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太陽に向かって飛び続けていた。 天動説なら太陽の動く速度、地動説ならこの星の回転する速度。 この世界がどれなのか分からない、分からないけど。 とにかく太陽の動く速度に合わせて、それにむかって飛び続けた。 魔法で小さくしの嫁を乗せて、飛び続ける。 太陽と常に同じ距離を保ち、常に明るい。 中昼間のまま飛び続けた。 魔法をつかって飛び続けるが、おれには大した負担じゃない。 魔導書を読んで魔法を覚える度に魔力も上がってるから、空を飛ぶだけなら大した負担じゃない。 おれはそうだが、嫁達はそうじゃなかった。 「ルシオくん、どこかで休まない?」 「どうした」 「ちょっと手足がしびれてきたし、つかれてきた」 「ルシオの服の中に入ってるのは体勢が制限されるし、しがみつくのに体力が必要だものね」 ベロニカがナディアの提案に賛同した。 なるほど確かにそうかも知れない、よく見ればシルビアもちょっとつかれてるっぽい。 ......バルタサルは相変わらず鼻提灯で居眠りモードだ。 嫁達を小さくしておれのポケットとか服の中にいれて飛んでるけど、たしかに快適な旅とは言いがたいな。 「わかった」 おれは頷いて、まわりを見た。 丁度いいものがあった、太陽を追うのをやめて、そこに飛んで行った。 巨大な雲だった。東京ドーム一つまるまる入ってしまう雲だった。 雨雲じゃない、綺麗に白い雲。 その雲の前にとまった。 「どうするんですかルシオ様」 「魔法を使う」 「わかった、あたしにまかせて」 ナディアが名乗り出た、シルビアは複雑そうな表情をした。 ナディアは居眠りしてるバルタサルに近づいて、鼻提灯をつっついて割って、そのま指でバルタサルの鼻を押さえた。 「やっちゃってルシオくん」 「ああ――『スカイアイランド』」 「へっぷ――」 おれの魔法に反応して、寝てるバルタサルがくしゃみをした――が。 鼻に指を突っ込んでるナディアに止められて、くしゃみは不発だった。 魔法が無事発動する。 まばゆい光がおれの体から雲に乗り移って、全体をつつんだ。 光が消えるのをまって、おれは雲に上陸した。 「おお! 雲に乗れる」 「みんなおりて。ああ、バルタサルの鼻は押さえたままで」 ナディアにそう言って、四人の嫁を地面に下ろしてから、魔法をかけて元のサイズにもどした。 おれと四人の嫁、フルサイズで雲の上に立った。 シルビアは目を輝かせた。 ナディアはジャンプしたりしてわいわいはしゃいだ。 ベロニカは雲の端っこに立っておそるおそる下を見た。 バルタサルはココのように丸まって寝ていた。 「雲の上ははじめてですわ」 「そうだっけ」 「ルシオくんにのって飛んだ事はよくあるけど、雲に乗ったのははじめてだと思う」 「今ルシオ様が魔法を使いましたけど、もしかして雲って乗れなくて、ルシオ様が乗れるようにしたんですか?」 ナディアが質問する。ナディアもベロニカもおれを見る。 雲が乗れないのは常識で、でも乗れそう・乗りたいとだれもが一度は思う。 というおれの常識は彼女達には通用しなかったようだ。 「さあ、ここで少し休んでいこう」 「でもそれじゃあ太陽に離されますわよ。この旅行中ずっと太陽を追いかけるという話でしたわよね」 「大丈夫、雲ごと追いかけさせてるから」 「ほんとだ、他の雲と違う動きしてる」 ナディアがまわりをみて、上機嫌に言った。 質問者のベロニカもそれを確認して、満足げにうなずいた。 こうして、休憩もかねて、嫁達と雲に上陸した。 シルビアはナディアに引っ張り回されて雲をかけずり回った。 雲に乗れるようにしたけど、形は変えてない。 天然のジャングルジムというかアスレチックっていうか、そんな感じの雲の上ではしゃぐナディアとシルビアのコンビ。 ベロニカは控えめに手足をぶらぶらさせて、ストレッチをしていた。 おれも雲の上を適当にぶらぶら歩いた。 高低差のあるところにのぼったり、端っこから下を見たり、つもってる雪にする様にちょっと蹴ってみたり。 子供の頃、つもって道ばたにどかした雪を殴ったり蹴ったり、傘でマンガとかアニメの必殺剣をぶち込んだりした時の事をおもいだして、懐かしい気持ちになった。 そうして一周してくると、バルタサルが起きてるのが見えた。 彼女はちゃぶ台程度の高さの雲に頬杖をついて、その上にある何かをつんつんついている。 「何をしてるんだ?」 「ルシオちゃんと遊んでたの」 「おれ?」 どういう事なんだろうか、と彼女の手元をみた。 そこにあるのは雲の塊、塊だけど、自然に出来た雲じゃない。 一言で言えば歯とコウモリの羽が生えた、貴族の服を着たおれ」だった。 それが魔導書の上に乗ってる。 なんとなく魔王っぽい。本物の魔王であるバルタサル――バルタサル八世よりも見た目は魔王っぽい。 そんな感じのぬいぐるみなおれを、バルタサルは指でつっついて楽しんでいた。 「これは?」 「ルシオちゃん」 「作ったのか」 「うん、こうして」 バルタサルは手元の雲を掴んで、粘土にするかのようにこねこねした。 やがてそれは小さな王冠になって、バルタサルはおれの人形の頭の上においた。 「器用だな」 「ルシオちゃんだからだよー」 「せっかくだから色を塗ろうか」 「うん!」 おれはバルタサルと一緒に たっぷりリフレッシュしたあと、また嫁達と新婚旅行の続きに空にとびだした。
I continued flying towards the sun. The speed the sun moves in Ptolemaic theory, the speed this planet rotates in heliocentric theory. I don’t know which it is in this world, I don’t know, but. Anyways, I matched the speed the sun moves, and continued to fly towards that. Carrying my four wives that I shrunk in size, I continued to fly. Always keeping the same distance with the sun, it is always bright. I flew continuously day and night. I’m flying using magic, but it’s not a big burden to me. Reading Grimoires, my magic powers increase every time I learn magic, so it isn’t much burden just flying. I was like that, but my wives weren’t. 「Lucio-kun, can we take a break somewhere?」 「What happend」 「My limbs started to get numb, it’s also tiring」 「The positions we could take inside Lucio’s clothes is limited, and it takes stamina to grab on」 Veronica agreed to Nadia’s suggestion. I see, that’s might be true. Looking carefully, Sylvia seemed a little tired. ......Balthazar is in her snot bubble sleep mode as usual. I’m flying with my wives shrunk in size inside my pocket, but it’s true that it can be said that it’s not a comfortable journey. 「I got it」 I nodded and looked around. There was a fitting place, so I stopped chasing the sun and flew there. It’s a giant cloud. It’s a cloud that the size of Tokyo Dome could enter inside. It’s not a rain cloud, it’s a beautiful white cloud. I stopped in front of that cloud. 「What are you going to do, Lucio-sama?」 「I’m going to use magic」 「Understood, leave it to me」 Nadia said, and Sylvia made a complicated face. Nadia approached Balthazar who was sleeping, popped her snot bubble, and blocked Balthazar’s nose with her two fingers. 「Do it, Lucio-kun」 「Yeahーー『Sky Island』」 「Heppuーー」 Reacting to my magic, the sleeping Balthazar sneezesーーbut. It was stopped by Nadia putting fingers into her nose, and the sneeze unexploded. The magic activated properly. A bright light transferred from me to the cloud and enveloped all of it. After waiting for the light to disappear, I landed on the cloud. 「Ohh! Riding a cloud」 「Everyone go down. Ahh, keep your fingers in Balthazar’s nose」 I said that to Nadia, and after my wives went off me, I casted magic returning them to their original size. Me and my four wives, we are standing on top of a full-size cloud. Sylvia has sparkling eyes. Nadia is jumping around excitedly. Veronica stood on the end of the cloud and looked down. Balthazar curled her body and slept like Coco. 「This is the first time being on top of the cloud desu wa」 「We flew a lot on top of Lucio-kun, but I think this is the first time we rode a cloud」 「Right now, Lucio-sama used magic but, is it that we can’t ride clouds normally and Lucio-sama made it so that we can?」 Sylvia asked. Nadia and Veronica also looked at me. It’s common sense that one cannot stand on top of the cloud, but anyone would like to try riding on top of it or want to. But it looks like that common sense wasn’t common with my wives. 「That’s right」 「Well then, let’s rest here for a while」 「But, if we do that, the sun would escape. You said that we are chasing the sun throughout this trip right」 「It’s alright, I’ll chase it with this whole cloud」 「It’s true, it’s moving in a different way with other clouds」 Nadia looked around and said in a great mood. Veronica who asked the question also confirmed that and nodded with satisfaction. And just like this, I landed on the cloud with my wives to take a break. Sylvia got her hand pulled by Nadia and ran around the cloud. I made it that we can ride it, but I didn’t change its shape. It’s like an athletic, natural jungle gym, and it was the Sylvia and Nadia pair who played around on top of that cloud. Veronica timidly swung her feet, and stretched. I also walked around on top of the cloud. I climbed the places that have difference in height, or looked down from the edge, and kick it like one would do with piled up snow. When I was a child, I kicked and punched the snow piled up on the side of the road. Remembering about using the umbrella to release killing moves in manga and animes feels very nostalgic. Just like that, when I returned, I saw Balthazar waking up. She placed rests her cheeks on her hand on a small table-sized cloud, and poked something on top of that. 「What are you doing?」 「Playing with Lucio-chan」 「With me?」 “What does she mean?” I thought and looked on her hand. There was a chunk of cloud there. It was a chunk, but it’s not a cloud made naturally. Described with few words, “It’s me wearing noble clothes, with sharp canine and bat-like wings”. That’s on top of a Grimoire. Somehow, it looked like a Demon King. Compared to a real Demon King, Balthazarーーit looked more like a Demon King compared to Balthazar the Eight. Balthazar enjoyed poking a doll that looked like that with her finger. 「This is?」 「Lucio-chan」 「Did you make it?」 「Un, like this」 Balthazar placed a cloud on her hand, and molded it like clay. Finally, it became a small crown, and Balthazar placed it on top of the me doll. 「You’re quite dexterous」 「It’s because it’s Lucio-chan you know?」 「You want to color it as well?」 「Un!」 Together with Balthazar, I molded around cloud clay. After refreshing for quite a lot, I continued the honeymoon in the sky with my wives.
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読んでいたけど、まったくはかどらない。 マンガを読めなくなった訳じゃない、たまにある、読む気力が起きない、なんか読み進められないっていう、アレだ。 頑張って読んでみた。 マ一コマ真剣に読んで、ページをめくる。 ......。 だめだ! やっぱり読む気分じゃない。 「よし! 今日はもうやめ! マンガは読まない」 声にだして宣言する。そういう日もあるよな。 マンガを読まないから、嫁達と遊ぶか。 リビングをでて嫁を探した。 「シルビア? ナディア? ベロニカ?」 呼びかけてみた、誰も返事をしない。 そういえばさっきから屋敷の中は静まりかえってる。 屋敷の中を歩いて、探し回った。 ぐるっと一周したが、やっぱり誰もいない。 「『カレントステータス』」 魔法を使った、建物の現状を調べる魔法だ。 それに「人数」って指定してやる。 『住人1名、訪問者0名、その他0名』 むっ? 全部0? 住人というのはこの屋敷の住人で、おれと嫁達、あとアマンダさんがここにはいる。 訪問者は客のことだ、これは0で当然。 問題なのはその他も0だってこと。ココとマミ、あとクリスはこの枠に入る。 どういうことだろう。 玄関に何となくやってきた。魔法の光がプカプカ飛んでた。 これは......メッセージを残す魔法か。 おれはそれに触ってみた。 魔法の光がはじけて、空中に半透明のシルビアとナディアの映像が映し出される。 『ルシオ様。これでいいのかな、アマンダさん』 『いいみたい。ってことでルシオくん。あたしはシルヴィと遊んでくるね』 どうやらアマンダさんの魔法ではそれを使って伝言を残してってくれた。 なるほど。 違う魔法の光を触った、今度はベロニカとココの姿が映し出される。 『ご主人様。ママ様と散歩にいってきますねぇ』 『夕方には戻りますわ』 なるほどベロニカとココ(多分途中でマミに変身するだろう)は散歩か。 残った玉は一つ、これはアマンダさんかな? 触ってみた、案の定アマンダさんだった。 『申し訳ございません旦那様。イサーク様が問題を起こされたとのことですので身元引受人として行って参ります』 なるほど。またイサークか。 ってか、アマンダさんいつの間にかあいつの身元保証人みたいのになったんだ? おじいさんに頼まれたのか? あとできいてみよう。 ま、それはともかく。 屋敷のみんなが居ない事と、理由は大体わかった。 しばらく戻ってこないみたいだし、しょうがない、マンガ読むか。 リビングに戻ってマンガを読もうとして、でもやっぱりはかどらない。 うーん、誰か客でも来ればいいんだがな。 ......客? そうか客か。 うん、客を呼べばいい。来ないんなら、こっちから呼べばいい。 「『インヴィテーション』」 魔法を使う。 これは客を呼ぶ魔法。使うとどこからともなく客がやってくる魔法だ。 ちなみに呼んでくるのは知りあいだが、よく来る客ほど確率が低い。 そう言う意味じゃ、国王とおじいさんはまず来ない。 だれが来るのか、おれはちょっと楽しみにしながらまった。 コンコン、ドアノッカーの音がした。 リビングをでて玄関に向かって、ドアを開ける。 「ありがとお、そしてさよーなら」 「え?」 現われたのは見たことのない顔だ。 なんかぽわぽわしてる、シルビアたち嫁と同じくらいの年齢の子だ。 「えっと、キミはだれ?」 初対面だから子供モードで応対した。 「あなたがルシオちゃんなのねえ」 「あがってもいいかなあ」 女の子はおれの返事を待たず、一方的に家に上がった。 おれの横をすり抜けて、きょろきょろしてから、更に奥に進む。 あっけにとられたが、慌てて後を追いかける。 「......」 「......」 応接間、おれと女の子は向かい合って座った。 ぽわぽわしてる彼女は勝手に上がり込んで、ここまで来た。 「とりあえず名前を教えてくれるかい?」 「わからない?」 「わからない。初対面だよね」 「うん、初対面だけど、初対面じゃないのよ」 「どういう意味?」 「生まれる前にあってるんですもの」 「生まれる前?」 意味がわからん。なんだこの子、よくない電波かなんか受信してるのか? 「ごめんわからない、教えてくれる?」 「教えると嬉しい?」 「嬉しいというか、助かるよ」 「助かるんだ......うふふ」 彼女は目を細めて嬉しそうにした。 「わかった。じゃあバルの名前を教えるね」 「バルって名前なんだ?」 「ううん、ちがうわ、バルの名前はバルタサルって言うの」 「バルタサル?」 って、あの? 魔王バルタサル。かつてこの世界を混乱に陥れた巨悪の名前だ。 「そうよ。バルタサル―なの」 「八世、あっ」 思い出した、そういえば前にバルタサというのを倒してた。 八世ってことは、あれの娘か? 「思い出してくれたのねえ」 「思い出すって言うか、連想したって言うか」 おれはこっそり警戒した、脳内で魔法を検索、先制攻撃に適した魔法をいくつかピックアップして、使う準備をする。 魔王バルタサルなら、一戦は免れないだろう。 「で、ここには何をしにに来た」 口調もかわった。バルタサル相手なら子供モードの必要はない。 「バルね、昨日生まれたばかりなの。生まれたけど、何をしていいのか全然わからなかったの」 「わからない? 世界征服じゃないのか?」 「そうなのぉ? バルね、自分の名前と、ルシオちゃんの名前しか話からなかったの」 「おれの名前?」 「うん。バルにとってすごく重要な人の名前。それだけはわかるのね」 「重要......まあ重要かな」 むしろ因縁に近いけど、あながち間違ってはない。 「だから会いに来たの。ルシオちゃんに」 えっと、つまり? 「戦う、のか?」 「バルとルシオちゃんは戦うの?」 「いや別に戦わないといけないって事はない」 「そうなんだ」 ......。 調子狂うなあ。 バルタサル八世――面倒臭いからバルタサルでいいけど。彼女はなんかぽわぽわしてて、敵意がまったく感じられない。 魔王と同じ名前なのに、調子狂うなあ。 さて、どうするか。 無理矢理退治してしまってもいいんだが......こっちからしかけるのはなんか罪悪感をおぼえる。 はらわたを食らいつくしてくれるわ――とか言ってくれたらやりやすいんだが。 本当、どうしようか。 バルタサルは寝ていた。 ソファーに座ったままこくりこくりと船をこいてる。 狂いすぎて先制攻撃がますます出来なくなった。 本当、どうするかな。 「ふ......」 「ふ?」 「フエックション!」 居眠りしてたバルタサルがくしゃみをした――瞬間。 指向性の爆発がおれを襲う! 慌てて『マジックシールド』を張る。 おれは無事だ、しかし屋敷が吹っ飛んだ。 バルタサルのくしゃみ一つで屋敷が半壊した。 魔王だ、こいつはちゃんと魔王だ。 ぽわぽわしてるけど力はちゃんと魔王で、危険人物だ。 なら――。 「ルシオちゃん......」 「やっと......あえたぁ......」 ......寝言か。 夢のなかでまでおれと......? 仕方ない、しばらく......おいてやるか。 こうして、我が家に訪問者が一名増えたのだった。
I reading, but I can’t concentrate at all. It’s not like stopped being able to read manga, it’s that feeling sometimes, like “I don’t feel like reading”, or “I can’t continue reading”. I tried my best to read. I read each panel seriously, and flipped the page. ......。 This isn’t good! It isn’t my mood to read after all 「Yosh! Let’s stop for today! I won’t read manga」 I voiced it out and declared. There are days like that right. I won’t read manga, so I would play with my wives. I left the living room and searched for my wives. 「Sylvia? Nadia? Veronica?」 I called out to them, but there’s no reply. Come to think of it, it was very quiet in the mansion since earlier. I walked around inside the mansion, and searched for them. I made a full trip around, but in the end, there’s no one. 「『Current Status』」 I used magic, it’s magic that examines the status of a structure. I designated there the “number of people”. 『 Resident, Visitors, Others』 Mu?! All of it’s ? Resident is about the people who live in this mansion, my wives, Amanda-san, and I are placed there. Visitors are the people who are visiting, it’s normal that it would be . The problem is the Others is also . Coco, Mami, and also Chris are placed here. Resident means, the I’m the only one in this mansion right now. I wonder what this means. I came to the front door for no particular reason. A magical light was floating there. This is......a magic that leaves messages huh. I touched that. The magical light pops, and a translucent video of Sylvia and Nadia plays in mid-air. 『Lucio-sama. Is this correct, Amanda-san』 『Looks like it is. And, with that, Lucio-kun. I’m going to play with Sylvie okay』 It looks like the two left a message using Amanda-san’s magic. I see. I touched a different magical light, and this time, Veronica and Coco’s appearance was shown. 『Master. I’m going for a walk with Mama-sama okay?』 『We’ll be back by the evening』 I see, Veronica and Coco (she’d probably change into Mami along the way) has gone for a walk huh. There’s one remaining ball of light, is this from Amanda-san’? I touched it, and as expected, it was from Amanda-san. 『Please excuse me, Danna-sama. They had said that Isaac-sama has caused some problems, so I am going to go as his guarantor』 I see. It’s Isaac again huh. I mean, when did Amanda-san start being his guarantor? Was she asked by Ojii-san to do that? I should ask about it later. Well, anyways. I pretty much found out that everyone’s not in the mansion. It seems like they’re not going home soon so, it can’t be helped, I’d just read some manga. I returned to the living room and tried to read the manga, but, I can’t really concentrate. U?n, if only a visitor comes. ......visitor? I see, a visitor huh. Un, I should just call out a visitor. If they’re not coming, I should just call them myself. 「『Invitation』」 I used magic. This is a magic that calls visitors. It’s a magic that somehow makes a visitor come from nowhere. By the way, the one I called is an acquaintance, but doesn’t visit very so often. With that, there’s no way that the King and Ojii-san would come. “Who’s going to come”, I thought, and looked forward to it. *Kon, Kon*, the door knocker was used. I went to the front door, and opened the door. 「Thanks?, and goo?dbye?」 「Eh?」 The one who appeared was a face that I don’t know. Somehow looks flighty (like *PowaPowa?*), and is about the same age as my wives. 「E?to, who are you?」 It’s a person who I met for the first time, so I talked with child-mode. 「You’re Lucio-chan right?」 「Can I enter?」 The girl didn’t wait for my reply, and one-sidedly entered the house. She passed through my side, looked around restlessly, then advanced inside. I was taken aback, but I chased after her in a hurry. 「......」 「......」 In the drawing room, I am sitting facing the girl. The flighty girl entered without permission, and came up to here. 「For the meantime, can you tell me your name?」 「You can’t tell?」 「I can’t. We’ve met for the first time right」 「Un, we met faces for the first time, but it’s not the first time we met」 「What do you mean?」 「We had met before I was born」 「Before you were born?」 I can’t understand. What is this girl, is she receiving some weird signals? 「Sorry, I can’t understand, can you teach me?」 「Are you happy if I teach you?」 「I’d be happy, or rather, very helped」 「You’re going to be helped, huh......ufufu」 She squinted her eyes happily. 「I got it. Then, I’ll teach you Bal’s name」 「You’re called Bal?」 「U?un, no, that’s wrong, Bal’s name is called Balthazar」 「Balthazar?」 Eh, “that”? Demon King Balthazar. The name of the villain who had messed up this world once upon a time. 「That’s right. I’m Balthazarーーthe Eight, nano」 「The eight, ah!」 I remembered, come to think of it, I defeated someone called Balthazar the th or something before. The eight, means, the daughter of that? 「You remembered huh?」 「I remembered well, I should rather say, I connected them」 I got on my guard secretly, I searched magic inside my head, picked several magic that can be useful for preemptive attacks, and prepared to use it. If it’s Demon King Balthazar, a fight couldn’t be avoided. 「And so, what did you come here for」 My tone also changed. If it’s against Balthazar, there’s no need to use child-mode. 「Bal, you know, she’s just born. She’s born, but doesn’t know what she needs to do at all」 「Doesn’t know? Isn’t it taking over the world?」 「Is that so?? Bal, you know, her name, and Lucio-chan’s name is all that she knows」 「My name?」 「Un. It’s a very important name for Bal. I only know about that, you know」 「Important......well, I guess it’s important」 Rather, it’s more of a fate to fight or something, so I can’t really say it’s wrong. 「That’s why I came to meet him. To meet Lucio-chan」 E?to, meaning? 「Are we, going to fight?」 「Is Bal and Lucio-chan going to fight?」 「No, it’s not like we really need to fight or something」 「Is that so」 ......。 I’m getting crazy. Balthazar the Eightーーit’s troublesome, so Balthazar’s good enough. She’s somehow, seems very flighty, and I can’t Even though her name’s the same with the Demon King, I can’t really get on her pace. Well, what should I do. Forcefully subjugating her is fine too, but......I somehow feel guilty attacking from my side. “Eat this attack!!”ーーif she was saying something like that, it would be easier though. Oh really, what should I do. Balthazar was sleeping. While sitting on the sofa, she’s swaying left and right with eyes closed. This is making me so crazy that I can’t really attack preemptively anymore. Oh really, what should I do. 「Fu......」 「Fu?」 「Fuekushun!」 Balthazar who was dozing sneezedーin that instant. A directional explosion attacks me! I created『Magic Shield』in a hurry. I’m fine, but the mansion was blown off. The mansion was half-destroyed with one of Balthazar’s sneezes. She’s a Demon King, she’s a proper Demon King. She’s flighty, but her powers are of that of a Demon King, a dangerous person. If soーー. 「Lucio-chan......」 「I finally......found you?......」 ......sleep talk huh. Even in her dreams, with me......? It can’t be helped, for a while......I’ll let her stay. And just like this, our house’s visitor increased by 1.
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洞窟の外にある馬車はルビーが乗ってたものだった。馬はないから、フロートの魔法で浮かせて、ココに引かせた。 ココが楽々とひくそれは馬車っていうよりは犬そりって感じになった。 それにルビーを乗せて、バルサの街に戻ってきた。 街の入り口にはまだ人々が集まって、アドリアーノを取り囲んでいた。 「姫様!」 アドリアーノがこっちを見つけて、大声を出した。すると他の人達にこっちを見た。 が止まり、ルビーが中から出てきた。 お姫様の登場に、群衆がざわめく。 地べたに正座させられていたアドリアーノが半ば這うようにルビーの前にやってきた。 「ご、ご無事だったのですか。このアドリアーノ、心配――」 言葉が途中で止まり、アドリアーノは「うっ」ってなった。 それを見下ろすルビーの表情が、目が、とてつもなく冷たかったからだ。 ざわざわ。群衆の目もより一層冷たくなった。 それまでの事が、本人の口から告げられ、揺るぎない事実になったからだ。 「ち、ちがうのです姫様。これには訳が――そ、そう、わたしは助けを求めにあえてあの場を――」 「アドリアーノ、そなたの宮廷魔術師の職を解く」 「姫様!?」 驚愕するアドリアーノ。 いやビックリするところじゃないだろ、当たりまえだろそれ。 「ここはそなたの出身地だったな。ならば家にもどっておれ、沙汰は追って通達する」 「姫様」 「下がれ」 威厳たっぷりにルビーが言った。アドリアーノは気圧されて何も言えず、そのままその場にへたり込んだ。 ルビーと、街の人々の冷たい、さげすむ視線。 宮廷魔術師として凱旋してきた男の失墜が決まった瞬間だった。 翌日、おれは呼び出された。 使者に連れられてやってきたバルサの一番立派な屋敷の中の、一番立派な部屋。 そこでルビーと対面した。 「......」 おれは絶句した。ルビーの服装に言葉を失った。 昨日は普通のドレスを着ていたルビーだったけど、今日はまるっきり違う。 一言で言えば、年末の歌合戦に登場するラスボス、そんな「セットの様な衣装」をルビーは着ていた。 威厳はあるけど......あるけど......。 「ルシオ・マルティン」 ルビーがおれの名前を呼んだ。衣装のせいか、口調も昨日より大分威厳がある。 自然とかしづきたくなるような、そんな威厳だ。 「昨日の件、大儀であった。あらためてそなたに礼をいう」 おれは生返事をした。正直その衣装が気になって仕方がない。 「そなたに礼をせねばな。魔導図書館への立ち入りを所望じゃったが、本当にそんなものでよいのか」 「そんなものなのか、それって。魔導書が数万冊ある魔導図書館って、かなりのものじゃないのか」 「まともによめないものにさほどの価値はない」 ああ、そういうことか。 を読んだら魔法を覚えて使えるようになるけど、読める人間がほとんどいないし、読める人間も一冊に数ヶ月っていう時間がかかる。 豚に真珠、使いところおかしいけどそうなるのか。 だが、それはこの世界の普通の人間にとってだ。 マンガ一冊を一時間そこらで読めて、それで魔法を覚えられるおれにとってそれ以上の褒美はない。 地味に、魔導書そのものは高いしな。 「それでいいよ、もっともっと魔法を覚えたいって思ったし」 「そうか。だれか」 ルビーが言うと、使用人が一人入ってきた。 使用人はトレイを恭しくもってて、それをおれの前に持ってきた。 トレイの上に一枚の紙、紋章の入った羊皮紙がおいてある。 おれはそれを手に取った。 「それをもって、都にある王立魔導図書館に行くといい、話は既につけてある。持ち出す以外、そなたの自由にしてよい」 「そうか、ありがとう」 「本当に他になにもいらんのか? わ、わらわを助けたのじゃ、もう一つくらい願いをきいてやるぞ」 「いや、これで充分」 おれは羊皮紙をくるくるに丸めて、ふところにしまった。 大した事はしてないし、これだけで十分だ。 「そうか......」 ルビーは何故か落ち込んだ表情をした。 もっとねだってほしかったんだろうか? 王族の考えてることはわからない。 「ではな、また都であおうぞ」 ルビーはそういって、横をむいてあるきだした。 ふとおれは思った。このセットっぽい衣装でまともに歩けるんだろうか。 もしかしてうまく歩けないでずっこけるんじゃないだろうかと思った。 そう思って、じっと見つめた。が、ルビーは普通に歩いた。 威厳ある歩き方だったから遅いのは遅いけど、普通に、何事もなく歩いた。 なんだ、つまらないな。 ルビーは普通に歩き続けて、ドアに向かっていった。 使用人が先にいって、ドアを開ける――瞬間、ちょっとした風が流れ込んできた。 前髪がちょっと揺れる程度の、微風も微風。 「わわ!」 ルビーがバランスを崩した。 風に吹かれて、後ろ向きに倒れてしまった。 倒れたあと、起き上がれなかった。 衣装――セットのせいで、手足が地面につかなくて、起き上がれなかった。 使用人が慌てて起こそうとした。起こされるルビーはおれをキッ、と睨んだ。 おれは目をそらした――見なかったことにしよう、そう決めた。 家の中がバタバタした。 王立魔導図書館に立ち入る許可をもらったから、都に引っ越そう、そう決めたのだ。 それでシルビアとナディア、そして猫耳に変身したマミがバタバタと引っ越し準備をしている。 「ルシオ」 おじいさんがたずねてきた。おれをみて、満面の笑顔をうかべた。 「聞いたぞルシオ。王立魔導図書館に入れる様になったようだな」 「うん、そうだよー」 子供モードで答えた。 「お姫様を助けたらね、その許可をくれたんだ」 「盗賊を一人で倒したらしいそうじゃな」 「うん! 魔法でね」 「そうかそうか。さすがわしの孫じゃ」 おじいさんに頭をなでられ、褒められた。 悪い気はしない。 「ルシオは賢いな。イサークに爪の垢を煎じて飲ませたいのじゃ」 窓の外から物音がした。なんだろう。 「待て、またおまえかうわああああ!」 直後に悲鳴が聞こえてきた。聞き覚えのある悲鳴だ。 そしてもうちょっと待ってるとマミが現われて、簀巻きにしたイサークをおれとおじいさんの前に放り出した。 「捕まえた」 「うん、ありがとう」 頭を撫でてやると、マミは大喜びした。 そして簀巻きを解いて、上機嫌のまま部屋から出て行った。 おれは残された、ふてくされたイサークを見る。 「なんなんですか、これは」 イサークは答えない、そっぽ向いたまま答えない。 「イサーク」 おじいさんが口を開く、イサークはびくっとなった。 イサークが怯えて、おれとおじいさんを交互に見た。 「こ......」 「こ?」 「これで勝ったと思うなよーーーー」 そう言って、部屋から飛び出していった。 よく聞く捨て台詞だけど、まったく意味がわからない。 「はあ......あいつもそろそろ大人になってくれないものかのう」 無理だろ。 なんかもう、あのまま大人になりそうな気がする、イサークは。 おじいさんはため息ついてから、気を取り直して、とおれに行ってきた。 「なあルシオ、折り入って頼みがあるのじゃ」 「ルシオはこれから都にいって、王立魔導図書館にいくのじゃな」 「そこに珍しい魔導書があったらちょろまかしてこれんかのう」 「ちょろ?」 ......盗んでこいって事か。 おじいさんは目を輝かせて、更に言った。 、いや一冊でもいい。王立図書館に収蔵されてる魔導書がどのようななのかをみたいのだ」 まるで子供の様にワクワクした顔で言う。 魔導書を集めるのが趣味のおじいさん、昔からそうで、何となく気持ちはわかる。 かっぱらうのは無理だが。 「今度お姫様にあったら、おじいさんも入れてくれるように頼んでみるよ」 もっとおねだりしてほしそうだったからな、いけるだろ。 「マジか!」 おじいさんがくいついてきた。おいおい、言葉使いがおかしいぞ。 「うん、頑張る」 そういうと、おじいさんはますます子供の様な、わくわくした顔になったのだった。
The carriage outside the cave was the one Ruby was riding. There’s no horse, so I used the magic Float, and let Coco pull it. Coco easily pulled that so rather than a carriage, it felt like a dog sled. I let Ruby ride that, and returned to the town of Barza. In the entrance of the town, people gathered and was surrounding Adriano. 「Hime-sama!」 Adriano found us, and let out a loud voice. And soon, the other people looked at us at once. The carriage(dog sled) had stopped, and Ruby came out from that. To the appearance of the princess, the crowd was rustling. Adriano who was in seiza on the ground came in front of Ruby as if to crawl. 「W-Were you alright. This Adriano, worriedーー」 Those words stopped in the middle, and Adriano 「Uu!」 groaned. The expression of Ruby who looks down at him, her eyes also, was very cold. *ZawaZawa* The eyes of the crowd became even colder. That outrageous thing, was said from the person itself, so it became an unwavering truth. 「T-That is not true, Hime-sama. There’s a reasonーーt-that’s right, I wanted to call for help so I, from that placeーー」 「Adriano, I will release you from your post as court magician」 「Hime-sama?!」 Adriano, shocked. That isn’t something to be surprised of right, that’s normal right. 「This place was your hometown right. Then, return to your house, the official notice will be sent later」 「Hime-sama」 「Return」 Ruby said with full of dignity. Adriano was intimidated and couldn’t say anything, and collapsed to the ground just like that. Ruby and the people of the town’s cold, and scorn sight. That was the instance that the man who had achievements to a court magician’s downfall was decided. The next day, I was called out. The place where I was guided by the messenger was inside the most splendid mansion in the town of Barza, and in the most splendid room. I faced Ruby there. 「......」 I was speechless. I lost my words from Ruby’s attire. Ruby was wearing a normal dress yesterday, but it was completely different today. If I say it in few words, the Last Boss in the choir battle in the end of the year, that kind of 「Attire Set」 Ruby was wearing. There is dignity in that......there is, though...... 「Lucio Martein」 Ruby called my name. Maybe because of her attire, her tone also had more dignity than yesterday. A dignity that wants you to kneel down naturally. 「About yesterday, you did a great job. Once again, let me say my gratitude」 「Ha?」 I replied half-heartedly. Honestly, I was too curious about her attire. 「I need to give you a reward. You wanted the free pass to the Grimoire Library, but are you sure you’re alright with that」 「Is it “something like that”, that place. The Grimoire Library that has tens of thousands of Grimoires, isn’t it that very valuable」 「There is no value to things that are not readable properly」 Ahh, that was it huh. In this world, just by reading Manga(grimoire) you can learn magic, but there isn’t a lot of people who can read it, and even those who can read would take months with one book. Pearls before swine, it’s weird to use that, but it’s something like that huh. But, that is only for the normal people of this world. Being able to read one manga for around an hour, and be able to learn magic with that, there’s no greater reward than that. Simply, the Grimoires itself is very expensive too. 「I’m alright with that, I was also thinking that I wanted to learn more and more magic too」 「I see. Somebody」 When Ruby said that, one servant came inside. The servant respectfully held the tray, and took it in front of me. On the top of the tray was one sheet of paper, a paper with an emblem in it. I took that with my hand. 「Take that, and go to the Royal Grimoire Library in the capital, I already had taken care of it. Other than taking them out, do what you want」 「I see, thank you」 「Do you really not need anything else? Y-You saved me jya, I can grant you at least one last thing」 「No, this is enough」 I rolled the paper, and put it in my pocket. It’s not like I did something that special, so this is enough. Ruby made a depressed expression for some reason. Did she want me to ask for more? I can’t understand what royals are thinking. 「Well then, let’s meet at the capital」 Ruby said that, she faced to her side and started walking. Somehow I thought. Is she able to walk decently with that set-like attire. I thought that if she couldn’t walk decently with it, she might fall down. I thought, and stared at her. But, Ruby walked normally. She was walking with dignity so she was slow, but normally, she walked without anything happening. What’s that, that’s boring. Ruby continued walking normally, and went towards the door. The servant went first, and opened the doorーーin an instance, a small wind flowed in. It was to the extent of only shaking bangs, it was a breeze, only a breeze. 「Wawa!」 Ruby broke her balance. Hit by the wind, she fell backwards. After she fell, she couldn’t stand up. Her attireーーbecause of the set, her hands and feet couldn’t reach the ground, and she couldn’t stand up. The servant tried to make her stand up in a hurry, and Ruby *Kii*, glared at me. I looked awayーーI did not see anything, let’s keep it like that. The house was rowdy. Because I gained the entry pass to the Royal Grimoire Library, let’s move to the capital, I decided that. And because of that, Sylvia, Nadia, and Mami who changed to her cat ears was rowdy because of the preparation of moving out. 「Lucio」 Ojii-san came to visit. He looked at me, and said with a wide smile. 「I heard about it, Lucio. It looks like you are now able to enter the Royal Grimoire Library right」 I answered in child-mode. 「It’s because I saved a princess, she gave me a pass with that」 「I heard that you defeated the bandits alone」 「Un! With magic」 「I see I see. As expected of my grandchild」 Ojii-san patted my head, and praised me. I didn’t feel bad. 「Lucio is very smart huh. If only Isaac could learn something from you」 Something sounded from outside of the window. I wonder what was that. 「Wait, you agaiuwaaaaaaa!」 Soon after, I heard a scream. It was a familiar scream. And after I waited for a little while Mami appeared, and threw Isaac who was tied up with ropes in front of Ojii-san and I. 「I caught it」 「Un, thanks」 I patted her head, and Mami was very happy. And she took off the rope, and went outside of the room in a very good mood. I was left behind, and looked Isaac who was obstinate. 「What is the meaning of this」 「......」 Isaac doesn’t answer, he doesn’t answer while looking to his side. 「Isaac」 Ojii-san opened his mouth, Isaac was like *Biku*. Isaac got frightened, and looked at Ojii-san and I back and forth. 「Do......」 「Do?」 「Don’t think that you’ve won with thisーーーー」 He said that, and jumped out of the room. It was a very used last words, but I couldn’t understand what he means. 「Haa?......couldn’t he be an adult soon」 That’s impossible. Somehow, I feel that he would become an adult just like that, Isaac will. After Ojii-san let out a sigh, he regained composure, and faced me. 「Hey Lucio, I have something to ask for you」 「Lucio is going to the capital, and go to the Royal Grimoire Library right」 「Un, that’s right」 「In there, can you snitch it if there’s a rare Grimoire stored in there」 ......go steal it huh. Ojii-san’s eyes shined, and said further. 「Three books, no, even if its one. I want to see what kind of Grimoire is stored at the royal library」 It was an excited face just like a child’s. Ojii-san who had the hobby of collecting Grimoires, was just like that ever since, and I somehow understood how he felt. Stealing them is impossible though. 「When I meet the princess this time, I’ll ask her to let Ojii-san enter too」 She looked like she wanted me to ask for more, so I think it can pass. 「Really!」 Ojii-san stuck to me. Oi oi, your use of words are strange. 「Un, I’ll do my best」 When I said that, Ojii-san became more and more child-like, and had a very excited face.
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異世界転生かがたって、おれになった。 二年のあいだで何かが変わったといえば、あまり変わってない。 相変わらずおれは毎日おじいさんの書庫でマンガの魔導書を読みふけって、たまに水とかき氷を売りにいく。 それで儲けた金を貯金して、ちょっとした財産になった。 それ以外はほとんだ。 変わってないことと言えばもう一つ。シルビアのおねしょだ。 今でもたまにおねしょをする。おれと手をつないでないと、かなりの割合でおねしょしてしまう。 それとは別に、最近は手をつなごうとするとはにかむようになった。 どうやらおれとの間に男女を意識しだした。もう結婚して夫婦なのに、今更それを意識するのかおかしかった。 この日も書庫で魔導書を読んでいた。手足がちょっと伸びたシルビアがうちわでゆっくりおれを扇いでいる。 「ルシオ様、そのご本は前にも読んでましたよね」 「同じ本を二度読むのですか?」 「ここにある本は全部読んじゃったからな」 じいさんの蔵書は読破した。それで覚えた魔法の数を超えた。 正直、今のおれはなんでもできる。 魔物を召喚しようと思えばできるし、ホムンクルスも作ろうと思えば作れる。 一回人気のないところで隕石落とし――メテオも使ってみた。 魔法でできそう、って思う事は大抵本当にできる。 やる必要性があまりないから、やってないだけど。 「ルシオ様、みかん剥けました」 「はい、どうぞ」 口をあけて、みかんを口の中に入れてもらう。シルビアは結構手先が器用で、うちわで扇ぎながらみかんを剥く芸当もできてしまう。 そのシルビアとのんびりした日々を過ごしてる。 シルビアと一緒にバエサの街に来た。 結構大きい街で、たまに二人でやってきて、何するでもなくぶらぶらする。 まずは本屋に入った。 街にも魔導書を取り扱う本屋がある。だけど品揃えはそんなに良くない、大半はじいさんが既に持ってたりするものだ。 「いらっしゃいませルシオ様。今日も新しい魔導書が入荷されてますよ」 店員の男がおれを見つけて、商売用の愛想笑いを振りまいてきた。 「どんなの? みせて」 「はい、こちらです」 そういって、おれの前に三冊の魔導書を出した。 表紙を見て、ざっと中も見た。 「この二冊はもうあるね。サスピションとドキュメント。この三冊目だけまだ持ってないかな」 「では......」 店員は目を輝かせた。 おれはおじいさんに言われてる、本なら――魔導書ならいくらでも買っていい、むしろまだ持ってないのがあったらどんどん買えと。 おじいさんの趣味なのと、おれにもっともっと読ませたいので、魔導書はかぶってないのだったら容赦なく買ってる。正直結構ありがたい。 それをこの二年間やってきて、店の人もそれを知ってる。 「うん、買っちゃう。いつもの様に屋敷に送っといて、請求もそっちにお願いね」 「ありがとうございます!」 店員の満面の笑顔に見送られて店を出た。 魔導書というのは結構高いものらしく、あれ一冊だけで相当の売り上げになると聞いた。 「また新しいご本が読めますね」 一緒にいたシルビアが満面の笑顔で言った。 「ああ、どんな本なのか楽しみだ」 「前回買った本はすごかったですよね」 「スクリーニングのことか。うん、あれはすごかった」 スクリーニングという魔法はかなり便利な魔法だ。 例えば十個くらいの卵があって、一つだけ古いもので腐ってて、でも外見からわからない。 そういう時にスクリーニングをかけて、腐った卵、って条件をつければ腐った卵だけが光り出す。 たくさんあるものの中から、条件にあったものを選び出す魔法である。 すごいのもそうだし、かなり便利なのだ。 ちなみに魔導書の方は、おれは読むのに一時間掛かった、シルビアもおじいさんも未だに一ページも読めてない。 世間話をしながら街の中を散歩する。 「あれ?」 「どうしたシルビア」 「......あの馬車、あの馬車の中に知ってる子がいた気がする」 「どれ?」 シルビアがすぅと指した。 丁度角を曲がった馬車が見えた。 「知ってる子って、どういう子なんだ?」 「お父さん同士が親友の、同じ商人の娘の子です」 「へえ、この辺に遊びにでも来たのかな。会いに行こうか」 シルビアをつれて、馬車を追いかけた。 馬車が止まってる店の前についたとき、おれはぎょっとした。 「ここは......」 「奴隷だと?」 そこはバエサでお悪名高い、奴隷を扱う店だった。 「シルビア、お前のその知りあいの実家って、奴隷の関係ある商売をしてるのか」 「ううん、そんな事はない......と思います」 なんかちょっと悪い予感がした。 とにかく話を聞こうと、おれはシルビアを連れて中に入った。 店の人間がいきなりでてきて、いやそうな顔をした。 「ほら出てった出てった。ここは子供が来る所じゃないんだよ」 「あのね、ぼくの名前はルシオ・マルティンって言うんだ」 「ルシ......マルティン様!?」 店の人がいきなりへこへこしだした。 「マルティン様と言えば、あの? イサーク様とは?」 「ぼくのお兄さんだよ」 「これはこれは、まさかマルティン様のお坊ちゃまだったとは思いも寄らず失礼いたしました」 店の人はおれたちを中に通した。 個室に案内され、おれたちは座った。 しばらくして、違う男がやってくる。 ヒゲ面の中年男だ。 「初めまして、わたしがこの店の主人ゴルカ・ポロシと申します」 「ルシオ・マルティンです」 「して、今日は奴隷をお求めに?」 「えっとね! ぼくの妻が知りあいかもしれない人がこの店に入るのを見たっていうんだ。それを探しに来たの。ねえシルビア、その子の名前と特徴は?」 「えっと、ナディアちゃんっていいます、わたしと同じ歳です」 「家が商人で、彼女と同い年の子で、ナディアって言う子なんだけど。いるかな」 「ございます」 ゴルカは即答した。 「当店の商品として」 「商品?」 「はい」 「そんな! ナディアちゃんがなんで商品になるの!?」 「それは――」 「シルビア、それは後でゆっくり話そう」 おれはシルビアを止めた、そしてゴルカに切り出した。 「商品なら買います。いくらですか」 「1000万セタでございます」 「......うん、買うよ」 「承知いたしました、では請求はマルティン家に――」 おれは首を横に振った。 「家じゃなくて、請求はぼくにお願いします」 「......ほう」 ゴルカは面白そうな顔をした。 魔導書と違って、おれのわがままだから家の金は使わない。 幸い、この二年間に溜めた金で足りた。
It had passed two years since I reincarnated in another world, and I have become -years old. If I were to say what was different in these last two years, there’s not much of it. I am usually reading the Grimoire manga at Ojii-san’s archives everyday, and sell water and ice sometimes. And after saving the money I earned with that, it became a small fortune. Other than that, nothing had changed that much. If I were to say another thing that had not changed. Sylvia’s bedwetting. She still wet the bed sometimes. If I wasn’t holding her hand, it was often that she wet the bed. Other than that, when we hold hands recently, she started to become shy. It seems that she had begun to be conscious about being a man or a woman. It was funny that she just started being conscious with that, although we were already married. I was reading Grimoire at the archives today as usual. I was being fanned by Sylvia who had grown her hands and feet a little. 「Lucio-sama, you read that book before right」 「You read books a second time?」 「It’s because I’ve read all books in here」 I have read through Ojii-san’s archive. And with that, the magic that I’ve remembered passed -digits. Honestly, I currently, can do about anything. If I was to summon a monster, I could and if I wanted to create a homunculus I can. Once, I went to a place where there are no people and dropped a meteorーーI used Meteor. I can do about anything that I think that I could do with magic. I don’t have the need to use it, so I don’t. 「Lucio-sama, I peeled an orange」 「Yes, please eat it」 I opened my mouth, and let her put the orange inside. Sylvia is very dexterous, and she can do the feat of fanning me while she peeled the orange. And with that Sylvia, I spend the days leisurely. I came to the town of Baeza together with Sylvia. It was a relatively huge town, so we come together sometimes, and without doing anything we walk around aimlessly. We first entered a bookstore. It’s the bookstore that trades this town’s Grimoire. But the merchandise available isn’t that good, most of them are already owned by Jii-san. 「Welcome, Lucio-sama. We have new Grimoires available today」 The male store clerk saw me, and showed a fake smile that is usually for trading. 「How does it look? Show me」 「Yes, it’s these three」 He said, and brought in front of me three Grimoires. I saw the cover, looked at its contents by skimming. 「These two, we already have. Suspension and Document. The third one, I think we don’t have it yet」 「Then......」 The store clerk’s eyes shine. I was being told by Ojii-san, if it’s bookーーGrimoire, I could buy as many as I want, rather, he even urged me to buy all of those that we still do not have. It’s Ojii-san’s hobby, and he also wanted to make me read more and more, so if there’s a new Grimoire he buys it mercilessly. Honestly, I’m very grateful. And after doing that in two years, the store’s people also knew about that. 「Un, I’ll buy. Send it to the mansion as usual, and also send the claim」 「Thank you very much!!」 We came out of the store while the store clerk sees us off with a wide smile on his face. It seems like the Grimoire was very expensive, I heard that selling even that one book will have a lot of profit. 「You are reading a new book again」 Sylvia who was with me said with a wide smile on her face. 「Yeah, I’m looking forward to what kind of book it is」 「The book that was bought before was amazing right」 「The Screening huh. Un, that was amazing」 The magic called Screening is a very convenient magic. For example, there are about pieces of egg, only one of it is spoiled, but you can’t find out which one because it looks all the same. If you use Screening at that time, if you make the “spoiled egg” as the condition, only the spoiled egg will glow light. It’s a magic that chooses the things, in the condition of many things. It’s true that it’s amazing, but also very convenient. By the way, the Grimoire, it took me an hour to read it, but Sylvia and Ojii-san had yet to read even a page. While chatting, we walked around inside the town. 「Huh?」 「What is it Sylvia」 「......That carriage, I think that a girl I know is inside that carriage」 「Which?」 *Suuto* Sylvia pointed with her finger. I saw a carriage that just had turned. 「A girl you know huh, how did you know her?」 「Our fathers were best friends, and she’s a daughter of a merchant like me」 「He?, I wonder if she came here to play. Let’s go meet her」 Together with Sylvia, we chased the carriage. When we arrived in front of the store where the carriage had stopped, I was astonished. 「This is......」 「A slave you say?」 There was the notorious store that handles slaves in Baeza. 「Sylvia, the home of your acquaintance, are they doing a trade with slaves」 「*U?un*, there aren’t......I think」 I somehow had a bad feeling. Anyways we should ask about the story, I took Sylvia with me and entered inside. The store’s person suddenly came, and made an unpleasant look. 「Hey, get out get out. This isn’t a place where kids come」 「You know?, My name is Lucio Martein?」 「Luci......Martein-sama?!」 The store’s clerk suddenly became polite. 「It’s Martein-sama, right? Are you related to Isaac-sama?」 「He’s my Onii-san you know?」 「Well well, I have not thought that the Obo-chama of the Martein House would have come, please excuse us」 The store’s clerk let us go inside. We were guided to a private room, and we sat. After a while, a different man came. It was a middle-aged man with a beard. 「It’s nice to meet you, I am this store’s owner, Golka Poron」 「I’m Lucio Martein」 「Well, do you want a slave today?」 「Uhmm, you know! My wife is saying there’s someone she knew that entered this store. I came to find that. Nee?Sylvia, the girl’s name and characteristics is?」 「Uhmm, she’s called Nadia-chan, the same age as me」 「Her house was a merchant’s, she’s the same age as her, and it’s a girl called Nadia. Is she here」 「She is」 Golka answered promptly. 「As the store’s merchandise」 「Merchandise?」 「Yes」 「No way! Why did Nadia-chan become a merchandise?!」 「That isーー」 「Sylvia, let’s talk about that later with leisure」 I stopped Sylvia, and talked to Golka. 「If she’s merchandise, then I’ll buy. How much」 「She is million Cet」 「......Un, I’ll buy her」 「I understand, well then, the claim will be to Martein Houseーー」 I shook my head sidewards. 「Not to the house, send the claim to me?」 「......Hou」 Golka made an interesting face. Unlike Grimoires, I can’t use the house’s money with my selfishness. Fortunately, the money I have saved this two years was enough.
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次の日の昼下がり。 おれは魔導図書館に行かないで、屋敷で魔導書を読んでいた。 というのも、バルタサルがおれにくっついて離れなかったから。 魔導書をまとめて吹っ飛ばされると復元とかが面倒だから、今日は行かないで屋敷に残った。 そのバルタサルは今、おれを膝枕してる。 空気ソファーに座ってるおれの太ももに頭を載せて、ごろごろしてる。 普通逆なんじゃないのか? っておもったけど。 ご満悦な顔が楽しげだから、好きな様にさせた。 「ルシオちゃん。それってなあに?」 「これか? 『ボールプール』って魔法の魔導書だ。話は結構面白いけど、魔法芸に近くてほとんど役に立つ所はないかもな」 「?」 バルタサルは頭にハテナマークを浮かべる。 おれの太ももの上に寝っ転がったまま、器用に首をかしげている。 「なにがわからないんだ?」 「魔法? 魔導書?」 「うん? この魔導書を読めば魔法を覚えられるって昨日説明したよな」 「バル、覚えてないのよ?」 「おぼえてないのか。まっ、そういう事だ。この――というかこういう魔導書を読めば一冊につき魔法を一つ覚えられるんだ」 「ルシオちゃんはもう覚えた?」 「今読み終わったところだ」 「魔法を見せて」 汎用性がちっともない魔法だけど、一発芸の時間つぶしにはいいのかもしれない。 おれは魔導書を置いて、魔法を唱えた。 「『ボールプール』」 魔法を唱えた瞬間、バルタサルがまたくしゃみをした。 膝枕をしてる状態でのくしゃみ、ゲート関係なく、魔王の魔力がおれの顔面に直撃する。 予想してたし、対策もした。 それを無視して、魔法が誤作動を起こす。 元々は直ートルくらいの、球状の水を作り出す魔法だ。 ただの水が、魔法の力で球状に保ち、その中で泳いだりして遊べる魔法。 それが、屋敷全体を包み込んだ。 バルタサルが苦しそうにした。 水がおれ達ごと屋敷全体を包む。 「『アダプテーション』」 「へくち」 水中に適応する魔法をかけた。 魔力が顔を直撃して、水を一部ふっとばした。 球状なのが一瞬崩れたが、すぐに元通りに復元した。 そう言う効果もある魔法だ。 「くるしー、くるしーのルシオちゃーん」 一方で、くしゃみをした後、おれの膝の上でじたばたするバルタサル。 普通にしゃべれてるのにじたばたするその姿はちょっと可愛い。 「落ち着け、もう大丈夫のはずだ」 「ふぇ? あっ、ほんとだあ」 落ち着いたバルタサル。起き上がって自分の両手をみる。 「水?」 「ああ、水だ......うん?」 おれは異変に気づいた。 手を出して、空中――というより水中で動かしてみる。 水の抵抗を感じた。普通に水中で――風呂とかで手を動かす感じの抵抗がある。 ちょっとびっくり、こうはならないはずだ。 今かけた『アブダクション』って魔法は水の中でも陸上とまったく同じように過ごせるようになるという魔法。 呼吸できるようになるのはもちろん、水の抵抗も無視して普通に歩いたり動いたりする事ができる。 「呼吸は出来るけど、水の抵抗があるな」 手をみて、バルタサルをみた。 今のくしゃみで誤作動を起こしたんだな。 呼吸は出来るから問題ないけど、これじゃ動きにくいな。 「わるいな、今魔法をかけ直す――」 「みてみて」 バルタサルは手足をバタバタさせた。 陸上じゃなくて、水中。 バタバタした手足が彼女の身体を持ち上げ――浮かび上がらせた。 「バル、泳ぎは得意なのよ?」 「そうなのか」 「ルシオちゃんも泳ぐ?」 イレギュラーだけど、せっかくだし、これはこれで愉しめそうだ。 おれはバルタサルを見習って、手足をバタバタさせた。 するとおれも浮かび上がる。 そして平泳ぎの動きを真似た。 「うわっ!」 勢いがついて、天井に向かってすっ飛んでいった。 天井に頭をぶつけてしまう。 「あいたたた......」 「ルシオちゃん大丈夫?」 「ああ大丈夫だ。水中だから、ちょっと浮くんだな」 試しにいろいろ動いてみた。 呼吸できるししゃべれるけど、それ以外は水の中にいるのと同じ感じだ。 下に潜るのは大変だけど、浮くのはわりかし楽だ。 つまり、今の状況は。 自由に呼吸できるプールの中にいる、そんな感じだ。 バルタサルは部屋の中を泳いで回った。 まるで人魚のようで、みていて飽きない。 「ルシオちゃん、外に行こう」 バルタサルと一緒にあいてる窓から外に出た。 巨大な球状のプールは屋敷全体を覆ってる。 おれ達は屋敷のまわりを泳いで回った。 普段いけない様な、テラスの裏側とかもいってみた。 「パパ!」 おれを呼ぶ声。 屋敷の中から出てきたのはクリスティーナ......魔導書の精霊クリスだった。 クリスはおれ達のように空中を浮かんで、こっちに飛んでくる。 「大変だよパパ、魔導書がずぶ濡れだよ」 「そうか。後でなんとかする」 「いいの?」 それも織り込み済みだ。 屋敷全体に復元の魔法をかければ済むこと。 その際、バルタサルのいない所でやらないといけないがな。 ......いや、いる時にやって、どんな誤作動が起きるのかをみてみるのも面白いかも知れない。 「ねえねえパパ、あの人だれ?」 クリスはバルタサルの事を聞いた。 おれが答えるよりも先に、バルタサルが代わりに答えた。 「バルはバルなのよ?」 「わたしはクリス。よろし――く?」 そういって、おれをみるクリス。 首をかしげる姿は「よろしくしていいの?」って聞いてるかのようだ。 「仲良くするといいよ」 「うん、よろしくね」 クリスが手を差し出した。 バルタサルは握手しようとしたが、半透明のクリスの手はすり抜けてしまった。 「まだ触れないのか」 「早くもっと多くの魔導書をよんで? パパ」 「努力する」 クリスはおれが魔導書を読めば読むほど実体化する。 いつの日か完全に実体化するのを目指して魔導書を読んでる。 「そだ、パパパパ、もう一つ知らせる事があった」 「うん?」 「あっちでココちゃんがじたばたしてるよ」 「それを早く言え! どこだ」 クリスにココの居場所を聞いた。クリスは一瞬きょとんとしてからおれを案内した。 屋敷の反対側でココを見つけた。 ココは犬かきをして水の外に出ようとしてるがうまく出れないでいる。 泳げてるけど息継ぎが出来ないから苦しそうだ。 あっ、気絶した。 おれは慌てて空中を泳いでココの所に向かって行く。 背後からくしゃみの声がして、後頭部に魔力が直撃する。 知ってた。だからココにはちゃんと魔法障壁をかけてある。 一瞬して、ココが「ぷー」って水を吐き出した。 まるでクジラの潮吹きだ。 水の中で水を吐き出すという、ちょっとした面白い光景になった。 「あれぇ? ここはどこですかぁ?」 「気がついたか」 「ご主人様ぁ......あれれ、さっきお母さんが川の向こうで手招きしてるって見えた気がしたですけどぉ」 首をかしげるココ、どう聞いても臨死体験じゃないか。 「ねえ、今のどうやったの?」 バルタサルが聞く。 ん? 今のって普通に『アブダクション』の魔法だけど......。 と思ったらバルタサルはおれじゃなくて、ココに聞いてた。 ここは困惑しておれとバルタサルを見比べた。 おれはバルタサルに聞いた。 「今のって、ココの泳ぎ方のことか?」 「うん」 「犬かきだったな、やりたいのか?」 「ココ、教えてやってくれるか?」 「はい、わかりましたぁ」 ご主人様が言ったので、ココは安心して、バルタサルに犬かきを教えた。 バルタサルはすぐに覚えた。 ココ、犬かきで屋敷のまわりを飛び回る。 それにクリスも加わる。クリスは空中を飛んでて、動きがスムーズだが、一応犬かきのポーズをしている。 昼下がり。 おれは、屋敷の内外を泳いで、はしゃぎ回ったのだった。
Afternoon in the next day. Without going to the Grimoire Library, I was reading Grimoire in the mansion. And the reason behind that was, Balthazar would stick to me and wouldn’t go away. It would be troublesome if it was blown off altogether with the Grimoires and repairing it back, so today, I didn’t go and remained at the mansion. And right now, Balthazar is lying her head on my thigh. She placed her head on my thigh while I’m sitting on an air sofa, and relaxed leisurely. “Shouldn’t be the other ways?” I thought, but. She was making a content and happy face, so I let her do what she want. 「Lucio-chan. What’s that??」 「This? It’s a Grimoire with the『Ball Pool』magic. The story is quite interesting, but the magic spell might be most useful as a party trick」 「?」 Balthazar had a question mark in her head. While lying down with her head on my lap, she dexterously tilted her head. 「What do you not understand?」 「Magic? Grimoire?」 「Un? I explained yesterday that you can learn magic by reading Grimoires right」 「Bal, she doesn’t remember you know?」 「You don’t remember huh. Well! That’s about it pretty much. ThisーーI mean, reading Grimoires like this, you can learn a magic spell for each book」 「Lucio-chan already learned it?」 「I just finished reading now」 「Show me the magic」 「Yeah, it’s alright」 It’s a magic that doesn’t have the minimum versatility, but it might be good as a party trick. I put down the Grimoire, and casted the magic. 「『Ball Pool』」 The instant I casted the magic, Balthazar sneezed again. She sneezed with her head lying on my lap, without letting the gate do anything, the Demon King’s magic powers hit my face directly. I expected it, and I also have countermeasures. And ignoring that, the magic malfunctioned. It was originally a magic spell that creates a ball of water with meters in diameter It’s a magic that would just create water and the power of the magic would make it a sphere, and you can play inside that. And that, with a malfunction, it covered the whole mansion. 「ーー!」 Balthazar seems to be suffering. The water covered us together with the mansion. 「『Adaptation』」 「Hekuchi」 I casted magic that would make one adapt to water. Her magic powers hit my face, and a part of the water was blown off. The sphere lost its shape for an instant, but immediately returned back. It’s magic that has that effect. 「It hurts?, it hurts?, Lucio-cha?n」 On the other hand, after sneezing, Balthazar panicked on top of my lap. Her appearance of panicking although she can speak normally was very cute. 「Calm down, it should be okay already」 「Fue? Ah! It’s true?」 Balthazar calmed down. She raised her body, and looked at her hands. 「Water?」 「Yeah, it’s water......un?」 I noticed the strange thing. I reached out my hand, and I moved it in the airーーor rather in the water. I felt the water resistant. It was like in the waterーーI feel the resistance just like when moving my hand in a bath. I got a little surprised, it shouldn’t be like this. The『Adaptation』magic that I casted just down should be a magic that makes one move like they’re in land. Being able to breathe of course, one should also be able to move normally, ignoring the water resistance. 「I can breath, but I feel the water resistance」 I looked at my hand, and looked at Balthazar. This malfunction was probably because of her sneeze earlier. There’s no problem breathing, but it’s hard to move like this. 「My bad, I’ll recast the magic right nowーー」 「Look, look」 Balthazar moved her arms and legs. Not in land, but in water. She flapped her limbs lifting her body upーーand floated up. 「Bal, she’s good at swimming you know?」 「Was that so」 「Lucio-chan wants to swim too?」 It’s an irregular, but since it already happened, I think it could also be enjoyed like this. I followed Balthazar, and flapped my limbs. And doing that, I floated. I imitated the movement of breaststroke. I became too fast, and flew up to the ceiling. My head hits the ceiling. 「Ouch......」 「Lucio-chan, you okay?」 「Yeah, I’m fine. We’re inside the water, so we float a lot huh」 I tried moving a lot. We can breathe and talk, but other than that, it feels like we’re within waters. It’s troublesome diving down, but it’s easy to float. Meaning, the situation right now. It feels like we’re inside a pool where we can breathe freely. Balthazar swam around the room. She was like a mermaid, and it was fun watching her. 「Lucio-chan, let’s go outside」 「Yeah」 Together with Balthazar, we went outside through the window. A giant sphere pool was covering the entire mansion. We swam around the mansion. We also went to the back side of the terrace where we can’t normally go to. 「Papa!」 A voice calling me. The one who came out of the mansion was Christina......the Spirit of the Grimoire, Chris. Chris floated in the air just like us, and flew towards us. 「This is bad, Papa, the Grimoires are all soaked in water」 「I see. I’ll do something about it later」 「Is it okay?」 That is already within my expectations. It would be easily solved by casting repair magic to the whole mansion. Although, during that, I need to do it in a place where Balthazar isn’t around. ......no, it might also be interesting taking a look at what kind of malfunction would occur when she’s around. 「Ne?, ne?, Papa, who is she?」 Chris asked about Balthazar. Before I answered, Balthazar answered instead. 「Bal is Bal you know?」 「I’m Chris. Nice to meetーーyou?」 Saying that, Chris looked at me. Her appearance of tilting her head, was like asking “can I get along with her?”. 「You should get along with each other」 Chris reached out her hand. Balthazar tried to shake hands, but she passed through the translucent Chris’s hand. 「You still can’t be touched huh」 「Hurry up and read lots and lots of Grimoires okay? Papa」 「I’ll do my best」 The more I read Grimoires, the more would Chris materialize. I’m reading Grimoires with the goal of someday, she would completely materialize. 「I know, Papa, Papa, I have another thing to report」 「Un?」 「Coco-chan’s panicking around there」 「Said that earlier! Where is she」 I asked Chris Coco’s whereabouts. Chris showed a clueless face for an instant, and guided me. Coco was found on the other side of the mansion. Coco was doggy paddling trying to get out of the water but it seems like she can’t do it very well. It seems like she’s suffering because she could swim but couldn’t take a breath in between. Ah! She lost consciousness. I swam in the air in a hurry, going towards Coco. I heard a sneeze from behind, and the magic powers directly hit the back of my head. I knew it. That’s why I properly put a magic barrier on Coco. In a moment, 「Pu?」Coco spat out water. It was as if the spouting of a whale. Spitting out water inside the water, it was that kind of an interesting scene. 「A-re?? Where is this place??」 「You woke up」 「Master?......a-re-re?, right now, I saw Okaa-san waving her hands across a river right now?」 Coco tilted her head, no matter how you look at it, isn’t that a near-death experience. 「Ne?, that right now, how did you do it?」 Balthazar asked. n? Right now, I just normally used『Adaptation』magic....... But when I was thinking of that, Balthazar wasn’t asking me, but Coco. Coco was confused, looking at Balthazar and me alternately. I asked Balthazar. 「By right now, you mean, Coco’s swimming style?」 「It’s dog paddle, you want to try it?」 「Coco, can you teach her?」 「Yes, I understood?」 Her master said it, so Coco got relieved, and taught Balthazar the dog paddle style. Balthazar learned it immediately. Together with Coco, the two of them flew around the mansion using dog paddle style. And to that, Chris also joined. Chris was flying in the air and her movements are smooth, but she was at least making the dog paddle pose. Afternoon. The four of us swam inside and outside of the mansion, horsing around.
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この日は朝から寒かった。 その寒さに目を覚ますと、シルビアとナディアがぴったりくっついて来てる事に気づく。 「おはようございます、ルシオ様」 「おはようルシオくん。すっごく寒いね」 二人はもう起きてて、おれにくっついたままいった。 キングサイズよりも広いベッドの上ではひとかたまりになってまるまってる。 まるで白米の中にある梅干し、日の丸弁当みたいな感じだ。 「確かに寒いな......って雪降ってるのか」 「はい、夜中からずっと降ってました」 「そりゃ寒いはずだ」 窓の外、雪が降ってるのを眺める。 二人がくっついてきてるところは温かいけど、ふれあってないところは寒かった。 「オートヒート」 ベッドに魔法を掛けた。ベッドの中から熱を放つようになった。 電車のシートのような、温かい空気が体の下から上ってくる。 「温かい......」 「すごい、これ気持ちいいね」 二人に好評だった。 温かくなったから、ぴったりくっつく事はなくなった。 体を重ねたまま少しだけ離れた。 例えばナディアは腕をおれの太ももの上に置いて、シルビアは頭のてっぺんをおれの脇腹にくっつけた。 ぬくもり目当てではないスキンシップ。 ベッドの上でごろごろしながら、スキンシップを続けた。 「ぎゅるるるる」 「今のは......ナディアか」 「えへへ、ごめんなさい、ちょっとお腹すいちゃったかも」 「ちょっと待ってて」 シルビアはベッドから跳び降りた。ぶるっと体を震わせながら部屋の外に出て行った。 ちょっとして、焼いたパンをボウルに入れて持ってきた。 「ありがとう」 「ルシオ様もどうぞ」 「ああ、お前も食え」 三人でパンを分け合って食べた。 ベッドの上でごろごろしながら食べた。 「あっ、食べかすが落ちちゃった」 「いいよ、後でまとめて掃除すれば」 怠け者になったくらいの勢いでごろごろした。 最初は仰向けでパンをむしゃむしゃ噛んでたけど、それだと飲み込むのに苦労するから、顔を横にして何とか飲み込んだ。 それも実は面倒臭かった。 二人を見る、二人も同じような感じだ。 何をするのも面倒臭い、ごろごろしてたい、そんな雰囲気を感じる。 「もそもそするね、なんか飲み物ない?」 「あっ、ちょっと待って」 シルビアはそう言ったが、動かなかった。 なかなか動かず、ナディアが聞く。 「どうしたのシルヴィ?」 「......はっ! ちょ、ちょっと待ってね」 慌てて起き上がろうとする。ごろごろしすぎて起動が遅くなったみたいだ。 おれはシルビアを引き留めた。 ベッドにポスンと倒れ込んで、驚いた目でおれを見る。 「ルシオ様?」 頭の中の魔法を検索――あった。 「シックスセンス」 魔法の光がシルビアを包み込む。 光は更に収束して、髪を包み込む。 「これって?」 「これをキャッチしてみな、それ」 おれはそういって、パンを放り投げた。 ごろごろしてておれもおっくうだけど、なんとか投げれた。 パンは放物線を描いてベッドの外に飛んでいく。 「あっ......」 シルビアはびくっとなった。 おれに言われてキャッチしようとしたけど、ごろごろが心地よすぎて動きだすのがおくれた、って感じだ。 直後、異変が起きる。 シルビアの髪がのび出して、飛んでいったパンをキャッチした。 「えっ?」 「なになに、なにそれシルヴィ」 「わたしにもわからない」 二人揃っておれを見る。 「人間にがあって、それ以外でもう一つつけられる魔法だ。今回は髪にかけたから、その髪を手のように使いこなせるはずだ」 「手ですか」 「それで飲み物をとってきてみて」 「はい、わかりました」 シルビアはベッドの上でごろごろになったまま――髪を伸ばした。 髪は伸びていって、ドアを開けて、部屋の外に出て行く。 しばらくして、コップに入った水を持って戻ってきた。 「わあ、すっごーい」 「えっと、ナディアちゃん、どうぞ」 「うーん、飲ませて!」 ナディアもごろごろしてて、動きたくない様子。シルビアに至れり尽くせりを要求した。 「シックスセンス」 見かねて、ナディアにも魔法をかけた。 同じようにナディアの髪が伸びて、動き出す。 「ほら、自分でやって」 「はーい」 ナディアはそういってシルビアからコップを受け取った。 髪から髪で渡されたコップ、ちょっと面白かった。 飲んだあと、コップを部屋の外に持っていく。 その間も、本体はずっとごろごろしてる。 おれはごろごろした、シルビアもごろごろした、ナディアもごろごろした。 温かいベッドの上、とにかくごろごろした。 ふと、つんつんと脇腹をくすぐられた。 ナディアが髪をつかってツンツンしてきたのだ。 それを見習って、シルビアもツンツンしてきた。 さっきと同じ、微妙なスキンシップ。 それも悪くなかった。 おれは自分にも魔法を掛けた。髪の毛がうねうねし出して、二人の髪の毛に絡んでいった。 おれたち三人はごろごろしながら、髪の毛だけでいちゃいちゃしたのだった。
Today was cold since morning. When I woke up with that cold, I noticed that Sylvia and Nadia are completely stuck with me. 「Good morning, Lucio-sama」 「Ohayou, Lucio-kun. It’s very cold right」 The two of them were already awake, and stayed stuck to me. In top of the bed wider than a king size bed, the three of us stuck together and made a circle. Just like the pickled plums that is inside the white rice, like the Japanese Flag Bentou. 「Yeah it’s cold......I mean, is snow falling」 「Yes, it has fell since last night」 「Well that’d be really cold」 Outside the window, I watched the snow fall. It’s warm where I stuck with the two, but it’s cold in the parts where we don’t touch. 「Auto Heat」 I casted magic to the bed. From inside the bed, it started to emit heat. Just like the sheet on the trains, the warm air rises up from the bottom of the body. 「So warm......」 「Amazing, this feels good」 The two liked it. It got warm, so we stop cuddling. On part of the body still being overlaid, we distanced a little. Nadia left her arm on the top of my leg, and Sylvia pushes the top of her head to my side. It was skinship that aren’t aimed for warmth. While rolling above the bed, we continued our skinship. 「*Gyurururu*」 「That sound right now......Nadia huh」 「Ehehe, I’m sorry, I think I got a little hungry」 「Wait a minute」 Sylvia went down from the bed. *Buru* her body trembled, and she went outside of the room. After a while, she came back with toasted bread in a bowl. 「Here, Nadia-chan」 「Thanks」 「Lucio-sama too」 「Ahh, you eat too」 We divided the bread with the three of us and ate. *GoroGoro*, on the top of the bed we ate. 「Ah! Food fell」 「It’s okay, we should clean it altogether laer」 *GoroGoro* just like we had become a lazy person. At first, *MushaMusha* I ate the bread faced up, but it was hard to swallow, so facing side wards and could somehow swallow it. That was really troublesome. I looked at the two, the two looks the same. It’s too troublesome to do anything, I want to *GoroGoro*, it was that kind of air. 「I feel parched, aren’t there any drinks?」 「Ah! Wait a minute」 Sylvia said that, but she didn’t move. She wasn’t moving at all, so Nadia asked. 「What’s the problem, Sylvie?」 「......Ha! W-Wait a minute」 She tried to stand up in a hurry. It looks like she *GoroGoro*-d too much and couldn’t move anymore. I stopped Sylvia. *Posun* she fell to the bed, and looked at me with a surprised face. 「Lucio-sama?」 I searched inside my head for magicーーthere it is. 「Sixth Sense」 The light of the magic enveloped Sylvia. The light gathered further, and enveloped her hair. 「This is?」 「Can you catch this, here you go」 I said that, and threw the bread. Because I was also *GoroGoro*-ing around, it was tiresome, but I somehow threw it. The bread drew a parabola and flew out of the bed. 「Ah!......」 *Biku* Sylvia flinched. She tried to catch just as I’ve said, but the *GoroGoro* felt too good and she got late, I think. In the next instance, something happened. Sylvia’s hair flew, and caught the bread that flew away. 「Eh?!」 「What what, what is that Sylvie」 「I do not know also」 The two of them looked at me at the same time. 「Humans have five senses, that was the magic to put another one. This time, I casted it on her hair, so that hair should be used easily just like a hand」 「Hand, desu ka」 「Can you use that to take some drinks」 「Yes, I understand」 *GoroGoro* while still on the top of the bedーーSylvia extended her hair. The hair extended, opened the door, and went out of the room. After a while, it came back with a cup of water. 「Wah, Amaaazing?」 「U?n, make me drink it!」 Nadia was also *GoroGoro*-ing, and there’s no sign of her moving. She demanded to do everything for her to Sylvia. 「Sixth Sense」 I couldn’t watch that, and also casted magic to Nadia. Nadia’s hair extended the same, and moved. 「There, do it yourself」 「Ye?s」 Nadia said that, and took the cup from Sylvia. The cup that was passed from hair to hair, it was a little interesting. After drinking, the cup was placed outside the room. And even while doing that, the person itself was *GoroGoro*-ing. *GoroGoro* I also did that, *GoroGoro* Sylvia also, *GoroGoro* Nadia too. On the top of the warm bed, we *GoroGoro*-d anyways. Suddenly, *TsunTsun* my sides were tickled. Nadia used her hair too *TsunTsun*. Looking at that, Sylvia also *TsunTsun*. Just like earlier, it was a strange skinship. But that wasn’t bad at all. I also casted magic to myself. *UneUne* the hair went, and entwined with the two’s hair. *GoroGoro* with the three of us, *IchaIcha* with only using our hair.
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太陽に向かって飛び続けた。 流石に暇になってちょっと飽きてきたから、荷物の中からもってきた魔導書を取り出してよんだ。 さえない男子高校生がある日流れ星に「彼女が欲しい」とお願いしたら、流れ星がそのまま人間になって彼女になりに来たというドタバタラブコメディ。 願いを叶えた流れ星じゃなくて一気というところでものすごくドタバタ感があって楽しい。 これでどんな魔法を覚えられるのか、そして最後はどういう話になるマンガなのか。 それを楽しみにしながら読んでいった。 伸びをして、あくびをした。 しまった肩にバルタサルがいるから伸びをしたら――とおもったら肩に気配が感じられなかった。 どうしたんだろ――って思ってると。 「むぐっ!」 口の中に何かが入って来た。 もぞもぞと、強引に入って来た。 「あが......あぐが......」 口の中に突っ込んできたのはバルタサルだった。人形よりもちょっと小さくした彼女がなぜか尻をフリフリさせながら、おれの口の中に潜り込もうとする。 といつめようとするも、口を塞がれて声が出ない。 魔法で何かしようとするも――相手がバルタサルだから下手に使えない。 つまみ出そうとしたら、尻尾でペシッとはたかれた。 そうこうしてるうちに、バルタサルは完全に口の中に入って、中で体を入れ替えて顔を出してきた。 唇の上に腕を載せて、その上に自分の横顔を乗せる。 そのまま。 「すぴぃ」 とまた寝息を立てはじめた。 っておい! 寝るのか!? そこで寝るのか!? 「えへへ......ルシオちゃんだぁ......」 そりゃおれだよ! おまえ今おれの中に入ってるからな! これはこまった、本当にこまった。 転生してきた人生の中目くらいのピンチだ。 どうする、どうするおれ。 ポケットの中でもぞもぞ動いた、ナディアと一緒に寝てるシルビアが起きてきた。 顔を出すシルビアが寝ぼけた目でこっちを見た。 「......」 「......うごうご」 「......」 「うごご」 助けてくれシルビア、この状況を何とかしてくれ。 「......るしおしゃまのおくちにまおうしゃまが」 「うごご」 「......ゆめでしゅね、これ。おやすみなさい」 そういって、シルビアは再びポケットに潜り込んだ。 同じポケットに入ってる、同じサイズに縮んだナディアと指を絡ませ、身を寄せ合って二度寝した。 可愛い、二人の姿はかわいい。 かわいいけど! 状況は何も変わらない。まずいままだ! パチン! バルタサルのはな提灯がはじけた。 いやふみゃあじゃなくて。 ふさがりのおれは空を見上げた。昼間だというのに、太陽のそばをものすごい明るい流星が流れた。 思わず流星にお願いした――って叶うわけないだろそんなの! 心のなかでキレ芸を披露しつつ、おれは諦めた。 そのうちおきるだろう、と諦めることにした。 しかし、この時のおれはまだ知らなかった。 悪夢は......うらやましがるシルビアとナディアとベロニカによって、口だけじゃなくて鼻や耳の穴まで狙われてしまうという未来を。 今のおれはまだ知るよしもなかったのだった。
I continuously flew towards the sun. Well, I started to get tired because it was a little boring so I took out the Grimoire that I took with me. It was a boisterous love-comedy where a boring high school student prayed「I want a girlfriend」to a shooting star, that shooting star itself became human and came to become his girlfriend. It was very boisterous because there wasn’t only one shooting star that granted his wish but nine at once. What magic will I learn from this? And what kind of ending would this manga have? I read it looking forward to that. I stretched and yawned. Oh no, if I stretched when Balthazar was on my shoulderーーbut when I thought of that, I didn’t feel a presence on my shoulder. What happenedーーit was when I thought of that. 「Muguu!!」 Something entered my mouth. *MozoMozo* it entered forcefully. 「Aga......aggagu......」 It was Balthazar who came into my mouth. A bit smaller than a doll, she waved her butt for some reason and tries to enter my mouth. I tried to ask her why she’s doing this, but my mouth is blocked, and I can’t speak. Using magic to do something about itーーthe target’s Balthazar so I can’t be careless using it. When I tried to grab her out, she flicked me with her tail. And while that happened, Balthazar completely entered my mouth, turned her body showing her face. She placed her arms on my lips and lowers her head on the side there. And just like that. 「Supii?」 She started to sleep. H-Hey! Are you going to sleep?! Are you going to sleep there?!! 「Ehehe?......it’s Lucio-chan?......」 Of course, it’s me! You’re inside me right now after all! I’m troubled, I’m really troubled. It’s probably about the second pinch that in this life ever since I reincarnated. What to do, what should I do? Moving around inside my pocket, Sylvia who slept together with Nadia woke up. Sylvia who had sleepy eyes showed her face and looked towards me. 「......」 「......ugougo」 「......」 「ugogo」 Save me Sylvia, please do something about this situation. 「......ish the demon king inshide Rusho-shama’s moush」 「ugogo」 「......thish ish a tream. Nighty?」 Saying that, Sylvia went back inside the pocket. She held her hands with Nadia who shrunk at the same size, sleeping in the same pocket, and the two slept close to each other. How cute, look how cute they are. They are so cute, but! The situation didn’t change at all. It’s still bad! *Pachin!*, the snot bubble popped. No, what the heck is fumya? She looked up to me who’s cornered. Although it was noon, a very bright shooting star fell on the side of the sun. Instinctively, I prayed to the shooting starーーdamn it, there’s no way that it would be granted! While cursing inside, I gave up. I gave up thinking “she would wake up anyways”. However, at this time, I was still clueless. The nightmare......because of Sylvia, Nadia, and Veronica who got jealous, there was the future where not only my mouth was targeted, but the holes of my nose and ears as well. It was something that I did not know yet.
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夜明け前、なんとなく目が覚めた。 の嫁はすやすや寝ている。 すっかりおねしょしなくなったシルビア。 今でも起きると寝癖が大爆発するナディア。 新しく加わったベロニカ。 三人の手を軽く握ってやってから、おれはベッドから降りた。 寝室の外に出る。薄暗い中に人影があった。 目を凝らす、それはメイドのアマンダさんだった。 おじいさんの命令で、おれの屋敷で働くようになったアマンダさん。 「おはようアマンダさん。もう起きてたんだ」 「主より早く起きるのがメイドでございますので」 ぶっちゃけ、おれはトイレのために起きてきた。 突発的なものだ、終わったらまたベッドに戻っ寝する。 そんなおれよりも早く起きてるなんて、いつ寝てるんだろうか、って気になる。 心を読んだのか、アマンダさんはそう言ってきた。 まあ、それはそれでいいけど。 「それよりも旦那様ってなに?」 「マルティン公爵様のお屋敷に仕える様になりました。ですのでお坊ちゃまでなく旦那様、と。お気に召さないのであれば呼び方を変えますが」 「変えるの?」 「ご命令とあらば」 アマンダさんのキャラ的に「旦那様としか呼ばない!」って拒否られるものだと思ってたけど、そうじゃないんだな。 まあ、「旦那様のご命令なら」というのも彼女のキャラではあるけど。 「わかった。旦那様でいいよ」 「はい」 おれはそう言って、トイレに行った。 用を足して来た道を戻る。アマンダさんがやっぱりそこに佇んでいたから、会釈をして通り抜けた。 部屋の中に入る。嫁達はまだ寝ていた。 おれが出た後、ぬくもりを求めてベッドの上をさまよったのか、シーツはくしゃくしゃになって、三人が体を寄せ合うようにして寝ている。 「『エアクッション』」 小声で魔法を唱えて、空気のソファーに乗る。 そこで三人を見つめる。 シルビア・マルティン目の嫁。 かわいらしさの中に穏やかさがある。 将来は正統派美女に成長する事が魔法で確認されてるおれの嫁。 今でも十日に一回はおねしょするのは愛嬌だ。 ナディア・マルティン、二人目の嫁。 将来はさばさばな美女に成長することが魔法で確認されてるおれの嫁。 竜騎士ナディアは一部では有名で、本人もそれにまんざらじゃない。 ベロニカ・アモール・マルティン、三人目の嫁。 かわいらしさだけじゃなくて、気品と強がりが高いレベルで同居してる幼女。 既に妖艶な美女に成長してるけど、あえて魔法で幼女姿に戻したおれの嫁。 大人の時とは違って、ストレートに感情を表に出すのがかわいくてしょうがない。 三人の幼女妻、三者三様の可愛さ。 空気ソファにのったまま、彼女達を眺めた。 「ルシオ様......もう食べられない」 シルビアの寝言。 いやあ、それはナディアの持ちネタだろ。 「ルシオくん......まだ食べ足りない」 ナディアの寝言。 うん、シルビアのはシルビアらしかった。 「ルシオ......あたくしを食べて」 ベロニカの寝言。 エロいの 三人は寝言を言った。 何かの時に使えると、おれは魔法でそれを録音した。 にしてもろくな夢をみないな。『ドリームキャッチャー』で内容を確認できそうだが、するのがばからしいくらいの寝言。 その代わり寝顔はかわいいから良しとする。 三人を見つめていると、いつの間にかうとうと寝てしまった。 気持ち良かった。 空気ソファーで寝るのは気持ち良かったが、途中からもっと気持ち良かった。 何となくまぶたを開ける。 朝日が差し込む中、三人がおれに体を寄せてるのがみえた。 全員が起きてて、目と目があった。 その目は――キラキラしている。 「......おはよう?」 思わず朝の挨拶が疑問系になってしまった。 それくらい、三人の目はきらきらしていた。 なんで今そんな目をしてるんだろう、と思っていたら。 「もっと寝ててルシオ様」 「そそ、それで今のをも一回やって?」 「こらナディア。それを言ったらだいなしですわよ」 もう一回? 台無し? 一体何の事だ? それをわからないでいると、ドアがコンコン、コンコンとノックされた。 静かでリズミカルなノックの後、メイドのアマンダさんが入ってきた。 「旦那様、奥様がた。おはようございます」 「おはようアマンダさん」 「朝食の用意ができております」 「わかったわ」 「ちぇ、しょうがない」 嫁達が次々に言って、おれから離れて部屋を出た。 アマンダさんだけが残った。 やっぱり訳がわからなくて、おれは首をかしげた。 「なんだったんだろ」 「知りたいのですか?」 「うん? 知ってるのかアマンダさん」 「教えてくれ」 アマンダさんはそう言い、咳払いをして。 「お前達を好きでいふふけるんだー」 ビックリするくらいおれの声そっくりだが、そんな事よりも。 「それってもしかして寝言?」 うわー、なるほどな。 それで三人はおれをじっと見つめてたのか。 自分もやったことだから、気持ちはわかる。 はあ。 「それはいいけど。アマンダさんおれの声まね上手いね」 「恐縮です」 「これで噛まなかったら百点満点だったんだけど」 「いえ原文のままです」 「え?」 おれはきょとんとした。それってまさか。 「はい、旦那様が噛みました」 また心の中を読んだかのようにアマンダさんがいった。 「まじか!?」 「はい。もっと厳密に言うと。『お前達を好きでいふふけるんだー。失敗だあ。お前達を好きでいふふけるんだー。また失敗だ。お前達を好きでいふふけるんだー。なんで好きなのにうまく言えないんだああああ』、です」 「......」 愕然。 そんなのを連呼してたのかおれ。 それで三人が上機嫌でおれを見つめてたのか。 うわああああ。 頭を抱えた。ちょっと死にたくなる寝言だ。 ......いや、別にならないけどさ。 気を取り直して、着替えて部屋を出た。 屋敷の大食堂に移動する。そこで嫁達が待っていた。 全員がるんるん状態で、ものすごく上機嫌だ。 多少ニヤニヤしている。 ......はあ。 そんな顔をされると、 「シルビア、ナディア、ベロニカ」 おれは息を吸って、言った。 噛むといけないから、一番重要なところだけを伝えた。 三人はますますにやけてしまった。
Magic Word Before dawn, for some reason, I woke up. My three wives are sleeping peacefully. Sylvia who had completely stopped peeing on the bed. Nadia who would still have an explosion of bed hair when she wakes up. Veronica who newly joined. After lightly gripping the hands of the three, I went down from the bed. I went out of the bedroom. There was a figure in the dim. I stared at that, it was the maid Amanda-san. Amanda-san who had started to work in my mansion with Ojii-san’s order. 「Good morning, Amanda-san. You’re already awake」 「A maid is one who wakes up earlier than their master」 Honestly, I woke up to go to the toilet. It’s something that is irregular, and after I finish, I would return to bed and sleep a second time. And to think that she would wake up earlier than me, I got curious when would she sleep. Did she read my mind, Amanda-san said that. Well, that’s also good. 「Rather than that, what’s with that “Danna-sama”?」 「I am now working on Duke Martein-sama’s mansion. So, it is Danna-sama, instead of Obo-chama. If you do not favor it, I will change how I call you」 「Will you change it?」 「If it is an order」 Thinking of Amanda-san’s character, I thought that I’d get refused by her saying「I will not call you other than Danna-sama!」, but it wasn’t like that. Well, it’s also her character that she’d say「If it is Danna-sama’s order」. 「I got it. Danna-sama’s fine」 「Yes」 I said that, and went to the toilet. After finishing, I went back, Amanda-san was standing there after all, so I nodded to her and passed by. I entered the room. My wives are still asleep. Did they search for warmth after I slipped out, the sheets were quite crumpled, and they’re sleeping keeping their bodies close. 「『Air Cushion』」 I chanted the magic with a small voice, and went on the air sofa. And there, I stared at the three. Sylvia Martein, my first wife. She has gentleness within her loveliness. My wife that is confirmed to grow into an orthodox beauty in the future using my magic. It’s her charm that she would wet the bed once every ten days. Nadia Martein, my second wife. My wife that is confirmed to grow into an open-hearted beauty in the future using my magic. Dragon Knight Nadia is famous among some, and the person itself is very satisfied with it. Veronica Amall Martein, my third wife. A little girl that has not only have loveliness, but also has a high level of elegance and strong will. My wife that has already grown into a bewitching beauty, but still turned to her little girl appearance using my magic. Unlike when she is an adult, her expressions that she shows straight-on is super cute. My three little wives, each of them has their own charm. On the air sofa, I observed them. 「Lucio-sama......I can’t eat anymore」 Sylvia’s sleep talk. Well?, that’s what Nadia should say right. 「Lucio-kun......I haven’t eaten enough」 Nadia’s sleep talk. Un, Sylvia’s was Sylvia-ish. 「Lucio......eat me」 Veronica’s sleep talk. The three said their sleep talk. Thinking that it can be used someday, I recorded that using magic. Even so, that’s a good for nothing dream. I could probably check the contents using『Dream Catcher』, but it is also sleep talk that feels idiotic to do that. But on the other hand, their sleeping faces are very cute, I’m content with that. Staring at the three, when I noticed it, I fell asleep. It felt good. It felt good sleeping on the air sofa, but from the middle, it was felt better. Somehow, I opened my eyes. I saw the morning sunlight peeking inside, and the three closing their bodies onto me. Everyone was awake, and our eyes met. Their eyesーーthey’re sparkling. 「......good morning?」 I couldn’t help it and made my morning greetings with a question mark. Their eyes were sparkling that much. I wonder why their eyes are like that, and when I was thinking of that. 「You can sleep longer, Lucio-sama」 「Right, right, and, can you do that again?」 「Hey, Nadia. It’s spoiled if you say that」 Once again? Spoiled? What is it about? And when I was not being able to guess that, *Kon Kon*, *Kon Kon*, the door was knocked. After the silent, rhythmical knock, the maid Amanda-san entered inside. 「Danna-sama, Oku-sama-gata. Good morning」(TL:奥(Oku)様(sama)方(gata)= missus-es?) 「Good morning, Amanda-san」 「Breakfast is already prepared」 「I understood」 「Che?, it can’t be helped」 My wives said one next to the other, they went away from me and left the room. Only Amanda-san was left behind. I really couldn’t get it, so I tilted my head. 「I wonder what it was」 「Would you like to know?」 「Un? Do you know it, Amanda-san」 「Tell me」 Amanda-san said that, and cleared her throat. It was so similar to my voice that it’s surprising, but rather than that. 「Is that, my sleep talk?」 Uwa?, I see now. And with that, the three were staring at me huh. I also did that, so I get how they feel. Ha?. 「That’s fine though. Amanda-san’s good at imitating my voice huh」 「Thank you」 「If you didn’t stutter, it would’ve been a perfect hundred though」 「No, it is completely from the original」 「Eh?」 I got dumbfounded. That, don’t tell me. 「Yes, Danna-sama stuttered」 Amanda-san said again as if she had read my mind. 「Seriously?!」 「Yes. To be more precise. It’s『I will conshinue on loving you girls?. I failed?. I will conshinue on loving you girls?. I failed again?. I will conshinue on loving you girls?. Why can’t I say it like I want tooooo??』」 「......」 I was shocked. Did I repeatedly say that. And with that, the three were staring at me very cheerfully. Uwaaaa?. I held onto my head. It’s sleep talk that I’d like to die a little. ......no, I won’t though. Regaining myself, I changed, and left the room. I moved to the dining room in the mansion. And there, my wives were waiting. All of them were humming, and is in a really good mood. They’re grinning a little bit. ......ha?. If they’d make such face, that’d make me say it “properly”. 「Sylvia, Nadia, Veronica」 I took a breath, and said. 「I love you」 I can’t stutter, so I just said the most important thing. The three grinned more and more.
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「うー、うー」 廊下を歩いてると、窓にへばりついてるココを見つけた。 犬耳の少女は窓枠に両手とあごをのせて、外を見つめている。 「どうしたココ」 「あっ、ご主人様ですぅ。雨なのですぅ」 「ああ、雨だな」 ココの真後ろに立って、頭越しに窓の外を見た。 昼間のなのに空は暗く、降りしきる雨が窓を打ち続けている。 「ずっと雨なんですぅ」 「言われて見ると......今月に入って雨が続いてるな」 夏休みの最終日で日記を書くかのように、記憶を辿って天気を思い出す。 すると月近くほとんど晴れた日がないことに気づく。 「ママ様と散歩に行きたいですぅ」 「いけばいいじゃないか、おっさんと台風の中散歩する柴犬もいるくらいだから――って、そうか」 言って、あることを思い出す。 ココは種族的に特殊な体質の持ち主だ。 今は犬耳にもふもふしっぽの柔らかい雰囲気のする少女だけど、水をかぶると人格も肉体も変化して、猫耳でキリッとした空気を纏う少女――マミに変身する。 雨でも散歩行きたがる犬は多いが、ココの場合、行きたくても体質で出来ないんだ。 「うー、うー」 窓の外を見つめたまま、更に唸る。 わがままをいわない分不憫でならない。 犬が散歩に行けないのはストレスだから――よし。 「なんとかしてやる」 「ご主人様がですかぁ?」 「ああ、見てろ」 廊下を進み、玄関を開けて外に出る。 ココがついてきた。水をかぶることが出来ないから玄関の内側からおれを見た。 いることを確認して、魔力を集中する。 かなり魔力使う、古代の大魔法。 「『ウェザーチェンジ・サニー』」 「へくちっ」 どこからともなくかわいいくしゃみが聞こえた。 同時に目の前にワームホールが現われて、魔力の塊が噴出しておれの顔に直撃した。 もはやおなじみとなった。 「バルタサル......」 「わーい、ルシオちゃんだ。ねえねえルシオちゃん、バルはすごくヒマしてるのよ?」 現われ目の妻、バルタサルがそんなことを言う。 暗に遊んで欲しいって催促なんだが、正直いってそれところじゃない。 全身が脱力する、魔力をがっつり吸い上げる古代の大魔法が誤作動を起こす。 横殴りの強風が吹きつけ、顔に雨が 何日にもわたってしとしと降っていた雨が、急に台風級の暴風雨に変わってしまった! 「あうぅ......」 ココがまたまた悲しそうに呻いた。 「お散歩ぉ......」 「もう一回天気変える......のは難しいな。古代魔続は打てるかどうか分からん」 古代魔法の上に古代魔法を重ねがけするのは一発目よりも二発目の方がより魔力をつかう。そこにバルタサルのくしゃみで誤作動を起こしてるのだから、ますます重ねるのが怖い。 天気は、おっかなくてもういじれない。 「ありがとうございますぅご主人様。今日もガマンしますぅ」 肩を落とし、耳としっぽも垂れ下がって、屋敷の奥に戻っていこうとするココ。 「まあまて、方法がないわけじゃない」 「本当ですかぁ!」 一瞬で――ダッシュで戻ってきたココ。 やっぱり散歩がしたいんだな。 「ああ、そのためには――バルタサル、ちょっとここから離れてくれ」 「魔法を使うの?」 「うーん。バル、一回くらいなら我慢出来るのよ?」 「ガマンって、くしゃみをか?」 「うん」 「そんなのも出来るのか......」 なら試してみよう。 脳内検索で見つけ出した代案の魔法は軽いものだ、誤作動起こしてももう一回かければすむ。 「『ウォータープルーフ』」 魔法の光がココを包み込む。 「は......は......はぐっ!」 その横でバルタサルがくしゃみしたくてむずむずしていた。 ものすごくガマンして、挙げ句の果てには指で鼻を摘まんで無理矢理ガマンした。 その甲斐あって、魔法は普通にかかった。 「これは?」 「防水コーディングだ、雨の中に出てみろ」 「はい」 ココはなんの疑問も抱かずに――って感じで玄関から外にでた。 横殴りの雨に打たれて、一瞬でびしょ濡れになる。 「変わらないですぅ!」 「完全防水だからな」 「やったー。これでお散歩いけますぅ!」 大喜びするココだが。 奇しくも、台風になった。 最初におれが言った「おっさんと台風の中散歩する柴犬」のようなシチュエーションになった。 正直この台風の中で歩きたくないが。 「......」 ココのわくわくする目には勝てなかった。 「お散歩、いくか」 「はいですぅ!」 「バルも、バルもいくのよ?」 ココもバルタサルも、台風の暴風雨なんてお構いなしにハイテンションだった。 おれはココの手首に繋がってるリードを引いて。 台風の中、バルタサルとココと散歩をしたのだった。
「Uu?, uu?」 When I was walking through the corridor, I saw Coco who was sticking to the window. The dog-eared girl is resting her chin and both of her hands on the window frame, she was staring outside. 「What happened, Coco」 「Ah! It’s master desu?. It’s raining desu?」 「Ahh, it’s raining alright」 I stood behind Coco, and looked out the window above her head. The sky is dark although it is still in the afternoon, and the raindrops were falling continuously outside the window. 「It’s always raining desu?」 「Come to think of it......it’s continuously raining this month.」 I searched through my memories, remembering the weather as if I was writing the last day of the summer vacation in a diary. Doing that, I noticed that there wasn’t a clear day for almost a month. 「I want to go for a walk with Mama-sama?」 「Shouldn’t you just go? There’s also middle-aged men who would walk within the storms with a shiba inu dog after allーーoh, I see」 I said, and remembered something. Coco is someone who has a special physique. She’s a girl that has dog ears and soft and fluffy tail with a kind atmosphere right now, but when she gets wet, her personality and body will change, she would become a girl with cat ears that has a crisp airーーshe would transform to Mami. There are a lot of dogs that wants to go for a walk even on rainy days, but in Coco’s case, even if she wants to go, she can’t because of her special physique. 「Uu?, uu?」 While looking out the window, she groaned. Because she’s someone who wouldn’t say spoiled and selfish things, the more it is that it makes me feel bad for her. It’s stressful for dogs that can’t go for a walk, soーーyosh. 「I’ll do something about it」 「Master will??」 「Yeah, just look」 I advanced through the corridor, opened the entrance door and went outside. Coco followed me. But since she cannot get wet with the water, she’s looking at me inside the door. I checked that she’s there, then concentrated my magic powers. It is the great ancient magic that uses a lot of magic powers. 「『Weather Change?Sunny』」 「Hekuchi!」 From somewhere, I heard a very lovely sneeze. At the same time, a wormhole appeared in front of me, and the released chunk of magic powers directly hit my face. I’m already getting used to it. 「Balthazar......」 「Wa?i, it’s Lucio-chan. Ne?, ne?, Lucio-chan, Bal is soo bored you know?」 My fourth wife that appeared, Balthazar said something like that. It’s a reminder that says she wants me to play with her in the back of her lines, but honestly, it’s not the time for that. I feel weakness in my whole body, a malfunction occurred with the great ancient magic that sucks up a lot of magic powers. A strong wind blows through me, the rain was piercing to my face, it’s a little painful. The rain that fell for many days, it suddenly changed into a typhoon class storm! 「Auu?......」 Coco cried sorrowfully again. 「Walk?......」 「Changing the weather again......is difficult, I guess. I don’t know if I can cast an ancient magic twice consecutively」 Using ancient magic one next to the other, it would take a whole lot more magic powers when it was casted the second time. And because the ancient magic right now includes the malfunction caused by Balthazar’s sneeze, it is more frightening to cast it a second time. The weather, even though it became worse, I can’t do anything about it anymore. 「Thank you very much?, Master. I will just endure for today too」 Coco returned inside the mansion with her shoulders drooped and her ears and tail hung down. 「Uhh, just wait a second, it’s not like there isn’t any other way」 「Really?!!」 In an instantーーCoco dashed, she returned. As I’ve thought, she really wants to go for a walk. 「Yeah, for thatーーBalthazar, can you go far away for a while」 「Are you gonna use magic?」 「Yeah」 「U?n. Bal, she can endure once at the least you know?」 「Endure, you mean, your sneeze?」 「You can do that huh......」 Then, let’s try it. I searched for the magic inside my head, the alternative magic is only a light one, even if a malfunction occurs, I can cast it once again. 「『Waterproof』」 The light of the magic enveloped Coco. 「Ha......ha......haghhu!」 And on the side, Balthazar was holding her sneeze. She endured very well, and in the end, she forcefully endured by pinching her nose. And with all of her efforts, the magic worked normally. 「This is?」 「It’s a waterproof coating, try to go inside the rain」 「Yes」 Without doubtsーーCoco went out of the entrance. She was soaked by the strong rain, she got drenched in an instant. 「I didn’t change desu?!」 「It’s a complete water proof after all」 「Yaaay! I can go for a walk now?!」 Coco was super delighted, but. Strangely, it has now become a typhoon. It became same as the situation I said earlier, “middle-aged men who would walk within the storms with a shiba inu dog”. Honestly, I don’t want to walk inside the storm. 「......」 But, I couldn’t win against Coco’s excited eyes. 「Shall we, go for a walk then」 「Yes?!」 「Bal also, Bal will also go you know?」 Coco and Balthazar, both of them were in high spirits not minding the strong storm surge. I pulled the lead that connects to Coco’s wrist. Within the storm, I went for a walk with Balthazar and Coco.
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「急ぎ伝達します」 「うむ、頼むぞ」 謁見の間。 魔導書の事で国王に頼みたいことがあってやってくると、その国王がなんだか困っていた。 おれの直前に会っていた男が謁見の間を飛び出して行く。 「王様、どうしたの?」 「お? おお余の千呪公ではないか。どうしたのだ今日は」 それはこっちの台詞だ、そっちがどうしたんだ。 今にも死にそうな顔をしてるけど。 「大丈夫王様、なんだか顔色が悪いけど」 「わかるか......いやなんでもない」 国王は表情を取り繕った。 「何か用か、余の千呪公よ」 「王様、ぼくにも王様のお役に立たせて」 「千呪公......」 国王は感動したかのように、目をうるうるさせた。 「わかった。どっちにしろ隠し通せるものではない。実は魔王が復活したのだ」 「魔王? バルサタルのこと?」 ちょっと前に魔導書をよんで復活させてしまったそれの事を思い出す。 「いや、その魔王ではない。バルサタルの子孫、バルサタだ」 「バルサタル七世?」 「うむ年前に時の勇者に倒されたはずのものだが、先日復活し、全世界に通告を突きつけてきた。我に服従せよとな。それで今世界中が大慌てになっているのだ」 「そっか......ところで勇者はいないの?」 「先日生まれた......まだ生月だ」 それは役に立たないな。 「先代勇者も一応いるが、使者を向かわせたところ、酒とギャンブルで妻に逃げられた直後らしい」 転落人生だー。 「それでどうしようかと困っていた所だ」 「それよりも千呪公の用件はなんだ」 「大した事じゃないよー、図書館のことだから。そういうことならまた出直すよ」 おれはそう言って謁見の間を出て、王宮を離れた。 「さて」 外の空気を吸いながら伸びをする。 「殺ってくるか」 おれはこの世界を好きになってる。 魔法が使えて、シルビアとナディアと自由気ままに過ごせるこの世界が好きだ。 魔王だのなんだのに世界の平和をかき乱されたくない。 魔王討伐を決めた。 魔法を選ぶ――使う。 「キャラクターサーチ:バルタサル七世」 魔法を使った後、頭の中にレーダーみたいなのが浮かび上がってきた。 中心におれがいて、離れたところに光の点があるイメージだ。 「あっちか。トランスフォーム・ドラゴン」 次の魔法を使って、巨大な竜に変身。 頭の中にあるレーダを頼りに飛ぶ。 全速力で飛んでいく。 一時間くらい飛んだあと、光る点のある場所についた。 まわりがどくどくしい沼に囲まれた城。 空は雷雲におおわれ、雷が絶え間なく落ちてくる。 いかにも魔王の城って感じの場所だ。 「ってことは最上階だな、魔王も」 ドラゴンの姿のまま最上階に飛んで着陸した。 「ビンゴかな」 そこは広い部屋で、玉座がある。 真ん中にケバイ格好の女が座っていた。 頭に角が生えてて、マントと露出の高い服装をしてる三十代くらいの女の人。 おれはドラゴンから人間に戻った。女はますます驚いた。 「魔王はどこ?」 「子供だと? 何をしにきた」 「質問を質問で返さないでほしいな。魔王はどこ? っておれは聞いたんだ」 「何者かはしらないけど。われが魔王だ」 「お前?」 「おーほっほほほ。そう、われこそ今の魔王、かの偉大な魔王、バルサタルの血を受け継ぐバルサタル七世」 「へえ、あいつの子孫なのか」 「あいつ?」 七世は眉をひそめた。顔が豹変した。 青筋をたてたド怒りの表情。 「そのものいい、万死に値する」 七世は手を振った。かぎ爪の形にした手をしたから振り上げた。 それが衝撃波になって、部屋を地面ごとえぐっていく。 大人の体よりも太い爪痕、地面から壁――そして天井に伸びた。 「跪け、今の発言を取り消せ。さすればひと思いにやってやるぞ」 「ああそのものいい、バルサタルに似てるわ」 あの時もこんなことを言われた記憶がある。 そういうと、七世はますますぶち切れた。 「慮外者が!」 手をかざして魔法を唱えた。 瞬間、おれのまわりが爆発した。 部屋が崩落するほどの爆発。魔王らしい、高い破壊力の魔法だ。 バルサタルに匹敵する程の魔力だ。 まっ、その前に魔法で防壁を張ったから無傷だけど。 「まったく、キレやすい年頃か」 「なっ、何故無傷か」 「それよりもお前、世界征服を企んでるらしいな」 「当然だ」 「それ、やめてくんない?」 「戯れ言を。征服がわがよろこび、人間の苦しみこそわが幸せ」 「われはバルサタル七世。今度こそ世界を征服し、人間をあるべき家畜の姿に戻してやる。配下のモンスターは既に世界各地に散った、われの命令一つで侵攻して、世界は三日で落ちるだろう」 結構のっぴきならぬ状況らしい。 「命令はまだ出してないのか」 「降伏勧告の返事を待とうとおもったが、気が変わった。貴様裂きにした後、世界に後を追わせてやる」 「そっか、じゃあしょうがない」 説得ですめばそれで良かったんだけど、おれは実力行使することにした。 魔力をかき集めて、数少ない、純粋な攻撃魔法をとなえる。 「メテオリックベストナイン」 雷雲を突き抜け、流星が降ってきた。 まっすぐ、バルサタル七世に降っていった。 「なっ――これは」 「流星連続で降ってくる魔法だ。お前の先祖バルサタルは九個をしのぎきったけど、お前はどうかな」 「ま、待って、やめ――」 血相を変えておれに何かを言おうとしたけど、その前に流星が降ってきて直撃した。 流星が、降り続けた。 「謎の隕石群が魔王城を直撃。それによって魔王の生死は不明。しかしながら各地の魔物が沈静化したことを鑑みるに......」 「魔王はしんだ、か」 次の日、謁見の間にやってくると、国王が使者とまた話していた。 昨日と違って、話は緊迫してるけど、表情は明るかった。 「状況を引き続き調べてくれ、くれぐれも油断せぬように」 「はっ」 使者が出ていった。おれは国王に近づく。 「おお、余の千呪公か。今日はどうした」 「王様は? 今日はいいことあったみたいだね」 「うむ。まだ油断できないが、魔王の脅威はなんとか去りそうだ」 もうさったよー、と言おうとしたけどやめた。 で跡形もなく消し飛んだ腰抜け魔王の事はどうでもいいからだ。 それよりも本来の、昨日の用件を済ませることにした。 「それより王様、これ」 「これは?」 「魔導書......のコピーかな、ぼくが写してみた。これで読めるといいんだけど」 アニメに続き、魔法を覚えたい国王のためにする事だ。 「おお、さすが余の千呪公だ」 国王は感動した。 おれからマンガを受け取って読んだ。 マンガは読めたけど、魔法を使うことはできなかったのだった。
「I will dispatch it immediately」 「Umu, I’m counting on you」 Audience hall. When I came because I want to ask something concerning Grimoires to the King, but that King was somehow troubled. The man that he was meeting with earlier jumps out of the audience hall. 「Ou-sama, what happened?」 「Oh? Isn’t it my Senjukou. What is it today」 That’s my line, what is it with you. You’re making a face that you’d die anytime. 「Are you okay, Ou-sama, your complexion is really bad」 「Can you tell......no, it’s nothing」 The King feigned his expression. 「Do you have something you need, my Senjukou」 「Ou-sama, let me of Ou-sama’s help」 「Senjukou......」 The King, as if he was moved, he had wobbly eyes. 「I got it. Either ways, it’s not something that can be hidden forever. Actually, the Demon King resurrected」 「Demon King? Is it Balthazar?」 I remembered that I resurrected him by reading a Grimoire recently. 「No, it’s not that Demon King. Balthazar’s descendant, it’s Balthazar the th」 「Balthazar the th?」 「Umu, he should’ve been defeated by the Brave of time thirty years ago, but he resurrected recently, so posed an announcement to the whole world. He said submit to him. Because of that the whole world is on panic」 「I see......by the way, isn’t there a Brave?」 「Just born recently......he’s still one month after birth」 That would be useless huh. 「There is the predecessor Brave, but when I sent a messenger, it was immediately after his wife ran away because of gamble and alcohol」 It’s a downfall life?. 「And I am just troubled of what to do」 「Rather than that, what does Senjukou need」 「It’s nothing much?, it’s only about the library. If it was like that I’ll just come again」 I said that and went outside of the audience hall, and left the palace. 「Well then」 I stretched while taking a breath of the air outside. 「I’d do(kill) it huh」 I became to like this world. I like this world where I am able to use magic, live freely and wilfully with Sylvia and Nadia. I don’t want this world’s peace to be disturbed by a Demon King or whatever it is. I decided the subjugation of the Demon King. I choose the magicーーI used it. 「Character Search: Balthazar the th」 After I used the magic, a radar-like something emerged inside my head. It’s an image where I was in the middle, and there was a point in a place at a distance. 「There huh. Transform: Dragon」 I used the next magic, and transformed into a giant dragon. I flew relying on the radar inside my head. I flew with full speed. After flying for an hour, I reached the place where the point was lighting. It was a castle surrounded by poisonous swamps. The sky was covered by lightning clouds, and lightning was falling without stop. It was a place that really felt like the Demon King’s Castle. 「Then it means, on the top floor right, the Demon King」 I flew and landed on the top floor while in dragon form. 「Who are you?!」 「Bingo huh」 That was a wide room, there was also a throne. In the middle, a woman with heavy make-up was sitting. It was a woman whose around years old, there were horns that grew on her head, wearing a mantle and clothes that have a high exposure. I returned to human from dragon. The woman was more and more surprised. 「Where is the Demon King?」 「A child? What did you come for」 「Can you not reply to a question with a question. Where is the Demon King? I asked」 「I do not know who you are, but. I am the Demon King」 「You?」 「O?hohhohoho. That’s right, I am the current Demon King, the one who inherit the blood of the Great Demon Lord, I am Balthazar the th」 「He?, you were his descendant huh」 The th scowled. Her face had a sudden change. It was a very angry expression with her veins popping. 「That way of talking, deserves certain death」 The th swung her hand. She raised her hand after making it claw shaped. That became a shockwave, and gouged the room’s floor. Five scars that were thicker than an adult’s body, extended from the groundーーto the walls and ceiling. 「Kneel, take back what you said right now. If you do that, I will kill you with one breath」 「That way of talking, it’s similar to Balthazar」 I have memories that I was also told like that at that time. When I said that, the 7th was more and more pissed off. 「You arrogant!」 She reached out her hand and chanted. An instance, my surroundings exploded. It was an explosion that even shook the room. It was a Demon Lord-like, magic with high destruction powers. It was magic powers that was even equal to Balthazar. Well, I made a barrier with magic before that so I’m uninjured. 「Goodness, are you in the age with low temperance」 「What! Why are you uninjured」 「Rather than that, they said that you’re plotting for world domination」 「Of course」 「That, can you stop?」 「Gibberish. Domination is my joy, my happiness is when humans suffer」 「I am Balthazar the 7th. I will dominate the world this time for sure, and return humans to their original domesticated appearance. My monster subordinates had already scattered throughout the world, invade with one of my command, and the world will fall within three days」 It looks like it’s a situation that I can’t be leisure. 「Haven’t you release your command」 「I was thinking of waiting for the surrender reply, but I changed my mind. After I tear you into pieces, I’ll drive in the world after」 「I see, then, it can’t be helped」 If it ended with persuasion, that’d be good enough, but I decided to use force. I gathered magic powers, and chanted one of the only few, magic that was completely for attacking. 「Meteoric Best Nine」 Breaking through lightning clouds, meteor fell. Straight towards Balthazar the 7th, it fell. 「Na!ーーthis is」 「It’s a magic that makes meteors fall nine times consecutively. Your ancestor, Balthazar had endured all nine of them, but what about you」 「W-Wait, stoーー」 Changing her face colors, she tried to say something to me, but before that, the meteor that fell hit directly. The meteor, continued to fall. 「Mysterious meteor strikes hit the Demon King’s Castle directly. Because of that, the fate of the Demon King is unknown. But, seeing that the monsters around the country had calmed down......」 「The Demon King died, huh」 The next day, when I came to the audience hall, the King was talking again with the messenger. Different from yesterday, their talk were not tense, but their expressions weren’t bright. 「Continue to investigate the situation, be sure to not let your guards down」 「Ha!」 The messenger left. I approached the King. 「Ohh, my Senjukou. What is it today」 「What about Ou-sama? It looks like a good thing happened today」 「Umu. We still can’t let our guards down, but it seems like the threat of the Demon King would pass」 It already passed?, I tried to say that but I stopped. It’s because that coward of a Demon King that disappeared without trace after four shots doesn’t matter. Rather than that, I wanted to finish what I originally wanted to do yesterday. 「Rather than that, Ou-sama, this」 「This is?」 「Grimoire......the copy of it, I duplicated it. It would be nice if you were able to read it with this」 Continuing after the anime, it was the second shot to make the King learn magic. 「Ohh, as expected of my Senjukou」 The King was moved. He received the manga from me and started reading it. He was able to read the manga, but it seems like he couldn’t use magic.
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朝起きて、キッチンにやってきた。 「おはようございます旦那様」 「あっ、おはようルシオ様」 キッチンの中にいるシルビアとアマンダがおれを出迎える。 になって料理をしてるみたいだ。 「朝ご飯を作ってるの?」 「ううん。ルシオ様のお弁当を作ってるんです」 「弁当?」 「はい。今日はルシオ様、図書館に行くんですよね」 「そのつもりだ」 「そのお弁当を作ってました」 「へえ、どんな弁当なんだ?」 のぞき込もうとしたところに、シルビアが慌てて弁当を隠そうとした。 慌ててやったせいで手が滑って、中身を台の上にぶちまけてしまった。 「あっ......」 落ち込むシルビア。ぶちまけてしまったものをシュンとした顔で見つめる。 おれのせいだな。 「大丈夫です、奥様」 一方で、アマンダさんはいつも通り冷静に振る舞った。 「もうワンセット分の材料がございます。今から作り直しましょう」 「うん。ごめんなさいルシオ様。後でお届けしますから」 「こっちこそ悪い、出来るまで部屋で待ってる」 「はい!」 笑顔で頷くシルビア。 おれはアマンダさんが弁当の具を拾い集めるのをちらっとみて、キッチンを後にした。 拾い集めていた具材から推察するに、キャラ弁――しかもおれの姿をしたキャラ弁みたいだ。 それは見られるの恥ずかしいな。 一方で、アマンダさんはそれを拾い集めて弁当箱に詰め直したが。 「まるで福笑いだな」 とおれは思った。 「福笑いって何?」 廊下でばったり出会ったナディアがきいてきた。 「しらない」 おれは少し考えた。 どうせシルビアの弁当を待つんだから。 「すこし遊ぶか?」 「うん! 何して遊ぶ? 蟻の穴に水を流す?」 「んな小学生男子みたいなことじゃないよ」 ナディアを連れてリビングにやってきた。 ナディアと一緒にソファーに座って、魔法をつかう。 「『モンタージュボディ』」 魔法の光が空中に浮かぶ。 「これをどうするの」 「見てて。顔はアマンダさん、体は大人のベロニカ、服装は......兄さんだ」 魔法の光に触れて、目を閉じてパーツ単位で想像・指定をした。 光が明滅する。強くなったり弱くなったりを繰り返して、やがて収束する。 そこに、一体の人形が現われた。 指定通りの見た目だ。 顔は鉄面皮のアマンダさん、体はグラマーな大人ベロニカ、着てる服はまるでクジャクを連想させるイサークのもの。 「きゃははははは、なにそれ、おもしろーい」 「そういう魔法だ。今みたいな要領でやってみろ」 『モンタージュボディ』を唱え直して、人形を魔法の光に戻す。 ナディアは同じようにそれに触って、目を閉じてぶつぶつつぶやいた。 しばらくして、それができあがる。 「なんだこれは」 「普通のルシオくんの体に、ルシオくんドラゴンの羽、そして覇王ルシオくんの顔」 「お、おう」 ナディアが作り出したものを――不覚にちょっとかっこいいと思ってしまった。 体のサイズこそおれのままで子供だけど、背中に力強さを象徴するドラゴンの羽、顔はいつだったかナディアがシルビアと一緒に妄想していた「すごいおれ」。 ぶっちゃけ、結構かっこいい。 「ルシオくん素敵......」 「『モンタージュボディ』」 自分でもかっこいいと思ったが、目の前でうっとりされると恥ずかしい。 おれは魔法を唱えて人形を魔法の光に戻した。 「えー、どうして消すの?」 「いいから。他のを作ってみろ」 「ちぇ。そうだね......ねえねえルシオくん、これってもっと細かい事出来ない?」 「細かい事って?」 「例えばさ......ってやって見ればいいじゃん」 ナディアはそう行って、また人形を作った。 出てきたのは一人の美少女だった。 どこかで見た事あるようなないような、そんな美少女。 「シルヴィの目にあたしの鼻、それにベロちゃんの口」 「ああ、お前達のパーツを顔に限定して組み替えたのか」 人形を見る、いわれるとわかる、確かに嫁達のパーツだ。 本当にモンタージュ写真みたいだな。 「ルシオくんもう一回」 「これに......こうやって」 「その顔をドラゴンのボディにくっつけるのはやめろ」 クソコラか。 「もう一回もう一回」 「はいはい。『モンタージュボディ』」 「今度は......こうだ! おじいちゃんと王様をくっつけてみた」 「縦にわってくっつけるな! アシュラ男爵か」 「もう一回!」 ナディアと一緒に魔法で遊んだ。 「ねえねえ、これって一緒に作れないの?」 「うん? 一緒にって?」 「例えばあたしが目と口をきめて、ルシオくんが眉毛と鼻きめる。そんな感じの」 「できるぞ」 「本当! じゃあやって見ようよ」 魔法の光を二人で触った。 目を閉じる。 「髪型......決めた。次ルシオくん」 「眉毛決めた......でいいのか? 次ナディア」 「それでオッケー。じゃあ目はこの人!」 「どんな見た目になってるのやら......鼻はこっちで」 「ミミだけばらすね......ココちゃん!」 「ケモミミになった! やばい、目とのアンバランスさが既にもうヤバイ」 一つずつ言い合いながらナディアと合成で遊ぶ。 何ができあがるのか楽しみにしながら。 やがて。 「ふう、出来た......ぷっ」 「おいおいおいおい」 「あは、あははははは。これまずいでしょ。こんなの外に出したらつかまっちゃうよ」 「それよりもショックで気絶死すると思う」 「あははは、そうかも」 できあがったのは......もう名状しがたい生き物だ。 ギリギリ人型を保っているが、下手すれば人には見えない。 まさにフランケンシュタイン、あれを数十倍やばくした感じだ。 手一つとっても、が嫁のもので、残り二本がココとマミだ。 チョイスにヤバイ素材はないけど、もうヤバさしかない。 「ちょっとこれ見せてくる!」 ナディアは人形を抱えてリビングから飛び出した。 キッチンの方からシルビアの悲鳴が聞こえた。 「......『モンタージュボディ』」 一人になったリビングの中でもう一回魔法を使った。 魔法の光に念じる。 シルビア。 ナディア。 ベロニカ。 嫁達の姿を念じながらパーツを選ぶ。 ある意味三人が合体した、美しい人形ができあがった。 それを......おれは......。 思わず、見とれてしまったのだった。 ......が。 「ルシオくんがすっごい美女に浮気してる!」 戻ってきたナディアに説明するのがすごく難しかった。
I woke up in the morning, and came to the kitchen. 「Good morning, Danna-sama」 「Ah! Good morning, Lucio-sama」 Sylvia and Amanda who were in the kitchen welcomed me. It looks like the two were cooking together. 「Are you making breakfast?」 「U?un. We are making Lucio-sama’s bentou」 「Bentou?」 「Yes. Today, Lucio-sama is going to the library right」 「I’m planning to」 「We are making the bentou for that」 「He?, what kind of bentou is it?」 When I was about to take a peek, Sylvia tried to hide the bentou in a hurry. Because she was in a hurry, her hand slipped, and the contents were thrown into the table. 「Ah!......」 Sylvia got depressed. She stared at what was fell off with a sad face. It’s my fault. 「It is alright, Oku-sama」(TL: Oku-sama = Madam/Mrs) On the other hand, Amanda-san was in her usual attitude. 「There is still another set of ingredients. Let’s make it again」 「Un. I’m sorry, Lucio-sama. I will send it later, so」 「I’m sorry too, I’ll wait in my room until it’s made」 「Yes!」 Sylvia nodded with a smile. I took a glance at the dishes Amanda-san was picking up, and left the kitchen. Guessing from the dishes for the bentou she was picking up, it’s a character bentouーーon top of that, it’s a character bentou with my appearance. Well, that is really embarrassing to be found out. On the other hand, Amanda-san picked all of it and placed it in a bentou box, but. 「It’s like a funny facial expression」(TL: Fukuwarai 福笑い = no direct translation) I thought. 「What is a funny expression?」 Nadia who I met in the hallway asked. 「I don’t know」 I thought for a while. Since I’m going to wait for Sylvia’s bentou. 「You want to play a little?」 「Un! What would we play with? You want to put water in an ant hole?」 「It’s not that kind of a game that an elementary school boy would play」 I came to the living room with Nadia. I sat on the sofa with Nadia, and used magic. 「『Montage Body』」 The light of the magic floats in the air. 「What would you do with this」 「Look. The face is Amanda-san’s, the body is adult Veronica’s, and the clothes......it’s Nii-san’s」 I touched the light of the magic, closed my eyes, and imagined and selected the parts. The light flickered. It repeatedly got stronger and weaker, and finally collected. And there, one doll appeared. It’s the appearance that I selected. The face is steel faced Amanda-san’s, the body is glamorous adult Veronica’s, and the clothes are Isaac’s that can be described as a peacock’s. 「Kyahahahaha, what’s that, so fu?nny?」 「It’s that kind of magic. Do it just like I did just now」 I casted『Montage Body』once again, and returned the doll to the light of the magic. Nadia touched that just like I did earlier, closed her eyes and started whispering. After a while, that was created. 「What is this」 「Lucio-kun’s normal body, Lucio-kun’s dragon wings, and Overlord Lucio-kun’s face」 「O-Ou」 The thing that Nadia createdーーunexpectedly, I thought that it was cool. The size of the body is the same as a child like me right now, but there are dragon wings in the back that symbolize strength, and the face is the “amazing me” that Nadia and Sylvia created in their delusions before. Honestly, it’s quite cool. 「Lucio-kun, so cool......」 「『Montage Body』」 I thought myself that it was cool, but it’s embarrassing if she would get bewitched by it right in front of me. I casted the magic, and returned the doll to the light of the magic. 「Eh?, why did you erase it?」 「Whatever. Make something else」 「Che?. Let me think......ne?ne?, Lucio-kun, can you make this more detailed?」 「More detailed?」 「For example......oh, I should just show you how」 Nadia said that, and made a doll again. The one that appeared was one bishoujo. A bishoujo that I feel that I have seen before. 「Sylvie’s eyes, my nose, and Vero-chan’s lips」 「Ahh, you limited it in your face’s parts and shuffled it huh」 I looked at the doll, I got it when she told me, it’s the parts of my wives. It’s really like a montage picture. 「Lucio-kun, one more time」 「This......make it like this」 「Please stop sticking that face in a dragon’s body」 What the heck. 「One more, one more」 「Yes, yes. 『Montage Body』」 「This time......like this! I stuck Ojii-chan and Ou-sama together」 「Don’t stick them vertically! It’s not Baron Ashura you know」 「One more time!」 I played with magic with Nadia. 「Ne?ne?, can’t this be made together?」 「Un? Together?」 「For example, I will decide the eyes and the lips, and Lucio-kun would decide the eye brows and the nose. Like that」 「It can be」 「Really! Then, let’s try it」 The two of us touched the light of the magic. I closed my eyes. 「The hair......I’ve decided. Next, it’s Lucio-kun」 「I’ve decided the eyebrows......is this right? Next, it’s Nadia」 「It’s alright with that. Then, the eyes is this person’s!」 「What kind of appearance would this become......this one’s the nose」 「I’ll reveal only the ears okay......Coco-chan!」 「It became animal ears! This is bad, the unbalance with the eyes are already so bad」 While talking like that with each part, Nadia and I played with the creation. While expecting on what would be made. And finally. 「Fuu?, it’s finished......pu!」 「Oi, oi ,oi ,oi」 「Aha, ahahahahaha. This is so bad?. If this comes outside, it would be arrested」 「Rather than that, I think that they’d die passing out because of the shock」 「Ahahaha, that might be true」 The one that came out......was a living thing that cannot be named. It is barely maintaining human shape, but at worst, it can’t be seen as a person. It’s like a frankenstein, like ten times worse than that. Even with one hand, three of it is my wife’s and the remaining is Coco and Mami’s. There’s no bad thing in the choice, but it can only be called as bad. 「I’ll show them this for a bit?!」 Nadia carried the doll and jumped out of the living room. I heard Sylvia’s scream from the kitchen’s direction. 「......『Montage Body』」 I used the magic again in the living room that I was left alone. I invoked to the light of the magic. Sylvia. Nadia. Veronica. I chose the parts while invoking the appearance of my wives. A beautiful doll that in some meaning, is the combination of the three. With that......I...... Without helping it, I gaped in admiration. ......but. 「Lucio-kun is cheating with an amazing beauty!」 It was so difficult to explain to Nadia who had returned.
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図書館の中で、国王に魔導書を読んでいた。 魔導書の精霊・クリスはおれ達の真上にいて、空中に浮かんだまま寝ている。 空中に浮かんでるのに、手のひらを合わせて枕にする姿はちょっと可愛い。 ふと、おれは気づいた。 国王が魔導書のページをめくったのだ。 「あれ? 王様、今ページをめくらなかった?」 「気づいたか」 国王は得意げな顔をした。 「実は今のページを読めたのだ」 「本当に?」 「うむ」 「千呪公のおかげだ。あの映像を見たおかげでなんとなく読めてくるのだ」 「本当に?」 「うむ」 はっきり頷く国王。 嘘を言ってる雰囲気じゃない。思い込みも含めて、本気でそう思ってる様子だ。 映像とは、この魔導書を元におれが魔法で作ったアニメだ。......ちなみに声優はシルビアとナディアが担当した。 それをみたから読めるかもしれないと国王は言った。 理屈はわかる。 そしてそれが本当なら嬉しいなと思った。 「このペースなら来年の今頃にはこの魔導書を読破できるぞ」 「頑張ってね陛下。ぼくにできる事があったらなんでも言ってね。魔導書のことなら協力できると思うから。 「うむ、頼りにしているぞ千呪公」 「うん!」 でまた、黙々とマンガを読んだ。 落ち着いた空間で、ゆっくりマンガを読む。 おれは相変わらず一冊また一冊と読破していった。 国王は同じページをじっと見つめてる。 和やかな一時だ。 「だれかー、だれかいるか!」 図書館の入り口で声がした。わめき声に近い呼び方。 おれも国王も眉をひそめた。 おれは立ち上がった。この図書館の責任者はおれで、こういう時に出るのがおれの役目だ。 入り口のところにいくと、そこにイサークが立っていた。 「兄さん? どうしてここに?」 「ふふふ」 イサークは笑顔だ。やけに自信たっぷりの笑顔だ。 なんだ? その笑顔は。 「ルシオ、お前は魔法が得意といってたな」 「......はあ」 何を今更と思った。 「千の魔導書を読み解いた千の魔法使い、だっけ」 「まあ、そうよばれてるね」 「ふふふ」 また同じように笑う。 いやそれはいいから、用件を早く言ってくれ。 イサークはかなりもったいぶったあと、一冊の魔導書を取り出した。 「それは?」 「ふふふ......『メイクミラクル』」 イサークは魔法を使った。 魔力が自分を包んで――小爆発した。 頭がポーン、とコミカルな爆発をして、頭がちりちりになった。 「おー、ミラクル」 おれはパチパチと拍手した。 「ちっがーう、こうじゃない。『メイクミラクル』」 もう一度同じ魔法を使った。 今度は魔力がイサークとおれをつつんだ。 温かい感じがする......これは回復魔法? イサークの頭が元に戻った。 ちょっとビックリした。 「ふっふっふ。『メイクミラクル』失われた古代魔法の一つさ。使う度に違う効果がでるから、あまりの危険さに封印された魔法だ」 毎回違う効果が出る魔法か、そりゃ危険だ。 「ルシオ、お前は千の魔法を覚えたと言ってるけど。そうじゃないんだよ。数じゃない、質なんだよ。こういうのを一個覚えればいいんだよ」 なるほど、それを自慢しに来たのか。 「......ねえ、それを見ていい?」 「なんだ? 嘘だと思ってるのか? いいだろう」 そういって魔導書を渡してくれた。 「あ、これって雑誌?」 訝しむイザーク。 「ううんなんでもない」 ごまかして、更に読む。 この世界ではじめて読むタイプのマンガだった。 一つの作品じゃなくて、様々な絵柄で、様々な話が一冊にまとまったマンガ。 何となく漫画雑誌に見えた。 「ふっ、そんなにペラペラめくって読める振りをしても無駄だ、おれがそれを読むのにどれくらい――」 最後まで読んで、本を閉じて、魔法をつかった。 「『メイクミラクル』」 「え?」 驚くイサーク。 しーん。なにも起きなかった。 「び、ビックリさせやがって。何もおきないじゃないか」 「いや」 イサークは感じてないけど、使ったおれは感じた。 「上から......くる」 「上?」 直後、それは上から来た。 空から降ってきた隕石が天井を突き破ってイサークの背後に落ちた。 衝撃波でつんのめってん這いの間抜けな格好になった。 「隕石が落ちてくることもあるのか、これはうかつに使わない方がいいな」 メイクミラクル、うん、封印して二度と使わないようにしよう。 「どうしたのだ千呪公よ」 国王が出てきた。天井に開いた穴をみて驚く。 「これは?」 「ごめんなさい、新しい魔法を覚えたから使ってみたけど、隕石が落ちてくる魔法だったんだ」 国王に謝る。 天井の穴をみて最初は驚いた国王だけど、すぐに目を細めて笑顔になった。 「そうかそうか、それならば仕方がない」 「ごめんなさい」 「いいや、千呪公はそれでいい。これからも魔法を覚えたらどんどん使うといい」 「どころで、こちらはどなたかな」 と、イサークを見て言った。 他人の前のせいか、国王はお忍びモードだ。 「えっと、ぼくの――」 「お前に名乗る名前はない!」 イサークはぱっと起き上がって、取り繕っていった。 四つん這いという間抜けな格好をごまかすために、普段以上に(普段通りかも)えばってみせた。 「そうか」 国王は怒らなかったけど、目は笑ってなかった。 あーあ。 「ルシオ! 大丈夫じゃったか? いまここにものすごいのが落ちてきたが」 今度はおじいさんが飛び込んできた。 「うん? イサークじゃないか。ここで何をしてるのじゃ?」 「えっと、おれは......」 「こんなところで油を売ってないで勉強と仕事の手伝いをしてこい」 「わ、わかったよ」 イサークは渋々帰ろうとした。 おれから魔導書をひったくって、外に出ようとする。 「国王陛下、今日はいいものを持ってきましたぞ」 「うむ? なんだいいものとは」 「国王陛下?」 イサークが止まった。ぎぎぎとこっちをむいた。 おじいさんと話す国王、それをみて、顔が青ざめていく。 「こ、国王陛下?」 うん、そう。 その人、国王。 イサークはますます顔が真っ青になって――この場から逃げ出した。 ......逃げるのかよ、せめて謝ってけよ。 「どうしたのじゃ、イサークは」 おれはすっとぼけた。多分国王は気にしてないと思うから。 なんともおもってない、いい意味でも悪い意味でも。 だから何もしないことにした。 その間に、おじいさんと国王が図書館の中に入る。 「それよりいいものとはなんだ」 「これじゃ」 「これは......千呪公の幼い頃か!」 「うむ、姿をのこす魔法を使えるものにのこさせたものじゃ。わしのコレクションじゃ」 「うむ、素晴しい」 おじいさん二人が盛り上がっている。 イサーク同様、おれもこの場から逃げ出したかった。
Inside the library, I was reading Grimoires together with the King. The Grimoire Genie, Chris was above us, and was sleeping while floating in the air. Even though she was floating in the air, the look of her making a pillow with both of her hands was very cute. Suddenly, I noticed. The King turned the Grimoire’s page. 「A-re? Ou-sama, did you just turn a page right now?」 「You noticed huh」 The King made a bragging face. 「Actually, I could read the page right now」 「Really?」 「Umu」 「It’s thanks to Senjukou. Thanks to seeing that video, I could somehow read it」 「Really?」 「Umu」 The King nodded clearly. It doesn’t feel like he’s lying. Including how he was imagining it in his head, it seems like he’s thinking of that seriously. The video is, the anime that I made out of this Grimoire using magic. ......by the way, the voice actress was Sylvia and Nadia. The King said that he might’ve been able to read because he saw that. I understand the logic. And I thought that that it would really be nice if that was true. 「At this pace, I can completely read this Grimoire by next year」 「Please do your best, Your Majesty. If there’s something that I can do, please tell me. I think that when it’s about Grimoires I can be of help」 「Umu, I’m counting on you, Senjukou」 「Un!」 With the two of us again, we read manga silently. In a relaxing space, reading manga leisurely. I was as usual, completely reading one, and one again. The King was staring at the same page. It was a very peaceful time. 「Anyone?, is anyone here!」 A voice could be heard from the library’s entrance. It was a shout that was almost a scream. The King and me, we both narrowed our eyebrows. I stood up. The person in charge with this library is me, it is my role at times like this. When I came to the entrance, Isaac was standing there. 「Nii-san? Why are you here?」 「Fufufu」 Isaac was with a smile. It was a smile full of confidence. What is it? With that smile. 「Lucio, they said that you’re good with magic」 「......ha?」 I thought what is he saying after all these times. 「A thousand magician who deciphered a thousand Grimoires, they said」 「Well, I’m being called by that」 「Fufufu」 He laughed the same way like earlier. No, that’s enough really, so please tell what you’d come to do faster. After Isaac puts on airs like that, he took out one book of Grimoire. 「That is?」 「Fufufu......『Make Miracle』」 Isaac used magic. The magic powers enveloped himselfーーand made a small explosion. His head was like *Po?n*, exploded comically, and his head became frizzy. 「Oh?, Miracle」 *PachiPachi*, I clapped my hands. 「No?, it’s not like that. 『Make Miracle』」 He used the same magic once again. This time, the magic powers wrapped Isaac and me. I can feel a warm feeling......this is, recovery magic? Isaac’s head returned to normal. I was a little surprised. 「FuFuFu. 『Make Miracle』is one of the lost ancient magic. Every time it’s used, a different effect would happen, so it was a magic that was sealed because it was too dangerous」 A magic that has different effects every time huh, well that’d be really dangerous. 「Lucio, you said that you remembered a thousand magic, but. It’s not like that. It’s not numbers, it’s quality. With this kind of things, even one should be enough」 I see, that’s why he came to brag. 「......ne?, can you let me see that?」 「What? Are you thinking that I’m lying? Alright」 He said that and passed me the Grimoire. 「Ah, isn’t this a magazine?」 Isaac was dubious. 「U?un, it’s nothing」 I pretended like it’s nothing, and continued to read. It was a type of manga that I would read first in this world. It’s not only one creation, but with many drawings, it’s a manga that is filled with different stories into one book. I somehow saw it as a manga magazine. 「Hmph, it’s useless to even if you act like you can read it while flipping the pages, how long do you think I readーー」 I read it until the end, closed the book, and used the magic. 「『Make Miracle』」 「Eh?」 Isaac was surprised. *Shi?n*. Nothing happened. 「Y-You surprised me. Nothing’s happening ain’t it」 「No」 Isaac couldn’t felt it, but me who used it can feel it. 「From above......it’s coming」 「Above?」 Immediately after, that happened. The meteor that fell from the sky crashes through the ceiling and fell behind Isaac. He fell forward because of the shockwave, making an idiotic posture, standing on fours. 「It even make meteors fall huh, I shouldn’t use this carelessly」 Make Miracle, un, I’ll seal it and try to not use it again. 「What happened, Senjukou」 The King came out. He was surprised with the hole peeking in the ceiling. 「This is?」 「I’m sorry, I used it because I remembered a new magic, but it was a magic that makes meteors fall」 I apologized to the King. The King was surprised looking at the ceiling at first, but he immediately made a kind smile. 「Is that so, is that so, then, it can’t be helped」 「I’m sorry」 「Well no, Senjukou should be like that. From now on, you should continue to use magic that you learn as much as you want」 「By the way, who is this」 He looked at Isaac and said. Probably because it was in front of a stranger, the King was on disguised mode. 「E?to, myーー」 「I have no name for you to call!」 Isaac stood up very quickly, and keeps up his appearances. To act like the idiotic posture on fours was nothing, he was more than usually (it might be as usual though) , acted arrogantly. 「Is that so」 The King wasn’t angry, but his eyes weren’t smiling. A?ah. 「Lucio! Are you alright! Right now, something amazing fell right here right」 This time, Ojii-san rushed in. 「Un? Isn’t it Isaac. What are you doing here?」 「E?to, I am......」 「Stop wasting your time here and go study and work」 「I-I got it okay」 Isaac was going back reluctantly. He grabbed away the Grimoire from me, and was going outside. 「Your Majesty the King, I had brought something good today」 「Umu? What is that, good thing」 「Your Majesty the King?」 Isaac stopped. *GiGiGi*, he looked towards us. Ojii-san who was talking to the King, he saw that, and had a blue face. 「Y-Your Majesty the King?」 Un, that’s right. This person, is the King. Isaac’s face was more and more bluerーーand ran away from this place. ......you’d run away huh, at least apologize before you go. 「What happened with Isaac」 I pretended I didn’t know. Because I thought that the King probably didn’t mind it. He’s thinking of it like it’s nothing, in both good and bad meanings. That’s why, I didn’t do anything. And in that time, Ojii-san and the King entered the library. 「Rather than that, what is that good thing you sad」 「It’s this」 「This is......Senjukou when he was younger huh!」 「Umu, I asked someone who could use magic that can leave behind the appearances to leave it. It’s my collection」 「Umu, how splendid」 The two Ojii-sans were having a blast. Just like Isaac, I wanted to run away from this place.
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「何か面白いことはありませんの?」 屋敷の庭でひなたぼっこしながら魔導書を読んでると、嫁、ベロニカがそんなことを言ってきた。 おれの前に立つベロニカ、退屈にあきあきって顔をしてる。 その向こうにシルビアとナディアがいてともこっちを見てる。 もうちょっと離れた所にココが犬座りで、愛用のルシオ人形を抱き締めて寝ている。 「面白いことってなんだ?」 「退屈なんですの」 「のんびりしたら良いじゃないか」 「あなたと一緒にいるのに退屈なのがありえませんの。そんなのもったいないですわ!」 ものすごく遠回しに好きって言われたような気分になった。 口調はキツいが、ベロニカの気持ちはわかった。 「ふむ、なんかで遊ぶか」 「そうしなさい」 「とは言ってもなあ......じゃあ運だめしなんてどうだ?」 「運だめし?」 一瞬で脳内検索をすませた魔法を使った。 「『ロシアンルーレット』」 目の前に白い皿が現われて、その上に五つの黒い粒がのっていた。 「なになに、ルシオくんの魔法手料理?」 「チョコレートですか? 一口サイズで美味しそう」 シルビアとナディアが集まってきた。 「ああチョコだな、正確にはロシアンチョコだろうな」 「どういうチョコなんですの?」 「五つのうち、当たりが四つあって、一つが外れだ。外れをよけて当たりを引くゲームだ」 「当たりと外れだとどうなるの?」 ナディアが聞く。 「見てろ――あむ」 チョコを一つとって、口の中に放り込む。 チョコはすぐさまとげて、丁度いい甘さが口の中に広がった。 それとは別に、頭の中で何となく感じる。 「うん、これは当たりだな」 「どうなるの?」 「当るとしばらく運が良くなって、いいことが起こるんだが――おっと」 さっきまで読んでいた魔導書を落としてしまった。 芝生の上に落ちた魔導書を拾い上げる――その下になにか光ってるものが見えた。 ついでに拾い上げる、くすっと笑っの幼女妻に見せる。 「こんな風に運が良くなるんだ」 「お金を拾えるんですね」 「金とは限らないけどな。まあ、いろいろ起きる。ちなみに外れだと運が悪くなるから気をつけてな」 外れを聞いて、シルビアとベロニカはちょっと及び腰になった。 「面白そう! わたしから行くね」 ナディアがうっきうきな感じでチョコを一つ取って、口の中に入れた。 「わかるの?」 「うん、何となく」 親友のシルビアに答えるナディア。 そう、食べた瞬間頭の中で「なんとなく当たり」だとわかるもんだ。 「何が起きるかな」 「ここで待っててもいいし、どっかに行ってもいい。とにかく運が上がってて、いいことが起きるようになってるはずだ」 「そっか、じゃあちょっと行ってくる」 ナディアは屋敷の中に戻っていった。 かと思えば、すぐに戻ってきた。 しかも、猛烈にダッシュして。 「ルシオくんルシオくん!」 その表情からいいことがあったのはあきらかだったが、あえて聞いた。 「どうした」 「これ!」 ナディアはそう言って、黄色いシュシュを差し出してきた。 「どこかで見た事あるな。どうしたんだこれ」 「前に夏の魔法を使ってくれたじゃない? その後に無くしちゃったやつ」 「ああ、リプレイスで部屋を夏に変えた時の事か」 「ずっと探してたんだけど、それが出てきたんだ」 なくなったものが出てきた。ちょっとした幸せだ。 「じゃあ、次はわたしが」 シルビアが一つとって、食べた。 「そっか」 「待ってみるか?」 シルビアはその場から動かないで、しばらく待った。 屋敷の外から声が聞こえた。 見ると、執事風の老紳士が敷地の外から話しかけてきてるのが見えた。 「シルビア・マルティン夫人はご在宅でしょうか」 「それはわたしですけど」 シルビアが困惑した様子で向かって行った。 老執事から「シルビア・マルティン夫人」って言われて困ってる様子だ。 「わたくし、エスカロナ家の使いの者です」 「エスカロナさん?」 「はい。当家の主、シリアコ・エスカロナとは以前パーティーでお会いになったかと存じますが」 「もしかしてシルビアが大人になったあのパーティー?」 横から指摘した。 老執事は頷く。 「その時に見かけたお姿にいたく感動した我が主はこのようなモノをかかせました」 老執事が言った後、後ろから数人の使用人が現われた。 使用人は布に被せた大きな板のようなモノを持ってきた。 それをシルビアの前に持ってきて、布を取る。 「わああ......」 両手を頬に当てて、感動するシルビア。 板じゃなくて、額縁に入った絵だった。 絵は、大人になってるおれとシルビアを描いたモノ。 ただ描いただけじゃなく、何割増しか美形に描かれてるって感じだ。 「素敵な絵......」 「あの時見かけたご夫妻の姿を理想の夫婦と感じた我が主が描かせたものです。是非ともお納めください」 「綺麗だけど......本当にいいんですか?」 おれ達は絵を受け取った。 ナディアもベロニカもうらやましがるほどの、綺麗な肖像画だ。 受け取って、老執事が立ち去った後。 「さて、あと一つですわね」 残った一つをベロニカが取って、躊躇なく食べた。 確率二分の一なのに、ためらわないところが彼女らしい。 「あら、当たりですわ」 驚いたな、外れが最後まで残ったって事か。 ベロニカはおれをジト目で見た。 「なんですのこれ。ルシオ、あなたまさか、全部を当たりにしたんですの? もしそうなら興ざめですわよ」 「そんな事はしない、単に確率の問題だ」 4回連続で当たりを引く確率は19%くらいだからそんなに低いわけじゃない。充分にあり得る数字だ。 が、ベロニカはジト目でおれを見てる。 しょうがない、証明してやるか。 「そこにいたのかルシオ」 チョコレートを食べようとした時、屋敷の入り口から覚えのある声が聞こえた。 やけに派手な服に、無駄に自信満々な顔。 おれの兄、イサークだ。 イサークはやってきて、おれの前に立った。 「いきなりきて、なんか用事?」 「話したいことがあってね――むっ、なんか美味しそうなのがあるじゃないか。もらうぞ」 「「「「あっ」」」」 嫁達と声が揃った。 イサークはチョコを摘まんで、止める間もなく口の中に放り込む。 「んぐ......味は悪くないな。なんだ? はずれ?」 きょとん、と首をかしげるイサーク。 何が起きるんだ? ふと、空からぼつりぼつりと雨が降ってきた。 太陽が出てる、お天気雨だ。それが徐々に強くなった。 屋敷の中に入ろう、と思っていると。 「......にゃっ」 離れた所からネコのこえが聞こえた。 振り向く、そこにはマミがいた。 ついさっきまでココだったマミが、雨に打たれて変身したのだ。 不機嫌なマミ、なんでなのか、って思ってると。 嫁達と声が揃った。 四人同時にイサークを見る。 イサークは脂汗をだらだらたらしていた。 不機嫌じゃない、あれは狩りモードだ。 が解き放たれた、止められる者はいない。 「こっちにくるなー」 「――にゃっ!」 逃げるイサーク、追いかけていくマミ。 イサークがいなくなったあと、雨はすぐに止んだ。 「いつも通りかもしれない」 「イサークだもんな、その辺は難しいところだ」 なのかいつも通りなのか、その辺がちょっと難しい。 ま、イサークはおいとこう。 ベロニカの当たりの方が気になる。 どうするのか、と聞こうとして彼女を向く。 すると、ベロニカが明後日の方を見てるのに気づいた。 「どうしたベロニカ」 「あれ」 指をさすベロニカ。 その先の空には虹が架かっていた。 お天気雨の後の虹。 それはとても綺麗だった。 ベロニカはそれを眺めつつ、おれに身を寄せてきた。 「幸せですわ」 「はい」 ナディアもシルビアも同じように身を寄せて、おれと手をつないだ。 「......ああ、幸せだな」 同意した、その通りだと思った。 全員が当たりを引いたチョコ。もしかして、今までのじゃなくて、この 全員、そう思ったのだった。
「Do you have something interesting?」 When I was relaxing under the sun in the mansion while reading Grimoire, one of my wives, Veronica said that. Veronica standing in front of me, she had a face so tired of boredom. And across there, there was Sylvia and Nadia, and the two of them are looking towards me. In a little far away, Coco sat lied down like a dog, and is sleeping while hugging her favorite Lucio doll. 「Interesting, you say, what kind?」 「I’m bored」 「Isn’t it good being nice and slow」 「It is impossible that I am bored although I am with you. Is that not a waste desu wa!」 I felt that she told me that she likes me in a very indirect way. Hey tone was strict, but I understood Veronica’s feelings. 「Fumu, shall we play something」 「Do that」 「But, even if you say that......then, how about a trial of fortune?」 「Trial of fortune?」 I finished searching inside my head within an instant, and used the magic. 「『Russian Roulette』」 A white plate appeared in front of me, and five black grains were on top of it. 「What, what, Lucio-kun’s homemade magic food?」 「Is it chocolate? It’s bite size and it looks tasty」 Nadia and Sylvia came. 「Ahh, it’s chocolate, more specifically, it’s russian chocolate」 「What kind of chocolate is that?」 「Among the five, four are hits, and one is a miss. It’s a game of evading the miss and getting the hit」 「What would happen if it’s a hit or a miss?」 Nadia asked. 「LookーーAmu」 I took one of the chocolates, and placed it inside my mouth. The chocolate melted immediately, and sweetness just at the right level spread inside my mouth. And other than that, I felt it in my head somehow. 「Un, this is a hit」 「What will happen?」 「If you get a hit, you’ll get lucky for a while, and good things will happenーーOh?to」 I dropped the Grimoire that I was reading earlier. I picked up the Grimoire that fell on the grassーーand saw something shining under that. I picked it up along the way, giggled, and showed it to my three young wives. 「Just like this, you’ll get lucky」 「You can pick up money huh」 「It’s not limited to money though. Well, a lot of things would happen. By the way, if you get a miss, you’ll get unlucky so be careful okay」 Hearing the miss, Sylvia and Veronica became a little hesitant. 「Sounds fun! I’ll go first okay」 Nadia excitedly took one of the chocolates, and placed it inside her mouth. 「Ah, it’s a hit」 「You know it?」 「Un, somehow」 Nadia answered to her best friend Sylvia. That’s right, the instant it is eaten, you can somehow tell inside your head that it’s a hit. 「I wonder what would happen」 「You can wait here, or you can go somewhere if you like. Anyways, your luck would go up, and something good will happen to you」 「I see, then, I’ll go for a bit okay」 Nadia returned inside the mansion. But when I was thinking of that, she immediately returned. On top of that, dashing fiercely. 「Lucio-kun, Lucio-kun!」 It’s clear that something good happened from her expression, but I asked deliberately. 「What happened」 「This!」 Nadia said that, and reached out a yellow scrunchie. 「I’ve seen that before. What’s up with that」 「Didn’t you give it to me in the summer magic before? It’s the one I lost after that」 「Ahh, at the time when I changed the room to summer using Replace huh」 「I was searching for it for a long time, and it showed up」 Something she had lost appeared. It’s a little happiness. 「Then, I will go next」 Sylvia took one, and ate it. 「Is that so」 「You would like to wait for it?」 Sylvia didn’t move at her place, and waited for a while. I heard a voice from outside the mansion. Looking there, I saw a butler-like old gentleman calling out from outside the property. 「Is Mrs. Sylvia Martein home」 「That is me」 Sylvia went there confused. It seems like she’s troubled being called 「Mrs. Sylvia Martein」but an elder butler. 「I am, a messenger of the House of Escarona」 「Escarona-san?」 「Yes. The head of our house, Shuriaco Escarona, I believe that you have met during the party before」 「Is it, that party when Sylvia became a grown-up?」 I pointed that out from the side. The elder butler nodded. 「My master who was very moved by your appearance that time asked to make something like this」 After the elder butler said that, several servants appeared behind him. The servants brought a huge board-like thing that is covered by a cloth. They brought that in front of Sylvia, and removed the cloth. 「Waa?......」 Sylvia was moved, and placed her hands on her cheeks. It was not a board, but a painting in a frame. It was a painting, where the grown-up Sylvia and I were drawn. It wasn’t just drawn as it was, but felt as if it was drawn a little beautified. 「What a wonderful painting......」 「My master who had felt that the couple that he saw that time was his ideal husband and wife so he asked to paint it. Please receive it」 「It’s beautiful, but......is it really okay?」 We received the painting. It was a painting, that both Nadia and Veronica were envious. After receiving it, and the elder butler leaving. 「Well then, there is only one left」 Veronica took one, and ate it without hesitations. It’s very like her not hesitating although the chances were half-half. I’m surprised, that means, the remaining one is a miss huh. Veronica stared at me. 「What is this. Lucio, you, do not tell me, did you make all of it a hit? If so, I’m disappointed」 「I didn’t do that, it’s only a problem of probabilities」 The probability of hitting four consecutive times is about , so it isn’t that low. It’s a very possible number. But, Veronica was staring at me. It can’t be helped, I should prove it. 「Lucio, you were here huh」 When I was about to eat the chocolate, I heard a familiar voice from the entrance of the mansion. Wearing flashy clothes, and a face that is uselessly full of confidence. My older brother, Isaac. Isaac came, and stood in front of me. 「Coming so suddenly, what did you came for?」 「I have something to talk aboutーーmu! What, doesn’t this look delicious. I’ll have this」 My voice together with my wives’. Isaac picks up the chocolate, and puts it in his mouth without letting anyone stop him. 「nGu......the taste isn’t bad. What is it? A miss?」 Dumbfounded, Isaac tilted his head. What would happen? Suddenly, rain started to fall from the sky. The sun is out, it’s a sun shower. It gradually got stronger. “We should go inside the mansion”, but when I was thinking of that. 「......nya!」 I heard a cat’s voice from a little far away. I turned there, and Mami was there. Mami who was Coco just earlier, changed after getting wet by the rain. Mami in a bad mood, “Why is that”, when I was thinking of that. 「「「「ーーah」」」」 My voice together with my wives’. The four of us looked at Isaac at the same time. Isaac was dripping sweat. It’s not a bad mood, that is a hunt mode. The fierce natural enemy beast was released, there was no one who could stop it. 「Don’t come here?」 「ーーnya!」 Isaac running away, and Mami chasing him. After Isaac disappeared, the rain immediately stopped. 「It might be just as usual」(Sylvia) 「It’s Isaac after all, it’s hard to judge there」(Nadia) Was it really a miss or just as usual, it’s a little hard to decide. Well, let’s leave Isaac alone. I’m more curious about Veronica’s hit. “What would you do”, I tried to ask her and turned to her. And then, I noticed that Veronica was looking at something diagonally to us. 「What happened, Veronica」 「That」 Veronica pointed. Ahead of where she pointed, there was a rainbow. A rainbow after a sun shower. It was very beautiful. While looking at that, Veronica neared her body to mine. 「How blissful」 「Yes」 Nadia and Sylvia also got closer, and held my hands. 「......yeah, it’s so blissful」 I agreed, and thought that it was exactly like that. Everyone got a ‘hit’ chocolate. Maybe, it was not up until now, but the time under this rainbow is the true ‘hit’. Everyone, thought of that.
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結果から言うと、ディスティレーションはちゃんとお金になった。 近くのアイセン、カルチ、キブの村に言った。 話をして、売り込みをして、洗濯とかにしか使えないって水源に魔法をかけて、実際に飲んで見せた。 それがすごく喜ばれた間に一回浄化に行くという約束で金をもらった。 次に何が金になるのかを考えた。 最後の村、キブから屋敷に戻る帰り道で歩きながら、考える。 すっと横からシルビアが手を伸ばして、おれのおでこをハンカチを拭いてくれた。 また、汗が出てたみたいだ。 「暑いな」 「はい」 「シルビアは大丈夫なの?」 「わたしは大丈夫です」 そうは言うけど、シルビアも額に豆粒大の汗がにじんでる。 季節は夏に近い。そろそろ暑くなってきてる上にで歩きっぱなしだ。 そりゃ汗も出る。そして気づいたら喉も渇いてる。 「冷たい飲み物がほしいよな。氷でキンキンに冷やしたジュースとか」 「氷は高級品だから」 「うん?」 足を止めた、シルビアを見た。 「どうしたんですか?」 「いまなんて? 氷は高級品?」 「どういう事?」 「えっと、昔お父さんから聞いた話だけど。夏に氷が食べられるのは、地下のすごーく深いところを掘って、冬の氷を保管して、食べたい時に取り出すって方法しかないの。それができるのはすごいお金持ちか、王様とかだけだって。後は大きい街のこーきょーじぎょーだけだって」 公共事業か。 でもそっか、そういえば冷蔵庫とかないのか。 つまり......氷も金になるって事か。 おれは今まで覚えた魔法を一つずつ思い出して、使えそうなものがないか探した。 屋敷に戻って、リビングに飲める水と包丁、そしてシロップを用意した。 「セルシウスゼロ」 まず魔法で水を凍らせた。水はすぐに氷になった。 その氷を包丁で削った。こっちは肉体労働だったから、ちょっと苦労した。 削り出した氷に、甘いシロップをかけてみた。 かき氷のできあがりだ。 「ほら、食べてみて」 「いいの?」 「シルビアはかき氷を受け取って、一口すくって、口の中に入れた。 「あまい、冷たい。くぅ......」 最初はうれしがったけど、すぐに目が×みたいになった。 「大丈夫か」 「う、うん......ちょっと頭」 「かき氷を一気に食べるとそうなるんだよ」 笑って、シルビアからかき氷を受け取って、自分でも食べてみた。 美味しかった。シロップに色がついてないから面白さはなかったけど、味は問題なかった。 これは、金になる。 メイドから台車を借りて、必要な道具一式を乗せて、アイセンの村にきた。 村の広場で道具を広げて、水を浄化して、凍らせて、かき氷にした。 一人の農作業者が通り掛かったので、呼び止めた。 「ねーねーおじさん、かき氷食べていかない?」 子供モードで、愛想を振りまいてみた。 「かき氷?」 「うん! こう、氷を削って、シロップをかけた食べ物なんだ」 「氷を!? それは美味しそうだ。......でも高いよね」 「200セタでいいですよ」 セタというのはこの世界の通貨の単位で、200は小さい茶碗いっぱいのスープ麺の値段くらいだ。 つまりかなりリーズナブルな値段設定だ。 「安い! その値段で氷を売っていいの?」 「魔法で作った氷だからね」 「キミが作ったの?」 「うん!」 「そっか、魔法で作ったのか。じゃあ一つもらおうかな」 男は200セタを出した。シルビアがそれを受け取って、おれがかき氷を作って渡した。 「あまい、それに冷たい。はあ......熱い日に冷たいものを食べるのってこんなに気持ち良かったんだ」 「だよねー。よかったらみんなにも紹介してよ。これからお水を綺麗にしに来る度にここで売ってるから」 「うん? ああキミが水を浄化してくれるっていうルシオくんか」 「うん! これからよろしくね」 男はおれの頭を撫でた。 「でもキミすごいね、その歳で商売してるのは」 おれはシルビアの手を取って、指輪を見せた。 「お嫁さんできたからね」 男は一瞬きょとんとして、それから大笑いした。 「そりゃそうだ、お嫁さんできたら稼がないといけないよな。男の子......いや男だもんな」 「うん!」 「よし、おじさんにまかせろ。キミのこの......かき氷だっけ? を村中に宣伝しとくよ」 「ありがとうおじちゃん」 「ありがとうございます!」 おれが礼を言って、シルビアも礼を言った。 これでもう少し、稼げそうだった。
In conclusion, Distillation was turned to money properly. I went to three villages nearby, Aisen, Caluchi, and Kibu. I talked about it, marketed it, I used the magic to water sources that can be only used in laundry, and showed them that it was drinkable by drinking it. They were very happy with that. I had a promise that I’ll go purify it once a week and got money. I thought about what can be made into money next. I thought while I was walking home from the last village, Kibu. *Suto* Sylvia reached out her hand from my side, and wiped my forehead with a handkerchief. It looks like I was sweating again. 「It’s hot huh」 「Yes」 「Is Sylvia okay?」 「I’m okay」 She was saying, but sweat comes out of Sylvia’s forehead. The season is near summer. In addition that it’s started getting hot, and we were walking all around. Well, you’ll really sweat with that. And when I noticed it, my throat was parched. 「You want cold drinks right. Like a juice that is chilled with ice」 「It’s because ice is expensive」 「Yup?」 I stopped my feet, and looked at Sylvia. 「What is it?」 「What did you say? Ice is expensive?」 「What do you mean?」 「Uhmm, I heard from Otou-san before. The only way to eat it ice in summer, is to dig veery deep down, place ice from winter, and take it out when you want to. The only ones who can do that are rich people, or the Ou-sama he said. Also in a big town pu-blic u-tili-ty? was other way left, he said」 Public utility huh. But, I see. If I think about it, there wasn’t a refrigerator huh. That means......Ice could be turned into money huh. I recalled all the magic that I’ve learned until now, and find something that can be used. Returning to the mansion, I prepared drinkable water and a knife in the living room. I also prepared a syrup. 「Celsius Zero」 I first freeze it with magic. The water became ice in an instant. I shaved the ice using a knife. This one’s physical labor, so I was a little tired. I put sweet syrup on top of the ice. Shaved ice was completed. 「Here, try and taste it」 「Is it okay?」 Sylvia took the shaved ice, scooped one bite size, and put it inside her mouth. 「Sweet, Cool. *Ku?*......」 She was happy at first, but made her eyes like X soon. 「Are you okay」 「Y-Yup......Just my head」 「If you eat shaved ice at once you’ll be like that」 Smiled, took the shaved ice from Sylvia, and I also ate it. It was delicious. The syrup had no colors so it has no fun in it, but the taste had no problems. This, can become money. I borrowed a push cart from a maid, loaded the kit that was needed, and went to the Aisen Village. I widened the goods at the village square, purified water, freeze it, and made it a shaved ice. A farmer passed by, so I called him. 「Ne?Ne?Oji-san, would you like to eat shaved ice?」 In child-mode, I called out amiably. 「Shaved ice?」 「Yup! Like, shredding the ice, and put syrup on top. It’s that food」 「Using ice?! That looks delicious. ......But, it’s expensive right」 「Cet is alright」 Cet is a unit of this world’s currency, and is a price of a small cup of noodles that is fully loaded. In other words, it was a very reasonable price setting. 「So cheap! Is it okay if you sold it at that price?」 「Because it’s ice I made with magic」 「Did you make it?」 「Yup!」 「I see. You made it with magic huh. Then, can I have one」 The man took out 0Cet. Sylvia received it, and I made shaved ice and gave it to him. 「Sweet, and also cool. Haa......Eating something cold on a hot day, I didn’t think it felt this good」 「I know right?. If it’s okay, can you tell everybody that I’m going to sell it every time I come to purify the waters」 「Yup? Ahh, you were Lucio-kun who would purify the water for us」 「Yup! Nice to meet you」 The man patted my head. 「But, you sure are amazing, doing a trade in your age」 I took Sylvia’s hand, and showed the ring. 「It’s because I have a wife you know」 The man was astonished in an instant, but made a big laugh after that. 「Well, that’s true. If you have a wife then you should earn right. You are a boy......No, you are a man after all」 「Yup!」 「Yosh, leave it to this Oji-san. Your......Shaved ice? I will tell everyone in the village」 「Thanks Oji-chan」 「Thank you very much!!」 I said thanks, and Sylvia also said thanks. With this, I can earn a little more.
