問題集に取り掛かればよい。なお、問題演習を行う際には、ただ問題量をこなすことに終始するのではなく、1問1問に時間を費やし、その問題がどういった現象を取り扱っているのか、どういった基本法則がその現象の裏に隠れているのか考えてみると良い。また、問題の別解を考えてみたりするのも思考力の養成に一役買うだろう。 学科試験として、第二日目の第二科目として行われる。理論・無機・有機の三分野から満遍なく出題されているが、出題はかなり特殊である。それぞれの分野の最初の三、四問は題意に合う文章を一つまたは二つ選ぶものであるが、正解が一つまたは二つかどうかをも判断しないといけないため確実な知識が必要になる。 分野別の第I問~第III問の3つに分かれており、それぞれ配点50点となっている。試験時間は120分。大問一つにつき小問がつかない場合がほとんどであり、問題文も短い、小問がついても三つ以下であることが多い。現実と化学反応の関連を調べ論述する東大の問題のようなものとは異なり、教科書の知識をしっかりインプットできるかを見る問題が多い。正誤問題や計算問題に出てくる化学反応等も教科書に載っている反応がほとんどだが知識に抜けがあると間違えやすい。解答用紙には数字のみ記入するようになっており思考の過程は点数に反映されない。論述や説明を記す出題は原則ないが例外的に構造式を記す問題はある。計算問題が多くあり、文意にあった式を立てて導くものがほとんどである。思考力を必要とするがほとんどの問題が正しく考えると楽に計算ができるようになっている。計算問題は選択肢形式ではなく、計算結果の数値をそのまま解答用紙に書く形となる。有機分野の計算問題は超難問が含まれるので捨てる問題と確実にとれる問題の選択を見極める必要がある。頻出分野に関しては、理論分野では結晶格子、化学平衡。無機分野では酸化・還元、中和滴定、金属イオンの決定、典型・遷移元素。有機分野では有機化合物の構造決定、立体異性体、天然・合成高分子化合物である。特に合成高分子の計算問題は毎年のように出題される。必ずというわけではないが、理論化学において物理の知識が前提となる問題も出る事が有る。これは個別学力検査では物理が必須受験とされているため、受験生は全員高校では物理(物理基礎/物理専門)を履修しているものとして作成されると考えられる(物理と生物のいずれかが選択できる総合大学等ではまずありえない出題)。物理の知識もしっかりと応用できるようになっておく事が好ましい。 東工大の化学は以前は最難関レベルの問題といわれていたが、2014年度以降は問題の難度が急速に穏やかになっており、センター試験で問われるような基礎的な問題が多くを占めている。易化傾向を考慮しても、他大学と同じように標準問題を重点的に学習し、センター試験でも85%以上の点数をとれるようにすることが合格への近道といえる。 対策としてはまずは教科書や資料集を中心に、学校等で配布される一般的な問題集を併用して基礎を固めることが必須である。その上で、応用問題や発展的内容を扱った問題集・参考書に取り組むとよい(時間が無ければ、過去問にいきなり取りかかっても可)。また、他大学と比べ問題形式が特殊であることを考慮して、過去問は十分に集めて早めに取り掛かるようにしたほうがよいだろう。空欄を埋める形式であるとはいえ日頃から計算過程や考え方を書く訓練もすべきである。選択問題では、センター試験の誤答がなぜ違うのかを考えるのが対策に直結する。計算問題も選択肢頼みではなく、センター数学のように計算結果を先に出してその結果に合う答えを選ぶ、あるいは共通テスト(2021年~)のように数字を埋める形式に慣れておくことが好ましい。 出願は、一般選抜・前期日程については6区分の学院から最大3つの学院を志願して出願できることとなる。 2021/2022年度の東工大対応模試(本番とは異なり一日のみで開催・一般選抜・前期日程に対応)として、河合塾の東工大入試オープンと東進の東工大本番レベル模試(年2回開催)がある。2021年度以降は駿台での開催がなくなったことに伴い、年3回の開催となったが、期間を分散して(2021年は6月・10月開催、そして夏休み終了までで1回、9月から本番までで2回実施)受験できるようになったことから東工大合格へ向けての習熟度が適宜把握できるメリットが生じたと言える。 加えて、主に高1・2生が対象になるが、2023年度は東進で「東工大入試直近日体験受験」(3月12日)という模試が開催される。これは同年の前期日程入試本番に出題された問題を直近日に同解答時間で解くというものである。試験スケジュールは違えど、前期日程入試と同じスケジュールで試験を受けることができる。高3卒対象の「本番レベル模試」とは違った本番ならではの感覚を味わうまたとない機会と言えるので、本学を希望するならば受験しておくと良いかもしれない。 本学志願者はこれらの模試を可能な限りで受験することをお勧めする。二社合わせて最大3回受験できることになるが、復習そして共通テストを考えれば、両社で3回すべてを受験するのはさすがに過多かもしれない。いくら2次重視そして共通テストの得点は総点に加えないとは言え、2021年度入試からは志願者数によっては二段階選抜が実施されることとなる以上、共通テスト験の成績も侮れないし、万全な対策は必要である。目的は東工大模試で良い判定をとることではなく「東工大合格」とすべきであり、東工大模試はあくまで合格に向けての弱点補強や傾向を知るためのきっかけそして手段であるに過ぎず、模試の判定に一喜一憂しないことが大切である。成績は短期(1~2週間程度)でそんなに大きく変わらないし、全3回分を受験すれば必ず合格できる或いは合格できる実力が付くとは限らないし、受験しても受験しただけで消化不良になってしまえば全くの無意味でそのようになれば、受験しない方がマシである。自身の処理能力を考えて適当な受験回数(予備校模試はどこでも可)を選んで取り組んでほしい。 工学院,物質理工学院,生命理工学院,環境・社会理工学院A/Bの募集に対して実施される。 二段階選抜が実施されるが、第1段階の合否判定は志望する学院によって異なる。また、個別学力検査の内容も志望する学院によって異なる。 大学入学共通テストの成績、出願書類及び調査書を総合的に評価して合格者が決定される。個別学力検査は実施しない。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本項は、東京工業大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "東京工業大学のホームページ(入学試験の概要が記載されている)http://admissions.titech.ac.jp/", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "東京工業大学(東工大)は旧官立工業大学を起源をもつ、我が国最初の理工系総合大学である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "※東京医科歯科大学との統合に伴い、2024年度実施分をもって「東京工業大学」としての募集は終了。2025年度実施分より「東京科学大学(新名称)」としての募集となる見込み。以下は、2024年度入試実施分までの情報である。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "入学試験の募集区分、及び入学後の所属は「学院(理学院,工学院,物質理工学院,情報理工学院,生命理工学院,環境・社会理工学院の6区分)」となる。 2021年度実施分より、「一般選抜・前期日程」(全6学院)・「総合型選抜」(理学院を除く5学院)・「学校推薦型選抜」(理学院のみ)の3区分での選抜方式となる。出願用件として「一般選抜・前期日程」(全6学院)・「総合型選抜」(理学院を除く5学院)は現役・既卒を問わず出願できるが、「学校推薦型選抜」(理学院のみ)は現役のみ出願可能である。また、「一般選抜・前期日程」と「総合型選抜」については、志願者数に応じて二段階選抜が導入されることとなる。志願者数に応じた二段階選抜が導入されるのは、実に10年ぶりのこととなる。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "「一般選抜・前期日程」・「総合型選抜」・「学校推薦型選抜」の3区分何れも受験は必須である。大学側が受験を要求する科目は全て受けていなければならないが、大学側が受験を要求する科目にしっかりと注意をして「必須科目の未受験」を避けることが必要である(特に社会だが、地歴A/倫理/政経は選択不可)。例えば、第一解答科目が地理A、第二解答科目が現代社会とすると、第一解答科目が選択不可の科目であるので必須科目の未受験ありと見なされる。特に理科について「基礎」と「基礎を付さない(以後、専門とする)」に区分されたが、同校のニ科目はいずれも「専門」が必須なので、出願時にも気をつける必要がある。社会では1科目めに「地歴A/倫理/政経」、理科では「基礎」を受験すると大学側には未受験必須科目が有るとみなされるので、個別学力検査の受験すらできなくなる。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "一般選抜・前期日程と総合型選抜では志願者に応じて二段階選抜が実施される。具体的には、一般選抜・前期日程では志望学院に関わらず全学院で志願者が募集人員の4倍を超えた場合、総合型選抜は志願者が各学院単位で募集人員の約2倍を超えた場合に実施される。これを以て10年ぶりに「一般選抜(前期日程)」では一次試験の得点が合否決定の際の加点対象となり、志願者数に応じた二段階選抜が復活することとなる。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "また、一般選抜・前期日程では、共通テストの成績は二段階選抜の第1段階で使用される(二段階選抜が実施されなければ、その年は一切使用されない)のみで、最終合格者決定の際において加点の対象とはならない(総点に加えない)。勉強方法として一般選抜・前期日程に関して言えば、マーク模試で80~85%がコンスタントに取れるようになれば、個別学力検査の対策に重点を置くことで問題はない。特に大切なのは、個別学力検査の対策が疎かになるほどに共通テストの得点向上に力を注ぎすぎないことである。例えば、共通テスト終了後に個別学力検査の対策をゼロから開始するなどでは遅すぎる。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "全6学院に対して募集が実施される。筆記試験については以下である(試験問題は、全6学院共通)。志望する学院によらず、全6学院で志願者数が4倍を超えた場合は二段階選抜が実施され、共通テストの成績による第一段階合格者(実施されなければ、所定の科目を漏れなくすべて受験した出願者全員)に個別学力検査の受験資格が与えられる。最終合格者は、個別学力検査(配点は、750点)の成績のみで決定される(共通テストの成績は総点には加えず、最終合格者決定には利用しない)。即ち、二段階選抜が実施された場合は、第一段階では共通テストの成績で合否決定がされ、第二段階では個別学力検査の成績で最終合格者が決定される(同じく共通テストの成績は総点には加えず、最終合格者決定には利用しない)。一方で、二段階選抜が実施されなかった場合は、個別学力検査の成績のみで最終合格者が決定される。学力検査の日程は2月25日と26日の2日間で、2月25日は数学(午前)・外国語(午後),2月26日は物理(午前)・化学(午後)が実施される。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "学科試験として、第一日目の第一科目として行われる。東工大の数学を一言で表現するなら「重厚」という言葉がぴったりである。工業大学であるからか解析学的な問題が出やすい。当該大学は受験生に強靭かつ精密な計算力を下地にした高い処理能力を求めてきているといえよう。問題の解法は何とか思い浮かぶものの、実際に計算してみるとやる気の失せる煩雑な数式が出てくることが多い。その時にいかに諦めずに煩雑な計算を最後まで処理しきれるかが合否の鍵である。本校入学試験の最初の科目であることに加えて、個別学力検査における配点が750点中300点(全体の4割)であることより、数学の出来不出来が合否に影響することが伺える。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "平成23年までは解答時間が150分で大問が4題(過去に5題または6題出題の年も有った)での出題であったが、平成24年度は解答時間が180分と延長され出題数も1978年以来の6題となった。なお、平成25年度以降は解答時間180分で5題出題である。過去問と類似した問題が出ることがたびたびあるほか、計算力を要する問題が頻出である。問題形式は全題記述式で、A4の解答冊子に計算の過程と結果を全て記述することが要求される。問題用紙には十分な計算スペースが用意されている。日頃から計算力を養っておくことは重要だが、短時間に検算を繰り返せるように細かい字で丁寧に有効にスペースを利用できるように記入する手順に慣れておく必要がある。直近2年分の解答用紙が教学社のサイトから無料でダウンロード可能であるので、有効に用いるとよい。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "出題傾向としては、微分積分や数列、極限の重厚な問題が頻出である。求値問題が多く、なおかつ誘導が全くない問題が多い。これは受験生の構想力や計算力を主に見ているためだと推測される。特に微積は毎年出題されており、数学IIIの対策が最優先である。過去に東工大や難関他大学で出題された良問を誘導なしで出題することがあり、問題の全体像を描けることと高い計算力が必要となる。ある程度高いレベルでまんべんなく勉強している人にとっては、今までに全く見たことのないような問題に出会うことはないといえる。他には、難問率の高く対策が難しい整数問題、構成力の必要な計量問題などが東工大特有の問題であるといえる。どちらも、取れれば差がつくだろうが、難易度等を考えて捨てるのもひとつの手であろう。いずれも対策をするにこしたことはないが数学IIIの履修度、他教科の進み具合、出題されなかったときのリスク等を考えて慎重に行ったほうがよい(特に整数は中途半端に対策すると何一つ身につかない可能性すらある)。場合の数、確率の出題率も低いとは言えずどちらも食わず嫌いは避けたい(ちなみに確率は平成24~26年度と3年連続で出題された)。また、前期では年に1問あるいは2問程度、標準問題が出題されるのでできればそこで取りこぼしをしたくない。2014年度は4問が標準問題であった。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "標準レベル(*東工大の受験生を基準)から難問までバランスよく構成されている。受験数学における最高水準の出題がなされていると言えるが、近年易化傾向にある。とはいうものの、ある年に突然難しくなることもあるので注意されたい。また、この難しい方が本来の「東工大らしい」数学である。試験時間は平成24年度より180分となったものの、問題数も増えたため難易度を考慮すると決して余裕のある時間ではない。問題にじっくり取り組める反面、難問に力を注ぎすぎて易問を落としてしまうということにもなりかねず、問題の難易度判断、時間配分も大切になってくる。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "東工大の数学の問題を解けるようになるためには、高等学校で出てくる基礎的な事項や定型的な解法を一通り網羅し、使いこなせるようになっておく必要が出てくる。したがって、まずは日々の授業の内容を完全に理解するように努めるべきである。その際には、教科書で出てきた基本公式や初歩的な問題は第三者に説明できるようになるまで理解を深めることが重要である。出てきた公式は実際に自分で導いてみると良い。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "その後受験用問題集を使用して演習を積んでいくことになるのだが、ただ闇雲に演習量をこなすのではなく、1題ごとにその問題の本質は何なのかじっくり考える習慣を身につけるのが望ましい。解いた問題の別解を考えてみるのも思考力を養成する上で推奨される。また、演習の際の計算は必ず最後まで自分の手で正確に書き上げるようにするべきである。ある程度計算を進めるごとに検算する癖を身につけておくとなお良い。更に受験用問題集で、大問一問に対して小問が複数存在する場合、独立して解答可能ならば問題の結論を問う「最後の小問」のみを最初から解く訓練をするのも有効と考える(誘導問題を使わずに解答する訓練をするため)。但し、注意すべき点としていきなり難問に取り掛かるのではなく、ある程度自分に見合ったレベルで始めることである。全く手も足も出ないのに時間が経って解法を見て納得して暗記する形になれば、パターンを丸暗記することと同じであり本末転倒になりかねない。大切なのは、初めて出くわす問題に対して「解法を自ら見出して解答を出す」という能力を鍛えることである。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "『新作の労を惜しむ』のであろうか、東工大の過去問が再びそっくり出題されることも起こりうるので、可能ならば何十年分かは過去問に目をとしておくことが好ましい。実際、40年前に出題された問題がそっくり出題されたことがある。2008年度第1類AO入試の問題I―2で出題された問題が1993年度第四問と全く同じであったことは記憶に新しい。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "合格目標点としては数学に関しては、2題完答(これは確実に取ること)+残りは部分点で5割分を狙い、全体で5割5分~6割5分が理想である。数学が非常に得意である人を除き、7割獲れれば数学に関してはほぼ合格点だが至難の技である。勿論、難易度によって変わるが、満点を狙えるほど非常に簡単な問題が5題出るとは考えにくいのでほぼ妥当と言える。5題のうち、解答をすることが比較的容易な問題を2題確実に見極めることが鍵になると言える。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "学科試験として、第一日目の第二科目として行われる。英語はリーディングとライティングが出題される。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "形式は2題の長文総合問題より成る。出題内容は英文和訳、和文英訳、内容説明を中心にした読解問題で構成されている。以前は自由英作文が課せられることがあったが、近年は出題されていない。ここ5年ほど、明らかに長文の語数に増加が見られ、2015年度はトータルで約3100語と長文化の傾向が定着している。試験時間は90分。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "近年では2010年度の難度の高さが目立つが、全体的には、標準~やや難のレベルと言える。本文の英文量がかなり多く、語彙レベルもかなり高いので、正確な読解力に加え、集中力と速読力が求められるが、設問自体の難易度は標準レベルという印象を受ける。センター試験の選択形式のような選択問題はないが、そのような知識を使う箇所に下線が引かれていることが多い。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "標準的なレベルの単語・熟語は早めに覚え、「速読英単語2 上級編」(Z会出版)などのややレベルの高い単語帳を活用し、さらに語彙力をアップさせよう。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "学科試験として、第二日目の第一科目として行われる。物理は物理基礎と物理専門から出題される。問題を俯瞰すると、教科書レベルの問題から誘導していくような出題の仕方が多い。また、ほとんどの問題で導出過程を論述させている。グラフを書かせる問題も頻出であり、過去問などで対策が必要である。東工大物理を攻略するには高校物理の深い理解と計算力が必要であり、また入学後を考えても力をいれて対策すべき教科である。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "大問が3つで構成され、力学と電磁気は必ず出題される。頻出分野は、力学では単振動、円運動、重心系、万有引力と物体の運動。電磁気では電磁誘導、LC回路、サイクロトロン(電場・磁場における荷電粒子のふるまい)。熱力学は熱力学第一法則を取り扱った問題、熱サイクル、気体分子運動論。波動は光・音のドップラー効果、回折格子である。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "難易度的にはやや難ぐらいの問題がメインである。近年は標準レベルの問題も多い。教科書レベルの基礎事項の確認から入って、徐々に応用を織り交ぜていくといったパターンの問題が多い。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "物理に対処するには闇雲に問題パターンの暗記に走るのではなく(もちろんパターン暗記もある程度必要ではあるが。)基礎基本に立ち返って問題を考える態度を身につけることが必要である。つまり、例えばエネルギー保存則の公式ひとつ取っても、その式はどのようにでてきたのか、その式は本質的には何を表しているか、そもそもエネルギーや仕事とはどういうものか誰にでもわかるように説明できるだろうか、といったことを常日頃から考えているかどうかがそのまま理解度の差、ひいては入試における点数差に結びついてくるのである。通常の授業にあたっては、出てくる数式がどういった基本原理に基づいて出てきたのかを確認し、その数式がどのような意味を持っているのか説明できるまで教科書や解説書にかじりついたり、友人や教師に質問し、理解を深めることが重要である。その上で公式などは自分で導いてみるのが良い。このようにして基礎固めを終えたのちに本格的な受験用問題集に取り掛かればよい。なお、問題演習を行う際には、ただ問題量をこなすことに終始するのではなく、1問1問に時間を費やし、その問題がどういった現象を取り扱っているのか、どういった基本法則がその現象の裏に隠れているのか考えてみると良い。また、問題の別解を考えてみたりするのも思考力の養成に一役買うだろう。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "学科試験として、第二日目の第二科目として行われる。理論・無機・有機の三分野から満遍なく出題されているが、出題はかなり特殊である。それぞれの分野の最初の三、四問は題意に合う文章を一つまたは二つ選ぶものであるが、正解が一つまたは二つかどうかをも判断しないといけないため確実な知識が必要になる。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "分野別の第I問~第III問の3つに分かれており、それぞれ配点50点となっている。試験時間は120分。大問一つにつき小問がつかない場合がほとんどであり、問題文も短い、小問がついても三つ以下であることが多い。現実と化学反応の関連を調べ論述する東大の問題のようなものとは異なり、教科書の知識をしっかりインプットできるかを見る問題が多い。正誤問題や計算問題に出てくる化学反応等も教科書に載っている反応がほとんどだが知識に抜けがあると間違えやすい。解答用紙には数字のみ記入するようになっており思考の過程は点数に反映されない。論述や説明を記す出題は原則ないが例外的に構造式を記す問題はある。計算問題が多くあり、文意にあった式を立てて導くものがほとんどである。思考力を必要とするがほとんどの問題が正しく考えると楽に計算ができるようになっている。計算問題は選択肢形式ではなく、計算結果の数値をそのまま解答用紙に書く形となる。有機分野の計算問題は超難問が含まれるので捨てる問題と確実にとれる問題の選択を見極める必要がある。頻出分野に関しては、理論分野では結晶格子、化学平衡。無機分野では酸化・還元、中和滴定、金属イオンの決定、典型・遷移元素。有機分野では有機化合物の構造決定、立体異性体、天然・合成高分子化合物である。特に合成高分子の計算問題は毎年のように出題される。必ずというわけではないが、理論化学において物理の知識が前提となる問題も出る事が有る。これは個別学力検査では物理が必須受験とされているため、受験生は全員高校では物理(物理基礎/物理専門)を履修しているものとして作成されると考えられる(物理と生物のいずれかが選択できる総合大学等ではまずありえない出題)。物理の知識もしっかりと応用できるようになっておく事が好ましい。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "東工大の化学は以前は最難関レベルの問題といわれていたが、2014年度以降は問題の難度が急速に穏やかになっており、センター試験で問われるような基礎的な問題が多くを占めている。易化傾向を考慮しても、他大学と同じように標準問題を重点的に学習し、センター試験でも85%以上の点数をとれるようにすることが合格への近道といえる。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "対策としてはまずは教科書や資料集を中心に、学校等で配布される一般的な問題集を併用して基礎を固めることが必須である。その上で、応用問題や発展的内容を扱った問題集・参考書に取り組むとよい(時間が無ければ、過去問にいきなり取りかかっても可)。また、他大学と比べ問題形式が特殊であることを考慮して、過去問は十分に集めて早めに取り掛かるようにしたほうがよいだろう。空欄を埋める形式であるとはいえ日頃から計算過程や考え方を書く訓練もすべきである。選択問題では、センター試験の誤答がなぜ違うのかを考えるのが対策に直結する。計算問題も選択肢頼みではなく、センター数学のように計算結果を先に出してその結果に合う答えを選ぶ、あるいは共通テスト(2021年~)のように数字を埋める形式に慣れておくことが好ましい。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "出願は、一般選抜・前期日程については6区分の学院から最大3つの学院を志願して出願できることとなる。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "2021/2022年度の東工大対応模試(本番とは異なり一日のみで開催・一般選抜・前期日程に対応)として、河合塾の東工大入試オープンと東進の東工大本番レベル模試(年2回開催)がある。2021年度以降は駿台での開催がなくなったことに伴い、年3回の開催となったが、期間を分散して(2021年は6月・10月開催、そして夏休み終了までで1回、9月から本番までで2回実施)受験できるようになったことから東工大合格へ向けての習熟度が適宜把握できるメリットが生じたと言える。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "加えて、主に高1・2生が対象になるが、2023年度は東進で「東工大入試直近日体験受験」(3月12日)という模試が開催される。これは同年の前期日程入試本番に出題された問題を直近日に同解答時間で解くというものである。試験スケジュールは違えど、前期日程入試と同じスケジュールで試験を受けることができる。高3卒対象の「本番レベル模試」とは違った本番ならではの感覚を味わうまたとない機会と言えるので、本学を希望するならば受験しておくと良いかもしれない。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "本学志願者はこれらの模試を可能な限りで受験することをお勧めする。二社合わせて最大3回受験できることになるが、復習そして共通テストを考えれば、両社で3回すべてを受験するのはさすがに過多かもしれない。いくら2次重視そして共通テストの得点は総点に加えないとは言え、2021年度入試からは志願者数によっては二段階選抜が実施されることとなる以上、共通テスト験の成績も侮れないし、万全な対策は必要である。目的は東工大模試で良い判定をとることではなく「東工大合格」とすべきであり、東工大模試はあくまで合格に向けての弱点補強や傾向を知るためのきっかけそして手段であるに過ぎず、模試の判定に一喜一憂しないことが大切である。成績は短期(1~2週間程度)でそんなに大きく変わらないし、全3回分を受験すれば必ず合格できる或いは合格できる実力が付くとは限らないし、受験しても受験しただけで消化不良になってしまえば全くの無意味でそのようになれば、受験しない方がマシである。自身の処理能力を考えて適当な受験回数(予備校模試はどこでも可)を選んで取り組んでほしい。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "工学院,物質理工学院,生命理工学院,環境・社会理工学院A/Bの募集に対して実施される。 二段階選抜が実施されるが、第1段階の合否判定は志望する学院によって異なる。また、個別学力検査の内容も志望する学院によって異なる。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "大学入学共通テストの成績、出願書類及び調査書を総合的に評価して合格者が決定される。個別学力検査は実施しない。", "title": "概要" } ]
日本の大学受験ガイド > 東工大対策 本項は、東京工業大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。 東京工業大学のホームページ(入学試験の概要が記載されている)http://admissions.titech.ac.jp/ 東京工業大学(東工大)は旧官立工業大学を起源をもつ、我が国最初の理工系総合大学である。
{{wikipedia|東京工業大学}} *[[日本の大学受験ガイド]] > [[東工大対策]] 本項は、[[w:東京工業大学|東京工業大学]]の「一般入学試験」対策に関する事項である。 東京工業大学のホームページ(入学試験の概要が記載されている)http://admissions.titech.ac.jp/ 東京工業大学(東工大)は旧官立工業大学を起源をもつ、我が国最初の理工系総合大学である。 = 入試方式 = ※東京医科歯科大学との統合に伴い、2024年度実施分をもって「東京工業大学」としての募集は終了。2025年度実施分より「東京科学大学(新名称)」としての募集となる見込み。以下は、2024年度入試実施分までの情報である。 == 概要 == 入学試験の募集区分、及び入学後の所属は「学院(理学院,工学院,物質理工学院,情報理工学院,生命理工学院,環境・社会理工学院の6区分)」となる。 2021年度実施分より、「一般選抜・前期日程」(全6学院)・「総合型選抜」(理学院を除く5学院)・「学校推薦型選抜」(理学院のみ)の3区分での選抜方式となる。出願用件として「一般選抜・前期日程」(全6学院)・「総合型選抜」(理学院を除く5学院)は現役・既卒を問わず出願できるが、「学校推薦型選抜」(理学院のみ)は現役のみ出願可能である。また、「一般選抜・前期日程」と「総合型選抜」については、志願者数に応じて二段階選抜が導入されることとなる。志願者数に応じた二段階選抜が導入されるのは、実に10年ぶりのこととなる。 == 共通テスト == 「一般選抜・前期日程」・「総合型選抜」・「学校推薦型選抜」の3区分何れも受験は必須である。大学側が受験を要求する科目は全て受けていなければならないが、大学側が受験を要求する科目にしっかりと注意をして「必須科目の未受験」を避けることが必要である(特に社会だが、地歴A/倫理/政経は選択不可)。例えば、第一解答科目が地理A、第二解答科目が現代社会とすると、第一解答科目が選択不可の科目であるので必須科目の未受験ありと見なされる。特に理科について「基礎」と「基礎を付さない(以後、'''専門'''とする)」に区分されたが、同校のニ科目はいずれも「専門」が必須なので、出願時にも気をつける必要がある。社会では1科目めに「地歴A/倫理/政経」、理科では「基礎」を受験すると大学側には未受験必須科目が有るとみなされるので、個別学力検査の受験すらできなくなる。 一般選抜・前期日程と総合型選抜では志願者に応じて二段階選抜が実施される。具体的には、一般選抜・前期日程では志望学院に関わらず全学院で志願者が募集人員の4倍を超えた場合、総合型選抜は志願者が各学院単位で募集人員の約2倍を超えた場合に実施される。これを以て10年ぶりに「一般選抜(前期日程)」では一次試験の得点が合否決定の際の加点対象となり、志願者数に応じた二段階選抜が復活することとなる。 また、一般選抜・前期日程では、共通テストの成績は二段階選抜の第1段階で使用される(二段階選抜が実施されなければ、その年は一切使用されない)のみで、最終合格者決定の際において加点の対象とはならない(総点に加えない)。勉強方法として一般選抜・前期日程に関して言えば、マーク模試で80~85%がコンスタントに取れるようになれば、個別学力検査の対策に重点を置くことで問題はない。特に大切なのは、個別学力検査の対策が疎かになるほどに共通テストの得点向上に力を注ぎすぎないことである。例えば、共通テスト終了後に個別学力検査の対策をゼロから開始するなどでは遅すぎる。 == 一般選抜・前期日程 == 全6学院に対して募集が実施される。筆記試験については以下である(試験問題は、全6学院共通)。志望する学院によらず、全6学院で志願者数が4倍を超えた場合は二段階選抜が実施され、共通テストの成績による第一段階合格者(実施されなければ、所定の科目を漏れなくすべて受験した出願者全員)に個別学力検査の受験資格が与えられる。最終合格者は、個別学力検査(配点は、750点)の成績のみで決定される(共通テストの成績は総点には加えず、最終合格者決定には利用しない)。即ち、二段階選抜が実施された場合は、第一段階では共通テストの成績で合否決定がされ、第二段階では個別学力検査の成績で最終合格者が決定される(同じく共通テストの成績は総点には加えず、最終合格者決定には利用しない)。一方で、二段階選抜が実施されなかった場合は、個別学力検査の成績のみで最終合格者が決定される。学力検査の日程は2月25日と26日の2日間で、2月25日は数学(午前)・外国語(午後),2月26日は物理(午前)・化学(午後)が実施される。 == 数学 == ===概要=== 学科試験として、第一日目の第一科目として行われる。東工大の数学を一言で表現するなら「重厚」という言葉がぴったりである。工業大学であるからか解析学的な問題が出やすい。当該大学は受験生に強靭かつ精密な計算力を下地にした高い処理能力を求めてきているといえよう。問題の解法は何とか思い浮かぶものの、実際に計算してみるとやる気の失せる煩雑な数式が出てくることが多い。その時にいかに諦めずに煩雑な計算を最後まで処理しきれるかが合否の鍵である。本校入学試験の最初の科目であることに加えて、個別学力検査における配点が750点中300点(全体の4割)であることより、数学の出来不出来が合否に影響することが伺える。 ===問題=== 平成23年までは解答時間が150分で大問が4題(過去に5題または6題出題の年も有った)での出題であったが、平成24年度は解答時間が180分と延長され出題数も1978年以来の6題となった。なお、平成25年度以降は解答時間180分で5題出題である。過去問と類似した問題が出ることがたびたびあるほか、計算力を要する問題が頻出である。問題形式は全題記述式で、A4の解答冊子に計算の過程と結果を全て記述することが要求される。問題用紙には十分な計算スペースが用意されている。日頃から計算力を養っておくことは重要だが、短時間に検算を繰り返せるように細かい字で丁寧に有効にスペースを利用できるように記入する手順に慣れておく必要がある。直近2年分の解答用紙が教学社のサイトから無料でダウンロード可能であるので、有効に用いるとよい。 ===出題傾向=== 出題傾向としては、微分積分や数列、極限の重厚な問題が頻出である。求値問題が多く、なおかつ誘導が全くない問題が多い。これは受験生の構想力や計算力を主に見ているためだと推測される。特に微積は毎年出題されており、数学Ⅲの対策が最優先である。過去に東工大や難関他大学で出題された良問を誘導なしで出題することがあり、問題の全体像を描けることと高い計算力が必要となる。ある程度高いレベルでまんべんなく勉強している人にとっては、今までに全く見たことのないような問題に出会うことはないといえる。他には、難問率の高く対策が難しい整数問題、構成力の必要な計量問題などが東工大特有の問題であるといえる。どちらも、取れれば差がつくだろうが、難易度等を考えて捨てるのもひとつの手であろう。いずれも対策をするにこしたことはないが数学Ⅲの履修度、他教科の進み具合、出題されなかったときのリスク等を考えて慎重に行ったほうがよい(特に整数は中途半端に対策すると何一つ身につかない可能性すらある)。場合の数、確率の出題率も低いとは言えずどちらも食わず嫌いは避けたい(ちなみに確率は平成24~26年度と3年連続で出題された)。また、前期では年に1問あるいは2問程度、標準問題が出題されるのでできればそこで取りこぼしをしたくない。2014年度は4問が標準問題であった。 ===難易度=== 標準レベル(*東工大の受験生を基準)から難問までバランスよく構成されている。受験数学における最高水準の出題がなされていると言えるが、近年易化傾向にある。とはいうものの、ある年に突然難しくなることもあるので注意されたい。また、この難しい方が本来の「東工大らしい」数学である。試験時間は平成24年度より180分となったものの、問題数も増えたため難易度を考慮すると決して余裕のある時間ではない。問題にじっくり取り組める反面、難問に力を注ぎすぎて易問を落としてしまうということにもなりかねず、問題の難易度判断、時間配分も大切になってくる。 ===対策=== 東工大の数学の問題を解けるようになるためには、高等学校で出てくる基礎的な事項や定型的な解法を一通り網羅し、使いこなせるようになっておく必要が出てくる。したがって、まずは日々の授業の内容を完全に理解するように努めるべきである。その際には、教科書で出てきた基本公式や初歩的な問題は第三者に説明できるようになるまで理解を深めることが重要である。出てきた公式は実際に自分で導いてみると良い。 その後受験用問題集を使用して演習を積んでいくことになるのだが、ただ闇雲に演習量をこなすのではなく、1題ごとにその問題の本質は何なのかじっくり考える習慣を身につけるのが望ましい。解いた問題の別解を考えてみるのも思考力を養成する上で推奨される。また、演習の際の計算は必ず最後まで自分の手で正確に書き上げるようにするべきである。ある程度計算を進めるごとに検算する癖を身につけておくとなお良い。更に受験用問題集で、大問一問に対して小問が複数存在する場合、独立して解答可能ならば問題の結論を問う「最後の小問」のみを最初から解く訓練をするのも有効と考える(誘導問題を使わずに解答する訓練をするため)。但し、注意すべき点としていきなり難問に取り掛かるのではなく、ある程度自分に見合ったレベルで始めることである。全く手も足も出ないのに時間が経って解法を見て納得して暗記する形になれば、パターンを丸暗記することと同じであり本末転倒になりかねない。大切なのは、初めて出くわす問題に対して「解法を自ら見出して解答を出す」という能力を鍛えることである。 『新作の労を惜しむ』のであろうか、東工大の過去問が再びそっくり出題されることも起こりうるので、可能ならば何十年分かは過去問に目をとしておくことが好ましい。実際、40年前に出題された問題がそっくり出題されたことがある。2008年度第1類AO入試の問題I―2で出題された問題が1993年度第四問と全く同じであったことは記憶に新しい。 合格目標点としては数学に関しては、2題完答(これは確実に取ること)+残りは部分点で5割分を狙い、全体で5割5分~6割5分が理想である。数学が非常に得意である人を除き、7割獲れれば数学に関してはほぼ合格点だが至難の技である。勿論、難易度によって変わるが、満点を狙えるほど非常に簡単な問題が5題出るとは考えにくいのでほぼ妥当と言える。5題のうち、解答をすることが比較的容易な問題を2題確実に見極めることが鍵になると言える。 == 英語 == ===概要=== 学科試験として、第一日目の第二科目として行われる。英語はリーディングとライティングが出題される。 ===問題=== 形式は2題の長文総合問題より成る。出題内容は英文和訳、和文英訳、内容説明を中心にした読解問題で構成されている。以前は自由英作文が課せられることがあったが、近年は出題されていない。ここ5年ほど、明らかに長文の語数に増加が見られ、2015年度はトータルで約3100語と長文化の傾向が定着している。試験時間は90分。 ===難易度=== 近年では2010年度の難度の高さが目立つが、全体的には、標準~やや難のレベルと言える。本文の英文量がかなり多く、語彙レベルもかなり高いので、正確な読解力に加え、集中力と速読力が求められるが、設問自体の難易度は標準レベルという印象を受ける。センター試験の選択形式のような選択問題はないが、そのような知識を使う箇所に下線が引かれていることが多い。 ===対策=== 標準的なレベルの単語・熟語は早めに覚え、「速読英単語② 上級編」(Z会出版)などのややレベルの高い単語帳を活用し、さらに語彙力をアップさせよう。 == 物理 == ===概説=== 学科試験として、第二日目の第一科目として行われる。物理は物理基礎と物理専門から出題される。問題を俯瞰すると、教科書レベルの問題から誘導していくような出題の仕方が多い。また、ほとんどの問題で導出過程を論述させている。グラフを書かせる問題も頻出であり、過去問などで対策が必要である。東工大物理を攻略するには高校物理の深い理解と計算力が必要であり、また入学後を考えても力をいれて対策すべき教科である。 ===問題=== 大問が3つで構成され、力学と電磁気は必ず出題される。頻出分野は、力学では単振動、円運動、重心系、万有引力と物体の運動。電磁気では電磁誘導、LC回路、サイクロトロン(電場・磁場における荷電粒子のふるまい)。熱力学は熱力学第一法則を取り扱った問題、熱サイクル、気体分子運動論。波動は光・音のドップラー効果、回折格子である。 ===難易度=== 難易度的にはやや難ぐらいの問題がメインである。近年は標準レベルの問題も多い。教科書レベルの基礎事項の確認から入って、徐々に応用を織り交ぜていくといったパターンの問題が多い。 ===対策=== 物理に対処するには闇雲に問題パターンの暗記に走るのではなく(もちろんパターン暗記もある程度必要ではあるが。)基礎基本に立ち返って問題を考える態度を身につけることが必要である。つまり、例えばエネルギー保存則の公式ひとつ取っても、その式はどのようにでてきたのか、その式は本質的には何を表しているか、そもそもエネルギーや仕事とはどういうものか誰にでもわかるように説明できるだろうか、といったことを常日頃から考えているかどうかがそのまま理解度の差、ひいては入試における点数差に結びついてくるのである。通常の授業にあたっては、出てくる数式がどういった基本原理に基づいて出てきたのかを確認し、その数式がどのような意味を持っているのか説明できるまで教科書や解説書にかじりついたり、友人や教師に質問し、理解を深めることが重要である。その上で公式などは自分で導いてみるのが良い。このようにして基礎固めを終えたのちに本格的な受験用問題集に取り掛かればよい。なお、問題演習を行う際には、ただ問題量をこなすことに終始するのではなく、1問1問に時間を費やし、その問題がどういった現象を取り扱っているのか、どういった基本法則がその現象の裏に隠れているのか考えてみると良い。また、問題の別解を考えてみたりするのも思考力の養成に一役買うだろう。 == 化学 == ===概説=== 学科試験として、第二日目の第二科目として行われる。理論・無機・有機の三分野から満遍なく出題されているが、出題はかなり特殊である。それぞれの分野の最初の三、四問は題意に合う文章を一つまたは二つ選ぶものであるが、正解が一つまたは二つかどうかをも判断しないといけないため確実な知識が必要になる。 ===問題=== 分野別の第Ⅰ問~第Ⅲ問の3つに分かれており、それぞれ配点50点となっている。試験時間は120分。大問一つにつき小問がつかない場合がほとんどであり、問題文も短い、小問がついても三つ以下であることが多い。現実と化学反応の関連を調べ論述する東大の問題のようなものとは異なり、教科書の知識をしっかりインプットできるかを見る問題が多い。正誤問題や計算問題に出てくる化学反応等も教科書に載っている反応がほとんどだが知識に抜けがあると間違えやすい。解答用紙には数字のみ記入するようになっており思考の過程は点数に反映されない。論述や説明を記す出題は原則ないが例外的に構造式を記す問題はある。計算問題が多くあり、文意にあった式を立てて導くものがほとんどである。思考力を必要とするがほとんどの問題が正しく考えると楽に計算ができるようになっている。計算問題は選択肢形式ではなく、計算結果の数値をそのまま解答用紙に書く形となる。有機分野の計算問題は超難問が含まれるので捨てる問題と確実にとれる問題の選択を見極める必要がある。頻出分野に関しては、理論分野では結晶格子、化学平衡。無機分野では酸化・還元、中和滴定、金属イオンの決定、典型・遷移元素。有機分野では有機化合物の構造決定、立体異性体、天然・合成高分子化合物である。特に合成高分子の計算問題は毎年のように出題される。必ずというわけではないが、理論化学において物理の知識が前提となる問題も出る事が有る。これは個別学力検査では物理が必須受験とされているため、受験生は全員高校では物理(物理基礎/物理専門)を履修しているものとして作成されると考えられる(物理と生物のいずれかが選択できる総合大学等ではまずありえない出題)。物理の知識もしっかりと応用できるようになっておく事が好ましい。 ===難易度=== 東工大の化学は以前は最難関レベルの問題といわれていたが、2014年度以降は問題の難度が急速に穏やかになっており、センター試験で問われるような基礎的な問題が多くを占めている。易化傾向を考慮しても、他大学と同じように標準問題を重点的に学習し、センター試験でも85%以上の点数をとれるようにすることが合格への近道といえる。 ===対策=== 対策としてはまずは教科書や資料集を中心に、学校等で配布される一般的な問題集を併用して基礎を固めることが必須である。その上で、応用問題や発展的内容を扱った問題集・参考書に取り組むとよい(時間が無ければ、過去問にいきなり取りかかっても可)。また、他大学と比べ問題形式が特殊であることを考慮して、過去問は十分に集めて早めに取り掛かるようにしたほうがよいだろう。空欄を埋める形式であるとはいえ日頃から計算過程や考え方を書く訓練もすべきである。選択問題では、センター試験の誤答がなぜ違うのかを考えるのが対策に直結する。計算問題も選択肢頼みではなく、センター数学のように計算結果を先に出してその結果に合う答えを選ぶ、あるいは共通テスト(2021年~)のように数字を埋める形式に慣れておくことが好ましい。 == その他 == 出願は、一般選抜・前期日程については6区分の学院から最大3つの学院を志願して出願できることとなる。 == 模試 == 2021/2022年度の東工大対応模試(本番とは異なり一日のみで開催・一般選抜・前期日程に対応)として、河合塾の東工大入試オープンと東進の東工大本番レベル模試(年2回開催)がある。2021年度以降は駿台での開催がなくなったことに伴い、年3回の開催となったが、期間を分散して(2021年は6月・10月開催、そして夏休み終了までで1回、9月から本番までで2回実施)受験できるようになったことから東工大合格へ向けての習熟度が適宜把握できるメリットが生じたと言える。 加えて、主に高1・2生が対象になるが、2023年度は東進で「東工大入試直近日体験受験」(3月12日)という模試が開催される。これは同年の前期日程入試本番に出題された問題を直近日に同解答時間で解くというものである。試験スケジュールは違えど、前期日程入試と同じスケジュールで試験を受けることができる。高3卒対象の「本番レベル模試」とは違った本番ならではの感覚を味わうまたとない機会と言えるので、本学を希望するならば受験しておくと良いかもしれない。 本学志願者はこれらの模試を可能な限りで受験することをお勧めする。二社合わせて最大3回受験できることになるが、復習そして共通テストを考えれば、両社で3回すべてを受験するのはさすがに過多かもしれない。いくら2次重視そして共通テストの得点は総点に加えないとは言え、2021年度入試からは志願者数によっては二段階選抜が実施されることとなる以上、共通テスト験の成績も侮れないし、万全な対策は必要である。目的は東工大模試で良い判定をとることではなく「東工大合格」とすべきであり、東工大模試はあくまで合格に向けての弱点補強や傾向を知るためのきっかけそして手段であるに過ぎず、模試の判定に一喜一憂しないことが大切である。成績は短期(1~2週間程度)でそんなに大きく変わらないし、全3回分を受験すれば必ず合格できる或いは合格できる実力が付くとは限らないし、受験しても受験しただけで消化不良になってしまえば全くの無意味でそのようになれば、受験しない方がマシである。自身の処理能力を考えて適当な受験回数(予備校模試はどこでも可)を選んで取り組んでほしい。 = 総合型選抜(理学院を除く5学院) = 工学院,物質理工学院,生命理工学院,環境・社会理工学院A/Bの募集に対して実施される。</br> 二段階選抜が実施されるが、第1段階の合否判定は志望する学院によって異なる。また、個別学力検査の内容も志望する学院によって異なる。 = 学校推薦型選抜(理学院のみ) = 大学入学共通テストの成績、出願書類及び調査書を総合的に評価して合格者が決定される。個別学力検査は実施しない。 =脚注= <references/> = 関連リンク = *[http://www.titech.ac.jp/ 東京工業大学]:大学公式サイト [[Category:大学入試|とうこうたいたいさく]]
2004-08-29T14:55:15Z
2024-03-10T09:49:21Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%B7%A5%E5%A4%A7%E5%AF%BE%E7%AD%96
600
旧課程(-2012年度)高等学校数学I
高等学校数学 解説書 高等学校数学:数学 I 数学 I は、 から成っている。 この書籍は、高等学校の数学 I に関する解説書です。 この解説書は、まず教科書として最低限必要な事柄を網羅するために、文部科学省の学習指導要領に沿って執筆されています。 現行の教科書との違い、および共通点については、はじめにに掲載しました。 初めてこの書籍を読む人は、入門を一読することをオススメします。 また、この解説書はウィキブックスの方針にのっとり、質・量の点でどんな人でも満足できるものを目指して作成されています。 高等学校数学の他の書籍はこちらにあります。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "高等学校数学 解説書", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "高等学校数学:数学 I", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "数学 I は、", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "から成っている。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "この書籍は、高等学校の数学 I に関する解説書です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "この解説書は、まず教科書として最低限必要な事柄を網羅するために、文部科学省の学習指導要領に沿って執筆されています。 現行の教科書との違い、および共通点については、はじめにに掲載しました。 初めてこの書籍を読む人は、入門を一読することをオススメします。 また、この解説書はウィキブックスの方針にのっとり、質・量の点でどんな人でも満足できるものを目指して作成されています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "高等学校数学の他の書籍はこちらにあります。", "title": "" } ]
数学 I は、  入門  数と式  2次関数  図形と計量  データの分析 から成っている。 この書籍は、高等学校の数学 I に関する解説書です。 この解説書は、まず教科書として最低限必要な事柄を網羅するために、文部科学省の学習指導要領に沿って執筆されています。 現行の教科書との違い、および共通点については、はじめにに掲載しました。 初めてこの書籍を読む人は、入門を一読することをオススメします。 また、この解説書はウィキブックスの方針にのっとり、質・量の点でどんな人でも満足できるものを目指して作成されています。 高等学校数学の他の書籍はこちらにあります。
{{pathnav|高等学校の学習|高等学校数学|frame=1}} {{Template:普通教育に関する書籍 タイトル|高等学校数学|数学 I}} {{Template:普通教育に関する書籍|高等学校数学}} 数学 I は、 #  [[高等学校数学I/入門|入門]] #  [[高等学校数学I/数と式|数と式]] #  [[高等学校数学I/2次関数|2次関数]] #  [[高等学校数学I/図形と計量|図形と計量]] #  [[高等学校数学I/データの分析|データの分析]] から成っている。 この書籍は、高等学校の数学 I に関する解説書です。 この解説書は、まず教科書として最低限必要な事柄を網羅するために、文部科学省の[[高等学校数学I/学習指導要領について|学習指導要領]]に沿って執筆されています。 現行の教科書との違い、および共通点については、[[高等学校数学I/はじめに|はじめに]]に掲載しました。 初めてこの書籍を読む人は、[[高等学校数学I/入門|入門]]を一読することをオススメします。 また、この解説書は[[Wikibooks:基本方針とガイドライン|ウィキブックスの方針]]にのっとり、質・量の点でどんな人でも満足できるものを目指して作成されています。 高等学校数学の他の書籍は[[高等学校数学|こちら]]にあります。 : [[高等学校数学I/はじめに|はじめに]] : [[高等学校数学I/学習指導要領について|学習指導要領について]] [[Category:数学教育|旧1 こうとうかつこうすうかく1]] [[Category:高等学校数学I|*]]
2004-08-30T01:51:20Z
2023-12-09T21:32:24Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:普通教育に関する書籍 タイトル", "テンプレート:普通教育に関する書籍" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%97%A7%E8%AA%B2%E7%A8%8B(-2012%E5%B9%B4%E5%BA%A6)%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E5%AD%A6I
603
教育勅語
本テキスト「教育勅語」は、教育勅語全般に関する教科書である。本wikibooksは教科書なので、教育的に重要度の高いと考えられる事を重点的に紹介する。 教育勅語(きょういく ちょくご)とは、正式には「教育ニ関スル勅語」といい、1890年(明治23年)に発表された、第2次世界大戦前の日本の道徳教育の根幹となった勅語(ちょくご)である。(経緯について詳しくは、ウィキペディア『教育勅語』を参照)教育勅語の中身は、大まかに言うと、道徳教育の主張である。いわゆる「親孝行」などの「道徳」を尊重するような意見を、天皇が国民に語りかけるという形式である。 「勅語」(ちょくご)とは、一般的な用法での意味は、天皇が政治・行政などについての意思表示として伝える、天皇のいわゆる「お言葉」を、文書などとして正式化し公表した物である。 教育勅語について、現代日本では、たびたび論争になる。また教育問題を扱っている政治家や学者などが、たびたび教育勅語についての議論を行う。政治やニュースや雑誌などで、解釈や意義の有無が取り上げられることもある。 そして、それらの論争で、教育勅語への批判的な評価といっぽう肯定的な評価も出てくる。 その論争での、主な意見は、おおむね次のとおり。 現状では教育勅語を廃止していることから、本wikibooksでは、まず批判的な意見から紹介する。 朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ德ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ敎育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ德器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン 斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ 明治二十三年十月三十日 御名御璽 朕(ちん)惟フニ(おもうに)我カ(わが)皇祖皇宗(こうそ こうそう)國ヲ(くにを)肇ムルコト(はじむること)宏遠ニ(こうえんに)德ヲ樹ツルコト(たつること)深厚ナリ(しんこうなり) 我カ(わが)臣民(しんみん)克ク(よく)忠ニ(ちゅうに)克ク(よく)孝ニ(こうに)億兆(おくちょう)心ヲ一ニシテ(こころをいつにして)世世(よよ)厥ノ(その)美ヲ(びを)濟セルハ(なせるは)此レ(これ)我カ國體(こくたい)ノ精華ニシテ敎育ノ淵源(えんげん)亦(また)實ニ(じつに)此ニ(ここに)存ス(ぞんす) 爾(なんじ)臣民(しんみん)父母ニ孝ニ(ふぼに こうに)兄弟ニ友ニ(けいていに ゆうに)夫婦相和シ(ふうふ あいわし)朋友相信シ(ほうゆう あいしんじ)恭儉(きょうけん)己(おの)レヲ持(じ)シ博愛(はくあい)衆(しゅう)ニ及(およ)ホシ學(がく)ヲ修(おさ)メ業(ぎょう)ヲ習(なら)ヒ以(もっ)テ智能(ちのう)ヲ啓發(けいはつ)シ德器(とっき)ヲ成就(じょうじゅ)シ進(すすん)テ公益(こうえき)ヲ廣(ひろ)メ世務(せむ/せいむ)ヲ開(ひら)キ 常(つね)ニ國憲(こっけん)ヲ重(おもん)シ國法(こくほう)ニ遵(したが)ヒ一旦緩急(いったんかんきゅう)アレハ義勇公(ぎゆうこう)ニ奉(ほう)シ以(もっ)テ天壤無窮(てんじょうむきゅう)ノ皇運(こううん)ヲ扶翼(ふよく)スヘシ 是ノ如キハ(かくのごときは)獨リ(ひとり)朕(ちん)カ忠良(ちゅうりょう)ノ臣民(しんみん)タルノミナラス又(また)以テ(もって)爾(なんじ)祖先(そせん)ノ遺風(いふう)ヲ顯彰(けんしょう)スルニ足ラン 斯ノ(この)道(みち)ハ實ニ(じつに)我カ皇祖皇宗ノ遺訓(いくん)ニシテ子孫臣民ノ倶ニ(ともに)遵守スヘキ(じゅんしゅすべき)所(ところ) 之ヲ古今ニ通シテ謬(あやま)ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス(もとらず)朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺(けんけんふくよう)シテ咸(みな)其德ヲ(そのとくを)一ニセンコトヲ庶幾フ(こいねがう) 明治二十三年十月三十日 御名御璽(ぎょめい ぎょじ) 朕が思うに、我が御祖先の方々が国をお肇めになったことは極めて広遠であり、徳をお立てになったことは極めて深く厚くあらせられ、又、我が臣民はよく忠にはげみよく孝をつくし、国中のすべての者が皆心を一にして代々美風をつくりあげて来た。これは我が国柄の精髄であって、教育の基づくところもまた実にここにある。 汝臣民は、父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互に睦び合い、朋友互に信義を以って交わり、へりくだって気随気儘の振舞いをせず、人々に対して慈愛を及すようにし、学問を修め業務を習って知識才能を養い、善良有為の人物となり、進んで公共の利益を広め世のためになる仕事をおこし、常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵守し、万一危急の大事が起ったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家の為につくせ。かくして神勅のまにまに天地と共に窮りなき宝祚(あまつひつぎ)の御栄をたすけ奉れ。かようにすることは、ただ朕に対して忠良な臣民であるばかりでなく、それがとりもなおさず、汝らの祖先ののこした美風をはっきりあらわすことになる。 ここに示した道は、実に我が御祖先のおのこしになった御訓であって、皇祖皇宗の子孫たる者及び臣民たる者が共々にしたがい守るべきところである。この道は古今を貫いて永久に間違いがなく、又我が国はもとより外国でとり用いても正しい道である。朕は汝臣民と一緒にこの道を大切に守って、皆この道を体得実践することを切に望む。 明治23年10月30日 明治天皇自署、御璽捺印 明治時代での単語の意味と、現代の意味では違うが、この節では主に現代での意味を記述する。 文章解釈については、各人・各時代により異なり、定訳は存在していない。日本では、「国定教科書」の解釈が有名で、修身の第2期国定教科書が発行される1910年から、修身の第5期国定教科書がGHQの指示で墨塗りされる1945年までの間、日本の全ての小学生がこの教育勅語の解釈を学んだ。 第二次大戦後の日本では、特に「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」の部分の解釈が問題となっている。まず、「戦争になったら天皇の国のために命を捧げる」ということを意味するのか、あるいはしないのか、という点に関して解釈が分かれており、また、仮に「戦争になったら天皇の国のために命を捧げる」ということを意味するとして、これは拒絶すべきことなのか、あるいは当然の務めなのか、というのも解釈が分かれている。 このほか、教育勅語の内容は儒教道徳だという意見もある。 これは文部省が編纂した修身の国定教科書に記載された、文部省による公式解釈である。 「初等科修身 4」では、「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」の部分が、「いったん國に事ある場合には、勇氣をふるひおこして、命をささげ、君國(きみくに)のためにつくさなければなりません」と解釈されており、これが「私たち臣民のつとめである」としている。 以下のように、教育勅語から12個の項目を抜き出して列挙したものが、第二次世界大戦後の日本において、『12の徳目』と呼ばれている。 以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ 『12の徳目』などと呼ばれているが、文部省の公式名称ではなく、命名者は不明である。 また第二次世界大戦後の日本においては、自由民主党同志会専務理事・佐々木盛雄の作った「国民道徳協会」という団体の現代語訳が比較的有名であるが、当時の世相があまり反映されていないという指摘もある。(国民道徳協会による現代語訳については、著作権の問題があるため、外部サイトを参照のこと。) 『12の徳目』への批判的意見として、教育学者で日本大学文理学部教授の佐藤秀夫は、国民道徳協会などによるこれらの現代語訳を「歪曲と誤訳の典型」と批判している。 井上毅と元田永孚によって起案されたが、井上毅は教育勅語が思想や宗教の自由を侵さないようにすることを重視し、対して元田永孚は国家神道的な教典とすることを重視していたとされている。このような対立や帝国議会の神道に対する配慮などにより、大日本帝国憲法第55条第2項で「凡(すべ)テ法律勅令其ノ他国務ニ関ル詔勅ハ国務大臣ノ副署ヲ要ス」と定められていたが、この国務に関する詔勅に該当しないものとしてされた。そのため御名御璽のみで、国務大臣の副署がないまま、各学校へは文部省によって一斉に下賜(上から下に与えること)された。 天皇皇后の真影(写真)や教育勅語を保管するために、学校に奉安庫若しくは奉安殿と呼ばれる保管庫が設けられた。学校の校舎内に設けられた保管所を奉安庫、学校の校舎とは独立して設けられたものを奉安殿という。奉安殿は、学校正門と校舎の間に設置された。 第2次世界大戦激化時には、登下校時において奉安殿への敬礼が命じられた。 文部省令などにより学校で行われる式典においては、教育勅語が奉読(朗読)されることになっていたが、後期は神聖化の影響もあってか、式典中の校長の動きは一挙一動までが明文で規定され、読み間違いなどを行えば校長の進退にも影響したともいわれる。 1948年6月19日に教育勅語について、衆議院では排除、参議院では失効確認がされた。決議文については、以下を参照。 決議文の内容を見ると両議院で微妙に見解が異なり、法学的な観点からは次のような議論がされることがある。 衆議院では「教育勅語等排除に関する決議」を決議し、「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。(第98条第1項)」という日本国憲法の本旨に従い、教育勅語等を排除することを宣言した。この決議については、教育勅語に国務大臣の副署がなく国務に関しない詔勅であったため、このようなものも排除できるのかという点で疑問とされる場合もあるが、日本国憲法が排除する詔勅を国務に関するものに限定する規定もまた存在していない。 参議院では「教育勅語等の失効確認に関する決議」を決議し、その決議文の中で、日本国憲法の人類普遍の原理に則って教育基本法を制定して、教育の誤りを徹底的に払拭して民主主義的教育理念をおごそかに宣明した結果として、教育勅語は、既に廃止せられその効力を失っているとした。ただし、日本国憲法にも教育基本法にも教育勅語を「廃止」する旨の規定が明文で定められていないことから疑問とされる場合もある一方、実質的に教育勅語が大日本帝国憲法と一対のものであったということから新憲法の制定によって実質的に廃止されたとされる場合もある。 なお、法学的な細部の観点はともかくとして、一般的に現代の教育において教育勅語を教育理念とされることはない。 初期の連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ) の教育勅語改訂構想もあり、教育勅語の廃止は元々決定されていたものではなかったが、その後GHQは、廃止の方針を決めた。また、教育基本法の起案者の一人で後に最高裁判所長官を務める田中耕太郎も、教育基本法では教育精神的な規定を設けずに、教育勅語を初めとする文書類との棲み分けを図ろうとしていた時期もあるが、後に田中は、自己の著書の中で、教育基本法が教育勅語の代わりとなったことを記した。 なお、教育勅語は、神聖的なとりあつかいや朗読が既に止められていたが、1948年6月19日に衆議院では排除、参議院では失効確認がされた。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本テキスト「教育勅語」は、教育勅語全般に関する教科書である。本wikibooksは教科書なので、教育的に重要度の高いと考えられる事を重点的に紹介する。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "教育勅語(きょういく ちょくご)とは、正式には「教育ニ関スル勅語」といい、1890年(明治23年)に発表された、第2次世界大戦前の日本の道徳教育の根幹となった勅語(ちょくご)である。(経緯について詳しくは、ウィキペディア『教育勅語』を参照)教育勅語の中身は、大まかに言うと、道徳教育の主張である。いわゆる「親孝行」などの「道徳」を尊重するような意見を、天皇が国民に語りかけるという形式である。", "title": "教育勅語とは" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "「勅語」(ちょくご)とは、一般的な用法での意味は、天皇が政治・行政などについての意思表示として伝える、天皇のいわゆる「お言葉」を、文書などとして正式化し公表した物である。", "title": "教育勅語とは" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "教育勅語について、現代日本では、たびたび論争になる。また教育問題を扱っている政治家や学者などが、たびたび教育勅語についての議論を行う。政治やニュースや雑誌などで、解釈や意義の有無が取り上げられることもある。", "title": "教育勅語とは" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "そして、それらの論争で、教育勅語への批判的な評価といっぽう肯定的な評価も出てくる。", "title": "教育勅語とは" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "その論争での、主な意見は、おおむね次のとおり。", "title": "教育勅語とは" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "現状では教育勅語を廃止していることから、本wikibooksでは、まず批判的な意見から紹介する。", "title": "教育勅語とは" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ德ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ敎育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ德器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン 斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ", "title": "原文" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "明治二十三年十月三十日 御名御璽", "title": "原文" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "朕(ちん)惟フニ(おもうに)我カ(わが)皇祖皇宗(こうそ こうそう)國ヲ(くにを)肇ムルコト(はじむること)宏遠ニ(こうえんに)德ヲ樹ツルコト(たつること)深厚ナリ(しんこうなり) 我カ(わが)臣民(しんみん)克ク(よく)忠ニ(ちゅうに)克ク(よく)孝ニ(こうに)億兆(おくちょう)心ヲ一ニシテ(こころをいつにして)世世(よよ)厥ノ(その)美ヲ(びを)濟セルハ(なせるは)此レ(これ)我カ國體(こくたい)ノ精華ニシテ敎育ノ淵源(えんげん)亦(また)實ニ(じつに)此ニ(ここに)存ス(ぞんす) 爾(なんじ)臣民(しんみん)父母ニ孝ニ(ふぼに こうに)兄弟ニ友ニ(けいていに ゆうに)夫婦相和シ(ふうふ あいわし)朋友相信シ(ほうゆう あいしんじ)恭儉(きょうけん)己(おの)レヲ持(じ)シ博愛(はくあい)衆(しゅう)ニ及(およ)ホシ學(がく)ヲ修(おさ)メ業(ぎょう)ヲ習(なら)ヒ以(もっ)テ智能(ちのう)ヲ啓發(けいはつ)シ德器(とっき)ヲ成就(じょうじゅ)シ進(すすん)テ公益(こうえき)ヲ廣(ひろ)メ世務(せむ/せいむ)ヲ開(ひら)キ 常(つね)ニ國憲(こっけん)ヲ重(おもん)シ國法(こくほう)ニ遵(したが)ヒ一旦緩急(いったんかんきゅう)アレハ義勇公(ぎゆうこう)ニ奉(ほう)シ以(もっ)テ天壤無窮(てんじょうむきゅう)ノ皇運(こううん)ヲ扶翼(ふよく)スヘシ 是ノ如キハ(かくのごときは)獨リ(ひとり)朕(ちん)カ忠良(ちゅうりょう)ノ臣民(しんみん)タルノミナラス又(また)以テ(もって)爾(なんじ)祖先(そせん)ノ遺風(いふう)ヲ顯彰(けんしょう)スルニ足ラン 斯ノ(この)道(みち)ハ實ニ(じつに)我カ皇祖皇宗ノ遺訓(いくん)ニシテ子孫臣民ノ倶ニ(ともに)遵守スヘキ(じゅんしゅすべき)所(ところ) 之ヲ古今ニ通シテ謬(あやま)ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス(もとらず)朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺(けんけんふくよう)シテ咸(みな)其德ヲ(そのとくを)一ニセンコトヲ庶幾フ(こいねがう)", "title": "ふりがな付き" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "明治二十三年十月三十日 御名御璽(ぎょめい ぎょじ)", "title": "ふりがな付き" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "朕が思うに、我が御祖先の方々が国をお肇めになったことは極めて広遠であり、徳をお立てになったことは極めて深く厚くあらせられ、又、我が臣民はよく忠にはげみよく孝をつくし、国中のすべての者が皆心を一にして代々美風をつくりあげて来た。これは我が国柄の精髄であって、教育の基づくところもまた実にここにある。", "title": "現代語訳" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "汝臣民は、父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互に睦び合い、朋友互に信義を以って交わり、へりくだって気随気儘の振舞いをせず、人々に対して慈愛を及すようにし、学問を修め業務を習って知識才能を養い、善良有為の人物となり、進んで公共の利益を広め世のためになる仕事をおこし、常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵守し、万一危急の大事が起ったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家の為につくせ。かくして神勅のまにまに天地と共に窮りなき宝祚(あまつひつぎ)の御栄をたすけ奉れ。かようにすることは、ただ朕に対して忠良な臣民であるばかりでなく、それがとりもなおさず、汝らの祖先ののこした美風をはっきりあらわすことになる。", "title": "現代語訳" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "ここに示した道は、実に我が御祖先のおのこしになった御訓であって、皇祖皇宗の子孫たる者及び臣民たる者が共々にしたがい守るべきところである。この道は古今を貫いて永久に間違いがなく、又我が国はもとより外国でとり用いても正しい道である。朕は汝臣民と一緒にこの道を大切に守って、皆この道を体得実践することを切に望む。", "title": "現代語訳" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "明治23年10月30日", "title": "現代語訳" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "明治天皇自署、御璽捺印", "title": "現代語訳" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "明治時代での単語の意味と、現代の意味では違うが、この節では主に現代での意味を記述する。", "title": "語釈など" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "文章解釈については、各人・各時代により異なり、定訳は存在していない。日本では、「国定教科書」の解釈が有名で、修身の第2期国定教科書が発行される1910年から、修身の第5期国定教科書がGHQの指示で墨塗りされる1945年までの間、日本の全ての小学生がこの教育勅語の解釈を学んだ。", "title": "文章解釈" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "第二次大戦後の日本では、特に「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」の部分の解釈が問題となっている。まず、「戦争になったら天皇の国のために命を捧げる」ということを意味するのか、あるいはしないのか、という点に関して解釈が分かれており、また、仮に「戦争になったら天皇の国のために命を捧げる」ということを意味するとして、これは拒絶すべきことなのか、あるいは当然の務めなのか、というのも解釈が分かれている。", "title": "文章解釈" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "このほか、教育勅語の内容は儒教道徳だという意見もある。", "title": "文章解釈" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "これは文部省が編纂した修身の国定教科書に記載された、文部省による公式解釈である。", "title": "文章解釈" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "「初等科修身 4」では、「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」の部分が、「いったん國に事ある場合には、勇氣をふるひおこして、命をささげ、君國(きみくに)のためにつくさなければなりません」と解釈されており、これが「私たち臣民のつとめである」としている。", "title": "文章解釈" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "以下のように、教育勅語から12個の項目を抜き出して列挙したものが、第二次世界大戦後の日本において、『12の徳目』と呼ばれている。", "title": "文章解釈" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ", "title": "文章解釈" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "『12の徳目』などと呼ばれているが、文部省の公式名称ではなく、命名者は不明である。", "title": "文章解釈" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "また第二次世界大戦後の日本においては、自由民主党同志会専務理事・佐々木盛雄の作った「国民道徳協会」という団体の現代語訳が比較的有名であるが、当時の世相があまり反映されていないという指摘もある。(国民道徳協会による現代語訳については、著作権の問題があるため、外部サイトを参照のこと。)", "title": "文章解釈" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "『12の徳目』への批判的意見として、教育学者で日本大学文理学部教授の佐藤秀夫は、国民道徳協会などによるこれらの現代語訳を「歪曲と誤訳の典型」と批判している。", "title": "文章解釈" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "井上毅と元田永孚によって起案されたが、井上毅は教育勅語が思想や宗教の自由を侵さないようにすることを重視し、対して元田永孚は国家神道的な教典とすることを重視していたとされている。このような対立や帝国議会の神道に対する配慮などにより、大日本帝国憲法第55条第2項で「凡(すべ)テ法律勅令其ノ他国務ニ関ル詔勅ハ国務大臣ノ副署ヲ要ス」と定められていたが、この国務に関する詔勅に該当しないものとしてされた。そのため御名御璽のみで、国務大臣の副署がないまま、各学校へは文部省によって一斉に下賜(上から下に与えること)された。", "title": "教育勅語をめぐる歴史" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "天皇皇后の真影(写真)や教育勅語を保管するために、学校に奉安庫若しくは奉安殿と呼ばれる保管庫が設けられた。学校の校舎内に設けられた保管所を奉安庫、学校の校舎とは独立して設けられたものを奉安殿という。奉安殿は、学校正門と校舎の間に設置された。", "title": "教育勅語をめぐる歴史" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "第2次世界大戦激化時には、登下校時において奉安殿への敬礼が命じられた。", "title": "教育勅語をめぐる歴史" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "文部省令などにより学校で行われる式典においては、教育勅語が奉読(朗読)されることになっていたが、後期は神聖化の影響もあってか、式典中の校長の動きは一挙一動までが明文で規定され、読み間違いなどを行えば校長の進退にも影響したともいわれる。", "title": "教育勅語をめぐる歴史" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "1948年6月19日に教育勅語について、衆議院では排除、参議院では失効確認がされた。決議文については、以下を参照。", "title": "教育勅語をめぐる歴史" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "決議文の内容を見ると両議院で微妙に見解が異なり、法学的な観点からは次のような議論がされることがある。", "title": "教育勅語をめぐる歴史" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "衆議院では「教育勅語等排除に関する決議」を決議し、「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。(第98条第1項)」という日本国憲法の本旨に従い、教育勅語等を排除することを宣言した。この決議については、教育勅語に国務大臣の副署がなく国務に関しない詔勅であったため、このようなものも排除できるのかという点で疑問とされる場合もあるが、日本国憲法が排除する詔勅を国務に関するものに限定する規定もまた存在していない。", "title": "教育勅語をめぐる歴史" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "参議院では「教育勅語等の失効確認に関する決議」を決議し、その決議文の中で、日本国憲法の人類普遍の原理に則って教育基本法を制定して、教育の誤りを徹底的に払拭して民主主義的教育理念をおごそかに宣明した結果として、教育勅語は、既に廃止せられその効力を失っているとした。ただし、日本国憲法にも教育基本法にも教育勅語を「廃止」する旨の規定が明文で定められていないことから疑問とされる場合もある一方、実質的に教育勅語が大日本帝国憲法と一対のものであったということから新憲法の制定によって実質的に廃止されたとされる場合もある。", "title": "教育勅語をめぐる歴史" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "なお、法学的な細部の観点はともかくとして、一般的に現代の教育において教育勅語を教育理念とされることはない。", "title": "教育勅語をめぐる歴史" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "初期の連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ) の教育勅語改訂構想もあり、教育勅語の廃止は元々決定されていたものではなかったが、その後GHQは、廃止の方針を決めた。また、教育基本法の起案者の一人で後に最高裁判所長官を務める田中耕太郎も、教育基本法では教育精神的な規定を設けずに、教育勅語を初めとする文書類との棲み分けを図ろうとしていた時期もあるが、後に田中は、自己の著書の中で、教育基本法が教育勅語の代わりとなったことを記した。", "title": "教育基本法との関係" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "なお、教育勅語は、神聖的なとりあつかいや朗読が既に止められていたが、1948年6月19日に衆議院では排除、参議院では失効確認がされた。", "title": "教育基本法との関係" } ]
本テキスト「教育勅語」は、教育勅語全般に関する教科書である。本wikibooksは教科書なので、教育的に重要度の高いと考えられる事を重点的に紹介する。
本テキスト「教育勅語」は、教育勅語全般に関する教科書である。本wikibooksは教科書なので、教育的に重要度の高いと考えられる事を重点的に紹介する。 == 教育勅語とは == 教育勅語(きょういく ちょくご)とは、正式には「教育ニ関スル勅語」といい、1890年(明治23年)に発表された、第2次世界大戦前の日本の道徳教育の根幹となった勅語(ちょくご)である。(経緯について詳しくは、ウィキペディア『[[w:教育ニ関スル勅語|教育勅語]]』を参照)教育勅語の中身は、大まかに言うと、道徳教育の主張である。いわゆる「親孝行」などの「道徳」を尊重するような意見を、天皇が国民に語りかけるという形式である。 「勅語」(ちょくご)とは、一般的な用法での意味は、[[w:天皇|天皇]]が政治・行政などについての意思表示として伝える、天皇のいわゆる「[[w:おことば|お言葉]]」を、文書などとして正式化し公表した物である。 === 現代における、教育勅語への評価 === 教育勅語について、現代日本では、たびたび論争になる。また教育問題を扱っている政治家や学者などが、たびたび教育勅語についての議論を行う。政治やニュースや雑誌などで、解釈や意義の有無が取り上げられることもある。 そして、それらの論争で、教育勅語への批判的な評価といっぽう肯定的な評価も出てくる。 その論争での、主な意見は、おおむね次のとおり。 現状では教育勅語を廃止していることから、本wikibooksでは、まず批判的な意見から紹介する。 ==== 批判的な評価 ==== :* 公開直後から組織的な命令によって過剰な神聖化がなされた経緯もあり、思想や良心の自由を否定している、という意見もある。 :* [[w:モーセの十戒|モーセの十戒]]・仏教の[[w:五戒|五戒]]と異なり、人倫を全く説いていない内容。 :* 軍人の規律を説く軍人勅諭と同列のものであり、軍事教育や軍国主義につながる、という意見もある。 :::連合国軍最高司令官総司令部による占領統治時代に連合国軍によって教育勅語が廃止されたのは、この理由(軍国主義につながる)から :* 根本的理念が「主権在君並びに神話的国体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い、且つ國際信義に対して疑点を残すもととなる。」 :::1948年に衆議院によって決議された『[[w:「教育勅語等排除に関する決議」と「教育勅語等の失効確認に関する決議」|教育勅語等排除に関する決議]]』より :* 教育の根本に天皇中心の[[w:国体|国体]]思想を据えたこと自体が問題である、という意見もある。 :::教育学者で元国立教育研究所所員・日本大学文理学部教授の[[w:佐藤秀夫|佐藤秀夫]]は「教育勅語の基本的趣旨は、その冒頭における、天照大神に起源する(皇祖)歴代皇統(皇宗)の徳治と臣民全体のそれへの終始変わらぬ忠誠の関係、つまり皇国史観により捉えられる君臣関係を軸とする国家構成原理、すなわち『国体』にこそ、日本の教育の淵源が存すると規定したところにある。」と述べている<ref>佐藤秀夫『教育の文化史4 現代の視座』阿吽社、2005年、65頁。ISBN 4-900590-83-5</ref>。また、教育勅語に示されている徳目は「歴史的にこの国の民衆の間に形成されてきた通俗道徳項目に過ぎない」として、重要なのはそれらの徳目が「以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」に構造づけられていたこと、すなわち、「日本における道徳は、すべて[[w:天皇制|天皇制]]の発展に寄与してこそ、はじめて意味を持つということになっていた」ことであると指摘している<ref>佐藤『教育の文化史4 現代の視座』阿吽社、2005年、66頁。ISBN 4-900590-83-5</ref>。 ==== 肯定的な評価 ==== :* 現代語訳での12の徳目は、日本の伝統的道徳観が込められており、一種の模範となるものがあってもいいのではないかという意見もある。 :* 多くの国や宗教で古くから普遍的にある道徳を、明治当時の日本の国情に合わせて記述したものにすぎない、という意見もある。 :::[[w:桐蔭横浜大学|桐蔭横浜大学]]学長鵜川昇によれば「『カトリックの倫理綱領と同じ』であり、『日本人としての根本倫理』を表したものとして講義を続けた[[w:栄光学園|栄光学園]]のグスタフ・フォス校長(神父)」のような教育者も過去には存在したという。また、三重県伊勢市の[[w:皇學館高等学校|皇學館高等学校]]は教育勅語を教材の中に取り入れており、現代の社会において欠けているものが教育勅語にあるからこそ、生徒が暗唱をしている == 原文 == 朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ德ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ敎育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ德器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン<br> 斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ 明治二十三年十月三十日<br> 御名御璽 == ふりがな付き == 朕(ちん)惟フニ(おもうに)我カ(わが)皇祖皇宗(こうそ こうそう)國ヲ(くにを)肇ムルコト(はじむること)宏遠ニ(こうえんに)德ヲ樹ツルコト(たつること)深厚ナリ(しんこうなり)<br> 我カ(わが)臣民(しんみん)克ク(よく)忠ニ(ちゅうに)克ク(よく)孝ニ(こうに)億兆(おくちょう)心ヲ一ニシテ(こころをいつにして)世世(よよ)厥ノ(その)美ヲ(びを)濟セルハ(なせるは)此レ(これ)我カ國體(こくたい)ノ精華ニシテ敎育ノ淵源(えんげん)亦(また)實ニ(じつに)此ニ(ここに)存ス(ぞんす)<br> 爾(なんじ)臣民(しんみん)父母ニ孝ニ(ふぼに こうに)兄弟ニ友ニ(けいていに ゆうに)夫婦相和シ(ふうふ あいわし)朋友相信シ(ほうゆう あいしんじ)恭儉(きょうけん)己(おの)レヲ持(じ)シ博愛(はくあい)衆(しゅう)ニ及(およ)ホシ學(がく)ヲ修(おさ)メ業(ぎょう)ヲ習(なら)ヒ以(もっ)テ智能(ちのう)ヲ啓發(けいはつ)シ德器(とっき)ヲ成就(じょうじゅ)シ進(すすん)テ公益(こうえき)ヲ廣(ひろ)メ世務(せむ/せいむ)ヲ開(ひら)キ 常(つね)ニ國憲(こっけん)ヲ重(おもん)シ國法(こくほう)ニ遵(したが)ヒ一旦緩急(いったんかんきゅう)アレハ義勇公(ぎゆうこう)ニ奉(ほう)シ以(もっ)テ天壤無窮(てんじょうむきゅう)ノ皇運(こううん)ヲ扶翼(ふよく)スヘシ<br> 是ノ如キハ(かくのごときは)獨リ(ひとり)朕(ちん)カ忠良(ちゅうりょう)ノ臣民(しんみん)タルノミナラス又(また)以テ(もって)爾(なんじ)祖先(そせん)ノ遺風(いふう)ヲ顯彰(けんしょう)スルニ足ラン<br><br> 斯ノ(この)道(みち)ハ實ニ(じつに)我カ皇祖皇宗ノ遺訓(いくん)ニシテ子孫臣民ノ倶ニ(ともに)遵守スヘキ(じゅんしゅすべき)所(ところ)<br> 之ヲ古今ニ通シテ謬(あやま)ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス(もとらず)朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺(けんけんふくよう)シテ咸(みな)其德ヲ(そのとくを)一ニセンコトヲ庶幾フ(こいねがう) 明治二十三年十月三十日<br> 御名御璽(ぎょめい ぎょじ) == 現代語訳 == === 文部省訳 === :(文部省図書局『聖訓ノ述義ニ関スル協議会報告書』(1940年)より。明治天皇から勅語を賜った文部大臣が管轄する文部省自身による、「正式な現代語訳」とされる文章) 朕が思うに、我が御祖先の方々が国をお肇めになったことは極めて広遠であり、徳をお立てになったことは極めて深く厚くあらせられ、又、我が臣民はよく忠にはげみよく孝をつくし、国中のすべての者が皆心を一にして代々美風をつくりあげて来た。これは我が国柄の精髄であって、教育の基づくところもまた実にここにある。 汝臣民は、父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互に睦び合い、朋友互に信義を以って交わり、へりくだって気随気儘の振舞いをせず、人々に対して慈愛を及すようにし、学問を修め業務を習って知識才能を養い、善良有為の人物となり、進んで公共の利益を広め世のためになる仕事をおこし、常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵守し、万一危急の大事が起ったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家の為につくせ。かくして神勅のまにまに天地と共に窮りなき宝祚(あまつひつぎ)の御栄をたすけ奉れ。かようにすることは、ただ朕に対して忠良な臣民であるばかりでなく、それがとりもなおさず、汝らの祖先ののこした美風をはっきりあらわすことになる。 ここに示した道は、実に我が御祖先のおのこしになった御訓であって、皇祖皇宗の子孫たる者及び臣民たる者が共々にしたがい守るべきところである。この道は古今を貫いて永久に間違いがなく、又我が国はもとより外国でとり用いても正しい道である。朕は汝臣民と一緒にこの道を大切に守って、皆この道を体得実践することを切に望む。 明治23年10月30日 明治天皇自署、御璽捺印 == 語釈など == 明治時代での単語の意味と、現代の意味では違うが、この節では主に現代での意味を記述する。 :*朕(ちん) - 皇帝の自称。ここでは明治天皇の自称。 :*皇祖(こうそ) - 皇室の先祖。または、それから派生して、天照大御神(あまてらす おおみかみ)や、神武天皇のこと。あるいは、天照大御神から神武天皇までの一連の神々・人物のこと。 :*精華(せいか) - 真髄。優れた点。真価。 :*恭倹(きょうけん) - つつしみ深く、控えめに振る舞うこと :*「徳器」(とっき) - 「徳器」の意味は「徳と器量」などと、国語辞典などでは解説されることが多い。 :*天壌無窮(てんじょう むきゅう) - 天地が永遠に続く。「天壌」とは天と土壌のこと、つまり天地のこと。「無窮」とは、極まりない事。「窮」(きゅう)とは「究める」(きわめる)などの意味。 :*悖る(もとる) - 現代では「もとる」とは、道理にそむく、道理に反する、などの意味。(なお、古語では「もとる」とは、「ゆがむ」「ねじまがる」の意味で、法華経や霊異記(りょういき)などに見られる表現。古語では、「戻る」も「悖る」も同じ意味で、古語での意味は「ゆがむ」「ねじまがる」の意味。) :*拳々服膺(けんけんふくよう) - 強く心に刻み込んで、忘れないようにする。漢文『中庸』由来の表現であり、「拳拳」とは、両手をつきだして、大事そうに、ささげ持つ様子のこと。「服膺」とは、身に付けること、胸につけること。つまり、現代風に言えば、「服膺」とは「胸中に刻む」的な意味。 :*扶翼(ふよく) - 「扶」とは古語では「たすく」と読み、「助ける」と同じ意味であるが、古語での「たすく」の意味は「救出する」(徒然草・89段)(たすけよや、猫また、よやよや)のほか、協力的な意味としての「支える」「補佐する」(源氏物語・帚木)(上は下に助けられ、下は上になびきて)、物理的に倒れたりしないように支える(源氏物語・蓬生(よもぎう))(男ども、たすけてとかく開け騒ぐ。)の意味もある。 == 文章解釈 == 文章解釈については、各人・各時代により異なり、定訳は存在していない。日本では、「国定教科書」の解釈が有名で、修身の第2期国定教科書が発行される1910年から、修身の第5期国定教科書がGHQの指示で墨塗りされる1945年までの間、日本の全ての小学生がこの教育勅語の解釈を学んだ。 第二次大戦後の日本では、特に「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」の部分の解釈が問題となっている。まず、「戦争になったら天皇の国のために命を捧げる」ということを意味するのか、あるいはしないのか、という点に関して解釈が分かれており、また、仮に「戦争になったら天皇の国のために命を捧げる」ということを意味するとして、これは拒絶すべきことなのか、あるいは当然の務めなのか、というのも解釈が分かれている。 このほか、教育勅語の内容は儒教道徳だという意見もある。 === 国定教科書 === これは文部省が編纂した修身の国定教科書に記載された、文部省による公式解釈である。 「初等科修身 4」では、「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」の部分が、「いったん國に事ある場合には、勇氣をふるひおこして、命をささげ、君國(きみくに)のためにつくさなければなりません」<ref>文部省 編『初等科修身 4』文部省、1941年、5頁</ref>と解釈されており、これが「私たち臣民のつとめである」としている。 === 12の徳目 === 以下のように、教育勅語から12個の項目を抜き出して列挙したものが、第二次世界大戦後の日本において、『12の徳目』と呼ばれている。 # 父母ニ孝ニ # 兄弟ニ友ニ # 夫婦相和シ # 朋友相信シ # 恭儉己レヲ持シ # 博愛衆ニ及ホシ # 學ヲ修メ業ヲ習ヒ # 以テ智能ヲ啓發シ # 德器ヲ成就シ # 進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ # 常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ # 一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ 以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ 『12の徳目』などと呼ばれているが、文部省の公式名称ではなく、命名者は不明である。 また第二次世界大戦後の日本においては、自由民主党同志会専務理事・佐々木盛雄の作った「国民道徳協会」という団体の現代語訳が比較的有名であるが、当時の世相があまり反映されていないという指摘もある。(国民道徳協会による現代語訳については、著作権の問題があるため、外部サイトを参照のこと。) * [http://www.meijijingu.or.jp/about/3-4.html 国民道徳協会の口語訳] (明治神宮公式サイト内) 『12の徳目』への批判的意見として、教育学者で日本大学文理学部教授の佐藤秀夫は、国民道徳協会などによるこれらの現代語訳を「歪曲と誤訳の典型」と批判している<ref>佐藤秀夫『教育の文化史4 現代の視座』阿吽社、2005年、68頁。ISBN 4-900590-83-5</ref>。 == 教育勅語をめぐる歴史 == === 年表 === * 1890年(明治23年) 10月30日に発布。 * 1891年(明治24年) 小学校祝日大祭日儀式規定制定。学校などで式典がある場合に朗読。 * 1900年(明治33年) 小学校令施行規則制定。 * 1946年(昭和21年) 連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ) が朗読と神聖的な取りあつかいを禁止。 * 1948年(昭和23年) 6月19日に衆議院が「教育勅語等排除に関する決議」を参議院が「教育勅語等の失効確認に関する決議」を決議。 === 教育勅語の起案 === 井上毅と元田永孚によって起案されたが、井上毅は教育勅語が思想や宗教の自由を侵さないようにすることを重視し、対して元田永孚は国家神道的な教典とすることを重視していたとされている。このような対立や帝国議会の神道に対する配慮などにより、大日本帝国憲法第55条第2項で「凡(すべ)テ法律勅令其ノ他国務ニ関ル詔勅ハ国務大臣ノ副署ヲ要ス」と定められていたが、この国務に関する詔勅に該当しないものとしてされた。そのため御名御璽のみで、国務大臣の副署がないまま、各学校へは文部省によって一斉に下賜(上から下に与えること)された。 === 奉安所 === 天皇皇后の真影(写真)や教育勅語を保管するために、学校に奉安庫若しくは[[W:奉安殿|奉安殿]]と呼ばれる保管庫が設けられた。学校の校舎内に設けられた保管所を奉安庫、学校の校舎とは独立して設けられたものを奉安殿という。奉安殿は、学校正門と校舎の間に設置された。 第2次世界大戦激化時には、登下校時において奉安殿への敬礼が命じられた。 === 奉読 === 文部省令などにより学校で行われる式典においては、教育勅語が奉読(朗読)されることになっていたが、後期は神聖化の影響もあってか、式典中の校長の動きは一挙一動までが明文で規定され、読み間違いなどを行えば校長の進退にも影響したともいわれる。 === 排除・失効確認 === 1948年6月19日に教育勅語について、衆議院では排除、参議院では失効確認がされた。決議文については、以下を参照。 * [[s:教育勅語等排除に関する決議|教育勅語等排除に関する決議]](ウィキソース) * [[s:教育勅語等の失効確認に関する決議|教育勅語等の失効確認に関する決議]](ウィキソース) 決議文の内容を見ると両議院で微妙に見解が異なり、法学的な観点からは次のような議論がされることがある。 衆議院では「教育勅語等排除に関する決議」を決議し、「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。(第98条第1項)」という日本国憲法の本旨に従い、教育勅語等を排除することを宣言した。この決議については、教育勅語に国務大臣の副署がなく国務に関しない詔勅であったため、このようなものも排除できるのかという点で疑問とされる場合もあるが、日本国憲法が排除する詔勅を国務に関するものに限定する規定もまた存在していない。 参議院では「教育勅語等の失効確認に関する決議」を決議し、その決議文の中で、日本国憲法の人類普遍の原理に則って教育基本法を制定して、教育の誤りを徹底的に払拭して民主主義的教育理念をおごそかに宣明した結果として、教育勅語は、既に廃止せられその効力を失っているとした。ただし、日本国憲法にも教育基本法にも教育勅語を「廃止」する旨の規定が明文で定められていないことから疑問とされる場合もある一方、実質的に教育勅語が大日本帝国憲法と一対のものであったということから新憲法の制定によって実質的に廃止されたとされる場合もある。 なお、法学的な細部の観点はともかくとして、一般的に現代の教育において教育勅語を教育理念とされることはない。 == 教育基本法との関係 == 初期の連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ) の教育勅語改訂構想もあり、教育勅語の廃止は元々決定されていたものではなかったが、その後GHQは、廃止の方針を決めた。また、教育基本法の起案者の一人で後に最高裁判所長官を務める田中耕太郎も、教育基本法では教育精神的な規定を設けずに、教育勅語を初めとする文書類との棲み分けを図ろうとしていた時期もあるが、後に田中は、自己の著書の中で、教育基本法が教育勅語の代わりとなったことを記した。 なお、教育勅語は、神聖的なとりあつかいや朗読が既に止められていたが、1948年6月19日に衆議院では排除、参議院では失効確認がされた。 == 脚注 == <references /> == 関連項目 == * [[w:教育ニ関スル勅語|教育ニ関スル勅語]](ウィキペディア) * [[s:教育ニ関スル勅語|教育ニ関スル勅語(原文)]](ウィキソース) * [[s:教育勅語等排除に関する決議|教育勅語等排除に関する決議]](ウィキソース) * [[s:教育勅語等の失効確認に関する決議|教育勅語等の失効確認に関する決議]](ウィキソース) ---- {{stub}}
2004-08-31T02:36:12Z
2024-02-18T07:30:50Z
[ "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%95%99%E8%82%B2%E5%8B%85%E8%AA%9E
605
高等学校数学I/2次関数
一般に、 y {\displaystyle y} が x {\displaystyle x} の関数である場合に、 f {\displaystyle f} などの文字を用いて、 と書き表すことができる。 また、x の関数 y=f(x) のことを単に f(x) と省略して言う場合もよくある。 関数 y=f(x) において、変数xの値をaにした場合の関数の値を f(a) で表す。 つまり、関数f(x) の x=a の場合でのyの値が f(a) である。ちなみに関数のfとは 英語で関数を意味するfunctionの頭文字 からとっている。 xy座標で第1象限(しょうげん)から第4象限までの位置を、図のように定義する。 位置と象限の番号の対応の覚え方は、x軸の正方向を基準に、反時計周り(左回り)に番号が大きくなっていくと覚えればいい。 それぞれの象限と、X、Yの値との関係は、左図のとおり。 以下の関数はいずれも2次関数である。 一方以下の関数は2次関数ではない 読者はこれを当然と思うかもしれないが、上の式は と表記することもできる。しかし、これは x {\displaystyle x} 二次式ではないので2次関数ではない。 そのために、2次関数の定義において a ≠ 0 {\displaystyle a\neq 0} でなければならないというルールを設けたのである。 まず、もっとも簡単な y = a x 2 {\displaystyle y=ax^{2}} のグラフは a > 0 {\displaystyle a>0} のとき図1のようになる。(図では a = 1 {\displaystyle a=1} の場合を表記)。また、 a < 0 {\displaystyle a<0} のときは図1 のグラフを上下さかさまにしたものになる。 a > 0 {\displaystyle a>0} のとき2次関数 y {\displaystyle y} は 下に凸 (したにとつ)といい、 a < 0 {\displaystyle a<0} のとき 上に凸 (うえにとつ)という。また、2次関数のグラフを放物線という。 2つの2次関数 のグラフを書くために値を求めると、下記の表のようになる。 表を見ると、(2) 2x+4 の値は、つねに (1) 2x の値よりも4だけ大きい。 したがって(2) 2x+4 のグラフは、 (1) 2x のグラフをy軸方向に4だけ平行移動した放物線であり、 の放物線である。 y=2(x-3) のグラフは、 2x のグラフをx軸方向に3だけ平行移動した放物線であり、 の放物線である。 y=2(x-3)+4 のグラフは、 y=2(x-3) のグラフをy軸方向に4だけ平行移動した放物線である。 そして、y=2(x-3) のグラフは y=2x のグラフをx軸方向に3だけ平行移動した放物線であったので、つまり y=2(x-3)+4 のグラフは、y=2x のグラフを x軸方向に3, y軸方向に4, 平行移動した放物線である。 よって、 である。 本節では2次関数の一般形と標準形について学ぶ。この知識は後で2次関数をグラフで表す際に役立つ。 先ほど現れた という形の式 ( a ≠ 0 {\displaystyle a\neq 0} ) を2次関数の一般形といい、 という式を2次関数の標準形という。 (上で、 a ≠ 0 {\displaystyle a\neq 0} 、 b {\displaystyle b} 、 c {\displaystyle c} 、 p {\displaystyle p} 、 q {\displaystyle q} は定数で、 x {\displaystyle x} は変数であるものとする。) 一般形で表記されている2次関数を標準形で表記する事を平方完成という。 後述するように、標準形は2次関数をグラフで表す際に用いる。 標準形 で表記されている2次関数の右辺を展開すると、 となるので、 とすれば一般形になる。 逆に一般形 で表記されている2次関数は以下の手順で標準形に変換できる(この変形手法を平方完成という)。 ここで、 とおくと、 となり標準形で表されたことになる。 一般の2次関数をグラフで表現してみよう。 前述のように2次関数は平方完成の手順を踏む事により必ず標準形で表記可能なので、2次関数 y = a x 2 + b x + c {\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} を標準形 に変換する。ここで、 この標準形のグラフは y = a x 2 {\displaystyle y=ax^{2}} のグラフを x {\displaystyle x} 軸方向に p {\displaystyle p} , y {\displaystyle y} 軸方向に q {\displaystyle q} 平行移動させたものと考えることができる。よって以下の事実が結論付けられる。 2次関数 y = a x 2 + b x + c {\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} のグラフと x {\displaystyle x} 軸に共有点があるとき、その共有点の y {\displaystyle y} 座標は0であるから、共有点の x {\displaystyle x} 座標は、二次方程式 a x 2 + b x + c = 0 {\displaystyle ax^{2}+bx+c=0} の実数解である。 次の2次関数のグラフと x {\displaystyle x} 軸の共有点の座標を求めよ。 (i) (ii) (i) 2次方程式 x 2 − 2 x − 1 = 0 {\displaystyle x^{2}-2x-1=0} を解くと よって、共有点の座標は (ii) 2次方程式 − 4 x 2 − 4 x − 1 = 0 {\displaystyle -4x^{2}-4x-1=0} を解くと よって、共有点の座標は (ii)のグラフはただ1点 ( − 1 2 , 0 ) {\displaystyle \left(-{\frac {1}{2}}\ ,\ 0\right)} で共有し、共有点の x {\displaystyle x} 座標は二次方程式 − 4 x 2 − 4 x − 1 = 0 {\displaystyle -4x^{2}-4x-1=0} の重解である。このようなとき、2次関数のグラフは x {\displaystyle x} 軸に接するといい、その共有点を接点という。 2次関数 y = a x 2 + b x + c {\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} のグラフと x {\displaystyle x} 軸との共有点の x {\displaystyle x} 座標は、二次方程式 a x 2 + b x + c = 0 {\displaystyle ax^{2}+bx+c=0} の実数解で、実数解の個数は D = b 2 − 4 a c {\displaystyle D=b^{2}-4ac} の符号によって決まる。 b 2 − 4 a c {\displaystyle b^{2}-4ac} のことを 2次方程式 a x 2 + b x + c = 0 {\displaystyle ax^{2}+bx+c=0} の 判別式 (はんべつしき)という。 次の2次関数のグラフと x {\displaystyle x} 軸との共有点の個数を求めよ。 (I) (II) (III) (I) だから、 x {\displaystyle x} 軸との共有点はなし。 (II) だから、 x {\displaystyle x} 軸との共有点は2個。 (III) だから、 x {\displaystyle x} 軸との共有点は1個。 2次間数にかぎらず、一般に関数 y = f(x)において、 変数x のとりうる値の範囲のことを定義域(ていぎいき、domain)という。 また、xの値に対応して y の値のとりうる範囲のことを値域(ちいき、range)という。 多くの場合、値域は定義域の影響を受けて変化する。 また、この例のように、定義域や値域を表す場合に、不等式で表す手法も多い。 略式の記法として、定義域を表す場合に、 のようにカッコ内の不等式で表すことも、よくある。この記法(「 y=2x ( 1 ≦ x ≦ 3 ) 」)の場合、定義域は 1 ≦ x ≦ 3 であると主張している。 つまり、定義域を数式ではっきりと示す必要がある場合には のように示すことがよくある。この関数の場合、定義域は a ≦ x ≦ b {\displaystyle a\leqq x\leqq b} である。 特に定義域の指定されてない場合は、可能なかぎり定義域を広くとるのが普通である。 たとえば、さきほどの関数 y=2x の問題の例 、 では、与えられた定義域で、この関数の値のとりうる最大の値は 6 である。 このように、ある関数が、与えられた条件下でもつ最大の値のことを、その関数の最大値(さいだいち, maximum)という。 または、さきほど習った「値域」という言葉をつかうなら、「最大値」とは、値域の最大の値のことである。 つまり、関数 y=2x ( 1 ≦ x ≦ 3 ) の最大値は 6 である。 もし、定義域を指定しなければ、関数 y=2x に最大値は無い(定義域の指定がなければ、xが どこまでも大きくなるし、それに比例してyも大きくなるので)。 同様に、ある関数が、与えられた条件下でもつ最小の値のことを、その関数の最小値(さいしょうち, minimum)という。 関数 y=2x ( 1 ≦ x ≦ 3 ) の最小値は 2 である。 定義域が実数全体である2次関数 y = a x 2 + b x + c {\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} では、右図のように、aの正負によって最小値(a>0 の場合)、または最大値がある(a<0の場合)。 と標準形にし、グラフを書くと右図のようになる。 したがってグラフより答えは最大値は x = 0 {\displaystyle x=0} のとき 5 {\displaystyle 5} , 最小値は x = − 5 2 {\displaystyle x=-{\frac {5}{2}}} のとき − 5 4 {\displaystyle -{\frac {5}{4}}} 。 上の例題と同様の問題のように思えるが、定義域が 0 ≤ x ≤ 3 {\displaystyle 0\leq x\leq 3} ではなく、 0 ≤ x < 3 {\displaystyle 0\leq x<3} となっている。とりあえずグラフをかいてみることにする。 グラフから、最大値は x = 1 {\displaystyle x=1} のとき 2 {\displaystyle 2} , 最小値は存在しない。 二次不等式とは、 x {\displaystyle x} の二次式と不等号で表される式のことをいい、 のような形をしている。グラフを利用して二次不等式の解を考えてみよう。 2次関数 y = x 2 + 4 x = x ( x + 4 ) {\displaystyle y=x^{2}+4x=x(x+4)} のグラフは右図のようになる。 x 2 + 4 x > 0 {\displaystyle x^{2}+4x>0} となる x {\displaystyle x} の値の範囲は右のグラフの x {\displaystyle x} 軸より上側にある部分に対する x {\displaystyle x} の値の範囲であるから、 この問題をより一般化してみよう。 2次不等式 a x 2 + b x + c > 0 {\displaystyle ax^{2}+bx+c>0} を解くには y = a x 2 + b x + c {\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} のグラフをかけば一目瞭然である。しかし、グラフをかいた場合にも我々が注目するのは x {\displaystyle x} 軸より上か下かということと、 x {\displaystyle x} 軸との共有点である。 x {\displaystyle x} 軸との共有点は二次方程式 a x 2 + b x + c = 0 {\displaystyle ax^{2}+bx+c=0} の解であるが、二次方程式の解の公式を思い出してほしい。それは次のようなものであった。 これを用いると、二次方程式 a x 2 + b x + c = 0 {\displaystyle ax^{2}+bx+c=0} が解を持つとき、 と因数分解形で表すことができる。(右辺を展開して左辺と一致することを確かめてみよ。) ここで、 とおくと、 となる。 a > 0 {\displaystyle a>0} のとき y = a x 2 + b x + c {\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} のグラフは下に凸であるからこの不等式の解は、 となる。 a < 0 {\displaystyle a<0} のときは両辺を − 1 {\displaystyle -1} で割ってから考えると、 となる。 次の二次不等式を解け。 (i) (ii) (i) 二次方程式 12 x 2 + 17 x − 7 = 0 {\displaystyle 12x^{2}+17x-7=0} を解くと よって、この二次不等式の解は (ii) 二次方程式 2 x 2 + 6 x + 1 = 0 {\displaystyle 2x^{2}+6x+1=0} を解くと よって、この二次不等式の解は y = x 2 − 6 x + 9 {\displaystyle y=x^{2}-6x+9} の値の符号について考えよう。 平方完成をすると この関数のグラフは、 x {\displaystyle x} 軸と点 ( 3 , 0 ) {\displaystyle (3\ ,\ 0)} で接する。 y = x 2 − 6 x + 9 {\displaystyle y=x^{2}-6x+9} の値の符号について、下の表のようになる。 よって 次の二次不等式を解け。 (i) (ii) (iii) (iv) (i) よって、-1以外のすべての実数 (ii) よって、 x = − 2 3 {\displaystyle x=-{\frac {2}{3}}} (iii) よって、解はない (iv) よって、すべての実数 2次関数 y = a x 2 + b x + c {\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} のグラフと x {\displaystyle x} 軸の位置関係について、 D = b 2 − 4 a c < 0 {\displaystyle D=b^{2}-4ac<0} のとき、 x {\displaystyle x} 軸と共有点をもたなかった。 さらに a > 0 {\displaystyle a>0} という条件を加えると、 y = a x 2 + b x + c {\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} のグラフは x {\displaystyle x} 軸より上側にある。 a > 0 , D = b 2 − 4 a c < 0 {\displaystyle a>0\ ,\ D=b^{2}-4ac<0} のとき 次の二次不等式を解け。 (i) (ii) (iii) (i) よって、解はない (ii) よって、すべての実数 (iii) よって、解はない 放物線と直線の共有点について考えよう。 放物線 y = x 2 − 4 x + 5 {\displaystyle y=x^{2}-4x+5} と次の直線の共有点の座標を求めよ。 (i) (ii) (i) 求める共有点の座標は、連立方程式 の実数の解である。 y = x + 1 {\displaystyle y=x+1} を y = x 2 − 4 x + 5 {\displaystyle y=x^{2}-4x+5} に代入すると すなわち これを解いて x = 1 {\displaystyle x=1} のとき y = 2 {\displaystyle y=2} x = 4 {\displaystyle x=4} のとき y = 5 {\displaystyle y=5} よって、共有点の座標は である。 (ii) 求める共有点の座標は、連立方程式 の実数の解である。 y = 2 x − 4 {\displaystyle y=2x-4} を y = x 2 − 4 x + 5 {\displaystyle y=x^{2}-4x+5} に代入すると すなわち これを解いて このとき y = 2 {\displaystyle y=2} よって、共有点の座標は である。 例題の(ii)のように、放物線とその軸に平行でない直線がただ1点を共有するとき、放物線は直線に接するといい、共有点を接点という。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "一般に、 y {\\displaystyle y} が x {\\displaystyle x} の関数である場合に、 f {\\displaystyle f} などの文字を用いて、", "title": "関数" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "と書き表すことができる。", "title": "関数" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "また、x の関数 y=f(x) のことを単に f(x) と省略して言う場合もよくある。", "title": "関数" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "関数 y=f(x) において、変数xの値をaにした場合の関数の値を f(a) で表す。", "title": "関数" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "つまり、関数f(x) の x=a の場合でのyの値が f(a) である。ちなみに関数のfとは 英語で関数を意味するfunctionの頭文字 からとっている。", "title": "関数" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "xy座標で第1象限(しょうげん)から第4象限までの位置を、図のように定義する。", "title": "関数" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "位置と象限の番号の対応の覚え方は、x軸の正方向を基準に、反時計周り(左回り)に番号が大きくなっていくと覚えればいい。", "title": "関数" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "それぞれの象限と、X、Yの値との関係は、左図のとおり。", "title": "関数" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "以下の関数はいずれも2次関数である。", "title": "2次関数" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "一方以下の関数は2次関数ではない", "title": "2次関数" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "読者はこれを当然と思うかもしれないが、上の式は", "title": "2次関数" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "と表記することもできる。しかし、これは x {\\displaystyle x} 二次式ではないので2次関数ではない。 そのために、2次関数の定義において a ≠ 0 {\\displaystyle a\\neq 0} でなければならないというルールを設けたのである。", "title": "2次関数" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "まず、もっとも簡単な y = a x 2 {\\displaystyle y=ax^{2}} のグラフは a > 0 {\\displaystyle a>0} のとき図1のようになる。(図では a = 1 {\\displaystyle a=1} の場合を表記)。また、 a < 0 {\\displaystyle a<0} のときは図1 のグラフを上下さかさまにしたものになる。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "a > 0 {\\displaystyle a>0} のとき2次関数 y {\\displaystyle y} は 下に凸 (したにとつ)といい、 a < 0 {\\displaystyle a<0} のとき 上に凸 (うえにとつ)という。また、2次関数のグラフを放物線という。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "2つの2次関数", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "のグラフを書くために値を求めると、下記の表のようになる。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "表を見ると、(2) 2x+4 の値は、つねに (1) 2x の値よりも4だけ大きい。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "したがって(2) 2x+4 のグラフは、 (1) 2x のグラフをy軸方向に4だけ平行移動した放物線であり、", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "の放物線である。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "y=2(x-3) のグラフは、 2x のグラフをx軸方向に3だけ平行移動した放物線であり、", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "の放物線である。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "y=2(x-3)+4 のグラフは、 y=2(x-3) のグラフをy軸方向に4だけ平行移動した放物線である。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "そして、y=2(x-3) のグラフは y=2x のグラフをx軸方向に3だけ平行移動した放物線であったので、つまり", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "y=2(x-3)+4 のグラフは、y=2x のグラフを x軸方向に3, y軸方向に4, 平行移動した放物線である。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "よって、", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "である。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "本節では2次関数の一般形と標準形について学ぶ。この知識は後で2次関数をグラフで表す際に役立つ。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "先ほど現れた", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "という形の式 ( a ≠ 0 {\\displaystyle a\\neq 0} ) を2次関数の一般形といい、", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "という式を2次関数の標準形という。 (上で、 a ≠ 0 {\\displaystyle a\\neq 0} 、 b {\\displaystyle b} 、 c {\\displaystyle c} 、 p {\\displaystyle p} 、 q {\\displaystyle q} は定数で、 x {\\displaystyle x} は変数であるものとする。)", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "一般形で表記されている2次関数を標準形で表記する事を平方完成という。 後述するように、標準形は2次関数をグラフで表す際に用いる。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "標準形", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "で表記されている2次関数の右辺を展開すると、", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "となるので、", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "とすれば一般形になる。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "逆に一般形", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "で表記されている2次関数は以下の手順で標準形に変換できる(この変形手法を平方完成という)。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "ここで、", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "とおくと、", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "となり標準形で表されたことになる。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "一般の2次関数をグラフで表現してみよう。 前述のように2次関数は平方完成の手順を踏む事により必ず標準形で表記可能なので、2次関数 y = a x 2 + b x + c {\\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} を標準形", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "に変換する。ここで、", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "この標準形のグラフは y = a x 2 {\\displaystyle y=ax^{2}} のグラフを x {\\displaystyle x} 軸方向に p {\\displaystyle p} , y {\\displaystyle y} 軸方向に q {\\displaystyle q} 平行移動させたものと考えることができる。よって以下の事実が結論付けられる。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "2次関数 y = a x 2 + b x + c {\\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} のグラフと x {\\displaystyle x} 軸に共有点があるとき、その共有点の y {\\displaystyle y} 座標は0であるから、共有点の x {\\displaystyle x} 座標は、二次方程式 a x 2 + b x + c = 0 {\\displaystyle ax^{2}+bx+c=0} の実数解である。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "次の2次関数のグラフと x {\\displaystyle x} 軸の共有点の座標を求めよ。 (i)", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "(ii)", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "(i) 2次方程式 x 2 − 2 x − 1 = 0 {\\displaystyle x^{2}-2x-1=0} を解くと", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "よって、共有点の座標は", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "(ii) 2次方程式 − 4 x 2 − 4 x − 1 = 0 {\\displaystyle -4x^{2}-4x-1=0} を解くと", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "よって、共有点の座標は", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "(ii)のグラフはただ1点 ( − 1 2 , 0 ) {\\displaystyle \\left(-{\\frac {1}{2}}\\ ,\\ 0\\right)} で共有し、共有点の x {\\displaystyle x} 座標は二次方程式 − 4 x 2 − 4 x − 1 = 0 {\\displaystyle -4x^{2}-4x-1=0} の重解である。このようなとき、2次関数のグラフは x {\\displaystyle x} 軸に接するといい、その共有点を接点という。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "2次関数 y = a x 2 + b x + c {\\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} のグラフと x {\\displaystyle x} 軸との共有点の x {\\displaystyle x} 座標は、二次方程式 a x 2 + b x + c = 0 {\\displaystyle ax^{2}+bx+c=0} の実数解で、実数解の個数は D = b 2 − 4 a c {\\displaystyle D=b^{2}-4ac} の符号によって決まる。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "b 2 − 4 a c {\\displaystyle b^{2}-4ac} のことを 2次方程式 a x 2 + b x + c = 0 {\\displaystyle ax^{2}+bx+c=0} の 判別式 (はんべつしき)という。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "次の2次関数のグラフと x {\\displaystyle x} 軸との共有点の個数を求めよ。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "(I)", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "(II)", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "(III)", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "(I)", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "だから、 x {\\displaystyle x} 軸との共有点はなし。 (II)", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "だから、 x {\\displaystyle x} 軸との共有点は2個。 (III)", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "だから、 x {\\displaystyle x} 軸との共有点は1個。", "title": "2次関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "2次間数にかぎらず、一般に関数 y = f(x)において、", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "変数x のとりうる値の範囲のことを定義域(ていぎいき、domain)という。", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "また、xの値に対応して y の値のとりうる範囲のことを値域(ちいき、range)という。", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "多くの場合、値域は定義域の影響を受けて変化する。", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "また、この例のように、定義域や値域を表す場合に、不等式で表す手法も多い。", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "略式の記法として、定義域を表す場合に、", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "のようにカッコ内の不等式で表すことも、よくある。この記法(「 y=2x ( 1 ≦ x ≦ 3 ) 」)の場合、定義域は 1 ≦ x ≦ 3 であると主張している。", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "つまり、定義域を数式ではっきりと示す必要がある場合には", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "のように示すことがよくある。この関数の場合、定義域は a ≦ x ≦ b {\\displaystyle a\\leqq x\\leqq b} である。", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "特に定義域の指定されてない場合は、可能なかぎり定義域を広くとるのが普通である。", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "たとえば、さきほどの関数 y=2x の問題の例 、", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "では、与えられた定義域で、この関数の値のとりうる最大の値は 6 である。", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "このように、ある関数が、与えられた条件下でもつ最大の値のことを、その関数の最大値(さいだいち, maximum)という。", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "または、さきほど習った「値域」という言葉をつかうなら、「最大値」とは、値域の最大の値のことである。", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "つまり、関数 y=2x ( 1 ≦ x ≦ 3 ) の最大値は 6 である。", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "もし、定義域を指定しなければ、関数 y=2x に最大値は無い(定義域の指定がなければ、xが どこまでも大きくなるし、それに比例してyも大きくなるので)。", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "同様に、ある関数が、与えられた条件下でもつ最小の値のことを、その関数の最小値(さいしょうち, minimum)という。", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "関数 y=2x ( 1 ≦ x ≦ 3 ) の最小値は 2 である。", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "", "title": "定義域と値域" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "定義域が実数全体である2次関数 y = a x 2 + b x + c {\\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} では、右図のように、aの正負によって最小値(a>0 の場合)、または最大値がある(a<0の場合)。", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "と標準形にし、グラフを書くと右図のようになる。", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "したがってグラフより答えは最大値は x = 0 {\\displaystyle x=0} のとき 5 {\\displaystyle 5} , 最小値は x = − 5 2 {\\displaystyle x=-{\\frac {5}{2}}} のとき − 5 4 {\\displaystyle -{\\frac {5}{4}}} 。", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "上の例題と同様の問題のように思えるが、定義域が 0 ≤ x ≤ 3 {\\displaystyle 0\\leq x\\leq 3} ではなく、 0 ≤ x < 3 {\\displaystyle 0\\leq x<3} となっている。とりあえずグラフをかいてみることにする。", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "グラフから、最大値は x = 1 {\\displaystyle x=1} のとき 2 {\\displaystyle 2} , 最小値は存在しない。", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "二次不等式とは、 x {\\displaystyle x} の二次式と不等号で表される式のことをいい、", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "のような形をしている。グラフを利用して二次不等式の解を考えてみよう。", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "2次関数 y = x 2 + 4 x = x ( x + 4 ) {\\displaystyle y=x^{2}+4x=x(x+4)} のグラフは右図のようになる。", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "x 2 + 4 x > 0 {\\displaystyle x^{2}+4x>0} となる x {\\displaystyle x} の値の範囲は右のグラフの x {\\displaystyle x} 軸より上側にある部分に対する x {\\displaystyle x} の値の範囲であるから、", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "この問題をより一般化してみよう。 2次不等式 a x 2 + b x + c > 0 {\\displaystyle ax^{2}+bx+c>0} を解くには y = a x 2 + b x + c {\\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} のグラフをかけば一目瞭然である。しかし、グラフをかいた場合にも我々が注目するのは x {\\displaystyle x} 軸より上か下かということと、 x {\\displaystyle x} 軸との共有点である。 x {\\displaystyle x} 軸との共有点は二次方程式 a x 2 + b x + c = 0 {\\displaystyle ax^{2}+bx+c=0} の解であるが、二次方程式の解の公式を思い出してほしい。それは次のようなものであった。", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "これを用いると、二次方程式 a x 2 + b x + c = 0 {\\displaystyle ax^{2}+bx+c=0} が解を持つとき、", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "と因数分解形で表すことができる。(右辺を展開して左辺と一致することを確かめてみよ。) ここで、", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "とおくと、", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "となる。 a > 0 {\\displaystyle a>0} のとき y = a x 2 + b x + c {\\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} のグラフは下に凸であるからこの不等式の解は、", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "となる。 a < 0 {\\displaystyle a<0} のときは両辺を − 1 {\\displaystyle -1} で割ってから考えると、", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "となる。", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "次の二次不等式を解け。 (i)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "(ii)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "(i) 二次方程式 12 x 2 + 17 x − 7 = 0 {\\displaystyle 12x^{2}+17x-7=0} を解くと", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "よって、この二次不等式の解は", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "(ii) 二次方程式 2 x 2 + 6 x + 1 = 0 {\\displaystyle 2x^{2}+6x+1=0} を解くと", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "よって、この二次不等式の解は", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "y = x 2 − 6 x + 9 {\\displaystyle y=x^{2}-6x+9} の値の符号について考えよう。 平方完成をすると", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "この関数のグラフは、 x {\\displaystyle x} 軸と点 ( 3 , 0 ) {\\displaystyle (3\\ ,\\ 0)} で接する。 y = x 2 − 6 x + 9 {\\displaystyle y=x^{2}-6x+9} の値の符号について、下の表のようになる。", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "よって", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "次の二次不等式を解け。 (i)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "(ii)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "(iii)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "(iv)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "(i)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "よって、-1以外のすべての実数 (ii)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "よって、 x = − 2 3 {\\displaystyle x=-{\\frac {2}{3}}} (iii)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "よって、解はない (iv)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "よって、すべての実数", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "2次関数 y = a x 2 + b x + c {\\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} のグラフと x {\\displaystyle x} 軸の位置関係について、 D = b 2 − 4 a c < 0 {\\displaystyle D=b^{2}-4ac<0} のとき、 x {\\displaystyle x} 軸と共有点をもたなかった。 さらに a > 0 {\\displaystyle a>0} という条件を加えると、 y = a x 2 + b x + c {\\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} のグラフは x {\\displaystyle x} 軸より上側にある。", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "a > 0 , D = b 2 − 4 a c < 0 {\\displaystyle a>0\\ ,\\ D=b^{2}-4ac<0} のとき", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "次の二次不等式を解け。 (i)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "(ii)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "(iii)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "(i)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "よって、解はない (ii)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "よって、すべての実数 (iii)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "よって、解はない", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "放物線と直線の共有点について考えよう。", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "放物線 y = x 2 − 4 x + 5 {\\displaystyle y=x^{2}-4x+5} と次の直線の共有点の座標を求めよ。 (i)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "(ii)", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "(i) 求める共有点の座標は、連立方程式", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "の実数の解である。 y = x + 1 {\\displaystyle y=x+1} を y = x 2 − 4 x + 5 {\\displaystyle y=x^{2}-4x+5} に代入すると", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "すなわち", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "これを解いて", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "x = 1 {\\displaystyle x=1} のとき y = 2 {\\displaystyle y=2} x = 4 {\\displaystyle x=4} のとき y = 5 {\\displaystyle y=5} よって、共有点の座標は", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "である。 (ii) 求める共有点の座標は、連立方程式", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "の実数の解である。 y = 2 x − 4 {\\displaystyle y=2x-4} を y = x 2 − 4 x + 5 {\\displaystyle y=x^{2}-4x+5} に代入すると", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "すなわち", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "これを解いて", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "このとき y = 2 {\\displaystyle y=2} よって、共有点の座標は", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "である。", "title": "2次関数の値の変化" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "例題の(ii)のように、放物線とその軸に平行でない直線がただ1点を共有するとき、放物線は直線に接するといい、共有点を接点という。", "title": "2次関数の値の変化" } ]
null
{{pathnav|高等学校の学習|高等学校数学|高等学校数学I|pagename=2次関数|frame=1|small=1}} == 関数 == === f(x) === 一般に、<math>y</math>が<math>x </math>の関数である場合に、 <math>f</math> などの文字を用いて、 :<math> y=f(x) </math> と書き表すことができる。 また、x の関数 y=f(x) のことを単に f(x) と省略して言う場合もよくある。 関数 y=f(x) において、変数xの値をaにした場合の関数の値を f(a) で表す。 つまり、関数f(x) の x=a の場合でのyの値が f(a) である。ちなみに関数のfとは 英語で関数を意味するfunctionの頭文字 からとっている。2つ以上関数を扱う際にはfの次のgやhを用いることが多い。 (範囲外)<Math>f(x)</Math>のfは「入力値に対してfという操作をする」という意味の記号である。 Aを入力したらBを返す、という操作fを<Math>f: A \rightarrow B</Math>のように表す。このとき、fという操作にAを入力したらBが出力されるので、これを<Math>f(A)=B</Math>というふうに表すことにするとわかりやすいであろう。AとBが数であるとき、<Math>f(A)</Math>は上の等式より数である。つまり、fは操作を、<Math>f(x)</Math>は操作fにある数xを入力したときの出力値を表すので注意しよう。fは数ではなく操作を表すので、<Math>\{f(x)\}^2</Math>と<Math>f^2(x)</Math>は当然異なる。(なお、右側は<Math>f(f(x))</Math>を表す。詳しくは数Ⅲで習う。) 「AとBが数であるとき」という文からわかるように、AとBは数でなくても良い。そのような場合は大学で詳しく扱う。 === 象限 === [[ファイル:Quadrant_japanese.svg|サムネイル|326x326ピクセル]] xy座標で第1象限(しょうげん)から第4象限までの位置を、図のように定義する。 位置と象限の番号の対応の覚え方は、x軸の正方向を基準に、反時計周り(左回り)に番号が大きくなっていくと覚えればいい。 [[ファイル:Quadrant_and_xy.svg|左|サムネイル|326x326ピクセル]] それぞれの象限と、X、Yの値との関係は、左図のとおり。 {{-}} == 2次関数 == === 定義 === {| style="border:2px solid aqua;width:80%" cellspacing=0 |style="background:aqua"|'''2次関数の定義''' |- |style="padding:5px"| 定数 <math>a\neq 0</math> と、定数 <math>b</math>, <math>c</math>を用いて : <math>y=ax^2+bx+c</math> と <math>x</math> の二次式で表す事ができる関数を変数 <math>x</math> の'''2次関数'''という。 |} ==== 具体例 ==== 以下の関数はいずれも2次関数である。 * <math>y=3x^2+4x+1</math>     (<math>a=3</math>、<math>b=4</math>、<math>c=1</math>の場合に相当)<!--オーソドックスな例--> * <math>y=x^2-4x</math>     (<math>a=1</math>、<math>b=-4</math>、<math>c=0</math>の場合に相当) <!--係数が1である為明示されてない例(二次の項)と負の係数の例(一時の項)と係数が0の場合の例(0次の項)--> * <math>y=-x^2</math>     (<math>a=-1</math>、<math>b=0</math>、<math>c=0</math>の場合に相当)<!--1次と0次が両方0の例--> 一方以下の関数は2次関数では'''ない''' * <math>y=4x+1</math> 読者はこれを当然と思うかもしれないが、上の式は : <math>y=0x^2+4x+1</math> と表記することもできる。しかし、これは <math>x</math> 二次式ではないので2次関数ではない。 そのために、2次関数の定義において'''<math>a\neq 0</math>でなければならない'''というルールを設けたのである。 {{-}} == 2次関数のグラフ == === y=ax² のグラフ === まず、もっとも簡単な<math>y=ax^2</math>のグラフは<math>a>0</math> のとき図1のようになる。(図では<math>a=1</math>の場合を表記)。また、<math>a<0</math> のときは図1 のグラフを上下さかさまにしたものになる。 :[[Image:Qfunction.png|thumb|250px|図1 (y=x<sup>2</sup>のグラフ)]] <math>a>0</math> のとき2次関数 <math>y</math> は '''下に凸''' (したにとつ)といい、<math>a<0</math> のとき '''上に凸''' (うえにとつ)という。また、2次関数のグラフを'''放物線'''という。 {{-}} === y=ax² + q のグラフ === [[File:Y=2x^2+4.svg|thumb|400px]] 2つの2次関数 :y = 2''x''<sup>2</sup>    (1) :y = 2''x''<sup>2</sup>+4    (2) のグラフを書くために値を求めると、下記の表のようになる。 {| class="wikitable" style="text-align:center;" ! ''x''  | … || -3 || -2 || -1 || 0 || 1 || 2 || 3 || …  |---- ! 2''x<sup>2</sup>''  |…|| 18 || 8 || 2 || 0 || 2 || 8 || 18 ||… |---- ! 2''x<sup>2</sup>''+4  |…|| 22 || 12 || 6 || 4 || 6 || 12 || 22 ||… |} 表を見ると、(2) 2''x<sup>2</sup>''+4 の値は、つねに (1) 2x''<sup>2</sup>'' の値よりも4だけ大きい。 したがって(2) 2''x<sup>2</sup>''+4 のグラフは、 (1) 2x''<sup>2</sup>'' のグラフをy軸方向に4だけ平行移動した放物線であり、 :軸がy軸 :頂点が 点(0, 4) の放物線である。 {| style="border:2px solid pink;width:80%" cellspacing=0 |style="background:pink"| |- |style="padding:5px"| : 一般に y=ax<sup>2</sup>+q のグラフは、 :y=ax<sup>2</sup> のグラフをy軸方向に q だけ平行移動した放物線であり、 ::'''軸はy軸'''、  '''頂点は 点 (0, q)''' である。 |} {{-}} === y=a(x-p)² のグラフ === [[File:Y=2(x-3)^2.svg|thumb|400px]] y=2(''x''-3)<sup>2</sup> のグラフは、 2x''<sup>2</sup>'' のグラフをx軸方向に3だけ平行移動した放物線であり、 :軸は 直線 x=3 :頂点は 点(3, 0) の放物線である。 {| style="border:2px solid pink;width:80%" cellspacing=0 |style="background:pink"| |- |style="padding:5px"| : 一般に y=a(x-p)<sup>2</sup> のグラフは、 :y=ax<sup>2</sup> のグラフをx軸方向に p だけ平行移動した放物線であり、 ::'''軸は 直線 x=p''' 、 ''' 頂点は 点 (p, 0) ''' である。 |} {{-}} === y=a(x-p)² +q のグラフ === [[File:Y=2(x-3)^2+4.svg|thumb|400px]] y=2(''x''-3)<sup>2</sup>+4 のグラフは、 y=2(''x''-3)<sup>2</sup> のグラフをy軸方向に4だけ平行移動した放物線である。 そして、y=2(''x''-3)<sup>2</sup> のグラフは y=2x''<sup>2</sup>'' のグラフをx軸方向に3だけ平行移動した放物線であったので、つまり y=2(''x''-3)<sup>2</sup>+4 のグラフは、y=2x''<sup>2</sup>'' のグラフを x軸方向に3, y軸方向に4, 平行移動した放物線である。 よって、 :軸は直線 x=3 :頂点は 点(3, 4) である。 {| style="border:2px solid pink;width:80%" cellspacing=0 |style="background:pink"| |- |style="padding:5px"| : 一般に y=a(x-p)<sup>2</sup>+p のグラフは、 :y=ax<sup>2</sup> のグラフをx軸方向に p, y軸方向にq , 平行移動した放物線であり、 ::'''軸は 直線 x=p''' 、 ''' 頂点は 点 (p, q) ''' である。 |} {{-}} === y=ax² + bx +c のグラフ === ==== 一般形と標準形 ==== 本節では2次関数の一般形と標準形について学ぶ。この知識は後で2次関数をグラフで表す際に役立つ。 先ほど現れた : <math>y=ax^2+bx+c</math> という形の式 (<math>a\neq 0</math>) を'''2次関数の一般形'''といい、 : <math>y=a(x-p)^2+q</math> という式を'''2次関数の標準形'''という。 (上で、<math>a\neq 0</math>、<math>b</math>、<math>c</math>、<math>p</math>、<math>q</math>は定数で、<math>x</math>は変数であるものとする。) {| style="border:2px solid pink;width:80%" cellspacing=0 |style="background:pink"|'''一般形と標準形の関係''' |- |style="padding:5px"| ;定理 :2次関数の一般形は必ず2次関数の標準形に変形することができ、逆に2次関数の標準形は必ず2次関数の一般形に変形することができる。 |} 一般形で表記されている2次関数を標準形で表記する事を'''平方完成'''という。 後述するように、標準形は2次関数をグラフで表す際に用いる。 ==== 証明 ==== 標準形 : <math>y=a(x-p)^2+q</math> で表記されている2次関数の右辺を展開すると、 : <math>y= ax^2 -2apx + (ap^2+q)</math> となるので、 : <math>b=-2ap, \quad c=ap^2+q</math> とすれば一般形になる。 逆に一般形 : <math>y=ax^2+bx+c</math> で表記されている2次関数は以下の手順で標準形に変換できる(この変形手法を'''平方完成'''という)。 :<math>y=ax^2+bx+c</math> :<math>=a\left(x^2+\frac{b}{a}x\right)+c</math> :<math>=a\left\{x^2+\frac{b}{a}x+\left(\frac{b}{2a}\right)^2-\left(\frac{b}{2a}\right)^2\right\}+c</math> :<math>=a\left\{x^2+\frac{b}{a}x+\left(\frac{b}{2a}\right)^2\right\}-\frac{b^2}{4a}+c</math> :<math>=a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\frac{b^2-4ac}{4a}</math> ここで、 :<math> p=-\frac{b}{2a},\quad q=-\frac{b^2-4ac}{4a} </math> とおくと、 :<math> y=a(x-p)^2+q </math> となり標準形で表されたことになる。 ==== 例題 ==== ;例題 :次の2次関数が一般形ならば標準形に、標準形ならば一般形にせよ。 :#<math>y=2(x+4)^2+4</math> :#<math>y=4x^2+12x+9</math> :#<math>y=x^2+5x</math> ;解 :#<math>y=2x^2+16x+36</math> :#<math>y=4\left(x+\frac{3}{2}\right)^2</math> :#<math>y=\left(x+\frac{5}{2}\right)^2-\frac{25}{4}</math> === 一般の2次関数のグラフ === 一般の2次関数をグラフで表現してみよう。 前述のように2次関数は平方完成の手順を踏む事により必ず標準形で表記可能なので、2次関数<math>y=ax^2+bx+c</math>を標準形 :<math> y=a(x-p)^2+q </math> に変換する。ここで、 :<math> p=-\frac{b}{2a},\quad q=-\frac{b^2-4ac}{4a} </math> この標準形のグラフは<math>y=ax^2</math> のグラフを <math>x</math> 軸方向に <math>p</math>, <math>y</math> 軸方向に <math>q</math> 平行移動させたものと考えることができる。よって以下の事実が結論付けられる。 {| style="border:2px solid pink;width:80%" cellspacing=0 |style="background:pink"|'''2次関数のグラフ''' |- |style="padding:5px"| ;定理 :2次関数 <math>y=ax^2+bx+c</math> のグラフは軸が<math>x=-\frac{b}{2a}</math> , 頂点が <math>\left(-\frac{b}{2a},-\frac{b^2-4ac}{4a}\right)</math> であるような放物線である。 |} ==== ※ 参考 ==== {{コラム|グラフの平行移動| 2次関数にかぎらず、一般に関数 y=f(x) のグラフをy軸の正の方向に q だけ平行移動したグラフは、 :関数  '''y = f(x) +q''' のグラフになる。 また、関数 y=f(x) のグラフをx軸の正の方向に p だけ平行移動したグラフは、 :関数  '''y = f(x-p)''' のグラフになる。 よって、関数 y=f(x) のグラフをx軸の正の方向に p 、y軸の正の方向にq だけ平行移動したグラフは、 :関数  '''y = f(x-p) +q''' のグラフになる。 }} {{コラム|グラフの対称移動| 2次関数にかぎらず、一般に関数 y=f(x) のグラフをx軸に関して対称に移動したグラフは、 :関数  '''y = -f(x)''' のグラフになる。 また、関数 y=f(x) のグラフをy軸に関して対称に移動したグラフは、 :関数  '''y = f(-x)''' のグラフになる。 よって、関数 y=f(x) のグラフを原点に関して対称に移動したグラフは、 :関数  '''y = - f(-x)''' のグラフになる。 }} ==== 例題 ==== ;例題 :2次関数 <math>y=\frac{1}{2}x^2+3x+\frac{1}{2}</math> のグラフをかけ。 ;解 ::<math>\begin{matrix} y& =& \cfrac{1}{2}x^2+3x+\cfrac{1}{2} \\[10pt] {} & =& \cfrac{1}{2}(x+3)^2-4 \end{matrix}</math>[[画像:二次関数-例題1.png]] :ゆえに、求めるグラフは軸 <math>x=-3</math>、頂点 <math>(-3,-4)</math> の下に凸な放物線である。 ;例題 :2次関数 <math>y=4x^2+20x+4</math> のグラフは <math>y=4x^2</math> のグラフをどのように平行移動させたものか。 ;解 ::<math>\begin{matrix} y&=&4x^2+20x+4\\ {}&=&4\left(x+\frac{5}{2}\right)^2-21 \end{matrix}</math> :であるので、<math>y=4x^2</math> のグラフを <math>x</math> 軸方向に <math>-\frac{5}{2}</math>、<math>y</math> 軸方向に -21 移動させたものである。 === 2次関数のグラフと二次方程式 === 2次関数<math>y=ax^2+bx+c</math>のグラフと<math>x</math>軸に共有点があるとき、その共有点の<math>y</math>座標は0であるから、共有点の<math>x</math>座標は、二次方程式<math>ax^2+bx+c=0</math>の実数解である。 <br> * 問題例 ** 問題 次の2次関数のグラフと<math>x</math>軸の共有点の座標を求めよ。<br> (i) :<math>y=x^2-2x-1</math> (ii) :<math>y=-4x^2-4x-1</math> ** 解答 (i) 2次方程式<math>x^2-2x-1=0</math>を解くと :<math>x = \frac {-(-2) \pm \sqrt{(-2)^2 - 4 \times 1 \times (-1)}}{2 \times 1} = \frac {2 \pm \sqrt{8}}{2} = \frac {2 \pm 2 \sqrt{2}}{2} = 1 \pm \sqrt{2}</math> よって、共有点の座標は :<math> \left(1+ \sqrt{2}\ ,\ 0 \right)\ ,\ \left(1- \sqrt{2}\ ,\ 0 \right) </math> (ii) 2次方程式<math>-4x^2-4x-1=0</math>を解くと :<math>4x^2+4x+1=0</math> :<math>(2x+1)^2=0</math> :<math>x=- \frac {1}{2}</math> よって、共有点の座標は :<math> \left(- \frac {1}{2}\ ,\ 0 \right) </math> (ii)のグラフはただ1点<math>\left(- \frac {1}{2}\ ,\ 0 \right)</math>で共有し、共有点の<math>x</math>座標は二次方程式<math>-4x^2-4x-1=0</math>の重解である。このようなとき、2次関数のグラフは<math>x</math>軸に'''接する'''といい、その共有点を'''接点'''という。 2次関数<math>y=ax^2+bx+c</math>のグラフと<math>x</math>軸との共有点の<math>x</math>座標は、二次方程式<math>ax^2+bx+c=0</math>の実数解で、実数解の個数は<math>D=b^2-4ac</math>の符号によって決まる。 <math>b^2-4ac</math> のことを 2次方程式 <math>ax^2+bx+c=0</math>の '''判別式''' (はんべつしき)という。 :※ 「D」とは「判別式」を意味する discriminant の頭文字である。 {| class="wikitable" |+ ! Dの符号 !! D>0 !! D=0 !! D<0 |- ! a > 0 のとき | [[File:Number of real solutions of quadratic equation D)0 a)0.svg|center|150px]] || [[File:Number of real solutions of quadratic equation D=0 a)0.svg|center|150px]] || [[File:Number of real solutions of quadratic equation D(0 a)0.svg|center|150px]]   |- !  a < 0 のとき | [[File:Number of real solutions of quadratic equation D)0 a(0.svg|center|150px]] || [[File:Number of real solutions of quadratic equation D=0 a(0.svg|center|150px]] || [[File:Number of real solutions of quadratic equation D(0 a(0.svg|center|150px]] |- !  共有点の個数 | <center>2個</center>  || <center>1個</center> || <center>0個</center>  |- |} {| style="border:2px solid pink;width:80%" cellspacing=0 |style="background:pink"|'''2次関数のグラフと<math>x</math>軸の位置関係''' |- |style="padding:5px"| 2次関数<math>y=ax^2+bx+c</math>のグラフと<math>x</math>軸の位置関係について、<math>D=b^2-4ac</math>とするとき :::<math>D>0 \quad \Longleftrightarrow \quad </math> 異なる2点で交わる :::<math>D=0 \quad \Longleftrightarrow \quad </math> 1点で接する :::<math>D<0 \quad \Longleftrightarrow \quad </math> 共有点をもたない |} ==== 例題 ==== ** 問題 次の2次関数のグラフと<math>x</math>軸との共有点の個数を求めよ。 (I) :<math> y=3x^2-x+3 </math> (II) :<math> y=-2x^2-3x+5 </math> (III) :<math> y=x^2-2 \sqrt{3} x+3 </math> ** 解答 (I) :<math> D=(-1)^2-4 \times 3 \times 3 =-35<0 </math> だから、<math>x</math>軸との共有点はなし。<br> (II) :<math> D=(-3)^2-4 \times (-2) \times 5 =49>0 </math> だから、<math>x</math>軸との共有点は2個。<br> (III) :<math> D=(2 \sqrt{3})^2-4 \times 1 \times 3 =0 </math> だから、<math>x</math>軸との共有点は1個。 == 定義域と値域 == === 定義域と値域 === 2次間数にかぎらず、一般に関数 y = f(x)において、 変数x のとりうる値の範囲のことを'''定義域'''(ていぎいき、domain)という。 また、xの値に対応して y の値のとりうる範囲のことを'''値域'''(ちいき、range)という。 多くの場合、値域は定義域の影響を受けて変化する。 ;例 :たとえば、関数 y=x は、定義域をもし x ≧ 1 とした場合、 :関数 y=x の値域は y ≧ 1 となる。 また、この例のように、定義域や値域を表す場合に、不等式で表す手法も多い。 ;例2 :たとえば、関数 y=2x は、定義域をもし 1 ≦ x ≦ 3 とした場合、 :関数 y=2x の値域は 2 ≦ y ≦ 6 となる。 略式の記法として、定義域を表す場合に、 : y=2x    ( 1 ≦ x ≦ 3 ) のようにカッコ内の不等式で表すことも、よくある。この記法(「 y=2x    ( 1 ≦ x ≦ 3 ) 」)の場合、定義域は 1 ≦ x ≦ 3 であると主張している。 つまり、定義域を数式ではっきりと示す必要がある場合には :<math> y=f(x) \qquad ( a\leqq x \leqq b ) </math> のように示すことがよくある。この関数の場合、定義域は<math>a\leqq x \leqq b</math>である。 特に定義域の指定されてない場合は、可能なかぎり定義域を広くとるのが普通である。 :たとえば、特に定義域が指定されていない場合、 関数 <math> y=x</math> の定義域は、実数全体である。 :関数 <math> y=\frac{1}{x} </math> の定義域には、 x=0 を含めることはできない。そのため、特に定義域が指定されていない場合、 関数 <math> y=\frac{1}{x} </math> の定義域は、0をのぞく実数全体である。 ;その他の例 :たとえば、関数 y=-x+5 は、定義域をもし 1 ≦ x ≦ 8 とした場合、 :値域は -3 ≦ y ≦ 4 となる。 === 最大値と最小値 === たとえば、さきほどの関数 y=2x の問題の例 、 :例 (再掲) :たとえば、関数 y=2x は、定義域をもし 1 ≦ x ≦ 3 とした場合、 :関数 y=2x の値域は 2 ≦ y ≦ 6 となる。 では、与えられた定義域で、この関数の値のとりうる最大の値は 6 である。 このように、ある関数が、与えられた条件下でもつ最大の値のことを、その関数の'''最大値'''(さいだいち, maximum)という。 または、さきほど習った「値域」という言葉をつかうなら、「最大値」とは、値域の最大の値のことである。 : つまり、関数 y=2x    ( 1 ≦ x ≦ 3 ) の最大値は 6 である。 もし、定義域を指定しなければ、関数 y=2x に最大値は無い(定義域の指定がなければ、xが どこまでも大きくなるし、それに比例してyも大きくなるので)。 同様に、ある関数が、与えられた条件下でもつ最小の値のことを、その関数の'''最小値'''(さいしょうち, minimum)という。 関数 y=2x    ( 1 ≦ x ≦ 3 ) の最小値は 2 である。 ;例1 :関数 y=-x+5   ( 1 ≦ x ≦ 8 )では、 :値域は -3 ≦ y ≦ 4 なので、 :最大値は 4 , 最小値は -3 である。 ;例2 : y=2x    ( 1 < x ≦ 3 )では、(※ 不等号が「≦」ではなく「<」になっているのに注意!) :値域は 2 < y ≦ 6 であるが、 :最小値は無い。xを1に近づけていくことで、yは2に近づいていくが、しかしxが1になることがないので、よってyが2になることもないので、この問題ではyに最小値は無い。 :この問題でのyの最大値は6である。 == 2次関数の値の変化 == === 2次関数の最大値・最小値 === [[Image:Qfunction.png|thumb|right|250px|図1 (y=x<sup>2</sup>のグラフ)]] 定義域が実数全体である2次関数<math>y=ax^2+bx+c</math> では、右図のように、aの正負によって最小値(a>0 の場合)、または最大値がある(a<0の場合)。 ;例1   関数 <math>y=x^2</math>  の場合 :関数 <math>y=x^2</math> では、すべての実数 <math>x</math> に対して、<math>x^2\geqq 0</math> であるので( 等号成立は<math>x=0</math>のときのみ)、 :よって、関数 <math>y=x^2</math> は<math>x=0</math>のとき最小値0をとる。 関数 <math>y=x^2</math> に最大値は存在しない。 ;例2  関数 y=2(''x''-3)<sup>2</sup>+4 の場合 :たとえば、実数の範囲で考えた場合、関数 y=2(''x''-3)<sup>2</sup>+4 の最小値は4である。 :関数 y=2(''x''-3)<sup>2</sup>+4  に最大値は無い。 ;例3  関数 y=-x<sup>2</sup>  の場合 :x<sup>2</sup> の係数がマイナスなので、最大値をもつ。最小値はもたない。 :実数の範囲で考えた場合、関数 y=x<sup>2</sup> の最大値は 0 である。 :関数 y=-x<sup>2</sup> に最小値は無い。 ==== 例題 ==== ;例題 :2次関数<math>y=x^2+5x+5</math>の<math>-3\leq x \leq 0</math> の範囲での最大値・最小値を求めよ。 ;解 [[画像:高等学校数学I 二次関数y=x^2(plus)5x(plus)5.png|right|frame|図2]] :<math>y=\left(x+\frac{5}{2}\right)^2-\frac{5}{4}</math> と標準形にし、グラフを書くと右図のようになる。 したがってグラフより答えは最大値は<math>x=0</math> のとき<math>5</math>, 最小値は<math>x=-\frac{5}{2}</math> のとき<math>-\frac{5}{4}</math>。 ;例題 :2次関数<math>y=-\frac{1}{2}x^2+x+\frac{3}{2}</math> の<math>0\leq x < 3</math> の範囲での最大値・最小値を求めよ。 ;解 [[画像:高等学校数学I 二次関数の最大最小例題2.png|frame|right|図3]] 上の例題と同様の問題のように思えるが、定義域が<math>0\leq x \leq 3</math> ではなく、<math>0\leq x < 3</math> となっている。とりあえずグラフをかいてみることにする。 :<math>y=-\frac{1}{2}(x-1)^2+2</math>. グラフから、最大値は<math>x=1</math> のとき<math>2</math>, 最小値は存在しない。 === 二次不等式 === 二次不等式とは、<math>x</math> の二次式と不等号で表される式のことをいい、 :<math>ax^2+bx+c>0</math>, <math>ax^2+bx+c\geq 0</math> のような形をしている。グラフを利用して二次不等式の解を考えてみよう。 ;例題 [[画像:高等学校数学I_二次不等式の例題1.png|frame|right|図4]] :二次不等式 <math>x^2+4x>0</math> を解け。 2次関数 <math>y=x^2+4x=x(x+4)</math> のグラフは右図のようになる。 <math>x^2+4x>0</math> となる<math>x</math> の値の範囲は右のグラフの<math>x</math> 軸より上側にある部分に対する<math>x</math> の値の範囲であるから、 :<math>x<-4 , 0<x</math>. この問題をより一般化してみよう。 2次不等式<math>ax^2+bx+c>0</math> を解くには<math>y=ax^2+bx+c</math> のグラフをかけば一目瞭然である。しかし、グラフをかいた場合にも我々が注目するのは<math>x</math> 軸より上か下かということと、<math>x</math> 軸との共有点である。<math>x</math> 軸との共有点は二次方程式<math>ax^2+bx+c=0</math> の解であるが、二次方程式の解の公式を思い出してほしい。それは次のようなものであった。 :二次方程式<math>ax^2+bx+c=0</math>が解を持つとき、その解<math>x</math> は、 ::<math>x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}</math> これを用いると、二次方程式<math>ax^2+bx+c=0</math>が解を持つとき、 :<math>ax^2+bx+c=a\left(x-\frac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\right)\left(x-\frac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\right)</math> と因数分解形で表すことができる。(右辺を展開して左辺と一致することを確かめてみよ。) ここで、 :<math>\alpha=\frac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}, \beta=\frac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a}</math> とおくと、 :<math>ax^2+bx+c>0\Longleftrightarrow a(x-\alpha)(x-\beta)>0</math> となる。<math>a>0</math> のとき<math>y=ax^2+bx+c</math> のグラフは下に凸であるからこの不等式の解は、 :<math>x<\alpha,\beta<x</math> となる。<math>a<0</math> のときは両辺を<math>-1</math> で割ってから考えると、 :<math>\alpha<x<\beta</math> となる。 ==== 2次関数のグラフがx軸と異なる2点で交わる場合 ==== *'''例題''' ** 問題 次の二次不等式を解け。<br> (i) :<math>12x^2+17x-7<0</math> (ii) :<math>2x^2+6x+1 \ge 0</math> ** 解答 (i) 二次方程式<math>12x^2+17x-7=0</math>を解くと :<math>(4x+7)(3x-1)=0</math> :<math>x=- \frac {7}{4}\ ,\ \frac {1}{3}</math> よって、この二次不等式の解は :<math>- \frac {7}{4} <x< \frac {1}{3}</math> (ii) 二次方程式<math>2x^2+6x+1=0</math>を解くと :<math>x = \frac {-6 \pm \sqrt{6^2 - 4 \times 2 \times 1}}{2 \times 2} = \frac {-6 \pm \sqrt{28}}{4} = \frac {-6 \pm 2 \sqrt{7}}{4} = \frac {-3 \pm \sqrt{7}}{2}</math> よって、この二次不等式の解は :<math>\frac {-3- \sqrt{7}}{2} \le x\ ,\ x \le \frac {-3+ \sqrt{7}}{2}</math> ==== 2次関数のグラフがx軸と接する場合 ==== <math>y=x^2-6x+9</math>の値の符号について考えよう。<br> 平方完成をすると :<math>y=(x-3)^2</math> この関数のグラフは、<math>x</math>軸と点<math>(3\ ,\ 0)</math>で接する。<br> <math>y=x^2-6x+9</math>の値の符号について、下の表のようになる。 <table border="1" cellpadding="2"> <tr><th><math>x</math></th><th><math>x<3</math></th><th><math>3</math></th><th><math>3<x</math></th></tr> <tr><th><math>y=x^2-6x+9</math></th><td><center><math>+</math></center></td><td><math>0</math></td><th><center><math>+</math></center></th></tr> </table> よって :<math>x^2-6x+9>0</math>の解は 3以外のすべての実数 :<math>x^2-6x+9<0</math>の解は ない :<math>x^2-6x+9 \ge 0</math>の解は すべての実数 :<math>x^2-6x+9 \le 0</math>の解は <math>x=3</math> ==== 例題 ==== ** 問題 次の二次不等式を解け。<br> (i) :<math>x^2+2x+1>0</math> (ii) :<math>9x^2+12x+4 \le 0</math> (iii) :<math>4x^2-4x+1<0</math> (iv) :<math>x^2-10x+25 \ge 0</math> ** 解答 (i) :<math>x^2+2x+1>0</math> :<math>(x+1)^2>0</math> よって、-1以外のすべての実数<br> (ii) :<math>9x^2+12x+4 \le 0</math> :<math>(3x+2)^2 \le 0</math> よって、<math>x=- \frac {2}{3}</math><br> (iii) :<math>4x^2-4x+1<0</math> :<math>(2x-1)^2<0</math> よって、解はない<br> (iv) :<math>x^2-10x+25 \ge 0</math> :<math>(x-5)^2 \ge 0</math> よって、すべての実数 ==== 2次関数のグラフがx軸と共有点をもたない場合 ==== 2次関数<math>y=ax^2+bx+c</math>のグラフと<math>x</math>軸の位置関係について、<math>D=b^2-4ac<0</math>のとき、<math>x</math>軸と共有点をもたなかった。<br> さらに<math>a>0</math>という条件を加えると、<math>y=ax^2+bx+c</math>のグラフは<math>x</math>軸より上側にある。 <math>a>0\ ,\ D=b^2-4ac<0</math>のとき :<math>ax^2+bx+c>0</math>の解は すべての実数 :<math>ax^2+bx+c<0</math>の解は ない ==== 例題 ==== ** 問題 次の二次不等式を解け。<br> (i) :<math>x^2+2x+3<0</math> (ii) :<math>2x^2-6x+5 \ge 0</math> (iii) :<math>-x^2+x-1 \ge 0</math> ** 解答 (i) :<math>x^2+2x+3<0</math> :<math>D=2^2-4 \times 1 \times 3 =-8<0</math> よって、解はない<br> (ii) :<math>2x^2-6x+5 \ge 0</math> :<math>D=(-6)^2-4 \times 2 \times 5 =-4<0</math> よって、すべての実数<br> (iii) :<math>-x^2+x-1 \ge 0</math> :<math>x^2-x+1 \le 0</math> :<math>D=(-1)^2-4 \times 1 \times 1 =-3<0</math> よって、解はない === (発展)放物線と直線 === 放物線と直線の共有点について考えよう。 * 問題例 ** 問題 放物線 <math>y=x^2-4x+5</math> と次の直線の共有点の座標を求めよ。<br> (i) :<math>y=x+1</math> (ii) :<math>y=2x-4</math> ** 解答 (i) 求める共有点の座標は、連立方程式 :<math>\begin{cases} y=x^2-4x+5\\ y=x+1 \end{cases}</math> の実数の解である。<math>y=x+1</math> を <math>y=x^2-4x+5</math> に代入すると :<math>x^2-4x+5=x+1</math> すなわち :<math>x^2-5x+4=0</math> これを解いて :<math> x=1 \ ,\ 4 </math> <math>x=1</math> のとき <math>y=2</math><br> <math>x=4</math> のとき <math>y=5</math><br> よって、共有点の座標は :<math> \left(1\ ,\ 2 \right)\ ,\ \left(4\ ,\ 5 \right) </math> である。<br> (ii) 求める共有点の座標は、連立方程式 :<math>\begin{cases} y=x^2-4x+5\\ y=2x-4 \end{cases}</math> の実数の解である。<math>y=2x-4</math> を <math>y=x^2-4x+5</math> に代入すると :<math>x^2-4x+5=2x-4</math> すなわち :<math>x^2-6x+9=0</math> これを解いて :<math> x=3 </math> このとき <math>y=2</math><br> よって、共有点の座標は :<math> \left(3\ ,\ 2 \right) </math> である。 例題の(ii)のように、放物線とその軸に平行でない直線がただ1点を共有するとき、放物線は直線に'''接する'''といい、共有点を'''接点'''という。 == 演習問題 == * [[高等学校数学I 二次関数 演習A|演習問題A]] * [[高等学校数学I 二次関数 演習B|演習問題B]] {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうすうかくI にしかんすう}} [[Category:高等学校数学I|にしかんすう]] [[カテゴリ:関数]]
2004-09-03T10:43:06Z
2024-03-01T11:59:41Z
[ "テンプレート:-", "テンプレート:コラム", "テンプレート:Pathnav" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E5%AD%A6I/2%E6%AC%A1%E9%96%A2%E6%95%B0
607
漢詩
文学>漢詩
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "文学>漢詩", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "" } ]
文学>漢詩
[[文学]]>[[漢詩]] == 漢詩を学ぶ == *[[漢詩の特徴]] *[[漢詩の歴史]] *[[古体詩と近体詩]] *[[韻書について]] == 漢詩の鑑賞 == *古体詩 **[[高等学校古文/漢詩/桃夭|桃夭]] *唐代の漢詩 **[[高等学校古文/漢詩/絶句|絶句]]-杜甫 **[[高等学校古文/漢詩/春望|春望]]-杜甫 **[[高等学校古文/漢詩/兵車行|兵車行]]-杜甫 **[[高等学校古文/漢詩/静夜思|静夜思]]-李白 **[[高等学校古文/漢詩/黄鶴楼送孟浩然之広陵|黄鶴楼送孟浩然之広陵]]-李白 **[[高等学校古文/漢詩/早発白帝城|早発白帝城]]-李白 **[[高等学校古文/漢詩/春暁|春暁]]-孟浩然 **[[高等学校古文/漢詩/香炉峰下、新卜山居、草堂初成、偶題東壁|香炉峰下新卜山居草堂初成偶題東壁]]-白居易 **[[高等学校古文/漢詩/涼州詞|涼州詞]]-王翰 **[[中学校国語_漢文/元二の安西に使ひするを送る|送元二使安西]]-王維 *宋代の漢詩 **[[正気の歌]]-文天祥 *明代の漢詩 *清代の漢詩 == 漢詩を作る == *[[漢詩の創作]] == 関連 == * [[w:漢詩|漢詩]](Wikipedia) * [[高等学校古典B#漢文]] * [[中学校国語_漢文]] {{stub}} [[カテゴリ:古典文学 中国|かんし]]
null
2023-02-02T16:41:24Z
[ "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%BC%A2%E8%A9%A9
608
正気の歌
文学>漢詩>正気の歌 この段は前段の一一垂丹青を受けて、正気が顕れた歴史的事実を並べてある。その事柄に関しては後述の注釈を参照。 白文の元はwikisource:正气歌より。一部の漢字を日本で一般的に使われているものに直した。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "文学>漢詩>正気の歌", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "この段は前段の一一垂丹青を受けて、正気が顕れた歴史的事実を並べてある。その事柄に関しては後述の注釈を参照。", "title": "本文" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "本文" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "白文の元はwikisource:正气歌より。一部の漢字を日本で一般的に使われているものに直した。", "title": "この文章について" } ]
文学>漢詩>正気の歌
[[文学]]>[[漢詩]]>[[正気の歌]] <div align=center>[[W:ja:文天祥|文天祥]]</div> ==本文== ===一段目=== {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |style="background-color:#CCCCCC;text-align:center;width:110px;"|'''原文''' |style="background-color:#CCCCCC;text-align:center;"|'''書き下し文''' |style="background-color:#CCCCCC;text-align:center;"|'''訳''' |- |'''天地有正氣'''  |天地に正氣有り |天地には正気(せいき)があり、 |- |'''雜然賦流形'''  |雜然として流形を賦す |混然として形を持たず(この世界に)ある。 |- |'''下則為河嶽'''  |下っては則ち河嶽と為り |下に行けば河や山岳に為り、 |- |'''上則為日星'''  |上っては則ち日星と為る |上に行けば日星に為る。 |- |'''於人曰浩然'''  |人に於いては浩然と曰う |人に於いて(正気が発揮される場合は)浩然の気と言う。 |- |'''沛乎塞蒼冥'''  |沛乎として蒼冥に塞(み)つ |大いに天地に満ちている |- |'''皇路當清夷'''  |皇路清夷に當たれば |大いなる道が清らかで太平な時は |- |'''含和吐明庭'''  |和を含んで明庭に吐く |和やかに明るい朝廷(つまり不正などが行われていない健全な朝廷)に吐き出される。 |- |'''時窮節乃見'''  |時窮すれば節、乃ち見れ |動乱の時代になれば、(正気を元とした)節義が顕れ、 |- |'''一一垂丹青'''  |一一丹青に垂れる |一つ一つ、歴史に残る。 |- |} ===二段目=== この段は前段の一一垂丹青を受けて、正気が顕れた歴史的事実を並べてある。その事柄に関しては後述の[[正気の歌#注釈|注釈]]を参照。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |style="background-color:#CCCCCC;text-align:center;width:110px;"|'''原文''' |style="background-color:#CCCCCC;text-align:center;"|'''書き下し文''' |style="background-color:#CCCCCC;text-align:center;"|'''訳''' |- |'''在齊太史簡''' |齊に在っては太史の簡 |斉では太史の[[W:ja:竹簡|竹簡]]。 |- |'''在晉[[W:ja:董狐|董狐]]筆''' |晉に在っては董狐の筆 |晋では董狐の歴史を書く筆。 |- |'''在秦[[W:ja:張良|張良]]椎''' |秦に在っては張良の椎 |秦では張良が投げさせた鉄鎚。 |- |'''在漢[[W:ja:蘇武|蘇武]]節'''  |漢に在っては蘇武の節 |漢では蘇武の符節。 |- |'''為嚴將軍頭''' |嚴將軍の頭と為り | [[W:ja:厳顔|厳顔]]将軍の頭と為り |- |'''為&#23878;侍中血'''  |&#23878;侍中の血と為る |&#23878;侍中の血と為る |- |'''為張睢陽齒'''  |張雎陽の齒と為り |雎陽を守備していた[[W:ja:張巡|張巡]]の歯と為り |- |'''為顏常山舌'''  |顏常山の舌と為る |常山を守備していた[[W:ja:顔杲卿|顔杲卿]]の舌と為る |- |'''或為遼東帽'''  |或いは遼東の帽と為り |或いは遼東の[[W:ja:管寧|管寧]]の帽子と為り |- |'''清操厲氷雪'''  |清操、氷雪よりも厲(はげ)し |その清らかな節操は氷雪よりも厳しい。 |- |'''或為出師表'''  |或いは出師表と為り |或いは[[W:ja:出師表|出師表]]と為り |- |'''鬼神泣壯烈'''  |鬼神も壯烈に泣く |鬼神も壮烈に泣く |- |'''或為渡江楫'''  |或いは江を渡る楫と為り |或いは[[W:ja:長江|長江]]を渡る際の楫(かじ)と為り |- |'''慷慨呑胡羯'''  |慷慨、胡羯を呑む |その意気は異民族の羯を呑んでかかる。 |- |'''或為撃賊笏'''  |或いは賊を撃つ笏と為り |或いは賊を撃つ段秀実の笏と為り、 |- |'''逆豎頭破裂'''  |逆豎の頭は破裂す |反逆者の頭は破裂する |- |} ===三段目=== {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |style="background-color:#CCCCCC;text-align:center;width:110px;"|'''原文''' |style="background-color:#CCCCCC;text-align:center;"|'''書き下し文''' |style="background-color:#CCCCCC;text-align:center;"|'''訳''' |- |'''是氣所磅礴'''  |是れ、氣の磅礴する所 |これらの歴史の事象は正気が噴出する所であり、 |- |'''凛烈萬古存'''  |凛烈として萬古に存す |永遠に残る。 |- |'''當其貫日月'''  |其の日月を貫くに當たりては |正気は日月さえ貫き、 |- |'''生死安足論'''  |生死、安くんぞ論ずるに足らん |生死などは論ずるに足りない |- |'''地維賴以立'''  |地維、賴りて以って立ち |大地は正気によって存在し、 |- |'''天柱賴以尊'''  |天柱、賴りて以って尊し |天は正気によって尊いとされる |- |'''三綱實系命'''  |三綱は實に命に系り |三綱(君臣・親子・夫婦の人倫の三つの大綱のこと)も正気によってその命を与えられたのであり、 |- |'''道義為之根'''  |道義、之を根と為す |道義は正気を根幹とする。 |- |} ===四段目=== {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |style="background-color:#CCCCCC;text-align:center;width:110px;"|'''原文''' |style="background-color:#CCCCCC;text-align:center;"|'''書き下し文''' |style="background-color:#CCCCCC;text-align:center;"|'''訳''' |- |'''嗟予遭陽九'''  |嗟あ、予は陽九に遭い |ああ、私は亡国に遭い、 |- |'''隷也實不力'''  |隷は實に不力也り |私は(国を救うために)実に努力が足りない。 |- |'''楚囚纓其冠'''  |楚囚、其冠を纓び |私は捕虜となっても、南宋の家臣であり |- |'''傳車送窮北'''  |傳車、窮北に送らる |護送車によって極北(この場合は[[W:ja:大都|大都]])へ送られる |- |'''鼎&#37962;甘如飴'''  |鼎&#37962;、甘きこと飴の如き |釜茹でにされることも飴のように甘いのに、 |- |'''求之不可得'''  |之、求むるに得べからず |之を求めても得られない |- |'''陰房闃鬼火'''  |陰房に鬼火は闃かに |暗い牢屋は静かで鬼火が出て、 |- |''' 春院閟天黑'''  |春の院は天に閟ざして黑し |春の院(牢屋)は天に閉じていて(天井があって)真っ黒である。 |- |'''牛麒同一皂'''  |牛と麒は一皂を同にし |牛(他の囚人)と[[W:ja:麒麟|麒麟]](文天祥)が餌箱を同じにし、 |- |'''鷄棲鳳凰食'''  |鷄棲で鳳凰は食らう |鶏(他の囚人)小屋で[[W:ja:鳳凰|鳳凰]](文天祥)が飼われている。 |- |'''一朝蒙霧露'''  |一朝、霧露を蒙らば |もし、(この牢屋の)悪い空気や冷たい露に晒されてしまえば、 |- |'''分作溝中瘠'''  |溝中の瘠と作らんを分(ぶん)とす |死体になる事を覚悟しなくてはならない |- |'''如此再寒暑'''  |再び寒暑、如くの此し |(このような悪条件の中で)夏冬が二回過ぎたが、 |- |'''百沴自辟易'''  |百沴、自ら辟易す |病魔・悪鬼は近寄ってこない |- |'''嗟哉沮洳場'''  |嗟哉、沮洳の場も |ああ、ぬかるんだこの場も |- |'''為我安樂國'''  |我が安樂の國と為らん |私には楽園になる。 |- |'''豈有他繆巧'''  |豈に繆巧有らんや |(このようになるのは)どうして私が何か策を施したのであろうか。(いや、私が何か策を持っていた訳ではない) |- |'''陰陽不能賊'''  |陰陽も賊するあたわず |陰陽も(私の体を)損なうことが出来ないのは、 |- |'''顧此耿耿在'''  |顧てこの耿耿在り |顧みて、この耿耿としたもの、すなわち正気が在るからである。 |- |'''仰視浮雲白'''  |仰ぎ視て浮雲白ければなり |仰ぎ見て浮いている雲のように(私の精神が)白いからである。 |- |'''悠悠我心悲'''  |悠悠として我が心は悲しむ |悠々として私の心は悲しみにくれる。 |- |'''蒼天曷有窮'''  |蒼天、曷ぞ窮み有らん |蒼い空は窮みが在るのだろうか。 |- |'''哲人日已遠'''  |哲人、日に己に遠く |[[W:ja:聖人|哲人]]がいた頃は既に遠い昔だが、 |- |'''典刑在夙昔'''  |典刑は夙昔に在り |人間の模範は昔にある。 |- |'''風檐展書讀'''  |風檐に書を展げて讀めば |風が吹く軒で(哲人たちの)書物を広げて読めば、 |- |'''古道照顏色'''  |古の道、顏色を照らす |古の道(哲人たちの正気が表現された様)が私の顔を照らしてくれる。 |- |} </font> ==注釈== *正気 - 世界(天地人)の精気、正しく美しい姿の源。 *流形 - 定まった形が無い事。 *沛乎 - 盛大に。 *蒼冥 - 天地。 *丹青 - 歴史書のこと。 *斉に在っては太史の簡 - [[W:ja:春秋時代|春秋時代]]の[[W:ja:斉 (春秋)|斉]]で宰相の[[W:ja:崔杼|崔杼]]がその君主を殺した際に太史(記録係)が「崔杼、その君を弑す。」と書いて、怒った崔杼に殺された。しかし太史の弟が同じ事を書き、また殺され、更にその弟が同じ事を書いたに至って崔杼も記述を止めさせる事をあきらめた。 *晋に在っては董狐の筆 - 春秋時代の[[W:ja:晋 (春秋)|晋]]の宰相・[[W:ja:趙盾|趙盾]]は甥が君主を殺した際に、その甥を誅しなかったので趙盾が君主を殺したと書かれた。 *秦に在っては張良の椎 - [[W:ja:秦|秦]]の[[W:ja:始皇帝|始皇帝]]を[[W:ja:張良|張良]]が鉄鎚を投げて暗殺しようとした。 *漢に在っては蘇武の節 - [[W:ja:前漢|前漢]]の[[W:ja:蘇武|蘇武]]は[[W:ja:匈奴|匈奴]]に使者として赴いた時に囚われ、十数年囚われたままだったが、決して使者の証である符節を離そうとはしなかった。 *厳将軍の頭と為り - [[W:ja:後漢|後漢]]末期、[[W:ja:劉備|劉備]]が[[W:ja:劉璋|劉璋]]の勢力圏へ侵攻したときに、劉備の部下[[W:ja:張飛|張飛]]の軍に囚われた劉璋の部下[[W:ja:厳顔|厳顔]]は、張飛が「何故すぐに降伏しなかったのだ!」と言ったのに対して「我らには頭を絶たれる将軍はいても頭を垂れる将軍はいないのだ。」と答えた。 *&#23878;侍中の血と為る - [[W:ja:西晋|西晋]]の[[W:ja:ケイ紹|&#23878;紹]](けいしょう、役職が侍中。&#23878;は禾編に犬を書いてその下に山)は[[W:ja:八王の乱|八王の乱]]の際に[[W:ja:恵帝 (晋)|恵帝]]を庇って矢に射られて死に、その血が恵帝の服にかかった。恵帝が無事な所まで逃げた後で、家臣が恵帝の服を洗おうとしたところ「此れは&#23878;侍中の血だ。洗わないように。」と言った。 *張雎陽の歯と為り - [[W:ja:唐 (王朝)|唐]]の[[W:ja:安史の乱|安史の乱]]の際に雎陽を守っていた張巡は激しく歯噛みしながら防衛戦を戦ったために歯がほとんど砕けたと言う。 *顔常山の舌と為る - 安史の乱の際に常山を守っていた顔杲卿(がんこうけい)は[[W:ja:安禄山|安禄山]]に捕まった後、臣従を求められたが、逆に安禄山を罵ったので舌を抜かれて殺された。 *或いは遼東の帽と為り - [[W:ja:三国時代|三国時代]]の管寧(かんねい)は戦乱を避けて遼東へ移り住み、[[W:ja:魏 (三国)|魏]]の顕職に就く事を要請されても受けずに清貧に甘んじた。粗末な黒い帽子をいつも被っていた。 *或いは出師表と為り - 三国時代の[[W:ja:蜀|蜀]]の[[W:ja:諸葛亮|諸葛亮]]は魏へ[[W:ja:北伐|北伐]]を行う際に[[W:ja:出師表|出師表]]を奉り、周囲を感動させた。 *或いは江を渡る楫と為り、慷慨、胡羯を呑む。 - [[W:ja:五胡十六国時代|五胡十六国時代]]の[[W:ja:東晋|東晋]]の将軍・祖逖(そてき、逖はしんにょうに火)は[[W:ja:後趙|後趙]]への遠征で[[W:ja:長江|長江]]を渡る際に「後趙を倒さない内は再び長江を渡らない」と宣言した。胡は異民族のこと、[[W:ja:匈奴|羯]]は後趙を立てた民族。 *或いは賊を撃つ笏と為り、逆豎の頭は破裂す。唐の朱泚(しゅせい、泚はさんずいに比)が反乱を起こした際に、段秀実は説得に行き、朱泚の気持ちが変わらないと見ると持っていた笏で、朱泚の頭を叩き割った。 *陽九 - [[W:ja:易|易]]で亡国を意味する。 *楚囚、其冠を纓び - [[W:ja:春秋時代|春秋時代]]・[[W:ja:戦国時代 (中国)|戦国時代]]の[[W:ja:楚 (春秋)|楚]]では他の国とは冠の紐の結び方が違い、捕虜になった場合もそのままにしてあった。文天祥が[[W:ja:元 (王朝)|元]]に捕まっていてもあくまで[[W:ja:南宋|宋]]の家臣であると言うことを表している。 *百沴 - 全ての病気の元、病魔。 *沮洳 - ぬかるみ。 ==この文章について== 白文の元は[[wikisource:正气歌]]より。一部の漢字を日本で一般的に使われているものに直した。 ==外部リンク== {{Wikisource|正気の歌}} {{Wikipedia|文天祥}} {{DEFAULTSORT:せいきのうた}} [[Category:古典文学]]
2004-09-03T15:09:49Z
2024-02-14T11:09:26Z
[ "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Wikisource" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%AD%A3%E6%B0%97%E3%81%AE%E6%AD%8C
609
学習指導 中学校数学
中学校数学というのは、数量,図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深め,数学的な表現や処理の仕方を習得し,事象を数理的に考察する能力を高めるとともに,数学的活動の楽しさ,数学的な見方や考え方のよさを知り,それらを進んで活用する態度を育てる教科である。(中学校指導要領より) この目標を達成するため、各学年ごと以下のような指導が行われる。 その他、不等号の理解もする。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "中学校数学というのは、数量,図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深め,数学的な表現や処理の仕方を習得し,事象を数理的に考察する能力を高めるとともに,数学的活動の楽しさ,数学的な見方や考え方のよさを知り,それらを進んで活用する態度を育てる教科である。(中学校指導要領より)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "この目標を達成するため、各学年ごと以下のような指導が行われる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "その他、不等号の理解もする。", "title": "指導内容" } ]
中学校数学というのは、数量,図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深め,数学的な表現や処理の仕方を習得し,事象を数理的に考察する能力を高めるとともに,数学的活動の楽しさ,数学的な見方や考え方のよさを知り,それらを進んで活用する態度を育てる教科である。(中学校指導要領より) この目標を達成するため、各学年ごと以下のような指導が行われる。
中学校数学というのは、数量,図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深め,数学的な表現や処理の仕方を習得し,事象を数理的に考察する能力を高めるとともに,数学的活動の楽しさ,数学的な見方や考え方のよさを知り,それらを進んで活用する態度を育てる教科である。(中学校指導要領より) この目標を達成するため、各学年ごと以下のような指導が行われる。 ==指導内容== ===1年生=== ====目標==== *小学校では数と言えば正の数だけだったが、負の数まで範囲を拡張し、数の概念についての理解を深めることや、文字を用いることの意義、方程式の意味を理解する。 *平面図形、空間図形についての観察等を通し、図形に対する考え方を深める *比例・反比例の考え方を深め、数量の関係を表現し考察する基礎を培う。 ====内容==== =====数量分野===== *正の数、負の数 **簡単な四則演算 **用語の理解(自然数、符号、絶対値、項) *文字式 **文字式における、加減乗除の表し方 **簡単な一次式の加減 **用語の理解(係数) *方程式 **一元一次方程式の解法と利用 *関数 **比例・反比例の意味の理解 **座標の意味の理解 **表、式、グラフでの表現 **比例・反比例の利用 **用語の理解(変数、変域) その他、不等号の理解もする。 =====図形分野===== *平面図形 **線対称・点対称の意味の理解と、対称性に注目した平面図形の直感的な見方を育てる **基本的な作図の方法(角の二等分線、線分の垂直二等分線、垂線等) **用語の理解 (⊥、∠、△) *空間図形 **空間における直線、平面の位置関係の理解 **空間図形を直線や平面の運動によるものと捉える **立体図形を平面に描写する(断面図、投影図は除く) **扇形の弧の長さや面積 **柱体、錐体の表面積、体積(底面が三角形や円であるものについて取り扱う) **用語の理解(弧、弦、π、回転体) ===2年生=== ====目標==== *1年で学習した文字式について,目的に応じて計算したり変形したりする能力を伸ばし,連立二元一次方程式について理解し,それを用いる能力を養う。 *基本的な平面図形についての観察等を通し、図形に対する考え方を深め、図形の性質の考察における数学的推論をする能力を養う *一次関数の理解、確率の基礎の理解 ====内容==== =====数量分野===== *式の計算 **簡単な整式の加減 **単項式の乗除 **文字式の利用と変形 **用語の理解(同類項) *連立方程式 **連立ニ元一次方程式の理解と利用 **:ただし、''A'' = ''B'' = ''C'' の形の連立方程式は扱わない *一次関数 **変化の割合とグラフの特徴の理解 **二元一次方程式を関数を表す式とみること **:ただし、''x'' = ''h''という式は扱わない *確率 **起こりうる場合の整理 **:ただし、樹形図で求められる範囲に限る **:余事象の考えで求めることは扱わない **確率の意味の理解・利用 =====図形分野===== *図形の性質 **平行線や角の性質の理解 **平行線の性質や三角形の角についての性質をもとに,多角形の角についての性質を見出すこと **用語の理解(対頂角、内角、外角) *証明 **三角形の合同条件の理解と、その利用 **:これに関連して、正方形,ひし形,長方形については、これらが平行四辺形の特別な形ということまでの理解にする **証明の意義と方法の理解 **用語の理解(定義、証明、≡) ==外部リンク== * [http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/990301c/990301m.htm 中学校指導要領] [[Category:中学校教育|ちゅうかっこうすうかく]] [[Category:数学教育|ちゅうかっこうすうかく]]
null
2020-04-29T08:45:33Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%8C%87%E5%B0%8E_%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E5%AD%A6
610
初等数学公式集
"公式とは、数式で表される定理のことである " (出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』- 公式) 以下に、日本の数学教育において大学入学程度の水準までに用いられる、主な公式をジャンルごとに分けて記しておく。詳細は、リンク先に記述。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "\"公式とは、数式で表される定理のことである \" (出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』- 公式)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "以下に、日本の数学教育において大学入学程度の水準までに用いられる、主な公式をジャンルごとに分けて記しておく。詳細は、リンク先に記述。", "title": "" } ]
"公式とは、数式で表される定理のことである " 以下に、日本の数学教育において大学入学程度の水準までに用いられる、主な公式をジャンルごとに分けて記しておく。詳細は、リンク先に記述。
"''公式とは、数式で表される定理のことである'' " ([[:w:ja:公式|出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』- 公式]]) 以下に、日本の数学教育において大学入学程度の水準までに用いられる、主な公式をジャンルごとに分けて記しておく。詳細は、リンク先に記述。 == [[/数と集合・論理|数と集合・論理]]== === [[/数と集合・論理#数の性質|数の性質]]=== ==== [[/数と集合・論理#数の体系|数の体系]]==== ==== [[/数と集合・論理#記数法|記数法]]==== ===== [[/数と集合・論理#n進法|n進法]]===== ===== [[/数と集合・論理#小数|小数]]===== ==== [[/数と集合・論理#自然数・整数|自然数・整数]]==== ===== [[/数と集合・論理#不定方程式|不定方程式]]===== ===== [[/数と集合・論理#整数の合同|整数の合同]]===== ==== [[/数と集合・論理#有理数・分数|有理数・分数]]==== ==== [[/数と集合・論理#複素数|複素数]]==== === [[/数と集合・論理#集合|集合]]=== ==== [[/数と集合・論理#集合の記号と表現方法|集合の記号と表現方法]]==== ==== [[/数と集合・論理#集合の演算|集合の演算]]==== === [[/数と集合・論理#論理|論理]]=== ==== [[/数と集合・論理#必要条件・十分条件・必要十分条件|必要条件・十分条件・必要十分条件]]==== ==== [[/数と集合・論理#条件命題と逆・裏・対偶|条件命題と逆・裏・対偶]]==== ==== [[/数と集合・論理#証明|証明]]==== == [[/初等代数|初等代数]]== === [[/初等代数#多項式|多項式]]=== ==== [[/初等代数#展開公式|展開公式]]==== ==== [[/初等代数#式の変形|式の変形]]==== ===== [[/初等代数#対称式・交代式|対称式・交代式]]===== ==== [[/初等代数#多項式の除法|多項式の除法]]==== ===== [[/初等代数#剰余の定理と因数定理|剰余の定理と因数定理]]===== === [[/初等代数#方程式|方程式]]=== ==== [[/初等代数#解の公式|解の公式]]==== ===== [[/初等代数#2元1次方程式|2元1次方程式]]===== ==== [[/初等代数#解と係数の関係|解と係数の関係]]==== ==== [[/初等代数#方程式の解の存在条件|方程式の解の存在条件]]==== === [[/初等代数#不等式|不等式]]=== ==== [[/初等代数#絶対不等式|絶対不等式]]==== ==== [[/初等代数#2次不等式|2次不等式]]==== ==== [[/初等代数#3次不等式|3次不等式]]==== === [[/初等代数#行列|行列]]=== ==== [[/初等代数#一次変換|一次変換]]==== == [[/初等幾何|初等幾何]] == === [[/初等幾何#平面図形|平面図形]] === ==== 三角形 ==== ===== [[/初等幾何#三平方の定理|三平方の定理]]===== ===== [[/初等幾何#正弦定理|正弦定理]]===== ===== [[/初等幾何#余弦定理|余弦定理]]===== ===== [[/初等幾何#三角形における正接の性質|三角形における正接の性質]]===== ===== [[/初等幾何#メネラウスの定理・チェバの定理|メネラウスの定理・チェバの定理]]===== ===== [[/初等幾何# 三角形の5心| 三角形の5心]]===== === [[/初等幾何#多角形|多角形]]=== === [[/初等幾何#円|円]]=== ==== [[/初等幾何#中心角と円周角|中心角と円周角]]==== ==== [[/初等幾何#方べきの定理|方べきの定理]]==== === [[/初等幾何#立体図形|立体図形]]=== === [[/初等幾何#面積と体積|面積と体積]] === ==== [[/初等幾何#平面図形の面積|平面図形の面積]]==== ==== [[/初等幾何#立体図形の表面積等|立体図形の表面積等]]==== ==== [[/初等幾何#体積|体積]]==== === [[/初等幾何#ベクトル|ベクトル]]=== ==== [[/初等幾何#ベクトルの演算|ベクトルの演算]]==== ==== [[/初等幾何#位置ベクトル|位置ベクトル]]==== ==== [[/初等幾何#内積|内積]]==== == [[/初等関数の性質|初等関数の性質]]== === [[/初等関数の性質#三角関数|三角関数]]=== ==== [[/初等関数の性質#基本公式|基本公式]]==== ==== [[/初等関数の性質#補角の公式(還元公式)|補角の公式(還元公式)]]==== ==== [[/初等関数の性質#余角の公式(還元公式)|余角の公式(還元公式)]]==== ==== [[/初等関数の性質#負角の公式(還元公式)|負角の公式(還元公式)]]==== ==== [[/初等関数の性質#加法定理|加法定理]]==== ==== [[/初等関数の性質#二倍角の公式|二倍角の公式]]==== ==== [[/初等関数の性質#半角の公式|半角の公式]]==== ==== [[/初等関数の性質#三倍角の公式|三倍角の公式]]==== ==== [[/初等関数の性質#和積の公式|和積の公式]]==== ==== [[/初等関数の性質#積和の公式|積和の公式]]==== ==== [[/初等関数の性質#三角関数の合成|三角関数の合成]]==== === [[/初等関数の性質#指数関数・対数関数|指数関数・対数関数]]=== ==== [[/初等関数の性質#指数関数|指数関数]]==== ==== [[/初等関数の性質#対数関数|対数関数]]==== == [[/解析幾何|解析幾何]]== === [[/解析幾何#平面|平面]]=== ==== [[/解析幾何#2点間の関係|2点間の関係]]==== ==== [[/解析幾何#関数のグラフの移動|関数のグラフの移動]]==== ===== [[/解析幾何#平行移動|平行移動]]===== ===== [[/解析幾何#対称移動|対称移動]]===== ==== [[/解析幾何#直線|直線]]==== ===== [[/解析幾何#平均変化率|平均変化率]]===== ===== [[/解析幾何#接線の方程式|接線の方程式]]===== ==== [[/解析幾何#二次曲線|二次曲線]]==== ===== [[/解析幾何#円|円]]===== ===== [[/解析幾何#楕円|楕円]]===== ===== [[/解析幾何#放物線|放物線]]===== ===== [[/解析幾何#双曲線|双曲線]]===== ==== [[/解析幾何#その他の図形|その他の図形]]==== === [[/解析幾何#三次元空間|三次元空間]]=== ==== [[/解析幾何#直線の式|直線の式]]==== ==== [[/解析幾何#平面の式|平面の式]]==== ==== [[/解析幾何#球面の式|球面の式]]==== == [[/数列|数列]]== === [[/数列#一般項|一般項]]=== === [[/数列#数列の和|数列の和]]=== === [[/数列#数列の和の性質(線形性)|数列の和の性質(線形性)]]=== === [[/数列#漸化式と一般項|漸化式と一般項]]=== ==== [[/数列#二項間漸化式|二項間漸化式]]==== ===== [[/数列#等比数列となる漸化式の応用|等比数列となる漸化式の応用]]===== ==== [[/数列#三項間漸化式|三項間漸化式]]==== ==== [[/数列#フィボナッチ数列|フィボナッチ数列]]==== === [[/数列#数学的帰納法|数学的帰納法]]=== === [[/数列#数列・級数の極限|数列・級数の極限]]=== == [[/微積分|微積分]]== ==== [[/微積分#関数の極限|関数の極限]]==== ==== [[/微積分#微分|微分]]==== ===== [[/微積分#基本的な関数の微分公式|基本的な関数の微分公式]]===== ===== [[/微積分#接線の方程式等|接線の方程式等]]===== ===== [[/微積分#関数の増減|関数の増減]]===== ===== [[/微積分#陰関数の微分|陰関数の微分]]===== ====== [[/微積分#対数微分法|対数微分法]]====== ==== [[/微積分#積分|積分]]==== ===== [[/微積分#基本的な関数の積分公式|基本的な関数の積分公式]]===== ===== [[/微積分#曲線で囲まれる領域の面積|曲線で囲まれる領域の面積]]===== ===== [[/微積分#体積|体積]]===== ==== [[/微積分#基本的な関数の微分公式と積分公式の相互関係|基本的な関数の微分公式と積分公式の相互関係]]==== == [[/確率・統計|確率・統計]]== === [[/確率・統計#順列・組合せ|順列・組合せ]]=== === [[/確率・統計#確率|確率]]=== === [[/確率・統計#統計|統計]]=== ==== [[/確率・統計#平均値・分散・標準偏差|平均値・分散・標準偏差]]==== ==== [[/確率・統計#確率分布・二項分布|確率分布・二項分布]]==== ==== [[/確率・統計#正規分布|正規分布]]==== == 関連項目 == * [[初等数学記号集]]<!-- * [[Wikibooks:数学記号索引 (初等数学)]]--> == 外部リンク == * [https://www.nagoya-u.ac.jp/admissions/exam/upload/3-2_r5mondai_math-ri.pdf 令和5年度名古屋大学数学(理系)入試問題(4ページ以降公式集)] {{DEFAULTSORT:しよとうすうかくこうしきしゆう}} [[Category:普通教育]] [[Category:数学教育]] [[Category:初等数学公式集|*]]
