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「私達がこの屋敷から使いの者を本邸に送り出し、旦那様はその知らせを聞いてすぐに本邸からこちらに向かったのでしょう」 屋敷から本邸まで約1週間。 その知らせを聞いてすぐにこちらに向かってさらに1週間......ちょうど今日くらいになるのかな。 そうか......俺がこの世界に来てもう2週間くらいになるのか......思わぬところで実感してしまった。 「クレアお嬢様が無事、タクミ様に助けられてこの屋敷に戻られた後、改めて旦那様にお知らせする使いを送ったのですが......」 「お父様の事だもの、きっとその使いの者が到着する前に本邸を出てると思うわ」 「それは......なんとも......」 ですぐに行動に移したという事なんだろう。 行動が早いと言うべきなのか、娘可愛さと言うべきなのか......でも公爵家の当主様ならもう少し慎重に行動しても良いんじゃないかとも思う。 せめてが届いてからとか......まぁ、会った事の無い俺が色々言えた義理じゃないけどな。 「きっとあのお父様だもの......良い機会だと大量のお見合い話も持って来るに違いないわ」 「クレアさんを心配して来るんでしょう? それなら今回は急いでいて持って来てないとかあるかもしれませんよ?」 「いえ、タクミ様。旦那様に限ってそれは無いと私も思います」 「セバスチャンさんまで......」 これも信頼と言えるのだろうか......クレアさんとセバスチャンさんの二人は、当主様がクレアさんが危ないと聞いてもお見合いを持って来る人物だと思って疑ってないようだ......。 そうしてるうちに、寝坊したティルラちゃんがゲルダさんに連れられてようやく食堂に来た。 我関せずで話に加わらなかったレオや、クレアさんの足元で丸まって寝ていたシェリーも起きて皆で食べ始める。 朝食が半分ほど進んだ所で、俺と同じように玄関ホールにいるメイドさん達が慌ただしかった事をティルラちゃんがクレアさんに聞き、当主様......クレアさんやティルラちゃんのお父様が屋敷に来るという事を知らされ、ティルラちゃんは固まった。 その後、何となく落ち込むような暗い雰囲気で朝食は終わった。 美味しかったんだけどなぁ......あんな雰囲気じゃあまり味わえなかった。 しかし、娘二人(+執事)にこんな暗い雰囲気を出される父親ってのもちょっとかわいそうかもな......。 朝食後、お見合い話しを断る算段を付けるため、クレアさん、ティルラちゃん、セバスチャンさんは別室へ。 そんなに身構えて相談する内容なのだろうかと疑問に思ったが、貴族令嬢なりに答え方というものがあるんだろうなぁと考えて納得しておいた。 裏庭で『雑草栽培』を試す事も無く、暇になった俺は一度レオと一緒に部屋へと戻る。 「さて、どうしたもんかな」 部屋のベッドの端へ座り、横で伏せの体勢になったレオを撫でながら考える。 レオは考え込む俺を見ながら首を傾げてるが、頭を撫でてやって誤魔化しておいた。 クレアさんの父親、当主様が到着するのは昼過ぎ。 『雑草栽培』を試す余裕はないが、しばらくやる事が無い。 ベッドで仮眠を取ったり、レオと遊んでたりしてればいいかとも思うが、何となく落ち着かない。 多分、この世界で初めて確かな権力を持つ貴族と会う事に緊張してるんだろうと思う。 クレアさんは貴族令嬢だが、当主では無い事と、かなり裕福な家庭なのはわかってたが貴族とは知らずに接していたからな。 あ、そういえば。 「ライラさん、当主様と会うのに俺はこの服装で良いんでしょうか?」 「クレアお嬢様も仰っていましたが、旦那様はそういった事には無頓着なので、そのままでも構わないと思いますよ」 俺のお世話を担当しているから、一緒に部屋まで来たライラさんに聞いたが、そのままでも良いとの事らしい。 でもな......いくら気にしないと言われても、ちゃんとした服装で会わないと第一印象が悪くなるかもしれないからな......。 これも仕事をしていた弊害か、服装は常にスーツとネクタイ。 外回りをしなくても服装を崩してはいけないという規則で働いていたから、目上の人と会う時正装をしてないと不安になってしまう......。 「気になるのでしたら......確か、ラクトスの仕立て屋で服を仕立ててもらってるのでしたね?」 「そうですね、服を一式お願いしてます」 「それを受け取って来られたら良いのではないでしょうか?」 そうか、あの時仕立て屋にお願いしたのは、セバスチャンさんから借りた服と同じような物をお願いしたはずだ。 借りた服はさすがにもう返しているが、あの服なら正装に近いだろう。 セバスチャンさんにまた借りるという手もあるが、今は邪魔しないでおいた方が良いだろう......お見合いの断り文句なんて俺にわかるわけがない......巻き込まれたら面倒だしな。 「しかし、今からラクトスの街へ行くとなると、急がなければ旦那様が到着されるまでに帰って来れません」 「そこはまぁ、何とかなりますよ。な、レオ」 「ワフ!」 レオの方も任せろとばかりに頷く、頼もしい限りだ。 それを見たライラさんも納得したようで頷いていた。 「成る程。レオ様に乗って行かれるのでしたら、時間に余裕が出来ますね」 そうして俺は、レオを連れて屋敷を出る。 屋敷を出る前、ゲルダさんにクレアさん達へラクトスの街に服を取りに行く事の言伝を頼む。 黙って出るのは心配させてしまうかもしれないからな。 屋敷を出て、門までの道で背を向けたレオに乗る。 ......乗ったんだが......。 「ライラさん......もしかして一緒に行くんですか?」 「もちろんです。私はタクミ様のお世話を任されています。それに、仕立て屋に料金も払わないといけませんので」 「あぁ......そうですね......すみません、お願いします」 そういえばお金の事があった。 以前行った時はその場で買った服とかのお金しか支払ってなかったからな。 当主様との話が上手く行って、公爵家で薬草を売れるようになったら収入が出来るが、それまで無一文なのは仕方ない。 俺はライラさんを連れて、レオに乗り、ラクトスの街へ向かった。

“We sent out a messenger from this mansion, and he likely headed here as soon as he heard what had happened.” It was nearly a week’s journey. And he left immediately after another week passed...he would arrive today. I see... So that means it’s been two weeks since I came to this world... I didn’t expect to be reminded in this way. “Once Lady Claire was safe and returned to the mansion, thanks to your help, we sent out another messenger to His Grace, but...” “But father would have left before that messenger arrived.” “I see...” He would have acted as soon as he received the first message. Either he was a man of action, or he worried about his daughters too much... But it seemed a little rash for the head of a great house. Perhaps he should have at least waited for the second message.,. Well, I was not in a position to be saying anything. “You know how father can be... It is more likely that he felt it was a good opportunity to tell me about the marriage proposals that have been piling up.” “But isn’t he coming because he is worried about you? Perhaps he has forgotten all about that?” “No, Mr. Takumi. I can assure you that it is not the case.” “Sebastian...” I suppose it was a kind of trust... Both Ms. Claire and Sebastian agreed that though he might have come out of concern for his daughter’s safety, there was no doubt that he had other intentions for coming... A few moments later, Ms. Gelda brought Tilura to the dining hall after waking her up. And then Leo, who had remained uninterested in our conversation, and the sleeping Sherry, got up and so we all ate. Once we were about halfway through breakfast, Tilura started to ask Ms. Claire about why the maids were in such a rush. And upon hearing the reason, Tilura seemed to freeze. The breakfast continued in a dark and gloomy mood until we were finished. While it had been delicious...I couldn’t really enjoy it amidst that atmosphere. Which made me feel bad for Ms. Helena. But I also felt bad for the father. The mere suggestion of his presence had caused the two daughters and butler to fall into a bleak mood... After breakfast, Ms. Claire, Tilura, and Sebastian went to a different room in order to discuss strategies for dealing with the duke. It all seemed very overblown to me, but I just told myself that a young noblewoman likely had to do things in a proper way. In any case, as I would not be able to test Weed Cultivation in the back garden, I decided to return to my room with Leo. “Well, what should we do?” “Wuff?” I wondered as I sat down on the edge of my bed, and petted Leo, who was lying on the floor. Leo looked at me questioningly with a tilt of her head, but I just patted her head as if she did not need to worry. So, Ms. Claire’s father, the duke, would arrive shortly after lunch. And since I was not able to use Weed Cultivation, I had quite a lot of time with nothing to do. I could just rest or play with Leo. But I found that I felt quite restless. It was likely due to nerves. For the first time, I was meeting someone in this world who had great authority as a noble. While Ms. Claire was a noblewoman, she was not the head of the house. Besides, I had not known she was a noble when I first met her. Ah, now that I think about it... “Ms. Lyra. Would these clothes be acceptable for meeting the duke?” “As Lady Claire explained earlier, His Grace does care about such things. So I believe that you should be fine.” As she was charged with helping me, Ms. Lyra had followed us to my room. And according to her, my clothes were fine. Still... Even if they said he didn’t care about such things, there was always the possibility that I could make a bad first impression if I wasn’t dressed properly... Due to my work, I used to always wear a suit and tie. There were strict rules about dressing properly, even if you weren’t outside. And so the idea of meeting someone important was making me nervous... “If you are concerned about that... Didn’t you have some clothes tailored for you in Ractos?” “Yes. I had a set made for me.” “Then why don’t you go and pick it up?” I see. I had asked the tailor to make clothes that were similar to the ones that I had borrowed from Sebastian. I had returned those clothes already, but the new ones were close enough to formal wear. And while I could just borrow from Sebastian again, now seemed like a bad time to bother him...I didn’t know anything about rejecting marriage proposals...and did not want to get involved. “Still, if you are going to go to the town of Ractos, you will have to hurry, or you will not make it back before His Grace’s arrival.” “As for that, you don’t have to worry. Right, Leo?” “Wuff!” Leo nodded as if to say that I could count on her. Yes, she was very reliable. Upon seeing this, Ms. Lyra nodded with satisfaction. “I see. If you ride on the great Leo, then you will arrive in no time.” And so I took Leo and left the mansion. Before leaving, I asked Ms. Gelda to tell Ms. Claire and the others that I was going to Ractos in order to pick up my clothes. They might worry about me if I left without saying anything. And so we walked to the gate, and then I got up onto Leo’s back. ...And then... “Ms. Lyra... Could it be that you are coming too?” “Of course, I am. I was charged with taking care of you, Mr. Takumi. Besides, I must pay the tailor.” “Ah...that’s right... My apologies. Thank you.” Yes, there was the matter of payment. I had only paid for the clothes that I purchased and took back with me. And until the contract was settled, and I started to sell the herbs and earn an income, I had no money whatsoever. And so I took Ms. Lyra, and we rode on Leo towards the town of Ractos.

俺はその場でゴランとエリックに連絡を取った。 「ゴラン、エリック。ミスリルと魔石が欲しいんだが、なんとかならないか?」 『そりゃ、なんとでもなるが、何に使うんだ?』 俺は事情を説明した。 『ほう? それはよい。資金は国庫から出そう。ゴラン、頼む』 『ミスリルも魔石も、金さえあれば集められるものだからな、任せておけ』 放っておいても、魔石は冒険者が日々買取に持ち込んでくる。 ミスリルも鉱山からせっせと街に運ばれてくるものだ。 「セルリス。魔道具ができた。つけてみてくれ」 「......ロックさん、フィリーさん。ありがとう、本当にありがとう」 セルリスはものすごく喜んでいる。涙ぐんでいるほどだ。 「セルリス、よかったでありますね」 「セルリス姉さま、これに冒険できますね」 シアとニアも喜んでいる。 だが、俺としてはまだ安心できない。 「セルリス、その腕輪をつけて、庭に出てくれ」 「え? わかったわ」 庭に出ると、俺はセルリスとケーテに並んでもらう。 そして、幻術をセルリスとケーテにかける。 精神抵抗の強さを見るためだ。 「えっと......熊が見えたわ」 「ふむ? 熊であるな。わかったのである。幻術をかけておるのだな? 我には効かぬが」 セルリスはきょとんとしている。 セルリスもケーテも幻は見えているが、幻術にはかかっていない。 ひとまずセルリスの精神抵抗の向上には成功しているようだ。 「なるほど。ではこれではどうだ?」 俺は徐々に魔力を込めていく。どのくらい向上しているのか見るためだ。 「うおっ」 俺が全力を尽くして、やっとセルリスとケーテにびくっとさせることに成功した。 風竜王のケーテと、ほぼ同じぐらい幻術にかけるのが難しかったのだ。 「これだけ精神抵抗を強化出来ていれば問題なかろう」 「やった、ありがとう、ロックさん!」 「ケーテも協力ありがとう」 「ロックに幻術をかけてもらえるなど得難い体験である。リーアに自慢できるというもの。それにしても、ロックはさすがであるな」 「そうか?」 「我は仮にも風竜王であるぞ。精神抵抗の高い竜族の中でも、特に高いのである。その我に幻術をかけるとは」 「ケーテにかけるには時間がかかり過ぎるし、魔力消費も大きいから、実戦では難しそうだがな」 ケーテはとても嬉しそうだった。 セルリスが言う。 「これでやっとヴァンパイア狩りに参加できるわ」 「まあ、待て」 「どうしたの?」 「ゴランに許可をとりなさい」 そう言って俺は通話の腕輪をゴランにつなげた。 『どうした? ロック。魔石なら......』 「いや、今の用はそっちではなくてだな」 「パパ!」 『む? セルリスか、どうした?』 セルリスは事情を説明して、許可をもとめる。 最初は渋っていたが、ゴランも最終的には同意した。 次の日。シアとニアとセルリスは狼の獣人族に合流するため出立することになった。 「気をつけろよ」 「わかっているわ。ありがとうロックさん」 「命が一番大事なんだからな!」 「パパも安心して」 ゴランは本当に心配そうだった。 俺は徒弟のニアにも声をかける。 「ニアも気を付けなさい」 「はい!」 すごく不安だ。 水竜族の集落の防衛さえなければ、俺もついて行きたいところだ。 「わかっているであります。全力を尽くすでありますよ」 を見送ってから、俺は水竜族の集落に向かう。ガルヴも一緒だ。 「ロック、来てくれてうれしいの」 「いつもありがとうございます」 いつものように、水竜の王太女リーアと侍従長モーリスが出迎えてくれた。 ガルヴを散歩をさせながら、集落に対する襲撃について聞く。 一応毎日のように襲撃はあるらしい。 レッサーヴァンパイアを中心に編成された襲撃部隊だ。容易に追い返せる。 「......今日から夜はこちらに泊まるようにしましょう」 「本当なの? うれしいわ」 基本的に、昏き者どもの襲撃は夜に偏っている。 昏き者どもには夜行性な奴が多いのだから当然ともいえる。 モーリスが言う。 「それにしてもなぜレッサーヴァンパイアは攻めてくるのでしょうか?」 「そうですね......。結界の穴を探しているのかもしれませんね」 「穴ですか?」 「昏き者どもは馬鹿ではありません。レッサーヴァンパイアをいくら使っても落とせないのはわかっているでしょう。考えられる理由は、偵察が一番有力です」 つまり、近くに本隊が潜んでいるのだ。 レッサーが穴を発見すれば、そこから一気になだれ込むつもりなのだろう。 だからこそ、俺も夜泊まることにしたのだ。 「毎日結界の様子を巡回することにしましょう」 「我らも見回っておりますが、見落としがあるやもしれませぬ。ぜひよろしくお願いいたします」 それから、夜は水竜の集落を防衛し、朝になれば王都に戻ることにした。 そして王都では、フィリーの作った魔道具に魔法をかけていく。 製造工程を簡素化したおかげで、俺は最後に魔法をかけるだけでよくなったのだ。 もちろん、セルリスに作ったものに比べたら、性能はかなり落ちる。 そして、夜になれば、再び水竜の集落に泊まり込む。 ただのレッサーの襲撃であっても、先頭に立つことにした。 何か、敵情がわかるかもしれないからだ。 そのような生活を始めてしばらくの間、特に何事もなく平和に過ぎた。

And so I contacted Goran and Eric right then and there. “Goran, Eric. I want mithril and magic stones. Can you help me?” ‘Well, I could help you. But what are you going to use them for?’ I explained it to them. ‘Oh? That’s good. The kingdom’s treasury can pay for that. Goran, I’ll leave the rest to you.’ ‘Mithril and magic stones can be prepared as long as we have the money, so don’t worry about that.’ Adventurers brought magic stones in every day. And mithril was often brought into town from the mines. “Serulis. We finished making the magic tool. Try putting it on.” “...Mister Locke and Miss Philly. Thank you. Thank you so much.” Serulis was very happy. Her eyes were even brimming with tears. “Serulis, I’m so happy for you.” “Now you can come adventuring with us, sister Serulis.” Shia and Nia said happily. However, I wasn’t so relieved just yet. “Serulis. Put the bracelet on and come out to the garden.” “Huh? Okay.” When we were outside, I had Serulis and Kathe stand side by side. And then I cast an illusion on both of them. This was to see how strong the mental resistance was. “Uh...I saw a bear.” “Hmm? Yes, there was a bear. I see. You cast an illusion, didn’t you? That won’t work on me.” Serulis looked puzzled. They had both seen the illusion, but they were not tricked by it. So this at least meant that it had raised Serulis’s resistance. “I see. Then what about this?” I strengthened the magic a little by little. I wanted to see how far I could go. “Woah.” I had to use all my strength to eventually succeed in scaring both of them. This meant that it was just as hard to fool Serulis as it was the wind dragon ruler. “There shouldn’t be a problem if your resistance is this high now.” “Good! Thank you so much, Mister Locke!” “Thank you for helping, Kathe.” “It is a rare experience to be able to have Locke cast an illusion on you. I shall boast about it to Leea. Still, that was very impressive, Locke.” “Really?” “I am the wind dragon ruler. That means I have a stronger resistance than most. And yet you were able to beat me.” “But it took me way too long, and I used up so much energy. I wouldn’t have been able to do it during a real battle.” Kathe laughed happily. Then Serulis said, “Now I can finally join the vampire hunters.” “Well, wait a minute.” “What?” “You have to have Goran’s permission.” I said as I connected the bracelet to Goran. ‘What is it? Locke? If it’s about the magic stones...’ “No, that’s not what it is.” “Daddy!” ‘Hm? Serulis. What is it?’ Serulis explained the situation to him and asked for his permission. Goran was hesitant at first, but ultimately gave his consent. The next day, Shia, Nia, and Serulis left in order to meet up with the others of the beastkin tribe. “Be careful.” “I know. And thank you for everything, Mister Locke.” “Your life is what is most important!” “Don’t worry, daddy.” Goran could not help but be worried. I also called out to my apprentice, Nia. “You be careful too.” “I will!” I was very worried. I would have gone with them if we didn’t have to protect the water dragon settlement. “I know. I will do my best.” Once the three of them were gone, I headed for the water dragon settlement. Grulf came with me. “Locke. I’m glad you came.” “Thank you.” As always, Princess Leea and Grand Chamberlain Morris were there to greet us. I took Grulf on a walk as I listened to them talk about the attacks on the settlement. There were attacks every day. They were mostly just strike-teams made up of lesser vampires. They were easy to drive back. “...I think I will start staying the night here.” “Really? That would be great.” The dark ones generally attacked at night. This was because the majority of the dark ones were nocturnal. Morris said, “Still, why do they keep sending lesser vampires?” “Yes... Perhaps they are searching for a hole in the barrier.” “A hole?” “The dark ones are not stupid. They know that they cannot defeat you regardless of how many lessers they throw at you. So it must be to gather information.” So there was a main army hiding nearby. Once they found a weakness, they would come in all at once. And so that was why I decided to stay the night. “We should inspect the barrier carefully every day.” “We do check it, but perhaps there is something we have overlooked. I would be glad if you could help.” After that, it was decided that I would help protect the settlement at night and return to the capital in the morning. In the city, I helped Philly make more magic tools. As the process had been simplified, all I had to do was cast some magic on them at the end. Of course, they were still not as good as the one we made for Serulis. And then I returned to the water dragon settlement at night. I also decided to fight in the front, even if they were just lesser vampires. I thought that I might learn something about them. Life continued like this for a while and was mostly peaceful.

「予定が早まった。私は今日の正午、この里から離れる」 家に戻ったメルクは、珍しく揃って家にいた両親に出立する旨を告げた。 しかしさすがに、これほど急に出ていくとは思わなかったのだろう。父であるオロンは難色を示す。 「メルク、よく考えてごらん? 君の一生はずっと永い。あと数日待ったところで、君の歴史を振り返った時、それは記憶の メルクの父であるオロンは、理知的な表情を眼鏡を掛ける事によってより一層高めている、青年のような容姿をしている。 そんな父に、メルクは深々と頭を下げた。 「たしかにそうかもしれない。けれど、エルフの里に現れた冒険者たちと同行して里を出る機会なんて、おそらくもうない。お願いだ、父さん。行かせてくれ」 普段、滅多に頭を下げないメルクがそう言って頼んだことに、オロンは少し驚きの表情を作った。 なに翻意しようとしない性格であることを十分わかっているのだろう。そう最悪、認めてもらえなければ勝手に家を抜け出して飛び出していくような――。 「テルーゼ......」 メルク同様、金色の髪と翡翠色の瞳を持つ母テルーゼが、何でもない事のようにそう言った。 「成人の資格も持ったし、自分の身を守る術もきちんと身に着けてる。うん、うちの娘ながら、どこに出しても恥ずかしくないわ」 「そう言う問題ではないんだよ、テルーゼ。僕は父親としてメルクの事が――」 「なに? メルクの事が心配だからって、一生この家で閉じ込めておくつもり?」 「そうではないけど――」 「なら、いつ家から出すつもりよ? 成人もしてるのよ? あなたよりずっと強いのよ? 心配がなくなったら? メルクに対して心配しなくなる時なんて来るの?」 テルーゼの質問攻めに、オロンは反論が追い付かないのか黙り込んでしまった。昔から、父が母に腕力でも言い合いでも勝てた姿を見たことがないメルクとしては、 (ああ、いつものことだな......父さん可哀そう) 「私だって、メルクの事は心配よ? 当然でしょう? この娘の親なのだから。けど、信じてもいるのよ。期待もしているのよ。メルクなら、自分の決めた道をしっかりと進んでいけるって」 「テルーゼ......」 「あなただって知ってるでしょ? メルクが毎日鍛錬を欠かさずにしてきた事。ずっと弟子を取らなかったルゾーウルム様の修行を最後までやり抜き、皆伝を与えられたこと」 「ねぇ、あなた。自分の娘が夢のためにここまでしたとして、私たち親にできることって何なのかしら?」 れるオロンに、テルーゼがすり寄って優しげな声で問いかける。まさに飴と鞭とも言うべき話術だ。 「......ああ、分かった。分かったよ。僕たち親にできるのは、メルクの背中を押してやることだけさ」 両親の説得に成功し、動きやすい服装に着替えたメルクは、いつものように木の棒を腰に携えた。 里を覆う森を抜ければ直ぐ人里に着くので、本格的な旅の準備はしていない。携帯食料も持たないし、着替えも用意していない。そもそも、それらを入れる鞄や 冒険者になればそれらが必要になる時もあるのだろうが、エルフの里よりも人里の方がそういった 「......行ってらっしゃい、お姉ちゃん」 メルクが両親を説得するのを黙って聞いていたローだ。一応、『帯剣の儀』の折に別れは済ませているつもりだったが、やはり話しておきたかったので嬉しかった。 ローの方もどこか晴れ晴れとした表情をしていて、吹っ切れているようにも見える。 「一昨日の話、覚えてる?」 「ああ、会いたくなったらいつでも来い。まぁ、あれだ。時々は手紙も書いてやるさ」 「ふふ。お姉ちゃんの事だから、期待しないで待っておくよ」 った弟を軽く小突き、メルクは未練を断ち切るように 「じゃあ――行って来る」 こうして、エルフの里から一人の少女が旅立ったのだ。

“I had to adjust my plan. I’m leaving at noon.” Merc, who had returned home, informed her parents, who were, to her surprise, both at home. She had already informed them of her plans, and after completing the Accolade, she had informed them that she would be leaving soon. However, they had not anticipated it to be this soon. Her father, Oron, had a stern look on his face. “Merc, think this through. You have a long life ahead of you. It won’t hurt to wait a few days longer. When you look back on your life, you’ll see that these few days were nothing more than a blip on the radar, passing by without a second’s thought.” Oron, Merc’s father, had the appearance of a young man with an intelligent expression that was heightened by his glasses. He had a gentle attitude, owing to his occupation as a teacher, and Merc had never heard him yell. Even now, Oron was speaking gently to Merc. Merc bent her head deeply in front of her father. “That might be so. However, I may never have another opportunity to accompany the adventurers outside of the village like this. I beg you, Father. Please let me go.” Oron was taken aback when he saw his daughter, who rarely bowed her head, begging him with it bowed. He knew Merc was serious about this, and he also knew she was a stubborn person that would accomplish anything she set her mind to. Oron was well aware that if he did not approve of her, she would flee the house in the worst-case situation. “Teruse...” Teruse, Merc’s mother, who had her daughter’s blond hair and jade-green eyes, said nonchalantly. “She’s already been approved as an adult and she’s strong enough to protect herself. She won’t embarrass us no matter where she goes with the way she is.” “That’s not the point. The reason I don’t want to let her go is because...” “Because what? Because you’re worried for her? Do you intend to confine her to the house for the rest of her life?” “That’s not...” “Then when do you plan to let her go? She’s already an adult and she’s also stronger than you. Do you plan to let her go when you stop being worried? Will that day ever come I wonder?” This always happens... I feel sorry for Father. Merc couldn’t recall ever seeing her father defeat her mother, whether in terms of physical power or arguments. “I’m also worried about her. It’s only natural that I’d be. I’m her parent as well, after all. However, I believe in her. I have high hopes for her, as well. I believe Merc will be able to persevere on the path she has chosen for herself.” “Teruse...” “Dear, I’m sure you’re aware that Merc has been diligently training each day. Miss Rosemary, who is notorious for refusing disciples, accepted her and Merc completed her training.” “Dear, what do you think we as parents can do to help our child who has been working hard to achieve her goal?” Teruse sneaked in and gently inquired of Oron, who seemed like he had already lost. It was a prime example of the carrot and stick approach. Oron sighed reluctantly and spoke, knowing exactly what Teruse was after. “I know, okay! I know... The only thing we can do is support her decision.” After persuading her parents, Merc changed into more comfortable clothing and, as usual, wrapped her wooden stick around her waist. She didn’t need to prepare for an adventure as she’d be entering human territory straight after exiting the forest that encircled the village. That’s why she didn’t bring any food or a change of clothes with her. She didn’t even have a bag with her. She would undoubtedly require one in the future if she were to become an adventurer, but she could easily obtain one in human territory, where they were more commonplace than in the elf village. She could also purchase a sword if the necessity arose. “Have a safe trip, Sis.” Law, who had been silent throughout Merc’s persuasion of their parents, spoke to her as she was about to leave the house. Despite the fact that they had said farewell during the Accolade, Merc was delighted he had spoken to her one last time. Law, like his sister, had a bright smile on his face, implying that he had moved on. “Do you remember what I told you that night, Sis?” “Of course. You are welcome to visit me at any time. I’ll also send letters from time to time.” “Fufu. I’m not going to hold my breath for them. After all, Sis, it’s you we’re talking about.” Merc gave her cheeky brother a little hit on the head and then turned grandiosely to brush off any lingering feelings she might have had. “I’m going.” And just like that, the young girl left the elf village.

ここにはレッドウッドの木が生えています 学名はセコイア センペルヴィレンス セコイアは地球で最も背の高い生き物です 樹高110メートル以上にまで育ちます 38階建ての高さです マンハッタンの中心にあったとしても突き出ているでしょう 最も古くから生きているセコイアの樹齢は誰も知りません 幹に穴をあけて年輪を数えた人は いないのですから いずれにしても 古いセコイアの中心は空洞だと言われています 最長寿のセコイアは樹齢2,500年ほどだと 考えられています 大体パルテノンの時代です それより長生きしている個体があるかもしれないとも 言われていますが 赤い部分がセコイアの分布図です セコイアの旗艦とも言える 最大級の個体は 雨の量が極めて多い- 北カリフォルニアの沿岸部にしか存在しません 私たちの時代には 約96パーセントのセコイア林が切り倒されています 特に1970年代から1990年代初頭にかけて 立て続けに皆伐が行われたからです それでも約4パーセントのセコイア原生林は無傷で野生のまま残っています レッドウッド国立公園など 北カリフォルニアの沿岸部に 真珠のように連なる小さな公園の中で 今では完全に保護されています 面白いことに 現在まで残っているわずかなセコイア雨林は 十分な探査が行われていません セコイア雨林は動き回るのが非常に難しく 今でもこれまで知られていなかった個体が発見されています 2006年の夏にはハイペリオンという 世界で最も高い木が発見されました ちょっとした思考実験をしましょう 生命体としてのセコイアとは一体何なのかを想像してほしいのです クリス ちょっと手伝ってくれますか? ここにメジャーがあります TEDが貸してくれたものです クリス メジャーの端を持って下さい 大きなセコイアの木の 胸高直径をお見せしましょう 残念ですがこれは短すぎます 7.5メートルしかありません クリス 手を向こうに伸ばして下さい そうです このぐらい 9メートルほどが大きなセコイアの直径です 次に 想像力を空に向けてください このセコイアの木は空に向かって100メートルも伸びています 32階建ての高さです 長い時間をかけて自らを形作ってきた ひとつの生命体です セコイアという種族は別の時間尺を生きているように思えます 人間の時間尺ではなく セコイア時間とでも呼べるものです セコイア時間は人間時間よりゆっくりと流れます 人間がセコイアを見ると動かず静止しているように見えます でもセコイアは常に動いています 空に向かって自らを押し上げています 何千年というセコイア時間をかけてセコイア空間を満たしているのです こんなに小さな種が2,000年経つとこうなります 失われた君主と名づけられた木です 北海岸のタイタンの森で 1998年に発見されました 根元の部分を見ても セコイアのことはわかりません 象の足元を見ているネズミのようなものです 大部分は頭上にあって見えていないのです 私は非常に興味を持つようになり あるカップルのことを書きました スティーブ シレットとマリー アントワーンはセコイア林の 樹冠探査の第一人者です 世界的なアスリートでもあり 世界的な森林生態学者でもあります スティーブがリードカレッジにいた19歳の時 セコイア林の樹冠は砂漠のようだと 考えられていることを耳にしました つまり当時はセコイアの枝以外には 何もないと思われていたのです そこで友人とともに彼はロープも何も使わず セコイアに登って何があるのかを確かめることにしました この大きなセコイアの隣にある小さな木に登り そこからジャンプして 空中ブランコのように セコイアの枝をつかみぶら下がりました そこから樹皮を登って 最上部にたどりついたのです マーウッド ハリスという友人が後ろからついて行きました 二人とも気づかなかったのですが スティーブが飛びついた枝にはボーリング玉ほどの大きさの キイロスズメバチの巣がありました マーウッドがジャンプするとスズメバチが彼を取り囲み 顔中を刺しまくりました 彼は危うく手を離すところでした 地上20メートルです もしそうしたら死んでいたことでしょう でも彼らはてっぺんまで登り切りました そこで見たのは砂漠ではなく失われた世界 未知の生物で満ちた3次元の空中迷宮でした その頃私は別のテーマに取り組んでいました 自然の生態系から生まれた伝染病が 種族間を越えて人間にも感染するという 現象です このテーマで3冊の本を書き もう十分という感じでした 私も妻も子どもたちを愛しています 子どもたちと一緒に何かをしようと思って木登りを始めました ロープを使うアーボリスト方式という登り方です 木の頂上にたどり着くためにロープを使います 子どもたちは信じられないほど木登りが上手です これは息子のオリバーです 子どもというのは 人間なら普通怖くなるような高さでも平気なのです もし個体発生が系統発生を繰り返すのであれば 子どもたちは樹上生活する霊長類に近いのかもしれません 私の知る限り人間は高所を怖がる 唯一の霊長類です 他の霊長類は皆 怯えると 木を駆け上がります そこは安心できるのです ツリーボートを使って木の上で一晩過ごしました 娘のローラ 当時15歳です ツリーボートから顔を出しています 落ちないようにロープを体に結んでいます 朝 ツリーボートから外を眺めると鳥の声が あらゆる方向から聞こえてきます 夜にはムササビがやってきました 樹冠にいる人間なんて見たことがありませんから 人間だとは気がついていないようでした 私たちはスカイウォーキングのような高度な技術も練習しました スパイダーマンのように空中を通って 木から木へ移動できるのです 本のテーマにもなりました スティーブ シレットがセコイアの巨木に登っています 釣り糸のついた矢を放ち 枝に絡ませます そして釣り糸からつながっているロープを辿って登るのです 30階の高さまで登ります 2人の人がガヤと呼ばれるこの木に登っています 最長寿のセコイアのひとつだと考えられている木です 7分の1の高さまでしか登っていません 無防備な感覚がするんです 地面に小さな人がいます 木の壁を登っているような気分になるでしょう でもセコイアの樹冠に到達すると 雲の中を通っているかのようになります 突然 地面が見えなくなり 空も視界から消えて 空中の三次元迷宮に入ります そこは土なしで育つシダと さまざまな微生物で満ちた世界です 木の上で育つ着生植物がいます ハックルベリーの茂みです いろいろなコケや木を覆っている地衣類もあります 木の頂上近くに来ると落ちる気がしなくなります 実際 動くのも難しいぐらいです 地表付近とは違い 生き物たちで混み合っている - 枝を抜けて這うように進むことになります サンゴ礁でスキューバダイビングするようなものです 海中と空中の違いはありますが 多くの木は頂上が広がり 台のようになっています マリアが頂上に座っています この部分は樹齢500~600年ほどでしょうか セコイアの頂上はとてもゆっくりとしか育ちません 特徴的なのはセコイアの頂上には ハックルベリーの茂みがあることです 専門用語ではハックルベリー アフロと言います 座って休憩しながらベリーの実を食べることができます 空に向かって伸びるセコイアは巨大な表面積を持っています 複製と呼ばれる行為を行うからです セコイアは自己相似的な形状をしています セコイア本体をコピーしたように 枝分かれするのです クロノスというセコイアの古木を例に見てみましょう 複製というのは樹木自身から生まれる 巨大な飛梁なのです この枝は木本体の半分よりも低いところにあります そしてここから新たなセコイアの森を生み出すのです ここに見える幹は根元の部分で直径1メートルほどあり 45メートルほど上に伸びています ミシシッピ川より東にある最大級の木と同じぐらいの高さですが クロノスの枝のひとつに過ぎません イルーヴァタールという名前のセコイアの3次元樹冠地図です スティーブ シレットとマリー アントワーン、そして彼らの同僚が作りました ここからわかるのは この木では幹が新たな幹を 次々に生み出すことで 6層に及ぶ自己相似形を発展させてきたということです スティーブにスケールの違いがわかるよう人間を図の中に入れてくれるよう頼みました 右の方にいます 手を振っています クレイグ ヴェンターにこう質問したいと思っていました 合成された染色体を人体に入れて 自分自身を複製することができるのだろうか と もしそれが可能ならば 我々の手の指は 人間の形になるでしょう そしてその手の指もまた人間の形になるのです もし我々がセコイアのような仕組みを持っていたら 手の周りに6層の小さな人間がいることになります 誰かに手を振ったら自分の複製たちも皆同時に 手を振る なんてことができたら素敵ですね イルーヴァタールをじっくり見てみましょう 黄色い四角で囲まれた場所を拡大します 幻覚のような絵ですが ここに描かれているのは全てイルーヴァタールです これらは千年構造 - 木の中で1,000年以上 生きていると考えられている部分です 人が4人います 1,2,3,4 そしてもうひとつお見せしたいものがあります これは飛梁です セコイアの枝は成長しながら幹に戻る性質があります この飛梁は右にある細い幹から出た枝が 主幹に戻って一体化したものです 飛梁は大聖堂の建物を強化するように樹冠を強化し 木がより長く生きられるよう手助けするのです 科学者たちはセコイアでさまざまな実験を行っています ICUの患者のようにセコイアをワイヤで結びました セコイアが空気中の水分を幹の中に取り込み ずっと下の方 恐らくは根に至るまで 運べることを発見しました セコイアは木の中でどこにでも根を張る能力も持っています 一部が腐っているセコイアは 根を独自の形でそこに送り込み その場所から栄養を吸い取って崩してしまいます もし人間がこのような仕組みを持っていたら 腕に壊疽した場所があると そこから栄養と水分を吸い取って落としてしまうということです 樹冠の土壌は1メートルほどの深さにまでなります 地上何十メートルという高さにあるこの土壌には 名前のつけられていない生物たちがいます これは名前のないカイアシ つまり甲殻プランクトンです こうした甲殻プランクトンは海に多くいて ヒゲクジラの主要な食物になっています そんな生き物がなぜ海から何十メートルも高い セコイアの樹冠にいるのか どうやってそこに来たのかは 全くわかっていません いくつか面白い説がありますので もし時間があれば後でお話ししましょう でも今は木をじっくり見てみると ますます複雑なものが見えてきます 最長寿のセコイアだと考えられているガヤの頂上を見ています ガヤは樹齢3,000年とも5,000年とも言われています 誰も真相は知りませんが ガヤの最上部は折れて 腐り始めています 今見ているこの小さな日本庭園のようなものが ここまで複雑に形成されるのに恐らく700年ほどかかっているでしょう 大きな木を見るためには虫メガネが必要なのです 残念ながら この講演の締めくくりに とても悲しいものも見せなくてはなりません カナダツガの木は東海岸のセコイアと呼ばれることがあります セコイアとは全く別の話をしようとしています 1950年代 ヴァージニア州リッチモンドに小さな生物が現れました ツガカサアブラムシです アジアではツガの木に住んでいるのですが 種族を越えてカナダツガに取り付きました カナダツガが新しい宿主になるとアブラムシの捕食者がいなくなり 一方でカナダツガはアブラムシへの抵抗力を持っていませんでした カナダツガの森はある面ではミシシッピ川以東に残された- 原生雨林の最後のかけらだと考えられています 私は当初アメリカ東部に雨林があることを知りませんでした でもグレート スモーキー マウンテン国立公園では 年に2,500ミリ以上も雨が降ることがあります ここ2,3年の夏、この侵入してきたアブラムシが 木のエボラウイルスとも言えますが 東部の原生ツガ林に押し寄せて 完全に食いつくしてしまいました 昨夏に木に登って来ましたが これがグレート スモーキー マウンテン国立公園です 見渡す限りツガの木は枯れています これはカナダツガという種族が 侵入してきた寄生虫のために 自然界から 絶滅する可能性があるというだけではなく 木々の樹冠に存在する空中の迷宮の中で 織りなされる信じられないほど複雑な生態系も 死に直面しているということなのです 本当に心が痛みます 全く理解できないのは 全国ニュースでこの事実が全く取り上げられないことです 北アメリカで最も重要な生態系のひとつが破壊されているというのに セコイアを通して人間について学べることは何でしょう? それは人間時間についてだと思います 揺らめき移ろう人間の時間と人生の短さ そして愛の必要性です でも人間は木とは違います そしてその違いから学ぶことができます 私たち人間は愛すること、不思議に思うことができ 無限の好奇心と飽くなき探求心を持っています それが霊長類としての特徴だと 私は考えています そして少なくとも私は木から 以前とは全く違う子どもの愛し方を教わりました 子どもたちと樹冠を探検したことは 私の人生で最も素晴らしい体験のひとつです また 幸か不幸か 今でも木登りをする ごくわずかな人たちを 子どもたちに見せてあげられたことを 幸せに感じます どうもありがとうございました (拍手) クリス アンダーソン:昨年のTEDで 確かネイサン ミアボルドがこんな話をしていました これらの木は2,000年以上生きているから その多くは 地球上の他の場所では見られない 特有の生態系を作り上げていると それは本当ですか? RP: その通りです 世界一背の高い木 ハイペリオンの話をしました 私は2006年にその木に初めて登ったチームの一員でした 幹を半分ほど登った時にマリー アントワーンが 金褐色をした未知のアリを見つけました 面白いことにセコイアにアリがいることは知られていませんでした この種族のアリがハイペリオンだけ もしくは その一帯だけの固有種なのだろうかと思いました でもそれ以降に登った時にはそのアリは見つけられませんでした 標本も採取されていないのです あれは何だったのでしょう わかるのはそこにいたことだけです CA: もし人間以外の誰かが 地球での出来事を記録しているならば イラクや戦争や政治やゴシップといったことになります でもあなたが話したのはそれとは別の悲劇な競争についてです 全ての生態系が失われてしまうかもしれません お話を聞いてとても驚きましたし 生態系がいかに壊れやすいものなのかがわかりました RP: そうですね 私は人間の病気についても考えています 人体に入り込んでくる寄生虫のことです でもそれはあらゆる生態系や地球自身に対する 侵略という より深刻な問題の ひとつの小さな側面に過ぎません CA: 故意ではなくともその一部は人間が引き起こしています RP: その通りです 人間の活動が引き起こしているのです 地球の生命圏は宮殿に例えられます そうすると大陸は部屋で 島々は小部屋です でも最近は宮殿の扉が乱暴に開け放たれ 壁が崩れてきているのです CA:リチャード プレストンでした どうもありがとう PR:ありがとう