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「それはどんな魔導書ですの?」 昼下がりの庭、ベロニカが話しかけてきた。 上からおれの読んでる魔導書をのぞき込んでるが、首を回していろんな方向からのぞき込むあたり、やっぱりマンガは読めない様子だ。 「観覧車にまつわる話だ。覚える魔法は結構ユニークだぞ」 「どんなのですの?」 「やってみるか」 「ええ」 頷くベロニカ。彼女に手招きして、おれのそばに座らせた。 「『クロノスホイール』」 魔法を使った瞬間、まわりの景色がモザイクの様になった。 「これは?」 間続けて、過去、現在、未来の景色を順にみてく魔法だ、ちなみにどこの何が見えるのかはランダム」 「まあ説明より見てもらった方がいいだろ」 おれもこの説明で理解できるとは思ってない。 結構ややっこしい魔法だ。 ベロニカと体を寄せ合って待ってると、モザイクがとれて、景色が映し出された。 王都の街中で、ココとバルタサルがいた。 ココの散歩だが、バルタサルは相変わらずココにしがみついてる。 前とちょっと変わったのは、ココの手首に繋がってるリードをバルタサルが持ってるってところ。 正直散歩というか、手綱をとっての馬乗りに見える。 「お散歩ですのね、しかしココはさっきあちらでひなたぼっこしてるの見かけましてよ?」 「うん、だから過去の光景なんだ。これくらい続いて、その後に現在のどこかの光景が一分間流れて、その後に未来の光景が一分間――って訳だ」 「ちなみに見れるだけで、干渉は一切出来ない」 ちょっと待ってると、景色がまた変わった。 モザイクを経由して、どこかの室内になった。 「ふっ、やはりおれは美しい」 「あら、義兄上じゃありませんの」 イサークだった。 彼は姿見の前に立って、髪を手のひらでなでつけて髪型を整えたり、ポーズをとったりしている。 ......イサークよ。 「さーて、おれを待ってるかわいこちゃんに会いに行くか」 「相変わらず冗談のセンスがあるのね、義兄上は」 「ありゃ本気だ」 「知ってます、ただのフォローですわ」 そんなこんなしてるうちに、また画面が切り替わった。 今度は未来だ。 「ふう......今日もいい一日だった」 「って、おい」 「あら、ルシオではありませんの。しかもめずらしい入浴シーンですわ」 そう、映し出されたのは風呂に浸かってるおれ。 窓の外は暗く、夜になってるみたいだ。 「ショタの入浴シーンとか」 「これはこれで需要ありですわ」 「想像もしたくないな」 「堪能させて頂きますわ」 「お手柔らかに」 かくしておれは、嫁と一緒に自分の入浴シーンを一分間凝視するという、ちょっとした羞恥プレイをする事になった。 やがて、風呂シーンが終わって、景色が元いた庭に戻る。 「とまあ、こんな魔法だ」 「楽しいですわね。もう一回いけて?」 「ああ、何度でも」 ベロニカは上機嫌になった、どうやらお気に召したみたいだ。 こんなのでいいのなら、何度でもやってやるさ。 可愛い嫁のためだ。 「『クロノスホイール』」 魔法を使って、しばらく待った。 景色が切り替わる――どこかの屋敷か宮殿の中みたいだ。 そこに、泣いてる幼い女の子がいた。見覚えがある。 「ベロニカ?」 「ええ、あたくしのようですわ。過去ですし、この体の大きさ―くらいの」 「かわいいな。ところで何でこんなに大泣きしてるんだ?」 「さあ......記憶にありませんわ」 首をかしげるベロニカ、しかし理由はすぐに分かった。 「かえちて、あたくちのおしゃぶりをかえちてー」 「――んなっ!」 ベロニカをみた、彼女の顔は真っ赤になった。 そして、景色の中に別の女が現われた。 こっちは中年の女性だ。 「いけません姫様。姫様はもう四歳なのです、いい加減おしゃぶりはおやめなさい」 幼いベロニカは駄々をこねた。 「ベロニカ......四歳までおしゃぶりを」 「こんなの嘘ですわ! ねつ造ですわ! 名誉毀損ですわ!!!」 「いやでもなあ」 「もう! みないで下さいまし!」 ベロニカはおれの目を覆った。 いやそんな事をされても。 幼いベロニカの声丸聞こえなんだけどね。 まいっか、あまりベロニカを追い詰めるのもな。 おれはそのままにさせた。 彼女はずっとおれの目を覆った。 やがて景色が変わって、幼いベロニカが見えなくなる。 「......もう、なんてものをみせるんですの」 「ランダムだからな」 「今みたことは忘れなさい、いいわね」 「ああ、忘れとく」 「......」 「......」 無言の時間が流れる。 やがて現在が映し出される。 王都のどこかで、マミがイサークを簀巻きにしてる――まあどうでもいい光景だ。 おれはフォローを考えた。 みなかったことにする、おれ自身の記憶を魔法で消すのは簡単だが、その前にベロニカにフォローしてからだ。 そのためにどうしたらいいのか、それを考えた。 頑張って考えたが、出てこなかった。 そうこうしてるうちに、また景色が変わった。 「あっ......」 声を漏らすベロニカ。 どうしたんだ、っておもって彼女の視線を追いかけた。 そこに一人の老女がいた。 上品なおばあちゃん、ものすごく優しげな、赤毛のおばあちゃん。 見覚えはない――けど知ってる。 間違いなく、しってる。 彼女は、一人の男と手をつないで、春の風に舞い散る桜を一緒に眺めていた。 「......ルシオ?」 「うん?」 「あたくし、昔から依存心が強いんですの。おしゃぶりもにがーいお薬をつけられて、ようやくやめる事ができましたの」 「多分、ずっと依存し続けますの」 「ああ」 ベロニカは手をつないできた、隣にいるおれと。 視線の先にいる、未来のベロニカと――おれのように。 おれ達は手をつないで、一分間、何もしないだけの時間を過ごしたのだった。
「What Grimoire is that?」 Veronica talked to me in the afternoon in the garden. She is peeking at the Grimoire I’m currently reading from above, but from her looks that wandered around, she seemed like she can’t read manga after all. 「It’s things about Ferris Wheel. The magic I learned from it is quite unique you know」 「What kind is it?」 「You want to try it?」 「Yes」 Veronica nodded. I gestured her to get close, and let her sit on my side. 「『Chrono’s Wheel』」 The instant I used the magic, the surrounding scenery became something like a mosaic. 「This is?」 「It’s a magic that shows past, present, and future for three minutes continuously in that order. By the way, what you will see is random」 「Well, it’s better to take a look」 I also think that she won’t understand with just that explanation. It’s quite a complicated magic. After waiting with my body close to Veronica, the mosaic was taken off, and a scenery was shown. It’s inside the city of the royal capital, and Coco and Balthazar are there. It’s Coco’s walk, but Balthazar is clinging onto her as usual. The difference from before is that Balthazar is holding the lead that connects to Coco’s wrist. Honestly, rather than a walk, it looks like horse riding with reins. 「They’re on a walk. However, I saw Coco sunbathing over there earlier?」 「Un, that’s why it’s a past scene. This would continue for a minute, and after that, a scene from the present will continue for a minute, and a minute of the futureーーit’s like that」 「By the way, we’re only able to see it, but unable to intervene」 After waiting for a while, the scene changed again. After a mosaic, it changed into a room from somewhere. 「Hmph! I’m beautiful as I’ve thought」 「Ara, isn’t it Aniue?」 It’s Isaac. He’s standing in front of a standing mirror, fixes his hairstyle using his hands, and takes poses. ......Isaac, you. 「Well, I shall go meet the lovely girls waiting for me then」 「Aniue, he really has a good sense of jokes as usual」 「He’s seriously saying that」 「I know, I am just backing him up」 And after this and that, the screen changed again. This time, it’s in the future. 「Fuu......today was a good day too」 「Eh? Oi」 「Ara, isn’t it Lucio. On top of that, it’s a rare bathing footage」 That’s right, what’s being shown is me soaking in the bath. Outside the window is dark, and it would seem that it is already in the evening. 「Something like a shota’s bathing footage」 「This in itself has some demands desu wa」 「I don’t even want to imagine that」 「I shall enjoy it very well」 「Keep it easy」 And just like that, I was forced to spend an embarrassing play of watching my own bathing scene together with my wife. Finally, the bathing scene ended, and the scenery returned to the garden where we are. 「Well, like that, it’s that kind of magic」 「That was very fun. Can we do it once more?」 「Yeah, any number of times」 Veronica changed to a very good mood, it looks like she liked it. I’ll do it for her as long as she wants if it’s just this much. It’s for the sake of my lovely wife. 「『Chrono’s Wheel』」 I used the magic and we waited for a while. The scenery changedーーit looks to be inside a mansion or palace somewhere. And there, there is a young girl crying. She looks familiar. 「Veronica?」 「Yes, it looks like it’s me. It’s in the past, and from my body sizeーー,it’s when I’m around years old」 「You’re so cute. By the way, why were you crying this much?」 「Who knows......? I don’t remember it」 Veronica tilted her head, but I found out the reason immediately. 「Give me, give me my binky(pacifier)?」 「ーーwha!」 I looked at Veronica, her face was completely red. And, a different girl appeared inside the scenery. This one’s a middle-aged woman. 「You must not, Hime-sama. Hime-sama is already , please stop using your binky already」 The young Veronica throws a tantrum. 「Veronica......you, a binky until you’re 」 「This is a lie desu wa! It’s fake desu wa! It’s libel desu waaa!!!」 「No, but......」 「Oh really! Please do not look!」 Veronica covered my eyes. No, even if you do that. I could hear the young Veronica’s voice clearly though. Well, whatever. There’s no need to corner Veronica too much as well. I let her do what she wants. She continued to cover my eyes. Finally, the scenery changed, and the young Veronica disappeared. 「......oh really, what are you letting me see」 「It’s random after all」 「Forget what you have just seen, understood?」 「Yeah, I’ll forget about it」 「......」 「......」 A time of silence came. Finally, the present was shown. Somewhere in the royal capital, it’s Isaac tied up by a rope by Mamiーーwell, it’s a trivial scene. I thought of how to make it up to here. Making it that I had never seen it, it’s easy to erase my memory of it using magic, but I must make it up to Veronica before I do that. I thought of what I should do to do that. I did my best to think of a way, but I was unable to. And while this and that happened, the scenery changed again. 「Ah......!」 Veronica let out a voice. “What is it?”, I thought, and followed her sight. There is one old woman there. An elegant Obaa-chan, a very kind looking, red-haired Obaa-chan. I have never seen her beforeーーbut I know her. I know her, without a doubt. She is holding hands with one man, looking at the cherry blossoms fall by the spring wind together. 「......Lucio?」 「Un?」 「I, I am very dependent on things since a long time ago. Very bitter medicine was placed on the binky, only then that I was able to stop using it」 「Probably, I’ll continue on being dependant」 「Ahh」 Veronica holding hands with me beside her. Just like that scene of Veronica and me, very far in the future. We held hands for one whole minute, waiting for the time to pass without doing anything.
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「ルシオちゃん! これみるのよ?」 部屋の中にバルタサルがいきなり入ってきて、弁当箱を見せてきた。 弁当箱は色とりどりのおかずを詰め込んでて、かなり美味しそうな出来映えだ。 「うまそうだな。どうしたんだこれ」 「シルビアちゃんに手伝っに作ってもらったのよ?」 「へえ。バルタサルが作ったのか」 「バルのことははっちゃんって呼んで?」 いつもの様にそういうバルタサル。 ナディアは注文通りはっちゃんって呼んでるけど、おれは何となくそう呼びづらかった。 それをごまかすために、手を伸ばしておかずの一つ――タコウインナーを摘まもうとする。 が、摘まむ前に引っ込まれた。 「だめ、これはバルのなのよ?」 「ああ、おれに食べさせるものじゃないんだ」 「バルこれからちょっとお出かけするから、そのためのお弁当なのよ」 ちょっとびっくりした。 我が家にやってきてからずっとおれにひっついてたバルタサルがお出かけか。 弁当をみるに一人で出かけるつもりらしい。 ......。 ちょっと心配だ。 いや彼女はこれでも魔王だから身の危険はないんだろうが、何となく心配だ。 「一緒に行こうか」 「ルシオちゃんはきちゃだめなの」 「うん、バルが一人で行くの」 うーん。 わからん。普段と違う行動パターンでよく分からん。 わからない分、ちょっと心配になってくる。 「ココをつけましょうか?」 バルタサルの後ろ、部屋の外、廊下から話しかけてくるベロニカ。 「話を聞いてたのか」 「ええ」 頷き、バルタサルを向く。 「外に出かけるのなら頼まれてくださる? 今日のココの散歩がまだですの」 「......うん! いいよ」 バルタサルは少し考えて、はっきりと頷いた。 で庭に出て、ベロニカは庭で遊んでるココに手招きした。 「どうしたんですかぁママ様」 「散歩に行くわよ。今日は彼女が連れてってくれるそうよ」 ココは大喜びで、ズボンのポケットからリードを取り出した。 それを自分の手首につけて、バルタサルに差し出す。 犬耳っ娘のココはこんな風に、手首にリードをつけて、それを持って散歩に連れてってもらうのがすきだ。 最近はそれをもっぱらママ様――ベロニカがしているらしい。 だからいつものようにリードを差し出したのだが。 バルタサルはそれを受け取らなかった。 ココと同じ喜びの声をあげて、彼女に抱きついた。 首に手を回して、まるでぶら下がるような抱きつき方。 リードを持ったココが困惑している。 「ママ様?」 「せっかくだからそのままお行きなさいな」 「......はい、わかりましたですぅ」 大好きなママ様の命令とあっては、って感じでココが歩き出した。 バルタサルは弁当箱を持ったままぶら下がるように抱きつき、つま先立ちで一緒に歩いていった。 を見送る、やがて屋敷の外にでて姿が見えなくなる。 「心配そうですわね」 「正直言えばそうだ。バルタサルを一人で外に出すのははじめてだからな」 「心配ならついて行く? 体を透明にする魔法使えるんでしたわね。それで尾行してみては?」 「バルタサルのことだ、それをやったら『わーいルシオちゃんの匂いだあ』でばれる気がする」 「ばれそうですわね」 頷き、同意するベロニカ。 「なら、指をくわえて待っているしかないですわね」 「......『テレスコープ』」 脳内で魔法を一瞬で検索して、ふさわしいのを使う。 手のひらにハエの様な生き物が出現する。その横にホログラムのパネルもついでに出現した。 「それはなんですの?」 「これの見てるものがこっちに映し出される魔法だ」 コントロール権はおれにある。さながら脳波コントロールでラジコンを操作するようにハエを飛ばした。 するとパネルの映像も動き出す。ゲームみたいな画面だ。 「へえ、こんなのがありますの」 「これで後をつける......ばれたらその時だ」 ハエを操作してココとバルタサルの後をおった。 二人が消えていった方角にむけて飛ばしてすぐ、後ろ姿を見つける。 ダメだったときは次の魔法を、ってことで大胆に近づく。 「ばれない様ですわね」 「そうみたいだな」 かなり近くまで近づいても二人はこっちに気づかないので、とりあえずほっとした。 バルタサルがココの首にひっついたまま進む。 街に出ると、途中でバルタサルがいろんなことに興味をもって、ふらふらと向かって行こうとするが、その度にココが慌てて引き留める。 「その通りだな」 しっかりものの犬が幼い子供の面倒をみてる、そんな雰囲気が二人からした。 「あら? あれはお義兄様ではなくて?」 「本当だ、イサークだ。まずいな、バルタサルの顔が険しくなってる」 「ルシオちゃんは一人でいいのよ、とかいってそうですわね」 「またナメクジになるのか、南無」 そう思って手を合わせてると、事態は予想外の動きをした。 バルタサルの様子をみたココがどこからともなく水筒を取り出して、自分の頭に掛けた。 水をかぶったココ、一瞬で姿が変わる。 犬耳のあどけない少女から、猫耳のちょっと強気な少女に。 マミ。 ココと一心同体で、水をかぶると変身する人格の少女。 マミはイサークを見つけるなり、彼に向かって行った。 イサークもマミの姿を見て、ぎょっとにして、脱兎の如く逃げ出した。 残ったのは、ポカーンとするバルタサルだけ。 「追い払ってくれたみたいですわね」 「ますますどっちがどっちを散歩してるのかわからんな」 「そういえばルシオ、これって他のところは見れませんの? いちいちあのハエみたいなのを飛ばさないとだめ?」 「ハエ自体を好きなところにだすことが出来るぞ。ほら」 魔法を使って、パネルの映像を切り替える。 実家を映した、おじいさんが庭で盆栽をいじってるすがたが見えた。 「こんな趣味があったんですのね。でも似合ってますわ」 次に王宮を映した。国王が玉座に座って、大臣になんか指示を出している。 「あら、ちゃんと王としてのお仕事も出来るんですのね。ただのルシオボケだと思ってましたわ」 「嫌な言葉を作るなよ」 更に画面を変える。今度は屋敷の中だ。 「あら、アマンダ」 「アマンダさんだな」 場所はアマンダさんの部屋。 せっかくだからアマンダさんの様子を覗いてみようとしたが、画面が移った途端、アマンダさんはじっとこっちをみた。 「ル、ルシオ? みられてますわよ。というか目が合いましたわよ」 こっちを見つめたまま、アマンダさんの唇がうごいた。 ばれてる! おれは慌てて画面を切り替えた。 ばれてる、何故か知らないけどばれてる! 冷や汗が背中を伝う。 「あ、アマンダ一体何者なの」 「......それは掘り下げない方がいいとおもう」 乾いた笑いを浮かべるおれとベロニカ。 気を取り直して、バルタサルのところに映像を戻した。 いつの間にか、バルタサルとココに戻った二人が草原にいた。 草原の上でバルタサルが何か作ってる。ココが摘んできた花で何か作ってる。 「指輪ですわね」 「指輪?」 「わからなくて?」 ベロニカに指摘され、改めてじっと見つめた。 確かに、バルタサルが作ってるのは小さい輪っかのようなもの。指輪にも見える代物だ。 「あなたへの贈り物ですわね」 「ルシオ、言うまでもないことですけど、みてたなんて言ってはダメですわよ。ちゃんと驚いて、その上で喜んであげなさい」 「......だったらこうする」 映像を消して、新しい魔法を使う。 「『メモリーイレーザー』」 魔法を使った瞬か――。 「――ベロニカ? それにここ......なんで庭に出てるんだ?」 「ルシオ? ......もしかして今の魔法で記憶を?」 「記憶? なんの話だ」 「......いいえ、なんでもありませんわ」 ベロニカは首を振った。 何を言いかけたんだろ、気になるな。 「うっ......」 「どうしましたの?」 「いや、なんか頭が急にいたくなって......なんだこれは、二日酔いっぽいけど......酒なんてこっちに来てから飲んでないぞ」 「ルシオ、あなた......」 「どうした、そんな顔して――って、いてて......」 頭を押さえる、本当に二日酔いっぽい感じで頭が痛いぞ。 「......ルシオ」 「なんだ――むっ」 ベロニカはいきなりほっぺにキスをしてきた。 びっくりして、頭痛が吹き飛んだ。 ほっぺを押さえて、ベロニカを見つめる。 「どうしたんだ、さっきから?」 「いいえ。なんでもありませんわ」 「なんでもないって」 「さあ、中に入りましょう。頭が痛いのでしょう? ベロニカに手を引かれて、屋敷の中に戻る。 ベロニカは何故かいつも以上に優しくて、いつの間にか出かけてて戻ってきたバルタサルから素敵なプレゼントをもらった。 なんだかわからないけど、いい一日だった。
「Lucio-chan! Look at this?」 Balthazar suddenly entered the room, and showed me a bentou box. There were colorful dishes placed inside the bentou box, and it looks very delicious. 「That looks delicious. What’s up with this」 「I asked Sylvia-chan to help, we made it together you know?」 「He?. Balthazar made it huh」 「Call Bal, Hacchan?」 Balthazar said just like always. Nadia is calling her “Hacchan” just like she wanted to, but somehow, I feel uncomfortable calling her that. So to dodge the question, I reached out my hand and tried to pick one of the dishesーーthe octopus sausage. But, she pulled it back before I picked it. 「No, this is Bal’s you know?」 「Ahh, you didn’t make it for me to eat」 「Bal is going to go out a little right now, so it’s a bentou for that you know」 I got a little surprised. Balthazar who had always stuck with me since she came to our house is going on a trip huh. Looking at the bentou, it looks like she’s going out alone. ......。 I’m a little worried. No, although she’s like this, she’s the incarnation of the Demon King so there shouldn’t be any danger, but somehow, I’m worried. 「Do you want me to go with you」 「Lucio-chan shouldn’t come you know」 「I shouldn’t huh」 「Un, Bal’s going alone」 U?n. I dunno. I couldn’t figure out her movement pattern that is different from usual. The more I got clueless, the more I got worried. 「Should we ask Coco to go with her?」 Behind Balthazar, Veronica said from the corridor outside the room. 「You were listening」 「Yes」 Nodding, she turned towards Balthazar. 「Can I ask you to do that? Coco has yet to go on her walk」 「......un! Okay」 Balthazar thought for a moment, then nodded clearly. The three of us went to the yard, and Veronica called over Coco who was playing in the yard. 「What is it?, Mama-sama」 「We’re going for a walk. Today, she’s going to take her with you」 Coco got very delighted, and took out the lead from her pocket. She put it on her wrist, and passes the other end to Balthazar. The dog-eared Coco, just like this, she puts on the lead on her wrist, and likes to be taken for a walk with someone holding it. Recently it’s Mama-samaーーVeronica who is always doing it. That’s why, she reached out the lead just as usual, but. Balthazar didn’t receive it. She raised a happy voice just how Coco did, and hugs her. She places her arms around her, and embraces her just like hanging on her. Coco who was holding the lead got confused. 「Mama-sama?」 「Since it’s she’s like that, just go along with her」 「......yes, I understood?」 She started to walk like, “Since it’s the order of Mama-sama that I really love”. Balthazar hugs her like hanging on her while holding the bentou box, and walked with her walking tiptoed. We saw off the two, finally, they went out of the mansion, and we can’t see them anymore. 「They’re making us worried」 「Honestly, I completely agree. It’s the first time that Balthazar would leave alone after all」 「If you’re worried, you want to go? You could use magic that would make you invisible right. Shouldn’t you just follow them while using that?」 「It’s Balthazar after all, if I do that, I feel like she’d find out like『Wa?i, it’s Lucio-chan’s smell?』」 Nodding, Veronica agreed. 「Then, you can only keep your fingers and wait」 「......『Telescope』」 I searched inside my head for the magic, and used the suitable one. A fly-like creature appeared on the palm of my hand. And on its side, a holographic panel also appeared. 「What is that?」 「It’s a magic spell that would make what this one looks at, be shown in this one」 I have the controlling rights. I made the fly fly just like a radio-controlled toy, or you could say brain controlled. And then, the panel’s footage also started to roll. It’s like a game screen. 「He?, there’s also this kind of thing huh」 「I’ll follow her using this......if she finds out, I’ll think of it then」 I followed behind Coco and Balthazar by controlling the fly. Immediately after I made it fly towards the direction where the two disappeared, I found their back appearance. I boldly approached them, while thinking about the next magic to use if they find out. 「That seems like it」 The two haven’t noticed although it approached them very closely, so for the meantime, I got relieved. Balthazar advanced while closely sticking to Coco’s neck. After they had gone out of town, Balthazar got very interested in a lot of things along the way, and she would try to go there with flighty feet, but every time she does that, Coco stops her in a hurry. 「That’s exactly true」 The firm-willed dog is looking after a young child, the two of them made such an atmosphere. 「Ara? Isn’t that Onii-sama?」 「It’s true, it’s Isaac. This is bad, Balthazar’s face started to get fierce」 「It looks like she’s about to say something like “Lucio-chan is fine with just one?”」 「He’s going to become a slug again huh, RIP」 And when I was placing my hands together while thinking of that, the situation changed to something unexpected. Coco who somehow felt the change in Balthazar’s air took out a water bottle from nowhere, and pours it to her self. Coco was splashed with water, her appearance changed in an instant. From the innocent dog-eared girl, to the strong-willed cat-eared girl. Mami. She has the same body as Coco, the girls that would change personalities when splashed with water. The instant Mami saw Isaac, she immediately went after him. Looking at Mami’s appearance, Isaac got freaked out, and ran away as quick as he could. The only one remaining, was Balthazar who was like *Poka?n*, stunned. 「It looks like she chased him away」 「I really don’t know who’s taking who to a walk now」 「Come to think of it, Lucio, this, can it show a different place other than this? Do you need to make a fly-like thing first to make it show something?」 「The fly itself, I can make it appear to a place I would like. Look」 I used magic, and the panel of the footage changed. My family house was shown, and the appearance of Ojii-san fixing his bonsai on the garden could be seen. 「He has such a hobby huh. But, it really fits him desu wa」 Next, the palace was shown. The King is sitting on the throne, and ordering the minister about something. 「Ara, he’s really doing his job as a king properly huh. I only thought that he’s just a Lucioholic」 「Don’t make such weird words」 The screen changed furthermore. This time, it shows inside the mansion. 「Ara, Amanda」 「It’s Amanda-san alright」 The place is Amanda-san’s room. Since it’s like that, I tried to take a peek on how Amanda-san seems like, but when the screen changed, Amanda-san was staring towards us. 「L-Lucio? She’s looking at us. I mean, our eyes met」 While looking at us, Amanda-san’s lips moved. She knows! I scrambled to change the screen. She knows, I don’t know how, but she found out! I feel cold sweat on my back. 「A-Amanda, who in the world is she」 「......it will be for the best if we don’t dig on that」 Veronica and I made a dry laugh. Back to the start, I returned the footage to where Balthazar is. Very quickly, Balthazar and Coco who went back to herself, the two of them is in the grasslands. On the grasslands, Balthazar is making something. She’s making something out of the flowers that Coco picked out. 「It looks like a ring」 「A ring?」 「You cannot understand?」 Veronica pointed that out for me, and this time, I looked at it properly. It’s true, Balthazar was making something with a small loop. It’s something that looks like a ring. 「It should be a gift for you」 「I guess so」 「Lucio, I could guess that I do not need to say this, but you shall not tell her that you were looking. You should get surprised, and get happy on top of it」 「......then, I’ll do this」 I removed the footage, and used a new magic. 「『Erase Memory』」 The instant I used the magicーー. 「ーーVeronica? And......this, why am I in the yard?」 「Lucio? ......don’t tell me, did you use magic on your memories right now?」 「Memories? What are you talking about」 「......no, it is nothing」 Veronica shook her head. I wonder what she was about to say, I got curious. 「Uu!......」 「What happened?」 「Nothing, just, I suddenly felt pain in my head......what the heck is this, it’s like a hangover......but, I haven’t drank alcohol since I came here」 「Lucio, you」 「What, why are you making such a faceーーouch, o-ouch......」 I grabbed my head, oh really, it really feels painful like I’m having a bad hangover. 「......Lucio」 「Whatーーmu!」 Veronica suddenly kissed me on the cheek. I got surprised, and my headache was blown away. I placed a hand on my cheek, and stared at Veronica. 「What is it really for a while now?」 「No. It’s nothing」 「Nothing, you say」 「Well then, shall we go inside. Your head hurts right? “Everyone” will let you rest on our lap」 Veronica pulled me by the hand, and we returned inside the mansion. For some reason, Veronica was more kind and tender than as usual, and I received a wonderful present from Balthazar who came home. I really don’t know what happened, but it was such a good day.
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「へくちっ」 いつものように、おれの魔法に反応して、くしゃみで魔力を放出バルタサル。 屋敷の庭での出来事、バルタサルは思いっきり落胆した。 「ルシオちゃんの指輪......」 彼女は自分の手を見つめながら、悲しそうにつぶやいた。 おれは彼女に指輪をはめた。 魔法で作った、嫁にはめる結婚指輪。 それに反応してバルタサルがくしゃみして、指輪を粉々に吹っ飛ばした。 くしゃみの魔力はいつも通りおれに飛ばされたから、指輪が壊れたのはそれが直接的な理由じゃない。 も起きる現象、魔法の誤作動がそうさせた。 浮気をすると壊れる指輪、その誤作動で、しなくても壊れる、それかしない方がむしろ壊れる、って誤作動したんだろう。 「ルシオちゃん......」 悲しそうな目をするバルタサル。 胸がズキって痛む。 直前まで彼女は笑ってた。 指輪をはめて、これでルシオちゃんとお手々をつないで寝れる、って喜んでた矢先の出来事だ。 「もう一回やってみよう」 「もう一回?」 「ああ......『マリッジリング』」 もう一回魔法で指輪を作る、それをバルタサルの指に通そうとする。 「へ......へ......」 バルタサルがむずがる、くしゃみが出そうなのを必死にガマンしてる様子。 でもガマンできなかった。 くしゃみをして、魔力がおれに直撃して、指輪が粉々になる。 泣きべそをかくバルタサル。 これは流石に可愛そうだと、どうにかならないものか、とおれは考えた。 「すぴぃ......」 魔道図書館に入ったのとほぼ同時に、バルタサルは鼻提灯を出してねてしまった。 入り口で立ったまま寝る魔王の幼女。 文字にするとかなりシュールだ。 これも仕方ない、魔法に反応してくしゃみをするのと同じように、魔導書に反応して居眠りをするようだ。 念のために外に連れ出してみた。 パチン、って音をたてて鼻提灯がはじける。 「ふわーあ......おはようるしおちゃん」 魔導書から離れると起きるみたいだ。 これもまたいかにも彼女らしいって感じだ。 「中にはいらないの?」 「もう入ったあとだけどな」 「ふえー? そうなの?」 「そうなの」 おれは迷った。 ここにバルタサルを連れてきたのは、魔道図書館の蔵書から、現状を打破する為の魔法を見つけるためだ。 それがこの調子なら、魔導書のそばで居眠りしてもなにも出来ない可能性が高い。 寝てるとき魔法でおこすか? いやそれも誤作動するだろうな。 うーん、どうしたらいいんだろ。 と、おれが考えてると。 聞いたことのある言い回し。 バルタサルの視線をおった、その先にぎょっとして、逃げ出すイサークの姿があった。 バルタサルの体がひかって、魔法の光がイサークに追いつき、星柄のナメクジにかえた。 これも彼女らしいな。 イサークに近づいて、拾い上げて、魔法で安全なところに送ってやった。 くしゃみが爆発して、魔法が誤作動する。 送ろうとしたのが、元に戻す効果が生まれた。 イサークは人間の姿にもどった......ただし素っ裸で。 イサークはそう言って、逃げ出してしまった。 流石にこれは悪いことをした、魔法でフォローを......いや今はやめた方がいいな。 おれはバルタサルを見た。 ふと、ある事に気づく。 「バルタサル」 「バルのことはバルちゃんってよんで?」 「......バル。お前、魔法は使えないんじゃないのか?」 「うん、使えないよ?」 彼女は当たり前の様にこたえた。 うん、これは前にも聞いた、そして魔法でも確認した。 彼女は魔法を使えない。 「じゃあ今のは?」 「ルシオちゃんは一人っていいって思ってたら、そうなった」 「ふむ......」 そっちも魔力の暴走みたいなもんか、そして3分の1ルシオっていう言い回しからして、「おれ」に反応してる? なら、「おれ」の濃度を変えれば? 「バル、ちょっとここで待っててくれ」 「えー、どうして?」 「いいから。すぐにもどる」 おれはバルタサルをおいて、図書館の中に入った。 入ってこない(多分来れない、寝てしまうから)バルタサルから距離を取ったのを確認して、魔法を使う。 「『タイムシフト』」 魔法で未来の自分を召喚した。 「やりたいことはわかってるな」 「ああ」 「いくぞ」 うなずく未来のおれ。 おれは更に魔法を使った。 「『コーレセンス』」 魔法がおれと未来のおれを包み込む。 視界が城に染まって、晴れると、未来のおれがいなくなった。 「「これでいけるか」」 かわりに、声がおかしくなった。 同じ声が重なっているそんな感じの声。 未来の自分を召喚して、更に合体する魔法を使った。 その状態で図書館の外にでた。 「2倍ルシオちゃんだ......どうして?」 「「わかるのか」」 こくこくって頷くバルタサル。 さて、この状態なら? 「「『マリッジリング』」」 魔法を使った。 念のために警戒しつつ、魔法を使った。 手のひらに指輪が出来た。 くしゃみはなかった。2倍おれだと魔法でくしゃみはないみたいだ。 唖然としてるバルタサルの手を取って、指輪を薬指に通す。 「......」 「「......」」」 しばらく待って、何も起こらなかった。 正しく言えば、変な事は何も起こらなかった。 指輪は本来の効果を発揮して、バルタサルの指と一体化する。 それを確認して、魔法をといて、未来のおれを送り返す。 親指を立てられた。余計だよ、その情報は。 未来のおれはいなくなった。 バルタサルを振り向く。指輪がついてる手をとる。 それを見つめる。 くしゃみはなかった、誤作動もなかった。 おれが作った指輪は、ちゃんとバルタサルの指の上に輝きを放っていた。 「バル」 「ふぇ? な、なあに?」 おれは真顔で彼女を見つめて。 「おれの嫁になってくれ」 改めて、ちゃんとプロポーズしたのだった。
Just as usual, Balthazar released magic powers reacting to my magic. The happening in the mansion’s courtyard, Balthazar was completely discouraged. 「Lucio-chan’s ring......」 While staring at her own hand, she whispered sadly. I put a ring on her. A wedding ring that I made with magic to put on my wife. Balthazar reacted to that, and the ring was blown off to pieces. The sneeze’s magic powers were released towards me just as usual, so that wasn’t the direct reason that the ring was broken. The other phenomenon, the magical malfunction caused it to happen. The ring that would get destroyed when one cheats, and with the malfunction, it might be destroyed even if she does not cheat on me, or maybe she doesn’t cheat so it got broken. Balthazar had sad eyes. I felt a heart ache. Right before it happened, she was smiling. She was happy, “With this, I can sleep with Lucio-chan while holding hands”, it was right before she wore the ring. 「You want to try it one more time?」 「One more time?」 「Yeah......『Magic Ring』」 I created the ring once again, and tried to put that on Balthazar’s finger. 「He......he......」 Balthazar frets, it seems like she was desperately holding her sneeze. 「ーーhekuchi!」 But she couldn’t hold on. She sneezed, the magic powers hit me, and the ring was broken into pieces. Balthazar was close to tears. Feeling sorry for her, I thought of ways to do something about it. 「Supii?......」 At the same time when we entered the Grimoire Library, Balthazar made a snot bubble. The young girl Demon King slept in the entrance while standing. Putting into words, it was quite surreal. This also couldn’t be helped, just like how she reacts to magic with her sneeze, it seems like she reacts to Grimoires getting asleep. To be sure, I tried to pull her outside. *Pachin*, the snot bubble broke with a sound. 「Fuwwaa?......good morning, Rusho-chan」 It looks like she wakes up when she gets away from Grimoires. I also felt it was very like of her for this. 「You won’t enter?」 「We already entered once though」 「Fue?? Is that so?」 「That’s right」 I hesitated. The reason that I took Balthazar here was to find the magic to solve the current situation within the Grimoire Library’s archives. And if she’s like this, the possibility of her sleeping beside the Grimoire is very high. I should wake her up using magic? No, it would probably malfunction as well. U?n, what should I do. And, when I was thinking of that. 「Ah!」 「Un? What is it」 「There’s / Lucio-kun......」 A way of saying I heard already. I turned to where Balthazar was looking at, and there, there was the appearance of Isaac being terrified, and running away. Balthazar’s body lit, the light of the magic chased after Isaac, and it turned him to a star-patterned slug. This was also very like her. I approached Isaac, picked him up, and sent him to a safe place using magic. The sneeze exploded, and the magic malfunction. The effect sending him away, changed into returning him back to normal. Isaac returned to human form......however, he was completely naked. Isaac said that, and ran away. I think that this time, I really did a bad thing, I should follow up using magic......no, I shouldn’t, right now. I looked at Balthazar. Suddenly, I noticed something. 「Balthazar」 「Call Bal, Bal-chan??」 「......Bal. You, didn’t you say that you can’t use magic?」 「Un, I can’t use it you know?」 She answered as if it was normal. Un, I also heard this before, and I also confirmed it using magic. She can’t use magic. 「Then, what was that right now?」 「When I thought that Lucio-chan is enough with only one, it became like that」 「Hmm......」 Is that also the magic powers going out of control, or is she reacting to “me”, with how she said it like / Lucio? Then, if the density of “me” changed? 「Bal, wait here for a while」 「Eh?, why?」 「Just listen. I’ll return quickly」 I left Balthazar, and entered the library. I confirmed Balthazar not entering(she probably can’t enter, because she’d fall asleep), and used magic. 「『Time Shift』」 I summoned me from the future. 「You know what to do」 「Let’s go」 Future me nodded. I used magic furthermore. 「『Coalescence』」 The magic covered me and the future me. My sight was flashed by white, and when it clears, future me disappeared. 「「With this, it should do it」」 Instead, my voice became weird. A voice that was like the same voice overlapping. I summoned the future me, and furthermore, I used magic to combine. And in that condition, I went outside the library. 「It’s x Lucio-chan......why?」 「「You can tell」」 *KokuKoku*, Balthazar nodded. So, then, if it’s in this condition? 「「『Magic Ring』」」 I used magic. I got cautious to be sure, and used magic. A ring appeared on my palm. She didn’t sneeze. It looks like she doesn’t sneeze with x me. I took Balthazar’s hand who was stunned, and put the ring on her ring finger. 「......」 「「......」」 After a while, nothing happened. Or specifically saying, nothing weird happened. The ring did its normal effect, and turned into one with Balthazar’s finger. I confirmed that, removed the magic, and returned the future me. He made a thumbs-up. That’s not needed, that information. The future me disappeared. I turned to Balthazar. I took her hand wearing the ring. I stared at her. She didn’t sneeze, and there wasn’t any malfunction. The ring made by x me, it was properly releasing light from Balthazar’s finger. 「Bal」 I stared at her with a serious face. 「Please become my wife」 Once again, I proposed to her properly.
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夜の寝室、風呂からあがったおれはパジャマ姿でマンガを読んでいる。 持ってるのは魔導図書館から持ち出したマンガの少年少女が発明品で様々な物語を展開していく、青い機械猫を彷彿とさせるマンガだ。 それで覚える魔法は『ウェアハウス』って言って、次元の壁を開いてつなぐ小さなスペース、金庫のような魔法だ。 ちなみに続刊もので、巻数を読み進めていくごとに金庫ずつ増えていく。 「ルシオ様」 「お風呂上がったよー」 巻末近くまで読み進めると、ドアを開けてシルビアとナディアが入ってきた。 嫁は言葉通り風呂から上がったばっかりで、かわいいパジャマ姿に頬が上気している。 「あっ、ナディアちゃん走ったら危ないよ」 「きゃっほーい」 ナディアが走ってきて、ベッドにダイビングしてきた。 シルビアはちょっと遅れて、でもいそいそとベッドに上がってくる。 「ルシオ様は魔導書を読んでたんですか」 「ああ、新しいヤツを見つけてな。続刊もので五十冊だから、読むまでだいぶ時間がかかりそうだ」 「五十冊ですか......普通の人は一生かかっても読めない量ですね......」 「そうだな。おれなら徹夜すれば二日、まあのんびり読んで一週間って所か」 昔漫喫にナイトパックで入ったときのことを思い出した。 人気シリーズを一巻から読んでいこうと思ったら一晩かけても読み切れなくてプラン延長したときの微妙な切なさを思い出す。 「ねえねえ、どういう魔法なのそれ」 ナディアはわくわく顔で聞いてきた。 「こんな感じだ――『ウェアハウス』」 何もない所に空間を開いて、手を突っ込む。 そこから用意してたクシを取り出す。 「こんな風に収納スペースをつくって、どこでもものを出し入れ出来る魔法だ。シルビア」 名前を呼んで、クシを手渡す。 シルビアは受け取って、ニコニコ顔でナディアの髪の毛をすき始めた。 「ほえ、すっごい便利な魔法じゃん」 「地味に便利、って方がしっくりくるな」 「ねえねえ、それって何でも入るの?」 「大きさはなんでも、部屋ごとにものが一個って制限がつく」 「なんでも?」 「なんでも」 「大きくなったアリでも?」 「はいる。一部屋につき一匹だが」 「あっ、ナディアちゃん動かないで」 「あはは、ごめんごめん」 ナディアは笑って、言われた通りじっとした。 嫁同士であり、親友同士である二人。 シルビアは嬉しそうにナディアの髪をすいて、ナディアも楽しそうにシルビアにさせてやった。 魔導書を膝の上に開いたまま置いて、ナディアの手を握った。 シルビアはそれを見て、器用に片手でナディアの髪をすいてアピールしてきたから、彼女の手も握った。 お手々をつなぐ、我が家で一番のスキンシップだ。 柔らかくて、温かくて、いいにおいがして。 心が、落ち着く。 しばらくの間そうしてた。 「今日は、お時間がゆっくりですね」 シルビアがつぶやくように言った。 ナディアと目があったで微笑みあった。 だれも答えない、「そうだな」って言葉すらいらない。 のんびりしてて、心地いい時間が流れる。 「あっ、戻ってきた」 沈黙を破ったのはナディアと、二人分の足音。 おれは二つの魔法を唱えた。持ってる魔導書を魔法の倉庫にしまう。 直後、ドアがいきなり開け放たれて、バルタサルが入ってきた。 「ルシオちゃーん」 ナディアを彷彿とするダイビングでおれに飛びつくバルタサル。 「こら! 髪をちゃんとおふきなさいな」 ちょっと遅れて、怒った様子で入ってくるベロニカ。 バルタサルもベロニカも同じようにパジャマ姿で、頬が上気してるお風呂上がりだ。 二人もベッドに上がってきた。 「ルシオちゃん、あのね、バル、ちゃんとお風呂に入ったのよ?」 上目遣いでそんなことを言ってくるバルタサル。 ほめてほめて、としっぽをふってくる子犬の様だ。 「何をおっしゃいますか、全部あたくしがやってあげたのではありませんか」 「ベロニカが洗ってやったのか?」 「ええ。そうでもしませんとこの子カラスの行水なんですもの。そのくせアマンダがやると言ったら拒否しますし」 「そうなのか」 バルタサルを見る、彼女はキョトンとした顔で答えた。 「バルはルシオちゃんのお嫁さんなのよ?」 「......おれの嫁だからアマンダさんには洗われたくないのか?」 「ベロニカだったらいいのか」 「ベロちゃんもルシオちゃんのお嫁さんなのよ?」 「なるほど」 そういう線引きなのか、となんだか面白く感じた。 ベロニカはやれやれって顔で、持ってきたタオルでバルタサルの頭を拭いた。 おれが何かしようとするのをみて、「いいから」と目で制止した。 ニコニコ顔のバルタサル、まるで母親になったかのようなベロニカ。 彼女が入ってくる前に唱えたもう一つの魔法――誤作動させないために用意したもう二本の腕。 そっとベロニカ、そしてバルタサルの手を握った。 ベロニカはちょっと硬いがまんざらでもない顔をして、バルタサルはふにゃっとなった。 の嫁と手をつなぐ。 シルビア、ナディア、ベロニカ、バルタサル。 柔らかい空気の中お手々をつないで、心が軽くなる。 「ねえねえ、明日どこに遊びにいこっか」 「また海の底へでもいきますの?」 「バルタサルちゃんはまだいってませんから、いいかもしれませんね」 「バルはルシオちゃんがいるところならどこでもいいのよ?」 おれを中心にお手々つなぐ四人の嫁達、円満な夫婦生活。 この日生まれ変わってから一番健やかに眠れた気がして。 おれは、理想の家庭ができあがった、そんな気がしたのだった。
Night in the bedroom, I am reading manga after coming out of the bath. The one I have in hand is the manga that I took from the Grimoire Library, it’s a manga with a story of five boys and girls and inventions, a manga that is reminiscent of a blue machine cat. And the magic that I could learn from it is called『Warehouse』, it’s a magic that would open dimensional walls and connect them to a small space or vault. By the way, it’s a series, so the numbers of vaults would increase each time I finished reading a volume. 「Lucio-sama」 「We got out of the bath?」 When I have read up to near the end of the volume, the door opened, and Sylvia and Nadia entered. Just as she said, my two wives had just got out of the bath, and they were wearing lovely pajamas with their cheeks flushed. 「Ah! Nadia-chan, it’s dangerous if you run」 「Kyahho?i」 Nadia ran, and dove into the bed. Sylvia was a bit slower than her, but she casually went on top of the bed. 「Is Lucio-sama reading Grimoire」 「Yeah, I just saw a new one. It’s a series with volumes, so I think it would take time to read all of it」 「 volumes......that amount, a normal person’s whole life would not be enough......」 「I guess so. If it’s me, I could read it within days if I read it through the night, well, about a week if I take my time」 I remembered before when I entered the manga cafe taking up the night offer. I remembered the subtly painful memory, when I thought of reading a popular series from the first volume overnight, but I couldn’t finish it so I asked for an extension. 「Ne?, ne?, what magic is that」 Nadia asked with an excited face. 「It’s something like thisーー【Warehouse】」 The space opened, and I put my hand inside. And took out the comb I prepared from there. 「Like this, it’s a magic that creates a storage space, and enables to put things in and out anytime. Sylvia」 I called her name, and passed her the comb. Sylvia received that, and started to comb Nadia’s hair with a smiling face. 「Hoe?, isn’t that a super convenient magic」 「I think, it’s better described as plain but convenient」 「Ne?, ne?, can you put anything inside that?」 「Anything, no matter how big it is, there would be a restriction with only one each room」 「Anything?」 「Anything」 「Even ants that became giants?」 「It can enter. It would be only of them each room though」 「Ah! Nadia-chan, don’t move」 「Ahaha, sorry, sorry」 Nadia laughed, and behaved just as she was told. The two were both my wives, and best friends. Sylvia happily fixed Nadia’s hair, and Nadia also enjoyed letting Sylvia do what she does. I left the Grimoire open on the top of my lap, and held Nadia’s hand. Sylvia saw that, and appealed, dexterously fixing Nadia’s hair with one hand, so I also held her hand. Holding hands, it is our house’s number one skinship. It was soft, warm, and smells good. My heart and mind, it calms down. We were like that for a while. 「Today, the time feels slow」 Sylvia said as if to whisper. Nadia and I caught each other’s eyes, and the three of us smiled. No one answered, there weren’t even the words “Yeah”. We relaxed, and the time passed very comfortably. 「Ah! They came back」 The one who broke the silence was Nadia, and footsteps for two people. I casted two magic spells. I kept the Grimoire I had in the vault. Right after that, the door was suddenly opened, and Balthazar entered. 「Lucio-cha?n」 Diving just like how Nadia did, Balthazar jumped onto me. 「Hey! Wipe your hair properly」 Just a little late, Veronica entered seemingly angry. Balthazar and Veronica were also in their pajamas, it shows that they just got out of the bath with their flushed cheeks. The two of them went on top of the bed. 「Lucio-chan, you know, Bal, she entered the bath properly you know?」 Balthazar said that looking up to me. She was like a dog whose tail was wagging, like “praise me?, praise me?”. 「What are you saying, am I not the one who did everything」 「Did Veronica wash her?」 「Yes. If I did not do so, that girl would have only taken a quick dip. And on top of that, she would refuse it although Amanda would say she would wash her」 「Is that so」 I looked at Balthazar, *Kyoton*, she answered with a clueless face. 「Bal is Lucio-chan’s wife you know?」 「......you’re my wife, that’s why you don’t want Amanda-san to wash you?」 「There isn’t any problem if it’s Veronica」 「Vero-chan is also Lucio-chan’s wife you know?」 「I see」 She’s dividing the line like that huh, I feel like it’s a bit interesting. Veronica had a face like “Yareyare”, and wiped Balthazar’s tower with the towel she took with her. Seeing that I was about to do something, she stopped me with eyes that were saying “just relax”. Balthazar had a happy smile, and Veronica was as if she became a mother. The other magic that I casted before she enteredーーthe two hands that I prepared so beforehand so that there would be no malfunctions. I slowly held Veronica and Balthazar’s hand. Veronica had a stiff, but content face, and Balthazar was like “Funyaa?”. I held my hands with my four wives. Sylvia, Nadia, Veronica, Balthazar. We held our hands in within the gentle atmosphere, and my heart and mind became lighter. 「Ne?, ne?, how should we play tomorrow」 「Would you like to go the bottom of the sea again?」 「Balthazar-chan has yet to go there too, so that might be good as well」 「Bal is fine anywhere as long as Lucio-chan is with her you know?」 With me in the center, I held my hands with my four wives, it was a fulfilling married life. This day, I feel like I fell asleep in the most peaceful way since I was born in this life. I feel, that my ideal home is completed.
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夜のリビング、帰ってきた嫁達が集まっている。 「どういうことか説明してくださるわよね」 のうち、ベロニカが険しい顔で聞いてきた。 ちなみに『そのこ』、バルタサルはちょっと離れたところにいる。 「あたしはナディア、キミの名前は?」 「はっちゃん、って呼んで」 「はっちゃんか、うん、わかった。ところではっちゃんはお茶好き?」 「わからない。お茶って、なに?」 「ふぇ? お茶を知らないの? よーし、アマンダさん、とびっきりのお茶をお願い」 部屋の外に向かって叫ぶナディア。彼女は早くもバルタサルと打ち解けそうになっていた。 イサークのこともあって、バルタサルはおれ以外だれとも仲良くするつもりはないとか、それで嫁達と険悪ムードになるって心配してたけどそんなことはなかった。 人なつっこくて明るいナディアの面目躍如、ってところか。 ふと、顔をつかまれて。 「よそ見を!」 無理矢理振り向かせられた。ゴキッ、って首の音が聞こえそうだった。 「しないでくださいまし。あたくしが質問してるんですのよ」 ベロニカはますます険しい顔をした。 「そう思うのなら説明を。その子、どこのどなたなんですの?」 「はなすと長くなるんだが」 「手短にお願いしますわ」 ちょっと考えて、素直にはなすことにした。 嫁だし、隠し事はよくないからな。 「バルタサルって名前を知ってるか?」 「バルタサル?」 ベロニカはちょっと考え込んだ。 「あたし知ってる! 魔王だよね!」 離れたところからナディアが即答した。 彼女ならそうだろうな。ナディアは何回かバルタサル空間についてきて、戦ったこともある。 おれに次いで、この家でバルタサルと関わりのある人間だ。 そのナディアが答えたことで、ベロニカも思い出したようにうなずいた。 「あのバルタサルのことでしたのね。それなら子供でも知ってますわ」 「それにしては思い出すまで時間かかったな」 「に、日常生活に出てこない単語だからですわ!」 ベロニカは顔を赤くして反論した。一理ある。 遠い過去に封印された魔王のことなんて、日常生活に出てくるはずがない。 と、思っていたのだが。 「わたしはよく聞いてるわ。子供のころ、お父さんが『いい子にしてないとバルタサルがさらいにくるぞ』って脅してくるから」 日常生活にでてきてた、ってなまはげかよ。 シルビアが言うと、ベロニカは赤面した。 「そ、そんなことはどうでもいいのですわ! それよりバルタサルがどうかなさいまして?」 「彼女、バルタサル」 「そんな質の悪い作り話でごまかされると思って?」 「いや本当。正確にはバルタサっていうらしい。オリジナルの子孫ってことになるのかな? その辺はまだ詳しく聞いてない」 「......本当ですの?」 「おれがみんなに嘘をついたことはあるか?」 「......」 「ルシオ様がわたしたちに嘘をついたことはないです」 無言のベロニカ、代わりに答えるシルビア。 そして、テンションがあがるナディア。 「そっか、バルタサル八世だからはっちゃんっていうんだ」 「そかそか。じゃあヨロシクねはっちゃん!」 ナディアが手を出して、バルタサルはちょっと考えては握手した。 そんなノリでいいのか? 「しょ、証拠はありますの?」 引っ込みがつかないのか、ベロニカが食い下がってきた。 「証拠?」 「ええ、証拠ですわ。あの子が魔王の血筋だって言う証拠が」 「といってもなあ......」 別にバルタサルとにてる訳でもないし、この世界に身分証明書なんてものはないしな。 なんか証明できるものーー『マジックシールド』!! とっさに魔法を使った。嫁たちを守る為のシールドを全開で。 直後に「くちっ」ってかわいいくしゃみをしたバルタサル。屋敷がまた半分くらい吹っ飛ばされた。 ほとんど前兆のないくしゃみ。シールドが間に合ったのはほとんどが働いたからだ。 魔王のくしゃみで半壊する屋敷、おれが守って無傷の嫁三人、そしてぽわぽわしたままのバルタサル。 「すごいじゃん! 何今の、今の魔法なに?」 テンションが上がるナディア。彼女らしいな。 おれはベロニカを見る。半壊する屋敷に彼女は呆然としている。 「これで信じた?」 「え、ええ......これほどの魔力を見せられては......。なぜくしゃみなのかはわかりませんが」 「それはおれもわからん」 そういいながら魔法で屋敷を復元。 おれの側にシルビアがやってきた。不安げな表情で手をつないできた。 盛り上がるナディア、唖然としつつも冷静なベロニカ。 ふたりと違って、こっちはちょっとおびえてる様子だ。 だから力を込めて手を握りかえして、ほほえみかけてやった。 するとシルビアはちょっとホッとした。安心感に包まれた顔をした。 気がつくと、バルタサルが目の前にやってきた。 じー、とおれとシルビア、そしてつないでる手を見つめた。 「どうした」 「それ、何の魔法?」 「それ?」 「お手々とお手々つないでる」 「ああ。これはべつにーー」 「お手々とお手々つないで、その人がふわーん、になった。どういう魔法?」 小首を傾げて聞いてくるバルタサル。 いや魔法じゃ――。 「お手々をつなぐ魔法だよ!」 「ナディア?」 「こうやってルシオくんとお手々をつないでると、すっごく落ち着くんだよ」 反対側にやってきて、開いてる方の手をつなぐナディア。 「こっちもふわーんってなった」 「そりゃなるよ。ねっ、シルヴィ」 「うん......ナディアちゃん」 笑顔のナディア、恥じらうシルビア。 二人を見つめるバルタサル。 つないだ手と、二人の顔を交互に、そして興味津々に見比べる。 反対側から視線を感じた。 ベロニカだ。彼女はおれをじっと見つめてる。 「どうしたベロニカ」 「あたくしの分は?」 「え?」 「あたくしの分は、って聞いてますの」 「分って......これのこと?」 ナディアとつないだ手を見せる。 ベロニカはうなずかなかったが、じっと見つめてくる視線は肯定の意味を示してる。 なるほど、彼女も手をつなぎたいのか。 といっても、両手ふさがっちゃってるしな。 なんというか、すごいな。 嫉妬とかそういうのいっさいなくて、シンプルに「あたくしもしたいからなんとかして」ってかんじだ。 プロポーズした時といい、彼女らしい。 「『マジックハンド』」 魔法をつかって、もう一本の手をだした。 ニョキニョキって、背中から生えてくるもう一本の手。三本めの手をベロニカにのばした。 「どうぞ、お姫様」 「あなたの軽口は相変わらずレベルが低いですわね」 そういいながらも、ベロニカは上機嫌に手をつないできた。 三本の手で、三人の嫁とつなぐ。 柔らかくてあたたかくて。 彼女達は魔法というが、逆におれが魔法をかけられてる、そんな気分になる。 今日はこのまま寝るのもいいな、と思った。 ふと視線を感じる。さっきからずっと感じてたバルタサルの視線が強くなった。 増えた手、それとつなぐベロニカの顔をじっと見つめて。 「やっぱり魔法よね。だってつないだらデレデレしたもの」 「だ、誰がデレデレしてますか!」 「あははは、ベロちゃんが意地っ張りだ」 ナディアが楽しげに笑う。 「意地など張ってません! つ、妻なのですからこの程度でデレデレなんてしてられませんわ」 「でもデレデレじゃん。ねー」 互いに首を傾げて、うなずきあうナディアとバルタサル。 活気なナディアとぽわっとしたところのあるバルタサル。 性格は正反対だけど、早くも意気投合し始めたみたいだ。 「ねえ、ルシオちゃん」 「はっちゃんも、それしたい」 「これ? 手をつなぐってことか」 うなずくバルタサル。どうするか、っておもいかけたそのとき。 「だめです」 意外や意外、シルビアが反対をした。 「シルビア?」 「それはだめです。お手々をつないでいいのはルシオ様のお嫁さんだけです」 「おー、シルヴィがマジだ」 「珍しいですわね、あなたがそこまで強く主張するなんて」 「だって......だって」 「せめてはいませんわよ」 「だって、あたくしも同感ですもの」 「うん、あたしも。お手々をつないでいいのはルシオくんのおよめさんだけ」 先生のマンガを読めるはジャンプだけ、見たいな言い方をするナディア。 そんな風に嫁たちが次々とシルビアに同調した 同感だ。 お手々をつなぎあうのは嫁たちだけ。 この行為は彼女たちとの特別なもの、それをするのは彼女達とだけ。 だから、バルタサルには申し訳ないが――。 「だから、はっちゃんもルシオくんのお嫁さんになるのがさきだよ」 「え? いやいや」 苦笑いするおれ。その提案はナディアらしいが、さすがにーー。 「ええ、その通りですわね」 「それなら問題ないです」 なんとベロニカ......そしてシルビアまでもが同調した。 ......え? どういうこと? どういう展開なのこれ。 おれは、嫁たちが言ってる事が理解できなかったのだった。。
Night, in the living room, my wives who have come home gathered. 「You would explain what is going on right」 Within the three, Veronica asked with a grim face. By the way, “that girl” Balthazar is in a short distance away. 「I’m Nadia, what’s your name?」 「Call me, Hacchan」 「Hacchan huh, un, I got it. By the way, does Hacchan like tea?」 「I don’t know. What is, tea?」 「Fue? You don’t know tea? Yo?sh, Amanda-san, please take out a good one」 Nadia shouted towards outside the room. She had already broken the ice with Balthazar quickly. Since there was the case of Isaac, I was worried that Balthazar wasn’t planning on getting along with anyone other than me, and there would be a bad mood with my wives, but that was not the case at all. It’s probably all thanks to Nadia who is friendly and cheerful. Suddenly, my face was caught. 「Looking away!」 My face was forcefully turned back. I could almost hear the sound *Goki!* in my neck. 「Please do not. I am asking you a question」 Veronica made an extra grim face. 「Sorry sorry」 「If you really think of that, explain. That girl, who and where did she come from?」 「It would be very long if I explain」 「Please make it short」 I thought for a while, then decided to tell it honestly. She’s my wife after all, it’s not good to hide things from her. 「Do you know the name Balthazar?」 「Balthazar?」 Veronica thought for a moment. 「I know that! It’s the Demon King right!」 Nadia who was a little far away answered immediately. I knew that she’d be like that. Nadia has been with me to Balthazar’s space several times, and fought against him. Next to me, she’s the person who was the most involved with Balthazar in this house. Because Nadia had answered like that, Veronica nodded as she remembered. 「You were talking about “that” Balthazar huh. If so, even children knows about that」 「It seemed like you had a hard time to remember though」 「I-It’s because it is a term that is not used in daily life!」 Veronica refuted with a flushed face. She has a point. There was no way that the Demon King who has been sealed a long time ago would be mentioned in daily life. That was what I thought, but. 「I have heard about that a lot. When I was a child, Otou-san would always threaten me like “If you are not a good child, Balthazar will come and take you away?”」 It’s really used in normal daily life, I mean, isn’t that a Namahage. When Sylvia said that, Veronica had a blushing face. 「T-That does not matter desu wa! Rather than that, what is it about Balthazar?」 「She, she’s Balthazar」 「Do you really think that you can get away with such a made up story of poor quality?」 「No, it’s true. Precisely, it seems like she’s Balthazar the th. How can I say this, she’s the original’s descendent, I guess? I haven’t heard the details about that though」 「......are you saying the truth?」 「Had I ever lied to everyone?」 「......」 「Lucio-sama had never lied to us」 Veronica did not say anything, and instead, Sylvia answered. And, Nadia had high spirits. 「I see, it’s Balthazar the th, so it’s Hacchan huh?」(TL: (ハチHachi) = Hacchan) 「I see, I see. Let’s get along from now on okay, Hacchan!」 Nadia reached out her hand, and after Balthazar had thought for a while, the two shook their hands. Are you fine, just that easily? 「D-Do you have proof?」 Was she already unable to pull back, Veronica insists. 「Proof?」 「Yes, proof desu wa. The proof that that girl is in the bloodline of the Demon King」 「Even if you say that?......」 It’s not like she looks similar to Balthazar, and there isn’t IDs in this world. Something that can be used as a proofーー『Magic Shield』!!! I instinctively used magic. I expanded the shield fully to protect my wives. Soon after, “Kuchi!”, Balthazar let out a very cute sneeze. About half of the mansion was blown away. A sneeze that almost didn’t have any sign. The reason that the shield was in time was because my sixth sense reacted. The mansion half destroyed with the Demon King’s sneeze, my three wives that I protected unscathed, and flighty, light and fluffy, Balthazar. 「How cool! What’s that right now, what magic was it right now?」 Nadia raised her spirits. It’s very like her. I looked at Veronica. She was stunned to the half destroyed mansion. 「Do you believe me now?」 「Y-Yes......with this much magic powers shown....... I can’t understand why it’s a sneeze though」 「I also don’t know anything about that」 I used magic to return the mansion to normal while saying that. Sylvia came to my side. She held my hand with a worried expression. Nadia with high spirits, and although surprised, Veronica who was still composed. Unlike the two, she seems to be a little afraid. That’s why, I held her hand tightly in return, and smiled at her. And then, with that, Sylvia got slightly relieved. She made a very peaceful face. When I noticed it, Balthazar has come in front of me. *Ji?*, she stared at Sylvia and me, and stared at our holding hands. 「What is it」 「That, what kind of magic?」 「”That”?」 「Your hands are holding each others」 「Ahh. This is notーー」 「You held each other’s hands, and that person became like *Fuwa?n*. What magic is that?」 Balthazar asked while tilting her head. No, it isn’t magicーー. 「It’s the magic of holding hands!」 「Nadia?」 「When you hold hands with Lucio-kun like this, you’d feel very safe」 Nadia came to the other side, and held my open hand. 「She also became like *Fuwa?n*」 「Well, I’d be like that. Right! Sylvie」 「Un......Nadia-chan」 Nadia with a smile, and shyly Sylvia. Balthazar who stared at the two. She looked very interested, comparing the two’s faces and the holding hands. I felt I was being looked at from the other side. It’s Veronica. She’s staring at me. 「What is it, Veronica」 「Where’s my part?」 「Eh?」 「I’m asking you, where’s my part」 「Part, you say......you mean this?」 I showed the hand that was holding Nadia’s. Veronica didn’t nod, but the way she stared at me says yes. I see, she wanted to hold hands huh. But even so, both of my hands aren’t open after all. How can I say this, hmm, it’s amazing. It’s not like it’s jealousy or something, but rather, it’s simply “I also want to do it, so do something”. Just like the time I proposed to her, it was very like her. 「『Magic Hand』」 I used magic, and created another hand. *MonyoMonyo*, the hand grew from my back. The third hand reached out to Veronica. 「Please go on, my princess」 「Your frivolous talk is as low as usual huh」 Even though she’s saying that, Veronica held my hand in a very good mood. With three hands, I held my three wives. It was very soft and warm. They say that it’s magic, but I feel like it’s rather, I’m the one who has fallen under a spell. I thought, it might also be great sleeping like this today. Suddenly, I feel I was being looked at. Balthazar’s look that I have felt since earlier became stronger. She was staring at the increased hand, and Veronica’s face who was holding that. 「It’s really magic right. After all, she’s like *DereDere*, when she held it」 「W-Who is *DereDere* you say!」 「Ahahaha, Vero-chan’s so stubborn」 Nadia laughed happily. 「I am not being stubborn! I-I’m his wife, so I would not be like *DereDere* with just this」 「But, you’re very *DereDere* you know. Ne?」 Both of them tilting their head, Nadia and Balthazar nodded at each other. Nadia who is lively and cheerful and Balthazar who is somewhat light and fluffy. Their personalities are at the opposite, but it looks like they’re getting along with each other already. 「Ne?, Lucio-chan」 「Hacchan also, wants to do that」 「This? You mean hold hands」 Balthazar nodded. “What should I do”, but when I was thinking of that. 「No way」 Very surprisingly, Sylvia was opposed to it. 「Sylvia?」 「There is no way. The only ones who can hold hands with Lucio-sama is his wives」 「Oh?, Sylvie’s quite serious」 「How rare, to think that you would insist on that point strongly」 「Because......because」 「After all, I feel just the same」 「Un, I also think so. The only ones who can hold hands with Lucio-kun is his wives」 Nadia said like a teacher saying you can only read manga if it’s Jump. Just like that, wives agreed with Sylvia. I also agree. The only ones who I should hold hands with are my wives. This action is a special thing for them, and I would only do it with them. That’s why, I feel bad for Balthazar, butーー. 「That’s why, Hacchan should become Lucio-kun’s wife first」 「Eh? No, no」 I made a wry laugh. It was very likely of Nadia to suggest that, but isn’t that going too farーー. 「Yes, that is right」 「There is no problem then」 Surprisingly, Veronica......and even Sylvia followed. ......eh? What does this mean? What kind of development is this. I, could not understand what my wives were talking about.
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「ルシオや、いるかのう」 声に呼ばれて、おれは玄関にでた。 そこにおじいさんがいた。 実家にいるはずのおじいさんが何故かそこにいた。 「あれれー、どうしたのおじいちゃん」 「上がってよいか」 「もちろんだよ」 おじいさんを上げて、リビングに通した。 「お客様ですか――あっ、おじいさま」 シルビアが顔を見せた。 「お客様だとおもったらおじいさまだったんですね」 「客としてもてなしてくれてもよいぞ。ここはルシオの屋敷、わしは文字どおりの客じゃからな」 「えっと......」 シルビアはちょっと困った顔でおれをみた。 「じゃあシルビア、お客様用に美味しいお茶と一番美味しいお菓子をだして」 「はい、わかりました!」 シルビアがリビングから出て行った。 おじいさんはリビングの中を見回した。 「ここがイサークが買った屋敷か」 「うん、そうだよ」 「......負担をかけてしまったようじゃな、ルシオに」 「そんなことないよ。丁度お屋敷がほしかったところだったし。家族も増えたし、丁度いい広さでたすかったよ」 子供モードで答える。 おじいさんは目を細めて、おれの頭を撫でた。 転生しちょっと前からおじいさんがよくするなで方だ。 「そうかそうか。ルシオはさすがだな」 「ありがとう」 「ルシオくん、お客さんだよ-」 ドアがいきなり開いた。そこにナディアと、国王の姿があった。 国王はお忍びようの、質素な服を着ている。 「余の千呪公よ、遊びにきたぞ――むっ」 国王は機嫌のいい顔で入ってきたけど、一瞬でむっとなった。 おれをみて――いやおれを撫でてるおじいさんをみて不機嫌になった。 「余の千呪公よ、その老人はだれかな」 「え?」 「余の? ルシオや、こちらはどなたかな」 なんか変な雲行きになってきたぞ。 「......あたし、シルヴィの手伝いしてくるね」 それをさっしたのかナディアが逃げ出した。 ......あとでちょっとお仕置きしよう。 今はそれよりも二人の事だ。 おれの実のおじいさんと、王都にきてからお世話になってる国王。 二人の老人が真っ向から向き合って、パチパチ火花を散らしている。 ......なんで? 「何者なのかは知らぬが、余の千呪公になれなれしいぞ」 「余の? ルシオは誰のものでもないぞ。誰なのかはしらんがそちらこそ図々しいのではないか」 火花が更に散った。 どういうこと、ねえどういうこと? えっとこの場合、こういうのをおさめられる魔法って――そんなのあるか! そもそもどういう状況なのかもわからないのに魔法もくそも。 とりあえずなんとかしようと思い、二人の間にはいった。 「王様、この人はぼくのおじいちゃん。普段は実家にいるんだけど、今日遊びにきてくれたんだ。おじいちゃん、この人は王様。ぼくが魔導図書館ですっごくお世話になった人なんだ」 「千呪公の祖父?」 「魔導図書館じゃと?」 二人の眉が同時にぴくりと動いた。 えっ、まさかこれも地雷? と思ったけど。 「失礼した。千呪公の祖父であったとはな。余はエイブラハ、この国の国王だ」 「こちらこそ失礼した。わしの名はルカ・マルティン。ルシオの実の祖父じゃ」 「あえて光栄だ、マルティン殿」 「こちらこそ光栄ですじゃ、陛下」 「エイブラハム、それかエイブでよい」 「ではわしの事もルカとお呼び下され」 あれ? あれれれー? なんだか、二人が意気投合したぞ? どうなってるんだこれ。 「ほう、つまりルシオは魔導書を読み解いて、古代魔法を再びこの地上に復活させたと」 「うむ、あれには驚いた。天気を操る古代魔法をまさかな。今となってはさすが千呪公といったところだが」 「そういうエピソードはわしにもあるのじゃ。しってるか、ルシオは魔導書の二度読みが趣味じゃ」 「二度読み?」 「そうじゃ、一度読んだ魔導書をもう一度、趣味で読むのじゃ」 「なんと! 魔導書をそのように読むとは」 「さすがルシオじゃ」 「うむ、さすが千呪公じゃ」 リビングの中で、すっかり意気投合した二人の老人が仲良く話している。 さっきまでの一触即発な雰囲気はない、が、これはこれでいたたまれない。 盛り上がってる二人、間に入ってるおれは褒め殺しにされて、穴があったら入りたい気分だ。 「そういえば、千呪公にこれをつくってもらったぞ」 国王はそう言って、おれが作ったアニメの宝石を取り出す。 それを起動させて、壁にアニメを流す――持ち歩いてるのか! 「むっ。そうだ、わしはルシオからこんなものをもらったのじゃ。ルシオ、前にお前が買ってくれた魔導書、なんと読めたのじゃ」 「むっ」 ......仲良くしてると思ったら、二人はまた火花を散らし出した。 あれれれー、これ一体どうなってるの? この日、二人のおじいさんが意気投合したり火花を散らしたり。 その繰り返しを何度もされて、おれは板挟みになって生きた心地がしなかった。
「Lucio, are you there」 I was called by a voice, and I went outside the entrance. Ojii-san was there. Ojii-san who should be in our family home was there for some reason. 「Arere?, what happened, Ojii-chan」 「Can I come up」 「Of course?」 I let Ojii-san up, and let him through the living room. 「Is it a visitorーーAh! Ojii-sama」 Sylvia showed her face. 「To think that the visitor was Ojii-sama」 「You can treat me as a visitor. This is Lucio’s mansion, I am as you have said, a visitor」 「Uhmm......」 Sylvia made a troubled face and looked at me. 「Then, Sylvia, can you get the most delicious tea and the most delicious snacks for the visitors」 「Yes, I understand!」 Sylvia let the living room. Ojii-san looked around the living room. 「This was the mansion Isaac bought huh」 「Un, that’s right」 「......it looks like I placed a burden, to Lucio」 「Not at all. It’s just exactly that I wanted a mansion. My family increased, so it was good since it has good space」 I answered in child-mode. Ojii-san made a smile, and patted my head. It was the way that Ojii-san patted me since about more than two years when I reincarnated. 「Is that so, is that so. As expected of Lucio」 「Thank you」 「Lucio-kun, it’s a visitor?」 The door suddenly opened. There was Nadia, and the King’s appearance there. The King was wearing simple clothes for his disguise. 「My Senjukou, I came to playーーMu!」 The King entered with a cheerful face, but he sulled in an instant. He saw meーーno, he saw Ojii-san who was patting my head and got in a bad mood. 「My Senjukou, who is that old man」 「Eh?」 「My, you say? Lucio, who is he」 It somehow became a weird flow. 「......I, will go help Sylvia okay」 Nadia who felt that ran away. ......I should punish her for a bit later. Rather than that, it’s about the two right now. My real Ojii-san, and the King who took care for me since I came to the royal capital. The two old men faced each other, and scattered fiery sparks. ......why? 「I do not know who you are, but you are too friendly with my Senjukou」 「Your? Lucio is not anybody’s property. I don’t know who you are, but are you not the one who is impudent」 The fiery sparks scattered more. What is this, hey, what is this? Uhm, in these cases, a magic that can take care of this situationーーthere’s nothing like that! In the first place, I don’t know what the situation is, so no shit. For the meantime, I thought I should do something, and went in between of the two. 「Ou-sama, this person is my Ojii-chan. He is usually in our family home, but he came to play today. Ojii-chan, this person is Ou-sama. He really took care of me with the Grimoire Library」 「Senjukou’s grandfather?」 「Grimoire Library you say?」 The two’s eyebrows flinched at the same time. Eh! Don’t tell me this is also a landmine? I thought, but. 「Excuse me. To think that you were the grandfather of Senjukou. I am Abraham the Third, the King of this country」 「Excuse me also. I am Luka Martein. Lucio’s actual grandfather」 「It is a pleasure to meet you, Martein-dono」 「It is my pleasure instead, Your Majesty」 「Abraham, or Abe is enough」 「Then, please call me Luka」 Are? Arerere?? Somehow, the two suddenly got along? What the heck is going on here. 「Hou, you mean Lucio deciphered the Grimoire, and resurrected to this world an ancient magic huh」 「Umu, I was really surprised by that. To think that the ancient magic that controls the weather, right. Right now, it was only to be expected of Senjukou」 「I also have that kind of episode. Do you know, Lucio have the hobby of reading Grimoires the second time」 「Reading it the second time?」 「That’s right, it is the hobby of reading the Grimoire he once read, the second time」 「Unbelievable! To read Grimoire like that」 「As expected of Lucio」 「Umu, as expected of Senjukou」 Inside the living room, the two old men who really got along was having a lively discussion. The was no trace of the simmering atmosphere earlier, but, with this like this, it’s uncomfortable. The two who was getting fired up, take a stop to praise the hell out of me, so I felt like I want to enter a hole if there was one. 「By the way, Senjukou made this for me」 The King said that, and took out the anime gemstone that I made. He made played it, and streamed the anime on the wallーーwas he walking with that around! 「Mu! I know, I received something like this from Lucio. Lucio, the Grimoire that you bought for me earlier, I was able to read it」 「Mu!」 ......when I was thinking they were getting along, they scattered fiery sparks again. Arerere?, what’s going on here? This day, the two Ojii-san got along with each other, scattered fiery sparks with each other. That was repeated a lot of times, and I who was in the middle of it, didn’t feel alive.
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「おはよう」 朝のリビング、そこにマミがいた。 マミはじっと天井を見つめていたが、おれが声を掛けたからこっちを向いた。 昨夜の事を思い出す、また撫でてやろうと思って近づいた。 「......どいて」 マミはおれの横を通り抜けて、リビングから出て行った。 おれは首をかしげた。 昨夜とは180度違う、つんつんした態度だ。 「しらない内になんかやって怒らせたのか? いやあれから寝て起きただけだし......」 何があったのかまったくわからなかった。 そんな風に首をかしげていると、遠くからパシャーン、という水音が聞こえてきた。 大量の水をぶちまけた音が、家の外から聞こえてきた。 おれは外に出た。そこにココがいた。 可愛らしい、マミよりちょっと小柄な犬耳の少女、ココ。 ココは濡れていたが、ぷるぷると体を震わせて、水をはじいた。 まるっきり犬のような仕草だ。 「どうしたんだ?」 「ごめんなさいぃ、多分マミだと思うですぅ」 「多分?」 「はい......」 ココはそう言って足元を見た。そこに空のバケツがあった。 かぶった水はこのバケツの中にある物なんだろう。 「マミが自分から水をかぶってお前に変身したっていうのか?」 「はい......多分そうですぅ」 「多分? マミとお前は同じからだの違う人格なんだろ? わからないのか?」 「わたしとマミは直接話せないんですぅ。どうしても話したいときはこうして......」 ココはその場でしゃがんだ、指を出して地面をなぞって土の上に文字を書いた。 「こうして手紙を書いたあと水をかぶるんですぅ」 「文通......いや交換日記みたいだな、まるで」 というか......それは不便だし、何より切ない。 「おれはてっきり、おまえたちは心の中で話せるもんだと思ってたよ。多重人格ってそういうのが約束だしな」 「?」 ココは首をかしげた、おれが言ってることがわからないって顔だ。 「じゃあ、本当も話した事がないのか。声を聞いたことも?」 「ふむ」 おれはあごを摘まんで、考えた。 読んできた1000冊以上の魔導書、使える1000以上の魔法を脳内検索する。 一つだけ、使えそうな物があった。 「ちょっとじっとしてろよ?」 ココに言って、手のひらをかざして、魔法を唱える。 「タイムシフト」 光がココの体を包む。 次の瞬間、その横にマミがあらわれた。 同時におどろいた。 「あなた......ココ?」 「マミなんですかぁ?」 顔合わせ自体はじめてみたいだ。二人は互いを見て驚いてる。 ココがおれをみた。 「タイムシフトって魔法だ。ものすごく簡単に言うと、未来にある物を一時的に前借りする魔法」 「そう、そこにいるマミ後くらいから持ってきた、未来のマミだ」 「何言ってるのかよく分からないんだけど」 マミがぶすっとした顔でおれをみた。 もうちょっとわかりやすく説明した方がいいか。 「魔法で五分間だけ会える様にしたんだ」 「そんな事が出来るなんて、あなた何者」 「そんな事より」 おれは二人の肩をつかんで、互いに向き合わせた。 ココとマミ、犬耳の子と猫耳の子。 二人は互いを見た。 「は、初めましてぇ......、ココです」 「し、知ってるわよそんなの。その毛、いつも抜け毛でみてるもん」 「わたしもですぅ! マミの匂い......残り香をいつも嗅いでますぅ」 「そう。あんた......そういう声だったんだ」 「マミはそういう顔だったんだぁ......」 二人は互いをまじまじと見た。 ぺたぺた触って、感触を確かめ合った。 「マミッ!」 ココが感極まった様子でマミに抱きついた。 「ちょ、ちょっと何するの!」 「会いたかったですぅ、ずっと会いたかったですぅ」 「......」 最初は困っていたマミだが、ココの告白を聞いて目を細めた。 抱きしめてきたココをそっと抱きしめ返す。 体を寄せ合う犬と猫は見てて微笑ましかった。 やがて、時が来る。 現われた時と同じように、マミがフッと消えた。 「マミ?」 「時間切れだ」 「そうですかぁ......ありがとうございますぅ。あなたのおかげでマミに会えましたぁ」 「はい!」 「それじゃあ、回収しないとな」 「回収ぅ?」 不思議がるココ、おれはバケツをとって、水を汲んできた。 そのまま何も言わず、水をぶっかける。 「きゃあ!」 ココがマミに変身した。 朝起きたときと同じ、ツンツンしてたマミに。 「ちょっと、何するのよ」 マミが突然消えた。タイムシフトの後払いで、五分前に飛んだのだ。 今ごろココとあってるんだろうな。 「......いや、過去に飛んでるんだから今ごろとかじゃないか」 くっくと笑った。なんかちょっと面白かった。 そこで五分間待った。マミが戻ってきた。 「お帰り。ちゃんと会えたか」 「......会えたわよ」 「そりゃ良かった」 タイムシフト自体は使ったことあるけど、生き物に使ったことはなかったから、ちょっと不安だった。 でも成功したみたいで、何よりだ。 ココとマミ、二人が抱き合ってる姿を思い出す。 たまにまた、会わせてやろうかなと思った。 「......ありがとう」 マミが何かつぶやいた。考え事してたから聞き取れなかった。 「なんか言ったか?」 「――っ、なんでもない!」 マミはそう言い捨てて立ち去ってしまった。 さり際の顔がにやけてるように見えたから、おれはますますやって良かったと思った。
「Good morning」 Morning in the living room, Mami was there. Mami was staring at the ceiling, but when I called out to her, she faced here. I remembered last night, I’ll caress her again, I thought of that and approached. 「......move」 Mami passed through my side, and went out of the living room. I tilted my head. It was degrees different from last night, her attitude was like *TsunTsun*. 「Did I do something that made her mad without knowing? But even if you say that, I just went to sleep after that......」 I didn’t have a clue at all on what had happened. When I was tilting my head like that, from far away, *Shapaーn* I heard a water sound like that. It was the sound of large amount of water being thrown, I heard it from outside of the house. I went outside. Coco was there. A very lovely girl with dog ears that has a smaller body figure than Mami, Coco. Coco was wet, but *BuruBuru* she shook her body, and flicked the water. It was the same gesture like a dog. 「What happened?」 「I’m sorry?, probably, I think it was Mami?」 「Probably?」 「Yes......」 Coco said that and looked at her feet. There was an empty bucket there. The water that was on her was probably the one inside the bucket. 「Are you saying Mami dropped water on herself and changed to you?」 「Yes......probably, that’s right?」 「Probably? Mami has the same body but different personality than you right? Don’t you know?」 「Mami and I can’t talk directly to each other desu?. If we really wanted to talk, like this......」 Coco squatted on her spot, reaches out her finger to the ground, and writes words by tracing on it. 「Like this, after writing a letter, we drop water to ourselves desu?」 「Exchange lett......no, like an exchange diary, huh」 I mean......that’s inconvenient, and has no ends. 「I was thinking of it surely, that you can talk to each other inside your mind. That’s the cliche too on multiple personalities」 「?」 Coco tilted her head, it’s a face that she had no clue about what I was talking about. 「Then, you really had not talked to each other even once. Even hear each other’s voice?」 「Fumu」 I pinched my chin, and thought. Within more than a thousand Grimoires that I’ve read, I searched inside of my head a magic than can be used within that thousand. There was only one, that seemed to be useful. 「Can you not move for a while?」 I told Coco, and reached out my palm, and chanted the magic. 「Time Shift」 Light envelopes Coco’s body. The next instance, Mami appeared on her side. The two were surprised at the same time. 「You......Coco?」 「Are you Mami desuka??」 Facing each other itself, seems to be their first time. The two looked at each other and was surprised. Coco looked at me. 「It’s the magic called Time Shift. If I say it very simply, it’s the magic that borrows what originally in the future temporarily」 「Right, Mami who is there, I brought her from about minutes later, the future Mami」 「I can’t understand what you’re talking about though」 Mami made a frowning face, and looked at me. Maybe I should explain it a little more simple huh. 「I made it that you can meet each other for five minutes using magic」 「Being able to do that, who the hell are you」 「Rather than that」 I placed a hand on the two’s shoulder, and made them look at each other. Coco and Mami, a girl with dog ears and a girl with cat ears. The two of them looked at each other. 「I-It’s nice to meet you?...... I’m Coco desu」 「I-I know it, something like that. That fur, I always look at them fallen you know」 「I’m the same desu?! Mami’s smell......I was always sniffing at the lingering scent desu?」 「Is that so. You......your voice sounded like that」 「Mami’s face looks like that huh?......」 The two of them looked at each other very intently. *PetaPeta* they touched, and confirms how they feel, both of them. 「Mami!!」 Coco was seemed like she was moved, she jumps and hugs Mami. 「W-What are you doing!」 「I wanted to meet you desu?, I wanted to meet you ever since desu?」 「......」 At first, Mami seemed troubled, but to Coco’s confession, she squints her eyes. Coco who was hugging, she hugged her back softly. Seeing the cat and dog that were touching each other was very pleasant. Finally, the time has come. Just like the time that she appeared, Mami disappeared in an instant. 「Mami?」 「It’s time limit」 「Is that so?......thank you very much?. Thanks to you, I had met Mami?」 「Yes!」 「Well then, it should be recovered then」 「Recover?」 Coco looks strangely, I took the bucket, and scooped water. Just like that without saying anything, I splashed water on her. 「Kya!」 Coco changed to Mami. The same when I woke up this morning, to Mami who was *TsunTsun*. 「Wait, what are you doing」 Mami suddenly disappeared. It was the after payment of the Time Shift, and she jumped to five minutes before. Right now, she should be meeting Coco. 「......no, she jumped back to the past so it isn’t right now huh」 *Khukhu* I laughed. It was somehow funny. And there, I waited five minutes. Mami returned. 「Welcome back. Did you meet her properly」 「......I met her right」 「Well, that’s good」 I had used Time Shift itself, but I hadn’t used it on living things, so I was a bit worried. But it looks liked it succeeded, so it’s good. Coco and Mami, I remembered the appearance of the two of them hugging each other. Sometime soon, I should let them meet each other, I thought. 「......thanks」 Mami mumbled something. I was thinking about things, so I couldn’t hear it. 「Did you say anything?」 「ーー! It’s nothing!!」 Mami said that, and went away. I saw that she was grinning while she went away, so I more and more thought, that it was good that I did that.
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巨大迷路の中をナディアが走っていた。 迷路の壁は木の板で出来ていて、数歩進むごとにドアがある仕組みだ。 ナディアは次々とドアを開いて先に進む、が。 「こっちも行き止まりじゃん!」 ドアを開いて入ったそこは小さな部屋の様な空間だった。 ナディアはすぐ様引き返して前のドアに戻って、違う方のルートを行った。 「あと30秒ですわ」 「頑張ってナディアちゃん」 空から少女たちの声が聞こえてくる。 ベロニカは急かしつつ楽しんでるような声色で、シルビアは純粋に親友を応援してるって感じだ。 「30秒!? あわわわ、どうしようどうしよう」 制限時間をきいてますます走る速度をあげるナディア。 ドアを開けて、進む。 ドアを開けて、引き返す。 ドアを開けて――水の中に突っ込んでしまう。 「終了ですわね」 「ナディアちゃん惜しい」 水の中に突っ込んだナディアはそこをでると、体が びしょ濡れになったナディアに、シルビアがタオルを持って駆け寄る。 それで頭を拭きながら、ナディアはそばにある巨大迷路の ミニチュアサイズの巨大迷路の端っこでドアが開けた状態でゆらゆら動いてて、その先の それの、更にすぐ横に。 「あー、右に行ってたらゴールだったじゃん!」 「うん、最後のドアだった」 「もう、悔しいな。せっかくここまで来たのに」 「はいよ」 ちょっと離れた所で見守ってたおれが応じた。 二つの魔法を使う。 はベロニカの体を小さくするもの、もう一つはミニチュアサイズの巨大迷路を作り替えるもの。 小さくなったベロニカが入り口にたって、巨大迷路はその入り口とまわりの池を残して、内部の構造を作り替えた。 「行きますわよ」 「じゃあスタートで」 おれとシルビアとナディアが観戦する中、ベロニカがドアを開けて巨大迷路に飛び込んでいく。 「あ、そっちは――」 「ダメだよナディアちゃん。反応しちゃだめ」 シルビアが慌ててナディアの口を押さえたが、それを聞いたベロニカがにやりとして、手をかけたドアから離れ、別のドアに入った。 ランダムで生成した巨大迷路のダンジョン。 そのランダム故に、最初のドアから池ぽちゃになってしまっていた。 それをナディアが思わず声をだして、ベロニカは運良く回避した。 「面白いねルシオくん。これ、自分で進むのも面白いけど、外からみるのも面白いね」 「そういうもんだ。人狼ってゲームと似てるな。リタイアしたあともニヤニヤして見てられる」 「うん! ニヤニヤだよね。って人狼ってなに?」 「そっちは今度な」 「うん、わかった!」 ナディアは大きく頷いて、シルビアに向かっていった。 「次はシルヴィの番だね。今のうちに対策をたてておこっか」 「でも始まるまでにルシオ様が魔法で中を変えてしまうのよね。だったら対策の立てようがないと思うけど」 「そうでもないよ。あたしおもうんだけど、最初からずっと同じ方向に曲がってたら出られるんじゃないかな。ずっと右だけとか、ずっと左だけとか」 「そ、そうなのルシオ様」 「まあ、それは一つの攻略法だけど――」 「良いことを聞きましたわ」 ベロニカがまたしても迷路の中でニヤリと笑う。 「ずっと同じ方向ですわね。ならこのさきずっと右にいけば――」 小さく声を上げるシルビア。 二つあるドアのうち、宣言通り右のドアを開けたベロニカは、勢いよく池に突っ込んでしまった。 元のサイズに戻ったベロニカはびしょ濡れのままおれに詰め寄ってきた。 「ずっと同じ方向に行けばゴール出来るんじゃなかったんですの!?」 「いや、あれは出口が一つしかない時の攻略法で。こいつは壁際が全部出口のようなもんだろ。ほとんどが池行きになってるだけで」 「うぅ......」 迷路を見て、呻くベロニカ。 おれが言った事がすぐに理解できたけど、それでも腹がおさまらないって感じだ。 「もういいですわ! つぎ、シルビアあなたの番よ!」 「うん。じゃあ、お願いします、ルシオ様」 「ああ」 今度はシルビアに魔法をかけつつ、迷路も作り替えた。 迷路に足を踏み入れるシルビア。性格からか、ドアを一つ開けるのにもかなり慎重な感じだ。 慎重に慎重に、迷路を攻略して、進んでいく。 「ねえ、ルシオ。このままだと......」 「ああ、間違いなく時間切れになる」 「そういえば時間切れになったらどうなるの?」 ナディアとベロニカが同時におれを見た。 「説明するより見た方が早いな......ほら出たぞ」 「ああ、こうなりますのね」 「わわ、シルヴィ逃げて逃げて」 「え、え、えええええ?」 小さくなったシルビアが慌てた。 「あれは......ひどいですわね。あれに追いつかれるのなら素直に水に落ちた方がましですわ」 ベロニカが感想を漏らす。 うん、そのために設定したものだからな。 巨大迷路のなかから小さなバケツのようなものが出てきた。 バケツの中は黒い墨汁がなみなみと入ってて、自走して迷路を進んでる。 タイムアップした攻略者を探して墨汁をぶっかけるというものだ。 「シルヴィ逃げてー」 「見てる分には楽しいですわね」 「ちなみに」 おれが言った直後、二つ目のバケツが現われた。 「時間経過で増量する」 「ああ! だめシルヴィ、そっちに行ったら挟み撃ち――」 ナディアが警告する間もなく、シルビアはバケツにつかまって、墨汁をぶっかけられてしまった。 元に戻ったシルビアはちょっと泣き顔だ。 「うぅ、ひどいですルシオ様......」 「悪い悪い、お詫びに拭いてやるよ」 おれはタオルを受け取って、魔法を使いつつシルビアを綺麗にした。 「よし、綺麗になった」 最後におでこにちゅ、ってキスをしてやる。 「......」 「次はどっち?」 じっとおれを見つめるベロニカと、逆にわくわくした顔で迷宮を見つめてるナディア。 そして、ベロニカ二回目の挑戦。 「あれ、動かない」 「どうしたの? うごかないとタイムアップになっちゃうよ」 不思議がるシルビアとナディア。 ベロニカは入り口から入った最初の部屋に止まったまま動かなかった。 やがてバケツが出てきて、彼女は墨汁まみれにされる。 「なんで動かなかったの?」 戻ってきたベロニカを不思議がって聞くナディアは。 ベロニカは答えず、一直線におれに向かってきた。 「あたくしを拭いてくださいな」 「ああ」 シルビアの時と同じようにタオルと魔法の併用で拭いてやった。 「うん、これでいい」 「それだけですの?」 ベロニカは不満そうにおれをジト目でみた。 「もっとこう、綺麗にしたあとに何かありますでしょう」 「綺麗にした後?」 なんだろうと首をかしげる。 「うーん、綺麗になったな。って位?」 「え、い、今なんと?」 「え? ベロニカが綺麗になった?」 それがどうしたんだろう、って思ったけど。 「綺麗に......」 ベロニカはぽっ、って顔を赤くしてうつむいてしまった。 なんだ? 「あっ、そういうことなんだ」 「なになに、どういう事?」 「えっと、私の時は――で、ベロニカさんの時は――だったから」 シルビアがナディアに耳打ちする。 こっちにはよく聞こえなかったが、されたナディアは徐々に目を見開いていく。 「なるほど! ルシオくん、次あたし!」 テンション急上昇してMAXになったナディアを小さくして迷路に送り込む。 「こっちかな、こっちかな。まだかな、早くでてこーい」 どういうわけか、ナディアはまともにダンジョンを攻略する事なく、開けたドア、安全な部屋を行き来した。 「はい。ああした方が早く遭遇します」 「なるほど。まあ仕方ないですわね」 シルビアとベロニカがなんか訳知り顔で頷きあった。 やがてタイムアップして、ナディアは、出現したバケツに自分から突っ込んでいった。 そして戻ってきたナディアは。 「ルシオくん! 拭いて拭いて、おでこにキスして綺麗だっていって」 「......」 それでわかった。 シルビアとベロニカを見る。 シルビアは恥ずかしそうにうつむいてしまい、ベロニカはしれっとすっとぼけた。 おれに何かして欲しくて、わざと突っ込んでったのか。 ......おいおい、ゲームにならないだろうがそれ。 ゲームにならないが。 「ルシオくん、早く!」 満面の笑顔でわくわくしながら急かしてくるナディアの姿をみて、まあいっか、って思ってしまうのだった。
Nadia is running inside a giant labyrinth. The labyrinth’s walls are made of wooden planks, and made that there would be doors every several steps. Nadia opens the doors and advances one next to the other, but. 「Isn’t this a dead end too!」 That place she entered after opening the door was a space that was like a small room. Nadia immediately turned back, returned to the last, last door, and went to a different route. 「Only seconds left desu wa」 「Do your best, Nadia-chan」 Girls’ voices could be heard from the sky. Veronica’s were with a tone that was enjoying and making her rush, and Sylvia’s were purely cheering after her best friend. 「 seconds?! Awawawa, what should I do, what should I do」 Hearing the time limit, Nadia increased her running speed more and more. She opened the door, and advanced. She opened the door, and turned back. She opened the doorーーand plunged into the water. 「It’s finished huh」 「Nadia-chan, so close」 When Nadia who plunged into the water left from there, “the size of her body returned to normal”. To Nadia who was drenched, Sylvia ran carrying a towel. And wiping her head with that, Nadia looked at the giant labyrinth’s “model” beside her. In the corner of the miniature sized giant labyrinth, the door that was left open was moving, with the lake(puddle of water) that has ripples ahead. And right next to that. 「Ah?, isn’t it the goal after I go to the right!」 「Un, it was the last door」 「Ohh, so frustrating. I almost made it」 Watching from a little distance, I answered. I will use two magic. One of them would make Veronica’s body smaller, and the other that would remake the structure of the miniature sized giant labyrinth. Veronica who became little stood in the entrance, and without touching the entrance and the lake, I changed the structure of the giant labyrinth. 「Then, let’s start」 With Sylvia, Nadia, and I watching, Veronica opened the door and jumped into the giant labyrinth. 「Ah, that place isーー」 「No, Nadia-chan, you shouldn’t. You shouldn’t react」 Sylvia covered Nadia’s mouth in a hurry, but Veronica who heard that made a grin, left the door that she was about to reach out to open, and entered a different door. A giant labyrinth dungeon that is randomly generated. And because it is random, the first door was a lake falling trap. Nadia couldn’t help but raise a voice with that, and Veronica luckily avoided it. 「It’s so interesting, Lucio-kun. This, it’s also fun advancing personally, but it also looks interesting from outside」 「It’s something like that. It’s similar to a game called Werewolf. After you were eliminated, you can watch while grinning」(TL: Also known as Mafia) 「Un! You’d grin right. By the way, what’s Werewolf?」 「Let’s have it for next time」 「Un, I got it!」 Nadia made a huge nod, and went towards Sylvia. 「It’s Sylvie’s turn next huh. Let’s make plans beforehand」 「But, it will change until before starting with Lucio-sama’s magic right. Then, I don’t think that you can have plans」 「That’s not true at all. I think, if you would go to the same direction from the start, you can get out. Like, always to the right, or always to the left」 「I-Is that true, Lucio-sama」 「Well, that is one of the strategies butーー」 「I heard something good」 Veronica once again made a grin inside the labyrinth. 「The same direction, was it. Then, if I would continuously go to the right hereーー」 Sylvia raised a small voice. From the two doors, Veronica who had opened the door just like she had declared, she had plunged into a lake with good momentum. Veronica who was drenched and had returned to her original size confronted me. 「Did you not say that it would be the goal if I go to the same direction?!」 「No, that’s a strategy used when there’s only one exit. This one has walls that are like an entrance right. It’s just that most of it connects to a lake」 「Uu......」 Looking at the labyrinth, Veronica groaned. She was like, understood what I said immediately, but couldn’t contain her anger. 「Whatever desu wa! Next, Sylvia, it’s your turn!」 「Un. Then, please take care of me, Lucio-sama」 「Ahh」 While casting magic to Sylvia this time, I remade the labyrinth. Sylvia entered the labyrinth. Is it because of her personality, it feels like she’s very cautious opening a door. Cautiously and carefully, she is advancing to clear the labyrinth. 「Ne?, Lucio. If this continues......」 「Yeah, she would reach the time limit with no doubt」 「Come to think of it, what would happen after the time’s up?」 Nadia and Veronica looked at me at the same time. 「It would be faster to just look rather than explaining......look, there it is」 「Ahh, it would be like this huh」 「Wawa, Sylvie, run, run?」 「Eh, eh, ehhhhh?」 Sylvia who got little panicked. 「That is......how cruel. If you’re going to be chased by that, it would be better to fall into water」 Veronica said her opinion. Un, I set it like that after all. A small bucket-like thing appeared inside the giant labyrinth. The bucket was full of black ink, and advances through the labyrinth running by itself. It’s something that would search for the challengers who have reached their time limit and throw ink to them. 「Sylvie, run away?」 「Looking at it is very fun huh」 「By the way」 The moment I said that, the second bucket appeared. 「It increases with time」 「Ahh! No, Sylvie, if you go there, you’d get caught betweーー」 Shortly after Nadia’s warning, Sylvia was caught by the buckets, and was covered by ink. Sylvia who had returned was making a slightly teary face. 「Uu, you’re so bad, Lucio-sama......」 「Sorry, sorry, as an apology, I’ll wipe it for you」 I took the towel, and made Sylvia pretty while using magic. 「Yosh, you became beautiful」 At the end, I kissed her on her forehead. 「......」 「Who’s the one next?」 Veronica stared at me with squinted eyes, and Nadia was looking at the labyrinth with an excited face instead. 「I will go」 And, Veronica challenged for the second time. 「A-re, she wouldn’t move」 「What happened? If you don’t move, the time would be up」 Sylvia and Nadia thought of it strangely. Veronica stayed in the first room after the entrance without moving. The bucket finally came, and she was now covered in ink. 「Why didn’t you move?」 Nadia asked Veronica who had returned strangely. Veronica didn’t answer, and moved straight towards me. 「Please wipe me too」 「Ahh」 Just like with Sylvia, I wiped her using the towel and magic. 「Un, that’s good」 「Is that all?」 Veronica stared at me with squinted eyes and dissatisfaction. 「Just like, you know, there’s something after you wipe it off right」 「After I wiped off?」 I wonder what it is, I tilted my head. 「U?n, “you became beautiful.” Is that it?」 「Eh, w-what did you say right now?」 「Eh? Veronica became beautiful?」 What’s up with that, I thought, but. 「Beautiful......」 Veronica’s face reddened like *Puff*, and looked down. Why? 「Ah! It was like that huh」 「What, what, what do you mean?」 「E?to, in my case, it wasーー, and in Veronica-san’s case, it wasーー, so」 Sylvia whispered to Nadia’s ears. I couldn’t hear it well, but Nadia who heard that gradually widened her eyes. 「I see! Lucio-kun, I’m next!」 「Y-Yeah」 I made Nadia who was suddenly in maximum tension small, and made her enter the labyrinth. 「Is it here, or is it here. Is it time yet, hurry up and come??」 For some reason, without trying to clear the dungeon properly, Nadia comes and goes through rooms that were safe. 「Yes. Doing that would make her encounter it more quickly」 「I see. Well, it can’t be helped huh」 Sylvia and Veronica, nodded at each other as if they knew what it was about. The time was finally up, and Nadia, she charged herself to the bucket that appeared. And Nadia who had returned. 「Lucio-kun! Wipe me, wipe me, kiss me on my forehead and say that I’m beautiful」 「......」 I got it with that. I looked at Sylvia and Veronica. Sylvia looked down shyly, and Veronica acted as if nothing happened. She wanted me to do something, and charged with it huh. ......oi, oi, this wouldn’t work as a game. It wouldn’t work as a game, but. 「Lucio-kun, hurry!」 Looking at Nadia’s appearance that makes me hurry with an excited smile, “Well, whatever”, I thought.
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「......これが兄さんが買った屋敷なの?」 目の前の光景におれは絶句した。 おれの後ろでシルビアとナディア、マミも似たようなものだ。 「......左様でございます」 ここまでおれたちアマンダも普段より声のトーンが低い。 あきらかに呆れてる、そんな声のトーンだ。 それもそのはず、おれ達の前にある屋敷は屋敷でも、もはや幽霊屋敷と呼んだ方がいい代物だ。 屋根はぼろぼろ、窓もガラスが割れている。壁はところどころ剥がれてて、観音開きの正面玄関も扉が半分壊れている有様。 敷地内は至る所に草がぼうぼうと生えて荒れ放題と、とても人が住めそうな場所ではない。 「ルシオ様、わたし、中を見てきますね」 「あたしに行く」 「い、一緒に行ってやらなくもないわ」 が次々と屋敷の中に入っていった。 残されたおれは深いため息をついた。 「なんだってこんなのを買ったんだ?」 「とにかくすぐに屋敷がほしい、との事でしたので。それに......」 「それに?」 「即決で購入なさったため、かなり割高で買ったとか。具体的には相場の倍」 「倍って......おいおい」 相変わらず想像の斜め上の事をやるヤツだな、イサークよ。 「しかもそれが、『新築』である事を前提にした相場でございます」 ......更に斜め上にいったよあいつ。 それってヘタしたらこの屋敷の現在の価値の十倍近くの値段を出してないか。 本当に何がしたかったんだよあいつ。 「と言う事ですのでルシオ様、僭越ながら、これをルシオ様が無理に引き取らない方がよろしいかと」 アマンダがそういった。顔はちょっと心配そうだ。 「いや、大丈夫だ」 「ですが」 「げほ、げほげほ」 シルビアが咳き込みながら屋敷から出てきた。 「どうした。大丈夫かシルビア」 かけよって、背中をさすってやる。 シルビアは涙が出るくらい盛大に咳き込んで、くしゃみもした。 よく見れば目もなんだか腫れている。 「ご、ごめんなさいルシオ様。屋敷の中のほこりがすごくて」 納得した、外から見てもこんな有様だし、中はもっとすごいんだろうな。 「ところでナディアは?」 「ナ、ナディアちゃんはもうちょっと見て回るって。変な気配がしてワクワクするって言ってました」 「なんで住むための屋敷でそんな探検っぽい台詞が出てくるんだ?」 咳を続けるシルビアの背中を更にさすってやると、横に気配を感じた。 顔を上げるとマミがそこにいた。猫耳の少女はなんと口にネズミをくわえていた。 ......ネコだなあ。 「それは?」 「獲った」 「獲ったのか」 「まだあるから、もっと獲ってくる」 ネズミを地面において、また屋敷の中に飛び込むマミ。 わかりにくいけど、彼女もナディアと同じでワクワク組か。 げんなり組はおれとシルビアとアマンダの三人だ。 敗走してきたシルビア、探検を続けるナディア、狩りに戻っていくマミ。 「......すごい屋敷だな、おい」 「無理に引き取らない方がよろしいかと」 アマンダが同じ言葉をリピートした。 ちょっとだけむっとしてるのは多分イサークに対しての怒りだろうな。 普通に考えたらアマンダの言うとおりにした方がいいけど、ここで投げ出すのはなんだかなあと思った。 「いいよ、おれが引き取る」 「ですが、これでは住むのも......」 「何とかする」 おれは敷地に踏み込んで、魔法を脳内検索する。 ざっと思いつく限りで、使えそうな魔法ある。 片方は正統派なヤツで、片方はちょっと変則的なものだ。 どっちにしようかと考えて――後者にした。 「ナディア、マミ、出てこい」 大声を出して、ナディアとマミを屋敷の外に呼び出した。 おれが魔法を使うとみた二人は何も聞かずに出てきた。 ナディアはワクワクした顔でシルビアの横に立って、おれを見つめた。 おれは手をかざして、魔法を唱える。 「デイリーマンション」 魔法の光が光の泡になって屋敷を包み込む。 しばらくして、飲まれた屋敷の外見が変わった。 大分形はかわったが、その分新しく――普通に住める屋敷になった。 「おお、すっごいかわったね」 ナディアがキラキラ目で屋敷に駆け込んでいく、マミも同じように屋敷の中に入っていく。 しばらくして二人とも戻ってきた。 「普通すぎてつまんない......」 「獲物いなかった......」 と、どっちもしょんぼりしていた。 「それでいいんだよ。普通に住むところなんだから」 「あの......ルシオ様、これってどういう魔法なのですか?」 「そのうちわかる」 シルビアににやっと笑いかけた。 アマンダに振り向いて、言った。 「見ての通りだから。問題はない」 「はい」 アマンダは恭しく一礼して、感心しきった表情で言った。 「難題を一瞬で解決なさるとは、さすがルシオ様でございます」 「ルシオ様!」 翌朝、シルビアの慌てた声で起こされた。 ベッドから体を起こして、目をこする。 やけにまわりが明るい気がした。 「ふああ、おはようシルビア」 「おはようございます――じゃなくてルシオ様! 大変です」 「どうした」 「屋敷が透明になってます!」 目を開けてまわりを見た。 外が見えた。 正しく言えば、屋敷の壁とか床とかが全部ガラス張りのような透明なものに変わって、寝室にいるのに何枚かの透明の壁越しに外が見えた。 形は屋敷なのに、全部がすけすけのスケルトンハウスそのものになった。 「なるほど、二日目はこうか」 「こうかって......どういう事なんですかルシオ様」 「デイリーマンション。建物にかけると、その建物が毎朝違う建物に変わっていく魔法だ。まっ、日替わり定食か日めくりカレンダーみたいなものだ」 「えええええ、そ、そんなのもあるんですか」 「そうなんですか......じゃあ明日もまた違う屋敷になるんですか?」 「はあ......」 シルビアは複雑そうな顔をした。 一方で、ナディアは楽しそうだった。 伸びをして天井を仰いだ途端、上の階にいる彼女と目が合った。 こっちをじっと見つめて笑顔で手を振ってくるナディア。 こっちはスケルトンなのを楽しんでいるようだ。 「ルシオくんルシオくん」 次の朝はナディアに起こされた。 「ふあーあ。おはようナディア。今日はお前か」 「ルシオくん、この魔法ダメ」 どうしたんだろうと思って横を向くと......ベッドから転がり落ちた。 ぶつけた肩をさすって体をおこす。 寝ていたベッドはものすごく狭いベッドだった。 もはや平均台のようなベッド、転ぶのは当たり前――むしろよく今まで寝れたもんだ。 よく見たら部屋も、寝室のはずなのに倉庫みたいな感じであれこれ器具が詰め込まれている。 それらは微妙に家具にカスタマイズされてて、よくよく見れば面白く感じる。 「ねっ、ダメでしょ」 それが一番好きそうなナディアだったが、否定した。 「うん、なんでだ?」 「このベッドだよ。これじゃルシオくんと一緒に寝れないじゃん。毎日変わるのは面白いっておもったけど、ベッドまで変わるのはやだ」 「ふむ」 ナディアの言う事を考えた。 確かにその通りだ。 面白い家は楽しめるけど、ベッドの部屋を変えたくないのは確か。 広い部屋にキングサイズよりも大きいベッドを置いて、嫁達と一緒に寝るのが好きだ。 うん、この日替わり屋敷はダメだな。 「わかった、何とかする」 全員を屋敷の外に出して、魔法をかけた。 二つある魔法の内のもう一つ。 「リグレッショングローリー」 魔法の光が屋敷を包み込み、徐々に形を変えていく。 「ルシオくん、今度のはどういう魔法?」 「魔法をかけたものが持ってる、一番いい状態に戻す魔法だ」 「一番いい状態?」 「そう、まあ見てな」 屋敷が変わった。 昨日のスケルトンハウスに変わって、一昨日の普通の屋敷に変わる。 三日前の幽霊屋敷に変わった後は、まるで動画を逆再生するかのよう光景になった。 寂れていくのと逆の光景、少しずつなおっていく光景。 「こんな風にすこしずつ昔の状態、一番良かった時の状態に戻す魔法だ」 「戻すだけ?」 「そうだ」 「うん! それならちゃんと暮らせるね」 「よかった......」 シルビアもほっとした。 ナディアと違って、日替わりの家で彼女は一度も楽しめなかったから余計にほっとした感じだ。 魔法が加速する、早送りが続くと速さが上がるあの現象だ。 やがて早すぎて目で捕らえられなくなった。 「うん」 二人の嫁がそう言った。 やがて再生が止まる。 「うわあ、なにこれすごい」 「えっと......これが一番良かった時? ......そうかもしれない」 それぞれの反応をする二人の嫁、おれもちょっと微妙な顔をした。 屋敷の形はほとんど変わっていなかった。外見は幽霊屋敷の時とほぼ一緒だ。 しかし屋根が、壁が、装飾のそこかしこが。 なんと、黄金色に輝いていたのだ。 黄金屋敷として作られたんだろうな、最初は。 「ルシオ様、中は普通ですよ」 先に中に入った二人の嫁が言ってきた。どうやら金ぴかなのは外だけみたいだ。 とりあえず住んでみよう、ダメならまた別の魔法でなんとかすれば良いとおもった。 あれこれ考えたら、また色々思いついたし......魔導図書館でなにか覚えるかもしれないからだ。 こうして、おれは王都での屋敷を手に入れた。 のちにここが黄金屋敷と呼ばれる観光スポットになる事を、今のおれはまだ知らなかった。
「......is this the mansion Nii-san bought?」 I lost my words seeing the scene in front of me. Sylvia, Nadia, and Mami who was behind me was the same. 「......that is right de gozaimasu」 Amanda who guided us here also had voice of a lower tone than usual. She was clearly astonished, her voice was that kind of tone. She would surely become like that, even if the mansion in front of us can be called a mansion, it was a lot that should be called a haunted mansion. The roof is on tatters, the window glass also was shattered. Some of the walls have fallen down, and double doors placed in the front entrance was half-destroyed. Inside the lot, there were grass growing everywhere, and it doesn’t look like people can live on it. 「Lucio-sama, I will, go look inside」 「I will go too」 「I-I can also go if you really want me to」 The three entered the mansion one next to the other. Being left behind, I let out a deep sigh. 「Why did he buy something like this?」 「He ordered a mansion that can be bought as soon as possible, they said. Also......」 「Also?」 「Because he bought it without negotiation, it looks like it was bought expensively. Precisely, twice of the market price」 「Twice, you say......oi oi」 As usual, you’re always catching us unaware, Isaac. 「In addition, precisely, that was the market price if it was “newly constructed”」 ......he’s caught us one notch higher. That means, the price would’ve been ten times the current value of this mansion. Really, what does he want to do. 「With that said, Lucio-sama, excuse me for being presumptuous, but Lucio-sama shouldn’t push himself to take this」 Amanda said. She had a worried face. 「No, it’s okay」 「But」 「*Geho*, *GehoGeho*」 While coughing, Sylvia went outside from the mansion. 「What happened. Are you okay Sylvia」 I ran to her, and rubbed her back. Sylvia coughed so much that tears welled up in her eyes, and sneezes. If I look closely, her eyes was somehow sore. 「I-I’m sorry, Lucio-sama. The dust inside the mansion was so much」 I was convinced, it looks like this from outside, the inside is probably more terrible. 「By the way, where’s Nadia?」 「N-Nadia-chan said that she would look around a little bit longer. She said it was exciting because she felt a weird presence」 「Why are lines for adventure comes out from the mansion that we would live in?」 When I was rubbing Sylvia’s back who continues to cough, I felt a presence beside me. When I looked up, Mami was there. The cat ears girl, how can I say this, she had a rat in her mouth. ......as expected of a cat?. 「That is?」 「I caught it」 「You caught it huh」 「There’s still more, I’ll go catch more of them」 She left the rat in the ground, and Mami jumped into the mansion once again. It was hard to tell, but just like Nadia, she was also in the excited group huh. The fed up group was Amanda, Sylvia and I, the three of us. Sylvia who retreated, Nadia who continues to explore, Mami who came back to hunt. 「......this is an amazing mansion, huh」 「You should not push yourself to take it」 Amanda said the same words. She was a little annoyed was probably because of the anger against Isaac. Thinking about it normally, doing what Amanda said was for the best, but I thought that giving up with this, is somehow... 「It’s okay, I’ll take it」 「But, if it was like this, even living on it......」 「I’ll do something about it」 I stepped into the lot, and searched magic in my head. In the ones that I had thought of roughly, there was two magic that could be useful. One of them was orthodox one, and the other was a little atypical. I thought which one of themーーand I chose the latter. 「Nadia, Mami, come out」 I let out a loud voice, and called out to Nadia and Mami from outside the mansion. The two saw that I was going to use magic, and went out without asking anything. Nadia, with an excited face, stood beside Sylvia, and stared at me. I reached out my hand, and chanted the magic. 「Daily Mansion」 The light of the magic became a light bubble, and enveloped the mansion. After a while, the mansion which was swallowed changed its appearance. Its shape had changed very much, but instead, a newーーit became a mansion that came normally be lived in. 「Ohh, it changed very much」 Nadia ran into the mansion with her eyes shining, and Mami also entered the mansion just the same. After a while, the two came back. 「It was too normal, it’s boring......」 「There wasn’t prey......」 Just like that, both of them was disappointed. 「That’s good enough. It’s a place we’ll live normally you know」 「Uhm......Lucio-sama, what kind of magic is that?」 「You’ll know soon」 I grinned to Sylvia. I looked back to Amanda, and said. 「As you can see. There’s no problem」 「Yes」 Amanda bowed respectfully, and said with an impressed expression. 「To think that a difficult problem would be solved so easily, as expected of Lucio-sama de gozaimasu」 「Lucio-sama!」 The next day, Sylvia woke me up with a panicking voice. I raised my body from the bed, and rubbed my eyes. I felt that the surroundings was somehow very bright. 「Fuaa, good morning, Sylvia」 「Good morningーーI mean, Lucio-sama! It’s an emergency」 「What happened」 「The mansion became transparent!」 I opened my eyes and looked around. I could see outside. Precisely said, all of the walls and floors of the mansion changed into transparent glass, and even though we were in the bedroom, I could see outside through transparent walls. Even though it was shaped like a mansion, everything became a see-through skeleton house. 「I see, it became like this in the second day huh」 「Like this, you say......what does that mean, Lucio-sama」 「Daily Mansion. If casted to a building, it is a kind of magic that would change the building to another building everyday. Well, it’s something just like daily meal or tear off calendar」 「Ehhhhhh, t-there’s something like that desu ka」 「Yeah」 「Was that so......then, will it become a different mansion tomorrow again?」 「Ha?......」 Sylvia made a complicated face. On the other hand, Nadia was having fun. As soon as I stretched and looked up the ceiling, I met my eyes with her on the higher floor. She stared at me intently, and Nadia waved her hand with a smile. This one’s having fun because it was skeleton. 「Lucio-kun, Lucio-kun」 The next morning, Nadia woke me up. 「Fua?a. Good morning Nadia. It’s you today huh」 「Lucio-kun, this magic is bad」 What happened, I thought, and when I looked to the side......I fell from the bed. I rubbed my shoulder that hit, and raised my body up. The bed that I was sleeping in, became a very narrow bed. It was a bed that could be called as a balance beam, falling down is naturalーーrather, I’m impressed I could’ve slept until now. When I looked closely the room too, although it should’ve been the bedroom, it felt like a warehouse had all these kinds of tools. Those were somehow subtly customized to the furniture, and if I look very closely, it looked interesting. 「Ne! It’s bad right」 Nadia who seemed to like that very much, denied. 「Un, Why?」 「This bed. I can’t sleep with Lucio-kun with this you know. I thought that it’s interesting that it would change everyday, but I don’t want to change the bed」 「Fumu」 I thought of what Nadia said. Certainly, as she had said. It’s fun to live in an interesting house, but it’s certain that I wouldn’t want to change the bed in the room. I like to sleep with my wives in a wide room with a bed that was larger than king size. Un, this daily mansion is bad huh. 「I got it, I’ll do something about it」 I let everyone get out of the mansion, and casted magic. One of the two magic, the other one. 「Glory Regression」 The light of the magic enveloped the mansion, and gradually changed its shape. 「Lucio-kun, what magic is it this time?」 「It is magic that returns it to its best condition, what the magic was casted on」 「Best condition?」 「Right, well, just look」 The mansion changed. It changed to a skeleton house yesterday, and it changed to the normal mansion the day before that. After it changed into the haunted mansion three days before, it became a scene that looked it was rewinding. The opposite scene of being deserted, a scene that gradually fixes. 「Just like this, little by little to its past condition, it’s magic that returns it to its best condition」 「Just returning it?」 「That’s right」 「Un! If it’s like that, we can live normally huh」 「Thank goodness......」 Sylvia was relieved. Different from Nadia, she couldn’t enjoy the daily mansion even once, so it made it feel that she was more relieved. The magic accelerates, the same thing that happens that when forward continues its speed goes up. And finally, it got so fast it couldn’t be seen by the eyes. My two wives said. And finally, the rewinding stopped. 「Uwa?, what’s this, it’s amazing」 「Uhmm......is this the time when it was at its best? ......that might be it」 My two wives that reacted differently, I also made a subtle face. The mansion’s shape almost didn’t changed. Its appearance was almost the same with the haunted house. But the roof, the walls, and the decorations here and there. How can I say this, its was shining with gold. It was probably built as a golden mansion, in the start. 「Lucio-sama, it’s normal inside」 My two wives that entered inside first said. It looks like it was only outside that was shining with gold. For the mean time, let’s live in it, if it wasn’t good, then I will just do something about it with another magic, I thought. While thinking this and that, I also had a few idea......because I could learn something from the Grimoire Library. With this, I gained my mansion in the royal capital. That it would be called as Golden Mansion and become a tourist spot later on, was something I didn’t know right now.
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「......ほっ」 ベッドの上でシルビアが自分のお股のあたりをみて、ほっとした。 起き抜けで確認して、おねしょしてない事にほっとしたみたいだ。 「おはよう、シルビア」 「お、おはようございますルシオ様!」 ちょっと慌てるシルビア。 も念の為にお股とベッドを確認したのがちょっと可愛かった。 「どうしたんだ?」 「ううん、何でもないです!」 「そうか」 微笑ましい感じでシルビアを見た。 背後で寝ぼけた声が聞こえた。 振り向く――おれは吹いた。 「あははははは」 パジャマ姿のナディア、頭が寝癖で爆発してた。 まるでアフロみたいな感じのボンバーヘッドだ。芸術的ですらある。 「どーしたの......?」 本人は寝ぼけててわかってないのがまたちょっとおかしかった。 「わわ、ナディアちゃんの頭が大変な事になってる」 「シルビア、お前のクシをかして」 「はい! ぬらすためのお水もとってきますね」 シルビアからクシと水の入ったコップを受け取って、ナディアの寝癖を直してやった。 そんな事をしながら、おれは考えごとをした。 今日から新しい商売を考えないといけない。 水売りは続けるけど、独立するからにはもうちょっと他にも何かしたい。 シルビアとナディアとこんなのんびりした生活を続けるためには稼がないといけないからな。 問題は何をすれば良いのかだけど。 大抵の事は魔法でできてしまうから、なんでもいいんだ。 なにかきっかけさえあれば。 「なにかいい商売はないかな」 「お魚はどうですか、ルシオ様」 「魚? なんで魚?」 シルビアを見た。 「えと、お水から連想しただけです。ごめんなさい」 「よし、じゃあ魚釣りに行こうか」 朝ご飯の後、バルサの街を出て、シルビアとナディアとでのんびり歩いた。 右手でシルビアと、左手でナディアとつないでいる。 「あ、わんこ」 「違うよシルヴィ、あれはキツネだよ」 ナディアの言うとおり、道の先、草むらからキツネがひょこん、と顔を出している。 きょろ、きょろとまわりを見回してから、また草むらの中に引っ込んでいった。 「かわいい」 「エサをやってみるか?」 「エサ? 食べるもの持ってないよ」 「とればいい」 おれはまわりを見回す。 離れた所にリンゴの木があったからを待たせて、木の下にいった。 「ウインドウカッター」 覚えての魔法のうちの一つを使ってみた。 風の刃が木の枝を切り刻む。 リンゴが落ちてくるのをキャッチして、二つとって、二人の所に戻った。 「すごい......」 ナディアが目を見開いたビックリしてた。 「ルシオくんって、そんな魔法も使えるの?」 「ルシオ様は1000を越える魔法を使えるんだよ!」 「えええええ! すごい!」 ナディアが盛大に驚いた。 「たいしたことないよ。それより、はい」 リンゴをシルビアとナディアに渡した。 二人はリンゴを受け取って、キツネがいた草むらに向かっていく。 またひょこっと顔を出したキツネにえづけをする。 焦げ茶色のキツネと二人の女の子。おれは目を細めてそれを見守った。 二人はしばらくの間キツネとじゃれ合った。 おれの所に戻ってきて、手をつないできた。 そしてまた、歩き出す。 「ねえねえ、ルシオくんってどうしてそんなに魔法が使えるの? 魔導書をいっぱい読んだの?」 「おじいさんが集めた魔導書を全部読んだ」 「魔導書って、難しくない?」 「面白いぞ、魔導書」 「面白いの!? わたし、魔導書ってすごく難しいものだって聞いたけど」 「うん、すごく難しい」 シルビアはうんうん頷いた。 「それをすいすい読めるルシオ様はすごい人だよ!」 ナディアも尊敬の目でおれを見るようになった。 いや、マンガ読めるだけなんだが。 「ねえ、他にどんな魔法が使えるの?」 「基本的なのだと――ドレスアップ」 魔法をシルビアとナディアにかけた。 二人の着てる服が可愛らしい別の服に替わる。 「うわあああ......」 ますます尊敬の目で見られた。 一方のシルビアはちょっと得意げだった。 そんな二人と手をつないだまま、湖にやってきた。 「ルシオ様、ここで釣りをするの?」 「ああ、するつもりだ」 「でも釣り竿がないよ?」 「待ってて」 近くの木の下に言って、ウィンドウカッターを使う。切りおとした木の枝の強度を確かめて、先端に持ってきた糸をくくりつける。 「マジックハンド」 次の魔法を使った。 糸の先端、本当なら釣り針をくくりつける部分に白い「手」が現われた。 「手」がワッシャワッシャと動く。うん、いける。 それを二つつくって、シルビアとナディアに渡した。 「はい、これ使って」 「これ......釣り竿?」 「手になってる......」 「その手を動かすように念じてみて」 「えっと......うわ! 動いた」 「手」が、マジックハンドが動く。 二人はそれを湖の中に入れた。 「る、ルシオくん! 引いてるよこれ」 「引き上げて」 「うん!」 ナディアが思いっきり釣り竿を引いた。 湖から上がってきたのは、小魚を掴んでるマジックハンドだった。 「すごい!」 「面白い!」 二人はきゃっきゃ言いながら釣りをした。おれはもう一本マジックハンドの釣り竿をつくって、一緒になって釣りをした。
「......Ho」 On top of the bed, Sylvia put her hand to around her crotch, and was relieved. Waking up first and confirming it, she was relieved that she didn’t wet the bed. 「Good Morning, Sylvia」 「G-Good Morning, Lucio-sama!」 Sylvia panicked a little. The way she checked her crotch, and the bed one more time was very cute. 「What’s up?」 「U?un, it’s nothing!」 「I see」 I looked at Sylvia while smiling with a pleasant feeling. I heard a sleepy voice from behind. I turned aroundーーI burst out. 「Ahahahahaha」 Nadia in her pajama look, her head has exploded with her bed-hair. It’s a bomberhead that seemed like an afro. It might even look as art. 「What’s up......?」 It was more funnier since the person itself haven’t noticed at all. 「Wawa, Nadia-chan’s head is a mess」 「Sylvia, lend me your comb」 「Yes! I will also take water so you can damp it」 I took the comb and the cup filled with water, and fixed her bed-hair. While doing that, I was thinking of something. I need to think of a new trade starting today. I will continue selling water, but now that I’m independent, I want to do something different. To live leisurely with Sylvia and Nadia like this, I need to earn a little more. The problem is, I don’t know what to do. I can do almost anything with magic, so anything is good. If there’s just a spark. 「I wonder if there’s anything good for trade」 「How about fish, Lucio-sama」 「Fish? Why fish?」 I looked at Sylvia. 「Uhm, I just associated it with water. I’m sorry」 「Yosh, then let’s go catch some fish then」 After breakfast, we went out of the town of Barza, together with Sylvia and Nadia, the three of us walked leisurely. With my right hand to Sylvia, and left hand to Nadia, that I was holding. 「Ah, a dog」 「That’s wrong Sylvie, that’s a fox」 Just as Nadia has said, ahead of the road, *Hyokon* the fox was showing its face from the bush. *Kyoro*, *Kyoro* after it looked around, it went back to the bushes again. 「Cute」 「You want to feed it?」 「Feed? We don’t have any food you know」 「We can just get it」 I looked around. In a place that was a little far away, there was an apple tree, so I let the two wait and went to the tree. 「Wind Cutter」 I used one magic from the thousands that I’ve remembered. The blades of wind cuts the branch of the tree. I caught the apple that was fell, took two of them, and returned to the two. 「Amazing......」 Nadia widened her eyes, surprised. 「Does Lucio-kun, can also use that magic?」 「Lucio-sama can use more than a thousand magic you know!」 「Eeeeeeeh! Amazing!!」 Nadia was surprised a lot. 「It’s nothing special. Rather than that, here」 I gave the apple to Sylvia and Nadia. The two took the apple, and went towards the bush where the fox was. *Hyokon* fed the fox that showed its face again. A brown-colored fox, and two girls. I narrowed my eyes and watched them. The two played with the fox for a little while. Came back to where I was, and held my hands. And again, we started walking. 「Ne?ne?, why does Lucio-kun can use that much magic? Did you read a lot of Grimoires?」 「I read all of the Grimoires that Ojii-san collected」 「Isn’t Grimoire, difficult?」 「It’s interesting you know, Grimoires」 「Is it interesting?! I heard, that the Grimoires are very difficult though」 「Un, it’s very difficult」 *UnUn* Sylvia was nodding. 「Lucio-sama who could read that continuously is an amazing person you know!」 Nadia started to look at me with admiring eyes. I don’t know though, I can only read manga though. 「Ne?, what else can you do with magic?」 「If it’s like basicallyーーDress Up」 I casted a magic to Sylvia and Nadia. The clothes the two was wearing, changed to a different cute clothes. 「Uwaaaa......」 She made a more and more admiring eyes to me. On the other hand, Sylvia was a little proud. While I was holding my hands with the two, we arrived at the lake. 「Lucio-sama, are we going to fish here?」 「Yeah, that’s what I’m planning」 「But we don’t have fishing rods you know?」 「Wait a second」 I went to a near tree, and used Wind Cutter. I checked the durability of the branch that I cut off, and wrapped a string in the tip of it. 「Magic Hand」 I used the next magic. In the string’s end, in the place where you would usually place a needle, a white “hand” appeared. *WashaWasha* the hand moved. Un, it can go. I made two of that, and gave that two to Sylvia and Nadia. 「Here, use this」 「This......is it a fishing rod?」 「It has hands......」 「Think of it that you are going to move that hand」 「Uhmm......Uwa! It moved」 The “hand”, the Magic Hand moved. The two went inside the lake while taking that. 「L-Lucio-kun! It’s pulling」 「Pull it up」 「Un!」 Nadia pulled the fishing rod the best she could. What came up from the lake, was the magic hand that was grabbing a small fish. 「Amazing!」 「Interesting!」 *KyaKya* the two was letting out that while fishing. I made one more fishing rod with Magic Hand on it, and together we fished.
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バルサを出て、シルビアとナディア、ココ/マミを連れて王都・ラ=リネアについたのは春先の事だった。 道中は馬車の中でシルビア・ナディアとだらけきったいちゃいちゃをしてたから、意外と早く着いたって感じだ。 ラ=リネアに入って、とりあえずの宿を取った。 それなりの宿屋で、おっきい部屋屋。 泊まるのが嫁とペットだからこれでいい。 ナディアとココが窓から外を見ていて、シルビアはおれの方に向かってきた。 「お出かけですか、ルシオ様」 「ああ、とりあえず王立魔導図書館に行ってくる、その後すむ家を探してくる」 「わたし達は何をしてればいいんですか?」 「適当に都の見物をしてていいぞ」 「わかりました。行ってらっしゃいませ」 シルビアが言うと、窓辺にいるナディアとココも手を振ってきた。 をおいて部屋をでた。カウンターで筋肉マッチョのオーナーがいたので話しかけた。 「ねえねえ、王立魔導図書館ってどこにあるのー?」 「図書館? あんなところになんのようだ」 「ちょっとね、興味があるんだ」 「ふうん。それならここをでて、左にまっすぐ行って三つ目の通りで右に、そこから直進して行けばたどりつくぞ。他とは違う建物だ」 「他とは違う建物?」 「行けばわかる」 筋肉マッチョは同じ言葉を繰り返した。そんなにわかりやすい、目立つ建物なのかな。 「わかった、ありがとうおじちゃん」 子供モードでお礼を言って、宿屋を出た。 マッチョマスターの言われたとおりの道を進んだ。 ラ=リネアは王都だけあって、かなり賑やかだった。 人々が行き交い、活気に満ちあふれ、その上バルサにいた頃は見た事の無い様な商品があっちこっちの店で売られている。 落ち着いた色々見て回りたい、シルビアとナディアと一緒にあっちこっち回りたいと思った。 しばらく歩いていると、それが見えてきた。 「......なるほど、これはわかりやすい」 その建物は上下が逆さまだった! 大きくて、立派で、「王立」って言葉にふさわしいくらい綺麗な建物だった。 ただし上下が逆さまだ! まるで屋根が地面に突き刺さっているような、そんな感じのする建物。 他と違うって意味なら、間違いなくこれのことだ。 おれは入り口っぽいところから中に入った。 中は更におかしかった。 内部も上下逆さに出来てるのに、カウンターとかテーブルとか椅子とかは普通だ。 それでいて本棚は上下逆さで屋根から生え降りてる。 誰が、どうやってこんなものを作ったのか、ちょっと気になった。 「おう坊や、ここは子供が来る場所じゃないぜ」 声の方に振り向く、そこにでっかい男がいた。 身長は余裕ートルを超えてる。図書館ってよりはスタジアムが似合いそうな男だ。 その男は手に積み上げた本を持ってる。男に比べて本はものすごく小さく見える、感覚がちょっと狂う。 「迷子か? うん?」 「ねえ、ここって王立魔導図書館だよね」 おれは子供モードで聞いた。 「ああ、見ての通り国中から集めた魔導書を保管してる場所だ」 男はちらっと背後を見た。 広い空間に、多数の魔導書。 おじいさんが集めたものの数十倍はあって、さすが王立って言うだけある光景だ。 「じゃああってるよ」 「うん?」 「ぼくはルシオ・マルティン、これ」 ルビーからもらった羊皮紙を取り出して、男に渡した。 男は積み上げた本を片手で持って、羊皮紙を受け取って器用に開いた。 それを読む。最後まで読むと、男の顔色が変わった。 「坊やが新しく来る館長だったのか!」 男が驚いた、おれも驚いた。 館長? 「何それ」 「上の方から言われてたんだ、近いうちに新しい館長が来るって。王女様直々にスカウトしてきた大魔道士だって」 「ぼくそんな事を聞いてないよ? ルビー様には魔導書をもっと読みたいから、図書館に入る許可をもらっただけなんだけど」 「ちょっと待って」 男はカウンターの奥から紙を取り出した。 その紙をじっと見つめて、いう。 「やっぱりそうだ、バルサのルシオ・マルティンを新たに王立魔導図書館の館長として任命する。丁重に扱い、説明するように」 「あらら」 本当だったのかそれ。 でもまあ、よく考えたら図書館の本を自由に読みたいなら、館長ってのはすごく便利な立場だ。 ありがたく受けて、魔導書を全部読ませてもらおう。 「あー、おれはファン・クルス。よろしくな」 「ぼくはルシオ・マルティン。よろしくお願いします」 おれとファンは握手した。 あまりにも体のサイズ差があって、おれの手はファンの指くらいしかなくて、奇妙な握手になった。 「しかし、なんでまた坊やみたいなのが館長になったんだ? 名誉職かな」 「ぼくがこの世で一番、魔導書を早く読めるからかな」 「でっかく出たな」 「本当だよー」 多分だけどな。 「ふーん、そうだ」 ファンは何かを思い出したように図書館の奥に行った。そこから一冊の魔導書をとって、戻ってきた。 「ほら」 「新しい魔導書だ。まだ見つかったばかりの、この世界で一冊しかない魔導書。だれも読めてないし、どんな魔法になるのかわからないヤツだ」 ファンはそれをおれに突き出した、ちょっと意地悪な顔だ。 読めるなら読んで見ろ、って言う顔である。 おれは魔導書を受け取って、開く。 切ないマンガだった。 雨を題材にした泣ける系のシナリオだけど、最後は大団円の感動エンドを晴れと共に迎えるって構造だ。 それを最後まで読むと、頭の中に魔法が浮かび上がった。 なるほどそう言う魔法か。 「どうだい」 「うん、覚えたよ」 「へっ?」 「ちょっと試して見る」 魔導書をおいて、外に出た。 ひんやりする図書館の中とは違って、春を迎えた王都・ラ=リネアは温かい南風が吹いていた。 ファンがついてきた。 「何をするんだ?」 「あの魔導書の魔法を使ってみる」 そう言って、目を閉じてイメージした。 そのイメージを強く持って、手をかざして、唱える。 「ウェザーチェンジ・スノー」 唱えた後、今までで最大級の脱力感を覚えた。 魔力がごっそりと持って行かれる程の脱力感。 それは、成功を感じさせる脱力感でもあった。 「な、ななななな!」 ファンが驚く、おれは目を開けて空を見る。 さっきまで暖かい陽気だった空が曇り、雪が降ってきた。 天気を変える古代魔法。魔力を大量に必要だけど、相応の効果・現象を引き起こす魔法だった。 成果をだしたおれはファンに聞いた。 「しゅ、しゅごい......」 目を見開き、開いた口がふさがらないファンだった。
Leaving Barza, Sylvia, Nadia, Coco/Mami and I arrived at the royal capital, La Linea, during early of spring. On the way, I lazily flirted around with Sylvia and Nadia so it felt that we arrived very fast. We entered La Linea, we took an inn for the meantime. In a decent inn, in one large room. Only my wives and pet are staying so this was enough. Nadia and Coco were looking outside, and Sylvia was facing towards me. 「Are you going out, Lucio-sama」 「Yeah, for the meantime I will go to the Royal Grimoire Library, and I’ll find a house after that」 「What do we have to do?」 「You can tour around the capital freely」 「I understand. Please be careful」 Sylvia said that, and Nadia and Coco waved their hands by the window. I left the three and went out of the room, there was the muscle macho owner in the counter so I talked to him. 「Ne?ne?, where is the royal grimoire library??」 「Library? What are you going to do there」 「Just a bit, I’m interested」 「Fuun. If that is it then, after you go out from here, walk straight to the left and go right in the third street, you can reach it if you go straight from there. It is a building different from others」 「Building different from others?」 「You’ll know when you get there」 The muscle macho repeated the same words. I wonder if it was that kind of building really easy look apart. 「I got it, thanks, Oji-chan」 I said thanks in child-mode, and left the inn. I walked the way as the macho master had said. As expected of the Royal Capital La Linea, it was very lively. People pass each other, full of vitality, and on top of that, there are goods that I had never seen in Barza that was being sold on the store here and there. I want to slowly look around, I want to go here and there together with Sylvia and Nadia, I thought. After a while, I saw that. 「......I see, this is to know」 That building, it was upside down! A large, splendid, beautiful building that is worth having the word Royal in it. But, it’s upside down! Just as if the roof of it was stabbed to the ground, it was a building with that kind of feeling. The meaning of different from others, I’m sure that this is it. I entered from the entrance-like place. Inside was more ridiculous. Although the interior was upside down, things like the counter, table, and chairs were normal. And the bookshelves were upside down starting from the ceiling. To whom, and how did someone made this, I was a little interested. 「Hey boy, this isn’t a place kids come yo」 When I turned around to the voice, there was a large man. His height easily exceeds two meters. Rather than to a library, he was a man who was more fit to a stadium. That man had a stack of books on his hand. The books look very small compared to the man, I felt my senses get unstable. 「Are you lost? Un?」 「Ne?, this is the Royal Grimoire Library right」 I asked in the child-mode. 「Yeah, as you can see, this is the place where the Grimoires gathered throughout the Kingdom is stored」 The man glanced to his back. In the wide space, numerous Grimoires. There were tens of times of what Ojii-san had collected, it was the scenery as expected of being called royal. 「Then it’s correct」 「Un?」 「I’m Lucio Martein, here」 I took out the certificate that I got from Ruby, and gave it to the man. The man held the stacked books with one hand, and dexterously took the certificate. He read that. When he read it to the end, the man’s face color changed. 「Boy was the new administrator huh!」 The man was surprised, I was also surprised. Administrator? 「What’s that」 「I was told from above, that a new administrator will come they said. That it was a great magician scouted by the princess herself」 「I don’t know about that you know? I told Ruby-sama that I want to read more Grimoires, and I only received permission to enter the library」 「Wait a minute」 The man took out a sheet of paper from the back of the counter. He stared intently at that paper, and said. 「As I have thought, Lucio Martein of Barza will be appointed as the new administrator of the Royal Grimoire Library. Treat him with respect and explain it to him」 「Arara」 Is that really true. But well, if I think about it carefully, if I wanted to read the books in the library freely, the administrator is a very easy convenient stature. I should receive it gratefully, and read all the Grimoires. 「Ah?, I am Fan Cruz. Nice to meet you」 「I’m Lucio Martein. Please take care of me」 Fan and I shook hands. There was a huge difference in our body size, my hand was only about Fan’s finger, so it became a strange handshake. 「But, why did someone like Boy became the administrator? Is it honorary position」 「It’s because in the whole world, I’m the fastest reader of Grimoires」 「You came out big huh」 「It’s true you know?」 Probably though. 「Fu?n, that’s right」 Fan went to the back of the library as if to remember something. He took one Grimoire from there, and returned. 「Here」 「It’s a new Grimoire. A Grimoire that was found recently, a book only one in the world. No one has read it yet, and it’s something that has unknown magic in it」 「He?」 Fan reached that to me, it was a face a little mean. Go read it if you can, it was that kind of face. I received the Grimoire, and opened it. It was a heartbreaking manga. It was a tearjerker-type scenario themed with the rain, and it was made with an emotional ending finale together with the clearance of the weather. After reading it till the end, a magic emerges inside of my head. I see, that kind of magic huh. 「How is it」 「Un, I learned it」 「I’ll go try it for a bit」 I left the Grimoire, and went outside. Compared to the inside of the library that was chilly, the Royal Capital La Linea that entered the spring had warm south winds blowing. Fan followed. 「What will you do?」 「I’m going to use the magic of that Grimoire」 I said that, and closed my eyes and imagined. I strongly maintain that image, reach out my hands, and chanted. 「Weather Change?Snow」 After I chanted, I felt the biggest sense of exhaustion until now. It was a sense of exhaustion of my magic powers being taken away. That was, a sense of exhaustion that made me feel it was a success. 「Wha, whawhawhawhawha!」 Fan was surprised, I opened my eyes and looked up to the sky. The warm skies with sunlight earlier was covered with clouds, and snow fell. An ancient magic that changes the weather. An enormous amount of magic powers are needed, but it was a magic that has effect?phenomenon that was worth it. I had results, and asked Fan. 「A-Ameijing......」 It was Fan with his eyes wide opened, and jaws dropped.
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おれとナディアで昼間っから風呂に入ってる。 今日は朝からのんびりしてて、昼過ぎにナディアに風呂に誘われた。 「よいっしょ......よいっしょ」 湯気がたっぷり充満してる風呂の中、ナディア懸命おれの背中をごしごししている。 「ルシオくん、どっかかゆいとこない?」 「大丈夫だ、いまので丁度いい」 そういって、背中から腕、そして足も洗ってくれた。 至れり尽くせりで、体も心もほこっとする。 「ああもう! また水かぶっちゃったじゃない!」 声とともに、ガラガラガラと扉が開く。 そこに猫耳娘のマミがいた。マミはずぶ濡れで、それで体を温めるために風呂に来たみたいだ。 「マミちゃん、ヤッホー」 「ナディ――きゃああああ」 おれを見た途端マミが悲鳴をあげて、まわり右して脱兎の如く逃げ出した。 まあ、真っ裸の男(ただ)を見ればそう言う反応もするわな。 「マミちゃん?」 「ほっといてやれ。それよりもお前は大丈夫なのか?」 「なにが?」 ナディアはきょとんとする。 「裸を見て、見られて恥ずかしくないって事だ」 「夫婦だから恥ずかしくないもん」 ナディアは上機嫌にそう言って、更にごしごししてきた。 どっかで聞いたような台詞だけど、あっちよりも説得力がある。 そのままナディアにごしごし洗われて、流してもらって、それから一緒に湯船に入った。 「湯船に浸かるのって気持ちいーね」 ナディアは足を湯の上にだしてバタバタさせた。 おれは湯船の中にあるオブジェにもたれ掛かった。 温泉を思わせるようなオブジェいりの湯船は見た目いい感じだが、その分ちょっと狭い。 シルビアはいいけど、ナディアにはちょっと狭いんじゃないかと思う。 案の定、落ち着いてられないナディアはこんなこといい出した。 「もうちょっと広かったら泳げたのにね」 「泳ぎたいのか? のんびりしようぜ」 「のんびりだからおよぎたいんじゃん? こんな温かいお湯のなかで泳げたらきっと気持ちいいと思うんだ」 「ふむ」 なんとなくわかるようなきがする。 水ならともかく、お湯の中ってのがみそだ。 「よし、泳いでみるか」 「どうやって?」 「『スモール』」 おれとナディア、二人の体に魔法をかけた。 ゴキブリ退治の時にも使った魔法で、二人の体がみるみるうちに小さくなる。 「ここに上がれ」 「うん!」 小さくなりきる前に、おれがもたれてたオブジェの上に上がった。 そこでサイズが小さくなりきった。 「すごーい、湖に島みたい」 ナディアが感想を言った。おれも同じように感じた。 小さくなったおれ達は、まるで湖の上に浮かぶ小さな島にいるかのようだ。 「あははは、湖のがあったかーい」 「これなら泳げるだろ?」 「うん! えい!」 パシャーン、とナディアが飛び込んだ。 大はしゃぎで泳ぎまくる。 おれは川岸に腰を下ろして、落ちないようにして、下半身を湯の中に浸かる。 ふと何かが流れてきた。 よく見るとそれはおれの髪の毛だった。 細い細い髪の毛が、サイズのせいでちょっとした縄に見える。 「あー、たのしかった。ルシオくんは泳がないの?」 オブジェ――島に上がってきたナディアはそう聞いてきた。 「いやおれはこうしてまったりしてるだけでいい」 「そっかー、じゃああたしもまったりするー」 そう言って、おれの横に腰を下ろして、肩を並べて座った。 足でパシャパシャお湯を蹴りながら、とにかくまったり。 しばらくして、足音が聞こえた。 「ルシオ様、夕ご飯は――あれ?」 ドアが開いてシルビアが姿を見せた。 「あはは、シルヴィまるで巨人だ」 「確かにそう見えるな。シルビア、おれはここ――」 言いかけた途中でナディアに口を塞がれた。 「ナディア?」 「面白いからもうちょっとこのままで」 何が面白いんだろうか。 一方で、シルビアは風呂の中におれが居ない事を不思議がる。 「どこに行ったんだろルシオ様、それにナディアも。服はあるのに......」 きょろきょろ中を見る。 「ルシオ様なら大丈夫だろうけど」 シルビアはそう言って中に入ってきた。 手を湯船に入れてきた、湯を抜こうとしてるみたいだ。 「これ......ルシオ様の髪......?」 シルビアの動きが止まった。さっきおれが見た髪の毛をまじまじと見た。 「ルシオ様の髪......ルシオ様が入ったお湯......」 ぶつぶつ何かつぶやくシルビア。 「お、お湯を抜く前にわたしもはいろうかなー」 なんか白々しかった。 いったん外に出て、もそもそと物音が聞こえて、そのあと戻ってきた。 服を脱いだ裸の姿。 フォルムの子供のまま、しかしサイズは巨人。 普通ではあり得ないアンバランスさだ。 「あははは、シルヴィ面白ーい」 ナディアも同感のようだ。 シルビアは体を洗ってから湯船に入ってきた。 肩まで浸かって、ほぅ......、と息を吐く。 「ルシオ様に包まれてるみたい......ルシオ様」 「だって」 ナディアがおれを肘でつんつんした。なんかちょっと恥ずかしい。 「気持ちいい......そうだ」 シルビアが浮かんだ。 体が脱力しきって、お湯の中に寝っ転がるようにして浮かび上がった。 湯船の中でたゆたうシルビア、その姿は見るからに幸せそうだった。 それを見ていたかった、が。 「よいしょ、よいしょ」 ナディアがシルビアに近づき、よじ登った! 「ナディア!?」 「え? ナディアちゃん!?」 「やっほー」 気づいたシルビアに、手をあげて陽気に声をかけるナディア。 「ど、どうして?」 「ルシオくんの魔法でちっちゃくなって、お湯の湖を楽しんでたの」 「ええええ? じゃあルシオ様も?」 「ここにいるぞ」 「あわわ......」 ちょっと焦りだすシルビア。 ナディアが乗っかってるのでまともに動けない姿がちょっとおかしくて、可愛い。 そのナディアはシルビアの上に寝そべった。 まるで砂浜でうつぶせになって日光浴するかのように。 「シルヴィ号だね、お船の」 「お、お船?」 「ルシオくんもきなよ。一緒に乗ろ? シルヴィ号」 ちょっと考えて、おれはそうした。 楽しそうだったからだ。 シルビアの上に乗って、おれは仰向けになって寝る。 「たしかに気持ちいいな、これ」 仰向けのまま頭をのけぞらせると、シルビアと目が合った。 にこりと笑いかけた。シルビアははにかんだ。 それを機にの動きがとまった。 湯船に浮かぶシルビア、その上に乗っかってごろごろする小人のおれとナディア。 ごろごろして、たまにつんつんして、ナディアに手で湯をかけてもらう。 湯が冷えるまで、おれ達はそのままのんびりしたのだった。
Nadia and I, the two of us entered the bath in the after noon. I was on leisure since morning today, and I was invited by Nadia to enter the bath after lunch. 「Yoisho......yoisho」 Within the bath that was full of steam, Nadia was doing her best to scrub my back. 「Lucio-kun, is somewhere itchy?」 「It’s okay, it’s just enough with right now」 She said that, and washed me from my back, arms, and legs. It was very satisfying, both of my heart and body were relaxed. 「Ahh, goodness! I’m splashed by water again!」 With that voice, *GaraGaraGara*, the door opened. Cat-eared girl, Mami was there. Mami was drenched, and it seems like she came to the bath to warm her body. 「Mami-chan, yahho?」 「NadiーーKyaaaa」 The instant Mami saw me, she raised a scream, turned back and ran like a wild rabbit. Well, if you see a naked man (but, -years-old), you would react like that. 「Mami-chan?」 「Leave her alone. Rather than that, are you okay with it?」 「With what?」 Nadia was surprised cluelessly. 「Looking at a naked body, aren’t you embarrassed」 「We’re a husband and wife so there’s nothing embarrassing」 Nadia said that in a very good mood, and continued to scrub me. It was a line that I heard somewhere, but it was more persuasive than that. And just like that, I was scrubbed clean by Nadia, let her wash me, and we entered the bath tub together. 「Soaking in the bathtub feels very good?」 *BataBata*, Nadia raised her legs off the water and fluttered them. I rested my body to the object that was inside the bathtub. The bath tub that had an object that was like those on hot springs looks really good, but it’s a little small. Sylvia would probably be fine with it, but I think it’s too small for Nadia. As expected, Nadia who couldn’t settle down said something like this. 「If it was a little bigger I could swim though」 「Do you want to swim? Let’s relax」 「You’d want to swim while relaxing you know? I think that swimming in a warm bath like this would feel really good」 「Hmm」 Somehow, I think I can get that. The point is not in normal waters, but bath water. 「Yosh, let’s swim」 「How?」 「『Small』」 Nadia and I, I casted magic to both of our bodies. It was the magic I used during subjugation of cockroaches, and our body gradually became smaller. 「Move over here」 「Un!」 Before we got completely small, we went on the top of the object that I rested my body on. And there, we became completely small. 「Amazing?, it’s like an island on a lake」 Nadia said her comment. I also felt the same. We who got smaller, were like we’re on a floating island above a lake. 「Ahahaha, the lake is warm?」 「If it’s like this you can swim right?」 「Un! Ei!」 *Pasha?n*, Nadia jumped in. She romped swimming. I sat down on the banks, got careful not to fall, and soaked my lower body within the bath water. Suddenly, something flowed. When I looked at it carefully, that was my hair. The very thin hair, looked like a rope because of our size. 「Ah?, that was fun. Lucio-kun, you won’t swim?」 To the objectーーNadia who came up to the island asked that. 「No, I’m fine with relaxing just like this」 「I see?, then, I’ll also relax?」 She said that, lowered her waist beside me, and sat with our shoulders lined up. *PashaPasha*, while she fluttered her legs on the bath water, we relaxed. After a while, I heard footsteps. 「Lucio-sama, the dinner isーーa-re?」 The door opened and Sylvia appeared. 「Ahaha, Sylvia’s like a giant」 「That’s true, she looks like that. Sylvia, I amーー」 When I was in the middle of saying that, Nadia covered my mouth. 「Nadia?」 「It’s fun, so just like this for a little bit」 I wonder what is fun. On the other side, Sylvia felt strange that I was not in the bath. 「I wonder where did he go, Lucio-sama, and Nadia also. Although their clothes are here......」 *KyoroKyoro*, she looked around. 「If it’s Lucio-sama, he should be okay though」 Sylvia said that and entered. She placed her hand inside the bathtub, and it seems like she’s removing the bath water. 「This......Lucio-sama’s hair......?」 Sylvia’s movements stopped. She was staring intently at the hair I saw earlier. 「Lucio-sama’s hair......the bath water Lucio-sama used......」 Sylvia was mumbling something. 「B-Before I remove the bath water, maybe I should use it?」 Somehow, she feigned very clearly. She went out once, after ruffling sounds could be heard, she returned. In her naked look after she took off her clothes. Her form was still an -year-old child’s, but her size was a giant’s. It was an unbalance that was impossible normally. 「Ahahaha, Sylvie so funny?」 It looks like Nadia felt the same. Sylvia entered the bath tub after washing her body. She soaked up to her shoulders, and “Hau?......”, she let out a sigh. 「It’s like I was being embraced by Lucio-sama......Lucio-sama」 「She said」 Nadia poked me with her elbow. It’s somehow embarrassing. 「It feels good......I know」 Sylvia floated. She completely relaxed her body, and floated on the bath water as if to lay on her back. Sylvia who was floating inside the bath tub, that appearance of hers looks very happy. I wanted to continue seeing that, but. 「Yoisho, Yoisho」 Nadia approached Sylvia, and climbed her! 「Nadia?!」 「Eh? Nadia-chan?!」 「Yahho?」 To Sylvia who noticed, Nadia raised her hand and casually replied. 「W-Why?」 「I became small with Lucio-kun’s magic, and we were having fun with the lake of bath water」 「Ehhhh? Then, Lucio-sama also?」 「I’m here」 「Awawa......」 Sylvia started panicking a little. Looking at her not able to move decently because Nadia was on her, was so ridiculous and cute. And that Nadia laid face down on top of Sylvia. Just as if she laid on a beach to sunbathe. 「S.S. Sylvie huh, the ship’s」 「S-Ships?」 「Lucio-kun should come too. Let’s ride it together? S.S. Sylvie」 I thought for a bit, and did that. Because it seems really fun. I rode on top of Sylvia, and laid on my back. 「It really feels good, this」 When I looked diagonally while laying on my back, I met my eyes with Sylvia. I smiled at her sweetly. Sylvia smiled back shyly. With that, the three of us stopped moving. Sylvia who floated on the bath tub, and dwarf Nadia and I who laid around on top of her. Laid around, poked from time to time, and ask Sylvia for a splash of the bath water. Until the bath water got cold, we spent our time there leisurely.
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「よく来てくれた、余の千呪公よ」 王宮の謁見の間、おれは久しぶりに国王にココに呼び出された。 「お久しぶりです、王様」 「うむうむ、余の千呪公よ、変わりはなかったか? なにか生活に不便はないか? そうじゃ、これから寒くなる、王宮が所蔵している暖石半分ほどわけてやろう」 「陛下、王宮が所蔵している量の半分ですと、公爵様のお屋敷がまるまる埋まってしまいます」 横にいる大臣がツッコミを入れて、国王の暴走を止めてくれた。 相変わらず良いコンビだ、と思いつつ話を進める。 「ありがとう王様。ちょっとだけもらって良いかな。みんなと使ってみて、良かったらまたもらいに来るね」 「そうかそうか。うんむ、いつでも待ってるぞ」 「陛下、そろそろ......」 横から大臣が国王をせっついた。 いつも通り目尻下がりっぱなしの国王と違って、大臣はちょっと......いやかなりの真顔だ。 何を頼まれるんだろう、おれは気を引き締めた。 「さて、余の千呪公よ。卿を呼び出したのは他でもない、是非ともやって欲しい事があるのだ」 「うん、王様の頼みなら。何をすればいいの?」 「討伐じゃ」 「討伐?」 「そうだ。ゲルニカの事を覚えているか」 「うん、もちろん」 ベロニカの出身だ、忘れる訳がない。 小国ゲルニカ。財政難を原因に、ちょっと前に王国に臣従してきた国だ。 臣従してきた直後、その財政を立て直すため、国王はおれを派遣した。 いろいろあって、おれは地上じゃなくて海にも鉱脈が埋まってるという当たり前の事を思い出して、魔法で100トンもの金を採掘して、ゲルニカにおいてきた。 ちなみに金の値段はこの世界でも同じくらいのもので、帰った後に思い出して計算してみたらか円くらいの価値があることが分かった。 それはまあ、余談。 おれにとっ重要なのはそこでベロニカと出会ったこと。 おれの大事な大事な、可愛い嫁のベロニカ。 彼女と出会って、連れ戻ったのがあのゲルニカで一番の収穫だ。 金の採掘なんて、彼女と海底の散歩デートの副産物でしかない。 「そのゲルニカがどうしたの?」 「先日ゲルニカ領内にあるミ・アミールという街に賊が現われた、ゲルニカ王は2000の兵を差し向けて、これを鎮圧したのだ」 「2000人も? そんなにすごい賊だったの? ......ってちょっと待って、違うよねそれ」 「うむ、流石余の千呪公、よくぞ気づいた。そう。ゲルニカは我が属国、臣従してきたときに兵権は全て剥奪しておる。余の許しがない限り兵を持つことは許されぬ、ましてや動かすなど言語道断」 「もちろん、許しはないよね」 あったらこんな話をしてない。 国王は頷いた。 「うむ。すべて独断だ」 「なるほど」 「しかも賊の討伐後、そのままミ・アミールに駐在していると聞く」 「......それもまずいよね」 「実質反乱でございます」 大臣が横から口をだした。 だよな。兵権がないくせに兵を集めて動かして、その上街を「占拠」してるんだ。 大臣の言うとおり、実質反乱だぞ、それ。 「というわけで余の千呪公よ。ミ・アミールに出向いてゲルニカ兵を殲滅してくれまいか」 国王はおれをそこで言葉を切って、おれを見つめた。 いつになく、真面目な顔で。 「単身で赴き、余の千呪公の力を見せつけてやるのだ」 ものすごい無茶ぶりをされた。 1人で2000人の兵に無双してこいって命令された。 普通に考えたらあり得ない命令、死んでこい、って言われた方がマシだけど。 おれの場合、そして国王の場合。 無茶ぶりでも死んで来いでもない、言葉通り、おれという人間を自慢したくて、あえて一人で行って来いという命令だ。 「うん、わかった」 だからおれは頷いた。国王の言うとおり一人で行くことを承諾した。 さて、2000人か。 どういう魔法がいいかな? と、おれははやくも頭の中で魔法の検索をはじめたのだった。
「It is great that you have come, my Senjukou」 In the palace’s audience hall, I was called here by the King this time for the first time after a while. 「It’s been a while, Ou-sama」 「Umu, umu, my Senjukou, did anything happened? Do you feel inconvenience with your lifestyle? I know, it will become colder from now on, I should give you have of the heatstones that the palace keeps」 「Your Majesty, if it is half of those that is kept in the palace, Duke-sama’s mansion would become buried」 The minister on the side pointed that out, and stopped the outrage of the King. “It’s the usual combi”, I thought, and continued the conversation. 「Thanks, Ou-sama. Can I get just some of it. I’ll try using it with everyone, and just ask later on if it’s good」 「I see, I see. Umu, you can take them anytime」 「Your Majesty, please hurry......」 The minister made the King hurry up from the side. Unlike the King whose eyes were always drooping to the side, the minister is somewhat......no, quite serious. I would probably be asked to do something, so I prepared myself. 「Well then, my Senjukou. The reason that I called you sir, is because, I want you to do something」 「Un, if it’s Ou-sama who asks. What should I do?」 「It’s subjugation」 「Subjugation?」 「That is right. Do you remember about Guernica」 「Un, of course」 Veronica came from there, there’s no way that I could forget about it. The small kingdom Guernica. A country that became a vassal of the Kingdom because of financial difficulties. Soon after it became a vassal state, the King sent me there to rebuild their economy. A lot of things had happened, I remembered a simple thing that veins of gold not only exists in land but also under the sea, so I mined tons of gold using magic, and left it in Guernica. By the way, the value of gold is just the same here compared to the gold in the world I was before, so when I computed how much its value is when I went home, I found out that it was between trillion and trillion. That is well, off the subject. The most important thing for me was that I met Veronica. My very, very important lovely wife, Veronica. The best thing that happened to me in Guernica was meeting her, and taking her with me. Something like mining gold, it is only the by-product of our date under the sea. 「What happened to Guernica?」 「A few days ago, insurgents appeared in the town called Mi Amir in Guernica’s territory, and King Guernica sent 0 soldiers to suppress them」 「2000 of them? Were they such amazing insurgents? ......wait a second, isn’t that a bit, weird」 「Umu, as expected of my Senjukou, it is great that you have noticed. That’s right. Guernica is our vassal state, they are deprived of their military rights when they commended to us. As long as I do not permit it, they shall not be able to have soldiers, let alone mobilizing, it is preposterous」 「Of course, you didn’t permit them right」 If he did, he wouldn’t be talking about this right now. The King nodded. 「Umu. They did it all on their own」 「I see」 「On top of that, I have heard that after subjugating the insurgents, they continued to stay at Mi Amir」 「......that is also bad, right」 「It is substantially a rebellion」 The minister said from the side. I guessed so. They mobilized soldiers without having military rights, on top of that, they’re “holding” a town. Just like the minster has said, it is substantially a rebellion. 「And so, my Senjukou. Can you go to Mi Amir for a bit and annihilate the Guernica’s soldiers」 The King paused there, and stared at me. It was an unusually serious face. 「Go on your own, and show them the might of my Senjukou」 He gave me such an unreasonable thing to do. I was ordered to go beat 2000 enemies completely by myself. Normally thinking, it’s an absurd order, and it’s better to be told to “go die”. In my case, and in the King’s case. It wasn’t absurd nor telling me to go die, he literally wants me to go there by myself intentionally, so that he can brag about me. 「Un, I got it」 That’s why, I nodded. I accepted what the King said, and accepted to go by myself. Well then, 2000 people huh. “I wonder what magic would be good?”, from early on, I already started to search for the magic I should use inside my head.
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「たっだいまー。うー、寒い寒い」 外から帰ってきたナディアは手のひらをしきりにこすり合わせていた。 確かに今日は朝から気温が下がってて、長袖でもちょっと寒いくらいの気温だ。 「あっ、ルシオくんだ。きゃっほーい」 リビングを通り掛かったナディアはマンガを読んでるおれを見つけるなり、ほとんどダイブする勢いでしがみついてきた。 「うーん、ルシオくんあったかーい」 「そうか。外、大分寒かったみたいだな」 手を彼女のほっぺたに押しつける。ぷにっとしたナディアの頬はひんやりしている。 「そうなんだよ。なんか面白いことないかなあ、ってぶらぶらしてたんだけどただ寒いだけだったよ」 「もう秋だもんなあ」 「気づいたらねー。今年は夏が長かったから油断してたよ」 ナディアはそう言いながら、おれの腕にほおずりした。 それで人心地ついたのか、いつも通りの元気いっぱいな笑顔歯を見せておれに言った。 「ねえルシオくん、なんか暖かくなるものない?」 「ふむ」 読みかけのマンガを太ももの上に置いて、脳内で魔法を検索する。 するとある物を思い出した。 検索の範囲は魔法以外に及んで、久しぶりのある物を思い出した。 「これは?」 「こたつっていうんだ」 「こたつ? ただのテーブルに布団を掛けただけに見えるけど」 そりゃそうだ。 アマンダさんに頼んで、リビングに運んで来てもらったのはただのローテーブルに、布団を掛けただけもの。 厳密にはいまの状態はこたつじゃない。 「『キープウォーム』」 魔法をかける、温度を上げて、温かいのを保つだけの魔法だ。 布団を掛けたローテーブル、そこに暖かさとなる熱源が入った。 「おー、いまかけた魔法でこたつになるんだ」 「いや、まだだ」 「ほえ?」 「旦那様」 アマンダさんがやってきた。 有能な我が家のメイドは注文通り、皿いっぱいに乗ったみかんのような果物を持ってきた。 「うん、ばっちり。さすがアマンダさん」 みかんと言っても通じないから、見た目を例えて似たようなものを揃えてもらったけど、見た目はほとんどみかんそのものだ。 それをテーブルの真ん中に置く。 「これで、こたつの完成だ」 「ほええ?」 「さ、入るか」 おれは先にこたつに入った。それをみたナディアがまねして同じようにこたつに入ってきた。 「おー、暖かいね、これ!」 「だろ。ここでのんびりするんだ」 おれとナディアでこたつに入った。 ナディアは布団をめくってこたつの中をのぞいたり、仰向けになったりうつぶせになったり色々やっていた。 みかんっぽいのも剥いて食べて、次第にはこたつに入ったままうとうとし出した。 その間おれはずっと魔導書を読んでいた。 いろんな夫婦の形を紹介する、ちょっと異色なマンガだが、それなりに楽しい。 我が家も下手すればこのマンガに載ってるような面白夫婦なのかな、と思っていると。 「大変だよルシオくん!」 ナディアが切羽詰まった声でおれを呼んだ。 「どうした」 「お手洗いに行きたいの!」 「お手洗いに行きたいの!」 「行っておいで」 「でられないの!」 「あー」 おれはにやりと口の端をゆがめた。 「こたつからでるのに苦労するからなあ。まあがんばれ~」 と、気楽な声援を送った。 こればかりはしょうがない。こたつからでられなくなるのは当たり前の事で、おれにはどうしようもないことだ。 出来るのはせいぜい、今のように応援することしかない。 「くっ、流石ルシオくんの魔法。まさ入ったら出られなくなるなんて!」 おれの魔法じゃなくて、日本人の叡智だけどな、これ。 「くううう、むむむむむ......まいっかぁ......」 大した尿意(?)じゃなかったらしく、ナディアはしばらく悩んだ結果諦めて、そのままこたつに居残ることを選んだ。 「ナディアちゃん、なんか唸ってたみたいだけど大丈夫?」 「あら、これは何ですの?」 シルビアとベロニカは同時にやってきた。 「ニヤリ」 あっ、悪そうな顔だ。 ナディアの八重歯がきらりと光った。 そして、約一時間後。 「で、でられないです......」 「謀りましたわね!」 シルビアもベロニカも同じ、こたつにつかまってしまっていた。 「あはははー、すごいよねー、ルシオくんの魔法」 「テーブルに布団を掛けて、温かくするだけ。海の散歩といい、相変わらず発想力がすごいですわね」 いやだからこたつはおれの発想じゃなくて先人の偉大な発明だけどな。 ま、黙っておくけど。 「あっ、ルシオちゃんだ」 そして、遅れること一時間ちょっと目の嫁バルタサルがふらふらとやってきた。 「おー、はっちゃんもこたつにはいる?」 「でも、もう満員」 シルビアは困った様子でつぶやく。 確かに満員だ。 正方形のローテーブル、普通にやって定員四人のこたつ。 おれ、ナディア、シルビア、ベロニカ。 これで満員だ。 そして全員がこたつにつかまって出られないでいる。 つまりバルタサルは入れない。 どうしよう、と嫁達が困っているよ。 「バル、寒いのよ?」 「ルシオちゃんが温めてね」 といって、こたつにではなく、おれの腕にしがみついてきた。 「「「あ」」」 がそろって声を上げる。それがあったか、って顔をした。 おれにしがみついてきたバルタサルはと言えば、ほとんど間をおかず「すぴぃ」って寝息を立てはじめた。 おいおい、キミはのび太くんか。 「いいですわね......それ」 ベロニカがつぶやく、同時に「はっ」という声が聞こえた気がした。 シルビア、ナディア、ベロニカ。 三人の目が肉食獣のそれになった。こたつとは違って、おれの腕はまだ空きが一つある。 マンガを読んでるが、前にも両手をつないだ状態で、嫁がページをめくってくれた事がある。 マンガを読んでることは問題じゃない、腕はやっぱりあいてる。 これをめぐっての争奪戦になるか、と覚悟していたら。 「うぅ......でられないです......」 「くっ、目の前にくっつけるチャンスがあるというのに」 三人が揃って嘆いた。 ......おれとくっつきたいけど、こたつからでられないから無理、ってことか。 ......プッ。 思わず吹き出した。 結局その後、誰一人としてこたつから抜け出せることが出来ず。 おれのもう片方の腕は、最後まで寂しく空きになったままだった。 こたつの魔力、恐るべし。
「I’m back?. Uu?, it’s so cold」 Nadia who came back from outside was continuously rubbing her palms. It’s true that the temperature today started to drop from the morning, and the temperature right now is cold even if long sleeves were worn. 「Ah! It’s Lucio-kun. Kyahhoii?」 As soon as Nadia who was passing by the living room saw me who was reading manga, she hugged me very quickly, almost as if she dove. 「U?n, Lucio-kun’s so wa?rm」 「Is that so. It looks like it was quite cold outside」 I pushed my palm on her cheeks. Nadia’s cheeks were soft and cold. 「That’s right you know. Is there anything interesting, I mean, I just strolled around but it was just cold」 「It’s already fall after all?」 「Yes, it’s like that when I noticed it?. The summer this year was so long so I got a little off guard」 While saying that, Nadia rubbed her cheeks on my arm. Did she got warm with that, she showed me her usual very cheerful smile and said to me. 「Ne?, Lucio-kun, do you have something that can make it warm?」 「Hmm」 I put the manga I was reading on my lap, and searched for magic inside my head. And then, I remembered something. The search range reached out to things other than magic, and I remembered something that was nostalgic. 「This is?」 「Kotatsu? It only looks like a table with beddings on it though」 Well, that’s right. The thing that I asked Amanda-san to bring in the living room was just a normal low table, and a futon was just covering it. Specifically speaking, with the state it is in right now, it’s not yet a kotatsu. 「『Keep Warm』」 I casted the magic, it’s a magic that raises the temperature and keeps it warm. A low table covered with futon, a source of heat that would make it warm was added to that. 「Oh?, it would become a kotatsu with that magic right now huh?」 「No, not ye」 「Danna-sama」 Amanda-san came. As ordered, our house’s excellent maid brought a dish full of orange-like fruits. 「Is this all right」 「Un, it’s perfect. As expected of Amanda-san」 She could not tell what an orange was with just its name because it was probably called differently here, so I asked her to prepare something that looks similar, but it looked exactly like an orange. Those were placed in the middle of the table. 「With this, it’s complete」 「Hoeee??」 「Now, let’s go in」 I entered first. Seeing that, Nadia copied me and entered the kotatsu. 「Oh?, this is very warm!」 「Told you. We can relax with this」 Me and Nadia, the two of us entered the kotatsu. Nadia flipped the beddings and peeks under the kotatsu, laid on her back, lie on her stomach, she did many things. She peeled the orange-like thing and ate it, and finally, she started to get sleepy while under the kotatsu. And while she was doing all of that, I was reading Grimoires. It was an interesting manga that introduces different kinds of husband and wives, but it was relatively fun. Our house might be such an interesting husband and wives that appear in this manga, but when I was thinking of that. 「This is bad, Lucio-kun!」 Nadia called out to me with an urgent voice. 「What happened」 「I want to go to the toilet!」 「I want to go to the toilet!」 「Just go then」 「I can’t come out!」 「Ah?」 I grinned, curving my lips. 「It’s very hard to escape from the kotatsu after all?. Well, do your best?」 I cheered on her with a leisure voice. Nothing can be done with this. It is a natural thing that one would not be able to get out of the kotatsu, it is something that I cannot do anything about. The only thing that I could do, is just to cheer like what I did just now. 「Ku! As expected of Lucio-kun’s magic. To think that it would make me unable to escape once I entered!!」 It’s not my magic, but Japanese wisdom though. 「Kuuuuu, mumumumu......well, whatever?......」 It looks like it was not(?) something that needed urgency, Nadia thought deeply about it for awhile, and gave up as a result, choosing to remain in the kotatsu. 「Nadia-chan, you’re groaning, are you alright?」 「Ara, what is this?」 Sylvia and Veronica came at the same time. 「*Niyari*」 Ah! A villainous face. Nadia’s shining smile shined. And, after about an hour. 「I-I cannot go out?......」 「You tricked us!」 Sylvia and Veronica were the same, they got caught by the kotatsu. 「Ahahaha?, it’s amazing right?, Lucio-kun’s magic」 「Placing beddings over the table, and make it warm. Similar with the date in the sea, you really have great imagination as usual」 No, that’s why I’m saying that this isn’t my idea, but the invention of the great predecessors. Well, I won’t say it though. 「Ah! It’s Lucio-chan」 And, around an hour of being late, my fourth wife Balthazar came with light footsteps. 「Oh?, Hacchan, you want to enter the kotatsu too?」 「But, it’s already full」 Sylvia whispered with distress. It’s true that it’s full. It’s a low square table, normally, it’s a kotatsu for four. Me, Nadia, Sylvia, and Veronica. It’s full with this. And everyone got caught by the kotatsu and cannot go out. Meaning, Balthazar cannot enter. “What should we do”, my wives got troubled. 「Bal, she’s cold you know?」 「Ou」 「Lucio-chan should make her warm okay」 She said that, and didn’t mind the kotatsu but instead, hugged my arm. 「「「Ah」」」 The three raised their voice at the same time. “There was that”, was written on their faces. 「Supii?」, Balthazar who was hugging my arm started to sleep almost without a moment of pause. Oi oi, are you Nobita-kun or something. 「That looks good......」 Veronica whispered, and at the same time, I felt like I heard the voice 「Ha!」. Sylvia, Nadia, and Veronica. The eyes of the three changed to that of a predator beast. Unlike the kotatsu, my arm has only one open. I’m reading manga, but there was a case that when my both arms were being held, my wife would turn the pages for me. It isn’t a problem that I’m reading manga, my arm was open after all. “Would a competition happen with this”, I readied myself, but. 「Uu?......I can’t go out......」 「Ku! The chance is right in front of me」 The three lamented at the same time. ......they want to stick to me, but it’s impossible because they can’t leave the kotatsu, huh. ......pu! I couldn’t help but laugh out. In the end, after that, no one was able to leave. My other arm remained vacantly lonely until the very end. The magic powers of the kotatsu, it cannot be underestimated.