2004-09-04T14:04:13Z
2024-03-21T05:32:55Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%88%9D%E7%AD%89%E6%95%B0%E5%AD%A6%E5%85%AC%E5%BC%8F%E9%9B%86
612
地理学
地理学とは、自然や人々の暮らしについて研究する学問です。大きく系統地理学、地誌学、地図学、地理学説史の4つに分類されています。系統地理学は自然について研究する自然地理学と、人々の暮らしなどを研究する人文地理学の2つに分かれており、地誌学は世界の諸地域について研究する世界地誌と、日本の諸地域について研究する日本地誌の2つに分かれています。さらにこれらの下にいろいろな学問分野が分かれています。 近年は"系統地理学"という言葉について、自然地理学や人文地理学を含む意味合いの他に生物の系統をたどる学問でも使われるが、ここでは前者について述べる。 目次
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "地理学とは、自然や人々の暮らしについて研究する学問です。大きく系統地理学、地誌学、地図学、地理学説史の4つに分類されています。系統地理学は自然について研究する自然地理学と、人々の暮らしなどを研究する人文地理学の2つに分かれており、地誌学は世界の諸地域について研究する世界地誌と、日本の諸地域について研究する日本地誌の2つに分かれています。さらにこれらの下にいろいろな学問分野が分かれています。 近年は\"系統地理学\"という言葉について、自然地理学や人文地理学を含む意味合いの他に生物の系統をたどる学問でも使われるが、ここでは前者について述べる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "目次", "title": "一般の教科書" } ]
自然科学 > 地理学 社会科学 > 地理学 地理学とは、自然や人々の暮らしについて研究する学問です。大きく系統地理学、地誌学、地図学、地理学説史の4つに分類されています。系統地理学は自然について研究する自然地理学と、人々の暮らしなどを研究する人文地理学の2つに分かれており、地誌学は世界の諸地域について研究する世界地誌と、日本の諸地域について研究する日本地誌の2つに分かれています。さらにこれらの下にいろいろな学問分野が分かれています。 近年は"系統地理学"という言葉について、自然地理学や人文地理学を含む意味合いの他に生物の系統をたどる学問でも使われるが、ここでは前者について述べる。
*[[自然科学]] > 地理学 *[[社会科学]] > 地理学 {{NDC|450|ちりかく}} {| style="float:right" |- |{{蔵書一覧}} |} {{wikiversity|School:地理学|地理学}} '''[[w:地理学|地理学]]'''とは、自然や人々の暮らしについて研究する学問です。大きく''系統地理学''、''地誌学''、''地図学''、''地理学説史''の4つに分類されています。''系統地理学''は自然について研究する''自然地理学''と、人々の暮らしなどを研究する''人文地理学''の2つに分かれており、''地誌学''は世界の諸地域について研究する''世界地誌''と、日本の諸地域について研究する''日本地誌''の2つに分かれています。さらにこれらの下にいろいろな学問分野が分かれています。 近年は"系統地理学"という言葉について、自然地理学や人文地理学を含む意味合いの他に生物の系統をたどる学問でも使われるが、ここでは前者について述べる。 == 初等教育・中等教育の教科書 == * [[小学校社会]] {{進捗|75%|2014-03-01}} ::[[小学校社会/私たちの住む都道府県の特ちょう]] {{進捗|75%|2014-01-14}} * [[中学校社会 地理]] {{進捗|50%|2014-04-13}} * [[高等学校地理]] {{進捗|00%|2014-06-07}} == 一般の教科書 == 目次 ===系統地理学=== ====自然地理学==== *[[地形学]] *[[水文学]] *[[海洋地理学]] *[[土壌地理学]] *[[気候学]] *[[生物地理学]] *[[疾病地理学]] ====人文地理学==== *[[経済地理学]] **[[農業地理学]] **[[林業地理学]] **[[水産地理学]] **[[鉱業地理学]] **[[工業地理学]] **[[商業地理学]] *[[交通地理学]] *[[観光地理学]] *[[集落地理学]] **[[都市地理学]] **[[村落地理学]] *[[社会地理学]] *[[医療地理学]] *[[教育地理学]] *[[政治地理学]] **[[地政学]] {{進捗|25%|2014-06-07}} *[[犯罪地理学]] *[[軍事地理学]] ===地誌学=== ====世界地誌==== *[[アジア地誌]] *[[アフリカ地誌]] *[[ヨーロッパ地誌]] *[[北アメリカ・中央アメリカ地誌]] *[[南アメリカ地誌]] *[[オセアニア地誌]] *[[極地地誌]] ====日本地誌==== *[[北海道地誌]] *[[東北地誌]] *[[関東地誌]] *[[中部地誌]] *[[近畿地誌]] *[[中国地誌]] *[[四国地誌]] *[[九州地誌]] *[[沖縄地誌]] ===地図学=== ===地理教育学=== *[[小学校地理教授法]] *[[中学校地理教授法]] *[[高等学校地理教授法]] *[[地理学と生涯教育]] ==関連書籍== {{stub}} [[Category:地理学|*]] [[Category:書庫|ちりかく]] {{NDC|290|ちりかく}}
2004-09-05T09:55:42Z
2023-09-28T17:02:56Z
[ "テンプレート:NDC", "テンプレート:蔵書一覧", "テンプレート:Wikiversity", "テンプレート:進捗", "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%86%E5%AD%A6
622
小学校算数
大学の教科書 自然科学: 数学 - 物理学; 古典力学 量子力学 - 化学; 無機化学 有機化学 - 生物学; 植物学 研究技術 - 地球科学 - 医学; 解剖学 語学: 日本語 英語 エスペラント 朝鮮語 デンマーク語 ドイツ語 フランス語 ラテン語 ルーマニア語 人文科学: 歴史学; 日本史 中国史 世界史 歴史観 - 心理学 - 哲学 - 芸術; 音楽 美術 - 文学; 古典文学 漢詩 社会科学: 法学 - 経済学 - 地理学 - 教育学; 学校教育 教育史 情報技術: 情報工学; MS-DOS/PC DOS UNIX/Linux TeX/LaTeX CGI - プログラミング; BASIC C言語 C++ D言語 HTML Java JavaScript Lisp Mizar Perl PHP Python Ruby Scheme SVG 小・中・高校の教科書 小学: 国語 社会 算数 理科 英語 中学: 国語 社会 数学 理科 英語 高校: 国語 - 地歴 - 公民 - 数学; 公式集 - 理科; 物理 化学 地学 生物 - 外国語 - 情報 解説書・実用書・参考書 趣味: 料理本 - スポーツ - ゲーム 試験: 資格試験 - 入学試験 その他の本: 防災 - 生活と進路 - ウィキペディアの書き方 - ジョーク集 小学校の算数では、数と計算・図形・数量関係・データの活用について学びます。 見たいページを選んでください。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "大学の教科書 自然科学: 数学 - 物理学; 古典力学 量子力学 - 化学; 無機化学 有機化学 - 生物学; 植物学 研究技術 - 地球科学 - 医学; 解剖学 語学: 日本語 英語 エスペラント 朝鮮語 デンマーク語 ドイツ語 フランス語 ラテン語 ルーマニア語 人文科学: 歴史学; 日本史 中国史 世界史 歴史観 - 心理学 - 哲学 - 芸術; 音楽 美術 - 文学; 古典文学 漢詩 社会科学: 法学 - 経済学 - 地理学 - 教育学; 学校教育 教育史 情報技術: 情報工学; MS-DOS/PC DOS UNIX/Linux TeX/LaTeX CGI - プログラミング; BASIC C言語 C++ D言語 HTML Java JavaScript Lisp Mizar Perl PHP Python Ruby Scheme SVG 小・中・高校の教科書 小学: 国語 社会 算数 理科 英語 中学: 国語 社会 数学 理科 英語 高校: 国語 - 地歴 - 公民 - 数学; 公式集 - 理科; 物理 化学 地学 生物 - 外国語 - 情報 解説書・実用書・参考書 趣味: 料理本 - スポーツ - ゲーム 試験: 資格試験 - 入学試験 その他の本: 防災 - 生活と進路 - ウィキペディアの書き方 - ジョーク集", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "小学校の算数では、数と計算・図形・数量関係・データの活用について学びます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "見たいページを選んでください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "", "title": "" } ]
小学校(しょうがっこう)の算数(さんすう)では、数(かず)と計算(けいさん)・図形(ずけい)・数量関係(すうりょうかんけい)・データの活用(かつよう)について学(まな)びます。 見(み)たいページを選(えら)んでください。 にゅうがくまえ さんすう (2013-12-21) 1ねんせい (2005-05-10) 2年生 (2006-07-21) 3年生 (2006-07-21) 4年生 (2023-09-27) 5年生 (2006-07-27) 6年生 (2023-09-27) 付録(ふろく) 算数ドリル 1ねんせいのためのさんすうドリル (2014-02-09) 2年生のためのさんすうドリル (2014-02-09) 3年生のための算数ドリル (2014-02-09) 4年生のための算数ドリル (2014-02-09) 5年生のための算数ドリル (2014-02-09) 6年生のための算数ドリル (2014-02-09) 中学受験算数ドリル (2020-04-28) 中学受験算数 (2019-05-31) 算数から数学へ (2021-11-12) ※小学校6年間の算数の学習を終えた後に読んでください。
{{pathnav|メインぺージ|小学校・中学校・高等学校の学習|小学校の学習|frame=1}} {{pathnav|数学|frame=1}} {{進捗状況}} {{蔵書一覧}} {{ruby|小学校|しょうがっこう}}の{{ruby|算数|さんすう}}では、{{ruby|数|かず}}と{{ruby|計算|けいさん}}・{{ruby|図形|ずけい}}・{{Ruby|数量関係|すうりょうかんけい}}・データの{{Ruby|活用|かつよう}}について{{ruby|学|まな}}びます。 {{ruby|見|み}}たいページを{{Ruby|選|えら}}んでください。 * [[Wikijunior:算数/小学校入学前 算数教育|にゅうがくまえ さんすう]] {{進捗|00%|2013-12-21}} * [[小学校算数/1学年|1ねんせい]] {{進捗|100%|2005-05-10}} * [[小学校算数/2学年|2年生]] {{進捗|100%|2006-07-21}} * [[小学校算数/3学年|3年生]] {{進捗|100%|2006-07-21}} * [[小学校算数/4学年|4年生]] {{進捗|75%|2023-09-27}} * [[小学校算数/5学年|5年生]] {{進捗|100%|2006-07-27}} * [[小学校算数/6学年|6年生]] {{進捗|75%|2023-09-27}} * {{ruby|付録|ふろく}} [[初等数学演習#小学校|算数ドリル]] ** [[算数演習/小学校1年生|1ねんせいのためのさんすうドリル]] {{進捗|100%|2014-02-09}} ** [[算数演習/小学校2年生|2年生のためのさんすうドリル]] {{進捗|100%|2014-02-09}} ** [[算数演習/小学校3年生|3年生のための算数ドリル]] {{進捗|100%|2014-02-09}} ** [[算数演習/小学校4年生|4年生のための算数ドリル]] {{進捗|100%|2014-02-09}} ** [[算数演習/小学校5年生|5年生のための算数ドリル]] {{進捗|100%|2014-02-09}} ** [[算数演習/小学校6年生|6年生のための算数ドリル]] {{進捗|100%|2014-02-09}} ** [[中学受験算数/演習|中学受験算数ドリル]]{{進捗|25%|2020-04-28}} * [[中学受験算数]] {{進捗|50%|2019-05-31}} * [[小学校算数/算数から数学へ|算数から数学へ]] {{進捗|100%|2021-11-12}} ※小学校6年間の算数の学習を終えた後に読んでください。 [[Category:小学校算数|*]] [[Category:数学|さんすう]] [[Category:小学校教育|さんすう]]
2004-09-06T10:18:27Z
2023-09-27T13:10:34Z
[ "テンプレート:進捗", "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:進捗状況", "テンプレート:蔵書一覧", "テンプレート:Ruby" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%AE%97%E6%95%B0
623
高等学校数学
大学の教科書 自然科学: 数学 - 物理学; 古典力学 量子力学 - 化学; 無機化学 有機化学 - 生物学; 植物学 研究技術 - 地球科学 - 医学; 解剖学 語学: 日本語 英語 エスペラント 朝鮮語 デンマーク語 ドイツ語 フランス語 ラテン語 ルーマニア語 人文科学: 歴史学; 日本史 中国史 世界史 歴史観 - 心理学 - 哲学 - 芸術; 音楽 美術 - 文学; 古典文学 漢詩 社会科学: 法学 - 経済学 - 地理学 - 教育学; 学校教育 教育史 情報技術: 情報工学; MS-DOS/PC DOS UNIX/Linux TeX/LaTeX CGI - プログラミング; BASIC C言語 C++ D言語 HTML Java JavaScript Lisp Mizar Perl PHP Python Ruby Scheme SVG 小・中・高校の教科書 小学: 国語 社会 算数 理科 英語 中学: 国語 社会 数学 理科 英語 高校: 国語 - 地歴 - 公民 - 数学; 公式集 - 理科; 物理 化学 地学 生物 - 外国語 - 情報 解説書・実用書・参考書 趣味: 料理本 - スポーツ - ゲーム 試験: 資格試験 - 入学試験 その他の本: 防災 - 生活と進路 - ウィキペディアの書き方 - ジョーク集 高等学校の数学では結果よりも過程を重視するようになる。 従って、定義や定理の仮定を正しく理解する必要とともに、論理的な考え方ができるようになる必要がある。 2022年度以降高校に入学した人はこちらを閲覧してください。 ※数学A,数学B、数学Cについては、すべて「履修に当たっては、生徒の特性や学校の実態、単位数等に応じて、内容の1から3までの中から適宜、適切な内容を選択させる。」との条件がついており、実際には、そのスコープが曖昧な各々の3については省略されるのではないか。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "大学の教科書 自然科学: 数学 - 物理学; 古典力学 量子力学 - 化学; 無機化学 有機化学 - 生物学; 植物学 研究技術 - 地球科学 - 医学; 解剖学 語学: 日本語 英語 エスペラント 朝鮮語 デンマーク語 ドイツ語 フランス語 ラテン語 ルーマニア語 人文科学: 歴史学; 日本史 中国史 世界史 歴史観 - 心理学 - 哲学 - 芸術; 音楽 美術 - 文学; 古典文学 漢詩 社会科学: 法学 - 経済学 - 地理学 - 教育学; 学校教育 教育史 情報技術: 情報工学; MS-DOS/PC DOS UNIX/Linux TeX/LaTeX CGI - プログラミング; BASIC C言語 C++ D言語 HTML Java JavaScript Lisp Mizar Perl PHP Python Ruby Scheme SVG 小・中・高校の教科書 小学: 国語 社会 算数 理科 英語 中学: 国語 社会 数学 理科 英語 高校: 国語 - 地歴 - 公民 - 数学; 公式集 - 理科; 物理 化学 地学 生物 - 外国語 - 情報 解説書・実用書・参考書 趣味: 料理本 - スポーツ - ゲーム 試験: 資格試験 - 入学試験 その他の本: 防災 - 生活と進路 - ウィキペディアの書き方 - ジョーク集", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "高等学校の数学では結果よりも過程を重視するようになる。 従って、定義や定理の仮定を正しく理解する必要とともに、論理的な考え方ができるようになる必要がある。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "2022年度以降高校に入学した人はこちらを閲覧してください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "※数学A,数学B、数学Cについては、すべて「履修に当たっては、生徒の特性や学校の実態、単位数等に応じて、内容の1から3までの中から適宜、適切な内容を選択させる。」との条件がついており、実際には、そのスコープが曖昧な各々の3については省略されるのではないか。", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "", "title": "関連書" } ]
高等学校の数学では結果よりも過程を重視するようになる。 従って、定義や定理の仮定を正しく理解する必要とともに、論理的な考え方ができるようになる必要がある。
{{pathnav|小学校・中学校・高等学校の学習|高等学校の学習|frame=1}} {{pathnav|数学|frame=1}} {{Wikiversity|Topic:高校の数学|高等学校数学}} {{蔵書一覧}} 高等学校の数学では結果よりも過程を重視するようになる。 従って、定義や定理の仮定を正しく理解する必要とともに、論理的な考え方ができるようになる必要がある。 === 現行課程 === 2022年度以降高校に入学した人はこちらを閲覧してください。 * [[新課程高等学校数学I|数学I]] 3単位 * [[新課程高等学校数学II|数学II]] 4単位 * [[新課程高等学校数学III|数学III]] 3単位 * [[新課程高等学校数学A|数学A]] 2単位 * [[新課程高等学校数学B|数学B]] 2単位 * [[新課程高等学校数学C|数学C]] 2単位 {| class="wikitable" style="width:100%" |+ 学習指導要領における性格づけ ! style="width:15%; text-align:center" | 科目とその性格 ! style="width:40%; text-align:center"| 含まれる単元とその内容 ! style="width:45%; text-align:center"| 備考など |- |'''数学Ⅰ''' :必履修科目として、中学校との接続に配慮するとともに、この科目だけで高等学校数学の履修を終える生徒及び引き続き数学を履修する生徒の双方に配慮した内容で構成し、すべての生徒の数学的に考える資質・能力の基礎を培う。 | #[[高等学校数学I/数と式|数と式]] #*数と集合 #**簡単な無理数の計算 #**集合と命題 #*式 #**式の展開と因数分解 #**一次不等式 #[[高等学校数学I/図形と計量|図形と計量]] #*三角比 #**鋭角の三角比 #**鈍角の三角比 #**正弦定理、余弦定理 #*図形の計量 #[[高等学校数学I/2次関数|二次関数]] #*二次関数とそのグラフ #*二次関数の値の変化 #**二次関数の最大・最小 #**二次関数と二次方程式 #*二次不等式 #[[高等学校数学I/データの分析|データの分析]] #*データの散らばり #**分散、標準偏差 #*データの相関 #**散布図、相関係数 #*仮説検定の考え方 |(旧過程との差異) :「数学A」から「整数の性質」中の「有限小数,循環小数」に関する内容を移入。 :*「循環小数」→分母・分子が整数の分数 となる計算。 |- |'''数学Ⅱ''' :高等学校数学の根幹をなす内容で構成し、より多くの生徒の数学的に考える 資質・能力を養う。 | #[[高等学校数学II/式と証明・高次方程式|いろいろな式]] #*式 #**多項式の乗法・除法、分数式 #**二項定理 #*等式と不等式の証明 #*高次方程式など #**複素数と二次方程式 #**高次方程式 #[[高等学校数学II/図形と方程式|図形と方程式]] #*直線と円 #**点と直線 #**円の方程式 #*軌跡と領域 #[[高等学校数学II/指数関数・対数関数|指数関数・対数関数]] #*指数関数 #**指数の拡張 #**指数関数 #*対数関数 #**対数 #**対数関数 #[[高等学校数学II/三角関数|三角関数]] #*角の拡張 #*三角関数 #**三角関数 #**三角関数の基本的な性質 #*三角関数の加法定理 #**2倍角の公式、三角関数の合成 #[[高等学校数学II/微分・積分の考え|微分・積分の考え]] #*微分の考え #**微分係数と導関数 #**関数の定数倍、和及び差の導関数 #**導関数の応用 #*積分の考え #**不定積分と定積分 #**面積 |(旧過程との差異) :変更なし。 |- |'''数学Ⅲ''' :微分法、積分法の基礎的な内容で構成し、数学に強い興味や関心をもって更に深く学ぼうとする生徒や、将来数学が必要な専門分野に進もうとする生徒の数学的に考える資質・能力を伸ばす。 | # [[高等学校数学III/極限|極限]] #*数列の極限 #**数列{<math>{r^n}</math>} の極限 #**無限等比級数の和 #*関数とその極限 #**分数関数と無理関数 #**合成関数と逆関数 #**関数の値の極限 #[[高等学校数学III/微分法|微分法]] #*導関数 #**関数の和・差・積・商の導関数 #**合成関数の導関数 #**三角関数・指数関数・対数関数の導関数 #*導関数の応用 #**接線、関数の値の増減、極大・極小、グラフの凹凸、速度・加速度 #[[高等学校数学III/積分法|積分法]] #*不定積分と定積分 #**積分とその基本的な性質・置換積分法・部分積分法 #*いろいろな関数の積分 #*積分の応用 #**面積、体積、曲線の長さ |(旧過程との差異) :「平面上の曲線と複素数平面」を「数学C」に移出。 |- |'''数学A''' :「数学I」の内容を補完するとともに、数学のよさを認識し、数学的に考える資質・能力を培う。 |'''履修に当たっては、生徒の特性や学校の実態、単位数等に応じて、内容の1から3までの中から適宜、適切な内容を選択させる。''' #[[高等学校数学A/図形の性質|図形の性質]] #*平面図形 #**三角形の性質 #**円の性質 #**作図 #*空間図形 #[[高等学校数学A/場合の数と確率|場合の数と確率]] #*場合の数 #**数え上げの原則 #**順列・組合せ #*確率 #**確率とその基本的な法則 #***余事象、排反、期待値 #**独立な試行と確率 #**条件付き確率 #[[高等学校数学A/数学と人間の活動|数学と人間の活動]] #*数量や図形と人間の活動 #*遊びの中の数学 #**ユークリッドの互除法、二進法、平面や空間における点の位置 |(旧過程との差異) :「数学B・確率分布と統計的な推測」中の「期待値」を移入。 :「数学活用」の「数学と人間の活動」について、「数学A」の 「整数の性質」を含んで移入。 「'''数学と人間の活動'''」のスコープ :(学習到達目標) ::<small>数学が文化と密接に関わりながら発展してきたことを踏まえ、数学的なものの見方や考え方、数学的な表現や処理、数学的活動や思索することの楽しさなどに焦点を当て、数理的に考察することの有用性や数学のよさを認識できるようにするとともに、統合的・発展的に考察する力や、事象を数理的に考察する力、数学を積極的に活用する態度などを培う。</small> :(取り扱われる数学分野) ::*数学史? 数理パズル? ::*:「塵劫記」、魔方陣、「ハノイの塔」、「河渡りの問題」が例に挙げられていた。 :::→入試問題などには出題困難ではないか。 ::*整数論 ::**記数法(特に2進法)、循環小数 ::**ユークリッドの互除法、2つの整数の公約数を求める。 ::**一次不定方程式の整数解 ::*平面や空間において点の位置を表す座標の考え方(「解析幾何」への導入?) |- |'''数学B''' :「数学I」より進んだ内容を含み、数学的な素養を広げるとともに、数学の知識や技能などを活用して問題解決や意思決定をすることなどを通して数学的に考える資質・能力を養う。 |'''履修に当たっては、生徒の特性や学校の実態、単位数等に応じて、内容の1から3までの中から適宜、適切な内容を選択させる。''' #[[高等学校数学B/数列|数列]] #*数列とその和 #**等差数列と等比数列 #**いろいろな数列 #*漸化式と数学的帰納法 #**漸化式と数列 #**数学的帰納法 #[[高等学校数学B/確率分布と統計的な推測|統計的な推測]] #*確率分布 #**確率変数と確率分布 #**確率変数の平均、分散、標準偏差 #**二項分布 #*正規分布 #**連続型確率変数 #**正規分布 #*統計的な推測 #**母集団と標本 #**統計的な推測の考え #***区間推定、仮説検定 #[[高等学校数学B/数学と社会生活|数学と社会生活]] #*数理的な問題解決 |(旧過程との差異) :「確率分布と統計的な推測」中の「期待値」を「数学A」へ移出。 :「ベクトル」を「数学C」へ移出。 :「数学活用・社会生活における数理的な考察」の「社会生活と数学」及び「データの分析」を移入。 「'''数学と社会生活'''」のスコープ :(学習到達目標) ::日常の事象や社会の事象などを数学化し、問題解決したり、解決の過程や結果を振り返って考察したりできるようにする。 :(取り扱われる数学分野) ::*データ解析 |- |'''数学C''' :「数学I」より進んだ内容を含み、数学的な素養を広げるとともに、数学的な表現の工夫などを通して数学的に考える資質・能力を養う。 |'''履修に当たっては、生徒の特性や学校の実態、単位数等に応じて、内容の1から3までの中から適宜、適切な内容を選択させる。''' #[[高等学校数学B/ベクトル|ベクトル]] #*ベクトル #**ベクトルとその演算 #**ベクトルの内積 #*空間座標とベクトル #**空間座標、空間におけるベクトル #平面上の曲線と複素数平面 #*[[高等学校数学III/平面上の曲線|平面上の曲線]] #**二次曲線 (直交座標による表示) #**媒介変数による表示 #**極座標による表示 #*[[高等学校数学III/複素数平面|複素数平面]] #**複素数平面 #**ド・モアブルの定理 #[[高等学校数学C/数学的な表現の工夫|数学的な表現の工夫]] #*数学的な表現の意義やよさ #**図、表、統計グラフ、離散グラフ、行列 |(旧過程との差異) :'''新設''' ::「ベクトル」を「数学B」から移入。 ::「平面上の曲線と複素数平面」を「数学Ⅲ」から移入。 ::「数学活用・社会生活における数理的な考察」中の「数学的な表現の工夫」を移入。 「'''数学的な表現の工夫'''」のスコープ :(学習到達目標) ::日常の事象や社会の事象などを、図、表、統計グラフ、離散グラフや行列などを用いて工夫して表現することの意義を理解し、それを基に事象を考察する力を養う。 :(取り扱われる数学分野) ::*図・グラフ表現 ::**棒グラフ,折れ線グラフ,ヒストグラム, 箱ひげ図,散布図など ::**「パレート図」「バブルチャート」「モザイク図」など ::*:PC等の利用が推奨されているので、Excel等を利用か。 ::*行列 ::**計算方法の紹介レベル ::**ただし、「生徒の特性等によって、本科目の「(3)数学的な表現の工夫」の行列とベクトルを関連させて取り扱うことも考えられる。」との記述もあり、一次変換に絡めて教授される可能性はある。 |} ※数学A,数学B、数学Cについては、すべて「履修に当たっては、生徒の特性や学校の実態、単位数等に応じて、内容の1から3までの中から適宜、適切な内容を選択させる。」との条件がついており、実際には、そのスコープが曖昧な各々の3については省略されるのではないか。 === 旧課程(2013年度-2021年度) === * [[現行課程高等学校数学I|数学I]] 3単位 * [[現行課程高等学校数学II|数学II]] 4単位 * [[現行課程高等学校数学III|数学III]] 5単位 * [[現行課程高等学校数学A|数学A]] 2単位 * [[現行課程高等学校数学B|数学B]] 2単位 * [[現行課程高等学校数学活用|数学活用]] 2単位 === 旧課程(-2012年度) === * [[旧課程(-2012年度)高等学校数学基礎]] 2単位 * [[旧課程(-2012年度)高等学校数学I|旧課程高校数学I]] 3単位 * [[旧課程(-2012年度)高等学校数学II|旧課程高校数学II]] 4単位 * [[旧課程(-2012年度)高等学校数学III|旧課程高校数学III]] 3単位 * [[旧課程(-2012年度)高等学校数学A|旧課程高校数学A]] 2単位 * [[旧課程(-2012年度)高等学校数学B|旧課程高校数学B]] 2単位 * [[旧課程(-2012年度)高等学校数学C|旧課程高校数学C]] 2単位 == 関連書 == * [[学習方法/高校数学]] * [[高等学校理数]] ** [[高等学校理数数学]] - 理数数学I, 理数数学II, 理数数学探究を全て含めている。 * [[初等数学演習#高等学校|数学演習]] * [[初等数学公式集]] * [[大学受験参考書#数学科|大学受験数学]] ** [[センター試験 数学対策]] <!--[[Category:自然科学|こうとうかつこうすうかく]]--> [[Category:数学|こうとうかつこうすうかく]] [[Category:数学教育|こうとうかつこうすうかく]] [[Category:学校教育|こうとうかつこうすうかく]] [[Category:普通教育|こうとうかつこうすうかく]] [[Category:後期中等教育|こうとうかつこうすうかく]] [[Category:高等学校教育|こうとうかつこうすうかく]]
2004-09-07T06:19:18Z
2024-03-05T05:05:28Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Wikiversity", "テンプレート:蔵書一覧" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E5%AD%A6
624
東大対策
本項は、東京大学の「一般選抜(前期日程)」対策に関する事項である。 東京大学のホームページ(入学試験の概要が記載されている)https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_02_01.html 東京大学(東大)は、日本で最初に設立された帝国大学である。 東京大学は学校推薦型選抜と一般選抜(前期日程のみ)によって学生募集を行う。本概要では一般選抜に限定して記述する事にする。一般選抜は、文科各類は目黒区駒場にある『駒場Iキャンパス』、理科各類は文京区本郷にある『本郷地区キャンパス』にて、2月25日~26日の2日間(理科三類は2月27日を含めた3日間)に渡り実施される。 募集定員は以下の通りである。 東大入試の対策としては、まず、駿台予備学校・Z会共催の東大入試実戦模試、河合塾の東大入試オープン、SAPIX YOZEMI GROUPの東大入試プレ、東進の東大本番レベル模試(学校推薦型選抜のアンケートも実施)といった東大対応模試(いわゆる『東大模試』)を受験することが望ましい。加えて、東進では高1・2生を対象に「東大入試同日体験受験(2/25.26日)」が実施される。実施日当日の学力検査で実際に出題された問題を使用することから、実際の東大入試を早い時期から知ることができるいい機会にもなるので、余裕が有れば受けて見るのも良い(因みに、この模試は文科志望者は社会、理科志望者は理科の受験も可能)。各社とも毎年的中を競い良質な予想問題を作成している。また、これら東大模試の受験者層は実際の東大入試本番のそれとほぼ重なる。東大合格者の中にこれらの東大模試を1回も受験していないものは皆無であると言って過言ではない。(駿台予備学校・河合塾・SAPIX YOZEMI GROUPは年2回、東進は年4回、それぞれ行われる) また、これらの模試と共通テスト対策のマーク模試の成績でドッキング判定(総合判定)が行われる場合も多いが、こと東大に限っては共通テストの配点が低いということもあり、あくまでも『模試の段階』においては、ドッキング判定は意味をなさないと言える(東大受験生はほぼ全員が8割~9割程度得点し、そして共通テストにおける90点の差は、550満点に換算すると、10点程度の差にしかならない)。ちなみにこれらの東大模試においては、平均点を少し超える程度(偏差値52~53程度)でC判定が出る(理三を除く)。問題を解く順番や試験時間の使い方など、模試を受験して各自研究しよう。 以下では特記のない限り、一般選抜(前期日程)についてのみ述べる。 東京大学を『受験』する際に出願者数が科類ごとで定めれる所定の倍率(後述)を超えた場合、共通テストの得点(900点満点)により行われる二段階選抜の『第一段階』(第1段階選抜)を突破しなければならない。志願者の中で共通テストの得点が一定の順位に入らない場合には、『第1段階選抜不合格』となり、東京大学が実施する第2次学力試験の受験は出来ない。「足切り」の点数は年度ごと・科類ごとに異なり、その年の共通テストの難易度に大きく左右されるので、一概に言うことは出来ない(他の受験生との相対評価である)。 以下、二段階選抜のシステムについて説明する。 東京大学での二段階選抜は、出願者数が科類それぞれで定めた定員に対する一定倍率を超えた場合に実施される。その『第一段階』が上記のようなもので、そこで合格した受験生は『第二段階』(第2次学力試験)に進むことができる。したがって、志願者倍率が所定の倍率を超えた科類で比較的受験者数が多い場合は、「足切り」点数が高くなりやすいといえる。志願者倍率が所定の倍率を達しない場合は二段階選抜は実施されない(共通テストの得点に関わらず、東京大学が課す共通テストの科目を漏れなく受験した出願者全員が受験可能)ことになるが、ほとんどの年において例外なく前期・後期日程(2015年まで)とも全科類で実施されている(文科全類と理科二類で実施されなかったことがある)。 2023年度以降の入試においては、二段階選抜を実施する基準の倍率は以下の通りである。 例年、前期日程においては、毎年2割程度の出願者が「足切り」に遭っており、彼らは文字通り「門前払い」となって、東大を受験することさえ出来ないまま、国公立大の前期日程を終える。ちなみに、「足切り」に遭った場合は、受験料17,000円のうち13,000円が返還される。 東大入試における共通テストの取り扱いに関しては、合否判定の段階で、共通テストの得点が900分の110に圧縮される。また、配点比率は共通テスト:二次試験=110:440=1:4と、圧倒的に二次試験の比率が高くなっている。しかし、傾斜配点により共通テストの配点が低くなっているからと言って、共通テストを軽視するのは間違いである。(圧縮後の点数は小数点第4位まではじき出され、入試の合否は1点単位ではなく、コンマ数点単位で決せられる。東大には入試成績開示制度があるので、それで確認した者の中には、実際にたった0.1点足りなくて落ちた者も存在する。) 2021年1月より旧・大学入試センター試験(2020年1月実施を以て廃止)に代わり、大学入学共通テストが課され、このテストによる得点が総点に加えられる形となり、必須受験科目は基本は引き継がれる形となる。ただし、センター試験の際と違って前期日程受験でも英語リスニングが必須となるので、受験していなければ未受験科目が有るとして、失格となる。英語の配点は筆記が140点(得点の1.4倍)、リスニングが60点(得点の0.6倍)の200点満点となる。なお、点数は傾斜後の得点を合計し、小数点以下を切り上げた値が用いられる。基本は、共通テストの英語対策は筆記に比較的重点を置き、リスニングは共通テストならではの傾向に注意しながらも個別学力検査の方のリスニングをメインにやることで問題ない、と言える。 共通テストは特別な対策が必要といえる試験ではあるが、基本的には基礎力を試す良問である。よって足切り云々の前に共通テストで得点が取れないような受験生では当然東大合格はおぼつかない。獲得を要する具体的な得点率は、受験する科類にもよるが、出来れば9割(810点)以上、最低でも8割5分(765点)は得点しなければならない(しかし、8割程度の得点で合格している者も、少数ではあるが存在する)。理科三類受験者に至っては、目標点数など考えず、得点しうる限界まで得点するべきであろう(足切り点は例年7割程度なので、第一段階なんぞ通って当たり前、と考えなくてはならない)。 ただ共通テストの得点を意識するあまり、2次試験の対策が疎かになるのも宜しくない。2次試験の対策がお留守になるほど、共通テスト対策を頑張り過ぎないことである。例えて言えば、共通テストが終了後にゼロから2次対策を開始する等では遅すぎる。マーク模試で9割~9割5分をコンスタントに取れたならばそこからは「得点をさらに上げる」よりは「9割~9割5分をキープし続ける」方向に切り替えて、あとは2次試験対策を万全にやることが好ましい。また、理科三類受験者についても、東大模試(特に11月実施分)等で理科一類あるいは理科二類がコンスタントにA判定(合格可能性80%以上)を獲得出来る2次力があれば、8割5分でも合格できることがある。 要は、共通・2次の対策をバランス良くすることである。 難関私立大の入試問題は、学部にもよるが、東大など国公立大のそれの傾向とは大きく異なっているため、東大受験者であろうと、各々の対策は必須である(毎年、併願私大の対策を行わず東大受験前に併願私大に全滅し、精神的に追い込まれる受験生が少なくない)。共通テスト利用入試で確保出来なかった場合は、最低でも過去3年分程度の併願大学・学部の過去問をこなし、傾向をつかみ、試験時間の使い方などを研究しておこう。 全科類とも2月25日・26日に行われるが、理科三類のみはさらに面接試験を2月27日に行う。第1段階選抜が実施された場合はその合格者のみが受験できる。 入試は文理別、科類別の分離方式で行われる。また、「採点は科類別に行われており、(科類ごとに重視する科目が異なるため)採点基準も科類ごとに異なっている」といったことがまことしやかに囁かれているが、信憑性は低い。ただし、試験問題・配点・試験時間・実施時間は文科・理科それぞれで全科類において共通である。また、英語は全問文科・理科共通の試験問題であり、配点・試験時間・実施時間にいたるまで全て同じである。国語、数学にも相当量の文科・理科共通問題がある。 なお、答案は数人の教員により2~3回丁寧にチェックされるので、誤採点がなされる可能性は限りなく低い。入試本番では、東大の教員にそれまでの受験勉強全てを見せ付ける気持ちで答案を書き上げて欲しい。また、字を丁寧に書くことは、最低限のマナーである。「汚い字」は構わないが、「乱雑な字」「判読困難な字」「著しく小さい字」は避け、できる限り読みやすい字になるように心がけよう。 合格最低点は、文科一類が最も高く、文科二類と文科三類では、やや文科二類の方が高いがほとんど変わらない、という傾向が続いたが、近年は科類ごとの合格最低点に大きな隔たりは見られなくなった。 センター試験利用方式入試を除く併願大学・学部数は1~2校程度の受験生が多いようである。 合格最低点は、理科三類が突出して高く、理科一類と理科二類では、やや理科一類の方が高い。 試験時間は文科150分・理科100分。文科・理科ともに、2月25日の9:30から開始される。 出題範囲は文科は「国語総合」「国語表現」「現代文B」「古典B」、理科は「国語総合」「国語表現」である。 配点は文科120点・理科80点。 解答欄が小さい(後述)ので、必要な箇所を過不足なく的確にまとめ上げる力が要求される。東大の国語は素材文自体はセンター試験をやや超える程度といったところであり、難読ではないがいざ答案に書こうとする段階となると記述の仕方が難しい上に、採点がかなり厳しい(特に2014年度以降)ため、意外と点が伸びにくい特徴がある。そのため、国語での高得点を想定して受験に挑むのは大変危険と言える。しかし受験生の得点は文科受験者の場合60点付近、理科受験者の場合35点付近に集まるので、他の受験生と差をつけられないために、基本的な出題を押さえ、記述上の減点を防ぐ等の細心の注意を持つことが必要である。現代文での得点は難しいので、出来る限り古文・漢文で稼ごう。また、漢字は3~5問ほど出題されるが、1問も落としてはならない。ちなみに、現代文の採点は、大体あっていれば○、1箇所おかしなところがあれば△、2箇所以上おかしなところがあれば×、というように、アバウトな採点であるとの割と信憑性の高い噂があるが、定かではない。センター試験と違って注釈(=読解の上で必要となるもの)に番号はふられておらず、読みながら確認する必要がある。東大に限った事ではないが注釈は読解そして解答作成の上での手助けとなる(特に古文・漢文)ので、必ず読むこと。 解き方の順序としては、漢文⇒古文⇒現代文という順序が推奨されており、試験時間の前半で古典を素早く、しかし正確に仕上げ、残った時間でじっくり現代文に取り組むのが高得点獲得のセオリーといえるだろう。理科は意外と制限時間が厳しいので注意。 第1問は評論文を題材とした文理共通問題で、2017年度以降は、設問(1)から(3)までが字数制限のない記述問題、(4)が100~120字の字数制限記述、(5)が3題の漢字の書き取りという構成になっている。2000年度から2016年度までは字数制限のない記述問題がもう一問あった他、漢字は3〜5問であった。漢字の書き取り(範囲は、「常用漢字」)は、平素の受験勉強において現代文の参考書、問題集などを読み込んでおれば問題なく対応できる程度の難易度である。他に共通テスト(旧称・センター試験)国語で大問の第1問(評論)の問1で出題されるが、共通テスト直前の12月に共通テスト対策と並行して漢字の対策をする形でも問題は無い。配点は1問1〜2点と予想されるが、全問正解を心掛けよう。また、「楷書で書け。」と指示が有るように、行書風な続け字を書いたりすると減点ないしは0点となる可能性が高い。美しくなくても良いが、漢字のはらいや構造に注意して丁寧に、読み取れるように書くこと。 (1)から(4)までの解答欄は縦約13.5cm、横約8mmの空欄(これは古典も同じ大きさである)2行分で、概して小さめであることが多い。だらだら解答するのではなく、要点を的確にまとめあげて書かせるというのが東大現代文の特徴であり、最も苦労させられるところである。設問の背景にある出題者の意図、要求を過不足なく把握し、本文中の言葉では表現しきれないところを自分の言葉で補って答案を書くことが必要である。配点は、文科・理科ともに40〜45点と予想される。理科に関しては漢字の書き取りを除いて20点は欲しい。この点数もなかなか大変だが、現代文に関しては合格点と言っても過言ではない。また、読解20点以上+漢字の書き取り全問正解がコンスタントにできるのであればこれ以上からはなかなか得点は伸びないので、点数を上げるよりは維持する方向に切り替えて古文や漢文に時間を使った方が好ましい。 また、文科受験者には第4問としてもう1題現代文が出題されており、こちらは主に随想を題材とする。小問は第1問と同じ字数制限なしの記述4問程度で、配点は20〜25点と予想される。 配点は、文科は30点、理科は20点と予想される。 東大の古文は、ほとんど全ての設問が現代語訳、内容説明、理由説明などの記述問題であり、選択問題や文法事項を単独で問う設問は皆無といってよい(1998年度は例外)。文章は、文理共通問題の年とそうでない年があるが、近年では文理共通問題が続いている。共通の場合は設問数で得点差をつけている(理科は現代語訳の設問が減ることが多い)。近年は文章のレベルはそれほど高くなく、現代語訳なども素直に文法事項に沿って解答すれば得点できるものも多かったが、2015年度から徐々に文章が晦渋になり、2017年度は東大国語としては22年ぶりに源氏物語が出題された。「東大古文は文章は簡単で設問が難しい」といった思い込みは捨てた方がよい。とはいえ設問の方も、1行以内で解答するものばかりで、単語レベルまで細心の注意を払って解答しないと減点されてしまう厳しいものになっている。採点は、現代文に比べるとかなり緻密になされているようである。小さなミスが命取りとなる。目標点は、理科に関しては15点は欲しい。この点数も採点の厳しさを踏まえれば至難の業だが、古文に関しては合格点と言っても過言ではない。15点以上がコンスタントに得点できるのであればこれ以上からはなかなか得点は伸びないので、点数を上げるよりは維持する方向に切り替えて単語や文法等の読解の上で必要なツールの最終確認に時間を使った方が好ましい。 配点は、文科は20〜30点、理科は15〜20点と予想される。 かつては、散文と漢詩それぞれ一問ずつ出題されていたが、2000年を境に大問数が減ったため、散文が主流となった。しかし、数年に一度、漢詩は依然として出題されている(2011年度、2016年度)ので対策はしておこう。また、漢文は現代文・古文と比べると平易と言えるので、少なくとも文科は7割~8割、理科は6割程度は得点したいところである。採点は、古文と同様、かなり緻密になされているようである。理科(理科全類対象)に関しては20点満点として15点以上がコンスタントに得点できるのであればこれ以上からはなかなか得点は伸びないので、点数を上げるよりは維持する方向に切り替えて句形や語法等の読解の上で必要なツールの最終確認に時間を使った方が好ましい。15点も採点の厳しさを踏まえれば至難の業だが、漢文に関しては合格点と言っても過言ではない。 試験時間は150分で、6つの大問からなる。配点は120点で、1問20点。出題範囲は数学I,II,III,A,B(確率分布と統計的な推測は除く)。文科との共通問題もある。図形問題(特に空間図形)や微分積分が出題されやすい。解析的な数式の話題であっても、グラフを用いて議論するような問題が頻出であることにも注目したい。全体として、典型的な解法を抑えるのは前提として、問題ごとに、見かけに惑わされず、適切な解答方針を選択することが重要に思われる。 合格点(理科一・二類受験者)は数学に関して言えば、平均的な難易度の年では2題完答+残りの4題で半分の得点を稼ぐ(部分点)形が理想で全体で5割後半~6割である。理科三類受験者は、3題完答+残りの3題で半分の得点を稼ぐ(部分点)形が理想で全体で6割後半(80点)~7割5分(90点)である。80点以上はなかなか至難の業だが、数学に関して言えばほぼ合格点と言える。また数学で7割以上がコンスタントに獲れるようであれば、7割以上からは得点はなかなか伸びないので点数を上げるよりかは「数学7割台をキープ」する方向に体制を変え、他の科目(英語・国語・理科)に時間を注いだ方が好ましい。以上は一例だが易しい問題または難しい問題が6題まとめて出ることは少ないので、ほぼ妥当と言える。理科一・二類受験者はまず、完答できそうな問題を2題見極めることが重要となる(このような判断力も実力のうちである)。理科三類受験者はまず完答できそうな問題を2題見極めた上で、加えてやや難となる問題を1題見極めることが重要となる。すべての理科受験者に対して言えることだが「満点を獲る」などと欲張らず、皆が取れるところは確実に獲り、その上で判らない問題に対しても解答の方針やプロセス等と「要を得ている」記述をすることで部分点を稼ぐ姿勢で取り組んで欲しい(解けないからといって、捨て問として白紙のまま提出をすることは極力控えたい。)。計算の過程も採点の対象となる論述式なのだから、「論述の利点」を思う存分に活用して欲しい。 日ごろから息の長い計算を面倒くさがらずにやるように心がける。空間図形の求積問題が非常によく出題されるが、2019年度第1問など単純な定積分の計算問題が出題されたこともある。空間図形の問題は経験の有無で大きく差がつき、かつ慣れていれば安定して満点を狙えるため、綿密な対策を行っておくのが望ましい。 抽象的な内容が多い。また、難易度は年度によってまちまちであり、その年の最難問であることもあれば最易問であることもある。大きく分けて漸化式を用いるものと用いないものがあるが、他大学の入試とは異なり解法に関するヒント(たとえば a n + 1 {\displaystyle a_{n+1}} を a n {\displaystyle a_{n}} を用いて表せ、といった小問)は基本的に一切ないため、その場その場で適切な解法を判断することが要求される。数列さらには極限を融合させて出題されることが大半で、センター試験のような単独そして数値を求める問題は少ない。なお、理科では2018年度以降確率が出題されていない時期が続いたが、2022、23年度と再び出題され始めた。 この分野は単独で出題されることはあまりないが,他の分野との融合問題,または解法として三角関数を利用する問題は非常に多い。また,これは他の分野にも言えることだが,加法定理の証明問題(1999年第1問)に見られるように,ただ定理・公式等を暗記するだけではなく,それらの定義や証明に対する深い理解をもつことも求められている。 全分野の第1問目として、よく出題される。背理法、数学的帰納法で解けることが多いが、円周率の証明問題(2003年第6問)などが以前出題されたことからもわかるように、受験生の数学的な見方、考え方を適切に判断できる分野でもある。この分野は、他の分野の演習が完璧になって初めて身につく分野であるから、受験勉強として数学を勉強するのではなく、能動的に勉強に当たっていく必要がある。最近は減少傾向にある。 分野単独の図形問題は、以前は頻出であったが、ここ最近はあまり出題されていない。とはいえ他分野との融合問題では頻繁に登場するため、いわゆる「図形的センス」を磨いておくとよい。また、図形問題を解く際の道具となるベクトル、座標、三角関数を自由自在に使えるようにしておくことが望ましい。なお、求積との融合問題に対処するために、曲面の方程式などの旧課程の内容もやっておくとよい。 試験時間は100分で、4つの大問からなる。配点は80点で、1問20点。理科との共通問題もある。 総じて、文系としてのみならず理系としても難易度の高い問題が出題されるが、最も差の付きやすい教科なので、捨てることは許されない。図形や整数などを絡めた複合分野問題が多く、定型化された解法だけでは対応できないことが多いとされてきたが、近年は計算力重視の傾向が顕著であり制限時間が厳しい。1問20点もあるので、難問が出ても、捨てることはせず、部分点を積極的に狙っていくことが大切である。 採点では、厳密に部分点の採点もなされている。理解不十分な解法により正答らしい解答がなされている答案よりも、正確な理解に基づいた途中答案の方が高得点が与えられることも往々にしてあると、東大教員は言っている。数学が苦手な東大文科受験生でも、部分点を駆使するなどして、最低でも20~30点を取ることを目標に受験勉強を行っておこう。数学を得意とする受験生は、70点以上を獲得することも可能なので、他の受験生に一気に差をつけることが出来る。 試験時間は150分で、2月26日の9:30~12:00に実施される。 配点は120点(1科目60点)である。 東大文科受験の場合、地理歴史3科目、すなわち日本史・世界史・地理から2科目を選択して、150分で解答することが要求される。単なる知識の蓄積ではなく、論理的思考に重点を置いた論述対策が必要となる。やはり過去問の徹底研究が必要不可欠であろうが、学習塾でやった方が好ましい他大学の問題が与えられたならば、それも併せてやることが有効だろう。 配布される解答用紙には、1行30字×20行のマス目のみが4つ(解答欄(イ)(ロ)(ハ)(ニ)として)印刷されており、各自が問題を解きながら、問題の指示通りに小問番号などを振り解答していくことになる。論述問題の採点は基本的には甘めであるらしいので、一定程度得点しなければ、他の受験生と差がついてしまうので注意すべきである。 2015年度実施分より答案用紙の上辺に半円状の切り取り部が3つ(日本史・世界史・地理)ミシン目つきで付けられる様式となり、解答する科目の場所を一つだけミシン目に沿って指でちぎる形となった。 前述の通り、東大の地歴は、試験時間150分のなかで、日本史・世界史・地理の3科目の中から2科目を選択することとなっている。試験問題3科目は1冊の冊子として配られ、試験時間の使い方は各受験生にゆだねられている(例えば、極端な話、世界史に120分・地理に30分というような使い方も可能である)。選択科目としては、他の2科目と共通領域の多い世界史が人気であり、合格者に占める割合は「世界史と地理」及び「世界史と日本史」が多い傾向が見られるが、そういったデータにとらわれることなく、自分の力を最大限に発揮できる2科目を選択する事が肝要である。 古代・中世・近世・近現代の各区分から1題ずつ、大問4題が出題される。 解答形式は、世界史・地理とは異なり、選択式のものは一切なく、全て論述式である。各大問には小問がつくこともあり、その場合は小問1問につき3行~5行(90字~150字)程度の論述が課される。出題テーマは政治外交史、社会経済史、文化史など多様であり、まとまった量の史料を読ませた上でこれらを各時代背景と結びつけて考察させるものが見られる。論述式で歴史思考力を問う出題が多いため、各時代の特色や変化の背景などを自ら考察しながら把握することが対策として必要である。本学の世界史や私立大学の日本史の入試問題と比べると、細かい固有名詞などを暗記する必要性は低いといえよう。 また、東大と早慶とでは、日本史の出題傾向が180度異なるので、東大を日本史で受験する場合、早慶の日本史にはまず対応出来ない・しづらい(これは断言出来る)ので、早慶をはじめとした私立大学を併願受験する場合は、日本史以外の残りの1科目で受験しよう。ただし、地理を選択できる私大は少ない。 大問3題が出題される。 近年、第1問は450 ~ 600字(15行~20行)程度の大論述が出題される。第2問及び第3問は地域・テーマ別の出題が多く、数行の記述と単答問題から構成される。第2・3問は難易度の変動が激しく、単純な知識で解答できる問題もあれば、早慶レベルの難易度の知識問題や、深い歴史理解が要求される論述が出題されたことも過去にある。そのため世界史が得意科目という受験生も、英語や数学で確実に得点する努力を怠ってはならない。 東大受験に向けて世界史の勉強をしていれば、併願先で人気のある早慶の世界史の出題にも一応対応できる。 以下のサイトに1970年からの過去問全部が掲載されている。 http://www.ne.jp/asahi/wh/class/kakamon.html 人間と環境との在り方について広く問われる。毎年3題出題されており、論述を中心に選択問題や用語・地名記述問題が通例である。論述の制限字数は30~90字(1~3行)程度なので、要旨を簡潔に表現する学習が必要と言える。地形図の出題は稀であり、地誌では日本が頻出する。また時事を絡めた問題も多いため、日頃から新聞やニュースに触れておくことが望ましい。 試験時間は150分で、2月26日の9:30~12:00に実施される。 東大理科受験の場合、理科の4科目、すなわち物理・化学・生物・地学から2科目を選択して解答することが要求される。いずれの科目も問題量が多く、150分で2科目を解くので時間配分が重要となっている。配点は120点(各科目60点)。 配布される解答用紙には、1行35字詰の罫線が第1問・第2問で25行、第3問で50行書かれており、各自が問題を解きながら、小問番号などを振り解答していくことになる。設問の解答(数式や計算結果等)を書く欄や箇所を自身で作成しなければならないので、次ページに設問が有ったにもかかわらず解き忘れていた、等が無いように設問数に注意しながら解き進める必要がある。 2015年度実施分より答案用紙の上辺に半円状の切り取り部が4つ(物理・化学・生物・地学)ミシン目つきで付けられる様式となり、解答する科目の場所を一つだけミシン目に沿って指でちぎる形となった。 圧倒的に多いのは物理・化学の組み合わせでの受験者であるが、理二でおよそ3割、理三ではおよそ1割が化学・生物で受験する(理一ではほぼ皆無)。物理は生物よりもやや難易度が低いとされているが、得意なほうを選べばよい。東大受験者レベルでは数学と物理の成績にそれほど大きな相関はないので、数学が苦手だからといって短絡的に生物を選択するのは非合理である。化学・生物の組み合わせは問題量の多さから時間内の解答が特に困難であることに気をつけたい。合格点(理科一・二類受験者)は理科に関して言えば理想で、2科目全体(120点満点)で5割半~6割(65~75点)である。理科三類受験者は理科に関して言えば理想で、2科目全体(120点満点)で6割後半~7割後半(80~90点)である。2科目全体(120点満点)で90点も至難の業だが、これがコンスタントに取れる、さらには超えられるようであれば、90点以上からは得点はなかなか伸びにくいので90点台を維持する形で良い(理科全受験者対象)。もちろん確約ではないが、どの参考書にも普通に乗っているようなパターン化された標準レベル問題で全て構成されるとも思えないのでほぼ妥当と言える。 3つの大問からなる。それぞれ力学、電磁気学、その他の分野(波動、熱力学、原子物理)から出題される。 東大物理の最大の特徴は、一見簡単そうな問題でも、物理的思考力がなければまったく得点が望めないという巧妙さにある。このような問題に対処するには、ただ問題集を「こなす」だけの勉強をするのではなく、自分の頭で考えぬくという勉強が必要である。そのためには、問題集に載っている問題について自分なりの「問題研究」をしてみたり、さまざまな別解を考えてみたり(たとえば、物理的アプローチと数学的アプローチの両方から解いてみたり)することが大切である。 また、「高校物理において微積分を使うべきか、使うべきでないか」といった議論がたびたび見られるが、東大受験生については可能な限り微積分を使った勉強をしてほしい。というのも、いわゆる「公式物理」だけでは理解できなかった内容が、微積分を使った解析的考察を経由してはじめて理解できるということがままあるからである。当然ながら、答案にいちいち微積分を用いた公式の導出などを記す必要はない。たとえば、エネルギー保存則を使うのに、計算用紙では運動方程式から導いたとしても、答案ではいきなり「エネルギー保存則より、~~」と記述してよい。 重心系、円運動、単振動が頻出であり、他大学で取り扱われていないような題材での出題が目立つ。ただし、よく考えれば典型問題の組み合わせに落とし込めることがほとんどである。 電磁誘導、直流回路が頻出である。交流回路が出ることはまれだが、2016年度には出題された。見慣れない素子(2006年度、2008年度のネオンランプ、2014年度の太陽電池)を用いた回路や、2011年度のコッククロフト・ウォルトン回路、2023年度のワット天秤(キブル天秤)のように、普段問題集で目にしないような問題が出題されるが、いずれも特別な対策を要する難問などではなく、回路の扱いの基本がきちんとわかっており、かつ問題文に与えられた条件をしっかり読み取ることができれば十分理解できる。ただし、計算が重かったり、交流回路では微積分を駆使した考察も必要になるので、解析的な回路の取り扱いになれる必要があるだろう。 波動と熱力学が交互に出題される傾向にあるが、年によっては前年度と同じ分野であったり原子の要素が入った波動の問題が出題されることもあり、まんべんなく学習する必要がある。原子物理については、出題範囲に入っている年度においても本格的なものは出題されておらず、単体の大問として出題されたのは直近では1995年に遡る。 波動は、ドップラー効果、光の干渉が頻出である。典型問題を応用すれば解ける問題が多いので、高得点が望めることが多い。 熱力学は、熱力学第一法則を使う問題が頻出で、よくある問題・見慣れない問題ともにこれを軸として解いていくことが多い。見慣れない問題の場合は、リード文で与えられる法則などの数式がどういうことを表しているのかきちんと理解している必要がある。 原子物理は学習が遅れがちな分野であるが、とりあえず教科書レベルの光電効果、コンプトン効果、ボーアモデル、核分裂反応(放射性崩壊及び半減期、質量欠損とエネルギーなど)はきっちりおさえておくべきである。 3つの大問からなる。ただし近年は各大問がそれぞれ2分割されており、実質的に6つの大問を解くことになる。3つの大問は、理論化学、無機化学、有機化学から出題される。設問に過程を書けという指定をされていない場合には解答のみで良く、採点時も解答以外は読まれない。この点において、書いていないことはやらなくて良い、書いてあることはやらなければならない、という東大入試の原則が貫かれている。 今まで取り扱われていないような新傾向の問題も数多く出題されているので、暗記に頼らない化学的な洞察力を普段から養っておく必要があろう。一見見ただけではわからなく、読み進めていくうちに段々と判るように作成していると思われる。但し、これらの新傾向の問題は何も高校化学を逸脱した内容ではなく、「既存の知識を応用してその場で考える」ものが大半である。したがって、何も高校化学を超える内容を詰め込む必要はない。特に「なお」や「但し」書きは解答する上で重要なヒントとなっていることが多いので、注意して読むこと。 小問数が多いので、設問単位の配点は少なく、部分点はほぼ期待できない。過程も示せとある計算問題であれば、式と答えの数値が一致してはじめて得点になると考えたほうがよい。 近年では問題量の増加が著しく、やや暴走気味である。2017年度入試からは、第1問に有機化学,第2問に無機(一部理論含む),第3問に理論化学と出題順序が変わっており、この出題形式が続いている(2022年現在)。 単位格子、蒸気圧、化学平衡に関する問題がよく出題される。また,無機化学や有機化学の問題で,理論化学の内容を踏まえた理由説明等も多く出題される。以前は理論化学の大問だけはI、IIに分かれておらず、各小問の質・量・配点いずれも大きかったが、最近は無機・有機とあまり変わらない構成になっている。極端な難問は減少傾向にあるので、取れるところはきっちりと得点したい。なお、高校内容を若干逸脱するが、混成軌道や、電荷均衡・濃度均衡を用いたpH計算を知っていると有利な問題の出題歴がある。 無機化学単独での大問は、過去25年を見ても非常に少ない。理論化学と無機化学の折衷的な問題がほとんどであり、無機化学の知識だけでは高得点は望めない。とはいえ知識がなければ話にならないのは言うまでもないことである。特に頻出なのは酸化還元反応、(未知の)電池、電気分解で、半反応式や電池式の意味を理解していなければ到底敵わない問題ばかりである。 以前はIIIのうち一方が比較的易しい構造決定問題であったが、現在は有機合成や反応機構(2021年度)、高分子などが絡んだ考察力を要する問題が多く、典型的な構造決定問題はあまり出題されない。「東大化学は有機が得点源」という時代は終わったと言える。どの問題も高校内容を逸脱した知識は不要だが、有機電子論に基づいた理解があると見通しが良くなる問題も少なくない。 例年大問が3つ出題される。「生物の恒常性」などが頻出分野として挙げられるが、実際は過去問を見ると、「細胞」から「生態系」まで、高校生物の全範囲のうちどの分野からも出る可能性があることがわかる。他大学と東大の入試問題の大きく違うところは、受験生ならば触れたことは無いであろうと思われる話題について、大変長いリード文を精密に分析し、自分の持っている知識と照らし合わせながら示された現象を考察し、考察結果を指定行数に圧縮して解答を記述する点である。このため、単に知識を固めるだけでは高得点には結びつかないであろうと思われる。したがって、ある程度知識が固まったならば、過去問や各予備校の予想問題や模擬試験問題などを用いて、リード文を読解し、自分で解答を導き、実際に書く訓練を行わなければならない。 3つの大問からなる。1問目は毎年複雑な計算を伴う天文の問題が出題される。2問目は固体地球や海洋・気象、3問目は岩石・地質が出題されることが多い。いずれも計算・論述が主である。 地学は受験者が非常に少ないが、だからといって難度が低いわけではない。年による難易度の変動も大きい。教科書レベルの出題がある年もあるかと思えば、かなりの量の論述が求められ時間内に解けないこともある。確実に言えることとしては、他の科目同様高得点を狙うのは簡単ではない。 問題文が長いことがあるが、その中に問題を解く上で、非常に有用な情報が含まれることが多い。見たことも無く、訳も分からない話で、しかも長い問題文を見て、うろたえてしまう受験者もいるかもしれないが、そういうときこそ、最後まで、本文を読むと、答えを導けることがあるので、問題文は丁寧に読むことが求められる。また、前問が誘導となるケースも多いため、とにかく最初の問題に手を付けていくことが大事である。 数値計算は、東大地学では、有効数字1桁になるケースが多く見られる。有効数字の桁数が小さいと計算の手間は圧倒的に小さくなる上、雑な近似を行っても、値を間違えることは少ないが、雑な近似そのものに対する減点があるかもしれないので、丁寧に数値を出していく方が無難である。 試験問題、試験時間、実施時間帯、配点など全てが文科・理科共通である。 試験時間は120分(うち聞き取り問題が30分)で、配点は120点。2月26日の14:00~16:00で前期日程では最後の筆記試験として実施される。第3問の聞き取り問題は、試験開始後約45分を経過した時点で開始される。 出題範囲は「コミュニケーション英語I・II・III」である。 試験問題は読解3問・英作文1問・聞き取り問題1問の5つの大問から構成されている。各大問とも説問は(A),(B),(C),...と分かれているが、第5問を除きこれらは内容的にほぼ独立した出題である。要旨要約、文補充、英作文、聞き取り、文法・語法、英文和訳、長文読解問題とバラエティに富んだ出題がなされる。 以前は各設問の難易度は高くなかったが、ここ近年は質・量ともに上昇傾向にあり、注意が必要である。設問量の多さゆえ時間不足に陥りやすいため、高度な読解力が要求される。 時間も120分のうち、筆記は90分(聞き取り問題が30分)で4題を解答しなければならないので、決して余裕のある時間ではない(聞き取り問題への準備を考えれば、実質90分は無い)。時間が許す限りで難易度を見極めることが必要で他の大問に比べて得点が容易でないと判断したならばその大問は捨てると良い(客観問題は何かマークシートに塗っていることが好ましいが)。英作文・聞き取り・和訳は得点源とすべきだが、最近はいずれも難化してきている。特定の設問(3,4B等)で点数を獲ると言ったヤマを張った学習ではなく、どの設問もバランスよく対策して穴が無い学力を付けておくことが好ましい。合格点は難易度にもよるが、120点満点で70~80点ぐらいである。75点を超えれば合格者上位4割に、90点を超えれば合格者上位1割に入る。 試験科目名は「外国語」であり、英語の他にもドイツ語・フランス語・中国語が受験できるため、地理歴史・理科と同様に答案用紙の上辺にある半円形の科目選択部分をミシン目に沿って指で千切る必要がある(2015年度実施分より)。これは模試には無い点なので注意を要する。なお、英語を選択した場合は第4問・第5問を別言語に差し換えることができる。この場合は前述した3つの言語に韓国朝鮮語を加えた4つの言語から選択できる。 2015年度実施分よりマークシートによる解答方式が導入され、客観問題([1]B一部,[3],[4]A,[5]A,B,C)の解答記入はこちらへ移行となった。そのため、鉛筆(H・F・HB)の持参が必要である。なお、マーク数は2015年度では33個、2016年度と2017年度では32個、2018年度では35個であったが、これをマークするのに必要な時間を考慮すると、時間の余裕の無さに拍車が掛かったといえよう。 東大英語は2013年および2015年を境に、質・量ともに急激に上昇し、それが次年度以降も維持されている。これは一時的な難化ではなく、これからの「標準レベル」となる可能性がある。 以下2021年度現在の出題順に解説し、現在出題されていない形式の問題はその後に記述する。 (1988年を除き)長年、第1問(A)で出題されており、必出分野と言っても過言ではない。英文の長さは300語強で、毎年ほぼ一定であるが、解答の字数指定は年度ごとにまちまちであり、少ないときでは40字程度、多いときでは120字程度である。近年は70~80字程度が多い。配点は8~10点と予想される。ここ数年の問題は、本文を繋ぎ合わせるだけでは到底答案として成立しない抽象的そして高度な問題になっており、筆者のイイタイコトを掴むことすら難しいため、現代文と同じような能力が要求される。「要約せよ」ではなく「要旨をまとめよ」となっている場合は、必ずしも「筆者の主張を掴む」ことが主題ではないから、問題の指示をきちんと読む必要がある。対策としては、骨子となるポイントが2~3個あるので、まずはそれを見つける事である。こなした量に比例してスコアが伸びる問題とは言いにくく、量よりも質が大事になってくると言える。また、ただでさえ時間が非常に制約されていることに加えて前記のような抽象的そして高度な文章になったことを踏まえれば、満点を取るのは困難と言えるだろう。満点などと欲張らず、文の「キモ」となる部分はしっかり押さえるなどして部分点を狙うのも方法である。 例年、第1問(B)(2011年度は(C))で出題されている。2013年度にそれまで第1問(B)で出されていた段落整序問題が削除され、2013年度~2015年度と続いて出題され、以降も出題されている。形式としては800〜1000語程度の長文に5つ空所があり、8つの選択肢(3つの選択肢は、ダミーセンテンス)から適切な記号を選んで埋めるというものである。消去法を容易に使うことができないだけでなく、本文で約2ページ、選択肢だけでも1ページほどの分量であるので、受験生の負担は段落整序に比べて軽減していない。2018年度には、本文を英文で端的に要約する問題が出題された。本文全体を理解した中で、文補充の設問を解きつつも(A)と同様に「結局この文章で筆者は何が言いたいのか」を簡潔に頭の中でまとめておく能力が要求されている。2019年度以降も、単語の補充、整序英作文等の書き問題が含まれている。配点は12点程度と予想される。 例年、第2問で出題されている。2018年度以降は(A)で条件(自由)英作文、(B)で和文英訳が出題される。和文英訳は1997年を最後に削除されたが、2018年度に久しぶりに復活し、以後も出題されている。条件英作文は、傾向として、絵や図に対する説明、対話内容の要約、文章(あるいは対話)中の空所補充、テーマ作文の4つに分類できる。一見すると自由英作文のように見えるが、問題の指示により書くべき内容はほとんど決まってしまうような問題が多いので、無理に難しい構文を用いる必要はない。むしろ、2017年度の2(A)のように「書いてよいテーマは一つだけ」の問題が出ていることを鑑みると、60~80語程度の英文に膨らませられるだけの、書きやすいテーマを瞬時に発想するという能力が必須となっている。過去問・予想問題を駆使し、極力多くの問題に触れておくことが望ましい。和文英訳は5行程度の和文が出題され、その一部を英訳する形式だが、2020年度は抽象度の高い文が出題された。配点は2題合わせて24~30点と予想される。ただ、一文を羅列して語数を稼げば良いというものでもなく、文全体を通して「文章」とすることも心掛ける必要がある。同じ内容を二回書いたりすることは、語数の無駄になるため避けるべきである(「語数稼ぎ」をしていては高得点は望めない)。 例年、第3問で出題されている。約30分という試験時間からも分かるとおり分量が多い。受験者はみな対策を十分にしてきているため、差をつけられやすい大問である。時間が惜しくとも開始5分前くらいに一度問題文を読むなどして、問題文の内容を把握し、確実に得点すべきであろう。最近は早口になってきているので、これに対応するために、速い読み上げに慣れておくとよい。配点はちょうど30点と予想される。ディクテーション(書き取り)は最近で2012年に出題されたが、この年を最後に消えており、マークシート記入形式となった関係で今後の出題はほぼないと考えてよい。ただし、正確に聞き取ることは重要であることに変わりはないので、東大の過去問等に登場したらきちんとやっておくことが好ましい。たとえ本番に出題されないとしても、英語の包括的な能力を鍛えることができるからだ。2018年度 からは選択肢が全て5択になり2022年度入試までの5年間ずっと続いていることで、今後は5択形式として出題されることと考えられる。 例年、第4問(A)で出題されている。主に誤文訂正及び整序英作文問題である。誤文訂正問題は5段落構成の長文が出題され、各段落に1箇所ずつ含まれる語法・文法・文脈的な誤りを指摘する形式であり、読解問題としての側面が強い。早稲田大学のようなマニアックな出題はないため、基本的な文法知識・文法運用能力および、誤った箇所を即座に察知する能力が正否を分ける。整序英作文は2013、2015、2018と出ているので以前より出題頻度が上がっているといえ、また誤文訂正と同様長文化が進んでいる。配点は10点と予想される。 長年第4問で出題されており、現在では(B)として出題される。長文中の2~3箇所の下線部を訳させる方式である。下線部のみを読んで訳すと意味を取り違えてしまうような箇所に下線が引かれている傾向があるため、前後関係や主語を明確にすることが必要である。中には傍線部において代名詞が何であるかを明確にして訳すように指示をされる場合も有るので、普段から代名詞が有った場合は何であるかを把握して訳す訓練をすることが好ましい。難易度は比較的それほど高くないが、いざ訳すとなると訳しづらい英文も一部ある。配点は12〜15点と予想される。 例年、第5問で出題されている。小説や随筆など、文学的な文章が多く出題される。基本的に受験生のバックグラウンドに基づくものではない(例:科学史がテーマの文章では、理科受験者は理科の知識でおおよそ何を書いているのか理解すること)、純粋な英語力を問う問題となっている。論説調の文章が出題されることが多い大学入試の中で、このような形式の文章を読みなれていない場合は、過去問を解くなりし、各自練習しておくべきである。全体的な流れを掴むために英文の脇に日本語で簡単なメモを記しておくとよい。文章の難易度は以前まで普通程度であったが、近年は晦渋な文章も多い。2015年度~2017年度は傾向が変化していたが、2018年度からは2014年度以前のような形式に戻った。また、小説であるために端折って読むと英文解釈に支障が出るため(一文一文を丁寧過ぎるほど深読みすると時間が無くなるが)最後まできちんと読むことが好ましく、時間の制約を受ける東大英語と言えど時間は確保しておくことが好ましい。対策としてはやはり過去問を研究するのが最も効果的だが、難易度が高いと感じるならば、小説がよく出題される他大、例えば明治大理工(レベルは標準)の過去問を解いてみるのもよいだろう。 問題形式としては(A),(B),(C)が整序英作文・下線部和訳・内容説明等の記述問題、(D)が単語補充や内容一致などの客観問題である。配点は20~25点と予想される。 かつて第1問(B)で出題されており、晩年は長文化が著しかった。専用の参考書はほぼ無いため、主に過去問題集や予想問題集で対策を立てるとよいだろう。ちなみに、この設問形式が導入された当時は『捨て問』と言われていたが、2007年度にそれまで長らく続いてきた形式が一変し、易化した。その後、2012年を最後に出題されていないが、東大入試は昔の傾向が突然復活したりすることが(英語に限らずどの科目においても)ままあるため、今後の動向に注意が必要である。配点は8~12点と予想される。 2016年度と2017年度に第1問(B)で出題された。段落整序と文補充の中間の能力が問われる。2016年度は選択肢の数が空所の数と同じであったが、2017年度はダミーセンテンス(本文の内容とは全く関係ない選択肢)が含まれる形式になっており、基本はこのダミーセンテンスが1つ含まれる形式の問題に慣れておいた方が好ましい。また、2016年度、2017年度には、文に合う単語を一語補充を求める問題が出題され、後者では「~で始まる英単語」というヒントが付いた。配点は8~12点と予想される。 2018年度入試より、理科三類受験者(二段階選抜の第一段階合格者)全員に対して筆記試験全日程終了の翌日(2月27日)に課されることとなった。会場は、理科の筆記試験の受験会場と同じ本郷キャンパス内である。1999年以来、面接試験が復活することとなった。 2015年度入試をもって後期日程が廃止されたことに伴い、この日程で募集される100名は2016年度入試より全て推薦入試での募集に移行された。合格者は入学時点で学部学科が決定するため、進振りを経ずに各学部学科に進むことができる。受験生には出願した学科に該当する内容のみについて卓越した能力が求められ、留学経験があると望ましいとされる。学力検査はセンター試験(2021年度以降は共通テスト)のみが使用され、8割程度が合格ラインとなる予定である。なお、推薦入試で不合格であっても前期日程入試を受けることができる(逆はない)。 2021年度より、名称が「学校推薦型選抜」に変更された。 東大入試のための模試には、前述のように駿台・Z会による『東大入試実戦模試』、河合塾による『東大入試オープン』、SAPIX YOZEMI GROUPによる『東大入試プレ』、東進ハイスクールによる『東大本番レベル模試(高3卒生対象)』と『高2東大本番レベル模試(高2生対象)』があり、このうち前三社は夏・冬の年2回実施され、『東大本番レベル模試』は初夏・夏・秋・共通テスト後の年4回実施される。いずれも一般選抜(前期日程のみ)対応で、判定も一般選抜のみである。外国語はいずれも英語のみ実施である。試験日程は、一般選抜と同じ2日間である(但し、河合塾は1日で実施。東進の『東大本番レベル模試』については、最終回のみ2日間)。所謂3大予備校の行う模試は、現役・浪人受験生の比率、地方別の受験生の分布、男女の割合などが、東大入試とほぼ重なる結果となっている。また、第1回は直近の東大入試の形式にできるだけ近づけるという方針をとっているようだが、出題範囲については現役生の進度が考慮されている(たとえば、理系数学ならば数学IIIの積分は出ない、化学ならば高分子化合物は出ないといった具合)。一方で第2回は各予備校がある程度自由な出題をしているようで、「東大らしくない」試験になっていることもあるが、当の東大がいきなり傾向をガラッと変えることがあることを考慮すると、むしろ対策に効果的だといえる。 以下に、各模試の特徴を記す。 合否判定が良い人間ほど、東大合格をより多く勝ち取っていることは事実である。しかし、C・D判定しか取れなくても、合格することは努力次第で十分に可能である。逆に、A・B判定を取れていても、その後努力を怠り不合格となっている者も少なからずいるため、判定に一喜一憂することなく、復習をしっかり行い、見つかった弱点を補強し、こつこつと受験勉強に励むべきである。 財団法人東京大学新聞社から東京大学新聞というものが発行され、『受験生特集号』など東大にまつわる色々な情報が提供されている。また、東京大学新聞は定期購読もできる。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本項は、東京大学の「一般選抜(前期日程)」対策に関する事項である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "東京大学のホームページ(入学試験の概要が記載されている)https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_02_01.html", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "東京大学(東大)は、日本で最初に設立された帝国大学である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "東京大学は学校推薦型選抜と一般選抜(前期日程のみ)によって学生募集を行う。本概要では一般選抜に限定して記述する事にする。一般選抜は、文科各類は目黒区駒場にある『駒場Iキャンパス』、理科各類は文京区本郷にある『本郷地区キャンパス』にて、2月25日~26日の2日間(理科三類は2月27日を含めた3日間)に渡り実施される。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "募集定員は以下の通りである。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "東大入試の対策としては、まず、駿台予備学校・Z会共催の東大入試実戦模試、河合塾の東大入試オープン、SAPIX YOZEMI GROUPの東大入試プレ、東進の東大本番レベル模試(学校推薦型選抜のアンケートも実施)といった東大対応模試(いわゆる『東大模試』)を受験することが望ましい。加えて、東進では高1・2生を対象に「東大入試同日体験受験(2/25.26日)」が実施される。実施日当日の学力検査で実際に出題された問題を使用することから、実際の東大入試を早い時期から知ることができるいい機会にもなるので、余裕が有れば受けて見るのも良い(因みに、この模試は文科志望者は社会、理科志望者は理科の受験も可能)。各社とも毎年的中を競い良質な予想問題を作成している。また、これら東大模試の受験者層は実際の東大入試本番のそれとほぼ重なる。東大合格者の中にこれらの東大模試を1回も受験していないものは皆無であると言って過言ではない。(駿台予備学校・河合塾・SAPIX YOZEMI GROUPは年2回、東進は年4回、それぞれ行われる)", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "また、これらの模試と共通テスト対策のマーク模試の成績でドッキング判定(総合判定)が行われる場合も多いが、こと東大に限っては共通テストの配点が低いということもあり、あくまでも『模試の段階』においては、ドッキング判定は意味をなさないと言える(東大受験生はほぼ全員が8割~9割程度得点し、そして共通テストにおける90点の差は、550満点に換算すると、10点程度の差にしかならない)。ちなみにこれらの東大模試においては、平均点を少し超える程度(偏差値52~53程度)でC判定が出る(理三を除く)。問題を解く順番や試験時間の使い方など、模試を受験して各自研究しよう。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "以下では特記のない限り、一般選抜(前期日程)についてのみ述べる。", "title": "大学入学共通テスト" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "東京大学を『受験』する際に出願者数が科類ごとで定めれる所定の倍率(後述)を超えた場合、共通テストの得点(900点満点)により行われる二段階選抜の『第一段階』(第1段階選抜)を突破しなければならない。志願者の中で共通テストの得点が一定の順位に入らない場合には、『第1段階選抜不合格』となり、東京大学が実施する第2次学力試験の受験は出来ない。「足切り」の点数は年度ごと・科類ごとに異なり、その年の共通テストの難易度に大きく左右されるので、一概に言うことは出来ない(他の受験生との相対評価である)。", "title": "大学入学共通テスト" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "以下、二段階選抜のシステムについて説明する。", "title": "大学入学共通テスト" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "東京大学での二段階選抜は、出願者数が科類それぞれで定めた定員に対する一定倍率を超えた場合に実施される。その『第一段階』が上記のようなもので、そこで合格した受験生は『第二段階』(第2次学力試験)に進むことができる。したがって、志願者倍率が所定の倍率を超えた科類で比較的受験者数が多い場合は、「足切り」点数が高くなりやすいといえる。志願者倍率が所定の倍率を達しない場合は二段階選抜は実施されない(共通テストの得点に関わらず、東京大学が課す共通テストの科目を漏れなく受験した出願者全員が受験可能)ことになるが、ほとんどの年において例外なく前期・後期日程(2015年まで)とも全科類で実施されている(文科全類と理科二類で実施されなかったことがある)。", "title": "大学入学共通テスト" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "2023年度以降の入試においては、二段階選抜を実施する基準の倍率は以下の通りである。", "title": "大学入学共通テスト" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "例年、前期日程においては、毎年2割程度の出願者が「足切り」に遭っており、彼らは文字通り「門前払い」となって、東大を受験することさえ出来ないまま、国公立大の前期日程を終える。ちなみに、「足切り」に遭った場合は、受験料17,000円のうち13,000円が返還される。", "title": "大学入学共通テスト" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "東大入試における共通テストの取り扱いに関しては、合否判定の段階で、共通テストの得点が900分の110に圧縮される。また、配点比率は共通テスト:二次試験=110:440=1:4と、圧倒的に二次試験の比率が高くなっている。しかし、傾斜配点により共通テストの配点が低くなっているからと言って、共通テストを軽視するのは間違いである。(圧縮後の点数は小数点第4位まではじき出され、入試の合否は1点単位ではなく、コンマ数点単位で決せられる。東大には入試成績開示制度があるので、それで確認した者の中には、実際にたった0.1点足りなくて落ちた者も存在する。)", "title": "大学入学共通テスト" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "2021年1月より旧・大学入試センター試験(2020年1月実施を以て廃止)に代わり、大学入学共通テストが課され、このテストによる得点が総点に加えられる形となり、必須受験科目は基本は引き継がれる形となる。ただし、センター試験の際と違って前期日程受験でも英語リスニングが必須となるので、受験していなければ未受験科目が有るとして、失格となる。英語の配点は筆記が140点(得点の1.4倍)、リスニングが60点(得点の0.6倍)の200点満点となる。なお、点数は傾斜後の得点を合計し、小数点以下を切り上げた値が用いられる。基本は、共通テストの英語対策は筆記に比較的重点を置き、リスニングは共通テストならではの傾向に注意しながらも個別学力検査の方のリスニングをメインにやることで問題ない、と言える。", "title": "大学入学共通テスト" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "共通テストは特別な対策が必要といえる試験ではあるが、基本的には基礎力を試す良問である。よって足切り云々の前に共通テストで得点が取れないような受験生では当然東大合格はおぼつかない。獲得を要する具体的な得点率は、受験する科類にもよるが、出来れば9割(810点)以上、最低でも8割5分(765点)は得点しなければならない(しかし、8割程度の得点で合格している者も、少数ではあるが存在する)。理科三類受験者に至っては、目標点数など考えず、得点しうる限界まで得点するべきであろう(足切り点は例年7割程度なので、第一段階なんぞ通って当たり前、と考えなくてはならない)。", "title": "大学入学共通テスト" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "ただ共通テストの得点を意識するあまり、2次試験の対策が疎かになるのも宜しくない。2次試験の対策がお留守になるほど、共通テスト対策を頑張り過ぎないことである。例えて言えば、共通テストが終了後にゼロから2次対策を開始する等では遅すぎる。マーク模試で9割~9割5分をコンスタントに取れたならばそこからは「得点をさらに上げる」よりは「9割~9割5分をキープし続ける」方向に切り替えて、あとは2次試験対策を万全にやることが好ましい。また、理科三類受験者についても、東大模試(特に11月実施分)等で理科一類あるいは理科二類がコンスタントにA判定(合格可能性80%以上)を獲得出来る2次力があれば、8割5分でも合格できることがある。", "title": "大学入学共通テスト" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "要は、共通・2次の対策をバランス良くすることである。", "title": "大学入学共通テスト" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "難関私立大の入試問題は、学部にもよるが、東大など国公立大のそれの傾向とは大きく異なっているため、東大受験者であろうと、各々の対策は必須である(毎年、併願私大の対策を行わず東大受験前に併願私大に全滅し、精神的に追い込まれる受験生が少なくない)。共通テスト利用入試で確保出来なかった場合は、最低でも過去3年分程度の併願大学・学部の過去問をこなし、傾向をつかみ、試験時間の使い方などを研究しておこう。", "title": "大学入学共通テスト" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "全科類とも2月25日・26日に行われるが、理科三類のみはさらに面接試験を2月27日に行う。第1段階選抜が実施された場合はその合格者のみが受験できる。", "title": "一般選抜(前期日程)" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "入試は文理別、科類別の分離方式で行われる。また、「採点は科類別に行われており、(科類ごとに重視する科目が異なるため)採点基準も科類ごとに異なっている」といったことがまことしやかに囁かれているが、信憑性は低い。ただし、試験問題・配点・試験時間・実施時間は文科・理科それぞれで全科類において共通である。また、英語は全問文科・理科共通の試験問題であり、配点・試験時間・実施時間にいたるまで全て同じである。国語、数学にも相当量の文科・理科共通問題がある。", "title": "一般選抜(前期日程)" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "なお、答案は数人の教員により2~3回丁寧にチェックされるので、誤採点がなされる可能性は限りなく低い。入試本番では、東大の教員にそれまでの受験勉強全てを見せ付ける気持ちで答案を書き上げて欲しい。また、字を丁寧に書くことは、最低限のマナーである。「汚い字」は構わないが、「乱雑な字」「判読困難な字」「著しく小さい字」は避け、できる限り読みやすい字になるように心がけよう。", "title": "一般選抜(前期日程)" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "合格最低点は、文科一類が最も高く、文科二類と文科三類では、やや文科二類の方が高いがほとんど変わらない、という傾向が続いたが、近年は科類ごとの合格最低点に大きな隔たりは見られなくなった。", "title": "一般選抜(前期日程)" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "センター試験利用方式入試を除く併願大学・学部数は1~2校程度の受験生が多いようである。", "title": "一般選抜(前期日程)" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "合格最低点は、理科三類が突出して高く、理科一類と理科二類では、やや理科一類の方が高い。", "title": "一般選抜(前期日程)" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "試験時間は文科150分・理科100分。文科・理科ともに、2月25日の9:30から開始される。", "title": "国語(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "出題範囲は文科は「国語総合」「国語表現」「現代文B」「古典B」、理科は「国語総合」「国語表現」である。", "title": "国語(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "配点は文科120点・理科80点。", "title": "国語(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "解答欄が小さい(後述)ので、必要な箇所を過不足なく的確にまとめ上げる力が要求される。東大の国語は素材文自体はセンター試験をやや超える程度といったところであり、難読ではないがいざ答案に書こうとする段階となると記述の仕方が難しい上に、採点がかなり厳しい(特に2014年度以降)ため、意外と点が伸びにくい特徴がある。そのため、国語での高得点を想定して受験に挑むのは大変危険と言える。しかし受験生の得点は文科受験者の場合60点付近、理科受験者の場合35点付近に集まるので、他の受験生と差をつけられないために、基本的な出題を押さえ、記述上の減点を防ぐ等の細心の注意を持つことが必要である。現代文での得点は難しいので、出来る限り古文・漢文で稼ごう。また、漢字は3~5問ほど出題されるが、1問も落としてはならない。ちなみに、現代文の採点は、大体あっていれば○、1箇所おかしなところがあれば△、2箇所以上おかしなところがあれば×、というように、アバウトな採点であるとの割と信憑性の高い噂があるが、定かではない。センター試験と違って注釈(=読解の上で必要となるもの)に番号はふられておらず、読みながら確認する必要がある。東大に限った事ではないが注釈は読解そして解答作成の上での手助けとなる(特に古文・漢文)ので、必ず読むこと。", "title": "国語(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "解き方の順序としては、漢文⇒古文⇒現代文という順序が推奨されており、試験時間の前半で古典を素早く、しかし正確に仕上げ、残った時間でじっくり現代文に取り組むのが高得点獲得のセオリーといえるだろう。理科は意外と制限時間が厳しいので注意。", "title": "国語(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "第1問は評論文を題材とした文理共通問題で、2017年度以降は、設問(1)から(3)までが字数制限のない記述問題、(4)が100~120字の字数制限記述、(5)が3題の漢字の書き取りという構成になっている。2000年度から2016年度までは字数制限のない記述問題がもう一問あった他、漢字は3〜5問であった。漢字の書き取り(範囲は、「常用漢字」)は、平素の受験勉強において現代文の参考書、問題集などを読み込んでおれば問題なく対応できる程度の難易度である。他に共通テスト(旧称・センター試験)国語で大問の第1問(評論)の問1で出題されるが、共通テスト直前の12月に共通テスト対策と並行して漢字の対策をする形でも問題は無い。配点は1問1〜2点と予想されるが、全問正解を心掛けよう。また、「楷書で書け。」と指示が有るように、行書風な続け字を書いたりすると減点ないしは0点となる可能性が高い。美しくなくても良いが、漢字のはらいや構造に注意して丁寧に、読み取れるように書くこと。", "title": "国語(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "(1)から(4)までの解答欄は縦約13.5cm、横約8mmの空欄(これは古典も同じ大きさである)2行分で、概して小さめであることが多い。だらだら解答するのではなく、要点を的確にまとめあげて書かせるというのが東大現代文の特徴であり、最も苦労させられるところである。設問の背景にある出題者の意図、要求を過不足なく把握し、本文中の言葉では表現しきれないところを自分の言葉で補って答案を書くことが必要である。配点は、文科・理科ともに40〜45点と予想される。理科に関しては漢字の書き取りを除いて20点は欲しい。この点数もなかなか大変だが、現代文に関しては合格点と言っても過言ではない。また、読解20点以上+漢字の書き取り全問正解がコンスタントにできるのであればこれ以上からはなかなか得点は伸びないので、点数を上げるよりは維持する方向に切り替えて古文や漢文に時間を使った方が好ましい。", "title": "国語(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "また、文科受験者には第4問としてもう1題現代文が出題されており、こちらは主に随想を題材とする。小問は第1問と同じ字数制限なしの記述4問程度で、配点は20〜25点と予想される。", "title": "国語(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "配点は、文科は30点、理科は20点と予想される。", "title": "国語(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "東大の古文は、ほとんど全ての設問が現代語訳、内容説明、理由説明などの記述問題であり、選択問題や文法事項を単独で問う設問は皆無といってよい(1998年度は例外)。文章は、文理共通問題の年とそうでない年があるが、近年では文理共通問題が続いている。共通の場合は設問数で得点差をつけている(理科は現代語訳の設問が減ることが多い)。近年は文章のレベルはそれほど高くなく、現代語訳なども素直に文法事項に沿って解答すれば得点できるものも多かったが、2015年度から徐々に文章が晦渋になり、2017年度は東大国語としては22年ぶりに源氏物語が出題された。「東大古文は文章は簡単で設問が難しい」といった思い込みは捨てた方がよい。とはいえ設問の方も、1行以内で解答するものばかりで、単語レベルまで細心の注意を払って解答しないと減点されてしまう厳しいものになっている。採点は、現代文に比べるとかなり緻密になされているようである。小さなミスが命取りとなる。目標点は、理科に関しては15点は欲しい。この点数も採点の厳しさを踏まえれば至難の業だが、古文に関しては合格点と言っても過言ではない。15点以上がコンスタントに得点できるのであればこれ以上からはなかなか得点は伸びないので、点数を上げるよりは維持する方向に切り替えて単語や文法等の読解の上で必要なツールの最終確認に時間を使った方が好ましい。", "title": "国語(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "配点は、文科は20〜30点、理科は15〜20点と予想される。", "title": "国語(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "かつては、散文と漢詩それぞれ一問ずつ出題されていたが、2000年を境に大問数が減ったため、散文が主流となった。しかし、数年に一度、漢詩は依然として出題されている(2011年度、2016年度)ので対策はしておこう。また、漢文は現代文・古文と比べると平易と言えるので、少なくとも文科は7割~8割、理科は6割程度は得点したいところである。採点は、古文と同様、かなり緻密になされているようである。理科(理科全類対象)に関しては20点満点として15点以上がコンスタントに得点できるのであればこれ以上からはなかなか得点は伸びないので、点数を上げるよりは維持する方向に切り替えて句形や語法等の読解の上で必要なツールの最終確認に時間を使った方が好ましい。15点も採点の厳しさを踏まえれば至難の業だが、漢文に関しては合格点と言っても過言ではない。", "title": "国語(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "試験時間は150分で、6つの大問からなる。配点は120点で、1問20点。出題範囲は数学I,II,III,A,B(確率分布と統計的な推測は除く)。文科との共通問題もある。図形問題(特に空間図形)や微分積分が出題されやすい。解析的な数式の話題であっても、グラフを用いて議論するような問題が頻出であることにも注目したい。全体として、典型的な解法を抑えるのは前提として、問題ごとに、見かけに惑わされず、適切な解答方針を選択することが重要に思われる。 合格点(理科一・二類受験者)は数学に関して言えば、平均的な難易度の年では2題完答+残りの4題で半分の得点を稼ぐ(部分点)形が理想で全体で5割後半~6割である。理科三類受験者は、3題完答+残りの3題で半分の得点を稼ぐ(部分点)形が理想で全体で6割後半(80点)~7割5分(90点)である。80点以上はなかなか至難の業だが、数学に関して言えばほぼ合格点と言える。また数学で7割以上がコンスタントに獲れるようであれば、7割以上からは得点はなかなか伸びないので点数を上げるよりかは「数学7割台をキープ」する方向に体制を変え、他の科目(英語・国語・理科)に時間を注いだ方が好ましい。以上は一例だが易しい問題または難しい問題が6題まとめて出ることは少ないので、ほぼ妥当と言える。理科一・二類受験者はまず、完答できそうな問題を2題見極めることが重要となる(このような判断力も実力のうちである)。理科三類受験者はまず完答できそうな問題を2題見極めた上で、加えてやや難となる問題を1題見極めることが重要となる。すべての理科受験者に対して言えることだが「満点を獲る」などと欲張らず、皆が取れるところは確実に獲り、その上で判らない問題に対しても解答の方針やプロセス等と「要を得ている」記述をすることで部分点を稼ぐ姿勢で取り組んで欲しい(解けないからといって、捨て問として白紙のまま提出をすることは極力控えたい。)。計算の過程も採点の対象となる論述式なのだから、「論述の利点」を思う存分に活用して欲しい。", "title": "数学(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "日ごろから息の長い計算を面倒くさがらずにやるように心がける。空間図形の求積問題が非常によく出題されるが、2019年度第1問など単純な定積分の計算問題が出題されたこともある。空間図形の問題は経験の有無で大きく差がつき、かつ慣れていれば安定して満点を狙えるため、綿密な対策を行っておくのが望ましい。", "title": "数学(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "抽象的な内容が多い。また、難易度は年度によってまちまちであり、その年の最難問であることもあれば最易問であることもある。大きく分けて漸化式を用いるものと用いないものがあるが、他大学の入試とは異なり解法に関するヒント(たとえば a n + 1 {\\displaystyle a_{n+1}} を a n {\\displaystyle a_{n}} を用いて表せ、といった小問)は基本的に一切ないため、その場その場で適切な解法を判断することが要求される。数列さらには極限を融合させて出題されることが大半で、センター試験のような単独そして数値を求める問題は少ない。なお、理科では2018年度以降確率が出題されていない時期が続いたが、2022、23年度と再び出題され始めた。", "title": "数学(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "この分野は単独で出題されることはあまりないが,他の分野との融合問題,または解法として三角関数を利用する問題は非常に多い。また,これは他の分野にも言えることだが,加法定理の証明問題(1999年第1問)に見られるように,ただ定理・公式等を暗記するだけではなく,それらの定義や証明に対する深い理解をもつことも求められている。", "title": "数学(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "全分野の第1問目として、よく出題される。背理法、数学的帰納法で解けることが多いが、円周率の証明問題(2003年第6問)などが以前出題されたことからもわかるように、受験生の数学的な見方、考え方を適切に判断できる分野でもある。この分野は、他の分野の演習が完璧になって初めて身につく分野であるから、受験勉強として数学を勉強するのではなく、能動的に勉強に当たっていく必要がある。最近は減少傾向にある。", "title": "数学(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "分野単独の図形問題は、以前は頻出であったが、ここ最近はあまり出題されていない。とはいえ他分野との融合問題では頻繁に登場するため、いわゆる「図形的センス」を磨いておくとよい。また、図形問題を解く際の道具となるベクトル、座標、三角関数を自由自在に使えるようにしておくことが望ましい。なお、求積との融合問題に対処するために、曲面の方程式などの旧課程の内容もやっておくとよい。", "title": "数学(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "試験時間は100分で、4つの大問からなる。配点は80点で、1問20点。理科との共通問題もある。", "title": "数学(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "総じて、文系としてのみならず理系としても難易度の高い問題が出題されるが、最も差の付きやすい教科なので、捨てることは許されない。図形や整数などを絡めた複合分野問題が多く、定型化された解法だけでは対応できないことが多いとされてきたが、近年は計算力重視の傾向が顕著であり制限時間が厳しい。1問20点もあるので、難問が出ても、捨てることはせず、部分点を積極的に狙っていくことが大切である。", "title": "数学(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "採点では、厳密に部分点の採点もなされている。理解不十分な解法により正答らしい解答がなされている答案よりも、正確な理解に基づいた途中答案の方が高得点が与えられることも往々にしてあると、東大教員は言っている。数学が苦手な東大文科受験生でも、部分点を駆使するなどして、最低でも20~30点を取ることを目標に受験勉強を行っておこう。数学を得意とする受験生は、70点以上を獲得することも可能なので、他の受験生に一気に差をつけることが出来る。", "title": "数学(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "", "title": "数学(文科・理科一部共通)" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "試験時間は150分で、2月26日の9:30~12:00に実施される。", "title": "地理歴史(文科のみ)" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "配点は120点(1科目60点)である。", "title": "地理歴史(文科のみ)" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "東大文科受験の場合、地理歴史3科目、すなわち日本史・世界史・地理から2科目を選択して、150分で解答することが要求される。単なる知識の蓄積ではなく、論理的思考に重点を置いた論述対策が必要となる。やはり過去問の徹底研究が必要不可欠であろうが、学習塾でやった方が好ましい他大学の問題が与えられたならば、それも併せてやることが有効だろう。", "title": "地理歴史(文科のみ)" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "配布される解答用紙には、1行30字×20行のマス目のみが4つ(解答欄(イ)(ロ)(ハ)(ニ)として)印刷されており、各自が問題を解きながら、問題の指示通りに小問番号などを振り解答していくことになる。論述問題の採点は基本的には甘めであるらしいので、一定程度得点しなければ、他の受験生と差がついてしまうので注意すべきである。", "title": "地理歴史(文科のみ)" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "2015年度実施分より答案用紙の上辺に半円状の切り取り部が3つ(日本史・世界史・地理)ミシン目つきで付けられる様式となり、解答する科目の場所を一つだけミシン目に沿って指でちぎる形となった。", "title": "地理歴史(文科のみ)" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "前述の通り、東大の地歴は、試験時間150分のなかで、日本史・世界史・地理の3科目の中から2科目を選択することとなっている。試験問題3科目は1冊の冊子として配られ、試験時間の使い方は各受験生にゆだねられている(例えば、極端な話、世界史に120分・地理に30分というような使い方も可能である)。選択科目としては、他の2科目と共通領域の多い世界史が人気であり、合格者に占める割合は「世界史と地理」及び「世界史と日本史」が多い傾向が見られるが、そういったデータにとらわれることなく、自分の力を最大限に発揮できる2科目を選択する事が肝要である。", "title": "地理歴史(文科のみ)" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "古代・中世・近世・近現代の各区分から1題ずつ、大問4題が出題される。", "title": "地理歴史(文科のみ)" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "解答形式は、世界史・地理とは異なり、選択式のものは一切なく、全て論述式である。各大問には小問がつくこともあり、その場合は小問1問につき3行~5行(90字~150字)程度の論述が課される。出題テーマは政治外交史、社会経済史、文化史など多様であり、まとまった量の史料を読ませた上でこれらを各時代背景と結びつけて考察させるものが見られる。論述式で歴史思考力を問う出題が多いため、各時代の特色や変化の背景などを自ら考察しながら把握することが対策として必要である。本学の世界史や私立大学の日本史の入試問題と比べると、細かい固有名詞などを暗記する必要性は低いといえよう。", "title": "地理歴史(文科のみ)" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "また、東大と早慶とでは、日本史の出題傾向が180度異なるので、東大を日本史で受験する場合、早慶の日本史にはまず対応出来ない・しづらい(これは断言出来る)ので、早慶をはじめとした私立大学を併願受験する場合は、日本史以外の残りの1科目で受験しよう。ただし、地理を選択できる私大は少ない。", "title": "地理歴史(文科のみ)" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "大問3題が出題される。", "title": "地理歴史(文科のみ)" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "近年、第1問は450 ~ 600字(15行~20行)程度の大論述が出題される。第2問及び第3問は地域・テーマ別の出題が多く、数行の記述と単答問題から構成される。第2・3問は難易度の変動が激しく、単純な知識で解答できる問題もあれば、早慶レベルの難易度の知識問題や、深い歴史理解が要求される論述が出題されたことも過去にある。そのため世界史が得意科目という受験生も、英語や数学で確実に得点する努力を怠ってはならない。", "title": "地理歴史(文科のみ)" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "東大受験に向けて世界史の勉強をしていれば、併願先で人気のある早慶の世界史の出題にも一応対応できる。 以下のサイトに1970年からの過去問全部が掲載されている。 http://www.ne.jp/asahi/wh/class/kakamon.html", "title": "地理歴史(文科のみ)" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "人間と環境との在り方について広く問われる。毎年3題出題されており、論述を中心に選択問題や用語・地名記述問題が通例である。論述の制限字数は30~90字(1~3行)程度なので、要旨を簡潔に表現する学習が必要と言える。地形図の出題は稀であり、地誌では日本が頻出する。また時事を絡めた問題も多いため、日頃から新聞やニュースに触れておくことが望ましい。", "title": "地理歴史(文科のみ)" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "試験時間は150分で、2月26日の9:30~12:00に実施される。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "東大理科受験の場合、理科の4科目、すなわち物理・化学・生物・地学から2科目を選択して解答することが要求される。いずれの科目も問題量が多く、150分で2科目を解くので時間配分が重要となっている。配点は120点(各科目60点)。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "配布される解答用紙には、1行35字詰の罫線が第1問・第2問で25行、第3問で50行書かれており、各自が問題を解きながら、小問番号などを振り解答していくことになる。設問の解答(数式や計算結果等)を書く欄や箇所を自身で作成しなければならないので、次ページに設問が有ったにもかかわらず解き忘れていた、等が無いように設問数に注意しながら解き進める必要がある。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "2015年度実施分より答案用紙の上辺に半円状の切り取り部が4つ(物理・化学・生物・地学)ミシン目つきで付けられる様式となり、解答する科目の場所を一つだけミシン目に沿って指でちぎる形となった。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "圧倒的に多いのは物理・化学の組み合わせでの受験者であるが、理二でおよそ3割、理三ではおよそ1割が化学・生物で受験する(理一ではほぼ皆無)。物理は生物よりもやや難易度が低いとされているが、得意なほうを選べばよい。東大受験者レベルでは数学と物理の成績にそれほど大きな相関はないので、数学が苦手だからといって短絡的に生物を選択するのは非合理である。化学・生物の組み合わせは問題量の多さから時間内の解答が特に困難であることに気をつけたい。合格点(理科一・二類受験者)は理科に関して言えば理想で、2科目全体(120点満点)で5割半~6割(65~75点)である。理科三類受験者は理科に関して言えば理想で、2科目全体(120点満点)で6割後半~7割後半(80~90点)である。2科目全体(120点満点)で90点も至難の業だが、これがコンスタントに取れる、さらには超えられるようであれば、90点以上からは得点はなかなか伸びにくいので90点台を維持する形で良い(理科全受験者対象)。もちろん確約ではないが、どの参考書にも普通に乗っているようなパターン化された標準レベル問題で全て構成されるとも思えないのでほぼ妥当と言える。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "3つの大問からなる。それぞれ力学、電磁気学、その他の分野(波動、熱力学、原子物理)から出題される。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "東大物理の最大の特徴は、一見簡単そうな問題でも、物理的思考力がなければまったく得点が望めないという巧妙さにある。このような問題に対処するには、ただ問題集を「こなす」だけの勉強をするのではなく、自分の頭で考えぬくという勉強が必要である。そのためには、問題集に載っている問題について自分なりの「問題研究」をしてみたり、さまざまな別解を考えてみたり(たとえば、物理的アプローチと数学的アプローチの両方から解いてみたり)することが大切である。 また、「高校物理において微積分を使うべきか、使うべきでないか」といった議論がたびたび見られるが、東大受験生については可能な限り微積分を使った勉強をしてほしい。というのも、いわゆる「公式物理」だけでは理解できなかった内容が、微積分を使った解析的考察を経由してはじめて理解できるということがままあるからである。当然ながら、答案にいちいち微積分を用いた公式の導出などを記す必要はない。たとえば、エネルギー保存則を使うのに、計算用紙では運動方程式から導いたとしても、答案ではいきなり「エネルギー保存則より、~~」と記述してよい。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "重心系、円運動、単振動が頻出であり、他大学で取り扱われていないような題材での出題が目立つ。ただし、よく考えれば典型問題の組み合わせに落とし込めることがほとんどである。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "電磁誘導、直流回路が頻出である。交流回路が出ることはまれだが、2016年度には出題された。見慣れない素子(2006年度、2008年度のネオンランプ、2014年度の太陽電池)を用いた回路や、2011年度のコッククロフト・ウォルトン回路、2023年度のワット天秤(キブル天秤)のように、普段問題集で目にしないような問題が出題されるが、いずれも特別な対策を要する難問などではなく、回路の扱いの基本がきちんとわかっており、かつ問題文に与えられた条件をしっかり読み取ることができれば十分理解できる。ただし、計算が重かったり、交流回路では微積分を駆使した考察も必要になるので、解析的な回路の取り扱いになれる必要があるだろう。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "波動と熱力学が交互に出題される傾向にあるが、年によっては前年度と同じ分野であったり原子の要素が入った波動の問題が出題されることもあり、まんべんなく学習する必要がある。原子物理については、出題範囲に入っている年度においても本格的なものは出題されておらず、単体の大問として出題されたのは直近では1995年に遡る。 波動は、ドップラー効果、光の干渉が頻出である。典型問題を応用すれば解ける問題が多いので、高得点が望めることが多い。 熱力学は、熱力学第一法則を使う問題が頻出で、よくある問題・見慣れない問題ともにこれを軸として解いていくことが多い。見慣れない問題の場合は、リード文で与えられる法則などの数式がどういうことを表しているのかきちんと理解している必要がある。 原子物理は学習が遅れがちな分野であるが、とりあえず教科書レベルの光電効果、コンプトン効果、ボーアモデル、核分裂反応(放射性崩壊及び半減期、質量欠損とエネルギーなど)はきっちりおさえておくべきである。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "3つの大問からなる。ただし近年は各大問がそれぞれ2分割されており、実質的に6つの大問を解くことになる。3つの大問は、理論化学、無機化学、有機化学から出題される。設問に過程を書けという指定をされていない場合には解答のみで良く、採点時も解答以外は読まれない。この点において、書いていないことはやらなくて良い、書いてあることはやらなければならない、という東大入試の原則が貫かれている。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "今まで取り扱われていないような新傾向の問題も数多く出題されているので、暗記に頼らない化学的な洞察力を普段から養っておく必要があろう。一見見ただけではわからなく、読み進めていくうちに段々と判るように作成していると思われる。但し、これらの新傾向の問題は何も高校化学を逸脱した内容ではなく、「既存の知識を応用してその場で考える」ものが大半である。したがって、何も高校化学を超える内容を詰め込む必要はない。特に「なお」や「但し」書きは解答する上で重要なヒントとなっていることが多いので、注意して読むこと。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "小問数が多いので、設問単位の配点は少なく、部分点はほぼ期待できない。過程も示せとある計算問題であれば、式と答えの数値が一致してはじめて得点になると考えたほうがよい。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "近年では問題量の増加が著しく、やや暴走気味である。2017年度入試からは、第1問に有機化学,第2問に無機(一部理論含む),第3問に理論化学と出題順序が変わっており、この出題形式が続いている(2022年現在)。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "単位格子、蒸気圧、化学平衡に関する問題がよく出題される。また,無機化学や有機化学の問題で,理論化学の内容を踏まえた理由説明等も多く出題される。以前は理論化学の大問だけはI、IIに分かれておらず、各小問の質・量・配点いずれも大きかったが、最近は無機・有機とあまり変わらない構成になっている。極端な難問は減少傾向にあるので、取れるところはきっちりと得点したい。なお、高校内容を若干逸脱するが、混成軌道や、電荷均衡・濃度均衡を用いたpH計算を知っていると有利な問題の出題歴がある。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "無機化学単独での大問は、過去25年を見ても非常に少ない。理論化学と無機化学の折衷的な問題がほとんどであり、無機化学の知識だけでは高得点は望めない。とはいえ知識がなければ話にならないのは言うまでもないことである。特に頻出なのは酸化還元反応、(未知の)電池、電気分解で、半反応式や電池式の意味を理解していなければ到底敵わない問題ばかりである。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "以前はIIIのうち一方が比較的易しい構造決定問題であったが、現在は有機合成や反応機構(2021年度)、高分子などが絡んだ考察力を要する問題が多く、典型的な構造決定問題はあまり出題されない。「東大化学は有機が得点源」という時代は終わったと言える。どの問題も高校内容を逸脱した知識は不要だが、有機電子論に基づいた理解があると見通しが良くなる問題も少なくない。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "例年大問が3つ出題される。「生物の恒常性」などが頻出分野として挙げられるが、実際は過去問を見ると、「細胞」から「生態系」まで、高校生物の全範囲のうちどの分野からも出る可能性があることがわかる。他大学と東大の入試問題の大きく違うところは、受験生ならば触れたことは無いであろうと思われる話題について、大変長いリード文を精密に分析し、自分の持っている知識と照らし合わせながら示された現象を考察し、考察結果を指定行数に圧縮して解答を記述する点である。このため、単に知識を固めるだけでは高得点には結びつかないであろうと思われる。したがって、ある程度知識が固まったならば、過去問や各予備校の予想問題や模擬試験問題などを用いて、リード文を読解し、自分で解答を導き、実際に書く訓練を行わなければならない。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "3つの大問からなる。1問目は毎年複雑な計算を伴う天文の問題が出題される。2問目は固体地球や海洋・気象、3問目は岩石・地質が出題されることが多い。いずれも計算・論述が主である。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "地学は受験者が非常に少ないが、だからといって難度が低いわけではない。年による難易度の変動も大きい。教科書レベルの出題がある年もあるかと思えば、かなりの量の論述が求められ時間内に解けないこともある。確実に言えることとしては、他の科目同様高得点を狙うのは簡単ではない。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "問題文が長いことがあるが、その中に問題を解く上で、非常に有用な情報が含まれることが多い。見たことも無く、訳も分からない話で、しかも長い問題文を見て、うろたえてしまう受験者もいるかもしれないが、そういうときこそ、最後まで、本文を読むと、答えを導けることがあるので、問題文は丁寧に読むことが求められる。また、前問が誘導となるケースも多いため、とにかく最初の問題に手を付けていくことが大事である。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "数値計算は、東大地学では、有効数字1桁になるケースが多く見られる。有効数字の桁数が小さいと計算の手間は圧倒的に小さくなる上、雑な近似を行っても、値を間違えることは少ないが、雑な近似そのものに対する減点があるかもしれないので、丁寧に数値を出していく方が無難である。", "title": "理科(理科のみ)" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "試験問題、試験時間、実施時間帯、配点など全てが文科・理科共通である。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "試験時間は120分(うち聞き取り問題が30分)で、配点は120点。2月26日の14:00~16:00で前期日程では最後の筆記試験として実施される。第3問の聞き取り問題は、試験開始後約45分を経過した時点で開始される。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "出題範囲は「コミュニケーション英語I・II・III」である。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "試験問題は読解3問・英作文1問・聞き取り問題1問の5つの大問から構成されている。各大問とも説問は(A),(B),(C),...と分かれているが、第5問を除きこれらは内容的にほぼ独立した出題である。要旨要約、文補充、英作文、聞き取り、文法・語法、英文和訳、長文読解問題とバラエティに富んだ出題がなされる。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "以前は各設問の難易度は高くなかったが、ここ近年は質・量ともに上昇傾向にあり、注意が必要である。設問量の多さゆえ時間不足に陥りやすいため、高度な読解力が要求される。 時間も120分のうち、筆記は90分(聞き取り問題が30分)で4題を解答しなければならないので、決して余裕のある時間ではない(聞き取り問題への準備を考えれば、実質90分は無い)。時間が許す限りで難易度を見極めることが必要で他の大問に比べて得点が容易でないと判断したならばその大問は捨てると良い(客観問題は何かマークシートに塗っていることが好ましいが)。英作文・聞き取り・和訳は得点源とすべきだが、最近はいずれも難化してきている。特定の設問(3,4B等)で点数を獲ると言ったヤマを張った学習ではなく、どの設問もバランスよく対策して穴が無い学力を付けておくことが好ましい。合格点は難易度にもよるが、120点満点で70~80点ぐらいである。75点を超えれば合格者上位4割に、90点を超えれば合格者上位1割に入る。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "試験科目名は「外国語」であり、英語の他にもドイツ語・フランス語・中国語が受験できるため、地理歴史・理科と同様に答案用紙の上辺にある半円形の科目選択部分をミシン目に沿って指で千切る必要がある(2015年度実施分より)。これは模試には無い点なので注意を要する。なお、英語を選択した場合は第4問・第5問を別言語に差し換えることができる。この場合は前述した3つの言語に韓国朝鮮語を加えた4つの言語から選択できる。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "2015年度実施分よりマークシートによる解答方式が導入され、客観問題([1]B一部,[3],[4]A,[5]A,B,C)の解答記入はこちらへ移行となった。そのため、鉛筆(H・F・HB)の持参が必要である。なお、マーク数は2015年度では33個、2016年度と2017年度では32個、2018年度では35個であったが、これをマークするのに必要な時間を考慮すると、時間の余裕の無さに拍車が掛かったといえよう。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "東大英語は2013年および2015年を境に、質・量ともに急激に上昇し、それが次年度以降も維持されている。これは一時的な難化ではなく、これからの「標準レベル」となる可能性がある。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "以下2021年度現在の出題順に解説し、現在出題されていない形式の問題はその後に記述する。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "(1988年を除き)長年、第1問(A)で出題されており、必出分野と言っても過言ではない。英文の長さは300語強で、毎年ほぼ一定であるが、解答の字数指定は年度ごとにまちまちであり、少ないときでは40字程度、多いときでは120字程度である。近年は70~80字程度が多い。配点は8~10点と予想される。ここ数年の問題は、本文を繋ぎ合わせるだけでは到底答案として成立しない抽象的そして高度な問題になっており、筆者のイイタイコトを掴むことすら難しいため、現代文と同じような能力が要求される。「要約せよ」ではなく「要旨をまとめよ」となっている場合は、必ずしも「筆者の主張を掴む」ことが主題ではないから、問題の指示をきちんと読む必要がある。対策としては、骨子となるポイントが2~3個あるので、まずはそれを見つける事である。こなした量に比例してスコアが伸びる問題とは言いにくく、量よりも質が大事になってくると言える。また、ただでさえ時間が非常に制約されていることに加えて前記のような抽象的そして高度な文章になったことを踏まえれば、満点を取るのは困難と言えるだろう。満点などと欲張らず、文の「キモ」となる部分はしっかり押さえるなどして部分点を狙うのも方法である。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "例年、第1問(B)(2011年度は(C))で出題されている。2013年度にそれまで第1問(B)で出されていた段落整序問題が削除され、2013年度~2015年度と続いて出題され、以降も出題されている。形式としては800〜1000語程度の長文に5つ空所があり、8つの選択肢(3つの選択肢は、ダミーセンテンス)から適切な記号を選んで埋めるというものである。消去法を容易に使うことができないだけでなく、本文で約2ページ、選択肢だけでも1ページほどの分量であるので、受験生の負担は段落整序に比べて軽減していない。2018年度には、本文を英文で端的に要約する問題が出題された。本文全体を理解した中で、文補充の設問を解きつつも(A)と同様に「結局この文章で筆者は何が言いたいのか」を簡潔に頭の中でまとめておく能力が要求されている。2019年度以降も、単語の補充、整序英作文等の書き問題が含まれている。配点は12点程度と予想される。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "例年、第2問で出題されている。2018年度以降は(A)で条件(自由)英作文、(B)で和文英訳が出題される。和文英訳は1997年を最後に削除されたが、2018年度に久しぶりに復活し、以後も出題されている。条件英作文は、傾向として、絵や図に対する説明、対話内容の要約、文章(あるいは対話)中の空所補充、テーマ作文の4つに分類できる。一見すると自由英作文のように見えるが、問題の指示により書くべき内容はほとんど決まってしまうような問題が多いので、無理に難しい構文を用いる必要はない。むしろ、2017年度の2(A)のように「書いてよいテーマは一つだけ」の問題が出ていることを鑑みると、60~80語程度の英文に膨らませられるだけの、書きやすいテーマを瞬時に発想するという能力が必須となっている。過去問・予想問題を駆使し、極力多くの問題に触れておくことが望ましい。和文英訳は5行程度の和文が出題され、その一部を英訳する形式だが、2020年度は抽象度の高い文が出題された。配点は2題合わせて24~30点と予想される。ただ、一文を羅列して語数を稼げば良いというものでもなく、文全体を通して「文章」とすることも心掛ける必要がある。同じ内容を二回書いたりすることは、語数の無駄になるため避けるべきである(「語数稼ぎ」をしていては高得点は望めない)。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "例年、第3問で出題されている。約30分という試験時間からも分かるとおり分量が多い。受験者はみな対策を十分にしてきているため、差をつけられやすい大問である。時間が惜しくとも開始5分前くらいに一度問題文を読むなどして、問題文の内容を把握し、確実に得点すべきであろう。最近は早口になってきているので、これに対応するために、速い読み上げに慣れておくとよい。配点はちょうど30点と予想される。ディクテーション(書き取り)は最近で2012年に出題されたが、この年を最後に消えており、マークシート記入形式となった関係で今後の出題はほぼないと考えてよい。ただし、正確に聞き取ることは重要であることに変わりはないので、東大の過去問等に登場したらきちんとやっておくことが好ましい。たとえ本番に出題されないとしても、英語の包括的な能力を鍛えることができるからだ。2018年度 からは選択肢が全て5択になり2022年度入試までの5年間ずっと続いていることで、今後は5択形式として出題されることと考えられる。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "例年、第4問(A)で出題されている。主に誤文訂正及び整序英作文問題である。誤文訂正問題は5段落構成の長文が出題され、各段落に1箇所ずつ含まれる語法・文法・文脈的な誤りを指摘する形式であり、読解問題としての側面が強い。早稲田大学のようなマニアックな出題はないため、基本的な文法知識・文法運用能力および、誤った箇所を即座に察知する能力が正否を分ける。整序英作文は2013、2015、2018と出ているので以前より出題頻度が上がっているといえ、また誤文訂正と同様長文化が進んでいる。配点は10点と予想される。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "長年第4問で出題されており、現在では(B)として出題される。長文中の2~3箇所の下線部を訳させる方式である。下線部のみを読んで訳すと意味を取り違えてしまうような箇所に下線が引かれている傾向があるため、前後関係や主語を明確にすることが必要である。中には傍線部において代名詞が何であるかを明確にして訳すように指示をされる場合も有るので、普段から代名詞が有った場合は何であるかを把握して訳す訓練をすることが好ましい。難易度は比較的それほど高くないが、いざ訳すとなると訳しづらい英文も一部ある。配点は12〜15点と予想される。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "例年、第5問で出題されている。小説や随筆など、文学的な文章が多く出題される。基本的に受験生のバックグラウンドに基づくものではない(例:科学史がテーマの文章では、理科受験者は理科の知識でおおよそ何を書いているのか理解すること)、純粋な英語力を問う問題となっている。論説調の文章が出題されることが多い大学入試の中で、このような形式の文章を読みなれていない場合は、過去問を解くなりし、各自練習しておくべきである。全体的な流れを掴むために英文の脇に日本語で簡単なメモを記しておくとよい。文章の難易度は以前まで普通程度であったが、近年は晦渋な文章も多い。2015年度~2017年度は傾向が変化していたが、2018年度からは2014年度以前のような形式に戻った。また、小説であるために端折って読むと英文解釈に支障が出るため(一文一文を丁寧過ぎるほど深読みすると時間が無くなるが)最後まできちんと読むことが好ましく、時間の制約を受ける東大英語と言えど時間は確保しておくことが好ましい。対策としてはやはり過去問を研究するのが最も効果的だが、難易度が高いと感じるならば、小説がよく出題される他大、例えば明治大理工(レベルは標準)の過去問を解いてみるのもよいだろう。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "問題形式としては(A),(B),(C)が整序英作文・下線部和訳・内容説明等の記述問題、(D)が単語補充や内容一致などの客観問題である。配点は20~25点と予想される。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "かつて第1問(B)で出題されており、晩年は長文化が著しかった。専用の参考書はほぼ無いため、主に過去問題集や予想問題集で対策を立てるとよいだろう。ちなみに、この設問形式が導入された当時は『捨て問』と言われていたが、2007年度にそれまで長らく続いてきた形式が一変し、易化した。その後、2012年を最後に出題されていないが、東大入試は昔の傾向が突然復活したりすることが(英語に限らずどの科目においても)ままあるため、今後の動向に注意が必要である。配点は8~12点と予想される。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "2016年度と2017年度に第1問(B)で出題された。段落整序と文補充の中間の能力が問われる。2016年度は選択肢の数が空所の数と同じであったが、2017年度はダミーセンテンス(本文の内容とは全く関係ない選択肢)が含まれる形式になっており、基本はこのダミーセンテンスが1つ含まれる形式の問題に慣れておいた方が好ましい。また、2016年度、2017年度には、文に合う単語を一語補充を求める問題が出題され、後者では「~で始まる英単語」というヒントが付いた。配点は8~12点と予想される。", "title": "外国語・英語(文科・理科共通)" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "2018年度入試より、理科三類受験者(二段階選抜の第一段階合格者)全員に対して筆記試験全日程終了の翌日(2月27日)に課されることとなった。会場は、理科の筆記試験の受験会場と同じ本郷キャンパス内である。1999年以来、面接試験が復活することとなった。", "title": "面接(理科三類受験者対象)" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "2015年度入試をもって後期日程が廃止されたことに伴い、この日程で募集される100名は2016年度入試より全て推薦入試での募集に移行された。合格者は入学時点で学部学科が決定するため、進振りを経ずに各学部学科に進むことができる。受験生には出願した学科に該当する内容のみについて卓越した能力が求められ、留学経験があると望ましいとされる。学力検査はセンター試験(2021年度以降は共通テスト)のみが使用され、8割程度が合格ラインとなる予定である。なお、推薦入試で不合格であっても前期日程入試を受けることができる(逆はない)。", "title": "学校推薦型選抜" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "2021年度より、名称が「学校推薦型選抜」に変更された。", "title": "学校推薦型選抜" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "東大入試のための模試には、前述のように駿台・Z会による『東大入試実戦模試』、河合塾による『東大入試オープン』、SAPIX YOZEMI GROUPによる『東大入試プレ』、東進ハイスクールによる『東大本番レベル模試(高3卒生対象)』と『高2東大本番レベル模試(高2生対象)』があり、このうち前三社は夏・冬の年2回実施され、『東大本番レベル模試』は初夏・夏・秋・共通テスト後の年4回実施される。いずれも一般選抜(前期日程のみ)対応で、判定も一般選抜のみである。外国語はいずれも英語のみ実施である。試験日程は、一般選抜と同じ2日間である(但し、河合塾は1日で実施。東進の『東大本番レベル模試』については、最終回のみ2日間)。所謂3大予備校の行う模試は、現役・浪人受験生の比率、地方別の受験生の分布、男女の割合などが、東大入試とほぼ重なる結果となっている。また、第1回は直近の東大入試の形式にできるだけ近づけるという方針をとっているようだが、出題範囲については現役生の進度が考慮されている(たとえば、理系数学ならば数学IIIの積分は出ない、化学ならば高分子化合物は出ないといった具合)。一方で第2回は各予備校がある程度自由な出題をしているようで、「東大らしくない」試験になっていることもあるが、当の東大がいきなり傾向をガラッと変えることがあることを考慮すると、むしろ対策に効果的だといえる。 以下に、各模試の特徴を記す。", "title": "模試" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "合否判定が良い人間ほど、東大合格をより多く勝ち取っていることは事実である。しかし、C・D判定しか取れなくても、合格することは努力次第で十分に可能である。逆に、A・B判定を取れていても、その後努力を怠り不合格となっている者も少なからずいるため、判定に一喜一憂することなく、復習をしっかり行い、見つかった弱点を補強し、こつこつと受験勉強に励むべきである。", "title": "模試" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "財団法人東京大学新聞社から東京大学新聞というものが発行され、『受験生特集号』など東大にまつわる色々な情報が提供されている。また、東京大学新聞は定期購読もできる。", "title": "その他" } ]
日本の大学受験ガイド > 東京大対策 本項は、東京大学の「一般選抜(前期日程)」対策に関する事項である。 東京大学のホームページ(入学試験の概要が記載されている)https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_02_01.html 東京大学(東大)は、日本で最初に設立された帝国大学である。
{{wikipedia|東京大学}} *[[日本の大学受験ガイド]] > [[東大対策|東京大対策]] 本項は、[[w:東京大学|東京大学]]の「一般選抜(前期日程)」対策に関する事項である。 東京大学のホームページ(入学試験の概要が記載されている)https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_02_01.html 東京大学(東大)は、日本で最初に設立された帝国大学である。 ==概要== 東京大学は学校推薦型選抜と一般選抜(前期日程のみ)によって学生募集を行う。本概要では一般選抜に限定して記述する事にする。一般選抜は、文科各類は目黒区駒場にある『駒場Ⅰキャンパス』、理科各類は文京区本郷にある『本郷地区キャンパス』にて、2月25日~26日の2日間(理科三類は2月27日を含めた3日間)に渡り実施される。 募集定員は以下の通りである。 {| class="wikitable" |+ !科類 !定員 |- |文科一類 |401 |- |文科二類 |353 |- |文科三類 |469 |- |理科一類 |1108 |- |理科二類 |532 |- |理科三類 |97 |} 東大入試の対策としては、まず、[[w:駿台予備学校|駿台予備学校・Z会共催]]の東大入試実戦模試、[[w:河合塾|河合塾]]の東大入試オープン、[[w:代々木ゼミナール|SAPIX YOZEMI GROUP]]の東大入試プレ、[[w:東進|東進]]の東大本番レベル模試(学校推薦型選抜のアンケートも実施)といった東大対応模試(いわゆる『東大模試』)を受験することが望ましい。加えて、東進では高1・2生を対象に「東大入試同日体験受験(2/25.26日)」が実施される。実施日当日の学力検査で実際に出題された問題を使用することから、実際の東大入試を早い時期から知ることができるいい機会にもなるので、余裕が有れば受けて見るのも良い(因みに、この模試は文科志望者は社会、理科志望者は理科の受験も可能)。各社とも毎年的中を競い良質な予想問題を作成している。また、これら東大模試の受験者層は実際の東大入試本番のそれとほぼ重なる。東大合格者の中にこれらの東大模試を1回も受験していないものは皆無であると言って過言ではない。(駿台予備学校・河合塾・SAPIX YOZEMI GROUPは年2回、東進は年4回、それぞれ行われる) また、これらの模試と共通テスト対策のマーク模試の成績でドッキング判定(総合判定)が行われる場合も多いが、こと東大に限っては共通テストの配点が低いということもあり、あくまでも『模試の段階』においては、ドッキング判定は意味をなさないと言える(東大受験生はほぼ全員が8割~9割程度得点し、そして共通テストにおける90点の差は、550満点に換算すると、10点程度の差にしかならない)。ちなみにこれらの東大模試においては、平均点を少し超える程度(偏差値52~53程度)でC判定が出る(理三を除く)。問題を解く順番や試験時間の使い方など、模試を受験して各自研究しよう。 ==大学入学共通テスト== 以下では特記のない限り、一般選抜(前期日程)についてのみ述べる。 東京大学を『受験』する際に出願者数が科類ごとで定めれる所定の倍率(後述)を超えた場合、共通テストの得点(900点満点)により行われる二段階選抜の『第一段階』(第1段階選抜)を突破しなければならない。志願者の中で共通テストの得点が一定の順位に入らない場合には、『第1段階選抜不合格』となり、東京大学が実施する第2次学力試験の受験は出来ない。「足切り」の点数は年度ごと・科類ごとに異なり、その年の共通テストの難易度に大きく左右されるので、一概に言うことは出来ない(他の受験生との相対評価である)。 以下、二段階選抜のシステムについて説明する。 東京大学での二段階選抜は、出願者数が科類それぞれで定めた定員に対する一定倍率を超えた場合に実施される。その『第一段階』が上記のようなもので、そこで合格した受験生は『第二段階』(第2次学力試験)に進むことができる。したがって、志願者倍率が所定の倍率を超えた科類で比較的受験者数が多い場合は、「足切り」点数が高くなりやすいといえる。志願者倍率が所定の倍率を達しない場合は二段階選抜は実施されない(共通テストの得点に関わらず、東京大学が課す共通テストの科目を漏れなく受験した出願者全員が受験可能)ことになるが、ほとんどの年において例外なく前期・後期日程(2015年まで)とも全科類で実施されている(文科全類と理科二類で実施されなかったことがある)。 2023年度以降の入試においては、二段階選抜を実施する基準の倍率は以下の通りである。 {| class="wikitable" !科類 !倍率 |- |理科一類 |2.5倍 |- |文科一類・文科二類・文科三類・理科三類 |3.0倍 |- |理科二類 |3.5倍 |} 例年、前期日程においては、毎年2割程度の出願者が「足切り」に遭っており、彼らは文字通り「門前払い」となって、東大を受験することさえ出来ないまま、国公立大の前期日程を終える。ちなみに、「足切り」に遭った場合は、受験料17,000円のうち13,000円が返還される。 東大入試における共通テストの取り扱いに関しては、合否判定の段階で、共通テストの得点が900分の110に圧縮される。また、配点比率は共通テスト:二次試験=110:440=1:4と、圧倒的に二次試験の比率が高くなっている。しかし、傾斜配点により共通テストの配点が低くなっているからと言って、共通テストを軽視するのは間違いである。(圧縮後の点数は小数点第4位まではじき出され、入試の合否は1点単位ではなく、コンマ数点単位で決せられる。東大には入試成績開示制度があるので、それで確認した者の中には、実際にたった0.1点足りなくて落ちた者も存在する。) 2021年1月より旧・大学入試センター試験(2020年1月実施を以て廃止)に代わり、大学入学共通テストが課され、このテストによる得点が総点に加えられる形となり、必須受験科目は基本は引き継がれる形となる。ただし、センター試験の際と違って前期日程受験でも英語リスニングが必須となるので、受験していなければ未受験科目が有るとして、失格となる。英語の配点は筆記が140点(得点の1.4倍)、リスニングが60点(得点の0.6倍)の200点満点となる。なお、点数は傾斜後の得点を合計し、小数点以下を切り上げた値が用いられる。基本は、共通テストの英語対策は筆記に比較的重点を置き、リスニングは共通テストならではの傾向に注意しながらも個別学力検査の方のリスニングをメインにやることで問題ない、と言える。 共通テストは特別な対策が必要といえる試験ではあるが、基本的には基礎力を試す良問である。よって足切り云々の前に共通テストで得点が取れないような受験生では当然東大合格はおぼつかない。獲得を要する具体的な得点率は、受験する科類にもよるが、出来れば9割(810点)以上、最低でも8割5分(765点)は得点しなければならない(しかし、8割程度の得点で合格している者も、少数ではあるが存在する)。理科三類受験者に至っては、目標点数など考えず、得点しうる限界まで得点するべきであろう(足切り点は例年7割程度なので、第一段階なんぞ通って当たり前、と考えなくてはならない)。 ただ共通テストの得点を意識するあまり、2次試験の対策が疎かになるのも宜しくない。2次試験の対策がお留守になるほど、共通テスト対策を頑張り過ぎないことである。例えて言えば、共通テストが終了後にゼロから2次対策を開始する等では遅すぎる。マーク模試で9割~9割5分をコンスタントに取れたならばそこからは「得点をさらに上げる」よりは「9割~9割5分をキープし続ける」方向に切り替えて、あとは2次試験対策を万全にやることが好ましい。また、理科三類受験者についても、東大模試(特に11月実施分)等で理科一類あるいは理科二類がコンスタントにA判定(合格可能性80%以上)を獲得出来る2次力があれば、8割5分でも合格できることがある。 要は、共通・2次の対策をバランス良くすることである。 難関私立大の入試問題は、学部にもよるが、東大など国公立大のそれの傾向とは大きく異なっているため、東大受験者であろうと、各々の対策は必須である(毎年、併願私大の対策を行わず東大受験前に併願私大に全滅し、精神的に追い込まれる受験生が少なくない)。共通テスト利用入試で確保出来なかった場合は、最低でも過去3年分程度の併願大学・学部の過去問をこなし、傾向をつかみ、試験時間の使い方などを研究しておこう。 ==一般選抜(前期日程)== 全科類とも2月25日・26日に行われるが、理科三類のみはさらに面接試験を2月27日に行う。第1段階選抜が実施された場合はその合格者のみが受験できる。 入試は文理別、科類別の分離方式で行われる。また、「採点は科類別に行われており、(科類ごとに重視する科目が異なるため)採点基準も科類ごとに異なっている」といったことがまことしやかに囁かれているが、信憑性は低い。ただし、試験問題・配点・試験時間・実施時間は文科・理科それぞれで全科類において共通である。また、英語は全問文科・理科共通の試験問題であり、配点・試験時間・実施時間にいたるまで全て同じである。国語、数学にも相当量の文科・理科共通問題がある。 なお、答案は数人の教員により2~3回丁寧にチェックされるので、誤採点がなされる可能性は限りなく低い。入試本番では、東大の教員にそれまでの受験勉強全てを見せ付ける気持ちで答案を書き上げて欲しい。また、字を丁寧に書くことは、最低限のマナーである。「汚い字」は構わないが、「乱雑な字」「判読困難な字」「著しく小さい字」は避け、できる限り読みやすい字になるように心がけよう。 ===文科(文科一類・文科二類・文科三類)=== 合格最低点は、文科一類が最も高く、文科二類と文科三類では、やや文科二類の方が高いがほとんど変わらない、という傾向が続いたが、近年は科類ごとの合格最低点に大きな隔たりは見られなくなった。 センター試験利用方式入試を除く併願大学・学部数は1~2校程度の受験生が多いようである。 ===理科(理科一類・理科二類・理科三類)=== 合格最低点は、理科三類が突出して高く、理科一類と理科二類では、やや理科一類の方が高い。 ==国語(文科・理科一部共通)== 試験時間は文科150分・理科100分。文科・理科ともに、2月25日の9:30から開始される。 出題範囲は文科は「国語総合」「国語表現」「現代文B」「古典B」、理科は「国語総合」「国語表現」である。 配点は文科120点・理科80点。 解答欄が小さい(後述)ので、必要な箇所を過不足なく的確にまとめ上げる力が要求される。東大の国語は素材文自体はセンター試験をやや超える程度といったところであり、難読ではないがいざ答案に書こうとする段階となると記述の仕方が難しい上に、採点がかなり厳しい(特に2014年度以降)ため、意外と点が伸びにくい特徴がある。そのため、国語での高得点を想定して受験に挑むのは大変危険と言える。しかし受験生の得点は文科受験者の場合60点付近、理科受験者の場合35点付近に集まるので、他の受験生と差をつけられないために、基本的な出題を押さえ、記述上の減点を防ぐ等の細心の注意を持つことが必要である。現代文での得点は難しいので、出来る限り古文・漢文で稼ごう。また、漢字は3~5問ほど出題されるが、1問も落としてはならない。ちなみに、現代文の採点は、大体あっていれば○、1箇所おかしなところがあれば△、2箇所以上おかしなところがあれば×、というように、アバウトな採点であるとの割と信憑性の高い噂があるが、定かではない。センター試験と違って注釈(=読解の上で必要となるもの)に番号はふられておらず、読みながら確認する必要がある。東大に限った事ではないが注釈は読解そして解答作成の上での手助けとなる(特に古文・漢文)ので、必ず読むこと。 解き方の順序としては、漢文⇒古文⇒現代文という順序が推奨されており、試験時間の前半で古典を素早く、しかし正確に仕上げ、残った時間でじっくり現代文に取り組むのが高得点獲得のセオリーといえるだろう。理科は意外と制限時間が厳しいので注意。 ===現代文=== 第1問は評論文を題材とした文理共通問題で、2017年度以降は、設問(1)から(3)までが字数制限のない記述問題、(4)が100~120字の字数制限記述、(5)が3題の漢字の書き取りという構成になっている。2000年度から2016年度までは字数制限のない記述問題がもう一問あった他、漢字は3〜5問であった。漢字の書き取り(範囲は、「常用漢字」)は、平素の受験勉強において現代文の参考書、問題集などを読み込んでおれば問題なく対応できる程度の難易度である。他に共通テスト(旧称・センター試験)国語で大問の第1問(評論)の問1で出題されるが、共通テスト直前の12月に共通テスト対策と並行して漢字の対策をする形でも問題は無い。配点は1問1〜2点と予想されるが、全問正解を心掛けよう。また、「楷書で書け。」と指示が有るように、行書風な続け字を書いたりすると減点ないしは0点となる可能性が高い。美しくなくても良いが、漢字のはらいや構造に注意して丁寧に、読み取れるように書くこと。 (1)から(4)までの解答欄は縦約13.5cm、横約8mmの空欄(これは古典も同じ大きさである)2行分で、概して小さめであることが多い。だらだら解答するのではなく、要点を的確にまとめあげて書かせるというのが東大現代文の特徴であり、最も苦労させられるところである。設問の背景にある出題者の意図、要求を過不足なく把握し、本文中の言葉では表現しきれないところを自分の言葉で補って答案を書くことが必要である。配点は、文科・理科ともに40〜45点と予想される。理科に関しては漢字の書き取りを除いて20点は欲しい。この点数もなかなか大変だが、現代文に関しては合格点と言っても過言ではない。また、読解20点以上+漢字の書き取り全問正解がコンスタントにできるのであればこれ以上からはなかなか得点は伸びないので、点数を上げるよりは維持する方向に切り替えて古文や漢文に時間を使った方が好ましい。 また、文科受験者には第4問としてもう1題現代文が出題されており、こちらは主に随想を題材とする。小問は第1問と同じ字数制限なしの記述4問程度で、配点は20〜25点と予想される。 ====参考書籍:現代文(文系)==== *『東大入試至高の国語「第二問」』(朝日選書 竹内 康浩 著 ISBN 4022599464 ) :かつて、東大文系向け国語の入試問題には、通称「二百字作文」と呼ばれた、大問一問の記述問題があった。それは、国語問題の二番目の大問としておかれたため、本書などは「第二問」と呼称している。これは、他大学における小論文と見誤る人もいるが、それはあくまでも、被験者の経験などによらず、与えられたテーマのみを読み解いて回答するという、現代文の試験問題であった。本書は、この「第二問」を1980年代から、それが廃止になった2000年頃まで丹念に追って、出題者(東京大学の教官)が受験生に求める能力とは何か(又は、何であったか)を解き明かす書である。本書は、赤本のようないわゆる受験参考書ではない。想定される読者層は、どちらかといえば大学受験はとうに終え受験国語を社会現象の一つとして客観的に見られる人であり、本書で説かれるのは条件反射的受験テクニックではない。後付なのかもしれないが、その出題者が求めているであろう内容は驚くほど深遠であり、そのような回答を、その多くが未成年ですらある受験生に求めるのは酷ではないかと心配するほどである(実際、赤本の編者などは、この形態の問いがなくなったことを「東大国語もようやく『人間宣言』した」と記している)。しかしながら、この何の小細工もない真正面からの問いが、表現者としての受験生の能力を試すために理想的な方法であったとするのが、著者が「至高」と形容したゆえんである。現在のところ、この形式の出題は、一旦退出したかに見えるが、現在の出題においても、後続の出題者にその精神は引き継がれ、いくつかの小問に分かれた現代文の解法のガイドとなるであろう。 :東大文系の受験生には、是非一読をおすすめする書であるが、これを読む時期については、注意が必要である。未読の東大文系志望者は受験まで半年以上の余裕がなければ、本書はむしろ読まない方がいい。或いは、求めるもののレベルの高さに恐怖を覚えるかもしれないし、或いは、それに応えようと力みすぎるかもしれない。受験は総合力である。特定の問いかけへのこだわりは、受験直前においては、百害あって一利無しである。捨てる(これは本当に捨てる=何も書かない、ではない。適当に書いてお茶を濁すということである)のも重要なテクニックである。春先に、闘志を燃やし或いは捲土重来を期して読むのがよいだろう。 :*[[/1985年国語第2問|1985年出題]] === 古文 === 配点は、文科は30点、理科は20点と予想される。 東大の古文は、ほとんど全ての設問が現代語訳、内容説明、理由説明などの記述問題であり、選択問題や文法事項を単独で問う設問は皆無といってよい(1998年度は例外)。文章は、文理共通問題の年とそうでない年があるが、近年では文理共通問題が続いている。共通の場合は設問数で得点差をつけている(理科は現代語訳の設問が減ることが多い)。近年は文章のレベルはそれほど高くなく、現代語訳なども素直に文法事項に沿って解答すれば得点できるものも多かったが、2015年度から徐々に文章が晦渋になり、2017年度は東大国語としては22年ぶりに源氏物語が出題された。「東大古文は文章は簡単で設問が難しい」といった思い込みは捨てた方がよい。とはいえ設問の方も、1行以内で解答するものばかりで、単語レベルまで細心の注意を払って解答しないと減点されてしまう厳しいものになっている。採点は、現代文に比べるとかなり緻密になされているようである。小さなミスが命取りとなる。目標点は、理科に関しては15点は欲しい。この点数も採点の厳しさを踏まえれば至難の業だが、古文に関しては合格点と言っても過言ではない。15点以上がコンスタントに得点できるのであればこれ以上からはなかなか得点は伸びないので、点数を上げるよりは維持する方向に切り替えて単語や文法等の読解の上で必要なツールの最終確認に時間を使った方が好ましい。 ===漢文=== 配点は、文科は20〜30点、理科は15〜20点と予想される。 かつては、散文と漢詩それぞれ一問ずつ出題されていたが、2000年を境に大問数が減ったため、散文が主流となった。しかし、数年に一度、漢詩は依然として出題されている(2011年度、2016年度)ので対策はしておこう。また、漢文は現代文・古文と比べると平易と言えるので、少なくとも文科は7割~8割、理科は6割程度は得点したいところである。採点は、古文と同様、かなり緻密になされているようである。理科(理科全類対象)に関しては20点満点として15点以上がコンスタントに得点できるのであればこれ以上からはなかなか得点は伸びないので、点数を上げるよりは維持する方向に切り替えて句形や語法等の読解の上で必要なツールの最終確認に時間を使った方が好ましい。15点も採点の厳しさを踏まえれば至難の業だが、漢文に関しては合格点と言っても過言ではない。 == 数学(文科・理科一部共通) == ===理科=== 試験時間は150分で、6つの大問からなる。配点は120点で、1問20点。出題範囲は数学Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,A,B(確率分布と統計的な推測は除く)。文科との共通問題もある。図形問題(特に空間図形)や微分積分が出題されやすい。解析的な数式の話題であっても、グラフを用いて議論するような問題が頻出であることにも注目したい。全体として、典型的な解法を抑えるのは前提として、問題ごとに、見かけに惑わされず、適切な解答方針を選択することが重要に思われる。 合格点(理科一・二類受験者)は数学に関して言えば、平均的な難易度の年では2題完答+残りの4題で半分の得点を稼ぐ(部分点)形が理想で全体で5割後半~6割である。理科三類受験者は、3題完答+残りの3題で半分の得点を稼ぐ(部分点)形が理想で全体で6割後半(80点)~7割5分(90点)である。80点以上はなかなか至難の業だが、数学に関して言えばほぼ合格点と言える。また数学で7割以上がコンスタントに獲れるようであれば、7割以上からは得点はなかなか伸びないので点数を上げるよりかは「数学7割台をキープ」する方向に体制を変え、他の科目(英語・国語・理科)に時間を注いだ方が好ましい。以上は一例だが易しい問題または難しい問題が6題まとめて出ることは少ないので、ほぼ妥当と言える。理科一・二類受験者はまず、完答できそうな問題を2題見極めることが重要となる(このような判断力も実力のうちである)。理科三類受験者はまず完答できそうな問題を2題見極めた上で、加えてやや難となる問題を1題見極めることが重要となる。すべての理科受験者に対して言えることだが「満点を獲る」などと欲張らず、皆が取れるところは確実に獲り、その上で判らない問題に対しても解答の方針やプロセス等と「要を得ている」記述をすることで部分点を稼ぐ姿勢で取り組んで欲しい(解けないからといって、捨て問として白紙のまま提出をすることは極力控えたい<ref>なお、求値問題は数値があっていなければ基本的に0点になるというのが通説である。</ref>。)。計算の過程も採点の対象となる論述式なのだから、「論述の利点」を思う存分に活用して欲しい。 *'''微分積分''' 日ごろから息の長い計算を面倒くさがらずにやるように心がける。空間図形の求積問題が非常によく出題されるが、2019年度第1問など単純な定積分の計算問題が出題されたこともある。空間図形の問題は経験の有無で大きく差がつき、かつ慣れていれば安定して満点を狙えるため、綿密な対策を行っておくのが望ましい。 *'''確率''' 抽象的な内容が多い。また、難易度は年度によってまちまちであり、その年の最難問であることもあれば最易問であることもある。大きく分けて漸化式を用いるものと用いないものがあるが、他大学の入試とは異なり解法に関するヒント(たとえば<math>a_{n+1}</math>を<math>a_n</math>を用いて表せ、といった小問)は基本的に一切ないため、その場その場で適切な解法を判断することが要求される。数列さらには極限を融合させて出題されることが大半で、センター試験のような単独そして数値を求める問題は少ない。なお、理科では2018年度以降確率が出題されていない時期が続いたが、2022、23年度と再び出題され始めた。 *'''三角関数''' この分野は単独で出題されることはあまりないが,他の分野との融合問題,または解法として三角関数を利用する問題は非常に多い。また,これは他の分野にも言えることだが,加法定理の証明問題(1999年第1問)に見られるように,ただ定理・公式等を暗記するだけではなく,それらの定義や証明に対する深い理解をもつことも求められている。 *'''論証・証明問題''' 全分野の第1問目として、よく出題される。背理法、数学的帰納法で解けることが多いが、円周率の証明問題(2003年第6問)などが以前出題されたことからもわかるように、受験生の数学的な見方、考え方を適切に判断できる分野でもある。この分野は、他の分野の演習が完璧になって初めて身につく分野であるから、受験勉強として数学を勉強するのではなく、能動的に勉強に当たっていく必要がある。最近は減少傾向にある。 *'''図形''' 分野単独の図形問題は、以前は頻出であったが、ここ最近はあまり出題されていない。とはいえ他分野との融合問題では頻繁に登場するため、いわゆる「図形的センス」を磨いておくとよい。また、図形問題を解く際の道具となるベクトル、座標、三角関数を自由自在に使えるようにしておくことが望ましい。なお、求積との融合問題に対処するために、曲面の方程式などの旧課程の内容もやっておくとよい。 ===文科=== 試験時間は100分で、4つの大問からなる。配点は80点で、1問20点。理科との共通問題もある。 総じて、文系としてのみならず理系としても難易度の高い問題が出題されるが、最も差の付きやすい教科なので、捨てることは許されない。図形や整数などを絡めた複合分野問題が多く、定型化された解法だけでは対応できないことが多いとされてきたが、近年は計算力重視の傾向が顕著であり制限時間が厳しい。1問20点もあるので、難問が出ても、捨てることはせず、部分点を積極的に狙っていくことが大切である。 採点では、厳密に部分点の採点もなされている。理解不十分な解法により正答らしい解答がなされている答案よりも、正確な理解に基づいた途中答案の方が高得点が与えられることも往々にしてあると、東大教員は言っている。数学が苦手な東大文科受験生でも、部分点を駆使するなどして、最低でも20~30点を取ることを目標に受験勉強を行っておこう。数学を得意とする受験生は、70点以上を獲得することも可能なので、他の受験生に一気に差をつけることが出来る。 ==[[高等学校地理歴史|地理歴史]](文科のみ)== 試験時間は150分で、2月26日の9:30~12:00に実施される。 配点は120点(1科目60点)である。 東大文科受験の場合、地理歴史3科目、すなわち日本史・世界史・地理から2科目を選択して、150分で解答することが要求される。単なる知識の蓄積ではなく、論理的思考に重点を置いた論述対策が必要となる。やはり過去問の徹底研究が必要不可欠であろうが、学習塾でやった方が好ましい他大学の問題が与えられたならば、それも併せてやることが有効だろう。 配布される解答用紙には、1行30字×20行のマス目のみが4つ(解答欄(イ)(ロ)(ハ)(ニ)として)印刷されており、各自が問題を解きながら、問題の指示通りに小問番号などを振り解答していくことになる。論述問題の採点は基本的には甘めであるらしいので、一定程度得点しなければ、他の受験生と差がついてしまうので注意すべきである。 2015年度実施分より答案用紙の上辺に半円状の切り取り部が3つ(日本史・世界史・地理)ミシン目つきで付けられる様式となり、解答する科目の場所を一つだけミシン目に沿って指でちぎる形となった。 ===地理歴史の選択について=== 前述の通り、東大の地歴は、試験時間150分のなかで、日本史・世界史・地理の3科目の中から2科目を選択することとなっている。試験問題3科目は1冊の冊子として配られ、試験時間の使い方は各受験生にゆだねられている(例えば、極端な話、世界史に120分・地理に30分というような使い方も可能である)。選択科目としては、他の2科目と共通領域の多い世界史が人気であり、合格者に占める割合は「世界史と地理」及び「世界史と日本史」が多い傾向が見られるが、そういったデータにとらわれることなく、自分の力を最大限に発揮できる2科目を選択する事が肝要である。 ===[[高等学校日本史|日本史]]=== 古代・中世・近世・近現代の各区分から1題ずつ、大問4題が出題される。 解答形式は、世界史・地理とは異なり、選択式のものは一切なく、全て論述式である。各大問には小問がつくこともあり、その場合は小問1問につき3行~5行(90字~150字)程度の論述が課される。出題テーマは政治外交史、社会経済史、文化史など多様であり、まとまった量の史料を読ませた上でこれらを各時代背景と結びつけて考察させるものが見られる。論述式で歴史思考力を問う出題が多いため、各時代の特色や変化の背景などを自ら考察しながら把握することが対策として必要である。'''本学の'''世界史や私立大学の日本史の入試問題と比べると、細かい固有名詞などを暗記する必要性は低いといえよう。 また、東大と早慶とでは、日本史の出題傾向が180度異なるので、東大を日本史で受験する場合、早慶の日本史にはまず対応出来ない・しづらい(これは断言出来る)ので、早慶をはじめとした私立大学を併願受験する場合は、日本史以外の残りの1科目で受験しよう。ただし、地理を選択できる私大は少ない。 ===[[高等学校世界史|世界史]]=== 大問3題が出題される。 近年、第1問は450 ~ 600字(15行~20行)程度の大論述が出題される。第2問及び第3問は地域・テーマ別の出題が多く、数行の記述と単答問題から構成される。第2・3問は難易度の変動が激しく、単純な知識で解答できる問題もあれば、早慶レベルの難易度の知識問題や、深い歴史理解が要求される論述が出題されたことも過去にある。そのため世界史が得意科目という受験生も、英語や数学で確実に得点する努力を怠ってはならない。 東大受験に向けて世界史の勉強をしていれば、併願先で人気のある早慶の世界史の出題にも一応対応できる。 以下のサイトに1970年からの過去問全部が掲載されている。 http://www.ne.jp/asahi/wh/class/kakamon.html ===[[高等学校地理|地理]]=== 人間と環境との在り方について広く問われる。毎年3題出題されており、論述を中心に選択問題や用語・地名記述問題が通例である。論述の制限字数は30~90字(1~3行)程度なので、要旨を簡潔に表現する学習が必要と言える。地形図の出題は稀であり、地誌では日本が頻出する。また時事を絡めた問題も多いため、日頃から新聞やニュースに触れておくことが望ましい。 ==[[高等学校理科|理科]](理科のみ)== 試験時間は150分で、2月26日の9:30~12:00に実施される。 東大理科受験の場合、理科の4科目、すなわち物理・化学・生物・地学から2科目を選択して解答することが要求される。いずれの科目も問題量が多く、150分で2科目を解くので時間配分が重要となっている。配点は120点(各科目60点)。 配布される解答用紙には、1行35字詰の罫線が第1問・第2問で25行、第3問で50行書かれており、各自が問題を解きながら、小問番号などを振り解答していくことになる。設問の解答(数式や計算結果等)を書く欄や箇所を自身で作成しなければならないので、次ページに設問が有ったにもかかわらず解き忘れていた、等が無いように設問数に注意しながら解き進める必要がある。 2015年度実施分より答案用紙の上辺に半円状の切り取り部が4つ(物理・化学・生物・地学)ミシン目つきで付けられる様式となり、解答する科目の場所を一つだけミシン目に沿って指でちぎる形となった。 ===理科の選択について=== 圧倒的に多いのは物理・化学の組み合わせでの受験者であるが、理二でおよそ3割、理三ではおよそ1割が化学・生物で受験する(理一ではほぼ皆無)。物理は生物よりもやや難易度が低いとされているが、得意なほうを選べばよい。東大受験者レベルでは数学と物理の成績にそれほど大きな相関はないので、数学が苦手だからといって短絡的に生物を選択するのは非合理である。化学・生物の組み合わせは問題量の多さから時間内の解答が特に困難であることに気をつけたい。合格点(理科一・二類受験者)は理科に関して言えば理想で、2科目全体(120点満点)で5割半~6割(65~75点)である。理科三類受験者は理科に関して言えば理想で、2科目全体(120点満点)で6割後半~7割後半(80~90点)である。2科目全体(120点満点)で90点も至難の業だが、これがコンスタントに取れる、さらには超えられるようであれば、90点以上からは得点はなかなか伸びにくいので90点台を維持する形で良い(理科全受験者対象)。もちろん確約ではないが、どの参考書にも普通に乗っているようなパターン化された標準レベル問題で全て構成されるとも思えないのでほぼ妥当と言える。 ===[[高等学校物理|物理]]=== 3つの大問からなる。それぞれ力学、電磁気学、その他の分野(波動、熱力学、原子物理)から出題される。 東大物理の最大の特徴は、一見簡単そうな問題でも、物理的思考力がなければまったく得点が望めないという巧妙さにある。このような問題に対処するには、ただ問題集を「こなす」だけの勉強をするのではなく、自分の頭で考えぬくという勉強が必要である。そのためには、問題集に載っている問題について自分なりの「問題研究」をしてみたり、さまざまな別解を考えてみたり(たとえば、物理的アプローチと数学的アプローチの両方から解いてみたり)することが大切である。 また、「高校物理において微積分を使うべきか、使うべきでないか」といった議論がたびたび見られるが、東大受験生については可能な限り微積分を使った勉強をしてほしい。というのも、いわゆる「公式物理」だけでは理解できなかった内容が、微積分を使った解析的考察を経由してはじめて理解できるということがままあるからである。当然ながら、答案にいちいち微積分を用いた公式の導出などを記す必要はない。たとえば、エネルギー保存則を使うのに、計算用紙では運動方程式から導いたとしても、答案ではいきなり「エネルギー保存則より、~~」と記述してよい。 *'''力学''' 重心系、円運動、単振動が頻出であり、他大学で取り扱われていないような題材での出題が目立つ。ただし、よく考えれば典型問題の組み合わせに落とし込めることがほとんどである。 *'''電磁気学''' 電磁誘導、直流回路が頻出である。交流回路が出ることはまれだが、2016年度には出題された。見慣れない素子(2006年度、2008年度のネオンランプ、2014年度の太陽電池)を用いた回路や、2011年度のコッククロフト・ウォルトン回路、2023年度のワット天秤(キブル天秤)のように、普段問題集で目にしないような問題が出題されるが、いずれも特別な対策を要する難問などではなく、回路の扱いの基本がきちんとわかっており、かつ問題文に与えられた条件をしっかり読み取ることができれば十分理解できる。ただし、計算が重かったり、交流回路では微積分を駆使した考察も必要になるので、解析的な回路の取り扱いになれる必要があるだろう。 *'''波動・熱力学・原子物理''' 波動と熱力学が交互に出題される傾向にあるが、年によっては前年度と同じ分野であったり原子の要素が入った波動の問題が出題されることもあり、まんべんなく学習する必要がある。原子物理については、出題範囲に入っている年度においても本格的なものは出題されておらず、単体の大問として出題されたのは直近では1995年に遡る。 波動は、ドップラー効果、光の干渉が頻出である。典型問題を応用すれば解ける問題が多いので、高得点が望めることが多い。 熱力学は、熱力学第一法則を使う問題が頻出で、よくある問題・見慣れない問題ともにこれを軸として解いていくことが多い。見慣れない問題の場合は、リード文で与えられる法則などの数式がどういうことを表しているのかきちんと理解している必要がある。 原子物理は学習が遅れがちな分野であるが、とりあえず教科書レベルの光電効果、コンプトン効果、ボーアモデル、核分裂反応(放射性崩壊及び半減期、質量欠損とエネルギーなど)はきっちりおさえておくべきである。 ===[[高等学校化学|化学]]=== 3つの大問からなる。ただし近年は各大問がそれぞれ2分割されており、実質的に6つの大問を解くことになる。3つの大問は、理論化学、無機化学、有機化学から出題される。設問に過程を書けという指定をされていない場合には解答のみで良く、採点時も解答以外は読まれない。この点において、書いていないことはやらなくて良い、書いてあることはやらなければならない、という東大入試の原則が貫かれている。 今まで取り扱われていないような新傾向の問題も数多く出題されているので、暗記に頼らない化学的な洞察力を普段から養っておく必要があろう。一見見ただけではわからなく、読み進めていくうちに段々と判るように作成していると思われる。但し、これらの新傾向の問題は何も高校化学を逸脱した内容ではなく、「既存の知識を応用してその場で考える」ものが大半である。したがって、何も高校化学を超える内容を詰め込む必要はない。特に「なお」や「但し」書きは解答する上で重要なヒントとなっていることが多いので、注意して読むこと。 小問数が多いので、設問単位の配点は少なく、部分点はほぼ期待できない。過程も示せとある計算問題であれば、式と答えの数値が一致してはじめて得点になると考えたほうがよい。 近年では問題量の増加が著しく、やや暴走気味である。2017年度入試からは、第1問に有機化学,第2問に無機(一部理論含む),第3問に理論化学と出題順序が変わっており、この出題形式が続いている(2022年現在)。 *'''理論化学''' 単位格子、蒸気圧、化学平衡に関する問題がよく出題される。また,無機化学や有機化学の問題で,理論化学の内容を踏まえた理由説明等も多く出題される。以前は理論化学の大問だけはI、IIに分かれておらず、各小問の質・量・配点いずれも大きかったが、最近は無機・有機とあまり変わらない構成になっている。極端な難問は減少傾向にあるので、取れるところはきっちりと得点したい。なお、高校内容を若干逸脱するが、混成軌道や、電荷均衡・濃度均衡を用いたpH計算を知っていると有利な問題の出題歴がある。 *'''無機化学''' 無機化学単独での大問は、過去25年を見ても非常に少ない。理論化学と無機化学の折衷的な問題がほとんどであり、無機化学の知識だけでは高得点は望めない。とはいえ知識がなければ話にならないのは言うまでもないことである。特に頻出なのは酸化還元反応、(未知の)電池、電気分解で、半反応式や電池式の意味を理解していなければ到底敵わない問題ばかりである。 *'''有機化学''' 以前はⅠⅡのうち一方が比較的易しい構造決定問題であったが、現在は有機合成や反応機構(2021年度)、高分子などが絡んだ考察力を要する問題が多く、典型的な構造決定問題はあまり出題されない。「東大化学は有機が得点源」という時代は終わったと言える。どの問題も高校内容を逸脱した知識は不要だが、有機電子論に基づいた理解があると見通しが良くなる問題も少なくない。 === [[高等学校生物|生物]] === 例年大問が3つ出題される。「生物の恒常性」などが頻出分野として挙げられるが、実際は過去問を見ると、「細胞」から「生態系」まで、高校生物の全範囲のうちどの分野からも出る可能性があることがわかる。他大学と東大の入試問題の大きく違うところは、受験生ならば触れたことは無いであろうと思われる話題について、大変長いリード文を精密に分析し、自分の持っている知識と照らし合わせながら示された現象を考察し、考察結果を指定行数に圧縮して解答を記述する点である。このため、単に知識を固めるだけでは高得点には結びつかないであろうと思われる。したがって、ある程度知識が固まったならば、過去問や各予備校の予想問題や模擬試験問題などを用いて、リード文を読解し、自分で解答を導き、実際に書く訓練を行わなければならない。 ===[[高等学校地学|地学]]=== 3つの大問からなる。1問目は毎年複雑な計算を伴う天文の問題が出題される。2問目は固体地球や海洋・気象、3問目は岩石・地質が出題されることが多い。いずれも計算・論述が主である。 地学は受験者が非常に少ないが、だからといって難度が低いわけではない。年による難易度の変動も大きい。教科書レベルの出題がある年もあるかと思えば、かなりの量の論述が求められ時間内に解けないこともある。確実に言えることとしては、他の科目同様高得点を狙うのは簡単ではない。 問題文が長いことがあるが、その中に問題を解く上で、非常に有用な情報が含まれることが多い。見たことも無く、訳も分からない話で、しかも長い問題文を見て、うろたえてしまう受験者もいるかもしれないが、そういうときこそ、最後まで、本文を読むと、答えを導けることがあるので、問題文は丁寧に読むことが求められる。また、前問が誘導となるケースも多いため、とにかく最初の問題に手を付けていくことが大事である。 数値計算は、東大地学では、有効数字1桁になるケースが多く見られる。有効数字の桁数が小さいと計算の手間は圧倒的に小さくなる上、雑な近似を行っても、値を間違えることは少ないが、雑な近似そのものに対する減点があるかもしれないので、丁寧に数値を出していく方が無難である。 ==外国語・[[高等学校英語|英語]](文科・理科共通)== 試験問題、試験時間、実施時間帯、配点など全てが文科・理科共通である。 試験時間は120分(うち聞き取り問題が30分)で、配点は120点。2月26日の14:00~16:00で前期日程では最後の筆記試験として実施される。第3問の聞き取り問題は、試験開始後約45分を経過した時点で開始される。 出題範囲は「コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」である。 試験問題は読解3問・英作文1問・聞き取り問題1問の5つの大問から構成されている。各大問とも説問は(A),(B),(C),…と分かれている<ref>第1•2•4問は(A)(B)、第3問は(A)(B)(C)、第5問は2019年度を除き(A)(B)(C)(D)にそれぞれ分かれている。なお2011年度第1問では例年の(B)相当部分がさらに(B)(C)に分けられていた。</ref>が、第5問を除きこれらは内容的にほぼ独立した出題である。要旨要約、文補充、英作文、聞き取り、文法・語法、英文和訳、長文読解問題とバラエティに富んだ出題がなされる。 以前は各設問の難易度は高くなかったが、ここ近年は質・量ともに上昇傾向にあり、注意が必要である。設問量の多さゆえ時間不足に陥りやすいため、高度な読解力が要求される。 時間も120分のうち、筆記は90分(聞き取り問題が30分)で4題を解答しなければならないので、決して余裕のある時間ではない(聞き取り問題への準備を考えれば、実質90分は無い)。時間が許す限りで難易度を見極めることが必要で他の大問に比べて得点が容易でないと判断したならばその大問は捨てると良い(客観問題は何かマークシートに塗っていることが好ましいが)。英作文・聞き取り・和訳は得点源とすべきだが、最近はいずれも難化してきている。特定の設問(3,4B等)で点数を獲ると言ったヤマを張った学習ではなく、どの設問もバランスよく対策して穴が無い学力を付けておくことが好ましい。合格点は難易度にもよるが、120点満点で70~80点ぐらいである。75点を超えれば合格者上位4割に、90点を超えれば合格者上位1割に入る。 試験科目名は「外国語」であり、英語の他にもドイツ語・フランス語・中国語が受験できるため、地理歴史・理科と同様に答案用紙の上辺にある半円形の科目選択部分をミシン目に沿って指で千切る必要がある(2015年度実施分より)。これは模試には無い点なので注意を要する。なお、英語を選択した場合は第4問・第5問を別言語に差し換えることができる。この場合は前述した3つの言語<ref>これらの3言語では、差し替えて解答する問題は出願時にその言語を選択した受験者に出題される問題の一部(Ⅳ•Ⅴ)と全く同じである。</ref>に韓国朝鮮語を加えた4つの言語から選択できる。 2015年度実施分よりマークシートによる解答方式が導入され、客観問題([1]B一部,[3],[4]A,[5]A,B,C)の解答記入はこちらへ移行となった。そのため、鉛筆(H・F・HB)の持参が必要である。なお、マーク数は2015年度では33個、2016年度と2017年度では32個、2018年度では35個であったが、これをマークするのに必要な時間を考慮すると、時間の余裕の無さに拍車が掛かったといえよう。 東大英語は2013年および2015年を境に、質・量ともに急激に上昇し、それが次年度以降も維持されている。これは一時的な難化ではなく、これからの「標準レベル」となる可能性がある。 以下2021年度現在の出題順に解説し、現在出題されていない形式の問題はその後に記述する。 *'''要旨要約問題''' (1988年を除き)長年、第1問(A)で出題されており、必出分野と言っても過言ではない。英文の長さは300語強で、毎年ほぼ一定であるが、解答の字数指定は年度ごとにまちまちであり、少ないときでは40字程度、多いときでは120字程度である。近年は70~80字程度が多い。配点は8~10点と予想される。ここ数年の問題は、本文を繋ぎ合わせるだけでは到底答案として成立しない抽象的そして高度な問題になっており、筆者のイイタイコトを掴むことすら難しいため、現代文と同じような能力が要求される。「要約せよ」ではなく「要旨をまとめよ」となっている場合は、必ずしも「筆者の主張を掴む」ことが主題ではないから、問題の指示をきちんと読む必要がある。対策としては、骨子となるポイントが2~3個あるので、まずはそれを見つける事である。こなした量に比例してスコアが伸びる問題とは言いにくく、量よりも質が大事になってくると言える。また、ただでさえ時間が非常に制約されていることに加えて前記のような抽象的そして高度な文章になったことを踏まえれば、満点を取るのは困難と言えるだろう。満点などと欲張らず、文の「キモ」となる部分はしっかり押さえるなどして部分点を狙うのも方法である。 *'''文補充問題''' 例年、第1問(B)(2011年度は(C))で出題されている。2013年度にそれまで第1問(B)で出されていた段落整序問題が削除され、2013年度~2015年度と続いて出題され、以降も出題されている。形式としては800〜1000語程度の長文に5つ空所があり、8つの選択肢(3つの選択肢は、ダミーセンテンス)から適切な記号を選んで埋めるというものである。消去法を容易に使うことができないだけでなく、本文で約2ページ、選択肢だけでも1ページほどの分量であるので、受験生の負担は段落整序に比べて軽減していない。2018年度には、本文を英文で端的に要約する問題が出題された。本文全体を理解した中で、文補充の設問を解きつつも(A)と同様に「結局この文章で筆者は何が言いたいのか」を簡潔に頭の中でまとめておく能力が要求されている。2019年度以降も、単語の補充、整序英作文等の書き問題が含まれている。配点は12点程度と予想される。 *'''英作文問題''' 例年、第2問で出題されている。2018年度以降は(A)で条件(自由)英作文、(B)で和文英訳が出題される。和文英訳は1997年を最後に削除されたが、2018年度に久しぶりに復活し、以後も出題されている。条件英作文は、傾向として、絵や図に対する説明、対話内容の要約、文章(あるいは対話)中の空所補充、テーマ作文の4つに分類できる。一見すると自由英作文のように見えるが、問題の指示により書くべき内容はほとんど決まってしまうような問題が多いので、無理に難しい構文を用いる必要はない。むしろ、2017年度の2(A)のように「書いてよいテーマは一つだけ」の問題が出ていることを鑑みると、60~80語程度の英文に膨らませられるだけの、書きやすいテーマを瞬時に発想するという能力が必須となっている。過去問・予想問題を駆使し、極力多くの問題に触れておくことが望ましい。和文英訳は5行程度の和文が出題され、その一部を英訳する形式だが、2020年度は抽象度の高い文が出題された。配点は2題合わせて24~30点と予想される。ただ、一文を羅列して語数を稼げば良いというものでもなく、文全体を通して「文章」とすることも心掛ける必要がある。同じ内容を二回書いたりすることは、語数の無駄になるため避けるべきである(「語数稼ぎ」をしていては高得点は望めない)。 *'''聞き取り問題''' 例年、第3問で出題されている。約30分という試験時間からも分かるとおり分量が多い。受験者はみな対策を十分にしてきているため、差をつけられやすい大問である。時間が惜しくとも開始5分前くらいに一度問題文を読むなどして、問題文の内容を把握し、確実に得点すべきであろう。最近は早口になってきているので、これに対応するために、速い読み上げに慣れておくとよい。配点はちょうど30点と予想される。ディクテーション(書き取り)は最近で2012年に出題されたが、この年を最後に消えており、マークシート記入形式となった関係で今後の出題はほぼないと考えてよい。ただし、正確に聞き取ることは重要であることに変わりはないので、東大の過去問等に登場したらきちんとやっておくことが好ましい。たとえ本番に出題されないとしても、英語の包括的な能力を鍛えることができるからだ。2018年度 からは選択肢が全て5択になり2022年度入試までの5年間ずっと続いていることで、今後は5択形式として出題されることと考えられる。 *'''文法・語法問題''' 例年、第4問(A)で出題されている。主に誤文訂正及び整序英作文問題である。誤文訂正問題は5段落構成の長文が出題され、各段落に1箇所ずつ含まれる語法・文法・文脈的な誤りを指摘する形式であり、読解問題としての側面が強い。早稲田大学のようなマニアックな出題はないため、基本的な文法知識・文法運用能力および、誤った箇所を即座に察知する能力が正否を分ける。整序英作文は2013、2015、2018と出ているので以前より出題頻度が上がっているといえ、また誤文訂正と同様長文化が進んでいる。配点は10点と予想される。 *'''英文和訳問題''' 長年第4問で出題されており、現在では(B)として出題される。長文中の2~3箇所の下線部を訳させる方式である。下線部のみを読んで訳すと意味を取り違えてしまうような箇所に下線が引かれている傾向があるため、前後関係や主語を明確にすることが必要である。中には傍線部において代名詞が何であるかを明確にして訳すように指示をされる場合も有るので、普段から代名詞が有った場合は何であるかを把握して訳す訓練をすることが好ましい。難易度は比較的それほど高くないが、いざ訳すとなると訳しづらい英文も一部ある。配点は12〜15点と予想される。 *'''長文総合読解問題''' 例年、第5問で出題されている。小説や随筆など、文学的な文章が多く出題される。基本的に受験生のバックグラウンドに基づくものではない(例:科学史がテーマの文章では、理科受験者は理科の知識でおおよそ何を書いているのか理解すること)、純粋な英語力を問う問題となっている。論説調の文章が出題されることが多い大学入試の中で、このような形式の文章を読みなれていない場合は、過去問を解くなりし、各自練習しておくべきである。全体的な流れを掴むために英文の脇に日本語で簡単なメモを記しておくとよい。文章の難易度は以前まで普通程度であったが、近年は晦渋な文章も多い。2015年度~2017年度は傾向が変化していたが、2018年度からは2014年度以前のような形式に戻った。また、小説であるために端折って読むと英文解釈に支障が出るため(一文一文を丁寧過ぎるほど深読みすると時間が無くなるが)最後まできちんと読むことが好ましく、時間の制約を受ける東大英語と言えど時間は確保しておくことが好ましい。対策としてはやはり過去問を研究するのが最も効果的だが、難易度が高いと感じるならば、小説がよく出題される他大、例えば明治大理工(レベルは標準)の過去問を解いてみるのもよいだろう。 問題形式としては(A),(B),(C)が整序英作文・下線部和訳・内容説明等の記述問題、(D)が単語補充や内容一致などの客観問題である。配点は20~25点と予想される。 *'''段落整序問題''' かつて第1問(B)で出題されており、晩年は長文化が著しかった。専用の参考書はほぼ無いため、主に過去問題集や予想問題集で対策を立てるとよいだろう。ちなみに、この設問形式が導入された当時は『捨て問』と言われていたが、2007年度にそれまで長らく続いてきた形式が一変し、易化した。その後、2012年を最後に出題されていないが、東大入試は昔の傾向が突然復活したりすることが(英語に限らずどの科目においても)ままあるため、今後の動向に注意が必要である。配点は8~12点と予想される。 *'''段落補充問題''' 2016年度と2017年度に第1問(B)で出題された。段落整序と文補充の中間の能力が問われる。2016年度は選択肢の数が空所の数と同じであったが、2017年度はダミーセンテンス(本文の内容とは全く関係ない選択肢)が含まれる形式になっており、基本はこのダミーセンテンスが1つ含まれる形式の問題に慣れておいた方が好ましい。また、2016年度、2017年度には、文に合う単語を一語補充を求める問題が出題され、後者では「~で始まる英単語」というヒントが付いた。配点は8~12点と予想される。 ==面接(理科三類受験者対象)== 2018年度入試より、理科三類受験者(二段階選抜の第一段階合格者)全員に対して筆記試験全日程終了の翌日(2月27日)に課されることとなった。会場は、理科の筆記試験の受験会場と同じ本郷キャンパス内である。1999年以来、面接試験が復活することとなった。 ==学校推薦型選抜== 2015年度入試をもって後期日程が廃止されたことに伴い、この日程で募集される100名は2016年度入試より全て推薦入試での募集に移行された。合格者は入学時点で学部学科が決定するため、進振りを経ずに各学部学科に進むことができる。受験生には出願した学科に該当する内容のみについて卓越した能力が求められ、留学経験があると望ましいとされる。学力検査はセンター試験(2021年度以降は共通テスト)のみが使用され、8割程度が合格ラインとなる予定である。なお、推薦入試で不合格であっても前期日程入試を受けることができる(逆はない)。 2021年度より、名称が「学校推薦型選抜」に変更された。 ==模試== 東大入試のための模試には、前述のように駿台・Z会による『東大入試実戦模試』、河合塾による『東大入試オープン』、SAPIX YOZEMI GROUPによる『東大入試プレ』、東進ハイスクールによる『東大本番レベル模試(高3卒生対象)』と『高2東大本番レベル模試(高2生対象)』があり、このうち前三社は夏・冬の年2回実施され、『東大本番レベル模試』は初夏・夏・秋・共通テスト後の年4回実施される。いずれも一般選抜(前期日程のみ)対応で、判定も一般選抜のみである。外国語はいずれも英語のみ実施である。試験日程は、一般選抜と同じ2日間である(但し、河合塾は1日で実施。東進の『東大本番レベル模試』については、最終回のみ2日間)。所謂3大予備校の行う模試は、現役・浪人受験生の比率、地方別の受験生の分布、男女の割合などが、東大入試とほぼ重なる結果となっている。また、第1回は直近の東大入試の形式にできるだけ近づけるという方針をとっているようだが、出題範囲については現役生の進度が考慮されている(たとえば、理系数学ならば数学Ⅲの積分は出ない、化学ならば高分子化合物は出ないといった具合)。一方で第2回は各予備校がある程度自由な出題をしているようで、「東大らしくない」試験になっていることもあるが、当の東大がいきなり傾向をガラッと変えることがあることを考慮すると、むしろ対策に効果的だといえる。 以下に、各模試の特徴を記す。 *東大入試実戦模試 **東大入試実戦模試受験者限定として、東大実戦ブラッシュアップ講座(発展問題添削指導 + WEB発展講義)が開講される。 **駿台文庫から過去の旧・東大入試実戦模試を集めた問題集(「東京大学への~」)が市販されているため、何度でも練習することが出来る。 **8月に実施される第1回のみ、試験日程だけでなく、開始時間帯も本番に準拠している。 **2015年度実施分より英語は本番に準拠するためにマークシート答案があるが、模試で使用したマークシートは答案返却の際には返却されない。 **東大模試の中で問題の難易度が最も高いとされているが、近年はおだやかになってきている。しかしながら、かつてが非常に難易度が高かっただけに現在もそれなりの難易度ではある。また、採点基準は非常に厳しめに設定されている。 **解答用紙の形式はかなり本番に近い。 **答案は2021年実施分よりWeb返却のみ(駿台のマイページにPDF形式で掲載。掲載期間は、第1回・第2回共にWeb公開開始日から3ヶ月間。)となった(紙の答案での返却は廃止)。 **現役生向けイベント「東大本番実戦テスト講座(文類型・理類型)」(テスト/添削付+解説講義)が2月初頭にある。俗に第3回東大実戦と言われている。文科・理科それぞれの1日目と2日目の本番に準じたスケジュールで受験できる(但し、公開模試ではなくあくまで講習の扱いなので志望科類の判定は行わない。また、理科で地学を選択できない。)。駿台模試受験者は、特別価格で受験することが出来る(専用申込書による提出が必要)。また、東大入試実戦模試と違い、英語の試験で使用するマークシートは返却される。 *東大入試オープン **河合出版から過去2年分の東大入試オープン(旧・東大即応オープンを含む)問題集(「入試攻略問題集 東京大学」)が市販されているため、何度でも練習することが出来る。 **東大模試の中で、合否判定が最も易しい(A~Dの4段階判定である)。 **東大模試の中で、最も受験者数が多い。 **2023年度(2024年度入試対策)は、1回・2回ともに1日完結での実施となった。 **2015年度実施分より英語は本番に準拠するためにマークシート答案があるが、模試で使用したマークシートは答案返却の際には返却されない。 **東大模試の中では最も本番の難易度に近いとされているが、理科の難易度は例年高めのようである。 **数学の答案用紙に関して本学二次個別学力検査では横長で裏表1枚で答案作成そして氏名と受験番号は左下に書く形式だが、本模試では縦長で表のみで4枚(文科類)あるいは6枚(理科類)で答案作成そして氏名と受験番号は真下に書く形式形式となり、本番の書式と全く異なる。 **理科の解答用紙に関しても、書式は同じであるが、本学二次個別学力検査では裏表一枚(一面に第1問と第2問、多面に第3問の解答欄)であるのに対し、本模試では片面刷りの答案用紙三枚(第1問から第3問分)ととなっている。但し、第1問と第2問は答案用紙紙半分だけが解答欄のスペースであるのに対し、第3問は答案用紙全部のスペースであることは変わらない。 **河合塾直前講習の「東大本番プレテスト(文類型・理類型)」(テスト/添削付+解説講義)が2月初頭にある。俗に第3回東大入試オープンと呼ばれている。文類・理類それぞれの1日目と2日目の本番に準じたスケジュールで受験できる(但し、公開模試ではなくあくまで直前講習なので志望科類の判定は行わない。また、理科で地学を選択できない。)。先述した駿台の「東大本番実戦テスト講座」と共に本番に準じたスケジュールで受験できる最後の東大模試、そして本番の時間帯に準拠している数少ない東大模試と言っても過言ではない。また駿台とは違い、現役浪人問わず受験ができる。第2回東大入試オープン受験者は、特別価格で受験することが出来る(専用申込書による提出が必要)。また、東大入試オープンと違い、英語の試験で使用するマークシートは返却される。 *東大入試プレ **代々木ライブラリーから過去の東大入試プレを集めた問題集(「東大入試プレ問題集~」)が市販されているため、何度でも練習することが出来る。 **東大模試の中で、合否判定が最も厳密である(A~E判定の他に、具体的なパーセンテージも示される)。 **東大模試の中で試験問題の難易度が比較的易しいが、本番の難易度により近いとも取れる。 **実戦模試・オープンと同様、過去の入試プレ模試を集めた問題集が市販されているため、何度でも練習することが出来る。 **実戦模試・オープンと比べると、若干受験者数が少ない。但し、第2回については受験者はそれなりにいる。 **試験日程は2日間だが、1日目は午後からの開催である。 **2015年度実施分より英語は本番に準拠するためにマークシート答案があるが、模試で使用したマークシートは答案返却の際に返却される。 **記述解答用紙は極めて本番に近い。 **代ゼミ本校舎(本部校代ゼミタワーを除く5校舎)では2日間実施、外部特設会場では1日完結実施と言う形となっている。本部校代ゼミタワーは2日連続開催であるが、1日完結実施である(いずれかの日程を選択して1日で受験する必要あり,2日間がけでの受験は不可)。 *東大本番レベル模試(高3卒生対象) **計4回(年内3回・年明け1回=最終回)実施される。 **第1~3回は1日完結、最終回(年明け)は2日間での実施となる。 **2015年度実施分より英語は本番に準拠するためにマークシート答案があるが、模試で使用したマークシートは答案返却の際には返却されない。 **上記の3大模試に比べると知名度は下がる。 **答案返却までの期間は4社の中で最も早い。採点の質も比較的悪いと言われている。 **昔、成績表に偏差値、順位、合否判定は記載されなかったが、2015年6月のものから記載されるようになった。 **日本史は、講師と東大の大学院生(日本史学科)が協力して作問している。 **数学と理科は、難易度が高めに設定されている(場合によっては駿台よりも高い)。 **浪人生は1浪のみ受験できる。 *高2東大本番レベル模試(高2生対象) **東大本番レベル模試が高3卒を対象としているのに対し、高2を対象としている。 **東大本番レベル模試と同様に計4回(年内3回・年明け1回=最終回)実施され、年内3回は1日完結、最終回は2日間開催となっている。 合否判定が良い人間ほど、東大合格をより多く勝ち取っていることは事実である。しかし、C・D判定しか取れなくても、合格することは努力次第で十分に可能である。逆に、A・B判定を取れていても、その後努力を怠り不合格となっている者も少なからずいるため、判定に一喜一憂することなく、復習をしっかり行い、見つかった弱点を補強し、こつこつと受験勉強に励むべきである。 ==その他== 財団法人東京大学新聞社から東京大学新聞というものが発行され、『受験生特集号』など東大にまつわる色々な情報が提供されている。また、東京大学新聞は定期購読もできる。 ==関連リンク== *[http://www.u-tokyo.ac.jp/index_j.html 東京大学]:大学公式サイト == 出典 == <references /> [[Category:大学入試|とうたいたいさく]]
2004-09-07T08:11:42Z
2023-09-18T03:58:13Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E5%AF%BE%E7%AD%96
626
九大対策
本項は、九州大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。 九州大学(九大)は、我が国で4番目に設立された帝国大学である。 入試問題は標準レベル問題が主で、難しい問題や奇問が出題されることはほとんどなく、実力が結果に反映されやすい入試内容になっている。倍率も近年はほとんどの学部が2~2.5倍のレンジにあり、一昔前に比べると競争率は落ち着いてきている。 また、九大では一般入試だけでなくAO入試も多くの学部学科で実施しており、多様な学生を集めている。ここでは一般入試対策に限定して記述する。 以下、教科ごとの対策を記述する。なお、学部・学科ごとに課せられる課目が異なるので募集要項などを参照されたい。 九州大学の外国語は英語・独語・仏語から選択できる。ここでは英語について述べる。 試験時間は120分。比較的長い文章の一部を日本語訳したり、要点をつかませる問題がいくつか出題される。また、文字数を指定されたテーマ作文を書かせる問題も出題される。難解な語彙はあまり見受けられない。ただ、時間的に余裕があるとは言えないので素早く英文を読む練習を積んでおくといいだろう。 大問5つから成り、大問1 - 3は典型的な国公立2次型の長文問題である。和訳問題と説明問題を軸とし、内容一致や空欄補充の記号問題も出題される。例年大問1 - 3のうちどれか1つは小説かエッセーである。小説はやや難度が高い。 大問4が和文英訳、大問5が自由英作である場合が多いが、数年おきに自由英作の代わりに英文要約が出題されたりする。 理系は文系と違って、現代文のような要約問題を解く機会がないので、無対策だと理系には少し厳しいかもしれない。現代文ほどの難しい要約ではないので、きちんとした対策を講じれば理系であっても合格点は望めるであろう。 また、近年は大問3の設問(和訳しなさい、正しい記号を選びなさいなどの指示)が全て英語で書かれていることが多く、今後もこの傾向が続くものと思われる。ただ読めないほど難しいと言うことはないので、過去問を解いておき、なれておく程度で十分だと思われる。 2016年度は、大問3と4が一つの設問となり、長文を読ませた後、その長文に関して自由英作文を書かせる問題が出題された。2017年度には元の大問5つの形式に戻ってはいるが、今後このような設問形式になる可能性もあることを覚えておきたい。 過去問は最低でも直近の3年分(駿台の青本が対応)はやっておいた方が好ましい。もう少し欲しいならば、直近の5年分(教学社の赤本が対応)でも良い(他科目との折り合いを考えれば、分量としてはこれが限界かもしれない)。前記の過去問と、九大対応模試さらには公開模試の問題を併せてやるとなお良い。基本はこの分量で十分である。あまり無いと思うが、これらを完璧にやり終えてそれでも足りなければ、足していく形で良い。ただ、本番まで時間が残り少ないのであれば、足していくよりは公式を再確認やこれまでに扱った問題の答案作成の精度向上に使った方が賢明である。 文系数学は大問が四つで試験時間は120分である。標準レベルのものが大半で、ややレベルが高い融合問題も数問出題される。標準レベルの問題をすべて解くことが出来れば、数学に関しては周囲に差をつけられることはないだろう。ただし、国語や英語で苦手科目がある受験生は、このやや難の融合問題でも部分点をしっかり稼がなければならない。これらの融合問題は決して歯が立たないような問題ではなく、典型問題を組み合わせたような内容であるため、基礎をしっかり固めていれば解ける問題である。本学過去問を基に対策を進めていくことで前記の基礎学力そして本学合格のために必要な合格点を獲得する力を身に付けていくことが好ましい。 理系数学は大問が五つである。標準的な問題が中心であるが、やや難易度の高い問題も毎年出題される。配点も高いので力を入れて対策すべきであろう。 どの問題も最初の小問は簡単なことが多いのでまったく手をつけられないということはない。完答できなくても小問で部分点を取っていけば合格は可能である(医学部医学科を除く)。過去問によく似た問題が出ることもあり、また他の難関大に出た問題の類題もちらほら見受けられる。 解答用紙は小問ごとに書く場所が決まっており、スペースもあまりないので要領よく記述することが大切である。 出題頻度が高い分野は、微積分(数学III)、ベクトル、確率、複素数平面。このうち微積分とベクトルは比較的平易な問題が多く、取りこぼしは許されない。ただし、微積分に関しては最後の積分の数値計算が煩雑なことが多く、根気よく計算する力も必要。確率は、設定が複雑な問題がよく出題されるが、大問の最後の小問以外は簡単に答えを出せるものが多いため、諦めず設問をじっくり読み設定をつかむ訓練をしておきたい。 文学部は現代文一題、古文二題、漢文一題。 経済・教育・法学部は現代文二題、古文・漢文各一題。試験時間は120分。 経済学部(経済工学科)は現代文二題である。試験時間は80分。 以下、経済・教育・法学部の国語について解説する。 現代文は硬質な文章が出題され、書きづらい問題が多いので、難易度は難だと言える。 特に指示語問題は凝った感じに問題が出題されることが多く、過去には指示語「それ」が指す部分が、傍線部の後ろであったりと難易度が高いことが多い。また、かつては120点中20点を占めていた漢字の書き取り問題がなくなり、読解力が全てを決める出題になったのも特徴だ。 以上より、高度な論述力・理解力・論理的思考力が問われていると言えるであろう。 古文は標準的な問題である。文学部と異なり有名でない出典から出題されることが多い。 ただ、私立文系で見られるような少しマニアックな知識問題が出されるので注意。 また九州大学はほぼ毎年文学史を出しているので、しっかりと対策しておきたい。 漢文は古文や現代文に比べると、非常に標準的で解き易い。出来ればまず漢文を片付けたい所である。特に九大に特徴的な問題はないが、ほぼ毎年文学史を問われるのでしっかりと対策しておきたい。 以上より九州大学の国語は、知識科目の古典でできるだけ点数を落とさないようにし、理解・思考科目の現代文でがっつり点を稼ぎに行くという方向性が良いと思われる。 前期日程は二科目受験で、試験時間は二科目でまとめて150分である(一科目ごとの時間配分は厳密に設けられておらず、一科目終了後の答案回収は行わない)。 学部学科ごとの必要受験科目は以下である。 (前期日程) ・医学部(生命科学科・保健学科看護学専攻)・歯学部・薬学部・芸術工学部-物理・化学・生物から二科目選択 ・理学部・農学部-物理・化学・生物・地学から二科目選択 ・工学部・医学部医学科-物理・化学の二科目必須 ・医学部保健学科放射線技術科学専攻-物理必須/化学・生物から一科目選択 ・医学部保健学科検査技術科学専攻-化学必須/物理・生物から一科目選択 (後期日程) ・理学部(化学科のみ)-化学の一科目必須 九州大学の化学の特徴は、とにかく時間がたりないということであろう。理科を二教科課せられている学部・学科の受験生はもう一つを早く終らせ、化学に充てられる時間を多くとるべきである。 難易度から言っても、易 - 難とバランスよく出題されており点数差のつきやすい出題と言える。標準問題を完璧に仕上げることで有利になることは間違いない。 例年大問は5つで、1 - 3が理論・無機、4が有機、5が高分子。理論で特徴的なのが、化合物の電子式を聞くことが多い点である。代表的な化合物の電子式については書けるようにしておきたい。 有機は標準的な問題で構成され、頑張れば満点も狙えることが多い。現役生は有機の対策が疎かになりがちだが、九大化学においては致命的になりかねないので早めに構造決定などの練習はしておくこと。 物理は大問が3題である。大問1は力学、大問2は電磁気が出題される。大問3は波動、熱力学、原子物理のいずれかが出題される。 問題文が長いことが多く、面食らうかもしれないが、寧ろ問題文が長いということはその分ヒントが多く問題文に散りばめられていると言うことであり、問題文をしっかり読むべきである。 解答用紙には、単位が必要な設問には基本的に単位が付けられている。 新課程になり、原子物理が課程に入ったが、過去原子が課程に入っていた頃は原子物理に関する問題を多く出していたこともあり、今後も原子が出る頻度が高くなる恐れがある。現役生は、特に原子に関して対策を後にしてしまいがちだが、九大物理を受験する人で、原子が得意でない人は、重要問題集など学校配布の基本問題集で演習しておくこと。 尚、2017年度入試では大問3で波動と原子の融合問題が出題された。 ここ数年は難化が進んでいる。 教科書外の用語も問われるため、注意が必要。 論述問題に関しては、基礎事項を確実に100字~150字でまとめられる力が必要になる。 九大対応模試として、河合塾の九大入試オープン*令和2年度は中止,SAPIX YOZEMI GROUPの九大入試プレ(8月中開催),駿台の九大入試実戦模試,東進の九大本番レベル模試(2020年度は、年3回実施)がある。各予備校は、大学の傾向を徹底的にチェックして大学別の予想問題を作成しており、また、多くの九大志願者が受験する為、受験すれば本番の入試に向けて大きな指針となる。本番の雰囲気に慣れることにもなる。これらの模試と、センター試験対策のマーク模試でドッキング判定(総合判定)される場合が多いので、出来れば、ドッキング対象のマーク模試も同時に受験すると良い。また過去問だけでも物足りなさを感じるのであれば、河合出版からの過去の九大入試オープンを5回分を収録した問題集「入試攻略問題集 九州大学」(英語・数学)が市販されているため、時間があれば取り組んでみるのもよい。 四社で幅広い期間(2020年は7月・8月・10/11月開催、そして夏休み終了までで3回、9月から本番までで3回実施)で分散して受験できるようになったことから九大合格へ向けての習熟度が適宜把握できるメリットが生じたと言える。本学志願者はこれらの模試を可能な限りで受験することをお勧めする。四社合わせて最大6回受験できることになるが、復習そして共通テストを考えれば、全社そして全回受験するのはさすがに過多であるだろう。いくら2次重視とはいえ、総点に加算される以上、共通テストの成績も侮れないし、万全な対策は必要である。ただし、目的は九大模試で良い判定をとることではなく「九州大合格」とすべきであり、九大模試はあくまで合格に向けての弱点補強や傾向を知るためのきっかけそして手段であるに過ぎず、模試の判定に一喜一憂しないことが大切である。成績は短期(1~2週間程度)でそんなに大きく変わらないし、全6回分を受験すれば必ず合格できる或いは合格できる実力が付くとは限らないし、受験しても受験しただけで消化不良になってしまえば全くの無意味でそのようになれば、受験しない方がマシである。自身のの処理能力を考えて適当な受験回数(予備校模試はどこでも可)を選んで取り組んでほしい。 加えて、主に高1・2生が対象になるが、2023年度は東進で「九大入試直近日体験受験」(3月5日)という模試が開催される。これは同年の前期日程入試本番に出題された問題を直近日に同解答時間・同スケジュール(但し、終了時刻は異なる)で解くというものである。試験開始と終了の時刻は違えど、前期日程入試と同じスケジュールで試験を受けることができる(医学部医学科の面接試験は実施せず)。高3卒対象の「本番レベル模試」とは違った本番ならではの感覚を味わうまたとない機会と言えるので、本学を希望するならば受験しておくと良いかもしれない。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本項は、九州大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "九州大学(九大)は、我が国で4番目に設立された帝国大学である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "入試問題は標準レベル問題が主で、難しい問題や奇問が出題されることはほとんどなく、実力が結果に反映されやすい入試内容になっている。倍率も近年はほとんどの学部が2~2.5倍のレンジにあり、一昔前に比べると競争率は落ち着いてきている。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "また、九大では一般入試だけでなくAO入試も多くの学部学科で実施しており、多様な学生を集めている。ここでは一般入試対策に限定して記述する。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "以下、教科ごとの対策を記述する。なお、学部・学科ごとに課せられる課目が異なるので募集要項などを参照されたい。", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "九州大学の外国語は英語・独語・仏語から選択できる。ここでは英語について述べる。", "title": "外国語" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "試験時間は120分。比較的長い文章の一部を日本語訳したり、要点をつかませる問題がいくつか出題される。また、文字数を指定されたテーマ作文を書かせる問題も出題される。難解な語彙はあまり見受けられない。ただ、時間的に余裕があるとは言えないので素早く英文を読む練習を積んでおくといいだろう。", "title": "外国語" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "大問5つから成り、大問1 - 3は典型的な国公立2次型の長文問題である。和訳問題と説明問題を軸とし、内容一致や空欄補充の記号問題も出題される。例年大問1 - 3のうちどれか1つは小説かエッセーである。小説はやや難度が高い。 大問4が和文英訳、大問5が自由英作である場合が多いが、数年おきに自由英作の代わりに英文要約が出題されたりする。 理系は文系と違って、現代文のような要約問題を解く機会がないので、無対策だと理系には少し厳しいかもしれない。現代文ほどの難しい要約ではないので、きちんとした対策を講じれば理系であっても合格点は望めるであろう。", "title": "外国語" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "また、近年は大問3の設問(和訳しなさい、正しい記号を選びなさいなどの指示)が全て英語で書かれていることが多く、今後もこの傾向が続くものと思われる。ただ読めないほど難しいと言うことはないので、過去問を解いておき、なれておく程度で十分だと思われる。", "title": "外国語" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "2016年度は、大問3と4が一つの設問となり、長文を読ませた後、その長文に関して自由英作文を書かせる問題が出題された。2017年度には元の大問5つの形式に戻ってはいるが、今後このような設問形式になる可能性もあることを覚えておきたい。", "title": "外国語" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "過去問は最低でも直近の3年分(駿台の青本が対応)はやっておいた方が好ましい。もう少し欲しいならば、直近の5年分(教学社の赤本が対応)でも良い(他科目との折り合いを考えれば、分量としてはこれが限界かもしれない)。前記の過去問と、九大対応模試さらには公開模試の問題を併せてやるとなお良い。基本はこの分量で十分である。あまり無いと思うが、これらを完璧にやり終えてそれでも足りなければ、足していく形で良い。ただ、本番まで時間が残り少ないのであれば、足していくよりは公式を再確認やこれまでに扱った問題の答案作成の精度向上に使った方が賢明である。", "title": "数学" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "文系数学は大問が四つで試験時間は120分である。標準レベルのものが大半で、ややレベルが高い融合問題も数問出題される。標準レベルの問題をすべて解くことが出来れば、数学に関しては周囲に差をつけられることはないだろう。ただし、国語や英語で苦手科目がある受験生は、このやや難の融合問題でも部分点をしっかり稼がなければならない。これらの融合問題は決して歯が立たないような問題ではなく、典型問題を組み合わせたような内容であるため、基礎をしっかり固めていれば解ける問題である。本学過去問を基に対策を進めていくことで前記の基礎学力そして本学合格のために必要な合格点を獲得する力を身に付けていくことが好ましい。", "title": "数学" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "理系数学は大問が五つである。標準的な問題が中心であるが、やや難易度の高い問題も毎年出題される。配点も高いので力を入れて対策すべきであろう。", "title": "数学" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "どの問題も最初の小問は簡単なことが多いのでまったく手をつけられないということはない。完答できなくても小問で部分点を取っていけば合格は可能である(医学部医学科を除く)。過去問によく似た問題が出ることもあり、また他の難関大に出た問題の類題もちらほら見受けられる。", "title": "数学" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "解答用紙は小問ごとに書く場所が決まっており、スペースもあまりないので要領よく記述することが大切である。", "title": "数学" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "出題頻度が高い分野は、微積分(数学III)、ベクトル、確率、複素数平面。このうち微積分とベクトルは比較的平易な問題が多く、取りこぼしは許されない。ただし、微積分に関しては最後の積分の数値計算が煩雑なことが多く、根気よく計算する力も必要。確率は、設定が複雑な問題がよく出題されるが、大問の最後の小問以外は簡単に答えを出せるものが多いため、諦めず設問をじっくり読み設定をつかむ訓練をしておきたい。", "title": "数学" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "文学部は現代文一題、古文二題、漢文一題。 経済・教育・法学部は現代文二題、古文・漢文各一題。試験時間は120分。 経済学部(経済工学科)は現代文二題である。試験時間は80分。", "title": "国語" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "以下、経済・教育・法学部の国語について解説する。", "title": "国語" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "現代文は硬質な文章が出題され、書きづらい問題が多いので、難易度は難だと言える。 特に指示語問題は凝った感じに問題が出題されることが多く、過去には指示語「それ」が指す部分が、傍線部の後ろであったりと難易度が高いことが多い。また、かつては120点中20点を占めていた漢字の書き取り問題がなくなり、読解力が全てを決める出題になったのも特徴だ。 以上より、高度な論述力・理解力・論理的思考力が問われていると言えるであろう。", "title": "国語" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "古文は標準的な問題である。文学部と異なり有名でない出典から出題されることが多い。 ただ、私立文系で見られるような少しマニアックな知識問題が出されるので注意。 また九州大学はほぼ毎年文学史を出しているので、しっかりと対策しておきたい。 漢文は古文や現代文に比べると、非常に標準的で解き易い。出来ればまず漢文を片付けたい所である。特に九大に特徴的な問題はないが、ほぼ毎年文学史を問われるのでしっかりと対策しておきたい。", "title": "国語" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "以上より九州大学の国語は、知識科目の古典でできるだけ点数を落とさないようにし、理解・思考科目の現代文でがっつり点を稼ぎに行くという方向性が良いと思われる。", "title": "国語" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "前期日程は二科目受験で、試験時間は二科目でまとめて150分である(一科目ごとの時間配分は厳密に設けられておらず、一科目終了後の答案回収は行わない)。 学部学科ごとの必要受験科目は以下である。 (前期日程) ・医学部(生命科学科・保健学科看護学専攻)・歯学部・薬学部・芸術工学部-物理・化学・生物から二科目選択 ・理学部・農学部-物理・化学・生物・地学から二科目選択 ・工学部・医学部医学科-物理・化学の二科目必須 ・医学部保健学科放射線技術科学専攻-物理必須/化学・生物から一科目選択 ・医学部保健学科検査技術科学専攻-化学必須/物理・生物から一科目選択", "title": "理科" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "(後期日程) ・理学部(化学科のみ)-化学の一科目必須", "title": "理科" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "九州大学の化学の特徴は、とにかく時間がたりないということであろう。理科を二教科課せられている学部・学科の受験生はもう一つを早く終らせ、化学に充てられる時間を多くとるべきである。", "title": "理科" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "難易度から言っても、易 - 難とバランスよく出題されており点数差のつきやすい出題と言える。標準問題を完璧に仕上げることで有利になることは間違いない。", "title": "理科" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "例年大問は5つで、1 - 3が理論・無機、4が有機、5が高分子。理論で特徴的なのが、化合物の電子式を聞くことが多い点である。代表的な化合物の電子式については書けるようにしておきたい。 有機は標準的な問題で構成され、頑張れば満点も狙えることが多い。現役生は有機の対策が疎かになりがちだが、九大化学においては致命的になりかねないので早めに構造決定などの練習はしておくこと。", "title": "理科" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "物理は大問が3題である。大問1は力学、大問2は電磁気が出題される。大問3は波動、熱力学、原子物理のいずれかが出題される。 問題文が長いことが多く、面食らうかもしれないが、寧ろ問題文が長いということはその分ヒントが多く問題文に散りばめられていると言うことであり、問題文をしっかり読むべきである。", "title": "理科" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "解答用紙には、単位が必要な設問には基本的に単位が付けられている。", "title": "理科" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "新課程になり、原子物理が課程に入ったが、過去原子が課程に入っていた頃は原子物理に関する問題を多く出していたこともあり、今後も原子が出る頻度が高くなる恐れがある。現役生は、特に原子に関して対策を後にしてしまいがちだが、九大物理を受験する人で、原子が得意でない人は、重要問題集など学校配布の基本問題集で演習しておくこと。 尚、2017年度入試では大問3で波動と原子の融合問題が出題された。", "title": "理科" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "ここ数年は難化が進んでいる。 教科書外の用語も問われるため、注意が必要。 論述問題に関しては、基礎事項を確実に100字~150字でまとめられる力が必要になる。", "title": "理科" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "九大対応模試として、河合塾の九大入試オープン*令和2年度は中止,SAPIX YOZEMI GROUPの九大入試プレ(8月中開催),駿台の九大入試実戦模試,東進の九大本番レベル模試(2020年度は、年3回実施)がある。各予備校は、大学の傾向を徹底的にチェックして大学別の予想問題を作成しており、また、多くの九大志願者が受験する為、受験すれば本番の入試に向けて大きな指針となる。本番の雰囲気に慣れることにもなる。これらの模試と、センター試験対策のマーク模試でドッキング判定(総合判定)される場合が多いので、出来れば、ドッキング対象のマーク模試も同時に受験すると良い。また過去問だけでも物足りなさを感じるのであれば、河合出版からの過去の九大入試オープンを5回分を収録した問題集「入試攻略問題集 九州大学」(英語・数学)が市販されているため、時間があれば取り組んでみるのもよい。", "title": "理科" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "四社で幅広い期間(2020年は7月・8月・10/11月開催、そして夏休み終了までで3回、9月から本番までで3回実施)で分散して受験できるようになったことから九大合格へ向けての習熟度が適宜把握できるメリットが生じたと言える。本学志願者はこれらの模試を可能な限りで受験することをお勧めする。四社合わせて最大6回受験できることになるが、復習そして共通テストを考えれば、全社そして全回受験するのはさすがに過多であるだろう。いくら2次重視とはいえ、総点に加算される以上、共通テストの成績も侮れないし、万全な対策は必要である。ただし、目的は九大模試で良い判定をとることではなく「九州大合格」とすべきであり、九大模試はあくまで合格に向けての弱点補強や傾向を知るためのきっかけそして手段であるに過ぎず、模試の判定に一喜一憂しないことが大切である。成績は短期(1~2週間程度)でそんなに大きく変わらないし、全6回分を受験すれば必ず合格できる或いは合格できる実力が付くとは限らないし、受験しても受験しただけで消化不良になってしまえば全くの無意味でそのようになれば、受験しない方がマシである。自身のの処理能力を考えて適当な受験回数(予備校模試はどこでも可)を選んで取り組んでほしい。", "title": "理科" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "加えて、主に高1・2生が対象になるが、2023年度は東進で「九大入試直近日体験受験」(3月5日)という模試が開催される。これは同年の前期日程入試本番に出題された問題を直近日に同解答時間・同スケジュール(但し、終了時刻は異なる)で解くというものである。試験開始と終了の時刻は違えど、前期日程入試と同じスケジュールで試験を受けることができる(医学部医学科の面接試験は実施せず)。高3卒対象の「本番レベル模試」とは違った本番ならではの感覚を味わうまたとない機会と言えるので、本学を希望するならば受験しておくと良いかもしれない。", "title": "理科" } ]