This is the realm of the Coast Redwood tree. Its species name is Sequoia sempervirens. Sequoia sempervirens is the tallest living organism on Earth. The range of the species goes up to as much as 380 feet tall. That's 38 stories tall. These are trees that would stand out in midtown Manhattan. Nobody knows how old the oldest living Coast Redwoods are because nobody has ever drilled into any of them to count their annual growth rings, and, in any case, the centers of the oldest individuals appear to be hollow. But it's believed that the oldest living Redwoods are perhaps 2,500 years old -- roughly the age of the Parthenon -- although it's also suspected that there may be individual trees that are older than that. You can see the range of the Coast Redwoods. It's here, in red. The largest individuals of this species, the dreadnoughts of their kind, live just on the north coast of California, In recent historic times, about 96 percent of the Coast Redwood forest was cut down, especially in a series of bursts of intense liquidation logging, clear-cutting that took place in the 1970s through the early 1990s. Even so, about four percent of the primeval Redwood rainforest remains intact, wild and now protected -- entirely protected -- in a chain of small parks strung out like pearls along the north coast of California, including Redwood National Park. But curiously, Redwood rainforests, the fragments that we have left, to this day remain under-explored. Redwood rainforest is incredibly difficult to move through, and even today, individual trees are being discovered that have never been seen before, including, in the summer of 2006, Hyperion, the world's tallest tree. I'm going to do a little Gedanken experiment. I'm going to ask you to imagine what a Redwood really is as a living organism. And, Chris, if I could have you up here? I have a tape measure. It's a kind loaner from TED. And Chris, if you could take the end of that tape measure? We're going to show you what the diameter at breast height of a big Redwood is. Unfortunately, this tape isn't long enough -- it's only a 25-foot tape. Chris, could you extend your arm out that way? There we go. OK. And maybe about here, about 30 feet, is the diameter of a big Redwood. Now, let your imagination go upward into space. Think about this tree, rising upward into Redwood space, 325 feet, 32 stories, an individual living organism articulating its forms upward into space over long periods of time. The Redwood species seems to exist in another kind of time: not human time, but what we might call Redwood time. Redwood time moves at a more stately pace than human time. To us, when we look at a Redwood tree, it seems to be motionless and still, and yet Redwoods are constantly in motion, moving upward into space, articulating themselves and filling Redwood space over Redwood time, over thousands of years. Plant this small seed, wait 2,000 years, and you get this: the Lost Monarch. It dwells in the Grove of Titans on the north coast, and was discovered in 1998. And yet, when you look at the base of a Redwood tree, you're not seeing the organism. You're like a mouse looking at the foot of an elephant, and most of the organism is overhead, unseen. I became very interested, and I wrote about a couple. Steve Sillett and Marie Antoine are the principal explorers of the Redwood forest canopy. They're world-class athletes, and they also are world-class forest ecology scientists. Steve Sillett, when he was a 19-year-old college student at Reed College, had heard that the Redwood forest canopy is considered to be a so-called Redwood desert. That is to say, at that time it was believed that there was nothing up there except the branches of Redwood trees. And with a friend of his, he took it upon himself to free-climb a Redwood without ropes or any equipment to see what was up there. He climbed up a small tree next to this giant Redwood, and then he leaped through space and grabbed a branch with his hands, and ended up hanging, like catching a bar of a trapeze. And then, from there, he climbed directly up the bark until he got to the top of the tree. His friend, a guy named Marwood Harris, was following behind. Neither one of them had noticed that there was a Yellow Jacket wasp's nest the size of a bowling ball hanging from the branch that Steve had jumped into. And when Marwood made the jump, he was covered with wasps stinging him in the face and eyes. He nearly let go. He would have fallen to his death, being 75 feet above the ground. But they made it to the top, and what they found was not a Redwood desert, but a lost world -- a kind of three-dimensional labyrinth in the air, filled with unknown life. Now, I had been working on other topics: the emergence of infectious diseases, which come out of the natural ecosystems of the Earth, make a trans-species jump, and get into humans. After three books on this, it got to be a bit much, in a way. My wife and I adore our children. And I began climbing trees with my kids as just something to do with them, using the so-called arborist climbing technique, with ropes. You use ropes to get yourself up into the crown of a tree. Children are incredibly adept at climbing trees. That's my son, Oliver. They don't seem to suffer from the same fear of heights that humans do. If ontogeny recapitulates phylogeny, then children are somewhat closer to our roots as primates in the arboreal forest. Humans appear to be the only primates that I know of that are afraid of heights. All other primates, when they're scared, they run up a tree, where they feel safe. We camped overnight in the trees, in tree boats. This is my daughter Laura, then 15, looking out of a tree boat. She's, by the way, tied in with a rope so she can't fall. Looking out of a tree boat in the morning and hearing birdsong coming in three dimensions around us. We had been visited in the night by flying squirrels, who don't seem to recognize humans for what they are because they've never seen them in the canopy before. And we practiced advanced techniques like sky-walking, where you can move from tree to tree through space, rather like Spiderman. It became a writing project. When Steve Sillett gets up into a big Redwood, he fires an arrow, which trails a fishing line, which gets over a branch in the tree, and then you ascend up a rope which has been dragged into the tree by the line. You ascend 30 stories. There are two people climbing this tree, Gaya, which is thought to be one of the oldest Redwoods. There they are. They are only one-seventh of the way up that tree. You do feel a sense of exposure. There is a small person right down there on the ground. You feel like you're climbing a wall of wood. But then you enter the Redwood canopy, and it's like coming through a layer of clouds. And all of a sudden, you lose sight of the ground, and you also lose sight of the sky, and you're in a three-dimensional labyrinth in the air filled with hanging gardens of ferns growing out of soil, which is populated with all kinds of small organisms. There are epiphytes, plants that grow on trees. These are huckleberry bushes. Many species of mosses, and then all sorts of lichens just plastering the tree. When you get near the top of the tree, you feel like you can't fall -- in fact, it's difficult to move. You're worming your way through branches which are crowded with living things that don't occur near the ground. It's like scuba diving into a coral reef, except you're going upward instead of downward. And then the trees tend to flare out into platform-like areas at the top. Maria's sitting on one of them. These limbs could be five to six hundred years old. Redwoods grow very slowly in their tops. They also have a feature: thickets of huckleberry bushes that grow out of the tops of Redwood trees that are technically known as huckleberry afros, and you can sit there and snack on the berries while you're resting. Redwoods have an enormous surface area that extends upward into space because they have a propensity to do something called reiteration. A Redwood is a fractal. And as they put out limbs, the limbs burst into small trees, copies of the Redwood. Now, here we see a reiteration in Chronos, one of the older Redwoods. that comes out the tree itself. This buttress is less than halfway up the tree. And then it bursts into a forest of Redwoods. This particular extra trunk is a meter across at the base and extends upward for 150 feet. It's as big as any of the biggest trees east of the Mississippi River, and yet it's only a minor feature on Chronos. This three-dimensional map of the crown structure of a Redwood named Iluvatar, made by Steve Sillett, Marie Antoine and their colleagues, gives you an idea. What you're seeing here is a hierarchical schematic development of the trunks of this tree as it has elaborated itself over time into six layers of fractal, of trunks springing from trunks springing from trunks. I asked Steve to put a human being in this to give a sense of scale. There's the person, right there. The person is waving to us. I've wanted to ask Craig Venter if it would be possible to insert a synthetic chromosome into a human so that we could reiterate ourselves if we wanted to. And if we were able to reiterate, then the fingers of our hand would be people who looked like us, and they would have people on their hands and so on. And if we had Redwood-like biology, we would have six layers of people on our hands, as it were. And it would be a lovely thing to be able to wave to someone and have all our reiterations wave at the same time. To reiterate the point, let's go closer into Iluvatar. We're looking at that yellow box. And this hallucinatory drawing shows you -- everything you see in this drawing is Iluvatar. These are millennial structures -- portions of the tree that are believed to be more than 1,000 years old. There are four humans in this shot -- one, two, three, four. And there's also something that I want to show you. This is a flying buttress. Redwoods grow back into themselves as they expand into space, and this flying buttress is a limb shot out of that small trunk, going back into the main trunk and fusing with it. Flying buttresses, just as in a cathedral, help strengthen the crown of the tree and help the tree exist longer through time. The scientists are doing all kinds of experiments in these trees. They've wired them like patients in an ICU. They're finding out that Redwoods can move moisture out of the air and down into their trunks, possibly all the way into their root systems. They also have the ability to put roots anywhere in the tree itself. If a portion of a Redwood is rotting, the Redwood will send roots into its own form and draw nutrients out of itself as it falls apart. If we had Redwood-like biology, if we got a touch of gangrene in our arm then we could just, you know, extract the nutrients extract the nutrients and the moisture out of it until it fell off. Canopy soil can occur up to a meter deep, hundreds of feet above the ground, and there are organisms in this soil that have, as yet, no names. This is an unnamed species of copepod. A copepod is a crustacean. These copepods are a major constituent of the oceans, and they are a major part of the diet of grazing baleen whales. What they're doing in the Redwood forest canopy soil hundreds of feet above the ocean, or how they got there, is completely unknown. There are some interesting theories that, if I had time, I would tell you about. But as you go and you look closer at a tree, what you see is, you see increasing complexity. We're looking at the very top of Gaya, which is thought to be the oldest Redwood. Gaya may be 3,000 to 5,000 years old, no one really knows, but its top has broken off and it's been rotting back now. This little Japanese garden-like creation probably took 700 years to form in its complexity that we see right now. As you look at a tree, it takes a magnifying glass to see a giant tree. I have to show you something unfortunately very sad at the conclusion of this talk. The Eastern Hemlock tree has often been described as the Redwood of the East. And we're moving in a full circle now. In the 1950s, a small organism appeared in Richmond, Virginia, called the Hemlock woolly adelgid. It made a trans-species jump out of some other organism in Asia, where it was living on Hemlock trees in Asia. When it moved into its new host, the Eastern Hemlock tree, it escaped its predators, and the new tree had no resistance to it. The Eastern Hemlock forest is being considered in some ways the last fragments of primeval rainforest east of the Mississippi River. I hadn't even known that there were rainforests in the east, but in Great Smoky Mountains National Park it can rain up to 100 inches of rain a year. And in the last two to three summers, these invasive organisms, this kind of Ebola of the trees, as it were, has swept through the primeval Hemlock forest of the east, and has absolutely wiped it out. I climbed there this past summer. This is Great Smoky Mountains National Park, and the Hemlocks are dead as far as the eye can see. of the Eastern Hemlock species -- that is to say, its extinction from nature due to this invading parasite -- but we're also seeing the death of an incredibly complex ecosystem for which these trees are merely the substrate for the aerial labyrinth of the sky that exists in their crowns. It's absolutely heartbreaking to see. One of the things that is just -- I almost can't conceive it -- is the idea that the national news media hasn't picked this up at all, and this is the devastation of one of the most important ecosystems in North America. What can the Redwoods tell us about ourselves? Well, I think they can tell us something about human time. The flickering, transitory quality of human time and the brevity of human life -- the necessity to love. But we're different from trees, and they can also teach us something about ourselves in the differences that we have. We are human, and we have the capacity to love, we have the capacity to wonder, and we have a sort of boundless curiosity, a restless inquisitiveness that so suits us as primates, I think. And at least for me, personally, the trees have taught me an entirely new way of loving my children. Exploring with them the forest canopy has been one of the most lovely things of my existence on Earth. And I think that one of the happiest things is the sense that with my children I've been able to introduce them into the very small circle of humans who are lucky enough, or possibly stupid enough, to still climb trees. Thank you very much. Chris Anderson: I think at a previous TED, I think it was Nathan Myhrvold who told me that it was thought that because these trees are like, 2,000 years and older, on many of them there are ecosystems where there are species that are not found anywhere on the Earth except on that one tree. Is that correct? Richard Preston: Yes, that is correct. I mentioned Hyperion, the world's tallest tree. And I was a member of a climbing team that made the first climb of it, in 2006. And while we were climbing Hyperion, Marie Antoine spotted an unknown species of golden-brown ant about halfway up the trunk. Ants are not known to occur in Redwood trees, curiously enough, and we wondered whether this ant, this species of ant, was only endemic to that one tree, or possibly to that grove. And in subsequent climbs they could never find that ant again, and so no specimens have ever been collected. We don't know what it is -- we just know it's there. CA: So, you have to wonder when, you know, if some other species than us was recording the stories that mattered on Earth, you know, our stories are about Iraq and war and politics and celebrity gossip. You've just told us a different story of this tragic arms race that's happening, and maybe whole ecosystems gone forever. It's an amazing sense of wonder you've given me, and a sense of just how fragile this whole thing is. RP: It is fragile, and you know, I think about emerging human diseases -- parasites that move into the human species. But that's just a very small facet of a much greater problem of invasions of species worldwide, all through the ecosystems, and you know, the Earth itself -- CA: Partly caused by us, inadvertently. RP: Caused by humans. Caused by the movement of humans. You can think of the Earth's biosphere as a palace, and the continents are rooms in the palace, and the islands are small rooms. But lately, the doors of the palace have been flung open, and the walls are coming down. CA: Richard Preston, thank you very much, I think. RP: Thank you.

さて、共闘と言ったはいいが実際のところ勇者パーティーはこの戦闘じゃほとんど出番がないだろう。 レベル差もあるが、単純に相性が悪すぎる。 相手は物理攻撃はほとんど通じない水の塊で、対し勇者パーティーは剣聖に傭兵、冒険者と騎士だ。 支援要員であるエルフの兄さん......クルスは俺にびびってるだけで動こうともしないし、かろうじて使えるのは勇者である瀬衣少年くらいだろう。 確か勇者って低レベルのうちでも結構優秀な支援技覚えたはずだし、援護としてなら役に立たない事はない。 まあ一番いいのはウィルゴとアリエスをもどしてリーブラの火力で薙ぎ払い、マナに戻った所を俺が林檎に変えてしまう事なんだろうが。 「しかしあれは......何やら無節操にマナを集めているようだが」 「ええ、ちょっと面倒ですね。この国周辺だけじゃなく、他の地域からも掃除機みたいにマナを集めてますよ」 遠目で見る感じ、ウィルゴが頑張ってマナを消しているようだがありゃ間に合いそうにないな。 というかあれ、パルテノスのスキルじゃないか。 名前は確か『ヴィンデミ・アトリックス』だったか......魔法を一つ打ち消すだけの便利なような使いどころが限られているような微妙スキルだ。 しかし魔神族=魔法なこの世界なら魔神族への有効な攻撃と成り得るわけか。 パルテノスの奴、あんなのをウィルゴに教えていたんだな。 多分当初はこの国周辺のマナだけで実体化していたんだろうが、ウィルゴの存在に対抗して他所のマナまで集め出したんだろう。 水の化け物はこの国の周辺のみならず、関係ない場所からもマナを集めてどんどん巨大化している。 今はまだ俺達でも手に負えるが、このままミズガルズのマナを全部集めたらやばいかもな。 ま、要するにそれをさせなきゃいいだけの話なんだが。 俺は手の中に白い光球を生成し、それを空へと打ち上げた。 俺の宣言と同時に光球が弾けて広がり、王都全域を覆う光のドームとなる。 『災禍なき宮殿』、その効果は敵全体に対するデバフだ。 それと効果発動中は敵味方問わず魔法の威力がそこそこダウンする。 味方に魔法型がいると逆に味方の邪魔をしてしまうので、場合によってはマイナスに機能してしまう扱い難い技だ。 しかし反面、魔法なんか知った事ではない脳筋前衛パーティーならばこの上ない助けとなってくれる。 設定上はマナを遮断しているらしいので、役立つだろうと思って試してみたのだがどうやら当たりのようだ。 外からのマナの流入を完全に防ぐことに成功している。 しかし、ドヤ顔をしていた俺の後ろで誰かが倒れるような音が響き、振り返れば何故か虎の剣聖さんがぶっ倒れていた。 「あー......ルファス様。そのマナ除けの結界は魔物や獣人にはかなり効いてしまうといいますか......この結界の中では獣人は自由に動けなくなります。ましてやルファス様の力で無遠慮に張られた結界となれば、クラスじゃないと満足に指すら動かせないんじゃないかと......」 ディーナの困ったような説明を聞き、俺は耳を疑った。 え、マジで? これ敵に対するデバフのはずなのに味方にまで 俺は慌ててアイゴケロス達へ視線を移し、彼らへの影響を確認した。 「ご安心下さい、主よ。多少の影響はありますが、我ら程の実力ともなれば十分に活動は可能です」 「ああん、ルファス様からの拘束プレイなんてご褒美ですわあ」 「No problem! 丁度いいハンデです!」 「全く影響ありません」 ふむ、どうやらアイゴケロス、スコルピウス、カルキノスは多少の影響はあれど活動には支障なし。 リーブラは全く影響なし、か。 ゲームだとこれ、プレイヤーだろうがゴーレムだろうが弱体化させる事が出来たんだけど、随分違うな。 リーブラに全然効いてないし、味方に影響出るし。 今回みたいな事態でもない限り、あんま使う事はなさそうだな。 「マ、マナ除けの結界......それも王都全体を一瞬で......」 「クルスさん、この王都って広さどんだけあったっけ?」 「......3000km2です。純粋な面積だけならばスヴェルをも上回ります」 「東京都の約1,5倍かあ......それを一瞬で覆うとか、規模ちょっとおかしくないかな、これ」 クルスの説明を聞き、俺は改めて一国としては有り得ざる狭さに溜息を吐きたくなった。 仮にも数種類の種族が共存する、皇帝専制の国の面積が東京都にちょっと毛が生えた程度って。 改めて人類の生存圏の狭さを痛感する。 これ、下手すると人類の生存圏って全部合わせても日本よりはマシくらいの狭さなんじゃないのか? ......まあいい。この件に関しては魔神族を根絶すればどうにかなるだろう。 「今からウィルゴの援護に向かう。全員付いてこい」 俺は瀬衣少年を脇に抱えると翼を広げて飛翔し、その後をディーナを掴んだリーブラと、カルキノスを掴んだアイゴケロスが続く。 忘れがちだけどアイゴケロス、飛べない事はないんだよな。 スコルピウスは束ねた髪を伸ばして どうでもいいが髪を突き刺している都合上、後ろ向きに跳んでいるのが何か間抜けだ。 ついでに勇者パーティーは久しぶりの出番となる俺の念力で運んだ。 俺達は山の付近で戦っているウィルゴのすぐ近くへと着地し、改めて水の塊を見上げる。 こうして間近で見るとでかいな。全長にして......もう一kmを超えてるんじゃないのか? このまま巨大化を続ければブルートガングすら飲み込めそうだ。 「ルファス様!」 「ウィルゴ、怪我はないか?」 「は、はい!」 瀬衣少年を近くに下し、ウィルゴを『観察眼』で確認する。 ダメージはほとんどなし。アリエスはちゃんと彼女を守り切ってくれたようだ。 そしてアリエス自身もあまりダメージは受けておらず、割と余裕をもって戦えていたらしい。 彼は俺に気が付くと人化し、俺の隣に着地した。 どうでもいいが服はちゃんと着ている。戻る瞬間に早着替えでもしているのだろう。 「ルファス様、ごめんなさい。あいつ、いくら焼いてもすぐに戻っちゃって......」 「ああ、気にするな。よくぞウィルゴを守ってくれた」 アリエスに命じたのはウィルゴのサポート。 彼はその指示を見事に果たし、こうしてウィルゴを守り抜いてくれた。ならば俺がそれを責める道理などどこにもない。 この巨大水に関しては、相性が悪かっただけだ。アリエスはマナを消す技なんか持ってないからな。 そして俺やアイゴケロスならばいくらでも手はあるが......折角だ。 ここはウィルゴに手柄を挙げさせてやろう。 俺は『エスパー』のスキルを起動して巨大水に念力をかける。 『サイコ・コンプレッション』......まあ、何て事はない相手の動きを短時間だけ鈍らせつつダメージを与えるスキルだ。 それを強めにかける事で巨大水を圧迫し、更に圧縮する。 子供の頃、考えた事はないだろうか? 仮に絶対壊れない入れ物があったとして、その中に水を入れてどんどん容器を小さくしたら中の水がどうなるのか? 水をある程度圧縮するとそれ以上圧縮出来なくなり、水の反発で容器が壊れる。 だがこの仮定では容器は絶対に壊れない。 俺がやっているのはそれだ。今、俺は巨大水を囲う目に見えない不壊容器を作り上げ、水を閉じ込めたのだ。 そして遠慮なくどんどん体積を縮めて水を圧迫し続けている。 温度にもよ気圧を超えた辺りで水は氷Vと呼ばれる物質へと変わり二百気圧を上回る頃には氷VIへと変じる。 俺の念力による圧力がどれだけかなど測った事もないので、今は何という物質になっているかなど知らないがかなり小さな氷になっている事だけは見て確認出来る。 とりあえず今度、炭で実験でもしてみるとしようか。 確か炭素がダイヤモンドになる為に必要な気圧は百万だったはずだから、ダイヤモンドに変われば俺の念力による圧力が気圧百万に匹敵するという証明になるだろう。 ......まあ、物理法則さんがサボタージュしてるこの世界じゃ、あまり指針にならないかもしれんがな。 この世界なら、炭どころか石がダイヤモンドになっても不思議じゃない。本当に何でもありだからな。 ともかく、これでチェックだ。巨大水はもう水としての形も保てずマナに分散し、そのマナを俺が無理矢理圧縮した事で変な水晶になってしまっている。 「............た、大量のマナを極限まで超圧縮する事によってのみ生成可能な伝説の魔金剛石......マナ・ダイヤモンド......じ、実在したのか......というか人の手で造れる代物なのか、あれ......」 クルスが何やらブツブツ呟きながら放心しているが、どうしたのだろうか。 そう思っているとディーナが俺に耳打ちして教えてくれる。 「ああ、今ルファス様が造った水晶ってミズガルズじゃ誰も見たことがないとまで言われる幻のアイテムなんですよ。二百年前もルファス様達が騒ぎになるのを面倒......もとい、恐れて外には一切公開せずに自分達のアクセサリーの材料とかに使ってましたし」 「なるほど、レアアイテムか」 どうやら意図せずに結構レアなアイテムを造ってしまったらしい。 案外錬金術の材料とかに役立つのかもしれないな。 だが今はウィルゴを活躍させてあげるのが最優先だ。レアアイテムの一つくらいその為なら惜しくない。 俺はさっさとそう決断すると、水晶を宙に浮かせてウィルゴが狙いやすい場所へ置く。 「さあウィルゴ、止めだ。派手に決めてくれ」 結晶化させたこのマナの塊だが、ここで破壊してしまうとまた水へ戻ってしまう。 ならばここはウィルゴの出番だ。 彼女は俺の声に応えて両手を掲げ、手の中に純白の輝きを生み出す。 「ヴィンデミ・アトリックス!」 マナを完全消去してしまう完全魔法無効スキル。 ゲーム時代でもパルテノスしか使用出来なかった微妙スキルをもってウィルゴが結晶を照らす。 すると限界まで圧縮された結晶が薄れ、この世から完全に消え去っていく。 「マナ・ダイヤモンドがー! 伝説の結晶がー!?」 クルスが何やら死にそうな声で絶叫しているが、残念ながら誰も彼の心情を察する事はなかった。 俺は一応説明を受けていたので分からないでもないが、それでもああまで叫ぶような事だろうかと疑問を感じてしまう。 あ、真っ白に燃え尽きて倒れた。オーバーな奴だな。 「............」 玉座に腰をかけたまま魔神王オルムが閉ざしていた目を開く。 今、遠く離れた地で一つの仮初の命が消えた。 そして、その死地へと赴かせたのは他ならぬ彼である。 ウェヌスが追い出されたことを躍らせる者はいなくなった、そうテラは考えている。 それは全くの事実であるし、彼の下した判断は正しい。 だが種はもう撒かれていた。 ドラウプニルの守護竜が毒に犯され、それを知ったメルクリウスがドラウプニルへと向かう事は彼の性格とルーナへの秘めたる想いを知る者なら容易く予想出来た事であり、結局のところメルクリウスは用意された破滅のレールの上を走っていたに過ぎないのだ。 後は魔神族を呪われた宿命から解放出来る力を得た魔神王が、本当はさして興味もない守護竜の首を欲しているように振る舞えばいい。 それだけでメルクリウスは勝手に自滅への道を歩んでくれるし、事実そうなった。 そう――内部から七曜を破滅へと導いていたのはウェヌスだけではない。 彼らの頭目である魔神王こそが、誰よりも女神の魔法である魔神族が自分の近くから消える事を望んでいる張本人なのだ。 オルムは、以前にカストールから奪った鍵を手の中で弄び、憂鬱気に眉を伏せる。 「悩み事ですか?」 後ろから声がかかり、玉座の背もたれからディーナが顔を出した。 相変わらずの神出鬼没ぶりだ。気付けば彼女は何処かにいて、さも当然のように話しかけてくる。 オルムは薄く笑い、鍵を懐へと戻した。 「いや、なに......メルクリウスの目を思い出してな」 「目、ですか?」 「ああ。......ルーナの事を想って私へ懇願する奴の目は、いつになく真剣だった。 オルムの呟きにディーナは意外そうに眼を細め、それから静かに、情を捨てた口調で語る。 「人形ですよ。自我があろうと誰かを好いていようと、お人形はお人形です。 「厳しいな」 捨てられるのが嫌なら、見付かる前に元の位置に戻って転がって、『私はお人形です』ってアピールしないとダメです。じゃないと......ポイされちゃいますよ」 オルムは目を閉じ、背もたれに身体を預ける。 その表情は無表情で、本心は読めない。 「だがメルクリウスは女神の意に反した動きをしたわけではない」 「そうですね。なら答えは簡単、他の人形を壊して回る悪いお人形が紛れ込んでいるんです。 バレたらゴミ箱直行ですね、これ」 「怖いな。私も捨てられるのかな?」 「かもしれません。あるいは、もう捨てられてるのかも?」 ディーナが嘲るようにクスリと哂い、オルムも釣られて笑う。 二人しかいない玉座の間で、魔の王と青髪の少女の目だけが不気味に輝いていた。

Now then, although we have called it a collaboration on equal footing, in practice, the Hero’s party in this battle would have next to no role to play. In addition to the difference in levels between the two sides being a problem, they were also fundamentally disadvantaged. The enemy was a mass of water whom physical attacks did not work against, and in comparison, the Hero’s party consisted of a Sword Saint, a mercenary, adventurers, and a knight. The only support member of the party was an elf nii-san... Cruz, but all he was doing was being a coward in regard to me and had no intention of doing anything. The only one who could be of any use was the young Hero boy, Sei. If I recalled correctly, even when the Hero class was low levelled, they were able to learn some fantastic support skills. Therefore, he might not be useless if he was assigned a supportive role. Having said that, the best case scenario would be to recall Virgo and Aries, scatter the enemy with Libra’s firepower, and during the time the enemy was scattered as mana, I would gather it all and turn it into an apple. “But it looks like... mana was just forcibly gathered without regard to anything.” “Yeah, it’s a little bit of a hassle, isn’t it? It looks like mana was gathered not just from this country’s vicinity but also from other places, as if that thing was a vacuum cleaner.” Looking from a distance, I saw that Virgo was trying her best to try and erase the mana. However, it did not look like she would manage to erase it in time. Or rather, was that not Parthenos’s skill? If I recalled correctly, the name of the skill was [Vindemiatrix] or something... but it was a skill with its only use being erasure of mana. Although it was convenient in some circumstances, it was a niche and situational skill as it was too limited in where it could be used. Nevertheless, in this world where the law “demon race = mana” was applied, it was an effective attack when used against the demons. That Parthenos... looked like these were the kinds of things she had been teaching Virgo. In all likelihood, it had originally been using only the mana in this country’s vicinity. However, in retaliation against Virgo, it had likely started gathering mana from elsewhere. The water monster was getting bigger and bigger by gathering and absorbing mana not just from this country but also from places that were completely unrelated. Although we could still deal with the situation currently, if it continued to gather all the mana from the whole of Midgard, we might be in a bit of trouble. Anyways, in a nutshell, all we had to do was prevent that from happening. I created a white light ball on my palm and shot it towards the sky. The moment I activated the spell with its name, the light ball expanded and widened, eventually turning into a light dome which covered the whole capital. [Breidablik] – the effect of the skill was an area-of-effect debuff on all the enemies. Upon the activation of the skill, it decreased the magic power of all within the area regardless of whether they were enemies or allies. It was a very hard-to-use skill which could even be negative for the user’s side depending on how the player used it because the skill would also affect the magic-type players on the caster’s side. On the other hand, if the party was nothing but muscle brains who had no idea what magic was, it was a great support skill with very little else on par. The background setting said this is a skill to block the flow of mana, so I tried using it because I thought it would be useful, and it looks like I was spot on. I was successful in completely stopping the inflow of mana from the outside. As I was showing a smug look on my face, I heard the noise of someone collapsing. When I turned back to look behind me, the tiger Sword Saint-san had collapsed on the ground. “Err.... Ruphas-sama. You know, how do I put this... this mana repellent field is very effective on magical beasts and beastkin... so, inside this field, the beastkin become unable to freely move around, normally. And to top that off, if you consider how this field was made by Ruphas-sama’s power without holding back... unless they’re at the same tier as the Stars, I don’t think they will even be able to freely move their fingers...” After listening to Dina’s troubled explanation, I questioned whether I was hearing things correctly. Eh? Really? This is supposed to be a debuff meant to be for the enemy, what do you mean even the allies are getting debuffed? I hastily turned to glance towards Aigokeros and the rest to check whether they were affected or not. “Please do not worry, my master. Although there is a little bit of an effect, with our abilities, we are more than capable of performing normally.” “Aaann~ a bondage play from Ruphas-sama is a treat~.” “No problem! It’s just the right amount of handicap!” “There is absolutely no effect on me.” Hmm, it seemed there was some form of adverse effect on Aigokeros, Scorpius, and Karkinos, however, there would be no problem towards their performance. As for Libra, there was absolutely no effect, huh. Back in the game, whether the enemy was a player or a golem, it would be weakened by the skill, but... this is quite different here. I mean, Libra’s not getting affected at all but the allies are getting affected. Unless the situation was similar to this time, this skill did not look like it would be used frequently. “Ma, mana repellent barrier... not to mention the whole capital in an instant...” “Cruz-san, how large is this capital again?” “.... It’s about km. If it’s purely based on the surface area, it’s even greater than Svalinn.” “So approximately .5 times the size of Tokyo prefecture... to cover that whole area in an instant... isn’t the scale too out of whack?” After listening to Cruz’s explanation, I gave off a sigh after getting reminded of how unreasonably small the area for this country was. Even if it was not official, it was a country where many different races and species resided. Despite being an autocratic country led by an emperor, the surface area of this country was only a hair’s length bigger than Tokyo prefecture. Again, I was forcibly made to realise just how small the living space of the humanoids was at this moment. This... combining all the available areas, isn’t the living space of the humanoids only a little more than the area of Japan? ... Well, whatever. In regards to this issue, it’ll be solved one way or another if we eradicate the demons. “We’re heading to assist Virgo now. Everyone, follow me.” I grabbed the young man Sei, tucked him under my arms, and spread my wings to fly up. Shortly after, Libra flew up whilst grabbing Dina, followed by Aigokeros who was grabbing onto Karkinos. Although I had forgotten, Aigokeros was not unable to fly... Scorpius stretched her braided hair, hooked it onto the mountain (apparently called Hnitbjorg), and launched herself up by quickly shortening her hair. That range is quite insane, oi. Although this was an irrelevant observation, she looked quite foolish because when she launched herself with her hair, she was flying backwards. Oh, also, the Hero’s party was carried along with my telekinesis which I had not used much lately. We landed right near Virgo who was fighting at the mountain and took the time to re-evaluate the blob of water. Now that I’m having a closer look, it’s pretty big, huh. It’s full length... it’s probably well over 1km? If it continued to become bigger, it even looked like it would be able to swallow Blutgang. “Ruphas-sama!” “Virgo, are you hurt?” I dropped Sei nearby and examined Virgo with [Observation Eyes]. There was barely any damage done to her. It looked like Aries had properly managed to protect her. Additionally, there was also barely any damage done to Aries himself. It looked like they had managed to fight with quite a bit of leeway. Once he noticed me, he turned back into his human form and landed next to me. Although this was irrelevant to the current matter, he was wearing his clothes properly. He probably quickly changed into it when he transformed back. “Ruphas-sama, I’m sorry. That guy... however much I burn him, he regenerates instantly...” “Ahh, don’t worry about it. Good job on protecting Virgo.” My orders for Aries was to be Virgo’s support. He had followed my orders faithfully and also managed to successfully protect Virgo. As such, there was no reason for me to reprimand him. In regard to this giant blob of water, it was just a bad match-up. After all, Aries did not have any skill that he could use to erase mana. If it had been me or Aigokeros, we could have managed it in any number of ways... But since I was here already... I think I will let Virgo have the honour this time. I activated an [Esper] class skill and used telekinesis on the giant blob of water. [Psycho Compression]... well, it was a skill which could be used on a weak enemy to immobilise it for a short amount of time whilst dealing damage to it. By strongly using that skill, I was able to put pressure on the giant blob of water and ultimately compress it. Have you ever thought about something like this when you were a child? Assuming there was a container which would never break, what would happen to the water inside if you continued to put water in while making the container smaller and smaller? Once the liquid is compressed to a certain degree, it becomes unable to be compressed any further, and due to the resistant force applied by the water to the container, the container breaks. However, in this situation, the container absolutely could not be broken. That was what I was doing at this moment. Right now, I had created an invisible container which enveloped the giant blob of water and enclosed the water inside. And without holding back, I continued to decrease the volume of the invisible container and compressed the water. Although the temperature also served as a factor, at around 3500 atmospheric pressure, the water would turn into a substance called Ice V and at above 6200 atmospheric pressure, it would turn into Ice VI. Because I had never measured how strong my telekinesis was, I did not know what kind of substance it was at that point. However, I could verify it by just looking at how the water had turned into small pieces of ice. Hmm... maybe I will try and experiment around with charcoal next time. If I recalled correctly, for carbon to turn into a diamond, the required pressure was approximately one million. So if the charcoal turned into a diamond, I would be able to prove that my telekinesis had enough pressure to rival about one million atmospheric pressure. .... Though... in this world where the Laws of Physics-san was sabotaging things, it might not be much of an indicator though. If it was this world, let alone charcoal, it would not be strange for the rocks to turn into diamonds. After all, everything was possible in this world. By this point, the giant blob of water was no longer able to maintain its form and had already been broken down into mana. As I had forcibly compressed that mana, it had turned into a strange crystal. “........... A le, legendary magic stone which is only created when a large amount of mana is compressed to an extreme limit...A mana diamond... it, it really existed... or more like... is it even something that can be created by someone....?” Cruz was muttering something absentmindedly. I wondered what was going on with him. When I was wondering that, Dina whispered and taught me the situation. “Ahh, the crystal that Ruphas-sama just created is thought to be an illusory item that no one in Midgard had ever seen until now. Even two hundred years ago, Ruphas-sama and the others thought it would be a hassle... so you never showed it to the others in public and only used it as a material to craft your own accessories.” “Oh, I see. A rare item, huh.” It seemed that I had unintentionally created a fairly rare item just now. It might actually be a useful material for alchemy. But we had to give the highest priority right now to allowing Virgo to play a role. For that purpose, I could forego one rare item. I quickly made that decision, levitated the crystal in the air, and moved it to a position that Virgo could easily aim at. “Now, Virgo, it’s time to end it. Be flashy.” “Ye, yes!” Although it was currently a crystallised chunk of mana, if it was destroyed, it would revert back to water. As such, it was time for Virgo to shine. Following her response, she raised both her hands and produced a shiny and pure white light between her hands. “Vindemiatrix!” An absolute magic negation skill that would completely erase mana. Virgo illuminated the crystal with the niche and situational skill that only Parthenos could use even back in the game. When it did, the crystal, which was compressed to its limit, faded and completely disappeared from this world. “The mana diamond gotttt—! The legendary crystal just—!?” Unfortunately for Cruz who started shrieking with a voice as if he was dying, nobody cared about the state of his heart. Because I was informed about the value of the crystal, I could partly understand why he was shrieking, however, I still questioned the need to shout all that out loud. Oh, he burnt out looking white as a ghost and collapsed. I guess everything’s over for this guy. “...........” Whilst sitting down on the throne, the Demon King Orm opened his eyes. Just then, in a land far away, a spark of fake life had been extinguished. Furthermore, the one who had sent that life to their death was none other than himself. Because Venus was chased away, there was no one else who could make the 7 Luminaries dance on the palm of their hand – that was what Terra thought. That line of thought was not incorrect; it was a fact. The decision made by Terra was indeed correct. Nevertheless, the seeds had already been sown. With the knowledge of Draupnir’s guardian deity poisoned, if one were to consider Mercurius’s personality combined with his affection towards Luna, it would be easy to predict what possible routes he might take next. In actual fact, Mercurius had been running on rails which had led to the certain destruction that was prepared for him. The only thing left to enable it to happen was for the Demon King, who had now gained the power to change the fate of the demon race, to show interest in the head of the guardian deity when he really wasn’t interested in it at all. With just that, Mercurius would have walked on the path to destroy himself. And the reality showed that it was indeed the case. Exactly – the one who was leading the 7 Luminaries to destruction wasn’t Venus alone. The 7 Luminaries’ leader, the Demon King himself was the one who most wished the demon race, which was the magic of the Goddess, to disappear from around him. Orm pointed his eyebrows down in sorrow whilst fiddling with the key that he had previously taken from Castor in his hand. “Are you worried about something?” A voice came from behind and Dina showed her face from behind the throne. As usual, it was a ghost-like entrance from her. By the time one realised, she would have popped out from somewhere and would be talking to you. Orm faintly smiled and put the key back down. “Hmm, nothing much really... I just remembered the eyes of Mercurius.” “Eyes, you said?” “Yeah. ... The eyes that he had when he came to petition me whilst filled with his affection for Luna were very serious, you see. Sometimes, I get this thought. Whether they’re really dolls or not.” In response to Orm muttering things, Dina unexpectedly thinned the opening of her eyes then followed up with a quiet voice and a tone which lacked any form of emotion. “They’re dolls. Whether they have individuality or have feelings for another, it’s all irrelevant. Dolls are still dolls. They move the way their owner wants them to and at the very end, they’re thrown away. It’s the fate that they have.” “Quite harsh.” “Because it’s a fact. Wouldn’t you think it’s creepy for a doll to move on its own without the will of the owner? That’s why, the only thing they can do is to sneakily move around whilst trying not to get caught. If they don’t want to get thrown away, they have to return to their original position before they are found and appeal, ‘I’m a doll.’ If they don’t... they’ll be chucked away.” Orm closed his eyes and put all his weight on his back. He was expressionless at that moment and what he was thinking could not be read. “But Mercurius did not move in a way that went against the will of the Goddess.” “You might be right. But the answer is simple in that case. There’s another bad doll in the midst who’s going around breaking other dolls. If they’re found out, they’re definitely going straight to the bin, don’t you agree?” “How scary. Do you think I’m also going to get thrown away?” “You might be. Or perhaps... you’ve already been thrown away?” Dina smiled faintly as if to mock him, followed by Orm laughing in return. In that throne room where the two of them were present, only the eyes of the King of demons and the blue-haired young girl shone in a strangely creepy way.