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この日、朝から国王は図書館に来て、くつろぎスペースで魔導書を読んでいた。 服装はいつぞやの清掃員の格好、あの質素な服だ。 おれが30のペースで読んでいる横で、国王はずっと同じ魔導書を、おれが前にすすめた魔導書を読んでいた。 「ふむ」 「どうしたの? 読んじゃった?」 顔をあげて、子供モードで聞く。 「いや、まったく読めん。なんなのじゃこれは、こんなに難しく描くなんて、魔導書をかいたものは他の人間に読ませる気がないとしか思えん!」 国王は怒り出した、かなりご立腹のようだ。 難しいって、全然難しくないんだよなあ。横から国王が持ってるそれをのぞき込むけど、やっぱり普通のマンガにしか見えない。 「これを誰かわかりやすくしてくれんかのう」 愚痴る国王。 いや、マンガ以上にわかりやすくするのは無理だろ、それこそアニメとかにしないと――。 「アニメ?」 「どうしたルシオ」 不思議そうな顔をする国王。 一方でおれは自分のつぶやきを考え込んだ。 この世界の魔導書はマンガだ、そしてマンガと言えばアニメ。 おれの中ではアニメはマンガよりわかりやすいし、見るのが楽だ。 もしかして、アニメならいけるんじゃ? って思った。 となると必要な魔法は......。 おれはしばらく考え込んだ。 そろそろ2000くらいに届く魔法の中から使えそうなものを探した。 ふたつの魔法の組み合わせと......協力者でなんとかなりそうだ。 「王様、ちょっとこれ借りるね」 と言って、国王が持ってるマンガを手に取った。 「何をするのじゃ?」 「いいから、ちょっと待っててね」 「うむ? なんだか知らんが待ってるぞ」 国王を置いて、魔導書を持ったまま外に出た。 移動しながら、魔導書を読む。 一度読んだ事のある内容だから、すぐに頭に入った。 それを反芻する、最初から最後まで通しで思い浮かべる。 パタンと本を閉じて、一つ目の魔法を唱える。 「クリエイトデリュージョン」 妄想の内容を現実の世界に映し出す魔法だ。 魔法は成功した。 おれがマンガをよんで、頭の中で再構築したものが立体映像になって出た。 さっきのマンガの内容そのままだ。 歩きながらやったから、それを見た通行人がぎょっとした――けど無視する。 歩いてるうちに屋敷に戻ってきた。 「ただいま! シルビア、ナディア、いる?」 玄関を呼んだ、すぐに足音がして、二人がバタバタ走ってきた。 「お帰りなさいルシオ様」 「はやかったじゃん。今日は遅くなるって言ってなかったっけ」 「それより頼みたい事があるんだ」 「あたしたちに?」 「そう――クリエイトデリュージョン」 もう一度魔法を唱えてさっきの映像を出力する。 「わわ、これはなんですかルシオ様」 「動いてる、人形劇の魔法?」 「似たようなもんだ――これに合わせておれが言う台詞を言ってほしい」 そういって、二人に耳打ちする。 キャラクターの台詞を教えた。 「台詞、ちゃんと覚えた」 「これくらい余裕余裕」 「よし、じゃあ行くぞ。クリエイトデリュージョン――レコーディング」 二つの魔法を連続で唱えた。 図書館に戻ってくると、国王がのんびりお茶をすすってるのが見えた。 「またせてごめんね、王様」 「よい、それよりも何をしにいったのじゃ?」 「うん、これを」 おれが差し出したのは一つの宝石。 「これは?」 「これを持って念じてみてよ」 「こうかな?」 国王は言われた通り、宝石を持って念じてみた。 宝石が光り出した。光が一方向にすすみ、壁に映像を映し出した。 プロジェクターのような感じだ。 「これはなんじゃ? 可愛い娘が二人で戦っているみたいじゃが」 「あっ、わかるんだ」 「むろんじゃ。むっ? この声は――ルシオの妻の声じゃな」 「うん、二人に声を当ててもらった」 「で、これは一体何じゃ?」 「あのね、これの内容」 そういって、さっきの魔導書を国王に返した。 「おお、わしが読んでいた魔導書」 「その内容がこれなんだ。王様、わかりやすくしてほしいっていったから」 「おお、それでこんな風に翻訳してくれたのか」 翻訳って言うか、アニメ化だけど。 「どう?」 「うむ、わかる、わかるぞ。むっ、この娘たち、親友同士なのか?」 「うん、親友だけど敵味方に分かれて戦う話だよ」 「それはむごい。なんとかやめさせられないものか」 「そう言う話だからね」 「むむ、こっちの黄色い髪の子がやられたのじゃ。あっちは何故親友に全力をだしたのじゃ」 おれと国王はおれが作ったアニメをみて、話に花をさかせた。 普通に見れて、普通に内容の話ができる。 そうか、アニメにしたらわかるんだ、それもすぐに。 動画が最後まで流れたあと、おれは国王にきいた。 「ねえねえ、魔法は覚えたの?」 「むっ、そうかこれは魔法書の翻訳だったか」 「うん。ねっ、ライト、って唱えてみて」 「うむ――ライト」 国王は魔法を唱えた。 しーん。 何も起らなかった。 あの魔導書を読めたら、ライトという魔法を覚えられるんだが......。 「ダメのようじゃな」 「うん、だめみたい。ごめんね王様」 ちょっと申し訳なくなった。 国王は魔導書をよんで魔法を一度使ってみたいって言ってたからアニメにしたんだけど、やっぱりちゃんと魔導書を読まないとダメみたいだ。 「気にするなルシオ。その気持ちだけで十分じゃ」 「うん、ごめんなさい」 「それよりもじゃ。この宝石は何度でも使えるのか? 映像はおわったがまだ残ってるみたいじゃが」 「うん、何度でも使えるよ。そういう風に想い出を保存する魔法だから」 「よし。だれかー」 国王が大声を出して呼ぶと外で待ってたお付きの人が入ってきた。 「お呼びでしょうか」 「うむ。今夜パーティーを開く、用意と招待を」 「かしこまりました」 お付きの人が出て行った。 パーティーって、この前みたいなヤツか? なんでいきなり。 「では、これをもらっていくのじゃ」 国王はそういって、宝石を持って立ち上がった。 「え?」 「今日はこれの上映会じゃ。千呪公が余のために作ってくれたと、すごいだろうと自慢してくるのじゃ」 「ちょ、ちょっとちょっと」 止めようとしたけど、国王は老人らしからぬ、軽やかな足取りで出て行った。 というか、自慢って......。 止めるべきかと一瞬悩んだけど。 「まっ、いっか」 別に何か害があるわけじゃないし、国王のそれが、おじいさんがおれの事を――孫を自慢する時の姿とダブったから、止められなかった。 後日、国王がしょんぼりとおれにパーティーの話を聞かせた。 映像そのものよりも、集まった賓客は声優――シルビアとナディアの声の方が気に入ったらしかった。
This day, the King came to the library since the morning, and was reading a Grimoire in the relaxing place. His clothes were the janitor’s of that some time, that simple clothes. Beside me who was reading one book every thirty minutes, the King was reading only one Grimoire, the one that I recommended earlier. 「Fumu」 「What is it? You read it?」 I raised my head, and asked in child-mode. 「No, I can’t read it at all. What is this really, drawing it this hard, I can only think that the one who wrote this Grimoire doesn’t think of making anyone else read it!」 The King was angry, it looks like it really came to him. Hard, you say, it’s not really that hard though?. I took a peak on that one that the King was holding from the side, but I really could only see it as manga. 「Can anybody make this easier to understand」 The king grumbles. Well, it’s impossible to make the manga more simpler than that right, unless, it was animatedーー. 「Anime?」 「What is it, Lucio」 The King made a strange face. On the other side, I thought deeply of my mumble. This world’s Grimoire is manga, and if you say its manga, its anime. Inside me, I think that anime is easier to understand than a manga, it’s easier to see too. Maybe, it can be an anime? I thought. If it was like that, the magic that is needed....... I thought for a while. I searched for something useful from the around magic that I can use. A combination of two kinds of magic......and a collaborator is needed. 「Ou-sama, I’ll borrow this for a bit okay」 I said, and took the manga the King was holding. 「What are you going to do?」 「It’s alright, please wait a minute」 「Umu? I don’t know what it is, but I’ll wait for it」 I left the King, and went outside while holding the Grimoire. While moving, I read the Grimoire. It was contents that I read once, so it entered my head quickly. I ruminate it, I thought of it from the start to end. *Patan* I closed the book, and chanted one magic. 「Create Delusion」 It is the magic that shows the contents of delusions to the real world. The magic succeeded. I read the manga, and the reconstructed one in my head was shown as a three-dimensional image. It had the same contents as the manga earlier. I was walking while I did it, so the people passing by that saw it was startledーーbut I ignored them. After walking for a while, I returned to the mansion. 「I’m back! Sylvia, Nadia, are you there?」 I called the two in the doorsteps, I immediately heard footsteps, the two ran with a trot. 「Welcome back, Lucio-sama」 「You’re early. Didn’t you say you’re going to be late today」 「Rather than that, there’s something I want you to do」 「You want us to?」 「RightーーCreate Delusion」 I chanted the magic again, and released the video earlier. 「Wawa, what is this, Lucio-sama」 「It’s moving, a puppet theater magic?」 「It’s pretty much the sameーーI want you to say these lines in accordance with it」 I said, and whispered to the two. I taught the lines of the characters. 「The lines, did you remember it properly」 「Un, somehow」 「This much, it’s too easy」 「Yosh, then, let’s go. Create DelusionーーRecording」 I consecutively chanted two kinds of magic. When I returned to the library, I saw the King slurping tea leisurely. 「I’m sorry to make you wait, Ou-sama」 「It’s okay, rather than that, what did you go to do?」 「Un, this」 I reached out a gemstone. 「This is?」 「Hold this and invoke」 「Is it like this?」 The King as I’ve said, invoked while holding the gemstone. The gemstone shined. The light moved in one direction, and showed images to the wall. It felt like a projector. 「What is this? It looks like two cute girls are fighting though」 「Ah! You can understand」 「Of course. Mu!? This voice isーーLucio’s wife’s voice huh」 「Un, I made the two match their voices」 「And, what is this?」 「You know, the contents of this」 I said, and returned the Grimoire to the King. 「Ohh, the Grimoire that I was reading」 「Its contents are this. Because Ou-sama said, you wanted to make it easier」 「Ohh, so you translated it to this huh」 Translation, it can be said, but it’s animation. 「How is it?」 「Umu, I understand, I really understand. Mu! These girls, are they best friends?」 「Un, they’re best friends, but it’s a story that they became enemies and fight」 「That is cruel. Can’t anything be done to make them stop」 「It’s that kind of story, so」 「Mumu, this side’s golden-haired girl was defeated. That side’s best friend, why did she use all her powers」 The Kind and I watched the anime I made, and had a lively discussion. Being able to see it normally, and understand the contents of the story normally. I see, if it was made into an anime it can be understood, and quickly in addition. After the video ended, I asked the King. 「Ne?ne?, did you learn magic?」 「Mu! I see, this was the translation of the Grimoire huh」 「Un. Ne! Light, can you chant it」 「UmuーーLight」 The King chanted the magic *Shi?n* Nothing happened. If that Grimoire was read, you can remember the magic Light with it though....... 「It looks like it failed」 「Un, it looks like that. I’m sorry, Ou-sama」 I felt a little sorry. I made it into an anime because the King wanted to read Grimoire to be able to use magic at least once, but it looks like the Grimoire should be read properly or else it wouldn’t work. 「Don’t mind it, Lucio. That feeling is enough」 「Un, I’m sorry」 「Rather than that. Can this gemstone be used many times? The video ended but it looks like it was still left behind」 「U?un, you can use it a lot of times. It was magic that saves the memories just like that」 「Yosh. Anyone?」 When the King shouted with a loud voice, the attendant he had outside entered. 「Did you call for us」 「Umu. I will open a party tonight, prepare it and invite」 「I understand」 The attendant came out. Party, the one like before? Why so sudden. 「Well then, I will take this」 The Kind said that, took the gemstone and stood up. 「Eh?」 「Today will be the premiere of this. Senjukou made it for me, I will go brag that it is amazing」 I tried to stop him, but the King, as if he was not an old man, came out with light movements. I mean, bragging it....... I worried if I should stop it for an instant, but. 「Well, whatever」 It’s not like it has some harm with it, the King’s that, it was the same with Ojii-san to meーーhe looked the same at the time when Ojii-san was bragging his grandson, so I couldn’t stop it. A few days later, the King downhearted and let me hear what happened in the party. Rather than the video itself, the guests liked the voice actorsーーSylvia and Nadia’s voice better.
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「おれと契約して魔法少女になるんだ!」 「ひゃん! い、いきなりなんですかルシオ様」 昼下がりの屋敷の中。 帰宅してすぐに見つけたシルビアに詰め寄ると、彼女は思いっきり驚いた顔をした。 「おれと契約して魔法少女になるんだ!」 「お、落ち着いてくださいルシオ様。わたしにもわかるように説明してください」 シルビアが訴える。ものすごく困ってる様子。 「今日、このマンガを読んだんだ」 「新しい魔導書ですね」 「ああ、内容は敵味方に分かれて戦う魔法少女の話だ。萌えと燃えを足し割らない名作だと思う」 「そうだったんですか。新しい魔法を覚えたんですよね」 「ああ、それでおれは思った」 「はい」 「我が家には魔法少女が足りない! って」 「......すみませんやっぱりわかりません」 ますます困った顔になるシルビアである。 確実に困っているが。 「でも、ルシオ様のお役に立てるのなら頑張ります。どうすればいいんですか」 胸もとに握り拳を揃えて、意気込んで話すシルビア。 「待ってな......『レンタルアグリメント』」 覚えたばかりの魔法を使う、おれとシルビアの間に小さい魔法陣が出現。 「それを触ってくれ、それで契約成立だ」 「はい」 シルビアは躊躇なく魔法陣に触れた。 瞬間、シルビアの薬指にある指輪が光った。 そこからあふれ出した光がシルビアを包みだけ全裸になったかと思えば、次の瞬間コスチュームに着替えていた。 魔法少女らしい、制服感が若干あるコスチュームだ。 ちなみに全裸になったとき謎光源で胸は見えなかった、その辺抜かりはない。 「着替えちゃった......」 「変身したんだ。これで今日からシルビアも魔法少女だぞ」 「はあ......それで、どうすればいいんですか?」 「魔法少女は文字通り魔法が使える少女だ」 「魔法使いさん、なんですか?」 「違う魔法少女だ! 魔法使いとは別物だ」 「そ、そうなんですか。えっと......」 「魔法を使ってみるといい」 「でも、わたし魔法なんて......」 「今なら魔法少女らしい魔法を、頭の中に浮かんでるはずだ」 「え......あっ、本当です、なんか頭の中に......」 「やってみろ」 「......はい!」 ここに来て真顔になるシルビア。 さっきまでは状況が飲み込めない困った顔だったのが一転して真顔になった。 「来て、『クラテル』」 今度はステッキが現われた。 先端に宝石がついたきらきらっとした、正統派魔法少女のステッキだ。 「魔法も使えるはずだ、やってみろ」 「はい! 『フレイズニードル』」 シルビアが魔法を唱えた途端、炎の針が現われて屋敷の壁を貫いた。 「あっ......使えた。これルシオ様の魔法?」 「えっと......やっぱり説明してくれませんか?」 「いいぞ」 魔法少女・シルビアの姿をみて満足した。 少し落ち着いて来たので、彼女に説明する。 「この魔導書の魔法の効果はいくつかあって、一つは今みたいな変身機能」 「はい。かわいいです」 おれもそう思う。後で魔法使って写真撮っとこ。 「もう一つは、契約した相手に魔法を貸し出す事。だから今使ったのもおれがマンガ読んで覚えた魔法」 「そうだったんですね」 「もちろんおれが使うよりは威力とか効果とかが弱いし、一つまでしか貸し出せないとかの制限はある」 魔法少女には定番のパワーアップイベントがある、なぜならこの魔導書が続刊ものだからだ。 それはまあおいといて。 「そんなわけで、今日からシルビアは魔法少女だ!」 ズビシッ! と指さす。 「はい!」 魔法少女姿で敬礼するシルビア、かわいい。 「あの......でもルシオ様」 「なんだ」 「魔法少女って、何をすればいいんですか?」 そういえば考えてなかった。 なのがあるけど、ここは全年齢で行くべきだな。 「定番は首を食われるのと――」 「えええええ!」 「親友と空の上で全力で殴り合う、とかかな」 「親友って......ナディアちゃん」 「ああ。よし待ってろ」 魔法少女で殴り合って友情を確かめ合うシルビアとナディア。 うん、いい絵だ。 是非とも実現させたい。 おれは屋敷の中を走り回って、ナディアを探した。 そして、見つける。 「ナディア!」 「お、ルシオくんじゃん、どうした?」 「いいよ」 シルビアと違って、ナディアは二つ返事で承諾したのだった。
「Make a contract with me and become a magical girl!」 「Hyan! W-What is it so suddenly, Lucio-sama」 In the mansion, after lunch. When I drew very near to Sylvia that I saw immediately after returning home, she made a completely surprised face. 「Make a contract with me and become a magical girl!」 「P-Please calm down, Lucio-sama. Please explain so that I could also understand」 Sylvia appealed. She seems very troubled. 「Today, I read this manga」 「It’s a new Grimoire right」 「Yeah, its contents are about a story of magical girls split to allies and enemies. With the two meanings of Moe and Moe(Burn), I think that it’s a masterpiece」 「Was that so. You learned a new magic right」 「Yeah, and so, I thought」 「Yes」 「I thought that, our house is lacking magical girls!」 「......sorry, I couldn’t understand after all」 Sylvia had a more and more troubled face. In fact, she’s really troubled. 「But, if I would be of Lucio-sama’s help, I will do my best. What do I need to do」 Sylvia said resolutely while she made closed fists in front of her chest. 「Just wait for a bit......『Rental Agreement』」 I used the magic that I just learned, a small magic circle appeared between Sylvia and me. 「Please touch that, and with that, the contract would be complete」 「Yes」 Sylvia touched the magic circle without hesitations. In an instant, the ring in Sylvia’s ring finger shined. And from there, light overflowed completely covering Sylvia, and when she got naked in an instant, she changed into a costume in the next. It was a very magical girl-like, a costume that has a similar look with uniforms. By the way, when she got naked, a mysterious ray of light shined and I couldn’t see her chest, there were no cutting corners there. 「I changed......」 「You transformed. With this, Sylvia is now a magical girl starting today」 「Haa?......and then, what should I do next?」 「Magical girls are, literally, girls that could use magic」 「Magician-san, desuka?」 「No, it’s magical girl! Magicians are different things」 「I-Is that so. E?to......」 「You should try to use magic」 「But, magic, I......」 「Right now, a very magical girl-like magic, should appear inside your head」 「Eh......ah! It’s true, why is something like this in my head......」 「Try it」 「......yes!」 Coming to this, Sylvia made a serious face. Up until a moment before, she was having a troubled face that couldn’t keep up with the situation, but in a moment, she had a serious face. 「Come, 『Cratel』」 This time, a magic stick appeared. It’s a stick with a shining gemstone on its end, an orthodox magical girl stick. 「You should also be able to use magic, try it」 「Yes!『Blaze Needle』」 The next instant that Sylvia casted the magic spell, a flaming needle appeared, and pierced through the wall. 「Ah!......I could use it. Is this Lucio-sama’s magic?」 「E?to......as I’ve thought, can you please explain it again?」 「Alright」 Looking at Magical Girl ☆ Sylvia, I’m very content. I calmed down a little bit, so I explained to her. 「There’s several effects with the magic that I learned in this Grimoire, one is, just like right now, a transformation function」 「Yes. It’s very cute」 I also think so. I should take pictures using magic later on. 「Another one is, lending magic to the person with a contract. That’s why, the magic that you used right now, is a magic spell that I learned by reading manga」 「It was like that huh」 「Of course, there are limits like, the effects and strength would be weaker compared to when I use it, and only one magic could be lent」 Although, there’s also a power-up event just like the classics of magical girls, after all, this Grimoire is a series one. Well, leaving that on the side. 「And so, with that, Sylvia is now a magical girl starting today!」 *Zubishi!*, I pointed her. 「Yes!」 Sylvia saluted in her magical girl appearance, it’s so cute. 「Uhm......but, Lucio-sama」 「What is it」 「Magical girls, what should they do?」 I didn’t think about that. There’s an All-Ages Rated one, and an R- one, but I should go with All-Ages right now. 「A classic one where your head would get eatenーー」 「Ehhhhh!」 「Or something like, having a fist fight with your best friend up in the air」 「Best friend, you say......Nadia-chan」 「Yeah. Yosh, wait for a bit」 Sylvia and Nadia, magical girls who would confirm their friendship through fists. Un, it’s a great picture. I would really like it to happen for real. I ran around the mansion, searching for Nadia. And then, finally, I found her. 「Nadia!」 「Oh, isn’t it Lucio-kun, what happened?」 「Okay」 Unlike Sylvia, Nadia accepted with a quick reply.
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「ルシオくんルシオくん」 寝てるところを、体を揺すられて起こされた。 目をこすった体を起こす、ナディアが興奮した顔でおれを見ている。 「ふあーあ。おはよう。どうしたんだ」 「外!」 「外?」 「うん外! 良いから来て!」 手を引っ張られて、部屋から連れ出された。 家からも出て、庭に出た。 そこの銀世界、雪が積もっていた。 「ルシオ様」 シルビアもそこにいた。彼女もうきうきワクワクの表情をしてる。 「夜の間に降ったのか」 「すごいよね! あたしこんなに雪が積もってるところはじめて見たよ」 「そうなのか?」 「うん! 昔すんでたところはほとんど降らないし、ふってもべちょべちょの雪だから」 「ああ、なるほど。......じゃあこういうのもやったことはないのか」 「こういうの?」 「見てろ」 おれは頭の中でポーズを想像して、そのポーズをとって、雪の中に飛び込んだ。 体が雪の中にめり込む。柔らかい雪がおれの全身を包む。 普通はここでちょっともったいない事になるけど、今は魔法がある。 「フライ」 空を飛ぶだけの魔法を使って、雪の中から浮かび上がる。 そしてナディアのところに戻ってきて、着陸する。 「ああいうの、見た事ないだろ」 「わあ、ルシオ様の形になってる」 「あはははは、なんか面白い」 雪は綺麗にくっきりと、おれがとったポーズの形でめり込んでいた。 ポーズが面白かったからか、シルビアもナディアも大うけだった。 「新雪でこれをやるのが定番なんだ。後は雪合戦とかもそうだな」 「雪合戦? 何それ」 「わたし知ってる......こう」 シルビアは雪玉を丸めて、ナディアに軽く投げつけた。 「こういう風にぶつけて遊ぶゲームのことだよ」 「普通はチーム分けしてやるもんだ。そうだな、シルビアとナディアがチームを組んで、もう片方はおれ一人で十分だから」 で、男女の事を考えてそのチーム分けを提案した。 「えー、あたしルシオくんと同じチームがいい」 「わたしも、ルシオ様と同じがいいです」 「じゃあ三人で同じチームにしよう」 「うん」 「いやいや、三人で同じチームなら相手どうするんだよ」 「ルシオくん何とかして」 ナディアはあっさり言い放った。 当たり前の様に言い放つ、その顔はおれなら何とかできるって思ってる顔だ。 いやまあできるけど。 「じゃあ、まずは雪だるまを作ろう」 「雪だるま?」 「こういうのだよ、ナディアちゃん」 シルビアはサッとの雪玉をくっつけて、手乗りサイズの雪だるまを作った。 「ここに目と、手と......あっ、ちょっとまって」 部屋の中に飛び込んで、小さい布きれを持ってきた。 それを雪だるまの首に巻き付けて、マフラー代わりにする。 「こうするの」 「わあ、可愛い!」 「じゃあこれを」 おれは雪だるまに魔法をかけた。 命のないものに命を吹き込む、即席のホムンクルスを作る魔法だ。 雪だるまが動く、シルビアの手から跳び降りて、雪の上をぴょんぴょん跳び回る。 「すごい、可愛い!」 「こんなのもあるぞ」 おれはちょっと違う雪だるまを作った。 ちょっい、「●」の目と「▲」の口をかいた雪だるまだ。 ぶっちゃけダ○ボーだ。 「か・わ・い・い!!!」 ナディアが盛大に目を輝かせた。うん、かわいかろう。 雪だるまを何体もつくって、それに命を吹き込んでいった。 そしておれたち三人と、雪だるまでわかれて雪合戦を始めた。 「わたしが雪玉を作るから、ルシオ様とナディアちゃんはどんどん投げて」 「うん!」 「わかった、任せる」 シルビアの提案に乗った。 シルビアが雪玉をつくって、おれとナディアが投げる。 雪だるま達も雪玉をつくってどんどん投げてきた。 雪玉と笑い声が飛びかう。 相手が雪だるまのせいで、雪玉があたるとどんどんくっつき、膨らんで動きが鈍くなって、更にあたりやすくなって、膨らんで――の繰り返しだ。 もしないうちに、全部の雪だるまが雪玉にうもれて動けなくなった。 「あはははは、勝利!」 ナディアはVサインをした、のりのりだ。 「たのしいね! 雪合戦」 「あー、動き回ったから喉渇いた」 「あっ、飲み物持ってくるね」 「ああちょっとまって」 シルビアを呼び止める。 一方で新しい雪だるまを作る、▲と●のかわいい雪だるま。 それを何体もつくって、まとめて命を吹き込んだ。 「飲み物、それと食べ物」 命令すると、雪だるま達は一斉に動き出した。 家の中に入って、命令通りに飲み物と食べ物を準備する。 ▲と●の雪だるまがわらわら動く。 お茶を出して、お菓子を出して、しまいにはシルビアとナディアの肩を揉み出した。 最初は所在なさげだったシルビアも、次第にまんざらじゃなくなって、ナディアと一緒に至れり尽くせりを楽しみだした。 おれはというと、至れり尽くせりされる二人の笑顔が嬉しかったから、雪だるまをこっそり量産し続けていた。 最後の方は100体をこえて、ふたりはまるで女王みたいになっていた。
「Lucio-kun, Lucio-kun」 While I was sleeping, I was awakened by my body shaken. I wiped my eyes and raised my body, and Nadia was looking at me with an excited expression. 「Fuwaah. Good morning. What is it」 「Outside!」 「Outside?」 「Un, Outside! Just come!」 Pulling me by my hand, I was taken out of the room. After going out of the house, we went to the yard. There, was a scenery of silver world, snow was piled up. 「Lucio-sama」 Sylvia was also there. She also had an expression that she couldn’t stay in her place and was very excited. 「Did fall last night」 「It’s amazing right! It’s the first time I saw snow piled up this much」 「Is that so?」 「Un! At the place that I was living before it almost never fell, it sometimes do but is was *PechoPecho*-like snow」 「Ahh, I see. ......Then you have never done this」 「This?」 「Look」 I imagined a pose inside my head, took that pose, and jumped in the snow. My body shrunk to snow. The soft snow enveloped my whole body. Usually it would seem such a pity after this, but I have magic right now. 「Fly」 I used the magic that can only make something fly, and floated from inside the snow. Then returned to where Nadia was, and landed. 「Something like that, you’ve never seen before right」 「Wah, it became Lucio-sama’s shape」 「Ahahahaha, it looks fun」 The snow was clearly shaped, and the pose that I took shrunk to the snow. Because the pose was interesting, Sylvia and Nadia liked it very much. 「It’s the cliché during the first snow. After that is snow-ball fight」 「Snow-ball fight? What’s that」 「I know that......like this」 Sylvia made a ball from the snow, and threw it lightly to Nadia. 「It’s the game that you with hit it like this」 「Normally it is played with different teams. How’s this, Sylvia and Nadia will make a team, and the other team will be fine with me alone」 With three people, I suggested the teams made if it was played with opposite sex. 「Eh?, I want to be in the same team as Lucio-kun」 「I also, I want to be the same with Lucio-sama」 「Then, let’s make a team with three of us」 「Un」 「Wait wait, if the three of us are the same team, what will be the opponent」 「Lucio-kun should do something about it」 Nadia declared naturally. She said it naturally, and she was making an expression that if it’s me I could do something about it. Well yeah, I could though. 「Then, let’s first build a snowman」 「Snowman?」 「It’s something like this, Nadia-chan」 Sylvia stuck two snowballs, and made a palm-sized snowman. 「In here the eyes, the hands......Ah! wait a minute」 She ran to her room, and took out a small cloth. She wrapped that to the snowman’s neck, and used it as a muffler. 「You do it like this」 「Wah, so cute!」 「Then with this」 I casted magic to the snowman. It was the magic that gives life to a non-living thing, also can create a simple homunculus. The snowman moves, it jumped from Sylvia’s palm, *PyonPyon* she jumps around on the top of the snow. 「Amazing, so cute!」 「There’s also something like this」 I made a snowman that was a little different. A bit squared, a snowman that has 「●」as it’s eyes, and 「▲」as it’s mouth. Honestly, it’s Danbooru. 「Ka?wa?ii!!」 Nadia’s eyes shines very bright. Un, it’s cute right. I made a few snowmen, and gave life to it. And with the three of us, against the snowmen, we started the snowball fight. 「I will make snow balls, so Lucio-sama and Nadia-chan should throw them as much as you want」 「Un!」 「I got it, I’ll leave it to you」 I followed Sylvia’s suggestion. Sylvia made the snowballs, Nadia and I threw it. The snowmen also made snowballs and started throwing them. Laughter and snowballs were thrown around. Because the opponent was a snowman, the snowballs stuck to it one next to the other, became bigger and it made its movement dull, became a lot easier to hit, and became biggerーーThat repeated. Not lasting even five minutes, all the snowmen was covered with snow ball and cannot move anymore. 「Ahahahahaha, Victory!!」 Nadia made a V-sign, she’s on the roll. 「It was so fun! Snow-ball fight」 「Ah?, after moving around my throat is parched」 「Ah! I will go bring drinks」 「Ahh wait a minute」 I called Sylvia to a stop. Rather, I made a new snowmen, cute snowmen with 「▲」 and 「●」. I made few of those, and gave life to it altogether. 「Drinks, and also food」 When I ordered them, the snowmen started moving at the same time. They entered the house, and started preparing drinks at food as they were ordered. *WaraWara* the 「▲」 and 「●」 snowmen moved. They took out tea, took out snacks, and even started to massage Sylvia and Nadia’s shoulders. Sylvia who didn’t like being taken her job at first, gradually started enjoying it, and together with Nadia, she was delighted of being taken care of with everything. At that time, I became happy seeing the two smile while being taken care of, so I secretly increased the number of the snowmen. By the end of it, there was over a hundred of them, and the two looked like a queen.
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ナディアがわくわくしてる横で、宝探しで見つかった魔導書を読んだ。 SFチックなマンガだ。未来の自分の声的に聞ける主人公が、それを予知能力として使いこなしていく話だ。 パタンと魔導書を閉じる。 「読めた?」 「どういう魔法なの?」 「実際に使って見せた方が早いだろ。『フォレッシー』」 魔法を唱えた。 目の前に映像が映し出された。 シルビアが転んでるのか、スカートがめくれ、パンツが見えてる映像だ。 「ルシオくんのエッチ!」 ナディアに背中をはたかれた。 「なにこれ、なんでシルヴィのパンツなの?」 「いやこれは」 焦った、ナディアが珍しく怒ってるからだ。 どういいわけ――説明しようかと悩んでると。 「こういうのが見たいんならシルヴィに言えばいいのに。魔法を使って偽物を見るなんてシルヴィかわいそう!」 「そういう意味なの!?」 流石にそれは想像出来なかった。 見るなら本人のを見ろ、魔法で出したのを見るのは本人がかわいそう。 その発想はなかったわ。 「そうじゃなくて、これはな――」 「ルシオさまー」 屋敷の中からシルビアが出てきた。 つけてるエプロンで手を拭きながら、小走りでばたばたやってくる。 ふと、長いスカートを踏んづけて――すっころんだ。 ドンガラガッシャン! ってSEがつきそうなくらい見事なコケっぷりだ。 それでスカートがめくり、パンツが見えた。 さっきの映像そのままだ。 「シルヴィ大丈夫?」 「あいたたた、だ、大丈夫」 「もう、気をつけなよ。庭は走っちゃだめなんだからね」 いや庭は走っていいだろ。 というかナディアはそれに気づいてない。今のシルビアがさっきの映像そのままだって事に。 古代魔法、予知の能力。 魔法を唱えると、ちょっとした未来の映像を映し出すことが出来るみたいだ。 『タイムシフト』の方が強力だと思うんだが、これが古代魔法である以上、何か差があるんだろうな。 「ルシオ様」 考え込んでると、シルビアがそばにやってきた。 何故か顔を赤らめている。 「どうしたシルビア」 「あ、あの......ナディアちゃんから聞きました」 「ナディアから?」 シルビアの背後のナディアを見る。イケイケゴーゴー、とばかりにジャスチャーではやしたててる。 なんなんだ? もう一度シルビアを見る。 ますます赤面して、ぷるぷるふるえてる。 やがて――。 「え、えい!」 かけ声をして、スカートを裾を持ち上げた。 さっき見たパンツが見えた。 「ちょ、ちょっとシルビア! 何してんの」 「な、ナディアちゃんが言ったんです。ルシオ様がさみしさのあまりに魔法で作ったわたしのパンツを見てるって」 「だー! それはちがう!」 「ち、違うんですか? でも魔法でパンツが見えたって」 「あれは予知の魔法! シルビアさっきコケてただろ? それを予知しただけだ、それのついでにパンツが見えただけ!」 「そ、そうだったんですね」 シルビアはほっとして、それから恨めしい目でナディアをみた。 ナディアは「なになにどうしたの?」って近づいてきて、親友のシルビアにぽかぽか叩かれた。 しばらくして、落ち着い。 ナディアにも魔法の事を説明して、納得させた。 「そっか、そういうことかー。うん、確かにパンツは一緒だった」 「体勢が一緒だったって言ってくれ」 「ねえねえルシオくん、それってちょっと先しか見えないの?」 「どうだろ。やってみる」 念じて、『フォレッシー』をもう一度使う。 映像が生まれる、棺桶の中にガイコツがある映像だ。 「きゃああああ!」 「なにこれなにこれ」 シルビアは悲鳴をあげて、ナディアは楽しそうに食いついた。 「えっと......ああ年後のおれだ」 魔法を使ったのはおれだから、何となく理解する。 「えー、ルシオくん死んでるの?」 「ナディアちゃん、そりゃあ死ぬよ、三百年後だもん」 「そっか。なんかルシオくんだったら三百年くらい生きてる気がしたから」 「人間だから百年くらいで死なせてくれ」 「未来過ぎてつまんない、もっと他に出来ないの?」 「調整してみるか......『フォレッシー』」 ヒゲを蓄えた、ロマンスグレーのじいさんが映し出された。 マントをなびかせて軍隊を率いてる。威風堂々として、おれの目からも格好良く見える。 「なんじゃこりゃ」 「うーん」 「......」 シルビアとナディアがじっと見つめる。 おれも考える、何となく理解した――。 「ルシオ様だわ」 「うん、ルシオくんだね」 「......よく分かったな」 そう、それは未来のおれだ。 大年後くらいのおれ、何をしてるのかはわからんが。 「すっごいな、ルシオくんかっこいいな」 「こういうルシオ様も素敵......」 「もっと、ねえもっとルシオくん」 「『フォレッシー』」 今よりもうちょっと年を取った、国王とおじいさんが日本家屋の縁側で碁をうっていた。 ......どういう光景だ? 「やっぱり仲いいよね、この二人」 「『フォレッシー』」 今度はアマンダさんだ。 いつも通り鉄面皮でメイド姿のアマンダさん――が墓の手入れをしてる。 「アマンダさんだ、変わってないからちょっと後のことかな」 「かもね」 ......墓の名前に「ルシオ・マルティン」って書いてあった。なんでおれの墓参りしてるアマンダさんの姿が変わってないんだ? 怖いから考えない事にした。 今度はイサークの姿が映し出された。 寒空の下、物乞い姿で凍えるイサーク。 ちょっとかわいそうにも思える。 そうやって新しい魔法を使って、色んな未来をだして、二人と観賞して、わいわいやった。 そこに映し出されたのはベロニカ。 草原に一人佇んでちょっと寂しげにしてたが、おれたちがそこにやってきた。 おれとシルビアとナディア。 草原にシートを広げて、バスケットから弁当を出してピクニック。 「そういえばベロちゃんいないじゃん」 「散歩にいくっていってましたね、そういえば」 「......ねえルシオくん、これってもしかして」 「ああ、三十分くらいあとの未来だ」 シルビアとナディアは互いを見て、頷く。 「超特急で準備してくるよ」 「ちょっと待っててねルシオ様」 「ああ」 頷くおれ、二人が屋敷の中に戻っていくのを見送る。 未来映像の中では、寂しげだったベロニカが満面の笑顔になった。
Beside Nadia who was excited, I read the Grimoire that was found through treasure hunting. It’s an SF-tic manga. A story about the protagonist that can hear his future self’s voice one-sidedly, and using that as a prediction ability. *Patan*, I closed the Grimoire. 「You read it?」 「Un」 「What kind of magic is it?」 「It’s probably better if you just look at it actually. 『Foresee』」 I chanted the magic. A video was shown in front of us. A video where, did Sylvia tripped, and her skirt flipped up and her panty could be seen. 「Lucio-kun no ecchi!」 Nadia slapped my back. 「What’s this, why is it Sylvie’s panty?」 「No, this is」 I panicked, Nadia was unusually angry. How should I make an excusーーexplain it to her, and when I was wondering about that. 「If you want to see something like this, shouldn’t you just tell Sylvie. For you to look at a fake one using magic, I feel bad for Sylvie!」 「You mean it like that!?」 I couldn’t imagine that at all. If you’re going to look, look at the real one, it feels bad for the real person if you look at something made with magic. I couldn’t think of that. 「No, it’s not like that, this isーー」 「Lucio-sama?」 Sylvia came out from the mansion. While wiping her hands on the apron she’s wearing, she came in a hurry with a jog. And suddenly, she stepped on her long skirtーーand tripped. Dongaragasshon! She tripped so well that it seemed like there was a sound effect like that. And with that, her skirt flipped, and her panty could be seen. It’s exactly the same as the video just earlier. 「Sylvie, are you okay?」 「Ouch?, I-I’m okay」 「Ohh, be careful alright. You shouldn’t run in the garden you know」 No, she can run in the garden right. I mean, Nadia didn’t notice that. The fact that what happened to Sylvia was exactly the same as the video earlier. Ancient magic, prediction ability. When I cast the magic, it looks like it can show just a little bit in the future. I think that『Time Shift』is stronger, but as long as this is an ancient magic, there is probably a difference. 「Lucio-sama」 When I was thinking deeply, Sylvia came to my side. For some reason, her face was red. 「What happened, Sylvia」 「U-Uhmm......I heard from Nadia-chan」 「From Nadia?」 I looked at Nadia who’s behind Sylvia. She made a gesture “Ike, ike, go? go?”. (TL: ike means go, go is said in english) What is it? I looked at Sylvia once again. She reddened more and more, and started trembling. And finallyーー. 「E-Ei?!」 She called out, and raised her skirt up. I saw the panty I saw earlier. 「W-Wait a minute, Sylvia! What are you doing」 「N-Nadia-chan said. Lucio-sama was so lonely that you looked at my panty using magic, she said」 「Da?! That is wrong!」 「I-Is it wrong? But, she said, you saw my panty using magic」 「That is a prediction magic! Sylvia tripped earlier right? That was just predicted, and I just saw your panty on the side of that!」 「W-Was that so」 Sylvia was relieved, and looked at Nadia with reproaching eyes. Nadia approached like “What, what, what is it”, and was *PokaPoka* punched by her best friend Sylvia. After a while, the two calmed down. I also explained about the magic to Nadia, and made her convinced. 「I see, it was like that huh?. Un, it’s true that it’s the same panties」 「Please say that it’s the same posture」 「Ne?ne?, Lucio-kun, can you only see a little bit ahead with that?」 「I wonder. Let me try」 I invoked, and used『Foresee』once again. A video appeared, a video of a skeleton inside a coffin. 「Kyaaaaaa!」 「What’s this, what’s this」 Sylvia raised a scream, and Nadia focused on it joyfully. 「E?to......ahh, it’s me three hundred years later」 It’s me who used magic, so I somehow understand. 「Eh?, Lucio-kun is dead?」 「Nadia-chan, well, he would probably die, it’s three hundred years later you know」 「I see. Somehow, I felt that if it’s Lucio-kun, he would live at least years」 「I’m a human, so let me die around a hundred years」 「It’s too far in the future it’s so boring, can’t you do something else?」 「I’ll try to adjust it......『Foresee』」 A fine old gentleman with gray hair and beard was shown. He let his cloak flutter and led an army. He is very majestic, and he looks so cool even with my eyes. 「What the heck is this」 「......」 Sylvia and Nadia stared at it intently. I also thought, I somehow understandーー. 「It’s Lucio-sama」 「Un, it’s Lucio-kun」 「......how did you guess」 That’s right, that’s me in the future. It’s me around years old, I don’t know what I’m doing though. 「How amazing, Lucio-kun so cool」 「This Lucio-sama is also wonderful......」 「More, ne?, more, Lucio-kun」 「『Foresee』」 It’s me a little older than now, and the King and Ojii-san are playing shogi in the hallway in the garden of a Japanese mansion. ......what scene is this? 「As I’ve thought, the two of them gets along with each other」 「『Foresee』」 This time, it’s Amanda-san. It’s Amanda-san’s maid appearance with her usual unchanging steel faceーーshe’s taking care of a grave. 「It’s Amanda-san, she haven’t changed so it’s probably just a little bit in the future」 「Maybe」 ......it’s written,「Lucio Martein」, on the gravestone. Why does Amanda-san’s appearance unchanged when she’s visiting my grave? It’s scary so I just decided not think of it. This time, Isaac’s appearance was shown. Under the cold weather, it’s Isaac’s beggar appearance that is frozen. I felt bad for him a little. And just like that, I used the new magic, made several futures appear, and cheerfully watched them with the two. It was Veronica who was shown there. She seemed sad standing alone in the grasslands, and I came there. Sylvia, Nadia, and me. A sheet is spread in the grassland, a picnic where lunch is in a basket. 「Come to think of it, Vero-chan’s missing」 「She said that she’s going for a walk, come to think of it」 「......ne?, Lucio-kun, is this」 「Ahh, it’s a future that is minutes from now」 Sylvia and Nadia looked at each other, and nodded. 「I’ll prepare super quickly」 「Please wait for a while okay, Lucio-sama」 「Ahh」 I nodded, and saw off the two returning inside the mansion. In the video of the future, Veronica who seemed sad was now having a great smile.
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異世界にやってきてか月がたった。 おれはその間、おじいさんの書庫の中で一日の大半を過ごした。 の子供に何かができるわけでもないし、マンガを読んでいろんな魔法を覚えるのは楽しかった。 一ヶ月で、おじいさんの蔵書の一は読破した。 それで覚えた魔法が3桁を越えた。 それで知ったのは、この世界の人間は何故かマンガがほとんど読めないということ。 ママンガはぎりぎり読める、ストーリー漫画のコマ割りになったら混乱、擬音がどーんと出たらそのページはもう読めない。 アメコミ風のやつはおじいさん曰く「地上でもっとも難しい魔導書」らしい。 それにはおれも苦労した。コマ割りと開きが普通のと違ってたから......それでも普通に読めたけど。 で、具体的にどれくらい読めないのかっていうと、コミックス一冊読むのに普通は半年から一年かかるってレベルだ、速い人でも一ヶ月かかる。 おじいさんによくしてもらったからマンガの読み方を教えようとしたけど、まったく理解されないで終わった。 マンガなんて難しい事なにもないのになぁ、不思議だ。 「ルシオ」 おじいさんの前ではすっかり子供モードがなじんできたおれ。 そのうち「あれれれー」って言い出しかねないと自分でも心配してる。 「あしたお前の嫁が来るからな、仲良くしてやるのじゃぞ」 「うん、わかった」 頷き、マンガの続きを読む。 ......。 「えええええ?」 あまりの事に反応が遅れた。 今なんて言った、嫁? 嫁が来るっていったか? 盛大にひっくり返りそうになって、おじいさんを見る。 「ど、どういう事なのおじいちゃん」 「だからお前の嫁が来る」 「嫁って、ぼくはまだ六歳だよ?」 「大丈夫じゃ、相手も同じ六歳じゃからな」 「問題あるよ、いっぱいあるよ。どういう事なの一体」 「ふむ、やはり一から説明せねばならんか」 是非そうしてください。 おじいさんは自分が読んでる魔導書(おれで読んだ)をおいて、語り出した。 「もともとルシオにはいいなずけがいる。わしの大親友の孫娘でな、お前達が生まれる前から、生まれてくる子供が異性同士だったら許嫁にしようって約束を交わしたのじゃ」 そんな事......子供が生まれる前に決めるのか。 「もちろん結婚は互いが大きくなってからの予定じゃったが。わしの親友が――商人なんじゃが、商売に失敗して家が没落してな。助けようと思ったが、わしの所に話が来た時はもう手遅れじゃった」 なんか重い話になってきたぞ。 「手を尽くしたが、救えたのは孫娘一人だけじゃった。こうなったらせめてその孫娘を引き取ろうと思ってな」 親友の忘れ形見ってヤツか。 「そうだったんだね」 「その娘を守るにはこっちの身内にしてしまうのが一番じゃ。だからルシオ、嫁として大事にするのじゃぞ」 そういうことなら仕方ない。事情が事情だ。 相手は六歳の幼女だし、妹って感じで接すればいいかな。 次の日、おれの嫁が来た。 屋敷の表に馬車が到着する、中から降りてきたのは可愛いけど、顔がやつれてる幼女だ。 頬はこけて目に力がない。 よっぽど疲れてきってるな、って一目でわかる。 「おお......シルビアちゃん、かわいそうに。前にあったときはあんなに可愛らしかったのに」 おじいさんは幼女......シルビアに近づいていった。 かわいそうだと思うのはおれも同感だ。なぜならおじいさんが近づいただけでシルビアは怯えたから。 人見知りから来るタイプの怯えじゃない、そもそもおじいさんの話じゃ初対面じゃない。 ひどい目にあって、それで大人を怯えてるって顔だ。 「い、いや......」 「おおぉ......かわいそうに」 おじいさんは足を止めた。 「おじいちゃん、ここはぼくに」 そう言って、代わりにシルビアの前に立った。 実家の商売の失敗で多分地獄を見た幼女。 それが、おれの嫁。 このままにしておきたくはなかった。 「ドレスアップ」 手をかざして、3桁を越えるうちの一つの呪文を唱えた。 シルビアの体がひかりに包まれ、直後に姿が変わった。 頭にヴェール、体にドレス、そして両手にブーケ。 可愛らしい、ウェイディングドレス姿。 驚くシルビア、おれは彼女の手を取って、甲にキスをする。 「ようこそシルビア、ぼくの可愛いお嫁さん」 「あっ......」 シルビアは頬をポッと染めて、恥ずかしそうにうつむいてしまった。 うん、怯えるよりはずっといい。 「おお、よくやったぞルシオ」 おじいさんは大いに喜んでくれた。 夜中、変な気配に起こされた。 目を開けると、シルビアがベッドから起きて、おろおろしてる。 おじいさんの命令で、おれとシルビアは同じベッドで寝てる。 ベッド自体はキングサイズよりでっかいから、ベッドの上で離れて寝てた。 寝てたんだけど、何故か起きて、おろおろしてる。 「どうしたんだ、シルビア」 「きゃあ!」 声をかけると、盛大に悲鳴を上げられた。 どうしたんだろう。 おれも体を起こした。 シルビアは枕を抱いて、縮こまっている。 「どうした......ってうん?」 近づいていこうとすると、ベッドの上に這うおれの手がなんか湿ってる所を触った。 ベッドの一部が水でびちゃびちゃになってる。 なんだろうと思ってかぐと――おしっこだった。 もしかして......とシルビアを見る。 湿ったベッド、恥ずかしがる六歳の子供。 なるほど、おねしょか。 「着替えよう」 「わ、わたし――」 何かいいわけしようとするシルビア。 「大丈夫だから、きにしなくていい」 そう言って、微笑んでみせる。本当に気にしてない、という顔をする。 「そのままだと風邪引くから、着替えよう」 おれはメイドを呼んで、着替えを用意させた。 着替えをもらって、メイドをいったん外に出す。 「着替えよう、手伝ってあげる」 「お、おこらないの?」 「おこらない。おこる必要はない」 子供のおねしょくらいでいちいちおこる必要性を感じない。 「......ごめんなさい。わたし、知らない所でねるとこうなの」 「本当にごめんなさい」 「いいさ。この家にゆっくり慣れていけばいい」 そういいながらシルビアのパジャマを脱がせてやって、布で股間を綺麗に拭き取って、新しいパジャマに着替えさせた。 シルビアは恥ずかしがりながら、着替えをおれに手伝わせた。 汚したパジャマをファイヤボールで跡形もなく燃やし尽くした。 着替えをすんで、メイドを呼んで、シーツをかえてもらった。 新しいシーツになったベッドにシルビアと一緒に乗った。 「さあ、寝ようか」 「うん?」 「ありがとう」 「どういたしまして」 「うん?」 「ああ、いいよ」 手を差し伸べる、シルビアは大喜びで手をつないできた。 で、手をつないで寝た。
It has passed a month after coming to another world. I was spending most of my time during that, staying at Ojii-san’s archive. It’s not like a -year old child can do anything, and reading manga and learning magic was fun. After a month, I have read through one-third of Ojii-san’s archive. And the magic that I remembered was already beyond three-digits. And what I’ve found out, was most of this world’s people are not able to read manga. The best they could read is a -koma manga, but if it was a story manga’s panel layout they are confused, and if sound effects like *Doーn* appears they will not be able to read the page. And the American comic-like one was 「The most difficult Grimoire in the world」Ojii-san said. I also took a hard time with that. The panel layout and the way you turn its pages were different......But I could still read it normally. And, if I specifically talk about how much they couldn’t read it, at the level that they read, one volume of a comics would take six months to a year, even the people who are considered as “fast” would take a month. Ojii-san took care of me well so I tried to teach him how to read a manga, but the result ended with him not understanding at all. There isn’t a difficult thing in reading a manga though, it’s very strange. 「Lucio」 「What is it Ojii-chan」 I’ve gotten used on being child-mode in front of Ojii-san. I’m worried about myself, that someday I might start saying 「Arerere?」. 「Your bride will come tomorrow, you should get along with her」 「Yup, I got it」 I nodded, and continued reading manga. ......... 「EEEEEEH?」 Because of its absurdity I got late reacting. What did he say now, bride? Did he say a bride is coming? I was overly surprised and almost fell back, and looked at Ojii-san. 「Like I said your bride is coming」 「Bride you say, I’m still -year old you know?」 「It’s alright, your partner is also -year old」 「It’s not alright, not at all. What on the world would that mean」 「Fumu, as expected, I should explain it from the start huh」 Please do that. Ojii-san put down the Grimoire(the one I read within five minutes), and started talking. 「Lucio originally has a fiance. It was my best friend’s grand daughter, even before you were born, we promised each other that if they are of the opposite sex we will make you engaged」 That kind of thing......is it something that is decided before a child’s birth. 「Of course, the plan was, you are going to be married when you were both old enough. My best friendーーHe was a merchant, but he failed at some trade and his house was on a downfall. I was thinking of saving him, but it was too late when the story came to me」 It somehow, became a heavy atmosphere suddenly. 「I tried my best, but the only one I saved was the granddaughter alone. If it is like that, I thought that I should take care of that grand daughter」 As his best friend’s memento, huh. 「The best way to protect that girl, is to make her out relative. That’s why, Lucio. Take care of her as your bride」 If it’s like that, then there’s no helping it. The situation is the situation. The partner is a -year old little girl, I should just take care of her like a little sister, I think. The next day, my bride came. A carriage stopped in front of the mansion, and the one who went out was a very cute little girl, but has an exhausted expression. Her cheeks are sunk, and there was no spirit in her eyes. She was really tired, that you can see, even with a glimpse. 「Ohh......Sylvia-chan, what a pity. You were so lovely the time we met before」 Ojii-san......approached the little girl, Sylvia. I agree, that she looked pity. Because when Ojii-san approached, Sylvia was frightened. That wasn’t like being frightened when one is shy. In the first place, the way Ojii-san talked to her, it wasn’t the first time they met. Her expression was like that, because bad things happened and she became afraid of adults. 「N-No......」 「Ohhh......poor thing」 Ojii-san stopped his feet. 「Ojii-chan, I will go」 I said, and stood in front of Sylvia instead. The little girl that saw hell, because of her house failed at trade. That, was my bride. I didn’t want to leave her like this. 「Dress-Up」 I placed my hand forward, I chanted one of the three-digit spells I had remembered. Sylvia’s body was coated by light, and changed her appearance in an instant. A veil on her head, dress in her body, and a bouquet in both of her hands. A very lovely, wedding dress look. Sylvia was surprised. I took her hand, and kissed the back of it. 「Welcome Sylvia, my lovely bride」 「Ah!......」 Sylvia flushed her cheeks, and looked down shyly. Yup, it was better with her being frightened. 「Oh, Good job Lucio」 Ojii-san was overjoyed. At night, I was woken up by a strange presence. When I opened my eyes, Sylvia was awake in the bed, and was flustered. With Ojii-san’s orders, I am sleeping together with Sylvia in the same bed. The bed itself was larger than a king’s size, so we were sleeping on top of it with a little distance. She was sleeping, but something happened, and was flustered. 「What happened, Sylvia」 「Kya!」 When I called to her, she made a loud scream. I wonder what it was. I also raised my body. Sylvia was hugging her pillow, and was making her body small. 「What happーーWait, *Un*?」 When I tried to approach her, crawling on the top of the bed, the place where I touched my hand was a little moist. One part of the bed was wet with water. Thinking what it was, I smelled itーーit was pee. Maybe......thinking that, I looked at Sylvia. Moist bed, a -year old child who was embarrassed. I see, bedwetting huh. 「Lets go change」 「I-Iーー」 Sylvia was trying to say an excuse. 「It’s alright, don’t mind it」 I said, and smiled at her. “I really don’t mind”, it was that kind of expression. 「If it was left like that you would catch a cold, lets go change」 I called a maid, and let her prepare change of clothes. I received the change of clothes, and let the maid go outside for once. 「Let’s change, I’ll help you」 「Y-You aren’t angry?」 「I’m not angry. There’s no reason for that」 I didn’t feel the need to be angry to a child, even if she wets her bed every time. 「......Sorry. When I, sleep in a place I’m not familiar it becomes like this」 「Was that so」 「I’m really sorry」 「It’s okay. You should just get familiar in this house at your own pace」 While I was saying that, I removed Sylvia’s pajama, wiped her crotch clean, and let her change with a new pajama. Sylvia was a little embarrassed, but she let me help her change. I burned the soiled pajama with a Fire Ball, leaving no trace of it. After changing, I called the maid, and let her change the sheets. Together with Sylvia, I went on the top of the bed with new sheets. 「Come, let’s sleep」 「Yup?」 「Thanks」 「You’re welcome」 「Yup?」 「Yeah, it’s fine」 I reached out, and Sylvia holds our hands gladly. Together, we slept while holding hands.
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朝、屋敷の男がやってきた。 代の青年で、人のよさそうな穏やかな見た目をしている。 「ルシオ・マルティオ公爵閣下とお見受けいたしますが」 「うん、ぼくがルシオだよ」 とりあえず子供モードで返事した。 「お兄さん、だれ?」 「申し遅れました、わたしはシモン・シンプソンと申します」 「シモンさんだね」 「公爵閣下を宮殿に案内するよう仰せつかりました」 なるほど、ゲルニカ王国側からの使者か。 今日宮殿に行ってこっちの国王と会うから、その案内役としてきたわけだ。 「よろしくお願いします。それと、公爵閣下はやめてよ。名前で呼んでくれた方がいいな」 「わかりました。それではこれからマルティン様と呼ばせていただきます」 それでもまだかたいけど、まあいいか。 「ルシオくん、出かけるの?」 屋敷の奥からナディアがでてきた。 起き抜けで頭がいつもの様に寝癖で大変な事になってる。 「そっちの人は?」 「シモンさん。今からこの人とちょっと仕事にいってくる。彼女はぼくのお嫁さんのナディア」 「......」 シモンは驚きに目を見開き、無言で慌ててナディアに頭を下げた。 見た目子供でも公爵夫人だからな、ナディアは。 「そっか。ルシオくんをよろしくね」 「いこっか、シモンさん」 「はい」 シモンをつれて屋敷から出た。 するとシモンはほっとした。 「どうしたのシモンさん?」 「失礼しました。まさか公爵夫人にお目にかかれるとは思ってなくて」 「ぼくの時より緊張したみたいだけど?」 「それは、ええ、まあ」 シモンは口ごもって、額の汗を拭いた。なにか訳があるのか? 「ちなみにぼくのお嫁さんはもう一人シルビアって人もいるから」 「お二人いらっしゃるのは存じ上げております」 「そっか」 シモンと一緒に街中を歩いた。 ゲルニカ王国首都、ルモ。 王国の都と言うにはそれほど栄えてる訳ではなく、規模で言えばおれが独立した時に住んでたバルサとそんなに変わらない。 それだけでこの国の規模とか国力とかが推測できた。 「キミ可愛いね、どこに住んでるの?」 ふと、聞き覚えのある声が聞こえてきた。 足を止めて、声の方を見る。 十数メートル離れた先にいるのはイサークだった。 ......なんでここに? 「ちょ、ちょっと。あたしは――」 「おれの名前はイサーク。キミの名前は? その辺でちょっとお茶しない? おれこう見えて結構面白い男なんだ。一緒に楽しい事しようよ」 イサークはナンパをしていた。 前にあったときと同じで、そんなにきくとは思えない台詞でナンパしていた。 ナンパされてるのは十代半ば、高校生くらいの美少女だ。 その美少女はイサークに困ってる。 やれやれ、仕方ないな。 おれが止めに入ろうとした、その時。 「こっちです! この人です!」 ナンパしてるイサークとは反対の方向から別の少女が武装した兵士を連れてやってきた。 質素な武装をした兵士二人があっという間にイサークを挟み込む。 「この人です! この人がお義姉さんをナンパしてました」 「確認した」 「あなたは」 兵士の一人がナンパされた少女に聞く。 「ミクソンです、主人がいます」 少女は手をあげた、薬指に指輪がある。 おれはちょっと驚いた。 あの若さで人妻か――ってシルビアもナディアも人妻だったか。 この世界じゃ早婚は珍しくないらしい。 「おれは人妻でも気にしない器の大きい男さ。キミに本物の男という――うわっ」 イサークは兵士二人に拘束された。 「あーあ」 隣でシモンが呆れていた。 「どういうことなの? シモンさん」 「マルティン様はそういえばご存じないのですね。この国では人妻をナンパするのは犯罪なのです」 「ええ、見つけたら容赦なく逮捕され、初犯な間の禁固刑が科せられます。知らなかったなら情状酌量の余地もありましたが......」 イサークのヤツ、人妻でもって言い切ったからなあ。 そのイサークは兵士に捕まって、ずるずる引きつられていった。 「離せ、おれが何をした。離せ――あっ、ルシオ!」 こっちに気づいた。兵士も止まってこっちを見た。 「助けろルシオ、なんか知らないけどいきなり捕まったんだ」 「えっと」 「見苦しいぞ!」 「あんな子供に助けを求めるとか恥ずかしくないのか」 兵士二人がイサークをしかって、そのまま連れていった。 「えっと......禁固刑、だけですよね」 シモンに確認する。 「はい、外地の人で初犯ならそれ以上のことは。......マルティン様のお知り合いですか? もし良かったら――」 「ううん、七日間牢屋に入れてあげて。あれ、病気みたいなものだから」 「ええ、病気のようですね」 シモンはしみじみいった。 すごいぞイサーク、あの一瞬にシモンに色々わかってもらえたぞ。 イサークがいなくなって、シモンと一緒に再び歩き出す。 「そっか、シモンさんさっきナディアにお辞儀だけしたのって、それもあるからなんだ」 「はい」 「あっ、それと。あれ、ぼくのお兄さんだから」 驚くシモン......そうだよな。 「だからぼくの名前を出してくるかもしれないけど、ちゃんと、犯した分の罪は牢屋にいれてね」 「承知いたしました。後で通知いたします」 「ありがとう」 これでよし、っと。 ま、イサークのためにもこうした方がいいだろ。 シモンは「初犯は」っていったから、またやったら刑罰があがるのは目に見えてる。 ここでちょっと痛い目を見た方があいつのためにもなるだろ。 「しかし......さすがマルティン様、公爵閣下ともなるとそうなるのですね」 「正しさのためには実の兄も罰する。手心を加えることなく、犯した分の罪は償ってもらう様にする公平さ、さすがだと思います」 えっと、そうなるのか? 「このシモン・シンプソン、感服いたしました。マルティン様!」 シモンがおれに詰め寄った。 「マルティン様の手で、どうか、この国を立て直してください!」 なんかやたらと熱く――信者になりそうな勢いでお願いされた。 その後、宮殿につくまでずっと熱い目で見つめられた。
Morning, one man came to the mansion. It’s a young man in his twenties, and have a very kind and gentle appearance. 「I see you as Duke Lucio Martien His Highness」 「Un, I’m Lucio?」 For the meantime, I answered with child-mode. 「Onii-san, who are you?」 「I ought to have said first, my name is Simon Simpson」 「Simon-san then」 「I have been sent to guide Duke His Highness to the palace」 I see, a messenger from the Guernica Kingdom side huh. I’m going to meet the King here in the palace today, so he’s the guide for that huh. 「Please take care of me. Also, stop calling me Duke His Highness. Can you call me by my name」 「I understood. Well then, I will call you Martien-sama from now on」 That’s too still stiff though, well, whatever. 「Lucio-kun, you’re going out?」 Nadia came out from the mansion. She had just woke up, and her hair was messy as usual. 「That person is?」 「Simon-san. I’m going to work with this person from right now. She’s my wife, Nadia」 「......」 Simon popped out his eyes to surprise, and bowed his head to Nadia in a hurry. Even if she looks like a child, Nadia is Mrs. Duke after all. 「I see. Take care of Lucio-kun okay」 「Let’s go, Simon-san」 「Yes」 I left the mansion with Simon. And then, Simon got relieved. 「What happened, Simon-san?」 「Please excuse me. I did not think that I would meet Mrs. Duke」 「You didn’t seem to be nervous at my time though?」 「That is, uhmm, well」 Simon couldn’t find his words, he had sweat on his forehead. Is there a reason for that? 「By the way, I have another wife called Sylvia」 「It is to my knowledge that there are two of them」 I walked in the town with Simon. Guernica Kingdom’s capital, Lumo. It’s called the kingdom’s capital but it’s not like it was that prosperous, and when it comes to its scale, it’s not that different from Barza, the place I lived in before I got independent. With that alone, I could guess this country’s scale or national strength. 「Hey, you’re cute, where do you live?」 Suddenly, I heard a voice that I was familiar with. I stopped my feet, and looked where the voice came from. On about ten meters away, Isaac was there. ......why is he here? 「W-Wait. I amーー」 「My name is Isaac. What’s your name? Do you like to have tea around here? Even though I look like this, I’m a very interesting man you know. Let’s do fun things together」 Isaac was picking up a girl. Just like when we met before, he was picking up girls with lines that don’t seem that effective. The girl that was being picked up, was a beautiful girl in her middle teens, just like a high school girl. That beautiful girl was being troubled with Isaac. Yareyare, it can’t be helped. When I was about to stop it, at that instant. 「Here! It’s this person!」 From the different direction where Isaac was picking her up, another girl came with armed soldiers. The soldiers that have simple weapons quickly surrounded Isaac. 「It’s this person! This person is picking up Onee-san-in-law!」 「I confirmed」 「You are」 One of the soldiers asked the girl that was being picked up. 「I’m Mixon, I have a husband」 The girl raised her hand, it has a ring on her ring finger. I got surprised a little. A wife that youngーーah, Sylvia and Nadia were also wives huh. It seems like early marriage isn’t unusual in this world. 「I’m an open-minded man who does not mind married women. You need to know real menーuwaa!」 Isaac was captured by two soldiers. Simon was amazed ambiguously beside me. 「What does it mean? Simon-san」 「Come to think of it, Martien-sama doesn’t know huh. In this country, it is a crime picking up married women」 「Is that so」 「Yes, if they are found out, they would be caught with no mercy, and they would be punished by imprisonment for seven days with the first offense. If they do not know, there would have been room for extenuating, but......」 Isaac, he declared that he wouldn’t care if it’s a married woman after all. That Isaac is caught by the soldiers, and had been dragged away. 「Let me go, what did I do. Let me goーーah, Lucio!」 He noticed me. The soldiers also looked towards us. 「Help me, Lucio, I don’t know what’s happening, but I got caught」 「E?to」 「You’re disgraceful!」 「Aren’t you embarrassed asking for help from such a child」 The two soldiers scolded Isaac, and took him away just like that. 「E?to......it is only imprisonment, right」 I confirmed with Simon. 「Yes, there would be no more than that for the first offense for people from other places. ......is he someone Martien-sama knows of? If you would likeーー」 「U?un, get him into prison for seven days. That, it’s something like a disease」 「Yes, it is something like a disease」 Simon said profoundly. You’re incredible, Isaac, Simon understood you with a lot with that instant. Isaac disappeared, and I continued to walk with Simon. 「I see, the reason why Simon-san only said greetings to Nadia earlier, was because of that huh」 「Yes」 「Ah! Also. That, he’s my older brother by the way」 「Ehhhhh!」 Simon got surprised......well right, huh. 「That’s why he might say out my name, but put him in prison for the crime he did properly okay」 「I have understood. I will contact them later」 「Thanks」 Yosh, it’s alright with this. Well, this is better for Isaac’s sake. Simone said「for first offence」, so it’s clear that the punishment would increase if he does it again. It will be for his sake if he experiences some pain here. 「But......as expected of Martien-sama, one who is His Highness the Duke should be like that huh」 「Punishes his own brother for justice. Without discretion, fairness that makes him have the punishment for his crime, it is as expected」 E?to, I guess so? 「This Simon Simpson, I am very moved. Martien-sama!」 Simon closed in to me. 「With Martien-sama’s hands, please, please rebuild this country!」 He’s somehow too heatedーーhe asked me as if he was going to be my believer. After that, I was seen with feverish eyes until I reached the palace.
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「余の千呪公よ、折り入って頼みがある」 昼下がり、屋敷を訪ねてきた国王はいつになく真剣な表情をしてた。 呼び方こそいつも通り「余の千呪公」だが、なんというか仕事モード? 的な重さがある。 「なに? ぼくが役に立てること?」 「うむ。実はのう、このところ国民の不満がくすぶっていてのう。それとなく探らせたところ、どうも娯楽に不満があるらしいのだ」 「娯楽?」 「そうだ。我が国には伝統のコロシアムがあって、剣闘士による戦いが行われているのだが、それの人気が低下していてな。かといって他にかわりはない。それで不満がたまっているのだ」 「ありゃりゃ。うん、娯楽は大事だもんね。ちゃんとガス抜きさせてやらないといつか大爆発起きて大変な事になるもんね。娯楽は食べる、に次いで大事なことだから」 「流石余の千呪公、為政者の心得も万全だな。うむ、そうなのだ。だから余の千呪公よ、何かいい案はないか」 「魔法でなんとかすれば良いの?」 「それもよいが」 といってまっすぐおれを見る国王。 魔法もいいけど、ちゃんとしたアイデアをくれ、って真剣な目だ。 最近すっかりだめだめ国王ってイメージがおれの中でできあがってるけど、ちゃんとした国王だったんだな。 「うーん、そうだね。じゃあ野球なんてどう?」 「やきゅー? それはなんなのだ?」 国王は首をかしげた。 屋敷の庭、おれと国王とナディア。 「ナディアしかいないのか」 「うん、シルヴィもベロちゃんもはっちゃんも、みんな出かけてるよー」 「うーん。出来れいて欲しかったんだが」 「余の千呪公よ、そのやきゅーとやらも二人でやるものなのか? 剣闘のように」 「ううん九のでやるんだ......『アバター』『グロースフェイク』」 二つの魔法を連続で使った。 魔法の光がナディアを包み、直後、彼女が九人に分裂した。 オリジナルのナディアに比べて半分くらいの二頭身サイズになって、ホットパンツと太ももがまぶしい野球のユニフォーム姿になった。 それが、九人。全員がグローブを持っててがプロテクターをつけたキャッチャー姿だ。 「こんな感じで、九人一チームなんだ」 「ほう」 「ナディアをもう九人増やしてもいいけど、それじゃ見た目的にわかりにくいから」 「では、余が――」 「お任せ下さい旦那様」 いつの間にかアマンダさんがやってきた。 メイド姿の彼女はまるで忍びのような登場をした。 「アマンダさん!」 「お手伝いいたします」 「うん。お願いねアマンダさん」 「はい」 「じゃあ魔法を――」 どろん、って音がした。 直後、アマンダさんが九人になった! メイド服姿のまま、二頭身で九人になった。 グローブももって、キャッチャー役はプロテクターもつけてる。 「これでよろしいでしょうか旦那様」 「う、うん。アマンダさん......それは?」 「メイドのたしなみでございます」 それじゃしょうがないな(棒)。 アマンダさんの事にはあまり突っ込まないで居ようと思った。 「じゃあ簡単にルールを説明するね」 割り切って、十八人のナディアとアマンダさんに野球のルールを説明したのだった。 急遽草野球場っぽくした屋敷の庭で試合が始まった。 先攻ナディアーズ、後攻アマンダーズだ。 一番ナディアがバッターボックスに入る。 「見ててルシオくん! 頑張るからね」 バットを構えて、おれに向かってウインクするバッターのナディア。 「頑張れー」 「うん!」 「奥様......参ります」 アマンダさんがそう言って、振りかぶって......投げた! アマンダさんは地面すれすれから白いボールを投げ込んできた。 ものすごく綺麗なフォーム、浮き上がる球筋。 なんでそんなのしってるの!? 「やあっ!」 ナディアがバットを振った。がきーん! ジャストミート、ボールが内野の頭上を越えて落ちた。レフト前のクリーンヒット。 先頭打者ナディアが早速出塁した。 「ねえねえルシオくん、こういう時って確かアレすればいいんだよね」 二番のナディアがおれのところにやってきて、アドバイスを求めた。 二頭身のますます可愛いナディアの頭を撫でて、頷いてやる。 「ああ、二番の仕事はアレだ」 「うん! じゃあ行ってくる」 二番ナディアがバッターボックスに入る。 ランナーナディアの盗塁を挟んで、堂々とした構えからのバントで、ランナーに進めた。 三番ナディアが大きく外野に打ち上げた打球が犠牲フライになって、ランナーが戻って一点になった。 ちなみナディアはランナーがいなくなったせいか三振を喰らって、「もー悔しい!」って言って膝でバットを折った。 「ふむ、これは中々に楽しいものがあるのう。やきゅー、といったか」 「うん。結構楽しいよ。いろんな戦略があるし、今みたいに、九人がそれぞれ違う役割を果たして、点数を取っていってそれを競うんだ」 「なるほど」 「役割は九個だけじゃないから、選手の交代でも色々やれるんだ」 「ふむふむ。おっ、あれは大きいぞ」 「うん? あっ、アマンダさんホームランだ」 攻守が交代して、アマンダさんが早速ホームランを打った。 空の彼方に消えていく白球、悠然とダイヤモンドを一周するアマンダさん。 風格あるなあ......。 「ふむ、あの姿は格別だな。全選手の動きを止めてただ一人走っているのは」 「王様、野球の素質あるね。うん、そうだよ。ホームランでダイヤモンドを一周するのは野球の中でも最上級に格好いい姿なんだ」 「なるほど。うむ、これはよいかもしれん」 「気に入ってもらえた?」 「もちろんじゃ。さすが余の千呪公、このような素晴しいゲームを知っていたとはな」 「気に入ってもらえてぼくも嬉しいよ」 「早速これを広めよう。そうだ、大会をひらこう。まずは第一回千呪公杯を開いて、大々的に国民にアピールするのだ」 「え、ぼくの名前を」 「無論だ。こういう時はしっかりと権威つけねばな。今一番なのは余の千呪公の名を冠した千呪公杯なのだ」 天皇杯っぽい感じがする。なんかむずがゆい。 「開催は......そうだな一ヶ月後を――」 「話は聞かせてもらったのじゃ!」 背後から声が聞こえた。 振り向く、いつやってきたのかおじいさんの姿があった。 「ルカ!?」 「エイブよ、その千呪公杯、わしも参加するのじゃ」 「年寄りの冷や水はいかんぞ」 「忘れたかエイブ、わしはこれでもそれなりの資産家。今でも何人かの剣闘士に支援しているのじゃ」 えっ? そうだったの。 「九人程度のチームを結成するなど造作もない事じゃ」 「むっ! そういうことなら余も負けられぬな。主催するだけのつもりだったが、ちゃんとチームを結成して参加せねばな」 「それでこそエイブじゃ。しかし、ルシオの名を冠した大会、その栄冠はゆずれんのじゃ」 「それはこっちのセリフだルカよ。余の千呪公の大会、勝つのはこっちじゃ」 「ならば、勝負は」 「来月の大会で」 バチバチと火花を散らす二人。なんだか知らないうちに話がまとまったぞ? 「こうしちゃいられない」 「さっそく見込みのある若者を集めるのじゃ」 そういって、国王とおじいさんが去っていった。 なんか......楽しそうだな、うん。 二人がいなくなった後の庭で、おれは、ナディアとアマンダさんの試合を観戦して、応援して楽しんだ。 この後、「四番・余」と「代打わし」が繰り広げる死闘によって、野球が国中に広まって大人気を博すことになることは、今のおれはまだ知らなかったのだった。
「My Senjukou, there is something very important I would like to ask of you」 Afternoon, the King who came to visit my mansion had a serious expression. The way he calls me “My Senjukou” was just as usual, but for some reason, there was the air of “working mode” around him. 「What? Would I be of help?」 「Umu. Actually, recently, the nation’s people are dissatisfied. And when I demanded to search for the reason, it was found that they were dissatisfied about entertainment「」 「Entertainment?」 「That’s right. Our kingdom has the traditional coliseum, and although fights between gladiators are held, their popularity has declined. But even so, there is nothing that could replace it. Because of that, the dissatisfaction increases」 「Aryarya. Un, entertainment is important. If the gas isn’t let out properly, it would be really bad if there’s a big explosion. Entertainment is the most important thing after food after all」 「As expected of my Senjukou, your knowledge as a statesman is perfect as well. Umu, that is right. That’s why, my Senjukou, do you have something good in mind」 「Should I take care of it using magic?」 「That is also good, but」 Saying that, the King looked straight towards me. His eyes were saying, magic is also good, but a proper idea would be better. Recently, the image of a strange King is completed inside of me, but he’s really a King after all huh. 「U?n, let me think. How about some baseball?」 「Beisbol? What is that?」 The King tilted his head. In the mansion’s garden, me, the King, and Nadia. 「Only Nadia’s around?」 「Un, Sylvie and Vero-chan and Hacchan, all of them went out?」 「U?n. If possible, I wanted two people」 「My Senjukou, is that Beisbol something that two people do? Just like duels」 「U?un, it’s done v with people......『Avatar』『Fake Growth』」 I continuously used two magic spells. The light of the magic enveloped Nadia, and in an instant, she split into nine people. They are about have the size compared to the original Nadia, and they are wearing a baseball uniform showing their blinding thighs. That, of them. All of them are holding gloves, and one of them has a catcher’s appearance wearing protectors. 「Like this, it’s people per team」 「Hou」 「It’s alright to increase Nadia by again, but it would be very hard to look at, so」 「Well then, I willーー」 「Please leave it to me, Danna-sama」 Amanda-san was there when I noticed it. Wearing her maid clothes, she appeared like a ninja. 「Amanda-san!」 「Please let me help you」 「Un. Can I ask you that, Amanda-san」 「Yes」 「Then, I’ll cast the magicーー」 *Doron*, it sounded. Soon after, Amanda-san became nine! While wearing maid clothes, she split into in the same size with Nadia. Holding gloves, and the catcher wearing protection. 「Is this alright, Danna-sama」 「U-Un. Amanda-san......those clothes」 「It is the maid’s etiquette」 It cannot be helped then?. I thought of not minding that thing about Amanda-san. 「Then, I’ll explain the rules okay」 Leaving it like that, I explained the baseball’s rules to the 18 Amanda-sans and Nadias. The match started in the mansion’s garden that I quickly turned into something like a grass lot baseball park. Nadiaz are batting first, and Amandaz are batting second. Number 1 Nadia stood in the batter box. 「Watch me, Lucio-kun! I’ll do my best okay」 Holding her bat, Batter Nadia winked towards me. 「Do your best?」 「Un!」 「Oku-sama......here I come」 Amanda-san said that, swung......she threw it! Amanda-san threw the white ball just a few inches from the ground. With her beautiful form, the baseball raised. Why do you know something like that?! 「Yaa!!」 Nadia swung the bat. *Gakiin!!* She hit it squarely, and the ball exceeded the infield and fell. It was a clean hit to the left. The first batter Nadia immediately ran. 「Ne?, ne?, Lucio-kun, in times like this, I should do “that” right」 The number 2 Nadia came to me, and asked for advice. I patted chibi Nadia who became lovelier, and nodded to her. 「Yeah, the second batter’s job is “that”」 「Un! I’ll go now okay」 Number 2 Nadia entered the batter box. Runner Nadia is in the middle to steal a base, and with a bound hit, the runner advanced to the third base. Number 3 Nadia hit the baseball to the outfield becoming a sacrifice fly, and the runner returned earning a point. BY the way, number 4 Nadia was three out strike became there wasn’t any runner left, shouted “So frustrating!” while she broke a bat with her knee. 「Fumu, this is quite fun. Beisbol, was it」 「Un. It’s very fun you know. There’s a lot of strategies, and just like how it went right now, the 9 of them has different kinds of roles, and the game is to compete for taking points」 「I see」 「The roles aren’t limited to 9, there’s also exchange players so you can do a lot of things」 「Fumufumu. Oh! That’s huge」 「Un? Ah! Amanda-san hit a homerun」 They exchanged offense and defense, and Amanda-san immediately hit a home run. The white ball disappeared into the sky far away, and Amanda-san ran a lap in the diamond. She’s so dignified?...... 「Fumu, that appearance looks great. Running alone while all other players stopped」 「Ou-sama, you have the makings of a baseball player. Un, that’s right. Going through a lap in the diamond after a home run is the coolest appearance in baseball」 「I see. Umu, this might be good」 「You liked it?」 「Of course. As expected of my Senjukou, to know such an amazing game」 「I’m happy that you liked it」 「Let’s immediately spread this. I know, let’s open a competition. Let’s open the first Senjukou Cup, and appeal it to the people extensively」 「Eh, my name」 「Of course. In times like this, authority must be shown properly. The best right now is the Senjukou Cup taken from my Senjukou’s name」 It’s like Emperor’s Cup. I feel ticklish. 「The open......let me see, a month later should be goーー」 「I have heard the story!」 I heard a voice from behind. When I turned around, there was Ojii-san who came without me noticing. 「Luka?!」 「Abe, that Senjukou Cup, I shall participate」 「It is not good to spoil it by having old men」 「Have you forgotten, Abe. Although I look like this, I am a man of means. Even now, I am sponsoring some gladiators」 Eh?! Was that so. 「It is very easy to create a team with 9 people」 「Mu! If you mean it like that, then I cannot lose. I have only intended to organize it but hearing that, I need to create a proper team and participate」 「That is just as expected of Abe. However, a competition with Lucio’s name, I cannot yield its laurel of victory」 「Those are my words. It is my Senjukou’s competition, it is me who shall win」 「If so, it shall be a match」 「Let us meet in the competition next month」 The two of them glared with scattering sparks. For some reason, it became decided when I noticed it? 「I cannot be wasting time」 「I shall immediately gather promising young men!」 Saying that, the King and Ojii-san left. Somehow......they look like they’re having so much fun, un. In the garden where the two left, I watched Nadia and Amanda-san’s match, and cheered on them. After this, because of the「Fourth Batter」and「Hit Pinch Hitter」death fight, baseball spread to the whole country, and became very popular.
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屋敷の中、昼下がり。 相変わらず手をつないだままのバルタサル。 指輪をはめ込んで以来何をするのも手をつないだまま離してくれない。 最初はいろいろ不便だったけど、最近それもなれてきた。 「今日は何をするか。なんかしたいことはあるか?」 「バルはこのままでいいのよ?」 バルタサルはいつも通りの返事をした。 小首を傾げて、「このままでいいけどなにか?」的な反応をする。 「そうか、それならそれでいいけど。おれは魔導書を読むぞ」 「いいよー。ルシオちゃん、それを読んでる時かわいいから、見てるの好き」 「見てないだろうに」 苦笑いした。 おれがマンガを読み始めると――というか魔導書が近くに来ると鼻提灯で寝てしまうのがバルタサルだ。 向こうがおれの顔を見てるはずがなくて、むしろ居眠りする彼女の方こそかわいい。 まっ、それならそれで、マンガでも読むか。 おれは新しいマンガを読もうと、立ち上がりかけたその時。 「ルッシオくーん」 ドアを開け放って、嫁、ナディアが部屋に飛び込んできた。 彼女はわくわくした顔でおれの所に駆け寄ってきて、座ってるこっちに上半身をかがめて視線を合わせてきた。 「ルシオくんルシオくん、いいものを見つけたから今日はそれで遊ぼ!」 「いいもの?」 「うん、いいもの。はっちゃんもそれでいい?」 「バル、ルシオちゃんとこのままがいいのよ?」 ナディアはバルタサルの手を引いて無理矢理立たせた。 「あっ......」 つないだお手々が離れて、バルタサルはちょっと切なそうな顔をした。 「お手々は夜寝るときにね!」 「うん......わかった」 またつなごうとしたが、ナディアに丸め込まれた。 「それで、いいものって何だ?」 「それはね......」 ラ・リネア郊外に連れてこられた。 よく通うようになったお花畑に、ナディアとバルタサルでやってきた。 先導するナディアは一本の木に近づいていって、少し離れた所で止って、振り向いてきた。 「これだよ」 と言って指さしたのは地面。 よく見ると指くらいの広さの穴があって、赤いボディのアリが次々と中から出てくる。 「これって、このアリの巣のことか?」 「うん」 満面の笑顔で、わくわくした顔で頷くナディア。 「これをどうするんだ?」 「ここを探検しようよ! 前にみんなでやったのと同じヤツ」 「ああ、あれか」 頷くおれ。 何回か嫁達とやった遊びだ。 体を小さくして、武器とか攻撃手段を持たせて、巣の中を探検していく遊び。 それをやろうっていう提案だ。 「それはわかったけど、なんでまた」 「だってはっちゃんそれをした事ないじゃん? せっかくだしはっちゃんともやってみたいじゃん」 「ああ、なるほど」 ぽかーんって感じのバルタサルを見る。 なるほどそういうことか。 よく考えたらベロニカの時も同じことをしてた気がする。 ナディアなりの歓迎会、ってことだな。 「話はわかったけど、それなら屋敷でやればよかったんじゃないのか?」 「屋敷のまわりはもうないんだ、アリは。一応ゴキちゃんを見つけたけど、ゴキちゃんと何かをするのってシルヴィが話を聞いただけで怖がるから」 「なるほど。シルビアはゴキブリが苦手だからなあ」 まあ、そういうことなら。 「わかった、やろう」 「なにをやるのルシオちゃん?」 「まあ、見てな」 ナディアとバルタサル、二人の嫁と向き合って、魔法をかける。 ちらっとバルタサルを見た。 どうせ誤作動起きるんだから......。 「『ビッグ』」 「へくちっ!」 バルタサルがくしゃみをした。 魔力がおれを直撃する。 そう、どうせこうなって魔法が誤作動を起きるんだから、小さくするんじゃなくて、大きくする魔法を使った。 それで誤作動を起こして、小さくなれば問題ない。 さて。 直撃した魔力の煙が徐々に晴れていき。 「あれ?」 何も変わらなかった。 目の前に立つナディアとバルタサル。 ぱっと見サイズは変わってない、かといっておれのサイズも変わってない。 「変わってない、のか?」 「変わってないねルシオくん」 「おかしいな。大きくも小さくもなってないとか。誤作動じゃなくて完全にかき消されたって事か?」 「もう一回使ってみる?」 「そうだな」 「ルシオちゃん、ねえねえルシオちゃん」 バルタサルがおれの指をつかんで、ぐいぐいひっぱった。 「どうした」 「あれ」 バルタサルが指さす先に、おれとナディアが同時に振り向いた。 「げげ」 声を上げたのはナディアだが、同じ気持ちだった。 そこに......バケモノがいた。 体長ートル近くもある、バケモノのようなアリがそこにいた。 一匹だけじゃない、同じものが次々と地中から這い出てくる。 「どういうことなの?」 「......誤作動が魔法の効果じゃなくて、対象だったってことだな」 「え?」 「大きくする魔法が小さくなるんじゃなくて、おれたちにかけたのがアリにかかった、ってことだ」 「おー。なるほど!」 「ゴキちゃんじゃなくてよかった。シルヴィの心臓がとまっちゃうよ」 ナディアは違う意味でのんきなコメントを出していた。 「って、それ所じゃない。こいつらを戻すか倒すかしないと」 「ほんとだ! このままじゃアリが街の方に行っちゃう」 ようやく危機感が出てきたナディア。 巨大化して出てきたアリが、小丘になってる花畑からぞろぞろと降りていって、ラ・リネアの方に向かって行進をはじめたからだ。 町を襲おうとしてるらしい。 このままじゃ、巨大化したアリが――人間以上のサイズのアリが町を襲う。 巨大化した昆虫は下手なモンスターよりも凶悪な相手になる。 「放っておけんな。ちょっと退治してくる」 流石にこれは遊びじゃすまされない事態だ。 「ここで待っててくれ。おれが退治してくる」 「うん。頑張ってルシオくん」 「バルも」 「だめだよはっちゃん」 ついてこようとするバルタサルを、ナディアが引き留める。 「どうして? バル魔王なのよ?」 だから戦闘の役に立つ、と言いたげなバルタサル。 それを、ナディアがニヤリと笑って。 「だめだめ、こういう時はルシオくんの出番だよ。あたし達はここでルシオくんの活躍をみてるの」 「活躍を?」 「そう、活躍するかっこいいところ」 「ルシオちゃんはかっこいいよのよ?」 「もっと格好良くなるから」 「もっと......」 バルタサルは首をかしげて、考えて、おれをみて。 やがて、頬を染めてうつむいて、上目遣いでおれをみた。 何を想像したんだろ。 「一緒に待ってようね」 「......うん」 「というわけで、頑張ってねルシオくん! あたしたちはここで見てるから」 笑顔のナディア、恥じらうバルタサル。 二人に見送られて、おれは走り出した。 全力で丘を駆け下りて、バルタサルから充分に距離を取って。 「『フライハイ』」 空を飛び上がった。 ちらっと背後を見る。豆粒大になった二人の姿が見える。 そうだな、いいところを見せなきゃな。 嫁が期待してるんだ、応えるのが旦那のつとめってもんだ。 振り向き、アリの先頭集団を眺める。 段々とふえたアリは既に数百匹の数になって、さらにぞろぞろとふえてる。 深呼吸して、魔力を組み上げる。 「『ウェザーチェンジ・ディザスター』」 地面が揺れる、空が割れる。 雷鳴が轟き、稲妻が雨の如く降り注ぐ。 天変地異を起こす古代魔法を、バルタサルとの付き合いで覚えた範囲を限定されるやり方で発動。 これをみたバルタサルがどんな表情をするのか、楽しみで仕方がなかった。
Inside the mansion, afternoon. Just as usual, Balthazar was holding my hand. Since I put a ring on her, she won’t let go of me, holding my hand whatever she does. At first, it felt very inconvenient, but recently, it doesn’t seem to be like that anymore. 「What should we do today. Do you have something that you want to do?」 「Bal is okay, just being like this you know?」 Balthazar said her usual answer. Tilting her head, she answers like “it’s okay just being like this, so what?”. 「I see, then, that’s fine too. I’m going to read Grimoires」 「Okay?. Lucio-chan, he’s cute when he’s reading, so I like watching」 「You aren’t watching though」 I made a wry laugh. When I start reading mangaーーI mean, Balthazar would start sleeping with a snot bubble when she’s near Grimoires. There was no way that she would be looking at my face, rather, it’s her who was sleeping that is cute. Well! That is good as well, so I should just read manga. Thinking of reading a new manga, I stood up, but at that time. 「Luccio-ku?n」 The door was thrown open, and one of my wives, Nadia jumped inside the room. She ran to me with an excited face, and she lowers her upper body, matching her line of sight with me who is sitting. 「Lucio-kun, Lucio-kun, I saw something good, so let’s go play with that today!」 「Something good?」 「Un, something good. Hacchan is fine with that?」 「Bal, she’s fine being just like this with Lucio-chan you know?」 Nadia pulled Balthazar’s hand, forcefully making her stand. 「Ah!......」 Our holding hands got released, and Balthazar made a heartbreaking face. 「You should hold hands when sleeping at night okay!」 「Un......I got it」 She tries to hold hands again, but she was convinced by Nadia. 「And then, what is the “something good”?」 「That is......」 She took us to the outskirts of La Linea. I came to the flower garden that we frequently visit with Nadia and Balthazar. Nadia who was in the lead approached one tree, stopping at a little far away place, and turned to us. 「It’s this」 She said, and pointed at the ground. Looking at it carefully, there was a finger-sized hole, and ants with red body were coming out from inside. 「This, are you pointing at this ant’s nest?」 With a face full of smile, Nadia nodded with very excitedly. 「What would we do with this?」 「Let’s explore! Just like that thing that we did before」 「Ahh, that huh」 I nodded. It was a game I played with my wives a lot of times. The game where I’d make our body smaller, and while holding weapons or tools for attacking, exploring inside the nest. She’s suggesting that we should do that. 「I know that, but why now」 「Because, Hacchan hasn’t done it yet right? Since it’s a good timing, I want to do it with Hacchan you know」 「Ahh, I see」 I looked at Balthazar who was clueless like *Poka?n*. I see, it was like that huh. Thinking of it carefully, I feel like I did the same thing during the time with Veronica. It’s like, Nadia’s way of welcoming her huh. 「I got the story, but then, shouldn’t we just do it inside the mansion?」 「Around the mansion, there isn’t any ants anymore. I saw a roach-chan, but Sylvie would get afraid with just hearing about doing something with roach-chan」 「I see. Sylvia isn’t good with cockroaches after all」 Well, if that is so. 「I got it, let’s do it」 「What are we going to do, Lucio-chan?」 「Well, just look」 Nadia and Balthazar, I faced my two wives, and casted magic. I took a glance at Balthazar. Since there would be a malfunction...... 「『Big』」 「Hekuchi!」 Balthazar sneezed. The magic powers hit me directly. That’s right, since there would be a malfunction in the magic with this happening, I used magic that would make someone bigger rather than smaller. And after that malfunctioning, there would be no problem if we get smaller. Well then. The smoke of the magic powers that hit me directly started to clear. Nothing changed. Nadia and Balthazar are still standing in front of me. With a glance, their size hasn’t changed, but even so, my size didn’t change as well. 「We didn’t, change?」 「We didn’t change, Lucio-kun」 「This is strange. Not becoming bigger, or not becoming smaller. Does this mean that it didn’t malfunction, but rather, erased the effects completely?」 「You want to try again?」 「I guess so」 「Lucio-chan, ne?, ne?, Lucio-chan」 Balthazar grabbed my finger, and pulled me. 「What is it」 「That」 「That?」 At the place where Balthazar was pointing to, Nadia and I turned there. 「Gege!」 Nadia raised her voice, but I feel the same way. At that place......there was a monster. There was an ant there, that has a body length of about meters. It wasn’t only one, the same thing crawls out of their nest one next to the other. 「What does this mean?」 「......the thing that malfunction wasn’t the effect, but the target」 「Eh?」 「It means that, the magic that makes something bigger didn’t make someone smaller, but rather, the magic that should’ve been casted on us changed its target to the ants」 「Oh?. I see!」 「Thank goodness it isn’t roach-chan. Sylvie’s heart would’ve stopped」 Nadia said comment leisurely with a different meaning. 「I mean, it isn’t the time for that. We need to either return them back or defeat them」 「That’s right! If this continues, the ants would go towards the town」 Nadia finally felt a sense of urgency. It’s because, the ants that became giants crawled down from the hill of the flower garden, and started to march towards La Linea’s direction. It looks like they’re going to attack the town. If this goes on, the giant antsーーthe ants larger than humans will attack the town. Gigantic insects are more difficult to deal with compared to normal monsters. 「I can’t leave them alone. I’ll go and exterminate them」 This isn’t a situation for playing games. 「Wait here. I’m going to clean them up」 「Un. Do your best, Lucio-kun」 「Bal will go too」 「Don’t Hacchan」 Nadia stopped Balthazar who wanted to follow. 「Why? Bal is the Demon King you know?」 “That’s why I’ll be useful in fights”, Balthazar wanted to say. And that, Nadia smiled with a grin. 「No, no, you shouldn’t, it’s Lucio-kun’s job at times like this. We are going to watch Lucio-kun’s actions here」 「Actions?」 「That’s right, his actions that are so cool」 「Lucio-chan is super cool you know?」 「He would get super super cool」 「Super super......」 Balthazar tilted her head, thought of it, and looked at me. And finally, she looked down with flushed cheeks, and looked at me with her lovely eyes from below. She probably imagined something. 「Let’s wait here together okay」 「......un」 「And so, with that, do your best, Lucio-kun! We’ll be watching from here」 「Yeah」 Nadia with a smile, and Balthazar with bashfulness. Being sent away by the two, I ran. I went down from the hill full force, and after taking enough distance from Balthazar. 「『Fly High』」 I flew to the sky. I took a glance behind me. I saw the two’s appearance in the size of a bean. That’s right, I need to let them see my cool side. My wives are expecting it, it’s the husband’s job to answer. I turned around, and looked at the group of ants in the front. The ants that were gradually increasing had already reached the number of several hundreds, and they are still continuing to increase. I took a deep breath, and charged my magic powers. 「『Weather Change?Disaster』」 The ground shook, the sky was split. The lightning roars, and a rain of thunder poured down. The ancient magic that creates natural disasters, I activated it with a way of limiting its range, it was something I learned when started to go out with Balthazar. I couldn’t help but look forward to what expression would Balthazar make after seeing this.
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バルタサルの魔力爆発問題が解決したから、嫁達は――特にナディアは遊ぶ気満々になった。 おれは嫁たちと遊ぶのが好きだ、だから遊ぶ気になったのを見るとこっちまで嬉しくなる。 そのナディアが草原を走り回ったかと思えばパッと立ち止まって、しゃがんで地面をみる。 もうちょっとすれば何かを考えついておれに求めてくる、それをおれが魔法で実現してやる。 それが我が家の日常だ。 「ルシオくん! あれに乗りたい!」 「来たか」 ナディアが見つめる先を目を向ける。 そこに小さなカエルの姿があった。 じっとしてて動かない、時々頬袋を膨らましているだけ。 「あれに乗りたいのか?」 「うん!」 「わかった、スモ......」 「シルヴィに!」 「えっ、ひゃん!」 体を小さくする魔法『スモール』を唱え終える前に、ナディアが親友のシルビアの手を引いた。 一緒に魔法にかかって、体が小さくなった。 小さくなった二人、ナディアがシルビアを引っ張って、一緒にカエルの背中に乗った。 カエルはピョンと飛んだ。 「きゃはははは!」 「きゃああああ!」 飛んだカエルの背中で大笑いするナディアと、無理矢理乗せられて悲鳴を上げるシルビア。 彼女達の好きにさせつつ、何かがあってもフォロー出来る様に意識の一部を残しておく。 そうしながら、横にいるベロニカにも聞いてみた。 「ベロニカはいいのか? ああいうの」 「あたくし? そうですわね、せっかくだから空を飛んでみたいですわね」 「ならあのトンボはどうだ? 鳥と違って空中に静止できるから違った感覚が味わえるかもしれないぞ」 「面白そうですわね。お願いできるかしら」 「『スモール』」 微笑みと魔法で返事をして、小さくなったベロニカをトンボの背中にのせてあげた。 笑い声も悲鳴も上げないが小さくなった横顔は満足しているみたいだ。 が、それも一瞬だけの事。 彼女が乗ってるトンボのところに別のトンボがやってきて、二匹は空中でドッキングした。 「ちょっとお待ちなさい、なんで他のトンボとひっつくんですの!? ルシオ! ちょっとルシオ! この子達何か変な事をしてますわよ!」 「それはトンボの交尾だな」 「こ――」 「安心しろ、トンボは交尾したまま飛ぶから何も問題はない」 「問題大ありですわ! 別のにしますからぎゃあああ」 わめいて、悲鳴をあげて、トンボに連れ去られるベロニカ。 交尾中のトンボに乗れるのもいい体験だろってことで、そのままにしといた。 もちろん彼女にも害が及ばないように意識を残すことをわすれない。 最後にバルタサルを見る。 彼女はおれの横にちょこんと座って、ほわほわした感じで見あげてくる。 「君はどうする? そっちのミツバチにでも乗ってみるか?」 「いまのって、まほー?」 「うん? ああ魔法だ。これくらい君にも使えるんじゃないのか?」 なんせ魔王だし。 「バル、魔法は使えないのよ?」 「......そういえばさっきもそれを言ってたな」 イサークをナメクジにしてたけど、あれはなんだったんだろ。 ......イサークだし別にいっか。 「魔王も魔法はマンガーーじゃなくて魔導書を読んで覚えるのか?」 「まどーしょ?」 「こういうのだーー『トランスファー』」 魔法を使って、手を横に伸ばす。 真横の何もない空間に不思議な穴があいて、その中に手を入れた。 次元を越えて別の空間につながる魔法。今回は魔導図書館の中に空間を接続した。 そこから一冊の魔導書を取り寄せた。 表紙にもこもこしたひつじが描かれてる、ほのぼのした雰囲気の ざっと表紙と内容を確認してから、バルタサルに手渡す。 「これ読んでみて」 「読むの? ......すぴぃ」 魔導書を開いて一ページ目に目を通した瞬間、バルタサルは鼻提灯で寝息を立ててしまった。 思わず突っ込んでしまった。 ていうか教科書じゃないんだから。 マンガを読んで即寝落ちする人初めて見たぞ。 盛大に突っ込まれて、バルタサルは鼻提灯がパチンってはじけて目を覚ました。 寝ぼけ顔で、おれとおれが渡した魔導書を交互にみる。 やがて、ちょっとだけ拗ねた顔で。 「バルだけを呪うアイテム?」 と言った。 「そうだったらすごいな! 魔王戦専用の貴重アイテムじゃないか。そうじゃなくて、これを読めたら魔法を使える様になるっていう――まあ魔法の本だ」 「バルでも?」 「それはわからない。人間だったらそうなるけど、魔王はどうなんだろ。最後まで読んでくれたらそれがはっきりするんだが」 「読むとルシオちゃんうれしい?」 「嬉しいというか、謎が解明されて助かるな」 「なら読む」 バルタサルはそう言って、もう一度魔導書に目を通す、が。 「すぴぃ......」 またすぐに寝てしまった。 「の○太かおまえは!」 また一瞬で寝落ちした。 多分二コマも読んでない、即落ちってレベルだったぞ。 そして今度は突っ込まれても起きなくなった。 「ルシオちゃん......もう食べられないのよ?」 「寝言は普通だな」 「代わりにぃ......バルをたべるといいのよ」 「そういう意味かよ!」 「のよ......」 ニヘラ、って笑いながらよだれをたらすバルタサル。 魔王って何だっけ、ってわからなくなってきそうなのどかな寝顔だった。 とりあえずこれでわかったこと。 バルタサルは魔法が使えない、魔導書も(ある意味)読めない。 そして――。 「あたしも寝る!」 「もうトンボはこりごりですわ」 次々に戻ってきて、小さいままバルタサルの上にのって昼寝をはじめた嫁達は、バルタサルの事をものすごく気に入ってる、ということだった。
When Balthazar’s magic powers explosion trouble was solved, my wivesーーespecially Nadia, was brimming of desires to play. I like playing with my wives, so when I see them wanting to play, I also feel happy. And Nadia, when I saw her running around in the grassland, she suddenly stopped, and bent her knees to the ground. And after a while, she seemed like she thought of something, and asked me to make it a reality using magic. That is our house’s daily life. 「Lucio-kun! I want to ride that!」 「You came huh」 I looked towards the place Nadia was staring at. There was a small frog there. It was just staying at its place, and only occasionally inflates its cheek pouch. 「You want to ride that?」 「Un!」 「I got it, 『Sma......」 「Sylvie too!」 「Eh! Hyan!」 Because I finished casting the magic『Small』that makes someone smaller, Nadia pulled her best friend Sylvia by the hand. The magic was casted on the two, and their body became small. After the two had become smaller, Nadia pulled Sylvia, and rode the frog on its back together. *Pyon!*, the frog jumped. 「Kyahahahaha!」 「Kyaaaaaaaa!」 Nadia who started laughing out loud on the back of the frog that jumped, and Sylvia who was forcefully pulled on raising a scream. While letting them do what they want, I left some part of my consciousness on them to follow up in the case of anything happening. And while doing that, I also asked Veronica who is beside me. 「Is Veronica fine? With something like that」 「Me? Let me think, then since you’re asking, I want to fly to the sky」 「Then how about a dragonfly? Unlike a bird, it can stand by in mid-air so you might get a different feeling from it」 「That seems interesting. Can I ask you then」 「『Small』」 I replied with a smile and magic, and let Veronica who got smaller ride on the back of a dragonfly. She didn’t raise a scream or laughed out, but looking at her side, she seems very content. But, that was only for an instant. Another dragonfly came on the dragonfly that she’s riding, and they have docked together mid-air 「Wait a minute, why did another dragonfly come?! Lucio! Hey Lucio! They are doing a weird thing!」 「It’s the dragonflies mating」 「Maーー」 「Don’t worry, dragonflies mate while flying so there’s no problem」 「There is a huge problem! Let me choose another kyaaaaa!」 She complained, raised a scream, and Veronica was taken away. Putting it as it’s a great experience being able to ride on the back of a mating dragonfly, I let it as it is. Of course, I didn’t forget to leave some consciousness on her to not let any harm come to her. Lastly, I looked at Balthazar. She’s sitting beside me obediently, and looked up to me with a light and fluffy feeling. 「What about you? You want to ride on a honey bee or something?」 「Right now, it’s magic??」 「Un? Yeah, it’s magic. This much, I think that you can also do it though?」 After all, she’s a Demon King. 「Bal, she can’t use magic you know?」 「......come to think of it, you also said that earlier huh」 She made Isaac into a slug though, I wonder what that was. ......it’s Isaac after all, so, whatever. 「Would Demon Kings also learn magic after reading mangaーーI mean, Grimoires?」 「Grimoire??」 「Something like thisーー『Transfer』」 I used magic, and reached out to my side. A mysterious hole opened in the space to my side, and I placed my hand in there. A magic spell that connects different spaces passing through dimensions. This time, I connected the space to the Grimoire Library. And from there, I took out one Grimoire. There was a fluffy sheep drawn on the cover, a Grimoire/manga with a heart warming feeling. After checking the cover and the contents briefly, I passed it to Balthazar. 「Try reading this」 「Reading? .........supi?」 The instant she looked at the first page after opening the Grimoire, Balthazar fell asleep with a snot bubble. I couldn’t help but shout. I mean, it’s not a textbook you know. This is the first time I saw someone fall asleep immediately by reading a manga. Being shouted out, Balthazar’s snot bubble popped and opened her eyes. With a sleepy face, she looked at me and the Grimoire I passed onto her alternately. And finally, with a little sulking face. 「An item to curse only Bal?」 She said. 「If so, that would be amazing! Isn’t that a rare item for Demon King fights. Not that, but, this is a, wellーーa magical book that makes you learn magic」 「Bal too?」 「I don’t know about that. It’s like that for humans, but I wonder how it is for a Demon King. It would be proven if you’d just be able to finish reading it though」 「If I read it, Lucio-chan will be happy?」 「Happy, well, it’s rather, it would be helpful if the mystery is solved」 「Then, I’ll read」 Balthazar said that, and looked onto the Grimoire once again, but. 「Supi?......」 Once again, she immediately fell asleep. 「Are you Nobita or something!」 She fell asleep once again. Probably, she has only read two panels, she really fell immediately. And this time, I stopped having the feeling of pointing that out. 「Lucio-chan......can’t eat anymore you know?」 「Your sleep talk is normal huh」 「Instead?......you can eat Bal」 「That’s what you meant huh!」 「You know?......」 Grinning, Balthazar drooled while smiling. “Demon King, what was it again” I mean, she had a very innocent sleeping face that made me think of that. For the meantime, the thing that I found out with this. Balthazar can’t use magic, and she also can’t read (you can say it so) Grimoire. Andーー. 「I’ll also sleep!」 「I’d had enough of dragonflies desu wa」 Returning one by one, my wives that started to sleep on top of Balthazar while still small, I also found out right now, that they really like her.
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おれとシルビアはデートしていた。 昼間の王都をお手々つないだまま歩く。 「わああ、可愛らしいだわ」 子供の姿だからか、それともシルビアが純粋にかわいいからか、すれ違う人々にうっとりされた。 「ルシオ様、あそこ、なんだかすごく賑わってます」 「うん、行ってみようか」 「はい!」 手をつないだまま、シルビアにある店の前にやってくる。 パッと見て酒場って感じだが、それにしては昼間から賑わってる。 入り口から覗いた感じ、中は二人はいるって感じだ。 表で立ち番してる男がいたから、そいつに聞いてみた。 「ねーねーおじちゃん、ここはなに?」 「ああん? ここはガキには早い、十年後にまたきな」 冷たくあしらわれた。 まあ本当に酒場なら子供に関係ないのも確かか。 「行こうシルビア」 「......うん」 シルビアと一緒にそこから離れたが、彼女はちらちらと店の事をしきりに気にした。 店をちらっとみて、おれの顔もちらっとみる。 入りたいのか? ......入りたいみたいだな。 これがナディアなら「ルシオくんなんとかして」ってストレートにおねだりしてくる所だが、シルビアはそういう所奥ゆかしいからな。 「シルビア、ちょっと付き合って」 「はい」 頷くシルビアに魔法をかけて、おれ自身にも魔法を掛けた。 みるみるうちに、二人が大人の姿になる。 よく使う魔法、大人の姿になる魔法だ。 おれもシルビアも大人になった。 目の前のシルビアはいつだったかの舞踏会でみたような美女に変わった。 おれでもちょっと見とれる位だ。 やっぱり入りたかったみたいで、シルビアはうきうき顔で頷いた。 おれが歩き出すと、ついてきたシルビアは手じゃなくて、腕を組んできた。 お手々つなぐ可愛らしい子供たちから、腕組みのアツアツカップルに早変わりだ。 胸が腕に当るのにちょっとどきどきして、店の方に戻ってくる。 「入っていいか?」 「どうぞ」 立ち番の男はあっさりおれたちを通した。 中に入ると、ますます賑わってるのがわかる。 たくさんの席があり、奥にステージがあって、その上に透明のでっかい箱がある。 「いらっしゃいませ、お二人ですか?」 店の人が出てきた。 若い優男だ。 「ああ。それとはじめてだが、ここはどういう所だ?」 「当店『一攫千金亭』の事はご存じないので?」 男はちょっと驚いたって顔をした。 そんなに有名な店なのか。 「ああ、説明してくれ」 「実際に一度ご覧になればおわかりになるかと、至ってシンプルなシステムでございます」 シンプルな......システム? なんだシステムは、ただ酒場じゃないのか? 「席までご案内いたします」 「......ああ」 まあ、何があっても大丈夫だろ。 おれはシルビアをつれて、男に案内された。 「おぉ......べっぴんさんや」 「すっごく綺麗......」 「けっ、男も美形とか、この世は間違ってるよな!」 まわりからいろんな声がでた、町中でお手々つないでた時とはまた違う感想だ。 そうして、壁際の席に案内される。 「それでは! 次のゲームを始めます。参加料をテーブルの上に置いてください」 ステージの上で一人の男がいった。 三十代の男だ。 男が言うと、まわりからガチャガチャって音がした。 みんなしてテーブルの上に硬貨を一枚置いた。 それ一枚で500セタになる、硬貨の中では結構額面の大きいものだ。 硬貨がすぅと消えて、代わりに木造の同じサイズのコインになった。 コインは裏表がある、表が緑、裏が赤に塗りつぶされてる。 そして消えた硬貨はと言えば――いつの間にかステージの透明の箱の中に集まっていた。 おれを除いた店のほぼ全テーブル分の500セタ硬貨、ちょっと壮観だ。 「それでは参りますよ、『バイナリィワールド』」 男は魔法を使った。 男の前に白い光を放つ箱があらわれた。 箱は空中でぐるぐる回転する。 「ルシオ様、あれはどういう魔法なんですか?」 よこにいるシルビアが聞いてきた。 「コイン占いみたいな魔法だ。使うと設定した二つの結果が50%50%の確率で出てくる。シンプルだけど強い魔法でもある。魔導書じゃ神の意志が働いてるって表現があって、魔法をつかった後は外部の干渉が一切効かない、完全なる二分の一の確率ででる」 「ルシオ様でも干渉出来ないんですか?」 「無理だな、そういう魔法だ。つかえはするけどな」 ステージ上と同じ白い箱がでて、やがてはじけた。 マミの顔が一瞬そこにあらわれた。 「あ、マミちゃん」 「『バイナリィワールド』」 「今度はココちゃんだ」 「こんな感じだな」 「すごいです!」 何がすごいんだろ。 気を取り直してまわりをみた。 「おれは赤で行くぜ」 「今までの傾向は赤赤緑赤緑赤緑緑緑......」 「今回は緑縛りでやってみよう」 テーブルごとにいろんな声が聞こえてきた。 がちゃがちゃって音がして、全員が赤緑のコインを動かした。 「では......いきますよ、オープン!」 光の箱が消えて、緑のコインが出てきた。 瞬間、テーブルの上が赤のコインだったのがきえて緑の人だけがのこった。 男がまた魔法を使う。今度は赤がでて、緑にしたコインが消えた。 「○×クイズか」 「はい?」 しばらくそれが繰り返されて、やがて、一人に絞られた。 「ジャックポット! おめでとうございます!」 その男の元に、500セタコインが全部運ばれた。 まわりから拍手と祝福とやっかみの声がひっきりなしに聞こえた。 なるほどそういうことか。 みんながコインを一枚出し合って、○×クイズをやって、最後に残った一人が総取りか。 ある意味宝くじみたいなものだな。 「久しぶりに当ったぜ。この店で一番いい酒を持ってこい。みんなにも一杯ずつだ」 「かしこまりました」 「けっ、おい、こっちも酒お代わりだ! ヤツの酒なんか飲まねえ」 あっちこっちで注文がされた。 当った人間も当ってない人間も酒や料理を注文する。 特に当ったヤツは気が大きくなって散財してる。 なるほど、店は宝くじから金を取らない代わりに、こうして商売してるのか。 うまいな。 「ええい! こんなのおかしい!」 店の反対側から男の叫び声が聞こえた。 みると――イサークだった。 「お客様、騒ぎを起こすのは」 「いいか! おれは今朝からここにいて十回やってるんだ。それが全部一回目に外れるってどういうことなんだよ」 イサークは思いっきりわめいた。 まわりも店の人も迷惑そうな顔をする。 「ずるだ! 絶対ずるしてる!」 「お言葉ですがお客様、『バイナリィワールド』はいかなる干渉も不可能な魔法で......」 うん、それはそうだ。 「いいや絶対にずるしてる!」 「......仕方ありません」 店の男は手招きした。 離れた所から大男が二人やってきて、左右からイサークを挟み込んだ。 そして無理矢理外に連れて行く。 まわりの客はわめくイサークを冷たい目でみた。 「あいつバカじゃねえの?」 「あの魔法が干渉できないのはみんなわかってるし」 「運が悪いのは同情するけどよ」 イサークがつまみ出された後、店は通常運転に戻った。 「さあ、気を取り直して次のゲームはじめました。参加料をどうぞ!」 「ルシオ様、やってみてもいいですか?」 「やるのはいいけど、どうせなら勝ちたいな」 「でも......運試しですよね。ルシオ様でも干渉出来ない魔法って」 「ああ、結果は干渉出来ない」 「でしたら――」 「だが未来はわかる」 「『タイムシフト』」 魔法を唱えると、シルビアの横にシルビアが現われた。 「シルビア」 「流石ルシオ様、赤です」 数十秒後の未来からやってきたシルビア′がそう言って、すぐに消えた。 「わあ......」 おれは500セタを払って、赤緑のコインを手に入れた。 それを赤にする。 ステージ上の結果が赤と出た。 「『タイムシフト』」 「次は緑ですルシオ様」 シルビア′′が現われるなり言った。 そしてまた消えて、ステージの結果は緑になった。 未来予知で、二分の一の賭けを次々と当てた。 一回目に最後まで生き残って、まわりは拍手で祝福してくれた。 二回目を最後まで生き残って、まわりが更にすげえって盛り上がった。 三回目も勝ってしまうと、それが一気に驚愕に変わった。 テーブルの上に積み上げられた三回分の大当たりの硬貨がものすごい事になってる。 「どういうことだ、まさかズルを」 「しかし『バイナリィワールド』はそういうの出来ないはず」 「じゃあ運がいいってのか? 30回近くの二分の一を当て続けたってのか?」 2の30乗を当てたら運がいいところの騒ぎじゃないけどな。 「ルシオ様、なんかまわりの目が」 「そうだな。おい」 おれは近くにいる店員を呼び寄せた。 「この店のシステムにキャリーオーバーってあるのか? だれも当らず次の回に持ち越しってのは」 「ございます、最後の勝負で全員一斉に外れたはしばしばございますので」 「やっぱりあるか。じゃあこれを全部キャリーオーバーに回してくれ」 「え? こ、これ全部ですか?」 「ああ。当てた金でおごりってのもありなんだろ。それと一緒だ」 店の男がきょとんとして、それから慌てて確認に走った。 しばらくして、それをステージ上で発表された。 三回分のキャリーオーバーがみんなに教えられる。 「兄ちゃん男前!」 「ヒューヒュー!」 歓声と口笛が飛びかった。 「ルシオ様......すごいです」 「そうか?」 「はい、いろんな意味で」 「わたし、ルシオ様のお嫁さんでよかったです」 そういって、うっとりした顔でおれに抱きついてくるシルビア。 大人の姿になるとちょっと積極的になる彼女。 こうして抱きつかれたのが、今日一番の収穫かも知れない。 ちなみに。 「おれにもやらせろ」 騒ぎを聞きつけて、店に戻ってきて三回のキャリーオーバーを狙おうとしたイサークはすぐにつまみ出されたのだった。
Sylvia and I are on a date. We’re walking in the afternoon royal capital while holding hands. 「Waa?, what a lovely children」 Is it because our appearance is a child’s, or is it because Sylvia is simply lovely, the people that pass us by were bewitched. 「Lucio-sama, there, it looks very bustling」 「Un, let’s take a look」 「Yes!」 While holding hands, Sylvia and I walked towards the front of a certain store. With a glance, it seems like it’s a pub, but for that, it’s bustling although it’s in the afternoon. From how it looks from the entrance, it seems like there are - people inside. There’s a man who’s standing outside, so I asked him. 「Ne?ne?, Oji-chan, what is this place?」 「Aann? This place is too early for brats, come again after ten years」 I got a cold shoulder. Well, it’s true that a pub doesn’t have anything to do with children huh. 「Let’s go, Sylvia」 「......un」 Sylvia and I left from there, but she was taking glances and was curious about the store. She took a glance at the store, and took a glance at me. Does she want to enter? ......it looks like she wants to. If this was Nadia, she would say「Lucio-kun, do something」and beg straightforwardly to me, but Sylvia is a shy type for that kind of thing. 「Sylvia, come with me for a second」 「Yes」 I casted magic to Sylvia who nodded, and casted magic to myself. Gradually, our appearance became of an adult’s. It’s a magic I often use, a magic that turns one’s appearance to a grown up. Sylvia and I became adults. Sylvia who is in front of me became the beauty in the banquet sometime before. So much that even I get charmed. As I’ve thought, it looks like she really wanted to enter, and Sylvia nodded with an excited face. I started to walk, Sylvia who followed didn’t place her hand on mine, but linked our arms. It’s a sudden change from very lovely children holding hands, to a very intimate couple with arms linked. Her chest that touches my arm makes my heart beat a little faster, and we returned towards the store. 「Can we enter?」 「Please do」 The man outside lets us pass easily. Entering inside, I found out that it was more bustling. There was a lot of seats, a stage on the back, and a huge transparent box on top of it. 「Welcome, is it for two?」 A person came out from the store. It’s a young gentleman. 「Yeah. Also, we’re here for the first time, what kind of place is this?」 「You do not know about our shop『Making A Killing Inn』?」 The man made a little surprised face. Is this store that famous. 「Yeah, please explain」 「I think that it would be better to actually take a look, it is a very simple system」 A simple......system? What does he mean by system, is this not just a pub? 「I will guide you to your seat」 「......yeah」 Well, there should be no problem whatever happens. Taking Sylvia with me, I let the man guide us. 「Ohh......what a beauty」 「So beautiful......」 「Ke! The man’s also handsome, this world is full of mistakes, right!」 Many kinds of voices came from the surrounding, they’re different opinions than when we were holding hands in the town. And just like that, we were guided to a seat near the wall. 「Well then! The next game is starting. Please place your entry fee on top of the table」 One man on the top of the stage said. It’s a -year-old man. After the man said that, *GachaGacha* it sounded around us. Everyone placed a coin on top of the table. That one coin is worth 0 ceta, its value is quite high within the kinds of coins. The coin disappeared silently, and in exchange, it turned to a wooden coin of the same size. There are front and back of the coin, the front is dyed green, and the back is dyed red. And about the coin that disappearedーーit’s unknown when, but it’s already gathered inside the transparent box on the stage. 500 ceta coins worth all of the store’s table other than ours, it’s a bit spectacular. 「Well then, we shall go,『Binary World』」 The man used magic. A box releasing a white light appeared in front of the man. The box spins around in the air. 「Lucio-sama, what kind of magic is that?」 Sylvia on my side asked. 「It’s magic that’s like coin fortune telling. When used, the results set would come out with a probability of 50/50. It’s also a simple but strong magic. In its Grimoire, there’s an expression that God’s will working on it, and once the magic is used, it would not have any outside interference, the results would come out with an entirely half-half possibility」 「Even Lucio-sama cannot interfere with it?」 「It’s impossible, it’s that kind of magic. I can use it though」 The same white box on top of the stage appeared, and eventually burst. Mami’s face appeared there for an instant. 「Ah, it’s Mami-chan」 「『Binary World』」 「It’s Coco-chan this time」 「Just like this」 「That’s amazing!」 I wonder what’s amazing with it. I regained myself, and looked around. 「I’m gonna go with red」 「The trend so far is red, red, green, red, green, red, green, green, green......」 「Let’s do it with all green this time」 I could hear voices coming from each table. *GachaGacha*, it sounded, and everyone moved their red/green coin. 「Well......let’s go, OPEN!」 The box of light disappeared, and a green coin came out. Soon after, the coins on top of the table that was red disappeared, and only the one ones who chose green remained. The man used magic again. This time, red came out, and green coins disappeared. 「An O/X quiz huh」 「Yes?」 That was repeated for a while, and eventually, it dropped down to one person. 「Jackpot!!! Congratulations!」 To the place of that man, all of the 500 ceta coins were brought. I could hear applauses and words of congratulations being given nonstop. I see, it’s like that huh. Everyone would each take out a coin, do O/X quiz, and the last one remaining would take everything huh. In some meaning, it’s like a lottery. 「It’s been a while since I got a jackpot. Bring out the best alcohol in this store. Give everyone a cup」 「Understood」 「Ke! Oi, bring extra drinks here too! I won’t drink something that comes from him」 Orders were sent from here and there. The ones who won and the ones who lost both ordered drinks and food. Especially the one who got the jackpot, he became generous on spending his money. I see, in exchange for not taking money for the lottery ticket, this store is doing business like this huh. They’re good. 「Eeii! This is strange!!」 I heard a man’s shouting voice from the other side of the store. Looking at himーーit was Isaac. 「Dear Customer, making a disturbance is」 「Listen! I was here since the morning and had done it ten times. For all of those be a miss from the first turn, what the heck does this mean」 Isaac was completely making a fuss. The store’s staff near him was making an annoyed face. 「This is cheating! You are definitely cheating!」 「Please excuse my words, Dear Customer,『Binary World』is magic that cannot be interfered by anything, and......」 Un, that’s true. 「NO, you are definitely cheating!」 「......it cannot be helped」 The store’s man gestured and called someone. Two huge men from a little far away came, and caught Isaac from his sides. And he was forcefully dragged outside. The surrounding customers looked at Isaac with cold eyes. 「Isn’t he darn stupid?」 「Everyone knows that that magic can’t be interfered with」 「I’d sympathize that your luck is bad, but」 After Isaac had been kicked out, the store returned to usual business. 「Well then, once again, the next game shall start. Please place your entry fees!」 「Lucio-sama, can we try?」 「It’s fine doing it, but since you’re going to, it would be better if you’d win」 「But......it’s testing one’s luck right. Lucio-sama also said that it’s magic that can’t be interfered with」 「Yeah, I can’t interfere with the results」 「If that is soーー」 「But, I can guess the future」 「『Time Shift』」 When I chanted the magic, Sylvia appeared on Sylvia’s side. 「Sylvia」 「As expected of Lucio-sama, it’s red」 Sylvia who came from tens of seconds in the future said that, and immediately disappeared. 「Waa?......」 I paid 500 ceta, and gained the red/green coin. I turned it to red. The result “red” appeared on top of the stage. 「『Time Shift』」 「The next one’s green, Lucio-sama」 Sylvia said that the moment she appeared. And she immediately disappeared again, and the result in the stage became “green”. Using future prediction, I hit each turn of the 50-50 gamble every time. The first time, I was able to remain until the end, and the surroundings congratulated me. The second time, I was able to remain until the end, and the surroundings got louder and louder. The third time, when I still won, those reactions changed to astonishment. The coins that were piled up on top of the table after my third win had become amazing. 「What does this mean, don’t tell me he’s cheating」 「But, that shouldn’t be possible with『Binary World』?」 「Then, are you saying his luck is good? Are you saying he continuously won with 50-50 chances for about 30 times with that?」 It’s not at the level of only good luck hitting two 30 times though. 「Lucio-sama, somehow, the eyes around us」 「Yeah. Oi」 I called the store clerk nearby me. 「Does this store’s system have a carry over? With no-one winning and making all of the prizes be in the next one」 「There is, there are many cases when everyone misses at the last turn, so」 「There really is huh. Then, place all of these as a carry over」 「Eh? A-All of this?」 「Yeah. There’s no problem giving free meal with the money that was won right. Just like that」 The store’s man got dumbfounded, and ran away in a hurry to confirm after that. After a while, that was announced on top of the stage. Everyone was told about the carry over for the amount of three times. 「Brother, you’re awesome!」 「Hyu?hyu?!」 The place was filled with cheers and whistles. 「Lucio-sama......how amazing」 「Is that so?」 「Yes, with many kinds of meanings」 「I, thank goodness that I am Lucio-sama’s wife」 She said that, and Sylvia hugs me with an entranced face. When she’s in her grown-up appearance, she gets a little bit more aggressive. Being hugged like this, might be the best harvest for the day. By the way. 「Let me do it too」 Hearing the excitement, Isaac who returned to the store and wanted to aim for the three times carry over was immediately kicked out.
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パーティーに来ていた。 宮殿の中で開かれる、夜のパーティー。 主催者は国王、そのため参加者はほぼ全員貴族かお金持ちかっぽい、セレブっぽい外見だ。 もちろん会場もものすごくきらびやかだ。 「わわ......」 おれの横でシルビアが気後れしている。 ドレスアップの魔法でドレスを着せに連れてきたけど、パーティーの規模にあたふたしてる。 「わたしなんか場違いのような気がします」 「でも、まわりはみんなすごく大人で、みんな紳士と淑女です。わたしのような子供はいません」 「それを言ったらおれのようなガキも他にいないさ。まあそんな事を気にするな。シルビアはおれの嫁、だから堂々としてればいいんだ」 「はい、わかりました」 頷くシルビア、でもがっちがっちにかたい。 ちゃんとしないとって緊張してるのがありありと見える。 「あっ、ルシオ様のお飲み物とってきますね!」 そういって、パタパタと走って行った。 いやそういうのは会場の人間に任せればいいんだが。 まあ、緊張させっぱなしより、何かする事あった方がシルビアも気が紛れるだろう。 それを遠くから見てると、シルビアに一人の男が絡んでるのが見えた。 イサークと同じような16・7の少年で、着てる服はおれが遠目から見てもわかる位高価そうなものだ。 おれは近づいていき、後ろから声をかけた。 「ねえねえ、ぼくの妻がどうかしたー?」 子供モードで話しかけた。 「ルシオ様!」 「ルシオ様ぁ?」 シルビアがおれのところに駆け寄ってきて、男が値踏みするような目でおれを見た。 「どうかしたの?」 「えっと......その」 「なんでおまえのような子供がここにいるんだ? ここがどんなところか、今日のパーティーがどんなものかわかってるのか?」 「ごめんなさい、わからないの」 ぶっちゃけこれは本音だ。 何かあるのか? 国王からの招待をうけたから来たんだけど、なんか違う真の目的とかあるのか。 「だろうな。おまえたちのような子供にはわからない事だ。子供はさっさと帰って、おままごとでもしてな」 少年はそういって、大股で去っていった。 離れた所にいる同じ位の年齢のお嬢様に声をかけて、楽しそうに話す。 「もどろうか」 「はい」 シルビアを連れて、元の場所に戻った。 「ごめんなさいルシオ様」 「わたしが子供だから、ルシオ様にご迷惑かけてますよね」 「別に迷惑なんかかかってないぞ」 「うん......でも......」 シルビアは大人達を見た。 視線を追うと、すごく大人びた美女をじっと見つめているのがわかった。 「早く大人になりたい......」 「なってみるか?」 「え?」 シルビアは驚き、おれをまじまじと見つめた。 「なってみるかって、どういう事ですかルシオ様」 「あんな風な大人の美女になってみるか、って意味だ。おれの魔法で」 「あっ......ルシオ様の魔法」 一瞬目を輝かせたシルビアだけど、すぐにしゅんとなった。 「いいです、わたしが大人になっても、あんな美女になれませんし」 「うん? いやそんな事はないだろ。シルビアが大人になったらあの人より美人になるぞ。毎日シルビアを見てるおれが保証する」 「でも......」 「百聞は一見にしかず」 シルビアの言葉をとめて、手をかざして魔法を使った。 近くにいる何人かがざわめく。おれがいきなり魔法を使い出したからだ。 それを無視して、シルビアに魔法をかけた。 「グロースフェイク」 魔法の光がシルビアを包み込んだ直後、体が成長した。 9歳のシルビアの体が一瞬で成長した。 おれが指定した16歳の姿に成長した。 シルビアは自分の姿を見て、驚いた顔でおれを見下ろした。 「こ、これって?」 「成長したあとの姿に変身する魔法だ。16歳くらいに設定した。つまり今の見た目が、シルビアが本当に16歳になったときの見た目そのものだ」 「すごい......こんな魔法もあるですね......」 感嘆するシルビア。おれはそんな彼女をじっと見つめた。 「うん、綺麗だ」 「え?」 「思った通り綺麗だぞシルビア。そうだな、この場にいる誰よりも綺麗だ」 「そそそそんな事ないです」 赤面して手をふるシルビア。が、おれのそれは素直な感想だ。 今のシルビアは綺麗だ。間違いなく、今日この場にいるどの女よりも綺麗。 もとが美少女だけど、ドレスアップされて美女になったのはあるが、それを抜きにしても一番綺麗だと本気で思ってる。 「あるさ。おれは幸せ者だ、シルビアと結婚出来たんだから」 「うぅ......る、ルシオ様ぁ......」 盛大に赤面して、困り果てた顔のシルビア。 でも、まんざらでもなさそうだ。 「ほら、もう照れるのはやめて。ぼくの妻としてもっと綺麗な表情をして」 「もっと、ですか?」 「そうだ、ぼくが自慢できるくらいもっと綺麗に」 「が、がんばります!」 シルビアはそういって、深呼吸して、表情をつくった。 今のは魔法の言葉だ、違う意味での魔法の言葉だ。 おれのために、っていう言葉はシルビアによくきく。 さっきまでの赤面が引っ込んで、落ち着いた表情になった。 ますます綺麗に見えるシルビア。彼女じゃないけど、こうなるとおれの方が釣り合わないように思えてくる。 自分にも魔法をかけて、せめて見た目は同年齢にしようか、と思ったその時。 「麗しい人よ」 聞き覚えのある声がシルビアに話しかけた。 さっきの少年だ。向こうからやってきた彼はなにやらきざっぽいセリフでシルビアに声をかけた。 「他に誰がいますか。今日は素晴しい日だ、あなたのような美しい人と巡り会えるなんて」 「えっと......」 シルビアが困っている。 「わたしの名はディエゴ。よろしければあなたの名前を教えていただけませんか」 少年――ディエゴが貴族っぽい仕草で一礼して、シルビアを見つめた。 ますます困り果てるシルビアはおれを見た。 さっきと違う意味で困ってるのがわかった。おれの目から見てもまるっきりナンパだ、困って当然である。 「むっ、なんだまたお前か」 ディエゴは冷ややかな目でおれを見る。 「場違いだから帰れって言ったはずだぞボウズ」 「ごめんなさい」 「というか今なんて言った、妻?」 「うん、妻。おいで」 シルビアに手招きをする、シルビアは笑顔を浮かべて、おれの横にやってきた。 身長差があるから腕を組めないけど、代わりに手をつないだ。 「ぼくの妻だよ。ねっ、シルビア」 「はい、ルシオ様」 「綺麗だよ、シルビア」 「わたしが綺麗なのはルシオ様のおかげです」 シルビアがそういって、従順な妻そのものの顔でおれを見つめた。 まわりからクスクス笑い声が聞こえる。 ナンパに失敗したディエゴを笑っている。 ディエゴはぷるぷる震えだして、顔を真っ赤にさせた。 さっきとは違って、妙齢のシルビアに実質ふられたのはいたたまれないものがあるんだろう。 「だ、だからなんなんだお前は、なんでお前の様な子供がいる!」 「余が招いたからだが」 「なに――陛下!」 国王がいつの間にかやってきて、ディエゴがそれをみて慌てて頭を下げた。 「申し訳ございません陛下、陛下の客人とは知らず」 「客人でもないのだがな」 戸惑うディエゴ、国王はおれに話しかけてきた。 「よく来てくれた千呪公よ」 「千呪公? なにそれー?」 「千の魔法を操る公爵、千呪公。そなたの爵号だ、余が考えた。気に入らないのならまた考えるが」 「ううん? かっこいいからそれでいいよ。ありがとうね陛下」 「うむ。話を聞いていたけど、この娘がそなたの妻だというのはまことか?」 「うん、ちょっと魔法をかけてるけど、本当はこういう姿なんだ」 そういってシルビアの魔法を解いた。 元の9歳の姿に戻ったシルビアはほっとして、おれに腕を組んできた。 「はっはっは、なるほど、これはお似合いだ」 「ありがとう」 「お似合いだけではないな。これほど可愛らしい公爵夫人は我が国の宝だ」 「そんな......ありがとうございます」 恥じらうシルビア。 「ちなみに今の魔法はなんじゃ?」 「成長した姿に変装する魔法だよ。こんなかんじで」 もう一度グロースフェイクを使った。今度はおれとシルビアの両方にかけた。 見た目のカップルになった。 「お似合いの美男美女だな」 「それに今の魔法、あれはほとんど使い手のいない高等魔法だぞ」 「千呪公の名は伊達ではないということか」 まわりから称賛の声があがる。おれはいいけど、シルビアがまた恥ずかしいモードにはいった。 そんな風にシルビアと一緒に、国王と世間話をした。 大恥をかいたディエゴはひっそりと、しっぽを巻いて逃げ出したのだった。
I am in a party. A night party that is being opened inside the palace. The organizer was the King, therefore, almost all of the participants seems to be nobles or wealthy people, they looked like celebrities. Of course, the venue was also extremely flamboyant. 「Wawa......」 Sylvia who was beside me was being taken aback. I took her with me, wearing a dress from the Dress Up magic, but she was panicking to the scale of the party. 「I think that I am out of place」 「That’s not true, you know」 「But, everybody around are all grown-ups, they are all ladies and gentlemen. There is no one else childish like me」 「If you say that, there isn’t another kid other than me, right. Well, don’t mind it too much. Sylvia is my wife, so you should just act in a stately manner」 「Yes, I understand」 Sylvia nodded, but she was still too stiff. “I should be in manner”, it was clear that she was nervous thinking of that. 「Ah! Lucio-sama, I will go get drinks!」 She said that, and *PataPata* she ran. That can be left to the venue personnel though. Well, rather than being nervous at all times, it might be better to let Sylvia do something to make her distracted. And when I was looking at that from far away, one man approached Sylvia with dispute. It was a young man at around the same with Isaac about -, and the clothes he was wearing looks expensive even from where I look from far away. I approached, and called out from the behind. 「Ne?ne?, what do you want with my wife??」 I talked to him in child-mode. 「Lucio-sama!」 「Lucio-samaaa?」 Sylvia ran towards where I was, and the man looked at me as if to measure me. 「What happened?」 「E?to......uhm」 「Why is a kid like you in here? Do you know what kind of place this is and what today’s event is?」 「I’m sorry, I don’t know」 Honestly, I really thought of that. Is something going to happen? I came here because I received an invitation from the King, is there some kind of real meaning for it. 「I guessed so. It’s something kids like you won’t know about. Kids like you should hurry up and go home, just go play house or whatever」 The young man said that, and went away with a stride. He then calls out to a young lady at around the same age that was in a little far away, and talked joyfully. 「Let’s go back」 「Yes」 I took Sylvia with me, and return to where we were earlier. 「I’m sorry, Lucio-sama」 「It’s because I’m a kid, I’m causing problems for Lucio-sama right」 「It’s not like I’m being troubled at all」 「Un......but......」 Sylvia looked at the grown-ups. When I followed her sight, I found out that she was staring at a very grown-up beauty. 「I want to grow up faster......」 「You want to try?」 「Eh?」 Sylvia was surprised, and stared at me as if to confirm. 「Do I want to try, what do you mean Lucio-sama」 「Do you want to be a grown-up beauty like that, I mean. Using my magic」 「Ah!......Lucio-sama’s magic」 Sylvia’s eyes shined in an instant, but she soon looked down. 「It is okay, even if I become a grown-up, it is not like I am going to be a beauty like her」 「Un? That’s not true at all. When Sylvia becomes a grown-up, you’re going to be more beautiful than that person. I, who looks at Sylvia everyday, can guarantee」 「But......」 「Seeing is believing」 I stopped Sylvia’s words, reached out my hand and used magic. Some people nearby was surprised. It was because I suddenly started using magic. But ignoring that, I casted magic on Sylvia. 「Fake Growth」 Soon after the light of the magic enveloped Sylvia, her body grew up. The -year old body of Sylvia grew up in an instant. She grew up to her year old appearance that I had specified. Sylvia looked at herself, and looked down at me with a surprised face. 「T-This is?」 「It’s a magic that changes the appearance to look like a grown up. I specified it to about -years old. It means, how you look right now, is how Sylvia would really look like after growing up to 16-years old」 「Amazing......there is also this kind of magic huh......」 Sylvia sighs in wonder. I stared at her intently. 「Un, beautiful」 「Eh?」 「You’re as beautiful as I thought, Sylvia. Let me say, you are more beautiful than anyone in here」 Sylvia blushes and sways off her hands. But, that was my honest opinion. The Sylvia right now is beautiful. With no doubt, she was more beautiful than any other woman in here today. Because she was a beautiful girl from the start, she became a beauty by dressing up, but I really think that even without something like that, she is the most beautiful. 「That is true. I am a happy man, because I was able to marry Sylvia」 「Uu......Ru, Lucio-samaa......」 She blushed on a grand scale, Sylvia made a very troubled face. But, it doesn’t seem that she didn’t like it. 「Come now, stop being shy. As my wife, please make a more beautiful expression」 「More, desu ka?」 「That’s right, more beautiful that I can be proud of」 「I-I will do my best!」 Sylvia said that, had a deep breath, and made an expression. Those words right now are magic words, magic words in a different meaning. “For me”, that word, was very effective to Sylvia. She withdraws the blushing face she had earlier, and made a composed expression. Sylvia looked more and more beautiful. Just talking in her shoes, if she was like this, I think that I would be the one who’s not worth of her. I should also use magic to myself, and at least be in the same age, at the time when I was thinking of that. 「Beautiful lady」 A voice that I was familiar with, called out to Sylvia. It was the young man earlier. He, who came from over there, calls out to Sylvia with a some kind of cheesy lines. 「Who else there could be. Today is a wonderful day, to be able to meet a beautiful person like you」 「E?to......」 Sylvia was troubled. 「My name is Diego. If it was okay, can you please let me know your name」 The young manーーDiego made a bow with a noble-like gesture, and stared at Sylvia. Sylvia became more and more troubled, and looked at me. In a different meaning from earlier, I knew that she was troubled. However I looked at it, he was clearly smooth-talking her, it’s natural to be troubled. 「Mu! What, you again huh」 Diego looked at me with cold eyes. 「I told you to go home because you’re out of place you brat」 「I’m sorry」 「I mean, what did you say right now, wife?」 「Un, wife. Come here」 I called Sylvia to come, Sylvia made a smile, and came to my side. We couldn’t cling our arms because of the height difference, but instead, we held hands. 「It’s my wife. Ne! Sylvia」 「Yes, Lucio-sama」 「You’re beautiful, Sylvia」 「I am beautiful only because of Lucio-sama」 Sylvia said that, and stared at me with as if she was truly a very obedient wife. Giggling laughter could be heard around. They’re laughing at Diego who failed at smooth talking. Diego trembled, and reddened his face. The difference from earlier was, he was embarrassed because he was rejected by Sylvia who looks nubile. 「W-Who the heck are you really, why is a kid like you here!」 「It is because I invited him」 「WhatーーYour Majesty!」 The King came unnoticeably, and Diego who saw that bows his head in a hurry. 「I am very sorry Your Majesty, without knowing it is Your Majesty’s guest」 「He is also not my guest though」 Diego got confused, the King talked to me. 「It is good you came, Senjukou」 「Senjukou? What’s that??」 「A duke that can use a thousand magic, Senjukou. It is your noble title, I thought of it. If you do not like it, I can think of it again」 「U?un? It’s cool so that’s fine. Thank you, Your Majesty」 「Umu. I heard the conversation, is it true that, that lady is your wife?」 「Un, I casted magic on her for a bit, but she really looks like this」 I said that, and released the magic on Sylvia. Sylvia who returned to her original 9-year old appearance was relieved, and clings her arms with mine. 「Hahaha, I see, you look good with each other」 「Thank you」 「It is not only you look good with each other. A duchess this lovely is the treasure of our country」 「That is......thank you very much」 Sylvia got shy. 「By the way, what was the magic right now?」 「It’s a magic that disguises to a grown up appearance. Just like this」 I used Fake Growth once more. This time, I casted it to both me and Sylvia. We now looked like a 16-year old couple. 「A handsome man and a beautiful lady that goes together huh」 「And that magic right now, that is an advanced magic that has only a few that can use」 「Senjukou’s name is not just for show, huh」 Voices of praise were raised around us. I was alright with it, but Sylvia entered her shy-mode again. And just like that, together with Sylvia, I had a small talk with the King. Diego who showed a huge embarrassment, quietly, ran away with his tail between his legs.
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ゲルニカ王都、ルモ。 都の中心部にある屋敷にやってきた。 おれ、シルビア、ナディア、ココ&マミである。 「お待ちしておりました、ルシオ様」 おれ達をでむかえたのはアマンダ。 実家のマルティン家に仕えている年上のメイドだ。 ルモにやってくるにあたって、アマンダを先行させて屋敷を手に入れてもらった。 それが目の前にある屋敷だ。 広さだけで言えば、ラ・リネアにあるものよりり大きい。 「お疲れ様。ここがおれの屋敷?」 「値段は?」 「ルシオ様からお預かりした支度金ほどで」 「三割!?」 おれは驚いた。 「それはいくら何でも安すぎるだろ」 「ラ・リネアに比べて地価が安いのです。本当は十割あまらせる事も可能でしたが、断りました」 「十割ってどういう事?」 「ルシオ様の事をさっそく聞きつけた商人や貴族の有力者が、歓心をかおうと無料での提供を申し出ました。それらを全て断り、あくまで相場で確保いたしました」 「......すごいな、アマンダは」 「もったいないお言葉です」 いや、本当にすごいと思う。そこで安いから、ただだからって飛びつかないのはもちろん、その上あえて相場通りに買ったのはすごい。 「ご苦労さん、アマンダ。帰っておじいさんによろしく伝えて」 「それですが、近く訊ねてくるかと思います」 「そうか。まあ、それは予想してる。おじいさんだからね」 おじいさんがひょっこり遊びに来るのは予想がつく。 おれはもう一度アマンダをねぎらって、彼女を送り出した。 屋敷の中をあれこれ見回して、間取りをチェックしたり家具をチェックしていた。 そこに正面玄関のドアノッカーが音を立てた。 「誰かおらぬか」 シルビアが「はーい」と言って玄関に行った。 「えええええ」 シルビアの叫び声が聞こえた。 おれは玄関に駆けつけた。 「どうした......ってえええええ」 シルビアと同じ声を上げる羽目になっちゃった。 玄関にいる訪問客、それは国王だった。 王都ラ・リネアにいるはずの国王が、お忍びの姿でそこにいった。 「お、王様? どうしてここに?」 「来ちゃった」 来ちゃったって。 「王様、もしかしてルシオ様に会いに来たんですか?」 シルビアがおそるおそる聞く。 「うむ。余の千呪公がどうしているのかいてもたってもいられず、王宮をちょっと抜け出してきたのだ」 「それって大丈夫なんですか?」 「問題ない」 国王はきっぱり言い放った。 問題ないのか......。 「書き置きをちゃーんと残して来たのだ。問題はない」 「書き置きだけ!? それは問題ありますよ!」 思わず突っ込んでしまった。 「まあまあ、それよりもこれ、引越祝いだ」 「これは?」 国王が出してきたものを受け取った。 中に赤い色をした麺が入っている。 「あっ、引っ越しの赤い麺。ありがとうございます、王様」 のぞき込んだシルビアがお礼を行った。 「うむ、後でゆでて余の千呪公と一緒に食べなさい」 「ありがとうございます」 シルビアの反応からして引っ越しそばとにたようなものみたいだ。 それはじゃあ良いけど。 「本当に大丈夫なの、王様」 「大丈夫だ。ちゃんと書き置きには余の千呪公のところに行ってくると書いてある。行き先もちゃんとしておるし、世界でもっとも安全な余の千呪公のところだ。なにも問題はあるまい」 「うーん、それなら――」 「問題大ありでございます!」 ドアが開かれ、大臣が入ってきた。 額に汗を浮かべ、息切れしてる。 格好は国王以上に質素な感じで、顔を知らない人はただの中年おっさんに見える。 「ど、どうしたんですか」 「陛下を追いかけてきた。陛下!」 「むっ」 国王が表情を変えた。 「困りますぞこのような勝手をなさっては。陛下は我が国の主、そのようなものがなんの知らせもなしに属国の、しかも王都に来たとあっては一大事」 あ、やっぱりそうだよな。 「仕方ないだろ、余の千呪公に会いたかったのだ」 「会いたかったのだ、ではありません。ああ、もう! ではもう会われましたね。さあ、ゲルニカ王国のものに気づかれぬ様に帰りましょう」 「待つのだ、せめて一緒に引っ越しの赤い麺を――」 「帰・り・ま・し・ょ・う」 大臣が国王に詰め寄った。 「もう一度だけ申す、陛下がここにいると知られたら大変な事になります。さあ、参りますぞ」 もはや説得してもらちがあかないと判断したのか、大臣は国王をずるずる引きずっていった。 屋敷の外に連れ出され、用意された馬車に連れて行かれる国王。 おれを見て、切なげに叫んだ。 「余はまた来るからなあああ」 と来ないで下さい!」 大臣はそう言って国王を馬車に詰め込んだ。 ロケットダッシュで王都ルモから逃げ出すように去っていく馬車を、おれは苦笑いで見送る。 シルビアが言った。 「そうだな」 「なんとかできませんか、ルシオ様」 赤い麺を持ったままおれを見あげるシルビア。懇願する様な目だ。 きっと国王が可哀想だと思ったんだろう。 おれは考える。一万近い魔法を脳内検索にかける。 「......普通にあった」 「あるんですか」 「ああ......なんで今思い出すのかってくらい普通にあった」 おれは苦笑いした。自分のうっかりにちょっと苦笑いした。 ちょっと前に魔導図書館でよんだ魔導書で覚えた魔法だ。 それを思い出して、手をかざして使う。 「『ピクチャーフォン』」 魔力の光が集まって、空中に映像を映し出した。 ホログラムのような半透明の映像。 それは、小さな空間で膝を抱えてめそめそしてる国王の姿だった。 ......おいおい。 気を取り直して呼びかけた。 「むっ? 千呪公! 余の千呪公ではないか!?」 国王の映像がこっちを向いた。 「これはどうしたことだ」 「ぼくの魔法だよ」 「そうか、さすが余の千呪公だ!」 国王はいともあっさり納得した。 「テレビ電話......って言ってもわからないよね。とにかく、この魔法で時々王様に連絡するから」 「ほんとか!」 「うん! だから元気出して」 「うむ、元気が出たぞ。ありがとう余の千呪公」 テレビ電話の魔法でやりとりしてると、またしてもドアノッカーが叩かれた。 ドアが開かれ――実家にいるはずのおじいさんがそこにいた。 「おおルシオや、元気そうじゃのう」 「その声はルカ、なぜそこにいる?」 「む? エイブではないか。これは......ははあ、ルシオの魔法じゃな」 おじいさんは一瞬で状況を理解した、名前で呼び合うほど仲良くなった国王とテレビ電話越しで話した。 おじいさんは得意げに、国王は悔しそうだ。 「孫の新居に遊びに来るのになにか問題が?」 おじいさんは得意げに言った。うん、それは問題ないな。 「くっ、御者! 大臣! 今すぐ引き返せ、余も――」 「なりません陛下!」 駄々をこねる国王は大臣に一喝された。 「ふぉっふぉっふぉ。さあルシオや、一緒に引っ越しの赤い麺でも食べるのじゃ。おおシルビア、可愛い孫嫁の麺をたべさせてくれんかのう」 「ぐぬぬ......」 ここぞとばかりに国王を刺激するおじいさん。 相変わらず、二人とも仲良しだなあ、とおれは思ったのだった。
Guernica Royal Capital, Lumo. I came to a mansion in the middle part of the capital. Sylvia, Nadia, Coco&Mami, and me, the four of us. 「We had been waiting for you, Lucio-sama」 The one who welcomed us was Amanda. She’s an older maid that is serving in my family house, Martein House. Coming to Lumo, I asked Amanda to go ahead of us and acquire a mansion. That is the mansion that is in front of me. With only its wideness, it’s one level bigger than the one in La Linea. 「Good work. This is my mansion?」 「The price is?」 「It is only % of the money prepared that I had received from Lucio-sama」 「%?!」 I got surprised. 「Isn’t that too cheap」 「The property value is cheaper compared to La Linea. In truth, it was possible to have % remaining, but I refused」 「00%, what do you mean?」 「The influential people, merchants and nobles, who had already heard about Lucio-sama, they offered it for free to buy your welcome. I refused all of it, and gained it only with its price in the market」 「......Amanda’s amazing huh」 「I am not worthy of those words」 No, I really think that it’s amazing. Not mentioning that she didn’t jump to it since it’s cheap or for free, on top of that, she took her ways buying it at its price in the market. 「Good work, Amanda. Return and say my regards to Ojii-san」 「About that, I think that he would visit very soon」 「Is that so. Well, I expected that. It’s Ojii-san after all」 It’s easy to expect for Ojii-san to visit suddenly. I once again said thanks to Amanda for her work, and sent her off. Looking around here and there inside the mansion, checking the layout, and checked the furniture. And there, a sound was made from the door knocker in the front entrance. 「Is someone here」 Sylvia said 「Ha?i」, and went to the entrance. 「Ehhhhh」 I heard Sylvia’s shouting voice. I ran to the entrance. 「What happened......ohehhhhh」 I couldn’t help but raise the same voice as Sylvia. The visitor in the entrance, it was theKing. The King who should’ve been in the Royal Capital La Linea, is there with his incognito appearance. 「O-Ou-sama? Why are you here?」 「I came」(Kichatta) You came, you say. 「Ou-sama, did you come to visit Lucio-sama?」 Sylvia modestly asked. 「Umu. I couldn’t help myself worrying what my Senjukou was doing, and left the palace for a bit」 「Is that okay?」 「There’s no problem」 The King said it clearly. Is there no problem...... 「I properly?, left a note. There’s no problem」 「Just a note?! That’s a huge problem!」 I couldn’t help but point that out. 「Well well, rather than that, this, it’s for celebrating your moving」 「This is?」 I received the thing that the King reached out. There’s a red colored noodle inside. 「Ah, it’s the red noodles for moving. Thank you very much, Ou-sama」 Sylvia who took a peek said her thanks. 「Umu, eat it leisurely later with my Senjukou」 「Thank you very much」 From Sylvia’s reaction, it looks like it’s something like soba being given when moving. Well, that’s fine though. 「Is it really okay, Ou-sama」 「It’s alright. I had properly written in the note that I would go to my Senjukou’s place. They know my destination, and this world’s safest place is my Senjukou’s place. There is no problem at all」 「U?n, thenーー」 「It is a huge problem it is!」 The door opened, and the minister came inside. He had sweat on his forehead, and was catching his breath. His appearance was simpler than the King’s, and people who don’t know his face can only see him as a middle-aged Ossan. 「W-What happened」 「I chased after His Majesty. Your Majesty!」 「Mu!」 The King changed his expression. 「We will be troubled, doing such selfish things. Your Majesty is our country’s lord, if one who is such would come to a vassal state without letting them know, on top of that, to its Royal Capital, it would be a huge problem」 Ah, it’s like that after all huh. 「It couldn’t be helped right, I wanted to meet my Senjukou」 「”I wanted to meet him”, is not an excuse. Ahh, my goodness! But well, you had already met him. Well now, let us return before the ones of the Guernica Kingdome notice」 「Halt, at least, the red noodles for movingーー」 「Let?us?re?turn」 The minster closed in to the King. 「I shall say this once again, it would be a huge problem if it was found out that Your Majesty is here. Well now, let us go」 Did he already judged that he wouldn’t return by convincing, the minister dragged the King. The King, he was taken out of the mansion, and got pulled into the carriage that was prepared. He looked at me, and sorrowfully shouted. 「I will meet you again!!!!」 「Please don’t come anymore!」 The minister said that, and stuffed the King to the carriage. I saw off with a wry smile, the carriage that left the Royal Capital Lumo as if to run away with a rocket dash. Sylvia said. 「I guess so」 「Can you not do anything about it, Lucio-sama」 Sylvia looked up to me while holding the red noodles. They were eyes as if to beg. She probably though that the King was pitiful. I thought. I made a search within the near ten thousand magic inside my head. 「......there was really one」 「Is there」 「Ahh......there was really one that it made me wonder instead why I wasn’t able to think of it until now」 I laughed wryly. I laughed wryly to my clumsy self. It’s a magic that I learned from the Grimoire that a read in the Grimoire library just recently. I remembered that, and used it, reaching out my hand. 「『Picture Phone』」 The light of the magic powers gathered, and showed a video in mid air. It’s a half-transparent video like a hologram. That is, the appearance of the King crying while hugging his knees in a small space. ......oi oi. Starting again, I called out to him. 「Mu?! Senjukou! Isn’t it my Senjukou?!」 The King in the video looked here. 「What is this about」 「It’s my magic」 「Is that so, as expected of my Senjukou!」 The King got convinced very easily. 「Video call......well, you wouldn’t know that huh. Anyways, with this magic, I’ll contact the King once in a while」 「Really!」 「Un! That’s why, cheer up」 「Umu, I had cheered up. Thank you, my Senjukou」 When we were having that conversation with the Video Call magic, the door knob was knocked again. The door openedーーand Ojii-san who should’ve been in our family house was there. 「Ohh, Dear Lucio, you seem cheerful 「That voice is Luka’s, why are you there?」 「Mu? Isn’t it Abe. This is......hahaa?, it’s Lucio’s magic huh」 Ojii-san understood the situation in the instant, and talked to the King who he had really gotten along with that they’d call out each other’s name through the video call. Ojii-san was bragging about it, and the King was frustrated. 「Is there a problem going to play with my grandchild’s new place?」 Ojii-san braggingly said. Un, there’s no problem with that huh. 「Khu! Coachman! Minister! Turn back immediately, I alsoーー」 「That shall not be done, Your Majesty!」 The King who had tantrums was made shut by the minister. 「FuoFuoFuo?. Well know, dear Lucio, let’s eat red noodles for moving together. Ohh, Sylvia, can my lovely granddaughter in law let this old man eat noodles」 「Gununu......」 Ojii-san who really stimulates the King in this chance “As usual, the two really gets along with each other huh”, I thought.
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を読んでると、ベロニカがいきなり部屋に入ってきて、絡んできた。 顔が赤く、ろれつが回ってない。テンションが普段と違う。 「ベロニカ?」 「うふふ......うふふふふ」 「どうしたんだ?」 顔を近づけて、トロンとした目で見つめてくる。 「おまえ、まさか――」 「言ってる意味がわからない」 「あはははは、るしおにるしおがついてる、おっかしー」 おかしいのはお前の様子だ。 「ええい、たべちゃえっ」 いきなり舐めてきた。べろっとおれの頬を舐めた。 首にひっついてきて、べろべろなめる。 そんなベロニカを慌てて引きはがす。 今度は体が前後左右に揺れだした、まるでだるまの様だ。 もしかしなくても酔ってるな、これ。 の子供がよっぱらう姿はちょっと珍しい。ベロニカの中身はとっくに成人した大人の女だが。 手でばたばたあおいだ。 「窓を開けるか? それとも魔法がいいのか?」 頬に指をあてて、考える。 「るしおしかいないれふわ」 部屋の中はおれとシルビアっきりだ。 ベロニカはいきなり服をぬぎだした。 パパパ、と服を脱いでキャミソール姿になった。 いきなりの事なので慌ててベロニカを止めた。 「ろーしてとめるんれふの?」 「はいはい、酔っ払いは少し黙ってて」 手を押さえつつ脱ぎ捨てた服を拾い上げる。これ、どうやって着せたらいいんだ? 面倒臭いから魔法使うか。 「ルシオくん」 名前を呼ばれた。 ナディアがこっそりドアの影からおれをみてる。 「どうしたナディア」 「ごめんなさいルシオくん」 ナディアが入ってきて、おれの前にたった。 顔が赤い、酒の匂いがする。 「お前も飲んでたのか?」 「うん。あのね、ベロちゃんが酒は良いものだって前の大人なら酒くらいのめるようになるべきだっていったんだ」 みんな子供じゃないか。 いやベロニカはちょっと違うか。 「あたしルシオくんのお嫁さんだし、それで一緒になってちょっと飲んだんだけど、ベロちゃんが急にああなって」 頷き、ベロニカをみる。 「よっれないれふ!」 「はいはい、酔っ払いは黙っててな」 ベロニカはもうまるっきり酔っ払いだ。 「で、どれくらい飲んだんだ?」 「えっと、ベロちゃんはコップでこれくらい」 親指と人差し指で摘まむような仕草で量をしめした。 コップの満タンから一センチもない、舐めるように飲んだ程度だ。 それでこうなのか。 おれの名を呼ぶナディア、珍しく不安そうな表情だ。 「お酒を飲むとこうなるの? あたし、ベロちゃんが飲み残したのを全部飲んじゃったんだけど......」 「コップの残りを全部か?」 「うん」 こっちはこっちでちょっと面白い。 ナディアは受け答えがしっかり出来てるし、顔が赤くなってるが酔っ払いって程じゃない。 「大丈夫だ。何かあってもおれがここにいるし、どうにでもしてやる」 ナディアはほっとした、顔から不安が一気に消えた。 「うん、ルシオくんがいるんだもんね。じゃあ大丈夫だ」 「でもお酒って不思議な味だね。ふわふわしてあったかくて気持ちよくて」 「そういうもんだ」 「ルシオくんと手をつないで寝るのの半分くらい幸せ」 「斬新な比較対象だ」 「お風呂上がりにこう、ちょっと飲みたい感じ」 「天才だったか」 ナディアには酒飲みの素質があるかも知れない。 ナディアと話してる横から、ベロニカがひっついてきた。 おれの後頭部にひっついた。 いつもの肩車っぽい体勢だが、普段はしがみついてるだけなのに、酔っ払ってる彼女は前後に揺れ出した。 まるで遊具の木馬にのってるかのような感じ。 酔っ払いってこういうもんだが、それにしてもひどい。 暴れるだけ暴れて、電池が切れたかのようにぐっすりと寝てしまった。 「ベロちゃんが別人だ。お酒を飲むとこうなるんだ」 「個人差もあるけどな。大抵は酔っ払うと普段とは違う姿になるんだ」 「あたしも?」 「しっかり酔えばな」 「なんかそれ面白い。もうちょっとのんでこよ」 「あー待て待て」 部屋の外に飛び出そうとするナディアを引き留める。 「酒は飲み過ぎると体にわるいからやめとけ」 おれの嫁で社会的には成人扱いだが、それでも体は子供だから良くない。 「えー、でもなんか楽しそうだよ?」 ナディアはベロニカを見る、ものすごく羨ましそうだ。 「ふむ、ようはよっぱらったらどうなるのか知りたいんだろ?」 「うん!」 「わかった――『リバースソーバ』」 瞬間の脳内検索をして、一番適してる魔法を使った。 手のひらに数個、あめ玉のようなものが出てきた。 「それはなに?」 「一粒で一分間酔っ払える魔法の薬だ。アルコールじゃないから体に悪いとかはないし、一分間で溶ける様に出来てる」 「すごい、そんな便利なものがあるんだ」 「これでためしてみろ」 ナディアはあめ玉を受け取って口に放り込む。 ゴクン、と一気に飲み込んだ。 そして、次の瞬間。 「るしおくーん」 超ハイテンションになっておれにしがみついた。 「るしおくん、るしおくん、るっしおくーん」 さっきまでと違って、一気に酔っ払い状態になった。 「るしおくん!」 「だいすき!」 ぎゅっとしがみつかれて、ほっぺにキスをされた。 「だいすき」 またほっぺにキスをされた。 「だいだいだいーすき」 ほっぺをめちゃくちゃキスされた。 キスの雨が降り注ぐこと、一分。 「だーいしゅ......き」 魔法の効果が切れた。 一瞬で我に返ったナディア。 おれの顔と魔法のあめ玉を交互に見比べる。 これは......酒飲みにありがちな醒めたら後悔するパターンかな。 「まあ気にするな、酔っ払いってのは――」 「面白い!」 「え?」 予想外の反応だ。 「すごいよルシオくん、お酒ってこういうものなんだ」 「お酒っていうか、よっぱらいっていうか」 おれの魔法だからな。 「そっかぁ......面白いなあ。そうだ、チョット待ってて」 ナディアは部屋から飛び出してしまった。 しばらくして、シルビアの手を引いて戻ってきた。 「どうしたのナディアちゃん。わたし、お部屋のお片付けが」 「いいからいいから、そういうのはアマさんに任せてさ、シルヴィはこれを食べて」 ナディアは余った魔法薬を一粒シルビアにわたした。 「これ食べて」 「これは?」 押し切られたシルビアは魔法薬を飲んだ。 直後、顔が赤くなって、目がうるうるし出した。 いきなり抱きついてきた。ベロニカパターンか? いきなり泣き出す始末。 ああ、泣き上戸なのか。 「うぇーん、いつもおねしょひてごめんらさい」 「おー、泣くんだ」 ナディアが楽しそうにケラケラ笑った。 泣きながらすがってくるシルビア。 そして、一分。 ナディアの時と同じように、ピタッととまるシルビア。 ぎぎぎ、とぎこちない動きでおれから離れる。 恨みがましい目でおれを見る。 「ひどいです、ルシオ様」 「おれのせいかな」 「ナディアちゃんもひどい」 「大丈夫! シルヴィかわいかったから!」 親指を立てるナディア。 何が大丈夫なんだか。 「そうだ、ルシオくんもそれ飲んでみてよ」 「え?」 「うん、ルシオ様のが見たいです」 「いやいや、待て待て」 おれは冷や汗をかいた。 『リバースソーバ』のあめ玉を見た。丁度もう一つ残ってる。 このままじゃ飲まされてしまう、処分しなきゃ――。 寝たと思ったベロニカがいきなり起き出して、あめ玉をおれの口の中に入れてきた。 いきなりの事で、つい飲み込んでしまった。 やばい――と思った時は時既に遅し。魔法の酔いが回った。 目の前を見る。 かわいいかわいいおれの嫁達、大事な大事な幼女妻。 「シルビア、ナディア、ベロニカ」 三人の手を取って、目をまっすぐ見て、いった。 「取りに行くぞ――世界を」 「ルシオ様かっこいい......」 「ルシオくん......」 「ふ、ふん、あたくしの夫なのだからこれくらい当然よ」 三人はそれぞれ違う反応をした。 目をきらきらさせたり、まんざらでもなかったりで、全員が好意的だった。 が――一分後。 おれは生まれてきたことを死ぬほど後悔するのだった。
Night, when I was reading Grimoire, Veronica suddenly entered the room, and clung to me. Her face is red, and she’s speaking inarticulately. Her tension is different from usual. 「Veronica?」 「Ufufu......ufufufufu」 「What happened?」 She brought her face closer, and stared at me with glazed eyes. 「You, don’t tell meーー」 「I can’t understand what you’re talking about」 「Ahahahaha, there’sh Rusho in Rusho, sho shtrange?」 It’s your state that is strange. She suddenly licked me. *Pero*, she licked my cheek. She put her arms around my neck, and *PeroPero*-d. I removed Veronica who was like that in a hurry. 「Uffufufufu?」 This time, she started to shake her body back and forth and right and left, as if she’s a daruma. This, maybe she is drunk. A drunk -years-old child, is a rare appearance. Veronica within, is already an adult woman though. She fanned herself with her hand. 「Should I open the window? Or is magic better?」 She placed a finger on her forehead, and thought. 「There’sh only Rusho」 I’m alone with Veronica in the room. Veronica suddenly took off her clothes. *Papapa*, she took off her clothes, and she’s in her camisole appearance. 「Wait, wait」 It was a sudden thing, so I stopped Veronica in a hurry. 「Yes, yes, drunkards should be quiet」 While stopping her with my hand, I picked up the clothes she took off. This, how should I make her wear it? It’s troublesome, so I should just use magic huh. 「Lucio-kun」 My name was called. Nadia was looking at me from the shadow of the door silently. 「What is it, Nadia」 「I’m sorry, Lucio-kun」 Nadia entered, and stood in front of me. Her face is red, and she smells alcohol. 「Did you also drink?」 「Un. Uhh, you know, Vero-chan said, alcohol is good. She said, a proper adult should be able to drink alcohol」 Isn’t everyone a child. No, Veronica’s a little different huh. 「I’m Lucio-kun’s wife, so, I went with her and just drank a little, but Vero-chan suddenly became like that」 I nodded, and looked at Veronica. 「I’m nosh drunk!」 「Yes yes, drunkard, be quiet for a bit」 Veronica’s already completely drunk. 「And then, how much did you drink?」 「E?to, Vero-chan’s about this much of a cup」 She showed the amount with a gesture of pinching with her thumb and index finger. There’s not even cm of a full cup, it’s only like licking a drink. And she became like this with that huh. Nadia called my name, she had an unusually uneasy expression. 「Would you become like this if you drink alcohol? I, I drank all of what’s left of Vero-chan’s drink, but......」 「All what’s left in the cup?」 「He?」 This one’s also interesting in its way. Nadia’s able to talk and answer questions properly, and although her face is red, she’s not yet drunk. 「It’s alright. Whatever happens, I’m here, I’ll do something about it」 「Well, that’s right huh」 Nadia got relieved, and the uneasiness in her face completely disappeared. 「Un, there’s Lucio-kun here after all. There’s no problem then」 「Yeah」 「But, alcohol has a strange taste huh. It’s soft, warm, and feels good」 「It’s something like that」 「It’s like half happiness of when I sleep with Lucio-kun while holding hands」 「What a fresh way of comparing」 「It feels like, I’d like to drink it after taking a bath」 「A genius huh」 Nadia might have a talent for drinking alcohol. While I was talking with Nadia, Veronica clung to me from the side. She clung on my head. It’s the usual shoulder ride-like position, but although she would just cling to me usually, being drunk right now she would swing back and forth. It’s like she’s riding a wooden toy horse. Drunkards are pretty much like this, but still, it’s terrible. She did what she wanted, and fell asleep as if her battery has been cut. 「Vero-chan’s like another person. You would become like this when you drinks alcohol huh」 「There’s differences in individuals though. Most of the time, if you get drunk, you’d be different than usual」 「Including me?」 「That’s if you get drunk properly though」 「That’s somehow interesting. I should drink a little bit more」 I stopped Nadia who was about to jump out of the room. 「It’s bad for your health drinking too much alcohol so you should stop」 My wife is treated as an adult socially, but even so, her body is a child’s so it isn’t good for her. 「Eh?, but, it somehow looks fun you know?」 Nadia looked at Veronica, she seems very envious. 「Hmm, in short, you just want to know what would happen if you get drunk right?」 「Un!」 「I got itーー『Reverse Sober』」 I searched in my head in an instant, and used the most suitable magic. Several candy drops-shaped things came out from my palm. 「What’s that?」 「A magical medicine that will make you drunk within a minute with each drop. It’s not alcohol so it isn’t bad for one’s health, and it would only last for a minute」 「That’s amazing, something convenient like that exists」 「Try it with this」 Nadia received the candy drop, and put it in her mouth. *Gokun*, she swallowed it. And, in the next instant. 「Rusho-ku?n」 She clung to me with a super high tension. 「Rusho-kun, Rusho-kun, Russho-ku?n」 Completely different from earlier, she was suddenly in a drunk state. 「Rusho-kun!」 「Daisuki!」 She clung to me very tightly, and kissed my cheek. 「Daisuki」 She kissed me on the cheek again. 「Dai-Dai-Dai?suki」 She kissed my cheeks so many times. A minute of a rain of kisses fell. 「Da?isu......ki」 The effect of the magic worn off. Nadia regained herself in an instant. She looked at my face and the magic candy drop alternately. This......it’s probably the pattern when one would regret it after getting drunk. 「Well, don’t mind it, being drunk isーー」 「It’s interesting!」 「Eh?」 It’s an unexpected reaction. 「It’s amazing, Lucio-kun, alcohol is like this huh」 「Alcohol, well, you mean, being drunk」 It’s my magic after all. 「I see?......it’s so interesting?. I know, wait for a bit」 Nadia jumped out of the room. After a while, she came back pulling Sylvia’s hand. 「What is it, Nadia-chan. I still have to clean the room」 「Don’t mind, don’t mind, leave that to Ama-san, Sylvie, eat this」 Nadia gave one of the magic medicine drops to Sylvia. 「Eat this」 「This is?」 She couldn’t help it, and Sylvia swallowed the magic medicine. After a moment, her face reddened, and her eyes started to get watery. She suddenly embraced me. Is it the same pattern with Veronica? She suddenly cries out Ahh, she would cry when she’d get drunk huh. 「Uee?n, I’m shorry for alwaysh peeing on the bed」 「Oh??, she would cry huh」 Nadia cheerfully laughed. Sylvia hugged me while crying. And, one minute. Just like with the time with Nadia, Sylvia suddenly stopped. *GiGiGi*, she went off of me with awkward movements. She looked at me with grudged eyes. 「You’re so bad, Lucio-sama」 「I wonder if it’s my fault」 「Nadia-chan, you’re also so bad」 「It’s alright! Sylvie was cute!」 Nadia made a thumbs up. What is alright. 「I know, Lucio-kun, you should swallow one too」 「Un, I want to see Lucio-sama」 「No, no, wait a minute」 I had a cold sweat. I looked at the『Reverse Sober』candy drop. There’s just one more left. If this goes on, I’d be forced to swallow it, I need to do somethingーー. Veronica who I thought was sleeping suddenly woke up, and put the candy drop inside my mouth. It was a sudden thing, so I couldn’t help but swallow it. “This is bad”ーーit was too late when I thought of that. The magic of drunkenness filled me. I looked at the three in front of me. My very cute and lovely wives, my most, super, important young wives. 「Sylvia, Nadia, Veronica」 I took a hand of the three, looked straight at their eyes, and said. 「Let’s go get itーーthe world」 「Lucio-sama, so cool......」 「Lucio-kun......」 「H-Hmph, you’re my husband so that much is natural」 Each one of the three reacted differently. Eyes sparkling, seeming very content, everyone was very supportive. Butーーafter one minute. I deeply regret that I was born in this world.