日本の大学受験ガイド > 九州大対策 本項は、九州大学の「一般入学試験」対策に関する事項である。 九州大学(九大)は、我が国で4番目に設立された帝国大学である。 入試問題は標準レベル問題が主で、難しい問題や奇問が出題されることはほとんどなく、実力が結果に反映されやすい入試内容になっている。倍率も近年はほとんどの学部が2~2.5倍のレンジにあり、一昔前に比べると競争率は落ち着いてきている。 また、九大では一般入試だけでなくAO入試も多くの学部学科で実施しており、多様な学生を集めている。ここでは一般入試対策に限定して記述する。 以下、教科ごとの対策を記述する。なお、学部・学科ごとに課せられる課目が異なるので募集要項などを参照されたい。
{{wikipedia|九州大学}} *[[日本の大学受験ガイド]] > [[九大対策|九州大対策]] 本項は、[[w:九州大学|九州大学]]の「一般入学試験」対策に関する事項である。 九州大学(九大)は、我が国で4番目に設立された帝国大学である。 入試問題は標準レベル問題が主で、難しい問題や奇問が出題されることはほとんどなく、実力が結果に反映されやすい入試内容になっている。倍率も近年はほとんどの学部が2~2.5倍のレンジにあり、一昔前に比べると競争率は落ち着いてきている。 '''また、九大では一般入試だけでなくAO入試も多くの学部学科で実施しており、多様な学生を集めている。ここでは一般入試対策に限定して記述する。''' 以下、教科ごとの対策を記述する。なお、学部・学科ごとに課せられる課目が異なるので募集要項などを参照されたい。 == 外国語 == 九州大学の外国語は英語・独語・仏語から選択できる。ここでは英語について述べる。 試験時間は120分。比較的長い文章の一部を日本語訳したり、要点をつかませる問題がいくつか出題される。また、文字数を指定されたテーマ作文を書かせる問題も出題される。難解な語彙はあまり見受けられない。ただ、時間的に余裕があるとは言えないので素早く英文を読む練習を積んでおくといいだろう。 大問5つから成り、大問1 - 3は典型的な国公立2次型の長文問題である。和訳問題と説明問題を軸とし、内容一致や空欄補充の記号問題も出題される。例年大問1 - 3のうちどれか1つは小説かエッセーである。小説はやや難度が高い。 大問4が和文英訳、大問5が自由英作である場合が多いが、数年おきに自由英作の代わりに英文要約が出題されたりする。 理系は文系と違って、現代文のような要約問題を解く機会がないので、無対策だと理系には少し厳しいかもしれない。現代文ほどの難しい要約ではないので、きちんとした対策を講じれば理系であっても合格点は望めるであろう。 また、近年は大問3の設問(和訳しなさい、正しい記号を選びなさいなどの指示)が全て英語で書かれていることが多く、今後もこの傾向が続くものと思われる。ただ読めないほど難しいと言うことはないので、過去問を解いておき、なれておく程度で十分だと思われる。 2016年度は、大問3と4が一つの設問となり、長文を読ませた後、その長文に関して自由英作文を書かせる問題が出題された。2017年度には元の大問5つの形式に戻ってはいるが、今後このような設問形式になる可能性もあることを覚えておきたい。 == 数学 == 過去問は最低でも直近の3年分(駿台の青本が対応)はやっておいた方が好ましい。もう少し欲しいならば、直近の5年分(教学社の赤本が対応)でも良い(他科目との折り合いを考えれば、分量としてはこれが限界かもしれない)。前記の過去問と、九大対応模試さらには公開模試の問題を併せてやるとなお良い。基本はこの分量で十分である。あまり無いと思うが、これらを完璧にやり終えてそれでも足りなければ、足していく形で良い。ただ、本番まで時間が残り少ないのであれば、足していくよりは公式を再確認やこれまでに扱った問題の答案作成の精度向上に使った方が賢明である。 === 文系数学 === 文系数学は大問が四つで試験時間は120分である。標準レベルのものが大半で、ややレベルが高い融合問題も数問出題される。標準レベルの問題をすべて解くことが出来れば、数学に関しては周囲に差をつけられることはないだろう。ただし、国語や英語で苦手科目がある受験生は、このやや難の融合問題でも部分点をしっかり稼がなければならない。これらの融合問題は決して歯が立たないような問題ではなく、典型問題を組み合わせたような内容であるため、基礎をしっかり固めていれば解ける問題である。本学過去問を基に対策を進めていくことで前記の基礎学力そして本学合格のために必要な合格点を獲得する力を身に付けていくことが好ましい。 === 理系数学 === 理系数学は大問が五つである。標準的な問題が中心であるが、やや難易度の高い問題も毎年出題される。配点も高いので力を入れて対策すべきであろう。 どの問題も最初の小問は簡単なことが多いのでまったく手をつけられないということはない。完答できなくても小問で部分点を取っていけば合格は可能である(医学部医学科を除く)。過去問によく似た問題が出ることもあり、また他の難関大に出た問題の類題もちらほら見受けられる。 解答用紙は小問ごとに書く場所が決まっており、スペースもあまりないので要領よく記述することが大切である。 出題頻度が高い分野は、微積分(数学III)、ベクトル、確率、複素数平面。このうち微積分とベクトルは比較的平易な問題が多く、取りこぼしは許されない。ただし、微積分に関しては最後の積分の数値計算が煩雑なことが多く、根気よく計算する力も必要。確率は、設定が複雑な問題がよく出題されるが、大問の最後の小問以外は簡単に答えを出せるものが多いため、諦めず設問をじっくり読み設定をつかむ訓練をしておきたい。 == 国語 == 文学部は現代文一題、古文二題、漢文一題。 経済・教育・法学部は現代文二題、古文・漢文各一題。試験時間は120分。 経済学部(経済工学科)は現代文二題である。試験時間は80分。 以下、経済・教育・法学部の国語について解説する。 現代文は硬質な文章が出題され、書きづらい問題が多いので、難易度は難だと言える。 特に指示語問題は凝った感じに問題が出題されることが多く、過去には指示語「それ」が指す部分が、傍線部の後ろであったりと難易度が高いことが多い。また、かつては120点中20点を占めていた漢字の書き取り問題がなくなり、読解力が全てを決める出題になったのも特徴だ。 以上より、高度な論述力・理解力・論理的思考力が問われていると言えるであろう。 古文は標準的な問題である。文学部と異なり有名でない出典から出題されることが多い。 ただ、私立文系で見られるような少しマニアックな知識問題が出されるので注意。 また九州大学はほぼ毎年文学史を出しているので、しっかりと対策しておきたい。 漢文は古文や現代文に比べると、非常に標準的で解き易い。出来ればまず漢文を片付けたい所である。特に九大に特徴的な問題はないが、ほぼ毎年文学史を問われるのでしっかりと対策しておきたい。 以上より九州大学の国語は、知識科目の古典でできるだけ点数を落とさないようにし、理解・思考科目の現代文でがっつり点を稼ぎに行くという方向性が良いと思われる。 == 理科 == 前期日程は二科目受験で、試験時間は二科目でまとめて150分である(一科目ごとの時間配分は厳密に設けられておらず、一科目終了後の答案回収は行わない)。</br> 学部学科ごとの必要受験科目は以下である。</br> (前期日程)</br> ・'''医'''学部('''生命科学'''科・'''保健学科看護学'''専攻)・'''歯'''学部・'''薬'''学部・'''芸術工'''学部-物理・化学・生物から二科目'''選択'''</br> ・'''理'''学部・'''農'''学部-物理・化学・生物・地学から二科目'''選択'''</br> ・'''工'''学部・'''医'''学部'''医学'''科-物理・化学の二科目'''必須'''</br> ・'''医'''学部'''保健'''学科'''放射線技術科学'''専攻-物理'''必須'''/化学・生物から一科目'''選択'''</br> ・'''医'''学部'''保健'''学科'''検査技術科学'''専攻-化学'''必須'''/物理・生物から一科目'''選択'''</br> (後期日程)</br> ・'''理'''学部('''化学'''科のみ)-化学の一科目'''必須''' === 化学 === 九州大学の化学の特徴は、とにかく時間がたりないということであろう。理科を二教科課せられている学部・学科の受験生はもう一つを早く終らせ、化学に充てられる時間を多くとるべきである。 難易度から言っても、易 - 難とバランスよく出題されており点数差のつきやすい出題と言える。標準問題を完璧に仕上げることで有利になることは間違いない。 例年大問は5つで、1 - 3が理論・無機、4が有機、5が高分子。理論で特徴的なのが、化合物の電子式を聞くことが多い点である。代表的な化合物の電子式については書けるようにしておきたい。 有機は標準的な問題で構成され、頑張れば満点も狙えることが多い。現役生は有機の対策が疎かになりがちだが、九大化学においては致命的になりかねないので早めに構造決定などの練習はしておくこと。 === 物理 === 物理は大問が3題である。大問1は力学、大問2は電磁気が出題される。大問3は波動、熱力学、原子物理のいずれかが出題される。 問題文が長いことが多く、面食らうかもしれないが、寧ろ問題文が長いということはその分ヒントが多く問題文に散りばめられていると言うことであり、問題文をしっかり読むべきである。 解答用紙には、単位が必要な設問には基本的に単位が付けられている。 新課程になり、原子物理が課程に入ったが、過去原子が課程に入っていた頃は原子物理に関する問題を多く出していたこともあり、今後も原子が出る頻度が高くなる恐れがある。現役生は、特に原子に関して対策を後にしてしまいがちだが、九大物理を受験する人で、原子が得意でない人は、重要問題集など学校配布の基本問題集で演習しておくこと。 尚、2017年度入試では大問3で波動と原子の融合問題が出題された。 === 生物 === ここ数年は難化が進んでいる。 教科書外の用語も問われるため、注意が必要。 論述問題に関しては、基礎事項を確実に100字~150字でまとめられる力が必要になる。 === 地学 === = 模試 = 九大対応模試として、河合塾の九大入試オープン'''*令和2年度は中止''',SAPIX YOZEMI GROUPの九大入試プレ(8月中開催),駿台の九大入試実戦模試<ref>答案は2014年実施分よりWeb返却(駿台のマイページにPDF形式で掲載。掲載期間は、Web公開開始日から3ヶ月間。)となり、紙の答案は追加料金を払うことで返却可能となった(但し試験会場で使用した答案そのものは返却されず、答案をスキャンして前記のPDF形式のものをプリントアウトしたものを返却)。</ref>,東進の九大本番レベル模試(2020年度は、年3回実施)がある。各予備校は、大学の傾向を徹底的にチェックして大学別の予想問題を作成しており、また、多くの九大志願者が受験する為、受験すれば本番の入試に向けて大きな指針となる。本番の雰囲気に慣れることにもなる。これらの模試と、センター試験対策のマーク模試でドッキング判定(総合判定)される場合が多いので、出来れば、ドッキング対象のマーク模試も同時に受験すると良い。また過去問だけでも物足りなさを感じるのであれば、河合出版からの過去の九大入試オープンを5回分を収録した問題集「入試攻略問題集 九州大学」(英語・数学)が市販されているため、時間があれば取り組んでみるのもよい。 四社で幅広い期間(2020年は7月・8月・10/11月開催、そして夏休み終了までで3回、9月から本番までで3回実施)で分散して受験できるようになったことから九大合格へ向けての習熟度が適宜把握できるメリットが生じたと言える。本学志願者はこれらの模試を可能な限りで受験することをお勧めする。四社合わせて最大6回受験できることになるが、復習そして共通テストを考えれば、全社そして全回受験するのはさすがに過多であるだろう。いくら2次重視とはいえ、総点に加算される以上、共通テストの成績も侮れないし、万全な対策は必要である。ただし、目的は九大模試で良い判定をとることではなく「九州大合格」とすべきであり、九大模試はあくまで合格に向けての弱点補強や傾向を知るためのきっかけそして手段であるに過ぎず、模試の判定に一喜一憂しないことが大切である。成績は短期(1~2週間程度)でそんなに大きく変わらないし、全6回分を受験すれば必ず合格できる或いは合格できる実力が付くとは限らないし、受験しても受験しただけで消化不良になってしまえば全くの無意味でそのようになれば、受験しない方がマシである。自身のの処理能力を考えて適当な受験回数(予備校模試はどこでも可)を選んで取り組んでほしい。 加えて、主に高1・2生が対象になるが、2023年度は東進で「九大入試直近日体験受験」(3月5日)という模試が開催される。これは同年の前期日程入試本番に出題された問題を直近日に同解答時間・同スケジュール(但し、終了時刻は異なる)で解くというものである。試験開始と終了の時刻は違えど、前期日程入試と同じスケジュールで試験を受けることができる(医学部医学科の面接試験は実施せず)。高3卒対象の「本番レベル模試」とは違った本番ならではの感覚を味わうまたとない機会と言えるので、本学を希望するならば受験しておくと良いかもしれない。 * 年によって九大模試は、九州大学内に受験会場が設置されることがある。2023年度は駿台(九州大学伊都キャンパス)で実施予定。本学を志願する受験生にとっては、受験会場の雰囲気に慣れることや志望学部によっては受験会場の下見も兼ねることにもなることで、良い機会となる。 = 脚注 = <references/> == 関連リンク == *[http://www.kyushu-u.ac.jp/ 九州大学]:公式サイト [[Category:大学入試|きゆうたいたいさく]]
2004-09-07T09:08:26Z
2023-09-15T00:06:59Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B9%9D%E5%A4%A7%E5%AF%BE%E7%AD%96
649
高等学校数学I 二次関数 演習A
この項は高等学校数学I 二次関数の演習問題Aである。 二次関数 y = 2 x 2 {\displaystyle y=2x^{2}} のグラフを平行移動して、頂点が次の点に来るようにしたとき、その放物線の式を求めよ。 解答 x {\displaystyle x} の二次関数 y {\displaystyle y} のグラフが三点 ( 2 , 3 ) , ( 1 , 4 ) , ( − 1 , 2 ) {\displaystyle (2,3),(1,4),(-1,2)} を通るとき、 y {\displaystyle y} を x {\displaystyle x} の式で表せ。 解答 四次関数 y = x 4 + 2 x 2 + 1 {\displaystyle y=x^{4}+2x^{2}+1} の最小値、最大値を(あれば)求めよ。また y {\displaystyle y} がそれらの値を取るときの x {\displaystyle x} の値も求めよ。 解答 二次関数 f ( x ) = 2 x 2 − a x + a {\displaystyle f(x)=2x^{2}-ax+a} の定義域 1 ≦ x ≦ 5 {\displaystyle 1\leqq x\leqq 5} における最大値 M {\displaystyle M} と最小値 m {\displaystyle m} を求めよ。 解答 求める式を y = a x 2 + b x + c {\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} とおく。これらが与えられた点を通るから、 がなりたつ。 以上より、求める式は y = − 2 3 x 2 + x + 11 3 {\displaystyle y=-{\frac {2}{3}}x^{2}+x+{\frac {11}{3}}} 。 x 2 = t {\displaystyle x^{2}=t} と置くことで、 y {\displaystyle y} は t {\displaystyle t} の二次関数となる。 t ≥ 0 {\displaystyle t\geq 0} であることに注意すると、この関数は t = 0 {\displaystyle t=0} のとき最小値1をとる。すなわち、 x = 0 {\displaystyle x=0} のとき最小値1をとる。 最大値は存在しない。ほぼ明らかだが、ここでは丁寧に示してみよう。ある実数 M {\displaystyle M} が y {\displaystyle y} の最大値であるとする。 M ≥ 1 {\displaystyle M\geq 1} であるから、 x = − 1 + M + 1 {\displaystyle x={\sqrt {-1+{\sqrt {M+1}}}}} は実数である。そして、この x {\displaystyle x} に対して である。これは M {\displaystyle M} が最大値であることと矛盾する。よって、最大値は存在しない。 であるから、グラフの軸 x = a 4 {\displaystyle x={\frac {a}{4}}} の位置により場合分けする。 最大値については、 最小値については、
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "この項は高等学校数学I 二次関数の演習問題Aである。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "二次関数 y = 2 x 2 {\\displaystyle y=2x^{2}} のグラフを平行移動して、頂点が次の点に来るようにしたとき、その放物線の式を求めよ。", "title": "問題" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "解答", "title": "問題" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "x {\\displaystyle x} の二次関数 y {\\displaystyle y} のグラフが三点 ( 2 , 3 ) , ( 1 , 4 ) , ( − 1 , 2 ) {\\displaystyle (2,3),(1,4),(-1,2)} を通るとき、 y {\\displaystyle y} を x {\\displaystyle x} の式で表せ。", "title": "問題" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "解答", "title": "問題" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "四次関数 y = x 4 + 2 x 2 + 1 {\\displaystyle y=x^{4}+2x^{2}+1} の最小値、最大値を(あれば)求めよ。また y {\\displaystyle y} がそれらの値を取るときの x {\\displaystyle x} の値も求めよ。", "title": "問題" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "解答", "title": "問題" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "二次関数 f ( x ) = 2 x 2 − a x + a {\\displaystyle f(x)=2x^{2}-ax+a} の定義域 1 ≦ x ≦ 5 {\\displaystyle 1\\leqq x\\leqq 5} における最大値 M {\\displaystyle M} と最小値 m {\\displaystyle m} を求めよ。", "title": "問題" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "解答", "title": "問題" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "求める式を y = a x 2 + b x + c {\\displaystyle y=ax^{2}+bx+c} とおく。これらが与えられた点を通るから、", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "がなりたつ。", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "以上より、求める式は y = − 2 3 x 2 + x + 11 3 {\\displaystyle y=-{\\frac {2}{3}}x^{2}+x+{\\frac {11}{3}}} 。", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "x 2 = t {\\displaystyle x^{2}=t} と置くことで、 y {\\displaystyle y} は t {\\displaystyle t} の二次関数となる。", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "t ≥ 0 {\\displaystyle t\\geq 0} であることに注意すると、この関数は t = 0 {\\displaystyle t=0} のとき最小値1をとる。すなわち、 x = 0 {\\displaystyle x=0} のとき最小値1をとる。", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "最大値は存在しない。ほぼ明らかだが、ここでは丁寧に示してみよう。ある実数 M {\\displaystyle M} が y {\\displaystyle y} の最大値であるとする。 M ≥ 1 {\\displaystyle M\\geq 1} であるから、 x = − 1 + M + 1 {\\displaystyle x={\\sqrt {-1+{\\sqrt {M+1}}}}} は実数である。そして、この x {\\displaystyle x} に対して", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "である。これは M {\\displaystyle M} が最大値であることと矛盾する。よって、最大値は存在しない。", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "であるから、グラフの軸 x = a 4 {\\displaystyle x={\\frac {a}{4}}} の位置により場合分けする。", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "最大値については、", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "最小値については、", "title": "解答" } ]
この項は高等学校数学I 二次関数の演習問題Aである。
この項は[[高等学校数学I 二次関数]]の演習問題Aである。 == 問題 == === 問1 === 二次関数 <math>y=2x^2</math> のグラフを平行移動して、頂点が次の点に来るようにしたとき、その放物線の式を求めよ。 # <math>(2,3)</math> # <math>(-1,4)</math> # <math>(-4,-2)</math> [[#.E5.95.8F1_2|解答]] === 問2 === <math>x</math>の二次関数<math>y</math>のグラフが三点 <math>(2,3), (1,4), (-1,2)</math> を通るとき、<math>y</math>を<math>x</math>の式で表せ。 [[#.E5.95.8F2_2|解答]] === 問3 === 四次関数 <math>y=x^4+2x^2+1</math> の最小値、最大値を(あれば)求めよ。また <math>y</math> がそれらの値を取るときの <math>x</math> の値も求めよ。 [[#.E5.95.8F3_2|解答]] === 問4 === 二次関数<math>f(x)=2x^2-ax+a</math>の定義域<math> 1\leqq x \leqq 5</math>における最大値<math>M</math>と最小値<math>m</math>を求めよ。 [[#.E5.95.8F4_2|解答]] == 解答 == === 問1 === # <math>y=2(x-2)^2+3</math> あるいは <math>y=2x^2-8x+11</math>。 # <math>y=2(x+1)^2+4</math> あるいは <math>y=2x^2+4x+6</math>。 # <math>y=2(x+4)^2-2</math> あるいは <math>y=2x^2+16x+30</math>。 === 問2 === 求める式を <math>y=ax^2+bx+c</math> とおく。これらが与えられた点を通るから、 :<math>\begin{cases} 3=4a+2b+c&\cdots(1)\\ 4=a+b+c&\cdots(2)\\ 2=a-b+c&\cdots(3) \end{cases}</math> がなりたつ。 :(2) - (3) より <math>2=2b</math>。 よって、<math>b=1</math> &hellip; (4)。 :(1) - (3) より <math>1=3a+3b</math>。(4) を代入して、<math>a=-\frac{2}{3}</math>。 :(1) より <math>c=3-4\times\left(-\frac{2}{3}\right)-2=\frac{11}{3}</math>。 以上より、求める式は <math>y=-\frac{2}{3}x^2+x+\frac{11}{3} </math>。 === 問3 === <math>x^2=t</math>と置くことで、<math>y</math>は<math>t</math>の二次関数となる。 :<math> y = x^4 + 2x^2 + 1 = (x^2)^2 + 2(x^2) + 1 = t^2 + 2t + 1 = (t+1)^2 </math> <math>t \ge 0</math>であることに注意すると、この関数は<math>t=0</math>のとき最小値1をとる。すなわち、<math>x=0</math>のとき最小値1をとる。 最大値は存在しない。ほぼ明らかだが、ここでは丁寧に示してみよう。ある実数<math>M</math>が<math>y</math>の最大値であるとする。 <math>M \ge 1</math>であるから、<math>x=\sqrt{-1+\sqrt{M+1}}</math>は実数である。そして、この<math>x</math>に対して :<math>y=(x^2+1)^2=M+1>M</math> である。これは<math>M</math>が最大値であることと矛盾する。よって、最大値は存在しない。 === 問4 === :<math>f(x)=2\left(x-\frac{a}{4}\right)^2-\frac{a^2}{8}+a</math> であるから、グラフの軸<math>x=\frac{a}{4}</math>の位置により場合分けする。 最大値については、 :<math>\frac{a}{4}<3</math>のとき、すなわち<math>a<12</math>のとき、<math>M=f(5)=-4a+50</math>である。 :<math>\frac{a}{4} \ge 3</math>のとき、すなわち<math>a \ge 12</math>のとき、<math>M=f(1)=2</math>である。 最小値については、 :<math>\frac{a}{4}<1</math>のとき、すなわち<math>a<4</math>のとき、<math>m=f(1)=2</math>である。 :<math>1 \le \frac{a}{4} \le 5</math>のとき、すなわち<math>4 \le a \le 20</math>のとき、<math>m=f(a)=-\frac{a^2}{8}+a</math>である。 :<math>\frac{a}{4}>5</math>のとき、すなわち<math>a>20</math>のとき、<math>m=f(5)=-4a+50</math>である。 [[カテゴリ:高等学校数学I]]
null
2022-11-25T05:20:29Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E5%AD%A6I_%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E9%96%A2%E6%95%B0_%E6%BC%94%E7%BF%92A
663
数学
数学に関する文書・資料・教科書が収められる書庫です。収録内容は以下をご覧ください。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "数学に関する文書・資料・教科書が収められる書庫です。収録内容は以下をご覧ください。", "title": "" } ]
数学に関する文書・資料・教科書が収められる書庫です。収録内容は以下をご覧ください。
{{NDC|410|*}} {| style="float:right" |- |{{Wikipedia|数学|数学}} |- |{{Wikiquote|数学|数学}} |- |{{Wiktionary|Category:数学|数学}} |- |{{Commons|Category:Mathematics}} |- |{{wikiversity|School:数学|数学}} |- |{{進捗状況}} |- |{{蔵書一覧}} |} [[w:数学|数学]]に関する文書・資料・教科書が収められる書庫です。収録内容は以下をご覧ください。 == 初等・中等教育用教科書 == * [[小学校算数]] {{進捗|100%}} * [[中学校数学]] {{進捗|50%|2023-10-25}} * [[高等学校数学]] {{進捗|100%}} * [[初等数学]] == 大学教養課程教科書 == * [[解析学基礎]] [[ファイル:25%.svg]] * [[線形代数学]] [[ファイル:50%.svg]] == 一般教科書 == === 代数学 === * [[線形代数学]] [[ファイル:50%.svg]] * [[代数学入門]] * [[代数方程式論]] * [[群論]] * [[環論]] - [[環上の加群]] * [[イデアル論]] * [[体論]] * [[ガロア理論]] * [[表現論]] * [[圏論]] === [[解析学]] === * [[解析学基礎]] [[ファイル:25%.svg]] * [[解析学基礎/常微分方程式|常微分方程式]] * [[複素解析学]] * [[関数解析学]] * [[特殊関数論]] * [[超関数論]] * [[応用解析学]] * [[測度論]] * [[偏微分方程式]] === [[幾何学]] === * [[初等幾何学]][[ファイル:00%.svg]] * [[解析幾何学]] * [[アファイン幾何学]] * [[射影幾何学]] * [[幾何学基礎論]] * [[位相幾何学]] * [[微分幾何学]] * [[情報幾何学]] * [[代数幾何学]] * [[代数的位相幾何学]] * [[遠アーベル幾何学]] * [[非可換幾何学]] * [[離散幾何学]] * [[有限幾何学]] === [[数論]] === * [[初等整数論]][[ファイル:00%.svg]] * [[代数的整数論]] * [[解析的整数論]] * [[数論的関数]] * [[素数定理]] * [[超越数論]] * [[類体論]] * [[岩澤理論]] * [[保型形式]] * [[数論幾何学]] * [[ゼータ関数論]] * [[代数的K理論]] === 離散数学 === * [[グラフ理論]] * [[結び目理論]] * [[組合せ論]] * [[離散幾何学]] * [[デザイン理論]] === [[:Category:確率論|確率論]] === * [[確率論]] * [[確率過程]] * [[拡散過程]] * [[定常過程]] * [[確率微分方程式]] * [[エルゴード理論]] * [[確率制御]] === [[:Category:統計学|統計学]] === * [[統計学基礎]][[ファイル:00%.svg]] * [[数理統計学]] * [[多変量解析]] * [[時系列解析]] * [[ベイズ統計]] * [[実験計画法]] * [[標本調査法]] ===最適化理論=== * [[数理計画法]] * [[整数計画法]] * [[動的計画法]] * [[確率計画法]] * [[線形計画法]] * [[非線形計画法]] * [[半正定値計画法]] * [[離散凸解析]] * [[制御理論]] * [[ゲーム理論]] * [[ポートフォリオ理論]] === 数学基礎論 === * [[数理論理学]] * [[古典論理]] * [[集合論]] * [[公理的集合論]] * [[位相空間論]] * [[構造主義]] * [[圏論]] * [[モデル理論]] * [[超準解析]] === 理論計算機科学 === * [[情報理論]] * [[暗号理論]] * [[計算理論]] ** [[計算複雑性理論]] ** [[計算可能性理論]] * [[形式言語]] * [[ラムダ計算]][[ファイル:25%.svg]] * [[組合せ論理]] * [[μ再帰関数]] * [[マルコフアルゴリズム]] * [[レジスタマシン]] * [[P′′]] * [[アルゴリズム解析]] * [[並列コンピューティング]] * [[量子コンピュータ]][[ファイル:00%.svg]] * [[計算生物学]] * [[計算幾何学]] * [[形式言語]] * [[オートマトン]] * [[プログラム意味論]] === その他の数学分野 === * [[Excel統計]] * [[数値解析]] * [[数学史]] * [[数学者]] * [[珠算]] * [[計算尺]] * [[計算機]] * [[速算術]] == 演習書 == * [[初等数学演習|小・中・高等学校数学演習]] * [[代数学演習]] * [[幾何学演習]] * [[解析学演習]] == 付録 == * [[Wikibooks:初等数学用語索引|初等数学用語索引]] * [[初等数学記号集]] * [[中学数学公式集]] * [[高校数学公式集]] * [[初等数学公式集]] * [[大学数学公式集]] * [[Wikibooks:数学用語索引|数学用語索引]] * [[W:数学記号の表|数学記号索引]] [[Category:数学|! すうかく]] [[Category:数学教育|! すうかく]] [[Category:書庫|すうかく]]
2004-09-10T10:00:34Z
2023-12-15T07:46:02Z
[ "テンプレート:NDC", "テンプレート:Commons", "テンプレート:進捗", "テンプレート:Wikiversity", "テンプレート:進捗状況", "テンプレート:蔵書一覧", "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Wikiquote", "テンプレート:Wiktionary" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%95%B0%E5%AD%A6
664
解析学
wikibooks には以下の解析学の教科書があります。 上記のとおり、現在のところwikibooksにおける解析学の教科書はあまり充実していません。そのため、以下の教科書も参考になるでしょう。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "wikibooks には以下の解析学の教科書があります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "上記のとおり、現在のところwikibooksにおける解析学の教科書はあまり充実していません。そのため、以下の教科書も参考になるでしょう。", "title": "その他" } ]
wikibooks には以下の解析学の教科書があります。
{{pathnav|frame=1|数学}} wikibooks には以下の解析学の教科書があります。 == 基礎編 == * [[解析学基礎]] == 専門編 == * [[複素解析学]] * [[測度論]] * [[超関数論]] * [[確率論]] == その他 == 上記のとおり、現在のところwikibooksにおける解析学の教科書はあまり充実していません。そのため、以下の教科書も参考になるでしょう。 * [[高等学校数学III]] * [[物理数学I 解析学]] * [[物理数学I 微分方程式]] * [[物理数学I ベクトル解析]] {{DEFAULTSORT:かいせきかく}} [[Category:数学]] [[Category:解析学|*]]
null
2015-09-24T11:04:08Z
[ "テンプレート:Pathnav" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%A7%A3%E6%9E%90%E5%AD%A6
724
初等数学演習
算数のドリルや初等数学の演習書として、ここには問題を解く練習を中心とした反復練習により学習の定着を図るタイプの参考書を収めます。多くは単元や複合・総合問題などの項目が設けられ、はじめに簡単な説明や解答の方針、解法の利用の仕方などが示されるでしょう。教科書などと併用して学習すると良いでしょう。 対応する教科書:小学校算数 (2014-02-09) 対応する教科書:中学校数学 (2014-02-09) 対応する教科書:高等学校数学
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "算数のドリルや初等数学の演習書として、ここには問題を解く練習を中心とした反復練習により学習の定着を図るタイプの参考書を収めます。多くは単元や複合・総合問題などの項目が設けられ、はじめに簡単な説明や解答の方針、解法の利用の仕方などが示されるでしょう。教科書などと併用して学習すると良いでしょう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "対応する教科書:小学校算数 (2014-02-09)", "title": "小学校" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "対応する教科書:中学校数学 (2014-02-09)", "title": "中学校" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "対応する教科書:高等学校数学", "title": "高等学校" } ]
算数のドリルや初等数学の演習書として、ここには問題を解く練習を中心とした反復練習により学習の定着を図るタイプの参考書を収めます。多くは単元や複合・総合問題などの項目が設けられ、はじめに簡単な説明や解答の方針、解法の利用の仕方などが示されるでしょう。教科書などと併用して学習すると良いでしょう。
{{Pathnav|メインページ|数学|frame=1}} {{進捗状況}} 算数のドリルや初等数学の演習書として、ここには問題を解く練習を中心とした反復練習により学習の定着を図るタイプの参考書を収めます。多くは単元や複合・総合問題などの項目が設けられ、はじめに簡単な説明や解答の方針、解法の利用の仕方などが示されるでしょう。教科書などと併用して学習すると良いでしょう。 == 小学校 == * [[算数演習/小学校1年生|1ねんせいのためのさんすうドリル]] {{進捗|100%|2014-02-09}} * [[算数演習/小学校2年生|2年生のためのさんすうドリル]] {{進捗|100%|2014-02-09}} * [[算数演習/小学校3年生|3年生のための算数ドリル]] {{進捗|100%|2014-02-09}} * [[算数演習/小学校4年生|4年生のための算数ドリル]] {{進捗|100%|2014-02-09}} * [[算数演習/小学校5年生|5年生のための算数ドリル]] {{進捗|100%|2014-02-09}} * [[算数演習/小学校6年生|6年生のための算数ドリル]] {{進捗|100%|2014-02-09}} * [[中学受験算数/演習|中学受験算数ドリル]]{{進捗|00%|2019-10-06}} 対応する教科書:[[小学校算数]] {{進捗|100%|2014-02-09}} == 中学校 == * [[数学演習/中学校1年生]] {{進捗|75%|2014-02-09}} * [[数学演習/中学校2年生]] {{進捗|100%|2014-02-09}} * [[数学演習/中学校3年生]] {{進捗|75%|2014-02-09}} 対応する教科書:[[中学校数学]] {{進捗|75%|2014-02-09}} == 高等学校 == * [[数学演習/数学I]] * [[数学演習/数学A]] * [[数学演習/数学II]] * [[数学演習/数学B]] * [[数学演習/数学III]] 対応する教科書:[[高等学校数学]] [[Category:数学教育|しよとうすうかくえんしゆう]] [[Category:小学校算数|しよとうすうかくえんしゆう]] [[Category:中学校数学|しよとうすうかくえんしゆう]] [[Category:高等学校教育|しよとうすうかくえんしゆう]] [[Category:数学演習]]
2004-09-12T13:16:04Z
2024-03-16T06:56:49Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:進捗状況", "テンプレート:進捗" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%88%9D%E7%AD%89%E6%95%B0%E5%AD%A6%E6%BC%94%E7%BF%92
725
小・中・高等学校演習
学校教育各科目の演習書です。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "学校教育各科目の演習書です。", "title": "" } ]
学校教育各科目の演習書です。
{{Pathnav|メインページ|小学校・中学校・高等学校の学習|frame=1}} 学校教育各科目の演習書です。 == 英語 == * [[初等英語演習]] == 数学・算数 == * [[初等数学演習]] == 国語 == * [[初等国語演習]] == 理科 == * [[初等理科演習]] == 社会 == * [[初等社会演習]] == 実技教科 == * [[初等実技演習]] [[Category:小学校教育|しゆとうきゆういくえんしゆう]] [[Category:中学校教育|ちゅうとうきゆういくえんしゆう]] [[Category:高等学校教育|ちゅうとうきゆういくえんしゆう]] [[Category:演習|しようちゆうこうとうきよういくえんしゆう]]
null
2022-08-31T03:51:54Z
[ "テンプレート:Pathnav" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%B0%8F%E3%83%BB%E4%B8%AD%E3%83%BB%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%BC%94%E7%BF%92
730
数学演習 中学校2年生 式の計算
教科書、参考書 : 中学校数学 2年生-数量#式の加法・減法 ※すべての問題で、文字は0ではないものとします。 教科書、参考書 : 中学校数学 2年生-数量#式の乗法・除法 次の事柄を証明しなさい。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "教科書、参考書 : 中学校数学 2年生-数量#式の加法・減法 ※すべての問題で、文字は0ではないものとします。", "title": "式の加法・減法 解答" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "教科書、参考書 : 中学校数学 2年生-数量#式の乗法・除法", "title": "式の乗法・除法 解答" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "次の事柄を証明しなさい。", "title": "文字式を使った証明" } ]
null
:<small>[[中学校数学 2年生-数量]] > [[数学演習 中学校2年生]] > 式の計算</small> :<small>[[初等数学演習]] > [[数学演習 中学校2年生]] > 式の計算</small> ---- ==式の加法・減法 [[数学演習解答 中学校2年生#式の加法・減法|解答]]== 教科書、参考書 : [[中学校数学 2年生-数量#式の加法・減法]]<br> <big>'''※すべての問題で、文字は0ではないものとします。'''</big> ===問1=== # 次の式は単項式と多項式のどちらであるか答えなさい。また、それが多項式であるなら、その項と各項の係数も答えなさい。 ## 3''x'' + ''4'' ## 3''xy'' &nbsp; ##<math>\pi</math><math>r</math><sup>2</sup> ## <math>{2x-3y \over 21}</math> &nbsp; # 次の式は何次式か答えなさい。 ## 3''x'' + ''y'' ## 2''a''<sup>2</sup> + 4''b''+''3'' ## ''nx''<sup>3</sup> - ''7'' #次の式を計算して簡単にしなさい。 ## 4''a'' + 5''b'' - 2''a'' + ''b'' ## 3''x'' + 2''y'' - (-''x'' + 2''y'') ## 4''x''<sup>2</sup> + ''x'' + 7''x'' - 4''x''<sup>2</sup> ## <math>{2 \over 5}x -\left({3 \over 10 }x - {2 \over 5}y\right)</math> ## 4(''x'' - ''y'') - 2(3''x'' + 2''y'') #次の2つの式をたしなさい。また、左の式から右の式を引きなさい。 ##2''x'' + 3''a'' , ''x'' + ''a'' ##2''n'' + 4''m'' , 3''n'' - 2''m'' ##-4''y'' + ''x'' , ''x'' + 3''y'' ##3''a'' + ''b'' - 2''c'' , 4''y'' - 7''a'' ==式の乗法・除法 [[数学演習解答 中学校2年生#式の乗法・除法|解答]]== 教科書、参考書 : [[中学校数学 2年生-数量#式の乗法・除法]] ===問1=== #次の式の計算をしなさい。 ##7''x'' &times; 2''y'' ##''a'' &times; 2''b''<sup>2</sup> ##4''a''<sup>2</sup> &times; ''a'' ##(2''x'')<sup>2</sup> &times; ''y'' #次の式の計算をしなさい。 ##(-3''x'') &times; 2''y'' ##''a'' &times; (-2''b''<sup>2</sup>) ##(-5''a''<sup>2</sup>) &times; (-5''a'') ##(-''x'')<sup>2</sup> &times; (-''y''<sup>3</sup>) #次の式の計算をしなさい。 ##4''x'' ÷ 2''y'' ##3''x''<sup>2</sup> ÷ 6''y'' ##2''a''<sup>2</sup> ÷ ''a'' ##(2''x'')<sup>2</sup> ÷ ''x''<sup>2</sup> #次の式の計算をしなさい。 ##(-2''x'') ÷ 2''y'' ##(-4''x'')<sup>2</sup> ÷ (-6''y'') ##2''a''<sup>2</sup> ÷ (-''a''<sup>2</sup>) ##(-2''x'')<sup>2</sup> ÷ (-''x''<sup>2</sup>)<sup>2</sup> == 文字式を使った証明 == 次の事柄を証明しなさい。 #偶数と奇数の差は奇数である。 #6でわると5余る整数は、3でわると2余る。 #連続する5つの整数の和は5の倍数である。 #2けたの整数から、その整数の十の位の数と一の位の数をひくと9の倍数になる。 #3883のように、千の位と一の位の数が等しく、百の位と十の位の数が等しい4けたの整数は、11で割り切れる。 #それぞれの位の数の和が3の倍数である3けたの整数は、3の倍数である。(ヒント 100=99+1,10=9+1です。) == 関連項目 == [[Category:中学校数学演習|2年しきのけいさん]]
2004-09-12T14:09:32Z
2024-03-16T06:57:11Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%95%B0%E5%AD%A6%E6%BC%94%E7%BF%92_%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A12%E5%B9%B4%E7%94%9F_%E5%BC%8F%E3%81%AE%E8%A8%88%E7%AE%97
760
大学受験参考書
小学校・中学校・高等学校の学習 > 大学受験参考書 この書棚には、高等学校における学習の総まとめ、総合的な小学入試のための参考書・問題集を収めます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "小学校・中学校・高等学校の学習 > 大学受験参考書", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "この書棚には、高等学校における学習の総まとめ、総合的な小学入試のための参考書・問題集を収めます。", "title": "" } ]
小学校・中学校・高等学校の学習 > 大学受験参考書 この書棚には、高等学校における学習の総まとめ、総合的な小学入試のための参考書・問題集を収めます。
[[小学校・中学校・高等学校の学習]] > 大学受験参考書 ---- この書棚には、高等学校における学習の総まとめ、総合的な大学入試対策のための参考書・問題集を収めます。 == 総合情報 == * [[大学受験 参考書・問題集の書き方]] == 各教科・科目 == === 英語科(外国語科)=== * [[大学受験英語 英文法|英文法]] {{進捗|25%|2013-12-06}} * [[大学受験英語 英文読解|英文読解]] * [[大学受験英語 英文要旨要約|英文要旨要約]] * [[大学受験英語 英作文|英作文]] {{進捗|00%|2013-12-06}} * [[大学受験英語 リスニング|リスニング]] * [[大学受験英語 英単語|英単語]] {{進捗|00%|2013-12-06}} * [[大学受験英語 英熟語|英熟語]] * [[大学受験英語 構文|英語構文]] * [[大学受験英語 発音・アクセント|発音・アクセント]] * [[大学受験英語の勉強法]] {{進捗|00%|2013-12-06}} === 国語科・小論文 === * [[大学受験国語 現代文|現代文]] ** [[大学受験国語 現代文の勉強法|現代文の勉強法]] {{進捗|00%|2013-12-06}} * [[大学受験国語 古文|古文]] ** 古典文法 ** 古文単語 ** 古文解釈 ** [[大学受験国語 古文の勉強法|古文の勉強法]] * [[大学受験漢文|漢文]] ** 句法(漢文法) ** 漢文単語 ** 漢文解釈 ** [[大学受験国語 漢文の勉強法|漢文の勉強法]] * [[大学受験小論文]] ** [[大学受験小論文の勉強法]] {{進捗|00%|2013-12-06}} === 数学科 === * [[大学受験参考書/数学]] * [[大学受験数学I|数学 I]] ** [[大学受験数学 数と式|方程式と不等式]] ** [[大学受験数学 二次関数|2次関数]] ** [[大学受験数学 三角比|図形と計量]] * [[大学受験数学A|数学 A]] ** [[大学受験数学 場合の数|場合の数]] ** [[大学受験数学 確率|確率]] ** [[大学受験数学 数列|数列]] * [[大学受験数学II|数学 II]] ** [[大学受験数学 方程式・式と証明|方程式・式と証明]] ** [[大学受験数学 図形と方程式|図形と方程式]] ** [[大学受験数学 三角関数/公式集|三角関数]] {{進捗|25%|2013-12-06}} ** [[大学受験数学 指数関数・対数関数|指数関数・対数関数]] ** [[大学受験数学 整関数の微分積分|整関数の微分積分]] * [[大学受験数学B|数学 B]] ** [[大学受験数学 平面ベクトル|平面ベクトル]] ** [[大学受験数学 空間ベクトル|空間ベクトル]] ** [[大学受験数学 数列|数列]] ** [[大学受験数学 統計とコンピューター|統計とコンピューター]] {{進捗|25%|2013-12-06}} ** [[大学受験数学 数値計算とコンピューター|数値計算とコンピューター]] * [[大学受験数学III|数学 III]] ** [[大学受験数学 極限|極限]] ** [[大学受験数学 微分|微分]] ** [[大学受験数学 積分|積分]] * [[大学受験数学C|数学 C]] ** [[大学受験数学 行列|行列]] ** [[大学受験数学 いろいろな曲線|いろいろな曲線]] ** [[大学受験数学 確率分布|確率分布]] ** [[大学受験数学 統計処理|統計処理]] * [[大学受験数学の勉強法]] <!--*<del>[[w:Wikipedia:TeX記述法]]</del>Wikipedia側で削除されています。--> === 理科 === * [[大学受験物理|物理]] {{進捗|00%|2013-12-06}} ** [[大学受験物理/力学|力学]] ** [[大学受験物理/電磁気学|電磁気学]] ** [[大学受験物理/熱力学|熱力学]] ** [[大学受験物理/波動|波動]] ** [[大学受験物理/原子物理|原子物理]] ** 高等学校物理の勉強法 * [[大学受験化学|化学]] {{進捗|00%|2013-12-06}} ** 理論化学 *** 物質の構造 *** 物質の変化 *** 物質の反応 ** 無機化学 ** 有機化学 ** 高等学校化学の勉強法 * [[大学受験生物|生物]] {{進捗|00%|2013-12-06}} ** 細胞 ** 遺伝 ** 高等学校生物の勉強法 * [[大学受験地学|地学]] ** 高等学校地学の勉強法 === 地理歴史科 === * [[大学受験世界史|世界史]] * :論点を明確にするため、テーマに沿って通史的なものを再構成する。 ** 地域史、交流史 **: 概ね現代社会の始まりと目される[[w:1848年|1848年]]までについて整理する。 *** [[大学受験西洋史|受験西洋史]] ***: 古代ギリシア-古代ローマ帝国-中世封建・キリスト教社会-ルネサンス・絶対王政社会-産業革命・市民社会の成立といった、西洋史のメインテーマを通史的に概観。 **** [[大学受験西洋史/東ヨーロッパ史|受験西洋史(周辺史:東ヨーロッパ史)]] **** [[大学受験西洋史/イスラム史|受験西洋史(周辺史:イスラム史)]] **** [[大学受験西洋史/ペルシア・中央アジア史|受験西洋史(周辺史:ペルシア・中央アジア史)]] *** [[大学受験東洋史|受験東洋史]] ***: 中国における王朝変遷史について整理する。 **** [[大学受験東洋史/北方民族史|受験東洋史(周辺史:北方民族史)]] **** [[大学受験東洋史/インド史|受験東洋史(周辺史:インド史)]] **** [[大学受験東洋史/東南アジア史|受験東洋史(周辺史:東南アジア史)]] **** [[大学受験東洋史/朝鮮史|受験東洋史(周辺史:朝鮮史)]] *** [[大学受験東西交流史|受験東西交流史]] ** [[大学受験現代史|受験現代史]] *** [[大学受験現代史/1945年まで|受験現代史( - 1945年)]] *** [[大学受験現代史/1945年以降|受験現代史(1945年 - )]] ** 文化史 *** [[大学受験宗教史|受験宗教史]] **** [[大学受験宗教史/キリスト教史|受験世界史(キリスト教史)]] **** [[大学受験宗教史/イスラム教史|受験世界史(イスラム教史)]] **** [[大学受験宗教史/仏教史|受験世界史(仏教史)]] ** [[世界史論述]] ** [[高等学校世界史の勉強法]] * [[大学受験日本史|日本史]] ** [[高等学校日本史B/テーマ史別|テーマ史]] {{進捗|00%|2013-12-06}} ** [[学習方法/高校日本史|高等学校日本史の勉強法]] {{進捗|00%|2013-12-06}} * [[大学受験地理|地理]] ** [[学習方法/高校地理|高等学校地理の勉強法]] {{進捗|00%|2013-12-06}} === 公民科 === * [[大学受験現代社会|現代社会]] ** 高等学校現代社会の勉強法 * [[大学受験倫理|倫理]] ** 高等学校倫理の勉強法 * [[大学受験政治経済|政治経済]] {{進捗|00%|2013-12-06}} ** [[大学受験政治経済|現代の政治]] {{進捗|00%|2013-12-06}} ** [[大学受験政治経済|現代の経済]] {{進捗|00%|2013-12-06}} ** [[大学受験政治経済|現代社会の諸問題]] {{進捗|00%|2013-12-06}} == 面接 == * [[大学受験面接|面接]] {{進捗|00%|2013-12-06}} ** [[大学受験一般学部面接|一般学部面接]] ** [[大学受験医学部面接|医学部面接]] {{進捗|25%|2013-12-06}} == 関連項目 == * [[大学受験ガイド]] :* [[日本の大学受験ガイド]] {{DEFAULTSORT:たいかくしゆけんさんこうしよ}} [[Category:大学入試|*しゆけんさんこうしよ]] [[Category:大学受験参考書|*]]
2004-09-14T08:23:07Z
2023-11-11T02:38:24Z
[ "テンプレート:進捗" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%8F%97%E9%A8%93%E5%8F%82%E8%80%83%E6%9B%B8
761
高校受験参考書
小学校・中学校・高等学校の学習 > 高校受験参考書
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "小学校・中学校・高等学校の学習 > 高校受験参考書", "title": "" } ]
小学校・中学校・高等学校の学習 > 高校受験参考書
{{進捗状況}} [[小学校・中学校・高等学校の学習]] > 高校受験参考書 ==英語== *[[高校受験参考書/英語|英語]] ==数学== *[[高校受験数学|数学]] {{進捗|00%|2005-05-08}} ==国語== *[[高校受験現代文|現代文]] {{進捗|00%|2013-12-05}} *[[高校受験古文|古文]] {{進捗|00%|2010-3-28}} *[[高校受験参考書/漢文|漢文]] ==理科== *[[高校受験参考書/理科/第1分野|第1分野]] *[[高校受験参考書/理科/第2分野|第2分野]] ==社会== *[[高校受験社会 歴史|歴史]] *[[高校受験参考書/社会 地理|地理]] *[[高校受験参考書/社会 公民|公民]] ==面接== *[[高校受験面接|面接]] {{進捗|00%|2013-12-05}} == 関連項目 == *[[高校受験ガイド]] *[[学習方法/高校受験/高校受験全般]] {{stub}} {{DEFAULTSORT:こうこうしゆけんさんこうしよ}} [[Category:中学校教育]] [[Category:入学試験]]
null
2014-10-15T07:14:46Z
[ "テンプレート:Stub", "テンプレート:進捗状況", "テンプレート:進捗" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A0%A1%E5%8F%97%E9%A8%93%E5%8F%82%E8%80%83%E6%9B%B8
762
中学受験参考書
中学受験参考書の書庫です。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "中学受験参考書の書庫です。", "title": "" } ]
中学受験参考書の書庫です。
{{Pathnav|メインページ|小学校・中学校・高等学校の学習|frame=1}} 中学受験参考書の書庫です。 {{進捗状況}} == 国語 == * [[中学受験国語|国語]]{{進捗|25%|2020-08-29}} == 社会 == * [[中学受験社会|社会]]{{進捗|50%|2020-08-30}} == 算数 == * [[中学受験算数|算数]]{{進捗|50%|2020-08-29}} == 理科 == * [[中学受験理科|理科]]{{進捗|25%|2020-08-29}} == 面接 == * [[中学受験面接|面接]]{{進捗|75%|2020-08-29}} == 演習 == * [[中学受験国語/演習|国語]]{{進捗|25%|2020-08-29}} * [[中学受験社会/演習|社会]]{{進捗|00%|2020-08-29}} * [[中学受験算数/演習|算数]]{{進捗|75%|2020-08-29}} * [[中学受験理科/演習|理科]]{{進捗|00%|2020-08-29}} == 関連項目 == * [[中学受験ガイド]] * [[中学受験参考書/中学校別対策|中学校別の対策]] [[Category:小学校教育|ちゆうかくしゆけん]] [[Category:書庫|ちゆうかくしゆけん]] [[Category:入学試験|ちゆうかくしゆけん]] [[カテゴリ:中学受験参考書|*]]
null
2022-07-25T08:00:29Z
[ "テンプレート:進捗", "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:進捗状況" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E5%8F%97%E9%A8%93%E5%8F%82%E8%80%83%E6%9B%B8
763
高校受験数学
高等学校入学試験数学では、おおむね次の4つが出題される。 ここでは、この4つについて、過去問も交えて受験対策をしていくことにする。 公立高校の場合、最初は様々な分野から出題される小問集合となっていることが多い。ここの出来不出来は合格を左右する。例えば、東京都立高校の共通問題の場合、100点満点中46点ほどがここに含まれる。上位校なら全問正解が前提となるので、素早く正確に解いていきたい。中堅ならば素早くなくてもよいが、正確である必要はある。ここで1点でも多く稼げれば、後のミスをリカバリーできる。 普通の公立高校では、計算はごくごく単純で、小学校の計算問題(特に分数や小数の四則演算)、正負の数の四則演算、一次方程式、平方根の混じった式が出やすい。問題数はおおむね、3~5問。そのため、これはウォーミングアップ程度に考え、1~2問解くことによって緊張をほぐすようにするとよいだろう。また、その場合は後の難問に備えてなるべく速く解くべきである。そして、ここは全問正解を目指すべきである。 しかし、程度の高い私立高校では、普通にやってはとても解けないような問題がある。これは「置き換え」をマスターしているかどうか問う問題である。よって、何度も出ている数や式をA,Bなどに置き換えるとほぼ確実に解ける。ともかく、ここは点数稼ぎになる。見直しの時間を難問に充てるためにも、素早く正確な計算力を磨いてほしい。 ただし因数分解と二次方程式では、高度な応用力が必要となる場合がある。小問の誘導を見極めること、どんな式が作れるか見極めること、そして最終手段としての数を絞って代入して行くという方法を忘れないことが肝心である。 とは言っても、実際はこれはほぼ考え尽くされてしまっており、そのパターンが十分理解されておれば楽に解ける問題が多い。 近年、統計分野が重視されていることから、資料の整理に関する問題が1・2問出ることが多い。平均値の求め方はもちろん、その他の用語の意味と求め方をしっかり復習しよう。ここは「わかっていれば簡単だが、わかっていなければ全然取れない」ところである。特に、中央値・最頻値・相対度数などの用語に気をつけたい。 作図は図形分野だが、図形の大問よりも小問集合で出ることが多い。公立高校入試ではほぼ必須である。 問題集や教科書にあるようなレベルのものからかなり高度な問題まであり、都道府県や学校ごとの差が大きいのが入試の文章題の出題傾向の特徴である。また、都立高校入試(共通問題)のように数式を証明させる問題もある。 1. 徒歩でA地点からB地点まで行くのに、時速4kmで歩くと、予定より15分遅れ、時速5kmで歩くと予定より15分早く着く。このとき、次の問いに答えよ。 公立高校受検ならば、平面図形の問題では作図と証明が必ず出題される。ただ、作図は小問集合(概ね大問1か2)、証明は平面図形の大問で出題される。 独自問題を出す公立高校入試や難関私立では、現在では高校数学Aの図形で習う内容を知っていると大変有利になることがある。この内容は、昔(1993年以前)は中学校内容だったせいか、発展内容として難易度の高いテキストには掲載されていることが多い。そちらで練習するといいだろう。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "高等学校入学試験数学では、おおむね次の4つが出題される。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ここでは、この4つについて、過去問も交えて受験対策をしていくことにする。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "公立高校の場合、最初は様々な分野から出題される小問集合となっていることが多い。ここの出来不出来は合格を左右する。例えば、東京都立高校の共通問題の場合、100点満点中46点ほどがここに含まれる。上位校なら全問正解が前提となるので、素早く正確に解いていきたい。中堅ならば素早くなくてもよいが、正確である必要はある。ここで1点でも多く稼げれば、後のミスをリカバリーできる。", "title": "大問1 小問集合" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "普通の公立高校では、計算はごくごく単純で、小学校の計算問題(特に分数や小数の四則演算)、正負の数の四則演算、一次方程式、平方根の混じった式が出やすい。問題数はおおむね、3~5問。そのため、これはウォーミングアップ程度に考え、1~2問解くことによって緊張をほぐすようにするとよいだろう。また、その場合は後の難問に備えてなるべく速く解くべきである。そして、ここは全問正解を目指すべきである。", "title": "大問1 小問集合" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "しかし、程度の高い私立高校では、普通にやってはとても解けないような問題がある。これは「置き換え」をマスターしているかどうか問う問題である。よって、何度も出ている数や式をA,Bなどに置き換えるとほぼ確実に解ける。ともかく、ここは点数稼ぎになる。見直しの時間を難問に充てるためにも、素早く正確な計算力を磨いてほしい。", "title": "大問1 小問集合" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "ただし因数分解と二次方程式では、高度な応用力が必要となる場合がある。小問の誘導を見極めること、どんな式が作れるか見極めること、そして最終手段としての数を絞って代入して行くという方法を忘れないことが肝心である。 とは言っても、実際はこれはほぼ考え尽くされてしまっており、そのパターンが十分理解されておれば楽に解ける問題が多い。", "title": "大問1 小問集合" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "近年、統計分野が重視されていることから、資料の整理に関する問題が1・2問出ることが多い。平均値の求め方はもちろん、その他の用語の意味と求め方をしっかり復習しよう。ここは「わかっていれば簡単だが、わかっていなければ全然取れない」ところである。特に、中央値・最頻値・相対度数などの用語に気をつけたい。", "title": "大問1 小問集合" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "作図は図形分野だが、図形の大問よりも小問集合で出ることが多い。公立高校入試ではほぼ必須である。", "title": "大問1 小問集合" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "問題集や教科書にあるようなレベルのものからかなり高度な問題まであり、都道府県や学校ごとの差が大きいのが入試の文章題の出題傾向の特徴である。また、都立高校入試(共通問題)のように数式を証明させる問題もある。", "title": "大問2 文章題" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "1. 徒歩でA地点からB地点まで行くのに、時速4kmで歩くと、予定より15分遅れ、時速5kmで歩くと予定より15分早く着く。このとき、次の問いに答えよ。", "title": "大問2 文章題" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "公立高校受検ならば、平面図形の問題では作図と証明が必ず出題される。ただ、作図は小問集合(概ね大問1か2)、証明は平面図形の大問で出題される。", "title": "大問4 図形" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "独自問題を出す公立高校入試や難関私立では、現在では高校数学Aの図形で習う内容を知っていると大変有利になることがある。この内容は、昔(1993年以前)は中学校内容だったせいか、発展内容として難易度の高いテキストには掲載されていることが多い。そちらで練習するといいだろう。", "title": "大問4 図形" } ]
高等学校入学試験数学では、おおむね次の4つが出題される。 計算 文章題 関数 図形 ここでは、この4つについて、過去問も交えて受験対策をしていくことにする。
高等学校入学試験数学では、おおむね次の4つが出題される。 #計算 #文章題 #関数 #図形 ここでは、この4つについて、過去問も交えて受験対策をしていくことにする。 == 大問1 小問集合 == 公立高校の場合、最初は様々な分野から出題される小問集合となっていることが多い。ここの出来不出来は合格を左右する。例えば、東京都立高校の共通問題の場合、100点満点中46点ほどがここに含まれる。上位校なら全問正解が前提となるので、素早く正確に解いていきたい。中堅ならば素早くなくてもよいが、正確である必要はある。ここで1点でも多く稼げれば、後のミスをリカバリーできる。 === 計算 === 普通の公立高校では、計算はごくごく単純で、小学校の計算問題(特に分数や小数の四則演算)、正負の数の四則演算、一次方程式、平方根の混じった式が出やすい。問題数はおおむね、3~5問。そのため、これはウォーミングアップ程度に考え、1~2問解くことによって緊張をほぐすようにするとよいだろう。また、その場合は後の難問に備えてなるべく速く解くべきである。そして、ここは全問正解を目指すべきである。 しかし、程度の高い私立高校では、普通にやってはとても解けないような問題がある。これは「置き換え」をマスターしているかどうか問う問題である。よって、何度も出ている数や式をA,Bなどに置き換えるとほぼ確実に解ける。ともかく、ここは点数稼ぎになる。見直しの時間を難問に充てるためにも、素早く正確な計算力を磨いてほしい。 ただし因数分解と二次方程式では、高度な応用力が必要となる場合がある。小問の誘導を見極めること、どんな式が作れるか見極めること、そして最終手段としての数を絞って代入して行くという方法を忘れないことが肝心である。 とは言っても、実際はこれはほぼ考え尽くされてしまっており、そのパターンが十分理解されておれば楽に解ける問題が多い。 #<math>\displaystyle \frac{\left(\sqrt{18}-2\sqrt{50}+ \displaystyle \frac{6}{\sqrt{2}}\right)^2} {5\sqrt{2}+\sqrt{162}-\sqrt{200}}</math>を計算せよ。 #(''x''<sup>2</sup> + ''x'' + 1 )(''x''<sup>2</sup> - ''x'' + 1)(''x''<sup>4</sup> - ''x''<sup>2</sup> + 1)(''x''<sup>8</sup> - ''x''<sup>4</sup> + 1)を展開せよ。 #<math>x^4-1</math> を因数分解せよ。 #<math>ab=1, bc=2, cd=3,de=4, ea=\displaystyle \frac{3}{2}</math>のとき、''b''の値を求めよ。ただし、''b'' > 0 とする。 #負でない数''k'' に対して、''k'' の整数部分を[''k'' ]、''k'' の小数部分を <nowiki><</nowiki>''k'' <nowiki>></nowiki>と表すことにするとき ##<math>\left[3-\sqrt{2}\right]=p, \left\langle 3-\sqrt{2} \right\rangle=q</math>のとき、<math> p-\displaystyle\frac{1}{q}=\displaystyle\frac{a}{2} </math>となる数''a'' を求めよ。 ##''x'' の方程式<math>\left\langle\left[x^2-4x+1\right]\right\rangle =\left[\left\langle x^2-4x+1\right\rangle\right] =x^2-4x+1 </math>を解け。 ##<math>\left[\displaystyle\frac{7t-19}{4}\right] =\left\langle 4\left\langle t\right\rangle\right\rangle </math>を満たす''t'' を全て求めよ。 === 統計 === 近年、統計分野が重視されていることから、資料の整理に関する問題が1・2問出ることが多い。平均値の求め方はもちろん、その他の用語の意味と求め方をしっかり復習しよう。ここは「わかっていれば簡単だが、わかっていなければ全然取れない」ところである。特に、中央値・最頻値・相対度数などの用語に気をつけたい。 === 作図 === 作図は図形分野だが、図形の大問よりも小問集合で出ることが多い。公立高校入試ではほぼ必須である。 == 大問2 文章題 == === 基本的な文章題 === 問題集や教科書にあるようなレベルのものからかなり高度な問題まであり、都道府県や学校ごとの差が大きいのが入試の文章題の出題傾向の特徴である。また、都立高校入試(共通問題)のように数式を証明させる問題もある。 1. 徒歩でA地点からB地点まで行くのに、時速4kmで歩くと、予定より15分遅れ、時速5kmで歩くと予定より15分早く着く。このとき、次の問いに答えよ。  (1) 道のりを x km として、方程式をつくれ。  (2) A地点からB地点までの道のりを求めよ。 <div align="right">[[/解答と解説|解答と解説]]</div> === 数式の証明 === == 大問3 関数 == == 大問4 図形 == === 平面図形 === 公立高校受検ならば、平面図形の問題では作図と証明が必ず出題される。ただ、作図は小問集合(概ね大問1か2)、証明は平面図形の大問で出題される。 ==== 発展的事項について ==== 独自問題を出す公立高校入試や難関私立では、現在では高校数学Aの図形で習う内容を知っていると大変有利になることがある。この内容は、昔(1993年以前)は中学校内容だったせいか、発展内容として難易度の高いテキストには掲載されていることが多い。そちらで練習するといいだろう。 *接弦定理(頻出) *方べきの定理 *三角形の重心・内心・外心 === 空間図形 === [[カテゴリ:数学]]
null
2022-11-25T16:50:06Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A0%A1%E5%8F%97%E9%A8%93%E6%95%B0%E5%AD%A6
764
学校教育
社会科学>学校教育
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "社会科学>学校教育", "title": "" } ]
社会科学>学校教育
{{DISPLAYTITLE:学校教育(義務教育)}} [[社会科学]]>[[学校教育]] == 就学前教育 == * [[幼稚園学習指導]] == 初等教育 == * [[小学校学習指導]] == 中等教育 == * [[中学校学習指導]] * [[高等学校学習指導]] == 特別支援教育 == * [[盲教育]] * [[聾教育]] * [[知的障害教育]] * [[発達障害教育]] * [[肢体不自由教育]] * [[病弱教育]] == 進路 == * [[生活と進路]] ==その他== *近年は[[いじめ]]が増加していることを背景に、それをしてはならないという教育も実施している学校もある。 [[Category:学校教育|*]] __インデックス__ __新しい節リンク__
2004-09-14T15:35:17Z
2023-11-17T01:23:38Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%99%E8%82%B2
765
高等学校学習指導
学校教育 > 高等学校学習指導
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "学校教育 > 高等学校学習指導", "title": "" } ]
学校教育 > 高等学校学習指導
[[学校教育]] > 高等学校学習指導 ==国語== ===現代文=== *[[学習指導 高等学校現代文]] *[[学習指導 高等学校国語表現]] ===古典=== *[[学習指導 高等学校古文]] *[[学習指導 高等学校漢文]] ==地理歴史== *[[学習指導 高等学校世界史]] **西洋史 **東洋史 **中国史 **アメリカ史 **文化史 **世界史論述 *[[学習指導 高等学校日本史]] *[[学習指導 高等学校地理]] ==公民== *[[学習指導 高等学校現代社会]] *[[学習指導 高等学校倫理]] *[[学習指導 高等学校政治・経済]] ==数学== *[[学習指導 高等学校数学I]] *[[学習指導 高等学校数学II]] *[[学習指導 高等学校数学III]] *[[学習指導 高等学校数学A]] *[[学習指導 高等学校数学B]] *[[学習指導 高等学校数学活用]] *[[学習指導 高等学校理数数学]] ==理科== *[[学習指導 高等学校科学と人間生活]] *[[学習指導 高等学校物理基礎]] *[[学習指導 高等学校物理]] *[[学習指導 高等学校化学基礎]] *[[学習指導 高等学校化学]] *[[学習指導 高等学校生物基礎]] *[[学習指導 高等学校生物]] *[[学習指導 高等学校地学基礎]] *[[学習指導 高等学校地学]] *[[学習指導 高等学校理科課題研究]] *[[学習指導 高等学校理数物理]] *[[学習指導 高等学校理数化学]] *[[学習指導 高等学校理数生物]] *[[学習指導 高等学校理数地学]] ==外国語== *[[学習指導 高等学校コミュニケーション英語基礎]] *[[学習指導 高等学校コミュニケーション英語I]] *[[学習指導 高等学校コミュニケーション英語II]] *[[学習指導 高等学校コミュニケーション英語III]] *[[学習指導 高等学校英語表現I]] *[[学習指導 高等学校英語表現II]] *[[学習指導 高等学校英語会話]] ==保健体育== *[[学習指導 高等学校体育]] *[[学習指導 高等学校保健]] ==芸術== *[[学習指導 高等学校音楽]] *[[学習指導 高等学校美術]] *[[学習指導 高等学校工芸]] *[[学習指導 高等学校書道]] ==家庭== *[[学習指導 高等学校家庭]] ==情報== *[[学習指導 高等学校社会と情報]] *[[学習指導 高等学校情報の科学]] ==農業== *[[学習指導 高等学校農業]] ==工業== *[[学習指導 高等学校工業]] ==商業== *[[学習指導 高等学校商業]] ==看護== *[[学習指導 高等学校看護]] ==福祉== *[[学習指導 高等学校福祉]] ==総合的な学習の時間== *[[学習指導 高等学校総合的な学習の時間]] ==特別活動== *[[高等学校ホームルーム活動]] *[[高等学校生徒会活動・委員会活動]] *[[高等学校学校行事]] ==課外活動== *[[高等学校部活動]] *[[高等学校ボランティア活動]] [[Category:学習指導|こうとうかつこうかくしゆうしとう]]
null
2016-11-08T10:43:01Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%8C%87%E5%B0%8E
766
中学校学習指導
学校教育 > 中学校学習指導
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "学校教育 > 中学校学習指導", "title": "" } ]
学校教育 > 中学校学習指導
[[学校教育]] > 中学校学習指導 ==国語== *[[学習指導 中学校国語]] ==社会== *[[学習指導 中学校社会 歴史]] *[[学習指導 中学校社会 地理]] *[[学習指導 中学校社会 公民]] ==数学== *[[学習指導 中学校数学]] ==理科== *[[学習指導 中学校理科 第1分野]] *[[学習指導 中学校理科 第2分野]] ==外国語== *[[学習指導 中学校外国語]] ==音楽== *[[学習指導 中学校音楽]] ==美術== *[[学習指導 中学校美術]] ==保健体育== *[[学習指導 中学校体育]] *[[学習指導 中学校保健]] ==技術家庭== *[[学習指導 中学校技術]] *[[学習指導 中学校家庭]] ==特別活動== *[[中学校学級活動]] *[[中学校生徒会活動・委員会活動]] *[[中学校学校行事]] ==課外活動== *[[中学校部活動]] *[[中学校ボランティア活動]] {{stub}} [[Category:学習指導|ちゆうかくかくしゆうしとう]]
null
2019-04-17T11:46:45Z
[ "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%8C%87%E5%B0%8E
767
中学校数学
中学校の数学は「数と式」「図形」「関数」「データの活用」の4つの分野に分けられる。 その中でも、「幾何分野」と「代数分野」と言った分類をすることが可能である。 それぞれの分類に合わせた学習方法や暗記方法を行うことが効率的である。 「数と式」は和差積商の延長線上の分野だ。また、数自体も新しい種類のものが出てくる。「図形」は正方形や直方体、それらの面積の延長線上の分野だ。「関数」は比や比例、反比例の延長線上の分野です。データの活用は平均や最頻値などデータの調べ方に関する分野だ。分野と聞くと難しく思うかもしれないが、すべて小学校で習ったものをわかりやすくジャンルわけしただけなので安心して欲しい。 以下のリンクでは、各学年の数学の解説をする。一般の教科書とは内容が若干異なる部分もあるが、勉強の参考になれば幸いである。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "中学校の数学は「数と式」「図形」「関数」「データの活用」の4つの分野に分けられる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "その中でも、「幾何分野」と「代数分野」と言った分類をすることが可能である。 それぞれの分類に合わせた学習方法や暗記方法を行うことが効率的である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "「数と式」は和差積商の延長線上の分野だ。また、数自体も新しい種類のものが出てくる。「図形」は正方形や直方体、それらの面積の延長線上の分野だ。「関数」は比や比例、反比例の延長線上の分野です。データの活用は平均や最頻値などデータの調べ方に関する分野だ。分野と聞くと難しく思うかもしれないが、すべて小学校で習ったものをわかりやすくジャンルわけしただけなので安心して欲しい。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "以下のリンクでは、各学年の数学の解説をする。一般の教科書とは内容が若干異なる部分もあるが、勉強の参考になれば幸いである。", "title": "" } ]
中学校の数学は「数と式」「図形」「関数」「データの活用」の4つの分野に分けられる。 その中でも、「幾何分野」と「代数分野」と言った分類をすることが可能である。 それぞれの分類に合わせた学習方法や暗記方法を行うことが効率的である。 「数と式」は和差積商の延長線上の分野だ。また、数自体も新しい種類のものが出てくる。「図形」は正方形や直方体、それらの面積の延長線上の分野だ。「関数」は比や比例、反比例の延長線上の分野です。データの活用は平均や最頻値などデータの調べ方に関する分野だ。分野と聞くと難しく思うかもしれないが、すべて小学校で習ったものをわかりやすくジャンルわけしただけなので安心して欲しい。 以下のリンクでは、各学年の数学の解説をする。一般の教科書とは内容が若干異なる部分もあるが、勉強の参考になれば幸いである。 中学校数学/小学校の復習 高校受験数学 (2014-01-05) 入試対策問題/数学 学習方法/高校受験/数学 中学3年生むけ ひろがる数学 (高校受験を終えたあとに読んでください)
{{進捗状況}} :: {{Pathnav|小学校・中学校・高等学校の学習|中学校の学習}} :: {{Pathnav|数学}} ---- 中学校の数学は「'''数と式'''」「'''図形'''」「'''関数'''」「'''データの活用'''」の4つの分野に分けられる。 その中でも、「幾何分野」と「代数分野」と言った分類をすることが可能である。 それぞれの分類に合わせた学習方法や暗記方法を行うことが効率的である。 「数と式」は[[小学校算数/4学年#計算の答え|和差積商]]の延長線上の分野だ。また、数自体も新しい種類のものが出てくる。「図形」は正方形や直方体、それらの面積の延長線上の分野だ。「関数」は比や比例、反比例の延長線上の分野です。データの活用は平均や最頻値などデータの調べ方に関する分野だ。分野と聞くと難しく思うかもしれないが、すべて小学校で習ったものをわかりやすくジャンルわけしただけなので安心して欲しい。 以下のリンクでは、各学年の数学の解説をする。一般の教科書とは内容が若干異なる部分もあるが、勉強の参考になれば幸いである。 : [[中学数学1年]]{{進捗|50%|2023-10-25}} : [[中学数学2年]]{{進捗|50%|2023-10-25}} : [[中学数学3年]]{{進捗|50%|2023-10-25}} ---- : [[中等教育前期の数学]] {{進捗|00%|2018-12-09}} ---- : 付録 > [[初等数学演習#中学校|数学演習]] :: [[数学演習/中学校1年生]] {{進捗|75%|2014-02-09}} :: [[数学演習/中学校2年生]] {{進捗|100%|2014-02-09}} :: [[数学演習/中学校3年生]] {{進捗|75%|2014-02-09}} * [[中学校数学/小学校の復習]] * [[高校受験数学]] {{進捗|00%|2014-01-05}} * [[入試対策問題/数学]] * [[学習方法/高校受験/数学]] * [[中学3年生むけ ひろがる数学]] (高校受験を終えたあとに読んでください) [[Category:数学|ちゆうかつこうすうかく]] [[Category:中学校教育|すうかく]] [[Category:中学校数学|ちゆうかつこうすうかく]]
2004-09-14T15:50:49Z
2024-01-25T14:24:28Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:進捗", "テンプレート:進捗状況" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E5%AD%A6
778
旧課程(-2012年度)高等学校数学III
現行課程の数学IIIは、 で構成される。 新課程の数学 III は、 から成っている。 高等学校学習指導要領の数学 III の目標には、 「極限,微分法及び積分法についての理解を深め,知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察し処理する能力を伸ばすとともに,それらを積極的に活用する態度を育てる。」 とあり、解析学の基礎事項を学ぶことになる 数学IIIの問題は見た目の複雑さに比べて難易度は低めである。また、入試で数学IIIを課していても教科書の例題レベルの出題がなされることが多い。特に筑波大学の問題は数学IIIの演習に適している問題が多く出題されているので一度目を通しておくといいだろう。 極限では主に次のような事柄を学ぶ。 微分法は数学IIの『微分・積分の考え』に引き続き、より一般的な関数の微分について学ぶ。 積分法は数学IIの『微分・積分の考え』に引き続き、より一般的な関数の積分について学ぶ。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "現行課程の数学IIIは、", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "で構成される。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "新課程の数学 III は、", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "から成っている。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "高等学校学習指導要領の数学 III の目標には、", "title": "数学 III を学ぶ意義" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "「極限,微分法及び積分法についての理解を深め,知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察し処理する能力を伸ばすとともに,それらを積極的に活用する態度を育てる。」", "title": "数学 III を学ぶ意義" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "とあり、解析学の基礎事項を学ぶことになる", "title": "数学 III を学ぶ意義" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "", "title": "数学 III を学ぶ意義" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "数学IIIの問題は見た目の複雑さに比べて難易度は低めである。また、入試で数学IIIを課していても教科書の例題レベルの出題がなされることが多い。特に筑波大学の問題は数学IIIの演習に適している問題が多く出題されているので一度目を通しておくといいだろう。", "title": "学習方法" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "極限では主に次のような事柄を学ぶ。", "title": "極限" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "微分法は数学IIの『微分・積分の考え』に引き続き、より一般的な関数の微分について学ぶ。", "title": "微分法" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "積分法は数学IIの『微分・積分の考え』に引き続き、より一般的な関数の積分について学ぶ。", "title": "積分法" } ]
現行課程の数学Ⅲは、 複素数平面 平面上の曲線 極限 微分法 積分法 で構成される。 新課程の数学 III は、 極限 微分法 積分法 から成っている。
{{pathnav|高等学校の学習|高等学校数学|frame=1}} 現行課程の数学Ⅲは、 * [[高等学校数学III/複素数平面|複素数平面]] * [[高等学校数学III/平面上の曲線|平面上の曲線]] * [[高等学校数学III/極限|極限]] * [[高等学校数学III/微分法|微分法]] * [[高等学校数学III/積分法|積分法]] で構成される。 新課程の数学 III は、 * [[高等学校数学III/極限|極限]] * [[高等学校数学III/微分法|微分法]] * [[高等学校数学III/積分法|積分法]] から成っている。 == 数学 III を学ぶ意義 == 高等学校学習指導要領の数学 III の目標には、 <blockquote>「極限,微分法及び積分法についての理解を深め,知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察し処理する能力を伸ばすとともに,それらを積極的に活用する態度を育てる。」</blockquote> とあり、解析学の基礎事項を学ぶことになる == 学習方法 == 数学IIIの問題は見た目の複雑さに比べて難易度は低めである。また、入試で数学IIIを課していても教科書の例題レベルの出題がなされることが多い。特に筑波大学の問題は数学IIIの演習に適している問題が多く出題されているので一度目を通しておくといいだろう。 == [[高等学校数学III/極限|極限]] == 極限では主に次のような事柄を学ぶ。 ;数列の極限 :数列や級数の極限について学ぶ。 ;関数とその極限 :関数の極限について学ぶ。また、この項では合成関数や逆関数についても学ぶ。 == [[高等学校数学III/微分法|微分法]] == 微分法は[[高等学校数学II|数学II]]の『[[高等学校数学II/微分・積分の考え|微分・積分の考え]]』に引き続き、より一般的な関数の微分について学ぶ。 == [[高等学校数学III 積分法|積分法]] == 積分法は[[高等学校数学II|数学II]]の『[[高等学校数学II/微分・積分の考え|微分・積分の考え]]』に引き続き、より一般的な関数の積分について学ぶ。 [[Category:数学教育|旧1 こうとうかっこうすうかく3]]
2004-09-18T08:39:17Z
2023-12-09T21:31:51Z
[ "テンプレート:Pathnav" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%97%A7%E8%AA%B2%E7%A8%8B(-2012%E5%B9%B4%E5%BA%A6)%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E5%AD%A6III
779
高等学校数学III/極限
ここでは、極限について学ぶ。微分・積分の考えでは簡単な関数の極限について学んだが、ここでは数列の極限、さらには無理関数や三角関数などの関数の極限について学ぶ。極限は微分積分の基礎となっており重要である。 数列 { a n } {\displaystyle \{a_{n}\}} が有限個の項しかもたないとき、有限数列といい、項が限りなく続くとき無限数列という。ここでは無限数列を考えるから断りがない場合、無限数列を単に数列と書くことにする。 数列 { a n } {\displaystyle \{a_{n}\}} において、項の番号 n {\displaystyle n} が限りなく大きくなっていくとき、 a n {\displaystyle a_{n}} がある一定の値 α {\displaystyle \alpha } に限りなく近づいていくならば、数列 { a n } {\displaystyle \{a_{n}\}} は α {\displaystyle \alpha } に収束するといい、 または簡単に とかく。また、 α {\displaystyle \alpha } をこの数列の極限値という。 収束する数列には次のような性質がある。 数列 { a n } {\displaystyle \{a_{n}\}} , { b n } {\displaystyle \{b_{n}\}} において, lim n → ∞ a n = α {\displaystyle \lim _{n\to \infty }a_{n}=\alpha } , lim n → ∞ b n = β {\displaystyle \lim _{n\to \infty }b_{n}=\beta } とすると、 数列には収束しないものがある。たとえば は収束しない。収束しない数列は発散(はっさん) するという。発散する数列 { a n } {\displaystyle \{a_{n}\}} で n → ∞ {\displaystyle n\to \infty } のとき項 a n {\displaystyle a_{n}} の値が限りなく大きくなるときこの数列は正の無限大(せい の むげんだい) に発散するといい、「その極限は正の無限大である」のようにいう。このことを次のように表す。 逆に n → ∞ {\displaystyle n\to \infty } のとき、項 a n {\displaystyle a_{n}} が負の値でその絶対値が限りなく大きくなるときこの数列は負の無限大 に発散するといい、その極限は負の無限大であるという。このことを次のように表す。 発散する数列には次のようなものもある。 いずれの数列も正の無限大にも負の無限大にも発散しない。このような数列を振動(しんどう) するという。このときもこの数列には極限値が存在しない。 数列 { a n } {\displaystyle \{a_{n}\}} , { b n } {\displaystyle \{b_{n}\}} について、 n {\displaystyle n} が十分に大きいとき常に a n ≤ b n {\displaystyle a_{n}\leq b_{n}} を満たしていて、 lim n → ∞ a n = α {\displaystyle \lim _{n\to \infty }a_{n}=\alpha } かつ { b n } {\displaystyle \{b_{n}\}} の極限値も存在するならば、 となる。 これを証明するためには、「限り無く近づく」という言葉の、数学的な意味を明確にする必要がある。初学者には難解な証明であるため、高校数学では直感的に成り立ちそうなことを理解してほしい。参考として、以下に証明の一例を挙げておく。 α > lim n → ∞ b n {\displaystyle \alpha >\lim _{n\to \infty }b_{n}} と仮定すると、 α − lim n → ∞ b n = ε ′ > 0 {\displaystyle \alpha -\lim _{n\to \infty }b_{n}=\epsilon '>0} である。 b n {\displaystyle b_{n}} は限りなく α − ε ′ / 2 {\displaystyle \alpha -\epsilon '/2} より小さい数に近づくから、 n {\displaystyle n} が十分大きいときは常に b n < α − ε ′ / 2 {\displaystyle b_{n}<\alpha -\epsilon '/2} となる。 a n {\displaystyle a_{n}} は限りなく α {\displaystyle \alpha } に近づくため、任意の正の数 ε {\displaystyle \epsilon } に対して、十分大きな数 N {\displaystyle N} であって、 n ≥ N {\displaystyle n\geq N} ならば常に α − a n < ε {\displaystyle \alpha -a_{n}<\epsilon } が成り立つようなものが存在するはずである。いま、 a n ≤ b n {\displaystyle a_{n}\leq b_{n}} であったから、十分大きな n {\displaystyle n} では常に b n ≥ α − ε {\displaystyle b_{n}\geq \alpha -\epsilon } となる。 ε {\displaystyle \epsilon } は任意の正の数であったから、 ε = ε ′ / 2 {\displaystyle \epsilon =\epsilon '/2} とすると、十分大きな n {\displaystyle n} について矛盾する式が成立することになる。したがって、背理法により α ≤ lim n → ∞ b n {\displaystyle \alpha \leq \lim _{n\to \infty }b_{n}} である。■ 興味を持った人は大学1年生程度を対象とする微分積分学の教科書を参照してほしい。例えば、解析学基礎など。 次に、はさみうちの原理 を紹介する。 数列 { a n } {\displaystyle \{a_{n}\}} , { b n } {\displaystyle \{b_{n}\}} , { c n } {\displaystyle \{c_{n}\}} について、 n {\displaystyle n} が十分に大きいとき常に a n ≤ b n ≤ c n {\displaystyle a_{n}\leq b_{n}\leq c_{n}} を満たしていて、 lim n → ∞ a n = lim n → ∞ c n = α {\displaystyle \lim _{n\to \infty }a_{n}=\lim _{n\to \infty }c_{n}=\alpha } ならば、 { b n } {\displaystyle \{b_{n}\}} の極限値も存在して、 となる。 lim n → ∞ b n {\displaystyle \lim _{n\to \infty }b_{n}} が存在することはあきらか。先の定理より、 であるので、 が成立。■ つぎの極限値を求めよ。 等比数列 { r n } {\displaystyle \{r^{n}\}} の極限について考えてみよう。 r = 1 + h {\displaystyle r=1+h} とおくと、 であるので、 したがって、 n → ∞ {\displaystyle n\to \infty } のとき、 1 + n h → ∞ {\displaystyle 1+nh\to \infty } だから、 1 {\displaystyle 1} は何乗しても 1 {\displaystyle 1} だから、 r = 0 {\displaystyle r=0} ならばあきらかに、 r ≠ 0 {\displaystyle r\neq 0} のとき、 | r | − 1 > 1 {\displaystyle |r|^{-1}>1} だから、(i) より したがって、 r n {\displaystyle r^{n}} は n {\displaystyle n} が奇数の場合 − 1 {\displaystyle -1} 、 n {\displaystyle n} が偶数の場合 1 {\displaystyle 1} となるので振動する。 | r | > 1 {\displaystyle |r|>1} より、 となるが、 r n {\displaystyle r^{n}} は n {\displaystyle n} が奇数の場合 r n < 0 {\displaystyle r^{n}<0} 、 n {\displaystyle n} が偶数の場合 r n > 0 {\displaystyle r^{n}>0} となるので振動する。 まとめると、次のようになる。 収束 発散 一般項が次のように表される数列の収束・発散について調べ、極限値があるならばこれを求めよ。 数列 { a n } {\displaystyle \{a_{n}\}} の第 n {\displaystyle n} 項までの和を S n {\displaystyle S_{n}} と表すことにする。すなわち、 このとき、 { S n } {\displaystyle \{S_{n}\}} は数列の一種とみなすことができ、このようにある数列の初項から第 n {\displaystyle n} 項までを順番に足してできる数列を級数(きゅうすう) という。もとの数列 { a n } {\displaystyle \{a_{n}\}} が無限数列である場合、級数 { ∑ k = 1 n a k } {\displaystyle \left\{\sum _{k=1}^{n}a_{k}\right\}} も無限に項を持つことになる。このような級数を無限級数(むげんきゅうすう) という。以下、単に級数というときは無限級数であるとする。 数列 { a n } {\displaystyle \{a_{n}\}} において、初項から第 n {\displaystyle n} 項までの和を第 n {\displaystyle n} 部分和(ぶぶんわ)という。 { a n } {\displaystyle \{a_{n}\}} から作られる級数の第 n {\displaystyle n} 部分和 (つまり、 { a n } {\displaystyle \{a_{n}\}} の初項から第n項までの和)を S n {\displaystyle S_{n}} と表すことにし、この級数 { S n } {\displaystyle \{S_{n}\}} の極限値が S {\displaystyle S} であるとき、 S n {\displaystyle S_{n}} は S {\displaystyle S} に収束するといい、 S {\displaystyle S} を級数の和という。このことを次のように表す。 または または 2番目の表記はシグマ記号を使わない分直感には訴えやすい面もあるが、注意深く表記しないと「...」の指すものがはっきりしないため、あまり好ましくない。 数列 { S n } {\displaystyle \{S_{n}\}} が発散するときこの級数は発散するという。 つぎの級数の収束・発散について調べ、和が存在するならば求めよ。 数列 { a n } {\displaystyle \{a_{n}\}} から作られる級数 S n {\displaystyle S_{n}} が収束する必要条件は、 である。 α ≠ 0 {\displaystyle \alpha \neq 0} とし、 lim n → ∞ a n = α {\displaystyle \lim _{n\to \infty }a_{n}=\alpha } とする。 n > 1 {\displaystyle n>1} のとき、 となるので、 しかし、 lim n → ∞ S n = lim n → ∞ S n − 1 = S {\displaystyle \lim _{n\to \infty }S_{n}=\lim _{n\to \infty }S_{n-1}=S} であるから、これは矛盾。したがって、 α = 0 {\displaystyle \alpha =0} でなくてはならない。■ 逆に、 lim n → ∞ a n = 0 {\displaystyle \lim _{n\to \infty }a_{n}=0} であっても、 ∑ n ∞ a n {\displaystyle \sum _{n}^{\infty }a_{n}} が収束するとは限らない。 初項が a {\displaystyle a} で公比が r {\displaystyle r} の数列から作られる級数を無限等比級数 または単に等比級数(とうひ きゅうすう) という。 等比級数の収束・発散について考えてみよう。この等比級数の第 n {\displaystyle n} 部分和は、 となる。 すべての n {\displaystyle n} で a n = 0 {\displaystyle a_{n}=0} となるから、 | r | < 1 {\displaystyle |r|<1} とすると、 であるから、 r > 1 {\displaystyle r>1} または r ≤ − 1 {\displaystyle r\leq -1} のときは、 { a r n − 1 } {\displaystyle \{ar^{n-1}\}} は発散するから、 { S n } {\displaystyle \{S_{n}\}} は発散する。また、 r = 1 {\displaystyle r=1} のときは、 であるから、先の定理より { S n } {\displaystyle \{S_{n}\}} は発散する。 このことは次のようにまとめられる。 a ≠ 0 {\displaystyle a\neq 0} のとき、初項 a {\displaystyle a} , 公比 r {\displaystyle r} の等比級数は 次の等比級数の収束・発散について調べ、収束するものについてはその和を求めよ。 y = 1 x , y = 2 x − 1 x − 1 {\displaystyle y={\frac {1}{x}}\ ,\ y={\frac {2x-1}{x-1}}} のように、xの分数式で表される関数をxの分数関数という。 y = k x {\displaystyle y={\frac {k}{x}}} のグラフは双曲線(そうきょくせん)で、原点に関して対称である。双曲線 y = k x {\displaystyle y={\frac {k}{x}}} の漸近線は、x軸とy軸である。 関数 y = k x − p + q {\displaystyle y={\frac {k}{x-p}}+q} のグラフは、関数 y = k x {\displaystyle y={\frac {k}{x}}} のグラフをx軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動したもので、漸近線は2直線 x = p , y = q {\displaystyle x=p\ ,\ y=q} である。 分数関数 y = 2 x + 3 x + 1 {\displaystyle y={\frac {2x+3}{x+1}}} のグラフの漸近線の方程式を求めよ。 ゆえに、この関数のグラフは、双曲線 y = 1 x {\displaystyle y={\frac {1}{x}}} をx軸方向に-1、y軸方向に2だけ平行移動したものである。 漸近線の方程式は x = − 1 , y = 2 {\displaystyle x=-1\ ,\ y=2} である。 x , 3 x − 8 3 {\displaystyle {\sqrt {x}}\ ,\ {\sqrt[{3}]{3x-8}}} のように、根号の中に文字を含む式を無理式(むりしき)といい、変数xの無理式で表される関数をxの無理関数(むりかんすう)という。 y = x {\displaystyle y={\sqrt {x}}} のグラフについて考える。 y = x {\displaystyle y={\sqrt {x}}} の定義域は x ≥ 0 {\displaystyle x\geq 0} 、値域は y ≥ 0 {\displaystyle y\geq 0} である。 y = x {\displaystyle y={\sqrt {x}}} の両辺を2乗すると、 y 2 = x {\displaystyle y^{2}=x} 、すなわち x = y 2 {\displaystyle x=y^{2}} のグラフは原点を頂点とし、x軸を対称軸とする放物線である。 y = x {\displaystyle y={\sqrt {x}}} では y ≥ 0 {\displaystyle y\geq 0} であるから、 y = x {\displaystyle y={\sqrt {x}}} のグラフは x = y 2 {\displaystyle x=y^{2}} のグラフの上半分である。 無理関数 y = a x + b {\displaystyle y={\sqrt {ax+b}}} について、 であるから、無理関数 y = a x + b {\displaystyle y={\sqrt {ax+b}}} のグラフは、 y = a x {\displaystyle y={\sqrt {ax}}} のグラフをx軸方向に − b a {\displaystyle -{\frac {b}{a}}} だけ平行移動したものである。 無理関数 y = − 2 x − 6 {\displaystyle y={\sqrt {-2x-6}}} のグラフは y = − 2 x {\displaystyle y={\sqrt {-2x}}} のグラフをどのように平行移動したものか。 ゆえに、この関数のグラフは、 y = − 2 x {\displaystyle y={\sqrt {-2x}}} をx軸方向に-3だけ平行移動したものである。 なお、分母がn次式である分数関数をn次分数関数、根号の中がn次式である無理関数をn次無理関数と呼ぶ場合がある。また、高校で扱う整関数・三角関数・指数関数・対数関数・分数関数・無理関数及びそれらの逆関数を総称して初等関数と呼ぶ。 二つの関数 f ( x ) {\displaystyle f(x)} と g ( x ) {\displaystyle g(x)} が与えられたとき、 f ( g ( x ) ) {\displaystyle f(g(x))} という新しい関数を考えることができる。たとえば f ( x ) = x 2 + x + 2 {\displaystyle f(x)=x^{2}+x+2} , g ( x ) = x + 1 {\displaystyle g(x)=x+1} とすると、 一般に二つの関数 f ( x ) {\displaystyle f(x)} , g ( x ) {\displaystyle g(x)} が与えられたとき、関数 f ( g ( x ) ) {\displaystyle f(g(x))} や g ( f ( x ) ) {\displaystyle g(f(x))} を f ( x ) {\displaystyle f(x)} と g ( x ) {\displaystyle g(x)} の合成関数(ごうせい かんすう)という。合成関数 f ( g ( x ) ) {\displaystyle f(g(x))} を ( f ∘ g ) ( x ) {\displaystyle (f\circ g)(x)} とかくことがある。 f ( x ) = x 2 − 1 {\displaystyle f(x)=x^{2}-1} , g ( x ) = x x + 1 {\displaystyle g(x)={\frac {x}{x+1}}} のとき、合成関数 ( f ∘ g ) ( x ) {\displaystyle (f\circ g)(x)} と ( g ∘ f ) ( x ) {\displaystyle (g\circ f)(x)} を求めよ。 この例題のように、一般に ( f ∘ g ) ( x ) {\displaystyle (f\circ g)(x)} と ( g ∘ f ) ( x ) {\displaystyle (g\circ f)(x)} は等しくない。 関数 f ( x ) {\displaystyle f(x)} と関数 g ( x ) {\displaystyle g(x)} が与えられて、 をすべての定義域内の x {\displaystyle x} で満たすとき、 g ( x ) {\displaystyle g(x)} を f ( x ) {\displaystyle f(x)} の逆関数(ぎゃくかんすう)といい、 と表す。 f ( x ) = x n ( x ≥ 0 ) {\displaystyle f(x)=x^{n}(x\geq 0)} の逆関数 f − 1 ( x ) {\displaystyle f^{-1}(x)} を求めよ。 y = f ( x ) {\displaystyle y=f(x)} とおいて x {\displaystyle x} について解くと、 となる。したがって、 f − 1 ( x ) = x n {\displaystyle f^{-1}(x)={\sqrt[{n}]{x}}} 。 この例題のように、ある関数 f ( x ) {\displaystyle f(x)} の逆関数 f − 1 ( x ) {\displaystyle f^{-1}(x)} を求めるには x {\displaystyle x} について解いて x {\displaystyle x} と y {\displaystyle y} を入れ替えればよい。 (※ 範囲外) 次に逆関数が存在する条件について考えてみよう。逆関数も関数であるから(逆関数の)定義域に含まれるすべての x {\displaystyle x} で f − 1 ( x ) {\displaystyle f^{-1}(x)} が一意に定まらなくてはならない。すなわち、 y = f ( x ) {\displaystyle y=f(x)} において、定義域の x {\displaystyle x} と値域の y {\displaystyle y} のどちらかを定めるともう片方が一意に定まるような関数でなくてはならない。このことを関数 f ( x ) {\displaystyle f(x)} が全単射(ぜんたんしゃ)である、または一対一 対応(いったいいち たいおう)であるという。関数 f ( x ) {\displaystyle f(x)} が全単射であることは f ( x ) {\displaystyle f(x)} に逆関数が存在することの必要十分条件である。 (ここまで、範囲外) ある関数 f ( x ) {\displaystyle f(x)} において、 x {\displaystyle x} が定数 a 1 {\displaystyle a_{1}} より小さい値をとりながら a 1 {\displaystyle a_{1}} に限りなく近づくときの関数 f ( x ) {\displaystyle f(x)} の値が一定の値 b 1 {\displaystyle b_{1}} に限りなく近づくとき、 f ( x ) {\displaystyle f(x)} の左極限値は b 1 {\displaystyle b_{1}} であるといい、 と表す。同様に x {\displaystyle x} が定数 a 2 {\displaystyle a_{2}} より大きい値をとりながら a 2 {\displaystyle a_{2}} に限りなく近づくときの関数 f ( x ) {\displaystyle f(x)} の値が一定の値 b 2 {\displaystyle b_{2}} に限りなく近づくとき、 f ( x ) {\displaystyle f(x)} の右極限値は b 2 {\displaystyle b_{2}} であるといい、 と表す。 ここで、 かつ であるとき、すなわち a {\displaystyle a} における左極限値と右極限値が等しいとき f ( x ) {\displaystyle f(x)} は b {\displaystyle b} に収束するといい、 b {\displaystyle b} をそのときの f ( x ) {\displaystyle f(x)} の極限値という。このことを、 と表す。 x → a {\displaystyle x\to a} のとき、 f ( x ) {\displaystyle f(x)} が限りなく大きくなるならば、 f ( x ) {\displaystyle f(x)} は正の無限大に発散するといい、 lim x → a f ( x ) = ∞ {\displaystyle \lim _{x\to a}f(x)=\infty } と書く。 x → a {\displaystyle x\to a} のとき、 f ( x ) {\displaystyle f(x)} が負の値をとって、その絶対値が限りなく大きくなるならば、 f ( x ) {\displaystyle f(x)} は負の無限大に発散するといい、 lim x → a f ( x ) = − ∞ {\displaystyle \lim _{x\to a}f(x)=-\infty } と書く。 xを限りなく大きくするとf(x)がある値aに限りなく近づくとき と、xを負の値をとりながら限りなく絶対値を大きくするとf(x)がある値aに限りなく近づくとき、 と書き、それぞれ正の無限大における極限値、負の無限大における極限値という。 ある関数 f ( x ) {\displaystyle f(x)} が定義域内の点 a {\displaystyle a} で連続(れんぞく)であるとは、 その関数 f ( x ) {\displaystyle f(x)} のグラフが x = a {\displaystyle x=a} の近傍で途切れることなく続いていることを意味する。数式で表すと次のようになる。 であることをいう。また、ある区間で f ( x ) {\displaystyle f(x)} が連続であるとは、区間内のすべての点で連続であることをいう。 くどいかもしれないが、上式は左辺の極限値が存在して、かつ右辺と一致するということを意味する。左辺の極限値が存在しない場合はf(x)は連続ではない。 また、 a {\displaystyle a} が定義域の左端・右端に位置する場合、点 ( a , f ( a ) ) {\displaystyle (a,f(a))} で関数が連続である条件はそれぞれ、 となる。 関数 f ( x ) , g ( x ) {\displaystyle f(x),g(x)} が定義域に含まれる値 a {\displaystyle a} で連続であるとき、以下の関数も x = a {\displaystyle x=a} で連続である。 f ( x ) {\displaystyle f(x)} が定義域に含まれる全ての x {\displaystyle x} について連続であるとき、 f ( x ) {\displaystyle f(x)} を連続関数と呼ぶ。一般に、初等関数は連続関数である。 なお、以下のような場合には注意が必要である。 区間について、以下のように定める。 ある区間を f ( x ) {\displaystyle f(x)} の定義域と考えたとき、区間に含まれる全ての点において f ( x ) {\displaystyle f(x)} が連続ならば f ( x ) {\displaystyle f(x)} はその区間で連続であるという。 一般に、閉区間で連続な関数は、その閉区間で最大値・最小値を持つ。これに対し、開区間で連続な関数は持つことも持たないこともある。 関数 f ( x ) {\displaystyle f(x)} が閉区間 [ a , b ] {\displaystyle [a,b]} で連続ならば、この区間においてそのグラフには切れ目がなく、さらに f ( a ) ≠ f ( b ) {\displaystyle f(a)\neq f(b)} ならば f ( x ) {\displaystyle f(x)} は f ( a ) {\displaystyle f(a)} と f ( b ) {\displaystyle f(b)} の間の全ての値を取る。よって、次の中間値の定理が成り立つ。 更に、次の定理が成り立つ。 三角関数については、次が成り立つことが基本的である。 まず を示す。 半径1、中心角θの扇形を考える。後にθ→+0とするので0<θ<π/2としてよい。 扇形OABの面積は、θ/2となる。 また、三角形OABを考えると、その面積は となる。 さらに、点Aを通る辺OAの垂線と、半直線OBとの交点をB'とすると、三角形OAB'の面積は、 となる。 ここで、図から明らかに、面積について以下の不等式が成り立つ。 [三角形OAB]<[扇形OAB]<[三角形OAB'] 即ち 逆数をとって各辺にsinθを掛けると、 いま、 より、はさみうちの原理から、 が示された。 また、θ<0のときは、 を考えると、いま-θ>0であり、かつθ→-0のとき-θ→+0であるから、上の結果を使うことができて、これにより、 となる。以上より、 が成り立つ。■ 指数・対数関数に関して、次が成り立つ また、自然対数は高等学校数学III/微分法で導入されるが、自然対数については、次が成り立つ。 w:ネピア数 e {\displaystyle e} の定義より、 lim n → ∞ ( 1 + 1 n ) n = e {\displaystyle \lim _{n\to \infty }(1+{\frac {1}{n}})^{n}=e} 。これの両辺の自然対数をとって lim n → ∞ n log ( 1 + 1 n ) = log e = 1 {\displaystyle \lim _{n\to \infty }n\log(1+{\frac {1}{n}})=\log e=1} 。ここで、 x = 1 n {\displaystyle x={\frac {1}{n}}} とすると、 n → ∞ {\displaystyle n\to \infty } で x → 0 {\displaystyle x\to 0} なので、 lim x → 0 log ( 1 + x ) x = 1 {\displaystyle \lim _{x\to 0}{\frac {\log(1+x)}{x}}=1} となる。■ また、これを用いてネピア数 e {\displaystyle e} については、次が導かれる。 lim x → 0 log ( 1 + x ) x = 1 {\displaystyle \lim _{x\to 0}{\frac {\log(1+x)}{x}}=1} の関係式で、 e t = 1 + x {\displaystyle e^{t}=1+x} とおくと、 x → 0 {\displaystyle x\to 0} のときに t → 0 {\displaystyle t\to 0} となり、 log ( e t ) e t − 1 = t e t − 1 → 1 ( t → 0 ) {\displaystyle {\frac {\log(e^{t})}{e^{t}-1}}={\frac {t}{e^{t}-1}}\to 1(t\to 0)} 。 両辺の逆数をとり、tをxに書き換えると、 lim x → 0 e x − 1 x = 1 {\displaystyle \lim _{x\to 0}{\frac {e^{x}-1}{x}}=1} となる。■ 次の極限を求めよ ここでは、上述のような極限の説明に「なんかウサンクサイ」と思う生徒を対象に、そのような疑問に少しでも応えることを目標とする。よって、そのような疑問を持たない生徒が読んでも、あまり意味はない。 疑問を抱いた諸君、諸君の疑問はいたって正当である。あまりこのようなことを大っぴらに書くべきではないかもしれないが、高等学校における極限の取り扱いは「子供だまし」であり、近代以降の数学では極限という概念はもっと厳密な形で取り扱われている。しかしその内容は高校生には少し難しいし、詳しい書籍はほかにも存在する(wikibooksでも解析学基礎にある程度の記述がある)。そこでここでは、高校の教科書のように「子供だまし」をするのではなく、かといって厳密な形で議論するのでもなく、諸君を納得させられるかもしれない答えを提示したい。 さて改めて、極限値という概念に次のような疑問を持つ生徒はいないだろうか。 ここでは、この問いに対するひとつの解答例を示したいと思う。分り易さを重視しているので厳密では無いが、ひとつの考え方の例として読んでもらいたい。 分数関数 f ( x ) = 1 / x {\displaystyle f(x)=1/x} を考える。この関数の正の無限大における極限値は 0 {\displaystyle 0} である。 数式で書くならば以下の通りである。 ここで敢えて、この数式には極々小さな正の誤差が紛れ込んでいる、と考える。 x {\displaystyle x} が限りなく無限大に近づいたとしても、 f ( x ) {\displaystyle f(x)} は絶対にx軸とは交わらず、漸近的に近づいていくだけであるため、無限大であっても等号が成り立つはずは無いからである。 そこで、極限という概念で考えるのではなく、直接 f ( x ) {\displaystyle f(x)} に無限大を代入した値を誤差として考える。 (この時、この代入の不可能性については考えないものとする。) 当然ながら、この誤差の大きさは、 1 / ∞ {\displaystyle 1/\infty } という大きさになるのだが、この大きさは一体どのようなものだろうか? そもそもこの誤差の値は、実数であるかどうかすらも怪しい。何故なら、そもそも無限大という数自体が実数とは思えない性質を持っているからだ。 無限大というのは、どの実数よりも大きい数という定義である。この時点ですでに実数の定義からハズレている事がよくわかるだろう。 実数にこの無限大という数が含まれるのであれば、無限大は無限大より大きい、という矛盾が生まれる。 ゆえに、無限大は実数と言う枠組みから外し、実数でない未知の数であると考えるべきだろう。 さて、この未知の数の逆数である 1 / ∞ {\displaystyle 1/\infty } はどういう値なのだろうか。当然ながら、これも未知の数であると言わざるを得ない。 無限大の定義より、 1 / ∞ {\displaystyle 1/\infty } はどの正の実数よりも小さい正の数、という定義になり、無限大の時と同様に、実数でないことが証明できる。 なお、この数は一般に無限小と呼ばれ、実数に無限小と無限大という概念を加えた数を「超実数」と呼ぶ。 さて、この無限小という誤差を実数としてみるとどう見えるだろうか? 無限小はどのような正の実数よりも小さい、というのだから、実数から見たら見かけ上 0 {\displaystyle 0} に見えるだろう。 そのような視点で考えているのが極限値というものである。 もう少し踏み込んで、値域を実数とする f ( x ) {\displaystyle f(x)} の値として、無限小という非実数値が出現した、という事実をどう考えるべきだろうか? その問いに対しての極限値という概念の答えは、「強引に実数に変換する」という手法なのである。 値域を実数とする関数に、非実数をいきなり登場させるわけにはいかない、というのは誰にでもわかることだろう。 其の様な問題に対して考えられる答えは「関数の値域そのものを超実数に拡張する」又は「超実数を実数に変換して、値域を実数として保つ」というものだ。 極限(lim)と言う操作・概念はこの二つの答えの内、後者の答えを選んだものとなる。 limという記号には、 f ( x ) {\displaystyle f(x)} に x = a ± 1 / ∞ {\displaystyle x=a\pm 1/\infty } をそれぞれ代入した数を計算し、その値から無限小を無視して、超実数を実数に変換するという意味合いが有る。 実数という数から見れば、無限小など全く意味の無い数であることから、等式が成り立つ、と解釈できるのである。 前者の答えを選んだ学問は超準解析と呼ばれるが、これは易しい学問ではなく、高校で教えるのには向かない。 少し話をかえて、「無限大」「無限小」というモノ自体の実在について考えてみる。 上の説明では「無限大」というモノが、実数でないので何だかわからないのだが、とにかくある、という前提で話を進めてきた。ここに疑問を感じた生徒もいるかもしれない。そのような生徒に向けて、さらに補足説明する。 上でも述べたが、「超準解析」という学問においては、無限大・無限小は実体のあるものであり、数学的に厳密に取り扱われる。しかし、無限大・無限小を数学的に厳密に取り扱う事は非常に難しく、歴史的にも20世紀後半にようやく確立されたほどであった。つまり普通、数学においては無限大・無限小といったものを表に出して扱わないのである。この教科書の本文をもう一度見直してほしい。このコラムにおいて用いている「無限大に近づける(近づく)」といった表現はなく「限りなく大きくする」という表現を用いているはずである。荒っぽく言えば、「∞」は単体では意味を持たない記号であり、「 lim x → ∞ {\displaystyle \lim _{x\to \infty }} 」のような特定の文脈を与えられて初めて意味を持つ「状態を表す記号」なのである。なんらかの数を表すものではない、という事に注意してほしい。この「 lim x → ∞ {\displaystyle \lim _{x\to \infty }} 」はひと固まりで初めて意味を持つ記号であり、「xを」「∞に」「近づける」と分解するようなことはナンセンスだ、とも言える。 では、このコラムにおける説明はなんだったのか。実はこれは説明の方便である。はじめに述べたように、厳密な記述は難しいのであえて厳密でない書き方をしている。近代的な(非超準解析的な)立場の極限の取り扱い方は、実質的にはこのコラムの内容と同じことを、∞を表に出さず巧妙に表現したものである。 本文の#三角関数と極限で示されている という式について、上で示した証明は、「w:循環論法になっていて証明になっていない」と言われることがある。それはどういうことか、興味がある人のために解説を加えておく。 さてここで、どのように「循環論法」が形成されているのかはっきりさせておこう。 論理が循環している構造が分かっただろうか。「極限を求めるために、その極限を利用している」と言ってもいいだろう。 現代の数学では、もちろんこの循環論法は回避できる。もっと言えば、高校数学(新課程)の範囲内でよりよい証明を示すこともできる。しかしそれは今学んでいるより後に学習する内容を利用することにもなり、少々複雑である。 高校数学の目的は完全な論理を組み立てることではなく、むしろ数学の、高校内容の中での体系的な理解を目的としている。このような理由から、現在多くの教科書に上と同様の証明が掲載されていると考えられるし、WIKIBOOKSもこれに倣った。 しかしここでは興味のある諸君のために、「高校内容の範囲(新課程)でのよりよい証明」を示しておこう。面積を利用することは避けて、円弧の長さから問題の極限の値を導いてみよう。ただし、数学IIIの微分、積分(新課程のみの内容も含む)の内容を利用する。 まずは、「ラジアンとは何か」を考え直してみよう。というのも、ラジアンの定義には円弧の長さを利用したが、現代の数学では「w:曲線の長さ」も定義なしには扱えないからである。つまりわれわれは、円弧の長さを数学的に定義すればよいということだ。このあとの積分の単元(新課程)で学習することになるが、区間a≦x≦bで自身と導関数がともに連続である関数f について、y =f (x )(a≦x≦b)で表される曲線C の長さは、次の式で求められる。(証明は該当ページ参照 ※2014/02/08時点でWIKIBOOKS内では未作成) ここで、f (x )を半円弧 1 − x 2 ( − 1 ≤ x ≤ 1 ) {\displaystyle {\sqrt {1-x^{2}}}(-1\leq x\leq 1)} とすると、円弧の長さを計算できる。ただし、積分区間にx =-1もしくはx =1を含めると具合が悪いので(被積分関数が値を持たない(極限は正の無限大))、積分区間を − 1 2 ≤ x ≤ 1 2 {\displaystyle -{\frac {1}{\sqrt {2}}}\leq x\leq {\frac {1}{\sqrt {2}}}} としたものを四分円弧の長さとし、円の対称性から円弧一周の長さを決定するとよいとだけ補足しておく。 さて、これでようやく円弧の長さを定義できたので、ラジアンも定義することができる。いよいよ問題の極限の値を求めてみよう。そのために一般的に、再び区間a≦x≦bで自身とその導関数がともに連続である関数f について、y =f (x )(a≦x≦b)で表される曲線C を考えよう。ここで、a≦x≦b, a≦x+Δx≦b, Δx≠0を満たすようにx およびΔxをとる。また、曲線C上に2点P(x,f (x )),Q(x +Δx,f (x +Δx ))をとる。いま曲線PQの長さを P Q ^ {\displaystyle {\widehat {\mathrm {P} \mathrm {Q} }}} 、直線PQの長さをPQで表すこととすると、 が成り立つことを示そう。 w:平均値の定理により、 を満たす実数θが存在する。また、 P Q ^ {\displaystyle {\widehat {\mathrm {P} \mathrm {Q} }}} を先述の式により定積分で表すと、 であり、ここで、 1 + { f ′ ( x ) } 2 {\displaystyle {\sqrt {1+\left\{f'(x)\right\}^{2}}}} が、 x = x + θ M Δ x , x + θ m Δ x {\displaystyle x=x+\theta _{M}\Delta x,x+\theta _{m}\Delta x} (0≦θM≦1, 0≦θm≦1)でそれぞれxからx +Δxの間での最大値、最小値をとるとすると、xからx +Δxの間の任意の実数t に対して、 が成り立つ。各辺x からx +Δxまで積分することにより、 を得る。よって ここで、 より、はさみうちの原理から、 さて、今度こそ問題の極限を求めてみよう。 本文と同様にθ>0をまず考える。 として、y =f (x )上のx座標がxである点をP,x+Δxである点をQとし、 とする。すると、ラジアンの定義より、 P Q ^ = 2 θ {\displaystyle {\widehat {\mathrm {P} \mathrm {Q} }}=2\theta } となり、また図形的考察によりPQ=2sinθであることが分かる(Oから弦PQに垂線を下ろすと分かりやすい)。ここで を考えると、Δx→0のとき、θ→+0であるから、上で証明したことを用いると、 θ<0のときは本文と同様である。以上より、循環論法に陥ることなく、 が示された。■ このように、この循環論法を避けるのは少々難しい。循環論法を避けるために三角関数の微積分を後回しにして、この証明のための道具が揃うまで話を進めるのはこと「学習/教育」においてはどう考えても非効率的で、そのような回り道をするのは本末転倒である。ということで、「循環論法」と聞いて教科書に不信感を抱いた君も、ここまで読めば致し方ないことに納得してもらえたと思う。 ところでこの循環論法を避ける方法はこれだけではない。sinx及びcosxをxの非負整数乗の無限級数で定義する方法や、w:微分方程式を用いて定義する方法などが考えられるが、前者は少なくとも教科書に載せるには向かないし、後者はどう考えても高校範囲外である。ここで解説することはしないが、興味があれば次に示す参考文献を読んでみるといいかもしれない。 それにしてもこのコラムをここまで読み進めた君の好奇心は大したものである。君の成長を期待している。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ここでは、極限について学ぶ。微分・積分の考えでは簡単な関数の極限について学んだが、ここでは数列の極限、さらには無理関数や三角関数などの関数の極限について学ぶ。極限は微分積分の基礎となっており重要である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "数列 { a n } {\\displaystyle \\{a_{n}\\}} が有限個の項しかもたないとき、有限数列といい、項が限りなく続くとき無限数列という。ここでは無限数列を考えるから断りがない場合、無限数列を単に数列と書くことにする。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "数列 { a n } {\\displaystyle \\{a_{n}\\}} において、項の番号 n {\\displaystyle n} が限りなく大きくなっていくとき、 a n {\\displaystyle a_{n}} がある一定の値 α {\\displaystyle \\alpha } に限りなく近づいていくならば、数列 { a n } {\\displaystyle \\{a_{n}\\}} は α {\\displaystyle \\alpha } に収束するといい、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "または簡単に", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "とかく。また、 α {\\displaystyle \\alpha } をこの数列の極限値という。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "収束する数列には次のような性質がある。 数列 { a n } {\\displaystyle \\{a_{n}\\}} , { b n } {\\displaystyle \\{b_{n}\\}} において, lim n → ∞ a n = α {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }a_{n}=\\alpha } , lim n → ∞ b n = β {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }b_{n}=\\beta } とすると、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "数列には収束しないものがある。たとえば", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "は収束しない。収束しない数列は発散(はっさん) するという。発散する数列 { a n } {\\displaystyle \\{a_{n}\\}} で n → ∞ {\\displaystyle n\\to \\infty } のとき項 a n {\\displaystyle a_{n}} の値が限りなく大きくなるときこの数列は正の無限大(せい の むげんだい) に発散するといい、「その極限は正の無限大である」のようにいう。このことを次のように表す。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "逆に n → ∞ {\\displaystyle n\\to \\infty } のとき、項 a n {\\displaystyle a_{n}} が負の値でその絶対値が限りなく大きくなるときこの数列は負の無限大 に発散するといい、その極限は負の無限大であるという。このことを次のように表す。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "発散する数列には次のようなものもある。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "いずれの数列も正の無限大にも負の無限大にも発散しない。このような数列を振動(しんどう) するという。このときもこの数列には極限値が存在しない。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "数列 { a n } {\\displaystyle \\{a_{n}\\}} , { b n } {\\displaystyle \\{b_{n}\\}} について、 n {\\displaystyle n} が十分に大きいとき常に a n ≤ b n {\\displaystyle a_{n}\\leq b_{n}} を満たしていて、 lim n → ∞ a n = α {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }a_{n}=\\alpha } かつ { b n } {\\displaystyle \\{b_{n}\\}} の極限値も存在するならば、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "となる。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "これを証明するためには、「限り無く近づく」という言葉の、数学的な意味を明確にする必要がある。初学者には難解な証明であるため、高校数学では直感的に成り立ちそうなことを理解してほしい。参考として、以下に証明の一例を挙げておく。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "α > lim n → ∞ b n {\\displaystyle \\alpha >\\lim _{n\\to \\infty }b_{n}} と仮定すると、 α − lim n → ∞ b n = ε ′ > 0 {\\displaystyle \\alpha -\\lim _{n\\to \\infty }b_{n}=\\epsilon '>0} である。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "b n {\\displaystyle b_{n}} は限りなく α − ε ′ / 2 {\\displaystyle \\alpha -\\epsilon '/2} より小さい数に近づくから、 n {\\displaystyle n} が十分大きいときは常に b n < α − ε ′ / 2 {\\displaystyle b_{n}<\\alpha -\\epsilon '/2} となる。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "a n {\\displaystyle a_{n}} は限りなく α {\\displaystyle \\alpha } に近づくため、任意の正の数 ε {\\displaystyle \\epsilon } に対して、十分大きな数 N {\\displaystyle N} であって、 n ≥ N {\\displaystyle n\\geq N} ならば常に α − a n < ε {\\displaystyle \\alpha -a_{n}<\\epsilon } が成り立つようなものが存在するはずである。いま、 a n ≤ b n {\\displaystyle a_{n}\\leq b_{n}} であったから、十分大きな n {\\displaystyle n} では常に b n ≥ α − ε {\\displaystyle b_{n}\\geq \\alpha -\\epsilon } となる。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "ε {\\displaystyle \\epsilon } は任意の正の数であったから、 ε = ε ′ / 2 {\\displaystyle \\epsilon =\\epsilon '/2} とすると、十分大きな n {\\displaystyle n} について矛盾する式が成立することになる。したがって、背理法により α ≤ lim n → ∞ b n {\\displaystyle \\alpha \\leq \\lim _{n\\to \\infty }b_{n}} である。■", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "興味を持った人は大学1年生程度を対象とする微分積分学の教科書を参照してほしい。例えば、解析学基礎など。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "次に、はさみうちの原理 を紹介する。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "数列 { a n } {\\displaystyle \\{a_{n}\\}} , { b n } {\\displaystyle \\{b_{n}\\}} , { c n } {\\displaystyle \\{c_{n}\\}} について、 n {\\displaystyle n} が十分に大きいとき常に a n ≤ b n ≤ c n {\\displaystyle a_{n}\\leq b_{n}\\leq c_{n}} を満たしていて、 lim n → ∞ a n = lim n → ∞ c n = α {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }a_{n}=\\lim _{n\\to \\infty }c_{n}=\\alpha } ならば、 { b n } {\\displaystyle \\{b_{n}\\}} の極限値も存在して、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "となる。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "lim n → ∞ b n {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }b_{n}} が存在することはあきらか。先の定理より、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "であるので、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "が成立。■", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "つぎの極限値を求めよ。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "等比数列 { r n } {\\displaystyle \\{r^{n}\\}} の極限について考えてみよう。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "r = 1 + h {\\displaystyle r=1+h} とおくと、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "であるので、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "したがって、 n → ∞ {\\displaystyle n\\to \\infty } のとき、 1 + n h → ∞ {\\displaystyle 1+nh\\to \\infty } だから、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "1 {\\displaystyle 1} は何乗しても 1 {\\displaystyle 1} だから、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "r = 0 {\\displaystyle r=0} ならばあきらかに、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "r ≠ 0 {\\displaystyle r\\neq 0} のとき、 | r | − 1 > 1 {\\displaystyle |r|^{-1}>1} だから、(i) より", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "したがって、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "r n {\\displaystyle r^{n}} は n {\\displaystyle n} が奇数の場合 − 1 {\\displaystyle -1} 、 n {\\displaystyle n} が偶数の場合 1 {\\displaystyle 1} となるので振動する。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "| r | > 1 {\\displaystyle |r|>1} より、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "となるが、 r n {\\displaystyle r^{n}} は n {\\displaystyle n} が奇数の場合 r n < 0 {\\displaystyle r^{n}<0} 、 n {\\displaystyle n} が偶数の場合 r n > 0 {\\displaystyle r^{n}>0} となるので振動する。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "まとめると、次のようになる。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "収束", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "発散", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "一般項が次のように表される数列の収束・発散について調べ、極限値があるならばこれを求めよ。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "数列 { a n } {\\displaystyle \\{a_{n}\\}} の第 n {\\displaystyle n} 項までの和を S n {\\displaystyle S_{n}} と表すことにする。すなわち、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "このとき、 { S n } {\\displaystyle \\{S_{n}\\}} は数列の一種とみなすことができ、このようにある数列の初項から第 n {\\displaystyle n} 項までを順番に足してできる数列を級数(きゅうすう) という。もとの数列 { a n } {\\displaystyle \\{a_{n}\\}} が無限数列である場合、級数 { ∑ k = 1 n a k } {\\displaystyle \\left\\{\\sum _{k=1}^{n}a_{k}\\right\\}} も無限に項を持つことになる。このような級数を無限級数(むげんきゅうすう) という。以下、単に級数というときは無限級数であるとする。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "数列 { a n } {\\displaystyle \\{a_{n}\\}} において、初項から第 n {\\displaystyle n} 項までの和を第 n {\\displaystyle n} 部分和(ぶぶんわ)という。 { a n } {\\displaystyle \\{a_{n}\\}} から作られる級数の第 n {\\displaystyle n} 部分和 (つまり、 { a n } {\\displaystyle \\{a_{n}\\}} の初項から第n項までの和)を S n {\\displaystyle S_{n}} と表すことにし、この級数 { S n } {\\displaystyle \\{S_{n}\\}} の極限値が S {\\displaystyle S} であるとき、 S n {\\displaystyle S_{n}} は S {\\displaystyle S} に収束するといい、 S {\\displaystyle S} を級数の和という。このことを次のように表す。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "または", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "または", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "2番目の表記はシグマ記号を使わない分直感には訴えやすい面もあるが、注意深く表記しないと「...」の指すものがはっきりしないため、あまり好ましくない。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "数列 { S n } {\\displaystyle \\{S_{n}\\}} が発散するときこの級数は発散するという。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "つぎの級数の収束・発散について調べ、和が存在するならば求めよ。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "数列 { a n } {\\displaystyle \\{a_{n}\\}} から作られる級数 S n {\\displaystyle S_{n}} が収束する必要条件は、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "である。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "α ≠ 0 {\\displaystyle \\alpha \\neq 0} とし、 lim n → ∞ a n = α {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }a_{n}=\\alpha } とする。 n > 1 {\\displaystyle n>1} のとき、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "となるので、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "しかし、 lim n → ∞ S n = lim n → ∞ S n − 1 = S {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }S_{n}=\\lim _{n\\to \\infty }S_{n-1}=S} であるから、これは矛盾。したがって、 α = 0 {\\displaystyle \\alpha =0} でなくてはならない。■", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "逆に、 lim n → ∞ a n = 0 {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }a_{n}=0} であっても、 ∑ n ∞ a n {\\displaystyle \\sum _{n}^{\\infty }a_{n}} が収束するとは限らない。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "初項が a {\\displaystyle a} で公比が r {\\displaystyle r} の数列から作られる級数を無限等比級数 または単に等比級数(とうひ きゅうすう) という。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "等比級数の収束・発散について考えてみよう。この等比級数の第 n {\\displaystyle n} 部分和は、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "となる。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "すべての n {\\displaystyle n} で a n = 0 {\\displaystyle a_{n}=0} となるから、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "| r | < 1 {\\displaystyle |r|<1} とすると、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "であるから、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "r > 1 {\\displaystyle r>1} または r ≤ − 1 {\\displaystyle r\\leq -1} のときは、 { a r n − 1 } {\\displaystyle \\{ar^{n-1}\\}} は発散するから、 { S n } {\\displaystyle \\{S_{n}\\}} は発散する。また、 r = 1 {\\displaystyle r=1} のときは、", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "であるから、先の定理より { S n } {\\displaystyle \\{S_{n}\\}} は発散する。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "このことは次のようにまとめられる。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "a ≠ 0 {\\displaystyle a\\neq 0} のとき、初項 a {\\displaystyle a} , 公比 r {\\displaystyle r} の等比級数は", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "次の等比級数の収束・発散について調べ、収束するものについてはその和を求めよ。", "title": "数列の極限" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "y = 1 x , y = 2 x − 1 x − 1 {\\displaystyle y={\\frac {1}{x}}\\ ,\\ y={\\frac {2x-1}{x-1}}} のように、xの分数式で表される関数をxの分数関数という。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "y = k x {\\displaystyle y={\\frac {k}{x}}} のグラフは双曲線(そうきょくせん)で、原点に関して対称である。双曲線 y = k x {\\displaystyle y={\\frac {k}{x}}} の漸近線は、x軸とy軸である。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "関数 y = k x − p + q {\\displaystyle y={\\frac {k}{x-p}}+q} のグラフは、関数 y = k x {\\displaystyle y={\\frac {k}{x}}} のグラフをx軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動したもので、漸近線は2直線 x = p , y = q {\\displaystyle x=p\\ ,\\ y=q} である。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "分数関数 y = 2 x + 3 x + 1 {\\displaystyle y={\\frac {2x+3}{x+1}}} のグラフの漸近線の方程式を求めよ。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "ゆえに、この関数のグラフは、双曲線 y = 1 x {\\displaystyle y={\\frac {1}{x}}} をx軸方向に-1、y軸方向に2だけ平行移動したものである。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "漸近線の方程式は x = − 1 , y = 2 {\\displaystyle x=-1\\ ,\\ y=2} である。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "x , 3 x − 8 3 {\\displaystyle {\\sqrt {x}}\\ ,\\ {\\sqrt[{3}]{3x-8}}} のように、根号の中に文字を含む式を無理式(むりしき)といい、変数xの無理式で表される関数をxの無理関数(むりかんすう)という。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "y = x {\\displaystyle y={\\sqrt {x}}} のグラフについて考える。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "y = x {\\displaystyle y={\\sqrt {x}}} の定義域は x ≥ 0 {\\displaystyle x\\geq 0} 、値域は y ≥ 0 {\\displaystyle y\\geq 0} である。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "y = x {\\displaystyle y={\\sqrt {x}}} の両辺を2乗すると、 y 2 = x {\\displaystyle y^{2}=x} 、すなわち", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "x = y 2 {\\displaystyle x=y^{2}} のグラフは原点を頂点とし、x軸を対称軸とする放物線である。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "y = x {\\displaystyle y={\\sqrt {x}}} では y ≥ 0 {\\displaystyle y\\geq 0} であるから、 y = x {\\displaystyle y={\\sqrt {x}}} のグラフは x = y 2 {\\displaystyle x=y^{2}} のグラフの上半分である。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "無理関数 y = a x + b {\\displaystyle y={\\sqrt {ax+b}}} について、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "であるから、無理関数 y = a x + b {\\displaystyle y={\\sqrt {ax+b}}} のグラフは、 y = a x {\\displaystyle y={\\sqrt {ax}}} のグラフをx軸方向に − b a {\\displaystyle -{\\frac {b}{a}}} だけ平行移動したものである。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "無理関数 y = − 2 x − 6 {\\displaystyle y={\\sqrt {-2x-6}}} のグラフは y = − 2 x {\\displaystyle y={\\sqrt {-2x}}} のグラフをどのように平行移動したものか。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "ゆえに、この関数のグラフは、 y = − 2 x {\\displaystyle y={\\sqrt {-2x}}} をx軸方向に-3だけ平行移動したものである。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "なお、分母がn次式である分数関数をn次分数関数、根号の中がn次式である無理関数をn次無理関数と呼ぶ場合がある。また、高校で扱う整関数・三角関数・指数関数・対数関数・分数関数・無理関数及びそれらの逆関数を総称して初等関数と呼ぶ。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "二つの関数 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} と g ( x ) {\\displaystyle g(x)} が与えられたとき、 f ( g ( x ) ) {\\displaystyle f(g(x))} という新しい関数を考えることができる。たとえば f ( x ) = x 2 + x + 2 {\\displaystyle f(x)=x^{2}+x+2} , g ( x ) = x + 1 {\\displaystyle g(x)=x+1} とすると、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "一般に二つの関数 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} , g ( x ) {\\displaystyle g(x)} が与えられたとき、関数 f ( g ( x ) ) {\\displaystyle f(g(x))} や g ( f ( x ) ) {\\displaystyle g(f(x))} を f ( x ) {\\displaystyle f(x)} と g ( x ) {\\displaystyle g(x)} の合成関数(ごうせい かんすう)という。合成関数 f ( g ( x ) ) {\\displaystyle f(g(x))} を ( f ∘ g ) ( x ) {\\displaystyle (f\\circ g)(x)} とかくことがある。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "f ( x ) = x 2 − 1 {\\displaystyle f(x)=x^{2}-1} , g ( x ) = x x + 1 {\\displaystyle g(x)={\\frac {x}{x+1}}} のとき、合成関数 ( f ∘ g ) ( x ) {\\displaystyle (f\\circ g)(x)} と ( g ∘ f ) ( x ) {\\displaystyle (g\\circ f)(x)} を求めよ。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "この例題のように、一般に ( f ∘ g ) ( x ) {\\displaystyle (f\\circ g)(x)} と ( g ∘ f ) ( x ) {\\displaystyle (g\\circ f)(x)} は等しくない。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "関数 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} と関数 g ( x ) {\\displaystyle g(x)} が与えられて、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "をすべての定義域内の x {\\displaystyle x} で満たすとき、 g ( x ) {\\displaystyle g(x)} を f ( x ) {\\displaystyle f(x)} の逆関数(ぎゃくかんすう)といい、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "と表す。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "f ( x ) = x n ( x ≥ 0 ) {\\displaystyle f(x)=x^{n}(x\\geq 0)} の逆関数 f − 1 ( x ) {\\displaystyle f^{-1}(x)} を求めよ。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "y = f ( x ) {\\displaystyle y=f(x)} とおいて x {\\displaystyle x} について解くと、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "となる。したがって、 f − 1 ( x ) = x n {\\displaystyle f^{-1}(x)={\\sqrt[{n}]{x}}} 。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "この例題のように、ある関数 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} の逆関数 f − 1 ( x ) {\\displaystyle f^{-1}(x)} を求めるには x {\\displaystyle x} について解いて x {\\displaystyle x} と y {\\displaystyle y} を入れ替えればよい。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "(※ 範囲外)", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "次に逆関数が存在する条件について考えてみよう。逆関数も関数であるから(逆関数の)定義域に含まれるすべての x {\\displaystyle x} で f − 1 ( x ) {\\displaystyle f^{-1}(x)} が一意に定まらなくてはならない。すなわち、 y = f ( x ) {\\displaystyle y=f(x)} において、定義域の x {\\displaystyle x} と値域の y {\\displaystyle y} のどちらかを定めるともう片方が一意に定まるような関数でなくてはならない。このことを関数 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} が全単射(ぜんたんしゃ)である、または一対一 対応(いったいいち たいおう)であるという。関数 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} が全単射であることは f ( x ) {\\displaystyle f(x)} に逆関数が存在することの必要十分条件である。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "(ここまで、範囲外)", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "ある関数 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} において、 x {\\displaystyle x} が定数 a 1 {\\displaystyle a_{1}} より小さい値をとりながら a 1 {\\displaystyle a_{1}} に限りなく近づくときの関数 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} の値が一定の値 b 1 {\\displaystyle b_{1}} に限りなく近づくとき、 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} の左極限値は b 1 {\\displaystyle b_{1}} であるといい、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "と表す。同様に x {\\displaystyle x} が定数 a 2 {\\displaystyle a_{2}} より大きい値をとりながら a 2 {\\displaystyle a_{2}} に限りなく近づくときの関数 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} の値が一定の値 b 2 {\\displaystyle b_{2}} に限りなく近づくとき、 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} の右極限値は b 2 {\\displaystyle b_{2}} であるといい、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "と表す。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "ここで、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "かつ", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "であるとき、すなわち a {\\displaystyle a} における左極限値と右極限値が等しいとき f ( x ) {\\displaystyle f(x)} は b {\\displaystyle b} に収束するといい、 b {\\displaystyle b} をそのときの f ( x ) {\\displaystyle f(x)} の極限値という。このことを、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "と表す。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "x → a {\\displaystyle x\\to a} のとき、 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} が限りなく大きくなるならば、 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} は正の無限大に発散するといい、 lim x → a f ( x ) = ∞ {\\displaystyle \\lim _{x\\to a}f(x)=\\infty } と書く。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "x → a {\\displaystyle x\\to a} のとき、 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} が負の値をとって、その絶対値が限りなく大きくなるならば、 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} は負の無限大に発散するといい、 lim x → a f ( x ) = − ∞ {\\displaystyle \\lim _{x\\to a}f(x)=-\\infty } と書く。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "xを限りなく大きくするとf(x)がある値aに限りなく近づくとき", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "と、xを負の値をとりながら限りなく絶対値を大きくするとf(x)がある値aに限りなく近づくとき、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "と書き、それぞれ正の無限大における極限値、負の無限大における極限値という。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "ある関数 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} が定義域内の点 a {\\displaystyle a} で連続(れんぞく)であるとは、 その関数 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} のグラフが x = a {\\displaystyle x=a} の近傍で途切れることなく続いていることを意味する。数式で表すと次のようになる。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "であることをいう。また、ある区間で f ( x ) {\\displaystyle f(x)} が連続であるとは、区間内のすべての点で連続であることをいう。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "くどいかもしれないが、上式は左辺の極限値が存在して、かつ右辺と一致するということを意味する。左辺の極限値が存在しない場合はf(x)は連続ではない。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "また、 a {\\displaystyle a} が定義域の左端・右端に位置する場合、点 ( a , f ( a ) ) {\\displaystyle (a,f(a))} で関数が連続である条件はそれぞれ、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "となる。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "関数 f ( x ) , g ( x ) {\\displaystyle f(x),g(x)} が定義域に含まれる値 a {\\displaystyle a} で連続であるとき、以下の関数も x = a {\\displaystyle x=a} で連続である。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "f ( x ) {\\displaystyle f(x)} が定義域に含まれる全ての x {\\displaystyle x} について連続であるとき、 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} を連続関数と呼ぶ。一般に、初等関数は連続関数である。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "なお、以下のような場合には注意が必要である。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "区間について、以下のように定める。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "ある区間を f ( x ) {\\displaystyle f(x)} の定義域と考えたとき、区間に含まれる全ての点において f ( x ) {\\displaystyle f(x)} が連続ならば f ( x ) {\\displaystyle f(x)} はその区間で連続であるという。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "一般に、閉区間で連続な関数は、その閉区間で最大値・最小値を持つ。これに対し、開区間で連続な関数は持つことも持たないこともある。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "関数 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} が閉区間 [ a , b ] {\\displaystyle [a,b]} で連続ならば、この区間においてそのグラフには切れ目がなく、さらに f ( a ) ≠ f ( b ) {\\displaystyle f(a)\\neq f(b)} ならば f ( x ) {\\displaystyle f(x)} は f ( a ) {\\displaystyle f(a)} と f ( b ) {\\displaystyle f(b)} の間の全ての値を取る。よって、次の中間値の定理が成り立つ。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "更に、次の定理が成り立つ。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "三角関数については、次が成り立つことが基本的である。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "まず", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "を示す。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "半径1、中心角θの扇形を考える。後にθ→+0とするので0<θ<π/2としてよい。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "扇形OABの面積は、θ/2となる。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "また、三角形OABを考えると、その面積は", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "となる。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "さらに、点Aを通る辺OAの垂線と、半直線OBとの交点をB'とすると、三角形OAB'の面積は、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "となる。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "ここで、図から明らかに、面積について以下の不等式が成り立つ。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "[三角形OAB]<[扇形OAB]<[三角形OAB']", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "即ち", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "逆数をとって各辺にsinθを掛けると、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "いま、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "より、はさみうちの原理から、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "が示された。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "また、θ<0のときは、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "を考えると、いま-θ>0であり、かつθ→-0のとき-θ→+0であるから、上の結果を使うことができて、これにより、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "となる。以上より、", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "が成り立つ。■", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "指数・対数関数に関して、次が成り立つ", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "また、自然対数は高等学校数学III/微分法で導入されるが、自然対数については、次が成り立つ。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "w:ネピア数 e {\\displaystyle e} の定義より、 lim n → ∞ ( 1 + 1 n ) n = e {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }(1+{\\frac {1}{n}})^{n}=e} 。これの両辺の自然対数をとって lim n → ∞ n log ( 1 + 1 n ) = log e = 1 {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }n\\log(1+{\\frac {1}{n}})=\\log e=1} 。ここで、 x = 1 n {\\displaystyle x={\\frac {1}{n}}} とすると、 n → ∞ {\\displaystyle n\\to \\infty } で x → 0 {\\displaystyle x\\to 0} なので、 lim x → 0 log ( 1 + x ) x = 1 {\\displaystyle \\lim _{x\\to 0}{\\frac {\\log(1+x)}{x}}=1} となる。■", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "また、これを用いてネピア数 e {\\displaystyle e} については、次が導かれる。", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "lim x → 0 log ( 1 + x ) x = 1 {\\displaystyle \\lim _{x\\to 0}{\\frac {\\log(1+x)}{x}}=1} の関係式で、 e t = 1 + x {\\displaystyle e^{t}=1+x} とおくと、 x → 0 {\\displaystyle x\\to 0} のときに t → 0 {\\displaystyle t\\to 0} となり、 log ( e t ) e t − 1 = t e t − 1 → 1 ( t → 0 ) {\\displaystyle {\\frac {\\log(e^{t})}{e^{t}-1}}={\\frac {t}{e^{t}-1}}\\to 1(t\\to 0)} 。 両辺の逆数をとり、tをxに書き換えると、 lim x → 0 e x − 1 x = 1 {\\displaystyle \\lim _{x\\to 0}{\\frac {e^{x}-1}{x}}=1} となる。■", "title": "関数とその極限" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "次の極限を求めよ", "title": "演習問題" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "", "title": "演習問題" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "", "title": "演習問題" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "ここでは、上述のような極限の説明に「なんかウサンクサイ」と思う生徒を対象に、そのような疑問に少しでも応えることを目標とする。よって、そのような疑問を持たない生徒が読んでも、あまり意味はない。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "疑問を抱いた諸君、諸君の疑問はいたって正当である。あまりこのようなことを大っぴらに書くべきではないかもしれないが、高等学校における極限の取り扱いは「子供だまし」であり、近代以降の数学では極限という概念はもっと厳密な形で取り扱われている。しかしその内容は高校生には少し難しいし、詳しい書籍はほかにも存在する(wikibooksでも解析学基礎にある程度の記述がある)。そこでここでは、高校の教科書のように「子供だまし」をするのではなく、かといって厳密な形で議論するのでもなく、諸君を納得させられるかもしれない答えを提示したい。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "さて改めて、極限値という概念に次のような疑問を持つ生徒はいないだろうか。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "ここでは、この問いに対するひとつの解答例を示したいと思う。分り易さを重視しているので厳密では無いが、ひとつの考え方の例として読んでもらいたい。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "分数関数 f ( x ) = 1 / x {\\displaystyle f(x)=1/x} を考える。この関数の正の無限大における極限値は 0 {\\displaystyle 0} である。 数式で書くならば以下の通りである。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "ここで敢えて、この数式には極々小さな正の誤差が紛れ込んでいる、と考える。 x {\\displaystyle x} が限りなく無限大に近づいたとしても、 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} は絶対にx軸とは交わらず、漸近的に近づいていくだけであるため、無限大であっても等号が成り立つはずは無いからである。 そこで、極限という概念で考えるのではなく、直接 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} に無限大を代入した値を誤差として考える。 (この時、この代入の不可能性については考えないものとする。) 当然ながら、この誤差の大きさは、 1 / ∞ {\\displaystyle 1/\\infty } という大きさになるのだが、この大きさは一体どのようなものだろうか?", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "そもそもこの誤差の値は、実数であるかどうかすらも怪しい。何故なら、そもそも無限大という数自体が実数とは思えない性質を持っているからだ。 無限大というのは、どの実数よりも大きい数という定義である。この時点ですでに実数の定義からハズレている事がよくわかるだろう。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "実数にこの無限大という数が含まれるのであれば、無限大は無限大より大きい、という矛盾が生まれる。 ゆえに、無限大は実数と言う枠組みから外し、実数でない未知の数であると考えるべきだろう。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "さて、この未知の数の逆数である 1 / ∞ {\\displaystyle 1/\\infty } はどういう値なのだろうか。当然ながら、これも未知の数であると言わざるを得ない。 無限大の定義より、 1 / ∞ {\\displaystyle 1/\\infty } はどの正の実数よりも小さい正の数、という定義になり、無限大の時と同様に、実数でないことが証明できる。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "なお、この数は一般に無限小と呼ばれ、実数に無限小と無限大という概念を加えた数を「超実数」と呼ぶ。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "さて、この無限小という誤差を実数としてみるとどう見えるだろうか? 無限小はどのような正の実数よりも小さい、というのだから、実数から見たら見かけ上 0 {\\displaystyle 0} に見えるだろう。 そのような視点で考えているのが極限値というものである。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "もう少し踏み込んで、値域を実数とする f ( x ) {\\displaystyle f(x)} の値として、無限小という非実数値が出現した、という事実をどう考えるべきだろうか? その問いに対しての極限値という概念の答えは、「強引に実数に変換する」という手法なのである。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "値域を実数とする関数に、非実数をいきなり登場させるわけにはいかない、というのは誰にでもわかることだろう。 其の様な問題に対して考えられる答えは「関数の値域そのものを超実数に拡張する」又は「超実数を実数に変換して、値域を実数として保つ」というものだ。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "極限(lim)と言う操作・概念はこの二つの答えの内、後者の答えを選んだものとなる。 limという記号には、 f ( x ) {\\displaystyle f(x)} に x = a ± 1 / ∞ {\\displaystyle x=a\\pm 1/\\infty } をそれぞれ代入した数を計算し、その値から無限小を無視して、超実数を実数に変換するという意味合いが有る。 実数という数から見れば、無限小など全く意味の無い数であることから、等式が成り立つ、と解釈できるのである。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "前者の答えを選んだ学問は超準解析と呼ばれるが、これは易しい学問ではなく、高校で教えるのには向かない。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "少し話をかえて、「無限大」「無限小」というモノ自体の実在について考えてみる。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "上の説明では「無限大」というモノが、実数でないので何だかわからないのだが、とにかくある、という前提で話を進めてきた。ここに疑問を感じた生徒もいるかもしれない。そのような生徒に向けて、さらに補足説明する。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "上でも述べたが、「超準解析」という学問においては、無限大・無限小は実体のあるものであり、数学的に厳密に取り扱われる。しかし、無限大・無限小を数学的に厳密に取り扱う事は非常に難しく、歴史的にも20世紀後半にようやく確立されたほどであった。つまり普通、数学においては無限大・無限小といったものを表に出して扱わないのである。この教科書の本文をもう一度見直してほしい。このコラムにおいて用いている「無限大に近づける(近づく)」といった表現はなく「限りなく大きくする」という表現を用いているはずである。荒っぽく言えば、「∞」は単体では意味を持たない記号であり、「 lim x → ∞ {\\displaystyle \\lim _{x\\to \\infty }} 」のような特定の文脈を与えられて初めて意味を持つ「状態を表す記号」なのである。なんらかの数を表すものではない、という事に注意してほしい。この「 lim x → ∞ {\\displaystyle \\lim _{x\\to \\infty }} 」はひと固まりで初めて意味を持つ記号であり、「xを」「∞に」「近づける」と分解するようなことはナンセンスだ、とも言える。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "では、このコラムにおける説明はなんだったのか。実はこれは説明の方便である。はじめに述べたように、厳密な記述は難しいのであえて厳密でない書き方をしている。近代的な(非超準解析的な)立場の極限の取り扱い方は、実質的にはこのコラムの内容と同じことを、∞を表に出さず巧妙に表現したものである。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "本文の#三角関数と極限で示されている", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "という式について、上で示した証明は、「w:循環論法になっていて証明になっていない」と言われることがある。それはどういうことか、興味がある人のために解説を加えておく。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "さてここで、どのように「循環論法」が形成されているのかはっきりさせておこう。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "論理が循環している構造が分かっただろうか。「極限を求めるために、その極限を利用している」と言ってもいいだろう。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "現代の数学では、もちろんこの循環論法は回避できる。もっと言えば、高校数学(新課程)の範囲内でよりよい証明を示すこともできる。しかしそれは今学んでいるより後に学習する内容を利用することにもなり、少々複雑である。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "高校数学の目的は完全な論理を組み立てることではなく、むしろ数学の、高校内容の中での体系的な理解を目的としている。このような理由から、現在多くの教科書に上と同様の証明が掲載されていると考えられるし、WIKIBOOKSもこれに倣った。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "しかしここでは興味のある諸君のために、「高校内容の範囲(新課程)でのよりよい証明」を示しておこう。面積を利用することは避けて、円弧の長さから問題の極限の値を導いてみよう。ただし、数学IIIの微分、積分(新課程のみの内容も含む)の内容を利用する。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "まずは、「ラジアンとは何か」を考え直してみよう。というのも、ラジアンの定義には円弧の長さを利用したが、現代の数学では「w:曲線の長さ」も定義なしには扱えないからである。つまりわれわれは、円弧の長さを数学的に定義すればよいということだ。このあとの積分の単元(新課程)で学習することになるが、区間a≦x≦bで自身と導関数がともに連続である関数f について、y =f (x )(a≦x≦b)で表される曲線C の長さは、次の式で求められる。(証明は該当ページ参照 ※2014/02/08時点でWIKIBOOKS内では未作成)", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "ここで、f (x )を半円弧 1 − x 2 ( − 1 ≤ x ≤ 1 ) {\\displaystyle {\\sqrt {1-x^{2}}}(-1\\leq x\\leq 1)} とすると、円弧の長さを計算できる。ただし、積分区間にx =-1もしくはx =1を含めると具合が悪いので(被積分関数が値を持たない(極限は正の無限大))、積分区間を − 1 2 ≤ x ≤ 1 2 {\\displaystyle -{\\frac {1}{\\sqrt {2}}}\\leq x\\leq {\\frac {1}{\\sqrt {2}}}} としたものを四分円弧の長さとし、円の対称性から円弧一周の長さを決定するとよいとだけ補足しておく。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "さて、これでようやく円弧の長さを定義できたので、ラジアンも定義することができる。いよいよ問題の極限の値を求めてみよう。そのために一般的に、再び区間a≦x≦bで自身とその導関数がともに連続である関数f について、y =f (x )(a≦x≦b)で表される曲線C を考えよう。ここで、a≦x≦b, a≦x+Δx≦b, Δx≠0を満たすようにx およびΔxをとる。また、曲線C上に2点P(x,f (x )),Q(x +Δx,f (x +Δx ))をとる。いま曲線PQの長さを P Q ^ {\\displaystyle {\\widehat {\\mathrm {P} \\mathrm {Q} }}} 、直線PQの長さをPQで表すこととすると、", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "が成り立つことを示そう。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "w:平均値の定理により、", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 182, "tag": "p", "text": "を満たす実数θが存在する。また、 P Q ^ {\\displaystyle {\\widehat {\\mathrm {P} \\mathrm {Q} }}} を先述の式により定積分で表すと、", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 183, "tag": "p", "text": "であり、ここで、 1 + { f ′ ( x ) } 2 {\\displaystyle {\\sqrt {1+\\left\\{f'(x)\\right\\}^{2}}}} が、 x = x + θ M Δ x , x + θ m Δ x {\\displaystyle x=x+\\theta _{M}\\Delta x,x+\\theta _{m}\\Delta x} (0≦θM≦1, 0≦θm≦1)でそれぞれxからx +Δxの間での最大値、最小値をとるとすると、xからx +Δxの間の任意の実数t に対して、", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 184, "tag": "p", "text": "が成り立つ。各辺x からx +Δxまで積分することにより、", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 185, "tag": "p", "text": "を得る。よって", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 186, "tag": "p", "text": "ここで、", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 187, "tag": "p", "text": "より、はさみうちの原理から、", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 188, "tag": "p", "text": "さて、今度こそ問題の極限を求めてみよう。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 189, "tag": "p", "text": "本文と同様にθ>0をまず考える。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 190, "tag": "p", "text": "として、y =f (x )上のx座標がxである点をP,x+Δxである点をQとし、", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 191, "tag": "p", "text": "とする。すると、ラジアンの定義より、 P Q ^ = 2 θ {\\displaystyle {\\widehat {\\mathrm {P} \\mathrm {Q} }}=2\\theta } となり、また図形的考察によりPQ=2sinθであることが分かる(Oから弦PQに垂線を下ろすと分かりやすい)。ここで", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 192, "tag": "p", "text": "を考えると、Δx→0のとき、θ→+0であるから、上で証明したことを用いると、", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 193, "tag": "p", "text": "θ<0のときは本文と同様である。以上より、循環論法に陥ることなく、", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 194, "tag": "p", "text": "が示された。■", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 195, "tag": "p", "text": "このように、この循環論法を避けるのは少々難しい。循環論法を避けるために三角関数の微積分を後回しにして、この証明のための道具が揃うまで話を進めるのはこと「学習/教育」においてはどう考えても非効率的で、そのような回り道をするのは本末転倒である。ということで、「循環論法」と聞いて教科書に不信感を抱いた君も、ここまで読めば致し方ないことに納得してもらえたと思う。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 196, "tag": "p", "text": "ところでこの循環論法を避ける方法はこれだけではない。sinx及びcosxをxの非負整数乗の無限級数で定義する方法や、w:微分方程式を用いて定義する方法などが考えられるが、前者は少なくとも教科書に載せるには向かないし、後者はどう考えても高校範囲外である。ここで解説することはしないが、興味があれば次に示す参考文献を読んでみるといいかもしれない。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" }, { "paragraph_id": 197, "tag": "p", "text": "それにしてもこのコラムをここまで読み進めた君の好奇心は大したものである。君の成長を期待している。", "title": "[コラム]よく有る疑問とその回答" } ]
ここでは、極限について学ぶ。微分・積分の考えでは簡単な関数の極限について学んだが、ここでは数列の極限、さらには無理関数や三角関数などの関数の極限について学ぶ。極限は微分積分の基礎となっており重要である。 数列 { a n } が有限個の項しかもたないとき、有限数列といい、項が限りなく続くとき無限数列という。ここでは無限数列を考えるから断りがない場合、無限数列を単に数列と書くことにする。