今ここにいる観客のプロフィールを拝見しますと 多くの人が色々な仕事をされ 多くの仲間と協業されたりしています そんな皆さんにお伝えしたいのです 特殊な環境における初等教育について お話しします 20分間で4つのアイデアを示します 4ピースのパズルのようなものです もし成功すれば このアイデアを持ち帰り 実現し 私の仕事を手伝って頂けるかもしれません 最初のピースは遠隔性と教育品質 についてです 遠隔性という言葉には いくつかの意味があります もちろん 一般的には 都市中心部から遠方へ 離れていくことを意味します 教育現場では何が起こるでしょうか? 二つ目の意味は 全世界の巨大都市に存在するポケット つまり スラムや貧困街といった地域です 社会的・経済的に 我々から隔離されているのです 花粉を風で飛ばします このことを覚えておいてください 遠隔地の学校において 教員が十分でないという仮説をたてます 仮に持っていたとしても 引き止めるだけの 基盤が十分でないということです 基盤を持っていたとしても メンテナンスが難しいのです この仮説を確かめるために 去年 googleでニューデリーからインド北部への ルートを確認し車を借りました このルートは巨大都市を通過しません 300km運転し 学校を見つけては基本的なテストを実施し 結果を集めてグラフに落とし込みました グラフは興味深いものでした もちろん サンプルとしては小さく一般化出来ない為注意が必要です しかし一目瞭然でわかります 私が選んだこのルートでは 遠隔地になるほど 結果が悪かったのです これは小さくても証拠に見えたので 社会基盤や電力事情との関連を 見出そうとしました 驚いたことに これは正しくなかったのです 花粉の運び手を惹きつけて 社会基盤の品質も 貧困レベルも全て関係なかったのです それぞれの学校で教員にひとつだけ質問したところ ある結果が出ました 「都市部に転勤したいですか?」 69%が「はい」と回答しました デリーから少し離れた地域の教員は「はい」と答えました デリー郊外の裕福な地域では「いいえ」という回答でした これは比較的裕福な地域のことです デリーから200km離れると回答は常に「はい」でした 教員は毎日教室に入るとき 「違う学校で働いていたらな」と考えているのだと思います これは調査結果に大きな影響を与えるでしょう つまり 教師のやる気や定着率が 初等教育での成績に 大きく関連しているのでしょう 子供が十分に食べているか 教室にぎゅうぎゅう詰めにされていないか というようなことは関係ないのです テクノロジーを活用した教育について文献を調べると ウェブサイトや協調環境のようなものは - 今朝聞いたかもしれません - まず都会の優れた学校でテストされますが これでは結果に歪みが出ると思うのです 教育にテクノロジーを用いることは 科学文献では常に 「騒がれ過ぎで効果が低い」と非難されています 教師はいつも「これは良いけど高価過ぎる」と言います なぜなら 既に出来る学生に対して実験しているからです 80点を取ることができる学生に 超一流の技術を投入しても83点にしか向上しないため このような評価になるのです 3点のために30万ドルです バカバカしい 同じことを遠隔地の学校に投入すれば スコアは30点から40点上がるでしょう これが根本的に違うところです テクノロジーを活用した教育は ピラミッドの頂点ではなく 底辺に適用した方が ずっと効果的なのです それは見栄えが良いだけでなく 昆虫を心地良くさせるのでしょう という結論に辿りつきました そして残った質問は「教師の認識を変えるには?」というものです いつの時代でも新しい技術を見せると 教師の最初の反応は 教師を機械に置き換えることなんて絶対に出来ない というものです この植物は あなたも不可能だと思うなら コロンボで会った SF作家 アーサーC.クラークの言葉を引用をします 彼は 機械によって置き換えできる教師は 置き換えるべきだと言っています 教師は機械と競い合うことになるわけです ところで 現在の初等教育にとって変わるものを検討しています 学校が存在しない 学校の品質が十分でない 教師がいない 追い払おうと何度も頭をぶつけてきて このような環境で育たなかった場合は 代替教育が必要ありませんが たった一つの例を除いて 私はそのような地域を知りません 自分たちには完璧な教師と学校があるから そのような問題はないという人もいますが 私が見たことがあるのは一つだけです これから子供の自己組織性と 代替教育についてのアイデアを 導き出した実験についてお話しします 「壁の穴」と言う実験です これは いくつかの実験を組み合わせたものです 最初の実験はニューデリーで1999年に実施しました とてもシンプルな実験です このツイストアラムは オフィスとスラム街の間にある壁に 穴を開けました これが「壁の穴」です そこに 壁に組み込むように強力なPCを置き 反対側からモニターが見えるようにしました タッチパッドも同様です 高速インターネット回線とInternet Explorer そしてAltavisaを用意し そのまま放っておきました そしてこれが設置後に見たことです ここが私のオフィスで こちらが壁の穴です 約8時間後この少年を見ました 右の少年は8才で 左の小さな少女は6才です 彼は少女にブラウジングを教えています ここでいくつかの疑問が湧きます さっき見た毛がしぼんで 彼は英語を知っているはずがありません コンピュータは壊されて盗まれたりしないでしょうか? 誰かが教えたのでしょうか? 誰もがこのことを尋ねました しかし 子供達は壁に頭を突っ込んで 私のオフィスにいる人に 使い方を教えてもらったに違いないと そこで デリーの外に場所を移し実験を続けました インド中央のチップリという町です ここでは 誰かがPCの使い方を教えるなんてことは絶対にありません 温かい日で 壁の穴はこの古い建物に設置されていました これが最初にやってきた子供です 彼は13才で 学校を中退していることが後にわかりました 最初にタッチパッドの回りに触れ すぐに タッチパッドに指が触れると画面で何かが動くことに すぐ気付きました 後に 色々なことができるテレビは見たことがないと 教えてくれました 彼は 2分で テレビを操作していることに気づいたのです そしてまた タッチパッドを叩くことで 偶然クリックをしたところ Internet Explorerのページが変わったのです 8分後にはスクリーンに手をやり 行ったり来たりとブラウジング出来るようになりました それから彼は近所の子供達を呼び寄せ 何が出来るかを見せました 夜になるまでに 70人の子供がブラウジングしていたのです 8分間と埋め込まれたコンピュータ それだけでこんなことが起きたのです 子供達のグループが コンピュータとインターネットの使い方を 自己学習できることがわかりました でもどんな環境が必要なのでしょう? 今回 主に問題となったのは英語についてでした インドの言葉を使う必要がありますねと多くの人が言いました でも私が全てのコンテンツを インドの言葉に翻訳するなんて不可能です ですから別の方法が必要です では子供達はどのように言葉の壁を乗り越えたのでしょう ほとんどのハチは赤が見えません マダンツシを選びました そこは英語教師がおらず 子供達はまったく英語を学んでいませんでした これまでと同様 壁の穴にパソコンを設置しました 都市のスラムと大きく違った点は 女子の方が男子よりもたくさん来たということです 都市部では女子はあまり寄りつきませんでした ネット接続ができなかったので パソコンを大量のCDとともに置いてきました 3ヵ月後に戻ってくると 8才と12才の子供が パソコンでゲームをしていました 私を見つけるとすぐに 高速なCPUとより良いマウスが必要だと言いました 本当に驚きました 撮影は花を傷つけないように行いました CDで知ったんだよ と言われたので どうやって理解したのかを問いました それで 紫外線を当てた だから英語を勉強したんだ」 子供は皆 200の英単語を使用出来ました 発音は違いましたが正しく使用していました 終了 停止 検索 保存 のような単語です パソコンの中だけでなく日常会話でも使っていました マダンツシで言語は障壁ではないとわかりました 本当にやりたいのであれば 言語は自己学習することもできるでしょう その後 私はついに これと同じことがどこでも起きるのか 実験で確かめるための資金を得ることができました インドはこのような実験に最適の場所です 民族的な多様性もあれば 人種も様々で 社会経済的にも多様です ですから 全世界をカバーすると言えるほどの 多様なサンプルを取ることができます 約5年この実験を行ない インドを縦横無尽に移動しました ここはインド北部 ヒマラヤの寒冷地です 実験には普通のパソコンを使っていたので 屋外使用に耐えるよう デザインを工夫する必要がありました インドは多くの気候があり 寒かったり暑かったりします ここはインド西部 パキスタンとの国境近くの砂漠です このあたりで撮影した短いビデオをお見せします 彼らが最初にしたことは アルファベットを 勉強できるウェブサイトを探すことでした インド中央の温暖で湿度の高い漁村です 湿度は電子機器の大敵です また電力事情も悪い為 エアコン無しで それを解決する必要がありました 解決策は 風を適切な場所に吹きつけることで 機械を動かし続けるということでした 詳細は省きますが あちこちで実験を行いました このカットも素晴しいです 6歳の少年が 姉に何が出来るか教えているのです コンピュータの周りでは 小さな子供が年上に教える光景がよく見られます これらの実験から 6才から13才までの子供がインターネットで 自己学習出来ることが判ったのです 測定できたいかなる分野でも 自己学習していました 彼らはコンピュータにアクセス出来れば 自ら勉強するのです 他の要素との相関は見出せませんでしたが グループが必要でした 皆さんも興味を惹かれるでしょう グループは皆の話題の中心です 実験で示されたのは 大人が介入しなければ発揮される 子供のグループが持つ力です 結果を見てみましょう 詳しくは説明しませんが標準的な統計手法を使うと 綺麗な学習曲線が描けました あなたが学校で得るものと同じです それ以上は言いません このグラフが全てを語っているからです 子供達が学んだのは windowsの基本的な機能やブラウジング・お絵描き・チャット・メール ゲーム・教材利用・音楽のダウンロード・動画再生など 我々がするのと同じようなことです 1台のPCに半年触れることができれば 300人以上の子供が これら全てを行えるようになるでしょう どのようにしたのでしょう 実使用時間を計算すると 一日数分程度だったのです それだけでPCが使えるようにはなりません 実際には 一人の子供が使用している間 大体3人ほどの子供が周りにいて どのようにするかアドバイスしています 彼らをテストしたら 4人とも同じ点数を取るでしょう 4人の周りには16人ほどの子供のグループがいます 彼等は通常コンピュータの動作を 間違えて教えますが 彼等にテストすると全員合格します 子供達はPCに触るだけでなく 見ることで学ぶのです 大人からすると 理解しづらいことです でも考えてみて下さい 8歳の子供は いつも「駄目!」と言われています ウィスキーボトルに触っては駄目! 8歳の子供は何をするでしょう 他の人がどのようにボトルを触るのかを慎重に観察します そしてテストすると その話題について正しく答えるでしょう とても早く習得出来るのです 6年間で得た結論とは 初等教育またはその一部は 自然に発生するということです トップダウンである必要はありません 自己学習システムが出来るのです もう一つお伝えしたいのが 子供は自己学習し 教育目標を達成出来るということです 3つ目のピースは 価値観についてです インド全体で500人以上の子供にテストを行ないました 価値観に関する68の質問をして 簡単に意識調査を行ないました 回答例は 「はい」「いいえ」「わかりません」です 「はい」と「いいえ」が半分ずつになった質問を抜き出しました 16問ありました これらは「はい」が半分 「いいえ」も半分ですから 子供たちが混乱したのだと言えます 例えば「時には嘘も必要である」といった質問です 彼等はこの質問を判断する方法がないのです 我々にも無いかもしれません だから皆さんの判断にお任せします 技術は 価値観を変更できるか 最後に 自己学習システムについては 沢山お話したので これ以上言う必要はありませんが 自然は全て自己学習です 銀河 分子 細胞 生物 社会 知性の生まれ方については議論が分かれますが 現時点では 科学的に考えて 自己学習をすると言えます 他の例としては 交通渋滞 株式市場 社会や災害復旧 テロ 暴動などが挙げられます インターネットベースの自己学習システムもご存知でしょう 私が伝えたいのは4点です 遠隔性は教育品質に影響を与えます テクノロジーを活用した教育は遠隔地に最初に導入されるべきで 他の地域にはそれから普及させれば良いのです 価値というのは得るものですが 教義や信条は押しつけられるものです 相反する構造です 学習とは ほとんどの場合 自己学習システムです これら4つをまとめあげると テクノロジーを活用した教育にゴールとビジョンを与えてくれます テクノロジーを活用した教育とは 電子化され自動化され 障害に強く 人を侵害せず つながりを持った自己学習のことです 教育者はこれまで 技術を求めたことはありませんでした PowerPointは偉大な教育ツールとされていますが 「教育に」でなく「黒板プレゼンテーションに」です ビデオ会議やパソコン自体も借り物の技術です 教育者が技術の仕様を定義すべき時なのです これまでに説明したような仕様です その仕様を元に 遠隔性や価値観 暴力に対応できる 技術を生み出すべきなのです それを「脱教義化」と呼ぶことにしましょう 将来 技術を活用した教育の到達点になるでしょう これで終わりたいとおもいます ありがとう

In order to do that in 20 minutes, I have to bring out four ideas -- it's like four pieces of a puzzle. And if I succeed in doing that, maybe you would go back with the thought that you could build on, and perhaps help me do my work. The first piece of the puzzle is remoteness and the quality of education. Now, by remoteness, I mean two or three different kinds of things. Of course, remoteness in its normal sense, which means that as you go further and further away from an urban center, you get to remoter areas. What happens to education? The second, or a different kind of remoteness is that within the large metropolitan areas all over the world, you have pockets, like slums, or shantytowns, or poorer areas, which are socially and economically remote from the rest of the city, so it's us and them. What happens to education in that context? So keep both of those ideas of remoteness. We made a guess. The guess was that schools in remote areas do not have good enough teachers. If they do have, they cannot retain those teachers. They do not have good enough infrastructure. And if they had some infrastructure, they have difficulty maintaining it. But I wanted to check if this is true. So what I did last year was we hired a car, looked up on Google, found a route into northern India from New Delhi which, you know, which did not cross any big cities or any big metropolitan centers. Drove out about 300 kilometers, and wherever we found a school, administered a set of standard tests, and then took those test results and plotted them on a graph. The graph was interesting, although you need to consider it carefully. I mean, this is a very small sample; you should not generalize from it. But it was quite obvious, quite clear, that for this particular route that I had taken, the remoter the school was, the worse its results seemed to be. That seemed a little damning, and I tried to correlate it with things like infrastructure, or with the availability of electricity, and things like that. To my surprise, it did not correlate. It did not correlate with the size of classrooms. It did not correlate with the quality of the infrastructure. It did not correlate with the poverty levels. It did not correlate. to each of these schools, with one single question for the teachers -- which was, "Would you like to move to an urban, metropolitan area?" -- 69 percent of them said yes. And as you can see from that, they say yes just a little bit out of Delhi, and they say no when you hit the rich suburbs of Delhi -- because, you know, those are relatively better off areas -- and then from 200 kilometers out of Delhi, the answer is consistently yes. I would imagine that a teacher who comes or walks into class every day thinking that, I wish I was in some other school, probably has a deep impact on what happens to the results. So it looked as though teacher motivation and teacher migration was a powerfully correlated thing with what was happening in primary schools, as opposed to whether the children have enough to eat, and whether they are packed tightly into classrooms and that sort of thing. It appears that way. When you take education and technology, then I find in the literature that, you know, things like websites, collaborative environments -- you've been listening to all that in the morning -- it's always piloted first in the best schools, the best urban schools, and, according to me, biases the result. The literature -- one part of it, the scientific literature -- consistently blames ET as being over-hyped and under-performing. The teachers always say, well, it's fine, but it's too expensive for what it does. Because it's being piloted in a school where the students are already getting, let's say, 80 percent of whatever they could do. You put in this new super-duper technology, and now they get 83 percent. So the principal looks at it and says, 3 percent for 300,000 dollars? Forget it. If you took the same technology and piloted it into one of those remote schools, where the score was 30 percent, and, let's say, took that up to 40 percent -- that will be a completely different thing. So the relative change that ET, Educational Technology, would make, would be far greater at the bottom of the pyramid than at the top, but we seem to be doing it the other way about. So I came to this conclusion that ET should reach the underprivileged first, not the other way about. And finally came the question of, how do you tackle teacher perception? Whenever you go to a teacher and show them some technology, the teacher's first reaction is, you cannot replace a teacher with a machine -- it's impossible. I don't know why it's impossible, but, even for a moment, if you did assume that it's impossible -- I have a quotation from Sir Arthur C. Clarke, the science fiction writer whom I met in Colombo, and he said something which completely solves this problem. He said a teacher than can be replaced by a machine, should be. So, you know, it puts the teacher into a tough bind, you have to think. Anyway, so I'm proposing that an alternative primary education, whatever alternative you want, is required where schools don't exist, where schools are not good enough, where teachers are not available or where teachers are not good enough, for whatever reason. If you happen to live in a part of the world where none of this applies, then you don't need an alternative education. So far I haven't come across such an area, except for one case. I won't name the area, because we have perfect teachers and perfect schools. There are such areas, but -- anyway, I'd never heard that anywhere else. I'm going to talk about children and self-organization, and a set of experiments which sort of led to this idea of what might an alternative education be like. They're called the hole-in-the-wall experiments. I'll have to really rush through this. They're a set of experiments. The first one was done in New Delhi in 1999. And what we did over there was pretty much simple. I had an office in those days which bordered a slum, an urban slum, so there was a dividing wall between our office and the urban slum. They cut a hole inside that wall -- which is how it has got the name hole-in-the-wall -- and put a pretty powerful PC into that hole, sort of embedded into the wall so that its monitor was sticking out at the other end, a touchpad similarly embedded into the wall, put it on high-speed Internet, put the Internet Explorer there, put it on Altavista.com -- in those days -- and just left it there. And this is what we saw. So that was my office in IIT. Here's the hole-in-the-wall. About eight hours later, we found this kid. To the right is this eight-year-old child who -- and to his left is a six-year-old girl, who is not very tall. And what he was doing was, he was teaching her to browse. So it sort of raised more questions than it answered. Is this real? Does the language matter, because he's not supposed to know English? Will the computer last, or will they break it and steal it -- and did anyone teach them? The last question is what everybody said, but you know, I mean, they must have poked their head over the wall and asked the people in your office, can you show me how to do it, and then somebody taught him. So I took the experiment out of Delhi and repeated it, this time in a city called Shivpuri in the center of India, where I was assured that nobody had ever taught anybody anything. So it was a warm day, and the hole in the wall was on that decrepit old building. This is the first kid who came there; he later on turned out to be a 13-year-old school dropout. He came there and he started to fiddle around with the touchpad. Very quickly, he noticed that when he moves his finger on the touchpad something moves on the screen -- and later on he told me, "I have never seen a television where you can do something." So he figured that out. It took him over two minutes to figure out that he was doing things to the television. And then, as he was doing that, he made an accidental click by hitting the touchpad -- you'll see him do that. He did that, and the Internet Explorer changed page. Eight minutes later, he looked from his hand to the screen, and he was browsing: he was going back and forth. When that happened, he started calling all the neighborhood children, like, children would come and see what's happening over here. And by the evening of that day, 70 children were all browsing. So eight minutes and an embedded computer So we thought that this is what was happening: that children in groups can self-instruct themselves to use a computer and the Internet. But under what circumstances? At this time there was a -- the main question was about English. People said, you know, you really ought to have this in Indian languages. So I said, have what, shall I translate the Internet into some Indian language? That's not possible. So, it has to be the other way about. But let's see, how do the children tackle the English language? I took the experiment out to northeastern India, to a village called Madantusi, where, for some reason, there was no English teacher, so the children had not learned English at all. And I built a similar hole-in-the-wall. One big difference in the villages, as opposed to the urban slums: there were more girls than boys who came to the kiosk. In the urban slums, the girls tend to stay away. I left the computer there with lots of CDs -- I didn't have any Internet -- and came back three months later. So when I came back there, I found these two kids, eight- and 12-year-olds, who were playing a game on the computer. And as soon as they saw me they said, "We need a faster processor and a better mouse." I was real surprised. You know, how on earth did they know all this? And they said, "Well, we've picked it up from the CDs." So I said, "But how did you understand what's going on over there?" So they said, "Well, you've left this machine which talks only in English, so we had to learn English." So then I measured, and they were using 200 English words with each other -- mispronounced, but correct usage -- words like exit, stop, find, save, that kind of thing, not only to do with the computer but in their day-to-day conversations. So, Madantusi seemed to show that language is not a barrier; in fact they may be able to teach themselves the language Finally, I got some funding to try this experiment out to see if these results are replicable, if they happen everywhere else. India is a good place to do such an experiment in, because we have all the ethnic diversities, all the -- you know, the genetic diversity, all the racial diversities, and also all the socio-economic diversities. So, I could actually choose samples to cover a cross section that would cover practically the whole world. So I did this for almost five years, and this experiment really took us all the way across the length and breadth of India. This is the Himalayas. Up in the north, very cold. I also had to check or invent an engineering design which would survive outdoors, and I was using regular, normal PCs, so I needed different climates, for which India is also great, because we have very cold, very hot, and so on. This is the desert to the west. Near the Pakistan border. And you see here a little clip of -- one of these villages -- the first thing that these children did was to find a website to teach themselves the English alphabet. Then to central India -- very warm, moist, fishing villages, where humidity is a very big killer of electronics. So we had to solve all the problems we had without air conditioning and with very poor power, so most of the solutions that came out used little blasts of air put at the right places to keep the machines running. I want to just cut this short. We did this over and over again. This sequence is also nice. This is a small child, a six-year-old, telling his eldest sister what to do. And this happens very often with these computers, that the younger children are found teaching the older ones. What did we find? We found that six- to 13-year-olds can self-instruct in a connected environment, irrespective of anything that we could measure. So if they have access to the computer, they will teach themselves, including intelligence. I couldn't find a single correlation with anything, but it had to be in groups. And that may be of great, you know, interest to this group, because all of you are talking about groups. So here was the power of what a group of children can do, if you lift the adult intervention. Just a quick idea of the measurements. We took standard statistical techniques, so I'm going to not talk about that. But we got a clean learning curve, almost exactly the same as what you would get in a school. I'll leave it at that, because, I mean, it sort of says it all, doesn't it? What could they learn to do? Basic Windows functions, browsing, painting, chatting and email, games and educational material, music downloads, playing video. In short, what all of us do. And over 300 children will become computer literate and be able to do all of these things in six months with one computer. So, how do they do that? If you calculated the actual time of access, it would work out to minutes per day, so that's not how it's happening. What you have, actually, is there is one child operating the computer. And surrounding him are usually three other children, who are advising him on what they should do. If you test them, all four will get the same scores in whatever you ask them. Around these four are usually a group of about 16 children, who are also advising, usually wrongly, about everything that's going on on the computer. And all of them also will clear a test given on that subject. So they are learning as much by watching as they learn by doing. It seems counter-intuitive to adult learning, but remember, eight-year-olds live in a society where most of the time they are told, don't do this, you know, don't touch the whiskey bottle. So what does the eight-year-old do? He observes very carefully how a whiskey bottle should be touched. And if you tested him, he would answer every question correctly on that topic. So, they seem to be able to acquire very quickly. So what was the conclusion over the six years of work? It was that primary education can happen on its own, or parts of it can happen on its own. It does not have to be imposed from the top downwards. It could perhaps be a self-organizing system, so that was the second bit that I wanted to tell you, that children can self-organize and attain an educational objective. The third piece was on values, and again, to put it very briefly, I conducted a test over 500 children spread across all over India, and asked them -- I gave them about 68 different values-oriented questions and simply asked them their opinions. We got all sorts of opinions. Yes, no or I don't know. I simply took those questions where I got 50 percent yeses and 50 percent noes -- so I was able to get a collection of 16 such statements. These were areas where the children were clearly confused, because half said yes and half said no. A typical example being, "Sometimes it is necessary to tell lies." They don't have a way to determine which way to answer this question; perhaps none of us do. So I leave you with this third question. Can technology alter the acquisition of values? Finally, self-organizing systems, about which, again, I won't say too much because you've been hearing all about it. Natural systems are all self-organizing: galaxies, molecules, cells, organisms, societies -- except for the debate about an intelligent designer. But at this point in time, as far as science goes, it's self-organization. But other examples are traffic jams, stock market, society and disaster recovery, terrorism and insurgency. And you know about the Internet-based self-organizing systems. So here are my four sentences then. Remoteness affects the quality of education. Educational technology should be introduced into remote areas first, and other areas later. Values are acquired; doctrine and dogma are imposed -- the two opposing mechanisms. And learning is most likely a self-organizing system. If you put all the four together, then it gives -- according to me -- it gives us a goal, a vision, for educational technology. An educational technology and pedagogy that is digital, automatic, fault-tolerant, minimally invasive, connected and self-organized. As educationists, we have never asked for technology; we keep borrowing it. PowerPoint is supposed to be considered a great educational technology, but it was not meant for education, it was meant for making boardroom presentations. We borrowed it. Video conferencing. The personal computer itself. I think it's time that the educationists made their own specs, and I have such a set of specs. This is a brief look at that. And such a set of specs should produce the technology to address remoteness, values and violence. So I thought I'd give it a name -- why don't we call it "outdoctrination." And could this be a goal for educational technology in the future? So I want to leave that as a thought with you. Thank you.

この女性何を言っているのかしら。 それをジルは全身で押さえつけている。 「痛い痛い痛い痛い痛い」 ああ、もう本当にうるさいわ。 「あなたは馬鹿なの?」 まだ自分が何を言われたのか理解していないみたいだ。 「私は貴方の足は取ったけど、脳みそまでは取っていないわよ」 呻き声はもう上げなくて大丈夫なのかしら。 やっぱり人って衝撃的な事を言われると痛みも忘れてしまうのかしら。 ジルが彼女を押さえつけていた手を緩める。 「あら、もう声を上げなくて大丈夫なの? 痛くないの?」 「痛いに決まっているじゃない。痛いわよ。足が無くなったのよ?」 彼女は自分の足を見ながらそう言った。 だから、病気になっても治す方法が分からないのよ。ウイルスがどんどん広がって最悪な状況になっていくんだわ。 「ねぇ、貴方名前は? 私はアリシア」 「......レベッカ」 「レベッカ、もし貴方の足が切断されなかったら貴方は死んでいたかもしれないのよ」 「え? ......死んで?」 「貴方の足は壊死......、細胞が死んでいたの。人によって進行速度は違うから一概には言えないのだけど、それを放置していたら、壊死した部分が広がって貴方はもしかしたら死んでいたかもしれないという事よ」 「私の肌が......」 彼女は噴水の中の水に自分の顔を映した。 そうだわ、私、彼女の肌も綺麗にしたんだわ。 結構私、彼女に尽くしているんじゃない? 「ありが......」 「お礼なんかおっしゃらなくてよろしくてよ?」 彼女は目を丸くして私を見た。 ジルも横で目を丸くしながら私を見ている。 私を善人と勘違いしてもらっては困るわ。 悪女は自分の利益の為に動くのよ。対価をもらわないと。 「私がただの善意で人を助ける事なんてないのよ」 聖女だってきっとただの善意で人を助ける事なんてないのよ。 良い人、親切な人でいたい、なりたい、そんな気持ちが必ずあるのよ。 それでもし嫌な事をされたら必ず心のどこかで思うはずなのよ、私は貴方にあんなに尽くしたのに、親切にしたのにって。 対価が支払われなかったらそんな気持ちになるのよ。それはもしかしたら有難迷惑かもしれないのに。 友達がいないから私は仲良くしてあげるってよくヒロインは言うけれど、その子は一人が好きなのかもしれないのよ。 私は人間なんて基本偽善者だって思うタイプの人間よ。そして、社会でそれを隠しているか、表に晒しているか。ただそれだけの事だわ。 「レベッカ、貴方には私に対価を支払って貰うわよ」

Give it back? What nonsense is she spouting? “Give it back to me!” the woman screeches again as she thrashes about violently. She almost succeeds in throwing Gilles off of her, but he somehow manages to hold on. He’s barely keeping her in one place using the full force of his body weight. “Agh! Agh! It hurts! It hurts! It hurts!” Ugh, she’s so annoying. Her voice is grating on my ears. “Are you an idiot?” I ask and the woman turns her tear-filled eyes towards me. Her eyes seem glazed over. I wonder if she even understands what she’s saying. “I may have taken your leg, but I haven’t done a thing to your brain.” She freezes and stares at me. Ah, thank goodness. That incessant wailing finally stopped. I guess the trick to making someone forget their pain is to say something shockingly coldhearted to them. I’ll have to remember that. And since she’s quieted down, does that mean that everything’s fine now? I notice that Gilles let his grip on her loosen a fraction. He must be thinking that things have calmed down as well. “You’ve stopped yelling, does that mean you’re okay now? It doesn’t hurt?” I ask her, letting a tiny smirk pull at the corners of my lips. “Of course it hurts. I’m in unimaginable pain. My leg is literally gone, you know?” “You stole my leg......” she says while gazing at her lost limb lying on the ground. .....Ah, so that’s how it is. It’s not that she’s an idiot, she just doesn’t understand the consequences of leaving necrosis unchecked. And how would she know? The educational opportunities for the people in this village are severely lacking. There’s no way that someone born here could know how to deal with this sort of disease, let alone realize that if the virus is allowed to spread that you’d not only lose your limb but likely your life as well. “Hey, what’s your name? I’m Alicia.” “......Rebecca,” she spits out through gritted teeth, her face contorted in pain. “Rebecca, if I hadn’t removed your leg then you likely would have died.” “....Died?” “Necrosis had already set in...... The cells in your leg were completely dead. And while the speed at which those dead cells would have spread and infected other parts of your body varies from person to person, it’s a fact that the disease would have progressed. Over time, you’d be left with even more dead spots and in the end, you most likely would have died from it.” Lost in thought, she looks down and notices her reflection in the water of the fountain. “My skin.... It’s....” That’s right, my spell even made her skin look healthy and beautiful again. I’ve really outdone myself. I’ve performed quite the service for her. “Thank–“ “There’s no need to thank me.” Eyes widening, Rebecca whips her head back to look at me. Gilles, too, is staring at me with wide open eyes. I’ll be troubled if you mistake me as a good person just because of a line like that, you know. I’m just stating the facts. Since a villainess only moves for the sake of her own profit, what use do I have for measly words of gratitude? Obviously, I need to receive proper compensation for all of my efforts. “I’m not some good Samaritan who just helps people out of the goodness of her heart. My services aren’t free.” Even a saintess wouldn’t save people merely out of good will. She gladly receives compensation in the form of gaining the good opinion of those around her. ‘I want to be a good person.’ ‘I want to be kind.’ She definitely has those sorts of thoughts running through her head. And, if you were to do or say something bad to her despite her being so good to you, then deep, deep down she’ll censure you. A tiny corner of her heart will be thinking, ‘But I did so much for you.... But I was always so nice to you....’ And even if you don’t do anything bad, if you don’t repay the favor somehow, then she’ll still start having such thoughts. She’ll fabricate these misguided notions that you weren’t thankful for what she did for you. And the best part? You never asked for any of it. Those so-called ‘good deeds’ she did for you were unwanted and unnecessary in the first place. For instance, you see this a lot, but heroines just love going around and offering to be friends with people who are by themselves.... But consider this. Maybe that person is alone because they want to be. Maybe they like being alone. They’re all such hypocrites. And not just the heroine. Everyone. All human beings. The only difference is that most people hide that fact away in the deepest recesses of their heart while a select few actually own up to it. “Rebecca, I’ll definitely have you pay me back for this.”

こんな無邪気なうたた寝で やり過ごしながら こんな無邪気な うたた寝で 説明しなければなりませんね 私はこの6年間 子供向けの詩を 音楽に取り入れています これはチャールズ・エドワード・キャリルの詩で 彼はニューヨーク・シティで トレーダーとして 45年間 働いていましたが 夜には 自分の子供たちのために 不思議なお話を書いていました この本はアメリカで 約35年間 もっとも有名な本のひとつでした 先程 歌った『眠れる巨人』は 彼の詩のひとつです さて 今度は 他の詩を歌いたいと思います 他の詩人をご紹介しておきましょう こちらは レイチェル・フィールド ロバート・グレイブス 若かりし頃の彼の姿です クリスティーナ・ロゼッティ 幽霊たちだとお思いでしょう? 私たちに訴えるところのない― すたれて― 忘れられた― それが そうでもないんですよ 私がこのプロジェクトを愉しんでいるのは こうした人々の言葉を よみがえらせることです 彼らを死んだ平板なページから 取り上げること― よみがえらせ 光を当てることです それでは 次に ナタリア・クレインの書いた詩を 演奏したいと思います ナタリア・クレインはブルックリン出身の 女の子でした 1927年には 10歳で 彼女は初めての詩集 『門番の息子』を出版しました これが彼女です そしてこちらが彼女の詩です ああ 私は 門番の息子に恋をしている 門番の息子は 私に恋している ああ 私は 門番の息子に恋をしている 門番の息子は 私に恋している 彼は 私たちの近くに 無人島を探しに行こうとしている かぐわしい木々のある 無人島を シープシェッド湾のどこかにある 2人にちょうどいい ぴったりで素敵な場所 いつでも2人で住める場所 ああ 私は 門番の息子に恋をしている 門番の息子は とってもいそがしい 地下では 彼は古い長いすで いかだを作っているの 彼は私を連れ去ってくれる わかっているわ だって 彼の髪はとっても赤いんだもの そして 私が 考えているのは ベッドの中では お行儀良く震えなくてはということ 私たちが漕ぎ出す その日には 短い置き手紙をするわ 両親が困るといけないから 「私は入り江にある 島へと逃げるわ 赤毛の 門番の息子と」 門番の赤毛の息子 門番の赤毛の息子 門番の赤毛の息子 門番の赤毛の息子 私は船で旅に出るの シープシェッド湾へ行くの 門番の赤毛の息子と 古い長いすに乗って 私の赤毛の彼と2人で 門番の赤毛の息子 門番の赤毛の息子 門番の赤毛の息子 門番の赤毛の息子 門番の赤毛の息子 次の詩はE.E.カミングスのもので 『マギーとミリーとモリーとメイ』です マギーとミリー モリーとメイ ある日 1日 砂浜へ 遊びに行った マギーは歌う貝がらを 見つけた とても甘い歌声で 悩みなんか忘れてしまった マギーとミリー モリーとメイ マギーとミリー モリーとメイ ミリーは ひとり取り残されて 星のようなヒトデと友達になった その光は その光といったら 元気のなくなったヒトデの星の 5つの指は マギーとミリー モリーとメイ マギーとミリー モリーとメイ モリーは恐ろしいものに 追いかけられた 歩道をうなりながら 駆けていくものに うなりながら うなりながら メイは すべすべした 丸い石を持ち帰った 世界と同じくらい小さくて 1人ぼっちと同じくらい大きい あなたや私を 失ったとしても いつでも海で 見つけるのは 私たち自身 ありがとう 次の詩は 『誰も私と結婚してくれなかったら』 これはローレンス・アルマ=タデマのものです 彼女はイギリスで名を上げた とてもとても有名な オランダ人画家の娘でした 画家は妻を水疱瘡で亡くしてから イギリスへ渡り 2人の幼い子供を育てました その1人が 娘のローレンスでした 彼女は18歳の頃 この詩を 書きました 1888年のことです 私にとっては とてもかわいらしい フェミニストの宣言書のように見えます 少しばかりの挑戦的な態度と 少しのあきらめと後悔がにじんでいます もし 誰も私と結婚してくれなかったら だって 結婚してくれる理由も わからないもの 乳母は言うの 私はかわいくないって それに あまりいい子じゃない あまりいい子じゃないって もし 誰も私と結婚してくれなくても 私は 別にいいわ かごに入ったリスと 小さなウサギ小屋を買うの もし 誰も結婚してくれなかったら もし 誰も結婚してくれなかったら もし 誰も結婚してくれなかったら もし 誰も結婚してくれなかったら もし 誰も結婚してくれなかったら 林のそばの小屋と 私だけのポニーを手に入れるわ 街を連れて歩ける 清潔でおとなしい小さな仔羊も そして 本当に大きくなったら 28か29になったら 小さな孤児の女の子を買うわ 私の子供として育てるの もし 誰も結婚してくれなかったら もし 誰も結婚してくれなかったら もし 誰も結婚してくれなかったら もし 誰も結婚してくれなかったら ええ もし 誰も結婚してくれなかったら 結婚してくれなかったら ええ もし 誰も結婚してくれなかったら 結婚してくれなかったら ええ もし 誰も結婚してくれなかったら ありがとう ありがとう 6年間取り組んでから これらの詩人について とても興味がわき 彼らの人生について調べ始めました そして そのことについて 本を書くことにしました アルマ=タデマについて ずっとくすぶっていた疑問は 彼女は結婚したのだろうか ということです その答えは いいえでした ロンドン・タイムズ紙の記録からわかりました 彼女は1940年に 独身のまま 数々の本や近しい友人たちに 囲まれて 亡くなりました ジェラルド・マンレイ・ホプキンスは 敬虔な人でした 彼はイエズス会士になりました アングリカン教会から宗旨替えしたのです 彼はトラクト運動 または オックスフォード運動に 心を動かされ イエズス会の僧侶となったのです 彼は24歳の時に 詩をすべて 焼き払ってしまい その後 7年間は 詩を書きませんでした それというのも 詩人としての生活と 僧侶としての生活と 両立できなかったからです 彼は腸チフスにより 44歳で亡くなりました 確か 43か44歳です 当時 彼はダブリンの トリニティー・カレッジで古典学を 教えていました 亡くなる数年前に 詩作を秘密裏に 再開してから 彼は友人に宛てた手紙で こう打ち明けています 私は調べる中で見つけたのですが 「僕はある詩を書いた 子供に死について 説明するための詩なんだが― 単旋律のメロディをつけたらいいと思う」 これを読んで 私は凍りつきました この手紙が書かれた130年後に 私は実際に単旋律のメロディ をつけていたからです 詩の題名は『春と秋』と言います マーガレット 君は悲しんでいるの 黄金の木立が 少しずつ 葉を落としていくのを 葉は 人のものと 同じように 生き生きとした考えで 大切にするものだよ けれど 心が年老いるにつれて だんだんと 冷たいものになりゆく 少しずつ ため息ももらさずに 衰えた木々と 朽ちた葉の横たわる世界 それでも君は涙を流し その理由を知るだろう 大丈夫だよ その名前 悲しみの春もまた同じ また同じ 口も頭も 言い表したことはないんだ― 心が聞いたものを 幽霊が知っていることを 人間は その暗い影の もとに生まれたんだ そのために マーガレット 君は弔うのだ どうもありがとう みなさんにお礼を申し上げます 科学者 哲学者 建築家 発明家 生物学者 植物学者 芸術家... この1週間 私を圧倒したみなさん ありがとうございました オー ラララララララ ラララ... ラララララ ラララララ ラララララララ ラララララララララ あなたはとても親切で 寛大でした 人に与え続けるあなた あなたの親切に 恩を感じています 無欲なあなたを 尊敬します あなたがしてくれたこと全てに 私は負うています あなたにお礼を言わなくては ラララララララ ラララ... ラララララ ララララララ ラララララララ ララララララララ そして あなたはとても親切で... ちょっと興奮を押さえましょうか ほんの少し ほんの少し 抑えましょう 今は私の話す番ですから まだ2分残っています オーケー この詞をもう1度 繰り返しますよ あなたはとても親切で... これは革新的だと思いません? 観客を落ち着かせるなんて 私は観客を盛り上げなきゃいけないのに 私ときたら 「もういいわ しーっ」だもの あなたはとても親切で... この歌をビル・ゲイツに捧げようかしら 彼をとても尊敬しているもの あなたはとても親切で 寛大でした 人に与え続けるあなた あなたの親切に 恩を感じています あなたなしでは ここまで来られなかった あなたがしてくれたこと全てに 私は負うています あなたにお礼を言わなくては ララララララララ ララララララララ ラララララ ララララララ ラララララララ ララララララララ ラララララ たくさんの贈り物に お礼を言いたい 優しい愛情でもって与えてくれて ありがとう あなたの寛大さに お礼を言いたい 愛情と誠実さにも あなたにお礼が言いたい 感謝の気持ちを表したい 私の愛情と尊敬を あなたにお礼が言いたい ありがとう ありがとう ありがとう ありがとう ありがとう ありがとう ありがとう あなたにお礼が言いたい ありがとう ありがとう ありがとう そうだ どうやって手拍子をしたらいいか 教えてあげましょう あなたにお礼が言いたい ありがとう ありがとう ありがとう ありがとう ありがとう ありがとう ありがとう あなたにお礼が言いたい ありがとう この方がいいでしょう? あなたにお礼が言いたい ありがとう あなたにお礼が言いたい Ooh hoo Ooh hoo Ooh hoo Ooh hoo 音量を落としましょう デクレッシェンドして 少しずつ 弱くして 弱くして あなたにお礼が言いたい ありがとう 指を鳴らして まだ終わらない どうもありがとう