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図書館から屋敷に戻ってくると、ナディアがリビングでうーんうーん唸ってるのが見えた。 リビングに入って、彼女に話しかける。 「どうしたナディア」 「ルシオくん!」 「なんか唸ってるけど、どうしたんだ?」 「うんとね、あたし今眠たくて昼寝したいんだけど、でも今ねちゃうと夜眠れなくなるから、どうしようかなって迷ってるんだ」 まあ、よくある悩みだな。 気持ちもわかる、ついでにどっちにも決めにくい今の状況も。 正解がない事もまたよく分かる 「ねえルシオくん、あたしどうしたらいいかな」 「そうだな......自分に決めてもらうか」 「自分に? もうっルシオくんってば、それが出来ないから困ってるんじゃん」 「まあまあ、見てなよ」 ナディアか離れて、手をかざした。 おれが魔法を使うことを理解して、彼女は眠たいのもどこへやら、途端にわくわくしだした。 もう魔法なんて必要ないんじゃないのか? なんて思いつつ予定通り魔法を使った。 「『マギ』」 魔法の光がナディアを包む。 ひかりが収まって、ナディアに分裂した。 オリジナルの約三分の一くらいの、ぬいぐるみの様なサイズになった。 服に名札みたいなのがついてて、それぞれ、 「ルシオくん好き」 「シルヴィ好き」 「みんな好き」 「なにこれなにこれ、どうなってるの?」 「なんか可愛くなっちゃってる」 「ルシオくんこれどういう魔法?」 三人のちびナディアが文字通り 「その人の中にある性質を三つに分けて、一時的に分裂させる魔法だ。その胸もとのに書いてる通り三タイプのナディアって事だな」 読んだマンガでは「女の自分」「母の自分」「科学者の自分」みたいな話だった。 ナディアの場合おれスキーと、シルビアスキーと、みんなスキー。 おれとシルビアが抜きん出てて、他の家族(多分)がまとめて別枠って事か。 ナディアらしいな。 「へえ、そうなんだ」 「おもしろいじゃーん」 「でもなんで三人なの?」 「三人っていうのが、一番少人数で多数決をビシって決められる数だからな」 「「「おー」」」 チビナディアは三人揃って納得した。 「さあ、三人で多数決取ってみなよ。昼寝するかどうか」 「うん! じゃ......昼寝しない方がいいって思う人――はい!」 「はいはい!」 三人揃って手をあげた。 これは驚いた、迷ってるからてっきり多数決割れると思ったんだが。 多数決を取った直後ナディアは元に戻った。 そんな彼女にきいてみた。 「満場一致で昼寝しないになったな」 「だって、ルシオくんが面白い魔法をつかったんだもん。昼寝なんてしてる場合じゃないもーん」 これまたナディアらしい理由だ。 眠いから昼寝をするかどうかで迷ってても、新しい魔法を見れば全部吹っ飛ぶってことか。 「ねえねえ、この魔法って三人にするだけなんだよね、別に多数決とかしなくてもいいんだよね」 「ちょっと待ってて!」 ナディアは外に駆け出していった。 何事かと待ってると、彼女はすぐに戻ってきた。 「どうした」 「もうちょっと待って」 ニコニコしながら言うナディア。 待つのは問題ない、おれは言われた通りもう少し待った。 図書館から持ち帰った魔導書を読んでのんびり待った。 しばらくして騒がしい物音がして、飼い猫のマミが入って来た。 マミだけじゃない、彼女は簀巻きにしてるイサークを連れてきた。 「狩ってきた」 「おー、偉いねマミ。いい子いい子」 ナディアはマミの頭を撫でた。 マミはつまらなさそうにしつつも、まんざらでもなさそうに頬を赤らめた。 「ルシオくん、お義兄ちゃんにも」 イサークを三つに分けたらどうなるのか興味はある。 魔法を使って、彼を三つに分かる。 魔法の光の中からあられたのは三分の一大になった、三人の簀巻きにされたイサークだった。 「かっこいいおれ」 「世界最強なおれ」 「あはははは! お義兄ちゃんすごい自信だ」 ナディアに大うけだった。 しかし、イサークよ。 その自信は一体どこかからくる。 マミにイサークを元に戻すように言って、ナディアは更におねだりしてきた。 「ねえねえ、もっと色々やってみようよ色々」 「あっ、シルヴィだ。シルヴィこっち来て」 「どうしたのナディアちゃん」 「ルシオくんお願い」 魔法をかけて、シルビアも三人にする。 「お淑やかなシルビア」 「泣き虫なシルビア」 「おねしょが直らないシルビア」 三人のチビシルビアが同時に悲鳴を上げた。 元に戻ると、シルビアは真っ赤な顔で逃げ出した。 「大丈夫なのかな」 「大丈夫大丈夫、あたしが後で叱っとくから」 「え? 叱る?」 「ああ......」 もうここまで来たら治さなくてもいいかなって思う気もするけど。 その後も色々な知りあいに『マギ』をかけて回った。 みんなそれぞれ違う三人になって、結構面白かった。 そして、アマンダさんと出会う。 「アマンダさんはやめよっか」 「うん、やめよう」 なんか怖い気がする。 アマンダさんのそれ、暴かない方がいい気がした。 おれもナディアも危機管理は完璧だった――が、その分不完全燃焼感がした。 そんなときに、 「おーい、余の千呪公や」 国王が屋敷を訪ねてきた。 「いけルシオくん! 王様に魔法だ!」 ナディアのコマンドにおれはノリノリで魔法を使った。 『マギ』を国王にかけると、 「余の千呪公LOVE」 「余の千呪公LOVE」 と、こんな三人になった。 「「「会いたかったぞよ余の千呪公よ」 ぬいぐるみサイズになった国王三人は一斉に、おれにしがみついてきたのだった。
When I returned to the mansion from the library, I saw Nadia groaning like “U?n, u?n.” in the living room. I entered the living room and talked to her. 「What happened, Nadia?」 「Lucio-kun!」 「You seemed to be worrying about something, what happened?」 「Un, you know, I’m sleepy right now, so I want to take a nap, but if I sleep right now, I won’t be able to sleep at night, so I was thinking what should I do」 Well, it’s a common problem. I get how she feels, and this current situation that’s hard to decide which too. I also know very well that there’s no correct answer. 「Ne?, Lucio-kun, what should I do?」 「Let me see......I’ll let you decide for yourself」 「By myself? Oh really, Lucio-kun, it’s because I can’t do that that I’m troubled」 「Well, no rush, just look」 I took a step away from Nadia and reached out my hand. She understood that I was about to use magic, and she started to look excited, that it’s unknown where her sleepiness gone. “Maybe there’s no need for magic anymore?”, I thought, but I still used the magic as planned. 「『Magi』」 The light of the magic enveloped Nadia. After the light had dissipated, Nadia split into three. She turned into a doll-size that is a third of the original. There are things like nametags placed on her clothes, and each of them says, 「Lucio-kun LOVE」 「Sylvie LOVE」 「Everyone LOVE」 「What’s this, what’s this, what happened?」 「I don’t know why but I became cute」 「Lucio-kun, what magic is this?」 The three chibi Nadias asked noisily. 「That is a magic that temporarily divides a person’s characteristics by three. It’s the type of Nadia exactly written at your chest」 The manga I read was a story about 「the female me」「the mother me」and 「the scientist me」 In Nadia’s case, it’s me LOVE, Sylvia LOVE, and everyone LOVE. Sylvia and I stood among the rest, and our other family (probably) is in a complete separate slot. It’s very Nadia-like. 「It’s so interesting?」 「But, why is there three?」 「Three is the smallest number that you can decide with a majority decision」 「「「Oh?」」」 The chibi Nadias got convinced the three of them at the same time. 「Well then, go decide by majority. Whether you will take a nap or not」 「Un! Well then......the person who thinks we should not take a nap raise your handーーgo!」 The three of them raised their hands together. I’m surprised, she was hesitating, so I completely thought that it won’t be a unanimous decision. Soon after the decision by majority, Nadia returned to normal. And then, I asked her. 「It was decided unanimously that you won’t take a nap huh」 「It’s because Lucio-kun used an interesting magic?. It’s not the time to take a nap you know?」 It was a very Nadia-like reason again. Although she was sleepy and hesitated whether she should take a nap or not, all of it disappeared because she saw a new magic. 「Ne?, ne?, this magic only divides a person into three right? It’s not like it’s needed to make a majority decision right?」 「Yeah, that’s right」 「Wait a minute!」 Nadia ran outside. When I waited for her thinking what it was about, she immediately returned. 「What was it?」 「Wait a little longer」 Nadia said while smiling. There’s no problem with waiting. I waited just like I was told to. I leisurely waited while reading the Grimoire that I brought back from the library. After a while, I heard a loud sound, and our pet cat Mami entered. It’s not only Mami, but she also took Isaac who was tied up with her. 「I went and hunt」 「Oh?, good job, Mami. Good girl, good girl」 Nadia patted Mami’s head. Mami seemed like she was bored, but her red cheeks tell otherwise. 「Lucio-kun, Onii-chan too」 I’m also interested what Isaac would be if he were divided into three. I used magic and divided him into three. What appeared within the light of the magic was the tied up Isaac with a third of his original size. 「The cool me」 「The world’s strongest me」 「Ahahahahaha! Onii-chan, what a great confidence」 Nadia laughed out loud. However, Isaac, you. Where in the world does that confidence come from. I told Mami to return Isaac from where she got him, and Nadia asked for more. 「Ne?, ne?, let’s do a lot of things, I mean a LOT of things」 「Ah! It’s Sylvie. Sylvie?, come here」 「What is it? Nadia-chan」 「Lucio-kun, please」 I used magic on Sylvia, dividing her into three. 「The polite Sylvia」 「The cry-baby Sylvia」 「The Sylvia that did not stop peeing in bed」 The three chibi Sylvias raised a scream at the same time. When Sylvia returned to normal, she ran away with a red face. 「I wonder if she’s alright.」 「It’s okay, it’s okay, I’ll scold her later」 「Eh? Scold her?」 「Ahh......」 Though I think coming this far, it’s fine if she doesn’t fix it anymore. After that, we went around and used『Magi』on our acquaintances. Each of them changed into three persons, and it was quite interesting. And, we met with Amanda-san. 「Let’s not to it to Amanda-san」 「Un, let’s not」 It’s somewhat scary. Amanda-san’s “that”, I feel that it’s better to keep it in secret. Me and Nadia’s sense of danger was perfectーーbut, because of that, we did not have enough. At that time, 「O?i, my Senjukou」 The King visited the mansion. 「Go, Lucio-kun! Use the magic on Ou-sama!」 「Got it!」 I used magic in high spirits with Nadia’s command. When I casted『Magi』on the King, 「My Senjukou LOVE」 「My Senjukou LOVE」 It became those three. 「「「I wanted to meet you, My Senjukou」」」 The King that turned into three doll-sizesーーclung to me at once.
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「遅いですわ!」 おじいさんと国王を送り出した後、リビングに戻るなりベロニカに怒られた。 「老人達の事などさっさと追い返しなさいな」 「や、そうも行かないだろ」 「まあいいですわ。さあ、それよりも今日はどこに行きますの?」 「うん? どこにってどういう意味だ?」 ベロニカはにこりと微笑む。 わがままな笑顔、でもどこか憎めない笑顔。 「行きますわよ。さあ、何か考えて」 「行くのは確定なのか」 「当然ですわ」 「そうだな......」 別に遊ぶのは構わないから、おれは考えた。 いつも通り、どんな魔法を使ってどんな風に楽しく遊べるのかを考えた。 「大変ですルシオ様」 シルビアがリビングに入ってきた。 かなり慌ててる様子だ。 「どうした」 「ご本を運びこんだ部屋の床がぬけちゃいました」 とうとう来たか、とおれは思った。 本って重いからなあ。国王が持ってきてくれた量は床をぶち抜いてもおかしくないくらいある。 シルビアに魔導書を運び込んだ部屋にやって来た。 ベロニカもついてきた。 部屋の中にはいる、そこは確かに穴があいていた。 おれは床が抜けたところに行って、そこに手をかざした。 修復の魔法をかけて、床を元に戻した。 大した魔法じゃない。 「にしても、かなり魔導書が増えたな」 あることを思いだして、くっついてきたベロニカに話す。 「あんたはあまりここに近づかない方がいいぞ」 「なぜですの?」 ベロニカは不審がった。 「あたくしがここに近づいたらなにか不都合がありますの?」 「いや、不都合っていうか......」 クリスがでた。 ベロニカが悲鳴を上げて逃げ出した。 ほらな、こうなる。 ベロニカは幽霊が苦手だ、そしてクリスはある意味幽霊みたいなものだ。 出会ったら、まあこうなる。 「魔導書を守ってて、大事なものだから」 「シルビアは続きを頼む」 「はい」 にそう言って、逃げ出したベロニカの後を追いかけた。 そんなに広い屋敷じゃない、すぐに見つかった。 ベロニカは廊下の突きあたりでしゃがみ込んで、頭を抱えて振るえていた。 「出ました出ました出ました出ました出ました」 壊れたレコードのようにそれだけをリピートする。 あーあー、ガチ怯えだよこれ。 「ベロニカ」 「ひぃ!」 普通に声をかけただけだというのに、飛び上がりそうな勢いで怯えられた。 不憫だ。 「もうなんですか! なんですかあれは! この屋敷に住み着いてるんですの!?」 「ごめんごめん。いや、あそこから出てこないように言っといたから安心して――」 (パパ、魔導書の中に偽物があったよー) 言いかけたところでクリスが現われた。 あっちゃー、って思いながらベロニカを見る。 「......」 放心顔のベロニカ。 彼女はへなへなとへたり込んだ、ジョーーーー、と漏らした。 「ひぐっ......」 そして。 「びええええええええん」 ガキ泣きをし出したのだった。 「おーい、もう大丈夫か」 「入らないでくださいまし!」 枕を投げつけられた。 「いや、もう――」 「出て行って下さいまし!」 様子見で部屋に入るいきなりたたき出されてしまった。 おれは仕方なく外にでた。 廊下の壁に背中をもたして待つことしばし。 シルビアが中から出てきた。 「どうだ」 「着替えました」 頷くおれ。漏らしてしまったベロニカの事をシルビアに頼んだのだ。 「おれの魔法でやれば早かったのに。『ドレスアップ』とか使えば一発だったろうに」 「だめですよ」 珍しくシルビアに強い口調で言われた。 「そんなことをしたらベロニカさんますます傷ついちゃいます」 「そうなのか?」 むしろ魔法でぱぱっとやって、ぱぱっと証拠隠滅した方が良くないか? 「そういうものです」 わからないけどシルビアがそこまで言うんならそうだろうな。 何せ出会った頃は――。 「ルシオ様?」 ジト目で見られた。うん、思い出さないようにしよう。 「とにかく後はわたしがお片付けしますから、ルシオ様はもうその事を忘れてください」 「わかった、ありがとう」 「いいえ」 シルビアが立ち去った。ベロニカの着替えは済んだけど、やっちまった場所の後始末が残ってる。そこに向かったのだ。 さてどうするか。一回クリスのところに寄って、何が何でもあそこからでるなって言っとくか。 このままだとまたベロニカ怯えるしな。 がちゃ、ドアが開く。 幼女姿で、ナディアの服を着せてもらったベロニカがドアの影に隠れたまま、涙目でおれをにらみつける。 やっぱり不憫だ。なんとかして慰めるか。 「責任とって下さいまし」 「え?」 「責任とって下さいまし!」 思いっきり怒鳴られた。 責任って......なんだ? 「乙女の恥ずかしいところをみたのですから、責任を取ってくださいまし!」 「そうはいっても......」 こんなことに――どう責任を取って良いんだ? それをわからないでいると、ベロニカがドアの影から出てきた。 涙目のまま更におれをにらみつけて、やけ気味に言い放った。 「遊びにいきますわ!」 「あ・そ・び・に。行きますわよ」 そういって、ベロニカはおれの手を引いて、無理矢理屋敷の外に引っ張っていったのだった。 ベロニカと二人で穴の中から出てきた。 穴は蟻の巣、今まで小さくなって中に入っていた。 出てきた直後魔法で元のサイズに戻して、そのまま二人で地べたに座った。 「それはよかった」 「こんなこともできますのね」 「前にナディアと同じ事をやったんだ」 あの時は相手がGだった......というのを言うとまた泣かれるかもしれないから、言わないことにした。 魔法で小さくなって、中に入って兵隊蟻を倒しつつ、女王蟻も倒した。 ベロニカはノリノリだった。 おれに魔法でいろんな武器を出させて、それをつかって倒してた。 「しっかし、あんたすごいな」 「蟻を倒してた時の笑い声。『あっひゃひゃひゃひゃ』とか、普通女の子はやらんぞ。蟻の巣に水を流すちびっ子だってそこまではしない」 「そ、そんな事はいたしません。ねつ造は感心しませんわよ」 魔法を使う。途中から録画したものが空中で流れる。 『あっひゃひゃひゃひゃ、死ね死ね死ね死ねええええ!』 ベロニカがノリノリで蟻をなぎ倒してるシーンが流れた。 「あ、死ねもいってた」 「きゃあ、きゃああああ」 空中の映像を手で振り払おうとする。 「なんなんですの、なんなんですのこれ」 「魔法で録画したやつ」 「やめて今すぐ消して」 「わかった」 言われた通り素直に消した。......出そうと思えばまた出せるけど。 「もう、あなたって人は」 むらむらしてやった、反省はしてない。 はあ、と深く息を吐くベロニカ。 それで顔も口調も落ち着いた。 「あなたって人は......なんでも魔法でできますのね」 「千呪公って呼ばれてるくらいだからな」 「千冊も魔道書を読んだんですのね」 「いや、そろそろ一万を超える頃だ」 「とんでもない人」 そう言うベロニカ、でも楽しそうだ。 幼女バージョンのベロニカ、その笑顔はかわいかった。 シルビアともナディアとも違うタイプのかわいい笑顔だ。 可愛い笑顔だった。 「楽しかったから、許して差し上げますわ」 「ありがとう」 「あの二人が羨ましいですわ。あなたと毎日こんな日々を過ごしてるなんて、世界一幸せなお嫁さんですわ」 世界一幸せにするつもりでやってるからな。 「ねえ、もう少しあたくしに付き合ってくださる?」 別に構わない、ベロニカと一緒にいるのはそれなりに楽しい。 「それではお茶をいたしませんか」 「お茶?」 「ええ。あたくし達が出会ったあそこで、この姿で」 「わかった」 頷き、立ち上がる。 「さあ、お茶をしに行きますわよ」 ベロニカは立ち上がって、おれに手を伸ばす。 横から声が聞こえる。 聞き覚えのある声。振り向くとシモンがそこにいた。 シモン・シンプソン。 はじめて王宮に行くときに案内してくれた男だ。 シモンはおれとベロニカをみて、複雑そうな顔をした。 なんだ? その顔は。 シモンはさんざん悩んでから、意を決した顔で通り掛かった兵士、質素な武装をした兵士に声をかけた。 「ああ、そこの君、わたしはこういう者だが」 懐から札のような物を取り出してみせる、呼び止められた男は立ち止まり、ビシッと敬礼した。 「お疲れ様であります」 「この娘を拘束してください」 「待って」 おれは間に割って入った。 「マルティン様は妻帯者、そのマルティン様をナンパしたのですから」 シモンは真顔で答えた。 ......あっ。 おれはあの日の事を思い出した。 宮殿に行く前に、イサークがやらかしてつかまったこと。 それと同じ事だ。 確かに傍から見ればおれの事を誘ってるように見える。いや実際に誘ってるし、これもある意味デートだ。 そしてシモンはあれを知ってる、おれがイサークをちゃんと処罰してくれって頼んだのを知ってる。 「何をするのですか! 離しなさい、あたくしを誰だと思ってるのです? あたくしはベロニカ・アモール・ゲルニカですのよ」 ベロニカはわめく、しかし兵士の男は彼女を離さない。 いまの彼女を元女王だと誰も信じない。 戻すか? いやそれはかえって話がややこしくなる。 妻帯者をさそったのは事実だ。ここで戻したら公爵と元女王、もっと話がおかしくなる。 だったら――。 魔法を使い始めて二年、すっかり慣れたおれはすぐに「何とかなる魔法」を思いついた。 「『マリッジリング』」 手のひらに指輪が現われた。 シモンはあっ、と声を漏らす。 かれの懐にはまだあるはずだ、この魔法の魔導書が。 結婚指輪を作る魔法の魔導書。 おれはそれをベロニカに渡した。 「妻なら問題ないだろ?」 と、シモンに言ったのだった。
「You’re late!」 After I had sent out Ojii-chan and the King, I was immediately scolded by Veronica when I returned to the living room. 「Sorry」 「Chase away old men immediately alright」 「No, I can’t do that」 「Well, whatever. Well then, rather than that, where are we going today?」 Veronica smiled pleasantly. It’s a spoiled, selfish smile, but a smile that I can’t somewhat hate. 「We’re going. Now, think of something」 「Is it already decided that we’d go」 「Of course」 I don’t really mind playing, so I thought. I thought of how to play, what kind of magic to use, just as usual. 「This is bad, Lucio-sama」 Sylvia entered the living room. She seems to be quite in a hurry. 「What happened」 「The floor of the room that the books are placed was broken」 It finally came huh, I thought. Books are heavy after all?. It can’t be helped that the floor would be broken with the amount of books the King brought. I came to the room where the Grimoires are brought in with Sylvia. Veronica also followed. Inside the room, there was really a hole opened there. I went to where the broken floor is, and reached out my hand. I used repair magic, and returned the floor back. It’s an easy magic. 「Even so, the Grimoires had increased so much huh」 「That is true......」 I remembered something, and told Veronica who was clinging to me. 「It would be probably better if you don’t go near here as long as possible」 「Why is that?」 Veronica got dubious. 「Is there something bad for you if I go near here?」 「No, it’s not something bad......」 Chris came. Veronica ran away from the room while screaming. I told you, this would happen. Veronica is not good with ghosts, and with a meaning, Chris is something like a ghost. If they met, well, it would be like this. 「Protect the Grimoires, they’re important after all」 「Sylvia, can I leave the rest to you」 「Yes」 I said that to the two, and chased after Veronica who ran away. It’s not a mansion that is very wide, so I found her quickly. Veronica was crouching down in the corner of the hallway, and shaking her head while hugging it. 「It came out it came out it came out it came out it came out」 She repeated like a broken record. Ah?ah?, she’s really frightened. 「Veronica」 「Hii!!」 I only called out to her normally, but she was scared that she almost jumped. I feel bad for her. 「What is that really! What was that! Is that possessing this mansion?!!」 「Sorry, sorry. Uhh, I’ll tell her to not leave that place, so don’t worryーー」 『Papa, there’s a fake one within the Grimoires?』 When I was about to say that, Chris appeared. Achya?, I thought, and looked at Veronica. 「......」 Veronica with an absent-minded face. She staggers to the ground, *Jyoーーー*, she peed. 「Higu!......」 And. 「Byeeeeeeeeeeeeeen!!」 She started crying seriously. 「O?i, are you alright now」 「Please do not enter!」 A pillow was thrown to me. 「No, it’s alreadyーー」 「Please leave!」 The instant I entered her room to check on her, I was thrown out. I couldn’t help but go out. A moment of placing my back on the hallway’s wall. Sylvia came out from inside. 「How is she」 「I helped her change」 I nodded. I asked Sylvia to take care of Veronica who peed. 「It would’ve been faster if I did it with my magic. It’s would be an instant if I used『Dress Up』」 「You should not」 Sylvia unusually told me with a strong tone. 「If you do that, Veronica-san would be more and more wounded」 「Is that so?」 Rather, isn’t it better to hide evidences instantly with magic? 「It is like that」 I don’t get it, but since Sylvia insists that much, it’s probably like that. After all, when we just metーー. 「Lucio-sama」 She glared at me. Un, I should try my best to not remember. 「Anyways, I will do the rest, so Lucio-sama should forget that already」 「I got it, thanks」 Sylvia left. Veronica finished changing, but there’s still the cleaning up of where she “did” it. She’s going there. Well, what should I do. I should go to where Chris is once, and tell her to not leave from there whatever happens huh. If this continues, Veronica would get afraid after all. *Gacha*, the door opened. In her young girl form, Veronica who was wearing Nadia’s clothes, she glared at me with teary eyes while hiding her body with the door. I really feel bad for her. I should make it up to her somehow. 「Please take responsibility」 「Eh?」 「Please take responsibility!」 She shouted at me loudly. Responsibility, you say......what of? 「You saw a maiden’s embarrassing place, so please take responsibility!」 「Even if you say that...」 With something like thisーーhow should I take responsibility? When I wasn’t being able to get that, Veronica came out from the door. With teary eyes, she glared at me more, and said as if she couldn’t hold it anymore. 「We’re going out to play!」 「To play. Let’s go」 Saying that, Veronica pulled my hand, and forcefully took me out of the mansion. With Veronica, the two of us came out of a hole. The hold is an ant’s nest, and we got small up until now and entered. The instant we got out, I returned our side with magic, and sat on the ground just like that. 「That was fun」 「You can also do something like this huh」 「I did a similar thing with Nadia before」 At that time, the opponents were cockroaches......well, she might cry again if I told her that, so I decided to not tell her. We became small with magic, entered inside, defeated the ant soldiers, and defeated the ant queen. Veronica enjoyed a lot. I took out a lot of weapons with magic, and we defeated them using those. 「However, you’re really amazing」 「Your laughter when you were defeating ants. 『Ahyahyahyahyahya』, normal girls won’t do that you know. Even children who throws water on ant nests don’t go that far」 「I-I did not do that. It is not good creating nonsense you know」 I used magic. The video that I caught along the way was shown in the air. 『Ahyahyahyahyahya, die die die die dieeeeee!!!!』 The scene where Veronica was defeating ants in here “zone” was shown. 「Ah! You were also saying “die”」 「Kyaaa, kyaaaaaaaaaa!!」 She tried to take off the video in the air by swaying her hands. 「What is this, what on the earth is this」 「A video I took with magic」 「Stop it make it disappear right away」 「I got it」 I did what she told and made it disappear. ......I can make it appear again if I want to though. 「Really, you’re really」 I couldn’t help but do it, no regrets. Haa?, Veronica let out a deep sigh. And with that, her face and her tone returned to normal. 「You’re really......you do anything with magic huh」 「I’m even called Senjukou after all」 「You have read a thousand Grimoires huh」 「No, it’s about time that I’d exceed ten thousand」 「What a ridiculous person」 Veronica said that, but she seems to be enjoying. Young girl version Veronica, that smile of hers was very lovely. A lovely smile that is a different type from Sylvia and Nadia. What a lovely smile. 「It was very fun, so I will forgive you」 「Thank you」 「I’m jealous of those two. To be able to spend everyday just like this, they’re the happiest wife in the world」 I’m doing it with the intention of making them the most happiest in the world after all. 「Ne?, can you spend time with me just a little longer?」 I don’t really mind, it’s also quite fun to be together with Veronica. 「Well then, let’s have some tea」 「Tea?」 「Yes. In that place where we met, in this appearance」 「I got it」 I nodded, and stood up. 「Well now, let’s go have some tea」 Veronica stood up, and reached out to my hand. I heard a voice from the side. It’s a familiar voice. When I turned around, Simon was there. Simon Simpson. The man who guided me when I first went to the palace. Simon looks at Veronica and me, and made a complicated face. What is it? That face. Simon thought about it a lot, and with a resolute face, to the soldier that was passing by, a soldier wearing normal armor. 「Ahh, you there, I am affiliated with this」 He took out a card-like thing from his waist, and the man who was called out stopped, and made a salute. 「Good day to you sir」 「Please catch this girl」 「Wait」 I got in between. 「What’s that, what does this mean?」 「Martein-sama is married, and she is flirting with that Martein-sama」 Simon answered with a serious face. ......ah! I remembered about that day. Before we got to the palace, Isaac did something again and got caught. It’s the same with that. It’s true, looking from the side, it would look like she is inviting me. No, in fact, she’s inviting me, and this is also, with a meaning, a date. And Simon knows about that, she knows that I asked for Isaac to be punished. 「What are you doing! Remove these hands, who do you think I am? I am Veronica Amall Guernica you know」 Veronica shouts, but the soldier man won’t remove his hands. No one believes that she’s the previous queen right now. Should I return her back? No, that would make the things more complicated. It’s true that she invited a married person. If I return her here, the situation would be more messy with a Duke and a previous Queen. If that is soーー. Two years since I started using magic, I who have already been used to it, immediately thought of “a magic that would solve the situation”. 「『Magic Ring』」 A ring appeared from my palm “Ah!”, Simon let out a voice. It should be still within his pocket, the Grimoire of this magic. A Grimoire’s magic that creates a wedding ring. I passed that to Veronica. 「There’s no problem if she’s my wife right?」 I said that to Simon.
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王都ラ・リネア、王立魔導図書館。 ゲルニカが終わって無事戻ってきたおれはいつも通り魔導書を読んでいた。 今読んでるのはどこかで見たような話だ。 小さな女の子が泉に人形を落として、わんわん大泣きしてるところに女神が泉の中から現われて、「あなたが落としたのはこの人形ですか」って聞いてきた。 「金の斧と銀の斧をリスペクトしたものだなぁ」 正直な女の子に女神は高価な人形を押しつけたが、女の子は思い入れのある元の人形を返してくれって懇願した。 「ああ、綺麗なジャイアンの方の展開だ」 マンガ読みとしてはこっちの方がなじみがある展開だ。名作だしな、うん。 その魔導書を最後まで読んで、魔法を覚えた。 試してみるか、そう思って呪文を唱えた。 「『ポゼスドール』」 瞬間、目の前が真っ白になった。 瞬間移動系か召喚系の魔法にありがちな感覚だ。 魔法に身を任せた。 (ここは......どこだ? むっ) まず声が出ないことに気づいた。 喋ろうとしたが声が出ない。口がパクパクしてるって感触はあるけど、声は出ない。 (『ライト』) 魔法を使ってみた。指先がぽわぁ、と光った。 魔法は問題なく使えるみたいだ。 それで落ち着いて、まわりを見回した。 どこかの室内のようだ。それも、見覚えがある。 くるりと視線を一周させると。 (ココ?) 我が家の飼い犬の姿がみえた。 綺麗でもふもふしそうなな毛並みの犬耳少女。水をかけると猫耳少女に変身する不思議な種族。 そのココが、ベッドの上でうつぶせになって寝ていた。 獣人の姿としてはちょっと不思議な、犬のような丸まった寝相。 (なるほど、ココの部屋だったのか。そりゃ見覚えがあるわけだ) 改めて部屋の中を見た。間違いなく、王都ラ・リネアにあるおれの屋敷の中の一室だ。 窓ガラスで自分の姿を確認できた。 おれはぬいぐるみになった。 ココの一くらいのサイズのぬいぐるみだ。 見た目は――まるっきりおれだ。 デフォルメされてるが、一目でおれだとわかるぬいぐるみ。 手を動かす、人形の手が上下した。 足を動かす、人形がくるっとターンした。 ポーズをとってみる、サボテ○ダー。 なるほど、魔法でこの人形に乗り移ったって事だな。 マンガの内容が内容だ、それに呪文の名前もある。 人形に乗り移るための魔法だろう。 しかしなんというか......ぼろぼろだな。 乗り移ったルシオ人形は窓ガラスに映し出されたうっすらとした姿でもわかるくらいぼろぼろだ。 頬がちょっと汚れてて、あっちこっちほつれてる、ズボンのところに至ってはちょっと破けて綿が飛び出してる位だ。 なんでこんなことになってるのか、と思っていると。 「うにゃぁ......」 ココの声が聞こえた。 振り向く、ぽかぽか陽気に寝ぼけた顔のココがこっちを見ている。 「こっちのがあたたかいでしゅよぉ......」 そのまま寝入ってしまった――かと思いきやぬいぐるみにほおずりをし始めた。 ほおずりをしたり、甘噛みをしたり。それを寝ぼけたままやった。 (そりゃぼろぼろになるはずだ) 甘噛みされたところによだれが染みこんでくる、不思議な感覚を覚えた。 さて、どうするか。 魔法はチェックしたし、自分の体に戻るか。 そう思った瞬間、目の前が真っ白になった。 瞬間移動系か、召喚系にありがちな現象。 ぬいぐるみに乗り移った時と同じ現象だ。 だが――おれは何もしてない。 何も魔法は使ってない。 どういう事だ? しばらくして、視界が元に戻った。 目に飛び込んできたのは異次元空間だった。 「くくく、待っていたぞこの時を」 魔王バルタサルの空間だ。 そいつは前にあった時とちょっと姿が変わっていた。 元々は人間に近かったけど、今は体の半分くらいがモンスター化? してる感じだ。 「お前に魔法をしかけていたのだ。自分の肉体をはなれ、本来の力を出せないであろうこのような時を待っていたのだ」 そんな事をしてたのか。 「そして――ぬうぅん!」 かけ声と共にバルタサルは服をビリリと裂いた。 ギリギリ人型だが、ほとんどモンスターの様な肉体。 前とは大分違う感じだ。 「魔力の大半をつぎ込んで肉体改造したこの 。これなら勝てる、今度こそ貴様を倒して現世に舞い戻り、地上を恐怖を染めてくれる」 ......。 「しねえい!」 バルタサルを瞬殺して、屋敷の部屋に戻ってきた。 まったくもう。あいつ、回を追うごとにしつこくなってないか? もはやストーカーの域だぞ。 窓ガラスに映し出される自分の姿を見た。 ただでさえぼろぼろだったぬいぐるみがもっとぼろぼろになった。 流石にぬいぐるみの体じゃ勝手が違ったから一発もらってしまったのだ。 頬が破けて、そこからも綿が飛び出している。 (『リペア』) 自分自身――ぬいぐるみに向かって魔法を使った。 ぼろぼろだったぬいぐるみが魔法の力でみるみるうちに修復されていく。 瞬く間に、新品のようになった。 (さて、今度こそ元の体にもどるか) ココがまた起きてきた。 寝ぼけた顔のまままわりを見回す。 「ごしゅじんしゃまがいないれすぅ......」 おれはこっそりココの前に移動した。 ベタベタ触って、クンクン匂いをかいで。 ココはものすごく悲しそうな顔をした。 むっ。 泣きそうな顔でまわりをきょろきょろして、ぬいぐるみを探した。 いかん、直しすぎたか。 魔導書の内容を思い出す。 新しくて綺麗のがいいって訳じゃないんだ。 の姿を強くイメージした。 窓ガラスに映し出された、あの姿を。 (『レストレーション』) 呪文をとなえ、魔法を自分にかけた。 ぬいぐるみが変わった。 頬がちょっと汚れててあっちこっちほつれてる、ズボンのところがちょっと破けて綿が飛び出してる。 そんな、元の姿に。 「......スン」 ココが鼻を鳴らして、こっちをみた。 にへら、と笑顔になった。 をたぐり寄せて、抱きしめる。 そのまま犬のポーズで、また寝る。 ほおずりをしたり、ガジガジ甘噛みしたり。 「うへへぇ......」 ぼろぼろのおれが更にぼろぼろになった。 バルタサルにやられたのよりも、更にぼろぼろに。 ココは、ものすごく幸せそうで。 彼女のよだれが体に染みこんでくるのを感じながら、その幸せそうな笑顔をいつまでも眺め続けた。
That Body is Surely Made with Cotton Royal Capital La Linea, in the Royal Grimoire Library. After successfully finishing the case with Guernica, I came back and am reading Grimoire as usual. The one I’m reading right now is a story that I probably have seen somewhere. A small girl dropped a doll in the spring, and when she was crying out loud, a goddess appeared from the spring asking「Is this the doll you have dropped」. 「This probably came from respecting golden axe and silver axe?」 The honest girl pushed back the expensive doll to the goddess, begging to return the doll that the girl has fond memories with. 「Ahh, it’s probably a similar development with a ‘good Gian’」(TL: Doraemon bully) For reading manga, this one has a more familiar development. It’s a good work after all, un. I read the Grimoire until the end, and learned the magic. I should try it I thought, and chanted the spell. 「『Possess Doll』」 In an instant, it was pure white in front of me. It’s a similar feeling with teleportation or summoning magic. I entrusted my body to the magic. After a while, my sight returned. (This......where is it? Mu!) First, I noticed that my voice wouldn’t come out. I tried to speak but my voice won’t come out. I feel my mouth moving, but there’s no voice. (『Light』) I tried to use magic. The tip of my finger lit. It looks like there’s no problem using magic. And with that, I calmed down, and looked around. It looks like it’s a room. On top of that, one that I’m familiar with. I took a look around. (Coco?) I saw our house’s pet dog. A dog-eared girl with beautiful fur and is mofumofu. A mysterious race that changes to a cat-eared girl when she’s splashed with water. That Coco, she was lying flat on the bed. In a position that is a little strange as a beastman, she’s sleeping with her body curled up like a dog. (I see, this is Coco’s room huh. Well, there’s no helping that I’m familiar with it) I looked inside the room once again. There’s no doubt, it is a room in my mansion in the royal capital La Linea. I found out my own appearance in the glass window. I became a doll. A doll that is the third of Coco’s size. My lookーーit is exactly like me. Just a little bit reformed, but a doll that you’d know it’s me with a glance. I moved my hand, the doll raised its hand to its limit. I moved my feet, the doll took a turn. I took a pose, Sapotendā. (TL: Cactuar in final fantasy) I see, it means I’m inside this doll because of the magic huh. It’s connected with the contents of the manga, and also in the spell’s name. It’s probably a magic to go inside a doll. But, how can I say this......it’s quite tattered. The Lucio doll that is shown in the glass window that I’m inside, can be obviously seen as tattered. The cheeks are a little dirty, there’s loose threads here and there, and when it comes to the shorts, there’s a little hole and cotton is coming out. “Why did it become like this”, when I was thinking of that. I heard Coco’s voice. I turned around, Coco’s sleepy face because of the warm sunlight is looking towards me. 「Thish ish where it’sh warm?......」 And just slept like thatーーbut when I was thinking of that, she started to rub her cheeks to the doll. She rubbed her cheeks, or bit it softly. She did that while still half-asleep. (Well, it can’t be helped that it would be in tatters) Her drool seeps into the parts where she bit lightly, and I felt a strange feeling. Well then, what should I do. I already checked the magic, so I should probably return to my body. The instant I thought of that, it was pure white in front of me. A common phenomenon with teleportation or summoning. It’s the same phenomenon when I went inside the doll. ButーーI didn’t do anything. I didn’t use any magic. What happened? The thing that I saw was a different dimensional space. 「Kukuku, I have waited, I waited for this time」 Demon King Balthazar’s space. His appearance is a little bit different from awhile ago. It’s originally close to a human’s, but right now, it feels like he’s become half-monster(?). 「I casted magic on you. I have waited for the time that you are away from your physical body, I have waited for this time that you cannot use your full powers」 Was he doing something like that. 「AndーーNnuuun!!」 With a shout, Balthazar’s clothes tore apart. It’s barely humanoid form, but most of it is a monster-like body. It feels a quite different from before. 「This is my metal beast monster body that I turned to with the body reformation that I used half of my magic powers. With this, I can win, this time for sure, I will defeat you and return to the mortal world; I will dye the earth with fear」 ....... 「Dieee!!」 I instantly killed Balthazar, and returned to the mansion. Oh really. That guy, isn’t he getting more persistent every time? That’s already in the range of being a stalker you know. I looked at my own appearance that is shown in the glass window. The tattered doll from the start, became more tattered. It was actually more different with using this doll body so I received a hit from him. The cheeks got broke, and cotton was coming out from there. (『Repair』) I used magic towards my selfーーto the doll. The tattered doll gradually got repaired with the power of magic. With a blink of an eye, it was like a new one. (Well then, this time for real, I should return to my body) 「Unyaa?......」 Coco woke up again. She looked around with her sleepy face. 「Mashter’sh not here?......」 I stealthily moved in front of Coco. She touched me, and smelled me. Coco made a very sad face. Mu! She looked around with a face that is about to cry, and searched for the doll. This is bad, I fixed it too much. I remembered the contents of the Grimoire. New and pretty doesn’t mean that it’s good. I strongly imaged the appearance before. That appearance that was shown in the glass window. (『Restoration』) I chanted the spell, and casted the magic on me. The doll’s appearance changed. The cheeks are a little dirty, there’s loose threads here and there, and the shorts is a little broken and cotton is coming out. To that, original appearance. 「......sun」 Coco sounded her nose, and looked towards me. Her face changed to one that has an innocent smile. She pulled me(the doll), and hugged me. And after that, she returned to her dog position, and slept again. She rubbed her cheeks, or bit me lightly and sweetly. 「Uhehe?......」 My tattered appearance became more tattered. More than when I was hit by Balthazar, more tattered than that. Coco, she seemed very happy. While feeling her drool seeping into this body, I continued to look at her happy smile.
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屋敷での昼下がり。 リビングのソファーでくつろぎながら魔導書を読み。テーブルの上に本が積み上げられてて、その横にアマンダさんが用意してくれたジュースとお菓子がある。 お菓子はアマンダさん手作りのポテチ。異世界にこういう食べ物はなかったけど、説明したら作ってくれた。 アマンダさんすごい。 ジュースにポテチという、マンガ読みのゴールデンパートナーで魔導書を読む。 部屋は『リプレイス』で季節を春にしてあるので、かなり快適だ。 魔導書を読む。 読み終えたので、次のを手に取った。 魔法は覚えた、がそれすぐに試さないのは、続刊ものだったから。 続刊ものは同じ魔法を強化する、過去にあった例だと魔法の矢を覚えて、続刊を覚えれば覚えるほど同時に射てる数が増えていった。 そういう事もあって、図書館から持ち出して全十巻のこの 二巻であるはずの魔導書は二巻じゃなかった、まったく違う本だった。 テーブルに置いた他の魔導書を手に取ってみる。 シリーズものは、二巻だけが抜けていた。 「くっ、これじゃ読めない」 この世界に来てはじめて、マンガを読めない事態に落ちいってしまった。 二巻をすっ飛ばして三巻を読むなんてあり得ない。 うっかり三巻を読んでしまうと話の繋がらないもやもや感と、微妙なネタバレ感がおれを襲うだろう。 「仕方ない、二巻を取ってくるか」 はあ、とため息をついた。 にしても、なんでこんなものがまざったんだ? そもそもこれはなんだ? せっかく持ってきたし、単巻ものだったら返す前に先に読んでしまおうと思った。 そう思ってページを開くが。 「むっ? これは」 「あれえ、それもしかして宝の地図?」 いつの間に入ってきたのか、後ろからのぞき込んだナディアが言った。 彼女が言った通り、それは宝の地図のようなものだった。 少なくとも 「ふむふむ、ルシオくん、これってラ・リネアっぽくない?」 ナディアがすぐに読めてしまったから。 この世界でおれ以外に魔導書をさくっと読める人間は未だかつて出会ったことはない。 ナディアがさくっと読めるって事は魔導書じゃないって事だ。 ただの宝の地図、ってことか。 「宝の地図かあ。わくわくするねルシオくん!」 「そうだな」 「ちょっと探してくる!」 宝の地図が書かれた本をひったくって、ナディアは外に飛び出していった。 相変わらずアクティブな行動派だな。 「ココー、ちょっと来てー、探しものにいくよー」 部屋の外から聞こえてくるナディアの大声。犬耳っ娘のココを連れてくみたいだ。 行動派の上に結構頭脳派なのかもしれない。 さて、どうしたもんかな。 「ただいま......」 「はや!」 しょんぼりして、肩を落とした様子で戻ってきたナディア。 「ココ?」 ココがどうしたんだ? 「ここだったんだよ、宝の地図がさしてるところって」 ああ、そういう。 ていうかこの屋敷を指してたのか。 ナディアから地図を受け取る。 集中して読んでみた、確かにこの屋敷を指してる。 「この屋敷の下に埋まってるっぽいな。というかもうないんじゃないのか、これって」 「うん。屋敷だったらもうない。ココがゆってた」 「......普段から庭を掘り返してでもしてたんだろうか」 犬だからな、ココ。 「うー、残念、宝探しをしたかったのに」 「......するか? 宝探し」 「え?」 驚くナディア、何を言ってるのかわからないって顔をした。 ナディアと一緒に屋敷の庭に出た。 「『ドリームサーチ』」 魔法を唱えると、目の前に一枚の地図が現われた。 端っこがぼろぼろで、いかにもな地図だ。 「これは?」 「宝の地図だ」 「宝の地図? これって、うち?」 ナディアは地図と屋敷を交互に見比べた。 「うちに宝があるの?」 「ああ。探してみろ」 「うん!」 ナディアは屋敷の中に飛び込んでいった。 それを見送った後、アマンダさんが外から帰ってきた。 「お待たせしました旦那様」 「どうだった?」 「受け取って参りました」 アマンダさんが魔導書を渡してくれた。 ついさっきまで読んでいたシリーズ物の魔導書、そして今使った魔法の魔導書の、その第二巻だ。 「ありがとうアマンダさん」 「恐縮です」 おれはそこで魔導書を開いて読み始めた。 しばらくするとアマンダさんが椅子と机と、ジュースとポテチとシリーズ全作を持ってきてくれた。 パラソルも建ててくれた。 「ごゆっくりどうぞ」 至れり尽くせりの中、マンガを読む。 二巻を読み終えた所でパタパタ足音がした。 ナディアが屋敷の中からもどってきたのだ。 「ルシオくん!」 「タンスの裏にこれを見つけた!」 そういってナディアが差し出したのは一枚の銀貨だった。 「これがお宝?」 「そう。今読んでる魔導書の魔法、『ドリームサーチ』。宝物のありかをさがして宝の地図にしてくれる魔法だ」 「あるんだな」 おれも驚いてる。 「でもでも、銀貨一枚じゃお宝っていうには寂しいね。なんていうかさ、宝の地図ってのはもっとこう、わくわくするものがいいよね!」 「じゃあ次ぎ行ってみるか?。二巻読み終えたばっかだ。魔法も強化されてるはず」 「うん! やってやって!」 わくわくするナディア歯がちょっとかわいい。 「『ドリームサーチ』」 レベル二を使った。出てきた宝の地図は更に古ぼけて見えた。 「どれどれ......あっ、これラ・リネアだ」 「町全体にひろがったのか」 「ちょっと行ってくるね!」 風の如く去っていくナディア。 おれは三巻を読んだ。 読み終えたのとほぼ同時にナディアがまた戻ってきた。 「ルシオくん! 今度はこれ!」 「中に銀貨が二枚はいってたよ」 「ちょっと微妙だな。三巻もいっとく?」 「うん! なんかすっごく楽しい」 ナディアは大いに喜んだ。 魔法の効果は微妙だが、かわいい嫁が喜んでるんだからいっか。 おれがマンガを読んで、ナディアが地図で宝探しをした。 巻数を重ねるごとに宝の地図がどんどん古くなり、見つけてくる宝の価値も徐々に上がっていったが、そっちは雀の涙ていどだった。 の時点で見つけてきたのが安物のブローチ(アマンダさんの鑑定で銀貨10枚)ってあたりでいろいろアレだ。 価値はアレだし、魔法の効果としては微妙だけど。 「ナディアが喜んでるからいいか」 夕日の中、庭でおれはナディアの動画を見てそう思った。 ナディアが戻ってくるたびにこっそり『クリエイトデリュージョン』でとってた彼女の姿だ。 まるで子供のように大はしゃぎする姿はすごくかわいい。 ......いやまあ八歳の子供、幼女妻だけど。 「ルシオくーん」 それを眺めてるとナディアが戻ってきた。 手に何かを持ってる。 「こんなのを見つけたよ」 テンションが今までのと同じ、ま、そんなもんだ。 戻ってきて、おれの前に立つナディアに聞く。 「これ。魔導書」 「へえ、一気に価値が上がったな。どれどれ......」 受け取り、何気なしにめくろうとしたおれの動きがとまった。 「これは......いやまさか」 「なになに、どうしたのルシオくん」 「この表紙、見た事ある」 「よんだ事のある魔導書? じゃあ外れだね」 「いや......大当たりだ」 「え?」 「これ......古代魔法の魔導書だぞ」 いきなりの超大当たりに、不意を突かれたおれは思いっきり驚いた。
In the mansion, afternoon. Reading Grimoires while relaxing on the sofa in the living room. Books were piled up on top of the table, and on the side, there’s the juice and snacks prepared by Amanda-san. The snacks are Amanda-san’s home-made potato chips. There wasn’t a dish like this in this world, but she made it when I explained it to her. Amanda-san, amazing. I read Grimoire with the golden pair for reading manga called juice and potato chips. I used『Replace』to make the season in the room as spring, so it is comfortable. I read Grimoire. After I finished reading one, I reached out to the next. I learned magic, but the reason why I didn’t test that right away, was because it was a series. A series strengthens the same magic; in the case before, I learned magic arrows, and the more I learn from the series, the more arrows I can use. arrows in the first volume, arrows in the second volume, arrows in the third volume; just like that, the number that I can shoot at the same time increased, and when I finished reading all volumes, I was able to shoot arrows at the same time. And since there was a happening like that, I thought of reading completely these 0 volumes of manga/Grimoire that I took from the library. The second volume of the Grimoire that should’ve been the second volume, was a completely different book. I took the other Grimoires that I placed on the table. The series, only volume two was missing. 「Khu! I can’t read with this」 For the first time in this world, I fell into the situation where I can’t read manga. To read the third volume skipping the second volume, no way. The pent-up feelings reading the third volume where the story is disconnected, and the spoilers would probably attack me. 「It can’t be helped, I should go take the second volume」 “Ha?”, I let out a sigh. Even so, why did something like this is mixed within? In the first place, what is this? Since I already went my way on taking it, I thought of reading this one-off first before returning it. I thought of that, and opened the pages, but. 「Mu?! This is」 「A-re?, that, maybe it is a treasure map?」 Did she come in without me noticing, Nadia who was peeking from behind said. As she had said, that was something like a treasure map. At the least, it is not a manga/Grimoire. After all. 「Fumu, fumu, Lucio-kun, this, isn’t it La Linea?」 Nadia immediately read it. I have yet to meet somebody in this world who is able to read Grimoires easily other than me. Since Nadia was able to read it easily, it means that it is not a Grimoire. It means, it is a normal treasure map. 「A treasure map huh?. Isn’t it exciting, Lucio-kun!」 「I guess so」 「I’ll go search for it a bit!」 She took the book where the treasure map is written as if to steal it, and Nadia jumped outside. She’s as active as usual. 「Coco?, come here for a bit?, we’re going to search for something?」 Nadia’s loud voice that I could hear from outside. It looks like she’s taking dog-eared girl Coco with her. On top of being active, she might be also quite an intellect. Well then, what should I do 「I’m back......」 Nadia returned seeming sad and her shoulders drooping. 「Coco?」 What happened with Coco? 「It was here, the place that the treasure map was pointing to」(TL: Kokoここ/cocoココ = the first one means ‘here’, and Coco is mofumofu) Ahh, you mean like that. I mean, it was pointing at this mansion huh. I received the map from Nadia. I concentrated reading it, and it’s true that it was pointing to this mansion. 「It seems like it’s buried under this mansion. I mean, isn’t it already gone, this」 「Un. If it’s in the mansion, it’s already gone. Coco said」 「......does she usually dig in the garden or something」 She’s a dog after all, Coco. 「Uu?, too bad, I wanted to treasure hunt」 「......you want to? Treasure hunting」 「Eh?」 Nadia got surprised, it was written on her face that she couldn’t understand what I said. I came to the mansion’s garden with Nadia. 「『Dream Search』」 When I casted that magic, one piece of a map appeared in front of me. The corners were tattered, and it really seemed like a map. 「This is?」 「A treasure map」 「A treasure map? This, our house?」 Nadia looked at the map and the mansion alternately. 「Yeah」 「Is there a treasure in our house?」 「Yeah. Try to look for it」 「Un!」 Nadia jumped into the mansion. After I looked at that, Amanda-san returned from outside. 「Sorry to keep you waiting, Danna-sama」 「How was it?」 「I have gone and received it」 Amanda-san passed me a Grimoire. The series Grimoire that I was reading just earlier, and the Grimoire of the magic I used right now; the volume two of that. 「Thank you, Amanda-san」 「You’re welcome」 And there, I opened the Grimoire and started to read it. After a while, Amanda-san came with a chair and a table, and the potato chips, juice and all of the remaining series. She also erected a parasol. 「Please take your time」 With being fully taken care of, I read manga. Around when I finished reading the second volume, I heard hurried footsteps. Nadia returned from inside the mansion. 「Lucio-kun!」 「I found this behind the cabinet!」 She said that, and the thing that Nadia reached out was one silver coin. 「This is the treasure?」 「That’s right. The magic of the Grimoire I’m reading right now, 『Dream Search』. It’s a magic that creates a treasure map that points where the treasure is」 「I guess it does」 I’m also surprised. 「But, but, calling one silver coin a treasure feels depressing. How can I say this, when you say treasure map, an exciting one is good right!」 「Then, you want to go for the next one? I’ve just finished reading the second volume. The magic should also be strengthened」 「Un! Do it, do it!」 Nadia was excited. Her full smile was quite cute. 「『Dream Search』」 I used the level two. The treasure map that came out looked older. 「Let me see......ah! This, it’s La Linea」 「It spread to the whole town huh」 「I’m going for a bit okay!」 Nadia left like the wind. I read the third volume. At exactly the same time when I finished reading it, Nadia returned again. 「Lucio-kun! This time it’s this!」 「There was two silver coins inside」 「That’s a bit iffy. You want to go with the third volume?」 「Un! It’s somehow, super fun」 Nadia was very happy. The effect of the magic is quite iffy, but my lovely wife is happy so, whatever. I read manga, and Nadia hunted treasures with the map. Each time I finished reading volumes, the treasure map became older, and the value of the treasures that are found increased, but it was still very little. Because when I already finished reading the ninth volume, the one that came out was a cheap brooch(10 silver coins on Amanda-san’s identification), so it’s quite that. The value is like that, and the effect of the magic is iffy, but. 「Nadia is happy with it, so whatever」 Within the setting sun, I saw Nadia’s video in the garden and thought of that. It’s Nadia’s appearance, when I secretly casted『Create Delusion』every time she returns. (TL: Hidden Camera magic?) Here appearance of horsing around like a child was super cute. ......well, she’s an 8-year-old child, she’s a young wife though. 「Lucio-ku?n」 When I was watching that, Nadia returned. She had something in her hand. 「I found this you know」 Her tension is the same as up until now, well, it’s like that. I asked Nadia who returned and stood in front of me. 「This. A Grimoire」 「He?, the value increased at once huh. Let me take a look......」 I received it, and my casual movement of flipping the pages had stopped. 「This is......no, no way right」 「What, what, what happened Lucio-kun」 「This front page, I have seen it before」 「A Grimoire you read before? It’s a miss then」 「No......it’s a jackpot」 「Eh?」 「This......it’s an ancient magic Grimoire」 To the sudden super jackpot, I was caught off and got really surprised.
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目を覚ますと、全然知らない場所にいた。 どうやらおれはベッドの上に寝てるけど、寝てる場所がまったく知らない場所。 暮らしのかび臭い安アパートでも、実家で物置に化しているおれの部屋でもない。 広くて天井が高くて、やたら広いベッドが置かれてる部屋だ。 なんでここで寝てるんだ? 記憶をたどる、寝る前の記憶を。 たしか本屋にマンガを買いに行って、その帰り道で突っ込んできたトラックにはねられて――ってはねられて!? おれは慌てて体を確認した。起き上がってベタベタ触った。 特に怪我はない、ないのだが。 体がおかしい。 張りのある肌に、プニっとした短い手足。 まるで子供、それも幼稚園くらいの子供って感じだ。 手を動かしてみた。動く。 足をバタバタしてみた、バタバタする。 グワシッ! は指が短すぎでできない。 とりあえずやろうとした通りに体は動く。 ってことは、このガキの姿がおれなのか? どういう事だ? 最後の記憶が交通事故、目が覚めたら子供の体になってる。 これってもしかして......異世界転生? 「おはようございます、お坊ちゃま」 「え?」 声の方向を向いた。メイドが見えた。 ロングスカートにエプロン、萌え系じゃなくてちゃんとしたメイドだ。 メイドはおれの方に近づいてきて、ぺこりと頭を下げて、言った。 「おはようございます」 「お、おはよう?」 「失礼いたします」 メイドが服を脱がそうとしてきた。 「ちょ、ちょっと?」 「どうなさいましたか?」 「どうなさいましたかって......何をするんだ」 「なにって、いつも通りお坊ちゃまのお着替えを手伝わせて頂くのですが。なにかまずかったでしょうか。あっ、もしかしておねしょ――」 「そんなことはしてない!」 ヤバイ濡れ衣を着せられそうになったから、かぶってたシーツをぱっと広げた。 「でしたら、問題はないですよね」 「......うーん」 訳わからないうちに、とりあえずメイドに着替えさせられた。 髪をくしですかされて、パジャマを脱がされて別の服に着替えさせられた。 貴族っぽい服だ。 「失礼いたします」 同じ事をいって、メイドが部屋から出て行った。 やっぱり訳がわからなかった。 状況をもっと把握するために、おれは部屋を出た。 廊下を歩き回って、きょろきょろあれこれを見る。 いた場所は建物だったので、階段から一階におりた。 一階も見て回る。どうやらちょっとした屋敷みたいだ。 一人のおじいさんを見つけた。じいさんと目が合った。 「ちゃんと起きれたのかルシオ、感心感心」 おじいさんはおれの頭を撫でた。 ルシオ......ってのはおれの名前か? 「どうした、まだ眠いのか?」 「そうじゃないけど......ルシオって?」 「自分の名前を忘れたのかルシオ。やっぱりまだ寝ぼけてるようじゃな」 どうやら本当におれの名前らしかった。 おじいさんは愉快そうに笑う。 「ねえねえ、おじいさんはだれ?」 おじいさんに聞いた。コ○ンばりの子供モードを意識して。 「じいちゃんの顔をわすれたのか、んん?」 おじいさんはやっぱり楽しそうに言って、更におれの頭を撫でた。 このおじいさんがルシオの祖父ってことなんだな。 「どうやら本当に寝ぼけてるようじゃな。朝ご飯食べたら二度寝するといい。じいちゃんは書庫で本を読んでるから、昼くらいに遊ぼう」 「本?」 「本は好きか?」 おじいさんが聞いてきたけど、どう答えていいのかわからない。 だって、プロフィールの趣味欄に「読書」って書きながら、読んだものが全部マンガだから。 マンガは大好きだけど、「書庫」って所にマンガはないよな。 「よし、じいちゃんの書庫を案内してやろう」 じいさんはおれを抱き上げ、歩き出した。 そしてある部屋に入る。 「おお」 部屋の中は本棚ばかりで、本がぎっしりだ。 おじいさんはおれを下ろした。 「どうだ、すごいじゃろ。おじいちゃんが生涯かけてあつめた魔導書の数々じゃ。個人でこれほど集めてるのはなかなかないぞ」 聞き慣れない言葉が出た。 「うむ、魔法やスキルなどを記載した書物の事をいうのじゃ。読みほどけば魔法などを覚えられる魔法の書物、二重の意味でな。この部屋だけでこの屋敷の数個分の値打ちはあるのじゃ」 またよく分からないけど、その魔導書ってのはものすごく高価なもので、読めば魔法とかスキルとかが使える様になるのか。 「すごいね」 「おじいちゃんは読みかけのヤツを読んでるから、ルシオも興味を持ったら好きなのを読んでいいぞ」 そう言って、おじいさんは部屋の一冊の本をとって、部屋の真ん中にあるロッキングチェアに座った。 それを開いて、うんうん唸る。 よっぽど難しいのか、ページを全然めくれてない。 魔導書ってのがどんな本なのか気になって、近づいて、チェアをよじ登ってのぞき込んだ。 「え? マンガ?」 おじいさんがうーんうーん唸りながら読んでいたのは、普通にマンガだった。
When I Woke Up, I Was In A Place I Had No Idea. It seems that I was sleeping on a bed, but the place I was sleeping at was a place that I have no idea of. It wasn’t the cheap apartment with a moldy smell that I was living alone, or my room at the family house that had become a storage room. Wide and the ceiling is high, a room that a very wide bed is placed inside. Why am I sleeping here? I traced my memory, the memory that I have before I slept. If I was correct, I went to the bookstore to buy a manga, and been hit by a truck that plunged on my way homeーーbeen hit?!! I confirmed my body in a hurry. I raised my body and touched my whole body. There were no particular injuries, there were none, but. My body is strange. Skin that has firmness, *Puni* short soft limbs. Like that of a child, and also felt like that of a child entering a kindergarten. I moved my hand. It moved. I flopped my feet *PataPata*, it flops *PataPata*. Guwashi!! I couldn’t do it because my fingers are too short. For the mean time, I could move my body as I want. That means, is this me in my kid appearance? What does this mean? My last memory was a traffic accident, when I woke up I was in a child’s body. Is this......Reincarnation in another world? 「Good morning, Obo-chama」 「Eh?」 I looked at the direction of the voice. I saw a maid. Long skirt and apron, it wasn’t the moe-type but a proper maid. The maid approached towards me, bows her head, and said. 「Good Morning」 「G-Good morning?」 「Please excuse me」 The maid tried to take off my clothes. 「W-Wait?」 「What has happened?」 「What has happened you say......What are you doing」 「What, you say, I am helping Obo-chama change as usual though. Was there anything bad. Ah! Maybe you wet your ーー」 「I did not do that!」 I was almost been accused of something bad, I widened the sheets that were covered. 「Well, there is no problem then」 While I don’t know about anything, I made the maid help me change my clothes. My hair was combed, my pajama taken off and let me change to other clothes. It’s a noble-like clothes. 「Please excuse me」 Saying the same thing, the maid left the room. As I’ve guessed, I didn’t understand anything. To understand the situation better, I left the room. Walking around the corridor, *KyoroKyoro* I looked at this and that. The place I was, was on the building’s second floor, so I went down one floor from the staircase. I walked around the first floor. It seems to be some kind of a mansion. I saw one Ojii-san. I met my eyes with the grandpa. 「You properly woke up huh Lucio, that’s good that’s good」 The Ojii-san patted my head. Lucio......is that my name? 「Uhm......」 「What is it, are you still sleepy?」 「That’s not it......Who is Lucio?」 「Did you forget your own name, Lucio. It seems that you are still sleepy」 It looks like it was really my name. The Ojii-san was laughing pleasantly. 「Ne?Ne?, who is Ojii-san?」 I asked the Ojii-san. I imagined the child-mode of C*nan. 「Did you forget your Jii-chan’s face, Hm?」 The Ojii-san, as I’ve thought, said that happily, and patted my head furthermore. This Ojii-san is really Lucio’s grandfather huh. 「It seems that you are still really sleepy. After you eat breakfast go and sleep the second time. Jii-chan will be reading books on the archive, so let’s play around noon」 「Books?」 「Do you like books?」 Ojii-san asked, but I didn’t know what to answer. Because, although I wrote “reading” in my profile’s hobby list, all I read was mangas. I love mangas, but in a place like an “archive”, there wouldn’t be mangas, right. 「Yosh, Jii-chan will guide you to the archive」 Jii-san held me up, and started walking. And entered a room. 「Ohh」 Inside the room were only booklets, and the books are stuffed. Ojii-san let me down. 「How is it, isn’t it amazing. They are Grimoire that Ojii-chan collected in his lifetime. There are only a few that can collect this much as an individual you know」 It was a word I was not familiar. 「Umu, it is about the book that has records of magic or skills. It’s a magic book that you can learn magic if you finish reading it, in both meanings. Just with the value of the books in this room, you can buy a few mansions like our’s」 I still couldn’t understand it completely , but this grimoire thing is very expensive, and if you can read them you will be able to use skills or magic huh. 「That’s amazing」 「Ojii-chan will continue reading the book he was reading, so Lucio should take the book that you are interested and you can read it」 After saying that, Ojii-san took a book inside the room, and sat at the rocking-chair that is placed in the middle of the room. And opens it, then *UnUn* started groaning. It probably was so difficult, and the page was not turning up at all. Being curious of what kind of book the thing called Grimoire was, I approached, climbed the chair and looked at it. 「Eh? Manga?」 The book that Ojii-san was groaning like*U?n* *U?n* while reading it, was a normal manga.
{ "inserted_lines_src": 6, "inserted_lines_trg": 2, "missed_lines": 12, "series": "Manga wo Yomeru Ore ga Sekai Saikyou ~Yometachi to Sugosu Ki mama na Seikatsu~", "source": "superScraper-fanfic" }
よく晴れた昼下がり。 屋敷の庭でマミとごろごろしながら マミは庭の草花や虫を追いかけ回したり、たまにおれの所に戻ってきて、腕とかマンガの上に頭を載せてちょっかいを出したりして。 そんな、いつもと同じの昼下がり。 ふと、気づく。 そういえば今日はまも嫁達の姿を見ていないな、って。 出かけてるのかな? と思いつつ魔法を使った。 「『カレントステータス』」 屋敷の現状を数値化して表示するための魔法だ。 調べる内容を「人数」に絞って、それを表示させる。 『住人6名、訪問者0名、その他1名』 住人は結構いた。 おれとマミが2人だとして、屋敷の中は残り4人いる事になる。 みんな屋敷の中にいるのか、にしては姿を見せないな。 読みかけの魔導書をおいて、ささやく程度の声で呼ぶ。 「アマンダさん」 真横にメイドのアマンダさんが現われた。 直前までそこにいなかったはずで、まるで忍びの如くやってきた。 姿が見えてる今もほとんど気配を感じない。相変わらずうちで一番ミステリアスな人だ。 「みんなは何をしてるんだ?」 「奥様方のことでしたら、は居間に集まっていらっしゃいます。ナディア様だけお出かけでございます」 「集まってる。何かしてるのか?」 「はい」 「何か魔法でフォローが必要そうか?」 「今の話を聞かなかったことにするのがベストかと」 「ふーん、わかった」 「『メモリーイレーザー』」 魔法を使う、頭の中を消しゴムのように記憶を消し――。 よく晴れた昼下がり、屋敷の庭で魔導書を読んでいた。 ずっこけたマミがバケツをひっくり返して水をかぶってココになった。 ココが切なげにやってきて、『クイックドライ』で体を乾かしてやった。 ココは足元で丸まって昼寝をはじめた。 どこからともなく取り出したおれの人形を抱き締めて、幸せそうに寝ている。 マンガを読むおれ。 そういえば、今日は一度も嫁の姿を見てないな。 と思っていたら、屋敷の中からシルビアが出てきた。 太陽の光を反射する綺麗な金髪をなびかせて、おれの所にやってきた。 「ルシオ様、一つお聞きしていいですか?」 「うん、なんだ?」 「ルシオ様と最初にしたお仕事――えっと、水のお仕事」 「ああ、水を売り歩いてたんだっけ」 「あれってどんな魔法だったんですか?」 「『ディスティレーション』だな。液体から不純物を飛ばして純水にする魔法」 そばに置いた、マンガ読み間に飲むジュースをグラスごと手に取った。 シルビアに聞かれた『ディスティレーション』の魔法をかける。 ジュースの色が徐々に薄まって、透明な純水に変わっていった。 「これです! ディスティ、レ......?」 「ディスティレーション」 言いにくそうにするシルビア、ゆっくりともう一度教えてあげた。 普段はほとんど使わない言葉だからな。 「ディスティレーション。うん! ありがとうございますルシオ様」 シルビアは満面の笑顔で身を翻して、屋敷の中に戻っていった。 後ろを姿を見送ったあり、ふと気になる。 なんで今更そんな魔法の事を? しかも名前を聞くだけ。 「シルビアは何をしてるんだ?」 「他の奥様達と居間で何か話しておられます」 「想い出語りなのかな」 「......サプライズという言葉を耳にしました」 「サプライズ......」 アマンダさんの言葉を反芻する。 サプライズ......おれになにかするつもりなんだろうか。 ならちゃんと、驚かなきゃいけないな。 「うん、ありがとうアマンダさん。わかったよ」 アマンダさんは静かに立ち去った。 指定した記憶を綺麗さっぱりに消す魔法、使いすぎると男女平等パンチの使い手に――。 よく晴れた昼下がり、おれは屋敷の庭で魔導書を読んでいた。 足元にココがお昼寝していて、とってものどかだ。 喉が渇いたから、サイドテーブルにおいてたグラスを取った。 「水? おかしいな、確かジュースを持ってきたはずなのに」 首をひねる、確かにおれはジュースを持ってきた、それが水に変わってた。 誰かのイタズラなんだろうか――と思ってると。 パラパラパラ、急に雨が降り出した。 空を見上げる、雲はほとんどなくて、太陽がさんさんと照らしてくる。 お天気雨か、珍しい。 魔導書を閉じて、空を見上げた。 これはこれで気持ち良い、と雨に打たれてみた。 足元で寝てるココが雨にフラれて、マミに変身した。 マミは起き上がって、きょろきょろとまわりを見回してから、おれの椅子の下の狭いところに潜り込んで再び寝てしまった。 「あはは、『クイックドライ』」 風邪を引くと切ないから、体を乾かしてやった。 しばらくして雨がやんで、おれは再び魔導書を読みはじめた。 「ルシオ」 「ベロニカか、どうしたんだ?」 「シルビアから話を聞いたのですけど、以前三人で一緒にお風呂に入っていたとか」 「お風呂? たまに一緒に入るけど、それがどうしたんだ?」 「シルビアだけそのままで、ルシオとナディアが小さくなった時の事ですわ」 「ああ、あれか」 おれとナディアがフロに入ってた時に、遊び半分に『スモール』の魔法をかけた事がある。 それで小さくなって、湖のような広さになったフロの中で泳ぎ回ってると、シルビアが入って来て、そのままのサイズで一緒に風呂に入った。 オリジナルサイズのシルビア、スモールサイズのおれとナディア。 二人してまるでアトラクションにする様にシルビアにのって、のんびりフロに入ってた事がある。 あれは楽しかった。 「それがどうしたんだ?」 「その時の光景をみせていただけます?」 「光景? 『クリエイトデリュージョン』......こうか」 魔法を使って、空中に映像を作る。 風呂に入ってるシルビアと、まるで人形のようなおれとナディア。 おれはシルビアの肩に寝っ転がって、ナディアはシルビアの手の上ではしゃいでいる。 「これは......確かに楽しそうですわ」 「ああ楽しかった、二人してシルビアの両手にぶら下がって水上ブランコみたいなのもやったぞ」 説明しつつ、それも魔法の映像で見せてやった。 ベロニカは食い入るようにそれを見つめる。 もしかしてやりたいのだろうかベロニカも――いや、ベロニカは「確か」っていったぞ。 誰かから話を聞いたのかな。 「ありがとうルシオ。それじゃ」 話を深く聞く前に、ベロニカはタタタと屋敷の中に走っていった。 「旦那様」 「うわ! びっくりした。どうしたんだアマンダさん」 「『メモリーイレーザー』という魔法に後遺症はあるのでしょうか」 「記憶を消すあれか? あまり回数重ねなければ別に大丈夫だけど、それがどうしたんだ?」 回までなら?」 「まあ大丈夫だろ」 答えると、無表情のまま黙ってしまうアマンダさん。 一体どうしたんだ? 「大変ぶしつけですが、今の奥様の行動をお忘れになっていただけませんでしょうか」 「ベロニカの? ......わかった」 理由は分からないけど、アマンダさんの言うことだ。 おれは自分に『メモリーイレーザー』をかけた。 ベロニカが聞いてきた事、質問してきた事自体を――。 「ルシオちゃんルシオちゃんルシオちゃーん」 バルタサルがいきなり飛んで来て、おれにタックルをかました。 抱きつかれて、転がった。 何故か地面がずぶ濡れになってて、どろんこになった。 改めて視線を向けると、わくわく顔のバルタサルと、離れた場所で何故か複雑そうなアマンダさんの姿が見えた。 なんだろう、一体。 日が沈んで、マンガを閉じて屋敷に戻ろうとした。 こんなことは結構珍しい、家に居るのに、だれともあわないで一日が終えようとしている。 あわなかった分、会いたくなった。 おれは屋敷の中を歩き回って四人を捜した。 するとアマンダさんに出会った。 「お疲れ様です旦那様」 「お疲れ様? 別にマンガを読んでただけだけど。それよりもみんなはどこにいるの?」 「奥様達は居間に揃っておいでです」 頷き、歩き出す。 アマンダさんが何故か心配そうな顔をしていた。 アマンダさんらしくないなあ、何かあったんだろうか。 そう思ってるうちに居間にやってきた。ノックをして、中に入った。 「みんな、いるかー」 中に四人がいた。 シルビアも、ナディアも、ベロニカも、バルタサルも。 おれの可愛い嫁が四人ともそこにいた。 四人はテーブルに集まって、色鉛筆とか使って、紙に何かを書いていた。 それをちょうど一冊の本にまとめてた所らしく、綴じられ、カバーがつけられ、ちゃんとした一冊の本になった。 「あっ、ルシオくんだ。ちょうどいいところにきた」 ナディアが立ち上がって、パタパタとおれの所に走ってきた。 「ちょうどいいところ?」 「うん! こっち来てよ」 手を引かれて、みんなの所につれて行かれた。 嫁達はみんな、満足そうな、それでいて何かを期待してそうな顔でおれを見た。 「ルシオ様、これ、読んでみて下さい」 「これは......むっ、マンガか?」 シルビアが差し出したのはみんながつくってた本だった。 分厚いそれはなんと――かなりちゃんとしたマンガだった! 「これは?」 「みんなで書いたのですわ」 「ルシオちゃんとの事をいっぱい、いーっぱい詰め込んだのよ?」 「タイトルは......ドゥルドゥルドゥルドゥル――じゃん!」 「『マンガを読めるおれが世界最強』、です」 得意げにそれをおれに披露する四人。 マンガを読めるおれが世界最強って......タイトルもそうだけど、内容もだ。 パラパラめくる、驚いた、しっかりマンガになってる。 「ねえねえ、読んでみてよルシオくん」 せっつかれて、おれは嫁達のマンガを読みはじめた。 物語はおれがおじいちゃんの書斎でマンガを読んでた所から始まった。 魔導書を読み解いて、あらゆる魔法を身につけていったおれ。 シルビアと出会って、彼女がおねしょして。 ナディアと出会って、彼女を奴隷商人の手から助け出して。 ベロニカと出会って、彼女と海の底を歩いて。 バルタサルと出会って、彼女にくしゃみをぶっかけられて。 四人と出会って、自由気ままに過ごしてきた生活がマンガになっていた。 読んでる間、みんなは黙っていたが、わくわくしていた。 シルビアはお行儀良く正座して、ナディアはシルビアに抱きついてニコニコしてた。 ベロニカは子供姿にもかかわらず威厳を感じさせる脚組みで座ってて、バルタサルはおれの膝にあごをのせて鼻提灯で居眠りしてたりして。 そんな中、マンガを読み終える。 「どうでしたか」 シルビアが代表して聞いてきた。 おれは四人を見回した。 「この生活、ずっと続けて行きたいな」 はっきり頷く四人、バルタサルもいつの間にか起きていた。 この生活を、四人とであって、こうして物語になるほど過ごしてきたこの生活を。 続けて行きたい、どこまでも。 おれはそう思った、全員そう思っていた。 だから、おれは手をかざした。 「『スペースタイムオブサザエ』」 魔法を使った。 嫁達が描いたマンガ――魔導書『マンガを読めるおれが世界最強』を読んだ直後に頭の中に浮かび上がってきた魔法を使った。 魔法の光がおれから発して――嫁達と、屋敷と、そして世界に広がっていった。 どれくらいたったのか分からないが、光が徐々に収まった。 わくわく顔から、不思議そうな顔になる四人。 「今のはどういう魔法ですの?」 「古代魔法――よりも多分上位の魔法だろうな」 「さっすがルシオくん、そういうのも使えるなんて。ねねねね、どういう効果なの?」 「この世界をサザエさん時空にした」 首をかしげるシルビア。 他の全員も何がなんだか分からないって顔をしてる。 天候を操る古代魔法よりも更に上位な魔法、この世界の有り様をそのまま変えてしまう魔法。 それを使える様にしてくれた嫁達とお手々をつないだ。 シルビア、ナディア、ベロニカ、バルタサル。 大事な大事な嫁達の温もりと存在が手から伝わってくる。 「そうだ、せっかくだから写真をとるか 「何がせっかくなのか分からないけど、そうですわね」 「アマンダさんとココちゃんマミちゃんもよんでくるね」 「あたしちょっと着替えてくる」 それぞれ動き出す四人の嫁、そんな四人をみて、おれは確信する。 転生したこの世界で、マンガを読めるおれが世界最強になった。 この先ずっと、嫁達と過ごす気ままな生活が続くだろう。 そう、思ったのだった。
After lunch under the clear sky. I relaxed in the mansion’s garden with Mami and read manga. Mami went and chase after flowers and insects in the garden, return to me and put her head on my arm or on top of the manga. It was that kind of afternoon just as usual. And then, I suddenly noticed. I noticed that I hadn’t seen my wives today. “Did they go out?”, I used magic while I thought of that. 「『Current Status』」 It’s magic that shows the current status of the mansion. I narrowed the contents to「Number of people」and displayed it. 『 Residents, Visitors, Others』 There was quite a lot of residents. It means that excluding Mami and me, there are other people in the mansion. Everyone’s in the mansion? But I can’t see any of them. I put down the Grimoire that I was reading and called with a whispering voice. 「Amanda-san」 The maid, Amanda-san, appeared right at my side. She shouldn’t have been there just an instant before, but she came just like a ninja. Right now, I almost cannot feel her presence as well, although I can see her. She is the most mysterious person among us as usual. 「What’s everyone doing?」 「If it is about Oku-samas, three of them have gathered in the living room. Only Nadia-sama have left」 「They gathered. Are they doing something?」 「Yes」 「Do I need to help them with magic or something?」 「It is for the best that you have not heard about it」 「Fu?n, I got it」 「『Erase Memory』」 I used magic, and the memories inside of my head disappeared like an eraserーー. After lunch under the clear sky, I am reading a Grimoire in the garden. Mami tripped and made a bucket fell over her and turned to Coco after being splashed with water. Coco came to me pitifully, and I dried her using『Quick Dry』 Coco curled her body around my feet and started to take a nap. She took out a doll of me that who knows where she kept and slept blissfully. I continued to read manga. Come to think of it, I haven’t met any of my wives today. But when I was thinking of that, Sylvia came out of the mansion. She came to me while she let her beautiful golden hair sway while it reflected the light of the sun. 「Lucio-sama, can I ask something?」 「Un, what is it?」 「The first job that Lucio-sama didーーe?to, the water job」 「Ahh, we walked and sold water huh」 「What magic did you use then?」 「It’s『Distillation』. A magic that removes impurities from a liquid and makes it pure」 I took the glass of juice I placed on the side that I drink when I’m reading manga. I used the『Distillation』magic that Sylvia asked. The color of the juice gradually diminished and turned into transparent pure water. 「It’s this! Distie, re......?」 「Distillation」 I slowly told Sylvia again because she seemed to have a hard time saying it. It’s a word that in after all. 「Distillation. Un! Thank you very much, Lucio-sama」 Sylvia turned around with a face full of smiles and returned inside the mansion. After I saw her off, I suddenly got curious. Why did she ask about that magic? On top of that, all she asked was about its name. 「What is Sylvia doing?」 「She is talking with the other Oku-samas in the living room」 「Were they talking about memories or something?」 「......I heard the word “surprise”」 「Surprise......」 I ruminated on Amanda-san’s words. Surprise......they’re probably planning on doing something to me. If so, I need to get surprised properly. 「Un, thank you, Amanda-san. I got it」 Amanda-san let silently. A magic that perfectly erases designated memories, if you use it too much, you can become a holder of the unisex fist of justiceーー. After lunch under the clear sky, I am reading a Grimoire in the garden. It is very peaceful with Coco sleeping around my feet. I got thirsty so I took the glass I placed on the side table. 「Water? How weird, it should’ve been juice inside」 I tilted my head. I am sure that I brought juice with me, but that changed into water. “It’s probably someone’s trick.”, but when I was thinking of that. *ParaParaPara*, it started to rain. I looked up the sky, there are almost no clouds, and the sun is shining very brightly. A sunshower huh, how rare. I closed the Grimoire and looked up to the sky. “This feels good in its way”, I let myself get hit by the rain. Coco who was sleeping around my feet got wet with the rain and changed to Mami. Mami woke up. And after she looked around carefully, she crawled into the narrow space below my chair and slept again. 「Ahaha,『Quick Dry』」 It would be pity if she gets a cold so I made her body dry. After a while, the rain stopped and I started to read the Grimoire again. 「Lucio」 「Veronica huh, what is it?」 「I heard about it from Sylvia. It seems like you went to bath with the three of you together before」 「Bath? We do enter together from time to time. What’s up with that?」 「It is about the time when Lucio and Nadia became small while Sylvia has her normal size」 「Ahh, about that huh」 I had used『Small』on Nadia and myself for fun when Nadia and I entered the bath before. We became smaller, and when we were swimming around the bath that became as wide as a lake, Sylvia came, and after that, she entered the bath with her normal size. Sylvia in her original size and Nadia and me with our small size. We climbed on Sylvia as if she was an attraction and took the bath time leisurely. That was fun. 「What’s with that?」 「Can you show me the scene at that time?」 「Scene? 『Create Delusion』......like this?」 I used magic and created a video in mid-air. Sylvia who entered the bath and Nadia and me like dolls. I climbed on Sylvia’s shoulder, and Nadia is horsing around on top of Sylvia’s hand. 「This is......it really looks fun」 「Yeah, it was fun, we also did things like hanging from Sylvia’s hands and do a water swing」 I showed her that with the video magic while I explained. Veronica stared at that very intently. Don’t tell me, does Veronica wants to do it as wellーーno, Veronica said「really」. I wonder if she heard about it from somebody. 「Thank you, Lucio. Well then」 Veronica casually ran towards the mansion before I could carefully ask about it. 「Danna-sama」 「Uwwa! I’m surprised. What is it? Amanda-san」 「Does the magic『Erase Memory』have any side effects?」 「That one that erases memories? It’s alright as long as it isn’t used many times at once, but why do you ask?」 「If it is four times in one day?」 「Well, it should be fine」 When I answered that, Amanda-san became silent without expressions. What was that all about? 「This might be very rude, but can you please forget about what Oku-sama did right now」 「Veronica?......I got it」 I don’t know why, but it’s Amanda-san who said it. I used『Erase Memory』on myself. About the things Veronica asked, about her asking a questionーー. 「Lucio-chan, Lucio-chan, Lucio-cha?n」 Balthazar suddenly came flying and tackled me. She hugged me while we rolled on the ground. For some reason, the ground is wet and soaked. When I took a proper look again, I saw there Balthazar with an excited face and Amanda-san with a complicated expression a little far away. What is it, really? The sun has set and I was about to return to the mansion after I closed the manga. This is quite rare. The day is about to end, but I have not met with anyone although they’re in the house. Because I have not met them, I really want to meet them. I walked around the mansion and searched for the four. And then, I met Amanda-san. 「Thank you for the hard work, Danna-sama」 「Hard work? I have just read manga today though. Rather than that, where’s everyone?」 「The Oku-samas are in the living room」 I nodded and started walking. For some reason, Amanda-san made a worried face. This isn’t very like Amanda-san, did anything happen? And while I thought of that, I arrived at the living room. I knocked and entered. 「Everyone, are you hereーー」 There are the four inside. Sylvia, Nadia, Veronica, Balthazar. My lovely wives are there. The four of them surrounded a table and were writing something in a paper using colored pencils. And it looks like they have just finished a whole book, it was bound and covered, becoming a proper book. 「Ah! It’s Lucio-kun. Just right in time」 Nadia stood up and quickly ran towards me. 「Just right in time?」 「Un! Come here」 I had my hand pulled and I was taken where everyone is. My lovely wives, the looked at me with a face that was satisfied but expects something of me. 「Lucio-sama, please read this」 「This is......mu! A manga?」 What Sylvia passed to me was the book everyone made. That thick thing, unbelievableーーit is a proper manga! 「This is?」 「Everyone made it desu wa」 「It’s full and fu?ll of Lucio-chan you know?」 「The title is......DoroDoroDoroDoroーーJan!!」 「It is『I am a world’s strongest, because I can read MANGA』, desu」 The four of them showed to me with bragging expressions. I am a world’s strongest, because I can read MANGA......? The title was like that, but its contents were too. I flipped the pages and got surprised, it was really a proper manga. 「Ne?, ne?, read it Lucio-kun」 I got pushed and started to read my wives’ manga. The story started with me reading mangas in Ojii-chan’s archive. Me, who learned all kinds of magic, deciphering Grimoires. I met with Sylvia, and she peed on our bed. I met with Nadia, and I saved her from the slave merchant. I met with Veronica, and I walked with her under the sea. I met with Balthazar, and she sneezed on me. The free lifestyle from when I met with the four of them became a manga. Everyone was silent while I was reading it, but excited as well. Sylvia sat with a seiza and Nadia hugged Sylvia while smiling. Veronica was sitting in a way that shows dignity in her bearing although she is in her child form and Balthazar is taking a nap with her chin on top of my thigh with a snot bubble. Within that, I finished reading the manga. 「How was it?」 Sylvia asked as the representative. I looked at the four of them. 「This lifestyle, I hope it continues forever」 The four of them clearly nodded, and Balthazar also was awake when I noticed it. This lifestyle, the lifestyle with the four of them that I spent, that lifestyle that even became a story like this. I want it to continue, no matter where it would take us. I thought of that and they also thought so. That is why, I reached out my hand. 「『Space Time of Sazae』」 I used magic. I used the magic that appeared inside of my head when I finished reading the mangaーーGrimoire『I am a world’s strongest, because I can read MANGA』that my wives made. The light of the magic released from meーーit spread through my wives, the mansion, and the whole worlds. I do not know how long has passed, but the light gradually dissipated. The four of them had face that thinks of it strangely from an excited face. 「What magic was that now?」(Veronica) 「It’s ancient magicーーno, probably a magic in a higher level than that」 「As expected of Lucio-kun?, you can even use that huh?. Ne, ne, ne, ne, what effect does it have?」 「I made this world, Sazae-san’s Time and Space」 Sylvia tilted her head. The others also made a face that doesn’t understand. A higher level of magic than the ancient magic that controls weather, a magic that changes how the world works itself. I held my hands with my wives that let me be able to use that. Sylvia, Nadia, Veronica, Balthazar. My very, very important wives’ warmth and existence could be felt through our hands. 「I know, since it’s the occasion, let’s take a picture」 「I do not know what occasion it is, but that is true」 「I’ll go call Amanda-san and Coco-chan and Mami-chan okay」 「I’ll go change clothes」 My four wives started moving with their own task, and I became sure after looking at the four of them. In this world that I reincarnated into, I became a world’s strongest because I can read manga. From now and forever, my willful life with my wives will continue. That, I thought so.
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おれは図書館の中に戻った。 外はおれの魔法で雪が降ってるけど、中は何も変わらない。 がある素晴しい空間。 まるで漫喫みたいだ。 外の雪が止むまで、ちょっとマンガを読んでいこうと思った。 近い本棚の前に立って、背表紙をざっと眺める。 結構わくわくした。ほとんどの魔導書がまだ読んだことのないものだったから。 読んだことのない中から一冊抜き取って、さて読もうとしたその時。 「初めて見る顔ですねえ」 「うん?」 声がしたので、横をむいた。 そこに一人の老人がいた。 質素な服を着て、ホウキとちりとりをもってる。 清掃の人なのかな。 おれはいつも通り、子供モードで返事をした。 「はじめまして、ルシオ・マルティンと言います」 「おお、ではあなた様がこの図書館の館長になるというルシオ様」 「はい、おじいさんは?」 「エイブと呼んで下され」 「エイブさんですね。よろしくお願いします」 おれは抜き取った魔導書をちらっと見て、図書館の中をくるっと見回した。 「どうしたのですかな」 「あのね、どこで読もうかな、って思ったの」 「どこで?」 「うん、なんかソファーとか、椅子とかあればいいなあって。そこに座ってじっくり魔導書をよみたいなって」 いうと、何故かエイブさんはものすごく驚いた。 しわくちゃの顔で目を見開かせて、おれを凝視した。 なんかおれ、変な事言ったか? 「どうしたのエイブさん?」 「館長さんは面白い事を考えますな」 「そうなの? だって、図書館なんだし、座って読む場所がほしいじゃない?」 「普通の図書館ならそうでしょうな。しかしここは魔導書を収蔵している魔導図書館、一冊読むのに数ヶ月から数年かかる魔導書ばかり、椅子やソファーなどあってもいみはありませんぞ」 「あっ......」 そういえばそうだった。 おれは普通に読めてるからつい忘れがちだけど、この世界の人間はマンガをほとんど読めないのだ。 エイブさんの言うとおり、普通は一冊読むのに数ヶ月とか、ヘタしたら数年とかかかる。たしかにそれだとこの図書館に椅子とかは意味ないな。 「そっか......ねえ、ぼくが自分で椅子を持ち込むのは大丈夫なのかな」 「ルシオ様は館長様ですし、そのくらいのことは」 「良かった。それじゃあいい椅子かソファーを見つけないとね、こんなにいっぱいの魔導書を全部読むのだから、その間に座る椅子はちゃんとしたものじゃないとね」 「全てをお読みになるおつもりか」 エイブさんはまだ驚いた。 「うん! せっかくあるんだし、読まないと。ワクワクするよね、こんなにいっぱいある魔導書を好きに読んでいいなんて」 「ルシオ様は勉強好きなのですな」 「そうなるのかな」 おれは苦笑いした。 「そう思いますぞ。今まで見てきた者達は全員、魔導書を読むことを苦行と感じていましたぞ」 苦行か。まあ読めないものを無理矢理読むんだから、苦行になるのか。 ああでも、漫喫にある全部のマンガを読破するって考えたらちょっぴり苦行なのかも。 それでも頑張って読むけどな。 を読めば読むほど魔法を覚えられるんだから、苦行でもなんでもやってやるさ。 「ルシオ様のような方ははじめてですぞ」 「そうなんだ」 「わたしは魔導書を読めませんが、影ながらルシオ様の事を応援していますぞ」 「ありがとう、エイブさん」 お礼を言った。 エイブさんからは何となく、実家の屋敷にいるおじいさんのような感じを受けた。 目を細めて、孫を可愛がるおじいさんとまるで同じ感じだ。 おれ、じじいキラーなのかな。悪い気はしない。 そんな事を考えながら次のマンガを読もうとしたとき、図書館の扉が乱暴に開かれた。 開けたのは立派な格好をした中年の男。その人は深刻そうな顔をしていたけど、こっちを見て明らかにほっとした。 「まずい」 と言ったのは横にいるエイブさんだった。何がまずいんだ? 中年男は息を切らせながら、つかつかと近づいてきた。 そしておれの横、エイブさんの前に立って。 「探しましたぞ陛下」 「陛下!?」 盛大にビックリしたおれはエイブさんをみた。エイブさんはやれやれと、困った顔でため息を吐いた。 直後、雰囲気が変わる。 親しみやすい掃除のおじいさんの雰囲気から、荘厳なオーラを出す貴人の雰囲気に。 姿は変わってないのに、まるで別人の様だ。 「陛下って......もしかして国王、なの?」 「うむ。余がサボイア国王、エイブラハである」 マジで国王だったのか! 「正体を黙っていてすまない。ルビーから話は聞いていたが、そなたがどういう人間かこの目で実際にみたくてな」 「実際にあえて良かったぞ。ルビーが話した以上に素晴しい子だ」 「ありがとうございます」 かなりの勢いで褒められた、やっぱり相当気に入られたみたいだ。 そのエイブさん......国王は中年男の方をむく。 「ウーゴ」 「はっ」 「職人を集めよ、館内にこの子がゆっくりと魔導書を読める、くつろいで読めるスペースを作るのだ」 「御意」 「それと、王家が持っている、魔導書に関する権限をすべてこの子に与える。勅書の草案を作ってくれ」 今度はおれを向いて、言ってきた。 「ルシオよ」 「なあに?」 「聞いての通りだ。この魔導図書館の全てをそなたに任せる。何から何までだ」 「新しい魔導書があったら買っていい?」 おじいさんに任されていたことを思い出して、それを聞いた。 「はっはっは。もちろんだ、どんどん収集するといい」 「わーい、ありがとう!」 子供モードでちょっと大げさだけど、これは純粋に嬉しい。 今あるだけじゃなくて、更に増えるのなら普通に嬉しい。 おれが喜ぶのをみて、国王は更に目を細めた。 やっぱり実家にいるおじいさんと感じが似てる。 「陛下」 ウーゴが真顔で国王に言った。 「どうした」 「魔導書に関する権限全てとなりますと、実行するために男爵以上の位が必要となりますが」 「なら男爵にすればよい」 ..................。 えええええ? それって、それってもしかして!? 国王は、ますます目を細めておれに微笑み掛けたのだった。
I returned inside the library. Snow was falling outside with my magic, but nothing had changed inside. A wonderful space where there are tens of thousands of mangas. It was just like a manga cafe. Until the snow outside stops, I should read manga for a while, I thought. I stood in front of the nearest bookshelf, and glanced through their covers. I was quite excited. Because almost all of the Grimoires are ones that I hadn’t read before. I took one that I had not read before, and the time when I was going to read it. 「You’re a new face huh?」 「Un?」 I was called out, so I looked to my side. There was one old man there. Wearing normal clothes, he was holding a broom and a dustpan. I wonder if he was a janitor. As usual, I answered in child-mode. 「Nice to meet you, I am Lucio Martein」 「Ohh, then you are that Lucio-sama, the new administrator of this library」 「Yes, what about Ojii-san?」 「Please call be Abe」 「Abe-san desu ne. Please take care of me」 I took a quick glance to the Grimoire that I took out, and looked around the library. 「What is the matter」 「A-no-ne, where should I read this, I thought」 「Where?」 「Un, something like a sofa, or a chair would be nice, I thought. I thought I wanted to sit there and slowly read the Grimoire」 When I said that, Abe-san was very surprised for some reason. His eyes on his wrinkled face was widened, and was staring at me. Did I, say something weird? 「Abe-san what’s the matter?」 「Administrator-san think of interesting things」 「Is that so? It’s a library right, wouldn’t you want a place to have a seat and read?」 「If it was a normal library, then that is true. But this is the Grimoire Library where Grimoires are stored, they are all Grimoires that would take from months to years to read, there’s no meaning even if there are chairs and sofas」 「Ah!......」 When I think about it, that was right. I almost forget since I was able to read normally, but the almost all of the people of this world cannot read manga. As Abe-san had told, one book would normally take several months, some may take years. I guess that’s true that with that, chairs aren’t needed in this library. 「I see......ne?, do you think it’s okay if I bring my own chair」 「Lucio-sama is administrator-sama, so that much is」 「Thank goodness. Then, I have to find a good chair and sofa huh, I’m going to read this much Grimoires, the chair that I’m going to sit on during that should be good」 「Are you planning to read everything」 Abe-san was still surprised. 「Un! There’s this much of them, I have to read it. It’s exciting right, to be able to read Grimoires this many as much as I want」 「Lucio-sama likes studying huh」 I laughed wryly. 「I think so. In everyone that I have met until now, they all felt as if reading Grimoires was mortification」 Mortification, huh. Well, they’re forcefully reading what they couldn’t read, so maybe it’s mortification. But yeah, if I think of it as reading every manga in a manga cafe, it might be a little be mortifying. But I’ll still do my best and read it though. The manga here, the more I read them, the more I can learn magic, so mortification or whatever, I’ll do it. 「A person like Lucio-sama is the first time」 「Was that so」 「I cannot read Grimores, but I will support Lucio-sama from the shadows」 「Thanks, Abe-san」 I said thanks. From Abe-san, I had the same feeling with Ojii-san on our family mansion. Making a kind smile, it was almost just like the same with an Ojii-san who treats his grandchild kindly. Maybe, I’m a Jijii-killer. I don’t feel bad. While thinking about that and tried to read the next manga, the library’s door was opened widely. A middle-aged man who was wearing a splendid attire opened it. That man was having a serious look, but when he looked here, he clearly was relieved. 「This is bad」 Said Abe-san who was beside me. What is bad? The middle-aged man, while catching his breath, sounded his footsteps while he approached. And, he stood in front of Abe-san who was beside me. 「I was looking for you, your majesty」 「Your majesty?!」 I was very surprised and looked at Abe-san. Abe-san was like *YareYare*, and sighed with a troubled face. And soon after, his air changed. From the air of a very friendly janitor Ojii-san, to a noble’s air that had a majestic aura. His appearance hadn’t changed, but it was as if he was a different person. 「Your majesty, he said......could you be, the King?」 「Umu. I am the King of Savoya, Abraham the Third de aru」 No way, is he’s really the king! 「I am sorry for hiding my identity. I had heard from Ruby, but I wanted to actually see what kind of person you are with my eyes」 「I-Is that so」 「In reality, it’s good that I met you. You are a more wonderful child than what Ruby had talked about」 「Thank you very much」 I was praised very much, it looks like he’d really had taken a like to me. And that Abe-san......the King, looked towards the middle-aged man. 「Hugo」 「Ha!」 「Gather artisans, to make this child leisurely read Grimoires inside the library, make a space where he can read comfortably」 「As you wish」 「Also, I will grant all of the authority that the royal house have concerning with Grimoires to this child. Make the draft for the imperial rescript」 This time, he looked towards me, and said. 「Lucio」 「Na?ni?」 「As you have heard. I will leave this whole Grimoire Library to you. Everything of it」 「Can I buy new Grimoires?」 I remembered what Ojii-san had asked of me, and asked. 「Hahaha. Of course, collect all as you want」 「Waaai, thank you!」 It was a little exaggerating in the child-mode, but I was simply happy. Not only what is here, I was happy that they would increase. Looking at me being joyful, the King made a kind smile. As I’ve thought, it was the same feeling with Ojii-san that was in our family home. 「Your majesty」 Hugo said to the King with a serious face. 「What is it」 「If it would be all authorities concerning Grimoires, a Baron rank is needed at least」 「Then make him a Baron」 ..................... Ehhhhhhhh? That is, could that be?! The King, deepened his smile and made a pleasant smile towards me.
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ココを散歩させてると、街の外れで騒ぎに遭遇した。 たくさんの街の住人がひとかたまりになって、誰かを取り囲んでいる。 「それで逃げてきたのか」 「見捨ててきたとか言わないよな」 「そんな男だったなんて――見損なったぞ」 みんなが口々に、真ん中に取り囲んでる誰かを責めたてていた。 どうしたんだろう、とココのリードを握り締めて、騒ぎの中心に向かっていく。 「ねーねー、なにがあったの?」 外周に立っている青年に向かって、子供モードで質問する。 青年が答えた。 「こいつがとんでもない事したんだ」 「こいつ? とんでもない事?」 囲まれてる人を見た。 見た事のある顔だ、たしか......アドリアーノ。 宮廷魔術師で村に凱旋した、魔法個使える男だ。 その男が地面に直で正座させられている。 「姫様が乗ってる馬車が盗賊に襲われたのに遭遇したのに、それを助けないで、あろう事か逃げてきたんだよ」 「......」 おれは言葉を失って、所在なさげのアドリアーノを見た。 おいおい、おまえ宮廷魔術師じゃなかったのかよ。二十個も魔法使えるんじゃなかったのかよ。 あんなに女に囲まれてちやほやしてたのに......。 「本当、見損なったわ!」 「最低よ、あなた!」 アドリアーノを囲んでいる人間の中には、あの日彼をちやほやしてる女の姿もあった。女達は冷たい目でアドリアーノを見下している。 「待ってくれ、ちがうんだ、それには原因があるんだ」 「原因ってなに?」 おれは子供モードのまま聞いた。 それが火をつけた。 「そうだそうだ、原因ってなんだ」 「姫様――主君が襲われてるのを見捨てて自分だけ逃げてくる原因を聞かせてもらおうか」 「そ、それは――そう、みんなに知らせようとしたんだ。王女殿下の身が危ないのと、ここにも盗賊が襲ってくるかもしれないのと」 「へー、でもお兄ちゃん。お兄ちゃんは宮廷魔術師で、たくさんの魔法が使えて強いんだよね。だったらお兄ちゃんがその場で倒せばよかったんじゃないの?」 「そうだそうだ!」 「なんで倒さなかった!」 「そ、それは......」 アドリアーノは答えられなかった。正座したまま、ますます肩をちぢこませた。 街の住人のさげすむ視線に浴びて、今にも死にそうな顔をしてる。 不倫が発覚した好感度ナンバーワンアイドル、それと同じ無様さを感じた。 おれはその場からそっと離れた。 そのまま街の外に出た。 「どこに行くんですかぁ?」 一緒に連れてきたココが聞いてきた。 「お姫様を助けてくる」 「えええええ?」 「盗賊に襲われたんなら、そのままにしておく訳にはいかないだろ。というか――」 ちらっと背後を見た。街の人達はまだアドリアーノを責めてる。 責め続けてるけど、誰も助けに行くと言い出さない。 「でもわかるんですかぁ? その、お姫様のいるところ」 「何とかする――サーチサム」 人捜し用の魔法があったから、とりあえず使った。 探す相手がお姫様って条件をつけると、地面に一本の線が浮かび上がった。 3D映像のような赤い線が長く伸びて行く。 魔法の効果を考えれば、この先にいるはずだ。 「よし、行くぞ」 ココを連れて、伸びて行った線を追っかけていった。 街の外の街道に延びてった線だけど、途中から脇道にそれていった。 やがて山の中に入り、洞窟の中に伸びて行った。 洞窟の横には馬車がうち捨てられている。 魔法の追跡と物的証拠、間違いなくここだな。 「うん?」 ココを見た。ここまで一緒についてきた彼女の犬耳がピタッと後ろにつく。 顔もそうだけど、なんかに怯えてる感じだ。 「どうした」 「なんか怖いですぅ。盗賊、ですよねぇ?」 「ああ、そう聞いたな」 「盗賊って......怖いですぅ」 なるほど、盗賊って存在に怯えてるのか。 その話わからなくはない。 「安心しろ、おれがついてる」 「あっ......」 ココははっとして、それからポッ、と顔を赤くした。 おずおず頷くココ。とりあえず恐怖は取り除けたみたいだ。 ココを連れて洞窟の中に入った。「フィラメント」で明かりをつけて、道なりに進んでいく。 ふと、話し声が聞こえてきたから、ココに「しー」ってジェスチャーして、立ち止まって聞き耳を立てた。 「そなたら、わらわを誰だと心得る。サボイア王国第一王女、王位継承権のルビー・サボイアなるぞ!」 「知ってる知ってる、今一人だけいるお姫様だよな」 「そんな有名人しらないわけないだろ?」 「おれよ、何回もあんたの事をみてるんだ。あんたがした講演を何回もみてるんだぜえ?」 お姫様らしきものと、盗賊らしきものの声が聞こえた。 「ならばわらわを早く解放するのじゃ。いまならまだ何事もなかった事にしてやらんでもないぞ」 「こんなこと言ってるけど、どうするよ」 「それは......ねえだろ」 「当然だ、せっかくお姫様に来てもらったんだ、ちゃんとおつとめを果たしてもらわねえとな。ケケケ」 盗賊の一人がそういうと、全員がいやらしく笑い出した。 「おつとめじゃと? こんなところでわらわがしなければならないつとめなどあるものか」 いや、あるんだなそれが。 正確にはおつとめって言うより、お約束だが。 「へっへっへ、あるんだな、これが」 「そうそう、お姫様にしかできないことが」 「な、なんじゃ。なぜズボンを脱ぐのじゃ」 ......やっぱりそれか。 いやまあ、当たり前だけどな。 盗賊がお姫様を捕まえて、それでそういう発想がないなんてホモの集団でもない限りはあり得ない。 だから、この流れは正しい。 「やめるのじゃ、わらわに近づく――ふれるな!」 お姫様が叫んだ。声が震えている。 「きゃ!」 小さい悲鳴が聞こえて、それから静かになった。 ......たすけるか。 「あれれれー、ここどこだろー」 子供モードになって、そこに踏み込んだ。 会話で聞こえてきた通りの現場だった。 姫のルビーが壁際で拘束されてて、何人かの気の早い盗賊が既にズボンを脱いで、ルビーに群がっている。そのルビーのドレスも体ごとまさぐられ、あられもない姿になっている。 襲われてる時に頭を打ったのか、意識をなくして、ぐったりしている。 おれは盗賊の数を数えた。 全部。そんなに多くはない。 「なんだお前は――ってガキか」 一瞬警戒した盗賊はおれの姿を見てあきらかに油断した。 まあ、こっちは見たの子供、当たり前だな。 「おいガキ、ここはガキがくるところじゃねえ。ケガしねえうちにとっととー」 その盗賊がこっちに向かってきた、手を伸ばして肩をつかもうとした。 「ブレイズニードル」 魔法を詠唱。空中に炎の針が生成され、男を貫く。 八方から飛んできた針に全身を貫かれ、男は体を内部から焼かれ、そのまま崩れ落ちた。 残った七人の盗賊が顔色を変えた。何人か反応の早いのは既に武器を構えている。 「てめえ! 何者だ!」 「なのるほどの者じゃないよー」 そう言いながら、七人のいる場所を確認して、魔法を唱えた。 二回目のブレイズニードル。人数分の炎の針が盗賊達をおそう。 は針に貫かれ、崩れ落ちた。 一人が武器を振って針をほとんどはじくが、一本だけはじききれず、腹に深く突き刺さった。 一本だけだが、充分に致命傷だ。 「ルシオ・マルティン。ただの転生者だ」 男は理解不能って顔をした。 おれは「ブラックホール」を唱えた。せめて一瞬のうちに、と思った。 当たりを見回す、盗賊は全て片付けた。あとは姫様を連れ出すだけだが。 「......これはこれはやっかいだな」 気を失って、あられもない格好になってるルビーを見て、おれはちょっとだけ困ったのだった。
When I was having a walk with Coco, I encountered a commotion on the town’s outskirts. The were a lot of town people making a crowd, and was surrounding someone. 「And you ran away with that」 「You’re not saying that left her alone right」 「To think that he’s a man like thatーーyou’ve disappointed me」 Everyone was surrounding someone and accusing him with words. I wonder what happened, I gripped Coco’s leash, and went to the middle of the commotion. 「Ne?ne?, what happened?」 Towards the young man in the back line, I asked in child-mode. Coco who was not used to me being on child-mode was surprised, but I ignored that for the mean time. The young man answered. 「This guy did an outrageous thing」 「This guy? an outrageous thing?」 I looked at the person being surrounded. It was a face I had seen before, if I’m correct......it’s Adriano. A court magician who had a triumph return to his village, a man who can use kinds of magic. That man was made to do seiza on the ground. 「You saw that the carriage that Hime-sama was riding on was being attacked by bandits, but instead of saving her, you ran away」 「......」 I lost my words, and looked at Adriano who lost himself. Oi oi, weren’t you a court magician. Weren’t you able to use kinds of magic. You were being pampered by women like that......... 「Really, you’ve disappointed us!」 「You’re the worst, you!」 Within the people who surrounded Adriano, there were also the appearance of the women that pampered him that day. The women were looking down at Adriano with cold eyes. 「Please wait, that’s not true, there was a proper reason」 「What is the reason?」 I asked while still in child-mode. And that started the fire. 「That’s right that’s right, what was the reason」 「Hime-samaーーleaving your lord behind and running away alone, let me hear the reason for that」 「T-That isーーright, I wanted to let everyone know. That Oujo-denka is in danger, and the bandits might also attack here」 「He?, but Onii-chan. Onii-chan is a court magician, and can use a lot of magic right. Couldn’t Onii-chan just defeated them on the spot?」 「That’s right, that’s right!」 「Why did you not defeat them!」 「T-That is......」 Adriano couldn’t answer. While in seiza, he made his shoulders smaller and smaller. Being bathed in the town people’s sight, he was making a face that looks he’d die anytime. Just like the rating of a number one idol who was found out with infidelity, it felt as miserable as that. I left that place quietly. And went directly towards outside of the town. 「Where we going desu ka??」 Coco who I took with me asked. 「I’m going to go save the princess」 「Ehhhhhhh?」 「If she was attacked by bandits, there’s no way she couldn’t be left like that. I meanーー」 I looked behind with a glance. The town people were still accusing Adriano. They were continuing to accuse him, but no one was saying of saving her. 「But do you know desu ka?? That, princess’s place right now」 「I’ll do something about itーーSearch Some」 It was a magic used for finding people, so I used it for the mean time. After I put on the conditions the person I am searching for is a princess, a single line emerged from the ground. A red line just like a D image stretched very long. Thinking of the effects of the magic, she should be ahead of this. 「Yosh, let’s go」 「Y-Yes?」 I took Coco with me, and went after the line that had stretched. The line was stretching towards the road outside of the town, but it changed ways in the middle to the side road. Finally entering in the mountain, it stretched into a cave. A carriage was abandoned beside the cave. Tracing with magic and physical evidence, no doubt that it’s here. I looked at Coco. She who had followed me up to here had her dog ears *Pita* towards her back. It was also on her face, she was somehow frightened. 「What happened」 「I’m scared desu?. They’re bandits, right??」 「Yeah, that’s what I’ve heard」 「Bandits, they’re......scary?!」 I see, she’s frightened to the bandits’ existence huh. It’s not like I don’t understand that. 「Don’t worry, I’m with you」 「Ah......!」 Coco was astonished, and *Po* blushes her face. Coco timidly nodded. For the meantime, it looks like she’s not frightened anymore. I took Coco with me and entered the cave. Using 「Filament」 to make light, and moved through the path. Suddenly, I heard the sound of people talking, so I made the *Shi?* gesture to Coco, stopped our feet and hear what they’re talking about. 「You, who do you think I am. The first princess of Savoya Kingdom, I am the Ruby Savoya seventh to the king’s throne!」 「We know, we know, you’re the only princess right now right」 「There’s no way we wouldn’t know a person that famous right?」 「You know, I’ve seen you a lot of times. I’ve seen the speeches you did a lot of times yo?」 I heard a princess-like, and bandit-like voice. 「Then hurry up and release me jya. If it’s right now, I can make it that this has never happened」 「That, she said, what do you think」 「That’s......there’s now way」 「Of course, it’s the awaited time that a princess came, you should do your “work” properly. Kekeke」 When one of the bandits said that, every one of them laughed nastily. 「Work you say? There’s no work that I have to do in a place such like this」 No, there’s one you know. Specifically it’s not work, but a cliche though. 「Hehehe, there’s one thing, you know」 「Right, right, something that can only be done by a princess」 「W-What is it. Why are you taking off your pants」 ......it’s that after all huh. But well, it’s normal though. Bandits kidnapping a princess, having an idea that is something like that, unless they’re a group of homos, that’s impossible. That’s why, the flow of things are correct. 「Stop it jya, don’t come nearーーdon’t touch me!」 The princess shouted. Her voice was trembling. 「Kya!」 I heard a small scream, and it became quiet. ......I’ll go save her huh. 「Arerere?, I wonder where this is??」 Being in child-mode, I entered there. It was a scene that as I had heard. The princes, Ruby, was being restrained on the wall, some of the bandits quick on their move had taken off their pants, and gathered towards Ruby. And Ruby herself had her dress disarrayed with her body, and had a messed up appearance. Probably hit her head when she was attacked, she lost consciousness, and laid quietly. I counted the numbers of the bandits. There are eight of them. There weren’t a lot of them. 「Who are youーーhey, a brat huh」 The bandit that was cautious for an instant put his guard down after looking at me. Well, I look like a -year-old child, that’s normal. 「Hey you, brat, this isn’t a place brats like you come to. Before you get hurt, goーー」 That bandit walked toward me, reached out his hand as if to grab my shoulder. 「Blaze Needle」 I chanted magic. Needles of flame appeared mid-air, and pierced through the man. Pierced through by needles from all directions, the insides of the man were burned, and collapsed just like that. The remaining seven bandits changed the colors of their faces. A few who reacted quickly were already making a stance with their weapons. 「You! Who are you!」 「I’m nobody important?」 While saying that, I confirmed the places of the seven, and chanted magic. It was the second Blaze Needle. The needles of flame enough for them attacked the bandits. Six of them were pierced through by the needle, and collapses. One of them swung his weapon and blocked most of the needles, but unable to block only one needle, it pierced very deep to his stomach. It was only one, but it was deadly enough. 「Lucio Martein. Just a normal reincarnated person」 The man made face that couldn’t understand. I chanted 「Black Hole」. At least in an instant, I thought. I looked around, all of the bandits were taken care of. The only thing left is to bring back the princess, but. 「......this in itself, is troublesome」 Lost her consciousness, looking at Ruby with her messed up look, I was a little troubled.
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昼下がり、屋敷の庭でマンガをのんびり読んでいた。 ちょっと離れたところにバルタサルがいた。 彼女はあっちにふらふら、こっちにふらふらと、庭の蝶々を追いかけ回している。 蝶々を「胡蝶ちゃん」とよぶくらい大好きなバルタサル、そんな彼女をそっとみまもりつつ、マンガを読む。 読んでるのは魔導図書館から持ち出したシリーズ物のマンガだ。 人相の悪いピカレスクヒーローみたいな主人公が、伝説の魔剣の使い手になったばかりでなく、その魔剣を孕ませて娘の魔剣を産み出すというトンデモ展開。 魔剣との夫婦漫才とか、まわりのヒロインが可愛くて安心して読めるマンガだ。 「ルシオちゃん」 「うん、どうした――ってそれなに?」 「それはこっちのセリフなの? これはどういうものなの?」 彼女が抱えるように持ってきたのは大きな蜂の巣だった。 だぶだぶの袖で抱える姿を可愛いやら、蜂の巣で恐ろしいやらな光景だ。 「それは蜂の巣だよ。危ないから戻してこい」 「あぶない? でもこれ、すごくいいにおいがするのよ?」 「そりゃ中にハチミツがあるからな――とと、そこから垂れてるのがそうだ」 「ハチミツ?」 バルタサルは蜂の巣を抱えたまま、器用にその真下をのぞき込んだ。 そして垂れているハチミチをぺろっとなめる。 「甘い」 止める間もなくバルタサルはそのまま蜂の巣にかぶりつき、顔に「×」をつくった。 「まずい......」 「そりゃ蜂の巣、蜂の家だから」 「こんなに甘い匂いがするのに......」 「......ふむ」 甘い匂い......家。 おれはある魔法を思い出した。 「バルタサル、それを食べたいか」 「ハッちゃんって呼んで? 美味しくないからもうたべたくないのよ?」 「美味しかったら?」 彼女の鼻をそっと摘まんで、持ってる蜂の巣に魔法をかけた。 「『ヘクセンハウス』」 魔法の光が蜂の巣を包んだ。 「これで食べられるはずだ」 「あっ、チョコレートだ」 躊躇なくかぶりついたバルタサルはほっこり顔をした。 見た目は蜂の巣で変わらないが、どうやらチョコレートになってるようだ。 「もぐもぐ......るひおひゃんは......もぐもぐ......にゃにを」 「食べながら話さない。これはお菓子の家の魔法なんだ。簡単にいうとどんな建物でもお菓子にしてしまうんだ」 「家をおかしに?」 「家?」 バルタサルは屋敷を指した。 「魔法をかければな。屋敷はダメだぞ、みんなが住んでるところだからな」 「......ルシオちゃん、こっち来るのよ?」 バルタサルに引っ張られて立ち上がった。 そのままむりやりつれて行かれる。 屋敷の裏側にやってきた。 そこに大きめの犬小屋があり、中でココが丸まって昼寝している。 獣人であるココは屋敷の中にいる事もおおいが、こういういかにもな犬小屋の方が落ち着く事もある。 まさかココの家を食べるのか......と思いきやそこを素通りされた。 更に進んでいくと、普段あまり来ない、屋敷の裏の裏にやってきた。 そこに使われなくなった、寂れた物置小屋があった。 「これも家なのよ?」 「食べたいか」 バルタサルははっきり頷いて、瞳を輝かせた。 「わかった。『ヘクセンハウス』」 物置小屋に魔法をかけて、お菓子の家にする。 魔法をかけ終えるや、バルタサルはすぐ様とびついた。 「あまくておいしい」 「どれどれ......お、窓は飴っぽいな」 「ドアはクッキーの味がするのよ?」 「壁はスポンジケーキになってるな。うんいける」 おれとバルタサルはお菓子の小屋を食べた。 さすがに量が多くて全部は食べきれないから、あれこれをちょっとずつつまむって感じだ。 「な、何をしてらっしゃるのルシオ!?」 「え」 振り向く、ベロニカが晴天の霹靂って顔でこっちを見ていた。 「......あっ」 彼女の驚きの理由に気づく。 『ヘクセンハウス』はお菓子の家になるけど、見た目はそのままだ。 つまり何も知らない彼女からすればおれとバルタサルが壊れかけた物置小屋を喰ってる事になる。 そりゃそういう顔もする。 「ルシオに......そんな趣味があったなんて」 「まて誤解するな。バルタサル、お前もなんか説明してやってくれ」 「わあ、クモちゃんのお家もある、ルシオちゃんこれも食べるのよ?」 口の中に蜘蛛の巣を突っ込まれた。 「美味しい?」 「わためみたいだ」 「わー。これは胡蝶ちゃんにたべさせないと。積年の恨みを晴らさせるのよ?」 バルタサルは物置小屋の中に張り付いていた蜘蛛の巣を剥がして、バタバタとどこかへ走って行った。 「蜘蛛の巣まで食べるなんて......しかもわたあめっぽいって......」 ベロニカはポロポロ泣き出した。 「夫がそんな人だったなんて」 「ちょっとまって説明するから」 危うく迎えた離婚の危機、おれはベロニカを引き留めて魔法を必死に説明して何とか納得してもらった。 物置小屋はその後、家族で美味しく頂いたのだった。
Afternoon, I am reading manga in the mansion’s garden leisurely. There is Balthazar nearby. She is wandering around here and there, walking around chasing a butterfly in the garden. Balthazar who loves butterflies so much that she calls them「Chou-chan」. I read manga while watching her on the side. The one I’m reading right now is a series manga that I brought from the Grimoire Library. It’s a work with a ridiculous story, starring a bad looking picaresque hero-like main character, who did not only took a legendary Demon Sword in his hand, but even made that Demon Sword give birth to another Demon Sword. Things like doing something like a husband and wife stand up comedy with a Demon Sword, and the heroines around are cute too, so it’s a manga that is easy to read. 「Lucio-chan」 「Un, whatーーwhat’s that?」 「That is my line you know? What is this?」 What she is carrying is a big bee’s nest. Her appearance of hugging it with her very long sleeves was lovely, but scary at the same time because of the bee’s nest. 「That’s a bee’s nest. It’s dangerous so put it back where you took it」 「Dangerous? But, this smells really good you know?」 「Well, there’s honey inside after allーーoh, there it is, it’s that thing drooping there」 「Honey?」 Balthazar dexterously peeked on the bottom of the bee’s nest while hugging it. And, she licked the drooping honey. 「Sweet」 Without giving me time to stop her, Balthazar bites the bee’s nest, and made a「×」on her face. 「So bad......」 「Well, it’s a bee’s nest after all, it’s the bee’s house」 「It smells this sweet too......」 「......hmm」 Sweet smell......house. I remembered a certain magic. 「Balthazar, you want to eat that?」 「Call me, Hacchan? I don’t want to eat it anymore because it’s not delicious you know?」 「If it was delicious?」 I gently pinched her nose, and casted magic on the bee’s nest that she’s holding. 「『Hexen House』」 The light of the magic enveloped the bee’s nest. 「You should be able to eat it with this」 「Ah! It’s chocolate」 Balthazar bit on it without hesitations and made a delighted face. Its appearance did not change from being a bee’s nest, but it looks like it became chocolate. 「*MoguMogu*......whash thid......*MoguMogu*......Rusho-shan」 「Don’t talk while eating. That was a house of treats magic. In short, it changes any structure into treats」 「House to treats?」 「House?」 Balthazar pointed at the mansion. 「If I casted magic on it, yes. But the mansion’s not okay, alright? Everyone’s living there after all」 「......Lucio-chan, come here okay?」 I stood up being pulled by Balthazar. And just like that, I was forcefully taken away. We arrived at the back of the mansion. There is a huge dog house there, and Coco is napping curled up inside. Coco who is a beast-kin stays a lot of times inside the mansion, but there are also times when she would feel relaxed in this really dog-house looking place. “Don’t tell me, she wants to eat Coco’s house......?”, I thought, but we passed by. Moving further ahead, we arrived at the back of the back of the mansion that we usually won’t visit. In there was a deserted-looking storage that stopped being used. 「This is house too you know?」 「You want to eat it?」 Balthazar nodded clearly and had her eyes sparkling. 「I got it. 『Hexen House』」 I used magic on the storage shed and changed it into a house of treats. As soon as I finished using the magic, Balthazar immediately jumped onto it. 「It’s sweet and delicious」 「Let me have a taste......oh, the window’s like candy」 「The door tastes like cookie you know?」 「The wall became a sponge cake. Un, it’s good」 Balthazar and I ate the shed. There was too much of it to eat everything, so it’s like tasting this and that. 「W-What are you doing, Lucio?!」 「Eh」 I turned around, and saw Veronica looking at me like she was struck by a lightning bolt. 「......ah!」 I noticed the reason for her surprise. 『Hexen House』changes structures into a house of treats, but it still looks the same. In short, for Veronica who does not have any clue, Balthazar and I are eating a half-destroyed storage shed. Well, she can’t be blamed to make such a face. 「To think that......Lucio has such a hobby」 「Wait, don’t misunderstand. Balthazar, you go and explain too」 「Waa?, there’s Kumo-chan’s house too, Lucio-chan should eat this too you know?」 She plunges a spider’s net into my mouth. 「Delicious?」 「It’s like cotton candy」 「Waa?.」 I should let Chou-chan eat it too. I’ll make her clear her long-standing grudge you know?」 Balthazar peeled off the spider’s nest that sticks to the storage shed, and ran off to somewhere. 「To eat even a spider’s nest......on top of that, he even said it tastes like cotton candy......」 Veronica bursts into tears. 「To think that my husband is such a person」 「Wait a second, I’ll explain it okay」 It was almost a divorce crisis, I stopped Veronica from leaving, desperately explained to her the magic, and was somehow able to make her convinced. After that, the storage shed was eaten deliciously by our family.
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春眠暁を覚えず。 この日も朝からずっと、シルビアとナディアで、ベッドの上でごろごろした。 魔法を使わなくてもベッドの上は温かくて快適で、すごく快適にごろごろできた。 「あっ......」 横でシルビアが声をだしたから、彼女の方を向く。 目が半開きで、目覚めたばかりみたいだ。 「夢......なの?」 なんだ夢を見てたのか。 シルビアはしばらくきょろきょろしてから、また目を閉じてそのまま寝た。 寝顔は気持ちよさそうだ。それを見てるだけでおれは幸せな気持ちになった。 「シルヴィ、なんの夢を見てたんだろ」 ナディアの方を見た。ナディアの方はごろごろしてるけど完全に起きてる。 「なんの夢なんだろうな」 「えへへ......ルシオ様ぁ......」 シルビアが寝言を言った。 「ルシオくんの夢を見てるらしいね」 「そうみたいだな」 「どんな夢なんだろ.....寝する位だから、いい夢だよね」 その気持ちはわかる。 いい夢を見て、も見たくて二度寝して、それでもっといい夢を見る。 それはおれにも経験がある事だ。 「どんな夢なのか、あとでシルヴィに聞いてみよっと」 「......なんだったら今のぞいてみるか?」 ナディアに提案した。 「のぞくって、どうやって?」 「魔法」 「できるの!?」 驚くナディア、ベッドの上からパッと起き上がった。 顔がワクワクしてる、やれるのなら是非やりたい、そんな顔だ。 おれも体を起こす。丁度そう言う魔法を魔導図書館で覚えてきたばかりだ。 「やるか?」 「うん!」 「ならおれの手を掴んでて」 「こう?」 「それでいい、いくぞ――『ドリームキャッチャー』」 呪文を唱えて、魔法の光が二人を包み込む。 目の前が真っ白になった、全身を浮遊感が包んだ。 しばらくして、ぼんやりとした背景のないところにやってきた。 「ここは――あっ、この感じ、夢だ」 ナディアはすぐに理解した。ふわふわとしてて、焦点があってなくて背景とかがないこの感じ。 夢の中、明晰夢を見た時の感じそっくりだ。 「ここがシルヴィの夢の中?」 「ああ、そう言う魔法だ」 「さて、シルビアはどこかな」 ナディアにおだてられながら、シルビアの姿を探す。 ふわふわとした夢の世界の中、それはすぐに見つかった。 「あれ、シルヴィ?」 ナディアがわからないのも無理はなかった。 なぜならそこにいたのは大人版のシルビア。先日のパーティーでおれが魔法をかけて大人の姿にしたのとまったく同じシルビアだ。 彼女の横に一人の男がいる。 ......メチャクチャキラキラしてて、イケメンの男だ。 「じゃああっちはだれ?」 「......誰だろうな」 おれはすっとぼけた、あまり言いたくなかった。 ナディアはしばらくじっとみつめて、ポン、と手を叩いた。 「わかった、あれルシオくんだ!」 「......」 「そうでしょ」 「......ああ」 おれは苦い顔をして頷いた。 そう、そこにいるのはおれだ。シルビアと同じように大人になったおれだ。 しかしそれはメチャクチャイケメンだった。おれが魔法をかけて大人にした自分よりも遙かにイケメンだ。 かなり美化されていて、あれがおれだ、っていうのが恥ずかしいくらい美化されてる。 そんな夢の中のおれとシルビアが向き合っていた。 「ルシオ様、あなたはどうしてルシオ様なの?」 おいおい。 「キミと出会うためさ」 うげえ......。 背中に悪寒が走った。夢ルシオの台詞で全身に鳥肌が立ってしまった。 こんな夢を見てるのかシルビアは。 「ああ......ルシオ様かっこいい」 いやいや......。 「甘い、甘すぎる!」 ナディアが大声をだして、大人の二人の間に割って入った。 「な、ナディアちゃん?」 「甘すぎるよシルヴィ。ルシオ様はこんなんじゃない」 どうやらシルビアの夢を――ある意味妄想を止めに入ったみたいだ。 軌道修正してくれるみたいだから、様子を見る事にした。 「じゃあ、どうなの?」 目を閉じて、額に人差し指をあてて考えるナディア。 「こんな感じ!」 ぱっと目をあけて言った後、夢のおれ――夢ルシオが姿を変えた。 それは一言で言えば......覇王だった。 精悍な顔つき、王冠つけてマントをなびかせ、自信に満ちた顔で遠くを見つめている。 その視線はやがて二人に注がれ。 「シルビア、ナディア。取りに行くぞ――世界を」 「はい! ルシオ様」 「ああんもうどうにでもしてルシオくん!」 うっとりしきった目のシルビア、自分を抱きしめるポーズで体をくねくねさせるナディア。 覇王ルシオのことを、二人とも気に入ったみたいだ。 「でも、これもちょっと違うかな」 「じゃあシルヴィが本当のルシオくんを見せてよ」 「うん、ちょっとまってて」 今度はシルビアが考える番になった。 しばらく考えた後、同じように夢のおれが姿を変える。 覇王ルシオと大体同じだった。 違うのは服装の色が白メインになってて、マントはあるけど、王冠はなく代わりに頭の上に輪っかが浮かんでいる。 おい......それってまさか。 「われはこの世の全てをすべし神なり」 やっぱり神かよ! つうか、やけに俗っぽい神だなおい! 「すごい......やっぱりルシオ様だわ」 「うん、ルシオくんじゃん......」 「えええええ?」 思わず声に出てしまった。あんなんでいいのか? ぶっちゃけこの神より、最初のイケメンの方がよっぽど普通にいいと思うぞおれは。あれはあれでちょっとアレだけど! 「ねえシルヴィ、このルシオ様だと偉いのはぎりぎりで届くけど、かっこよさが足りないって気がするの」 「そっか......でも難しいよ、だってルシオ様はすごくてかっこいいんだから、わたしの想像力じゃ追いつかないよ」 ......。 「それ賛成。そうだ、二人で一緒に考えてみようよ。あたし達二人なら一番素敵なルシオくんを作り出せるよ」 盛り上がるシルビアとナディア。 おれは二人を置いて、夢から出た。 ベッドに戻ってきたおれは、顔が火を噴きそうな位恥ずかしかった。 覇王とか、神とか、しかもそれでもまだ足りないとか。 ......なんか美化されすぎて、ちょっと恥ずかしい。 「ルシオ様......素敵」 「ルシオくん......素敵」 いつの間にかお手々をつないで寝ている二人の嫁。 顔はにやけてて、いかにも幸せそうだ。 本気でおれのことをそんな風に思ってるみたいで、おれはますます、恥ずかしくなったのだった。
In spring one sleeps a sleep that knows no dawn. From the morning this day, Sylvia and Nadia, the three of us, were laying down on top of the bed. On top of the bed was warm enough even if magic weren’t used, so we were laying down very comfortably. 「Ah!......」 I heard Sylvia’s voice from the side, so I looked towards her. Her eyes were half-opened, and it looks like she just woke up. 「Is it......a dream?」 Oh, she was seeing a dream huh. Sylvia looked around restlessly for awhile, but then closed her eyes again and went to sleep. Her sleeping face looks very comfortable. Just by looking at her, I felt very happy. 「Sylvie, I wonder what dream she is seeing」 I looked towards Nadia. In Nadia’s case, she was laying around but she was completely awake. 「Yeah, I wonder what kind of dream it is」 「Ehehe......Lucio-sama?......」 Sylvia said in sleep talk. 「It looks like she’s seeing a dream about Lucio-kun」 「It seems like that」 「I wonder what kind of dream is it......she even slept the second time for it, so it’s a good dream right」 「Yeah」 I know that feeling. Seeing a good dream, sleeping the second time to see it again, and see the good dream for a longer time. That is also something that happened to me before. 「What kind of dream it is, let’s ask Sylvie later」 「......if you want, we can take a peek right now?」 I suggested to Nadia. 「Take a peek huh, how?」 「Magic」 「You can do that?!」 Nadia was surprised, raising her body on the top of the bed very quickly. She was like “I’m so excited, if you can do it, let’s do it”, it was that kind of face. I also raised my body. Just exact, I just remembered that kind of magic from the Grimoire Library. 「You want to do it?」 「Then, hold my hand」 「Like this?」 「That’s okay, let’s goーー『Dream Catcher』」 I chanted the spell, and the light of the magic enveloped the two of us. It became pure white before our eyes, and our whole body was enveloped by a floating feeling. After a while, we came to a place that was vague and has no background. 「This isーーAh! This feeling, it’s a dream」 Nadia understood quickly. It felt very fluffy and cloudy, it felt like the sight wasn’t focus and has no background. Inside the dream, it felt exactly just like seeing a lucid dream. 「Is this inside Sylvia’s dream?」 「Yeah, it’s that kind of magic」 「Well now, I wonder where Sylvia is」 While being praised by Nadia, I searched for Sylvia’s appearance. Inside the fluffy and cloudy dream world, I saw that immediately. 「A-re, Sylvie?」 It was not Nadia’s fault that she didn’t know. For the reason, the one who was there was the grown-up version of Sylvia. It completely looked like Sylvia’s grown-up appearance that I casted on her during the party the other day. Beside her, there was one man. ......a super dazzling, handsome man. 「Then, who is that?」 「......who knows」 I beat around the bush, I didn’t really like to say it. Nadia stared intently for a while, and *Pon* she hit her hand. 「I got it, that is Lucio-kun!」 「......」 「That’s correct right」 「......yeah」 I nodded with a bitter face. Right, that who was right there, was me. It was me who grew up just like Sylvia. But, that was super duper handsome. That was far, more handsome that the grown-up that I casted on myself. It was quite beautified, it was so beautified that it was so embarrassing to say “That is me”. With “me” inside the dream, Sylvia faced each other. 「O Lucio-sama, why art thou Lucio-sama?」 Oi oi. 「It was because I was destined to meet you」 Ughe......... Chills ran from my back. Chills ran throughout my body because of the lines of Dream Lucio. Sylvia was, seeing this kind of dream huh. 「Ahh......Lucio-sama, so cool」 No, no...... 「That’s cheap, that’s too cheap!」 Nadia let out a loud voice, and got between the two grown-ups. 「N-Nadia-chan?」 「That’s too cheap, Sylvie. Lucio-kun isn’t something like this」 It looks like she came to stop Sylvia’s dreamーーor delusions in a way. It seemed like she was going to put it back on tracks, so I just looked on how it would go. 「Then, how is it?」 Closing her eyes, Nadia thought while placing her pointing finger in her head. 「Just like this!」 After she opened her eyes in an instant and said that, the “me” inside the dreamーーDream Lucio changed his appearance. That is, saying it with a word...... it was an Overlord. With a fearless face, wearing a fluttering mantle and a crown, looking afar with face full of confidence. And finally, his sight poured into the two. 「Sylvia, Nadia. We’re going to take itーーwe’re going to take the world」 「Yes! Lucio-sama」 「A?n, you can do whatever you want Lucio-kun!!」 Sylvia with her eyes mesmerized, Nadia who was hugging her own body and was wiggling. The Overlord Lucio, it looks like they both liked it. 「But, this is also, somehow different」 「Then, Sylvie should show the real Lucio-kun」 「Un, wait a minute」 This time, it was Sylvia’s turn to think. After she thought for a while, the “me” inside the dream changed just as earlier. It was almost the same with Overlord Lucio. The difference was the color of the clothes was mainly white, a mantle was worn, but instead of a crown, there was a ring floating in the top of its head. Oi......don’t tell me that is. 「I am, the God thou shalt own this world」 It was really a god! I mean, that’s too cheap for a god huh! 「Amazing......as I’ve thought, it was Lucio-sama」 「Un, it’s Lucio-kun......」 「Ehhhhhhh?」 I let out a voice instinctively. Is something like that okay? Honestly, rather than that god, I’m starting to think that the first one, the handsome one looked normal compared to that. That was somehow, feels like “that” though! 「Ne? Sylvie, this Lucio-sama is good enough because he’s majestic, but I think that he’s not cool enough」 「Is that so......but, it’s hard you know, Lucio-sama is super cool, so my imagination can’t catch up」 ...... 「I agree with that. I know, let’s think about it together. If it was the two of us, we can create the coolest Lucio-kun」 Sylvia and Nadia was fired up. I left the two, and came out from the dream. When I came back to the bed, I was so embarrassed my face feels it’d burn into flames. Something like an Overlord, or a God, but still, saying something like that wasn’t enough yet. ......somehow, I was so much beautified, it’s a bit embarrassing. 「Lucio-sama......so cool」 「Lucio-kun......so cool」 My two wives were holding their hands while sleeping when I noticed it. Their faces were grinning, showing how happy they were. It seemed like they were seriously thinking of me like that, so I got more and more embarrassed.
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そして迎えた予選当日の朝。 「おかえり。早かったね」 宿屋のベッドに腰かけて相棒を磨いていると、ノワールさんが買い物から帰ってきた。 さっき出かけたばかりだし、店が閉まってたのかと思ったけど......ノワールさんは紙袋を手にしている。 欲しいものが見つかったのかな? 「貴方、ここでなにをしているのかしら?」 「見ての通り、相棒を磨いてるんだよ」 魔法杖 こいつと出会って約3ヶ月、俺は魔法使いらしい戦いをしていない。つまり新品同然なわけだけど、相棒は真新しさの欠片もなかった。 なにせ真っ暗な洞窟を歩いたり、魔物に体当たりされたり、地中に埋まったり、世界樹に挑んだり――とにかく色々あったからな。 服がぼろぼろになり、クツがぼろぼろになり、カバンがぼろぼろになったように、俺の懐で眠っていた相棒も汚れてしまっていたのである。 「今日は魔法使いとしてのデビュー戦だからね! 予選が始まるまで時間があるし、磨くことにしたんだよ!」 「もうじき予選が始まるわ。貴方は5時間くらい魔法杖を磨いているのよ」 「そんなに......?」 うきうきしていた俺は、急に冷静になる。 予選は正午に開幕だ。俺が起きたのは日が昇って間もない頃だし、まだまだ余裕があると思っていたけど......磨くのに夢中になりすぎたっぽいな。 「予選には間に合うのかしら?」 ノワールさんが心配そうにたずねてくる。 「予選会場は近所にあるからね。走れば間に合うよ」 王都にの予選会場があり、俺は片道5kmのところにある技場で戦うことになっている。 3日間行われる予選を勝ち抜けば、宿屋の向かいにある本戦会場で戦うことができるのだ。 宿屋を提供してくれたスウスちゃのためにも、まずは予選を勝ち抜かないとな! 「いまのうちに、これを貴方に渡しておくわ」 ノワールさんは紙袋からローブを取り出した。 モーリスじいちゃんが羽織っていたのと同じような、いかにも魔法使いっぽいローブだ。 「これ、俺に?」 ノワールさんはこくりとうなずく。 「貴方は私に『外カリッ、中もふっ♪ もっちりもちもちほっぺがとろける夢のめろめろメロンパン』をプレゼントしてくれたわ。これはそのお返しよ」 自分のお金で買いたいものって、俺へのプレゼントだったのか......。 「ありがと! さっそく着てみるよ!」 ローブに袖を通すと、それだけで大魔法使いっぽい気分になってきた。 「どうかな? 魔法使いっぽく見える?」 ぴかぴかの相棒を構え、ノワールさんに感想を求める。 少なくとも武闘家っぽさは薄れたと思うけど......どうだろ。似合ってなくても魔法使いになったことに変わりはないけど、できれば似合っていてほしいな。 「どの角度から見ても魔法使いだわ」 よしっ! 今日からこのローブを毎日着ることにしよう! 「だけど......ちょっと細くなってる気がするわ」 「細くなってるって......俺が?」 自分ではわからないけど、痩せてきたのかな? 「貴方じゃないわ。細くなってるのは相棒のほうよ」 「うそ!? ......ほんとだ」 ぴかぴかの相棒は、たしかにスリムになっていた。 バナナの皮を剥く前と剥いたあとくらいの差だ。 「どういう磨き方をしたのかしら?」 「指で擦ってたんだよ」 「なぜ布で磨かなかったのかしら?」 「最初は布で磨いてたんだよ。けど、途中から布より指で擦ったほうが汚れが落ちることに気づいてね」 「知らないうちに指紋で相棒を削っていたのね?」 「みたいだね......」 正直、すごくショックだ。 先代の相棒みたいに柄から先が消滅するよりはマシだけど......大事な相棒を、あろうことか俺の手で削ってしまったんだからな。 「痩せてるほうがかっこいいわ」 落ちこんでいたところ、ノワールさんがぽつりと言った。 「......そう? かっこいい......のかな?」 まじまじと相棒を見つめる。 言われてみれば、スタイリッシュでかっこいい気がするな。 魔法杖としての機能は損なわれていないわけだし、考えようによってはオリジナルの魔法杖を作ったってことになる。 世界にひとつしかない俺だけの魔法杖だと思うと、ますます愛着が湧いてきた! 「ノワールさんの言葉に救われたよ。俺、この魔法杖で必ず優勝してみせるからね! そして相棒みたいに一皮剥けてみせる――必ず成長してみせるよ!」 「貴方を応援しているわ」 「ありがと! ノワールさんに直接応援してもらえるよう、まずは本戦に出場できるよう全力を出すよ!」 「貴方が全力を出すと、対戦相手が消えてしまうわ」 「さすがに魔王みたいにはならないと思うけど......」 結界があるし、対戦相手が物理的に消滅することはありえないのだ。 「とにかく心配いらないよ。全力を出すといっても、魔法使いとして戦うからさ」 俺は魔法使いとして戦ったことがないのだ。 武闘大会は、魔法使いとしての戦い方を学ぶ絶好の場なのである! この機を逃すのはもったいないし、大会中は武闘家としての力を封印するつもりだ。 「じゃ、行ってくるよ!」 「貴方の帰りを待ってるわ」 ノワールさんに見送られ、俺は第三闘技場のある広場へと急ぐのだった。 予選期間中は武闘大会の関係者以外立入禁止なのだろう。ひと気のない広場にたどりついた俺は、ドーム型の建物へと向かった。 第三闘技場である。 「参加者の方ですか?」 会場に入ろうとしたところ、入口前に立っていた女のひとに呼び止められる。 「はい。アッシュ・アークヴァルドです」 受付さんは名簿をチェックする。 「アッシュ......ああ、ありました。ではこちらの箱から番号札をお引きください。箱のなかは覗かないようにお願いしますね。......といっても、あなたが最後なんですけどね」 「時間ぎりぎりになってしまってすみません。......2番です」 「では、それを目立つところにつけてください」 番号札を胸元につけ、受付さんと一緒に会場内へと身を移す。 広々とした会場には、四方を支柱に囲まれたリングがたくさん設けられていた。そのまわりには大勢の選手が散らばっている。 みんな俺より遙かに格上の魔法使いだ。 魔法使いとしての格の違いを見せつけられ、俺は悔しい思いをするだろう。 その悔しさを乗り越えることで、俺は精神的に強くなる。そして魔力が上がるのだ。 世界樹での修行を経て、俺の魔力の質は上がったからな。ちょっと魔力が増えただけで、魔法使いとして飛躍的な成長を遂げることができるのだ。 だからこそ、一戦一戦を無駄にしないように戦わなければならないのである! 『ご静粛に願います!』 で声を大きくしているのだろう。闘技場に運営さんの声が響き渡り、ざわついていた会場が静まりかえる。 『本日はお集まりいただき、まことにありがとうございます! さっそくではございますが、ルール説明を行わせていただきます!』 ルールはシンプルだった。 今日のところは8人1ブロックに分かれてトーナメント戦を行い、各ブロックを1位で通過した選手が明日の2次予選に参加できるらしい。 本戦に出場できるのは8人なので、ひとつの会場から本戦に進出できるのは2人までってわけだ。 『勝利条件は、対戦相手を降参もしくは失神させることです! 以上でルール説明を終わります! それではリングへの移動をお願いします! 番号札1番から8番までの方は第1ブロック、9番から16番までの方は第2ブロック――』 さっそく第1ブロックのリングへ向かうと、さっきの受付さんがいた。どうやら第1ブロックの審判を務めるらしい彼女に指示され、俺はリングに上がる。 と、同じタイミングで番号札1番のひとがリングに上がった。 「ふぉっふぉっふぉ。この張り詰めた空気......ひさしいのぅ。血が騒ぐのぅ」 対戦相手は、いかにも魔法使いっぽい感じのおじいさんだ。 同じようにいかにも魔法使いだったモーリスじいちゃんは武闘家だったけど、このひとは正真正銘の魔法使い。しかもかなりの強者らしい。 その証拠に―― 「あれは......まさか、マスター・ポルタか!?」 「あ星ハンターのか!?」 「現役を引退したと聞いていたが......まさかこんなところに現れるとはな!」 第1ブロックのひとたちがざわついていたのだ。 そればかりか、ほかのブロックのひとたちも注目しているようだった。 ハンターってのはよくわからないけど......きっと魔物を倒してお金を稼ぐひとのことだろう。 生きるか死ぬかの戦いを何度となく経験してきたマスター・ポルタさんは、まさに強者なのである! 「マスター・ポルタ。あなたの戦いをジャッジすることができ、光栄に思います」 審判さんが緊張した面持ちで挨拶をしている。 審判さんと同じく、俺も光栄に思っている。 初戦から高名な魔法使いと戦えるのは、本当にラッキーなことなのだ。 この一戦はかなり貴重な経験になる! マスター・ポルタさんの一挙手一投足に注目し、魔法使いとしての身のこなしを学ばないとな! 『それでは第1ブロック第1戦を始めます! 互いに、礼っ!』 「よろしくお願いします!!!!!!!!!!」 ドゴォォォォォォォォォォォン!!!!!!!! 挨拶した瞬間、闘技場が崩壊した。 挨拶の直撃を受けたマスター・ポルタさんは超スピードで壁際に吹き飛んでいき、同時進行で瓦礫のシャワーが選手たちを押し潰す。 天井の崩落が収まったとき、立っているのは俺ひとりだった。 「......」 どうやらやってしまったらしい。 建物の老朽化が原因とは思えないし......これ、俺の挨拶のせいだよな? 結界がある以上、怪我人はいないはずだけど、みんな失神してしまっている。 目覚めたときにパニックが起きないよう、まずは審判に事情を伝えておかないとな! 「すみません! 起きてください! すみません!」 近くに倒れていた審判さんに声をかけると、まぶたを数回痙攣させたあと、目を開いた。 「......えっ? えっ!?」 審判さんは変わり果てた会場内を見て戸惑っている。 「な、なにが起きたの!? 起きてるのはきみだけ!? マスター・ポルタさんは!? 選手の方々は!?」 「選手のひとたちは、そのへんにたくさんいます。マスター・ポルタさんは......俺の挨拶の直撃を受けて、吹き飛びました」 「吹き飛んだの!? 挨拶で!? 会場もろとも!?」 めちゃくちゃ戸惑われたけど、真実である以上、俺には肯定することしかできない。 「はい。すべての責任は俺にあります」 すみませんと頭を下げると、審判さんはどこかに電話をかけ始めた。 偉いひとと話しているのか、敬語だ。 「あなたの処遇が決まったわ」 通話を終えた審判さんが言う。 処遇か...... 「大会への永久出場停止処分ですか? それとも、国外追放ですか......?」 審判さんは首を振る。 「出場停止どころか、あなたは本戦出場よ」 えっ? 「本戦出場ですか?」 「そうよ。あなたは本戦に出場するだけの実力を持っているわ」 「ですけど......予選はいいんですか?」 「というより、予選には出ないでほしいわ」 「なぜです?」 「あなたが戦うと、会場が壊れてしまうかもしれないもの。選手のみなさんにはべつの会場で、あなた抜きで戦ってもらうわ。ただ、マスター・ポルタさんは敗退扱いになるけどね」 「そうですか......」 マスター・ポルタさんと戦いたかったけど、敗退扱いじゃ戦うことはできないな。 本戦には選りすぐりの強者が集まるわけだし、そっちはしっかり戦えるように気をつけよう! 「さて。さっき電話で応援を呼んだから、瓦礫の撤去や選手への説明なんかは我々運営に任せなさい」 そうして本戦出場を言い渡された俺は、宿屋に引き返すことになったのだった。
And the morning of the qualifying day I welcomed you. "Welcome back. That was fast." Mr. Noir came back from shopping as he sat on the bed of the inn and polished his partner. I just went out, and I thought the store was closed... Mr. Noir has a paper bag in his hand. Did you find what you wanted? "What are you doing here? "As you can see, I'm polishing my partner." A buddy is a magic wand (Withers Rod). About three months after I met this guy, I haven't fought like a wizard. I mean, it's brand new. So it's the same, but my partner didn't have any shards of brand new. Anyway, walking in a dark cave, being hit by demons, buried in the ground, challenging world trees - because there was so much going on anyway. My partner, who slept in my nostrils, had also become dirty, as his clothes had melted, his knuckles had melted, and his bag had melted. "It's my debut as a wizard today! I've got time to start qualifying, and I've decided to polish it! "We're just about to start qualifying. You've been polishing your magic wand for about five hours." "So......? I was groaning, and suddenly I calmed down. The qualifying round opens at noon. I woke up not long after the sun went up, and I still thought I could afford it... but you seem too obsessed with polishing it. "Will you be able to qualify in time? Mr. Noir seems worried. "The qualifying venue is in the neighborhood. If you run, you'll make it." There are four qualifying venues in Wang Du, and I'm supposed to fight in the Third Arena, five kilometers each way. If you win the qualifying round for three days, you will be able to fight at the main battle venue across the street from the inn. For the Swiss family, who offered us a place to stay, we have to win the qualifying round first! "I'll give this to you right now." Mr. Noir took the robe out of the paper bag. It's a wizard-like robe just like Grandpa Maurice used to weave his feathers. "This to me? Mr. Noir nods coldly. "You gave me a" Melon Bread with a Melting Dream with a Chicken Cheek and a Chicken Bread ". This is in return." Was what you wanted to buy with your own money a gift for me... "Thanks! I'll just try it on! When I put my sleeve through my robe, that just made me feel like a big wizard. "What do you think? Do I look like a wizard? Set up a picky partner and ask Mr. Noir for his thoughts. At least I think the militant look faded...... what do you think? Even if it doesn't look good on you, it doesn't make any difference that you've become a wizard, but I hope it looks good on you, if possible. "He's a wizard from every angle." Yikes! Let's start wearing this robe every day today! "but... I think it's getting a little thinner" "Thinner... me? I don't know for myself, but have you been losing weight? "It's not you. It's your partner who's thinner." "Liar!?... really." Pikapi's partner was slim indeed. That's about the difference between peeling the banana and peeling it off. "How did you polish it? "I was rubbing it with my fingers." "Why didn't you brush it with a cloth? "I was polishing it with cloth at first. But realize that rubbing with your fingers is better than rubbing cloth from the middle of nowhere." "You were scraping your partner with your fingerprints before you knew it, right? "Sounds like..." Honestly, I'm so shocked. It's better than the first disappearing from the pattern, like my predecessor's partner... because you've scraped off your precious partner with my hand. "It's cooler to be skinny." I was depressed, and Mr. Noir said it was pompous. "... right? Cool...... is it? Seriously, I stare at my partner. If you ask me, don't feel stylish and cool. Its function as a magic wand is not compromised, and depending on what you think, it means that you made the original magic wand. When I think I'm the only magic wand in the world, I'm getting more and more attached! "I was saved by Mr. Noir's words. I'll make sure you win with this magic wand! And I'll peel it off like a partner - I'll make sure it grows! "I'm here for you." "Thanks! I'll do everything I can to get Mr. Noir to support me directly in this fight first! "If you do your best, your opponent will disappear." "I don't think you're just going to be like the Demon King..." There are boundaries, and it's impossible for an opponent to physically vanish. "Anyway, don't worry about it. I will fight as a wizard, even if I do my best." I've never fought as a wizard. The Martial Arts Games are a great place to learn how to fight as a wizard! It would be a waste to miss this opportunity, and I intend to seal my powers as a militant during the Games. "Okay, I'm coming! I'm waiting for you to come home. Mr. Noir dropped me off and I rushed to a square with a third arena. I guess access is forbidden during the qualifying period except for those involved in the militant tournament. I made my way to a domed building when I walked up to an uninspiring square. It is the third arena. "Are you a participant? When I tried to enter the venue, I could be stopped by one of the women standing in front of the entrance. "Yes, this is Ash Arkvald." The receptionist checks the roster. "Ash...... oh, there was. Then please pull the number tag from this box. Please don't peek inside the box. Even so, you're the last one." "Sorry I'm running out of time.... it's number two" "Now put that on the spotlight" Put the number tag on your chest and transfer yourself to the venue with the receptionist. The spacious venue was equipped with lots of rings surrounded by struts on all sides. There are a lot of players scattered around it. They're all wizards far above me. They show me the difference in character as a wizard, and I will regret it. Overcoming that remorse makes me spiritually stronger. And the magic rises. After my training in the World Tree, my magic quality has improved. With just a little more magic, you can grow exponentially as a wizard. That is why we must fight to avoid wasting every single battle! "I pray you be silent! I guess he's louder with loud magic (voice upper). Operator's voice echoes in the arena and the venue he was bothering to quiet down. 'Thank you so much for coming together today! Not now, but let me explain the rules! The rules were simple. So far today, he's divided into eight people per block for a tournament match, and players who pass each block in first place can participate in tomorrow's second qualifying round. Since there are eight of us who can compete in the main battle, there are only two of us who can enter the main battle from one venue. 'The winning condition is to surrender or faint the opponent! That concludes the rule description! Now please move to the ring! Block for those with number tags to and Block for those with numbers to 16 -' I just headed to the ring on the first block, and there was an earlier receptionist. Apparently, she's going to serve as the judge for the first block, and I'm going up to the ring. and at the same time one of the number tag number one went up to the ring. "Whoa, whoa. This stuck air... it's creepy. Blood's making a scene." The opponent is a grandfather who feels like a wizard. Likewise, he was a wizard. Grandpa Maurice was a militant, but this one is a true wizard. And he seems to be quite a strong man. To prove it... "Is that... is that Master Porta!? "Are those eight star hunters!? "I heard you retired from active duty... but I didn't expect you to show up here! One of the first blocks was on purpose. All that or one of the other blocks seemed to be paying attention. I'm not sure what a hunter is... but I'm sure it's about the one who makes money knocking down demons. Master Porta, who has gone through many battles between living and dying, is just the mighty one! "Master Porta. I am honored to be able to juggle your battle" The referee greets him with a nervous face. Just like the referee, I'm honored. You're really lucky to be able to fight a famous wizard from the first war. This fight will be a pretty valuable experience! I need to pay attention to Master Porta's every step of the way and learn how to be a wizard! 'Then we shall begin the first block, the first battle! Mutual, thank you! "Thanks!!!!!!!!!" DOGOOOOOOOOOOOOOO!!!!!! The moment I greeted him, the arena collapsed. Taking a direct hit from the greeting, Mr. Master Porta blows up on the wall at super speed, and a shower of debris crushes the players at the same time. When the ceiling collapsed, I was the only one standing. ...... Apparently, I've done it. I don't think it's caused by the aging of the building... and this is because of my greeting, right? There shouldn't be any more injuries than there are boundaries, but we're all fainted. I need to tell the referee what happened first so I don't panic when I wake up! "Excuse me! Please wake up! Excuse me!" Speaking to the referee who was falling nearby, he opened his eyes after cramping his eyelids a few times. "... Huh? What!?" The referee is bewildered when he looks inside a changed venue. "Hey, what happened!? You're the only one awake!? What about Master Porta?!? Athletes!? "One of the athletes is plenty around. Master Porta... took a direct hit from my greeting and blew it off" "You blew it!? Say hello!? All venues!? I was so confused, but all I can affirm is that it's more than true. "Yes, I'm responsible for everything." If you'll excuse me and bow your head, the referee started calling somewhere. You're talking to the great one, it's a tribute. I've decided what to do with you. Says the referee who finished the call. Treatment... "Are you permanently suspended from the tournament? Or is it expulsion from the country......? The referee shakes his head. "Instead of stopping, you're in the game." Huh? "Are you in the main battle? "That's right. You have the strength to compete in this battle." "But... are you sure you want to qualify? "I'd rather you didn't qualify." "Why? "Something that could break the venue if you fight. Athletes will fight without you in every venue. However, Master Porta will be treated as a defeat." "Really..." I wanted to fight Mr. Master Porta, but you can't fight with defeat. The main battle brings together a selection of strong men, and be careful so you can fight them well! "Well, I called for backup earlier, so leave it to us to clear the rubble and explain it to the players." That's how they told me to go to the main battle, and I was supposed to turn back to the inn.
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その日の朝。 俺はフェルミナさんの寝室で目覚めた。 手頃な空き部屋がなかったため、みんな揃ってフェルミナさんの寝室で寝ることになったのだ。 フェルミナさんの両親も俺を信用してくれているのか、娘の寝室で寝ることに反対はしなかった。 「早起きね」 俺が身体を起こすと、ノワールさんが言った。 ベッドに腰かけたノワールさんは、すでにパジャマから普段着に着替えていた。 「ノワールさんこそ早いな」 そう言って、俺は室内を見まわす。 フェルミナさんはベッドで寝息を立てていて、エファは俺のとなりで毛布にくるまっている。 昨日はエファの買い物につきあったり、フェルミナさんの買い食いにつきあったり、ノワールさんが迷子になったりした。 思う存分にルチャムを満喫したことで疲れがたまったのか、日が暮れる頃にはノワールさんたちはへとへとになっていた。 「充分寝たわ」 ノワールさんたちはシャワーを浴びてすぐに寝てたし、たしかに睡眠時間としては充分だ。 いつ起きるかわからないし、エファたちが眠っているうちにノワールさんの予定を確かめておこうかな。 「ノワールさんは休日の過ごし方とか決めてるのか?」 「決めてないわ」 「そっか。じゃあさ、もしよかったら俺につきあってくれない?」 ノワールさんは即答した。 まだなにをするかも話してないんだけど......。 「んんっ、もう朝かな?」 「ふわあ......おはようございますっす、師匠」 俺たちの話し声で、ふたりが目を覚ました。 ノワールさんに予定がないことはわかったし、具体的なことはふたりきりになってから話そうかな。 その日の昼下がり。 「それじゃあまた学院でねっ! ばいばーい!」 フェルミナさんに見送られ、俺たちは駅へと向かう。 昨日の経験から顔はフードで隠しているため、誰にも正体がばれることなく駅にたどりつくことができた。 「あれ? どうしたんすか師匠? きっぷ売り場は向こうっすよ」 駅前で立ち止まると、エファが不思議そうにたずねてきた。 「ちょっと用事があってな。もうしばらくルチャムにいるよ」 「もしかして、わたしを見送るためについてきてくれたんすか?」 「まあ、そんなところだ。しばらくエファに会えなくなるしな」 俺の言葉に、エファは嬉しそうな顔をした。 「わたし、お家に帰っても毎日修行するっす! また師匠とノワールさんに会える日を楽しみにしてるっすよ!」 「ああっ。また学院で会おうな!」 「はいっす! それではおふたりともお元気で!」 ぺこりと頭を下げ、エファはきっぷ売り場へと歩き去っていった。 ......さて。 「あのさ。ノワールさんに大事な話があるんだけど」 「聞くわ」 「ここじゃ騒がしいし、もうちょっと静かなところで話すよ」 俺はノワールさんをつれて、ひとけのない場所を探す。 町外れに静かな公園を見つけ、俺たちはベンチに腰かけた。 近くには誰もいないし、ここなら落ち着いて話ができそうだ。 俺はさっそく話を切り出す。 「単刀直入に言うけど......実は俺、ノワールさんの前世に心当たりがあるんだ」 「なにかしら?」 「落ち着いて聞いてほしいんだけど......ノワールさんの前世は《氷の 「そう」 ノワールさんは本当に落ち着いて聞いてくれた。 ......ていうか、さすがに落ち着きすぎだ。 あまりにも薄すぎるリアクションに、俺は戸惑ってしまう。 「びっくりしないのか?」 「びっくりしないわ。前世に興味はないもの」 ノワールさんは本当に興味がなさそうだ。 「実は、ノワールさんの前世の記憶はリングラントさんが消したんだ。そのせいで、ノワールさんの記憶力は落ちてしまったんだよ」 「嬉しいわ」 思い切ってすべてを打ち明けると、ノワールさんに喜ばれた。 「どうして嬉しいんだ?」 「記憶力がよかったら、貴方に勉強を教えてもらえなかったもの」 まさか俺との勉強をそこまで楽しんでくれているとは思わなかった。 「大事な話は、それで終わりなの?」 「ここからが本題だよ。俺はこれから遺跡を巡るんだけど、ノワールさんについてきてほしいんだ」 「ついていくわ」 またしても即答するノワールさんに、俺は石碑について話して聞かせた。 「......私に解読できるかしら?」 ノワールさんはなんだか不安げだ。 「俺は解読できるって信じてるよ」 リングラントさんは『従順な実験体』を手に入れるためにノワールさんの記憶を消したと言っていた。 リングラントさんにとって邪魔だったのは《氷の帝王》だった頃の想い出であり、それ以外は消す必要はなかったはず。 つまりエピソード記憶は消されていても、言語記憶は残っているかもしれないのだ。 言語記憶が残っていれば、石碑を解読することができるのである。 「なんにせよ、実際に遺跡に行ってみないと確かなことは言えないんだけど......」 「私は貴方についていくわ。貴方といると楽しいもの」 「ありがとうノワールさんっ。俺もわくわくしてきたよ!」 石碑に魔力に関する手がかりが記されていれば、俺は魔法使いになれるのだ! 魔法使いになったらやりたいことが山ほどある。 で町へ行き、携帯電話を手に入れる。 そして、いままでお世話になったひとたちと連絡先を交換するのだ! 「よしっ、それじゃあ腹ごしらえをしたら出発だっ! まずは北の遺跡を目指すよ!」 そうして俺とノワールさんの冒険が幕を開けたのだった。
That morning. I woke up in Mr. Fermina's bedroom. There was no affordable room, so everyone was supposed to sleep in Mr. Fermina's bedroom. Mr. Fermina's parents trusted me, too, and I didn't object to sleeping in my daughter's bedroom. Wake up early. When I woke up, Mr. Noir said. Mr. Noir, who sat on the bed, had already changed from a pyjama to a regular outfit. "Mr. Noir is fast." That's what I say, I look around the room. Mr. Fermina is sleeping in bed, and Efa is screwing around in a blanket with me. Yesterday I followed Effa's shopping, Mr. Fermina's buying and eating, and Mr. Noir got lost. Did you get tired of enjoying Lucham in full thought, or by sundown, Mr. Noir and the others were in a hectic state. "I've slept well." Mr. Noir was asleep as soon as he took a shower, and certainly enough as a sleep. I don't know when I'm going to wake up, and I think I'll make sure Mr. Noir plans while the efferents are asleep. "Does Mr. Noir decide how to spend his holiday or something? "I didn't decide." "Oh well. Then why don't you follow me, if you like? "I'll stick around." Mr. Noir responded instantly. We haven't even talked about what we're gonna do yet... "Hmm, is it morning already? "Wow... good morning, master" Our talk woke you both up. I see that Mr. Noir has no plans, and I guess we'll talk about the specifics after we're alone. noon of the day. "See you at the academy! Bubba! Mr. Fermina drops us off and we head to the station. From yesterday's experience, my face is hidden in a hood, so I could reach the station without anyone being able to tell me who I am. "Is that it, Master? There's no other place to sell." When I stopped in front of the station, Effa began to wonder. "I have some business to attend to. I've been in Lucham for a while." "Maybe you followed me to see me off? "Well, that's the place. I won't be seeing Effa for a while." To my words, Efa looked happy. "I train every day when I get home! Looking forward to seeing your master and Mr. Noir again! "Ahhh. See you at the academy! "Yes! Good luck to both of you! He bowed his head, and Effa walked away to the shop. ... Well. "You know what? Mr. Noir has something important to tell you." "I'll ask." "It's noisy here, and I'll talk to you in a quiet place." I'll follow Mr. Noir and find a place where there's no one. We found a quiet park out of town and we sat on the bench. There's nobody nearby, and I think we can talk calmly here. I'll just cut the story out. "Just to be honest... Actually, I know Mr. Noir's past life." "I wonder what? "I want you to calm down and listen... Mr. Noir was a demon king in his previous life called The Ice Emperor." "Yes." Mr. Noir asked me really calmly. ... I mean, it's just too calm. I'm confused by reactions that are too thin. "Aren't you surprised? "I wouldn't be surprised. Something I'm not interested in in in previous life." Mr. Noir doesn't seem really interested. "Actually, Mr. Noir's memories from his previous life were erased by Mr. Ringrant. Because of that, Mr. Noir's memory has fallen." "Glad to hear it." When I revealed everything thoughtfully, Mr. Noir delighted me. "How can you be happy? "If I had a memory, I wouldn't have taught you how to study." I didn't think you enjoyed studying with me that much. "The important thing is, is that it? "That's the real deal from here. I'm going to tour the ruins, but I need you to follow me to Mr. Noir." I told Mr. Noir, who would answer immediately, that I would talk to him about the tablet. "... can you decipher it for me? Mr. Noir is kind of anxious. "I believe I can decipher it." Mr. Ringrant said he erased Mr. Noir's memory in order to obtain an 'obedient experimental body'. It was a memory of when it was "The Ice Emperor" that got in the way for Mr. Ringrant, otherwise it shouldn't have had to be erased. In other words, even if the episodic memory has been erased, the linguistic memory may remain. If linguistic memory remains, stone tablets can be deciphered. "Anyway, I can't say for sure without actually going to the ruins..." "I will follow you. Something fun with you." "Thank you, Mr. Noir. I'm getting excited, too! If the tablet had a clue about magic, I could be a wizard! I have a heap of things I want to do when I become a wizard. First go to town with flying magic (fly) and get a cell phone. And exchange contact details with the ones you've taken care of so far! "Okay, then if you get a tummy, it's time to go! Let's start with the northern ruins! That's how my adventure with Mr. Noir opened.