{{pathnav|高等学校の学習|高等学校数学|高等学校数学III|pagename=極限|frame=1|small=1}} {{Wikiversity|Topic:極限|極限}} ここでは、極限について学ぶ。[[高等学校数学II/微分・積分の考え|微分・積分の考え]]では簡単な関数の極限について学んだが、ここでは数列の極限、さらには無理関数や三角関数などの関数の極限について学ぶ。極限は微分積分の基礎となっており重要である。 数列<math>\{a_n\}</math> が有限個の項しかもたないとき、'''有限数列'''といい、項が限りなく続くとき'''無限数列'''という。ここでは無限数列を考えるから断りがない場合、無限数列を単に数列と書くことにする。 == 数列の極限 == 数列 <math>\{a_n\}</math> において、項の番号 <math>n</math> が限りなく大きくなっていくとき、<math>a_n</math> がある一定の値 <math>\alpha</math> に限りなく近づいていくならば、数列 <math>\{a_n\}</math> は <math>\alpha</math> に'''収束'''するといい、 :<math>\lim_{n\to\infty}a_n=\alpha</math> または簡単に :<math>a_n\to\alpha \ (n\to\infty)</math> とかく。また、<math>\alpha</math> をこの数列の'''極限値'''という。 収束する数列には次のような性質がある。 数列<math>\{a_n\}</math>, <math>\{b_n\}</math> において, <math>\lim_{n\to\infty}a_n=\alpha</math>, <math>\lim_{n\to\infty}b_n=\beta</math> とすると、 :#<math>\lim_{n\to\infty}ka_n=k\alpha</math> (<math>k</math>は定数)。 :#<math>\lim_{n\to\infty}\{a_n\pm b_n\}=\alpha\pm\beta</math> (複号同順)。 :#<math>\lim_{n\to\infty}a_nb_n=\alpha\beta.</math> :#<math>\lim_{n\to\infty}\frac{a_n}{b_n}=\frac{\alpha}{\beta}</math> (ただし、<math>\beta\not=0</math>)。 ;例題 :次の数列の極限値を求めよ。 :#<math>1,\frac{1}{2},\frac{1}{3},\ldots,\frac{1}{n},\ldots</math> :#<math>2,\frac{3}{2},\frac{4}{3},\ldots,\frac{n+1}{n},\ldots</math> ;解 :#分母が限りなく大きくなっていくため、項の値は次第に小さくなっていくが、nは常に正なので、項の値が負になることはなく、0に限りなく近づく。したがって :#:<math>\lim_{n\to\infty}\frac{1}{n}=0</math> :#式変形と1.の結果を用いると、 :#:<math>\lim_{n\to\infty}\frac{n+1}{n}=\lim_{n\to\infty}\left(1+\frac{1}{n}\right) =1+0=1</math> 数列には収束しないものがある。たとえば :<math>1,2,3,\ldots,n,\ldots,</math> :<math>3,-1,\ldots,7-4n,\ldots</math> は収束しない。収束しない数列は'''発散'''(はっさん) するという。発散する数列 <math>\{a_n\}</math> で <math>n\to\infty</math> のとき項 <math>a_n</math> の値が限りなく大きくなるときこの数列は'''正の無限大'''(せい の むげんだい) に発散するといい、「その極限は正の無限大である」のようにいう。このことを次のように表す。 :<math>\lim_{n\to\infty}a_n=\infty</math> 逆に <math>n\to\infty</math> のとき、項 <math>a_n</math> が負の値でその絶対値が限りなく大きくなるときこの数列は'''負の無限大''' に発散するといい、その極限は負の無限大であるという。このことを次のように表す。 :<math>\lim_{n\to\infty}a_n=-\infty</math> ;例題 :次の数列の極限を求めよ。 :#<math>1,4,\ldots,n^2,\ldots</math> :#<math>2,2,\ldots,3n-n^2,\ldots</math> ;解 :#<math>\lim_{n\to\infty}n^2=\infty.</math> :#<math>\lim_{n\to\infty}(3n-n^2)=-\infty.</math> 発散する数列には次のようなものもある。 :<math>-1,2,-3,\ldots,(-1)^n n,\ldots</math> :<math>1,-1,1,\ldots,-(-1)^n,\ldots</math> いずれの数列も正の無限大にも負の無限大にも発散しない。このような数列を'''振動'''(しんどう) するという。このときもこの数列には極限値が存在しない。 ;定理 数列 <math>\{a_n\}</math>, <math>\{b_n\}</math> について、<math>n</math> が十分に大きいとき常に <math>a_n \leq b_n</math> を満たしていて、<math>\lim_{n\to\infty}a_n=\alpha</math> かつ <math>\{b_n\}</math> の極限値も存在するならば、 :<math>\alpha\leq \lim_{n\to\infty}b_n</math> となる。 ;証明 これを証明するためには、「限り無く近づく」という言葉の、数学的な意味を明確にする必要がある。初学者には難解な証明であるため、高校数学では直感的に成り立ちそうなことを理解してほしい。参考として、以下に証明の一例を挙げておく。 <math>\alpha>\lim_{n\to\infty}b_n</math>と仮定すると、<math>\alpha-\lim_{n\to\infty}b_n=\epsilon'>0</math>である。 <math>b_n</math>は限りなく<math>\alpha-\epsilon'/2</math>より小さい数に近づくから、<math>n</math>が十分大きいときは常に<math>b_n<\alpha-\epsilon'/2</math>となる。 <math>a_n</math>は限りなく<math>\alpha</math>に近づくため、任意の正の数<math>\epsilon</math>に対して、十分大きな数<math>N</math>であって、<math>n\geq N</math>ならば常に<math>\alpha-a_n < \epsilon</math>が成り立つようなものが存在するはずである。いま、<math>a_n \leq b_n</math>であったから、十分大きな<math>n</math>では常に<math>b_n\geq\alpha-\epsilon</math>となる。 <math>\epsilon</math>は任意の正の数であったから、<math>\epsilon=\epsilon'/2</math>とすると、十分大きな<math>n</math>について矛盾する式が成立することになる。したがって、背理法により<math>\alpha\leq\lim_{n\to\infty}b_n</math>である。■ <small>興味を持った人は大学1年生程度を対象とする微分積分学の教科書を参照してほしい。例えば、[[解析学基礎]]など。</small> 次に、'''はさみうちの原理''' を紹介する。 ;はさみうちの原理 数列 <math>\{a_n\}</math>, <math>\{b_n\}</math>, <math>\{c_n\}</math> について、<math>n</math> が十分に大きいとき常に <math>a_n\leq b_n\leq c_n</math> を満たしていて、<math>\lim_{n\to\infty}a_n=\lim_{n\to\infty}c_n=\alpha</math> ならば、<math>\{b_n\}</math> の極限値も存在して、 :<math>\lim_{n\to\infty}b_n=\alpha</math> となる。 ;証明 <math>\lim_{n\to\infty}b_n</math> が存在することはあきらか。先の定理より、 :<math>\alpha\leq \lim_{n\to\infty}b_n</math> かつ <math>\lim_{n\to\infty}b_n\leq \alpha</math> であるので、 :<math>\lim_{n\to\infty}b_n=\alpha</math> が成立。■ ;例題 つぎの極限値を求めよ。 :#<math>\lim_{n\to\infty}\frac{n^2+4n+2}{3n^2+4}.</math> :#<math>\lim_{n\to\infty}(\sqrt{9n^2+2n}-3n).</math> :#<math>\lim_{n\to\infty}\frac{(-1)^n}{n}.</math> ;解 :#<math>\lim_{n\to\infty}\frac{n^2+4n+2}{3n^2+4} = \lim_{n\to\infty}\frac{1+\frac{4}{n}+\frac{2}{n^2}}{3+\frac{4}{n^2}} = \frac{1}{3}. </math> :#<math>\lim_{n\to\infty}(\sqrt{9n^2+2n}-3n) = \lim_{n\to\infty}\frac{2n}{\sqrt{9n^2+2n}+3n} = \lim_{n\to\infty}\frac{2}{\sqrt{9+\frac{2}{n}}+3} = \frac{1}{3}. </math> :#すべての <math>n</math> で、 ::::<math>-\frac{1}{n}\leq \frac{(-1)^n}{n}\leq \frac{1}{n}</math> :::となり、 ::::<math>\lim_{n\to\infty}\left(-\frac{1}{n}\right) = \lim_{n\to\infty}\frac{1}{n}=0 </math> :::であるので、 ::::<math>\lim_{n\to\infty}\frac{(-1)^n}{n}=0</math>。 ; 追い出しの原理 実数の数列<Math>\{a_n\},\{b_n\}</Math>があり、全ての<Math>n</Math>について<Math>a_n \leq b_n</Math>とする。 このとき、<Math>\lim_{n\to\infty}a_n=\infty</Math>ならば<Math>\lim_{n\to\infty}b_n=\infty</Math>である。 同様に、全ての<Math>n</Math>について<Math>a_n \geq b_n</Math>であり<Math>\lim_{n\to\infty}a_n=-\infty</Math>ならば、 <Math>\lim_{n\to\infty}b_n=-\infty</Math>である。 高校レベルでの証明はできないが、数列の各項を折れ線で結んだ<Math>a_n</Math>ー<Math>n</Math>グラフを書くことで成り立つことが直感的に理解できる。 ==== 等比数列の極限 ==== 等比数列 <math>\{r^n\}</math> の極限について考えてみよう。 ;(i) <math>r>1</math> の場合: <math>r=1+h</math> とおくと、 :<math>r^n=(1+h)^n = 1+{}_n{\rm C}_1 h + {}_n{\rm C}_2 h^2 +\cdots+ {}_n{\rm C}_n h^n </math> であるので、 :<math>r^n\geq 1+nh</math>。 したがって、<math>n\to\infty</math> のとき、<math>1+nh\to\infty</math> だから、 :<math>\lim_{n\to\infty}r^n=\infty</math>。 ;(ii) <math>r=1</math> の場合: <math>1</math> は何乗しても <math>1</math> だから、 :<math>\lim_{n\to\infty}r^n=1</math>。 ;(iii) <math>|r|<1</math> の場合: <math>r=0</math> ならばあきらかに、 :<math>\lim_{n\to\infty}r^n=0</math>。 <math>r \ne 0</math>のとき、<math>|r|^{-1}>1</math>だから、(i) より :<math>\lim_{n\to\infty}\frac{1}{|r|^n}=\infty</math>。 したがって、 :<math>\lim_{n\to\infty}r^n=0</math>。 ;(iv) <math>r=-1</math> の場合: <math>r^n</math> は<math>n</math> が奇数の場合 <math>-1</math>、 <math>n</math> が偶数の場合 <math>1</math> となるので振動する。 ;(v) <math>r<-1</math> の場合: <math>|r|>1</math> より、 :<math>\lim_{n\to\infty}|r|^n=\infty</math> となるが、<math>r^n</math> は <math>n</math> が奇数の場合 <math>r^n<0</math>、 <math>n</math> が偶数の場合 <math>r^n>0</math> となるので振動する。 まとめると、次のようになる。 '''収束''' :*<math>|r|<1</math> のとき、<math>\lim_{n\to\infty}r^n=0</math>。 :*<math>r=1</math> のとき、<math>\lim_{n\to\infty}r^n=1</math>。 '''発散''' :*<math>r>1</math> のとき、<math>\lim_{n\to\infty}r^n=\infty</math>。 :*<math>r\leq -1</math> のとき、<math>\lim_{n\to\infty}r^n</math> は存在しない。 ;例題 一般項が次のように表される数列の収束・発散について調べ、極限値があるならばこれを求めよ。 :#<math>\frac{2^n+4^n}{3^n}.</math> :#<math>\frac{5^n+7^n}{5^n+(-7)^n}.</math> :#<math>\frac{1+4^n}{1-4^n}.</math> :#<math>\frac{3^n}{2\cdot 3^{n-1}+2^n}.</math> ;解 :#<math>\lim_{n\to\infty}\frac{2^n+4^n}{3^n}=\lim_{n\to\infty}\left\{\left(\frac{2}{3}\right)^n+\left(\frac{4}{3}\right)^n\right\}=\infty.</math> :#<math>n</math> が偶数ならば常に、<math>\frac{5^n+7^n}{5^n+(-7)^n}=1</math> となり、奇数ならば <math>\frac{5^n+7^n}{5^n-7^n}</math> となる。この二つの数列の極限が等しければよいが、<math> \lim_{n\to\infty}\frac{5^n+7^n}{5^n-7^n} = \lim_{n\to\infty} \frac{\left(\frac{5}{7}\right)^n+1}{\left(\frac{5}{7}\right)^n-1} = -1 </math> であるので等しくない。したがって、数列 <math> \left\{\frac{5^n+7^n}{5^n+(-7)^n}\right\} </math> は振動する。 :#<math>\lim_{n\to\infty}\frac{1+4^n}{1-4^n} = \lim_{n\to\infty} \frac{\left(\frac{1}{4}\right)^n+1}{\left(\frac{1}{4}\right)^n-1} =-1. </math> :#<math>\lim_{n\to\infty}\frac{3^n}{2\cdot 3^{n-1}+2^n} = \lim_{n\to\infty}\frac{1}{\frac{2}{3}+\left(\frac{2}{3}\right)^n} = \frac{3}{2}. </math> ==== 無限級数の和 ==== 数列 <math>\{a_n\}</math> の第 <math>n</math> 項までの和を <math>S_n</math> と表すことにする。すなわち、 :<math>S_n=a_1+a_2+\cdots+a_n=\sum_{k=1}^{n}a_k</math>。 このとき、<math>\{S_n\}</math> は数列の一種とみなすことができ、このようにある数列の初項から第 <math>n</math> 項までを順番に足してできる数列を'''級数'''(きゅうすう) という。もとの数列 <math>\{a_n\}</math> が無限数列である場合、級数 <math>\left\{\sum_{k=1}^n a_k\right\}</math> も無限に項を持つことになる。このような級数を'''無限級数'''(むげんきゅうすう) という。以下、単に級数というときは無限級数であるとする。 数列 <math>\{a_n\}</math> において、初項から第 <math>n</math> 項までの和を第 <math>n</math> '''部分和'''(ぶぶんわ)という。<math>\{a_n\}</math> から作られる級数の第 <math>n</math> 部分和 (つまり、<math>\{a_n\}</math>の初項から第n項までの和)を <math>S_n</math> と表すことにし、この級数<math>\{S_n\}</math> の極限値が <math>S</math> であるとき、<math>S_n</math> は <math>S</math> に収束するといい、<math>S</math> を級数の'''和'''という。このことを次のように表す。 :<math>S=\lim_{n\to\infty}S_n = \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{n}a_n </math> または :<math>a_1+a_2+\cdots+a_n+\cdots = S</math> または :<math>\sum_{n=1}^{\infty}a_n = S</math> <small>2番目の表記はシグマ記号を使わない分直感には訴えやすい面もあるが、注意深く表記しないと「…」の指すものがはっきりしないため、あまり好ましくない。</small> 数列 <math>\{S_n\}</math> が発散するときこの級数は発散するという。 ;例題 つぎの級数の収束・発散について調べ、和が存在するならば求めよ。 :#<math>\frac{1}{1\cdot 2} + \frac{1}{2\cdot 3} + \cdots + \frac{1}{n\cdot (n+1)} + \cdots. </math> :#<math>\frac{1}{2} + \frac{3}{4} + \cdots + \frac{2n-1}{2n}+\cdots. </math> :#<math>\frac{1}{1+\sqrt{2}} + \frac{1}{\sqrt{2}+\sqrt{3}} + \cdots + \frac{1}{\sqrt{n}+\sqrt{n+1}} + \cdots. </math> ;解 :#<math>\sum_{n}^\infty \frac{1}{n(n+1)} = \sum_{n}^\infty \left(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1}\right) = \lim_{n\to\infty} \left(1-\frac{1}{n+1}\right)=1. </math> :#<math>\frac{2n-1}{2n}\geq \frac{1}{2}</math> であるから、<math> \sum_{n}^\infty \frac{2n-1}{2n} \geq \lim_{n\to\infty}\frac{n}{2} = \infty </math>。 :#:したがって級数 <math>\frac{1}{2}+\frac{3}{4}+\cdots+\frac{2n-1}{2n}+\cdots</math> は発散する。 :#<math>\sum_{n}^\infty \frac{1}{\sqrt{n}+\sqrt{n+1}} = \sum_{n}^\infty \left(\sqrt{n+1}-\sqrt{n}\right) = \lim_{n\to\infty}(\sqrt{n+1}-1) = \infty. </math> ;定理 数列 <math>\{a_n\}</math> から作られる級数 <math>S_n</math> が収束する必要条件は、 :<math>\lim_{n\to\infty}a_n=0</math> である。 ;証明 <math>\alpha \ne 0</math> とし、<math>\lim_{n\to\infty}a_n=\alpha</math>とする。<math>n>1</math> のとき、 :<math>a_n=S_{n}-S_{n-1}</math> となるので、 :<math>\lim_{n\to\infty}a_n=\lim_{n\to\infty}(S_{n}-S_{n-1})=\alpha</math>。 しかし、<math>\lim_{n\to\infty}S_n=\lim_{n\to\infty}S_{n-1}=S</math> であるから、これは矛盾。したがって、<math>\alpha=0</math> でなくてはならない。■ 逆に、<math>\lim_{n\to\infty}a_n=0</math> であっても、<math>\sum_n^\infty a_n</math> が収束するとは限らない。 ==== 無限等比級数の和 ==== 初項が <math>a</math> で公比が <math>r</math> の数列から作られる級数を'''無限等比級数''' または単に'''等比級数'''(とうひ きゅうすう) という。 等比級数の収束・発散について考えてみよう。この等比級数の第 <math>n</math> 部分和は、 :<math>S_n = a + ar + ar^2 + \cdots + ar^{n-1}</math> となる。 ;(i) <math>a=0</math> の場合: すべての<math>n</math> で<math>a_n=0</math>となるから、 :<math>\lim_{n\to\infty}S_n=0</math>。 ;(ii) <math>a \ne 0</math> の場合: <math>|r| < 1</math> とすると、 :<math>S_n=\frac{a(1-r^n)}{1-r}</math> であるから、 :<math>\lim_{n\to\infty}S_n=\frac{a}{1-r}</math>。 <math>r>1</math> または <math>r\leq -1</math> のときは、<math>\{ar^{n-1}\}</math> は発散するから、<math>\{S_n\}</math> は発散する。また、<math>r=1</math>のときは、 :<math>\lim_{n\to\infty}ar^{n-1}=a \ne 0</math> であるから、先の定理より <math>\{S_n\}</math> は発散する。 このことは次のようにまとめられる。 <math>a \ne 0</math> のとき、初項 <math>a</math>, 公比 <math>r</math> の等比級数は *<math>|r|<1</math> のとき収束し、 *:<math>a+ar+ar^2+\cdots+ar^{n-1}+\cdots = \frac{a}{1-r}</math>。 *<math>|r|\geq 1</math> のとき発散する。 ;例題 次の等比級数の収束・発散について調べ、収束するものについてはその和を求めよ。 :#<math>1-\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{3}{4}-\frac{3\sqrt{3}}{8}+\cdots</math> :#<math>(\sqrt{3}-2)-1+(-\sqrt{3}-2)+\cdots</math> :#<math>100-50+25-\cdots</math> ;解 :#与えられた数列は公比が<math>\left|-\frac{\sqrt{3}}{2}\right|<1</math> であるので収束する。その和は、<math>\sum_{n}^\infty \left(-\frac{\sqrt{3}}{2}\right)^{n-1}=\frac{1}{1+\frac{\sqrt{3}}{2}}=4-2\sqrt{3}</math>。 :#与えられた数列は公比が<math>\sqrt{3}+2>1</math> であるので発散する。 :#与えられた数列は公比が<math>-\frac{1}{2}</math> であるので収束する。その和は、<math>\sum_{n}^\infty 100\cdot\left(-\frac{1}{2}\right)^{n-1}=\frac{200}{3}</math>。 == 関数とその極限 == === 分数関数と無理関数 === ==== 分数関数 ==== <math>y= \frac{1}{x}\ ,\ y= \frac{2x-1}{x-1}</math>のように、xの分数式で表される関数をxの'''分数関数'''という。 <math>y= \frac{k}{x}</math>のグラフは'''双曲線'''(そうきょくせん)で、原点に関して対称である。双曲線<math>y= \frac{k}{x}</math>の漸近線は、x軸とy軸である。 関数<math>y= \frac{k}{x-p} +q</math>のグラフは、関数<math>y= \frac{k}{x}</math>のグラフをx軸方向にp、y軸方向にqだけ平行移動したもので、漸近線は2直線<math>x=p\ ,\ y=q</math>である。 ;例題 分数関数<math>y= \frac{2x+3}{x+1}</math>のグラフの漸近線の方程式を求めよ。 ;解 :<math>y= \frac{2x+3}{x+1} = \frac{1}{x+1} +2</math> ゆえに、この関数のグラフは、双曲線<math>y= \frac{1}{x}</math>をx軸方向に-1、y軸方向に2だけ平行移動したものである。 漸近線の方程式は<math>x=-1\ ,\ y=2</math>である。 ==== 無理関数 ==== <math>\sqrt{x}\ ,\ \sqrt[3]{3x-8}</math>のように、根号の中に文字を含む式を'''無理式'''(むりしき)といい、変数xの無理式で表される関数をxの'''無理関数'''(むりかんすう)という。 <math>y= \sqrt{x}</math>のグラフについて考える。 <math>y= \sqrt{x}</math>の定義域は<math>x \ge 0</math>、値域は<math>y \ge 0</math>である。 <math>y= \sqrt{x}</math>の両辺を2乗すると、<math>y^2 = x</math>、すなわち :<math>x = y^2</math> <math>x = y^2</math>のグラフは原点を頂点とし、x軸を対称軸とする放物線である。 <math>y= \sqrt{x}</math>では<math>y \ge 0</math>であるから、<math>y= \sqrt{x}</math>のグラフは<math>x = y^2</math>のグラフの上半分である。 無理関数<math>y= \sqrt{ax+b}</math>について、 :<math>\sqrt{ax+b} = \sqrt{a \left(x + \frac{b}{a} \right)}</math> であるから、無理関数<math>y= \sqrt{ax+b}</math>のグラフは、<math>y= \sqrt{ax}</math>のグラフをx軸方向に<math>- \frac{b}{a}</math>だけ平行移動したものである。 ;例題 無理関数<math>y= \sqrt{-2x-6}</math>のグラフは<math>y= \sqrt{-2x}</math>のグラフをどのように平行移動したものか。 ;解 :<math>y= \sqrt{-2x-6} = \sqrt{-2(x+3)}</math> ゆえに、この関数のグラフは、<math>y= \sqrt{-2x}</math>をx軸方向に-3だけ平行移動したものである。 なお、分母がn次式である分数関数を'''n次分数関数'''、根号の中がn次式である無理関数を'''n次無理関数'''と呼ぶ場合がある。また、高校で扱う整関数・三角関数・指数関数・対数関数・分数関数・無理関数及びそれらの逆関数を総称して'''初等関数'''と呼ぶ。 === 合成関数と逆関数 === ==== 合成関数 ==== 二つの関数 <math>f(x)</math> と <math>g(x)</math> が与えられたとき、 <math>f(g(x))</math> という新しい関数を考えることができる。たとえば <math>f(x)=x^2+x+2</math>, <math>g(x)=x+1</math> とすると、 :<math>f(g(x))=\{g(x)\}^2+g(x)+2=x^2+3x+4</math> 一般に二つの関数 <math>f(x)</math>, <math>g(x)</math> が与えられたとき、関数 <math>f(g(x))</math> や <math>g(f(x))</math> を <math>f(x)</math> と <math>g(x)</math> の'''合成関数'''(ごうせい かんすう)という。合成関数 <math>f(g(x))</math> を <math>(f\circ g)(x)</math> とかくことがある。 また、<Math>(f\circ f)(x)=f^2(x)</Math>、<Math>(f^2\circ f)(x)=f^3(x)</Math>のように、<Math>f(x)</Math>同士を<Math>n</Math>回合成した関数を<Math>f^n(x)</Math>と表すことがある。ただし、三角関数(と[[高等学校数学C/平面上の曲線#二次曲線の媒介変数表示|双曲線関数]])に限って<Math>f^n (x)</Math>は<Math>(f (x))^n</Math>を意味するので注意。また、[[高等学校数学III/微分法#高次導関数|多階微分]]の記法<Math>f^{(n)} (x)</Math>とも混同しないよう注意が必要である。 ;例題 <math>f(x)=x^2-1</math>, <math>g(x)=\frac{x}{x+1}</math> のとき、合成関数 <math>(f\circ g)(x)</math> と <math>(g\circ f)(x)</math> を求めよ。 ;解 :<math>(f\circ g)(x)=\left(\frac{x}{x+1}\right)^2-1=-\frac{2x+1}{x^2+2x+1}</math> :<math>(g\circ f)(x)=\frac{x^2-1}{x^2-1+1}=\frac{x^2-1}{x^2}</math> この例題のように、一般に <math>(f\circ g)(x)</math> と <math>(g\circ f)(x)</math> は等しくない。 ==== 逆関数 ==== 関数 <math>f(x)</math> と関数 <math>g(x)</math> が与えられて、 :<math>(f\circ g)(x)=x</math> :<math>(g\circ f)(x)=x</math> をすべての定義域内の <math>x</math> で満たすとき、<math>g(x)</math> を <math>f(x)</math> の逆関数(ぎゃくかんすう)といい、 :<math>g(x)=f^{-1}(x)</math> と表す。 ;例題 <math>f(x)=x^n (x\geq 0)</math> の逆関数 <math>f^{-1}(x)</math> を求めよ。 ;解 <math>y=f(x)</math> とおいて <math>x</math> について解くと、 :<math>x=\sqrt[n]{y}</math> となる。したがって、<math>f^{-1}(x)=\sqrt[n]{x}</math>。 この例題のように、ある関数 <math>f(x)</math> の逆関数 <math>f^{-1}(x)</math> を求めるには <math>x</math> について解いて <math>x</math> と <math>y</math> を入れ替えればよい。 {{コラム|「関数」の語源| 関数の記号として数学では、よく <math>f</math>を使うが、これは関数が英語で function (ファンクション)ということに由来している。 中国語で function を音訳すると「函数」になるので、日本でも第二次世界大戦が終わるまでは「函数」の字を使っていた。 しかし、戦後の漢字改革により、「函」の字が当用漢字でなくなった事により、「関」は発音が同じことと、「関係している」の意味も兼ねて、functionの日本語訳として 「関数」 と書かれるようになった。(※ ここまで、実教出版の検定教科書に記述あり) なお、「函」の意味は「箱」である。日本語でも、よく「郵便ポストにハガキを投函(とうかん)する」などと言うが、その「投函」の「函」の字と同じである。このことから、関数の概念を教わる際に「ブラックボックス」を用いて説明される場合がある。 }} (※ 範囲外) 次に逆関数が存在する条件について考えてみよう。逆関数も関数であるから(逆関数の)定義域に含まれるすべての <math>x</math> で <math>f^{-1}(x)</math> が一意に定まらなくてはならない。すなわち、 <math>y=f(x)</math> において、定義域の <math>x</math> と値域の <math>y</math> のどちらかを定めるともう片方が一意に定まるような関数でなくてはならない。このことを関数 <math>f(x)</math> が'''全単射'''(ぜんたんしゃ)である、または'''一対一 対応'''(いったいいち たいおう)であるという。関数 <math>f(x)</math> が全単射であることは <math>f(x)</math> に逆関数が存在することの必要十分条件である。 詳しくは大学で'''写像'''の概念と共に学ぶ。 (ここまで、範囲外) === 関数値の極限 === ある関数 <math>f(x)</math> において、<math>x</math> が定数 <math>a_1</math> より小さい値をとりながら <math>a_1</math> に限りなく近づくときの関数 <math>f(x)</math> の値が一定の値 <math>b_1</math> に限りなく近づくとき、 <math>f(x)</math>の'''左極限値(左側極限)'''は <math>b_1</math> であるといい、 :<math>\lim_{x\to a_1-0}f(x)=b_1</math> と表す。同様に <math>x</math> が定数 <math>a_2</math> より大きい値をとりながら <math>a_2</math> に限りなく近づくときの関数 <math>f(x)</math> の値が一定の値 <math>b_2</math> に限りなく近づくとき、 <math>f(x)</math> の'''右極限値(右側極限)'''は <math>b_2</math> であるといい、 :<math>\lim_{x\to a_2+0}f(x)=b_2</math> と表す。 右側極限と左側極限を合わせて'''片側極限'''と呼ぶ。 ここで、 :<math>a=a_1=a_2</math> かつ :<math>b=b_1=b_2</math> であるとき、すなわち<math>a</math> における左極限値と右極限値が等しいとき <math>f(x)</math> は <math>b</math> に'''収束する'''といい、<math>b</math> をそのときの<math>f(x)</math> の'''極限値'''という。このことを、 :<math>\lim_{x\to a}f(x)=b</math> と表す。 <math>x \to a</math>のとき、 <math>f(x)</math> が限りなく大きくなるならば、 <math>f(x)</math> は'''正の無限大に発散する'''といい、<math>\lim_{x\to a}f(x)= \infty</math> と書く。 <math>x \to a</math>のとき、 <math>f(x)</math> が負の値をとって、その絶対値が限りなく大きくなるならば、 <math>f(x)</math> は'''負の無限大に発散する'''といい、<math>\lim_{x\to a}f(x)= - \infty</math> と書く。 xを限りなく大きくするとf(x)がある値aに限りなく近づくとき :<math>\lim_{x\to \infty}f(x)= a</math> と、xを負の値をとりながら限りなく絶対値を大きくするとf(x)がある値aに限りなく近づくとき、 :<math>\lim_{x\to -\infty}f(x)= a</math> と書き、それぞれ正の無限大における極限値、負の無限大における極限値という。 なお、数列の場合と同様にはさみうちの原理、追い出しの原理が成り立つ。 ==== 関数の連続性 ==== ある関数 <math>f(x)</math> が定義域内の点 <math>a</math> で連続(れんぞく)であるとは、 その関数<math>f(x)</math>のグラフが<math>x=a</math>の近傍で途切れることなく続いていることを意味する。数式で表すと次のようになる。 :<math>\lim_{x\to a}f(x)=f(a)</math> であることをいう。また、ある区間で <math>f(x)</math> が連続であるとは、区間内のすべての点で連続であることをいう。 くどいかもしれないが、上式は左辺の極限値が存在して、かつ右辺と一致するということを意味する。左辺の極限値が存在しない場合はf(x)は連続ではない。 また、<Math>a</Math>が定義域の左端・右端に位置する場合、点<Math>(a, f(a))</Math>で関数が連続である条件はそれぞれ、 :左端: <Math>\lim_{x\to a+0}f(x) = f(a) </Math> :右端: <Math>\lim_{x\to a-0}f(x) = f(a) </Math> となる。 関数<Math>f(x),g(x)</Math>が定義域に含まれる値<Math>a</Math>で連続であるとき、以下の関数も<Math>x=a</Math>で連続である。 * <Math>kf(x)+lg(x)</Math> * <Math>f(x)g(x)</Math> * <Math>\frac{f(x)}{g(x)}</Math> ==== 連続関数 ==== <Math>f(x)</Math>が定義域に含まれる全ての<Math>x</Math>について連続であるとき、<Math>f(x)</Math>を'''連続関数'''と呼ぶ。一般に、初等関数は連続関数である。 なお、以下のような場合には注意が必要である。 一次分数関数<Math>y=\frac{1}{x}</Math>のグラフは<Math>x=0</Math>において途切れているが、<Math>x=0</Math>はこの関数の定義域に含まれないため連続関数か否かの議論には関係ない。 区間について、以下のように定める。 * 区間<Math> a \leq x \leq b </Math>を'''閉区間'''と呼び、<Math>[a, b]</Math>と表す。 * 区間<Math> a < x < b </Math>を'''開区間'''と呼び、<Math>(a, b)</Math>と表す。 * <Math>a \leq x < b , a < x \leq b </Math>のような区間を'''半開区間'''と呼び、<Math>[a, b) , (a, b] </Math>のように表す。 * <Math> a < x, x \leq b </Math>のような区間も<Math>(a, \infty) , (-\infty , b]</Math>のように表すこととする。このとき、<Math>\infty</Math>を含む部分は必ず小括弧()で囲むことに注意。 ある区間を<Math>f(x)</Math>の定義域と考えたとき、区間に含まれる全ての点において<Math>f(x)</Math>が連続ならば<Math>f(x)</Math>はその'''区間で連続'''であるという。 一般に、次の定理が成り立つ。 '''ワイエルシュトラスの極値定理'''('''最大値最小値定理''') 閉区間で連続な関数は、その閉区間で最大値・最小値を持つ 開区間で連続な関数は、その開区間に最大値・最小値を持つことも持たないこともある。 関数<Math>f(x)</Math>が閉区間<Math>[a,b]</Math>で連続ならば、この区間においてそのグラフには切れ目がなく、さらに<Math>f(a) \neq f(b)</Math>ならば<Math>f(x)</Math>は<Math>f(a)</Math>と<Math>f(b)</Math>の間の全ての値を取る。よって、次の定理が成り立つ。 '''中間値の定理(Ⅰ)''' 関数<Math>f(x)</Math>が閉区間<Math>[a,b]</Math>で連続且つ<Math>f(a) \neq f(b)</Math>ならば、<Math>f(a)</Math>と<Math>f(b)</Math>の間の任意の定数<Math>k</Math>に対し、<Math>f(c)=k</Math>を満たす実数<Math>c</Math>が、<Math>a</Math>と<Math>b</Math>の間に少なくとも一つ存在する。 '''中間値の定理(Ⅱ)''' 関数<Math>f(x)</Math>が閉区間<Math>[a,b]</Math>で連続且つ<Math>f(a)</Math>と<Math>f(b)</Math>が異符号ならば、方程式<Math>f(x)=0</Math>は<Math>a < x < b </Math>の範囲に少なくとも一つの実数解を持つ。 ==== 三角関数と極限 ==== [[File:Limit sin x x relabeled.svg|thumb|500px|左の証明のイメージ<br>左の証明において、<math>\theta</math>に変えて<math>x</math>とし、<br>[三角形OAB]、[扇形OAB]、[三角形OAB']は、各々、<br>[三角形OAP]、[扇形OAP]、[三角形OAQ]とする。]] 三角関数については、次が成り立つことが基本的である。 :<math>\lim_{\theta\to 0}\frac{\sin \theta}{\theta}=1</math> ;証明 まず :<math>\lim_{\theta\to +0}\frac{\sin \theta}{\theta}=1</math> を示す。 半径1、中心角θの扇形を考える。後にθ→+0とするので0<θ<π/2としてよい。 扇形OABの面積は、θ/2となる。 また、三角形OABを考えると、その面積は :<math>\frac{\sin \theta}{2}</math> となる。 さらに、点Aを通る辺OAの垂線と、半直線OBとの交点をB'とすると、三角形OAB'の面積は、 :<math>\frac{\tan \theta}{2}</math> となる。 ここで、図から明らかに、面積について以下の不等式が成り立つ。 [三角形OAB]<[扇形OAB]<[三角形OAB'] 即ち :<math>0< \frac{\sin \theta}{2} < \frac{\theta}{2} < \frac{\tan \theta}{2}</math> :0<sinθ<θ<tanθ 逆数をとって各辺にsinθを掛けると、 :<math>\cos \theta < \frac{\sin \theta}{\theta} < 1</math> いま、 :<math>\lim_{\theta\to +0}\cos \theta=1</math> より、はさみうちの原理から、 :<math>\lim_{\theta\to +0}\frac{\sin \theta}{\theta}=1</math> が示された。 また、θ<0のときは、 :<math>\frac{\sin \theta}{\theta}=\frac{-\sin \theta}{-\theta}=\frac{\sin (-\theta)}{-\theta}</math> を考えると、いま-θ>0であり、かつθ→-0のとき-θ→+0であるから、上の結果を使うことができて、これにより、 :<math>\lim_{\theta\to -0}\frac{\sin \theta}{\theta}=\lim_{-\theta\to +0}\frac{\sin (-\theta)}{-\theta}=1</math> となる。以上より、 :<math>\lim_{\theta\to 0}\frac{\sin \theta}{\theta}=1</math> が成り立つ。■ ==== 指数・対数関数と極限 ==== 指数・対数関数に関して、次が成り立つ :a>1のとき、<math>\lim_{x\to\infty}a^x=\infty,\lim_{x\to-\infty}a^x=0</math> :0<a<1のとき、<math>\lim_{x\to\infty}a^x=0,\lim_{x\to-\infty}a^x=\infty</math> :a>1のとき、<math>\lim_{x\to\infty}\log_ax=\infty,\lim_{x\to+0}\log_ax=-\infty</math> :0<a<1のとき、<math>\lim_{x\to\infty}\log_ax=-\infty,\lim_{x\to+0}\log_ax=\infty</math> また、自然対数は[[高等学校数学III/微分法]]で導入されるが、自然対数については、次が成り立つ。 :<math>\lim_{x\to0}\frac{\log(1+x)}{x}=1</math> ;証明 [[w:ネピア数]]<math>e</math>の定義より、<math>\lim_{n\to\infty}(1+\frac{1}{n})^n=e</math>。これの両辺の自然対数をとって<math>\lim_{n\to\infty}n\log(1+\frac{1}{n})=\log e=1</math>。ここで、<math>x=\frac{1}{n}</math>とすると、<math>n\to\infty</math>で<math>x\to0</math>なので、<math>\lim_{x\to0}\frac{\log(1+x)}{x}=1</math>となる。■ また、これを用いてネピア数<math>e</math>については、次が導かれる。 :<math>\lim_{x\to 0}\frac{e^x-1}{x}=1</math> ;証明 <math>\lim_{x\to0}\frac{\log(1+x)}{x}=1</math>の関係式で、<math>e^t=1+x</math>とおくと、<math>x\to0</math>のときに<math>t\to0</math>となり、<math>\frac{\log(e^t)}{e^t-1}=\frac{t}{e^t-1}\to1(t\to0)</math>。 両辺の逆数をとり、tをxに書き換えると、 <math>\lim_{x\to 0}\frac{e^x-1}{x}=1</math>となる。■ == 演習問題 == 次の極限を求めよ # <math> \lim_{x\to 0} \frac{\tan x}{x}</math> # <math> \lim_{x\to 0} \frac{1 - \cos x}{x^2}</math> # <math> \lim_{x\to 0} \frac{e^{3x}-1}{x}</math> * [[高等学校数学III 極限 演習A|演習問題A]] * [[高等学校数学III 極限 演習B|演習問題B]] == [コラム]よく有る疑問とその回答 == === 極限値の実在 === ここでは、上述のような極限の説明に「なんかウサンクサイ」と思う生徒を対象に、そのような疑問に少しでも応えることを目標とする。よって、そのような疑問を持たない生徒が読んでも、あまり意味はない。 疑問を抱いた諸君、諸君の疑問はいたって正当である。あまりこのようなことを大っぴらに書くべきではないかもしれないが、高等学校における極限の取り扱いは「子供だまし」であり、近代以降の数学では極限という概念はもっと厳密な形で取り扱われている。しかしその内容は高校生には少し難しいし、詳しい書籍はほかにも存在する(wikibooksでも[[解析学基礎]]にある程度の記述がある)。そこでここでは、高校の教科書のように「子供だまし」をするのではなく、かといって厳密な形で議論するのでもなく、諸君を納得させられるかもしれない答えを提示したい。 さて改めて、極限値という概念に次のような疑問を持つ生徒はいないだろうか。 :「限りなくその値に近づけるというだけで、決してイコールには成らないハズだ。そのようなものを考えるのはナンセンスだ。」 ここでは、この問いに対するひとつの解答例を示したいと思う。分り易さを重視しているので厳密では無いが、ひとつの考え方の例として読んでもらいたい。 分数関数 <math>f(x) = 1/x</math> を考える。この関数の正の無限大における極限値は<math>0</math>である。 数式で書くならば以下の通りである。 :<math>\lim_{x\to \infty} f(x)=0</math> ここで敢えて、この数式には極々小さな正の誤差が紛れ込んでいる、と考える。 <math>x</math>が限りなく無限大に近づいたとしても、<math>f(x)</math>は絶対にx軸とは交わらず、漸近的に近づいていくだけであるため、無限大であっても等号が成り立つはずは無いからである。 そこで、極限という概念で考えるのではなく、直接<math>f(x)</math>に無限大を代入した値を誤差として考える。 (この時、この代入の不可能性については考えないものとする。) 当然ながら、この誤差の大きさは、<math>1/\infty</math>という大きさになるのだが、この大きさは一体どのようなものだろうか? そもそもこの誤差の値は、実数であるかどうかすらも怪しい。何故なら、そもそも無限大という数自体が実数とは思えない性質を持っているからだ。 無限大というのは、どの実数よりも大きい数という定義である。この時点ですでに実数の定義からハズレている事がよくわかるだろう。 実数にこの無限大という数が含まれるのであれば、無限大は無限大より大きい、という矛盾が生まれる。 ゆえに、無限大は実数と言う枠組みから外し、実数でない未知の数であると考えるべきだろう。 さて、この未知の数の逆数である<math>1/\infty</math>はどういう値なのだろうか。当然ながら、これも未知の数であると言わざるを得ない。 無限大の定義より、<math>1/\infty</math>はどの正の実数よりも小さい正の数、という定義になり、無限大の時と同様に、実数でないことが証明できる。 なお、この数は一般に無限小と呼ばれ、実数に無限小と無限大という概念を加えた数を「超実数」と呼ぶ。 さて、この無限小という誤差を実数としてみるとどう見えるだろうか? 無限小はどのような正の実数よりも小さい、というのだから、実数から見たら見かけ上<math>0</math>に見えるだろう。 そのような視点で考えているのが極限値というものである。 もう少し踏み込んで、値域を実数とする<math>f(x)</math>の値として、無限小という非実数値が出現した、という事実をどう考えるべきだろうか? その問いに対しての極限値という概念の答えは、「強引に実数に変換する」という手法なのである。 値域を実数とする関数に、非実数をいきなり登場させるわけにはいかない、というのは誰にでもわかることだろう。 其の様な問題に対して考えられる答えは「関数の値域そのものを超実数に拡張する」又は「超実数を実数に変換して、値域を実数として保つ」というものだ。 極限(lim)と言う操作・概念はこの二つの答えの内、後者の答えを選んだものとなる。 limという記号には、<math>f(x)</math>に<math>x=a\pm1/\infty</math>をそれぞれ代入した数を計算し、その値から無限小を無視して、超実数を実数に変換するという意味合いが有る。 実数という数から見れば、無限小など全く意味の無い数であることから、等式が成り立つ、と解釈できるのである。 前者の答えを選んだ学問は超準解析と呼ばれるが、これは易しい学問ではなく、高校で教えるのには向かない。 ==== 無限大と無限小の実在について ==== 少し話をかえて、「無限大」「無限小」というモノ自体の実在について考えてみる。 上の説明では「無限大」というモノが、実数でないので何だかわからないのだが、とにかくある、という前提で話を進めてきた。ここに疑問を感じた生徒もいるかもしれない。そのような生徒に向けて、さらに補足説明する。 上でも述べたが、「超準解析」という学問においては、無限大・無限小は実体のあるものであり、数学的に厳密に取り扱われる。しかし、無限大・無限小を数学的に厳密に取り扱う事は非常に難しく、歴史的にも20世紀後半にようやく確立されたほどであった。つまり普通、数学においては無限大・無限小といったものを表に出して扱わないのである。この教科書の本文をもう一度見直してほしい。このコラムにおいて用いている「無限大に近づける(近づく)」といった表現はなく「限りなく大きくする」という表現を用いているはずである。荒っぽく言えば、「∞」は単体では意味を持たない記号であり、「<math>\lim_{x \to \infty}</math>」のような特定の文脈を与えられて初めて意味を持つ「状態を表す記号」なのである。なんらかの数を表すものではない、という事に注意してほしい。この「<math>\lim_{x \to \infty}</math>」はひと固まりで初めて意味を持つ記号であり、「xを」「∞に」「近づける」と分解するようなことはナンセンスだ、とも言える。 では、このコラムにおける説明はなんだったのか。実はこれは説明の方便である。はじめに述べたように、厳密な記述は難しいのであえて厳密でない書き方をしている。近代的な(非超準解析的な)立場の極限の取り扱い方は、実質的にはこのコラムの内容と同じことを、∞を表に出さず巧妙に表現したものである。 === 三角関数の極限の証明について === 本文の[[#三角関数と極限]]で示されている :<math>\lim_{\theta\to 0}\frac{\sin \theta}{\theta}=1</math> という式について、上で示した証明は、「[[w:循環論法]]になっていて証明になっていない」と言われることがある。それはどういうことか、興味がある人のために解説を加えておく。 さてここで、どのように「循環論法」が形成されているのかはっきりさせておこう。 :<math>\lim_{\theta\to 0}\frac{\sin \theta}{\theta}=1</math> を示す過程で扇形の面積を利用している←扇形の面積を求めるには三角関数の積分が必要である←三角関数を積分するには三角関数の微分が必要である←三角関数を微分するには <math>\lim_{\theta\to 0}\frac{\sin \theta}{\theta}=1</math> という結果が必要である←…… 論理が循環している構造が分かっただろうか。「極限を求めるために、その極限を利用している」と言ってもいいだろう。 現代の数学では、もちろんこの循環論法は回避できる。もっと言えば、高校数学(新課程)の範囲内でよりよい証明を示すこともできる。しかしそれは今学んでいるより後に学習する内容を利用することにもなり、少々複雑である。 高校数学の目的は完全な論理を組み立てることではなく、むしろ数学の、高校内容の中での体系的な理解を目的としている。このような理由から、現在多くの教科書に上と同様の証明が掲載されていると考えられるし、WIKIBOOKSもこれに倣った。 しかしここでは興味のある諸君のために、「高校内容の範囲(新課程)でのよりよい証明」を示しておこう。面積を利用することは避けて、円弧の長さから問題の極限の値を導いてみよう。ただし、数学IIIの微分、積分(新課程のみの内容も含む)の内容を利用する。 まずは、「ラジアンとは何か」を考え直してみよう。というのも、ラジアンの定義には円弧の長さを利用したが、現代の数学では「[[w:弧長|w:曲線の長さ]]」も定義なしには扱えないからである。つまりわれわれは、円弧の長さを数学的に定義すればよいということだ。このあとの積分の単元(新課程)で学習することになるが、区間''a''≦''x''≦''b''で自身と導関数がともに連続である関数''f'' について、''y'' =''f'' (''x'' )(''a''≦''x''≦''b'')で表される曲線''C'' の長さは、次の式で求められる。(証明は該当ページ参照 ※2014/02/08時点でWIKIBOOKS内では未作成) :<math>\int_{a}^{b} \sqrt{1+\left\{f'(x)\right\}^2}\, dx</math> ここで、''f'' (''x'' )を半円弧<math>\sqrt{1-x^2}(-1\le x\le 1)</math>とすると、円弧の長さを計算できる。ただし、積分区間に''x'' =-1もしくは''x'' =1を含めると具合が悪いので(被積分関数が値を持たない(極限は正の無限大))、積分区間を<math>-\frac{1}{\sqrt2}\le x\le\frac{1}{\sqrt2}</math>としたものを四分円弧の長さとし、円の対称性から円弧一周の長さを決定するとよいとだけ補足しておく。 さて、これでようやく円弧の長さを定義できたので、ラジアンも定義することができる。いよいよ問題の極限の値を求めてみよう。そのために一般的に、再び区間''a''≦''x''≦''b''で自身とその導関数がともに連続である関数''f'' について、''y'' =''f'' (''x'' )(''a''≦''x''≦''b'')で表される曲線''C'' を考えよう。ここで、''a''≦''x''≦''b'', ''a''≦''x''+Δ''x''≦''b'', Δ''x''≠0を満たすように''x'' およびΔ''x''をとる。また、曲線''C''上に2点P(''x'',''f'' (''x'' )),Q(''x'' +Δ''x'',''f'' (''x'' +Δ''x'' ))をとる。いま曲線PQの長さを<math>\widehat{\mathrm{P}\mathrm{Q}}</math>、直線PQの長さをPQで表すこととすると、 :<math>\lim_{\Delta x \to0}\frac{\mathrm{P}\mathrm{Q}}{\widehat{\mathrm{P}\mathrm{Q}}}=1</math> が成り立つことを示そう。 ;証明 [[w:平均値の定理]]により、 :<math>\mathrm{P}\mathrm{Q}=\sqrt{(\Delta x)^2+\left\{f(x+\Delta x)-f(x)\right\}^2}=\sqrt{1+\left\{f'(x+\theta \Delta x)\right\}^2}|\Delta x|\ (0<\theta<1)</math> を満たす実数θが存在する。また、<math>\widehat{\mathrm{P}\mathrm{Q}}</math>を先述の式により定積分で表すと、 :<math>\widehat{\mathrm{P}\mathrm{Q}}=\left|\int_{x}^{x+\Delta x} \sqrt{1+\left\{f'(t)\right\}^2}\, dt\right|</math> であり、ここで、<math>\sqrt{1+\left\{f'(x)\right\}^2}</math>が、<math>x=x+\theta_M\Delta x,x+\theta_m\Delta x</math> (0≦θ<sub>''M''</sub>≦1, 0≦θ<sub>''m''</sub>≦1)でそれぞれ''x''から''x'' +Δ''x''の間での最大値、最小値をとるとすると、''x''から''x'' +Δ''x''の間の任意の実数''t'' に対して、 :<math>0<\sqrt{1+\left\{f'(x+\theta_m\Delta x)\right\}^2}\le\sqrt{1+\left\{f'(t)\right\}^2}\le\sqrt{1+\left\{f'(x+\theta_M\Delta x)\right\}^2}</math> が成り立つ。各辺''x'' から''x'' +Δ''x''まで積分することにより、 :<math>0<\sqrt{1+\left\{f'(x+\theta_m \Delta x)\right\}^2}|\Delta x|\le \widehat{\mathrm{P}\mathrm{Q}}=\left|\int_{x}^{x+\Delta x} \sqrt{1+\left\{f'(t)\right\}^2}\, dt\right|\le\sqrt{1+\left\{f'(x+\theta_M \Delta x)\right\}^2}|\Delta x|</math> を得る。よって :<math>\frac{\sqrt{1+\left\{f'(x+\theta \Delta x)\right\}^2}}{\sqrt{1+\left\{f'(x+\theta_M \Delta x)\right\}^2}}\le\frac{\mathrm{P}\mathrm{Q}}{\widehat{\mathrm{P}\mathrm{Q}}}\le\frac{\sqrt{1+\left\{f'(x+\theta \Delta x)\right\}^2}}{\sqrt{1+\left\{f'(x+\theta_m \Delta x)\right\}^2}}</math> ここで、 :<math>\lim_{\Delta x \to0}\frac{\sqrt{1+\left\{f'(x+\theta \Delta x)\right\}^2}}{\sqrt{1+\left\{f'(x+\theta_M \Delta x)\right\}^2}}=\lim_{\Delta x \to0}\frac{\sqrt{1+\left\{f'(x+\theta \Delta x)\right\}^2}}{\sqrt{1+\left\{f'(x+\theta_m \Delta x)\right\}^2}}=1</math> より、はさみうちの原理から、 :<math>\lim_{\Delta x \to0}\frac{\mathrm{P}\mathrm{Q}}{\widehat{\mathrm{P}\mathrm{Q}}}=1</math> ■ さて、今度こそ問題の極限を求めてみよう。 ;証明 本文と同様にθ>0をまず考える。 :<math>f(x)=\sqrt{1-x^2}\ (-1\le x\le1)</math> として、''y'' =''f'' (''x'' )上の''x''座標が''x''である点をP,''x''+Δ''x''である点をQとし、 :<math>\angle \mathrm{P}\mathrm{O}\mathrm{Q}=2\theta\ \mathrm{r}\mathrm{a}\mathrm{d}</math> (ただしOは原点) とする。すると、ラジアンの定義より、<math>\widehat{\mathrm{P}\mathrm{Q}}=2\theta</math> となり、また図形的考察によりPQ=2sinθであることが分かる(Oから弦PQに垂線を下ろすと分かりやすい)。ここで :<math>\lim_{\Delta x \to0}\frac{\mathrm{P}\mathrm{Q}}{\widehat{\mathrm{P}\mathrm{Q}}}</math> を考えると、Δ''x''→0のとき、θ→+0であるから、上で証明したことを用いると、 :<math>\lim_{\Delta x \to0}\frac{\mathrm{P}\mathrm{Q}}{\widehat{\mathrm{P}\mathrm{Q}}}=\lim_{\theta \to+0}\frac{2\sin \theta}{2\theta}=\lim_{\theta \to+0}\frac{\sin \theta}{\theta}=1</math> θ<0のときは本文と同様である。以上より、循環論法に陥ることなく、 :<math>\lim_{\theta \to0}\frac{\sin \theta}{\theta}=1</math> が示された。■ このように、この循環論法を避けるのは少々難しい。循環論法を避けるために三角関数の微積分を後回しにして、この証明のための道具が揃うまで話を進めるのはこと「学習/教育」においてはどう考えても非効率的で、そのような回り道をするのは本末転倒である。ということで、「循環論法」と聞いて教科書に不信感を抱いた君も、ここまで読めば致し方ないことに納得してもらえたと思う。 ところでこの循環論法を避ける方法はこれだけではない。sin''x''及びcos''x''を''x''の非負整数乗の無限級数で定義する方法や、[[w:微分方程式]]を用いて定義する方法などが考えられるが、前者は少なくとも教科書に載せるには向かないし、後者はどう考えても高校範囲外である。ここで解説することはしないが、興味があれば次に示す参考文献を読んでみるといいかもしれない。 * 「三角関数の研究」山口格、http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/13556/1/7_p1-23.pdf (PDF)(ここまでに示した循環論法を避ける3つの方法の解説と、その周辺の三角関数の話題) * 「循環論法で証明になっていない」川中宣明、http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/~kawanaka/sinx.pdf (PDF)(この問題の全体的な解説と、sin''x''及びcos''x''を''x''の非負整数乗の無限級数で定義する方法の簡単な紹介) それにしてもこのコラムをここまで読み進めた君の好奇心は大したものである。君の成長を期待している。 {{stub}} {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうすうかくIII きよくけん}} [[Category:高等学校数学III|きよくけん]] [[カテゴリ:極限 (数学)]]
2004-09-18T09:03:49Z
2024-02-26T05:50:09Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Wikiversity", "テンプレート:コラム", "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E5%AD%A6III/%E6%A5%B5%E9%99%90
784
高等学校数学III/極限/演習A
この項は高等学校数学III 極限の演習問題Aである。 第 n {\displaystyle n} 項が次の式で表される数列の極限を調べよ。また極限値が存在するならば求めよ。 (1) 3 n n + 1 + n n − 1 {\displaystyle {\frac {3n}{n+1}}+{\frac {n}{n-1}}} . (2) n ( n + 1 − n ) {\displaystyle {\sqrt {n}}({\sqrt {n+1}}-{\sqrt {n}})} . (3) ( − 1 ) n ( 1 − 2 n 3 n − 1 ) {\displaystyle (-1)^{n}\left(1-{\frac {2n}{3n-1}}\right)} . r > 1 {\displaystyle r>1} のとき、次を証明せよ。 a n = k n n ! {\displaystyle a_{n}={\frac {k^{n}}{n!}}} の収束・発散について調べよ。極限値が存在する場合はこれを求めよ。ただし、 k {\displaystyle k} は定数とする。 (1) 3 n n + 1 + n n − 1 = 3 1 + 1 n + 1 1 − 1 n {\displaystyle {\frac {3n}{n+1}}+{\frac {n}{n-1}}={\frac {3}{1+{\frac {1}{n}}}}+{\frac {1}{1-{\frac {1}{n}}}}} . よって、 lim n → ∞ ( 3 n n + 1 + n n − 1 ) = 4 {\displaystyle \lim _{n\to \infty }\left({\frac {3n}{n+1}}+{\frac {n}{n-1}}\right)=4} . (1)(別解) 3 n n + 1 + n n − 1 = 3 − 3 n + 1 + 1 + 1 n − 1 = 4 − 3 n + 1 + 1 n − 1 {\displaystyle {\frac {3n}{n+1}}+{\frac {n}{n-1}}=3-{\frac {3}{n+1}}+1+{\frac {1}{n-1}}=4-{\frac {3}{n+1}}+{\frac {1}{n-1}}} . よって、 lim n → ∞ ( 3 n n + 1 + n n − 1 ) = 4 {\displaystyle \lim _{n\to \infty }\left({\frac {3n}{n+1}}+{\frac {n}{n-1}}\right)=4} . (2) n ( n + 1 − n ) = n n + 1 + n = 1 1 + 1 n + 1 {\displaystyle {\sqrt {n}}\left({\sqrt {n+1}}-{\sqrt {n}}\right)={\frac {\sqrt {n}}{{\sqrt {n+1}}+{\sqrt {n}}}}={\frac {1}{{\sqrt {1+{\frac {1}{n}}}}+1}}} . よって、 lim n → ∞ n ( n + 1 − n ) = 1 2 {\displaystyle \lim _{n\to \infty }{\sqrt {n}}\left({\sqrt {n+1}}-{\sqrt {n}}\right)={\frac {1}{2}}} . (2)(別解) n ( n + 1 − n ) = n n + 1 + n = 1 2 − n + 1 − n 2 ( n + 1 + n ) = 1 2 − 1 2 ( n + 1 + n ) 2 {\displaystyle {\sqrt {n}}\left({\sqrt {n+1}}-{\sqrt {n}}\right)={\frac {\sqrt {n}}{{\sqrt {n+1}}+{\sqrt {n}}}}={\frac {1}{2}}-{\frac {{\sqrt {n+1}}-{\sqrt {n}}}{2\left({\sqrt {n+1}}+{\sqrt {n}}\right)}}={\frac {1}{2}}-{\frac {1}{2\left({\sqrt {n+1}}+{\sqrt {n}}\right)^{2}}}} . よって、 lim n → ∞ n ( n + 1 − n ) = 1 2 {\displaystyle \lim _{n\to \infty }{\sqrt {n}}\left({\sqrt {n+1}}-{\sqrt {n}}\right)={\frac {1}{2}}} . (3) ( − 1 ) n ( 1 − 2 n 3 n − 1 ) = ( − 1 ) n ( 1 − 2 3 − 1 n ) {\displaystyle (-1)^{n}\left(1-{\frac {2n}{3n-1}}\right)=(-1)^{n}\left(1-{\frac {2}{3-{\frac {1}{n}}}}\right)} . よって、 n {\displaystyle n} が偶数のとき 1 − 2 3 − 1 n {\displaystyle 1-{\frac {2}{3-{\frac {1}{n}}}}} 、 n {\displaystyle n} が奇数のとき − 1 + 2 3 − 1 n {\displaystyle -1+{\frac {2}{3-{\frac {1}{n}}}}} なので、収束しない。(振動する) (3)(別解) ( − 1 ) n ( 1 − 2 n 3 n − 1 ) = ( − 1 ) n ( 1 − 2 3 − 2 3 ( 3 n − 1 ) ) = ( − 1 ) n 3 − 2 ( − 1 ) n 3 ( 3 n − 1 ) {\displaystyle (-1)^{n}\left(1-{\frac {2n}{3n-1}}\right)=(-1)^{n}\left(1-{\frac {2}{3}}-{\frac {2}{3(3n-1)}}\right)={\frac {(-1)^{n}}{3}}-{\frac {2(-1)^{n}}{3(3n-1)}}} . よって、 n {\displaystyle n} が偶数のとき 1 3 − 2 3 ( 3 n − 1 ) {\displaystyle {\frac {1}{3}}-{\frac {2}{3(3n-1)}}} 、 n {\displaystyle n} が奇数のとき − 1 3 + 2 3 ( 3 n − 1 ) {\displaystyle -{\frac {1}{3}}+{\frac {2}{3(3n-1)}}} なので、収束しない。(振動する) n r n > 0 {\displaystyle {\frac {n}{r^{n}}}>0} は明らか。 r > 1 {\displaystyle r>1} なので、 h > 0 {\displaystyle h>0} を用いて r = 1 + h {\displaystyle r=1+h} と表せる。 n ≧ 2 {\displaystyle n\geqq 2} のとき、 r n = ( 1 + h ) n ≧ 1 + n h + n ( n − 1 ) 2 h 2 {\displaystyle r^{n}=(1+h)^{n}\geqq 1+nh+{\frac {n(n-1)}{2}}h^{2}} なので、 である。したがって、はさみうちの原理より lim n → ∞ n r n = 0 {\displaystyle \lim _{n\to \infty }{\frac {n}{r^{n}}}=0} k n n ! > 0 {\displaystyle {\frac {k^{n}}{n!}}>0} は明らか。 k {\displaystyle k} は定数なので、 k < m {\displaystyle k<m} なる自然数 m {\displaystyle m} が取れる。 n > m {\displaystyle n>m} のとき、 である。したがって、はさみうちの原理より lim n → ∞ k n n ! = 0 {\displaystyle \lim _{n\to \infty }{\frac {k^{n}}{n!}}=0}
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "この項は高等学校数学III 極限の演習問題Aである。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "第 n {\\displaystyle n} 項が次の式で表される数列の極限を調べよ。また極限値が存在するならば求めよ。", "title": "問題" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "(1) 3 n n + 1 + n n − 1 {\\displaystyle {\\frac {3n}{n+1}}+{\\frac {n}{n-1}}} . (2) n ( n + 1 − n ) {\\displaystyle {\\sqrt {n}}({\\sqrt {n+1}}-{\\sqrt {n}})} . (3) ( − 1 ) n ( 1 − 2 n 3 n − 1 ) {\\displaystyle (-1)^{n}\\left(1-{\\frac {2n}{3n-1}}\\right)} .", "title": "問題" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "r > 1 {\\displaystyle r>1} のとき、次を証明せよ。", "title": "問題" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "a n = k n n ! {\\displaystyle a_{n}={\\frac {k^{n}}{n!}}} の収束・発散について調べよ。極限値が存在する場合はこれを求めよ。ただし、 k {\\displaystyle k} は定数とする。", "title": "問題" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "(1) 3 n n + 1 + n n − 1 = 3 1 + 1 n + 1 1 − 1 n {\\displaystyle {\\frac {3n}{n+1}}+{\\frac {n}{n-1}}={\\frac {3}{1+{\\frac {1}{n}}}}+{\\frac {1}{1-{\\frac {1}{n}}}}} . よって、 lim n → ∞ ( 3 n n + 1 + n n − 1 ) = 4 {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }\\left({\\frac {3n}{n+1}}+{\\frac {n}{n-1}}\\right)=4} .", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "(1)(別解) 3 n n + 1 + n n − 1 = 3 − 3 n + 1 + 1 + 1 n − 1 = 4 − 3 n + 1 + 1 n − 1 {\\displaystyle {\\frac {3n}{n+1}}+{\\frac {n}{n-1}}=3-{\\frac {3}{n+1}}+1+{\\frac {1}{n-1}}=4-{\\frac {3}{n+1}}+{\\frac {1}{n-1}}} . よって、 lim n → ∞ ( 3 n n + 1 + n n − 1 ) = 4 {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }\\left({\\frac {3n}{n+1}}+{\\frac {n}{n-1}}\\right)=4} .", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "(2) n ( n + 1 − n ) = n n + 1 + n = 1 1 + 1 n + 1 {\\displaystyle {\\sqrt {n}}\\left({\\sqrt {n+1}}-{\\sqrt {n}}\\right)={\\frac {\\sqrt {n}}{{\\sqrt {n+1}}+{\\sqrt {n}}}}={\\frac {1}{{\\sqrt {1+{\\frac {1}{n}}}}+1}}} . よって、 lim n → ∞ n ( n + 1 − n ) = 1 2 {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }{\\sqrt {n}}\\left({\\sqrt {n+1}}-{\\sqrt {n}}\\right)={\\frac {1}{2}}} .", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "(2)(別解) n ( n + 1 − n ) = n n + 1 + n = 1 2 − n + 1 − n 2 ( n + 1 + n ) = 1 2 − 1 2 ( n + 1 + n ) 2 {\\displaystyle {\\sqrt {n}}\\left({\\sqrt {n+1}}-{\\sqrt {n}}\\right)={\\frac {\\sqrt {n}}{{\\sqrt {n+1}}+{\\sqrt {n}}}}={\\frac {1}{2}}-{\\frac {{\\sqrt {n+1}}-{\\sqrt {n}}}{2\\left({\\sqrt {n+1}}+{\\sqrt {n}}\\right)}}={\\frac {1}{2}}-{\\frac {1}{2\\left({\\sqrt {n+1}}+{\\sqrt {n}}\\right)^{2}}}} . よって、 lim n → ∞ n ( n + 1 − n ) = 1 2 {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }{\\sqrt {n}}\\left({\\sqrt {n+1}}-{\\sqrt {n}}\\right)={\\frac {1}{2}}} .", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "(3) ( − 1 ) n ( 1 − 2 n 3 n − 1 ) = ( − 1 ) n ( 1 − 2 3 − 1 n ) {\\displaystyle (-1)^{n}\\left(1-{\\frac {2n}{3n-1}}\\right)=(-1)^{n}\\left(1-{\\frac {2}{3-{\\frac {1}{n}}}}\\right)} . よって、 n {\\displaystyle n} が偶数のとき 1 − 2 3 − 1 n {\\displaystyle 1-{\\frac {2}{3-{\\frac {1}{n}}}}} 、 n {\\displaystyle n} が奇数のとき − 1 + 2 3 − 1 n {\\displaystyle -1+{\\frac {2}{3-{\\frac {1}{n}}}}} なので、収束しない。(振動する)", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "(3)(別解) ( − 1 ) n ( 1 − 2 n 3 n − 1 ) = ( − 1 ) n ( 1 − 2 3 − 2 3 ( 3 n − 1 ) ) = ( − 1 ) n 3 − 2 ( − 1 ) n 3 ( 3 n − 1 ) {\\displaystyle (-1)^{n}\\left(1-{\\frac {2n}{3n-1}}\\right)=(-1)^{n}\\left(1-{\\frac {2}{3}}-{\\frac {2}{3(3n-1)}}\\right)={\\frac {(-1)^{n}}{3}}-{\\frac {2(-1)^{n}}{3(3n-1)}}} . よって、 n {\\displaystyle n} が偶数のとき 1 3 − 2 3 ( 3 n − 1 ) {\\displaystyle {\\frac {1}{3}}-{\\frac {2}{3(3n-1)}}} 、 n {\\displaystyle n} が奇数のとき − 1 3 + 2 3 ( 3 n − 1 ) {\\displaystyle -{\\frac {1}{3}}+{\\frac {2}{3(3n-1)}}} なので、収束しない。(振動する)", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "n r n > 0 {\\displaystyle {\\frac {n}{r^{n}}}>0} は明らか。", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "r > 1 {\\displaystyle r>1} なので、 h > 0 {\\displaystyle h>0} を用いて r = 1 + h {\\displaystyle r=1+h} と表せる。 n ≧ 2 {\\displaystyle n\\geqq 2} のとき、 r n = ( 1 + h ) n ≧ 1 + n h + n ( n − 1 ) 2 h 2 {\\displaystyle r^{n}=(1+h)^{n}\\geqq 1+nh+{\\frac {n(n-1)}{2}}h^{2}} なので、", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "である。したがって、はさみうちの原理より lim n → ∞ n r n = 0 {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }{\\frac {n}{r^{n}}}=0}", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "k n n ! > 0 {\\displaystyle {\\frac {k^{n}}{n!}}>0} は明らか。", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "k {\\displaystyle k} は定数なので、 k < m {\\displaystyle k<m} なる自然数 m {\\displaystyle m} が取れる。 n > m {\\displaystyle n>m} のとき、", "title": "解答" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "である。したがって、はさみうちの原理より lim n → ∞ k n n ! = 0 {\\displaystyle \\lim _{n\\to \\infty }{\\frac {k^{n}}{n!}}=0}", "title": "解答" } ]
この項は高等学校数学III 極限の演習問題Aである。
この項は[[高等学校数学III 極限]]の演習問題Aである。 == 問題 == === 問1 === 第<math>n</math>項が次の式で表される数列の極限を調べよ。また極限値が存在するならば求めよ。 (1) <math>\frac{3n}{n+1}+\frac{n}{n-1}</math>.<br /> (2) <math>\sqrt{n}(\sqrt{n+1}-\sqrt{n})</math>.<br /> (3) <math>(-1)^n\left(1-\frac{2n}{3n-1}\right)</math>. === 問2 === <math>r>1</math> のとき、次を証明せよ。 :<math>\lim_{n\to\infty}\frac{n}{r^n}=0</math>. === 問3 === <math>a_n=\frac{k^n}{n!}</math> の収束・発散について調べよ。極限値が存在する場合はこれを求めよ。ただし、<math>k</math> は定数とする。 == 解答 == === 問1 === (1) <math>\frac{3n}{n+1}+\frac{n}{n-1}=\frac{3}{1+\frac{1}{n}}+\frac{1}{1-\frac{1}{n}}</math>.<br /> よって、<math>\lim_{n\to\infty}\left(\frac{3n}{n+1}+\frac{n}{n-1}\right)=4</math>.<br /> (1)(別解) <math>\frac{3n}{n+1}+\frac{n}{n-1}=3-\frac{3}{n+1}+1+\frac{1}{n-1}=4-\frac{3}{n+1}+\frac{1}{n-1}</math>.<br /> よって、<math>\lim_{n\to\infty}\left(\frac{3n}{n+1}+\frac{n}{n-1}\right)=4</math>.<br /> (2) <math>\sqrt{n}\left(\sqrt{n+1}-\sqrt{n}\right)=\frac{\sqrt{n}}{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}}=\frac{1}{\sqrt{1+\frac{1}{n}}+1}</math>.<br /> よって、<math>\lim_{n\to\infty}\sqrt{n}\left(\sqrt{n+1}-\sqrt{n}\right)=\frac{1}{2}</math>.<br /> (2)(別解) <math>\sqrt{n}\left(\sqrt{n+1}-\sqrt{n}\right)=\frac{\sqrt{n}}{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}}=\frac{1}{2}-\frac{\sqrt{n+1}-\sqrt{n}}{2\left(\sqrt{n+1}+\sqrt{n}\right)}=\frac{1}{2}-\frac{1}{2\left(\sqrt{n+1}+\sqrt{n}\right)^2}</math>.<br /> よって、<math>\lim_{n\to\infty}\sqrt{n}\left(\sqrt{n+1}-\sqrt{n}\right)=\frac{1}{2}</math>.<br /> (3) <math>(-1)^n\left(1-\frac{2n}{3n-1}\right)=(-1)^n\left(1-\frac{2}{3-\frac{1}{n}}\right)</math>.<br /> よって、<math>n</math>が偶数のとき<math>1-\frac{2}{3-\frac{1}{n}}</math>、<math>n</math>が奇数のとき<math>-1+\frac{2}{3-\frac{1}{n}}</math>なので、収束しない。(振動する) (3)(別解) <math>(-1)^n\left(1-\frac{2n}{3n-1}\right)=(-1)^n\left(1-\frac{2}{3}-\frac{2}{3(3n-1)}\right)=\frac{(-1)^n}{3}-\frac{2(-1)^n}{3(3n-1)}</math>.<br /> よって、<math>n</math>が偶数のとき<math>\frac{1}{3}-\frac{2}{3(3n-1)}</math>、<math>n</math>が奇数のとき<math>-\frac{1}{3}+\frac{2}{3(3n-1)}</math>なので、収束しない。(振動する) === 問2 === <math>\frac{n}{r^n}>0</math>は明らか。 <math>r>1</math>なので、<math>h>0</math>を用いて<math>r=1+h</math>と表せる。 <math>n \geqq 2</math>のとき、<math>r^n=(1+h)^n \geqq 1+nh+\frac{n(n-1)}{2}h^2</math>なので、 :<math>\frac{n}{r^n} \leqq \frac{n}{1+nh+\frac{n(n-1)}{2}h^2}=\frac{1}{\frac{1}{n}+h+\frac{n-1}{2}h^2}\to 0 \ (n \to \infty)</math> である。したがって、はさみうちの原理より <math>\lim_{n \to \infty}\frac{n}{r^n}=0</math> === 問3 === <math>\frac{k^n}{n!}>0</math>は明らか。 <math>k</math>は定数なので、<math>k<m</math>なる自然数<math>m</math>が取れる。 <math>n>m</math>のとき、 :<math>\frac{k^n}{n!}= \frac{k \cdot k \cdot \cdots \cdot k \cdot k \cdot \cdots \cdot k}{1 \cdot 2 \cdot \cdots m \cdot (m+1) \cdot \cdots \cdot n} \leqq \frac{k \cdot k \cdot \cdots \cdot k \cdot k \cdot \cdots \cdot k}{1 \cdot 2 \cdot \cdots m \cdot m \cdot \cdots \cdot m}=\frac{m^m}{m!}\left(\frac{k}{m}\right)^n \to 0 \ (n \to \infty)</math> である。したがって、はさみうちの原理より <math>\lim_{n \to \infty}\frac{k^n}{n!}=0</math> {{stub}} [[カテゴリ:極限 (数学)]]
2004-09-19T09:50:07Z
2024-02-06T05:10:30Z
[ "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E5%AD%A6III/%E6%A5%B5%E9%99%90/%E6%BC%94%E7%BF%92A
789
高等学校数学I 二次関数 演習B
この項は高等学校数学I 二次関数の演習問題Bである。 高等学校数学I 二次関数 演習Aの応用問題や、やや難しい問題が中心である。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "この項は高等学校数学I 二次関数の演習問題Bである。 高等学校数学I 二次関数 演習Aの応用問題や、やや難しい問題が中心である。", "title": "" } ]
この項は高等学校数学I 二次関数の演習問題Bである。 高等学校数学I 二次関数 演習Aの応用問題や、やや難しい問題が中心である。
この項は[[高等学校数学I 二次関数]]の演習問題Bである。 [[高等学校数学I 二次関数 演習A]]の応用問題や、やや難しい問題が中心である。 <!-- 違ったら訂正御願いします。 --> [[カテゴリ:高等学校数学I]]
null
2022-11-25T05:20:34Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E5%AD%A6I_%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E9%96%A2%E6%95%B0_%E6%BC%94%E7%BF%92B
790
旧課程(-2012年度)高等学校数学基礎
高等学校数学 > 高等学校数学基礎 本項は高等学校数学の科目である「高等学校数学基礎」の解説である。この科目は2012年度以降に高等学校に入学した生徒は履修しない。 高等学校指導要綱の数学基礎の目標には、 数学と人間とのかかわりや,社会生活において数学が果たしている役割について理解させ,数学に対する興味・関心を高めるとともに,数学的な見方や考え方のよさを認識し数学を活用する態度を育てる。 とある。ここでも同じように、数学というものについて、いったん振り返ってどのような学問であるかということ 数学の内容とともに、見つめなおすのが目標である。 古くから、人間は数字を使い数を数えていた。では、それ以前はどうだろうか? 数字というモノの概念は無かったのだろう。 せいぜい、1つ2つ3つ、それ以上はたくさんといったぐらいにしか数えられなかったのかもしれない。 りんごが五つ、みかんが五つ、これらの間に5という共通点を見出せるのは普段我々が、 レベルの差はあれ、数学に慣れしたしんでいるからである。このことをもっと深く考えてみよう。 りんごが五つ――ただ、それぞれのりんごは微妙な違いを持っている。あるものは青かったり、傷がついていたり、 ほかの物より甘かったりするのかもしれない。しかし、我々はそれぞれの違いがあるにもかかわらず、これらを りんごという共通点で、これらを一くくりにし、見つめている。このこれらという表現自体も 一くくりにしているという意味では同じ表現である。 どうやら、我々には、物の細かな違いを適当に無視し、同一視する能力があるらしい。 数字も、前述の通り、我々のこのような能力によって発見(発明)されたのだろう。 このように改めて万物の共通点などを見つめなおすことは今日の研究や思索にとって非常に重要なはたらきである。 数字は、時代を超えてその存在をより我々にとって都合の良い便利なものに姿を変え、いまや もはや我々の道具としての手段すら離れ、数学として独立し、我々の生活に無くてはならないものになっている。 このように発展してきた数字、数学は我々にどのように必要とされているのか? たとえば、このようなシナリオを考えよう。目覚まし時計が鳴り、あなたが起きる。 とりあえず料理を作り、どこかへ出かける。友人との待ち合わせである。友人と電車に乗り、繁華街で服を買い、 家へ帰ってパソコンでネットショッピングをする。飽きてきたので、テレビを付け、十分に笑ったところで、 テレビゲームをし、気づけば夜中になっていたので寝ることにする。おやすみ。 まず目覚まし時計というものがどれほど数字と関連があるのか知ってもらいたい。 時計に表示されているもの、それはほかならぬ時刻、つまり1から12、1から60までの まぎれもなく、これは数字である。 そもそも時刻自体数字無しには考えられない概念だとは思わないだろうか? 数字が無ければ時刻を指定することも出来ない。今日の友人との正確な待ち合わせもなかったのである。 きっと太陽が真上に登っていた頃に、とでも話し合っていたのかもしれない。 我々が今日も正確に生活をおくれている(ルーズな人もいるかもしれないが)のも数字の概念のお陰ともいえる。 もちろん、古代人の太陽や季節についての研究も必要だったということは言うまでもない。 ――そして、その目覚まし時計を動かす電池は規格通り1.5Vを出し続けている。 次に、料理を作らなければならない。慣れていれば目分量で作れるが、 実際にきちんと料理をするとすれば量りが必要になる。その量りに表示されるのも、また数字である。 レシピを見ても数字だらけである。レシピの二倍量を作るとすれば掛け算が必要になってくる。 そして、作っている最中、我々が温度を知るのにも数字が必要である。 さて、やっと電車だ。電車の無駄の無いダイヤ、これらも数学が必要である。 電車の設計にも工学、化学、物理学、そしてそれらを支える数学が必要だ。 駅に着けば、友人の携帯電話へ電話をかけ―ちょっと待った。電話番号がある。これも数字だ。 足したり、掛けたりするだけでなく、このような使いかたもある。 だいぶ疲れてきたが、服を購入することになる。当然ながらレジで支払う。 ここにも数字が息づいている。今のレジは、単に売り上げ登録を行うだけでなく、 レジの登録のスピードなども記録していることがある。こうやってレジを打つ人の成績を客観的に評価するわけだ。 レシートが出てきた。消費税が表示されている。消費税が8%なら元の価格に1.08をかけなければならない。 もはや、日本の法律自体が数字という概念に基づいているのがわかるだろうか? もうへとへとなので、家に帰ってネットショッピングすることにしよう――とここで、またもや数学の登場である。 ネットショッピングなどでは、大切な個人情報や知られては不味いクレジットカードのナンバーをやり取りする。 しかし、それらを単に回線上でやり取りするだけでは、第三者に盗聴され悪用されてしまう。 それらを防ぐための数学的方法がある。それが暗号化だ。現在はRSAという 方法を我々は使っている。これは、数学的に安全性が確保された方法で、我々の便利な生活を支えるために なくてはならないものになっている。 さて、気分をかえてテレビゲームをしようか。ここにも高度な数学がかなり使われているが、 もはや言うこともないだろう。そろそろ寝よう。 このように、我々は過去の人間達が積み重ねてきた開発した技術や発明や考えの上で生活している。 今、あなたが見渡す限りの視界に入るもの全てがそうであるといっても過言ではあるまい。 数学もそれらのうちの一つであるし、これらの発明は素晴らしいものである。 これらの大切な遺産は絶やしてはならないし、我々が便利な生活を送る上で使いこなせた方が良いものだ。 そのことを踏まえて数学を勉強していこう。 学習指導要領をもとにして、以下のようなことをまなんでいく。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "高等学校数学 > 高等学校数学基礎", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "本項は高等学校数学の科目である「高等学校数学基礎」の解説である。この科目は2012年度以降に高等学校に入学した生徒は履修しない。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "高等学校指導要綱の数学基礎の目標には、", "title": "高等学校数学基礎について" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "数学と人間とのかかわりや,社会生活において数学が果たしている役割について理解させ,数学に対する興味・関心を高めるとともに,数学的な見方や考え方のよさを認識し数学を活用する態度を育てる。", "title": "高等学校数学基礎について" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "とある。ここでも同じように、数学というものについて、いったん振り返ってどのような学問であるかということ 数学の内容とともに、見つめなおすのが目標である。", "title": "高等学校数学基礎について" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "古くから、人間は数字を使い数を数えていた。では、それ以前はどうだろうか? 数字というモノの概念は無かったのだろう。 せいぜい、1つ2つ3つ、それ以上はたくさんといったぐらいにしか数えられなかったのかもしれない。", "title": "数学と人間の関わり" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "りんごが五つ、みかんが五つ、これらの間に5という共通点を見出せるのは普段我々が、 レベルの差はあれ、数学に慣れしたしんでいるからである。このことをもっと深く考えてみよう。 りんごが五つ――ただ、それぞれのりんごは微妙な違いを持っている。あるものは青かったり、傷がついていたり、 ほかの物より甘かったりするのかもしれない。しかし、我々はそれぞれの違いがあるにもかかわらず、これらを りんごという共通点で、これらを一くくりにし、見つめている。このこれらという表現自体も 一くくりにしているという意味では同じ表現である。", "title": "数学と人間の関わり" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "どうやら、我々には、物の細かな違いを適当に無視し、同一視する能力があるらしい。", "title": "数学と人間の関わり" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "数字も、前述の通り、我々のこのような能力によって発見(発明)されたのだろう。 このように改めて万物の共通点などを見つめなおすことは今日の研究や思索にとって非常に重要なはたらきである。", "title": "数学と人間の関わり" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "数字は、時代を超えてその存在をより我々にとって都合の良い便利なものに姿を変え、いまや もはや我々の道具としての手段すら離れ、数学として独立し、我々の生活に無くてはならないものになっている。", "title": "数学と人間の関わり" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "このように発展してきた数字、数学は我々にどのように必要とされているのか? たとえば、このようなシナリオを考えよう。目覚まし時計が鳴り、あなたが起きる。 とりあえず料理を作り、どこかへ出かける。友人との待ち合わせである。友人と電車に乗り、繁華街で服を買い、 家へ帰ってパソコンでネットショッピングをする。飽きてきたので、テレビを付け、十分に笑ったところで、 テレビゲームをし、気づけば夜中になっていたので寝ることにする。おやすみ。", "title": "数学と人間の関わり" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "まず目覚まし時計というものがどれほど数字と関連があるのか知ってもらいたい。 時計に表示されているもの、それはほかならぬ時刻、つまり1から12、1から60までの まぎれもなく、これは数字である。 そもそも時刻自体数字無しには考えられない概念だとは思わないだろうか? 数字が無ければ時刻を指定することも出来ない。今日の友人との正確な待ち合わせもなかったのである。 きっと太陽が真上に登っていた頃に、とでも話し合っていたのかもしれない。 我々が今日も正確に生活をおくれている(ルーズな人もいるかもしれないが)のも数字の概念のお陰ともいえる。 もちろん、古代人の太陽や季節についての研究も必要だったということは言うまでもない。 ――そして、その目覚まし時計を動かす電池は規格通り1.5Vを出し続けている。", "title": "数学と人間の関わり" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "次に、料理を作らなければならない。慣れていれば目分量で作れるが、 実際にきちんと料理をするとすれば量りが必要になる。その量りに表示されるのも、また数字である。 レシピを見ても数字だらけである。レシピの二倍量を作るとすれば掛け算が必要になってくる。 そして、作っている最中、我々が温度を知るのにも数字が必要である。", "title": "数学と人間の関わり" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "さて、やっと電車だ。電車の無駄の無いダイヤ、これらも数学が必要である。 電車の設計にも工学、化学、物理学、そしてそれらを支える数学が必要だ。 駅に着けば、友人の携帯電話へ電話をかけ―ちょっと待った。電話番号がある。これも数字だ。 足したり、掛けたりするだけでなく、このような使いかたもある。", "title": "数学と人間の関わり" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "だいぶ疲れてきたが、服を購入することになる。当然ながらレジで支払う。 ここにも数字が息づいている。今のレジは、単に売り上げ登録を行うだけでなく、 レジの登録のスピードなども記録していることがある。こうやってレジを打つ人の成績を客観的に評価するわけだ。 レシートが出てきた。消費税が表示されている。消費税が8%なら元の価格に1.08をかけなければならない。 もはや、日本の法律自体が数字という概念に基づいているのがわかるだろうか?", "title": "数学と人間の関わり" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "もうへとへとなので、家に帰ってネットショッピングすることにしよう――とここで、またもや数学の登場である。 ネットショッピングなどでは、大切な個人情報や知られては不味いクレジットカードのナンバーをやり取りする。 しかし、それらを単に回線上でやり取りするだけでは、第三者に盗聴され悪用されてしまう。 それらを防ぐための数学的方法がある。それが暗号化だ。現在はRSAという 方法を我々は使っている。これは、数学的に安全性が確保された方法で、我々の便利な生活を支えるために なくてはならないものになっている。", "title": "数学と人間の関わり" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "さて、気分をかえてテレビゲームをしようか。ここにも高度な数学がかなり使われているが、 もはや言うこともないだろう。そろそろ寝よう。", "title": "数学と人間の関わり" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "このように、我々は過去の人間達が積み重ねてきた開発した技術や発明や考えの上で生活している。 今、あなたが見渡す限りの視界に入るもの全てがそうであるといっても過言ではあるまい。 数学もそれらのうちの一つであるし、これらの発明は素晴らしいものである。 これらの大切な遺産は絶やしてはならないし、我々が便利な生活を送る上で使いこなせた方が良いものだ。 そのことを踏まえて数学を勉強していこう。", "title": "数学と人間の関わり" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "学習指導要領をもとにして、以下のようなことをまなんでいく。", "title": "目次" } ]
高等学校数学 > 高等学校数学基礎 本項は高等学校数学の科目である「高等学校数学基礎」の解説である。この科目は2012年度以降に高等学校に入学した生徒は履修しない。
[[高等学校数学]] &gt; '''高等学校数学基礎''' ---- 本項は高等学校数学の科目である「高等学校数学基礎」の解説である。この科目は2012年度以降に高等学校に入学した生徒は履修しない。 ==高等学校数学基礎について== 高等学校指導要綱の数学基礎の目標には、 <blockquote> 数学と人間とのかかわりや,社会生活において数学が果たしている役割について理解させ,数学に対する興味・関心を高めるとともに,数学的な見方や考え方のよさを認識し数学を活用する態度を育てる。</blockquote> とある。ここでも同じように、数学というものについて、いったん振り返ってどのような学問であるかということ 数学の内容とともに、見つめなおすのが目標である。 ==数学と人間の関わり== 古くから、人間は数字を使い数を数えていた。では、それ以前はどうだろうか? 数字というモノの'''概念'''は無かったのだろう。 せいぜい、1つ2つ3つ、それ以上はたくさんといったぐらいにしか数えられなかったのかもしれない。 りんごが五つ、みかんが五つ、これらの間に'''5'''という共通点を見出せるのは普段我々が、 レベルの差はあれ、数学に慣れしたしんでいるからである。このことをもっと深く考えてみよう。 りんごが五つ――ただ、それぞれのりんごは微妙な違いを持っている。あるものは青かったり、傷がついていたり、 ほかの物より甘かったりするのかもしれない。しかし、我々はそれぞれの違いがあるにもかかわらず、これらを '''りんご'''という共通点で、これらを一くくりにし、見つめている。この'''これら'''という表現自体も 一くくりにしているという意味では同じ表現である。 どうやら、我々には、物の細かな違いを適当に無視し、同一視する能力があるらしい。 数字も、前述の通り、我々のこのような能力によって発見(発明)されたのだろう。 このように改めて万物の共通点などを見つめなおすことは今日の研究や思索にとって非常に重要なはたらきである。 数字は、時代を超えてその存在をより我々にとって都合の良い便利なものに姿を変え、いまや もはや我々の道具としての手段すら離れ、'''数学'''として独立し、我々の生活に無くてはならないものになっている。 このように発展してきた数字、数学は我々にどのように必要とされているのか? たとえば、このようなシナリオを考えよう。目覚まし時計が鳴り、あなたが起きる。 とりあえず料理を作り、どこかへ出かける。友人との待ち合わせである。友人と電車に乗り、繁華街で服を買い、 家へ帰ってパソコンでネットショッピングをする。飽きてきたので、テレビを付け、十分に笑ったところで、 テレビゲームをし、気づけば夜中になっていたので寝ることにする。おやすみ。 まず目覚まし時計というものがどれほど数字と関連があるのか知ってもらいたい。 時計に表示されているもの、それはほかならぬ時刻、つまり1から12、1から60までの まぎれもなく、これは'''数字'''である。 そもそも時刻自体数字無しには考えられない概念だとは思わないだろうか? 数字が無ければ時刻を指定することも出来ない。今日の友人との正確な待ち合わせもなかったのである。 きっと太陽が真上に登っていた頃に、とでも話し合っていたのかもしれない。 我々が今日も正確に生活をおくれている(ルーズな人もいるかもしれないが)のも数字の概念のお陰ともいえる。 もちろん、古代人の太陽や季節についての研究も必要だったということは言うまでもない。 ――そして、その目覚まし時計を動かす電池は規格通り'''1.5'''Vを出し続けている。 次に、料理を作らなければならない。慣れていれば目分量で作れるが、 実際にきちんと料理をするとすれば量りが必要になる。その量りに表示されるのも、また数字である。 レシピを見ても数字だらけである。レシピの二倍量を作るとすれば掛け算が必要になってくる。 そして、作っている最中、我々が温度を知るのにも数字が必要である。 さて、やっと電車だ。電車の無駄の無いダイヤ、これらも数学が必要である。 電車の設計にも工学、化学、物理学、そしてそれらを支える数学が必要だ。 駅に着けば、友人の携帯電話へ電話をかけ―ちょっと待った。電話番号がある。これも数字だ。 足したり、掛けたりするだけでなく、このような使いかたもある。 だいぶ疲れてきたが、服を購入することになる。当然ながらレジで支払う。 ここにも数字が息づいている。今のレジは、単に売り上げ登録を行うだけでなく、 レジの登録のスピードなども記録していることがある。こうやってレジを打つ人の成績を客観的に評価するわけだ。 レシートが出てきた。消費税が表示されている。消費税が8%なら元の価格に1.08をかけなければならない。 もはや、日本の法律自体が数字という概念に基づいているのがわかるだろうか? もうへとへとなので、家に帰ってネットショッピングすることにしよう――とここで、またもや数学の登場である。 ネットショッピングなどでは、大切な個人情報や知られては不味いクレジットカードのナンバーをやり取りする。 しかし、それらを単に回線上でやり取りするだけでは、第三者に盗聴され悪用されてしまう。 それらを防ぐための数学的方法がある。それが暗号化だ。現在は[[Wikipedia:ja:RSA|RSA]]という 方法を我々は使っている。これは、数学的に安全性が確保された方法で、我々の便利な生活を支えるために なくてはならないものになっている。 さて、気分をかえてテレビゲームをしようか。ここにも高度な数学がかなり使われているが、 もはや言うこともないだろう。そろそろ寝よう。 このように、我々は過去の人間達が積み重ねてきた開発した技術や発明や考えの上で生活している。 今、あなたが見渡す限りの視界に入るもの全てがそうであるといっても過言ではあるまい。 数学もそれらのうちの一つであるし、これらの発明は素晴らしいものである。 これらの大切な遺産は絶やしてはならないし、我々が便利な生活を送る上で使いこなせた方が良いものだ。 そのことを踏まえて数学を勉強していこう。 ==目次== 学習指導要領をもとにして、以下のようなことをまなんでいく。 #[[数と人間]] #[[高等学校数学基礎/図形と人間|図形と人間]] #[[高等学校数学基礎/社会生活と数学|社会生活と数学]] #[[高等学校数学基礎/資料の活用|資料の活用]] {{DEFAULTSORT:旧1 こうとうかつこうすうかく1}} [[Category:数学]] [[Category:数学教育]] [[Category:学校教育]] [[Category:普通教育]] [[Category:後期中等教育]] [[Category:高等学校教育]]
2004-09-20T20:14:20Z
2023-12-09T21:40:02Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%97%A7%E8%AA%B2%E7%A8%8B(-2012%E5%B9%B4%E5%BA%A6)%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E5%AD%A6%E5%9F%BA%E7%A4%8E
792
大学受験英語 英文法
以下の文では、主語をS、動詞をV、目的語をO、補語をC、修飾語をMで表す。 I run.(私は走る。) 第二文型ではS=Cの関係が成り立つ。 I am Tom.(私はトムです。) 目的語を1つ持つ文型である。 I have a car.(私は車を持っている。) 目的語を2つ持つ文型である。 第四文型の動詞のことを授与動詞という。 I give you a pen.(私はあなたにペンを与える。) 第五文型ではO=Cの関係が成り立つ。 I call him Dave.(私は彼をデイブと呼ぶ。) ものの名前を表す品詞である。apple, table, schoolなど。 名詞の代わりに用いられる品詞である。I, he, sheなど。 名詞を修飾する品詞である。冠詞も形容詞に含まれる。hot, fast, deepなど。 形容詞、副詞、動詞など(名詞以外の品詞)を修飾する品詞である。immediately, surprisingly, alternativelyなど。 状態や働きを表す品詞である。play, come, getなど。 文の前に付き、副詞節や名詞節を導く品詞である。and, butなど。 名詞の前に付き、形容詞句や副詞句を導く品詞である。at, in, toなど。 感動や応答・呼び掛けを表す語。oh!, alas!, dear me!など。 SVを含まないものを句、SVを含むものを節という。 名詞句は不定詞によって導かれる。 形容詞句は不定詞や前置詞+名詞の句によって導かれる。 副詞句は不定詞や前置詞+名詞の句によって導かれる。 名詞節は接続詞によって導かれる。名詞節を導く接続詞はthat,if,wheatherの3つだけである。 形容詞節は関係代名詞によって導かれる。名詞節や副詞節を導く関係代名詞もある。 副詞節は接続詞によって導かれる。副詞節を導く接続詞は多い。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "以下の文では、主語をS、動詞をV、目的語をO、補語をC、修飾語をMで表す。", "title": "五文型" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "I run.(私は走る。)", "title": "五文型" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "第二文型ではS=Cの関係が成り立つ。", "title": "五文型" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "I am Tom.(私はトムです。)", "title": "五文型" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "目的語を1つ持つ文型である。", "title": "五文型" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "I have a car.(私は車を持っている。)", "title": "五文型" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "目的語を2つ持つ文型である。", "title": "五文型" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "第四文型の動詞のことを授与動詞という。", "title": "五文型" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "I give you a pen.(私はあなたにペンを与える。)", "title": "五文型" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "第五文型ではO=Cの関係が成り立つ。", "title": "五文型" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "I call him Dave.(私は彼をデイブと呼ぶ。)", "title": "五文型" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "ものの名前を表す品詞である。apple, table, schoolなど。", "title": "八品詞" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "名詞の代わりに用いられる品詞である。I, he, sheなど。", "title": "八品詞" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "名詞を修飾する品詞である。冠詞も形容詞に含まれる。hot, fast, deepなど。", "title": "八品詞" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "形容詞、副詞、動詞など(名詞以外の品詞)を修飾する品詞である。immediately, surprisingly, alternativelyなど。", "title": "八品詞" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "状態や働きを表す品詞である。play, come, getなど。", "title": "八品詞" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "文の前に付き、副詞節や名詞節を導く品詞である。and, butなど。", "title": "八品詞" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "名詞の前に付き、形容詞句や副詞句を導く品詞である。at, in, toなど。", "title": "八品詞" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "感動や応答・呼び掛けを表す語。oh!, alas!, dear me!など。", "title": "八品詞" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "SVを含まないものを句、SVを含むものを節という。", "title": "句と節" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "名詞句は不定詞によって導かれる。", "title": "句と節" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "形容詞句は不定詞や前置詞+名詞の句によって導かれる。", "title": "句と節" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "副詞句は不定詞や前置詞+名詞の句によって導かれる。", "title": "句と節" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "名詞節は接続詞によって導かれる。名詞節を導く接続詞はthat,if,wheatherの3つだけである。", "title": "句と節" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "形容詞節は関係代名詞によって導かれる。名詞節や副詞節を導く関係代名詞もある。", "title": "句と節" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "副詞節は接続詞によって導かれる。副詞節を導く接続詞は多い。", "title": "句と節" } ]
null
== 五文型 == 以下の文では、主語をS、動詞をV、目的語をO、補語をC、修飾語をMで表す。 ===第一文型(SV)=== Vは必ず自動詞である。 I run.(私は走る。) ===第二文型(SVC)=== 第二文型ではS=Cの関係が成り立つ。Vはbe動詞を中心とした自動詞である。 I am Tom.(私はトムです。) ===第三文型(SVO)=== 目的語を1つ持つ文型である。Vは必ず他動詞である。 I have a car.(私は車を持っている。) ===第四文型(SVOO)=== 目的語を2つ持つ文型である。 Vは第四文型の用法を持つ他動詞である。第四文型のVのことを授与動詞という。 I give you a pen.(私はあなたにペンを与える。) ===第五文型(SVOC)=== 第五文型ではO=Cの関係が成り立つ。Vは第五文型の用法を持つ他動詞である。 I call him Dave.(私は彼をデイブと呼ぶ。) == 八品詞 == ===名詞=== ものの名前を表す品詞である。apple, table, schoolなど。 ===代名詞=== 名詞の代わりに用いられる品詞である。I, he, sheなど。 ===形容詞=== 名詞を修飾する品詞である。冠詞も形容詞に含まれる。hot, fast, deepなど。 ===副詞=== 形容詞、副詞、動詞など(名詞以外の品詞)を修飾する品詞である。immediately, surprisingly, alternativelyなど。 ===動詞=== 状態や働きを表す品詞である。play, come, getなど。 ====自動詞==== その動作・作用が他に及ばず、主語自身の働きを表す動詞。特に英語の場合自動詞は目的語をとらない。be動詞はこれにあたる。 ====他動詞==== その動作・作用が他に及ぶ意味を持つ動詞。特に英語の場合他動詞は目的語をとる。 ===接続詞=== 文の前に付き、副詞節や名詞節を導く品詞である。and, butなど。 ===前置詞=== 名詞の前に付き、形容詞句や副詞句を導く品詞である。at, in, toなど。 ===感動詞(間投詞)=== 感動や応答・呼び掛けを表す語。oh!, alas!, dear me!など。 == 句と節 == SVを含まないものを句、SVを含むものを節という。 ===名詞句=== 名詞句は不定詞によって導かれる。 ===形容詞句=== 形容詞句は不定詞や前置詞+名詞の句によって導かれる。 ===副詞句=== 副詞句は不定詞や前置詞+名詞の句によって導かれる。 ===名詞節=== 名詞節は接続詞によって導かれる。名詞節を導く接続詞はthat,if,wheatherの3つだけである。 ===形容詞節=== 形容詞節は関係代名詞によって導かれる。名詞節や副詞節を導く関係代名詞もある。 ===副詞節=== 副詞節は接続詞によって導かれる。副詞節を導く接続詞は多い。 [[Category:大学入試|えいこ]] [[カテゴリ:英語文法|大えいこえいふんほう]]
2004-09-21T07:27:30Z
2023-12-20T03:31:29Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%8F%97%E9%A8%93%E8%8B%B1%E8%AA%9E_%E8%8B%B1%E6%96%87%E6%B3%95
793
大学受験物理
小学校・中学校・高等学校の学習>高等学校の学習>高等学校理科>高等学校物理>大学受験物理 そもそも物理を学ぶ目的はなんだろうか。それは、我々の住む世界を最も広大で最も深い根本から理解することである。物理を学ぶことで宇宙全体の幅広い現象を理解することができるし、または誰も実践していない現象まで論理的思考によって予測することが可能になるのである。そのためには基本的な定義や現象を知っておく必要がある。大学入試の問題もまた同じで、いたずらに難問・奇問を解くのではなく、物理の”土台”を築いていくのが肝要なのである。この教材がその一助となることを願う。 この教材は大学受験の物理に必要とされる知識を、指導要領とは異なる配列で構成したものである。また、初学者の方にも理解できるように一般の教科書とは異なる表現を用い、また易しめの問題である「例題」を配置した。ある程度物理に慣れてきたらやや程度の高い(センター試験・中堅私大レベル)「問題」にも挑戦してほしい。 なお、微分積分は本教材では解法には用いないが、公式の導出で用いることがあるので、数学IIIの微分積分を習得されるか、もしくは解析学基礎/微分1、解析学基礎/微分2と解析学基礎/積分を参照されたい。 物理そのものの勉強法については、学習方法/高校物理を読んでください。 同じ波形で向きが逆で定常波 波の式 y=Asin2π(t/T±X/λ) E = R I {\displaystyle E=RI} Q = C V {\displaystyle Q=CV} U = 1 2 C V 2 {\displaystyle U={\frac {1}{2}}CV^{2}} φ = B S {\displaystyle \phi =BS} U = 1 2 L I 2 {\displaystyle U={\frac {1}{2}}LI^{2}}
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "小学校・中学校・高等学校の学習>高等学校の学習>高等学校理科>高等学校物理>大学受験物理", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "そもそも物理を学ぶ目的はなんだろうか。それは、我々の住む世界を最も広大で最も深い根本から理解することである。物理を学ぶことで宇宙全体の幅広い現象を理解することができるし、または誰も実践していない現象まで論理的思考によって予測することが可能になるのである。そのためには基本的な定義や現象を知っておく必要がある。大学入試の問題もまた同じで、いたずらに難問・奇問を解くのではなく、物理の”土台”を築いていくのが肝要なのである。この教材がその一助となることを願う。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "この教材は大学受験の物理に必要とされる知識を、指導要領とは異なる配列で構成したものである。また、初学者の方にも理解できるように一般の教科書とは異なる表現を用い、また易しめの問題である「例題」を配置した。ある程度物理に慣れてきたらやや程度の高い(センター試験・中堅私大レベル)「問題」にも挑戦してほしい。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "なお、微分積分は本教材では解法には用いないが、公式の導出で用いることがあるので、数学IIIの微分積分を習得されるか、もしくは解析学基礎/微分1、解析学基礎/微分2と解析学基礎/積分を参照されたい。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "物理そのものの勉強法については、学習方法/高校物理を読んでください。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "同じ波形で向きが逆で定常波", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "波の式 y=Asin2π(t/T±X/λ)", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "E = R I {\\displaystyle E=RI}", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "Q = C V {\\displaystyle Q=CV}", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "U = 1 2 C V 2 {\\displaystyle U={\\frac {1}{2}}CV^{2}}", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "φ = B S {\\displaystyle \\phi =BS}", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "U = 1 2 L I 2 {\\displaystyle U={\\frac {1}{2}}LI^{2}}", "title": "はじめに" } ]
小学校・中学校・高等学校の学習>高等学校の学習>高等学校理科>高等学校物理>大学受験物理
<small> [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校理科]]>[[高等学校物理]]>大学受験物理 </small> ---- == はじめに == そもそも物理を学ぶ目的はなんだろうか。それは、我々の住む世界を最も広大で最も深い根本から理解することである。物理を学ぶことで宇宙全体の幅広い現象を理解することができるし、または誰も実践していない現象まで論理的思考によって予測することが可能になるのである。そのためには基本的な定義や現象を知っておく必要がある。大学入試の問題もまた同じで、いたずらに難問・奇問を解くのではなく、物理の”土台”を築いていくのが肝要なのである。この教材がその一助となることを願う。 この教材は大学受験の物理に必要とされる知識を、指導要領とは異なる配列で構成したものである。また、初学者の方にも理解できるように一般の教科書とは異なる表現を用い、また易しめの問題である「例題」を配置した。ある程度物理に慣れてきたらやや程度の高い(センター試験・中堅私大レベル)「問題」にも挑戦してほしい。 なお、微分積分は本教材では解法には用いないが、公式の導出で用いることがあるので、数学IIIの微分積分を習得されるか、もしくは[[解析学基礎/微分1]]、[[解析学基礎/微分2]]と[[解析学基礎/積分]]を参照されたい。 物理そのものの勉強法については、[[学習方法/高校物理]]を読んでください。 {{進捗状況}} * [[大学受験物理/力学|力学]]{{進捗|25%|2015-08-02}} * [[大学受験物理/波動|波動]]{{進捗|00%|2015-08-02}} * [[大学受験物理/電気|電気]]{{進捗|00%|2015-08-02}} * [[大学受験物理/磁気|磁気]]{{進捗|00%|2015-08-02}} * [[大学受験物理/熱力学|熱力学]]{{進捗|00%|2015-08-02}} * [[大学受験物理/原子|原子]]{{進捗|00%|2015-08-02}} ---- * 波動 同じ波形で向きが'''逆'''で定常波 波の式 <nowiki>y=Asin2π(t/T±X/λ)</nowiki> * 電磁気学 <math>E=RI</math> <math>Q=CV</math> <math>U=\frac{1}{2}CV^2</math> <math>\phi=BS</math> <math>U=\frac{1}{2}LI^2</math> * 熱力学 * 原子物理 [[Category:大学入試|ふつり]] [[Category:物理学|大ふつり]] [[Category:大学受験物理|*]]
null
2023-01-21T12:57:14Z
[ "テンプレート:進捗", "テンプレート:進捗状況" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%8F%97%E9%A8%93%E7%89%A9%E7%90%86
818
憲法概論
法学 > 憲法 > 憲法概論 ここでは憲法一般についての概論を述べる。 日常用語として我々が「憲法」と言う時、それは一国のあらゆる法の中で最上位の基本的な法律であり、しかも「憲法」という名称を持つ特別の文書を、指していると思われる。これは法学の世界では「形式的意味における憲法」とか「憲法典」などというものである。ではそうでない憲法とは何だ?と問う方もいるだろう。実はあるのである。それがここで言う憲法の概念の問題である。 憲法は、現代日本では英語の“Constitution”の訳語とされている。“constitution”とは、辞書を繰ると「構成、構造、組織」とあるのが普通だ。「体質、体格、気質」というのもある。そして法や政治の文脈で使われると「国制、憲法」ということになる。 国制、とは聞き慣れない方も多いだろうが要するに「国の制度」である。法学、政治学の世界では細かい制度はあまり考慮せず、国の姿を大きく規定するような制度のみを「国制」として考えている。だがその境界線は、どこにあるのだろう。ハッキリとした答はない。だから国制として考える範囲は、国によっても、論者によってもいろいろである。だがまあ、国の構造として例えば自動車の左側通行などはあまり大きな意味はなさそうだ。日本の場合、自動車など殆ど無かった時代に人と車を単純に左右に分ける、という発想で成立しただけらしい。だから国制を考える際に、いちいち道路交通の諸制度は論じないのである。 だが議員の選挙制度はどうだろう。これは政党の姿にも影響を与え、それを介して現代日本の政治制度である議院内閣制の有り様、ひいては議会の運営に重大な影響を及ぼす。だから、国制を論じる時には選挙制度は欠かせないものとして普通は扱われる。実際、アメリカの憲法典(“The Constitution of the United States of America”と呼ぶ)には選挙制度がかなり細かく書き込まれている。 ところで、「憲法」という日本語の漢字2文字の概念だが、法学、政治学の世界ではこのような「国制」という意義でも使われるのである。これを「実質的意味における憲法」という。およそ国たるもの、政治のやり方は何らかであれ存在する以上、この「実質的意味における憲法」が無い国、というものは想定できない。たとえ武力クーデターで成立した独裁者の王国であれ、「その誰それという独裁者が発する命令が全てである。ただしそれ以外は従前のままの政治生活がなされる」という程度の「憲法」は存在する、と言える。はっきり言って政治体制とか政治制度、と呼んでも良い。なお、このことについてフランス革命中に国民議会が制定した人権宣言(人間と市民の権利の宣言)で、「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、およそ憲法をもつものではない」と述べられていることとの関係は、次節を見られたい。 憲法の分類方法について、例を幾つか挙げる。 さて、上記各分類は相互に組み合わされ得るものである。それによって思考実験をいろいろ試してほしい。たとえば硬性なのに不文憲法ということは実際にはあり得るか?イギリスのように成文化された部分と不文の部分が混在しているのならまだしも、憲法の全てが不文である国において、硬性ということは有り得るのか?あるかも知れない。例えば或る国で統治の根本機構として何らかの会議体が設置されていたとする。その構成に重大な変更を来す改革は、無論憲法の改正であると言えるだろう。ところがその国では会議体の構成を変更するには、当該会議体の全会一致の賛同が必要だとの慣例が、鉄の掟として守られていたとすれば、不文ながら硬性ということは十分に有り得るということだ。だがそのような硬性は、いつでも守られるのだろうか?国が敗戦などの非常事態に追い込まれた時、全会一致ではなくて3分の2多数決で構成変更が実行されてしまうかも知れない。 やはり文章になっていないものはどちらかというと弱いと言えるだろう。だがしかし、という声もある。たとえ文章にしていても、敗戦のような非常事態ではそれすら破られてしまうのではないのか、と。実際、現代日本の憲法の中核をなす「日本国憲法」は、戦前の「大日本帝国憲法」の全部改正として制定されたのだが、後者の改正手続に違反したのではないのか、との疑念が今もって晴れないのである。 またこういう設題はどうか。イギリスのように文章を多数に散らしている国もあるが、そのような状態でも或る部分が憲法、つまり国の重要制度として認識されているというのは、一体どうしてだろう?道路交通制度はさすがに憲法とは言えないとしても、大臣の数は憲法でないと言えるのだろうか?すると或る程度の重みを持っており、あまりに簡単に頻繁に変えられないということが、暗黙の内に憲法たる資格の条件になっていやしないのだろうか?そういう疑問も湧いてくる。 このように憲法分類に過ぎないところから、憲法改正の限界、人権とは何か、文章化された現代憲法が縛ろうとしている対象は誰だろうか、など重大問題を考えるヒントが得られる。 以上、分類学を通して憲法の概念を少し考えてみた。「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、およそ憲法をもつものではない」とのフランス人権宣言の高らかな謳い文句は、実に歴史的な産物であると理解できたであろう。しかしまた、我々の今日の感覚に最もマッチした憲法概念による言説とも思われただろう。するとそれだけでも、憲法という言葉が今日のような敬意を払われるものとなるまでには、いろいろな歴史があったのだ、と窺うことができる。 だから、憲法史を辿ることは欠かせない。それを抜きに日本国憲法の条文と判例だけを勉強すると、成果が上っ面のものになる危険性は大きい。学者や判事や、憲法訴訟の当事者は、無論このような歴史を背負い、死力を尽くして議論をしている訳だが、読者諸君自身が憲法の歴史を追体験しなければ、せっかくのそれらの議論の上澄みだけを掬い取るような勉強になりかねない。 そこで本書はこれから憲法の基礎理論を考究し、さらに人権と統治機構の各論を考究するという一般的な体裁にしているけれど、その後に日本の憲法史を書くこととした。聖徳太子の「十七条憲法」と現代日本の憲法との間の架け橋、この間の歴史、これは他ならぬ人民によって作られた憲法史である。これを簡単にでも頭に入れて置いて欲しいのである。 さらに欲を出して、主要な海外憲法史の概説にも取り組みたい。どこまで筆が進むかは分からないが、よければ諸君が引き継いでもらって、近代的意味の憲法を獲得するに至る人類の苦闘を振り返る書物に仕上げて頂ければ、幸いである。このようして初めて、現日本国憲法のたとえば前文に「人類普遍の原理」とか「人間相互の関係を支配する崇高な理想」だとか、第11条に「基本的人権は、冒すことのできない永久の権利」だとか、さらに駄目を押すように第97条に「基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」「過去幾多の試練に耐へ」「永久の権利として信託された」などという、けばけばしい程の言葉を尽くして歴史の賜物であることを強調した意義も、ストンと腑に落ちるだろうというものである。 なお、日本国憲法の詳細な各論は、当ウィキブックスシリーズの日本国憲法に譲ることとする。 憲法史 現代日本の憲法 etc
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学 > 憲法 > 憲法概論", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ここでは憲法一般についての概論を述べる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "日常用語として我々が「憲法」と言う時、それは一国のあらゆる法の中で最上位の基本的な法律であり、しかも「憲法」という名称を持つ特別の文書を、指していると思われる。これは法学の世界では「形式的意味における憲法」とか「憲法典」などというものである。ではそうでない憲法とは何だ?と問う方もいるだろう。実はあるのである。それがここで言う憲法の概念の問題である。 憲法は、現代日本では英語の“Constitution”の訳語とされている。“constitution”とは、辞書を繰ると「構成、構造、組織」とあるのが普通だ。「体質、体格、気質」というのもある。そして法や政治の文脈で使われると「国制、憲法」ということになる。 国制、とは聞き慣れない方も多いだろうが要するに「国の制度」である。法学、政治学の世界では細かい制度はあまり考慮せず、国の姿を大きく規定するような制度のみを「国制」として考えている。だがその境界線は、どこにあるのだろう。ハッキリとした答はない。だから国制として考える範囲は、国によっても、論者によってもいろいろである。だがまあ、国の構造として例えば自動車の左側通行などはあまり大きな意味はなさそうだ。日本の場合、自動車など殆ど無かった時代に人と車を単純に左右に分ける、という発想で成立しただけらしい。だから国制を考える際に、いちいち道路交通の諸制度は論じないのである。 だが議員の選挙制度はどうだろう。これは政党の姿にも影響を与え、それを介して現代日本の政治制度である議院内閣制の有り様、ひいては議会の運営に重大な影響を及ぼす。だから、国制を論じる時には選挙制度は欠かせないものとして普通は扱われる。実際、アメリカの憲法典(“The Constitution of the United States of America”と呼ぶ)には選挙制度がかなり細かく書き込まれている。", "title": "憲法の概念(憲法とは何か?)" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "ところで、「憲法」という日本語の漢字2文字の概念だが、法学、政治学の世界ではこのような「国制」という意義でも使われるのである。これを「実質的意味における憲法」という。およそ国たるもの、政治のやり方は何らかであれ存在する以上、この「実質的意味における憲法」が無い国、というものは想定できない。たとえ武力クーデターで成立した独裁者の王国であれ、「その誰それという独裁者が発する命令が全てである。ただしそれ以外は従前のままの政治生活がなされる」という程度の「憲法」は存在する、と言える。はっきり言って政治体制とか政治制度、と呼んでも良い。なお、このことについてフランス革命中に国民議会が制定した人権宣言(人間と市民の権利の宣言)で、「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、およそ憲法をもつものではない」と述べられていることとの関係は、次節を見られたい。", "title": "憲法の概念(憲法とは何か?)" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "", "title": "憲法の概念(憲法とは何か?)" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "憲法の分類方法について、例を幾つか挙げる。", "title": "憲法の概念(憲法とは何か?)" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "さて、上記各分類は相互に組み合わされ得るものである。それによって思考実験をいろいろ試してほしい。たとえば硬性なのに不文憲法ということは実際にはあり得るか?イギリスのように成文化された部分と不文の部分が混在しているのならまだしも、憲法の全てが不文である国において、硬性ということは有り得るのか?あるかも知れない。例えば或る国で統治の根本機構として何らかの会議体が設置されていたとする。その構成に重大な変更を来す改革は、無論憲法の改正であると言えるだろう。ところがその国では会議体の構成を変更するには、当該会議体の全会一致の賛同が必要だとの慣例が、鉄の掟として守られていたとすれば、不文ながら硬性ということは十分に有り得るということだ。だがそのような硬性は、いつでも守られるのだろうか?国が敗戦などの非常事態に追い込まれた時、全会一致ではなくて3分の2多数決で構成変更が実行されてしまうかも知れない。 やはり文章になっていないものはどちらかというと弱いと言えるだろう。だがしかし、という声もある。たとえ文章にしていても、敗戦のような非常事態ではそれすら破られてしまうのではないのか、と。実際、現代日本の憲法の中核をなす「日本国憲法」は、戦前の「大日本帝国憲法」の全部改正として制定されたのだが、後者の改正手続に違反したのではないのか、との疑念が今もって晴れないのである。 またこういう設題はどうか。イギリスのように文章を多数に散らしている国もあるが、そのような状態でも或る部分が憲法、つまり国の重要制度として認識されているというのは、一体どうしてだろう?道路交通制度はさすがに憲法とは言えないとしても、大臣の数は憲法でないと言えるのだろうか?すると或る程度の重みを持っており、あまりに簡単に頻繁に変えられないということが、暗黙の内に憲法たる資格の条件になっていやしないのだろうか?そういう疑問も湧いてくる。 このように憲法分類に過ぎないところから、憲法改正の限界、人権とは何か、文章化された現代憲法が縛ろうとしている対象は誰だろうか、など重大問題を考えるヒントが得られる。", "title": "憲法の概念(憲法とは何か?)" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "", "title": "憲法の概念(憲法とは何か?)" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "以上、分類学を通して憲法の概念を少し考えてみた。「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、およそ憲法をもつものではない」とのフランス人権宣言の高らかな謳い文句は、実に歴史的な産物であると理解できたであろう。しかしまた、我々の今日の感覚に最もマッチした憲法概念による言説とも思われただろう。するとそれだけでも、憲法という言葉が今日のような敬意を払われるものとなるまでには、いろいろな歴史があったのだ、と窺うことができる。 だから、憲法史を辿ることは欠かせない。それを抜きに日本国憲法の条文と判例だけを勉強すると、成果が上っ面のものになる危険性は大きい。学者や判事や、憲法訴訟の当事者は、無論このような歴史を背負い、死力を尽くして議論をしている訳だが、読者諸君自身が憲法の歴史を追体験しなければ、せっかくのそれらの議論の上澄みだけを掬い取るような勉強になりかねない。 そこで本書はこれから憲法の基礎理論を考究し、さらに人権と統治機構の各論を考究するという一般的な体裁にしているけれど、その後に日本の憲法史を書くこととした。聖徳太子の「十七条憲法」と現代日本の憲法との間の架け橋、この間の歴史、これは他ならぬ人民によって作られた憲法史である。これを簡単にでも頭に入れて置いて欲しいのである。 さらに欲を出して、主要な海外憲法史の概説にも取り組みたい。どこまで筆が進むかは分からないが、よければ諸君が引き継いでもらって、近代的意味の憲法を獲得するに至る人類の苦闘を振り返る書物に仕上げて頂ければ、幸いである。このようして初めて、現日本国憲法のたとえば前文に「人類普遍の原理」とか「人間相互の関係を支配する崇高な理想」だとか、第11条に「基本的人権は、冒すことのできない永久の権利」だとか、さらに駄目を押すように第97条に「基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」「過去幾多の試練に耐へ」「永久の権利として信託された」などという、けばけばしい程の言葉を尽くして歴史の賜物であることを強調した意義も、ストンと腑に落ちるだろうというものである。 なお、日本国憲法の詳細な各論は、当ウィキブックスシリーズの日本国憲法に譲ることとする。", "title": "憲法の概念(憲法とは何か?)" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "憲法史", "title": "各国の憲法とその歴史" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "現代日本の憲法", "title": "各国の憲法とその歴史" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "", "title": "各国の憲法とその歴史" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "etc", "title": "各国の憲法とその歴史" } ]
法学 > 憲法 > 憲法概論 ここでは憲法一般についての概論を述べる。
[[法学]] > [[憲法]] > 憲法概論 ここでは憲法一般についての概論を述べる。 ---- == 憲法の概念(憲法とは何か?) == === 選挙制度も「憲法」? ===  日常用語として我々が「憲法」と言う時、それは一国のあらゆる法の中で最上位の基本的な法律であり、しかも「憲法」という名称を持つ特別の文書を、指していると思われる。これは法学の世界では「形式的意味における憲法」とか「憲法典」などというものである。ではそうでない憲法とは何だ?と問う方もいるだろう。実はあるのである。それがここで言う憲法の概念の問題である。<BR>  憲法は、現代日本では英語の“Constitution”の訳語とされている。“'''constitution'''”とは、辞書を繰ると「構成、構造、組織」とあるのが普通だ。「体質、体格、気質」というのもある。そして法や政治の文脈で使われると「国制、憲法」ということになる。<br>  '''国制'''、とは聞き慣れない方も多いだろうが要するに「国の制度」である。法学、政治学の世界では細かい制度はあまり考慮せず、国の姿を大きく規定するような制度のみを「国制」として考えている。だがその境界線は、どこにあるのだろう。ハッキリとした答はない。だから国制として考える範囲は、国によっても、論者によってもいろいろである。だがまあ、国の構造として例えば自動車の左側通行などはあまり大きな意味はなさそうだ。日本の場合、自動車など殆ど無かった時代に人と車を単純に左右に分ける、という発想で成立しただけらしい。だから国制を考える際に、いちいち道路交通の諸制度は論じないのである。<br>  だが議員の選挙制度はどうだろう。これは政党の姿にも影響を与え、それを介して現代日本の政治制度である議院内閣制の有り様、ひいては議会の運営に重大な影響を及ぼす。だから、国制を論じる時には選挙制度は欠かせないものとして普通は扱われる。実際、[[w:アメリカ合衆国憲法|アメリカの憲法典]]([[w:en:United States Constitution|“The Constitution of the United States of America”]]と呼ぶ)には選挙制度がかなり細かく書き込まれている。<br> : ***  ところで、「'''憲法'''」という日本語の漢字2文字の概念だが、法学、政治学の世界ではこのような「'''国制'''」という意義でも使われるのである。これを「'''実質的意味における憲法'''」という。およそ国たるもの、政治のやり方は何らかであれ存在する以上、この「実質的意味における憲法」が無い国、というものは想定できない。たとえ武力クーデターで成立した独裁者の王国であれ、「その誰それという独裁者が発する命令が全てである。ただしそれ以外は従前のままの政治生活がなされる」という程度の「憲法」は存在する、と言える。はっきり言って政治体制とか政治制度、と呼んでも良い。なお、このことについてフランス革命中に国民議会が制定した人権宣言([[w:人間と市民の権利の宣言|人間と市民の権利の宣言]])で、「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、およそ憲法をもつものではない」と述べられていることとの関係は、次節を見られたい。 === 憲法の分類基準あれこれ ===  憲法の分類方法について、例を幾つか挙げる。 *'''実質的意味における憲法と形式的意味における憲法''' :: これは前節で述べた通りである。 *'''固有の意味における憲法と立憲的(近代的)意味における憲法''' :: この分類は実質的意味における憲法の下位分類であると言える。'''固有の意味'''における、とはまさに前節で述べたようなことであり、国の政治制度である以上、存在しないことは想定できない。しかし後者、'''立憲的意味における'''、とは前節の最後に述べたことと関わるのであるが、近代立憲主義の精神を付加した政治制度でなければならない、という価値判断を含んだ分類なのである。そのアピールとして、[[w:フランス人権宣言|フランス人権宣言]]は「'''権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、およそ憲法をもつものではない'''」と述べたのである。だがこれは我々の現代的感覚にしっくりとするであろう。独裁者が「私の言葉が法だ」と言って人民を抑圧して平気でいられる政治制度など、それをもって「憲法でございます」などと言われてはまさに噴飯ものというところだろう。それ位に、「憲法は、我々の人権を守り、権力者を制限するものなのだ」という精神は、現代日本では根付いているといえる。だがそうなるまでには先人たちの多大な労苦が費やされたのである。これは後に研究しよう。 *'''硬性憲法と軟性憲法''' :: '''硬性憲法'''とは、通常の法、制度よりも、形式化された変更手続が厳重である憲法のことである。'''軟性憲法'''とは、そうではない憲法のことである。 *'''成典憲法と非成典憲法''' :: '''成典憲法'''とは、単一法典に文章化された憲法ということである。成典憲法は、論理必然的に次号でいう「成文憲法」である。最古の成典憲法として前節で言及した[[アメリカ合衆国憲法|アメリカ合衆国の憲法]]が有名である。非成典憲法はしかし、論理必然的に「不文憲法」とは言えないかも知れない。([[イギリス憲法]]は単一法典になっていないが、色々な制定法が憲法を構成している。ただ、イギリスの場合、制定法以外にも幾つかの[[w:判例法|判例法]]や憲法的[[w:習律|習律]]も憲法の一部を成していると言われており、よって成文とさえ言えない。) *'''成文憲法と不文憲法''' :: [[w:成文憲法|成文憲法]]は、'''実質的意味の憲法'''が、すべて法律として文章化されているものである。判例は、たとえ文章化されているとはいえ、ここでいう「成文」の意味をなさない。現代の[[w:自由民主主義国家|自由民主主義国家]]は殆ど成文憲法を持つ。だが前述のようにイギリスは今も不文憲法国とされている。 *'''意味論的憲法と規範的憲法と名目的憲法''' :: '''意味論的憲法'''とは、統治の実態をただ単に書き写しただけのもの。独裁国家が、自由民主主義国家向けに体裁だけを整える時に行う便法である。'''規範的憲法'''とは、統治の実際をきちんと制限して力を発揮しているもの。ここには当然、現代に於いては立憲主義的内容としてという価値判断が入り込んでいる。以上二つは、憲法の記述と統治の実態が一致しているという客観的状況にある。それに対して'''名目的憲法'''とは、規範が現実になっていないものである。憲法に理想を書きはしたものの、実際にはそれが行われていない。果たして名目的憲法の状態と、意味論的憲法の状態と、どちらが望ましいのか。そして或る状態が意味論的憲法なのか規範的憲法なのかの画然とした区別が付くのか、かなり議論のある分類だが、おもしろい試みではある。  さて、上記各分類は相互に組み合わされ得るものである。それによって思考実験をいろいろ試してほしい。たとえば硬性なのに不文憲法ということは実際にはあり得るか?イギリスのように成文化された部分と不文の部分が混在しているのならまだしも、憲法の全てが不文である国において、硬性ということは有り得るのか?あるかも知れない。例えば或る国で統治の根本機構として何らかの会議体が設置されていたとする。その構成に重大な変更を来す改革は、無論憲法の改正であると言えるだろう。ところがその国では会議体の構成を変更するには、当該会議体の全会一致の賛同が必要だとの慣例が、鉄の掟として守られていたとすれば、不文ながら硬性ということは十分に有り得るということだ。だがそのような硬性は、いつでも守られるのだろうか?国が敗戦などの非常事態に追い込まれた時、全会一致ではなくて3分の2多数決で構成変更が実行されてしまうかも知れない。<br>  やはり文章になっていないものはどちらかというと弱いと言えるだろう。だがしかし、という声もある。たとえ文章にしていても、敗戦のような非常事態ではそれすら破られてしまうのではないのか、と。実際、現代日本の憲法の中核をなす「[[w:日本国憲法|日本国憲法]]」は、戦前の「[[w:大日本帝国憲法|大日本帝国憲法]]」の全部改正として制定されたのだが、後者の改正手続に違反したのではないのか、との疑念が今もって晴れないのである。<br>  またこういう設題はどうか。イギリスのように文章を多数に散らしている国もあるが、そのような状態でも或る部分が憲法、つまり国の重要制度として認識されているというのは、一体どうしてだろう?道路交通制度はさすがに憲法とは言えないとしても、大臣の数は憲法でないと言えるのだろうか?すると或る程度の重みを持っており、あまりに簡単に頻繁に変えられないということが、暗黙の内に憲法たる資格の条件になっていやしないのだろうか?そういう疑問も湧いてくる。<br>  このように憲法分類に過ぎないところから、憲法改正の限界、人権とは何か、文章化された現代憲法が縛ろうとしている対象は誰だろうか、など重大問題を考えるヒントが得られる。 === 本書の構成 ===  以上、分類学を通して憲法の概念を少し考えてみた。「'''権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、およそ憲法をもつものではない'''」との[[w:フランス人権宣言|フランス人権宣言]]の高らかな謳い文句は、実に歴史的な産物であると理解できたであろう。しかしまた、我々の今日の感覚に最もマッチした憲法概念による言説とも思われただろう。するとそれだけでも、憲法という言葉が今日のような敬意を払われるものとなるまでには、いろいろな歴史があったのだ、と窺うことができる。<br>  だから、憲法史を辿ることは欠かせない。それを抜きに日本国憲法の条文と判例だけを勉強すると、成果が上っ面のものになる危険性は大きい。学者や判事や、[[w:憲法訴訟|憲法訴訟]]の当事者は、無論このような歴史を背負い、死力を尽くして議論をしている訳だが、読者諸君自身が憲法の歴史を追体験しなければ、せっかくのそれらの議論の上澄みだけを掬い取るような勉強になりかねない。<br>  そこで本書はこれから憲法の基礎理論を考究し、さらに人権と統治機構の各論を考究するという一般的な体裁にしているけれど、その後に日本の憲法史を書くこととした。聖徳太子の「十七条憲法」と現代日本の憲法との間の架け橋、この間の歴史、これは他ならぬ人民によって作られた憲法史である。これを簡単にでも頭に入れて置いて欲しいのである。<br>  さらに欲を出して、主要な海外憲法史の概説にも取り組みたい。どこまで筆が進むかは分からないが、よければ諸君が引き継いでもらって、近代的意味の憲法を獲得するに至る人類の苦闘を振り返る書物に仕上げて頂ければ、幸いである。このようして初めて、現日本国憲法のたとえば前文に「人類普遍の原理」とか「人間相互の関係を支配する崇高な理想」だとか、第11条に「基本的人権は、冒すことのできない永久の権利」だとか、さらに駄目を押すように第97条に「基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」「過去幾多の試練に耐へ」「永久の権利として信託された」などという、けばけばしい程の言葉を尽くして歴史の賜物であることを強調した意義も、ストンと腑に落ちるだろうというものである。<br>  なお、日本国憲法の詳細な各論は、当ウィキブックスシリーズの[[日本国憲法]]に譲ることとする。 == 近代憲法の意義 == === 人権 === === 権力の制限 === === 主権と「法の支配」 === == 憲法の変動と主権 == === 革命と憲法制定権力 === === 修正と憲法改正権力 === == 人権 == == 統治機構 == #「統治」とは何か ##機構のある統治、殆どない統治 ##法の支配 ##連邦制 ##主権者 ##「国体」と「政体」 ##王政・貴族政・民主政 ##身分制と統治機構 ##軍隊等の実力機構と人民の武装 #統治の機能と各機構 ##立法権とその民主化 ##執行権 #権力の分立と機能の細分化 ##裁判権 ##議会制 ##財政統制 ##裁判官の独立 ##違憲審査制 #新しい波 ##政治への役割期待の増大と官僚制 ##参加民主主義 ##:主に立法府をターゲットとしてなされたかつての民主化と異なり、政府の各部門での細かな民主化の波が、20世紀後半に起こり、今も続いている。かつての民主化が結論的に政府の全部門の終局的支配者たらんとする、いわば治者を目指す民主化であったのに対し、この細かな民主化のさざ波は、被治者の側からの日常的な政治参加であると言えよう。 ##政党制・現代の巨大権力 ##地方自治 ##非軍事化 #これからの波 ##政治の国際化と統治機構の変質? ##経済の国際化と租税制度・統治機構への衝撃? ##寄付金、或いは市場による政府選択、NGOとの競争・共存? == 各国の憲法とその歴史 == === '''日本''' === '''憲法史''' #[[w:明治維新|明治維新]]体制 #*[[w:大日本帝国憲法|明治憲法]]体制への道程 #*憲政の常道の“確立”へ #*戦時体制による[[w:大日本帝国憲法|明治憲法]]の没落([[w:貴族院|貴族院]]、[[w:枢密院|枢密院]]、[[w:元老|元老]]、[[w:統帥権|統帥権]]) #戦後新憲法体制 #*占領下の政治 #*新憲法の制定([[w:軍隊|軍隊]]の解体、[[w:華族|華族]]の廃止、[[w:責任内閣|責任内閣]]制の確立、普通裁判所への一本化) #*新憲法の変質(軍隊の「復活」、[[w:日米安全保障条約|安保体制]]) #*憲法改正の動向 '''現代日本の憲法''' :[[日本国憲法]] ::→ウィキペディア「[[w:日本国憲法|日本国憲法]]」 :[[国際連合憲章]] ::→ウィキペディア「[[w:国際連合憲章|国際連合憲章]]」 :[[日米安全保障条約|日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約]] ::→ウィキペディア「[[w:日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約|日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約]]」 === '''ギリシャの都市国家・ローマ''' === === '''イギリス''' === === '''フランス''' === === '''ドイツ''' === === '''イタリア''' === === '''アメリカ合衆国''' === === '''ロシア''' === === '''中国''' === === '''東南アジア''' === === '''東欧諸国''' === === '''中東のイスラム諸国''' === etc {{stub}} [[Category:法学|けんほう]] [[Category:憲法|けんほう]]
null
2022-08-31T23:18:15Z
[ "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%86%B2%E6%B3%95%E6%A6%82%E8%AB%96
822
音楽用語
本文書は、ウィキブックス教科書「音楽」シリーズの付録:音楽用語・記号の索引です。 必ず現在ウィキブックスに存在する記事内に記述されている用語のみを並べるようにしてください。これはあくまでも索引であって単語帳ではないことを理解してください。 教科書をめくるための索引ですから、まずは教科書のページを作成し、そこから必要な用語をピックアップするようにしてください。用語をリンクするためだけのページ作りは絶対になさらないようにお願いします。 (これらのことに関してはNinomy さんのノートの2版、数学用語索引のノートも参照してください。) 五十音順に用語を並べ、それぞれに該当するウィキブックス内の教科書のページを示してください。(ただし、用語ではないが特別の意味を持つ記号・記法は記載しないでください。) 書式は以下のとおりです。 または この書式で以下のそれぞれの索引ページに追加してください。(書式は変更する場合があります)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本文書は、ウィキブックス教科書「音楽」シリーズの付録:音楽用語・記号の索引です。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "必ず現在ウィキブックスに存在する記事内に記述されている用語のみを並べるようにしてください。これはあくまでも索引であって単語帳ではないことを理解してください。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "教科書をめくるための索引ですから、まずは教科書のページを作成し、そこから必要な用語をピックアップするようにしてください。用語をリンクするためだけのページ作りは絶対になさらないようにお願いします。", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "(これらのことに関してはNinomy さんのノートの2版、数学用語索引のノートも参照してください。)", "title": "概要" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "五十音順に用語を並べ、それぞれに該当するウィキブックス内の教科書のページを示してください。(ただし、用語ではないが特別の意味を持つ記号・記法は記載しないでください。)", "title": "書式" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "書式は以下のとおりです。", "title": "書式" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "または", "title": "書式" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "この書式で以下のそれぞれの索引ページに追加してください。(書式は変更する場合があります)", "title": "書式" } ]
null
== 概要 == 本文書は、ウィキブックス教科書「[[音楽]]」シリーズの付録:'''音楽用語・記号の索引'''です。 :''ウィキブックス内の文書から、適切なリンクを張るためのリンク先を探す材料としても是非活用してください。'' === 注意事項 === 必ず現在ウィキブックスに存在する記事内に記述されている用語のみを並べるようにしてください。これはあくまでも索引であって単語帳ではないことを理解してください。 教科書をめくるための索引ですから、まずは教科書のページを作成し、そこから必要な用語をピックアップするようにしてください。用語をリンクするためだけのページ作りは絶対になさらないようにお願いします。 (これらのことに関しては[{{SERVER}}{{LOCALURL:利用者‐会話:Ninomy}}&oldid=400 Ninomy さんのノートの2版]、[[Wikibooks‐ノート:数学用語索引#用語索引の是非について|数学用語索引のノート]]も参照してください。) == 書式 == 五十音順に用語を並べ、それぞれに該当するウィキブックス内の教科書のページを示してください。(ただし、用語ではないが特別の意味を持つ記号・記法は記載しないでください。) 書式は以下のとおりです。 :<nowiki>* "用語" "原語表記": [["初出ページ名1"]], [["初出ページ2"]], ... / "補足事項へのリンク"</nowiki> または :<nowiki>* "原語" "読み" "訳語": [["初出ページ名1"]], [["初出ページ2"]], ... / "補足事項へのリンク"</nowiki> この書式で以下のそれぞれの索引ページに追加してください。(書式は変更する場合があります) * "初出" というのは定義などの内容を示すステイトメントを含むページのこと<!--うまい言葉が見つかりませんので、適切な言葉があれば適宜変更してください-->で、複数あっても構いません。できればセクションまで指定してください。 * "補足事項" というのは、option ですので、なくても構いません。 *姉妹プロジェクトへのリンクは適当な接頭辞をつけること以外は通常の内部リンクと同じです。[[w:|ウィキペディア]] であれば <nowiki>[[w:ページ名]]</nowiki> で日本語版のページを参照できます。同様に <nowiki>[[wikt:ページ名]]、[[q:ページ名]]</nowiki> で [[wikt:|ウィクショナリー]]、[[q:|ウィキクウォート]]にリンクを張ることができます。 == 索引インデックス == *[[音楽用語 あ行|【あ】~【お】]] *[[音楽用語 か行|【か】~【こ】]] *[[音楽用語 さ行|【さ】~【そ】]] *[[音楽用語 た行|【た】~【と】]] *[[音楽用語 な行|【な】~【の】]] *[[音楽用語 は行|【は】~【ほ】]] *[[音楽用語 ま行|【ま】~【も】]] *[[音楽用語 や行|【や】~【よ】]] *[[音楽用語 ら行・わ行|【ら】〜【ん】]] *[[音楽用語 A-E|【A】~【E】]] *[[音楽用語 F-J|【F】~【J】]] *[[音楽用語 K-O|【K】~【O】]] *[[音楽用語 P-T|【P】~【T】]] *[[音楽用語 U-Z|【U】~【Z】]] *[[音楽用語 1-7|【1】~【7】]] *[[音楽用語 強弱記号/変化記号|【強弱記号】~【変化記号】]] == 関連項目 == [[カテゴリ:音楽用語|*]]
null
2022-11-25T11:33:38Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E7%94%A8%E8%AA%9E
846
プログラミング
メインページ > 工学 > 情報技術 > プログラミング コンピューター科学におけるプログラミングは、コンピューターに対して特定のタスクや機能を実現するための手順や命令を書くプロセスです。プログラミングは、アルゴリズムやデータ構造を使用して問題を解決し、コンピューターが理解できる形で指示を与えることを含みます。 以下に、プログラミングに関連する基本的な概念とプロセスをいくつか説明します。 プログラミングはコンピューターサイエンスの中心的な要素であり、コンピューターを活用して問題を解決するための重要なスキルとなっています。 プログラミングは、その周辺にさまざまな技術やツールが存在し、これらはプログラマーや開発者が効率的に作業を進めるために利用されます。 以下に、プログラミングの周辺技術や関連する領域をいくつか挙げてみましょう。 これらの技術やツールは、プログラミングをより効率的かつ効果的に行うために欠かせないものであり、コンピューターサイエンスやソフトウェアエンジニアリングの領域で幅広く活用されています。 プログラミング言語の選択については、学ぶ目的や環境に応じて異なる選択肢があります。以下は、初めて学ぶプログラミング言語を選ぶ際に考慮すべきいくつかのポイントです。 ファームウェアは、コンピューターや電子機器に組込まれているソフトウェアの一種で、本体内部の回路や周辺デバイスを制御する機能を持っています。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "メインページ > 工学 > 情報技術 > プログラミング", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "コンピューター科学におけるプログラミングは、コンピューターに対して特定のタスクや機能を実現するための手順や命令を書くプロセスです。プログラミングは、アルゴリズムやデータ構造を使用して問題を解決し、コンピューターが理解できる形で指示を与えることを含みます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "以下に、プログラミングに関連する基本的な概念とプロセスをいくつか説明します。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "プログラミングはコンピューターサイエンスの中心的な要素であり、コンピューターを活用して問題を解決するための重要なスキルとなっています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "プログラミングは、その周辺にさまざまな技術やツールが存在し、これらはプログラマーや開発者が効率的に作業を進めるために利用されます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "以下に、プログラミングの周辺技術や関連する領域をいくつか挙げてみましょう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "これらの技術やツールは、プログラミングをより効率的かつ効果的に行うために欠かせないものであり、コンピューターサイエンスやソフトウェアエンジニアリングの領域で幅広く活用されています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "プログラミング言語の選択については、学ぶ目的や環境に応じて異なる選択肢があります。以下は、初めて学ぶプログラミング言語を選ぶ際に考慮すべきいくつかのポイントです。", "title": "最初に学ぶプログラミング言語の選び方" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "ファームウェアは、コンピューターや電子機器に組込まれているソフトウェアの一種で、本体内部の回路や周辺デバイスを制御する機能を持っています。", "title": "低レイヤープログラミング" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "", "title": "ハードウェア記述言語" } ]
メインページ > 工学 > 情報技術 > プログラミング コンピューター科学におけるプログラミングは、コンピューターに対して特定のタスクや機能を実現するための手順や命令を書くプロセスです。プログラミングは、アルゴリズムやデータ構造を使用して問題を解決し、コンピューターが理解できる形で指示を与えることを含みます。 以下に、プログラミングに関連する基本的な概念とプロセスをいくつか説明します。 プログラミングはコンピューターサイエンスの中心的な要素であり、コンピューターを活用して問題を解決するための重要なスキルとなっています。 プログラミングは、その周辺にさまざまな技術やツールが存在し、これらはプログラマーや開発者が効率的に作業を進めるために利用されます。 以下に、プログラミングの周辺技術や関連する領域をいくつか挙げてみましょう。 これらの技術やツールは、プログラミングをより効率的かつ効果的に行うために欠かせないものであり、コンピューターサイエンスやソフトウェアエンジニアリングの領域で幅広く活用されています。
<small>{{Pathnav|メインページ|工学|情報技術}}</small> ---- {{Wikipedia|プログラミング (コンピュータ)|プログラミング}} コンピューター科学におけるプログラミングは、コンピューターに対して特定のタスクや機能を実現するための手順や命令を書くプロセスです。プログラミングは、アルゴリズムやデータ構造を使用して問題を解決し、コンピューターが理解できる形で指示を与えることを含みます。 __TOC__ == コンピュータ言語 == {{進捗状況}} === アセンブリ言語 === * [[x86アセンブラ]] {{進捗|50%|2020-07-11}} * [[CASL]] - 国家試験「[[基本情報技術者試験]]」に出題するために開発されたアセンブリ言語。 ---- <categorytree mode="pages" hideroot="on"> アセンブリ言語 </categorytree> === プログラミング言語 === :(※編集者への注意)言語名はなるべくアルファベット順に並べてください。 <!-- * [[ActionScript]] :死語 --> * [[Ada]] * [[ALGOL]] * [[AWK]] * [[BASIC]] {{進捗|75%|2014-02-09}} ** [[プチコン|SMILEBASIC]] ** ※ VBAについては別セクションで紹介。 * [[Bash_Shell_Scripting]] * [[C++]] ** [[More C++ Idioms]] * [[C言語]] {{進捗|75%|2020-07-11}} * [[C Sharp|C#]] * [[COBOL]] * [[D言語]] {{進捗|50%|2020-07-11}} * [[Dart]] * [[Fortran]] {{進捗|00%|2014-02-09}} * [[GNU Octave]] * [[Go]] {{進捗|25%|2020-06-19}} * [[Haskell]] * [[HSP]] * [[Java]] {{進捗|25%|2020-07-11}} * [[JavaScript]] {{進捗|75%|2020-07-11}} * [[Kotlin]] {{進捗|25%|2020-07-11}} * [[Lisp]] {{進捗|00%|2014-02-09}} * [[Logo]] * [[MathML]] {{進捗|00%|2020-05-12}} * [[Objective-C]] * [[OpenOffice.org Basic]] * [[Perl]] {{進捗|50%|2020-06-19}} * [[PHP]] {{進捗|50%|2020-06-19}} * [[PL/I]] * [[PL/M]] * [[Prolog]] * [[Python]] {{進捗|75%|2020-06-19}} * [[Ruby]] * [[Rust]] * [[Scala]] * [[Scheme]] * [[SQL]] {{進捗|25%|2020-07-11}} ※ MySQL の単元は[[プログラミング#データベース|別の節]]でリンクを記載。 * [[Swift]] * [[TypeScript]] ---- <categorytree mode="pages" hideroot="on"> プログラミング言語 </categorytree> === マークアップ言語 === ---- <categorytree mode="pages" hideroot="on"> マークアップ言語 </categorytree> === 問い合わせ言語 === ---- <categorytree mode="pages" hideroot="on"> 問い合わせ言語 </categorytree> == データベース == === 仕様 === * [[SQL]] {{進捗|25%|2020-07-11}} === 実装 === * [[MySQL]] {{進捗|25%|2020-07-11}} (mariaDB もココ) * [[PostgreSQL]] * [[SQLite]] == 低レイヤープログラミング == === ファームウェア === ファームウェアは、コンピューターや電子機器に組込まれているソフトウェアの一種で、本体内部の回路や周辺デバイスを制御する機能を持っています。 * [[UEFIアプリケーションの書き方]] {{進捗|00%|2020-07-11}} === 機械語 === * [[機械語]] {{進捗|25%|2020-07-11}} === その他 === * [[オペレーティングシステム]] {{進捗|25%|2020-07-11}} == ハードウェア記述言語 == * [[VHDL]] == 各論 == === フレームワークやライブラリ === * [[OpenGL]] * [[OpenGLプログラミング]] * [[Xプログラミング]] * [[GNOMEフレームワーク]] {{進捗|25%|2020-07-11}} * [[GTKプログラミング]] {{進捗|25%|2020-07-11}} * [[Qtプログラミング]] {{進捗|25%|2020-07-11}} * [[CGI]] {{進捗|50%|2020-07-11}} * [[Chainer]] === マークアップ言語および関連技術 === * [[HTML]] {{進捗|75%|2020-07-11}} * [[MML]] * [[SVG]] {{進捗|50%|2020-07-11}} * [[Markdown]] * [[Asciidoc]] === ソケットプログラミング === * [[WinSock]] {{進捗|100%|2020-07-11}} * [[Unixソケットプログラミング]] {{進捗|100%|2020-07-11}} == Office マクロ == * [[Visual Basic for Applications]] (VBA) * [[Pythonマクロ|LibreOffice Python マクロ]] * [[OpenOffice.org Basic]] ** [[OpenOffice.org_Calc_Basic | OpenOffice.org Calc Basic]] ** [[OpenOffice.org_Base_Basic | OpenOffice.org Base Basic]] == その他 == * [[Windows API]] {{進捗|25%|2020-07-11}} * [[ゲームプログラミング]] {{進捗|25%|2020-07-11}} * [[OSS開発ツール]] {{進捗|25%|2020-07-11}} * [[基本情報技術者試験]] - 国家試験([[情報処理技術者]])。[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|プログラミング]]に関する問題が出題される。 * [[難解プログラミング言語の作り方]] == 基本的な概念 == 以下に、プログラミングに関連する基本的な概念とプロセスをいくつか説明します。 ;プログラミング言語:プログラミング言語は、人が理解しやすい形でコンピューターに指示を与えるための記述手段です。代表的なプログラミング言語には、Python、Java、C++、JavaScript、Rubyなどがあります。それぞれの言語には特定の用途や特徴があります。 ;アルゴリズム:アルゴリズムは、特定の問題を解決するための手順や手法のセットです。プログラマはアルゴリズムを設計し、それをプログラムの中に実装します。良いアルゴリズムの選択は、プログラムの性能や効率に大きな影響を与えることがあります。 ;データ構造:データ構造は、データを効率的に保存・管理・操作するための方法です。配列、リスト、ツリー、ハッシュテーブルなどがあり、プログラマは適切なデータ構造を選択してプログラムを設計します。 ;プログラムの設計と実装:プログラミングは、問題解決のためにアルゴリズムとデータ構造を使用してプログラムを設計し、それを実際のプログラミング言語で実装するプロセスです。この際、シンタックス(文法)やセマンティクス(意味論)といった言語の特性を理解して適切にコードを書く必要があります。 ;デバッグとテスト:プログラムが完成したら、デバッグとテストが行われます。デバッグはプログラム内のエラーや不具合を見つけて修正するプロセスであり、テストはプログラムが正確に動作するか確認するプロセスです。 ;ソフトウェアエンジニアリング:プログラミングはソフトウェアエンジニアリングの一環であり、プログラミングだけでなく、要件分析、設計、テスト、メンテナンスなどソフトウェア開発ライフサイクル全体を包括します。 プログラミングはコンピューターサイエンスの中心的な要素であり、コンピューターを活用して問題を解決するための重要なスキルとなっています。 {{See|データ構造とアルゴリズム}} プログラミングは、その周辺にさまざまな技術やツールが存在し、これらはプログラマーや開発者が効率的に作業を進めるために利用されます。 以下に、プログラミングの周辺技術や関連する領域をいくつか挙げてみましょう。 ;統合開発環境(IDE):IDEは、プログラムの開発を支援するための統合ツールセットです。コードの編集、デバッグ、ビルド、プロジェクト管理などの機能を提供し、開発者が効率的かつ便利に作業を進めることができます。例えば、Visual Studio、Eclipse、IntelliJ IDEAなどがあります。 ;バージョン管理システム:バージョン管理システムは、コードの変更履歴を管理し、チームでの協力やコードの追跡を容易にします。GitやSubversionなどがよく使われます。 ;デバッグツール:デバッグツールは、プログラムの実行時に発生するエラーや不具合を特定して修正するのに役立ちます。デバッガーはコードのステップ実行や変数の監視などを可能にします。 ;コンテナ技術:コンテナ技術(Dockerなど)は、アプリケーションやサービスを環境から切り離し、独立して動作させるための技術です。これにより、環境依存性を減少させ、開発から本番環境までの一貫性を確保します。 ;仮想化技術:仮想化技術は、物理的なハードウェア上に仮想的な環境を作り出す技術で、開発環境のセットアップやテスト、サーバーの効率的な利用に役立ちます。仮想マシン(VM)や仮想ネットワークなどが含まれます。 ;テストフレームワーク:テストフレームワークは、プログラムが正しく動作しているかどうかを確認するためのテストを効率的に実施するためのツールやライブラリです。JUnit(Java向けの単体テストフレームワーク)、pytest(Python向けのテストフレームワーク)などがあります。 ;クラウドプラットフォーム:クラウドプラットフォームは、プログラムやアプリケーションをクラウド上で実行するための基盤を提供します。AWS、Azure、Google Cloud Platformなどがクラウドプロバイダーの例です。 ;API(Application Programming Interface):APIは、ソフトウェアコンポーネント同士が情報をやり取りするためのインターフェースを提供します。外部のサービスやライブラリを利用するために重要な概念です。 これらの技術やツールは、プログラミングをより効率的かつ効果的に行うために欠かせないものであり、コンピューターサイエンスやソフトウェアエンジニアリングの領域で幅広く活用されています。 == 最初に学ぶプログラミング言語の選び方 == プログラミング言語の選択については、学ぶ目的や環境に応じて異なる選択肢があります。以下は、初めて学ぶプログラミング言語を選ぶ際に考慮すべきいくつかのポイントです。 ;目的に合った言語を選ぶ:プログラミング言語には、それぞれ得意とする分野があります。例えば、Web開発にはJavaScript、データ分析にはPython、システムプログラミングにはCやC++などがよく使われます。学ぶ目的に合った言語を選ぶことで、効率的に学ぶことができます。 ;学習リソースの充実度:学習リソースが豊富であるかどうかも、言語選択において重要なポイントです。初心者向けの学習リソースが充実している言語を選ぶことで、スムーズな学習ができるでしょう。また、オンライン上には無料で利用できる学習リソースも多数存在するため、選択肢を広げることも大切です。 ;コミュニティの活発さ:言語のコミュニティが活発であれば、初心者でも質問や情報収集がしやすく、学習のサポートが受けやすいです。また、コミュニティに参加することで、プログラミングに対するモチベーションを高めることもできます。 ;言語の文法の理解しやすさ:初めて学ぶプログラミング言語は、その文法がわかりやすいものが望ましいです。理解しやすい文法を持つ言語を選ぶことで、学習のスピードが上がるでしょう。 ;プログラミング言語の人気度:人気のある言語は、コミュニティの活発さや学習リソースの充実度が高い傾向があります。また、人気のある言語は求人市場でも需要が高いため、将来的なキャリアアップの可能性を見据えて選ぶこともできます。 === 共通知識 === * [[プログラミング/初歩的な課題集]] * [[プログラミング/共通知識]] * [[オブジェクト指向]] == 下位階層のページ == {{特別:前方一致ページ一覧/プログラミング}} {{DEFAULTSORT:ふろくらみんく}} [[Category:コンピュータ言語]] [[Category:プログラミング|*]] [[Category:計算機科学]] [[Category:情報技術]] {{NDC|007.64}}
2004-10-14T05:15:55Z
2024-03-02T09:55:33Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:See", "テンプレート:進捗状況", "テンプレート:進捗", "特別:前方一致ページ一覧/プログラミング", "テンプレート:NDC" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
848
大学受験数学 三角関数/公式集
初等数学公式集/初等関数の性質#三角関数も参照 xy平面上に半径1の円を考える。この円を単位円(たんいえん)という。単位円は方程式 x 2 + y 2 = 1 {\displaystyle x^{2}+y^{2}=1} が表す図形である。 x軸の正の部分を反時計回りに角度θだけ回転させた半直線が単位円と交わる点の座標を(x,y)とするとき、次で定まる値を角度θの三角関数(さんかくかんすう)という。 それぞれsinを正弦関数(せいげんかんすう、sine サイン)、cosを余弦関数(よげんかんすう、cosine コサイン)、tanを正接関数(せいせつかんすう、tangent タンジェント)という。サインとコサインの定義域は実数全体だが、タンジェントの定義域は実数全体ではない。タンジェントの値が定義できないような角度が存在するからである。例えば tan π 2 {\displaystyle \tan {\frac {\pi }{2}}} は定義できない。 次に紹介する3つは、現代では使用が減っており、高校数学や大学受験では通常扱われないが、これらも三角関数である。 それぞれ余接関数(よせつかんすう、cotangent コタンジェント)、正割関数(せいかつかんすう、secant セカント)、余割関数(よかつかんすう、cosecant コセカント)という。この3つはどれも定義域が実数全体ではない。 サイン・コサイン・タンジェントとセカント・コセカント・コタンジェントの間には、定義から明らかに次の関係式が成り立つ。 サイン・コサイン・タンジェントに関する公式をもとにしてセカントなどに関する公式を導くことができるが、この項目ではセカントなどに関する公式は省略する。 以下に記す公式は、式のどこかに定義できない箇所があるときや、分母がゼロになるときには、使うことができない。証明においてもそのようなケースは暗黙のうちに除外していることを注意されたい。 nを整数とするとき、 sin θ , cos θ {\displaystyle \sin \theta ,\cos \theta } は波型(サインカーブ)のグラフを描く。 いずれの式も複号同順。 加法定理から証明できる。 また、2乗が現れない次の公式もあるが、高校ではあまり扱われない。 cos 2 α = 1 − 2 sin 2 α {\displaystyle \cos 2\alpha =1-2\sin ^{2}\alpha } ∴ 2 sin 2 α = 1 − cos 2 α {\displaystyle 2\sin ^{2}\alpha =1-\cos 2\alpha } ∴ sin 2 α = 1 2 ( 1 − cos 2 α ) {\displaystyle \sin ^{2}\alpha ={\frac {1}{2}}(1-\cos 2\alpha )} cos 2 α = 2 cos 2 α − 1 {\displaystyle \cos 2\alpha =2\cos ^{2}\alpha -1} ∴ − 2 cos 2 α = − 1 − cos 2 α {\displaystyle -2\cos ^{2}\alpha =-1-\cos 2\alpha } ∴ cos 2 α = 1 2 ( 1 + cos 2 α ) {\displaystyle \cos ^{2}\alpha ={\frac {1}{2}}(1+\cos 2\alpha )} この2つから がいえる。通常は以上の3つを示しておけばよい。 残る式は、分母を払った形の式を考えれば示しやすい。 ( 1 + cos 2 α ) tan α = 2 cos 2 α ⋅ sin α cos α = 2 sin α cos α = sin 2 α {\displaystyle (1+\cos 2\alpha )\tan \alpha =2\cos ^{2}\alpha \cdot {\frac {\sin \alpha }{\cos \alpha }}=2\sin \alpha \cos \alpha =\sin 2\alpha } ∴ tan α = sin 2 α 1 + cos 2 α {\displaystyle \tan \alpha ={\frac {\sin 2\alpha }{1+\cos 2\alpha }}} sin 2 α tan α = 2 sin α cos α ⋅ sin α cos α = 2 sin 2 α = 1 − cos 2 α {\displaystyle \sin 2\alpha \tan \alpha =2\sin \alpha \cos \alpha \cdot {\frac {\sin \alpha }{\cos \alpha }}=2\sin ^{2}\alpha =1-\cos 2\alpha } ∴ tan α = 1 − cos 2 α sin 2 α {\displaystyle \tan \alpha ={\frac {1-\cos 2\alpha }{\sin 2\alpha }}} 半角公式はしばしば次数を下げるために用いられる。たとえば、 α + β = x , α − β = y {\displaystyle \alpha +\beta =x,~\alpha -\beta =y} とおく。すると α = x + y 2 , β = x − y 2 {\displaystyle \alpha ={\frac {x+y}{2}},~\beta ={\frac {x-y}{2}}} と表せる。 sin の加法定理より sin α + sin β = sin ( x 2 + y 2 ) + sin ( x 2 − y 2 ) {\displaystyle \sin \alpha +\sin \beta =\sin \left({\frac {x}{2}}+{\frac {y}{2}}\right)+\sin \left({\frac {x}{2}}-{\frac {y}{2}}\right)} = ( sin x 2 cos y 2 + cos x 2 sin y 2 ) + ( sin x 2 cos y 2 − cos x 2 sin y 2 ) {\displaystyle =\left(\sin {\frac {x}{2}}\cos {\frac {y}{2}}+\cos {\frac {x}{2}}\sin {\frac {y}{2}}\right)+\left(\sin {\frac {x}{2}}\cos {\frac {y}{2}}-\cos {\frac {x}{2}}\sin {\frac {y}{2}}\right)} = 2 sin x 2 cos y 2 {\displaystyle =2\sin {\frac {x}{2}}\cos {\frac {y}{2}}} = 2 sin α + β 2 cos α − β 2 {\displaystyle =2\sin {\frac {\alpha +\beta }{2}}\cos {\frac {\alpha -\beta }{2}}} 他の3つも同様の方法で示せる。 積和変換公式は次数を下げるために用いられる。 ☆のついた公式は相互に書き換えができる。 天下り的だが、右辺から左辺へと変形すれば容易に証明される。 sin 3 α = sin ( α + 2 α ) {\displaystyle \sin 3\alpha =\sin(\alpha +2\alpha )} = sin α cos 2 α + cos α sin 2 α {\displaystyle =\sin \alpha \cos 2\alpha +\cos \alpha \sin 2\alpha } = sin α ( 1 − 2 sin 2 α ) + cos α ( 2 sin α cos α ) {\displaystyle =\sin \alpha (1-2\sin ^{2}\alpha )+\cos \alpha (2\sin \alpha \cos \alpha )} = sin α − 2 sin 3 α + 2 sin α cos 2 α {\displaystyle =\sin \alpha -2\sin ^{3}\alpha +2\sin \alpha \cos ^{2}\alpha } = sin α − 2 sin 3 α + 2 sin α ( 1 − sin 2 α ) {\displaystyle =\sin \alpha -2\sin ^{3}\alpha +2\sin \alpha (1-\sin ^{2}\alpha )} = 3 sin α − 4 sin 3 α {\displaystyle =3\sin \alpha -4\sin ^{3}\alpha } cos 3 α = cos ( α + 2 α ) {\displaystyle \cos 3\alpha =\cos(\alpha +2\alpha )} = cos α cos 2 α − sin α sin 2 α {\displaystyle =\cos \alpha \cos 2\alpha -\sin \alpha \sin 2\alpha } = cos α ( 2 cos 2 α − 1 ) − sin α ( 2 sin α cos α ) {\displaystyle =\cos \alpha (2\cos ^{2}\alpha -1)-\sin \alpha (2\sin \alpha \cos \alpha )} = 2 cos 3 α − cos α − 2 sin 2 α cos α {\displaystyle =2\cos ^{3}\alpha -\cos \alpha -2\sin ^{2}\alpha \cos \alpha } = 2 cos 3 α − cos α − 2 ( 1 − cos 2 α ) cos α {\displaystyle =2\cos ^{3}\alpha -\cos \alpha -2(1-\cos ^{2}\alpha )\cos \alpha } = 4 cos 3 α − 3 cos α {\displaystyle =4\cos ^{3}\alpha -3\cos \alpha }
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "初等数学公式集/初等関数の性質#三角関数も参照", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "xy平面上に半径1の円を考える。この円を単位円(たんいえん)という。単位円は方程式 x 2 + y 2 = 1 {\\displaystyle x^{2}+y^{2}=1} が表す図形である。", "title": "三角関数の定義" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "x軸の正の部分を反時計回りに角度θだけ回転させた半直線が単位円と交わる点の座標を(x,y)とするとき、次で定まる値を角度θの三角関数(さんかくかんすう)という。", "title": "三角関数の定義" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "それぞれsinを正弦関数(せいげんかんすう、sine サイン)、cosを余弦関数(よげんかんすう、cosine コサイン)、tanを正接関数(せいせつかんすう、tangent タンジェント)という。サインとコサインの定義域は実数全体だが、タンジェントの定義域は実数全体ではない。タンジェントの値が定義できないような角度が存在するからである。例えば tan π 2 {\\displaystyle \\tan {\\frac {\\pi }{2}}} は定義できない。", "title": "三角関数の定義" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "次に紹介する3つは、現代では使用が減っており、高校数学や大学受験では通常扱われないが、これらも三角関数である。", "title": "三角関数の定義" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "それぞれ余接関数(よせつかんすう、cotangent コタンジェント)、正割関数(せいかつかんすう、secant セカント)、余割関数(よかつかんすう、cosecant コセカント)という。この3つはどれも定義域が実数全体ではない。", "title": "三角関数の定義" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "サイン・コサイン・タンジェントとセカント・コセカント・コタンジェントの間には、定義から明らかに次の関係式が成り立つ。", "title": "三角関数の定義" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "サイン・コサイン・タンジェントに関する公式をもとにしてセカントなどに関する公式を導くことができるが、この項目ではセカントなどに関する公式は省略する。", "title": "三角関数の定義" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "以下に記す公式は、式のどこかに定義できない箇所があるときや、分母がゼロになるときには、使うことができない。証明においてもそのようなケースは暗黙のうちに除外していることを注意されたい。", "title": "三角関数の定義" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "nを整数とするとき、", "title": "三角関数の基本的性質" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "sin θ , cos θ {\\displaystyle \\sin \\theta ,\\cos \\theta } は波型(サインカーブ)のグラフを描く。", "title": "三角関数のグラフ" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "いずれの式も複号同順。", "title": "加法定理" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "加法定理から証明できる。", "title": "倍角公式" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "また、2乗が現れない次の公式もあるが、高校ではあまり扱われない。", "title": "半角公式" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "cos 2 α = 1 − 2 sin 2 α {\\displaystyle \\cos 2\\alpha =1-2\\sin ^{2}\\alpha } ∴ 2 sin 2 α = 1 − cos 2 α {\\displaystyle 2\\sin ^{2}\\alpha =1-\\cos 2\\alpha } ∴ sin 2 α = 1 2 ( 1 − cos 2 α ) {\\displaystyle \\sin ^{2}\\alpha ={\\frac {1}{2}}(1-\\cos 2\\alpha )}", "title": "半角公式" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "cos 2 α = 2 cos 2 α − 1 {\\displaystyle \\cos 2\\alpha =2\\cos ^{2}\\alpha -1} ∴ − 2 cos 2 α = − 1 − cos 2 α {\\displaystyle -2\\cos ^{2}\\alpha =-1-\\cos 2\\alpha } ∴ cos 2 α = 1 2 ( 1 + cos 2 α ) {\\displaystyle \\cos ^{2}\\alpha ={\\frac {1}{2}}(1+\\cos 2\\alpha )}", "title": "半角公式" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "この2つから", "title": "半角公式" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "がいえる。通常は以上の3つを示しておけばよい。", "title": "半角公式" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "残る式は、分母を払った形の式を考えれば示しやすい。 ( 1 + cos 2 α ) tan α = 2 cos 2 α ⋅ sin α cos α = 2 sin α cos α = sin 2 α {\\displaystyle (1+\\cos 2\\alpha )\\tan \\alpha =2\\cos ^{2}\\alpha \\cdot {\\frac {\\sin \\alpha }{\\cos \\alpha }}=2\\sin \\alpha \\cos \\alpha =\\sin 2\\alpha } ∴ tan α = sin 2 α 1 + cos 2 α {\\displaystyle \\tan \\alpha ={\\frac {\\sin 2\\alpha }{1+\\cos 2\\alpha }}} sin 2 α tan α = 2 sin α cos α ⋅ sin α cos α = 2 sin 2 α = 1 − cos 2 α {\\displaystyle \\sin 2\\alpha \\tan \\alpha =2\\sin \\alpha \\cos \\alpha \\cdot {\\frac {\\sin \\alpha }{\\cos \\alpha }}=2\\sin ^{2}\\alpha =1-\\cos 2\\alpha } ∴ tan α = 1 − cos 2 α sin 2 α {\\displaystyle \\tan \\alpha ={\\frac {1-\\cos 2\\alpha }{\\sin 2\\alpha }}}", "title": "半角公式" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "半角公式はしばしば次数を下げるために用いられる。たとえば、", "title": "半角公式" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "α + β = x , α − β = y {\\displaystyle \\alpha +\\beta =x,~\\alpha -\\beta =y} とおく。すると α = x + y 2 , β = x − y 2 {\\displaystyle \\alpha ={\\frac {x+y}{2}},~\\beta ={\\frac {x-y}{2}}} と表せる。", "title": "和積変換公式" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "sin の加法定理より", "title": "和積変換公式" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "sin α + sin β = sin ( x 2 + y 2 ) + sin ( x 2 − y 2 ) {\\displaystyle \\sin \\alpha +\\sin \\beta =\\sin \\left({\\frac {x}{2}}+{\\frac {y}{2}}\\right)+\\sin \\left({\\frac {x}{2}}-{\\frac {y}{2}}\\right)} = ( sin x 2 cos y 2 + cos x 2 sin y 2 ) + ( sin x 2 cos y 2 − cos x 2 sin y 2 ) {\\displaystyle =\\left(\\sin {\\frac {x}{2}}\\cos {\\frac {y}{2}}+\\cos {\\frac {x}{2}}\\sin {\\frac {y}{2}}\\right)+\\left(\\sin {\\frac {x}{2}}\\cos {\\frac {y}{2}}-\\cos {\\frac {x}{2}}\\sin {\\frac {y}{2}}\\right)} = 2 sin x 2 cos y 2 {\\displaystyle =2\\sin {\\frac {x}{2}}\\cos {\\frac {y}{2}}} = 2 sin α + β 2 cos α − β 2 {\\displaystyle =2\\sin {\\frac {\\alpha +\\beta }{2}}\\cos {\\frac {\\alpha -\\beta }{2}}}", "title": "和積変換公式" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "他の3つも同様の方法で示せる。", "title": "和積変換公式" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "積和変換公式は次数を下げるために用いられる。", "title": "積和変換公式" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "☆のついた公式は相互に書き換えができる。", "title": "積和変換公式" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "天下り的だが、右辺から左辺へと変形すれば容易に証明される。", "title": "積和変換公式" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "sin 3 α = sin ( α + 2 α ) {\\displaystyle \\sin 3\\alpha =\\sin(\\alpha +2\\alpha )} = sin α cos 2 α + cos α sin 2 α {\\displaystyle =\\sin \\alpha \\cos 2\\alpha +\\cos \\alpha \\sin 2\\alpha } = sin α ( 1 − 2 sin 2 α ) + cos α ( 2 sin α cos α ) {\\displaystyle =\\sin \\alpha (1-2\\sin ^{2}\\alpha )+\\cos \\alpha (2\\sin \\alpha \\cos \\alpha )} = sin α − 2 sin 3 α + 2 sin α cos 2 α {\\displaystyle =\\sin \\alpha -2\\sin ^{3}\\alpha +2\\sin \\alpha \\cos ^{2}\\alpha } = sin α − 2 sin 3 α + 2 sin α ( 1 − sin 2 α ) {\\displaystyle =\\sin \\alpha -2\\sin ^{3}\\alpha +2\\sin \\alpha (1-\\sin ^{2}\\alpha )} = 3 sin α − 4 sin 3 α {\\displaystyle =3\\sin \\alpha -4\\sin ^{3}\\alpha } cos 3 α = cos ( α + 2 α ) {\\displaystyle \\cos 3\\alpha =\\cos(\\alpha +2\\alpha )} = cos α cos 2 α − sin α sin 2 α {\\displaystyle =\\cos \\alpha \\cos 2\\alpha -\\sin \\alpha \\sin 2\\alpha } = cos α ( 2 cos 2 α − 1 ) − sin α ( 2 sin α cos α ) {\\displaystyle =\\cos \\alpha (2\\cos ^{2}\\alpha -1)-\\sin \\alpha (2\\sin \\alpha \\cos \\alpha )} = 2 cos 3 α − cos α − 2 sin 2 α cos α {\\displaystyle =2\\cos ^{3}\\alpha -\\cos \\alpha -2\\sin ^{2}\\alpha \\cos \\alpha } = 2 cos 3 α − cos α − 2 ( 1 − cos 2 α ) cos α {\\displaystyle =2\\cos ^{3}\\alpha -\\cos \\alpha -2(1-\\cos ^{2}\\alpha )\\cos \\alpha } = 4 cos 3 α − 3 cos α {\\displaystyle =4\\cos ^{3}\\alpha -3\\cos \\alpha }", "title": "三倍角の公式" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "", "title": "三倍角の公式" } ]
初等数学公式集/初等関数の性質#三角関数も参照
[[Image:Circle-trig6.svg|thumb|600px|right|円と三角関数の関係]] '''[[初等数学公式集/初等関数の性質#三角関数]]'''も参照 == 三角関数の定義 == [[File:Unit circle.svg|thumb|200px|単位円の図。この図では角度を変数 ''t'' としてある。<br>(記事の本文では角度はθだが、θで描かれた単位円の図が無いので、 ''t'' の図で代用した。記事の本文と照らし合わせる場合は ''t'' をθに置き換えて読むこと。)]] xy平面上に半径1の円を考える。この円を単位円(たんいえん)という。単位円は方程式 <math>x^2+y^2=1</math> が表す図形である。 x軸の正の部分を反時計回りに角度θだけ回転させた半直線が単位円と交わる点の座標を(x,y)とするとき、次で定まる値を角度θの三角関数(さんかくかんすう)という。 :<math>\sin \theta=y</math> :<math>\cos \theta=x</math> :<math>\tan \theta=\frac{y}{x}</math> それぞれsinを正弦関数(せいげんかんすう、sine サイン)、cosを余弦関数(よげんかんすう、cosine コサイン)、tanを正接関数(せいせつかんすう、tangent タンジェント)という。サインとコサインの定義域は実数全体だが、タンジェントの定義域は実数全体ではない。タンジェントの値が定義できないような角度が存在するからである。例えば <math>\tan \frac{\pi}{2}</math> は定義できない。 次に紹介する3つは、現代では使用が減っており、高校数学や大学受験では通常扱われないが、これらも三角関数である。 :<math>\cot \theta=\frac{x}{y}</math> :<math>\sec \theta=\frac{1}{x}</math> :<math>\csc \theta=\frac{1}{y}</math> それぞれ余接関数(よせつかんすう、cotangent コタンジェント)、正割関数(せいかつかんすう、secant セカント)、余割関数(よかつかんすう、cosecant コセカント)という。この3つはどれも定義域が実数全体ではない。 サイン・コサイン・タンジェントとセカント・コセカント・コタンジェントの間には、定義から明らかに次の関係式が成り立つ。 :<math>\cot \theta = \frac{1}{\tan\theta}</math> :<math>\sec \theta = \frac{1}{\cos\theta}</math> :<math>\csc \theta = \frac{1}{\sin\theta}</math> サイン・コサイン・タンジェントに関する公式をもとにしてセカントなどに関する公式を導くことができるが、この項目ではセカントなどに関する公式は省略する。 === 注意 === 以下に記す公式は、式のどこかに定義できない箇所があるときや、分母がゼロになるときには、使うことができない。証明においてもそのようなケースは暗黙のうちに除外していることを注意されたい。 :例えば <math>\alpha = \frac{\pi}{3} = 60{}^\circ,~ \beta = \frac{\pi}{6} = 30{}^\circ</math> のときに加法定理を用いて <math>\tan (\alpha + \beta)</math> を計算することはできない。 == 有名な三角関数の値 == :<math>\sin 0^\circ=0,~\cos 0^\circ=1,~\tan 0^\circ=0</math> :<math>\sin 30^\circ=\frac{1}{2},~\cos 30^\circ=\frac{\sqrt{3}}{2},~\tan 30^\circ=\frac{1}{\sqrt{3}}</math> :<math>\sin 45^\circ=\frac{\sqrt{2}}{2},~\cos 45^\circ=\frac{\sqrt{2}}{2},~\tan 45^\circ=1</math> :<math>\sin 60^\circ=\frac{\sqrt{3}}{2},~\cos 60^\circ=\frac{1}{2},~\tan 60^\circ=\sqrt{3}</math> :<math>\sin 90^\circ=1,~\cos 90^\circ=0</math> == 三角関数の基本的性質 == :<math>\sin (-\theta)=-\sin \theta,~\cos (-\theta)=\cos \theta,~\tan (-\theta)=-\tan \theta</math> :<math>\sin (\theta+90^\circ)=\cos \theta,~\cos (\theta+90^\circ)=-\sin \theta,~\tan (\theta+90^\circ)=-\cot \theta=-\frac{1}{\tan \theta}</math> :<math>\sin (90^\circ - \theta)=\cos \theta,~\cos (90^\circ - \theta)=\sin \theta,~\tan (90^\circ - \theta)=\cot \theta=\frac{1}{\tan \theta}</math> :<math>\sin (\theta+180^\circ)=-\sin \theta,~\cos (\theta+180^\circ)=-\cos \theta,~\tan (\theta+180^\circ)=\tan \theta</math> :<math>\sin (180^\circ - \theta)=\sin \theta,~\cos (180^\circ - \theta)=-\cos \theta,~\tan (180^\circ - \theta)=-\tan \theta</math> nを整数とするとき、 :<math>\sin (\theta+360^\circ\cdot n)=\sin \theta,~\cos (\theta+360^\circ\cdot n)=\cos \theta,~\tan (\theta+180^\circ\cdot n)=\tan \theta</math> == 三角関数のグラフ == [[ファイル:Sine_Cosine_Graph.png|thumb|right|500px|正弦波(赤色)と余弦波(青色)の関数グラフ]] <math>\sin \theta,\cos \theta</math> は波型(サインカーブ)のグラフを描く。 {{clear}} == 加法定理 == いずれの式も複号同順。 :<math>\sin (\alpha\pm\beta)=\sin \alpha \cos \beta \pm \cos \alpha \sin \beta</math> :<math>\cos (\alpha\pm\beta)=\cos \alpha \cos \beta \mp \sin \alpha \sin \beta</math> :<math>\tan (\alpha\pm\beta)=\frac{\tan \alpha \pm \tan \beta}{1 \mp \tan \alpha\ \tan \beta}</math> === 加法定理の使用例 === :<math>\sin 15^\circ=\sin (45^\circ-30^\circ)=\sin 45^\circ \cos 30^\circ - \cos 45^\circ \sin 30^\circ=\frac{\sqrt{2}}{2} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2}-\frac{\sqrt{2}}{2} \cdot \frac{1}{2}=\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}</math> :<math>\cos 15^\circ=\cos (45^\circ-30^\circ)=\cos 45^\circ \cos 30^\circ + \sin 45^\circ \sin 30^\circ=\frac{\sqrt{2}}{2} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{\sqrt{2}}{2} \cdot \frac{1}{2}=\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}</math> :<math>\sin 75^\circ=\sin (45^\circ+30^\circ)=\sin 45^\circ \cos 30^\circ + \cos 45^\circ \sin 30^\circ=\frac{\sqrt{2}}{2} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{\sqrt{2}}{2} \cdot \frac{1}{2}=\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}</math> :<math>\cos 75^\circ=\cos (45^\circ+30^\circ)=\cos 45^\circ \cos 30^\circ - \sin 45^\circ \sin 30^\circ=\frac{\sqrt{2}}{2} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2}-\frac{\sqrt{2}}{2} \cdot \frac{1}{2}=\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}</math> == 倍角公式 == :<math>\sin 2\alpha=2\sin \alpha \cos \alpha</math> :<math>\cos 2\alpha=\cos^2 \alpha - \sin^2 \alpha=2\cos^2 \alpha - 1=1 - 2\sin^2 \alpha</math> :<math>\tan 2\alpha=\frac{2\tan \alpha}{1-\tan^2 \alpha}</math> === 倍角公式の証明 === 加法定理から証明できる。 :<math>\sin 2\alpha=\sin (\alpha+\alpha)=\sin \alpha \cos \alpha + \cos \alpha \sin \alpha=2\sin \alpha \cos \alpha</math> :<math>\cos 2\alpha=\cos (\alpha+\alpha)=\cos \alpha \cos \alpha - \sin \alpha \sin \alpha=\cos^2 \alpha - \sin^2 \alpha</math> :<math>\tan 2\alpha=\tan (\alpha+\alpha)=\frac{\tan \alpha + \tan \alpha}{1-\tan \alpha\ \tan \alpha}=\frac{2\tan \alpha}{1-\tan^2 \alpha}</math> == 半角公式 == :<math>\sin^2 \alpha=\frac{1}{2}(1 - \cos 2\alpha)</math> :<math>\cos^2 \alpha=\frac{1}{2}(1 + \cos 2\alpha)</math> :<math>\tan^2 \alpha=\frac{1 - \cos 2\alpha}{1 + \cos 2\alpha}</math> また、2乗が現れない次の公式もあるが、高校ではあまり扱われない。 :<math>\tan \alpha=\frac{\sin 2\alpha}{1 + \cos 2\alpha}=\frac{1 - \cos 2\alpha}{\sin 2\alpha}</math> === 半角公式の証明 === <math>\cos 2\alpha=1 - 2\sin^2 \alpha</math><br /> ∴ <math>2\sin^2 \alpha=1 - \cos 2\alpha</math><br /> ∴ <math>\sin^2 \alpha=\frac{1}{2}(1 - \cos 2\alpha)</math> <math>\cos 2\alpha=2\cos^2 \alpha - 1</math><br /> ∴ <math>-2\cos^2 \alpha= -1 - \cos 2\alpha</math><br /> ∴ <math>\cos^2 \alpha=\frac{1}{2}(1 + \cos 2\alpha)</math> この2つから :<math>\tan^2 \alpha=\frac{\sin^2 \alpha}{\cos^2 \alpha}=\frac{\frac{1}{2}(1 - \cos 2\alpha)}{\frac{1}{2}(1 + \cos 2\alpha)}=\frac{1 - \cos 2\alpha}{1 + \cos 2\alpha}</math> がいえる。通常は以上の3つを示しておけばよい。 残る式は、分母を払った形の式を考えれば示しやすい。 <math>(1 + \cos 2\alpha) \tan \alpha = 2 \cos^2 \alpha \cdot \frac{\sin \alpha}{\cos \alpha} = 2 \sin \alpha \cos \alpha = \sin 2\alpha</math><br /> ∴ <math>\tan \alpha = \frac{\sin 2\alpha}{1 + \cos 2\alpha}</math><br /> <math>\sin 2\alpha \tan \alpha = 2 \sin \alpha \cos \alpha \cdot \frac{\sin \alpha}{\cos \alpha} = 2 \sin^2 \alpha = 1 - \cos 2\alpha</math><br /> ∴ <math>\tan \alpha = \frac{1 - \cos 2\alpha}{\sin 2\alpha}</math> === 半角公式の使用例 === 半角公式はしばしば次数を下げるために用いられる。たとえば、 :<math>\int \sin^2 x \,dx=\int \frac{1}{2}(1-\cos 2x)\,dx=\frac{1}{2}\left(x-\frac{\sin 2x}{2}\right)+C=\frac{1}{4}(2x-\sin 2x)+C</math> == 和積変換公式 == :<math>\sin \alpha + \sin \beta=2\sin \frac{\alpha+\beta}{2} \cos \frac{\alpha-\beta}{2}</math> :<math>\sin \alpha - \sin \beta=2\cos \frac{\alpha+\beta}{2} \sin \frac{\alpha-\beta}{2}</math> :<math>\cos \alpha + \cos \beta=2\cos \frac{\alpha+\beta}{2} \cos \frac{\alpha-\beta}{2}</math> :<math>\cos \alpha - \cos \beta=-2\sin \frac{\alpha+\beta}{2} \sin \frac{\alpha-\beta}{2}</math> === 和積変換公式の証明 === <math>\alpha+\beta=x,~ \alpha-\beta =y </math> とおく。すると <math>\alpha=\frac{x+y}{2},~ \beta=\frac{x-y}{2}</math> と表せる。 sin の加法定理より <math>\sin \alpha+\sin \beta=\sin \left( \frac{x}{2}+\frac{y}{2} \right) + \sin \left( \frac{x}{2}-\frac{y}{2} \right)</math><br /> <math>=\left( \sin \frac{x}{2} \cos\frac{y}{2} + \cos \frac{x}{2} \sin \frac{y}{2} \right) + \left( \sin \frac{x}{2} \cos\frac{y}{2} - \cos \frac{x}{2} \sin \frac{y}{2} \right)</math><br /> <math>= 2\sin \frac{x}{2} \cos\frac{y}{2}</math><br /> <math>= 2\sin \frac{\alpha+\beta}{2} \cos \frac{\alpha-\beta}{2}</math> 他の3つも同様の方法で示せる。 == 積和変換公式 == 積和変換公式は次数を下げるために用いられる。 ☆のついた公式は相互に書き換えができる。 :<math>\sin \alpha\ \sin \beta=-\frac{1}{2} \{\cos (\alpha+\beta) - \cos (\alpha-\beta)\}</math> :☆ <math>\sin \alpha\ \cos \beta=\frac{1}{2} \{\sin (\alpha+\beta) + \sin (\alpha-\beta)\}</math> :☆ <math>\cos \alpha\ \sin \beta=\frac{1}{2} \{\sin (\alpha+\beta) - \sin (\alpha-\beta)\}</math> :<math>\cos\alpha\ \cos\beta=\frac{1}{2} \{\cos (\alpha+\beta) + \cos (\alpha-\beta)\}</math> === 積和変換公式の証明 === 天下り的だが、右辺から左辺へと変形すれば容易に証明される。 == 三倍角の公式 == :<math>\sin 3\alpha=-4\sin^3 \alpha + 3\sin \alpha</math> :<math>\cos 3\alpha=4\cos^3 \alpha - 3\cos \alpha</math> === 三倍角の公式の証明 === <math>\sin 3\alpha=\sin(\alpha +2 \alpha)</math><br /> <math>=\sin \alpha \cos 2\alpha + \cos \alpha \sin 2\alpha</math><br /> <math>=\sin \alpha(1 - 2\sin^2 \alpha) + \cos \alpha (2\sin \alpha \cos \alpha)</math><br /> <math>=\sin \alpha - 2\sin^3 \alpha + 2\sin \alpha \cos^2 \alpha</math><br /> <math>=\sin \alpha - 2\sin^3 \alpha + 2\sin \alpha (1- \sin^2 \alpha)</math><br /> <math>=3\sin \alpha - 4\sin^3 \alpha</math><br /> <br /> <math>\cos 3\alpha=\cos(\alpha +2 \alpha)</math><br /> <math>=\cos \alpha \cos 2\alpha - \sin \alpha \sin 2\alpha</math><br /> <math>=\cos \alpha (2\cos^2 \alpha - 1) - \sin \alpha (2\sin \alpha \cos \alpha)</math><br /> <math>=2\cos^3 \alpha - \cos \alpha - 2\sin^2 \alpha \cos \alpha</math><br /> <math>=2\cos^3 \alpha - \cos \alpha - 2(1- \cos^2 \alpha) \cos \alpha</math><br /> <math>=4\cos^3 \alpha -3\cos \alpha</math> <!-- 以下不十分なのでコメントアウト。両辺にsin α (, cos α)があるままでは解けたとは言わないし、実際には三次方程式の一般解法が必要となり簡単にはならない。 == 三分の一倍角の公式 == :<math>\sin^3 \alpha=\frac{1}{4}(3\sin \alpha - \sin 3\alpha)</math> :<math>\cos^3 \alpha=\frac{1}{4}(3\cos \alpha + \cos 3\alpha)</math> === 三分の一倍角の公式の証明 === <math>\sin 3\alpha=-4\sin^3 \alpha + 3\sin \alpha</math><br /> ∴ <math>4\sin^3 \alpha=\sin 3\alpha - 3\sin \alpha</math><br /> ∴ <math>\sin^3 \alpha=\frac{1}{4}(3\sin \alpha - \sin 3\alpha)</math> <math>\cos 3\alpha=4\cos^3 \alpha - 3\cos \alpha</math><br /> ∴ <math>-4\cos^3 \alpha=-\cos 3\alpha - 3\cos \alpha</math><br /> ∴ <math>\cos^3 \alpha=\frac{1}{4}(3\cos \alpha + \cos 3\alpha)</math> --> [[Category:大学入試|すうかくさんかくかんすうこうしきしゆう]] [[カテゴリ:三角関数]] [[Category:数学公式集]]
2004-10-14T07:24:23Z
2024-03-15T21:00:55Z
[ "テンプレート:Clear" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%8F%97%E9%A8%93%E6%95%B0%E5%AD%A6_%E4%B8%89%E8%A7%92%E9%96%A2%E6%95%B0/%E5%85%AC%E5%BC%8F%E9%9B%86
849
ドイツ語/アルファベットと発音