I've been working on a project for the last six years adapting children's poetry to music. And that's a poem by Charles Edward Carryl, who was a stockbroker in New York City for 45 years, but in the evenings, he wrote nonsense for his children. And this book was one of the most famous books in America for about 35 years. "The Sleepy Giant," which is the song that I just sang, is one of his poems. Now, we're going to do other poems for you, and here's a preview of some of the poets. This is Rachel Field, Robert Graves -- a very young Robert Graves -- Christina Rossetti. Ghosts, right? Have nothing to say to us, obsolete, gone -- not so. What I really enjoyed about this project is reviving these people's words. Taking them off the dead, flat pages. Bringing them to life, bringing them to light. So, what we're going to do next is a poem that was written by Nathalia Crane. Nathalia Crane was a little girl from Brooklyn. When she was 10 years old in 1927, she published her first book of poems called "The Janitor's Boy." Here she is. And here's her poem. ♫ Oh, I'm in love with the janitor's boy, ♫ ♫ And the janitor's boy is in love with me. ♫ ♫ Oh, I'm in love with the janitor's boy, ♫ ♫ And the janitor's boy is in love with me. ♫ ♫ In our geography. ♫ ♫ A desert isle with spicy trees ♫ ♫ Somewhere in Sheepshead Bay; ♫ ♫ A right nice place, just fit for two ♫ ♫ Where we can live always. ♫ ♫ Oh, I'm in love with the janitor's boy, ♫ ♫ And the janitor's boy, ♫ he's busy as can be; ♫ ♫ Down in the cellar he's making a raft ♫ ♫ Out of an old settee. ♫ ♫ He'll carry me off, I know that he will, ♫ ♫ For his hair is exceedingly red; ♫ ♫ And the only thing that occurs to me ♫ ♫ Is to dutifully shiver in bed. ♫ ♫ And on the day that we sail, I will leave a little note ♫ ♫ For my parents I hate to annoy: ♫ ♫ "I have flown to an island in the bay ♫ ♫ With my janitor's ♫ The janitor's red-haired boy ♫ ♫ The janitor's red-haired boy ♫ ♫ The janitor's red-haired boy ♫ ♫ The janitor's red-haired boy ♫ ♫ I'm going to sail away ♫ ♫ Gone to Sheepshead Bay ♫ ♫ With my janitor's red-haired boy. ♫ ♫ On an old settee ♫ ♫ My red-haired boy and me ♫ ♫ The janitor's red-haired boy. ♫ ♫ The janitor's red-haired boy ♫ ♫ The janitor's red-haired boy ♫ ♫ The janitor's red-haired boy ♫ ♫ The janitor's red-haired boy ♫ The next poem is by E.E. Cummings, "Maggie and Milly and Molly and May." ♫ Maggie and Milly, Molly and May ♫ ♫ They went down to the beach one day to play ♫ ♫ And Maggie discovered a shell that sang ♫ ♫ So sweetly she couldn't remember ♫ Maggie and Milly, Molly and May ♫ ♫ Maggie and Milly, Molly and May ♫ ♫ Milly befriended a stranded star ♫ ♫ Whose rays, whose rays ♫ ♫ Five languid fingers ♫ Maggie and Milly, Molly and May ♫ ♫ Maggie and Milly, Molly and May ♫ ♫ Molly was chased by a horrible thing ♫ ♫ Which raced sideways blowing ♫ ♫ Blowing ♫ ♫ Blowing ♫ ♫ May came home with a smooth, round stone ♫ ♫ Small as a world and as large as alone ♫ ♫ For whatever we lose like a you or a me ♫ ♫ Always ourselves that we find at the sea ♫ Thank you. The next poem is "If No One Ever Marries Me." It was written by Laurence Alma-Tadema. She was the daughter of a very, very famous Dutch painter who had made his fame in England. He went there after the death of his wife of smallpox and brought his two young children. One was his daughter, Laurence. She wrote this poem when she was 18 years old in 1888, and I look at it as kind of a very sweet feminist manifesto tinged with a little bit of defiance and a little bit of resignation and regret. ♫ Well, if no one ever marries me ♫ ♫ And I don't see why they should, ♫ ♫ Nurse says I'm not pretty, ♫ ♫ And you know I'm seldom good, seldom good -- ♫ ♫ Well, if no one ever marries me ♫ ♫ I shan't mind very much; ♫ ♫ Buy a squirrel in a cage ♫ ♫ And a little rabbit-hutch. ♫ ♫ If no one marries me ♫ ♫ If no one marries me ♫ ♫ If no one marries me ♫ ♫ If no one marries me ♫ ♫ If no one marries me ♫ ♫ I'll have a cottage near a wood ♫ ♫ And a pony all my own ♫ ♫ A little lamb quite clean and tame ♫ ♫ And when I'm really getting old -- ♫ ♫ And 28 or nine -- ♫ ♫ Buy myself a little orphan girl ♫ ♫ And bring her up as mine. ♫ ♫ If no one marries me ♫ ♫ If no one marries me ♫ ♫ If no one marries me ♫ ♫ If no one marries me ♫ ♫ Well, if no one marries me ♫ ♫ Marries me ♫ ♫ Well, if no one marries me ♫ ♫ Marries me ♫ ♫ Well, if no one marries me ♫ Thank you. Thank you. I became very curious about the poets after spending six years with them, and started to research their lives, and then decided to write a book about it. And the burning question about Alma-Tadema was: Did she marry? And the answer was no, which I found in the London Times archive. She died alone in 1940 in the company of her books and her dear friends. Gerard Manley Hopkins, a saintly man. He became a Jesuit. He converted from his Anglican faith. He was moved to by the Tractarian Movement, the Oxford Movement, otherwise known as -- and he became a Jesuit priest. He burned all his poetry at the age of 24 and then did not write another poem for at least seven years because he couldn't rectify the life of a poet with the life of a priest. He died typhoid fever at the age of 44, I believe, 43 or 44. At the time, he was teaching classics at Trinity College in Dublin. A few years before he died, after he had resumed writing poetry, but in secret, he confessed to a friend in a letter that I found when I was doing my research: "I've written a verse. It is to explain death to a child, and it deserves a piece of plain-song music." And my blood froze when I read that because I had written the plain-song music 130 years after he'd written the letter. And the poem is called, "Spring and Fall." ♫ Margaret, are you grieving ♫ ♫ Over Goldengrove unleaving, by and by? ♫ ♫ Leaves, like the things of man, you ♫ ♫ With your fresh thoughts care for, ♫ But as the heart grows older ♫ ♫ It will come to such sights much colder ♫ ♫ By and by, nor spare a sigh ♫ ♫ Though worlds of wanwood leafmeal lie; ♫ ♫ And yet you will weep and you'll know why. ♫ ♫ No matter child, the name: ♫ ♫ Sorrow's springs are all the same ♫ ♫ They're all the same. ♫ ♫ Nor mouth had nor no mind expressed ♫ ♫ What heart heard of, ghost had guessed: ♫ ♫ It's the blight man was born for, ♫ ♫ It is Margaret that you mourn for ♫ Thank you so much. I'd like to thank everybody, all the scientists, the philosophers, the architects, the inventors, the biologists, the botanists, the artists ... everyone that blew my mind this week. Thank you. ♫ Oh, a li la li la la la ♫ ♫ La li la la li la la la la la la ♫ ♫ La li la la la ♫ ♫ La li la la la la ♫ ♫ La li la la la la la la ♫ ♫ La la la li la la la la la ♫ ♫ You've been so kind and generous ♫ ♫ I don't know how you keep on giving. ♫ ♫ And for your kindness, I'm in debt to you. ♫ ♫ And for your selflessness, my admiration. ♫ ♫ And for everything you've done, you know I'm bound; ♫ ♫ I'm bound to thank for it ♫ ♫ La li la li la la la ♫ ♫ La li la la li la li la la la ♫ ♫ La li la la la ♫ ♫ La li la la la la ♫ ♫ La li la li la la la ♫ ♫ La li la la li la li la la ♫ ♫ And you ♫ ♫ Now you've been so kind and ... ♫ Curb the enthusiasm, just a little bit. Just bring it down a little. It's my turn. I still have two minutes. Okay, we're going to start that verse again. ♫ Well, you've been so ... ♫ That's innovative, don't you think? Calming the audience down; I'm supposed to be whipping you into a frenzy, and I, "That's enough. Sh." ♫ Now, you've been kind and ... ♫ I'm going to sing this to Bill Gates. I have so much admiration for him. ♫ Now, you've been so kind and generous, ♫ ♫ I don't know how you keep on giving. ♫ ♫ And for your kindness I'm in debt to you. ♫ ♫ And I never could have come this far without you. ♫ ♫ So for everything you've done, you know I'm bound ♫ ♫ I'm bound to thank you for it ♫ ♫ La li la la li la la la ♫ ♫ La li la la li la la la ♫ ♫ La li la la la ♫ ♫ La li la la la la ♫ ♫ La li la la li la la la ♫ ♫ La li la la li la li la la la ♫ ♫ La li la la la ♫ ♫ Oh, I want to thank you for so many gifts ♫ ♫ You gave in love with tenderness ♫ ♫ Thank you ♫ ♫ I want to thank you for your generosity ♫ ♫ the love and the honesty that you gave me ♫ ♫ I want to thank you show my gratitude, ♫ My love and my respect for you ♫ ♫ I want to thank you, thank you ♫ ♫ Thank you, thank you ♫ ♫ Thank you, thank you ♫ ♫ Thank you, thank you ♫ ♫ I want to thank you, thank you ♫ ♫ Thank you, thank you ♫ You know what? I'll show you how to clap to this song. ♫ I want to thank you, thank you ♫ ♫ Thank you, thank you ♫ ♫ Thank you, thank you ♫ ♫ Thank you, thank you ♫ ♫ I want to thank you, thank you ♫ It works better, right? ♫ I want to thank you, thank you ♫ ♫ I want to thank you ♫ ♫ Ooh hoo ♫ ♫ Ooh hoo ♫ ♫ Ooh hoo ♫ ♫ Ooh hoo ♫ Let's bring it down. Gradually, bringing it down, bringing it down. ♫ I want to thank you, thank you ♫ Finger popping, ain't no stopping. Thank you so much.

「ご無事でしたかお嬢様?肝心な時に居なくて申し訳ございません。」 イチコがリョウにかけられた札と手錠を外しつつ頭を下げる。 「別に構わないわよ。今の貴方は私の護衛ではないのだから。」 リョウは枷を解かれた両腕の様子を確認しつつ、イチコに声をかける。 「私の姿を見ても驚かないのですね。」 「あれだけの騒ぎがあったのよ。それならその姿にも納得するわ。」 イチコはリョウの手を引いて立ち上がらせる。 「イチコ。貴方にいくつか質問がありますの。」 「何なりと。リョウお嬢様。」 は多少の距離をとって相対する。それは今までありえなかった光景でもある。 「貴方が何故クロキリのスキル≪魔性創生≫を使えるの?」 「≪主は我を道に力を行使す≫というスキルがあり、そのスキルの効果です。」 「習得理由は?」 「イズミを助けるためです。」 「イズミ...。その子ね。」 リョウの目が部屋の入口に立っているイズミに向けられる。 「(イズミです。9才です。声が出ないのでひつだんです。)」 「イズミは全身をバラバラにされていたところを私が発見し、助けるためにはあのスキルを得るしかありませんでした。」 「そう。なら次の質問ね。」 「はい。」 リョウイチコに近づく。 「習得の経緯はわかったわ。でも何故余命幾ばくもない患者の元に行ってそのスキルを使っていたの?」 「そうするしかあの人たちの命を助けられなかったからです。」 さらに一歩近づき、手を伸ばせば届く距離になる。 「そう。確かにあの人たちの命は助かったわね。でも、代わりにあの人たちは『霧人』になったのよ?それに対して何か言うことは無いの?」 「ありません。あの人たちは皆納得した上で人を辞めました。リョウお嬢様。はっきり言わせてもらいます。“あの人たちは自分の意思で霧人になり、私は自分の意思でその手助けをしました”。」 パンッ! リョウの平手がイチコの顔に当たり破裂音を辺りにまき散らす。 「イチコ...私は貴方に裏切られたのね...。一緒に成長してクロキリを倒す。と言ったはずなのに...。」 「リョウお嬢様...。私は......、」 「何も言わないで...、今はただ、私の前から居なくなって...。」 「...。分かりました。イズミ。行きましょう。」 イチコはイズミを連れて部屋の外に出る。既に下の階では周囲からの通報で大量の警察車両と救急車が集まっている。 「リョウお嬢様。私は今でもクロキリを倒そうと思っていますよ。けれど、今は力がなくて誰かを救うためにも、倒すためにもクロキリの力を借りるしかない。それだけの話です。そしてクロキリはきっと...」 「...。」 「こんな私をも肯定します。」 その言葉の後には泣きわめくリョウだけが残される事になった。 「随分と大人数で来たものですね。」 私の前にはたくさんの警察に機動隊。それに軍と報道陣がいます。 そして、私の後ろには誘拐の実行犯たちが縛られた状態で転がされています。 「『霧人』久野イチコに『霧人』茲炉イズミだな!お前たち二人を殺人、不法侵入及び監禁の現行犯で...」 「今から私たちのような人に害する眷属ではなく、ただ人間のように日常を過ごしていた眷属に手を出した者の末路を見せてあげます。乱し蜻蛉!」 キイイイイイイイィィィィィィン! 「「「ガアッ!」」」 私の声に応じて、乱し蜻蛉がその羽音で周囲の人間を動けなくします。 そして、私は縛り上げた男の一人の後ろに立ち 当然のように刎ねた首からは噴水のように血が出てきて、その光景にある者は顔を真っ青にし、またある者は絶句します。一番幸せだったのは泡を吹いて倒れた人たちでしょうか。苦しみつつも立っている人間は数人だけです。 「この男は眷属を誘拐する際に車を運転していました。故にこうなりました。」 二人目を潰してから胸を刺して殺します。 「この男は気絶した眷属を車に連れ込みました。」 淡々と私は処刑を進めていきます。既に見ている人間の半数は意識を飛ばしているようです。 目は腰の部分で真っ二つにし苦しみながら死ぬようにします。 「こいつは眷属を気絶させた張本人。」 「そしてこの屑は誘拐計画を立てた張本人。今回の事件の元凶とも言うべき存在。」 「ヒッ!お、お願いだから助け...」 「故に貴様は生きながら食われて死ね!」 「あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」 ゴリッ、ゴリュ、ブチュ そして、乱し蜻蛉によって生きたまま食われて死にます。もちろん容易には死なない様に手足からゆっくりと咀嚼させます。 私は周囲の人間の方に向き直ります。周囲の人間たちは既に数人しか意識を保っていません。 「これが罪も無き眷属に手を出した者の末路です。さあ行きましょう。」 私の言葉にイズミが頷き、乱し蜻蛉が足を私の近くに持って来てくれます。そこで私は右腕にイズミを抱え、左手で乱し蜻蛉の足を掴み浮かび上がります。 「では失礼します。」 そう言い残して私とイズミは夜空へと消え去っていきました。

“Are you safe, Miss? I apologize for not being present at this crucial moment.” Ichiko gave a bow as she removed the tags and handcuffs attached to Ryo. “It doesn’t matter. After all, you’re not my bodyguard anymore.” While checking the state of her unbound arms, Ryo called out to Ichiko. “I see you’re hardly startled at the sight of me.” “With all that commotion taking place, it makes sense for you to have that appearance.” Ichiko pulled Ryo’s hand and helped her to her feet. “Ichiko, I have a few questions for you.” “Be my guest, Lady Ryo.” They were facing each other at more or less the same distance. It was a spectacle that had never been witnessed before. “How can you utilize Kurokiri’s skill, ≪Monster Create≫?” “There exists a skill called ≪The Lord Will Exercise His Power in My Path≫ and this is the effect of that skill.” “And for what purpose did you acquire it?” “To save Izumi.” “Izumi... That’s her, isn’t it?” Ryo’s eyes darted to Izumi, who was standing at the entrance of the room. “(I’m Izumi, years old. My voice doesn’t come out, so I carry on a conversation by means of writing.)” “I discovered Izumi when her entire body was being dismembered, and the only way to save her was to attain that skill.” “I see. That brings me to my next question.” “Yes.” Ryo took a step closer to Ichiko. “I can understand the circumstances of your acquisition of the skill. However, why would you use that skill on patients who had very little time left to live?” “It was the only solution that could preserve their lives.” Taking another step closer, she extended her hand to reach Ichiko. “Yes. It is true that you saved those people’s lives. But in exchange, those people have been changed into ‘Kirijin,’ haven’t they? Is there anything you can refute to that?” “There’s nothing I can say in opposition to it. All of them agreed to cease being human beings. Lady Ryo. Allow me to state unequivocally. ‘Those individuals voluntarily chose to become Kirijin, and I helped them to do so by my own volition’.” Smack! Ryo’s palm landed on Ichiko’s face, emitting a resounding bang that rippled throughout the area. “Ichiko...” Ryo uttered, her eyes welling up with tears. “You’ve turned on me... We made a pact to support each other get through this ordeal and vanquish Kurokiri...” “Lady Ryo... I am...” “Don’t say anything... just get out of my sight now...” “...I understand. Izumi, let’s go.” Ichiko took Izumi out of the room. On the lower floor, a mass of police vehicles and ambulances had already congregated following reports from the vicinity. And as they were leaving, Ichiko remarked, “Lady Ryo. I still have the desire to defeat Kurokiri, but I lack the capability to achieve that, and the only way for me to save or defeat someone else is to rely on Kurokiri’s strength. That’s all there is to it. And I’m sure that Kurokiri will...” “...” “He’ll embrace [i] me even if I am this type of person.” After leaving those words, only a weeping Ryo had been left behind. “They came in such large numbers.” Ahead of me were tons of police, riot squads, the military, and the press. And behind me were the perpetrators of the abduction, bound and tumbled. “You two are the ‘Kirijin’ Hisano Ichiko and the ‘Kirijin’ Kokoro Izumi! You are both charged with murder, trespassing, and confinement...” “Shut up! These human beings who have been overlooked,” I spat out the words. “From now on, I will demonstrate to you the consequences of those who dared to meddle with these people who were merely carrying on with their daily lives like human beings, instead of harming kin like us. Disarray Devil’s Darning Needle!” Kiiiiiiiiiiiiin! “Gaaaah!” Responding to my voice, the Disarray Devil’s Darning Needle immobilized the surrounding humans through the sound of its wings. I then took a position behind one of the men who had been restrained... and decapitated him. As a natural phenomenon, a torrent of blood gushed forth from the head I decapitated, and the sight of it sent some people pale, while others were left at a loss of words. I wondered whether the ones who collapsed in a heap of foam were the happiest. Only a few people remained upright, despite being in excruciating agony. “This man was driving the car when he kidnapped a kin. And this is the result of his consequence.” The second person was put to death by crushing his limbs before being pierced in the chest. “This man carried the unconscious kin into the car.” Without much ado, I proceeded with the execution. It seemed that half of the people watching had already slipped into unconsciousness. For the third one, I split him in half at the waist so that he perished in unbearable pain. “This one is the one who knocked out the kin.” “And this piece of scum is the mastermind behind the kidnapping operation,” I added, opening my mouth to glare at the final one. “He is the one who is to blame for all that has happened.” “Heeeee! P-Please save me...” “Therefore, you shall be devoured alive and die!” “Aaaaahhhh!” Grrr, gelr, blechu. Then he was consumed alive by the Disarray Devil’s Darning Needle which sent him to his doom. Of course, I ensured that he was slowly masticated from the limbs to avoid an easy death. Finally, I switched her attention back to the humans in the surroundings. There were only a handful of people in the surrounding area who were still conscious. “This is what fate befalls those who meddle with the innocent kin. Now, let’s depart.” At my words, I nodded and Disarray Devil’s Darning Needle brought its legs close to me. I ascended into the air as a result, clutching Izumi in my right arm and Disarray Devil’s Darning Needle’s leg in my left. “Well then, excuse me.” After uttering these words, Izumi and I vanished into the night sky.

そして そのことは様々な分野にも 当てはまります さて 2013年7月にゲジ公園で起きた トルコ反政府運動について 現場での研究を行うために トルコに戻った時のことをお話しします ツイッターが反政府運動に発展する鍵でした 公園は催涙ガスのみならず ツイッターをする人で溢れていましたが ハイテクとは程遠いものです しかし トルコの人たちは 1年前の不幸な事件により ツイッターの力を知っていました 軍用機が爆破され 国境付近で 34人のクルド人密売業者が殺害されました トルコのメディアは そのニュースを完全に検閲しました 編集者はニュース編集室に座って 政府からの指示を待っていました 一人のジャーナリストは 不満が我慢の限界に達し 自分で飛行機の搭乗券を買って この事件が起こった村に行きました そして 彼はこの光景を 目の当たりにしたのです 棺が連なって丘を下り 親族が泣き叫んでいました 後に彼は物凄く戸惑って どうしらたいいのか 分からなかったと私に語りました そこで 彼は携帯を取り出し 誰でもするように その写真を撮り ツイートしました すると その写真は瞬く間に広がり 検閲は中断され マスメディアに報道を促しました 1年後 トルコ反政府運動が起きました 公園の取壊しの抗議に 端を発したものでしたが 反権威主義運動へと発展しました メディアが検閲しても 驚きませんが 少々馬鹿げたものでした 抗議行動が激しさを増すと CNNインターナショナルが イスタンブールから生中継したのに対し CNNトルコはペンギンの ドキュメンタリーを放送しました 私はペンギンのドキュメンタリーは好きですが その日に放送しなくてもいいですよね ある怒った視聴者が 画面を2つ並べて写真を撮ったところ その写真は瞬く間に広がりました それ以来 トルコのメディアは ペンギンのメディアと呼ばれています でも今回は やるべきことはわかっていました 人々は携帯を取出し 真実を伝えるニュースを検索しました さらに 公園へ行き写真を撮って 反政府運動に参加し ソーシャル・メディアで より多くを共有することを知っていました 食べ物から寄付まで あらゆることに デジタル通信が利用されました あらゆることが 組織化され その一部に新技術が役立ちました インターネットを使って 抗議行動を知らせたり 参加を促したりすることは 実際長年行われてきたのです サパティスタ民族解放軍を覚えていますか? 覆面姿でパイプをくわえ カリスマのあるマルコス副司令官が率いた メキシコのチアパス州南部の農民の暴動のことです それはおそらくインターネットで 世界が注目した最初の運動でした 99年シアトルでの 抗議活動を考えてみましょう 多国間の草の根運動により 世界貿易機関という 不透明な組織の実態に 世界が注目しました ここでもデジタル技術が 抗議活動を組織するのに一役買っています 最近では 運動が次から次へと起こり 国から国へとその動きが 広がっていきます バーレーンからチュニジア、エジプト さらに拡大していったアラブの暴動 スペイン、イタリア、ギリシアの暴動 ゲジ公園での反政府運動 台湾、ウクライナのユーロマイダン 香港などの例があります つい最近では #BringBackOurGirls というハッシュタグもあります 今日ではツイートによって 世界的に認知度を高めることも可能です Facebookは 多くの人が抗議活動に 参加するきっかけになります 驚きですよね でも 私が挙げた例を考えてみてください 達成したものや成果が 必ずしも動員規模や注ぎ込んだエネルギーに 比例しないのです 当然のように高まった期待と 最終的に得られた成果が 明らかに釣り合っていません そこで 疑問が生じます デジタル技術で運動はより容易になったのに なぜ思い通りの成果を 上げられないのかでしょう? デジタルプラットフォームを 社会活動や政治に使うことで 手間のかかるやり方にある利点を 見逃しているのでしょうか? 私はそう思います 私は経験則から より簡単に人を集める方法が 必ずしも 成果を容易に得られるわけではないと思います はっきり言うと 技術は様々な方法で力を与えます 大変力強いものです トルコでは 4人の大学生が 140Journos という 全国的な市民ジャーナリズムを立ち上げ 国内における 検閲のないニュースの 中心的な存在になるのを目撃しました エジプトでは 別の4人の若者が デジタル通信を使って 10の野戦病院のために 供給と物流を組織するのを目撃しました とても大がかりな作戦でした タハリール広場付近で大規模な衝突が 起きた時のことです そこで私はタハリール・サプライの創始者に アイデアを思いついてから 始めるまでどのくらいかかったのか尋ねると 「5分」と彼は答えました 5分です 彼は物流に詳しいわけでもありませんでした 2011年世界を震撼させた 「ウォール街を占拠せよ」について考えてみてください それは雑誌『アドバスターズ』から 9万人の購読者に送られた 1通のEメールから始まりました 最初のEメールから2カ月後 アメリカでは600人が 占拠や抗議を行なっていました 最初のズコッティ公園の占拠から 1カ月も経たないうちに 82カ国、950都市で 世界規模の抗議が行われました それは世界規模の抗議の中で 過去最大級のものの1つです さて バスの人種隔離ルールに抗議して ボイコットをした 1955年アラバマ州の公民権運動 と比べてみてください 長年かけて作られた計画は ローザ・パークスが逮捕されると 即座に行動に移されました しかしどうやって 「明日からボイコットをする」と フェイスブックもテキストメッセージも ツイッターもないのに情報を流せたのでしょうか? 彼らは大学の複写室に忍び込み 夜通しこっそりと5万2千枚の パンフレットを印刷したのです 夜通しこっそりと5万2千枚の パンフレットを印刷したのです アフリカ系アメリカ人の68団体を使って 市内をくまなく 手渡しでパンフレットを配りました 貧しい人たちだったので 移動の手配には大いに苦労しました 仕事があるのに ボイコットなんてできるのか 車の相乗りも会議を通じて組織されました 車の相乗りも会議を通じて組織されました テキストメッセージもツイッターも フェイスブックもないのです 相乗りを続けるために ほとんど毎回 会合しなければなりませんでした 今なら もっと容易にできたことでしょう データベースを作って 相乗り可能な車や 必要な手配をし データベースの情報に基づき テキストメッセージを送信できるでしょう 終始顔を突き合わせることもありません でも もう一度考えてみてください アメリカの公民権運動は 政略的な抑圧の危険という 地雷原をくぐり抜け 抑圧に直面しても克服し 大幅な政治的譲歩を引き出しました リスクを回避しながら 革新的に行動したのです 対照的に ウォール街での占拠行動から3年後 不平等に関する 世界的規模の対話が誘発されましたが 原因となった政治は変わっていないのです ヨーロッパは緊縮財政に反対する 抗議活動で揺れましたが 方針は変わりませんでした これらの技術を使っていると ゆっくりとした持続的なやり方の 利点を見逃してしまうのでは? これを理解するために 私はゲジでの反政府運動の およそ1年後にトルコに戻り 運動の活動家から政治家まで インタビューしました 与党と野党の政治家活動から 活動家に至るまでです トルコ反政府運動の活動家は 失望していました 彼らはイライラしていました 思っていたよりも 成果が得られなかったからです 私が接触した世界中の 多くの活動家も 同じことを述べているのです そして 私が問題だと感じるのは 今日の抗議活動はエベレスト山を 60人ものシェルパの助けを借りながら 登るようなものだということです つまり インターネットがシェルパなのです 私たちがやっているような 早いルートを選ぶと ゆっくりとしたやり方の利点は なくなってしまうのです なぜならば お分かりの通り 実際に物を動かすという 困難かつ面倒な 計画を立てるといった作業は それに対処するだけでなく メンバーが一緒に考えたり 一緒になって難しい決定を下したり 合意の形成や 物事を刷新するといった 組織的なものも作られ おそらく最も重要なことは 皆が 違いを乗り越え 先へと進んで行けるからです 1963年のワシントン大行進の この写真を見ると - ここは行進が行われた所で 1963年にマーティン・ルーサー・キングが 有名な「I Have a Dream」の演説をした所ですが 行進が目に入るだけでなく 力強い演説が聞こえてくるだけでもなく 行進するために 骨の折れるような 時間のかかる作業があったことにも気づくでしょう あなたに権力があるなら 行進によって伝わり得るメッセージの 力の大きさを理解しなければいけません 行進そのものだけでなく その影響度を 真剣に考えなければなりません 対照的に ウォール街の占拠を振り返ると 2週間で世界中で行進が組織されました 様々な不満が見受けられますが 長期にわたって反抗を続けるほどの 威力が見られたわけではありません 重要なのは 公民権運動ではボイコットから ランチ・カウンターでの座り込み ピケ張り、行進、フリーダムライドまで 巧妙な行動が編み出されたことです 組織的な基礎を築き 課題に立ち向かうこともなく 今日の運動は急激に巨大化してしまうのです 彼らはとても大きな運動へと発展する 端緒の動きであることを深く考えず 次に何をするのかも知らないので うまく立ち回れないのです なぜなら 運動の拡大化を 切り抜けていくための 十分な能力を有していないからです はっきり言うと 魔法の力はパンフレットの中にはありません 一緒に作業することの力 つまり 皆で考えることにあるのです 時間をかけ多くの作業をするからこそ 生み出し得る力です これを理解するため 私はトルコの与党の政府高官に インタビューをして 「どのようにして活動されてますか?」と 尋ねました 彼らもデジタル技術を幅広く使っていますが そこはポイントではありません では 何が秘訣でしょう 彼は答えました 「秘訣はお茶に砂糖を入れないことです」 「何か関係でも?」と私が尋ねると 「与党は選挙が終わった翌日から 次の選挙の準備を 始めているのです」と答えました 有権者の自宅や 結婚披露宴や割礼式に行くなど 彼は毎日一日中 有権者と会っているのです そして同僚と会って情報交換します 日々多くの人々と会い その都度お茶が出されますが 失礼なので断ることもできません そのため 紅茶に角砂糖1つすら 入れることはできないのです 大量に砂糖を摂取してしまいますし どのくらいの量か計算すらできません そして私はなぜ彼が早口なのか分かりました 私たちは午後に会ったのですが 彼は既にカフェインの取り過ぎでした 与党はゲジでの反政府運動の年に 2つの大きな選挙で大差をつけて 勝利しました 確かに政府は交渉のための 様々な異なる情報を持っています 話は異なるかもしれません しかし 違いがあることが有益なのです こういった話から分かるように 単に技術があれば良いというものではありません 技術が成し得ることは 皆が望むことを 一つに収れんさせることに過ぎません 今日の社会運動は 組織だって行なわれません 彼らは組織のリーダーを求めていません 汚職や分派の吸収を恐れ 政治的なものから離れたがっています それにも一理あります 多くの国において 現代の議会制民主主義は 絶大な利益によって阻害されています しかし このようなやり方では 長く続けたり 制度に影響力を与えることは難しく 不満を抱えた抗議者が脱落して 政治を一層腐敗させるのです 効果的な施策もないまま 政治や民主主義は混迷します なぜならば 現代的な運動を動機付けた その原因こそが重要だからです 気候変動は迫って来ています 不平等さは人類の発展や可能性 それに経済を窒息させてしまいます 独裁政治が多くの国で 人々を苦しめています もっと効果的に運動する必要があるのです さて 今日の運動には かつてのようにはリスクを取る人がいないと 言う人々もいますが それは正しくありません ゲジからタクスィムまで 至る所で 私は命や生活がリスクに晒されている 人々を見てきました 今日の抗議者は弱々しい仮想の絆で 繋がっているという マルコム・グラッドウェルの発言も 正しくありません 彼らは以前と同じように 既存の繋がり つまり友人らと共に 抗議運動に参加し 時に そこで一生の友を得るのです 私自身10年前にサパティスタで行われた 世界的な抗議活動を通じて知り合った友人と 今でも交流があります 知らない人々との絆は 価値のないものではありません 私がゲジで催涙ガスを浴びた時 知らない人々が逃げずに 私や他の人々を助けてくれました タハリールではお互いの安全を守るため 互いに懸命になっている 人々や抗議者を見ました デジタルによる認識の向上は素晴らしいことです 考え方を変えると 政治が変わるからです しかし 今日の運動では 単なる参加という ステージから素早く行動を移し 皆が一丸となって考える方法を模索し 強力な政策提言を打ち出し 合意を形成して 政権側との関わりを得て 影響力を行使しなければなりません なぜなら 善意や勇気や自己犠牲だけでは 十分ではないからです そして 様々な試みがあります ニュージーランドでは 若者のグループが 規模に応じた意思決定を参加型で行う 「ルーミオ」という プラットホームを開発しています トルコでは140Journos が「ハッカソン」 を開催し コミュニティや市民ジャーナリズムを 支援しています アルゼンチンではDemocracyOSという オープン・ソースのプラットホームで 議会や政党への参加を促しています それらはすべて素晴らしく もっと必要ですが オンラインの決定が より良いものであるとは限りません 民主主義を進歩させるには 組織から政治や社会に至るまで 全階層で革新が求められるからです 長期的な成功を達成するには 時として 砂糖なしの紅茶が ツイッターと共に必要となるのです ありがとうございました

And the lessons apply in multiple domains. Now, take Turkey's Gezi Park protests, July 2013, which I went back to study in the field. Twitter was key to its organizing. It was everywhere in the park -- well, along with a lot of tear gas. It wasn't all high tech. But the people in Turkey had already gotten used to the power of Twitter because of an unfortunate incident about a year before when military jets had bombed and killed 34 Kurdish smugglers near the border region, and Turkish media completely censored this news. Editors sat in their newsrooms and waited for the government to tell them what to do. One frustrated journalist could not take this anymore. He purchased his own plane ticket, and went to the village where this had occurred. And he was confronted by this scene: a line of coffins coming down a hill, relatives wailing. He later he told me how overwhelmed he felt, and didn't know what to do, so he took out his phone, like any one of us might, and snapped that picture and tweeted it out. And voila, that picture went viral and broke the censorship and forced mass media to cover it. So when, a year later, Turkey's Gezi protests happened, it started as a protest about a park being razed, but became an anti-authoritarian protest. It wasn't surprising that media also censored it, but it got a little ridiculous at times. When things were so intense, when CNN International was broadcasting live from Istanbul, CNN Turkey instead was broadcasting a documentary on penguins. Now, I love penguin documentaries, but that wasn't the news of the day. An angry viewer put his two screens together and snapped that picture, and that one too went viral, and since then, people call Turkish media the penguin media. But this time, people knew what to do. They just took out their phones and looked for actual news. Better, they knew to go to the park and take pictures and participate and share it more on social media. Digital connectivity was used for everything from food to donations. Everything was organized partially with the help of these new technologies. And using Internet to mobilize and publicize protests actually goes back a long way. Remember the Zapatistas, the peasant uprising in the southern Chiapas region of Mexico led by the masked, pipe-smoking, charismatic Subcomandante Marcos? That was probably the first movement that got global attention thanks to the Internet. Or consider Seattle '99, when a multinational grassroots effort brought global attention to what was then an obscure organization, the World Trade Organization, by also utilizing these digital technologies to help them organize. And more recently, movement after movement has shaken country after country: the Arab uprisings from Bahrain to Tunisia to Egypt and more; indignados in Spain, Italy, Greece; the Gezi Park protests; Taiwan; Euromaidan in Ukraine; Hong Kong. And think of more recent initiatives, like the #BringBackOurGirls hashtags. Nowadays, a network of tweets can unleash a global awareness campaign. A Facebook page can become the hub of a massive mobilization. Amazing. But think of the moments I just mentioned. The achievements they were able to have, their outcomes, are not really proportional to the size and energy they inspired. The hopes they rightfully raised are not really matched by what they were able to have as a result in the end. And this raises a question: As digital technology makes things easier for movements, why haven't successful outcomes become more likely as well? In embracing digital platforms for activism and politics, are we overlooking some of the benefits of doing things the hard way? Now, I believe so. I believe that the rule of thumb is: Easier to mobilize does not always mean easier to achieve gains. Now, to be clear, technology does empower in multiple ways. It's very powerful. In Turkey, I watched four young college students organize a countrywide citizen journalism network called 140Journos that became the central hub for uncensored news in the country. In Egypt, I saw another four young people use digital connectivity to organize the supplies and logistics for 10 field hospitals, very large operations, during massive clashes near Tahrir Square in 2011. And I asked the founder of this effort, called Tahrir Supplies, how long it took him to go from when he had the idea to when he got started. "Five minutes," he said. Five minutes. And he had no training or background in logistics. Or think of the Occupy movement which rocked the world in 2011. It started with a single email from a magazine, Adbusters, to 90,000 subscribers in its list. About two months after that first email, there were in the United States 600 ongoing occupations and protests. Less than one month after the first physical occupation in Zuccotti Park, a global protest was held in about 82 countries, 950 cities. It was one of the largest global protests ever organized. Now, compare that to what the Civil Rights Movement had to do in 1955 Alabama to protest the racially segregated bus system, which they wanted to boycott. They'd been preparing for many years and decided it was time to swing into action after Rosa Parks was arrested. But how do you get the word out -- tomorrow we're going to start the boycott -- when you don't have Facebook, texting, Twitter, none of that? So they had to mimeograph 52,000 leaflets by sneaking into a university duplicating room and working all night, secretly. They then used the 68 African-American organizations that criss-crossed the city to distribute those leaflets by hand. And the logistical tasks were daunting, because these were poor people. They had to get to work, boycott or no, so a massive carpool was organized, again by meeting. No texting, no Twitter, no Facebook. They had to meet almost all the time to keep this carpool going. Today, it would be so much easier. We could create a database, available rides and what rides you need, have the database coordinate, and use texting. We wouldn't have to meet all that much. But again, consider this: the Civil Rights Movement in the United States navigated a minefield of political dangers, faced repression and overcame, won major policy concessions, navigated and innovated through risks. In contrast, three years after Occupy sparked that global conversation about inequality, the policies that fueled it are still in place. Europe was also rocked by anti-austerity protests, but the continent didn't shift its direction. In embracing these technologies, are we overlooking some of the benefits of slow and sustained? To understand this, I went back to Turkey about a year after the Gezi protests and I interviewed a range of people, from activists to politicians, from both the ruling party and the opposition party and movements. I found that the Gezi protesters were despairing. They were frustrated, and they had achieved much less than what they had hoped for. This echoed what I'd been hearing around the world from many other protesters that I'm in touch with. And I've come to realize that part of the problem is that today's protests have become a bit like climbing Mt. Everest with the help of 60 Sherpas, and the Internet is our Sherpa. What we're doing is taking the fast routes and not replacing the benefits of the slower work. Because, you see, the kind of work that went into organizing all those daunting, tedious logistical tasks did not just take care of those tasks, they also created the kind of organization that could think together collectively and make hard decisions together, create consensus and innovate, and maybe even more crucially, keep going together through differences. So when you see this March on Washington in 1963, when you look at that picture, where this is the march where Martin Luther King gave his famous "I have a dream" speech, 1963, you don't just see a march and you don't just hear a powerful speech, you also see the painstaking, long-term work that can put on that march. And if you're in power, you realize you have to take the capacity signaled by that march, not just the march, but the capacity signaled by that march, seriously. In contrast, when you look at Occupy's global marches that were organized in two weeks, you see a lot of discontent, but you don't necessarily see teeth that can bite over the long term. And crucially, the Civil Rights Movement innovated tactically from boycotts to lunch counter sit-ins to pickets to marches to freedom rides. Today's movements scale up very quickly without the organizational base that can see them through the challenges. They feel a little like startups that got very big without knowing what to do next, and they rarely manage to shift tactically because they don't have the depth of capacity to weather such transitions. Now, I want to be clear: The magic is not in the mimeograph. It's in that capacity to work together, think together collectively, which can only be built over time with a lot of work. To understand all this, I interviewed a top official from the ruling party in Turkey, and I ask him, "How do you do it?" They too use digital technology extensively, so that's not it. So what's the secret? Well, he told me. He said the key is he never took sugar with his tea. I said, what has that got to do with anything? Well, he said, his party starts getting ready for the next election the day after the last one, and he spends all day every day meeting with voters in their homes, in their wedding parties, circumcision ceremonies, and then he meets with his colleagues to compare notes. With that many meetings every day, with tea offered at every one of them, which he could not refuse, because that would be rude, he could not take even one cube of sugar per cup of tea, because that would be many kilos of sugar, he can't even calculate how many kilos, and at that point I realized why he was speaking so fast. We had met in the afternoon, and he was already way over-caffeinated. But his party won two major elections within a year of the Gezi protests with comfortable margins. To be sure, governments have different resources to bring to the table. It's not the same game, but the differences are instructive. And like all such stories, this is not a story just of technology. It's what technology allows us to do converging with what we want to do. Today's social movements want to operate informally. They do not want institutional leadership. They want to stay out of politics because they fear corruption and cooptation. They have a point. Modern representative democracies are being strangled in many countries by powerful interests. But operating this way makes it hard for them to sustain over the long term and exert leverage over the system, which leads to frustrated protesters dropping out, and even more corrupt politics. And politics and democracy without an effective challenge hobbles, because the causes that have inspired the modern recent movements are crucial. Climate change is barreling towards us. Inequality is stifling human growth and potential and economies. Authoritarianism is choking many countries. We need movements to be more effective. Now, some people have argued that the problem is today's movements are not formed of people who take as many risks as before, and that is not true. From Gezi to Tahrir to elsewhere, I've seen people put their lives and livelihoods on the line. that today's protesters form weaker virtual ties. No, they come to these protests, just like before, with their friends, existing networks, and sometimes they do make new friends for life. I still see the friends that I made in those Zapatista-convened global protests more than a decade ago, and the bonds between strangers are not worthless. When I got tear-gassed in Gezi, people I didn't know helped me and one another instead of running away. In Tahrir, I saw people, protesters, working really hard to keep each other safe and protected. And digital awareness-raising is great, because changing minds is the bedrock of changing politics. But movements today have to move beyond participation at great scale very fast and figure out how to think together collectively, develop strong policy proposals, create consensus, figure out the political steps and relate them to leverage, because all these good intentions and bravery and sacrifice by itself are not going to be enough. And there are many efforts. In New Zealand, a group of young people are developing a platform called Loomio for participatory decision making at scale. In Turkey, 140Journos are holding hack-a-thons so that they support communities as well as citizen journalism. In Argentina, an open-source platform called DemocracyOS is bringing participation to parliaments and political parties. These are all great, and we need more, but the answer won't just be better online decision-making, because to update democracy, we are going to need to innovate at every level, from the organizational to the political to the social. Because to succeed over the long term, sometimes you do need tea without sugar along with your Twitter. Thank you.