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目が覚めたとき、俺はぷかぷかと浮かんでいた。 大空を飛んでいるわけじゃない。 地ートルくらいのところに、浮かんでいるのだ。 ......ええと、なにこれ? 俺は寝起き直後の頭をフル稼働させて状況把握に努めるが、まったく理解が追いつかなかった。 とにかく、俺は浮いている。 それはわかった。 けど......俺は、どうして森のなかにいるんだ? 地面は湿った土が剥き出しになっていて、あたりには樹齢一〇〇年くらいの木々がうっそうと生い茂っている。 俺は風に流されるようにして、木々の隙間を縫うように森の奥へと移動しているところだった。 俺に空を飛ぶ力はないし、てことはこいつは魔法だろう。 けど、いったい誰が俺に魔法をかけたんだ? まさか、俺が寝ぼけて俺自身に浮遊の魔法をかけたってことはないだろうし。 を持ってないからな。 そうなると、一番怪しいのは俺の両親なんだけど......。 「父さん? 母さん?」 もしかして、サプライズのつもりだろうか。 そう考えて呼んでみたが、ふたりの反応はなかった。 静まりかえった森のなかに、俺の声が響くのみ。 「ていうか、いつまで浮いたまま――っ」 俺が身をよじった瞬間、急に地面に落下した。 浮遊の効果が切れたみたいだ。軽くジャンプしてみたけど、すぐさま地面に着地する。 「いったい、なにがどうなってるんだ?」 俺に魔法をかけたのが父さんか母さんだとすると、俺を森のなかに追いやったのも父さんと母さんということになる。 どうしてふたりは、俺を家から追いだしたのか。 ......まさか、俺を森に捨てたんじゃないよな? 「い、いやいやいや、そんなまさか......」 俺はその可能性を必死に否定する。 捨てられる理由が思いつかなかったのだ。 いままで大事に育てられてきたし、俺はわがままを言ったことはない。 反抗期は前世の時点で終えているし、両親に反発したことはないのだ。 俺を育てるのは、ほかの子どもより何倍も楽だったはずだ。ちゃんと手伝いもしてきたしな。 そんなわけで、父さんと母さんが俺を捨てたとは考えられない。 そうなると俺が森にいることに説明がつかないのだが、そのへんは父さんと母さんに直接聞いてみればいい。 俺は家に帰ることにした。 「早く帰らないとな」 なにせ今日は待ちに待った魔法杖を買いに行くのだ。 こんなにわくわくしたのはいつ以来だろうか。 少なくとも、転生してからははじめてだ。 「こうしちゃいられないな」 俺は深い森のなかを歩いていく。 歩いて、歩いて、歩いて...... そして―― 「どこだ、ここ......」 完全に迷子になってしまったのだった。 目覚めたときより薄暗くなっているし、どんよりと湿った空気が漂っている。 どうやら森の奥深くに迷いこんでしまったようだ。 普通児なら、泣き叫んでもおかしくない状況――。 だが、俺に恐怖心はなかった。 それは俺の精神年齢がほかの子どもに比べてずば抜けて高いってのもあるが、なにより俺には鍛え抜かれた武術がある。 この世界に転生してからというもの全力を出したことはないが、そこまで衰えてはいないはずだ。 身体は幼くなっているし、筋力だって衰えているが......まあ、猪くらいなら勝てるだろう。 問題は魔物と遭遇することだけど......。 この世界には魔物が存在している、だから不用意に町の外へ出てはいけない――って話は父さんにされたことがあるが、俺は生まれてから一度も魔物を見たことがない。 てことは、魔物なんてそうそうお目にかかれるものではないのだろう。 それに、魔物に勝てないと決まったわけじゃないしな。 「こっちが森の奥深くってことは、逆方向に行けば森を抜けることができるってことだよな」 そうと決めた俺は逆方向に歩を進めるが、いつになってもゴールは見えない。 しかも、すげえ腹が減ってきた。 そういえば、今日はなにも食べていないのだ。そのうえ歩きまわったことで、かなりの空腹感に襲われる。 ちょっとどこかで休むか......。 そんなことを考えながら歩いていると、近くに巨大な岩を見つけた。森のなかに突然出没した岩には、ぽっかりと空洞が空いている。 ちょうどいい、あそこで休むか。 俺は岩に向かって歩を進める。 近づくにつれ、岩はますます巨大に見えた。空洞の上下には氷柱みたいに尖った岩が何本も伸びていて、まるで怪獣の牙みたいな印象を受ける。 そして、空洞の近くには目のようなものがついており...... ぎょろり、と。 眼球が動き、俺を見下ろしてきた。 ずずず、と大地を震わすような音を立て、岩が立ち上がる。 これ、岩じゃねえ! 魔物だ! 魔物なんて見たことないが、俺は直感的に察した。こんな動物がいてたまるか! 『ブモオオオオオオオオオオオオオオ!!』 魔物が威嚇してくる。 次の瞬間、猪を何倍にも大きくしたような魔物は木々を吹き飛ばしながら俺に突進をしかけてきた。 大地が震え、俺はまともに立つのが精一杯だ。 まずい、殺される――! 死に直面した瞬間、 ぶちん、と。 俺のなかでなにかが弾けた。 老人は森を駆けていた。 一〇〇歳とも〇歳とも見て取れる。まっしろな髪と髭を生やした、年老いた男だ。 彼は凄まじいスピードで森のなかを疾走している。 先ほど食事をしていた際、魔物の咆哮を耳にしたのだ。 あれはこの一帯の主たる魔物――ベヒーモスの鳴き声だ。 本来、ベヒーモスはおとなしい生き物だ。 気弱なのではなく、王者の余裕を纏っている。たとえ多くの魔法使いに囲まれようと、落ち着きは失わない。なぜなら、ベヒーモスは強いから。 そんなベヒーモスが、あそこまでの咆哮を響かせた。 どんな状況でも落ち着いている森の主が、威嚇したのだ。 あのベヒーモスが威嚇するなど、ここ三〇年ではじめてだ。 つまり、この森にとんでもないバケモノが現れたということになる。 この森の管理人として、そんなバケモノを放っておくわけにはいかないのだ。 「このあたりじゃったか」 老人は歩調を緩め、用心深くあたりを見まわす。 「! あれは......!」 巨大な岩の前に、子どもが横たわっていた。 慌てて駆け寄る。 子どもは、血だらけになっていた。 「魔物に襲われたか......」 老人は亡骸の前で手をあわせる。 だが―― 「......ぅ」 と、子どもがうめき声を上げたのだ。 まだ生きている! 老人は咄嗟に子どもを抱きかかえた。 そして、目を疑う。 「こ、これは......返り血!?」 子どもは血だらけになっていたが――しかし、その身体には傷一つついていなかったのだ。 返り血ということは、どこかに傷を負った人間がいるということだ。 老人は負傷者を探すべく、顔を上げた。 ぼたぼたと、老人の顔に液体が降りそそぐ。 手で拭ってみると、それは血液だった。 「......」 老人は、おそるおそる頭上を見る。 岩だと思っていた物体に大穴が穿たれ、そこからどくどくと血があふれ出していた。 「ま、まさか......」 老人は子どもを抱きかかえたまま、岩の正面にまわりこむ。 そこにいたのは―― 「ベヒーモスじゃと!?」 顔面に風穴を開けられた、森の主の亡骸だった。 風穴は肛門まで続いており、子どもはその真下に血だらけになって転がっていた。 と、いうことは...... 「この子が......ベヒーモスを倒したのか......」 つまり、この子どもこそ、あのベヒーモスを怯えさせた張本人ということだ。 そう考えた瞬間、老人はぞくぞくと震えた。 恐怖心ではない。 これは――高揚感だ。 老人は、思わず笑みを浮かべてしまう。 「ようやく見つけたぞ。わしの後継者を――!」
When I woke up, I was floating. I'm not flying in the sky. It's floating about a metre above ground. ... Uh, what's this? I try to keep my head fully operational right after I wake up to grasp the situation, but I couldn't keep up with my understanding at all. Anyway, I'm floating. I see that. But... why am I in the woods? The ground is peeled out of damp soil, and the trees that are about a hundred years old grow around it. I was just moving to the back of the woods to sew through the gaps in the trees so I could get wind of them. I don't have the power to fly in the sky, and I don't know what that means. This guy would be magic. But who the hell did this to me? No way, you don't mean I fell asleep and put floating magic on myself. 'Cause I don't have a magic wand (Withers Rod). When that happens, my parents are the most suspicious... "Dad? Mom? Could it be a surprise? I thought about it and called it that, but there was no reaction between the two of them. Only my voice echoes in the quiet woods. "I mean, how long do you keep floating..." The moment I turned around, I suddenly fell to the ground. Looks like the floating effect has expired. I tried jumping lightly, but it lands right on the ground. "What the hell is going on? If it was my father or my mother who did the magic to me, it would also be my father and my mother who drove me into the woods. Why did you two chase me out of my house? ... You didn't dump me in the woods, did you? "Yes, no, no, no, no way..." I desperately deny that possibility. I couldn't think of a reason to get dumped. I've been raised so dearly, and I've never said anything selfish. The rebellion period is over at the time of my previous life, and I've never rebelled against my parents. Raising me should have been many times easier than other children. I can help you out. That's why I can't believe my father and mother dumped me. Then there's no explanation for me being in the woods, but you can ask your father and mother directly about it. I decided to go home. I have to go home soon. Anyway, I'm going to go buy the magic wand I've been waiting for today. Since when have you been so excited? At least for the first time since I was reincarnated. "You can't do this." I walk in the deep woods. Walk, walk, walk... And... "Where, here..." I was completely lost. It's dimmer than it was when I woke up, and more damp air. Apparently, he got lost deep in the woods. If you're a regular five-year-old, it's not a strange situation to cry out... But I wasn't scared. Sometimes my mental age is much higher than other children's, but more importantly, I have trained martial arts. I've never given it all my strength since I was reincarnated into this world, but it shouldn't have faded that far. My body is getting younger, my muscles are weakening... well, about a pig would win. The problem is encountering demons... There are demons in this world, so don't accidentally go out of town - the story has been told to my father, but I've never seen a demon since I was born. I wonder if demons are so obvious to you. Besides, it's not like we can beat demons. "We're deep in the woods, which means if we go in the opposite direction, we can get through the woods." I decided I would walk in the opposite direction, but I don't see a goal at any point. Besides, I'm getting really hungry. Speaking of which, I haven't eaten anything today. Afterwards, walking around strikes me with considerable hunger. Do you want to rest somewhere for a while...... Walking around thinking about that, I found a giant rock nearby. The rocks that suddenly set out in the woods have hollow holes. Just fine, do you want to rest there? I walk towards the rocks. As we approached, the rock looked more and more gigantic. There are many pointed rocks stretching up and down the cavity like ice columns, giving the impression of being like a monster's fang. And there's something like an eye near the cavity... Giggle, and. My eyeballs moved, and he looked down at me. Without it, he makes a trembling sound of the earth, and the rock rises. This is not a rock! A demon! I've never seen a demon before, but I intuitively guessed. There are animals like this all the time! "Bumo-o-o-o-o-o-o-o-o!!" Demons are intimidating me. At the next moment, demons like the ones that had multiplied the pigs came running at me as they blew up the trees. The earth trembles, and I stand with the utmost decency. Shit, they're killing me -! The moment you face death, Bump. I could play something inside me. The old man was running through the woods. You can be seen as or years old. He's an old man, with tiny hair and a mustache. He is walking through the woods at a tremendous speed. When I was dining earlier, I heard the demon roar. That's the main demon in this area - the beeping of a behemoth. By nature, behemoths are quiet creatures. I'm not weak, I'm haunting the king's room. Even if you try to be surrounded by many wizards, you won't lose your composure. Because behemoth is strong. Such a behemoth roared all the way over there. The Lord of the Woods, calm in all circumstances, threatened. For the first time in the last thirty years, that behemoth is intimidating. This would mean that a hell of a bucket of stuff appeared in this forest. As the keeper of this forest, you can't leave such a bucket alone. "What's going on around here?" The old man slows his gait and looks around carefully. "! That...! A child lay before a giant rock. Run over in a hurry. The child was covered in blood. "Have you been attacked by demons..." The old man joins hands in front of the wreckage. But... "... ooh" And the child groaned. He's still alive! The old man held the child in his arms. And I doubt my eyes. "Ko, this is... return blood!?" The child was covered in blood - but there was not one scratch on his body. Returning blood means there are wounded people somewhere. The old man raised his face in search of the wounded. Fluid descends on the old man's face with a blur. I wiped it with my hand and it was blood. ...... The old man sees roughly overhead. There was a big hole in the object I thought was a rock, and there was so much blood coming out of it. "No way..." The old man wraps around the front of the rock with the child in his arms. That's where I was. "Behemoth!?" It was the remains of the Lord of the Woods, with a wind hole in his face. The wind pit continued all the way to the anus and the child was rolling with blood all over it directly beneath it. And that means... "This kid... defeated Behemoth..." I mean, this child is the Teng himself who frightened that behemoth. The moment I thought about it, the old man shuddered. It's not fear. This is - exhilarating. The old man smiles unexpectedly. "We finally found him. My successor!"
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エルシュタニア駅でエファとフェルミナさんを見送った俺は、ノワールさんたちと魔法学院を訪れていた。 「ここに来るのは10ヶ月ぶりだわ」 ノワールさんは懐かしそうに校舎を見上げている。 俺にとっては3週間ぶりくらいなので懐かしさはないけど、現実世界では10ヶ月以上の時が過ぎているのだ。 まだ3年生気分が抜けてないけど、俺は卒業生だ。 そんなわけで、学生寮の部屋を片づけることにしたのである。 「ほこりっぽくなってるだろうし、窓を開けて片づけたほうがよさそうだね。ほこりを吸いこんだら風邪を引くかもしれないからね」 俺は毒の粉を吸いこんでも平気だけど、ノワールさんはべつだ。 「そうするわ。旅の前に風邪を引くわけにはいかないもの」 ノワールさんは俺の武者修行についてくるのである。 俺としても、そうしてほしいと思っていた。 なぜなら強者の居場所を示す地図を頼りに武者修行をするからだ。ノワールさんより強い人物に修行をつけてもらい、大魔法使いになるのである。 魔力が宿ったことで俺にも地図が使えるようになったけど......赤点がひとつも表示されなかったからな。 「わしらも手伝おうか?」 「じゃ、じゃあわたしはノワールちゃんの片付けを手伝おうかしら」 モーリスじいちゃんとコロンさんが言った。ちなみにフィリップさんは、俺の帰還をアイちゃんに伝えに学院長室へ向かっている。 「師匠たちは先に学院長室で待っててよ。いろいろ話すこととかあるでしょ? たとえば家の建てなおしのこととかさ」 師匠たちは俺の旅立ちを見送ったあと、『魔の森』に向かうらしい。 あそこは時空の歪み(アビスゲート)の発生率が高いため、多くの魔物が棲息しているのだ。 》の魔法で焦土になってるけど、魔物は増えつつあるはずだ。 放っておくと、魔物は食料を求めて『魔の森』を離れ、世界中に散るだろう。 それを阻止するため、師匠はずっと昔から『魔の森』の管理人をしていたのだ。 本来は危険区域だけど、師匠たちが守ってくれるなら世界一安全な場所と言っていいはずだ。 「では先に行って待っておるのじゃ」 「か、片づけ頑張ってね」 ふたりと別れた俺たちは、それぞれ男子寮と女子寮へ向かった。 部屋に入ると、ぶわっとほこりが舞った。 さすがに10ヶ月も放置したらこうなるか......。 これは掃除のしがいがありそうだ! 窓を全開にした俺は、さっそく片付けを開始する。 まずは書類の整理だ。目につく書類を片っ端から集めると、500枚ほどに達した。 紙の束をくしゃっと丸め、ゴルフボールサイズに圧縮する。 続いて書物だ。本棚に収納されていた書物を積み重ね、紐で縛っていく。 そうして片付けを進めていた俺は、あるものを見つけて手を止めた。 「これまた懐かしいものが出てきたな......」 魔法学院に編入したばかりの頃――。魔法使いになりたい一心でクラスメイトに習慣を聞き、それを書き記したノートだ。 これがきっかけでエファと仲良くなったんだよな。 このノートがなかったら、こんなにエファと仲良くなることはなかったかもしれない。 そうすると俺はエファの実家には行かず、ノワールさんをゴーレムの魔の手から救うことができなかった。 そうなると石碑を解読できず、俺は魔法使いになれなかったかもしれないのだ。 「そう考えると、みんなに習慣を聞いたのは無駄じゃなかったんだよな......」 ほかの書物は処分するとして......このノートは捨てられないな。 荷物になるけど、旅に持っていくか。 カバンのなかにノートを入れ、服の片づけに取りかかる。 つっても服はそんなに買ってないしな。制服のほかに、いくつか私服があるだけだ。 「私服は残すとして......これはどうするかな」 小さい女の子が穿くようなパンツだ。 ほかにも3歳くらいの女の子が着るような服がたくさんある。 俺の趣味ではなく、アイちゃんからの贈り物だ。 退化薬の効果が切れたいま、子ども服はいらないんだけど......ひとからもらったものって、なかなか捨てられないんだよな。 「そんなに荷物にならないし、気に入ってるやつだけ持ってくか」 そうして処分するものと旅に持参するものを選んでいき、片付けが終わりに近づいてきた――そのときだ。 「うわあっ! アッシュさんがいる!」 開けっ放しにしていたドアから、男子生徒がこっちを見て驚いていた。 その声を聞きつけ、多くの生徒が集まってくる。 「いつ戻ってきたんですか!?」 「俺、アッシュさんに憧れてこの学院を選んだんです!」 「魔王との戦い見ました! すごかったです!」 興奮気味にまくし立ててくる後輩に、俺はついさっき戻ってきて、いまは部屋の片付けをしているのだと告げる。 「これ、捨てちゃうんですか?」 「そのつもりだよ」 「だ、だったらっ! もしよかったらもらってもいいですか!?」 「俺もほしいです! アッシュさんの教科書を使ったら、強くなれそうですもん!」 「欲しいならあげるよ」 「うわあっ、いいんですか!? ありがとうございます!」 「大切にします!」 あっという間に不用品が消えていく。 書物はいいとして、まさか女の子の服まで持っていくとは思わなかった。 まあ、捨てるより着てもらったほうが服も幸せだろうし、べつにいいけどな。 そうして片付けが終わり、俺はカバンを持って男子寮をあとにした。 「早かったわね」 外に出ると、ノワールさんが立っていた。 「後輩が手伝ってくれたんだ。ところで、そのリュックは?」 ノワールさんはパンパンに膨れあがったリュックを背負っていたのだ。 ノワールさんの部屋はすっきりしてたし、そんなに荷物はないはずなんだけど......。 「私の宝物だわ」 「宝物?」 「貴方が買ってくれた問題集と服よ」 俺と同じく、ノワールさんもひとからもらったものを捨てられない性格らしい。 服はともかく問題集は邪魔になりそうだけど......大事にしてもらえるのは素直に嬉しかった。 「じゃ、行こうか」 そうして旅立ちの準備を終えた俺たちは、別れの挨拶をするため学院長室へと向かうのだった。
I dropped off Efa and Mr. Fermina at Elstania Station, and I was visiting the School of Magic with Mr. Noir and the others. "I haven't been here in ten months." Mr. Noir looks up at the school building in nostalgia. It's been about three weeks for me, so I don't miss it, but in the real world, it's been over ten months. I'm not out of my third grade mood yet, but I'm a graduate. That's why we decided to clear the student dormitory room. "You're going to be dusty, and you're going to want to open the window and clean it up. If you inhale the dust, you might catch a cold." I'm fine with smoking poison powder, but Mr. Noir is a bastard. "I will. Something you can't catch a cold before you travel." Mr. Noir is following my martial arts training. Even for me, I wanted you to. Because we rely on maps that show where the mighty are to train samurai. He will train someone stronger than Mr. Noir and become a great wizard. The magic has made the map available to me... but I didn't see a single red dot. "Shall we help? Then I'll help Noir clean up. Grandpa Maurice and Mr. Cologne said. By the way, Mr. Phillip is on his way to the Dean's office to tell Eye about my return. "The masters will wait in the dean's office first. You got a lot to talk about, don't you? Like rebuilding a house." The masters missed my trip, and then they're headed to The Devil's Forest. Many demons live there because of the high incidence of space-time distortion (avisgate). The magic of the Flaming Emperor (Fire Road) is now scorching earth, but demons should be on the rise. Left alone, the demon would leave the 'Devil's Forest' in search of food and scatter all over the world. To stop it, the Master has been the keeper of The Devil's Forest for a long time. It's supposed to be a first-level danger zone, but if the masters will protect it, I should say it's the safest place in the world. Then go ahead and wait. "Or clean it up. Good luck." We split up, we headed to the men's and women's dormitories, respectively. When I walked into the room, the dust broke out. Exactly what would happen if I left it for ten months...... This looks like it could be cleaning! With the windows fully open, I'll just start cleaning up. Let's get the paperwork sorted out first. When I gathered the documents that came to my attention from one end, I reached about sheets. Round a bunch of paper and compress it to a golf ball size. Followed by books. Stack the books stored on the bookshelf and tie them with strings. That's how I was cleaning up, and I found something and stopped. "Here comes something I miss again..." When I just joined the School of Magic... I wanted to be a wizard. I asked my classmates about their habits with all my heart, and that's the notebook I wrote down. This is what got you close with Efa, isn't it? Had it not been for this notebook, I probably wouldn't have gotten along so well with Efa. Then I did not go to Efa's home and could not save Mr. Noir from the devil's hand in the Golem. Then I couldn't decipher the tablet, and I might not have been a wizard. "Thinking about it, it wasn't in vain to ask everyone about their habits..." I'll dispose of the other books... I can't get rid of these notes. It'll be luggage, but do you want to take it on a trip? Put your notebook in the bag and get to cleaning up your clothes. I haven't bought so much clothes. Besides my uniform, I just have some personal clothes. "As I leave my personal clothes... I wonder what I'll do with this" These pants are like a little girl wearing. There are a lot of other clothes that girls as young as three would wear. It's not my hobby, it's a gift from Ai. I don't need children's clothes now that the effects of the digestive pills have expired... I can hardly throw away what I got from one of them. "Don't get so packed, just bring the one you like" That's how I picked out what to dispose of and what to bring on the journey, and the cleanup came to an end - that's when. "Wow! There's Mr. Ash! A boy student was surprised to see us through the door he had left open. I hear that voice, and many students come together. "When did you come back!? "Me, I chose this college because I admired Mr. Ash! "I saw the battle against the Demon King! It was amazing! I tell the junior who gets all excited that I just followed him back and am cleaning up the room now. "Are you throwing this away? "I'm going to." "Well, then! Can I have it if you like!? "I want it too! If I use Mr. Ash's textbooks, I'm going to be strong! "If you want, I'll give it to you." "Wow, okay!? Thanks! "I'll take care of it! Soon the unwanted disappear. The books are fine, I didn't think I'd even take the girl's clothes. Well, it would be happier to have your clothes on than to throw them away, and I hope they stick. That's how I finished cleaning up, and I took my bag and left the boys' dorm behind. "That was fast." When I went outside, Mr. Noir stood. "My junior helped me. By the way, what about that backpack? Mr. Noir was carrying a backpack that swelled up in bread. Mr. Noir's room was neat, and there shouldn't be that much luggage... It's my treasure. "Treasure?" "It's a collection of questions and clothes you bought me." Like me, Mr. Noir doesn't seem to be able to throw away what one of us gave him. Clothes are going to get in the way of the problem set anyway... but I was honestly glad you took care of it. Let's go, then. So when we were ready to travel, we headed to the Dean's Office to say goodbye.
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夕方。 「よしっ、今日の修行はここまでにするかっ」 俺がそう宣言した途端、エファは大の字になって倒れた。 「か、かすりもしなかったっす......」 「当たらなくても無理はないのじゃ。わしでさえ、アッシュに攻撃を当てるのは無理じゃからな」 そう言って、師匠はエファに水を渡した。 エファは倒れたまま水を受け取りに飲み干す。 半日近くぶっ続けで動いたことで、喉がカラカラになっていたのだろう。 「攻撃は当たらなかったけど、休まずに動き続けたのはすごいぞ」 俺は素直にそう思った。 半年前のエファなら、1時間も経たずに倒れていただろう。 毎日こつこつ体力作りに励んだ成果だ。 俺が褒めると、エファはガバッと身体を起こした。 「ほんとっすか!?」 いまの一言で、疲れは吹き飛んでしまったらしい。 「ちゃんと成果が出てるか不安だったっすけど、安心したっす! わたし、これからも頑張って修行するっす!」 「ああ。ちゃんと卒業まで面倒見るからな!」 俺とエファがやる気を燃やしていると、師匠がつぶやいた。 「エファちゃんは、卒業したら修行をやめてしまうのか?」 エファはすかさず首を横に振る。 「卒業したら身体を動かす仕事に就くっすからね。そしたら毎日が修行みたいなものっすよ!」 「身体を動かす仕事って?」 「体育の先生っす!」 てことは、就職先はネムネシアの小学校かな? 子ちゃんも今年から小学生だし、エファが先生になれば喜ぶに違いない。 「エファならきっといい先生になれるよ」 「師匠にそう言ってもらえると嬉しいっす! だって先生になろうって決めたのは、師匠のおかげっすからね!」 「俺のおかげ?」 エファは力強くうなずく。 「地元に就職したいとは思ってたっすけど、やりたいことは特になかったっすからね。家族と一緒に暮らせるのは幸せっすけど......退屈な人生になるんだろうなぁ、と思ってたっす」 だけど、とエファはにっこり笑う。 「師匠のおかげで身体を動かすことの楽しさを知ったっす! だからわたしは、この先もずっと楽しい人生を送ることができるっす! ほんと、師匠と出会えて最高に幸せっす!」 まさか、こんなに感謝されるとは思わなかった。 最初は安請け合いしたかなと思ってたけど......こんなに喜んでもらえたんだ。 エファを弟子にして、ほんとうによかったと思う。 そんなことを思っていると、ぐぅぅぅと腹の音が響いた。 「じっとしてたらお腹が空いてきちゃったっす」 恥ずかしそうに頬を赤めるエファ。 そういえば、ここに来てからなにも食べてないんだったな。 エファに言われて、俺もお腹が空いてきた。 「時間も時間だし、そろそろ飯にするか」 「はいっす! あ、でも食料はどうするっすか? ここから町までかなりの距離があるっすけど......」 「食料は森で調達するよ」 食料調達も修行のうちなので、カバンのなかには水しか入ってないのだ。 ......でも、エファは疲れてるだろうし、食料調達を手伝わせるのは気が引けるな。 「食料は俺が調達するから、エファと師匠は枯葉と枝を集めててよ」 「了解したっす! では、わたしは枯葉を集めるっすから、モーリスさんは枝をお願いするっす!」 「うむ」 「ふたりともありがと。それじゃ、ちょっとだけ静かにしてて」 「静かに......?」 エファは不思議そうに首を傾げつつも、俺の言う通りにしてくれた。 俺は耳に手をかざし、意識を集中させる。 ――――ばさばさっ。 遠くのほうから、鳥の羽ばたく音が聞こえてきた。 「それじゃ、ちょっと捕まえてくるよ」 師匠たちにそう告げて、俺はジャンプした。 バッタみたいに跳びはねて、音の聞こえた地点に着地する。 するとそこには、コカトリスが佇んでいた。 見た目はニワトリに似てるけど、大きさは1メートルを超えている。 子どもくらいなら丸呑みできそうなサイズのコカトリスは、俺を見るや翼を広げて襲いかかってきた。 スパァァァァァン!!!! を放ってコカトリスの首を斬り、軽く血抜きを済ませたあと、胴体を担いでエファたちのもとへ引き返す。 「おかえりなさいっす~......って、それ、魔物っすか?」 動物を狩ってくると思っていたのだろうか、エファはぎょっとした顔でコカトリスを指さした。 「ああ。これは魔物......コカトリスだよ」 「コカトリスを食べるのはひさしぶりじゃなぁ」 「8年ぶりだっけ?」 「もうそんなに経つのじゃな。時間が経つのは早いのぅ......」 「わたしは食べたことがないっすけど......でも大きな鳥だと考えれば、美味しそうに見えてきたっす!」 「実際、美味しいからな」 そう言って、俺はコカトリスの羽をむしった。 「一瞬で丸裸っすね!」 エファが言っている間に、手刀で手頃な大きさにカットする。 肉に枝を刺していき、枯葉の周りにセットする。 あとは火を起こすだけだ。 「エファ、魔法で火をつけてくれ」 「はいっす! ......あ、ごめんなさい、できないっす」 「どうしてだ?」 「使わないと思って、 は部屋に置いてきちゃったっす」 「そっか。なら仕方ないな」 枯葉の近くで指先を擦り合わせると――火がついた。 メラメラと燃える枯葉を枝に近づけ、火を移す。 そうして焚き火を起こしていると、エファがたずねてきた。 「い、いまなにをしたんすか?」 「ん? ああ、摩擦熱で火を起こしたんだよ」 マッチが切れたときなんかは、いつもこうやって火をつけていたのだ。 「いまさらっすけど......師匠って、魔法使いより魔法使いっぽいことができてるっすよね」 エファは半年前の師匠と同じことを言う。 客観的には、そう見えているのだろう。 「でも、俺は武闘家だ」 客観的には魔法使いに見えても、俺にとってはそうじゃない。 俺は、ルーンを描いて超常現象を起こす――そんな魔法使いになりたいのだ。 そのためには、なんとしてでも魔力を獲得しないといけないのである。 残る遺跡は一箇所のみ。 出発は4日後。東の遺跡に到着するのは10日後くらいだ。 そこで魔力獲得に関する手がかりが見つかればいいんだけどな......。 いままでがいままでなだけに、あまり期待できないのであった。
Evening. "Okay, that's enough for today's training." As soon as I proclaimed that, Efa fell in big letters. "Or didn't even scratch..." "You don't have to hit it. Even I can't attack Ash." With that said, the master gave the water to Efa. Efa receives the water as it falls and drinks it all at once. I guess my throat was ragged by the fact that I kept moving for nearly half a day. "We didn't hit the offense, but it's amazing how we kept moving without a break" I honestly thought so. If it had been Efa six months ago, it would have fallen less than an hour later. It's an inspiration to build strength every day. When I complimented him, Efa woke Gabba up physically. "Really?!? With one word so far, I hear my tiredness has blown away. "I was anxious to see if I was getting the right results, but I was relieved! I will continue to train hard! "Oh, I'll take care of you till you graduate! My master snapped as me and Effa were burning their motives. "Will Effa stop training when she graduates? Efa just shakes her neck to the side. "When I graduate, I get a job that moves my body. Then it's like training every day! "What kind of work moves the body? "He's a gym teacher! What do you mean, do you have a job at a primary school in Nemnesia? Five kids have been in elementary school since this year, and if Effa becomes a teacher, she must be happy. "Efa would make a good teacher." "I would be glad to have my master say that! Because I decided to be a teacher because of my master! "Thanks to me? Efa nods forcefully. "I thought you wanted to get a job locally, but you didn't have anything in particular you wanted to do. It makes me happy to be able to live with my family... but I guess it's going to be a boring life, I thought." But Effa chuckles. "You know the pleasure of moving your body thanks to your master! So I can have a much better life ahead of me! Really, I'm the happiest I've ever met my master! I didn't think you'd be so grateful. At first I thought we had a cheap contract... but I was so happy for you. I am so glad to have Efa as my apprentice. With that in mind, the sound of my stomach sounded guuuuuuuuuuuu. "If I'd stayed still, I'd be hungry." Efa blushing her cheeks in embarrassment. Speaking of which, you haven't eaten anything since you got here. Efa told me, and I'm hungry, too. "Time's up, and it's time for dinner" "Yes! Oh, but what do you do with the food? It's a long way from here to town..." "I'll get food in the woods." Food procurement is also in training, so only water is in the bag. ... but Effa will be tired, and I can feel it letting her help me procure food. "I'll fetch the food, so Efa and her master will collect the dead leaves and branches." "Got it! Then I will gather the dead leaves, and Mr. Maurice will ask for branches! "Uhm." "Thank you both. Okay, just be quiet for a second." "Quiet...? Efa did what I said, even as she leaned her neck strangely. I lay my hands on my ears and concentrate my consciousness. - - Bullshit. From afar, I could hear birds winging. "Well, then, I'll catch you a little bit." Tell the masters that, and I jumped. He jumps like a bat and lands at the point where he hears the sound. Then there stood Cocatrice. They look like chickens, but they're over a meter in size. Cocatrice, the size of a child who seems to be able to swallow whole, came at me looking at me and spreading my wings. Spahhhhhhhh!!!! After releasing the wind knife (Kamaitachi) and slashing Kokatris' neck and gently draining his blood, he takes charge of his torso and turns back to the Ephas. I'm home. "Welcome back ~... is that, like, a demon? I suppose you thought you were going to hunt animals, and Effa pointed to Cocatrice with a slight face. "Oh. This is a demon... it's a cocatrice" "Eating cocatrice isn't a hiccup." "Haven't you been in eight years? "It's been so long. Time passes fast..." "I've never eaten... but if you think it's a big bird, it looks delicious! In fact, it's delicious. That's what I said, I ripped off Cockatrice's feathers. "You're gonna be naked in a flash! Cut to affordable size with a knife while Efa says. Stick the branches in the meat and set around the dead leaves. All you have to do is start a fire. "Efa, light me with magic" "Yes!... Oh, I'm sorry, I can't" "Why not? "I thought I wouldn't use it, so I left my magic wand (Withers Rod) in my room." "Oh well. Then there's no choice." I rubbed my fingertips together near the dead leaves - and it caught fire. Bring the melamera and burning dead leaves closer to the branches and transfer the fire. That's how the fire started, and Efa started screaming. "What are you doing now? "Hmm? Yeah, I started a fire with friction fever." This is how they always lit up when the match went out. "I don't know... Master can be more of a wizard than a wizard" Efa says the same thing as her master six months ago. Objectively, I guess that's what it looks like. "But I'm a militant." Objectively you look like a wizard, but not to me. I draw runes and paranormal things - I want to be such a wizard. To do so, we must acquire magic at all costs. Only one site remains. The departure is in four days. It will be about ten days before we arrive at the ruins to the east. I hope you find a clue there about gaining magic...... I can't expect much more from you now.
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サンドアント掃討作戦を終えたあと。 ランタン王国にやってきた俺とノワールさんは、迷いの森を訪れていた。 まあ、迷いの森といっても俺たちが迷子になることはないけどな。 強者の居場所を示す地図の通りに行けば、師匠候補のいる村にたどりつけるしさ。 そんなわけで迷う心配がないため、ノワールさんは落ち着いてるけど...... 俺は、そわそわしていた。 次の修行が楽しみっていうのも理由のひとつだけど、そわそわしていの理由は―― 「――っ! 小川だ! ノワールさん、気をつけて!」 行く手に小川を見つけた瞬間、俺の心臓がドクンと跳ねた。 魔王に出くわしたとき以上の跳ねっぷりだ。 「助走をつければ飛び越えられるわ」 「足を滑らせたら大変だよ!」 「たしかに大変だわ。このピンチをどうやって乗り越えればいいかしら?」 「俺にいい考えがある! さあ、俺に乗って!」 その場にうつ伏せになると、ノワールさんは俺の背中に跨がった。 さあ、いくぜ相棒! すぃー。 俺はうつ伏せのまま小川の上をすいすい進む。 2週間ほど前のサンドアント掃討作戦で、俺はついに飛行魔法をマスターしたのだ! いまは2cmが限界だけど、新たな師匠のもとで修行すれば、大空を飛ぶのも夢じゃないのである! 「快適な乗り心地だったわ」 「またいつでも乗せてあげるよ」 むしろ乗ってほしい。 なにせ大切なひとを守ることで、精神力は鍛えられるんだからな! ノワールさんを小川の脅威から守ったことで、俺の魔力はさらなる進歩を遂げたはずだ。 そうして小川を乗り越えた俺たちは、森の奥へと歩いていく。 すると今度は倒木が俺たちの前に立ち塞がった。 「樹の下に隙間があるわ。ここをくぐれば先に進めるわ」 「くぐってる最中に樹が折れたら押し潰されてしまうよ!」 「一難去ってまた一難だわ。このピンチをどうやって乗り切るのかしら?」 「ここは俺に任せて!」 俺はカマイタチのルーンを描く。 風切り音が聞こえ、樹の表面にうっすらと傷がつく。 くっ。だめか......。 「ごめん。俺のカマイタチじゃ、ノワールさんを助けることはできないよ」 「私は、貴方のカマイタチに救われたわ」 カマイタチはカマイタチでも、ゴーレムを真にしたのはカマイタチ(物理)だ。魔法じゃない。 が宿ったときに比べると、ずいぶんカマイタチっぽい音がするようになったからな。 着実に成長してるし、いつかはカマイタチ(魔法)で大切なひとを守れるようになるはずだ! まあ、守る必要のないくらい平和に暮らせるのが一番だけどさ。 「どうやって先に進むのかしら?」 「ちょっと待ってて」 ひょいっと倒木を抱えてわきに避け、俺たちは先へと進む。 そうして魔法を使う機会を見逃さないように歩いていると――ひらけた場所に出た。 うっそうと茂る木々の奥に、集落があったのだ。 「近くに青点の主がいるわ」 「ここが隠者の村で間違いなさそうだね」 ティコさんによると、隠者の村は世間との関わりを絶っているらしい。 よそ者の俺たちを受け入れてくれる保証はないけど...... ここで足踏みしていても、大魔法使いにはなれないからな。 当たって砕けろの精神でいこう! 「さっそく巫女に会いに行くのかしら?」 次の師匠候補は『一子相伝の魔法を使う巫女さん』だ。 名前すらわからないけど、これだけ情報があれば見つけるのは簡単だ。 「まずは青点のひとに会ってみよう。そのひとに聞けば、巫女さんの居場所もわかるはずだよ」 ティコさんいわく『一子相伝の魔法を修行に応用することで、村人は強くなっている』らしい。 つまり青点の主は、巫女さんの修行を受けた――巫女さんにコネクションを持っているのだ。 そのひとに紹介してもらうことができれば、弟子入りもスムーズにいくってわけだ。 「青点の主は一箇所に集まってるわ。なにをしてるのかしら?」 「試合かもしれないね」 「なぜ戦ってるのかしら?」 「きっと強くなるためだよ。試合の邪魔しちゃ悪いし、そっと近づこう」 俺たちはなるべく足音を立てないように、青点のほうへ近づいていく。 そうしてたどりついた広場には、人だかりができていた。 大人たちが見守るなか、着飾った子どもたちが緊張の面持ちで立っている。 そんな子どもたちのそばには、俺と同い年くらいの巫女さんが佇んでいた。 「貴方と同じ 「え? ほんとだ......」 巫女さんの手には、見慣れた魔法杖が握られていた。 俺の相棒は、儀礼用として作られたものだ。 つまりいまは儀式の真っ最中。 幼い子どもが大勢いるしいなことをしてるのかな? とにかく邪魔しちゃ悪いし、しばらくここで見守っていよう。 「......」 息を潜めて待っていると、ふいに賑々しくなった。 巫女さんに一礼し、子どもたちが両親のもとへ駆け寄っていく。 どうやら儀式は終わったようだ。 「すみませーん」 不用意に近づけば警戒されるため、まずは遠くから声をかける。 村のひとたちが警戒するようにこっちを見てくるなか、巫女さんがハッと目を見開く。 そして、こちらへ歩み寄り、 「もしかして、アッシュさんですか?」 「はい。俺はアッシュです」 名乗った途端、警戒ムードが歓迎ムードに変わる。 もう1年以上前のことだけど、まだ『魔王放送』のことを覚えててくれたようだ。 「やはりアッシュさんでしたか! 魔王を倒してくださったこと、心より感謝しております。ですが、なぜアッシュさんがこの村へ?」 「一子相伝の魔法を使う巫女さんがいると聞いて来ました。俺、そのひとの弟子になりたいんです!」 「でしたら、お探しの巫女は私です。ですが私の魔法は......」 子どもたちに注目されていることに気づき、巫女さんは咳払いする。 「遠いところお越しくださったのに、おもてなしをしないわけにはいきませんし、用件は私の家で伺います。ええと、そちらの......」 「私はノワールよ」 「ノワールさんは、俺の友達なんです」 「アッシュさんとノワールさんは、お互いに信頼しあってますか?」 「私はアッシュを信頼してるわ」 「俺もノワールさんを心から信頼してます」 質問の意図はわからないけど、俺は正直に答えた。 「でしたら、条件は満たしてますね」 条件? 「って、なんのことですか?」 「詳細は後ほど。とにかく、おふたりとも私の家にいらしてください」 そうして俺たちは巫女さんの家にお邪魔することになったのだった。 巫女さんの家に到着したあと。 「どうぞおくつろぎください」 巫女さんに促され、俺たちは椅子に腰かける。 「申し遅れました。私はマディアといいます。このたびは私に会いに来てくださり、ありがとうございます」 「こちらこそ、お忙しいなか時間を設けていただきましてありがとうございます」 マディアさんはにこりとほほ笑む。 「いえいえ。ちょうど祈願も終わったところですので問題ありませんよ。それにお礼を言うのはこちらのほうです。アッシュさんがいなければ、今頃この村も魔王に滅ぼされていたのですから」 穏やかな物腰で語るマディアさん。 よそ者の俺たちを受け入れてくれてるし、これなら弟子入りできそうだ。 俺が安心していると、マディアさんはふいに真剣な顔をする。 「ところで、アッシュさんは私の魔法について、どこまでご存じなのですか?」 「俺が知ってるのは『その魔法を修行に応用すれば魔法使いとして強くなる』ということだけです」 「そうですか......。たしかに私の魔法を使えば、魔力の成長を促すことは可能です」 「ほんとですか!?」 「はい。ただ、この魔法を使えば、アッシュさんが危険な目に遭うことになります」 「俺のことなら気にしないでください!」 昔は魔法使いになるために散々無茶な修行をしたからな。危ない目に遭うのは慣れているのだ。 それに今回は魔力を鍛える修行なのだ! 大魔法使いになれるなら、どんなことでもしてみせる! 「アッシュはどんな目に遭うのかしら?」 ノワールさんが心配そうにたずねる。 を使うことで、アッシュさんの精神を他人の肉体に移すことができるのです」 幻想世界。 それが一子相伝の魔法の名称らしい。 「精神を他人に移すと、俺の身体はどうなるんですか?」 「意識不明の状態になります。この状態が長く続けば、肉体は生命活動を停止します」 マディアさんいわく、最長記録は2週間。それを超えて生還したひとはいないらしい。 「その最長記録のひとは、どんな魔法使いになりましたか?」 俺は期待をこめてたずねる。 「半世紀以上前に魔王軍と戦った勇者一行――そのナンバー13になったと聞いています」 「それは......すごいですね......」 勇者一行は大魔法使いで構成されたパーティだ(ひとり武闘家がいるけど)。 そのナンバー13ってことは、世界で13番目に強い魔法使いと言っても過言じゃない。 これはもう、なんとしてでも幻想世界を使ってもらわないと! 「以上の話を踏まえた上で、修行期間を決めてほしいのですが......何日にしますか?」 「1ヶ月コースでお願いします」 「死んじゃいますよ!?」 マディアさんはめちゃくちゃ戸惑っているが、俺は本気だ。 「危険は覚悟の上です。それに俺、信じてますから」 「信じる?」 「はい。俺の身体は、10年以上も死に物狂いの修行に耐えてきましたからね。1ヶ月くらい放置したところで死ぬような身体じゃない――そう信じてるんです」 真剣に思いをぶつけると...... マディアさんは、納得したようにため息をついた。 「わかりました。アッシュさんの身体が普通とは違うということは、魔王との戦いを見て理解しましたからね。お引き受けいたします」 「ありがとうございます!」 「こまめに幻想世界を使うことはできないのかしら?」 と、ノワールさんが言う。 それができるならほかのひともやってると思うけど......がっつり1ヶ月コースより、1日コースを30回繰り返したほうが安全なのはたしかだ。 「それはできません。幻想世界は一生に一度限りの魔法です。多用すると肉体が拒絶反応を起こし、身体を動かせなくなるんです」 それに、とマディアさんは明るい声で言う。 「この魔法は一度の使用でかなりの効果がありますから、何度も使う必要はありませんよ。なにせじかに精神を鍛えることができるのですから」 「精神を鍛えるって、具体的にどうすればいいんですか?」 なんとなく幽体離脱をイメージしてるけど、どうすれば精神を鍛えたことになるかは謎だ。 「精神だけになっても、アッシュさんの姿は保たれますからね。たとえばその状態で腕立て伏せをすれば、精神を鍛えたことになるんですよ」 「それって、すごくないですか!?」 精神を鍛えるってことは、魔力を鍛えるってことだ。 つまり身体を鍛えるのと同じやり方で、魔力を鍛えることができるのである! これほど俺にぴったりな修行はない。 「マディアさん! 俺に幻想世界を使ってください!」 「アッシュさんは世界を救ってくださいましたから、私にできることなら協力します。ただ、これにはノワールさんの協力が欠かせません」 「私はなにをすればいいのかしら?」 「アッシュさんは、ノワールさんの意識のなかで修行することになりますからね。ノワールさんには、頭のなかで修行環境をイメージしてほしいのです」 修行環境はノワールさんしだい。 たとえばノワールさんが海をイメージすれば、俺は遠泳で身体を――魔力を鍛えることができるってわけだ。 「変な環境をイメージしないように気をつけるわ」 「俺も、ノワールさんの心のなかを探索しないように気をつけるよ」 俺はノワールさんの精神世界で修行する。 つまりノワールさんは、俺にとっての神様になるのだ。 ノワールさんの意思ひとつで、俺の精神が死ぬこともありえるってわけだ。 一方、俺はノワールさんの心のなかを覗き見ることができる。 ノワールさんのすべてを知ることができるのだ。 心から信頼しあってないと、この修行は実現しない。 だからこそ、マディアさんは最初に俺とノワールさんが信頼しあっているかどうかを確認したってわけだ。 「さて、以上で説明は終わりです。それでもおふたりは、修行を望みますか?」 俺たちは顔を見合わせ、うなずいた。 「俺は大魔法使いになりたいです」 「私はアッシュが大魔法使いになるところを見たいわ。アッシュの夢は、私の夢でもあるもの」 俺たちの決意を受け、マディアさんはにこりと笑う。 「わかりました。では、お引き受けいたします」 修行期間は、30日。 修行場所は、ノワールさんの意識のなか。 必ず強くなって生還し、ノワールさんと喜びを分かち合ってみせる! 「修行は明日からです。空き部屋をお貸ししますので、今日はゆっくり身体を休めてください」 お言葉に甘え、俺たちはふかふかのベッドでがっつり寝た。 そして翌日―― 「最後にひとつだけ。幻想世界から帰還した方々は、『あっという間の出来事だった』と口を揃えて言います。せっかく危険を冒すのですから、悔いのないようにお過ごしください」 「わかりました! 俺、1分1秒たりとも無駄にはしません!」 「貴方と再会できる日を待っているわ」 「俺もだよ! じゃあ、行ってくる!」 ふたりに見送られるなか、俺の精神はノワールさんの意識のなかへと旅立つのであった。
After finishing Operation Sand-Ant sweep. Me and Mr. Noir, who came to the Lantern Kingdom, were visiting the Lost Forest. Well, when it comes to lost forests, we never get lost. If you follow the map that shows where the mighty man is, you'll reach the village with the candidate master. That's why Mr. Noir is calm because he doesn't have to worry about getting lost... I was twitching. One of the reasons I'm looking forward to my next training is because... "-! It's a creek! Watch out, Mr. Noir! The moment I found the creek in my way, my heart beat dokun. It's more jumpy than when you run into the Demon King. "You can jump over if you get help." "If you slip your legs, it's gonna be tough! "It's really tough. How am I supposed to get over this pinch? "I have a good idea! Come on, get on me! When I lay down on the spot, Mr. Noir spanned my back. Come on, come on, buddy! Shh. I walk over the creek lying low. I finally mastered the magic of flight about two weeks ago during Operation Sand-Ant sweep! Two centimeters is the limit now, but if you train under a new master, flying in the sky is not a dream either! "It was a comfortable ride." "I'll give you another ride anytime." I'd rather have you on board. Anyway, by protecting your precious one, you can build your mental strength! By protecting Mr. Noir from the creek threat, my magic should have made further progress. That's how we cross the creek, we walk to the back of the woods. Then this time the fallen tree stuck in front of us. "There's a gap under the tree. If we go around here, we can move on." "If a tree breaks in the middle of a mess, you'll be crushed! "It's hard to leave and it's hard again. How do we get through this pinch? "Leave this place to me! I draw loons of kamaitachi. I hear wind cuts and scratches the surface of the tree. Damn. No... "I'm sorry. You can't help Mr. Noir with my flirting." "I've been saved by your charade." Kamaitachi is a kamaitachi, but it was Kamaitachi (physics) that turned the golem into two. It's not magic. But compared to when the magic spot (Stiegel) lived there, it started to sound a lot more like a camouflage. You're growing steadily, and someday you should be able to protect your precious one with kamaitachi (magic)! Well, it's best to live in peace so you don't have to protect it. "How do we move on? "Wait a minute." Hold the fallen tree for a moment and avoid it, we move on. That's how I walked so I wouldn't miss the chance to use magic - I went out to a place I'd flickered. Behind the bush trees, there was a settlement. "There's a blue dot lord nearby." "This is the hidden village." According to Mr. Tico, the hidden village is out of touch with the public. There's no guarantee you'll accept us as strangers... You can't be a great wizard if you're stepping in here. Let's hit it and smash it in the spirit of it! "Are you just going to see the witch? The next candidate for Master is The Witch Who Uses the Magic of a One-Child Herald. I don't even know his name, but with all this information, it's easy to find him. "Let's meet one of the blue dots first. If you ask one of them, you'll know where the witch is." Tiko says, "Villagers are getting stronger by applying the magic of monogamy to their training". In other words, the Lord of the Blue Dots trained witches - they have connections to witches. If you can introduce me to one of them, the apprenticeship will go smoothly. "The Lord of the Blue Dots is gathered in one place. What are you doing? Maybe it's a game. "Why are we fighting? "I'm sure it's to get stronger. I'm sorry to interrupt the game, but let's get closer." We get as close as we can to the blue dot so we don't make any footsteps. There was a crowd in the square that followed. As the adults watch, the dressed children stand in the face of tension. By those children stood a witch about my age. "The same magic wand as you." "Huh? Really..." In the witch's hand, a familiar magic wand was held. My partner was made for etiquette. I mean, I'm in the middle of a ritual right now. There are a lot of young children, and they do things like ? Anyway, I'm sorry to disturb you, and I'll keep an eye on you here for a while. ...... Waiting for him to dive into his breath, he became busy with the pretense. A token to the witch, the children rush to their parents. Apparently the ritual is over. "Sorry." If you approach inadvertently, you will be alert, so first you speak from afar. As one of the villages looks over here to be vigilant, the witch opens her eyes haha. And then I walked over here, "Maybe it's Mr. Ash? "Yes, I'm Ash." As soon as you name it, the alert mood turns into a welcome mood. It was over a year ago, but you still seem to remember "Demon King Broadcasting". "Was it still Mr. Ash! I sincerely thank you for defeating the Demon King. But why did Mr. Ash go to this village? "I've heard that there are witches who use the magic of a single child. I want to be that one's apprentice! "Then I'm the witch you're looking for. But my magic..." The witch coughs when she realizes it's been brought to the attention of the children. "You've come a long way, but you can't not not not treat me with hospitality, and I will ask you about your business at my house. Uh, there..." "I'm Noir." "Mr. Noir is my friend." "Do Mr. Ash and Mr. Noir trust each other? "I trust Ash." I truly trust Mr. Noir, too. I don't know the intent of the question, but I answered honestly. "Then the conditions are met." Conditions? "What are you talking about? "More info later. Anyway, you both need to come to my house." That's how we ended up interrupting the witch's house. After arriving at the witch's house. "Please relax" The witch urged us to sit down in the chair. "I'm late for my application. My name is Madhya. Thank you for coming to see me." "Thank you for your time." Mr. Madhya grins with a dust. "No. I'm just finishing my prayer, so no problem. This is the one to thank for that. Without Mr. Ash, the village would have been destroyed by now." Mr. Madhya speaks with a gentle waist. You're accepting us of the stranger, and I think I can apprentice you to this. When I'm relieved, Mr. Madhya looks serious at the lid. "By the way, how far does Mr. Ash know about my magic? "All I know is, if you apply that magic to your training, you'll be strong as a wizard." "Really...... With my magic, it is possible to encourage the growth of magic." "Really!? "Yes, it's just that with this magic, Mr. Ash will be in danger" "Don't worry about me! I used to do scattered, unscrupulous training to be a wizard. I'm used to being in danger. Besides, this is a magic training session! If I can be a great wizard, I'll try anything! "What will Ash see? Mr. Noir seems worried. "By using my magic - the fantasy world (Memory World), I can transfer Mr. Ash's spirit to the flesh of others." Fantasy world. That seems to be the magical name of a single child. "What happens to my body when I transfer my spirit to others? "You will be unconscious. If this condition persists for a long time, the flesh will cease life activity." Mr. Madhya, the longest record is two weeks. Apparently no one has survived beyond that. "What wizard did one of its longest records become? I have high expectations. "I heard that more than half a century ago, a line of brave men fought against the Demon King's Army - it became its number ." "That's... amazing..." A line of brave men is a party made up of great wizards (although there is one militant). That number 13 is no exaggeration to say the 13th strongest wizard in the world. This is already, I need you to use the fantasy world at all costs! "Based on the above story, I would like you to determine the duration of your training...... what day do you want it to be? "A month course, please" "You're dead!? Mr. Madhya is so confused, but I'm serious. "Danger is on the ready side. And I believe you." "Believe?" "Yes, because my body has endured training in madness for over ten years. It's not the kind of body that would die if I left it for about a month - that's what I believe." If you hit your thoughts seriously... Ms. Madhya sighed as she was convinced. "Okay. You saw and understood that Mr. Ash's body was not normal. We'll take care of it." "Thank you! "Can't you really use the fantasy world? And, says Mr. Noir. If I can do that, I think I'm doing one of the others... but it's only safer to repeat the course 30 times a day than a month-long course. "I can't do that. The fantasy world is a once-in-a-lifetime magic. If you use it more often, your body will react to rejection and you won't be able to move your body." Besides, Madhya says in a bright voice. "This magic works pretty well in one use, so you don't need to use it again and again. Because you can train your spirit at all costs." "What exactly do I do to build my spirit? Somehow I imagine a phantom exit, but it's a mystery how I would have trained my spirit. "Even if it's just the spirit, Mr. Ash will be preserved. For example, if you lay down your arms in that state, you would have trained your spirit." "Isn't that amazing!? Building the spirit means building the magic. In other words, you can train your magic in the same way you train your body! There is no better training for me. "Mr. Madhya! Use the fantasy world on me! "Mr. Ash has saved the world, so I will cooperate if I can. However, Mr. Noir's cooperation is essential to this." "What am I supposed to do? "Mr. Ash will be training in Mr. Noir's consciousness. I want Noir to imagine a training environment in his head." The training environment is Mr. Noir. If Mr. Noir imagines the ocean, for example, I can train my body - magic - with a long swim. "I'll be careful not to imagine a strange environment." "I'll be careful not to explore Mr. Noir's heart." I train in Mr. Noir's spiritual world. I mean, Mr. Noir is going to be a god to me. One of Mr. Noir's intentions is that my spirit could die. Meanwhile, I can peek into Mr. Noir's heart. We can find out everything about Mr. Noir. Without sincere trust, this training will not come true. That's why Madhya was the first to see if I and Noir trusted her. "Well, that concludes the explanation. Still, do you two want to train? We looked at each other and nodded. "I want to be a great wizard." "I'd love to see Ash become a great wizard. Ash's dreams are also my dreams" In response to our determination, Mr. Madhya grins. "Okay. We'll take care of it now." The training period is thirty days. The place of training is in Mr. Noir's consciousness. Be sure to be strong and live and share your joy with Mr. Noir! "Training starts tomorrow. I'll lend you an empty room, so rest your body today." Sweet for your words, we slept in a fluffy bed. And the next day... "Just one last thing. Those who return from the fantasy world say with all their mouths, 'It was just a matter of time'. Stay unrepentant because you risk it." "Okay! I won't waste a minute or a second! "I'm waiting for a day to see you again." "Me too! Then I'm coming! As the two of you dropped me off, my spirit traveled into Mr. Noir's consciousness.
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突如として校門前に現れた魔王に、俺は言葉を失ってしまった。 『全人類に告ぐ! 目を瞑り、心して見るがよいのじゃ! 魔王を敵にまわした者の哀れな末路を! フィリップ・ヴァルミリオンの悲惨な最期を!』 目を瞑ってみると、校門が見えた。 魔王の魔法によって、この模様は全国生放送されているのだ。 世界中のひとたちに女装を見られるのは恥ずかしいけど、精神的に成長するにはもってこいだ。 「俺、魔王に見てもらってきます!」 「見てもらうだけかね!? できれば倒してほしいのだがね......」 「もちろん倒します。だけどその前に......キュールさん。俺が魔王に近づいたら、俺と魔王の周りに結界を張ってもらえますか?」 今回は2体同時に相手をしなくちゃいけないのだ。 1体だけならワンパンで倒せるし、ダブルラリアットを使えば2体同時に粉砕できる。 だけど、1体を逃がしてしまう可能性もある。 粉々になった魔王を見た魔王は、やけになって世界を滅ぼす魔法を使うかもしれないのだ。 それを避けるため、俺が魔王の気を引いている隙に防御の結界を張ってほしいのである。 「僕の力じゃ魔王の攻撃を防ぎきるのは難しいけど......でも、すべての魔力を使えば被害を抑えることはできるはずさ!」 「はいっ、お願いします!」 そうして作戦が決まったところで、魔王たちの会話が頭のなかに響いた。 『我の声が聞こえるな? フィリップ・ヴァルミリオンよ。貴様がエルシュタット魔法学院の学院長だということはわかっておるのだ。報告があったのでな』 『貴様が出てこないというのであれば、学院を破壊するのじゃ』 『さあ――教え子を殺されたくないのであれば、いますぐ我らの前に現れるがよい!』 「ちょっと待て!」 俺は軽くジャンプをして、魔王の前に着地する。 その際、ふわりとスカートがめくれた。 世界中のひとたちにパンツを見られたのだと思うと、あまりの恥ずかしさに身体が熱くなってくる。 『なんのつもりだ、弱者よ。我らの前に立ちはだかり、英雄にでもなったつもりか?』 『いますぐ死ぬか、あとで死ぬか。特別に好きなほうを選ばせてやるのじゃ』 ガチャガチャと歯を鳴らして嗤う魔王に、俺は笑みを向けてやる。 「いますぐ死ぬか、あとで死ぬか? それは俺の台詞だよ」 被害を最小限に抑えるためとか、魔王を逃がさないためとか、いろいろと理由をつけたけど。 でも、すぐに魔王を倒さない本当の理由はほかにある。 》に期待してたんだ。 こいつらなら、俺にとっての『強敵』になってくれるかもしれないってな。 『よかろう。いますぐ死にたいというのであれば――その望み、叶えてやろうではないか』 「いままでの魔王も、そう言ってすぐに粉々になったんだよ」 『まるで死に際を見てきたような口ぶりじゃな』 「実際に目の当たりにしたからな。......《土の 俺の言葉に、魔王たちはガチャガチャと歯を鳴らすのを止めた。 『なぜ、それを知っておるのだ?』 「ほかにも知ってるよ。《光の 魔王たちが、あとずさる。 『な、なぜ《光の帝王》のことまで知っておるのだ!』 『貴様......何者じゃ!?』 俺は、にやっと笑う。 「魔王を倒したのは俺だ。俺こそが、お前たちの求める強者なんだよ」 次の瞬間、魔王たちは愉快そうにガチャガチャと歯を鳴らした。 『フハハハハハ! 愉快だ、これほど愉快なことはない! 《光の帝王》を倒したということは、間違いなく貴様は強者だ!』 》を倒したフィリップ・ヴァルミリオンなど、もはやどうでもよいのじゃ! 小僧、このわしが特別に相手をしてやるのじゃ!』 『待たぬか! こやつと戦うのはこの我だ! 貴様は引っこんでおれ!』 『なにを言うのじゃ! 小僧にいますぐ死ぬか、あとで死ぬかを選ばせたのはわしじゃろうが! 引っこむのは貴様のほうじゃ!』 魔王が揉め始めた。 このまま取っ組み合いの喧嘩を始めそうな雰囲気だ。 「......いまなら倒せるのではないかね?」 仲間割れを始めた魔王を見て、シャルムさんが小声で話しかけてくる。 確かに隙だらけだ。 いまならダブルラリアットで2体同時に葬ることができるだろう。 けど、それじゃだめなんだ! 隙を突いて倒しても、精神的には成長できないんだ! 俺の夢は魔法使いになることだ。 そのためには、正々堂々と強敵に立ち向かわなくちゃだめなんだよ! 魔王の狙いは俺ひとりに絞られたし、キュールさんの結界もある。 街のひとたちも魔王を目にして逃げているし、学院内には特別な結界が張られている。 つまり、いま危険に晒されているのは俺だけなのだ。 この場で魔王と戦っても、怪我人は出ないだろう。 『我はこの瞬間を待ち侘びておったのだ! 貴様は引っこんでおれ!』 『引っこむのは貴様のほうじゃ!』 口論を続ける魔王に、俺はため息をつく。 「どっちでもいいから――」 そのときだ。 俺の身体から、蒸気が噴き出したのだ。 「こ、これって、まさか......」 さっきから身体が熱いと思っていた。 てっきり恥ずかしさのせいで身体が火照っているのだと思っていたけど、違った。 退化薬の効果が切れかかっているのだ! 「お、おい! どっちでもいいから早く俺と戦って――」 ぼんっ!! 急激に身体が肥大化し、お姫様みたいな服が弾け飛んだ。 幸か不幸か、かろうじてパンツだけが残っているが、ほぼ全裸だ。 ......鏡を見るまでもない。 俺は、16歳に戻ってしまったのだ! こうなったからには、やるべきことである。 「シャルムさん、ちょっと俺のおしりを見てください!」 魔力斑 「な、なぜおしりを見ないといけないのだね!? というかその身体はなんなのだね!?」 シャルムさんは突然の事態に困惑している。 心の底から3歳児になりきるため、俺はシャルムさんやキュールさん、それにアイちゃんにも退化薬のことは伝えていなかったのだ。 そのため、俺に魔力が宿っていないことも知らないのである。 まあ、アイちゃんはフィリップ学院長から聞かされているかもしれないけど。 「いいから見てください! 俺のおしりに変わったところはありませんか!?」 「吾輩におしりを向けるのは止めたまえ! い、いろいろと見えているのだよ!」 「いろいろってなんですか!? 具体的に教えてください!」 「変態かねきみは!?」 こうなったら魔王に確かめてもらうしかないけど......でも、全国生放送されてるんだよな、これ。 そう考えると羞恥心が押し寄せてきた。 俺が恥じらっていると、魔王があとずさった。 『幼い姿で《光の帝王》を倒したのだとしたら、わしらに勝ち目はないかもしれぬぞ? どうするのじゃ、《水の帝王》よ』 『くくくっ、どうやら争っておる場合ではないようだ。あちらが真の姿を見せたというのであれば、我らも真の姿を見せてやるのだ』 『合体......するのじゃな?』 合体だって!? 魔王って、合体すんのか!? 「ま、まずい! アッシュくん、いますぐ魔王を倒すのだよ! でないと取り返しのつかないことになる!」 シャルムさんが慌ただしく告げてくる。 合体するってことは、魔王はいま以上に強くなるってことだろう。 シャルムさんは、魔王が俺の手に負えないほど強くなることを恐れているのだ。 「合体したら......強くなるんだな?」 俺は魔王に問いかけた。 できることならいますぐにでも魔王を倒して全国生放送を切りたいが、強敵と戦えるなら話はべつだ。 魔力斑が浮かんでいるかどうかわからないので、強敵と戦えるなら戦っておきたいのである。 『合体すれば、圧倒的な強さが手に入るのだ!』 『本来はすべての魔王と合体し、唯一強者になるはずじゃったが、貴様のせいで魔王はわしらだけになってしまったのじゃ』 『もっとも、我らだけの合体でも、余裕で貴様を超越できるがな!』 魔王は自信満々に言い放った。 「な、なにをやっているのだね!? 早く魔王を倒すのだよ!」 「......シャルムさん。俺、合体した魔王と戦います」 「正気かね!? この戦いに世界の存亡がかかっているのだよ!?」 確かに、俺の手に世界の存亡がかかっている。 だけど、この戦いには俺の夢もかかっているのだ。 どちらか一方を諦めるつもりはない。 俺は、どちらも手に入れてみせるのだ! 「安心してください。俺、必ず魔王を倒しますから」 「し、しかし万が一ということが――」 「や、やらせてあげてください!」 アイちゃんが息を切らして駆けつけてきた。 そのうしろから、エファやフェルミナさん、ノワールさんやニーナさん、ほかにも多くの生徒たちが駆けつけてくる。 「この世界は、アッシュさんがいなければすでに滅んでいたのです。 「わたしは誰がなんと言おうと師匠の決断を信じるっす!」 「アッシュくんはあたしのライバルなんだもん! 絶対に負けるわけないよ!」 「貴方が魔王を倒すまで、私は寝ないわ」 の材料集めたよ! だから......魔王を倒して一緒に調合しようよ!」 俺の大切なひとたちが、声援を送ってくれる。 俺を応援するために、危険を承知の上で集まってくれたんだ......。 みんなを守るためにも、そして俺の夢を叶えるためにも、必ず合体した魔王を倒してみせる! 「さあ――合体しろ!」 『よかろう! 貴様に真の強さを――真の恐怖を教えてやるのじゃ!』 『見るがよい、魔王の真の強さを! 感じるがよい、魔王の真の力を! そして嘆くがよい、我らを侮った自身の愚かさを!』 ガチャガチャと歯を鳴らし、《炎の帝王》と《水の帝王》が肩を組む。 次の瞬間、魔王の足もとに魔法陣が浮かびあがり、眩い輝きを放ち始めた。 瞬く間に明るさが増していく光のなか、二つのシルエットがくっつき、一つになっていく。 魔王が、真の姿になろうとしているのだ。 はたしてどんなバケモノが降臨するのか......。 煌々と光り輝くシルエットを、俺は目を閉ざすことなく見つめ続ける。 「す、すごい魔力を感じるよ......」 「大気が震えてるっす......」 「私、めまいがしてきましたわ......。アッシュさんは、いままでこんなバケモノと戦ってきたのですわね......」 「眠気が覚めたわ」 「が、頑張れアッシュくん。あ、あたし、怖いけど......もう逃げないって決めたから」 魔法陣から放たれていた輝きが、徐々に失われていく。 そして魔法陣が消えたとき―― そこには、赤と青の縦縞マントを羽織ったガイコツが佇んでいた。 『我が名は――《虹の 「2色じゃねえか!!」 パァァァァァン!!!!!!!!!! ビンタすると、魔王の頭蓋骨が粉々に吹き飛んだ。 待って損したよ! みんながどんだけ怖い思いをしたと思ってんだ! 俺がどんだけ恥ずかしい思いをしたと思ってんだ! せめて一発は耐えろよ! がちゃん......。 俺が心のなかで叫んでいる間に、頭部を失った《虹の帝王》は倒れてしまった。 ぴくりとも動かないところを見るに、完全に事切れたようだ。 「や、やりましたわっ! アッシュさんが魔王を倒してくださいましたわ! これで今度こそ世界は救われたのですわ!!」 アイちゃんが歓喜の声を上げた瞬間、わあっと歓声が上がった。 「「「「「アッシュ! アッシュ! アッシュ! アッシュ!」」」」」 アッシュコールが始まり、俺はみんなに胴上げされる。 せめて服を着させてくれ! そう叫びたくなったが、とても言い出せる雰囲気ではなかった。
Suddenly I lost my word to the Demon King who appeared in front of the school gate. "Tell all mankind! Meditate your eyes and see for yourself! The pathetic end of those who turned the Demon King around! Have a miserable end to Philip Valmilion! When I meditated on my eyes, I saw the school gate. By the magic of the Demon King, this pattern is broadcast live nationwide. It's embarrassing to be seen in women's clothing by one of the rest of the world, but great for spiritual growth. "I, the Demon King, will see it! "Are you just going to have a look?!? I'd like you to knock me down if you can..." "Of course I'll knock you down. But before that... Mr. Cuhle. If I get close to the Demon King, can you put a line around me and the Demon King? We have to deal with two at the same time this time. If you only have one, you can take it down with a single pan, and if you use double lariat, you can grind two at the same time. But there's a chance they'll let one get away with it. A demon king who sees a shattered demon king may use his magic to destroy the world. To avoid it, I want you to put a defensive line in the gap where I am distracting the Demon King. "It's hard for me to prevent the Demon King from attacking... but with all my magic, I can suppress the damage! "Yes, please! That's how the operation was decided, and the demon kings' conversation resonated in my head. "Can you hear me? Philip Valmilion. I know you're the Dean of the Erstadt School of Magic. I had a report. ' "If you don't come out, destroy the college." "Come on - if you don't want your godson killed, show up right now! "Wait a minute! I make a light jump and land in front of the Demon King. At that time, the skirt fluttered. When I think one of the rest of the world saw my pants, my body gets hot with so much embarrassment. 'What are you going to do, weak man? Are you gonna stand in front of us and be a hero? 'Will you die now or later? I'll let you choose the one you want.' I will smile at the Demon King, who will rattle his teeth. "Do you want to die now or later? That's my dialogue." I gave a lot of reasons to minimize the damage and not let the Demon King get away with it. But there are other real reasons not to defeat the Demon King right away. I was expecting the Fire Emperor and the Water Emperor somewhere in my mind. These guys could be my 'mighty enemies'. "Fine. If you want to die right now, let's make it happen. "The demon king was shattered as soon as he said so." It's like I've been watching you die. "I actually saw it. ... The Emperor of the Earth (Earth Road) is armed with earth when it comes to pinching" To my words, the demon kings stopped rattling their teeth. "How do you know that? "I know something else." The Emperor of Light (Light Road) uses the magic of a retrieval experience to be strong at the speed of light. " The demon kings are ready. "Hey, how do you even know about Emperor of Light?" "Who are you...? I finally laugh at it. "I'm the one who defeated the Demon King. I'm what you're looking for." The next moment, the demon kings sounded their teeth chattering with delight. 'Huhahahahahaha! Pleasant, never more pleasant! The fact that you defeated the Emperor of Light is no doubt that you are a mighty man! It doesn't matter anymore, such as Philip Valmilion, who defeated The Dark Lord! Kid, this is who I'm dealing with specially! "Don't wait! I'm the one who fights him! You stay back! What are you talking about? I don't care if the kid chooses to die right now or later! It's not for you to pull back! The demon king began to rub it. It's going to start a mix-up fight like this. "... can we take him down now? I look at the demon king who has begun to break with me, and Mr. Sharm speaks to me in a whisper. It's definitely full of gaps. Now you'll be able to bury two bodies at the same time in Double Lariat. But that's not gonna work! You can't grow spiritually by poking a gap and knocking it down! My dream is to be a wizard. In order to do that, you have to confront your enemies with dignity! The Devil King's aim has been narrowed down to one of me, and Mr. Cuhle's boundaries. One of the city's fleeing with the Demon King in his eyes, and there is a special bond within the College. I mean, I'm the only one in danger right now. Fighting the Demon King on this occasion will not cause any injuries. "I've been waiting for this moment! You stay back! "It's not for you to pull back! I sigh at the Demon King who keeps arguing. "Either way..." That's when. Steam gushed out of my body. "Oh, no way..." I thought my body was hot from earlier. I thought my body was on fire because of the embarrassment, but it wasn't. The degenerates are about to expire! "Oh, hey! Either way, fight me." Boom!! My body enlarged suddenly, and clothes like princesses bounced off. Happy or unhappy, barely the only pants left, but almost naked. ... I don't even have to look in the mirror. I'm sixteen years old! In this case, there is one thing to do. "Mr. Sharm, look at my buttocks for a second! Check for Magic Spots. "Hey, why do I have to look at my buttocks!? Or what is that body?!? Mr. Sharm is baffled by the sudden situation. Because I could be a three-year-old from the bottom of my heart, I didn't tell Mr. Sharm or Mr. Cuhle, nor did I tell Eye about the degenerates. Therefore, I do not know that I do not have magic. Well, Ai may have been told by Dean Phillip. "Just look! Has anything changed to my buttocks!? "Stop pointing your buttocks at us! Yes, I see a lot of things! "What's all this!? Tell me specifically! "What about you pervert!? If this happens, I'll just have to ask the Demon King to make sure... but they're broadcasting live nationwide, this. That's what shame pushed me to think. When I was ashamed, the Demon King abandoned me. "If you defeated the Emperor of Light at a young age, we might not have a chance of winning." What are you gonna do, Emperor of the Water? 'Goddamn it, apparently not if you're in contention. If it's true, we'll show it to you.' "Combine... don't you? Combined!? What is a demon king, a merger!? "Not good! Ash-kun, defeat the Demon King now! Otherwise it will be irrevocable! Mr. Sharm will tell you in a hurry. Combining will mean that the Demon King will be stronger than ever. Mr. Sharm is afraid that the Demon King will be too strong for my control. "When you merge... you're gonna be strong, aren't you? I asked the Demon King. I'd like to defeat the Demon King and cut the national live broadcast as soon as I can, but if I can fight the mighty enemy, I'm talking about it. I don't know if there are magic spots, so if I can fight a mighty enemy, I want to fight them. 'Combine to gain overwhelming strength! "It was supposed to merge with all the demon kings and be the only strong ones, but because of you, the demon kings have become us alone." "We can transcend you at our leisure even in our own merger! The Demon King said confidently. "Hey, what are you doing!? Quickly defeat the Demon King! "... Mr. Sharm. I will fight the combined demon kings." "Are you insane!? This battle depends on the survival of the world!? Indeed, the survival of the world rests on my hands. But this battle also takes my dreams. I'm not giving up one side or the other. I'll let you get both! "Don't worry. I will defeat the Demon King." "But just in case..." "Ya, let him do it! Eye ran out of breath. From then on, Efa and Fermina, Noir and Nina, and many other students rush in. "This world would have already perished without Mr. Ash. I (I) respect Mr. Ash's will! "I believe in my master's decision, no matter what he says! "Ash-kun is my rival! You'll never lose! "I will not sleep until you defeat the Demon King." "Look, look, Ash-kun! I gathered the ingredients for the energy pills! So... let's defeat the Demon King and mix it together! One of my loved ones cheers me on. In support of me, you gathered me in awareness of the danger... To protect everyone, and to fulfill my dreams, I will surely defeat the combined Demon King! "Come on - merge! "Come on! I'm going to teach you true strength... true fear! "Behold, the true strength of the Demon King! Feel it, the true power of the Demon King! And mourn, your own stupidity that has insulted us! The chatter rattles his teeth, and The Emperor of Fire and The Emperor of Water shoulder to shoulder. At the next moment, a magic formation floated at the feet of the Demon King and began to shine a dazzling glow. Two silhouettes stick together and become one in the light that instantly increases in brightness. The Demon King is trying to be true. What kind of bucket comes down once again...... I keep staring at the glowing silhouette without closing my eyes. "Shh, I feel amazing magic..." "The atmosphere is shaking..." "I'm feeling dizzy... Ash has fought such a bucket so far..." "I'm drowsy." "But come on, Ash. Oh, I'm scared... because I've decided not to run anymore" The brilliance that was emitted from the magic formation is gradually lost. And when the magic team disappeared... There stood a guillotine with feathers of red and blue vertical striped capes. "My name is - The Rainbow Emperor (Rainbow Road)"!! "That's two colors!! Pahhhhhh!!!!!!!! Binta, the Demon King's skull blew to pieces. Wait, I lost it! How scared we all thought we were! How embarrassing you think I am! At least take one shot! but...... While I was screaming in my heart, the Rainbow Emperor, who lost his head, fell. Looks like we're completely out of time to see where it doesn't even move. "Yay, I did it. Wow! Mr. Ash has defeated the Demon King! Now the world is saved!! The moment Ai raised her voice of joy, she cheered awfully. "" "" "" Ash! Ash! Ash! Ash! "" " Ashkor starts, and I get torn up by everyone. At least let me get dressed! That's what I wanted to scream about, but it wasn't a very telling atmosphere.
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港町フランコをあとにして3日目の午後。 「かなり賑やかな町だね」 「エルシュタニアよりひとが多いわ」 列車を乗り継いで王都にやってきた俺たちは、ひとの多さに驚いていた。 背の高い建物に挟まれた大通りには多くの人々が行き交い、祭りのときみたいな賑々しさが漂っている。 さすがに毎日こんなに賑やかってわけじゃないだろうし、きっと武闘大会目的で集まったんだろうな。これ全部が参加者ってわけじゃないだろうけど、出場するひとは多そうだ。 どんな強者と戦えるのか、いまからわくわくしてきたぞ! 「さっそく強者を探すのかしら?」 「その前に、まずは宿を借りて荷物を置こう」 「貴方とはぐれないようにするわ」 ノワールさんがぎゅっと服の裾を掴んでくる。 「ところで、ノワールさんは大会に出ないの?」 宿屋を探す道すがら、俺はたずねた。 「私は出ないわ。だって、貴方とは戦いたくないもの」 「俺と戦っても、怪我することはないよ」 王都を訪れるまでに、いろいろと情報を集めたのだ。 日程は予選が3日、本戦が1日の計4日で、優勝者は王様から好きな褒美がもらえるらしい。会場には学院の闘技場と同じような結界が張られているため、思いきりやっても怪我人は出ないのだとか。 つまり安心して戦えるってわけだ。 「貴方には魔法を使いたくないわ」 言われてみれば、俺もノワールさんが相手だとちょっとやりづらいな。 「わかった。じゃ、予選中は適当に暇つぶししといてよ」 本戦開放されるけど、予選を観戦することはできないのだ。 「暇つぶし......買い物とかしててもいいかしら?」 「もちろん! お金は渡すから、好きなものを買っていいよ」 「いらないわ。だって、私のお金があるもの」 「べつにお金の心配はしなくていいけど......」 交通費とか宿泊費でだいぶ減ってるけど、お金はまだ残っているのだ。ノワールさんには普段世話になってるし、遠慮せずにがんがん使ってほしい。 「私のお金じゃないとだめなのよ」 よくわからないけど、ノワールさんがそう言うならそれでいいか。 「わかった。じゃ、もし足りなかったら遠慮なく言ってよ。......っと、見つけた」 街角に宿屋を発見する。 さっそく店内に入ってみるが......満室だった。 「満室なのははじめてね」 「だね」 ま、国中のひとたちが集まってるわけだしな。おまけにこの宿屋は会場のそばにあるし、満室なのは当然だ。 とはいえ王都は広いし、探せばそのうち見つかるよな! ......このときはそう思っていたけど、3時間が過ぎても空室を見つけることはできなかった。 「野宿でも平気だわ」 ノワールさんは諦めモードだ。野宿なんて何度もしてきたけど......長旅で疲れてるだろうし、できればベッドで休ませてあげたいんだよな。 日が暮れるまでに宿屋が見つからなかったら、隣町に泊まるとするか! 「こっちのほうを見てみよう!」 俺はノワールさんをつれて薄暗い路地裏に踏みこんだ。ふたり並んで歩くのがやっとな細道を進んでいると、小さな女の子と出くわした。座りこみ、うつむいている。 どうしたんだろ? 「迷子かしら?」 ノワールさんの声を聞き、女の子がびくっと顔を上げた。びくびくしながら俺たちを見上げている。 「ママとはぐれたの?」 怖がらせないようにそっとたずねると、女の子は小さくうなずいた。ノワールさん(3歳)と3ヶ月近く接したからか、子どもとの接し方が上手くなってる気がするな。 「名前はなんていうの?」 「......スウス」 「歳はいくつ?」 「.....」 「スウスちゃんは、いつまでママと一緒にいたの?」 「......ママとお昼ごはんを食べたらいなくなっちゃったの」 昼食のあとにはぐれたってことか。そろそろ夕飯時だし、はぐれて3時間は経つな。王都のどこかにはいるだろうけど......普通に捜すと骨が折れそうだ。 そうだっ! 「スウスちゃんのママは、なんていう名前なの?」 両親を捜す方法を閃いた俺は、さっそくたずねてみた。 「......リア」 「ママと会わせてあげるから、お兄ちゃんたちと駅に行こう」 「......行く」 スウスちゃんを抱っこして、俺たちは駅へと向かう。 「なにをするつもりかしら?」 駅に到着すると、ノワールさんが不思議そうにたずねてきた。 「スウスちゃんの母親を呼ぶから、ふたりは耳を塞いでて」 そう告げて、俺は駅の屋上に飛び乗った。 うっすらと夕焼けに染まりつつある空を見上げ、 「リアさぁぁぁぁん!!!!!! スウスちゃんが迷子になってますよ!!!!!! 駅前にいます!!!!!!」 大声で叫ぶ。原始的な方法だけど、俺にはこうすることしかできないのだ。 王都中に響いただろうし、スウスちゃんのご両親にも届いたはずだ。 「繰り返しお知らせします!!!!!!」 念のため繰り返し叫び、ノワールさんのもとへ戻る。 ノワールさんとスウスちゃんはふらふらしていた。街中のひとたちが耳を押さえて立ち止まり、あんなに賑やかだったのに王都は静まりかえっている。 加減はしたつもりだけど......もうちょっと抑えたほうがよかったかもな。 そうして待つこと小1時間。 日が暮れてきた頃、若い2人の男女が俺たちのもとへ駆け寄ってきた。 「「スウス!」」 呼び声に、スウスちゃんはハッと目を見開いた。 声のしたほうを振り向き、涙目になる。 「ママ! パパ!」 スウスちゃんは両親のもとへ駆け寄った。転けそうになったものの、母親に抱きしめられる。 「このお兄ちゃんがね! スウスを助けてくれたの! おっきな声でしゃべってて、スウスびっくりしちゃった!」 両親と再会できて安心したのか、スウスちゃんは嬉しそうに報告している。 それを聞いたご両親は、俺たちにぺこぺこ頭を下げてきた。 「娘を見つけていただいて本当にありがとうございます! なんとお礼を言ったらよいか......」 「気にしないでください。宿屋を探してる途中にたまたま見つけて、ちょっと叫んだだけですから」 「宿屋を探しているのでしたら、ぜひ私の部屋を使ってください! 私たちは従姉の部屋に泊まりますので!」 話によると、スウスちゃん一家は従姉一家と王都を訪れ屋借りていたらしい。一緒に昼食に出かけ、従姉一家と話している間にスウスちゃんはいなくなっていたのだとか。 「本当にお借りしてもいいんですか?」 ちょうど駅前に来てるし、このまま隣町に行こうと思ってたんだけど。 「もちろんです! お部屋まで案内しますので、私たちについてきてください!」 宿屋を提供してもらえるのは正直助かるので、ご厚意に甘えることにする。旅慣れてるとはいえ、ノワールさんに野宿はさせたくないしな。 「お兄ちゃんのお声は、どうしてそんなに大きいのっ?」 「身体を鍛えたからだよ」 「どうして身体を鍛えたのっ?」 「魔法使いになるためだよ」 「どうして魔法使いになりたいのっ?」 「ど派手な魔法を使いたいからだよ」 質問攻めにされつつ宿屋へ向かう。 「すみませんねぇ。この娘ったら質問ばかりで。ところで、おふたりはご夫婦かなにかで? 王都へはなにをしに? 1週間しか部屋を借りてないんですけど、しばらく滞在するんですか? もっと長く滞在するようでしたら、追加の料金をお支払いしますが」 スウスちゃんの質問好きは遺伝らしい。 「俺とノワールさんは学生時代からの友達ですよ。王都には大会に出るために来ました。大会が終わったらすぐに王都を発つ予定ですし、そんなに長くは滞在しませんよ」 「お兄ちゃん大会に出るのっ? じゃあスウス、お兄ちゃんに元気が出るおまじないをかけてあげる! だってスウスね、大きくなったらお兄ちゃんみたいな英雄さんになりたいもんっ!」 話に脈絡がないけど、小さい子はこんなものだ。 「すみませんね。この娘ったら、いつも『英雄になる』ばかり言ってるんです。気にしないでくださいね」 「ほんとだよ? スウス、ほんとにお兄ちゃんみたいな英雄さんになるんだよ?」 「こないだは『魔王を倒したひとみたいな英雄になる』って言ってなかったかい?」 「その次は『大会に優勝したひとみたいな英雄になる』って言うわね、きっと」 両親がからかうように言うと、スウスちゃんはほっぺたを膨らませる。 「ほんとだもん! ほんとに英雄さんになるもん! 大きくなったらハンターになって、困ってるひとを助けるもん!」 スウスちゃんの決心を聞いているうちに、俺たちは宿屋に到着した。 「ここって......」 最初に訪れた会場近くの宿屋だった。王都で一番人気の宿屋っぽいけど......ほんとに借りてもいいのかな? 念のため確認してみたところ、気にせずに使ってくださいと言われた。 「じゃあね英雄さん! ぜったいに優勝してね!」 部屋まで案内してもらったところで、俺たちはスウスちゃんと別れた。 スウスちゃんの期待に応えるためにも、ぜったいに優勝しないとな! そうして部屋に荷物を置いた俺は、武闘大会への出場申請をしに再び街へと向かうのだった。
The afternoon of the third day after the port town of Franco. "It's a pretty busy town." "There's more of you than Elstania." We took the train and came to King's Capital, and we were amazed at the amount of one. The boulevard, sandwiched by tall buildings, is filled with many people and is as lively as it was at the festival. That's just not going to be so busy every day, and I'm sure we got together for militant tournament purposes. I know this isn't all a participant, but there seems to be a lot of one competing. I'm so excited to see what kind of strong man you can fight! "Are we looking for the strong now? "Before we do that, let's rent an inn and put our luggage away" "I'll keep you company." Mr. Noir grabs the hem of his clothes all the time. "By the way, isn't Mr. Noir going to the tournament? On the way to find a place to stay, I asked. "I'm not answering. Because I don't want to fight you." Fighting me won't hurt you. By the time I visited Wang capital, I had gathered a lot of information. The schedule is three qualifying days and the main game is a total of four days a day, and the winner gets his favorite reward from the king, apparently. Because the venue has the same boundaries as the college arena, there will be no injuries if you do what you want? That means you can fight with confidence. I don't want to use magic on you. If you ask me, it's a little hard for me to say that Mr. Noir is the opponent, too. "Okay. Well, you'll have to spare some time during the qualifying period." The main game is open to the public, but you can't watch the qualifiers. "I'm free...... can I shop or something? "Sure! I'll give you the money, you can buy whatever you want" "I don't need it. Because what I have money for." "You don't have to worry about money..." There's a lot less for transportation and lodging, but the money's still there. Mr. Noir usually takes care of me, and I don't want you to hesitate to use cancer. "It has to be my money." I don't know, but if Mr. Noir says so, fine. "Okay. Well, if it's not enough, don't hesitate to tell me.... all the while, I found it" Discover an inn on the corner. I'll just go inside the store...... it was full. "I've never been full before." "Right." There's a bunch of people from all over the country. Besides, this inn is by the venue, and naturally it's full. The king's capital is huge though, and if you look for it, you'll find it one of these days! ... That's what I thought at this time, but I couldn't find a vacancy after three hours. "I'm fine in Nojuku." Mr. Noir is in giving up mode. I've done a lot of wild lodging... but you'd be tired from a long trip, and I'd like to let you rest in bed if I could. If you can't find a place to stay by sundown, suppose you stay in the next town! "Let's see this one! I followed Mr. Noir into a dim alley. I ran into a little girl as they walked side-by-side on a final detour. Sitting down, depressed. What's the matter with you? "Are you lost? Hearing Mr. Noir's voice, the girl looked up frightened. He looks up at us frightened. "Are you out of line with your mom? The girl nodded small as she gently snapped to avoid scaring her. Because I've been dealing with Mr. Noir (three years old) for nearly three months, I don't think he's treating children better. "What's your name? "... sous" "How old are you? "... three" "How long have you been with your mom, Swiss? "... I had lunch with my mom and she was gone." Are you saying you fell off after lunch? It's time for dinner, and it's been three hours. He'll be somewhere in the Wang capital... but if you look normally, he's going to break his bones. That's right! "What's your mom's name? I flashed a way to find my parents, and I just asked. "... Leah" "I'll let you meet my mom, let's go to the station with your brothers" "... go" Hold Swiss, we're headed to the station. "What are you going to do? When I arrived at the station, Mr. Noir began to wonder. "I'll call Susu's mother, so you two block your ears." That's what I told him, I jumped on the roof of the station. I looked up at the sky, which was soaking in the sunset, "Reasa!!!!! Swus is lost!!!!! I'm in front of the station!!!!!" Shout out loud. It's a primitive way, but this is all I can do. It would have sounded all over the Wang capital, and it must have reached Susu's parents. "I'll let you know again!!!!!" I scream repeatedly just in case and return to Mr. Noir. Mr Noir and Mr Swiss were flustered. One of the people from all over the city stopped holding his ear, and the king's capital is quiet, even though it was so busy. I meant to add or subtract... maybe I should have kept it down a little bit. Waiting like that is a small hour. When the sun came down, two young men and women rushed to us. "" Swiss! To the call, Swiss opened her eyes haha. Turn around the voices, tears eyes. "Mom! Dad! Swiss rushed over to her parents. Though I almost fell, my mother hugs me. "This brother! You saved Swiss! I talked in a loud voice, and I was SOUTH surprised! You're relieved to be reunited with your parents, Swiss is happy to report. Your parents, who heard about it, kept their heads down on us. "Thank you so much for finding my daughter! What a thank you..." "Never mind. I just happened to find it on my way to find a place to stay and screamed." "If you are looking for a place to stay, please use my room! Because we're staying in our cousin's room! According to the story, the Swiss family visited the Wang Capital with their cousins and rented two rooms. You think he went out to lunch with me and that Swus was gone while he was talking to his cousins? "Can I really borrow it? I'm just here in front of the station, and I was thinking of going straight to the next town. "Of course! Follow us as we'll show you to your room! It is honestly helpful to have the accommodation provided, so I decide to be generous and sweet. Though I'm used to traveling, I don't want Mr. Noir to be in the wild. "Why is your brother's voice so loud? 'Cause I trained my body.' "How did you work out your body? "To be a wizard." "How did you become a wizard? 'Cause I want to use flashy magic.' I'm headed to the inn while being questioned. "Excuse me. If this girl asks all the questions. By the way, are you two a couple or something? What are you doing in Wang Du? I've only rented a room for a week, are you staying for a while? If it looks like you're staying longer, I'll pay you an extra fee." Sounds like Swiss's question lover is hereditary. "Me and Mr. Noir have been friends since we were students. I came to Wang Du to attend the tournament. As soon as the tournament is over, we're leaving King's Capital, and we won't be staying that long." "Brother, are you going to the tournament? Well, then, Swiss, I'll cheer your brother up. I'll be damned! 'Cause you're Swiss, when you grow up, you want to be a hero like your brother! There's no context in the story, but the little one is like this. "I'm sorry. When I say this girl, I always say 'be a hero'. Never mind." "Really? Swiss, you're really gonna be a hero like your brother, aren't you? "Didn't you say 'Be a hero like the one who defeated the Demon King' the other day? "Next thing you know, you're gonna be a hero like the one who won the tournament." When her parents tell her to tease her, Swooth swells her cheeks. "Really! You're really going to be a hero! When you grow up, be a hunter and help one in need! While I was listening to your decision, we arrived at the inn. "What's here..." It was the first inn near the venue I visited. Sounds like the most popular inn in Wang Du... can I really rent it? I checked it just in case and they told me not to worry about using it. "Bye, hero! Win at all costs! I was just shown to my room, and we broke up with Swiss. To meet your expectations, Swiss will have to win! That's how I left my luggage in my room, and I went back to the city to apply for a martial arts tournament.
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俺はエファエル家の空き部屋で、 ......いや、見つけてしまった、ってのは大袈裟だな。 冷静に考えれば魔法杖に一本どころか、一人一本は持ってるものだしさ。 定期的に買い替えるひともいるし、空き部屋に放置されててもおかしくはない。 けど、俺は16歳になったいまでも魔法杖を持っていない。 それどころか、触ったことすらないのだ。 そんな魔法杖が、俺の目の前に転がっている......。 予期せぬ出会いに、俺はどきどきしてしまっていた。 「......ちょっと触ってみてもいいかな?」 俺ん這いになり、顔を床に近づけるようにして魔法杖を眺める。 「ししょー、ご飯っすよ~......って、なにやってんすか?」 エファがぽかんとした顔で俺を見下ろしている。 いまの俺は、客観的に見るとかなりの不審者だ。 弟子にこんな姿は見せられない。 俺はすぐさま正座する。 「魔法杖があったから、びっくりしたんだよ」 「あー、これ、わたしが5歳のときに買ってもらった魔法杖っすね」 エファは俺の前に正座すると、当時を懐かしむように言った。 「買い替えたのか?」 「これ、子供用っすからね。手が大きくなって握り心地が悪くなったんすよ。それで10歳の誕生日に新しいのを買ってもらったんすけど......」 エファは俺の顔を不思議そうに覗きこむ。 「あの、そんなに魔法杖が珍しいんすか? 毎日のように見てると思うんすけど......」 「見たことはあるけど、触ったことはないからな」 エファはきょとんとする。 「でも師匠、魔力がないって言ってなかったっすか?」 「言ったぞ」 「魔力がないって、どうやって確かめたんすか?」 が浮かばなかった......」 そこまで言って、俺はふと思った。 生まれつき魔法の才能が壊滅的だと、1歳~4歳の頃に人体に浮かぶ魔力斑は限りなく薄くなる。 魔力斑があまりにも薄すぎると、しっかり確認したつもりでも、見落としてしまうこともある。 そして俺は記憶にある限り、魔力測定を受けたことがない。 魔法杖を使って、魔法を使おうとしたこともないのだ。 つまり―― 俺に魔力が宿っていないという証拠は、どこにも存在しないのだ! もしかすると、俺はとんでもない勘違いをしていたのかもしれない。 自分に魔力がないと思いこんでいただけで、本当は魔法を使うことができるのかもしれないのだ! そう考えると、いてもたってもいられなかった。 「エファ!」 「なんっすか、師匠っ!」 「ちょっとこれ借りてもいいか!? 俺に魔力があるかどうか、確かめたいんだ!」 魔法杖は魔法使いにとって『魂』みたいなものだ。 信頼関係を結んでいるからといって、おいそれと貸していいものではない。 俺はそう思っていたのだが...... 「そういうことなら、その魔法杖は師匠にお譲りするっすよ!」 エファはにっこり笑ってそう言った。 「いいのか?」 「こんなところでほこりをかぶるより、誰かに使ってもらったほうが魔法杖も幸せっすからね」 「エファ......」 良くできた弟子を持てて、俺は幸せ者だ。 「俺の、魔法杖......」 俺はそっと魔法杖を手に取った。 つるつるとした柄は、しっかり握らないと落としてしまいそうだ。 いやぁ、もうほんと......触っただけでこんなに感動するとは思わなかったよ。 これで本当に魔法が発動したら、嬉しすぎて死んじゃうかもしれないな。 その逆パターンは......まあ、考えないようにしとくか。 「じゃあ、ちょっと魔法を使ってくるからな」 「あっ、その前にご飯を食べてほしいっす。温かいほうが美味しいっすからね」 「わかった。楽しみはあとに取っとくよ」 俺はどきどきしつつ、エファとともに食卓へと向かうのだった。
I found a magic wand (Wizards Rod) in the empty room of the Ephael family! ... No, I found it, that's a big deal. If you think calmly, instead of having one magic wand in the family, you have one for each. I have one to replace regularly, and it's not strange to be left in an empty room. But I don't have a magic wand when I'm sixteen. On the contrary, I've never even touched it. Such a magic wand is rolling in front of me... Sometimes I had an unexpected encounter. "... can I touch you for a second? I crawl on all fours, keep my face close to the floor and watch the magic wand. "Shit, I'm gonna have dinner ~... what are you doing? Efa is staring down at me with a pompous face. I'm quite suspicious right now, objectively. I can't let my apprentice look like this. I'll be right there. "I was surprised because there was a magic wand." "Uh, this looks like the magic wand I bought when I was five." When Efa sat in front of me, she told me to miss the time. "You switched? "This is for kids. My hands are getting bigger and I feel uncomfortable gripping them. So on my th birthday, they bought me a new one..." Efa peeks at my face in wonder. "Um, is that so rare a magic wand? I think I see it like every day..." "I've seen it, but I've never touched it." Efa shall be decent. "But Master, didn't you say there was no magic? "I told you." "How did you know there was no magic? "Nothing to be sure of, the magic spot (Stiegel) didn't float..." That's all I thought. When born with a devastating gift of magic, the magic spots that float in the human body are infinitely thinner when you are between the ages of and . Sometimes if the magic spots are too thin, even if you intend to make sure, you overlook them. And as far as I can remember, I've never had a magic test. I've never tried magic with a magic wand. I mean... Evidence that I don't have magic resides anywhere! Maybe I was making a hell of a mistake. I was just thinking I don't have magic, maybe I can actually use magic! Thinking about it, I couldn't stay or not. "Efa!" "Somehow, master! "Can I borrow this for a second?!? I want to see if I have magic! A magic wand is like a 'soul' to a wizard. Just because you have a relationship of trust doesn't mean you can lend it to me. That's what I thought... "If that's the case, I'll give you the magic wand! Efa laughed and said so. "Are you sure? "I'd rather have someone use the magic wand than dust it in here." "Efa......" With a well-made apprentice, I'm a happy man. "Mine, magic wand..." I grabbed the magic wand gently. The tight pattern is going to drop if you don't grip it tightly. Hey, I really... I didn't think you'd be so impressed with just touching it. If this really activates magic, you could be too happy to die. The reverse pattern is... well, let's not think about it. "Well, I'm going to use some magic." "Oh, I want you to have dinner before then. It tastes better when it's warm." "Okay. I'll take the fun out of it." Every now and then, I went to the table with Efa.
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うわぁ、どうしよ......。 俺は亀裂沿いに荒野を走りながら頭を悩ませていた。 地平線の向こうに、真になった建物を見つけてしまったのだ。 空き地で野球してて窓ガラスを割ってしまった子どもって、こういう気持ちなのかな? 窓ガラスくらいなら素直に謝れば許してもらえそうだけど、俺は家を真っ二つにしてしまったのだ。 謝ったところで許してもらえるとは思わないし、弁償して恨まれるかもしれない。 けど、この際恨まれるのは構わない。 とにかく家主さえ無事でいてくれればそれでいいのだ。 そんなことを考えている間に、目的地にたどりつく。 走っているときは建物にしか目がいかなかったけど、荒野にはふたりの人間がいた。 ひとりは白衣を着たおじいさんで、もうひとりは―― 「あれ? ノワールさん? こんなところでなにしてるんだ?」 俺は地面に寝転がっているノワールさんに話しかけた。 「帰省よ」 「えっ。じゃあこれ、ノワールさんの実家なの?」 俺は同級生の実家を真っ二つにしてしまったのか......。 「ごめん、ノワールさん! これ、俺のしわざなんだ!」 俺はノワールさんに頭を下げた。 おじいさんにも謝りたかったけど、岩石の前で白目を剥いて「すごいぞーっ。かっこいいぞーっ。いけー、ごーれむぅ!」となにかに取り憑かれたようにつぶやいているし、とても謝れるような雰囲気ではない。 おじいさんには、あとでちゃんと謝ろう。 「これ、貴方がやったの?」 ノワールさんは地面に倒れたまま、きょとんとした顔でたずねてくる。 「本当にごめん! こんなつもりじゃなかったんだ。俺はただ、空を飛ぼうとしただけなんだ......」 「意味がわからないわ」 を振ったらカマイタチが発生して、地平線の向こうまで大地が割れたんだよ」 ノワールさんはますます困惑顔をする。 俺だって、いまの説明で理解してもらおうとは思っていない。 けど、ほかに説明のしようがないのだ。 「だけど、貴方は命の恩人だわ」 「俺が......命の恩人?」 死神の間違いじゃなくて? 「私を助けただけではないわ。貴方は世界を救ったのよ」 どちらかというと世界を壊した気がするけどな。 大地、割っちゃったし。 けど、ノワールさんの顔は真剣そのものだ。 冗談を言っているようには見えない。 「ちょっと理解が追いつかないんだけど......どうして俺が命の恩人で、世界を救ったことになってるんだ?」 俺の質問に、ノワールさんは要点をまとめてわかりやすく説明してくれた。 「つまり、あの岩石とおじいさんは悪者で、あの建物はべつに壊しても問題なかったってことだな?」 「そういうことよ」 説明している間に体力が回復したらしいノワールさんは、上半身を起こしてうなずいた。 「研究所が真っ二つになった以上、もう世界最強の魔法使いを生み出す研究を続けることはできないわ」 「なるほどね。それにしても、ノワールさんが俺と同じ境遇だったとはね」 俺はノワールさんの生い立ちについても聞かされていた。 が浮かばず、親に捨てられて孤児になったところを老人に拾われたのだ。 そして俺は世界最強の武闘家に、ノワールさんは世界最強の魔法使いになるように育てられたのである。 「同じ境遇って......貴方は魔法使いではないの?」 「俺は魔法使いを目指す武闘家だよ」 「武闘家......? この地割れは、魔法によるものではないの?」 「これは物理攻撃だよ。俺は魔力斑が浮かばなかったせいで親に捨てられてね。育ての親になってくれた師匠のもとで努力しまくった結果、こんなことができるようになったんだ」 「意味がわからないけれど、たしかに貴方と私は境遇が似ているわ」 だけど、とノワールさんは悲しそうな顔をする。 「貴方と違って、私には友達がいないわ」 「じゃあ、俺がはじめての友達だな」 ノワールさんは目をぱちくりさせる。 「私と友達になってくれるの?」 「うん。ノワールさんが嫌じゃなければ――」 「大歓迎だわ」 ノワールさんは食い気味に言った。 「それじゃ、エファの家に行こっか」 「私は、お邪魔虫ではないかしら?」 「そんなことないよ。エファの家族はみんな優しいんだ。出会って1秒で受け入れてもらえるよ」 「......私のことを紹介してもらえると嬉しいわ」 「俺の友達だって紹介するよ。あと......」 俺は、真っ二つになったゴーレムのほうへ視線を向ける。 「ぶぅーん、ずががががががっ。いいぞーっ、かっこいいぞーっ」 リングラントさんは両手に石つぶてを持ち、がちゃがちゃとぶつけて遊んでいた。 ゴーレムを失ったショックで、一時的に精神がおかしくなっているのだろう。 フィリップ学院長に診せれば、なんとかしてもらえるかな? 「ここに残すのは危ないし、リングラントさんもエファの家に連れていくよ」 「あれはさすがにお邪魔虫ではないかしら?」 「害はなさそうだし、たぶん受け入れてもらえると思うよ」 特子ちゃんは気に入ってくれそうだ。 いまのリングラントさんは、精神年齢的に5歳くらいだと思うし。 そうしてノワールさんを納得させた俺はふたりを両脇に抱えると、エファエル家へと引き返したのだった。 ノワールさんがエファエル家に歓迎されたのは......まあ、言うまでもないことだろう。
Wow, what do I do... I was running along the crack in the wilderness, haunting my head. Beyond the horizon, we found a building in two. Is this how a kid who played baseball in an empty space and broke window glass feels? If it's about windowsills, if you apologize honestly, you'll forgive me, but I've turned the house into two. I don't think you can forgive me where I apologized, and even if I make amends, I might be resented for the rest of my life. But I don't mind being resented at this time. Anyway, that's fine as long as the landlord is safe. While I'm thinking about that, I get to my destination. When I was running, I only had eyes on the building, but there were two people in the wilderness. One was a grandfather in white, and the other... "Is that it, Mr. Noir? What are you doing here? I spoke to Mr. Noir as he fell asleep on the ground. "Homecoming." "What. So this is Mr. Noir's home? "That's right." Did I turn my classmate's home into two... "Sorry, Mr. Noir! This is my wrinkle! I bowed my head to Mr. Noir. I wanted to apologize to my grandfather too, but I peeled my white eyes in front of the rocks and said, "Wow. That's cool. Go, go, go!" He's crushing like he's possessed something, and he doesn't have a very apologetic vibe. Let's apologize properly to Grandpa later. "Did you do this? Mr. Noir leaves to fall to the ground, wandering with a decent face. "I'm so sorry! I didn't mean it like this. I was just trying to fly..." I don't know what that means. "When I waved the magic wand (Wizards Rod), a claw broke out and the earth broke across the horizon." Mr. Noir looks more and more puzzled. Even I'm not trying to get you to understand it in your current explanation. But there's no other explanation. "But you owe me your life." "I... benefactor of my life? Not the mistake of Reaper? "You didn't just help me. You saved the world." I think it kind of ruined the world, though. The earth, I broke it. But Mr. Noir's face is serious in itself. Doesn't look like you're joking. "I just can't keep up with my understanding... how come I'm the benefactor of my life and I'm supposed to have saved the world? To my question, Mr. Noir summed up the main points and explained them plainly. "I mean, that rock and grandpa were bad guys, and that building didn't have a problem breaking it down, did it? Mr. Noir, who apparently recovered health while he was explaining, woke up his upper body and nodded. "I can't continue my research producing the most powerful wizards in the world any longer than the Institute has turned into two." "I see. Still, I didn't know Mr. Noir was in the same situation as me." I was also asked about Mr. Noir's birth. Me and Mr. Noir didn't get magic spots (Stiegel) and the old man picked me up where my parents abandoned me and orphaned me. And I was raised by the most powerful militant in the world, Mr. Noir, to be the most powerful wizard in the world. "What's the same situation... you're not a wizard? "I'm a warrior looking for a wizard." "A militant...? Isn't this ground crack caused by magic? "This is a physical attack. My parents threw me away because I didn't have magic spots. As a result of my efforts under my mentor, who became a parent to me, I was able to do this." "I don't know what that means, but you and I are in a similar situation." But Mr. Noir looks sad. "Unlike you, I have no friends." "Well, I guess I'm your first friend" Mr. Noir closes his eyes. "Are you going to be friends with me? "Yeah, if Mr. Noir doesn't like it..." "You're welcome." Mr Noir said to the eating mood. Let's go to Efa's house. "Am I not a disturbing bug? "That's not true. Efa's family is all sweet. We'll meet and you'll accept it in a second." "... it would be nice if you could introduce me" "I'll introduce you to my friends, too. And then..." I turn my gaze toward the golem, which has become two. "Buh, the scratches are broken. Nice. Cool." Mr. Ringrant had a stone crush on both hands and was playing with a crouch. I guess the shock of losing the golem is making me temporarily insane. If I see Dean Philip, can you do something about it? "It's not safe to leave them here, and Mr. Ringrant will take them to Efa's house." "Isn't that just a disturbing bug? "It doesn't seem harmful, and I'm sure you'll accept it." Five kids in particular are going to like it. I think Mr. Ringrant is about five years old at his mental age. That's how I convinced Mr. Noir that when I held them aside, I turned back to the Ephaels. Mr. Noir was welcomed by the Efael family... well, needless to say.
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ついに迎えた本戦当日の朝! 俺は魔法使いっぽく見える服装に身を包み、ノワールさんの前に立っていた。 「どうかな? 似合う?」 帽子と杖が加わって、ますます魔法使いっぽくなったわ」 「ありがと! これで華々しく魔法使いデビューできるよ!」 本戦にドレスコードなんてないけど、せっかくだし魔法使いっぽい格好で戦いたかったのだ。 なにせ今日は記念すべきデビュー戦なんだからな! 初日に予選を突破したおかげで時間があったため、王都を巡って魔法使いっぽく見えるアイテムを探したのだ。 おかげで素敵な三角帽子と杖を手に入れることができた。センスが似てるのか、どっちもモーリスじいちゃんが持っていたのと同じようなデザインだ。 特に杖なんてモーリスじいちゃんのとそっくりだ。もちろんこいつはただの杖。本戦は懐の相棒と勝ち進むけどな! 「じゃ、行こっか」 服装チェックをしてもらった俺は、杖をつきながらノワールさんと闘技場へ向かう。 宿屋を出てすぐ目の前が闘技場だ。さすのイベントなだけあって、会場前は大勢のひとで賑わっている。みんな大会の話題で持ちきりだ。 「ねえねえ! 第三闘技場のあの話、聞いた!?」 「聞いたわ! 誰かが闘技場を吹き飛ばしちゃったんでしょ!?」 「そうそう! しかも闘技場を吹き飛ばしたあと、『こいつは挨拶代わりだぜ!』とか言ったんですって!」 言ってないよ! そんな悪役っぽい台詞、言ってないよ! なんか変な感じで伝わってるけど......楽しそうにしゃべってるし、俺が登場してもブーイングは起こらないよな? 「そのひとって、トロンコ様より強いのかしら?」 「うーん、どうだろ。前回はトロンコ様の圧勝だったけど......挨拶代わりに会場を壊すようなひとだし、どうなるかわからないわね」 「なんにせよ、誰がトロンコ様と戦うのか楽しみね!」 こないだ知ったけど、本戦はトロンコさんへの挑戦者を決める戦いらしい。 はじめはトロンコさんも予選に出てたらしいけど、あまりにも強すぎるため挑戦者形式になったのだとか。 「トロンコは間に合うのかしら?」 ノワールさんがたずねてくる。 3時間ほど前に強者の居場所を示す地図を確認したところ、大陸からグリューン王国に向かって猛スピードで移動する赤点を発見した。 それこそがトロンコさんなのだ。 「すごい速さだったし、間に合うんじゃないかな」 どうして大陸にいたのかはわからないけど、これなら赤点が消えていたことにも説明がつく。 きっとトロンコさんは、俺たちが船に乗っていたのと同じ頃に大陸へと移動していたのだ。 そのため、赤点が消えたと思いこんでしまったのである。 「じゃ、俺は向こうだから。はいこれ」 閑散としたートにたどりついた俺は、ノワールさんに関係者招待券を渡した。 本戦出場者は10人まで身内を特別席に招待できるのだ。 一般席は混み合ってるけど、特別席は空いてるだろうし、ノワールさんも落ち着いて観戦できるはずだ。 「大きな声で応援するわ」 「ありがと! 俺は小さな声で挨拶するよ!」 そうしてノワールさんと別れた俺は、ひとりで第三ゲートへ向かう。 「あっ、来ましたね!」 第三ゲートの前に立っていた受付さんが、にこやかにほほ笑みかけてくる。 「先日はすみませんでした。今回は会場を壊さないように気をつけます」 「ご心配なく。本戦会場はとびきり頑丈ですからね! 客席に被害が出ないよう何重にも結界が張られてますし、むしろ壊すくらいで戦ってください!」 そっちのほうが盛り上がりますからね、と受付さんは微笑する。 「そう言ってもらえると気が楽になります」 といっても、今回は魔法使いとして戦うわけだしな。 挨拶は控えめにするけど、魔法使いとしては全力で戦うつもりだ。 「それでは控え室のほうでお待ちください」 受付さんに控え室の場所を教えてもらい、俺はそちらへ向かう。 広々とした控え室に入ると、そこにの男女がいた。 年齢や性別はバラバラだけど、この場の面々には『強い』っていう共通点があるのだ。 そう考えた途端、わくわくしてきた。 初戦の相手が誰になるのか、いまから楽しみだ! 「みなさんお集まりですね!」 椅子に座ってそわそわしていると、受付さんがやってきた。 「これからルール説明をしますので、どうぞ楽にしてください!」 ルールはシンプルだった。 試合はトーナメント方式で行われ、勝利条件は予選と同じ。試合中、選手は控え室で待機することになり、観戦することはできないのだとか。 つまり相手の手の内は、実際に試合が始まるまでわからないってわけだ。 「3勝すればトロンコ氏と勝負できますので、みなさん張りきって戦ってくださいね!」 トロンコさんの名前が出た途端、みんなの目つきが変わった。 トロンコさんは勇者一行のナンバー4――グリューン王国の英雄だからな。戦えるだけでも光栄なことだし、勝てば一躍有名人だ。 選手にとっては、まさに人生を変える戦いなのである! もちろん俺にとってもだ。 この戦いで、なんとしてでも魔力を高めてみせるぞ! そしてなるんだ、大魔法使いに!! 「それでは、こちらがトーナメント表になります!」 壁にトーナメント表が張り出される。 俺は......おおっ、1試合目か! いきなり戦えるなんてラッキーだ! 対戦相手のリンさん......って、誰だろ? 名前からして女のひとだよな? てことは......そわそわしてる若い女のひとか、落ち着き払ってるお婆さんのどっちかか。 ま、どっちにしても強者だし、楽しみなことに変わりはないけどな! 「さて、それでは最後にこれをお受け取りください!」 受付さんが指輪を配る。 が組みこまれています! 開会式が終わりましたら、第1試合のおふたり――アッシュ様とリン様はリングのほうに転送されますので、指輪を身につけてお待ちください!」 選手全員が指輪をはめるのを見届けると、受付さんは控え室をあとにした。 「......リンさんっていうのは、どなたですか?」 待ちきれず、俺はたずねた。 「わ、わたしですっ!」 裏返った声で返事をしたのは、三つ編みの若い女性だった。 優しげな雰囲気といい、気弱そうな佇まいといい、どことなくクラスメイトだったニーナさんに似てるな。 「モナーフさんは、どなたですか?」 「セイジュさんは......ああ、あなたでしたか」 俺の発言を皮切りに、対戦相手探しが始まった。 そんな光景を横目に、俺はリンさんに挨拶をする。 「はじめましてリンさん。俺はアッシュです! 今日はよろしくお願いします!」 よしっ! 上手く挨拶できたぞ! 吹き飛ばないリンさんを見て内心ガッツポーズしていると、ぺこりと頭を下げられた。 「こ、こちらこそよろしくお願いしまひゅ!」 めちゃくちゃ緊張してるっぽいな。 「わ、わたし、こういうところに出場するのははじめてで......う、うっかり変な攻撃しちゃったらすみません!」 「むしろ変な攻撃をしてください!」 「え、えぇ......いいんですか?」 「もちろんです!」 ありふれた攻撃より特殊な攻撃を見るほうがためになるからな! リンさんがどういう攻撃を仕掛けてくるか、本当に楽しみだ! 「......アッシュさんは、いいひとですね」 「俺が......いいひと?」 「はい。アッシュさん、わたしの緊張をほぐそうとしてくれてるんでしょう?」 本当に特殊な攻撃を受けたいと思ってるだけで、そんな意図はなかったんだけど...... 「わたし、ラッキーです! 本戦に出場できたのもそうですけど、初戦の相手がアッシュさんみたいな優しいひとで、ほんとうによかったです!」 安心したように表情を緩めたリンさんは、ほっそりとした首飾りに手を触れた。 「それもこれも、このお守りのおかげですっ」 「綺麗な首飾りですね」 「はいっ。手先が不器用な妹が、わたしのために時間をかけて作ってくれたんですっ。だから、これはわたしの宝物ですっ!」 「そうなんですか。それは大事にしないと......」 ......ちょっと待て。 それ、俺のカマイタチで壊れちゃうんじゃないか? 昔と違って、いまは木の枝くらいならスパッと切ることができるしな。金属製とはいえ、この細さなら壊れてしまいそうだ。 ......どうしよ。 真剣勝負とはいえ宝物を壊すのは申し訳ないし、首以外を狙おうにも動かれたら狙いが逸れるし、送風魔法を使ったところで、リンさんを涼めるだけだからなぁ。 しかたない。魔法使いとしてのデビュー戦は次の試合に持ち越すとするか! 「あっ、時間みたいですね! 勝っても負けても、恨みっこなしにしましょうね!」 お互いの指輪が輝いたところで、ふいに景色が一変する。 円形闘技場に転送されたのだ。 俺たちの登場に、客席からは割れんばかりの拍手と歓声がわき起こる。 『さて、たいへん長らくお待たせいたしました! それではさっそく第1試合を始めましょう!』 リングの外から審判さんが声を張り上げる。 『第1試合はリン選手対アッシュ選手です!』 審判さんがリンさんを指す。 『リン選手は商業都市グラジオの出身です! 引っ込み思案な性格を改善したくて大会への出場を決意したそうです! こういった試合の場に出るのははじめてながらも本戦出場を決めてしまったのです! いわば眠れる獅子だったのです!』 本戦出場者は運営側に簡単なプロフィールを伝えていたのだ。 昨日、俺のところにも運営さんが来たし、それと同じようにリンさんのところにも来たのだろう。 『対するアッシュ選手は、あのフィリップ・ヴァルミリオンが創設した学院の出だそうです! それだけでも実力がうかがえますが、なんと彼は第三闘技場を吹き飛ばした張本人でもあります! 魔法を使ってみたくてたまらないため、大会への出場を決意したそうです! いわば武人なのです!』 暴れたくてしかたがない危ないひと、みたいな紹介になってるけど......だいたいあってるし、まあいいか。 『眠れる獅子が勝つか、武人が勝つか――その結末は、みなさまの目でお確かめください! それでは――試合開始!!』 鳴り止まない歓声のなか、審判さんの一際大きな声が響き渡った。 「先手必勝です!」 リンさんがすかさずルーンを描く。 ルーンが完成した途端、リンさんの顔から緊張の色が消えた。 早くも勝利を確信している様子だ。 「これであなたは動けません! なにせ麻痺魔法を使いましたからね! あなたの全身はビリビリ痺れているはずです! 動くのはもちろん、ルーンを描くなんてできっこない......」 リンさんがうろたえるようにあとずさる。 「って、なんで麻痺してるのに立っていられるんですか!? そ、そうか! その杖ですね!? その杖で、かろうじて立っていられるんですね!?」 自分に言い聞かせるリンさんに、俺は歩み寄る。 「な、なんで動けるんですか!? そ、そうか! 気力! 気力ですね!? 気力だけで動いてるんですね!?」 「気力じゃありませんよ」 「な、なんで流暢にしゃべれるんですか!? 普通は口を動かすことすらできないのに!」 「魔法使いになるために、散々修行しましたからね! どんな状態に陥ろうと、この手に 「どんな修行したらそんな身体になるんですか!?」 「死に物狂いの修行です!」 「説明になってませんよ!?」 リンさんはハッとする。 「ま、まあいいです! 元々至近距離から特大のライトアローを放つつもりでしたからね! 近づく手間が省けました! さあ、来るなら来てください! もっとも、逃げたところで光速のライトアローを避けることはできませんけどね! ......ほ、ほんとに来るんですね!?」 まったく躊躇せずに近づく俺を見て戸惑いつつも、リンさんはライトアローのルーンを完成させる。 「これで終わりです!」 光速で放たれたライトアローをぺしっと弾くように打ち消したところ、その風圧でリンさんは吹き飛んでしまった。 パァァァァン!!!!!! 思いきり結界にぶつかり、そのまま動かなくなるリンさん。 でこぴんで倒すつもりだったんだけど......予定が狂ってしまったな。 お守り、無事だといいんだけど...... 『し、試合終了!? アッシュ選手の勝利です!!』 どよめきと歓声がわき起こるなか、俺はリンさんのもとへ駆け寄り、首元をチェックする。 よしっ! お守りは無事だ! ぐるぐる目を回してるけどリンさんも無事だ! 『おぉーっと! アッシュ選手! リン選手を気遣っております!! 勝利の余韻に浸ることなく、真っ先に対戦相手を気遣った選手がかつていたでしょうか!?』 好意的に解釈され、客席から温かい拍手が送られる。 お客さんも楽しんでくれたみたいだし、リンさんの魔法を間近で見ることができて俺も楽しかった。 次はいよいよデビュー戦だし、うっかり武闘家の力で勝たないように気を引き締めておかないとな! そうして拍手に見送られ、俺は控え室へと転送されたのだった。
The morning of the main battle when we finally welcomed you! I was dressed like a wizard, standing in front of Mr. Noir. "What do you think? Suitable?" "With the addition of a triangular hat and cane, you're becoming more and more wizard." "Thanks! Now you can make your glorious Wizard debut! There's no dress code in the main battle, but because of this, I wanted to fight dressed like a wizard. Anyway, it's a memorable debut! Because of the time we had to break through the qualifiers on the first day, we traveled through the Wang capital looking for items that looked like wizards. Thanks to this I was able to get a nice triangle hat and cane. You have similar taste, they're both the same design Grandpa Maurice had. Especially since the cane looks just like Grandpa Maurice's. Of course this guy is just a wand. The main battle will be won with my nostalgic partner! Okay, let's go. I got my outfit checked, and I'm headed to the arena with Mr. Noir with a cane. The arena is right in front of you when you leave the inn. That's just a quadrennial event, and it's busy in front of the venue with a lot of people. Everybody's talking about the tournament. "Hey hey! Did you hear that story in the third arena!? "I heard that! Someone blew up the arena, didn't they!? "Yes, yes! Besides, after blowing up the arena, he said, 'This guy's got to say hello!' He said something like that! I didn't tell you! I didn't say that kind of villain-like dialogue! It's conveyed in some weird way... sounds like fun talking, and booming doesn't happen when I show up, does it? "Is that one stronger than Mr. Tronko? "Um, what do you think? Last time it was Tronko's overwhelming victory... but instead of saying hello, he's the kind of guy who's gonna break the venue, and you don't know what's gonna happen." "Anyway, look forward to seeing who fights the troncos! I learned the other day, but the main battle seems to be a battle to determine the challenger to Mr. Tronko. At first, Mr. Tronko was in the qualifying round, but you think he became a challenger format because he was too strong? "Will Tronko make it? Mr. Noir comes to me. I checked the map showing the whereabouts of the mighty about three hours ago and discovered a red dot traveling fast from the continent towards the kingdom of Grune. That's Mr. Tronko. "It was awesome speed, and I guess we'll make it" I don't know why I was on the continent, but this would also explain that the red dots had disappeared. I'm sure Mr. Tronko was traveling to the continent around the same time we were on board. As a result, I thought the red dots had disappeared. "Well, I'm over there. Yes, this." When I reached the idle second gate, I handed Mr. Noir an invitation to the people involved. Up to ten contestants can be invited to special seats. The general seats are crowded, but the special seats will be vacant, and Mr. Noir should be able to calm down and watch the game. "I'll support you out loud." "Thanks! I'll say hello in a small voice! That's how I broke up with Mr. Noir. I'm going to the third gate alone. "Ah, you're here! The receptionist standing in front of the third gate smiles with a smile. "I'm sorry about the other day. Be careful not to destroy the venue this time." "Don't worry. The main battle venue is extremely sturdy! There are many boundaries stretched out to prevent damage to the passenger seats, rather fight to the point of breaking them! That's more exciting, the receptionist smiles. "It makes me feel better if you say that" Even so, this time you fight as a wizard. I'll keep my greetings to myself, but as a wizard, I'm going to fight all I can. Please wait in the lobby. Ask the receptionist to tell me where the pantry is, and I'll head over there. Entering the spacious modest room, there were seven men and women there. Age and gender are fragmented, but there's something in common about 'strong' in every face of this place. As soon as I thought about it, I got excited. I'm looking forward to seeing who my first match will be! "You're all gathered! Sitting in a chair and twitching, the receptionist came. "I'm going to explain the rules, so please make it easier! The rules were simple. The game takes place on a tournament basis and the winning conditions are the same as in the qualifying round. During the game, the player will be waiting in a modest room and can't watch the game? In other words, they don't know until the game actually begins. "If you win three, you can compete with Mr. Tronko, so you guys stick around and fight! As soon as Mr. Tronko's name came out, everyone's eyes changed. Mr. Tronko is number four in a row of brave men - heroes of the Grune kingdom. It's just an honor to be able to fight, and if you win, you're a one-jump celebrity. For athletes, it's just a life-changing battle! For me, of course. In this battle, I will try to increase my magic! And be, to the Great Wizard!! "Now this will be the tournament table! A tournament table sticks out on the wall. I... Whoa, first game! I'm so lucky to be able to fight all of a sudden! Opponent Lynn...... who is it? You're one of the women by name, aren't you? What do you mean... either one of the young ladies who is softening, or her grandmother who is calm. Either way, he's a strong man, and he's no stranger to what I'm looking forward to! "Well, then take this one last time! The receptionist hands out the ring. "That ring is assembled with metastatic magic (teleport)! When the opening ceremony is over, the two of you in the first game - Master Ash and Master Lynn - will be transferred over to the ring, so please wear the ring and wait! When he saw all the athletes put on the ring, the receptionist left the modem room behind. "... Who is Mr. Lynn? I couldn't wait, I begged. "Wow, it's me! It was a young woman of three knitting who replied with an inverted voice. It's called a gentle atmosphere, it's called a seemingly weak stand-up, you look like Nina, who was my classmate at any rate. "Who is Mr. Monarch? "Mr. Seige is... oh, was it you" The search for an opponent has begun, derogating from what I have said. With that sight on the side, I say hello to Mr. Lynn. "Nice to meet you, Mr. Lynn. I'm Ash! Thank you for today! Great! Nice to meet you! As I was gutting inside when I saw Mr. Lynn who wouldn't blow up, I was peppered and lowered my head. "Nice to meet you, Hiccup! You seem so nervous. "Wow, I've never been in a place like this before...... sorry if I accidentally attacked you weird! "Rather make a weird attack! "Uh, uh... okay? "Of course! It's better to see a special attack than a common one! I'm really excited to see what kind of attack Mr. Lynn is going to make! "... Mr. Ash is a good one" "I... a good one? "Yes. Mr. Ash, you're trying to relax my nervousness, aren't you? I just really want to get a special attack, I didn't mean to... "I'm lucky! Same goes for being able to compete in the main battle, but I'm really glad my opponent in the first fight was a kind one like Mr. Ash! Lynn, relaxed her expression as she was relieved, touched her hands on the slender neckline. "Thanks to this amulet," "Beautiful necklace." "Ha. My clumsy sister took the time to make it for me. So this is my treasure! "Really? We have to take care of that..." ... Wait a minute. That's gonna break my balls, isn't it? Unlike in the old days, I can cut spa if it's like a tree branch right now. Though made of metal, this thinness is likely to break. ... What's up. I'm sorry to break the treasure, even though it's a serious battle, because if they move to aim anything other than the neck, the aim will be off, and I just used the blowing magic to cool Mr. Lynn down. There is only one way. Suppose your debut as a wizard carries you over to the next game! "Ah, that sounds like time! Win or lose, let's have no grudges! Where each other's rings shine, the scenery changes on the pretend. Transferred to the Circular Arena. Our appearance evokes applause and cheer from the guests' seats. 'Well, thank you for waiting so long! Now let's start the first game! The referee raises his voice from outside the ring. "The first game is Lynn vs. Ash! The referee refers to Mr. Lynn. "Lynn is from the commercial city of Radio! She decided to enter the tournament because she wanted to improve her dramatic personality! It's the first time I've been on these games, but I've decided to compete in the main game! He was a lion who could sleep, so to speak! The main contestants were giving the operator a brief profile. Mr. Operations came to me yesterday, and I guess he came to Mr. Lynn just like that. "The opposing Ash player is said to be from that college founded by Philip Valmilion! That alone will give you strength, but how dare he be the Ten Himself who blew up the Third Arena! She decided to compete in the tournament because she couldn't wait to try the magic! He's a samurai, so to speak! I just wanted to get busted. The dangerous one, it's like an introduction... there's more or less, okay? "Sleeping lions win or samurai win - see how it ends in your eyes! So - Let the game begin!! Among the unstoppable cheers, the referee's international loud voice echoed. "It's a must win ahead! Mr. Lynn draws a rune at once. As soon as the rune was complete, the color of tension disappeared from Mr. Lynn's face. Looks like he's convinced of a victory early. "Now you can't move! I used paralysis magic! Your whole body should be bilingly paralyzed! Of course, it doesn't work to draw runes..." Mr. Lynn wanders off. "Why can you stand when you're paralyzed!? Oh, well! That's the wand!? With that wand, you can barely stand!? I'm gonna tell myself, Mr. Lynn, I'm gonna walk over. "Hey, how can you move!? Oh, well! Strength! Strength, huh!? You're just moving with your qi!? "It's not your strength." "Hey, how can you speak fluently!? Normally, you can't even move your mouth! "You trained scattered to be a wizard! No matter what state you're in, as long as you have a magic wand (Withers Rod) in your hand, I can draw runes! "What kind of training would make you such a body!? "It's a training in madness to death! "It's not an explanation!? Mr. Lynn is hazy. "Just fine! We were originally going to release an oversized light arrow from close range! Saved me time getting close! Come on, if you're coming, come! Most importantly, you can't avoid light arrows at light speeds where you escaped!... ho, you're really coming!? Even as he sees me approaching without hesitation at all, and bewildered, Mr. Lynn completes the light arrow rune. "That's it! Mr. Lynn blew away at that wind pressure when he struck out to play the light arrow released at the speed of light. Pahhhhhh!!!!! Mr. Lynn hits the thoughtful juncture and stops moving as it is. I was going to take him down with my cock pin...... your plans have gone crazy. Amulet, I hope you're safe... "And the game is over!? It's Ash's win!! I rush over to Mr. Lynn and check his neck as he starts to cheer. Yo! Amulet's safe! I'm turning my eyes around, but Mr. Lynn's safe too! "Ooh! Ash! We care about Lynn!! Would there have been players who cared about their opponents first without soaking up the aftermath of victory!? It is interpreted favourably and warm applause is sent from the guest seat. Guests seemed to enjoy it, and I enjoyed seeing Mr. Lynn's magic up close. We're finally making our debut next time, and we need to be careful not to accidentally win with the help of militants! That's how they dropped me off, and I was transferred to the depot.
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朝起きると、ノワールさんが毛布にくるまって震えていた。 「寒いわ......」 俺が目覚めたことに気づいたノワールさんは、か細い声で報告する。 温度計によると、いまの気温は氷点下18°C。 俺は気温の変化に疎い体質だけど、ノワールさんを見ていると寒気が伝わってくる。 ノワールさんは氷魔法が得意だし、てっきり寒さに強いと思ってたけど......まあ気温が気温だしな。 「靴下もう1足履く?」 俺は先日まとめ買いした靴下をノワールさんに渡す。 靴下を受け取ったノワールさんは、かなしそうに眉を下げた。 「手がかじかんで履けないわ」 「俺が履かせるよ」 「頼もしいわ」 ノワールさんはベッドに腰かけてブーツを脱ぎ、俺に足を向ける。 「これでよし、と」 ノワールさんに厚手の靴下を履かせた俺は、窓の向こうへ目をやった。 「積もってるなぁ......」 窓の向こうの雪景色だ。 1メートルくらい積もってるんじゃないだろうか。 積雪何メートルだろうと正拳突きによる風圧で道を作ることはできるけど......これ、遺跡見つかるかな? 東西南北にある遺跡はすべて『地下遺跡』だと本に書いてあったし、入口が雪に埋まっているとしたら、探すのに骨が折れそうだ。 「とにかく、晴れてよかったなっ」 昨日はずっと吹雪いてたし、このまま立ち往生することになるかもと心配したが、無事に晴れた。 俺ひとりなら天変地異が起ころうと遺跡に行くけど、ノワールさんを危ない目に遭わせるわけにはいかないしな。 「遺跡までどれくらいかかるのかしら?」 「距離的には歩いて5時間くらいかな。入口を見つけるのに時間がかかるかもしれないけど、今日中には見つけてみせるよ」 俺たちがルチャムをあとにして、すでに1週間以上過ぎている。 新学期スタートまで、あと10日だ。 俺ひとりが遅刻するだけならいいけど、ノワールさんを巻きこむわけにはいかない。 あまり長居はできないし、天気が崩れる前にさっさと遺跡に行かないとな。 「ご飯を食べたら出発するけど......もうちょっと厚着しとく?」 ノワールさんはもこもこの服に手袋、マフラーに毛糸の帽子に耳当て、さらにフードをかぶっているが、ぶるぶる震えている。 すごく寒そうだけど、これ以上の重ね着は難しいだろう。 重ね着する余地があるとしたら......足もとくらいかな? ノワールさんもそれはわかっているのか、再び俺に足を向けてきた。 「靴下をあと1足――いえ、2足重ねるわ」 俺はノワールさんに靴下を履かせる。 足もとが温まったことで、ノワールさんの震えが少しだけ弱まった。 「んじゃ、朝食を食べたら出発だっ!」 俺はカバンを背負い、ノワールさんと1階の食事スペースに向かう。 「おはようございますっ。お出かけですか?」 暖炉の火加減を調節していた店主のおじさんが、にこにこしながら話しかけてきた。 「出かける前に食事をしようと思いまして」 「ああ、それでしたらすぐに準備しますので、席についてお待ちください。もちろんお代はいりませんよ。アッシュさんは命の恩人ですからねっ」 この町はネムネシアと同じくらい人口が少ないため、ルチャムみたいな騒ぎにはならないだろうと思い、俺は顔を隠さずに出歩いていた。 その結果、おじさんに手厚く歓迎されたのだ。 「助かります」 実を言うと、ノワールさんに大量の服をプレゼントしたことで手持ちが少なくなっていたのだ。 帰りの旅費を考えると、おじさんの好意は素直にありがたかった。 次からは、もうちょっと多めにお金を持っていかないとな。 「お礼を言うのは私のほうです! アッシュさんがいなかったら、いまごろ私の家族は魔王に殺されていましたからね」 それに、とおじさんはウインクする。 「『英雄が宿泊した宿』と宣伝すれば、この宿は大勢のお客様で賑わうはずですっ。本当に助かりますよ!」 本音を口にするおじさんに、俺は思わず笑ってしまう。 「そういうことでしたら、遠慮なく食事させてもらいますね」 「はいっ。アッシュさんさえよろしければ、何泊してくださっても構いませんからね!」 「ありがとうございます。だけど遺跡に行くだけなので、明日には帰りますけどね」 「遺跡に行かれるんですか!?」 と、おじさんは嬉しそうに言った。 「そうですけど......遺跡になにかあるんですか?」 「はい。実は、遺跡には怖ろしい魔物が棲みついているという伝説があるのです」 》が封印したっていう魔王のことかな? 誰かが間違えて封印を解いてしまわないように、《氷の帝王》は怖ろしい噂を流して人払いをしたのだろう。 それが長い年月を経て、伝説になったのだ。 「もちろん伝説ですので実在するかどうかはわかりませんが......もしものことを思うと不安になるんですよね」 なるほどね。 だから笑顔になったのか。 「わかりました。見かけたら退治しておきます」 「おおっ、ありがとうございます!」 おじさんが嬉しそうに頭を下げたところで、ノワールさんのお腹が鳴った。 「ああ、すみません。すぐに食事をお持ちしますので、お連れの方と一緒に席でお待ちください」 俺たちはテーブル席につき、食事を待つ。 ややあって、おじさんがシチューとパンを運んできた。 そうして食事を済ませた俺たちは、宿屋をあとにしたのであった。
When I woke up in the morning, Mr. Noir was twirling and shivering in his blanket. "It's cold..." Mr. Noir, who realizes I'm awake, reports in a fine voice. According to the thermometer, the current temperature is °C below freezing. I'm in a state of neglect of changing temperatures, but watching Mr. Noir conveys chills. Mr. Noir is good at ice magic, and I thought he was very cold resistant... well, the temperature is temperatures. "Want another pair of socks? "I'll wear it." I give Mr. Noir the socks I bought in bulk the other day. Mr. Noir, who received his socks, lowered his eyebrows as if he could hardly. "I can't put my hands on it." "You're reliable." Mr. Noir sits on his bed, takes off his boots and turns his foot on me. "That's it," he said. I let Mr. Noir put on some thick socks, and I looked out the window. "It's loaded..." Beyond the window is a snowy view on one side. I wonder if it's loaded about a meter. I can make my way with wind pressure from a positive fist poke no matter how many meters of snow it takes... can you find this, the ruins? It said in the book that all ruins in the east, west, north and south are 'underground ruins', and if the entrance is buried in snow, the bones are going to break to find it. "Anyway, I'm glad it's clear." I've been snowblowing all yesterday, and I was worried I might be stuck like this, but it cleared up safely. I'd go to the ruins to see a natural mutation, but I can't risk Mr. Noir. "How long will it take to get to the ruins? "At a distance, maybe five hours on foot. It may take a while to find the entrance, but I'll try to find it by the end of the day." It's been over a week since we left Lucham. Ten days till the start of the new semester. I hope one of us is just gonna be late, but you can't wind up Mr. Noir. I can't stay very long, and I need to get to the ruins before the weather breaks down. "I'll leave when I eat dinner... Want some more thick clothes? Mr. Noir also has gloves on this garment, ears on the muffler on the yarn hat, and wears an extra hood, but he is shaking. It looks so cold, but it would be difficult to lay it on any more. Suppose there's room for layering... about foot? Does Mr. Noir know that, too, and he's turned his leg on me again? "One more pair of socks - no, I'll overlap two." I'll make Mr. Noir wear socks. Warming feet only weakened Mr. Noir's tremors a little. "Well, if you have breakfast, we're leaving! I carry my bag and head to the dining space upstairs with Mr. Noir. "Good morning. Are you going out? The shop owner's uncle, who was regulating the fireplace's fires and subtractions, smiled and talked. "I thought I'd eat before I went out." "Oh, then I'll be ready as soon as I can, so please wait about your seats. Of course I won't pay for it. Mr. Ash is a benefactor of life." This town is as sparsely populated as Nemnesia, so I figured it wouldn't be as noisy as Lucham's, and I was walking away without hiding my face. As a result, he was generously welcomed by his uncle. "It helps." To tell you the truth, I had given Mr. Noir a ton of clothes, which made him less handy. Given the cost of the trip home, my uncle's favor was honestly appreciated. Next time, we need to take some more money. "I'm the one thanking you! If it weren't for Mr. Ash, my family would have been killed by the Demon King by now." And my uncle winks. "If you advertise it as an 'Inn where Heroes stayed', the Inn should be crowded with guests. It really helps! I laugh unexpectedly at my real uncle. "If that's the case, I won't hesitate to let you eat" "Ha. I don't care how many nights you stay, as long as you don't mind Mr. Ash! "Thank you. But I'm just going to the ruins, so I'll be home tomorrow." "Are you going to the ruins?!? And my uncle said happily. "Yes, but... is there something in the ruins? "Yes, actually, there's a legend that the ruins are filled with scary demons." Is that about the demon king sealed by Ice Emperor? I guess The Ice Emperor paid for it by spreading scary rumors so that someone wouldn't mistakenly unseal it. After all these years, it became a legend. "Of course, it's a legend, so I don't know if it's real or not... but if you think about it, you get anxious." I see. Is that why you smiled? "Okay. I'll exorcise you if I see you." "Whoa, thanks! Where my uncle lowered his head gladly, Mr. Noir's stomach rattled. "Oh, excuse me. Please wait in your seats with us as we will bring your meal immediately" We'll be at the table, waiting for dinner. Slightly, my uncle brought stew and bread. That's how we finished our meals. We left the inn behind.
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ここ最近、俺は魔の森でとある魔物を血眼になって探す日々を送っていた。 歳になった俺は毎日のように師匠に『さすがに、そろそろ杖がほしいんだけど』と告げていたのだ。 お金はあるので買おうと思えば買えるのだが、師匠の許可なしに 俺は師匠を尊敬しているし、なにより恩を感じているから。 理由はわからないが、俺は両親に捨てられた。 身寄りのない俺を、師匠は本当の息子のように愛し、育ててくれたのだ。 こうしてになれたのも、モーリスじいちゃんのおかげなのである そんな師匠が、先日俺に新たな課題を出した。 「この森のどこかにひそむ伝説の魔物レッドドラゴンを倒すことができたら、そのときはわしが最終試験をつけてやる」 「けど師匠、レッドドラゴンならの頃に倒したぜ?」 俺がそう言うと、師匠はぎょっとした。 「そうじゃったっけ?」 「言ってなかったっけ? 師匠が町に出かけてたとき、《時空の歪み(アビスゲート)》が発生してね。森のなかにレッドドラゴンが現れたんだ。まあ、ワンパンで倒したけどさ」 「そ、そんな大事なことを、なぜいままで黙っていたのじゃ!?」 「え? いや、だってザコだったし、あえて話すまでもないかな、と」 「......さ、さすがはわしの弟子じゃな。まさか、一二の頃にわしを超えておったとは」 「冗談きついよ。レッドドラゴンを倒した程度で、師匠を超えるなんてあるわけないじゃないか。......にしても、あれって伝説の魔物だったんだね。てことは最終試験をつけてくれるってこと?」 「ああ、いや......ちょっと間違えたのじゃ。アッシュに倒してもらうのは伝説の伝説と呼ばれる魔物......その名も......ええと......《伝説の伝説の 師匠はとってつけたような名前を口にする。 「そいつは魔の森に棲んでるの?」 「う、うむ。そういう言い伝えがあるのじゃ。そいつを倒すことができたら、最終試験をつけてやるのじゃ」 「わかったよ! 俺、そいつを倒してみせるよ!」 ......と、まあ。 そんなやり取りから一ヶ月が経ったのだが、《伝説の伝説の魔物》が見つかる気配はなかった。 「さすがは伝説の伝説だぜ」 そうこうしているうちに日が暮れてきた。 食事の準備は俺の仕事だ。 そろそろ戻って夕食の準備に取りかからないと。 俺は住み慣れた我が家へと帰還する。 拓けた場所に出ると、家の前に師匠が立っていた。 俺に気づくと、師匠は深刻そうな顔で近づいてくる。 「どうしたの、師匠? 《伝説の伝説の魔物》なら見つからなかったよ?」 師匠は迷うように目を伏せたあと、震える声でこう言った。 「じゃろうな。そんな魔物、この世に存在しないのじゃからな」 「それくらい珍しいってことだね? わかってるよ」 「良い子すぎるじゃろ!」 「ど、どうしたの師匠?」 「両親に捨てられ、普通なら性格が歪み、不良になってしまってもしかたがないというのに、なんでそんなに良い子になってしまったのじゃ!?」 「師匠の育て方がよかったんだよ」 「良い子すぎるじゃろ! なぜわしを褒めるのじゃ!」 「師匠が立派な人間だからさ」 「あぁあああああああ!!」 師匠は地面に膝をつき、 「良心が痛い!!」 思いきり叫んだ。 「どうしたの、師匠? 気分が悪いならベッドまで運ぶよ? そして、温かくて身体に優しい食べ物を食べさせてあげるよ?」 「わしを殺す気か!?」 くわっと目を見開く師匠。 ほんと、今日の師匠は様子が変だ。 いったいどうしてしまったんだ? 心配する俺をよそに、師匠はよろよろと起き上がった。 「いいじゃろう。最終試験をつけてやるのじゃ」
I've been looking for demons in the Devil's Forest lately. When I turned sixteen, I told my master, as I do every day, 'Exactly, I want a wand'. I have the money, so if I want to buy it, I can buy it, but I can't get a magic wand (Withers Rod) without my master's permission. Because I respect my master and, more importantly, I am grateful. I don't know why, but my parents dumped me. My master loved and raised me like a true son. It's because of Grandpa Maurice that he turned sixteen. Such a master gave me a new assignment the other day. "If I can defeat the legendary demon Red Dragon that hisses somewhere in this forest, I'll put on my final exam." "But Master, if you're a Red Dragon, you knocked it down when you were twelve, didn't you? When I said that, my master was a little nervous. "Was that it? "Didn't I tell you? When my master was out of town, there was a distortion of time and space (Abyssgate). A red dragon appeared in the woods. Well, I knocked him out with a piece of bread." "Why did you keep your mouth shut about such an important thing?!?" "Huh? No, 'cause it was Zako, and I don't even dare to talk," "... you're not my apprentice. I didn't know you were beyond me when I was twelve." "It's a tough joke. To the extent that you defeated the Red Dragon, there's no way you can surpass your Master.... but that was a legendary demon, wasn't it? What do you mean, you're gonna put on a final exam? "Oh, no... you made a little mistake. Ash will defeat the Legendary Monster called Legendary Monster. The master speaks the same name as he took it. "Does he live in the Devil's Forest? "Ugh, um. That's what I'm telling you. If we can defeat him, we'll put him on the final exam." "I get it! I'll take him down! ... and well. It has been a month since such an exchange, but there was no indication that the Legendary Demon could be found. "That's the legend of legend." That's how the sun went down. It's my job to prepare meals. It's time to go back and get ready for dinner. I'm going back to my home, where I'm used to living. When I went out to the place I had pioneered, my master stood in front of the house. When you notice me, the master approaches you with a serious look on his face. "What's the matter, master? You couldn't find Legendary Monster, could you? After the master laid his eyes down to get lost, he said this in a trembling voice. "Bye. Such a monster doesn't exist in this world." "So that's how rare it is, huh? I know." "You're too good a girl! "Duh, what's wrong, Master? "Why did you become such a good kid when your parents dumped you and you said that normally your personality would have been distorted and defective!?" "I should have raised my master." "You're too good a girl! Why are you praising me? "My master is a fine man." "Ahhhhhhhh!!" The master knelt on the ground, "My conscience hurts!!" I screamed as much as I wanted. "What's the matter, master? If you don't feel well, I'll carry you to bed, okay? And I'll feed you warm, physically friendly food, okay? "Are you going to kill me?" Exciting, eye-opening master. Really, my master looks weird today. What the hell has gotten into you? Worrying about me, the master rose up. "Fine. Put on the final exam."
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リングラントさんの用心棒になった翌朝。 「師匠、ちょっといいっすか? お願いしたいことがあるんすけど......」 エファエル家にを過ごした俺は、エファの呼び声に目を覚ました。 「......どうしたんだ?」 「朝稽古に付き合ってくれないっすか?」 「それくらいならお安い御用だ」 武闘家の修行とは違うけど、体育の先生として過ごすうちに身体は鍛えられたはずだ。この3ヶ月で弟子がどれくらい成長したか、見てみたいと思っていたのである。 「嬉しいっす。じゃあ着替えて外で待ってるっすね」 「俺もすぐに行くよ」 となりで寝息を立てているノワールさんを起こしてしまわないように小声で約束を交わしたあと、俺は普段着に着替えて外に出る。 と、ミロさんがクワを持って立っていた。農作業着に身を包み、帽子をかぶっている。これから仕事なのかな? 「アッシュ、早起き!」 「おはようございます。ミロさんも早いですね。これから仕事ですか?」 「これから初仕事! クワで耕す! 楽しみ!」 「クワを使うんですか? 魔法を使えばすぐに終わると思うんですけど......」 土人形に畑仕事をさせれば、かなり効率がよくなるのだ。 「ミロ、畑仕事わからない! まずは身体で覚える! じゃないと土人形に命令できない!」 なるほど、言われてみればその通りだな。俺が納得していると、エファが外に出てきた。動きやすそうなタンクトップにぴちぴちのズボンを穿いている。 「お待たせしたっす! ミロさんもおはようございますっす!」 「エファ、早起き! アッシュとお出かけ?」 「そうなんすよ! これから師匠と修行するんす! ずっと楽しみにしてたんすよ!」 わくわくとした口調のエファに、ミロさんはにっこり笑う。 「アッシュ、いい弟子を持てて幸せ! ミロもいい弟子を持てて幸せ!」 そう言ってもらえると、弟子としてすごく嬉しいな。ミロさんに誇らしく思ってもらえるように、これからも修行を頑張らないと! 「ミロ、そろそろ仕事に行く! ......アッシュ、今日から武者修行再開する?」 「はい! 昼前にはネムネシアを発つ予定です」 「ミロ、そのとき見送りする! それまで仕事頑張る!」 そう言って、ミロさんは畑へ歩き去っていった。 「俺たちも稽古するか。どこでするんだ?」 「公園っす! この時間なら誰もいないっすからね!」 そうして俺たちは公園へ向かった。軽く準備運動をしたあと、エファに言う。 「稽古の前に、どれだけ成長したか見せてくれ」 「もちろんっす! 師匠に見てほしいってずっと思ってたっすからね!」 エファの発言からは、かなりの自信がうかがえた。俺がいないあいだにどれだけ成長したか楽しみだ。 「やあっ!」 わくわくする俺の目の前で、エファは逆立ちをした。一と腕を動かして歩いていき......10メートルほど進んだところで方向転換して戻ってくる。 「どうだったっすか!」 「成長したな!」 武闘家というか曲芸師っぽかったけど、エファの成長は著しかった。バランス感覚が磨かれ、筋肉とスタミナも身についていたのだ。 「嬉しいっす! ほかにも見てほしいものがあるんすよ! ――てやっ!」 と、エファは正拳突きをした。最初はへっぴり腰だったのに......ほんと、成長したんだな。などと感心していると、エファは続けざまにチョップを繰り出す。 「どうっすか!? いま『ひゅんっ』って風切り音しなかったっすか!?」 「ん? ああ、かすかに聞こえたけど......」 「聞こえるっすよね! てことは幻聴じゃなかったんすね!」 エファは跳びはねて喜んでいる。 「そんなに風切り音が嬉しいのか?」 「嬉しいっす! だって師匠に近づけた気がするっすもん! いまはそよ風以下っすけど、いつの日か大地を切り裂いてみせるっす!」 「そのときは、近くにひとがいないか確かめるんだぞ」 じゃないと生きた心地がしないからな。 「しっかり確認するっす! あっ、ほかにも見てほしい技があるんすけどいいっすか!?」 「もちろんだ。エファの気が済むまで付き合ってやるよ」 「嬉しいっす! ではでは、わたしの持てるすべての力をいまここに解放するっす!」 かっこよく叫び、エファは様々な技を見せてきた。ハイキックにローキック、かかと落としに回し蹴り、連打に裏拳にアッパーカット、さらには前転の勢いを活かしたタックルにヘッドバンギングのような連続頭突きなど、独創的な技も披露する。 「ど、どうっすか!?」 さすがにスタミナが切れたのか、エファは肩で息をしていた。 「ほんと、見違えたな......」 お世辞なんかじゃない。俺に弟子入りした日のエファがいまの自分を見たら「これ、誰っすか?」と戸惑うだろう。それくらいエファは成長していたのだ。 「昔は運動音痴でしたって言っても誰も信じないだろうな」 運動神経が抜群によかったら、さらに成長していただろう。だけどエファは運動音痴をものともせずに成長している。 そのことに、俺は勇気づけられた。 「えへへ、ちゃんと成長できてて嬉しいっす! だけど、わたしは運動音痴でよかったって思ってるっすよ!」 「なんでだ?」 「だって、運動が苦手な子たちの気持ちがわかるっすもん! それに、ちょっとずつ運動できるようになっていくのを見ると、先生になってよかったなって思えるっす!」 「その気持ちはよくわかるぞ。エファが上達していくのを見るのはすごく嬉しかったからな」 「師匠......」 エファは涙ぐむ。 「わたしにとって、師匠は最高の師匠っす! 師匠と出会えてほんとうによかったっす!」 「俺もエファみたいな弟子を持てて幸せだ。それに、エファには勇気づけられたからな」 俺には魔法使いの才能がない。 だけど努力は嘘をつかないのだ。 エファみたいにコツコツ努力を重ねれば、着実に成長できる! いまは世界最弱の魔法使いだけど、いつの日か大魔法使いになることだってできるのだ! 「ほんと、ありがとな!」 「お礼を言いたいのはわたしのほうっすよ! 師匠がいてくれたから、いまのわたしがあるんすからね」 「エファ......」 思いがけない言葉に、俺は涙ぐんでしまう。 「師匠はわたしにとっての憧れっす。最終目標っす。追いつけるかどうかはわからないっすけど、少しでも師匠に近づけるように頑張るっす!」 「俺も魔法使いとしてエファに追いつけるように頑張るよ!」 万能の魔力を持ち、様々な魔法を使えるエファは、大魔法使いだ。つまり、俺の目標なのである。 俺の魔力は風系統なのでエファと同じにはなれないけど、少しでも近づけるように努力してみせる! 「あっ、そろそろ仕事の支度をしなきゃいけないっす!」 エファは思い出したように叫ぶ。 「泥だらけだし、その前にシャワーを浴びなきゃな」 「朝ご飯の手伝いもしなきゃいけないっすし、お弁当も作らなきゃだし......ますます師匠と一緒にいられる時間がなくなるっす......。師匠、次はいつ会えるっすか?」 「会えるとしたら、モーリスじいちゃんの誕生日かな。エファも来るだろ?」 「もちろん行くっす! 師匠の師匠はわたしにとっての師匠も同然っすからね! 盛大にお祝いするっすよ!」 モーリスじいちゃんの誕生日に再会することを約束し、俺たちは帰路についた。 エファエル家で朝食をご馳走になり、通学と出勤を見送ったあと、ノワールさんと駅へ向かい、リングラントさんと合流する。 「リングラントさんが一緒だけど、いいんだよね?」 ノワールさんとリングラントさんには因縁がある。嫌われても無理のない仕打ちを、リングラントさんはノワールさんにしたのだ。 「貴方がそばにいてくれるなら、誰が一緒でも構わないわ」 ノワールさんは昨日と同じことを言う。 そうして旅の仲間にリングラントさんが加わり、俺たちはアリアン王国へと出発したのであった。
The morning after I became Mr. Ringrant's caution stick. "Master, do you have a minute? I'd like to ask you a favor..." After spending the night at the Ephael family, I woke up to Epha's call. "... what's going on? "Will you hang out with me in the morning for an audition? That's how cheap it is. It's not like training militants, but your body should have been trained during your time as a gym teacher. He wanted to see how much his disciples had grown in the past three months. "I'm glad. Then get dressed and wait outside." "I'll be right there, too." I'll go outside dressed in my normal clothes after I barely swapped my word to wake Mr. Noir, who is quite asleep. And Mr. Miró stood with a quack. He is dressed in farm clothing and wearing a hat. Is this your job coming up? "Ash, get up early! "Good morning. Mr. Miró is fast, too. Are you going to work? "This is my first job! I'll plow it with quacks! Fun!" "Are you going to use Qua? I think using magic will be over soon..." If you let the Earthlings work in the fields, they'll be quite efficient. "Miro, I don't know the field job! Remember with your body first! Otherwise, I can't order the earthlings! I see, you're right if you ask me. When I was convinced, Effa came out. He is wearing the perfect trousers on a tank top that seems easy to move. "Sorry to keep you waiting! Good morning, Miró! "Efa, get up early! Going out with Ash? "Yes, I will! I'm going to train with my master! I'll always look forward to it! Mr. Miró chuckles at Efa in an exciting tone. "Ash, happy to have a good apprentice! Miró is happy to have a good apprentice too! I'm so glad you said that, as an apprentice. We need to keep up the training so Miró can be proud of us! "Miro, it's time to go to work!... Ash, do you want to resume your martial arts training today? "Yes! I plan to leave Nemnesia before noon" "Miro, I'll drop you off then! Until then, I'll work hard! With that said, Mr. Miró walked away to the field. "Do we audition too? Where are we gonna do this? "Park! There's no one here at this hour! That's how we headed to the park. After a light prep exercise, tell Efa. "Before you arch, show me how much you've grown" "Sure! Because you've always wanted your master to see it! From Efa's remarks, I felt quite confident. I can't wait to see how much you've grown up without me. "Yah! In front of my exciting eyes, Effa stood upside down. Step by step, move your arms and walk away...... you change direction about meters and come back. "How did it go?! "You've grown! He looked like a militant or a bender, but Effa's growth was remarkable. The sense of balance was polished and the muscles and stamina were worn. "Glad to hear it! There's something else I want you to see! - Do it! And, efa made a positive fist punch. At first you were a bump...... really, you grew up. And so on and so on, Efa continues to roll out the chops. "What to do!? Didn't you just wind out 'Hin'?!? "Hmm? Oh, it sounded faint..." "You can hear me! It's not a fantasy. You are! Efa is happy to jump. "Are you that happy with the wind cut sound? "Glad to hear it! 'Cause I think I got him close to my master! It's less than a breeze right now, but one day I'm going to have the earth torn apart! "Then make sure there's no one nearby." Otherwise I don't feel comfortable living. "I'm going to make sure! Oh, there are other moves I want you to see, okay?!? "Absolutely. I'm gonna hang out with you until Efa feels better." "Glad to hear it! Then I will unleash all my power here and now! Screaming cool, Efa has shown a variety of moves. He also showcases creative moves such as low kicks on high kicks, spinning and kicking on heels drops, uppercuts on back fists on consecutive hits, and even a continuous head thrust like headbanging on tackles that utilize the momentum of forward rotation. "Duh, what do we do!? That's right, the stamina ran out, and Effa was breathing on her shoulder. "Really, you misjudged me..." I'm not flattered. When Efa saw herself the day she apprenticed to me, she said, "Who's this?" and you'll be confused. That's how much Efa had grown. "Nobody would believe me when I said I used to be an athletic vocalizer." If the motor nerves were excellent, they would have grown even more. But Effa has grown without exercise tone deafness. I was brave about that. "Eh heh, I'm glad you're growing up properly! But I'm glad I'm athletic! "Why? "Because you know what it's like for kids who don't like exercising! Plus, it makes me happy to be a teacher when I see that I can exercise a little bit! "I know exactly how that feels. I was so happy to see Efa improve." "Master..." Efa weeps. "To me, the master is like the best master! I'm so glad I met my master! "I'm happy to have an apprentice like Effa, too. Besides, Efa was brave." I have no wizard talent. But hard work doesn't lie. If you work as hard as Efa, you can grow steadily! I'm the weakest wizard in the world right now, but I can be a great wizard one day! "Really, thanks! "I'm the one who wants to thank you! Because you have a master, you have me now." "Efa......" Unexpected words make me cry. "My master admires me. The ultimate goal. I don't know if I can catch up, but I'll try to get a little closer to my master! "I'll do my best to catch up with Efa as a wizard too! With all-powerful magic, and all sorts of magic, Efa is a great wizard. In other words, it's my goal. My magic is wind lineage, so I can't be like Efa, but I'll try to get a little closer! "Ah, it's time to do some work! Efa screams like she remembers. "It's muddy, and I need to take a shower before I do" "I have to help with breakfast, I have to make lunch... and I'm running out of time to be with my master... Master, when will I see you next? "If I could see you, it would be Grandpa Maurice's birthday. Efa's coming, isn't she? "Of course I'm going! Master's master is the same for me! We're gonna celebrate! I promised Grandpa Maurice I'd see him again for his birthday, and we were on our way home. After a breakfast at the Ephael family and dropping off school and attendance, we head to the station with Mr. Noir and rendezvous with Mr. Lingrant. "Mr. Ringrant's with you, but that's okay, right? Mr. Noir and Mr. Ringrant have a cause. Mr. Ringrant made Mr. Noir do what he couldn't have done if he didn't like him. "I don't care who you are with me if you stay with me." Mr Noir says the same thing yesterday. That's how Mr. Ringrant joined his fellow travellers, and we set out for the kingdom of Ariane.