ドイツ語では、 A a から Z z までの26字のほかにアー・ウムラウト (Ä ä), オー・ウムラウト (Ö ö), ウー・ウムラウト (Ü ü), エスツェット (ẞ ß) の4文字を用いる。 ウムラウトは変音記号を母音字の上につけたものである。タイプライターなどでは、それぞれの母音字に e を続けて書いたもの (Ä → Ae, ö → oe, ...) で代用してもよい。 エスツェット (ß) は名のとおりエス (s) とツェット (z) の合字である。エスツェットは語頭に立たず大文字を持たなかったが、2017年からは ẞ が正式な大文字に採用され、すべての文字を大文字表記する際などに用いられる。タイプライターなどでエスツェットがない場合は、エスを二つ並べた ss を書くことで代用する。またスイスではエスツェットを用いず ss と綴る。 かつては独特のドイツ文字(フラクトゥール)が使われたが、20世紀に入りラテン文字(英語などで使われるアルファベットと同一)が使われるようになった。しかし現代でも、古い書物の復刻などでは、ドイツ文字の使われる書籍がある。ドイツ文字では s (Lang-s、語頭・語中のs)と s (Schluss-s、語末のs)とを使い分けし、またエスツェットのほかにも合字(en:c:Fraktur#Ligatures参照)がある。 ドイツ語の発音はほぼ綴りどおりである。 母音字 a, e, i, o, u で短母音 /a/, /ɛ/, /ɪ/, /ɔ/, /ʊ/ または長母音 /aː/, /eː/, /iː/, /oː/, /uː/ を表す。ただし母音を重ねた(i のみ ie)場合や h を後置した場合は長母音、直後の子音を bb, tt などのように二つ重ねた場合は短母音となる。 a を除き、短母音より長母音の方が口の開きが狭く、緊張の強い音となる。 アクセントがあれば長音となる音が、アクセントがない場合に短音化することがある。その場合、母音字 a, e, i, o, u, ä, ö, ü (y) はそれぞれ /a/, /e/, /i/, /o/, /u/, /ɛ/, /ø/, /y/ と発音される(この現象のため、ドイツ語は強弱アクセントとともに部分的に長短アクセントを有する言語とされる)。 またそのような音が語末開音節にある場合は半長母音化する。ただし辞書などでは半長母音符号は表記されないことが多い。 二重母音は ai, äi, ei, au, äu, eu. ie は語によって /iː/ ではなく i + e と発音することがある。 二つ重ねた子音字 bb, dd, ff, ll, tt などは、直前の母音が短いことを表し、子音そのものは一つの子音字と同じである。 /p/, /t/, /k/ は、摩擦音 /s/, /ʃ/ などに後続するときを除いて有気音 /ph/, /th/, /kh/ になる。 b の音は日本語のバ行の子音 /b/。 ただし、音節末、または無声子音の前では無声だがハ行の頭子音 /h/ ではなく、半濁音化してパ行の頭子音 /p/ で読む。 語中の音節末で有声子音の前では、語により /b/ となる場合と、無声の /p/ になる場合がある。 c は本来のドイツ語では、単独では用いない。 ラテン語からの外来語では a, o, u の前で /k/ となる。e, i の前では /ʦ/ となリ、短縮語などでも /ʦ/ となることがある。その他の外来語の場合はもとの言語の発音が反映される。語によってドイツ語風に転訛することもある。例: Cicero ツィツェロ、CeBIT ツェービット、City スィティ、Cembalo チェンバロ、Ceylon ツァイロン ck は k と同じくカ行の子音 /k/ で、直前の母音が短いことを表す。 ch の発音は次の通り。 d の音は日本語のダ行の子音 /d/。 音節末、または無声子音の前では無声の /t/ になる。タ行の子音である。 語中の音節末で有声子音の前では、語により /d/ となる場合と、無声の /t/ になる場合がある。 dt は t や tt と同じくタ行の子音 /t/ で、かつ tt と同じく直前の母音が短いことを表す。 ds は /ʦ/ と発音する。 dsch は /dʒ/ と発音する。 f は英語と同じく唇歯音 /f/。 g の音 /g/ は日本語のガ行だが、鼻にかかった鼻濁音ではなく、喉でしっかり破裂させる。 音節末、または無声子音の前では無声の /k/ になる。 語中の音節末で有声子音の前では、語により /g/ となる場合と、無声の /k/ になる場合がある。 音節末、または無声子音の前で -ig の場合は /ɪç/ (イヒ)と発音する。 ただし一部例外もある。 -igg は /ɪk/と発音する。 ng は、語末やあいまい母音の e、後綴りの -ig、-ung などの前では /ŋ/ 、他の母音の前では /ŋɡ/ と発音する。子音の前では /ŋ/ と発音する場合と /ŋɡ/ と発音する場合がある。 h は単独では /h/ と発音する。 母音の後に来る h は発音しない(母音を長音化する)。 j は /j/ と発音する。ドイツ語ではヤ行の子音であり、英語のようにヂャ行の子音にならないことに注意。日本語の「ひ」の子音[Ç]が有声音化した音(厳密には[ʝ]と表記する)とも言われている。 k の音は日本語のカ行の子音 /k/。 ku は /kv/ と発音することがある。 l は英語とほぼ同じ /l/ と発音する。 m の音は日本語のマ行の子音 /m/。 n の音は日本語のナ行の子音 /n/。 ng の場合は、/ŋ/ と発音する。外来語では /ŋg/、複合語では /ng/ と発音することもある。 nk の場合は /ŋk/ と発音する。複合語では /nk/ と発音することもある。 p の音は日本語のパ行の子音 /p/。 pfは破擦音 /pf/ ([p͡f]) と発音する。 ph はギリシア起源の語で /f/ と発音する。 q は u とともに書かれ、 qu を /kv/ と発音する。 r は口蓋垂ふるえ音 [ʀ] で発音するのが標準とされるが、有声口蓋垂摩擦音 [ʁ] (いわゆるパリの R 音)あるいは歯茎ふるえ音 [r] (いわゆる「巻き舌」)で発音してもよく、地域差や個人差が見られる。以下、それらをまとめて /r/ と記す。 語末や子音の前の r は母音化し /ɐ/ となることがある(斜体で /r/ とも書かれる)。 二音節以上の語では語末の er が母音化する。 接頭辞 er-, ver-, zer- は /ɛɐ/, /fɛɐ/, /ʦɛɐ/ s は母音の前では /z/ と発音する。 それ以外のときは無声音の /s/ と発音する。 ただし語によっては母音の前でも /s/ と発音することがある。 sch は /ʃ/ と発音する。 語頭にある St は /ʃt/ と発音する。 語頭にある Sp は /ʃp/ と発音する。 su は外来語や固有名詞などで /sv/ と発音することがある。 ss はつねに無声音の /s/ と発音し、直前の母音が短いことを表す。ただし、エスツェット (ß) が使えないときは ss で代用することがある(タイプライターなど)。 ß (エスツェット)はつねに無声音の /s/ と発音し、直前の母音は長母音か二重母音である。ただし、旧正書法では短母音に続く場合もある (daß → dass /das/)。 t は単独では /t/ と発音する。タ行の子音である。 ts 、tz は /ʦ/ と発音する。 tsch は /ʧ/ と発音する。チャ行の子音である。 th はギリシア起源の語で /t/ と発音する。 ラテン語からの外来語では母音の前の ti を /ʦi/ と発音する。 ただし sti は /sti/ と発音する。 v は f と同様に /f/ と発音する。 ただし外来語や固有名詞では /v/ となることがある。 語末で /f/ 、母音が後続すると /v/ と発音する語もある。 w は母音や l、r の前では /v/ と発音する。 それ以外のときは無声音の /f/ と発音する。 固有名詞の -ow は /ɔf/ と発音する場合と /o/ と発音する場合がある。 xは /ks/ と発音する。外国語由来のものにのみ出現する。 zは /ʦ/ と発音する。英語のように /z/ とならないことに注意。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ドイツ語では、 A a から Z z までの26字のほかにアー・ウムラウト (Ä ä), オー・ウムラウト (Ö ö), ウー・ウムラウト (Ü ü), エスツェット (ẞ ß) の4文字を用いる。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ウムラウトは変音記号を母音字の上につけたものである。タイプライターなどでは、それぞれの母音字に e を続けて書いたもの (Ä → Ae, ö → oe, ...) で代用してもよい。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "エスツェット (ß) は名のとおりエス (s) とツェット (z) の合字である。エスツェットは語頭に立たず大文字を持たなかったが、2017年からは ẞ が正式な大文字に採用され、すべての文字を大文字表記する際などに用いられる。タイプライターなどでエスツェットがない場合は、エスを二つ並べた ss を書くことで代用する。またスイスではエスツェットを用いず ss と綴る。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "かつては独特のドイツ文字(フラクトゥール)が使われたが、20世紀に入りラテン文字(英語などで使われるアルファベットと同一)が使われるようになった。しかし現代でも、古い書物の復刻などでは、ドイツ文字の使われる書籍がある。ドイツ文字では s (Lang-s、語頭・語中のs)と s (Schluss-s、語末のs)とを使い分けし、またエスツェットのほかにも合字(en:c:Fraktur#Ligatures参照)がある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "ドイツ語の発音はほぼ綴りどおりである。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "母音字 a, e, i, o, u で短母音 /a/, /ɛ/, /ɪ/, /ɔ/, /ʊ/ または長母音 /aː/, /eː/, /iː/, /oː/, /uː/ を表す。ただし母音を重ねた(i のみ ie)場合や h を後置した場合は長母音、直後の子音を bb, tt などのように二つ重ねた場合は短母音となる。 a を除き、短母音より長母音の方が口の開きが狭く、緊張の強い音となる。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "アクセントがあれば長音となる音が、アクセントがない場合に短音化することがある。その場合、母音字 a, e, i, o, u, ä, ö, ü (y) はそれぞれ /a/, /e/, /i/, /o/, /u/, /ɛ/, /ø/, /y/ と発音される(この現象のため、ドイツ語は強弱アクセントとともに部分的に長短アクセントを有する言語とされる)。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "またそのような音が語末開音節にある場合は半長母音化する。ただし辞書などでは半長母音符号は表記されないことが多い。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "二重母音は ai, äi, ei, au, äu, eu.", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "ie は語によって /iː/ ではなく i + e と発音することがある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "二つ重ねた子音字 bb, dd, ff, ll, tt などは、直前の母音が短いことを表し、子音そのものは一つの子音字と同じである。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "/p/, /t/, /k/ は、摩擦音 /s/, /ʃ/ などに後続するときを除いて有気音 /ph/, /th/, /kh/ になる。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "b の音は日本語のバ行の子音 /b/。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "ただし、音節末、または無声子音の前では無声だがハ行の頭子音 /h/ ではなく、半濁音化してパ行の頭子音 /p/ で読む。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "語中の音節末で有声子音の前では、語により /b/ となる場合と、無声の /p/ になる場合がある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "c は本来のドイツ語では、単独では用いない。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "ラテン語からの外来語では a, o, u の前で /k/ となる。e, i の前では /ʦ/ となリ、短縮語などでも /ʦ/ となることがある。その他の外来語の場合はもとの言語の発音が反映される。語によってドイツ語風に転訛することもある。例: Cicero ツィツェロ、CeBIT ツェービット、City スィティ、Cembalo チェンバロ、Ceylon ツァイロン", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "ck は k と同じくカ行の子音 /k/ で、直前の母音が短いことを表す。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "ch の発音は次の通り。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "d の音は日本語のダ行の子音 /d/。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "音節末、または無声子音の前では無声の /t/ になる。タ行の子音である。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "語中の音節末で有声子音の前では、語により /d/ となる場合と、無声の /t/ になる場合がある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "dt は t や tt と同じくタ行の子音 /t/ で、かつ tt と同じく直前の母音が短いことを表す。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "ds は /ʦ/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "dsch は /dʒ/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "f は英語と同じく唇歯音 /f/。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "g の音 /g/ は日本語のガ行だが、鼻にかかった鼻濁音ではなく、喉でしっかり破裂させる。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "音節末、または無声子音の前では無声の /k/ になる。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "語中の音節末で有声子音の前では、語により /g/ となる場合と、無声の /k/ になる場合がある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "音節末、または無声子音の前で -ig の場合は /ɪç/ (イヒ)と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "ただし一部例外もある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "-igg は /ɪk/と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "ng は、語末やあいまい母音の e、後綴りの -ig、-ung などの前では /ŋ/ 、他の母音の前では /ŋɡ/ と発音する。子音の前では /ŋ/ と発音する場合と /ŋɡ/ と発音する場合がある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "h は単独では /h/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "母音の後に来る h は発音しない(母音を長音化する)。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "j は /j/ と発音する。ドイツ語ではヤ行の子音であり、英語のようにヂャ行の子音にならないことに注意。日本語の「ひ」の子音[Ç]が有声音化した音(厳密には[ʝ]と表記する)とも言われている。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "k の音は日本語のカ行の子音 /k/。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "ku は /kv/ と発音することがある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "l は英語とほぼ同じ /l/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "m の音は日本語のマ行の子音 /m/。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "n の音は日本語のナ行の子音 /n/。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "ng の場合は、/ŋ/ と発音する。外来語では /ŋg/、複合語では /ng/ と発音することもある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "nk の場合は /ŋk/ と発音する。複合語では /nk/ と発音することもある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "p の音は日本語のパ行の子音 /p/。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "pfは破擦音 /pf/ ([p͡f]) と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "ph はギリシア起源の語で /f/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "q は u とともに書かれ、 qu を /kv/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "r は口蓋垂ふるえ音 [ʀ] で発音するのが標準とされるが、有声口蓋垂摩擦音 [ʁ] (いわゆるパリの R 音)あるいは歯茎ふるえ音 [r] (いわゆる「巻き舌」)で発音してもよく、地域差や個人差が見られる。以下、それらをまとめて /r/ と記す。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "語末や子音の前の r は母音化し /ɐ/ となることがある(斜体で /r/ とも書かれる)。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "二音節以上の語では語末の er が母音化する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "接頭辞 er-, ver-, zer- は /ɛɐ/, /fɛɐ/, /ʦɛɐ/", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "s は母音の前では /z/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "それ以外のときは無声音の /s/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "ただし語によっては母音の前でも /s/ と発音することがある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "sch は /ʃ/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "語頭にある St は /ʃt/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "語頭にある Sp は /ʃp/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "su は外来語や固有名詞などで /sv/ と発音することがある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "ss はつねに無声音の /s/ と発音し、直前の母音が短いことを表す。ただし、エスツェット (ß) が使えないときは ss で代用することがある(タイプライターなど)。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "ß (エスツェット)はつねに無声音の /s/ と発音し、直前の母音は長母音か二重母音である。ただし、旧正書法では短母音に続く場合もある (daß → dass /das/)。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "t は単独では /t/ と発音する。タ行の子音である。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "ts 、tz は /ʦ/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "tsch は /ʧ/ と発音する。チャ行の子音である。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "th はギリシア起源の語で /t/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "ラテン語からの外来語では母音の前の ti を /ʦi/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "ただし sti は /sti/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "v は f と同様に /f/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "ただし外来語や固有名詞では /v/ となることがある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "語末で /f/ 、母音が後続すると /v/ と発音する語もある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "w は母音や l、r の前では /v/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "それ以外のときは無声音の /f/ と発音する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "固有名詞の -ow は /ɔf/ と発音する場合と /o/ と発音する場合がある。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "xは /ks/ と発音する。外国語由来のものにのみ出現する。", "title": "文字" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "zは /ʦ/ と発音する。英語のように /z/ とならないことに注意。", "title": "文字" } ]
null
== 文字 == ドイツ語では、 A a から Z z までの26字のほかにアー・ウムラウト (Ä ä), オー・ウムラウト (Ö ö), ウー・ウムラウト (Ü ü), エスツェット (ẞ ß) の4文字を用いる。 ウムラウトは変音記号を母音字の上につけたものである。タイプライターなどでは、それぞれの母音字に e を続けて書いたもの (Ä → Ae, ö → oe, ...) で代用してもよい。 エスツェット (ß) は名のとおりエス (s) とツェット (z) の合字である。エスツェットは語頭に立たず大文字を持たなかったが、2017年からは ẞ が正式な大文字に採用され、すべての文字を大文字表記する際などに用いられる。タイプライターなどでエスツェットがない場合は、エスを二つ並べた ss を書くことで代用する。またスイスではエスツェットを用いず ss と綴る。 かつては独特のドイツ文字(フラクトゥール)が使われたが、20世紀に入りラテン文字(英語などで使われるアルファベットと同一)が使われるようになった。しかし現代でも、古い書物の復刻などでは、ドイツ文字の使われる書籍がある。ドイツ文字では ſ (Lang-s、語頭・語中のs)と 𝔰 (Schluss-s、語末のs)とを使い分けし、またエスツェットのほかにも合字([[:en:c:Fraktur#Ligatures]]参照)がある。 === 母音 === ドイツ語の発音はほぼ綴りどおりである。 母音字 a, e, i, o, u で短母音 {{IPA|/a/, /ɛ/, /ɪ/, /ɔ/, /ʊ/}} または長母音 {{IPA|/aː/, /eː/, /iː/, /oː/, /uː/}} を表す。ただし母音を重ねた(i のみ ie)場合や h を後置した場合は長母音、直後の子音を bb, tt などのように二つ重ねた場合は短母音となる。 a を除き、短母音より長母音の方が口の開きが狭く、緊張の強い音となる。 *a の短音は {{IPA|/a/}}, 長音 (a, aa, ah) は {{IPA|/aː/}} *:日本語の「ア」「アー」とほぼ同じ音。 *e の短音は {{IPA|/ɛ/}}、長音 (e, ee, eh) は {{IPA|/eː/}} *:{{IPA|/ɛ/}} は日本語の「エ」と同じか、やや「広い音」(口を上下に広く開いて出す音)である。 *:狭い /e/ は英語やフランス語などのものより狭く、「イ」に近く聞こえる。 *:語尾などでは弱いあいまい母音 {{IPA|/ə/}} になる。 *i の短音は {{IPA|/ɪ/}}, 長音 (i, ie, ieh, ih) は {{IPA|/iː/}} *:日本語の「イ」「イー」と比べて {{IPA|/ɪ/}} はやや広い。 {{IPA|/iː/}} はやや狭く、唇の両端を強く外側に引く。 *o の短音は {{IPA|/ɔ/}}, 長音 (o, oo, oh) は {{IPA|/oː/}} *:日本語の「オ」「オー」と比べて {{IPA|/ɔ/}} はやや広い。 {{IPA|/oː/}} はやや狭く、かつ唇を丸める。 *u の短音は {{IPA|/ʊ/}}, 長音 (u, uh) は {{IPA|/uː/}} *:短音・長音とも、日本語の「ウ」「ウー」と比べて狭く、かつ唇を丸めて突き出す。長音の方がより狭く、強く突き出す。 *ウムラウト: **ä は短音の e と同じ {{IPA|/ɛ/}}。長音 (ä, äh) は e のようには狭めず、同じ音のまま長く {{IPA|/ɛː/}} 発音する。 **ö の短音は {{IPA|/œ/}}, 長音 (ö, öh) は {{IPA|/øː/}} **:それぞれ o の {{IPA|/ɔ/}}, {{IPA|/oː/}} と同じ唇の形のまま「<small>(広めの)</small>エ」「<small>(狭い)</small>エー」と言う。 **:o の発音で舌を前に持ってくるだけでもよい。 **ü の短音は {{IPA|/ʏ/}}, 長音 (ü, üh) は {{IPA|/yː/}} **:それぞれ u の {{IPA|/ʊ/}}, {{IPA|/uː/}} と同じ唇の形のままで「<small>(広めの)</small>イ」「<small>(狭い)</small>イー」と言う。「ユ」「ユー」のように聞こえる。 **:u の発音で舌を前に持ってくるだけでもよい。 *y は外来語にのみ使われる。ギリシア語・ラテン語からの外来語の場合は一般に ü と同様に発音する。 アクセントがあれば長音となる音が、アクセントがない場合に短音化することがある。その場合、母音字 a, e, i, o, u, ä, ö, ü (y) はそれぞれ {{IPA|/a/, /e/, /i/, /o/, /u/, /ɛ/, /ø/, /y/}} と発音される(この現象のため、ドイツ語は強弱アクセントとともに部分的に長短アクセントを有する言語とされる)。 :'''i'''t'''a'''l'''i'''enisch {{IPA|/'''i'''t'''a'''l'''i'''ˈeːnɪʃ/}} :Ch'''e'''mie {{IPA|/ç'''e'''ˈmiː/}} :Anth'''o'''l'''o'''gie {{IPA|/ant'''o'''l'''o'''ˈgiː/}}) :Ps'''y'''ch'''o'''l'''o'''gie {{IPA|/ps'''y'''ç'''o'''l'''o'''ˈgiː/}}) またそのような音が語末開音節にある場合は半長母音化する。ただし辞書などでは半長母音符号は表記されないことが多い。 :Terti'''a''' {{IPA|/ˈtɛɐʦi'''aˑ'''/}} :Cicer'''o''' {{IPA|/ˈʦiʦer'''oˑ'''/}} 二重母音は ai, äi, ei, au, äu, eu. *ai ,äi, ei - {{IPA|/aɪ/}} (アイ) *:「ア」に「<small>(広めの)</small>イ」を軽く添える。「ア」の影響で舌が「イ」の位置まで上がりきらず「アエ」に近く聞こえる({{IPA|[aɪ]}} ないし {{IPA|[ae]}})。 *au - {{IPA|/aʊ/}} (アオ) *:「ア」に「<small>(丸口の)</small>ウ」を軽く添える。「ア」の影響で舌が「ウ」の位置まで上がりきらず「アオ」と聞こえる({{IPA|[aʊ]}} ないし {{IPA|[ao]}})。 *äu, eu - {{IPA|/ɔʏ/}} (オイ) *:「オ」に「イ」を軽く添える。「オ」の影響で「イ」に唇の丸みが残って自然にウムラウト音となり「オユ」に近く聞こえる({{IPA|[ɔʏ]}} ないし {{IPA|[ɔø]}})。 ie は語によって {{IPA|/iː/}} ではなく i + e と発音することがある。 :Ingrediens {{IPA|/ɪŋˈgreːdiɛns/}} :Italien {{IPA|/iˈtaːliən/}} :italienisch {{IPA|/italiˈeːnɪʃ/}} :Anthologien {{IPA|/antoloˈgiːən/}} (''cf.'' Anthologie {{IPA|/antoloˈgiː/}}) === 子音 === 二つ重ねた子音字 bb, dd, ff, ll, tt などは、直前の母音が短いことを表し、子音そのものは一つの子音字と同じである。 {{IPA|/p/, /t/, /k/}} は、摩擦音 {{IPA|/s/, /ʃ/}} などに後続するときを除いて有気音 {{IPA|/pʰ/, /tʰ/, /kʰ/}} になる。 ==== b ==== b の音は日本語のバ行の子音 /b/。 :Baden :Bruder :bitte ただし、音節末、または無声子音の前では無声だがハ行の頭子音 /h/ ではなく、'''半濁音化して'''パ行の頭子音 /p/ で読む。 :Lob :Leib 語中の音節末で有声子音の前では、語により /b/ となる場合と、無声の /p/ になる場合がある。 :Gabler {{IPA|/ˈgaːblɐ/}} :farblos {{IPA|/ˈfaɐploːs/}} ==== c ==== c は本来のドイツ語では、単独では用いない。 ラテン語からの外来語では a, o, u の前で /k/ となる。e, i の前では /ʦ/ となリ、短縮語などでも /ʦ/ となることがある。その他の外来語の場合はもとの言語の発音が反映される。語によってドイツ語風に転訛することもある。例: Cicero '''ツィ'''ツェロ、CeBIT '''ツェー'''ビット、City '''スィ'''ティ、Cembalo '''チェン'''バロ、Ceylon '''ツァイ'''ロン ck は k と同じくカ行の子音 /k/ で、直前の母音が短いことを表す。 ch の発音は次の通り。 * sch はシャ行の子音、 tsch はチャ行の子音。例: waschen '''ヴァ'''シェン, Deutsche '''ド'''イチェ *chsはクス。例: wachsen '''ヴァ'''クセン **ただし、語尾変化などで生じた ch+s はこの限りでない。例: sprichst シュプ'''リ'''ヒスト * ch の直前が a, o, u, au のいずれかならば、喉で摩擦する子音 {{IPA|x}} 「ホ」(前後の母音によりハ、フ、ヘとも聞こえる)。例: Bach '''バ'''ッハ, Tochter '''ト'''フタル, Kuchen '''ク'''ーヘン, auch '''ア'''オホ ** eu, äu はこれに該当せず、次項「ヒ」となる。例: euch '''オ'''イヒ, räuchen '''ロ'''イヒェン * 上記以外は原則として、舌の上で摩擦する子音 {{IPA|ç}} 「ヒ」 。例: Märchen '''メ'''ールヒェン, Töchter '''テ'''ヒター, Küche '''キュ'''ッヒェ, Psychologie プスュヒョロ'''ギ'''ー, Chemie '''ヒェ'''ミー, milchig '''ミ'''ルヒヒ * 外来語には英語(チャ行)、フランス語(シャ行)、ギリシャ語(カ行)等の発音を残しているものも少なくない。例: checken '''チェ'''ッケン, Chef '''シェ'''フ, Charakter '''カ'''ラクター ==== d ==== d の音は日本語のダ行の子音 /d/。 :Dach :dauern {{IPA|/ˈdaʊɐn/}} 音節末、または無声子音の前では無声の /t/ になる。タ行の子音である。 :Rad {{IPA|/raːt/}} :Pfand {{IPA|/pfant/}} :Zweitausendeins {{IPA|/ˈʦvaɪˈtazəntˈʔaɪns/}} 語中の音節末で有声子音の前では、語により /d/ となる場合と、無声の /t/ になる場合がある。 :niedrig {{IPA|/ˈniːdrɪç/}} :Ländler {{IPA|/ˈlɛntlɐ/}} dt は t や tt と同じくタ行の子音 /t/ で、かつ tt と同じく直前の母音が短いことを表す。 :Stadt {{IPA|/ʃtat/}}(ただしStädten {{IPA|/ˈʃtɛːtən/}}) ds は {{IPA|/ʦ/}} と発音する。 :abends {{IPA|/ˈaːbɛnʦ/}} dsch は {{IPA|/dʒ/}} と発音する。 :Dschungel {{IPA|/ˈdʒʊŋəl/}} ==== f ==== f は英語と同じく[[w:唇歯音|唇歯音]] /f/。 :fahren :Freund ==== g ==== g の音 /g/ は日本語のガ行だが、鼻にかかった鼻濁音ではなく、喉でしっかり破裂させる。 :gehen :Gegner 音節末、または無声子音の前では無声の /k/ になる。 :Tag 語中の音節末で有声子音の前では、語により /g/ となる場合と、無声の /k/ になる場合がある。 :Regler {{IPA|/ˈreːglɐ/}} :möglich {{IPA|/ˈmøːklɪç/}} 音節末、または無声子音の前で -ig の場合は {{IPA|/ɪç/}} (イヒ)と発音する。 :König {{IPA|/ˈkøːnɪç/}} :Honig {{IPA|/ˈhoːnɪç/}} ただし一部例外もある。 :königlich {{IPA|/ˈkøːnɪklɪç/}} -igg は {{IPA|/ɪk/}}と発音する。 :Schanfigg {{IPA|/ʃanˈfɪk/}} :Schuschnigg {{IPA|/ˈʃʊʃnɪk/}} ng は、語末やあいまい母音の e、後綴りの -ig、-ung などの前では {{IPA|/ŋ/}} 、他の母音の前では {{IPA|/ŋɡ/}} と発音する。子音の前では {{IPA|/ŋ/}} と発音する場合と {{IPA|/ŋɡ/}} と発音する場合がある。 :lang {{IPA|/ˈlaŋ/}} :Singer {{IPA|/ˈzɪŋɐ/}} :Evangelist {{IPA|/evaŋgeˈlist/}} :Pinguin {{IPA|/ˈpɪŋguiːn/}} :England {{IPA|/ˈɛŋlant/}} :Anglomanie {{IPA|/aŋglomaˈniː/}} ==== h ==== h は単独では /h/ と発音する。 :Holz :Haus 母音の後に来る h は発音しない(母音を長音化する)。 :mehr :sehr ==== j ==== j は /j/ と発音する。ドイツ語ではヤ行の子音であり、英語のようにヂャ行の子音にならないことに注意。日本語の「ひ」の子音[Ç]が有声音化した音(厳密には[ʝ]と表記する)とも言われている。 :Jacke :Jahr ==== k ==== k の音は日本語のカ行の子音 /k/。 :Kenntnis :Kind ku は /kv/ と発音することがある。 :Biskuit {{IPA|/bɪsˈkviːt/}} ==== l ==== l は英語とほぼ同じ /l/ と発音する。 :Lachen :Leiden ==== m ==== m の音は日本語のマ行の子音 /m/。 :Monat {{IPA|/ˈmoːnat/}} :Mehrheit {{IPA|/ˈmeː''r''haɪt/}} ==== n ==== n の音は日本語のナ行の子音 /n/。 :Nacht {{IPA|/ˈnaxt/}} :Neutral {{IPA|/nɔʏˈtraːl/}} ng の場合は、{{IPA|/ŋ/}} と発音する。外来語では {{IPA|/ŋg/}}、複合語では {{IPA|/ng/}} と発音することもある。 :singen {{IPA|/ˈzɪŋən/}} :Evangelium {{IPA|/evaŋˈɡeːli̯ʊm/}} :Eingabe {{IPA|/ˈaɪngaːbə/}} nk の場合は {{IPA|/ŋk/}} と発音する。複合語では {{IPA|/nk/}} と発音することもある。 :sinken {{IPA|/ˈzɪŋkən/}} ==== p ==== p の音は日本語のパ行の子音 /p/。 :Paar :Polen {{IPA|/ˈpoːlən/}} pfは破擦音 /pf/ ({{IPA|[p&#865;f]}}) と発音する。 ph はギリシア起源の語で /f/ と発音する。 ==== q ==== q は u とともに書かれ、 qu を /kv/ と発音する。 :Qualität {{IPA|/kvaliˈtɛːt/}} (クヴァリテート) :[[:wikt:Quelle|Quelle]] {{IPA|/ˈkvɛlə/}} (クヴェレ) ==== r ==== r は[[w:口蓋垂ふるえ音|口蓋垂ふるえ音]] {{IPA|[ʀ]}} で発音するのが標準とされるが、[[w:有声口蓋垂摩擦音|有声口蓋垂摩擦音]] {{IPA|[ʁ]}} (いわゆるパリの R 音)あるいは[[w:歯茎ふるえ音|歯茎ふるえ音]] {{IPA|[r]}} (いわゆる「巻き舌」)で発音してもよく、地域差や個人差が見られる。以下、それらをまとめて {{IPA|/r/}} と記す。 :Rat {{IPA|/raːt/}} :Rechnung {{IPA|/ˈrɛçnʊŋ/}} 語末や子音の前の r は母音化し {{IPA|/ɐ/}} となることがある(斜体で {{IPA|/''r''/}} とも書かれる)。 :er {{IPA|/ɛɐ/}}, der {{IPA|/dɛɐ/}}, her {{IPA|/hɛɐ/}} 二音節以上の語では語末の er が母音化する。 :Mutter {{IPA|/ˈmʊtɐ/}} 接頭辞 er-, ver-, zer- は {{IPA|/ɛɐ/, /fɛɐ/, /ʦɛɐ/}} :erinnern {{IPA|/ɛɐ ˈɪnɐn/}} ==== s ==== s は母音の前では {{IPA|/z/}} と発音する。 :Salz {{IPA|/zalʦ/}} :Sohn {{IPA|/zoːn/}} :Hose {{IPA|/hoːzə/}} :absolut {{IPA|/apzoˈluːt/}} それ以外のときは無声音の {{IPA|/s/}} と発音する。 :Sklave {{IPA|/ˈsklaːfə/}}、{{IPA|/ˈsklaːvə/}} :Szene {{IPA|/ˈsʦeːnə/}} :Was {{IPA|/vas/}} :hast {{IPA|/hast/}} ただし語によっては母音の前でも {{IPA|/s/}} と発音することがある。 :Erbse {{IPA|/ˈɛɐpsə/}} :Ypsilon {{IPA|/ˈʏpsilɔn/}} :Psychologie {{IPA|/psyçoloˈgiː/}} :wachsen {{IPA|/ˈvaksən/}} sch は {{IPA|/ʃ/}} と発音する。 :Schwein {{IPA|/ʃvaɪn/}} :[[:wikt:schön|schön]] {{IPA|/ʃøːn/}} 語頭にある St は {{IPA|/ʃt/}} と発音する。 :Straße {{IPA|/ʃtraːsə/}} :[[:wikt:Stadt|Stadt]] {{IPA|/ʃtat/}} 語頭にある Sp は {{IPA|/ʃp/}} と発音する。 :Sprechen {{IPA|[ʃpʁɛçn̩]}} :Spur {{IPA|[ʃpu(ː)ɐ̯]}} su は外来語や固有名詞などで {{IPA|/sv/}} と発音することがある。 :Suite {{IPA|/ˈsviːtə/}} ss はつねに無声音の {{IPA|/s/}} と発音し、直前の母音が短いことを表す。ただし、エスツェット (ß) が使えないときは ss で代用することがある(タイプライターなど)。 :essen {{IPA|/[ˈɛsn̩/}} :Passion {{IPA|/paˈsjoːn/}} ß <small>(エスツェット)</small>はつねに無声音の {{IPA|/s/}} と発音し、直前の母音は長母音か二重母音である。ただし、旧正書法では短母音に続く場合もある (daß → dass {{IPA|/das/}})。 :[[:wikt:Fuß|Fuß]] {{IPA|/fuːs/}} :Süßigkeit {{IPA|/ˈzyːsɪçkaɪt/}} ==== t ==== t は単独では {{IPA|/t/}} と発音する。タ行の子音である。 :Tag :teuer ts 、tz は {{IPA|/ʦ/}} と発音する。 :bereits :Satz tsch は {{IPA|/ʧ/}} と発音する。チャ行の子音である。 :Deutsch :Tschüss th はギリシア起源の語で /t/ と発音する。 ラテン語からの外来語では母音の前の ti を {{IPA|/ʦi/}} と発音する。 :Nation {{IPA|/naʦiˈoːn/}} :national {{IPA|/naʦioˈnaːl/}} :Tertia {{IPA|/ˈtɛɐʦia/}} :Aktie {{IPA|/ˈakʦiə/}} ただし sti は {{IPA|/sti/}} と発音する。 :Digestion {{IPA|/digɛstiˈoːn/}} :Sebastian {{IPA|/zeˈbastian/}} :Bestie {{IPA|/ˈbɛsti̯ə/}} ==== v ==== v は f と同様に /f/ と発音する。 :Vater '''ファー'''タ :verstehen フェアシュ'''テー'''エン ただし外来語や固有名詞では /v/ となることがある。 :Violine ヴィオ'''リー'''ネ :Leverkusen '''レー'''ヴァクーゼン 語末で {{IPA|/f/}} 、母音が後続すると /v/ と発音する語もある。 :Relativ {{IPA|/relaˈtiːf/}} :Relativum {{IPA|/relaˈtiːvʊm/}} ==== w ==== w は母音や l、r の前では /v/ と発音する。 :Wasser '''ヴァ'''サ :Wesen '''ヴェー'''ゼン :Wla­di­mir ヴラ'''ディー'''ミア、'''ヴラー'''ディミア それ以外のときは無声音の {{IPA|/f/}} と発音する。 :Löwchen {{IPA|/ˈløːfçən/}} 固有名詞の -ow は {{IPA|/ɔf/}} と発音する場合と {{IPA|/o/}} と発音する場合がある。 :Tschechow {{IPA|/ˈtʃɛxɔf/}} :Bülow {{IPA|/ˈbyːlo/}} ==== x ==== xは /ks/ と発音する。外国語由来のものにのみ出現する。 :Komplexion {{IPA|/kɔmplɛˈksjoːn/}} ==== z ==== zは {{IPA|/ʦ/}} と発音する。英語のように /z/ とならないことに注意。 :Zucker '''ツ'''ッカ :Zeichen '''ツァ'''イヒェン [[Category:ドイツ語|あるふあへつととはつおん]] [[Category:ドイツ語 初級|あるふあへつととはつおん]]
2004-10-14T09:50:22Z
2023-11-06T16:10:45Z
[ "テンプレート:IPA" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%A8%E7%99%BA%E9%9F%B3
850
C言語
情報技術 > プログラミング > C言語 C言語は、1970年代初めに、アメリカのベル研究所のデニス・リッチーらにより、初期のUNIXオペレーティングシステム上で動作するアプリケーションの作成のために考案されたプログラミング言語です 。後に、C言語は、UNIX自体を記述するために使われるようになった。 UNIX自体の成功と、比較的シンプルな構造により、C言語は最も人気のあるプログラミング言語の一つとなりました。 現在、多くの実用プログラミングでは他の後続の言語(Java, C++, C#)に取って代わられつつあるが、業務用開発、組み込み系、ゲームプログラミングなどで依然として使われている。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "情報技術 > プログラミング > C言語", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "C言語は、1970年代初めに、アメリカのベル研究所のデニス・リッチーらにより、初期のUNIXオペレーティングシステム上で動作するアプリケーションの作成のために考案されたプログラミング言語です 。後に、C言語は、UNIX自体を記述するために使われるようになった。", "title": "C言語の経緯" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "UNIX自体の成功と、比較的シンプルな構造により、C言語は最も人気のあるプログラミング言語の一つとなりました。", "title": "C言語の経緯" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "現在、多くの実用プログラミングでは他の後続の言語(Java, C++, C#)に取って代わられつつあるが、業務用開発、組み込み系、ゲームプログラミングなどで依然として使われている。", "title": "C言語の経緯" } ]
情報技術 > プログラミング > C言語
{{Wikipedia|C言語|C言語}} {{wikiversity|Topic:PG学習法C言語初級|C言語初級}} <small>[[情報技術]] > [[プログラミング]] > C言語</small> ---- == 目次 == {{進捗状況}} === 入門的な内容 === * [[C言語/開発環境]] *:[[C言語/開発環境#開発手順|開発手順]]、[[C言語/開発環境#開発環境を整える|開発環境を整える]]、 * [[C言語/基本的なプログラム]] {{進捗|100%|2013-09-25}} *:[[C言語/基本的なプログラム#Hello, World!を実行する|Hello, World!を実行する]] * [[C言語/基礎知識|基礎知識]] {{進捗|100%|2013-10-09}} *:[[C言語/基礎知識#記法|記法]]、[[C言語/基礎知識#main関数|main関数]]、[[C言語/基礎知識#データ型と変数|データ型と変数]]、[[C言語/基礎知識#定数|定数]]、[[C言語/基礎知識#算術演算子と代入演算子|算術演算子と代入演算子]]、[[C言語/基礎知識#標準ライブラリ|標準ライブラリ]] * [[C言語/制御文|制御文]] {{進捗|100%|2013-07-01}} *:[[C言語/制御文#論理型|論理型]]、[[C言語/制御文#演算子|演算子]]、[[C言語/制御文#選択文|選択文]]、[[C言語/制御文#繰り返し文|繰り返し文]]、[[C言語/制御文#分岐文|分岐文]] * [[C言語/記法|記法]] {{進捗|100%|2013-07-01}} *:[[C言語/記法#文字集合|文字集合]]、[[C言語/記法#字句|字句]]、[[C言語/記法#キーワード|キーワード]]、[[C言語/記法#文|文]] *:[[C言語/データ型と変数#データ型と変数の基本|データ型と変数の基本]]、[[C言語/データ型と変数#ローカル変数とグローバル変数|ローカル変数とグローバル変数]]、[[C言語/データ型と変数#記憶域クラス指定子|記憶域クラス指定子]]、[[C言語/データ型と変数#型指定子|型指定子]]、[[C言語/データ型と変数#型修飾子|型修飾子]] * [[C言語/配列|配列]] {{進捗|50%|2017-03-21}} *:[[C言語/配列#配列の基本|配列の基本]]、[[C言語/配列#1次元の配列|1次元の配列]]、[[C言語/配列#多次元の配列|多次元の配列]]、[[C言語/配列#配列全体のコピー|配列全体のコピー]] * [[C言語/文字と文字列|文字と文字列]] {{進捗|50%|2017-03-21}} *:[[C言語/文字と文字列#文字と文字列の基本|文字と文字列の基本]]、[[C言語/文字と文字列#マルチバイト文字セット|マルチバイト文字セット]]、[[C言語/文字と文字列#Unicode文字セット|Unicode文字セット]] * [[C言語/演算子と式|演算子と式]]{{進捗|100%|2013-09-29}} *:[[C言語/演算子と式#演算子と式の基本|演算子と式の基本]]、[[C言語/演算子と式#算術演算子と代入演算子|算術演算子と代入演算子]]、[[C言語/演算子と式#比較演算子|比較演算子]]、[[C言語/演算子と式#論理演算子|論理演算子]]、[[C言語/演算子と式#増分及び減分演算子|増分及び減分演算子]]、[[C言語/演算子と式#その他の演算子|その他の演算子]] * [[C言語/関数|関数]] {{進捗|100%|2013-07-01}} *:[[C言語/関数#関数の基本|関数の基本]]、[[C言語/関数#引数と返却値|引数と返却値]]、[[C言語/関数#実行環境|実行環境]]、[[C言語/関数#関数の応用|関数の応用]] * [[C言語/構造体|構造体]] {{進捗|100%|2013-06-24}} *:[[C言語/構造体#ビットフィールド|ビットフィールド]] * [[C言語/共用体|共用体]] * [[C言語/ポインタ|ポインタ]] {{進捗|50%|2017-03-21}} *:[[C言語/ポインタ#ポインタの基本|ポインタの基本]]、[[C言語/ポインタ#ポインタの応用|ポインタの応用]]、[[C言語/ポインタ#ポインタの使用例|ポインタの使用例]] * [[C言語/配列とポインタ|配列とポインタ]] {{進捗|50%|2017-03-21}} *:[[C言語/配列とポインタ#配列とポインタの基本|配列とポインタの基本]]、[[C言語/配列とポインタ#1次元配列を指すポインタ|1次元配列を指すポインタ]]、[[C言語/配列とポインタ#多次元配列を指すポインタ|多次元配列を指すポインタ]] * [[C言語/ファイル入出力|ファイル入出力]] {{進捗|25%|2019-09-04}} === 割と高度な内容 === * [[C言語/前処理指令|前処理指令]] {{進捗|100%|2013-06-30}} {{Hlist|class="hlist hlist-comma" | [[C言語/前処理指令#前処理指令の基本|前処理指令の基本]] | [[C言語/前処理指令#条件付き取り込み|条件付き取り込み]] | [[C言語/前処理指令#ソースファイル取り込み|ソースファイル取り込み]] | [[C言語/前処理指令#マクロ置き換え|マクロ置き換え]] | [[C言語/前処理指令#行制御|行制御]] | [[C言語/前処理指令#エラー指令|エラー指令]] | [[C言語/前処理指令#プラグマ指令|プラグマ指令]] | [[C言語/前処理指令#空指令|空指令]] | [[C言語/前処理指令#事前定義済みマクロ定数|事前定義済みマクロ定数]] | [[C言語/前処理指令#プラグマ演算子|プラグマ演算子]] }} * [[C言語/データ型と変数の高度な話題]] (typedef,enum, const など) * [[C言語/中級者向けの話題|中級者向けの話題]] (プログラム仮引数, inline, 再帰 など) * [[C言語/標準ライブラリ|標準ライブラリ]] {{進捗|00%|2013-07-21}}{{Hlist|class="hlist hlist-comma" | [[C言語/標準ライブラリ/assert.h|診断機能<assert.h>]] | [[C言語/標準ライブラリ/complex.h|複素数計算<complex.h>]]<sup>'''C99'''</sup> | [[C言語/標準ライブラリ/ctype.h|文字操作<ctype.h>]]{{進捗|100%|2013-10-18}} | [[C言語/標準ライブラリ/errno.h|エラー<errno.h>]] | [[C言語/標準ライブラリ/fenv.h|浮動小数点環境<fenv.h>]]<sup>'''C99'''</sup> | [[C言語/標準ライブラリ/float.h|浮動小数点型の特性<float.h>]] | [[C言語/標準ライブラリ/inttypes.h|整数型の書式変換<inttypes.h>]]<sup>'''C99'''</sup> | [[C言語/標準ライブラリ/iso646.h|代替つづり<iso646.h>]]<sup>'''C95'''</sup> | [[C言語/標準ライブラリ/limits.h|整数型の特性<limits.h>]]<ref><limits.h>は、C99では"Sizes of integer types"、JISCでは、"整数型の大きさ" でしたが、C23では"Characteristics of integer types"となったので、<float.h>の/Characteristics of floating types/浮動小数点型の特性/ にならって "整数の特性" の訳をあてました。</ref> | [[C言語/標準ライブラリ/locale.h|文化圏固有操作<locale.h>]] | [[C言語/標準ライブラリ/math.h|数学<math.h>]]{{進捗|00%|2013-06-29}} | [[C言語/標準ライブラリ/setjmp.h|非局所分岐<setjmp.h>]] | [[C言語/標準ライブラリ/signal.h|シグナル操作<signal.h>]] | [[C言語/標準ライブラリ/stdalign.h|アライメント<stdalign.h>]]<sup>'''C11'''</sup><ref name="jtc1-sc22-wg14-n1570-7.15">{{cite book | url = http://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/docs/n1570.pdf | title = N1570 Committee Draft — April 12, 2011 ISO/IEC 9899:201x | page=268, §7.15 ''Alignment <stdalign.h>'' | publisher = ISO/IEC}}</ref> | [[C言語/標準ライブラリ/stdarg.h|可変個数の実引数<stdarg.h>]] | [[C言語/標準ライブラリ/stdatomic.h|アトミック<stdatomic.h>]]<sup>'''C11'''</sup><ref name="jtc1-sc22-wg14-n1570-7.17">{{cite book | url = http://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/docs/n1570.pdf | title = N1570 Committee Draft — April 12, 2011 ISO/IEC 9899:201x | page=273, §7.17 ''Atmics <stdatomic.h>'' | publisher = ISO/IEC}}</ref> | [[C言語/標準ライブラリ/stdbool.h|論理型及び論理値<stdbool.h>]]<sup>'''C99'''</sup> | [[C言語/標準ライブラリ/stdbit.h|ビット・バイトユーティリティー<stdbit.h>]]<sup>'''C23'''<ref name="jtc1-sc22-wg14-n3054-7.20">{{cite book | url=https://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/docs/n3054.pdf | title = N3054 working draft — September 3, 2022 ISO/IEC 9899:2023 (E) | page = 314,§ 7.20 ''Checked Integer Arithmetic'' | publisher = ISO/IEC | date = 2022-09-03 }}</ref></sup> | [[C言語/標準ライブラリ/stddef.h|共通の定義<stddef.h>]] | [[C言語/標準ライブラリ/stdckdint.h|チェック付き整数演算<stdckdint.h>]]<sup>'''C23'''<ref name="jtc1-sc22-wg14-n3054-7.18">{{cite book | url=https://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/docs/n3054.pdf | title = N3054 working draft — September 3, 2022 ISO/IEC 9899:2023 (E) | page = 305,§ 7.18 ''Bit and byte utilities'' | publisher = ISO/IEC | date = 2022-09-03 }}</ref></sup> | [[C言語/標準ライブラリ/stdint.h|整数型<stdint.h>]]<sup>'''C99'''</sup> | [[C言語/標準ライブラリ/stdio.h|入出力<stdio.h>]]{{進捗|100%|2014-02-20}} | [[C言語/標準ライブラリ/stdlib.h|一般ユーティリティ<stdlib.h>]]{{進捗|100%|2014-04-24}} | [[C言語/標準ライブラリ/stdnoreturn.h|_Noreturn<stdnoreturn.h>]]<sup>'''C11'''</sup><ref name="jtc1-sc22-wg14-n1570-7.23">{{cite book | url = http://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/docs/n1570.pdf | title = N1570 Committee Draft — April 12, 2011 ISO/IEC 9899:201x | page=361, §7.23 ''_Noreturn <stdnoreturn.h>''<!-- 章タイトル『_Noreturn』はキーワードなので、項目名も [[C言語/標準ライブラリ/_Noreturn]] としました。 --> | publisher = ISO/IEC}}</ref> | [[C言語/標準ライブラリ/string.h|文字列操作<string.h>]]{{進捗|100%|2013-11-13}} | [[C言語/標準ライブラリ/tgmath.h|型総称数学関数<tgmath.h>]]<sup>'''C99'''</sup> | [[C言語/標準ライブラリ/threads.h|スレッド<threads.h>]]<sup>'''C11'''</sup><ref name="jtc1-sc22-wg14-n1570-7.26">{{cite book | url = http://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/docs/n1570.pdf | title = N1570 Committee Draft — April 12, 2011 ISO/IEC 9899:201x | page=376, §7.26 ''Threads <threads.h>'' | publisher = ISO/IEC}}</ref> | [[C言語/標準ライブラリ/time.h|日付及び時間<time.h>]] | [[C言語/標準ライブラリ/uchar.h|Unicodeユーティリティ<uchar.h>]]<sup>'''C11'''</sup><ref name="jtc1-sc22-wg14-n1570-7.28">{{cite book | url = http://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/docs/n1570.pdf | title = N1570 Committee Draft — April 12, 2011 ISO/IEC 9899:201x | page=398, §7.28 ''Unicode utilities <uchar.h>'' | publisher = ISO/IEC}}</ref> | [[C言語/標準ライブラリ/wchar.h|多バイト文字及びワイド文字拡張ユーティリティ<wchar.h>]]<sup>'''C95'''</sup>{{進捗|00%|2013-06-16}} | [[C言語/標準ライブラリ/wctype.h|ワイド文字種分類及びワイド文字大文字小文字ユーティリティ<wctype.h>]]<sup>'''C95'''</sup>{{進捗|00%|2013-06-16}} }} * [[C言語/概念モデル|概念モデル]] * [[C言語/おわりに|おわりに]] {{進捗|50%|2016-06-02}} *:[[C言語/おわりに#C言語の次に学ぶべきこと|C言語の次に学ぶべきこと]] == C言語の経緯 == [[Image:Ken Thompson and Dennis Ritchie.jpg|frame|ケン・トンプソン(左)とデニス・リッチー(右)]] C言語は、1970年代初めに、アメリカのベル研究所のデニス・リッチーらにより、初期のUNIXオペレーティングシステム上で動作するアプリケーションの作成のために考案されたプログラミング言語です <ref>{{cite book | https://www.bell-labs.com/usr/dmr/www/chist.html | title = The Development of the C Language* | date = 2003 | publisher = Bell Labs/Lucent Technologies}}</ref>。後に、C言語は、UNIX自体を記述するために使われるようになった。 UNIX自体の成功と、比較的シンプルな構造により、C言語は最も人気のあるプログラミング言語の一つとなりました<ref> {{cite book | https://www.bell-labs.com/usr/dmr/www/chist.html | title = Teach Yourself C(邦題:独習C) | author = Herbert Schildt | date = 1994 | publisher = Osborne McGraw-Hill. ISBN 9780078820113 }}</ref>。 現在、多くの実用プログラミングでは他の後続の言語(Java, C++, C#)に取って代わられつつあるが、業務用開発、組み込み系、ゲームプログラミングなどで依然として使われている。 == 脚註 == <references/> == 関連項目 == *[[基本情報技術者試験]] - 国家試験([[情報処理技術者試験]])。C言語を用いた[[基本情報技術者試験/ソフトウェア開発|プログラミングの問題]]が出題されるほか、C言語をベースとしたオリジナルのアルゴリズム(所謂[[擬似言語]])が出題される。 == 参考文献 == * {{cite book | url=https://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/wg14_document_log.htm | title= ISO/IEC WG 14 Document Log | publisher=ISO/IEC | date = 2022-09-29}} * {{cite book | url=https://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/docs/n3054.pdf | title= C2x: N3054 working draft — September 3, 2022 ISO/IEC 9899:2023 (E) | publisher=ISO/IEC | date = 2022-09-03}} * {{cite book | url=https://www.iso.org/obp/ui/#iso:std:iso-iec:9899:ed-4:v1:en | title=ISO/IEC 9899:2018(en) Information technology — Programming languages — C | publisher=[[W:国際標準化機構|ISO]]/[[W:国際電気標準会議|IEC]] | date = 2018-07-05}} ** {{cite book | url = http://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/abq/c17_updated_proposed_fdis.pdf | archiveurl = https://web.archive.org/web/20181230041359/http://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/abq/c17_updated_proposed_fdis.pdf | archivedate = 2018-12-30 | title = N2176 C17 ballot ISO/IEC 9899:2017 | publisher = [http://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/projects ISO/IEC JTC1/SC22/WG14]}} * {{cite book | url=http://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/docs/n1570.pdf | title= C11: WG14/N1570 Committee Draft — April 12, 2011 ISO/IEC 9899:201x | publisher=ISO/IEC | date = 2011-04-12}} * {{cite book | url=http://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/docs/n1256.pdf | title= C99: WG14/N1256 Committee Draft — Septermber 7, 2007 ISO/IEC 9899:TC3 | publisher=ISO/IEC | date = 2007-09-07}} * {{cite book | url=http://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg14/www/docs/n1124.pdf | title= C99: ISO/IEC 9899:TC2 Committee Draft — May 6, 2005 WG14/N1124 | publisher=ISO/IEC | date = 2005-05-06}} * {{cite book | url= | title= JIS X 3010:2003『プログラム言語C』 | publisher=日本工業標準調査会(当時、現:日本産業標準調査会) | date = 2003-12-20}} {{---}} 1999 年に第 2 版として発行された ISO/IEC 9899:1999,(Programming languages―C) 及び Technical Corrigendum 1 (2001)について,技術的内容を変更することなく日本工業規格<ref>現:日本産業規格</ref>として採用するために作成されたもの<ref>ISO/IEC 9899:1999 (IDT)</ref>。 == 外部リンク == * [https://www.bell-labs.com/usr/dmr/www/chist.html The Development of the C Language*](英語) {{DEFAULTSORT:Cけんこ}} [[Category:C言語|*]] [[Category:プログラミング言語]] {{NDC|007.64}}
null
2022-10-23T23:15:56Z
[ "テンプレート:NDC", "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Wikiversity", "テンプレート:進捗状況", "テンプレート:進捗", "テンプレート:Hlist", "テンプレート:Cite book", "テンプレート:---" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/C%E8%A8%80%E8%AA%9E
855
朝鮮語
朝鮮語(ちょうせんご)は膠着語に分類され、主に朝鮮半島で使用されている言語です。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "朝鮮語(ちょうせんご)は膠着語に分類され、主に朝鮮半島で使用されている言語です。", "title": "" } ]
朝鮮語(ちょうせんご)は膠着語に分類され、主に朝鮮半島で使用されている言語です。 入門編 字母とその発音 字母の名称 発音の変化 発音の挿入 発音の脱落 発音の省略(いわゆる略語の類) イントネーション(抑揚) 学習編 挨拶 自己紹介 文法編 形態論 単語と形態素 単語 形態素 単語の造成 品詞 体言 名詞 代名詞 数詞 用言 動詞 形容詞 語幹と語基 修飾言 冠形詞 副詞 独立言 - 感動詞 関係言 - 吐(助詞) 文章論 文章と単語結合 文章成分 文章の区分 伝達文
{{Pathnav|メインページ|語学|frame=1|small=1}} {| style="float:right" |- |{{Wikipedia|朝鮮語|朝鮮語}} |- |{{Wiktionary|Category:朝鮮語|朝鮮語}} |- |{{Wikiversity|Topic:ハングル|朝鮮語|}} |- |{{Wikisource|朝鮮語文法}} |- |{{蔵書一覧}} |- |{{進捗状況}} |} 朝鮮語(ちょうせんご)は[[w:膠着語|膠着語]]に分類され、主に朝鮮半島で使用されている言語です。 # 入門編 ## [[朝鮮語/字母とその発音|字母とその発音]] ## [[朝鮮語/字母の名称|字母の名称]] ## [[朝鮮語/発音の変化|発音の変化]] ## [[朝鮮語/発音の挿入|発音の挿入]] ## [[朝鮮語/発音の脱落|発音の脱落]] ## [[朝鮮語/発音の省略|発音の省略]](いわゆる略語の類) ## [[朝鮮語/イントネーション|イントネーション(抑揚)]] # [[朝鮮語/学習|学習編]] ## [[朝鮮語/学習/挨拶|挨拶]] ## [[朝鮮語/学習/自己紹介|自己紹介]] # 文法編 ## 形態論 ###[[朝鮮語/単語と形態素|単語と形態素]] #### 単語 #### 形態素 #### 単語の造成 ### [[朝鮮語/品詞|品詞]] #### 体言 ##### 名詞 ##### 代名詞 ##### 数詞 #### 用言 ##### 動詞 ##### 形容詞 ##### 語幹と語基 #### 修飾言 ##### 冠形詞 ##### 副詞 #### 独立言 - 感動詞 #### 関係言 - 吐(助詞) ## 文章論 ### [[朝鮮語/文章と単語結合|文章と単語結合]] ### [[朝鮮語/文章成分|文章成分]] ### [[朝鮮語/文章の区分|文章の区分]] ### [[朝鮮語/伝達文|伝達文]] [[カテゴリ:アジアの言語|ちようせんこ]] [[Category:朝鮮語|*]]
null
2022-12-21T04:31:40Z
[ "テンプレート:Wikisource", "テンプレート:蔵書一覧", "テンプレート:進捗状況", "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Wiktionary", "テンプレート:Wikiversity" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E8%AA%9E
859
Scheme
このページではプログラミングのまったくの初心者、もしくは他のプログラミング言語は知っているがSchemeについて知識がないかたを主な対象者として、Schemeプログラミングを素早く習得できるように解説していきます。 Scheme(スキーム)とはw:プログラミング言語のひとつです。 Schemeの最大の魅力はそのシンプルさにあります。おそらく(Brainf***などのジョーク言語を除けば)現存するあらゆる言語のなかでも最も言語仕様が小さい言語で、つまりはもっとも習得のしやすい言語であるといえます。また、実用にもじゅうぶん耐えうるだけの機能を持ち、プログラミングの楽しさを体験するにはまさにうってつけです。すでにC言語やPerlなどの他の言語を習得している方にとっても、プログラミングの理解を深める上で覚えておいて損はない言語です。 この項ではSchemeの知識がゼロの状態から、最低限必要なことだけを最短で理解できるように解説していきます。この項では基本的だがしかし本格的なプログラミングの概念を学び終えるのに、初学者の方でも半日とかからない分量にしています。 さあ、Schemeでプログラミングをあっという間に身に着けてしまいましょう! Schemeは2015年現在に至るまで何度か改良が加えられ、Revised7 Report on the Algorithmic Language Scheme(R7RS)という仕様書がもっとも新しいものです。ここではR7RSに準じて説明していきます。仕様の詳細については外部リンクの項を参照してください。 プログラムを実行するには、その言語に対応した何らかの処理系(プログラムを処理するソフトウェア。ここではプログラムを実行するもののこと)が必要です。プログラムの構文解説に入る前に、自分でプログラムを入力して確かめることができるようにインタプリタの使い方を覚えましょう。フリーウェアとして公開されている処理系も多いので探してみましょう。処理系を探すには外部リンクの項も参照してください。 もし処理系のインストール作業が億劫であれば、Webブラウザ上でSchemeプログラムの実行を試せるサイトがあります。次の「codepad」というサイトでは、(1)ページ左のオプションボタンから、「Scheme」を選択する (2)テキストボックスにプログラムを入力する、もしくはコピーアンドペーストする (3)「Submit」ボタンを押す という手順を踏むだけで処理系のインストール作業なしにSchemeの実行を試すことができます。この項目程度の内容であれば「Codepad」でもじゅうぶん事足ります。 ためしに「codepad」を使ってみましょう。「Scheme」を選んでからテキストボックスに「(display "Hello, World!")」と入力し、「Submit」ボタンを押すと次のような結果が表示されます。 このコードを実行したところ、「Hello, World!」という文字列が出力された、ということです。他のコードを試してみる場合、「(display "Hello, World!")」の「"Hello, World!"」の部分を表示したい値に置き換えてください。たとえば、「(display (+ 5 9))」を入力すると「14」が出力されます。 他のインタプリタの大まかな使い方を説明します(以下は「Codepad」の使いかたではありません)。Schemeの処理系が入手できたら、そのヘルプにしたがって起動してみましょう。たいていのインタプリタでは、起動すると「>」記号が表示されてユーザからの入力待ちになります。 では、インタプリタに「(+ 1 2)」と入力してみましょう。たいていの対話式の処理系では改行すると実行します。 「3」が表示され、再びユーザからの入力待ちになりましたね。Schemeプログラム「(+ 1 2)」の実行結果が「3」だったということです。プログラムを入力して改行すると、入力されたプログラムが実行され、次の行に先ほどのプログラムの実行結果が表示されます。これを繰り返してSchemeプログラミングを進めていきます。 プログラムとはおおまかに言えば命令と式の羅列です。数値計算の時にはまさに数式を書いていくのですが、プログラミング言語には、文字列から一部分を切り取ったり、リストからデータを取り出したりと、数値計算ではない式があります。下図を見ればわかるように、数学で使われる数式の表現と対応するものが多くあります。数式に対応するものをSchemeで書けば、それがまさに数値計算をするプログラムになります。 Schemeでは一貫して括弧の入れ子構造になっているのがおわかりになると思います。これがまさにSchemeの言語仕様がシンプルであるという所以です。Schemeではプログラムの実行を進めていくことを「評価」と呼びますが、これも簡単に言えば数式を変形して簡単にしていくことに似ています。たとえば、数学では次のように式を変形し、値を求めていきます。 これ以上簡単にしようがない「4」が出てきた時点で変形は終了です。これで答えが求まりました。このような変形をSchemeで表せば次のようになります。 数学の表記とは数字や記号の順番が異なりますが、何となく似た雰囲気はつかめると思います。入れ子になった括弧は、数学と同様に内側から評価してきます。プログラムといっても、数学の式を独特の表記で書き換えたようなものなのです。ただ、実際は式変形の途中経過は見せず、即座に「その式の値」つまり答えのみが出力されます。以下は実際の入力と出力の一例です。 この式を「codepad」で試すときは「(display (+ 1 (+ (- 4 2) 1)))」と入力してください(「display」はこの式の評価結果を表示させるという意味です。詳しくは後ほど解説します)。 このように評価して値を得ることを「値が返る(値を返す、値を戻す)」、返ってきた値を「返り値(戻り値)」などともいいます。ソースコード上でいえば、「値が返る」とは「ある式を評価し、その式の部分をその値で置き換える」ことだと考えるとわかりやすいかもしれません。 プログラムとは式そのものですから、w:ソースコードでは数字や文字列といったデータを記述していく必要があります。プログラミング言語にはそれぞれこのようなデータを書くための構文があり、このコード中に直接書かれた値を「リテラル」(literal)と呼びます。 ここでは最低限必要と思われるものだけ解説しますが、以下で紹介される以外にもいろいろな表現があります。詳しくは仕様を参照してください。また、以下の中にはまだ使い方が説明されていないものがありますが、それは後述します。 Schemeでソースコード中に数値を記述するには、そのまま半角数字で表記し、これを「数値リテラル」といいます。小数は小数点をピリオドで入力し、負の数を示すマイナス記号(-)も使えます。「2004」「3.14159265358979」「-273.15」などです。ただし、入力した数値が必ずしも入力したとおりの精度で扱われるとは限りません。頭に「#e」をつけ完全な精度で扱うことを指定することもできます。 数値型は、整数型integer、有理数型ratioral、実数型real、複素数型complexの構造を持っており、右のものは、すべての左のものを含みます。 文字列の値を記述する場合は、その文字列をダブルクォーテーション"で囲んで記述します。これを「文字列リテラル」といいます。これはソースコード上で数値や変数(後述)と区別するためであり、実際の評価にこのダブルクォーテーションが影響することはありません。たとえば、"古今"と"東西"というふたつの文字列をつなげると、"古今""東西"ではなく"古今東西"となります。また、123は数値ですが"123"は文字列です。さらに、"Hello.""こんにちは。"なども文字列です。 特別な文字を表す表現もあります。たとえば改行は\n、タブ文字は\v、逆スラッシュは\\と入力します。また、これらの特別な文字は文字列リテラルの中では直接入力できません。つまり、"(改行)"と書くと構文エラーになります(エラーにならない処理系もあります)。 リテラルを評価すると、そのリテラルそのものが示す値を返します。1を評価すると1、"こんにちは"を評価すると"こんにちは"がそのまま返ります。 単一の文字を表現するには文字リテラルを使います。これは#\に任意の一文字を続けて表記します。たとえば#\aはaを表します。また、スペースを#\space、タブ文字を#\tabで表します。 これは文字列リテラルとは扱いが異なりますので注意してください。たとえば"a"と#\aはどちらも画面に表示させるとaですが、それぞれ「一文字の文字列」と「文字」で異なるので注意してください。 条件が真か偽かを表すには、真偽値型の値を使います。#tは真、#fは偽を表し、条件によって処理をわけるときなどに使います。ただし、#f以外のすべての値は真として扱われます。これを利用すると、失敗したり無効だったときは偽を返し、それ以外は何か別の型の値を返す、といった関数を実装できます。 式が真偽値型か調べるには、関数boolean?を利用します。 ソースコード中にはコメントと呼ばれる注釈を書くことができます。コメント部分はプログラムの評価に一切関与しません。Schemeでは;からその行末までがコメントです。 Wikipedia:サンドボックス#ここから下に書き込んでください。 注釈を書く用途のほか、プログラムの一部分を一時的に評価しないようにするためにも使われます。もし評価して欲しくない部分を単純に削除してしまうと、あとで戻そうと思ったときに書き直さなければならず手間がかかるからです。コメントにしておけば先頭のセミコロンを削除するだけで元に戻せます。このように評価して欲しくない部分をコメントにすることをコメントアウトと呼びます。 Schemeには「手続き」(procedure)という概念があります。これは幾つかの処理を行いその結果を返すまとまりで、w:数学におけるw:関数と非常に良く似ています。たとえば、数学では「f(x,y) = x + y のとき、 f(1,2) = 3である」などといいますよね。Schemeではf(x,y) = x + yの部分を「手続きの定義」、fを「手続き」、手続きの評価に必要な値を受け取るxとyを「仮引数」と呼びます。f(1,2)」の部分を「手続きの呼び出し」、1と2のように手続きの評価に使われる値を「引数」、実行した結果である3を「返り値」といいます。 では、手続きの呼び出しを表現してみましょう(実は下記の手続きの解説には幾つか方便が含まれています。ですが、ここで詳細を解説すると難しくなりすぎるので、詳しくは後述します。手続きの定義は少し難しいので後回しにします)。 手続きはただ命令や数式の列をまとめる役目だけではありません。Schemeの豊富な機能は手続きを介して提供されているのです。また、あなたの書いたプログラムの機能を他のプログラムに公開するとき、それは手続きの定義によって行われます。Schemeの機能を呼び出すとは、用意された手続きを呼び出す構文を書くことと同義です。 Schemeの手続きの呼び出しは(手続き名 引数1 引数2 ......)という文法です。手続き名は変数です。手続きがどんな引数を取るのかは手続きによって異なります。手続き名やそれぞれの引数の間はひとつ以上の空白文字で区切らなければなりません。手続き名や引数の間に空白文字がないと、区切りが分からなくなってしまうからです。空白文字とは改行、タブ文字、半角スペースの3つのいずれかです。この構文はどんな手続きでも同じです。Schemeのほとんどの手続きは、その引数が評価されてから手続きに渡されます。 手続き呼び出しの丸括弧は数学の優先順位を示す括弧とは異なり、省略できません。このため、数学のような乗算が加算に優先する、といった優先順位はSchemeには存在しません。この仕様は記号の優先順位を覚える必要がない反面、数式を煩雑にしがちで、Schemeらしい点でもあります。手続きの呼び出しが何重にもなると括弧の数を間違いやすいです。括弧は(と)がきちんと対になっていなければなりませんから気をつけましょう。SchemeのようなLisp系の言語は括弧だらけになるから苦手、という人も少なくないです。 Schemeには加算をする手続き「+」が予め定義されています。さっきの構文にのっとると、数学での 1 + 2 {\displaystyle 1+2} はSchemeでは(+ 1 2)と表記されます。処理系で実行して試してみましょう。できたら 1 + 2 {\displaystyle 1+2} 以外にも試してみましょう。引数の和が返ってくるはずです。 なんだか変な構文だと思われるかもしれませんが、これらの構文はS式と呼ばれ、Schemeの構文のシンプルな言語仕様を支えています。「S式」は前置記法と呼ばれるもののひとつで、手続き名にあたるものが先頭に来ます。 「前置記法」の他に「中置記法」や「後置記法」もあります。C言語などは、数学のような1 + 2という感じの中置記法が中心ですが、3種類全ての記法が入り混じっています。これに対してSchemeでは、前置記法のみしか使わないシンプルな言語仕様になっています。 幾つか手続き呼び出しに関して気をつけておくことがあります。手続きには「手続き名」「引数の数」「引数の型」「返り値の型」などの要素を持っています。たとえば、幾つ引数をとるかは手続きごとに決められており、多すぎたり少なかったりすると実行したときにw:エラーになります。ただ、たまたま「+」は引数が幾つあってもよい手続きです。 また、手続きは引数の型が決まっています。たとえば、w:加算をする手続き+は文字列を引数に呼び出すとエラーです。 たまたま「+」は引数の順番を変えても同じ値が返ってきますが、ほとんどの手続きは引数はその順番に意味があります。たとえば、-は1つ目の引数の値から2つめ以降の引数の値を減算する手続きなので、(- 10 5)と(- 5 10)の値は違います。 Schemeには予め幾つかの手続きが定義されており、ユーザは新たに手続きを定義することもできます。そのScheme処理系にどの手続きが用意されているか確かめるには、その処理系のw:ヘルプと言語仕様を確認する必要があります。 束縛とは変数に値を関連付けることです。例を見てみましょう。手続きdefineは第一引数の変数に第2引数の値を束縛します。値が束縛された変数を評価すると、その変数に束縛された値が返ります。つまり、束縛された値を取得するには、単にその変数を書きます。 変数yearには数2004が束縛されましたので、変数yearが評価されるとyearに束縛された値2004が返ります。手続き+は2004と1の和2005を返します。今まで説明に使ってきた手続き+も、じつはインタプリタ起動と同時に+に加算をする手続きが束縛されていたから使えるのです。手続きも一種の値として扱えるため、defineで束縛することができるのです。また、何も束縛されていない変数を評価しようとするとエラーです。 上で束縛を説明しました。が、ここで疑問に思って欲しいことがあります。次の例を見てみましょう。 下のdefineでは、yearはすでに2004が束縛されています。手続きは引数を評価してから渡すのですから、yearは2004を返すはずです。従って、(define year 1000)は(define 2004 1000)になるはずではありませんか。2004は変数ではないので、束縛はできないはずです。いや、そもそも最初のdefineではyearには何も束縛されていませんでしたから、なにも束縛されていない変数yearが評価されてエラーになるはずです。これはどうしたことでしょうか。 実はSchemeには手続き呼び出しと同じような構文でありながら、引数を評価せずに受け取る手続き呼び出しとはまったく別の式も存在します。defineは引数(のように見える部分)は評価しないのです。defineは手続きではなく、定義を行う「構文」に分類されます。 Schemeなどw:Lisp系の言語が何故これほどまでにシンプルな構文にこだわったかには訳があります。Schemeプログラムは「リスト」と呼ばれるツリー状の構造をとるようになっているのです。Lispがw:人工知能研究の分野に使われてきたのは、プログラム上でプログラムを組み立てるのが非常に容易だからです。 たとえば、(+ 1 (- 2 3))という式は、実は次のようなリストです。 グレーの矩形はw:carとcdrの二つの区画を持つ「ペア」と呼ばれるものです。car部はそのペアが持っている値、cdr部はその次の要素を格納していると捉えることができます。car部には別のペアを格納することができます。cdr部は次の要素を示しますが、リストの終端を示すには空リストを使います。図中では()で表されているのが空リストです。Lispプログラムはこの構造の繰り返しであり、このツリー構造を作り上げることでLispプログラムを作ることができるのです。carやcdr、set-car!、set-cdr!、list、quoteなどの手続きを使えば、Schemeプログラムをそのままリストとして扱えます。実はペアを直接作成する専用の構文もあるのですが、知らなくても今のところは構わないので、ここでは割愛します。 実は、以上で大まかな文法は説明し終わりました。Schemeの文法はほとんどw:S式なのです。まだまだ説明していない概念はいくらでもあるのですが、それらの機能はすべて手続きや構文で提供されるのです。たとえば、数値の大小を比較するのも手続きですし、文字列を表示するのもまた手続きです。w:GUIw:ライブラリが提供されれば、ウィンドウを開いたりファイルを操作したり画像を表示したりするのもまた、手続きを介して行われます。 とはいえ、実際にあなたが望む機能を実現するには、どの手続きをどのように使えばいいのかわからないことでしょう。あとあなたに必要なのは、どんな手続きや構文が用意されているのか知り、具体的なプログラムを読んだり書いたりしてプログラミングの経験を積むことです。そのためには言語仕様を読めるようになる必要があります。ですが、以下でかんたんに主な手続きや構文を紹介しておこうかと思います。このほかにも有用なものがたくさんありますので、すべての機能を知るには言語仕様を参照しましょう。 Schemeの最も重要な手続きはペアをつくり、ペアから要素を 取り出す次の3つです。 consはペアを作る手続きです。 (cons 1 2) => 1 . 2 このペアから無限に続くリストが作れます。リストの終わりを()という空リストで示すこととすれば、1 2 3と続くリストは、 (cons 1 (cons 2 (cons 3 '())))と定義され、 (1 2 3)と表現されます。 特に、Schemeでは、リスト構造が根本であり、それは、リストは再帰的(recursive)に定義される構造だからです。 この例だけ見ると、リストの重要性は判らないかも知れません。 これらのw:四則演算の手続きは、整数や小数など数値型の値に適用できます。これだけでもSchemeを簡易電卓として使えそうですね。 displayは引数に与えられた値を出力します。プログラム実行中の途中経過を表示したりする場合にも便利です。下の例では結果が1010となっていますが、displayが表示した10とインタプリタがプログラムから得た値10が、改行していないのでつながって見えるだけです。文字列や変数も引数として使えます。 表示できるのは、Schemeの処理系が受け付けるすべての S式です。数値、文字、文字列、クオートされたリストなど、何でも表示できます。ただし、関数は内部表現が処理系毎に異なることに注意して下さい。(display 10) の評価値は、未定義です。他の変数に束縛する意味はありません。複数の値を表示するとき、Scheme では以下のように書くことができます。 準引用により , が前に付くと、値が展開されます。それから と書けば、出力先を変更できます。output-port は、関数 open-output-file の返り値を指定します。 lambdaは手続きを新たに定義し、その手続きを表す値を返す構文です。Schemeは手続きであっても、数値や文字列と同じように値として処理することができます。lambda構文の第一引数には手続きの引数名となる変数のリストを渡します。第2引数以降は手続き本体となる式を渡します。ここで作成された手続きは一種の値なので、defineで束縛することができます。サンプルプログラムを示します。 新たに定義した手続きは二つの引数をとり、その平均を返します。その手続きは変数averageに束縛しています。インタプリタは(average 10 20)を手続き呼び出しだと判断し呼び出しました。前述では手続き名には変数を記述すると解説しましたが、実際には手続きの値をとる式を書きます。averageには手続きが束縛されているため、リストの先頭に書くことができます。従って次のようなこともできます。 平均を計算する無名の手続きを定義し、返り値をリストの先頭に使いその手続きを呼び出しています。 手続きは引数や返り値にも使えるため、手続きを返す手続きも作成できます。下の例では、最初に平均を計算する手続きを返す手続きを作成し、それを変数create-average-functionに束縛しています。そして、2つめ、3つめで変数create-average-functionに束縛されていた平均を計算する手続きをつくる手続きに、まず加算と乗算の定義を与え、平均を計算する手続きを得ます。そして、その手続きに引数10と20を与えて、具体的な平均値を計算しています。 create-average-function 15 14.1421356... quoteは引数に与えられたものを評価せずにそのまま返す構文です。 特別な構文(Schemeの機能の「構文」ではなく、一般的な意味の構文)として、'(+ 1 2)と書くことができます。(quote (+ 1 2))まったく同じ意味ですが、字数が少なく見やすくなります。このように、書きやすさ、見やすさのために導入された構文をw:糖衣構文(シンタックスシュガー)といいます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "このページではプログラミングのまったくの初心者、もしくは他のプログラミング言語は知っているがSchemeについて知識がないかたを主な対象者として、Schemeプログラミングを素早く習得できるように解説していきます。", "title": "対象読者" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Scheme(スキーム)とはw:プログラミング言語のひとつです。 Schemeの最大の魅力はそのシンプルさにあります。おそらく(Brainf***などのジョーク言語を除けば)現存するあらゆる言語のなかでも最も言語仕様が小さい言語で、つまりはもっとも習得のしやすい言語であるといえます。また、実用にもじゅうぶん耐えうるだけの機能を持ち、プログラミングの楽しさを体験するにはまさにうってつけです。すでにC言語やPerlなどの他の言語を習得している方にとっても、プログラミングの理解を深める上で覚えておいて損はない言語です。", "title": "Schemeの紹介" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "この項ではSchemeの知識がゼロの状態から、最低限必要なことだけを最短で理解できるように解説していきます。この項では基本的だがしかし本格的なプログラミングの概念を学び終えるのに、初学者の方でも半日とかからない分量にしています。 さあ、Schemeでプログラミングをあっという間に身に着けてしまいましょう!", "title": "Schemeの紹介" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Schemeは2015年現在に至るまで何度か改良が加えられ、Revised7 Report on the Algorithmic Language Scheme(R7RS)という仕様書がもっとも新しいものです。ここではR7RSに準じて説明していきます。仕様の詳細については外部リンクの項を参照してください。", "title": "Schemeの紹介" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "プログラムを実行するには、その言語に対応した何らかの処理系(プログラムを処理するソフトウェア。ここではプログラムを実行するもののこと)が必要です。プログラムの構文解説に入る前に、自分でプログラムを入力して確かめることができるようにインタプリタの使い方を覚えましょう。フリーウェアとして公開されている処理系も多いので探してみましょう。処理系を探すには外部リンクの項も参照してください。", "title": "処理系に触れてみる" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "もし処理系のインストール作業が億劫であれば、Webブラウザ上でSchemeプログラムの実行を試せるサイトがあります。次の「codepad」というサイトでは、(1)ページ左のオプションボタンから、「Scheme」を選択する (2)テキストボックスにプログラムを入力する、もしくはコピーアンドペーストする (3)「Submit」ボタンを押す という手順を踏むだけで処理系のインストール作業なしにSchemeの実行を試すことができます。この項目程度の内容であれば「Codepad」でもじゅうぶん事足ります。", "title": "処理系に触れてみる" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "", "title": "処理系に触れてみる" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "ためしに「codepad」を使ってみましょう。「Scheme」を選んでからテキストボックスに「(display \"Hello, World!\")」と入力し、「Submit」ボタンを押すと次のような結果が表示されます。", "title": "処理系に触れてみる" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "", "title": "処理系に触れてみる" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "このコードを実行したところ、「Hello, World!」という文字列が出力された、ということです。他のコードを試してみる場合、「(display \"Hello, World!\")」の「\"Hello, World!\"」の部分を表示したい値に置き換えてください。たとえば、「(display (+ 5 9))」を入力すると「14」が出力されます。", "title": "処理系に触れてみる" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "他のインタプリタの大まかな使い方を説明します(以下は「Codepad」の使いかたではありません)。Schemeの処理系が入手できたら、そのヘルプにしたがって起動してみましょう。たいていのインタプリタでは、起動すると「>」記号が表示されてユーザからの入力待ちになります。", "title": "処理系に触れてみる" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "では、インタプリタに「(+ 1 2)」と入力してみましょう。たいていの対話式の処理系では改行すると実行します。", "title": "処理系に触れてみる" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "「3」が表示され、再びユーザからの入力待ちになりましたね。Schemeプログラム「(+ 1 2)」の実行結果が「3」だったということです。プログラムを入力して改行すると、入力されたプログラムが実行され、次の行に先ほどのプログラムの実行結果が表示されます。これを繰り返してSchemeプログラミングを進めていきます。", "title": "処理系に触れてみる" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "プログラムとはおおまかに言えば命令と式の羅列です。数値計算の時にはまさに数式を書いていくのですが、プログラミング言語には、文字列から一部分を切り取ったり、リストからデータを取り出したりと、数値計算ではない式があります。下図を見ればわかるように、数学で使われる数式の表現と対応するものが多くあります。数式に対応するものをSchemeで書けば、それがまさに数値計算をするプログラムになります。", "title": "Schemeプログラムの構造、意味と評価の過程" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "Schemeでは一貫して括弧の入れ子構造になっているのがおわかりになると思います。これがまさにSchemeの言語仕様がシンプルであるという所以です。Schemeではプログラムの実行を進めていくことを「評価」と呼びますが、これも簡単に言えば数式を変形して簡単にしていくことに似ています。たとえば、数学では次のように式を変形し、値を求めていきます。", "title": "Schemeプログラムの構造、意味と評価の過程" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "これ以上簡単にしようがない「4」が出てきた時点で変形は終了です。これで答えが求まりました。このような変形をSchemeで表せば次のようになります。", "title": "Schemeプログラムの構造、意味と評価の過程" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "数学の表記とは数字や記号の順番が異なりますが、何となく似た雰囲気はつかめると思います。入れ子になった括弧は、数学と同様に内側から評価してきます。プログラムといっても、数学の式を独特の表記で書き換えたようなものなのです。ただ、実際は式変形の途中経過は見せず、即座に「その式の値」つまり答えのみが出力されます。以下は実際の入力と出力の一例です。", "title": "Schemeプログラムの構造、意味と評価の過程" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "この式を「codepad」で試すときは「(display (+ 1 (+ (- 4 2) 1)))」と入力してください(「display」はこの式の評価結果を表示させるという意味です。詳しくは後ほど解説します)。", "title": "Schemeプログラムの構造、意味と評価の過程" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "このように評価して値を得ることを「値が返る(値を返す、値を戻す)」、返ってきた値を「返り値(戻り値)」などともいいます。ソースコード上でいえば、「値が返る」とは「ある式を評価し、その式の部分をその値で置き換える」ことだと考えるとわかりやすいかもしれません。", "title": "Schemeプログラムの構造、意味と評価の過程" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "プログラムとは式そのものですから、w:ソースコードでは数字や文字列といったデータを記述していく必要があります。プログラミング言語にはそれぞれこのようなデータを書くための構文があり、このコード中に直接書かれた値を「リテラル」(literal)と呼びます。", "title": "式の要素" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "ここでは最低限必要と思われるものだけ解説しますが、以下で紹介される以外にもいろいろな表現があります。詳しくは仕様を参照してください。また、以下の中にはまだ使い方が説明されていないものがありますが、それは後述します。", "title": "式の要素" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "Schemeでソースコード中に数値を記述するには、そのまま半角数字で表記し、これを「数値リテラル」といいます。小数は小数点をピリオドで入力し、負の数を示すマイナス記号(-)も使えます。「2004」「3.14159265358979」「-273.15」などです。ただし、入力した数値が必ずしも入力したとおりの精度で扱われるとは限りません。頭に「#e」をつけ完全な精度で扱うことを指定することもできます。", "title": "式の要素" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "数値型は、整数型integer、有理数型ratioral、実数型real、複素数型complexの構造を持っており、右のものは、すべての左のものを含みます。", "title": "式の要素" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "文字列の値を記述する場合は、その文字列をダブルクォーテーション\"で囲んで記述します。これを「文字列リテラル」といいます。これはソースコード上で数値や変数(後述)と区別するためであり、実際の評価にこのダブルクォーテーションが影響することはありません。たとえば、\"古今\"と\"東西\"というふたつの文字列をつなげると、\"古今\"\"東西\"ではなく\"古今東西\"となります。また、123は数値ですが\"123\"は文字列です。さらに、\"Hello.\"\"こんにちは。\"なども文字列です。", "title": "式の要素" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "特別な文字を表す表現もあります。たとえば改行は\\n、タブ文字は\\v、逆スラッシュは\\\\と入力します。また、これらの特別な文字は文字列リテラルの中では直接入力できません。つまり、\"(改行)\"と書くと構文エラーになります(エラーにならない処理系もあります)。", "title": "式の要素" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "リテラルを評価すると、そのリテラルそのものが示す値を返します。1を評価すると1、\"こんにちは\"を評価すると\"こんにちは\"がそのまま返ります。", "title": "式の要素" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "単一の文字を表現するには文字リテラルを使います。これは#\\に任意の一文字を続けて表記します。たとえば#\\aはaを表します。また、スペースを#\\space、タブ文字を#\\tabで表します。 これは文字列リテラルとは扱いが異なりますので注意してください。たとえば\"a\"と#\\aはどちらも画面に表示させるとaですが、それぞれ「一文字の文字列」と「文字」で異なるので注意してください。", "title": "式の要素" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "条件が真か偽かを表すには、真偽値型の値を使います。#tは真、#fは偽を表し、条件によって処理をわけるときなどに使います。ただし、#f以外のすべての値は真として扱われます。これを利用すると、失敗したり無効だったときは偽を返し、それ以外は何か別の型の値を返す、といった関数を実装できます。", "title": "式の要素" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "式が真偽値型か調べるには、関数boolean?を利用します。", "title": "式の要素" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "ソースコード中にはコメントと呼ばれる注釈を書くことができます。コメント部分はプログラムの評価に一切関与しません。Schemeでは;からその行末までがコメントです。", "title": "コメント" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "Wikipedia:サンドボックス#ここから下に書き込んでください。 注釈を書く用途のほか、プログラムの一部分を一時的に評価しないようにするためにも使われます。もし評価して欲しくない部分を単純に削除してしまうと、あとで戻そうと思ったときに書き直さなければならず手間がかかるからです。コメントにしておけば先頭のセミコロンを削除するだけで元に戻せます。このように評価して欲しくない部分をコメントにすることをコメントアウトと呼びます。", "title": "コメント" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "Schemeには「手続き」(procedure)という概念があります。これは幾つかの処理を行いその結果を返すまとまりで、w:数学におけるw:関数と非常に良く似ています。たとえば、数学では「f(x,y) = x + y のとき、 f(1,2) = 3である」などといいますよね。Schemeではf(x,y) = x + yの部分を「手続きの定義」、fを「手続き」、手続きの評価に必要な値を受け取るxとyを「仮引数」と呼びます。f(1,2)」の部分を「手続きの呼び出し」、1と2のように手続きの評価に使われる値を「引数」、実行した結果である3を「返り値」といいます。 では、手続きの呼び出しを表現してみましょう(実は下記の手続きの解説には幾つか方便が含まれています。ですが、ここで詳細を解説すると難しくなりすぎるので、詳しくは後述します。手続きの定義は少し難しいので後回しにします)。", "title": "手続き" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "手続きはただ命令や数式の列をまとめる役目だけではありません。Schemeの豊富な機能は手続きを介して提供されているのです。また、あなたの書いたプログラムの機能を他のプログラムに公開するとき、それは手続きの定義によって行われます。Schemeの機能を呼び出すとは、用意された手続きを呼び出す構文を書くことと同義です。", "title": "手続き" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "Schemeの手続きの呼び出しは(手続き名 引数1 引数2 ......)という文法です。手続き名は変数です。手続きがどんな引数を取るのかは手続きによって異なります。手続き名やそれぞれの引数の間はひとつ以上の空白文字で区切らなければなりません。手続き名や引数の間に空白文字がないと、区切りが分からなくなってしまうからです。空白文字とは改行、タブ文字、半角スペースの3つのいずれかです。この構文はどんな手続きでも同じです。Schemeのほとんどの手続きは、その引数が評価されてから手続きに渡されます。", "title": "手続き" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "手続き呼び出しの丸括弧は数学の優先順位を示す括弧とは異なり、省略できません。このため、数学のような乗算が加算に優先する、といった優先順位はSchemeには存在しません。この仕様は記号の優先順位を覚える必要がない反面、数式を煩雑にしがちで、Schemeらしい点でもあります。手続きの呼び出しが何重にもなると括弧の数を間違いやすいです。括弧は(と)がきちんと対になっていなければなりませんから気をつけましょう。SchemeのようなLisp系の言語は括弧だらけになるから苦手、という人も少なくないです。", "title": "手続き" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "Schemeには加算をする手続き「+」が予め定義されています。さっきの構文にのっとると、数学での 1 + 2 {\\displaystyle 1+2} はSchemeでは(+ 1 2)と表記されます。処理系で実行して試してみましょう。できたら 1 + 2 {\\displaystyle 1+2} 以外にも試してみましょう。引数の和が返ってくるはずです。", "title": "手続き" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "なんだか変な構文だと思われるかもしれませんが、これらの構文はS式と呼ばれ、Schemeの構文のシンプルな言語仕様を支えています。「S式」は前置記法と呼ばれるもののひとつで、手続き名にあたるものが先頭に来ます。", "title": "手続き" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "「前置記法」の他に「中置記法」や「後置記法」もあります。C言語などは、数学のような1 + 2という感じの中置記法が中心ですが、3種類全ての記法が入り混じっています。これに対してSchemeでは、前置記法のみしか使わないシンプルな言語仕様になっています。", "title": "手続き" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "幾つか手続き呼び出しに関して気をつけておくことがあります。手続きには「手続き名」「引数の数」「引数の型」「返り値の型」などの要素を持っています。たとえば、幾つ引数をとるかは手続きごとに決められており、多すぎたり少なかったりすると実行したときにw:エラーになります。ただ、たまたま「+」は引数が幾つあってもよい手続きです。 また、手続きは引数の型が決まっています。たとえば、w:加算をする手続き+は文字列を引数に呼び出すとエラーです。 たまたま「+」は引数の順番を変えても同じ値が返ってきますが、ほとんどの手続きは引数はその順番に意味があります。たとえば、-は1つ目の引数の値から2つめ以降の引数の値を減算する手続きなので、(- 10 5)と(- 5 10)の値は違います。 Schemeには予め幾つかの手続きが定義されており、ユーザは新たに手続きを定義することもできます。そのScheme処理系にどの手続きが用意されているか確かめるには、その処理系のw:ヘルプと言語仕様を確認する必要があります。", "title": "手続き" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "束縛とは変数に値を関連付けることです。例を見てみましょう。手続きdefineは第一引数の変数に第2引数の値を束縛します。値が束縛された変数を評価すると、その変数に束縛された値が返ります。つまり、束縛された値を取得するには、単にその変数を書きます。", "title": "束縛" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "変数yearには数2004が束縛されましたので、変数yearが評価されるとyearに束縛された値2004が返ります。手続き+は2004と1の和2005を返します。今まで説明に使ってきた手続き+も、じつはインタプリタ起動と同時に+に加算をする手続きが束縛されていたから使えるのです。手続きも一種の値として扱えるため、defineで束縛することができるのです。また、何も束縛されていない変数を評価しようとするとエラーです。", "title": "束縛" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "上で束縛を説明しました。が、ここで疑問に思って欲しいことがあります。次の例を見てみましょう。", "title": "構文" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "下のdefineでは、yearはすでに2004が束縛されています。手続きは引数を評価してから渡すのですから、yearは2004を返すはずです。従って、(define year 1000)は(define 2004 1000)になるはずではありませんか。2004は変数ではないので、束縛はできないはずです。いや、そもそも最初のdefineではyearには何も束縛されていませんでしたから、なにも束縛されていない変数yearが評価されてエラーになるはずです。これはどうしたことでしょうか。", "title": "構文" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "実はSchemeには手続き呼び出しと同じような構文でありながら、引数を評価せずに受け取る手続き呼び出しとはまったく別の式も存在します。defineは引数(のように見える部分)は評価しないのです。defineは手続きではなく、定義を行う「構文」に分類されます。", "title": "構文" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "Schemeなどw:Lisp系の言語が何故これほどまでにシンプルな構文にこだわったかには訳があります。Schemeプログラムは「リスト」と呼ばれるツリー状の構造をとるようになっているのです。Lispがw:人工知能研究の分野に使われてきたのは、プログラム上でプログラムを組み立てるのが非常に容易だからです。", "title": "リスト" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "たとえば、(+ 1 (- 2 3))という式は、実は次のようなリストです。", "title": "リスト" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "", "title": "リスト" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "グレーの矩形はw:carとcdrの二つの区画を持つ「ペア」と呼ばれるものです。car部はそのペアが持っている値、cdr部はその次の要素を格納していると捉えることができます。car部には別のペアを格納することができます。cdr部は次の要素を示しますが、リストの終端を示すには空リストを使います。図中では()で表されているのが空リストです。Lispプログラムはこの構造の繰り返しであり、このツリー構造を作り上げることでLispプログラムを作ることができるのです。carやcdr、set-car!、set-cdr!、list、quoteなどの手続きを使えば、Schemeプログラムをそのままリストとして扱えます。実はペアを直接作成する専用の構文もあるのですが、知らなくても今のところは構わないので、ここでは割愛します。", "title": "リスト" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "実は、以上で大まかな文法は説明し終わりました。Schemeの文法はほとんどw:S式なのです。まだまだ説明していない概念はいくらでもあるのですが、それらの機能はすべて手続きや構文で提供されるのです。たとえば、数値の大小を比較するのも手続きですし、文字列を表示するのもまた手続きです。w:GUIw:ライブラリが提供されれば、ウィンドウを開いたりファイルを操作したり画像を表示したりするのもまた、手続きを介して行われます。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "とはいえ、実際にあなたが望む機能を実現するには、どの手続きをどのように使えばいいのかわからないことでしょう。あとあなたに必要なのは、どんな手続きや構文が用意されているのか知り、具体的なプログラムを読んだり書いたりしてプログラミングの経験を積むことです。そのためには言語仕様を読めるようになる必要があります。ですが、以下でかんたんに主な手続きや構文を紹介しておこうかと思います。このほかにも有用なものがたくさんありますので、すべての機能を知るには言語仕様を参照しましょう。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "Schemeの最も重要な手続きはペアをつくり、ペアから要素を 取り出す次の3つです。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "consはペアを作る手続きです。 (cons 1 2) => 1 . 2", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "このペアから無限に続くリストが作れます。リストの終わりを()という空リストで示すこととすれば、1 2 3と続くリストは、 (cons 1 (cons 2 (cons 3 '())))と定義され、 (1 2 3)と表現されます。 特に、Schemeでは、リスト構造が根本であり、それは、リストは再帰的(recursive)に定義される構造だからです。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "この例だけ見ると、リストの重要性は判らないかも知れません。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "これらのw:四則演算の手続きは、整数や小数など数値型の値に適用できます。これだけでもSchemeを簡易電卓として使えそうですね。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "displayは引数に与えられた値を出力します。プログラム実行中の途中経過を表示したりする場合にも便利です。下の例では結果が1010となっていますが、displayが表示した10とインタプリタがプログラムから得た値10が、改行していないのでつながって見えるだけです。文字列や変数も引数として使えます。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "表示できるのは、Schemeの処理系が受け付けるすべての S式です。数値、文字、文字列、クオートされたリストなど、何でも表示できます。ただし、関数は内部表現が処理系毎に異なることに注意して下さい。(display 10) の評価値は、未定義です。他の変数に束縛する意味はありません。複数の値を表示するとき、Scheme では以下のように書くことができます。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "準引用により , が前に付くと、値が展開されます。それから", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "と書けば、出力先を変更できます。output-port は、関数 open-output-file の返り値を指定します。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "lambdaは手続きを新たに定義し、その手続きを表す値を返す構文です。Schemeは手続きであっても、数値や文字列と同じように値として処理することができます。lambda構文の第一引数には手続きの引数名となる変数のリストを渡します。第2引数以降は手続き本体となる式を渡します。ここで作成された手続きは一種の値なので、defineで束縛することができます。サンプルプログラムを示します。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "新たに定義した手続きは二つの引数をとり、その平均を返します。その手続きは変数averageに束縛しています。インタプリタは(average 10 20)を手続き呼び出しだと判断し呼び出しました。前述では手続き名には変数を記述すると解説しましたが、実際には手続きの値をとる式を書きます。averageには手続きが束縛されているため、リストの先頭に書くことができます。従って次のようなこともできます。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "平均を計算する無名の手続きを定義し、返り値をリストの先頭に使いその手続きを呼び出しています。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "手続きは引数や返り値にも使えるため、手続きを返す手続きも作成できます。下の例では、最初に平均を計算する手続きを返す手続きを作成し、それを変数create-average-functionに束縛しています。そして、2つめ、3つめで変数create-average-functionに束縛されていた平均を計算する手続きをつくる手続きに、まず加算と乗算の定義を与え、平均を計算する手続きを得ます。そして、その手続きに引数10と20を与えて、具体的な平均値を計算しています。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "create-average-function", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "15", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "14.1421356...", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "quoteは引数に与えられたものを評価せずにそのまま返す構文です。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "特別な構文(Schemeの機能の「構文」ではなく、一般的な意味の構文)として、'(+ 1 2)と書くことができます。(quote (+ 1 2))まったく同じ意味ですが、字数が少なく見やすくなります。このように、書きやすさ、見やすさのために導入された構文をw:糖衣構文(シンタックスシュガー)といいます。", "title": "Schemeの重要な手続きや構文" } ]
null
{{Pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング|frame=1}} == 対象読者 == このページではプログラミングのまったくの初心者、もしくは他のプログラミング言語は知っているがSchemeについて知識がないかたを主な対象者として、Schemeプログラミングを素早く習得できるように解説していきます。 ==Schemeの紹介== [[w:Scheme|Scheme]](スキーム)とは[[w:プログラミング言語]]のひとつです。 Schemeの最大の魅力はそのシンプルさにあります。おそらく([[w:Brainfuck|Brainf***]]などのジョーク言語を除けば)現存するあらゆる言語のなかでも最も言語仕様が小さい言語で、つまりはもっとも習得のしやすい言語であるといえます。また、実用にもじゅうぶん耐えうるだけの機能を持ち、プログラミングの楽しさを体験するにはまさにうってつけです。すでに[[C言語]]や[[Perl]]などの他の言語を習得している方にとっても、プログラミングの理解を深める上で覚えておいて損はない言語です。 この項ではSchemeの知識がゼロの状態から、最低限必要なことだけを最短で理解できるように解説していきます。この項では基本的だがしかし本格的なプログラミングの概念を学び終えるのに、初学者の方でも半日とかからない分量にしています。 さあ、Schemeでプログラミングをあっという間に身に着けてしまいましょう! Schemeは2015年現在に至るまで何度か改良が加えられ、Revised7 Report on the Algorithmic Language Scheme(R7RS)という仕様書がもっとも新しいものです。ここではR7RSに準じて説明していきます。仕様の詳細については[[Scheme#外部リンク|外部リンク]]の項を参照してください。 ==処理系に触れてみる== プログラムを実行するには、その言語に対応した何らかの処理系(プログラムを処理する[[w:ソフトウェア|ソフトウェア]]。ここではプログラムを実行するもののこと)が必要です。プログラムの構文解説に入る前に、自分でプログラムを入力して確かめることができるように[[w:インタプリタ|インタプリタ]]の使い方を覚えましょう。[[w:フリーウェア|フリーウェア]]として公開されている処理系も多いので探してみましょう。処理系を探すには[[Scheme#外部リンク|外部リンク]]の項も参照してください。 もし処理系のインストール作業が億劫であれば、Webブラウザ上でSchemeプログラムの実行を試せるサイトがあります。次の「[http://codepad.org/ codepad]」というサイトでは、(1)ページ左のオプションボタンから、「Scheme」を選択する (2)テキストボックスにプログラムを入力する、もしくはコピーアンドペーストする (3)「Submit」ボタンを押す という手順を踏むだけで処理系のインストール作業なしにSchemeの実行を試すことができます。この項目程度の内容であれば「Codepad」でもじゅうぶん事足ります。 [[画像:Scheme_codepad.png|400px]] ためしに「codepad」を使ってみましょう。「Scheme」を選んでからテキストボックスに「(display "Hello, World!")」と入力し、「Submit」ボタンを押すと次のような結果が表示されます。 [[Image:Scheme codepad2.png|400px]] このコードを実行したところ、「Hello, World!」という文字列が出力された、ということです。他のコードを試してみる場合、「(display "Hello, World!")」の「"Hello, World!"」の部分を表示したい値に置き換えてください。たとえば、「(display (+ 5 9))」を入力すると「14」が出力されます。 他のインタプリタの大まかな使い方を説明します(以下は「Codepad」の使いかたではありません)。Schemeの処理系が入手できたら、そのヘルプにしたがって起動してみましょう。たいていのインタプリタでは、起動すると「>」記号が表示されてユーザからの入力待ちになります。 > では、インタプリタに「(+ 1 2)」と入力してみましょう。たいていの対話式の処理系では改行すると実行します。 >(+ 1 2) 3 > 「3」が表示され、再びユーザからの入力待ちになりましたね。Schemeプログラム「(+ 1 2)」の実行結果が「3」だったということです。プログラムを入力して改行すると、入力されたプログラムが実行され、次の行に先ほどのプログラムの実行結果が表示されます。これを繰り返してSchemeプログラミングを進めていきます。 ==Schemeプログラムの構造、意味と評価の過程== プログラムとはおおまかに言えば命令と式の羅列です。数値計算の時にはまさに数式を書いていくのですが、プログラミング言語には、文字列から一部分を切り取ったり、リストからデータを取り出したりと、数値計算ではない式があります。下図を見ればわかるように、数学で使われる数式の表現と対応するものが多くあります。数式に対応するものをSchemeで書けば、それがまさに数値計算をするプログラムになります。 {| class="wikitable" |+ 数学とSchemeの対応する主な表現 !scope="col"| 意味 !scope="col"| 数学の表記 !scope="col"| 対応するSchemeの表記 |- !scope="row"| 関数の適用 | <math>f(x, y)</math> || <syntaxhighlight lang="scheme" inline>(f x y)</syntaxhighlight> |- !scope="row"| 変数の値の更新 | なし || <syntaxhighlight lang="scheme" inline>(set! x y)</syntaxhighlight> |- !scope="row"| 等値性の検査 | <math>x = y</math> || <syntaxhighlight lang="scheme" inline>(= x y)</syntaxhighlight> |- !scope="row"| 関数の定義 | <math>f(x, y) = x + y</math> || <syntaxhighlight lang="scheme" inline>(define (f x y) (+ x y))</syntaxhighlight> |- !scope="row"| 乗算 | <math>a \times b</math> || <syntaxhighlight lang="scheme" inline>(* a b)</syntaxhighlight> |} Schemeでは一貫して括弧の入れ子構造になっているのがおわかりになると思います。これがまさにSchemeの言語仕様がシンプルであるという所以です。Schemeではプログラムの実行を進めていくことを「評価」と呼びますが、これも簡単に言えば数式を変形して簡単にしていくことに似ています。たとえば、数学では次のように式を変形し、値を求めていきます。 ::<math>\begin{align} 1 + ((4 - 2) + 1) &= 1 + (2 + 1) \\ &= 1 + 3 \\ &= 4 \end{align}</math> これ以上簡単にしようがない「4」が出てきた時点で変形は終了です。これで答えが求まりました。このような変形をSchemeで表せば次のようになります。 (+ 1 (+ (- 4 2) 1)) ↓ (+ 1 (+ 2 1)) ↓ (+ 1 3 ) ↓ 4 数学の表記とは数字や記号の順番が異なりますが、何となく似た雰囲気はつかめると思います。入れ子になった括弧は、数学と同様に内側から評価してきます。プログラムといっても、数学の式を独特の表記で書き換えたようなものなのです。ただ、実際は式変形の途中経過は見せず、即座に「その式の値」つまり答えのみが出力されます。以下は実際の入力と出力の一例です。 >(+ 1 (+ (- 4 2) 1)) ←入力(プログラム、式) 4 ←出力(答え、式の値) この式を「codepad」で試すときは「(display (+ 1 (+ (- 4 2) 1)))」と入力してください(「display」はこの式の評価結果を表示させるという意味です。詳しくは後ほど解説します)。 このように評価して値を得ることを「値が返る(値を返す、値を戻す)」、返ってきた値を「返り値(戻り値)」などともいいます。ソースコード上でいえば、「値が返る」とは「ある式を評価し、その式の部分をその値で置き換える」ことだと考えるとわかりやすいかもしれません。 ==式の要素== プログラムとは式そのものですから、[[w:ソースコード]]では数字や文字列といったデータを記述していく必要があります。プログラミング言語にはそれぞれこのようなデータを書くための構文があり、このコード中に直接書かれた値を「リテラル」(literal)と呼びます。 ここでは最低限必要と思われるものだけ解説しますが、以下で紹介される以外にもいろいろな表現があります。詳しくは仕様を参照してください。また、以下の中にはまだ使い方が説明されていないものがありますが、それは後述します。 ===数値リテラル=== Schemeでソースコード中に数値を記述するには、そのまま半角数字で表記し、これを「数値リテラル」といいます。小数は小数点をピリオドで入力し、負の数を示すマイナス記号(-)も使えます。「2004」「3.14159265358979」「-273.15」などです。ただし、入力した数値が必ずしも入力したとおりの精度で扱われるとは限りません。頭に「#e」をつけ完全な精度で扱うことを指定することもできます。 数値型は、整数型integer、有理数型ratioral、実数型real、複素数型complexの構造を持っており、右のものは、すべての左のものを含みます。 ===文字列リテラル=== 文字列の値を記述する場合は、その文字列をダブルクォーテーション{{code|"}}で囲んで記述します。これを「文字列リテラル」といいます。これはソースコード上で数値や変数(後述)と区別するためであり、実際の評価にこのダブルクォーテーションが影響することはありません。たとえば、{{code|"古今"}}と{{code|"東西"}}というふたつの文字列をつなげると、{{code|"古今""東西"}}ではなく{{code|"古今東西"}}となります。また、{{code|123}}は数値ですが{{code|"123"}}は文字列です。さらに、{{code|"Hello."}}{{code|"こんにちは。"}}なども文字列です。 特別な文字を表す表現もあります。たとえば改行は{{code|\n}}、タブ文字は{{code|\v}}、逆スラッシュは{{code|\\}}と入力します。また、これらの特別な文字は文字列リテラルの中では直接入力できません。つまり、{{code|"(改行)"}}と書くと構文エラーになります(エラーにならない処理系もあります)。 リテラルを評価すると、そのリテラルそのものが示す値を返します。{{code|1}}を評価すると{{code|1}}、{{code|"こんにちは"}}を評価すると{{code|"こんにちは"}}がそのまま返ります。 ===文字リテラル=== 単一の文字を表現するには文字リテラルを使います。これは{{code|#\}}に任意の一文字を続けて表記します。たとえば{{code|#\a}}は{{code|a}}を表します。また、スペースを{{code|#\space}}、タブ文字を{{code|#\tab}}で表します。 これは文字列リテラルとは扱いが異なりますので注意してください。たとえば{{code|"a"}}と{{code|#\a}}はどちらも画面に表示させると{{code|a}}ですが、それぞれ「'''一文字の'''文字列」と「文字」で異なるので注意してください。 ===真偽値リテラル=== 条件が真か偽かを表すには、真偽値型の値を使います。{{code|#t}}は真、{{code|#f}}は偽を表し、条件によって処理をわけるときなどに使います。ただし、{{code|#f}}以外のすべての値は真として扱われます。これを利用すると、失敗したり無効だったときは偽を返し、それ以外は何か別の型の値を返す、といった関数を実装できます。 式が真偽値型か調べるには、関数boolean?を利用します。 ==コメント== ソースコード中には[[w:コメント (コンピュータ)|コメント]]と呼ばれる注釈を書くことができます。コメント部分はプログラムの評価に一切関与しません。Schemeでは{{code|;}}からその行末までがコメントです。 >(define hoge 10) ;ここがコメント hoge Wikipedia:サンドボックス#ここから下に書き込んでください。 注釈を書く用途のほか、プログラムの一部分を一時的に評価しないようにするためにも使われます。もし評価して欲しくない部分を単純に削除してしまうと、あとで戻そうと思ったときに書き直さなければならず手間がかかるからです。コメントにしておけば先頭のセミコロンを削除するだけで元に戻せます。このように評価して欲しくない部分をコメントにすることをコメントアウトと呼びます。 ==手続き== Schemeには「手続き」(procedure)という概念があります。これは幾つかの処理を行いその結果を返すまとまりで、[[w:数学]]における[[w:関数]]と非常に良く似ています。たとえば、数学では「f(x,y) = x + y のとき、 f(1,2) = 3である」などといいますよね。Schemeでは{{code|f(x,y) {{=}} x + y}}の部分を「手続きの定義」、{{code|f}}を「手続き」、手続きの評価に必要な値を受け取る{{code|x}}と{{code|y}}を「仮引数」と呼びます。{{code|f(1,2)}}」の部分を「手続きの呼び出し」、{{code|1}}と{{code|2}}のように手続きの評価に使われる値を「引数」、実行した結果である{{code|3}}を「返り値」といいます。 では、手続きの呼び出しを表現してみましょう(実は下記の手続きの解説には幾つか方便が含まれています。ですが、ここで詳細を解説すると難しくなりすぎるので、詳しくは後述します。手続きの定義は少し難しいので後回しにします)。 手続きはただ命令や数式の列をまとめる役目だけではありません。Schemeの豊富な機能は手続きを介して提供されているのです。また、あなたの書いたプログラムの機能を他のプログラムに公開するとき、それは手続きの定義によって行われます。Schemeの機能を呼び出すとは、用意された手続きを呼び出す構文を書くことと同義です。 ===手続きの文法=== Schemeの手続きの呼び出しは{{code|(手続き名 引数1 引数2 ……)}}という文法です。手続き名は変数です。手続きがどんな引数を取るのかは手続きによって異なります。手続き名やそれぞれの引数の間はひとつ以上の[[w:空白文字|空白文字]]で区切らなければなりません。手続き名や引数の間に空白文字がないと、区切りが分からなくなってしまうからです。空白文字とは[[w:改行|改行]]、[[w:タブ文字|タブ文字]]、[[w:半角スペース|半角スペース]]の3つのいずれかです。この構文はどんな手続きでも同じです。Schemeのほとんどの手続きは、その引数が評価されてから手続きに渡されます。 手続き呼び出しの丸括弧は数学の優先順位を示す括弧とは異なり、省略'''できません'''。このため、数学のような乗算が加算に優先する、といった優先順位はSchemeには'''存在しません'''。この仕様は記号の優先順位を覚える必要がない反面、数式を煩雑にしがちで、Schemeらしい点でもあります。手続きの呼び出しが何重にもなると括弧の数を間違いやすいです。括弧は{{code|(}}と{{code|)}}がきちんと対になっていなければなりませんから気をつけましょう。SchemeのようなLisp系の言語は括弧だらけになるから苦手、という人も少なくないです。 ===実際に試してみる=== Schemeには加算をする手続き「+」が予め定義されています。さっきの構文にのっとると、数学での<math>1+2</math>はSchemeでは{{code|(+ 1 2)}}と表記されます。処理系で実行して試してみましょう。できたら<math>1+2</math>以外にも試してみましょう。引数の和が返ってくるはずです。 >(+ 1 2) 3 >(+ 10 50) 60 >(+ 2004 2004) 4008 >(+ -25 10) -15 >(+ 3.141592 -273.15) -270.008408 なんだか変な構文だと思われるかもしれませんが、これらの構文は[[w:S式|S式]]と呼ばれ、Schemeの構文のシンプルな言語仕様を支えています。「S式」は前置記法と呼ばれるもののひとつで、手続き名にあたるものが先頭に来ます。 「前置記法」の他に「中置記法」や「後置記法」もあります。C言語などは、数学のような{{code|1 + 2}}という感じの中置記法が中心ですが、3種類全ての記法が入り混じっています。これに対してSchemeでは、前置記法のみしか使わないシンプルな言語仕様になっています。 ===注意=== 幾つか手続き呼び出しに関して気をつけておくことがあります。手続きには「手続き名」「引数の数」「引数の型」「返り値の型」などの要素を持っています。たとえば、幾つ引数をとるかは手続きごとに決められており、多すぎたり少なかったりすると実行したときに[[w:エラー]]になります。ただ、たまたま「+」は引数が幾つあってもよい手続きです。 また、手続きは引数の型が決まっています。たとえば、[[w:加算]]をする手続き{{code|+}}は文字列を引数に呼び出すとエラーです。 たまたま「+」は引数の順番を変えても同じ値が返ってきますが、ほとんどの手続きは引数はその順番に意味があります。たとえば、{{code|-}}は1つ目の引数の値から2つめ以降の引数の値を減算する手続きなので、{{code|(- 10 5)}}と{{code|(- 5 10)}}の値は違います。 Schemeには予め幾つかの手続きが定義されており、ユーザは新たに手続きを定義することもできます。そのScheme処理系にどの手続きが用意されているか確かめるには、その処理系の[[w:ヘルプ]]と言語仕様を確認する必要があります。 ==束縛== 束縛とは変数に値を関連付けることです。例を見てみましょう。手続きdefineは第一引数の変数に第2引数の値を束縛します。値が束縛された変数を評価すると、その変数に束縛された値が返ります。つまり、束縛された値を取得するには、単にその変数を書きます。 >(define year 2004) year >(+ year 1) 2005 変数yearには数{{code|2004}}が束縛されましたので、変数yearが評価されるとyearに束縛された値{{code|2004}}が返ります。手続き+は{{code|2004}}と{{code|1}}の和{{code|2005}}を返します。今まで説明に使ってきた手続き+も、じつはインタプリタ起動と同時に+に加算をする手続きが束縛されていたから使えるのです。手続きも一種の値として扱えるため、defineで束縛することができるのです。また、何も束縛されていない変数を評価しようとするとエラーです。 ==構文== 上で束縛を説明しました。が、ここで疑問に思って欲しいことがあります。次の例を見てみましょう。 >(define year 2004) year >(define year 1000) year 下のdefineでは、yearはすでに2004が束縛されています。手続きは引数を評価してから渡すのですから、yearは2004を返すはずです。従って、{{code|(define year 1000)}}は{{code|(define 2004 1000)}}になるはずではありませんか。2004は変数ではないので、束縛はできないはずです。いや、そもそも最初のdefineではyearには何も束縛されていませんでしたから、なにも束縛されていない変数yearが評価されてエラーになるはずです。これはどうしたことでしょうか。 実はSchemeには手続き呼び出しと同じような構文でありながら、引数を評価せずに受け取る手続き呼び出しとはまったく別の式も存在します。defineは引数(のように見える部分)は評価しないのです。defineは手続きではなく、定義を行う「構文」に分類されます。 ==リスト== Schemeなど[[w:Lisp]]系の言語が何故これほどまでにシンプルな構文にこだわったかには訳があります。Schemeプログラムは「リスト」と呼ばれるツリー状の構造をとるようになっているのです。Lispが[[w:人工知能]]研究の分野に使われてきたのは、プログラム上でプログラムを組み立てるのが非常に容易だからです。 たとえば、{{code|(+ 1 (- 2 3))}}という式は、実は次のようなリストです。 [[画像:scheme.png]] グレーの矩形は[[w:carとcdr]]の二つの区画を持つ「ペア」と呼ばれるものです。car部はそのペアが持っている値、cdr部はその次の要素を格納していると捉えることができます。car部には別のペアを格納することができます。cdr部は次の要素を示しますが、リストの終端を示すには空リストを使います。図中では{{code|()}}で表されているのが空リストです。Lispプログラムはこの構造の繰り返しであり、このツリー構造を作り上げることでLispプログラムを作ることができるのです。{{code|car}}や{{code|cdr}}、{{code|set-car!}}、{{code|set-cdr!}}、{{code|list}}、{{code|quote}}などの手続きを使えば、Schemeプログラムをそのままリストとして扱えます。実はペアを直接作成する専用の構文もあるのですが、知らなくても今のところは構わないので、ここでは割愛します。 ==Schemeの重要な手続きや構文== 実は、以上で大まかな文法は説明し終わりました。Schemeの文法はほとんど[[w:S式]]なのです。まだまだ説明していない概念はいくらでもあるのですが、それらの機能はすべて手続きや構文で提供されるのです。たとえば、数値の大小を比較するのも手続きですし、文字列を表示するのもまた手続きです。[[w:GUI]][[w:ライブラリ]]が提供されれば、ウィンドウを開いたりファイルを操作したり画像を表示したりするのもまた、手続きを介して行われます。 とはいえ、実際にあなたが望む機能を実現するには、どの手続きをどのように使えばいいのかわからないことでしょう。あとあなたに必要なのは、どんな手続きや構文が用意されているのか知り、具体的なプログラムを読んだり書いたりしてプログラミングの経験を積むことです。そのためには言語仕様を読めるようになる必要があります。ですが、以下でかんたんに主な手続きや構文を紹介しておこうかと思います。このほかにも有用なものがたくさんありますので、すべての機能を知るには言語仕様を参照しましょう。 ===cons, car, cdr=== Schemeの最も重要な手続きはペアをつくり、ペアから要素を 取り出す次の3つです。 *cons ペア(dotted pair)をつくる *car pairの最初の要素を取り出す *cdr pairの次の要素を取り出す consはペアを作る手続きです。 {{code|(cons 1 2)}} => {{code|1 . 2}} このペアから無限に続くリストが作れます。リストの終わりを{{code|()}}という空リストで示すこととすれば、1 2 3と続くリストは、 {{code|(cons 1 (cons 2 (cons 3 '())))}}と定義され、 {{code|(1 2 3)}}と表現されます。 特に、Schemeでは、リスト構造が根本であり、それは、リストは再帰的(recursive)に定義される構造だからです。 <syntaxhighlight lang="scheme"> (cons 1 2) => (1 . 2) (car (cons 1 2)) => 1 (cdr (cons 1 2)) => 2 (cons 1 (cons 2 '())) => (1 2) (car (cons 1 (cons 2 '()))) => 1 (cdr (cons 1 (cons 2 '()))) => (2) </syntaxhighlight> この例だけ見ると、リストの重要性は判らないかも知れません。 ===四則演算=== *+ 加算 *- 減算 *<nowiki>*</nowiki> 乗算(「×」ではなく「*」を使います) */ 除算(「÷」ではなく「/」を使います) これらの[[w:四則演算]]の手続きは、整数や小数など数値型の値に適用できます。これだけでもSchemeを簡易電卓として使えそうですね。 ===display=== displayは引数に与えられた値を出力します。プログラム実行中の途中経過を表示したりする場合にも便利です。下の例では結果が1010となっていますが、displayが表示した10とインタプリタがプログラムから得た値10が、改行していないのでつながって見えるだけです。文字列や変数も引数として使えます。 >(display 10) 1010 表示できるのは、Schemeの処理系が受け付けるすべての S式です。数値、文字、文字列、クオートされたリストなど、何でも表示できます。ただし、関数は内部表現が処理系毎に異なることに注意して下さい。{{code|(display 10)}} の評価値は、未定義です。他の変数に束縛する意味はありません。複数の値を表示するとき、Scheme では以下のように書くことができます。 >(define x "Xvalue") >(for-each display `(1 2 3 x ,x "\n" "newline")) 1 2 3 x Xvalue newline 準引用により {{code|,}} が前に付くと、値が展開されます。それから >(display 10 output-port) と書けば、出力先を変更できます。output-port は、関数 open-output-file の返り値を指定します。 ===lambda=== lambdaは手続きを新たに定義し、その手続きを表す値を返す構文です。Schemeは手続きであっても、数値や文字列と同じように値として処理することができます。lambda構文の第一引数には手続きの引数名となる変数のリストを渡します。第2引数以降は手続き本体となる式を渡します。ここで作成された手続きは一種の値なので、defineで束縛することができます。サンプルプログラムを示します。 > (define average (lambda (x y) (/ (+ x y) 2))) average > (average 10 20) 15 新たに定義した手続きは二つの引数をとり、その平均を返します。その手続きは変数averageに束縛しています。インタプリタは{{code|(average 10 20)}}を手続き呼び出しだと判断し呼び出しました。前述では手続き名には変数を記述すると解説しましたが、実際には手続きの値をとる式を書きます。averageには手続きが束縛されているため、リストの先頭に書くことができます。従って次のようなこともできます。 > ((lambda (x y) (/ (+ x y) 2)) 10 20) 15 平均を計算する無名の手続きを定義し、返り値をリストの先頭に使いその手続きを呼び出しています。 手続きは引数や返り値にも使えるため、手続きを返す手続きも作成できます。下の例では、最初に平均を計算する手続きを返す手続きを作成し、それを変数create-average-functionに束縛しています。そして、2つめ、3つめで変数create-average-functionに束縛されていた平均を計算する手続きをつくる手続きに、まず加算と乗算の定義を与え、平均を計算する手続きを得ます。そして、その手続きに引数10と20を与えて、具体的な平均値を計算しています。 <syntaxhighlight lang="scheme"> > (define create-average-function (lambda (add multiply) (lambda (x y) (multiply (add x y) (/ 1 2))))) </syntaxhighlight> <code> create-average-function</code> <syntaxhighlight lang="scheme"> > ((create-average-function + *) 10 20) ; 相加平均 </syntaxhighlight> <code> 15</code> <syntaxhighlight lang="scheme"> > ((create-average-function * expt) 10 20) ; 相乗平均、exptは累乗を計算する組み込み関数。 </syntaxhighlight> <code> 14.1421356...</code> ===quote=== quoteは引数に与えられたものを評価せずにそのまま返す構文です。 >(quote (+ 1 2)) (+ 1 2) ;(+ 1 2)は評価しないと(+ 1 2)というリスト >(define hoge 10) hoge >hoge 10 ;quoteを使わなければ、変数は束縛されている値を返す >(quote hoge) hoge ;quoteを使うと、変数は変数そのものを返す 特別な構文(Schemeの機能の「構文」ではなく、一般的な意味の構文)として、{{code|'(+ 1 2)}}と書くことができます。{{code|(quote (+ 1 2))}}まったく同じ意味ですが、字数が少なく見やすくなります。このように、書きやすさ、見やすさのために導入された構文を[[w:糖衣構文]](シンタックスシュガー)といいます。 == 関連項目 == * [[/継続]] * [[/継続の種類と利用例]] *[[48時間でSchemeを書こう]] ==外部リンク== {{Wikipedia}} *R5RS **[http://www.schemers.org/Documents/Standards/R5RS/ R5RS] 本家。 **[http://www.sci.toyama-u.ac.jp/~iwao/Scheme/r5rsj/html/r5rsj_toc.html アルゴリズム言語Schemeに関する第五改訂報告書] 日本語訳。 **[http://www.unixuser.org/~euske/doc/r5rs-ja/index.html R5RS日本語訳] 日本語訳。 *[http://www.r6rs.org/ R6RS] *[http://milkpot.sakura.ne.jp/scheme/r7rs.html R7RS] *インタプリタとコンパイラ **[http://www.gnu.org/software/guile/guile.html Guile] GNUプロジェクトで開発されているインタプリタ。 **[http://sourceforge.jp/projects/gauche/ Gauche] インタプリタ。 **[http://www.scheme.com/chezscheme.html Chez Scheme] 商用Schemeコンパイラ。 **[http://www.scheme.com/petitechezscheme.html Petite Chez Scheme] 上記[http://www.scheme.com/chezscheme.html Chez Scheme]のフリー版インタプリタ。 {{stub}} [[Category:Scheme|*]] {{NDC|007.64}}
null
2021-11-30T13:05:51Z
[ "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Stub", "テンプレート:NDC", "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Code" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Scheme
860
日本語
---- 日本語(にほんご)は日本国で事実上の第1言語として使用されている言語です。ただし、法律や日本国憲法には明記されていません。日本の他にも韓国や台湾などで一部通用することがあります。オーストラリアなどでは外国語教育として取り入れられています。 日本語は系統において様々に議論があるものの、比較言語学的にいずれかの他言語と共通の語族に属すことは証明されておらず、孤立言語とされます。日本語には、様々な、方言があります。 ただし琉球諸島の言葉を、別の言語である琉球語とする考えがあり、その論をとれば日本語の同系言語が存在することになります。 また、外国人にとって日本語習得は、母語によって異なりますが、一般的に、母音の数が比較的少ないことやアクセントも(声調ではなく)音の高低のみであることから聞き取り、発音は比較的容易であるとされます。 ただし使用される文字種がひらがな・カタカナ・漢字と多岐に亘ることから、筆記には高い習得意欲が要求されます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "----", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "日本語(にほんご)は日本国で事実上の第1言語として使用されている言語です。ただし、法律や日本国憲法には明記されていません。日本の他にも韓国や台湾などで一部通用することがあります。オーストラリアなどでは外国語教育として取り入れられています。 日本語は系統において様々に議論があるものの、比較言語学的にいずれかの他言語と共通の語族に属すことは証明されておらず、孤立言語とされます。日本語には、様々な、方言があります。 ただし琉球諸島の言葉を、別の言語である琉球語とする考えがあり、その論をとれば日本語の同系言語が存在することになります。 また、外国人にとって日本語習得は、母語によって異なりますが、一般的に、母音の数が比較的少ないことやアクセントも(声調ではなく)音の高低のみであることから聞き取り、発音は比較的容易であるとされます。 ただし使用される文字種がひらがな・カタカナ・漢字と多岐に亘ることから、筆記には高い習得意欲が要求されます。", "title": "" } ]
語学 > 日本語 ---- 日本語(にほんご)は日本国で事実上の第1言語として使用されている言語です。ただし、法律や日本国憲法には明記されていません。日本の他にも韓国や台湾などで一部通用することがあります。オーストラリアなどでは外国語教育として取り入れられています。 日本語は系統において様々に議論があるものの、比較言語学的にいずれかの他言語(げんご)と共通の語族に属すことは証明されておらず、孤立言語とされます。日本語には、様々な、方言があります。 ただし琉球諸島の言葉を、別の言語である琉球語とする考えがあり、その論をとれば日本語(にほんご)の同系言語が存在することになります。 また、外国人にとって日本語習得は、母語によって異なりますが、一般的に、母音の数が比較的少ないことやアクセントも(声調ではなく)音の高低のみであることから聞き取り、発音は比較的容易であるとされます。 ただし使用される文字種がひらがな・カタカナ・漢字と多岐に亘ることから、筆記には高い習得意欲が要求されます。
* [[語学]] &gt; '''日本語''' {{Wikipedia|日本語}} {{Wiktionary|日本語}}---- '''日本語'''(にほんご)は[[日本国]]で[[w:デファクトスタンダード|事実上]]の[[w:母語|第1言語]]として使用されている[[w:言語|言語]]です。ただし、[[法律]]や[[日本国憲法]]には明記されていません。日本の他にも[[w:大韓民国|韓国]]や[[w:台湾|台湾]]などで一部通用することがあります。[[w:オーストラリア|オーストラリア]]などでは外国語教育として取り入れられています。 日本語は系統において様々に議論があるものの、比較言語学的にいずれかの他{{Ruby|言語|げんご}}と共通の語族に属すことは証明されておらず、孤立言語とされます。日本語には、様々な、[[方言]]があります。 ただし琉球諸島の言葉を、別の言語である琉球語とする考えがあり、その論をとれば{{Ruby|日本語|にほんご}}の同系言語が存在することになります。 また、外国人にとって日本語習得は、母語によって異なりますが、一般的に、母音の数が比較的少ないことやアクセントも(声調ではなく)音の高低のみであることから聞き取り、発音は比較的容易であるとされます。 ただし使用される文字種がひらがな・カタカナ・漢字と多岐に亘ることから、筆記には高い習得意欲が要求されます。<br clear="both" /> == 目次 == {{進捗状況}} * [[/文字|文字]]{{進捗|50%|2005-05-08}} * [[/構文|構文]]{{進捗|100%|2012-02-12}} * [[/品詞|品詞]]{{進捗|50%|2023-09-25}} ** [[/品詞/自立語|自立語]]{{進捗|75%|2023-09-25}} *** [[/品詞/自立語/用言|用言]]{{進捗|50%|2023-09-25}} **** [[/品詞/自立語/用言/動詞|動詞]]{{進捗|75%|2023-09-25}} **** [[/品詞/自立語/用言/形容詞|形容詞]]{{進捗|50%|2023-09-25}} **** [[/品詞/自立語/用言/形容動詞|形容動詞]]{{進捗|50%|2023-09-25}} *** [[/品詞/自立語/体言|体言]]{{進捗|75%|2023-09-25}} **** [[/品詞/自立語/体言/名詞|名詞]]{{進捗|100%|2023-09-25}} **** [[/品詞/自立語/体言/代名詞|代名詞]]{{進捗|75%|2023-09-25}} *** [[/品詞/自立語/体言/連体詞|連体詞]]{{進捗|25%|2023-09-25}} *** [[/品詞/自立語/体言/副詞|副詞]]{{進捗|50%|2023-09-25}} *** [[/品詞/自立語/体言/感動詞|感動詞]]{{進捗|75%|2023-09-25}} *** [[/品詞/自立語/体言/接続詞|接続詞]]{{進捗|100%|2023-09-25}} ** [[/品詞/付属語|付属語]]{{進捗|00%|2023-09-25}} *** [[/品詞/付属語/助詞|助詞]]{{進捗|25%|2023-09-25}} *** [[/品詞/付属語/助動詞|助動詞]] * [[/発音|発音]] * [[/非母語話者むけ|{{ruby|非母語話者|ひぼごわしゃ}}むけ]] - {{ruby|外国人|がいこくじん}}と{{ruby|日本語教師|にほんごきょうし}}のためのWikibooksです{{進捗|75%|2016-07-19}} == 関連 == * [[ひらがな・カタカナ]]{{進捗|100%|2023-09-25}} * [[日本語の方言]]{{進捗|00%|2023-09-25}} * [http://brng.jp/50renshuu.pdf 仮名練習帳 (PDF)] {{DEFAULTSORT:にほんこ}} {{NDC|810}} [[カテゴリ:アジアの言語]] [[Category:日本語|*]] [[da:Japansk]] [[de:Japanisch]] [[en:Japanese]] [[es:Japonés]] [[fi:Japanin kieli]] [[fr:Japonais:Table des matières]] [[HE:יפנית]] [[pl:Japoński]] [[pt:Japonês]] [[ru:Японский язык]] [[zh:日语]]
2004-11-01T12:49:50Z
2023-09-25T08:58:38Z
[ "テンプレート:Wiktionary", "テンプレート:Ruby", "テンプレート:進捗状況", "テンプレート:進捗", "テンプレート:NDC", "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E
863
経済学 現代経済の変容 経済の変容 経済とは何か
経済学>現代経済の変容>経済の変容>経済とは何か 経済は、欲求を満たすための人間と人間の結びつきのこと。一人じゃできないことも、みんなとならできるという考え方のこと。 私たち人間は、自然と社会の2つの環境の下で生きています。人間は自然環境から生きるために必要なものを得たり、自然環境に手を加えて必要なものを作らせたりしています。一方でこのような活動をすることにより人間どうしの結びつき(社会関係)が生まれ、維持されてきています。自然環境と社会環境は似通った部分もありますが、全く異なる部分もあります。 経済は、社会環境の一部で、人間が社会環境の下で生きて行くために必要な活動(経済活動)とその活動の結びつきのことです。人間はあらゆる財を無限に欲しがります。これを経済的欲望といいます。しかし、現代社会では経済的欲望をすべて一人で、つまり、社会関係を断ち切って満たすことはできません。より多くの経済的欲望を満たそうとしたら、より多くの人と社会関係を築く高度な仕組みが必要になります。それに、いくら社会関係を築いても自然には限界があります(経済資源の希少性)。いかにして限りある資源を効率よく多くの人に分配すれば良いのでしょうか。これまで、多くの人間たちがこれらの経済問題を解決しようと奮闘してきました。そして、奮闘することによって色々な経済の仕組み(経済体制)が築かれてきたのです。 経済学では、人に満足ないし不満足をもたらす(なんらかの経済的効用をもつ)ものを財または財物といいます。財物は次のように分類できます。 財物の数量には限りがあります。これを、財物の希少性といいます。これが原因で様々な経済問題が発生しています。 現代の経済は、家計・企業・政府の3つの経済主体から成り立っています。3つの経済主体の間の財物の流れは、次のように整理することができます。 このような経済循環を支える経済の仕組みのことを経済体制といいます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "経済学>現代経済の変容>経済の変容>経済とは何か", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "経済は、欲求を満たすための人間と人間の結びつきのこと。一人じゃできないことも、みんなとならできるという考え方のこと。", "title": "そもそも「経済」とは?" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "私たち人間は、自然と社会の2つの環境の下で生きています。人間は自然環境から生きるために必要なものを得たり、自然環境に手を加えて必要なものを作らせたりしています。一方でこのような活動をすることにより人間どうしの結びつき(社会関係)が生まれ、維持されてきています。自然環境と社会環境は似通った部分もありますが、全く異なる部分もあります。", "title": "人間と経済" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "経済は、社会環境の一部で、人間が社会環境の下で生きて行くために必要な活動(経済活動)とその活動の結びつきのことです。人間はあらゆる財を無限に欲しがります。これを経済的欲望といいます。しかし、現代社会では経済的欲望をすべて一人で、つまり、社会関係を断ち切って満たすことはできません。より多くの経済的欲望を満たそうとしたら、より多くの人と社会関係を築く高度な仕組みが必要になります。それに、いくら社会関係を築いても自然には限界があります(経済資源の希少性)。いかにして限りある資源を効率よく多くの人に分配すれば良いのでしょうか。これまで、多くの人間たちがこれらの経済問題を解決しようと奮闘してきました。そして、奮闘することによって色々な経済の仕組み(経済体制)が築かれてきたのです。", "title": "人間と経済" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "経済学では、人に満足ないし不満足をもたらす(なんらかの経済的効用をもつ)ものを財または財物といいます。財物は次のように分類できます。", "title": "財物" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "財物の数量には限りがあります。これを、財物の希少性といいます。これが原因で様々な経済問題が発生しています。", "title": "財物" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "現代の経済は、家計・企業・政府の3つの経済主体から成り立っています。3つの経済主体の間の財物の流れは、次のように整理することができます。", "title": "経済循環" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "このような経済循環を支える経済の仕組みのことを経済体制といいます。", "title": "経済循環" } ]
経済学>現代経済の変容>経済の変容>経済とは何か
[[経済学]]>[[経済学_現代経済の変容|現代経済の変容]]>[[経済学_現代経済の変容_経済の変容|経済の変容]]>経済とは何か ---- __TOC__ <div style="margin:0px; padding:0px; background-color:#CCFF99; border:solid #00CC00 1px; width:100%;"> == そもそも「経済」とは? == '''経済は、欲求を満たすための人間と人間の結びつきのこと。一人じゃできないことも、みんなとならできるという考え方のこと。''' </div> == 人間と経済 == 私たち人間は、自然と社会の2つの環境の下で生きています。人間は自然環境から生きるために必要なものを得たり、自然環境に手を加えて必要なものを作らせたりしています。一方でこのような活動をすることにより人間どうしの結びつき(社会関係)が生まれ、維持されてきています。自然環境と社会環境は似通った部分もありますが、全く異なる部分もあります。 経済は、社会環境の一部で、人間が社会環境の下で生きて行くために必要な活動(経済活動)とその活動の結びつきのことです。人間はあらゆる財を無限に欲しがります。これを経済的欲望といいます。しかし、現代社会では経済的欲望をすべて一人で、つまり、社会関係を断ち切って満たすことはできません。より多くの経済的欲望を満たそうとしたら、より多くの人と社会関係を築く高度な仕組みが必要になります。それに、いくら社会関係を築いても自然には限界があります(経済資源の希少性)。いかにして限りある資源を効率よく多くの人に分配すれば良いのでしょうか。これまで、多くの人間たちがこれらの経済問題を解決しようと奮闘してきました。そして、奮闘することによって色々な経済の仕組み(経済体制)が築かれてきたのです。 == 財物 == 経済学では、人に満足ないし不満足をもたらす(なんらかの経済的効用をもつ)ものを'''財'''または'''財物'''といいます。財物は次のように分類できます。 *プラスの財 **自由財・・・空気、日光など。 **経済財 ***有形財・・・衣食住の生活を支える物資のことです。 ***無形財・・・用益(サービス)のこと。医療、教育、輸送、販売などの活動。 *マイナスの財・・・廃棄物(ごみ)など。 財物の数量には限りがあります。これを、財物の希少性といいます。これが原因で様々な経済問題が発生しています。 == 経済循環 == 現代の経済は、家計・企業・政府の3つの[[経済学_現代経済の仕組み_経済主体とその活動#経済主体|経済主体]]から成り立っています。3つの経済主体の間の財物の流れは、次のように整理することができます。 *拡大再生産・・・黒字の状態です。企業が利潤の一部を資本の提供者にまわした上で、残りを新しい設備投資に使うことをいいます。一般的には、経済成長につながります。 *単純再生産・・・収入と支出が拮抗している状態です。企業が利潤をすべて原材料費などにまわし、設備投資に使う分が無いことをいいます。 *縮小再生産・・・赤字の状態です。企業の利潤が資本を下回ることをいいます。 このような経済循環を支える経済の仕組みのことを'''経済体制'''といいます。 *[[経済学_現代経済の変容_経済の変容_世界経済の変容_資本主義経済|資本主義経済体制]]・・・市場(マーケット)による経済体制 *[[経済学_現代経済の変容_経済の変容_世界経済の変容_社会主義経済|社会主義経済体制]]・・・計画(プラン)による経済体制 {{stub}} [[Category:経済学|*]]
null
2008-02-19T15:58:30Z
[ "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6_%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%AE%E5%A4%89%E5%AE%B9_%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%AE%E5%A4%89%E5%AE%B9_%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8B
864
経済学 現代経済の変容
経済学>現代経済の変容 過去から現在に至るまで、様々な人が唱えた経済思想の下にどのような経済が望ましいのかという試行錯誤が続いています。この章現代経済の変容では、現代経済についての見方・考え方を学習しましょう。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "経済学>現代経済の変容", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "過去から現在に至るまで、様々な人が唱えた経済思想の下にどのような経済が望ましいのかという試行錯誤が続いています。この章現代経済の変容では、現代経済についての見方・考え方を学習しましょう。", "title": "" } ]
経済学>現代経済の変容 過去から現在に至るまで、様々な人が唱えた経済思想の下にどのような経済が望ましいのかという試行錯誤が続いています。この章現代経済の変容では、現代経済についての見方・考え方を学習しましょう。
[[経済学]]>現代経済の変容 ---- 過去から現在に至るまで、様々な人が唱えた経済思想の下にどのような経済が望ましいのかという試行錯誤が続いています。この章'''現代経済の変容'''では、現代経済についての見方・考え方を学習しましょう。 {{stub}} [[Category:経済学|*]]
null
2007-01-08T14:55:32Z
[ "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6_%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%AE%E5%A4%89%E5%AE%B9
865
経済学 世界経済
経済学>世界経済 日本経済の国際化による日本と海外の国々との関係とこれからの課題について学習しましょう。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "経済学>世界経済", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "日本経済の国際化による日本と海外の国々との関係とこれからの課題について学習しましょう。", "title": "" } ]
経済学>世界経済 日本経済の国際化による日本と海外の国々との関係とこれからの課題について学習しましょう。
[[経済学]]>世界経済 ---- 日本経済の国際化による日本と海外の国々との関係とこれからの課題について学習しましょう。 {{stub}} [[Category:経済学|*]]
null
2006-12-08T15:35:28Z
[ "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6_%E4%B8%96%E7%95%8C%E7%B5%8C%E6%B8%88
872
経済学 社会保障制度 労働
経済学>社会保障制度>労働 日本では、深夜まで残業し周囲に愚痴を漏らさないというのが美徳だと言われてきました。働き過ぎて身体に疲労がたまり病気になったり、あるいは働くことを苦にして自殺したりする人がいます。その責任は、原因が働く環境にあるのですから働く環境を管理する雇用主にあります。しかし、厚生労働省の労災認定基準には不備も多く議論されています。 日本国憲法第27条では、「国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ」と勤労の権利を定めています。また、第28条では、「勤労者の団結する権利」と「団体交渉」する権利、「団体行動をする権利」が保障されています。勤労の権利と労働三権を合わせて労働基本権といいます。労働基本権を守るためにいくつかの法律が定められ、労働の近代化に欠かせない存在となっています。また、労働者を保護するための法律として労働基準法、家内労働法、労働者派遣事業法、最低賃金法などがあります。 勤労権と必要最低限度の勤労条件について定めているのが労働基準法(1947年)です。労働基準法の主な内容は次の通りです。労働協約や就業規則などは労働基準法に反してはいけません。 団結権・団体交渉権について定めているのが労働組合法です。労働組合法第2条では、労働組合を「労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体」と定めています。 団体行動権(争議権あるいはストライキ権)について定めているのが労働関係調整法です。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "経済学>社会保障制度>労働", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "日本では、深夜まで残業し周囲に愚痴を漏らさないというのが美徳だと言われてきました。働き過ぎて身体に疲労がたまり病気になったり、あるいは働くことを苦にして自殺したりする人がいます。その責任は、原因が働く環境にあるのですから働く環境を管理する雇用主にあります。しかし、厚生労働省の労災認定基準には不備も多く議論されています。", "title": "過労死は誰のせい?" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "日本国憲法第27条では、「国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ」と勤労の権利を定めています。また、第28条では、「勤労者の団結する権利」と「団体交渉」する権利、「団体行動をする権利」が保障されています。勤労の権利と労働三権を合わせて労働基本権といいます。労働基本権を守るためにいくつかの法律が定められ、労働の近代化に欠かせない存在となっています。また、労働者を保護するための法律として労働基準法、家内労働法、労働者派遣事業法、最低賃金法などがあります。", "title": "労働基本権" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "勤労権と必要最低限度の勤労条件について定めているのが労働基準法(1947年)です。労働基準法の主な内容は次の通りです。労働協約や就業規則などは労働基準法に反してはいけません。", "title": "労働基本権" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "団結権・団体交渉権について定めているのが労働組合法です。労働組合法第2条では、労働組合を「労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体」と定めています。", "title": "労働基本権" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "団体行動権(争議権あるいはストライキ権)について定めているのが労働関係調整法です。", "title": "労働基本権" } ]
経済学>社会保障制度>労働
[[経済学]]>[[経済学_社会保障制度|社会保障制度]]>[[経済学_社会保障制度_労働|労働]] ---- __TOC__ <div style="margin:0px; padding:0px; background-color:#CCFF99; border:solid #00CC00 1px; width:100%;"> == 過労死は誰のせい? == 日本では、深夜まで残業し周囲に愚痴を漏らさないというのが美徳だと言われてきました。働き過ぎて身体に疲労がたまり病気になったり、あるいは働くことを苦にして自殺したりする人がいます。その責任は、原因が働く環境にあるのですから働く環境を管理する雇用主にあります。しかし、厚生労働省の労災認定基準には不備も多く議論されています。 === 参照 === *[[w:過労死|Wikipedia 過労死]] </div> == 労働基本権 == 日本国憲法第27条では、「国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ」と'''勤労の権利'''を定めています。また、第28条では、「勤労者の団結する権利」と「団体交渉」する権利、「団体行動をする権利」が保障されています。勤労の権利と労働三権を合わせて労働基本権といいます。労働基本権を守るためにいくつかの法律が定められ、労働の近代化に欠かせない存在となっています。また、労働者を保護するための法律として労働基準法、家内労働法、労働者派遣事業法、最低賃金法などがあります。 === 労働基準法 === 勤労権と必要最低限度の勤労条件について定めているのが労働基準法(1947年)です。労働基準法の主な内容は次の通りです。労働協約や就業規則などは労働基準法に反してはいけません。 *週1日以上、または4週間に4日以上の休日を与えなければなりません。 *毎月1回以上賃金を支払わなければなりません。 *男女同一賃金の原則を定めています。 *休憩時間は自由に過ごさせなければなりません。 *生理日に働けないときは休業できます。 *出産前後に休暇をとれます。 *国籍や社会的身分を理由として、労働条件を変えることは禁止しています。 *身体の自由を奪って強制労働させることを禁じています。 *児童の雇用を禁止しています。小・中学生を雇えません。 *労働者が公民権(選挙権)を行使するのを雇用主が妨げてはならないとしています。就業時間中であっても選挙に行けるようにしなければなりません。 *労働基準局の設置を求めています。これに基づき労働基準監督署が設置されています。 === 労働組合法 === 団結権・団体交渉権について定めているのが労働組合法です。労働組合法第2条では、労働組合を「労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体」と定めています。 === 労働関係調整法 === '''団体行動権'''('''争議権'''あるいは'''ストライキ権''')について定めているのが労働関係調整法です。 == 労働運動 == == 現在の雇用 == {{stub}} [[Category:経済学|*]] [[カテゴリ:社会保障]]
null
2023-01-27T12:19:11Z
[ "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6_%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E5%88%B6%E5%BA%A6_%E5%8A%B4%E5%83%8D
878
大学受験医学部面接
医学部の面接でよく聞かれる質問とその答え方について述べる。服装や話し方などについても述べる。 現役生は制服を着用する。浪人生や制服がない場合はスーツ・ワイシャツ・ネクタイを着用する。靴は特別な理由(天候不良や経済状況など)がない場合、華美でない革靴が好ましい。 一般的には目を見て話せと言われるが、目をじっと見られていると面接官も落ち着かないので、実際には眉毛のあたりやネクタイの結び目あたりを見て話したほうが良い。医学部の面接に於いては精神鑑定を専門とする医師が同席する場合がある。視線をキョロキョロさせるのは鑑定上好ましい影響を与えない。 必ずされる質問である。医師はお金が儲かるから、社会的地位が高いから、安定しているから、かっこいいから、純粋に学問的に興味があるから、などと答えるのは一般的に好ましくないとされる。親が医師だからというという答えも、それだけでは弱い。自発的な理由も述べる。自分の入院体験などを出すのは良いが、体力がないと思われないように気をつける。また、医学という学問に対する純粋な熱意や興味も十分な理由となりうる。基礎研究医を志望する学生が減少傾向にあり、医学部というこれからはいる場所で何を学んでいくのかよく理解していない受験生が増えつつある今、純粋な学問的好奇心を示すことも重要であるといえる。 (追記) 面接官(医学部教員)からよく聞くのは、「医師になってから何をしたいか」というビジョンを語ってほしいという事。また、親戚が病気になったから、自分が病気になったからと言った理由は、多くの人が語るため避けたほうがよい。毎年々々朝から夕方まで、同じような内容を延々と聴かされる面接官の気持ちを少し想像してみてほしい。 ちなみに、虫垂炎で入院した事を医師の理由にした受験生がいたが、見事に消化器外科教授の怒りを買った。誰でもかかりうるような病気を医師の志望動機にするのは、あまりにも短絡的で動機として弱すぎる。 学問的に興味があるから、は基礎研究をしたい人にとってならば良い志望動機となる。ただ、なぜその学問に興味があるのか、しっかりした具体的理由を語ることが必要である。 必ずされる質問である。学閥が強いからなどと答えると悪い印象を与える。臨床・研究ともに水準が高く、日本の医学会をリードしてきたからなどと答える。ただ、表面的な受け答えにならいように注意すること。大学の面接なのでやはり、「どういった点が水準が高いと感じたの?」や「特にどういった分野でリードして来たと思うの?」と込み入って聞かれることも想定しておくこと。首都圏の医学部は特に競合大学が多いため、自分の将来像と大学の特色を照らし合わせて合理的に面接官に説明できるとよい。 地方大学の場合は、「センターがいまいちだった」「都会に残るには成績が足りない」と言った本音は面接官は百も承知。ただ、直接それを言うのは憚られるだろう。大切なのは、マイナス的な発言にならないことである。 大学自体について好いことを言うのが難しければ、その地域を褒める等、もっともらしい理由をつける。多少の脚色はかまわないが、突っ込まれた時に慌てないように。 揺さぶりをかけるために「医師に向いていない。」と言われる可能性もある。これは、どのような態度に出るかを観られている。これは実務を行うことになれば、患者さんの中に理不尽なことをしたり言って来る人、あるいはメディアで批判をされる事態等に出くわす場面が度々あることによる。感情的にならず、理路整然として「これからどうしていきたいか」を念頭に置き、受け答えすれば問題ない。くれぐれも「適性がない」と言われたからといって、人格が否定されたわけではないので注意されたい。 自身のセールスポイントであるので、謙遜することなくどんどん述べると良い。その上で、過去にその長所が生きたエピソード、さらには未来で医師となる上でどういった場面で活かせそうか、と言うことも用意しておくこと。自身の短所よりも見つけにくいと感じるかもしれないが「有りません。」と答えるのは、自己分析をきちんとしているのか、とマイナスに解釈されてしまう可能性が高いので避ける事が好ましい。長所を知らないのは自身では謙遜しているように感じるかもしれないが、面接官(=医学部医学科教員)には好感を与えることは無いので必ず探しておくこと。 明らかな短所を述べるのはまずい(喧嘩っ早い、体力が無い等)。短所だが長所ともとれる性格を述べる。加えて、その短所を改善するためにどのように努力しているかまでを答えられるようになれれば、尚更可である。 医学とそれ以外の分野の人をそれぞれ考えておく。具体的な人物名を考えておく。どういう点が尊敬できるのかも述べる。 患者の権利についての意識が高まってきているので、告知を一切行わないという答えは好ましくない。患者ひとりひとりのバックグラウンド(進行度・家族構成・本人の思想・経済状況・精神状態)をよく理解した上で、EBM(Evidence Based Medicine)だけではなくNBM(Narrative Based Medicine)を進めていくのが好ましい。 脳死と遷延性意識障害(植物状態)の違いと、関連法案を押さえる。臓器移植に賛成か反対かを答える。個人の価値観に依存するのでどちらでも良いが(正解はない)、ある種の「逃げ」としては一般論で賛成、反対を言うのではなく、個別具体的事案によって柔軟に考えたいと答えるのも手である。 医師個人の能力や人格のみを批判するのはまずい。労働時間が長すぎることなどについても述べ、激変する医療現場の労働環境問題に関心を持っていることを示すのも良い。2018年末頃から関連法案が次々に成立・討議されているためよく情報収集しておくこと。 日本全体で見れば医師数はあと数十年で飽和すると言われている一方、内陸部などの過疎地域での医療過疎が深刻な問題となっている。医師の絶対数を増やすことに日本医師会が根強く反対しているため医学部定員を増やすのは難しい。しかし、医学教育の中で地元の医療へ貢献する意志をもたせたり、国・地方自治体の積極的な介入により医師の偏在を緩和したりすることは可能である。 生物学は生物に関すること全般を扱う学問である。基礎医学は人体の構造や機能を研究する学問である。臨床医学は人間の治療を目的とする学問である。 基礎医学系に進みたい場合は、間接的だが多く人の役に立つというように答える。精神科に進みたい場合は、DSMなどについて理解しておく。 特に地方大学を受験する場合、この質問の対策は必須となる。大都市圏の極端な一極集中が進んだ今、地方大学は慢性的かつ致命的な人手不足に直面している。診療科によっては、旧六医科大学どころか地方旧帝大さえ存続の危機にある。そのような土地の医療を支えている医局員が、卒後も残ると考える受験生を優先したいと考えるのは当然である。縁も所縁もない土地に出願するのは医学部受験生にとっては珍しくないが、そのような受験生は上記の質問に対して入念に準備しておく必要がある。反対に、その地方で生まれ育った場合などはこの問いの対策はほぼ不要である。むしろ「なぜ大都市圏の大学を受験しないのか」という質問を受けるかもしれない。 出身高校をけなすと良く思われない。 校風や特色など聞かれる場合も多いので簡単に答えられるようにしておくこと。 医師は体力が重要なので、運動系の部活動の方が面接官には好ましく思われる。文化系の部活動の場合は学校外で体を動かしていたというように答えれば良い。帰宅部はあまり良く思われない。 経験がなければないで良い。医学部に入学したらやってみるとでも答えれば良い。 マンガ・アニメ・ゲームなどの趣味はあまり良く思われない。読書と答えると愛読書について聞かれる。音楽鑑賞と答えるとどういうジャンルの音楽を聞くか尋ねられる。 趣味で読書と答えても、この質問がされる。医師が書いた本に限る必要はない。 地方国立大学で当該県出身の有名作家の作品を聞かれたケースもある。 医学系と政治経済系の両方の話題を考えておく。政治経済系は当否に関して対立の激しい(政治的に微妙な問題を含む)マターは避けたほうが良い。 まず必要ない。無論、面接官は医学のプロであり、専門用語を並べても「釈迦に説法」である。仮に誤った知識を述べた場合はかなりの悪印象を与える。知っていれば答えても良いが、知らなければ「存じませんでした。入学後にしっかり勉強します」と回答するのが無難かつ賢明である。判らないのに知ったかぶりをしないこと。聞かれてもいない専門知識をひけらかさないこと。筆記試験を突破することが受験生として何より肝要である。大きな話題となった医学知識を補充しておくことは、医学に興味があるとして好印象を与える場合がある(ノーベル医学生理学賞の受賞者の研究など)。言うまでもなく、筆記試験に余裕がある場合に限り、面接試験の直前に補充すればよい。 どのような友人がいるか。親友はいるか。友人たちの中で自分はどのような役割かを答える。 そのほか、友人関係についての質問として「本当の友人とはどういうものか?」や「トラブルをどのように乗り越えるか」など。 単なる試験の出来不出来を答えるだけでなく、各科目のある程度具体的な出来を答えた方がよい。また基本的には、目上の人に向けての会話であることを自覚して話すこと。「死にました」や「ヤバかった」等の同級生の間で使うような言葉は絶対に避けることである。 受験者個々の人生観を聞く質問である。気に入った言葉であれば何でもよい。加えて好きになったエピソード(自分にとって好ましい結果を生んだ体験、自分が良くなるきっかけとなった体験等で可)を用意しておくことが好ましい。受験者個々の人物を問う試験なので、くれぐれも有名台詞(例:一期一会)の受け売り、と思われないことが大切である。 入院経験があれば、そのときの医師について述べる。いなければいないで良い。 興味がある医学の分野について述べる。入りたい部活動が決まっていればそれを答える。決まっていなければ、部活動はいくつか回ってみてから決めると答えても良い。医学部は医学部生だけで構成される部活動が多い。 私立大学の医学部は親が医師の場合が比較的多いものの、近年は会社経営・会社員や教員・公務員である場合も多い。親が医師でないという理由だけで落とされることはない。正直に答える。 無論、面接試験を受けている大学を第一志望と述べるのが賢明。併願している大学名も、偏差値や医学会の影響力などを考慮して伏せるのが良い。例えば、日本医科大学の面接で、第一志望を順天堂大学と述べるのは印象が悪くなるだろう。反対に、順天堂大学の面接で、日本医科大学を併願しているが第一志望は貴大学であると述べれば印象は良くなるかもしれない(保証はしない)。 ほとんどの大学ではあからさまな女子差別は行われないが、結局は差別されると考えた上で受験しなければならない。「頑張ってどうにかする」と表面的に言うだけではほとんどが同じ答えになってしまう。可能ならば、どのように両立させるのか具体的な回答を用意しておくことが好ましい。結婚や出産を犠牲にして医療に身を捧げるつもりである、という回答も好印象を与えるかもしれない。結局のところ、女医は結婚や出産などライフワークバランスを優先する場合が多い。そのような女医に対して悪印象を抱く医師は男性だけでなく、第一線にいる女性医師にも少なからず存在する。そして大学受験の面接官は、前述のような最前線の医師が行う場合が多い。 なぜ、進路を変更してまで医学部なのか理由をしっかり答える。 理系学部出身ならば、基礎医学の理解や研究に役立つ。文系であったとしても卒後の臨床分野においてマネジメント面で役に立つことがある。専攻が役に立たなければ、一からやり直すという決意を述べる。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "医学部の面接でよく聞かれる質問とその答え方について述べる。服装や話し方などについても述べる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "現役生は制服を着用する。浪人生や制服がない場合はスーツ・ワイシャツ・ネクタイを着用する。靴は特別な理由(天候不良や経済状況など)がない場合、華美でない革靴が好ましい。", "title": "服装" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "一般的には目を見て話せと言われるが、目をじっと見られていると面接官も落ち着かないので、実際には眉毛のあたりやネクタイの結び目あたりを見て話したほうが良い。医学部の面接に於いては精神鑑定を専門とする医師が同席する場合がある。視線をキョロキョロさせるのは鑑定上好ましい影響を与えない。", "title": "話し方" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "必ずされる質問である。医師はお金が儲かるから、社会的地位が高いから、安定しているから、かっこいいから、純粋に学問的に興味があるから、などと答えるのは一般的に好ましくないとされる。親が医師だからというという答えも、それだけでは弱い。自発的な理由も述べる。自分の入院体験などを出すのは良いが、体力がないと思われないように気をつける。また、医学という学問に対する純粋な熱意や興味も十分な理由となりうる。基礎研究医を志望する学生が減少傾向にあり、医学部というこれからはいる場所で何を学んでいくのかよく理解していない受験生が増えつつある今、純粋な学問的好奇心を示すことも重要であるといえる。", "title": "医学部を志望した理由" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "(追記) 面接官(医学部教員)からよく聞くのは、「医師になってから何をしたいか」というビジョンを語ってほしいという事。また、親戚が病気になったから、自分が病気になったからと言った理由は、多くの人が語るため避けたほうがよい。毎年々々朝から夕方まで、同じような内容を延々と聴かされる面接官の気持ちを少し想像してみてほしい。 ちなみに、虫垂炎で入院した事を医師の理由にした受験生がいたが、見事に消化器外科教授の怒りを買った。誰でもかかりうるような病気を医師の志望動機にするのは、あまりにも短絡的で動機として弱すぎる。 学問的に興味があるから、は基礎研究をしたい人にとってならば良い志望動機となる。ただ、なぜその学問に興味があるのか、しっかりした具体的理由を語ることが必要である。", "title": "医学部を志望した理由" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "必ずされる質問である。学閥が強いからなどと答えると悪い印象を与える。臨床・研究ともに水準が高く、日本の医学会をリードしてきたからなどと答える。ただ、表面的な受け答えにならいように注意すること。大学の面接なのでやはり、「どういった点が水準が高いと感じたの?」や「特にどういった分野でリードして来たと思うの?」と込み入って聞かれることも想定しておくこと。首都圏の医学部は特に競合大学が多いため、自分の将来像と大学の特色を照らし合わせて合理的に面接官に説明できるとよい。", "title": "その大学を志望した理由" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "地方大学の場合は、「センターがいまいちだった」「都会に残るには成績が足りない」と言った本音は面接官は百も承知。ただ、直接それを言うのは憚られるだろう。大切なのは、マイナス的な発言にならないことである。", "title": "その大学を志望した理由" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "大学自体について好いことを言うのが難しければ、その地域を褒める等、もっともらしい理由をつける。多少の脚色はかまわないが、突っ込まれた時に慌てないように。", "title": "その大学を志望した理由" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "揺さぶりをかけるために「医師に向いていない。」と言われる可能性もある。これは、どのような態度に出るかを観られている。これは実務を行うことになれば、患者さんの中に理不尽なことをしたり言って来る人、あるいはメディアで批判をされる事態等に出くわす場面が度々あることによる。感情的にならず、理路整然として「これからどうしていきたいか」を念頭に置き、受け答えすれば問題ない。くれぐれも「適性がない」と言われたからといって、人格が否定されたわけではないので注意されたい。", "title": "自分には医師への適性があるか" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "自身のセールスポイントであるので、謙遜することなくどんどん述べると良い。その上で、過去にその長所が生きたエピソード、さらには未来で医師となる上でどういった場面で活かせそうか、と言うことも用意しておくこと。自身の短所よりも見つけにくいと感じるかもしれないが「有りません。」と答えるのは、自己分析をきちんとしているのか、とマイナスに解釈されてしまう可能性が高いので避ける事が好ましい。長所を知らないのは自身では謙遜しているように感じるかもしれないが、面接官(=医学部医学科教員)には好感を与えることは無いので必ず探しておくこと。", "title": "自分の性格の長所" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "明らかな短所を述べるのはまずい(喧嘩っ早い、体力が無い等)。短所だが長所ともとれる性格を述べる。加えて、その短所を改善するためにどのように努力しているかまでを答えられるようになれれば、尚更可である。", "title": "自分の性格の短所" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "医学とそれ以外の分野の人をそれぞれ考えておく。具体的な人物名を考えておく。どういう点が尊敬できるのかも述べる。", "title": "尊敬する人物" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "患者の権利についての意識が高まってきているので、告知を一切行わないという答えは好ましくない。患者ひとりひとりのバックグラウンド(進行度・家族構成・本人の思想・経済状況・精神状態)をよく理解した上で、EBM(Evidence Based Medicine)だけではなくNBM(Narrative Based Medicine)を進めていくのが好ましい。", "title": "ガンの告知について" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "脳死と遷延性意識障害(植物状態)の違いと、関連法案を押さえる。臓器移植に賛成か反対かを答える。個人の価値観に依存するのでどちらでも良いが(正解はない)、ある種の「逃げ」としては一般論で賛成、反対を言うのではなく、個別具体的事案によって柔軟に考えたいと答えるのも手である。", "title": "脳死と臓器移植" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "医師個人の能力や人格のみを批判するのはまずい。労働時間が長すぎることなどについても述べ、激変する医療現場の労働環境問題に関心を持っていることを示すのも良い。2018年末頃から関連法案が次々に成立・討議されているためよく情報収集しておくこと。", "title": "医療ミスを防ぐにはどうすれば良いか" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "日本全体で見れば医師数はあと数十年で飽和すると言われている一方、内陸部などの過疎地域での医療過疎が深刻な問題となっている。医師の絶対数を増やすことに日本医師会が根強く反対しているため医学部定員を増やすのは難しい。しかし、医学教育の中で地元の医療へ貢献する意志をもたせたり、国・地方自治体の積極的な介入により医師の偏在を緩和したりすることは可能である。", "title": "医師不足問題" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "生物学は生物に関すること全般を扱う学問である。基礎医学は人体の構造や機能を研究する学問である。臨床医学は人間の治療を目的とする学問である。", "title": "医学と生物学の違い" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "基礎医学系に進みたい場合は、間接的だが多く人の役に立つというように答える。精神科に進みたい場合は、DSMなどについて理解しておく。", "title": "将来進みたい医学の分野" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "特に地方大学を受験する場合、この質問の対策は必須となる。大都市圏の極端な一極集中が進んだ今、地方大学は慢性的かつ致命的な人手不足に直面している。診療科によっては、旧六医科大学どころか地方旧帝大さえ存続の危機にある。そのような土地の医療を支えている医局員が、卒後も残ると考える受験生を優先したいと考えるのは当然である。縁も所縁もない土地に出願するのは医学部受験生にとっては珍しくないが、そのような受験生は上記の質問に対して入念に準備しておく必要がある。反対に、その地方で生まれ育った場合などはこの問いの対策はほぼ不要である。むしろ「なぜ大都市圏の大学を受験しないのか」という質問を受けるかもしれない。", "title": "大学の所在する都道府県に残るか" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "出身高校をけなすと良く思われない。 校風や特色など聞かれる場合も多いので簡単に答えられるようにしておくこと。", "title": "出身高校" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "医師は体力が重要なので、運動系の部活動の方が面接官には好ましく思われる。文化系の部活動の場合は学校外で体を動かしていたというように答えれば良い。帰宅部はあまり良く思われない。", "title": "高校での部活動" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "経験がなければないで良い。医学部に入学したらやってみるとでも答えれば良い。", "title": "ボランティア" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "マンガ・アニメ・ゲームなどの趣味はあまり良く思われない。読書と答えると愛読書について聞かれる。音楽鑑賞と答えるとどういうジャンルの音楽を聞くか尋ねられる。", "title": "趣味" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "趣味で読書と答えても、この質問がされる。医師が書いた本に限る必要はない。 地方国立大学で当該県出身の有名作家の作品を聞かれたケースもある。", "title": "愛読書" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "医学系と政治経済系の両方の話題を考えておく。政治経済系は当否に関して対立の激しい(政治的に微妙な問題を含む)マターは避けたほうが良い。", "title": "気になった時事問題" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "まず必要ない。無論、面接官は医学のプロであり、専門用語を並べても「釈迦に説法」である。仮に誤った知識を述べた場合はかなりの悪印象を与える。知っていれば答えても良いが、知らなければ「存じませんでした。入学後にしっかり勉強します」と回答するのが無難かつ賢明である。判らないのに知ったかぶりをしないこと。聞かれてもいない専門知識をひけらかさないこと。筆記試験を突破することが受験生として何より肝要である。大きな話題となった医学知識を補充しておくことは、医学に興味があるとして好印象を与える場合がある(ノーベル医学生理学賞の受賞者の研究など)。言うまでもなく、筆記試験に余裕がある場合に限り、面接試験の直前に補充すればよい。", "title": "医学に関する専門知識" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "どのような友人がいるか。親友はいるか。友人たちの中で自分はどのような役割かを答える。 そのほか、友人関係についての質問として「本当の友人とはどういうものか?」や「トラブルをどのように乗り越えるか」など。", "title": "友人関係" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "単なる試験の出来不出来を答えるだけでなく、各科目のある程度具体的な出来を答えた方がよい。また基本的には、目上の人に向けての会話であることを自覚して話すこと。「死にました」や「ヤバかった」等の同級生の間で使うような言葉は絶対に避けることである。", "title": "試験の出来" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "受験者個々の人生観を聞く質問である。気に入った言葉であれば何でもよい。加えて好きになったエピソード(自分にとって好ましい結果を生んだ体験、自分が良くなるきっかけとなった体験等で可)を用意しておくことが好ましい。受験者個々の人物を問う試験なので、くれぐれも有名台詞(例:一期一会)の受け売り、と思われないことが大切である。", "title": "好きな言葉" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "入院経験があれば、そのときの医師について述べる。いなければいないで良い。", "title": "影響を受けた医師" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "興味がある医学の分野について述べる。入りたい部活動が決まっていればそれを答える。決まっていなければ、部活動はいくつか回ってみてから決めると答えても良い。医学部は医学部生だけで構成される部活動が多い。", "title": "大学に入ってやりたいこと" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "私立大学の医学部は親が医師の場合が比較的多いものの、近年は会社経営・会社員や教員・公務員である場合も多い。親が医師でないという理由だけで落とされることはない。正直に答える。", "title": "親の職業(私立大学)" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "無論、面接試験を受けている大学を第一志望と述べるのが賢明。併願している大学名も、偏差値や医学会の影響力などを考慮して伏せるのが良い。例えば、日本医科大学の面接で、第一志望を順天堂大学と述べるのは印象が悪くなるだろう。反対に、順天堂大学の面接で、日本医科大学を併願しているが第一志望は貴大学であると述べれば印象は良くなるかもしれない(保証はしない)。", "title": "第二志望・第三志望の医学部(私立大学)" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "ほとんどの大学ではあからさまな女子差別は行われないが、結局は差別されると考えた上で受験しなければならない。「頑張ってどうにかする」と表面的に言うだけではほとんどが同じ答えになってしまう。可能ならば、どのように両立させるのか具体的な回答を用意しておくことが好ましい。結婚や出産を犠牲にして医療に身を捧げるつもりである、という回答も好印象を与えるかもしれない。結局のところ、女医は結婚や出産などライフワークバランスを優先する場合が多い。そのような女医に対して悪印象を抱く医師は男性だけでなく、第一線にいる女性医師にも少なからず存在する。そして大学受験の面接官は、前述のような最前線の医師が行う場合が多い。", "title": "結婚・出産と仕事の両立(女子受験生)" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "なぜ、進路を変更してまで医学部なのか理由をしっかり答える。", "title": "進路変更をして医学部を目指す理由(再受験生・仮面浪人生)" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "理系学部出身ならば、基礎医学の理解や研究に役立つ。文系であったとしても卒後の臨床分野においてマネジメント面で役に立つことがある。専攻が役に立たなければ、一からやり直すという決意を述べる。", "title": "前の大学での専攻を医学にどう役立てたいか(再受験生)" } ]
医学部の面接でよく聞かれる質問とその答え方について述べる。服装や話し方などについても述べる。
医学部の面接でよく聞かれる質問とその答え方について述べる。服装や話し方などについても述べる。 == 服装 == 現役生は制服を着用する。浪人生や制服がない場合はスーツ・ワイシャツ・ネクタイを着用する。靴は特別な理由(天候不良や経済状況など)がない場合、華美でない革靴が好ましい。 == 話し方 == 一般的には目を見て話せと言われるが、目をじっと見られていると面接官も落ち着かないので、実際には眉毛のあたりやネクタイの結び目あたりを見て話したほうが良い。医学部の面接に於いては精神鑑定を専門とする医師が同席する場合がある。視線をキョロキョロさせるのは鑑定上好ましい影響を与えない。 == 医学部を志望した理由 == 必ずされる質問である。医師はお金が儲かるから、社会的地位が高いから、安定しているから、かっこいいから、純粋に学問的に興味があるから、などと答えるのは一般的に好ましくないとされる。親が医師だからというという答えも、それだけでは弱い。自発的な理由も述べる。自分の入院体験などを出すのは良いが、体力がないと思われないように気をつける。また、医学という学問に対する純粋な熱意や興味も十分な理由となりうる。基礎研究医を志望する学生が減少傾向にあり、医学部というこれからはいる場所で何を学んでいくのかよく理解していない受験生が増えつつある今、純粋な学問的好奇心を示すことも重要であるといえる。 (追記) 面接官(医学部教員)からよく聞くのは、「医師になってから何をしたいか」というビジョンを語ってほしいという事。また、親戚が病気になったから、自分が病気になったからと言った理由は、多くの人が語るため避けたほうがよい。毎年々々朝から夕方まで、同じような内容を延々と聴かされる面接官の気持ちを少し想像してみてほしい。 ちなみに、虫垂炎で入院した事を医師の理由にした受験生がいたが、見事に消化器外科教授の怒りを買った。誰でもかかりうるような病気を医師の志望動機にするのは、あまりにも短絡的で動機として弱すぎる。 学問的に興味があるから、は基礎研究をしたい人にとってならば良い志望動機となる。ただ、なぜその学問に興味があるのか、しっかりした具体的理由を語ることが必要である。 == その大学を志望した理由 == 必ずされる質問である。学閥が強いからなどと答えると悪い印象を与える。臨床・研究ともに水準が高く、日本の医学会をリードしてきたからなどと答える。ただ、表面的な受け答えにならいように注意すること。大学の面接なのでやはり、「どういった点が水準が高いと感じたの?」や「特にどういった分野でリードして来たと思うの?」と込み入って聞かれることも想定しておくこと。首都圏の医学部は特に競合大学が多いため、自分の将来像と大学の特色を照らし合わせて合理的に面接官に説明できるとよい。 地方大学の場合は、「センターがいまいちだった」「都会に残るには成績が足りない」と言った本音は面接官は百も承知。ただ、直接それを言うのは憚られるだろう。大切なのは、マイナス的な発言にならないことである。 大学自体について好いことを言うのが難しければ、その地域を褒める等、もっともらしい理由をつける。多少の脚色はかまわないが、突っ込まれた時に慌てないように。 == 自分には医師への適性があるか == 揺さぶりをかけるために「医師に向いていない。」と言われる可能性もある。これは、どのような態度に出るかを観られている。これは実務を行うことになれば、患者さんの中に理不尽なことをしたり言って来る人、あるいはメディアで批判をされる事態等に出くわす場面が度々あることによる。感情的にならず、理路整然として「これからどうしていきたいか」を念頭に置き、受け答えすれば問題ない。くれぐれも「適性がない」と言われたからといって、人格が否定されたわけではないので注意されたい。 ==自分の性格の長所== 自身のセールスポイントであるので、謙遜することなくどんどん述べると良い。その上で、過去にその長所が生きたエピソード、さらには未来で医師となる上でどういった場面で活かせそうか、と言うことも用意しておくこと。自身の短所よりも見つけにくいと感じるかもしれないが「有りません。」と答えるのは、自己分析をきちんとしているのか、とマイナスに解釈されてしまう可能性が高いので避ける事が好ましい。長所を知らないのは自身では謙遜しているように感じるかもしれないが、面接官(=医学部医学科教員)には好感を与えることは無いので必ず探しておくこと。 ==自分の性格の短所== 明らかな短所を述べるのはまずい(喧嘩っ早い、体力が無い等)。短所だが長所ともとれる性格を述べる。加えて、その短所を改善するためにどのように努力しているかまでを答えられるようになれれば、尚更可である。 == 尊敬する人物 == 医学とそれ以外の分野の人をそれぞれ考えておく。具体的な人物名を考えておく。どういう点が尊敬できるのかも述べる。 == ガンの告知について == 患者の権利についての意識が高まってきているので、告知を一切行わないという答えは好ましくない。患者ひとりひとりのバックグラウンド(進行度・家族構成・本人の思想・経済状況・精神状態)をよく理解した上で、EBM(Evidence Based Medicine)だけではなくNBM(Narrative Based Medicine)を進めていくのが好ましい。 == 脳死と臓器移植 == 脳死と遷延性意識障害(植物状態)の違いと、関連法案を押さえる。臓器移植に賛成か反対かを答える。個人の価値観に依存するのでどちらでも良いが(正解はない)、ある種の「逃げ」としては一般論で賛成、反対を言うのではなく、個別具体的事案によって柔軟に考えたいと答えるのも手である。 == 医療ミスを防ぐにはどうすれば良いか == 医師個人の能力や人格のみを批判するのはまずい。労働時間が長すぎることなどについても述べ、激変する医療現場の労働環境問題に関心を持っていることを示すのも良い。2018年末頃から関連法案が次々に成立・討議されているためよく情報収集しておくこと。 == 医師不足問題 == 日本全体で見れば医師数はあと数十年で飽和すると言われている一方、内陸部などの過疎地域での医療過疎が深刻な問題となっている。医師の絶対数を増やすことに日本医師会が根強く反対しているため医学部定員を増やすのは難しい。しかし、医学教育の中で地元の医療へ貢献する意志をもたせたり、国・地方自治体の積極的な介入により医師の偏在を緩和したりすることは可能である。 == ホスピス == == 医学と生物学の違い == 生物学は生物に関すること全般を扱う学問である。基礎医学は人体の構造や機能を研究する学問である。臨床医学は人間の治療を目的とする学問である。 == 将来進みたい医学の分野 == 基礎医学系に進みたい場合は、間接的だが多く人の役に立つというように答える。精神科に進みたい場合は、DSMなどについて理解しておく。 == 大学の所在する都道府県に残るか == 特に地方大学を受験する場合、この質問の対策は必須となる。大都市圏の極端な一極集中が進んだ今、地方大学は慢性的かつ致命的な人手不足に直面している。診療科によっては、旧六医科大学どころか地方旧帝大さえ存続の危機にある。そのような土地の医療を支えている医局員が、卒後も残ると考える受験生を優先したいと考えるのは当然である。縁も所縁もない土地に出願するのは医学部受験生にとっては珍しくないが、そのような受験生は上記の質問に対して入念に準備しておく必要がある。反対に、その地方で生まれ育った場合などはこの問いの対策はほぼ不要である。むしろ「なぜ大都市圏の大学を受験しないのか」という質問を受けるかもしれない。 == 出身高校 == 出身高校をけなすと良く思われない。 校風や特色など聞かれる場合も多いので簡単に答えられるようにしておくこと。 == 高校での部活動 == 医師は体力が重要なので、運動系の部活動の方が面接官には好ましく思われる。文化系の部活動の場合は学校外で体を動かしていたというように答えれば良い。帰宅部はあまり良く思われない。 == ボランティア == 経験がなければないで良い。医学部に入学したらやってみるとでも答えれば良い。 == 趣味 == マンガ・アニメ・ゲームなどの趣味はあまり良く思われない。読書と答えると愛読書について聞かれる。音楽鑑賞と答えるとどういうジャンルの音楽を聞くか尋ねられる。 == 愛読書 == 趣味で読書と答えても、この質問がされる。医師が書いた本に限る必要はない。 地方国立大学で当該県出身の有名作家の作品を聞かれたケースもある。 == 気になった時事問題 == 医学系と政治経済系の両方の話題を考えておく。政治経済系は当否に関して対立の激しい(政治的に微妙な問題を含む)マターは避けたほうが良い。 == 医学に関する専門知識 == まず必要ない。無論、面接官は医学のプロであり、専門用語を並べても「釈迦に説法」である。仮に誤った知識を述べた場合はかなりの悪印象を与える。知っていれば答えても良いが、知らなければ「存じませんでした。入学後にしっかり勉強します」と回答するのが無難かつ賢明である。判らないのに知ったかぶりをしないこと。聞かれてもいない専門知識をひけらかさないこと。筆記試験を突破することが受験生として何より肝要である。大きな話題となった医学知識を補充しておくことは、医学に興味があるとして好印象を与える場合がある(ノーベル医学生理学賞の受賞者の研究など)。言うまでもなく、筆記試験に余裕がある場合に限り、面接試験の直前に補充すればよい。 == 印象に残った体験 == == 友人関係 == どのような友人がいるか。親友はいるか。友人たちの中で自分はどのような役割かを答える。 そのほか、友人関係についての質問として「本当の友人とはどういうものか?」や「トラブルをどのように乗り越えるか」など。 == 試験の出来 == 単なる試験の出来不出来を答えるだけでなく、各科目のある程度具体的な出来を答えた方がよい。また基本的には、目上の人に向けての会話であることを自覚して話すこと。「死にました」や「ヤバかった」等の同級生の間で使うような言葉は絶対に避けることである。 == 好きな言葉 == 受験者個々の人生観を聞く質問である。気に入った言葉であれば何でもよい。加えて好きになったエピソード(自分にとって好ましい結果を生んだ体験、自分が良くなるきっかけとなった体験等で可)を用意しておくことが好ましい。受験者個々の人物を問う試験なので、くれぐれも有名台詞(例:一期一会)の受け売り、と思われないことが大切である。 == 影響を受けた医師 == 入院経験があれば、そのときの医師について述べる。いなければいないで良い。 == 大学に入ってやりたいこと == 興味がある医学の分野について述べる。入りたい部活動が決まっていればそれを答える。決まっていなければ、部活動はいくつか回ってみてから決めると答えても良い。医学部は医学部生だけで構成される部活動が多い。 == 親の職業(私立大学) == 私立大学の医学部は親が医師の場合が比較的多いものの、近年は会社経営・会社員や教員・公務員である場合も多い。親が医師でないという理由だけで落とされることはない。正直に答える。 == 第二志望・第三志望の医学部(私立大学) == 無論、面接試験を受けている大学を第一志望と述べるのが賢明。併願している大学名も、偏差値や医学会の影響力などを考慮して伏せるのが良い。例えば、日本医科大学の面接で、第一志望を順天堂大学と述べるのは印象が悪くなるだろう。反対に、順天堂大学の面接で、日本医科大学を併願しているが第一志望は貴大学であると述べれば印象は良くなるかもしれない(保証はしない)。 == 結婚・出産と仕事の両立(女子受験生) == ほとんどの大学ではあからさまな女子差別は行われないが、結局は差別されると考えた上で受験しなければならない。「頑張ってどうにかする」と表面的に言うだけではほとんどが同じ答えになってしまう。可能ならば、どのように両立させるのか具体的な回答を用意しておくことが好ましい。結婚や出産を犠牲にして医療に身を捧げるつもりである、という回答も好印象を与えるかもしれない。結局のところ、女医は結婚や出産などライフワークバランスを優先する場合が多い。そのような女医に対して悪印象を抱く医師は男性だけでなく、第一線にいる女性医師にも少なからず存在する。そして大学受験の面接官は、前述のような最前線の医師が行う場合が多い。 == 進路変更をして医学部を目指す理由(再受験生・仮面浪人生) == なぜ、進路を変更してまで医学部なのか理由をしっかり答える。 == 前の大学での専攻を医学にどう役立てたいか(再受験生) == 理系学部出身ならば、基礎医学の理解や研究に役立つ。文系であったとしても卒後の臨床分野においてマネジメント面で役に立つことがある。専攻が役に立たなければ、一からやり直すという決意を述べる。 == 前の大学には通っていたか(再受験生・仮面浪人生) == ==関連項目== *[[w:医学|医学]] *[[w:医学部|医学部]] [[Category:大学入試|たいかくめんせついかくふ]] [[Category:医学|たいかくいかくふめんせつ]]
null
2019-10-13T11:59:14Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%8F%97%E9%A8%93%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E9%83%A8%E9%9D%A2%E6%8E%A5
879
小学校算数/1学年