ある時 木に登れば 絶対に見つからないと思ったんです でも木から落ちて腕を折り 胴にギプスをグルグル巻いた格好で 私は小学1年生をスタートしました 6週間後にギプスは取れましたが 肘を伸ばすことができず 肘を曲げ伸ばしする理学療法を 受けるはめになりました 1日100回 毎日欠かさずです 私は退屈だし痛かったので ほとんどしませんでした そのため良くなるのに 6週間余計にかかったのです 何年も経って 母親が四十肩になり 肩に痛みが走り 筋肉もこわばってしまいました スーパー・ウーマンだったはずの母親が 服を着るのにも 食材を切るのにも 突然手助けが必要となったのです 母親は毎週理学療法に通いましたが 私と同じように ほとんど自宅では リハビリをせず そのため良くなるのに 5か月もかかったのです 母親や私が必要とした 理学療法とは 一連の反復運動により 事故やケガで失った 運動機能を回復させるものです 初めは 理学療法士が 患者と一緒に取り組みますが その後自宅でも運動するかは 患者次第です でも患者にとって理学療法は 退屈でイライラする上にややこしく 成果が出るまで時間がかかるのです 自宅でリハビリをしない患者は 残念なことに70%に上ります つまり ほとんどの患者が 運動をしないため 良くなるまでに 遥かに長い時間が かかってしまうのです 理学療法士は 特別な運動をすることで 回復にかかる時間を短縮できるのに 患者側にやる気がないと 口をそろえて言います そこで ソフトウェア・オタクの 私と3人の友人が 「患者さんが― 遊びながら回復できたら 面白いのでは」と考えて作り始めたのが MIRAという パソコンの ソフトウェア・プラットホームです このキネクトの装置や モーション・キャプチャー・カメラを使って 従来の運動を テレビゲームに変えるんです 理学療法士が私専用の治療計画を あらかじめ組んでくれています どのようなものかをご覧ください 最初のゲームの課題は 蜂を上下に飛ばせて 巣に花粉を集めることです 他の虫は避けて進みます 肘を伸ばしたり曲げたりすることで 蜂をコントロールします まさにギプスを外した 7歳の時のようにです ゲームを設計する時 私たちはどんな動きが患者さんに必要かを 理解するため 初めに理学療法士と話します そうしてテレビゲームを作って シンプルでやる気の出る目標を 患者さんに持ってもらうのです このソフトはカスタマイズも自由自在で 理学療法士は 独自の運動メニューも組めます このソフトを使って 私の理学療法士は 肩を外転する自分の動きを 録画しました それは 四十肩になった母親の 練習すべきだった動作の1つです 画面左側にある 理学療法士の動きを追い 右側では推奨された動作をする 自分を見ることができます しっかり取り組めて 自信がついた気がします 理学療法士と横並びで運動するうえ 彼女が私にとって一番いいと考える運動を しているんですからね これによって 応用の幅が広がり 理学療法士が ベストであると考える あらゆる運動を作ることができます これは転ぶのを防ぐための 競売場を舞台にしたゲームで 筋力を強化し 平衡感覚を養うよう 設計しました 立ったり座ったりすることが リハビリ上必要なので 立って 買いたい物に値を付けるのです 立って 買いたい物に値を付けるのです 2日後に祖母は82歳になります 80歳以上の人の半分が 年に少なくとも1度転んで 股関節部損傷などの大怪我を する可能性があります 転ぶ原因のNo.1が 筋力の弱さや平衡感覚の衰えです それらを改善する運動をすることで 祖母のような高齢者がより長い間 より安全に自立して暮らせるのです 計画していたメニューを終えると MIRAが簡潔に このセッションでどのくらい 自分が進歩したか教えてくれます 子ども向け 大人向け 高齢者向けの 3つのゲームをご紹介しました これらは整形外科や神経科の 患者さんに使われますが まもなく自閉症の子ども向けにも用意し メンタルヘルスや言語療法にも 導入するつもりです 理学療法士は 私のプロフィールに戻って 運動中に集めたデータを見られます 私がどのくらい動いて ポイントが何点で 関節を動かした速さなどが 分かるのです 関節を動かした速さなどが 分かるのです これらすべてを理学療法士は 私の治療に生かすことができます 現在これが 欧州や米国の10を超える 医療機関で使用されていることを 私は大変嬉しく思っており 自宅版も開発中です 理学療法士が このデジタル治療を処方して 患者さんが自宅で遊びながら 回復できるようにしたいのです もし母親や私に理学療法が必要な時に こういうツールがあったなら 治療はもっとうまく進み 断然早く回復したかもしれないのです ありがとうございました (拍手) (司会)コスミン ハードウェアが何か教えてください もう片付けてますが... 何がいりますか? コストはいくらですか? お見せしたのは Microsoft Surface Pro 3ですが パソコンと120ドルのキネクトさえあれば 大丈夫です (司会)なるほど キネクトはXboxの3Dゲームで 使われていますよね? そうです Xboxは必要ないですがカメラは要ります (司会)千ドル以下で 問題を解決できるんですね そうです 4百ドルで手に入ります (司会)医療機関での 臨床試験中なんですね はい (司会)臨床試験がうまくいけば 自宅版を作ることができ そうすれば 離れていても運動できて 医療機関の理学療法士が 私の動作などを確認できるのですね その通りです (司会)いいですね ありがとう ありがとう

One time, though, I thought climbing a tree would lead to a great hiding spot, but I fell and broke my arm. I actually started first grade with a big cast all over my torso. It was taken off six weeks later, but even then, I couldn't extend my elbow, and I had to do physical therapy to flex and extend it, 100 times per day, seven days per week. I barely did it, because I found it boring and painful, and as a result, it took me another six weeks to get better. Many years later, my mom developed frozen shoulder, which leads to pain and stiffness in the shoulder. The person I believed for half of my life to have superpowers suddenly needed help to get dressed or to cut food. She went each week to physical therapy, but just like me, she barely followed the home treatment, and it took her over five months to feel better. Both my mom and I required physical therapy, a process of doing a suite of repetitive exercises in order to regain the range of movement lost due to an accident or injury. At first, a physical therapist works with patients, but then it's up to the patients to do their exercises at home. But patients find physical therapy boring, frustrating, confusing and lengthy before seeing results. Sadly, patient noncompliance can be as high as 70 percent. This means the majority of patients don't do their exercises and therefore take a lot longer to get better. All physical therapists agree that special exercises reduce the time needed for recovery, but patients lack the motivation to do them. So together with three friends, all of us software geeks, we asked ourselves, wouldn't it be interesting if patients could play their way to recovery? We started building MIRA, A P.C. software platform that uses this Kinect device, a motion capture camera, to transform traditional exercises into video games. My physical therapist has already set up a schedule for my particular therapy. Let's see how this looks. The first game asks me to fly a bee up and down to gather pollen to deposit in beehives, all while avoiding the other bugs. I control the bee by doing elbow extension and flexion, just like when I was seven years old after the cast was taken off. When designing a game, we speak to physical therapists at first to understand what movement patients need to do. We then make that a video game to give patients simple, motivating objectives to follow. But the software is very customizable, and physical therapists can also create their own exercises. Using the software, my physical therapist recorded herself performing a shoulder abduction, which is one of the movements my mom had to do when she had frozen shoulder. I can follow my therapist's example on the left side of the screen, while on the right, I see myself doing the recommended movement. I feel more engaged and confident, as I'm exercising alongside my therapist with the exercises my therapist thinks are best for me. This basically extends the application for physical therapists to create whatever exercises they think are best. This is an auction house game for preventing falls, designed to strengthen muscles and improve balance. As a patient, I need to do sit and stand movements, and when I stand up, I bid for the items I want to buy. In two days, my grandmother will be 82 years old, and there's a 50 percent chance for people over 80 to fall at least once per year, which could lead to a broken hip or even worse. Poor muscle tone and impaired balance are the number one cause of falls, so reversing these problems through targeted exercise will help keep older people like my grandmother safer and independent for longer. When my schedule ends, MIRA briefly shows me how I progressed throughout my session. I have just shown you three different games for kids, adults and seniors. These can be used with orthopedic or neurologic patients, but we'll soon have options for children with autism, mental health or speech therapy. My physical therapist can go back to my profile and see the data gathered during my sessions. She can see how much I moved, how many points I scored, with what speed I moved my joints, and so on. My physical therapist can use all of this to adapt my treatment. I'm so pleased this version is now in use in over 10 clinics across Europe and the U.S., and we're working on the home version. We want to enable physical therapists to prescribe this digital treatment and help patients play their way to recovery at home. If my mom or I had a tool like this when we needed physical therapy, then we would have been more successful following the treatment, and perhaps gotten better a lot sooner. Thank you. Tom Rielly: So Cosmin, tell me what hardware is this that they're rapidly putting away? What is that made of, and how much does it cost? Cosmin Milhau: So it's a Microsoft Surface Pro 3 for the demo, but you just need a computer and a Kinect, which is 120 dollars. TR: Right, and the Kinect is the thing that people use for their Xboxes to do 3D games, right? CM: Exactly, but you don't need the Xbox, you only need a camera. TR: Right, so this is less than a $1,000 solution. CM: Definitely, 400 dollars, you can definitely use it. TR: So right now, you're doing clinical trials in clinics. CM: Yes. TR: And then the hope is to get it so it's a home version and I can do my exercise remotely, and the therapist at the clinic can see how I'm doing and stuff like that. CM: Exactly. TR: Cool. Thanks so much. CM: Thank you.

セイヤは目の前で少女が倒れているのを見つけたが、すでに生きているとは思ってはいなかった。 なぜなら、セイヤが先ほど行使した魔法は、自分以外のものすべてを消滅させる魔法であり、少女の体が残っているだけでも奇跡に近いから。 少女の体が残っている可能性として考えられることは、少女がとっさに光属性の魔法で自分のことを防御したが、結局セイヤの『闇震』の威力に勝てず、体だけ残してこの世を去ったというところだろう。 闇属性と光属性はお互いに得意とし同時に不得意とする、相対している属性である。 拮抗すの属性は最終的に魔法の威力で勝敗が決するため、セイヤの全魔力を使って行使した『闇震』はかなりの威力だった。 セイヤの使った『闇震』は闇属性上級魔法に分類される強力な魔法であったが、その魔法を使う魔法師はほとんどいない。 なぜなら『闇震』は魔法師の全魔力を代償にして周囲のすべてを無差別に消滅させる魔法であり、ほとんどの場合が自爆や、相手を道連れにする際に使われる魔法だから。 、セイヤが最初に使った魔法は闇属性初級魔法『闇波』と言い、闇属性魔法の中でも基本中の基本の魔法である。 魔法師が消滅させたいと思う対象だけを消滅させることができる魔法であり、その中でも最大の特徴は、詠唱までも消滅させることができるというところだろう。 闇属性を使う魔法師の中でもレベルの高い魔法師は、他の魔法を使う際に、複合魔法と同じような感覚だが、微妙に早いタイミングで『闇波』を行使して、本当に行使したい魔法の詠唱を消滅させることが出来る。 これは理論上の無詠唱だ。先ほどセイヤが『闇震』を無詠唱で行使できたのもこれが理由であった。 しかし、レベルの低い魔法師が同じことを行おうとした場合、タイミングが合わず、本来行使したい魔法自体を消滅させてしまい、ただ魔力を発散させるだけになってしまう。 このことからセイヤのレベルがどのくらい高いかがわかる。 そんな時だった。 「なに?」 目の前ですでに息を引き取ったと思われる少女が動いたことに、セイヤは驚いた。 「どういうことだ......」 セイヤは自分の全力に近い『闇震』を受けても生き残った少女が何者なのか気になったため、少女に近づく。 しかし倒れている少女に近づくセイヤの動きには、少女に対する警戒がかなり含まれている。それは少女が何者かわからない以上、隙を作るわけにいかないから。 いつでも闇属性を行使できる状態でセイヤは少女に話しかけた。 「おい、大丈夫か?」 「............」 「んっ......」 セイヤの呼びかけで少女が目を覚ます。 少女が目を覚ましたことにひとまず安心を覚え、セイヤはそこで初めて少女の全身を視界にとらえた。 目を覚ました少女は、スラッと伸びた色白の手足に、見る者を魅了するほど綺麗な赤い瞳、さらさらと艶のある白く長い髪に、端正な顔たちをしており、その少女はお世辞抜きで、絶世の美少女だった。 だが、たとえ絶世の美少女だろうとも、セイヤは警戒を解かない。すると少女が初めて言葉を発する。 「............誰?」 その声は澄んでいて、とてもきれいな声だった。 セイヤはそんな少女に自分の名前を言う。 「俺か? 俺はセイヤ、キリスナ=セイヤだ。お前は?」 セイヤが自分の名前を名乗ると、少女も小さな声で自分の名前を言う。 「ユア......ユア=アルーニャ」 「ユアか。ユア、どこか痛いところとかはないか?」 セイヤはすぐにユアの身体に違和感がないかを確認する。 別にセイヤは戦闘狂でもなければ、人を殺すことに快感を覚えているわけでもない。 一応、人は死なないほうがいいと思っているし、自分もあまり人を殺したくないと思っている。だからセイヤはユアのことを心配していた。 「大丈夫......」 「そっか、それはよかった」 ユアの言葉を聞き、セイヤは一安心する。けれども、セイヤはまだユアに対する警戒を解かない。 それにいくら魔封石があるからといって、セイヤの闇属性に対抗しうる光属性を持っていれば、逃げることは容易だ。 なので、セイヤはそこらの事情をまとめてユアに聞く。 「なんでユアは捕まっていたんだ?」 「油断していた......いきなり後ろから薬品を嗅がされて、気づいたら閉じ込められていた......でも急に全部消えた......」 ユア曰く、彼女はアクエリスタンに住んでいるの魔法師で、魔法学年二年の学生魔法師であり、学園からの帰り道で油断していたところを誘拐されたそうだ。 ユアの説明を聞き、セイヤは驚愕する。それは油断して捕まったことでもなければ、薬品ごときに負けたことでもない。 ユアが十六歳で、セイヤの同級生という事だ。 ユアの見た目は確かに美少女であるが、その外見はどう見たって訓練生にしか見えない。纏う雰囲気がどこかボーっとしているせいかもしれないが、初見で十六歳と見破ることはできないであろう。 そんなユアがセイヤのことを見つめる。 ユアの綺麗な紅い瞳が無表情なユアの表情をどこか神秘的にしており、セイヤはユアの視線に居心地の悪さを覚えた。 「なんだよ? そんなにジロジロ見て」 「セイヤは......私よりお兄ちゃん......」 「まぁ、そうだな。同級生だけど」 しかしユアという少女はセイヤの想像を絶する存在だった。 「だから家まで送って......」 「———————————はっ?」 急に何を言い出すのか............セイヤは全く理解ができなかった。 「家まで送って......」 「いや、まて。なぜそうなる? ユアも魔法師なら一人で帰れるだろ。しかも俺が年上だとしても学年は変わらないだろ? ふつうそれは同い年というのだが......」 常識を超えるユアの要求に、セイヤは何と言えばいいかわからない。 だがそんなセイヤにことを置いて、ユアは説明を続ける。 「学年は一緒でもお兄ちゃんはお兄ちゃん......今はセイヤが十七歳......私は十六歳......セイヤの方がお兄ちゃん。それに一人じゃ無理......」 そんな答えにセイヤは唖然とする。よくわからない理論を言われた上に、一人じゃ帰れないから家まで送れというのだ。 いくらユアが少女だとしても、ここから近くにあるフレスタンに戻れば、いくらでもアクエリスタンに帰る手段はある。 教会に行けば手続きをしてくれるはずだし、アクエリスタンに入ればもう家に着いたも同然だ。なのに、ユアはなぜか無理と言った。 仕方なくセイヤはユアに聞くことにする。 「ダリス大峡谷を通るから......」 今度こそセイヤは完全に言葉を失い、目の前の少女のことを理解できなくなる。 ユアの言ったことは常人の考えでは到底考えつかないほど、ぶっ飛んでいることだから。 「ダリス大峡谷ってあの暗黒領にある超強い魔獣達がいるっていう?」 「そう......」 どや顔で答えるユア。 なんと彼女は強力な魔獣たちの巣窟であるダリス大峡谷を通ると言い出したのだ。 ダリス大峡谷とはフレスタンとアクエリスタンの境界線の延長上にある大峡谷のことであり、強力な魔獣の住処として知られている。 また、なんでもウンディーネも住んでいるという噂があり、人々は絶対に近づかない場所だ。 ダリス大峡谷に行った者は絶対に帰ってこないという噂はレイリア王国でも誰が知っていることである。 昔、どこかの馬鹿な魔法師達がウンディーネを探しに行き、ダリス大峡谷の魔獣達に追いかけられて死んだ挙句、その魔獣達がフレスタンに進行したという事件があったぐらいだ。 なのに、なぜ彼女はダリス大峡谷を通ろうとするのか、セイヤには理解できない。はたしてユアにどのような理由があればそのような考えに行き着くのか。 「なんでドヤ顔なんだよ! 普通にフレスタンから帰ればいいじゃないか」 「無理......私は多くの人が苦手......人が多いところは一人で通れない......。だから人のいないダリス大峡谷を通る......ということでセイヤ着いてきて......」 何を言っているのか全く分からないユアに唖然とするセイヤ。 要約すると、ユアは人混みが苦手だから人のいないダリス大峡谷を通って境界を越えたいと言っているのだ。ダリス大峡谷には強力な魔獣たちがいるというのに。 「いや、それこそ無理だから」 当然、セイヤはそんな提案に乗る気はない。どうにかして生き残れたというのに、これからまた自殺行為をする気などセイヤには毛頭なかった。 「なぁ、俺が一緒に行けばフレスタンから帰れるのか?」 一人がだめなら二人で行けばいい。だがこのとき、セイヤはユアという人間の考えを完全には把握できていなかった。 「ダメ......セイヤはフレスタンに着いたらそのまま消えるかもしれない......。だから逃げられないダリス大峡谷に行く......もう決定事項......セイヤも着いてくる......」 頑なにダリス大峡谷を通ろうとするユア。いくら人混みが苦手だからといって、それだけであのダリス大峡谷を通ろうとするとは考えられない。 再び、セイヤの中でユアに対する疑念が生じ始めた。 セイヤがユアのことを疑い出したように、ユアもまた、セイヤのことを心の底から信頼しているわけではない。 ユアにはある秘密がある。もし、その秘密がセイヤに知られてしまったら、セイヤはどのような行動をとるかわからない。 だからこそ、ユアはダリス大峡谷を通るという方法を選んだのだ。 しかし、例えユアがどう思っていようとも、セイヤには認めることが出来ない。なによりよくわからない少女とダリス大峡谷に行くなど自殺行為である。 「まてまて、逃げないから、しっかり家まで送るから。だからフレスタンに行こう。なぁユアもう一度考え直せ」 「信じられない......それにダリス大峡谷に行くのはセイヤのためでもある......」 「なっ......」 ユアの言葉を聞き、一瞬にしてセイヤの表情が変わった。 「俺のため?」 「そう......セイヤが持っている闇属性は人目に付くと大変......」 「なぜ闇属性魔法のことを知っている?」 セイヤの纏う雰囲気が一瞬にして変わった。 なぜ目の前の少女は闇属性の存在を知っているのか。闇属性の存在は聖教会の中でも一部の人間しか知らない超機密事項であり、聖教会が必死に隠しているものである。 セイヤはもしかしたらユアはダクリアから送られてきたスパイではないかと考えたが、すぐにそんなことは無いと理解する。 もしユアがダクリアのスパイだというのであれば、ユアの選んだ人は相当の馬鹿だから。 ユアの性格はスパイをするには向いていない。ダクリアが送り込んでくるスパイならもっとしっかりとしている人のはずである。 セイヤがそんなことを考えていると、ユアがどこで闇属性を知ったのかを言う。 「お父さんから聞いたことがある......でも本物を見たのはさっきが初めて......」 「ユアの父さんって何者だよ?」 「お父さんはすごい人......」 興味深い話にセイヤは考える。ユアの父親は闇属性の存在を知っている。それはつまり、セイヤ以上にレイリアとダクリアの関係について知っているかもしれない。 もしかしたら、セイヤのまだ思い出せてない記憶のヒントになるかも、セイヤはそう考えた。 実はセイヤはまだ記憶をすべて取り戻したわけではない。さっき取り戻した記憶はセイヤまでの記憶で、まだ八歳から十歳の記憶を思い出せていなかったのだ。 たしかにセイヤの闇属性は人目に付くと危ない。下手をしたらレイリア王国に入った瞬間に、たくさん魔法師から攻撃をされるかもしれない。 そうなってしまえばセイヤの人生は終わりだ。 それにユアの父親が気になる。闇属性魔法の存在とその対処法を知っている存在。いったいユアの父親は何者なのか。 今のセイヤにとって闇属性は最大の懸念材料だ。もしウィンディスタンに戻っても、その存在を知られてしまった場合、どうしていいかわからない。 だがユアに着いていけば見つかるリスクが低く、安全にレイリア王国に入ることができる可能性がある。 ダリス大峡谷は確かに危ないところだ。しかし今のセイヤには闇属性という強力な力がある。 場合によっては、強力だが単純な魔獣より、非力だが頭の利く人間の方が厄介かもしれない。それなら力技でどうにかなるダリス大峡谷を通る方がいいだろう。 それにもしユアが裏切ったりしても、その時は闇属性ですべてを消滅させればいい。 だからこそ、セイヤは覚悟を決めた。 「わかった、ダリス大峡谷に行こう」 「ありがとう......」 こうして、二人はダリス大峡谷に行くことになった。

Seiya found a girl lying down in front of him, but he did not think she was still alive. Because the spell that Seiya cast earlier is a spell to extinguish all things other than the user, the fact that this girl’s body remains is close to a miracle. What can be thought of as the reason for that is that the girl defended herself with light magic, but in the end could not overcome the power of Seiya’s『Dark Tremor』, leaving only the body intact. The dark attribute and the light attribute are attributes that are mutually good and bad against each other In the end, the winner is decided by the power of the spell itself, and the 『Dark Tremor』casted by Seiya didn’t lack in power. 『Dark Tremor』 is a powerful high-level spell of the dark attribute, but few magicians use this spell. Because 『Dark Tremor』is a spell which annihilates everything in the surroundings indiscriminately at the price of all of the magician’s magical power, it’s mostly used for suicide bombing. At the same time, the spell used by Seiya in the beginning『Dark Wave』is an elementary spell and it is a basic of the basics of the dark attribute. It is a spell that will eliminate only the object that the magician wishes to destroy, and the greatest feature is a possibility to destroy the chant. Among the magicians who use the dark attribute, high-level magicians while casting complex spells, use 『Dark Wave』at precise timing, doing so they can eliminate the chant of that spell. This is a theoretical chant omission. And this was the reason why Seiya was able to cast『Dark Tremor』 without a chant earlier. However, when a low-level magician attempts to do the same, the timing may not match, and the spell that he/she intends to manifest is getting extinguished itself. From this Seiya’s level could be seen. It was at this time. 「What?」 Seiya was surprised at the fact that a girl who seemed to have already taken her last breath started moving, right before his eyes. 「Just what is happening......」 Seiya approaches the girl since he was interested about the way the girl survived after receiving the『Dark Tremor』with full force. But Seiya’s movement contained a lot of wariness against the girl. As long as he doesn’t know her identity, he doesn’t dare to leave an opening. Being ready to cast at any time, he talked to the girl. 「Hey, are you in one piece?」 「............」 「Mm......」 The girl opens her eyes hearing Seiya. For the moment he felt relieved and then carefully examined her with his eyes. The girl stretched her slender white limbs, she had beautiful red eyes that fascinate the viewer, beautiful shiny white hair, and neat face. Calling her extremely beautiful won’t be a flattery. But even facing an absolutely beautiful girl, Seiya was still on high alert. Then the girl said her first words. 「............Who?」 The was very clear and beautiful voice. Seiya tells his name to her. 「Me? I am Seiya, Kiritsuna Seiya. And you are? 」 When Seiya names himself, the girl also follows suit in a small voice. 「Yua.....Yua Arunia」 「Yua then. Are you hurt somewhere? 」[] Seiya immediately tries to confirm her body condition. Seiya is not a battle maniac, nor does he finds pleasure in a slaughter. He thought it is better for people to live than to die, and he didn’t want to kill too many people too. That’s why he was worried about Yua. 「I’m fine.....」 「I see, that is good」 Listening to her words, Seiya rests assured. But he is still wary against Yua. Besides, if she is that powerful she could have escaped the range of the spell easily. So, seeking answers Seiya asks the girl. 「Why were you captured here?」 「I was careless ... ... they approached from the back and drugged me, when I noticed, I was already trapped ... and then everything disappeared ......」 She said that she is a years old magician living in Aquaristan, a student of the second year in the magic academy, and was kidnapped on the way back from the school. Listening to her explanation, Seiya was amazed. He was neither being sneak attacked nor drugged by medicine. Yua is sixteen and she if and of the school year as Seiya. Her appearance is that of a beautiful girl, but she gives off the impression of a trainee. It is hard to guess that she is sixteen on the first look. Such Yua is staring at Seiya right now. Her beautiful red eyes make her expressionless face somewhat mysterious, Seiya felt uncomfortable looking at them. 「What is it? You are staring too much」 「Seiya is seventeen ......so you are my older brother ......」 「Well, that’s right. Although we are in the same year」 But the girl named Yua was an unimaginable existence to Seiya. 「That’s why, walk me home.....」 「———————————What?」 What did she say?............ Seiya could not understand it at all. 「Walk me home......」 「Wait a little. Why is this happening? If you are a magician, you can go home alone. We are even of the same grade. Although I’m older ... ...」 To her request that disregards common sense, Seiya did not know what to say. But, Yua proceeds with her explanation. 「The grade is the same but older brother is older brother ... Seiya is seventeen years old ...... I am sixteen years old ... Seiya is an older brother. Besides, it is impossible alone......」 Seiya blanked at such an answer. Using logic, he couldn’t understand Yua asked him to walk her home. No matter how much of a girl you are, there is a way to return to Aquaristan from the Freestan, which is close by. If you go to church you will be able to do finish the procedures, and as soon as you arrive at Aquaristan you are as good as home. Yet, she said she could not do it for some reason. With no other choice, Seiya asked her himself. 「Because of the Great Dalis Canyon」 This time Seiya’s brain mouth gave up on him, he couldn’t understand her at all. Thinking about her words, it is hard to understand the whole picture. 「Great Dalis Canyon. Is it the place with lots of super strong magical beasts walking around?」 「Yes......」 She answered with a spaced-out look on her face. She suggested walking through the Great Dalis Canyon, a den of powerful monsters. The Great Dalis Canyon is situated in between Freestan’s and Aquaristan’s borders and is known as a monster den. Also, there is a rumor that Undine is living there, people refuse to approach that place. The rumor says that people who went into the canyon never came home, everyone in the Leiria Kingdom knows that In the past, there were cases where some stupid magicians went searching for Undine, but they died after being chased by monsters in the Great Dalis Canyon, the monsters then proceeded to Freestan. Seiya couldn’t understand why is she going through the Great Dalis Canyon. What kind of reason can force you to go inside on your own volition? 「Why, for god’s sake! Can’t you just return by common route?」 「This is impossible ...... I am not good with people ...... I can’t pass where there are many people.......I need to go through the Great Dalis Canyon, where no one is ......so escort me, Seiya......」 Seiya is stunned and doesn’t know how to respond. To summarize, she is saying that she wants to pass through the Great Dalis Canyon, where there are no people because she is not good with crowds. Even though there are strong monsters in the Great Dalis Canyon. 「No, THIS is impossible」 Naturally, Seiya does not want to go with that proposal. Although he managed to survive somehow, he didn’t want to commit suicide yet. 「Hey, if I come with you to Freestan will that be fine?」 If you can’t do it alone, let’s do it together. However, Seiya still could not comprehend the person called Yua. 「No ... ... if we arrive at Freestan Seiya might disappear .... So I will go to the Great Dalis Canyon... ... it is already decided ... ... Seiya, escort me ...」 Yua dared to pass through the Great Dalis Canyon. How much does she hate crowds to the extent of trying to pass through the infamous Great Dalis Canyon by herself. Again, doubts sprouted in the mind of Seiya. Like Seiya was on guard against Yua, Yua also does not trust Seiya from the bottom of her heart. Yua has a secret. If the secret is known to Seiya, she can’t predict his reaction. That is why she chose to pass through the Great Dalis Canyon. Whatever she thinks inside her head, Seiya doesn’t understand. It is a suicide to go through the Great Dalis Canyon with a strange girl around. 「Wait a little, I won’t run anywhere, I will properly walk you home. Let’s go to Freestan, please consider it」 「I don’t believe you......besides, going through the Great Dalis Canyon is also for your sake......」 Listening to her words, Seiya’s expression changed in a blink of an eye. 「For my sake?」 「Yeah......if people discover your dark attribute you will be in trouble......」 「Why do you know about the dark attribute?」 The atmosphere around Seiya changed drastically. Why does she know about the existence of the dark attribute? The existence of the dark attribute is a very confidential matter, only some people in the church and powerful clans are aware. Seiya’s first thought was that she is the spy from Dakuria, but he quickly dismissed that thought. If you are saying that she is a spy from Dakuria, then you are probably an idiot. Her character is not suitable for spying. Dakurian spy should be more competent than this. When Seiya contemplates such a thing, Yua explains why she knows of the dark attribute. 「I heard from my father ...... But it’s the first time seeing the real thing....」 「Who is your father?」 「An amazing person ...」 Seiya mulls over her story. Yua’s father knows the existence of the dark attribute. That may mean that he knows about the relationship between Leiria and Dakuria more than Seiya himself. Or perhaps he just can’t remember it. Actually, Seiya has not regained all of his memory yet. A while ago he got back his memory up to eight years old, but could not remember the memory from eight to ten years old yet. Certainly, Seiya’s darkness attribute is dangerous if it is known. He may be attacked by many magicians the moment he enters the Leiria Kingdom. If that happens, his life is over. Also, he is interested in Yua’s father. He knows of the existence of the dark attribute. Just who is her father? The dark attribute is the biggest concern for Seiya. If he returns to Windistan but ends up revealing himself, he can’t predict the consequences. However, the risk of going with Yua is low, in Freestan there is a possibility that you can fail to enter the Leiria Kingdom safely. The Great Dalis Canyon is indeed a dangerous place. But now Seiya has a strong power of dark attribute. In some cases, weak but smart people are much more dangerous than powerful but simple monsters. In that case, it would be better to go through the Great Dalis Canyon, relying on his own power. Besides, if Yua betrays him it is okay to just erase her with the dark power. That is why Seiya decided to accompany her. 「All right, let’s go through the Great Dalis Canyon」 「Thank you......」 In this way, they decided to go to the Great Dalis Canyon.

クファルは俺が目を瞠るほどの速さで、街中を駆け抜けていく。いや、足がないので這いずっていくといった方が正しいか。 それを見失わないように追いながら、俺は少し疑問を持っていた。 もっともこの街の中心は世界樹があるので、中心部という言い方は間違いかもしれない。 とにかく、そっちは街の外とは正反対の方向で、逃げるにしても不適当と言わざるを得ない。 「まさか、迷宮に逃げ込む気か?」 世界樹の中には、数百層にも及ぶ伝説の大迷宮が存在する。 神話の中ではこの迷宮を踏破した者は不老不死が与えられるとあり、かつては後に竜神と呼ばれたバハムートや、魔王と呼ばれる存在がこれを目指して登頂したらしい。 しかし破戒神が世界樹を半ばでへし折ったために、この神話の事実を確認できなくなってしまった。 「いや、スライムであるあいつなら、何かを取り込むことで自身を強化できるのかもしれないな」 分体を操作できるようになったように。この速度で動ける身体能力を得たように。 俺に追い詰められた現在、その打開策として新たな能力に期待しているのかもしれない。 かなりの距離を逃げられたため、すでにかなり中心部に近くなっている。しかし迷宮の入り口には、まだかなり距離があった。 近くには小さな教会があり、人目は全くと言っていいほど存在しない。いや、民家すら存在しない。 世界樹の近くは落下物があるため、世界樹と街の間には多少距離が開いている。 「もう鬼ごっこは終わりか?」 「ああ、もう終わりだ。レイド、お前もな」 「なに?」 周囲には人目はない。教会の中に数人の気配は感じ取れるが、特に変わった動きは―― 「いや、なんだ、これは!?」 前世の俺だったら気付かなかっただろう。魔法が使えるようになった今だからこそ気付ける、魔力の流れ。 「生きて帰ることができたのなら、ライエルに警告してやるといい。自決用とはいえ、僕の分体を放置するなんて、自殺行為だとね」 「この距離から、操作したというのか!」 「ただ操作したわけじゃない。魔法陣を描くように動かした。そしてその中には絶望に染まった生贄がいるもな!」 俺は宿でコルティナから聞いた話を思い出した。 昼間、俺が捕まえた男と、ライエルたちが捕まえた男。二人の捕虜を小さな教会で『尋問』したと。 つまり今、彼らに生き延びる道はない。それは紛うこと無き『絶望』ではないのか? 男は、正気すら手放していると聞いている。 そして魔神召喚において、生贄の絶望は大きな要素となり得る。 「まさか、お前......仲間を生贄に!」 「分体を動かして牢獄内に魔法陣を描かせた。生贄もある。魔力は......まあ、生贄本人から提出してもらおう。星の位置が少々悪いが、狂気がそれを補ってくれるだろうさ」 くふふ、と邪悪な笑顔を浮かべるクファル。 同時に教会の地下から凄まじい瘴気が漏れ始める。 「なんだ、これは......」 「どうやら当たりを引いたようだね。なにが出たかな?」 「ふざけ――」 俺の言葉は、そこで止められてしまった。教会の中から複数の悲鳴が聞こえてきたからだ。 続いて建物を破壊する破砕音と足音。遅れて飛び出してくる兵士。彼らは俺たちには目もくれず、蜘蛛の子を散らすように逃げ出していく。 響いてくる足音の大きさと間隔から、かなりの巨体と推測できる。暢気に構えていていい相手じゃなさそうだった。 やがて教会の門が内側から吹き飛ばされ、召喚された魔神が月明かりの下に姿を現した。 そしてだらりと下げられた腕には、二本の大剣が握られていた。 「ま、さか......」 もう一体、後ろから姿を現す。 「くふ、くふふ......まさかまさか、こんな巡り会わせってあるもんだねぇ!」 半ば狂気に染まった喜びを隠そうともしない、クファルの声。 地響きを立てて現れた魔神。それは前世の俺を死に追いやった、あの双剣の魔神だった。 「しかも二体! どうするレイド? 君は今回も勝てるかなぁ? ヒヒ、ヒハハハハハハハ!」 耳障りな笑いを続けるクファルに、俺は糸を飛ばす。 しかし奴も同じミスを二度もするはずがない。その攻撃を読んでいたのか、ひらりと身を躱して逃亡に移った。 魔神の前にクファルを倒すべく、後を追おうとしたが、魔神の方がそれを許さなかった。 「グルルルルウルルルルァァァァァァァァァ!」 二体揃って叫びをあげ、殺意を漲らせて俺に向かって迫ってきたのだ。

Perhaps by abandoning his newly-obtained body, his agility increased even further. He was running through the city so fast it made me open my eyes wide in shock. Or well, he had no legs, so it was better to say that he was crawling. I chased to not lose sight of him, while holding some doubts. He was running towards the World Tree. In other words, to the central part of the city. The World Tree was the center, though, so perhaps calling it the city’s central part was a little incorrect. At any rate, that was opposite of the city exit, so I couldn’t help but think it was quite unfit for a place to run to. “Wait, does he plan to get inside the Labyrinth?” The World Tree had a legendary Labyrinth with hundreds of floors. Within the mythology, it was said that whoever conquered this Labyrinth would gain immortality, so various beings, like Bahamut, who later became known as the Dragon God, or the Demon Lord, apparently aimed for it and climbed to the top. However, the God of Destruction had snapped said World Tree in half, so no one could confirm whether the mythological events were true. In other words, at present, the only merits of climbing this Labyrinth were the items you could obtain inside. “No, a Slime like him might strengthen himself by absorbing something.” Just like how he became able to control his body parts. Or the movement speed that he gained. Now that I have cornered him, he might be planning to aim for some new ability to overcome this situation. If so, it would be bad to let him escape like this. Just as I was considering using my threads to overtake him, Kufar suddenly stopped. As he had fled for quite a distance, we were pretty close to the central part already. But the Labyrinth entrance was still far away. There was only a small church nearby, with practically no human presence. Or rather, there weren’t even private houses around. As things fell near the World Tree, there was some distance between it and the city. That church stood further deep inside the inner border of the city. “Are we done playing cat and mouse?” “Yeah, this is the end. For you too, Reid.” “What?” There was no one around. I could feel a few people inside the church, but they weren’t making any— “Wait, what is this?!” The presences weren’t moving. However, the magic power was concentrating bizarrely there. I of the past life would’ve probably failed to notice it. But now that I could use magic, I could see it—the flow of magic power. It was flowing towards the church’s basement. “If you manage to return alive, give Lyell my words. That it was suicidal to leave my body parts be, even if it was just something used for suicide.” “You’re saying you manipulated it from this distance?!” “Not just manipulate. I made it to draw a magic circle. And within it are sacrifices that have fallen into despair. Two of them!” I recalled the information I heard from Cortina at the inn. She told me they ‘questioned’ the guy I caught during the day and the one Lyell and Maria caught, in a small church. They could not escape the death penalty, but they spit out the information to escape from the suffering. In other words, they had no more hope for survival. That would undoubtedly be considered , wouldn’t it? I heard one of them had even lost his sanity. And when it came for the Devil summoning, how much despair the sacrifices felt was a major factor. “It can’t be, you... You’re planning to sacrifice your comrades!” “I made my body part draw the magic circle inside the prison. I have sacrifices too. As for the magic power... Well, I’ll just use them from the sacrifices. The star positions are a little bad, but their madness should make up for it.” , he chuckled sinisterly. At the same time, I felt a tremendous miasma leading from the church’s basement. “What is this...” “Looks like it was a success. I wonder what we got here?” “Stop mes—” My words stopped at that. Because I heard several screams from the church. Following it, came sounds of footsteps that were destroying the building. With a little delay, soldiers rushed out. They didn’t even look at us and scattered everywhere. From the reverberating footsteps and the interval between them, I guessed that it was something big. It was not an opponent I could carelessly charge at. Before long, the church’s gate was blown off from the inside, and the summoned Devil revealed its body under the moonlight. It stood over three meters tall. It was on the smaller side for a monster, but the strength lurking within could rival even the Giants. And in its dangling hands, it held two longswords. “It can’t...be...” It wasn’t the only one either. Yet another one appeared from behind. “Pfh...khaha... I can’t believe it! To think we would have such a fateful meeting here!” Kufar spoke, not even hiding his half-maddened delight. The Devil appeared as the earth trembled. It was that same devil that drove me to death in my past life. “And there’s two of them! What will you do, Reid? Can you win again, huh? Hihi, HIHAHAHAHAHAHA!” I swung my threads at Kufar who was laughing with jarring laughter. But he would not make the same mistake either. He seemed to have read my attack and nimbly dodged it and continued to escape. I tried to chase after him before before defeating the Devils, but the Devils did not permit it. “GRAAAAAAAAAAAHHHHH!” The two raised cries and charged towards me bursting with murderous intent.