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その日の夜。 ドラクリアから列車を乗り継いで王都に戻ってきた俺たちは、トロンコさんの屋敷を訪れていた。 明日の朝に飛空艇で旅立つことが決まり、今日は屋敷に泊めてもらうことになったのだ。 美味しい夕食をご馳走になり、のんびりと風呂に入り、いまはベッドに横たわっているところだ。 こうしてぼんやりしていると、グリューン王国の想い出が蘇ってくる。 「いよいよグリューン王国ともお別れか......」 「いろんなことがあって楽しかったわ」 「だね。旅立つのが寂しくなるよ」 滞在期間は短めだけど、密度の濃い時間を過ごしたからな。 船酔いしたノワールさんを介抱したり。 武闘大会に出場したり。 ネミアちゃんに修行をつけたり。 ノワールさんより強い赤ちゃんと出会ったり。 けっきょく当初の目的は果たせなかったけど、有意義な時間を過ごすことができたので大満足だ。 「武闘大会のときに食べたメロンパン、美味しかったわ。それに赤ちゃんが可愛かったわ」 ノワールさんもグリューン王国を気に入ったみたいだし、機会があればまた来るとするか。そのときは酔い止めの薬を忘れないようにしないとな! 「アッシュ殿。ノワール殿。まだ起きてるでありますか?」 ドアの向こうからネミアちゃんの呼び声がする。 「起きてるよ」 返事をすると、ネミアちゃんが木刀を握りしめて寝室にやってきた。 知らないひとがこの場にいたら寝込みを襲いに来たと勘違いしそうだけど、実際は違う。 ネミアちゃんにとって、ウォーキングウッドの木刀はぬいぐるみ的なものなのだ。抱いていると安眠できるのである。 それを持って寝室を訪れたってことは―― 「実は......おふたりと朝までしたいのであります。もうあまり長くは一緒にいられないでありますから......」 きっと俺たちと別れるのが寂しいんだろう。恥ずかしそうに言うネミアちゃんに、ノワールさんがほほ笑みかける。 「私も貴女と一緒に寝たいわ。だって、大勢で寝たほうが楽しいもの」 顔には出さないけど、ノワールさんもネミアちゃんと別れるのは寂しいらしい。 ノワールさんの言葉を聞き、ネミアちゃんは嬉しそうにベッドにもぐりこんだ。 「アッシュ殿っ! 私、少しは成長したでありますかね?」 どうやら寝に来たというより、おしゃべりしに来たらしい。 期待するような眼差しを向けられ、俺は即答した。 「ちゃんと成長してるよ。なにせネミアちゃんは、魔物を倒したんだからね」 ネミアちゃんは勇気を振り絞って魔物を倒したのだ。精神的に成長したのは間違いないし、魔力も向上しているはずだ。 「アッシュ殿にそう言われると、ほんとに強くなった気がするでありますっ!」 ネミアちゃんは嬉しげに声を弾ませる。 「だけど、私はもっと強くなりたいのであります! だから私は、ずっと憧れていたエルシュタット魔法学院に通うことにしたのでありますよ!」 ネミアちゃんがエルシュタット魔法学院に憧れていたことは知っていた。はじめて会った日に列車のなかで『いつか入学したい』という話を聞かされたからな。 だけどこの国のひとたちにとって大陸は『バケモノの巣窟』だ。そのためネミアちゃんはエルシュタット王国を訪れることに抵抗があるようだったけど......入学を決意したってことは、いまは違うってことだよな。 「貴女は大陸が怖くないのかしら?」 「おふたりと旅をして、たくさんの魔物を見たでありますからね! それに比べれば大陸なんて怖くないであります!」 ショック療法とは少し違うけど、ドラクリアまでの道中に多くの魔物を見たことで精神的に強くなったってわけか。 ほんと、成長したなぁ。グリューン王国に来て一番の収穫は、ネミアちゃんの成長を見届けられたことかもしれない。 「アッシュ殿とノワール殿が在籍していたエルシュタット魔法学院! そこに通うことができれば、間違いなく強くなれるであります!」 ネミアちゃんはハイテンションだ。 エルシュタット魔法学院は世界最高峰の教育機関だからな。俺がそうだったように、ネミアちゃんにとっても憧れの場所だったのだろう。 そこに通っている自分を想像し、気分が盛り上がっているのだ。 「このタイミングで受験するってことは、編入試験を受けるんだよね?」 一般入試は当分先だし、そもそもネミアちゃんは12歳だしな。入学するには年齢制限のない編入試験を受けるしかないのだ。 「そのつもりであります! 編入試験は狭き門だとおじいちゃんに聞かされたでありますが、気合いで突破してみせるでありますよ!」 気合いで突破か。 さすがは俺の弟子なだけあって、考えることがそっくりだぜ! ま、ネミアちゃんの場合は気合いじゃなくて実力で突破できるだろうけどな。 武闘大会の子どもの部で優勝したという実績があれば書類審査は突破できるだろうし、魔力測定もクリアできるはずだ。 問題は実技試験だけど、武闘大会を見た限りだとネミアちゃんは火力ゴリ押しタイプじゃなくて技巧派だからな。どんな試験が課されようと臨機応変に対応できるだろうし、無事に合格できるはずだ! ......それにしても、考えれば考えるほど優秀な弟子だな。もう俺がネミアちゃんにしてあげられることはないんじゃないか? 最後にひとつくらい、師匠らしいことをしてあげたいんだけど......そうだっ。 「エルシュタニアに来るなら、ついでに俺とキュールさんの試合を観戦するといいよ」 キュールさんは世界最強の魔法使いだからな。その戦いを間近で見れば、なにかの役に立つはずだ。 俺の提案が意外だったのか、ネミアちゃんはきょとんとする。 「しかし......試合は学院内で行うのでありましょう? 部外者の私が観戦してもいいのでありますか?」 「闘技場は広いし邪魔にはならないよ。それに学院長のアイちゃんには俺から頼んでおくしさ」 俺が師匠としてネミアちゃんにしてあげられることは、もうこれくらいしかないからな。 「アッシュ殿とキュール殿の試合、楽しみでありますっ! うぉぉ! これからのことを思うと燃えてきたでありますッ! ちょっと素振りしてくるであります!!」 ネミアちゃんはやる気を滾らせ、慌ただしく部屋をあとにする。 やる気満々な弟子を見て、俺もなんだか燃えてきた。 「......貴方、修行したそうな顔をしているわ」 「よくわかったね」 「長いつきあいだもの。だけど、ひとりで修行できるのかしら?」 「魔力を高めるだけが修行じゃないからね。師匠がいなくてもできることはあるよ」 たとえばルーンを描く練習をするのも立派な修行だ。 魔力が向上するわけじゃないけど、その練習を怠ると、いざってときに 実際、相棒(初代)は柄だけになったし。 それに俺はキュールさんとの試合で魔法使いのデビュー戦を飾るのだ! そのとき相棒目・改)が柄だけになればデビューできなくなってしまう。 そう考えると、練習しないわけにはいかないな! 「じゃ、修行してくるよ!」 「私もつきあうわ。だって、ひとりは寂しいもの」 そうして俺たちは素振りをするネミアちゃんのもとへ向かい、朝日が昇るまで修行するのであった。
That night. We were visiting Mr. Tronko's mansion when he took the train from Dracula back to King's Capital. Tomorrow morning we decided to travel by airship and have them stay at the Mansion today. We had a delicious dinner, took a relaxing bath, and now we're just lying in bed. Blurring like this brings back memories of the Kingdom of Grune. "Finally, goodbye to the Kingdom of Grune..." "It's been so much fun." "Right. I'm gonna miss traveling." It's a short stay, but I had a dense time. Embrace Mr. Noir, who was seasick. Compete in militant competitions. Train Nemia. Meet a baby stronger than Mr. Noir. I couldn't fulfill my original purpose, but I'm very satisfied that I was able to have a meaningful time. "The melon bread I had during the martial arts tournament was delicious. And the baby was so cute." Mr. Noir seems to like the Kingdom of Grune too, and suppose he'll come back when he gets the chance? We'll have to remember the anti-drunken pills then! "Lord Ash. Lord Noir, are you still awake? I hear Nemia calling from across the door. "I'm awake." When I replied, Nemia grabbed the wooden knife and came to the bedroom. If one I don't know was on this scene, I'd probably mistake him for coming to attack my sleep, but he's not, actually. For Nemia, a wooden walking wood knife is a stuffed animal. If you hold it, you can sleep. That means you visited the bedroom with it. "Actually... I'd like to be with you two until morning. We can't be together much longer..." I'm sure you miss breaking up with us. Mr. Noir cheers on Nemia, who says shy. "I want to sleep with you, too. 'Cause it's more fun sleeping in large numbers." I won't put it on my face, but Mr. Noir also seems to miss breaking up with Nemia properly. Listening to Mr. Noir's words, Nemia snuggled happily into bed. "Lord Ash! I grew up a little bit, didn't I? Apparently, he came here to chat rather than to sleep. He looked at me like I expected, and I answered instantly. "You're growing up right. Nemia defeated the demon." Nemia defeated the demon with courage. I'm pretty sure you've grown spiritually, and you should be improving your magic. "When Lord Ash told me that, I felt really strong! Nemia makes her voice bounce with joy. "But I want to be stronger! That's why I decided to go to the Elstadt School of Magic that I've always dreamed of! I knew that Nemia admired the Elstadt School of Magic. The day I first met him, he asked me about 'I want to enroll someday' on the train. But for one of these countries, the continent is the Nest of Bakery Things. For that reason, Nemia seemed reluctant to visit the kingdom of Elstadt... but she decided to enroll, which means she's not now. "Aren't you afraid of the continent? "I've traveled with you two and seen a lot of demons! Compared to that, I'm not afraid of continents! It's a little different from shock therapy, but seeing so many demons on the road to Dracula makes you mentally stronger? Really, you've grown. Perhaps the best harvest of coming to the Kingdom of Grune was being seen growing Nemia. "Elstadt School of Magic, where Lord Ash and Lord Noir were enrolled! If you can get through there, you can definitely be strong! Nemia is high tension. The Erstadt School of Magic is the highest educational institution in the world. It must have been a place of admiration for Nemia, just like I was. Imagine yourself passing through there, feeling excited. "Taking an exam at this time means taking an integration exam, right? General entrance exams are ahead of us for the time being, and Nemia is twelve in the first place. The only way to enroll is to take an age unlimited entrance exam. "I intend to! My grandfather told me that the entrance exam was a narrow gate, but let me try to break through in the mood! Breaking through in the mood? That's just my apprentice, he's just like thinking! Ma, in Nemia's case, we'll be able to break through with strength, not temper. If we had a track record of winning the children's section of the militant tournament, we would be able to break through paperwork screening, and we should be able to complete magic measurements. The question is a practical exam, but from what I've seen of the martial arts tournament, Nemia is not a fire-powered gorilla pusher type, because she's a technologist. Whatever exams will be imposed, you will be able to handle them ad hoc and you will be able to pass them safely! ... Nevertheless, the more you think about it, the better apprentice you are. Isn't there anything I can do for you anymore, Nemia? One last thing or so, I'd like to do something that looks like a master to you... yes. "If you're coming to Elstania, you should finally watch the game between me and Mr. Cuhle." Mr. Cule is the most powerful wizard in the world. If you look at that battle up close, it should help something. Was my suggestion unexpected, Nemia? "But... the game will take place in the college, won't it? Am I allowed to watch the game? "The arena is huge and you won't get in the way. And I'll ask the Dean of the Academy, Ai, to do it for me." That's about all I can do for you as a master, Nemia. "I'm looking forward to the match between Lord Ash and Lord Cuhle! Wow! It's burning when I think about the future! It's going to be a little bare!! Nemia rolls her motivation and rushes to leave the room behind. Seeing a motivated apprentice, I'm kind of on fire, too. "... you look like you trained" "You got it." "Something long and tight. But can you train alone? "It's not just training to boost magic. There are things you can do without your master." Practicing drawing runes, for example, is a fine training exercise. Not that magic improves, but if you fail to practice it, the magic wand (Withers Rod) may burn out with friction fever. In fact, my partner (first generation) only got the pattern. Besides, I'm going to play the Wizard's debut against Mr. Cule! At that time, if my partner (second-generation/revamped) only has the pattern, I won't be able to debut it. Think about it, you can't just not practice! "Well, I'm going to train you! "I'll stick with you, too. 'Cause one misses something" That's how we went to Nemia, who pretended to be bareback, and trained until the morning sun rose.
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森に潜むゴブリンの群れを討伐せよ。 それはライン王国魔法騎士団・西方討伐部隊にしてみれば楽な任務のはずだった。 実際、ひとりの怪我人も出すことなく任務は終わった。 あとは帰還するだけだったのだ。 だが、森を抜けようとしたところで予期せぬ事態が起こった。 ふいに時空の歪み(アビスゲート)が発生したのだ。 とはいえ彼女――騎士団長のクロエは歴戦の魔法使いだ。 こうした事態にも何度か立ち会ったことがあるし、落ち着いて対処すれば問題はない。 そんな自信は、次の瞬間にかき消された。 時空の歪みから飛び出してきたのは、魔王《 暗黒騎士 その禍々しい姿を目にした瞬間、クロエは死を覚悟した。 暗黒騎士については資料で読んだことがあったのだ。 ――邪悪を体現したかのような暗黒の鎧はあらゆる攻撃を無に帰し。 ――禍々しい形状の黒剣は、そりで山を切り裂くと怖れられ。 ――騎士を乗せた黒馬は、一晩にして世界を駆けると謳われている。 そんな伝説の魔物が最後に確認されたのは、遡ること100年前。その際は討ち取るのに100人以上の犠牲者が出たと資料に残されている。 しかも戦死したひとりひとりがクロエと同等か、それ以上の強者だったのだ。 目の前の暗黒騎士は100年前のそれとはべつの個体だが――だとしても、たった12人の騎士団では戦力として乏しすぎる。 だからこそ、クロエは死を覚悟したのだ。 「い、いったいどうすればいいのよ!?」 団長は平静を欠いてはならない。でないと部下を不安がらせることになる。 だが、この状況では無意味なことだ。 なぜなら部下は、ひとり残らず地に伏しているのだから。 暗黒騎士の姿を見た瞬間に全力の魔法を放ち、気を失ってしまったのだ。 『なにをしておる、ニンゲンよ。怯えてないで、もっと我を愉しませるのだ。遠慮はいらぬ。全身全霊でかかってくるがよい』 漆黒の仮面――その奥から地鳴りの如き声が響く。 高い知能を持つ魔物は人語を操るのだ。《闇の帝王》亡きいま、暗黒騎士こそが魔王のあとを継ぐ魔物と言って過言ではないだろう。 暗黒騎士の知力と武力は、魔王と比べても遜色ないのである。 「き、貴様みたいな魔物なんか怖くないわ!」 クロエは震える手でルーンを刻み、特大の 師匠にして上司でもあった先代の団長が唯一褒めてくれた、クロエのとっておきだ。 パキィィィィン!! だが、氷槍は騎士の鎧に触れた瞬間、粉々に砕けてしまった。 闇夜に舞う氷塵に、クロエは絶望する。 『つまらぬ。なんとつまらぬ幕切れなのだ。100年の時がありながら、成長どころか退化するとは。おおかた仮初めの平和を謳歌し、修練を欠いたのであろう』 まるで過去に人間と戦ったことがあるような口ぶりに、クロエの脳裏に最悪のシナリオが思い浮かぶ。 「ま、まさか100年前の暗黒騎士は貴様だったの!? で、でも討伐したと資料に記されていたわ!」 》がニンゲン風情に敗れるわけがなかろう! 我が愛馬は異空間を駆け巡ることができるのだ!』 「異空間を駆け巡るですって!?」 つまり暗黒騎士こと《黒き帝王》は自分の意志で時空の歪みを生み出すことができるのだ。 100年前の人々は、《黒き帝王》が跡形もなく消し飛んだと思いこんでいただけなのである! 『もう少し楽しませてくれるかと思ったが、これでは暇つぶしにもならぬ! 前回は成長の機をくれてやったが、弱体化するようでは話にならぬわ! しょせんはニンゲン、我らに組みする資質など端から持ち得ぬのだ!』 と、《黒き帝王》が抜剣した。 『我が黒剣で、貴様諸共この地を消し飛ばしてくれるわ!』 「そ、そんなこと......させないわ!」 『笑止! 貴様の力は知れておる! 否、貴様だけではない! ニンゲンがいかに弱い種族かは、貴様を見れば察しがつく! 弱き種族に生きる価値なし! 我が舞い戻った以上、ニンゲンは滅亡する 「そ、そうはいかないわ! たとえここで私を殺しても、貴様は彼に――アッシュ様に倒されるもの!」 『くだらぬ! なんとくだらぬ妄言なのだ! 我が鎧を貫けるニンゲンなど存在せぬ! 我が剣で滅ぼせぬニンゲンなど存在せぬ! 我が愛馬に追いつけるニンゲンなど存在せぬ! ゆえに、我がニンゲン風情に負ける道理は存在せぬのだ!』 と、《黒き帝王》が黒剣を天にかざした。 『我は世界最強の騎士――《黒き帝王》なり! 我が降臨した以上、あらゆる生命は死滅する 「そ、そんなこと......」 クロエはどうにかして阻止しようとする。 だが、腰が抜けて立つことすらままならない。 たとえ自由に動けても、クロエにはどうすることもできない。 それほどまでにクロエと――否、人類と《黒き帝王》とのあいだには力の差があるのだ。 クロエはあらためて死を覚悟した。 そして―― 『さあ、黒き時代の幕開けだ!!』 スパァァァァァァァン!!!!!!!! 暗黒騎士が真になった。 それと同時にの目を持つ黒馬の首も吹き飛んだ。 鋭い切れ口から、真っ黒な血が噴出する。 予期せぬ事態に、クロエはほうけてしまう。 血の雨であたりは真っ黒に染まっているし......これが《黒き帝王》の言う『黒き時代』なのだろうか? などと解釈しつつあった、そのときだ。 「あのー......もしかしてなんですけど、こっちにカマイタチ飛んできませんでした?」 男の子が、申し訳なさそうに歩み寄ってきたのだ。
Crusade the flock of goblins lurking in the woods. That should have been an easy task if you had tried to make it into the Knights of Magic and Western Crusades of the Kingdom of the Rhine. In fact, the mission was completed without even issuing one injured person. All we had to do was return. But something unexpected happened as I tried to get out of the woods. There was a distortion of time and space (Abyss Gate) on the fence. Nevertheless, she - Chloe, the chief of the Knights, is a wizard of war. I've seen these things happen a few times, and if you calm down and deal with them, there's no problem. Such confidence was dispelled at the next moment. Jumping out of the distortion of time and space is the legendary monster known alongside the Demon King, The Dark Emperor (Dark Road) - It was the Dark Knight! The moment he saw that disastrous appearance, Chloe was ready to die. I read about the Dark Knight in the dossier. - Dark armor, as if it embodied evil, attributes every attack to nothing. - Black swords of disastrous shape are scared when they cleave the mountains in one swing. - Black horses with knights are said to drive the world overnight. Such legendary demons were last confirmed a hundred years ago. At that time, more than a hundred victims were left in the dossier to pick up. Besides, each person who died in battle was equal to or more powerful than Chloe. The Dark Knight in front of me is a hundred years old. That's a very small individual - but in just twelve Knights it's too scarce as a force of war. That's why Chloe was ready to die. "Yes, what the hell am I supposed to do!? The Commander must not lack calm. Otherwise, you will disturb your men. But in this situation, it's pointless. Because my men are lying on the ground alone. The moment he saw the Dark Knight, he unleashed all his magic and lost his mind. 'What are you doing, Ningen? Don't be frightened, make me feel more happy. I don't need to hesitate. Call me with your whole body. " A pitch-black mask - the sound of the ground ringing from behind it. Highly intelligent demons manipulate human language. With the Dark Emperor dead, it would not be an exaggeration to say that the Dark Knight is the demon that will inherit after the Demon King. The intelligence and force of the Dark Knight is no less pale than that of the Demon King. "Ki, I'm not afraid of demons like you! Chloe carved the rune with her trembling hands and unleashed an oversized ice spear (Ice Lance). Chloe's keepsake, the only praise my predecessor, who was my master and my boss, gave me. Pachywyn!! But the ice spear shattered the moment it touched the knight's armor. Chloe despairs of ice dust dancing in the dark night. "Boring. What a tedious doomsday, with a hundred years of time, to grow but to degenerate. He would have sang about the peace at the beginning of the tentative period and lacked training." The worst scenario comes to mind behind Chloe's brain in her mouth as if she had fought humans in the past. "No way, you were the Dark Knight a hundred years ago!? So, but it was written in the dossier that we crusaded! "Stupid! There's no way this my- Black Emperor (Black Road) is going to lose out on the Ningen style! My beloved horse can run through different spaces! "Running through different spaces!? In other words, the Dark Knight, the Black Emperor, can create distortions in time and space at his will. A hundred years ago, people just thought the Black Emperor had vanished without a trace! 'I thought you'd entertain me a little more, but this won't even spare me time! You gave me a chance to grow up last time, but it doesn't seem to weaken! It can't be held from the edge by Ningen, the qualities that we combine! and the Black Emperor pulled out his sword. "With my black sword, you will wipe out this land! "Oh, no... I won't let you! "Stop laughing! Your power is known! No, you're not the only one! I can see how vulnerable Ningen is to you! It's not worth living for a weak species! More than my return, Ningen is doomed! "Well, that's not going to happen! Even if you kill me here, you will be defeated by him - by Master Ash! 'Nonsense! What a crappy paranoia! There is no such thing as ningen piercing my armor! There is no such thing as an indestructible ningen with my sword! There is no such thing as ningen to catch up with my beloved horse! Therefore, there is no reason to lose my Ningen flair! and the Black Emperor put the Black Sword to heaven. "I am the most powerful knight in the world - the Black Emperor!" More than my descent, every life is doomed to perish! Come on, my blow that won't even leave a wreckage will darken your Ningen history! "Oh, no..." Chloe tries to stop it somehow. But I can't even stand with my hips falling out. Even if I can move freely, there's nothing Chloe can do about it. So much so that there is a difference in power between Chloe and - no, humanity and the Black Emperor. Chloe was ready to die once again. And... 'Come on, it's the dawn of the Black Age!! Spaaaaaa!!!!!!! The Dark Knight turned into two. At the same time, the neck of a black horse with eight eyes blew away. From sharp cuts, black blood erupts. Unexpectedly, Chloe flatters. The rain of blood stains the area black... is this what Black Emperor calls the "Black Age"? I was interpreting it as something like that, that's when. "Um... could it be that you didn't fly kamaitachi over here? A boy walked in with regret.
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旅目の昼。 ペニロパから列車を乗り継いだ俺たちは、ネムネシアに到着した。 ネムネシアは想像以上に殺風景なところだった。 まるで西部劇に出てくる町みたいだ。 乾燥した土の上に、木造住宅が点々と建ち並んでいる。 さすがはエルシュタット王国で二を争う田舎町だ。 まあ俺の故郷である『魔の森』に比べると遙かに都会だけど。 「師匠! フェルミナさん! ここがわたしの生まれ育った町っすよ!」 どうっすか、とエファは自慢げに聞いてくる。 「落ち着いた町だな」 「暮らしやすそうだね」 エファは嬉しそうに頬を緩ませる。 「でしょ? この町はわたしの庭みたいなものっすからね。わからないことがあれば、なんでも聞いてほしいっす!」 「エファの家はここから近いのか?」 俺はさっそく質問した。 「この道をまっすぐ行った先にあるっすよ。友達をつれて帰るって連絡しといたっすから、きっとご馳走を作って待っててくれてるっす!」 「やったぁ! あたしご馳走大好きだよ!」 「お母さんの料理は美味しいっすからね。期待してていいっすよ! さあ、こっちっす!」 エファはスキップでもするような歩調で道を歩き、角を曲がったところで振り向いてくる。 「あれがわたしの家っす!」 建ての木造住宅だった。 柵に囲まれた庭には遊具が転がっている。 エファは玄関を開けるなり叫んだ。 その途端、どたばたと足音が響き、 「「「「「おかえりエファおねーちゃん!」」」」」 同じ顔をした幼女、エファに飛びついた。 「おかえり~、ねーちゃん」 「お、おかえりなさい、エファお姉ちゃん」 そのうしろからさらにふたりの女の子が現れる。 一三くらいの女の子だ。 一方はおてんばそうで、もう一方は気弱そうな印象だ。 「あらあら、早かったわね」 最後に出てきたのは恰幅のいい女のひとだ。 きっとエファの母親だろう。 「みんな、ただいまっす! お父さんはどこっすか?」 「裏の畑で野菜を採ってるわ」 「じゃあ先に紹介しておくっす! ししょ......アッシュくんと、フェルミナさんっすよ!」 エファの家族がじろじろと見つめてくる。 「あらあら、よく来てくれたわね。学校では娘がお世話になってます」 「ほんとお世話になってるんすよ! 特に......って言ったらフェルミナさんに申し訳ないっすけど、アッシュくんには本当にお世話になってるっす!」 「ねーちゃんの彼氏?」 おてんばそうな女の子がにやにやしながら言う。 「あら、そうだったの? じゃあ将来的には家族になるかもしれないのね!」 おばさんも乗り気だった。 出会って間もないけど、気に入ってもらえたようだ。 「そ、そんなんじゃないっすよ! アッシュくんはわたしの師匠っす!」 エファは顔を真っ赤にして否定する。 俺と一緒のベッドで寝ることにまったく抵抗感がなかったエファだけど、家族に茶化されるのは普通に恥ずかしいらしい。 「なんだか美味しそうな匂いがするね!」 フェルミナさんは空気が読めない。 けど、たしかに美味しそうな匂いがするな。 フェルミナさんの言葉に、おばさんはパチンと両手をあわせた。 「エファがお友達をつれてくるって言うから、今日はご馳走を作ってるのよ。もうできてるから、温かいうちにいただきましょ。シルシィ、お父さんを呼んできてちょうだい」 「はーい」 「あなたたちは手を洗ってらっしゃい。さっきまで泥遊びしてたでしょ」 「「「「「はーい!」」」」」 「リルはお皿を並べてちょうだい」 「う、うん」 娘たちにてきぱきと指示を与えたおばさんは、俺たちに向きなおる。 「アッシュくんとフェルミナちゃんはゆっくりしててね。エファ、お友達をお部屋に案内してあげなさい。今日は泊まっていくんでしょう?」 俺とフェルミナさんはうなずく。 「ふたりとも、こっちっすよ」 エファに続いて三階へと向かい、とある部屋の扉を開ける。 「申し訳ないっすけど、空き部屋は一室しかないっす。空き部屋というか、ほとんど物置っすけど......」 「急に泊まることになったんだ。ありがたく使わせてもらうよ」 「そう言ってもらえると助かるっす」 「あたしはどこで寝ればいいのかな?」 「フェルミナさんはわたしの部屋っすね。荷物を置いたらご飯にするっすよ」 「わーい!」 エファとフェルミナさんは部屋を出ていった。 俺は荷物を置き、一息つく。 それにしても、いろいろなものが置いてあるな。 本に、服に、カバンに、ぬいぐるみに、それに...... 「ん? これって......」 俺は、あるものを見つけてしまった。
noon on the second day of the trip. We took the train from Penilopa. We arrived in Nemnesia. Nemnesia was more of a killer landscape than I imagined. It's like a town in a western play. On dry soil, wooden dwellings are dotted. That's a country town in the kingdom of Elstadt that also contends for one or two. Well, it's far more urban than my hometown, The Devil's Forest. "Master! Mr. Fermina! This is the town where I was born and raised! Efa proudly asks what to do. "It's a calm town." "It's going to be easy to live in." Efa gladly loosens her cheeks. "Right? This town is like my garden. If there's something I don't know, I want you to ask me anything! "Is Efa's house close to here? I just asked a question. "I went straight down this road. It's right ahead. I contacted you to come home with your friends, so you must be making a treat and waiting for me! "Yay! I love a treat! "Your mother's food looks delicious. You can count on it! Come on, over here! Efa walks down the road in the same pace as she does even skipping, turning around at the corner. "That's my house! It was a three-story wooden house. The garden surrounded by fences has playthings rolling around. Efa screamed when she opened the front door. And as soon as it was done, the footsteps sounded, "" "." "Welcome back, Efa. Hey! Five young girls with the same face jumped on Efa. "Welcome back, honey" "Welcome back, Sister Efa" Two more girls show up from that time. She's about thirteen or four years old. On one side, it is, and on the other the impression of being weak. "Oh, that was fast." The last woman to come out was one of the best. I'm sure she's Efa's mother. "Guys, I'm home! Where's your father? "I'm picking vegetables in the back field." "Then I'll introduce you first! Shit... Ash and Mr. Fermina! Efa's family stares at him. "Oh, you've come a long way. My daughter takes care of me at school." "I'm really looking out for you! Especially if I say...... I'm sorry for Mr. Fermina, but you're really looking out for Ash! "Hey, your boyfriend? A girl like you says in a whisper. "Oh, did you? Then you could be a family in the future! My aunt was on board, too. Not long after we met, but you seem to like it. "Oh, that's not it! Ashkun is my master! Efa turns her face bright red and denies it. Efa, who had no resistance at all to sleeping in bed with me, but she's usually ashamed of herself being teared up by her family. "You smell kind of delicious! Mr. Fermina can't read the air. But you do smell delicious. To Mr. Fermina's words, his aunt put her hands together with her pussy. "I'm making a treat today because Efa says she's coming with your friend. It's already done, so let's have it while it's warm. Silci, get your father." "Yes." "You wash your hands. You were playing with the mud earlier." "" "" "" Yes! "Lil, line up your plates." "Ugh, yeah." The aunt, who gave her daughters instructions, turns to us. "Ash-kun and Fermina take your time. Efa, show your friends to your room. You're staying today, aren't you? Me and Mr. Fermina nod. "Both of you, this way." Follow Efa to the third floor and open the door of a certain room. "I'm sorry, but I only have one spare room. I mean an empty room, I almost store it..." "I was suddenly supposed to stay. I'll be glad to use it." "It would help if you could say that." "Where should I sleep? "Mr. Fermina looks like my room. If you put your stuff down, I'll make you dinner." "Wow!" Efa and Mr. Fermina left the room. I put my stuff down and take a breather. Still, you have a lot of stuff to put away. Books, clothes, bags, stuffed animals, and... "Hmm? What is this..." I found something.
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生まれ故郷の村を訪れて10日が過ぎた。 その日の朝。 母さんの手料理を味わった俺たちは、自室のベッドでくつろいでいた。 おかわりをしていたノワールさんはベッドに横たわり、苦しそうにお腹をさすっている。 「しばらく動けそうにないわ......」 「ノワールさん、いっぱい食べてたもんね。まるでフェルミナさんみたいだったよ」 「山菜の炒め物、すごく美味しかったもの。でも......貴方のお母さんに、欲張りなひとだって思われたかもしれないわ」 「そんなことないよ。母さん、おかわりされてすごく喜んでたし、父さんだってニコニコしてたしさ。俺としても、母さんの手料理を気に入ってくれて嬉しいよ」 「安心したわ。次に来たときは、もっと食べるわ。次はいつ帰省するのかしら?」 「そう遠くないうちに帰省するつもりだよ」 「楽しみだわ」 ノワールさんは早くも待ち遠しそうだ。 母さんの手料理はしばらくお預け。俺たちは今日このあと旅立つつもりだ。 それもあって、ノワールさんはいつも以上に朝食を食べたのである。 「あとどれくらいで家を出るのかしら?」 ベッドに横たわったまま、ノワールさんが名残惜しそうに言う。 母さんの手料理を気に入ったっていうのも理由のひとつだろうけど、この10日でノワールさんは俺の家族と仲良くなったからな。 旅立つのが寂しくなってしまったのだろう。 「昼前の列車に乗るつもりだよ。で、みんなと合流して、モーリスじいちゃんの誕生日を祝うんだ」 「プレゼントを買わないといけないわ。モーリスはなにが欲しいのかしら?」 「ノワールさんの気持ちがこもったものなら、なんでも喜んでくれるよ! プレゼント選びの時間もあるから、そのときあらためて考えようっ!」 「そうするわ。そのときはエファとフェルミナなのかしら?」 「ふたりのスケジュールしだいだけど、フェルミナさんたちとは、エルシュタニアで合流する予定だよ」 元々は『魔の森』に行く予定だったが、エルシュタニアで誕生日会を開くことになった。 俺ひとりならまだしも、エファやフェルミナさんがお祝いしてくれるのだ。 魔物がわんさかいる『魔の森』だと落ち着いて誕生日会ができないため、キュールさんの屋敷を使わせてもらうことになったのだ。 そんなわけで誕生日会にはキュールさんも参加する。 そして誕生日が終わったあとは、学院の闘技場でキュールさんと試合をするのだ。 「キュールとの試合が終わったら、修行を再開するのかしら?」 「もちろんだよ! まだまだ大魔法使いにはほど遠いからね!」 「次はどこに行くのかしら?」 そう言って、ノワールさんは強者の居場所を示す地図を広げた。 そして、困ったように眉根を下げる。 「赤点が知り合いだらけだわ。あと行ってないのは......ここだけだわ」 北国のシャバリア王国を指さすノワールさん。 「それはゴーレムだね」 「リッテラのゴーレムかしら?」 「うん。氷系統の魔力の質を高めるために氷山に潜らせてるって言ってたし、間違いないよ」 「じゃあ、もう弟子入りはできないわ。だって、ほかの赤点はみんな知り合いだもの。でも、変だわ。以前はもうちょっといたはずよ」 たしかに赤点の数は減っているが、その理由は察しがつく。 「きっと赤点の主は魔物だったんだよ。で、キュールさんに倒されちゃったんだ」 キュールさんの地図は『自分より少し格下の魔物』も表示されるからな。 キュールさんより少し格下ってことは、ノワールさんより格上ってことになる。 修行としてそいつらと戦ったのだとすると、俺たちの地図から赤点が減ったことにも説明がつく。 いまこの世界に、レッドドラゴンをはじめとする強力な魔物はいないのだ。 そんなつもりはなかったけど、俺とキュールさんの修行によって、世界は平和になったのである。 まあ、時空の歪みがある限り、いずれ強力な魔物も現れるだろうけど。 それに、魔王も残ってるしな。 》はを名乗ってたし、あと2体はいるはずだ。 》の捕縛を邪魔する人間=俺』だ。 ノワールさんたちが直接被害を蒙ることはないはずだが、油断しないように気をつけないと。 などと考えごとをしていると―― 「電話だわ」 ノワールさんが携帯電話を取り出した。 「誰から?」 「ネミアからよ。いまアッシュに代わるわ」 ノワールさんが俺の耳に携帯電話を押しつけ、通話用に魔力を流す。 修行によって俺の魔力は上がったが、エルシュタニアにいるネミアちゃんと通話するには魔力が足りないのである。 「もしもし、ネミアちゃん? 俺だけど、どうしたの?」 『アッシュ殿! 私、やったであります! 合格したでありますよ!』 「ほんとにっ? おめでとうネミアちゃん!」 「おめでたいわ」 ノワールさんにも聞こえたらしく、嬉しそうにほほ笑んでいる。 『感謝であります! 私、合格したのが信じられなくて......ま、まだ脚ががくがく震えてるでありますよ! こんな調子で上手くやっていけるでありましょうか......』 「やっていけるよ!」 『ほ、ほんとでありますか?』 「もちろん! ネミアちゃんは実力で突破したんだ! もっと自信を持つべきだよ!」 『お、おおおおおっ! 私、なんだか自信が湧いてきたであります! 脚の震えも治まったでありますよ! な、なんだか身体が熱い......パワーが漲ってきたであります!』 「その調子だよ! 本来の実力さえ出し切れれば、昇級試験も突破できるはずだからねっ! 落ち着いていこう!」 『はいっ! 私、すぐに上級クラスになってみせるであります! うおおお! 燃えてきたでありますっ! さっそく素振りをするでありますっ! エファ殿の教えに従い、ランニングもしなくちゃであります! やることが山積みでありますっ!』 ネミアちゃんはやる気を漲らせ、通話を切った。 やる気満々なネミアちゃんと話したら、俺も修行したくなってきたぜ! 「貴方、修行したそうな顔をしてるわ。でも、もう師匠はいないわ......」 「たしかに赤点の主はいないけど、青点の主はいるよ」 「青点の主も師匠になるのかしら?」 「もちろん! いままでは優先的に赤点の主に会いに行ったけど、青点の主だって優秀な魔法使いなんだから。それにティコさんやミロさんから教わった修行方法を復習するのも有効だし、魔物相手に実戦形式の訓練をするのも効果的だよ!」 「やることがたくさんあるわ......!」 「うん! 誕生日が終わったら、忙しくなるよ!」 「嬉しいわ。もっと貴方と旅をしたいと思っていたもの。さっそく出発するのかしら?」 「そうだね。そろそろ荷物をまとめよう!」 「片づけるわ」 俺たちは出しっ放しにしていた衣類をカバンに詰めこみ、父さんたちのもとへ向かう。 旅支度を調えた俺たちの姿を見て、ふたりは寂しそうな顔をした。 「......もう行くのか」 「また帰ってくるわよね?」 ふたりに見つめられ、俺はにこりとほほ笑んだ。 「また帰ってくるよ! だって、ここは俺の実家なんだから!」 その途端、父さんと母さんが笑顔になる。 それから家を出ると、父さんが言った。 「旅立つ前に、魔法を見せてくれないか?」 この10日間、俺は散歩したり近所のひとと話したり、村でのんびりとした日々を過ごしていたため、父さんたちに魔法を見せる機会がなかったのだ。 「もちろんだよ!」 どうせなら、全力の魔法を見せてやろう。 を抜き、すべての魔力をこめて飛行魔法のルーンを描く。 その瞬間―― 俺は、ぐわっと舞い上がった。 「本当に魔法を使えるようになったのね......」 「よかったなぁ......本当に、よかったなぁ......」 父さんたちが感動しているとなりで、ノワールさんがぽかんと口を開けている。 きっと俺も同じような顔をしているだろう。 思っていた以上に、俺は高く舞い上がったのだ。 村全体を見渡せる――とまではいかないが、かなり高い場所に浮いている。 一瞬、浮遊魔法を使ってしまったかもと思ったが、自由自在に飛びまわれるし、飛行魔法で間違いない。 きっと帰省によってパワーアップしたのだろう。 自分で言うのもなんだけど、父さんたちと再会するのはかなり勇気がいることだったからな。 過去最大のトラウマに立ち向かったことで、いままでにないくらい精神的に成長できたってわけだ! こんなに高く飛べるだけの魔力があるなら、もうウィンドシールドも使えるはず! あとで試してみよっと! 「すごく飛んでたわ」 着地すると、ノワールさんが拍手で出迎えてくれた。 「ありがと! 自分でも信じられないよ......!」 「この調子なら、大魔法使いになれそうだわ」 「うん! この調子で、どんどん成長してみせるよ!」 大魔法使いは、そう簡単になれるものじゃない。 だけど俺は世界樹での修行を経て、魔力の質を高めたのだ。 ちょっとしたことがきっかけで、爆発的に成長できる。 ノワールさんの言う通り、この調子なら大魔法使いになるのだって夢じゃないのだ! 「俺、行くよ!」 明るく告げると、ふたりがほほ笑みかけてきた。 「気をつけるのよ」 「いつでも帰ってきていいからな。そのときは、ノワールさんも一緒にな」 「また来るわ。だって、居心地が良かったもの」 「俺もだよ! 必ずまた帰ってくるからね! じゃあ、行ってきます!」 そうして家族に見送られ、俺とノワールさんは爽やかな気持ちで故郷をあとにしたのであった。 真っ白な空間に佇む、荘厳な宮殿――。 天を穿つほど高くそびえる宮殿内に、ふたつの巨体があった。 ひとつは金に輝く巨体。 もうひとつは、銀に輝く巨体だ。 『一向に戻ってこぬところを見るに、どうやら《 金に輝く巨体の発言を受け、銀に輝く巨体が苛立たしげに鎧を震わせた。 『我らと同じ御三家でありながら、ニンゲン如きに葬られるとは! 我らと肩を並べていたとは思えぬ脆弱ぶりよ!』 『然り。《銅の帝王》は我らと同じ世界に生まれ落ちたがゆえに御三家として君臨していたに過ぎぬ。我らの威を借り、傲岸な態度を取っていたが、純然たる力王にも劣る存在よ』 しかし、と金に輝く巨体は――《 金の帝王 『我らと並び立つには力が足りぬが、彼奴とて魔王。瞬く間に散っていった四天王と同じく、世界を滅ぼす力は持っておるのだ。生前無能を極めたとはいえ、あの御方のお役に立てている以上、骸となった彼奴のことを無能と断じることはできぬ』 『彼奴らも最期にあの御方のお役に立てて本望であろう。我らもあの御方のために尽力せねばならぬな』 『然り。そのためにも《銅の帝王》を葬ったニンゲンを――アッシュなるニンゲンをなんとかせねばなるまい』 最初に《金の帝王》がアッシュの存在を知ったのは、《 》がニンゲンに葬られたとしか聞かされず、脅威とは思わなかった。 しかし四天王が全滅し、さらに御三家の《銅の帝王》までもが葬られたとあっては見過ごせない。 『ニンゲンは脆弱な種族だ。だが、アッシュは例外だ。我らに比類するとまではいかずとも、我らの同胞となる資格は備わっていると評してよかろう』 『吾輩も同意見だ。ではアッシュなるニンゲンは、吾輩が勧誘するとしよう』 《赤き帝王》の報告によると、《白き帝王》はアッシュの勧誘を試みたらしい。 だが、その後《白き帝王》からは音沙汰がない。 ヴァルハラへ帰還しないということは、アッシュに葬られてしまったと見て間違いあるまい。 青き帝王 『吾輩に策がある』 と、《銀の帝王》が口にした。 『策?』 》の捕縛を邪魔しているようなのでな。であれば、それを逆手に取ればよかろう。そのうえで吾輩の勧誘を断るようなら、そのときは諸共葬ればよいのだ』 アッシュの勧誘に成功しようと、勧誘に失敗してアッシュを葬ろうと、《銀の帝王》が返り討ちに遭おうと、《金の帝王》と《銀の帝王》の大望成就に支障は来さない。 なぜなら―― 『いずれにせよ、あの御方のお役に立てるということか』 あの御方の役に立つことこそが、御三家の大望なのだから。 『もっとも、吾輩がニンゲン如きに葬られることは万に一つもあり得ぬがな』 『であれば止めはせぬ。あの御方のために尽くすがよい』 『では、あの御方のために尽くすとしよう』 そうして《銀の帝王》は力を使い、異世界への干渉を開始したのであった。
Gold And Silver. Ten days have passed since I visited the village where I was born. That morning. We were relaxing in our own beds when we tasted Mother's handicrafts. Mr. Noir, who was in a change, lays in bed and rubs his stomach painfully. "I'm not going to be able to move for a while..." "Mr. Noir, you've been eating a lot. It was like Mr. Fermina." "Stir-fried mountain vegetables, something that was so delicious. But... your mother might have thought you were greedy." "That's not true. Mother, I was so happy to have been replaced, and even Father was nicotine. Even for me, I'm glad you like your mother's handicrafts." "I'm relieved. The next time I come, I'll eat more. When are we going home next? "I'm going home soon." "Looking forward to it." Mr. Noir is not going to be able to wait any sooner. I'll keep my mother's hand cooking for a while. We're going to travel after this today. In addition, Mr. Noir had more breakfast than usual. "How soon will we be out of the house? Mr. Noir says remorsefully as he lays in bed. One of the reasons why you liked your mother's handicrafts is because in the last ten days Mr. Noir has gotten along with my family. I guess I've missed traveling. "I'm going to catch the train before noon. So, join us and celebrate Grandpa Maurice's birthday." "I have to buy you a present. What does Maurice want? "Anything Mr. Noir feels like will please you! I also have time to pick a gift, so think about it again then! "I will. Is Efa and Fermina with you then? "I have a schedule for the two of you, but Mr. Fermina and I are planning to rendezvous in Erstania." We originally planned to go to The Devil's Forest, but we were going to have a birthday party in Elstania. If I'm alone, Efa and Fermina will still celebrate. Because the Devil's Forest, where the demons are wobbly, is unable to calm down and have a birthday party, we were forced to use Mr. Cuhle's mansion. That's why Mr. Cule also attends the birthday party. And after my birthday, I'm going to play a game with Mr. Cule at the Academy Arena. "When the game with the queer is over, will you resume your training? "Of course you are! We're still far from the Great Wizard! "Where are we going next? With that said, Mr. Noir widened the map to show where the mighty were. And lower your eyebrow root like you're in trouble. "The red dots are everywhere I know them. The only place I haven't been... is here." Mr Noir, referring to the Kingdom of Shabalia in the North. "That's a golem." "Could it be Rittera's golem? "Yeah. He said he was letting us dive into the iceberg to improve the magical quality of the ice system, and I'm pretty sure he did." "Then you can't be a disciple anymore. 'Cause all the other red dots are things I know. But it's weird. I should've been here a little bit before." Indeed, the number of red dots is decreasing, but the reason for this is speculative. "I'm sure the Lord of the Red Dot was a demon. So, Mr. Cule knocked me down." The map of Mr. Kühl will also show "Demons a little below himself". A little further down than Mr. Kühl means that he is better than Mr. Noir. Supposing you fought them as a training, it also explains the decrease in red dots from our maps. There are no powerful demons in this world right now, including the Red Dragon. I didn't mean to, but my training and that of Mr. Cuhle made the world peaceful. Well, as long as there's a distortion of time and space, some powerful demons will show up eventually. Besides, the Demon King is still here. The other day, the Emperor of Copper (Bronze Road) was named after your three families, and there must be two more. The demon king's target is' Man Interrupting the Capture of the Ice Emperor (Ice Lord) = Me '. There should be no direct damage to Mr. Noir, but we need to be careful not to be alarmed. Thinking about it. "Phone call." Mr. Noir took out his cell phone. "From who? "It's from Nemia. I'm replacing Ash now." Mr. Noir shoves his cell phone in my ear and runs magic for calls. My training has increased my magic, but I don't have enough magic to talk to Nemia, who is in Elstania. "Hello, Nemia? It's me, but what's wrong? "Lord Ash! I did it! You passed! "Really? Congratulations, Nemia! "Congratulations." He also sounded like Mr. Noir, laughing happily. 'Thank you! I can't believe I passed... my legs are still shivering! Can we do it well at this rate......' "I can do it! "Oh, really? "Of course! Nemia broke through with her strength! You should be more confident! 'Oh, whoa, whoa! I'm getting kind of confident! Your leg tremor has healed! Hey, my body is kind of hot...... it's gaining power! "That's how it goes! If only we could outperform our original strengths, we should be able to break the promotion exam too, so hey! Let's calm down! 'Ha! Me, I'm going to try to be an advanced class right away! Whoa, whoa! It's burning! I'm going to make a quick gesture! I have to follow Lord Efa's teachings and run! There's a pile to do! Nemia was motivated and hung up the call. If I talk to a motivated Nemia, I'm dying to train too! "You look like you trained. But there are no more masters..." "There is no Lord of the Red Dots, but there is Lord of the Blue Dots." "Will the Lord of the Blue Dots also become a Master? "Of course! So far, I've prioritized going to see the Lord of the Red Dots, because even the Lord of the Blue Dots is an excellent wizard. Plus, it's effective to review the training methods taught by Tico and Miro, and it's also effective to train demon opponents in real-time formats! "I have so much to do......! "Yeah! At the end of your birthday, you're gonna be busy! "Glad to hear it. Something I wanted to travel with you more. You think we're just leaving? "Right. Time to pack your bags! "I'll clean it up." We pack the clothes we left behind in our bags and head to our fathers. They looked lonely when they saw us checking out the journey schedule. "... are you going now" "I'll be back, won't I? They stared at me and I grinned and laughed. "I'll be back! Because this is my home! As soon as that happens, my father and mother smile. Then when I left home, my father said. "Before you travel, can you show me the magic? For the past ten days, I haven't had a chance to show my dads the magic because I've been walking, talking to one of my neighbors, and relaxing days in the village. "Of course you are! Anyway, I'll show you all the magic I can. I pull out a magic wand (Withers Rod) and do all the magic to draw a flight magic loon. At that moment... I got up all the time. "You really can use magic now..." "I'm glad... I'm so glad..." My dads are going to be impressed, and Mr. Noir is opening his mouth. I'm sure I'll look the same. I climbed higher than I thought. I can look over the whole village - but it floats pretty high. For a moment, I thought I might have used floating magic, but I can fly around freely, and definitely with flying magic. Must have been powered by homecoming. I don't know what to say to myself, but it was a lot of courage to be reunited with my fathers. In the face of the greatest trauma of all time, we have grown more spiritually than ever before! If you have the magic to just fly so high, you should be able to use Windshield already! Give it a try later! He was flying so fast. When I landed, Mr. Noir greeted me with applause. "Thanks! I can't believe it myself......! "At this rate, you're going to be a great wizard." "Yeah! At this rate, I'll try to grow more and more! The Great Wizard is not that easy. But I trained in the World Tree to improve the quality of my magic. A few things trigger me, and I can grow explosive. Mr. Noir's right, it's not my dream to be a great wizard at this rate! "I'm coming! Brightly, the two of them laughed at me. "Be careful." "You can always come home. Mr. Noir will be with you then." "I'll be back. 'Cause it was cozy." "Me too! I'll be back for sure! Then I'm going! That's how my family dropped me off, and me and Mr. Noir left my hometown feeling refreshed. A majestic palace, nestled in a white space... There were two giants in the palace that soared high enough to wear heaven. One is a giant shining in gold. The other is a giant shining in silver. "To see where you never come back, apparently The Copper Emperor (Bronze Road) has been buried" In response to a statement by a giant shining in gold, a giant shining in silver shook his armor in frustration. "I didn't expect you to be buried like Ningen, even though it's the same house as ours! I don't think he was standing shoulder to shoulder with us. Fragile! "Run Ri. The Emperor of Copper was born in the same world as ours, but therefore reigned as the House of Three. He borrowed our authority and took an arrogant attitude, but his pure power was inferior to that of the Four Heavens." But the giant that shines in gold - the Golden Emperor (Gold Road) continues its words. "There's not enough power to stand alongside us, but he and the Demon King. Just like the four kings that scattered in an instant, they have the power to destroy the world. Though I have endured incapacity in my life, I cannot be more incapacitated about him than I can be of service to him." "They will be of great help to him at the end of the day. We have to do everything we can for him." "Run Ri. And to do that, I'm going to have to do something about Ningen, who buried the Copper Emperor. The first time The Golden Emperor found out about Ash's existence was when he was rewarded by The Red Emperor (Red Road). At that time, they only heard that the Black Emperor (Black Road) had been buried in Ningen and did not consider it a threat. But it cannot be overlooked that the Four Heavenly Kings were wiped out, and even the Three Copper Emperors were buried. "Ningen is a vulnerable species. But Ash is the exception. Even if it doesn't compare to ours, let's say we're qualified to be compatriots. ' 'My colleagues agree. Then Ningen, who is Ash, let us suppose that we solicit' According to the Red Emperor report, the White Emperor attempted to solicit Ash. But then there's no tone out of The White Emperor. Not returning to Valhalla is a mistake to see that Ash has buried him. Likewise, the Blue Emperor (Blue Road), who never returns, must have been buried. "My brother has a plan." And, "The Silver Emperor" spoke. "Strategies?" "Uhm. Ash Ningen seems to be interrupting the Ice Emperor's captivity." If so, you can take it backwards. If you refuse to solicit me, then we should all be buried together. " In an attempt to succeed in Ash's solicitation, to fail to solicit and bury Ash, and in an attempt for the Silver Emperor to come back, no obstacle will come to the ambitious accomplishments of the Golden Emperor and the Silver Emperor. Because... "Either way, do you mean I can help you?" Because it is the desire of your three families to be of service to you. "But there is no way that my brother will be buried like Ningen." 'If so, there can be no stopping. Do your best for him. " "Then let's do all we can for him." That's how the Silver Emperor used his powers and began interfering with the other worlds.
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「いま奥のほうから声がしたわ」 ノワールさんは目を細めて空洞の奥を見ようとする。 「暗くて見えないわ」 「しゃべるカメがいるんだ」 「カメ?」 「ああ。甲羅にトゲトゲがついてて、全体的にメタリックなカメがな」 「硬そうだわ」 俺は「そうだな」とうなずき、カメを見つめる。 封印の間にいて、硬そうな見た目ってことは...... 「お前が魔物の王――魔王だな?」 「フハハハハ! 我のことを知っているか、ニンゲンよ! いかにも、世界最硬の異名を持つ《北の 魔王が自信満々に自己紹介をしてくる。 「《北の帝王》ってことは、魔王はあと3体いるんだな」 遺跡の数だけ魔王がいると決めつけていたけど、思った通りだった。 どの方角の魔王が最強かはわからないが、少なくと硬いのは《北の帝王》で間違いないだろう。 「フハハハハ! 面白い、実に面白いぞ! 我を前にして怯えぬとは......」 と、魔王は言葉を呑みこみ、濁った目玉でノワールさんを見る。 「こ、この魂の波動は......! 貴様、まさか――」 ズシン!!!! ズシン!!!! 地響きを立てながら接近してくる魔王に、ノワールさんは怯えた様子であとずさる。 「間違いない! 貴様あの小娘か! まさか封印が解けたその日に貴様と再会することになるとはな! 実に愉快だ!」 「『小娘』っていうのは《氷の 「弱者の名など覚えておらぬ。我が覚えておるのは憎しみだけだ」 その気になれば世界を滅ぼせる魔王を『弱者』呼ばわりか。 けど、実際こいつの身体には傷ひとつついてないんだよな。 最終的に封印されてしまったとはいえ、力の差は歴然だったのだろう。 間違いなく、こいつはいままでの魔王とは比較にならないほど強い。 俺はそう確信した。 「貴方とは初対面だわ」 「我に誤魔化しは通じぬ! 姿は異なれど、魂の波動は一致しておる! 貴様は間違いなく我を封じた小娘の転生体だ!!」 殺気を放つ魔王に、ノワールさんはさらにあとずさった。 「封印されているあいだ、我は貴様を殺すことだけを考えて生きてきた! いますぐ殺してやりたいが、それでは2000年間蓄積された我の怒りは収まらぬ!」 2000年間蓄積ってことは、封印の効力は失われる寸前だったってことか。 「これより貴様を丸呑みし、我が胃袋に封印する! 身体が溶ける恐怖を味わい尽くすがよい!」 「そのときは胃袋を破るわ」 を構えて脅すと、魔王はあごを鳴らして笑った。 「最強の防御力を誇る我に柔らかい部位など存在せぬ! 我の硬さを忘れてしまったというのなら、特別に思い出させてやろうではないか!!」 魔王が濁った目玉を俺に向ける。 「ニンゲンよ、我に立ち向かうがいい。貴様の命をもってして、愚かな小娘に我の硬さを思い出させてやるのだ!!」 魔王が勝負をしかけてきた。 「ノワールさんは通路に隠れててくれ。魔王を殴ったら、破片が飛び散るからな」 俺はカバンを放り投げてノワールさんに告げる。 魔王の硬さがわからない以上、俺はフルパワーで殴るつもりだ。 俺が思っているより柔らかかった場合、魔王は木っ端微塵になるだろう。 いままではガイコツだったので問題なかったけど、こいつが粉々になればいろいろなものが飛び散ることになる。 魔王の肉片をノワールさんにぶつけるわけにはいかないのだ。 「いかなる攻撃を受けようと、この身が傷つくことはない! 我に接触したものは、必ず砕ける 突進するつもりか。 真っ向から受けて立つ! 「我は鉄壁! よって無敵! ゆえに最強! 世界一硬い我を殺せる生物など、この世に存在しないのだ!!」 「貴方と一緒に逃げたいわ」 ノワールさんが俺の腕を引っ張り、通路に逃げようと促してくる。 「ごめん、ノワールさん。俺は逃げるわけにはいかないんだ」 ここで逃げれば精神的に成長できるチャンスを逃がすことになる。 それに俺は確かめたいのだ。 俺の拳がどこまで通用するのかを。 俺の拳が世界最硬に勝てるのかを。 世界最硬の魔王《北の帝王》は、俺の実力を測る絶好の敵なのである! 「......貴方が勝つと信じているわ」 俺の気持ちが伝わったのか、ノワールさんはランプを持って通路に引っこんだ。 ノワールさんの想いに応えるためにも、俺はこの拳で魔王に打ち勝ってみせる!! 「世界最硬がいかに硬いか、身をもって味わうがいい!!」 魔王が高々とジャンプした。 てっきり突進してくると思っていた俺は、まさかのジャンプに呆然とする。 こいつ、俺を押し潰すつもりか!? 「防御こそ最大の攻撃なのだあああああああああああああああああ!!!!」 ズンッ!!!!!!!! 俺は魔王に突き刺さった。 パァァァァン!!!!!! 甲羅を破って外に出ると、魔王は死んでいた。 俺の頭が魔王の心臓を貫いたのだろう。 地面には血だまりができていた。 なに自滅してんだよ! お前は《光の そう叫びたい衝動をぐっと堪え、俺は甲羅から飛び降りる。 「世界最硬は貴方の頭ね」 ノワールさんが、通路からぼそっとつぶやいた。
I just heard a voice from the back. Mr. Noir tries to narrow his eyes and look behind the cavity. "I can't see it in the dark." "I have a turtle to talk to." "Turtles?" "Oh, there's a tortoise on the armor, and there's a metallic turtle overall." "It looks hard." I nod, "Right," and stare at the turtle. Being between seals and looking hard means... "You're the Demon King - the Demon King, right? "Huhahahahaha! You know me, it's Ningen! Anyway, I am the Northern Emperor (North Road) with the hardest alias in the world!! The Demon King introduces himself confidently. "The Northern Emperor means there are three more demon kings." I had decided that there would be only a few demon kings in the ruins, but it was just what I thought. I don't know which direction the Demon King is the strongest, but at least the hardest one would definitely be The Northern Emperor. "Fuhahahahaha! Funny, that's really funny! I didn't mean to be scared in front of me..." and the demon king swallows the words and sees Mr. Noir with cloudy eyeballs. "Ko, this fluctuation of the soul...! Are you kidding me? Zuchin!!!! Zuchin!!!! Mr. Noir looks frightened by the demon king approaching him as he soars. "Definitely! You're that little girl! I didn't expect to be reunited with you the day the seal was broken! I'm so happy! "You mean" Little Girl "means" Ice Emperor (Ice Lord) "? "I don't remember the name of the weak or anything. All I remember is hate." Calling the 'weak' demon king who can destroy the world if he cares about it? But you don't actually have one scratch on this guy's body. Even though it was eventually sealed, I guess the difference in power was historical. Without a doubt, this guy is strong enough not to be compared to the demon king he has been. I was so sure. I've never met you before. "There is no deception in me! The more you look, the fluctuations in your soul are consistent! You are definitely the reincarnation of the little girl who sealed me!! Mr. Noir was even more distracted by the killer demon king. "As soon as it's sealed, I've only lived thinking about killing you! I want to kill you right now, but then my anger, accumulated for , years, will not subside! Does accumulation for 00 years mean that the effectiveness of the seal was on the verge of being lost? "Swallow you whole more than this and seal it in my stomach! Taste the fear of your body melting! "I'll break your stomach then." When Mr. Noir set up a magic wand (Withers Rod) to threaten him, the Demon King rang his chin and laughed. "There is no such thing as a soft spot for me with the strongest defense! If you've forgotten my hardness, let me remind you specifically!! The demon king turns his cloudy eyeballs to me. "Ningen, stand up to me. With your life, I will remind my stupid little girl of my hardness!! The Demon King has waged battle. "Mr. Noir needs you to hide in the aisle. If you hit the Demon King, the fragments will splash." I throw my bag and tell Mr. Noir. I'm going to hit him with full power more than I know how hard the Demon King is. If it was softer than I thought, the Demon King would be a piece of wood dust. Until now, it was a knack, so it wasn't a problem, but if this guy gets shattered, a lot of things will splash. You can't hit Mr. Noir with a piece of the Demon King's flesh. "No matter what attack you take, this self will not be hurt! Anything that comes into contact with me is destined to be crushed! Because I am the hardest in the world!! Are you going to march on? Take it head-on and stand! "I'm an iron wall! So invincible! Hence the strongest! There is no such thing as the world's hardest creature that can kill me!! "I want to run away with you." Mr. Noir pulls my arm and prompts me to escape into the aisle. "Sorry, Mr. Noir. I can't just run away." If we run away here, we'll miss the chance to grow spiritually. And I want to make sure. How far does my fist go? How can my fists beat the hardest in the world? The world's hardest demon king, the Northern Emperor, is a great enemy to measure my strength! "... I believe you will win" You conveyed my feelings, Mr. Noir pulled into the aisle with a lamp. To respond to Mr. Noir's thoughts, I will try to beat the Demon King with this fist!! "Have a taste of how hard the world is!! The Demon King jumped high. I thought I was going to push straight ahead, and I'm flabbergasted by the jump. This guy is going to crush me!? "Defense is our biggest offense. Ahhhhhhhhhhhh!!!! Zung!!!!!!! I stabbed the demon king. Pahhhhhh!!!!! When I broke the armor and went outside, the Demon King was dead. My head must have pierced the Demon King's heart. There was blood all over the ground. What are you destroying yourself for? You're the Emperor of Light! Enjoying the urge to scream like that, I jump from Kohlo. "The hardest thing in the world is your head." Mr. Noir snapped out of the aisle.
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飛空艇と列車を乗り継ぎ、俺たちはネムネシアに到着した。 「さっそく畑を見てみたい! エファの畑、どこ!?」 ミロさんはエファの紹介で畑仕事をすることになったのだ。知らないひとの畑ではなく、エファエル家の畑である。 「エファの家に行くのはもうちょっとしてからです。家の場所はわかりますけど、案内人が来るそうなので」 案内人っていうか、エファの妹のシルシィちゃんだけどな。シルシィちゃんは実家から列車で通学してるらしく、ちょうどこのくらいの時間に帰ってくるらしいのだ。 近くにそれらしいひとは見当たらないし、次の列車で帰ってくるのだろう。 「案内人、いつ来る?」 「次の列車間後なので、早くてそれくらいですね。どこかで時間潰します? 確か、近くに飲食店がありましたけど」 「飲食店行く!」 「決まりですね。......そんなわけだから、ちゃんと前見て歩いたほうがいいよ」 ノワールさんは紙袋をかぶっていた。メロンパンが入っていた紙袋だ。 移動中にちびちび食べ、ついさっき食べきってしまったのだ。 「それ、捨てずに取っとくの?」 「捨てないわ。だって残り香があるもの。あと1週間......いえ、10日は楽しめるわ」 このまま歩けば間違いなく転ぶけど、かといって取り上げるのもかわいそうだしな。だっこしてあげるとするか。 そうしてノワールさんを抱きかかえた俺は、ミロさんをつれて飲食店へ向かおうとした。 「あ、あのっ! 待ってください......!」 一歩踏み出したところで呼び止められる。振り向くと、駅看板の裏から女の子が顔を覗かせていた。 大人っぽくなってるけど、面影は残っている。あの娘は―― 「シルシィちゃん?」 「は、はい! シルシィです! うわあっ、覚えててくれたんですね......! そんなに話したわけじゃないのに、感激ですっ!」 看板の裏に隠れたまま、シルシィちゃんが喜んでいる。 「何者?」 「エファの妹で、案内人です」 「案内人!」 ミロさんがシルシィちゃんを引っ張り出す。 「さっそく案内するといい! エファの家、どこ!? 畑、どこ!?」 「あ、えと、その......」 こっちをチラチラ見ながらおどおどするシルシィちゃん。 なんか前に会ったときと性格が違うな。前回子ちゃんの相手に忙しくてあまり話せなかったけど、クラスの中心にいそうな明るい性格だったはずだ。 「案内人、顔真っ赤。体調悪い?」 「い、いえ、体調は完璧です。た、ただ緊張するというか、なんというか......」 「なぜ緊張してる?」 「そ、それはもちろん、あのアッシュさんが目の前にいるからですよ!」 俺が原因なの? 「視界に入らないほうがいいなら地中を進むけど」 「そ、そんなモグラみたいなことさせるわけにはいきませんっ! 堂々と歩いてください! あ、あと、できればサインください!」 唐突にカバンとペンを向けてくる。 なるほどな。エファが言ってたのはこういうことか。俺のファンになったって言ってたし、だから緊張してるんだな。 できれば姉の友達として接してほしかったけど、悪い気はしない。今日はお世話になるし、俺なんかのサインでよければいくらでもする。 「カバンに書いていいの?」 「は、はいっ。いつも持ち歩くものに書いてほしいので! でかでかと書いてください! ......あっ、『シルシィちゃんへ』って書いてくださると嬉しいです!」 シルシィちゃんへ......っと。 「できたよ」 「わあ! ありがとうございます! このカバンがあれば一生学校に通えます!」 「留年しないように頑張って勉強してね」 「首席で卒業してみせます!」 ぐっと拳を握り、シルシィちゃんは宣言した。ちなみにエルシュタット魔法学院を首席で卒業したのはフェルミナさんで、エファは次席だったりする。 エルシュタット魔法学院は世界最高峰の教育機関だ。そこを次席で卒業できるってことは、ほかの魔法学院なら首席で卒業できるってことだ。 そんなエファの妹なわけだし、シルシィちゃんだってその気になれば首席で卒業できるはずだ。 「あっ、案内でしたね! ついてきてください!」 シルシィちゃんの案内を受け、俺たちはエファエル家に到着する。 「「「「「おかえりシルシィおねーちゃん!」」」」」 家に入ると、五つ子ちゃんが駆け寄ってきた。 「分身魔法、見るのはじめて!」 「五つ子ですよ」 「五つ子も見るのはじめて! すごいッ!」 最近のミロさんはテンションが高い。それくらいネムネシアで暮らせることが嬉しいのだろう。 「アッシュおにーちゃん、いらっしゃい!」 「さっそくあそぶ!」 「なにしてあそぶ?」 「まおーごっこしたい、まおーごっこ!」 「こなごなは、いやかも」 五つ子ちゃんは俺と遊ぶ計画を立てていたらしい。エファはまだ帰ってきてないみたいだし、それまで遊びに付き合うとするか。 「ノワールおねーちゃん、どこ?」 「このこ、だれ?」 「かみぶくろで、かお見えない」 「へんそうしてる?」 「へんそうのたつじん、かも」 自分が話題になっていることに気づいたのか、ノワールさんは正体を明かした。 「私はノワールだわ。いろいろあって、小さくなってしまったわ」 五つ子ちゃんたちはじろじろとノワールさんを見て、俺を見上げた。 「ほんもの?」 「本物のノワールさんだよ」 「アッシュおにーちゃんが言うなら、ほんもの!」 「さっそくあそぶ!」 「そとにいく!」 五つ子ちゃんがノワールさんの手を掴み、外に引っ張り出す。 「ミロ、どうすればいい?」 「私が畑に案内しますよ。お父さんがつれてくるように言ってましたからね」 「ミロ、案内人についていく!」 ミロさんが畑に向かうのを見届けた俺は、五つ子ちゃんたちと遊び場へ向かう。 「とうちゃーく!」 遊び場は近所の公園だった。砂場があって、滑り台があって、ブランコがあって、リングラントさんがいる。 ......いや、なんでいるんだ? 「出所したんですか?」 ノワールさんの手を引いて砂場に直行する五つ子ちゃんをそのままに、ベンチに座っていたリングラントさんに話しかける。 「そうだ。刑期を終えて出てきたのだ。クククッ、私は自由になったのだ!」 リングラントさんはノワールさんに極小の魔力回路を移植した張本人だ。人体実験は法で禁じられているため、エルシュタット刑務所に収監されたのである。 の持ちこみは禁じられてるし、リングラントさんは年相応の体つきだ。ここにいるってことは脱獄したんじゃなく、本当に刑期を終えたのだろう。 「どうしてここにいるんですか?」 「研究を再開するためだ。ゴーレムは真にされてしまったが、世界最強の魔法使いを生み出すという大望を諦めたわけではないのでな!」 ところで、と砂場へ目を向ける。 「あそこにいるのはノワールか?」 「よくわかりましたね」 「私は幼い頃のノワールを知っているのでな、気づいて当然だ。なにゆえ小さくなっているのだ?」 「退化薬っていう薬を飲んで、一時的に3歳児になってるんです」 「じきに戻るというわけか。まあ、べつにノワールなどどうでもいいのだがな。そんなことより、お前に頼みたいことがあるのだ」 「俺に頼みたいことですか?」 そうだ、とリングラントさんはうなずく。 「お前には、私の用心棒になってほしいのだ」 リングラントさんが言うには、機材を回収するため研究所跡地に行きたいらしい。 しかし町の外には魔物がうろついているのだ。おまけにリングラントさんは魔法杖を持っていないらしく、町の外に出れば死んでしまう怖れがある。 「どうして魔法杖を持ってないんですか?」 出所するときに私物は返してもらえるはずだ。 「魔法杖は研究所に置きっ放しだったのだ。お前にゴーレムを破壊されたショックで幼児退行し、気づいたときには塀の中だったのでな。そんなわけで用心棒になってほしいのだ」 「研究所までなら付き合ってもいいですけど......その代わり、《 ノワールさんは《氷の帝王》の転生体だけど、その記憶はリングラントさんに消されているのだ。つまり、当時のことを知っているのはリングラントさんだけなのである。 「なぜ知りたいのだ?」 「いろいろありまして」 最近の魔王は《氷の帝王》と因縁があるらしいのだ。俺はその『因縁』がなんなのか知りたいのである。それがわかれば、ノワールさんが狙われる理由も明らかになるからな。 「まあ、よかろう。お前が用心棒になってくれれば怖れるものはなにもないのでな! さあ、さっそく出発するぞ!」 「ちょっと待ってください」 砂場で遊ぶのは飽きたのか、滑り台によじ登っていた五つ子ちゃんに「ちょっと出かけてくるね」と告げると、ノワールさんが手を挙げた。 「私もついていきたいわ」 「すぐに戻るから、ノワールさんはみんなの面倒を見ててくれない?」 研究所はゴーレムもろとも真っ二つになったのだ。研究所内に入れば瓦礫が降ってくるかもしれないし、そんな危ないところにノワールさんをつれていくわけにはいかない。 「私に任せるといいわ。だって、こう見えても一番年上だもの」 ノワールさんは、きりっとした顔で言うのだった。
We took the train with the airship and we arrived in Nemnesia. "I just want to see the field! Efa's field, where!? Mr. Miró was set to work in the field on Efa's introduction. It is not a field of one who does not know, but a field of the house of Ephaels. "It won't be long before I get to Efa's house. I know where the house is, but the conductor's coming." I mean, she's Efa's sister, Cilsey. It seems that Cilsey is taking a train from her parents' house to school, and she'll be back just about this time. I don't see one nearby that looks like it, and I guess I'll be back on the next train. "Guidance, when are you coming? "The next train is an hour from now, so it's fast and that's about it. Do you want to kill time somewhere? Sure, there was a restaurant nearby." "I'm going to the restaurant! "It's a decision.... That's why you should look forward and walk properly" Mr. Noir was wearing a paper bag. It's a paper bag with melon bread. I ate my little one while I was on the move, and I just ate it up. "Do you want to take it without throwing it away? "I'm not throwing it away. Because there's leftover incense. One more week...... no, we'll have ten days of fun" If you keep walking like this, you'll definitely fall, but I feel sorry to take it away from you. What if I stuck it for you? That's how I grabbed Mr. Noir, and I tried to take Mr. Milo to the restaurant. "Ahhh! Wait.........! I can be called to a halt where I took a step. Turning around, a girl was peeking into her face from behind the station sign. He's grown up, but the shadows remain. That girl... "Cilsey? "Yes! It's Silci! Wow, you remembered me......! I didn't tell you that much, but I'm so grateful! Silci is happy to stay hidden behind the sign. "Who?" "She's Efa's sister, she's a guide." "Conductor! Mr. Miró pulls Silci out. "I should just show you around! Efa's house, where!? Hatake, where!? "Oh, uh, the..." Silci wandering around looking at me in a flicker. You don't have the same personality as when we met before. Last time I was too busy talking to my five-child counterpart, but I should have had a bright personality that seemed to be at the center of my class. "Conductor, his face is bright red. Not feeling well?" "Yes, no, I'm in perfect physical condition. I'm just nervous, I don't know..." "Why are you nervous? "Well, of course that's because that Mr. Ash is right in front of you! Am I the cause? "If you'd rather not be in sight, we'll go underground." "Oh, I can't let you do that like a mole! Walk in grandeur! Oh, and sign if you can! I'm suddenly turning to my bag and pen. I see. Is this what Efa was saying? You said you became a fan of mine, and that's why you're nervous. I would have liked you to treat me as my sister's friend if I could, but I don't feel bad. I'll take care of you today, and I'll do as much as I want with some kind of autograph. "Can I write it in my bag? "Ha, ha. Because I want it written on what I always carry! Write it big!... Oh, I'm glad you wrote 'To Silci'! To Cilsey...... duh. "I got it." "Wow! Thank you! With this bag you can go to school for the rest of your life! "Good luck studying so you don't stay in the year" "I'll let you graduate as chief! Holding his fist a long time, Cilsey declared. By the way, it was Mr. Fermina who graduated from the Erstadt School of Magic as the chief, and Efa can be the second seat. The Erstadt School of Magic is the highest educational institution in the world. The fact that you can graduate there in the next seat means that other magic colleges can graduate in the first place. That's why she's Efa's sister, and even Silci should be able to graduate as chief if she cares about it. "Ah, that was guidance! Follow me! We arrive at the Ephael house, guided by Cilsey. "" "." "Welcome back, Cilsey. Hey! When I walked into the house, Five Sons rushed over. "Split magic, new to seeing! "Five kids." "It's the first time I've seen five kids too! Wow!" Mr. Milo is under a lot of tension these days. I guess that's how happy I am to be able to live in Nemnesia. "Ash, come on - there you are! "Quickly, Asobu! "What are you doing? "I want to pee, pee! "I don't think so." Five kids seemed to have a plan to play with me. Looks like Effa hasn't come back yet, and you're going to hang out until then? "Noir, where are you? "Who is this guy? "Kamibukuro, I can't see you" "Heh. Are you doing that? "Oh, yeah, maybe." You realised you were talking about it, Mr. Noir revealed who you were. "I'm a noir. There's so much going on, it's getting smaller." The Five Sons looked up at Mr. Noir, wandering. "Really? "It's a real Mr. Noir." "Ash, if you say so! "Quickly, Asobu! "I'm coming with you! Five kids grab Mr. Noir's hand and pull him out. "Miro, what can I do? "I'll show you to the field. Your father told me to follow you." "Miro, I'm following the conductor! I saw Mr. Miró head to the field, and I'm headed to the playground with the five kids. "Tochaku! The playground was a neighborhood park. There's a sandbox, there's a slide, there's a blanco, there's Mr. Ringrant. ... No, why are you here? "Did you get out? Leaving Mr. Noir's hand straight to the sandbox, he speaks to Mr. Ringrant, who was sitting on the bench. "That's right. He came out of prison. Kukukukukuku, I'm free! Mr. Ringrant is Teng himself who implanted Mr. Noir with a minimal magic circuit. Because human experimentation is prohibited by law, he was imprisoned in Elstadt prison. Elstadt Prison is tough. The holding of the prisoner's magic wand (Withers Rod) is forbidden, and Mr. Ringrant is fit for the year. Being here didn't mean I got out of jail, I guess I really finished my sentence. "Why are you here? "To resume research. The Golem has been turned into two, but I haven't given up on the ambition of producing the world's most powerful wizard! By the way, I turn to the sandbox. "Is that Noir over there? "Very well, sir." "Because I know my childhood noir, so it's natural to notice. Why are you getting smaller? "I'm temporarily a three-year-old, taking a drug called degenerative drugs." "Are you saying we'll be back soon? Well, I still don't care about noir or anything. There's more to it than that." "Is that what you want from me? Yes, Mr. Ringrant nods. "I want you to be my baton." Mr. Ringrant says he wants to go to the lab site to retrieve the equipment. But there are demons wandering out of town. Besides, it seems Mr. Ringrant doesn't have a magic wand, and if he gets out of town, he's afraid he'll die. "Why don't you have a magic wand? You should be able to return your personal belongings when you leave. "The magic wand was left in the lab. Toddler regressed in the shock that you destroyed the golem, because when I realized it was in the walls. That's why I want you to be a caution stick." "You can go out with me until the lab... but instead, tell me everything you know about Ice Emperor (Ice Road)" Mr. Noir is a reincarnation of the Ice Emperor, but his memory has been erased by Mr. Ringrant. In other words, Mr. Ringrant is the only one who knows about the time. "Why do you want to know? "There's a lot going on." It seems that the Demon King is responsible for the Ice Emperor these days. I want to know what the 'cause' is. If we can figure that out, it will also reveal why Mr. Noir is being targeted. "Well, come on. There's nothing to be scared of if you're a baton! Come on, we're leaving now! "Wait a minute, please" "You're tired of playing in the sandbox," Mr. Noir raised his hand when he told Five Kids, who were climbing the slide, "you're going out for a little while. "I want to follow you, too." "I'll be right back, will Mr. Noir take care of everyone? The laboratories became two things: both the Golem. If we get inside the lab, the debris may come down, and we can't follow Mr. Noir to such a dangerous place. "You can leave it to me. 'Cause even if it looks like this, it's the oldest thing." Mr. Noir said it with a clear face.
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その日の朝。 妙な湿っぽさを感じて目覚めると、ノワールさんが濡れていた。 「......」 おねしょか? ま、まあいまのノワールさんは3歳児だし、おねしょするのはしょうがないけど......退化薬の効果が切れたとき、このことを思い出して恥ずかしがるかもしれないな。 しかたない。たしかカバンのなかに水が入ってたし、誤ってこぼしてしまったことにするか。 計画を練りつつ掛け布団をめくってみると、湿っぽさの正体はよだれだった。 どうやらメロンパンの夢を見ているようだ。よほど食べたいんだろうな。 なんにせよ、おねしょじゃなくてよかった。 ほっとしつつベッドを出た俺は、窓の向こうへ目を向ける。 背の高い建物がそこかしこに建ち並び、その向こうには立派な城が佇んでいる。近々祭りが開かれるのか、カラフルな装飾が町を彩っていた。 「昨日は気づかなかったけど......祭りがあるのかな?」 俺たちがこの町に――ライン王国の首都ラーミナにたどりついたのは、昨日の夜だ。 眠そうにしていたノワールさんの相手で忙しく、祭りの装飾に気づかなかったのである。 これはノワールさんがはしゃぎそうだな。 「お祭りかしら?」 いつの間にかノワールさんが目覚めていた。 「祭りっぽいね」 「今日あるのかしら?」 「さあ、どうだろ。今日か明日なら参加してもいいけど......」 予定では今日の昼頃に列車でラーミナを発つことにしていた。その後いくつかの列車を乗り継ぎ、1週間くらいでグラーフの森にたどりつく計算だ。 とはいえミロさんに約束を取りつけたわけじゃないし、数日くらいは予定を遅らせてもいいけど......さすがに何週間も祭りを待つわけにはいかない。 とりあえず宿屋のおじさんに祭りの開催時期をたずねてみるとするか。 宿屋のおじさんから祭りの時期を聞き、ノワールさんはうきうきしていた。 祭りは明日開催らしいのだ。それくらいなら滞在期間を延長しても問題はない。 「お祭り楽しみだわ。甘いものはあるかしら?」 町を彩る装飾を見上げ、ノワールさんはそわそわしている。 俺も祭りは好きなので、ちょっと楽しみになってきた。修行の息抜きにはちょうどいいし、明日は羽目を外そうかな。 「アッシュ、アッシュ」 「どうしたの?」 「お腹が空いたわ」 「じゃ、どこかで朝食にしよう」 迷子にならないようノワールさんを抱え、飲食店を探す。手を繋ぐだけでもいいけど、へたするとノワールさんの手が粉々になってしまうのだ。 そうして町を歩いていると、視線を感じた。 町のひとたちが俺を見て、ひそひそと話していたのだ。 ライン王国でなにかをした記憶はないし、きっと『魔王放送』を見て俺のことを知ったんだろう。 》とは、魔王の魔法で大陸全土に流されたのだ。 地図によると、小さな島国があるみたいだけど......『魔王放送』って、そこまで届いてるのかな? 赤点がひとつだけあるし、そのうち行って確かめてみるか。 「あのっ、もしかしてアッシュさんですか!?」 そんなことを考えつつ歩いていると、同い年くらいの女の子が話しかけてきた。 「そうですけど」 肯定したところ、女の子はきらきらと瞳を輝かせ、遠巻きにこっちを見ていたひとたちに手招きをする。 「ほらっ! やっぱりアッシュさんだったよ!」 遠巻きに眺めていたひとたちが駆け寄ってくる。 「どうしてこの町にいるんですか!?」 「魔王を倒してくださってありがとうございます!」 「あのときは本当に死ぬかと思いました!」 「今日は旅行ですか!? ちょうどいい時期に来ましたね! 明日はお祭りなんですよ!」 「この娘は妹さんですか!? かわいいですね!」 一斉に話しかけられて、ノワールさんがぽかんとしている。 「まあっ、アッシュ様がいらっしゃいますの!?」 透き通るような声が響いた途端、人垣が割れた。そしてそこから、お姫さまみたいなドレスを纏った女の子が現れる。 町のひとたちのささやきによると、彼女――プリミラさんは正真正銘のお姫さまらしい。 見ると、プリミラさんのまわりには従者っぽい格好をしたひとたちがいた。 お姫さまがどうしてこんな朝早くから街中にいるんだろ? 祭りの下見とかかな? 「アッシュ様は、そちらにいらっしゃるのですか?」 プリミラさんは目を瞑ったまま、俺のいるほうへ顔を向ける。 もしかして、目が見えないのかな? 「はい。俺はここですよ」 返事をすると、プリミラさんはぱあっと表情を明るくさせた。 侍女に手を引かれ、歩み寄ってくる。 「はじめまして、アッシュ様っ。わたくしはプリミラ・ローズベルグと申しまして......ええと、あなたのことが大好きなのですわっ!」 ざわめきが広がり、プリミラさんは顔を真っ赤にする。 「も、もちろん恋愛的な意味ではなく、大ファンという意味ですのよっ? アッシュ様の勇姿を見てからというもの、ずっとお話をしてみたいと思っておりましたの! エルシュタット王国に住んでいらっしゃると聞いていましたので、まさかお会いできるとは思いませんでしたわっ。それで、えっと......もしよろしければ、お城へ来てくださいませんこと?」 プリミラさんは大盛り上がりだ。 断るのも申し訳ないし、それにお姫さまってことはライン王国に詳しいはずだ。もしかするとミロさんの情報が手に入るかもしれない。 「俺は構いませんよ。ノワールさんもそれでいいよね?」 「あら、お連れの方がおりましたのね」 「はい。ノワールさんといって、いまは3歳です」 「いまは......? 来年は4歳ということですわねっ」 来年は19歳だけど、退化薬の説明をすると混乱させてしまいそうなので肯定しておく。 「はじめまして、ノワール様。わたくし、プリミラと申しますの。えっと......お菓子は好きですの?」 「好きだわ」 「でしたら、お城へいらしてくださいな。美味しいお菓子がありますのよ」 「行くわ」 ノワールさんは乗り気だ。 そうして俺たちは城へ招待されることになったのだった。
That morning. When I woke up feeling strange damp, Mr. Noir was wet. ...... Are you crazy? As it stands, Mr. Noir is a three-year-old now, and I can't help but pee... but when the degeneration drug expires, you might be ashamed to remember this. There's only one thing. There was water in the bag, and I accidentally spilled it. When I turned the duvet as I worked out the plan, who was the wetness? Apparently I'm dreaming of melon bread. I wonder how much you want to eat. Anyway, I'm glad I'm not a geek. Relaxed and out of bed, I look out the window. A tall building is built there, and beyond it stands a splendid castle. Will the festival take place soon or colorful decorations were coloring the town. "I didn't realize yesterday... is there a festival? It was last night that we reached this town - the capital of the Kingdom of Rhine, Ramina. He was busy with Mr. Noir, who was about to sleep, and did not notice the festival decorations. Mr. Noir is going to shake this. "Is it a festival? Soon Mr. Noir was awake. "Sounds festive." "Do you have one today? "Come on, what do you think? You can join us today or tomorrow..." By appointment I had decided to leave Ramina on the train around noon today. I then took some trains and in a week or so the calculation is to reach the gruff forest. I didn't put my word on Miró though, and you can delay your appointment for a few days or so... but you can't just wait for the festival for weeks. Do you want to ask your uncle at the inn when the festival will be held? My uncle at the inn asked me about the time of the festival and Mr. Noir was groaning. It seems that the festival will be held tomorrow. If that's the case, I have no problem extending my stay. "I'm looking forward to the festival. Do you have anything sweet? Looking up at the decorations that colour the town, Mr. Noir is softening. I like festivals too, so I'm getting a little excited. It's just right for my training breath, and I guess I'll take my wings off tomorrow. "Ash, Ash" "What's going on? "I'm hungry." "Well, let's have breakfast somewhere" Hold Mr. Noir so he doesn't get lost and look for a restaurant. You can just hold hands, but if you snap, Mr. Noir's hands will be shattered. That's how I felt my gaze as I walked through town. One of the people in town looked at me and talked to me in secret. I don't remember doing anything in the Kingdom of the Rhine, and I'm sure you found out about me after watching The Demon King Broadcast. More than a year ago, a battle against the Rainbow Emperor (Rainbow Road) was swept across the continent with the magic of the Demon King. The map says there seems to be a small island country... but is' Demon King Broadcasting 'getting that far? There's only one red dot, and then you can go and see for yourself. "Um, could it be Mr. Ash!? Walking around thinking about that, a girl about the same age talked to me. "Yes, I do." Affirmed, the girl sparkles her eyes and makes a call to one of them who was looking at us faraway. "Look! I knew it was Mr. Ash! One of the guys who was looking at it on a faraway roll rushes over. "Why are you in this town!? "Thank you for defeating the Demon King! "I really thought I was going to die then! "Are you traveling today!? You're just in time! It's a festival tomorrow! "Is this girl your sister!? That's cute! They talk at the same time, and Mr. Noir is pompous. "Ma'am, Master Ash is here!? As soon as a clear voice sounded, the hedge cracked. And from there, a girl appears wearing a dress like a princess. According to the whispers of one of the towns, she - Mr. Primilla - seems to be a true princess. When I saw it, there was one person dressed like a squire around Mr. Primilla. How could a princess be all over the city early this morning? Like a look at the festival or something? "Is Master Ash there? Mr. Primilla turns to me as he meditates his eyes. Could it be that you're blind? "Yes, I'm here." In response, Mr. Primira brightened his expression. The samurai pulls my hand and walks over. "Nice to meet you, Master Ash. My name is Primira Roseberg... and I love you! The blurring spreads and Mr. Primilla turns his face bright red. "Also, of course, it doesn't mean romantic, it means big fans. Yikes? I've always wanted to talk to you about how brave Ash is! I heard you lived in the kingdom of Elstadt, so I didn't think I'd see you. Wow. So, uh... if you don't mind, why don't you come to the castle? Mr. Primilla is thrilled. I'm sorry to say no, and you must be familiar with the Kingdom of the Rhine for being a princess. Maybe we can get some information on Mr. Miró. "I don't mind. That's fine with Mr. Noir, isn't it? "Oh, you had someone with you." "Yes, Mr. Noir is now three years old." "Now...? Next year, I'm going to be four." I'm next year, but I'll affirm it because explaining degenerative drugs is going to confuse me. "Nice to meet you, Master Noir. My name is Primira. Uh... do you like sweets? "I like it." "Then please come to the castle. I have some delicious treats." "I'm coming." Mr. Noir is in for a ride. That's how we were invited to the castle.
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魔王が木っ端微塵になったあと――。 「迷惑かけてすまんのぅ。もう平気じゃよ」 「お、おかげで魔力もそこそこ回復してきたわ......」 「アッシュくんには本当に世話になるね」 魔王との戦いで衰弱していた師匠たちが回復し、俺は胸を撫で下ろす。 「本当によかったです。あっ、すぐに夕飯作ります」 「そ、そこまでしてくれなくていいのよ......。夕飯なら、あとで私が作るわ」 「それにアッシュよ、明日は学校じゃろ? 早めに戻って、ゆっくり寝て、今日の疲れを落としたほうがいいのではないか?」 魔王との戦いから5時間は経っている。 いまから出ても、学院にたどりつくのは明朝だ。 どうせ1、2時間しか寝られないなら、徹夜してでも師匠たちと話をしたい。 「平気だよ。ちっとも疲れてないからね」 、魔王と戦ったあとなんだけどね......」 フィリップ学院長は戸惑っているけど、俺だって戸惑っている。 まさか一歩も動かずに魔王を倒せるとは思わなかったし、あれでは疲れようがないのだ。 「食事はわしらでなんとかする。それより、アッシュに大事な話があるのじゃ」 「大事な話......?」 》と呼んでおるのじゃが、実は――」 師匠は真剣な顔で、俺に話を聞かせてくれた。 師匠の話を要約すると『近々魔王が一斉に押し寄せてくるかもしれない』というものだった。 フィリップ学院長の推測通りなら、残りの魔王は4体らしい。 どうせ来るならまとめてかかってきてくれたほうが手間がかからずに済むので、どちらかというと《終末の日》は俺にとってありがたい情報だった。 問題は『魔王がいつ、どこに降臨するか』だ。 いままでは偶然が重なって魔王と鉢合わせていたけど、これから先もそうなるとは限らないのだ。 「――というわけで、アッシュにはフィリップとコロンの弟子に会ってほしいのじゃ」 「そして担当地区を決めてほしいのさ」 いつどこに魔王が現れても迅速に対処できるように、あらかじめ守備範囲を決めておいてほしいってことか。 それなら俺はエルシュタット王国を担当したいんだけど......あとのふたりって、どこに住んでるのかな? 「お弟子さんたちは、どこにいるんですか?」 「わ、私の弟子――シャルムは、ライン王国にいるわ」 ライン王国は、エルシュタット王国の隣国だ。 この森からだと、走って半日はかかるほどの距離である。 「私の弟子――キュールは遺跡巡りをしていてね。いまどこにいるのかはわからないよ」 「遺跡って......大陸の東西南北にある、あの遺跡ですか?」 大陸の東端、西端、南端、北端には遺跡があると本に書いてあった。 この森と同じくらい《時空の歪み(アビスゲート)》発生率が高いらしいので、遺跡調査はほとんどされていないらしい。 けどまあ、フィリップ学院長の弟子くらいになれば魔物なんてたいした脅威じゃないんだろうな。 「よく知っているね。キュールは昔から良くも悪くも好奇心旺盛でね。ここ数年は遺跡にご執心なのさ」 「なるほど。つまりキュールさんに会うためには、遺跡に行かなきゃいけないってことですか?」 フィリップ学院長は首を横に振った。 「キュールは瞬間移動を使えるからね。事前に集合日時を伝えておけば、向こうから来てくれるよ。要するにコロンの弟子しだいってわけさ」 「なるほど。シャルムさんはなにかお仕事とかされてるんですか?」 俺がたずねると、コロンさんはびくっと震えた。 「お、お仕事というか、シャルムは無しょ......い、いえ、壮大な夢の実現に向けて毎日お家で計画を練っているわ。た、たぶん忙しい......と思うけど、誘いには応じるわ」 シャルムさんの壮大な夢ってなんだろ。 想像もつかないけど......コロンさんの弟子だし、薬の力で世界中から病による苦しみをなくすとかかな? キュールさんといい、シャルムさんといい、いろいろとためになる話が聞けそうだ。 「シャルムは瞬間移動を使えないから......準備期間を含めて、エルシュタニアまで10日はかかると思うわ」 「だったら、キュールには2週間後にエルシュタット学院の学院長室に来てほしいと伝えておくよ。アイナにもそう伝えておくからね」 キュールさんとシャルムさんが来たら、アイちゃんが報せてくれるってわけか。 俺はふたりの顔を知らないし、そうしてくれると助かる。 「ところで、フィリップ学院長は学院に戻らないんですか?」 「わしらはしばらく冒険の旅に出るのじゃ」 と、師匠が言った。 「冒険の旅?」 を作るために、世界を巡って硬い素材を探すのじゃよ」 俺の魔法杖って、《土の まさかここまで壮大な話になっているとは思わなかった......。 「俺、なんとしてでも魔力を手に入れてみせるよ!」 師匠たちにここまでしてもらったんだ、魔力を手に入れないわけにはいかない。 「アッシュくんは努力家だからね。いつかきっと魔力を手にする日が来るさ」 「はいっ。......あと、ひとつ聞きたいことがあるんですけど」 「なんだい?」 「リングラントさんって、いまどうしてますか?」 リングラントさんには、ノワールさんの前世の記憶を消した疑惑がかかっているのだ。 「小石をゴーレムだと思いこんでいるよ」 最後に会ったときのままってわけか。 「まあ、最近小石で遊ぶ回数も減ってきたらしいからね。じきに正気に戻るんじゃないかな。リングラントは刑務所にいるから、なにか用があるなら面会するといいよ。刑務所のほうには、私から連絡しておくからね」 「わかりました」 と、それから俺は師匠たちと夕飯を食べ、名残惜しく思いつつも『魔の森』をあとにしたのであった。
After the demon king became a piece of wood dust... "I'm sorry to bother you. I'm fine now." "Oh, thanks to you, the magic has been restored there..." "Ash-kun will really take care of you." The masters, who were debilitated in their battle with the Demon King, recover, and I stroke my chest down. "I'm so glad. Oh, I'll make dinner soon." "Well, you don't have to go that far... I'll make dinner later." "Besides, Ash, you're going to school tomorrow, right? Shouldn't you go back early, get some sleep, and let go of your tiredness today? Five hours have passed since the battle with the Demon King. Even now, it's tomorrow morning to reach the college. If I can only sleep an hour or two anyway, I want to talk to the masters, even if I stay up all night. "I'm fine. I'm not tired." "For once, after I fought the Demon King..." Dean Philip is confused, but so am I. I didn't think I could defeat the Demon King without moving a step, and I can't get tired of that. "We'll take care of the meal. I need to talk to Ash about something more important." "Important story...? "Hmm. We call it the Last Day (Ragnarok), but actually..." The master looked serious and let me talk to him. To sum up the master's story, it was something called, 'The Demon King may soon push at the same time'. If Dean Philip's guess is that there are four remaining demon kings. If you're coming anyway, it would be more hassle-free to get it together, so either "End of Day" was a thankful piece of information for me. The question is: When and where will the Demon King descend? Until now, coincidences have overlapped and bowled with the Demon King, but that's not necessarily going to happen in the future. "- So I want Ash to meet Philip and Cologne's apprentice." "And I want you to decide who's in charge." You mean you want us to set our defensive range in advance so that we can deal with it quickly whenever and wherever the Demon King appears? Then I'd like to take charge of the kingdom of Elstadt... where do the other two live? "Where are your disciples? "Wow, my apprentice - Sharm is in the kingdom of the Rhine" The kingdom of the Rhine is a neighbour of the kingdom of Elstadt. From this forest, it takes half a day to run. "My apprentice - Kyle was touring the ruins. I don't know where he is right now." "What ruins... are those in the east, west, north and south of the continent? The book said there were ruins at the eastern, western, southern and northern ends of the continent. It seems that the incidence of "Time and Space Distortion (Abyss Gate)" is as high as this forest, so very little site research has been done. But, well, if you're about Dean Phillip's apprentice, demons aren't a big threat. "You know very well. Cule has always been curious, for better or worse. I've been obsessed with the ruins for the last few years." "I see. So you have to go to the ruins in order to meet Mr. Cuhle? Dean Philip shook his head sideways. "Cule can use instant travel. Tell them the rendezvous date and time in advance and they'll come from the other side. In short, he's a Cologne apprentice." "I see. Is Mr. Sharm doing any work or something? When I hit him, Mr. Cologne trembled. "Oh, work or no Sharm... Yes, no, I plan at home every day to make my grand dreams come true. I'm probably busy... but I'm willing to accept your invitation." It must be Mr. Sharm's grand dream. I can't imagine... I'm Mr. Cologne's apprentice, and with the power of medicine, I don't know, getting rid of the suffering caused by the disease from all over the world? It's called Mr. Cuhle, it's called Mr. Sharm, and I think I can hear a lot of stories that will help. "Sharm can't use instant travel... I think it'll take ten days to get to Elstania, including the prep period" "Then I'll tell Kyle I want him to come to the Dean's Office at Elstadt College in two weeks. I'll tell Eina that, too." Are you saying that if Mr. Cuhle and Mr. Sharm come, Eye will reward them? I don't know the two faces, and it would help if you did. "By the way, isn't Dean Phillip going back to college? "We're going on an adventure for a while." And the master said. "An adventure journey? "Mm-hmm. Look for hard materials around the world to make Ash's magic wand (Withers Rod)." My magic wand is a reward for defeating the Emperor of the Earth. I didn't think this was a grand story so far...... "Me, I'll try to get some magic! I got the masters to get this far, you can't just not get the magic. "Ash-kun is a hard worker. One day you'll have magic in your hands." "Ha.... and I need to ask you one more thing" "What? "How are you doing now, Mr. Ringrant? Mr. Ringrant is under suspicion of erasing Mr. Noir's memories from his previous life. "I think of pebbles as golems." You mean like the last time I saw you? "Well, they've been playing with pebbles less often lately. I guess I'll get back to my sanity soon. Ringrant's in jail, so if you need anything, you should see him. I'll get back to you at the prison." "Okay." And then I had dinner with my masters, and unfortunately left behind the Forest of Demons.
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修行を終えた翌朝。 けっきょもできないまま、俺はベッドから起き上がった。 ノワールさんを起こしてしまわないように部屋を出ると、美味しそうな匂いが漂ってくる。 ティコさんが朝食を作っているのだ。 「おはようございます」 「うん、おはよう。けっきょく、昨日は眠れたのかい?」 「いえ、一睡もできませんでした」 「だろうね。顔にそう書いてあるよ。まったく、きみの体力は異常だね。丸1週間、不眠不休で歩いたんだ。普通ならその場で倒れてもおかしくないよ」 昨日聞かされたけど、俺は世界最長の洞窟に1週間身を置いていたらしい。 家の改修作業をあわせると、ティコさんの修行は約3週間で終わった計算になる。 そう。たったの3週間でカマイタチを使いこなせるようになったのだ。 この調子なら、モーリスじいちゃんの誕生日には新たな風魔法を使えるようになってるかもしれないな。 それを誕生日プレゼントにするわけじゃないけど、きっと喜んでくれるはずだ。次の修行も頑張らないとな! 「ノワールちゃんは、まだ寝てるのかい?」 「はい。ぐっすりです」 「そうかい。きみが戻ってきて、安心したんだろうね」 ノワールさんは俺が留守にしている間、ほとんど眠らなかったらしい。窓に顔をくっつけて、俺が帰ってくるのをいまかいまかと待っていたのだとか。 本当に俺のことを心配してくれてたんだろうな。朝食を食べたらすぐに出発するつもりだったけど、もうちょっと寝かせてあげたほうがよさそうだ。 「座ったらどうだい?」 ティコさんに促され、俺は背もたれの吹き飛んだ椅子に腰かけた。 「さて。きみは見事私の修行を乗り越えたわけだけど、次の目的地は決まっているのかい?」 「はい。次はライン王国の最東端にある森に行く予定です」 「ふむ。最東端の森というと......ひょっとしてグラーフの森かな?」 「知ってるんですか?」 ティコさんはうなずいた。 「グラーフの森は、引っ越し先の候補のひとつだったのさ。いくつかの森を見て、この森に住もうと決めたんだよ」 「そうだったんですか。じゃあ、グラーフの森はここ以上に秘境ってことですか?」 引っ越し先から外れたってことは、住むには適さない場所だったってことだろう。 「どちらかというと、この森のほうが秘境だよ。ただ、グラーフの森には先住民がいたのさ」 「......先住民ですか」 どんなに小さな集落でも、ひとが住んでいる以上は魔物除けの結界が張られている。 だけど、この森には結界が張られていない。なぜなら『魔の森』がそうだったように、この森があまりにも秘境すぎるからだ。 てことは、この森と同じくらい秘境らしいグラーフの森にも、結界は張られていないはずだ。 魔物がうろつく森に住んでるってことは、その『先住民』は強者に違いない。 もしかすると、そのひとこそが俺の次なる師匠かもしれないのだ! 「その先住民って、どんなひとでした?」 「私と同い年くらいの女だよ。確か、名前はミロとかいったかな?」 ミロさん......若い女性か。その歳で強者ってことは、死に物狂いかつ特殊な修行をしたはずだ。 その修行方法を教えてもらえれば、俺はさらに強くなれるのだ! 「ティコさんは、ミロさんと戦ったりしたんですか?」 「戦わなかったよ。敵意がないどころか、友好的だったからね」 友好的なひとかー。とりあえずは一安心だな。 ティコさんのときはシャルムさんの口添えがあったからよかったけど、次はそれがないもんな。 だけどミロさんが友好的なひとなら、失礼がないように振る舞えば門前払いはされないはずだ。 「ただ、彼女は私の苦手な性格でね。だからグラーフの森に住むのを諦めたのさ」 ティコさんは干渉されるのが苦手だ。 きっとミロさんは、フェルミナさんとかエファみたいな積極的に話しかけてくるひとなのだろう。 「ところで、グラーフの森へはどうやって行くんだい?」 「1日でも早く弟子入りしたいですし、最短ルートを使いますよ」 「じゃあ、この先にある山を越えるってことだね」 「そうなりますね」 地図によると、この森は『コ』の字型の山に囲まれているのだ。東へ向かうには大きく迂回するか、山を越えなきゃならないのである。 「だったら、厚着をしたほうがいいよ。山を越えるには『氷の洞窟』を抜けなきゃならないからね」 氷の洞窟か......。 本でちょろっとだけ読んだことがあるけど、詳しいことはわからない。 ただ、もの凄く寒い場所なんだってことはわかる。 俺は暑さ寒さに疎い体質だけど、ノワールさんはそうじゃないし......寒さによっては、べつのルートを通ったほうがいいかもな。 「そこって年中寒いんでしたっけ?」 「よく知っているね。その通りだよ。その昔、氷の洞窟にはアイスドラゴンが棲息していてね。いまはもういないけど、その影響はいまだに残っているのさ」 アイスドラゴンは極寒の地に棲息する魔物だ。 縄張り意識が強すぎるため、それなりに成長したら親元を追い出されるらしい。 そうして独り立ちしたあと、凍てつく息で巣作りをするのだと本に書いてあった。 つまり、アイスドラゴンによって普通の洞窟は氷の洞窟に姿を変えてしまったのだ。 「氷の洞窟と世界最北端って、どっちが寒いかわかりますか?」 「世界最北端に行ったことはないからわからないけど、氷の洞窟は氷点下5°Cくらいだよ」 それくらいなら厚着をすればなんとかなるな。 ノワールさんも、遺跡巡りを通して強くなったはずだしさ。 「氷の洞窟を通るなら、暖かい服をあげるよ。ノワールちゃんには大きいだろうけどね」 「ノワールさんの服はありますし、気持ちだけ受け取っておきますよ」 ノワールさんは俺がプレゼントしたもこもこの服をすべて持ってきているのだ。 ぶかぶかだし、歩いたら裾を踏んづけて転んでしまうかもしれないけど、俺がおんぶするので問題はない。 「きみはどうするんだい? 女の服を着るのは嫌かい?」 「女物の服を着るのは慣れてますし、抵抗はありませんよ」 俺は一時期お姫さまみたいな格好をしていたのだ。 「きみは本当にいろんな体験をしたんだね」 「はい。ただ、俺は寒さを感じない体質なので、服は必要ないんです」 「きみは頑丈だね。とにかく、きみたちの旅の無事を祈っているよ」 「はいっ! 俺、必ず大魔法使いになってみせます!」 俺が誓うとティコさんはにっこり笑い、ノワールさんが目を擦りながら起きてきた。 俺たちがティコさんの家をあとにしたのは、それから3時間後のことだった。
The morning after I finished my training. I got out of bed and couldn't sleep a single night. When I leave the room to keep Mr. Noir awake, it smells delicious. Mr. Tico is making breakfast. "Good Morning" "Yeah, good morning. Did you get any sleep yesterday? "No, I couldn't sleep one night" "I guess. That's what it says on your face. Damn, your health is unusual. I walked the whole week on an insomnia break. Normally, it wouldn't be weird to fall on the spot." I was told yesterday that I had been in the world's longest cave for a week. Together with the renovation work on the house, Tico's training will be calculated to have been completed in about three weeks. Yes, in just three weeks, we'll be able to use KamaItachi. At this rate, we might be able to use new wind magic for Grandpa Maurice's birthday. I'm not making that my birthday present, but I'm sure you'll be happy. Good luck with your next training! "Is Noir still asleep? "Yes, it's neat." "Right. You must be relieved to be back." I hear Mr. Noir barely slept while I was away. You stuck your face to the window and waited for me to come home now? You must have been really worried about me. I was gonna leave as soon as I had breakfast, but I think I'd better let him sleep a little longer. "Why don't you sit down? Tico urged me to sit down in the blown chair on my back. "Well, you made it through my training, but have you decided on your next destination? "Yes, I plan to go to the woods on the easternmost tip of the Kingdom of the Rhine next" "Hmm. When it comes to the easternmost forest... is it a little Graf forest? "You know what? Mr. Tico nodded. "The Graf Forest was one of the candidates for the move. I saw some woods, and I decided to live in them." "Was it? So you're saying the Graf Forest is more secret than here? Off the move would mean it wasn't the right place to live. "One way or another, this forest is the better frontier. It's just that there were indigenous people in Graf Forest." "... are you indigenous" No matter how small the settlement, there are more demonic junctions than one inhabits. But there are no boundaries in this forest. Because this forest is too secluded, just as the 'Devil's Forest' was. What this means is that there shouldn't be a bond even in the Graf forest, which seems as secret as this forest. The fact that demons live in wandering woods must mean that their 'indigenous' must be powerful. Maybe that one is my next master! "What was that indigenous like? "She's about my age. Sure, did you say his name was Miro or something? Mr. Milo...... a young woman? At that age, the mighty must have undergone a crazy and special training in death. If you could teach me how to train, I'd be even stronger! "Did Tico fight Miró or something? "I didn't fight. Instead of being hostile, it was friendly." Friendly one. That's a relief for now. I'm glad I had Mr. Sharm's mouthfeel when Mr. Tiko did, but I don't have it next time. But if Mr. Miró is a friendly one, he won't be paid in advance if he acts rudely. "It's just that she's my bad character. That's why I gave up living in the Graf Forest." Mr. Tico doesn't like to be interfered with. I'm sure Miró is one of those people who actively talks to me like Mr. Fermina and Efa. "By the way, how do we get to the Graf Forest? "I'd like to be an apprentice as soon as possible, and I'll use the shortest route." "So you're going to cross the mountain up ahead." "You will be." According to the map, the forest is surrounded by 'co' shaped mountains. We have to make a big detour to the east or cross the mountain. "Then you should wear thick clothes. You have to go through the Ice Cave to cross the mountain." A cave of ice... I've only read a little in the book, but I don't know the details. I just know it's a very cold place. I'm in a bad shape for the heat and cold, but Mr. Noir isn't... and depending on the cold, you might want to go the other way. "Was it cold there all year round? "You know very well. You're right. Once upon a time, ice dragons inhabited ice caves. It's gone now, but the impact is still there." Ice Dragons are monsters that live in extremely cold lands. He's too territorial, so when he grows up pretty good, he'll kick his parents out. After I became independent, it was written in the book that I would nest with my freezing breath. In other words, the Ice Dragon has transformed the normal cave into an ice cave. "Do you know which is colder, the ice cave or the northernmost part of the world? "I don't know because I've never been to the northernmost part of the world, but the ice cave is about °C below freezing." If that's about it, you can handle it by wearing thick clothes. Mr. Noir must have gotten stronger through the ruins. "If you're going through an ice cave, I'll give you warm clothes. It's gonna be big for you, Noir." "I have Mr. Noir's clothes, and I'll only accept your feelings." Mr. Noir brings all these clothes, even if I gave them to him. It's a bump, and if I walk, I might step on my hem and fall, but I'll bump it, so there's no problem. "What are you gonna do?" Don't you like wearing women's clothes? "I'm used to wearing women's clothes, and there's no resistance." I was dressed like a princess for a time. "You've really had a lot of experiences." "Yes, I just don't feel cold, so I don't need clothes." "You're sturdy. Anyway, I hope you're safe on your journey." "Ha! I'll make sure you become a great wizard! Mr. Tico grinned when I swear, and Mr. Noir woke up rubbing his eyes. We left Mr. Tico's house three hours later.
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ライン王国の首都ラーミナをあとにして1週間が過ぎたこの日、俺たちはジャングルを歩いていた。 グラーフの森である。 この森に来て3時間くらい経つけど、ノワールさんに疲れは見えない。武者修行の旅を通してたくましくなったようだ。 ノワールさんが体力を手に入れたように、俺は魔力を手に入れる。そのためにも、まずはミロさんに会わないとな! 「こっちであってるんだよね?」 「近いわ。あとちょっとよ」 ノワールさんのナビゲート通りに進んでいると、視界が開けた。 うっそうと茂る木々のなか、煉瓦造りの家がぽつんと佇んでいる。 「赤点はあそこにあるわ」 「いよいよか......」 魔物が家を建てるとは思えないし、あそこに住んでる強者はミロさんと見ていいだろう。 「ノワールさんがノックしてくれない?」 ドアに背を向け、ノワールさんにお願いする。目の前で師匠の家が吹き飛ぶ光景が、頭のなかでフラッシュバックしたのだ。 深呼吸で半壊するってことは、ノックだと全壊してもおかしくないしな。もちろん力加減には気をつけるけど、万いうこともあるのだ。 「頼りにされて嬉しいわ。だって、頼りっぱなしは嫌だもの。もっと私を頼りにしてもいいと思うわ」 ノワールさんはきりっとした顔で言う。 今日のノワールさん、3歳児なのに大人びて見えるな。武者修行で精神力が鍛えられたのは俺だけじゃないってことか。 「じゃ、頼むよ」 ノワールさんは自信満々にうなずき、凜とした顔でドアをノックする。 「何者だ!」 うしろから怒声が響いた。 振り向くと、ワイルドな格好をした女性がいた。コウモリのような翼を持つ、ライオンのような魔物――マンティコアに跨がり、こっちを睨みつけている。 「もうノックしたくないわ。だって、怒られるもの」 ノワールさんが悲しそうにしがみついてきた。自分のノックが下手すぎて怒鳴られたと勘違いしたらしい。 「お手本みたいなノックだったよ」 なだめつつ、女性にたずねる。 「あなたがミロさんですか?」 「そうだ! ミロはミロだ! お前は......ん?」 マンティコアから降りたミロさんは俺に顔を近づけ、まじまじと見つめてくる。 近眼なのかな? そんなふうに思っていると、ミロさんはぱあっと顔を明るくさせた。 「おおっ! ミロ、お前知ってる! アッシュだ! 違うか?」 初対面だけど、ミロさんは俺のことを知っていた。きっと『魔王放送』を見たのだろう。 「はい。俺はアッシュです」 「やっぱりアッシュだ! アッシュがなぜここにいる?」 不思議そうに首を傾げるミロさんに、俺は事情を説明した。 「――というわけで、修行をつけてほしいんです。だめでしょうか?」 俺の力が武闘家由来であること、俺の夢が大魔法使いになることであること、そのためにミロさんのもとで修行をしたいこと―― それらを伝えると、ミロさんはにこりと笑う。 「だめじゃない。ミロ、頼られるの大好き! アッシュに修行、つげてあげる!」 「しかもミロ、魔力を高める方法知ってる! アッシュを強くする自信ある!」 おおっ! 「大船に乗ったつもりでいるといい!」 おおおっ! この強気な発言......! これは期待せずにはいられないな! 「だけど修行はご飯のあと。ミロ、お腹ぺこぺこ。アッシュも一緒に食べる?」 「食べるわ」 「お前、アッシュと違う」 「私はノワールだわ」 「ミロ、ノワール知らない。だけどミロ、子ども大好き! 食べてもいいよ」 嬉しそうなノワールさんに、ミロさんはほっこりとした顔をする。ほんとに子どもが好きなんだろう。 出会ったばかりの俺たちにここまで親切にしてくれるなんて......友好的な性格っていうのは本当のことらしい。 とにかくトントン拍子に話がまとまり、俺は安堵する。そうしてホッとしたところ、ひとつ疑問が浮上した。 「ところで、そのマンティコアはペットですか?」 魔物をペットにするなんて聞いたことがない。なにせ魔物は人間に懐かないからな。 「これ、魔物と違う。ミロが創った乗り物」 「ミロさんが......創った?」 って、どういう意味だ? そのままの意味で捉えていいのか? 「ミロ、田舎で生まれた。そこに同い年の友達いなかった。だから友達創ることにした。だけどミロの友達、土っぽかった」 土っぽくない友達を創るため、ミロさんは修行に励んだらしい。 その結果として、どこからどう見ても人間な土人形を生み出せるようになったのだとか。 「でも人間は見当たりませんよね?」 「ミロ、友達と楽しくおしゃべりするのが夢だった。だけど土人形、しゃべらない。ミロ、むなしくなった」 だから最初からしゃべらない魔物を創ることにしたってわけか。 「町に行けば、友達を作ることもできたんじゃないですか?」 「ミロ、友達の作り方知らない。距離感がわからない。昔、この森に同い年の女が来た。ミロ、仲良くなろうと思ってもてなした。その女、次の日いなくなった」 それってティコさんのことだよな。 ティコさんは他人に干渉されるのが苦手らしいし、きっとミロさんの距離感が悪い意味で働いたんだろう。 と、マンティコアが森のなかに駆けこんでいった。 「あれって、逃げたんじゃないですよね?」 ミロさんの魔物は本物か偽物か見分けがつかないほど精巧なのだ。本物ではないため結界のなかに入ることもできるし、そうなれば町はパニックだ。 「ミロの魔物、森の外に出られない。人間も襲わない。魔物しか襲わない。ミロがそう命令してる。だけど昔、命令を忘れて逃げられたことがある。ミロ、すぐに追いかけて土に戻した」 それってプリミラさんが言ってたレッドドラゴンのことか? だとすると《 まあ、だとしてもミロさんが大魔法使いであることに変わりはないけどな。 なにせミロさんのレッドドラゴンは、魔法騎士団の総攻撃をものともしなかったのだ。 そんな魔物を創れるなんて、ミロさんの魔力は尋常じゃない。 どういう修行をしたのか気になるし、ぜひとも同じ修行をしたい! ティコさんのもとで魔力を高めてカマイタチをマスターしたように、ミロさんのもとで修行をして新たな風魔法をマスターするのだ! 「ミロ、お腹ぺこぺこ。ご飯にする。おしゃべりしながら食べるの、すごく楽しみ! いっぱい話しかけてくれると嬉しい」 「俺もミロさんといろいろ話してみたいです!」 ためになる話とか、いっぱい聞けそうだしな! 「そんなこと言ってくれたの、アッシュがはじめて! ミロ、アッシュ好き! 今日は人生最高の日!」 そうして会話と修行にわくわくしつつ、俺たちは家に入るのだった。
We were walking in the jungle on this day, a week after Ramina, the capital of the kingdom of the Rhine. It is a gruff forest. It's been about three hours since I've been in this forest, but I don't see any fatigue in Mr. Noir. Looks like I've had a rough time throughout my martial arts training journey. I get the magic, just like Mr. Noir got the strength. To do that, I need to see Mr. Milo first! "It's this way, right? "It's close. Almost there." As we were proceeding to Mr. Noir's navigated streets, our sights opened. Among the lush trees, brick houses are nestled. "The red dots are over there." "Finally..." I don't think the demons will build a house, and the mighty one who lives there will see it as Mr. Miró. "Will Mr. Noir knock for me? Turn your back on the door and ask Mr. Noir. The sight of the Master's house blowing up in front of him flashed back in his head. Half-breathing with deep breaths doesn't make it strange to break it all if it's a knock. Of course, be careful what you do, just in case. "I'm glad you're counting on me. 'Cause I don't like to keep relying on you. I think you can count on me more." Mr Noir says with a firm face. Mr. Noir today, you look like an adult even though you're a three-year-old. Are you saying I'm not the only one who's been trained in martial arts training? "Okay, please." Mr. Noir nods confidently and knocks on the door with a dazed face. "Who is it! Anger echoed from the urchin. Turning around, there was a woman dressed wild. A lion-like demon, with bat-like wings - crossing the manticore and staring this way. "I don't want to knock anymore. 'Cause what pisses me off" Mr. Noir has been sadly clinging. He mistakenly assumed he was yelled at for being too bad at his knock. "He was a knock like an example." Tackle a woman while you're at it. "Are you Mr. Milo? "That's right! Miro is Miro! You... hmm? Down from Manticore, Mr. Miró puts his face closer to me and stares seriously at me. Is it short-sighted? Thinking of it that way, Mr. Miró brightened up his face. "Whoa! Miro, you know! It's Ash! Didn't you? It's my first meeting, but Mr. Milo knew about me. I'm sure you saw The Demon King Broadcast. "Yes, I'm Ash." "I knew it was Ash! Why is Ash here? I explained the situation to Miró, who leaned his neck strangely. "- So I want you to train. Can't you? That my power comes from militants, that my dream is to become a great wizard, that I want to train under Mr. Miró for that... Tell them, Mr. Miró grins with a grin. "I can't. Miro, I love being counted on! Train Ash, I'll put it on you! Ooh! "And Miró, I know how to boost your magic! Confident to make Ash stronger! "I hope you're going on a big ship! Whoa, whoa! This strong statement......! I can't help but hope for this! "But training is after dinner. Miró, I'm hungry. Do you want to eat Ash with me? "I'll eat." "You, not like Ash" "I'm a noir." "Miró, I don't know Noir. But Miro, I love children! You can eat it." To Mr. Noir, who seems happy, Miró looks dusty. I really think you like children. I can't believe you've been so kind to us just met... it seems true that your friendly personality. Anyway, I need to talk to Tong Tong Clap and I'll be relieved. That's how I was horrified, and one question surfaced. "By the way, is that manticore a pet? I've never heard of petting demons. The demons don't miss humans at all. "This is not like a demon. Vehicles created by Miró" "Mr. Miro... created it? What do you mean? Can we just take it as it is? "Miró, born in the country. I didn't have any friends my age there. That's why I decided to make friends. But Miro's friends, they were earthy." Miró seems to have encouraged his training in order to create non-earthy friends. The result is that we can create a human earthly form from wherever we see it. "But you don't see any humans, do you? "Miro, I dreamed of having a good chat with my friends. But the earthlings don't talk. Miró, it's gone." So you decided to create a demon that wouldn't talk from the start? "If you went to town, you could have made friends, too, couldn't you? "Miro, I don't know how to make friends. I don't know how distant it is. Once upon a time, a woman of the same age came to this forest. Miro, I entertained you trying to get along. The woman, she was gone the next day." That's about Mr. Tico, isn't it? Mr. Tico doesn't seem to like being interfered with by others, and I'm sure Miro worked in a bad sense of distance. And Manticore ran into the woods. "That didn't escape, did it? Miró's demons are so exquisite that they can't tell if they're real or fake. Because it's not real, you can go into the junction, and then the town panics. "Miró's demon, I can't get out of the woods. Human beings don't attack either. Only demons attack. That's what Miró ordered. But once upon a time, I forgot my orders and got away with it. Miró, I chased him right after me and put him back in the dirt" Is that what Mr. Primilla said about the Red Dragon? So you didn't knit your own magic like The Emperor of the Earth (Earth Road)? Well, even so, it doesn't make any difference that Mr. Miró is a great wizard. Anyway, Mr. Milo's Red Dragon did not take the Magic Knights' total attack for granted. Mr. Miró's magic powers are unusual to be able to create such demons. I'm curious what kind of training you did, and I'd love to do the same training! You train under Mr. Miró to master new wind magic, just as you have increased your magic and mastered Kamaitachi under Mr. Tiko! "Miró, belly pepper. Make it rice. Eat while you chat, I'm so excited! I'm glad you talked to me a lot." "I'd like to talk to Mr. Milo a lot too! You're going to hear a lot of stories that will help! "That's the first time Ash has said that to me! Miro, I like Ash! Today is the best day of my life! That's how we got excited about conversation and training, while we walked into the house.
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「ここっすよ、師匠!」 俺はエファに連れられて、町の外へやってきた。 地平線の向こうまで荒野が広がっている。 見渡す限りに建物はないし、動物の姿も見当たらない。 うん。ここならルーンをミスって危険な魔法を発動させてしまっても安心だな。 そうとわかれば、さっそく魔法を使ってみるか! 「どんな魔法を使うんすか?」 エファが興味深げに訊いてくる。 「まずは自分の得意系統を把握しておこうと思うんだ」 「師匠の得意系統は『風』っすよね?」 「自己紹介の場ではそう言ったけど、べつに得意ってわけじゃないよ。ていうか、そのときは俺に魔力が宿ってるかもしれない、なんて思ってなかったしさ」 けど、自分の得意系統を選べるなら、風であってほしいと思っている。 はじめて使った魔法(実際は物理だったけど)も そのため俺は風系統に愛着があるのだ。 「とりあえず風の魔法を使ってみるよ」 そして風系統の代表格といえば、やっぱりあれだな。 前世でアニメにはまっていたときからは使ってみたかった魔法でもある。 「万が一に備えて、ちょっと離れててくれ」 「りょーかいっす!」 エファが距離を取ったのを見届けてから、俺は 緊張に震える手を制御しながら、精密かつ正確にルーンを描く。 そしてフェルミナさんが実技試験のときやっていたように、 「やあっ」 と、魔法杖を振り下ろした。 大地が真に裂けた。 「うぉぉぉおっ! すごいっ! すごいっすよ師匠!」 エファが賞賛しながら駆け寄ってくる。 「これ、風刀っすよね!? 地平線の向こうまで大地を切り裂くなんて、どんだけ魔力高いんすか! これなら最強の魔法使いを名乗っても誰も文句は言わないっすよ!!」 エファが尊敬するような眼差しで俺を見つめてくる。 やめろ! やめてくれ、エファ! そんなキラキラした目で俺を見ないでくれ! 一瞬『地殻変動で大地が裂けたのかな?』と思ったけど、この亀裂は間違いなく俺のしわざだ。 俺が杖を振り下ろした瞬間に大地が真っ二つになったし、傍目にはカマイタチに見えてもおかしくはない。 だけど......だけど俺が使ったのは風刀じゃないんだ! 俺が使ったのは 飛行魔法 同じ風系統だけど、風刀と飛行のルーンは似ても似つかない。 つまり、この地割れは風刀によるものではないということ。 すなわち、俺に魔力は宿っていないのだ。 風を操って空を飛ぶ予定だった俺は、ショックのあまり大地に膝をついた。 「ど、どうしたんすか、師匠? まさか......」 エファが、なにかを察したような顔をした。 俺は力なくうなずく。 「いまの......魔法じゃない。ただの......物理」 「いや、むしろそっちのほうがすごくないっすか?」 エファは真顔だった。 フォローじゃなくて、本気ですごいと思ってるんだろうな。 俺はよろよろと立ち上がる。 「違う、違うよエファ。すごいとか、すごくないとかじゃないんだ。大事なのは『結果』じゃなくて『手段』なんだ」 地平線の向こうまで大地を切り裂くほどの威力だろうと、それが物理攻撃じゃ意味がないんだ。 葉っぱを切り裂く程度でいいから、俺は魔法を使いたいんだ! 「どうやら魔法杖は俺にはまだ早かったみたいだな。返す......」 と、そこで俺は魔法杖が柄だけになっていることに気がついた。 「あ、あれ? 先端どこいった?」 もしかしたら振り下ろした衝撃で折れてしまったのかもしれない。 俺は足もとを確認するが、それらしきものは落ちてなかった。 「摩擦熱で燃え尽きたんじゃないっすか?」 「......俺、そんなすごいスピードで振り下ろしてたっけ?」 軽く振ったつもりだったんだけど......。 あと、唯一残っていた柄の部分も圧縮されて、つまようじみたいになっていた。 そんなに強く握った覚えはないんだけど......無意識に力をこめてしまったのかもしれないな。 「速すぎて手元が見えなかったっす! あんなの人間業じゃないっすよ! わたしも早く師匠みたいな武闘家になりたいっす!」 頼む! 頼むからやめてくれエファ! 武闘家って言葉は、いま一番聞きたくないんだ! けど、そんな理由でエファを責めることはできない。 むしろ責められるのは俺のほうだ。 「ごめんな、エファ。せっかく魔法杖を譲ってくれたのに、燃やしちゃって......」 「気にしなくていいっすよ! すごいものを見せてもらったっすからね!」 そう言ってもらえると気が楽になる。 「ところで、地平線の向こうに町とかないよな?」 「ないっすよ」 「そうか。安心したよ」 町があったら大変だ。 魔力がなかったのはショックだけど、スタートラインに戻っただけだ。 また明日から魔力獲得に向けて努力しよう。 そう俺がポジティブに考えていると、 「あっ、でも、ここからまっすぐ行った先に建物があったような気がするっす」 「......マジで?」 「マジっす。だけど、たぶん廃墟っすよ。この向こうには結界が張られてないっすからね。いつ魔物に襲われるかわからないところに、誰かが住んでるとは思えないっす。魔王が生きていた時代の、騎士団の駐屯地とかじゃないっすかね」 俺の視力では20km先を見るのが限界だ。 そして20km向こうでも、荒野は裂けていた。 もしかすると家が真っ二つになってるかもしれないってことだよな......。 そして最悪の場合、家主が真っ二つに......。 「悪い、エファ。この亀裂がどこまで続いてるのか確認してくるよ」 「りょーかいっす。それが終わったら夕食っすね! 夕食はたくさんあるっすから、おなか一杯食べてほしいっす!」 笑って言うエファに、俺はぎこちない笑みで応えた。
Is This Magic? "Here you go, master! I was taken out of town by Efa. The wilderness stretches across the horizon. As far as I can see, there's no building, and I don't see any animals. Yeah. It's safe to miss a rune here and activate dangerous magic. If you know that, why don't you just use your magic! "What kind of magic do you use? Efa asks with interest. "First, I'm going to figure out what I'm good at." "The master's specialty is" wind, "right? "That's what I said in my introduction, but I'm not always good at it. I mean, I didn't think I might have magic at the time." But if I can choose my specialty line, I want it to be the wind. The first magic I used (although it was physics actually) was also a wind knife (kamaitachi), and until my master asked me the truth, I thought I was good at wind lineage. That's why I'm attached to the wind system. "I'll use the magic of the wind for now." And speaking of the epitome of the wind system, I knew that was it. It's also the magic I've wanted to use once since I was in animation in my previous life. "Just in case, just stay away from me" "Rika! I pointed the tip of the magic wand (Withers Rod) towards the sky after I saw that Efa had taken the distance. Precisely and accurately draw runes while controlling hands trembling in tension. And as Mr. Fermina was doing during the practice exam, "Yah." And waved down the magic wand. The earth was torn in two. "Whoa, whoa! Wow! That's amazing, Master! Efa rushes over with admiration. "This looks like a wind knife, right?!? How magical it is to cleave the earth across the horizon! Nobody complains about this in the name of the most powerful wizard!! Efa stares at me with a respectful look. Stop it! Stop it, Efa! Don't look at me with those sparkling eyes! For a moment he said, "Did the earth rip due to crust fluctuations? 'I thought,' but this crack is definitely what I did. The moment I waved my wand down, the earth turned into two truths, and it's not strange to look like a jerk by my side. But... but it wasn't the wind knife I used! What I used was flying magic! Same wind system, but wind knives and flight runes don't look alike. This means that this ground crack is not caused by wind knives. In other words, I don't have magic. I was supposed to fly the wind, and I got on my knees on not much of the earth of shock. "Duh, what do you want, Master? No way......" Efa looked like she felt something. I nod powerless. "Right now... it's not magic. It's just... physics" "No, isn't it more amazing that way? Efa was a true face. You must seriously think it's amazing, not following. I'll stand up. "No, you're not, Efa. It's not amazing or not amazing. It's not the results, it's the means." It would be powerful enough to rip the earth across the horizon, and that doesn't make sense in a physical attack. I want to use magic because it's enough to slit the leaves! "Apparently, the magic wand was too early for me. Return..." And that's where I noticed that the magic wand was only patterned. "Oh, that? Tip, where are you? Maybe the shock that shook it down broke it. I'll check my feet, but they didn't fall off. "Didn't you burn out of friction heat? "... I was swinging it down at such an amazing speed? I meant to shake it lightly...... Also, the only remaining patterned part was compressed, and it was like a twist. I don't remember gripping you so hard... maybe you've unconsciously put your strength into it. "You were too fast to see at hand! It's not that kind of business! I want to be a militant like my master soon, too! Please! Please, don't do this, Efa! The word militant is the last thing I want to hear right now! But you can't blame Efa for that. I'd rather be the one to blame. "I'm sorry, Efa. You gave me the magic wand, but I burned it..." "You don't have to worry about it! Because you showed me something amazing! It makes me feel easier when you say that. "By the way, there's no town beyond the horizon, is there? "I don't have one." "Right. I'm relieved." It would be tough to have a town. I'm shocked you didn't have the magic, but you just went back to the starting line. Let's try again tomorrow to acquire magic. Yeah, when I think positively, "Oh, but I think there was a building straight from here." "... seriously? "Seriously. But I'll probably ruin it. You don't have a bond over here. I don't think anybody lives in a place where they don't know when the demons will attack them. Isn't that the Knights' garrison in the days when the Demon King lived?" My eyesight limits me to looking miles away. And even twenty kilometers beyond, the wilderness was torn. So maybe the house is in two... And worst case scenario, the landlord is in two... "Bad, Effa. I'll see how far this crack goes." "Rikasu. We'll have dinner when it's over! I have a lot of dinner, so I want you to eat a cup of it! I responded to Effa laughing and saying, with a giggling smile.
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連休明けの放課後。 「学院長が呼んでたわよ。なんでも大事な話があるんですって」 エファに本日の訓練メニューを伝えていると、エリーナ先生が俺に話しかけてきた。 「大事な話ってなんっすかね?」 「なんだろうね? 飛び級生にするとかかな? アッシュくんの実力なら、三年生の上級クラスでも問題ないからねっ」 「だめよ。貴方がいなくなると私が困るわ」 エファとフェルミナさんとノワールさんが口々に言う。 ノワールさんは、本気で嫌そうな顔をしていた。 俺の制服を掴み、行かないで、と首を横に振っている。 日、エファとフェルミナさんはノワールさんと友達になった。 けど、ノワールさんはものすごく人見知りするタイプだ。 ふたりとも優しいし、ノワールさんもすぐに心を開くと思うけど、一番仲が良い俺がいなくなるのは不安なのだろう。 「たぶん一昨日のことで話があるんじゃないかな?」 俺はエファの疑問に答える。 実感はないけど、俺は一昨日の夕方、ゴーレムを倒して世界を救った。 そして今朝、ノワールさんとリングラントさんをつれて、フィリップ学院長に事情を話した。 禁じられている人体実験をしていたリングラントさんの処罰は後日決めるらしく、身柄はフィリップ学院長が引き取った。 そして本当は魔法使いではないノワールさんはA組に残ることになったのだった。 フィリップ学院長いわく、『借り物の魔力でも、自分で使いこなしている以上はノワールの実力だよ』とのことだ。 「じゃあ行ってくるよ」 フィリップ学院長を待たせるわけにはいかないため、俺は速やかに学院長室へと向かった。 学院長室には筋骨隆々の老人がいた。 エルシュタニア王国の国王にしてエルシュタット魔法学院の学院長を務める、大魔法使いのフィリップさんだ。 「学院での生活には慣れたかね?」 「はい。友達にも恵まれて、毎日楽しく生活できてます。だけど......」 「魔力は宿らない、か」 「はい。毎日授業に出てるんですけど、魔力は宿りそうにありません......」 「そもそもここは魔法使いのための教育機関だからね。まじめに授業に出席したからといって、魔力が宿る保証はないよ」 それはわかっている。 ほかの場所で時間を過ごすより、レベルの高い魔法使いに囲まれて生活したほうが魔力獲得の可能性が高いと思い、俺は入学を決意したのだ。 まあ、けっきょく魔力獲得の手がかりは掴めてないんだけどさ......。 「ところで、きみは『コロン』という女を知っているかね?」 「もちろんです」 コロンさんは勇者一行のメンバーだった大魔法使いだ。 闇系統の魔法に精通していて、さらに一流の薬師でもあると本に書いてあった。 大事な話って、コロンさんとなにか関係するのかな? 「先日、コロンにきみのことを話してね。そしたら『なんとかできるかもしれない』と言われたんだよ」 「ほ、本当ですかっ!?」 「うむ。詳細は直接会って話したいらしくてね。ラムニャールという町に住んでいるから、行ってみるといい」 「わかりましたっ。ありがとうございます!」 「礼を言うのは私のほうだよ。一度ならず二度までも世界を救ってくれて......きみには感謝してもしきれないよ」 そう言って、フィリップ学院長は俺に頭を下げてくる。 「あ、頭を上げてくださいっ。俺、たいしたことはしていませんから。ただ杖を振っただけですから!」 「しかし、褒美を与えないわけにはいかないよ。なにか欲しいものがあったら遠慮なく言いなさい」 欲しいものか......。 真っ先に思いつくのは『魔力』だけど、それは無理だろう。 お金は魔王を倒した報酬として毎月もらってるし、ほかに欲しいものなんて......。 ああ、そうだ。 が欲しいです。ちょっとやそっとじゃ壊れない、頑丈なものが欲しいです」 いまの俺には使いこなせないけど、あって困るものではない。 コロンさんのもとで、俺は魔力を手に入れることができるかもしれないし、すぐに必要になるかもしれないのだ。 「わかった。とびきり頑丈なものを用意するよ。それと、きみが望むなら飛空艇の搭乗券を用意するが......」 「いえ。走ったほうが早いので」 「あいかわらず、めちゃくちゃだね」 ラムニャールは、ここから1000kmほど北上した先にある。 それくらいの距離なら、走れば夜明けには到着するのだ。 「コロンは気難しい女だけど、きみのことはきっと気に入ってくれるよ」 「はいっ。いろいろとお世話になりました!」 俺はフィリップ学院長に一礼し、部屋をあとにする。 廊下に出ると、そこにはノワールさんがいた。 「大事な話というのはなんだったの? まさか、本当に三年生になるのかしら?」 ノワールさんは不安そうにたずねてくる。 「明日は欠席するけど、クラスは変わらないよ」 「ものすごく安心したわ。......だけど、なぜ明日は欠席するの?」 俺は手短にコロンさんの話をする。 「――というわけで、魔力が宿るかもしれないんだ。そんなことができるなんて、コロンさんってすごいよなっ」 「貴方の脚力のほうがすごいわ」 ノワールさんとそんな会話をしたあと、俺は荷造りを済ませると、日が暮れる前にラムニャールへ向けて出発したのだった。 「私が勇者......でありますか?」 エルシュタット魔法騎士団・北方討伐部隊の団長であるメルニアは戸惑っていた。 魔物を討伐したあと、エルシュタニア北部の田舎町ナザレフに立ち寄ったところ、町長に大事な話があると屋敷に招かれたのだ。 そして開口一番「あなた様は勇者かもしれません」と告げられたのである。 「勇者ではありません。勇者かもしれないのです。誰が勇者かは、私にもわからないのです」 「どういう意味でありますか?」 質問しつつ、メルニアはうしろに控える仲間たちの顔を見る。 魔物を討伐するにあたって連れてきた一〇人の従士たちは、いずれも困惑していた。 「魔王によって世界が滅ぼされるかもしれないのです」 町長の時代遅れな言葉に、メルニアはあきれてしまった。 「魔王なら、とっくに倒されたであります」 「違うのです。魔王は、ひとりではないのです」 「......どういう意味でありますか?」 「遙か昔、この世界にの魔法の達人がいたのです。七人はそれぞれ『火』『水』『氷』『土』『風』『光』『闇』の魔法を極め、魔法使いの王――『魔王』として人々に怖れられておりました」 町長が、人差し指を立てる。 「そのうちのひとり――。闇の魔法を極めた魔王こそ、《闇の 闇魔法には、精神に作用するものもある。 町長の話を信じるなら、魔王は圧倒的な魔力をもってして多くの魔物を操り、魔王軍を結成したということか。 「でも、《闇の帝王》は『時空の歪み(アビスゲート)』から出現したでありますよ?」 「この世界に強敵がいないと悟った魔王たちは、なんらかの力で異世界へと渡ったのです。その影響により、時空の歪みが発生するようになったのです」 「そ、そんな話......聞いたことがないであります。いったいあなたは、誰にその話を聞いたのでありますか?」 「ご先祖様です」 「ご、ご先祖様でありますか?」 町長はうなずいた。 「私のご先祖様は、とある魔王にこう告げられたのです。『今日より25000回目の満月の晩、この地に強敵が現れる。私は、その者と戦うため、再びこの地に舞い降りる』と」 その強敵を倒したら、魔王は再び強敵を求めて暴れるかもしれない。 あの《闇の帝王》と同等か、それ以上の力を持つ魔王に暴れられれば、今度こそ世界は崩壊するかもしれないのだ。 「そ、その魔王が現れるのは、具体的にいつでありますか?」 「明日です」 時間がないにもほどがある。 「ど、どうしてそうなるまで放っておいたでありますか! いますぐに援軍を呼ぶであります!」 「それは無意味です。魔王に勝てるのは、予言に出てくる『強敵』だけなのです」 そして、と町長はメルニアを指さした。 「最も強敵――すなわち勇者である可能性が高いのが、満月の日の前日にこの地を訪れた、あなた様なのです」 町長は頭を下げる。 「どうか、どうか魔王を倒し、世界をお救いください......」 町長の話は、本当かどうかわからない。 だが、騎士団長として、魔物に怯えている者を見過ごすわけにはいかないのだ。 「了解したであります。我々のなかの誰かが勇者だと言うのなら、我々全員で魔王と戦うのであります!」 「あ、ありがとうございます......」 「当然のことであります。して、その魔王の名はなんというでありますか?」 魔王は特定の魔法を極めているらしい。 あらかじめ得意系統を把握しておけば、どんな攻撃をしてくるかもわかってくるし、作戦が立てやすくなる。 町長は明日現れる魔王の名を口にした。 「その魔王の名は――《土の
After school after the holidays. "The dean called. Everything's important." Dr. Elena spoke to me as I was telling Effa about today's training menu. "What's the big deal? "What is it? Like making it a third grade in the flying class? If it's Ash-kun's strength, I don't have a problem with advanced classes in third grade." "No. I'll be in trouble when you're gone." Efa, Mr. Fermina and Mr. Noir say it orally. Mr. Noir looked seriously disgusted. He's shaking his neck to the side saying, "Grab my uniform, don't go." Yesterday, Efa and Mr. Fermina became friends with Mr. Noir. But Mr. Noir is a very familiar type. They're both sweet, and I think Mr. Noir will open his mind soon, but I guess he's anxious that I'm gonna be the closest thing he's ever been to. "Maybe we need to talk about yesterday? I answer Efa's questions. I don't really feel it, but I defeated the Golem yesterday evening and saved the world. And this morning, I followed Mr. Noir and Mr. Ringrant to tell Dean Philip what was going on. It seems that the punishment of Mr. Ringrant, who was conducting a forbidden human experiment, will be decided at a later date, and the figure was taken over by Dean Philip. And Mr. Noir, who is not really a wizard, was to remain in Group A for two years. Dean Philip said, "Even the magic of borrowing is more of a noir than you're using yourself." "I'll be there, then." I couldn't keep Dean Phillip waiting, so I promptly headed to the Dean's office. There was an old man with muscular bones in the dean's office. This is Philip, the Great Wizard, who is king of the kingdom of Elstagna and college director of the Elstadt School of Magic. "Are you used to living in college? "Yes. Blessed are my friends, and I enjoy living every day. But..." "No magic resides, huh?" "Yes, I go to class every day, but the magic isn't going to dwell..." "Because this is an educational institution for wizards in the first place. Seriously, just because you attended class, there's no guarantee that magic will reside." I know that. I decided to enroll because I thought it would be more likely to gain magic to live surrounded by high-level wizards than to spend time elsewhere. Well, I haven't been able to get a clue on how to get magic yet... "By the way, do you know a woman named 'Cologne'? "Absolutely." Mr. Cologne is a great wizard who was a member of a line of brave men. It said in the book that he was familiar with the magic of the dark system and was also a top notch pharmacist. Does the important story have anything to do with Mr. Cologne? "Tell Cologne about you the other day. And then they said," Maybe we can do something about it. " "Ho, that's true!? "Mm-hmm. He wants to meet and talk about the details in person. I live in a town called Ramnjar, so you should go." "I get it. Thanks! "It's up to me to thank you. You saved the world once and twice... and I can't thank you enough." That said, Dean Phillip is going to bow his head to me. "Oh, please raise your head. I didn't do much. Because I just waved my wand! "But you can't just not reward me. Don't hesitate to tell me what you want." Is that what you want...... The first thing I can think of is' magic ', but that won't be possible. Money gets me every month as a reward for defeating the Demon King, and I can't believe I want anything else... Oh, yeah. "I want a magic wand (Withers Rod). I want something sturdy that won't break a little bit." I can't use it right now, but it's not troublesome. Under Mr. Cologne, I might be able to get some magic, and I might need it soon. "Okay. I'll have something extraordinarily sturdy. And if you want, I'll get you a boarding pass for the airship..." "No, because it's faster to run" "Anyway, you're a mess" Ramnjar is about a thousand miles north of here. If that's the distance, you'll arrive at dawn if you run. "Cologne's a tough woman, but she's gonna love you." "Ha. Thank you for all your help! I'll thank Dean Philip and leave the room behind. Out in the hallway, there was Mr. Noir. "What was the important story? No way, are you sure you're going to be in third grade? Mr. Noir seems anxious. "I'll be absent tomorrow, but my class won't change." "I'm so relieved.... but why are you absent tomorrow? I briefly talk about Mr. Cologne. "- So the magic may dwell. It's amazing how you can do that, Mr. Cologne." "Your legs are more amazing." After that conversation with Mr. Noir, when I finished packing, I set off for Lamniar before sundown. "Am I the brave one......? Melnia, the head of the Elstadt Magic Knights and Northern Crusade Force, was bewildered. After crusading the demons, I stopped by Nazarev, a rural town in northern Erstania, and the mayor was invited to the mansion to tell me something important. And it was said unto him, Thou mayest be a brave man. "I'm not a brave man. It could be a brave man. I don't even know who's brave." "What does that mean? As she asks the question, Mernia sees the faces of her peers who refrain from lying. The ten squires brought in to crusade the demons were all bewildered. "The world may be destroyed by the Demon King." To the outdated words of the mayor, Mernia has gone awry. "If you are the Demon King, you have been defeated." "It's not. The Demon King is not alone." "... what does that mean? "Long ago, there were seven magical masters in this world. Each of the seven extremed the magic of" fire, "" water, "" ice, "" earth, "" wind, "" light, "and" darkness, "and were scared by people as wizard kings -" demon kings. " The mayor sets his index finger. "One of them... The Dark King is the Dark King." Some dark magic acts on the spirit. If you believe the story of the mayor, do you mean that the Demon King manipulated many demons with overwhelming magic and formed an army of demons? "But the Dark Emperor emerged from the Distortion of Time and Space (Abyssgate), right? "The demon kings, who realized that there were no mighty enemies in this world, crossed into the other world with some force. And because of that, space-time distortion began to occur." "Well, that's the story...... you've never heard of it. Who the hell did you tell that story to? "I'm your ancestor." "Are you your ancestors? The mayor nodded. "This is what my ancestors told a certain demon king." On the eve of the th full moon from today, a mighty enemy appears in the land. I will descend again into the land to fight him. " If you defeat that mighty enemy, the Demon King may break out again in search of a mighty enemy. If you can be ravaged by a demon king with the same or more power as that Dark Emperor, this time the world may collapse. "When exactly will that demon king appear? "Tomorrow." There's more to it than there's time. "Duh, why did you leave me alone until it did! We need reinforcements now! "That's pointless. The only thing that can beat the Demon King is the" mighty enemy "that appears in the prophecy." And the mayor pointed to Mernia. "The most powerful enemy - that is, the brave - is you, who visited the land the day before the full moon day." The mayor bows his head. "Please, defeat the Demon King and save the world..." The story of the mayor, I don't know if it's true. But as the Knights Commander, you can't overlook those who are frightened by demons. "I understand that. If one of us says he's a brave man, we all fight the Demon King! "Oh, thank you......" "Naturally. And what is the name of that demon king? Apparently, the Demon King extremes certain magic. If you know your specialty lineage beforehand, you'll know what kind of attack you're going to make, and it's easier to set up an operation. The mayor uttered the name of the demon king who will appear tomorrow. "Its demon king's name is -" The Emperor of the Earth (Earth Road) "
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買い物を終えたあと。 1時間ほど走っていると、小高い山が見えてきた。 飛び越えてやろうかと思ったが、近づくにつれて山っぽさが薄れていく。 なんていうか......無数の根っこが複雑に絡み合ってるみたいだ。 「......根っこ? そうかっ!」 あれ、世界樹の根っこか! すごいな......。山みたいに見えるなんて、さすがは世界樹の根っこだ。スケールが違う! 「っと、跳ばないとな!」 走っている間に根っこの先端部が迫ってきた。俺はジャンプして根っこの上に飛び移り、バッタ移動をする。 ぴょーん! ぴょーん! ひと跳ねにつき1km。バッタみたいにジャンプしながら根っこの上を進んでいると、蜘蛛の巣に引っかかった感触がした。 立ち止まって周囲を見るが、蜘蛛の魔物は見当たらない。 「......もしかして、いまのが結界か?」 いや、結界にしては弱すぎないか? もっとこう、壁にぶつかるような衝撃を予想してたんだけど...... ま、まあ1層目だしな! 世界樹に近づけば近づくほど結界は強くなるし、最終的には『絶対に壊れない壁』にぶつかる感じがするはずだ! そのときの衝撃に備え、気を引き締めないとな! ズンッ!! 覚悟を決めてぴょんぴょんしてると、根っこの下から氷山が飛び出してきた。 自然現象とは思えないし、誰かが魔法を使ったのかな? 近いし寄ってみるか! バッタ移動で氷山に近づき、根っこの下に降りてみる。――って、けっこう深いのな建てビルの屋上から落ちた気分だ。 てっきり迷路みたいになってると思ってたけど、根っこの下とは思えないくらい見通しがいいし、まっすぐ歩くことができる。 「......」 俺は、あらためて頭上を見た。 よく考えたら、落ちたら死ぬ高さだよな? それに根っこの上はつるつるしてたし、うねうねしててまともに歩けないし...... なにも考えてなかったけど、これって根っこの下を通るのが普通なんじゃないか? ま、まあ目的は世界樹にたどりつくことだしなっ。間違った道を通ったとしても、結果的に世界樹にたどりつければそれでいいのだ! 「き、きみ! 急いで逃げるんだ!」 急に呼ばれて振り向くと、俺と同い年くらいの女の子が黒髪を振り乱しながら駆け寄ってきた。 「逃げるって、なにからですか?」 「あれからだよ!」 彼女は氷山を指さした。 クリスタルみたいな氷山のなかには、俺にとって因縁のある魔物が閉じこめられていた。 ベヒーモスだ。 俺がはじめて出会った魔物である。もちろんべつの個体だけどな。あのときのベヒーモスよりは小さいし、そもそもあいつは俺が倒したからな。 つっても、あのときのことはよく覚えてないんだけどさ。 「あれって、まだ生きてるんですか?」 「閉じこめただけさ! あいつは......ベヒーモスは強すぎるんだ! ああやって閉じこめるのが限界だったんだよ!」 氷山からの脱出を試みているのだろう。びきびきと氷が軋む音が響き、彼女は悲鳴を上げた。 「風です」 「ほんとかい!? よかった......! だったら私をつれて飛んでくれないかい!? もちろんお礼はするからさ!」 は使えないんです」 「そ、そうか......。きみも魔力をほとんど使い切ってしまったんだね?」 「そういうわけじゃありませんよ。俺の魔力は元々ちょっとしかないんです」 きょとんとされた。 「そ、そんな魔力でどうやってここまで来たんだい!? ここに至るまでにの結界にぶつかったはずだよ!?」 「三つもあったんですね。気づきませんでした」 「気づかなかったのかい!? どうすればあれに気づかずにいられるんだい!? 壁にぶつかるような衝撃があっただろう!?」 そんなものはなかった。 バキィィイン!! 氷山が砕け散った。 ぶるぶると身体を振って水気を飛ばし、ベヒーモスがぎょろりとこっちを睨んでくる。 「話はあとだよ! とにかくいまは生き残ることだけを考え」 スパァァァァン!!!!!!!! カマイタチ(物理)でベヒーモスを真にする。 俺の魔法がどこまで通じるか試してもよかったけど、まずは彼女を安心させることにしたのだ。 ベヒーモスは倒したし、これで落ち着いてくれるよなっ! 「この大陸にはバケモノしかいないのかい!?」 めっちゃ取り乱された。 「俺はバケモノじゃありません。通りすがりの武闘家です」 「とても武闘家とは思えないよ!?」 「そう言われても、そうとしか言いようがないんです。いまのカマイタチだって、手刀――武闘家の技ですし」 「こ、この大陸の武闘家はクレイジーだね......」 ああ、勘違いさせちゃったかな。 「手刀でカマイタチを飛ばせる武闘家は、俺のほかにひとりしかいませんよ」 モーリスじいちゃんのことだ。 「だとしても、大陸にバケモノが多いのは間違いないよ。ゴーレムに襲われるわ、ベヒーモスに襲われるわ、あげくカマイタチを飛ばす武闘家と出くわすわ......」 クレイジーすぎるよ、と頭を抱える女の子。 ゴーレムに襲われたってことは、リッテラさんが言ってた『こないだの小娘』って彼女のことか。 きっと靴屋のおじいさんが言ってた『若い娘さん』ってのも彼女のことだろうな。俺とお揃いの靴を履いてるしさ。 「しかしなによりのバケモノは、魔王を粉々にした人物だね」 俺がそのバケモノなんだけど......そうとは知らずに話してるみたいだ。 もしかして魔王放送を見てないのかな? でも、魔王が粉々になったことは知ってるわけだし...... 「口ぶり的に、あなたはグリューン王国のひとですよね?」 「そうだよ」 「魔王を粉々にしたひとの顔って、見えなかったんですか?」 「うん。知人に聞いてまわっても、顔はぼやけて見えたと言われたよ。身長と体格からして、男ってことはわかるんだけどね」 なるほどな。 つまり大陸の外――グリューン王国には魔王放送が届ききってなかったってことか。 「せっかく修行に来たわけだし、ぜひとも強くなるためのコツを聞きたいんだけど......手がかりはひとつしかなくてね」 「手がかり?」 「うん。彼は小さな女の子の下着を穿いているのさ」 そこはぼやけてないのかよ! むしろ顔よりそっちにモザイクかけてほしかった......! ま、まあでも顔は知られてないわけだしな! 全人類に『俺=女児パンツの武闘家』と認識されていないことがわかり、俺は安堵する。 「もしかして、きみには鮮明に見えたのかい? だったら人相を教えてくれないかい!? 私は、どうしても彼に会いたいんだ!」 女の子が目をキラキラさせる。 本当に会いたいんだろうな。普通のひとなら秘密にしておくけど、大陸を訪れたのは修行のためらしいし......同じく武者修行中の身として、力になってあげたいと思う。 俺も、強くなるコツを教えてもらったときは嬉しかったしな。 「魔王を倒したのは、俺です」 「きみが魔王を倒したのかい!?」 肯定する俺に、彼女は疑いの眼差しを向けてこなかった。 「どうりでベヒーモスを真っ二つにできるわけだよ......」 女の子は自嘲気味に笑う。 「まったく、上には上がいるものだね。私も強いつもりだったけど......大陸に来て、世界の広さを思い知ったよ」 そう言って、真剣な眼差しを向けてくる。 「きみは、どうやって強くなったんだい? ぜひ強くなるコツを教えてほしいんだ!」 強くなるコツか......。 それって、魔法使いとして強くなりたいってことだよな。 俺は魔法使いとして未熟だけど......でも、成長はしてるしな。 ティコさんとミロさんの修行で学んだことを教えればいいよな! 「とにかく精神力を鍛えることです」 「精神力を鍛えるって......たとえば苦手なものを克服するとか、そういうことかい?」 「そういうことです」 「なるほど! ありがとうっ! ここを出たら試してみるよ!」 「もう帰るんですか?」 「うん。この先に進むには、せめて国内最強くらいにならないと......じゃないと命がいくつあっても足りないよ」 「そうですか。じゃあ、とりあえず1層目のところまで送りますよ」 「助かるよ! ......だけど、迷惑じゃないかい?」 「片道1分ですし、困ったときはお互い様ですからね。気にすることありませんよ」 「1分!? 1分で戻れるのかい!? 私は1日以上かかったんだけど......とにかく助かるよ! あっ、でもちょっと待ってくれるかい?」 彼女はリュックから杭を取り出した。名前だろうか、表面にはリンクスと彫られている。 「それは?」 さ。ここまで来たっていうね。......ていうか、ここに来るまでに目にしなかったのかい?」 根っこの下を通ればたくさん目にできるらしい。 「俺、根っこの上を通ってきたんです」 「落ちたら死ぬよ!?」 やっぱり根っこの下が正しいルートなのか。 ま、俺は根っこの上を通るけどな。そっちのほうがバッタ移動しやすいしさ。 「平気です。鍛えてますからね!」 「鍛えてどうこうなる話じゃないと思うけど......魔王を倒すくらいだし、事実なんだろうね。――っと、それじゃ、お願いするよ」 そうしてリンクスさんを1層目まで送り届けた俺は、世界樹へ向けてバッタ移動を再開し―― 壁に行きついた。 「結界......じゃないよな」 ここまで蜘蛛の巣に引っかかるような感触が続いてたし、やっと破りがいのある結界に行きついたかと思ったけど、そうじゃなさそうだ。 よく見ると壁じゃなくて幹だし、てっぺんは雲に隠れてて見えないけど枝が見えるし......間違いない。 これ、世界樹だ! 「ついに世界樹までたどりついたぞ!」 ついに、ってほど時間は経ってないけどな。リンクスさんを送り届けて1時間も経ってないしさ。 ちょっと拍子抜けだけど、俺はこれから修行をするのだ。体力を温存するに越したことはない。 さっさと登って修行するか! バンッ! 俺は真上にジャンプした。 ロケットみたいに上昇していく。 雲を突き抜け、茂みを突き抜け――視界が開ける。 「てっぺんだ!」 あっという間に世界樹のてっぺんにたどりついた俺はくらいのサイズがある葉っぱの上に着地する。 そこからまわりを見渡すと、雲海が広がっていた。ずっと昔に飛行機で海外へ試合をしに行ったことがあるけど、そのとき見た景色よりちょっと高いくらいだ。 「ここが世界一高い場所か......」 感慨深いけど、しみじみしている時間すらもったいない! 今日から10日間、頑張って深呼吸するぞ! ぺちゃんこになっていたチョココロネを食べてエネルギー補給を済ませると、俺はさっそく深呼吸を開始したのであった。
After you finish shopping. After about an hour of running, I saw a small high mountain. I thought I'd jump over it, but as I approached it, the mountain fades. I don't know... it seems like countless roots are intricately intertwined. "... root? Yes!" That's the roots of the world tree! Awesome...... I can't believe it looks like a mountain, that's the root of a world tree. Different scale! "I have to jump! The tip of my roots approached me while I was running. I jump and fly over my roots and make a bat move. Psst! Psst! One kilo per jump. I felt caught in the spider's nest as I jumped over my roots like a bat. Stop and look around, but I don't see any spider demons. "... could this be the end of the line? No, isn't that too weak for a marriage? More like this, I was expecting a shock that would hit the wall... Well, it's the first layer! The closer we get to the world tree, the stronger the bond will be, and it should feel like we'll end up hitting a 'wall that will never break'! We need to get ready for that shock and keep our heads down! Zung!! When I was ready and pimped, an iceberg popped out from under my roots. I don't think it's a natural phenomenon, and did someone use magic? It's close and I'll stop by! Batta move closer to the iceberg and try to get down under the roots. - That's so deep. I feel like I fell off the roof of a five-story building. I thought it was totally like a maze, but it's so promising that I don't think it's under the roots, and I can walk straight. ...... I looked over my head once again. On second thought, if you fell, you'd be dead tall, wouldn't you? Plus, I was stuck on the roots, and I was nagging and I couldn't walk properly... I didn't think of anything, but isn't this normal to go under the roots? Well, the goal is to reach the world tree. Even if you go the wrong way, if you end up in the world tree, that's fine! "Ki, you! Hurry up and run! When she suddenly called me and turned around, a girl about my age ran up to me shaking her dark hair. "Running away, what do you mean? "Since then! She pointed to the iceberg. Some of the icebergs like crystals were locked up with demons that could have caused it for me. Behemoth. It's the first demon I've ever met. Of course, he's a bastard. It was smaller than Behemoth at the time, and I took him down in the first place. Even so, I don't really remember that time. "Is that still alive? "I just locked you up! He's... Behemoth is too strong! Yeah, it was the limit to do it and lock it up! I guess he's trying to escape the iceberg. The sound of frizz and ice echoed, and she screamed. It's the wind. "Really?!? Great.........! Then why don't you follow me and fly? Of course I'm thankful! "Excuse me, I can't use flying magic." "Oh well...... You almost ran out of magic too, didn't you? "That's not what I'm saying. I only have a little magic." Decided. "Oh, how did you get here with such magic!? By the time we got here, we'd have hit three junctions!? "You had three, didn't you? I didn't notice." "Didn't you notice!? How can I stay unaware of that!? It would have had the kind of impact of hitting the wall!? There was nothing like that. Bakie in!! The iceberg broke apart. Blurring, he shakes his body and flies the water, and the behemoth stares at us just fine. "We'll talk later! Anyway, now I just want to survive." SPAWANG!!!!!!! Turn the behemoth in two with kamaitachi (physics). You could have tried how far my magic would go, but first I decided to reassure her. The Behemoth has been defeated, and this will calm you down! "Is there only a bucket on this continent?!? I was so disturbed. "I'm not a bucket of stuff. A passing militant." "I don't think you're very militant!? "Even if they say so, all I can say is yes. Even now, the knife is a militant's move." "The militants on this continent are crazy..." Oh, I guess I made a mistake. "There's only one other militant who can fly a kamaitachi with a knife." It's about Grandpa Maurice. "But I'm pretty sure there's a lot of bucket stuff on the continent. Golem will attack you, Behemoth will attack you, I will run into a militant who will fly the kamaitachi I give you..." Too crazy, the girl with the head. Does the fact that Golem attacked you mean that 'little girl the other day' that Mr. Rittera said? I'm sure "Young Daughter" that my grandfather at the shoe store said was about her too. He's wearing the same shoes as me. "But more importantly, you're the one who shattered the Demon King." I'm the badass...... sounds like I'm talking to you without knowing I am. Maybe you haven't watched the Demon King broadcast? But I know the Demon King has been shattered... "Mouthfully, you're one of the Grune kingdoms, aren't you? "Yes, I am." "Didn't you see the face of one who shattered the Demon King? "Yeah. I asked an acquaintance around and she told me that her face looked blurry. Because of my height and physique, I know I'm a man." I see. You mean outside the continent - the Kingdom of Grune didn't receive the Demon King broadcast? "I'm here to train because of you, and I'd love to hear the trick of getting stronger... I only have one clue" "Clues?" "Yeah, he's wearing little girl underwear." You're not blurry there! I'd rather have a mosaic over your face......! Well, they don't know my face! I find myself relieved that I am not recognised by all mankind as a 'me = girl pants militant'. "Did it look clear to you? Then why don't you tell me who you are!? I really want to see him! Girl sparkles her eyes. I guess I really want to see you. I'd keep it a secret if I were a normal person, but it seems that I visited the continent for training... and as a samurai trainee as well, I'd like to help you. I was happy when you taught me how to be strong, too. "I'm the one who defeated the Demon King." "Did you defeat the Demon King?" She didn't turn a suspicious eye to me. "You can twist a behemoth in two with a whiskey..." The girl laughs mocking herself. "Damn, that's what's up there. I was going to be strong too... but I came to the continent and realized how big the world is." That's what I'm saying, I'm turning a serious eye. "How did you get stronger? I'd love to know the trick to getting stronger! Tips for getting stronger...... That means you want to be strong as a wizard. I'm immature as a wizard... but I'm growing up. You can tell me what you learned in Mr. Tico and Mr. Miro's training! "It's about building mental strength, anyway." "Build your mental strength... overcoming something you don't like, for example? "That's what I mean" "I see! Thanks! I'll give it a try when I get out of here! "Are you leaving already? "Yeah. We need to at least be the strongest in the country to move on... or we won't have enough lives" "Really? Well, I'll take you to the first level." "That would help!... but isn't that annoying? "It's a minute each way, and when we're in trouble, it's each other. I don't care." "One minute!? Can you go back in a minute?!? It took me over a day... anyway, that would help! Oh, but can you give me a minute? She took the pile out of her backpack. Is it a name or is it carved with Lynx on the surface? "What's that? "This is a landmark. I hear you've come this far.... or didn't you see it by the time you got here? They can see a lot if they go under the roots. "I came through the roots." "If you fall, you'll die!? Is it the right route under the roots after all? I'm gonna go through the roots. It's easier to move the bat that way. "I'm fine. I'm working out! "I don't think we're talking about working out and what's going to happen... enough to defeat the Demon King, and I guess it's true. - Oh, please." That's how I got Mr. Lynx to the first level, and I resumed my bat move toward the World Tree. I went to the wall. "It's not the world..." I've been feeling like I'm getting caught up in a spider's nest so far, and I thought I'd finally get to a breaking junction, but it doesn't look like it. If you look closely, it's not the wall, it's the trunk, and the top is hidden in the clouds and you can't see it, but you can see the branches... definitely. This is a world tree! "We've finally reached the World Tree! At last, it hasn't been that long. It's been less than an hour since I sent Mr. Lynx. It's a little clappy, but I'm going to train. I've never been able to keep my health warm. Climb up and train! Bang! I jumped straight up. It goes up like a rocket. Through the clouds, through the bushes - vision opens. "On the top! Having quickly reached the top of the world tree, I land on a leaf about the size of a six tatami. Looking around from there, the cloud sea was spreading. I used to fly overseas to play games a long time ago, but that's a little higher than the view I saw then. "This is the tallest place in the world..." It's emotional, but it's even a waste of time being squeamish! Ten days from today, we're gonna try and take a deep breath! I just started taking deep breaths when I ate the chocolate chocolate I was getting.