すうじは、いくつ あるか、いくつ たりないかを、みんなが いっしょに しることが できる べんりな もの です。 みなさんで 1 から 10 まで おおきな こえで かぞえて みましょう。 9 のつぎのすうじを、10 とかいて 「じゅう」 よみます。 りんごが 4 こ あると いえば、いわれたひとは、りんごが 4 こ あると しることが できます。このように、かずと いうのは、ものが いくつ あるかを つたえたり するのに とても べんりな ものです。 すうじは 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10 の じゅんに おおきく なって いきます。 このように、すうじの おおきさを くらべることで、どっちが おおいか、どっちが おおきいか、など、ものと ものを くらべる ことが できます。 10の つぎの かずは 11 です。11の つぎは 12 です。このように していくと、かずは、 まで かぞえられます。 19 の つぎは 20 です。20の つぎは 21 です。 29 の つぎは 30 です。39 の つぎは 40 です。 99 の つぎは 100 です。100の つぎは 101 です。 109 の つぎは 110 です。199 の つぎは 200 です。 999 の つぎは 1000 です。 このように かずは、どこまでも おおきくなって いきます。 123という すうじが あります。 123の「1」 は 百の くらい の すうじ です。 123の「2」は 十の くらいの すうじです。 123の「3」は 一の くらいの すうじです。 おなじように、38 の 十の くらいは 3 で、一の くらいは 8 です。 321 の、 百の くらい は 3 で、十の くらい は 2 で、一の くらい は 1 です。 かずが 1 ふえる と、 いちのくらい が 1 ふえます。 24 が 1 ふえると、25 になります。 4 の つぎのかず は 5 ですね。 57 が 1 ふえると、58 になります。 7 の つぎのかず は 8 ですね。 いち の くらい が 9の ときは、かずが 1 ふえると、いち の くらい が 0 に なり、 じゅう のくらい が 1 ふえます。 19 から 、かずが 1ふえると、20 になります。 19 と 20 では、じゅうのくらいは、1 から 2 に ふえていますね。 19 と 20 では、いちのくらいは、9 から 0 に なっていますね。 いち の くらい も じゅう の くらい も 9の ときは、 かず が 1 ふえると、いちのくらい も じゅうのくらい も 0に なり、ひゃくのくらい が 1 ふえます。 99から1ふえると100になりますね。99には、ひゃくのくらいは、ないです。 99から1ふえて、かずが100になります。 100 の ひゃくのくらい は 1 です。 99 と 100 では、 じゅうのくらい は、 9 から 0 に なっています。 いちのくらい は、 9 から 0 に なっています。 たしざんとは、かずと かずを あわせる ことを いいます。 たとえば、おとうさん が 、おみせで りんごを 4こ かってきました。おかあさんが みかんを、みせで 3こ かってきたと しましょう。 くだものは、あわせて、いくつ あるでしょうか。 りんごが 4こ あって、みかんが 3こ あるとき、りんごと みかんは あわせて 7こ あります。これを、たしざんで かくと と かき、「よん たす さん は (わ) なな」 、 と よみます。 + {\displaystyle +} は たすと よんで、まえの かずと うしろの かずを あわせることを あらわします。 = {\displaystyle =} は は (わ) と よんで、 = {\displaystyle =} の ひだりと みぎが おなじかずであることを あらわします。 べつの、かず でも、 たしざんを してみましょう。 (「に たす よん は 」と、 よみます。) = {\displaystyle =} の、 つぎの かずは かくしています。 つぎのかずは、 どんな かずでしょうか。 たとえば、 2この りんご と、4こ の りんご を、 あわせたら 、 いくつでしょうか 。 けいさんを、してみましょう 。 こたえは、 6 です 。 2と4を、たしたら、 6です。 だから、 です。 「たす」という きごうの + は、 かんじのジュウと にていますが、 ちがいます。 「たす」の きごう + は、まっすぐに かきます。 ひきざんは かずから かずを なくすことを いいます。 たとえば、7こ の りんご が あって、ともだちに 4こ あげたとき、3こ のこります。これをひきざんの しき でかくと、 と かきます。 よみかたは、「なな ひく よん は さん」 と よみます。 「 − {\displaystyle -} 」は 「ひく」 と よみます。 − {\displaystyle -} は まえの かずから うしろの かずを へらすことを あらわします。=は たしざんとおなじように は (わ) と よんで、=の ひだりと みぎが おなじことを あらわします。 ひきざんでは、まえの かず と、うしろの かず を いれかえることが できません。 たとえば、 と かいたら、 たとえば、 4このりんごが あって、 ともだちに 7こ あげようと することになります。 ですが、りんごは 4こまでしか ないので、 あげることが できません 。 このように、ひきざんでは、 まえの かずと 、 うしろの かずを いれかえると 、ちがって しまいます。 「ひく」という きごう - は、かんじの 一 と にていますが、ちがいます。 「ひく」というきごう は、まっすぐにかきます。 たしざんの 2+4=6 の「2+4=6」という ぶぶん も、 ひきざんの 7-3=4 の「7-3=4」という ぶぶん も、 りょうほうとも「しき」といいます。 「2+4」だけでも「しき」です。 「7-3」だけでも「しき」です。 たとえば 3+2=5 というのも「しき」です。 「3+2」も「しき」です。 1 から 1 を ひいた かず を れい と いいます。 レイは 0 と かきます。 しき で かくと です。「いち ひく いち は (わ) れい」と、よみます。 0は、なにも、ない かず です。 だから、 かず に 0 を たしても、 かわりません。 たとえば 「なな たす レイは (わ) なな」です。 レイをふくめて、かずのならびを14までかぞえると、 です。 0は、なにも、ない かず です。 だから、 かず に 0 を たしても、 かわりません。 たとえば 「いち たす レイは (わ) いち」 「レイたす いち は (わ) いち」 「に たす ゼロ (レイ) は (わ) に」 「じゅう たす レイは (わ) じゅう」 です。 「レイたす レイ は (わ) ゼロ (レイ) 」 です。レイをゼロ (レイ) ということはふつうありません。ただしここからはゼロ (レイ) と書きます。 かず に ゼロ (レイ) を ひいても、かわりません。 「いち ひく ゼロ (レイ) は (わ) いち」 「に ひく ゼロ (レイ) は (わ) に」 「さん ひく ゼロ (レイ) は (わ) さん」 「よん ひく ゼロ (レイ) は (わ) よん」 「ご ひく ゼロ (レイ) は (わ) ご」 「ろく ひく ゼロ (レイ) は (わ) ろく」 「なな ひく ゼロ (レイ) は (わ) なな」 「はち ひく ゼロ (レイ) は (わ) はち」 「きゅう ひく ゼロ (レイ) は (わ) きゅう」 「じゅう ひく ゼロ (レイ) は じゅう」 「じゅういち ひく ゼロ (レイ) は (わ) じゅういち」 「じゅうに ひく ゼロ (レイ) は じゅうに」 0から0をひいても0です。 「ゼロ (レイ) ひく ゼロ (レイ) は (わ) ゼロ (レイ) 」 かず から、その かず と おなじ おおきさ の かず を ひくと ゼロ (レイ) に なります。 かず の ならび を、せん の うえ に かくと 、 べんり です。 こういう、かずのならびをかいた、まっすぐな せん (線) を すうちょくせん (数直線) と、いいます。 しょうがっこう の さんすう での、かず の せん では、0 と、あなたから 見て (みて) 0 から みぎがわ を、つかいます。 「ひだりがわ」と「みぎ がわ」の ばしょ は、あなたから みた ばあい、 です。 図 (ず) では、10までしか、数 (かず) が かいてないですが、もっと さき まで 数直線 (すうちょくせん) で、かくことが できます。 すうちょくせん の かんがえかた は、ものさし に ちかい かんがえかた です。 学校 (がっこう) や いえ (家) で、 このような ながさ が ふってある もの を みたことが ある人 (ひと) も いるでしょう。これが ものさし です。 みっついじょうのかずを けいさんするときは どのようにすればよいのでしょう。 このときは、ひだりからけいさん しましょう。 たとえば、5まいのおりがみがあって、3まいあげました。4まいもらいました。のこりは6まいです。これを しきでかくと、 となります。ひだりからけいさんするので、さきに 5 − 3 = 2 {\displaystyle 5-3=2} をけいさんして、それから 2 + 4 = 6 {\displaystyle 2+4=6} というけいさんをしてください。 たとえば、「7ほんの えんぴつがあります。 5ほんの えんぴつを かいました。 ぜんぶで なんほんに なりますか。」 という もんだいが あります。 しきを、かくと、 7 + 5 = {\displaystyle 7+5=} に、なります。 どのようにかんがえればよいでしょうか。 「10」のまとまりをつくりましょう。5は3と2です。7+3=10だから、これに2をたして12になります。このように10のまとまりをつくります。 また、「14まいの おりがみが あります。6まいつかいました。 のこりは なんまいに なりますか?」という もんだい が あります。 しきを、かくと、 に、なります。 いちのくらいだけで けいさんをしたいのですが、 4と6では 6のほうが おおきいかず なので けいさん することが できません。 このときは どのように やるのでしょう。 たしざんのときとおなじように、6を4と2にわけて10のまとまりをつくってかんがえましょう。 14-4=10で、さらに2をひいて8になります。このように10のまとまりをつくります。 14 − 6 = 8 {\displaystyle 14-6=8} だから、こたえは8まいです。 このように くらい の さがる けいさんを くりさがりのあるけいさん といいます。 うえ の しき を けいさん して みましょう。 これを、らくに けいさん を したい ばあい は 、つぎの ように けいさん します。 ほか の かずでも れんしゅう しましょう。 したに こたえ が あります 。 こたえ を みるまえ に 、 けいさん してみて ください 。 36+11= (30+6) + (10+1) = (30+10) + (6+1) =40+7=47 なので、つまり 36+11=47 です。できましたか。 右の2本のえんぴつ「あ」「い」で、ながいのはどちらでしょうか。 はしをそろえてながさをくらべてみましょう。すると、「あ」のほうがながいです。 右の2まいのかみ「う」「え」で、ひろいのはどちらでしょうか。 はしをそろえてながさをくらべてみましょう。すると、「え」のほうがひろいです。 かたくてまるいおかねには、 1えんだま、5えんだま、10えんだま、50えんだま、100えんだま、500えんだま があります。 ひだりから 1えんだま、5えんだま、10えんだま、50えんだま、100えんだま、500えんだま。 おとうさんや、おかあさんに、おこづかいをもらうと ふえます。たしざんです。 おみせのひとに、おかしとひきかえにわたすと へります。ひきざんです。 ものには いろいろな かたちが あります。 ここでは いろいろな かたちを おしえて いきます。 3本(さんほん)の まっすぐな せん で できていて 、 そのどれもが むすばれている かたちを さんかくけい(三角形)といいます。 下(した)の 絵(え)を みて みましょう。 さんかくけい の まっすぐ な せん の いっぽん ずつ を へん(辺) と いいます 。 さんかくけい は 3ほん の へん で つくられています。 また、4ほんのまっすぐなせんでできていてそのどれもがむすばれているかたちをしかくけい (四角形)といいます。 しかくけい は 4ほん の 、まっすぐ な せん から できています。 しかくけい の この 4ほん の せん の 1本(いっぽん)ずつ を へん(辺) と いいます。 しかくけい は 4ほん の へん で できています。 この せいほうけい の、 あかいせんの ぶぶんも たいかくせん です。 このように、 たいかくせん の ほんすう(本数) は、 しかくけいでは 2ほん です。 かみ に かかれた まるい かたち は、えん(円) と いいます。 えん には あつさ が ありません。 えん は さんかくけい では ないです。 えん は しかくけい でも ないです。 もんだい いままでに ならった ちしき を つかって もんだい を ときたい ひと は 、 「1ねんせい の ため の さんすうドリル」 の ページ を 見(み)に 行って(いって) ください。 した の 「1ねんせい の ため の さんすうドリル」の もじ を おすと、みている ページが ドリルのぺージに かわります。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "すうじは、いくつ あるか、いくつ たりないかを、みんなが いっしょに しることが できる べんりな もの です。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "みなさんで 1 から 10 まで おおきな こえで かぞえて みましょう。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "9 のつぎのすうじを、10 とかいて 「じゅう」 よみます。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "りんごが 4 こ あると いえば、いわれたひとは、りんごが 4 こ あると しることが できます。このように、かずと いうのは、ものが いくつ あるかを つたえたり するのに とても べんりな ものです。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "すうじは 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10 の じゅんに おおきく なって いきます。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "このように、すうじの おおきさを くらべることで、どっちが おおいか、どっちが おおきいか、など、ものと ものを くらべる ことが できます。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "10の つぎの かずは 11 です。11の つぎは 12 です。このように していくと、かずは、", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "まで かぞえられます。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "19 の つぎは 20 です。20の つぎは 21 です。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "29 の つぎは 30 です。39 の つぎは 40 です。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "99 の つぎは 100 です。100の つぎは 101 です。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "109 の つぎは 110 です。199 の つぎは 200 です。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "999 の つぎは 1000 です。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "このように かずは、どこまでも おおきくなって いきます。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "123という すうじが あります。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "123の「1」 は 百の くらい の すうじ です。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "123の「2」は 十の くらいの すうじです。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "123の「3」は 一の くらいの すうじです。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "おなじように、38 の 十の くらいは 3 で、一の くらいは 8 です。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "321 の、 百の くらい は 3 で、十の くらい は 2 で、一の くらい は 1 です。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "かずが 1 ふえる と、 いちのくらい が 1 ふえます。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "24 が 1 ふえると、25 になります。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "4 の つぎのかず は 5 ですね。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "57 が 1 ふえると、58 になります。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "7 の つぎのかず は 8 ですね。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "いち の くらい が 9の ときは、かずが 1 ふえると、いち の くらい が 0 に なり、 じゅう のくらい が 1 ふえます。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "19 から 、かずが 1ふえると、20 になります。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "19 と 20 では、じゅうのくらいは、1 から 2 に ふえていますね。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "19 と 20 では、いちのくらいは、9 から 0 に なっていますね。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "いち の くらい も じゅう の くらい も 9の ときは、 かず が 1 ふえると、いちのくらい も じゅうのくらい も 0に なり、ひゃくのくらい が 1 ふえます。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "99から1ふえると100になりますね。99には、ひゃくのくらいは、ないです。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "99から1ふえて、かずが100になります。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "100 の ひゃくのくらい は 1 です。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "99 と 100 では、", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "じゅうのくらい は、 9 から 0 に なっています。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "いちのくらい は、 9 から 0 に なっています。", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "", "title": "かず と すうじ" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "たしざんとは、かずと かずを あわせる ことを いいます。", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "たとえば、おとうさん が 、おみせで りんごを 4こ かってきました。おかあさんが みかんを、みせで 3こ かってきたと しましょう。 くだものは、あわせて、いくつ あるでしょうか。", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "りんごが 4こ あって、みかんが 3こ あるとき、りんごと みかんは あわせて 7こ あります。これを、たしざんで かくと", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "と かき、「よん たす さん は (わ) なな」 、 と よみます。", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "+ {\\displaystyle +} は たすと よんで、まえの かずと うしろの かずを あわせることを あらわします。 = {\\displaystyle =} は は (わ) と よんで、 = {\\displaystyle =} の ひだりと みぎが おなじかずであることを あらわします。", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "べつの、かず でも、 たしざんを してみましょう。", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "(「に たす よん は 」と、 よみます。)", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "= {\\displaystyle =} の、 つぎの かずは かくしています。", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "つぎのかずは、 どんな かずでしょうか。", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "たとえば、 2この りんご と、4こ の りんご を、 あわせたら 、 いくつでしょうか 。", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "けいさんを、してみましょう 。", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "こたえは、 6 です 。 2と4を、たしたら、 6です。", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "だから、", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "です。", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "「たす」という きごうの + は、 かんじのジュウと にていますが、 ちがいます。", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "「たす」の きごう + は、まっすぐに かきます。", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "", "title": "たしざん" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "ひきざんは かずから かずを なくすことを いいます。 たとえば、7こ の りんご が あって、ともだちに 4こ あげたとき、3こ のこります。これをひきざんの しき でかくと、", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "と かきます。", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "よみかたは、「なな ひく よん は さん」 と よみます。", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "「 − {\\displaystyle -} 」は 「ひく」 と よみます。", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "− {\\displaystyle -} は まえの かずから うしろの かずを へらすことを あらわします。=は たしざんとおなじように は (わ) と よんで、=の ひだりと みぎが おなじことを あらわします。", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "ひきざんでは、まえの かず と、うしろの かず を いれかえることが できません。", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "たとえば、", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "と かいたら、 たとえば、 4このりんごが あって、 ともだちに 7こ あげようと することになります。", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "ですが、りんごは 4こまでしか ないので、 あげることが できません 。", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "このように、ひきざんでは、 まえの かずと 、 うしろの かずを いれかえると 、ちがって しまいます。", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "「ひく」という きごう - は、かんじの 一 と にていますが、ちがいます。", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "「ひく」というきごう は、まっすぐにかきます。", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "", "title": "ひきざん" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "たしざんの 2+4=6 の「2+4=6」という ぶぶん も、", "title": "しき" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "ひきざんの 7-3=4 の「7-3=4」という ぶぶん も、", "title": "しき" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "りょうほうとも「しき」といいます。", "title": "しき" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "「2+4」だけでも「しき」です。", "title": "しき" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "「7-3」だけでも「しき」です。", "title": "しき" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "たとえば 3+2=5 というのも「しき」です。", "title": "しき" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "「3+2」も「しき」です。", "title": "しき" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "", "title": "しき" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "1 から 1 を ひいた かず を れい と いいます。 レイは 0 と かきます。", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "しき で かくと", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "です。「いち ひく いち は (わ) れい」と、よみます。", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "0は、なにも、ない かず です。", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "だから、 かず に 0 を たしても、 かわりません。", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "たとえば", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "「なな たす レイは (わ) なな」です。", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "レイをふくめて、かずのならびを14までかぞえると、", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "です。", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "0は、なにも、ない かず です。", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "だから、 かず に 0 を たしても、 かわりません。", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "たとえば", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "「いち たす レイは (わ) いち」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "「レイたす いち は (わ) いち」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "「に たす ゼロ (レイ) は (わ) に」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "「じゅう たす レイは (わ) じゅう」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "です。", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "「レイたす レイ は (わ) ゼロ (レイ) 」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "です。レイをゼロ (レイ) ということはふつうありません。ただしここからはゼロ (レイ) と書きます。", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "かず に ゼロ (レイ) を ひいても、かわりません。", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "「いち ひく ゼロ (レイ) は (わ) いち」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "「に ひく ゼロ (レイ) は (わ) に」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "「さん ひく ゼロ (レイ) は (わ) さん」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "「よん ひく ゼロ (レイ) は (わ) よん」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "「ご ひく ゼロ (レイ) は (わ) ご」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "「ろく ひく ゼロ (レイ) は (わ) ろく」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "「なな ひく ゼロ (レイ) は (わ) なな」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "「はち ひく ゼロ (レイ) は (わ) はち」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "「きゅう ひく ゼロ (レイ) は (わ) きゅう」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "「じゅう ひく ゼロ (レイ) は じゅう」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "「じゅういち ひく ゼロ (レイ) は (わ) じゅういち」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "「じゅうに ひく ゼロ (レイ) は じゅうに」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "0から0をひいても0です。", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "「ゼロ (レイ) ひく ゼロ (レイ) は (わ) ゼロ (レイ) 」", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "かず から、その かず と おなじ おおきさ の かず を ひくと ゼロ (レイ) に なります。", "title": "れい 0" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "かず の ならび を、せん の うえ に かくと 、 べんり です。", "title": "かず の せん" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "こういう、かずのならびをかいた、まっすぐな せん (線) を すうちょくせん (数直線) と、いいます。", "title": "かず の せん" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "しょうがっこう の さんすう での、かず の せん では、0 と、あなたから 見て (みて) 0 から みぎがわ を、つかいます。", "title": "かず の せん" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "「ひだりがわ」と「みぎ がわ」の ばしょ は、あなたから みた ばあい、", "title": "かず の せん" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "です。", "title": "かず の せん" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "図 (ず) では、10までしか、数 (かず) が かいてないですが、もっと さき まで 数直線 (すうちょくせん) で、かくことが できます。", "title": "かず の せん" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "すうちょくせん の かんがえかた は、ものさし に ちかい かんがえかた です。", "title": "かず の せん" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "学校 (がっこう) や いえ (家) で、 このような ながさ が ふってある もの を みたことが ある人 (ひと) も いるでしょう。これが ものさし です。", "title": "かず の せん" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "みっついじょうのかずを けいさんするときは どのようにすればよいのでしょう。 このときは、ひだりからけいさん しましょう。 たとえば、5まいのおりがみがあって、3まいあげました。4まいもらいました。のこりは6まいです。これを しきでかくと、", "title": "みっついじょう の かずの けいさんの しかた" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "となります。ひだりからけいさんするので、さきに 5 − 3 = 2 {\\displaystyle 5-3=2} をけいさんして、それから 2 + 4 = 6 {\\displaystyle 2+4=6} というけいさんをしてください。", "title": "みっついじょう の かずの けいさんの しかた" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "", "title": "みっついじょう の かずの けいさんの しかた" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "たとえば、「7ほんの えんぴつがあります。 5ほんの えんぴつを かいました。 ぜんぶで なんほんに なりますか。」 という もんだいが あります。", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "しきを、かくと、", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "7 + 5 = {\\displaystyle 7+5=}", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "に、なります。", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "どのようにかんがえればよいでしょうか。", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "「10」のまとまりをつくりましょう。5は3と2です。7+3=10だから、これに2をたして12になります。このように10のまとまりをつくります。", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "また、「14まいの おりがみが あります。6まいつかいました。 のこりは なんまいに なりますか?」という もんだい が あります。", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "しきを、かくと、", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "に、なります。", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "いちのくらいだけで けいさんをしたいのですが、 4と6では 6のほうが おおきいかず なので けいさん することが できません。 このときは どのように やるのでしょう。", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "たしざんのときとおなじように、6を4と2にわけて10のまとまりをつくってかんがえましょう。", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "14-4=10で、さらに2をひいて8になります。このように10のまとまりをつくります。", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "14 − 6 = 8 {\\displaystyle 14-6=8}", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "だから、こたえは8まいです。", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "このように くらい の さがる けいさんを くりさがりのあるけいさん といいます。", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "うえ の しき を けいさん して みましょう。", "title": "くりあがり と くりさがり" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "これを、らくに けいさん を したい ばあい は 、つぎの ように けいさん します。", "title": "ふたけた の けいさん" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "ほか の かずでも れんしゅう しましょう。", "title": "ふたけた の けいさん" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "したに こたえ が あります 。", "title": "ふたけた の けいさん" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "こたえ を みるまえ に 、 けいさん してみて ください 。", "title": "ふたけた の けいさん" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "", "title": "ふたけた の けいさん" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "", "title": "ふたけた の けいさん" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "36+11= (30+6) + (10+1) = (30+10) + (6+1) =40+7=47 なので、つまり 36+11=47 です。できましたか。", "title": "ふたけた の けいさん" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "右の2本のえんぴつ「あ」「い」で、ながいのはどちらでしょうか。", "title": "大きさくらべ" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "はしをそろえてながさをくらべてみましょう。すると、「あ」のほうがながいです。", "title": "大きさくらべ" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "右の2まいのかみ「う」「え」で、ひろいのはどちらでしょうか。", "title": "大きさくらべ" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "はしをそろえてながさをくらべてみましょう。すると、「え」のほうがひろいです。", "title": "大きさくらべ" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "かたくてまるいおかねには、 1えんだま、5えんだま、10えんだま、50えんだま、100えんだま、500えんだま があります。", "title": "おかね" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "ひだりから 1えんだま、5えんだま、10えんだま、50えんだま、100えんだま、500えんだま。", "title": "おかね" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "おとうさんや、おかあさんに、おこづかいをもらうと ふえます。たしざんです。", "title": "おかね" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "おみせのひとに、おかしとひきかえにわたすと へります。ひきざんです。", "title": "おかね" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "ものには いろいろな かたちが あります。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "ここでは いろいろな かたちを おしえて いきます。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "3本(さんほん)の まっすぐな せん で できていて 、 そのどれもが むすばれている かたちを さんかくけい(三角形)といいます。 下(した)の 絵(え)を みて みましょう。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "さんかくけい の まっすぐ な せん の いっぽん ずつ を へん(辺) と いいます 。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "さんかくけい は 3ほん の へん で つくられています。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "また、4ほんのまっすぐなせんでできていてそのどれもがむすばれているかたちをしかくけい (四角形)といいます。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "しかくけい は 4ほん の 、まっすぐ な せん から できています。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "しかくけい の この 4ほん の せん の 1本(いっぽん)ずつ を へん(辺) と いいます。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "しかくけい は 4ほん の へん で できています。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 182, "tag": "p", "text": "この せいほうけい の、 あかいせんの ぶぶんも たいかくせん です。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 183, "tag": "p", "text": "このように、 たいかくせん の ほんすう(本数) は、 しかくけいでは 2ほん です。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 184, "tag": "p", "text": "かみ に かかれた まるい かたち は、えん(円) と いいます。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 185, "tag": "p", "text": "えん には あつさ が ありません。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 186, "tag": "p", "text": "えん は さんかくけい では ないです。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 187, "tag": "p", "text": "えん は しかくけい でも ないです。", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 188, "tag": "p", "text": "", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 189, "tag": "p", "text": "もんだい", "title": "かたち" }, { "paragraph_id": 190, "tag": "p", "text": "いままでに ならった ちしき を つかって もんだい を ときたい ひと は 、 「1ねんせい の ため の さんすうドリル」 の ページ を 見(み)に 行って(いって) ください。 した の 「1ねんせい の ため の さんすうドリル」の もじ を おすと、みている ページが ドリルのぺージに かわります。", "title": "かたち" } ]
null
== かず と すうじ == === すうじ とは、なんでしょう === すうじは、いくつ あるか、いくつ たりないかを、みんなが いっしょに しることが できる べんりな もの です。 みなさんで {{ruby|1|いち}} から {{ruby|10|じゅう}} まで おおきな こえで かぞえて みましょう。 {|class="wikitable" |+ 1から9までの、すうじ !すうじ!!よみかた!!え |- |1|| いち || ▢ |- |2|| に || ▢▢ |- |3|| さん || ▢▢▢ |- |4|| よん(し)|| ▢▢▢▢ |- |5|| ご || ▢▢▢▢▢ |- |6|| ろく || ▢▢▢▢▢ ▢ |- |7|| なな(しち)|| ▢▢▢▢▢ ▢▢ |- |8|| はち|| ▢▢▢▢▢ ▢▢▢ |- |9|| きゅう(く)|| ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢ |} {{ruby|9|きゅう}} のつぎのすうじを、10 とかいて 「じゅう」 よみます。 {|class="wikitable" |+ 10の、すうじ |10|| じゅう || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ |} {| align="center" style="text-align:center" |いち || に || さん || よん<br />(し)|| ご ||ろく||なな<br />(しち)|| はち || きゅう<br />(く)|| じゅう |- |1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8 || 9 || 10 |} りんごが {{ruby|4|よん}} こ あると いえば、いわれたひとは、りんごが 4 こ あると しることが できます。このように、かずと いうのは、ものが いくつ あるかを つたえたり するのに とても べんりな ものです。 {| class="wikitable" cellpadding="2" |- align="center" |- align="center" |   ||りんごが、<br>1(いち) ||りんごが、<br>2(に) ||りんごが、<br>3(さん) ||りんごが、<br>4(よん) ||りんごが、<br>5(ご) ||りんごが、<br>6(ろく) ||りんごが、<br>7(なな) ||りんごが、<br>8(はち) ||りんごが、<br>9(きゅう) ||りんごが、<br>10(じゅう) |- align="center" | え || [[ファイル:Red Apple.jpg|70px]] || [[ファイル:Red Apple.jpg|70px]] [[ファイル:Red Apple.jpg|70px]] || [[ファイル:Red Apple.jpg|70px]]<br>[[ファイル:Red Apple.jpg|70px]][[ファイル:Red Apple.jpg|70px]] || [[ファイル:Red Apple.jpg|70px]][[ファイル:Red Apple.jpg|70px]]<br>[[ファイル:Red Apple.jpg|70px]][[ファイル:Red Apple.jpg|70px]] || [[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]] || [[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]] || [[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]] || [[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]] || [[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]] || [[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]][[ファイル:Red Apple.jpg|40px]] |} === すうじのおおきさ === すうじは 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10 の じゅんに おおきく なって いきます。 このように、すうじの おおきさを くらべることで、どっちが おおいか、どっちが おおきいか、など、ものと ものを くらべる ことが できます。 === おおきなかず === 10の つぎの かずは {{ruby|11|じゅういち}} です。11の つぎは {{ruby|12|じゅうに}} です。このように していくと、かずは、 :1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19 まで かぞえられます。 {|class="wikitable" |+ 10と、10からさきの、すうじ !すうじ!!よみかた!!!!え |- |10|| じゅう || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ |- |11|| じゅう いち || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢ |- |12|| じゅう に || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢ |- |13|| じゅう さん || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢ |- |14|| じゅう よん || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢ |- |} {|class="wikitable" |- |- |え ||▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢<br>▢▢▢▢▢||▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢<br>▢▢▢▢▢▢||▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢<br>▢▢▢▢▢▢▢||▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢<br>▢▢▢▢▢▢▢▢||▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢<br>▢▢▢▢▢▢▢▢▢ |- |すうじ|| 15|| 16 || 17 || 18 || 19 |} {{ruby|19|じゅうきゅう}} の つぎは {{ruby|20|にじゅう}} です。20の つぎは {{ruby|21|にじゅういち}} です。 {|class="wikitable" |+ 20と、20からさきの、すうじ !すうじ!!よみかた!!!!え |- |20|| にじゅう || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ |- |21|| にじゅう いち || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢ |- |22|| にじゅう に || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢ |- |23|| にじゅう さん || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢ |- |24|| にじゅう よん || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢ |- |} {{ruby|29|にじゅうきゅう}} の つぎは {{ruby|30|さんじゅう}} です。{{ruby|39|さんじゅうきゅう}} の つぎは {{ruby|40|よんじゅう}} です。 {{ruby|99|きゅうじゅうきゅう}} の つぎは {{ruby|100|ひゃく}} です。100の つぎは {{ruby|101|ひゃくいち}} です。 {{ruby|109|ひゃくきゅう}} の つぎは {{ruby|110|ひゃくじゅう}} です。{{ruby|199|ひゃくきゅうじゅうきゅう}} の つぎは {{ruby|200|にひゃく}} です。 {{ruby|999|きゅうひゃくきゅうじゅうきゅう}} の つぎは {{ruby|1000|せん}} です。 このように かずは、どこまでも おおきくなって いきます。 ==== おおきなかずのしくみ ==== 123という すうじが あります。 123の「1」 は  '''{{ruby|百|ひゃく}}の くらい''' の すうじ です。 123の「2」は '''{{ruby|十|じゅう}}の くらい'''の すうじです。 123の「3」は '''{{ruby|一|いち}}の くらい'''の すうじです。 おなじように、38 の '''{{ruby|十|じゅう}}の くらい'''は 3 で、'''{{ruby|一|いち}}の くらい'''は 8 です。 321 の、 {{ruby|百|ひゃく}}の くらい は 3 で、{{ruby|十|じゅう}}の くらい は 2 で、{{ruby|一|いち}}の くらい は 1 です。 かずが 1 ふえる と、 いちのくらい が 1 ふえます。 24 が 1 ふえると、25 になります。 4 の つぎのかず は 5 ですね。 57 が 1 ふえると、58 になります。 7 の つぎのかず は 8 ですね。 '''いち の くらい が 9の とき'''は、かずが 1 ふえると、'''いち の くらい が {{ruby|0|れい・ぜろ}} に なり、 じゅう のくらい が 1 ふえます'''。 19 から 、かずが 1ふえると、20 になります。 19 と 20 では、じゅうのくらいは、1 から 2 に ふえていますね。 19 と 20 では、いちのくらいは、9 から 0 に なっていますね。 '''いち の くらい も じゅう の くらい も 9の とき'''は、 かず が 1 ふえると、'''いちのくらい も じゅうのくらい も 0に なり、ひゃくのくらい が 1 ふえます'''。 99から1ふえると100になりますね。99には、ひゃくのくらいは、ないです。 99から1ふえて、かずが100になります。 100 の ひゃくのくらい は 1 です。 99 と 100 では、 じゅうのくらい は、 9 から 0 に なっています。 いちのくらい は、 9 から 0 に なっています。 == たしざん == たしざんとは、かずと かずを あわせる ことを いいます。 たとえば、おとうさん が 、おみせで りんごを 4こ かってきました。おかあさんが みかんを、みせで 3こ かってきたと しましょう。 くだものは、あわせて、いくつ あるでしょうか。 りんごが 4こ あって、みかんが 3こ あるとき、りんごと みかんは あわせて 7こ あります。これを、たしざんで かくと :<math>\begin{matrix}4+3=7 \end{matrix}</math> と かき、「よん たす さん は (わ)  なな」 、 と よみます。 {|class="wikitable" |おとうさん が かってきた くだもの |scope="col" width="60"|[[File:Red Delicious.jpg|45px]] |scope="col" width="60"|[[File:Red Delicious.jpg|45px]] |scope="col" width="60"|[[File:Red Delicious.jpg|45px]] |scope="col" width="60"| [[File:Red Delicious.jpg|45px]] |scope="col" width="60"| |scope="col" width="60"| |scope="col" width="60"| |scope="col" width="60"| |scope="col" width="60"| |- |かず||1||2||3||4||5||6||7||8||9 |- |おかあさん が かってきた くだもの ||[[ファイル:Citrus unshiu 20101118 a.jpg|55px]] ||[[ファイル:Citrus unshiu 20101118 a.jpg|55px]] ||[[ファイル:Citrus unshiu 20101118 a.jpg|55px]] || || |- |かず||1||2||3||4||5 |- |たしかた (リンゴにミカンを、たす) ||[[File:Red Delicious.jpg|45px]] ||[[File:Red Delicious.jpg|45px]] ||[[File:Red Delicious.jpg|45px]] ||[[File:Red Delicious.jpg|45px]] ||[[ファイル:Citrus unshiu 20101118 a.jpg|55px]] ||[[ファイル:Citrus unshiu 20101118 a.jpg|55px]] ||[[ファイル:Citrus unshiu 20101118 a.jpg|55px]] || || |- |かず||1||2||3||4||5||6||7||8||9 |- |たしかた (ミカンに、リンゴを、たす) ||[[ファイル:Citrus unshiu 20101118 a.jpg|55px]] ||[[ファイル:Citrus unshiu 20101118 a.jpg|55px]] ||[[ファイル:Citrus unshiu 20101118 a.jpg|55px]] ||[[File:Red Delicious.jpg|45px]] ||[[File:Red Delicious.jpg|45px]] ||[[File:Red Delicious.jpg|45px]] ||[[File:Red Delicious.jpg|45px]] || || |- |- |かず||1||2||3||4||5||6||7||8||9 |} <math>+</math>は '''たす'''と よんで、'''まえの かずと うしろの かずを あわせる'''ことを あらわします。<math>=</math>は '''は (わ)''' と よんで、'''<math>=</math>の ひだりと みぎが おなじ'''かずであることを あらわします。 * れい べつの、かず でも、 たしざんを してみましょう。 :<math>2+4=</math> (「に たす よん は 」と、 よみます。) <math>=</math>の、 つぎの かずは かくしています。 つぎのかずは、 どんな かずでしょうか。 たとえば、 2この りんご と、4こ の りんご を、 あわせたら 、 いくつでしょうか 。 けいさんを、してみましょう 。 こたえは、 6 です 。 2と4を、たしたら、 6です。 だから、 :<math>2+4=6</math> です。 {{clear}} 「たす」という きごうの + は、 かんじのジュウと にていますが、 ちがいます。 「たす」の きごう + は、まっすぐに かきます。 :「たす」の きごうは、おおきく かくと <big><big><big><big><big> + </big></big></big></big></big> です。 == ひきざん == ひきざんは かずから かずを なくすことを いいます。 たとえば、7こ の りんご が あって、ともだちに 4こ あげたとき、3こ のこります。これをひきざんの しき でかくと、 :<math>\begin{matrix} 7-4=3 \end{matrix}</math> と かきます。 よみかたは、「なな ひく よん は さん」 と よみます。 「<math>-</math>」は 「'''ひく'''」 と よみます。 <math>-</math> は '''まえの かずから うしろの かずを へらす'''ことを あらわします。=は たしざんとおなじように は (わ) と よんで、=の ひだりと みぎが おなじことを あらわします。 ひきざんでは、まえの かず と、うしろの かず を いれかえることが できません。 たとえば、 :<math>\begin{matrix} 4-7& \end{matrix}</math> と かいたら、 たとえば、 4このりんごが あって、 ともだちに 7こ あげようと することになります。 ですが、りんごは 4こまでしか ないので、 あげることが できません 。 このように、ひきざんでは、 まえの かずと 、 うしろの かずを いれかえると 、ちがって しまいます。  ;きごうの かきかた 「ひく」という きごう - は、かんじの {{Ruby|一|いち}} と にていますが、ちがいます。 「ひく」というきごう は、まっすぐにかきます。 :「ひく」の きごうは、おおきく かくと <big><big><big><big><big> - </big></big></big></big></big> です。 == しき == たしざんの 2+4=6 の「2+4=6」という ぶぶん も、 ひきざんの 7-3=4 の「7-3=4」という ぶぶん も、 りょうほうとも「しき」といいます。 「2+4」だけでも「しき」です。 「7-3」だけでも「しき」です。 たとえば 3+2=5 というのも「しき」です。 「3+2」も「しき」です。 == れい 0 == 1 から 1 を ひいた かず を '''れい''' と いいます。 レイは '''0''' と かきます。 しき で かくと :1-1=0 です。「いち ひく いち は (わ) れい」と、よみます。 0は、なにも、ない かず です。 だから、 かず に 0 を たしても、 かわりません。 たとえば :7+0=7 「なな たす レイは (わ) なな」です。 レイをふくめて、かずのならびを14までかぞえると、 :「 0 (ゼロ (レイ) ) 、1 (いち) 、2 (に) 、3 (さん) 、4 (よん) 、5 (ご) 、6 (ろく) 、7 (なな) 、8 (はち) 、9 (きゅう) 、10 (じゅう) 、11 (じゅういち) 、12 (じゅうに) 、13 (じゅうさん) 、14 (じゅうよん) 」<br> です。 {|class="wikitable" |+ 0から14までの、すうじ !すうじ!!よみかた!!!!え |- |0|| ゼロ (レイ) || || |- |1|| いち || || ▢ |- |2|| に || || ▢▢ |- |3|| さん || || ▢▢▢ |- |4|| よん || || ▢▢▢▢ |- |5|| ご || || ▢▢▢▢▢ |- |6|| ろく || || ▢▢▢▢▢ ▢ |- |7|| なな || || ▢▢▢▢▢ ▢▢ |- |8|| はち|| || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢ |- |9|| きゅう || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢ |- |10|| じゅう || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ |- |11|| じゅういち || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢ |- |12|| じゅうに || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢ |- |13|| じゅうさん || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢ |- |14|| じゅうよん || || ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢ |} {{clear}} === 0 (レイ) の たしざん === 0は、なにも、ない かず です。 だから、 かず に 0 を たしても、 かわりません。 たとえば :1+0=1  「いち たす レイは (わ) いち」 :0+1=1  「レイたす いち は (わ) いち」 :2+0=2  「に たす ゼロ (レイ) は (わ) に」 :0+2=2  :3+0=3  :4+0=4  :10+0=10  「じゅう たす レイは (わ) じゅう」 :0+10=10  :17+0=17  です。 :0+0=0 「レイたす レイ は (わ) ゼロ (レイ) 」 です。レイをゼロ (レイ) ということはふつうありません。ただしここからはゼロ (レイ) と書きます。 === ゼロ (レイ) の ひきざん === かず に ゼロ (レイ) を ひいても、かわりません。 :1-0=1 「いち ひく ゼロ (レイ) は (わ) いち」 :2-0=2 「に ひく ゼロ (レイ) は (わ) に」 :3-0=3 「さん ひく ゼロ (レイ) は (わ) さん」 :4-0=4 「よん ひく ゼロ (レイ) は (わ) よん」 :5-0=5 「ご ひく ゼロ (レイ) は (わ) ご」 :6-0=6 「ろく ひく ゼロ (レイ) は (わ) ろく」 :7-0=7 「なな ひく ゼロ (レイ) は (わ) なな」 :8-0=8 「はち ひく ゼロ (レイ) は (わ) はち」 :9-0=9 「きゅう ひく ゼロ (レイ) は (わ) きゅう」 :10-0=10 「じゅう ひく ゼロ (レイ) は じゅう」 :11-0=11 「じゅういち ひく ゼロ (レイ) は (わ) じゅういち」 :12-0=12 「じゅうに ひく ゼロ (レイ) は じゅうに」 0から0をひいても0です。 :0-0=0 「ゼロ (レイ) ひく ゼロ (レイ) は (わ) ゼロ (レイ) 」 :1-1=0 :2-2=0 :3-3=0 かず から、その かず と おなじ おおきさ の かず を ひくと ゼロ (レイ) に なります。 :4-4=0 :5-5=0 :6-6=0 :10-10=0 :23-23=0 == かず の せん == :[[Image:Zahlenstrahl2.gif]] かず の ならび を、せん の うえ に かくと 、 べんり です。 こういう、かずのならびをかいた、まっすぐな せん (線) を <big>すうちょくせん</big> (数直線) と、いいます。 しょうがっこう の さんすう での、かず の せん では、0 と、あなたから 見て (みて) 0 から みぎがわ を、つかいます。 「ひだりがわ」と「みぎ がわ」の ばしょ は、あなたから みた ばあい、 ::ひだりがわ 0 みぎがわ です。 図 (ず) では、10までしか、数 (かず) が かいてないですが、もっと さき まで 数直線 (すうちょくせん) で、かくことが できます。 すうちょくせん の かんがえかた は、'''ものさし''' に ちかい かんがえかた です。 [[File:Regla V.svg]]<br> 学校 (がっこう) や いえ (家)  で、 このような ながさ が ふってある もの を みたことが ある人 (ひと) も いるでしょう。これが '''ものさし''' です。 == みっついじょう の かずの けいさんの しかた == みっついじょうのかずを けいさんするときは どのようにすればよいのでしょう。 このときは、'''ひだりからけいさん''' しましょう。 たとえば、5まいのおりがみがあって、3まいあげました。4まいもらいました。のこりは6まいです。これを しきでかくと、 :<math>\begin{matrix}5-3+4&=&6\end{matrix}</math> となります。'''ひだりからけいさんする'''ので、さきに<math>5-3=2</math>をけいさんして、それから<math>2+4=6</math>というけいさんをしてください。 == くりあがり と くりさがり == * くりあがり たとえば、「7ほんの えんぴつがあります。 5ほんの えんぴつを かいました。 ぜんぶで なんほんに なりますか。」 という もんだいが あります。 しきを、かくと、 <math>7+5=</math> に、なります。 どのようにかんがえればよいでしょうか。 「10」のまとまりをつくりましょう。5は3と2です。7+3=10だから、これに2をたして12になります。このように10のまとまりをつくります。 * くりさがり また、「14まいの おりがみが あります。6まいつかいました。 のこりは なんまいに なりますか?」という もんだい が あります。 しきを、かくと、 :<math>14-6=</math> に、なります。 いちのくらいだけで けいさんをしたいのですが、 4と6では 6のほうが おおきいかず なので けいさん することが できません。 このときは どのように やるのでしょう。 たしざんのときとおなじように、6を4と2にわけて10のまとまりをつくってかんがえましょう。 14-4=10で、さらに2をひいて8になります。このように10のまとまりをつくります。 <math>14-6=8</math> だから、こたえは8まいです。 このように くらい の さがる けいさんを  '''くりさがりのあるけいさん''' といいます。 * れんしゅう :<math>14-5=</math> うえ の しき を けいさん して みましょう。 == ふたけた の けいさん == :<math>25+31=</math> これを、らくに けいさん を したい ばあい は 、つぎの ように けいさん します。 :<math>25+31=(20+5)+(30+1)=(20+30)+(5+1)=50+6=56</math> ほか の かずでも れんしゅう しましょう。 :<math>36+11=</math> したに こたえ が あります 。 こたえ を みるまえ に 、 けいさん してみて ください 。 <br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br> * こたえ 36+11= (30+6) + (10+1) = (30+10) + (6+1) =40+7=47 なので、つまり 36+11=47 です。できましたか。 == {{ruby|大|おお}}きさくらべ == [[File:長さ比べ.png|thumb|200px]] [[File:長さ比べ2.png|thumb|200px]] [[File:広さ比べ.png|thumb|200px]] [[File:広さ比べ2.png|thumb|200px]] {{Ruby|右|みぎ}}の2{{Ruby|本|ほん}}のえんぴつ「あ」「い」で、ながいのはどちらでしょうか。 はしをそろえてながさをくらべてみましょう。すると、「あ」のほうがながいです。 {{Ruby|右|みぎ}}の2まいのかみ「う」「え」で、ひろいのはどちらでしょうか。 はしをそろえてながさをくらべてみましょう。すると、「え」のほうがひろいです。 == おかね == かたくてまるいおかねには、 1えんだま、5えんだま、10えんだま、50えんだま、100えんだま、500えんだま があります。 ひだりから 1えんだま、5えんだま、10えんだま、50えんだま、100えんだま、500えんだま。 おとうさんや、おかあさんに、おこづかいをもらうと ふえます。'''たしざん'''です。 おみせのひとに、おかしとひきかえにわたすと へります。'''ひきざん'''です。 == かたち == ものには いろいろな かたちが あります。 ここでは いろいろな かたちを おしえて いきます。 3本(さんほん)の まっすぐな せん で できていて 、 そのどれもが むすばれている かたちを '''さんかくけい'''(三角形)といいます。 下(した)の 絵(え)を みて みましょう。 <div style="float:center; margin:0 0 0 10px;text-align:center;">[[画像:正しい三角形.png]]</div> *いちばん 左(ひだり) にある 絵(え) は、さんかくけい です。 まっすぐな3本のせんで できていて、 ちゃんと ほかのせんに むすばれています。 *まんなかの絵は、さんかくけい では ないです。 3本の まっすぐな せん で できていますが うち2本(にほん)のせんは むすばれて いません。 *いちばん 右(みぎ) の 絵(え) は、さんかくけい では ないです。 3本は ちゃんとむずばれていますが、 うち1本(いっぽん)の せん は まがって います。 さんかくけい の まっすぐ な せん の いっぽん ずつ を '''へん'''(辺) と いいます 。 さんかくけい は 3ほん の へん で つくられています。 === しかくけい === また、4ほんのまっすぐなせんでできていてそのどれもがむすばれているかたちを'''しかくけい''' (四角形)といいます。 <gallery> File:Regular polygon 4.svg|* これも、しかくけい です。 File:Rectangle.svg|* これも、しかくけい です。 File:Trapezoid2.png|* これも、しかくけい です。 File:四角形.png|thumb|1300px|* これも、しかくけい です。 </gallery> しかくけい は 4ほん の 、まっすぐ な せん から できています。 しかくけい の この 4ほん の せん の 1本(いっぽん)ずつ を '''へん'''(辺) と いいます。 しかくけい は 4ほん の へん で できています。 [[Image:Square (polygon).png|200px|]] この せいほうけい の、 あかいせんの ぶぶんも たいかくせん です。 このように、 たいかくせん の ほんすう(本数) は、 しかくけいでは 2ほん です。 === えん === かみ に かかれた まるい かたち は、'''えん'''(円) と いいます。 [[画像:Circle - black simple.svg|thumb|150px|left|円(えん) ]] えん には あつさ が ありません。 えん は さんかくけい では ないです。 えん は しかくけい でも ないです。 {{clear}} <big>もんだい</big> いままでに ならった ちしき を つかって もんだい を ときたい ひと は 、 「1ねんせい の ため の さんすうドリル」 の ページ を 見(み)に 行って(いって) ください。 した の 「1ねんせい の ため の さんすうドリル」の もじ を おすと、みている ページが ドリルのぺージに かわります。 * [[算数演習 小学校1年生|1ねんせい の ため の さんすうドリル]] [[カテゴリ:小学校算数|1年]] [[カテゴリ:小学校1年生の教科書|算数]] __目次強制__ __節編集非表示__ __インデックス__ __新しい節リンク非表示__
null
2022-08-31T23:01:39Z
[ "テンプレート:Ruby", "テンプレート:Clear" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%AE%97%E6%95%B0/1%E5%AD%A6%E5%B9%B4
885
高等学校理科総合B
小学校・中学校・高等学校の学習 > 高等学校の学習 > 高等学校理科総合B 高等学校理科総合Bは、高等学校での、科目のひとつ。生物分野と、地学分野に分かれる。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "小学校・中学校・高等学校の学習 > 高等学校の学習 > 高等学校理科総合B", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "高等学校理科総合Bは、高等学校での、科目のひとつ。生物分野と、地学分野に分かれる。", "title": "" } ]
小学校・中学校・高等学校の学習 > 高等学校の学習 > 高等学校理科総合B 高等学校理科総合Bは、高等学校での、科目のひとつ。生物分野と、地学分野に分かれる。 理科総合B 生物分野 (2015-08-14) 生命の移り変わり (2015-08-14) 遺伝の規則性 (2015-08-14) 生物と環境 (2015-08-14) 参考文献 (2015-08-14) 理科総合B 地学分野 (2015-08-14) 地表の様子 (2015-08-14) 大陸と海洋の姿 (2015-08-14) プレートの動き (2015-08-14) 地球の形成 (2015-08-14) 惑星の特徴 (2015-08-14) 大気と熱収支 (2015-08-14) 気象変化とその要因 (2015-08-14) 日本の天気 (2015-08-14) 参考文献 (2015-08-14)
[[小学校・中学校・高等学校の学習]] > [[高等学校の学習]] > 高等学校理科総合B '''高等学校理科総合B'''は、高等学校での、科目のひとつ。生物分野と、地学分野に分かれる。 * [[理科総合B 生物分野]] {{進捗|00%|2015-08-14}} # [[理科総合B 生物分野#生命の移り変わり|生命の移り変わり]] {{進捗|00%|2015-08-14}} # [[理科総合B 生物分野#遺伝の規則性|遺伝の規則性]] {{進捗|00%|2015-08-14}} # [[理科総合B 生物分野#生物と環境|生物と環境]] {{進捗|00%|2015-08-14}} # [[理科総合B 生物分野#参考文献|参考文献]] {{進捗|00%|2015-08-14}} * [[理科総合B 地学分野]] {{進捗|25%|2015-08-14}} # [[理科総合B 地学分野#地表の様子|地表の様子]] {{進捗|25%|2015-08-14}} # [[理科総合B 地学分野#大陸と海洋の姿|大陸と海洋の姿]] {{進捗|25%|2015-08-14}} # [[理科総合B 地学分野#プレートの動き|プレートの動き]] {{進捗|25%|2015-08-14}} # [[理科総合B 地学分野#地球の形成|地球の形成]] {{進捗|25%|2015-08-14}} # [[理科総合B 地学分野#惑星の特徴|惑星の特徴]] {{進捗|25%|2015-08-14}} # [[理科総合B 地学分野#大気と熱収支|大気と熱収支]] {{進捗|25%|2015-08-14}} # [[理科総合B 地学分野#気象変化とその要因|気象変化とその要因]] {{進捗|25%|2015-08-14}} # [[理科総合B 地学分野#日本の天気|日本の天気]] {{進捗|25%|2015-08-14}} # [[理科総合B 地学分野#参考文献|参考文献]] {{進捗|25%|2015-08-14}} [[Category:高等学校教育|理りかそうこうB]] [[Category:理科教育|高りかそうこうB]] [[Category:生物学|高りかそうこうB]] [[Category:地球科学|高りかそうこうB]] {{stub}}
null
2022-12-06T03:34:00Z
[ "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%90%86%E7%A7%91%E7%B7%8F%E5%90%88B
893
初等数学
算数と数学の一番の違いは、数学では文字を使い、より一般的に考えるということである。 更に数学では証明が最も重要視される。 また、算数では正の有理数しか扱わなかったが、数学ではより広い範囲の数を扱う。 ここでは、算数と数学の橋渡しとなる部分を説明したい。 数学では、数を一般的に表すときに文字を使う。 この初等代数学では、体系的に説明する目的で、日本の新学習指導要領の中一程度の内容(正負の数、文字式、一次方程式の基本)は説明無しで使うことがある。 ここで説明し切れなかった部分は、基礎数学のところで説明したいと考えている。 歴史的には、数は自然数から生まれた。これはものを数えるときにごく普通に使用する数であるから、納得できると思う。 その後の数の拡張は方程式を解くことから引き起こされたという解釈がある。 たとえば、方程式 3 x = 5 {\displaystyle 3x=5} は自然数の範囲では解が存在しない。しかし、正の有理数の範囲まで考える数の範囲を拡張すれば、 x = 5 3 {\displaystyle x={5 \over 3}} という解が存在する。 さらに、方程式 x + 5 = 0 {\displaystyle x+5=0} は正の有理数の範囲では解が存在しない。しかし、有理数の範囲まで考える数の範囲を拡張すれば、この方程式は x = − 5 {\displaystyle x=-5} という解が存在する。 係数が有理数である一次方程式は、有理数の範囲で必ず解を持つ。しかし、係数が有理数である二次以上の方程式は有理数の範囲では解を持たないものがある。このことについては後述する。 一次方程式の説明に入る前に、そもそも方程式とは何かについて考えてみよう。 方程式とは、その等式を満たすような文字(主に x {\displaystyle x} など)の値に注目したときの等式のことである。 ここで、等式には方程式、恒等式、定義式のような見方があることに注意しておこう。以下にそれぞれの例を挙げる。 また、方程式の種類に関する用語を説明しておく。 等式の性質には次のようなものがある。 a=b のとき次のことが成り立つ。(cは定数) これによって、与えられた等式をより簡単にすることが出来る。 たとえば a+b=c のような式は、両辺からbを引くことによって (a+b)-b=c-b ⇔ a=c-b と言うように変形することが出来る。(注意:⇔はこれの左側のことが成り立てば、右に書かれていることも成り立つ。右側のことが成り立てば、左に書かれていることも成り立つ。と言う意味である。) この操作を良く見ると、左辺に足されていたbが右辺から引かれている。また、逆の操作をすれば、左辺から引かれていたbが右辺に足されている。 このように、足されているもの、または引かれているもの(すなわち、単項式)の符号を逆にして、反対側に移動するような操作を移項と言う。 移項は方程式を解く上でもっとも重要な考え方である。 1元1次方程式とは文字がひとつ、その文字の次数も1であるようなもっとも単純な方程式である。この方程式を解くことが、すべての方程式を解くことの基礎となる。 例: 3 x + 5 = 0 {\displaystyle 3x+5=0} ( 2 a + 5 ) 3 + ( 5 a + 8 ) 4 = 10 {\displaystyle {(2a+5) \over 3}+{(5a+8) \over 4}=10} 2つ目の例は複雑だが、よく見ると文字は1つ(a)しか使われておらず、次数も1であるので、1元1次方程式である。 また、1元1次方程式の性質として、整理すると ax+b=0 の形に整理できる。 この形に整理できれば、移項して両辺をaで割り、 x = − b a {\displaystyle x=-{b \over a}} となる。これがこの方程式の解である。 すなわち1次方程式を解くことは、元の方程式を ax+b=0 の形に変形することに帰着される。 具体的な例で、方程式の解き方を学んでみよう。 これらが基本的な方程式の解き方である。これよりも難しい方程式は計算が煩雑なだけか、分母に未知数が来るなどの多少特殊な方程式かのどちらかである。 方程式の場合は、得られた答えを実際にxに当てはめてみることで検算ができる。 では、計算が煩雑なものではなく、特殊な難しさを持った1元1次方程式を紹介しよう。 まずは、分母に未知数が来るタイプである。 分母に未知数がきているものは扱いにくいことが多いので、両辺に適当な数(文字)を掛け、分母から未知数を払う。 これで1元1次方程式の解説を終了する。 これから、より難しい方程式を学んでいくわけだが、難しい方程式には次の2種類がある。 未知数がどれだけ増えても、一定のとき方に従っていけば、計算が煩雑になるだけで、本質的な難しさはあまりない。(多元1次方程式の場合) 一方、次数は1増えるごとに、難易度が格段に上がっていく。たとえば、4次方程式までは解の公式が存在する(3次:カルダノの公式 4次:フェラーリの方法)が、5次以上の方程式になると一般的な公式は存在しない。 ちなみに、複素数と呼ばれる数の範囲では、n次方程式は一般にn個の解を持つことが知られている。ガウスが証明した、「代数学の基本定理」のことである。(厳密に言えば、少し言葉足らずだが) 2元1次方程式とは、未知数が2つで、その次数が1であるような方程式である。 例:3x+2y=5,5x+3y=9 , 3 a + 4 b 5 + 7 a − 5 b 11 = 13 {\displaystyle ,{3a+4b \over 5}+{7a-5b \over 11}=13} 三つ目の例も複雑だが、よく見ると、文字は2つで(aとb)次数も1なので、2元1次方程式である。 たとえば、ひとつ目の3x+2y=5を満たすxとyの値を考える。 すぐに見つかるのは、x=1とy=1である。しかし、この方程式を満たすのはx=1とy=1だけではない。 他にも、x=5とy=-5の時も確かに方程式を満たす。また、x=0とy= 5 2 {\displaystyle {5 \over 2}} なども方程式を満たす。 実を言うと、この方程式を満たすxとyの値は無数に存在する。 なので、もうひとつ、例の方程式を追加し、それを満たすxとyの値を調べてみる。 { 3 x + 2 y = 5 5 x + 3 y = 9 {\displaystyle \left\{{\begin{matrix}3x+2y=5\\5x+3y=9\end{matrix}}\right.} を同時に満たすようなxとyの値はx=3とy=-2である。 この例から予想できるように、未知数が2つの2元1次方程式がひとつだけ与えられた場合、それの解は無数に存在するが、2つの2元1次方程式が2つ与えられた時、解はただひとつに定まる(一部例外もある)。 また、一般に未知数がn個の方程式がn個与えられた時は、解はただ1つに定まる(一部例外もあるが)。 例えば、 ( x − 1 ) 2 + ( y − 3 ) 2 = 0 {\displaystyle (x-1)^{2}+(y-3)^{2}=0} 2つ以上の方程式がセットになったようなものを連立方程式という。 では、連立方程式をどのように解くか説明しよう。 代入法とは、代入により解く方程式である。 説明よりも具体的に見てみよう。 連立方程式 { 3 x − y = 5 5 x + 3 y = − 1 {\displaystyle \left\{{\begin{matrix}3x-y=5\\5x+3y=-1\end{matrix}}\right.} を解くことを考える。 一つ目の式を移項してx=(yの式)もしくは、y=(xの式)の形に直す。(この形以外の変形もある) この場合はy=(xの式)の形に直して、y=3x-5になる。 これをもうひとつの式に代入する。代入とは、いわばあるものを同じほかのもので置き換えることである。 この場合はy=3x-5よりもちろんyと3x-5は等しいので置き換えることができる。このような操作が代入である。 もうひとつの式である、5x+3y=-1のyを3x-5で置き換えると、 5x+3(3x-5)=-1 となる。このとき、括弧をつけるのを忘れないようにする。 後は、上の1元1次方程式を解き、x=1を得る。これをどちらかの方程式に代入する。 つまり、2式のどちらかのxをそれと等しい1で置き換える。 すると、3-y=5と5+3y=-1の式を得る。(実際はどちらか一方だけでいいが、確認の意味で2式ともに代入する事もある。) どちらの1元1次方程式を解いてもy=-2を得る。 よって答えは、x=1とy=-2である。実際に2式とも等式が成り立つことを確認して欲しい。 { 3 x + y = 5 5 x + 3 y = 7 {\displaystyle \left\{{\begin{matrix}3x+y=5\\5x+3y=7\end{matrix}}\right.} 次は、加減法という連立方程式の解き方を説明する。 加減法とは、与えられた2式の加減を行って、1次方程式に帰着させることによって解く。 実際に上の方程式を解いてみる。一つ目の3x+y=5を1、2つめの5x+3y=7を2とすると、 1の式を3倍して、2の式を引くと・・・ まず、3x+y=5の両辺に3を掛けて、 9x+3y=15 ここから、2の式を引く (9x+3y)-(5x+3y)=15-7 4x=8 x=2 これを元のどちらかの式のxに代入して、yの値を求める。 6+y=5と10+3y=7を得る。どちらの方程式を解いても、y=-1を得る。 よってこの方程式の答えはx=2とy=-1である。 まず答えの書き方について説明する。 たとえば、答えがx=1とy=-2のとき、次のように書く。 このうちどの書き方でもよい。 次は、代入法と加減法で答えが一致することを確認する。 連立2元1次方程式を一般的に表すと、次のようになる。 { a x + b y = c d x + e y = f {\displaystyle \left\{{\begin{matrix}ax+by=c\\dx+ey=f\end{matrix}}\right.} (a,b,c,d,e,fは定数) この方程式を実際に代入法と加減法で解いてみる。あまり詳しい説明はしない。また、どちらの解き方も上の式を1、下の式を2とする。 代入法で解いた時 1⇔ x = − b a y + c a {\displaystyle x=-{b \over a}y+{c \over a}} これを2に代入して、 − b d a y + c d a + e y = f {\displaystyle -{bd \over a}y+{cd \over a}+ey=f} ⇔ a e − b d a y = a f − c d a {\displaystyle {ae-bd \over a}y={af-cd \over a}} ⇔ y = a f − c d a e − b d {\displaystyle y={af-cd \over ae-bd}} y = a f − c d a e − b d {\displaystyle y={af-cd \over ae-bd}} を1に代入して、 a x + b a f − c d a e − b d = c {\displaystyle ax+b{af-cd \over ae-bd}=c} ⇔ a x = ( a c e − b c d ) − ( a b f − b c d ) a e − b d = a c e − a b f a e − b d {\displaystyle ax={(ace-bcd)-(abf-bcd) \over ae-bd}={ace-abf \over ae-bd}} ⇔ x = c e − b f a e − b d {\displaystyle x={ce-bf \over ae-bd}} したがって、 { x = c e − b f a e − b d y = a f − c d a e − b d {\displaystyle \left\{{\begin{matrix}x={ce-bf \over ae-bd}\\y={af-cd \over ae-bd}\end{matrix}}\right.} 加減法でといた時 1⇔ a d x + b d y = c d {\displaystyle adx+bdy=cd} ...3 2⇔ a d x + a e y = a f {\displaystyle adx+aey=af} ...4 3-4より ( b d − a e ) y = c d − a f {\displaystyle (bd-ae)y=cd-af} ⇔ y = c d − a f b d − a e {\displaystyle y={cd-af \over bd-ae}} また、1⇔ a e x + b e y = c e {\displaystyle aex+bey=ce} ...5 2⇔ b d x + b e y = b f {\displaystyle bdx+bey=bf} ...6 5-6より ( a e − b d ) x = c e − b f {\displaystyle (ae-bd)x=ce-bf} ⇔ x = c e − b f a e − b d {\displaystyle x={ce-bf \over ae-bd}} したがって、 { x = c e − b f a e − b d y = c d − a f b d − a e {\displaystyle \left\{{\begin{matrix}x={ce-bf \over ae-bd}\\y={cd-af \over bd-ae}\end{matrix}}\right.} yの値が代入法の時と少し違うようにも見えるが、どちらかの分母分子に-1をかけると2つは一致する。つまり、どちらのyの値も等しいことが分かる。 n元1次方程式とは、未知数がn個ある1次の方程式のことである。 基本的にn元1次方程式はn種類の式があれば解は一意に定まる。 たとえば3元1次連立方程式は次のようになり、解は一意に定まる。 { x + y + z = 2 2 x − 5 y + 2 z = 10 3 x + 2 y + z = 2 {\displaystyle \left\{{\begin{matrix}x+y+z=2\\2x-5y+2z=10\\3x+2y+z=2\end{matrix}}\right.} これの解は(x,y,z)=(-1,2,1)のみである。 3つの式があれば解はただひとつに定まるが、どれか1つの式だけや2つの式では解は無数に存在する。 このような方程式の解き方を簡単に説明しよう。基本的には連立2元1次方程式と同じような方法(代入法、加減法)を繰り返し、未知数を1つずつ減らしていく。そうして、1元1次方程式に帰着して解く。 方程式で、もっとも次数が高い項が2次の方程式を2次方程式と言う。 たかが次数が1つ増えただけと思うかもしれないが、それだけで方程式の難易度が大幅に上がる。 実際にいろいろな2次方程式を見てみよう 例1 x 2 = 4 {\displaystyle x^{2}=4} この2次方程式を解くことを考える。2乗して4になる数をxに代入するとこの等式を満たすので、それが解になる。 そのような数を探すとすぐに2は思いつくと思う。しかし、よく考えると-2も解になる。 よってこの方程式の解はx=±2となる。 これをよくよく考えてみよう。普通の1次方程式は解は1つだけだったが、2次方程式は解が2つある。 しかし、いつでも解が2つとは限らない。1つの時や、1つもないときがある。解をどの範囲で考えるかによって変わってくる。 たとえば、 x 2 = 0 {\displaystyle x^{2}=0} の解は、例1と同様に考えるとx=±0となりそうだが、+0も-0も同じものなので、まとめて解はx=0のみとなる。 さらに、 x 2 = − 4 {\displaystyle x^{2}=-4} や x 2 = 2 {\displaystyle x^{2}=2} などは、分数の世界では解を持たない。しかし、これらに対しても解を持つようにする為に、新たな数を作り出す。 では、2乗すると2になるような数を考えてみよう。 何もそのような数を考えるような手段を持ち合わせていないので、しらみつぶしに調べてみよう。 まずは整数から、 よってこの数は1と2の間にある。 1.~と言うような数をまずは0.1単位で見てみる よって、この数は1.4と1.5の間にある。 1.4~となるような数を0.01単位で見てみる・・・・・ これを繰り返すと求める数は1.41421356・・・となる。 この数では、数は何の規則性もなしに並んでいる。なので、このような数をまともに扱うのは面倒である。 そこで、このような数を 2 {\displaystyle {\sqrt {2}}} と書くことに決める。 この数は分数で表すことはできず、小数で表したとき、循環することなく無限に続く。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "算数と数学の一番の違いは、数学では文字を使い、より一般的に考えるということである。", "title": "基礎数学" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "更に数学では証明が最も重要視される。", "title": "基礎数学" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "また、算数では正の有理数しか扱わなかったが、数学ではより広い範囲の数を扱う。", "title": "基礎数学" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "ここでは、算数と数学の橋渡しとなる部分を説明したい。", "title": "基礎数学" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "数学では、数を一般的に表すときに文字を使う。", "title": "基礎数学" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "この初等代数学では、体系的に説明する目的で、日本の新学習指導要領の中一程度の内容(正負の数、文字式、一次方程式の基本)は説明無しで使うことがある。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "ここで説明し切れなかった部分は、基礎数学のところで説明したいと考えている。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "歴史的には、数は自然数から生まれた。これはものを数えるときにごく普通に使用する数であるから、納得できると思う。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "その後の数の拡張は方程式を解くことから引き起こされたという解釈がある。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "たとえば、方程式 3 x = 5 {\\displaystyle 3x=5} は自然数の範囲では解が存在しない。しかし、正の有理数の範囲まで考える数の範囲を拡張すれば、 x = 5 3 {\\displaystyle x={5 \\over 3}} という解が存在する。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "さらに、方程式 x + 5 = 0 {\\displaystyle x+5=0} は正の有理数の範囲では解が存在しない。しかし、有理数の範囲まで考える数の範囲を拡張すれば、この方程式は x = − 5 {\\displaystyle x=-5} という解が存在する。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "係数が有理数である一次方程式は、有理数の範囲で必ず解を持つ。しかし、係数が有理数である二次以上の方程式は有理数の範囲では解を持たないものがある。このことについては後述する。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "一次方程式の説明に入る前に、そもそも方程式とは何かについて考えてみよう。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "方程式とは、その等式を満たすような文字(主に x {\\displaystyle x} など)の値に注目したときの等式のことである。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "ここで、等式には方程式、恒等式、定義式のような見方があることに注意しておこう。以下にそれぞれの例を挙げる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "また、方程式の種類に関する用語を説明しておく。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "等式の性質には次のようなものがある。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "a=b のとき次のことが成り立つ。(cは定数)", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "これによって、与えられた等式をより簡単にすることが出来る。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "たとえば a+b=c のような式は、両辺からbを引くことによって (a+b)-b=c-b ⇔ a=c-b と言うように変形することが出来る。(注意:⇔はこれの左側のことが成り立てば、右に書かれていることも成り立つ。右側のことが成り立てば、左に書かれていることも成り立つ。と言う意味である。)", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "この操作を良く見ると、左辺に足されていたbが右辺から引かれている。また、逆の操作をすれば、左辺から引かれていたbが右辺に足されている。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "このように、足されているもの、または引かれているもの(すなわち、単項式)の符号を逆にして、反対側に移動するような操作を移項と言う。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "移項は方程式を解く上でもっとも重要な考え方である。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "1元1次方程式とは文字がひとつ、その文字の次数も1であるようなもっとも単純な方程式である。この方程式を解くことが、すべての方程式を解くことの基礎となる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "例: 3 x + 5 = 0 {\\displaystyle 3x+5=0} ( 2 a + 5 ) 3 + ( 5 a + 8 ) 4 = 10 {\\displaystyle {(2a+5) \\over 3}+{(5a+8) \\over 4}=10}", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "2つ目の例は複雑だが、よく見ると文字は1つ(a)しか使われておらず、次数も1であるので、1元1次方程式である。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "また、1元1次方程式の性質として、整理すると ax+b=0 の形に整理できる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "この形に整理できれば、移項して両辺をaで割り、 x = − b a {\\displaystyle x=-{b \\over a}} となる。これがこの方程式の解である。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "すなわち1次方程式を解くことは、元の方程式を ax+b=0 の形に変形することに帰着される。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "具体的な例で、方程式の解き方を学んでみよう。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "これらが基本的な方程式の解き方である。これよりも難しい方程式は計算が煩雑なだけか、分母に未知数が来るなどの多少特殊な方程式かのどちらかである。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "方程式の場合は、得られた答えを実際にxに当てはめてみることで検算ができる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "では、計算が煩雑なものではなく、特殊な難しさを持った1元1次方程式を紹介しよう。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "まずは、分母に未知数が来るタイプである。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "分母に未知数がきているものは扱いにくいことが多いので、両辺に適当な数(文字)を掛け、分母から未知数を払う。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "これで1元1次方程式の解説を終了する。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "これから、より難しい方程式を学んでいくわけだが、難しい方程式には次の2種類がある。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "未知数がどれだけ増えても、一定のとき方に従っていけば、計算が煩雑になるだけで、本質的な難しさはあまりない。(多元1次方程式の場合)", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "一方、次数は1増えるごとに、難易度が格段に上がっていく。たとえば、4次方程式までは解の公式が存在する(3次:カルダノの公式 4次:フェラーリの方法)が、5次以上の方程式になると一般的な公式は存在しない。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "ちなみに、複素数と呼ばれる数の範囲では、n次方程式は一般にn個の解を持つことが知られている。ガウスが証明した、「代数学の基本定理」のことである。(厳密に言えば、少し言葉足らずだが)", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "2元1次方程式とは、未知数が2つで、その次数が1であるような方程式である。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "例:3x+2y=5,5x+3y=9 , 3 a + 4 b 5 + 7 a − 5 b 11 = 13 {\\displaystyle ,{3a+4b \\over 5}+{7a-5b \\over 11}=13}", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "三つ目の例も複雑だが、よく見ると、文字は2つで(aとb)次数も1なので、2元1次方程式である。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "たとえば、ひとつ目の3x+2y=5を満たすxとyの値を考える。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "すぐに見つかるのは、x=1とy=1である。しかし、この方程式を満たすのはx=1とy=1だけではない。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "他にも、x=5とy=-5の時も確かに方程式を満たす。また、x=0とy= 5 2 {\\displaystyle {5 \\over 2}} なども方程式を満たす。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "実を言うと、この方程式を満たすxとyの値は無数に存在する。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "なので、もうひとつ、例の方程式を追加し、それを満たすxとyの値を調べてみる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "{ 3 x + 2 y = 5 5 x + 3 y = 9 {\\displaystyle \\left\\{{\\begin{matrix}3x+2y=5\\\\5x+3y=9\\end{matrix}}\\right.} を同時に満たすようなxとyの値はx=3とy=-2である。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "この例から予想できるように、未知数が2つの2元1次方程式がひとつだけ与えられた場合、それの解は無数に存在するが、2つの2元1次方程式が2つ与えられた時、解はただひとつに定まる(一部例外もある)。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "また、一般に未知数がn個の方程式がn個与えられた時は、解はただ1つに定まる(一部例外もあるが)。 例えば、 ( x − 1 ) 2 + ( y − 3 ) 2 = 0 {\\displaystyle (x-1)^{2}+(y-3)^{2}=0}", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "2つ以上の方程式がセットになったようなものを連立方程式という。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "では、連立方程式をどのように解くか説明しよう。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "代入法とは、代入により解く方程式である。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "説明よりも具体的に見てみよう。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "連立方程式 { 3 x − y = 5 5 x + 3 y = − 1 {\\displaystyle \\left\\{{\\begin{matrix}3x-y=5\\\\5x+3y=-1\\end{matrix}}\\right.} を解くことを考える。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "一つ目の式を移項してx=(yの式)もしくは、y=(xの式)の形に直す。(この形以外の変形もある)", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "この場合はy=(xの式)の形に直して、y=3x-5になる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "これをもうひとつの式に代入する。代入とは、いわばあるものを同じほかのもので置き換えることである。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "この場合はy=3x-5よりもちろんyと3x-5は等しいので置き換えることができる。このような操作が代入である。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "もうひとつの式である、5x+3y=-1のyを3x-5で置き換えると、", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "5x+3(3x-5)=-1", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "となる。このとき、括弧をつけるのを忘れないようにする。 後は、上の1元1次方程式を解き、x=1を得る。これをどちらかの方程式に代入する。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "つまり、2式のどちらかのxをそれと等しい1で置き換える。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "すると、3-y=5と5+3y=-1の式を得る。(実際はどちらか一方だけでいいが、確認の意味で2式ともに代入する事もある。)", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "どちらの1元1次方程式を解いてもy=-2を得る。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "よって答えは、x=1とy=-2である。実際に2式とも等式が成り立つことを確認して欲しい。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "{ 3 x + y = 5 5 x + 3 y = 7 {\\displaystyle \\left\\{{\\begin{matrix}3x+y=5\\\\5x+3y=7\\end{matrix}}\\right.}", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "次は、加減法という連立方程式の解き方を説明する。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "加減法とは、与えられた2式の加減を行って、1次方程式に帰着させることによって解く。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "実際に上の方程式を解いてみる。一つ目の3x+y=5を1、2つめの5x+3y=7を2とすると、", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "1の式を3倍して、2の式を引くと・・・", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "まず、3x+y=5の両辺に3を掛けて、", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "9x+3y=15", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "ここから、2の式を引く", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "(9x+3y)-(5x+3y)=15-7", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "4x=8", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "x=2", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "これを元のどちらかの式のxに代入して、yの値を求める。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "6+y=5と10+3y=7を得る。どちらの方程式を解いても、y=-1を得る。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "よってこの方程式の答えはx=2とy=-1である。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "まず答えの書き方について説明する。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "たとえば、答えがx=1とy=-2のとき、次のように書く。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "このうちどの書き方でもよい。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "次は、代入法と加減法で答えが一致することを確認する。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "連立2元1次方程式を一般的に表すと、次のようになる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "{ a x + b y = c d x + e y = f {\\displaystyle \\left\\{{\\begin{matrix}ax+by=c\\\\dx+ey=f\\end{matrix}}\\right.} (a,b,c,d,e,fは定数)", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "この方程式を実際に代入法と加減法で解いてみる。あまり詳しい説明はしない。また、どちらの解き方も上の式を1、下の式を2とする。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "代入法で解いた時", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "1⇔ x = − b a y + c a {\\displaystyle x=-{b \\over a}y+{c \\over a}}", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "これを2に代入して、", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "− b d a y + c d a + e y = f {\\displaystyle -{bd \\over a}y+{cd \\over a}+ey=f} ⇔ a e − b d a y = a f − c d a {\\displaystyle {ae-bd \\over a}y={af-cd \\over a}} ⇔ y = a f − c d a e − b d {\\displaystyle y={af-cd \\over ae-bd}}", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "y = a f − c d a e − b d {\\displaystyle y={af-cd \\over ae-bd}} を1に代入して、", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "a x + b a f − c d a e − b d = c {\\displaystyle ax+b{af-cd \\over ae-bd}=c} ⇔ a x = ( a c e − b c d ) − ( a b f − b c d ) a e − b d = a c e − a b f a e − b d {\\displaystyle ax={(ace-bcd)-(abf-bcd) \\over ae-bd}={ace-abf \\over ae-bd}} ⇔ x = c e − b f a e − b d {\\displaystyle x={ce-bf \\over ae-bd}}", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "したがって、 { x = c e − b f a e − b d y = a f − c d a e − b d {\\displaystyle \\left\\{{\\begin{matrix}x={ce-bf \\over ae-bd}\\\\y={af-cd \\over ae-bd}\\end{matrix}}\\right.}", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "加減法でといた時", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "1⇔ a d x + b d y = c d {\\displaystyle adx+bdy=cd} ...3", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "2⇔ a d x + a e y = a f {\\displaystyle adx+aey=af} ...4", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "3-4より ( b d − a e ) y = c d − a f {\\displaystyle (bd-ae)y=cd-af} ⇔ y = c d − a f b d − a e {\\displaystyle y={cd-af \\over bd-ae}}", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "また、1⇔ a e x + b e y = c e {\\displaystyle aex+bey=ce} ...5", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "2⇔ b d x + b e y = b f {\\displaystyle bdx+bey=bf} ...6", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "5-6より ( a e − b d ) x = c e − b f {\\displaystyle (ae-bd)x=ce-bf} ⇔ x = c e − b f a e − b d {\\displaystyle x={ce-bf \\over ae-bd}}", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "したがって、 { x = c e − b f a e − b d y = c d − a f b d − a e {\\displaystyle \\left\\{{\\begin{matrix}x={ce-bf \\over ae-bd}\\\\y={cd-af \\over bd-ae}\\end{matrix}}\\right.}", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "yの値が代入法の時と少し違うようにも見えるが、どちらかの分母分子に-1をかけると2つは一致する。つまり、どちらのyの値も等しいことが分かる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "n元1次方程式とは、未知数がn個ある1次の方程式のことである。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "基本的にn元1次方程式はn種類の式があれば解は一意に定まる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "たとえば3元1次連立方程式は次のようになり、解は一意に定まる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "{ x + y + z = 2 2 x − 5 y + 2 z = 10 3 x + 2 y + z = 2 {\\displaystyle \\left\\{{\\begin{matrix}x+y+z=2\\\\2x-5y+2z=10\\\\3x+2y+z=2\\end{matrix}}\\right.}", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "これの解は(x,y,z)=(-1,2,1)のみである。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "3つの式があれば解はただひとつに定まるが、どれか1つの式だけや2つの式では解は無数に存在する。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "このような方程式の解き方を簡単に説明しよう。基本的には連立2元1次方程式と同じような方法(代入法、加減法)を繰り返し、未知数を1つずつ減らしていく。そうして、1元1次方程式に帰着して解く。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "方程式で、もっとも次数が高い項が2次の方程式を2次方程式と言う。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "たかが次数が1つ増えただけと思うかもしれないが、それだけで方程式の難易度が大幅に上がる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "実際にいろいろな2次方程式を見てみよう", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "例1 x 2 = 4 {\\displaystyle x^{2}=4}", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "この2次方程式を解くことを考える。2乗して4になる数をxに代入するとこの等式を満たすので、それが解になる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "そのような数を探すとすぐに2は思いつくと思う。しかし、よく考えると-2も解になる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "よってこの方程式の解はx=±2となる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "これをよくよく考えてみよう。普通の1次方程式は解は1つだけだったが、2次方程式は解が2つある。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "しかし、いつでも解が2つとは限らない。1つの時や、1つもないときがある。解をどの範囲で考えるかによって変わってくる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "たとえば、 x 2 = 0 {\\displaystyle x^{2}=0} の解は、例1と同様に考えるとx=±0となりそうだが、+0も-0も同じものなので、まとめて解はx=0のみとなる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "さらに、 x 2 = − 4 {\\displaystyle x^{2}=-4} や x 2 = 2 {\\displaystyle x^{2}=2} などは、分数の世界では解を持たない。しかし、これらに対しても解を持つようにする為に、新たな数を作り出す。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "では、2乗すると2になるような数を考えてみよう。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "何もそのような数を考えるような手段を持ち合わせていないので、しらみつぶしに調べてみよう。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "まずは整数から、", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "よってこの数は1と2の間にある。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "1.~と言うような数をまずは0.1単位で見てみる", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "よって、この数は1.4と1.5の間にある。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "1.4~となるような数を0.01単位で見てみる・・・・・", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "これを繰り返すと求める数は1.41421356・・・となる。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "この数では、数は何の規則性もなしに並んでいる。なので、このような数をまともに扱うのは面倒である。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "そこで、このような数を 2 {\\displaystyle {\\sqrt {2}}} と書くことに決める。", "title": "初等代数学" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "この数は分数で表すことはできず、小数で表したとき、循環することなく無限に続く。", "title": "初等代数学" } ]
null
== 基礎数学 == 算数と数学の一番の違いは、数学では文字を使い、より一般的に考えるということである。 更に数学では証明が最も重要視される。 また、算数では正の有理数しか扱わなかったが、数学ではより広い範囲の数を扱う。 ここでは、算数と数学の橋渡しとなる部分を説明したい。 === 正負の数と文字 === 数学では、数を一般的に表すときに文字を使う。 <!--<メモ:絶対値の説明を入れる> <メモ:単項式、多項式、右辺、左辺などの用語説明> <メモ:方程式の文章題を解けるような理論>--> == 初等代数学 == この初等代数学では、体系的に説明する目的で、日本の新学習指導要領の中一程度の内容(正負の数、文字式、一次方程式の基本)は説明無しで使うことがある。 ここで説明し切れなかった部分は、基礎数学のところで説明したいと考えている。 === 方程式と数の体系 === ==== 方程式と数の体系の関係 ==== 歴史的には、数は自然数から生まれた。これはものを数えるときにごく普通に使用する数であるから、納得できると思う。 その後の数の拡張は方程式を解くことから引き起こされたという解釈がある。 たとえば、方程式 <math>3x=5</math> は自然数の範囲では解が存在しない。しかし、正の有理数の範囲まで考える数の範囲を拡張すれば、 <math>x={5 \over 3}</math> という解が存在する。 さらに、方程式 <math>x+5=0</math> は正の有理数の範囲では解が存在しない。しかし、有理数の範囲まで考える数の範囲を拡張すれば、この方程式は <math>x=-5</math> という解が存在する。 係数が有理数である一次方程式は、有理数の範囲で必ず解を持つ。しかし、係数が有理数である二次以上の方程式は有理数の範囲では解を持たないものがある。このことについては後述する。 ==== 方程式とは? ==== 一次方程式の説明に入る前に、そもそも方程式とは何かについて考えてみよう。 方程式とは、その等式を満たすような文字(主に<math>x</math>など)の値に注目したときの等式のことである。 ここで、等式には'''方程式'''、'''恒等式'''、'''定義式'''のような見方があることに注意しておこう。以下にそれぞれの例を挙げる。 ; 方程式 : 方程式とは、その等式を満たすような文字(主に<math>x</math>など)の値に注目したときの等式のことである。 : 方程式において、等式を満たすような文字の値を全て見つけることを'''方程式を解く'''と言い、その全ての値のことを'''方程式の解'''と言う。 : 例: <math>x^2+5x+6=0</math> と言う式は<math>x=-2,-3</math>のときにのみこの等式が成り立ち、その他の数を代入してもこの等式は成り立たない。よって、この方程式の解は<math>x=-2,-3</math>である。 ; 恒等式 : 恒等式とは文字にどんな値を代入しても、成り立つ等式のことである。 : 例: <math>(a+b)^2=a^2+2ab+b^2</math> と言う式は<math>a</math>や<math>b</math>にどんな数を代入しても成り立つ。(もちろん、この式に現れる全ての<math>a</math>には同じ値を代入し、同様にこの式に現れる全ての<math>b</math>にも同じ数を代入する。) ; 定義式 : 定義式とは、ある文字をどのような数にするかを定める等式である。 : 例: <math>a=5</math> のような式である。この式は<math>a</math>が5であると言うことを示している。 また、方程式の種類に関する用語を説明しておく。 ; n次方程式 : n次方程式とは最高次数がn次の方程式を言う。つまり、最高でn個の文字が掛け合わされている方程式のことを言う。 : 例: <math>3x+2=5</math> は1次方程式である。 <math>x^3-2x^2-3x+4=0</math> は3次方程式である。 ; n元方程式 : 方程式の中にn種類の文字が使われているような方程式である。 : 例:3x+2y=5 は2元方程式である。<math>x^2+2y-3z=0</math> は3元方程式である。 : また、方程式のなかで、値を求めたい数のことを'''未知数'''と言う。 ==== 等式の性質 ==== 等式の性質には次のようなものがある。 a=b のとき次のことが成り立つ。(cは定数) # <math>b=a</math>, つまり、右辺と左辺を入れ替えても等式は成り立つ。 # <math>a+c=b+c</math> , <math>a-c=b-c</math> つまり、等式の両辺から同じものを足しても、引いても等式は成り立つ。 # <math>ac=bc</math> , <math>{a \over c}={b \over c}</math>(ただしc≠0) つまり、等式の両辺から同じものを掛けても、割っても等式は成り立つ。 これによって、与えられた等式をより簡単にすることが出来る。 たとえば a+b=c のような式は、両辺からbを引くことによって (a+b)-b=c-b ⇔ a=c-b と言うように変形することが出来る。(注意:⇔はこれの左側のことが成り立てば、右に書かれていることも成り立つ。右側のことが成り立てば、左に書かれていることも成り立つ。と言う意味である。) この操作を良く見ると、左辺に足されていたbが右辺から引かれている。また、逆の操作をすれば、左辺から引かれていたbが右辺に足されている。 このように、足されているもの、または引かれているもの(すなわち、単項式)の符号を逆にして、反対側に移動するような操作を'''移項'''と言う。 移項は方程式を解く上でもっとも重要な考え方である。 ==== 1元1次方程式 ==== 1元1次方程式とは文字がひとつ、その文字の次数も1であるようなもっとも単純な方程式である。この方程式を解くことが、すべての方程式を解くことの基礎となる。 例:<math>3x+5=0</math>  <math>{(2a+5) \over 3}+{(5a+8) \over 4}=10</math> 2つ目の例は複雑だが、よく見ると文字は1つ(a)しか使われておらず、次数も1であるので、1元1次方程式である。 また、1元1次方程式の性質として、整理すると ax+b=0 の形に整理できる。 この形に整理できれば、移項して両辺をaで割り、 <math>x=-{b \over a}</math> となる。これがこの方程式の解である。 すなわち1次方程式を解くことは、元の方程式を ax+b=0 の形に変形することに帰着される。 具体的な例で、方程式の解き方を学んでみよう。 ; 例1 : <math>3x-5=1</math> -5を移項 : <math>3x=6</math> 両辺を3で割る : <math>x=2</math> ; 例2 : <math>3(x+2)-4(x-3)=0</math> 括弧をはずす : <math>3x+6-4x+12=0</math> 同類項をまとめる : <math>-x=-18</math> 両辺に-1を掛ける : <math>x=18</math> ; 例3 : <math>{4x-2 \over 3}-{2x+5 \over 5}=2</math> 両辺に15を掛けて、分母を払う : <math>5(4x-2)-3(2x+5)=30</math> 括弧をはずす : <math>20x-10-6x-15=30</math> 同類項をまとめる : <math>14x-25=30</math> -25を移項する : <math>14x=55</math> 両辺を14で割る : <math>x={55 \over 14}</math> これらが基本的な方程式の解き方である。これよりも難しい方程式は計算が煩雑なだけか、分母に未知数が来るなどの多少特殊な方程式かのどちらかである。 方程式の場合は、得られた答えを実際にxに当てはめてみることで検算ができる。 =====特殊な1元1次方程式===== では、計算が煩雑なものではなく、特殊な難しさを持った1元1次方程式を紹介しよう。 まずは、分母に未知数が来るタイプである。 ; 例1 : <math>{3 \over x}+{5 \over 2x}=1</math> 両辺にxをかける : <math>3+{5 \over 2}=x</math> 左辺を計算し、右辺と左辺を入れ替える : <math>x={11 \over 2}</math> 分母に未知数がきているものは扱いにくいことが多いので、両辺に適当な数(文字)を掛け、分母から未知数を払う。 <!--<メモ:絶対値を含む方程式>--> これで1元1次方程式の解説を終了する。 これから、より難しい方程式を学んでいくわけだが、難しい方程式には次の2種類がある。 * 未知数が増える。 * 次数が高くなる。(次数は高い、低いであらわす。) 未知数がどれだけ増えても、一定のとき方に従っていけば、計算が煩雑になるだけで、本質的な難しさはあまりない。(多元1次方程式の場合) 一方、次数は1増えるごとに、難易度が格段に上がっていく。たとえば、4次方程式までは解の公式が存在する(3次:カルダノの公式 4次:フェラーリの方法)が、5次以上の方程式になると一般的な公式は存在しない。 ちなみに、複素数と呼ばれる数の範囲では、n次方程式は一般にn個の解を持つことが知られている。ガウスが証明した、「代数学の基本定理」のことである。(厳密に言えば、少し言葉足らずだが) ====2元1次方程式==== 2元1次方程式とは、未知数が2つで、その次数が1であるような方程式である。 例:3x+2y=5,5x+3y=9<math>,{ 3a+4b \over 5}+{ 7a-5b \over 11}=13</math> 三つ目の例も複雑だが、よく見ると、文字は2つで(aとb)次数も1なので、2元1次方程式である。 たとえば、ひとつ目の3x+2y=5を満たすxとyの値を考える。 すぐに見つかるのは、x=1とy=1である。しかし、この方程式を満たすのはx=1とy=1だけではない。 他にも、x=5とy=-5の時も確かに方程式を満たす。また、x=0とy=<math>{5 \over 2}</math>なども方程式を満たす。 実を言うと、この方程式を満たすxとyの値は無数に存在する。 なので、もうひとつ、例の方程式を追加し、それを満たすxとyの値を調べてみる。 <math>\left\{ \begin{matrix} 3x+2y=5 \\ 5x+3y=9 \end{matrix}\right.</math>を同時に満たすようなxとyの値はx=3とy=-2である。 この例から予想できるように、未知数が2つの2元1次方程式がひとつだけ与えられた場合、それの解は無数に存在するが、2つの2元1次方程式が2つ与えられた時、解はただひとつに定まる(一部例外もある)。 また、一般に未知数がn個の方程式がn個与えられた時は、解はただ1つに定まる(一部例外もあるが)。 例えば、<math>(x-1)^2+(y-3)^2=0</math> 2つ以上の方程式がセットになったようなものを'''連立方程式'''という。 では、連立方程式をどのように解くか説明しよう。 =====代入法===== '''代入法'''とは、代入により解く方程式である。 説明よりも具体的に見てみよう。 連立方程式<math>\left\{ \begin{matrix} 3x-y=5 \\ 5x+3y=-1 \end{matrix}\right.</math>を解くことを考える。 一つ目の式を移項してx=(yの式)もしくは、y=(xの式)の形に直す。(この形以外の変形もある) この場合はy=(xの式)の形に直して、y=3x-5になる。 これをもうひとつの式に代入する。代入とは、いわばあるものを同じほかのもので置き換えることである。 この場合はy=3x-5よりもちろんyと3x-5は等しいので置き換えることができる。このような操作が代入である。 もうひとつの式である、5x+3y=-1のyを3x-5で置き換えると、 5x+3(3x-5)=-1 となる。このとき、括弧をつけるのを忘れないようにする。<!--<メモ:その理由>--> 後は、上の1元1次方程式を解き、x=1を得る。これをどちらかの方程式に代入する。 つまり、2式のどちらかのxをそれと等しい1で置き換える。 すると、3-y=5と5+3y=-1の式を得る。(実際はどちらか一方だけでいいが、確認の意味で2式ともに代入する事もある。) どちらの1元1次方程式を解いてもy=-2を得る。 よって答えは、x=1とy=-2である。実際に2式とも等式が成り立つことを確認して欲しい。 =====加減法===== <math>\left\{ \begin{matrix} 3x+y=5 \\ 5x+3y=7 \end{matrix}\right.</math> 次は、'''加減法'''という連立方程式の解き方を説明する。 加減法とは、与えられた2式の加減を行って、1次方程式に帰着させることによって解く。 実際に上の方程式を解いてみる。一つ目の3x+y=5を①、2つめの5x+3y=7を②とすると、 ①の式を3倍して、②の式を引くと・・・ まず、3x+y=5の両辺に3を掛けて、 9x+3y=15 ここから、②の式を引く (9x+3y)-(5x+3y)=15-7 4x=8 x=2 これを元のどちらかの式のxに代入して、yの値を求める。 6+y=5と10+3y=7を得る。どちらの方程式を解いても、y=-1を得る。 よってこの方程式の答えはx=2とy=-1である。 =====2元1次方程式について===== まず答えの書き方について説明する。 たとえば、答えがx=1とy=-2のとき、次のように書く。 *<math>\left\{ \begin{matrix} x=1 \\ y=-2 \end{matrix}\right.</math> *<math>(x,y)=(1,-2)</math> *<math>x=1,y=-2</math> このうちどの書き方でもよい。 次は、代入法と加減法で答えが一致することを確認する。 連立2元1次方程式を一般的に表すと、次のようになる。 <math>\left\{ \begin{matrix} ax+by=c \\ dx+ey=f \end{matrix}\right.</math>(a,b,c,d,e,fは定数) この方程式を実際に代入法と加減法で解いてみる。あまり詳しい説明はしない。また、どちらの解き方も上の式を①、下の式を②とする。 '''代入法で解いた時''' ①⇔<math>x=-{b \over a}y+{c \over a}</math> これを②に代入して、 <math>-{bd \over a}y+{cd \over a}+ey=f</math>⇔<math>{ae-bd \over a}y={af-cd \over a}</math>⇔<math>y={af-cd \over ae-bd}</math> <math>y={af-cd \over ae-bd}</math>を①に代入して、 <math>ax+b{af-cd \over ae-bd}=c</math>⇔<math>ax={(ace-bcd)-(abf-bcd) \over ae-bd}={ace-abf \over ae-bd}</math>⇔<math>x={ce-bf \over ae-bd}</math> したがって、<math>\left\{ \begin{matrix} x={ce-bf \over ae-bd} \\ y={af-cd \over ae-bd} \end{matrix}\right.</math> '''加減法でといた時''' ①⇔<math>adx+bdy=cd</math>…③ ②⇔<math>adx+aey=af</math>…④ ③-④より<math>(bd-ae)y=cd-af</math>⇔<math>y={cd-af \over bd-ae}</math> また、①⇔<math>aex+bey=ce</math>…⑤ ②⇔<math>bdx+bey=bf</math>…⑥ ⑤-⑥より<math>(ae-bd)x=ce-bf</math>⇔<math>x={ce-bf \over ae-bd}</math> したがって、<math>\left\{ \begin{matrix} x={ce-bf \over ae-bd} \\ y={cd-af \over bd-ae} \end{matrix}\right.</math> yの値が代入法の時と少し違うようにも見えるが、どちらかの分母分子に-1をかけると2つは一致する。つまり、どちらのyの値も等しいことが分かる。 ====n元1次方程式==== n元1次方程式とは、未知数がn個ある1次の方程式のことである。 基本的にn元1次方程式はn種類の式があれば解は一意に定まる。 たとえば3元1次連立方程式は次のようになり、解は一意に定まる。 <math>\left\{ \begin{matrix} x+y+z=2 \\ 2x-5y+2z=10 \\ 3x+2y+z=2 \end{matrix}\right.</math> これの解は(x,y,z)=(-1,2,1)のみである。 3つの式があれば解はただひとつに定まるが、どれか1つの式だけや2つの式では解は無数に存在する。 このような方程式の解き方を簡単に説明しよう。基本的には連立2元1次方程式と同じような方法(代入法、加減法)を繰り返し、未知数を1つずつ減らしていく。そうして、1元1次方程式に帰着して解く。 ====n元1次方程式と行列==== <!--<メモ:後ほど執筆>--> ====2次方程式==== 方程式で、もっとも次数が高い項が2次の方程式を'''2次方程式'''と言う。 たかが次数が1つ増えただけと思うかもしれないが、それだけで方程式の難易度が大幅に上がる。 実際にいろいろな2次方程式を見てみよう 例1 <math>x^2=4</math> この2次方程式を解くことを考える。2乗して4になる数をxに代入するとこの等式を満たすので、それが解になる。 そのような数を探すとすぐに2は思いつくと思う。しかし、よく考えると-2も解になる。 よってこの方程式の解はx=±2となる。 これをよくよく考えてみよう。普通の1次方程式は解は1つだけだったが、2次方程式は解が2つある。 しかし、いつでも解が2つとは限らない。1つの時や、1つもないときがある。解をどの範囲で考えるかによって変わってくる。 たとえば、<math>x^2=0</math>の解は、例1と同様に考えるとx=±0となりそうだが、+0も-0も同じものなので、まとめて解はx=0のみとなる。 さらに、<math>x^2=-4</math>や<math>x^2=2</math>などは、分数の世界では解を持たない。しかし、これらに対しても解を持つようにする為に、新たな数を作り出す。 では、2乗すると2になるような数を考えてみよう。 何もそのような数を考えるような手段を持ち合わせていないので、しらみつぶしに調べてみよう。 まずは整数から、 * 1は二乗すると1となり、2よりも小さい * 2は二乗すると4となり、2よりも大きい よってこの数は1と2の間にある。 1.~と言うような数をまずは0.1単位で見てみる * 1.1は二乗すると1.21となり、2よりも小さい * 1.2は二乗すると1.44となり、2よりも小さい * 1.3は二乗すると1.69となり、2よりも小さい * 1.4は二乗すると1.96となり、2よりも小さい * 1.5は二乗すると2.25となり、2よりも大きい よって、この数は1.4と1.5の間にある。 1.4~となるような数を0.01単位で見てみる・・・・・ これを繰り返すと求める数は1.41421356・・・となる。 この数では、数は何の規則性もなしに並んでいる。なので、このような数をまともに扱うのは面倒である。 そこで、このような数を<math>\sqrt{2}</math>と書くことに決める。 この数は分数で表すことはできず、小数で表したとき、循環することなく無限に続く。 === 方程式と不等式 === == 初等幾何学 == === 平面幾何 === === 空間幾何 === == 初等解析学 == === 座標平面 === === 図形と式 === === 関数 === ===確率論=== === 微分積分 === == 集合と論理 == [[Category:数学|しよとうすうかく]]
null
2022-02-14T02:37:51Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%88%9D%E7%AD%89%E6%95%B0%E5%AD%A6
897
経済学 社会保障制度 成立と発展
経済学>社会保障制度>成立と発展 初めて実行したのはドイツのビスマルクです。1883年に始まった制度で、働く人が怪我や病気をしたときに治療費を国が払う仕組みでした。 鉄血宰相と評されたドイツ帝国の初代宰相オットー・エドヴァルド・レオポルト・フォン・ビスマルク(Otto Eduard Leopold Fürst von Bismarck)は、1883年に疾病保険法 『アメとムチの政策』で、労働災害・疫病などについての社会保障制度を提唱しました。 その後、アメリカ合衆国では1935年に大統領のフランクリン・デラノ・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt)が世界恐慌解消のために社会保障法(Social Security Act)を制定しました。1936年に老齢年金・失業保険などの社会保障制度が開始されました。 また、1942年にグレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国の経済学者ウィリアム・ヘンリー・ベバリッジ(William Henry Beveridge)が『社会保険及び関連事業に関する報告書』(Social Insurance and Allied Services, 1942.)(『ベバリッジ報告』(Beveridge Report))を発表し、社会保険を中心とする3つの柱の組み合わせによって社会保障制度を確立すべきだとしました。なお、『ベバリッジ報告』は、完全雇用の実現が必要だとするケインズの主張を継ぎました。 日本では、1874年に極貧者や疫病者を救済する恤救規則(じっきゅうきそく)という慈善的な事業が始まりました。 第二次世界大戦後、労働党は『ベバリッジ報告』に基づき「ゆりかごから墓場まで(cradle-to-grave security)」という標語を掲げ、社会保障制度を整備しました。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "経済学>社会保障制度>成立と発展", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "初めて実行したのはドイツのビスマルクです。1883年に始まった制度で、働く人が怪我や病気をしたときに治療費を国が払う仕組みでした。", "title": "思いついたのは誰?" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "鉄血宰相と評されたドイツ帝国の初代宰相オットー・エドヴァルド・レオポルト・フォン・ビスマルク(Otto Eduard Leopold Fürst von Bismarck)は、1883年に疾病保険法 『アメとムチの政策』で、労働災害・疫病などについての社会保障制度を提唱しました。", "title": "社会保障制度の成立" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "その後、アメリカ合衆国では1935年に大統領のフランクリン・デラノ・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt)が世界恐慌解消のために社会保障法(Social Security Act)を制定しました。1936年に老齢年金・失業保険などの社会保障制度が開始されました。", "title": "社会保障制度の成立" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "また、1942年にグレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国の経済学者ウィリアム・ヘンリー・ベバリッジ(William Henry Beveridge)が『社会保険及び関連事業に関する報告書』(Social Insurance and Allied Services, 1942.)(『ベバリッジ報告』(Beveridge Report))を発表し、社会保険を中心とする3つの柱の組み合わせによって社会保障制度を確立すべきだとしました。なお、『ベバリッジ報告』は、完全雇用の実現が必要だとするケインズの主張を継ぎました。", "title": "社会保障制度の成立" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "日本では、1874年に極貧者や疫病者を救済する恤救規則(じっきゅうきそく)という慈善的な事業が始まりました。", "title": "社会保障制度の成立" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "第二次世界大戦後、労働党は『ベバリッジ報告』に基づき「ゆりかごから墓場まで(cradle-to-grave security)」という標語を掲げ、社会保障制度を整備しました。", "title": "社会保障制度の発展" } ]
経済学>社会保障制度>成立と発展
[[経済学]]>[[経済学_社会保障制度|社会保障制度]]>[[経済学_社会保障制度_成立と発展|成立と発展]] ---- __TOC__ <div style="margin:0px; padding:0px; background-color:#CCFF99; border:solid #00CC00 1px; width:100%;"> == 思いついたのは誰? == '''初めて実行したのはドイツのビスマルクです。1883年に始まった制度で、働く人が怪我や病気をしたときに治療費を国が払う仕組みでした。''' </div> == 社会保障制度の成立 == 鉄血宰相と評された[[w:ドイツ帝国|ドイツ帝国]]の初代宰相[[w:オットー・フォン・ビスマルク|オットー・エドヴァルド・レオポルト・フォン・ビスマルク(Otto Eduard Leopold Fürst von Bismarck)]]は、1883年に疾病保険法 『アメとムチの政策』で、労働災害・疫病などについての社会保障制度を提唱しました。 その後、アメリカ合衆国では1935年に大統領のフランクリン・デラノ・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt)が世界恐慌解消のために社会保障法(Social Security Act)を制定しました。1936年に老齢年金・失業保険などの社会保障制度が開始されました。 また、1942年に[[w:グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国|グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国]]の経済学者ウィリアム・ヘンリー・ベバリッジ(William Henry Beveridge)が『社会保険及び関連事業に関する報告書』(Social Insurance and Allied Services, 1942.)(『ベバリッジ報告』(Beveridge Report))を発表し、社会保険を中心とする3つの柱の組み合わせによって社会保障制度を確立すべきだとしました。なお、『ベバリッジ報告』は、完全雇用の実現が必要だとするケインズの主張を継ぎました。 * 社会保険:保険料を強制的に徴収 * 国民扶助:保険料の徴収はなし * 任意保険:加入は自由 === 日本での成立 === 日本では、1874年に極貧者や疫病者を救済する恤救規則(じっきゅうきそく)という慈善的な事業が始まりました。 == 社会保障制度の発展 == 第二次世界大戦後、労働党は『ベバリッジ報告』に基づき「ゆりかごから墓場まで(cradle-to-grave security)」という標語を掲げ、社会保障制度を整備しました。 === 日本での発展 === {{stub}} [[Category:経済学|*]] [[カテゴリ:社会保障]]
null
2023-01-27T12:19:05Z
[ "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6_%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E5%88%B6%E5%BA%A6_%E6%88%90%E7%AB%8B%E3%81%A8%E7%99%BA%E5%B1%95
898
経済学 社会保障制度 日本の社会保障制度とその内容・課題
経済学>社会保障制度>日本の社会保障制度とその内容・課題 社会保障制度のあり方は、大きく次の2つに分けられます。 日本は、2つの中間を執っています。 日本国憲法第25条では、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(生存権)が保障され、責務を国が負う事が明記されています。 日本政府は、1973年に「福祉元年」声明を発表しました。現在、政府は日本が少子高齢社会であることから自助努力を強調し、次のような福祉理念の見直しを求めています。 これらの実行にはボランティア活動の推進が欠かせません。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "経済学>社会保障制度>日本の社会保障制度とその内容・課題", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "社会保障制度のあり方は、大きく次の2つに分けられます。", "title": "日本の社会保障制度の位置" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "日本は、2つの中間を執っています。", "title": "日本の社会保障制度の位置" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "日本国憲法第25条では、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(生存権)が保障され、責務を国が負う事が明記されています。", "title": "日本の社会保障制度の位置" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "日本政府は、1973年に「福祉元年」声明を発表しました。現在、政府は日本が少子高齢社会であることから自助努力を強調し、次のような福祉理念の見直しを求めています。", "title": "日本の社会保障制度の課題" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "これらの実行にはボランティア活動の推進が欠かせません。", "title": "日本の社会保障制度の課題" } ]
経済学>社会保障制度>日本の社会保障制度とその内容・課題
[[経済学]]>[[経済学_社会保障制度|社会保障制度]]>[[経済学_社会保障制度_日本の社会保障制度とその内容・課題|日本の社会保障制度とその内容・課題]] ---- == 日本の社会保障制度の位置 == 社会保障制度のあり方は、大きく次の2つに分けられます。 *「イギリス・北欧型」(単一保障) *「ヨーロッパ大陸型」(所得比例保障) 日本は、2つの中間を執っています。 日本国憲法第25条では、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(生存権)が保障され、責務を国が負う事が明記されています。 == 日本の社会保障制度の内容 == *社会保険 **医療保険・・・1961年から国民皆保険制となりました。 **雇用(失業)保険 **労働災害保険 **年金保険・・・1961年から国民皆年金制を開始、1985年に公的年金の一元化(基礎年金の導入)がなされました。 **介護保険・・・2000年4月に開始しました。 *公的扶助・・・生活保護法を中心に保障していますが、この内容を巡って[[w:朝日訴訟|朝日訴訟]]などの訴訟もありました。 *社会福祉・・・児童福祉法・身体障害者福祉法・老人福祉法などを中心に保障しています。 *公衆衛生・・・結核(保健所の設置)・エイズ予防・清掃・下水道整備などをしています。 == 日本の社会保障制度の課題 == 日本政府は、1973年に「福祉元年」声明を発表しました。現在、政府は日本が少子高齢社会であることから自助努力を強調し、次のような福祉理念の見直しを求めています。 *「[[w:ノーマライゼーション|ノーマライゼーション]]」・・・障害者・高齢者と健常者の共生社会 *「バリアフリー社会」 これらの実行には[[w:ボランティア|ボランティア]]活動の推進が欠かせません。 [[Category:経済学|*]] [[カテゴリ:社会保障]]
null
2023-01-27T12:18:59Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6_%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E5%88%B6%E5%BA%A6_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%86%85%E5%AE%B9%E3%83%BB%E8%AA%B2%E9%A1%8C
920
Freenet
フリーネット(Freenet)とは、検閲に耐性のあるP2Pコミュニケーションフレームワークである。P2Pソフトウェアとして他にLimewireやBitTorrent、Winny等々、開発終了・開発中を含め数多く存在している。しかし、その多くがファイル共有を一義としているのに対し、フリーネットは言論の自由が保障されていない国において自由な言論を達成をすることを目的としている為、ファイルの転送効率や利便性よりも匿名性やセキュリティを重視する方針で開発がなされている。従って、前出のP2Pソフトウェアと比べると比較にならないほどファイルの転送効率が悪く、フリーネット自体はファイル名での検索も出来ないように設計しているため、ファイル共有に適しているとはいえない。しかし、近年では回線速度の向上やフロントエンドの開発が進んできたこともあり、これらの問題はあまり気にならなくなってきている。また、前述のファイル共有ソフトと違い、フリーネットは単体では簡単なネットワーク機能しか提供していないため、掲示板などコミュニケーションツールを使用するためにはフロントエンドを導入しなくてはならない。2014年12月現在、統計によると日本のIPアドレスからは800ノード位のアクセスがある。 (※ただし、フリーネットはJAVA実行環境が必須なので、事前にJAVAランタイムを導入しておくこと) フリーネットを稼働させて http://127.0.0.1:8888/ にアクセスするとWeb Interface(Gateway)がブラウザに表示される。これを使うとノードの情報や他ノードとの接続状況が解るだけでなく、ファイルのダウンロードやインサートも簡単に行うことができる。なお、フリーネットの設定でFCPをデフォルトの 127.0.0.1 から変更している場合は、設定したアドレスに読み替えてアクセスすること。 詳細についてはウェブインターフェースの詳細を参照。 FMSとは、掲示板機能があるフリーネット上のフロントエンドである。FMSはフロストで問題となったスパムやDoS攻撃に耐性を持つよう設計されている。導入についてはFMS Instoruction (freesite)で解説されている。※リンク先はフリーサイト フロストとは、掲示板機能やファイルのインサート・ダウンロード機能があるフリーネット上のフロントエンドである。 詳細についてはフロストの導入を参照。 Freemailとは、フリーネット上でメールのやりとりをするためのフロントエンドである。これは一般的なメールクライアントと組み合わせて使用する事で、フリーネットユーザー同士、匿名のメールをやりとりすることができる。 Soneとは、ミニブログなどを備えたソーシャルネットワーク機能があるフリーネット上のフロントエンドである。Soneはフリーネットのプラグインとして動作する。 FUQIDとは、フリーネット上でファイルのインサート・ダウンロードに使用されるフロントエンドであり、Windows版のみ存在する。なお、FUQIDは略称であり"Freenet Utility for Queued Inserts and Downloads"の頭文字を取ったものである。 詳細についてはFUQIDの導入を参照。 Thawとは、FUQIDと同様、フリーネット上のファイルのインサート・ダウンロード用フロントエンドである。ThawはJavaで作成されているためマルチプラットフォームで動作する。 jSiteとは、フリーネット上にWebサイトをアップロードするためのフロントエンドである。これを使用するとフリーサイトを作成することができる。jSite自体はJavaで作成されている。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "フリーネット(Freenet)とは、検閲に耐性のあるP2Pコミュニケーションフレームワークである。P2Pソフトウェアとして他にLimewireやBitTorrent、Winny等々、開発終了・開発中を含め数多く存在している。しかし、その多くがファイル共有を一義としているのに対し、フリーネットは言論の自由が保障されていない国において自由な言論を達成をすることを目的としている為、ファイルの転送効率や利便性よりも匿名性やセキュリティを重視する方針で開発がなされている。従って、前出のP2Pソフトウェアと比べると比較にならないほどファイルの転送効率が悪く、フリーネット自体はファイル名での検索も出来ないように設計しているため、ファイル共有に適しているとはいえない。しかし、近年では回線速度の向上やフロントエンドの開発が進んできたこともあり、これらの問題はあまり気にならなくなってきている。また、前述のファイル共有ソフトと違い、フリーネットは単体では簡単なネットワーク機能しか提供していないため、掲示板などコミュニケーションツールを使用するためにはフロントエンドを導入しなくてはならない。2014年12月現在、統計によると日本のIPアドレスからは800ノード位のアクセスがある。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(※ただし、フリーネットはJAVA実行環境が必須なので、事前にJAVAランタイムを導入しておくこと)", "title": "フリーネット(Freenet)" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "フリーネットを稼働させて http://127.0.0.1:8888/ にアクセスするとWeb Interface(Gateway)がブラウザに表示される。これを使うとノードの情報や他ノードとの接続状況が解るだけでなく、ファイルのダウンロードやインサートも簡単に行うことができる。なお、フリーネットの設定でFCPをデフォルトの 127.0.0.1 から変更している場合は、設定したアドレスに読み替えてアクセスすること。 詳細についてはウェブインターフェースの詳細を参照。", "title": "フリーネット(Freenet)" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "FMSとは、掲示板機能があるフリーネット上のフロントエンドである。FMSはフロストで問題となったスパムやDoS攻撃に耐性を持つよう設計されている。導入についてはFMS Instoruction (freesite)で解説されている。※リンク先はフリーサイト", "title": "フロントエンド" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "フロストとは、掲示板機能やファイルのインサート・ダウンロード機能があるフリーネット上のフロントエンドである。 詳細についてはフロストの導入を参照。", "title": "フロントエンド" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Freemailとは、フリーネット上でメールのやりとりをするためのフロントエンドである。これは一般的なメールクライアントと組み合わせて使用する事で、フリーネットユーザー同士、匿名のメールをやりとりすることができる。", "title": "フロントエンド" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Soneとは、ミニブログなどを備えたソーシャルネットワーク機能があるフリーネット上のフロントエンドである。Soneはフリーネットのプラグインとして動作する。", "title": "フロントエンド" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "FUQIDとは、フリーネット上でファイルのインサート・ダウンロードに使用されるフロントエンドであり、Windows版のみ存在する。なお、FUQIDは略称であり\"Freenet Utility for Queued Inserts and Downloads\"の頭文字を取ったものである。 詳細についてはFUQIDの導入を参照。", "title": "フロントエンド" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "Thawとは、FUQIDと同様、フリーネット上のファイルのインサート・ダウンロード用フロントエンドである。ThawはJavaで作成されているためマルチプラットフォームで動作する。", "title": "フロントエンド" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "jSiteとは、フリーネット上にWebサイトをアップロードするためのフロントエンドである。これを使用するとフリーサイトを作成することができる。jSite自体はJavaで作成されている。", "title": "フロントエンド" } ]
フリーネット(Freenet)とは、検閲に耐性のあるP2Pコミュニケーションフレームワークである。P2Pソフトウェアとして他にLimewireやBitTorrent、Winny等々、開発終了・開発中を含め数多く存在している。しかし、その多くがファイル共有を一義としているのに対し、フリーネットは言論の自由が保障されていない国において自由な言論を達成をすることを目的としている為、ファイルの転送効率や利便性よりも匿名性やセキュリティを重視する方針で開発がなされている。従って、前出のP2Pソフトウェアと比べると比較にならないほどファイルの転送効率が悪く、フリーネット自体はファイル名での検索も出来ないように設計しているため、ファイル共有に適しているとはいえない。しかし、近年では回線速度の向上やフロントエンドの開発が進んできたこともあり、これらの問題はあまり気にならなくなってきている。また、前述のファイル共有ソフトと違い、フリーネットは単体では簡単なネットワーク機能しか提供していないため、掲示板などコミュニケーションツールを使用するためにはフロントエンドを導入しなくてはならない。2014年12月現在、統計によると日本のIPアドレスからは800ノード位のアクセスがある。
'''フリーネット'''(Freenet)とは、検閲に耐性のある[[w:ja:P2P|P2P]]コミュニケーションフレームワークである。P2Pソフトウェアとして他に[[w:ja:Limewire|Limewire]]や[[w:ja:BitTorrent|BitTorrent]]、[[w:ja:Winny|Winny]]等々、開発終了・開発中を含め数多く存在している。しかし、その多くがファイル共有を一義としているのに対し、フリーネットは言論の自由が保障されていない国において自由な言論を達成をすることを目的としている為、ファイルの転送効率や利便性よりも匿名性やセキュリティを重視する方針で開発がなされている。従って、前出のP2Pソフトウェアと比べると比較にならないほどファイルの転送効率が悪く、フリーネット自体はファイル名での検索も出来ないように設計しているため、ファイル共有に適しているとはいえない。しかし、近年では回線速度の向上やフロントエンドの開発が進んできたこともあり、これらの問題はあまり気にならなくなってきている。また、前述のファイル共有ソフトと違い、フリーネットは単体では簡単なネットワーク機能しか提供していないため、掲示板などコミュニケーションツールを使用するためにはフロントエンドを導入しなくてはならない。2014年12月現在、統計によると日本のIPアドレスからは800ノード位のアクセスがある。 ==フリーネット(Freenet)== ===フリーネット導入=== #[http://freenetproject.org/ The Freenet Project]に行く。トップページから「Freenet Download」をクリックしてダウンロードする。 #Windowsユーザーは ''FreenetInstaller-1467.exe''をクリックする。ダウンロードが完了したらファイルを実行し、Freenet Setup ウィザードが起動するのでそれに従いセットアップを行う。 #Unix/Linuxユーザーは ''freenet.jnlp''をクリックし、ファイルをダウンロードする。ダウンロードが完了したら実行するとインストーラが起動するのでそれに従ってセットアップを行う。 #フリーネットを実行し http://127.0.0.1:8888/ にアクセス (※''ただし、フリーネットはJAVA実行環境が必須なので、事前にJAVAランタイムを導入しておくこと'') ===ウェブインターフェース=== フリーネットを稼働させて http://127.0.0.1:8888/ にアクセスするとWeb Interface([[w:ja:ゲートウェイ|Gateway]])がブラウザに表示される。これを使うとノードの情報や他ノードとの接続状況が解るだけでなく、ファイルのダウンロードやインサートも簡単に行うことができる。なお、フリーネットの設定でFCPをデフォルトの 127.0.0.1 から変更している場合は、設定したアドレスに読み替えてアクセスすること。 詳細については[[Freenet/WebInterface|ウェブインターフェースの詳細]]を参照。 ==フロントエンド== ===FMS (Freenet Message System)=== FMSとは、[[w:ja:電子掲示板|掲示板]]機能があるフリーネット上の[[w:ja:フロントエンド|フロントエンド]]である。FMSはフロストで問題となったスパムやDoS攻撃に耐性を持つよう設計されている。導入については[http://localhost:8888/freenet:USK@DCdG-MdervPQn9qVhxiHZhJIoI9j0Xk~iDLzFiTzlZw,qTrGJX4M6n2ldDWfI~2ULvjhSpT1fuzW8ZljXE7ExE0,AQACAAE/Freenet%20Japanese%20Wiki/4/FMS_Introduction.html FMS Instoruction (freesite)]で解説されている。※''リンク先はフリーサイト'' ===フロスト(Frost)=== フロストとは、[[w:ja:電子掲示板|掲示板]]機能やファイルのインサート・ダウンロード機能があるフリーネット上の[[w:ja:フロントエンド|フロントエンド]]である。 詳細については[[Freenet/Frost|フロストの導入]]を参照。 ===Freemail=== Freemailとは、フリーネット上でメールのやりとりをするためのフロントエンドである。これは一般的なメールクライアントと組み合わせて使用する事で、フリーネットユーザー同士、匿名のメールをやりとりすることができる。 ===Sone=== Soneとは、ミニブログなどを備えたソーシャルネットワーク機能があるフリーネット上の[[w:ja:フロントエンド|フロントエンド]]である。Soneはフリーネットのプラグインとして動作する。 ====Soneの導入==== * WebOfTrustの導入 ※''Soneを使用するにはWebOfTrustが必要'' # http://127.0.0.1:8888 にアクセス、Configuration をクリックし Plugins のページに移動 # Add an Official Plugin の WebOfTrust のラジオボタンにチェックを入れて Load を押す * Soneの導入 # [http://127.0.0.1:8888/USK@nwa8lHa271k2QvJ8aa0Ov7IHAV-DFOCFgmDt3X6BpCI,DuQSUZiI~agF8c-6tjsFFGuZ8eICrzWCILB60nT8KKo,AQACAAE/sone/56/ Sone (Freesite)] から Sone の[http://127.0.0.1:8888/USK@nwa8lHa271k2QvJ8aa0Ov7IHAV-DFOCFgmDt3X6BpCI,DuQSUZiI~agF8c-6tjsFFGuZ8eICrzWCILB60nT8KKo,AQACAAE/sone/56/sone-current.jar リンク]をコピー ※''Current Versionの場所にリンクがある'' # http://127.0.0.1:8888 にアクセス、Configuration をクリックし Plugins のページに移動 # Add an Unofficial Plugin from Freenet の所に先ほどコピーしたリンクを貼付けて Load を押す # 上のメニューに Sone が追加される ===FUQID=== FUQIDとは、フリーネット上でファイルのインサート・ダウンロードに使用されるフロントエンドであり、Windows版のみ存在する。なお、FUQIDは略称であり"'''F'''reenet '''U'''tility for '''Q'''ueued '''I'''nserts and '''D'''ownloads"の頭文字を取ったものである。 詳細については[[Freenet/FUQID|FUQIDの導入]]を参照。 ===Thaw=== Thawとは、FUQIDと同様、フリーネット上のファイルのインサート・ダウンロード用フロントエンドである。ThawはJavaで作成されているためマルチプラットフォームで動作する。 ===jSite=== jSiteとは、フリーネット上にWebサイトをアップロードするためのフロントエンドである。これを使用するとフリーサイトを作成することができる。jSite自体はJavaで作成されている。 ==内部リンク== *[[Freenet/FAQ|フリーネット関連のFAQ集]] *[[Freenet/Dev|フリーネット開発者向け情報]] ==外部リンク== ===日本語ウェブサイト=== *[https://ja.wikipedia.org/wiki/Freenet Wikipedia Freenet] :Wikipedia日本語版 フリーネット *[http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Bay/7325/Freenet/FAQ.html The Free Network Project] :Freenetについてよくある質問(FAQ) *[https://egg.2ch.net/test/read.cgi/software/1178452433/ Freenet HTL=7] :[[w:ja:2ちゃんねる|2ちゃんねる]]のフリーネット関連のスレッド ===英語ウェブサイト=== *[https://en.wikipedia.org/wiki/Freenet Wikipedia Freenet] :Wikipedia Freenet *[http://freenetproject.org/index.php?page=index The Freenet Project] :フリーネット公式サイト *[http://jtcfrost.sourceforge.net/ FROST] :フロストの公式サイト ===日本語フリーサイト=== ※'''フリーネットが稼働していないと見ることができません。''' *[http://localhost:8888/freenet:USK@S3Il9NuW0dbF1XSdngjKObtPjrKfolV0Ld5dTNLCgvo,gwElOJW4oawWdijW75aROxjkTgsFzt-X36rqcL8HJpo,AQACAAE/emmanuelgoldstein/17/ EmmanuelGoldstein] :EmmanuelGoldstein氏のサイト、フリーネットに関する日本語ドキュメントなどを公開 *[http://localhost:8888/freenet:USK@DCdG-MdervPQn9qVhxiHZhJIoI9j0Xk~iDLzFiTzlZw,qTrGJX4M6n2ldDWfI~2ULvjhSpT1fuzW8ZljXE7ExE0,AQACAAE/Freenet%20Japanese%20Wiki/4/ Freenet Japanese Wiki] :フリーネット日本語Wiki *[http://localhost:8888/USK@ToRAqFndyqPX02aMhOeefKsnDUVnadtiReIIzXb6O5Y,5tU3FxAc3z5DH64mbkCTDTUPZq73lopBvfD9kL0oaZ4,AQACAAE/FrostJpnBoardList/15/ Frost* 日本語ボードリスト] :Frostの日本語ボードリストを公開 ===英語フリーサイト=== ※'''フリーネットが稼働していないと見ることができません。''' *[http://localhost:8888/freenet:USK@85gZTCiQO9IEPDAGvjktO9d-ZMS1lIABR6JB85m4ens,VGDItiCVzCcWAay51faZzcIfAepzeHpzXYvChlueWYE,AQACAAE/stats/1533/ Freenet Statistics] :フリーネットの統計情報 *[http://localhost:8888/freenet:USK@z6lnOx7PPe16P3Sobu1KM9jiLiIxdvE3L918QMVCLak,AmZ7RemmWcKM2-W4Zs38Ks511lRTsWleMj2mVAReB4E,AQACAAE/freenetdocwiki/17/ Freenet Documentation Wiki] :フリーネットドキュメントWiki *[http://localhost:8888/USK@xedmmitRTj9-PXJxoPbD7RY1gf9pKi0OcsRmjNPPIU4,AzFWTYV~9-I~eXis14tIkJ4XkF17gIgZrB294LjFXjc,AQACAAE/fmsguide/6/ The Unofficial Guide to FMS ] :FMS導入ガイド *[http://localhost:8888/freenet:USK@940RYvj1-aowEHGsb5HeMTigq8gnV14pbKNsIvUO~-0,FdTbR3gIz21QNfDtnK~MiWgAf2kfwHe-cpyJXuLHdOE,AQACAAE/publish/3/ Publish!] :フリーサイトを公開する方法 ==ボードリスト== ===FMS=== {| border="1" cellpadding="5" |<CENTER>板名</CENTER> |<CENTER>主な使われ方</CENTER> |- |jp.test |テスト板 |- |jp.junk |議論・雑談 |- |jp.freenet |フリーネットを議論 |- |jp.boards |ボード報告 |} ===フロスト=== {| border="1" cellpadding="5" |<CENTER>板名</CENTER> |<CENTER>主な使われ方</CENTER> |- |jp.test |テスト板 |- |jp.junk |議論・雑談 |- |jp.boards |ボード報告 |} {{DEFAULTSORT:Freenet}} [[Category:Freenet|*]] {{NDC|007.63}}
null
2017-07-20T06:10:18Z
[ "テンプレート:NDC" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Freenet
924
ドイツ語/初級
Bausteine benoetigt:
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Bausteine benoetigt:", "title": "" } ]
ドイツ語 初級 はじめに ドイツ語 アルファベットと発音 ドイツ語 初級第0課 Hallo, wie gehts? ドイツ語 初級第1課 Wie heißt du? ドイツ語 初級第2課 Ich spiele Tennis. ドイツ語 初級第3課 Das Bier schmeckt. ドイツ語 初級第4課 Sie trägt eine blaue Jacke. ドイツ語 初級第5課 Die Schwestern helfen der Mutter sehr. ドイツ語 初級第6課 Es ist mir egal. ドイツ語 初級第7課 Ich komme aus Japan. ドイツ語 初級第8課 Er ist zwanzig Jahre alt. ドイツ語 初級第9課 Welches Foto gefällt ihr? ドイツ語 初級第10課 Guck es mal an! ドイツ語 初級第11課 Sie beschäftigt sich mit der Autoindustrie. ドイツ語 初級第12課 Ihr müßt eine Pause machen. ドイツ語 初級第13課 Ich ging jeden Morgen spazieren. ドイツ語 初級第14課 Wir besuchten Wien vor sechs Jahren. ドイツ語 初級第15課 Wir haben schön gefrühstückt. Bausteine benoetigt: ドイツ語 初級第16課 Wir werden morgen ins Kino gehen. ドイツ語 初級第17課 Berlin ist die größte Stadt in Deutschland. ドイツ語 初級第18課 Es regnet. ドイツ語 初級第19課 Wir versuchen, deine Idee zu verstehen. ドイツ語 初級第20課 Diese Frau wird von allen Leuten geliebt. ドイツ語 初級第21課 Wenn du Interesse hast, leihe ich dir dieses Buch. ドイツ語 初級第22課 Wir besuchen das Museum, dessen Sammlung weltweit berühmt ist. ドイツ語 初級第23課 Würdest du mich diesen Rechner benutzen lassen? ドイツ語 Deutscher Text 1 初級第1課, - 初級第3課 Frank fährt nach Augsburg ドイツ語 Deutscher Text 2 初級第4課, - 初級第6課 Manfred kauft ein Geschenk ドイツ語 Deutscher Text 3 初級第7課, - 初級第9課 Wieviel kostet das? 利用者 Benutzer ページ Seite 画像 Bild テンプレート Vorlage ノート Diskussion 利用者ページ Diskussion (Benutzersdiskussionsseite) 編集 Seite bearbeiten 履歴 Versionen 移動 verschieben 以下の記述を完全に理解し同意したうえで投稿する Seite speichern プレビューを実行 Vorschau anzeigen 差分を表示 Änderungen zeigen
*[[ドイツ語/初級/はじめに|ドイツ語 初級 はじめに]] *[[ドイツ語/アルファベットと発音|ドイツ語 アルファベットと発音]] *[[ドイツ語/初級/第0課|ドイツ語 初級第0課]] Hallo, wie gehts? *[[ドイツ語/初級/第1課|ドイツ語 初級第1課]] Wie heißt du? *[[ドイツ語/初級/第2課|ドイツ語 初級第2課]] Ich spiele Tennis. *[[ドイツ語/初級/第3課|ドイツ語 初級第3課]] Das Bier schmeckt. *[[ドイツ語/初級/第4課|ドイツ語 初級第4課]] Sie trägt eine blaue Jacke. *[[ドイツ語/初級/第5課|ドイツ語 初級第5課]] Die Schwestern helfen der Mutter sehr. *[[ドイツ語/初級/第6課|ドイツ語 初級第6課]] Es ist mir egal. *[[ドイツ語/初級/第7課|ドイツ語 初級第7課]] Ich komme aus Japan. *[[ドイツ語/初級/第8課|ドイツ語 初級第8課]] Er ist zwanzig Jahre alt. *[[ドイツ語/初級/第9課|ドイツ語 初級第9課]] Welches Foto gefällt ihr? *[[ドイツ語/初級/第10課|ドイツ語 初級第10課]] Guck es mal an! *[[ドイツ語/初級/第11課|ドイツ語 初級第11課]] Sie beschäftigt sich mit der Autoindustrie. *[[ドイツ語/初級/第12課|ドイツ語 初級第12課]] Ihr müßt eine Pause machen. *[[ドイツ語/初級/第13課|ドイツ語 初級第13課]] Ich ging jeden Morgen spazieren. *[[ドイツ語/初級/第14課|ドイツ語 初級第14課]] Wir besuchten Wien vor sechs Jahren. *[[ドイツ語/初級/第15課|ドイツ語 初級第15課]] Wir haben schön gefrühstückt. ---- Bausteine benoetigt: *[[ドイツ語/初級/第16課|ドイツ語 初級第16課]] Wir werden morgen ins Kino gehen. *[[ドイツ語/初級/第17課|ドイツ語 初級第17課]] Berlin ist die größte Stadt in Deutschland. *[[ドイツ語/初級/第18課|ドイツ語 初級第18課]] Es regnet. *[[ドイツ語/初級/第19課|ドイツ語 初級第19課]] Wir versuchen, deine Idee zu verstehen. *[[ドイツ語/初級/第20課|ドイツ語 初級第20課]] Diese Frau wird von allen Leuten geliebt. *[[ドイツ語/初級/第21課|ドイツ語 初級第21課]] Wenn du Interesse hast, leihe ich dir dieses Buch. *[[ドイツ語/初級/第22課|ドイツ語 初級第22課]] Wir besuchen das Museum, dessen Sammlung weltweit berühmt ist. *[[ドイツ語/初級/第23課|ドイツ語 初級第23課]] Würdest du mich diesen Rechner benutzen lassen? ---- *[[ドイツ語/初級/Deutscher Text 1|ドイツ語 Deutscher Text 1]] 初級第1課, - 初級第3課 Frank fährt nach Augsburg *[[ドイツ語/初級/Deutscher Text 2|ドイツ語 Deutscher Text 2]] 初級第4課, - 初級第6課 Manfred kauft ein Geschenk *[[ドイツ語/初級/Deutscher Text 3|ドイツ語 Deutscher Text 3]] 初級第7課, - 初級第9課 Wieviel kostet das? ---- {{Wikiterms-de}} [[Category:ドイツ語 初級|*]]
null
2022-02-26T07:10:22Z
[ "テンプレート:Wikiterms-de" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E/%E5%88%9D%E7%B4%9A
925
ドイツ語
メインページ > 語学 > ドイツ語
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "メインページ > 語学 > ドイツ語", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "" } ]
メインページ > 語学 > ドイツ語
[[メインページ]] > [[語学]] > '''ドイツ語''' <div style="text-align: center"> <h1 style="color:blue">ドイツ語</h1> [[File:Heidelberg corr.jpg|right|200px|thumb|ハイデルベルク、ドイツ]] *[[ドイツ語/はじめに|はじめに]] *[[ドイツ語/アルファベットと発音|アルファベットと発音]] *[[ドイツ語/初級|ドイツ語 初級]] *[[ドイツ語/中級|ドイツ語 中級]] *[[ドイツ語/上級|ドイツ語 上級]] *[[ドイツ語/文法|文法]] </div> {{Wikipedia|ドイツ語|ドイツ語}} {{Wiktionary|ドイツ語|ドイツ語}} {{Wikiversity|Topic:ドイツ語|ドイツ語}} [[Category:語学|といつこ]] [[Category:ドイツ語|*]] [[af:Duits]] [[ar:الألمانية]] [[ca:Alemany]] [[cs:Němčina]] [[cy:Almaeneg]] [[en:German]] [[eo:Germana]] [[es:Alemán]] [[fi:Saksan kieli]] [[fr:Enseignement de l'allemand]] [[he:גרמנית]] [[is:Þýska]] [[it:Tedesco]] [[ka:გერმანული ენა]] [[nl:Duits]] [[pl:Niemiecki/Okładka]] [[tr:Almanca]] [[uk:Мова людства/Верхньонімецька]] [[zh:德语]]
2004-12-06T09:29:00Z
2023-08-11T11:56:46Z
[ "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Wiktionary", "テンプレート:Wikiversity" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E
926
ドイツ語 初級第1課
<はじめに | >第2課 Wie heißt du? 君はなんていうの。 Ich heiße Takashi. Und du? ぼくはたかしです。あなたは? Ich bin Thomas. Das* ist Peter. ぼくはトーマスです。彼はペーターです。 Wir kommen aus Berlin. ぼくらはベルリンから来ました。 Ich komme aus Kyoto. ぼくは京都から来ました。 Ich bin Japaner. ぼくは日本人です。 ドイツ語の代名詞は人称と数の変化をもつ。 ドイツ語の動詞も人称と数の変化を持つ(人称と数によって支配される)。 現在形での動詞の変化は以下の通り。 三人称単数のみ、代名詞は男性・女性・中性の区別をもつ。これは名詞の性に対応する。 「あなた(がた)」は文法上、三人称複数となる(後述する)。 小練習1 Ich bin Japaner. Du bist Japanerin. 私は日本人男性だ。君は日本人女性だ。 Das ist Thomas. Er ist Deutscher. 彼はトーマスだ。彼はドイツ人(男性)だ。 Das ist Elisabeth. Sie ist auch Deutsche. 彼女はエリーザベトだ。彼女もドイツ人(女性)だ。 Wir sind Japaner. Ihr seid Deutsche. 我々は日本人だ。君らはドイツ人だ。 Sie sind Franzosen. 彼らはフランス人だ。 ......がある/......は~である、というときは動詞 sein (ある) を用いる。 動詞 sein は不規則に変化する。 小練習4 Thomas ist Deutscher. トーマスはドイツ人だ。 Er ist Berliner. 彼はベルリンの住民だ。 Peter ist auch Berliner. ペーターもベルリンの住民だ。 Elisabeth ist Münchnerin. エリーザベトはミュンヘンの住民だ。 Joachim ist auch Münchner. ヨアヒムもミュンヘンの住民だ。 ドイツ語の名詞には性があり、男性・女性・中性の区別がある。この区別は文法上のもので、あらゆる名詞はこの三つの性のどれかに属する。 出身・職業を表す名詞は、男性と女性でしばしば異なる語を用いる。 相当数の名詞で、男性名詞に語尾 -in をつけて女性名詞を作る。 女性名詞、男性名詞の対 小練習6 ドイツ語の二人称では、親称と敬称の区別がある。敬称の代名詞には単数複数にかかわらず、Sie (常に大文字で書く)を用いる。敬称の Sie は、三人称単数女性代名詞の sie ではなく、三人称複数代名詞の sie と同じ活用を取る。 Sie は丁寧であり、du はくだけた親しい仲の間で用いる。日本語と異なり、同じ者同士が場面によって呼びかけを使い分ける事はない。du は家族、親族、友人、同僚の間で用いる。Sie は取引の相手、店員と客、改まった場所での初対面の人など、あまり親しくない相手に用いる。 若い世代では、見知らぬ相手に du で話し掛けることもよく行われる。du で話すこと (duzen) が自然な間柄で Sie を使う (siezen) と、逆によそよそしく失礼にもなる。 ドイツ人にとっても、あまり付き合いが深くないうちは、Sie, du の使い分けは難しく、しばしば悩みの種となる。 小練習7 総合練習: 総合練習 <はじめに | >第2課
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<はじめに | >第2課", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Wie heißt du? 君はなんていうの。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Ich heiße Takashi. Und du? ぼくはたかしです。あなたは?", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Ich bin Thomas. Das* ist Peter. ぼくはトーマスです。彼はペーターです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Wir kommen aus Berlin. ぼくらはベルリンから来ました。", "title": "" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Ich komme aus Kyoto. ぼくは京都から来ました。", "title": "" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "Ich bin Japaner. ぼくは日本人です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "ドイツ語の代名詞は人称と数の変化をもつ。 ドイツ語の動詞も人称と数の変化を持つ(人称と数によって支配される)。", "title": "動詞:直説法現在" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "現在形での動詞の変化は以下の通り。", "title": "動詞:直説法現在" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "三人称単数のみ、代名詞は男性・女性・中性の区別をもつ。これは名詞の性に対応する。 「あなた(がた)」は文法上、三人称複数となる(後述する)。", "title": "動詞:直説法現在" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "小練習1", "title": "動詞:直説法現在" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "Ich bin Japaner. Du bist Japanerin. 私は日本人男性だ。君は日本人女性だ。", "title": "動詞 sein の活用:現在" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "Das ist Thomas. Er ist Deutscher. 彼はトーマスだ。彼はドイツ人(男性)だ。", "title": "動詞 sein の活用:現在" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "Das ist Elisabeth. Sie ist auch Deutsche. 彼女はエリーザベトだ。彼女もドイツ人(女性)だ。 Wir sind Japaner. Ihr seid Deutsche. 我々は日本人だ。君らはドイツ人だ。", "title": "動詞 sein の活用:現在" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "Sie sind Franzosen. 彼らはフランス人だ。", "title": "動詞 sein の活用:現在" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "......がある/......は~である、というときは動詞 sein (ある) を用いる。 動詞 sein は不規則に変化する。", "title": "動詞 sein の活用:現在" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "小練習4", "title": "動詞 sein の活用:現在" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "Thomas ist Deutscher. トーマスはドイツ人だ。", "title": "名詞:性" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "Er ist Berliner. 彼はベルリンの住民だ。", "title": "名詞:性" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "Peter ist auch Berliner. ペーターもベルリンの住民だ。", "title": "名詞:性" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "Elisabeth ist Münchnerin. エリーザベトはミュンヘンの住民だ。", "title": "名詞:性" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "Joachim ist auch Münchner. ヨアヒムもミュンヘンの住民だ。", "title": "名詞:性" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "ドイツ語の名詞には性があり、男性・女性・中性の区別がある。この区別は文法上のもので、あらゆる名詞はこの三つの性のどれかに属する。", "title": "名詞:性" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "出身・職業を表す名詞は、男性と女性でしばしば異なる語を用いる。 相当数の名詞で、男性名詞に語尾 -in をつけて女性名詞を作る。", "title": "名詞:性" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "女性名詞、男性名詞の対", "title": "名詞:性" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "小練習6", "title": "名詞:性" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "ドイツ語の二人称では、親称と敬称の区別がある。敬称の代名詞には単数複数にかかわらず、Sie (常に大文字で書く)を用いる。敬称の Sie は、三人称単数女性代名詞の sie ではなく、三人称複数代名詞の sie と同じ活用を取る。", "title": "常体と敬体" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "Sie は丁寧であり、du はくだけた親しい仲の間で用いる。日本語と異なり、同じ者同士が場面によって呼びかけを使い分ける事はない。du は家族、親族、友人、同僚の間で用いる。Sie は取引の相手、店員と客、改まった場所での初対面の人など、あまり親しくない相手に用いる。", "title": "常体と敬体" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "若い世代では、見知らぬ相手に du で話し掛けることもよく行われる。du で話すこと (duzen) が自然な間柄で Sie を使う (siezen) と、逆によそよそしく失礼にもなる。 ドイツ人にとっても、あまり付き合いが深くないうちは、Sie, du の使い分けは難しく、しばしば悩みの種となる。", "title": "常体と敬体" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "小練習7", "title": "常体と敬体" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "総合練習: 総合練習", "title": "常体と敬体" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "<はじめに | >第2課", "title": "常体と敬体" } ]
<はじめに | >第2課 Wie heißt du? 君はなんていうの。 Ich heiße Takashi. Und du? ぼくはたかしです。あなたは? Ich bin Thomas. Das* ist Peter. ぼくはトーマスです。彼はペーターです。 Wir kommen aus Berlin. ぼくらはベルリンから来ました。 Ich komme aus Kyoto. ぼくは京都から来ました。 Ich bin Japaner. ぼくは日本人です。 この Das は何かその場にあるものを提示する役割をする指示代名詞、三人称中性単数。
[[ドイツ語/初級/はじめに|<はじめに]] | [[ドイツ語/初級/第2課|>第2課]] Wie heißt du? Ich heiße Takashi. Und du? Ich bin Thomas. Das ist Peter. Wir kommen aus Berlin. Ich komme aus Kyoto. Ich bin Japaner. [[ファイル:Deutsch_Dialog_._Ich_bin_Peter.ogg]] ---- Wie heißt du? 君はなんていうの。 Ich heiße Takashi. Und du? ぼくはたかしです。あなたは? Ich bin Thomas. Das* ist Peter. ぼくはトーマスです。彼はペーターです。 Wir kommen aus Berlin. ぼくらはベルリンから来ました。 Ich komme aus Kyoto. ぼくは京都から来ました。 Ich bin Japaner. ぼくは日本人です。 *この Das は何かその場にあるものを提示する役割をする指示代名詞、三人称中性単数。 {| class="wikitable" |- | auch || ……もまた |- | aus Berlin || ベルリンから |- | das || こちらは |- | Deutscher || ドイツ人の男性 |- | Deutsche || ドイツ人の女性 |- | heißen || ……という名である |- | Ich bin || 私は……である |- | Ich komme || 私は来る |- | Japaner || 日本人の男性 |- | Japanerin || 日本人の女性 |- | kommen || 来る |- | kommen aus || ……の出身である/……から来る |- | und || そして |- | Wie || どのような |- | Wie heißt du? || 君は何という名前であるか? |- | wohnen || 住む |} == 動詞:直説法現在 == ドイツ語の代名詞は人称と数の変化をもつ。 ドイツ語の動詞も人称と数の変化を持つ(人称と数によって支配される)。 現在形での動詞の変化は以下の通り。 {| class="wikitable" |+ '''wohnen 住む''' |- ! ich | wohn'''e''' || 私は住む | rowspan="5" | &nbsp; ! wir | wohn'''en''' || 私たちは住む |- ! du | wohn'''st''' || 君は住む ! ihr | wohn'''t''' || 君たちは住む |- ! er | rowspan="3" | wohn'''t''' | 彼は住む ! sie | rowspan="3" | wohn'''en''' | 彼らは住む |- ! sie | 彼女は住む ! rowspan="2" | Sie | あなたは住む |- ! es | それは住む | あなたがたは住む |} 三人称単数のみ、代名詞は男性・女性・中性の区別をもつ。これは名詞の性に対応する。 「あなた(がた)」は文法上、三人称複数となる(後述する)。 [[ドイツ語/初級/第1課/練習#小練習1|小練習1]] == 動詞 sein の活用:現在 == Ich bin Japaner. Du bist Japanerin. Das ist Thomas. Er ist Deutscher. Das ist Elisabeth. Sie ist auch Deutsche. Wir sind Japaner. Ihr seid Deutsche. Sie sind Franzosen. ---- Ich bin Japaner. Du bist Japanerin. 私は日本人男性だ。君は日本人女性だ。 Das ist Thomas. Er ist Deutscher. 彼はトーマスだ。彼はドイツ人(男性)だ。 Das ist Elisabeth. Sie ist auch Deutsche. 彼女はエリーザベトだ。彼女もドイツ人(女性)だ。 Wir sind Japaner. Ihr seid Deutsche. 我々は日本人だ。君らはドイツ人だ。 Sie sind Franzosen. 彼らはフランス人だ。 ……がある/……は~である、というときは動詞 sein (ある) を用いる。 動詞 sein は不規則に変化する。 {| class="wikitable" |+ '''sein ある''' |- ! ich | bin | rowspan="3" | &nbsp; ! wir | sind |- ! du | bist ! ihr | seid |- ! er/sie/es | ist ! sie/Sie | sind |} [[ドイツ語/初級/第1課/練習#小練習4|小練習4]] == 名詞:性 == Thomas ist Deutscher. Er ist Berliner. Peter ist auch Berliner. Elisabeth ist Münchnerin. Joachim ist auch Münchner. Thomas ist Deutscher. トーマスはドイツ人だ。 Er ist Berliner. 彼はベルリンの住民だ。 Peter ist auch Berliner. ペーターもベルリンの住民だ。 Elisabeth ist Münchnerin. エリーザベトはミュンヘンの住民だ。 Joachim ist auch Münchner. ヨアヒムもミュンヘンの住民だ。 ドイツ語の名詞には性があり、男性・女性・中性の区別がある。この区別は文法上のもので、あらゆる名詞はこの三つの性のどれかに属する。 出身・職業を表す名詞は、男性と女性でしばしば異なる語を用いる。 相当数の名詞で、男性名詞に語尾 -in をつけて女性名詞を作る。 Ich bin Student. Du bist Studentin. 私は学生だ。君は女学生だ。 Er ist Lehrer. Sie ist Lehrerin. 彼は教師だ。彼女は女教師だ。 Ich bin Japaner. Sie ist auch Japanerin. 私は日本人(男性)だ。彼女も日本人(女性)だ。 <feminin / maskulin> 女性名詞、男性名詞の対 [[ドイツ語/初級/第1課/練習#小練習6|小練習6]] == 常体と敬体 == ドイツ語の二人称では、親称と敬称の区別がある。敬称の代名詞には単数複数にかかわらず、Sie (常に大文字で書く)を用いる。敬称の Sie は、三人称単数女性代名詞の sie ではなく、三人称複数代名詞の sie と同じ活用を取る。 Wie heißen Sie? あなた(がた)は何という名前ですか? --- Wie heißt du? 君はなんていうの? Wie heißt ihr? 君たちはなんていうの? Wie heißt sie? 彼女はなんていうの? Wie heißen sie? 彼らはなんていうの? Sie は丁寧であり、du はくだけた親しい仲の間で用いる。日本語と異なり、同じ者同士が場面によって呼びかけを使い分ける事はない。du は家族、親族、友人、同僚の間で用いる。Sie は取引の相手、店員と客、改まった場所での初対面の人など、あまり親しくない相手に用いる。 <!-- 日本語の敬語が上下関係の意味を持つのに対し、ドイツ語の親称 du/ihr と敬称 Sie の使い分けは上下関係ではなく親疎による。日本語では親しくても目上に敬語を使う傾向があるのに対し、ドイツ語で父なる神は du で呼ぶ。 --> Duzen wir uns? 私たち du で呼び合わない? Wollen wir uns duzen! 私たち du で呼び合うことにしましょうよ。 若い世代では、見知らぬ相手に du で話し掛けることもよく行われる。du で話すこと (duzen) が自然な間柄で Sie を使う (siezen) と、逆によそよそしく失礼にもなる。 ドイツ人にとっても、あまり付き合いが深くないうちは、Sie, du の使い分けは難しく、しばしば悩みの種となる。 [[ドイツ語/初級/第1課/練習#小練習7|小練習7]] 総合練習: [[ドイツ語/初級/第1課/練習#総合練習|総合練習]] [[ドイツ語/初級/はじめに|<はじめに]] | [[ドイツ語/初級/第2課|>第2課]] [[Category:ドイツ語 初級|1]]
null
2015-08-09T01:51:11Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC1%E8%AA%B2
928
ドイツ語 初級第2課
<第1課 | 第3課> Ich spiele Tennis. Du fährst Rad. Rad fahren macht Spaß. Wir lesen die Zeitung. Wir spielen keinen Fußball. 動詞によっては、単数2人称と単数3人称で幹母音が変化するものがある。 母音が i, o, u のときはこのような幹母音の変化は起こらない。 対格 (Akkusativ) は直接目的語を表す格である。日本では第4格とも呼ぶ。 名詞には定冠詞をつけることがある。定冠詞は性・数・格に従って変化する。ただし複数では定冠詞は性に関わらず同一の形をとる。対格の定冠詞は次のとおり。 名詞を伴った形を次に示す。 疑問文のもっとも簡単な形のひとつが、「はい」または「いいえ」で答えられる文である。 Spielt ihr Fußball? 君たちはサッカーをするの? Ja, wir spielen Fußball. うん、ぼくらはサッカーをするよ。 Spielen sie Tennis? 彼らはテニスをするの? Nein, sie gehen spazieren. いや、彼らは散歩に行く。 Fährt er? 彼はサイクリングするの? Ja, er fährt Fahrrad. うん、彼はサイクリングに行く。 Fahrt ihr? 君らもサイクリングするの? Nein, wir fahren nicht Rad. Wir gehen spazieren. いや、ぼくらはサイクリングに行かない。僕らは散歩に行く。 「はい」は ja 「いいえ」は nein という。 ある文を疑問文にするには、動詞を最初におく。そのままの順序で語尾を上げて発音しても構わない。 否定文は nicht 「......ない」を付けて作ることができる。 Sätze mit „nicht“ nicht は文の最後/目的語の前/文法上、必ず文の最後に来る事になっている語の前におかれる。 形容詞は、物事や人の性質をあらわす。形容詞は、sein とともに「......は~である」という文を作る。 次にいくつかよく使われる形容詞の例を示す。 味、色なども形容詞で表す。詳しくはドイツ語 初級第3課を参照のこと。 <第1課 | 第3課>
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<第1課 | 第3課>", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Ich spiele Tennis.", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Du fährst Rad.", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Rad fahren macht Spaß.", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Wir lesen die Zeitung. Wir spielen keinen Fußball.", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "動詞によっては、単数2人称と単数3人称で幹母音が変化するものがある。", "title": "動詞:直説法現在2" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "", "title": "動詞:直説法現在2" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "母音が i, o, u のときはこのような幹母音の変化は起こらない。", "title": "動詞:直説法現在2" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "対格 (Akkusativ) は直接目的語を表す格である。日本では第4格とも呼ぶ。", "title": "名詞:Akkusativ 対格" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "名詞には定冠詞をつけることがある。定冠詞は性・数・格に従って変化する。ただし複数では定冠詞は性に関わらず同一の形をとる。対格の定冠詞は次のとおり。", "title": "名詞:Akkusativ 対格" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "名詞を伴った形を次に示す。", "title": "名詞:Akkusativ 対格" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "", "title": "名詞:Akkusativ 対格" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "疑問文のもっとも簡単な形のひとつが、「はい」または「いいえ」で答えられる文である。", "title": "疑問文:肯定と否定" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "Spielt ihr Fußball? 君たちはサッカーをするの?", "title": "疑問文:肯定と否定" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "Ja, wir spielen Fußball. うん、ぼくらはサッカーをするよ。", "title": "疑問文:肯定と否定" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "Spielen sie Tennis? 彼らはテニスをするの?", "title": "疑問文:肯定と否定" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "Nein, sie gehen spazieren. いや、彼らは散歩に行く。", "title": "疑問文:肯定と否定" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "Fährt er? 彼はサイクリングするの?", "title": "疑問文:肯定と否定" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "Ja, er fährt Fahrrad. うん、彼はサイクリングに行く。", "title": "疑問文:肯定と否定" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "Fahrt ihr? 君らもサイクリングするの? Nein, wir fahren nicht Rad. Wir gehen spazieren. いや、ぼくらはサイクリングに行かない。僕らは散歩に行く。", "title": "疑問文:肯定と否定" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "「はい」は ja 「いいえ」は nein という。", "title": "疑問文:肯定と否定" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "ある文を疑問文にするには、動詞を最初におく。そのままの順序で語尾を上げて発音しても構わない。", "title": "疑問文:肯定と否定" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "否定文は nicht 「......ない」を付けて作ることができる。", "title": "疑問文:肯定と否定" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "Sätze mit „nicht“", "title": "疑問文:肯定と否定" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "nicht は文の最後/目的語の前/文法上、必ず文の最後に来る事になっている語の前におかれる。", "title": "疑問文:肯定と否定" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "形容詞は、物事や人の性質をあらわす。形容詞は、sein とともに「......は~である」という文を作る。", "title": "形容詞" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "次にいくつかよく使われる形容詞の例を示す。", "title": "形容詞" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "味、色なども形容詞で表す。詳しくはドイツ語 初級第3課を参照のこと。", "title": "形容詞" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "<第1課 | 第3課>", "title": "形容詞" } ]
<第1課 | 第3課> Ich spiele Tennis.  Du fährst Rad.    Rad fahren macht Spaß.  Wir lesen die Zeitung. Wir spielen keinen Fußball. 