話を聴き終わってため息をついてしまった俺は悪くない、と思う。ノイラートがそれをフォローするように続けた。 「敵もあからさまにはこっちに背中は向けられない、と」 「はい。それに各貴族家の方も臆病ではありませんので、指揮階級の方々には戦意があるのです。むしろ意欲のありすぎるものを抑える事さえあります」 「さすがにフィノイを敵の手に渡すわけにはいかない、と言う点では将兵が共通の意識を持っておりますから」 シュンツェルが付け加えた内容まで聴いて頭痛を感じてしまう。王国軍にはとりあえず敵には自由にさせない以外の共通目的がないのか。 「公爵の目論見が半分は当たっているようだな。問題はどこでいつまで膠着していられるか、か」 「は?」 ノイラートとシュンツェルがよくわからない、と言う表情を浮かべた。ちょっと飛躍しすぎたか。こっち間ぐっすり寝て考える時間があったからな。体動かせないんで考えるしかなかったと言うか。 「順を追って考えてみるとしよう。まず二人もヴァレリッツの様子は見たな」 「はい」 「忘れられません」 そう、ヴァレリッツの住民を含む生き物は文字通りむさぼり食われていた。つまり爬虫類軍は死霊兵と異なり物を食うんだ。 「連中も食事はする。だが王国軍が野戦陣で半包囲しているとなると敵は食い物を狩りには行けない」 王国軍の将兵を餌とする考え方もあるだろうが、草食動物じゃないんだから向こうにも損害は出る。奴らは人肉食うのに抵抗はなかろうが王国軍の将兵だって一方的に食われる気はないからな。 そうなると敵だって食料が潤沢と言うわけでもないだろう。戦場で王国軍の将兵を食っていたというのは、案外敵も腹を空かせているのかもしれない。 「ということは野戦で敵を兵糧攻めにしていることになる。ここまではいいんだ」 こっち側の問題。まずフィノイの大神殿。そりゃ少しは備蓄もあるだろうが果たして長期の籠城に耐えられるのか? と言う問題がある。 それにもともと神官とかには荒事向きの性格してない人も多いし、長期戦になるとダレてしまう危険性も高い。早く助けに来いと王国軍が煽られる可能性もある。 「そして王国軍。相手を飢えで消耗させるという選択肢はありだったと思うが、こっちも兵数が多すぎる」 一部貴族の方々がやる気出しすぎたんだろう。人間はゲームのように決まった予定通りには動かない。もとはと言えば脳筋世界である上に、宰相閣下が緊急出動令を出したことにもあると思うが、敵の狙いがフィノイだったということもあるだろうな。 現状では王家や貴族と神殿の関係は悪くないが、王権と神権で権力のいがみ合いが発生することはままある。神殿側に恩を押し売りするのにいい機会だと思った面は間違いなくあるだろう。疫病とかが発生した時には僧侶系の魔法が頼りになることもあるから、神殿に恩を売りたい気持ちはわかる。 もう一つの理由に関しては想像だけなんで今は言及しないでおこう。 ヴァレリッツの街ひとつ食いつくすほどの食欲だ。フィノイに向かうまでも遭遇したものは何でも食いつくして来ているに違いない。軍に合流する前に確認したデンハン村も酷い状態だったし。見た目爬虫類の癖に軍隊アリだなまるで。 彷徨う魔物 と魔将の直属は別物なんだろうか。実際、人間から見れば全部魔物には違いないが、人間同士で国ごと、階級ごとにいさかいがあるように魔軍にもなにかこう格差のようなものはあるのかもしれない。この辺は正直謎だが魔物に聞いたって答えてくれるとも思えんしなあ。 それはともかく、王国軍は緊急出動なんで補給面はどうしても後手に回っているだろうし、魔物を狩るという現地調達の手段が失われ、フィノイ近隣で大軍の拠点になりえたヴァレリッツは崩壊状態。 「敵を飢えさせているつもりがこっちまで飢えそうになっている、って言うんじゃ笑えない。陛下や王太子殿下も苦労されているんじゃないか」 「王太子殿下が?」 「ここにいないのが何よりの証拠だ」 国王陛下自身はこういう時は指示を出すだけだからな。補給面での手配、外交面での対応、兵がごっそりいなくなった貴族領の状況の確認。おそらく王太子殿下や担当の軍務大臣あたりは王都から離れられないほどやることがあるに違いない。 むしろここまで物資が不足気味でも飢えてないあたり殿下の手腕がすげぇ。あの人実は天才なんじゃね。 「外交、ですか?」 「フィノイは別にわが国だけの大神殿じゃないぞ」 前世で言えばバチカンみたいなもんだ。他国からもフィノイには巡礼が来る。情報伝達速度にもよるとはいえ、当然ながらこの状況は少しずつ近隣国にも漏れているだろう。多分王太子殿下とか外務大臣とかは情報封鎖に忙しいはず。 それにしても考えてみれば、外国からの巡礼者も通るアーレア村はもっと大きくなっててもおかしくないんだよなあ。あの村長じゃ無理か。落ちた金を何に使ってたんだろうね。 「フィノイの状況が伝われば近隣国も出兵の意向を見せてくるだろう。けど現状はご覧のありさまだ」 この世界だとよほどの状況でもなきゃ援軍に対しては食料などの提供をしなきゃならない。この場合、相手が魔軍なのだからこっちが食糧出すのが当然となるだろうが、現状自軍ですら食料が危険な状態だ。 これで義勇軍と言う名目で数が増えでもしたら補給線の問題で戦線が崩壊する。なまじ宗教が絡んでるんでいつまでも拒否し続けるわけにもいかんだろうし。 それに何より近隣国にしてみればここでヴァイン王国に恩を売るチャンスでもある。利用できるときは利用し、恩を売れるときは売り、敵対するときは敵対する。外交なんてそんなもんだ。指導者と指導者個人の関係はどうあれ、国と国なら国益が優先される。 なんてもんはローマによる安定が周辺国にとっても都合がよかった時代の産物でしかないからな。 「想像だがそうだなあ、長くても二〇日程度で決着付けたほうがいいだろうな。それまでになんかいい手があれば」 いいけどね、と言いかけたら交代したばかりの衛兵の内、片方が笑い出し......え・い・へ・い? えーと。 俺の視線に気が付いたのだろう、後ろにいた二人が衛兵が被る量産品の兜を脱ぐと見覚えのある顔がそこにあった。ノイラートとシュンツェルが硬い表情してたのはこのせいか。 「どうかね公爵、子爵の見識は一〇代のものではなかろう」 「うむ。ヒルデア平原の勝利が子爵の手によるものだというのも理解せざるを得ぬ」 まあ確かに前世も含めれば俺の人生経験は一〇代じゃありませんがね。 セイファート将爵閣下とグリュンディング公爵閣下、なんでまた衛兵の格好してまでこんなところにいらっしゃったんですか。

After I listened to their story, I sighed. Then, Neurath continues, “Well, if the enemy begins to aggressively attack the Great Temple, then our army will probably begin to take an offensive stance.” “You meant to say that our enemy won’t be able to just turn a blind eye to our army?” “Yes sir. After all, the nobles in the frontline aren’t cowards, so the army commanding officers have the desire to fight. There’s even an incident where a noble needed to be surpressed because he was too eager to fight.” “As expected the entire army all thought that we cannot let Finnoi fall to the enemy’s hand,” Schunzel added. Listening to their story makes my head hurt. Doesn’t this mean that the only common goal of our army on the frontline is to prevent our enemy from moving freely? amazingly “It seems like the Duke’s plan is now half-complete. The problem now is just how long we can keep the situation in a stalemate.” “Pardon?” Neurath and Schunzel looked at me in confusion. Ah, right, I skipped too many steps. Unlike them, I’d been stuck in this place for the last days so I had plenty of time to think. Or rather, I was “I’ll explain it step-by-step. First, you both remember the state of Valeritz, right?” “Yes.” “I will never forget it.” Yes. Every living being including the citizens of Valeritz was devoured. That means, unlike the Dreax’s men, the reptilian demons need to eat. “The enemies need to eat but because they are currently surrounded by our army, they can’t go hunting for food.” Coupled with that, I doubt that there are any herbivores among our enemies who can live just by eating random grasses. Technically, the enemies can also eat the soldiers of the kingdom’s army to survive but no one will let themselves be eaten without putting up a fight. This means that our enemies also suffered the problem of not having enough food. Maybe the reason they ate all of the kingdom’s men on the frontline was simply because they were hungry. “So that means this stalemate also hurts our enemies’ provisions.” But the problem is Finnoi. Since it’s the Great Temple, they probably stocked some emergency provisions but how long will it last? Moreover, since it’s a temple, there will be many priests who are not accustomed to war so there’s a possibility that if the siege lasted too long then these priests will shout something like “The plan to drive our enemies to death with hunger is fine but as you know our army also has a lot of people.” In the frontlines, there are many nobles who are too eager to fight. Other than having muscle brains or being motivated because they are following the Prime Minister’s emergency dispatch order, they are probably eager because our enemies’ aim is Finnoi. The relationship between the temple and the royal family isn’t bad but that doesn’t mean that there are no conflicts at all. I’m sure that one of the reasons why the kingdom and the nobles decided to help Finnoi is to make the temple owe them a favor. After all, if there’s a plague outbreak in the future, you need to rely on the temple’s Holy Magic. There’s actually another reason that I can think of but since it’s still just a guess, I won’t mention it here. By the way, before I met up with the main army, I had also checked the state of Denham Village and, sure enough, I found that every living thing in that village had been eaten. As for whether the demons might eat each other, I don’t know. In the eyes of humans, both the wandering demons and the demons of the demon army are the same but I don’t know if, in reality, they are different and have internal conflicts among themselves just like the humans have conflicts between different countries and different nobility classes even though they are all the same human. In any case, our army is an army gathered hastily so obviously we don’t have enough time to gather enough supplies. Adding to that we can’t hunt demons for food and the closest town that normally will be able to provide additional supply, Valeritz, is already destroyed. “It won’t be funny if our army ended up being the one that starved because of our own strategy. I bet His Majesty and His Highness are currently really busy.” “His Highness too?” “His Highness didn’t come to the frontline this time. That’s proof that he’s really busy right now.” After all, usually, the King’s job is only to give orders. The ones who probably took care of the military supply, diplomacy, and confirming the safety of the territories of nobles that lost all its soldiers are probably His Highness and the ministers of the Ministry of War. I doubt they can afford to leave the capital now. Rather, the fact that the army can last this long even with the lack of supplies is really amazing. As expected, maybe His Highness is a genius? “Diplomacy?” “Finnoi isn’t only Finnoi is like the Vatican in my previous life. Pilgrims from other countries also came to Finnoi. Slowly but surely the information about the current state of Finnoi will reach other countries. His Highness and the Ministry of Foreign Affair are currently probably working their butt off to keep this information from leaking. Come to think of it, how come Alea Village remains that small, considering the number of pilgrims it receives every year? I’m suspicious about where that shitty chief spent the money that came from the pilgrims. “Once other countries learn the current state of Finnoi, they will probably show intention to send their army to help. But as you know, the current situation of our army is pretty bad.” In this world, most of the time, it’s customary for an army to offer food and other supplies to the reinforcements. In other words, if other countries send their army to help Finnoi, it’s Sharing the already lacking supplies and food with others might cause our army to collapse and since this is a battle involving religion, it will be impossible for His Highness to keep refusing the reinforcement offers from other countries that used And more than anything else, this is the chance for other countries to make the Bain Kingdom owe them a favor. Use us when they can, make us owe favor when possible, and be our enemy when it’s advantageous, that’s just how diplomacy is. In diplomacy, no matter how good or bad the personal relationship between the leaders of countries is, their national interest comes first. Even Pax Romana was only possible because at that time the stability of Rome brought the most advantage to its surrounding countries. “In my opinion, we have at most days to end this war. If only there’s a way to settle this war within that time...” When I said that, one of the palace guards burst out in laughter. Huh? Why? After the two guards noticed my confused gaze, they took off their helmets and their face made Neurath and Schunzel frozen in place. They are both very familiar faces to the three of us. “Now you understand why I said the Viscount’s view is unlike a teenager, right, Duke?” Well, I’m not an actual teenager. “Yes. I now understand how he was able to make our army victorious in the battle of Hildea Plain.” Grand Duke Seyfart and Duke Grunding, why are you both here dressed as prison guards!?

ゴンと共におひいさまの屋敷から帰ってきた。 空間魔法だろうか、ほぼ行った時間とあまり時間が経過していないように思われる。これはどういう魔法だろうと考えながら後ろを振り向くと、小さな祠の隣に、キツネの石像が両端に備えられた大きな祠が建っていた。おそらくこれが、おひいさま直通の祠なのだろう。早速、明日にでもご注文の品をお供えしておこう。 そんなことを考えていると、ハーピーが数匹、ジェネハのいる馬小屋に飛んで行った。おそらくヒナの餌を届けに来たのだろう。俺も様子を見に行く。 「ジェネハ様、今日のエサを持ってまいりましたー」 「また大ネズミの肉か。子供たちは肉ばっかりでもいかん。多少甘みのある果物も取ってくるのじゃ」 「はいー。了解ですー」 おおっ、ハーピーたちの会話が分かるではないか!単に「ピピィー」としか聞こえないが、何となくそれがこういう意味だろうと分かるのである。すげえな教養LV5は。 「今度またおはぎを作るから、それをまた持ってきてやるよ。あ、ぜんざいがいいか?」 ジェネハとハーピーがギョッとした顔をしている。おおっ、俺の言葉も通じたか? 「ご、ご主人様、どうして私たちの言葉が話せるのです?」 「ああ、何かその、ゴンが仕えている神様にスキルをもらったんだよ。俺の言葉、通じてるよな?」 「はい、十分通じています。ご主人様と直接お話が出来るようになり、うれしいです!」 「ご主人様、イリモです。私の言葉はわかりますか?」 「おお!イリモか!わかるわかる!イリモはきれいな声をしているんだな」 「エヘヘ、恥ずかしいですー」 魔物たちとの会話をしばらく楽しんでいると、これも何となくではあるが、彼女たちの過去が分かるようになった。さらに注意して彼女たちの過去を探ると、ハーピーたちが何故、この森に来たのかが分かった。 「ほう、お前たちは大魔王に会いに来たのか?」 「はい、お恥ずかしいことですが、大魔王を倒そうと思ってここまで来ました。とてつもない邪悪な気配を感じ、それを頼って旅をしたのです。恥ずかしながら我々は、仲間で戦えばどんな強敵にも勝ってきました。我々であれば勝てると思ったのです」 俺の気配を感じた瞬間、ジェネハは、「ああん?世界最強だと?誰に断って言ってやがんだ?私たちを倒してから言えよ!」というような感情を抱き、居ても立っても居られない感情になったのだという。確かに、呪いLV5は邪悪な者を寄せ付けるって言われてたもんね。無理もないか。 「しかし、ジュカ山脈はドラゴンの巣窟。大魔王の気配にあと一歩というところで、どうしても山脈を越えられませんでした。仕方なしに、この森に逗留してた時に、ご主人様に出会ったのです」 なるほど、それで俺のビーフシチューを狙ってボコボコにされたのね。 「正直私たちは、人間風情の一人くらい何とでもなると思っておりました。しかし、家族全員が死ぬ一歩手前まで追い込まれました。あの恐ろしさは今でも忘れません。しかし、ご主人様には感謝しているのです。上には上がいるということを教えていただきましたし、傷を負った我々を治癒してくださいました。それだけでなく、住む場所を与え、時には美味しい食事まで提供していただき、こうして家族を守っていただいています。ありがたいことです」 お、おおう。まあ、気まぐれにしてるだけなんだけどな。 ジェネハ曰く、しばらくは自分たちのように強者と勝手に思い込んでいる魔物が来る可能性があるので、注意するよう提案されたのと、ハーピーたちも、そのような邪悪な魔物をできるだけ見張っていくと胸を張られた。そうなると俺は弱い。彼女たちのスィーツを作らざるを得ないことになった。 そろそろ気候が暑くなりかけた頃、ハーピーたちのヒナが飛ぶ練習を始めるようになった。まだまだ飛べないが、必死で羽をバタつかせている。見ていてとてもかわいい。俺の癒しの時間である。 そんな時、俺のマップに魔物襲来の表示が出た。色は黄色なので、警戒しつつ俺のところに近づいてくる。ハーピーたちも集まり、魔物の襲来を告げてくる。マップには「ベリアル」と表示されている。しかも4体もいる。 「ベリアル」・・・悪魔とドラゴンを合わせたような風貌。かなり高位の悪魔である。一応結界は張ってあるが、ジェネハは仲間を従えつつ、上空で迎撃態勢に入った。俺も外に出て様子を見守る。 まず4体のベリアルは、結界に対して突撃を敢行した。しかし、俺の結界はヤワではない。当然のごとく彼らを跳ね返した。するとベリアルは4体が固まり、雷魔法のような魔法を体に纏い、超高速で結界に向かって突撃を行った。はじき返されても突撃を繰り返すこと10回、俺の結界はついに破られた。 ベリアルたちが降りてくる。ハーピーはその速度に対応できない。そして、ドスン!と大きな音と地鳴りと共に奴らは俺の前に現れた。2匹は黄色、あとは赤と紫という色だ。体表の色は、ベリアルの能力か何かに関係があるのか?と考えていると、奴らに続いてハーピーたちが俺の周りに降りてた。そして、俺を警護する態勢を整える。 「グモモモモ、なぜハーピーが人間と共にいる?いや、そいつが大魔王か?」 「いや、違うぞ。あの人間から妖気は感じない」 「おいハーピーども!大魔王はどこにいる!素直に答えた方が身のためだぞ?グモッ」 「この人間は我々の主人だ。大魔王などいない。見つけたければあの山脈を越えていくがよい。もっともあの山脈は数種のドラゴンが生息していて、我らでも越えられなかったがな」 「何と!大魔王はいないだと!それにその人間が貴様らの主人だと!?何をバカな!人間ごときに、貴様らが敗れたというのか!」 「その通りだ。この、ご主人様に敗れた。それゆえ我らは命と引き換えにご主人様にお仕えしておるのだ」 「グモモモモー。ジェネラルハーピーである貴様も耄碌したということか!よかろう!大魔王が討てぬのなら、貴様らの主人を討って我々の名声を高めるぞ!最強種族が我々ベリアルであることを、思い知らせてやるのだ!」 ・・・勝手に決めるなよ。自分の名を売るために大魔王を倒しに行くって、アホじゃないのか?身の程知らずも甚だしい。それより俺は、戦う気がないんだけどなー。などと考えていたら、ベリアルの一人が高速の火魔法を放つ。速い!避けはしたが、油断していると当たりそうだ。 「ジェネハたちは動くな!ヒナとイリモを守れ!」 俺は叫びながら屋敷とは逆方向に走る。ベリアルたちも俺を追いかけてくる。すぐにベリアルたちに囲まれてしまう。 「グモモー。我らのために死ね。ちょうど腹が減っていたのだ。腹の足しになろう。グモモモモー」 「ベリアルであるのは分かったが、名をお持ちか?名をお聞かせ願いたい」 「我らの名か。よかろう、死の置き土産として聞いておくがよい。我はベリアル一族の中でも最上位に位置するベルアルク・・・ぐえぇ!」 ペラペラとしゃべっている一番大柄なベリアルに結界を張り、そのままそれを縮小する。体中の骨を一瞬で砕かれてそのベリアルは絶命した。ごちゃごちゃうるせぇんだよ! 「き、貴様ー!!!!」 残ったベリアルたちが一斉に俺に高速のファイヤーボールを放つ。俺は氷の結界を張ってレジストする。ファイヤーボールを放った瞬間、ベリアルは空中に移動していた。俺はその中の一匹にめがけて高速のウインドカッターを放つ。透明で切れ味抜群、攻撃対象をどこまでも追いかけていく風刃がベリアルをズタズタにする。悲鳴を上げる間もなく目のベリアルは空中に散った。 その瞬間、俺はもう一匹のベリアルに抱き着かれた。そして間髪を置かず、そいつの口から至近距離で爆裂弾を放たれる。大爆発を引き起こすが、俺は全くの無傷だ。抱き着かれた体勢のまま、俺は周囲の温度を火魔法で急上昇させる。一瞬のうちにベリアルの体が炎を纏う。瞬間的に何千度という高温にしたため、ベリアルの体が真っ赤になる。もともと真っ赤だった体表がさらに赤くなっている。そのまま赤いベリアルは溶けてしまい、大地を焦がした。 残るは紫色のベリアルだ。とおもったら、その姿がない。馬小屋の方からハーピーたちの悲鳴が上がる。急いで駆け付けると、ハーピーたちが鋭い足の爪を武器に、ベリアルに奮闘している場面が目に入った。幸い、一匹も怪我をしていなさそうに見えるが、ベリアルはそのハーピーを一掃すべく、火魔法の詠唱を始める。俺は無限収納から「鬼切」を取り出し、ベリアルをブッた斬った。 「グモオオオオオオオオー!!!グギャァァァァァァァァァ―――――!!!! 」 断末魔の絶叫を上げ、紫ベリアルは、のたうち回っている。 「全員ケガはなかったか?ああ、そこ、羽をやられたか?エクストラヒール!」 戦闘で傷ついたハーピーを治癒してやる。彼女たちもすでに俺の家族みたいなものである。幸いにして致命傷を負ったハーピーはおらず、全員無事であり、ヒナたちも無事であった。 俺は、ホッと一安心する。すると、絶叫しながら苦しみ続けるベリアルが目に入った。最初は叫んでいるだけであったが、しばらくすると、何やら泣きながら言葉を喋っている。 「やめてー!!お願いだからやめて!!お母さん!!お母さん!!お母さん!!!」 「このベリアルはまだ子供じゃな。しかもメスじゃ。年端も行かぬのに・・・哀れじゃな」 ジェネハは呆れたように呟く。 「うーん、何かこのベリアルを狂い死にさせるのは、良心が痛むでありますなー。この子は戦闘に加わっておらず、むしろ逃げようとしていたでありますからなー。一度、襲ってきた訳を聞いてもよさそうではありますなー」 何故かゴンがいつの間にか俺の傍に来ている。ええっ?面倒くさいなぁ。どうするかなー。

I, together with Gon, came back from Ohi-sama’s mansion. It looked like some kind of space magic, I do not think that too much time passed. While I was mulling over that magic, I saw a big shrine with the fox statues on its sides standing next to the small one. Most likely, this shrine is connected directly to Ohi-sama. Let’s prepare the offering tomorrow. While I was thinking that, I saw a few harpies flying into the stables where Jeneha was. I guess, they came to deliver the food for the chicks. Let’s check on them. 「Jeneha-sama, the food for today was delivered」 「The meat of the great mouse once again. You can’t feed the children with only meat. You need to add some fruits and something sweet as well」 「Yes. Roger」 Oh, I understand what they are saying! I can only hear them saying「pipyi」, but I can subconsciously understand the meaning. Liberal Arts LV is amazing. 「I will make ohagi very soon, I will bring you some then. Or would you prefer zenzai? 」 Jeneha and the harpy made weird faces. Oh, did my words get through? 「M-master, how come you can speak in our tongue?」 「Well, I kind of received a skill from the god, who was Gon’s superior. You can properly understand me, right? 」 「Yes, I understand. I’m happy to have a direct conversation with Master! 」 「Master, it is Irimo. Do you understand my words? 」 「Oh! Irimo! I do understand you! You have a beautiful voice」 「Ehehe, it’s embarrassing」 While enjoying the conversation with the monsters, I unintentionally learned about their past. While prying further, I understood why the harpies came into this forest in the first place. 「Ho, so you came to visit the Great Demon King?」 「Yes, it is embarrassing to admit it, but we came here with the intention to defeat the Great Demon King. We sensed a tremendous evil aura and followed it. We thought that as long as we are together we could beat any opponent. We were confident in our strength」 When she sensed my aura, she was like「Ah? The world’s strongest? Who said that? Say that after you defeat us! 」and became strangely motivated. Come to think of it, it was said that Curse LV could attract the animosity of others. No wonder. 「However, Juka Mountain Range was filled with the dragons. Just when we were about to locate him, his presence vanished. Without any other choice, we settled here and met Master」 I see, and then they aimed for my beef stew and got smacked. 「Honestly, we didn’t think much of a single human’s power before. However, the whole family was cornered and almost died. I can’t forget that horror even now. But I’m grateful to master. You told us that there is always a higher mountain and even healed our wounds. Not just that, Master gave us a place to stay, gave the tasty food from time to time and protected our children. I can only be grateful」 Sure. It was just a whim of mine though. Jeneha also mentioned the possibility of other monsters coming here, so I had the harpies be vigilant against any strange entities. As a reward, I ended up making some sweets for them. As soon as the weather became warm, the little harpies started to practice flying. They still weren’t able to, but they tried their hardest. It was really cute. Watching them healed my soul. [] At that time, my map displayed the monsters trespassing into my territory. Their color was yellow, they carefully approached the mansion. The harpies gathered and were prepared for the attack. The map displayed them as「Belial」. There were of them. 「Belial」....its appearance resembled that of a mix between a dragon and a demon. It’s a quite high-ranking demon. I erected the barrier and the harpies took their positions. I also went outside to keep track of everything. The Belials decided to attack the barrier. However, my barrier wasn’t that brittle. It repelled them as if it was natural for it to happen. Then, the Belials steeled themselves, clad themselves in lightning-like magic and pounced at the barrier at extremely high speed. After assaulting the barrier for times, they finally broke it apart. Belials came inside, the harpies weren’t able to cope with their speed. With a loud sound, they appeared before me. Two of them were yellow, one was red and one was purple. Is color somehow related to their abilities? While I was thinking about that, the harpies descended around me and made a defensive formation. 「Gumomomomo, why are the harpies standing beside a human? No, is he the Great Demon King? 」 「No, I don’t feel any kind of evil aura around him」 「Hey, harpies! Where is the Great Demon King?! It would be better for you to obediently answer gumo」 「This human is our Master. There is no Great Demon King here. Go and cross that mountain range if you want to find him. The being said, that mountain range is the dragon’s den, even we can’t easily pass it」 「What?! No Great Demon King here!? This human is your Master?! Bullshit! Are you saying that you lost to a puny human!?」 「That’s right. We lost to our Master. Therefore, in exchange for our lives, we are serving him」 「Gumomomomo. You, a general harpy, have descended into idiocy! Fine! If we can’t find the Great Demon King, we will increase our fame by slaying your Master! We will remind everyone about the Belials, the strongest species! 」 .....Don’t just decide that on your own. Increase your fame by slaying the Great Demon King? Are you retarded? Your lack of knowledge is extreme. Besides, I’m not in the mood to fight. While I was thinking that, one of the Belials released a high-speed fire magic. Fast! I tried to evade, but due to my negligence, it hit me anyway. 「Harpies are to protect Irimo and the children!」 I shouted as I ran in the opposite direction of the mansion. The Belials chased after me and very soon I was surrounded. 「Gumomo. Die for our sake. I’m hungry and you can make a nice snack. Gumomomomo」 「I understood that you are the Belials, but do you have a name? I wish to hear it」 「Our name? Fine, let’s make it our parting gift. I’m the top of the Belial family, Belialk.....gueee! 」 I put the noisiest one inside the barrier and started shrinking it. Its bones and body were crushed in a matter of moments and it completely and utterly died. You were too god damn loud! 「Y-you!!!!」 The remaining Belials released the high-speed fireballs at the same time. I resisted with the ice barrier. As soon as they released the fireballs, they moved in the air. I aimed at one of them and released the wind cutter. Transparent wind blades with exceptionally sharp edges tore the Belial apart. At that moment, I was embraced by another Belial. Then, he released the explosive bullet from his mouth at the hair’s distance away. A grand explosion happened, but I was completely unscathed. While still being embraced, I increased the temperature of my surroundings with fire magic. In a blink of an eye, Belial’s body lit in flames. Since I instantly raised the temperature by a several thousand degrees, its body turned completely red. Its originally red body became even redder as it melted away. Only the purple Belial was left. Or so I thought, but couldn’t see his figure. I heard the harpies’ screams from the stables. When I rushed back, I saw the scene of harpies struggling against the purple Belial with their sharp claws as their weapons. Fortunately, not even one was dead as of yet. To deal with the harpies, the Belial started chanting fire magic. I took out「Onigiri」from the infinite storage and slashed at it. 「Gumooooooooo!!! Gugyaaaaaaaa!!!」 The purple Belial raised a scream of agony and staggered. 「Is everyone fine? Ah, you over there, are your wings got hurt? Extra Heal! 」 I healed the wounded harpy. They are already something like my family. Fortunately, not even one was fatally injured and everyone was fine, children included. I was relieved. Then, the purple Belial, who was screaming in agony, entered my sight. After he got tired of screaming, he spoke in a crying voice. 「Stop it!! I beg you, stop it!! Mommy!! Mommy!! Mommy!!!」 「This Belial is still a kid. It is even female. She is not an adult yet.....how pitiful」 Jeneha said in an exasperated voice. 「Un, my heart hurts to leave her to die in agony. After all, she tried to escape instead of joining the battle. Perhaps we should listen to her circumstances first」 Gon appeared by my side before I knew it. Eh? How bothersome. What am I going to do about it~

「うぅ眠いよぉ~」 昨夜はお店の新メニュー作りに没頭していたため、あまり寝ていない。新メニューとは、アツアツのご飯に複数の香辛料を使って味付けした野菜や肉が入ったルーをかけたもの、そう「カレーライス」のことだ。 昨日、俺かけてカレー作りに挑戦していたのである。何か異世界にくると無性に食べたくなるって本当だったんだね。どうしても食べたくなって作ろうとしたんだけど難しい。味は覚えているけど、いかんせんスパイスがわからない。似たような素材で作っても微妙な味になるのだ。 いや、インド人はすごかったんだね。あの絶妙な味加減をスパイスの組み合わせで考えたんだから。あぁ、まじでカレー粉が欲しい。 前世、ろくに料理なんてしなかったからカレーのレシピを作れない。何せカレーの具なんてじゃがいもと人参ぐらいしか知らなかったからね。だから覚えている味覚を頼りに作るしかないのだ。 もう前世の自分をぶん殴りたいくらいだよ。今では異世界の食べ物のほうが詳しくなっているからな。前世、どんだけ怠惰に生きてきたかがわかる。 そして、現在俺は町の寄合に参加している。普段、こういう寄合は父さんか母さんのどちらかが顔をだすのだが、急遽父さんの要請で俺が抜擢されたのだ。 ダディのこの無茶ぶり......。 この前の件が尾を引いているのは間違いない。 お店の借金騒動の際、俺が一人で解決したのがまずかった。まぁ、正確には俺というよりレミリアさんのおかげだけどね。一歩間違えば危険な目にあっていたかもしれないと説教を受けたのである。 父さんから「お前は町の皆を信頼していないのか!」とさんざんに叱られた。町の皆で団結して立ち向かおうとしていたのに、俺が勝手にスタンドプレイをしたから怒っているのだ。 多分、父さんが俺をこの寄合に参加させたのは少しでも町民を知ってほしい、もっと大人になってほしいといった気持ちが込められているのだろう。 そこまで思われたら断るわけにはいかない。 眠い目をこすって来たが......こういう会議ってどの世界でも変わらないね。何かどうでもいい議題をぐだぐだと話しているだけに聞こえる。 それにうちの町長って演説が長すぎるよ。町長が話好きだって聞いてたけど本当だったんだ。前世、学校の校長の話もまともに聞いたことがない俺だ。ついつい睡魔に襲われる始末である。 「ティレアちゃん、眠そうだね」 俺が船を漕いでいると、警備隊の詰所で事務をしているジョージさんが気さくにそう尋ねてくる。 「す、すいません。ちょっと、夜遅くまで料理していたもので......」 「はは、あいかわらず熱心だね。だけど、あまり無理はしないことだよ」 「はい。わかってはいるんですけど......つい、えへ」 料理バカなところを指摘されてつい頭をかいてしまう。 あれ!? そういえばジョージさんが来ているんだ。 こういう寄合では率先して参加し、偉そうなことを言ってそうなのに......。 「ビセフさんは寄合に参加しないんですか?」 「あぁ、ビセフさんまだ家に引きこもっているんだよ」 まじか。まだあの件を引きずっているのかよ。このまま引きこもりっぱなしになるんじゃないか? のせいで家族は危機にさらられたというのに。いまだ一言も釈明に来ていないのである。ヘタレなのはこの際しょうがないとしても迷惑をかけたのだから謝ってほしい。 ぶつぶつ不平を漏らしていると町長が一段、声をあげてきた。 「最後に緊急の事案がある!」 緊急の事案? これはさすがに聞いとかないとね。両手で顔をバンバンと叩き、眠たげな頭をむりやりクリアにし、町長の話に聞き入ることにした。 「ここ数日、ベルガ町の流通に変化が起きている」 「町長、変化とはなんですか?」 「どうやらベルガ町近辺の生態系が壊れているようなのだ」 「そ、そんな本当ですか?」 町長の衝撃発言に町民達は騒ぎ始める。確かにオーク肉は値上がりしていたし、市場によく出ていた食材のいくつかが消えていた。 「市場に魔獣の肉を卸しに来てくれる熟練の冒険者達が口を揃えて言うのだから間違いあるまい」 「そんなどうして急に?」 「どうやら大型の魔獣か魔犬の群れが発生したみたいだ」 「大型の魔獣!? そんな話今まで聞いたことがない」 「既に人的被害も出ておる。ザルギーの村が壊滅したそうだ」 「ザルギーの村ですか! ここからそんなに遠くないですよ」 「あぁ、だからワシらも注意しないといかん」 「で、でも、壊滅なんてそんなバカな......」 「なんでもザルギーの村に行った冒険者が言うことには、そこは誰もいなかったそうだ」 「ど、どこかに皆で移動したのではないですか?」 「生活用具を置いてか? ありえぬ。それに冒険者が村民の死体を発見したらしく、その死体は獣に無残に食いちぎられてたそうだ」 「ぜ、全員ですか?」 「死体は数人分しか見つからなかったようだ。後は魔獣の胃袋の中だろ」 町民達に動揺が広がる。こんな平和な町でそんな物騒な話を聞くとは皆思っていなかったらしい。俺もその一人だ。だって、下手すればベルガの町って前世の日本より治安がいいと思ってたよ。 が闇金ウソジマ君という悪者を呼び寄せたけど、あれはイレギュラーなケースであって基本平和な町だったのだ。それなのにこんな事件が起きるなんて......。 「大型の魔獣か魔犬の群れ......この辺りも物騒になりましたね、ジョージさん」 「あぁ、儂年この町に住んでいるけど初めてだよ」 大型の魔獣か魔犬の群れ。本当に物騒な話だ。いきなり大型の魔獣がこの辺りに出現するのも考えにくい。現実的には魔犬の群れが正解のような気がする。多分、何かのきっかけでこの町に移動してきたのだ。 さらに町長の話が続いていく。 「......で、二つ解決案を考えておるのだ。一つは町の皆で自警団を作る」 「自警団ですか」 「そうだ。各世帯から数人有志を募り、交代で町の周辺を警戒するのだ」 「では、もう一つの案は?」 「もう一つはギルドに依頼する。冒険者達の証言もあるし魔獣の討伐隊を組織してくれると思う」 「そのほうがいいんじゃないですか? 俺達素人だしプロにお任せしましょうよ」 「ふむ。ただし依頼料は町の税だけでは足りぬ。その場合は相応の金の供出を各世帯にしてもらうぞ」 町長の提案に皆考え込む。有志を募った自警団では金の心配はないが、少なからず命の危険が伴う。逆にギルドに依頼した場合は命の危険はないが、それなりに痛い出費を伴う。 金か人か......。 「ジョージさんはどう思いますか?」 「そうだね。普通だったら自警団で事足りるけど。聞いた限り被害がただ事ではないから自警団では手に負えないかもしれない」 「なるほど。でも本当は大した事件ではなかったら、ギルドへの依頼なんてお金の無駄ではないですか?」 「あぁ、そうでしたね」 「ティレアちゃんは誰か頼りになりそうな人知らないかい?」 「う~ん、数だけならうちの従業員とその仲間達でけっこういるんですけどね」 「あぁ、今話題のニールゼンさんだろう? まったくあんな伊達男どこで見つけてきたんだい?」 ここでも熟女キラーの名を広めているようだ。 「まぁ、確かに奥様方に人気なんですけどね。腕っ節のほうはちょっと......」 「いわゆる色男、金と力はなんとやらってことだね」 む、あんな中二病を色男なんて世も末だ。だけど、考えてみると自警団を作ってもろくな人材がいないのも確かだ。ここは多少金がかかってもギルドに依頼するべきである。 「それでは意見も出尽くしたようなので多数決を採る」 町長はそう言って多数決の音頭を取った。俺はもちろんギルドへの依頼に票を入れた。 結果......。 大多数の票でギルドへの依頼が決定したのである。 に不安感を持っているみたいだね。寄合の決定を受けてギルドへの早馬が飛ぶ。数週間後には討伐隊が組織されるであろう。 「ティレアちゃん、大変なことになったね。くれぐれも外出時には注意するんだよ。落ち着くまでは一人では出歩かないほうがいいかもね」 「はい、そうします。ジョージさんも気をつけてください」 本当に物騒になったものだ。特に、ザルギーの村近くは絶対に近寄らないようにしなきゃね......ってあれ? あの辺ってティム達がよく遊んでいる場所じゃなかったっけ? これは早急にティムに注意をしなければならない。 俺は寄合を後にし、急ぎお店へと向かった。

“Uu, I’m so sleeeepy~” Because I spent last night creating a new menu for our restaurant, I didn’t get much sleep. The new item on our menu is a hot rice dish flavored with lots of spices, topped with a roux of vegetables or meat; that’s right, it’s ‘curry rice’. I spent all of yesterday challenging myself to create curry. Looks like it’s true that when you come to another world, you just start getting crazy cravings for it. I just wanted to eat it so badly that I tried to make it myself, but it’s really hard. Although I remembered what it was supposed to taste like, I don’t know exactly what spices they put in it. Even when I used similar ingredients, the taste ended up kind of odd. Man, the Indians really were amazing, huh? They came up with such an amazing balance of spices after all. Aahh, I seriously wish I had curry powder. I didn’t do any proper cooking in my last life so I can’t come up with the recipe for curry. After all, the only garnishes I knew for curry were potato and carrot. That’s why the only thing I can use is my memory of how it tasted. Honestly, I just want to punch the old me in the face. After all, I know more about this world’s cuisine now. So now I know just what a lazy life I used to lead. Anyway, busy with this, and that, I only slept four hours ago. And right now I’m participating in the town meeting. Normally this is left to Mum or Dad, but Dad suddenly demanded that I go, so I got promoted. Daddy really asks for the impossible... I’m sure it’s because of what happened earlier. I guess it was pretty bad that I solved our debt crisis single-handedly. Well, rather than me, it was more like Remilia who solved it though. I ended up being scolded because it could have been dangerous had I made just one mistake. “Don’t you trust our neighbors in this town!?” Dad said, and I got completely chewed out. He was mad because everybody in town was joining together to stand up to them, but I went and did a solo play. He probably made me come to this meeting so I could get to know everyone a little better, and maybe become a bit more mature. Since he was that concerned about me, I couldn’t refuse. I’m rubbing my eyes due to the sleepiness but... these sorts of meetings are the same in every world, huh. They keep going on and on about stuff I don’t care about. And the speeches that our town mayor gives are too longgg. I’ve heard that the old mayor loves talking, but it looks like it’s true. In my old life, I never listened to the principal’s speeches either. Eventually the sleepiness caught up with me. “You look sleepy, Tilea.” As I was nodding off, George, the clerk from the guard station spoke to me in a friendly voice. “I-, I’m sorry. I stayed up a little late cooking, and...” “Haha, as passionate as always, huh. But you shouldn’t overdo things.” “Yes. I know that, but... it just kind of happened, ehe.” Being pointed out as a cooking maniac, I just scratched my head in embarrassment. Hmm!? Speaking of which, George is here. Loser (Bizef) isn’t coming? Even though he seems like the type who would proactively come to a meeting like this to act all important... “Is Bizef not going to participate?” “Aahh, Bizef is still holed up in his house.” Seriously? He’s still all up about that time? Isn’t he going to turn into a real shut-in at this rate? To begin with, it’s his fault that my family was in danger. Even now, he still hasn’t explained himself once to us. Even if we accept that it’s because he’s a loser, he inconvenienced us, so he should apologize. While I was mumbling unhappily, the mayor suddenly got louder. “Also, there is a final, urgent matter to discuss!” Urgent matter? As you’d expect, I need to hear this out at least. Slapping my face awake with both hands, I forcefully cleared my sleepy head, and began listening carefully to what he had to say. “These last few days, the circumstances around Beruga have changed.” “Mayor, what do you mean change?” “Apparently the ecosystem around our town is being destroyed.” “I-, Is that true?” The mayor’s bombshell announcement sent the townspeople into a clamor. It’s true that Orc meat has been getting more expensive, and a few ingredients that were common before have disappeared from the markets. “The veteran adventurers that come to sell magic beast meat at the markets are all saying the same thing, so there is no mistake.” “And why is this urgent?” “Apparently a large-type magic beast or a pack of magic dogs have been discovered.” “Large-type magic beast!? I haven’t heard a thing about that yet.” “There have already been victims. Apparently Zalgie Village was annihilated.” “Zalgie Village!? But that isn’t too far from here.” “Indeed. That’s why we must be vigilant as well.” “B-, But to annihilate the whole village is...” “According to the adventurers that went to Zalgie Village, not a single soul was spotted there.” “C-, Couldn’t they have all moved somewhere together?” “And leave the tools for their livelihood behind? Impossible. And moreover, the adventurers supposedly discovered corpses there, and those corpses appeared to have been brutally bitten apart by a beast.” “A-, All of them?” “They only found the parts for a few people. The rest are probably in some magic beast’s stomach.” Panic spread through the townspeople. In such a peaceful town, nobody expected to hear such a violent story. Myself included. I mean, I thought that even at its worst, Beruga was safer than Japan in my old life. The other day Loser (Bizef) may have called over the loan sharks, but that was an irregular exception, and the town is normally peaceful. But despite that, to think something like this happened... “Whether magic dogs or a large-type magic beast... it looks like these parts have become dangerous, doesn’t it, George.” “Yeah. I’ve lived here for thirty years in this town, and this is the first time.” A large-type magic beast, or a pack of magic dogs. It really is a crazy story. It’s hard to imagine that a large-type magic beast would suddenly appear in these parts. Realistically speaking, I think that the magic dog theory is on the money. Something probably caused them to migrate towards our town. The mayor continued to talk. “The first is that we create a town militia.” “A militia?” “Indeed. Each family contributes a few volunteers, and take turns keeping a lookout around town.” “And the other option?” “The other option is to rely on the Guild. We have the testimonies of the adventurers, and I think they will organize a suppression squad for us.” “Wouldn’t this option be better? We’re all amateurs, so let’s rely on the pros.” “Fumu. However, just our town taxes will not be enough for the request. In that case, we will be taking money from each household.” Everybody began to think about the two options. If we recruit volunteers for the town militia then we won’t need to worry about money, but it will come along with a significant threat of death. On the other hand, relying on the Guild would keep all our lives safe, but in that case our wallets will hurt. Money or people... “What do you think, George?” “Let’s see. Normally just a town militia would be enough. However, from what we hear the danger is out of the ordinary, so the militia would likely be unable to handle it.” “I see. But if it turns out that it isn’t really a big deal, then wouldn’t the Guild commission just be a waste of money?” “Ah, that’s true.” “Tilea, do you have anybody you could perhaps rely on?” “Hm~mm, if it’s just numbers then our store’s staff and their friends sum up to quite a few, but...” “Aahh, you mean Nielsen, don’t you? Honestly, where on earth did you find that dandy?” Gegeh-, so even George knows about him!? So that Pervert (Nielsen)’s fame as a mature lady killer has spread this far. “Well, it’s true that he’s popular with all the wives, isn’t he? But his physical strength is a little...” “One of those so-called ‘loverboys’, was he? A lady’s man who gets through life with just money and power, huh.” Muu, if that chuunibyou is a ‘loverboy’ then it’s the end of the damned world. But thinking about it, it’s true that we don’t have enough people to form anything close to a decent militia. I think that even if we need to spend some money, it’s best to call the Guild. “Well then, now that we have all discussed every opinion, it is time for a majority vote.” Saying that, the mayor took the votes. Naturally I voted to commission the Guild. The result... The great majority voted the same way I did. It looks like everybody is having their doubts about Loser (Bizef). Having come to a decision, we sent out a fast-horse to contact the guild. They should probably send a subjugation team in a few weeks. “It seems things have gotten serious, huh, Tilea. Try your best to be careful while going outside.” “Yes. Please be careful too, George.” It really is dangerous. In particular, we’d better stay away from Zalg-... Huh? Isn’t that the place that Timu and the others like to play? I’d better warn Timu as quickly as possible. Leaving the meeting behind, I hurried to the shop.