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地鳴りのような声が響いた次の瞬間―― カバンが内側から引き裂かれ、メタリックな人形が飛び出してきた。 親指サイズの人形だ。 その小さな人形を見て、モーリスじいちゃんたちはきょとんとしている。 しかし俺とノワールさんだけは、人形の正体に察しがついていた。 小さいながらも、人形は見覚えのある鎧武者の姿をしていたのだ。 すなわち―― 「お前、魔王だな?」 ぎゅむっ!!!! 俺は瞬時にしゃがみ込み、人形を握り潰した。 パッと手を開いてみると――《銀の帝王》は原形を留めていなかった。 しかし。 「また出てきたっす!」 部屋の隅っこに置いていた俺たちのカバンから、《銀の帝王》がわらわらと出てくる。 『クックック。残念だったな、アッシュよ。貴様が握り潰したのは吾輩ではない。吾輩の生み出した分身に過ぎぬのだ!』 「分身だと?」 『然り。吾輩は《銀の帝王》――すべての銀は、吾輩の支配下に置かれているのだ! ゆえに、吾輩は銀を意のままに操ることができる! 銀を分身として操ることなど造作もないのだ!』 こいつ、俺たちの銀貨を分身に変えやがったのか! てことはこの場の分身しても、屋敷中の銀がこいつの分身になるってことだ。 そして屋敷中の分身を潰しても、街中の、国中の、世界中の銀が《銀の帝王》の分身になってしまうのだ。 早いところ本体を倒さないと世界がパニックに陥ってしまう! くそっ、いったい本体はどこにいるんだ! 「近づいてきたっす!」 小さな分身たちがじりじりと詰め寄ってくる。 まずい。 あまりにも数が多すぎる! おまけに小さすぎる! 部屋ごとぶっ飛ばせば一掃できるが、それだとみんなを危険な目に遭わせてしまう! 占い師さんが言ってた『銀に用心』って、こういうことだったのか! 「卑怯だぞ! 狙うなら俺ひとりにしろ!」 「アッシュよ! わしらの身は、わしらで守るのじゃ! お主は本体を見つけだすことに専念するのじゃ!」 モーリスじいちゃんが拳を構え、みんなが魔法杖を抜いた。 『クックック。貴様らの抵抗など時間稼ぎにもならぬ。なぜなら――』 「ノワちゃんが!」 フェルミナさんの悲鳴が響いた。 ノワールさんの足が、メタリックになっていたのだ。 どうやらポーチに入れていた1枚の銀貨が、《銀の帝王》に化けたらしい。 ポーチが裂け、ノワールさんの足もとに分身が佇んでいた。 「お前、ノワールさんになにをした!」 俺はすかさず足もとの分身を握り潰し、虚空に問いかける。 『吾輩の分身に触れた生物は、銀に変わる。すなわち、じきにこの場の全員が吾輩の分身になるのだ!』 「全員じゃないわ」 と、ノワールさんが言う。 「だって、アッシュは手で握り潰したのに平然としてるもの。アッシュには、貴方の力が通用しないのよ」 実際、俺は銀になっていない。 きっと俺の自然治癒力が《銀の帝王》の力を上回っているのだろう。 『アッシュがニンゲンを超越していることは承知しておる! ゆえにこれは想定の範疇なのだ。もとより、吾輩ひとりでお主を葬ろうとは思っておらぬのでな!』 「だったらまとめてかかってこい! まずはお前から倒してやる!」 『クックック。吾輩との勝負を望むか。それは吾輩としても望むところ! もっとも、吾輩の真の力を目の当たりにした瞬間、貴様は絶望に支配され、逃げ惑うことになるがな! しかし我らの大望を成就するため、貴様を逃がすわけにはいかぬ! ゆえに、そこのニンゲンを――《 逆に言うと、《銀の帝王》を倒しさえすればノワールさんを救えるってことか! 「お望み通り戦ってやる! だからいますぐ姿を見せろ!」 すでに銀はノワールさんの膝まで侵食しているのだ。 このペースだと、5分も経たずにノワールさんは銀になってしまう。 急いで倒さないとノワールさんがノワールさんじゃなくなってしまうのだ! 『吾輩と戦いたいのであれば、ヴァルハラへ来るがよい!』 キィィィィン!!!! と、ふいに黒板を引っかくような音が響き、空間に亀裂が走る。 時空の歪みだ。 『さあ、アッシュよ! そこへ飛びこみ、吾輩のもとへ――ヴァルハラへ来るのだ!』 どうやら《銀の帝王》は、時空の歪みの向こうから――ヴァルハラからこの世界へ干渉しているらしい。 居場所がわかった以上、やることはひとつしかない。 「俺、《銀の帝王》を倒してくるよ!」 「待ってほしいわ!」 時空の歪みに飛びこもうとした瞬間、ノワールさんが必死な声で呼び止めてきた。 「どうして止めるんだ? 急がないとノワールさんが死んでしまうんだぞ!」 「わかってるわ。もう脚の感覚がないもの。でも、貴方にヴァルハラへ行ってほしくないわ。だって、違う世界に行ったら、もう帰ってくることができないもの」 ノワールさんの言う通りだ。 魔王に負けるつもりはないが、この世界に帰還することはできないだろう。 俺に異世界を自由に行き来する力などないのだから。 ここでの別れは、今生の別れを意味しているのだ。 大好きなみんなと会えなくなるなんて嫌だ。 そんな孤独に耐えられる自信はない。 だとしても―― 「俺は行くよ」 俺の決意は揺らがなかった。 このままだと、ノワールさんだけじゃなく、みんなが銀になってしまうのだ。 みんながこの世界から消えてしまうのだ。 どちらの選択肢を選ぼうと、俺は孤独に苛まれることになる。 だったら、俺はみんなを守りたい。 大好きなみんなを守ることができるなら、孤独にだって耐えてみせる! 俺の決意を察したのか、ノワールさんは涙ぐんだ。 「行かないでほしいわ......」 「ごめん、ノワールさん......せっかく修行に付き合ってくれたのに、大魔法使いになる瞬間を見せてあげられなくて......」 「謝らないでほしいわ......。貴方と一緒にいられて、すごく楽しかったもの......」 「ノワールさん......。ありがと。俺も楽しかったよ」 「もっと一緒にいたいわ......」 「アッシュくん......ほんとに行っちゃうの?」 「師匠とお別れなんて嫌っすよ......」 フェルミナさんとエファが、悲しげな顔で見つめてくる。 「心配いらないよ! 俺は頑丈だからねっ! ヴァルハラがどんな場所かは知らないけど......でも、元気にやっていく自信はあるよ!」 みんなを不安にさせないように、俺は明るい声で告げる。 「そうだね。きみなら元気にやっていけるさ。だって、きみは本当に強い人間なんだから! きみと戦える日を、いつまでも待ち続けているよ!」 「はい! 俺、魔法使いとしてキュールさんに勝てるように、ヴァルハラでも修行します! いつの日か戻ってくることができたら、そのときは約束通り勝負しましょう!」 「望むところさ!」 「待つのだアッシュよ! お主が消えたら、ネミアになんと伝えればよいのだ! ネミアはお主に懐いておるのだぞ!」 「だいじょうぶです。ネミアちゃんは強い娘ですから、必ず悲しみを乗り越えられます!」 「それでもお主をヴァルハラへ行かせるわけにはいかぬ! 魔王は吾輩が倒してやるのだ!」 「トロンコの言う通りさ。魔王と戦うのは勇者一行の役目だからね」 「そ、そうね! 私も力を貸すわ!」 「無論、わしもじゃ! アッシュを守るためならば、命など惜しくないわい!」 俺を守るために、師匠たちが命を投げだそうとしている。 みんなの気持ちはすごく嬉しい。 でも―― 「ヴァルハラには、俺ひとりで行くよ」 「な、なぜじゃ!」 「師匠たちの強さは知ってるけど......魔王を倒せるのは俺だけなんだ。確実にノワールさんを守るためにも、俺がヴァルハラに行かなくちゃいけないんだよ」 師匠たちに想いを告げ、俺は時空の歪みに向きなおる。 『クックック。どうやら覚悟は決まったようだな!』 「ああ! いますぐヴァルハラに行ってお前を倒してやる!」 『ならば急いで来るがよい! この《銀の帝王》がじきじきに貴様の相手をしてやろう!』 「望むところだ! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 俺は現世への未練を断ち切るように、勢いよく時空の歪みに飛びこんだ。 その瞬間、視界が変わり―― パァァァァン!!!!!! 破砕音が響いた。 ものすごく聞き馴染みのある音だった。 まわりには銀の破片が散らばっている。 どうやら体当たりで木っ端微塵になったらしい。 こいつ、時空の歪みのすぐそばで俺を待ち構えていたのか......! 予想とはちょっと違うけど...... まあ、結果的にノワールさんは救われたし、良しとするか! あとは―― 『ほぅ。あの《銀の帝王》を体当たりで葬るとは、噂に違わぬ強者だな』 どこからともなく声が聞こえてきた。 は残り1体。 となると声の主の正体は、最後の魔王か。 ひとまず《銀の帝王》を倒したし、これでみんなを守ることはできた。 もう二度とみんなに会えないのは寂しいけど...... でも、俺には寂しがっている暇などないのだ! 声の主を―― 最後の魔王を倒さなければ、またノワールさんたちが狙われてしまうのだから! 「俺は逃げも隠れもしない! さあ、姿を現せ!」 『よかろう。ならば望み通り、我の姿を見せてやる』 落ち着いた声が響いた瞬間―― がちゃり、と背後から音がした。 振り返ると、金ぴかの鎧武者が佇んでいた。 さっそく粉々にしてやりたいが、その前にひとつ確認しておくことがある。 「お前が最後の御三家だな?」 『然り。我は御三家の頂点に君臨する魔王にして、ヴァルハラの支配者――《 ヴァルハラの支配者ってことは、この世界の王様ってことだ。 だったらほかに魔王はいないはず。 こいつを倒せば、みんなが魔王に狙われる心配はなくなるのだ。 「お前を倒して、みんなを守ってやる!」 『待て。その前に我の話を聞け。我は貴様に感謝しているのだ』 「感謝......だと?」 パンチをお見舞いしようかと思ったが、思わぬ言葉に拳が止まってしまう。 「なんで俺に感謝するんだ?」 『貴様が魔物の王王を葬ったからだ』 「魔物の王と四天王を葬ったからだって? あいつらはガイコツ勢と――《氷の帝王》たちと戦うために用意した仲間じゃなかったのか?』 『然り。しかし、どのみち《約束の刻》にて消えてもらうつもりだった――《氷の帝王》共と相打ちという形でな』 だが、と《金の帝王》は続ける。 『我の配下は、あまりにも強すぎた。《氷の帝王》共と戦ったところで、四天王らが生き残るのは目に見えておった。ゆえに、魔物の王と四天王を葬った貴様に感謝しているのだ。貴様のおかげで、あとは《氷の帝王》共を葬るだけで大望が成就するのでな!』 「その必要はない。《氷の帝王》一派は俺が倒したからな。つまり、残る魔王はお前だけなんだよ!」 『そうか! ならば貴様にはさらに感謝せねばならぬな! おかげで我の大望は成就した! 数千年の時を経て、あの御方が復活するのだ!』 「あの御方だと?」 口ぶり的に、そいつは《金の帝王》より偉いはずだ。 となると『あの御方』ってのは、大魔王なのだろうか? まあ、そいつの正体がなんであれ、俺のやるべきことに変わりはないがな! 「お前を倒して、そいつも倒してやる!」 『貴様に我を倒すことはできぬ! たとえ我を倒せたとしても、あの御方には敵わぬ!』 なぜなら、と《金の帝王》は愉快そうに嗤う。 『貴様の働きにより、あの御方は想像を絶する力を手に入れたのだからなァ!』 「そいつがどんなに強くても、俺は負けない!」 『フハハ! さすがは数多の魔王を葬っただけのことはある! だが、あの御方を前にすれば、貴様の自信は粉々に砕けるであろう!』 次の瞬間、空間に亀裂が走る。 《金の帝王》が時空の歪みを生み出したようだ。 『アッシュよ。貴様は復活の立役者だ! ゆえに、貴様にはあの御方の復活に立ち会う権利がある! さあ、そこへ飛びこむがよい!』 言うが早いか、《金の帝王》は姿を消した。 時空の歪みがどこに通じているかはわからないが―― この先に大魔王がいる以上、飛びこまないわけにはいかない。 大魔王を放っておけば、みんなが危ない目に遭うかもしれないのだから! 「待ってろよ、大魔王! すぐに倒してやるからな!」 自分を鼓舞するように叫び、俺は時空の歪みに飛びこんだ。 すると視界が変わり―― 俺は、真っ暗な空間に佇んでいた。 がちゃがちゃと音がするし、近くに《金の帝王》がいることはわかるが...... ほかに生き物の気配は感じない。 「おい、あの御方ってのはどこにいるんだ!」 『あの御方は異空間にいらっしゃる。深淵からこちらを覗いておられるのだ!』 「だったら出てこい!」 呼びかけるが、反応はなかった。 「お前からもなにか言えよ! あの御方って奴に会いたかったんだろ?」 『然り! あの御方は我の故郷――ヴァルハラの伝説的存在だったのだから! 遙か昔にあの御方の伝説を聞き、我は復活に尽力してきたのだ! あの御方の養分とするべくヴァルハラの魔族を、魔物を、生物を葬り、生き残った魔物たちを――ヴァルハラの北と南と西を縄張りにしていた《 「ちょっと待て!」 『待たぬ! いまさら怖じ気づいても遅い! あの御方の復活は何者にも止められぬのだ!』 「そうじゃなくてだな! 魂を食べて強くなるって――」 『然り。あの御方は遙か昔から強者の魂を喰らい続けてきた! 数千年も前から、あの御方は我を遙かに上回る力を持っていたのだ! 貴様に勝ち目はない!』 「勝ち目もなにも――」 『フハハハハ! ついに! ついに復活するのだ! あの御方のお姿を拝見することができるのだ!』 「そいつドラゴ――」 『刮目するがよい、幸運なるニンゲンよ! 貴様はニンゲンでありながら、あの御方の復活に立ち会うことができるのだ!』 「俺すでに会っ――」 『フハハ! あの御方の圧倒的な力を前にして絶望するがよい! さあ、おいでくださいませ、いまこそ復活の刻ですぞ――《 「そいつ手招きで倒したっての!!!!!!」 ドゴォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!! 腹の底から叫んだ瞬間、《金の帝王》が粉々になった。 絶叫が反響し、空洞が崩壊する。 俺は咄嗟にジャンプした。 崩れ落ちてくる瓦礫を頭突きで砕き、地上に飛び出す。 すると俺の視界に、見たことのある景色が―― 最東端の町、ランジェが飛びこんできた。 俺は《金の帝王》の魔法で最東端の遺跡へと連れてこられたのだ! 「よっしゃあ! 帰ってきたァ!」 占い師さんが言ってた『ラッキーカラーは金』って、こういうことだったのか! 「こうしちゃいられないな!」 ひとりで喜んでいる場合じゃない! みんな心配してるだろうし、急いで帰らないと! すたっと着地した俺は、エルシュタニアへと走るのであった。
The next moment my earthquake voice sounded... The bag was torn from the inside out and a metallic doll popped up. It's a thumb size doll. Look at that little doll, Grandpa Maurice and the others are decent. But only me and Mr. Noir had any idea who the doll was. Although small, the doll looked like a familiar armored warrior. That is... "You're the Demon King, aren't you? Gyum!!!! I squeezed in instantly and crushed the doll. Push open your hands - The Silver Emperor did not retain its original form. But. "He's out again! Out of our bag in the corner of the room comes the Silver Emperor. "Cook. I'm sorry to hear that, it's Ash. I'm not the one you crushed. It's just my generation! "You think you're divorced? "Run Ri. We are the" Silver Emperor "- all silver is under our control! Therefore, we can manipulate silver as we please! There's no such thing as manipulating silver as a split body! This guy turned our silver coins into pieces! What this means is that the silver in the mansion will be this guy's split, even if we sweep away the split on this occasion. And even if you crush the whole mansion, the silver of the city, the whole country, and the rest of the world becomes the Silver Emperor. If we don't defeat the main body early, the world will panic! Damn, where the hell is the main body! "You're getting closer! The little ones come stuck tight. Not good. Too many! Besides, it's too small! If you bust every room, you can clean it up, but that puts everyone in danger! This is what the fortune-teller said about 'beware of silver'! "You're cowardly! If you're after me, leave me alone! "It's Ash! We protect ourselves! The Lord is focused on finding the body! Grandpa Maurice fisted and everyone pulled out the magic wand. "Cook, your resistance won't even buy you time. Because - ' "Nowa! Mr. Fermina's screams echoed. Mr. Noir's leg was metallic. Apparently, one silver coin that was in the pouch turned into "The Silver Emperor". The porch was torn and a split was standing at Mr. Noir's feet. "You, what have you done to Mr. Noir! I just crush my foot split and ask the void. "The organism that touched my brother's split turns into silver. In other words, everyone in this room will soon be my own! "Not everyone." And, says Mr. Noir. "Because Ash crushed it with his hand, but it's flat. Your powers don't work for Ash." In fact, I'm not turning into silver. I'm sure my natural healing power outweighs the power of The Silver Emperor. 'I understand that Ash is transcending Ningen! Therefore, this is the scope of the assumption. Originally, I'm not going to bury the Lord by myself! "Then bring it together! I'll knock him out of you first! "Cook. Do you want to compete with us? That's where I want it, even for my own sake! Most of all, the moment you see our true power, you will be ruled by despair and run away! But to achieve our aspirations, we can't let you get away with it! Therefore, he took the Ningen there - the Ice Emperor (Ice Road) hostage! Now you can neither escape nor hide. There's no other way to save the Ice Emperor than to hurry up and defeat our people! Conversely, you mean you can save Mr. Noir by defeating the Silver Emperor! "I'll fight you as you wish! So show yourself now! Silver has already eroded to Mr. Noir's knees. At this pace, after less than five minutes, Mr. Noir becomes silver. Hurry up and defeat him or Mr. Noir won't be Mr. Noir! 'Come to Valhalla if you want to fight my people! KIEWIN!!!! and the sound of scratching the blackboard on the lid, cracks running into the space. It's a distortion of time and space. "Come on, it's Ash! Jump in there and come to me - to Valhalla! Apparently, The Silver Emperor is interfering from beyond the distortions of time and space - from Valhalla to this world. There's only one more thing to do than find out where you are. "I'm going to defeat the Silver Emperor! "I want you to wait! The moment I tried to jump into a distortion of time and space, Mr. Noir called in a desperate voice. "Why are we stopping this? If we don't hurry, Mr. Noir will die! "I know. Something that doesn't feel like legs anymore. But I don't want you to go to Valhalla. 'Cause if you go to a different world, you can't come back" Mr. Noir is right. I'm not going to lose to the Demon King, but I won't be able to return to this world. I don't have the power to travel freely around the world. A goodbye here means a lifetime of goodbye. I hate to never see you again with everyone I love. I'm not sure I can stand such loneliness. Even if... "I'm coming." My resolve was unshakeable. If we keep doing this, not just Mr. Noir, but everyone turns into silver. Everyone disappears from this world. Whichever option I choose, I'll be annoyed by loneliness. Then I want to protect everyone. If you can protect everyone you love, even loneliness will endure it! You perceived my resolve, Mr. Noir, tears. "I hope you don't go..." "I'm sorry, Mr. Noir... because you accompanied me to training, but I couldn't show you the moment to be a great wizard..." "I hope you don't apologize... I enjoyed being with you so much..." "Mr. Noir...... Thanks. I had fun too." "I want to be with you more..." "Ash-kun... are you sure you're going? "I don't like saying goodbye to my master..." Mr. Fermina and Efa stare at me with a sad face. "Don't worry about it! I'm sturdy, man! I don't know what kind of place Valhalla is... but I'm confident I'll be doing fine! Don't make everyone anxious, I'll tell you in a bright voice. "Right. You'll be fine. 'Cause you're a really strong person! I will always wait for a day when I can fight you! "Yes! I will also train in Valhalla so that I can beat Mr. Cuhle as a wizard! If you can come back one day, then compete as promised! "Where I want it! "Wait, it's Ash! If the Lord disappears, what can I tell Nemia! Nemia misses the Lord! "It's a good idea. Nemia is a strong daughter, so you can always overcome your grief! "Still, we can't let your Lord go to Valhalla! The Demon King will take you down! "Tronko is right. Fighting demon kings is a line of brave men." "Oh, yeah! I can help you too! "Me neither! If you want to protect Ash, you don't have to spare your life! To protect me, my masters are about to throw their lives at me. I'm so happy for everyone. But... I'm going to Valhalla alone. "Hey, why not! "I know how strong the masters are... but I'm the only one who can defeat the Demon King. I have to go to Valhalla to make sure Mr. Noir is protected." I tell my masters my thoughts, and I turn back to the distortions of time and space. "Cook. Apparently you're ready! "Oh! I'm going to Valhalla right now and I'm gonna take you down! 'Then hurry! This Silver Emperor will be your opponent soon! "Just what I want! Whoa, whoa, whoa, whoa!!! I jumped into space-time distortion with momentum so as to cut off my untrained journey into this world. At that moment, my vision changed. Pahhhhhh!!!!! The crushing noise sounded. It sounded very familiar to me. There are silver fragments scattered around. Apparently, it became a piece of wood dust around my body. This guy was waiting for me right next to the distortion of time and space...! It's a little different than I expected... Well, as it turns out, Mr. Noir has been saved, and it's a good idea! And then... "Ho. You must be a mighty man to bury that Silver Emperor around your body." I heard voices from nowhere. One of your three families is left. Then is the identity of the Lord of the Voice the Last Demon King? We defeated the Silver Emperor first, and now we can protect everyone. I miss you guys again... But I don't have time to miss you! The Lord of Voices. If we don't defeat the last demon king, Mr. Noir will be targeted again! "I'm not running, I'm not hiding! Come on, show yourself! "Fine. If you want, I'll show you who I am." The moment a calm voice sounds... but there was a noise from behind. Looking back, there was a golden armored warrior standing. I'd like to shatter it just now, but I have one thing to check before I do. "You're the last of the three houses, right? "Run Ri. I am the ruler of Valhalla, the King of Gold, who reigns at the apex of your three families. The ruler of Valhalla means the king of this world. Then there must be no other demon king. If we take him down, we won't have to worry about everyone being targeted by the Demon King. "I will defeat you and protect you all! "Wait. Listen to me before you do. I am grateful to you." "Appreciate it... you say? I thought I'd visit you with a punch, but my fist stops at unexpected words. "Why are you thanking me? Because you buried the Demon King and the Four Heavens King. "Because I buried the Demon King and the Four Heavens King? Weren't those guys the guys we prepared to fight the Geeks and - the Ice Emperors? "Run Ri. But I was going to ask you to disappear in the Moment of Promise - in the form of a confrontation with both the Ice Emperors. But the Golden Emperor continues. "My men were too strong. Where we fought with the Ice Emperor, it was visible that the Four Heavenly Kings would survive. Therefore, I thank you for burying the Demon King and the Four Heavens King. Thanks to you, all you have to do is bury the Ice Emperor and your hopes will be fulfilled! "There's no need for that. I defeated the Ice Emperor. I mean, you're the only Demon King left! 'Right! Then I must thank you even more! Thanks to you my aspirations have been fulfilled! After thousands of years, he will be resurrected! "That's him? Mouthfully, he should be better than The Golden Emperor. If so, is' that one 'the Great Demon King? Well, whatever his identity is, it doesn't change what I'm supposed to do! "I'll take you down, and I'll take him down, too! "You cannot defeat me! Even if you can defeat me, you're no match for him! Because the Golden Emperor looks delightful. Your work has given him unimaginable power! "No matter how strong he is, I won't lose! "Huhaha! That's right, I've just buried a bunch of demon kings! But in front of him, your confidence will be shattered! The next moment, a crack runs into space. Looks like The Golden Emperor created a distortion in time and space. "It's Ash. You're a resurrection actor! Therefore, you have the right to be present at that resurrection! Come on, jump in there! Quickly, though, the Golden Emperor disappeared. I don't know where space-time distortions lead, but... There's no way I won't jump any more than I have the Great Demon King ahead of me. If we leave the Great Demon King alone, we may all be in danger! "Wait, Great Demon King! I'll knock you down in a minute! Screaming to inspire myself, I jumped into a distortion of time and space. And then my vision changed. I was sitting in a dark space. Crouching noises, and I know there's a Golden Emperor nearby... I don't feel any other signs of a creature. "Hey, where is that guy?! "He is in a different space. They're looking at us from the abyss! "Then come out! Call, but there was no response. "Say something from you, too! You wanted to see him, didn't you? "Ranari! He was my hometown - the legend of Valhalla! I heard the legend of him a long time ago, and I have dedicated myself to his resurrection! To nourish him, he unleashed the demons of Valhalla, burying the creatures, and the surviving demons - the Northern Emperor (North Road), the Southern Emperor (South Road), and the Western Emperor (West Road), which he had designated as the land of the Resurrection! By letting them bury creatures from other worlds, they gain further power - they should have, but they got in the way of" The Ice Emperor "! But it was a shame! By burying the mighty Emperor of Ice, he will have more power! And thanks to your work, he has eaten powerful souls and gained unimaginable power! Therefore, now he will be resurrected! "Wait a minute! "I won't wait! It's too late to be afraid! No one can stop that resurrection! "You're not! Eat your soul and be strong." "Run Ri. That one has been eating the souls of the mighty for a long time! Thousands of years ago, he had far more power than me! You don't win! "The winner, the winner..." "Huhahahahaha! Finally! It's time to come back! You can see her! "That's Drago." "Good luck, Ningen! While you are Ningen, you will be able to witness his resurrection! "I've already met..." "Huhaha! Despair before the overwhelming power of that one! Come on, now is the time for resurrection - Dear Demon Emperor (Devil Lord)! "I just knocked him out at that invitation!!!!!" DOGOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!! The moment I screamed from the bottom of my belly, The Golden Emperor was shattered. The scream echoes and the cavity collapses. I jumped aggressively. Crush the falling debris with a head poke and fly out onto the ground. And then, in my sight, there's this view that I've seen. Lange, the most easterly town, jumped. I was brought to the easternmost ruins by the magic of The Golden Emperor! "All right! He's home! This is what the fortune teller said about 'Lucky Color is Gold'! "You can't do this! Not if you're happy alone! Everyone will be worried, and we need to hurry home! Once I landed, I ran to Elstania.
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俺は師匠に詰め寄った。 聞き間違えじゃなければ師匠は俺に魔力斑が浮かんでいると言ったのだ! 「うわあっ、ほんとに魔力斑があるっす!」 「ほんとだっ! あと、アッシュくんのおしりってすごく引き締まってるね!」 「わ、わたくしも見たいですわっ! ......ほんと、よく鍛えられてますわね」 「師匠は全身を鍛えてるっすからね! おしりだってガチガチっすよ!」 「なんだか魔力斑も強そうに見えてきたよっ!」 エファとフェルミナさんとアイちゃんが俺のおしりを覗きこんで興奮している。 「ど、どこに浮かんでるの!? 俺の魔力斑、どこに浮かんでるの!?」 「ここじゃよ。ほら、ぼんやりと光って見えるじゃろ?」 師匠が指さしたところを、俺は腰を捻って確かめる。 ......たしかに、ぼんやりと光って見える。 俺に発光能力なんてないし、となると原因しか考えられない。 俺に魔力が宿ったのだ! ついに魔法使いになったのである! ほんとに!? いいの!? 魔法使いになってもいいの!? 使うよ!? 俺、魔法を使うよ!? まずはなにから使おうかなぁ。 いや、でもその前に系統を確かめないとだよな! 風系統じゃなかったら飛行魔法は使えないわけだしさ! もちろん、どんな系統でも喜んで受け入れるけどね! 「も、ものすごい声が聞こえてきたけど......どうしたのかしら?」 「おおっ、アッシュくんじゃないか! 無事に戻ってきたんだね」 俺が興奮していると、コロンさんとフィリップ学院長が階段から降りてきた。 俺の叫び声は外まで届いていたようだ。 「いいところに来たのぅ! なんとアッシュに魔力が宿ったのじゃ!」 師匠は自分のことのように嬉しそうだ。 師匠の笑顔を見て、俺はますます嬉しくなる。 「魔力が宿ったのかい!? 本当に不可能を可能にしてしまったんだね......」 「み、見てもいいかしら?」 「もちろんです!」 俺はコロンさんたちにおしりを向ける。いまの俺に恥じらいなどないのだ。 「......ほ、ほんとに魔力斑が浮かんでるわ」 「うっすらとだけど......色からして、これは風系統かな?」 「ほんとうですか!?」 フィリップ学院長は力強くうなずいた。 「もっとも、魔力斑の濃さからして、魔力は微々たるものだろうけどね」 「だとしても嬉しいです!」 魔力は精神力を鍛えることで強くなる! つまり、この状態からでも大魔法使いになることができるのだ! 「見つけてくれてありがとう、ノワールさん!」 ノワールさんが魔力斑を見つけてくれなかったら、俺は一生気づかなかったかもしれない。 それくらい、俺の魔力斑は薄いらしい。 「ほんと、よく気づいたのぅ。わしからも礼を言うのじゃ」 俺と師匠に感謝され、ノワールさんは嬉しそうにじんわりと頬を赤らめる。 「たまたまアッシュのおしりが目の前にあったから、見てただけよ。そしたら、急に光ったわ」 その言葉に、笑顔だった師匠が真顔になる。 「急に光ったじゃと? じゃが......魔力が宿ったきっかけが魔王討伐なら、魔力斑は封印の間に帰還した時点で浮かんでおったはずじゃろ?」 「いや、きっかけは魔王じゃないと思うよ。弱かったからね」 あれと戦って精神的に成長できるなら、俺はとっくに魔法使いになっている。 「ではなぜ魔力が宿ったのじゃ?」 「俺にもわからないよ。ただ、考え事をしながら歩いてたら、突然ノワールさんに指摘されたんだ」 魔法使いじゃなくてよかったと本気で思っていたところ、ノワールさんに指摘されたのだ。 「考え事というのは、具体的にどういうことじゃ?」 師匠をはじめ全員の視線が集まるなか、俺はあのとき考えていたことを詳細に話して聞かせた。 「きっと、それがきっかけね」 「うむ。確かにそれしか考えられぬのじゃ」 「本気で努力したアッシュくんだからこそ、そうすることで魔力が宿ったんだろうね」 思い当たる節があったのか、師匠たちは納得顔をする。 「どうして俺に魔力が宿ったんですか?」 あのとき俺は、魔法使いじゃなくてよかったと本気で思ったのだ。 師匠たちの口ぶり的に、そう考えたことがきっかけで俺に魔力が宿ったらしいけど......ほんと、どうして魔法使いになれたんだ? 「あなたは魔法使いになるために、死に物狂いで努力したわ。自分に魔力がないとわかってからも、魔法使いになることを諦めなかったわ」 「つまりアッシュくんは、魔力のない境遇を頑なに受け入れようとしなかったのさ。死ぬ気で努力すれば魔法使いになれると信じ続けたわけだね」 「そんなアッシュが、魔法使いではないことを受け入れたのじゃ。死に物狂いで否定し続けた境遇を受け入れるなんて、並大抵の精神力ではできぬからのぅ」 つまり、いままでの俺は無い物ねだりをする子どもみたいなもので、精神的に未熟だったってことか。 しかし魔力がないという境遇を受け入れ、ありのままの自分を肯定したことで、ぐるぐる同じところを回っていた俺は一歩前に進んだ――精神的に成長したのである。 まあ、それはさておき。 「俺、空を飛んでみるよ!」 念願の魔法使い、しかも風系統の魔力が宿ったのだ。 こうなったからには空を飛ぶしかない! 「あの って、まだ西の遺跡のそばにあるの?」 「うむ。まあ、あるにはあるのじゃが......使うのは無理じゃよ」 師匠が言うには、『絶対に壊れない魔法杖』はあまりに重くなりすぎた結果、ほとんどが地中に埋まってしまったらしい。 浮遊魔法でも微動だにしないほどの重さらしく、いまではタケノコみたいに先端がちょろっと出ているだけなのだとか。 「私の魔法杖を使うといいわ」 「わたしのも使っていいっすよ!」 「あたしのも貸してあげるよっ!」 ノワールさんたちが一斉に懐から魔法杖を取り出した。 どれを使うか迷うけど......一番早かったし、ノワールさんの魔法杖を使わせてもらうか。 そうしてノワールさんから魔法杖を借りた俺は、遺跡をあとにしたのだった。 遺跡を出ると、目の前に小屋が建っていた。 頭上には、雲一つない青空が広がっている。 飛ぶには絶好の天気である。 「さっそく試してみるよ!」 師匠たちにそう告げて、俺は魔法杖を軽く握った。 大地を切り裂いてしまわないように先端を小刻みに動かして、飛行魔法のルーンを完成させる。 その結果、俺の身体は1ミリたりとも浮かばなかった。 しかし俺は慌てない。俺の魔力は微々たるものらしいし、きっと飛行魔法を使うには魔力が足りないのだ。 となると、使うべきはあまり魔力を必要としない魔法か......。 そういえば昔――俺が親に捨てられる前、5歳児がカマイタチで丸太を薪にしている光景を見たことがあったな。 見よう見まねだったとはいえ、俺がはじめて師匠に教わった技もカマイタチだったし、そう考えるとなんだか運命的なものを感じるな。 よし、決めた。最初に使う魔法はカマイタチにしよう! 小屋のところに転がっていた丸太を手に取り、切り傷がないことを確かめたあと、地面にセットする。 そして師匠たちが見守るなか、俺はカマイタチのルーンを描き――完成させた。 しん、と静まりかえったあと、 「......なにも起こらないのじゃ」 師匠が、ぼそっとつぶやいた。 たしかに丸太は真になるどころか、ぴくりとも動かなかった。 だけど、俺の目は『それ』を捉えていた。 「違うよ師匠! 魔法はちゃんと発動したよ!」 俺は丸太を手に取り、師匠たちに見せつける。 「ほら、ここ! うっすらと切れ目が入ってるよ! これ、俺がカマイタチでつけた傷だよ!」 俺は満面の笑みでそう報告した。 その瞬間、わあっと歓声が上がる。 「私をゴーレムから救ってくれたカマイタチも好きだけど、そのカマイタチも好きだわ」 「本当に魔法使いになるなんて、さすがわたしの師匠っすね! 超かっこいいっす!」 「今日はパーティだねっ! パーティ! みんなの夢が叶った記念パーティだよっ!」 「アッシュさんの夢が叶って......なんだか自分のことのように嬉しいですわ」 「本当におめでたいね。今日という日を国の記念日にしてもいいくらいさ」 「ほんと、よかったのぅ......。これでもう思い残すことはないのじゃ」 「あ、あなた、泣いてるの?」 「弟子の夢が叶ったのじゃ。泣くに決まっとるじゃろ......よかったのぅ、よかったのぅ......」 みんなが祝福してくれた。 師匠は泣くほど喜んでくれた。 俺はそのことが、たまらなく嬉しかった。 「ありがとう、みんな! 俺、みんなと別れたあとは立派な魔法使いになるために武者修行の旅に出るよ!」 俺は魔法使いになれたけど、ど派手な魔法は使えない。 5歳児ですら丸太を薪にできるのに、俺には切れ目を入れることしかできなかった。 魔法使いとしてあたりまえのことができないのだ。 間違いなく、俺は世界最弱の魔法使いだ。 魔力が弱すぎると、一生苦労することになる。 世界最弱の魔法使いに、まともな生活は送れない。 だけど俺は世界最弱の魔法使いであるのと同時に、世界最強の武闘家でもある。 死に物狂いで努力しすぎた俺は、苦労を苦労と感じない。 これから先どんなことが起きても、余裕で切り抜ける自信がある。 魔法世界を、俺は身体ひとつで生き抜いてきたのだから。
I stuck with my master. If I'm not mistaken, my master told me I had magic spots! "Wow, you really have magic spots! "Really! And Ash-kun's buttocks are so tight! "Wow, I want to see it too. Wow!... You're really well trained." "My master is working out his whole body! Even the buttocks look like bees! "Somehow the magic spots have also looked strong! Efa, Mr. Fermina and Ai are excited to peek into my bum. "Duh, where are you floating!? My magic spot, where is it floating!? "Not here. Look, you look blurry, don't you? I twist my hips to make sure where my master pointed. ... It does look blurry and glowing. I don't have the ability to emit light, and when I do, I can only think of one cause. I had magic on me! He has finally become a wizard! "Yikes!! Are you sure? Can I be a wizard!? I'll use it!? I'll use magic!? I wonder what to start with. No, but we have to check the pedigree before we do! If it wasn't for the wind system, you wouldn't be able to fly magic! Of course, I'd happily accept any pedigree! "But I heard a tremendous voice... what is it? "Whoa, it's Ash! You're back safe." When I was excited, Mr. Cologne and Dean Phillip came down the stairs. My scream seemed to have reached the outside. "I've come to a good place! What a magic dwelling on Ash! The master seems as happy as he is about himself. Seeing my master smile makes me more and more happy. "Did you have magic?!? You've really made the impossible possible..." "Mi, may I see it? "Of course! I point my butt at the Colognes. There's no shame in me right now. "... there's really magic spots in there." "Noisy...... from the color, is this a wind system? "Really!? Dean Philip nodded forcefully. "Most of all, because of the intensity of the magic spots, the magic will be insignificant." "Even so, I'm glad! and make a big difference. Magic is made stronger by building spiritual strength! I mean, even from this state, you can be a great wizard! "Thank you for finding me, Mr. Noir! If Mr. Noir hadn't found the magic spot, I might not have noticed it in my entire life. That's about it, my magic spots seem thin. "Really, I've noticed a lot. I want to thank you too." Me and my master thank me, and Mr. Noir blushes his cheeks with joy. "I just happened to have Ash's buttocks in front of me, so I was just watching. Then suddenly it glowed." To the words, the master, who was smiling, becomes the true face. "Did you say it glowed suddenly? So... if the reason for the magic resided in the Demon King Crusade, the magic spot would have floated at the time of his return during the Seal? "No, I don't think the trigger was the Demon King. He was weak." If you can fight that and grow spiritually, I'm a wizard all the time. "Then why did the magic reside? "I don't know either. But when I was walking around thinking, Mr. Noir suddenly pointed me out." I was really glad I wasn't a wizard, and Mr. Noir pointed me out. "What exactly does thinking mean? As everyone's gaze gathered, including my master, I told them in detail what I had in mind at that time. "I'm sure that's what triggered it." "Mm-hmm. That's all I can think about." "I'm sure that's why you worked so hard, Ash, and that's why magic resided in you." The masters look convinced that there was a verse that came to mind. "Why did you have magic on me? I was really glad I wasn't a wizard then. My masters' mouthful, it seems that the thought of that led me to reside in magic... but really, how could I have become a wizard? "You tried so hard to be a wizard, so crazy to death. I haven't given up being a wizard since I found out I don't have magic powers." "I mean, Ash-kun didn't try so hard to accept the unwitting situation. You kept believing you could be a wizard if you tried to die." "It wasn't Ash who accepted that he wasn't a wizard. Because most spiritual forces can't accept a situation that you continue to deny because you're dying crazy." I mean, so far I've been like a runaway child, mentally immature? But by accepting the state of absence of magic and affirming myself as I am, I moved one step forward - growing spiritually. Well, aside from that. "I'll try to fly! The wizard of the memorial, but also the magic of the wind system. This is what happened. We have to fly! "Is that magic wand (Withers Rod) still by the ruins in the west? "Hmm. Well, there is... it's not possible to use it." Master says, 'The Magic Wand That Never Breaks' has been buried mostly in the ground as a result of being too heavy. Even floating magic seems to weigh enough not to make it slightly mobile, and now you think the tip is just a little bit out like a tack? You should use my magic wand. "You can use mine too! "I'll lend you mine, too! Mr. Noir and the others simultaneously took the magic wand out of their nostalgia. I'm not sure which one to use... it was the earliest, and let me use Mr. Noir's magic wand. That's how I borrowed the magic wand from Mr. Noir. I left the ruins behind. When I left the ruins, a cabin was being built in front of me. Overhead, there is a blue sky with no clouds. Great weather to fly. "I'll just give it a try! Tell the masters that, and I grabbed the magic wand lightly. Complete the flight magic rune by moving the tip into small pieces to avoid tearing the earth apart. As a result, my body didn't even float a millimeter. But I don't panic. My magic seems insignificant, and I'm sure I don't have enough magic to use flying magic. So what you should use is magic that doesn't require much magic... Speaking of which, back in the day - before I was dumped by my parents, you saw a five-year-old firewood the whole thing with a kamaitachi. Though it looked good, the first moves I taught my master were also camouflage, and don't feel kind of fateful when you think about it. All right, I've made up my mind. Be the first magic you use! After taking the round thickness that was rolling over to the cabin and making sure there are no cuts, set it on the ground. And as the masters watched, I drew a rune of kamaitachi - finished it. Shin, and after quieting down, "... nothing will happen." My master snapped. Indeed, Marutai did not even move in a perfect way, instead of turning into two. But my eyes caught 'it'. "No, Master! The magic's working! I take Marutai and show it to my masters. "Look, here! There's a slice in there! This is the scratch I put on you! That's what I reported with a full smile. At that moment, I'm so cheerful. "I also like the kamaitachi that saved me from the golem, but I also like that kamaitachi" "You're such a master of mine to truly be a wizard! That sounds super cool! "It's a party. Hey! Party! It's a memorial party where everyone's dreams come true! "Mr. Ash's dream came true... and I'm kind of as happy as I am" "I really congratulate you. We could make this a national anniversary." "Really, I'm glad... Now you have nothing to remember." "Oh, you, are you crying? "The apprentice's dream came true. You've decided to cry... so good, so good..." Everyone blessed me. The master was so happy to cry. I couldn't help but be glad about that. "Thanks, guys! After I break up with everyone, I'm going on a martial arts training journey to become a fine wizard! I could have been a wizard, but I can't use so much flashy magic. Even a five-year-old could use Marutai as firewood, but all I could do was slice it in. You can't be a wizard. Without a doubt, I am the weakest wizard in the world. If the magic is too weak, you will struggle for the rest of your life. I can't live a decent life to the weakest wizard in the world. But I am the weakest wizard in the world, as well as the strongest militant in the world. I've worked too hard to die crazy, and I don't feel like a struggle. Whatever happens next, I'm confident I can afford to cut through. I've survived the magic world by myself.
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休日2日目の昼下がり。 俺はフェルミナさんとエルシュタニアの街中を歩いていた。 明日の旅立ちに備えて、必要なものを買い揃えるのだ。 といっても衣類やランプなんかは持ってるので、今日買うものはノワールさんが大好きな『あれ』だけだ。 「アッシュくんがいないと寂しくなるね。何日くらいで帰ってくるの?」 「2週間はかかるかな」 「そっかぁ。おじいちゃんとゆっくりお話できるといいねっ!」 魔王のことを話すと怖がらせてしまうかもしれないので、フェルミナさんには『じいちゃんに会いに行く』と説明したのだ。 「ノワちゃんに行くんだよね?」 「ノワールさんが一緒じゃないと、出かける意味がないからな」 「ふぅん。......ところで、ノワちゃんってアッシュくんのおじいちゃんと接点とかあるのかな?」 「接点っていうか......まあ、ちょっとノワールさんを紹介したいと思ってね」 「アッシュくん結婚するの!?」 フェルミナさんはびっくりしているが、俺のほうがびっくりだ。 あいかわらず話を飛躍させるのが上手いなぁ。 「深読みしすぎだよ。ほんとにただ紹介するだけだから」 「そ、そっかぁ。最近よくノワちゃんとイチャイチャしてるから、結婚するのかもって思っちゃったよ」 いちゃついているつもりはなかったけど......傍目にはそういうふうに見られてたのか。 さておき、フェルミナさんは結婚疑惑を解いてくれた。 けど、ほかにも誤解しているひとたちがいる。 「アッシュさんが結婚!?」 「これは大ニュースだ!」 「街をあげてお祝いしないとな!」 街のひとたちである。 入学当初ならこんな騒ぎにはならなかっただろうけど、いまの俺は銅像が建つくらいの有名人だ。 そんな俺が結婚すると知り、街は一瞬で祝福ムードに包まれた。 「な、なんかあたしのせいですごいことになっちゃったね......」 瞬く間に噂が広まっていくのを見て、フェルミナさんがあわあわしている。 確かにすごいことになってるな......。 このまま噂が学院まで届けば、ノワールさんは間違いなくびっくりするだろう。 けど、打つ手はある! 俺は50メートルほどジャンプして、 「俺に結婚の予定はありませんから!!!!」 叫んだ。 もちろん街が壊れないように声の大きさはコントロールしている。 原始的な方法だけど、魔法を使えない俺にはこんなやり方しかできないからな。 「アッシュさんは結婚しないって!」 「そっかぁ。まあ、いずれは結婚するだろう!」 「アッシュさんの結婚は時間の問題だな!」 着地して耳を澄ますと......街のひとたちはひとまず誤解を解いてくれたようだった。 「す、すごい大声だね......」 フェルミナさんは頭をふらふらさせていた。 「どこかで休む?」 「ちょっと耳鳴りがするくらいだし、平気だよっ。せっかくアッシュくんとお買い物ができるんだもん、休むなんてもったいないよっ!」 「そっか。なら、このまま買い物を続行だなっ」 「うんっ! それで、なにを買うの? ......というかいまさらだけど、ノワちゃんは一緒じゃなくてよかったのかな?」 俺はうなずく。 「ノワールさんは地図を見るので忙しいって」 フェルミナさんはくすっと笑う。 「ノワちゃんって意外と慎重なんだね。まあでも、確かに道に迷ったら困るもんね」 実のところノワールさんが見ているのは道筋ではなく、地図上を動きまわる赤点だ。 魔力を流してみたところ、強者の居場所を示す地図に20以上の赤点が表示されたのだ。 つまり、この世界にはノワールさんより強い生物が20以上存在しているということになる。 『俺』『モーリスじいちゃん』『フィリップ学院長』『コロンさん』『キュールさん』『シャルムさん』『魔王×2』はわかるけど、残る赤点の正体は謎に包まれている。 なかには魔物もいるだろうけど......赤点の魔法使いと話をすれば、ためになるアドバイスが聞けるかもしれないな。 「それで、なにを買うの?」 フェルミナさんがあらためてたずねてきた。 「日持ちする携帯食料を買うよ。メロンパン味のね」 もちろん、これはノワールさんのリクエストだ。 メロンパン味の携帯食料なんてメロンパンしか思いつかなかったけど、フェルミナさんなら知っているかもしれない。 そう思って、フェルミナさんを買い物に誘ったのである。 「フェルミナさんは、メロンパン味の携帯食料を扱ってる店とか知ってる?」 「もちろん知ってるよっ!」 「ほんとに!? 助かるよ!」 ダメ元で聞いてみたんだけど、さすがフェルミナさんだ。 そうしてフェルミナさんがおすすめする店でメロンパン味の食料を大量に買いこんだ俺は、明日の旅立ちに備えて早めに寝ることにしたのであった。
Noon on the second day of the holidays. I was walking around the city of Erstania with Mr. Fermina. Buy everything you need in preparation for tomorrow's trip. Even so, I have clothes and lamps and all I buy today is' that ', which Mr. Noir loves. "You're gonna miss me without Ashkun. How many days will you be back? "I wonder if it'll take two weeks" "Oh. Hope you can take your time talking to Grandpa! I explained to Mr. Fermina, 'I'm going to see Grandpa' because talking about the Demon King might scare me. "Nowa's going with you, right? "If Mr. Noir isn't with us, there's no point in going out." "Huh.... By the way, does Nowa have contacts with Ash-kun's grandfather or something? "I mean, contact... well, I just wanted to introduce you to Mr. Noir" "Ash-kun, you're getting married!? Mr. Fermina is surprised, but I'm more surprised. I'm good at leaping the story anyway. "I've been reading too much. I really just want to introduce you." "Oh, wow. Noah and I have been flirting a lot lately, so I thought we were getting married." I didn't mean to be snuggly... but that's how they looked at me by the side. Besides, Mr. Fermina cleared my marriage suspicions. But there's one other person who misunderstands. "Mr. Ash is married!? "This is big news! "I have to give you the city to celebrate! It is one of the cities. I wouldn't have made this noise when I first started school, but right now I'm famous enough to have a bronze statue built. Knowing I was getting married like that, the city was engulfed in a blessing mood in an instant. "Hey, something's happened to you because of me..." Seeing the rumors spread in an instant, Mr. Fermina is in awe. You sure are amazing...... Mr. Noir will no doubt be surprised if the rumors continue to reach the College. But I have a hitter! I jumped about meters, "Because I have no plans to get married!!!! I screamed. Of course, the loudness of my voice is controlled so that the city doesn't break. It's a primitive way, but I can't use magic because this is the only way I can do it. "Mr. Ash said he's not getting married! "Oh. Well, we'll get married one day! "Mr. Ash's marriage is only a matter of time! When I landed and cleared my ears...... one of the city seemed to solve a misunderstanding for the first time. "Shh, that's so loud..." Mr. Fermina was fluttering his head. "Rest somewhere? "It's enough to give me a little tinnitus, and I'm fine. I can shop with Ashkun because of this, I can't believe I'm taking a break! "Oh well. Then keep shopping." "Ugh! So, what are you buying?... or not, but are you glad Nowa isn't with you? I nod. "Mr. Noir says he's busy looking at the map." Mr. Fermina smiles all the time. "Nowa is surprisingly discreet. Well, if you do get lost, you're in trouble." As a matter of fact, what Mr. Noir sees is not the path, but the red dots that move around on the map. When I tried the magic, more than twenty red dots appeared on the map showing where the mighty man was. This would mean that there are more than twenty stronger organisms in this world than Mr. Noir. I know "I," "Grandpa Maurice," "Dean Phillip," "Mr. Cologne," "Mr. Cuir," "Mr. Sharm," and "Demon King x," but the identity of the remaining red dots is riddled with mystery. There will be demons... but if you talk to the Red Dot Wizard, you might be able to get some advice to help. "So, what are you buying? Mr. Fermina asked once again. "I'll buy some sunny mobile food. It tastes like melon bread." Of course, this is Mr. Noir's request. All I could think of was melon bread flavored mobile food, but Mr. Fermina might know. That's why he invited Mr. Fermina to shop. "Does Mr. Fermina know of a shop that deals with mobile foods that taste like melon bread? "Of course I know. Yikes! "Really!? Thanks!" No, I asked him at the source, and that's Mr. Fermina. That's how I bought a lot of melon bread-flavoured food at the store that Mr. Fermina recommended, and I decided to go to bed early in preparation for tomorrow's trip.
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世界樹で修行を始めて3日目。 リッテラさんが言ってた通り、世界樹の空気は新鮮だった。 山の空気は新鮮で美味しいって聞いたことがあるけど、世界樹はその極みだ。空気の美味しさに感動したし、これなら10日間楽しめそうだと思っていた。 いまは違う。 世界樹の空気は美味いけど、3日も吸えば飽きてくる。なのにあと1週間も深呼吸しなくちゃならないのだ。 体力的には余裕だけど、精神的にきついものがある。 そう。精神的にきついのである! 俺はそのことが嬉しかった。なにせ魔力は精神力と密接に関わってるわけだしな。このつらさを乗り越えることで魔力が上がるし、魔力の質も上がるのだ! 魔力の量と質がまとめて上がるなんて盆と正月に来るようなものである。そう考えただけで喜びがこみ上げ、やる気が漲ってくる。 せっかくチョココロネを買ったけど、このままだと食べずに修行を終えてしまいそうだ。休憩する時間すら惜しいし、のどが渇いてるからな。 口内どころか体内が渇ききってる気がするし、できれば水分補給したいんだけど......水を買い忘れたからなぁ。 雨が降ってくれたら助かるけど、ここは雲の上だからな。水なんて手に入らないのである。 と、背中に湿っぽい感触が走った。水風船が破裂したみたいな感触だ。背中に手をまわすと、びっしょりと濡れていた。 いまの......雨か? でも、なんでうしろから...... 不思議に思いつつ振り向くと、葉っぱの上に青騎士が立っていた。 をまともに受けて死なぬとは、ニンゲンにしてはやるではないか! もっとも、生きているとはいえ意識を保つのがやっとだろうがなァ!』 ......なんだこいつ? 『おっと、いまのがオレ様の全力だと思うなよ? いまのはほんの小手調べに過ぎぬ! オレ様と戦うに値するか見定めるための一撃なのだからなァ! フハハハハ! 力の差を思い知り、絶望したであろう!』 色以外は一致するし、さてはこいつ魔王だな? 「お前、魔王か?」 》!王の頂点に君臨する世界最強の魔王にして、ありとあらゆる水を統べる帝王だ!』 やっぱり魔王か。 氷の洞窟といい、世界樹といい......ほんと、どこにでも現れる連中だな。 たまたま世界樹を訪れるとは思えないし、ここに来たってことは狙いは俺か。 「魔王って、まだいるのか?」 四天王っていうのは黒騎士、白騎士、赤騎士、青騎士のことだろう。 つまり青騎士を倒せば四天王は全滅ってことになる。 だけど、その上にボスがいるかもしれないのだ。 俺のイメージでは、四天王は幹部みたいなものだからな。そいつらをまとめるリーダーがいてもおかしくないのである。 魔王を束ねる魔王......大魔王ってところか。 『魔王の名を持つ者はいるが、真の魔王はオレ様だ! なぜならオレ様は、ほかの魔王とは次元そのものが違うのだからなァ!』 ぱっと見ただの色違いにしか見えないけどな。 『フハッ!』 「なにがおかしい?」 『オレ様を前にしながら怯えぬニンゲンを見るのははじめてなのでな! 貴様のような思い上がったニンゲンの絶望する顔は、さぞかし愉快なのだろうなァ!』 俺に勝つ気満々の発言だ。 俺は過去に多くの魔王を倒してるし、こいつだってそれくらい知ってるはずだ。 なのにここまでの余裕っぷりを見せつけてくるってことは......こいつ、本当にいままでの魔王とは次元が違うのか? だとするとラッキーだ! 強敵と戦えば精神的に成長できるし、魔力が上がるからな。 つまり青騎士との戦いは修行の一環ってわけだ! いまは深呼吸じゃなくて、青騎士との戦いに集中するか! べとっ! 俺の首にべっとりとした感触が走った。首に手をやると、ぬめっとした手触りが訪れる。 死角になっているため自分じゃ見ることができないけど、水っぽい手触りだった。 「これ......水の首輪か?」 『いかにも! だが、水は水でもただの水ではない!』 「どう違うんだ?」 が貴様の首を切断するのだ! その威力、水槍の比ではない!』 「だったら引きちぎるまでだ!」 『無駄だ! いくら力をこめようと、水を引きちぎることはできぬ!』 青騎士の言う通りだった。首を引っかくようにしてもすり抜けるだけで、べっとりとした感触は消えなかったのだ。 いままでは力押しでなんとかなったけど......今回はそれが通じない。 水使いの青騎士は、俺の――武闘家の天敵なのだ! だが、俺の攻撃は青騎士本体には届く。こいつ自身は水じゃないしな。笑うたびにガチャガチャ音がしてるしさ。 つまるところ、俺はいつでも青騎士を倒すことができるってわけだ。 けど、俺が攻撃の動作を見せれば、その瞬間に青騎士は水輪を発動させるだろう。 ――俺の拳(の衝撃波)が青騎士に届くのが先か。 ――水輪が俺の首を吹き飛ばすのが先か。 たとえ吹き飛ばされても首の皮一枚繋がっていれば自然治癒力で回復できるだろうけど......とにかく、いまは様子見だ。 『ホゥ! 死に直面しているというのに冷や汗一つかかぬとは、見上げた根性ではないか!』 全身の水分が出尽くしただけで、いつもなら冷や汗をかいていたかもしれないな。 それくらい、青騎士との勝負は緊迫しているのだ。 生きるか死ぬか――。こんな気分になったのは、はじめてかもしれない。 まったく......。こうなったからには認めるしかないな。 青騎士は、いままでの魔王とは次元そのものが違うってさ! 『オレ様は、その気になればすぐにでも貴様を葬ることができるのだ。だが、そうはしない。なぜだかわかるか?』 「......強敵と戦いたいからか?」 『否! 断じて否!』 全力で否定された。 でも、だったらどうしてこいつは俺を倒さないんだ? 『オレ様は、貴様を高く買っているのだ!』 「俺を高く買っている......?」 『いかにも! 手加減したとはいえ、貴様はこのオレ様の水槍に耐えた! 四天王の面汚し共より、よほど優秀だ! 貴様には利用価値がある!』 水槍って、さっきのあれだろ? 水風船みたいなの。あれに耐えただけで評価されるって......いままでの魔王はどんだけ低評価だったんだ? と、青騎士が葉っぱの上を歩き、近づいてくる。 『オレ様の配下になると誓うなら、特別に生かしてやろう。さらにオレ様が君臨する世界の半分を貴様にくれてやる! オレ様と貴様が手を組めば、世界のすべてを支配できるのだ!』 魅力的な提案だろう? とか思ってるんだろうけど、世界の半分なんて欲しくない。 俺が欲しいのはただ一つ。 魔力だけだ! 「断る!」 『支配者になる道を捨て、死を選ぶかッ! 愚かなニンゲンに相応しい末路ではないか! ならば望み通り、葬り去ってくれるわ!』 べちゃんっ! 水輪が弾け、あごの下が濡れた。 水滴に血は混じっていない。 てことは、自然治癒力を発揮するまでもなかったってことか。 『バカな!? なぜ首が飛ばぬのだ!? 貴様、本当にニンゲンか!?』 青騎士が取り乱す。 さっきまでの余裕っぷりが嘘のようだ。 最初の水槍は手を抜いていたとして、いまのは全力だったようだ。 てことは青騎士は強敵じゃない――戦っても成長できそうにないな。 さっさと倒して修行に戻るか! 『だが、しょせんはニンゲン! 水の塊である以上、オレ様には勝てぬのだ! この意味がわかるか!? わからずともよい! なぜならいまこの瞬間、貴様はオレ様の操り人形になったのだからなァ! そしてオレ様は貴様にたった一つの命令しか下さぬ! オレ様と手を組め! などと命令すると思ったか!? フハハハハ! 違う! 死ね!!』 パァァァァァン!!!!!!!!!! 正拳突きで魔王を粉々にした俺は、深呼吸を再開したのであった。
The third day I started training in the World Tree. As Mr Rittera said, the air in the world tree was fresh. I've heard that the mountain air is fresh and delicious, but the world tree is its extremes. I was impressed with the deliciousness of the air, and I thought this was going to be enjoyable for ten days. Not now. The world tree air is delicious, but after three days of breathing, I get tired of it. Yet I have to take a deep breath for another week. I can afford it physically, but I have something mentally tough. Yes, it is spiritually tough! I was happy about that. Anyway, magic is closely related to spiritual power. Overcoming this ruggedness will boost your magic and improve the quality of your magic! The quantity and quality of magic rise together is like the coming of the basin and the New Year together. Just thinking about it makes me happy and motivated. I bought a chocolate coronet because of it, but if it stays like this, I'm going to finish my training without eating it. I don't even have time for a break, and I'm thirsty. Instead of mouth, I feel thirsty in my body, and I'd like to rehydrate if I could... because I forgot to buy water. It would help if it rained, but this place is on the clouds. There is no access to water. Beh! and a damp feeling ran on my back. It feels like a water balloon burst. Hands around my back, it was soaking wet. Is it raining? But why? Because... Turning wondering, a blue knight stood on the leaves. "Ho! I thought you were going to die after a proper water spear (Aqualance) from me. Let it be Ningen! Though he's alive, he'll finally be conscious! ... What the hell is this guy? "Whoa, don't think I'm doing everything I can right now, okay? It's just a handful of research right now! It's a blow to see if you deserve to fight me! Huhahahahaha! I would have known the difference in power and despaired! Except for the colors, and now you're the demon king, right? "You, the Demon King? "Yes! I am the Blue Emperor!" He is the most powerful demon king in the world who reigns at the apex of the Four Heavens, and he is the emperor who can unite all kinds of water! I knew it was the Demon King. It's called the Ice Cave, it's called the World Tree... really, they show up everywhere. I don't think I happen to be visiting the World Tree, and that means I'm here for it. "A demon king, are you still there? The Four Heavens King would mean the Black Knight, the White Knight, the Red Knight, and the Blue Knight. This means that if you defeat the Blue Knight, the Four Heavenly Kings will be wiped out. But there may be a boss on top of it. In my image, the Four Heavens are like executives. It is not strange to have a leader to put them together. The demon king that binds the demon king... is that what the Great Demon King is? "There are those with the name of the Demon King, but the true Demon King is like me! Because I'm not the same dimension as the other demon kings! I saw it all the time, but it just looks different. "Huh!" "What's wrong? 'Cause this is the first time I've seen a frightened ningen in front of me! The desperate face of a thoughtful ningen like yours must be delightful! It's a statement that's willing to beat me. I've defeated many demon kings in the past, and that's how much this guy should know. And yet you're showing off so much leeway... is this guy really in a different dimension than the Demon King he's had so far? Then you're lucky! You can grow spiritually if you fight strong enemies, and your magic will increase. I mean, fighting the Blue Knight is part of training! Focus on fighting the Blue Knight now instead of taking a deep breath! Beetle! A snug feeling ran down my neck. When I put my hand around my neck, I get a soggy touch. I can't see it for myself because of the blind spot, but it was a watery touch. "This... is that a water collar? 'Whatever! But water is not just water, even water! "How is that different? "It's water that's been poured out of my magic - if I order it, the water wheel (Aquaring) will sever your neck! Its power, not the ratio of water spears! "Then it's not until I tear it off! 'It's no use! No matter how much power you put into it, you can't pull the water out! The Blue Knight was right. It just slipped through my neck, and it didn't go away. Until now, I've managed with a force push... but that doesn't make sense this time. The Blue Knight of the Waterman is a natural enemy of my - militants! But my attack reaches the Blue Knight body. He's not water himself. Every time I laugh, I hear chatter. That means I can defeat the Blue Knight at any time. But if I show you how the attack works, the Blue Knight will activate the water wheel at that moment. - My fist (shockwave of) reaches the Blue Knight first? - Is the water wheel going to blow my neck first? Even if it's blown up, if it's connected to a piece of neck skin, it'll be able to recover with natural healing power... but anyway, it's looking good now. "Ho! Not one cold sweat when you say you're facing death, isn't that the guts you looked up to! Your whole body just ran out of moisture, and you might have been sweating cold usually. That's how tight the battle with the Blue Knight is. Live or die... This may be the first time I've ever felt like this. Totally...... I have to admit this happened. The Blue Knight says the dimension itself is different from the previous Demon King! "I can bury you as soon as I feel like it. But I won't. You know why? "... because you want to fight a mighty enemy? 'No! No! No! Denied at all costs. But then why wouldn't this guy take me down? "I'm buying you high! "You're buying me high...? "I don't know! You stood up to my water spear, though you did! He's better than all of Shiteno's fouls! You're worth it! A water spear, that was it, wasn't it? It's like a water balloon. He said he would be appreciated just for withstanding that... how underrated was the Demon King so far? and the Blue Knight walks over the leaves, approaching. 'If you swear you'll be under my command, I'll keep you alive specially. I'll give you half the world I reign in! Together, you and I can control everything in the world! That would be a fascinating suggestion, wouldn't it? I know you think so, but I don't want half the world. There's only one thing I want. Just magic! "Say no!" "Drop the path to becoming a ruler and choose death!" Isn't that the end of the line that foolish ningen deserves! Then you'll be buried as you wish! The water wheel bounced and wet under my chin. There is no blood mixed with the droplets. Does this mean you didn't even have to show natural healing power? "Stupid!? Why can't my neck fly!? Are you sure it's Ningen? Blue Knight disturbs. Plenty of room just now sounds like a lie. The first water spear was out of hand, and now it seems to have done everything in its power. The Blue Knight is not a formidable enemy - you're not going to be able to grow up fighting. Knock it down and go back to training! "But it's ningen! You can't beat me more than to be a chunk of water! You know what this means!? You don't have to know! Because at this moment, you have become my puppet! And I only give you one order! Put your hands together with me! Did you think I would order you to, etc!? Huhahahahaha! No! Die!! ' Pahhhhhh!!!!!!!! When I shattered the Demon King with a positive fist thrust, I resumed my deep breath.
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武闘家の技でセイジュさんを物理的に沈めた俺は、控え室に転送された。 トーナメント表があるし、最初の控え室っぽいな。 「次の対戦相手は......スミスさんかヤンさんか」 どっちにしろ相手にとって不足はないけどな! 本戦出場を決めたってことは、大魔法使いに限りなく近い実力者ってことだしさ。 そんな相手とデビュー戦ができるなんて最高にラッキーだ! つっても、無事にデビューできるかはお守りにかかってるんだけどさ。 「......身につけてるかな?」 どうだろ。 いまのところ俺の対戦相手はふたりともお守りを身につけてたし、もしかしたら出場選手全員がお守りを身につけてるのかもしれないな。 俺だって不慮の事故で先端が吹き飛んだ初代相棒の欠片をお守り代わりにしてるしさ。 ま、お守りを身につけてるのはいいとして、問題は強度だよな。 願わくば鋼鉄とか岩石みたいなカマイタチで真にならないお守りであることを祈るばかりだ。 「――やはり残ったのはきみじゃったか」 祈っていたところ、腰の曲がったお婆さんがどこからともなく現れた。 ここに転送されてきたってことは第6試合の勝者―― 俺のデビュー戦の相手ってわけだ! 「お守りは身につけてますか?」 さっそくたずねてみたところ、お婆さんがきょとんとする。 「真っ先にお守りのことを聞かれたのは、70年の人生で始めてじゃよ」 変な奴だと思われたかな? だけど俺にとってお守りの有無はすごく重要なことなのだ! その想いが伝わったのか、お婆さんは左手を見せてきた。 「この結婚指輪がお守り代わりじゃな」 よしっ、頑丈だ! 指輪なら気にせず戦えるぞ! 命中させることすら難しいし、当たったとしても傷つかないだろうしな! これで華々しく魔法使いデビューが飾れるんだ! やったな、相棒! 次が――次こそが俺たちの晴れ舞台だぜ! 「ところで、お名前はなんていうんですか?」 内心大はしゃぎしつつも、表面上は平静を装って質問する。跳びはねて喜びを表現したいところだけど、そんなことしたら会場が崩れるかもしれないからな。 「わしはヤン――通称マスター・ヤンじゃ」 おおっ、マスターか! それってマスター・ポルタさんみたいに魔物を相手に生きるか死ぬかの戦いを繰り返してきた強者ってことだよな! ますます戦うのが楽しみになってきたぜ! 早くヤンさんと魔法と魔法のぶつけ合いをしたい! うっかり武闘家の技を使ってしまわないように気をつけないとな! 「はじめまして、ヤンさん! 俺はアッシュです! 次の試合、よろしくお願いします!」 挨拶すると、ヤンさんは朗らかにほほ笑んだ。 「力強い挨拶じゃな。夫が言ってた通りじゃわい。元気があるのは良いことじゃ」 夫が言ってた? って、まさか...... 「ヤンさんの旦那さんって、もしかしてマスター・ポルタさんですか?」 「そうじゃよ。わしの夫はアッシュくんに吹き飛ばされたマスター・ポルタじゃ」 「ポルタさんを吹き飛ばしてすみませんでした!」 「謝ることはないのじゃ。むしろアッシュくんには礼を言いたいくらいじゃよ」 夫婦仲が悪いのかな? 夫を吹き飛ばしたお礼をされる理由なんて、それくらいしか思いつかない。 「わしとポルタは、この大会をもって隠居すると決めたのじゃ。最後にきみのような強者と戦うことができて、ポルタは幸せ者じゃわい」 に一度の引退試合を挨拶で終わらせてしまったんだけど......ポルタさんが満足してるなら問題ないか! 「そんなわけで、きみと戦うことができて、わしも嬉しいのじゃよ。夫の話を聞いた限りでは、アッシュくんはどの魔物よりも強いらしいからのぅ。まさか引退試合で過去最強の相手と戦うことになるとは思ってもみなかったのじゃ」 ヤンさんは見るからにわくわくしている。 「どうして引退するんですか?」 戦うことに疲れたってわけじゃなさそうだし、魔力が衰えたってわけでもなさそうだ。 なにせ本戦に出場してるくらいだからな。 引退どころか第一線で大活躍できそうなのに......ほんと、どうして引退することにしたんだろ? 「砕け散る魔王を見て、引退を決めたのじゃよ」 原因俺かよ! 砕け散る魔王には心当たりがありすぎるけど、ヤンさんが言ってるのって二色のあいつだよな? 虹の帝王 ほかの魔王はひっそりと砕け散ったけど、《虹の帝王》は全人類が見守るなか砕け散ったのだ。 「うむ。あの怖ろしい魔王を一撃で葬った強者の姿を見て、わしらは引退を決めたのじゃ。わしらが一線を退いても、次の世代が世界を守ってくれる――そう確信できたからのぅ」 モーリスじいちゃんとフィリップさんとコロンさんは、将来的なことを考えて弟子を育てることにした。 一方、弟子がいなかったヤンさんとポルタさんは、引退を不安に感じていたのだ。 「きみのような強い若者がいるとわかっただけでも、大会に出場したかいがあるというものじゃ。もっとも、引退する前にひとつ大仕事をしなければならないがのぅ」 「大仕事ってなんですか?」 ヤンさんは好戦的な笑みを浮かべる。 「アッシュくんとの勝負じゃよ」 「俺との勝負が大仕事なんですか?」 そうじゃよ、とヤンさんは力強くうなずいた。 「試合を見に来た若者たちを『強くなりたい!』と奮い立たせるため、わしは全身全霊で戦うのじゃ! アッシュくんも年寄りだからと遠慮せず、全力でかかってくるのじゃぞ!」 きっとヤンさんは若者に――俺に負けることを望んでいるのだ。そして世界を若い世代に託し、安心して隠居生活を送りたいのである。 そんなヤンさんの願いとは関係なしに、俺は全力で戦うつもりだった。 武闘家としてではなく、魔法使いとしてだ。 だけどヤンさんが望んでいるのは、武闘家としての俺と戦うことだ。 本音を言うとデビューしたいところだけど...... まあ、デビュー戦の機会は今日だけであと1回あるわけだしな。 今回だけは拳で戦ってやる! 次の次が――次の次こそが俺たちの晴れ舞台だぜ、相棒! 日の目を見ることなく吹き飛んだ初代のためにも、次の次こそ華々しくデビューを飾ろうな! 「その勝負、全力で受けて立ちます!」 そうして武闘家として戦うことにした俺は、魔法使い3点セット(ローブ帽子、ただの杖)をテーブル上に置くのであった。 武闘家としての姿になった俺は、闘技場に転送された。 魔法で元通りにしたのか、地割れは綺麗さっぱり消えている。 ヤンさんが地割れに吸いこまれることはないし、これで心置きなく戦えるぞ! この拳でヤンさんを打ち破り、魔法使いとしてトロンコさんに挑むのだ! 『さぁ! お待ちかねの第7試合! 我が国の英雄トロンコ氏への挑戦権をかけたこの試合ッ! 戦うのはヤン選手とアッシュ選手のおふたりです!!』 嵐のような拍手と歓声に負けじと審判さんが声を張り上げる。 『1試合目2試合目ともに圧勝を飾ったヤン選手! トロンコ氏の妹である彼女は半世紀以上にわたってハンター活動を続けてきました! まさに我々にとっての守り神なのです!!』 トロンコさんの妹だったのか! 国の英雄の妹にして、この国のために身を粉にして活躍してきたヤンさん。そんな偉大な魔法使いが俺との真剣勝負を望んでいるのだ。 こんなの燃えないわけがない! 『今回ヤン選手が出場すると知り、我々運営サイドはトロンコ氏とヤン選手の兄妹対決を予想しておりました!』 しかぁーし! と審判さんが俺を指さす。 『皆様知っての通り、今大会にダークホースが現れたのです! 挨拶代わりに闘技場を吹き飛ばし、幾重にも結界が張られた本会場の大地を切り裂く破壊の化身――大陸から来た武神・アッシュ選手です!』 破壊の化身と呼ばれるのも今日で最後だ! いままでいろんなものを壊してきたけど、それは俺が武闘家だったからだ。 魔法使いとして本格デビューすれば、ちょっとしたはずみで大地が裂けることはなくなるのである! 『守り神が勝つか、破壊の化身が勝つか――どう転ぼうとこの戦いは歴史に刻まれ、未来永劫に語り継がれることとなるでしょう!』 語り継がれる伝説的な試合になることこそがヤンさんの望みなのだ。 若い世代がこの試合を見て『強くなりたい!』と奮起できるよう、俺は全力でヤンさんを殴りつけるのだ! 『それでは大注目の第7試合――試合開始ッ!!』 大歓声がわき起こるなか、開始の合図が響き渡る。 「さあ、終わりの始まりじゃ!」 ヤンさんが洗練された手つきでルーンを完成させた瞬間、舞い上がっていた土埃が消えた。 『で、出ましたー! ヤン選手の重力魔法! 先ほどスミス選手を瞬時に沈めたこの魔法! 重力魔法が繰り出す重みにアッシュ選手は耐えきれるのでしょうか!?』 重力魔法は闇系統の最上級魔法のひとつにして、あらゆる魔法のなかでも最強の一角として数えられる魔法だと本に書いてあった。 そんな魔法をヤンさんは開始早々使ってきたのだ。 全力で勝負に挑んでいるなによりの証拠である。 「ふぉっふぉっふぉ。きみにかかる重力を2倍にしたのじゃ。普通は動くことすらままならぬが――きみならばルーンを描くことくらいできるじゃろう?」 発動させるだけでかなりの魔力を消耗するはずなのに、ヤンさんは余裕の態度を崩さない。 さすがはマスター! 魔力量も桁違いだ! 相手にとって不足なんてあるわけがない!! 「行きます!」 俺はヤンさんのもとへ歩み寄る。この距離からでも風圧を飛ばすことはできるけど、俺は全力で戦うと決めたのだ。 走った際に発生する風圧で吹き飛ばしてしまわないよう慎重にヤンさんの懐へと潜りこみ、思いきりパンチするのである! 『う、動いたー!? なんとアッシュ選手、重力2倍にもかかわらず平然と歩いております!』 「ふぉっふぉっふぉ。さすがはポルタが認めるだけのことはあるのじゃ! じゃが、いまのはほんの小手調べに過ぎぬ! さあ、動けるものなら動いてみるがよい! ――重力5倍じゃ!!」 『な、なんとアッシュ選手! 重力5倍にもかかわらず、当たり前のように歩いております! その歩調に変わりはありません!』 「ほほぅ、やるのぅアッシュくん! じゃが、ここまでは想定の範囲内! これで終わりじゃ! 重力10倍! ――なっ!?」 歩き続ける俺を見て、ヤンさんはあとずさった。 「なぜ動けるのじゃ!? 普通は重みで動けぬのに――なのになぜ歩けるのじゃ!?」 「重いどころか、いつもより軽く感じますよ!」 なにせ武闘家としての力を振る舞っていいんだからな! いままでは事故を気にして思うように力を出すことができなかったけど、今回ばかりは例外だ。 全力を出してもいいんだと思うと心が軽くなった気がするし、身体まで軽くなった気がするぜ! 「ポルタが言ってた通りじゃな。きみのことは人間ではなく魔物として――魔王を相手にしていると思って戦ったほうがよさそうじゃわい!」 さすがは歴戦のハンターなだけあって、ヤンさんはあっという間に冷静さを取り戻した。 「ここからがマスター・ヤンの真骨頂じゃ! かつてポルタに危険すぎると指摘され、封印を余儀なくされたわしの全力! さあ、受けてみるがよい! ――重力50倍じゃ!」 ずぶずぶっ!!!! 俺の首から下が地中に埋まった。 俺は大地を泳ぐようにヤンさんのもとへ迫る。 「きみの身体、どうなっておるのじゃ!?」 迫る生首(俺)を見てヤンさんがあとずさった。 『な、なんとアッシュ選手! 重力50倍にもかかわらず進撃を続けております! いったいいつの間に、そしてどういった魔法を使ったのでしょうか!?』 「そ、そうじゃ! いつの間に使ったのじゃ! きみはルーンを描くどころか、 「俺は魔法を使ってません! 魔力ではなく筋力で戦っているんです!」 「き、筋力だけで......」 ヤンさんがしりもちをつく。 『な、なんとアッシュ選手! マスター・ヤンを相手に魔法を使っていませんでした! 魔法を使わずにこの強さ――魔法を使えばどれだけ強くなるのでしょう!?』 魔法を使っても強さは変わらないけどな! でも、いつまでもこのままってわけじゃない! 華々しく魔法使いデビューし、修行に修行を重ね、いつの日か武闘家の強さに追いついてみせるのだ! 「さあ、行きますよ!」 ずぶずぶと大地を泳いでヤンさんのもとへ迫る。 戸惑うように生首(俺)を見ていたヤンさんは......しりもちをついたままふっと微笑し、魔法杖を地に落とした。 「降参じゃよ」 ......えっ。 『な、なんとヤン選手、降参です!!』 聞き間違いじゃなかったらしく、審判さんが興奮気味に叫んだ。 「ど、どうして降参するんですか? 全力で戦おうって約束したじゃないですか! 俺、まだ歩いただけですよ?」 「だからじゃよ。わしの必殺技を、きみは当たり前のように打ち破ってみせた。きみはわしより遙かに格上じゃ。最後にきみと戦えて、本当にわしは幸せ者じゃよ」 ヤンさんは大仕事をやり遂げたあとのような清々しい笑みを浮かべている。 「ですけど......全力で戦って、みんなに『強くなろう』と思わせるんじゃなかったんですか?」 「きみにとっては準備運動に過ぎぬのじゃろうが、わしは全力を出し切ったよ。それに......互角の試合を見るより、圧倒的な試合を見たほうが燃えるじゃろ」 たしかに観客は盛り上がってるっぽいけど......ヤンさんはこんな終わり方でいいのか? 「ヤンさんは、不完全燃焼じゃないですか?」 「むしろ完全燃焼じゃよ。年寄りの頼みに付き合ってくれて、本当にありがとうねぇ」 ヤンさん......。 『ヤン選手の降参により、アッシュ選手の勝利が決まりました! 半世紀以上にわたって我々を守ってくれた伝説的ハンターのヤン選手、そして驚くべき強さでトロンコ氏への挑戦権を獲得したアッシュ選手――両名に盛大な拍手を!!』 割れんばかりの拍手喝采が巻き起こる。 最後の最後まで他人のために戦い続けたヤンさんは、俺の目標とする魔法使いのひとりになった。 これからも修行に修行を重ねて、ヤンさんが引退試合の相手に選んでよかったと思えるような、立派な魔法使いにならないとな! ゴオオオオオオオオ!!!!!! どこからともなく風切り音が聞こえてきた。 闘技場が巨大な影に包まれる。 見上げると、そこには飛空艇が浮いていた。 『き、来ました! ついに――ついにあの男の登場です!』 審判さんは大空を指さし、声を震わせる。 『結成間もない勇者一行にいち早く合流し、あのモーリス・アークヴァルド、フィリップ・ヴァルミリオン、コロン・フルールと肩を並べて魔王軍を打ち破った我らが英雄――トロンコ氏です!!』 トロンコさんの名前が出た途端、いままでの比じゃないくらいの大歓声が上がった。 この国のひとたちにとって、トロンコさんは正真正銘の大英雄なのである。 そんなひととデビュー戦ができるなんて夢みたいだ! モーリスじいちゃんに土産話として聞かせたら、きっとびっくりするだろうな。 『それでは《子どもの部》のあと、アッシュ選手にはトロンコ氏と戦っていただきます!!』 トロンコさんが乗る飛空艇の登場に興奮していた審判さんは、はっと思い出したように言った。 子どもの部もあるのか。それって観戦してもいいのかな? そんなことを思っていたところ、俺は控え室に飛ばされたのだった。
I physically sank Mr. Sage with a militant move, and I was transferred to the depot. There's a tournament table, and that sounds like the first understatement. "What's your next opponent... Mr. Smith or Mr. Jan" Either way, there's no shortage for them! The decision to compete in the main battle means a man of unlimited proximity to the Great Wizard. You're the luckiest man to have a debut with an opponent like that! Even so, it depends on the amulet to see if I can make my debut. "... are you wearing it? What do you think? My opponents have both worn amulets so far, and maybe all the contestants are wearing amulets. I'm replacing my first buddy's shard with an accidental tip blown off. Well, it's a good thing you're wearing amulets, but the problem is strength. I just hope it's a bodyguard that won't be two things straight with a kamaitachi like steel or rock if you wish. - Are you still the one left? I was praying, and my hip bent grandmother appeared out of nowhere. The fact that he's been transferred here means he's the winner of Game . My debut opponent! "Do you wear amulets? I just asked, and my grandmother makes it right. "The first thing they asked me about the amulet was in years of my life." Did they think you were a weird guy? But the presence or absence of an amulet is very important to me! Did you convey that thought, Grandma has shown her left hand? "This wedding ring is no substitute for amulet." All right, sturdy! You can fight without worrying about the ring! It's hard to even make him hit, and if he does, he won't hurt you! Now we can decorate the Wizard's debut with glory! You did it, buddy! Next up - next up is our sunny stage! "By the way, what's your name? Ask questions in the guise of calm on the surface, even as you shudder inside. I'd like to jump and express my joy, but if I do that, the venue could collapse. "I'm Jan, commonly known as Master Jan." Whoa, master! That means you're a strong man who's been fighting the battle between living and dying against demons like Master Porta! I'm looking forward to fighting more and more! I want to have a magical and magical bump with Mr. Yang quickly! We have to be careful not to accidentally use militant moves! "Nice to meet you, Mr. Yang! I'm Ash! Thanks for the next game! When he greeted him, Mr. Yang grinned in a flamboyant manner. "That's a powerful greeting. It's not what my husband said. It's a good thing you're healthy." Did my husband say that? Oh, no way... "Could Jan's husband be Master Porta? "That's right. My husband was blown away by Ashkun." "Sorry to blow Mr. Porta away! "You have nothing to apologize for. I'd rather thank you than Ash." Is the couple not close? That's all I can think of to be thanked for blowing my husband away. "Me and Porta decided to take this tournament to hide. At the end of the day, we can fight strong men like you, and Porta is not a happy man." I ended a once in a lifetime retirement match with a greeting...... if you're satisfied with Mr. Porta, no problem! "That's why I'm happy to fight you. From what I've heard about my husband, it seems Ash-kun is stronger than any demon. I never thought I'd be fighting the strongest opponent ever in a retirement match." Mr. Yang is excited to see it. "Why are you retiring? It doesn't seem like you're tired of fighting, or that your magic has faded. Anyway, he's in the main game. It looks like it could work great on the front lines instead of retirement...... really, how did you decide to retire? "You saw the Shattered Demon King and decided to retire." Cause it's me! I know too much about a smashing demon king, but what Mr. Yang is saying is a two-colored guy, right? "Is the Demon King the Rainbow Emperor?" The other demon kings were secretly crushed, but the Rainbow Emperor was crushed and scattered as all mankind watched. "Hmm. We decided to retire when we saw the mighty man who buried the scary demon king in one blow. Even if we leave the line, the next generation will protect the world - because I was so sure." Grandpa Maurice, Mr. Philip and Mr. Cologne decided to develop their disciples with a view to the future. Meanwhile, Jan and Porta, who had no disciples, were anxious to retire. "I just found out there's a strong young man like you, but I don't know if he's ever competed in a tournament. But I have to do one big job before I retire." "What's a big job? Mr. Yang has a belligerent grin. "It's a battle with Ash-kun." "Is it a big job to compete with me? Yes, Jan nodded forcefully. "I called the youngsters who came to watch the game, 'I want to be strong! I will fight with all my souls to stir it up! Don't hesitate, Ash, because you're an old man, and you're going to do everything you can! I'm sure Mr. Yang wants the young man - to beat me. And they want to entrust the world to the younger generation and live in seclusion. It had nothing to do with Mr. Yang's wish, and I was going to fight for it with all my might. Not as a militant, but as a wizard. But what Mr. Yang wants is to fight me as a militant. To tell you the truth, I just want to make my debut... Well, there's only one more chance to make the debut today. Only this time I'll fight you with my fist! Next up - next up is our sunny stage, buddy! Don't make your debut gloriously next time, even for the first generation to blow up without looking at the day! "That battle, I will stand with all my might! That's how I decided to fight as a militant, and I put a three-piece set of wizards (robes, triangle hats, just canes) on the table. As a militant, I was transferred to the arena. You magically put it back on track, the ground crack is gone clean and refreshing. Mr. Yang won't be sucked into the ground, and now you can fight without worries! Defeat Mr. Yang with this fist and challenge Mr. Tronko as a wizard! "Come on! Game seven waiting for you! This match put on the right to challenge our country's hero Mr. Tronko! Fighting are two Yang and Ash players!! Lost in stormy applause and cheer, the referee raises his voice. "Yang players who decorated overwhelming victories in both Game and Game ! Being Mr. Tronko's sister, she has been a hunter for over half a century! It is exactly the patron saint for us!! You were Mr. Tronko's sister! Mr. Yang, who has made himself the sister of a country hero and powdered himself for this country, has been active. Such a great wizard wants a serious battle with me. There's no way I'm not burning like this! "We knew Yang would be competing this time, and our operating side was anticipating a brother-sister confrontation between Mr. Tronko and Yang! Shit! Shit! And the referee points to me. 'As you all know, a dark hose just showed up at the tournament! Instead of greeting him, he's a martial arts/ash player from the continent, an incarnation of destruction that blows up the arena and cleaves the earth of this venue, with its multiple boundaries stretched out! Today is the last time they call it the Incarnation of Destruction! I've broken a lot of things so far, but that's because I was a militant. If you make a full debut as a wizard, the earth will not tear apart with a little detachment! "Whether the Patron God wins, or the Incarnation of Destruction wins - no matter how you roll over, this battle will be marked in history and will be told of the future perpetuation! It is what Jan wants to be a legendary game to be told. A younger generation saw this game and said, 'I want to be strong! I'll do everything I can to beat Mr. Yang up so he can get excited! "Game 7 of great attention, then - let the game begin!! The signal of initiation echoes as a loud cheer arises. "Come on, it's the beginning of the end! The moment Mr. Yang completed the rune with a sophisticated hand, the soil and dust that was rising disappeared. "So, I'm out -! Yang's gravitational magic! This magic that instantly sank Smith earlier! Can Ash withstand the weight that gravitational magic rolls out!? Gravity magic was written in the book to make it one of the finest magics of the dark system and counted as the strongest corner of all magic. Mr. Yang has been using such magic early in the day. It is more evidence than anything else that is challenging the battle at all costs. "Whoa, whoa. I doubled the gravity on you. Normally, you don't even have to move, but you can draw a rune, right? It's supposed to drain a lot of magic just to activate it, but Mr. Yang doesn't break his spare attitude. That's the master! Magic power is in the wrong digits! There is no shortage for them!! "I'm going! I'm walking over to Mr. Yang. I can fly the wind pressure from this distance, but I've decided to do everything in my power. He carefully dives into Jan's nose and punches his thoughts to avoid blowing away the wind pressure that occurs when he runs! "Ugh, it moved -!? What an Ash player, walking flat despite double gravity! "Whoa, whoa. That's all Porta has to admit! But right now, it's just a handful of checks! Come on, if you can move, you can try moving! - Five times the gravity!! "Nah, what an Ash! Despite five times the gravity, we are walking as normal! That pace is no different! "Ho ho, do it, Ash! But to this point, it's within your assumptions! That's it! Ten times gravity! - Been!? Looking at me walking on, Mr. Yang dashed. "Why can you move!? Normally you can't move with weight - but why can you walk!? "Instead of being heavy, it feels lighter than usual! You can act like a militant! Until now, I couldn't help thinking about the accident, except this time around. I feel lighter when I think I can do everything I can, and I feel lighter to my body! "Not exactly what Porta said. You're not a human being, you're a demon - you better fight because you think you're dealing with a demon king! That's just the hunter of the war, and Mr. Yang quickly regained his calm. "This is where Master Yang comes from! My full power once pointed out to Porta that it was too dangerous and forced to be sealed! Come on, take it! - Fifty times the gravity! Bullshit!!!! Buried in the ground from my neck. I approach Mr. Yang like a swimmer in the earth. "What's wrong with your body?" When I saw the imminent head (me), Mr. Yang shrugged. "Nah, what an Ash! We continue to advance despite 50x gravity! When the hell and what kind of magic did you use!? "Oh, yeah! When did you use it? Instead of drawing runes, you don't even have a magic wand (Wizards Rod)! "I'm not using magic! I'm fighting with muscle strength, not magic! "Ki, just muscle strength..." Mr. Yang wears a lump. "Nah, what an Ash! I didn't use magic against Master Yang! This strength without magic - how strong can you be with magic!? Using magic doesn't change strength, though! But it's not like I'll always be like this! Make a glorious Wizard debut, train in training, and try to keep up with the strength of the militants one day! "Come on, I'm coming! After a long time, he swims through the earth and approaches Mr. Yang. Jan, who was looking at his neck (me) in confusion... smiled all the way with a smudge on and dropped his magic wand on the ground. "Surrender." ...... eh. "Nah, what a Yang player, it's surrender!! He wasn't wrong to hear it, and the referee shouted excitedly. "Duh, why are you surrendering? You promised to fight with all your might! I just walked, didn't I? "So long. You defeated my Special Attack as usual. You're far ahead of me. I can fight you one last time. I'm not a happy man." Mr. Yang has a lucid grin like after he has accomplished his big job. "But... didn't you fight as hard as you could and make everyone think, 'Be strong'? "It's just a prep exercise for you, but I did everything I could. Besides... it's better to watch an overwhelming game than to watch one another." It does sound like the audience is thriving... but is Mr. Yang supposed to end up like this? "Isn't Jan an incomplete combustion? "It's more like a complete combustion. Thank you so much for keeping up with the old man's favors." Mr. Yang...... "Yang's surrender has determined Ash's victory! Jan, the legendary hunter who protected us for over half a century, and Ash, who won the right to challenge Mr. Tronko with amazing strength - a big round of applause for both names!! The applause that just cracks occurs. Mr. Yang, who continued to fight for others until the end, became one of my target wizards. I'm going to have to continue my training and be a fine wizard, like I'm glad Mr. Yang picked someone for his retirement match! GOOOOOOOO!!!!! I heard wind cuts from nowhere. The arena is wrapped in a huge shadow. Looking up, there was a airship floating there. "Ki, I'm here! Finally - it's finally that guy! The referee points to the sky and shivers his voice. "My hero - Mr. Tronko - who joined a line of brave men not even between formations as soon as possible and side-by-side with that Maurice Archvaldo, Philip Valmilion and Cologne Fleur to defeat the Demon King's Army!! As soon as Mr. Tronko's name came out, he cheered as loudly as he could not be compared to the previous one. For one of the people in this country, Mr. Tronko is a true hero. I want to dream I can make my debut with one of those guys! You'd be surprised if you told Grandpa Maurice as a souvenir story. "Then after the Children's Department, Ash will be asked to fight Mr. Tronko!! The referee, who was excited about the appearance of the airship on which Mr. Tronko would board, said as he remembered all the more. Is there also a children's ministry? Can I watch that? That's what I was thinking, and I was flown into an understatement.
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1週間の旅を経て、俺とノワールさんは最西端の町ムルンに到着した。 ムルンはのどかな田舎町だった。 町の向こうには土色の塔がそびえ立ち、その向こうには山が佇んでいる。 遺跡は、あの山を越えた先にあるのだ。 「私はこの町が気に入ったわ」 「俺もだよ。老後はこういうところに住みたいな」 「そうね。だってここは寒くないもの」 「ああ、そういう理由で......」 とはいえ、過ごしやすい環境であることは確かだ。 「これからどうするのかしら?」 「まずは宿屋に行くよ。そのあと師匠たちを探そう」 探すといっても、居場所はわかってる。 ノワールさんの地図によると、町のなか、塔のところの赤点があったのだ。 そうと決めた俺たちは町を歩き、ほどなくして古びた宿屋を見つける。 「アッシュさんじゃないですか!」 宿屋に入った途端、おじさんが駆け寄ってきた。 「泊まりに来たんですけど、部屋って空いてます?」 「空いてますとも! いやぁ、まさかアッシュさんが泊まりに来るとは思いませんでしたよ!」 おじさんは熱く語りつつ、部屋の鍵を渡してきた。 「ごゆっくり~!」 おじさんに見送られ、俺たちは二階の部屋へと向かった。 そしてドアに手をかけたところで、隣室のドアが開く。 「あ、あら、早かったわね」 おどおどしながら話しかけてきたのは――コロンさんだった。 口ぶり的に、俺たちが来ることは前もってアイちゃんに聞かされてたんだろう。 てことは、魔王のことも聞いてるはずだ。 「師匠たちはなにをしてるんですか?」 俺は軽く挨拶をしたあと、コロンさんにたずねた。 町にいるのがコロンさんってことは、師匠とフィリップ学院長は塔のところにいるはずだ。 あんなところで、いったいなにをしてるんだろう。 俺の質問に、コロンさんはどこか得意気な顔をする。 「あ、あの塔は―― ちょっとよくわからなかったので、俺は師匠たちのところへ行ってみることにしたのだった。 部屋に荷物を置いた俺とノワールさんは、コロンさんと一緒に塔へ向かった。 そこでは、師匠とフィリップ学院長がぺたぺたと塔にタッチしていた。 よく見ると、塔に土をくっつけているようだ。 「ひさしぶりだね、師匠」 俺が話しかけると、師匠たちは作業を中断した。 「む? おおっ、アッシュではないか! ひさしぶりじゃなぁ!」 「ふたりとも長旅で疲れたんじゃないかい? ほら、これを飲むといいよ」 そう言って、フィリップ学院長が飲み物を渡してきた。 ひとまず喉を潤した俺は、師匠たちにたずねる。 「これが魔法杖っていうのは本当なの?」 高さ100メートル、幅5メートルはありそうだ。 いろんな魔法杖のカタログを読んできたけど、さすがにこのサイズの魔法杖はどの本にも載ってなかった。 「うむっ。アッシュの要望通り、『絶対に壊れない魔法杖』を作っておるところなのじゃ!」 つまり、俺専用の魔法杖ってわけだ。 「俺のために、わざわざこんな大きな魔法杖を作ってくれるなんて......」 師匠たちの気持ちに、思わず涙腺が緩んでしまう。 「使いにくそうだわ」 街角アンケートを採れば全員がノワールさんと同じ感想を抱くだろうけど、俺にとっては使い勝手など些細な問題だ。 「完成まであとどれくらいかかりそうなの?」 「さあ、いつになるかのぅ......。わしらも早く完成させたいんじゃが、材料集めに手間取っておるのじゃ」 「でも、これって土だよね? 材料に困ることはないんじゃないの?」 「これは土であって、土ではないのじゃよ。このあたりにはアイアンワームという魔物が棲みついておってな」 アイアンワームは家くらいなら丸呑みできるサイズの芋虫だと本に書いてあった。 まあ、アイアンワームは年中地中深くに潜っているので、基本的に害はないんだけどな。 「そのアイアンワームなのじゃが、年に1度だけ地上に姿を見せるのじゃ。といっても、見せるのはおしりの部分だけじゃがな」 「アイアンワームは、排泄行為のためにおしりを出すのさ。その排泄物は、信じられないくらい硬くてね」 「要するに、じゃ。硬すぎる排泄物を集めて、固めて、圧縮し続ければ――『絶対に壊れない魔法杖』のできあがりというわけじゃ」 そう言って、師匠はため息をつく。 「といっても、アイアンワームの排泄物は貴重でのぅ。そのほとんどは土と混ざりあってしまっておるのじゃ」 「本当は純度100%の排泄物で作りたかったんだけどね。力及ばず、純度60%くらいになってしまったのさ」 それでも6割はう●こだ。 とはいえ土の臭いしかしないし、日光を反射してなんだかかっこよく感じるし、これだけ大きければ好きな模様を入れることだってできるはずだ。 かっこいい模様を彫れば愛着もわくし、そういう意味ではこのサイズでよかったと思える。 「まあ、足りない部分は我々の魔法でカバーするさ」 「アッシュくんが心配することはなにもないのよ」 「すべてわしらに任せるといいのじゃ」 師匠たちが、優しくほほ笑んでくる。 この魔法杖には師匠たちの愛が詰まっているのだ! そう考えた途端、魔法杖に愛着がわいてきた。 「俺、魔法使いになったら絶対にこれを使うよ!」 「うむっ! わしらは最高品質の魔法杖を作るのでな。アッシュも頑張って魔力を手に入れるのじゃ!」 俺は力強くうなずいた。 「俺はそのためにここへ来たんだよ。師匠たちは、遺跡について聞いてる?」 「聞いておるのじゃ。そこにいるノワールちゃんが、アッシュの力になってくれておるのじゃろう? 本当にありがとうのぅ」 「アッシュは私を救ってくれたもの。今度は私がアッシュを救うわ」 「ノワールちゃんは良い子じゃのぅ」 師匠に褒められたノワールさんは、なんだか嬉しそうにしている。 「それで、遺跡にはいつ乗りこむのじゃ?」 「明日だよ」 「では、わしらも同伴しようかのぅ。ひょっとしたら、アッシュが魔法使いになる瞬間に立ち会えるかもしれんからのぅ」 そうして、俺は師匠たちと遺跡に向かうことになったのだった。
After a week's journey, me and Mr. Noir arrived in the westernmost town of Mulun. Mulun was an idyllic country town. Across the town stands a tower of earthen colour, and beyond it stands a mountain. The ruins are beyond that mountain. "I loved this town." "Me too. I want to live here in old age." "Right. 'Cause it's not cold here." "Oh, for that reason..." Nevertheless, it is certain that it is an easy environment to spend. "What are we going to do? "I'm going to the inn first. Then let's find the masters." Looking for him, I know where he is. According to Mr. Noir's map, there was one in town and two red dots at the tower. We decided we would walk through town, lose as much and find an old lodging. "Isn't that Mr. Ash! As soon as I entered the inn, my uncle ran over. "I'm here to stay, is the room empty? "I'm free! Hey, I didn't think Mr. Ash was coming to stay! My uncle gave me the keys to the room as he spoke enthusiastically. "Take your time!" My uncle dropped me off and we headed upstairs to our room. And I just put my hand on the door, and the door next door opens. "Oh, my God, that was fast." It was - it was Mr. Cologne - who talked to me while I was away. Mouthfully, I guess Eye asked me in advance about us coming. You must have heard about the Demon King. "What are the masters doing? I greeted Mr. Cologne lightly. It's Mr. Cologne in town, which means the master and Dean Phillip should be at the tower. What the hell are you doing in there? To my question, Mr. Cologne looks good at something. "Oh, that tower - it's a magic wand." I wasn't sure, so I decided to go to my masters. I left my stuff in my room, and Mr. Noir and I headed to the tower with Mr. Cologne. There, the master and Dean Philip were touching the tower with Peppa. If you look closely, it looks like you're stuck to the tower. "Hiccup, master." When I spoke, the masters interrupted the work. "Mmm? Whoa, isn't that Ash! It's not a hiccup! "Aren't you both tired from a long journey? Look, you should drink this." That's what I said, Dean Phillip gave me a drink. I moistened my throat for once, and I snap at my masters. "Is it true that this is a magic wand? It is likely to be meters high and meters wide. I've been reading catalogues of all sorts of magic wands, but just about every magic wand of this size wasn't in any book. "Ugh. As Ash asked, I'm building a magic wand that will never break! I mean, it's my magic wand. "I can't believe you bothered to make such a big magic wand for me..." Tear glands unwittingly loosen to the feelings of the masters. "It's gonna be hard to use." If you pick a street corner survey, everyone will feel the same way about Mr. Noir, but for me it's a trivial issue such as user-friendliness. "How long is it going to take to get it done? "Come on, when will it be... We'd like to get it done soon, but we'll have to take care of collecting the ingredients." "But this is dirt, right? Don't you have any problems with the ingredients? "This is dirt, not dirt. There's a monster called Iron Worm living around here." The book said that iron worms are potato worms the size of which can be swallowed whole at home or so. Well, the iron worm's diving deep all year round, so it's basically harmless. "It's the iron worm that only shows up on the ground once a year. Even so, it's not just the buttocks." "Iron worms get buttocks out for excretory behavior. The excrement is incredibly hard." "In short, bye. If you collect too hard excrement, solidify it, and continue to compress it - the creation of a magic wand that will never break." That said, the master sighs. "Even so, iron worm excrement is precious. Most of them are mixed with dirt." "I really wanted to make it out of 0% pure excrement. It's powerless, and it's about 60% pure." Still 60%. It only smells like dirt though, I feel kind of cool reflecting sunlight, and if it's this big, I should be able to put in a pattern I like. If you carve a cool pattern, you'll get attached, and in that sense, I think I'm glad it's this size. "Well, the missing part will be covered by our magic." "Ash-kun has nothing to worry about." "I hope we can handle everything." The masters cheer gently. This magic wand is filled with the love of its masters! As soon as I thought about it, I became attached to the magic wand. "Me, I'll definitely use this when I'm a wizard! "Ugh! Because we make the highest quality magic wands. Ash works hard to get magic, too! I nodded forcefully. "That's why I'm here. Do the masters hear about the ruins? "I'm listening. Noir there is helping Ash, isn't he? Thank you so much." "Ash is what saved me. Now I'm gonna save Ash." "Noir is a good girl." Mr. Noir, praised by his master, seems somewhat pleased. "So, when are you going to ride the ruins? "Tomorrow." "Shall we accompany you then? Maybe you'll be able to see the moment Ash becomes a wizard." That's how I went to the ruins with my masters.
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20kmくらい走ったところ、俺は惨劇を目の当たりにした。 鎧武者が真になっていたのだ! しかもその近くには馬の首が転がっている......。 さらにその周りには、10人くらいのひとたちが倒れていた。 ぱっと見たところ無事なのは、しりもちをついてる女性だけだ。 ゴーレムのときみたいに結果オーライ、あるいは何事もないことを期待してたけど......これはちょっと......なんていうか、最悪だ。 ま、まあでも俺のカマイタチでこうなったと決まったわけじゃないしな! 「あのー......もしかしてなんですけど、こっちにカマイタチ飛んできませんでした?」 最初からこんなでしたよ? という返事を期待しつつたずねると、女のひとがきょとんとした顔でこっちを見てくる。 「こ、これ、きみがやったの?」 どうやらたったいま起きた出来事のようだ。 「ど、どうでしょう? 直前にスパァァァァンって音が聞こえたなら、俺のしわざで間違いありませんけど......」 頼む、否定してくれ! 「聞こえたわ!」 もの凄い勢いで肯定された。 やっぱこれ、俺のしわざか......。 俺、モーリスじいちゃんが鍛えてくれた力で人殺しをしてしまったのか......。 「じゃあ、きみが我々を救ってくれたのね!?」 たいへんなことをしてしまったと落ちこんでいたところ、思わぬ言葉をかけられた。 「救ってくれた、ですか?」 って、どういう意味だろ? そのままの意味で捉えていいのかな? 「そうよ」 彼女はよろよろと起き上がり、忌々しそうに真っ二つになった鎧武者を見る。 「我々は、この魔物に殺されかけたの」 「えっ? これ、魔物なんですか?」 「そうだけど......むしろ魔物以外のなにに見えるの?」 言われてみれば、確かにサイズがおかしいな。 半分になっているため気づかなかったけど、合体させると身長は5メートル近くある。馬も相応の大きさだし、おまけに目ある。さらにその血はどす黒い。 ショッキングな光景に気を取られて気づかなかったけど......これ、魔物だ。そう考えると気が楽になってきた。 「珍しい姿の魔物ですね。これって、このへんによく出てくるんですか?」 魔物のなかには雪国だったり洞窟だったり、特定の地域にしか棲息していないものもいる。 遺跡巡りとして世界中を旅した俺だけど、じっくり見てまわったわけではないのだ。この世界には、俺の知らない魔物がたくさんいるのである。 「こ、こんな魔物がそこらじゅうにいたら世界は滅んじゃうわっ」 「そんなに強い魔物なんですか?」 「暗黒騎士......ああ、聞いたことがあります」 聞いたというか、本で読んだことがある。100年くらい前にライン王国領を荒らしまわった伝説の魔物がいると本に書いてあったのだ。 特徴するし、これがその暗黒騎士ってわけか。 「とにかく、きみが倒してくれて助かったわ! きっと名のある魔法使いなのでしょうね。名前はなんて......」 興奮気味に語っていた女のひとが、いきなり黙りこむ。 俺の顔をまじまじと見て――ぎょっとする。 「え!? も、もしかしてきみ――あなたっ、アッシュ様ですか!?」 「はい。俺はアッシュです。様はいりませんけどね。あなたは?」 たずねると、彼女は慌ただしく背筋を正した。 「わ、私はライン王国魔法騎士団・西方討伐部隊団長のクロエと申します! そこに倒れているのは私の部下たちです! まさかこんなところでアッシュさんにお会いできるなんて思いませんでした!」 さっきまで怯えていたのが嘘のように、クロエさんは明るい顔になる。きっと俺も、同じような表情の変化があったはずだ。 ほんと、結果オーライでよかったよ......。 「あの暗黒騎士を倒すなんて、ほんとうに強いんですね!」 正直、暗黒騎士を倒したから強いと言われてもピンとこない。 を懐から取り出しただけだからな。 でも......そうだな。魔法杖を犠牲に魔物を倒したと考えれば、なんか一度限りの必殺技を使ったみたいでかっこいいな。 もちろん次からは取り扱いに気をつけるけどさ。相棒を二度も失うなんて耐えられないし、こんな恐怖体験は二度とごめんだしな。 「ところでアッシュさん。こんなところでなにをしていらっしゃるのですか?」 「実は人捜しをしてまして。ここから100kmくらい東に行った先に強いひとがいるって聞いたんですけど、ご存じありませんか?」 「ここから100kmほど東ですか......ああ、きっとティコ氏のことでしょう」 「そのひとですっ!」 シャルムさんが言ってた人名と一致するし、この先にある赤点はティコさんで間違いなさそうだ。 「ティコさんってどういうひとなんですか?」 「私と同い年......28歳の女性です。もちろん実力は私などとは比べものになりませんが。ティコ氏は我がライン王国で一二を争う実力者なのです。ですので、できれば魔法騎士団に入団していただきたいのですが......」 断られてしまったらしい。 シャルムさんはティコさんのことを世捨て人だと言ってたし、ひととの関わりを極力避けたいのだろう。 魔法騎士団に入れば嫌でも関わることになるし、だから断ったんだろうな。 シャルムさんの名前を出せば修行をつけてもらえるって言われたけど......そんなひとが俺の弟子入りを受け入れてくれるかな。ちょっと心配になってきた。 ま、なんにせよ会ってみなくちゃ話は始まらないしな。断られたら、そのときはそのときだ。 「ところで、ティコさんって魔法使いですよね?」 あの地図は『魔力』ではなく『戦闘力』を参考にして強者を割り出しているのだ。 いくら強くても武闘家だったら弟子入りする意味がない。 大魔法使いになるために修行してるわけだし、なにより世界最高の武闘家はすでに師匠になってくれてるからな。 「ティコ氏は私が知る限り、最強の光魔法使いです。以前......といっても、もう何年も前ですが。私の担当区域にストーンイーグルの群れが押し寄せたことがあるのです」 ストーンイーグルは鳥の姿をした魔物だ。全長は3メートルほどで、排泄物は石に勝る硬さだと本に書いてあった。 ストーンイーグルは単独行動を主とするが、まれに群れで移動することがあるらしい。 つまるところ、ストーンイーグルの群れが移動すると、流星群のように石の糞が降りそそぐことになるのだ。 「さすがに我々だけで殲滅するのは難しいと判断し、ティコ氏に応援を要請したのです」 「それで、どうなったんですか?」 「ティコ氏は瞬間移動で現れ、幾筋もの電撃を放ってストーンイーグルの群れを撃ち落とし、瞬間移動で姿を消したのです」 わずか数秒の出来事だったらしい。 にしても幾筋もの電撃か......。いいなぁ。俺も早く大魔法使いになって、ど派手な魔法を使ってみたいな。 そのためにも、なんとしてでもティコさんに弟子入りしないとな。 まだ若いのに最強の称号を得てるってことは、血の滲むような努力をしたはずだ。ティコさんと同じ訓練メニューをこなせば、俺も大魔法使いに近づけるのである! 「面白い話を聞かせてくれてありがとうございます!」 「お、お礼を言うのは我々のほうですよっ。ほんとうにアッシュさんには感謝しています! 私なんかにこんなことを言われたくないかもしれませんが......道中、お気をつけください!」 「クロエさんも、たいへんだとは思いますけどお仕事頑張ってくださいね」 「は、はいっ! 頑張ります!」 そうしてクロエさんと別れた俺は、ノワールさんのもとへ引き返すのだった。
When I ran about kilometers, I saw a tragedy. The armored warrior was in two! Besides, the horse's neck is rolling near it...... Further around, about ten people had fallen. From what I've seen, the only thing safe is a woman with a lump. I was hoping it would turn out okrai, or nothing, like when I was in the golem... but this is kinda... I don't know, it sucks. Well, it's not like I decided this happened with my balls! "Um... could it be that you didn't fly kamaitachi over here? That's what happened from the beginning, isn't it? When I expect a reply, one of the women looks at me with a decent face. Did you do this? Apparently, something just happened. "What do you think? If you heard a spa van just before, I'm pretty sure I did it on purpose..." Please, deny it! "I heard you! Affirmed with tremendous momentum. I knew this was my idea... Me, Grandpa Maurice, did you kill people with the power you worked out for me... "So you saved us!? I was depressed that I had done a lot of things, and I was uttered unexpected words. "You saved me, did you? What do you mean? Can I take it as it is? "That's right." She rises up and sees an armored martial artist who looks abominably twofold. "We were almost killed by this demon." "What? Is this a demon? "Yes, but... rather, other than demons. What does it look like? If you ask me, it's definitely not the right size. I didn't notice it because it's halfway there, but when combined, it's nearly five meters tall. Horses are the right size, and besides, they have eight eyes. Plus the blood is black. I didn't realize you were distracted by the shocking sight... but this is a demon. That makes me feel easier to think about it. "You're a demon with a rare appearance. Does this often come out in this area? Some of the demons are snowlands, caves, or only inhabited certain areas. I traveled around the world as a ruin tour, but I didn't take a closer look around. There are many demons in this world that I do not know. "If these demons were everywhere, the world would be doomed." "Are you such a strong demon? "Dark Knight...... Oh, I've heard of it" I heard about it, or I read about it in a book that said there was a legendary demon who vandalized the realm of the Rhine about a hundred years ago. The traits match, and this is the Dark Knight? "Anyway, thank God you knocked me down! He must be a famous wizard. What a name..." One of the women who was talking excitedly suddenly shuts up. Take a serious look at my face - a little. "Huh!? Also, could you - oh my god, is that Master Ash!? "Yes. I'm Ash. Dear Sir, I don't think so. And you?" Tauntingly, she rushed to correct her spine. "Wow, my name is Chloe and I am the head of the Magic Knights of the Kingdom of Rhine and the Western Crusade Squad! It is my men who are falling there! I didn't expect to see Mr. Ash here! Mr. Chloe will have a bright face, as if it were a lie to be frightened until just now. I'm sure I had the same facial changes. Really, I'm glad it turned out okrai...... "You're really strong enough to defeat that dark knight! Honestly, it doesn't pin me when they say I'm strong because I defeated the Dark Knight. I just took the magic wand (Withers Rod) out of my nostalgia. But... right. If you think you defeated a demon at the expense of a magic wand, it sounds cool that you used some kind of one-time special attack. Of course, I'll be careful what I do next. I can't stand losing my partner twice, and I'm sorry I've never had this horror experience again. "Mr. Ash, by the way. What are you doing here? "Actually, I've been searching for you. About a hundred kilometers east of here. I heard there was a strong one ahead, didn't you know? "Is it about meters east of here... Oh, I'm sure you mean Mr. Tico" "One of them! It matches the name of the person Mr. Sharm was talking about, and the red dots ahead of us seem unmistakable with Mr. Tiko. "What kind of person is Mr. Tico? "Same age as me...... I'm a 8-year-old woman. Of course, strength is not comparable to mine or anything else. Mr. Tiko is a man of strength in the struggle for one or two in our kingdom of the Rhine. So if possible, I'd like you to join the Magic Knights..." They said no. Mr. Sharm said he was a deserter about Mr. Tiko, and you want to avoid getting involved with one as much as possible. If you joined the Magic Knights, you'd be involved even if you didn't want to, and I guess that's why you said no. They told me that if I gave you Mr. Sharm's name, you could train him... but I wonder if such a one would accept my apprenticeship. I'm getting a little worried. Anyway, we have to see each other. We have to start talking. If they say no, then that's when. "By the way, Mr. Tico is a wizard, right? That map is not about 'magic', it's about 'combat power', it's about determining the strong. No matter how strong you are, there's no point in apprenticing you if you're a militant. I'm training to be a great wizard, and more importantly, the best militants in the world have already become masters. "Mr. Tico is, as far as I can tell, the most powerful light wizard. Even though it was...... years ago. I've had a bunch of Stone Eagles push up my area." The Stone Eagle is a monster that looks like a bird. It said in the book that it was about three meters long and that excrement was harder than stone. It seems that the Stone Eagle mainly acts alone, but rarely travels in herds. In other words, as the Stone Eagle herd moves, stone manure will descend like a meteor cluster. "We decided it would be difficult to destroy him alone, and we asked Mr. Tico for backup." "So, what happened? "Mr. Tico showed up on a moment's journey, unleashed several electric shocks, shot off a group of stone eagles, and disappeared on a moment's journey," he said. Apparently, it was only a matter of seconds. Even a few electric shocks...... Nice. I'd like to be a big wizard soon and try some fancy magic. For that matter, I have to disciple Mr. Tico at all costs. The fact that you're still young and you're getting the strongest title means you've made a bloody effort. If you do the same training menu as Tiko, I can get closer to the Great Wizard! "Thanks for letting me tell you an interesting story! "Oh, we're the ones to thank. Thank you very much to Mr. Ash! You may not want me to say this to you... but be careful on the road! "Mr. Chloe, I know it's a lot, but good luck with your work." "Ha, ha! I'll do my best!" That's how I broke up with Chloe, and I turned back to Mr. Noir.
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世界の存亡をかけた戦いから3週間が過ぎた。 今日は終業日であると同時に昇級試験の結果発表当日だ。 先ほど終業式を終えて教室に戻ってきた俺たちは、そわそわしながら結果発表を待っていた。 「さあ、いよいよみなさんお待ちかねの結果発表よ! 出席番号順に書類を取りに来なさいっ! まずはアッシュくん!」 エリーナ先生から書類を受け取った俺は、席につい折りの書類を開く。 「どうだったっすか?」 興味津々といった様子でたずねてくるエファに、俺は笑みを向けた。 「3年A組――上級クラスだっ」 「さすが師匠っすね! わたしも早く結果が知りたいっす!」 「だったら早く取りに来なさい。あなたの番よ、エファさん」 話している間にエファの順番がまわってきていたようだ。 エファは慌てて書類を受け取り、駆け足で戻ってきた。 書類を開き、ぱあっと顔を輝かせる。 「師匠と同じクラスになれたっす! これで安心して帰省できるっすよ!」 「おおっ、おめでとう! 今回はのんびりできるな!」 始業日まで2週間以上あるし、前回みたいに慌ただしい帰省にはならないだろう。 「あたしも上級クラスを維持できたよっ!」 フェルミナさんが嬉しそうに書類を見せてきた。 筆記試験は98点で、実技試験はA判定だった。 「1問間違えちゃったのが残念だよ。アッシュくんは何点だった?」 「100点だったよ」 「さすがはあたしのライバルだね! だけど次は負けないよっ! 必ずアッシュくんに追いついてみせるんだから!」 フェルミナさんの宣戦布告に、俺は笑って応えた。 フェルミナさんなら、今度こそ満点を取るだろう。 さて。 筆記試験といえば、気になるのはノワールさんだけど......。 俺はエリーナ先生から書類を受け取ったノワールさんをじっと見つめる。 ノワールさんはその場で書類を確認すると、小走りに駆け寄ってきた。 「貴方のおかげよ」 ノワールさんは嬉しそうに書類を見せてきた。 筆記試験は32点、実技試験はA判定で、3年A組――上級クラスだ! 「目標達成だなっ。おめでとうノワールさん!」 「これはもうパーティをするしかないっすね!」 エファの提案に、フェルミナさんがうんうんうなずく。 「いいねっ! みんなでお祝いしようよっ! 明日とかどうかな!?」 「大賛成っす! こういうのは早ければ早いほどいいっすからね!」 「だよねだよねっ! アッシュくんとノワちゃんも参加するよねっ!?」 「もちろん参加するよ」 「アッシュが行くなら私も行くわ」 「決まりだねっ! パーティ会場はあたしの部屋でいいかなっ!?」 フェルミナさんの部屋ってことは、女子寮だよな。 3歳だったときならまだしも、いまの俺は16歳......ではなく、先日誕生日を迎えて17歳だ。 女子寮に入ると、ほかの女子に嫌がられそうな気がする。 「俺、女子寮に入ってもいいのかな?」 「顔パスだよっ」 「師匠は魔王を倒した英雄っすからね! 嫌がられるどころか、大歓迎されるっす!」 「だよねっ! あたしも強くなって、騎士団に入って、そして――アッシュくんみたいに銅像が建つくらい活躍してみせるよっ!」 フェルミナさんは窓の外を指さして宣言した。 街中には、俺をモデルにした大きな銅像が建っていた。 ――『魔王を倒した功績を称えて、アッシュさんの銅像を建てることになりましたわっ』 アイちゃんからそんな報告を受けたのが15日前のこと。 その後の魔法使いたちの手によって、あっという間に俺の銅像ができあがったのである。 アイちゃんから銅像のことを聞かされたときは、素直に嬉しかった。 けど、いまは恥ずかしい気持ちでいっぱいだ。 なにせ銅像は、女の子のパンツしか身につけていないのだから。 魔王を倒した瞬間を再現したらしいけど、できれば普段の俺を再現してほしかった。 ほんと、あんな銅像ができるなんて予想外だ。 だけど、それ以上に予想外のことがある。 「あーあ......。僕、中級クラスになっちゃったよ」 「俺もだ......。次の昇級試験で挽回できるように、アニマルパンツ買おうぜ!」 「私もアニマルパンツ買わなきゃだよ~」 「あたしも買おうかな」 クラスメイトが、パンツの話題で盛り上がっている。 魔王との戦闘時に俺が穿いていたアニマルプリントのパンツは、『穿けば強くなる!』という触れこみにより、女児パンツでありながら老若男女に愛されているのだ。 先日街を歩いていたときパンツ業者に感謝され、一生分のパンツをプレゼントしたいと言われたけど、丁重にお断りした。 正直言うと、アニマルプリントのパンツは二度と見たくないと思っている。 まあ、あの銅像がある限り嫌でも目にすることになるんだけどね......。 「はーい、みなさん静かに~!」 エリーナ先生がパンパンと手を鳴らした。 「みんな早く休暇に入りたいだろうから、手短にホームルームを済ませるわ! 今日から長期休暇に入るけど、はめを外しすぎないように気をつけるのよ! 以上、解散!」 あっという間にホームルームが終わり、教室は再び賑々しさに包まれる。 「アッシュくんは休みの予定とか決めてる? もしよかったら帰省につきあってほしいなっ。お父さんもアッシュくんに会いたがってたし......どうかな?」 》との戦いについてフェルミナさんに話したのだろう。 フェルミナさんのお父さんは騎士団に所属しているし、ためになる話が聞けそうだ。 「あんまり長居はできないけど、それでもよければ行くよ」 俺は休暇を利用して、遺跡に行く予定なのだ。 キュールさんの話によると、遺跡には魔法に関する石碑があるらしい。 そのなかに魔力獲得の手がかりが隠されているかもしれないのだ。 ......そう。 コロンさんの退化薬をもってしても、俺に魔力は宿らなかったのだ。 胴上げが終わり、鏡でおしりを確認したときは本当にショックだった。 だけど、俺にはまだ遺跡という希望が残っている。 諦めるのは、まだ早いのである! 「来てくれるだけでも嬉しいよっ! エファちゃんとノワちゃんにも来てほしいなっ」 「わたしも長居はできないっすけど、それでもよければぜひ遊びに行きたいっす!」 「......アッシュが行くなら私も行くわ」 「決まりだねっ! いやぁ、楽しい休暇になりそうだよっ!」 うきうきとした口調で語るフェルミナさんに、俺は心の底から同意する。 なんとしてでも遺跡で魔力獲得の手がかりを手に入れ、魔法使いとして新学期に臨むのだ! そう考えると、わくわくが止まらない。 「アッシュさん、ちょっとお伝えしたいことがあるのですが......」 俺がどこの遺跡に行こうか考えていると、アイちゃんが廊下から手招きしてきた。 俺は楽しげに会話をしているフェルミナさんたちを教室に残し、廊下に出る。 「どうしたんですか?」 「先ほど、刑務所のほうから連絡があったのですわ。リングラントという方が正気に戻ったのだとか」 リングラントさんには、ノワールさんの前世の記憶を消した疑惑がかかっている。 その理由を確かめるため、話してみたいと思っていたのだ。 ノワールさんもつれていったほうがいいかもしれないけど......エファたちと楽しそうに話しているし、それにノワールさんはリングラントさんの顔なんて見たくもないだろう。 ......俺ひとりで行ってみるか。 「ありがとうございます。さっそく行ってみます」 アイちゃんに別れを告げた俺は、屋上に出た。 ここから刑務所までは30kmも離れていないし、バッタみたいに数回跳べば到着できる。 俺は屋上を破壊しないように力を抑え、刑務所方面へとジャンプするのだった。 刑務所に着いた俺は、面会室に通された。 透明な壁の向こうに、リングラントさんが座っている。 「私になんの用だ?」 リングラントさんがむすっとした顔でたずねてきた。 世界最強の魔法使いことゴーレムを破壊され、怒っているのだ。 こんな心境で、俺の質問に答えてくれるだろうか......。 「単刀直入に聞きますけど......ノワールさんの前世の記憶を消しましたか?」 俺の質問に、リングラントさんは悪びれることなくうなずいた。 「確かに、私はノワールの記憶を消した。あいつの記憶力が悪いのは、その後遺症だ」 「そうなんですか!?」 勉強を教えていたとき、なかなか覚えてくれないなーと思っていたけど、まさかリングラントさんのせいだったとは。 ......これ、ノワールさんに教えたら、ますますリングラントさんを恨むだろうな。 できればノワールさんには楽しい学生生活を送ってほしいし、恨みとか憎しみとか、そういう感情は持ってほしくない。 やっぱりノワールさんをつれてこなくて正解だったな。 「それで、どうして記憶を消したんですか?」 「知りたければ私の条件を呑むことだな」 「条件?」 リングラントさんはうなずき、ぐっと拳を握りしめた。 「私は刑期を終えたら再びゴーレムを作るのだ! そのとき、貴様には実験台になってほしい。貴様を倒すことができれば、私は間違いなく世界最強の魔法使いを生み出したことになるのだからな!」 人体実験は禁じられているけど、ゴーレムを作ることは禁じられていなかったはずだ。 俺としても強い相手と戦いたいし、どちらにとってもメリットのある条件だ。 「ゴーレムに襲わせるのは俺ひとりにすると、約束してくれますか?」 「もちろんだ。ザコを倒したところで意味がないのでな」 「そういうことなら、その条件を受け入れます」 「よしっ、交渉成立だ! そうと決まれば長生きせねばな!」 リングラントさんは生き生きとした表情でそう言うと、まじめな顔をした。 「まず、ノワールは魔力がないせいで孤児になったと思いこんでいるが、本当は自分の意思で家を出たのだ」 実験台を探していたリングラントさんは、空腹で倒れていたノワールさんを研究所につれて帰り、改造手術を施すことにしたらしい。 そして手術は、ノワールさんの同意の上で行われたのだとか。 「本当にノワールさんが同意したんですか?」 「うむ。ノワールは私にこう言ったのだ」 ――『このままでは魔王の封印が解けるのじゃ!』 ――『わらわを世界最強の魔法使いにできるなら、いますぐ手術するのじゃ!』 ――『あのクソ魔王め! わらわのプライドを粉々に砕きおって! 今度は封印ではなく葬ってやるのじゃ!』 「――とな。ただ、私がほしかったのは、私の命令に忠実な世界最強の魔法使いだったのでな」 だからノワールさんの記憶を消したのか。 ノワールさんの記憶を消した理由についてはわかったけど、新たな疑問が浮上した。 「その封印された魔王って、氷系統の魔王ですかね?」 闇、土、光、風、炎、水を司る魔王は俺が倒した。 あの6体は封印どころか長年やりたい放題してたっぽいし、だとすると封印されているのは残る1体――氷系統の魔王ということになる。 》は『貴様のせいで魔王はわしらだけになってしまった』と言っていたけど、死んだと勘違いしていただけなのだ。 「ノワールが封印した魔王の正体は知らんが、そいつが氷系統の魔王――《氷の 「どうしてそう言いきれるんですか?」 俺の問いに、リングラントさんははっきりとした口調でこう言った。 「ノワールの前世が、《氷の帝王》だからだ」
Three weeks have passed since the battle for the survival of the world. Today is the day of announcement of the results of the promotion exam at the same time as the end of the day. We came back to class after the closing ceremony earlier, and we were waiting for the results to be announced as we twitched. "Now let's finally announce the results you can't all wait to hear! Come and get the papers in order of attendance number. Go! First, Ash-kun! I got the paperwork from Dr. Elena, and I'm gonna open the bi-fold paperwork about the seat. "How'd it go? I turned my grin to Effa, who looked so intrigued. "Three years, Group A - advanced class." "That's right, you're a master! I want to know the results soon, too! "Then come and get it. It's your turn, Mr. Efa." Looks like Effa's order was coming around while we were talking. Efa rushed to receive the paperwork and rushed back. Open the paperwork and let your face shine. "I could have been in the same class as my master! Now you can safely go home! "Whoa, congratulations! You can relax this time! We have more than two weeks until the start date, and it won't be a rushed homecoming like last time. "I was able to maintain an advanced class, too! Mr. Fermina has happily shown the paperwork. The written exam was points and the practical exam was a judgment. "I'm afraid I asked the wrong question. What was your point, Ash? It was a hundred points. "That's my rival! But you can't lose next time. Make sure Ashkun catches up with you! I laughed and responded to Mr. Fermina's declaration of war. Mr. Fermina would get a full score this time. Well. Speaking of written exams, I'm worried about Mr. Noir...... I got the paperwork from Dr. Elena. I stare at Mr. Noir. When Mr. Noir checked the paperwork on the spot, he rushed over for a small run. Thanks to you. Mr. Noir has happily shown the paperwork. The written exam is points, the practical exam is a judgment, and the three-year A-group - it's an advanced class! "We're on target. Congratulations, Mr. Noir! "I guess we'll just have to party now! To Efa's suggestion, Mr. Fermina nods yeah, yeah. "Nice! Let's all celebrate! Maybe tomorrow or something!? "I agree with you very much! Because the sooner you do this, the better! "Right, right! Ash-kun and Nowa will be joining us!? "Of course I'm in." "If Ash's going, I'm going, too." "It's settled. Hey! Party venues are good for my room!? Mr. Fermina's room means the girls' dorm, right? If I was three, I'd still be the other day for my birthday, not 16. When I go into the girls' dorm, I feel like other girls are going to hate me. "Me, can I go into the girls' dorm? "It's a face pass." "My master is a hero who defeated the Demon King! Instead of being disgusted, you're welcome! "That's right! I'm stronger, I'm in the Knights, and - like Ash-kun, let's make it work enough for the bronze statue to build! Mr. Fermina declared by pointing out the window. There were big bronze statues all over the city modeled after me. - "In honor of the defeat of the Demon King, we're going to build Mr. Ash's bronze statue." It was fifteen days ago that I received such a report from Ai. Then, by the hands of the leading wizards, my bronze statue was quickly created. When Eye asked me about the bronze statue, I was honestly happy. But now I'm full of embarrassment. Anyway, the bronze statue only wears girls' pants. They recreated the moment they defeated the Demon King, but they wanted me to recreate who I usually am, if possible. Really, it's unexpected to have such a bronze statue. But more unexpected than that. "Ahhh...... I'm in an intermediate class." "Me too... Buy Animal Pants so you can salvage them in your next promotion exam! "I have to buy animal pants too ~" "I think I'll buy one, too" My classmates are thriving on the subject of pants. The Animal Print pants I wore during the battle against the Demon King were: 'Wear them and you'll be stronger!' Because of the touch, they are loved by young and old, even though they are girls' pants. The other day when I was walking in the city, the pants vendor thanked me and told me he wanted to give me pants for the rest of my life, but politely declined. To be honest, I never want to see Animal Print pants again. Well, as long as there's that bronze statue, I don't like it, but I'm going to see it... "Yes, everyone, be quiet!" Dr. Elena rang her hands with bread. "Everyone will want to get on vacation soon, so I'll get the homeroom done in a short time! We're going on a long vacation today, but be careful not to take it off too much! That's it, dissolve! Soon the home room will be over and the classroom will be wrapped up in the bustle again. "Ash, are you planning a holiday or something? I'd like you to come home if you like. Your father wanted to see Ashkun too... what do you think? I guess he told Mr. Fermina about his fight against the Emperor of the Earth (Earth Road) because he no longer needed to keep a secret about the Demon King. Mr. Fermina's father belongs to the Knights, and I think I can hear stories that will help. "I can't stay very long, but I'll go if you want." I plan to take advantage of my vacation and go to the ruins. According to Mr. Cuhle's story, the ruins have stone tablets about magic. In the meantime, there may be clues to the acquisition of magic. ... Yes. Even with Mr. Cologne's digestive pills, I didn't live with magic. I was really shocked when my torso was finished and I checked my buttocks in the mirror. But I still have hope for the ruins. It's too early to give up! "I'm just glad you came! You want Effa and Nova to come too." "I can't stay long either, but I'd love to go see him if I could! "... If Ash's going, I'm going too" "It's settled. Hey! Hey, it's gonna be a fun vacation! I agree with Mr. Fermina in a groaning tone from the bottom of my heart. Whatever you do, get clues to gain magic in the ruins and come to the new semester as a wizard! Thinking about it, I can't stop being excited. "Mr. Ash, I have something to tell you..." When I was thinking about which ruins to go to, Ai invited me from the hallway. I'm having a fun conversation, leaving Mr. Fermina in the classroom and out in the hallway. "What's wrong with you? "Earlier, I heard from the prison. You think Ringrant's back to sanity?" Mr. Ringrant is under suspicion of erasing Mr. Noir's memory of his previous life. I wanted to talk to you to see why. Mr. Noir, you might want to take him with you... but he looks like he's having fun talking to the efferents, and Mr. Noir won't even want to see Mr. Ringrant's face. ... Do you want me to go alone? "Thank you. I'll just go." I said goodbye to Ai, and I went out on the roof. We're not even 30 km away from here to jail, and if we jump a few times like a bat, we can get there. I suppressed my power not to destroy the roof and jumped towards the prison. When I got to jail, I was put through to the visiting room. Beyond the transparent wall, Mr. Ringrant sits. "What can I do for you? Mr. Ringrant was staring at me with a grumpy face. The most powerful wizard in the world, the Golem, has been destroyed and is angry. In this mood, will you answer my question... "I ask you directly... have you erased Mr. Noir's memory of his previous life? To my question, Mr. Ringrant nodded without being offended. "Sure, I erased Noir's memory. His poor memory is the aftermath." "Really!? When I was teaching you how to study, I didn't think you'd remember much, but I didn't know it was Mr. Ringrant's fault. ... If I told Mr. Noir about this, he would resent Mr. Ringrant more and more. I want Mr. Noir to have a fun student life if possible, and I don't want him to have feelings like resentment or hate. I knew you were right not to follow Mr. Noir. "So how did you erase your memory? "If you want to know, you're gonna swallow my terms." "Conditions?" Mr. Ringrant nodded and grabbed his fist for a long time. "I'm going to make the golem again when I'm done with my sentence! At that time, I want you to be an experimental bench. If I can defeat you, I will undoubtedly have created the most powerful wizard in the world! Human experimentation is forbidden, but it shouldn't have been forbidden to make a golem. I want to fight a strong opponent even with me, and it's a condition of benefit to both. "Will you promise me that I'll be the only one left to attack the Golem? "Absolutely. It doesn't make any sense when you defeat Zako." "If that's the case, I'll accept that condition" "Alright, negotiations are in place! If that's what you decide, you have to live long! When Mr. Ringrant said so with a lively look, he looked serious. "First of all, Noir thinks he's been orphaned because of his lack of magic, but the truth is he left the house of his own free will" Mr. Ringrant, who was looking for an experimental bench, apparently decided to follow Mr. Noir back to the lab where he had fallen on an empty stomach and perform a modified surgery. And the surgery was performed with Mr. Noir's consent? "Did Mr. Noir really agree? "Hmm. This is what Noir said to me." - "You can't unseal the Demon King like this! - 'If you can make Weird the most powerful wizard in the world, operate now! - "You fucking demon king! Shatter the pride of the straw! Now you're going to bury him, not seal him! "- That's right. I just wanted to be the most powerful wizard in the world who was true to my orders." Is that why you erased Mr. Noir's memory? Now I know why you erased Mr. Noir's memory, but a new question has surfaced. "Is that sealed demon king the demon king of the ice system? I defeated the demon king who commands darkness, earth, light, wind, flames, and water. Those six bodies seem to have been all you want to do for years instead of being sealed, and then what's left of them is one - the demon king of the ice lineage. "The Fire Emperor" said, "Because of you, the Demon King has become us alone," but I was just mistaken for dead. "I don't know who the demon king Noir has sealed, but I'm only certain that he's not the demon king of the ice lineage - The Ice Emperor (Ice Lord)." "How can you say that? To my question, Mr. Ringrant said this in a clear tone. "Because the previous life of Noir was the Ice Emperor."
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朝のホームルームにて。 、アイナ・ヴァルミリオンと申します。本日からしばらくのあいだ学院長の代理を務めさせていただきますので、よろしくお願い致します」 エリーナ先生が連れてきた女性の自己紹介に、教室は騒然としていた。 アイナ・ヴァルミリオンはエルシュタット魔法騎士団の 同時に、エルシュタット王国の王女様でもある。 さらに服装と声からして、明らかに『アイちゃん』だ。 そしてアイちゃんの手には、服屋の紙袋が握られていた。 俺の予想が正しければ、紙袋のなかには『あれ』が入っているはずだ。 ......もしかすると俺は、とんでもないアドバイスをしてしまったのかもしれない。 「うわあっ、生アイナ様だ! 生アイナ様だよっ!!」 有名人の登場に、フェルミナさんは大はしゃぎだ。 将来的に騎士団に所属したいと思っているフェルミナさんにとって、アイちゃんは女神様みたいな存在なのだろう。 「うわあっ、こっちに近づいてきたよっ!? ねえ、どうしよう!?」 フェルミナさんが俺の肩を揺さぶりながら話しかけてくる。 それはこっちの台詞だよ! 俺もいま、どうしようかと思ってるところなんだ! 「うわあっ、アイナ様が目の前に来たよ!?」 目の前で立ち止まったアイちゃんに、フェルミナさんは立ち上がって頭を下げる。 「は、はじめまして! フェルミナ・ハーミッシュです! あのっ、父がお世話になってます!」 「ハーミッシュ......ああっ、北方討伐部隊の副団長さんですわねっ。あなたのお父様のことは、メルニアから聞かされてますわ。とても頼りになるのだと、褒めていましたわよ」 北方討伐部隊って、メルニアさんが率いてる部隊だよな。 てことは、こないだ土から引っこ抜いたひとのなかに、フェルミナさんのお父さんがいたってことか。 「メルニア様に評価していただけて光栄ですっ! あたしもメルニア様みたいに強くて勇ましい魔法使いになれるように頑張ります!」 お父さんを褒められて、フェルミナさんは嬉しそうに瞳を潤ませていた。 メルニアさんは、魔王を前にしているというのに俺を助けようとしてくれた。 ああいう『圧倒的な強敵に立ち向かう魔法使い』こそ、フェルミナさんの理想なのだろう。 などと考えていると、アイちゃんが俺に笑みを向けてきた。 「あなたがアッシュさんだったのですね。私が誰だかわかります?」 「アイちゃんですよね」 俺の発言に、教室がざわめいた。 「アイナ様のことをアイちゃんって......ふたりはどういう関係なの!?」 「それは秘密ですわ」 アイちゃんは唇に人差し指を当て、ウィンクする。 火に油だった。 アイちゃんの意味深な発言により、教室はますます騒然とする。 「さて、アッシュさん。私、あなたとふたりきりでお話がしたいのですわ。学院長室へ来ていただけると嬉しいですわ」 アイちゃんは真剣な顔で言った。 話ってのは、《土の 「わかりました」 俺が席を立つと、フェルミナさんがぎゅっと手を握ってきた。 「どうしたんだ?」 「え、えっとね......お、お礼はするから、アイナ様のサインをもらってきてほしいの。......だめ、かな?」 フェルミナさんの耳打ちに、俺は「頼んでみるよ」と答えるのだった。 「まずはお近づきのしるしにこれを」 学院長室に着くなり、アイちゃんは紙袋を差し出してきた。 「つまらないものですが......といえば失礼になりますわね。なにせあなたに選んだんですものっ。まさかあんなところで出会うなんて......なんだか運命的なものを感じますわっ」 アイちゃんは俺のために一生懸命になって服を選んでくれたのだ。 中身は幼女のパンツとかだけど......お姫様にここまでのことをされて、嬉しくないわけがない。 女装するのは恥ずかしいけど、これは精神的に成長するチャンスでもある。 羞恥心を克服することで精神的な成長を遂げ、 そう考えると、これは最高の贈り物ということになる。 「ありがとうございます。俺、毎日着ます!」 「まあっ、嬉しいですわっ」 アイちゃんは嬉しそうに頬を緩ませたあと、真剣な顔をした。 「さて、アッシュさん。まずは世界を代表してお礼を言わせていただきますわ。《土の帝王》を倒していただき、ありがとうございます」 「あ、頭を上げてくださいっ。俺、本当にたいしたことはしていませんから。ただ殴っただけですから」 「ですが、魔王を一撃で倒せるようになるまでに途方もない努力を積んだはずですわ。一国の姫としてアッシュさんの努力に敬意を払い、相応の報酬を与えないわけにはいきませんわ」 「報酬ならすでに受け取りましたよ」 俺は紙袋を掲げてみせた。 「そ、それはただの手土産ですわっ。あなたが望むなら、なんだって用意しますわっ。なにか欲しいものはありませんの?」 俺が一番欲しいものは『魔力』だ。 だけどそれは、たとえお姫様だとしても用意できるものではない。 「だったら、アイちゃんのサインが欲しいです」 「そ、そんなものでいいんですの?」 「はい。これはアイちゃんにしか用意できないものですから」 「......あなたは本当に欲がないのですね。わかりましたわ」 「ありがとうございます。『フェルミナさんへ』と書いてもらえると助かります」 「わかりましたわ。では、心をこめて書かせていただきますわ」 アイちゃんは自前のハンカチにサインを書き、俺に渡す。 そのあと、教室に戻った俺はフェルミナさんにサイン入りハンカチを渡した。 「ありがとうアッシュくんっ! 宝物にするよっ!」 フェルミナさんは泣いて喜び、俺に抱きついてきたのだった。 「ひさしぶりだね、モーリス」 モーリスが『魔の森』にある自宅で夕飯を食べていると、突然目の前にフィリップが現れた。 「び、びっくりするじゃろ! 瞬間移動を使うなら事前に連絡せい!」 「ははは、すまないね」 フィリップはそう言って、食卓についた。 モーリスは愚痴をこぼしつつ、フィリップの食事を用意する。 それから席につき、真剣な眼差しをフィリップに向けた。 「で、なにしに来たのじゃ? 世間話をしに来た......という雰囲気ではなさそうじゃが」 「察しがいいね。ただ、具体的な話はコロンが来てからにするよ」 コロンは一流の薬師にして闇系統に秀でた魔法使いだが、瞬間移動は使えない。 アッシュのような例外を除き、普通に移動しようとすれば、ラムニャールから『魔の森』までは早くても1週間はかかるだろう。 「コロンが来るまで、ここに滞在するのか?」 「そのつもりさ」 「むさ苦しくなるのぅ」 「お互い様さ」 軽口を叩きあったあと、モーリスは本題に入る。 「勇者一行の創立メンバーを招集するということは、ついに《終末の 「きみは本当に察しがいいね。残念ながら、そのようだ。ただ、さっきも言ったけど、具体的な話はコロンが来てからにするよ。いまこの場で言えることはひとつだけさ」 フィリップは、じっとモーリスを見つめる。 「きみと、私と、コロン――。我々が手塩にかけて育てた3人の弟子を、集合させるときが来たのさ」
in the morning home room. "Nice to meet you all. My name is Aina Valmilion. I will be acting as Dean of the Academy for a while from today, thank you." The classroom was noisy in introducing herself to the woman Dr. Elena brought. Eina Valmilion is the General Manager (top) of the Elstadt Magic Knights. At the same time, she is the princess of the kingdom of Elstadt. More from the outfit and the voice, it's obviously 'Eye'. And in Eye's hand, a paper bag from the clothes store was gripped. If my predictions are correct, there should be 'that' in the paper bag. ... Maybe I gave you some terrible advice. "Wow, it's Raw Aina! Raw Eina! To the appearance of celebrities, Mr. Fermina is a big shag. For Mr. Fermina, who wants to be a part of the Knights in the future, I guess Eye is like a goddess. "Wow, you just approached me!? Hey, what do we do!? Mr. Fermina talks to me shaking my shoulder. That's our dialogue! I'm just trying to figure out what to do! "Wow, Master Aina is here in front of you!? To Ai, who stopped in front of him, Mr. Fermina stood up and bowed her head. "Nice to meet you! It's Fermina Hermish! Um, my father's taking care of me! "Hermish...... ahhh, I'm the deputy head of the Northern Crusade Force. Hey. Mernia told me about your father. He praised me for being so dependable." The Northern Crusade Corps is the one led by Mr. Mernia. Does this mean that Mr. Fermina's father was among the ones who pulled it out of the dirt the other day? "It's an honor for you to appreciate Mernia! I will do my best to be a strong and brave wizard like Master Mernia! Praised for his father, Mr. Fermina was happily moisturizing his eyes. Mr. Melnia tried to help me when he said he was in front of the Demon King. Oh, "Wizard in the face of overwhelming mighty enemies" is probably Mr. Fermina's ideal. Thinking, for example, Ai has turned a grin on me. "You were Mr. Ash, weren't you? Do you have any idea who I am? "Ai, right?" The classroom bothered me with what I said. "What does Aina mean... what does she have to do with you two?!? "That's a secret." Eye puts her index finger on her lips and winks. It was oil on fire. Eye's profound remarks make the classroom increasingly noisy. "Well, Mr. Ash. I'd like to talk to you alone. I'm glad you came to the Dean's office." Eye said with a serious face. Talking about the Emperor of the Earth (Earth Road). "Okay." When I took my seat, Mr. Fermina shook his hand all the time. "What's going on? "Uh... thank you so much, I want you to sign for Eina.... No, I guess? To Fermina's ear, I said, "I'll ask for it." "Let's start with this as a sign of your closeness" When I got to the Dean's office, Ai offered me a paper bag. "It's boring... but that would be rude. Anyway, I chose it with you. I can't believe we met in that place... I feel kind of fateful." Ai worked so hard for me that she picked out her clothes. The contents are like the pants of a toddler girl...... there's no way the princess isn't happy to have done this so far. I'm ashamed to dress as a woman, but this is also a chance to grow spiritually. It is by overcoming shame that spiritual growth takes place, and magic spots (Stiegel) may float. Thinking about it, this would mean the best gift ever. "Thank you. I wear it every day! "Oh, I'm so happy." Eye looked serious after she let her cheeks loosen with joy. "Well, Mr. Ash. Let me begin by thanking you on behalf of the world. Thank you for defeating the Emperor of the Earth." "Oh, please raise your head. I haven't really done much. I just hit him." "But you must have made an unbroken effort before you could defeat the Demon King with one blow. As a princess of one country, you can't honor Mr. Ash's efforts and not give him the reward he deserves." "You've already received your reward." I asked him to put up a paper bag. "Oh, that's just a souvenir. I'll get you anything you want. Don't you have anything you want? The thing I want most is' magic '. But that's not something you can prepare, even if you're a princess. "Then I want Eye's autograph" "Oh, is that okay with you? "Yes, because this is something I can only prepare for Eye" "... you really don't have greed, do you? Okay, I get it." "Thank you. It would be helpful if you could write 'To Mr. Fermina'" "I get it. Now let me write with all my heart." Ai writes her autograph on her own handkerchief and gives it to me. After that, when I got back to class, I handed Mr. Fermina my autographed handkerchief. "Thanks Ash! Make it a treasure! Mr. Fermina cried and rejoiced and hugged me. "Hiccup, Maurice." Philip suddenly appeared in front of Maurice as she was eating dinner at her home in The Devil's Forest. "Bitch, you surprise me! If you want to use instant travel, contact me beforehand! "Ha, sorry." That's what Philip said, he got on the table. Maurice spills her stupidity while preparing Philip's meal. Then I took a seat and turned my serious eyes to Philip. "So, what are you doing here? I'm here to talk to the public... It doesn't seem like it's the same atmosphere." "I like to guess. But we'll talk about it in detail when Cologne gets here." Cologne is a wizard who excelled in the dark system by being a first-rate pharmacist, but can't use instant travel. With exceptions like Ash's, trying to travel normally would take as early as a week to get from Ramnjar to The Devil's Forest. "You're staying here until Cologne gets here? "I'm going to." "You're going to suffer." "Mutual." After a light slap, Maurice gets to the point. "Convening the founding members of a line of brave men is finally coming to an end, isn't it?" "You're really good at guessing. Unfortunately, it seems so. However, as I said earlier, we'll talk about specifics after Cologne arrives. There's only one thing I can say right now." Philip stares at Maurice. "The time has come for you, me and Cologne, to gather together the three disciples that we raised with salt."
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魔王との軽いいざこざはあったものの、日が昇る頃にはエルシュタニアに戻ることができた。 学院に向かって歩いていると、校門前にノワールさんを発見する。 「おはよ、ノワールさん。こんな朝早くになにしてるんだ?」 挨拶すると、ノワールさんが無表情で見下ろしてきた。 「......迷子なの?」 まあ、初見で正体を見抜けってのが無理な話か。 「俺はアッシュだよ」 「アッシュは、もっと背が高いわ。だけど、貴方は私より小さいわ」 ノワールさんはそう言うと、制服のマントを脱ぎ、俺の身体にそっと羽織らせてきた。 そういえば、俺の上着は魔王に土にされたんだった。 「ありがとう、ノワールさん」 「......感謝されると照れるわ」 ノワールさんは大切そうに手にしていた『外カリッ、中もふっ♪ もっちりもちもちほっぺがとろける夢のめろめろメロンパン(食べかけ)』をちぎり、俺の手に握らせてきた。 「全部はだめよ。残りは友達にあげるのよ」 ノワールさんは『友達』の部分を強調する。 その友達って、俺のことかな? 大好きなメロンパン(食べかけ)を分けてくれるなんて...... 「なにやってるんすか?」 ノワールさんの好意に感動していると、エファが駆け寄ってきた。 俺の訓練メニュー通り、早朝ランニングをしていたようだ。 「子どもに絡まれたわ」 エファは首をかしげ、ぽんと手を打った。 「ああ、迷子っすか」 エファはしゃがんで俺に目線をあわせると、にこにこしながら頭を撫でてきた。 妹がたくさんいるだけあって、子どもの扱いに慣れてるな。 「ぼく~、お名前はなんていうっすかぁ?」 「アッシュだよ!」 「かっこいい名前っすねぇ。お姉さんはエファっていうっすよぉ」 「違うんだ。俺はアッシュ・アークヴァルドなんだ」 「あはっ。さすがわたしの師匠っすね! こんな小さな子どもが、師匠に憧れるあまり『アッシュ・アークヴァルド』を名乗ってるっすよ!」 エファはめちゃくちゃ嬉しそうだ。 喜んでいるところ悪いけど、このまま勘違いさせておくわけにはいかない。 「俺は正真正銘のアッシュだよっ。ほら、いつも広場で武術の稽古をつけてやってるだろ?」 「稽古に参加したくて、こっそり覗き見してたんすね?」 「当事者だよっ!」 「うんうん。大きくなったら、師匠に弟子入りするといいっす!」 ......だめだ。 エファは俺のことを完全に子どもだと信じこんでいる。 「やあやあ、みんなそろってアッシュくんのお出迎えかなっ? かく言うあたしもそうなんだけどねっ!」 校門にフェルミナさんの元気な声が響いた。 またこの流れか......。 フェルミナさんも、俺に気づいてくれないんだろうな。 「って、アッシュくんが小さくなってる!?」 初見で見抜かれた。 「どうして俺だとわかったんだ?」 「どうしてもこうしてもアッシュくんの面影残りまくりだよっ! ......アッシュくんだよね?」 俺はこくこくうなずき、フェルミナさんたちを見上げる。 「いろいろあって、3歳児になったんだ。まあ3ヶ月で元の姿に戻るけどね」 「私は、はじめからわかっていたわ。ちょっとからかってみただけよ」 ノワールさんが言うと本当かどうかわからないな。 そで、エファは泣きそうな顔をしていた。 「師匠の正体に気づけなかったわたしは破門っすか......?」 「破門なんてしないって。ちゃんと卒業まで面倒見るよ。また今日から一緒に稽古しような」 「は、はいっす! わたし、もっともっと頑張るっす!」 エファはぐしぐしと涙を拭い、めらめらとやる気の炎を燃やす。 「とにかくおかえりだね、アッシュくんっ!」 「うん。ただいま」 とまあ、そうしに出迎えられた俺は、今回の出来事を報告するため学院長室へと向かうのだった。 「あら、あなたたち早いのね......その子は誰なの?」 エファたちと廊下を歩いていると、エリーナ先生に呼び止められた。 「この子はアッシュくんですよっ! ほらっ、目元とかそっくりじゃないですかっ! どこからどう見てもアッシュくんですよっ!」 「どこからどう見てもアッシュくんには見えないわよ......?」 エリーナ先生は困惑している。 俺は編入試験を『ただの大声』で突破したが、エリーナ先生は『拡声魔法』だと信じこんでいるのだ。 そして編入試験の内容は、ごく一部の人間しか知らない。 俺の言葉に、エリーナ先生はぎょっとする。 「な、なぜあなたがそれを知って......まさか、本当にアッシュくんなの?」 「はい。いろいろあって3歳児になったので、フィリップ学院長に報告することにしたんです」 エリーナ先生は唖然とした顔でため息をついた。 「まったく、あなたには驚かされてばかりね。フィリップ学院長なら、急用ができたとかで、しばらく学院を留守にするわよ」 急用って、やっぱり《土の 俺にも関係のあることだし、そのうち呼び出されるかもしれないな。 フィリップ学院長と話すのは、そのときでいいか。 「用事ってなんだろうねっ?」 「フィリップ学院長は国王様でもあるっすからねぇ。きっと大事な会議っす!」 エファとフェルミナさんは楽しそうにおしゃべりしている。 ......魔王が降臨したことが広まれば騒ぎになるだろうし、言いふらさないほうがよさそうだ。 ノワールさんたちと別れた俺は、学生寮の自室で全裸になっていた。 鏡に背を向け、ぷりっとしたおしりを見つめる。 「......浮かんでない」 ショックだった。 泥遊びを卒業したとき精神的に成長したと思ったんだけど、 は浮かんでなかったのだ。 タイムリミットは残り3ヶ月。 精神的に成長できそうなイベントには積極的に参加して、魔力斑を手に入れないとな! ......まあ、それはそれとして。 「半裸で授業に出るわけにはいかないよな......」 ズボンは無事だったけど、上着は土になってしまった。 部屋にあったシャツを着てみたけど、ぶかぶかだ。 「授業まで余裕あるし、子ども服を買いに行こうかな」 たしか近所に朝早くから営業している服屋があったはずだ。 俺はお金を握りしめ、学生寮をあとにしたのであった。
I'M Not Lost, Sir. Though I had mild troubles with the Demon King, by the time the sun rose I was able to return to Elstania. As he walks towards the college, he discovers Mr. Noir in front of the school gate. "Oh, Mr. Noir. What are you doing early this morning? When I greeted him, Mr. Noir looked down without a look on his face. "... are you lost? Well, is it impossible to tell who you are at first sight? "I'm Ash." "Ash is taller. But you're smaller than me." When Mr. Noir said so, he took off his uniform cape and gently let my body weave his feathers. Speaking of which, my jacket was dusted by the Demon King. "Thank you, Mr. Noir" "... I'll be thankful." Mr. Noir had ripped off the "crunchy outside, fluffy inside ♪ The mellow melon bread (about to eat) of his dreams with his mochimochi cheeks melting," which he was holding in my hand. "Not all of it. Give the rest to your friends." Mr. Noir highlights the 'friends' part. Is that friend of mine? I can't believe you split my favorite melon bread (about to eat)... "What are you doing? When I was impressed by Mr. Noir's favor, Efa rushed over. Looks like he was running early in the morning, as per my training menu. "I'm tangled by a child." Efa put her neck up and punched her hand with a pong. "Oh, are you lost?" Efa crouched down and glanced at me, grinning and stroking her head. You just have a lot of sisters and you're used to treating children. "Me, what's your name? "It's Ash! "That sounds like a cool name. Your sister is called Efa." "It's not. I'm Ash Arkvaldo." "Aha. That's my master! Such a small child calls himself" Ash Arkvald "too much to admire his master! Efa looks so happy. I'm sorry I'm happy, but I can't let you get me wrong like this. "I'm the real Ash. Yikes. Look, you always wear martial arts arches in the square, right? "You want to take a sneak peek at the auditorium? "Party. Yikes! "Yeah, yeah. When I grow up, I hope to be a disciple to my master! ... No. Efa believes in me completely as a child. "Hey, guys, is it time to welcome Ash-kun? I'll tell you what. Me too. Hey! Mr. Fermina's energetic voice echoed at the school gate. This flow again... Mr. Fermina won't even notice me, I guess. "What, Ash-kun is getting smaller!? I was spotted at first sight. "How did you know it was me? "Even if we do this, Ash-kun's shadow stays behind!... Ash, right? I nod and look up at Mr. Fermina and the others. "There's a lot going on, I'm a three-year-old. Well, I'll be back where I was in three months." "I knew it from the beginning. I was just making fun of you." I don't know if it's true, Mr. Noir said. On the other hand, Effa looked like she was about to cry. "I didn't realize who my master was. Am I going to break the door...? "He said he wouldn't break the door. I'll take good care of you until you graduate. Let's start auditioning together again today." "Ha, ha! I'll try harder! Efa wipes her tears and burns a flame of hesitation and motivation. "Anyway, welcome back, Ash! "Yeah. I'm home." Well, that's how I was greeted by the three of us, and I headed to the dean's office to report this incident. "Oh, you guys are early...... who is that kid? Walking down the hallway with the Ephas, Dr. Elena stopped me. "This girl is Ash-kun. Yo! Look, don't look just like your eyes or anything! I don't care where you look from, Ash. Yo! "I don't care where you look from, Ashkun...? Dr. Elena is confused. I broke the integration exam with "just a shout," but Dr. Elena believes it's "loud magic." And only a handful of humans know what the integration exam is about. To my words, Dr. Elena gives a little bit. "Hey, how did you know that... no way, you're really Ash? "Yes, there's so much going on that I decided to report it to Dean Phillip." Dr. Elena sighed with a glaring face. "Damn, you just amaze me. Dean Phillip will be away for a while because of an emergency." Urgent means "Emperor of the Earth (Earth Road)," after all. It's got something to do with me, too, and maybe they'll call me in one of these days. Can I talk to Dean Philip then? "You're on business, aren't you? "Dean Phillip is a king, too. It must be an important meeting! Efa and Mr. Fermina are having a fun chat. ... It would be noisy if it became clear that the Demon King had descended, and it would seem better not to say so. I broke up with Mr. Noir and the others, and I was naked in my own room in the student dorm. Turn your back on the mirror and stare at the puffy pussy. "... not floating" I was shocked. I thought I grew up mentally when I graduated from mud play, but the magic spots (Stiegel) weren't floating. There are three months left in the time limit. I need to be an active participant in an event where I'm going to be able to grow spiritually and get Magic Spots! ... Well, let's just say. "You can't go to class half-naked..." My pants were safe, but my jacket got dirty. I tried on the shirt that was in my room, but it's a rash. "I can afford to go to class, and I think I'll go buy some kids' clothes" There must have been a clothes store in the neighborhood that was open early in the morning. I grabbed the money and left the student dorm behind.
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その日の夕方。 「おや? なぜアッシュ殿がここに......?」 エルシュタニアにたどりついた俺は、ネミアちゃんと鉢合わせた。 「モーリス殿の誕生日パーティは終わったのでありますか?」 この様子だと、トロンコさんから魔王の話は聞かされていないようだ。 せっかく楽しい学院生活を送ってるのに、魔王の話をして不安がらせるのは気が引ける。 魔王したし、知らないままにしておいたほうがいいだろう。 「忘れ物を取りに来たんだ。ネミアちゃんこそ、こんなところでなにしてるんだ?」 「魔法杖を買いに行くところであります! 私の魔法杖、昇級試験で壊れちゃったでありますからね!」 今日が昇級試験だったのか。 いつもはもうちょっと早いけど、最近までアイちゃんは大忙しだったからな。 サンドアント掃討作戦で開始日時が遅れてしまったのだろう。 「昇級試験、どうだった?」 「筆記試験はだめだめだったであります!」 「そっか。まあ、ネミアちゃんはまだ12歳だしな。それで、実技試験は?」 「一対一の真剣勝負で、上級クラスの女の子に負けちゃったであります!」 結果は芳しくないのに、ネミアちゃんは笑みを絶やさなかった。 課題がたくさん見つかって嬉しいのだろう。 課題があるってことは、強くなるための道標があるってことだからな。 前向きなネミアちゃんなら、これからどんどん強くなっていくはずだ。 俺も負けないようにしないとな! 「ところで、アッシュ殿にひとつお願いがあるのでありますが......」 「お願い?」 「はい。実を言うと――っと、電話であります。ちょっと失礼するであります」 礼儀正しくそう言って、携帯電話を耳に当てる。 「どうしたのでありますか? ......えっ? 大事な話? 直接会って話したい? てことは、こっちに来るのでありますねっ?」 ネミアちゃんは嬉しそうに顔を輝かせた。 「私、話したいことがたくさんあるでありますよっ! 楽しみでありますなぁ! ......え? 楽しみにしないほうがいい? アッシュ殿にまつわる悲しい話をするつもり? 悲しい話って、アッシュ殿になにかあったのでありますか? 私が見たところ、アッシュ殿は元気にしてるでありますが――」 「ひゃぅあっ! 急に叫ぶからびっくりしちゃったでありますよ! ......え? アッシュ殿でありますか? 私の目の前に立ってるでありますけど......いま代わるであります」 「誰から?」 「おじいちゃんであります。事情はわからないでありますが、びっくりしてるであります」 電話の主はトロンコさんだったようだ。 そりゃびっくりするよな。ヴァルハラにいるはずの俺が、エルシュタニアにいるんだから。 ネミアちゃんが俺の耳に携帯電話を押しつけ、魔力を流す。 「お電話代わりました、アッシュです」 『そ、その声、ほんとにアッシュなのだな!? 吾輩の幻聴ではないのだな!?』 「幻聴じゃありませんよ」 『そ、そうか......! よくぞ無事に帰ってきた! 怪我はしておらぬか?』 「はい。そっちはどうですか? ノワールさんはどうなりました?」 『みんな無事だ。お主が時空の歪みに飛びこんだ瞬間、分身が溶けてしまってな。ノワールも元通りになったのだ』 ノワールさんたちの無事を知り、俺は胸を撫で下ろす。 「みんなはいまどうしてますか?」 『ノワールとフェルミナとエファとモーリス殿は寝ているぞ。4人ともお主が消えたあと泣きじゃくっておったし、疲れてしまったのだろうな。もうしばらくは起きぬだろうし、のんびり帰ってくるがよい』 「わかりました! では後ほどお会いしましょう!」 『うむ! 気をつけて帰ってくるのだぞ!』 通話が終わり、ネミアちゃんに携帯電話を返す。 「おじいちゃん、なんて言ってたでありますか?」 「大事な話をする必要はなくなったらしいよ」 「そうでありますか。......ちなみに、アッシュ殿はこのあとご予定あるでありますか? もしよければ、一緒に魔法杖を選んでほしいのでありますが......」 さっき言いかけたお願いって、このことだったのか。 「わかった。ネミアちゃんの魔法杖選びを手伝ってあげるよ!」 「わーい! 実は私、魔法杖に詳しくないでありますからね! なにを買うべきか迷っていたのでありますよ!」 そうして俺たちは魔法杖ショップを訪れた。 それから一緒に魔法杖を選び、ネミアちゃんを学院まで送り届けたあと、キュールさんの屋敷へ向かい―― 「おかえりアッシュくんっ!」 「また貴方に会えるなんて夢みたいだわ......!」 「こうしてアッシュの姿を見ることができたのが、なによりの誕生日プレゼントじゃ!」 「さすが師匠っすね! ぜったいに帰ってくるって信じてたっす!」 「もし怪我をしているなら、遠慮せず私に言うんだよ。すぐに治してあげるからね」 「わ、わたしも怪我が治る薬を持ってるわ」 フェルミナさんたちに笑顔で出迎えられた。 みんなの顔を見ていると、じわじわと喜びが湧いてきた。 もと会えないと思ったけど、こうして無事に再会できたのだ。 あのとき勇気を出して時空の歪みに飛びこんでよかったぜ! 「《金の帝王》は初耳だわ。どんな魔王だったのかしら?」 「金ぴかの魔王だったよ。叫んだら粉々になったんだ」 「さすがアッシュくんだね。でも、どうやって帰還したんだい? ヴァルハラで世界を行き来する魔法を学んだのかい?」 キュールさんが不思議そうにたずねてくる。 「《金の帝王》の魔法でこっちに戻ってきたんです。世界最東端の遺跡に魔王の親玉がいて、そいつの復活に立ち会わせてやる――とか言ってました」 「最東端の遺跡にいた魔王は、アッシュが倒したはずよ」 「そうなんだよ。あいつは異次元に棲んでて気配を消してたから、《金の帝王》たちは《魔の帝王》がいなくなってることに気づかなかったんだ。そんなわけで魔王はもういないよ」 「じゃあ、貴方との旅を邪魔されることもなくなるのね?」 「うん。これで修行に集中できるよ。ノワールさんが怪我してないならすぐにでも武者修行を再開したいくらいだよ」 ノワールさんは、ぱあっと顔を輝かせた。 「私は怪我なんてしてないわ。貴方が守ってくれたもの。だから、すぐにでも出発できるわ。また貴方と旅ができて嬉しいわ......」 「俺もだよ! でも、その前にひとつやることがあるんだ」 「ご飯かしら?」 「それもあるけど、もうひとつ大事なことがあるんだ」 俺はキュールさんを見つめ、告げるのだった。 「勝負しましょう!」 「望むところさ! 試合日時に希望はあるかい?」 「なるべく早くがいいです!」 「気があうね! 僕もそう思っていたところさ! さっそくアイナ様に連絡してみるよ!」 キュールさんはアイちゃんに電話をかけ―― 「明日の午後、第二闘技場で戦おう!」 さっそく話がまとまったらしく、嬉しそうな顔で言う。 「ふたりの試合を観戦してもいいかしら?」 「わしも見たいのじゃ! アッシュの試合を見たいのじゃ!」 「モーリス殿が見るのであれば、吾輩も見たいのだ!」 「わたしも弟子として、師匠の戦いを見届けたいっす!」 「あたしも魔法騎士団として、ふたりの試合を参考にしたいなっ!」 「せっかくだから、わたしも見るわ。......でも、みんなで押しかけて迷惑じゃないかしら?」 「構わないさ。闘技場は広いからね。みんなでアッシュくんの成長を見届けようじゃないか」 みんなが観戦に来てくれるんだ。みっともない試合はできないな。 キュールさんは世界最強の魔法使いだけど、俺だって日に日に成長してるんだ! どこまでやれるかはわからないけど、魔法使いとして立派に戦い抜いてやるぜ! そうして俺は闘志を滾らせるのだった。
That evening. "Oh? Why is Lord Ash here...? When I got to Elstania, I bowled with Nemia. "Was Lord Maurice's birthday party over? Looks like Mr. Tronko hasn't told us about the Demon King. Because I'm having a fun college life, I can feel discouraged talking about the Demon King and making you anxious. The Demon King swept it away, and you'd better leave it unknown. "I'm here to pick up something I forgot. Nemia, what are you doing here? "I'm about to go buy a magic wand! My magic wand, my promotion exam, broke it! Was today the promotion exam? It's always a little early, but Ai has been very busy until recently. The start date and time must have been delayed due to Operation Sand-Ant sweep. "How was your promotion exam? "Written exams were no good! "Oh well. Well, Nemia's only twelve. So, what about the practical exam? "It was a one-on-one serious battle, and I lost to an advanced class girl! Even though the results weren't fragrant, Nemia kept grinning. I guess I'm glad I found a lot of challenges. There are challenges, which means there are signs to be strong. If you're a positive Nemia, you should be getting stronger and stronger from now on. I have to make sure I don't lose too! "By the way, I have one favor for Lord Ash..." "Please?" "Yes. To tell you the truth - it's a phone call. Excuse me for a moment." Say that politely and put your phone in your ear. "What is it?... Huh? Important story? You want to meet and talk in person? What do you mean, come here? Nemia glowed her face with joy. I have so much to talk about. I'm looking forward to it!... Huh? Better not be looking forward to it? Are you going to tell me a sad story about Lord Ash? Is there something sad about Lord Ash? From what I've seen, Lord Ash is doing fine. " "Hiaah! I was surprised because I was suddenly screaming!... Huh? Is this Lord Ash? He's standing right in front of me... but he's taking my place now." "From who? "It's my grandfather. I don't know what's going on, but I'm surprised." Looks like the owner of the call was Mr. Tronko. That would surprise you. I'm supposed to be in Valhalla. I'm in Elstania. Nemia shoves her phone in my ear and sheds magic. "I called you instead, it's Ash." 'Well, that voice is really Ash!? You're not my fantasy!? It's not an illusion. 'Oh well...! Well done. You're back safe! Are you hurt? "Yes. How about that one? What happened to Mr. Noir? 'We're all safe. The moment your lord jumped into the distortions of time and space, your body melted. Noir's back on track. " Knowing that Mr. Noir is safe, I stroke my chest down. "How is everyone doing now? "Noir, Fermina, Efa and Lord Maurice are asleep. All four of them cried after the Lord disappeared, and I guess I'm tired. You won't be awake for a while now, and you can relax and come back. ' "Okay! See you later! 'Uhm! Be careful, you're coming home! The call is over and I'll return Nemia's phone. "Grandpa, what did you say? "They don't have to talk about anything important anymore." "Is that so?... By the way, is Lord Ash due after this? If I may, I would like you to choose a magic wand with me..." Was this the favor I was about to tell you? "Okay. I can help you choose Nemia's magic wand! "Wow! Actually, I'm not familiar with magic wands! I wasn't sure what to buy! That's how we visited the magic wand shop. Then we picked the magic wand together, sent Nemia to the college, and then we headed to Mr. Cuhle's mansion... "Welcome back, Ash! "I want to dream of seeing you again...! "This is how I could see Ash, more importantly, as a birthday present! "That's right, you're a master! I just believed I'd be home soon! "If you're hurt, don't hesitate to tell me. I'll fix you right up." "Wow, I've got a cure for my injury, too." Mr. Fermina and the others greeted me with a smile. As I looked at everyone's face, I twitched and rejoiced. I thought we'd never see each other again, but this is how we got back together safely. I'm glad you had the courage to jump to the distortions of time and space then! "The Golden Emperor is my first ear. I wonder what kind of demon king he was? "He was a golden demon king. I screamed and it shattered me." "That's Ash. But how did you get back? Did you learn the magic of traveling around the world in Valhalla? Mr. Kühl begins to wonder. "I'm back here with the magic of The Golden Emperor. In the easternmost ruins of the world, there's the Great Ball of the Demon King, and I'm going to show him his resurrection - and so on." "Ash must have defeated the demon king in the easternmost ruins." "That's right. He lived in different dimensions and disappeared, so the Golden Emperors didn't realize the Devil's Emperor was gone. That's why the Demon King is gone." "So you won't be disturbed from your journey? "Yeah. Now I can focus on my training. If Mr. Noir isn't hurt, I'd like to resume his martial arts training immediately." Mr. Noir let his face shine. "I'm not hurt. What you protected. So we can leave right away. Glad to be traveling with you again..." "Me too! But before I do, I have one thing to do." "Rice, perhaps? "There's that, too, but there's another important thing." I stared at Mr. Cuir and told him. "Let's fight! "Where I want it! Do you have hope for the date and time of the match? "As soon as possible! "I care! I was just thinking the same thing! I'll get in touch with Aina right away! Mr. Cule called Eye. "Fight in the Second Arena tomorrow afternoon! They just got the story together, and I say it with a happy face. "Can I watch the game between the two of you? "I want to see it too! I want to see Ash's game! "If Lord Maurice is going to see it, he wants to see it too! "As a disciple too, I want to see the battle of my master! "As a Magic Knights, I want to refer to the two games! "Because of this, I'll see, too.... but isn't it annoying that we all push? "I don't mind. The arena is huge. Let's all see how Ash-kun grows." Everybody's coming to the game. You can't play a stupid game. Mr. Cule is the most powerful wizard in the world, but I'm growing day by day, too! I don't know how far you can go, but as a wizard, I'll fight you out fine! That's how I let my fighting spirit roll.