[[ドイツ語/初級/第1課|<第1課]] | [[ドイツ語/初級/第3課|第3課>]] Ich spiele Tennis. Du fährst Rad. Rad fahren macht Spaß. Wir lesen die Zeitung. Wir spielen keinen Fußball. ---- Ich spiele Tennis.  :私はテニスをする。 Du fährst Rad.    :君は自転車に乗る。  Rad fahren macht Spaß.  :自転車に乗ることは楽しい。 Wir lesen die Zeitung. Wir spielen keinen Fußball.  :私たちは新聞を読む。私たちはサッカーをしない。 <pre> besuchen 訪れる der Brief 手紙 das Buch 本 fahren (乗り物に)乗る Fußball サッカー lesen 読む machen 作る、……をする nett 親切だ nicht ……ない spielen 遊ぶ、(スポーツを)する Tennis テニス das Rad, das Fahrrad  自転車 Rad fahren, Fahrrad fahren 自転車に乗ること sehen 見る der Spaß 愉しみ spazieren gehen 散歩に行く die Zeitung 新聞 </pre> == 動詞:直説法現在2 == 動詞によっては、単数2人称と単数3人称で幹母音が変化するものがある。 ich lese wir lesen  du liest ihr lest er/sie/es liest sie lesen ----------------------- Sie lesen Sie lesen fahren → du fährst, er/sie/es fährt  Er fährt nach Berlin. 彼はベルリンへ行く。 lesen → du liest, er/sie/es liest   Liest du die Zeitung? 君は新聞を読む? nehmen → du nimmst, er/sie/es nimmt Sie nimmt den Kaffee. 彼女はコーヒーを飲む。 母音が i, o, u のときはこのような幹母音の変化は起こらない。 == 名詞:Akkusativ 対格 == 対格 (Akkusativ) は直接目的語を表す格である。日本では第4格とも呼ぶ。 Ich lese den Brief.  私は手紙を読む。 Du liest die Zeitung. 君は新聞を読む。 Sie liest das Buch. 彼女は本を読む。 ----------------------- Wir lesen die Briefe. 私たちはそれらの新聞を読む。 名詞には定冠詞をつけることがある。定冠詞は性・数・格に従って変化する。ただし複数では定冠詞は性に関わらず同一の形をとる。対格の定冠詞は次のとおり。 sg pl.    m f n | Akk.  den die das | die 名詞を伴った形を次に示す。 sg pl.    m f n | den Mann die Frau das Kind | die Leute Akk.  den Brief die Zeitung das Buch | die Zeitungen Sie lesen das Buch, ihr besucht das Museum. 彼らは(あなたは)本を読む、きみたちは美術館へ行く。 Ich sehe das Rathaus und die Kirche. 私は市役所と教会を見る。 Sie macht das Referat. 彼女は発表をする。 == 疑問文:肯定と否定 == 疑問文のもっとも簡単な形のひとつが、「はい」または「いいえ」で答えられる文である。 Spielt ihr Fußball? -- Ja, wir spielen Fußball. Spielen sie Tennis? -- Nein, sie gehen spazieren. Fährt er? -- Ja, er fährt Fahrrad. Fahrt ihr auch? -- Nein, wir fahren nicht Rad. Wir gehen spazieren. Spielt ihr Fußball? 君たちはサッカーをするの? Ja, wir spielen Fußball. うん、ぼくらはサッカーをするよ。 Spielen sie Tennis? 彼らはテニスをするの? Nein, sie gehen spazieren. いや、彼らは散歩に行く。 Fährt er? 彼はサイクリングするの? Ja, er fährt Fahrrad. うん、彼はサイクリングに行く。 Fahrt ihr?       君らもサイクリングするの? Nein, wir fahren nicht Rad. Wir gehen spazieren. いや、ぼくらはサイクリングに行かない。僕らは散歩に行く。 *スポーツをする場合は通常 spielen を用いる。この場合は冠詞はつけない。 「はい」は ja 「いいえ」は nein という。 ある文を疑問文にするには、動詞を最初におく。そのままの順序で語尾を上げて発音しても構わない。 Liest du die Zeitung? 君は新聞を読む? 否定文は nicht 「……ない」を付けて作ることができる。 Sätze mit „nicht“ Du liest nicht.       君は(本を)読まない。  Ich fahre nicht Rad.   私は自転車に乗らない。 Sie gehen nicht spazieren.* 彼らは散歩にいかない。 nicht は文の最後/目的語の前/文法上、必ず文の最後に来る事になっている語の前におかれる。 *分離動詞。spazieren gehen で「散歩に行く」。あとで学習する。 == 形容詞 == 形容詞は、物事や人の性質をあらわす。形容詞は、sein とともに「……は~である」という文を作る。 Ich bin müde. Ich gehe heute nicht spazieren. Du bist nett. Rad fahren ist schwierig. -- Nein, es ist leicht! Ich bin müde. 私は疲れている。 Ich gehe heute nicht spazieren. 私は今日は散歩に行かない。 Du bist nett. 君は親切だ。 Rad fahren ist schwierig. 自転車に乗るのは難しい。 Nein, es ist leicht! いいえ、簡単ですよ。 次にいくつかよく使われる形容詞の例を示す。 gut よい schlecht 悪い leicht 簡単だ、軽い schwierig 難しい schwer 重い、難しい  schnell 速い langsam ゆっくりだ groß 大きい klein 小さい weit 遠い、広い nah 近い eng 狭い müde 疲れている krank 病気だ gesund 健康だ 味、色なども形容詞で表す。詳しくは[[ドイツ語 初級第3課]]を参照のこと。 [[ドイツ語/初級/第1課|<第1課]] | [[ドイツ語/初級/第3課|第3課>]] [[Category:ドイツ語 初級|2]]
null
2020-09-11T08:06:26Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC2%E8%AA%B2
929
英語/学習/挨拶
いつでもいい挨拶: Hello / Hi 朝の挨拶: Good morning 午後の挨拶: Good afternoon 晩の挨拶: Good evening 久しぶりですね。: Long time no see. 「調子はどう(ですか)?」「いい(です)よ」: A: How are you? / How're you doing? / How have you been? / How's it going? < B: Fine. / Good. / Not bad. 「最近どう(ですか)?「いつも通りさ(です)」: A: What's up? / What's happening? B: Not much. / Not a thing. 「さようなら」 「またね」 「お気をつけて」「元気でね」 「じゃあね」「楽しい日を!」 「おやすみなさい」
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "いつでもいい挨拶: Hello / Hi 朝の挨拶: Good morning 午後の挨拶: Good afternoon 晩の挨拶: Good evening 久しぶりですね。: Long time no see.", "title": "Greetings - 出会いの挨拶" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "「調子はどう(ですか)?」「いい(です)よ」: A: How are you? / How're you doing? / How have you been? / How's it going? < B: Fine. / Good. / Not bad.", "title": "Introduction - 導入" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "「最近どう(ですか)?「いつも通りさ(です)」: A: What's up? / What's happening? B: Not much. / Not a thing.", "title": "Introduction - 導入" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "「さようなら」", "title": "Good-byes - 別れの挨拶" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "「またね」", "title": "Good-byes - 別れの挨拶" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "「お気をつけて」「元気でね」", "title": "Good-byes - 別れの挨拶" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "「じゃあね」「楽しい日を!」", "title": "Good-byes - 別れの挨拶" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "「おやすみなさい」", "title": "Good-byes - 別れの挨拶" } ]
null
==Conversation - 会話== {| border="0" cellpadding="3" width=75% ! English !! 日本語 |- | Jim: Hello, Sue.<br /> | ジム: よう、スー。 |- | Sue: Hi, Jim.<br /> | スー: こんにちは、ジム。 |- | Jim: How are you doing?<br /> | ジム: 調子はどう? |- | Sue: I'm Fine. <br /> | スー: いいわよ。 |- | Jim: That's Good.<br /> | ジム: そりゃよかった。 |- | Sue: Well, see you later.<br /> | スー: じゃ、またね。 |- | Jim: Bye. | ジム: バイ。 |- |} ==Greetings - 出会いの挨拶== いつでもいい挨拶: Hello / Hi<br /> 朝の挨拶: Good morning<br /> 午後の挨拶: Good afternoon<br /> 晩の挨拶: Good evening<br> 久しぶりですね。: Long time no see.<br> ==Introduction - 導入== 「調子はどう(ですか)?」「いい(です)よ」:<br /> A: How are you? / How're you doing? / How have you been? / How's it going? <<br /> B: Fine. / Good. / Not bad. 「最近どう(ですか)?「いつも通りさ(です)」:<br /> A: What's up? / What's happening?<br /> B: Not much. / Not a thing. ==Good-byes - 別れの挨拶== 「さようなら」 *Good bye(Goodbye)(Good-by). *Bye. 「またね」 *See you. *Later. *See you later. 「お気をつけて」「元気でね」 *Take care. 「じゃあね」「楽しい日を!」 *日中: Have a nice day. 「おやすみなさい」 *夜: Good night. [[Category:英語|学あいさつ]]
null
2022-02-24T00:30:34Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%8B%B1%E8%AA%9E/%E5%AD%A6%E7%BF%92/%E6%8C%A8%E6%8B%B6
932
ドイツ語 初級第3課
<第2課 | 第4課> Das Bier schmeckt. Die Wurst ist lecker. Der Salat ist zu sauer. Hast du Kuchen oder Obst? Das Kind hat noch Hunger. 名詞の主格は、主語および補語となる。日本語では第1格ということがある。辞書の見出し語には単数主格が書かれる。性はすべての名詞にあり、必ずしも生物学的な性別とは一致しない。 定冠詞は単数では性によって形が異なる。複数では性にかかわらず同形となる。 主格の定冠詞は次のとおり。 名詞を伴ったものを以下に示す。 das Essen 食べ物 die Speise 料理 die Getränke 飲み物を冠詞つきで示す。 よく使われる調味料 haben 「......を持つ」の活用は不規則である。 ※ Radler, das -- ビールとレモネードのカクテル。ちなみに der Radler は自転車に乗る人のこと。 「......が欲しい」を意味する möchte は特殊な活用をする。このまま覚える事。 指示定冠詞は「これ」「あれ」「おのおのの」など、名詞を限定する役割を持つ。 指示定冠詞 dieser, jener, jeder の語尾変化は定冠詞と同じである。 <Tafel - dieser / jener / jeder - Nom. Akk.> 形容詞 Adjektiv はものの形・色・様子などを表す(初級第2課を参照)。 食べ物の味を表すのも形容詞である。 形容詞は色も表す。 食事の前のあいさつとして という挨拶がある。これは直訳すると「よい食欲を」という意味で、主にこれからご飯を食べる人に対していう。食事に出かけようとする人にもいう。返事は Danke ありがとう とか、Guten Appetitとそのまま返したり、Danke, ihnen auch. あなたもね などと返す。 ドイツのファストフードとしては das Brötchen mit Schinken (ハムと小さいパン)などの各種サンドイッチ、 der Döner (ドナーケパブ)、die Currywurst (カレーソーセージ) などが一般的である。 <第2課 | 第4課>
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<第2課 | 第4課>", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Das Bier schmeckt.", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Die Wurst ist lecker. Der Salat ist zu sauer.", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Hast du Kuchen oder Obst?", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Das Kind hat noch Hunger.", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "名詞の主格は、主語および補語となる。日本語では第1格ということがある。辞書の見出し語には単数主格が書かれる。性はすべての名詞にあり、必ずしも生物学的な性別とは一致しない。", "title": "名詞:Nominativ 主格" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "定冠詞は単数では性によって形が異なる。複数では性にかかわらず同形となる。", "title": "名詞:Nominativ 主格" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "主格の定冠詞は次のとおり。", "title": "名詞:Nominativ 主格" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "名詞を伴ったものを以下に示す。", "title": "名詞:Nominativ 主格" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "das Essen 食べ物 die Speise 料理 die Getränke 飲み物を冠詞つきで示す。", "title": "単語:飲食物" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "よく使われる調味料", "title": "単語:飲食物" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "haben 「......を持つ」の活用は不規則である。", "title": "動詞 haben の活用:現在" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "", "title": "動詞 haben の活用:現在" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "※ Radler, das -- ビールとレモネードのカクテル。ちなみに der Radler は自転車に乗る人のこと。", "title": "動詞 haben の活用:現在" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "「......が欲しい」を意味する möchte は特殊な活用をする。このまま覚える事。", "title": "動詞 haben の活用:現在" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "指示定冠詞は「これ」「あれ」「おのおのの」など、名詞を限定する役割を持つ。 指示定冠詞 dieser, jener, jeder の語尾変化は定冠詞と同じである。", "title": "指示定冠詞" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "<Tafel - dieser / jener / jeder - Nom. Akk.>", "title": "指示定冠詞" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "形容詞 Adjektiv はものの形・色・様子などを表す(初級第2課を参照)。", "title": "形容詞" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "食べ物の味を表すのも形容詞である。", "title": "形容詞" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "形容詞は色も表す。", "title": "形容詞" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "食事の前のあいさつとして", "title": "食事あれこれ" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "という挨拶がある。これは直訳すると「よい食欲を」という意味で、主にこれからご飯を食べる人に対していう。食事に出かけようとする人にもいう。返事は Danke ありがとう とか、Guten Appetitとそのまま返したり、Danke, ihnen auch. あなたもね などと返す。", "title": "食事あれこれ" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "ドイツのファストフードとしては das Brötchen mit Schinken (ハムと小さいパン)などの各種サンドイッチ、 der Döner (ドナーケパブ)、die Currywurst (カレーソーセージ) などが一般的である。", "title": "食事あれこれ" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "<第2課 | 第4課>", "title": "食事あれこれ" } ]
<第2課 | 第4課> Das Bier schmeckt. Die Wurst ist lecker. Der Salat ist zu sauer. Hast du Kuchen oder Obst? Das Kind hat noch Hunger.
[[ドイツ語/初級/第2課|<第2課]] | [[ドイツ語/初級/第4課|第4課>]] Das Bier schmeckt. Die Wurst ist lecker. Der Salat ist zu sauer. Hast du Kuchen oder Obst? Das Kind hat noch Hunger. ---- Das Bier schmeckt. :ビールはおいしい。 Die Wurst ist lecker. Der Salat ist zu sauer. :ソーセージはおいしい。サラダは塩気が強すぎる。 Hast du Kuchen oder Obst? :君、ケーキか果物をもっているかい。 Das Kind hat noch Hunger. :その子供はまだ空腹だ。 <pre> das Bier ビール essen 食べる die Frau 女性、ご婦人 haben 持つ Hunger haben ……は空腹だ。 das Kind 子ども der Kuchen ケーキ lecker おいしい der Lehrer 男性教師 die Leute (複数)人々 der Mann 男性、殿方 das Obst 果物 noch まだ probieren ……を試す schmecken ……の味がする der Student 男子学生 zu sauer 塩気が強すぎる trinken 飲む vielen Dank どうもありがとう die Wurst ソーセージ </pre> == 名詞:Nominativ 主格 == 名詞の主格は、主語および補語となる。日本語では第1格ということがある。辞書の見出し語には単数主格が書かれる。性はすべての名詞にあり、必ずしも生物学的な性別とは一致しない。 定冠詞は単数では性によって形が異なる。複数では性にかかわらず同形となる。 主格の定冠詞は次のとおり。 sg. m f n  pl. sg  der die das | die 名詞を伴ったものを以下に示す。 男性    女性   中性     複数 m f n | pl der Mann die Frau das Kind die Leute    男性  女性    子ども 人々 der Salat die Wurst das Bier die Süßigkeiten サラダ ソーセージ ビール 甘いもの Die Leute essen den Salat und trinken das Bier. 人々はサラダを食べ、ビールを飲む。 Das Kind isst gern die Süßigkeiten. その子どもは好んで甘いものを食べる。 == 単語:飲食物 == das Essen 食べ物  die Speise 料理 die Getränke 飲み物を冠詞つきで示す。 das Brot パン die Butter  バター das Fleisch  肉 das Huhn 鶏 der Fisch 魚 das Ei 卵 der Salat   サラダ der Schinken ハム die Wurst ソーセージ der Käse   チーズ   das Gemüse  野菜 die Bohne   豆 die Kartoffel じゃがいも die Zwiebel  たまねぎ die Suppe   スープ der Knödel  肉団子 die Nudel   ヌードル der Döner  ドナーケパブ  das Obst   果物 der Kuchen ケーキ die Süßigkeit 甘いもの(菓子、果物など)  der Wein   ワイン das Bier   ビール der Kaffee  コーヒー der Tee    茶 die Milch   ミルク das Wasser 水(※ドイツの飲食店では、Wasserとは炭酸水のこと) よく使われる調味料 der Würzmittel 調味料 das Salz    塩 der Zucker   砂糖 der Pfeffer  胡椒 der Essig   酢 der Senf    からし == 動詞 haben の活用:現在 == Ich habe Hunger. Ich möchte ... おなかがすきました。私は……が欲しいです。 Ich habe Durst.         喉が渇きました。 haben 「……を持つ」の活用は不規則である。 ich habe wir haben du hast ihr habt er/sie/es hat sie haben ----------------------------- Sie haben Sie haben <!-- Anmerkung: Mit Radler ist hier eine Bierart gemeint. Eine Mischung aus Limonade und Bier. Es muss also hier 'ein Radler' heißen und das Wort ist neutral ('das Radler'). Es gibt auch einen Fahrradfahrer, der als 'Radler' bezeichnet wird. Dieser hat einen männlichen Artikel. Hier heißt es 'der Radler', bzw. 'einen Radler'. --> Der Student hat das Obst. 学生は果物をもっている。  Die Frauen haben Kaffee und auch Tee. ご婦人がたにはコーヒーも紅茶もある。 === ich möchte 私は……がほしい。 === Ich habe Durst. Ich möchte den Rotwein. Möchtest du ein Bier? -- Nein, ich möchte ein Radler. Ich habe Durst. 喉が渇きました。 Ich möchte den Rotwein. 赤ワインが欲しいです。 Möchtest du ein Bier?   君はビールが欲しい? Nein, ich möchte ein Radler. いいえ、わたしはラドラーが欲しいです。 ※ Radler, das -- ビールとレモネードのカクテル。ちなみに der Radler は自転車に乗る人のこと。 「……が欲しい」を意味する möchte は特殊な活用をする。このまま覚える事。 ich möchte wir möchten du möchtest ihr möchtet er/sie/es möchte sie möchten Schmeckt es gut? -- Es schmeckt! それはおいしいですか。-- おいしいです。 Dieser Salat ist lecker.     このサラダはおいしい。 == 指示定冠詞 == 指示定冠詞は「これ」「あれ」「おのおのの」など、名詞を限定する役割を持つ。 指示定冠詞 dieser, jener, jeder の語尾変化は定冠詞と同じである。 Dieser Lehrer liest diese Zeitung aber nicht jene Zeitung. その教師はこの新聞を読んでいるが、あの新聞は読んでいない。 Probierst du diesen Salat? -- Ja, vielen Dank.   君、このサラダを味見するかい? --- うん、どうもありがとう。 <Tafel - dieser / jener / jeder - Nom. Akk.>   == 形容詞 == 形容詞 Adjektiv はものの形・色・様子などを表す([[ドイツ語/初級/第2課|初級第2課]]を参照)。 <pre> neu 新しい alt 古い frisch 新鮮な hart 硬い weich (触り心地が)柔らかい viel 多い wenig 少ない </pre> 食べ物の味を表すのも形容詞である。 <pre> lecker うまい salzig 塩気がある süß  甘い scharf 辛い sauer すっぱい </pre> 形容詞は色も表す。 <pre> rot 赤い schwarz 黒い gelb 黄色い weiß 白い blau 青い </pre> == 食事あれこれ == 食事の前のあいさつとして Guten Appetit. という挨拶がある。これは直訳すると「よい食欲を」という意味で、主にこれからご飯を食べる人に対していう。食事に出かけようとする人にもいう。返事は Danke ありがとう とか、Guten Appetitとそのまま返したり、Danke, ihnen auch. あなたもね などと返す。 ドイツのファストフードとしては das Brötchen mit Schinken (ハムと小さいパン)などの各種サンドイッチ、 der Döner (ドナーケパブ)、die Currywurst (カレーソーセージ) などが一般的である。 [[ドイツ語/初級/第2課|<第2課]] | [[ドイツ語/初級/第4課|第4課>]] [[Category:ドイツ語 初級|3]]
null
2015-08-09T01:59:01Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC3%E8%AA%B2
934
ドイツ語 初級第4課
<第3課 | 第5課> Sie trägt eine Jacke. Ich trage einen roten Pullover und eine Hose. Babuschka trägt ein schwarzes Kleid. Die deutschen Schuhe sind sehr gut. Wir kaufen ein Paar lederne Schuhe. 不定冠詞 ein は「ひとつの」を意味し、名詞とともに使われて「ある......」「何らかの」の意味を添える。 太字にしたところは定冠詞と異なり、活用語尾を持たない部分である。 属格は、帰属、所有、出身を表す名詞の格である。語尾に -s をつけてあらわすことがあり、男性・中性単数ではほとんどの名詞が -s を必ずつける。発音をしやすくするために、d,t などの後では s の前に e 音が入る。 属格の定冠詞は次の通り。 定冠詞を伴った名詞を以下に示す。男性単数と中性単数で主格とは語形が変化する事に注目すること。 不定冠詞は、次のように変化する。 男性名詞には、属格で語尾が -en と変化するものがある。これを弱変化名詞という。 形容詞は名詞を修飾するときには、性・数・格に応じて語尾変化する。 冠詞がないときには、語尾は定冠詞と同じである。 定冠詞が来るときは、形容詞の語尾は男性主格、女性主格・対格、中性主格・対格で -e, ほかでは -en となる。 ※ Dat. 与格については第5課で扱う。 dieser, jener, jeder に形容詞が付くときは、定冠詞に準じる。 不定冠詞が来るときは、形容詞の語尾は男性主格と中性主格・対格で定冠詞の語尾と同じである。これは不定冠詞がこの三つの格では表示されないことによる。その他の場所では、女性1格、4格で -e, 他では -en となる。 不定冠詞には複数がないため、複数のときは冠詞がない場合と一緒である。 以下に衣服や装飾品など身に付けるものに関する名詞を示す。 <第3課 | 第5課>
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<第3課 | 第5課>", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Sie trägt eine Jacke.", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Ich trage einen roten Pullover und eine Hose.", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Babuschka trägt ein schwarzes Kleid.", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Die deutschen Schuhe sind sehr gut. Wir kaufen ein Paar lederne Schuhe.", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "不定冠詞 ein は「ひとつの」を意味し、名詞とともに使われて「ある......」「何らかの」の意味を添える。", "title": "不定冠詞 ein" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "太字にしたところは定冠詞と異なり、活用語尾を持たない部分である。", "title": "不定冠詞 ein" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "属格は、帰属、所有、出身を表す名詞の格である。語尾に -s をつけてあらわすことがあり、男性・中性単数ではほとんどの名詞が -s を必ずつける。発音をしやすくするために、d,t などの後では s の前に e 音が入る。", "title": "名詞:Genitiv 属格" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "属格の定冠詞は次の通り。", "title": "名詞:Genitiv 属格" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "定冠詞を伴った名詞を以下に示す。男性単数と中性単数で主格とは語形が変化する事に注目すること。", "title": "名詞:Genitiv 属格" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "不定冠詞は、次のように変化する。", "title": "名詞:Genitiv 属格" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "男性名詞には、属格で語尾が -en と変化するものがある。これを弱変化名詞という。", "title": "名詞:Genitiv 属格" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "形容詞は名詞を修飾するときには、性・数・格に応じて語尾変化する。 冠詞がないときには、語尾は定冠詞と同じである。", "title": "形容詞:名詞の修飾" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "定冠詞が来るときは、形容詞の語尾は男性主格、女性主格・対格、中性主格・対格で -e, ほかでは -en となる。", "title": "形容詞:名詞の修飾" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "※ Dat. 与格については第5課で扱う。", "title": "形容詞:名詞の修飾" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "dieser, jener, jeder に形容詞が付くときは、定冠詞に準じる。", "title": "形容詞:名詞の修飾" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "不定冠詞が来るときは、形容詞の語尾は男性主格と中性主格・対格で定冠詞の語尾と同じである。これは不定冠詞がこの三つの格では表示されないことによる。その他の場所では、女性1格、4格で -e, 他では -en となる。", "title": "形容詞:名詞の修飾" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "不定冠詞には複数がないため、複数のときは冠詞がない場合と一緒である。", "title": "形容詞:名詞の修飾" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "以下に衣服や装飾品など身に付けるものに関する名詞を示す。", "title": "単語:衣類" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "<第3課 | 第5課>", "title": "単語:衣類" } ]
<第3課 | 第5課> Sie trägt eine Jacke. Ich trage einen roten Pullover und eine Hose. Babuschka trägt ein schwarzes Kleid. Die deutschen Schuhe sind sehr gut. Wir kaufen ein Paar lederne Schuhe.
[[ドイツ語/初級/第3課|<第3課]] | [[ドイツ語/初級/第5課|第5課>]] Sie trägt eine Jacke. Ich trage einen roten Pullover und eine Hose. Babuschka trägt ein schwarzes Kleid. Die deutschen Schuhe sind sehr gut. Wir kaufen ein Paar lederne Schuhe. <!-- Lederschuhe --> ---- Sie trägt eine Jacke. :彼女は上着を着ている。 Ich trage einen roten Pullover und eine Hose. :私は赤いセーターと、ズボンを着ています。 Babuschka trägt ein schwarzes Kleid. :バブシュカは黒のワンピースを着ている。 Die deutschen Schuhe sind sehr gut. Wir kaufen ein Paar lederne Schuhe. :ドイツの靴はとてもよい。私たちは革靴を一足買うつもりだ。 alt 古い deutsch ドイツの das Foto 写真 das Heft ノート die Hose ズボン das Kleid ドレス、ワンピース kaufen 買う die Jacke 上着、ジャケット ledern 革の der Mensch 人間 die Mutter 母 neu 新しい ein Paar 一組の der Pullover セーター rot 赤い Schuhe 靴(複数) schwarz 黒い sehr gut とてもよい tragen ……を身に付ける、着る der Vater 父 == 不定冠詞 ein == 不定冠詞 ein は「ひとつの」を意味し、名詞とともに使われて「ある……」「何らかの」の意味を添える。 Ich kaufe einen Pullover. 私はセーターを買う。 Jeder Student hat ein Heft.  学生はそれぞれノートをもっている。 Eine Kanne Tee, bitte. 紅茶をポットで1つ、お願いします。 sg.m. sg.f. sg.n. Nom. '''ein''' Pullover eine Hose '''ein''' Kleid Akk. einen Pullover eine Hose '''ein''' Kleid 太字にしたところは定冠詞と異なり、活用語尾を持たない部分である。 sg.m. sg.f. sg.n. Nom. der Pullover die Hose das Kleid Akk. den Pullover die Hose das Kleid == 名詞:Genitiv 属格 == 属格は、帰属、所有、出身を表す名詞の格である。語尾に -s をつけてあらわすことがあり、男性・中性単数ではほとんどの名詞が -s を必ずつける。発音をしやすくするために、d,t  などの後では s の前に e 音が入る。 Japans Spiele machen Spass. 日本のゲームは面白い。 Kants Theorie ist schwierig. カントの理論は難しい。 Er liest den Brief des Vaters 彼は父の手紙を読む。 Ich mache ein Foto der Katze.     私は猫の写真を撮る。 Der Vortrag des Präsidenten ist berühmt. 大統領の演説は有名です。  属格の定冠詞は次の通り。 sg. m f n | pl. des der des | der 定冠詞を伴った名詞を以下に示す。男性単数と中性単数で主格とは語形が変化する事に注目すること。 sg.m. sg.f. sg.n. Gen. des Vaters der Mutter des Kindes | der Kinder Gen. des Brief der Hose des Kleides | der Briefe 不定冠詞は、次のように変化する。  sg. m f n pl. eines einer eines ___ 男性名詞には、属格で語尾が -en と変化するものがある。これを弱変化名詞という。 Mensch --> Menschen Student --> Studenten die Bestimmung des Menschen 人間の使命 der Brief jenes Studenten あの学生の手紙 == 形容詞:名詞の修飾 == 形容詞は名詞を修飾するときには、性・数・格に応じて語尾変化する。 冠詞がないときには、語尾は定冠詞と同じである。 Ich trinke schwarzen Tee. 私は紅茶を飲む。 Deutsche Milch schmeckt. ドイツの牛乳はおいしい。 Lederne Schuhe passen Takashi.  革靴はたかしに似合う。 定冠詞が来るときは、形容詞の語尾は男性主格、女性主格・対格、中性主格・対格で -e, ほかでは -en となる。 sg.m. sg.f. sg.n pl Nom. der grau'''e''' Pullover die blau'''e''' Hose das rot'''e''' Kleid | die ledern'''en''' Schuhe Gen. des grau'''en''' Pullovers der blau'''en''' Hose des rot'''en''' Kleides | der ledern'''en''' Schuhe Dat. dem grau'''en''' Pullover der blau'''en''' hose dem rot'''en''' Kleid | den ledern'''en''' Schuhen Akk. den grau'''en''' Pullover die blau'''e''' Hose das rot'''e''' Kleid | die ledern'''en''' Schuhe ※ Dat. 与格については第5課で扱う。 dieser, jener, jeder に形容詞が付くときは、定冠詞に準じる。 dieses neue Fahrrad この新しい自転車 jene alte Hose あの古いズボン jeder gute Student それぞれのよい学生 不定冠詞が来るときは、形容詞の語尾は男性主格と中性主格・対格で定冠詞の語尾と同じである。これは不定冠詞がこの三つの格では表示されないことによる。その他の場所では、女性1格、4格で -e, 他では -en となる。 sg.m. sg.f. sg.n Nom. ein grau'''er''' Pullover eine blau'''e''' Hose ein rot'''es''' Kleid Gen. eines grau'''en''' Pullovers einer blau'''en''' Hose eines rot'''en''' Kleides Dat. einem grau'''en''' Pullover einer blau'''en''' Hose einem rot'''en''' Kleid Akk. einen grau'''en''' Pullover eine blau'''e''' Hose ein rot'''es''' Kleid 不定冠詞には複数がないため、複数のときは冠詞がない場合と一緒である。 == 単語:衣類 == 以下に衣服や装飾品など身に付けるものに関する名詞を示す。 <pre> die Kleidung 衣類 das Hemd シャツ der Anzug スーツ die Hose ズボン die Jacke ジャケット der Pullover セーター das Kleid ワンピース、ドレス der Schwimmanzug 水着 der Schmuck アクセサリー、装身具 die Schuhe (pl.) 靴 die Brille めがね der Hut 帽子 </pre> Sie kauft eine neue Brille. 彼女は新しい眼鏡を買う。 Der Vater trägt einen schwarzen Anzug. 父は黒い背広を着ている。 Das ist der Schmuck der Mutter. これは母のアクセサリーです。 [[ドイツ語/初級/第3課|<第3課]] | [[ドイツ語/初級/第5課|第5課>]] [[Category:ドイツ語 初級|4]]
null
2015-08-09T02:00:21Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC4%E8%AA%B2
935
ドイツ語 初級第5課
<第4課 | 第6課> Der Student schreibt dem Vater den Brief. Die Schwestern helfen der Mutter sehr. Der Kuchen gefällt den Frauen. Die Lehrer geben den Schülern viele Aufgaben. 与格 Dativ は、動詞の間接目的語となる。動作の対象、方向などを表す。自動詞は与格を間接目的語としてとることがある。 与格の定冠詞は次のとおり。 複数与格の名詞の語尾には必ず n がつく。ただしすでに複数語尾に n が付いているときには脱落する。 動詞が名詞を二つ目的語にとるときは、与格+対格の順に並べる。 以下に、定冠詞の表を示す。 名詞は数の変化をもつ。ドイツ語ではほとんどの名詞が複数形を持つ。 Plural Plural Dativ +n 外来語ではない、本来のドイツ語の複数語尾には、無変化、-e, -er, -en (-n) の4種類がある。 また幹母音の変音が起こることがある。 以下はその四種類の例である。 -er の語尾をもつ複数形では、a, o, u は必ず変御 (Umlaut) する。 -en の語尾をもつ複数形では、母音の変温は起こらない。 女性名詞はほとんどが -n, -en の複数語尾をもつ。 Plural fem. 複数の変化形をもつ名詞がある。 外来語では複数に -s を付けることがある。 ギリシア語などからの外来語は、単数の語尾が母音を含むことがある。そのような場合、単数と複数で母音が変わる事がある。 男性の弱変化名詞の複数形は -en となる。 すでに述べたように、複数対格では語尾に n が付く。 不定数詞 kein ひとつも......ないは、不定冠詞と同じ変化をする。 <第4課 | 第6課>
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<第4課 | 第6課>", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Der Student schreibt dem Vater den Brief.", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Die Schwestern helfen der Mutter sehr.", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Der Kuchen gefällt den Frauen.", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Die Lehrer geben den Schülern viele Aufgaben.", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "与格 Dativ は、動詞の間接目的語となる。動作の対象、方向などを表す。自動詞は与格を間接目的語としてとることがある。", "title": "名詞:Dativ 与格" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "与格の定冠詞は次のとおり。", "title": "名詞:Dativ 与格" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "複数与格の名詞の語尾には必ず n がつく。ただしすでに複数語尾に n が付いているときには脱落する。", "title": "名詞:Dativ 与格" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "動詞が名詞を二つ目的語にとるときは、与格+対格の順に並べる。", "title": "名詞:Dativ 与格" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "以下に、定冠詞の表を示す。", "title": "定冠詞" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "名詞は数の変化をもつ。ドイツ語ではほとんどの名詞が複数形を持つ。", "title": "名詞:複数" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "Plural", "title": "名詞:複数" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "Plural Dativ +n", "title": "名詞:複数" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "外来語ではない、本来のドイツ語の複数語尾には、無変化、-e, -er, -en (-n) の4種類がある。 また幹母音の変音が起こることがある。", "title": "名詞:複数" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "以下はその四種類の例である。", "title": "名詞:複数" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "-er の語尾をもつ複数形では、a, o, u は必ず変御 (Umlaut) する。 -en の語尾をもつ複数形では、母音の変温は起こらない。 女性名詞はほとんどが -n, -en の複数語尾をもつ。", "title": "名詞:複数" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "Plural fem.", "title": "名詞:複数" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "複数の変化形をもつ名詞がある。", "title": "名詞:複数" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "外来語では複数に -s を付けることがある。", "title": "名詞:複数" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "ギリシア語などからの外来語は、単数の語尾が母音を含むことがある。そのような場合、単数と複数で母音が変わる事がある。", "title": "名詞:複数" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "男性の弱変化名詞の複数形は -en となる。", "title": "名詞:複数" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "すでに述べたように、複数対格では語尾に n が付く。", "title": "名詞:複数" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "不定数詞 kein ひとつも......ないは、不定冠詞と同じ変化をする。", "title": "不定数詞 kein" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "<第4課 | 第6課>", "title": "不定数詞 kein" } ]
<第4課 | 第6課> Der Student schreibt dem Vater den Brief. Die Schwestern helfen der Mutter sehr. Der Kuchen gefällt den Frauen. Die Lehrer geben den Schülern viele Aufgaben.
{{半保護S}} [[ドイツ語/初級/第4課|<第4課]] | [[ドイツ語/初級/第6課|第6課>]] Der Student schreibt dem Vater den Brief. Die Schwestern helfen der Mutter sehr. Der Kuchen gefällt den Frauen. Die Lehrer geben den Schülern viele Aufgaben. ---- Der Student schreibt dem Vater den Brief. :その学生は父親に手紙を書く。 Die Schwestern helfen der Mutter sehr. :姉妹たちは母親をよく手伝う。 Der Kuchen gefällt den Frauen. :ケーキは女性たちに好まれる。 Die Lehrer geben den Schülern viele Aufgaben. :教師たちは生徒たちにたくさんの課題を出す。 <pre> die Aufgabe 宿題、課題 der Bruder 兄弟 Deutsch (無冠詞で)ドイツ語 das Ehepaar 夫婦 die Eltern 両親(複数) folgen 従う geben 与える gefallen 好まれる gefällt + Dat. に好まれる das Geschenk 贈り物 grüßen + Akk. に挨拶する helfen + Dat. に助けとなる、を手伝う der Kuchen 焼き菓子(クリームをかけないもの) ledig 独身である schreiben 書く der Schüler 生徒 die Schwester 姉妹 der Spaß 楽しみ、娯楽 der Student 学生 sprechen 話す der Vorschlag 提案 </pre> == 名詞:Dativ 与格 == 与格 Dativ は、動詞の間接目的語となる。動作の対象、方向などを表す。自動詞は与格を間接目的語としてとることがある。 与格の定冠詞は次のとおり。 Sg Pl m f n | dem der dem den Sg Pl m f n | dem Vater der Mutter dem Kind(e) | den Leuten 複数与格の名詞の語尾には必ず n がつく。ただしすでに複数語尾に n が付いているときには脱落する。 Pl. Nom. Pl. Dat Kinder Kindern Eltern Eltern Frauen Frauen 動詞が名詞を二つ目的語にとるときは、与格+対格の順に並べる。 Die Studentin schreibt den Eltern den Brief. 女学生は両親に手紙を書く。 Die Mutter gibt dem Kind das Geschenk. 母親は子供に贈り物を与える。 == 定冠詞 == 以下に、定冠詞の表を示す。 <pre> sg pl m f n der die das die des der des der dem der dem den den die das die </pre> == 名詞:複数 == 名詞は数の変化をもつ。ドイツ語ではほとんどの名詞が複数形を持つ。 Plural Mann - Männer Frau - Frauen Kind - Kinder Plural Dativ +n Ich erzähle diesen Männern / Frauen / Kindern eine japanische Geschichte. 外来語ではない、本来のドイツ語の複数語尾には、無変化、-e, -er, -en (-n) の4種類がある。 また幹母音の変音が起こることがある。 以下はその四種類の例である。 +0 / -e / -er / -en ohne Umlaut Umlaut Lehrer / Lehrer || Bruder / Brüder Benutzer / Benutzer, Fahrer / Fahrer Tag / Tage || Sack / Säcke Jahr / Jahre, Brief/Briefe, Gans/Gänse Kind / Kinder || Mann / Männer Blatt/Blätter, Land /Länder Aufgabe / Aufgaben || ---- Bett / Betten, Mensch / Menschen -er の語尾をもつ複数形では、a, o, u は必ず変御 (Umlaut) する。 -en の語尾をもつ複数形では、母音の変温は起こらない。   女性名詞はほとんどが -n, -en の複数語尾をもつ。 Plural fem. Frau / Frauen Straße / Straßen Schwester / Schwestern Stadt / Städte - Umlaut Tochter / Töchter - Umlaut 複数の変化形をもつ名詞がある。 das Wort / Wörter, Worte 外来語では複数に -s を付けることがある。 Auto / Autos ギリシア語などからの外来語は、単数の語尾が母音を含むことがある。そのような場合、単数と複数で母音が変わる事がある。 Datum / Daten Thema / Themen 男性の弱変化名詞の複数形は -en となる。 der Mensch / die Menschen der Student / die Studenten :Die Studenten grüßen den Lehrer.  その学生たちは先生に挨拶する。 すでに述べたように、複数対格では語尾に n が付く。 == 不定数詞 kein == 不定数詞 kein ひとつも……ないは、不定冠詞と同じ変化をする。   Dieses Ehepaar hat kein Kind. その夫婦には子どもがいない。 Er hat keine Frau. Er ist ledig.    彼は妻をもっていません。彼は独身です。 Es macht mir keinen Spaß.        それは私には楽しくない。 Sie sprechen kein Deutsch.       彼らはドイツ語を話しません。 Ich bin kein Chinese. Ich bin Japaner. 私は中国人ではありません。日本人です。 Kein Student folgt dem Vorschlag. 学生は誰もその提案に従わない。 [[ドイツ語/初級/第4課|<第4課]] | [[ドイツ語/初級/第6課|第6課>]] [[Category:ドイツ語 初級|5]]
null
2022-10-04T07:09:39Z
[ "テンプレート:半保護S" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC5%E8%AA%B2
936
ドイツ語/初級/第1課/練習
カッコ内に適切な語をいれなさい。 次の対を完成させなさい。 次の対を完成させなさい。 次の表を完成させなさい。 カッコ内に適切な語をいれなさい。 次の語をそれぞれ対に分類しなさい
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "カッコ内に適切な語をいれなさい。", "title": "小練習" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "次の対を完成させなさい。", "title": "小練習" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "次の対を完成させなさい。", "title": "小練習" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "次の表を完成させなさい。", "title": "小練習" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "", "title": "小練習" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "カッコ内に適切な語をいれなさい。", "title": "小練習" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "次の語をそれぞれ対に分類しなさい", "title": "小練習" } ]
null
== 小練習 == === 小練習1 === カッコ内に適切な語をいれなさい。 # Ich ( ) Megumi. # ( ) heißt du? -- Ich ( ) Thomas. # Wir heißen Schmidt. Ich ( ) Maria und das ( ) Mattias. # Ihr ( ) Mattias und Maria Schmidt. # Sie sind Franzosen. Sie kommen ( ) Paris. # Er kommt aus Tokio. Er ist ( ). # ( ) ( ) du? -- Ich heiße Christoph. # Wie heißen sie? -- Sie ( ) Frau und Herr Schmidt. === 小練習2 === 次の対を完成させなさい。 # Frankreich -- Franzose # Berlin -- Berliner # Japan -- ( ) # Amerika -- ( ) # München -- ( ) === 小練習3 === 次の対を完成させなさい。 # Berliner -- ( ) # Japaner -- ( ) # Deutsche -- ( ) # Französin -- ( ) # Italienerin -- ( ) # Amerikanerin -- ( ) === 小練習4 === 次の表を完成させなさい。 ich bin wir ( ) du ( ) ihr ( ) er/sie/es ( ) sie ( ) ------------------------------------------- Sie ( ) Sie ( ) === 小練習5 === カッコ内に適切な語をいれなさい。 # Ich ( ) Japaner. # Du ( ) Berliner. # Er ( ) Deutscher. # ( ) ist Berlinerin. # Wir ( ) Japaner. Wir ( ) aus Tokio. # Ihr ( ) Österreicher. Ihr ( ) aus Wien. # Sie ( ) Franzosen. Sie ( ) ( ) Paris. # Wir kommen aus New York. Wir ( ) Amerikaner. === 小練習6 === 次の語をそれぞれ対に分類しなさい Amerikaner Deutsche Student Japanerin Autorin Arzt Professor Amerikanerin Japaner Franzose Professorin Autor Berliner Studentin Berlinerin Ärztin Deutscher Franzose [[Category:ドイツ語 初級|1 れんしゆう]] [[Category:演習|といつこしよきゆう1]]
null
2017-02-13T10:01:21Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E/%E5%88%9D%E7%B4%9A/%E7%AC%AC1%E8%AA%B2/%E7%B7%B4%E7%BF%92
944
英語/学習/自己紹介
~は~です。という表現は自己紹介でよく使われます。前にはいるのは主に代名詞や名詞で、後にはいるのは主に名詞や形容詞です。この二つを、be動詞で繋ぎます。be動詞は代名詞ごとに決まっています。面倒ですが一纏めにして覚えてしまいましょう。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "~は~です。という表現は自己紹介でよく使われます。前にはいるのは主に代名詞や名詞で、後にはいるのは主に名詞や形容詞です。この二つを、be動詞で繋ぎます。be動詞は代名詞ごとに決まっています。面倒ですが一纏めにして覚えてしまいましょう。", "title": "文法" } ]
null
==会話== {| border="0" cellpadding="10" ! English !! 日本語 |- |Hello, my name is Tom. It's a pleasure to meet you. I'm from the United States; I live in New York and I am a doctor. I enjoy reading and swimming, and I like dogs and Italian food. I have a younger sister and two older brothers, and they live in New Jersey. |こんにちは。私の名前はトムです。はじめまして。アメリカから来ました。ニューヨークに住んでいて、医者をしています。趣味は読書や水泳です。犬とイタリア料理が好きです。妹が一人と、兄が二人います。兄妹はニュージャージーに住んでいます。 |- |} ==単語== {| border="0" cellpadding="3" |- | [[wikt:hello|Hello]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | こんにちは |- | [[wikt:my|my]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 私の |- | [[wikt:I|I]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 私 |- | [[wikt:name|name]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 名前 |- | [[wikt:live|live]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 住む |- | [[wikt:doctor|doctor]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 医者 |- | [[wikt:hobby|hobby]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 趣味 |- | [[wikt:reading|reading]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 読書 |- | [[wikt:swimming|swimming]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 水泳 |- | [[wikt:dog|dog]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 犬 |- | [[wikt:cat|cat]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 猫 |- | [[wikt:horse|horse]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 馬 |- | [[wikt:Italian|Italian]] [[wikt:food|food]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | イタリア料理 |- | [[wikt:younger|younger]] [[wikt:sister|sister]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 妹 |- | [[wikt:older|older]] [[wikt:brother|brother]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 兄 |- | [[wikt:they|they]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 彼ら |- | [[wikt:アメリカ合衆国|the United States]] | &nbsp;&nbsp;&nbsp; | 合衆国(暗黙的にアメリカを指す。U.S.とも) |- |} ===説明=== * It is a pleasure to meet you. *: 直訳すると「あなたに会えたのは誇りです」ですが、「はじめまして」という成句です。もう少し軽い言い方としては、"nice to meet you."などがあります。例文では、"It is"を縮めて"It's"と書いてあります。 * younger sister, older brother *: 英語では、兄弟間の年齢順は単語では区別されません。"sister"という言葉だけでは、姉とも妹ともとれます。ですから、区別する場合には「年下の姉妹(つまり妹)」などと明示的に表す必要があります。 ==文法== === Pronouns - 代名詞 === {| border="1" cellpadding="10" |- | I | 私 | my | 私の | me | 私、私に | mine | 私の物 |- | you | あなた、あなた達 | your | あなたの | you | あなた、あなたに | yours | あなたの物 |- | he | 彼 | his | 彼の | him | 彼、彼に | his | 彼の物 |- | she | 彼女 | her | 彼女の | her | 彼女、彼女に | hers | 彼女の物 |- | it | それ(無性の代名詞) | its | それの | it | それ、それに | its | それの物 |- | we | 私達 | our | 私達の | us | 私達、私達に | ours | 私達の物 |- | they | 彼ら | their | 彼らの | them | 彼ら、彼らの | theirs | 彼らの物 |- |} === 「~は~です」の表現 === ~は~です。という表現は自己紹介でよく使われます。前にはいるのは主に代名詞や名詞で、後にはいるのは主に名詞や形容詞です。この二つを、be動詞で繋ぎます。be動詞は代名詞ごとに決まっています。面倒ですが一纏めにして覚えてしまいましょう。 {| border="0" cellpadding="3" |- | I am a student. | 私は学生です。 |- | You are a student. | あなたは学生です。 |- | He is a student. | 彼は学生です。 |- | She is a student. | 彼女は学生です。 |- | It is <i>an</i> apple. | りんごです。 |- | We are students. | 私たちは学生です。 |- | They are students. | 彼らは学生です。 |- |} [[Category:英語|学しこしようかい]]
null
2009-04-15T15:01:14Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%8B%B1%E8%AA%9E/%E5%AD%A6%E7%BF%92/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E7%B4%B9%E4%BB%8B
945
ドイツ語 初級第6課
<第5課 | 第7課> Es ist mir egal. Diese Frau zeigt Ihnen das Zimmer. Ich kenne ihn nicht. Schickt ihr es mir? 人称代名詞には、単数と複数があり、それぞれ主格・属格・対格・与格に格変化する。 Ich verstehe dich nicht. Dieses Kind ist sehr jung. Diese Probleme sind ihm zu schwierig. Deutsch ist nicht meine Muttersprache. Ihr sprecht mir zu schnell. Das ist Erik. Wir besuchen ihn morgen. ふたつの目的語があって、片方が与格、もう片方が対格のとき、その順序は、名詞と代名詞のどちらが使われるかによって異なる。 Ordnung Dat. u. Akk. 所有形容詞は代名詞と同じく、それぞれの人称ごとにある。ただし三人称男性単数と三人称中性単数は sein 、三人称女性単数と三人称複数は ihr で同形である。 変化の仕方は不定冠詞 ein の語尾変化と同じである。 次に一人称 mein 私の の変化を示す Meine Wohnung hat drei Zimmer. Wo wohnt deine Familie? Radfahren gefällt unserem Kind sehr. Unser Geschenk zu seinem Geburtstag ist ein rotes Fahrrad. Besuchst du unser Haus? Ihr lasst mich seinen Brief lesen? Sie sind sehr nett und klug. Ich folge immer ihren Vorschlägen. 家族 die Familie を表す名詞を示す。 <第5課 | 第7課>
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<第5課 | 第7課>", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Es ist mir egal.", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Diese Frau zeigt Ihnen das Zimmer.", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Ich kenne ihn nicht.", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Schickt ihr es mir?", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "人称代名詞には、単数と複数があり、それぞれ主格・属格・対格・与格に格変化する。", "title": "人称代名詞" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Ich verstehe dich nicht.", "title": "人称代名詞" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "Dieses Kind ist sehr jung. Diese Probleme sind ihm zu schwierig.", "title": "人称代名詞" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "Deutsch ist nicht meine Muttersprache. Ihr sprecht mir zu schnell.", "title": "人称代名詞" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "Das ist Erik. Wir besuchen ihn morgen.", "title": "人称代名詞" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "ふたつの目的語があって、片方が与格、もう片方が対格のとき、その順序は、名詞と代名詞のどちらが使われるかによって異なる。", "title": "与格と対格の順序" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "Ordnung Dat. u. Akk.", "title": "与格と対格の順序" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "所有形容詞は代名詞と同じく、それぞれの人称ごとにある。ただし三人称男性単数と三人称中性単数は sein 、三人称女性単数と三人称複数は ihr で同形である。 変化の仕方は不定冠詞 ein の語尾変化と同じである。", "title": "所有形容詞" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "次に一人称 mein 私の の変化を示す", "title": "所有形容詞" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "Meine Wohnung hat drei Zimmer.", "title": "所有形容詞" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "Wo wohnt deine Familie?", "title": "所有形容詞" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "Radfahren gefällt unserem Kind sehr. Unser Geschenk zu seinem Geburtstag ist ein rotes Fahrrad.", "title": "所有形容詞" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "Besuchst du unser Haus?", "title": "所有形容詞" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "Ihr lasst mich seinen Brief lesen?", "title": "所有形容詞" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "Sie sind sehr nett und klug. Ich folge immer ihren Vorschlägen.", "title": "所有形容詞" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "家族 die Familie を表す名詞を示す。", "title": "単語:家族" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "<第5課 | 第7課>", "title": "単語:家族" } ]
<第5課 | 第7課> Es ist mir egal. Diese Frau zeigt Ihnen das Zimmer. Ich kenne ihn nicht. Schickt ihr es mir?
[[ドイツ語/初級/第5課|<第5課]] | [[ドイツ語/初級/第7課|第7課>]] Es ist mir egal. Diese Frau zeigt Ihnen das Zimmer. Ich kenne ihn nicht. Schickt ihr es mir? ---- Es ist mir egal. :それは私には同じだ。 Diese Frau zeigt Ihnen das Zimmer. :このご婦人があなたに部屋を教えます。 Ich kenne ihn nicht. :私は彼を知らない。 Schickt ihr es mir? :君たち、ぼくにそれを送ってくれる? <pre> Deutsch (無冠詞で)ドイツ語 egal 等しい、同じ die Familie der Geburtstag 誕生日 das Haus 家 immer いつも jung 若い kennen 知っている klug 賢い morgen 明日 die Muttersprache 母語 nett 親切だ das Problem 問題 schicken 送る schnell 速い schwierig 難しい verstehen 理解する der Vorschlag 提案 die Wohnung マンション、アパート das Zimmer 部屋 </pre> == 人称代名詞 == 人称代名詞には、単数と複数があり、それぞれ主格・属格・対格・与格に格変化する。 Nom. ich du er sie es Gen. meiner deiner seiner ihrer seiner Dat. mir dir ihm ihr ihm Akk. mich dich ihn sie es Nom. wir ihr sie Gen. unser euer ihrer Dat. uns euch ihnen Akk. uns euch sie Nom. Sie Gen. Ihrer Dat. Ihnen Akk. Sie Ich verstehe dich nicht. :君が何を言っているのかわからない。 Dieses Kind ist sehr jung. Diese Probleme sind ihm zu schwierig. :この子どもはとても若い。これらの問題は彼には難しすぎる。 Deutsch ist nicht meine Muttersprache. Ihr sprecht mir zu schnell. :ドイツ語は私の母語じゃありません。君たちの話すのは私には速すぎる。 Das ist Erik. Wir besuchen ihn morgen. :こちらはエリックです。私たちは彼を明日訪ねます。 == 与格と対格の順序 == ふたつの目的語があって、片方が与格、もう片方が対格のとき、その順序は、名詞と代名詞のどちらが使われるかによって異なる。 Ordnung Dat. u. Akk. Die Studenten | geben | der Lehrerin | ein Geschenk. | ihr ein Geschenk. | es | der Lehrerin. | es | ihr. == 所有形容詞 == 所有形容詞は代名詞と同じく、それぞれの人称ごとにある。ただし三人称男性単数と三人称中性単数は sein 、三人称女性単数と三人称複数は ihr で同形である。 変化の仕方は不定冠詞 ein の語尾変化と同じである。 次に一人称 mein 私の の変化を示す <pre> m. f. n. pl. Nom. mein meine mein meine Gen. meines meiner meines meiner Dat. meinem meiner meinem meinen Akk. meinen meine mein meine </pre> sg. pl. mein unser dein euer sein / ihr / sein ihr Meine Wohnung hat drei Zimmer. :私たちのアパートは3部屋です。 Wo wohnt deine Familie? :君の家族はどこに住んでいるの。 Radfahren gefällt unserem Kind sehr. Unser Geschenk zu seinem Geburtstag ist ein rotes Fahrrad. :私たちの子どもはとても自転車に乗るのが好きだ。私たちからの誕生日の贈り物は赤い自転車だ。 Besuchst du unser Haus? :君、僕たちの家に来るかい。 Ihr lasst mich seinen Brief lesen? :君たち、僕に彼の手紙を読ませてくれる? Sie sind sehr nett und klug. Ich folge immer ihren Vorschlägen. :彼らはとても親切で賢い。私はいつも彼らの提案に従っている。 == 単語:家族 == 家族 die Familie を表す名詞を示す。 der Vater 父 die Mutter 母 die Eltern ** die Eltern 両親 das Kind 子ども der Sohn 息子 die Tochter 娘 der Bruder 兄弟 die Schwester 姉妹 die Geschwister 兄弟姉妹 ** der Großvater 祖父 die Großmutter 祖母 die Großeltern 祖父母 ** der Enkel 孫息子 die Enkelin 孫娘 der Onkel 伯父 die Tante 伯母 der Neffe 甥 die Nichte 姪 der Cousin 従兄弟 die Cousine (die Kusine)従姉妹(ともにフランス語から)* * 古い表現では、それぞれ der Vetter 従兄弟, die Base 従姉妹という。 **(das Geschwister, der Elter, der Großelter: Singular o tsukawanai) [[ドイツ語/初級/第5課|<第5課]] | [[ドイツ語/初級/第7課|第7課>]] [[Category:ドイツ語 初級|6]]
null
2015-08-09T02:06:09Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC6%E8%AA%B2
952
フランス語
メインページ > 語学 > フランス語 フランス語はフランスを中心に、カナダ・ケベック州、ベルギー南部や、セネガル、コンゴなどアフリカの多くの国やカリブ海諸島の国々で話されており、また19世紀までは国際公用語として用いられた歴史を持つ言語で、現在でも国連の公用語のひとつです。また英語との類似点も多い言語です。フランス語を使用する国の数は50カ国以上です。 英語版の目次 Leave ideas for additional chapters on the talk page.
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "メインページ > 語学 > フランス語", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "フランス語はフランスを中心に、カナダ・ケベック州、ベルギー南部や、セネガル、コンゴなどアフリカの多くの国やカリブ海諸島の国々で話されており、また19世紀までは国際公用語として用いられた歴史を持つ言語で、現在でも国連の公用語のひとつです。また英語との類似点も多い言語です。フランス語を使用する国の数は50カ国以上です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "英語版の目次", "title": "その他目次" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Leave ideas for additional chapters on the talk page.", "title": "その他目次" } ]
メインページ > 語学 > フランス語 フランス語はフランスを中心に、カナダ・ケベック州、ベルギー南部や、セネガル、コンゴなどアフリカの多くの国やカリブ海諸島の国々で話されており、また19世紀までは国際公用語として用いられた歴史を持つ言語で、現在でも国連の公用語のひとつです。また英語との類似点も多い言語です。フランス語を使用する国の数は50カ国以上です。
[[メインページ]] > [[語学]] > '''フランス語''' {{wikipedia|フランス語|フランス語}} {{wiktionary|フランス語|フランス語}} [[file:Map-Francophone World.svg|right|upright=2|frameless]] [[w:フランス語|フランス語]]は[[w:フランス|フランス]]を中心に、カナダ・ケベック州、ベルギー南部や、セネガル、コンゴなどアフリカの多くの国やカリブ海諸島の国々で話されており、また19世紀までは国際公用語として用いられた歴史を持つ言語で、現在でも[[w:国際連合|国連]]の公用語のひとつです。また英語との類似点も多い言語です。フランス語を使用する国の数は50カ国以上です。 <center> [[/文法|<font face="Times New Roman" Size=6 color=#cc3366>'''Étudiez la grammaire du français!'''</font><br><font face="ChopinScript" Size=3 color=#66ccff>'''~フランス語文法の世界へ~'''.</font>]] </center> ==文字と発音== *[[フランス語の文字と発音]] == 語彙 == *[[/形容詞|形容詞]] *[[/動詞|動詞]] == その他目次 == {{:フランス語/目次}} [[Category:フランス語|*]] [[カテゴリ:ヨーロッパの言語|ふらんすこ]] [[Category:語学の書庫|ふらんすこ]] [[de:Französisch]] [[en:French]] [[es:Francés]] [[fr:Français]] [[nl:Frans]] [[pl:Francuski]] [[pt:Francês]] [[sv:Franska]] [[zh:法语]] [[he:צרפתית]]
2004-12-09T11:29:58Z
2023-09-25T04:47:09Z
[ "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Wiktionary", "フランス語/目次" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E8%AA%9E
954
ドイツ語 初級第7課
<第6課 | 第8課> Ich komme aus Japan. Sie leben im Vorort von Hamburg. Wir reisen mit dem Zug nach Köln. Fährst du mit mir durch die Stadt? Ich möchte zu Fuß gehen. 位置・移動の方向を表すのには前置詞を用いる。 前置詞に続く名詞の格は、前置詞によって決まっている。これを格支配という。 格支配の例 ごく一部の助動詞は属格を支配することがある。前置詞が主格を支配することはない。 一部の名詞は与格と対格の両方を支配する。位置を示す場合には与格、移動の方向を示す場合には対格を支配する。 一部の前置詞は与格、対格の定冠詞と融合して用いられるのが普通である。 建物・施設を表す名詞の一部を示す。 Wo は「どこ」を意味する疑問副詞である。必ず文頭におかれ、動詞が次、その次に主語がくる。 Wohin は「どこへ」 を意味する。 Wo bist du? 君はどこにいるの。 Wo lebst du? 君はどこに住んでいるの。 Wo treffen wir uns morgen? 私たちはどこで明日会いましょうか。 Wohin fährt dieser Zug? この列車はどこへ行くの? <第6課 | 第8課>
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<第6課 | 第8課>", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Ich komme aus Japan.", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Sie leben im Vorort von Hamburg.", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Wir reisen mit dem Zug nach Köln.", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Fährst du mit mir durch die Stadt?", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Ich möchte zu Fuß gehen.", "title": "" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "位置・移動の方向を表すのには前置詞を用いる。", "title": "前置詞" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "前置詞に続く名詞の格は、前置詞によって決まっている。これを格支配という。", "title": "前置詞" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "格支配の例", "title": "前置詞" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "ごく一部の助動詞は属格を支配することがある。前置詞が主格を支配することはない。", "title": "前置詞" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "一部の名詞は与格と対格の両方を支配する。位置を示す場合には与格、移動の方向を示す場合には対格を支配する。", "title": "前置詞" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "一部の前置詞は与格、対格の定冠詞と融合して用いられるのが普通である。", "title": "前置詞" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "建物・施設を表す名詞の一部を示す。", "title": "名詞:場所" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "Wo は「どこ」を意味する疑問副詞である。必ず文頭におかれ、動詞が次、その次に主語がくる。 Wohin は「どこへ」 を意味する。", "title": "疑問副詞:Wo" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "Wo bist du? 君はどこにいるの。", "title": "疑問副詞:Wo" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "Wo lebst du? 君はどこに住んでいるの。", "title": "疑問副詞:Wo" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "Wo treffen wir uns morgen? 私たちはどこで明日会いましょうか。", "title": "疑問副詞:Wo" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "Wohin fährt dieser Zug? この列車はどこへ行くの?", "title": "疑問副詞:Wo" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "<第6課 | 第8課>", "title": "疑問副詞:Wo" } ]
<第6課 | 第8課> Ich komme aus Japan. Sie leben im Vorort von Hamburg. Wir reisen mit dem Zug nach Köln. Fährst du mit mir durch die Stadt? Ich möchte zu Fuß gehen.
[[ドイツ語/初級/第6課|<第6課]] | [[ドイツ語/初級/第8課|第8課>]] <pre> Ich komme aus Japan. Sie leben im Vorort von Hamburg. Wir reisen mit dem Zug nach Köln. Fährst du mit mir durch die Stadt? -- Ich möchte zu Fuß gehen. </pre> ---- Ich komme aus Japan. :私は日本の出身です(←私は日本から来ています)。 Sie leben im Vorort von Hamburg. :彼らはハンブルクの郊外に住んでいます。 Wir reisen mit dem Zug nach Köln. :私たちは汽車でケルンへ旅行します。 Fährst du mit mir durch die Stadt? :君は、僕と街の中を車で走らないかい? Ich möchte zu Fuß gehen. :僕は歩いていくほうがいい。 <pre> die Bahn 鉄道 der Bahnhof 駅 die Firma     会社 der Flughafen 空港 das Hotel ホテル die Kirche 教会 kommen 来る das Land 田舎;国、州 leben 生きる、住む die Mitte 中心 die Nähe 近いところ das Rathaus 市役所 reisen 旅行する die Schule 学校 treffen 会う、出会う die Universität 大学 der Vorort 郊外 zu Fuß gehen 歩いていく der Zug 列車、汽車 </pre> == 前置詞 == 位置・移動の方向を表すのには前置詞を用いる。 <pre> in der Stadt / auf dem Land im Vorort in Tokio / in Japan / in Deutschland von Frankfurt am Main nach Berlin durch die Stadt zum Bahnhof / zum Flughafen mit dem Auto / mit dem Zug / mit der U-Bahn / zu Fuß </pre> === 前置詞の格支配 === 前置詞に続く名詞の格は、前置詞によって決まっている。これを'''格支配'''という。 格支配の例 与格支配: aus, mit, von, zu, nach ... 対格支配: durch ... 与格と対格支配: in ... ごく一部の助動詞は属格を支配することがある。前置詞が主格を支配することはない。 一部の名詞は与格と対格の両方を支配する。位置を示す場合には'''与格'''、移動の方向を示す場合には'''対格'''を支配する。 :'''Sie wohnt in der Stadt.''' 彼女は街に住んでいる。 :'''Sie fährt in die Stadt.''' 彼女は街へ行く。 一部の前置詞は与格、対格の定冠詞と融合して用いられるのが普通である。 :zu + dem = '''zum''', zu + der = '''zur''' :in + dem = '''im''' / in + das = '''ins''' :an + dem = '''am''' / an + das = '''ans''' Ich gehe zum Bahnhof. 私は駅へ(歩いて)行く。 Wir gehen am Sonntagvormittag zur Kirche. 私たちは日曜の午前には教会へ行く。 Meine Eltern wohnen im Vorort von Tokyo. 私たちの両親は東京の郊外に住んでいる。 Gehst du ins Theater?  君は芝居に行くのかい。 == 名詞:場所 == 建物・施設を表す名詞の一部を示す。 das Haus 家 das Rathaus 市役所 die Information インフォメーション・旅行案内所 die Post 郵便局 das Hotel ホテル die Jugendherberge ユースホステル die Schule 学校 die Universität 大学 die Firma     会社 das Museum 博物館・美術館 die Pinakothek 絵画館 die Gallerie 絵画館 die Bibliothek 図書館 das Schloß 宮殿 die Stadt 街 die Mitte 街の中心 der Platz 広場 der Markt 市場 das Restaurant  レストラン die Straße 道路、通り die Autobahn アウトバーン der Bahnhof 駅 der Hauptbahnhof 中央駅(その街の主要駅) der Flughafen 空港 == 疑問副詞:Wo == Wo は「どこ」を意味する疑問副詞である。必ず文頭におかれ、動詞が次、その次に主語がくる。 Wohin は「どこへ」 を意味する。 Wo bist du? 君はどこにいるの。 :  --- Ich bin jetzt im Bahnhof. 僕はいま駅にいる。 Wo lebst du? 君はどこに住んでいるの。 :  --- Ich lebe in der Nähe von Martin. マルティンの家のそばに住んでいる。 Wo treffen wir uns morgen?  私たちはどこで明日会いましょうか。 :  --- Treffen wir uns vor dem Rathaus? 市役所の前で会いませんか。 Wohin fährt dieser Zug? この列車はどこへ行くの? :   --- Er fährt nach Berlin. ベルリンへ行きます。 [[ドイツ語/初級/第6課|<第6課]] | [[ドイツ語/初級/第8課|第8課>]] [[Category:ドイツ語 初級|7]]
null
2015-08-09T02:11:13Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC7%E8%AA%B2
955
ドイツ語 初級第8課
<第7課 | 第9課> Er ist zwanzig Jahre alt. Wir mieten eine Drei-Zimmer-Wohnung. Eine Woche hat sieben Tage. Sein Geburtstag ist am ersten Dezember. 基数詞はものの数を数えるのに用いられる。 10から20までの基数詞は以下のとおりである。 20以降100までの基数詞は以下のとおりである。 21以降99までは、10ごとを表す基数詞と1から9までを表す基数詞を組み合わせて表現する。1の位が先に、10の位が後に来る。 基数詞は形容詞のように用いられるが、語尾変化をしない。また基数詞だけで名詞のように用いることはあるが、通常の名詞と異なり、大文字で書かれることはない。 0 は null という。 序数詞はものの順序を表す数詞である。 以下に1から20までの序数詞を示す。 助数詞は形容詞と同じように用いられ、形容詞の語尾変化をもつ。 日付は序数詞によって表す。 以下に時間を表す名詞を示す。なお Morgen は名詞なら朝(名詞なので必ず大文字)、副詞なら明日の意味を持つ。 Wir haben zwei Uhr./Es ist zwei Uhr. Das Schuljahr beginnt in Japan im April. Ich reise morgen nach Wien und bleibe dort bis nächste Woche. Wir besuchen unsere Eltern an diesem Wochenende. Sein Referat ist nach zehn Minuten fertig. Die Kinder machen die Aufgabe vor dem Abendessen. Tokio ist seit 1869 die Hauptstadt von Japan. Wir machen im August Urlaub. Am Sonntag öffnen die meisten Läden nicht. <第7課 | 第9課>
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<第7課 | 第9課>", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Er ist zwanzig Jahre alt.", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Wir mieten eine Drei-Zimmer-Wohnung.", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Eine Woche hat sieben Tage.", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Sein Geburtstag ist am ersten Dezember.", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "基数詞はものの数を数えるのに用いられる。", "title": "数詞:基数詞" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "10から20までの基数詞は以下のとおりである。", "title": "数詞:基数詞" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "20以降100までの基数詞は以下のとおりである。", "title": "数詞:基数詞" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "21以降99までは、10ごとを表す基数詞と1から9までを表す基数詞を組み合わせて表現する。1の位が先に、10の位が後に来る。", "title": "数詞:基数詞" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "基数詞は形容詞のように用いられるが、語尾変化をしない。また基数詞だけで名詞のように用いることはあるが、通常の名詞と異なり、大文字で書かれることはない。", "title": "数詞:基数詞" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "0 は null という。", "title": "数詞:基数詞" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "序数詞はものの順序を表す数詞である。", "title": "数詞:序数詞" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "以下に1から20までの序数詞を示す。", "title": "数詞:序数詞" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "助数詞は形容詞と同じように用いられ、形容詞の語尾変化をもつ。", "title": "数詞:序数詞" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "日付は序数詞によって表す。", "title": "数詞:序数詞" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "以下に時間を表す名詞を示す。なお Morgen は名詞なら朝(名詞なので必ず大文字)、副詞なら明日の意味を持つ。", "title": "単語:時間" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "Wir haben zwei Uhr./Es ist zwei Uhr.", "title": "単語:時間" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "Das Schuljahr beginnt in Japan im April.", "title": "単語:時間" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "Ich reise morgen nach Wien und bleibe dort bis nächste Woche.", "title": "単語:時間" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "Wir besuchen unsere Eltern an diesem Wochenende.", "title": "単語:時間" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "Sein Referat ist nach zehn Minuten fertig.", "title": "単語:時間" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "Die Kinder machen die Aufgabe vor dem Abendessen.", "title": "単語:時間" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "Tokio ist seit 1869 die Hauptstadt von Japan.", "title": "単語:時間" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "Wir machen im August Urlaub.", "title": "単語:時間" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "Am Sonntag öffnen die meisten Läden nicht.", "title": "単語:時間" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "<第7課 | 第9課>", "title": "単語:時間" } ]
<第7課 | 第9課> Er ist zwanzig Jahre alt. Wir mieten eine Drei-Zimmer-Wohnung. Eine Woche hat sieben Tage. Sein Geburtstag ist am ersten Dezember.
[[ドイツ語/初級/第7課|<第7課]] | [[ドイツ語/初級/第9課|第9課>]] <pre> Er ist zwanzig Jahre alt. Wir mieten eine Drei-Zimmer-Wohnung. Eine Woche hat sieben Tage. Sein Geburtstag ist am ersten Dezember. </pre> ---- Er ist zwanzig Jahre alt. :彼は20歳だ。 Wir mieten eine Drei-Zimmer-Wohnung. :我々は三部屋のアパートを借りている。 Eine Woche hat sieben Tage. :一週間は七日からなる。 Sein Geburtstag ist am ersten Dezember. :彼の誕生日は12月1日だ。 <pre> der Abend 夕方、宵 alt 古い beginnen 始まる dauern 続く、(時間が)かかる Euro ユーロ fertig 終わっている、片付いている die Hauptstadt 首都 das Jahr 年 kosten ……の値段である mieten 部屋を借りる die Minute 分 der Monat 月(暦の) nach + Dat. ~の後で、~のほうへ die Nacht 夜 nächst 次の singen 歌う die Stunde 時刻;(数詞と)~時間 der Tag 日 die Uhr 時計;(数詞と)~時 der Urlaub 休暇 vor + Dat. の前に + Akk. の前へ die U-Bahn 地下鉄 Wieviel どのくらいの数の、いくらの die Woche 週 das Wochenende 週末 die Zeit 時間 </pre> == 数詞:基数詞 == 基数詞はものの数を数えるのに用いられる。 10から20までの基数詞は以下のとおりである。 eins zwei drei vier fünf sechs sieben acht neun zehn 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 elf zwölf dreizehn vierzehn fünfzehn sechzehn siebzehn achtzehn neunzehn zwanzig 1 .... 20 20以降100までの基数詞は以下のとおりである。 dreißig, vierzig, fünfzig, sechzig, siebzig, achtzig, neunzig, hundert 21以降99までは、10ごとを表す基数詞と1から9までを表す基数詞を組み合わせて表現する。1の位が先に、10の位が後に来る。 21 einundzwanzig 77 siebenundsiebzig 基数詞は形容詞のように用いられるが、語尾変化をしない。また基数詞だけで名詞のように用いることはあるが、通常の名詞と異なり、大文字で書かれることはない。 Zehn Kinder singen ein altes Lied. 10人の子どもたちが古い歌を歌う。 Diese Brille kostet sechzig Euro. この眼鏡は60ユーロする。 Wir haben jetzt drei Uhr zehn. いまは3時10分だ。 Es dauert zwanzig Minuten mit der U-Bahn von hier bis zur Stadtmitte. ここから中心街まで地下鉄で20分かかる。 0 は null という。 == 数詞:序数詞 == 序数詞はものの順序を表す数詞である。 以下に1から20までの序数詞を示す。 :erste zweite dritte vierte fünfte sechste siebte achte neute zehnte :1番目の .... :elfte zwölfte dreizehnte vierzehnte .... zwanzigste 助数詞は形容詞と同じように用いられ、形容詞の語尾変化をもつ。 ihr erster Sohn 彼女の一番目の息子(長男) das dritte Reich  第三帝国 日付は序数詞によって表す。 am 27. Dezember (am siebenundzwanzigsten Dezember) == 単語:時間 == 以下に時間を表す名詞を示す。なお Morgen は名詞なら朝(名詞なので必ず大文字)、副詞なら明日の意味を持つ。 der Tag / die Nacht der Morgen / der Vormittag / der Mittag / der Nachmittag / der Abend / die Nacht / die Mitternacht die Woche der Montag / Dienstag / Mittwoch / Donnerstag / Freitag / Sonnabend - Samstag / Sonntag die Monate: der Januar / Februar / März / April / Mai / Juni / Juli / August/ September / Oktober / November / Dezember das Jahr === 表現:時間を表す表現 === Wir haben zwei Uhr./Es ist zwei Uhr. :二時です。 Das Schuljahr beginnt in Japan im April. :日本では学校の年度は4月に始まる。 Ich reise morgen nach Wien und bleibe dort bis nächste Woche. :私は明日ウィーンに旅行して、来週まで滞在します。 Wir besuchen unsere Eltern an diesem Wochenende. :この週末、わたしたちは両親を訪問します。 Sein Referat ist nach zehn Minuten fertig. :彼の発表はあと10分で終わります。 Die Kinder machen die Aufgabe vor dem Abendessen. :子供たちは夕飯の前に宿題をします。 Tokio ist seit 1869 die Hauptstadt von Japan. :東京は1869年以来、日本の首都です。 Wir machen im August Urlaub. :私たちは8月に休暇をとります。 Am Sonntag öffnen die meisten Läden nicht. :日曜日にはほとんどの店が開いていません。 [[ドイツ語/初級/第7課|<第7課]] | [[ドイツ語/初級/第9課|第9課>]] [[Category:ドイツ語 初級|8]]
null
2015-08-09T02:12:43Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC8%E8%AA%B2
959
ドイツ語 初級第9課
<第8課 | 第10課> Welches Foto gefällt euch? Auf wen wartest du? Wie viele Leute kommen heute Abend zur Party? Wo wohnen deine Eltern? ドイツ語の疑問代名詞は格変化のみをもつ。複数・単数の区別や、性の区別はない。 疑問代名詞のうち、誰 wer は男性単数定冠詞 der と、何 was は中性単数定冠詞 das と似た変化をする。 誰 何 疑問代名詞が主語となるときは三人称単数の動詞を取る。 jemand 誰かある人 は男性単数の ein と同じ変化をする。これを使って疑問文を作ることもできる。jemand を使って疑問文を作るときには、通常の文と同じく、定動詞倒置(主語+動詞)の語順をとる。 否定の不定代名詞 niemand も同じく男性単数の ein と同じ変化をする。 名詞を後ろに伴い、性・数・格に従って変化する。冠詞を伴わない形容詞と同じ変化である。つまり定冠詞と同じ変化をする。 welcher どの wieviel どのくらいの量の、いくらの wieviel もまた、形容詞として使われる場合には、性・数・格に従って、定冠詞と同じ語尾変化する。つまり冠詞を取らない形容詞と同じ変化である。ただし数詞として使われるときには、無変化となる。 Wieviel + 複数名詞 は Wie viele とも言い換えられる。この場合、viel は冠詞を取らない形容詞の変化をする。 疑問副詞には次のようなものがある Wann の前には前置詞がくることがある。 wo とは前置詞は一語になる。was や wann に前置詞がつく場合も wo + 前置詞を使う。 Von wo kommst du? -- Ich komme aus Kyoto. Wohin fahrt ihr? -- Wir fahren nach Berlin. Woran denkst du? -- Ich denke an die Ferien. Seit wann steht dieses Gebäude? -- Seit dem 15. Jahrhundert. <第8課 | 第10課>
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<第8課 | 第10課>", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Welches Foto gefällt euch?", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Auf wen wartest du?", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Wie viele Leute kommen heute Abend zur Party?", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Wo wohnen deine Eltern?", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "ドイツ語の疑問代名詞は格変化のみをもつ。複数・単数の区別や、性の区別はない。 疑問代名詞のうち、誰 wer は男性単数定冠詞 der と、何 was は中性単数定冠詞 das と似た変化をする。", "title": "疑問代名詞" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "誰", "title": "疑問代名詞" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "何", "title": "疑問代名詞" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "疑問代名詞が主語となるときは三人称単数の動詞を取る。", "title": "疑問代名詞" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "jemand 誰かある人 は男性単数の ein と同じ変化をする。これを使って疑問文を作ることもできる。jemand を使って疑問文を作るときには、通常の文と同じく、定動詞倒置(主語+動詞)の語順をとる。", "title": "疑問代名詞" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "否定の不定代名詞 niemand も同じく男性単数の ein と同じ変化をする。", "title": "疑問代名詞" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "名詞を後ろに伴い、性・数・格に従って変化する。冠詞を伴わない形容詞と同じ変化である。つまり定冠詞と同じ変化をする。", "title": "疑問形容詞" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "welcher どの", "title": "疑問形容詞" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "wieviel どのくらいの量の、いくらの", "title": "疑問形容詞" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "wieviel もまた、形容詞として使われる場合には、性・数・格に従って、定冠詞と同じ語尾変化する。つまり冠詞を取らない形容詞と同じ変化である。ただし数詞として使われるときには、無変化となる。", "title": "疑問形容詞" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "Wieviel + 複数名詞 は Wie viele とも言い換えられる。この場合、viel は冠詞を取らない形容詞の変化をする。", "title": "疑問形容詞" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "疑問副詞には次のようなものがある", "title": "疑問副詞" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "Wann の前には前置詞がくることがある。", "title": "疑問副詞" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "wo とは前置詞は一語になる。was や wann に前置詞がつく場合も wo + 前置詞を使う。", "title": "疑問副詞" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "Von wo kommst du? -- Ich komme aus Kyoto.", "title": "疑問副詞" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "Wohin fahrt ihr? -- Wir fahren nach Berlin.", "title": "疑問副詞" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "Woran denkst du? -- Ich denke an die Ferien.", "title": "疑問副詞" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "Seit wann steht dieses Gebäude? -- Seit dem 15. Jahrhundert.", "title": "疑問副詞" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "<第8課 | 第10課>", "title": "疑問副詞" } ]
<第8課 | 第10課> Welches Foto gefällt euch? Auf wen wartest du? Wie viele Leute kommen heute Abend zur Party? Wo wohnen deine Eltern?
[[ドイツ語/初級/第8課|<第8課]] | [[ドイツ語/初級/第10課|第10課>]] <pre> Welches Foto gefällt euch? Auf wen wartest du? Wie viele Leute kommen heute Abend zur Party? Wo wohnen deine Eltern? </pre> Welches Foto gefällt euch? :君たちはどの写真が気に入ったか。 Auf wen wartest du? :誰を君は待っているの。 Wie viele Leute kommen heute Abend zur Party? :何人の人が今晩のパーティに来るの。 Wo wohnen deine Eltern? :君のご両親はどこにすんでいるの。 der Abend 晩 die Absicht 意図 an der Ecke 角で、隅で bis + Akk. ~まで bleiben とどまる bringen もってくる denken 考える der Eindruck 印象 die Ferien (複数)休暇、休日 das Foto 写真 heiraten 結婚する das Jahrhundert 世紀 lachen 笑う öffnen 開く die Party パーティ die Rede 話 der Scherz 冗談 seit + Akk. ~以来 solch そのような  stehen 立つ、ある wann いつ warten 待つ warum なぜ == 疑問代名詞 == ドイツ語の疑問代名詞は格変化のみをもつ。複数・単数の区別や、性の区別はない。 疑問代名詞のうち、誰 wer は男性単数定冠詞 der と、何 was は中性単数定冠詞 das と似た変化をする。 <!-- 指示代名詞の der / das というべきか? --> 誰 Nom. wer Gen. wessen Dat. wem Akk. wen 何 Nom. was Gen. wessen Dat. (wem) Akk. was 疑問代名詞が主語となるときは三人称単数の動詞を取る。 Was ist das? これは何ですか。 Wer heiratet deine Schwester? 誰が君のねえさんと結婚するの。 Was bringt ihr mit? 君たちは何をもってきたの。 Was amüsiert euch? 何が君たちを笑わせているの。 === 不定代名詞 === jemand 誰かある人 は男性単数の ein と同じ変化をする。これを使って疑問文を作ることもできる。jemand を使って疑問文を作るときには、通常の文と同じく、定動詞倒置(主語+動詞)の語順をとる。 Nom. jemand Gen. jemandes Dat. jemandem Akk. jemanden Möchte jemand Kaffee? 誰かコーヒーがほしい人はいますか。 Er spricht mit jemandem an der Ecke. 彼は誰かと角のところで話している。 否定の不定代名詞 niemand も同じく男性単数の ein と同じ変化をする。 Niemand versteht seine Absicht. 誰も彼の意図が理解できない。 Niemand hat Spaß an solch einem Scherz. 誰もそんな冗談は楽しいと思わないよ。 Seine Rede macht auf niemanden einen guten Eindruck. 彼の話は誰にもよい印象を与えない。 == 疑問形容詞 == 名詞を後ろに伴い、性・数・格に従って変化する。冠詞を伴わない形容詞と同じ変化である。つまり定冠詞と同じ変化をする。 welcher どの <pre> 男性 女性  中性 | 複数 Nom. welcher welche  welches | welche Gen. welches welcher welches | welcher Dat. welchem welcher welchem | welchen Akk. welchen welche welches | welche </pre> wieviel どのくらいの量の、いくらの  wieviel もまた、形容詞として使われる場合には、性・数・格に従って、定冠詞と同じ語尾変化する。つまり冠詞を取らない形容詞と同じ変化である。ただし数詞として使われるときには、無変化となる。 Wie viele Leute besuchen dieses Museum in einem Jahr? Wieviel Uhr haben wir? (この場合は数詞と同じ扱いなので、無変化) Wieviel + 複数名詞 は Wie viele とも言い換えられる。この場合、viel は冠詞を取らない形容詞の変化をする。 == 疑問副詞 == 疑問副詞には次のようなものがある Wo   どこ Wann いつ Wie どのように Warum なぜ :Wo steht dein Mann? 君のご主人はどこに立っているの。 :Wann öffnet das Theater? 劇場はいつ開くの。 :Was meinst du? 君はどう思う。 :Warum schreibst du deinen Eltern nicht? どうして君は両親に手紙を書かないの。 Wann の前には前置詞がくることがある。 Bis wann bleibst du hier? -- Bis morgen. Seit wann warten Sie auf ihn? -- Seit zwei Stunden. wo とは前置詞は一語になる。was や wann に前置詞がつく場合も wo + 前置詞を使う。 Von wo kommst du? -- Ich komme aus Kyoto. :君はどこの出身かい。-- ぼくは京都の出身です。 Wohin fahrt ihr? -- Wir fahren nach Berlin. :君たちはどこへ行くの。-- ぼくらはベルリンへ行く。 Woran denkst du? -- Ich denke an die Ferien. :君は何について考えているの。-- ぼくは休暇について考えている。 Seit wann steht dieses Gebäude? -- Seit dem 15. Jahrhundert. :いつからこの建物は建っているの。 -- 15世紀からです。 [[ドイツ語/初級/第8課|<第8課]] | [[ドイツ語/初級/第10課|第10課>]] [[Category:ドイツ語 初級|9]]
null
2015-08-09T02:17:46Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC9%E8%AA%B2
962
ドイツ語 初級第10課
<第9課 | 第11課> Guck mal! Sprechen Sie bitte langsamer! Essen wir zu Mittag! Entschuldigt bitte! 命令法は動詞の法のひとつで、命令・依頼を表す。 二人称と複数一人称・複数三人称がある。ただし複数三人称というのは親称の Sie への命令文であり、第三者に対して命令するわけではない。 gehen 単数二人称は、現在形から活用語尾 -st を落としたものと同形だが、しばしば -e を伴う。 複数は、現在形とそれぞれ同形である。 ただし複数一人称と複数三人称(敬称の Sie)では「動詞+主語」となる。 現在形の単数二人称で変音する動詞は、e -> ie となるものに限り、命令法でも変音する。 単数二人称の命令形の例 命令法の否定文(......するな)は通常の文と同じく、nicht などの否定詞をもちいて作る。 語調を丁寧にするため bitte や mal (einmal) を添えることが多い。 なお、直接命令法を用いず、疑問文や ich hoffe ... (私は......してほしい)、ich schlage vor ... (私は......を提案する)などの言い方もよく使われる。 「さん」にあたる男性への敬称は Herr, 女性へは Frau, 未婚の場合は Fräulein をそれぞれ姓(Nachmame) につける。 相手の名前がわからないときの呼びかけにも使われる。みなさん、と改まっていうときには meine Damen und Herren という。 このように丁寧に人に呼びかけるときは、敬称の Sie を用いる。 Sie を用いて話すことを siezen、 du を用いて話すことを duzen という。 日本の敬語にも類似するが、duzen にしても siezen にしても、使用人に対する場合など一部の例外を除き、双方が同じ呼び方をすることが基本である点が、日本語の敬語と異なる。 なお、相手が博士号を持っているときは Herr Doktor, 女性なら Frau Doktor(in), 相手が教授資格を持っているときには Herr Professor, 女性なら Frau Professorin と呼びかける。 かつては、博士号や教授資格を持っている人には、必ず称号をもって呼ぶものとされたが、現在では、たんに Herr, Frau を使うことも多い。 親しい間柄では、相手の姓を敬称なしで呼ぶこともある。仕事仲間などで特にそうである。 しかし、一般には、Du で呼びかける相手には個人名(Name)をもって呼ぶのが普通である。 以下は代表的なドイツ語のあいさつである。 <第9課 | 第11課>
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<第9課 | 第11課>", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Guck mal!", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Sprechen Sie bitte langsamer!", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Essen wir zu Mittag!", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Entschuldigt bitte!", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "命令法は動詞の法のひとつで、命令・依頼を表す。", "title": "命令法" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "二人称と複数一人称・複数三人称がある。ただし複数三人称というのは親称の Sie への命令文であり、第三者に対して命令するわけではない。", "title": "命令法" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "gehen", "title": "命令法" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "単数二人称は、現在形から活用語尾 -st を落としたものと同形だが、しばしば -e を伴う。 複数は、現在形とそれぞれ同形である。 ただし複数一人称と複数三人称(敬称の Sie)では「動詞+主語」となる。", "title": "命令法" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "現在形の単数二人称で変音する動詞は、e -> ie となるものに限り、命令法でも変音する。", "title": "命令法" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "単数二人称の命令形の例", "title": "命令法" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "命令法の否定文(......するな)は通常の文と同じく、nicht などの否定詞をもちいて作る。", "title": "命令法" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "語調を丁寧にするため bitte や mal (einmal) を添えることが多い。", "title": "命令法" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "なお、直接命令法を用いず、疑問文や ich hoffe ... (私は......してほしい)、ich schlage vor ... (私は......を提案する)などの言い方もよく使われる。", "title": "命令法" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "「さん」にあたる男性への敬称は Herr, 女性へは Frau, 未婚の場合は Fräulein をそれぞれ姓(Nachmame) につける。", "title": "表現:呼びかけ" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "相手の名前がわからないときの呼びかけにも使われる。みなさん、と改まっていうときには meine Damen und Herren という。", "title": "表現:呼びかけ" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "このように丁寧に人に呼びかけるときは、敬称の Sie を用いる。 Sie を用いて話すことを siezen、 du を用いて話すことを duzen という。", "title": "表現:呼びかけ" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "日本の敬語にも類似するが、duzen にしても siezen にしても、使用人に対する場合など一部の例外を除き、双方が同じ呼び方をすることが基本である点が、日本語の敬語と異なる。", "title": "表現:呼びかけ" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "なお、相手が博士号を持っているときは Herr Doktor, 女性なら Frau Doktor(in), 相手が教授資格を持っているときには Herr Professor, 女性なら Frau Professorin と呼びかける。", "title": "表現:呼びかけ" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "かつては、博士号や教授資格を持っている人には、必ず称号をもって呼ぶものとされたが、現在では、たんに Herr, Frau を使うことも多い。", "title": "表現:呼びかけ" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "親しい間柄では、相手の姓を敬称なしで呼ぶこともある。仕事仲間などで特にそうである。", "title": "表現:呼びかけ" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "しかし、一般には、Du で呼びかける相手には個人名(Name)をもって呼ぶのが普通である。", "title": "表現:呼びかけ" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "以下は代表的なドイツ語のあいさつである。", "title": "表現:あいさつ" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "<第9課 | 第11課>", "title": "表現:あいさつ" } ]
<第9課 | 第11課> Guck mal! Sprechen Sie bitte langsamer! Essen wir zu Mittag! Entschuldigt bitte!
[[ドイツ語/初級/第9課|<第9課]] | [[ドイツ語/初級/第11課|第11課>]] <pre> Guck mal! Sprechen Sie bitte langsamer! Essen wir zu Mittag! Entschuldigt bitte! </pre> Guck mal! :これをのぞいてごらんよ。 Sprechen Sie bitte langsamer! :どうかもっとゆっくり話してくださいよ。 Essen wir zu Mittag! :昼ごはんを食べよう。 Entschuldigt bitte! :君たち、どうも申し訳ない。 <pre> bitte どうぞ sprechen 話す entschuldigen 弁護する、許す zu Mittag essen 昼食を食べる die Gesundheit 健康;(無冠詞で)おだいじに gucken 覗き見る hoffen 希望する ich schlage vor 私は提案する mal 以前に/いつか;命令形につけて勧誘・要求の気持ちを表す。 langsamer もっとゆっくり laufen 走る rauchen タバコをすう die Reise 旅行 das Recht 法律、正当なこと、権利 schlafen 寝る der Schlüssel 鍵 die Straße 道路 der Tisch テーブル vergessen 忘れる vorsichtig 注意深い wiedersehen 再会する </pre> == 命令法 == 命令法は動詞の法のひとつで、命令・依頼を表す。 二人称と複数一人称・複数三人称がある。ただし複数三人称というのは親称の Sie への命令文であり、第三者に対して命令するわけではない。 gehen <pre> sg. pl. 1 gehen wir! 2 geh[e]! geht! 3 gehen Sie! </pre> 単数二人称は、現在形から活用語尾 -st を落としたものと同形だが、しばしば -e を伴う。 複数は、現在形とそれぞれ同形である。 ただし複数一人称と複数三人称(敬称の Sie)では「動詞+主語」となる。 現在形の単数二人称で変音する動詞は、e -> ie となるものに限り、命令法でも変音する。 単数二人称の命令形の例 Hilf mir! * Du hilfst mir sehr. Sprich langsamer! * Du sprichst langsamer. Lass mich diese Zeitung lesen. * Du lässt mich diese Zeitung lesen. Fahr vorsichtig!. * Du fährst vorsichtig. 命令法の否定文(……するな)は通常の文と同じく、nicht などの否定詞をもちいて作る。 Vergiss den Schlüssel auf dem Tisch nicht! テーブルの上に鍵を忘れるな。 Rauch hier nicht! ここではタバコをすうな。 Trink keinen Tee vor dem Schlaf! 寝る前に茶をのむな。 Lassen sie es nicht! それを放っておかないでください。 語調を丁寧にするため bitte や mal (einmal) を添えることが多い。 Lauf bitte mit mir! Schau dir mal bitte dieses Mesenchym an! Bitte unterlassen Sie es zu rauchen! Entschuldige bitte! なお、直接命令法を用いず、疑問文や ich hoffe ... (私は……してほしい)、ich schlage vor ... (私は……を提案する)などの言い方もよく使われる。 Sprichst du bitte langsamer? Ich hoffe, du hilfst mir. Ich schlage vor, du fährst vorsichtig auf der Straße. == 表現:呼びかけ == 「さん」にあたる男性への敬称は Herr, 女性へは Frau, 未婚の場合は Fräulein をそれぞれ姓(Nachmame) につける。 相手の名前がわからないときの呼びかけにも使われる。みなさん、と改まっていうときには meine Damen und Herren という。 Meine Damen und Herren, wir fliegen gerade über Moskau. みなさん、いまモスクワ上空を飛んでいます。 このように丁寧に人に呼びかけるときは、敬称の Sie を用いる。 Sie を用いて話すことを siezen、 du を用いて話すことを duzen という。 Wollen wir uns siezen oder duzen? お互いに Sie で話すのと、Du で話すのとどちらがよいでしょうか? 日本の敬語にも類似するが、duzen にしても siezen にしても、使用人に対する場合など一部の例外を除き、双方が同じ呼び方をすることが基本である点が、日本語の敬語と異なる。 なお、相手が博士号を持っているときは Herr Doktor, 女性なら Frau Doktor(in), 相手が教授資格を持っているときには Herr Professor, 女性なら Frau Professorin と呼びかける。 かつては、博士号や教授資格を持っている人には、必ず称号をもって呼ぶものとされたが、現在では、たんに Herr, Frau を使うことも多い。 親しい間柄では、相手の姓を敬称なしで呼ぶこともある。仕事仲間などで特にそうである。 Du bist im Unrecht, Meier! 君は間違っているよ、マイヤー(君)。 Schmidt, trinkst du einen Kaffee? シュミット(君)、コーヒーを飲まないか。 しかし、一般には、Du で呼びかける相手には個人名(Name)をもって呼ぶのが普通である。 == 表現:あいさつ == 以下は代表的なドイツ語のあいさつである。 <pre> Hallo! こんにちは。(一日中。わりあいにくだけた挨拶) Willkommen!   いらっしゃい。 Guten Morgen!  おはよう。 Guten Tag!   こんにちは。(日中の午後) Guten Abend!  こんばんは。(夕方から夜) Gute Nacht!   おやすみ。 Schlaf gut! おやすみ。 Gute Reise !  よいご旅行を。 Schönen Urlaub! よい休暇を。 Schönes Wochenende! よい週末を。 Guten Appetit!  めしあがれ。(食事をする人に) Viel Spass!   楽しんでください。 Gesundheit!   お大事に。(くしゃみをした人に) Auf Wiedersehen! またお会いしましょう。(別れ際に) Tschüss!    さよなら。/バイバイ。(くだけた挨拶) </pre> [[ドイツ語/初級/第9課|<第9課]] | [[ドイツ語/初級/第11課|第11課>]] [[Category:ドイツ語 初級|10]]
null
2018-01-22T10:41:39Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC10%E8%AA%B2
965
ドイツ語 初級第11課
<第10課 | 第12課> Sie beschäftigt sich mit der Autoindustrie. Wir kennen uns schon lange. Ich freue mich über deinen Besuch. Ihr interessiert euch für die Musik? いくつかの動詞では、主語と目的語が同一の対象をさす場合がある。これを再帰動詞という。感情などを表す動詞に多い。 Ich erinnere mich gut an deine schöne Schwester. 思い出す Wir entschuldigen uns für unsere Abwesenheit. 謝る Beschäftigst du dich mit dem Haushalt? にかかわる/の仕事をする Ihr verhaltet euch sehr vorsichtig. の態度を取る 三人称の単数と複数、対格と与格が主語と同じものを指す場合には、再帰代名詞 sich を用いる。 敬称の Sie の再帰代名詞も sich となる。 再帰動詞の不定形は、通常 sich をともなって書かれる。 動詞が主語の直後におかれる(定動詞正置)とき、副詞など修飾句は動詞の直後ではなく、再帰代名詞の後に来る。 特定の誰かの動作・行動ではなく、一般的なひとびとの行動についていうとき、不定代名詞 man を用いる。 man は主格だけをもち、単数三人称代名詞として扱う。 man を主格以外の格で用いるには男性単数の代名詞を代用する。再帰代名詞には sich を用いる。 所有代名詞も同様に三人称単数男性 sein を用いる。 <第10課 | 第12課>
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<第10課 | 第12課>", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Sie beschäftigt sich mit der Autoindustrie.", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Wir kennen uns schon lange.", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Ich freue mich über deinen Besuch.", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Ihr interessiert euch für die Musik?", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "いくつかの動詞では、主語と目的語が同一の対象をさす場合がある。これを再帰動詞という。感情などを表す動詞に多い。", "title": "再帰動詞" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Ich erinnere mich gut an deine schöne Schwester. 思い出す", "title": "再帰動詞" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "Wir entschuldigen uns für unsere Abwesenheit. 謝る", "title": "再帰動詞" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "Beschäftigst du dich mit dem Haushalt? にかかわる/の仕事をする", "title": "再帰動詞" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "Ihr verhaltet euch sehr vorsichtig. の態度を取る", "title": "再帰動詞" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "三人称の単数と複数、対格と与格が主語と同じものを指す場合には、再帰代名詞 sich を用いる。", "title": "再帰代名詞 sich" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "敬称の Sie の再帰代名詞も sich となる。", "title": "再帰代名詞 sich" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "再帰動詞の不定形は、通常 sich をともなって書かれる。", "title": "再帰代名詞 sich" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "動詞が主語の直後におかれる(定動詞正置)とき、副詞など修飾句は動詞の直後ではなく、再帰代名詞の後に来る。", "title": "再帰代名詞 sich" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "特定の誰かの動作・行動ではなく、一般的なひとびとの行動についていうとき、不定代名詞 man を用いる。", "title": "不定代名詞" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "man は主格だけをもち、単数三人称代名詞として扱う。", "title": "不定代名詞" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "man を主格以外の格で用いるには男性単数の代名詞を代用する。再帰代名詞には sich を用いる。", "title": "不定代名詞" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "所有代名詞も同様に三人称単数男性 sein を用いる。", "title": "不定代名詞" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "<第10課 | 第12課>", "title": "不定代名詞" } ]
<第10課 | 第12課> Sie beschäftigt sich mit der Autoindustrie. Wir kennen uns schon lange. Ich freue mich über deinen Besuch. Ihr interessiert euch für die Musik?
[[ドイツ語/初級/第10課|<第10課]] | [[ドイツ語/初級/第12課|第12課>]] <pre> Sie beschäftigt sich mit der Autoindustrie. Wir kennen uns schon lange. Ich freue mich über deinen Besuch. Ihr interessiert euch für die Musik? </pre> Sie beschäftigt sich mit der Autoindustrie. :彼女は自動車産業で仕事をしている。 Wir kennen uns schon lange. :私たちはずいぶん前から知り合いである。 Ich freue mich über deinen Besuch. :あなたが訪ねてくれてうれしい。 Ihr interessiert euch für die Musik? :君たちは音楽に興味がありますか。 <pre> beschäftigen かかわる、仕事とする kennen 知っている erfreuen 喜ばす interessieren 関心を持たせる、興味を引く schön 美しい sich erinnern 記憶する sich verhalten ~の態度をとる waschen 洗う der Haushalt 家事 die Abwesenheit 不在 glauben 信じる der Schriftsteller 小説家 persönlich 個人的な das Ereignis 出来事 gern よく die Musik 音楽 der Besuch 訪問 die Autoindustrie 自動車産業 der Kopf 頭 </pre> __TOC__ == 再帰動詞 ==  いくつかの動詞では、主語と目的語が同一の対象をさす場合がある。これを再帰動詞という。感情などを表す動詞に多い。 erfreuen 喜ぶ <-- 喜ばす Ich freue mich über sein Geschenk. <-- Sein Geschenk freut mich. interessieren 関心を持つ <-- 関心を持たせる Ihr interessiert euch für die Musik. <-- Die Musik interessiert euch. Ich erinnere mich gut an deine schöne Schwester. 思い出す Wir entschuldigen uns für unsere Abwesenheit. 謝る Beschäftigst du dich mit dem Haushalt? にかかわる/の仕事をする Ihr verhaltet euch sehr vorsichtig.  の態度を取る == 再帰代名詞 sich == 三人称の単数と複数、対格と与格が主語と同じものを指す場合には、再帰代名詞 sich を用いる。 Er wäscht den Kopf. --> Er wäscht ihn. Er wäscht sich. 敬称の Sie の再帰代名詞も sich となる。 Erinnern Sie sich an dieses Haus? -- この家を覚えていらっしゃいますか? Wofür interessieren Sie sich? -- 何にご興味がありますか? 再帰動詞の不定形は、通常 sich をともなって書かれる。 動詞が主語の直後におかれる(定動詞正置)とき、副詞など修飾句は動詞の直後ではなく、再帰代名詞の後に来る。 Ich interessiere mich sehr für das Theater. :私はとても演劇に興味があります。 Ihr Mann beschäftigt sich schon zehn Jahre lang mit dem Studium der Oper. :彼女のご主人は、すでに10年、オペラの研究をしています。 == 不定代名詞 == 特定の誰かの動作・行動ではなく、一般的なひとびとの行動についていうとき、不定代名詞 man を用いる。 Man glaubt seinem Wort. 人は彼のことばを信じる。/彼の言葉は信じられている。 Man findet es gut. 人はそれをよいと思う。/それはよいと思われている。 Man spricht Deutsch auch in Österreich. オーストリアでもドイツ語が話される。 Kennt man diesen Schriftsteller? 人はこの小説家を知っているのか?/この小説家は知られているか? man は主格だけをもち、単数三人称代名詞として扱う。 man を主格以外の格で用いるには男性単数の代名詞を代用する。再帰代名詞には sich を用いる。 Man interessiert sich für einen solchen Vorschlag nicht. :そんな提案には誰も興味を示さない。 所有代名詞も同様に三人称単数男性 sein を用いる。 Man erinnert sich gut an seine persönlichen Erlebnisse. :自分の個人的な出来事を人はよく覚えている。 [[ドイツ語/初級/第10課|<第10課]] | [[ドイツ語/初級/第12課|第12課>]] [[Category:ドイツ語 初級|11]]
null
2015-08-09T02:27:24Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC11%E8%AA%B2
967
ドイツ語 初級第15課
<第14課 | 第16課> Die Kinder haben schon gefrühstückt. Die Oper ist im Sommer geschlossen. Wir haben uns gestern kennen gelernt. Ich bin heute Morgen spät aufgestanden. 現在完了時制は、一般に、次のような事象を表す。 ただし現代語とくに会話では、現在完了はほとんど過去形と同義に使われる。 現在完了は以下の形をとる。 過去分詞は原則として文末におく。この状態を定動詞後置と呼ぶ。これは話法の助動詞を使用する場合と同様である。 定動詞後置の場合、文の最後に動詞をおくために、いわば文頭の語と文末の動詞で文全体が囲まれている状態になる。これを枠構造と呼ぶ。 原則としてすべての文要素がこの枠内におかれる。ただし修飾句が長いときは過去分詞の後においてもよい。 Er hat vor dem Tod seines Vaters in China gewohnt. [= Er hat in China gewohnt vor dem Tod seines Vaters.] 完了形の助動詞で何を用いるかは、定動詞ごとに定まっている。 <第14課 | 第16課>
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<第14課 | 第16課>", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Die Kinder haben schon gefrühstückt.", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Die Oper ist im Sommer geschlossen.", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Wir haben uns gestern kennen gelernt.", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Ich bin heute Morgen spät aufgestanden.", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "現在完了時制は、一般に、次のような事象を表す。", "title": "動詞:現在完了" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "ただし現代語とくに会話では、現在完了はほとんど過去形と同義に使われる。", "title": "動詞:現在完了" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "現在完了は以下の形をとる。", "title": "動詞:現在完了" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "過去分詞は原則として文末におく。この状態を定動詞後置と呼ぶ。これは話法の助動詞を使用する場合と同様である。", "title": "動詞:現在完了" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "定動詞後置の場合、文の最後に動詞をおくために、いわば文頭の語と文末の動詞で文全体が囲まれている状態になる。これを枠構造と呼ぶ。", "title": "動詞:現在完了" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "原則としてすべての文要素がこの枠内におかれる。ただし修飾句が長いときは過去分詞の後においてもよい。", "title": "動詞:現在完了" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "Er hat vor dem Tod seines Vaters in China gewohnt. [= Er hat in China gewohnt vor dem Tod seines Vaters.]", "title": "動詞:現在完了" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "完了形の助動詞で何を用いるかは、定動詞ごとに定まっている。", "title": "動詞:現在完了" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "<第14課 | 第16課>", "title": "動詞:現在完了" } ]
<第14課 | 第16課> Die Kinder haben schon gefrühstückt. Die Oper ist im Sommer geschlossen. Wir haben uns gestern kennen gelernt. Ich bin heute Morgen spät aufgestanden.
[[ドイツ語/初級/第14課|<第14課]] | [[ドイツ語/初級/第16課|第16課>]] <pre> Die Kinder haben schon gefrühstückt. Die Oper ist im Sommer geschlossen. Wir haben uns gestern kennen gelernt. Ich bin heute Morgen spät aufgestanden. </pre> Die Kinder haben schon gefrühstückt. :子供たちはもう朝食を取った。 Die Oper ist im Sommer geschlossen. :オペラ座は夏には閉まっている。 Wir haben uns gestern kennen gelernt. :私たちは昨日知り合いました。 Ich bin heute Morgen spät aufgestanden. :私は今朝は遅くに起きました。 == 動詞:現在完了 == 現在完了時制は、一般に、次のような事象を表す。 #現在は完了している事象。これが本来の使い方である。 #過去のある時点におこり、現在に影響を及ぼしている事象。 ただし現代語とくに会話では、現在完了はほとんど過去形と同義に使われる。 現在完了は以下の形をとる。 haben の現在形 + 過去分詞 すべての他動詞、一部の(継続を表す)自動詞 sein            移動や状態を表す自動詞、受動相の助動詞 werden 過去分詞は原則として文末におく。この状態を'''定動詞後置'''と呼ぶ。これは話法の助動詞を使用する場合と同様である。 Er hat dieses Buch '''gelesen'''.     彼はこの本を読んだ。 Ich habe ihn gestern '''angerufen'''.   私は昨日彼に電話した。  Sie sind noch nicht hierher '''gekommen'''.   彼らは(あなたがたは)まだここには来たことがない。 定動詞後置の場合、文の最後に動詞をおくために、いわば文頭の語と文末の動詞で文全体が囲まれている状態になる。これを'''枠構造'''と呼ぶ。 原則としてすべての文要素がこの枠内におかれる。ただし修飾句が長いときは過去分詞の後においてもよい。 Er '''hat''' vor dem Tod seines Vaters in China '''gewohnt'''. [= Er hat in China gewohnt vor dem Tod seines Vaters.] 完了形の助動詞で何を用いるかは、定動詞ごとに定まっている。 haben + 過去分詞:他動詞、一部の自動詞。 sein + 過去分詞:移動、状態を表す自動詞。kommen, gehen, bleiben, sein, werden, sterben など。 Sie haben in Frankreich geheiratet. 彼らはフランスで結婚した。 Wir haben oft diese Stadt besucht.  私たちはしばしばこの都市を訪れました。 Er ist aufs Land gezogen.      彼は田舎へ引っ越しました。 Wir waren schon vor sechs Uhr hier. 私たちはすでに7時前にここにいました。  Mein Vater ist vor drei Jahren gestorben. 私の父は三年前に亡くなりました。 [[ドイツ語/初級/第14課|<第14課]] | [[ドイツ語/初級/第16課|第16課>]] [[Category:ドイツ語 初級|15]]
null
2015-08-09T02:31:17Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC15%E8%AA%B2
968
ドイツ語 初級第12課
<第11課 | 第13課> Ihr müsst eine Pause machen. Was wollen Sie mir sagen? Ich kann Deutsch sprechen. Man darf hier nicht rauchen. 「......できる」「......がしたい」「......しなければならない」などの意味を添えるために、用いられる助動詞がある。これを話法の助動詞という。 話法の助動詞には wollen, sollen, müssen, können, dürfen, mögen がある。 話法の助動詞を用いるには、定動詞の場所におき、文末に意味を表す動詞を置く。活用は普通の動詞と若干異なり、現在形で、単数1人称と単数3人称が同じ形をとる。また現在形の単数と複数で変音するものもある。 以下、それぞれの助動詞の現在形活用を示す。 Ich will ihn heiraten. 私は彼と結婚したい。 Wir wollen dieses Spiel bekommen. 私たちはこのゲームを手に入れたい。 Du sollst nicht töten. あなたは殺してはいけない。/汝、殺すなかれ。 Er soll schweigen. 彼は黙るべきだ。/彼を黙らせなさい。(= Ich will, dass er schweigt.) Sie soll im Bett bleiben. 彼女はベッドにいなければいけない。 Der Ausländer soll im Voraus das Visum bekommen. 外国人はヴィザを事前に取らなければいけない。 Ich muss arbeiten. ぼくは働かないといけない。/ぼくは働くつもりだ。 Er muss es wissen. 彼はそれを必ず知っているに違いない。 Gott muss über den Sternen wohnen. 星空の上に神は住まうに違いない。 Wir müssen bis morgen dieses Buch lesen. 私たちは明日までにこの本を読まなければいけない。 Man kann solchem Geschwätz keinen Glauben schenken! そんな話は信じられないよ。 Du kannst kostenlos dieses Zimmer benutzen. 君はこの部屋をただで使うことが出来る。 Ihr könnt mit dem Zug mitteilen. 君たちは行列に参加することができる。 Du darfst nach dem Essen fernsehen. 君は食事の後テレビを見てよい。 Ihr dürft hier rauchen. 君たちはここではタバコを吸ってよい。 nicht dürfen は禁止を表す。 man darf nach dem Sonnenuntergang in diesem Stadt herausgehen. この街では日没後は外出してはいけない。 Ich mag Kaffee gerne. ぼくはコーヒーが大好きだ。 副詞は通常修飾する語の直前に置かれる。 副詞が入ることで、意味がかわることがある。 <第11課 | 第13課>
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<第11課 | 第13課>", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Ihr müsst eine Pause machen.", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Was wollen Sie mir sagen?", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Ich kann Deutsch sprechen.", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Man darf hier nicht rauchen.", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "「......できる」「......がしたい」「......しなければならない」などの意味を添えるために、用いられる助動詞がある。これを話法の助動詞という。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "話法の助動詞には wollen, sollen, müssen, können, dürfen, mögen がある。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "話法の助動詞を用いるには、定動詞の場所におき、文末に意味を表す動詞を置く。活用は普通の動詞と若干異なり、現在形で、単数1人称と単数3人称が同じ形をとる。また現在形の単数と複数で変音するものもある。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "以下、それぞれの助動詞の現在形活用を示す。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "Ich will ihn heiraten. 私は彼と結婚したい。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "Wir wollen dieses Spiel bekommen. 私たちはこのゲームを手に入れたい。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "Du sollst nicht töten. あなたは殺してはいけない。/汝、殺すなかれ。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "Er soll schweigen. 彼は黙るべきだ。/彼を黙らせなさい。(= Ich will, dass er schweigt.)", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "Sie soll im Bett bleiben. 彼女はベッドにいなければいけない。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "Der Ausländer soll im Voraus das Visum bekommen. 外国人はヴィザを事前に取らなければいけない。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "Ich muss arbeiten. ぼくは働かないといけない。/ぼくは働くつもりだ。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "Er muss es wissen. 彼はそれを必ず知っているに違いない。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "Gott muss über den Sternen wohnen. 星空の上に神は住まうに違いない。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "Wir müssen bis morgen dieses Buch lesen. 私たちは明日までにこの本を読まなければいけない。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "Man kann solchem Geschwätz keinen Glauben schenken! そんな話は信じられないよ。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "Du kannst kostenlos dieses Zimmer benutzen. 君はこの部屋をただで使うことが出来る。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "Ihr könnt mit dem Zug mitteilen. 君たちは行列に参加することができる。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "Du darfst nach dem Essen fernsehen. 君は食事の後テレビを見てよい。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "Ihr dürft hier rauchen. 君たちはここではタバコを吸ってよい。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "nicht dürfen は禁止を表す。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "man darf nach dem Sonnenuntergang in diesem Stadt herausgehen. この街では日没後は外出してはいけない。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "Ich mag Kaffee gerne. ぼくはコーヒーが大好きだ。", "title": "話法の助動詞" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "副詞は通常修飾する語の直前に置かれる。", "title": "表現:副詞の位置" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "副詞が入ることで、意味がかわることがある。", "title": "表現:副詞の位置" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "<第11課 | 第13課>", "title": "表現:副詞の位置" } ]
<第11課 | 第13課> Ihr müsst eine Pause machen. Was wollen Sie mir sagen? Ich kann Deutsch sprechen. Man darf hier nicht rauchen.
[[ドイツ語/初級/第11課|<第11課]] | [[ドイツ語/初級/第13課|第13課>]] <pre> Ihr müsst eine Pause machen. Was wollen Sie mir sagen? Ich kann Deutsch sprechen. Man darf hier nicht rauchen. </pre> Ihr müsst eine Pause machen. :君たちは一休みしなくちゃいけない。 Was wollen Sie mir sagen? :どういう意味ですか(何をいいたいのですか。) Ich kann Deutsch sprechen. :私はドイツ語が話せる。 Man darf hier nicht rauchen. :ここではタバコを吸ってはいけない。 <pre> arbeiten 働く der Ausländer 外国人 bekommen 手に入れる benutzen 使用する glauben 信じる der Gott 神 kostenlos 無料で die Pause 休憩 schweigen 沈黙する der Stern 星 töten 殺す das Visum ヴィザ </pre> == 話法の助動詞 == 「……できる」「……がしたい」「……しなければならない」などの意味を添えるために、用いられる助動詞がある。これを話法の助動詞という。 話法の助動詞には wollen, sollen, müssen, können, dürfen, mögen がある。 話法の助動詞を用いるには、定動詞の場所におき、文末に意味を表す動詞を置く。活用は普通の動詞と若干異なり、現在形で、単数1人称と単数3人称が同じ形をとる。また現在形の単数と複数で変音するものもある。 以下、それぞれの助動詞の現在形活用を示す。 <pre> wollen は欲求を表す助動詞である。 ich will wir wollen du willst ihr wollt er will sie wollen </pre> Ich will ihn heiraten. 私は彼と結婚したい。 Wir wollen dieses Spiel bekommen. 私たちはこのゲームを手に入れたい。 <pre> sollen は必然、当然を表す助動詞である。他者に対する要求も表す。 ich soll wir sollen du sollst ihr sollt er soll sie sollen </pre> Du sollst nicht töten. あなたは殺してはいけない。/汝、殺すなかれ。 Er soll schweigen. 彼は黙るべきだ。/彼を黙らせなさい。(= Ich will, dass er schweigt.) Sie soll im Bett bleiben. 彼女はベッドにいなければいけない。 Der Ausländer soll im Voraus das Visum bekommen. 外国人はヴィザを事前に取らなければいけない。 <pre> müssen は義務、必然を表す助動詞である。 ich muss wir müssen du musst ihr müsst er muss sie müssen </pre> Ich muss arbeiten. ぼくは働かないといけない。/ぼくは働くつもりだ。 Er muss es wissen. 彼はそれを必ず知っているに違いない。 Gott muss über den Sternen wohnen. 星空の上に神は住まうに違いない。 Wir müssen bis morgen dieses Buch lesen. 私たちは明日までにこの本を読まなければいけない。 <pre> können は可能を表す助動詞である。 ich kann wir können du kannst ihr könnt er kann sie können </pre> Man kann solchem Geschwätz keinen Glauben schenken! そんな話は信じられないよ。 Du kannst kostenlos dieses Zimmer benutzen. 君はこの部屋をただで使うことが出来る。 Ihr könnt mit dem Zug mitteilen. 君たちは行列に参加することができる。 <pre> dürfen は許可を表す助動詞である。 ich darf wir dürfen du darfst ihr dürft er darf sie dürfen </pre> Du darfst nach dem Essen fernsehen. 君は食事の後テレビを見てよい。 Ihr dürft hier rauchen. 君たちはここではタバコを吸ってよい。 nicht dürfen は禁止を表す。 man darf nach dem Sonnenuntergang in diesem Stadt herausgehen. この街では日没後は外出してはいけない。 <pre> mögen は嗜好を表す助動詞である。 ich mag wir mögen du magst ihr mögt er mag sie mögen </pre> Ich mag Kaffee gerne. ぼくはコーヒーが大好きだ。 == 表現:副詞の位置 == 副詞は通常修飾する語の直前に置かれる。 :Man spricht auch Französisch in Canada. カナダではフランス語も話される。 :Man spricht Französisch auch in Canada. フランス語はカナダでも話される。 副詞が入ることで、意味がかわることがある。 :Ich mag Kaffee. (コーヒーを飲んでいて)このコーヒーはうまい。 :Ich mag Kaffee gerne. ぼくはコーヒーが大好きだ。 :Ich mag gerne den Kaffee. (Was trinkst du? Kaffee oder Tee に対して)ぼくはコーヒーがいい。 [[ドイツ語/初級/第11課|<第11課]] | [[ドイツ語/初級/第13課|第13課>]] [[Category:ドイツ語 初級|12]]
null
2015-08-09T02:26:57Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC12%E8%AA%B2
976
ドイツ語 初級第14課
<第13課 | 第15課> Wir besuchten Wien vor sechs Jahren. Der Vortragende erklärte diesen Begriff den Zuhörern. Goethe war ein deutscher Dichter. Meine Großeltern hatten eine Wohnung im Zentrum der Stadt. 動詞には弱変化動詞・強変化動詞・混合変化動詞の3種類がある。これらは現在形と過去形を比較することで見分けることができる。 弱変化動詞 強変化動詞 幹母音が変化 混合変化、幹母音が変化、語尾は弱変化語尾と共通 弱変化動詞では、動詞の幹母音は変化しない。過去形は不定形の語幹に過去の語尾 -te および過去の人称語尾を、過去分詞は、語幹の語頭に ge- を、語尾に -t を加えて形成する。 強変化動詞は、幹母音が不定形と過去形では変化し、過去形単数1人称および単数3人称で活用語尾をもたない動詞である。 強変化動詞の不定形と過去形の幹母音はつねに異なる。 過去形は過去形の語幹に人称語尾を加えて形成する。 強変化動詞の過去分詞は、語幹の語頭に ge- を、語尾に -en を加えて形成する。過去分詞の幹母音は、他の語形と共通の場合もあり、異なることもある。 例: 混合変化動詞は 混合変化では、幹母音が変化する。 ただし弱変化と同じく、過去形はすべての人称で活用語尾をもつ。 kennen -> kannte nennen -> nannte 混合変化の過去分詞は、過去形の語幹に、語頭に ge- を、語尾に -t を加えて形成する。過去形の幹母音と過去分詞の幹母音は共通である。 過去形はドイツ語の時制のひとつである。過去の一回的な・完結した動作を表現する。 過去分詞は完了時制に用いるほか、受動態に用いる。形容詞的にも用いる。 不定形、過去形、過去分詞は組にして覚える(「#文法:動詞の基本的変化」を参照のこと)。 すべての動詞の変化形は、この3つの形のどれかから作ることができる。 以下、動詞の過去形の人称および数ごとの語尾を示す。 語尾 語幹の最後の音が d, t, などのときは語尾の前に e 音が入る。 強変化動詞 語尾 強変化動詞は、数は少ないが重要な動詞である。ひとつひとつ覚える。 war - sein の過去形 sein - war - geworden <Tafel> hatte - haben の過去形 haben - hatte - gehabt <Tafel> 話法の助動詞 過去分詞が前つづりをもたない 分離動詞の前つづりは、文末または節の最後におかれる(枠構造)。非分離の前つづりはそのまま分離しない。 前つづりのある動詞では、過去分詞を示す前つづり、ge- は使われない。 分離動詞の前つづりは後ろに来る。前つづりは変化しない。 Ich schlage vor, ... -> Ich schlug vor, ... <第13課 | 第15課>
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<第13課 | 第15課>", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Wir besuchten Wien vor sechs Jahren.", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Der Vortragende erklärte diesen Begriff den Zuhörern.", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Goethe war ein deutscher Dichter.", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Meine Großeltern hatten eine Wohnung im Zentrum der Stadt.", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "動詞には弱変化動詞・強変化動詞・混合変化動詞の3種類がある。これらは現在形と過去形を比較することで見分けることができる。", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "弱変化動詞", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "強変化動詞 幹母音が変化", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "混合変化、幹母音が変化、語尾は弱変化語尾と共通", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "弱変化動詞では、動詞の幹母音は変化しない。過去形は不定形の語幹に過去の語尾 -te および過去の人称語尾を、過去分詞は、語幹の語頭に ge- を、語尾に -t を加えて形成する。", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "強変化動詞は、幹母音が不定形と過去形では変化し、過去形単数1人称および単数3人称で活用語尾をもたない動詞である。", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "強変化動詞の不定形と過去形の幹母音はつねに異なる。 過去形は過去形の語幹に人称語尾を加えて形成する。", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "強変化動詞の過去分詞は、語幹の語頭に ge- を、語尾に -en を加えて形成する。過去分詞の幹母音は、他の語形と共通の場合もあり、異なることもある。", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "例:", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "混合変化動詞は", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "混合変化では、幹母音が変化する。 ただし弱変化と同じく、過去形はすべての人称で活用語尾をもつ。", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "kennen -> kannte nennen -> nannte", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "混合変化の過去分詞は、過去形の語幹に、語頭に ge- を、語尾に -t を加えて形成する。過去形の幹母音と過去分詞の幹母音は共通である。", "title": "動詞の基本的変化" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "過去形はドイツ語の時制のひとつである。過去の一回的な・完結した動作を表現する。", "title": "動詞:過去形" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "過去分詞は完了時制に用いるほか、受動態に用いる。形容詞的にも用いる。", "title": "動詞:過去形" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "不定形、過去形、過去分詞は組にして覚える(「#文法:動詞の基本的変化」を参照のこと)。", "title": "動詞:過去形" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "すべての動詞の変化形は、この3つの形のどれかから作ることができる。", "title": "動詞:過去形" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "以下、動詞の過去形の人称および数ごとの語尾を示す。", "title": "動詞:過去形" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "語尾", "title": "動詞:過去形" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "語幹の最後の音が d, t, などのときは語尾の前に e 音が入る。", "title": "動詞:過去形" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "強変化動詞 語尾", "title": "動詞:過去形" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "強変化動詞は、数は少ないが重要な動詞である。ひとつひとつ覚える。", "title": "動詞:過去形" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "war - sein の過去形 sein - war - geworden <Tafel>", "title": "特別な変化をする動詞" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "hatte - haben の過去形 haben - hatte - gehabt <Tafel>", "title": "特別な変化をする動詞" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "話法の助動詞 過去分詞が前つづりをもたない", "title": "特別な変化をする動詞" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "分離動詞の前つづりは、文末または節の最後におかれる(枠構造)。非分離の前つづりはそのまま分離しない。", "title": "前つづりのある動詞の過去形と過去分詞形" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "前つづりのある動詞では、過去分詞を示す前つづり、ge- は使われない。", "title": "前つづりのある動詞の過去形と過去分詞形" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "分離動詞の前つづりは後ろに来る。前つづりは変化しない。 Ich schlage vor, ... -> Ich schlug vor, ...", "title": "前つづりのある動詞の過去形と過去分詞形" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "<第13課 | 第15課>", "title": "前つづりのある動詞の過去形と過去分詞形" } ]
<第13課 | 第15課> Wir besuchten Wien vor sechs Jahren. Der Vortragende erklärte diesen Begriff den Zuhörern. Goethe war ein deutscher Dichter. Meine Großeltern hatten eine Wohnung im Zentrum der Stadt.
[[ドイツ語/初級/第13課|<第13課]] | [[ドイツ語/初級/第15課|第15課>]] <pre> Wir besuchten Wien vor sechs Jahren. Der Vortragende erklärte diesen Begriff den Zuhörern. Goethe war ein deutscher Dichter. Meine Großeltern hatten eine Wohnung im Zentrum der Stadt. </pre> Wir besuchten Wien vor sechs Jahren. :私たちは6年前にウィーンを訪れました。 Der Vortragende erklärte diesen Begriff den Zuhörern. :講演者は聴衆にその概念を説明しました。 Goethe war ein deutscher Dichter. :ゲーテはドイツの詩人でした。 Meine Großeltern hatten eine Wohnung im Zentrum der Stadt. :私の祖父母は街の中心に住居を持っていました。 <pre> beginnen 始める der Begriff 概念 der Berg 山 die Burg 城 der Dichter 詩人 fliehen 逃げる Markt 市場 schlafen 寝る die Wohnung アパート、マンション das Zentrum 街の中心 der Zuhörer 聴衆 </pre> == 動詞の基本的変化 == 動詞には弱変化動詞・強変化動詞・混合変化動詞の3種類がある。これらは現在形と過去形を比較することで見分けることができる。 弱変化動詞 不定形  過去形単数1人称  過去分詞    lieben - liebte      - geliebt 強変化動詞 幹母音が変化 不定形  過去形単数1人称  過去分詞    gehen - ging - gegangen 混合変化、幹母音が変化、語尾は弱変化語尾と共通 不定形  過去形単数1人称  過去分詞    nennen - nannte - genannt === 弱変化動詞 === 不定形  過去形単数1人称  過去分詞    lieben - liebte      - geliebt 弱変化動詞では、動詞の幹母音は変化しない。過去形は不定形の語幹に過去の語尾 -te および過去の人称語尾を、過去分詞は、語幹の語頭に ge- を、語尾に -t を加えて形成する。 === 強変化動詞 === 強変化動詞は、幹母音が不定形と過去形では'''変化'''し、過去形単数1人称および単数3人称で活用語尾をもたない動詞である。   不定形  過去形単数1人称  過去分詞    g'''e'''hen - g'''i'''ng - geg'''a'''ngen 強変化動詞の不定形と過去形の幹母音はつねに異なる。 過去形は過去形の語幹に人称語尾を加えて形成する。 強変化動詞の過去分詞は、語幹の語頭に ge- を、語尾に -en を加えて形成する。過去分詞の幹母音は、他の語形と共通の場合もあり、異なることもある。 例: geben - gab - gegeben essen - aß - gegessen fliehen - floh - geflohen nehmen - nahm - genommen sprechen - sprach - gesprochen schlafen - schlief - geschlafen schließen - schloss - geschlossen treffen - traf - getroffen werden - wurde - geworden === 混合変化動詞 === 混合変化動詞は *強変化動詞とおなじく、不定形と過去形では動詞の幹母音が変化する。 *弱変化動詞とおなじく、過去形と過去分詞の幹母音がつねに一致する。 *過去形と過去分詞で、弱変化動詞と同じ語尾変化をする。 不定形  過去形単数1人称  過去分詞    kennen - kannte - gekannt 混合変化では、幹母音が変化する。 ただし弱変化と同じく、過去形はすべての人称で活用語尾をもつ。 kennen -> kannte nennen -> nannte 混合変化の過去分詞は、過去形の語幹に、語頭に ge- を、語尾に -t を加えて形成する。過去形の幹母音と過去分詞の幹母音は共通である。 ==動詞:過去形== 過去形はドイツ語の時制のひとつである。過去の一回的な・完結した動作を表現する。 過去分詞は完了時制に用いるほか、受動態に用いる。形容詞的にも用いる。 不定形、過去形<sup>*</sup>、過去分詞は組にして覚える(「[[#文法:動詞の基本的変化]]」を参照のこと)。 :<sup>*</sup>正確には、単数1人称過去形。 すべての動詞の変化形は、この3つの形のどれかから作ることができる。 以下、動詞の過去形の人称および数ごとの語尾を示す。 語尾 sg pl 1 wohn'''te''' wohn'''ten''' 2 wohn'''test''' wohn'''tet''' 3 wohn'''te''' wohn'''ten''' sg pl 1 lieb'''te''' lieb'''ten''' 2 lieb'''test''' lieb'''tet''' 3 lieb'''te''' lieb'''ten''' 語幹の最後の音が d, t, などのときは語尾の前に e 音が入る。 sg pl 1 heirate'''te''' heirate'''ten''' 2 heirate'''test''' heirate'''tet''' 3 heirate'''te''' heirate'''ten''' Er liebte sie und sie heirateten. Viele Komponisten wohnten damals in Wien. Sie studierte erst Medizin. 強変化動詞 語尾 gehen sg pl 1 ging ging'''en''' 2 ging'''st''' ging'''t''' 3 ging ging'''en''' 強変化動詞は、数は少ないが重要な動詞である。ひとつひとつ覚える。 <pre> Dieser Student ging jeden Tag ins Kino. Wir trafen deine Mutter auf dem Markt. Die Eltern gaben dem Kind ein Spielzeug zum Geburtstag. Eine Burg stand auf dem Berg. </pre> ==特別な変化をする動詞== war - sein の過去形 sein - war - geworden <Tafel> hatte - haben の過去形 haben - hatte - gehabt <Tafel> 話法の助動詞 過去分詞が前つづりをもたない ==前つづりのある動詞の過去形と過去分詞形== 分離動詞の前つづりは、文末または節の最後におかれる(枠構造)。非分離の前つづりはそのまま分離しない。 前つづりのある動詞では、過去分詞を示す前つづり、ge- は使われない。 beginnen - begann - begonnen entscheiden - entschied - entschieden geschehen - geschah - geschehen 分離動詞の前つづりは後ろに来る。前つづりは変化しない。  Ich schlage vor, ... -> Ich schlug vor, ... Er steht auf. -> Er stand auf. [[ドイツ語/初級/第13課|<第13課]] | [[ドイツ語/初級/第15課|第15課>]] [[Category:ドイツ語 初級|14]]
null
2015-08-09T02:29:57Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC14%E8%AA%B2
990
ドイツ語/初級/はじめに
ドイツ語はインド・ヨーロッパ語族のうち西ゲルマン語系に属し、ドイツ、オーストリア、リヒテンシュタインを中心に、スイス、ベルギー、ルクセンブルク、イタリア、チェコ、フランスのアルザス地域圏の一部や、アメリカ合衆国などで、約1億2千万人に話されている言語です。 かつてはポーランドやチェコなどでも話されていました。ドイツ語の詳しい歴史についてはウィキペディアの歴史の項目をご覧ください。ドイツ語の話者は決して多くはありませんが、彼らは昔から文学、学術、歴史などの分野で様々な貢献をしてきました。また現在もドイツ・スイス・オーストリアなどのドイツ語圏ではドイツ語による活発な経済活動や文化活動が行われており、現代社会でも充分に有用な言語です。 ドイツ語は英語に近く似た単語も多いため、英語を知っている人には親しみやすい言語です(Wiktionary:英-独対応語の一覧などを参照)。けれども、英語にはない冠詞や名詞の格変化などがあり、最初は少し戸惑うかもしれません。しかしドイツ語の文法には例外が少なく、根気よく基本的な表現を習得していくことでかなりの程度まで上達することが誰にでも可能です。 この教科書では、それぞれのレベルに合わせた学習目標をおいています。 初級では、ドイツ語で自分の意思を伝えること、日常の場面で出会う表現を理解できること、基本的な文法事項を習得することを目標にします。簡単な表現からはじめて、だんだんに複雑な表現を覚えていきます。使われる単語には、基本的な単語に若干ドイツの日常生活でなじみ深い単語を加えてあります。 各課は例文・単語・文法事項・その他の表現・豆知識を含んでいます。短い文章を中心に、実践的な場面で使われる表現を集めています。例文はその課で習得する基本的な表現と単語を含んでいます。例文は必ず一度は音読してください。またできれば例文は暗記してください。例文の後には訳がついていますので、日本語をみてドイツ語をいう練習をするとよいでしょう。例文の後に、その課で学習する単語のうち、重要なものの一覧があります。この単語も音読して、覚えるようにしましょう。 ドイツ語 表紙へ戻る/ ドイツ語/初級へすすむ
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ドイツ語はインド・ヨーロッパ語族のうち西ゲルマン語系に属し、ドイツ、オーストリア、リヒテンシュタインを中心に、スイス、ベルギー、ルクセンブルク、イタリア、チェコ、フランスのアルザス地域圏の一部や、アメリカ合衆国などで、約1億2千万人に話されている言語です。", "title": "ドイツ語とは" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "かつてはポーランドやチェコなどでも話されていました。ドイツ語の詳しい歴史についてはウィキペディアの歴史の項目をご覧ください。ドイツ語の話者は決して多くはありませんが、彼らは昔から文学、学術、歴史などの分野で様々な貢献をしてきました。また現在もドイツ・スイス・オーストリアなどのドイツ語圏ではドイツ語による活発な経済活動や文化活動が行われており、現代社会でも充分に有用な言語です。", "title": "ドイツ語とは" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "ドイツ語は英語に近く似た単語も多いため、英語を知っている人には親しみやすい言語です(Wiktionary:英-独対応語の一覧などを参照)。けれども、英語にはない冠詞や名詞の格変化などがあり、最初は少し戸惑うかもしれません。しかしドイツ語の文法には例外が少なく、根気よく基本的な表現を習得していくことでかなりの程度まで上達することが誰にでも可能です。", "title": "ドイツ語とは" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "この教科書では、それぞれのレベルに合わせた学習目標をおいています。 初級では、ドイツ語で自分の意思を伝えること、日常の場面で出会う表現を理解できること、基本的な文法事項を習得することを目標にします。簡単な表現からはじめて、だんだんに複雑な表現を覚えていきます。使われる単語には、基本的な単語に若干ドイツの日常生活でなじみ深い単語を加えてあります。", "title": "この教科書の目的" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "各課は例文・単語・文法事項・その他の表現・豆知識を含んでいます。短い文章を中心に、実践的な場面で使われる表現を集めています。例文はその課で習得する基本的な表現と単語を含んでいます。例文は必ず一度は音読してください。またできれば例文は暗記してください。例文の後には訳がついていますので、日本語をみてドイツ語をいう練習をするとよいでしょう。例文の後に、その課で学習する単語のうち、重要なものの一覧があります。この単語も音読して、覚えるようにしましょう。", "title": "この教科書の目的" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "ドイツ語 表紙へ戻る/ ドイツ語/初級へすすむ", "title": "この教科書の目的" } ]
null
== ドイツ語とは == ドイツ語はインド・ヨーロッパ語族のうち西ゲルマン語系に属し、[[w:ドイツ|ドイツ]]、[[w:オーストリア|オーストリア]]、[[w:リヒテンシュタイン|リヒテンシュタイン]]を中心に、[[w:スイス|スイス]]、[[w:ベルギー|ベルギー]]、[[w:ルクセンブルグ|ルクセンブルク]]、[[w:イタリア|イタリア]]、[[w:チェコ|チェコ]]、フランスの[[w:アルザス地域圏|アルザス地域圏]]の一部や、[[w:アメリカ合衆国|アメリカ合衆国]]などで、約1億2千万人に話されている言語です。 かつてはポーランドやチェコなどでも話されていました。ドイツ語の詳しい歴史についてはウィキペディアの[[w:ドイツ語#歴史|歴史の項目]]をご覧ください。ドイツ語の話者は決して多くはありませんが、彼らは昔から文学、学術、歴史などの分野で様々な貢献をしてきました。また現在もドイツ・スイス・オーストリアなどのドイツ語圏ではドイツ語による活発な経済活動や文化活動が行われており、現代社会でも充分に有用な言語です。 ドイツ語は英語に近く似た単語も多いため、英語を知っている人には親しみやすい言語です([[wikt:Wiktionary:英-独対応語の一覧|Wiktionary:英-独対応語の一覧]]などを参照)。けれども、英語にはない冠詞や名詞の格変化などがあり、最初は少し戸惑うかもしれません。しかしドイツ語の文法には例外が少なく、根気よく基本的な表現を習得していくことでかなりの程度まで上達することが誰にでも可能です。 == この教科書の目的 == この教科書では、それぞれのレベルに合わせた学習目標をおいています。 初級では、ドイツ語で自分の意思を伝えること、日常の場面で出会う表現を理解できること、基本的な文法事項を習得することを目標にします。簡単な表現からはじめて、だんだんに複雑な表現を覚えていきます。使われる単語には、基本的な単語に若干ドイツの日常生活でなじみ深い単語を加えてあります。 各課は例文・単語・文法事項・その他の表現・豆知識を含んでいます。短い文章を中心に、実践的な場面で使われる表現を集めています。例文はその課で習得する基本的な表現と単語を含んでいます。例文は必ず一度は音読してください。またできれば例文は暗記してください。例文の後には訳がついていますので、日本語をみてドイツ語をいう練習をするとよいでしょう。例文の後に、その課で学習する単語のうち、重要なものの一覧があります。この単語も音読して、覚えるようにしましょう。 [[ドイツ語]] 表紙へ戻る/ [[ドイツ語/初級]]へすすむ [[Category:ドイツ語 初級|はしめに]]
null
2020-10-03T11:28:25Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E/%E5%88%9D%E7%B4%9A/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%AB
999
世界史
世界史というと漠然としていて、イメージが湧きにくい難しい学問のようにも見えます。けれども一つ一つの史実は、実は個人の生き方を捉えたものです。だから、決して怖がることはありません。 もちろん、すぐに世界史を大局的に考えたり、細かく正確に分析したりすることは無理でしょう。けれども、世界史の史実を捉えようとする一歩一歩の積み重ねから、あらたな世界史の姿が形作られることになります。本編の後半にあたる部分では、詳細世界史という項目を用意しました。各個別の世界史についてを描いていきます。ぜひ見てみてください。 歴史とは、その時代の鏡です。過去を調べ研究することは、今日のわたしたちを形作っているものの来歴や流れを理解する助けになります。E・H・カーらの思想では、歴史は現在と過去の対話であることになっています。ハチントンの『文明の衝突』では、さまざまな文明の衝突という観点から歴史を考察していくことが大切であると主張しています。反対に、フランシス・フクヤマの「歴史の終わり」では、やがて文明はひとつに収斂されていくだろうと指摘されています。歴史とは、一見、時代順(クロノロジカル)に考察するだけのようにも思えますが、歴史学という観点からは、このように多岐にわたる考察がなされています。 人類は、生物学の研究から、進化を経て形成されたと考えられています。遺跡や化石、DNAや放射線などの科学的な調査から、文字による記録の無い時代の研究が進んでいます。人類は、二足歩行から始まり、道具の使用、狩猟採集(英語:Hunting and Gathering)から始まり、火の使用や葬儀が行われるようになり、1万年ほど前に、農耕文化が始まります。それに合わせて文字が発明され、さまざまな言語が記録された文明が確認出来るようになります。現在のイラクのあたりはメソポタミア文明とよばれる文明が発達し、特にその地域にある都市遺跡シュメール文明は、世界最古の文字が遺されていたことで有名です。このほか、古代エジプト文明・中国文明・インダス文明・メソアメリカ文明・アンデス文明を加えて六大文明と呼ばれるそれぞれ特徴を持った文明が始まりました。 古代には、帝国建設の動きが各地に広がり、さまざまな帝国が出現し、滅びました。古代帝国は東西で成長しました。ペルシャ帝国やローマ帝国、あるいは中華文明(周[B.C.1046 – B.C.256]や漢[B.C206 – 8, 25 - 220]など)は、そうした典型に漏れません。制度こそ相違あれ、中央集権的であったことや崩壊に向かう過程など幾つかの類型も見られ、世界全体での交易も徐々に見られるようになりました。地球上の各地で民族が移動しだすと、古代帝国は衰退しました。多くの古代帝国が混乱の中で崩壊していきました。以上、帝国に焦点を当てましたが、古代では、文明とは言えないような地域であっても国家が形成され、世界史を形作りました。 中世というと暗いイメージですし、実際にあまり楽しい時代ではないようです。古代の混乱を収拾する新秩序として、ヨーロッパにしてもイスラムにしても、あるいはアジアにしても封建制度が積極的に導入されます。しかし、北方民族が拡散したことで、大帝国は解体されました。各地で自立化の動きが起き、世界は群雄割拠の時代を迎えました。ヨーロッパのように内包的な収縮を見せる文明もあれば、イスラム世界のように積極的に拡大し繁栄した文明もあります。これをもって文明の衝突とみるべきなのでしょうか。しかし、十字軍以降、イスラームとヨーロッパの対立が見られるようになります。アジア地方では、中国が中華思想に基づいた冊封体制が布かれ、交易圏が広がります。また、モンゴルが台頭しユーラシアを一体化するなど、異文明同士の交渉が活発化することになりました。世界は種々の危機に見舞われながらも、新時代の気運は胎動していたのです。 近世における最大のイベントは、大航海時代でしょう。ヨーロッパはアジアの海へ向けて船出しました。人口が徐々に増加し、経済も拡大します。十字軍以降、ルネサンスへの機運が高まり、それに乗じてイスラムとの交易も復活します。いわゆる新大陸の発見以降、大航海時代になるのですが、それだけでなく世界中が海上交通によるネットワークで連結しました。大航海をきっかけにアジアは繁栄しましたが、西半球では変革が相次ぎました。17世紀は「17世紀の危機」という言葉が生まれるほど危機に見舞われた世紀でしたが、これを機に世界各地で体制が編成されました。 産業革命は、現代に通じる歴史プロセスに不可欠な通過点です。経済が、しばしば飢饉などで収縮に向かっていたのですが、産業革命による機械化・工業化で工業力を上昇させ、爆発的な人口増加と経済の拡大を獲得します。それから、大航海時代以降進んでいた植民地化がまずイギリスで帝国主義となり、ほかの国々もその後を追いました。帝国主義を採用した列強による世界分割の結果、第一次世界大戦、第二次世界大戦と2度の世界大戦が世界を覆いました。この世界大戦は人類初の総力戦でした。 世界大戦における各国の被害はとても甚大なものでした。第二次世界大戦が終わった途端、アジアやアフリカの各地域は、欧米日からの解放・独立を勝ち取りましたが、世界は東西冷戦の時代に突入し核の恐怖に巻き込まれました。石油の使用など重工業化が進みますが、現代におけるテクノロジーの進化は、人間の卑劣な部分を浮き彫りにしています。核のみならず、クローン技術・インターネット・環境問題など私たちの抱える問題は、人間の存在にかかわる大変な問題です。東欧民主化革命やソビエト連邦崩壊という衝撃的な事件は、冷戦の終結を告げ、核の恐怖を消し去りました。しかし、アメリカによる一極支配が始まり、グローバリゼーションが世界を席巻しました。そして、アメリカ同時多発テロで一極支配は揺らぎ始め、現在はテロリズムとの戦いがひとまずクローズアップされていますが、冷戦後の世界の枠組みがどうあるべきかは誰もわからずにいます。私たちの文明がどこにたどり着くのかは私たちにかかっているのです。 世界史に関する標準的な内容をやや逸脱した、詳細な世界史の教科書にしたい。そのために、大学教養レベルの世界史の内容を前提として、話題を進めていく。ただし、世界史をこれから習得したい人にも留意し、建設的な教科書となることを祈念している。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "世界史というと漠然としていて、イメージが湧きにくい難しい学問のようにも見えます。けれども一つ一つの史実は、実は個人の生き方を捉えたものです。だから、決して怖がることはありません。", "title": " 世界史 " }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "もちろん、すぐに世界史を大局的に考えたり、細かく正確に分析したりすることは無理でしょう。けれども、世界史の史実を捉えようとする一歩一歩の積み重ねから、あらたな世界史の姿が形作られることになります。本編の後半にあたる部分では、詳細世界史という項目を用意しました。各個別の世界史についてを描いていきます。ぜひ見てみてください。", "title": " 世界史 " }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "歴史とは、その時代の鏡です。過去を調べ研究することは、今日のわたしたちを形作っているものの来歴や流れを理解する助けになります。E・H・カーらの思想では、歴史は現在と過去の対話であることになっています。ハチントンの『文明の衝突』では、さまざまな文明の衝突という観点から歴史を考察していくことが大切であると主張しています。反対に、フランシス・フクヤマの「歴史の終わり」では、やがて文明はひとつに収斂されていくだろうと指摘されています。歴史とは、一見、時代順(クロノロジカル)に考察するだけのようにも思えますが、歴史学という観点からは、このように多岐にわたる考察がなされています。", "title": "歴史とは?" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "人類は、生物学の研究から、進化を経て形成されたと考えられています。遺跡や化石、DNAや放射線などの科学的な調査から、文字による記録の無い時代の研究が進んでいます。人類は、二足歩行から始まり、道具の使用、狩猟採集(英語:Hunting and Gathering)から始まり、火の使用や葬儀が行われるようになり、1万年ほど前に、農耕文化が始まります。それに合わせて文字が発明され、さまざまな言語が記録された文明が確認出来るようになります。現在のイラクのあたりはメソポタミア文明とよばれる文明が発達し、特にその地域にある都市遺跡シュメール文明は、世界最古の文字が遺されていたことで有名です。このほか、古代エジプト文明・中国文明・インダス文明・メソアメリカ文明・アンデス文明を加えて六大文明と呼ばれるそれぞれ特徴を持った文明が始まりました。", "title": "大まかな流れ" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "古代には、帝国建設の動きが各地に広がり、さまざまな帝国が出現し、滅びました。古代帝国は東西で成長しました。ペルシャ帝国やローマ帝国、あるいは中華文明(周[B.C.1046 – B.C.256]や漢[B.C206 – 8, 25 - 220]など)は、そうした典型に漏れません。制度こそ相違あれ、中央集権的であったことや崩壊に向かう過程など幾つかの類型も見られ、世界全体での交易も徐々に見られるようになりました。地球上の各地で民族が移動しだすと、古代帝国は衰退しました。多くの古代帝国が混乱の中で崩壊していきました。以上、帝国に焦点を当てましたが、古代では、文明とは言えないような地域であっても国家が形成され、世界史を形作りました。", "title": "大まかな流れ" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "中世というと暗いイメージですし、実際にあまり楽しい時代ではないようです。古代の混乱を収拾する新秩序として、ヨーロッパにしてもイスラムにしても、あるいはアジアにしても封建制度が積極的に導入されます。しかし、北方民族が拡散したことで、大帝国は解体されました。各地で自立化の動きが起き、世界は群雄割拠の時代を迎えました。ヨーロッパのように内包的な収縮を見せる文明もあれば、イスラム世界のように積極的に拡大し繁栄した文明もあります。これをもって文明の衝突とみるべきなのでしょうか。しかし、十字軍以降、イスラームとヨーロッパの対立が見られるようになります。アジア地方では、中国が中華思想に基づいた冊封体制が布かれ、交易圏が広がります。また、モンゴルが台頭しユーラシアを一体化するなど、異文明同士の交渉が活発化することになりました。世界は種々の危機に見舞われながらも、新時代の気運は胎動していたのです。", "title": "大まかな流れ" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "近世における最大のイベントは、大航海時代でしょう。ヨーロッパはアジアの海へ向けて船出しました。人口が徐々に増加し、経済も拡大します。十字軍以降、ルネサンスへの機運が高まり、それに乗じてイスラムとの交易も復活します。いわゆる新大陸の発見以降、大航海時代になるのですが、それだけでなく世界中が海上交通によるネットワークで連結しました。大航海をきっかけにアジアは繁栄しましたが、西半球では変革が相次ぎました。17世紀は「17世紀の危機」という言葉が生まれるほど危機に見舞われた世紀でしたが、これを機に世界各地で体制が編成されました。", "title": "大まかな流れ" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "産業革命は、現代に通じる歴史プロセスに不可欠な通過点です。経済が、しばしば飢饉などで収縮に向かっていたのですが、産業革命による機械化・工業化で工業力を上昇させ、爆発的な人口増加と経済の拡大を獲得します。それから、大航海時代以降進んでいた植民地化がまずイギリスで帝国主義となり、ほかの国々もその後を追いました。帝国主義を採用した列強による世界分割の結果、第一次世界大戦、第二次世界大戦と2度の世界大戦が世界を覆いました。この世界大戦は人類初の総力戦でした。", "title": "大まかな流れ" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "世界大戦における各国の被害はとても甚大なものでした。第二次世界大戦が終わった途端、アジアやアフリカの各地域は、欧米日からの解放・独立を勝ち取りましたが、世界は東西冷戦の時代に突入し核の恐怖に巻き込まれました。石油の使用など重工業化が進みますが、現代におけるテクノロジーの進化は、人間の卑劣な部分を浮き彫りにしています。核のみならず、クローン技術・インターネット・環境問題など私たちの抱える問題は、人間の存在にかかわる大変な問題です。東欧民主化革命やソビエト連邦崩壊という衝撃的な事件は、冷戦の終結を告げ、核の恐怖を消し去りました。しかし、アメリカによる一極支配が始まり、グローバリゼーションが世界を席巻しました。そして、アメリカ同時多発テロで一極支配は揺らぎ始め、現在はテロリズムとの戦いがひとまずクローズアップされていますが、冷戦後の世界の枠組みがどうあるべきかは誰もわからずにいます。私たちの文明がどこにたどり着くのかは私たちにかかっているのです。", "title": "大まかな流れ" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "世界史に関する標準的な内容をやや逸脱した、詳細な世界史の教科書にしたい。そのために、大学教養レベルの世界史の内容を前提として、話題を進めていく。ただし、世界史をこれから習得したい人にも留意し、建設的な教科書となることを祈念している。", "title": "詳細世界史" } ]
世界史というと漠然としていて、イメージが湧きにくい難しい学問のようにも見えます。けれども一つ一つの史実は、実は個人の生き方を捉えたものです。だから、決して怖がることはありません。  もちろん、すぐに世界史を大局的に考えたり、細かく正確に分析したりすることは無理でしょう。けれども、世界史の史実を捉えようとする一歩一歩の積み重ねから、あらたな世界史の姿が形作られることになります。本編の後半にあたる部分では、詳細世界史という項目を用意しました。各個別の世界史についてを描いていきます。ぜひ見てみてください。
{{History Title|2=history of the world|世界史}} 世界史というと漠然としていて、イメージが湧きにくい難しい学問のようにも見えます。けれども一つ一つの史実は、実は個人の生き方を捉えたものです。だから、決して怖がることはありません。  もちろん、すぐに世界史を大局的に考えたり、細かく正確に分析したりすることは無理でしょう。けれども、世界史の史実を捉えようとする一歩一歩の積み重ねから、あらたな世界史の姿が形作られることになります。本編の後半にあたる部分では、詳細世界史という項目を用意しました。各個別の世界史についてを描いていきます。ぜひ見てみてください。 == 歴史とは? == 歴史とは、その時代の鏡です。過去を調べ研究することは、今日のわたしたちを形作っているものの来歴や流れを理解する助けになります。'''E・H・カー'''らの思想では、歴史は現在と過去の対話であることになっています。ハチントンの『'''文明の衝突'''』では、さまざまな文明の衝突という観点から歴史を考察していくことが大切であると主張しています。反対に、'''フランシス・フクヤマ'''の「'''歴史の終わり'''」では、やがて文明はひとつに{{Ruby|収斂|しゅうれん}}されていくだろうと指摘されています。歴史とは、一見、時代順(クロノロジカル)に考察するだけのようにも思えますが、歴史学という観点からは、このように多岐にわたる考察がなされています。 == 大まかな流れ == === 文明の始まり === 人類は、生物学の研究から、進化を経て形成されたと考えられています。遺跡や化石、DNAや放射線などの科学的な調査から、文字による記録の無い時代の研究が進んでいます。人類は、二足歩行から始まり、'''道具'''の使用、'''狩猟採集'''(英語:Hunting and Gathering)から始まり、'''火の使用'''や'''葬儀'''が行われるようになり、1万年ほど前に、'''農耕文化'''が始まります。それに合わせて'''文字'''が発明され、さまざまな言語が記録された文明が確認出来るようになります。現在のイラクのあたりは'''メソポタミア文明'''とよばれる文明が発達し、特にその地域にある都市遺跡'''シュメール文明'''は、世界最古の文字が遺されていたことで有名です。このほか、'''古代エジプト文明'''・'''中国文明'''・'''インダス文明'''・'''メソアメリカ文明'''・'''アンデス文明'''を加えて六大文明と呼ばれるそれぞれ特徴を持った文明が始まりました。 === 古代 === 古代には、帝国建設の動きが各地に広がり、さまざまな帝国が出現し、滅びました。古代帝国は東西で成長しました。'''ペルシャ帝国'''や'''ローマ帝国'''、あるいは'''中華文明'''('''周'''[B.C.1046 – B.C.256]や'''漢'''[B.C206 – 8, 25 - 220]など)は、そうした典型に漏れません。制度こそ相違あれ、'''中央集権'''的であったことや崩壊に向かう過程など幾つかの類型も見られ、世界全体での交易も徐々に見られるようになりました。地球上の各地で民族が移動しだすと、古代帝国は衰退しました。多くの古代帝国が混乱の中で崩壊していきました。以上、帝国に焦点を当てましたが、古代では、文明とは言えないような地域であっても国家が形成され、世界史を形作りました。 === 中世 === '''中世'''というと暗いイメージですし、実際にあまり楽しい時代ではないようです。古代の混乱を収拾する新秩序として、ヨーロッパにしてもイスラムにしても、あるいはアジアにしても'''封建制度'''が積極的に導入されます。しかし、北方民族が拡散したことで、大帝国は解体されました。各地で自立化の動きが起き、世界は群雄割拠の時代を迎えました。ヨーロッパのように内包的な収縮を見せる文明もあれば、イスラム世界のように積極的に拡大し繁栄した文明もあります。これをもって文明の衝突とみるべきなのでしょうか。しかし、'''十字軍'''以降、イスラームとヨーロッパの対立が見られるようになります。アジア地方では、中国が中華思想に基づいた'''冊封体制'''が布かれ、交易圏が広がります。また、'''モンゴル'''が台頭しユーラシアを一体化するなど、異文明同士の交渉が活発化することになりました。世界は種々の危機に見舞われながらも、新時代の気運は胎動していたのです。 === 近世 === 近世における最大のイベントは、'''大航海時代'''でしょう。ヨーロッパはアジアの海へ向けて船出しました。人口が徐々に増加し、経済も拡大します。十字軍以降、'''ルネサンス'''への機運が高まり、それに乗じてイスラムとの交易も復活します。いわゆる'''新大陸の発見'''以降、大航海時代になるのですが、それだけでなく世界中が海上交通によるネットワークで連結しました。大航海をきっかけにアジアは繁栄しましたが、西半球では変革が相次ぎました。17世紀は「'''17世紀の危機'''」という言葉が生まれるほど危機に見舞われた世紀でしたが、これを機に世界各地で体制が編成されました。 === 近代 === '''産業革命'''は、現代に通じる歴史プロセスに不可欠な通過点です。経済が、しばしば'''飢饉'''などで収縮に向かっていたのですが、産業革命による機械化・工業化で工業力を上昇させ、爆発的な人口増加と経済の拡大を獲得します。それから、大航海時代以降進んでいた植民地化がまずイギリスで'''帝国主義'''となり、ほかの国々もその後を追いました。帝国主義を採用した'''列強'''による'''世界分割'''の結果、第一次世界大戦、第二次世界大戦と2度の'''世界大戦'''が世界を覆いました。この世界大戦は人類初の'''総力戦'''でした。 === 現代 === 世界大戦における各国の被害はとても甚大なものでした。第二次世界大戦が終わった途端、アジアやアフリカの各地域は、欧米日からの'''解放'''・'''独立'''を勝ち取りましたが、世界は東西'''冷戦'''の時代に突入し'''核の恐怖'''に巻き込まれました。'''石油'''の使用など'''重工業'''化が進みますが、現代における'''テクノロジー'''の進化は、人間の卑劣な部分を浮き彫りにしています。核のみならず、'''クローン技術'''・'''インターネット'''・'''環境問題'''など私たちの抱える問題は、人間の存在にかかわる大変な問題です。'''東欧民主化革命'''や'''ソビエト連邦崩壊'''という衝撃的な事件は、冷戦の終結を告げ、核の恐怖を消し去りました。しかし、'''アメリカによる一極支配'''が始まり、'''グローバリゼーション'''が世界を席巻しました。そして、'''アメリカ同時多発テロ'''で一極支配は揺らぎ始め、現在は'''テロリズム'''との戦いがひとまずクローズアップされていますが、冷戦後の世界の枠組みがどうあるべきかは誰もわからずにいます。私たちの文明がどこにたどり着くのかは私たちにかかっているのです。 == 詳細世界史 == 世界史に関する標準的な内容をやや逸脱した、詳細な世界史の教科書にしたい。そのために、大学教養レベルの世界史の内容を前提として、話題を進めていく。ただし、世界史をこれから習得したい人にも留意し、建設的な教科書となることを祈念している。 === 前史・古代 === * [[人類の誕生]] * [[進化の過程]] * [[農耕の始まり]] * [[古代オリエント]] * [[黄河・長江文明]] * [[インドと文明]] * [[周と漢]] * [[ヘレニズム世界]] * [[ローマ帝国]] * [[古代アメリカ]] * [[アジアの古代]] * [[古代の交易ネットワーク]] === 中世 === * [[隋]]・[[唐]] * [[宋]] * [[モンゴル]] * [[イスラム教の成立]] * [[イスラムの拡大]] * [[ビザンツ帝国およびその周辺]] * [[旧ローマ帝国領]] * [[封建制とカトリック]] * [[十字軍]] * [[12世紀ルネサンス]] * [[中世後期]] === 近世 === * [[大航海時代]] * [[ルネサンスと宗教改革]] * [[絶対王政と重商主義]] * [[啓蒙専制国家]] * [[国際商業と科学文明]] * [[アジア諸王国の栄光]] === 近代 === * [[人権思想と革命]] * [[産業革命と市民革命]] * [[ナポレオン戦争]] * [[ウィーン体制]] * [[ナショナリズムの形成]] * [[ラテンアメリカの独立]] * [[帝国主義]] * [[世界大戦への道]] * [[20世紀における共和制国家の成立]] * [[第一次世界大戦]] * [[ベルサイユ体制]] * [[第二次世界大戦]] === 現代 === * [[冷戦構造]] * [[アジア諸国の独立]] * [[第三世界の独立]] * [[東欧民主化革命]] * [[冷戦後の世界]] <!-- == 関連項目 == * 教育関連の教科書 ** * --> [[category:歴史|せかいし]] [[cs:Světové dějiny]] [[pl:Historia powszechna]] [[simple:World History]] [[en:World History]] [[zh:世界歷史]]
null
2022-11-16T08:29:34Z
[ "テンプレート:History Title", "テンプレート:Ruby" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%8F%B2
1,000
ドイツ語 初級第13課
<第12課 | 第14課> Ich ging jeden Morgen spazieren. Stellst du uns bitte dieses Mädchen vor? Die Studenten schlagen jedes Wort im Wörterbuch nach. Unsere Tante bringt immer eine kleine Tasche mit. 一部の動詞では、動詞の位置により、語成分の一部が語幹部分と離れておかれることがある。これを分離動詞という。 分離動詞は「前つづり」と主成分である語幹および語尾の部分からなる。 分離動詞の語順は次のようになる。 zu 不定詞を作る際には、zu が前つづりと語幹部分の間におかれる。 現在の正書法では、一部の分離動詞はつねに離して置かれる。しかしかつての正書法では、すべての分離動詞は不定詞で一語としてかかれたので、書かれたドイツ語を読むときには注意が必要である。 つねに離して書かれる分離動詞の場合、zu 不定詞を作る際にも離して書くのが正しいとされる。したがって「散歩する」 spazieren gehen の不定形は、新正書法では spazieren zu gehen となる。 分離動詞以外にも、前つづりをもつ動詞がある。 非分離の前つづりを持つ動詞においては、過去分詞を作る際に、過去分詞の前つづり ge- が用いられないのが特徴である。 <第12課 | 第14課>
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "<第12課 | 第14課>", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Ich ging jeden Morgen spazieren.", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Stellst du uns bitte dieses Mädchen vor?", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Die Studenten schlagen jedes Wort im Wörterbuch nach.", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Unsere Tante bringt immer eine kleine Tasche mit.", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "一部の動詞では、動詞の位置により、語成分の一部が語幹部分と離れておかれることがある。これを分離動詞という。", "title": "動詞:分離動詞" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "分離動詞は「前つづり」と主成分である語幹および語尾の部分からなる。", "title": "動詞:分離動詞" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "分離動詞の語順は次のようになる。", "title": "動詞:分離動詞" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "zu 不定詞を作る際には、zu が前つづりと語幹部分の間におかれる。", "title": "動詞:分離動詞" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "現在の正書法では、一部の分離動詞はつねに離して置かれる。しかしかつての正書法では、すべての分離動詞は不定詞で一語としてかかれたので、書かれたドイツ語を読むときには注意が必要である。", "title": "動詞:分離動詞" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "つねに離して書かれる分離動詞の場合、zu 不定詞を作る際にも離して書くのが正しいとされる。したがって「散歩する」 spazieren gehen の不定形は、新正書法では spazieren zu gehen となる。", "title": "動詞:分離動詞" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "分離動詞以外にも、前つづりをもつ動詞がある。", "title": "動詞:動詞の前つづり" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "非分離の前つづりを持つ動詞においては、過去分詞を作る際に、過去分詞の前つづり ge- が用いられないのが特徴である。", "title": "動詞:動詞の前つづり" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "<第12課 | 第14課>", "title": "動詞:動詞の前つづり" } ]
<第12課 | 第14課> Ich ging jeden Morgen spazieren. Stellst du uns bitte dieses Mädchen vor? Die Studenten schlagen jedes Wort im Wörterbuch nach. Unsere Tante bringt immer eine kleine Tasche mit.