「そうですな。公爵家で訓練された方々なら安心です。それに、公爵家と言えば現当主のエッケンハルト様ですから、当然その練度は信頼をおけます」 エッケンハルトさんは剣の達人らしいから、その人が訓練をした人達ならそこらのゴロツキに負けるなんてことはあり得ないだろう。 フィリップさんやヨハンナさんラさん等、俺と行動を共にした護衛さんは多くないけど、どの人もしっかりとした動きをしてるように思う......実際戦った所は見た事が無いが、物腰がな。 「買い占め対策ですが......どのような事がよろしいかな?」 珍しく、セバスチャンさんがカレスさんに意見を求めている。 色んな知識があって頼りになるセバスチャンさんだが、商売に関しては万能ではないようだ。 「......そうですな......買える数に制限を設ける、というのはどうでしょう? 聞いた限りでは、疫病に対してラモギの数はそれほど必要が無いとの事。であれば、その事を説明し、1人で買える数を1つか2つに制限するのです」 「成る程......それなら買い占める事が出来ませんな。ですが、家族の分も含めて複数欲しい人にはどう対処するのですか?」 「その場合は、手間ですが事情を聴き、店の店員に確認を取らせます」 カレスさんの提案で、色々な対策が決まって行く。 1人に対する販売数は最大2つ、家族等がいてそれ以上必要な場合は店員が確認をする。 例の店が複数の人を使って、数を買うかもしれないとの意見も出たが、それはそれで例の店に関する情報となる。 もし難癖付けて、暴力的な手段に出て来たら危ないからな......その時は屋敷の護衛さん達の出番だろうけど。 「はい、承りました。しばらくはニックをこの店で集中的に働かせる事にします」 対策が決まって、持って来ていた荷物の中から数日分の薬草をカレスさんに渡す。 これでしばらくはニックが屋敷に来なくても良くなる。 カレスさんの店でしっかり働いて、接客を学んで欲しいと思う。 用件を終え、俺とセバスチャンさんはカレスさんの店を離れる。 ランジ村に行くためには、この街の東から出て行かなくてはならないので、東門へと足を向けた。 「タクミ様、こちらがランジ村までの地図になります」 セバスチャンさんから、ランジ村に行く道筋は聞いていたが、念のためと地図を渡された。 運が良いのか何なのか、ちょうど街中で売っていた物をセバスチャンさんが目ざとく見つけ、今買って来た物のようだ。 「そうです。途中、街道を逸れる分岐路がありますが、複雑な道ではありません」 1枚の用紙になっている地図を広げて中を見ると、ラクトスの街周辺の詳しい地理が書き込んであった。 ランジ村は、ラクトスから東へほぼ真っ直ぐ進んだ場所にある。 セバスチャンさんの言う通り、街道を逸れて少し北へ行く分岐路があるので、そこさえ間違えなければほぼ迷いようがないくらいだ。 「それでは、タクミ様。お気を付けて。お早いお帰りをお待ちしております」 東門の近くで、例の店へ探りを入れると言うセバスチャンさんと別れる事になる。 俺に深々と礼をしたセバスチャンさんには、出来るだけ気を付けて欲しい。 例の店の全容がまだわからないから、セバスチャンさんが公爵家に仕えてる人間で、色々調べてる事が知れたら、何をして来るかわからないからな。 「それと、タクミ様。魔法をお教えする際に伝えた事、忘れないで下さい。タクミ様にもしもの事があればクレアお嬢様も......ライラも悲しみますからな」 「悲しませる気は無いので、大丈夫だとは思いますが......まぁ、色々考えてどうしても、という時は逃げる事にしますよ」 セバスチャンさんの別れ際の忠告......もしどうしても倒せない相手なら、逃げる事も考える。 命があれば何とかなるからな。 後半の、楽しそうに笑いながら言ったセバスチャンさんの言葉は適当にスルーしておく。 「それじゃ、行くぞ。レオ!」 東門を出てすぐ、レオの背中に乗り、走り出す。 「カレスさんの店で少し遅れたから、少しだけ早く頼む!」 1時間も遅れてはいないが、ラモギを出来るだけ早くランジ村に届けてあげたい。 レオに頼んでいつもより少し速度を上げて走ってもらう。 俺は荷物をクッションに、振り落とされないようしがみつく。 気合の入ったレオの返事と共に、走り出したスピードは、いつもの倍近くあるように感じた。 ......ちょっと早すぎじゃない? これでも振り落とされない自分にも驚くが......鍛錬のおかげで多少体が鍛えられてるからかもしれないな。 「......レオ、もう少し街道から離れた場所を走ってくれ!」 「すれ違う人達が驚いてるからな!」 レオにしがみついたまま、俺は街道から離れるように叫んで伝える。 凄い速さで移動してるから、叫ばないとレオに聞こえそうにないからな......レオの耳の良さなら聞こえるのかもしれないが。 レオは最初どうしてそんな事をするのか疑問に感じたようだが、俺の説明で納得してくれて街道から少し離れた場所に移動する。 ラクトスから出発して約1時間、ラクトスへ向かう人達も、ラクトスから離れる人達も、総じてすごいスピードで走るレオに驚いていた。 大きな体のシルバーフェンリルが、街道を疾走してたら誰でも驚くから仕方ないよな。 中には、馬が暴れ出したり、持っていた荷物を放り投げて逃げ出そうとする人までいたように見えたから、レオの姿はよっぽど怖かったんだろうと思う。 事情を知らない人から見たら、シルバーフェンリルがいる事は恐怖の対象なのかもしれない。 まぁ、シルバーフェンリルとわかった人が多いかどうかわからないが、それでも大きな魔物に見えるからな......。

“As for any obstruction, I’ll have some of the mansion guards posted here. That should be enough to deal with them.” “Indeed. It would be a great relief to have people who are as finely trained as them. Besides, they are Duke Ekenhart’s own men, so my trust in them is immense.” Mr. Ekenhart was a master swordsman, so anyone he trained should be able to beat any ruffians with ease. I had only spent time with a few of them, like Phillip, Nicholas, and Johanna, but they all seemed terribly reliable... Though, I hadn’t actually seen them fight. It was just the way they carried themselves. “As for how to prevent them from buying... What can be done?” That was unusual. Sebastian asked Mr. Kalis for a suggestion. While Sebastian was reliable for his great wealth of knowledge, it seemed that he didn’t know that much when it came to trade. “...Indeed... What about setting a limit to how much you can buy? From what I understand, you do not need much to treat the illness. In that case, we can explain this to customers and limit everyone to only buying one.” “I see...that would prevent them from buying in bulk. However, what about people who are buying for their whole family?” “In such cases, they will have to explain and offer some evidence that they speak the truth.” Suggested Mr. Kalis, and they quickly decided on various countermeasures. One person could buy up to two, and if they needed more than that for their family, one of the clerks would confirm that they were telling the truth. It was also brought up that the malicious store could send several people to this store, but this in itself would offer information about them. And if they happened to use more violent and threatening methods...the mansion guards would handle it. “Well, here are the herbs for you to sell while I am away.” “Yes, thank you. I’ll have Nick focus on working here in the meantime.” “Thank you. I’ll let you know as soon as I return.” “Certainly.” Now that they had decided on everything, I took out the herbs from my bag and handed them to Mr. Kalis. Now Nick would not have to come to the mansion for a few days. I hoped he would work hard in Mr. Kalis’s store and learn how to treat customers properly. Now that our business there was over, Sebastian and I left the store. As I had to leave through the east of the town in order to go to Range village, I headed towards the east gate. “Mr. Takumi, here is a map that will help you.” “...Thank you.” While Sebastian had given me directions on how to reach it, he also handed me a map, just in case. Perhaps I was lucky. He had just happened to see one that was being sold in town, and had bought it for me. “It really is close to a straight line, just as you said.” “Yes. There is one place where the main road branches off, but it is not complex at all.” I spread out the map in order to look at it. The map was filled with details on the area surrounding the town of Ractos. Range village was basically a straight line from it to the east. As Sebastian said, there was a branching path to the north. But as long as we didn’t go there, it was unlikely that we could get lost. “Now, please be careful, Mr. Takumi. And we will be waiting for your quick return.” “You should be careful as well, while you continue the investigation.” “Yes, I know.” When we were near the east gate, Sebastian said that he was going to investigate the store, and so we would part ways there. With a deep bow, he left. I hoped he would be as careful as possible. There was still much that we didn’t know about the store. And if they found out that someone from the duke’s house was sniffing around, they might try and do something. “Also, Mr. Takumi. Don’t forget what I told you when teaching you to use magic. If anything were to happen to you, Lady Claire...and Lyra would mourn.” “Don’t worry, I don’t intend on allowing that to happen, but... Well, I’ll think of every option and run when it’s the right time.” Sebastian’s last warning... If I encounter an enemy that I can’t defeat, then I should run away. Your life was the most important thing. As for the thing he said after that, with a knowing grin, I would ignore it. “All right, let’s go, Leo!” “Wuff!” As soon as we were out of the gates, I climbed onto Leo’s back and she started to run. “As we were delayed a little, please run a little faster!” “Wou! Wou!” While we hadn’t even lost a full hour, I still wanted to deliver the Ramogi to the village as soon as possible. And so I asked Leo to run at a slightly faster speed than usual. My baggage acted as a cushion, and I held on tight so that I wouldn’t fall. Leo replied enthusiastically, and then began to run at what felt like double speed. ...Uh, maybe it was too fast? I was surprised that I was able to hang on... But perhaps it was because my training had toughened me up. “...Leo. Run a little farther away from the main road!” “Wuff?” “You’re startling people we pass by!” “Wuff. Wuff.” As I held on tightly, I shouted for Leo to move away from the road. As she was moving at such a great speed, I had to shout loudly in order to be heard. Well...Leo actually had good ears, so maybe I didn’t need to. At first, Leo seemed like she was puzzled by the request, but she then understood and so moved away a little. For nearly an hour after departing Ractos, Leo had surprised travelers moving in both directions by the incredible speed at which she ran. But who wouldn’t be surprised by the sight of a giant Silver Fenrir running down the road? I had even seen panicking horses, and people throwing away belongings and running. That was how scary Leo looked to them. They did not know Leo, but only saw a Silver Fenrir, the embodiment of horror. Well, some may not have even realized she was a Silver Fenrir. But they still saw a huge monster...

の騎士――そうファルスは言った。 だとしたら、その強さには期待が出来る。 の騎士が、地上の王国の騎士より弱いようでは、地上に対する抑えは効かない。 なので地上をの戦力を蹂躙し得る力、あるいはそれに準じる何かがあるはず。 「嬉しそうな顔をしやがる。是非その綺麗な顔が恐怖で半泣きになるのを見てみたいぜ」 「そうですね。わたしも見てみたいです。もしそこまでの存在がいれば、の話ですが」 「なら――こういうのはどうだ? 開け――門よ!」 強く握りしめたファルスの拳を中心に、空間の歪みのようなものが発生した。 それはあっという間に周囲を包み、目の前の光景させる。 気が付くと、キラキラとした黄緑色の光の粒子が煌めくような、壁も縁も無い空間にイングリス達は立っていた。 「これは......異空間?」 「あの『試練の迷宮』みたいよね......!」 「そ、それより周りを見て! 魔石獣が......!」 「な、何という数だ......!」 レオーネやアールシア宰相の言う通り、周囲にはとてつもない数の魔石獣がひしめき合っていた。 その数は十ではなく、数百いや千にも近いかも知れない。 それがイングリスやファルス達を遠巻きに取り囲んでいた。 安全地帯が淡い色の光の柱に覆われており、その中には入って来られない様子だ。 「先程船内に現れた魔石獣はここから......!?」 イングリス達が に乗っている時点では、魔石獣はこの異空間におり、存在もしていなかったわけだ。 で魔石獣を生み出す血鉄鎖旅団のやり方とは違い、元々この空間に集めておいた魔石獣を外の空間に放ったという事だ。 「そういう事だ。こんな化物共をここに入れるのは気色悪いけどな」 「つまり、血鉄鎖旅団の仕業と偽装をするために集めたわけですか」 「ああ。奴らがそういう手口を使うというのは、既に周知の事実だろ? さっきの間抜けな騎士共は短絡的過ぎるんだよ。やるならちゃんと偽装しねえと人は騙せねえ。俺は慎重なんだ」 「クリス、どういう事なの?」 「わたし達が血鉄鎖旅団に付いて、ミュンテー特使もアールシア宰相も暗殺して今回の取引を潰したって事にするんだよ」 「......そうか、私がいれば血鉄鎖旅団と繋がってるっていうのに説得力が増すわ!」 「......あたしがいれば、ラファ兄様まで血鉄鎖旅団だって疑われる!」 「うん。そうだと思う。気分は悪いけどね」 「許せないわね!」 「それはこっちの台詞だぜ......! お前らを引き込んだのはそれだけじゃねえ、ラーアルの仇は取らせて貰うぜ――」 「......ラーアル殿の? 彼にそんな人望があるとは驚きですね」 「あんなやつの仇を取りたいなんて、物好きね! さっきの特使と変わらないのに!」 「ふん――いい度胸だ、親の前で息子をそこまで言ってくれるとはな」 あれがランバー氏だと言うのか? 商会が代替わりしたのも偽りだと? いやそれはいいが、あの若さは――? ラーアルと歳もそう変わらないだろう。 になると共に、この新しい体を手に入れた。おかげで騎士として働く義務もついて来るがな。前の体は病気でボロボロだったから仕方ねえ。さぁ如何にドラ息子だろうが、息子は息子! 子を殺された親の怨みを思い知りやがれ!」 「......逆恨みよ! そんなの!」 「自分の子育ての失敗を棚に上げないでよね!」 ラフィニアとレオーネの言う通りだろう。 「己の力に思想や怨恨を乗せては純粋に楽しめませんよ? もっと気を楽にして、力そのものを楽しむことをお勧めします」 「お前らを殺ってから、そうさせて貰うぜ! 行っておくが、ここに入った以上お前らはもう詰んでるんだよ。ここは魔石獣を閉じ込めておくだけの異空間じゃねえ。本来はお前達のような地上の騎士の処刑場だ! この異空間の中では、お前らの ファルスが凶悪な刃のような笑みを浮かべる。 「......本当よ、光の矢が出ない!」 「こっちも、剣が言う事を聞かないわ!」 ラフィニアとレオーネが声を上げる。 「......なるほど」 の騎士が地上の戦力を抑えつけ得る理由が、これか―― を操り氷の剣を―― が拡散してしまい、まともに操る事が出来なかった。 の動きが阻害されてまともに機能を発揮できなくなるという事だ。 無しで直接 「わたしもダメみたい」 「そう――そして聖痕を持つ俺は別だ! さぁ死ねよっ!」 ファルスの号令一下、光の柱がギュッと縮小してファルス一人だけを隔離するようになった。 光の外に放り出されたイングリス達に、一斉に魔石獣が迫ろうとする。 「ラニ! レオーネ! 宰相閣下をお願い!」 「うん!」 「何とかやってみるわ!」 返事を聞きながら、イングリスは前に進み出る。 周囲には圧倒的な数の魔石獣がひしめいている。この数は侮れない。 空間の主であるファルスを叩き、ここから抜け出すのがいいだろう。 「はああぁぁっ!」 イングリスは間近の魔石獣に突進し、それを思い切り蹴り飛ばす。 吹き飛んだ魔石獣は、寸分違わずファルスを覆う光の柱に激突し―― バキン! 固い音を立て、魔石獣の体が弾かれる。光の柱はまるでビクともしない様子だ。 「ははははっ! ここはお前らの死に様を見るための特等席よ! 効かねぇんだ――」 轟音を立て、光の柱が粉々に砕けていた。 「何が効かないんです?」 「ぐあっ......!?」 の青白い光に覆われたイングリスは、片手でファルスの喉元を掴み吊り上げていた。 「な......んだと――一体何を......」 「単に思い切り殴っただけですが?」 その柔和で可憐な笑顔。ファルスにとっては逆にそれが恐ろしい。 彼女は光の柱を殴って叩き潰したと言うが――全く動きが見えなかったのだ。

A Highlander Knight——Faris claimed himself. If so, then Inglis could raise her hope up. If Highlander Knights were weaker than the Knights of Midland, then the Highland wouldn’t be able to suppress them. Therefore, a Highlander Knight must have the power to overwhelm the forces of Midland, or something else equivalent to it. 「You sure seem happy. I’m enthralled to see that beautiful face of yours contort in fear.」 「I very much agree. I too want to see my own expression in such an event. If you’re that much of a powerhouse, that is.」 「If so——How does this sound? O’ Gate, open!」 A ripple in the space, something akin to a space distortion, vortexes around Faris’ clenched fists. In the blink of an eye, the distortion warped all around, changing the scenery in front of Inglis. Before she noticed, Inglis was already standing in a space with no walls or edges, accompanied with yellow-green light motes floating around. 「This is... a subspace?」 「It’s like the 『Maze of Trials』......!」 「R-, rather than that, look at the surroundings! There are Magic Stone Beasts everywhere!」 「W-, what’s with that number!?」 Just as Leone and Prime Minister Althea said, there were legions and legions of Magic Stone Beasts crowding around. They numbered not in tens, but in hundreds or even bordering thousands. The countless beasts were all encircling Inglis, Faris, and the others from a distance. They seemed to be unable to enter the pale-colored pillar of light Inglis and the others were in, as it seemed to be a safe-zone in this subspace. 「The beasts were gushing out from here, huh......!?」 That would explain why Inglis couldn’t feel their presence until they made their appearance. When Inglis, Rafinha, and Leone were boarding on the Flygear Carrier, the beasts were dwelling in this subspace, and thus they technically didn’t exist. Unlike the Ironblood Chain Brigade’s method of using Prism Powder to produce Magic Stone Beasts, Faris gathered the naturally spawned instances of those beasts and locked them in this space. 「That is what it is. Being in the same space with these monsters makes my skin crawl, though.」 「In short, you gathered them to doctor the crime scene as if it was the work of the brigade, is it?」 「Spot on. It’s already well known that it’s their modus operandi, isn’t it? Those foolish Knights of the Kingdom were too shortsighted. If you want to frame, make sure that every piece of evidence points in the correct direction. You see, I’m a cautious man.」「I see. So for that reason you asked us to be your guards.」 「What do you mean, Glis?」 「In his script, the three of us will join the Ironblood Chain Brigade, kill Special Envoy Myynti along with Prime Minister Althea, and ultimately break the ongoing negotiation.」 「...... I see! It’ll be all more convincing with me here, since people will think I’m chasing after my brother!」 「...... And since I’m here, big brother Rafa will be suspected of being affiliated with the brigade as well!」 「Yeah. I think that is the case. I feel sick just imagining it.」 「Unforgivable!!」 「That’s my line, you damn brats......! That’s not the only reason I brought the three of you here. I’ll avenge the death of Rahal with your lives——」 「...... Mr. Rahal’s? I’m surprised to learn that someone adores a person like him.」 「You must be a freak to avenge a b̲a̲s̲t̲a̲r̲d̲ like him! He’s no better than that special envoy from before!」 「Hmph. Quite the nerve you have to ridicule a son in front of his father.」 So, he is actually Mister Lambert? Him being a representative of the firm was a farce too? No, that doesn’t matter now, but what’s with his youth——? His age doesn’t look that far apart from Rahal’s when he died. 「Along with my being a Highlander, I was given a new body. Because of that, I was also given the duty of a Knight. I had no choice, my old body was already falling apart from an illness. Now, I am fully aware how profligate my son is, but he is still my son! I’ll have you learn the pain of a father who lost his child!」 「...... That’s unjustified! Your grudge is ill-directed!」 「Parents like you are blind when you’re raising your children!!」 Rafinha and Leone were correct. 「Adding ideologies and grudges to your own strength are not fun, you know? Relax a little more and enjoy your own strength.」 「I’ll do just that, after I take your lives! Tell you what, now that you’ve entered this subspace, you’re already checkmated. This isn’t simply a space to lock up Magic Stone Beasts; it’s originally an execution ground for Knights like you! Your Artifacts are useless within this subspace.」 Faris’ smile was like a crooked sword. 「...... He’s right, my light arrow doesn’t come out!」 「My sword doesn’t listen to me either!」 Rafinha and Leone raised their pitch. 「...... I see now.」 So this is the reason Highlander Knights can suppress Midlander Knights. Inglis converted Ether into mana, manipulating it to produce an ice sword—— But the sword didn’t even form, as the mana dispersed right after it was converted, making her unable to control it properly. The reason Artifacts stopped working was because the user’s mana was interrupted so the tool couldn’t fulfill its function. Apparently, that was also the case, even if one was to directly manipulate mana without the aid of Runes. 「It doesn’t work for me either.」 「That’s right——Except for me, for I have stigmata! Now die!」 Under Faris’ command, the pillar of light that engulfed the entire group now squeezed down to only protect him alone. Inglis and her group that was thrown out of the light’s protection was exposed to the innumerable Magic Stone Beasts which drew closer by the seconds. 「Rani! Leone! I leave the Prime Minister to you!」 「Yeah!」 「I’ll see what I can do!」 Inglis stepped forward as she confirmed their reply. The overwhelming number of Magic Stone Beasts was swarming around her. Their number shouldn’t be taken lightly. The most ideal way was to give Faris, the master of this subspace, some good beating until he brought them out of here. 「Haaat!!」 Inglis rushed at the nearest Magic Stone Beast and kicked it as hard as she could. The blown away beast was flung towards the pillar of light that covered Faris, and then—— Kerchank! With a dry sound, the Magic Stone Beast’s body bounced. The pillar didn’t even twitch from it. 「Hahahaha!! This is my front-row seat to watch you die! Whatever you do, it won’t work——」 A roar thundered, and the pillar of light was shattered into pieces. 「What won’t?」 「GUAAH......!?」 Clad in the pale light of Ether Armor, Inglis grabbed Faris by the throat with one hand, his feet didn’t touch the ground. 「H-...... how——what did you......」 「I just punched it as hard as I could, that’s all. What of it?」 There was a gentle, dainty smile decorating those words. For Faris, however, that smile was the most frightening thing. She said she smashed the pillar of light with a punch, but——Faris didn’t even see her move at all.

「それでしたら、セバスチャンさん。ラモギに関しての報酬は無くても構いません。......まぁ、この屋敷で生活してる家賃代わりと考えてもらえれば良いですよ」 「他の薬草で十分に報酬をもらってますからね」 ラモギを格安販売する事で、カレスさんの店の利益が減る事になりかねないからな。 カレスさんが反対するとは思わないが、利益が増えれば気持ち良く販売してくれるだろう......これが悪質な店への間接的な攻撃になるのなら、それで良い。 それなら俺への報酬を無しにして、微々たるものでも利益と考えてもらえば良い。 今でも十分過ぎる報酬をもらってるから、どんどんお金が溜まってる状況だ。 あって困る物ではないが、今の所使い道も無いというのも大きな理由だな。 「ですが......さすがに無報酬というわけにはいきません。それは公爵家との契約に反します......何より、リーベルト家の執事として私の矜持が許しません」 セバスチャンさんは、頑として無報酬で良いと言う俺の提案を受け入れてくれない。 どうするかな......。 「それでしたら、報酬を低くする......という事にしましょう。それでしたら報酬が無いというわけではないので、良いんじゃないですか?」 「......そう、ですな......。確かにそれならタクミ様には報酬を支払っているという事に出来ます。ですが......」 こうしないと、いつまでも話の決着点がないからな。 「......ありがとうございます、タクミ様。私がこんな話を持ち掛けたばかりに......」 そう言って、話を切り上げる。 元々、俺に黙ってラモギの値段を下げる事が出来ないような契約内容になってるんだ。 俺が無報酬や低報酬で良いと言った事は、セバスチャンさんの責任じゃない。 深々と頭を下げるセバスチャンさんの肩を叩いてに食堂へと向かう事にした。 長く話してしまったせいで、そろそろティルラちゃんがしびれを切らしてそうだしな......レオやシェリーの方かもしれないけどな。 「タクミさん、遅いです!」 「キャゥ!」 「ごめんごめん、ちょっとセバスチャンさんと話をしていたからね」 食堂に入ると、予想していた通りティルラちゃんが、お腹を空かせて俺に抗議をした。 「タクミさん、何か問題でもありましたか?」 「いえ、特にこれと言った事は。後でセバスチャンさんに聞いて下さい」 クレアさんは、俺とセバスチャンさんが何を話していたのか気になるようだが、今は夕食が優先だ。 それに、俺からクレアさんに話すと、さっきのように報酬が云々という話で長くなりそうだというのもある。 もうお腹を空かした子供が待ちきれないようだからな。 あ、レオは子供じゃないか......。 「では、頂きましょう」 クレアさんの言葉で、各自食事を始める。 よっぽどお腹がすいてたのか、ティルラちゃんとレオとシェリーは、がっつくような勢いで食べ始める。 それを注意しようとして、諦めたクレアさんが食べ始めるのを見ながら、俺もヘレーナさんの作ってくれた料理を食べた。 ティルラちゃんの食べ方が、少しだけエッケンハルトさんの食べ方に似て来たと思うのは失礼だろうか......。 「タクミさん、セバスチャンから魔法を教えてもらったようですけど。どうでしたか?」 食後のティータイムの時間。 クレアさんから、セバスチャンさんに習った魔法の成果を聞かれた。 初めて呪文を唱えた時は、何も魔法らしいものは発動しなかったが、魔力を知って使えるようになった。 その時セバスチャンさんが、ちらっと言ったような気がするが、俺に魔法の素質とやらがあるのだろうか? 「魔力を感知する能力に優れてると思われます。通常は、口で説明されてもすぐには出来ない事なのですよ。感覚に頼る部分が大きいですからな。クレアお嬢様も最初は......」 「......あれは何年前でしたかな......小さいクレアお嬢様は、私の説明がよくわからず自分には魔力が無いと勘違いなされて......」 「なされて?」 魔力を感知する事は、素質につながるのか......覚えておこう。 俺の素質の話だったのに、セバスチャンさんは楽しそうに過去を思い出して、クレアさんの小さい時の事を話し始める。 ......完全にクレアさんをからかうモードに入ったな。 俺も興味があるから、セバスチャンさんに問いかけて先を促す。 「旦那様に泣きつきましてな。......あの時は、クレアお嬢様をなだめるのに苦労しました。人間に魔力が無い事があるわけがないのですけどね」 「......あの頃はそんな事も知らなかったのよ......」 確か、人間が生きるうえで絶対に魔力は必要だとされてるんだったな。 それも知らなかった頃のクレアさんは、自分に魔力が無いとエッケンハルトさんに泣きついて、周りを困らせる事があったらしい。 恥ずかしそうにしてるクレアさんを見て、皆で和みながらしばらくゆったりと過ごす。 クレアさんにとっては、過去の恥ずかしい話を暴露されて恥ずかしいだろうけど、俺にとっては昔のクレアさんの事が知れて楽しい時間だった。

“In that case, Mr. Sebastian. I don’t mind not being paid for the Ramogi. ...Well, just think of it as me paying rent for living here.” “But...I don’t think that’s necessary... You being here has been a great benefit to the house. I doubt they would deny you your payment...” “I receive more than enough from the other herbs.” By selling the Ramogi at a lower price, Mr. Kalis’s store would not be making as much of a profit. I didn’t think he would object to it, but I’m sure he would feel better if the profits increased... And I didn’t mind, as this would ultimately affect that other store. So while I would be getting paid less, it would benefit me in other ways. Besides, I was receiving quite enough already. My savings were just increasing. It’s not like I had too much of it, but the thing was, I had nothing to spend it on as of now. “But... That really won’t do. It goes against the contract... And as the butler of the Liebert house, my pride will not allow it.” “Your...pride?” Sebastian stubbornly refused this idea that I would not be paid for the Ramogi. What should I do...? “In that case, just...lower the payment. That way, it could not be said that I was working for free.” “...Indeed... I suppose it would mean you were being rewarded, Mr. Takumi. However...” “It’s fine. This only for a short period, after all. It is not a big deal.” Otherwise, we might be here arguing all day. “...Thank you, Mr. Takumi. And all because I consulted you about it...” “Well, that was in the contract. You are just doing your job. While I’m happy to be paid, I don’t need much right now.” I said, and the conversation was finished. In the first place, the contract would not have allowed them to lower the prices without telling me. So it’s not Sebastian’s fault that I insisted on doing the work without payment or for less. And so I patted him on the shoulder as he bowed his head, and then we headed to the dining hall. As we had been talking for a while, Tilura must be tired of waiting... Leo and Sherry as well. “You’re late, Mr. Takumi!” “Wuff!” “Kyau!” “Sorry, sorry. I had something to discuss with Sebastian.” When I entered the dining hall, Tilura and the others protested just as I was expecting. “Is something wrong, Mr. Takumi?” “No, not exactly. Sebastian will explain it to you later.” “...Yes, I will tell you everything, Lady Claire.” “I see. Very well.” Ms. Claire was curious about what we were talking about, but right now, we had to eat. Besides, I had a feeling that if we got started, then Ms. Claire would be the next one to argue with me about payment. And I was hungry, and the children could wait no longer. Well, Leo wasn’t a child... “Let’s eat then.” “Yes!” “Wuff-wuff!” “Kyau!” Said Ms. Claire, and we all began to eat. Tilura, Leo and Sherry fell on their food hungrily and ate rapidly. Ms. Claire was about to scold them, but gave up and ate her own food. I too ate the food that Ms. Helena had prepared. Tilura was starting to resemble her father when it came to eating habits. But that was too rude to say out loud... “Mr. Takumi. I heard that Sebastian is teaching you magic now. How is it going?” “It was a little difficult at first... But I was able to do some beginner magic.” “It’s because Mr. Takumi has the right qualities to be good with magic.” “Is that so?” It was while we were drinking tea. Ms. Claire asked me about how my magic training was going. While no magic had been activated the first time I chanted, I was able to do it once I learned of magic energy. Sebastian seemed to think I had potential. I wonder if it’s true? “I think you have a good ability to detect magic energy. Normally, people cannot do it so quickly after hearing an explanation. Because a lot of it relies on feeling. In fact, when Lady Claire first began...” “Why, Sebastian!” “...That was some years ago... When Lady Claire was little. She did not understand what I was saying, and believed that she didn’t have magic energy...” “And?” Detecting magic was related to potential... I’d keep that in mind. But the conversation had now turned to Ms. Claire’s past, which Sebastian related with amusement, in spite of Ms. Claire’s protests. ...He was clearly in the mood to make fun of her. But I was quite interested, and urged him to continue. “She then went crying to His Grace. ...It was very difficult to console her when she was like that. And yet the very idea of someone not having magic energy is ridiculous.” “...But I didn’t know such things back then...” “You must have been a very cute child.” Indeed, he had said that all humans needed magic energy in order to live. But Ms. Claire didn’t know this, and had cried off to her father and caused a lot of trouble. Ms. Claire looked quite embarrassed by this story, but we all laughed and the time continued to pass amidst a relaxed atmosphere. While Ms. Claire did not appreciate having her past exposed like this, I was glad to have learned a little more about her.

これが仕事なんで 顔を白く塗って箱の上に立ち ― 帽子とか缶を足元に置きます 誰かがお金を入れてくれたら 花を差し出して じっと見つめるんです 受け取ってもらえない時は 悲しそうに訴えるポーズで 歩み去る姿を見送ります 感動的な出会いも経験しました 特に寂しい人たち ― 何週間も 誰とも 話してないような人に出会って 通りの真ん中で 見つめ合うという 美しい瞬間を経験しました 通りの真ん中で 見つめ合うという 美しい瞬間を経験しました ちょっとした恋愛のようでした 「ありがとう あなたのこと ちゃんと見ているから」と目で訴えると 相手の目も語ります 「誰も僕を見てくれやしないんだ ありがとう」 イヤな経験もしました 通りすがりの車から 「仕事しろ!」って怒鳴られます 「これ仕事だから」とツッコミますが それでも やっぱり傷つきます 仕事らしくない 卑怯で ― 恥ずかしいことでもしてるようで 不安になりました この箱の上で 音楽ビジネスについて どれほど学んだか わかりません 経済学者の方なら 日々の収入を予想できたことに 興味を持つかも 常連がいるわけじゃないから ― いつも驚いていました 火曜は60ドル 金曜は90ドルと 一定なんです その頃 ドレスデン・ドールズというバンドで 地元を回ったり クラブで演奏していました ピアノの私と 天才ドラマーで 曲は私が書きました 十分お金が入るようになったので 生きた彫刻をやめ ツアーをするようになっても あの 人と触れ合う感覚は 失いたくありませんでした 大好きだったから だからショーが終わると ファンにサインしたり ハグしたり おしゃべりしたりしてました 手伝ってとか 一緒にやってと 頼んでいるうちに 仕組ができました 地元のアーティストを呼んで ライブ会場の外で 何かやってもらう 彼らは帽子に お金を集めて 後でステージに合流 いろんな面白いゲストが どんどん登場して もう大騒ぎ Twitter が出てくると いつでも どこでも 何でも頼めるようになって もっとすごいことになりました ピアノを練習したくなったら 1時間後にはファンの家にいます これはロンドンです 皆が各国の手料理を 差し入れしてくれて 楽屋で一緒に食べたり これはシアトル 美術館やお店や 公共の場所で働いてるファンは 突然 押しかけて 無料のゲリラ・ライブをしても ちゃんと反応してくれます ここはオークランドの図書館 TEDで使う箱と帽子を わざわざ 東海岸から運びたくなかったから 土曜に欲しいって ツイートしたら ニューポート・ビーチから このクリスが持ってきてくれました “ハロー”って言ってます メルボルンで「鼻洗浄器はどこで買える?」 ってツイートしたら 看護師をしてる人が即座に 私のいるカフェまで ― 車で持って来てくれました スムージーをおごって 看護と死について話しました こんな幸運な 偶然の触れ合いが好きです 私は よく他人の家を泊まり歩きます メンバーそれぞれに部屋がもらえるけど Wi-Fi はない豪邸もあれば みんな床に雑魚寝で トイレもない ― でもWi-Fi は有る ボロ部屋もあり ― そっちの方がいいわよね 以前 スタッフと行ったのは マイアミ郊外のすごく貧しい地域 その晩 泊めてくれたのは まだ親元に住んでいる 18才の女の子でした 家族全員 ホンジュラスからの 不法移民です その夜は私達がベッドに ― 寝られるように 家族全員がソファに寝て その子は母親と寝ていました 私は横になって考えました この家族は何も持ってないのに ― 私がベッドを取っていいのか? 翌朝 お母さんがトルティーヤの 作り方を教えてくれて 聖書をくれようとしました それから私を呼んで つたない英語で言うんです 「あなたの音楽が娘の支えなの ― 来てくれてありがとう 皆とても感謝してる」って 私は それなら受け取って いいんだと思いました 交換なんです 2か月後 マンハッタンで 寝場所を求めてツイートしました 夜中にドアベルを押して ふと ― 一人は初めてだと気付きました いつもは誰かが一緒です 一人は初めてだと気付きました いつもは誰かが一緒です 「もしかして これってバカのすること?」 と思いました 「バカはこうやって死ぬのかな?」 やめようと思った時 ドアが開いて 芸術家と金融系記者の カップルが出てきました 一緒に赤ワインを飲んで お風呂も 貸してくれました 数え切れないほど そんな夜を過ごしてきました 私はよく泊まり歩きますし ステージダイブもたくさんします 泊まり歩くのも ステージダイブするのも 本質的には同じだと 私は思います 観客に飛び込むのは お互いの信頼の証です 観客に飛び込むのは お互いの信頼の証です 以前 前座のバンドに こう勧めたことがあります 観客に帽子を回して お金をもらったら? 私もよくやっていたけど? みんな張り切って行くのに 1人だけ動こうとしません どうしても行く気になれない ― 物乞いをするような 気持ちになるって 彼の怖れは 私にも馴染みのある あの声です 「もらっていいのか?」そして「仕事しろ!」 そうこうする内に うちのバンドの人気は上がっていき メジャー・レーベルと契約しました 私達の音楽はパンクと キャバレーの中間で 好き嫌いが分かれます でも あなたの好みかも それで私たちのアルバムは 派手に宣伝され 発売後 最初の数週で 2万5千枚売れたのに 会社側は失敗だって言うんです 「それって多くないの?」と言うと 向こうは 「売上は落ちてるし 失敗だ」と そんな感じで撤退していきました 同じ頃 ライブの後 ファンに サインやハグをしてたら 男の人が近づいてきて 私に10ドル札を差し出して 言うんです 私に10ドル札を差し出して 言うんです 「ごめんなさい 友達のCDを コピーしました ― 」 「でもブログで あのレコード会社 嫌いなの知ってるから このお金はあなたに 受け取って欲しい」 こんなことが よく起こるようになりました ライブの後に 私が お金を集める帽子役になり 実際にみんなの前に立って 支援を募るんです さっきの前座の彼と違って そうするのは 慣れているので 「ありがと」って受け取ります この時 心に決めたんです できる限りタダで 音楽をオンライン配信しようって できる限りタダで 音楽をオンライン配信しようって メタリカは Napsterを叩いたけど アマンダ・パーマー的には P2Pもダウンロードも共有もOK でも支援を お願いしよう ストリートでは うまくいったんだから 私は苦労してレーベルを離れ 次のバンド ― グランド・セフト・オーケストラを 立ち上げました クラウドファンディングに目をつけ これまで築いてきた何千もの つながりに飛び込んで 皆に「支えて」と頼んだんです 目標は10万ドル でもファンの支援は ― 120万ドル近くにもなりました 音楽系クラウドファンディングの 最高記録です (拍手) 支援者の数がわかりますか? だいたい2万5千人です メディアは こう聞いてきます 「音楽業界は落ち目なのに 君は音楽をフリーで配布 どうやって金を出させたんだ」 出させたんじゃない 頼んだんです 頼むことで人とのつながりができ ― 頼むことで人とのつながりができ ― つながりができれば みんな助けてくれる アーティストの多くは そんなバカなと思っています 誰かに頼るなんてとんでもないって 助けを求めるのは 簡単なことじゃないから ― 抵抗を感じる人が多いんです 頼むのは 自分を無防備にすることだから Kickstarterでの支援額が大きくなるにつれ ネット上で — 非難されるようになりました 相変わらず 皆に 頼み続けていたからです 特にファンのミュージシャン達に 愛情と ライブのチケットと ビールを出すから 何曲か私達と一緒にやろうと 誘ったのが やり玉に上がりました これはあるサイトに上げられた 加工した私の画像です これはあるサイトに上げられた 加工した私の画像です 傷ついたけど 似た経験はしてます 「お前に好意を受ける資格はない」と 非難する人達を見ると 「お前に好意を受ける資格はない」と 非難する人達を見ると 車から「仕事しろ」と 叫んでいた人と重なります あの人達は 一緒に歩道に 立ってるわけじゃないから 私と観客の間で 交わされているものが わからない 私達にとって公平な関係でも 彼らには理解できないのです 職場で見てる人には問題ありかも ベルリンでのKickstarter 支援パーティーでは 私が脱いで 体に いろいろ書いてもらいました もし 人への信頼を 心の底から感じてみたいなら オススメです 特に 酔っぱらったドイツ人相手なら 最高の経験になるはず 達人レベルのファン交流です というのも そこで伝えたのは ― 「あなたをこんなに信頼してる ― 信頼していい? 証拠を見せて」 ということだから 人類の歴史が始まって以来 アーティストはずっと コミュニティーの一部でした 人をつなぎ 開放する役であって 手の届かないスターではなかった スターとは 遠くにも愛してくれる人が たくさんいるということですが ネットや 自由に共有できる コンテンツのおかげで ネットや 自由に共有できる コンテンツのおかげで 再び 皆が つながれる ようになりました そこには 数は少なくても ― 近くで応援してくれる人がいて それで十分なんです 応援に “定価” はないから 戸惑う人もいて ― 応援に “定価” はないから 戸惑う人もいて ― これをリスクと思っているけど Kickstarterも 路上パフォーマンスも 深夜のドアベルも 私にとってはリスクじゃない 信頼の表れです 路上で交換するのと同じくらい ― 簡単で直感的なオンライン・ツールが 実現しつつあります でも互いに向き合い 遠慮なくやり取りできないなら いくらツールが完璧でも 役には立ちません それ以上に大切なのは 恥ずかしがらずに 助けを求めることです 私はこれまでミュージシャンとして ネット上の出会いを 大切にして来ました あの箱の上での出会いと同じように だからブログやツイートでは ツアー日程や 新作PVのことだけでなく 私達の仕事も アートも 不安も 二日酔いも 失敗したことだって書きます それから会うんです 実際に会えば 助け合いたくなるはず 実際に会えば 助け合いたくなるはず みんな誤った問いから 離れられないんです ― 「どうやって 音楽にお金を出させるか?」 でも こう考えたらどうでしょう ― 「どうすれば音楽に お金を出せるように してあげられるだろう?」 ありがとう