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ノワールさんの精神世界で修行したあと。 ランタン王国から列車を乗り継ぎ、俺たちはエルシュタット王国南部の町にやってきた。 このペースなら今週中にエファのいるネムネシアにたどりつけそうだ。 「今日はこれからどうするのかしら?」 「それはノワールさんしだいかな」 「私しだい?」 「この町にはヘクセラ社の本社があるんだ」 「ヘクセラ社......どこかで聞いたことがあるわ」 の製造会社だよ」 そして氷柱のような魔法杖を手に取った。 長いこと使っているのか柄が色あせ、旅するなかで汚れたのか全体的に砂埃でくすんでいる。 「思い出したわ。たしかこれもヘクセラ社製だった気がするわ」 「正解だよ。それを本社か支社に持っていけば無料で磨いてもらえるんだ」 「ぴかぴかになるのかしら?」 「新品同然になるってカタログに書いてあったよ。そんなに時間もかからないと思うけど、どうする?」 「......新品同然にはしたくないわ」 「どうして?」 「だって杖を綺麗に磨いたら、旅の思い出まで消えてしまいそうだもの」 「わかった。じゃあ宿屋を探そう。そして今日は早めに寝よう」 「もう寝るの? ......明日は早いのかしら?」 「うん。午前中に列車に乗れば、夕方にはエルシュタニアにたどりつけるからね」 「待ち遠しいわ。明日はエルシュタニアに泊まるのよね?」 「そのつもりだよ。ネミアちゃんの様子も気になるしさ」 「私も気になるわ。電話越しに緊張感が伝わってきたもの。頭を撫でて、リラックスさせてあげたいわ」 エルシュタット魔法学院の編入試験は来月だ。 はじめての試験に緊張しているらしく、先日ネミアちゃんから『試験、怖いであります』と震え声で電話がかかってきたのだ。 そんなわけでネミアちゃんと遊び、緊張をほぐすことにしたのである。 師匠としてネミアちゃんにしてやれることなんて、もうこれくらいしかないからな。 そうしてネミアちゃんとの再会にわくわくしつつ、俺たちは宿屋へ向かう。 「......あれ?」 「いや、ちょっとね......」 ひとまず宿代を払い、俺たちの部屋へ移動する。 そして俺はノワールさんに告げたのだった。 「俺、働くよ」 ノワールさんがぽかんとする。 「......急にどうしたの?」 「さっき気づいたんだけど、お金がもうほとんど残ってないんだ」 「だったら私のお金を使うといいわ」 ノワールさんは財布を取り出し、床に硬貨をばらまいた。 俺の所持金と足してみるが...... 「うーん......。ちょっと足りないね」 「じゃあ、私の貯金を使うといいわ」 「貯金なら俺もあるよ。ただ、エルシュタニアの銀行に行かないと下ろせないんだ」 「......貴方ひとりでお金を下ろしに行くのかしら?」 「いや、ひとりじゃ行かないよ。魔王のこともあるしさ」 ネミアちゃんに修行をつけていたとき、俺は《 出会い頭に粉々にしたので会話はしなかったけど......あいつはらしいので、魔王はあと2体いるはずだ。 氷の帝王 》の捕縛を邪魔する人間=俺』だが、ノワールさんを狙っていることに変わりはない。 魔王するまでは、なるべくノワールさんのそばにいたほうがいいのである。 「そんなわけで、この町で働くことにしたんだ。これだけ大きな町なら日雇いかつ日払いの仕事も見つかるはずだよ」 魔力がないと仕事の幅は狭まるが、いまの俺には魔力があるのだ! 選り好みしなければ仕事は見つかるはずである! 「私も貴方と働くわ。ひとりよりふたりのほうが稼げるもの」 「ありがと! 俺たちふたりで力を合わせて旅費を稼ごう!」 「頑張るわ......! それで、どんな仕事をするのかしら?」 「そうだね......。ちょっとおじさんに訊いてみよう」 俺たちは宿屋のおじさんのもとへ向かう。 「すみません。ちょっとおたずねしたいんですけど」 「はいっ。なんでしょうアッシュさん?」 「日雇いかつ日払いの仕事を探してるんですけど、心当たりはありませんか?」 「そうですねぇ............あぁ、そういえば息子が明日、ヘクセラ社の積み込みの仕事に参加すると言ってましたよ」 「それ、詳しく教えてくれませんかっ?」 「もちろんですともっ! といっても、あまり詳しくは知らないのですが――」 おじさんいわく、ヘクセラ社は月に2回、魔法杖を出荷しているらしい。 ヘクセラ社の工場で作られた魔法杖は木箱に収納され、工場から貨物駅へ運ばれ、列車に積まれ、世界中に出荷されるのだ。 つまり『積み込みの仕事』とは、『木箱を貨物列車に積む仕事』というわけだ。 それなら浮遊魔法を使えるし、魔力が切れても働ける。 まさに俺にぴったりの仕事である! 「それって面接とかありますか?」 「面接があるなら落ちそうだわ。私、話すの苦手だもの。特訓に付き合ってくれるかしら?」 「もちろんだよ! 一緒に面接を突破しよう!」 「頑張るわ......!」 「やる気になっているところに水を差すようで申し訳ないんですけども、息子は『面接はない』と言ってましたよ」 「そうなんですか?」 「ええ。始業前に町外れの貨物駅へ行き、名簿にサインするだけでいいそうです」 おじさんいわく、始業時間はかなり早いらしい。 おじさんの息子さんは、夜明け前には現場へ向かう予定なのだとか。 「寝坊しないように気をつけるわ」 「俺が起こすから問題ないよ」 そうして俺たちはおじさんに礼を告げ、早めに就寝したのであった。 そして翌日。 大量の木箱が置かれた貨物駅を訪れた俺たちは、名簿を手にした現場監督(名札によると、マランさんというらしい)のもとへ向かった。 「次の方、お名前をどうぞ」 「アッシュ・アークヴァルドです」 「ではそこにサインを......って、アッシュさん!?」 マランさんが驚きの声を上げ、近くにいたひとたちがざわついた。 「な、なぜアッシュさんがここにいらっしゃるのですか?」 「旅費を稼ぐためです」 「そ、そうでしたか。すみません、取り乱してしまいまして。ええと、では......」 マランさんが紙を渡してきた。 「注意事項はここに書いてありますので、目を通しておいてください。ほかにわからないことがあれば遠慮なくどうぞ」 「わかりました」 「では次の方、お名前を......っ!?」 マランさんが、ぎょっとした顔でノワールさんを見る。 ノワールさんはきょとんとする。 「私の顔になにかついてるかしら?」 「ああ、いえ、失礼しました。ええと、お名前をどうぞ」 「ノワールさんですか......。では、こちらにサインを」 ノワールさんがサインを記したところで、俺たちは注意事項に目を通す。 1、安全確認を怠らないこと。 ......浮遊魔法が使用禁止? こういう現場じゃ浮遊魔法が大活躍するのだと思っていたが...... 「すみません、浮遊魔法って使っちゃダメなんですか?」 「はい。浮遊魔法の使用は禁じられております」 俺の質問に、マランさんは顔を曇らせた。 「実を言うと......10年以上前、ヘクセラ社のご令嬢――スフィア様が失踪するという大事件が起きたのです」 「ヘクセラ社の令嬢が?」 「はい。スフィア様は活発な御方で、家出を試みてはメイドに連れ戻される、ということがたびたび起きていたのです」 「家出って......もしかして、木箱に隠れて家出したんですか?」 きっとそうだ。 手作業ならすぐに気づくが、浮遊魔法なら話は別だしな。 浮遊魔法でまとめて列車に積んでいたため、ひとつだけ木箱の重さが違うことに気づかなかったのだ。 「おそらく夜のうちに小さな隙間から倉庫に侵入したのでしょう。倉庫の隅に、出荷用の魔法杖が散らばっていたのです。そして我々がそのことに気づいたときには、すでに木箱は出荷されていたのです......」 すごい行動力だな。 そこまでして家出したかった理由はなんだろ? 「スフィアちゃんは保護されたんですか?」 「いえ、世界中の国々に捜索隊が派遣されたのですが、依然として行方知れずです......。ですので再発防止のため、木箱に少しでも違和感があれば私に報告してください」 木箱の重さは5kgほどらしいので、子どもが入っていたらすぐにわかる。 俺は5kgも500kgも同じくらいに感じるが、ノワールさんと協力すれば問題ないのだ。 「さて、時間です。みなさま、さっそく仕事に取りかかってください!」 マランさんの号令に、俺たちは仕事を開始する。 ノワールさんが木箱を持ち上げ、 「そんなに重くないわ」 「よしっ。じゃ、運んでくるよ」 ノワールさんから受け取った木箱を、俺が列車に運ぶ。 それを何度も繰り返していると、木箱が残り少なくなってきた。 「腰が痛くなってきたわ」 ノワールさんが腰をさすりながら言う。 「じゃあ休憩してていいよ。注意事項に『無理しないこと』って書いてあったし」 「もうちょっと頑張れるわ。でも......私も木箱を運んでいいかしら?」 あまり無理してほしくないけど、木箱を持ち上げたり下ろしたりするより、運んだほうが腰への負担は少なそうだな。 「わかった。気をつけてね」 「頑張るわ」 ノワールさんは最後の木箱を持ち上げる。 そして仕事仲間のおじさんたちに、 「だいじょうぶかい?」 「無理しないようにね」 「おじさんも負けてられないなぁ」 などと励まされつつ、貨物列車のほうへ歩いていく。 と、そのとき。 「調子はどうかしら?」 身なりの良い女性がマランさんに声をかけた。 ヘクセラ社の重役だろうか? 女性の登場に、現場監督のマランさんは背筋を正した。 「レオーネ様。見ての通り、順調です。いつもと同じく、今日お集まりいただいた皆様も魔法を使わずに働いてくださいました」 「いつも苦労をかけて申し訳ないわね......。でも、もう二度とあの悲劇を繰り返してはならないものね――って、アッシュ様ではありませんか!?」 レオーネ様と呼ばれた女性が、ぎょっとした顔で俺を見る。 「はい。俺はアッシュです」 「やっぱり! アッシュ様がうちで働いてくださるなんて光栄ですっ。このあとのご予定はありますか? もしよければ一緒に食事などどうでしょう? うちの主人がアッシュ様の大ファンなんですっ」 「友達も一緒にいいですか?」 「もちろんですっ。それで、アッシュ様のお友達というのは......」 と、ちょうどノワールさんが戻ってきた。 「最後まで落とさずに運べたわ」 「おつかれさま。レオーネさん、彼女が俺の友達の――」 「スフィア!?」 レオーネさんが戸惑うように叫んだ。 ノワールさんはきょとんとする。 「私はノワールよ」 「そう......。ごめんなさいね、あまりにも娘にそっくりだったから、つい叫んでしまって......」 このひと、スフィアちゃんの母親だったのか。 「スフィアちゃんって、そんなにノワールさんに似てるんですか?」 「ええ。でも、私の思い違いです。顔立ちはそっくりでも、表情が違いますからね」 「はい。スフィアは喜怒哀楽が激しくて、活発で、たくましくて、元気のかたまりでした......。いつも外に出たがって......なのに私ったら、愛しいあまり束縛してしまって......」 それで家出を繰り返し、最終的に木箱に隠れて出ていってしまったのか......。 レオーネさんは涙を拭い、愛おしげにノワールさんを見つめる。 人違いだとわかっていても、娘のように見えてしまうのだろう。 「もしよろしければ、ノワールさんもお食事に来てくださいませんか?」 「行くわ」 一瞬で話がまとまり、俺たちは給料を受け取ると、レオーネさんの屋敷へ向かうのだった。 「スフィア!? それにアッシュ様!?」 屋敷を訪れると、身なりの良いおじさんが戸惑いの声を上げた。 「えっ? スフィアではないのですか......?」 おじさんはますます戸惑っている。 「あなた......。私も驚いたけど、彼女はスフィアじゃないわ。ノワールさんよ」 「スフィアではないのか......。早とちりしてしまい、申し訳ありません。私はロッソと申します。それで、なぜアッシュ様がここへ?」 「私が食事に招待したのよ」 「そうか。ではすぐに食事の用意をさせますので、少々お待ちください」 ロッソさんがメイドさんに目配せする。 メイドさんがどこかへ歩き去ったところで、レオーネさんが言った。 「食事を待つあいだ、スフィアの写真をご覧になります?」 「見たいわ」 どれくらい似ているのか気になっていたらしく、ノワールさんがすぐさま返事をした。 「ではこちらへ」 レオーネさんとロッソさんに案内され、俺たちは広々とした部屋を訪れる。 室内はピンク色の壁紙に覆われ、小さい女の子が好きそうな人形が飾られている。 「ここって......」 「お察しの通り、スフィアの部屋です」 「いつかひょっこり戻ってくるんじゃないかと思いまして、当時のままにしているのですよ」 レオーネさんとロッソさんがしみじみと語る。 それから、レオーネさんがアルバムを手に取った。 「スフィアはいつも動きまわっていたので、まともに撮れた写真はあまりありませんが......」 レオーネさんが愛おしそうな手つきでアルバムを開き、 「......」 俺とノワールさんは、言葉を失ってしまった。 スフィアちゃんは、退化薬で3歳児の姿になったノワールさんにそっくりだったのだ。 こりゃレオーネさんとロッソさんが見間違うのも無理ないな......。 「すごく似てるね」 「すごく似てるわ。でも、表情は違うわ。私、こんな顔しないもの」 たしかに表情は違うけど...... でも俺は、この表情のノワールさんに見覚えがある。 しかも、つい最近。 具体的には、ノワールさんの精神世界で。 ......だとすると。 俺の予想が正しければ、この屋敷は...... 「これは何歳頃の写真かしら?」 「4歳です。それで、こっちがスフィアが行方不明になる数日前の......5歳の誕生日のときの写真です」 「どうして誕生日なのにスフィアは号泣してるのかしら? お祝いされて感動してるようには見えないわ」 「実を言うと......スフィアには5歳になっても 「それで泣いてしまったのね?」 「はい。スフィアは早く魔法を使いたいと言ってましたからね」 「きっとスフィアは貴女たちが作った魔法杖を使いたかったのよ。だから魔法使いになるために、修行の旅に出たんだわ。魔法使いになったら、ここに戻ってくるはずよ」 「そうだと嬉しいです」 「ですが、ノワールさんの言う通りだとしても、戻ってくるのはとうぶん先になるでしょう」 「なぜかしら?」 「スフィアは世界最強の魔法使いになると言ってましたからね」 「そうそう。あの娘ったら、最強の魔法使いになったときのために、二つ名まで考えてたんですよ」 「私とレオーネが『こういう二つ名はどうだ』って提案しても、『それは違う』って言うんです。よほど自分で考えた二つ名が気に入ってたんでしょうね」 「どんな二つ名かしら?」 ノワールさんの実家じゃねえか! ノワールさんが驚いたように目を見開いている。 俺と同じ結論に至ったようだ。 「おふたりとも、どうかなさったのですか?」 ちらっとノワールさんを見ると、こくりとうなずかれた。 どうやら自分の口から言いたいらしい。 迷うように目を伏せ、勇気を出すように顔を上げ、打ち明けた。 「私がスフィアだわ」 「......え? ええ!?」 「スフィア!? あなたが!?」 めちゃくちゃ戸惑われ、ノワールさんはたじろいだ。 「そうよ。でも、昔の記憶はないわ。昔の記憶はないけど、私はスフィアで間違いないわ。だって、たまに《氷の帝王》って呼ばれるもの」 誰に《氷の帝王》と呼ばれているのかは内緒だが、ふたりともノワールさんの話を信じたようだ。 ふたりはノワールさんを抱きしめた。 「記憶がなくてもスフィアなのでしょう!? あなたが無事ならそれでいいのよ!」 「よく帰ってきてくれた! 本当に無事でなによりだ!! しかし、いったいいままでどこにいたんだ?」 「親切なひとに保護されたの? それとも、ずっとひとりで暮らしてたの?」 「10年くらいリングラントのところにいたわ。そのあとはエルシュタット魔法学院にいたわ。いまはアッシュと旅をしてるわ」 「エルシュタット魔法学院にいたのね......」 レオーネさんは戸惑っている。 まさか魔力斑のない娘が世界最高峰の教育機関にいるとは思いもしなかったのだろう。 「リングラント氏のご自宅も、エルシュタニアにあるのか?」 「リングラントの家はネムネシアから歩いて半日の荒野にあったわ」 研究所は真っ二つになったので、過去形で話すノワールさん。 「荒野に!? あなた、そんなところに住んでたの?」 「どうりで見つからないわけだ......」 「でも、無事でなによりね!」 「ああ! こんなに嬉しいことはない!」 幸せそうなふたりを見て、ノワールさんは困ったような顔をする。 旅立ちを引き止められてしまいそうな気がしたのだろう。 「......私はこのお家には住めないわ。だってアッシュと旅をしてるもの」 ノワールさんが先手を打つと、ふたりはほほ笑んだ。 「安心して。私たちはもう二度と同じ過ちを繰り返さないわ」 「スフィアは......ノワールは生きていた。それがわかっただけで、充分幸せなんだよ」 「だから、あなたを家に閉じこめたりはしないわ。それに、いまのあなたを見て、『家にいろ』なんて口が裂けても言えないわ」 「ノワールは、いまの暮らしが気に入ってるんだろう?」 じっと見つめられ、ノワールさんは力強くうなずいた。 「魔法学院でアッシュと出会ってから、ずっと幸せが続いてるわ。だってたくさん友達ができたもの」 「そう......。だったら、旅をやめろなんて言わないわ」 「私たちはこの場所で、ノワールの旅の無事を祈っているからね」 優しく見つめられ、ノワールさんはこくりとうなずく。 「......でも、いますぐ出発するわけじゃないわ」 お腹を押さえるノワールさんを見て、ふたりはにこやかに笑った。 「今日はたくさん食べなさい」 「アッシュ様も、自分の家だと思ってくつろいでくださいね」 「はい!」 「くつろぐわ」 そうして俺たちはノワールさんの実家で美味しい食事をご馳走になり―― ふたりに見送られるなか、屋敷をあとにしたのであった。
After training in Mr. Noir's spiritual world. We took the train from the Kingdom of Lantern and we came to the town in the southern part of the Kingdom of Elstadt. At this pace, we're likely to reach Nemnesia with Efa by the end of the week. "What are we going to do today? "I think that's Mr. Noir." "Me? "This town has Hexera headquarters." "Hexera... I've heard it somewhere" "It's the manufacturer of the magic wand (Withers Rod) we talked about before." Mr. Noir is hazy. And I took the magic wand like an ice-cold. Whether she has been using it for a long time or the pattern has faded, and whether it was dirty during the journey is dusty and dusty overall. "I remember. But I think it was also made by Hexera." "You're right. If you take that to headquarters or branches, they can polish it for free." "Are you going to be picky? "It said in the catalogue that it would be brand new. I don't think it's gonna take that long, but what do we do? "... I don't want to be brand new." "Why?" "'Cause if I polish my wand clean, it's going to disappear to memories of my journey" "Okay. Then let's find a place to stay. And let's go to bed early today." "Are you going to bed now?... Is it early tomorrow? "Yeah. If we catch the train in the morning, we'll reach Elstania in the evening." "I can't wait. You're staying in Elstania tomorrow, right? "I'm going to. I'm worried about Nemia." "I care too. Something that conveyed tension over the phone. I want you to stroke your head and relax." The Elstadt School of Magic integration exam is next month. He's nervous about his first exam, and Nemia called me the other day with a trembling voice saying, 'Exam, I'm scared'. That's why I decided to play with Nemia and relax the tension. That's about all I can do for you as a master, Nemia. That's how we get excited about reuniting with Nemia, while we head to the inn. "... that? "No, a little..." First we pay for the inn, and we move upstairs to the room. And I told Mr. Noir. "I'll work." Mr. Noir gets pompous. "... what's the sudden matter? "I just realized I have very little money left" "Then you can spend my money." Mr. Noir took out his wallet and sprinkled coins on the floor. I'll add it to my holdings... "Hmmm...... That's a little short." "Well, you should use my savings" "If you're saving up, I have one. I just have to get to Elstania's bank to get it down." "... are you going to drop the money by yourself? "No, I'm not going alone. There's also the Demon King." When I was training for Nemia, I defeated The Copper Emperor. I didn't have a conversation because I shattered it to the encounter... he seems to be your three family, so there must be two more demon kings. The demon king's target is' Man Interrupting the Capture of the Ice Emperor (Ice Lord) = Me ', but it doesn't make a difference that he's after Mr. Noir. Until the demon king is swept away, it is better to stay by Mr. Noir as long as possible. "That's why I decided to work in this town. If you're this big, you'll find a day job and a day job." Without magic, my job narrows, but now I have magic! If you don't choose, you should find a job! "I'll work with you, too. Something you two can earn more than one." "Thanks! Let's join forces and earn some travel expenses! "I'll do my best......! So, what kind of work do you do? "Right...... Let's ask my uncle." We go to our uncle at the inn. "Excuse me. I'd like to ask you a few questions." "Ha. What is it, Mr. Ash? "I'm looking for a day job and a day job, don't you know? "That's right......... Speaking of which, my son said he'd be joining Hexera tomorrow for loading work." "Well, why don't you tell me more? "Of course it is! Even so, I don't know much about it -" Uncle, I hear Hexera Corp. is shipping magic wands twice a month. The magic wands made at Hexera's factory are stored in crates, transported from the factory to the freight station, loaded onto trains, and shipped worldwide. In other words, "loading job" means "work loading crates onto freight trains". Then you can use floating magic, and even if the magic runs out, you can work. Exactly the right job for me! "Is that an interview or something? "If you have an interview, it's going to fall. I'm not good at talking. Will you stick with the special training? "Of course you are! Let's break through the interview together! "I'll do my best......! "I'm sorry to water you where you're concerned, but my son said," No interview. " "Really? "Yeah. They just need to go to a freight station outside town and sign the roster before they start business" Uncle jerk, he starts pretty fast. Does your uncle's son plan to head to the crime scene before dawn? "I'll be careful not to fall asleep" "I'll wake you up. You'll be fine." So we thanked our uncle and went to bed early. And the next day. We visited a freight station with tons of crates and headed to the site supervisor with the roster in his hand (according to the name tag, Mr. Malang). "Next person, please give me your name" "This is Ash Arkvald." "Then sign there...... Mr. Ash!? Mr. Malan raised his surprise and one of the people nearby bothered. "Hey, why is Mr. Ash here? "To earn travel expenses." "Oh, did I? I'm sorry, I messed up. Uh, well..." Mr. Maran gave me the paper. "The precautions are written here, so keep your eyes open. If there's anything else you don't know, don't hesitate." "Okay." "Next person, give me your name... Huh!? Mr. Maran sees Mr. Noir with a slight face. Mr. Noir has to be decent. "Is there something on my face? "Oh, no, excuse me. Uh, give me your name." "Are you Mr. Noir...... Okay, sign here." Mr. Noir just signed it, and we look at the precautions. Uh, what?. Do not fail to check safety.. Don't force it.. Treating the crate carefully.. Do not use floating magic. ... floating magic banned? I thought floating magic works great in this kind of scene... "Excuse me, shouldn't I use floating magic? "Yes, the use of floating magic is prohibited" "Why not? To my question, Mr. Malan clouded his face. "To tell you the truth... more than ten years ago, there was a huge incident involving the disappearance of the Hexera Lady Sphere." "You got a Hexera warrant? "Yes, Master Sphere is an active man, and when he tried to run away, he was brought back to his maid." "Running away... Could it be that you hid in a crate and ran away from home? I'm sure it is. If it's manual, I'll notice immediately, but if it's floating magic, it's not a story. Because they were packed together in floating magic and loaded on the train, I didn't realize that only one crate weighed differently. "Probably broke into the warehouse from a small gap during the night. There were magic wands scattered around the corner of the warehouse for shipping. And by the time we realized that, the crate had already been shipped..." That's awesome behavior. What made you want to run away from home? "Was Sphere protected? "No, a search party was dispatched to countries around the world, but they are still missing...... So to prevent recurrence, report any slight discomfort in the crate to me." The crate seems to weigh about kg, so I can tell as soon as a child is in it. I feel as much as 5 kg and 500 kg, but working with Mr. Noir is fine. "Well, it's time. Gentlemen, get to work now! To Mr. Malan's decree, we begin our work. Mr. Noir lifted the crate, "It's not that heavy." "Okay, I'll bring it in." I'll take the crate I received from Mr. Noir to the train. Repeating that over and over again, there are fewer crates left. "My back's starting to hurt." Mr Noir says as he rubs his hips. "Then you can take a break. The precautions said," Don't push it. " "I can try harder. But... can I carry the crate, too? I don't really want you to be able to do that, but they say it's less burdensome on your hips to carry than lift or lower the crate. "Okay. Be careful." "I'll do my best." Mr. Noir lifts the last crate. And to my work colleagues uncles, "Are you kidding? "Don't make it impossible." "My uncle can't lose either." Walk up to the freight train, inspired by things like that. and then. "How's it going? A woman of good standing spoke to Mr. Malang. Is it a Hexera executive? To the appearance of the woman, field director Maran corrected her spine. "Dear Leone, As you can see, it's going well. As always, everyone gathered here today worked without magic." "I'm sorry for all the hard work you've been through... But you must never repeat that tragedy again - isn't that Master Ash!? A woman called Lady Leone looks at me with a slight face. "Yes, I'm Ash." "I knew it! It would be an honor for Master Ash to work for us. Do you have plans after this? How about eating with us, if you don't mind? My husband is a huge fan of Ash." "Can I have a friend with me? "Sure. Shh. So, Ash's friend..." And Mr. Noir just came back. "I could have carried it to the end without dropping it." "You're annoying. Mr. Leone, she's my friend." "Sphere!? Mr. Leone shouted bewildered. "I'm Noir." "Yes...... I'm sorry, I looked so much like my daughter, I screamed..." Was this one, Sphere's mother? "Does Sphere look so much like Mr. Noir? "Yeah. But it's my mistake. You look just like me, but you have a different look." "Yes, Sphere was a heap of joy and sorrow, active, hard, energetic... Always wanting to go outside... but if I did, my dear, I'd be too bound..." So you repeatedly ran away from home and eventually hid in a crate and left... Mr. Leone wipes his tears and stares at Mr. Noir for his love. Even if you know you're different, you're going to look like your daughter. "If you don't mind, would you like to come to dinner, Mr. Noir? "I'm coming." In an instant, when we received our salary, we headed to Mr. Leone's mansion. "Sphere!? And Master Ash!? When I visited the mansion, my well-dressed uncle raised a bewildered voice. "What? Isn't it Sphere...? My uncle is increasingly confused. "You.... I'm surprised, too, but she's not a sphere. Mr. Noir." "Isn't it the Sphere...... I'm sorry it took so long. My name is Rosso. So, why is Master Ash here? "I invited you to dinner." "Right. Please wait while we prepare your meal immediately." Mr. Rosso turns his attention to the maid. The maid just walked away somewhere, Leone said. "Wait for a meal. Would you like to see some pictures of the Sphere? "I want to see it." He was wondering how similar they were, and Mr. Noir replied immediately. "Come here, then" Mr. Leone and Mr. Rosso guide us to a spacious room. The interior is covered in pink wallpaper and decorated with dolls that little girls might like. "What's here..." "As you can see, this is Sphere's room." "I thought you might come back one day and leave it at that time." Mr. Leone and Mr. Rosso talk smudgingly. Then, Mr. Leone took the album. "Sphere was always moving around so there aren't many decent pictures taken......" Mr. Leone opened the album with a lovely looking gesture, ...... Me and Mr. Noir, we lost our word. Sphere looked just like Noir, who became a three-year-old with degenerative drugs. This can't even be seen wrong by Mr. Leone and Mr. Rosso...... You look so much alike. "They look so much alike. But you don't look the same. I don't look like this." I do have a different look... But I look familiar to Mr. Noir. Plus, lately. Specifically, in Mr. Noir's spiritual world. ... then. If my predictions are correct, this mansion... "How old is this picture? "I'm four. So, here's a picture from my fifth birthday a few days before Sphere went missing." "Why is Sphere crying when it's her birthday? You don't look so impressed by the celebration." "To tell you the truth... the Sphere didn't have a magic spot (Stiegel) when he was five." "So you cried? "Yes, Sphere said he wanted to use magic quickly." "I'm sure Sphere wanted to use the magic wand you guys made. That's why I went on a training journey to be a wizard. When you're a wizard, you'll be back here." "I'm glad you are." "But even if Mr. Noir is right, he'll probably be back a long way away." "You said Sphere would be the most powerful wizard in the world." "Yes, yes. That girl was thinking of two names for when she became the most powerful wizard." "Even if me and Leone suggest, 'How about these two names,' they say, 'That's different'. I'm sure you liked the two names you thought about yourself." "What kind of two names? "Ice Emperor." It's Mr. Noir's home! Mr. Noir is opening his eyes to surprise. Looks like you've come to the same conclusion as me. "Both of you, what's wrong? Looking at Mr. Noir for a moment, he nodded in a dull way. Apparently, he wants to say it from his own mouth. He lay down his eyes to get lost, looked up to be courageous, and revealed himself. "I'm the Sphere." "... Huh? Yep!?" "Sphere!? You!? I'm so confused, and Mr. Noir is sloppy. "That's right. But I don't remember the old days. I don't remember old times, but I'm definitely in the sphere. 'Cause sometimes it's called The Ice Emperor." Don't tell me who they call the Ice Emperor, but they both seem to have believed Mr. Noir's story. The two embraced Mr. Noir. "I guess it's a sphere even if you don't remember!? If you're all right, that's fine! "You've come home so often! Really safe and more than anything!! But where the hell have you been? "Protected by a kind one? Or have you lived alone the whole time? "I've been at Ringland's for about ten years. After that, I was at the Elstadt School of Magic. I'm traveling with Ash right now." "You were at the Elstadt School of Magic..." Mr. Leone is confused. I guess I never thought my daughter without magic spots would be at the highest educational institution in the world. "Is Mr. Ringrant's home also in Elstania? "Ringrant's house was in the wilderness for half a day on foot from Nemnesia." The institute is now in two pieces, Mr. Noir, who speaks in its past form. "In the wilderness!? You lived in a place like that? "I can't find it..." "But you're safe, more importantly! "Oh! I can't be happier! Seeing the two happy people, Mr. Noir looks like he's in trouble. I guess I felt like I was going to be held back from traveling. "... I can't live in this house. Because I'm traveling with Ash." When Mr. Noir took the lead, the two laughed. "Don't worry. We'll never make the same mistake again." "The Sphere... Noir was alive. I just figured it out, and I'm happy enough." "So I'm not gonna lock you in the house. Besides, I can't even tell you to stay home when I see you right now." "Noir loves his life now, doesn't he? He was stared at and Mr. Noir nodded forcefully. "Happiness has been going on ever since I met Ash at the School of Magic. 'Cause I made a lot of friends." "Yes...... Then I won't tell you to stop traveling." "We wish you well on your journey to Noir in this place." He stared gently and Mr. Noir nodded coldly. "... but we're not leaving right now." When they saw Mr. Noir holding his stomach, they laughed. "Eat a lot today" "Lady Ash, think of it as your home and relax." "Yes!" "I'll relax." That's how we treat Mr. Noir to a delicious meal at his home. They left the mansion behind as they were dropped off.
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山を訪れて5日目の朝。 新たな師匠に弟子入りするためドラクリアへ向かっていた俺たちは、無人の砦を過ごした。 》が活動的だった頃に魔法騎士団の駐屯地として造られたのだろう。 グリューン王国は《闇の帝王》に襲われなかった唯一の国だけど、それは結果論だしな。当時はいつ襲われるかわからなかったため、砦を造って魔王の襲撃に備えていたのだ。 「ふたりとも起きて。そろそろ出発するよ」 ぼろぼろのベッドで眠るノワールさんとネミアちゃんに声をかけると、ふたりはすぐに目を覚ました。 昨日は歩き疲れてへとへとになってたけど、ひさしぶりにベッドで休んだことで、ふたりともすっかり回復したみたいだ。 「うおお! 今日こそ魔物を倒してやるでありますよ!」 朝日に向かって吠えるネミアちゃん。魔物を倒したくてうずうずしている様子だ。 この森に踏みこんでからというもの、両手じゃ数えきれないくらいの魔物と出会ったけど、全部俺が倒したのだ。 なにせネミアちゃんは実戦経験がないからな。もたもたとルーンを描いてる隙に、魔物に襲われそうになったのだ。 だけどネミアちゃんに成長が見られないわけじゃない。多くの魔物と出会ったことで、度胸が身につきつつあるのだ。 このペースならもうじき落ち着いて魔物と戦えるようになるはずだ! 「待っていろであります、魔物ッ! いまから倒しに行くでありますからね!」 ネミアちゃんも成長しているのがわかっているからか、落ちこんでないのであった。 それから朝食を済ませると、俺たちは砦をあとにした。 砦を出ると、ネミアちゃんはさっそく地図に魔力を流す。 地図上に両手じゃ数えきれないくらいの青点と赤点が表示された。どちらかというと赤点のほうが多めだ。 「赤点なら近くにあるのでありますが......私は青点しか倒しちゃいけないのでありますか?」 「そうだね。赤点と戦うのは経験を積んでからのほうがいいよ」 青点は『自分と同格の生物』を、赤点は『自分より格上の生物』を意味しているのだ。 実戦経験がないネミアちゃんに格上の魔物と戦わせるわけにはいかないのである。 「なるほど承知したであります! 一番近いところだと......歩いて2時間くらい先でありますね! そっちに向かうでありますか?」 「だね。ドラクリア方面だし、そっちに行ってみよう」 「待ち遠しいでありますなぁ。かっこいい魔物だと、倒したとき友達に自慢できるでありますっ!」 うきうきとした足取りのネミアちゃんを連れて、足場の悪い山道を歩いていく。 「たしか、このあたりでありますが......」 青点の近くにたどりつき、ネミアちゃんは警戒の眼差しであたりを見まわす。あたりには木々が生い茂り、パッと見た感じでは魔物の姿は見当たらない。 「アッシュ、アッシュ。あそこになにかいるわ」 一緒になって魔物を探していたところ、ノワールさんが木の枝を指さした。 5メートルくらい上に、頭蓋骨がぶら下がっていた。 》の頭蓋骨が、この国まで飛んできたのかしら?」 「触れた瞬間粉々になったし、それはないんじゃないかな。証拠に......ほら、頭蓋骨にコウモリみたいな翼が生えてるでしょ?」 「ほんとだわ。緊急脱出用の翼かしら?」 「俺のビンタが炸裂する直前に翼を生やして頭だけ逃がしたわけじゃないよ」 ノワールさんのなかでは『ガイコツ=魔王』ってイメージが根付いてるっぽいけど、あれは魔王なんかじゃない。 「あれはヘッドバットっていう魔物だよ」 「どういう魔物かしら?」 「早い話、頭突きをするコウモリだよ。動くものに体当たりする習性があるから、下手に動かないほうがいいよ」 言われた通り、ノワールさんはかかしみたいに動かなくなる。 「あれが青点の正体でありますか?」 ネミアちゃんが木の枝にぶら下がったヘッドバットを用心深く見上げてたずねてくる。 「さすがにネミアちゃんのほうが強いよ。ヘッドバットの頭突きは、せいぜい岩にひびを入れるくらいだからね」 「普通、死ぬわ」 ノワールさんがぼそっと突っこんでくる。 「岩にひびでありますかぁ......。頭突き勝負では負けそうでありますなぁ」 「武闘家じゃないんだから、魔法を使って戦えばいいよ。それにヘッドバットの攻撃手段は頭突きだけだからさ。あっちを見てる隙に攻撃すれば倒せるよ」 ヘッドバットは動くものに攻撃するのだ。俺たちには気づいてないっぽいし、先制攻撃すれば倒すのは簡単だ。 取り逃がせば面倒なことになるけど、ネミアちゃんの実力なら一撃で倒せるはずだしな。 そんなわけで俺は告げた。 「ネミアちゃんには、これからあのヘッドバットを倒してもらうよ」 「い、いよいよでありますか......! うぅ、緊張するでありますなぁ」 「だいじょうぶ。万が一のことが起きないように、俺がいるんだからね」 「アッシュ殿がいれば百人力であります! 私もアッシュ殿に負けないように強くなるでありますよ! そのためにも、まずはヘッドバットを倒すのであります!」 ネミアちゃんは決意の眼差しでヘッドバットを見つめると、 びゅわあああ! ネミアちゃんが風を纏う。ひらひらと舞い落ちてきた木の葉が、ネミアちゃんに触れる前に粉々になった。 攻守兼用の魔法――ウィンドシールドだ。 頭突きを見越してウィンドシールドを使うのは戦法としてはありだけど、せっかくの先制攻撃のチャンスを逃してしまった。 突然風が吹いたことで、ヘッドバットに気づかれてしまったのだ。 ヘッドバットは枝から離れると、遠くへ飛んでいってしまう。 「あ、あれ? なぜ逃げちゃうのでありますか? せっかくのウィンドシールドが無駄になっちゃうであります」 「逃げたわけじゃないよ。ヘッドバットは群れで過ごす魔物なんだ。そして、さっきのはただの偵察――餌を探してただけだよ」 ネミアちゃんはなにかを察したように顔面蒼白になる。 「......なにか聞こえるわ」 べきべきと木々がへし折れる音が聞こえてきた。音はどんどん近づいてきている。軽くジャンプして確かめると、思った通りの光景が広がっていた。 「なにが見えたのかしら?」 「ヘッドバットの群れが木をなぎ倒しながら押し寄せてきてるよ。500体くらい」 ネミアちゃんはますます青ざめる。ぐいぐいと俺の服を引っ張り、千切れんばかりに首を振る。 「無理無理無理っ、無理であります! さ、さすがに500体は防ぎきれないであります! ウィンドシールドの魔力が切れちゃうでありますよ! そしたら私、どうなっちゃうでありますか!?」 「無抵抗だとヘッドバットに血を吸われて干からびちゃうだろうね。ヘッドバットは頭突きの勢いで牙を刺して、血を吸う魔物だからね。そうして血を吸うことで、骨が硬くなるってわけ」 「また賢くなってしまったわ」 「勉強になるであります! さっそくメモを......って、のんびりお勉強してる場合じゃないでありますよ!」 ネミアちゃんはパニック状態になっている。 「ノワールさん、アイスウォールでネミアちゃんを守ってあげて」 「わかったわ」 ノワールさんがルーンを完成させた直後、ふたりは氷の壁に囲まれる。透明感のある氷壁のなかで、ネミアちゃんは寒そうにしていた。 ノワールさんがネミアちゃんに上着をかけてあげるのを見ていたところ、ヘッドバットの群れが押し寄せてきた。 「おぉーい! こっちだ!」 俺は氷壁を守るように反復横跳びする。いまこの瞬間、俺は世界一動いている自信がある。動くものを狙うヘッドバットにとって、俺以上の標的はいないはずだ。 俺の思惑通り、ヘッドバットが次々と襲いかかってくる。 ばさばさっ! ――パァン!! ばさばさっ! ――パァン!! ばさばさっ! ――パァンパパァンパァンパンパンパンパパァン!!から襲ってくるヘッドバットを、俺は両手で払い落としていく。そのたびにヘッドバットは粉々に砕け散って...... って、この破裂音、どこかで聞き覚えがあるぞ。 「あっ!」 これ、あれだ! 世界最長の洞窟で聞いた破裂音だ! あのときは真っ暗だから魔物の正体はわからずじまいだったけど......そっか、正体はヘッドバットだったのか! ずっともやもやしてたんだよなぁ。 謎が解けてすっきりしたぜ! 「......っと、終わりか」 ヘッドバットの群れは粉々になった。身体についた白い粉を払い落としたところで、ノワールさんたちが氷壁から出てきた。 「だいじょうぶでありますか!?」 「だいじょうぶ。俺の身体は頑丈だからね。それに全部拳で撃ち落としたしさ」 「拳で!? まったく見えなかったであります......。で、でも、拳を痛めたのではないでありますか?」 「だいじょうぶ。俺の痛覚は麻痺してるからね」 「むしろそっちのほうが心配でありますよ!?」 よけいに心配させてしまったようだ。 「とにかく俺は平気だよ。ヘッドバットもいなくなったし、これで心置きなく修行できるよ」 「えっ? だけど魔物はいなくなったでありますよ......?」 「ヘッドバットは青点じゃないからね。元々倒す予定だった魔物は――あそこにいるよ」 俺は前方を指さした。 ヘッドバットの猛襲で多くの木々が倒されたなか、悠然と佇む木がひとつある。ほかの木と比べてがっしりしてるってわけじゃないのに、一本だけ無事なのは変である。 それもそのはず。 なにせあれは―― 「あの木は、ウォーキングウッドっていう魔物だよ」 ネミアちゃんはハッとする。 「ウォーキングウッドなら知ってるであります! 使ったことがあるでありますよ!」 ウォーキングウッドの薪は燃焼性がよく、長持ちするのだ。モーリスじいちゃんと『魔の森』に住んでた頃は、よく近くの町に売りに行ったっけ。 高価な薪なのでお金持ちしか買ってくれなかったけど......トロンコさんは自家用の飛空艇を持ってるくらいだしな。その孫のネミアちゃんがウォーキングウッドの薪を使っててもおかしくない。 「たしか、近づいてきた生き物を枝で絞め殺して養分にする魔物でありますよね?」 「そうだね。ヘッドバットの頭突きを受けてびくともしないってことは、岩と同じくらい頑丈ってことだよ」 「岩でありますか......。全力で攻撃すれば、なんとかなるかもしれないであります」 ネミアちゃんは迷っている様子だ。 魔法使いが全力で攻撃したら、魔力を使い果たしちゃうわけだしな。普通の魔法使いは魔力が尽きたら失神するし......こんな森で気を失うなんて、魔物に『食べてください』と言うようなものだ。 けど、それはひとりで戦う場合の話だ。 「俺とノワールさんがついてるから、安心して全力を出すといいよ」 「や、やってみるであります!」 ネミアちゃんは決心したように魔法杖を構えると、カマイタチのルーンを描いた。 スパァァン!! ウォーキングウッドが真になる。それと同時に、ネミアちゃんがふらっと倒れた。 ネミアちゃんを抱えて、俺たちはウォーキングウッドの亡骸に近づく。でこぼこした表面に目がついてるし、やっぱりウォーキングウッドだったようだ。 「――っ! 魔物はどうなったでありますか!?」 10分くらいして、ネミアちゃんが目覚めた。真っ二つになったウォーキングウッドを見て、顔に笑みを広げる。 「こ、これ、私が倒したのでありますか!?」 「そうだよ! おめでとう!」 「スパン、って切れたわ」 俺とノワールさんに祝福され、ネミアちゃんは瞳に涙を浮かべる。泣くほど嬉しかったらしい。 「感動であります! 記念に持ち帰るであります! 浮遊魔法を使えばちょちょいのちょいでありますよ!」 「それだと列車に入らないし、一部だけ持ち帰るのはどうかな? 俺が加工してあげるからさ」 「おおっ! 本当でありますか! ではアッシュ殿にお任せするであります!」 ネミアちゃんがわくわくとした様子で見守るなか、俺は手刀でウォーキングウッドをカットして棒状にする。手で擦って表面をつるつるに仕上げると、完成した木刀をネミアちゃんにプレゼントする。 「おおっ! かっこいいであります! これ、一生の想い出にするでありますよ!」 ネミアちゃんは嬉しそうに木刀で素振りをする。 無事に魔物を倒せたし、これでネミアちゃんも思い残すことなく修行を終えることができるだろう。 あとグリューン王国でやることといえば、俺の修行だけだ! 世界樹で魔力の質を高めたし、上手くいけばウィンドシールドを使えるくらい成長できるかもしれない! 身体に纏った風で木の葉を粉々にするなんて、かっこよすぎるしな! ウィンドシールドを纏った自分の姿を想像するだけでわくわくが止まらないのだ! そうして俺たちはわくわくしながら山道を歩き、ドラクリアへと向かうのだった。
The morning of the fifth day after visiting the mountains. We spent the night in a deserted fort on our way to Dracula to be apprenticed to a new master. Must have been built as a garrison for the Magic Knights when The Dark Emperor (Dark Road) was active. The Kingdom of Grune is the only country that wasn't attacked by The Dark Emperor, but that's a theory of results. We didn't know when we were going to be attacked at the time, so we built a fort to prepare for the demon king's raid. "Wake up, both of you. It's time to go." Speaking to Mr. Noir and Nemia, who sleep in a blurry bed, they immediately woke up. I was tired of walking and cramped yesterday, but it looks like we both recovered from hissing and resting in bed. "Whoa! Today is the day to defeat the demons! Nemia barking towards the morning sun. He's nagging because he wants to defeat the demon. Ever since I stepped into this forest, I've met so many demons that I can't count with both hands, but I've defeated them all. Anyway, Nemia doesn't have any real experience. I was about to be attacked by a demon in the gap between bringing it and drawing the rune. But it's not like Nemia won't see you grow. Having met so many demons, I am gaining the courage. At this pace, we should be able to calm down and fight demons soon! "Wait, demon! I'm going to take him down now! Nemia was not depressed because she knew she was growing too. Then we finished breakfast and we left the fort behind. Leaving the fort, Nemia just runs her magic on the map. Blue and red dots were displayed on the map that could not be counted with both hands. Which is more red dots. "If it's a red dot, it's nearby...... should I only knock out a blue dot? "Right. It's better to fight red dots after you've gained experience." Blue dots mean 'creatures of your own size', and red dots mean 'creatures of your own character'. We can't let Nemia, who has no real experience in combat, fight the demons of character. "I see. I understand! Nearest... you're about two hours away on foot! Are you heading that way? "Right. Dracula, let's go that way." "I can't wait. If you're a cool demon, you can brag to your friends when you defeat them! Take Nemia with her groovy footsteps and walk down a mountain path with bad scaffolding. "But it's around here..." Reaching near the blue dot, Nemia looks around with vigilant eyes. Trees thrive around, and I don't see any demons in the feel of a puff. "Ash, Ash. There's something over there." Together we were searching for demons, and Mr. Noir pointed to the tree branches. About five meters up, my skull was hanging. "Did the skull of the Rainbow Emperor (Rainbow Road) you binta fly all the way to this country? "I shattered the moment I touched it, and I don't suppose that's it. Evidence... Look, you've got bat-like wings on your skull, right? "Really. Is that an emergency escape wing? "I didn't just grow wings and let my head slip away right before my binta burst." In Mr. Noir, the image of 'Geeks = Demon King' seems to be ingrained, but that's not a demon king or anything. "It's a demon called a headbat." "What kind of monster is that? "Quick story, it's a bat with a head poke. You better not move poorly because you have the habit of hitting something that moves." As I was told, Mr. Noir stops moving like a calf. "Is that who the blue dot is? Nemia looks up carefully at the headbutt hanging from the branches of the tree. "That's right, Nemia's stronger. The head of the headbutt is enough to put a crack in the rock at best." "Normally, I'm gonna die." Mr. Noir pokes at me softly. "Is there a crack in the rock...... I think I'm going to lose in a head-to-head battle." "You're not a militant, so you can fight with magic. Besides, the only way to attack the headbutts is to punch them in the head. You can take them down by attacking the gap you're looking at." Headbutts attack what moves. He doesn't seem to notice us, and if we preempt, it's easy to take him down. If you let him get away with it, it'll be a hassle, but Nemia's strength should be enough to take him down in one blow. That's why I told him. "Nemia's going to take down that headbat." "Yes, at last......! Ugh, I'm nervous." "Well, just in case something doesn't happen, I'm here." "With Lord Ash, it's a hundred manpower! I'll be strong enough not to lose to Lord Ash, too! To do so, you first defeat the headbutt! Nemia stared at the headbutt with a determined eye and drew a rune with a magic wand (Withers Rod). Buuuuuuuuuuuuuu! Nemia wraps up the wind. The leaves of the tree, which had fallen flashing, were shattered before they touched Nemia. Magic for both offenses - Windshield. Using windshields in anticipation of a head punch is a tactic of war, but I missed my chance of a preemptive attack because of it. The sudden wind caused the headbutt to notice. When the headbutt leaves the branch, it flies away. "Oh, that? Why are you running away? Windshield will be wasted because of this." "I didn't run away. Headbutts are monsters who spend time in the herd. And I was just scouting for bait." Nemia turns pale as she sensed something. "... I hear something." I heard the trees snap and break when I should. The sound is getting closer and closer. Jumping lightly to make sure, the sight was as wide as I thought. "What did you see? "A bunch of headbutts are pushing at me as I knock down a tree. About ." Nemia blues more and more. Guru pulls my clothes and shakes his head in every thousand cuts. "I can't, I can't, I can't! That's right, you can't prevent 0 bodies! Windshield's magic will run out! Then what happens to me?!? "If you're irresistible, your headbutt will suck your blood and dry you out. The headbutt is a blood-sucking demon, stabbing his fangs with head-pushing momentum. That's how sucking blood makes your bones harder." "I'm so smart again." "It is a study! Just take a note... not if you're studying relaxed! Nemia is in a panic state. "Mr. Noir, protect Nemia with an ice wall" "Okay." Shortly after Mr. Noir completes the rune, the two are surrounded by ice walls. Among the transparent ice walls, Nemia was looking cold. As I watched Mr. Noir put his jacket on Nemia, a herd of headbutts pushed over. "Ooh! Over here!" I jump repeatedly to protect the ice wall. At this moment, I am the most confident person in the world. For a headbat after something that moves, there's got to be no more targets than me. As I thought, one headbat after another. Bullshit! - Pavan!! Bullshit! - Papa, Papa, Papa, Papa, Papa, Papa!! I'll pay off the headbutts coming from all directions with my hands. Each time the headbutt is shattered and scattered... That sounds familiar somewhere. "Ah!" This, that! That's the rupture I heard in the longest cave in the world! It was so dark then that I didn't know who the demon was and I was so dizzy...... well, who was the headbutt! I've been doing this for a long time. The mystery's solved. It's so refreshing! "... is it over?" The herd of headbutts shattered. Mr. Noir and his men came out of the ice wall just after he had paid off the white powder on his body. "Are you a fighter?!? "Well, my body is sturdy. And I shot them all off with my fists." "With fists!? I didn't see it at all...... So, but didn't you hurt your fist? "Bullshit. My pain's paralyzed." "I'm more worried about that one!? Looks like you've made me worry. "Anyway, I'm fine. The headbutts are gone, and now you can train without worries." "What? But the demon is gone...? "Headbutts aren't blue dots. The demon that was originally meant to be defeated is there." I pointed forward. Among the many trees defeated by the head-butt onslaught, there is one tree nestled gently. I'm not disappointed compared to other trees, but it's weird that only one is safe. That should be it, too. Whatever it is... "That tree is a monster called Walking Wood." Nemia is hazy. "If you're walking wood, you know it! I've used it before! Walking wood firewood is combustible and long-lasting. When I lived in The Devil's Forest with Grandpa Maurice, I often went to a nearby town to sell it. He only bought me rich because it's expensive firewood... but Mr. Tronko is so lame that he has his own airship. It's not strange that her grandson, Nemia, uses walkwood firewood. "But it's a demon that strangles and nourishes approaching creatures with branches, isn't it? "Right. Not even trying to get a head-butt thrust means it's as sturdy as a rock." "Is it a rock...... If we attack with all our might, we might be able to figure it out." Nemia looks lost. If the wizard attacks with all his might, he'll run out of magic. Normal wizards faint when their magic runs out... it's like saying 'eat' to a demon to lose his mind in a forest like this. But that's a story if you fight alone. "Me and Mr. Noir are with us, so don't worry, we'll do everything we can." "Ya, I'll try! When Nemia set up her magic wand as she had decided, she drew a rune of kamaitachi. Spavan!! The walking wood turns into two pieces. At the same time, Nemia fluttered down. Hold Nemia, we're approaching the wreckage of Walkwood. I have eyes on the bumpy surface, and it looks like it was walking wood after all. "-! What happened to the demon?!? About ten minutes later, Nemia woke up. Look at the walking wood, which is in two pieces, and spread a grin on his face. "Ko, this, I knocked you down!? "That's right! Congratulations!" "Span, that's out." Blessed by me and Mr. Noir, Nemia weeps in her eyes. He was so happy to cry. "I'm impressed! It is to be brought back to commemoration! With floating magic, it's a little bit of a little bit! "That won't get you on the train, and why don't you just take some of it home? I'll process it for you." "Whoa! Is it true! Then leave it to Lord Ash! As Nemia watches as she gets excited, I cut the walking wood with my knife and turn it into a bar. When you finish rubbing with your hands and clinging to the surface, give Nemia the finished wooden knife. "Whoa! It's cool! This is a lifetime of memories! Nemia gestures with a wooden knife with joy. I've successfully defeated the demon, and now Nemia will be able to complete her training without any memories. And when it comes to doing things in the Grune Kingdom, it's just my training! I've improved the quality of my magic with the world tree, and if it works, I might be able to grow enough to use Windshield! Don't be too cool to shatter the leaves of a tree with wind wrapped around your body! Just imagine yourself wrapped around a windshield and I can't stop being excited! That's how we excitedly walked down the mountain road to Dracula.
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魔王を倒して3日が過ぎた。 この日、俺は教室で焦りを感じていた。 「それでは文化祭の出し物は『お化け屋敷』でいいですね? ほかになにか案がある方は挙手を願います」 クラス委員長が教室を見まわしながら確認する。 1ヶ月後の文化祭に向けて、クラスの出し物を決めているところだった。 ここは世界最高峰の教育機関だけど中勉強漬けというわけではない。 勉強しすぎると疲れが溜まってしまうため、たまにこうした息抜き行事が開催されるのだ。 俺が編入する少し前には、体育祭とか修学旅行が催されたらしい。 期日が迫れば放課後も文化祭の準備に費やすことになるだろうけど、基本的には授業時間を利用するため試験勉強の妨げにはならない。 気分をリフレッシュして昇級試験に臨めるという意味でも、文化祭はいい息抜きになるはずだ。 ......だけど、ちょっと待ってほしい。 俺は、お化けが苦手なんだよ! 見た目ガイコツの魔王だってお化けみたいなものだけど、あれは殴れば消滅するので怖くない。 けどお化けは――幽霊は違う。 霊体は、殴ろうにも殴れないのだ。 そんなわけで、俺はお化けに苦手意識を持っている。 お化け屋敷などもってのほかだ。 「お化け屋敷楽しみだねっ!」 俺が反対意見を唱える寸前、フェルミナさんが先手を打ってきた。 「フェルミナさんは、お化け屋敷が好きなのか?」 「好きじゃないよ」 「だったら――」 「好きじゃなくて大好きなんだよ!」 「......」 キラキラと目を輝かせてお化け大好きアピールをするフェルミナさんに、俺は言葉を失ってしまった。 「おおっ、気が合うっすね! わたしもお化け屋敷は大好きっすよ! だってドキドキするっすもん!」 「さっすがエファちゃん、わかってるねっ! そこがお化け屋敷のいいところなんだよねっ!」 「日常生活であんなにドキドキすることって滅多にないっすからね!」 「うんうんっ。ああいうドキドキって、魔物と対峙したときのドキドキに似てると思うんだよねっ! つまりお化け屋敷で平常心を保つことは、強くなるための修行になるんだよっ!」 フェルミナさんの持論に、クラスメイトたちは同意するようにうなずいている。 俺は魔物と遭遇してもドキドキしたりしないけど......フェルミナさんの持論には説得力があった。 だとすると『お化けが苦手』という子どもじみた理由で反対するのはやめたほうがよさそうだな。 「......ん?」 ちょんちょん、と背中をつつかれ、俺はうしろの席を振り向いた。 「どうしたんだノワールさん? ......ノワールさん?」 ノワールさんは顔を真っ青にして、『いやいや』と首を横に振っている。 ......もしかして。 「ノワールさん、お化け屋敷が苦手なのか?」 ノワールさんはこくこくうなずく。 「お化けは倒せないわ」 俺と同じ理由で苦手なのか......。 「だけど、反対できる雰囲気ではないわ」 「だな」 すでにクラスメイトの心は一つだ。 いまさら俺とノワールさんが反対したところで、お化け屋敷は覆らないだろう。 「まあでも、そこまで怖がらなくてもいいと思うけどな」 「なぜ?」 「ほら、俺たちは驚かせる側だろ?」 そう。クラスの企画ってことは、俺たちは驚かせる側なのだ。 俺とノワールさんが客として――驚かされる側としてお化け屋敷に乗りこむことは絶対にないのである! 「たしかにそうだわ」 ノワールさんの顔色がみるみるうちによくなっていく。 「アッシュくんとノワちゃんもお化け屋敷に賛成だよねっ!?」 フェルミナさんが賛同を求めてきた。 俺はお化けが苦手だけど......苦手意識があるということは、精神的に成長するチャンスってことだ。 3歳児でいられる時間も2ヶ月半を切っているし、ちょっと焦りを感じ始めていたところである。 お化け屋敷は、魔王以上に期待が持てる。 このチャンスを逃す手はないのだ。 「俺、お化け屋敷に賛成するよ」 「さっすがアッシュくんっ! ノワちゃんはどうかなっ?」 「私は驚かせる側だわ」 「おおっ、乗り気だねっ!」 俺とノワールさんの意見を受け、クラス委員長はパンパンと手を叩いた。 「それでは満場一致によりA組の出し物は『お化け屋敷』に決定です!」 そうしてクラスの出し物が決まった。 が浮かぶチャンスの到来に、俺は希望を抱くのだった。
Three days have passed since we defeated the Demon King. I was in a hurry in the classroom this day. "So the cultural festival is good for 'Haunted Mansion', right? If you have any other ideas, raise your hand." Confirm as the class chairman looks around the classroom. I was just deciding on a class offering for the cultural festival a month later. This is the highest educational institution in the world, but it doesn't mean studying and pickling all year round. Sometimes these breathtaking events are held because too much studying builds up fatigue. A short time before I joined them, they had a sports festival and a school trip. If the due date were imminent, they would still spend it preparing for the cultural festival after school, but basically it would not prevent them from studying for exams because they would use class time. Even in the sense of refreshing your mood and coming to the promotion exam, the cultural festival should give you a good breath. ... but I want you to wait a minute. I don't like haunts! Even a demon king with appearance tricks is like a haunt, but that one doesn't scare me because if I hit him, he'll disappear. But the haunts - the ghosts aren't. Spiritual bodies can't even beat you to death. That's why I'm not comfortable with haunts. Haunted mansions and such. "I'm looking forward to the haunted mansion! On the verge of my disagreement, Mr. Fermina has taken the lead. "Does Mr. Fermina like haunted mansions? "I don't like it." "Then..." "I don't like it, I love it! ...... I've lost my word to Mr. Fermina, who sparkles his eyes and makes haunted love appeals. "Whoa, you feel good! I love haunted mansions, too! 'Cause I'm thrilled! "Sasasu, but efa, I know! That's the good part about the haunted mansion! "Because you rarely get so thrilled in your everyday life! "Uh-huh. Oh, I think thrills resemble thrills when confronted with demons! I mean, keeping a normal mind in a haunted mansion is going to be training to be strong! To Mr. Fermina's conclusion, the classmates nod as they agree. I wouldn't be thrilled if I ran into a demon... but Mr. Fermina's theory was convincing. Then you'd better stop disagreeing for the childish reason that 'I don't like haunts'. "... hmm? Hey, he put his back on me, and I turned around to take a seat. "What's the matter, Mr. Noir?... Mr. Noir? Mr. Noir is bluishing his face, 'No, no,' and shaking his neck beside him. ... possibly. "Mr. Noir, you don't like haunted mansions? Mr. Noir nods cozily. "You can't defeat the haunted." You don't like it for the same reason I do... "But it's not the opposite atmosphere." "Right." My classmate already has one heart. No way, where me and Mr. Noir disagreed, the haunted mansion would not be covered. "Well, I guess you don't have to be so scared." "Why?" "Look, we're on the surprise side, right? Yes. Class planning means we're on the surprise side. Me and Mr. Noir will never ride the haunted mansion as a guest! "Yes, it is." Mr. Noir gets better as he looks at his complexion. "Ash-kun and Nowa agree with the haunted mansion, right!? Mr Fermina has asked for his endorsement. I don't like haunts... but being uncomfortable means having a chance to grow spiritually. I'm two and a half months out of being a three-year-old, and I was just starting to feel a little rushed. Haunted Mansions have more expectations than Demon King. There is no way to miss this chance. "I agree with Haunted Mansion." "Sasa but Ash-kun! What happened to Nova? "I'm on the surprise side." "Whoa, that's ridiculous! Following my opinion and that of Mr. Noir, the class chairman slapped his hands on bread. "By unanimity, then, the two-year A-group offering is decided on 'Haunted Mansion'! That's how the class came out. I had hope for the chance of a magic spot (Stiegel) floating.
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土中から飛び出してきたゴーレムが、両腕を上げて威嚇してくる。 「さっそく弟子入りするのかしら?」 これ以上ないくらい敵意剥き出しだけど、弟子入りを許可してくれるかなぁ。もちろん魔力を高める修行をつけてくれるなら、なんとしてでも弟子入りしてみせるけど......どうやってコミュニケーションを取ればいいんだ? 「リングラントさん、ゴーレムとのコミュニケーションの取り方って知ってます?」 「なにを言っておるのだ!? ゴーレムと友達にでもなるつもりか!?」 「弟子です!」 「どっちでもいいわ! いいからさっさと真にするのだ! 私のゴーレムにしたように!」 「ですけど、これってリッテラさんが造ったんじゃないですか?」 だとすると壊すのはまずいんじゃないだろうか。 「こんなところにゴーレムを配置したリッテラが悪いのだ! さっさと真っ二つにするのだ! 襲いかかってくる前に!」 リングラントさんの言う通り、ゴーレムはいまにも襲いかかってきそうだ。腕をぐるんぐるん回してるしな。 でも、ふりだけだ。威嚇してるだけで、なかなか襲いかかってこないのである。 つまりこちらが手出ししない限り、あちらも攻撃してこないというわけだ。きっとそういうふうにリッテラさんが命じているのだろう。 「攻撃はやめときな! じゃないと威嚇じゃ済まないよ!」 念のためノワールさんを俺のうしろに引っこめていると、酒焼けしたような声が聞こえてきた。 ゴーレムのうしろからお婆さんが歩み寄ってくる。 俺たちの前に現れたお婆さんは、じろっとリングラントさんを睨みつけ、ゴーレムを見上げた。 「こいつらは敵じゃないよ! あんたは土のなかに潜ってな!」 『グオオオオオオオオオオオオオオ!!』 雄叫びを上げ、ゴーレムは土中に潜っていく。 命令通りに動いたってことは、あのお婆さんがゴーレムを造った張本人――リッテラさんか? 「まったく。こないだの小娘といい、あんたらといい、こんな僻地にいったいなんの用だってんだい? こんなにひとが来るんじゃ、おちおち実験もできやしないよ」 やっぱり、このひとがリッテラさんか。 背の高さといい声の大きさといい、コロンさんとはべつの意味でお婆さんには見えないな。 「お前に頼みたいことがあるのだ、リッテラよ」 「あんたがあたしを頼るなんて珍しいこともあるもんだね。も顔を見ずに済むと思ってたよ。で、そっちの若い子たちは、あんたの助手ってわけかい?」 「私に助手などおらん。こいつらは......まあ、私の友人のようなものだ」 「へえ。こんな男と仲良くできるなんて、ずいぶん心が広い子たちだね」 ちらっとこっちを見たリッテラさんは、くわっと目を見開いた。 「あんた、魔王を倒した子じゃないかい!?」 「はい。俺はアッシュといいます」 「やっぱりそうかい! ちょうど実験が行き詰まっていたところでね! アッシュちゃんが来てくれて助かったよっ!」 「助かった、ですか?」 歓迎ムードなのは嬉しいけど、引っかかる物言いだ。俺の力が、実験の助けになるのか? 「詳しい話はなかでするよ。このあたりは日差しが強いからね。ここにいるとしわが増えちまうよ」 「もうしわしわではないか」 「だったらそこで干からびちまいな! さあさあ、アッシュちゃんとそっちの小っこいのはうちに来な。冷たい水を飲ませてあげるからねぇ」 「嬉しいわ。だって、水を飲まないと脱水症になってしまうもの」 「小さいのに難しい言葉を知ってて偉いねぇ」 「私はアッシュと同い年だわ。薬を飲んだら、小さくなってしまったのよ」 「そうかい。きっと大きくなったら美人さんになるんだろうねぇ」 「よくわからないわ」 ちょっとだけ照れた様子のノワールさんを抱きかかえ、グランドロックへと向かう。 「着いたよ。さあ、入りな」 ゴーレムに穴を掘らせて造ったらしい。広々とした研究所は大量のランプに照らされ、昼間のように明るかった。 「水はどこだ?」 「そこの通路の奥だよ。人数分持ってきな」 「いちいち言わなくてもわかっておる」 ぶつくさ言いつつ通路の奥へ向かい、人数分のコップと水入りのボトルを持って戻ってきた。 「アッシュちゃんとノワールちゃんは、こいつとどういう関係なんだい?」 喉を潤したところでリッテラさんがたずねてきた。リングラントさんが『人体実験のことは言わないでくれ』と目配せしてくる。 「私はリングラントに魔力回路を埋めこまれて殺されかけたわ」 ノワールさんが言っちゃったし、手遅れだけどな。 「だけど恨んでないわ。そのおかげでアッシュと仲良くなれて、いっぱい友達ができたもの」 ってノワールさんは続けてるけど、リッテラさんは聞いちゃいなかった。リングラントさんの胸ぐらを掴み、怒鳴り散らしていたのだ。 「あれほど人体実験はするなと言っただろうに、なにやってんだい!?」 「世界最強の魔法使いを生み出すために、人体実験は避けては通れぬ道だったのだ!」 「私のために争わないでほしいわ」 おろおろするノワールさんを見て、リッテラさんはリングラントさんを解放する。 「あたしの弟が、酷いことしちまったねぇ......」 姉弟だったのか。言われてみれば目元とかそっくりだ。 「気にしてないわ。それに、昔はあまり好きじゃなかったけど、いまのリングラントは嫌いじゃないわ。だって丸くなったもの」 「丸くなった? あたしにはいまも昔も同じに見えるけどねぇ。ま、本人が許すって言うなら、あたしがとやかく言うつもりはないさね」 じろり、とリングラントさんを睨みつける。 「で、あんたはなにしに来たんだい?」 「さっき言った通り、頼みたいことがあるのだ。私の研究所は、ゴーレムもろとも真っ二つになったのでな。研究所と機材を貸してほしいのだ」 リッテラさんがぽかんとする。 「真っ二つになった? なんだい、天変地異でも起きたのかい?」 「天変地異などではない。アッシュにやられたのだ」 「アッシュちゃんが真っ二つにしたのかい!?」 目をキラキラと輝かせるリッテラさん。 喜んでるように見えるけど......研究所が真っ二つになったのがそんなに嬉しいのかな? だとするとリングラントさんのことを嫌いすぎな気がするけど。 「はい。俺が真っ二つにしました」 「それって、カマイタチで真っ二つにしたのかい!?」 「カマイタチって、魔法のことですか?」 俺にとってカマイタチは二種類あるのだ。物理的なカマイタチと、魔法的なカマイタチだ。ゴーレムを倒したのは物理のほうだけど...... 「魔法以外になにがあるんだい?」 「俺の強さは武闘家由来なんです。魔王はビンタで倒しましたし、ゴーレムと研究所を真っ二つにしたのは、武闘家として放ったカマイタチなんですよ」 リッテラさんは再びぽかんとする。まあ武闘家として放ったカマイタチだと言われて『ああ、そういうことね』と即理解できるひとはいないだろうしな。 「い、いまいち理解できないけど......じゃあ、なんだい? アッシュちゃんは魔法使いじゃないってことかい?」 「俺は魔法使いです」 「そうかい! 系統はなんだい?」 「俺の系統は風ですよ」 「それ、本当かい!?」 リッテラさんが満面の笑みで詰め寄ってきた。 さっきもカマイタチを使ったのかとたずねてきたし、俺が風系統だと都合がいいようだ。 「本当です。いまはカマイタチと浮遊魔法しか使えませんけど、いつの日かすべての風魔法を使いこなせるようになってみせます!」 「なるほどなるほど! つまりアッシュちゃんは強くなりたいわけだね!?」 「はい! そのために武者修行をしてるんです!」 「そうかいそうかい! だったら、あたしの研究が役立つかもしれないねぇ!」 「ほんとですか!? リッテラさんはどういう研究をしてるんですか!?」 ゴーレムを造ってるってことは知ってるけど、それくらいしかわからない。人体実験を非難してたし、魔力回路を埋めこむってわけじゃないだろうけど...... 「あたしの夢は世界最強の魔法使いを生み出すことでね。いつもはゴーレムを使って実験してるんだけど、行き詰まっていたのさ。あたしのゴーレムじゃ力不足だったからねぇ」 実験を成功させるにはゴーレムより強くないとダメってことか。 「それで、俺はなにをすればいいんですか?」 強くなるための具体的な方法をたずねると、リッテラさんはこう言った。 「アッシュちゃんには、これから世界樹のもとへ行ってもらうよ」
"GOOOOOOOOO!! A golem flies out of the ground, raising both arms to intimidate me. "Are you just going to apprentice? It's so hostile that it's no more, but I was wondering if you'd allow me to apprentice. Of course, if you're going to train me to boost my magic, I'll try to apprentice you at all costs... but how am I supposed to communicate? "Mr. Ringrant, do you know how to communicate with the Golem? "What are you talking about!? Are you even going to be friends with Golem!? "I'm a disciple! "Either way! Just cut it in two! Like you did to my golem! "But didn't Mr. Rittera build this? Isn't it a bad idea to break it then? "It's the littera that put the golem in this place that's bad! Let's just cut it in two! Before they hit me! Mr. Ringrant is right, the Golem is likely to strike now. I'm spinning my arm around. But just pretend. He's just intimidating, and he's hard to come by. Which means they're not attacking either, unless this one hands down. I'm sure that's how Mr. Rittera orders it. "Stop attacking! Otherwise, I'm not threatening you! Just in case you were pulling Mr. Noir into my lap, I heard him sound like he had been drunk. My grandmother walks over from the back of the golem. The old lady who appeared before us glanced at Mr. Ringrant and looked up at the golem. "These guys are not enemies! You dive in the dirt! The roar rises, and the golem dives into the earth. The fact that you did what you were ordered to do means that the old lady built the golem, Mr. Rittera? "Totally. My little girl the other day, I hope so, what the hell are you doing in such a remote place? You can't even experiment with one of these guys." After all, this one is Mr. Rittera. Tall and good voice size, you don't look like a grandmother in the basic sense of Mr. Cologne. "I need you to do something for me, Rittera." "Sometimes it's unusual for you to rely on me. I thought I'd never have to look at your face again. So, are those young lads your assistants? "I don't have an assistant. These guys... well, they're like my friends" "Heh. You're a lot of broad-minded kids to be able to get along with guys like this." Littera glanced at me and opened her eyes with excitement. "You are the child who defeated the Demon King!? "Yes, I'm Ash." "I knew it! Just when the experiment was stuck! Thanks for coming, Ash! "Thank God, is that it? I'm glad it's a welcome mood, but it's a catch. Is my power gonna help you with the experiment? "I'll tell you more about it. It's sunny around here. You'll get more wrinkles when you're here." "Aren't you wrinkled already?" "Then don't dry out there! Come on, come on, Ash, you and your little one come to us. I'll give you some cold water." "Glad to hear it. 'Cause if you don't drink water, you'll be dehydrated." "It's great to know a small, but difficult word." "I'm the same age as Ash. When I took my pills, they got smaller." "Right. I'm sure she'll be a beauty when she grows up." "I'm not sure." Hold Mr. Noir, who looks just a little lit up, and head to Grand Rock. "We're here. Come on in." They made the golem dig holes. The spacious laboratory was lit by a large number of lamps and was as bright as day. "Where's the water? "It's behind the aisle there. Bring the number of people." "I don't have to tell you anyway. I know." I headed to the back of the aisle as I said bump and came back with a cup for the number of people and a bottle of water. "What does Ash and Noir have to do with this guy? Mr. Rittera just moistened his throat. Mr. Ringrant brings me to the eye: 'Don't tell me about human experiments'. "I was buried in a magic circuit in Ringland, and I was about to be killed." Mr. Noir said it, and it's too late. "But I don't resent you. Something I made friends with Ash because of that." Mr. Noir keeps saying that, but Mr. Rittera didn't listen. He grabbed Mr. Ringrant's chest and was yelling at him. "I told you not to do so many human experiments, what are you doing!? "Human experimentation was an inevitable path to create the most powerful wizard in the world! "I hope you don't argue for me." Seeing Mr. Noir grate, Mr. Rittera releases Mr. Ringrant. "My brother has done terrible things..." Was it my sister and brother? If you ask me, it looks just like the eye area or something. "I don't care. Besides, I didn't really like it back in the day, but I don't hate ringrants right now. 'Cause something round." "Rounded? It looks the same to me now and in the past, but hey. If I'm going to forgive him, I'm not going to tell him anyway." Stinging, staring at Mr. Ringrant. "So what are you doing here? "Like I said, I need to ask you something. My lab is now completely twofold with the golem. I need you to lend me the lab and equipment." Mr. Rittera gets pompous. "Been in two? What, did it happen even with a natural mutation? "It's not a natural mutation or anything like that. Ash hit me." "Did Ash cut you in two?!? Mr. Rittera sparkles his eyes. You look happy... but are you that happy that the institute has become two straight? I feel like I hate Mr. Ringrant too much, though. "Yes, I turned it into two." "Did you turn that into two pieces?!? "Are you talking about magic? There are two kinds of flirting for me. Physical camouflage and magical camouflage. It was more physics that knocked down the golem... "What else is there besides magic? "My strength comes from militants. The Demon King defeated him in Binta, and the only thing that made the Golem and the institute truly two were the camouflages he unleashed as militants." Mr. Rittera gets pompous again. Well, there's not going to be one person who can instantly understand that he's a camouflage who let himself go as a militant and says, 'Oh, you know what? "Yes, I don't understand right now... so what? You mean Ash's not a wizard? "I am a wizard." "Right! What's the pedigree? "My lineage is the wind." "Is that true!? Mr. Rittera came stuffed with a full grin. I've been wondering if you used kamaitachi earlier, and it seems convenient that I am wind system. "It's true. I can only use Kamaitachi and floating magic right now, but I will try to get all the wind magic done someday! "I see! So Ash wants to be strong!? "Yes! That's why I'm training as a samurai! "Let's see! Then my research might help! "Really!? What research is Mr. Rittera doing!? I know you're building a golem, but that's about all I know. He was accusing me of experimenting with the human body, and I don't suppose it means burying the magic circuit... "My dream is to create the most powerful wizard in the world. I usually experiment with golems, but I was stuck. My golem wasn't strong enough." You mean you have to be stronger than the Golem to succeed in the experiment? "So what am I supposed to do? Taunting a specific way to be strong, Ms Rittera said: "Ash will go to the world tree."
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魔王が粉々になったのを見届けたところ、ミロさんが這い寄ってきた。 「アッシュ、無事!?」 「俺は平気です」 「なぜ平気!? 普通、死ぬ! 運がよくて重傷! 無事で嬉しいけど!」 ピンピンしている俺を見て、ミロさんは喜んでいいのか戸惑っていいのかわからない様子だ。 「空から落ちたくらいじゃ怪我しませんよ」 もしかすると骨折したのかもしれないけど、修行をしすぎて痛みを感じなくなったからな。 骨折したとしてもすぐに治るし、怪我したかどうかを確かめる術はないのだ。 「あと、魔王は超高温! アッシュ、なぜ溶けてない!?」 「あいつ熱かったんですね」 「いまさら!? アッシュ、熱さ感じない体質!?」 「さすがに限度はあると思いますけど、今回は熱さを感じませんでしたよ」 なにせ触ってないからな。 俺の拳が届くより先に、風圧で粉々になったのだ。 「とにかく俺は無事です! 引き続き修行をお願いします! ミロさんの魔力と体力が回復するまで、瞑想して待ってますから!」 「修行の必要ない! アッシュ、修行しなくても強い!」 「俺は魔法使いとして強くなりたいんです! 大魔法使いになるためには、ミロさんの修行が欠かせないんです!」 「無理!」 「どうして無理なんですか?」 「アッシュ、魔王に襲われても落ち着いてた! そんなアッシュを驚かせることできない!」 「それは魔王に襲われ慣れてるからですよ」 両手じゃ数えきれないくらいの魔王と戦ってきたのだ。いまさら襲われたところで驚きはない。 「ミロ、魔王襲撃に勝る驚きを提供できない! それ以上の驚き、この世にない!」 ミロさんは言い切った。 「つまり、修行は失敗ってことですか......?」 「そうとは言えない!」 がっくりする俺に、ミロさんが明るく叫びかけてくる。 「アッシュ、レッドドラゴンに食べられた! アッシュ、空から落ちた! アッシュ、地面に刺さった! アッシュ、魔王と戦った! アッシュ――ずっと落ち着いてた!」 ......なるほど。言われてみれば、短い間にいろんなことがあったな。 魔王の最終形態を見たときは思わず叫んでしまったけど、残りの時間は平静を保つことができていたのだ。 「つまり、修行は成功したってことですか?」 「そういうこと! 武闘家の修行、量と質が大事! だけど魔法使いの修行、量より質が大事! 時間をかければ強くなるわけじゃない!」 「なるほど!」 密度の濃い修行を経て、俺の精神力は鍛えられたってことか! 「俺、魔法を使ってみます!」 魔力の増加を確かめるには魔法を使うのがてっとり早い。 いてもたってもいられず、俺は懐から 大空から地面に叩きつけられたのだ。木製だったら折れていたかもしれないけど、俺の相棒は金属製。ちょっとやそっとじゃ壊れないのである! ちなみに携帯電話はミロさん宅に置きっ放しにしているので無事だ。 「カマイタチを使うのかしら?」 「カマイタチはマスターしたし、今回はべつの魔法にチャレンジするよ」 「なにを使うのかしら?」 「カマイタチの次に魔力が必要な魔法だよ」 ピンとこないのか、ノワールさんは首を傾げている。 「いま見せてあげるよ」 「楽しみだわ」 わくわくした口調でそう言って、ノワールさんは俺のうしろにまわりこむ。 「さて」 風魔法のなかでカマイタチの次に魔力が必要な魔法といえば......あれだな。 その魔法のルーンを鮮明に思い出した俺は、物理的にカマイタチを発生させてしまわないよう慎重に魔法杖を動かした。 そしてルーンが完成した瞬間―― 「よしっ!」 成功を見届け、俺は心のなかでガッツポーズを作る! 無事に魔法が発動したのだ! ミロさんの修行は、本当に成功していたのである! 「なにも起きないわ」 ノワールさんがきょとんとしている。 「アッシュ、幻覚見てる? 頭、強く打った? 膝枕休憩、する?」 ミロさんが心配そうに話しかけてくる。 「幻覚じゃありませんよミロさん! あそこを見てください!」 「ミロ、目が悪い。あそこ、なにがある?」 「魔王の欠片が落ちてるわ」 「あれじゃないよ! そのとなり! 1メートルくらい右を見て!」 「......小石のことかしら?」 「そう! 小石だよ! わからないなら、軽く指で弾いてみて!」 「やってみるわ」 きりっとした顔でそう言うと、ノワールさんはビー玉サイズの小石を弾いた。 すぃぃー......こつんっ。 1メートルほど地面を滑った小石は、魔王の欠片にぶつかって動きを止めた。 「予想とは違う動きだったわ。なぜかしら?」 カーリングのように滑らかな動き方をした小石に、ノワールさんは戸惑っている。 「浮遊魔法を使ったんだ!」 浮遊魔法とは、物体を宙に浮かせる魔法である。 人間を浮かせることもできるけど、飛行魔法と違って自由に動くことができない。 言ってしまえば浮遊魔法は飛行魔法の下位互換。そのためあまり魔力を必要としないのだ。 だけど浮遊魔法は役に立たないわけじゃない。 魔力をこめればこめるほど重いものを浮かせることができるため、荷物の運搬なんかに使われているのだ。 「浮遊魔法を使えば、引っ越しが楽になるんだよ!」 「貴方の場合は担いだほうが早いと思うわ」 「アッシュ、家ごと持ち運べる!」 「そんな引っ越しは嫌です! 引っ越しをするときは魔法を使ってみせます!」 いまは小石を浮かせるので精一杯だけど、修行をすればあらゆる家具を運べるようになるはずだ。 けど、それだと普通の魔法使いだ。俺の目標は大魔法使いなのだから、大陸最西端に埋まっている『絶対に壊れない魔法杖』を回収できるくらいになってみせる! さておき、ほんの数ミリとはいえ浮いた以上は浮遊魔法をマスターしたと言って過言ではない。 ティコさんのもとでカマイタチをマスターし、ミロさんのもとで浮遊魔法をマスターした。 ライン王国でふたつの魔法を使いこなせるようになったのだ。 このペースなら、世界中を巡る頃にはあらゆる風魔法を使いこなせるようになっているはずだ! 「俺に修行をつけてくださって、本当にありがとうございます!」 あらためてお礼を言うと、ミロさんはにっこり笑う。 「お礼、ミロの台詞! アッシュ、命の恩人! ノワール、ミロの戦友! ふたりはミロの友達! 感謝のしるしにご馳走作る!」 ノワールさんは嬉しそうにお腹を鳴らした。 グラーフの森にエファが来たのは、その翌朝のことだった。
When I saw the demon king shattered, Mr. Miró crawled over. "Ash, safe!? "I'm fine." "Why are you okay!? Normal, die! Lucky and seriously wounded! Glad you're safe, though! Look at me pimping, Mr. Milo looks like he doesn't know if he's happy or confused. "You won't get hurt as much as you fell from the sky." Maybe he broke a bone, but he trained too hard to feel the pain. Even if it breaks, it heals quickly, and there's no way to see if it's hurt. "And the Demon King is super hot! Ash, why isn't it melting!? He was hot, wasn't he? "No way!? Ash, I don't feel the heat in my body!? "I know there's a limit to that, but I didn't feel the heat this time." I haven't touched anything. Wind pressure shattered my fist before it arrived. "Anyway, I'm safe! Please continue your training! Because I will meditate and wait until Mr. Miró's magic and strength are restored! "No training required! Ash, you don't have to train to be strong! "I want to be strong as a wizard! In order to become a great wizard, Mr. Milo's training is indispensable! "I can't!" "How can you not? "Ash, I was calm even when the demon king attacked me! I can't surprise Ash like that! 'Cause I'm used to being attacked by demon kings.' I've fought so many demon kings that I can't count with both hands. I'm not surprised you got attacked. "Miró, I can't offer you any more surprises than the Demon King raid! No more surprises, not in this world! Mr. Miró ran out of words. "Does that mean training fails......? "I can't say that! Mr. Milo shouts brightly at me when I'm disappointed. "Ash, the Red Dragon ate me! Ash, I fell out of the sky! Ash, I stabbed him in the ground! Ash, I fought the Demon King! Ash - I've been calm! ... I see. If you ask me, a lot happened in a short time. I accidentally screamed when I saw the final form of the Demon King, but I was able to remain calm for the rest of my time. "So you're saying the training was a success? "That's the thing! Training militants, quantity and quality matter! But wizard training, quality is more important than quantity! It's not like you're gonna be strong over time! "I see!" You mean after a dense training, my mental strength was built up! "I'll try my magic! It is very quick to use magic to ascertain the increase in magic power. I couldn't stay or not, and I took the magic wand (Withers Rod) out of my nose. He was slammed to the ground from the sky. If it was made of wood, it might have broken, but my partner is made of metal. It doesn't break a little! By the way, your phone is safe because you left it at Mr. Miro's house. "Do you use kamaitachi? "I've mastered Kamaitachi, and I'm going to challenge you to some magic this time." "What do you use? "It's magic that needs magic next to comedy." You can't pin it, Mr. Noir is tilting his neck. I'll show you now. "Looking forward to it." That's what I said in an exciting tone, and Mr. Noir turns around at my back. "Well." Speaking of magic in wind magic that needs magic next to kamaitachi... that's it. I remember that magic loon vividly, and I carefully moved my magic wand so that it wouldn't physically trigger a chatter. And the moment the rune was finished... "Ok!" Seeing success, I make gutspaws in my heart! Magic activated safely! Miró's training was truly a success! "Nothing's gonna happen." Mr. Noir is decent. "Ash, are you hallucinating? Head, hit hard? Knee pillow break, do you? Mr. Miró talks to me worried. "I'm not hallucinating, Mr. Milo! Look over there! "Miró, I have bad eyes. What do you got over there? "The demon king's shard is falling." "Not that one! That's it! Look about a meter to the right! "... you mean pebbles? "Yes! It's a pebble! If you don't know, play it with your fingers lightly! "I'll try." Saying so with a firm face, Mr. Noir played a beeball-sized pebble. Shh, no... Knock it off. The pebble, which slipped about a meter on the ground, hit a demon king shard and stopped moving. "It was a different move than I expected. Why not?" Mr. Noir is bewildered by pebbles that move as smoothly as curling. "I used floating magic! Floating magic is the magic that lets objects float in the universe. I can even float a human for once, but unlike flying magic, I can't move freely. If I say so, floating magic is the inferior compatibility of flying magic. That's why we don't need much magic. But floating magic isn't useless. The more magical it is, the heavier it can float, which is why it is used to carry luggage. "Using floating magic makes moving easier! "In your case, I think it's quicker to take charge." "Ash, I can carry every house! "I don't want to move like that! I'll let you use magic when you move! I can float pebbles right now, so it's the best I can do, but if I train, I should be able to carry every piece of furniture. But that's a normal wizard. My goal is to be the Great Wizard, so I'll make sure I can recover The Magic Wand, which is buried in the westernmost part of the continent! Besides, it's no exaggeration to say that you've mastered floating magic beyond floating, albeit just a few millimeters. He mastered Kamaitachi under Mr. Tiko and Floating Magic under Mr. Miro. Two magics are now available in the Kingdom of the Rhine. At this pace, you should be able to use all kinds of wind magic by the time you travel around the world! "Thank you so much for training me! Once again to thank you, Mr. Miró grins. "Thanks, Miró's Dialogue! Ash, benefactor of life! Noir, Milo's comrade! You two are Miro's friends! Make a treat for a sign of gratitude! Mr. Noir bellied happily. It was the morning after that that that Efa came to the gruff forest.
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アッシュがいなくなって10ヶ月が過ぎた。 いつもは日が暮れるまで遺跡に引きこもり、アッシュの帰りを待ち続けているノワールだったが、この日は違った。 エファとフェルミナが卒業旅行と称して遊びに来てくれたのだ。 そうして食事会を開くことが決まり、フィリップにお金をもらった3人は、食料を求めて最寄りの町へ向かったのである。 「おじちゃん、お肉ちょうだい!」 フェルミナの声が肉屋に響き渡った。 彼女の要望で、昼食はバーベキューに決まったのだ。 「おっ、嬢ちゃん元気だねぇ」 フェルミナの明るい声に、恰幅の良い店主が笑顔を向けてきた。 「美味しそうなお肉がずらっと並んでるんだもん! 見てるだけで力が漲ってくるよ! この店は、あたしにとって宝石店なんだよ!」 「嬉しいこと言ってくれるねぇ! 嬢ちゃんたち美人だからまけとくよっ!」 「ほんとに!? ありがとおじちゃん!」 フェルミナは満面の笑みを浮かべ、ショーケースに並べられた肉を指さし注文していく。 「ノワールさんは食べたい肉とかないっすか? たくさんお金もらっちゃったっすからね。なんでも買えちゃうっすよ!」 「ふたりに任せるわ。いまの私に好き嫌いはないもの」 「うんうん。好き嫌いがないのはいいことだよっ!」 「好き嫌いすると成長できないっすからね!」 「ノワちゃんが良い証拠だね! 最初見たとき、ノワちゃんのお姉ちゃんかと思ったよ!」 「好き嫌いをなくしたらこんなに成長できるんだって、妹たちに実例として紹介したいくらいっす!」 ふたりの賑々しいやり取りを聞いていると、魔法学院での楽しかった日々を思い出す。 となりにエファとフェルミナがいて、小屋にはモーリスたちがいる。 みんなノワールのことを大事に想ってくれているし、だからノワールはみんなのことが大好きだった。 (でも、アッシュがいないわ) いつもそばにいてくれたアッシュがこの場にいない。 いつ戻ってくるのかわからない。 ひょっとするとと会えないかもしれない。 そう考えただけで、気分が落ちこんでしまうのだった。 「あっ、このタレに漬けこまれた肉も美味しそうじゃないっすか?」 「だねっ! もうタレの匂いだけで美味しさが伝わってくるよ! 焼いた瞬間に甘辛い香りが何倍にも膨れあがりそうだよ!」 「もしかしたら匂いにつられて師匠が戻ってくるかもしれないっすね!」 そに、いつの間にかうつむいていたノワールは顔を上げた。 アッシュが戻ってくる? アッシュに会える!? アッシュと再会できる!! (肉を焼いて、アッシュを呼び戻すわ) あっという間に願望は確信へと変わり、バーベキューは召喚の儀式に変化した。 美味しい供物を捧げれば、アッシュは戻ってくるのだ! そう考えると、いても立ってもいられなかった。 「早く焼きたいわ」 「おおっ、急にやる気になったっすね! わたしもお腹空いてきたっす!」 「あたしもだよ! 早く帰ろう! そして焼こう! 今日は一日中焼き肉パーティだよ!」 そうして大量の肉を購入したノワールたちは、うきうきとした足取りで帰路についたのだった。 「お、おかえりなさい。早かったわね」 「たくさん買ったみたいだね」 「もう準備はできておるからのぅ! あとは焼くだけじゃよ!」 小屋に戻ると、モーリスたちが出迎えてくれた。 すでに準備万端らしく、バーベキューセットの周りには椅子代わりの丸太が置かれている。 「まずはタレ漬けの肉を食べたいっすね!」 「いいね! 大賛成だよ! じゃんじゃん焼いてじゃんじゃん食べよっ!」 「や、焼くのはわたしに任せて、あなたたちは食べるのに専念するといいわ」 「いいんですか!? ありがとうございます! お言葉に甘えます!」 「い、いいのよ、気にしなくて。若いんだから、たくさん食べなきゃね。......それで、まずはこのお肉だったわよね?」 「はいそれです! ......ふわぁっ、すっごい美味しそうな匂いがするよぉ!」 「めちゃくちゃお腹が空いてきたっす!」 タレ漬けの肉が炙られ、甘辛い匂いが立ち上った瞬間、ノワールはランプを手にして立ち上がった。 「む? どこへ行くのじゃ?」 「アッシュに会いに行くわ。お腹を空かせているはずだもの」 それだけ告げて、ノワールは遺跡へ駆けだした。 長すぎる階段を駆け下り。 薄暗い通路を駆け抜け。 広々とした空洞に駆けこみ―― そして、ノワールは目を見開いた。 (アッシュがいるわ!) 夢にまで見たアッシュが、半裸の状態で佇んでいたのだ! 「......ノワールさん?」 (アッシュがしゃべったわ! ......なんだか疲れてるみたいだわ) 服はぼろぼろになっているが、怪我は見当たらないし、そもそもアッシュが怪我をするわけがない。 となると、きっと精神的につらい戦いだったのだろう。 その証拠に、アッシュはツッコミ疲れたような顔をしていた。 (なんとかして、アッシュを癒してあげたいわ) そして、いつもの明るい顔を見せてほしい。 そう考えたノワールは、面白いことを言ってアッシュを笑わせてあげることにしたのであった。 「ノワールは、私のご先祖様だわ」
Ten months have passed since Ash was gone. It was usually a noir that pulled to the ruins until sundown and kept waiting for Ash to return, but this day was different. Efa and Fermina came to see me as a graduation trip. That's how they decided to hold a dinner party, and the three of them, who got paid by Philip, headed to the nearest town in search of food. "Uncle, give me some meat! Fermina's voice echoed the butcher. At her request, lunch was set for barbecue. "Whoa, lady, you're fine." To Fermina's bright voice, a well-deserved shopkeeper has smiled. "There's a whole line of delicious looking meats! Just watching will boost your strength! This store is a jewelry store for me! "I'm glad you said it! Ladies, you're beautiful, so let it go! "Really!? Thanks, Uncle! Fermina smiles full face, pointing and ordering meat arranged in the showcase. "Mr. Noir doesn't have the meat or anything he wants? Because I got a lot of money. You can buy anything! "I'll leave you two to it. Something I don't like or dislike right now." "Yeah, yeah. It's a good thing you don't like or dislike it! "If you like it or not, you can't grow it! "Nowa is good proof! When I first saw you, I thought you were Nova's sister! "You can grow so much if you stop liking it or not, as much as I'd like to introduce you to my sisters as a practical example! Listening to the lively exchange between the two reminds me of my fun days at the School of Magic. There are quite a few Efa and Fermina, and Maurice and the others in the cabin. Everyone cares about Noir, and that's why Noir loved everyone. But Ash isn't here. Ash, who was always there for me, is not here. I don't know when I'll be back. After a moment, I may never see you again. Just thinking about it made me feel down. "Oh, doesn't the meat soaked in this sauce look delicious, too? "Hey! Just the smell of sauce already will tell you how delicious it is! The moment you bake it, the sweet and spicy fragrance is going to swell many times! "Maybe the smell will bring your master back! To that one word, Noir, who at some point was annoyed, looked up. Ash's coming back? I can see Ash!? I can see Ash again!! (Cook the meat, I'll call Ash back) Soon the aspirations turned to certainty, and the barbecue turned into a ritual of summons. If you offer a delicious offering, Ash will be back! Thinking about it, I couldn't stay or stand. "I want to cook it fast." "Whoa, you suddenly got motivated! I'm hungry, too! "Me too! Let's go home! And let's bake! It's a BBQ party all day long! So the noirs, who had bought large quantities of meat, went home in a groaning foothold. "Welcome back. That was fast." "Looks like you bought a lot." "I'm ready! All you have to do is bake! Back at the cabin, Maurice and the others greeted us. Looks like you're already ready, and there's a chair substitute round the barbecue set. "You want sauce pickled meat first! "Like! I agree with you! Cook it, eat it! "Ya, I'll take care of baking, you guys just focus on eating" "Is that okay!? Thanks! Sweet for your words! "Yes, it's okay, never mind. I'm young, so I have to eat a lot.... So it was this meat first, right? "Yes, that's it!... Wow, it smells so delicious! "I'm so hungry! The moment the sauce-picked meat was broiled and the sweet and spicy smell arose, Noir stood up with the lamp in his hand. "Hmm? Where are you going? "I'm going to see Ash. Something that should be hungry." That's all he told me, and Noir ran to the ruins. Running down stairs that are too long. Running through a dim passage. Running into a spacious cavity... And Noir opened his eyes. (There's Ash! I dreamed Ash was standing half-naked! "... Mr. Noir? (Ash talked!... Sounds kind of tired) My clothes are blurry, but I don't see any injuries, and there's no way Ash would get hurt in the first place. Then it must have been a tough mental battle. To the evidence, Ash looked like he was scratchy tired. (Do something, I want to heal Ash) And I want you to show me your usual bright face. Having thought about it, Noir decided to say something funny to make Ash laugh. "Noir is my ancestor."
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長期休暇2日目の朝。 俺は大きなリュックを背負い、校門へと向かっていた。 今日はフェルミナさんの実家へ遊びに行くことになっているのだ。 待ち合わせ場所の校門前に到着すると、そこにはノワールさんの姿があった。 「おおっ、早いなノワールさん!」 まだ待ち合わせ時間まで30分は余裕があるのに、ノワールさんは眠気を堪えて早く来たのだ。 その姿勢に感心していると、ノワールさんは大きなくまのある目を俺に向けてきた。 「......もしかして寝てないのか?」 昨日はフェルミナさんの部屋で『上級クラス維持できておめでとうパーティ』を開催したのだ。 俺は旅行に備えて早めに帰ったが、ノワールさんたちは夜通しガールズトークしていたのだろう。 「日が昇る前にはここにいたわ」 さすがに早すぎない? そう思ったけど、中途半端な時間に寝たら寝坊するかもしれないしな。 遅刻を避けようとする心がけは立派だ。 だけど眠たそうに頭をふらふらさせてるし、いきなり倒れたりしないか心配だな......。 「ああ、そうだ」 を取り出し、ノワールさんに差し出した。 「これ、よかったら飲む?」 気力薬は疲労回復や眠気除去に効果がある薬だ。 いまのノワールさんには打ってつけである。 「助かるわ」 ノワールさんは気力薬を受け取り、俺のカバンに不思議そうな視線を向けた。 「1泊2日にしては大荷物だわ」 「いろいろと予定があってね」 「どこかへ行くの?」 「まあね」 「いつ戻ってくるのかしら?」 「2週間後くらいかな」 「そう......」 ノワールさんはなんだか寂しそうに目を伏せ、気力薬をちびちびと飲み始めた。 俺はフェルミナさんの実家過ごしたあと、魔力獲得の手がかりを見つけるために遺跡へ行ってみることにしていた。 まだ誘ってないけど、そのときはノワールさんにもつきあってほしいと思っている。 というのも、キュールさんとリングラントさんの話をまとめると『《氷の つまり《氷の帝王》の転生体であるノワールさんなら、石碑を解読できるかもしれないのである。 本当はキュールさんにもついてきてほしかったけど、エリーナ先生と旅行の約束があるとかで断られてしまったのだ。 そんなわけで、遺跡に行く場合はノワールさんとふたりきりだ。 もちろんノワールさんがついてきてくれるなら、数日分の着替えとか旅費なんかは俺が全額支払うつもりだ。 問題は、どうやって旅行に誘うかだ。 石碑を解読できた場合、ノワールさんは『どうして読めるの?』と困惑するだろう。 そうならないためにも、あらかじめ真実を伝えておいたほうがいいはずだ。 俺としても、ノワールさんに嘘はつきたくないしな。 ただ、前世にまつわる話は、ノワールさんにとって重要なことだ。 ちゃんとした場を設けて伝えたほうがいいだろう。 この旅行中に、『ちゃんとした場』を用意できるといいんだけど......。 「おっはよー!」 「時間ぎりぎりになっちゃったっす!」 ノワールさんが気力薬を飲み終えたところで、エファとフェルミナさんが駆け寄ってきた。 ふたり同時に来るってことは、昨日はフェルミナさんの部屋で一夜を過ごしたのだろう。 「ふたりとも早いねっ!」 「今日も師匠が一番乗りだったんすかっ!?」 ふたりとも寝不足なのか、深夜テンションだ。 「今回はノワールさんが一番乗りだったよ」 「そうなんすか!? 夜遅くまで起きてたのに一番乗りなんてすごいっすね!」 「寝てないのよ」 早くも気力薬が効いてきたのか、ノワールさんはシャキッとした顔で言った。 「もし眠いなら、列車のなかで寝ればいいよっ!」 「フェルミナさんの実家って、たしかルチャムにあるんだったよな?」 ルチャムはエルシュタニアから200kmくらい北にある町だ。 まだ朝早いし、昼前には到着するだろう。 「列車で3時間くらいかなっ? 乗り換えとかないからゆっくり休めるよ!」 「それは助かるっす! わたし、めちゃくちゃ眠いっすからね!」 「あたしもだよっ!」 「ルチャムについたら俺が起こすから、エファたちは寝てていいよ」 エファとフェルミナさんは嬉しそうな顔をした。 「ありがとうアッシュくんっ!」 「お言葉に甘えさせてもらうっす!」 「......眠気が覚めたばかりだわ」 中途半端な時間に眠気が来ることを悟り、ノワールさんは眉を下げたのだった。 列車に揺られること3時間。 俺たちはルチャムに到着した。 駅前の広場にはたくさんの露店が並び、いろいろな食べ物が売られている。 ついさっきまで眠っていたエファたちは、あまりの賑々しさに眠気が吹き飛んでしまった様子だった。 「すごく盛り上がってるっすね! 今日はお祭りっすかっ!?」 「いつもこんな感じだよ! ほらっ、あそこの串焼き肉がすっごく美味しいんだよっ! うちに荷物を置いたら食べに行こうねっ!」 「フェルミナさんの家は近いのか?」 「うんっ。歩いて15分くらいかな? こっちだよっ!」 フェルミナさんを見失わないようにしつつ、俺たちは広場を歩く。 「あ、あのっ、もしかしてアッシュさんですか!?」 広場を歩いていると、女の子に呼び止められた。 「そうですけど」 「やっぱりアッシュさんだ!! 私、魔王との戦いを見てあなたのファンになったんです!!」 その声を聞きつけ、広場にいたひとたちが俺の周りに集まってくる。 「師匠、大人気っすね! 弟子として誇らしいっす!」 エファが嬉しそうに言った。 エルシュタニアでも同じように囲まれたことがあるけど、魔王との戦いから時間が経つし、それなりに落ち着いてきた。 だが、ルチャムのひとたちは『魔王放送』でしか俺を見たことがない。 はじめて目にする『生アッシュ』に興奮してしまっているのだろう。 「サインください!」 「握手してほしいです!」 「私、パンツ買いました!」 やめてくれ! 握手でもサインでもなんでもするから、パンツの話はしないでくれ! 今度から、はじめて訪れる土地では顔を隠して出歩いたほうがいいかもしれないな。 じゃないとまともに外出できない。 「ここが我が家だよっ!」 背中にタッチされたり腕をにぎにぎされたりしつつも歩き続け、フェルミナさんの実家にたどりつく。 「自分の家だと思ってくれていいからねっ!」 そうして家に入ると、フェルミナさんの両親に出迎えられた。 事前に聞かされていたので驚きはないけど、フェルミナさんの父親は《土の 「あのときは本当に助かりました。どうかゆっくりしていってください」 「本当にうちの主人を助けていただいて、なんとお礼を言ったらいいか......」 友達の親に頭を下げられるの、ちょっと気まずいな......。 お礼ならフェルミナさんに散々されたし、べつに気にしなくていいのに。 「もうっ! 堅い話はやめてねって電話で言ったでしょ! ほら、アッシュくん困ってるじゃない!」 フェルミナさんは眉をつり上げて言った。 「この通りうるさい娘ですが、いつまでも仲良くしてくれると嬉しいです」 「娘もアッシュさんのことはとても気に入っているようですし、今後は家族ぐるみでおつきあい――」 「もうっ! そういう話もしないでって電話で言ったでしょ!」 フェルミナさんは顔を真っ赤にして叫び、俺の手をがしっと掴む。 「部屋に案内するからね。こっちだよ」 俺はフェルミナさんに手を引かれへ向かう。 「ここがあたしの部屋だよっ。今日は3人ともうちに泊まるんだよね?」 「そのつもりっす。わたしは明日の昼には帰らなきゃいけないっすから、今日はルチャムを堪能するっすよ!」 「案内なら任せてよっ! アッシュくんとノワちゃんも明日帰るんだっけ?」 「俺は明日の昼頃帰るよ」 明日からは遺跡巡りを始めるのだ。 俺ひとりなら走れば日中には最北端の遺跡にたどりつけるけど、ノワールさんと一緒に行くつもりなので交通機関を使うことになる。 休暇が丸々潰れるかもしれないし、早めに出発したほうがいいだろう。 まあ、ノワールさんの予定次第では遺跡巡りは延期なんだけど......。 「私も明日の昼頃帰るわ」 ふたりきりで話をしたいし、前世について話すのは明日の昼にしようかな。
morning of the second day of extended vacation. I was carrying a big backpack and headed to the school gate. I'm supposed to visit Mr. Fermina's home today. Arriving in front of the school gate at the rendezvous point, Mr. Noir appeared there. "Whoa, that's fast, Mr. Noir! Even though we still have half an hour to meet, Mr. Noir drowned and came early. When I was impressed by that attitude, Mr. Noir turned his eyes to me. "... maybe you haven't slept? Yesterday we hosted a Happy Party in Mr. Fermina's room where we were able to maintain an advanced class. I left early in preparation for the trip, but I'm guessing Mr. Noir and I were having girls-talk all night. "I was here before sunrise." Isn't that just too soon? I thought so, but if I slept halfway through it, I might go to bed. The effort to avoid tardiness is splendid. But you're fluttering your head like you slept, and I'm worried you might suddenly collapse... "Oh, yeah" I took the energy pills (energy drugs) out of my bag and gave them to Mr. Noir. "Would you like a drink of this? Qi medicine is a medicine that helps to restore fatigue and remove drowsiness. I hit Mr. Noir right now and put it on. "That would help." Mr. Noir received his pneumatic medication and turned a strange gaze on my bag. "Two days a night is a lot of baggage." "I have a lot of plans." "Are you going somewhere? "Sort of." "When will you be back? "About two weeks from now." "Yes..." Mr. Noir laid his eyes down somewhat lonely and began to take his qi pills tiny. After spending the night at Mr. Fermina's home, I decided to go to the ruins to find clues to acquire magic. I haven't asked him out yet, but I want Mr. Noir to follow me then, too. Because summing up the stories of Mr. Kühl and Mr. Ringrant, "The Ice Emperor (Ice Road) sealed the Demon King on the ruins of East, West and North." In other words, Mr. Noir, the reincarnation of the Ice Emperor, might be able to decipher the tablet. I really wanted Mr. Cuhle to follow me, but he refused because he said he had a travel appointment with Dr. Elena. That's why I'm alone with Mr. Noir if we're going to the ruins. Of course, if Mr. Noir will follow me, I'm going to pay the full price for a few days of dressing and travel. The question is, how do you invite me on a trip? If you could decipher the tablet, Mr. Noir said, 'How can you read it?' I would be puzzled. In order not to, you should tell the truth beforehand. Even for me, I don't want to lie to Mr. Noir. However, stories about previous lives are important to Mr. Noir. You should set up a proper place to tell them. I hope I can prepare a 'proper place' during this trip...... "Whoa! "You're running out of time! Efa and Fermina rushed over just after Mr. Noir had finished taking his qi pills. Coming at the same time means you must have spent the night in Mr. Fermina's room yesterday. "You're both early! "My master was first again today. Awesome!? Are you both sleepless, late-night tension? "This time Mr. Noir was first." "Really?!? You were up late at night, and it sounds amazing to be the first! I'm not asleep. Did the qi medicine work early, Mr. Noir said with a crisp face. "If you're sleepy, sleep on the train! "Mr. Fermina's home was only in Lucham, right? Lucham is a town about kilometers north of Erstania. It's still early in the morning, and we'll be there by noon. "About three hours on the train? I'm not switching or anything, so I can get some rest! "That helps! I'm so sleepy! "Me too. Yikes! "I'll wake you up when I get to Lucham, so you can sleep with the efferents." Efa and Mr. Fermina looked happy. "Thanks Ash! "Let your words sweeten you! "... I just woke up drowsy" Mr. Noir lowered his eyebrows when he realized that drowsiness was coming halfway through. Being rocked by a train for three hours. We arrived in Lucham. There are plenty of dewstores lined up in the square in front of the station and various foods are sold. Efa, who had been asleep until just now, looked like her drowsiness had been blown away by so much buzz. "You look so excited! It's a festival!? "It's always like this! Look, that skewered grilled meat over there is so delicious! Let's go eat when we put our stuff away. Hey! "Is Mr. Fermina's house close? "Ugh. About minutes on foot? Over here. Yo! We walk in the square while we try not to lose sight of Mr. Fermina. "Oh, uh, could it be Mr. Ash!? Walking down the square, a girl called me off. "Yes, I do." "I knew it was Mr. Ash!! I became a fan of yours when I saw the battle against the Demon King!! I hear that voice, and one of the people in the square gathers around me. "Master, you look very popular! I'm proud to be your disciple! Efa said happily. I've been surrounded the same way in Elstania, but time has passed since my battle with the Demon King, and I've settled down quite a bit. But one of Lucham's only seen me on The Demon King Broadcast. I guess I'm getting excited about the 'raw ash' I see for the first time. "Sign it! "I want you to shake hands! "Me, I bought pants! Stop it, please! I'll shake your hand, sign or whatever, so don't talk about your pants! Next time, you might want to hide your face and walk away in the first land you visit. Otherwise I can't go out properly. "This is our home. Yikes! He is touched on the back, his arms are ragged and he keeps walking, and he reaches Mr. Fermina's home. "You can think of me as your own house. Hey! When I entered the house that way, Mr. Fermina's parents welcomed me. No surprise because they had asked me in advance, but Mr. Fermina's father was one of the knights I dragged out of the dirt during the battle against the Emperor of the Earth (Earth Road). "That was really helpful then. Please take your time." "What a thank you for really helping our husband..." I can bow my head to my friend's parents, that's a little awkward...... If you thank me, Mr. Fermina scattered me, and you don't have to stick around. "Ugh! I told you on the phone! Look, Ash, you're in trouble! Mr Fermina said with an eyebrow raised. "I'm a loud daughter on this street, but I'm glad you'll always get along" "My daughter seems to really like Mr. Ash, and in the future, we'll stick with her as a family -" "Ugh! I told you on the phone not to even talk about that! Mr. Fermina crimson his face and screamed, my hand grabbing firmly. "I'll show you to your room. Over here." I was drawn to Mr. Fermina and headed upstairs. "This is my room. All three of us are staying at our place today, right? "I'm going to. I have to go home tomorrow at noon, so I'm going to enjoy Lucham today! "I'll take care of it if you guide me! Ash-kun and Nowa are leaving tomorrow, too? I'll be home around noon tomorrow. Tomorrow we'll start touring the ruins. If I'm alone, I can reach the northernmost ruins during the day, but I'm going to use transportation because I'm going with Mr. Noir. Your vacation could crumble round, and you'd better leave early. Well, depending on Mr. Noir's plans, the site tour is postponed... "I'll be home around noon tomorrow too." I want to talk to you two alone, and I guess I'll talk about my previous life at noon tomorrow.
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武闘家の技でリンさんを倒した俺は、誰もいない控え室に飛ばされた。 って、なんで誰もいないんだ? みんなでトイレに行ってる......とかじゃないだろうし、内装は似てるけど別室なのかな? 特に指示はないし、ここで待てってことか。 ただ待つのは時間の無駄だし、筋トレでもしようかな。 そうして腹筋していると――目の前に厚着のおじさんが現れた。 用心棒をやってそうな、いかにも強そうなおじさんだ。 もちろん、ただのおじさんってわけじゃない。 ここに転送されてきたってことは第2試合の勝者―― すなわち、俺の次なる対戦相手ってわけだ! 「ほぅ。やはり勝ったのはきみだったか」 おじさんは腹筋していた俺を見てにやりと笑う。強面だけど、性格の良さが滲み出ている。 「俺のことを知ってるんですか?」 「もちろんさ。私の予選会場は技場だったからね」 「あのときはすみませんでした」 俺はすかさず謝った。だって俺、このひとを吹き飛ばしちゃったわけだしな。 「謝ることはないさ。世界の広さを思い知るいい機会になったからね」 朗らかに笑うおじさん。そう言ってもらえると気が楽になるな...... 「っと、俺はアッシュです。あなたは......」 「名乗りが遅くなったね。私はセイジュという者さ」 「セイジュさんは、どうして厚着をしてるんですか?」 気になっていたことを質問する。 セイジュさんは最北端の遺跡を訪れたときのノワールさんみたいな格好をしていたのだ。 寒がりにしても厚着すぎるし、セイジュさんは汗だくだ。 意味もなく厚着をするとは思えないし、もしかして暑さに耐えるのが狙いなのかな? 暑さを我慢することで精神力を鍛えることができるしな。 つまりセイジュさんはめちゃくちゃ強いってことだ。本戦中に修行するくらいだしな。普段はもっと過酷な修行をしているに違いないのである! 「私が厚着をしている理由は、じきにわかるさ」 厚着の答えは実際に戦ってみてのお楽しみってわけか! 「セイジュさんと戦えるのを楽しみにしています!」 「こちらこそ。きみの強さは重々承知しているが、私は負けないよ。アルザスが......息子がプレゼントしてくれた、このマフラーに誓ってね」 ......なんだって? 「マフラー......ですか?」 「そうさ。手編みさ」 しかも手編み!? 「て、手編みのマフラーを......プレゼントされたんですか?」 精神力を鍛えたはずなのに、俺は動揺してしまう。まだまだ伸びしろがあるってことだけど、素直に喜ぶことはできない。 なにせセイジュさんにとってのマフラーは―― 「ずっと仕事が忙しくて、アルザスに構ってやれなくてね。息子とどう接すればいいか、わからなくなってしまったのさ。だから、アルザスと話すきっかけになればと思って、大会への出場を決めたんだよ。そしたらマフラーをプレゼントしてくれてね。これは私のお守りなのさ」 やっぱりお守りか! 「そうだったんですか。いい息子さんですね」 ほっこりするエピソードだけど、これは困ったことになったな。 リンさんの首飾りよりは頑丈そうだけど、俺のカマイタチならギリギリ真にできそうだ。 そして俺は、全力で戦うと決めている。 全力のカマイタチがクリーンヒットすれば、手編みのマフラーは真っ二つになるだろう。 それは避けたいところだけど......俺だって早いところ魔法使いのデビュー戦に挑みたいしなぁ。 「ここまで来ることができたのは、お守りのおかげさ。本戦に出場できたことより、息子がマフラーをプレゼントしてくれたことのほうが何倍も嬉しいんだよ」 ......ま、考えてみれば天秤にかけるまでもないことだよな。 セイジュさんにとってマフラーはこの世にふたつとない宝物だけど、俺は今日だけであと2回もデビュー戦のチャンスがあるわけだしさ。 「だからこそ、このマフラーは置いていくよ」 えっ!? 「置いていくんですか!?」 「きみとまともに戦えば、ぼろぼろになるのは目に見えているからね。......マフラーを置いていくことが、そんなに嬉しいのかい?」 気持ちが顔に出ていたようだ。 「実を言うと、嬉しいです。その......ぼろぼろにならないか心配でしたので」 俺が打ち明けると、セイジュさんがほほ笑んできた。 「フフ。真剣勝負なのにマフラーのことを気遣うなんて、きみはとても優しいんだね」 そう言うと、ふいに真剣な顔をする。 「いまの言葉で、きみの強さを再認識したよ。相手を気遣う余裕があるのは、強い証拠だからね。――だが、私は負けないよ!」 「はい! お互い全力で戦いましょう!」 強くて優しいセイジュさんはデビュー戦の相手に相応しい! 俺は身だしなみを整えつつ、闘技場に転送されるのを心待ちにするのであった。 第3試合と第4試合の勝者が控え室に飛ばされてきたところで、俺とセイジュさんは闘技場に転送された。 俺たちの登場を、観客が拍手と声援で出迎えてくれる。 まさかこんな舞台でデビュー戦ができるなんて......実は武闘家の修行だったとモーリスじいちゃんに打ち明けられた瞬間の俺に教えてやっても、信じてくれないだろうな。 って、しみじみしてる場合じゃないな! 魔法使いとしてはずぶの素人なんだから、気を引き締めないと! 『さぁ! お待ちかねの第5試合! 戦うのはセイジュ選手とアッシュ選手です! 先ほどの試合、セイジュ選手は見事な作戦でマリネロ選手を圧倒しました! そのじわじわと追いこむ戦いぶりは、まさに おおっ! セイジュさん、圧勝したのか! ますます戦うのが楽しみになってきたぞ! 『対するアッシュ選手は、いまだかつてない手法でリン選手を圧倒しました! その戦いぶりはまさに武人ならぬ武神です!』 武人から武神に昇格したけど、俺がなりたいのは大魔法使いだ! この試合で華々しくデビューを飾り、大魔法使い前進してやるぞ! 『狩人が勝つか、武神が勝つか――その結末は、みなさまの目でお確かめください! それでは注目の第5試合――試合開始!!』 嵐のような歓声がわき起こるなか、開始の合図が響き渡る。 「ゆくぞ、アッシュくん!」 セイジュさんがルーンを完成させた瞬間、ぴしぴしと音を立てて足もとが凍りついていき、あっという間に闘技場は氷の世界と化した。 ! 我々は結界外にいるため無事ですが、結界内は極寒の地と化しています! この寒さにアッシュ選手は耐えきれるのか!?』 寒いどころか、いつもより暑いくらいだ! 俺は気温の変化に疎い体質だし――それになにより俺の心は燃えているからな! 「さあ、行くぜ相棒!」 ここが俺たちの晴れ舞台だ! 「フフフフフ。無駄さ!」 を取り出すと、セイジュさんが笑い声を上げた。 「この寒さじゃ手がかじかんで、まともにルーンを描けないからね! さらに!」 すぃー! セイジュさんがアイススケートでもするように滑らかに動きだした。 あれは......スケート靴だ! 厚底だと思ってたけど、二段構造になっていたのか! 「フフフフフ。仮にルーンを完成させることができたとしても、きみの攻撃は私には当たらないよ!」 俺を翻弄するように氷上をすいすい滑るセイジュさん。 その滑らかな動きを前に、俺はルーンを描けずにいた。 手がかじかんでルーンを描けないのではない。 足もとがつるつるして狙いを定めることができないのだ! 魔力がたくさんあればカマイタチを連発するけど、俺は連発できないからな。 一撃で決めるためにも、しっかり狙いを定めなければならないのである! 「さあ、じわじわと体力を削ってあげるよ!」 俺のまわりをすいすい滑りつつ、セイジュさんがルーンを描く。 俺も早いところ狙いを定めてルーンを描かなければ! 「っと!」 つるっと滑りそうになり、俺はとっさに踏みとどまった。 ズン!!!!!!!! 大地が割れた。 「フフ――うわぁー」 すぃーっと滑っていたセイジュさんが割れ目に吸いこまれるように姿を消してしまう。 ちょっと待って! 行かないでセイジュさん! 『な、なんということでしょう!? 結界内に亀裂が生じ、セイジュ選手が落ちてしまいました! いったい誰がこの事態を予想していたでしょうか!? アッシュ選手、またしても我々を驚かせてくれました!!』 俺が一番驚いてるよ! けど、びっくりしてる場合じゃないんだ! 「セイジュさん!! 無事ですか!? セイジュさん!!!!」 大声で呼びかけたところ、ぐおぉ、と断末魔のような叫びが聞こえた。 まさかいまの呼びかけでとどめを刺してしまった――なんてことはないよな!? くそっ! 頼むから無事でいてくれよ! 俺は地割れのなかに飛びこんだ。 セイジュさんを見つけ、地上に引っ張り上げる。 セイジュさんは目をぐるぐる回していた。 『おぉーっとこれは! セイジュ選手、気を失っております! よってこの勝負、アッシュ選手の勝利です!!』 わぁーっと大歓声が上がるなか、俺は放心状態だった。 華々しくデビューを飾るつもりが、またしても武闘家の技で勝負を決めてしまったのだから。 「......でも、これで終わりってわけじゃないしな」 セイジュさんと戦えなかったのは残念だけど、今日だけであと2回もデビュー戦のチャンスがあるのだ! 次こそ華々しくデビューできるはずだ! 氷を溶かすほどの熱い声援が送られるなか、俺はそう自分に言い聞かせるのであった。
Having defeated Mr. Lynn with his militant moves, I was flown into a modest room with no one. Why isn't anybody here? We're all going to the bathroom...... or something, and the interior looks similar, but is it a separate room? You don't have any particular instructions, and you mean wait here. It's just a waste of time waiting, and I guess I'll even muscle it. That's how I was abs - an uncle in thick clothes appeared in front of me. He seems like a strong uncle. Of course, I'm not just an uncle. The fact that he's been transferred here means he's the winner of the second game. That's my next opponent! "Ho. Were you the one who won?" My uncle had abs. He looked at me and laughed. Strong side, but good personality seeps out. "Do you know me? "Absolutely. My qualifying venue was the third arena." "Sorry about that time" I just apologized. 'Cause I blew this one up. "I have nothing to apologize for. It's been a great opportunity to think about the world." An uncle who laughs in a flash. Don't make me feel any easier when you say that... "Hey, I'm Ash. Are you..." "You're late for a name. I'm Sage." "Mr. Sage, why are you wearing thick clothes? Ask what you were wondering. Mr. Sage was dressed like Mr. Noir when he visited the northernmost ruins. It's too thick for cold, and Mr. Seige is sweaty. I don't think you wear thick without meaning, and maybe the aim is to withstand the heat? You can build your mental strength by putting up with heat. I mean, Mr. Sage is so strong. It's bad enough to train during the main battle. They must usually be training more harshly! "You'll see why I'm wearing thick." The answer to thick clothes is actually to try and have fun! "I look forward to fighting Mr. Sage! "Welcome. I know how strong you are, but I can't beat you. Alsace... my son gave it to me, I swear to God on this muffler." ... what? "Muffler......? "Yes. Hand knitting." And hand-knitted!? "So, I got a hand-knitted muffler... was it a gift? You should have built your mental strength, but I get upset. I mean, we still have to stretch, but I honestly can't be happy. Anyway, for Mr. Sage, the muffler... "I've been so busy working, I couldn't get Alsace to take care of him. I don't know how to deal with my son anymore. That's why I decided to enter the tournament in hopes of inspiring you to talk to Alsace. Then give me a muffler. This is my amulet." Amulet, after all! "Was it? You're a good son." Dusty episode, but this got you in trouble. Looks sturdier than Mr. Lynn's necklace, but my camouflage is going to be able to make it into two critical pieces. And I've decided to do everything in my power. If the all-powerful kamaitachi were a clean hit, the hand-knitted muffler would be two straight. I'd like to avoid that... but I'd also like to try the Wizard's debut early. "I owe it to the amulet to be able to get here. I'm many times happier that my son gave me a muffler than I was able to compete in this game." ... but if you think about it, you don't have to put it on the scale. Mufflers are two treasures in the world for Mr. Sage, but I have two more debut chances just today. "That's why I'm leaving this muffler behind." What!? "Are you leaving me!? "If I fight you properly, I can see you blurring.... Are you so happy to leave the muffler behind? My feelings seemed to be on my face. "To tell the truth, I'm glad. Um... I was worried that it would get blurry." When I revealed myself, Mr. Sage cheered. "Hugh, you're so sweet to care about Muffler even though it's a serious battle." When I say that, I look serious at the pretense. "I recognised your strength in your current words. You can afford to care about them because it's strong evidence. - But I can't lose! "Yes! Let's fight each other as hard as we can! Mr. Sage, strong and gentle, deserves his debut opponent! I looked forward to being transferred to the arena as I grew familiar. Where the winners of Game and Game were flown to the modest room, me and Mr. Sage were transferred to the arena. The audience will welcome us with applause and cheer. I can't believe I could make my debut on a stage like this... you wouldn't believe me if I told you the moment Grandpa Maurice revealed that it was actually a militant training. That's not if you're stingy! As a wizard, you're a hell of an amateur, so you need to keep your mind shut! "Come on! Game five waiting for you! It's Sage and Ash who fight! Earlier in the game, Sage overwhelmed Marinero with a brilliant operation! Its twitching and chasing battle was just the hunter (hunter) himself! Whoa! Mr. Sage, you prevailed! I'm looking forward to fighting more and more! 'Opposing Ash has overwhelmed Lynn in an unprecedented way yet! For the first time in that battle, I'm just a martial arts god, not a samurai! I've been promoted from a samurai to a martial arts god, but what I want to be is a great wizard! Decorate your debut in glorious fashion in this match and we'll take you one step forward to the Great Wizard! "Whether the hunter wins or the martial god wins - see how it ends in your eyes! Game featured then - start the game!! The signal of initiation echoes as a stormy cheer provokes. "Yuku, Ash! The moment Mr. Seige completed the rune, his feet froze with a pimple and sound, and in no time the arena turned into an ice world. "I'm out! Iced World of Sage Athletes (Ice World)! We are safe because we are outside the boundaries, but within the boundaries we are transformed into a land of extreme cold! Can Ash stand this cold!? As cold as it gets, it's hotter than usual! I'm in a state of neglect of changing temperatures, and more importantly, my heart is burning! "Come on, let's go, buddy! This is our sunny stage! "Huh, huh, huh. Waste! Removing the magic wand (Withers Rod) from the nostalgia, Mr. Sage laughed. "I can't draw a proper rune because my hands are scratching in this cold weather! More!" Shh! Mr. Seige moved smoothly to even ice skate. Those are... skate shoes! I thought you had a thick bottom, but you had a bunk structure! "Huh, huh, huh. Even if I could finish the rune, your attack wouldn't hit me! Mr. Sage slips through the ice like he flirts with me. Before that smooth move, I couldn't draw a rune. I can't draw a rune because of my hands. Your feet are so tight, you can't set a target! If I had a lot of magic, I'd have a series of kamaitachi, but I can't. You have to set your aim firmly in order to make up your mind with a single blow! "Come on, I'll twitch and sharpen your strength! Mr. Sage draws a rune as he glides around me. I have to set my aim and draw a rune early, too! "Slow down!" I was about to slip and I stuck around. Zun!!!!!!! The earth broke. "Huff - Wow" Mr. Seiju, who was slippery, disappears so that he can be sucked into the crack. Wait a minute! Don't go, Mr. Sage! 'Hey, what the hell!? There's been a crack within the junction, and Sage has fallen! Who the hell would have expected this to happen!? Ash player, you surprised us once again!! I'm the most amazed! But not if you're surprised! "Mr. Sage!! Are you all right!? Mr. Sage!!!! I called out loud, and I heard a ghoulish, disconnected scream. Didn't I stab you in the stomach with your current call - there's no such thing!? Damn it! Please stay safe! I jumped in the ground. Find Mr. Sage and pull him up to the ground. Mr. Sage was turning his eyes around. "Ooh, this is it! Sage, I'm losing my mind! So this battle, it's Ash's win!! Wow, I was relieved as I cheered. Because I intend to decorate my debut with glamour, but once again, I've decided to compete with militant moves. "... but that's not the end of it." I'm sorry I couldn't fight Mr. Sage, but today alone we have two more debut chances! You should be able to make your debut gloriously next time! That's what I told myself when I was cheered enough to melt the ice.
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エルシュタットに帰還して3日が過ぎた。 「やっと着いたっすね!」 「歩き疲れてはおらんか?」 「平気っす!」 「エファちゃんは元気じゃのぅ」 「えへへ。師匠に鍛えてもらったおかげっすよ!」 この日、俺は師匠とエファとともに山を訪れていた。 エルシュタットから300kmほど離れたところにある木々の生い茂った山だ。 昨晩のうちに夜行列車でナトラの町へ向かい、そこから数時間ほど歩いてこの山にやってきたのである。 この近くに集落はなく、街道もないため、魔物除けの結界は張られてない。 つまり、どこかに魔物が潜んでいるかもしれないのだ。 なぜそんなところに来たかというと、エファに修行をつけるためだ。 べつに修行なら学院の広場でもできるんだけど......先日、俺たちは次のような会話をしたのだ。 『モーリスさんは、どんな修行をして強くなったんすか?』 『山籠もりをして強くなったのじゃ』 『なるほど! では、わたしも山籠もりをするっす!』 『じゃが、山にいけば魔物と出くわすかもしれぬぞ? まあ、わしとアッシュが同伴すれば守ってやれるのじゃが......』 『だったら、次の休日にでも山籠もりしてみるか』 『ほんとっすか!? 嬉しいっす!』 そんなわけで、1泊2日の山籠もりが決まったのだった。 「ところで山籠もりって、具体的にはなにをすればいいんすか?」 エファがいまさらな質問をする。 「わしは魔物と戦って強くなったが......エファちゃんにそんな危ないマネをさせるわけにはいかんしのぅ......」 「モーリスさんの修行はマネしちゃだめってことっすね。だったら......師匠はどんな修行をしてたっすか?」 「俺か? 俺は......そうだな。最初の修行は穴掘りだったよ」 「穴掘りっすか?」 予想外だったのか、エファはきょとんとした。 「穴掘りすると、全身の筋肉が鍛えられるんだよ。体力もつくしな」 「良いことずくめっすね! わたしもやってみたいっす......けど、道具がないっすね」 がっかりするエファに、俺は首を振った。 「違う違う。素手で掘るんだよ」 「す、素手っすか?」 驚くエファに、俺はうなずく。 「素手で100メートル掘るんだ」 「100メートルっすか!?」 「師匠から課せられたノルマは100メートルを1日10セットだったよ」 「10セットっすか!? そ、それ、ちゃんと1日で終わるんすか......?」 「ちゃんと終わったよ」 いまなら100メートルなんてワンパンだけど、当時は丸1日かかっていた。 ほとんど寝る暇なんてなかったし、穴を掘り終わった頃には身体はぼろぼろになっていた。 それでも穴掘りを続けられたのは、魔法使いになりたい、という夢があったからだ。 結果、俺は武闘家になった。 「師匠は昔からすごかったんすね......。ところで、その修行はどのくらい続けてたんすか?」 「半年だよ」 エファは感心するようにため息をついた。 「はえ~......半年も穴を掘り続けたんすか......」 「ほんとは1年続けさせるつもりだったのじゃがな。気づいたときには、アッシュは1日100セットしておったのじゃ」 「100セットっすか!?」 事実、俺は自主的に穴を掘りまくっていた。 はじめは10セット達成するのでだったけど、日に日に時間が余るようになったのだ。 そこで、1日にどれだけ穴を掘れるか確かめることにしたのだった。 素速く腕を動かして硬い地面を掘り進めることでスピードとパワーが同時に身につき、《 「で、でも当時の師匠と同じことができないと、いまの師匠に追いつくことなんてできないっすよね。わたし、ちょっとやってみるっす!」 エファは土を引っかいた。 「つ、爪が剥がれそうっす......」 エファは涙目になり穴掘りを止めた。 「10cmも掘れなかったっす......」 「それが普通じゃよ」 と、師匠がエファを慰める。 「怪我がなくてなによりじゃ。アッシュは毎日ぼろぼろになって帰ってきたからのぅ。爪なんて毎日剥がれてたのじゃ」 「毎日っすか......」 「うむ。まあ、アッシュの自然治癒力はその当時から異常じゃったから、すぐに元通りになっておったがのぅ」 》を使ってくれてるのかと思ってたよ」 あの頃の俺は、師匠のことを大魔法使いだと信じてたからな。 「わたしも早く師匠みたいな武闘家になりたいっす!」 「そのためには、しっかり修行しないとな」 「はいっす! それで、まずはなにをすればいいっすか?」 「日が暮れるまで全力で俺に殴りかかってきてくれ。俺はエファの攻撃をひたすら避け続けるからな」 逃げる標的をひたすら狙い続けることでスピードと体力が身につく。 それに穴掘りほどではないにせよ、動き回ることで全身の筋肉を鍛えることができるのだ。 そうして、俺とエファは修行を開始したのだった。
Three days have passed since I returned to Elstadt. "You're finally here! "Aren't you tired of walking? "I'm fine! "Efa's fine." "Eh heh. My master trained me. Thanks to you! On this day, I was visiting the mountain with my master and Efa. It is a bustling mountain of trees about km from Elstadt. We took a night train to the town of Natra last night, from where we walked for a few hours to come to this mountain. There are no settlements and no streets nearby, so no demonic boundaries are stretched out. I mean, there could be demons lurking somewhere. Why did you come to me like that, to train Efa? If we're still training, we can do it in the college square... We had the following conversation the other day. "What kind of training did Mr. Maurice get stronger? "The mountain cage became stronger." I see! Then I will play the mountain cage! "But if you go to the mountains, you might run into demons, right? Well, if me and Ash accompany him, we can protect him... ' "Then why don't we cage in the mountains for the next holiday?" "Really?!? Happy! ' That's why we decided on a mountain cage for two nights a night. "By the way, what exactly am I supposed to do with a mountain cage? Efa asks different questions. "I fought demons and got stronger... but I can't let Effa do such a dangerous thing..." "It sounds like Mr. Maurice's training should not be mannered. If so... what kind of training was the master doing? "Me? I... right. My first training was drilling holes." "Do you dig holes? Was it unexpected, Efa was decent? "When you dig holes, you build muscles all over your body. And build your strength." "That's a good thing! I'd love to try it too... but you don't have the tools." I shook my head at the disappointing Efa. "No, no. Dig with your bare hands." "Shh, bare hands? To my surprise, Effa, I nod. "Dig meters with your bare hands." "A hundred meters!? "Norma charged me with 100 meters a day for 10 sets." "Ten sets!? Oh, is that gonna end in a proper day...? "It's done." A hundred meters is a piece of cake right now, but it was taking a whole day at the time. I barely had time to sleep, and by the time I finished digging the hole, my body was blurry. Still, I was kept digging holes because I had a dream of being a wizard. As a result, I became a militant. "Master has been amazing for a long time... By the way, how long have you been training for? Six months. Efa sighed admirably. "Yes... I've been digging holes for six months..." "I was really going to let it go on for a year. When I realized it, Ash set it up 100 times a day." "A hundred sets!? In fact, I was voluntarily digging through holes. At first, we achieved ten sets, so we had the most time, but we were running out of time day by day. So he decided to make sure how many holes he could dig a day. By moving his arms fast and digging through the hard ground, he gained speed and power at the same time, allowing him to release the Wind Knife. "So, but if you can't do the same thing as your then master, you can't keep up with your current master, can you? I'll give it a shot! Efa caught the dirt. "My nails seem to peel off..." Efa caught tears and stopped digging holes. "I couldn't dig ten centimeters..." "That's normal." And, my master comforts Efa. "More than anything without injury. 'Cause Ash came home every day with a meltdown. I peeled my nails off every day." "Every day..." "Mm-hmm. Well, Ash's natural healing power has been unusual since that time, so it was back to normal soon." "I thought my master was using the Universal Healing (Heavens Cure)." Back then, I believed I was a great wizard. "I want to be a militant like my master soon, too! "To do that, we need to train well." "Yes! So, what do I do first? "Hit me as hard as you can until sundown. I'll keep avoiding even Effa's attacks." Keep even targeting escaping targets to gain speed and strength. And even if it's not as good as drilling holes, you can build muscles all over your body by moving around. That's how me and Effa started training.
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ドラクリアに到着した翌日。 昼食を食べた俺たちは、領主さんの屋敷に向かっていた。 「さて、私はどこかで時間を潰すであります」 道の向こうに屋敷が見えてきたところで、ネミアちゃんが寂しそうに言った。 「なに来ないのかしら?」 「紹介状を持っていない私は、ハゼラン殿に追い返されるでありますからね」 「ハゼランって誰かしら?」 「ハゼラン・メイデンハイム――領主さんだよ」 「私もハゼランに門前払いされるのかしら?」 「ノワールさんのことは紹介状に書いてもらってるし、ネミアちゃんのことは俺から紹介するよ」 俺が紹介しなくても、ネミアちゃんは門前払いされないだろうけどな。 なにせネミアちゃんはこの国の英雄・トロンコさんの孫娘なわけだしさ。 「アッシュ殿が紹介してくれるなら、怖いものなしでありますっ!」 俺たちについてきたかったのか、ネミアちゃんはうきうきとした足取りで歩いていく。 「この先に赤点の主がいるわ」 そうして目的地にたどりついたところで、ノワールさんが地図と屋敷を見比べながら言う。 いよいよ師匠とご対面か......! 「すみませーん!」 いてもたってもいられず作業中の庭師さんに声をかける。 「へい。どちら様でしょう?」 「俺はアッシュといいます! ハゼランさんに会いに来ました! これ、国王様の紹介状です!」 すかさず紹介状を見せる俺。 しかし庭師さんは紹介状には目もくれず、俺の顔をガン見している。 「アッシュというと......もしやアッシュ・アークヴァルド様ですか?」 「はい。そのアッシュです」 「こ、こりゃ大変だ! 旦那様! 旦那様ァ!」 庭師さんが慌ただしく屋敷に駆けていく。 ややあって、武将みたいなお爺さんが駆け寄ってきた。 見るからに厳しそうなひとだけど...... 「ぅおおっ! アッシュさんではありませんか! まさかうちに来ていただけるとは! 感激です! 御前試合を見て、アッシュさんとお話できればと思っていたのですよ! おっと、申し遅れました! 私はハゼランと申します!」 とびきりの笑顔で握手を求められた。 俺はハゼランさんの手を砕いてしまわないよう、そっと握手に応じる。 「はじめまして、ハゼランさん。これ、国王様の紹介状なんですけど――」 「紹介状など不要です! もちろん、お連れの方も......」 ハゼランさんはネミアちゃん見した。 「ネミア様ではありませんか! 御前試合、見ましたよ! まだお若いのにあれほどの魔法を使いこなせるとは! うちの孫娘も、ネミア様のような魔法使いに成長してほしいものです!」 ネミアちゃんみたいに成長してほしいってことは、その孫娘はかなり若いってことだ。 きっとその孫娘の母親が、俺の師匠なのだろう。 「ところで、アッシュ様はなぜここへいらっしゃったのですか?」 「俺、その孫娘さんの母親に会いに来たんです」 さっそく用件を告げると、ハゼランさんは申し訳なさそうな顔をする。 「遥々お越しいただいて申し訳ありませんが......アリシアは、昨日から行方がわからないのです」 えっ。 「行方不明なんですか?」 じゃあ地図に表示されてる赤点は何者なんだ? 「一応、置き手紙には『体調が優れないのでしばらく田舎で療養生活を送ります。どうかフェリシアをよろしくお願いします』と居場所を示唆するようなことが記されていまして、息子のローゼスが捜索に出向いているのですが、見つかるかどうか......」 屋敷にいる赤点の正体はさておき、田舎で療養って、もしかして...... 「アリシアさんって、メイドの格好をしていませんでしたか?」 「な、なぜご存じなのですか!? 確かに、アリシアは元々メイドとして働いてくれていましたが......」 やっぱりそうか! 「俺、昨日アリシアさんと話しましたよ!」 「そ、それは本当ですか!? アリシアはなんと!?」 「田舎で療養生活を送りたいから、どこか紹介してほしい、と質問されたので『ランジェ』を紹介しました」 あのあと地図を見たけど赤点は屋敷にしか表示されてなかったし、昨日は本当に体調が悪そうだったからな。アリシアさんは出産を終えても衰弱したままだったのだろう。 療養生活を経て体調が戻れば、赤点も復活するはずだ。 「ランジェとはいったいどこなのですか?」 「大陸の最東端にある町です」 「大陸ですか......」 ハゼランさんの顔から血の気が引いた。 世界樹のそばで修行していたリンクスさんが異常なだけで、この国のひとたちにとって大陸は『バケモノの巣窟』だからな。怖がるのも無理はないのだ。 「とにかくローゼスをフランコに向かわせます! いまなら出港に間に合うでしょう!」 ハゼランさんは懐から携帯電話を取り出すと、慌ただしい口調で港町フランコに向かうよう指示を出す。 「ありがとうございます。おかげでアリシアを連れ戻すことができそうです。アリシアが戻りましたら、すぐにご連絡いたします。......ところで、アリシアに会ってどうするのですか?」 「アリシアさんは強者らしいので、弟子入りできればと思いまして。だけど屋敷には、もうひとり強者がいるみたいなんです。アリシアさんが不在のいま、そのひとに弟子入りしたいんですけど......」 「強者......」 ハゼランさんは、なにかを察したような顔をする。 屋敷にいる強者が誰なのか、心当たりがあるのかな? 「もしよければ、そのひとのところに案内してくれませんか?」 「それは構いませんが......弟子入りは不可能だと思いますよ」 気難しいひとなのかな? だけどここまで来て引き返すなんてできない! だめで元々、当たって砕けろだ! 「では、案内しますのでついてきてください」 俺の熱意が伝わったのか、ハゼランさんは屋敷に招待してくれる。 絨毯敷きの廊下を歩き、階段を上り、とある部屋に通された。 そこには、ふたりのメイドがいた。赤ちゃんをあやしていたのか、そばにはゆりかごが置いてある。 どっちが俺の師匠だろう......。 「ふたりとも。外へ」 ハゼランさんがふたりを部屋の外に出した。 そして、ゆりかごを指す。 「ここにいる孫娘――フェリシアが、アッシュさんの言う強者です」 ......えっ? 「フェリシアちゃんって、この赤ちゃんですよね?」 「はい」 「赤ちゃんが、俺の師匠なんですか......?」 「はい」 ハゼランさんは一切の迷いなくうなずいた。 自信満々に断言するってことは、フェリシアちゃんは本当に強者なのだろう。 これでようやく赤点の謎が解けた。 つまり、俺が最初に見た赤点はアリシアさんで、最近復活した赤点はフェリシアちゃんだったってわけだ。 「かわいいでありますなぁ」 「いままでで一番かわいい師匠だわ」 ふたりはその気になってるけど、どう考えても修行は無理だ。 話が通じないってのもあるけど、フェリシアちゃんは修行して強くなったわけじゃないからな。 つまりフェリシアちゃんからは、強くなるコツを学ぶことができないのだ。学べることといえば、せいぜい赤ちゃんのあやし方くらいのものだ。 「修行が終わったら、だっこしてもいいかしら?」 「わ、私もだっこしたいでありますっ」 「アッシュも、だっこしてみるといいわ。なにか学べるかもしれないわ」 ノワールさんなりに、俺を励まそうとしてくれてるのかな。 「おふたりは構いませんが、アッシュさんはフェリシアに触れてはなりません」 そりゃそうだよな。俺がへたにだっこしたら、どうなるかわかったもんじゃないしさ。 ハゼランさんは大会を見たわけだし、俺を警戒するのは当然のことである。 「アッシュは、だっこが上手だわ。だって、私も身体が縮んだとき、だっこされたもの」 ノワールさんが反論すると、ハゼランさんは慌てて首を振った。 「そ、そうではありませんよ。私が心配しているのは、フェリシアがアッシュさんに襲いかかることです」 「フェリシアは暴れん坊なのかしら?」 「いいえ、普段はとてもおとなしい娘なのですが......フェリシアは、男に触るのが大好きなのです」 「生まれたばかりなのに、もう男女の見分けがつくのでありますか。賢いでありますなぁ」 「いいえ。ただ賢いだけではありません。フェリシアは生まれながらにして大人では歯が立たぬほどの怪力なのです」 「怪力って、どれくらいですか?」 「私の息子――ローゼスの指の骨を握って砕き、ビンタであごの骨を外し、歯を折り、ヒゲをごっそり抜くほどの怪力です」 「育児って大変でありますなぁ」 育児の大変さとローゼスさんが散々な目に遭っていることはさておき、たしかに赤ちゃん離れした力だ。 だけど、それくらいの怪力の持ち主は、それほど珍しくないはずだ。 つまり怪力だからじゃなく、魔力がずば抜けて高いから赤点になったってことだ。 きっと筋力は魔力の副産物みたいなものだろう。聞いたことがないけど、魔力が高すぎると身体能力も向上するのかもしれない。 それが事実だとしたら、羨ましいことこの上ない。 赤点ってことは、ノワールさん以上の魔力を持ってるってことだしさ。 修行をして魔力の使い方を学べば、間違いなく世界最強クラスの魔法使いになるだろう。 そのときは、ぜひとも戦ってみたいものだ。 強者と戦うことで、魔力は向上するわけだしな。 「次は私がだっこしたいであります」 将来有望な魔法使いがいるとわかっただけでも、ここに来た甲斐があった。 ノワールさんにだっこされるフェリシアちゃん(俺をガン見している)を見て、俺は闘志を燃やすのだった。 屋敷をあとにした俺たちは、宿屋に戻ってきた。 「かわいかったわ。また、赤ちゃんだっこしたいわ」 「かわいかったでありますねぇ! あれは将来、絶対美人になるでありますよ!」 ふたりとも、すっかりフェリシアちゃんのとりこになったようだ。 「アッシュも、赤ちゃんをだっこしたかったかしら?」 「まあね」 ふたりの話を聞いてると、少しだけ羨ましくなったのだ。 まあ、それ以上にフェリシアちゃんの才能が羨ましいんだけどさ。 だけど羨ましがってても成長なんてできないからな。 才能なんかなくたって成長はできるんだ。このまま修行を続けていき、フェリシアちゃん以上の魔力を手に入れ、大魔法使いになってみせる! そのためには次なる修行の場に向かわなければならないのだ! しょんぼりしている時間は、俺にはないのである! それはそれとして、もうじきチェックアウトの時間だ。 「そろそろ宿屋を出る時間だよ」 俺の言葉に、ネミアちゃんが荷物を片づけ始める。 それを横目に、ノワールさんが地図を広げて見せてきた。 「次はどこに行くのかしら?」 「そうだね......。モーリスじいちゃんの誕生日までまだ時間があるし、もう一箇所くらい赤点巡りができるかな」 「モーリスたちがいるのは......ここかしら?」 ノワールさんが赤点の密集した箇所を指さす。 そこは『魔の森』と呼ばれる、世界で一二を争うくらい魔物が出現する場所だ。 「だね。その赤点はモーリスじいちゃんとフィリップさんとコロンさんだよ」 「だったら、ここで修行をするのはどうかしら?」 ノワールさんは『魔の森』から一番近い場所にある赤点を指さした。 「ここで修行すれば、終わってすぐにパーティに参加できるわ」 「お薦めしてくれるのは嬉しいけど、そこはあとにするよ」 そこに赤点の主がいることは、最初からわかっていた。 いままで見て見ぬふりをしてたけど...... その赤点がある場所、俺の生まれ故郷なんだよね。 村のひとたちは『魔王放送』で3歳児の俺が元通りになる瞬間を見ただろうし、あのとき女装していたとはいえ、俺の顔を一目見ただけでアッシュが帰ってきたと気づくはずだ。 父さんと母さんと鉢合わせれば、お互いにものすごく気まずい思いをするだろう。 それに俺の予想が正しければ、その赤点の主はあのひとだしな。 そんなわけで生まれ故郷での修行は、もう少しだけあとにしたいのだ。 「ひとまずエルシュタット王国に戻ってキュールさんと戦うよ。どこで修行するかは、そのあと考えよう」 まずは魔法使いのデビュー戦に挑むのだ! 世界最強の魔法使いであるキュールさんと戦えば、その一挙手一投足から多くのことを学べるはず! 資金援助してくれたアイちゃんにも挨拶したいし、目的地はエルシュタニアで決まりだな! 「荷造り終わったであります!」 「お疲れ様。忘れ物はない?」 「完璧であります!」 「じゃ、列車に乗って王都に行こう!」 そうして俺たちは列車乗り場へ向かい、ドラクリアをあとにするのであった。
The day after we arrived in Dracula. We had lunch. We were on our way to the lord's mansion. "Well, I'm going to kill time somewhere." I just saw the mansion across the road, Nemia said looking lonely. "I wonder why you're not coming with me? "If I don't have a reference, Lord Hazelán will drive me back." "Who's Hazelán? "Hazellan Maidenheim - Lord." "Am I going to be paid up front by Hazellan, too? "I've got Mr. Noir written in a letter of introduction, and I'll introduce you to Nemia." Even if I don't introduce you, Nemia won't be paid in advance. Nemia is the granddaughter of this country's hero, Mr. Tronko. "If Lord Ash introduces me, I have nothing to be afraid of! You wanted to follow us, Nemia walks in a groovy foothold. "There's a Red Dot Lord ahead of us." That's how I reached my destination, Mr. Noir says, comparing the map to the mansion. Finally face to face with your master...! "Sorry! Speak to the working gardener who can't even stay. "Heh. Which one is it? "My name is Ash! I'm here to see Mr. Hazellan! This is the King's letter of introduction! I'll show you the letter of introduction. But the gardener is blind to the references and looks at my face with cancer. "When it comes to Ash...... is it Master Ash Arkvard? "Yes, that's Ash." "This is so hard! Sir, sir! The gardener rushes to the mansion. Somewhat, a grandfather like a warlord came running over. He seems like a tough one to see... "Whoa! Isn't that Mr. Ash! I didn't know you could come to us! I appreciate it! I was hoping I could watch your game and talk to Mr. Ash! Oops, I'm late for my offer! My name is Hazellan! He was asked to shake his hand with an extraordinary smile. I shake Mr. Hazelán's hand softly to avoid crushing it. "Nice to meet you, Mr. Hazellan. This is the King's introduction." "I don't need references or anything! And, of course, you..." Mr. Hazelan saw Nemia twice. "Isn't it Master Nemia! I saw your match! I didn't know you were young enough to use all that magic! My granddaughter wants me to grow up to be a wizard like Lord Nemia! Wanting you to grow up like Nemia means that her granddaughter is pretty young. I'm sure the granddaughter's mother is my master. "By the way, why was Master Ash here? I'm here to see your granddaughter's mother. Let me just tell you something, Mr. Hazellan looks sorry. "I'm sorry you're so far away... but Alicia hasn't been able to locate us since yesterday" Eh. "Are you missing? So who's the red dot on the map? "For once, the placing letter said, 'I will live in the countryside for a while in sanitary care because I am not feeling well. Please say hello to Felicia' and it said something to suggest her whereabouts, and my son Roses is heading out for a search, to see if we can find her..." Aside from the identity of the red dots in the mansion, healing in the countryside could be... "Wasn't Alicia dressed as a maid? "Hey, why do you know!? Sure, Alicia originally worked for me as a maid..." I knew it! "I spoke to Alicia yesterday! "Oh, is that true!? How dare Alicia!? "I want to live a sanatorium in the country, so I want you to introduce me somewhere, so I introduced you to Lange." After that, I looked at the map, but the red dots only showed up in the mansion, and yesterday you looked really sick. I guess Mr. Alicia remained debilitated even after giving birth. If you get back in shape after a healing life, the red dots should also be revived. "Where the hell is Lange? It's the easternmost part of the continent. "Is it a continent..." Blood drew from Mr. Hazellan's face. Because Mr. Lynx, who trained by the world tree, is just unusual, and for one of these countries, the continent is a 'nest of bucket things'. There's no reason to be scared. "Anyway, I'll send Roses to Franco! You'll make it out of the port now! When Mr. Hazellan takes his cell phone out of his nostalgia, he gives instructions to head to the port town of Franco in a hasty tone. "Thank you. It looks like we can bring Alicia back because of you. We'll get back to you as soon as Alicia gets back.... By the way, what do you do when you meet Alicia? "Mr. Alicia seems to be a strong man, so I was hoping he could be a disciple. But there's another strong man in the mansion. I would like to be apprenticed to one of them while Alicia is away..." "The strong......" Mr. Hazellan looks like he saw something. Do you have any idea who the mighty man in the mansion is? "If you don't mind, can you show me to that one? "I don't mind that... I don't think it's possible to be an apprentice" Is he a difficult one? But you can't come this far and turn back! No, originally, hit it and smash it! "Now follow me as I will guide you" You conveyed my enthusiasm, Mr. Hazellan invites me to the mansion. I walked down the carpeted hallway, up the stairs, and was put through to a certain room. There were two maids. You were giving up the baby, and there's a cradle by your side. Which would be my master...... "Both of you. Outside." Mr. Hazellan let them both out of the room. And point to the cradle. "My granddaughter here - Felicia - is what Mr. Ash calls a strong man." ... Huh? "Felicia is this baby, right? "Yes." "Is the baby my master...? "Yes." Mr. Hazellan nodded without any hesitation. By confidently asserting, Felicia must be a really strong man. This finally solved the mystery of the red dot. I mean, the first red dot I saw was Alicia, and the one I recently revived was Felicia. "It's cute." "He's the cutest master I've ever had." You two care about that, but no matter what you think, you can't train. Sometimes it doesn't make sense, but Felicia didn't get stronger after training. I mean, Felicia can't learn the trick of being strong. When it comes to what you can learn, it's about how to give up a baby at best. "When I'm done with my training, can I stick around? "Wow, I'd like to snuggle too." "Ash, too, you should try to stick around. You might learn something." I wonder if you're trying to inspire me to be Mr. Noir. "I don't mind you two, but Mr. Ash must not touch Felicia" That's right. You don't know what happens when I snuggle around. Mr. Hazellan saw the tournament, and it's only natural to be vigilant about me. "Ash is very good at this. 'Cause when my body shrunk, too, I got stuck." Mr. Hazellan shook his head in a panic when Mr. Noir disputed. "Oh, you're not. What worries me is that Felicia will be attacked by Mr. Ash." "Is Felicia a thug? "No, I'm usually a very quiet daughter... Felicia loves touching men" "Are you able to tell the difference between a man and a woman anymore, even though you were just born? It's clever." "No. It's not just smart. Felicia was born so powerful that she couldn't stand her teeth in adulthood." "How much is power? "My son - he's powerful enough to grip and crush Roses' finger bones, remove his chin bones in a binta, break his teeth, and sneak out his beard" "Parenting is tough." Aside from the difficulty of parenting and Mr. Roses being caught scattered, it's a power that's really baby away. But it shouldn't be so rare to have that much power. I mean, not because of the power, but because the magic slipped out and it was high, it turned into a red dot. I'm sure muscle strength would be like a by-product of magic. I've never heard of it, but if the magic is too high, it may also improve your physical abilities. If that's true, I can't be jealous. The red dot means you have more magic than Mr. Noir. If you train and learn how to use magic, you will undoubtedly be the most powerful wizard in the world. At that time, I'd love to fight. Fighting the strong improves your magic. "I want to do this next time." Even though I just found out there was a promising wizard in the future, it was worth it to be here. Seeing Felicia get stuck by Mr. Noir (looking at me for cancer), I burned my fighting spirit. After the mansion, we came back to the inn. "That was cute. I'd love to have a baby again." "It was cute. It was! That will be absolutely beautiful in the future! Looks like they're both totally at Felicia's. "Ash, too, did you want to snuggle the baby? "Sort of." I just got a little jealous listening to the two of you. Well, I envy Felicia's talent more than that. But even if I envy you, I can't grow. You can grow without talent. Keep training like this, get more magic than Felicia, and let her be a great wizard! In order to do that, we have to head to the next training venue! I don't have time for this! It's check-out time. "It's time to leave the inn." To my word, Nemia starts unpacking. With that sidelined, Mr. Noir has widened the map to show it. "Where are we going next? "Right...... We still have time for Grandpa Maurice's birthday, and I wonder if we can go around the red dots another place." "Maurice and the others are here... is this it? Mr. Noir points to a dense spot of red dots. That's where demons emerge as much as they contend for one or two in the world, called The Devil's Forest. "Right. The red dots are Grandpa Maurice, Mr. Phillip and Mr. Cologne." "Then how about training here? Mr. Noir pointed to a red dot closest to The Devil's Forest. "If you train here, you can join the party as soon as you're done." "I'm glad you're recommending it, but I'll see you there." I knew from the beginning that there was a Red Dot Lord there. I've been watching and pretending not to see... Where that red dot is, it's my birthplace, isn't it? One of the villagers would have seen the moment when I was back on track for my three-year-old on "Demon King Broadcast," and even though she was dressed as a woman then, she should have realized that Ash had returned after just a glance at my face. If we bowl together with our father and mother, we'll feel so awkward about each other. Besides, if my predictions are correct, the Lord of those red dots is that one. That's why I just need a little more training in my birthplace. "I will return to the kingdom of Elstadt for a moment to fight Mr. Cuhle. Let's figure out where to train after that." The first thing you have to do is try the Wizard's debut! If you fight Mr. Cuhle, the most powerful wizard in the world, you'll learn a lot from each and every one of them! I'd also like to say hello to Ai, who helped me financially, and the destination is set in Elstania! "You are finished packing! "Good day. Have you forgotten anything? "It's perfect! "Then let's take the train to King's Capital! That's how we headed to the train station and followed Dracula.
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どこなんだ、ここは? 目を開けると、俺は見知らぬ場所に寝かされていた。 俺はぼんやりとした頭を働かせて、寝る前の記憶を思い起こす。 んっと、確か日課の鍛錬を積んだあと、親父の指示人以上の門下生と真剣勝負をしたんだよな。 そのあと風呂に入って、録画しといた深夜アニメを見て、それから...... あれ? アニメを見たあとなにしたっけ? てか、アニメ最後まで見たっけ? ......いや、見てねえな。 そういえば魔法少女が宿命のライバルに向かって必殺技を放ったところで、目の前が真っ暗になったんだっけ。 で、なんでそうなったかというと、鍛錬中に頭を強打したのが原因だった気がする。 風呂に入ってるときも気分が悪かったし、アニメを見てる途中に気絶しちまったんだろうな。 てことは、ここは病院か? きっと俺が部屋で倒れてることに気づいて、親父かお袋が病院につれてってくれたんだろう。 心配してるだろうし、俺が無事だってことを教えてやらないとな。 俺は呼び出しボタンを探すべく上半身を起こそうとしたが、身体が重すぎて、思うように動けない。 なんていうか、まるで自分の身体じゃないみたいだ。 ま、ナースコールできないんじゃしかたないな。 同室のひとに迷惑かもしれないけど、大声出して看護師さんを呼ぶしかないか。 「おぎゃぁっ、おぎゃあぁっ」 なんか変な声出た!? いやいやいや! ちょっと待って!? 俺の声、こんな感じだったっけ!? もっとこう......ワイルドだった気がするんだが......。 ま、まあこの際声に関してはどうでもいい。 声変わりがどうでもいいと思えるくらい、もっと重大なことに気づいたのだ。 俺の手、すげえ小さくなってる! 思いきり殴れば鉄板に拳のあとを残せると言われるくらい大きく、屈強だった俺の両手が、とっても可愛くなっていたのだ。 なんというミニマムサイズ......。 動きは鈍いけど、俺の思い通りに動く。 てことは、こいつは正真正銘俺の手ってわけだ。 信じたくはないけど夢とは思えないリアル感だし、きっとこれは、あれだな。 どうやら俺はアニメを見ている最中に死んで、赤ん坊に転生しちまったらしい。 やったー! 転生したぞー! 新しい人生の幕開けだー! ......なんて、うかれたことは思わない。 だって、死んじまったってことだもんな、俺。 一人息子の俺が死んじまったんだ、親父もお袋も悲しんでるだろうな、きっと。 稽古中は鬼のように厳しかった親父だが、俺は自分に厳しく他人にも厳しい親父のことを心から尊敬していた。 お袋のことだって、同じくらい尊敬している。もうお袋の手料理が食べられないんだと思うと、すげえ悲しくなってくる。 うちの道場に通う門下生たちも、俺のことを慕ってくれていた。年上が多かったが、敬ってくれていたのだ。 そんな俺の人生を彩る大切なひとたちを悲しませてしまったんだと思うと、申し訳なくなってくる。 かといって、落ちこんでばかりいてもしょうがない。 死んじまったのは不運だったが、転生したのはラッキーだ。いわゆる、不幸中の幸いってやつだな。 せっかくの転生だ。 今度こそ、やり残しがないように――悔いのないよう目の人生を謳歌してやろうじゃないか! 俺は小さな手をぐっと握り、そう誓ったのだった。 異世界に転生して二年が過ぎた。 自力で歩けるようになった俺は何度となく家の外に出る機会に恵まれた。まあ、精神年齢は二十歳を超えたが、実年齢はまだ二歳児なので基本的に親同伴なんだけどね。 とにかく、だ。 自力で外の世界を見ることができるようになり、俺はすげえ事実に気づいてしまった。 まず、俺の交友範囲(つっても0歳~12歳の狭い世界なのだが)にいる連中に『お前、前世の記憶持ってる?』ってな質問をしてみたところ、決まって『は?』みたいな顔をされた。 なかには『アッシュくん(これは俺の名前だ)、頭打っておかしくなっちゃったの?』とか言ってくる奴もいたが......まあ、ある意味正解っちゃ正解だ。 要するに、違う世界から転生を果たしたのは俺だけってわけだ。 あと、俺の身体は死に物狂いの(まあ最終的にマジで死んじゃったんだけどね)鍛錬で身につけた武闘家としてのスキルも完璧に記憶していた。 なにぶん二歳児の身体なので鋼鉄に拳のあとを残すことはできないけど、それは筋肉が足りないからだ。単純な戦闘能力――たとえば喧嘩で勝つのに必要な技術は完璧に備わっているので、俺は同年代の子どもとの喧嘩に負けたことは一度もない。 つっても、二歳児に勝ったところで虚しいだけなんだけどな。 だからというわけではないが、俺はこっちの世界――異世界ヘクマゴスでも武術に精を出すつもりはない。 なにせ異世界ヘクマゴスには、魔法が存在するのだから。 しかも、魔法は特別なものではない。 人類全員が魔法使いなのだ。 この世界では、魔法が日常的に使われているのである! 道場に生まれ、物心つく前から武術の稽古ばかりしてきた俺にとって、アニメは唯一の娯楽だった。 様々なジャンルを分け隔てなく愛してきたが、特にはまったのがファンタジーだ。その世界でど派手な魔法を使うキャラクターたちを見て、俺はいつしか魔法使いに強い憧れを持つようになった。 幼い頃は、親父に隠れて魔法の練習をしたもんだ。 もちろん小学校に上がる頃には、魔法使いは架空の存在だと理解したが。 しかし、しかしだ。 そんな魔法を、この世界では誰でも使うことができるのだ! いまはまだ使い方がわからないが児くらいの子どもが魔法を使って丸太を薪にしている光景を見たことがある。 そのくらいの年齢になれば、自然と身につくものなんだろう。 俺はその瞬間が訪れるのを待ち遠しく思いつつ、今日も食って寝るだけの生活を送るのだった。 異世界ヘクマゴスに転生して五年が過ぎた。 俺は椅子に腰かけ、ぼんやりと夕日に染まる窓の向こうを眺めている。そこでは、となりに住んでる子どもが魔法を使って水遊びをしているところだった。 あいつ、俺より一つ年下なのにもう魔法を......! 俺は嫉妬心に燃え上がる。 けど、べつにあの子が特別優秀ってわけじゃないんだ。だって、ほかの子たちも同じように魔法を使ってるからな。 五歳にもなって魔法が使えないのは、この町では俺だけだ。 つっても、俺に魔法の才能がないってわけでもない......はずだ。 学校に通ってないので魔法の仕組みはわからないけど、魔法を使うには 理論上は魔法杖がなくても魔法を使うことができるらしいけど、そんな魔法使いは歴史上ただのひとりもいないらしい。 ましてや、俺と同い年くらいの子どもが魔法杖を使わずに魔法を使えるわけがない。 つまり、魔法杖さえあれば俺にも魔法が使えるはずなのだ。 俺は精神年齢的に成人している。なので両親に『あれ買って!』『これ買って!』と甘えたことはない。 けど、今日は俺の五歳の誕生日なのだ。 それに、俺の異世界ヘクマゴスにおける願望は『魔法を使いたい』以外にない。 よって、俺は生まれてはじめて親におねだりすることにした。 「あのさ、俺、魔法杖がほしいんだけど......買ってくれない?」 できるだけ可愛くおねだりしたつもりである。 するとどういうわけか、父さんと母さんは気まずそうな顔をした。 どうしたんだろ? お金がないなら、無理にとは言わないが......。 そう言おうとしたところ、 「......明日買いに行くから、今日はもう寝なさい」 父さんがそう言った。 えっ、マジで!? ほんとに買ってくれるの!? いよっしゃああああああああああああああああ!! ついに! ついに魔法杖が我が手に! 前世では武術を極めたが、今世では魔法を極めてやる! 大魔法使いに、俺はなるのだ! 俺はうきうきしながら、どんな魔法杖を買ってもらおうかな、予算はどれくらいかな、なんて考えつつ、ベッドにもぐりこむ。 興奮しすぎてなかなか寝つけなかったけど、やがて睡魔が訪れた。 俺はゆっくりと夢の世界に落ちていく。 「けっきょく、アッシュには××が浮かばなかったな......」 「やっぱり、××しかないの?」 「しょうがないだろ。××が使えない子どもは、一生苦労するんだ。それに、まともな職にもありつけない。そんなことになるくらいなら、いっそいまのうちに××したほうがアッシュのためだ」 「まさか、うちにそんな子どもが生まれるなんて......」 「お前のせいじゃない。運命だと思って、諦めよう」 「ひどい親でごめんなさいね......」 母さんの泣き声が聞こえたような気がしたが、夢か現実かわからなかった。
Where the hell is this place? When I opened my eyes, I was sleeping in a strange place. I work my blurry head off and remind myself of my memories before I go to bed. Hmm, after you did build up your routine, you played serious battles with over a dozen gatekeepers at your father's direction. After that, I took a bath and watched the late night cartoon I recorded, and then... What did you do after you saw the cartoon? Well, did you see the cartoon until the end? ... No, I haven't seen it. Speaking of which, where the magic girl unleashed a special attack on her destiny rival, it turned dark in front of her. So, why did that happen, I think it was caused by a hard blow to the head during workout. I felt bad when I was in the bath, and I guess I passed out on my way to watch the cartoon. What do you mean, this is a hospital? I'm sure my father or mother followed me to the hospital when they realized I was down in my room. You're worried, and I need to tell you that I'm safe. I tried to wake up my torso to find the call button, but my body was too heavy to move as I thought it would. I don't know, it's like it's not my body. I guess I just can't nurse call. I may be annoyed by one of my fellow rooms, but do I have to shout out and call the nurse? "Ooh, ooh, ooh, ooh" Something's wrong!? No, no, no! Wait a minute!? My voice, was it like this!? More like this... I think it was wild... Well, I don't care about the voice at this time. I realized something more important than that so much that I didn't think it mattered. My hands, they're getting smaller! My hands, which were big enough to tell me that I could leave a fist after my fist on the iron plate if I hit them with my mind, were so cute. What a minimum size...... The movement is dull, but it works the way I want. I mean, this guy is my real hand. I hate to believe it, but I don't think it's a dream. It's a real feeling, and I'm sure this is, that's it. Apparently I died watching the cartoon and was reincarnated into a baby. Yay! He's reincarnated! It's the dawn of a new life! ... Oh, my God, I don't think I'm sick of it. 'Cause you mean dead, me. My only son, me, is dead, my father and mother will be sad, I'm sure. He was as tough as a ghost during the audition, but I had a sincere respect for my father, who was tough on me and tough on others. I respect you as much as you do about my mother. When I think I can't eat my mother's hand cooking anymore, it makes me so sad. The gatekeepers who go to our dojo admired me, too. He was a lot older, but he respected me. I'm starting to feel sorry for the one important person who colors my life like that. Or so I can't help but fall. I was unlucky to be dead, but I'm lucky to be reincarnated. It's called luck in misfortune. It's a rebirth. Now it's time for you to sing your second life so you don't regret it! I held my little hand and swore so. Two years have passed since I was reincarnated into another world. Now that I can walk on my own, I've been blessed with the opportunity to get out of the house more than once. Well, my mental age is over twenty, but I'm basically accompanied by my parents because my actual age is only two years old. Anyway. I was able to see the outside world on my own, and I realized the truth. First of all, I asked the guys in my friendship range (even though it's a narrow world of - years old), "You, do you have a memory of a previous life? 'I asked the question, and I decided,' What? 'They looked like that. What do you mean, "Ash-kun (this is my name), you hit me in the head and went crazy? 'Some guys said something like that... well, you're right to answer correctly in a way. In short, I'm the only one who's reincarnated from a different world. And my body was dying and crazy (well, I ended up dead for real). I also remembered perfectly my skills as a militant I acquired in my workouts. I can't leave my fist after my steel because it's probably the body of a two-year-old, but that's because I don't have enough muscle. Simple combat ability - I've never lost a fight with a child my age because the skills needed to win a fight, for example, are perfectly equipped. Even so, I'm just vain where I beat a two-year-old. That's not why, but I'm not going to sperm martial arts in this world - even in the other world, Hekmagos. Anyway, magic exists in the other world of Hekmagos. Besides, magic is nothing special. Every human being is a wizard. In this world, magic is used on a daily basis! Animation was the only entertainment for me when I was born in a dojo and I've been doing martial arts arches for a long time before I was conceited. I have loved all the different genres separately, but it is fantasy that got me into it in particular. Seeing so many flashy magical characters in that world, I've always had a strong admiration for wizards. When I was young, I practiced magic hiding from my father. Of course, by the time I went to elementary school, I understood that the wizard was fictional. But, but. That magic can be used by anyone in this world! I don't know how to use it yet, but I've seen a sight of a five-year-old or so using magic to use Marutai as firewood. At that age, it must be something you wear naturally. While I couldn't wait for that moment to come, I still lived my life eating and sleeping today. Five years have passed since I was reincarnated into another world, Hekmagos. I sit back in my chair, staring across a blurry, sun-dyed window. There, quite a few children who lived there were using magic to play in the water. He's one younger than me and he's already got magic...! I burn in jealousy. But it's not like she's special. 'Cause the other kids use magic the same way. I'm the only one in this town who can't use magic when he's five years old. It doesn't mean I don't have magic talent... I don't know how magic works because I haven't been to school, but I do know that I need a magic wand (Withers Rod) to use magic. Theoretically, they can use magic without a magic wand, but none of those wizards are just one in history. Not to mention, there's no way a kid my age can use magic without a magic wand. I mean, as long as I have a magic wand, I should be able to use magic. I am an adult of mental age. So I said to my parents, 'Buy that!' 'Buy this!' I've never been sweet. But it's my fifth birthday. Besides, my aspirations in the other world of Hekmagos are nothing but 'I want to use magic'. So, for the first time in my life, I decided to treat my parents. "You know, I, I want a magic wand... would you buy me one? I intend to be as cute as possible. Then somehow, my father and mother looked like they were awkward. What's the matter with you? If you don't have the money, I wouldn't say you can't... That's what I tried to say. "... I'll go buy it tomorrow, go to bed already today" That's what my father said. What, seriously!? Are you sure you want to buy it? No, no, no! Finally! Finally, the magic wand is in my hands! In my previous life, I excelled in martial arts, but in this world, I do the magic extremely! To the Great Wizard, I will be! As I groaned, I wondered what kind of magic wand I would buy, what my budget was, and what a thought I would get into bed. I was too excited to sleep, but eventually the sleeper came. I slowly fall into the world of dreams. "Come on, Ash didn't have a xx..." "After all, there's only XX? "You can't help it. Children who can't use XX will struggle for the rest of their lives. Besides, I can't even put myself in a decent position. If that's how it's gonna be, it's better for Ash to xxx it right away." "I can't believe we're having such a child..." "It's not your fault. Think of it as destiny, let's give up." "I'm sorry you're a terrible parent..." I felt like I heard my mother cry, but I didn't know if it was a dream or a reality.