[[ドイツ語/初級/第12課|<第12課]] | [[ドイツ語/初級/第14課|第14課>]] Ich ging jeden Morgen spazieren. Stellst du uns bitte dieses Mädchen vor? Die Studenten schlagen jedes Wort im Wörterbuch nach. Unsere Tante bringt immer eine kleine Tasche mit. Ich ging jeden Morgen spazieren. :私は毎朝散歩する。 Stellst du uns bitte dieses Mädchen vor? :君、このお嬢さんを僕らに紹介してくれない。 Die Studenten schlagen jedes Wort im Wörterbuch nach. :学生たちは一語一語を辞書で調べる。 Unsere Tante bringt immer eine kleine Tasche mit. :私たちのおばさんはいつも小さなカバンを持っている。 <pre> auf|stehen 起きる ein|leiten 導く、導入する die Krankheit 病気 mit|bringen もってくる das Mädchen お嬢さん   nach|schlagen (辞書で)調べる spazieren gehen 散歩する übersetzen 翻訳する vor|stellen 紹介する wiederholen 反復する zu|machen 閉める zusammen|hängen 関連する </pre> == 動詞:分離動詞 == 一部の動詞では、動詞の位置により、語成分の一部が語幹部分と離れておかれることがある。これを'''分離動詞'''という。 分離動詞は「'''前つづり'''」と主成分である語幹および語尾の部分からなる。 分離動詞の語順は次のようになる。 *定動詞正置・倒置  前つづりが文末におかれる。 *後置 分離せずに、節の最後に動詞全体がおかれる。 <pre> Er steht immer vor sechs Uhr auf. Dieses Buch leitet in das Thema "Philosophie" ein. Ihre Krankheit hängt mit dem Klima dieser Region zusammen. Mach die Tür zu! </pre> zu 不定詞を作る際には、zu が前つづりと語幹部分の間におかれる。 現在の正書法では、一部の分離動詞はつねに離して置かれる。しかしかつての正書法では、すべての分離動詞は不定詞で一語としてかかれたので、書かれたドイツ語を読むときには注意が必要である。 つねに離して書かれる分離動詞の場合、zu 不定詞を作る際にも離して書くのが正しいとされる。したがって「散歩する」 spazieren gehen の不定形は、新正書法では spazieren zu gehen となる。 == 動詞:動詞の前つづり == 分離動詞以外にも、前つづりをもつ動詞がある。 ;分離の前つづり :auf, aus, ein, durch, fort, mit, nach, vor, über, um, wieder, zurück, zu, zusammen ;非分離の前つづり :be-, ent, ge-, in-(im-), inter-, über-*, unter-* 非分離の前つづりを持つ動詞においては、過去分詞を作る際に、過去分詞の前つづり ge- が用いられないのが特徴である。 beginnen 始める; begann, begonnen entstehen 発生する; entstand, entstanden geschehen 起こる; geschah, geschehen ;分離する場合と非分離の場合と両方ある前つづり ;über- :übersetzen 非分離:翻訳する ;wieder- :wiederholen 分離:取り返す;非分離:反復する ;unter- :unterschreiben 非分離:署名する ;durch- :durchstreichen 分離:線を引いて打ち消す [[ドイツ語/初級/第12課|<第12課]] | [[ドイツ語/初級/第14課|第14課>]] [[Category:ドイツ語 初級|13]]
null
2015-08-09T02:28:14Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E8%AA%9E_%E5%88%9D%E7%B4%9A%E7%AC%AC13%E8%AA%B2
1,004
中国史
中国は世界で最も古く文明が現れた地域の一つで、5000年から3500年前頃を文明の時期として扱われることが多い。 中国では、古くから文明が発達した。中国文明と呼ばれるものは、大きく分けて黄河文明と長江文明の2つがある。黄河文明は、畑作が中心、長江文明は稲作が中心であった。黄河文明が、歴史時代の殷(商)や周につながっていき、中国の歴史の中軸となった。長江文明は次第に、黄河文明に同化吸収されていった(黄河文明・長江文明)。 また、現在中国人口の大部分を占めるとする漢民族は、こうした過程で次第に形成されたが、歴史の始めから存在したわけではない。例えば、史上実証されているうちの最古の王朝殷は、民族的には東夷に近い人種とされ、1970年頃まではコーカソイド説さえ存在した。他に、周など中原の人達、楚人、越人、秦や中山など全て互いに、文化的にも風俗的にも性格を異にした。それらが長い時間をかけて混ざり混ざって、諸夏と言われた古代の漢人が形成され、さらに中世初頭の五胡十六国の時代には匈奴や鮮卑など幾つもの異民族が大挙して中国大陸に流入し、その都度混淆が進むうちに、現代の漢族が形成されたのである。 中国最古の王朝としては、伝説上では三皇五帝や夏が知られている。そして、二里頭遺跡など様々な遺跡が発掘されるが、それらと史料は符合せず、現在、明らかに実在が確認できるのは殷以降の王朝である。殷では、王が占いによって政治を行っていた(神権政治)。また制度については奴隷制国家であるという説と、これから説明する封建制の嚆矢だとする説がある。 紀元前12~11世紀頃に殷を滅ぼした周は、各地の有力者や王族を諸侯として、土地を与えた。これを封建制という。しかし、周王朝は徐々に弱体化し、異民族に攻められ、紀元前770年には、宗周(鎬京・後の長安)から成周(雒邑・後の洛陽)へ遷都した。これ以降を春秋時代と呼ぶ。春秋時代には、周王朝の権威はまだ残っていたが、諸侯達は自立傾向を強めていき、紀元前403年から始まるとされる戦国時代には、周王朝の権威は無視されるようになる。 春秋戦国時代は、諸侯が争う戦乱の時代であった。しかし、各諸侯国は富国強兵に努め、商工業が発達し、貨幣も使用されるようになった。また、この時代に鉄器が普及したこともあいまって、農業生産も増大した。また、このような戦乱の世をどのように過ごすべきかという思想がさまざまな人たちによって作られた。このような思想を説いた人たちを諸子百家という。諸子百家の中でも、道家や孔子・孟子に代表される儒家は、後の中国思想の中心となった。 現在の陝西省あたりにあった秦は、戦国時代に着々と勢力を伸ばした。勢力を伸ばした背景には、厳格な法律で人々を統治しようとする法家の思想を採用して、富国強兵に努めたことにあった。秦王政は、他の6つの列強を次々と滅ぼし、紀元前221年には史上はじめての中国統一を成し遂げた。秦王政は、自らの偉業をたたえ、王の称号を捨て、王を超える称号として三皇五帝の一部を用い、自ら始皇帝と名乗った。 始皇帝は、法家の李斯を登用し、中央集権化を推し進めた。このとき、中央から派遣した役人が全国の各地方を支配する郡県制が施行された。また、文字・貨幣・度量衡の統一も行われた。さらに、当時モンゴル高原に勢力をもっていた遊牧民族の匈奴を防ぐために万里の長城を建設させた。さらに、軍隊を派遣して、匈奴の南下を抑えた。また、嶺南地方(現在の広東省)にも軍を派遣し、この地にいた百越諸族を制圧した。しかし、このような中央集権化や土木事業・軍事作戦は人々に多大な負担を与えた。そのため、紀元前210年に始皇帝が死ぬと、翌年には陳勝・呉広の乱という農民反乱がおきた。これに刺激され各地で反乱がおき、ついに秦は紀元前206年に滅びた。 秦が滅びた後、劉邦と項羽が覇権をめぐって争った(楚漢戦争)が、紀元前202年には、劉邦が項羽を破り、漢の皇帝となった。劉邦は、始皇帝が急速な中央集権化を推し進めて失敗したことから、一部の地域には親戚や臣下を王として治めさせ、ほかの地域を中央が直接管理できるようにした。これを郡国制という。しかし、紀元前154年には、各地の王が中央に対して呉楚七国の乱と呼ばれる反乱を起こした。この反乱は鎮圧され、結果として、中央集権化が進んだ。紀元前141年に即位した武帝|は、国内の安定もあり、対外発展を推し進めた。武帝は匈奴を撃退し、シルクロードを通じた西方との貿易を直接行えるようにした。また、朝鮮半島北部、ベトナム北中部にも侵攻した。これらの地域はその後も強く中国文化の影響を受けることとなった。また、武帝は董仲舒の意見を聞いて、儒教を統治の基本とした。これ以降、中国の王朝は基本的に儒教を統治の基本としていく。 しかし、度重なる軍事行動は、人々の生活を苦しめた。8年には、王莽が皇帝の位を奪って、一旦漢を滅ぼした。しかし、王莽の政治はよくなかったので、各地で反乱が起きた。結局、漢の皇族の血を引く劉秀が、漢を復興させた。この劉秀が建てた漢を後漢という。王朝初期には雲南に進出し、また、西域に班超を派遣し、シルクロードをおさえた。だが、後漢は豪族の連合政権的なところがあり、政治は安定しなかった。この時代、税制は口算と呼ばれる人頭税や所有する財産に応じて課す資産税を基本とし、収穫に対して年貢を割り振る田律もあるにはあったが税率は低く、前漢の一時期にはそれさえ廃止されていた。 後漢末期の184年には、黄巾の乱と呼ばれる農民反乱がおきた。これ以降、隋が589年に中国を再統一するまで、一時期を除いて中国は分裂を続けた。この隋の再統一までの分裂の時代を魏晋南北朝時代という。また、この時期には日本や朝鮮など中国周辺の諸民族が独自の国家を形成し始めた時期でもある。 黄巾の乱が鎮圧されたあと、豪族が各地に独自政権を立てた。中でも有力であったのが、漢王朝の皇帝を擁していた曹操である。しかし、中国統一を目指していた曹操は、208年に赤壁の戦いで、江南の豪族孫権に敗れた。結局、曹操の死後、220年に曹操の子の曹丕が後漢の皇帝から皇帝の位を譲られ、魏を建国した。これに対して、221年には、現在の四川省に割拠していた劉備が皇帝となり、蜀を建国した。さらに、江南の孫権も229年に皇帝と称して、呉を建国した。この魏・呉・蜀の三国が並立した時代を三国時代という。 三国の中で、もっとも有力であったのは魏であった。魏は、官吏登用法として、九品官人法を採用した。これは、当初の目的としては各地の優れた人物を調べて推薦して官吏とするものであったが、結果として有力な貴族が官職を独占できるようになってしまい、早い時点で「上品に寒門なく、下品に勢族なし」との批判があった。結局九品官人法は、隋代まで続き、この間の貴族による政治体制を助けることとなった。 三国は基本的に魏と呉・蜀同盟との争いを軸としてしばしば交戦したが、蜀がまず263年に魏に滅ぼされ、その魏も有力な臣下であった司馬炎に265年に皇帝の位を譲るという形で滅亡した。司馬炎は皇帝となって国号を晋と命名し、さらに280年に呉を滅ぼし、中国を統一した。しかし、300年から帝位をめぐって各地の皇族が戦争を起こした(八王の乱)。このとき、五胡と呼ばれる異民族を軍隊として用いたため、これらの五胡が非常に強い力を持つようになった。316年には、五胡の1つである匈奴が晋をいったん滅ぼした。これ以降、中国の北方は、五胡の建てた国々が支配し、南方は江南に避難した晋王朝(南に移ったあとの晋を東晋という)が支配した。この時期は、戦乱を憎み、宗教に頼る向きがあった。代表的な宗教が仏教と道教であり、この2つの宗教は時には激しく対立することがあった。 さて、江南を中心とする中国の南方では、異民族を恐れて、中国の北方から人々が多く移住してきた。これらの人々によって、江南の開発が進み、それに伴い、貴族が大土地所有を行うということが一般的になり、貴族が国の政治を左右した。一部の貴族の権力は、しばしば皇帝権力よりも強かった。これらの貴族階層の者により散文、書画等の六朝文化と呼ばれる文化が発展した。東晋滅亡後、宋・斉・梁・陳という4つの王朝が江南地方を支配したが、貴族が強い力を握ることは変わらなかった。梁の武帝は仏教の保護に努めた。 北方では、鮮卑族の王朝である北魏が台頭し、439年には、華北を統一した。471年に即位した孝文帝は漢化政策を推し進めた。また、土地を国家が民衆に割り振る均田制を始め、律令制の基礎付けをした。しかし、このような漢化政策に反対する人がいたこともあり、北魏は、西魏と東魏に分裂した。西魏は北周へと、東魏は北斉へと王朝が交代した。577年には北周が北斉を滅ぼしたが、581年に隋が北周にとって代わった。589年に隋は南方の陳を滅ぼし、中国を統一した。 魏晋南北朝表も参照。 中国を統一した隋の文帝は、均田制・租庸調制・府兵制などを進め、中央集権化を目指した。また同時に九品中正法を廃止し、試験によって実力を測る科挙を採用した。しかし、文帝の後を継いだ煬帝は、江南・華北を結ぶ大運河を建設したり、度重なる遠征を行ったために、民衆の負担が増大した。このため農民反乱が起き、618年に隋は滅亡した。 隋に代わって、中国を支配した王朝が、唐である。唐は基本的に隋の支配システムを受け継いだ。626年に即位した太宗は、租庸調制を整備し、律令制を完成させた。唐の都の長安は、当時世界最大級の都市であり、各国の商人などが集まった。唐時代には、ゾロアスター教・景教・マニ教をはじめとする各地の宗教が流入した。また、文化史上も、唐時代の文学は最高のものとされる。 712年に即位した玄宗は国内の安定を目指したが、すでに律令制は制度疲労を起こしていた。また、周辺諸民族の統治に失敗したため、辺境に強大な軍事力が置かれた。これを節度使という。節度使は、後に軍権以外にも、民政権・財政権をももつようになり、力を強めていく。763年には、節度使の安禄山たちが安史の乱と呼ばれる反乱を起こした。この反乱は何とか鎮圧されたが、各地で土地の私有(荘園)が進み、土地の国有を前提とする均田制が行えなくなっていった。結局、政府は土地の私有を認めざるを得なくなった。結果として、律令制度は崩壊した。875年から884年には黄巣の乱と呼ばれる農民反乱がおき、唐王朝の権威は失墜した。このような中、各地の節度使はますます権力を強めた。907年には、節度使の1人である朱全忠が唐を滅ぼした。 唐の滅亡後、各地で節度使が争った。この時代を五代十国時代という。この戦乱を静めたのが、960年に皇帝となって宋を建国した趙匡胤である。ただし、完全に中国を宋が統一したのは趙匡胤の死後の976年である。 趙匡胤は、節度使が強い権力をもっていたことで戦乱が起きていたことを考え、軍隊は文官が率いるという文治主義をとった。また、これらの文官は、科挙によって登用された。宋からは、科挙の最終試験は皇帝自らが行うものとされ、科挙で登用された官吏と皇帝の結びつきは深まった。また、多くの国家機関を皇帝直属のものとし、中央集権・皇帝権力強化を進めた。科挙を受験した人々は大体が、地主層であった。これらの地主層を士大夫と呼び、のちの清時代まで、この層が皇帝権力を支え、官吏を輩出し続けた。 唐は、その強大な力によって、周辺諸民族を影響下においていたが、唐の衰退によってこれらの諸民族は自立し、独自文化を発達させた。また、宋は文治主義を採用していたため、戦いに不慣れな文官が軍隊を統制したので、軍事力が弱く、周辺諸民族との戦いにも負け続けた。なかでも、契丹族の遼・タングート族の西夏・女真族の金は、中国本土にも侵入し、宋を圧迫した。これらの民族は、魏晋南北朝時代の五胡と違い、中国文化を唯一絶対なものとせず、独自文化を保持し続けた。このような王朝を征服王朝という。後代の元や清も征服王朝であり、以降、中国文化はこれらの周辺諸民族の影響を強く受けるようになった。 1127年には、金の圧迫を受け、宋は、江南に移った。これ以前の宋を北宋、以降を南宋という。南宋時代には、江南の経済が急速に発展した。また、すでに唐代の終わりから、陸上の東西交易は衰退していたが、この時期には、ムスリム商人を中心とした海上の東西交易が発達した。当時の宋の特産品であった陶磁器から、この交易路はセラミックロードと呼ばれる。 文化的には、経済発展に伴って庶民文化が発達した。また、士大夫の中では新しい学問をもとめる動きが出て、儒教の一派として朱子学が生まれた。 13世紀初頭にモンゴル高原で、チンギス・ハーンが、モンゴルの諸部族を統一し、ユーラシア大陸各地へと、征服運動を開始した。モンゴル人たちは、東ヨーロッパ、ロシア、小アジア、メソポタミア、ペルシャ、アフガニスタン、チベットに至る広大な領域を支配し、この帝国はモンゴル帝国と呼ばれる。中国もまた征服活動の例外ではなかった。当時、黄河が南流し、山東半島の南に流れていたため、漢民族は北方民族の攻勢を防げなかった。華北は満州系の女真族による金が、南部を南宋が支配していたが、金は1234年、南宋は1279年にモンゴルに滅ぼされた。 モンゴル帝国は各地に王族や漢人有力者を分封した。モンゴル帝国の4代目の(ハーン)だったモンケが死ぬと、その後継を巡ってアリク・ブケとクビライが争った。抗争は結果的にクビライ優位に推移したが、これを機にユーラシアに広がった各ハン国の緩やかな分立は顕在化した。クビライは正当な手続きを経ないまま5代ハーンに即位したが、当時彼が直接支配できたのはモンゴル、華北、満州、中央アジアの東半分までで、それより西には統制力は及ばなかった。もっとも、こうして分裂が始まったといっても、帝国としての緩やかな連合は保たれ、ユーラシアには平和が訪れていた。1271年にクビライは元を国号として中国支配をすすめた。 モンゴル帝国(元)は未だ征服していなかった南宋への牽制のためにも日本に対して通交を求めたが、書面に脅迫的な言辞があるとして、武家政権だった時の日本政府(鎌倉幕府)は断った。このため二度に渡り日本に侵攻したが、成功しなかった(元寇)。元は三度目の日本侵攻を計画したが、実現には至らなかった。 中国南部を支配していた南宋を1279年に元が滅ぼしたのはすでに見たとおりである。 元の中国支配は、伝統的な中国王朝とは大きく異なっていた。元は中国の伝統的な統治機構を採用せず、遊牧民の政治の仕組みを中国に移入したからである。元の支配階級の人々は、すでに西方の優れた文化に触れていたため、中国文化を無批判に取り入れることはなかった。それは政治においても同様だったのである。それに伴い、伝統的な統治機構を担ってきた、儒教的な教養を身に付けた士大夫層は冷遇され、政権から遠ざけられた。そのため、彼らは曲や小説などの娯楽性の強い文学作品の執筆に携わった。この時代の曲は元曲と呼ばれ、中国文学史上最高のものとされる。また、モンゴル帝国がユーラシア大陸を広く支配したために、この時期は東西交易が前代に増して盛んになった。 クビライが死ぬと、幼いハーンや短命なハーンが相次ぎ、元では皇位継承戦争が頻発した。また、14世紀の初頭から気候は寒冷化し、洪水や疫病など大規模な天災が相次いだ。華北では大掛かりな治水工事が行われたが政府の出費は嵩む一方で、塩の専売策や紙幣の濫発は強化された。しかし、これは経済を混乱させるだけであった。そして、庶民の生活は困窮した。こうした中、各地で反乱が発生した。中でも最大規模のものは1351年に勃発した紅巾の乱であった。紅巾党の中から頭角をあらわした朱元璋は、1368年に南京で明王朝を樹立して皇帝に即位した。元政府は最後まで殆ど内輪もめを繰り返すばかりで、大規模な討伐軍を反乱者に差し向ける余力を持たなかった。最後の鎮圧軍も将軍トクトを中心に組織されたが、出発直前に時のハーン、ドゴン・テムルに殺され、軍隊は解体してしまう。こうした結果、同年、朱元璋は元の都の大都を陥落させ、元の政府はモンゴル高原へと撤退した。撤退後の元のことを北元といい、明と北元はしばしば争った。明王朝は1388年に北元は滅んだと称しているが、実質的にはその後も両者の争いは続いた。 朱元璋は即位すると、大規模な漢族回帰政策を行った。農業と儒教は重視され、商業は軽視された。また厳重な海禁政策が取られ、中世の間、比較的先進的だった中国が、ルネッサンスを迎える西欧に抜かれる幾つかの原因を作った。晩年には恐怖政治を行って、藍玉や方向儒ら創業以来の功臣を次々と粛清し、連座も含めて処刑された者達は数万人に上った。 朱元璋の死後、孫の建文帝が即位したが、洪武帝の四男である朱棣が反乱(靖難の変)を起こし、永楽帝として皇帝になった。永楽帝は、モンゴルを攻撃するなど、積極的に対外進出を進めた。また、海禁の例外として、国営貿易は行われ、鄭和を南洋に派遣して、諸国に朝貢を求めた。 永楽帝の死後、こうした例外が無くなったことで海禁政策は完全化し、貿易は著しく制限された。その後、モンゴルが再び勢力を強めはじめ、1449年には皇帝がモンゴルの捕虜になるという事件(土木の変)まで起きた。同じ頃、中国南部沿岸には、倭寇と呼ばれる海上の無法者たちが襲撃を重ねていた。これは、海禁政策で貿易が自由にできなくなっていたためである。倭寇とモンゴルを併称して北虜南倭というが、北虜南倭は明を強く苦しめた。 一方で、絶対的な皇帝独裁制だった為に、政治の質は皇帝の人格・能力によって左右された。そうした体制の常として、側近が力を持ち、その大多数が政体上、宦官が占めた明では、彼らが国政を壟断し、腐敗し、怨嗟の声は朝野に満ちた。 こうした全ての負担は民衆に重税となって圧し掛かかり、結果、各地で反乱が相次ぎ、その中で頭角をあらわした李自成が1644年に明を滅ぼした。 17世紀初頭には、現在の中国東北地方でヌルハチが女真族を統一した。その子のホンタイジは中国東北地方と内モンゴルを征服し、1636年にはモンゴル人から元の玉璽を譲られ、清を建国した。李自成が明を滅ぼすと清の軍隊は万里の長城を越えて、李自成の軍隊を打ち破り、中国全土を支配下に置いた。17世紀後半から18世紀にかけて、康熙帝・雍正帝・乾隆帝という3人の皇帝の下で、清の支配領域は中国本土と中国東北地方・モンゴルのほかに、台湾・東トルキスタン・チベットにまで及んだ。 この清の支配領域が大幅に広がった時期は、『四庫全書』の編纂など文化事業も盛んになった。しかし、これは学者をこのような事業に動員して、異民族支配に反抗する暇をなくそうとした面もあった。 明王朝の後期には、メキシコや日本から大量の銀が中国に流入し、貨幣として基本的に銀が使われるようになった。そのため、政府も一条鞭法と呼ばれる税を銀で払わせる税法を始めた。また、清代に入ると、人頭税を廃止し土地課税のみとする地丁銀制が始まった。また明清両代ともに商品経済が盛んになり、農業生産も向上した。 18世紀が終わるまでには、清とヨーロッパとの貿易はイギリスがほぼ独占していた。しかし、当時イギリスの物産で中国に売れるものはほとんどなく、逆に中国の安いお茶はイギリスの労働者階級を中心に大きな需要があったこともあり、イギリスは貿易赤字に苦しんだ。そこで、イギリスは麻薬であるアヘンを中国に輸出し始めた。結果、イギリスは大幅な貿易黒字に転じた。しかし、中国にはアヘン中毒者が蔓延し、この事態を重く見た清朝政府は、1839年に林則徐に命じてアヘン貿易を取り締まらせた。しかし、これに反発したイギリス政府は清に対して翌1840年宣戦布告した。アヘン戦争と呼ばれるこの戦争では、工業化をとげ、近代兵器を持っていたイギリス軍が勝利した。これ以降、イギリスをはじめとするヨーロッパの列強による中国の半植民地化が進んだ。 国内的には、太平天国の乱などの反乱もしばしば起きた。これに対し、同治帝(在位1861年 - 1875年)の治世の下で、ヨーロッパの技術の取り入れ(洋務運動)が行われた。 1894年から翌1895年にかけて清王朝と大日本帝国との間で行われた日清戦争にも清は敗退した。これは洋務運動の失敗を意味するものであった。この戦争の結果、大日本帝国と清王朝と清との間で結んだ下関条約により、李氏朝鮮の独立が認められ、中国の王朝が長年続けてきた冊封体制が崩壊した。 その後、清王朝は改革を進めようとしたものの、沿岸地域を租借地とされるなどのイギリス・フランス・ロシア帝国・ドイツ帝国・アメリカ合衆国・大日本帝国による半植民地化の動きは止まらなかった。結局、1911年の武昌での軍隊蜂起をきっかけに辛亥革命が起こり、各地の省が清からの独立を宣言した。翌1912年1月1日、革命派の首領の孫文によって南京で中華民国の樹立が宣言された。北京にいた清の皇帝溥儀(宣統帝)は、清王朝内部の実力者である袁世凱によって2月12日に引摺り下ろされ、これを以って中国の君主制は廃止された。 民国時代。1912年に20世紀初の共和制国家である中華民国は成立したものの、実際は各地の軍閥が群雄割拠する状態であり、列強による中国の半植民地化も止まらなかった。清王朝からの権益保持を狙うイギリスはロシア帝国や大日本帝国を牽制するためにモンゴル、ウイグル、満州諸族を中華民国が支配することを認めながら、チベットを保護下に収めた。そんな中、孫文の後継者である蒋介石は、1926年に広州から北伐を開始し、ほぼ中国全土を支配するに至った。蒋介石は経済近代化のための新通貨(法幣)の権益をイギリスに与えることにより、姻族の宋氏と共に民国の政治・軍事・経済を独裁的に掌握することとなった。 1921年には中国共産党が成立し、一時蒋介石率いる中国国民党とも協力していた。しかし、蒋介石は共産主義を敵視していたため両者の協力関係は終わり、中国共産党は毛沢東の指揮のもと、農村を中心としてその支配領域を広げていった。これに対し、蒋介石は断固とした攻撃を加え瑞金に包囲し、延安に追った。 ソビエト連邦が樹立したモンゴル人民共和国に対抗するため、大日本帝国は1931年に張景恵ら満州軍閥と共同して、蒋介石の満州進出に了解を与えた張学良を追い、満州国を独立させた。1937年には、日本軍が中国本土に侵入し、中華民国と全面戦争に入った(日中戦争)。これに対し、蒋介石は当初日本との戦いよりも中国共産党との戦いを優先していたが、西安事件により、二つの党が協力して大日本帝国と戦うことになった。 しかし日中戦争は当初日本軍優位に進み、日本軍は多くの都市を占領したが、各拠点支配はできても広大な中国において面での支配はできず、これを利用した国民党軍・共産党軍ともに各地でゲリラ戦を行い日本軍を苦しめ、戦線を膠着させた。日本軍は汪兆銘ら国民等左派を懐柔、南京国民政府を樹立させたが、国内外ともに支持は得られなかった。加えて1941年12月、大日本帝国は中華民国に加えてアメリカやイギリスとも戦端を開いたが(太平洋戦争)、一方で中華民国で多くの軍隊を釘付けにされるなど、苦しい状況に落ち込まされた。国民党政府は連合国側に所属し、アメリカなどの豊富な救援を受けることとなった。 結局、戦争は1945年9月2日に大日本帝国が降伏することで終わった。国民党政府は連合軍に所属していたこともあり、勝戦国として有利な立場を有することとなり、日本だけでなく、ヨーロッパ諸国も租界を返還するなど、中国の半植民地化は一応の終わりを見せた。 しかしまもなく国民党と共産党との対立が激化して、国共内戦が勃発し、結果として中国共産党が勝利した。1949年10月1日に毛沢東が中華人民共和国の成立を宣言した。内戦に敗れた中国国民党は台湾に撤退し、引き続き現在にいたるまで中華民国と名乗っているが、国家承認している国は30ヶ国程度である。 共産党時代。1949年に中華人民共和国が成立すると、毛沢東政権は「反革命分子」を相次いで処刑し、その数は政府発足から6年間で少なくとも1000万人以上に達すると言われる。また、1950年代にチベットを「解放」の名目で軍事制圧し、ここでも数十万人の大虐殺を行なったとされる。チベットの最高指導者、ダライ・ラマ(14世)はインドに亡命し、未だ帰還していない。 1953年より社会主義化が進み、人民政治協商会議に代わって全国人民代表大会が成立、農業生産合作社が組織された。1958年、毛沢東は大躍進政策を開始し、人民公社化を推進した。しかし、無計画に進められた大躍進政策は2000万人~4000万人以上とも言われる大量の餓死者を出して失敗に終わった。その後、劉少奇国家主席が経済調整を行うがこの行いに毛沢東と支持者が猛反発し、1966年に毛沢東は文化大革命を発動させ劉少奇とその支持者らを政治の舞台から追い出した。 この文化大革命は政治だけでなく一般にも多大な影響を与え、青少年によって結成された紅衛兵が反革命派とされた人間をつるし上げたりしていた。後期になると国内の内乱状態を引き起こし、最終的に1976年の毛沢東死去で終結した。各地で大量の殺戮が行われ、その犠牲者の合計数は2000万人とも言われている。その後は一旦華国鋒が後を継いだが失脚し、鄧小平が政権を握った。鄧小平は、政治体制は共産党一党独裁を堅持しつつ、資本主義経済導入などの][w:改革開放|開放政策]]を取り、近代化を進めた。 1989年には北京で、民主化を求める学生や市民のデモ(天安門事件)が起きた。しかし、これは人民解放軍により武力鎮圧された。その一連の民主化運動の犠牲者数は中国共産党政府の報告と諸外国の調査との意見の違いがあるが、数百人から数十万人に上るといわれている。天安門事件後の1990年代には、江沢民政権のもとで、鄧小平路線に従い、経済の改革開放が進み、「世界の工場」と呼ばれるほどに経済は急成長した。ただ、急激な経済成長に伴う貧富差の拡大や環境破壊が問題となっている。また、政治の民主化も進んでいないとする国内外からの批判も根強い。そもそも憲法で「社会主義国」と明記されているため、憲法改正などがない限り現状通りと考えられる。 詳しくは「香港の歴史」を参照 1997年にイギリス(グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国)から返還された香港(とその付近)は「香港特別行政区」として2047年まで「一国二制度」のもと中国本土に比べ比較的民主的な政治が行われることになっている。 少数民族が住む新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)やチベット自治区および前述の香港では、現在も独立を求める動きがある。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "中国は世界で最も古く文明が現れた地域の一つで、5000年から3500年前頃を文明の時期として扱われることが多い。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "中国では、古くから文明が発達した。中国文明と呼ばれるものは、大きく分けて黄河文明と長江文明の2つがある。黄河文明は、畑作が中心、長江文明は稲作が中心であった。黄河文明が、歴史時代の殷(商)や周につながっていき、中国の歴史の中軸となった。長江文明は次第に、黄河文明に同化吸収されていった(黄河文明・長江文明)。 また、現在中国人口の大部分を占めるとする漢民族は、こうした過程で次第に形成されたが、歴史の始めから存在したわけではない。例えば、史上実証されているうちの最古の王朝殷は、民族的には東夷に近い人種とされ、1970年頃まではコーカソイド説さえ存在した。他に、周など中原の人達、楚人、越人、秦や中山など全て互いに、文化的にも風俗的にも性格を異にした。それらが長い時間をかけて混ざり混ざって、諸夏と言われた古代の漢人が形成され、さらに中世初頭の五胡十六国の時代には匈奴や鮮卑など幾つもの異民族が大挙して中国大陸に流入し、その都度混淆が進むうちに、現代の漢族が形成されたのである。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "中国最古の王朝としては、伝説上では三皇五帝や夏が知られている。そして、二里頭遺跡など様々な遺跡が発掘されるが、それらと史料は符合せず、現在、明らかに実在が確認できるのは殷以降の王朝である。殷では、王が占いによって政治を行っていた(神権政治)。また制度については奴隷制国家であるという説と、これから説明する封建制の嚆矢だとする説がある。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "紀元前12~11世紀頃に殷を滅ぼした周は、各地の有力者や王族を諸侯として、土地を与えた。これを封建制という。しかし、周王朝は徐々に弱体化し、異民族に攻められ、紀元前770年には、宗周(鎬京・後の長安)から成周(雒邑・後の洛陽)へ遷都した。これ以降を春秋時代と呼ぶ。春秋時代には、周王朝の権威はまだ残っていたが、諸侯達は自立傾向を強めていき、紀元前403年から始まるとされる戦国時代には、周王朝の権威は無視されるようになる。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "春秋戦国時代は、諸侯が争う戦乱の時代であった。しかし、各諸侯国は富国強兵に努め、商工業が発達し、貨幣も使用されるようになった。また、この時代に鉄器が普及したこともあいまって、農業生産も増大した。また、このような戦乱の世をどのように過ごすべきかという思想がさまざまな人たちによって作られた。このような思想を説いた人たちを諸子百家という。諸子百家の中でも、道家や孔子・孟子に代表される儒家は、後の中国思想の中心となった。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "現在の陝西省あたりにあった秦は、戦国時代に着々と勢力を伸ばした。勢力を伸ばした背景には、厳格な法律で人々を統治しようとする法家の思想を採用して、富国強兵に努めたことにあった。秦王政は、他の6つの列強を次々と滅ぼし、紀元前221年には史上はじめての中国統一を成し遂げた。秦王政は、自らの偉業をたたえ、王の称号を捨て、王を超える称号として三皇五帝の一部を用い、自ら始皇帝と名乗った。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "始皇帝は、法家の李斯を登用し、中央集権化を推し進めた。このとき、中央から派遣した役人が全国の各地方を支配する郡県制が施行された。また、文字・貨幣・度量衡の統一も行われた。さらに、当時モンゴル高原に勢力をもっていた遊牧民族の匈奴を防ぐために万里の長城を建設させた。さらに、軍隊を派遣して、匈奴の南下を抑えた。また、嶺南地方(現在の広東省)にも軍を派遣し、この地にいた百越諸族を制圧した。しかし、このような中央集権化や土木事業・軍事作戦は人々に多大な負担を与えた。そのため、紀元前210年に始皇帝が死ぬと、翌年には陳勝・呉広の乱という農民反乱がおきた。これに刺激され各地で反乱がおき、ついに秦は紀元前206年に滅びた。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "秦が滅びた後、劉邦と項羽が覇権をめぐって争った(楚漢戦争)が、紀元前202年には、劉邦が項羽を破り、漢の皇帝となった。劉邦は、始皇帝が急速な中央集権化を推し進めて失敗したことから、一部の地域には親戚や臣下を王として治めさせ、ほかの地域を中央が直接管理できるようにした。これを郡国制という。しかし、紀元前154年には、各地の王が中央に対して呉楚七国の乱と呼ばれる反乱を起こした。この反乱は鎮圧され、結果として、中央集権化が進んだ。紀元前141年に即位した武帝|は、国内の安定もあり、対外発展を推し進めた。武帝は匈奴を撃退し、シルクロードを通じた西方との貿易を直接行えるようにした。また、朝鮮半島北部、ベトナム北中部にも侵攻した。これらの地域はその後も強く中国文化の影響を受けることとなった。また、武帝は董仲舒の意見を聞いて、儒教を統治の基本とした。これ以降、中国の王朝は基本的に儒教を統治の基本としていく。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "しかし、度重なる軍事行動は、人々の生活を苦しめた。8年には、王莽が皇帝の位を奪って、一旦漢を滅ぼした。しかし、王莽の政治はよくなかったので、各地で反乱が起きた。結局、漢の皇族の血を引く劉秀が、漢を復興させた。この劉秀が建てた漢を後漢という。王朝初期には雲南に進出し、また、西域に班超を派遣し、シルクロードをおさえた。だが、後漢は豪族の連合政権的なところがあり、政治は安定しなかった。この時代、税制は口算と呼ばれる人頭税や所有する財産に応じて課す資産税を基本とし、収穫に対して年貢を割り振る田律もあるにはあったが税率は低く、前漢の一時期にはそれさえ廃止されていた。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "後漢末期の184年には、黄巾の乱と呼ばれる農民反乱がおきた。これ以降、隋が589年に中国を再統一するまで、一時期を除いて中国は分裂を続けた。この隋の再統一までの分裂の時代を魏晋南北朝時代という。また、この時期には日本や朝鮮など中国周辺の諸民族が独自の国家を形成し始めた時期でもある。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "黄巾の乱が鎮圧されたあと、豪族が各地に独自政権を立てた。中でも有力であったのが、漢王朝の皇帝を擁していた曹操である。しかし、中国統一を目指していた曹操は、208年に赤壁の戦いで、江南の豪族孫権に敗れた。結局、曹操の死後、220年に曹操の子の曹丕が後漢の皇帝から皇帝の位を譲られ、魏を建国した。これに対して、221年には、現在の四川省に割拠していた劉備が皇帝となり、蜀を建国した。さらに、江南の孫権も229年に皇帝と称して、呉を建国した。この魏・呉・蜀の三国が並立した時代を三国時代という。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "三国の中で、もっとも有力であったのは魏であった。魏は、官吏登用法として、九品官人法を採用した。これは、当初の目的としては各地の優れた人物を調べて推薦して官吏とするものであったが、結果として有力な貴族が官職を独占できるようになってしまい、早い時点で「上品に寒門なく、下品に勢族なし」との批判があった。結局九品官人法は、隋代まで続き、この間の貴族による政治体制を助けることとなった。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "三国は基本的に魏と呉・蜀同盟との争いを軸としてしばしば交戦したが、蜀がまず263年に魏に滅ぼされ、その魏も有力な臣下であった司馬炎に265年に皇帝の位を譲るという形で滅亡した。司馬炎は皇帝となって国号を晋と命名し、さらに280年に呉を滅ぼし、中国を統一した。しかし、300年から帝位をめぐって各地の皇族が戦争を起こした(八王の乱)。このとき、五胡と呼ばれる異民族を軍隊として用いたため、これらの五胡が非常に強い力を持つようになった。316年には、五胡の1つである匈奴が晋をいったん滅ぼした。これ以降、中国の北方は、五胡の建てた国々が支配し、南方は江南に避難した晋王朝(南に移ったあとの晋を東晋という)が支配した。この時期は、戦乱を憎み、宗教に頼る向きがあった。代表的な宗教が仏教と道教であり、この2つの宗教は時には激しく対立することがあった。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "さて、江南を中心とする中国の南方では、異民族を恐れて、中国の北方から人々が多く移住してきた。これらの人々によって、江南の開発が進み、それに伴い、貴族が大土地所有を行うということが一般的になり、貴族が国の政治を左右した。一部の貴族の権力は、しばしば皇帝権力よりも強かった。これらの貴族階層の者により散文、書画等の六朝文化と呼ばれる文化が発展した。東晋滅亡後、宋・斉・梁・陳という4つの王朝が江南地方を支配したが、貴族が強い力を握ることは変わらなかった。梁の武帝は仏教の保護に努めた。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "北方では、鮮卑族の王朝である北魏が台頭し、439年には、華北を統一した。471年に即位した孝文帝は漢化政策を推し進めた。また、土地を国家が民衆に割り振る均田制を始め、律令制の基礎付けをした。しかし、このような漢化政策に反対する人がいたこともあり、北魏は、西魏と東魏に分裂した。西魏は北周へと、東魏は北斉へと王朝が交代した。577年には北周が北斉を滅ぼしたが、581年に隋が北周にとって代わった。589年に隋は南方の陳を滅ぼし、中国を統一した。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "魏晋南北朝表も参照。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "中国を統一した隋の文帝は、均田制・租庸調制・府兵制などを進め、中央集権化を目指した。また同時に九品中正法を廃止し、試験によって実力を測る科挙を採用した。しかし、文帝の後を継いだ煬帝は、江南・華北を結ぶ大運河を建設したり、度重なる遠征を行ったために、民衆の負担が増大した。このため農民反乱が起き、618年に隋は滅亡した。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "隋に代わって、中国を支配した王朝が、唐である。唐は基本的に隋の支配システムを受け継いだ。626年に即位した太宗は、租庸調制を整備し、律令制を完成させた。唐の都の長安は、当時世界最大級の都市であり、各国の商人などが集まった。唐時代には、ゾロアスター教・景教・マニ教をはじめとする各地の宗教が流入した。また、文化史上も、唐時代の文学は最高のものとされる。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "712年に即位した玄宗は国内の安定を目指したが、すでに律令制は制度疲労を起こしていた。また、周辺諸民族の統治に失敗したため、辺境に強大な軍事力が置かれた。これを節度使という。節度使は、後に軍権以外にも、民政権・財政権をももつようになり、力を強めていく。763年には、節度使の安禄山たちが安史の乱と呼ばれる反乱を起こした。この反乱は何とか鎮圧されたが、各地で土地の私有(荘園)が進み、土地の国有を前提とする均田制が行えなくなっていった。結局、政府は土地の私有を認めざるを得なくなった。結果として、律令制度は崩壊した。875年から884年には黄巣の乱と呼ばれる農民反乱がおき、唐王朝の権威は失墜した。このような中、各地の節度使はますます権力を強めた。907年には、節度使の1人である朱全忠が唐を滅ぼした。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "唐の滅亡後、各地で節度使が争った。この時代を五代十国時代という。この戦乱を静めたのが、960年に皇帝となって宋を建国した趙匡胤である。ただし、完全に中国を宋が統一したのは趙匡胤の死後の976年である。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "趙匡胤は、節度使が強い権力をもっていたことで戦乱が起きていたことを考え、軍隊は文官が率いるという文治主義をとった。また、これらの文官は、科挙によって登用された。宋からは、科挙の最終試験は皇帝自らが行うものとされ、科挙で登用された官吏と皇帝の結びつきは深まった。また、多くの国家機関を皇帝直属のものとし、中央集権・皇帝権力強化を進めた。科挙を受験した人々は大体が、地主層であった。これらの地主層を士大夫と呼び、のちの清時代まで、この層が皇帝権力を支え、官吏を輩出し続けた。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "唐は、その強大な力によって、周辺諸民族を影響下においていたが、唐の衰退によってこれらの諸民族は自立し、独自文化を発達させた。また、宋は文治主義を採用していたため、戦いに不慣れな文官が軍隊を統制したので、軍事力が弱く、周辺諸民族との戦いにも負け続けた。なかでも、契丹族の遼・タングート族の西夏・女真族の金は、中国本土にも侵入し、宋を圧迫した。これらの民族は、魏晋南北朝時代の五胡と違い、中国文化を唯一絶対なものとせず、独自文化を保持し続けた。このような王朝を征服王朝という。後代の元や清も征服王朝であり、以降、中国文化はこれらの周辺諸民族の影響を強く受けるようになった。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "1127年には、金の圧迫を受け、宋は、江南に移った。これ以前の宋を北宋、以降を南宋という。南宋時代には、江南の経済が急速に発展した。また、すでに唐代の終わりから、陸上の東西交易は衰退していたが、この時期には、ムスリム商人を中心とした海上の東西交易が発達した。当時の宋の特産品であった陶磁器から、この交易路はセラミックロードと呼ばれる。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "文化的には、経済発展に伴って庶民文化が発達した。また、士大夫の中では新しい学問をもとめる動きが出て、儒教の一派として朱子学が生まれた。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "13世紀初頭にモンゴル高原で、チンギス・ハーンが、モンゴルの諸部族を統一し、ユーラシア大陸各地へと、征服運動を開始した。モンゴル人たちは、東ヨーロッパ、ロシア、小アジア、メソポタミア、ペルシャ、アフガニスタン、チベットに至る広大な領域を支配し、この帝国はモンゴル帝国と呼ばれる。中国もまた征服活動の例外ではなかった。当時、黄河が南流し、山東半島の南に流れていたため、漢民族は北方民族の攻勢を防げなかった。華北は満州系の女真族による金が、南部を南宋が支配していたが、金は1234年、南宋は1279年にモンゴルに滅ぼされた。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "モンゴル帝国は各地に王族や漢人有力者を分封した。モンゴル帝国の4代目の(ハーン)だったモンケが死ぬと、その後継を巡ってアリク・ブケとクビライが争った。抗争は結果的にクビライ優位に推移したが、これを機にユーラシアに広がった各ハン国の緩やかな分立は顕在化した。クビライは正当な手続きを経ないまま5代ハーンに即位したが、当時彼が直接支配できたのはモンゴル、華北、満州、中央アジアの東半分までで、それより西には統制力は及ばなかった。もっとも、こうして分裂が始まったといっても、帝国としての緩やかな連合は保たれ、ユーラシアには平和が訪れていた。1271年にクビライは元を国号として中国支配をすすめた。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "モンゴル帝国(元)は未だ征服していなかった南宋への牽制のためにも日本に対して通交を求めたが、書面に脅迫的な言辞があるとして、武家政権だった時の日本政府(鎌倉幕府)は断った。このため二度に渡り日本に侵攻したが、成功しなかった(元寇)。元は三度目の日本侵攻を計画したが、実現には至らなかった。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "中国南部を支配していた南宋を1279年に元が滅ぼしたのはすでに見たとおりである。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "元の中国支配は、伝統的な中国王朝とは大きく異なっていた。元は中国の伝統的な統治機構を採用せず、遊牧民の政治の仕組みを中国に移入したからである。元の支配階級の人々は、すでに西方の優れた文化に触れていたため、中国文化を無批判に取り入れることはなかった。それは政治においても同様だったのである。それに伴い、伝統的な統治機構を担ってきた、儒教的な教養を身に付けた士大夫層は冷遇され、政権から遠ざけられた。そのため、彼らは曲や小説などの娯楽性の強い文学作品の執筆に携わった。この時代の曲は元曲と呼ばれ、中国文学史上最高のものとされる。また、モンゴル帝国がユーラシア大陸を広く支配したために、この時期は東西交易が前代に増して盛んになった。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "クビライが死ぬと、幼いハーンや短命なハーンが相次ぎ、元では皇位継承戦争が頻発した。また、14世紀の初頭から気候は寒冷化し、洪水や疫病など大規模な天災が相次いだ。華北では大掛かりな治水工事が行われたが政府の出費は嵩む一方で、塩の専売策や紙幣の濫発は強化された。しかし、これは経済を混乱させるだけであった。そして、庶民の生活は困窮した。こうした中、各地で反乱が発生した。中でも最大規模のものは1351年に勃発した紅巾の乱であった。紅巾党の中から頭角をあらわした朱元璋は、1368年に南京で明王朝を樹立して皇帝に即位した。元政府は最後まで殆ど内輪もめを繰り返すばかりで、大規模な討伐軍を反乱者に差し向ける余力を持たなかった。最後の鎮圧軍も将軍トクトを中心に組織されたが、出発直前に時のハーン、ドゴン・テムルに殺され、軍隊は解体してしまう。こうした結果、同年、朱元璋は元の都の大都を陥落させ、元の政府はモンゴル高原へと撤退した。撤退後の元のことを北元といい、明と北元はしばしば争った。明王朝は1388年に北元は滅んだと称しているが、実質的にはその後も両者の争いは続いた。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "朱元璋は即位すると、大規模な漢族回帰政策を行った。農業と儒教は重視され、商業は軽視された。また厳重な海禁政策が取られ、中世の間、比較的先進的だった中国が、ルネッサンスを迎える西欧に抜かれる幾つかの原因を作った。晩年には恐怖政治を行って、藍玉や方向儒ら創業以来の功臣を次々と粛清し、連座も含めて処刑された者達は数万人に上った。 朱元璋の死後、孫の建文帝が即位したが、洪武帝の四男である朱棣が反乱(靖難の変)を起こし、永楽帝として皇帝になった。永楽帝は、モンゴルを攻撃するなど、積極的に対外進出を進めた。また、海禁の例外として、国営貿易は行われ、鄭和を南洋に派遣して、諸国に朝貢を求めた。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "永楽帝の死後、こうした例外が無くなったことで海禁政策は完全化し、貿易は著しく制限された。その後、モンゴルが再び勢力を強めはじめ、1449年には皇帝がモンゴルの捕虜になるという事件(土木の変)まで起きた。同じ頃、中国南部沿岸には、倭寇と呼ばれる海上の無法者たちが襲撃を重ねていた。これは、海禁政策で貿易が自由にできなくなっていたためである。倭寇とモンゴルを併称して北虜南倭というが、北虜南倭は明を強く苦しめた。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "一方で、絶対的な皇帝独裁制だった為に、政治の質は皇帝の人格・能力によって左右された。そうした体制の常として、側近が力を持ち、その大多数が政体上、宦官が占めた明では、彼らが国政を壟断し、腐敗し、怨嗟の声は朝野に満ちた。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "こうした全ての負担は民衆に重税となって圧し掛かかり、結果、各地で反乱が相次ぎ、その中で頭角をあらわした李自成が1644年に明を滅ぼした。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "17世紀初頭には、現在の中国東北地方でヌルハチが女真族を統一した。その子のホンタイジは中国東北地方と内モンゴルを征服し、1636年にはモンゴル人から元の玉璽を譲られ、清を建国した。李自成が明を滅ぼすと清の軍隊は万里の長城を越えて、李自成の軍隊を打ち破り、中国全土を支配下に置いた。17世紀後半から18世紀にかけて、康熙帝・雍正帝・乾隆帝という3人の皇帝の下で、清の支配領域は中国本土と中国東北地方・モンゴルのほかに、台湾・東トルキスタン・チベットにまで及んだ。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "この清の支配領域が大幅に広がった時期は、『四庫全書』の編纂など文化事業も盛んになった。しかし、これは学者をこのような事業に動員して、異民族支配に反抗する暇をなくそうとした面もあった。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "明王朝の後期には、メキシコや日本から大量の銀が中国に流入し、貨幣として基本的に銀が使われるようになった。そのため、政府も一条鞭法と呼ばれる税を銀で払わせる税法を始めた。また、清代に入ると、人頭税を廃止し土地課税のみとする地丁銀制が始まった。また明清両代ともに商品経済が盛んになり、農業生産も向上した。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "18世紀が終わるまでには、清とヨーロッパとの貿易はイギリスがほぼ独占していた。しかし、当時イギリスの物産で中国に売れるものはほとんどなく、逆に中国の安いお茶はイギリスの労働者階級を中心に大きな需要があったこともあり、イギリスは貿易赤字に苦しんだ。そこで、イギリスは麻薬であるアヘンを中国に輸出し始めた。結果、イギリスは大幅な貿易黒字に転じた。しかし、中国にはアヘン中毒者が蔓延し、この事態を重く見た清朝政府は、1839年に林則徐に命じてアヘン貿易を取り締まらせた。しかし、これに反発したイギリス政府は清に対して翌1840年宣戦布告した。アヘン戦争と呼ばれるこの戦争では、工業化をとげ、近代兵器を持っていたイギリス軍が勝利した。これ以降、イギリスをはじめとするヨーロッパの列強による中国の半植民地化が進んだ。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "国内的には、太平天国の乱などの反乱もしばしば起きた。これに対し、同治帝(在位1861年 - 1875年)の治世の下で、ヨーロッパの技術の取り入れ(洋務運動)が行われた。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "1894年から翌1895年にかけて清王朝と大日本帝国との間で行われた日清戦争にも清は敗退した。これは洋務運動の失敗を意味するものであった。この戦争の結果、大日本帝国と清王朝と清との間で結んだ下関条約により、李氏朝鮮の独立が認められ、中国の王朝が長年続けてきた冊封体制が崩壊した。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "その後、清王朝は改革を進めようとしたものの、沿岸地域を租借地とされるなどのイギリス・フランス・ロシア帝国・ドイツ帝国・アメリカ合衆国・大日本帝国による半植民地化の動きは止まらなかった。結局、1911年の武昌での軍隊蜂起をきっかけに辛亥革命が起こり、各地の省が清からの独立を宣言した。翌1912年1月1日、革命派の首領の孫文によって南京で中華民国の樹立が宣言された。北京にいた清の皇帝溥儀(宣統帝)は、清王朝内部の実力者である袁世凱によって2月12日に引摺り下ろされ、これを以って中国の君主制は廃止された。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "民国時代。1912年に20世紀初の共和制国家である中華民国は成立したものの、実際は各地の軍閥が群雄割拠する状態であり、列強による中国の半植民地化も止まらなかった。清王朝からの権益保持を狙うイギリスはロシア帝国や大日本帝国を牽制するためにモンゴル、ウイグル、満州諸族を中華民国が支配することを認めながら、チベットを保護下に収めた。そんな中、孫文の後継者である蒋介石は、1926年に広州から北伐を開始し、ほぼ中国全土を支配するに至った。蒋介石は経済近代化のための新通貨(法幣)の権益をイギリスに与えることにより、姻族の宋氏と共に民国の政治・軍事・経済を独裁的に掌握することとなった。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "1921年には中国共産党が成立し、一時蒋介石率いる中国国民党とも協力していた。しかし、蒋介石は共産主義を敵視していたため両者の協力関係は終わり、中国共産党は毛沢東の指揮のもと、農村を中心としてその支配領域を広げていった。これに対し、蒋介石は断固とした攻撃を加え瑞金に包囲し、延安に追った。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "ソビエト連邦が樹立したモンゴル人民共和国に対抗するため、大日本帝国は1931年に張景恵ら満州軍閥と共同して、蒋介石の満州進出に了解を与えた張学良を追い、満州国を独立させた。1937年には、日本軍が中国本土に侵入し、中華民国と全面戦争に入った(日中戦争)。これに対し、蒋介石は当初日本との戦いよりも中国共産党との戦いを優先していたが、西安事件により、二つの党が協力して大日本帝国と戦うことになった。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "しかし日中戦争は当初日本軍優位に進み、日本軍は多くの都市を占領したが、各拠点支配はできても広大な中国において面での支配はできず、これを利用した国民党軍・共産党軍ともに各地でゲリラ戦を行い日本軍を苦しめ、戦線を膠着させた。日本軍は汪兆銘ら国民等左派を懐柔、南京国民政府を樹立させたが、国内外ともに支持は得られなかった。加えて1941年12月、大日本帝国は中華民国に加えてアメリカやイギリスとも戦端を開いたが(太平洋戦争)、一方で中華民国で多くの軍隊を釘付けにされるなど、苦しい状況に落ち込まされた。国民党政府は連合国側に所属し、アメリカなどの豊富な救援を受けることとなった。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "結局、戦争は1945年9月2日に大日本帝国が降伏することで終わった。国民党政府は連合軍に所属していたこともあり、勝戦国として有利な立場を有することとなり、日本だけでなく、ヨーロッパ諸国も租界を返還するなど、中国の半植民地化は一応の終わりを見せた。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "しかしまもなく国民党と共産党との対立が激化して、国共内戦が勃発し、結果として中国共産党が勝利した。1949年10月1日に毛沢東が中華人民共和国の成立を宣言した。内戦に敗れた中国国民党は台湾に撤退し、引き続き現在にいたるまで中華民国と名乗っているが、国家承認している国は30ヶ国程度である。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "共産党時代。1949年に中華人民共和国が成立すると、毛沢東政権は「反革命分子」を相次いで処刑し、その数は政府発足から6年間で少なくとも1000万人以上に達すると言われる。また、1950年代にチベットを「解放」の名目で軍事制圧し、ここでも数十万人の大虐殺を行なったとされる。チベットの最高指導者、ダライ・ラマ(14世)はインドに亡命し、未だ帰還していない。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "1953年より社会主義化が進み、人民政治協商会議に代わって全国人民代表大会が成立、農業生産合作社が組織された。1958年、毛沢東は大躍進政策を開始し、人民公社化を推進した。しかし、無計画に進められた大躍進政策は2000万人~4000万人以上とも言われる大量の餓死者を出して失敗に終わった。その後、劉少奇国家主席が経済調整を行うがこの行いに毛沢東と支持者が猛反発し、1966年に毛沢東は文化大革命を発動させ劉少奇とその支持者らを政治の舞台から追い出した。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "この文化大革命は政治だけでなく一般にも多大な影響を与え、青少年によって結成された紅衛兵が反革命派とされた人間をつるし上げたりしていた。後期になると国内の内乱状態を引き起こし、最終的に1976年の毛沢東死去で終結した。各地で大量の殺戮が行われ、その犠牲者の合計数は2000万人とも言われている。その後は一旦華国鋒が後を継いだが失脚し、鄧小平が政権を握った。鄧小平は、政治体制は共産党一党独裁を堅持しつつ、資本主義経済導入などの][w:改革開放|開放政策]]を取り、近代化を進めた。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "1989年には北京で、民主化を求める学生や市民のデモ(天安門事件)が起きた。しかし、これは人民解放軍により武力鎮圧された。その一連の民主化運動の犠牲者数は中国共産党政府の報告と諸外国の調査との意見の違いがあるが、数百人から数十万人に上るといわれている。天安門事件後の1990年代には、江沢民政権のもとで、鄧小平路線に従い、経済の改革開放が進み、「世界の工場」と呼ばれるほどに経済は急成長した。ただ、急激な経済成長に伴う貧富差の拡大や環境破壊が問題となっている。また、政治の民主化も進んでいないとする国内外からの批判も根強い。そもそも憲法で「社会主義国」と明記されているため、憲法改正などがない限り現状通りと考えられる。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "詳しくは「香港の歴史」を参照", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "1997年にイギリス(グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国)から返還された香港(とその付近)は「香港特別行政区」として2047年まで「一国二制度」のもと中国本土に比べ比較的民主的な政治が行われることになっている。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "少数民族が住む新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)やチベット自治区および前述の香港では、現在も独立を求める動きがある。", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "", "title": "概略" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "", "title": "朝代の歌" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "", "title": "朝代の歌" } ]
歴史 > 中国史 世界史 > 中国史 中国は世界で最も古く文明が現れた地域の一つで、5000年から3500年前頃を文明の時期として扱われることが多い。
*[[歴史]] > 中国史 *[[世界史]] > 中国史 [[w:中国|中国]]は世界で最も古く[[w:文明|文明]]が現れた地域の一つで、5000年から3500年前頃を文明の時期として扱われることが多い。 ==概略== ===先史時代=== 中国では、古くから文明が発達した。中国文明と呼ばれるものは、大きく分けて[[w:黄河文明|黄河文明]]と[[w:長江文明|長江文明]]の2つがある。黄河文明は、[[w:畑作|畑作]]が中心、長江文明は[[w:稲作|稲作]]が中心であった。黄河文明が、歴史時代の[[w:殷|殷]](商)や[[w:周|周]]につながっていき、中国の歴史の中軸となった。長江文明は次第に、黄河文明に同化吸収されていった([[黄河文明・長江文明]])。 また、現在中国人口の大部分を占めるとする[[w:漢民族|漢民族]]は、こうした過程で次第に形成されたが、歴史の始めから存在したわけではない。例えば、史上実証されているうちの最古の王朝殷は、民族的には東夷に近い人種とされ、1970年頃まではコーカソイド説さえ存在した。他に、周など中原の人達、楚人、越人、秦や中山など全て互いに、文化的にも風俗的にも性格を異にした。それらが長い時間をかけて混ざり混ざって、諸夏と言われた古代の漢人が形成され、さらに中世初頭の五胡十六国の時代には匈奴や鮮卑など幾つもの異民族が大挙して中国大陸に流入し、その都度混淆が進むうちに、現代の漢族が形成されたのである。 ===[[殷]]~[[戦国時代]]=== 中国最古の王朝としては、伝説上では[[w:三皇五帝|三皇五帝]]や[[w:夏 (三代)|夏]]が知られている。そして、二里頭遺跡など様々な遺跡が発掘されるが、それらと史料は符合せず、現在、明らかに実在が確認できるのは殷以降の王朝である。殷では、王が占いによって政治を行っていた([[w:神権政治|神権政治]])。また制度については奴隷制国家であるという説と、これから説明する封建制の嚆矢だとする説がある。 紀元前12~11世紀頃に殷を滅ぼした周は、各地の有力者や王族を[[w:諸侯|諸侯]]として、土地を与えた。これを[[w:封建制|封建制]]という。しかし、周王朝は徐々に弱体化し、異民族に攻められ、[[w:紀元前770年|紀元前770年]]には、宗周(鎬京・後の長安)から成周(雒邑・後の洛陽)へ[[w:遷都|遷都]]した。これ以降を[[w:春秋時代|春秋時代]]と呼ぶ。春秋時代には、周王朝の権威はまだ残っていたが、諸侯達は自立傾向を強めていき、[[w:紀元前403年|紀元前403年]]から始まるとされる[[w:戦国時代 (中国)|戦国時代]]には、周王朝の権威は無視されるようになる。 [[w:春秋戦国時代|春秋戦国時代]]は、諸侯が争う戦乱の時代であった。しかし、各諸侯国は[[w:富国強兵|富国強兵]]に努め、商工業が発達し、[[w:貨幣|貨幣]]も使用されるようになった。また、この時代に[[w:鉄器|鉄器]]が普及したこともあいまって、農業生産も増大した。また、このような戦乱の世をどのように過ごすべきかという思想がさまざまな人たちによって作られた。このような思想を説いた人たちを[[w:諸子百家|諸子百家]]という。諸子百家の中でも、[[w:道家|道家]]や[[w:孔子|孔子]]・[[w:孟子|孟子]]に代表される[[w:儒家|儒家]]は、後の[[w:中華思想|中国思想]]の中心となった。 ===[[秦]]=== 現在の[[w:陝西省|陝西省]]あたりにあった[[w:秦|秦]]は、戦国時代に着々と勢力を伸ばした。勢力を伸ばした背景には、厳格な法律で人々を統治しようとする[[w:法家|法家]]の思想を採用して、富国強兵に努めたことにあった。[[w:始皇帝|秦王政]]は、他の6つの列強を次々と滅ぼし、[[w:紀元前221年|紀元前221年]]には史上はじめての中国統一を成し遂げた。秦王政は、自らの偉業をたたえ、王の称号を捨て、王を超える称号として[[w:三皇五帝|三皇五帝]]の一部を用い、自ら'''始皇帝'''と名乗った。 始皇帝は、法家の[[w:李斯|李斯]]を登用し、[[w:中央集権|中央集権]]化を推し進めた。このとき、中央から派遣した役人が全国の各地方を支配する[[w:郡県制|郡県制]]が施行された。また、文字・貨幣・[[w:度量衡|度量衡]]の統一も行われた。さらに、当時[[w:モンゴル高原|モンゴル高原]]に勢力をもっていた[[w:遊牧民族|遊牧民族]]の[[w:匈奴|匈奴]]を防ぐために[[w:万里の長城|万里の長城]]を建設させた。さらに、軍隊を派遣して、匈奴の南下を抑えた。また、嶺南地方(現在の広東省)にも軍を派遣し、この地にいた百越諸族を制圧した。しかし、このような中央集権化や土木事業・軍事作戦は人々に多大な負担を与えた。そのため、[[w:紀元前210年|紀元前210年]]に始皇帝が死ぬと、翌年には[[w:陳勝・呉広の乱|陳勝・呉広の乱]]という農民反乱がおきた。これに刺激され各地で反乱がおき、ついに秦は[[w:紀元前206年|紀元前206年]]に滅びた。 ===[[漢]]=== 秦が滅びた後、[[w:劉邦|劉邦]]と[[w:項羽|項羽]]が覇権をめぐって争った([[w:楚漢戦争|楚漢戦争]])が、[[w:紀元前202年|紀元前202年]]には、劉邦が項羽を破り、[[w:前漢|漢]]の皇帝となった。劉邦は、始皇帝が急速な中央集権化を推し進めて失敗したことから、一部の地域には親戚や臣下を王として治めさせ、ほかの地域を中央が直接管理できるようにした。これを[[w:郡国制|郡国制]]という。しかし、[[w:紀元前154年|紀元前154年]]には、各地の王が中央に対して[[w:呉楚七国の乱|呉楚七国の乱]]と呼ばれる反乱を起こした。この反乱は鎮圧され、結果として、中央集権化が進んだ。[[w:紀元前141年|紀元前141年]]に即位した[[w:武帝 (漢)|武帝|]]は、国内の安定もあり、対外発展を推し進めた。武帝は匈奴を撃退し、[[w:シルクロード|シルクロード]]を通じた西方との貿易を直接行えるようにした。また、[[w:朝鮮半島|朝鮮半島]]北部、[[w:ベトナム|ベトナム]]北中部にも侵攻した。これらの地域はその後も強く中国文化の影響を受けることとなった。また、武帝は[[w:董仲舒|董仲舒]]の意見を聞いて、[[w:儒教|儒教]]を統治の基本とした。これ以降、中国の王朝は基本的に儒教を統治の基本としていく。 しかし、度重なる軍事行動は、人々の生活を苦しめた。[[w:8年|8年]]には、[[w:王莽|王莽]]が皇帝の位を奪って、一旦漢を滅ぼした。しかし、王莽の政治はよくなかったので、各地で反乱が起きた。結局、漢の皇族の血を引く[[w:光武帝|劉秀]]が、漢を復興させた。この劉秀が建てた漢を[[w:後漢|後漢]]という。王朝初期には雲南に進出し、また、西域に班超を派遣し、シルクロードをおさえた。だが、後漢は豪族の連合政権的なところがあり、政治は安定しなかった。この時代、税制は口算と呼ばれる人頭税や所有する財産に応じて課す資産税を基本とし、収穫に対して年貢を割り振る田律もあるにはあったが税率は低く、前漢の一時期にはそれさえ廃止されていた。 ===[[魏晋南北朝時代]]=== [[w:後漢|後漢]]末期の[[w:184年|184年]]には、[[w:黄巾の乱|黄巾の乱]]と呼ばれる農民反乱がおきた。これ以降、[[w:隋|隋]]が[[w:589年|589年]]に中国を再統一するまで、一時期を除いて中国は分裂を続けた。この隋の再統一までの分裂の時代を[[w:魏晋南北朝時代|魏晋南北朝時代]]という。また、この時期には[[w:日本|日本]]や[[w:朝鮮|朝鮮]]など中国周辺の諸民族が独自の国家を形成し始めた時期でもある。 黄巾の乱が鎮圧されたあと、[[w:豪族|豪族]]が各地に独自政権を立てた。中でも有力であったのが、[[w:漢|漢]]王朝の皇帝を擁していた[[w:曹操|曹操]]である。しかし、中国統一を目指していた曹操は、[[w:208年|208年]]に[[w:赤壁の戦い|赤壁の戦い]]で、江南の豪族[[w:孫権|孫権]]に敗れた。結局、曹操の死後、[[w:220年|220年]]に曹操の子の[[w:曹丕|曹丕]]が後漢の[[w:皇帝|皇帝]]から皇帝の位を譲られ、[[w:魏 (三国)|魏]]を建国した。これに対して、[[w:221年|221年]]には、現在の[[w:四川省|四川省]]に割拠していた[[w:劉備|劉備]]が皇帝となり、[[w:蜀|蜀]]を建国した。さらに、江南の孫権も[[w:229年|229年]]に皇帝と称して、[[w:呉 (三国)|呉]]を建国した。この魏・呉・蜀の三国が並立した時代を[[w:三国時代 (中国)|三国時代]]という。 三国の中で、もっとも有力であったのは魏であった。魏は、官吏登用法として、[[w:九品官人法|九品官人法]]を採用した。これは、当初の目的としては各地の優れた人物を調べて推薦して官吏とするものであったが、結果として有力な貴族が官職を独占できるようになってしまい、早い時点で「上品に寒門なく、下品に勢族なし」との批判があった。結局九品官人法は、隋代まで続き、この間の貴族による政治体制を助けることとなった。 三国は基本的に魏と呉・蜀同盟との争いを軸としてしばしば交戦したが、蜀がまず[[w:263年|263年]]に魏に滅ぼされ、その魏も有力な臣下であった[[w:司馬炎|司馬炎]]に[[w:265年|265年]]に皇帝の位を譲るという形で滅亡した。司馬炎は皇帝となって国号を[[w:西晋|晋]]と命名し、さらに[[w:280年|280年]]に呉を滅ぼし、中国を統一した。しかし、[[w:300年|300年]]から帝位をめぐって各地の皇族が戦争を起こした([[w:八王の乱|八王の乱]])。このとき、[[w:五胡|五胡]]と呼ばれる異民族を軍隊として用いたため、これらの五胡が非常に強い力を持つようになった。[[w:316年|316年]]には、五胡の1つである[[w:匈奴|匈奴]]が晋をいったん滅ぼした。これ以降、中国の北方は、五胡の建てた国々が支配し、南方は江南に避難した晋王朝(南に移ったあとの晋を[[w:東晋|東晋]]という)が支配した。この時期は、戦乱を憎み、宗教に頼る向きがあった。代表的な宗教が[[w:仏教|仏教]]と[[w:道教|道教]]であり、この2つの宗教は時には激しく対立することがあった。 さて、江南を中心とする中国の南方では、異民族を恐れて、中国の北方から人々が多く移住してきた。これらの人々によって、江南の開発が進み、それに伴い、貴族が大土地所有を行うということが一般的になり、貴族が国の政治を左右した。一部の貴族の権力は、しばしば皇帝権力よりも強かった。これらの貴族階層の者により[[w:散文|散文]]、[[w:書画|書画]]等の[[w:六朝文化|六朝文化]]と呼ばれる文化が発展した。東晋滅亡後、[[w:宋 (南朝)|宋]]・[[w:斉 (南朝)|斉]]・[[w:梁 (南朝)|梁]]・[[w:陳 (南朝)|陳]]という4つの王朝が江南地方を支配したが、貴族が強い力を握ることは変わらなかった。梁の[[w:武帝 (南朝梁)|武帝]]は仏教の保護に努めた。 北方では、[[w:鮮卑|鮮卑]]族の王朝である[[w:北魏|北魏]]が台頭し、[[w:439年|439年]]には、[[w:華北|華北]]を統一した。[[w:471年|471年]]に即位した[[w:孝文帝 (北魏)|孝文帝]]は[[w:漢化政策|漢化政策]]を推し進めた。また、土地を国家が民衆に割り振る[[w:均田制|均田制]]を始め、[[w:律令制|律令制]]の基礎付けをした。しかし、このような漢化政策に反対する人がいたこともあり、北魏は、[[w:西魏|西魏]]と[[w:東魏|東魏]]に分裂した。西魏は[[w:北周|北周]]へと、東魏は[[w:北斉|北斉]]へと王朝が交代した。[[w:577年|577年]]には北周が北斉を滅ぼしたが、[[w:581年|581年]]に隋が北周にとって代わった。[[w:589年|589年]]に隋は南方の陳を滅ぼし、中国を統一した。 [[w:魏晋南北朝表|魏晋南北朝表]]も参照。 ===[[隋]]=== 中国を統一した[[w:隋|隋]]の[[w:文帝 (隋)|文帝]]は、[[w:均田制|均田制]]・[[w:租庸調制|租庸調制]]・[[w:府兵制|府兵制]]などを進め、中央集権化を目指した。また同時に[[w:九品中正法|九品中正法]]を廃止し、試験によって実力を測る[[w:科挙|科挙]]を採用した。しかし、文帝の後を継いだ煬帝は、江南・華北を結ぶ大運河を建設したり、度重なる遠征を行ったために、民衆の負担が増大した。このため農民反乱が起き、[[w:618年|618年]]に隋は滅亡した。 ===[[唐]]=== 隋に代わって、中国を支配した王朝が、[[w:唐|唐]]である。唐は基本的に隋の支配システムを受け継いだ。[[w:626年|626年]]に即位した[[w:太宗|太宗]]は、租庸調制を整備し、律令制を完成させた。唐の都の[[w:長安|長安]]は、当時世界最大級の都市であり、各国の商人などが集まった。唐時代には、[[w:ゾロアスター教|ゾロアスター教]]・[[w:景教|景教]]・[[w:マニ教|マニ教]]をはじめとする各地の宗教が流入した。また、文化史上も、唐時代の文学は最高のものとされる。 [[w:712年|712年]]に即位した[[w:玄宗|玄宗]]は国内の安定を目指したが、すでに律令制は制度疲労を起こしていた。また、周辺諸民族の統治に失敗したため、辺境に強大な軍事力が置かれた。これを[[w:節度使|節度使]]という。節度使は、後に軍権以外にも、民政権・財政権をももつようになり、力を強めていく。[[w:763年|763年]]には、節度使の[[w:安禄山|安禄山]]たちが[[w:安史の乱|安史の乱]]と呼ばれる反乱を起こした。この反乱は何とか鎮圧されたが、各地で土地の私有([[w:荘園|荘園]])が進み、土地の国有を前提とする均田制が行えなくなっていった。結局、政府は土地の私有を認めざるを得なくなった。結果として、律令制度は崩壊した。[[w:875年|875年]]から[[w:884年|884年]]には[[w:黄巣の乱|黄巣の乱]]と呼ばれる農民反乱がおき、唐王朝の権威は失墜した。このような中、各地の節度使はますます権力を強めた。[[w:907年|907年]]には、節度使の1人である[[w:朱全忠|朱全忠]]が唐を滅ぼした。 ===[[五代十国時代]]~[[宋]]=== 唐の滅亡後、各地で節度使が争った。この時代を[[w:五代十国時代|五代十国時代]]という。この戦乱を静めたのが、[[w:960年|960年]]に皇帝となって[[w:北宋|宋]]を建国した[[w:趙匡胤|趙匡胤]]である。ただし、完全に中国を宋が統一したのは趙匡胤の死後の[[w:976年|976年]]である。 趙匡胤は、節度使が強い権力をもっていたことで戦乱が起きていたことを考え、軍隊は文官が率いるという[[w:文治主義|文治主義]]をとった。また、これらの文官は、[[w:科挙|科挙]]によって登用された。宋からは、科挙の最終試験は皇帝自らが行うものとされ、科挙で登用された官吏と皇帝の結びつきは深まった。また、多くの国家機関を皇帝直属のものとし、中央集権・皇帝権力強化を進めた。科挙を受験した人々は大体が、地主層であった。これらの地主層を[[w:士大夫|士大夫]]と呼び、のちの[[w:清|清]]時代まで、この層が皇帝権力を支え、官吏を輩出し続けた。 唐は、その強大な力によって、周辺諸民族を影響下においていたが、唐の衰退によってこれらの諸民族は自立し、独自文化を発達させた。また、宋は文治主義を採用していたため、戦いに不慣れな文官が軍隊を統制したので、軍事力が弱く、周辺諸民族との戦いにも負け続けた。なかでも、[[w:契丹|契丹族]]の[[w:遼|遼]]・[[w:タングート|タングート族]]の[[w:西夏|西夏]]・[[w:女真|女真族]]の[[w:金 (王朝)|金]]は、中国本土にも侵入し、宋を圧迫した。これらの民族は、[[w:魏晋南北朝時代|魏晋南北朝時代]]の[[w:五胡|五胡]]と違い、中国文化を唯一絶対なものとせず、独自文化を保持し続けた。このような王朝を[[w:征服王朝|征服王朝]]という。後代の[[w:元 (王朝)|元]]や清も征服王朝であり、以降、中国文化はこれらの周辺諸民族の影響を強く受けるようになった。 [[w:1127年|1127年]]には、金の圧迫を受け、宋は、江南に移った。これ以前の宋を[[w:北宋|北宋]]、以降を[[w:南宋|南宋]]という。南宋時代には、江南の経済が急速に発展した。また、すでに唐代の終わりから、陸上の東西交易は衰退していたが、この時期には、[[w:ムスリム|ムスリム]]商人を中心とした海上の東西交易が発達した。当時の宋の特産品であった[[w:陶磁器|陶磁器]]から、この交易路は[[w:セラミックロード|セラミックロード]]と呼ばれる。 文化的には、経済発展に伴って庶民文化が発達した。また、士大夫の中では新しい学問をもとめる動きが出て、儒教の一派として[[w:朱子学|朱子学]]が生まれた。 ===[[モンゴル帝国]]=== [[w:13世紀|13世紀]]初頭に[[w:モンゴル高原|モンゴル高原]]で、[[w:チンギス・ハーン|チンギス・ハーン]]が、モンゴルの諸部族を統一し、[[w:ユーラシア大陸|ユーラシア大陸]]各地へと、征服運動を開始した。モンゴル人たちは、[[w:東ヨーロッパ|東ヨーロッパ]]、[[w:ロシア|ロシア]]、[[w:小アジア|小アジア]]、[[w:メソポタミア|メソポタミア]]、[[w:ペルシャ|ペルシャ]]、[[w:アフガニスタン|アフガニスタン]]、[[w:チベット|チベット]]に至る広大な領域を支配し、この帝国は[[w:モンゴル帝国|モンゴル帝国]]と呼ばれる。中国もまた征服活動の例外ではなかった。当時、黄河が南流し、山東半島の南に流れていたため、漢民族は北方民族の攻勢を防げなかった。華北は満州系の女真族による[[w:金 (王朝)|金]]が、南部を[[w:南宋|南宋]]が支配していたが、金は[[w:1234年|1234年]]、南宋は[[w:1279年|1279年]]にモンゴルに滅ぼされた。 モンゴル帝国は各地に王族や漢人有力者を分封した。モンゴル帝国の4代目の([[w:ハーン|ハーン]])だったモンケが死ぬと、その後継を巡ってアリク・ブケと[[w:クビライ|クビライ]]が争った。抗争は結果的にクビライ優位に推移したが、これを機にユーラシアに広がった各ハン国の緩やかな分立は顕在化した。クビライは正当な手続きを経ないまま5代ハーンに即位したが、当時彼が直接支配できたのはモンゴル、華北、満州、中央アジアの東半分までで、それより西には統制力は及ばなかった。もっとも、こうして分裂が始まったといっても、帝国としての緩やかな連合は保たれ、ユーラシアには平和が訪れていた。[[w:1271年|1271年]]にクビライは[[w:元 (王朝)|元]]を[[w:国号|国号]]として中国支配をすすめた。 モンゴル帝国(元)は未だ征服していなかった南宋への牽制のためにも日本に対して通交を求めたが、書面に脅迫的な言辞があるとして、武家政権だった時の日本政府(鎌倉幕府)は断った。このため二度に渡り日本に侵攻したが、成功しなかった([[w:元寇|元寇]])。元は三度目の日本侵攻を計画したが、実現には至らなかった。 中国南部を支配していた南宋を1279年に元が滅ぼしたのはすでに見たとおりである。 元の中国支配は、伝統的な中国王朝とは大きく異なっていた。元は中国の伝統的な統治機構を採用せず、遊牧民の政治の仕組みを中国に移入したからである。元の支配階級の人々は、すでに西方の優れた文化に触れていたため、中国文化を無批判に取り入れることはなかった。それは政治においても同様だったのである。それに伴い、伝統的な統治機構を担ってきた、儒教的な教養を身に付けた士大夫層は冷遇され、政権から遠ざけられた。そのため、彼らは曲や小説などの娯楽性の強い文学作品の執筆に携わった。この時代の曲は[[w:元曲|元曲]]と呼ばれ、中国文学史上最高のものとされる。また、モンゴル帝国がユーラシア大陸を広く支配したために、この時期は東西交易が前代に増して盛んになった。 クビライが死ぬと、幼いハーンや短命なハーンが相次ぎ、元では皇位継承戦争が頻発した。また、14世紀の初頭から気候は寒冷化し、洪水や疫病など大規模な天災が相次いだ。華北では大掛かりな治水工事が行われたが政府の出費は嵩む一方で、塩の専売策や紙幣の濫発は強化された。しかし、これは経済を混乱させるだけであった。そして、庶民の生活は困窮した。こうした中、各地で反乱が発生した。中でも最大規模のものは[[w:1351年|1351年]]に勃発した[[w:紅巾の乱|紅巾の乱]]であった。紅巾党の中から頭角をあらわした[[w:朱元璋|朱元璋]]は、[[w:1368年|1368年]]に[[w:南京|南京]]で[[w:明|明]]王朝を樹立して皇帝に即位した。元政府は最後まで殆ど内輪もめを繰り返すばかりで、大規模な討伐軍を反乱者に差し向ける余力を持たなかった。最後の鎮圧軍も将軍トクトを中心に組織されたが、出発直前に時のハーン、ドゴン・テムルに殺され、軍隊は解体してしまう。こうした結果、同年、朱元璋は元の都の[[w:大都|大都]]を陥落させ、元の政府はモンゴル高原へと撤退した。撤退後の元のことを[[w:北元|北元]]といい、明と北元はしばしば争った。明王朝は[[w:1388年|1388年]]に北元は滅んだと称しているが、実質的にはその後も両者の争いは続いた。 ===[[明]]=== [[w:朱元璋|朱元璋]]は即位すると、大規模な漢族回帰政策を行った。農業と儒教は重視され、商業は軽視された。また厳重な海禁政策が取られ、中世の間、比較的先進的だった中国が、ルネッサンスを迎える西欧に抜かれる幾つかの原因を作った。晩年には恐怖政治を行って、藍玉や方向儒ら創業以来の功臣を次々と粛清し、連座も含めて処刑された者達は数万人に上った。 朱元璋の死後、孫の[[w:建文帝|建文帝]]が即位したが、洪武帝の四男である[[w:永楽帝|朱棣]]が反乱([[w:靖難の変|靖難の変]])を起こし、永楽帝として皇帝になった。永楽帝は、モンゴルを攻撃するなど、積極的に対外進出を進めた。また、海禁の例外として、国営貿易は行われ、[[w:鄭和|鄭和]]を南洋に派遣して、諸国に[[w:朝貢|朝貢]]を求めた。 永楽帝の死後、こうした例外が無くなったことで[[w:海禁政策|海禁政策]]は完全化し、貿易は著しく制限された。その後、モンゴルが再び勢力を強めはじめ、[[w:1449年|1449年]]には皇帝がモンゴルの捕虜になるという事件([[w:土木の変|土木の変]])まで起きた。同じ頃、中国南部沿岸には、[[w:倭寇|倭寇]]と呼ばれる海上の無法者たちが襲撃を重ねていた。これは、海禁政策で貿易が自由にできなくなっていたためである。倭寇とモンゴルを併称して北虜南倭というが、北虜南倭は明を強く苦しめた。 一方で、絶対的な皇帝独裁制だった為に、政治の質は皇帝の人格・能力によって左右された。そうした体制の常として、側近が力を持ち、その大多数が政体上、宦官が占めた明では、彼らが国政を壟断し、腐敗し、怨嗟の声は朝野に満ちた。 こうした全ての負担は民衆に重税となって圧し掛かかり、結果、各地で反乱が相次ぎ、その中で頭角をあらわした[[w:李自成|李自成]]が[[w:1644年|1644年]]に明を滅ぼした。 ===[[清]]=== [[w:17世紀|17世紀]]初頭には、現在の中国東北地方で[[w:ヌルハチ|ヌルハチ]]が女真族を統一した。その子の[[w:ホンタイジ|ホンタイジ]]は中国東北地方と[[w:内モンゴル|内モンゴル]]を征服し、[[w:1636年|1636年]]にはモンゴル人から元の[[w:玉璽|玉璽]]を譲られ、[[w:清|清]]を建国した。李自成が明を滅ぼすと清の軍隊は万里の長城を越えて、李自成の軍隊を打ち破り、中国全土を支配下に置いた。[[w:17世紀|17世紀]]後半から[[w:18世紀|18世紀]]にかけて、[[w:康熙帝|康熙帝]]・[[w:雍正帝|雍正帝]]・[[w:乾隆帝|乾隆帝]]という3人の皇帝の下で、清の支配領域は中国本土と中国東北地方・モンゴルのほかに、[[w:台湾|台湾]]・[[w:東トルキスタン|東トルキスタン]]・[[w:チベット|チベット]]にまで及んだ。 この清の支配領域が大幅に広がった時期は、『[[w:四庫全書|四庫全書]]』の編纂など文化事業も盛んになった。しかし、これは学者をこのような事業に動員して、異民族支配に反抗する暇をなくそうとした面もあった。 明王朝の後期には、[[w:メキシコ|メキシコ]]や[[w:日本|日本]]から大量の[[w:銀|銀]]が中国に流入し、貨幣として基本的に銀が使われるようになった。そのため、政府も[[w:一条鞭法|一条鞭法]]と呼ばれる税を銀で払わせる税法を始めた。また、清代に入ると、[[w:人頭税|人頭税]]を廃止し土地課税のみとする[[w:地丁銀制|地丁銀制]]が始まった。また明清両代ともに商品経済が盛んになり、農業生産も向上した。 ====半植民地化==== [[w:18世紀|18世紀]]が終わるまでには、清とヨーロッパとの貿易は[[w:イギリス|イギリス]]がほぼ独占していた。しかし、当時イギリスの物産で中国に売れるものはほとんどなく、逆に中国の安いお茶はイギリスの労働者階級を中心に大きな需要があったこともあり、イギリスは貿易赤字に苦しんだ。そこで、イギリスは[[w:麻薬|麻薬]]である[[w:アヘン|アヘン]]を中国に輸出し始めた。結果、イギリスは大幅な貿易黒字に転じた。しかし、中国にはアヘン中毒者が蔓延し、この事態を重く見た清朝政府は、[[w:1839年|1839年]]に[[w:林則徐|林則徐]]に命じてアヘン貿易を取り締まらせた。しかし、これに反発したイギリス政府は清に対して翌[[w:1840年|1840年]]宣戦布告した。[[w:アヘン戦争|アヘン戦争]]と呼ばれるこの戦争では、工業化をとげ、近代兵器を持っていたイギリス軍が勝利した。これ以降、イギリスをはじめとするヨーロッパの列強による中国の半植民地化が進んだ。 国内的には、[[w:太平天国の乱|太平天国の乱]]などの反乱もしばしば起きた。これに対し、[[w:同治帝|同治帝]](在位[[w:1861年|1861年]] - [[w:1875年|1875年]])の治世の下で、ヨーロッパの技術の取り入れ([[w:洋務運動|洋務運動]])が行われた。 [[w:1894年|1894年]]から翌[[w:1895年|1895年]]にかけて清王朝と[[w:大日本帝国|大日本帝国]]との間で行われた[[w:日清戦争|日清戦争]]にも清は敗退した。これは洋務運動の失敗を意味するものであった。この戦争の結果、大日本帝国と清王朝と清との間で結んだ[[w:下関条約|下関条約]]により、[[w:李氏朝鮮|李氏朝鮮]]の独立が認められ、中国の王朝が長年続けてきた[[w:冊封体制|冊封体制]]が崩壊した。 その後、清王朝は改革を進めようとしたものの、沿岸地域を[[w:租借|租借]]地とされるなどのイギリス・[[w:フランス|フランス]]・[[w:ロシア帝国|ロシア帝国]]・[[w:ドイツ帝国|ドイツ帝国]]・[[w:アメリカ合衆国|アメリカ合衆国]]・大日本帝国による半植民地化の動きは止まらなかった。結局、[[w:1911年|1911年]]の[[w:武昌|武昌]]での軍隊蜂起をきっかけに[[w:辛亥革命|辛亥革命]]が起こり、各地の省が清からの独立を宣言した。翌[[w:1912年|1912年]][[w:1月1日|1月1日]]、革命派の首領の[[w:孫文|孫文]]によって[[w:南京|南京]]で[[w:中華民国|中華民国]]の樹立が宣言された。[[w:北京|北京]]にいた清の皇帝[[w:溥儀|溥儀]](宣統帝)は、清王朝内部の実力者である[[w:袁世凱|袁世凱]]によって[[w:2月12日|2月12日]]に引摺り下ろされ、これを以って中国の君主制は廃止された。 ===[[中華民国]]=== 民国時代。[[w:1912年|1912年]]に20世紀初の[[w:共和制|共和制]]国家である[[w:中華民国|中華民国]]は成立したものの、実際は各地の[[w:軍閥|軍閥]]が群雄割拠する状態であり、列強による中国の半植民地化も止まらなかった。[[w:清|清]]王朝からの権益保持を狙う[[w:イギリス|イギリス]]は[[w:ロシア帝国|ロシア帝国]]や[[w:大日本帝国|大日本帝国]]を牽制するために[[w:モンゴル|モンゴル]]、[[w:ウイグル|ウイグル]]、[[w:満州|満州]]諸族を中華民国が支配することを認めながら、[[w:チベット|チベット]]を保護下に収めた。そんな中、孫文の後継者である[[w:蒋介石|蒋介石]]は、[[w:1926年|1926年]]に[[w:広州|広州]]から[[w:北伐|北伐]]を開始し、ほぼ中国全土を支配するに至った。蒋介石は経済近代化のための新通貨(法幣)の権益をイギリスに与えることにより、[[w:姻族|姻族]]の[[w:宋|宋]]氏と共に民国の政治・軍事・経済を独裁的に掌握することとなった。 [[w:1921年|1921年]]には[[w:中国共産党|中国共産党]]が成立し、一時蒋介石率いる[[w:中国国民党|中国国民党]]とも協力していた。しかし、蒋介石は[[w:共産主義|共産主義]]を敵視していたため両者の協力関係は終わり、中国共産党は[[w:毛沢東|毛沢東]]の指揮のもと、農村を中心としてその支配領域を広げていった。これに対し、蒋介石は断固とした攻撃を加え[[w:瑞金|瑞金]]に包囲し、[[w:延安|延安]]に追った。 [[w:ソビエト連邦|ソビエト連邦]]が樹立した[[w:モンゴル人民共和国|モンゴル人民共和国]]に対抗するため、大日本帝国は1931年に[[w:張景恵|張景恵]]ら満州軍閥と共同して、蒋介石の満州進出に了解を与えた[[w:張学良|張学良]]を追い、[[w:満州国|満州国]]を独立させた。[[w:1937年|1937年]]には、日本軍が中国本土に侵入し、中華民国と全面戦争に入った([[w:日中戦争|日中戦争]])。これに対し、蒋介石は当初日本との戦いよりも中国共産党との戦いを優先していたが、[[w:西安事件|西安事件]]により、二つの党が協力して大日本帝国と戦うことになった。 しかし日中戦争は当初日本軍優位に進み、日本軍は多くの都市を占領したが、各拠点支配はできても広大な中国において面での支配はできず、これを利用した国民党軍・共産党軍ともに各地でゲリラ戦を行い日本軍を苦しめ、戦線を膠着させた。日本軍は[[w:汪兆銘|汪兆銘]]ら国民等左派を懐柔、[[w:南京国民政府|南京国民政府]]を樹立させたが、国内外ともに支持は得られなかった。加えて[[w:1941年|1941年]]12月、大日本帝国は中華民国に加えてアメリカやイギリスとも戦端を開いたが([[w:太平洋戦争|太平洋戦争]])、一方で中華民国で多くの軍隊を釘付けにされるなど、苦しい状況に落ち込まされた。国民党政府は連合国側に所属し、アメリカなどの豊富な救援を受けることとなった。 結局、戦争は[[w:1945年|1945年]]9月2日に大日本帝国が降伏することで終わった。国民党政府は連合軍に所属していたこともあり、勝戦国として有利な立場を有することとなり、日本だけでなく、ヨーロッパ諸国も[[w:租界|租界]]を返還するなど、中国の半植民地化は一応の終わりを見せた。 しかしまもなく国民党と共産党との対立が激化して、[[w:国共内戦|国共内戦]]が勃発し、結果として中国共産党が勝利した。[[w:1949年|1949年]][[w:10月1日|10月1日]]に毛沢東が[[w:中華人民共和国|中華人民共和国]]の成立を宣言した。内戦に敗れた中国国民党は[[w:台湾|台湾]]に撤退し、引き続き現在にいたるまで中華民国と名乗っているが、国家承認している国は30ヶ国程度である。 ===[[中華人民共和国]]=== 共産党時代。[[w:1949年|1949年]]に[[w:中華人民共和国|中華人民共和国]]が成立すると、[[w:毛沢東|毛沢東]]政権は「反革命分子」を相次いで処刑し、その数は政府発足から6年間で少なくとも1000万人以上に達すると言われる。また、[[w:1950年代|1950年代]]に[[w:チベット|チベット]]を「解放」の名目で軍事制圧し、ここでも数十万人の大虐殺を行なったとされる。チベットの最高指導者、[[w:ダライ・ラマ|ダライ・ラマ]](14世)は[[w:インド|インド]]に亡命し、未だ帰還していない。 [[w:1953年|1953年]]より[[w:社会主義|社会主義]]化が進み、人民政治協商会議に代わって[[w:全国人民代表大会|全国人民代表大会]]が成立、農業生産合作社が組織された。[[w:1958年|1958年]]、毛沢東は[[w:大躍進政策|大躍進政策]]を開始し、[[w:人民公社|人民公社]]化を推進した。しかし、無計画に進められた大躍進政策は2000万人~4000万人以上とも言われる大量の餓死者を出して失敗に終わった。その後、[[w:劉少奇|劉少奇]]国家主席が経済調整を行うがこの行いに毛沢東と支持者が猛反発し、[[w:1966年|1966年]]に毛沢東は[[w:文化大革命|文化大革命]]を発動させ劉少奇とその支持者らを政治の舞台から追い出した。 この文化大革命は政治だけでなく一般にも多大な影響を与え、青少年によって結成された[[w:紅衛兵|紅衛兵]]が反革命派とされた人間をつるし上げたりしていた。後期になると国内の内乱状態を引き起こし、最終的に[[w:1976年|1976年]]の毛沢東死去で終結した。各地で大量の殺戮が行われ、その犠牲者の合計数は2000万人とも言われている。その後は一旦[[w:華国鋒|華国鋒]]が後を継いだが失脚し、[[w:トウ小平|鄧小平]]が政権を握った。鄧小平は、政治体制は[[w:中国共産党|共産党]][[w:一党独裁|一党独裁]]を堅持しつつ、[[w:資本主義|資本主義]]経済導入などの][w:改革開放|開放政策]]を取り、[[w:近代化|近代化]]を進めた。 [[w:1989年|1989年]]には北京で、[[w:民主化|民主化]]を求める学生や市民のデモ([[w:六四天安門事件|天安門事件]])が起きた。しかし、これは[[w:中国人民解放軍|人民解放軍]]により武力鎮圧された。その一連の民主化運動の犠牲者数は中国共産党政府の報告と諸外国の調査との意見の違いがあるが、数百人から数十万人に上るといわれている。天安門事件後の[[w:1990年代|1990年代]]には、[[w:江沢民|江沢民]]政権のもとで、鄧小平路線に従い、経済の改革開放が進み、「世界の工場」と呼ばれるほどに経済は急成長した。ただ、急激な経済成長に伴う貧富差の拡大や環境破壊が問題となっている。また、政治の民主化も進んでいないとする国内外からの批判も根強い。そもそも憲法で「社会主義国」と明記されているため、憲法改正などがない限り現状通りと考えられる。 ==== 香港 ==== 詳しくは「[[香港の歴史]]」を参照 1997年に[[W:グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国|イギリス(<small>グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国)</small>]]から返還された[[W:香港|香港]](とその付近)は「香港特別行政区」として2047年まで「[[W:一国二制度|一国二制度]]」のもと'''中国本土に比べ<u>比較的</u>'''民主的な政治が行われる'''ことになっている。''' <br /> ==== 独立 ==== 少数民族が住む[[w:新疆ウイグル自治区|新疆ウイグル自治区]]([[w:東トルキスタン|東トルキスタン]])や[[w:チベット自治区|チベット自治区]]および前述の香港では、現在も独立を求める動きがある。 == 朝代の歌 == *歌一 :[[三皇]][[五帝]]始,[[堯]][[舜]][[禹]]相傳。 :[[夏朝|夏]][[商朝|商]]與[[西周]],[[東周]]分兩段。 :[[春秋時期|春秋]]和[[戰國 (中國)|戰國]],一統[[秦朝|秦]][[兩漢]]。 :三分[[曹魏|魏]][[蜀漢|蜀]][[東吳|吳]],二[[晉朝|晉]]前後延。 :[[南北朝]]並立,[[隋朝|隋]][[唐朝|唐]][[五代十國|五代]]傳。 :[[宋朝|宋]][[元朝|元]][[明朝|明]][[清朝|清]]後,皇朝至此完。 *歌二 ([[テキサス州]][[ダラス]]の[[李嘉清]] 様より)<ref>[[達拉斯]]新聞2001年3月15日C版 中國の簡史 [[李嘉清]] http://web.archive.org/20001210094700/home.earthlink.net/~dcntx/essay.htm</ref> :[[唐]][[虞]][[夏]][[商]][[周]]完東,[[春秋]][[戰國]][[秦]]末烽, :[[漢]]分[[三國]]收[[魏]][[晉]],[[南北朝]]夕[[隋]][[唐]]風, :[[五代]][[十國]][[遼]][[夏]]匆,[[宋]]疲[[金]]盡[[元]]朝攻, :[[明]]滅[[清]]寒虛國庫,[[國民]][[革命]]歸於中。 *歌三 :唐堯[[虞舜]]夏商周,春秋戰國亂悠悠。 :秦漢[[三國]]晉統一,[[南北朝|南朝北朝]]是對頭。 :隋唐五代又[[五代十國|十國]],宋元明清帝王休。 *歌四 :三皇五帝夏商周,歸秦及漢三國休。 :晉終南北隋唐繼,五代宋元明清收。 *歌五(ホンコン高校生使用の簡單版) :黃虞夏商周,春秋戰國秦, :兩漢三國晉,晉後南北分, :隋唐五代宋,元明清及民。 *歌六 :唐堯虞舜夏商周,春秋戰國亂悠悠。 :秦漢三國又兩晉,南朝北朝來並存。 :隋唐五代又十國,宋元明清。 *歌七 :唐堯虞舜夏商周,歸秦及漢三國後。 :魏晉南北隋唐繼,五代宋元明清民。 *歌八 (1972,1973 年マレーシアクチン高校 劉延森 先生より) :三皇五帝夏商周,戰國歸秦繼漢劉, :三國魏晉南北繼,隋唐五代宋元明。 *歌九 :黃帝唐虞夏商周, :秦漢後分三國志, :晉分東西南北朝, :隋唐後有五代起, :宋元明清民國成。 *歌十 :三皇五帝夏商周, :秦皇漢祖三國鬥。 :晉終南北隋唐帝, :五代宋元明滿清。 ==注== <references/> [[カテゴリ:中国の歴史|ちゆうこくし]] {{NDC|222|ちゆうこくし}} [[zh:中國歷史]]
2004-12-20T07:47:46Z
2024-02-19T03:53:39Z
[ "テンプレート:NDC" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%8F%B2
1,005
人類の誕生
世界史は、人類の歴史を世界的な規模で対象とする歴史学の一分野です。 歴史は、もともとは、過去の文献に基づいて過去の時代にあった事柄を研究する学問でした。そのことからすると、文字がない時代には歴史がないことになります。 しかし、文献以外にも過去にあった事柄を知る方法はあります。そのなかでも重要なのが、化石や遺物、そして遺跡等の物的証拠です。またいくつもの科学的な年代測定の方法を用いることで、いつごろの物なのかを推定できます。これらを調べると、いつごろ、どんなことがあったのかをある程度推定することができます。このような研究は考古学という学問分野とも接しています。 人類の歴史のうち、文献のない時代を先史時代といいます。 ここでは、世界史を、先史時代から始めることにしましょう。 世界史は、人類の歴史です。 では、人類は、いつから存在したのでしょう。 生物学では、人類(現生人類)は、ヒトという生物種として他の種と区別されています。 人類と他の動物を区別するものは何でしょうか? 人間とよく似ている他の動物としては、サルがいます。 では、ヒトはいつサルに似たなにかから分かれて現れたのでしょうか。 生物学では、生物は進化すると考えられています。進化とは、増殖を繰り返していくうちに、より単純で一般的な生物からより複雑で特殊化した生物に多様化し、変化していくことです。 生物学の分類では、人間は、霊長類(霊長目)に属しています。ヒトは、霊長類のなかから分化して現れてきた生物種だと考えられます。 およそ1億年から7千万年前、地球上に最初の霊長類が現れました。霊長類のなかで最も原始的なサルは原猿類と呼ばれます。ツパイなどがその例です。原猿類の見た目は、ヒトよりも、むしろネズミに似ているといっていいかもしれません。霊長目は、目のしくみと手先の繊細さと脳の大きさにおいて他の目の生物よりも秀でているといえます。 およそ4千万年前に、霊長目の亜目として類人亜目が分かれ出ます。このグループは、後足立ちができ、爪が鉤爪から丸い平爪になり、顔もより人間に近くなります。 およそ3千万年前には、さらに尾のないサルが現れました。ヒト上科として区分されるサルです。現存するヒト上科に属する種としては、たとえばテナガザルなどがそうです。 およそ1700万年前になると、より大型のサルが現れます。ヒト科です。現存するヒト以外のヒト科の生物には、ゴリラやチンパンジー、オランウータンがいます。 およそ600万年前から500万年前になると、より人間に近い、ヒト亜科として区分される動物が現れます。これは、より大きな脳を持ち、楽々と二足歩行できるようになった霊長類です。これらが人類の直接の祖先と目されています。 ヒト亜科のうち、ピテクス(サル)という語尾の名前が付けられているものは、猿人と呼ばれます。なかでも有名なのはアウストラロピテクス(「南の・サル」の意味)です。中東アフリカで見つかった、ルーシーという名前で有名なアウストラロピテクスの女性の一個体は、400万年から300万年くらい前に生きていたと考えられています。初期の人類の祖先の化石が見つかる地域はアフリカに集中しています。 猿人が他の猿と大きく違うのは、直立二足歩行です。つまり二本足で立って歩いていたということです。ゴリラやチンパンジーはどちらかというと二本足で歩くこともできるという感じですが、猿人は楽々と歩いていたようなのです。これはとても重大な事です。なぜなら二本足(後ろ足)で立つと、空いた前足(手)に何かを持つことができるからです。すなわち道具の使用が可能になったのです。 もうひとつ、二本足で立つことのメリットは脳が大きくなることができたということです。四本足で歩く場合は、首は水平方向から頭を支えることになります。すると、あまり頭が重いと前にのめってしまい、歩きにくくなります。ところが二本足の場合は頭の重さは垂直方向に首にかかります。より重い頭を支えられるようになるのです。とはいえ、アウストラロピテクスの脳は400~500ccくらいでした。チンパンジーよりちょっとだけ大きいくらいです。現在の私達の1400~1500ccからすると比べ物になりません。 200万年前になると、ホモ・ハビリスが現れました。これは、初めてヒト属(ホモ属)に属する生物種だといわれています。 ホモ・ハビリスは石器を使いました。石器は人工の歯や牙や角として機能します。他の動物を以前よりもはるかに容易に殺傷する力を得たのです。 猿人の次の段階に来るのが原人です。 原人はホモ・エレクトスとも言い、アウストラロピテクスが身長140~150cmくらいだったのに対して、160~180cmくらいあったそうです。大体180万年前くらいからアウストラロピテクスから進化したようです。脳の大きさは900~1100ccくらいで、猿人の2倍以上になっています。 はじめてのホモ・エレクトスの化石は、ジャワ島で発見されました。これがジャワ原人(ホモ・エレクトス・エレクトス)です。アフリカを越えてアジアにまで広がったのは、原人が最初です。 60万年くらい前から、地球は氷河期に入りました。氷河は北から南に広がり、多くの生物の適応を刺激しました。 原人は、毛皮を身につけ、天幕を張ったシェルターに住んだり、洞穴に暮らしたりしたようです。 50万年くらい前には、原人による火の使用の痕跡が中国の北京で見つかっています。これが北京原人(ホモ・エレクトス・ペキネンシス)です。聞いた事のある人もいるでしょう。 火を使えるようになると、暖を取れるばかりでなく、夜には明かりとなり、猛獣を遠ざけたり、食べ物を加熱調理したりすることもできます。 なお、日本でも明石原人と呼ばれる原人の骨(寛骨)が発見されたことがありますが、この明石原人は本当に原人なのか疑問が出ています。 原人の次が旧人類です。ネアンデルタール人が有名ですね。旧人類が登場したのが、大体50万~30万年前くらいです。脳の大きさは1300~1600ccくらいでむしろ現在の人間より大きいんですね。 脳みそが大きくなったのに伴って精神的にも進化したようで、イラクのシャニダール洞窟と言うところで史上初の葬式跡というのが発見されています。この洞窟からネアンデルタール人の骨が見つかったのですが、その周りから花の花粉が見つかったのです。つまり死んだ人の周りにお花を添えたということですね。 そしていよいよ我々現代人と同じグループの新人類に入ります。現生人類とも言います。新人類が登場したのが、20万年前くらいと考えられています。旧人類もこの時代にまだ生き残っていたのですが、次第に新人類に取って代わられたようです。 代表としてクロマニョン人と上洞人を挙げておきます。スペインのアルタミラ、フランスのラスコーにこのクロマニョン人によって描かれた洞窟絵画があります。 道具についてですが、猿人のころから石で石を叩いて、割れて尖った石を道具として使っていたようです。 このような石で出来た道具を石器と言って、石器を使っていた時代のことを石器時代と言います。猿人が石器を使い始めたのが大体200万年前と考えられています。 石器時代は石器の発達に応じて旧石器時代・新石器時代に分けられています。旧石器時代の200万年前から紀元前8千~紀元前6千年くらいまで、新石器時代がそれ以降です。 旧石器時代は先ほども言いました、石を叩いて作る打製石器を使っていました。これだと思う通りの形には中々できないので不便な事もあったようです。ですので、割れた石を磨くことで思い通りの形に仕上げて使う事が始まりました。この製法で作られた石器を磨製石器と言い、これが使われていることが新石器時代の特徴です。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "世界史は、人類の歴史を世界的な規模で対象とする歴史学の一分野です。", "title": "世界史をどこから始めるか" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "歴史は、もともとは、過去の文献に基づいて過去の時代にあった事柄を研究する学問でした。そのことからすると、文字がない時代には歴史がないことになります。", "title": "世界史をどこから始めるか" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "しかし、文献以外にも過去にあった事柄を知る方法はあります。そのなかでも重要なのが、化石や遺物、そして遺跡等の物的証拠です。またいくつもの科学的な年代測定の方法を用いることで、いつごろの物なのかを推定できます。これらを調べると、いつごろ、どんなことがあったのかをある程度推定することができます。このような研究は考古学という学問分野とも接しています。", "title": "世界史をどこから始めるか" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "人類の歴史のうち、文献のない時代を先史時代といいます。 ここでは、世界史を、先史時代から始めることにしましょう。", "title": "世界史をどこから始めるか" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "世界史は、人類の歴史です。 では、人類は、いつから存在したのでしょう。 生物学では、人類(現生人類)は、ヒトという生物種として他の種と区別されています。 人類と他の動物を区別するものは何でしょうか?", "title": "世界史をどこから始めるか" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "人間とよく似ている他の動物としては、サルがいます。 では、ヒトはいつサルに似たなにかから分かれて現れたのでしょうか。", "title": "猿人以前" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "生物学では、生物は進化すると考えられています。進化とは、増殖を繰り返していくうちに、より単純で一般的な生物からより複雑で特殊化した生物に多様化し、変化していくことです。", "title": "猿人以前" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "生物学の分類では、人間は、霊長類(霊長目)に属しています。ヒトは、霊長類のなかから分化して現れてきた生物種だと考えられます。", "title": "猿人以前" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "およそ1億年から7千万年前、地球上に最初の霊長類が現れました。霊長類のなかで最も原始的なサルは原猿類と呼ばれます。ツパイなどがその例です。原猿類の見た目は、ヒトよりも、むしろネズミに似ているといっていいかもしれません。霊長目は、目のしくみと手先の繊細さと脳の大きさにおいて他の目の生物よりも秀でているといえます。", "title": "猿人以前" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "およそ4千万年前に、霊長目の亜目として類人亜目が分かれ出ます。このグループは、後足立ちができ、爪が鉤爪から丸い平爪になり、顔もより人間に近くなります。", "title": "猿人以前" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "およそ3千万年前には、さらに尾のないサルが現れました。ヒト上科として区分されるサルです。現存するヒト上科に属する種としては、たとえばテナガザルなどがそうです。", "title": "猿人以前" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "およそ1700万年前になると、より大型のサルが現れます。ヒト科です。現存するヒト以外のヒト科の生物には、ゴリラやチンパンジー、オランウータンがいます。", "title": "猿人以前" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "およそ600万年前から500万年前になると、より人間に近い、ヒト亜科として区分される動物が現れます。これは、より大きな脳を持ち、楽々と二足歩行できるようになった霊長類です。これらが人類の直接の祖先と目されています。", "title": "猿人以前" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "ヒト亜科のうち、ピテクス(サル)という語尾の名前が付けられているものは、猿人と呼ばれます。なかでも有名なのはアウストラロピテクス(「南の・サル」の意味)です。中東アフリカで見つかった、ルーシーという名前で有名なアウストラロピテクスの女性の一個体は、400万年から300万年くらい前に生きていたと考えられています。初期の人類の祖先の化石が見つかる地域はアフリカに集中しています。", "title": "猿人" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "猿人が他の猿と大きく違うのは、直立二足歩行です。つまり二本足で立って歩いていたということです。ゴリラやチンパンジーはどちらかというと二本足で歩くこともできるという感じですが、猿人は楽々と歩いていたようなのです。これはとても重大な事です。なぜなら二本足(後ろ足)で立つと、空いた前足(手)に何かを持つことができるからです。すなわち道具の使用が可能になったのです。", "title": "猿人" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "もうひとつ、二本足で立つことのメリットは脳が大きくなることができたということです。四本足で歩く場合は、首は水平方向から頭を支えることになります。すると、あまり頭が重いと前にのめってしまい、歩きにくくなります。ところが二本足の場合は頭の重さは垂直方向に首にかかります。より重い頭を支えられるようになるのです。とはいえ、アウストラロピテクスの脳は400~500ccくらいでした。チンパンジーよりちょっとだけ大きいくらいです。現在の私達の1400~1500ccからすると比べ物になりません。", "title": "猿人" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "200万年前になると、ホモ・ハビリスが現れました。これは、初めてヒト属(ホモ属)に属する生物種だといわれています。", "title": "猿人" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "ホモ・ハビリスは石器を使いました。石器は人工の歯や牙や角として機能します。他の動物を以前よりもはるかに容易に殺傷する力を得たのです。", "title": "猿人" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "猿人の次の段階に来るのが原人です。", "title": "原人" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "原人はホモ・エレクトスとも言い、アウストラロピテクスが身長140~150cmくらいだったのに対して、160~180cmくらいあったそうです。大体180万年前くらいからアウストラロピテクスから進化したようです。脳の大きさは900~1100ccくらいで、猿人の2倍以上になっています。", "title": "原人" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "はじめてのホモ・エレクトスの化石は、ジャワ島で発見されました。これがジャワ原人(ホモ・エレクトス・エレクトス)です。アフリカを越えてアジアにまで広がったのは、原人が最初です。", "title": "原人" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "60万年くらい前から、地球は氷河期に入りました。氷河は北から南に広がり、多くの生物の適応を刺激しました。 原人は、毛皮を身につけ、天幕を張ったシェルターに住んだり、洞穴に暮らしたりしたようです。", "title": "原人" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "50万年くらい前には、原人による火の使用の痕跡が中国の北京で見つかっています。これが北京原人(ホモ・エレクトス・ペキネンシス)です。聞いた事のある人もいるでしょう。 火を使えるようになると、暖を取れるばかりでなく、夜には明かりとなり、猛獣を遠ざけたり、食べ物を加熱調理したりすることもできます。", "title": "原人" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "なお、日本でも明石原人と呼ばれる原人の骨(寛骨)が発見されたことがありますが、この明石原人は本当に原人なのか疑問が出ています。", "title": "原人" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "原人の次が旧人類です。ネアンデルタール人が有名ですね。旧人類が登場したのが、大体50万~30万年前くらいです。脳の大きさは1300~1600ccくらいでむしろ現在の人間より大きいんですね。", "title": "旧人類" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "脳みそが大きくなったのに伴って精神的にも進化したようで、イラクのシャニダール洞窟と言うところで史上初の葬式跡というのが発見されています。この洞窟からネアンデルタール人の骨が見つかったのですが、その周りから花の花粉が見つかったのです。つまり死んだ人の周りにお花を添えたということですね。", "title": "旧人類" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "そしていよいよ我々現代人と同じグループの新人類に入ります。現生人類とも言います。新人類が登場したのが、20万年前くらいと考えられています。旧人類もこの時代にまだ生き残っていたのですが、次第に新人類に取って代わられたようです。", "title": "新人類" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "代表としてクロマニョン人と上洞人を挙げておきます。スペインのアルタミラ、フランスのラスコーにこのクロマニョン人によって描かれた洞窟絵画があります。", "title": "新人類" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "道具についてですが、猿人のころから石で石を叩いて、割れて尖った石を道具として使っていたようです。", "title": "石器時代" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "このような石で出来た道具を石器と言って、石器を使っていた時代のことを石器時代と言います。猿人が石器を使い始めたのが大体200万年前と考えられています。", "title": "石器時代" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "石器時代は石器の発達に応じて旧石器時代・新石器時代に分けられています。旧石器時代の200万年前から紀元前8千~紀元前6千年くらいまで、新石器時代がそれ以降です。", "title": "石器時代" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "旧石器時代は先ほども言いました、石を叩いて作る打製石器を使っていました。これだと思う通りの形には中々できないので不便な事もあったようです。ですので、割れた石を磨くことで思い通りの形に仕上げて使う事が始まりました。この製法で作られた石器を磨製石器と言い、これが使われていることが新石器時代の特徴です。", "title": "石器時代" } ]
null
{{半保護S}} {{Pathnav|メインページ|歴史|世界史|frame=1}} {| border="1" |-align="center" |width="40%"|[[世界史]] |width="30%"|[[進化の過程|次のページ]] |} <!-- このページには導入部がありません。適切な導入部を作成し、このコメントを除去してください。 --> == 世界史をどこから始めるか == 世界史は、人類の歴史を世界的な規模で対象とする歴史学の一分野です。 歴史は、もともとは、過去の文献に基づいて過去の時代にあった事柄を研究する学問でした。そのことからすると、文字がない時代には歴史がないことになります。 しかし、文献以外にも過去にあった事柄を知る方法はあります。そのなかでも重要なのが、[[w:化石|化石]]や遺物、そして[[w:遺跡|遺跡]]等の物的証拠です。またいくつもの科学的な年代測定の方法を用いることで、いつごろの物なのかを推定できます。これらを調べると、いつごろ、どんなことがあったのかをある程度推定することができます。このような研究は[[w:考古学|考古学]]という学問分野とも接しています。 人類の歴史のうち、文献のない時代を[[w:先史時代|先史時代]]といいます。 ここでは、世界史を、先史時代から始めることにしましょう。 世界史は、人類の歴史です。 では、人類は、いつから存在したのでしょう。 生物学では、人類(現生人類)は、ヒトという生物種として他の種と区別されています。 人類と他の動物を区別するものは何でしょうか? == 猿人以前 == 人間とよく似ている他の動物としては、[[w:猿|サル]]がいます。 では、ヒトはいつサルに似たなにかから分かれて現れたのでしょうか。 生物学では、生物は進化すると考えられています。進化とは、増殖を繰り返していくうちに、より単純で一般的な生物からより複雑で特殊化した生物に多様化し、変化していくことです。 生物学の分類では、人間は、[[w:霊長類|霊長類]](霊長目)に属しています。ヒトは、霊長類のなかから分化して現れてきた生物種だと考えられます。 およそ1億年から7千万年前、地球上に最初の霊長類が現れました。霊長類のなかで最も原始的なサルは[[w:原猿類|原猿類]]と呼ばれます。ツパイなどがその例です。原猿類の見た目は、ヒトよりも、むしろ[[w:ネズミ|ネズミ]]に似ているといっていいかもしれません。霊長目は、目のしくみと手先の繊細さと脳の大きさにおいて他の目の生物よりも秀でているといえます。 およそ4千万年前に、霊長目の亜目として類人亜目が分かれ出ます。このグループは、後足立ちができ、爪が鉤爪から丸い平爪になり、顔もより人間に近くなります。 およそ3千万年前には、さらに尾のないサルが現れました。ヒト上科として区分されるサルです。現存するヒト上科に属する種としては、たとえば[[w:テナガザル|テナガザル]]などがそうです。 およそ1700万年前になると、より大型のサルが現れます。ヒト科です。現存するヒト以外のヒト科の生物には、[[w:ゴリラ|ゴリラ]]や[[w:チンパンジー|チンパンジー]]、[[w:オランウータン|オランウータン]]がいます。 およそ600万年前から500万年前になると、より人間に近い、ヒト亜科として区分される動物が現れます。これは、より大きな脳を持ち、楽々と二足歩行できるようになった霊長類です。これらが人類の直接の祖先と目されています。 == 猿人 == ヒト亜科のうち、ピテクス(サル)という語尾の名前が付けられているものは、[[w:猿人|猿人]]と呼ばれます。なかでも有名なのは[[w:アウストラロピテクス|アウストラロピテクス]](「南の・サル」の意味)です。中東アフリカで見つかった、ルーシーという名前で有名なアウストラロピテクスの女性の一個体は、400万年から300万年くらい前に生きていたと考えられています。初期の人類の祖先の化石が見つかる地域はアフリカに集中しています。 猿人が他の猿と大きく違うのは、直立二足歩行です。つまり二本足で立って歩いていたということです。ゴリラやチンパンジーはどちらかというと二本足で歩くこともできるという感じですが、猿人は楽々と歩いていたようなのです。これはとても重大な事です。なぜなら二本足(後ろ足)で立つと、空いた前足(手)に何かを持つことができるからです。すなわち'''道具の使用'''が可能になったのです。 もうひとつ、二本足で立つことのメリットは'''脳が大きくなる'''ことができたということです。四本足で歩く場合は、首は水平方向から頭を支えることになります。すると、あまり頭が重いと前にのめってしまい、歩きにくくなります。ところが二本足の場合は頭の重さは垂直方向に首にかかります。より重い頭を支えられるようになるのです。とはいえ、アウストラロピテクスの脳は400~500ccくらいでした。チンパンジーよりちょっとだけ大きいくらいです。現在の私達の1400~1500ccからすると比べ物になりません。 200万年前になると、'''[[w:ホモ・ハビリス|ホモ・ハビリス]]'''が現れました。これは、初めてヒト属(ホモ属)に属する生物種だといわれています。 ホモ・ハビリスは'''石器'''を使いました。[[w:石器|石器]]は人工の歯や牙や角として機能します。他の動物を以前よりもはるかに容易に殺傷する力を得たのです。 == 原人 == 猿人の次の段階に来るのが'''原人'''です。 [[w:原人|原人]]はホモ・エレクトスとも言い、アウストラロピテクスが身長140~150cmくらいだったのに対して、160~180cmくらいあったそうです。大体180万年前くらいからアウストラロピテクスから進化したようです。脳の大きさは900~1100ccくらいで、猿人の2倍以上になっています。 はじめてのホモ・エレクトスの化石は、[[w:ジャワ島|ジャワ島]]で発見されました。これが'''[[w:ジャワ原人|ジャワ原人]]'''(ホモ・エレクトス・エレクトス)です。アフリカを越えてアジアにまで広がったのは、原人が最初です。 60万年くらい前から、地球は'''[[w:氷河期|氷河期]]'''に入りました。氷河は北から南に広がり、多くの生物の適応を刺激しました。 原人は、毛皮を身につけ、天幕を張ったシェルターに住んだり、洞穴に暮らしたりしたようです。 50万年くらい前には、原人による'''火の使用'''の痕跡が中国の[[w:北京|北京]]で見つかっています。これが'''[[w:北京原人|北京原人]]'''(ホモ・エレクトス・ペキネンシス)です。聞いた事のある人もいるでしょう。 火を使えるようになると、暖を取れるばかりでなく、夜には明かりとなり、猛獣を遠ざけたり、食べ物を加熱調理したりすることもできます。 なお、日本でも'''[[w:明石原人|明石原人]]'''と呼ばれる原人の骨(寛骨)が発見されたことがありますが、この明石原人は本当に原人なのか疑問が出ています。 == 旧人類 == 原人の次が'''[[w:旧人類|旧人類]]'''です。'''[[w:ネアンデルタール人|ネアンデルタール人]]'''が有名ですね。旧人類が登場したのが、大体50万~30万年前くらいです。脳の大きさは1300~1600ccくらいでむしろ現在の人間より大きいんですね。 脳みそが大きくなったのに伴って精神的にも進化したようで、[[w:イラク|イラク]]のシャニダール洞窟と言うところで史上初の葬式跡というのが発見されています。この洞窟からネアンデルタール人の骨が見つかったのですが、その周りから花の花粉が見つかったのです。つまり死んだ人の周りにお花を添えたということですね。 == 新人類 == そしていよいよ我々現代人と同じグループの'''[[w:新人類|新人類]]'''に入ります。現生人類とも言います。新人類が登場したのが、20万年前くらいと考えられています。旧人類もこの時代にまだ生き残っていたのですが、次第に新人類に取って代わられたようです。 代表として'''[[w:クロマニョン人|クロマニョン人]]'''と'''[[w:上洞人|上洞人]]'''を挙げておきます。[[w:スペイン|スペイン]]の'''アルタミラ'''、[[w:フランス|フランス]]の'''ラスコー'''にこのクロマニョン人によって描かれた洞窟絵画があります。 == 石器時代 == 道具についてですが、猿人のころから石で石を叩いて、割れて尖った石を道具として使っていたようです。 このような石で出来た道具を'''石器'''と言って、石器を使っていた時代のことを'''[[w:石器時代|石器時代]]'''と言います。猿人が石器を使い始めたのが大体200万年前と考えられています。 石器時代は石器の発達に応じて'''[[w:旧石器時代|旧石器時代]]'''・'''[[w:新石器時代|新石器時代]]'''に分けられています。旧石器時代の200万年前から紀元前8千~紀元前6千年くらいまで、新石器時代がそれ以降です。 旧石器時代は先ほども言いました、石を叩いて作る'''[[w:打製石器|打製石器]]'''を使っていました。これだと思う通りの形には中々できないので不便な事もあったようです。ですので、割れた石を磨くことで思い通りの形に仕上げて使う事が始まりました。この製法で作られた石器を'''[[w:磨製石器|磨製石器]]'''と言い、これが使われていることが新石器時代の特徴です。 == まとめ == * 人類の発達→直立二足歩行・道具の使用 ** 猿人(アウストラロピテクス) ** 原人(北京原人・ジャワ原人) ** 旧人(ネアンデルタール人) ** 新人(クロマニョン人・上洞人)→洞穴絵画(ラスコー・アルタミラ) * 石器時代 ** 旧石器時代→打製石器 ** 新石器時代→磨製石器 {| border="1" |-align="center" |width="40%"|[[世界史]] |width="30%"|[[進化の過程|次のページ]] |} [[Category:歴史|しんるいのたんしよう]]
null
2022-03-08T02:37:50Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:半保護S" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E3%81%AE%E8%AA%95%E7%94%9F
1,456
Freenet FAQ
フリーネット関連のFAQ集 フリーネットの匿名性が高くても、以下の不注意から「自分」が特定される可能性が高まる。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "フリーネット関連のFAQ集", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "フリーネットの匿名性が高くても、以下の不注意から「自分」が特定される可能性が高まる。", "title": "匿名性について" } ]
フリーネット関連のFAQ集
'''フリーネット関連のFAQ集''' ==JAVA関連== =====IBMのJAVAランタイムを使うと使用リソースが少なくて済むらしいが。===== *PCのリソースによるが、そういうメリットがある場合もある。以下に導入手順を簡単に記す。 :IBM_JavaVM を ''C:\'' 直下に置く。 :freenetディレクトリ内の ''FLaunch.ini'' を以下のように書き直す。JavaMemセクションは任意で良い。 [Freenet Launcher] JavaExec=C:\IBM_JavaVM\Java\bin\java.exe Javaw=C:\IBM_JavaVM\Java\bin\javaw.exe JavaMem=256 Priority=0 PriorityClass=64 :(Windowsユーザーの場合)frostディレクトリ内の ''frost.bat'' を以下のように書き直す。 start C:\IBM_JavaVM\Java\bin\javaw -jar frost.jar %1 %2 %3 %4 %5 %6 %7 *(補足)フリーネット自体は[[w:ja:サンマイクロシステムズ|サン・マイクロシステムズ]]のJAVA環境を前提に開発されており、IBM製での動作確認はなされていない。 =====システムトレイのうさぎアイコンに赤い斜め線が表示されフリーネットが正常起動しない。===== *JAVAランタイムが古い可能性が高い。一度フリーネットをアンインストールしてから、[[Freenet#日本語ウェブサイト|フリーネット:日本語ウェブサイト]]を参照してJAVAランタイムを最新版にする。 =====JAVAがメモリを使用し過ぎで困る。===== *freenetディレクトリ中の ''FLaunch.ini'' のJavaMem=defaultを使用させても良いメモリ量(MB単位)で書き替える。【例:JavaMem=256】 =====JAVAランタイムを更新したらフリーネットが起動しなくなった。===== *freenetディレクトリ中の ''FLaunch.ini'' の ''JavaExec=c:\****'' と ''Javaw=c:\****'' のパスを新しいJAVAランタイムのパスに書き直し保存する。 ==Fred(the Freenet REference Daemon)関連== =====Windowsが起動するとフリーネットも勝手に起動してしまう。===== *スタートメニュー内のスタートアップ項目に入ってるフリーネットのショートカットを削除すれば良い。 =====Fredを別のディレクトリに移動したい場合は、Data Storeディレクトリをコピーするだけで良いのか?===== *希望するディレクトリにフリーネットを新規インストールし、その後データストアをコピーすると良い。 =====Web Interfaceの"Load"セクションで「Rejecting incoming connections and requests!」の文字だけが赤くなってしまった。===== *フリーネットの使用スレッド数がMax Threadsの設定値を超過しそうになると、赤いメッセージで警告表示が出る。対処法としては、フリーネットの"Configure..."から表示される設定画面で"Advanced Settings"→「Max connections」・「Max. Threads」があり、これらの値を大きくすれば良い。ただし、それに伴いPCのリソースの消費が増大する可能性が高い。 ====="Open Connections"を見てもOutboundしか存在せず、Inbound接続が一つもない。===== *トランシエントノード(一時ノード)でなければ、やがて接続されるようになる。10時間以上待っても接続されない時は、[[w:ja:ファイアーウォール|ファイアーウォール]]の設定等を確認しなければならない。 =====接続しているノードのビルドナンバーの内訳を知るには?===== *http://127.0.0.1:8888/servlet/nodestatus/version_histogram.txt で表示される。 =====設定内の"Node Bandwidth Limits"とは?===== *通信速度の上限を設定できる。 Output = インサート速度の上限 Input = ダウンロード速度の上限 Overall = OutputとInputを合計した値の上限 =====例えばインサートHTLを1にすると、ファイルは1つのノードにしかインサートされないのか?===== *接続している1つ先のノード(つまり隣接ノード)にインサートする。ファイルサイズが大きな場合は、それは分割され各ノードにブロックを拡散していくようにインサートされる。 **(補足)匿名性を向上させる目的で、稀にHTL=2のようなインサートを行わせる仕様になっている。 =====フリーネット上にアップロードしたファイルは、削除することができるのか?===== *フリーネット上のファイルを削除する手段は、原則的にはない。しかし、人気のないファイルは、やがて他のファイルに上書き削除される。 =====フリーネット上の殆どのフリーサイトに繋がらない。===== *フリーネットを長時間稼働させているだけでキーがデータストアにキャッシュされる仕様の為、ファイルが短時間でダウンロードできたり、フリーサイトがすぐに見ることができたりする場合がある。しかし、ウェブサイトの表示速度と比較すると、かなり表示に時間が掛かるのが現状だ。また、一度で繋がらなくても自動で再度読み込みを行う仕様の為、表示されるまで待ってみると良い。 =====フリーネットには検索機能がないのか?===== *ファイル名での検索機能はネイティブにはサポートされていない。代替手段としてフロントエンドに検索機能を持たせる方法があり、フロストやCHKデータベースが開発されている。 ==匿名性について== =====フリーネット上でどんな事をしても大丈夫だろうか?===== *フリーネットは匿名性が高く情報発信者の特定が困難なのは事実である。しかしそれを笠に着て、公序良俗に反する投稿や法律・法令に反するファイルのやり取りをしてはならない。 =====フリーネットだから「自分」が誰か解らないはず。===== フリーネットの匿名性が高くても、以下の不注意から「自分」が特定される可能性が高まる。 #実名や住所の投稿、金品の授受を行う。 #[[w:ja:インターネット・サービス・プロバイダ|ISP]]や[[w:ja:IPアドレス|IPアドレス]]等の使用環境を投稿する。 #兄弟、友人、知人にフリーネットの使用状況を話す。 #「自分」特有の文章の書き方や言い回し方、スラングを使用する。 #[[w:ja:オープンソース|オープンソース]]ではないソフトウェアを使用する。([[w:ja:スパイウェア|スパイウェア]]が紛れ込んでいる可能性がある為) #オープンソースであっても充分に検証せずに使用する。 #フロスト等のフリーネット上の掲示板でなく、一般的な電子掲示板にインサートの報告を行う。 [[Category:ソフトウェアのマニュアル]]
null
2005-09-03T00:59:32Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Freenet_FAQ
1,461
経済学 現代経済の仕組み 金融機関とその働き
経済学>現代経済の仕組み>金融機関とその働き 銀行は私たち(顧客)が口座に預けたお金を、仕事をするためにお金が必要な企業に貸します。企業は借りたお金に利子をつけて銀行に返します。銀行はこの利子で儲けているのです。そして銀行は利子の一部を私たちの口座に返します。一連のやり取りは現金ではなく、口座の上で行われます。 貨幣の役割には、次の4つがあります。 通貨(流通貨幣)の種類には次の3つがあります。 現金通貨と預金通貨の2つを「M1」、これに準通貨を加えた3つを「M2」といいます。Mはマネーサプライ(通貨供給量)のことです。 日本は、1931年に金本位制(金貨と兌換紙幣(だかんしへい)の併用)から管理通貨制度(不換紙幣)に移行しました。 資本主義社会では、家計・企業・政府の3つの主体が活動しています。この3主体の間に財が行き交っています。これら財物の仲介役となるのが貨幣です。これに加え、貨幣にはもう一つの役割があります。それが「金融」という、貨幣の融通(貸し借り)をすることです。資金の余裕者(お金持ち)が資金を必要とする者に資金を貸すのですが、この時、金融機関を介す場合と介さない場合とがあります。いずれの場合も、資金は他人資本となります。 資金の余裕者と企業の間での貸し借りで、余裕者は企業へ株式・社債の購入によって交付し、企業は余裕者へ資金を渡します。アメリカは、直接金融中心です。 個人・企業と金融機関の間での貸し借りで、個人・企業は金融機関へ預金し、金融機関は(別の)個人・企業へ貸し付けをします。日本は、以前から間接金融中心でしたが、近年、直接金融が増えつつあります。 信用創造は預金創造、通貨創造ともいい、銀行が預金額の一部(支払準備金)を残して預金額以上を貸し付けることを指します。信用創造は景気変動の要因の一つです。 信用創造された額は次の計算式で求められます。 つまり、支払準備率が20%のとき、Aから預金された5000万円から支払準備金1000万円を除いた4000万円をZ銀行がBに貸し出し、Bはその金をY銀行に預金し......というモデルでは、 となり、2億円創造されたことになります。 金融機関は次の種類があります。 金融政策は、日銀政策委員会がマネーサプライを操作することによって実行されます。これにより、物価・景気・為替の安定が保たれています。金融政策には次の3種類があります。 日本では、これまで公定歩合政策がとられてきましたが、2001年3月19日からゼロ金利政策をとり、公開市場操作(量的緩和策)を採用しています。 日本では金融再編(銀行の吸収・合併)が進んでいます。金融再編によって誕生した巨大な金融グループはメガバンクと呼ばれ、資産規模としては海外のメガバンクに並んでいます。しかし、海外の銀行に比べ、日本の銀行は収入の多くを受信授信業務で生まれる利ざやに頼っており、不良債権処理を進めつつ、収益構造の改善をしなければならなくなっています。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "経済学>現代経済の仕組み>金融機関とその働き", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "銀行は私たち(顧客)が口座に預けたお金を、仕事をするためにお金が必要な企業に貸します。企業は借りたお金に利子をつけて銀行に返します。銀行はこの利子で儲けているのです。そして銀行は利子の一部を私たちの口座に返します。一連のやり取りは現金ではなく、口座の上で行われます。", "title": "どうやって銀行は儲けている?" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "貨幣の役割には、次の4つがあります。", "title": "資金の循環と金融" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "通貨(流通貨幣)の種類には次の3つがあります。", "title": "資金の循環と金融" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "現金通貨と預金通貨の2つを「M1」、これに準通貨を加えた3つを「M2」といいます。Mはマネーサプライ(通貨供給量)のことです。", "title": "資金の循環と金融" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "日本は、1931年に金本位制(金貨と兌換紙幣(だかんしへい)の併用)から管理通貨制度(不換紙幣)に移行しました。", "title": "資金の循環と金融" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "資本主義社会では、家計・企業・政府の3つの主体が活動しています。この3主体の間に財が行き交っています。これら財物の仲介役となるのが貨幣です。これに加え、貨幣にはもう一つの役割があります。それが「金融」という、貨幣の融通(貸し借り)をすることです。資金の余裕者(お金持ち)が資金を必要とする者に資金を貸すのですが、この時、金融機関を介す場合と介さない場合とがあります。いずれの場合も、資金は他人資本となります。", "title": "資金の循環と金融" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "資金の余裕者と企業の間での貸し借りで、余裕者は企業へ株式・社債の購入によって交付し、企業は余裕者へ資金を渡します。アメリカは、直接金融中心です。", "title": "資金の循環と金融" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "個人・企業と金融機関の間での貸し借りで、個人・企業は金融機関へ預金し、金融機関は(別の)個人・企業へ貸し付けをします。日本は、以前から間接金融中心でしたが、近年、直接金融が増えつつあります。", "title": "資金の循環と金融" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "信用創造は預金創造、通貨創造ともいい、銀行が預金額の一部(支払準備金)を残して預金額以上を貸し付けることを指します。信用創造は景気変動の要因の一つです。", "title": "資金の循環と金融" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "信用創造された額は次の計算式で求められます。", "title": "資金の循環と金融" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "つまり、支払準備率が20%のとき、Aから預金された5000万円から支払準備金1000万円を除いた4000万円をZ銀行がBに貸し出し、Bはその金をY銀行に預金し......というモデルでは、", "title": "資金の循環と金融" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "となり、2億円創造されたことになります。", "title": "資金の循環と金融" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "金融機関は次の種類があります。", "title": "資金の循環と金融" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "金融政策は、日銀政策委員会がマネーサプライを操作することによって実行されます。これにより、物価・景気・為替の安定が保たれています。金融政策には次の3種類があります。", "title": "資金の循環と金融" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "日本では、これまで公定歩合政策がとられてきましたが、2001年3月19日からゼロ金利政策をとり、公開市場操作(量的緩和策)を採用しています。", "title": "資金の循環と金融" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "日本では金融再編(銀行の吸収・合併)が進んでいます。金融再編によって誕生した巨大な金融グループはメガバンクと呼ばれ、資産規模としては海外のメガバンクに並んでいます。しかし、海外の銀行に比べ、日本の銀行は収入の多くを受信授信業務で生まれる利ざやに頼っており、不良債権処理を進めつつ、収益構造の改善をしなければならなくなっています。", "title": "これからの金融" } ]
経済学>現代経済の仕組み>金融機関とその働き
[[経済学]]>[[経済学_現代経済の仕組み|現代経済の仕組み]]>[[経済学_現代経済の仕組み_金融機関とその働き|金融機関とその働き]] ---- __TOC__ <div style="margin:0px; padding:0px; background-color:#CCFF99; border:solid #00CC00 1px; width:100%;"> == どうやって銀行は儲けている? == 銀行は私たち(顧客)が口座に預けたお金を、仕事をするためにお金が必要な企業に貸します。企業は借りたお金に利子をつけて銀行に返します。銀行はこの利子で儲けているのです。そして銀行は利子の一部を私たちの口座に返します。一連のやり取りは現金ではなく、口座の上で行われます。 </div> == 資金の循環と金融 == === 資本 === <!-- 自己資本・他人資本 など --> === 貨幣 === 貨幣の役割には、次の4つがあります。 * 価値尺度… * 交換(流通)手段… * 支払い手段… * 価値蓄蔵手段… 通貨(流通貨幣)の種類には次の3つがあります。 *現金通貨…日本銀行券(紙幣)、補助貨幣(硬貨) *預金通貨…普通預金、当座預金、小切手 *準通貨…定期預金 現金通貨と預金通貨の2つを「M1」、これに準通貨を加えた3つを「M2」といいます。Mはマネーサプライ(通貨供給量)のことです。 日本は、1931年に金本位制(金貨と兌換紙幣(だかんしへい)の併用)から管理通貨制度(不換紙幣)に移行しました。 === 金融とは === [[経済学_現代経済の変容_経済の変容_世界経済の変容_資本主義経済|資本主義社会]]では、家計・企業・政府の[[経済学_現代経済の仕組み_経済主体とその活動#経済主体|3つの主体]]が活動しています。この3主体の間に[[経済学_現代経済の変容_経済の変容_経済とは何か#財物|財]]が行き交っています。これら財物の仲介役となるのが[[#貨幣|貨幣]]です。これに加え、貨幣にはもう一つの役割があります。それが「金融」という、貨幣の融通(貸し借り)をすることです。資金の余裕者(お金持ち)が資金を必要とする者に資金を貸すのですが、この時、金融機関を介す場合と介さない場合とがあります。いずれの場合も、資金は他人資本となります。 ==== 直接金融 ==== 資金の余裕者と企業の間での貸し借りで、余裕者は企業へ株式・社債の購入によって交付し、企業は余裕者へ資金を渡します。アメリカは、直接金融中心です。 ==== 間接金融 ==== 個人・企業と金融機関の間での貸し借りで、個人・企業は金融機関へ預金し、金融機関は(別の)個人・企業へ貸し付けをします。日本は、以前から間接金融中心でしたが、近年、直接金融が増えつつあります。 === 銀行と信用創造 === '''信用創造'''は'''預金創造'''、'''通貨創造'''ともいい、銀行が預金額の一部(支払準備金)を残して預金額以上を貸し付けることを指します。信用創造は景気変動の要因の一つです。 信用創造された額は次の計算式で求められます。 :最初の預金額×(1÷支払準備率)-最初の預金額=信用創造された額 つまり、支払準備率が20%のとき、Aから預金された5000万円から支払準備金1000万円を除いた4000万円をZ銀行がBに貸し出し、Bはその金をY銀行に預金し……というモデルでは、 :5000(万円)×(1÷<math>\frac{20}{100}</math>)-5000(万円)=2億円 となり、2億円創造されたことになります。 === 金融機関 === 金融機関は次の種類があります。 *中央銀行([[w:日本銀行|日本銀行]])…発券銀行、政府の銀行、銀行の銀行としての仕事をする。 *[[w:普通銀行|普通銀行]] **[[w:都市銀行|都市銀行]]…受信授信業務(預金と貸し付け) **地方銀行…受信授信業務 *政府関係金融機関([[w:日本政策投資銀行|日本政策投資銀行]] など) ===金融政策=== 金融政策は、日銀政策委員会がマネーサプライを操作することによって実行されます。これにより、物価・景気・為替の安定が保たれています。金融政策には次の3種類があります。 *[[w:公開市場操作|公開市場操作]](オープン・マーケット・オペレーション) [[画像:公開市場操作.png|公開市場操作|thumb|330px|center|公開市場操作]] *支払準備率操作(預金準備率操作) [[画像:支払準備操作.png|支払準備率操作|thumb|330px|center|支払準備率操作]] *公定歩合政策(金利政策) [[画像:公定歩合政策.png|公定歩合政策|thumb|330px|center|公定歩合政策]] 日本では、これまで公定歩合政策がとられてきましたが、2001年3月19日からゼロ金利政策をとり、公開市場操作(量的緩和策)を採用しています。 == これからの金融 == 日本では'''金融再編'''(銀行の吸収・合併)が進んでいます。金融再編によって誕生した巨大な金融グループはメガバンクと呼ばれ、資産規模としては海外のメガバンクに並んでいます。しかし、海外の銀行に比べ、日本の銀行は収入の多くを受信授信業務で生まれる利ざやに頼っており、不良債権処理を進めつつ、収益構造の改善をしなければならなくなっています。 [[Category:経済学|*]]
null
2007-05-29T13:10:54Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6_%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%AE%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF_%E9%87%91%E8%9E%8D%E6%A9%9F%E9%96%A2%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D
1,465
無機化学
大学の教科書 自然科学: 数学 - 物理学; 古典力学 量子力学 - 化学; 無機化学 有機化学 - 生物学; 植物学 研究技術 - 地球科学 - 医学; 解剖学 語学: 日本語 英語 エスペラント 朝鮮語 デンマーク語 ドイツ語 フランス語 ラテン語 ルーマニア語 人文科学: 歴史学; 日本史 中国史 世界史 歴史観 - 心理学 - 哲学 - 芸術; 音楽 美術 - 文学; 古典文学 漢詩 社会科学: 法学 - 経済学 - 地理学 - 教育学; 学校教育 教育史 情報技術: 情報工学; MS-DOS/PC DOS UNIX/Linux TeX/LaTeX CGI - プログラミング; BASIC C言語 C++ D言語 HTML Java JavaScript Lisp Mizar Perl PHP Python Ruby Scheme SVG 小・中・高校の教科書 小学: 国語 社会 算数 理科 英語 中学: 国語 社会 数学 理科 英語 高校: 国語 - 地歴 - 公民 - 数学; 公式集 - 理科; 物理 化学 地学 生物 - 外国語 - 情報 解説書・実用書・参考書 趣味: 料理本 - スポーツ - ゲーム 試験: 資格試験 - 入学試験 その他の本: 防災 - 生活と進路 - ウィキペディアの書き方 - ジョーク集 無機化学の教科書。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "大学の教科書 自然科学: 数学 - 物理学; 古典力学 量子力学 - 化学; 無機化学 有機化学 - 生物学; 植物学 研究技術 - 地球科学 - 医学; 解剖学 語学: 日本語 英語 エスペラント 朝鮮語 デンマーク語 ドイツ語 フランス語 ラテン語 ルーマニア語 人文科学: 歴史学; 日本史 中国史 世界史 歴史観 - 心理学 - 哲学 - 芸術; 音楽 美術 - 文学; 古典文学 漢詩 社会科学: 法学 - 経済学 - 地理学 - 教育学; 学校教育 教育史 情報技術: 情報工学; MS-DOS/PC DOS UNIX/Linux TeX/LaTeX CGI - プログラミング; BASIC C言語 C++ D言語 HTML Java JavaScript Lisp Mizar Perl PHP Python Ruby Scheme SVG 小・中・高校の教科書 小学: 国語 社会 算数 理科 英語 中学: 国語 社会 数学 理科 英語 高校: 国語 - 地歴 - 公民 - 数学; 公式集 - 理科; 物理 化学 地学 生物 - 外国語 - 情報 解説書・実用書・参考書 趣味: 料理本 - スポーツ - ゲーム 試験: 資格試験 - 入学試験 その他の本: 防災 - 生活と進路 - ウィキペディアの書き方 - ジョーク集", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "無機化学の教科書。", "title": "" } ]
無機化学の教科書。
{{Pathnav|メインページ|化学|frame=1}} {{蔵書一覧}} [[w:無機化学|無機化学]]の教科書。 == 目次 == * [[無機化学とは]] * [[無機化学の基礎]] ** [[無機化学の基礎/原子の構造|原子の構造]] *** [[無機化学の基礎/原子の構造/電子と原子核|電子と原子核]] *** [[無機化学の基礎/原子の構造/量子数と電子軌道|量子数と電子軌道]] **** [[無機化学の基礎/原子の構造/量子数と電子軌道/パウリの排他律|パウリの排他律]] ** [[無機化学の基礎/化学結合|化学結合]] *** [[無機化学の基礎/化学結合/共有結合|共有結合]] *** [[無機化学の基礎/化学結合/イオン結合|イオン結合]] *** [[無機化学の基礎/化学結合/金属結合|金属結合]] *** [[無機化学の基礎/化学結合/原子価と酸化数|原子価と酸化数]] **** [[無機化学の基礎/化学結合/原子価と酸化数/酸と塩基|酸と塩基]] **** [[無機化学の基礎/化学結合/原子価と酸化数/混合原子価|混合原子価]] * [[周期律と元素の諸特性]] ** [[周期律と元素の諸特性/周期表|周期表]] ** [[周期律と元素の諸特性/典型元素|典型元素]] *** [[周期律と元素の諸特性/典型元素/アルカリ金属元素|アルカリ金属元素]] *** [[周期律と元素の諸特性/典型元素/アルカリ土類金属元素|アルカリ土類金属元素]] *** [[周期律と元素の諸特性/典型元素/プニコゲン|プニコゲン]] *** [[周期律と元素の諸特性/典型元素/カルコゲン|カルコゲン]] *** [[周期律と元素の諸特性/典型元素/ハロゲン|ハロゲン]] *** [[周期律と元素の諸特性/典型元素/貴ガス|貴ガス]] ** [[周期律と元素の諸特性/遷移元素|遷移元素]] *** [[周期律と元素の諸特性/遷移元素/希土類金属元素|希土類金属元素]] * [[無機化合物各論]] ** [[無機化合物各論/合金|合金]] ** [[無機化合物各論/金属間化合物|金属間化合物]] ** [[無機化合物各論/酸化物|酸化物]] ** [[無機化合物各論/窒化物|窒化物]] ** [[無機化合物各論/炭化物|炭化物]] ** [[無機化合物各論/その他の無機化合物|その他の無機化合物]] *** [[無機化合物各論/その他の無機化合物/有機金属化合物|有機金属化合物]] * [[無機錯体化学]] ** [[無機錯体化学/配位結合|配位結合]] * [[結晶化学]] ** [[結晶化学/対称性と群論|対称性と群論]] * [[無機工業化学]] ** [[無機工業化学/無機物質の機能|無機物質の機能]] *** [[無機工業化学/無機物質の機能/力学的性質|力学的性質]] *** [[無機工業化学/無機物質の機能/熱的性質|熱的性質]] *** [[無機工業化学/無機物質の機能/電気的性質|電気的性質]] *** [[無機工業化学/無機物質の機能/光学的性質|光学的性質]] *** [[無機工業化学/無機物質の機能/磁気的性質|磁気的性質]] *** [[無機工業化学/無機物質の機能/生体材料|生体材料]] * [[無機材料の合成法]] ** [[無機材料の合成法/固相法|固相法]] ** [[無機材料の合成法/液相法|液相法]] *** [[無機材料の合成法/液相法/ゾルゲル法|ゾルゲル法]] ** [[無機材料の合成法/気相法|気相法]] *** [[無機材料の合成法/気相法/物理蒸着|物理蒸着]] (PVD) *** [[無機材料の合成法/気相法/化学気相析出|化学気相析出]] (CVD) [[カテゴリ:無機化学|*]]
null
2022-11-23T12:40:03Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:蔵書一覧" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%84%A1%E6%A9%9F%E5%8C%96%E5%AD%A6
1,466
無機化学とは
無機化学は化学の一分野で、有機化学と相補的な関係にある。有機化学が生物由来の化合物を中心として発展してきたのに対して、無機化学は天然鉱物を中心として発展してきた。対象とする元素で分類すれば、有機化学は炭素化合物を対象とする学問体系であり、無機化学は炭素を除く元素を対象とする学問体系であると言うことができる。しかし、炭素から構成されるフラーレンは無機化学の研究者が取り扱っており、また、炭素を含まない無機高分子化合物は有機化学の研究者が取り扱うなど、無機化学と有機化学の境界は曖昧になってきている。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "無機化学は化学の一分野で、有機化学と相補的な関係にある。有機化学が生物由来の化合物を中心として発展してきたのに対して、無機化学は天然鉱物を中心として発展してきた。対象とする元素で分類すれば、有機化学は炭素化合物を対象とする学問体系であり、無機化学は炭素を除く元素を対象とする学問体系であると言うことができる。しかし、炭素から構成されるフラーレンは無機化学の研究者が取り扱っており、また、炭素を含まない無機高分子化合物は有機化学の研究者が取り扱うなど、無機化学と有機化学の境界は曖昧になってきている。", "title": "" } ]
無機化学は化学の一分野で、有機化学と相補的な関係にある。有機化学が生物由来の化合物を中心として発展してきたのに対して、無機化学は天然鉱物を中心として発展してきた。対象とする元素で分類すれば、有機化学は炭素化合物を対象とする学問体系であり、無機化学は炭素を除く元素を対象とする学問体系であると言うことができる。しかし、炭素から構成されるフラーレンは無機化学の研究者が取り扱っており、また、炭素を含まない無機高分子化合物は有機化学の研究者が取り扱うなど、無機化学と有機化学の境界は曖昧になってきている。
'''無機化学'''は[[w:化学|化学]]の一分野で、[[有機化学]]と相補的な関係にある。有機化学が生物由来の化合物を中心として発展してきたのに対して、無機化学は天然鉱物を中心として発展してきた。対象とする元素で分類すれば、有機化学は炭素化合物を対象とする学問体系であり、無機化学は炭素を除く元素を対象とする学問体系であると言うことができる。しかし、炭素から構成されるフラーレンは無機化学の研究者が取り扱っており、また、炭素を含まない無機高分子化合物は有機化学の研究者が取り扱うなど、無機化学と有機化学の境界は曖昧になってきている。 {{stub}} [[カテゴリ:無機化学|むきかかく]]
null
2022-11-23T12:40:09Z
[ "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%84%A1%E6%A9%9F%E5%8C%96%E5%AD%A6%E3%81%A8%E3%81%AF
1,471
JavaScript
本書は、JavaScriptの解説書です。JavaScriptは、ウェブページやウェブアプリケーションで広く使われているスクリプト言語であり、最も広く普及しているプログラミング言語の一つです。また、Node.jsなどのランタイム環境を使うことで、サーバーサイドでもJavaScriptを実行することができます。 本書では、初めてプログラミングをする人から、他の言語で経験を積んだ人まで、広く対象としています。基本的なJavaScriptの書き方を解説することで、読者がより深く理解できるように配慮しました。 JavaScriptは、初心者が学ぶのに最適なプログラミング言語であり、ブラウザだけで簡単にプログラムを作ることができます。言語のコア部分は、国際標準化団体であるEcmaインターナショナルによってECMAScriptとして標準化され、仕様が明確になっています。Node.jsなどのランタイム環境を使うことで、JavaScriptをより高度なアプリケーション開発にも利用できます。 JavaScriptとJavaは、名前が似ているため混同されることがありますが、実際には異なる言語です。 JavaScriptは、Webブラウザ上で動作するスクリプト言語であり、主にWebアプリケーションの開発に使用されます。JavaScriptは、ECMAScriptという標準仕様に基づいて設計されており、Webブラウザ上で実行されます。 一方、Javaは、オブジェクト指向のプログラミング言語であり、主に企業向けのアプリケーション開発に使用されます。Javaは、Java仮想マシン(JVM)上で実行されるため、プラットフォームに依存しない特徴があります。 ただし、JavaScriptとJavaはいくつかの点で関連があります。例えば、Javaアプレットを使用することで、Webページ上でJavaのアプリケーションを実行することができます。また、JavaScriptのフレームワークやライブラリには、Javaのフレームワークやライブラリに影響を受けたものがあります。 また、最近のJavaScriptの開発においては、Javaの影響を受けた構文やアーキテクチャが取り入れられることがあります。例えば、TypeScriptというJavaScriptの拡張言語は、Javaに似た静的型付けのシステムを導入しています。 JavaScriptとJavaは、異なる言語ですが、両者の関係は多岐にわたります。 JavaScriptは、Web開発において最も広く使用される言語の一つであり、以下のような応用範囲があります。 JavaScriptは、Web技術を中心に広く使用される言語であり、多くの場面で使用されています。これらの応用範囲は、今後も拡大することが予想されます。 JavaScriptの派生言語には、以下のようなものがあります。 Microsoftが開発したJavaScriptのスーパーセットであり、静的型付けやクラス、インターフェースなどの機能を追加しています。 JavaScript XML(JSX)は、JavaScriptの拡張構文であり、Reactフレームワークで一般的に使用されます。JSXは、HTMLライクな構文をJavaScriptコードに埋め込むことができ、Reactコンポーネントの宣言的な記述やUIの構築を簡素化します。 JSXでは、<div>や<span>などのHTML要素をJavaScriptコード内で直接記述できます。これにより、コンポーネント階層構造を視覚的に表現し、リーダブルで保守しやすいコードを記述できます。また、JavaScriptの変数や式を{}で囲んで埋め込むことができ、動的な値をレンダリングすることができます。 例えば、以下はJSXを使用してReactコンポーネントを宣言的に記述する例です: この例では、Greetingコンポーネントがnameプロパティを受け取り、JSX内でその値を表示しています。JSXはReactにおいて、UIを構築するためのシンタックスシュガーとして広く採用され、Reactの開発者がより効果的かつ可読性の高いコードを書くのに役立ちます。 TypeScript XML(TSX)は、Reactアプリケーションのためのファイル拡張子で、TypeScriptを使用してReactコンポーネントを記述するための構文です。TSXファイルは、JSX(JavaScript XML)とTypeScriptの機能を組み合わせたもので、静的型チェックとReactコンポーネントの記述を同時に行うことができます。 TSXでは、Reactコンポーネントを定義するために、JSXの構文を使用します。この構文は、HTMLライクな要素構造をJavaScriptやTypeScriptのコード内に埋め込むためのもので、UIを宣言的かつコンパクトに記述できます。また、TypeScriptの型システムを活用して、コンポーネントのプロパティやステートに関する型情報を提供できます。 例えば、以下は簡単なReactコンポーネントを含むTSXファイルの例です: この例では、CounterコンポーネントがCounterProps型のプロパティを受け取り、ステートとしてcountを持っています。JSX内で{}を使用してJavaScriptやTypeScriptのコードを埋め込むことができ、動的なUIを構築できます。 JavaScriptの文法をより簡潔にした言語で、コードを読みやすくするための構文糖衣を提供します。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本書は、JavaScriptの解説書です。JavaScriptは、ウェブページやウェブアプリケーションで広く使われているスクリプト言語であり、最も広く普及しているプログラミング言語の一つです。また、Node.jsなどのランタイム環境を使うことで、サーバーサイドでもJavaScriptを実行することができます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "本書では、初めてプログラミングをする人から、他の言語で経験を積んだ人まで、広く対象としています。基本的なJavaScriptの書き方を解説することで、読者がより深く理解できるように配慮しました。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "JavaScriptは、初心者が学ぶのに最適なプログラミング言語であり、ブラウザだけで簡単にプログラムを作ることができます。言語のコア部分は、国際標準化団体であるEcmaインターナショナルによってECMAScriptとして標準化され、仕様が明確になっています。Node.jsなどのランタイム環境を使うことで、JavaScriptをより高度なアプリケーション開発にも利用できます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "JavaScriptとJavaは、名前が似ているため混同されることがありますが、実際には異なる言語です。", "title": "Javaとの関連性" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "JavaScriptは、Webブラウザ上で動作するスクリプト言語であり、主にWebアプリケーションの開発に使用されます。JavaScriptは、ECMAScriptという標準仕様に基づいて設計されており、Webブラウザ上で実行されます。", "title": "Javaとの関連性" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "一方、Javaは、オブジェクト指向のプログラミング言語であり、主に企業向けのアプリケーション開発に使用されます。Javaは、Java仮想マシン(JVM)上で実行されるため、プラットフォームに依存しない特徴があります。", "title": "Javaとの関連性" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "ただし、JavaScriptとJavaはいくつかの点で関連があります。例えば、Javaアプレットを使用することで、Webページ上でJavaのアプリケーションを実行することができます。また、JavaScriptのフレームワークやライブラリには、Javaのフレームワークやライブラリに影響を受けたものがあります。", "title": "Javaとの関連性" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "また、最近のJavaScriptの開発においては、Javaの影響を受けた構文やアーキテクチャが取り入れられることがあります。例えば、TypeScriptというJavaScriptの拡張言語は、Javaに似た静的型付けのシステムを導入しています。", "title": "Javaとの関連性" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "JavaScriptとJavaは、異なる言語ですが、両者の関係は多岐にわたります。", "title": "Javaとの関連性" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "JavaScriptは、Web開発において最も広く使用される言語の一つであり、以下のような応用範囲があります。", "title": "JavaScriptの応用範囲" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "JavaScriptは、Web技術を中心に広く使用される言語であり、多くの場面で使用されています。これらの応用範囲は、今後も拡大することが予想されます。", "title": "JavaScriptの応用範囲" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "JavaScriptの派生言語には、以下のようなものがあります。", "title": "派生言語" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "Microsoftが開発したJavaScriptのスーパーセットであり、静的型付けやクラス、インターフェースなどの機能を追加しています。", "title": "派生言語" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "JavaScript XML(JSX)は、JavaScriptの拡張構文であり、Reactフレームワークで一般的に使用されます。JSXは、HTMLライクな構文をJavaScriptコードに埋め込むことができ、Reactコンポーネントの宣言的な記述やUIの構築を簡素化します。", "title": "派生言語" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "JSXでは、<div>や<span>などのHTML要素をJavaScriptコード内で直接記述できます。これにより、コンポーネント階層構造を視覚的に表現し、リーダブルで保守しやすいコードを記述できます。また、JavaScriptの変数や式を{}で囲んで埋め込むことができ、動的な値をレンダリングすることができます。", "title": "派生言語" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "例えば、以下はJSXを使用してReactコンポーネントを宣言的に記述する例です:", "title": "派生言語" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "この例では、Greetingコンポーネントがnameプロパティを受け取り、JSX内でその値を表示しています。JSXはReactにおいて、UIを構築するためのシンタックスシュガーとして広く採用され、Reactの開発者がより効果的かつ可読性の高いコードを書くのに役立ちます。", "title": "派生言語" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "TypeScript XML(TSX)は、Reactアプリケーションのためのファイル拡張子で、TypeScriptを使用してReactコンポーネントを記述するための構文です。TSXファイルは、JSX(JavaScript XML)とTypeScriptの機能を組み合わせたもので、静的型チェックとReactコンポーネントの記述を同時に行うことができます。", "title": "派生言語" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "TSXでは、Reactコンポーネントを定義するために、JSXの構文を使用します。この構文は、HTMLライクな要素構造をJavaScriptやTypeScriptのコード内に埋め込むためのもので、UIを宣言的かつコンパクトに記述できます。また、TypeScriptの型システムを活用して、コンポーネントのプロパティやステートに関する型情報を提供できます。", "title": "派生言語" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "例えば、以下は簡単なReactコンポーネントを含むTSXファイルの例です:", "title": "派生言語" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "この例では、CounterコンポーネントがCounterProps型のプロパティを受け取り、ステートとしてcountを持っています。JSX内で{}を使用してJavaScriptやTypeScriptのコードを埋め込むことができ、動的なUIを構築できます。", "title": "派生言語" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "JavaScriptの文法をより簡潔にした言語で、コードを読みやすくするための構文糖衣を提供します。", "title": "派生言語" } ]
本書は、JavaScriptの解説書です。JavaScriptは、ウェブページやウェブアプリケーションで広く使われているスクリプト言語であり、最も広く普及しているプログラミング言語の一つです。また、Node.jsなどのランタイム環境を使うことで、サーバーサイドでもJavaScriptを実行することができます。 本書では、初めてプログラミングをする人から、他の言語で経験を積んだ人まで、広く対象としています。基本的なJavaScriptの書き方を解説することで、読者がより深く理解できるように配慮しました。 JavaScriptは、初心者が学ぶのに最適なプログラミング言語であり、ブラウザだけで簡単にプログラムを作ることができます。言語のコア部分は、国際標準化団体であるEcmaインターナショナルによってECMAScriptとして標準化され、仕様が明確になっています。Node.jsなどのランタイム環境を使うことで、JavaScriptをより高度なアプリケーション開発にも利用できます。
{{pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング|frame=1}} [[File:JavaScript.svg|thumb|right|200px|[[JavaScript/はじめに#Hello World|Hello, World!]]]] 本書は、JavaScriptの解説書です。JavaScriptは、ウェブページやウェブアプリケーションで広く使われているスクリプト言語であり、最も広く普及しているプログラミング言語の一つです。また、Node.jsなどのランタイム環境を使うことで、サーバーサイドでもJavaScriptを実行することができます。 本書では、初めてプログラミングをする人から、他の言語で経験を積んだ人まで、広く対象としています。基本的なJavaScriptの書き方を解説することで、読者がより深く理解できるように配慮しました。 JavaScriptは、初心者が学ぶのに最適なプログラミング言語であり、ブラウザだけで簡単にプログラムを作ることができます。言語のコア部分は、国際標準化団体であるEcmaインターナショナルによってECMAScriptとして標準化され、仕様が明確になっています。Node.jsなどのランタイム環境を使うことで、JavaScriptをより高度なアプリケーション開発にも利用できます。 == 目次 == {{進捗状況}} # [[JavaScript/はじめに|はじめに]] # [[JavaScript/文法|文法]] ## [[JavaScript/字句構造|字句構造]] ## [[JavaScript/セミコロンの自動挿入|セミコロンの自動挿入]] ## [[JavaScript/予約語|予約語]] # [[JavaScript/変数|変数]] # [[JavaScript/演算子|演算子]] # [[JavaScript/オブジェクト|オブジェクト]] # [[JavaScript/文字列|文字列]] # [[JavaScript/数値|数値]] # [[JavaScript/配列|配列]] # [[JavaScript/制御構造|制御構造]] # [[JavaScript/関数|関数]] # [[JavaScript/クラス|クラス]] # [[JavaScript/strictモード|strictモード]] # [[JavaScript/ビット演算|ビット演算]] # [[JavaScript/例外処理|例外処理]] # [[JavaScript/正規表現|正規表現]] # [[JavaScript/長整数|長整数]] # [[JavaScript/型付き配列|型付き配列]] # [[JavaScript/コードギャラリー|コードギャラリー]] # Web API {{---}} Web APIは、JavaScriptでWebブラウザを制御する標準的な手段であり、Webページに対して様々な操作(例えば、要素の追加や削除、イベントの処理、非同期通信等)を行うことができます。 ## [[JavaScript/Window|Windowオブジェクト]] ## [[JavaScript/DOM|DOM API]] ## [[JavaScript/Console|Console API]] ## [[JavaScript/Canvas|Canvas API]] ## [[JavaScript/XMLHttpRequest|Fetch API]] ## [[JavaScript/イベント処理|イベント処理]] ## [[JavaScript/クッキー|クッキー]] ## [[JavaScript/Audio API|Audio API]] # ライブラリ(フレームワーク) ## [[JavaScript/ライブラリ|ライブラリ]] # [[JSON]] # [[JavaScript/XML|XML]] # リファレンス<!-- let ary = [], errors = [] for (x of Object.getOwnPropertyNames(globalThis)) { if (x == "Buffer") continue let prop = globalThis[x] if (1 || typeof prop === "function") { try { if ("prototype" in prop && "constructor" in prop.prototype) { // console.log("XXX ",x) ary.push(x) let obj = new prop() if (obj instanceof Error) errors.push(x) } } catch (err) { // console.log("Err: ", err) } } } ary.filter(x=>!errors.includes(x)).sort().forEach(x => console.log(`## [[JavaScript/${x}|${x}]]`)) errors.sort().forEach(x => console.log(`### [[JavaScript/${x}|${x}]]`)) ## [[JavaScript/Array|Array]] ## [[JavaScript/ArrayBuffer|ArrayBuffer]] ## [[JavaScript/BigInt|BigInt]] ## [[JavaScript/BigInt64Array|BigInt64Array]] ## [[JavaScript/BigUint64Array|BigUint64Array]] ## [[JavaScript/Boolean|Boolean]] ## [[JavaScript/DataView|DataView]] ## [[JavaScript/Date|Date]] ## [[JavaScript/FinalizationRegistry|FinalizationRegistry]] ## [[JavaScript/Float32Array|Float32Array]] ## [[JavaScript/Float64Array|Float64Array]] ## [[JavaScript/Function|Function]] ## [[JavaScript/Int16Array|Int16Array]] ## [[JavaScript/Int32Array|Int32Array]] ## [[JavaScript/Int8Array|Int8Array]] ## [[JavaScript/Map|Map]] ## [[JavaScript/Number|Number]] ## [[JavaScript/Object|Object]] ## [[JavaScript/Promise|Promise]] ## [[JavaScript/RegExp|RegExp]] ## [[JavaScript/Set|Set]] ## [[JavaScript/SharedArrayBuffer|SharedArrayBuffer]] ## [[JavaScript/String|String]] ## [[JavaScript/Symbol|Symbol]] ## [[JavaScript/TextDecoder|TextDecoder]] ## [[JavaScript/TextEncoder|TextEncoder]] ## [[JavaScript/URL|URL]] ## [[JavaScript/URLSearchParams|URLSearchParams]] ## [[JavaScript/Uint16Array|Uint16Array]] ## [[JavaScript/Uint32Array|Uint32Array]] ## [[JavaScript/Uint8Array|Uint8Array]] ## [[JavaScript/Uint8ClampedArray|Uint8ClampedArray]] ## [[JavaScript/WeakMap|WeakMap]] ## [[JavaScript/WeakRef|WeakRef]] ## [[JavaScript/WeakSet|WeakSet]] ## [[JavaScript/clearImmediate|clearImmediate]] ## [[JavaScript/clearInterval|clearInterval]] ## [[JavaScript/clearTimeout|clearTimeout]] ## [[JavaScript/queueMicrotask|queueMicrotask]] ## [[JavaScript/setImmediate|setImmediate]] ## [[JavaScript/setInterval|setInterval]] ## [[JavaScript/setTimeout|setTimeout]] ### [[JavaScript/Error|Error]] ### [[JavaScript/EvalError|EvalError]] ### [[JavaScript/RangeError|RangeError]] ### [[JavaScript/ReferenceError|ReferenceError]] ### [[JavaScript/SyntaxError|SyntaxError]] ### [[JavaScript/TypeError|TypeError]] ### [[JavaScript/URIError|URIError]] --> ## [[JavaScript/Global|Global]] ## [[JavaScript/Array|Array]] ## [[JavaScript/BigInt|BigInt]] ## [[JavaScript/Boolean|Boolean]] ## [[JavaScript/Date|Date]] ## [[JavaScript/FinalizationRegistry|FinalizationRegistry]] ## [[JavaScript/Function|Function]] ## [[JavaScript/Map|Map]] ## [[JavaScript/WeakMap|WeakMap]] ## [[JavaScript/Math|Math]] ## [[JavaScript/Number|Number]] ## [[JavaScript/Object|Object]] ## [[JavaScript/Promise|Promise]] ## [[JavaScript/RegExp|RegExp]] ## [[JavaScript/Set|Set]] ## [[JavaScript/WeakSet|WeakSet]] ## [[JavaScript/String|String]] ## [[JavaScript/Symbol|Symbol]] ## [[JavaScript/WeakRef|WeakRef]] ## [[JavaScript/Error|Error]] ### [[JavaScript/EvalError|EvalError]] ### [[JavaScript/RangeError|RangeError]] ### [[JavaScript/ReferenceError|ReferenceError]] ### [[JavaScript/SyntaxError|SyntaxError]] ### [[JavaScript/TypeError|TypeError]] ### [[JavaScript/URIError|URIError]] ## [[JavaScript/Intl|Intl]] == Javaとの関連性 == JavaScriptとJavaは、名前が似ているため混同されることがありますが、実際には異なる言語です。 JavaScriptは、Webブラウザ上で動作するスクリプト言語であり、主にWebアプリケーションの開発に使用されます。JavaScriptは、ECMAScriptという標準仕様に基づいて設計されており、Webブラウザ上で実行されます。 一方、Javaは、オブジェクト指向のプログラミング言語であり、主に企業向けのアプリケーション開発に使用されます。Javaは、Java仮想マシン(JVM)上で実行されるため、プラットフォームに依存しない特徴があります。 ただし、JavaScriptとJavaはいくつかの点で関連があります。例えば、Javaアプレットを使用することで、Webページ上でJavaのアプリケーションを実行することができます。また、JavaScriptのフレームワークやライブラリには、Javaのフレームワークやライブラリに影響を受けたものがあります。 また、最近のJavaScriptの開発においては、Javaの影響を受けた構文やアーキテクチャが取り入れられることがあります。例えば、TypeScriptというJavaScriptの拡張言語は、Javaに似た静的型付けのシステムを導入しています。 JavaScriptとJavaは、異なる言語ですが、両者の関係は多岐にわたります。 == JavaScriptの応用範囲 == JavaScriptは、Web開発において最も広く使用される言語の一つであり、以下のような応用範囲があります。 * クライアントサイドWeb開発:JavaScriptは、Webブラウザで動作するクライアントサイドのWebアプリケーション開発に使用されます。JavaScriptを使用することで、ユーザーがWebページやWebアプリケーションを対話的に操作することができます。 * サーバーサイドWeb開発:Node.jsを使用することで、JavaScriptはサーバーサイドのWebアプリケーション開発にも使用されます。Node.jsは、JavaScriptを実行するためのランタイム環境であり、サーバーサイドでのWebアプリケーションの実行や、データベースやファイルシステムなどのI/O操作を実行することができます。 * モバイルアプリケーション開発:React Nativeを使用することで、JavaScriptはモバイルアプリケーション開発にも使用されます。React Nativeは、JavaScriptを使用してiOSやAndroidのネイティブモバイルアプリケーションを開発するためのフレームワークです。 * デスクトップアプリケーション開発:Electronを使用することで、JavaScriptはデスクトップアプリケーション開発にも使用されます。Electronは、JavaScriptを使用して、Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップアプリケーションを開発するためのフレームワークです。 * ゲーム開発:JavaScriptは、Webブラウザ上で動作するゲーム開発にも使用されます。HTML5 CanvasやWebGLなどのWeb技術を使用することで、高品質のWebゲームを開発することができます。 JavaScriptは、Web技術を中心に広く使用される言語であり、多くの場面で使用されています。これらの応用範囲は、今後も拡大することが予想されます。 == 派生言語 == JavaScriptの派生言語には、以下のようなものがあります。 === TypeScript === {{main|TypeScript}} Microsoftが開発したJavaScriptのスーパーセットであり、静的型付けやクラス、インターフェースなどの機能を追加しています。 ;TypeScriptのコード例:<syntaxhighlight lang=ts> function greet(name: string) { console.log(`Hello, ${name}!`); } greet("John"); </syntaxhighlight> === JavaScript XML === JavaScript XML(JSX)は、JavaScriptの拡張構文であり、Reactフレームワークで一般的に使用されます。JSXは、HTMLライクな構文をJavaScriptコードに埋め込むことができ、Reactコンポーネントの宣言的な記述やUIの構築を簡素化します。 JSXでは、<code><nowiki><div></nowiki></code>や<code><nowiki><span></nowiki></code>などのHTML要素をJavaScriptコード内で直接記述できます。これにより、コンポーネント階層構造を視覚的に表現し、リーダブルで保守しやすいコードを記述できます。また、JavaScriptの変数や式を<code>{}</code>で囲んで埋め込むことができ、動的な値をレンダリングすることができます。 例えば、以下はJSXを使用してReactコンポーネントを宣言的に記述する例です: ;JavaScript XMLのコード例:<syntaxhighlight lang=jsx> import React from 'react'; const Greeting = ({ name }) => { return ( <div> <h1>Hello, {name}!</h1> <p>Welcome to JSX.</p> </div> ); }; export default Greeting; </syntaxhighlight> この例では、<code>Greeting</code>コンポーネントが<code>name</code>プロパティを受け取り、JSX内でその値を表示しています。JSXはReactにおいて、UIを構築するためのシンタックスシュガーとして広く採用され、Reactの開発者がより効果的かつ可読性の高いコードを書くのに役立ちます。 === TypeScript XML === TypeScript XML(TSX)は、Reactアプリケーションのためのファイル拡張子で、[[#TypeScript|TypeScript]]を使用してReactコンポーネントを記述するための構文です。TSXファイルは、JSX(JavaScript XML)とTypeScriptの機能を組み合わせたもので、静的型チェックとReactコンポーネントの記述を同時に行うことができます。 TSXでは、Reactコンポーネントを定義するために、JSXの構文を使用します。この構文は、HTMLライクな要素構造をJavaScriptやTypeScriptのコード内に埋め込むためのもので、UIを宣言的かつコンパクトに記述できます。また、TypeScriptの型システムを活用して、コンポーネントのプロパティやステートに関する型情報を提供できます。 例えば、以下は簡単なReactコンポーネントを含むTSXファイルの例です: ;TypeScript XMLのコード例:<syntaxhighlight lang=tsx> import React, { useState } from 'react'; interface CounterProps { initialValue: number; } const Counter: React.FC<CounterProps> = ({ initialValue }) => { const [count, setCount] = useState(initialValue); const increment = () => setCount(count + 1); const decrement = () => setCount(count - 1); return ( <div> <p>Count: {count}</p> <button onClick={increment}>Increment</button> <button onClick={decrement}>Decrement</button> </div> ); }; export default Counter; </syntaxhighlight> この例では、<code>Counter</code>コンポーネントが<code>CounterProps</code>型のプロパティを受け取り、ステートとして<code>count</code>を持っています。JSX内で<code>{}</code>を使用してJavaScriptやTypeScriptのコードを埋め込むことができ、動的なUIを構築できます。 === CoffeeScript === JavaScriptの文法をより簡潔にした言語で、コードを読みやすくするための構文糖衣を提供します。 ;CoffeeScriptのコード例:<syntaxhighlight lang=coffeescript> greet = (name) -> console.log "Hello, #{name}!" greet "John" </syntaxhighlight> == 参考文献 == * [https://262.ecma-international.org/5.1/ Standard ECMA-262 5.1 Edition / June 2011 ECMAScript® Language Specification]([https://es5.github.io 注釈版]) * [https://262.ecma-international.org/6.0/ Standard ECMA-262 6th Edition / June 2015 ECMAScript® 2015 Language Specification] * [https://tc39.es/ecma262/ Draft ECMA-262 ECMAScript® Language Specification] * [https://402.ecma-international.org/ ECMA-402 7th Edition / June 2020 ECMAScript® 2020 Internationalization API Specification] === 標準API === * [https://html.spec.whatwg.org/ HTML Living Standard] * [https://dom.spec.whatwg.org/ DOM Living Standard] * [https://console.spec.whatwg.org/ Console Living Standard] * [https://xhr.spec.whatwg.org/ XMLHttpRequest Living Standard] Ajax * [https://fetch.spec.whatwg.org/ Fetch Living Standard] * [https://fullscreen.spec.whatwg.org/ Fullscreen API Living Standard] * [https://infra.spec.whatwg.org/ Infra Living Standard] * [https://compat.spec.whatwg.org/ Compatibility Living Standard] * [https://storage.spec.whatwg.org/ Storage Living Standard] * [https://streams.spec.whatwg.org/ Streams Living Standard] * [https://encoding.spec.whatwg.org/ Encoding Living Standard] * [https://mimesniff.spec.whatwg.org/ MIME Sniffing Living Standard] * [https://notifications.spec.whatwg.org/ Notifications API Living Standard] * [https://url.spec.whatwg.org/ URL Living Standard] * [https://w3c.github.io/mediasession/ Media Session Standard] == 関連項目 == * [[JSDoc]] == 下位階層のページ == {{特別:前方一致ページ一覧/JavaScript}} == 外部リンク == {{wikipedia}} {{wikiversity|Topic:Javascript|JavaScript}} * [//developer.mozilla.org/ja/docs/Web/JavaScript JavaScript - MDN] [[Category:JavaScript|*]] [[Category:プログラミング言語]] [[Category:World Wide Web]] {{NDC|007.64}}
2005-01-09T07:53:06Z
2024-01-18T21:14:01Z
[ "テンプレート:進捗状況", "テンプレート:---", "テンプレート:Main", "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Wikiversity", "テンプレート:NDC", "テンプレート:Pathnav" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/JavaScript