I painted myself white one day, stood on a box, put a hat or a can at my feet, and when someone came by and dropped in money, I handed them a flower -- and some intense eye contact. And if they didn't take the flower, I threw in a gesture of sadness and longing -- as they walked away. So I had the most profound encounters with people, especially lonely people who looked like they hadn't talked to anyone in weeks, and we would get this beautiful moment of prolonged eye contact being allowed in a city street, and we would sort of fall in love a little bit. And my eyes would say -- "Thank you. I see you." And their eyes would say -- "Nobody ever sees me. Thank you." I would get harassed sometimes. People would yell at me from their cars. "Get a job!" "This is my job." But it hurt, because it made me fear that I was somehow doing something un-joblike and unfair, shameful. I had no idea how perfect a real education I was getting for the music business on this box. And for the economists out there, you may be interested to know I actually made a pretty predictable income, which was shocking to me, given I had no regular customers, but pretty much 60 bucks on a Tuesday, 90 bucks on a Friday. It was consistent. And meanwhile, I was touring locally and playing in nightclubs with my band, the Dresden Dolls. This was me on piano, a genius drummer. I wrote the songs, and eventually we started making enough money that I could quit being a statue, and as we started touring, I really didn't want to lose this sense of direct connection with people, because I loved it. So after all of our shows, we would sign autographs and hug fans and hang out and talk to people, and we made an art out of asking people to help us and join us, and I would track down local musicians and artists and they would set up outside of our shows, and they would pass the hat, and then they would come in and join us onstage, so we had this rotating smorgasbord of weird, random circus guests. And then Twitter came along, and made things even more magic, because I could ask instantly for anything anywhere. So I would need a piano to practice on, and an hour later I would be at a fan's house. This is in London. People would bring home-cooked food to us all over the world backstage and feed us and eat with us. This is in Seattle. Fans who worked in museums and stores and any kind of public space would wave their hands if I would decide to do a last-minute, spontaneous, free gig. On Saturday I tweeted for this crate and hat, because I did not want to schlep them from the East Coast, and they showed up care of this dude, Chris, from Newport Beach, who says hello. I once tweeted, "Where in Melbourne can I buy a neti pot?" And a nurse from a hospital drove one right at that moment to the cafe I was in, and I bought her a smoothie and we sat there talking about nursing and death. And I love this kind of random closeness, which is lucky, because I do a lot of couchsurfing. In mansions where everyone in my crew gets their own room but there's no wireless, and in punk squats, My crew once pulled our van up to a really poor Miami neighborhood and we found out that our couchsurfing host for the night was an 18-year-old girl, still living at home, and her family were all undocumented immigrants from Honduras. And that night, her whole family took the couches and she slept together with her mom so that we could take their beds. And I lay there thinking, these people have so little. Is this fair? And in the morning, her mom taught us how to try to make tortillas and wanted to give me a Bible, and she took me aside and she said to me in her broken English, "Your music has helped my daughter so much. Thank you for staying here. We're all so grateful." And I thought, this is fair. This is this. A couple of months later, I was in Manhattan, and I tweeted for a crash pad, and at midnight, I'm on the Lower East Side, and it occurs to me I've never actually done this alone. I've always been with my band or my crew. Is this what stupid people do? Is this how stupid people die? And before I can change my mind, the door busts open. She's an artist. He's a financial blogger for Reuters, and they're pouring me a glass of red wine and offering me a bath, and I have had thousands of nights like that and like that. So I couchsurf a lot. I also crowdsurf a lot. I maintain couchsurfing and crowdsurfing are basically the same thing. You're falling into the audience and you're trusting each other. I once asked an opening band of mine if they wanted to go out into the crowd and pass the hat to get some extra money, something that I did a lot. And as usual, the band was psyched, but there was this one guy in the band who told me he just couldn't bring himself to go out there. It felt too much like begging to stand there with the hat. And I recognized his fear of "Is this fair?" and "Get a job." And meanwhile, my band is becoming bigger and bigger. We sign with a major label. And our music is a cross between punk and cabaret. It's not for everybody. Well, maybe it's for you. We sign, and there's all this hype leading up to our next record. And it comes out and it sells about 25,000 copies in the first few weeks, and the label considers this a failure. I was like, "25,000, isn't that a lot?" They said, "No, the sales are going down. It's a failure." And they walk off. Right at this same time, I'm signing and hugging after a gig, and a guy comes up to me and hands me a $10 bill, and he says, "I'm sorry, I burned your CD from a friend." "But I read your blog, I know you hate your label. I just want you to have this money." And this starts happening all the time. I become the hat after my own gigs, but I have to physically stand there and take the help from people, and unlike the guy in the opening band, I've actually had a lot of practice standing there. Thank you. And this is the moment I decide I'm just going to give away my music for free online whenever possible, so it's like Metallica over here, Napster, bad; Amanda Palmer over here, and I'm going to encourage torrenting, downloading, sharing, but I'm going to ask for help, because I saw it work on the street. So I fought my way off my label, and for my next project with my new band, the Grand Theft Orchestra, I turned to crowdfunding. And I fell into those thousands of connections that I'd made, and I asked my crowd to catch me. And the goal was 100,000 dollars. My fans backed me at nearly 1.2 million, which was the biggest music crowdfunding project to date. And you can see how many people it is. It's about 25,000 people. And the media asked, "Amanda, the music business is tanking and you encourage piracy. How did you make all these people pay for music?" And the real answer is, I didn't make them. I asked them. And through the very act of asking people, I'd connected with them, and when you connect with them, people want to help you. It's kind of counterintuitive for a lot of artists. They don't want to ask for things. But it's not easy. It's not easy to ask. And a lot of artists have a problem with this. Asking makes you vulnerable. And I got a lot of criticism online, after my Kickstarter went big, for continuing my crazy crowdsourcing practices, specifically for asking musicians who are fans if they wanted to join us on stage for a few songs in exchange for love and tickets and beer, and this was a doctored image that went up of me on a website. And this hurt in a really familiar way. And people saying, "You're not allowed anymore to ask for that kind of help," really reminded me of the people in their cars yelling, "Get a job." Because they weren't with us on the sidewalk, and they couldn't see the exchange that was happening between me and my crowd, an exchange that was very fair to us but alien to them. So this is slightly not safe for work. This is my Kickstarter backer party in Berlin. At the end of the night, I stripped and let everyone draw on me. Now let me tell you, if you want to experience the visceral feeling of trusting strangers -- I recommend this, especially if those strangers are drunk German people. This was a ninja master-level fan connection, because what I was really saying here was, I trust you this much. Should I? Show me. For most of human history, musicians, artists, they've been part of the community. Connectors and openers, not untouchable stars. Celebrity is about a lot of people loving you from a distance, but the Internet and the content that we're freely able to share on it are taking us back. It's about a few people loving you up close and about those people being enough. So a lot of people are confused by the idea of no hard sticker price. They see it as an unpredictable risk, but the things I've done, the Kickstarter, the street, the doorbell, I don't see these things as risk. I see them as trust. Now, the online tools to make the exchange as easy and as instinctive as the street, they're getting there. But the perfect tools aren't going to help us if we can't face each other and give and receive fearlessly, but, more important -- to ask without shame. My music career has been spent trying to encounter people on the Internet the way I could on the box. So blogging and tweeting not just about my tour dates and my new video but about our work and our art and our fears and our hangovers, our mistakes, and we see each other. And I think when we really see each other, we want to help each other. I think people have been obsessed with the wrong question, which is, "How do we make people pay for music?" What if we started asking, "How do we let people pay for music?" Thank you.

あの後、アストはマクスウェルから代金を受け取り、早々に姿を消した。 正直言うと早く性能を試したくて仕方がない。対してマクスウェルは憔悴しきった表情をしている。 「お主は気楽じゃのう。ワシは気が重いぞ」 「ん、なんでだ? 武器も手に入ったし、戦闘力が上がるのは悪い事じゃないだろ」 「そうではないわい。マリアとコルティナのことじゃ」 「ああ......」 しかも今回はマリアという増援までいる。このままでは俺の正体も風前の灯火である。 「さすがに今回は逃げきれん気がするのぅ。いっそ明かしてはどうじゃ?」 「いまさらできるかよ! バツが悪すぎるわ」 自分から明かすなんて、できようはずもない。だがごまかすためのいい口実も見つからない。 どうに塞がりな感が拭えない。 「また変装してごまかすか?」 「さすがに何度もやるのは、逆に危険じゃ。コルティナが何度も騙されると思うか?」 「......無理だな」 今、コルティナはハウメアという虚像をレイドだと思っている。 「むしろ今動くのは愚策かもしれんの。クレインとマテウスが現れたところだし、そちらを追わせることでごまかすかの」 「そう都合よく情報が入って来るもんかね?」 「来んじゃろうなぁ」 マテウスが手を引いた以上、クレイン・ストラ=サルワはもはやこの街にはいないはずだ。 「それまでは別行動という事で、どうにかごまかしてみるわぃ。コルティナたちはストラ領の調査にじゃろう?」 「だろうな。ドノバンの要請もあった事だし」 「しかし今回出てきたのは、南のコーム都市国家連合の暗殺者。そちらを調べる必要もあるのじゃないか?」 「ふむ、それをお前が調べに行くと?」 「どのみち、どちらも手早く調べる必要がある。後手に回ると取り逃がす可能性もあるからの。ならば転移魔術の使えるワシとマリアが手分けするしかあるまいて」 「なるほど、言い分としては充分か。しかし暗殺者を追うとなると、かなり危険だぞ? マテウスの奴は生前の俺とまでは行かないが、かなり危険な相手だ」 「そういうのも自画自賛というのかの? ガドルスでも連れていくわい」 守りのスペシャリストであるガドルスが一緒ならば、問題はないか? しかしエルフとドワーフは仲が悪い場合が多いのに、こいつらは意外と気が合うんだよな。 まあ、死線をくぐり抜けてきた仲だから、当然と言えるが。 「敵側にああいう連中がいる以上、俺が護衛につきたいところなんだが......」 「今のお前さんが? 堂々と街から出るのも難しいじゃろ」 「うっ、さすがに狩りも自主規制中なんだよな」 クラウドが街の外であのようなトラブルに巻き込まれた以上、しばらく周辺を警戒する必要がある。 当面は食糧の供給は、俺たちの分を保存食にしたモノを横流しすることでごまかしていた。 「まあ、いいか。爺さんはそれでどうにか逃げ延びてくれ」 「悪ぃとは思ってるよ。今度なんか持ち込んでやっから」 「安い肉ではごまかされんからな!」 「そこはごまかされろよ! こっちはまだ子供だぞ」 「都合の良い時だけ子供になるな」 俺の頭を叩くべくこちらにやってくるマクスウェル。俺はその手を掻い潜りながら、屋敷を後にしたのだった。 深夜。この身体もかなり夜型になってきた気がする。 俺は隠密のギフトをフル稼働して街を抜け出し、森に来ていた。これは俺の新たな能力と、装備の性能を試すためだ。 どんな良い武器も、慣らしは必要なのだ。 「と言っても、実際のところは早く試したいだけなんだよな」 まずはマテウス戦で発見した、筋繊維を操る方法から試してみる。 跳躍、加速、そして減速。森の中を自在に飛び跳ね、駆け巡る。 しかし―― 「これは......ダメだな。負担が大きすぎる」 の魔法と違い、俺の耐久力まで強化されるわけではない。俺の身体は運動能力について来れず、短時間で悲鳴を上げていた。 「マテウスの時は、よく保ってくれたもんだ」 あの戦闘で限界を迎えていたら、瞬く間に蹂躙されていたことだろう。そこで俺はふと、手甲に刻まれた魔法の事を思い出す。 ならば耐久力とかも上昇するのではなかろうか? そう思って早速魔力を流してみる。 その状態で操糸を使い、先ほどの同じ動きを繰り返してみると、若干ではあるが負担が軽減している。 だがこの程度の負担ならば、十分程度は使用する事はできそうだ。もっとも、内蔵された魔法しか持たないのだから、それ以上は意味がないかもしれない。 「次は糸の調子だな。あれだけ苦労させられたんだから......ん?」 そこで俺はがさがさと草が揺れていることに気付いた。この近辺は大きな猛獣は冒険者に駆逐されているはずなので、それほど危険な生物はいないはず。 しかし......そんな俺の考えを裏切るかのように、草むらから巨大な影が現れたのだった。

Afterward, Aste received his payment from Maxwell and quickly disappeared somewhere. Since he paid in my stead I had to repay it some time, but that could be easily solved by paying a visit to my secret base. Having obtained new gauntlets, I had a delighted expression on my face, my hands itching for the action. Frankly put, I really wanted to put their ability to test right away. Maxwell, on the other hand, was looking extremely weary. “You sure look carefree. And here I am depressed.” “Huh, why? I got my weapon, so my power should go up. There’s nothing wrong with it, is there?” “I do not mean that. I am talking about Maria and Cortina.” “Oh...” If those two press Maxwell for answers, even he would not be able to get away. Cortina had Maria as a reinforcement this time, so my identity was just waiting to get busted at this rate. “I feel like no excuses will work next time. Why not just come out with it already?” “Like I can do that so late in the game! I’d be super awkward!” There’s no way I can reveal it myself. But I couldn’t find a good excuse to deceive them, either. I couldn’t erase the feeling that all doors were closed on me. “Should I transform again and redirect them that way?” “Doing that more than once would instead invite more danger. Do you believe that Cortina will be deceived over and over?” “...Yeah, not happening.” Currently, Cortina was under the impression that this imaginary person, Haumea, was Reid. If she learned that she was fake, then her aim would shift to the one that visited Maxwell’s mansion most frequently—in other words, me. “It would be a stupid plan to make any moves now. I will try to distract them with the pursuit of Klein and Mateus, since they are the focus now.” “Can you even get juicy information required for that to work?” “I suppose not.” Mateus pulled back, which meant Klein Stolla Serwa wasn’t in this town anymore. Since he left the city already, there was no knowing where he could have gone from there. If he had connections to someone that could use Teleportation magic, he could be anywhere now. Pursuing someone like that would be close to impossible even for Maxwell. “Until I get it, I will somehow distract them by doing work separately. Cortina and others have their hands full of investigating the Stolla domain, right?” “Yeah. There’s also the matter of Donovan too.” “But there was also the matter of that assassin from the southern City-State union of Qaum. There is a need to investigate that too, right?” “Ah, so you’re gonna tell them you’d investigate that yourself?” “Yes, after all, either matter requires prompt action from us. There is a high possibility that we would lose our target if we stall the matter for too long. As such, Maria and I, who are able to use the Teleportation magic, have to share that work.” “I see. I suppose that works as an excuse. Still, pursuing that assassin can be quite dangerous, you know? Although not quite on my level from my previous life, that Mateus is still extremely dangerous.” “Singing praises to yourself, eh? In that case, perhaps I will take Gadius too.” I suppose there should be no problems with a specialist in protection like Gadius with him. Still, Elves and Dwarves were generally on bad terms, but these two got along surprisingly well. Well, they were comrades who have looked death in the eyes many a time, so it was probably natural. “If the enemy has people like that on their side, I kinda wanna tag along as a guard...” “The present you? You can’t even leave the town so easily, can you?” “Ugh, yeah, I even have some self-restraints put on the hunting too.” Since Cloud got rolled up in such an incident just outside of the city, we had to be wary of the surroundings for some time. Thus, the kingdom was more vigilant now and also requested low-level Adventurers to put self-restraint on their activities. As an after-effect of that, our hunts also fell under such self-restraints. Cloud’s food situation required him to hunt, but it couldn’t be helped now. To deal with that immediate problem, we were using illegal channels to distribute our own shares as preserved foods. “Oh well. Please deal with that somehow, old man.” “I feel bad about it, okay? I’ll give you something to make up for it later.” “You shall not fool me with some cheap meat!” “Can’t you just let yourself be fooled? I’m still a kid!” “You are only a kid when it suits your needs.” Maxwell drew near to smack me on my head. I dodged his hand and made my way out of his mansion. Late at night. I started feeling like I was becoming quite a nocturnal person. I used my Stealth Gift to its utmost and left the city, entering the forest. This was to test my new ability and the performance of the new equipment. I was quite fond of my new weapon, but that didn’t mean I would be an expert at using it from the get-go. Every good weapon needed getting used to first. “That said, I just want to test it right away, but...” First I decided to start by testing the muscle fiber manipulation that I discovered during the fight with Mateus. I jumped, accelerated, and decelerated, leaping around in the forest to my heart’s content. My speed was far faster compared to being strengthened with threads. However... “This... Is no good. The burden is too much.” Unlike the Enchant magic, it didn’t strengthen my stamina along with it. My body couldn’t keep up with my movement ability and started screeching in a short time. “I did well enduring it during the fight with Mateus.” If I had exceeded my limit while fighting, he could’ve easily cut me down. Then, I suddenly remembered the spell that was carved on my gauntlets. Aste said there was Enchant installed on it. In that case, wouldn’t it also be able to raise my stamina? Thinking that, I quickly let my magic power flow through it. Receiving my magic power, the spell activated on its own and covered my body. I then used my thread manipulation on top of it and did the same actions as before. Albeit only by a bit, the burden seemed to have lessened. The reason I was still feeling some burden was probably that my manipulation ability was exceeding the strength of the Enchant spell. Still, if it was this much, I could last for about ten minutes. The build-in magic could only last for three minutes, so any longer would be pointless. “Next would be to check the threads themselves. We worked so hard to get them... Hmm?” Then, I suddenly noticed a rustling in the grass. Any violent animals were being periodically exterminated by Adventurers around these parts, so it shouldn’t have been any dangerous animal. As if to betray my expectations... A giant silhouette showed itself from the grass.

イギリスでは 63%の 男性の短期受刑者が 出所後 1年以内に 再犯をしています では これら前科者による 犯罪件数の平均はどれくらいだと 思いますか? 43回です では 過去何回 刑務所に入っていたのでしょうか? 7回です 私たちは 司法省に行き こう聞きました 再犯者を減らすことの 価値は いかほどでしょう? 何らかの価値はあるはずでしょう お金をかけて 刑務所を運営し 警察も使い 裁判手続きなどもして 再犯者に 対処しているわけですから その価値は いかほどになるでしょう もちろん 私たちは 社会的価値を大事に考えています 私が立ち上げ支援をした ソーシャル・ファイナンスという組織も 社会問題を重視しています でも 私たちは 経済面も論じたかったのです というのも 経済性が示せれば これを行う価値は 覆しようのないものとなるからです 再犯率を下げることの 価値と 成果を測る基準について 合意することができれば とても面白いことができるのです とても面白いことができるのです 「ソーシャル・インパクト・ボンド (社会インパクト債権)」と呼ばれる― この考え方は 要するに 政府と合意が取れれば 契約を結んで 成功報酬制で 活動をするというものです ですから 政府は 新しいことを試せる一方で 失敗した上に お金まで払う― 無様なことになる 心配もありません 政府機関の多くにとって これは重要な問題ですから 皆さん お気づきの通り ここで一つ問題があります 期待された成果が 得られたか 検証するまでには 長い時間がかかることです ですから 資金を 集める必要があります この契約をもとに 社会貢献型投資家から 資金を募ります 社会貢献型投資家とは 面白い考え方もあるものでしょう? 実際 機会さえあれば 社会に役立つことに 喜んで投資をするという人は たくさんいるのです ですから 機会を用意しました 政府が より良いお金の使い方を 見つける手伝いもしませんか? 刑期を終えた人を 放っておいて 再犯をするのを待って また刑務所に入れるのではなく 実際に 彼らと向き合い 別の道を歩めるよう手助けし 結果的に犯罪を減らし 被害者も減らすのです 私たちは投資家を見つけ 投資家は事業活動の 費用を支払います もしそれが成功すれば 良い結果が得られますし 再犯率が減ることで 政府は支出が抑えられ その節約できた分で 成果について 対価を支払います 投資家は 投資を回収するだけではなく 運用益が得られます 2010年3月 私たちは 世界初のソーシャル・インパクト・ボンドの 契約を結びました 司法省とで ピーターバラ刑務所の 3,000人の受刑者を 対象としたものです 受刑者を1,000人ごとの 3つのグループに分け 各グループについて 出所後2年にわたり 追跡調査をします 1年以内に再犯をしたとして 裁判手続きに6ヶ月かかりますから そして その調査結果を 検証します 全英警察データから 可能な限り似た― グループを抽出し それと比較するのです 支払いがされるのは 再犯率を10%以上削減できた場合で 起こらなかった犯罪件数に応じた額を 受け取ります つまり 防いだ犯罪に対して 支払われるのです もし3つのグループすべてで 10%削減ができれば もし3つのグループすべてで 10%削減ができれば 投資家は 年利7.5%の リターンを得られます それよりも よい結果が出た場合 最高で 年利13%の リターンが得られます 悪くない数字ですね このスキームでは 誰もが得をするのです 司法省は 新しいプログラムを試せ しかも お金を払うのは 成功したときだけです 投資家は 2つの機会を得られます まず 社会変革に投資できます さらに 合理的な運用益も得られます 投資家はよく承知している通り こうしたものに 最初に投資するのは 確固たる信念を持ち 社会貢献に関心がある人に 限られます でも 実績が積み重ねられれば 5年か10年後には この投資家コミュニティーは 広がります この商品を信頼する人が 増えるからです 事業運営者も ここで初めて 事業を運営する機会を得て とても建設的な取組みの 結果を積み重ねて 学習し その価値を示せるようになります 5年とか6年後の話で よくある1、2年の話ではありません 社会も恩恵を受けます 犯罪も被害者も減るからです 実は 犯罪者にとっても 良いのです 数千円を手に 出所しても 数千円を手に 出所しても 半分は どこに行けばよいかも 分からない状況です でも 誰かが 刑務所にやってきて 自分の問題に 耳を傾けてくれ 出所の日には 門で待っていて 住むところまで 連れて行ってくれ さらに いろんな福祉や仕事 薬物更生 メンタルヘルスなど 必要なものへ 導いてくれるのです ここで 別の事例を 見てみましょう 児童養護の取組みです 今 とても高いお金をかけて 良い成果が出せていない どんな分野でも ソーシャル・インパクト・ボンドは うまく機能します 養護施設の子どもたちは 悪い方向に進む傾向にあります 16歳で義務教育修了時に受ける 統一試験GCSEの5科目で 基準点を取れるのは たった13%だけです 全国平均は58%にも かかわらずです さらに悪いことには 服役中の犯罪者の27%が 養護施設で過ごした 経験を持ちます もっと心配なのは 内務省の統計によれば 売春婦の70%も 養護施設に入ったことがあります 国は あまり良い親では ないのです でも 養護の必要な 思春期の子どもには もっと良いプログラムが 色々あるのです 養護施設に行く子どもの30%は 思春期でもあります そこで 私たちは エセックス県庁とプログラムを立上げ 集中的な家庭サポートを 試すことにしました 思春期の子どもがいる家庭が 対象になっています エセックス県が お金を支払うのは 支援費用を 節約できたときだけです 投資家からは 約5億円が集まり 先月 プログラムは 始動しました 他にもあります ロンドンのホームレス問題や 全国の 若者、雇用、教育といった分野です 全国の 若者、雇用、教育といった分野です 今や イギリスでは 13のソーシャル・インパクト・ボンドがあり このアイデアは 世界中から高い関心を集めています このアイデアは 世界中から高い関心を集めています デーヴィッド・キャメロン首相も 約34億円を 社会成果基金に提供し このアイデアを支持しています オバマ大統領も こうした事業に 約300億円の国家予算を当てて 進めていくべきだと言っています そして たくさんの国が 高い関心を示しています なぜ こんなに盛り上がるのでしょうか? 何が違うのでしょうか? 1つ目は さきほどもお話ししましたが イノベーションです 皆に受け入れられやすい形で 新しいアイデアを 試せるようになるからです 2つ目は 厳密だからです 成果を目指して データを検証し 課題解決に取り入れる 必要があるからです ピーターバラ刑務所の例でいえば 私たちは ケースマネジメントを 共に活動を進めている すべての組織に取り入れました 皆が 受刑者に対して どんな取組みをしているか共有し 同時に司法省からも情報を得ました また私たちも 何が起こっているか 再び逮捕されるかどうか データを追って調べました それを見て 私たちは プログラムを調整するのです これは3つ目にもつながります 今までにない― 柔軟性です 通常 契約をするときは 政府のお金を使っている― 私たちのお金 税金を使っているわけで そのことは 事業担当者も よく認識しているので お金をどのように使うか 細かく管理したくなります ここにいる起業家のみなさんは お分かりだと思いますが ビジネスプランの バージョン1.0は うまく行かないものです こうしたことを 試すときは 柔軟にプログラムを 調整して行く必要があります ピーターバラ刑務所の話に戻ると ここでも― ある計画を持って始めたわけですが 同時にデータも収集し プロジェクトを 進めるにつれて 計画を微調整し 変更を行い 新たな要素も 加えて行きました サービスを適応させ 長期的なニーズにも 短期的なニーズにも 合うようにしたのです 受刑者から より大きなコミットを そして長期のコミットを 得るようにするのです 最後のポイントは パートナーシップです 最近 こんな陳腐な議論を よく耳にします このようなプログラムは 国がすべきとか 公共セクター、民間セクターがよいとか 第三セクターがよいとか でも 社会変革を起こすなら 私たちは これら関係者すべての 専門性を結集させて 解決に当たらないといけません このことを通して すべてを結びつける 仕組みを作り上げます このアイデアで 何が変わるのでしょう? この取り組みで 私たちは 社会変革に投資する手段を 手にできるのです これまで 社会変革に 投資する機会を求める― 何千 おそらく何百万という人に 会ってきました 一方で 公共部門では こうした取り組みに関心の高い― 素晴らしい方々に お会いしました このモデルがあれば この2つを結びつけられるのです ありがとうございました

In Britain, 63 percent of all men who come out of short sentences from prison re-offend again within a year. Now how many previous offenses do you think they have on average managed to commit? Forty-three. And how many previous times do you think they've been in prison? Seven. So we went to talk to the Ministry of Justice, and we said to the Ministry of Justice, what's it worth to you if fewer of these guys re-offend? It's got to be worth something, right? I mean, there's prison costs, there's police costs, there's court costs, all these things that you're spending money on to deal with these guys. What's it worth? Now, of course, we care about the social value. Social Finance, the organization I helped set up, cares about social stuff. But we wanted to make the economic case, because if we could make the economic case, then the value of doing this would be completely compelling. And if we can agree on both a value and a way of measuring whether we've been successful at reducing that re-offending, then we can do something we think rather interesting. The idea is called the social impact bond. Now, the social impact bond is simply saying, if we can get the government to agree, that we can create a contract where they only pay if it worked. So that means that they can try out new stuff of having to pay if it didn't work, which for still quite a lot of bits of government, that's a serious issue. Now, many of you may have noticed there's a problem at this point, and that is that it takes a long time to measure whether those outcomes have happened. So we have to raise some money. We use the contract to raise money from socially motivated investors. Socially motivated investors: there's an interesting idea, right? But actually, there's a lot of people who, if they're given the chance, would love to invest in something that does social good. And here's the opportunity. Do you want to also help government find whether there's a better economic model, not just leaving these guys to come out of prison and waiting till they re-offend and putting them back in again, but actually working with them to move to a different path to end up with fewer crimes and fewer victims? So we find some investors, and they pay for a set of services, and if those services are successful, then they improve outcomes, and with those measured reductions in re-offending, government saves money, and with those savings, they can pay outcomes. And the investors do not just get their money back, but they make a return. So in March 2010, we signed the first social impact bond with the Ministry of Justice around Peterborough Prison. It was to work with 3,000 offenders split into three cohorts of 1,000 each. Now, each of those cohorts would get measured over the two years that they were coming out of prison. They've got to have a year to commit their crimes, six months to get through the court system, and then they would be compared to a group taken from the police national computer, as similar as possible, and we would get paid providing we achieved a hurdle rate of 10-percent reduction, for every conviction event that didn't happen. So we get paid for crimes saved. Now if we achieved that 10-percent reduction across all three cohorts, then the investors get a seven and a half percent annualized return on their investment, and if we do better than that, they can get up to 13 percent annualized return on their investment, which is okay. So everyone wins here, right? The Ministry of Justice can try out a new program and they only pay if it works. Investors get two opportunities: for the first time, they can invest in social change. Also, they make a reasonable return, and they also know that first investors in these kinds of things, they're going to have to believers. They're going to have to care in the social program, but if this builds a track record over five or 10 years, then you can widen that investor community as more people have confidence in the product. The service providers, well, for the first time, they've got an opportunity to provide services and grow the evidence for what they're doing in a really constructive way and learn and demonstrate the value of what they're doing over five or six years, not just one or two as often happens at the moment. Society wins: fewer crimes, fewer victims. Now, the offenders, they also benefit. Instead of just coming out of the prison with 46 pounds in their pocket, half of them not knowing where they're spending their first night out of jail, actually, someone meets them in prison, learns about their issues, meets them at the gate, takes them through to somewhere to stay, connects them to benefits, connects them to employment, drug rehabilitation, mental health, whatever's needed. So let's think of another example: working with children in care. Social impact bonds work great for any area where there is at the moment very expensive provision that produces poor outcomes for people. So children in the state care tend to do very badly. Only 13 percent achieve a reasonable level of five GCSEs at 16, against 58 percent of the wider population. More troublingly, 27 percent of offenders in prison have spent some time in care. And even more worryingly, and this is a Home Office statistic, 70 percent of prostitutes have spent some time in care. The state is not a great parent. But there are great programs for adolescents who are on the edge of care, and 30 percent of kids going into care are adolescents. So we set up a program with Essex County Council to test out intensive family therapeutic support for those families with adolescents on the edge of the care system. Essex only pays in the event that it's saving them care costs. Investors have put in 3.1 million pounds. That program started last month. Others, around homelessness in London, around youth and employment and education elsewhere in the country. There are now 13 social impact bonds in Britain, and amazing levels of interest in this idea all over the world. So David Cameron's put 20 million pounds into a social outcomes fund to support this idea. Obama has suggested 300 million dollars in the U.S. budget for these kinds of ideas and structures to move it forward, and a lot of other countries are demonstrating considerable interest. So what's caused this excitement? Why is this so different for people? Well, the first piece, which we've talked about, is innovation. It enables testing of new ideas in a way that's less difficult for everybody. The second piece it brings is rigor. By working to outcomes, people really have to test and bring data into the situation that one's dealing with. So taking Peterborough as an example, we add case management across all of the different organizations that we're working with what actually has been done with different prisoners, and at the same time they learn from the Ministry of Justice, and we learn, because we pushed for the data, what actually happens, whether they get re-arrested or not. And we learn and adapt the program accordingly. And this leads to the third element, which is new, and that's flexibility. Because normal contracting for things, when you're spending government money, you're spending our money, tax money, and the people who are in charge of that are very aware of it so the temptation is to control exactly how you spend it. Now any entrepreneur in the room knows that version 1.0, the business plan, is not the one that generally works. So when you're trying to do something like this, you need the flexibility to adapt the program. And again, in Peterborough, we started off with a program, but we also collected data, and over the period of time, we nuanced and changed that program to add a range of other elements, so that the service adapts and we meet the needs of the long term as well as the short term: greater engagement from the prisoners, longer-term engagement as well. The last element is partnership. There is, at the moment, a stale debate going on very often: state's better, public sector's better, private sector's better, social sector's better, for a lot of these programs. Actually, for creating social change, we need to bring in the expertise from all of those parties in order to make this work. And this creates a structure through which they can combine. So where does this leave us? This leaves us with a way that people can invest in social change. We've met thousands, possibly millions of people, who want the opportunity to invest in social change. We've met champions all over the public sector keen to make these kinds of differences. With this kind of model, we can help bring them together. Thank you.

イングリスは、周囲に向けてきっぱりと告げる。 「ルールとは、守るためにあるのです! 故にわたしは、騎士団長は拝命いたしません......! わたのために、連綿と受け継がれてきた騎士の伝統が歪められる事を望みません――!」 「し、しかしイングリスよ! 古き因習は見直し、より良きものを見つけ出して行く事こそが、未来を紡ぐ事であろう......!?」 「国王陛下の仰る通りです! 硬直した伝統などよりも、真にこの国と人々のためになる選択をせねばなりませぬ! あなたにはその価値があるッ!」 予想通り、カーリアス国王もレダスも食い下がって来る。 その点は素晴らしいが、だからこそ面倒でもある。 世のため人のために自分を巻き込まないで欲しい。 「ですがそれが必ずしもより良きものでしょうか? 真にこの国と人々のためになるでしょうか? 現にこちらの方は反対なされているではありませんか?」 「それは小さき事だぞ、イングリスよ。大事の前の小事だ」 「さよう。自らの地位を脅かされるのを懸念した、保身に過ぎませぬ!」 「自らの立場をご心配なさるのは、人として当然の事です。わたしはそれが悪いとは思いません――そしてわたしが騎士団長を拝命すれば、同じ事をお感じになる方は、他にも必ずおられます」 「それはそうだろうが......!」 「しかし......!」 「同時に、無印者のわたしが騎士団長になる事により、それまで従騎士であった方々もこれからは自分達も、正式な騎士になれると希望を持たれるかと思います。しかし、実際にそうなる事は無いでしょう?」 「彼等にそなたのような力が備わっていなければ、無論そうだろう」 「む、むぅ――人の心の些細な動きが、分断を生みかねんと......」 「総合的に見れば、国にとって良くないと仰るのですか――」 「はい。ですから――残念ながら騎士団長を拝命することはできません。本当に残念です......」 半分は演技だが、半分は本気だった。残念というのも嘘はない。 ――つまり、本来ならこの後に待っていたはずのごちそうへの未練である。 カーリアス国王肝入りの人事を蹴っておいて、では話はそれぐらいにして祝宴へ――などという流れになるはずがない。 「クリス......」 近くでラフィニアも、涙ぐんでいた。 「イングリスよ――」 15歳にして既に絶世の美女であるイングリスが流す涙は、彼等の心に響いた様子である。 ごちそうにはありつけず、興味のない出世を丁重に断る労力だけがかかった。 こんな事ならあのまま騎士アカデミーの土木作業を手伝って、支給のお弁当を貰えば良かった。 いや、これからだ――転んでもタダでは起きない。 そう思いつつ、イングリスはカーリアス国王の前に再び跪いた。 「国王陛下。騎士団長はお受けできませんが、わたしの力は捧げさせて頂きます」 「ふむぅ......つまり?」 「先日のような危機の際は必ず駆け付けますので、いつでもお声掛けを――わたしの力だけを、必要な時に存分にお使い下さい。それならばわたしが騎士団長になる時のような、余計な軋轢は生みません。ある意味最も有効に、わたしを使って頂けると思います」 「しかし、それではそなたが――」 「構いません。わたしに地位や名誉は要りません。わたしは自らの心が満たされれば、それ以上は望みません」 無論心が満たされるとは、強敵と思う存分戦い合って実戦経験を積み、成長を実感する事だ。 「何とも見上げた少女よ――そなたの心意気、感服させてもらったぞ」 カーリアス国王は、この国と人々のためという大義だと解釈したようだ。 「そうですか......残念です、私はあなたにお仕えしたかったのですが......その夜空の月のように麗しいお姿と、至高の花のような香りのお側にいるだけで、もう毎日が天国のように......」 「............」 「い、いえ......! と、ともかく! 騎士団長にはなって頂けぬようですが、また共に戦えるという事ですな!?」 「ええ。その時はよろしくお願いします。わたしの力が必要な時は、必ずお呼び下さい」 イングリスとしては、面倒な責任は負わされず、強敵が現れた時にだけ呼んで貰えれば、願ってもないことだ。 大義のため、実戦経験のため、という認識の違いはあるが―― これで、転んでもタダでは起きない事はできただろう。 「それでは、失礼致します――」 イングリスは深々とお辞儀をし、謁見の間を退去した。

Inglis decisively announced to the crowd all around her. 「Rules exist to be kept and followed! Therefore I will not accept the position of a Knight Commander! I don’t want the long line of Knight tradition to be broken just for me alone——!」 「B-, but, Inglis! Isn’t only by revisioning old customs and discover a new and better one, we can weave a path for the future?!」 「His Majesty the King is correct! Rather than rigid traditions, we must make a choice that is truly for the good of the Kingdom and the people! You have that worth!」 As expected, King Charleas and Redas were insistent. From the way they spoke, it seemed that they really wished to install Inglis as a Commander, thinking that would be for the sake of the country. They were both flexible with their attitude, evaluating good things as good and nothing else, and didn’t bind themselves to commonly accepted practice. Those were all good points, which was why it was troubling. Don’t roll me up in your world-keeping business. 「However, is that necessarily for the better? Will it really be for the good of this country and the people? In fact, didn’t this gentleman just object to it?」 「That is just a trifle matter, Inglis. A pebble in the face of a grand cause.」 「Indeed. He only did it to cover his own hide, fearing his position will be threatened!」 「It is only normal for any man to worry about his position. I don’t think there is anything wrong it——And I’m sure that there will be many others who would feel the same way if I were to be appointed as a Knight Commander.」 「That, may be true, but......!」 「But still!」 「At the same time, if I, a Runeless, become a Knight Commander, then all the Squires before me will believe that they, too, can become an official Knight. However, in actuality, they cannot, can they?」 「Unless they possess the strength to be one, much like you do, then obviously they can’t.」 「M-mu...a slight change in heart may cause a division amongst us, so you say......」 「Are you saying that, at the end of the day, it is not beneficial for the country?」 「Yes. That is why——with a heavy heart, I must decline the position of a Commander Knight. I truly am sorry......」 Having said so, a single tear trickled down Inglis’ cheek. Half of what she performed was an act, but the other half of it was genuine. She really found it regrettable. Of course, it wasn’t about her declining her position as a Knight Commander or her lamenting her career path. ——in short, she grieved for the feast that was supposed to be waiting for them after her inauguration. After having turned down King Charleas’ personal assistance, they would happily indulge in the celebratory feast and put everything behind——obviously that wasn’t how things would turn. She was really sad, as the banquet was right under her nose. She couldn’t hold her tears to flow, but she had no other option but to leave now. 「Glis......」 Nearby, Rafinha was also drowning in tears. She too had guessed it from the flow of events. The fact that they had to give up on the feast. 「Inglis——」 However, King Charleas and Redas seemed to have taken a different meaning from it. The tears shed by Inglis, an immensely beautiful lady at the young age of , seemed to have formed a ripple in their hearts. There were signs that they would back down. Still, what was the point of the summon then? Not only would they miss out on the banquet, but Inglis also had to go to the effort of refusing the career she had no interest in. Had she known this would be the case, she would have just stayed and helped with the civil engineering work at the Knight Academy and taken the provided lunch boxes. Now she had missed the lunch boxes too. No, this isn’t the end yet! I refuse to fall only to gain nothing. At least let me get something out of this! With that in mind, Inglis knelt down again in front of the King. 「Your Majesty. I may be unable to accept the position, but I shall offer you my strength.」 「Hm......What do you mean?」 「I will certainly come to your bidding in times of crisis like the other day, so please summon me as you see fit! Use my power to its limit however you need it. If so, there won’t be any unnecessary conflict like what I mentioned before. I believe you will be able to utilize me most effectively like such.」 「However, that will make you...」 「I don’t mind. I need neither position nor honor. So long my heart is gratified, I wish for nothing more.」 Of course, what she meant by that was to be able to fight against strong opponents to heart’s content, to gain experience in actual combat, and to experience growth from it. However, how they take Inglis’ words was up to them. 「What a venerable young girl! I admire your spirit.」 King Charleas seemed to have interpreted it as Inglis wishing for the good of the Kingdom and the people. Again, it was up to them to decide how they would take Inglis’ words. Inglis herself spewed not a single lie. 「I see......How regrettable, I would have loved to serve under you......Being with you, with your beautiful figure like the moon in the high sky, and your fragrance like the most sublime flower, every day would have been paradise......」 「............」 「N-, never mind! A-anyway! While you will not become our commander, we can still fight together again, right?!」 「Of course. I look forward for that time to come. Please do summon me whenever you need my help.」 Personally, for Inglis, it would be great if they would call upon her just to defeat some strong opponent without her having to bear the responsibility that came with it. That’s what she tried to get across. There was some slight difference regarding the motives; they sought for a bigger cause while Inglis sought for battle experience, but this would benefit both parties, so it would be fine. With that, her coming here wouldn’t be all for naught. 「Now, if you will excuse us!」 Inglis bowed deeply and left the audience hall.